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アニメキャラ・バトルロワイアル 4th 【挑戦2度目】 議論スレ

264本スレ>>195:2015/08/05(水) 00:11:58 ID:NTKhRgeU0


「流子……お前が皐月の手を握る日のために私も戦うぞ」

鬼龍院皐月でも間桐雁夜でもない声が響く。
謎の男の声に驚き間桐雁夜は辺りを見渡すが人影一つ見当たらない。

鬼龍院皐月は身動き一つ取らずに黙って己の胸を見つめている。
釣られて視線を落とす間桐雁夜だが中々に膨らんでいるモノ以外に何があると言うのか。
鬼龍院皐月は唾を一度飲み込み呼吸を整えてから言葉を発した。


「鮮血……今のはお前の声か?」

「――皐月!? 私の声が聞こえると言うのか!?」

「セーラー服が喋ってる……喋ってる……?」

「なに、たしか雁屋と言ったな。お前も聞こえているのか!?」


間桐雁夜は喋るセーラー服を初めて見た。当然である。
どうやら鬼龍院皐月と知り合いらしいが、そもそも服と知り合いとはどんな表現だ。

「これも腕輪の影響なのか?」

「解らない。だがこのチャンスを逃す訳にはいかない。
 皐月よ、私の声が聞こえる内に協力して流子を取り戻すぞ」

「当たり前だ鮮血。お前に言われなくても最初からそうするつもりだ」

流子。
そう呼ばれる存在を取り戻すことが鬼龍院皐月と鮮血の目的らしい。
殺し合いに参加している知り合いの名前だろうか。
気付けば間桐雁夜は誰が殺し合いに参加しているか把握していない。
鬼龍院皐月と鮮血の話が終わったら自分も確認しようと思い、今は黙って彼女達の会話を聞く。

「流子とは私の妹だ……そして鬼龍院羅暁に操られている」

「妹……その流子ちゃんを助けるのなら、俺も協力する」

「済まない間桐さん。今はどんな力でも欲しいのが現実だ。
 私と鮮血だけではもしかしたら流子に敵わないかもしれん――無論、全て正面から捩じ伏せるつもりでいるが」

己の拳を握りながら力強く宣言する鬼龍院皐月。
間桐雁夜には鬼龍院羅暁の名前に心当たりはないが、鬼龍院の姓から紐解くと皐月の親族だろう。
妹が操られている。部外者には踏み入ることの出来ない家庭内事情のようだ。

妹。
その言葉に間桐雁夜は勝手に共感を覚えていた。
例え求められていない救いの手だろうと、自分の視界に捉える不幸を取り除きたい。
もう一度桜ちゃんに笑ってもらいたい。

鬼龍院流子。
名前しか知らない皐月の妹だが愛する妹を救う彼女に間桐雁夜は己の力を貸すだろう。
これでも魔術師の端くれだ。力になれることは少なからず存在するはずだ。


「行くぞ鮮血、雁夜さん。
 絡まった糸を全て斬り裂いて、大元を断ち切ってこの世界を、人類に誇りを取り戻す!」


後光が見えると錯覚する程の威厳。

鬼龍院皐月の長くて短い戦争が幕を開けた。


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