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避難所スレ
143
:
『主はまたつむじ風の中からヨブに答えられた』
◆OSPfO9RMfA
:2014/12/30(火) 19:29:58 ID:2tV2E4L20
「おはよう。私を叩き起こしたのは何処の誰かな?」
ジョンスに念話で起こされ、アーカードはサディスティックな笑みを浮かべて電話に応じる。
『余はランサー、ヴラド三世だ』
「ほう。懐かしい響きだ。その名を騙るとは、よほど命知らずと見える」
アーカードは殺気と怒気を含め、電話越しの相手に返す。
それは、機械を介してさえ伝わりそうなほどの殺意だった。
しかし――
『笑わせるな、“化け物”』
それに対する言の葉は、その殺意すらも貫くほど冷たく鋭利であった。
ヴラドの言葉に、アーカードの笑みが止まる。
『この聖杯戦争が、数多の世界の座より召喚されることは知っていよう。だが、余“が”ヴラド三世だ。ヴラド三世はお前のような醜い“化け物”ではない』
「――くく、くくくくく……」
並行世界、パラレルワールド、もしくは異世界か。
ともあれ、アーカードは認識する。
電話越しの相手が、別世界の“もう一人の自分”であることを。
アーカードは認識する。
“もう一人の自分”は、“化け物”ではないことを。
「はは、はははははHAHAHAHAHAHA!! なるほど、貴様は“人間”と言うことか。ならば問おうヒューマン、私に何の用だ!」
『知れたことを。余の名を穢す“化け物”を滅ぼす。お前は、塵芥も残さぬ』
「そうか、そういうことか」
――『人間のままでいられた強い“人間”<ヴラド三世>』が『人間でいられなかった弱い“化け物”<アーカード>』を殺しに来る。
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