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避難所スレ

147『主はまたつむじ風の中からヨブに答えられた』 ◆OSPfO9RMfA:2014/12/30(火) 19:31:33 ID:2tV2E4L20

「あとは……そうだな、魔法関連の本って何処にあるんだ?」

 ジョンスはついでに、狭間偉出夫が使ったと思われる『魔法』についても尋ねてみる。もし『魔法』が存在するのであれば、サーヴァントをこの身で倒すのに使えるかもしれないし、『魔法』を知れば狭間に対応しやすくなる。。

「魔法、魔術関連の書籍は、ちょうどこのブロックですね」

 職員が手で示したのは、本が500冊は入ってそうな棚。それが3本分だった。

「結構な数あるな……魔法と魔術の違いって何だ?」
「定義の違いですね。でも地域によって、魔法と魔術の定義が結構違ってたりします。ある地域では魔法と呼ばれる行為も、別の地域では魔術に該当したりすることも良くある話です」
「なるほど」

 真名が分かっていたベルク・カッツェとは違い、ジョンスが望む魔法が記述されている本を探し当てるのは、非常に骨が折れそうだ。
 ましてやジョンスは『魔法』も『魔術』も門外漢だ。本一冊を理解するのにも時間が掛かるだろう。
 『魔法』の知識を得る、という目的の優先順位は下げるべきかもしれない。

 ジョンスは職員に礼を言うと、図書館から出てアーカードと合流する。

「アーチャー、とりあえず飯を食いに行く。そこで今後の予定を立てる」

 今は18時過ぎ。図書館の閉館は22時。図書館は当然飲食禁止だ。図書館に籠もるにせよ、廃教会に行くにせよ、切りの良いこのタイミングで食事を取るべきだと判断した。

「ではマスター、私も頂こう」
「サーヴァントは食わなくてもいいんじゃなかったか?」
「確かに食事が不可欠というわけではない。だが、食事を取った方が魔力は回復する」

 ジョンスが今すぐに廃教会行きを渋る理由がもう一つ。
 現状、アーカードは多大に魔力を消費している。今すぐ戦場に行くと、アーカードの劣勢は容易く予想できる。アーカード自身はそれよりもヴラド三世との戦いを望んでいるようだが、一蓮托生のジョンスとしては余り勧められた物ではない。

「他に魔力を回復する方法はなんだ?」
「マスターからの魔力供給が第一。あとは睡眠や食事、他には魂食いだな」
「魂食いか」

 魂食いは、ジョンスとしては余り気乗りはしない。
 魂食いはある程度なら許容される、と言うのは理解している。
 が、アーカードと戦った際、そこらのチンピラがちょっと怪我しただけでルーラーがすっ飛んできた。
 許容される『ある程度』が、実際どの程度かわかったものではない。

「それから、そうだな。私は吸血鬼だ。血を吸うことで魔力を回復することも可能だろう」
「血か。病院に行けば輸血パックがあるだろうな」

 病院。狭間にマスターとサーヴァントが居ることを教えられた場所。
 病院に行く理由ができたとも言えるが、そこで魔力を回復した以上に消費してしまったら身も蓋もない。リスクとリターンがどれほどかは考える必要がある。廃教会と方向が逆なのもネックだ。
 それに病院に行けば、ベルク・カッツェの伝承も読めない。かといって図書館に引きこもって睡眠を取らせても、大して魔力は回復しないだろう。図書館に誰かが来る可能性もある。

「まぁ、その辺も含めて相談するか」
「了解した、マスター」

 ジョンスとアーカードは、図書館近くのイタリアンレストランへと消えていった。


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