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ミセ*゚ー゚)リ奏者Мのレクイエムのようです

2ブーン系の名無しさん:2014/03/16(日) 23:38:30 ID:3TTuD58w


ミセ;゚ー゚)リ「は、はいっ!」

(‘_L’)「そこはお前が目立つところではないと言った、もっと感情を抑えろ」

ミセ;゚−゚)リ「……申し訳ありません」

聖堂に響く冷ややかなその声に、私は落ち込んだ声で返事をした。
「またか」と、演奏を止められた不満の溜息が、他の楽団員から漏れ出すのが聞こえた。

(‘_L’)「……お前の演奏する音は悪く目立つと、散々注意をしたはずだが」

ミセ;゚−゚)リ「……はい」

(‘_L’)「………」

(‘_L’)「………今切ったところの二小節前から始める」

私から視線を離した指揮者の言葉を合図に、私を含めた全員が楽器を構え直した。

あの日から十二年。
あの時の兄と同じ楽器を手にした私が、『ソーサク音楽団』の一員として立っていた。

家の貧しさも厳しくなり、楽団を辞めて遠くに働きに出た兄は、この街に残る私に自分の楽器と楽団の制服を託した。
前から吹き方を教えてもらっていた私はその記憶と、同じく兄が残していった楽譜を頼りに練習を重ねた。

兄の吹いていた管楽器はどうやら特殊なものだったようで、この街には兄以外に吹ける人がいなかった。


だから私は兄の知り合いの助けを借りながら、ずっと手探りで練習を続けた。
その成果で何とか楽団には入団できたが、正直なところ、今では付いていくのが精いっぱいだった。


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