したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

避難所スレ

144『主はまたつむじ風の中からヨブに答えられた』 ◆OSPfO9RMfA:2014/12/30(火) 19:30:28 ID:2tV2E4L20


 アーカードは唇の端を、これでもかと言わんばかりに釣り上げる。

「素晴らしい!! 実に素晴らしい!! さぁ、来い! 今すぐ来い!! 速く来い!! 私を殺し、証明して見せろ!! いいや、待ちきれん!! 私がそちらに行こう!! 貴様は何処だ! 何処にいる!!!」
『D-9の廃教会だ。日付が変わるまで、そこで待つ』
「ほう、そこならルーラーの横槍も入るまい。良いだろう!! 今すぐに迎えに行こうではないか!!」
『お前は余の手で滅ぼす。それまで死んでくれるなよ』

 その言葉を最後に、通話が切れた。







 ヴラド三世は通話を切ると、無言でジナコに携帯電話を返した。

「ど、どうなったんッスか……」
「少し事情が変わった」
「え?」

 ジナコがどういう事か聞き返そうとすると、前方から足音が聞こえた。ジナコは思わずヴラド三世の影に隠れる。
 現れたのは、ヴラド三世のマスター、アレクサンド・アンデルセンだった。ヴラド三世はジョンスやアーカードとの会話中、彼と念話にて連絡を取っていた。

「すまんな、神父」
「なに、アーカード滅殺は王の悲願。彼女は俺に任せて貰おう」
「頼んだ」

 ジナコを無視した会話が行われ、それが終わるとヴラド三世は南へと走り去っていった。
 ヴラド三世はアーカードが来る前に、一度陣地を確認しておきたかった。故に、ジナコをアンデルセンに任せることにした。勿論、何かあれば令呪ですぐさま駆けつけるつもりである。

「え、ちょ、ランサーさん?!」

 もっとも、その説明をする時間さえヴラド三世に取っては惜しい。ジナコはヴラド三世に向けて話し掛けようとしたが、すでに姿が見えないほど遠くに行っていた。
 そんな彼女に、アンデルセンはゆっくりと歩み寄る。

「ジナコさん、でしたかな?」
「ひ、ひぇっ!? は、はい……」
「俺はアレクサンド・アンデルセン。先ほどのランサーのマスターだ。彼に急務ができた。今は俺があなたを保護しよう。よろしいかね?」
「は、はい……」

 ジナコは首を縦に振る。自分を無視した流れに、若干の憤りを覚えると共に、無力故の仕方なさも感じていた。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板