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【艦これ】艦隊これくしょんでエロパロ18

932930:2016/06/06(月) 00:54:16 ID:921OSk/2
それから暫くして、私は再びあの日と同じ無人駅にいた。
同じように終電は既にないが、誰にも連絡はせず、ホームに一人佇む。
あの日、友人から聞かされた話。曰く『どこかに艦娘が暮らす世界に行く方法がある』
最初私は全く信じていなかった。お互い酔っぱらっていたし、そんなのはよくある与太話だ。
誰もが望むが故に生まれてくる夢物語。東では西にあると言われ、西では東にあると言われるような類の話。

だがその話をした数日後、彼が一通のメールの後に行方不明になった。
そしてその最後のメールにはただ一言『辿り着いた』とだけ。

彼は精神を病んでいたのだと理性では考える。孤独に慣れたと思い込んでいただけで結局耐えられなくなったのだ。
だが同時に感情は希望的意見を主張する。
結果、私は試すことにした――どこかで自分も“辿り着く”事を望みながら。
あの日彼が語っていた方法――提督が終電を終えた無人の駅で待っていると、暗闇からダイヤには存在しない列車が現れる。
行き先表示も何もないその列車には乗客もなく到着時のアナウンスもないが、ドアが閉まるまで後ろを振り返らずに乗車するとその世界に行ける。

正直、信じているかと聞かれればノーと言わざるを得ない。
だがそれでも試さずにはいられなかった。宝くじだって当たらないと言いながら買うのだ。
僅かな希望にすがって試す。自分も“辿り着く”事を、即ち壊れてしまう事をどこかで望んで。
私も所詮耐えられなかったのだ。

「……」
だから目の前の光景が信じられなかった。
音もなくホームに滑り込んだ、古い一両編成の列車は、ぼんやりと明かりを真っ暗な無人のホームに照らしている。

そちらに行く

数日前のメールに返信すると、聞いていた通り振り返らずに中吊りも何もない列車に乗り込んだ。
静かにドアが閉まり、真っ暗闇の中を滑り出す。
不意に瞼が重くなり、規則的に伝わってくる揺れが眠りへと引きずり込んだ。




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