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避難所スレ

142『主はまたつむじ風の中からヨブに答えられた』 ◆OSPfO9RMfA:2014/12/30(火) 19:29:40 ID:2tV2E4L20

 ジョンスはジナコの家を出てからテレビやラジオから情報を得ていない。図書館には当然そのようなものはなく、新都の現状を全く知らなかった。

『新都でこの女の偽者が暴れ回った。この女はその濡れ衣を着せられたわけだ』
「ベルク・カッツェか」

 ジョンスは『偽者』と言うワードにすぐさま把握する。ベルク・カッツェがジナコの姿を真似て、彼女に罪を着せるために暴れ回ったのだろう。奴が変身能力を持っているのは知っている。あのクズ野郎ならやるだろうと、容易に予想が付いた。

 それと同時に、図書館に着いてから少し感じていた違和感についても納得がいった。
 銃を使った戦闘が三回もあったのに、警察もルーラーも全く来ない。おそらく、新都の騒ぎに人を割きすぎて、こちらまで回す余裕がなかったのだろう。

『そいつの名までは知らん』
「そいつには手を出すな。俺が倒す」
『余は手を出すつもりはない。だが、それなら急いだ方が良い。この女は偽者を許さんだろう』
「……そうだな。わかった」

 他人事のようなランサーの口調から、ベルク・カッツェを倒す意思がないのはわかった。
 だが、直接被害を負っているジナコは違うだろう。そのジナコに対して『俺が倒すから止めろ』と言うのは我が儘でしかない。いくら駄肉とはいえ、それを強要する気にはなれなかった。

『それで、れんげと言ったか。彼女はホシノ・ルリと名乗る警官に保護されている。連絡先を教えようかね?』
「そうだな、頼む」

 警官に保護されているのなら、今すぐに電話しなくてもいいか。
 ジョンスはそう思いながらも、ランサーから聞いた番号を、ジナコの電話番号を書いた紙に併記する。

「助かった。用事が終わったから切るぞ」
『待て』

 ランサーが強い口調で止める。
 電話なので一方的に切ることもできたが、色々親切に教えて貰ったからか、その行為は躊躇われた。

『お前はアーカードのマスターだな? 奴に替われ』
「アーカードにか」

 アーチャー、アーカード。ジョンスのサーヴァントだが、今は魔力回復のために寝ている。
 真名は特に隠していないので、ランサーがアーカードの名を知っていることについては何とも思っていない。だが、寝ている彼を起こすのは少々躊躇われた。

「あいつは今寝ている。言伝なら俺が聞く」
『叩き起こせ。奴にも有益な話だ』

 どうしてもランサーはアーカードと直接会話をしたいようだ。
 ジョンスは、仕方ない、と溜息をつく。

「わかった。少し待て」






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