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【艦これ】艦隊これくしょんでエロパロ18

311提督×隼鷹:2015/12/10(木) 02:03:54 ID:BFr1zh0E
「どう?少しは気が晴れただろ?」

手早く再び部屋着に着替え、何事も無かったかのようにグラスを口に運ぶ隼鷹。
「旨い酒飲んで、たっぷり泣いてさ。そんで、女と一発ヒャッハーしたら、多少は冷静になるってもんだろ」
三重の賢者タイムだぜ――そんな下品な冗談を言った彼女に、服を正しながら非難の目で抗議する。
でも。

「――そうだね。いや、完全にそういう訳でもないけれど――お陰で、なんだか目が覚めたような気もする」

もしもケッコンした『彼女』の隣で、最後の時を楚々と過ごそうものなら。
悲劇的な舞台装置に悪酔いして、僕は粛々と此処を去っていただろう。
彼女と、僕自身の義務とを置き去りに。

巧くは言葉にならないけれど。人は、動物は、もっと自然に、やりたいことを貪欲に求める時があっても良い。
より強い何かに噛み砕かれる、その瞬間まで。戦いなんて、生きるなんて、結局はそんな――

「いま、何がしたい?提督」
優しくて、それでもどこか挑戦的なその問いかけは、本当に軽快で明るく頼れる「隼鷹」そのものだった。
「――ふたつある。ひとつは、海域の突破。もうひとつは、沈めてしまった彼女――飛鷹を取り戻すこと」
焦りでも恨みでもない、静かな気持ちで、僕はそう答えた。

艦娘は轟沈しても、消えてなくなる訳ではない。
その姿と心とを嵐の色に染め、深海棲艦となっていたならば、撃破により正気を取り戻す場合もあると聞く。
艦娘にとっての大破は『沈没』であり、深海棲艦にとっての大破は『浮上』であるからだ。
そしてもうひとつの手段として、『建造』で沈没した魂が再び降りるという例も、聞いたことがあった。

「何十回掛かるかは、分からないが。何十回でも、やるよ」
「もうひとつは、どうする?」
「治療と看護に回ってくれている新人の駆逐艦に、遠征に行ってもらう。僅かでも燃料を得たら、それを使って更に遠征を回せる。修復剤も得られる」
うんうん、と期待に満ちた瞳が頷いてくれる。思えば、泣きたいのは彼女の方であるはずなのに、と僕は今更ながらに気がついた。
「…正規空母が動かせるようになれば、敵の2箇所の補給地点を奪うことが出来る筈。そうして準備を万全に整えたら、地点を復旧される前に、あの潜水艦とまた――戦うよ」

「その言葉を待っておりました、提督」
「!?」

びくりと振り返ると、そこには新顔であるが故に、無傷で動ける貴重な――
「鹿島です。こちらに、遠征が可能な駆逐艦についてリストアップしておきました」

え、あ、見、見られ…

「この時間になったら部屋に来てくれって言っといたんだよ」
意外と私、やるからねぇ。おどけて軽いウインクをしてみせた飛鷹に、僕は完全に降参を認めた。

「じゃ、今夜の酒盛りはこれにてお開き。明日からは、ちゃんと『あの娘』を大事にねぇ」
「…いろいろありがとう、隼鷹。見せてくれ、鹿島。一緒に執務室に来てくれるか」
ひらひらと手を振ってくれた隼鷹に、しっかりと頷き返す。


そう。僕は、本当の最後までやりたいことを精一杯にやる。
せっかく、応援と助力をしてくれる頼れる仲間たちが、こんなにも居るのだから。




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