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【艦これ】艦隊これくしょんでエロパロ14
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DMMのブラウザゲーム、艦隊これくしょん〜艦これ〜のエロパロスレです。
エロ妄想なりSSなりご自由にどうぞ。
シュチュやネタ妄想雑談しつつ、ゆるーく行きましょう。
SSは形式不問、長いのも短いのもエロいのもエロくないのもご自由に。
リョナ・強姦・死姦・スカトロ・ふたなり・性転換などの特殊嗜好を含む内容は注意書き必須
百合・女性提督ネタは百合スレで、こちらに投下の場合は注意書き推奨
【艦これ】 艦隊これくしょんで百合 ←検索したら出ます
■■禁止事項
批難中傷・荒らし
SS作者以外による改変/改竄および他スレへの投下
投下のあからさまな妨害・その他スレの空気を悪くする言動
上記を行った場合は警告なしで削除とホスト規制します。
※次スレは>>980を踏んだ人が立ててください。
公式
http://www.dmm.com/netgame/feature/kancolle.html
艦これエロパロ避難所板
http://jbbs.shitaraba.net/otaku/16725/
保管庫
http://www55.atwiki.jp/kancolle_ero/
第二避難所
http://jbbs.shitaraba.net/otaku/16725/
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潮ちゃん改二でおっぱいがどうなるのか… 気になって夜はティッシュが減るばかりです
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>>788 暑くて脱ぐのは加賀さんだろ!…と思っていたけれどよく考えたら普段から体温高いからお酒飲んでも暑さ感じないかもしれないんだよな…
>>789 より強調されるか、それとも着痩せ化するのか。
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隼鷹が妊娠したら
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ちゃんと禁酒できるか鎮守府で賭けの対象とされます
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>>792
今はノンアルコール日本酒もあるんだよ
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最近布団に入ると弥生ちゃんといちゃらぶする妄想が止まらない
弥生ちゃんから司令官以外の呼び方をされるならお兄さんと呼ばれたい
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睦月級から漂うシスプリ臭
名前的にはハピレスだが
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>>685 暁は無理に飲んで倒れたり吐いちゃったりしそう。初雪は布団の横にお酒の空き瓶とか空き缶の山ができてそう。
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>>795
常識人な睦月、子供っぽい卯月、男っぽい皐月くらいしか共通するのいないな
あとは弥生がきさらぎ(うづきからはきーちゃんと呼ばれている)に近いって感じだな
そういやハピレスのアニメ版の主人公の名前はチトセだったよな。男でむつきと結婚するけど
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>>797
睦月級が1番お兄云々言って違和感ない気がする。
吹雪級はクラスメイト
暁級は家族
陽炎級は幼馴染
朝潮級は部下
島風級はペット
まさか艦これスレでハピレスの最後を知るとは思わなかった
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G'sの系譜ってベビプリの後ラブライブなんだよな…あの雑誌ほんと人生ブレイカーだな
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今更だけど武蔵には日焼けのラインみたいのが無いんだよな…
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>>799
俺がこの道に沈んだのは咲耶のせい(最初に見たのはドリマガだが)
秋雲って何故か咲耶と外見が微妙に似ている気がしてしまう
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ここはエロパロスレだから優男だったりし艦娘に警戒されない提督ってのは無理なのか?
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>>802
ん? どういう意味?
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ん?何でもするって?
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>>803 一緒に寝ても何も起きなさそうって言えば分かるかな?
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突然電波を受信して即興でプロット書き上げたから、
まず導入部だけ投下するよー
それにしても大井以外を書くのは1年ぶりだ……
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せっかく疲労を回復させていたところなのに、何故だ。
下腹部をこそばゆいようなくすぐったいような感触で、自分の意識は深海から浮上して行くのが分かる。
自分の中の時計はまだ習慣付られた睡眠時間を刻んでいないようで、不快感に見舞われながら徐々に覚醒させられる。
そんな中、やがては下腹部を液体で濡らされ始めた事も分かった。
いい歳して寝小便? そんな訳が無い。
それだったら外気に晒されて寒い思いをする訳がなく、下穿きの中が蒸れる筈だ。
それだけでなく、一点だけは熱い。
この感触が催してしまった事によるものではないのは明白な訳で。
「……っ」
「ぅー……、ぺろ、ぺろ。……ん、んん……ちゅ……」
自分の砲身に口を押し付けていたのは、航空戦艦山城であった。
自分の砲が立派な物に改装されてしまっているのは山城の所為ではない。
人とは眠りから醒める時、全身の神経に隈なく命令を送る。
男の場合そこの神経も活性化されるので結果、肥大すると言う事だ。
断じて山城の所為ではない。
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「おい。何をしている」
「れろ。……見て分からないんですか」
問い掛けを問い掛けで返すな。
何のつもりだ。自室に戻って寝ていろ。
明日もまた、私もお前もやる事はある。
「ちぅ……、私を使うつもりなんかない癖に」
何を拗ねているんだ。
今日お前は出動していただろう。
演習において潜水艦を交えた艦隊が一つあったからお前に出撃命令を出した事、もう忘れたのか。
「ちる、たったそれだけ、ぺろ、じゃない……」
「いいからやめろっ」
自分は黒髪を纏う山城の頭を精一杯の力を込めた両手で押し退けた。
山城は不満気だ。
降ろされていた下穿きとズボンを直し、砲身をねじ込むように無理矢理格納する。
横に退かされていた布団も被り直し、山城から顔を背けるように寝返りを打つ。
「明日も潜水艦を相手にする事があったら考えん事もない。今回の事は不問にするからもう寝なさい」
「…………」
僅かな沈黙があった後、一隻分の重さを受けていたベッドが軋み、その圧力がなくなった事を示す。
扉が控え目に開閉の音を立てる。
山城は部屋を出て行ったようだ。
自分はその音を聞き、布団の中で大きく溜息を吐いた。
明日も仕事だ。寝なければならない。
だと言うのに、山城に付けられた唾液のお陰で砲身は一向に鎮まらず、
自分は悶々としながら再び深海に意識を落とすのに時間をかける事になってしまった。
……………………
…………
……
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次の日の晩。
自分は壮烈な既視感を覚えながら摘まむように必死に惰眠を貪ろうとしていた。
「ちゅう……、ぇる、れる、ぇうー……」
まただ。
もう少し強く言ってやらないと駄目らしい。
自分は辿々しい動きによって局部に与えられる感覚を振り払って起き上がった。
「っ!」
勢い良く上体を起こした自分の顔を見て、山城は驚いたように私の砲身から舌を離した。
その小さな舌も山城の口の中に引っ込んだ。
自分は私の砲身に添えていた白い両手を掴み、そこから離す。
「…………」
山城の赤い目を睨んだが、山城はまるで怯んでおらずうんともすんとも言ってくれない。
山城はやはり不満そうな、よく見ると悲しそうな顔をしていた。
しかしそれは知った事ではない。
私の局部に覆いかぶさっていた山城の上体を両手を押し退ける事で下手糞な正座に移行させた。
やはり立派な物にさせられている自分の砲身の我儘もまた知った事ではなく、私は下腹部の服装の乱れを整えた。
それから私は山城にしゃんとした正座で向き合う。
「山城、少し話をしようか」
「…………」
はいとでも言ったらどうなんだ。
俯き気味に視線を落とすんじゃない。
人と話す時は目を合わせなさい。
「一体どういうつもりなんだ。私と山城はそんな関係ではないだろ」
「……近代化改装よ。これで、欠陥戦艦とは言わせないし」
山城は此方を睨み返すように視線だけを上げて戯言をのたまってくれた。
何を馬鹿な事を言っているんだ。
何が不満なんだ。
読心術なんか持ち合わせていないんだから、口に出してくれないと分からないぞ。
こう諭しながらも、自分の語気は静かに苛々が含まれて行くのが分かる。
「……提督。昨日はあんな事を言っておいて、今日は使ってくれませんでしたよね」
またその話か。
確かに考えん事もないとは言ったが、別に約束した訳じゃない。
今日どのような事があったからと言って、明日の事柄を透視できる能力がある訳でもないんだ。
「"ケッコンカッコカリ"、ってあるじゃないですか」
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あるな。
頭が花畑と化したらしい上が考えた制度だ。
「昨日の演習の中に一隻、それをしていた艦がいたじゃないですか」
いたな。
元帥殿が最も気に入っているらしいあの艦は、他の艦とは練度の格が違ったな。
お前もその艦を狙うのに苦労していた。
「その艦が言っていたんです。夜は提督とこういう事をしていて、それがとても幸せだって」
演習後の情報交換の時間で聞いたのか。
その艦は一途に元帥殿に愛されているのだろうな。
……で?
その艦がそう言っていたから、自分もそういう事をすれば幸せになれる筈だと?
ふざけるな。
浅はかにも程がある。
「これで二度目だぞ、いい加減にしろ。
山城の考える幸福ってのは何なんだ。自分でも分からないなら強引に私を巻き込むんじゃない」
最早怒気を言葉に込める事は抑えられなかった。
こんな形でこのような行為を強要されて、嬉しい訳が無い。
不愉快だ。
自我を持った艦娘がそうであるように、自分もまた良いように扱われていい道具じゃない。
山城は幸福になりたいのかもしれないが、これでは私が不幸だ。
人に不幸を押し付ける等、幸福がそんな汚い事の上に成り立つ物である筈がない。
「罰を与える。山城にとっての幸福が何なのか、考え直してきなさい。
相談ならいつでも受けるから今日のところは帰れ」
人差し指で私室の扉を指差しながら促す。
こうやって自分は拒絶の意を尖らせて現す。
山城は前髪で目が隠れる程俯き、一瞬右手を目元へ持っていった。
何の仕草か分からなかったが、その後顔を上げた山城の赤い目は少し潤んでいるように見えた。
気のせいだ。気のせいに違いない。
「……分かりました。迷惑かけてごめんなさい」
悲しそうな顔をいい加減どうにかしろ。
これではまるでは私が悪者ではないか。
流石にここまで辛辣な言葉は口にはせず、
自分を正当化するための免罪符として心の中に縛り付けていた。
山城は、昨日より控え目に扉を閉めて出て行った。
この珍事、どう対処したら良いのだろうな。
あれだけ山城に大言を叩いておきながら、布団の中で自分はそんな自問の雨を浴びていた。
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今日のところはここまで
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期待して待ってます
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作者がおもしろいw
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乙
据え膳食べてから幸せにする方法考えても良いんじゃないかなw
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乙
これってもしかして、提督依存山城?
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乙
殴り飛ばしても、それはそれで依存しそうなキミの悪さよ
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エロ姦隊陣形。
単縦陣:6人1列になって、順に前の奴をバックでハメてく陣形。
複縦陣:3人2列になって単縦と同じことをする陣形。横目に同じ事をしてる奴がいるので、それを見て興奮することはできるだろう。
輪形陣:対面でハメてる二人の背後を、別の奴がハメ、さらに横から両手に茎の、輪姦陣形。
単横陣:所謂痴態のお披露目陣形。踊り子さんにはお手を触れないでぇください。
梯形陣:単横陣の変則。
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>>817 これが発想の勝利ってやつだな。
>>805 つまり艦娘に男として見られてないということか。
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>>810
続き待ってるで
>>805
この山城さんみたいに逆レイプさせればいいがな
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>>817
あれ、なんかこれ男だけでやってる姿が一番に浮かんだ…
実際はペニバン付けた女だけってパターンなんだろうけど。
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>>820
フランスだったかイタリアのおされポルノでショタ好きでもある男がちっぱいの彼女にペニバンつけて貰って云々というのを昔見たのを思い出した。
RJにやってもらうか
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>>818 なんとなくだけど最上型と相性が良い気がするな。
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どうも提督が艦娘に振り回されてるイメージが頭を支配してて困るな。
深海棲艦出現時
提督(頼もしい)>艦娘
平常時
提督(ふにゃ◯ん)<<<<艦娘
みたいなイメージ。
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夜戦中(性的)
提督>>【超えられないお○ん○の壁】>>艦娘
とかだと俺は好き
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>>824 金剛は改修の際に日本産のドリルが折れてしまった逸話を知ってからは夜戦において唯一提督に勝てる艦娘だと思ってる。
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>>810の続き行くよー
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私は、提督に叱られてから素直に自分の部屋に戻って布団に身を預けていた。
隣の布団では姉が憑き物なさげに寝息を立てているけど、私はその姉のようにはなれないでいた。
横になると再び緩んできてしまう涙腺から流れる一粒の涙を拭う気力も起きない。
――私、提督に嫌われてるのね――
自分でも忘れそうになるが、私はこの鎮守府では最古参の戦艦だ。
提督が言うには初めての戦艦らしい。
まだ不慣れな様子を隠し切れていない提督が物静かに挨拶し、手を差し伸べてきたあの頃の記憶も、
今では忘却の危機に晒されている。
その頃のここは私以外に戦艦はいなかったし、姉も含めて幾つかの戦艦が私より後に建造されてきた。
艦が多く増えていくまでのしばらくの間、秘書艦として提督の補佐をしてきた経験もあるが、
その記憶もまた崖っぷちでつま先立ちしているような状態だ。
何せ、記憶に留めておけるほど特徴的な出来事があったわけでもない。
あの頃の私は執務に慣れようと奔走するのに必死だった。
対して不慣れだった提督の姿を見れたのは極短期間で、その後は仕事人間と言える性格の全貌を露わにした。
それから私達の関係はいつまで経っても上官と部下でしかなく、淡々とカレンダーを捲ってきた。
そしてある日を境に、秘書の座を降ろされたのだ。
私にとってはもうそれなりに執務や出撃に慣れることが出来ていた頃で。
さあ明日も頑張ろうと思っていた矢先、めっきり艦隊にも招集されなくなった。
この鎮守府に配備される時期が私より遅れた姉はその後も暫くは持ったが、
やはり私と同じように艤装を部屋の置物にせざるを得なくなった。
それからの提督は、私達より性能の良い戦艦を招集するようになって行って、今に至る訳だ。
ここまで鑑みて、私が提督に好感を抱かれていることを決定付ける出来事が全く無かった事に気付いた。
救いなのは、提督がその後継の戦艦組にも私と同じような態度で接していることか。
果たしてあの提督が感情を心から溢れるようにして曝け出す相手がこの鎮守府にいるかは永遠の謎だが、
それでも今日の提督の仕打ちは私にとってかなりショックな出来事となった。
提督は私達艦娘を部下としか見ていない。
好き嫌いの感情はない。
私の中で長く保ってきたそういう前提が崩れた。
あんな提督だって男の人だし。
対して私は女。
艦としての性能は欠陥レベルでも、人格の方くらいはまだ並に自信を持っていたのだ。
それなのに突き放されるなんて、滑稽の極み。
提督の局部は反応を示していたけど、今思えばそれは私の与えた刺激がそうさせただけだったのだ。
興奮していた様子は微塵もなかったのだ。
あの提督は性欲基準で物を考えるタイプではないことを失念していた。
あの場面までいってなお提督に鬱陶しがられる、と言う事はやっぱり。
嫌われている。
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「……っ」
いつもの口癖も出ない。
ただ、これは提督に嫌われている事がショックなんじゃない。
提督に嫌われているということは、艦だけでなく人格の方も欠陥があったということを示しているのだ。
それがショックだから、涙が漏れているのだ。
……そんな有様でも姉だけは心から信頼できる唯一無二の味方だ。
姉が私を受け入れてくれれば、私は艦底の下駄を脱いで海に身を投げる気にならなくて済むのだ。
話を戻そう。
不幸のどん底で姉だけは私の事を受け入れてくれるが、私はそれだけでは我慢できなくなっていた。
不幸のどん底で互いの傷を舐めるのは、
不幸の底なし沼に一人で沈む事と相対的に見れば幸せかもしれないが、
絶対的に見てしまうとそんな訳が無い。
私はこの現状では満足出来ていないのだ。
あの鎮守府で提督とケッコンカッコカリを行った艦の話を思い出してみる。
毎晩提督と夜戦をしている。
それはとても幸せな事だ。
夜戦とは具体的に言えばこうこうこういった事をするのよ、と言っていたが、
経験のない私は話の内容を半分も理解できなかったように思う。
とにかく、まずはやってみるだけやってみようという突っ切った考えの下私は動き、
自分で自分を近代化改装させるべく提督に夜這いをかけた。
不幸の渦中にずっと巻き込まれ続けた私にとっての幸せが何かなんて、もうよく分らない。
いくら考えても纏まらず、思考はぐちゃぐちゃになっていくだけだ。
だから、提督に拒まれてお説教されたところで自分の意志は変わらなかった。
藻にも縋る思いの私は、
提督と夜戦をしてみれば何か状況が変わるはずなのだ、という短絡的な思考しかできなくなっている。
提督の出した罰は何だったっけ。
山城にとっての幸福を考え直せ、と。
ならば、私はそこに抜け穴を作ってしまおう。
適当にでっち上げて、提督と夜戦する事が私の幸福なのだとでも説得してしまおう。
「もうやめさせないわよ、提督……」
私は、深く布団を被って目を瞑った。
……………………
…………
……
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次の日。
提督の元から現行の秘書が離れた晩の頃を見計らって、私は執務室の扉を叩いた。
「入れ」
「失礼します」
命令が下りたので扉を開け入室する。
提督は依然として執務に励んでいるようだった。ご立派なこと。
フローリングの木目の奥の執務席に鎮座する提督は、私の顔を見てなお顔色を一切変えず問いてくる。
「どうした」
「昨日の事で話があります」
私は提督の執務卓の前まで歩き、提督を見つめた。
それから、赤いスカートの上で両手を重ね、深々と頭を下げる。
「まず、昨日は迷惑をかけてしまって、すみませんでした……」
「……嗚呼。それについてはもう気にしていないから大丈夫だ」
部下に気を遣ってのコメントなのだろうけど、
私はこれを"お前のあんな醜態なんか思い出したくない"と言っているように解釈してしまう。
手が痺れるように震えるが、我慢。
本題はここからで、うまく提督を頷かせなければならない。
書類を提督宛に書き上げてポストに投函する選択肢は、私にはなかった。
直談判でないと押し切れない気がした。
「それで、昨日言われた通り私にとっての"幸福"というものを考えてきたので、お願いがあります」
「何かな」
「まず一つ。私をもう一度主力艦隊旗艦に、そして提督の秘書艦にさせて下さい。
二つ。扶桑姉様も随伴艦とさせて下さい」
私は嘘の理由で象られたお願いと、本心からのお願いを並べ立てる。
そして、一間置いて本質のお願いを述べる。
「三つ。提督は私と、や、……夜戦をして下さい」
軍帽のつばの下に潜む、まるで値踏みするように鋭くさせている目を見つめる。
提督はペンを握ったまま瞬き一つしない。
何を考えているのだろう。
数秒待ったが、何の反応もないので再度私は頭を下げる。
目を瞑って祈るように懇願する。
「お願いします」
「……頭を上げてくれ」
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言われた通り頭を上げる。
提督はペンを置き、軍帽のつばで陰っていた目元を、顔を上げることで明かりを受けていた。
提督は机に肘を突いて顎を手で擦り、まだ値踏みするような訝しげな目をしている。
「山城にとっての幸福が何なのかは聞かない。
最初の願いは受け入れよう。
次の願いは出動目的や資源のあり方で毎回はできないと思うが、努力はする。
だが……」
戦艦タ級に特攻をかける位に後先考えず放ったのだが、嫌われている割には意外にもすんなりと通ったものだ。
ほっと安堵するのも束の間、最後の回答を待つ。
提督は作戦を編み出すのに行き詰まった時のように軍帽を脱いだ。
心底理解が出来ないという様子だ。
提督は私の内を覗き込むように首を伸ばして目を凝視してくる。
「最後の願いは本当にお前にとっての幸福なのか?」
ま、昨日あんな事があった手前、疑われて当然か。
それでも私は、下手に心の内を漏らすことがないよう唇をきゅっと結び、ただ無言で顎を引く。
「……分かった、受けよう。仕事のない夜に好きな時に来るといい」
提督はやはり、何を考えているのか見透かせない顔のままに軍帽を被り直した。
前衛作戦はうまく行った事を確認し、私は執務室を後にした。
……………………
…………
……
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次の日、約束通り提督は私を秘書に任命した。
これから久し振りに提督とほぼ一日を共に過ごしていくのだ。
すぐに見限られないためにも、自分の責務はしっかり果たさなければならない。
のだけど……。
「あの、提督。これはどうすればいいんでしたっけ」
「嗚呼、これはな……」
最古参の面目は渋いお茶の底に沈んでいた。
ずっと前に提督の秘書を離れてから今まで何をやっていたか問われても、語れる事は何もない。
他言できない疚しい事があったという事ではなく、本当に何もない。
だからお茶淹れも、執務を処理する腕も、すっかり訛っていた。
私が以前秘書をやっていたあの頃とは書類の内容も違っているから尚更だ。
これでは駄目だ。
こんな醜態を晒すために提督に頭を下げてここにいるのではない。
隣に座って、私とは対照的に何も聞かず執務を処理していく提督の足を引っ張りに来たのではない。
私は書類に何をどう書けばいいのか、この書類をどこに仕分けるべきか、
多少分らなくても提督には聞かず生半可な考えで処理して行こうとする。
「山城。これ違うぞ」
なのに、自分の書類に集中しているように見えた提督にすかさず指摘されてしまう。
「あっ、……ごめんなさい……」
またやってしまった。
焦る気持ちが一人歩きして、ついてこれていない実力が警鐘を鳴らす。
こんな調子では秘書なんかさせてもらえない。
保身のために出た謝罪の言葉が震える。
まだ出来るはず。欠陥戦艦とは言わせたくない。
本心は醜く足掻いてこう叫ぶ。
俯き視界の半分を書類で埋め尽くしていたが、視界の端から不意に提督がこちらへ手を伸ばしてきた。
「ひっ……!」
私を嫌う提督がとうとう堪忍袋の緒を切らした。
殴られるか髪を掴まれるか。
艦娘の肉体は防御力が格段に向上されているとか関係ない。
何も強化されていないどころか、下手すれば人並みより精神が弱いかもしれない私は、
提督から体罰が来るという予想に怯え、ぎゅっと目を閉じた。
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「っ……?」
しかし、息を呑んだ私の予想に反し乱暴な衝撃は来なかった。
頭にあるのは何?
私や姉とは違い、ごつごつした手。
その手付きは子でもあやすように優しい。
そうやって私の髪を、頭を撫でている?
この感触は今まで経験がない。
ゆっくり瞼を開いて広げた視界には、私の頭に伸ばす腕と、私を見つめる真顔の提督の顔があった。
「えっ……、あっ、あれ……」
私は非常に困惑した。
そこは怒る場面じゃないの?
なんで私は頭を撫でられているの?
なんで提督は私を撫でているの?
提督が何を考えているのか分からない。
でも私の中にさっきまで感じていた恐怖心などは消え失せている。
提督はゆっくりとだがたった三度だけ頭を撫でて手を離した。
「あっ……」
「山城には久し振りの執務なんだから。分からない事があったら遠慮せず聞いていいんだよ」
提督はそんな事を言って、私がミスした書類の訂正作業を始めた。
私も自分のミスしたところがどういう具合に訂正されていくのか見なくちゃいけないはずだけど、
私はぼーっとして提督の横顔を見つめていた。
一心に私を見つめて救済の言葉を優しくかけてくれた時の提督の顔を思い出す。
――こんな提督でも、笑ったりするのね――
あれは ぱっと見、いつもの真顔。
しかし、注意深く見れば笑っていたような気がする。
何よりは目。
目は口ほどに物を言うとはよく言った物で、いつもの淡白な提督像が少し掠れた。
夜這いを仕掛けたときは目も口も険悪な雰囲気があったけど、今見たそれらの雰囲気は全く真逆で。
酷く剣呑なまでに冷たく波打っていた私の心の海は、温かく穏やかな物へと変わって行った。
「よし、出来た。山城も、欠陥呼ばわりされたくないならどんどん聞いていけよ」
「……欠陥? 私が? ち、違いますから」
この人のらしくない冗談を躱しながら、私は再び書類の丘に手を付ける。
……………………
…………
……
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「不幸だわ……」
結局私は、欠陥戦艦だった。
南西諸島海域を制圧する任務を遂行すべく艦隊の旗艦として華々しく出撃したけど、
不幸と足の遅さと装甲の薄さが災いしたか、
敵主力艦隊の戦艦から重い一撃を貰って入渠し、起きてみればもうこんな真夜中だ。
戦艦は入渠が長いのだからあまり被弾してはいけない性能を求められるのに、この様。
姉を始めとする随伴艦に気遣われる旗艦なんて、情けない。
執務も戦闘も一人前に出来ないなんて、この先未来はあるのか。
「はあ……、月はあんなに明るいのに……」
一寸先はあの遠くから照らす月さえない真っ暗闇か。
不幸の私には、お似合いかも……。
「ふ、ふふふ……。あれ……」
海辺の堤防をやや俯きながら歩いていると、ぽつんと申し訳程度に置かれているベンチに人影が見えた。
こんな夜中に誰だろう。侵入者?
下駄を鳴らしながら近づいてみる。
粗末な電灯が、その人の横顔を微かに照らしている。
「……山城か」
そういうあなたは、提督じゃないですか。
軍帽を脱いでベンチに背を預け、朧げに紫煙を燻らせている。
「隣、いいかしら」
「どうぞ」
何となく、だ。
同族を見つけたような気持ちになって、私もベンチに腰を落ち着かせる。
提督とは三十サンチほどの距離を開けて。
目の前に広がる黒い海を眺める振りで、横目で提督を見やる。
提督はどこを眺めているのか分からない目付きで煙草を嗜んでいる。
「寝ないんですか?」
「……眠れなくてな」
か細い声もあってどこか儚げだ。
らしくない。
私の知る提督は、ネガティブな今の私のようにこんなところで途方に暮れる姿が似合う人じゃない。
私が提督の事をほとんど知らないから、そんな身勝手な感想が出るんだけど。
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「山城はどうしてここへ?」
「……へ?」
まさか提督からそんな事を聞かれるなんて。
提督は艦娘の私情には全く興味を示さない人物だと思っていた。
無感情な目で私を見つめる提督からの思わぬ問い掛けに気の抜けた声が出るも、すぐさま本心を口走っていた。
「私、何をやっても駄目だなって思って、気付いたらここに来ました」
何と要領の得ない回答だろう。
自分で言って呆れる。
提督はそれだけ聞いてまた海の方へ顔を戻した。
不気味なまでにひっそりとした海が、ざああ、と寝息を立てる。
提督は煙草を咥え、それから重く溜息を付くように、ふうー……、と白煙を吐き出す。
「山城が被弾したのは、私も悪い」
「え?」
提督は、今なんと言ったのだろう。
「私が適切な命令を出せなかった不手際で、山城に手傷を負わせてしまった」
どう考えても、随伴艦が避けろと叫んだのに避けられなかった私の不手際だと思うんだけど。
提督の横顔は遠回しに馬鹿にしているようには見えず、自分にも責任があると本気で捉えているらしい。
そう言って体の重心を前に置き、背を丸めて地面に視線を落とす提督を見ていると、
私は急に何か言ってあげないといけない衝動に駆られる。
「わ、私っ……。頑張りますから!」
「山城?」
「今日は全然駄目でしたけど、欠陥戦艦なんて言われなくなるよう、頑張ります。
だから、提督がそんなに悩む必要はないんです……」
「……山城は優しいな」
"だから"の使い方が合っていないこんな拙い言い分でも、
提督はほんの少しだけその横顔に安堵したような笑みを浮かべてくれた。
褒められた、のかな。
それが嬉しくて、私は気付かれないよう静かに腰を提督の方に少しずらす。
何も知らない提督は煙草の火を明るくさせて、また白い溜息を漏らす。
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「今日みたいにうまく行かない日は、仕事が終わってからここに一人でいるんだよ」
そういえば、提督の言葉遣いも執務真っ最中の時と違って柔らかい。堅っ苦しい厳格な言葉遣いはどこへやら。
そして、それにはまるで"こういうことはよくある"という意味でも含まれているように聞こえる。
こんな提督でも"うまく行かない日"は多いのだろうか。
「そういう日はもやもやするから何となくで煙草に当たるんだけどね。
一時的に何も考えなくなるだけで何も変わらない。
自分でも何がしたいのかと思うよ……」
提督は短くなった煙草を挟んだ指で弄んでから、地面に叩きつけて踏み躙った。
それを拾って、揉み消したそれを携帯灰皿に仕舞い、全てを無かったことにしようとする。
背もたれに身を沈めてそんな事を言う提督の声の抑揚はひどく平坦で、提督はまるで他人の話をしているよう。
何だか、ここまで来ると提督に親近感が湧いてきた。
遥か遠くを走っているようで、実は私と大して変わらないところで足踏みしているのではないか。
締まらないぼんやりした顔で空を眺める提督に見つからないよう、更に腰をずらす。
機械のようだと思ってきたけど、提督だって、一人の人間だったのだ。
もう今の提督に警戒心と疑心は、ない。
だから私は、こんな事まで聞いてしまう。
「提督は、私の事……嫌いですか」
「……嫌いだなんて言った事はない筈だぞ」
「はっきりしてください」
「嫌いだったらこんな事を喋ったりしない」
「もっと」
「山城の事は嫌いじゃない」
あの晩、不幸、だと思ったのは私の早とちりだったか。
嫌われていない。
それだけでも私は随分と救われた気持ちになっていた。
それなのに。
「寧ろ、こう優しくしてくれる山城は好きな方だよ」
――反則だわ――
そんな科白、姉以外に囁かれた事はなかった。
ここまで言えとまでは言っていないつもりだった私は、冷たい潮風が吹くにも関わらず体を、特に顔を熱くさせる。
じんわりと胸の中を何かが満たしてゆく。
この気持ちは何だろう。
ああ、そうだ。
きっと、姉だけだと思っていたら、提督も私の味方だった事が分かって嬉しいのだ。
私は、今一度腰を静かにずらす。
ぴったりと、私の体が提督にくっついた。
-
「山城?」
「提督って、似てますよね。私と……」
「そうか?」
「はい。ですから、今度またここに来る時は、私も誘ってくれませんか」
「……山城が迷惑じゃないならな」
こっちからお願いしているのに、そんな気遣いまでしてくれる提督と黄昏る事が、迷惑なわけがない。
こてん、と提督の肩に私の頭を預けても、何も言わないでくれる提督と一緒にいて、迷惑なわけがない。
提督から伝わる熱が私の心を穏やかにしてくれて、私は目を閉じた。
端から見れば幸せでも何でもないだろうけど、憩いの場を一つ見つけた私は、確かに小さな幸福を感じていた。
この幸福を存分に味わいたい。
暫くそうしているとその思いが強まり、私は提督に囁く。
「提督」
「どうした」
「私が言った三つ目のお願い、覚えてますか」
「……覚えてるよ」
「今ここで、それをしようと思うんですけど」
「……お前、自分が今どこで何を言ってるのか分かってるのか」
分かっている。
でも、今提督が欲しくなったのだから仕方が無い。
思えば、私がここで提督を見つけた時からこうなる運命だったのだろう。
煙草の火のように、静かながらも確かに燃え始めた情欲を、私は抑えようとは思わない。
「提督が嫌いなら、諦めます」
「……何度も言わせるなよ。嫌いじゃない、って」
提督はどういうわけか、このお願いも本気で受け入れてくれるみたいだった。
夜這いを仕掛けたあの時と比べると、対応がまるで正反対だ。
「どうしたんですか、本当に。あの時はあんなに怒ったのに」
「あの時のお前はやりたくてやっているようには見えなかった。だから止めたんだよ。
こうする事が自分の幸せだときっぱり言うなら、私は受け入れる。山城の好きにするといい」
-
それは心なしか、提督自身にも言い聞かせているように聞こえた。
それなら、と、私は席を立って提督の前に立ち、跪く。
私は拒絶する余地を残すつもりで、両手でやんわりと提督の足を開かせた。
提督は宣言通り全く抵抗せず、嫌な顔もせず私を真顔で見下ろす。
私は恐る恐るズボンのファスナーをつまみ、ゆっくりと下ろしていった。
その穴に手を入れ、下着の中を探って取り出した。
提督の砲は最初小さいままで、ちょっと可愛い。
だけど、それは手を添えて観察しているだけで、すぐに私を威嚇するように戦闘態勢に入っていった。
「提督、興奮してるんですか?」
「見れば分かるだろ」
口は素っ気ないけど、そこは正直みたい。
こんな私でも興奮するんだ。
ないと思っていただけに反動は大きく、意外だし嬉しい。
何本も血筋を浮かべて大きくなったそれは、
潮風で冷やされた手で握ってみると、手が温められるほど確かに熱かった。
私はそれを熱く見つめながら握った手を上下に動かす。
「っ、っ……」
提督が息を詰まらす音が聞こえる。
浮いた血筋の手触りを感じながら、砲身を観察する。
私の扱う無機質な砲とは違い、生きたそれはどういう構造をしているのか、時折びくっと震える。
「はぁ……、はぁ……」
私の少し荒くなってきた息が、それに当たるのがこそばゆいらしい。
小さくて可愛いとは思ったが、大きくなっても可愛いままだった。
これは、優しく愛でてあげないといけない。
私はそう悟り、顔を近付ける。
濃い提督の臭いが一杯に鼻を満たすが、不快には感じなかった。
感じた事のない独特の臭いだけど、癖になりそう……。
「はぁ……、んむ」
くにゅ、と唇を砲身に押し付ける。
あ、また震えたわ。
これだけでも物怖じするなんて、提督じゃないみたい。
「ん、んん、んぅ……、えぅ、ちろ、ちろ、ぺろ……」
「っ、く……」
堪らなくなって舌を這わせてあげるでも、提督はやや強く息を吐き出す。
なんだ。あの晩は強気で押し退けておいて、実は経験多くないじゃない。
「うぅ、えぅー……、ぺろ、……はぁ」
|
|
-
でも、私はまず経験が全くない。
だからこれくらいしかできない。これより先のことは知らない。
舌を離し、目を動かして提督の顔を見上げる。
……眉間に皺を寄せて口を結ぶとは、苦しそう。
「提督。私、この後どうしたらいいか分かりません。教えて下さい……」
「唾液を多くしてから、咥えてくれ」
提督は迷わず開き直ったようにそう答えた。
提督の断らせる気力は完全に奪う事に成功しているようだ。
一方こちらも準備は出来ている。
とっくに沢山出ている唾液を舌に乗せ、再度それの腹を砲身の先端に押し付ける。
口も小さく開いて先端を包み込み、歯を立てないように気を付けながら、ずるりと呑み込んだ。
「ぁ、むぅっ……」
「うっ……。舌を動かしたり、頭を上下に動かしてみろ……」
「っ……」
ほんの少しだけ顎を引くことで了承の意を伝える。
舌をどう動かすのかを具体的に教えて欲しかったけど、そこまでの不満を漏らすのは無粋だろう。
試されているということにしておいて、私は言われた通りにしようとする。
と言っても、口の中を埋め尽くさんとばかりに砲身は熱膨張を起こしていて、
舌を満足に動かせるほど口の中にスペースは残されていない。
硬い砲身を無理矢理押し退けるように舌を動かす。
「……んぐ、おぇ、んちゅ、えぅ、ちゅる……、んう」
「おっ……、く……」
提督は呻くのを堪えている。
経験ない私だし、堪えるのは簡単よね……。
「ちゅる、んむぅ、はぁ……、んく、じゅる、はぁ、……」
鼻からでなく、わざわざ口に隙間を作らないと呼吸もままならない。
たどたどしいのは自分でも分かっているけど、それでも精一杯に舌を動かす。
巻きつけようとする私の舌が提督の砲身を更に熱くしているのか、あるいはその逆なのかも分からない。
咥えて舐め回すままに、提督を見上げる。
「う、はあっ……」
負けないくらい熱っぽい吐息を提督は抑えられていない。
なんだ。これでは提督も経験が全くないみたいじゃないか。
やっぱり、提督は私と似ている。
楽しくなってきた私は、行為をエスカレートさせた。
「ん……ちゅ……、ん、んっ、んっ、ふっ」
-
「く、うっ、あっ」
言われた通り、頭を上下に動かしてみる。
口の壁で砲身を擦る。
歯が当たらないように気を付けるのに精一杯で、あまり大きく上下させることはできない。
小刻みながらもそれなりのスピードはつける。
「う、うああっ、やま、しろっ。すぐ、出ちまっ……」
出る?
何が?
脳内演習どころか予習さえしていない私は、どこから何が出てくるのか皆無検討がつかない。
まずそれは出てはいけない物なのかすらも。
しかし今更撤退する選択など、今の私にはあり得ない事だった。
単純な動きのままどこを目指しているかも分からず突き詰めて行く
「ふっ、んむ、んっ、んんっ、ぅ、んぐっ!? んんっ、んんぅぅぅぅ……!!」
すると、突然何かが私の口の中を染め上げた。
じわあ、と熱い液体が広がっていく。
――不味っ!? 何、これ――
味覚が新しい感覚を図鑑に登録しようと、頭にそれを送ってきた。
苦いような、臭いような、一言でひっくるめるなら不味いとしか表現できない直撃弾を喰らった。
提督の砲身を咥えるどころではなくなった私は、
こんな時でも最後まで歯を立てまいと砲を解放するのに時間をかける。
……まさかとは思うが、本当にここから出てきたの?
口を離すと、提督の砲身の先端にある小さな裂け目と私の唇が白い何かで結ばれていた。
それは一瞬の事で、重力に負け切れてしまったので未だに口の中身の正体を確かめられない。
この口の中に残ったもの、どうしよう。
「はあっ……。……や、山城?」
「……! ……ん、んん、ぅ、くっ、んぐっ、こく……っ! げほっ!?」
-
――不幸だわ――
口の中に入った以上、飲むしかない。
少なくとも人間の体から出た物であるから、毒ではないはず。
覚悟を決めて体内に納める事で事を収めようとしたけど、
それは不味いだけでなく物凄い粘度で、少し飲み込んでから盛大に器官を犯されてしまった。
みっともなく私は提督の足の間で咳き込む。
よく考えてみれば、最初から私の目的はこれにあった。
提督が出してくれる液体Xを取り入れる事こそ近代化改装の裏の手順であるはずだ、と。
今出来る限界まで近代化改装を終えていた私は、これを行えば更に強化できる。
なのに、私の口から灰色の地面に向かって白い何かが吐き出された。
ああ、勿体無い。
限界を超えようと無茶したのに、なんてこと。ふふ、ふふふふ……。
「山城。誰も飲めなんて言ってないんだぞ」
別に誰から言われてやっているわけじゃない。
自分のためだ。
でも自分に跳ね返ってきたこの苦痛に、私は未だもがき、涙ぐむ。
すると、私の背中に何やら擦るような感触が。
いつまで経っても咳き込み続ける私を見かねてか、提督が手で撫でてくれていた。
こんな事をしたって体の拒絶反応は収まらないけど、精神的には苦痛から大きく逃れる事ができていた。
私の体の怒りが鎮まってくれるまで、提督は優しく温かい手付きで背中を撫でて待ってくれた。
「けほっ……はあ……。て、提督、次は……?」
「いや、夜戦はこれで終わりだよ。よく頑張った」
体の津波が去ると、提督が今度はやんわりと笑って頭を撫でてくれる。
その言動はどう見ても私を子供扱いしていたのが分かったけど、
反論する気も起きず提督のあやしに甘んじる私は子供よね、と思った。
というか、大人か子供かなんてどうでもよかった。
安心感を覚えさせる提督の細くないこの掌でこう撫でられる事は、
私にとっては確かに小さくも大きな幸せだと感じていたから。
「こんな時間なのに付き合ってくれて、悪かったな。もう戻ろう」
提督は下腹部の乱れを整えてから、愛想ない口調に戻してそんな事を言う。
私は、本当にこれで終わりなのだろうか、と釈然としない疑問を馳せながらも素直に提督に従った。
火照った体を、涼しいくらいの潮風が撫でてくれていた。
-
終わり
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GJ!
-
乙
なんというかこれでハッピーエンドなのかもやもやするな
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>>741 ハ◯ターハ◯ターみたいに情報分野とかに関しては現代並みに発達してるって可能性もあると思う。
>>743 某虫頭よろしく解体されても艦娘の意識が入った資源が残っていれば復元が可能ってのを思いついてしまった件。
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少しの資源と吹雪のパンツがあればいい
>>844
>解体されても艦娘の意識が入った資源が残っていれば復元が可能
もしかして:富江
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寒くなるたびに思うけど艦娘って風邪引いたりすんのかな?
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>>840
続き待ってたぜ、乙です
山城には幸せになってもらいたいけど不幸だわーって感じる山城が一番かわいいわなww
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>>843
まだ終わりじゃないよ
あと3本くらい続くよ
>>846
風邪引いて出撃不可能になる可能性を大本営が問題視しないと思わないから
薬剤投与で耐寒仕様風邪引かない と思ってる
大本営が艦娘の管理に技術的に手を出せればの話だけど
>>847
それでこそ山城の魅力ってもんよ
不幸不幸良いながら奥底は幸せって山城を目指したい
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>>848 風邪引いてめっちゃ発熱する加賀さんとか考えてたのに…現実ってものは非常だよ。あと、今更かもしれないけど>>841GJ。そのうち幸せすぎて不幸とか言っちゃう山城を想像しながら続き待ってるよ。
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>>841
乙
不幸だわー(+少しづつ増すかも知れない幸せ)=山城って感じのバランスが良いと思いました
もう山城はまかせちゃっていいかな(最初の10行ぐらいで詰った山城SSをごみ箱にD&Dしながら)
俺が書くとむやみにネタか湿っぽくなってしまうよ何とかしないと
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ふとした時にキャラとそのエロシーンが頭に浮かぶので形にしようとはしてみるものの
濡れ場にいくまでの日常シーン途中で文才のなさを自覚して取りやめることはや9回
迷いなくかける人たちが羨ましい
本当真面目に
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>>840
ええぞええぞ
自己評価低い娘は鉄板やね
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>>840
山城はエロいですね。
改二が楽しみですわ。
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私の初体験の話をしよう。
まず知って貰いたいのが私は恥ずかしながらその時まで童貞であり、また素人であったという事だ。
しかし、しかしだ。提督である私はそれを恥と振る舞い、小銭入れには突撃一番を常備していた。
相手などいなかったのに、だ。
秘書艦として寄り添ってくれた彼女から誘われた時は、嬉しくもあり複雑な気持ちであった。
ふがいない。そう思ったが機会を逸するほど愚かではなく、執務を午前中に終え、夕方には街に繰り出した。
食事はいつになく豪華な物を選んだのだが、味は良く思い出せない。
先輩から以前教えられた連れ込み宿に向かう途中は気が気ではなかった。
一つは私が素人と感づかれやしないかと、もう一つは誰かに咎められぬかという、今思えばばかばかしいものだった。
湯浴みをするため、服を脱ぐ彼女に私は酷く興奮した。
無論、悟られぬように振る舞いには注意していたつもりではある。凝視せず、さりとて目を背けぬように、だ。
衣擦れの音、一糸まとわぬ女体、それから、良くわからない男を狂わせる香り。それらが私をおかしくさせていた。
どうにか湯殿で致す事をこらえた私は彼女と一つの布団に入った。
彼女から口づけを求められ、耳元で好意を告げられ、私は糸の切れた凧のように彼女を求めた。
未熟な乳房にむしゃぶりつき、臀部をあるいは女性器を愛撫した。
来て、とそう囁かれた時、私ははたと気づいた。愚息は果たして突撃一番をしていないではないかと。
ああ、小銭入れは果たしてどこにやったものか。そうだ、湯浴みをする前に衣服と共に置いてしまったではないか。
いかようにすれば自然に突撃一番を取れたものか。いや待て、付けずに応じるのが正しいのだろうか。
そんな考えが頭の中を渦巻いた時、私の愚息は萎えていた。
終わった、呆れられる。そんな風に思った私に暖かさが触れた。抱きしめられたのだ。
焦らずゆっくりで。弥生はここにいるよ。
その言葉に酷く情けなくなった私は泣き崩れそうだった。
……どうしたの。
私は洗いざらい話した。突撃一番の事も、素人であることも。
分かった。
そう言って彼女は、突撃一番を持ってきた。私だけではなく彼女も用意していたのだ。
されど、わたしの愚息はそれを付けられる状態ではなかった。
だから、彼女は私の愚息を暖かで小さな手で包むとそれを扱いた。
……がんばれ。がんばれ。
情けないのでこの後は割愛する。
-
>>850
湿っぽいのは大好物なんで是非ともサルベージしていただきたい
>>854
投下しようと思ったら何か始まろうとしてたから待ってたのに終わりかい
それくらい書けるならもっと書けるだろがんばれがんばれってお前に言いたい
人の投下直後に投下はどうかと思うから明日の朝にでも見計らってみます
-
投下します。
※渋の某イラストシリーズのパロディ的な要素あり。
※相手役は提督じゃないかもしれないけど、司令官かもしれない。
-
「んぐっ!」
気付いた時には、弥生の顔が俺の目の前いっぱいにあふれていた。
両腕でがっつりと固定して逃げようにも逃げられない。
あんな儚そうな美少女のどこにこんな怪力があったのか疑問に思うくらいだ。
だがそれも単純な話だ。
弥生は艦娘だからだ。
駆逐艦とやらは戦艦や空母に比べて馬力は少ないが、それでも俺よりは遥かに力のある存在だ。
「んっ……ちゅっ……あふっ……んんっ」
弥生は目を閉じて、舌を俺の口内に潜り込ませてくる。
初々しいながら、しかし弥生の舌は俺の歯茎や舌を念入りに欲する。
いつも儚げで、それでも可愛らしい彼女は必至で俺を求める。
まるで何かを求めるかのように。
しかし離れようとする俺の頭部をがっちりホールドしている。
とろける接吻からは逃げられず、弥生の甘酸っぱい唾液を送り込まれ続ける。吸われ続ける。
-
「れろっ……ぷはっ」
そして弥生は儚げな雰囲気と裏腹に野獣のように口を離す。
唾液のブリッジが俺と弥生の唇の間に繋がって、どろりと落ちる。
「……弥生、怒ってないですよ」
「怒るとしたら襲われたこっちの方だ」
「…………襲ってないですよ」
いきなりとろける接吻をされたのはこっちの方だ。
しかし弥生が目を潤ませて今にも泣きそうなのはなぜだろうか。
「泣いてるのか?」
「泣いてないです……」
「悲しそうだぞ」
「……きっと、昔に戦死した友達の事を思い出してるから……」
そういって目を伏せる弥生は、先ほどまで怪力を振るっていた人外女には見えない。
弥生がまだ中学生くらいの年齢の頃、彼女が艦娘として所属していた第三十駆逐隊の戦友が目の前で沈んだという。
「……『如月の事を忘れないでね』と言ってました。如月は私や睦月の目の前で沈んで行って……それでっ!」
弥生は震えながら焦点の合わない目で呟く。
「あの子が現れました……」
-
「2人目の如月か」
「何人目かは知りません……ですが『あの子』はまた現れました……私と一緒に悲しんでいた睦月を抱きしめていました」
艦娘は同じ姿で現れる。
艦娘の子供へ受け継がれる事もあれば、『ドロップ』する事によって生まれ変わる事もある。
ただ一つ分かるのは、弥生の友達であった如月は沈んだ。
その後に睦月型駆逐艦「如月」と全く同じ顔をした艦娘が現れた。それが弥生のいう「あの子」なのだろう。
「その『あの子』は悪い奴なのか?」
「私は避けてますが、睦月は壊れたように『あの子』を追いかけまわしていて何を言ってるのか私にはわかんない……でも卯月は『あの子』とも仲良くしてるみたいで……」
「いい奴なのか?」
「……きっとそう。ただ私が『あの子』を見るたび、私達の目の前で沈んで行った如月の事を思い出すだけで……」
戦場でPTSDは良くある事だ。
それが陸の上でも海の上でも同じなのだろう。
目の前で友人が沈んで行き、その友人の生まれ変わりとも言える艦娘を避けてる自分に罪悪感があるのだろう。
「だがそれじゃ俺への無理やりな接吻の理由にはならん」
「……艦娘の子供は色々と障害を負うリスクが高い事はわかってる」
「……弥生?」
「でも私の子供であるなら、それはもう一人の『弥生』であるわけで……子供の弥生を私が母親として愛せるなら、少しだけ『あの子』の事を許せるかも……」
「お前何を言って……」
「だから……っ」
-
突然、弥生に押し倒される。
いくら抵抗してもこんな悲しそうで今にも壊れそうな女一人抑えきれない。
「だから私は貴方とセックスします……それで妊娠して、もう一人の『弥生』を産んで……その子は艦娘にならないよう育てます……っ!」
「やめろ弥生……お前まだ19歳だろ」
「関係ない……っ」
弥生は俺を艦娘の馬力で抑えつけながら、再び無理やり唇を奪ってくる。
「んっ……れろっ……ちゅっ……んんっ」
先ほどよりも荒々しく、両腕と両足で俺を拘束しながら艶めかしい舌づかいで迫る。
弥生は艦娘としての怪力を使い、俺のズボンをみるみるうちに引き裂いてふんどしも引っぺがす。
そして俺のちんぽいがそそり立った。
「ぷはっ……起ってるね」
「そりゃあんだけ接吻すればな」
「追い詰めます……任せてっ!」
弥生は俺を固定化しつつ、自分も下半身を脱ぎだす。
彼女の儚い紫の毛が、その秘所に生えそろっていた。
「ここに入れれば……もう一人の私が……産まれる」
「怖いのか……だったら止め……」
「いいえ。元第三十駆逐隊を……舐めないでっ!」
「なっ!」
弥生は一気に腰を下ろし、俺のそそり立ったちんぽいを自らの秘所へ導いた。
その勢いは一気に弥生自らの処女を、俺のちんぽいで貫かせる事となった。
-
「うぐっ……やってくれたね……」
「やったのはお前の方……」
「怒ってなんかないよ……怒ってなんか……んっ」
「んぐっ! んっ……っ!」
弥生は処女喪失の痛みをこらえながら、涙を浮かべて俺の唇を再び奪う。
舌をすすられながら、両腕と両足で俺の体を固定して、必死で俺の子種を得るべく腰を動かしている。
その淫らで儚い一人の女に対し、間違いなく欲情している。
それでも与えられる快楽を我慢していた。
「早く……出してっ!」
「駄目だ……弥生考え直せ! 友達のことを忘れるために好きでもない男の子供なんか孕んでも」
「何……言ってるのっ!」
弥生から与えられる暴力的な快楽に対し、耐えていた。
「弥生……あなたのこと……だいすき……だよっ」
「っ!」
弥生の愛情染みた告白が、限界だった。
「弥生っ! 弥生ぃいいいい!!!!」
「……あはっ!」
弥生の子宮に向けて、子種を思いっきりぶちまける。
もう誰がなんと言おうとも立派な中出しそのものだ。
「はぁっ……はぁっ……」
弥生は力尽きたように放心する。
-
だが下半身の接合だけは解こうとしない。
「……弥生、怒ってるか?」
「ふんぬバーニングファッキンストリーム……」
「本当に子供を産む覚悟はあるんだな?」
「如月もあの子も関係ない……一人で子供を育てる覚悟もある……」
「いくら元艦娘だからって19歳でシングルマザーなんて無理だろ……」
「でも……」
「結婚しよう」
「……いいんですか?」
「ああ、せめて幸せな家庭を築こう」
例え逆レイプされたといっても、友達の死を何時までも引きずっているこの艦娘の事は放っておけなかった。
そんな事を考えるのも男のサガなのだろう。
そして一度中出ししてしまった事で覚悟も座ったのか、俺のちんぽいは白濁液を放出したにも関わらずまたも元気になっていた。
「済まない弥生。また大きくなってきた」
「え……でも、私、中だししてもらったし……」
「じゃあ好きにさせてもらうか」
「……いいけど」
弥生にキスをする。
今度は無理やり奪うようなキスじゃなくて、ねっとりと味わうような幸せなキスを。
そしてこの後、滅茶苦茶セックスした。
-
19年後
弥生家はなんだかんだ言っても、それなり以上に幸せな家庭を築いていた。
娘も一時期は成長が止まっていたものの、18歳の今はかつての母親によく似た女性へ成長出来ていた。
「お母さん。電さん、妊娠してたよ」
「そう。電さんに何か失礼な事とか言わなかった?」
「元気な赤ちゃんを産んでほしいって言ってきた。子供かもしれないけど、艦娘が子供を産むのはきっと間違いなんかじゃないと思ってるから」
「……そうね」
娘にふんぬバーニングファッキンストリームする事はあっても、弥生は艦娘であっても一人の母親として接してきた。
艦娘であったとしても、子を成していく事は決して間違いではない。
「お母さんは早く私を産んでくれたんだよね。お父さんに襲われたの?」
「えっ。えっと……子供がそんな事言うものじゃないの」
ちなみに睦月型の中で最も早く結婚して子を産んだのは弥生だったりする。
〜了〜
-
ふんぬバーニングファッキンストリームwwww
ハッピーエンドは読んでるとほっこりするな、乙
-
乙です
立て続けに弥生が来てびっくりした
こちらも行きます
-
「山城が帰ってこない?」
自分は航空戦艦扶桑の言葉の主語をオウム返しした。
扶桑は不安ながらぷりぷり怒っても自然そうな顔だ。
「ええ。最近増えてきまして……。
提督は何かご存知ありませんか?」
「いや。執務は日付が変わる前には終わらせる事が多いから、分からんな」
嘘だ。
自分が原因なのは冒頭から確信している。
この国は神が八百万はいるように、嘘も八百万はある。
……これも嘘だ。実際のところは八百だが、多い事実は揺るがない。
扶桑の怒りの矛先が此方へ向かないよう、自分は冷や汗を掻きながら白を切る。
「兎に角、今度注意はしてみる。それを聞いてくれるかの保証は出来ないがな」
元より注意する気もないので予防線も張っておく。
山城に責任を全て押し付ける事になってしまうが、許せ。
夜な夜な連れ出してくれと頼んで来たのは山城なのだ。
「お願いします。あの子、何かあるとすぐどこかへ行ってしまうので……」
頭頂部を晒してから、扶桑は姉どころか母親の顔付きで挨拶し、執務室を去った。
……………………
…………
……
-
「と言う事があった」
「ごめんなさい、姉様……」
山城は俯いてここにいない姉に謝罪の言葉を零す。
それでも、山城はこのベンチを立とうとはしなかった。
比較的良好な天気が続いてはいるが、海は自分らを責めるようにざあざあと喚く。
「あまり長く続くと、自分らが疚しい関係だと疑われるかもしれないぞ。控えた方が良いんじゃないか?」
「……気にしないわ」
良いのかそれで。
自分はともかく山城が面倒な憂き目に遭うんじゃないか。
実際に疚しい関係となってしまったが、自分にそれを止める気はない。
抵抗が全くない訳ではないが、憂いを共有できる仲間が一人くらいはいた方が幾分か落ち着く。
つまるところ、こうして深夜に庁舎を抜け出して山城と二人きりで他愛もない事をぽつりぽつりと交わす事に、
自分はかつてない心地よさを感じていたのだ。
その後に続く拙くも疚しい交わりもまた然り。
「て、提督はそう思われるのは嫌ですか?」
いいや。自分は気にしない。
先程の地での科白を口に出す気はないが、この時間の為ならそんな問題は些細な事だ。
「そうですか。なら私も気にしません」
「そうかい……」
「だから、これからもやることは変わりませんね」
ふと隣へ振り向くと、山城の赤い目と自分の目があった。
すると、山城はふわりとした笑みを浮かべてくれる。
反省する気は全くないようで、自分は安堵するように顔から力が抜けた。
「ふう……」
自分は色のない溜息をついた。
山城を気遣って、あれから山城がいる時は煙草を吸っていない。
それに山城が相手をしてくれるのに、わざわざ身体に毒である煙草に、口を、肺を預ける必要もない。
一人煙草でくすぶるよりも、こうしている方がずっと心のケアになる。
「扶桑が寝たのを見計らって抜け出すのがいいんじゃないかな」
「そうかも……」
親の目を盗んで逢引するおとぎ話は、世に幾つあるだろう。
少し面白い。
-
「合言葉とか、決めてみませんか」
「合言葉?」
「姉様が寝たのを確認したら、私が提督にそれを言うんです」
山城も中々面白い事を考えてくれる。
自分と山城しか知らない、鍵の言葉。
色褪せない子供心を未だ宿すこの身は、みっともないが考えるだけでわくわくしてくる。
となると、それはどんな形にしようか。
悩む時間もなく、物を考えるとき上を見る人間の癖が、すぐに答えを運んで来てくれた。
白銀の満月が、儚げに黒い夜空の中で輝く。
「月が綺麗ですね」
「へ?」
「と言うのはどうかな」
山城を見やる。
山城は、月に隕石でも落ちたところを目撃したように呆然として私を見つめている。
自分で言った後で、これは少し気取り過ぎかと反省しようとする。
が、それより先に電灯に照らされた山城の顔が少し赤く染まった。
「てっ、提督……。それ意味分かってるんですか?」
「分かっているよ。
唯使う相手がいないし、これは少し憧れていたからどうせならここで使ってしまおうと思ってね」
自分は命落とすまで、ここに身を置くつもりだ。
そして、部下から一人引き抜いて娶ろうという企てがある訳でもない。
だからそれに関しての望みが薄くなっていた自分は、そこのところは随分投げやりなのだった。
「はー……。提督でもそういう浪漫を感じるんですね」
「お前の中の私はどうなっているんだ」
「だって、普段がああだから……」
仕事の時だけだ。
軍人として然るべき理想像が、自分にはある。
只それは決して感性も感情も捨てているような姿ではないのだが、そう思われていたとは知らなかった。
「それで、提督は何と応えるんですか?」
「応える、とは?」
「提督の了承の言葉ですよ」
-
そうか。
そういえば合言葉とは言われた方も決められた言葉を返してやっと成立するのだった。
山城からの合図を設ける事ばかり考えていて、その事を失念していた。
何故なら。
「私が断る事はないから、それは要らないと思うんだがね」
「何を根拠に……」
「山城が時間さえ弁えれば、私に損はないんだよ。寧ろ……」
その続きの言葉は、既の所で呑み込んだ。
この疚しい間柄でその続きを言ってしまうと、聞きようによっては軽蔑されかねない。
「寧ろ……何です?」
「何でもない。了承の言葉は"そうですね"とでも言っておくよ」
「適当ですね」
いいんだよ適当で。
単純明快だろう。
重要なのは私が返す言葉ではなく、山城がかけてくれる言葉なんだから。
-
「はあ。とにかく、決まりですね?」
「嗚呼」
「"月が綺麗ですね"。……月並みですけど、悪くないです」
くす、と山城も楽しげに賞賛してくれた。
自分らだけが刻む秘密の日常にもたらしたこれが、
今後どのような変化を生むのだろうな、と先々の日々に想いを馳せる。
「では早速使います」
「は?」
「月が綺麗ですね」
突然山城が自分の世界に入ったようで、自分はついていけない。
もう既にこうしているのに、今使って何の意味があるんだ。
「……自分から決めておいて、何ですその顔は」
「いや、だって……」
「察して下さい。この後、いつものして下さい。って事です」
嗚呼、そっちか。
考えてみれば、この後の交わりの有無は何時も山城が決めていたのだから、何も可笑しくはなかった。
此方を小馬鹿にするような事を言っておきながら、山城も気に入っているんじゃないか。
全く。
……………………
…………
……
-
「今日は、どうしたら良いですか?」
まるで待ち遠しいかのように、暁の水平線を隠すように山城は私の正面に立つ。
切っ掛けを持って来るのは何時も山城だが、主導権は何時も自分に委ねてくる。
山城を秘書に戻してからそれなりに経ったが、逢引は毎日行っている訳ではない。
だから、これに関しては山城はまだまだ練度は低い。
それを言うなら自分もそうなのだが、山城は受けの姿勢に身を置き続けた。
これも山城の望む幸せに入るのかは分からない。
「そうだな……っ」
ひゅううううぅぅ。
山城の艦橋から艦底までを眺めながら考えようとすると、冷たい潮風が音を立てて自分らを舐めた。
寒い。
思わず自分の体を抱くよう擦る。
だがもっと寒そうなのは山城だ。
空気の入りやすい構造をしている巫女を模った上部装甲に、袴を短くしたような下部装甲だ。
「……提督? 寒いですか?」
「まあね……」
しかし、山城は何食わぬ顔でいた。
よく考えれば、当たり前だ。
艦娘の肉体が耐寒仕様でなかったら、露出部のある格好のままこんな夜更けに表に出ないし、
その格好を年がら年中保ち続ける訳が無い。
一方、まだ冬は訪れていないので防寒対策は要らないだろうと呑気にしていた自分は、
今ここに熱源となりそうなものは目の前のそれしかないと踏んだ。
「私に跨るんだ」
「跨る……?」
山城の艦底を地につけさせてやるにはベンチが邪魔な為、自分も尻を前にずらしてベンチに浅く座るようにする。
疑問符を浮かべておずおずとする割には、
山城は指示通り的確に私の足、正確には下腹部に馬乗りになってくれた。
山城はそれだけでなく、まだ口に出していないのに私の首に両腕まで巻き付けてくれる。
「こ、こうかしら……」
それでいい。
では此方も、とズボンの腰周りを緩める。
下穿きも下にずらし、己の逸物を取り出した。
-
「わぁ……」
感嘆の声が漏れてるぞ。
しかし指摘はせず、続けて指示を出す。
「これに乗っかって、腰を前後に動かすんだ」
言われるままに、山城は私の下腹部の露出を下部装甲で隠した。
自分のそれが、体重のかかった布に沈むのが分かる。
「んっ、と……。潰しちゃってますけど、重くないですか」
大丈夫だよ。
健康的な程度で良い事だ。
ある程度の重さがないと、これからやる事が快感に恵まれない恐れもある。
「そうですか、男の人の事情は知らないけど。……んっ」
山城が腰を前に動かす。
「……っ! ……?」
ところが、自分はやや痛みを覚えた。
布の目が粗いようで、期待していた程の快感は来ない。
自分は咄嗟に手で山城を制止させた。
不可解な顔をする山城に問う。
「山城。お前、下着は何を履いている?」
「……褌ですけど」
山城は少し蔑むような顔で答えた。
そんな目をするな。
艦娘の下着事情を熟知している変態じゃないんだ。
それにしても、褌とは。
となると、この感触は木綿か。
「すまん。褌とは知らなかったから、少し痛い」
「そうなんですか」
「……脱がなくて良いから、あの部分だけ布をずらしてくれ」
山城は、少し腰を浮かせて下部装甲に手を突っ込む。
もぞもぞさせてから再び腰を降ろされた時、自分は生々しい素肌の感触を得た。
甲斐あって、これなら痛い思いをしなくて済みそうだ。
山城に事を再開するよう促す。
「下着を教えなきゃいけないなんて、不幸だわ……。んっ」
-
まだ濡れていないながらも、痛みはなかった。
山城がゆっくりと前後に腰をピストン運動させる。
「っ……、っ、ん、うん……、なんだか、変な感じ……」
山城の顔はまだ羞恥心のみに支配されているだけの様子。
潮風に容易く吹き飛ばされる程度の微かな山城の喘ぎだけを耳に取り入れ、静かに情欲を燃やしてゆく。
「んっ、んっ、はぁ……、ん……」
そのままそれだけの動作を続けていると、
喘ぎと言うより只の呻きのようであった山城の声も色を帯びてくる。
柔らかい肉の割れ目を充血した自分の逸物の、特に凸になっている部分が主な刺激の産出を担っている。
「う……」
今から火照ようとする自分らの身体を咎めるように、潮風が撫ぜる。
再び寒さに震えた自分は、山城の背に手を回し、やんわりと引き寄せた。
腰を止めたが山城は拒まない。
抱き寄せて山城の二つのタンクに顔を埋める。
「提督? 寒いのね……」
そうだ。
それだけだ。
母に甘える赤子の体勢になってしまうが、そんなんじゃない。
自分はいい歳した大の男なのだ。
タンクの谷間に顔を埋めているから反論出来ないだけだ。
さっさと腰を動かしてくれ。
-
「くすっ、提督じゃないみたい……。んっ……」
山城は、からかうようにそう笑ってから、私を包み込むように己の両腕で己の身体に押し付けた。
再び動き始めるのに合わせて感じ取った感触は、熱い水が少し含まれていた。
何を切っ掛けに濡れたのか分らないが、これで滑りは良くなる。
両腕で山城を抱き締め、暖を取る。
月のように冷めている山城でも、こうしてみると確かに温かかった。
山城の胸の中ですうーっと一杯に空気を吸い込むと、山城の匂いが鼻に広がる。
甘い匂いに包まれながら、局部に与えられる快感も助長されてゆく。
「んっ、はっ、はぁっ、ぁっ、あっ」
程よく濡れてくれた山城も速さを上げていった。
くちゅ、くち、と、淫らな水の音が微かに耳をつく。
更に融通がきくようになった山城の割れ目は、擦れる異物に抱き着くように広がっている。
そこから先は、長くなかった。
「ぐっ……」
「ああっ、ああっ、はあっ、あっ、……ぁ……」
自分は、山城の温かさに包まれながら達した。
ここが表である事もあり、妙な開放感を感じる。
もやもやしていたものも飛散するように自分の中から抜けた。
山城は押し潰していた異物が強く脈打った事から察したのか、動きを止める。
「はあ……、はあ……、はあ……」
「くす……」
山城は何を思ったか、私の背に回した腕を動かす。
上下する私の肩と背が、山城の両腕に撫でられる。
山城のそれは穏やかで落ち着かせてくれる手付きだった。
子供扱いか。
しかし反論する気力はない。
脱力感と山城の温かさの前では、つまらない男の意地の面目はどうでもよかった。
呼吸が落ち着くまで、もういいと指示を出すまでの、山城に包まれる時間を私は大事に味わった。
事の終わりを私から告げる時に、名残惜しくならないように。
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終わり
こんな私の何がいいのって思われながら山城に抱き締められたい人生
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乙
扶桑は鎌かけなのか、わかってないのか。
弥生といい急に連投されたが一体このスレに何が
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乙
>>876 >>848によればあと2本続きがのこってるからねえ。そのうち姉様も登場するかもよ。
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>>825 似たような理由で海外艦娘は基本夜戦に強いイメージ。そんな日本製の7.7ミリ機銃なんか効かないわ!みたいな。
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今回の騒動の件についてですが、管理人の自分はいまいち事態を把握していません。
旧エロパロスレ自体もろくにチェックしていませんし、そこで何か騒いでいても荒らしの自作自演だと思っています。
旧エロパロスレで騒ぐのはお好きにして頂いていいと思いますが、
その流れをこの避難所に持ち込むのなら削除・規制対象になりますのでご了承ください。
ここは裁判所ではなく、艦娘のエロいことを妄想して楽しむ場所です。
荒らしが艦これエロパロスレのみならず、他の場所も荒らして迷惑をかけていることを思うと心苦しいですが、その場所の管理人様に対処を任せるしかありません。
荒らしがこのスレに通って書き込みをしていても、「荒らしと分からない」書き込みをしてスレに溶け込んでいれば追い出したりはしません。
その方が他の場所で荒らし行為をしていても、管理人の自分がどうこう出来ませんし、本当に同じ荒らしかどうかの判断もできません。
自分が対応できるのは、あくまでこの避難所で起こることだけです。それ以外は申し訳ありませんが管轄外です。
あと管理人である自分が書き込みを削除する時は「透明削除」を使うので、スレを直接みた時は削除されたレスが綺麗サッパリ消えています。
(クライアントから見たら表記が違うかもしれません)
削除サポーターの方が削除された時は、「(・ワ・)削除なのです!」という表記になります。
この書き込みに対するレスや反応はいりません。
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俺もこの投下ラッシュの波に乗ってこのスレ内のネタの回収でもしてみようかな…
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山城さんこんな可愛いかったとは
続き全裸でまってます
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折れた云々は与太話なんやで
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扶桑ねえさまの改二の中破がどうなるのか……夜もおちおち眠れん
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扶桑姉さまのLVが4LVほど足りなかったで御座る。
下手すると嫁艦の山城の方が先に改2になりそうで御座る
そして話題が改修工廠に持って行かれたで御座る。
でも扶桑さん2番艦にすると35.6cm方が回収できたで御座る。
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やはり次イベで航空戦艦の時代が来るね
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航空戦艦の時代来たねこれは
山城も早く来てくれ〜
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