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鏡の世界の迷子の旅路 無断転載
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:
小閑者
:2017/07/16(日) 16:19:42
元を正せば恭也が止めるのを黙殺して話を始めたのは忍なのだが、既にそんな事実は忘却の彼方に追いやっている。程度の差はあれ、この状況は忍が企んでいた通り、恭也が独りで抱え込まないように周囲の関心を集めること、そのものなのだが。
「なのはちゃん、早とちりしちゃ駄目だよ?」
「え?」
「流石に“誰かに造られた存在”って仮定そのものの状況じゃあないとは思うけど、今、何かしら八神君が信じているものが、信じたいものが揺らいでるんだと思う。
でも、彼自身が言ってたでしょ?本人達から言われない限り、絶対に信じないって。信じてやらないって」
「…はい」
「なら、なのはちゃんも信じてあげて。
見たこともない“彼が信じたい誰か”の事じゃなくて良い。八神君自身の事を、心配するんじゃなくて、信じてあげて。
彼が信じたい存在が、信じてきた存在が間違っていないって。根拠なんて無くても良いから、彼が揺らぎそうになったら、励ましてあげて」
「はい!」
不安に揺れていたなのはの目が力を取り戻したことを確認して、忍が気付かれないように安堵した。
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