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【艦これ】艦隊これくしょんでエロパロ13 (避難所2)

2362-683 大井:2014/07/27(日) 12:40:25 ID:XEpNpUlY
「これは持論なんだが」

「月の、あの綺麗なところは見習いたいが、すぐに欠けるところは見習いたくない」

「いつまでたっても、綺麗で何も欠けないように生きていたい」

「ここにいる皆もそうだが、特に大井がいなくなると、例えるなら半月位になってしまう」

「……ずっと一緒にいてくれるか?」



そしてこの人はこちらに顔を合わせ、問いてくる。
言葉は疑問形だけど、酒が入っている筈なのに据わっている提督の目に、
不安気な様子などは全く見受けられなかった。
寧ろ絶対の自信しか見えないその理由は、人の気を大きくする酒のお陰ではないと信じたい。
否、信じる。信じられる。

「……悪い気持ちじゃないわね」

私は、素っ気ないようにそれだけ応え、この後に備えて顔を窓の外に向けた。
……今まで私を大切にしてくれたこの人に、ここに至るまで求められて、良い気持ちでない筈がない。
切なさのあまりか、私の内側の何かがとくんとくんと、ゆっくりとだが大きく脈打つ。
それがポンプであるかのように、目から温かい水の粒が静かに押し出された。
月が、夜空が、歪む。
顔を逸らしておいてよかった。
そして、この人の体に寄り掛かり、みっともない泣き顔が見えないように目を伏せる。
涙を流しているのがばれているのかいないのか、この人はただ私の頭を、温かく撫でてくれた。



冬の月見の切り上げは、
月が窓から見えなくなるほど高く昇るのが先か、この人が酔い潰れるのが先か。
何れにせよ、まだまだ続くことだろう。
一頻り涙を流したら、私を選んだ理由をこの人から問い質してみようと思う。
時間は、存分にあるのだから。




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