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ぷちます!いじめ・虐待専用スレの避難所 十四匹目

548ゆきぽが見える:2021/02/25(木) 02:38:33 ID:8nk7DQ9o
やよいを事務所に送った後、俺は適当に言い訳して早引けし、白坂との待ち合わせ場所に向かった。

場所は、ゆきぽが最後に遊びに行った公園。まずここで確かめたいことがあるという。

小梅「あ……こんにちは……」

「すみません、ご足労を……って」

少女「お初にお目にかかりましてー」

白坂の隣に、先ほど居合わせなかった少女がもう一人。ゆったりとした着物姿で恭しく会釈された。

彼女の顔もまた見覚えがある。

芳乃「わたくし依田は芳乃と申しましてー。小梅から事情は伺っておりますー」

「あ、ああ……やっぱり346プロの……」

小梅「ご、ごめんなさい、勝手に話しちゃって……。けど、芳乃さんがいてくれた方が、早いだろうから……」

依田もまたどこか浮世離れしたというか、超常的な雰囲気を漂わせるアイドルとして知られている。特に失くしもの・探し物が得意と聞いたことがある。

日が傾き、オレンジ色に染まった世界。その中に佇む白坂と依田の姿はどこかこの世ならざるような、ただそこにいるだけで「あちら」の世界と隣り合っているような雰囲気さえ漂わせていた。

小梅「え、えっと……ゆきぽちゃん、だよね……?」

ゆきぽ「ぽ、ぽぇ! ぽぇっ! ぽぇっ!」

小梅「わぁ……前にラジオで雪歩ちゃんと一緒にしゃべってたの、聞いたよ……。か、可愛い、ね……」

ゆきぽ「ぽぇ〜」ニヘラ

かがみこんで話しかけてくる白坂に隠しようもないほど喜色を浮かべるゆきぽ。俺以外で久しぶりに誰かから話しかけられたのだ、無理もないだろう。

小梅「ゆ、ゆきぽちゃん……こ、この公園、覚えてる……?」

ゆきぽ「ぽ?」

小梅「前に来た時のこと……思い出せる、かな……?」

ゆきぽ「ぽー? ぷぃー……」

首を傾げるゆきぽ。やはり最期の瞬間を思い出せないのか、そもそも質問の意味がわかっていないのか定かでない。

小梅「そ、そっか……それじゃあ、前来た時みたいに、私と一緒に、遊ぼう……?」

ゆきぽ「ぽぇっ! ぱぅー♪」

小梅に誘われあとをついていくゆきぽ。久しぶりに誰かと遊んでもらえるとあって、それはもういつ振りかというくらい嬉しそうだ。穴が掘れずともぴょこぴょこ彼女の足元を駆け回っている。

二人のやり取りを、依田は眉一つ動かさず見つめていた。傍から見れば白坂が何もない場所に向かって話しかけたり、何か促しているように映るだろう光景。この様子だと依田にもゆきぽが見えるのだろうか。

芳乃「なむこ殿ー」

「え? あ、はい」

芳乃「単刀直入に申し上げますー。あの『ゆきぽ』というものはー、すでに悪しき霊となりつつありましてー。今日のうちにもそなたから引き離さねば、取り返しのつかないことになりましょうー」

感情のこもっていないような能面から発せられたその宣告が、かつてない悪寒を俺に与えた。


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