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【艦これ】艦隊これくしょんでエロパロ18

308提督×隼鷹:2015/12/10(木) 01:56:33 ID:BFr1zh0E
「じゃあ次はこっち開けるか。――ん、どした提督?もう酔った?」
「酔えるような気分じゃあないんだよ」
小半時が過ぎたか。視界が回る。ひらひらの部屋着からたまに覗く隼鷹の白い脚が、妙に眼に焼き付く。

「ケッコンしたあの彼女も置いていくのか?今なにやってんだ?」
「ベッドで寝てるよ。生命に別状はないが、怪我は直せない。修復剤も、燃料ももう無いからな」

自分への再びの腹立たしさに、再びぐいと一気にグラスを開ける。

「それにケッコンカッコカリはそういう関係じゃない。新しい提督の元で、彼女も、きっと、居場所を…」
「あーあ。それ本人聞いたら泣いちゃうぜ……っと、あらら。…溢れちゃったか」

グラスを見る。琥珀色の液体はグラスの半ばまでしか注がれておらず、別に溢れてはいないように見える。が。
それを観る視界のほうが、酔いではない理由でぼやけていることに気づいた。軽く目頭を押さえる。

「違う、これは…」
「ムリするなよ」

隼鷹が隣に座って、間近で目を覗き込んでくる。心配でも媚でもない、困った子供を見るような優しい視線。

「知ってるぜ。アンタが、勲章までも売り払って燃料に変えたコト。それこそ、裏のルートを使ってまでも」
「ああ。出撃する燃料の一滴のため、沢山の艦載機も洋上補給も潰したさ。……それが、どうした。物資不足なんてどこの戦場も一緒だ。僕は結果を出せなかった」
「良くやったよ、アンタは。あたしも、他の艦娘も、そう思わない奴は一人もいない――勿論、アイツもだ」

返答に詰まる。そんなはずはない。きっと恨みと後悔の中で、彼女は。

「泣きたかったら泣けばいい。誰も見てない。あたしの胸でよきゃ、貸してやるよ。ほれ」
まるではるか年上の女性のように、耳に静かな声色と共に、隼鷹の両腕が僕を包み込んできた。
「……」
何かに吸われるように、そのまま自然に身を預ける。リラックスした女性の優しい香り。柔らかな胸の感触。
そして、何よりも、温かさが。
僕が深海に沈む冷たい躯に変えた、あの彼女が永遠に失ってしまった、その温もりが。

「…っ、」
一粒が、頬を流れ落ちる。
その後は、堰を切ったように留めることが出来なかった。

「…『飛鷹』…。…すまなかった、僕は…僕は……無能だ…ッ!!」

喉から嗚咽が溢れる。隼鷹の細い身体に縋り付き、僕は声を上げて泣いた。




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