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ゆきぽ いじめ・虐待専用スレ 二匹目

1名無しさん:2014/12/28(日) 20:54:19 ID:TwY.BIKo
ゆきぽ(ぷちます版雪歩含む)の精神的・身体的・性的ないじめ,虐待,陵辱,拷問,四肢切断,スカトロ等々、本スレ・キャラスレ・エロパロスレに書けないような妄想を垂れ流す隔離系スレッドです。

虐待以外のゆきぽSSは事前にスレ住人と相談の上で投下の可否を決めて下さい。

虐待ネタが嫌いな方は見ないで下さい。

気に入らないネタがあっても非難せずにスルーしてやって下さい。

ゆきぽ以外のアイマス系いじめ・虐待の話題は別スレでお願いします。

ぷちます! 隔離スレ・SSまとめwiki( http:putimaskakuri.wiki.fc2.com/m/ )

2SS作者様へ:2014/12/28(日) 20:55:37 ID:TwY.BIKo
・盗作防止の為、トリップ推奨です。

・書き溜めは可能な限りお願いします。

・他の方の投下中の割り込みはできるだけ避けましょう。

3名無しさん:2014/12/30(火) 05:06:52 ID:QI8Ht7eM
スレ建てるなら宣言なりしろよ…
馬鹿なの?アホなの?ゆきぽなの?

4名無しさん:2014/12/30(火) 13:12:20 ID:50.oWF3Y
とりまスレ立て乙です。

5名無しさん:2014/12/30(火) 16:54:25 ID:dYYdJGkU


ぽえの形の続きはよ

6名無しさん:2014/12/30(火) 19:53:23 ID:a22ng9Cg
ぽえの形、これで終わったら酷い作品ですよね。
まず、ベビまこちーは燃えないと思うんですが…
マーガリンに火のついたマッチを接触させたら炎上するか、と言われたら、『しない』ですよね。
トンデモ理論で構わないので続きで説明が欲しいところ。

7名無しさん:2014/12/31(水) 00:05:30 ID:PN9Gd38.
俺としてはまこちーが燃えるとかどうとかはどうでもいいんだ

あの文体のママ着地していくのか

また最初のような文体に戻っていくのか

それが楽しみでしょうがない

8ボンバヘッ:2014/12/31(水) 01:44:26 ID:7YogKWBQ
「…zzz…ぽぇー」

765プロ事務所の床に穴を掘ってその中で寝息を立てている、この子の名前はゆきぽ。床に穴を掘る度に何度も叱られているのに全く反省しません。

P「ふざけやがって…」チャキッ

アイドル達「…」タプン カラッ スッ

穴の中でお休み中のゆきぽを取り囲むPとアイドル達。手には何やら物騒な物が握られています。どうやら、これ以上は言っても無駄と判断したようです。つまり、殺る気です。

P「Yo、party time!」

アイドル達「パティーターイ!」

春香「ボンバヘッ!(ボンバッヘッ!)ボンバヘッ!(死刑だ!)燃っえっだっすよーなー!あっつい鉛(約350℃)!」 ドロッ ジュウゥ…

ゆきぽ「pon gaaaaaa!」

P「ボッ、ボッ、ボンバヘ!ボッボッボンバヘッ!」

雪歩「ボンバヘッ!(ボンバッヘッ!)ボンバヘッ!(警告を!)無っ視っしって掘ったー!今度も穴をー!」 スコップ ブンッ!

ガチンッ!

ゆきぽ「pui aaaaaaaa!」

P「Everytime fuck you!何時でもkill you!殺りたいおーもいが〜ぁ〜!」

真「ボンバヘッ!(ボンバッヘッ!)ボンバヘッ!(死刑だ!)ゆきぽをボクが 見つけて kill you
今度も熱くなる!!」真っ赤に焼けた鉄パイプ

グサッ

ゆきぽ「pau aaaaaaa!」


一同「(ゆきぽの存在を)かきけすためのDance 2 Dance !」 凶器装備

ゴッ!ゴッ!ゴン!バキッ!
ボキ!ボキ!ガン!メリッ!

ゆきぽ「pon gyaaaaaaaa!!!」

ボンバヘッ 終わり

9名無しさん:2015/01/01(木) 22:53:25 ID:IiJjqokE
2本チェックするのめんどくせーから、わざわざ専スレ立てんなよ

10名無しさん:2015/01/02(金) 18:23:13 ID:ETV9/Px2
書き手側からするとゆきぽ専用のスレがあった方がありがたいです。
ぷちます!いじめ 虐待でゆきぽ

11名無しさん:2015/01/02(金) 18:28:47 ID:ETV9/Px2
>>10の続き

ゆきぽネタが続くと、ちょっと投下見送ろうか、みたいな気になります。特に私のような小心者は。
あまり歓迎されていないスレみたいですが、立った以上は皆で頑張って良いスレにしたいですね。
近々SS投下します。

12名無しさん:2015/01/03(土) 23:34:15 ID:g4nNpHZ6
ゆきぽ以外の虐待を読みたいという意見は理解できるが、
あのクズは嫌われっぷりが凄すぎるからなぁ…
軍事力比でいうところの米軍より圧倒的だろ

13ひとりでできるもん!:2015/01/04(日) 21:33:26 ID:5S54kiiA
「ん〜しょ、ん〜しょ」

新年早々、両手に書物を持って給湯室に向かっているこの子の名前はゆきぽ。一体何をしようとしているのでしょうか?

話は3日程前に遡ります。

以下回想

年末とあって事務仕事は大忙し。P、音無さん、律子、それにちっちゃんとぴよぴよも事務作業に追われています。

馬鹿なゆきぽはそんな事お構いなし。暇なので誰得のお手伝いを試みます。

ポチッ ぐいっ ジャ〜〜 スッ(スプーン すいっ まぜまぜまぜ〜 ひょい とてとて スッ

ゆきぽがお茶を淹れてPに差し出しました。

P「ん?ああ…そこに置いといてくれ、後で飲むから」

ゆきぽ「ぽえ?」

Pのそっけない態度に少し戸惑うゆきぽ。良い子の自分がせっかくお茶を淹れてあげたのに。ゆきぽは憤慨します。
この子はたまにお手伝いっぽい事をします。それは人間のみんなに誉めて欲しいのと、『自分は他のぷちたちとは違う』とアピールする為です。下心しかありませんね。いわゆる良い子ぶりパフォーマンスです。
『肩たたき』『床掃除』もたまにやりますが、いずれも大してありがたくありません。『床掃除』に至っては途中で寝てしまう始末。それでも本人はお手伝いをした気でいましたし、それに対して他者に感謝を要求する事に関しては一丁前です。

ゆきぽ「ぷうぅぅぅぅ…」プクー

感謝を求めていたのにそっけなくされたゆきぽは不満そうに頬を膨らませます。

14ひとりでできるもん!:2015/01/04(日) 21:34:43 ID:5S54kiiA
P「何だその顔。もしかして誉めてもらえるとでも思ったのか?」

ゆきぽ「ぽえっ」コクン

当然、といった風に頷くゆきぽ。しかしPは

P「あのな、頼んでもないし必要ともしてない事をして、何で感謝されると思えるんだ?馬鹿が」

ゆきぽ「ぽ…え?」

返ってきたのは感謝とは真逆の言葉でした。

小鳥「それにゆきぽちゃん?沸かしたお湯をポットに入れる時にいちいちぴよぴよを呼ばないで。ぴよぴよは仕事中なんだから」カタカタ

ゆきぽを見もせずに音無さんが言います。

P「全くですね。忙しいぴよぴよをラッパ吹いてよびつけるなんて、どんな神経してるんだか」カタカタ

律子「ぴよぴよも、ゆきぽの自己満足に付き合わなくても良いのよ。あんたは仕事してるんだから。暇なゆきぽの道楽まがいのお手伝いなんか無視していいからね」カタカタ

ぴよぴよ「ぴっ」カタカタ

P「で、ぴよぴよに重いヤカン持たせてお湯いれさせといて『お茶淹れたから誉めて』か?ぴよぴよが仕事を中断する分マイナスなんだよ、お前のお茶汲み」カタカタ

仕事の手を休める事なくゆきぽに辛辣な言葉を投げかける事務所の面々。

ゆきぽは悲しみに顔を歪めます。そしてぽてっとした手で全身をまさぐり始めました。穴を掘る前兆です。

ちっちゃん「めっ!」ダメダヨ!

気付いたちっちゃんがゆきぽを諌めます。他の人達もゆきぽが何をしようとしたのか、仕事をしながらでも大体見当は付いたようです。

P「あ、穴掘ったらお前殺すから」カタカタ

ゆきぽ「ぷい?」ピタリ

律子「この前プロデューサー殿に頼まれて買ってきたノコギリなら備品ロッカーの中ですよ」カタカタ

小鳥「使うのなら下に何かひいて下さいね。床が汚れるのイヤですから」カタカタ

ゆきぽ「ぽ…」ゾクッ

ゆきぽの動きが止まります。皆が本気で言っているのが本能で理解できたからです。

15ひとりでできるもん!:2015/01/04(日) 21:35:50 ID:5S54kiiA
ゆきぽ「ぱう…」ジワッ

ゆきぽ「ぽ、ぽえぇぇぇぇ〜ん;;ぽえぇぇぇぇん!;;」

辛辣な言葉、冷たい態度、明確な殺意にゆきぽは泣き出しますが、

P「泣いてる時は食って寝てる時の次くらい手が掛からないからな。そのまま泣いててくれ」カタカタ

律子「一度に一つの行動しか出来ませんからね、馬鹿だから」カタカタ

小鳥「涙とか鼻水は床にこぼしちゃダメよ。床が汚れるのイヤだから」カタカタ

ゆきぽ「ぷぃ〜;;えぐっ、ひっく…ぱうぅぅぅ〜;;」ボロボロ

泣き出したゆきぽにも容赦なく浴びせられる言葉の暴力。年末進行で皆、気が立っているのでしょう。そんな状況で無神経な行動を取ったゆきぽは、皆の苛立ちの格好の捌け口となってしまったようです。

その後、事務所の面々は泣きじゃくるゆきぽを完全無視して事務仕事に集中、ゆきぽは出社したアイドルに段ボールに放り込まれました。

さて、このゆきぽ、プライドだけは一人前でした。自己評価もかなり高いのです。
先ほど事務所の皆が冷たかったのは、お茶汲みをぴよぴよに手伝わせたから、と判断。当たらずとも遠からずです。いつもなら被害者ヅラするゆきぽにしては中々良いところに気がついたと言えるでしょう。
しかし、そこは自己評価が異常に高いゆきぽ。
『ぴよぴよなんかにやってもらわなくても、お茶汲みなんてひとりできるもん!』と考えてしまいました。

回想終わり

16ひとりでできるもん!:2015/01/04(日) 21:37:57 ID:5S54kiiA
そして今日、初めての『一匹でお茶汲み』を決行する事に決めたゆきぽ。いつもより早めに目が覚めてしまったようです。同じく事務所暮らしのあふぅとぴよぴよはまだ寝ています。

お正月なので、事務所には今、誰もいません。何かあったら大惨事なのですが、そこまで頭はまわりませんし、『きっと大丈夫』と根拠のない自信にあふれているゆきぽ。まずはデスクの下の引き出しを全部開けて書類や書物等を給湯室に運びます。どうやらこれらを積み上げて踏み台にするようです。
ある程度給湯室に運んだら、コンロの下にそれらを積み上げはじめます。当然開けた引き出しは開けっ放しです。
自分の背丈程に積んで踏み台の設置は完了。

後はいつも通りにお湯を沸かします。ヤカンから「ピー」と音がしました。
ゆきぽはヤカンをコンロから下ろそうと踏み台を上ろうとしましたが…

グラッ

ゆきぽ「ぽえっ?」

ただ単に書類や書物を積み上げただけの踏み台は、踏み台としての体をなしていません。ゆきぽが両足をかけた瞬間、崩れてしまいました。

しかし運動神経はそこそこあるゆきぽ、踏み台が崩れる前に手を伸ばして何とかコンロによじ登る事ができました。

ゆきぽ「ぽえっ」ヨロコビノポーズ

ヤカンをコンロから下ろそうとヤカンに近づくゆきぽでしたが、

ゆきぽ「ぷいっ!」アツイ!

足の先を火傷してしまいました。コンロには火がついたままです。ゆきぽは火を着ける事はできますが、消した事はありません。着ける事ができるといっても点火スイッチ周辺をアバウトにスコップで叩く荒っぽい方法ですが…
仕方がないのでコンロに火はつけたままヤカンを運ぼうとします。足をなるべく火に近付けないように、へっぴり腰でヤカンの取っ手を掴むゆきぽ。何とかその状態でもヤカンを持ち上げる事に成功しました。力だけは一人前ですね。
ただ、やっぱり重たいようです。それもそのはず、この馬鹿はヤカンに目一杯水を入れていたのですから。
プルプルしながら下に降りようとするゆきぽでしたが…

17ひとりでできるもん!:2015/01/04(日) 21:42:59 ID:5S54kiiA
ゆきぽ「ぽ、ぽえ?」

今頃気付いたようです。登った時の踏み台は、もう崩れている事を。それはつまり、ヤカンを下に降ろすのは不可能だという事を意味します。仮に踏み台が健在でもヤカンを持って踏み台に飛び降りなければならないので、いずれにせよ穴だらけの計画なのですが。

ゆきぽ「ぽ…」サーッ

計画の破綻に気が付き青ざめるゆきぽ。事務所には今、人間は誰もいません。ぴよぴよやあふぅはまだ寝ています。助けを呼ぶ事も出来ず、パニック状態。ヤカンを持ってオロオロしていると、腕の一部が熱くなったヤカンに接触しました。

ゆきぽ「ぷいあーっ!」アツイヨー!

ヤカンに接触した腕を取っ手から離してしまいました。もともとデカイ頭とデカイ尻尾、小さな体というアンバランスな体つきのゆきぽ。それに加えて満タンのヤカンを片手で持ったらどうなるのか?答えは簡単です。

ゆきぽ「ぽ?ぽやぁーっ!」グラッ

ヒュー…

バランスを崩したゆきぽはヤカンごとコンロの下に転落。転落の際にヤカンの蓋が外れました。そして床に落下した時、ゆきぽの顔の前にちょうど蓋が外れたヤカンの注水口が。

ガランッ!ザブッ!

ゆきぽ「ぽあんぎゃあぁぁぁぁっ!!」ゴロゴロ

ヤカンの注水口に顔を突っ込む形で転落したゆきぽ。あまりの熱さに床を転げ回ります。その際に尻尾がヤカンの取っ手に引っ掛かってしまいました。転がる反動で取っ手を軸に倒れこむヤカン。負荷がかかり一瞬転げ回る動きが止まるゆきぽ。当然注水口はゆきぽの背中を向きます。うつ伏せ状態のゆきぽの背中に注がれる熱湯。

18ひとりでできるもん!:2015/01/04(日) 21:46:23 ID:5S54kiiA
ザバアッ

ゆきぽ「ぽごあっ?!ぷぎぃ、ぱうぅあうぅーーっ!!ぱうぅあぁぁああ!!!」ゴロゴロ ガランガラン

取っ手が尻尾に引っ掛かっている為、熱々のヤカンからは逃れられません。のたうち、転げ回る度に火傷が増えていきます。

騒ぎに目が覚めたぴよぴよ。事務所のデスクの下の引き出しが全て開いている事にまず驚きます。そして給湯室からは苦しそうな呻き声。給湯室に向かったぴよぴよが見たものは…。

火がついたままのガスコンロ

散らばった書類や書物等と水浸しの床

そして尻尾にヤカンを引っ掛けて体中真っ赤に火傷したゆきぽのすすり泣く姿でした。

自分では手に余ると判断したぴよぴよ、メールでP、音無さん、律子に事務所に来るよう伝えます。
律子から返信。今実家だからすぐには無理との事でした。肩を落とすぴよぴよ。自分で何とかするしかないのかな…そう考えていた矢先でした。

小鳥「うわっ、何これ?!引き出し開けっ放しで。どうしたの?ぴよぴよ、何かあったの?」

音無さんが来てくれました。音無さんは実家に帰ってはいなかったのでした。

小鳥「私が正月の事務所暮らしのぷちのお世話係なのよ。…最近両親と顔合わせると『孫の顔が見たい』とかうるさくて…そんな事より何があったの?」

ぴよぴよ「ぴぃ〜…」フルフル ワカラナイ…

ぴよぴよに導かれて給湯室へと向かった音無さん、事務所とは比べものにならない惨状に唖然とします。

ゆきぽ「ぽえ〜…;;」カタカタ

状況から見てゆきぽが何かしたのは明らかですが、とりあえずは後片付け。コンロの火を消し、床に散乱した書類や書物等の整理、開けっ放しの引き出しを元に戻そうと音無さんは考えました。

小鳥「後は水浸しの床と…ゆきぽちゃんの手当てね。病院に連れてかないと…って正月だからやってないのよね」

ゆきぽ「ぱうぅ…グスッ;;」

19ひとりでできるもん!:2015/01/04(日) 21:47:55 ID:5S54kiiA
探せば診察してくれる病院はあるのですが、ないと決めつける音無さん。ゆきぽごときの為に調べものをする気にはならないようです。

ガチャッ

P「どうしたぴよぴよ?…なんだこりゃ?引き出しが全部開いて…」

少し遅れてPが到着。

小鳥「明けましておめでとうございます、プロデューサーさん。見て頂いた方が早いと思うので給湯室の方へ」

音無さんに言われ給湯室に向かうP。Pもまた、惨状に唖然とします。

P「…」

ゆきぽ「ぷぃ〜;;ぷぃ〜;;」

P「…」プルプル

惨状に目を奪われていたPの耳に入って来たのは、耳障りな泣き声。Pは確信しました。
こいつがやったのだ、と。

小鳥「…何をしたのかは大体見当はついてるわ、ゆきぽちゃん。またできもしない事やろうとして皆に迷惑かけて」

ゆきぽ「ぷぃ〜;;ぷぃ〜;;」ポロポロ シュン…

小鳥「大体あなたは…えっ?あっ、ちょっと、プロデューサーさん?」

ガンッ!ゴッ!ドスッ!グシャッ!

ゆきぽ「ぷいぎっ!ぽゆうっ!ぱうあっ!ぷいがあぁっ!」

P「何やってんだこのクソ害獣がっ!!」

キレるP。無理もありません。年末頑張って仕事をしたのは年始にゆっくり休む為でした。Pも、律子も、ここにいる音無さんも。頭にくるのは当然です。

P「音無さん、こいつ殺していいですか?」ハアハア

物騒な事を言いだすPを宥める音無さん。

20ひとりでできるもん!:2015/01/04(日) 21:48:59 ID:5S54kiiA
小鳥「落ち着いて下さいプロデューサーさん!まずちゃんと何があったかハッキリさせないと…あと、これ以上床が汚れるのイヤですし」

P「この馬鹿が余計な事してこうなったに決まってますよ!この床に散らばってるのは全部事務所の一番下の引き出しにあったやつでしょう!これも!それも!あれ…は?」

床に散らばったものの一つを指差し、固まるP。

小鳥「いいから落ち着いて…どうかしました?プロデューサーさん?」

Pが指差している方を見る音無さん、指差した先には…

『BL本』

音無さんも固まってしまいました。このBL本は音無さんのお気に入りの一冊でした。宝物でした。それが水浸しになって、見るも無残な姿に…

Pは焦ります。音無さんのBL好きは、言わば「公然の秘密」でした。モノがモノだけに、目の当たりにすると物凄く気まずいのです。
例えるなら、BL本をヅラだとしましょう。皆、音無さんがヅラだと知っていても知らないフリをしている訳です。
今の状況は、音無さんがゆきぽにヅラを剥がされ、ハゲ頭剥き出し状態でPの目の前にいて、おまけにヅラは床に放られ水浸しにされている、といったところです。

ゆきぽ「ぷぃ〜;;ぷぃ〜;;」

変な空気の中、このアホだけは通常運転です。

21ひとりでできるもん!:2015/01/04(日) 21:51:01 ID:5S54kiiA
P「…え〜と、個人の趣味に関しては、その…」オロオロ

空気を変えようとするP。先程までの剣幕が嘘のようです。

小鳥「プロデューサーさん」ユラリ

P「は、はい!」

小鳥「何も、ありませんでしたよね?変なものは」

P「は、はあ…」オドオド

小鳥<●><●>ジー

P「…何もありませんでした。あったのは濡れた書類だけでした」ビクビク

音無さんはとても危ない目をしていました。Pが身の危険を感じるほどに。
変な空気は、凍てつく空気に変わりました。

小鳥「ぴよぴよも、何も見てないわよね」ニッコリ

小鳥<●><●>ジー

ぴよぴよ「ぴっ…ぴっ!ぴいっ;;」コクコク

続いて音無さん、ぴよぴよを恫喝…もとい、ぴよぴよに確認をします。

小鳥「そう、それなら良いわ。この事を知ってるのは私と…あと一匹だけね、ふふふ…」

音無さんは怪しく微笑みながら備品ロッカーへと向かいます。お目当ては当然、ノコギリでしょうね。

P「あのー…俺、いや、私はテレビでも見てますので…お構い無く」ソロソロ

ぴよぴよ「ぴ…ぴい!」

給湯室からそそくさと出ていくPとぴよぴよ。

入れ替わりで音無さんが給湯室に戻ります。手にノコギリを持って。

22ひとりでできるもん!:2015/01/04(日) 21:52:54 ID:5S54kiiA
小鳥<●><●>ジー

ゆきぽ「ぷぃ〜;;ぷぃ〜;;」オブオブ イタイヨー

ゆきぽ、顔と背中が痛いの。お薬塗ってよ。慰めてよ。

最期まで空気の読めない馬鹿害獣。暗い瞳の音無さんに助けを求めます。

小鳥「そう…背中が痛いのね。お薬塗るなら服をぬがないと、ね」ガシッ

ゆきぽ「ぷ、ぷいっ…」ゾクッ

バサッ …バリッ!

ゆきぽ「ぽやぁあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!ん゛っ!」

衣服を無理矢理脱がされた時のゆきぽの特徴的な鳴き声『ぽやぁん』ですが、背中の皮膚が服と癒着してしまっていた状態で脱がされたのです。皮膚まで剥がされたせいか、普段の三割増しで汚い声をあげるゆきぽ。音無さんもこれには苦笑い。

ゆきぽ「ぷぎゃあーっ!あっ!あっ!ぽぎゃあぁぁぁっ!!!」イタイ!イタイ!グネグネ!

小鳥「…ふふっ、我慢しなさい。後は顔ね、分かってるわ。お薬を塗らなくても良いようにしてあげるわ」

スッ

ゆきぽ「ぷぎぎ…ぽ、ぽひゃあーっ!」イヤイヤ!

ノコギリを構える音無さん。ゆきぽは背中の焼けるような痛みで動けません。

小鳥「すぐ楽にしてあげるわ。挨拶が遅れたわね。明けましておめでとう。そしてさようなら、ゆきぽちゃん」ニッコリ

ゆきぽ「ぽ、ぽやあぁぁぁぁぁぁ!」ヤメテー!

小鳥「床が汚れるのイヤだから、ちゃんと準備して、と」

23ひとりでできるもん!:2015/01/04(日) 21:54:36 ID:5S54kiiA
その頃、事務所

P「…怖い怖い怖い怖い」ダキッ

ぴよぴよ「ぴぃ〜;;」ヒシッ

恐怖に身を寄せあう1人と一匹。スキンシップが苦手なぴよぴよですが、今はPに抱き着いて震えています。
テレビはつけていますが、内容など頭に入ってきません。音無さんの漆黒の瞳が頭に焼き付いているみたいです。

『新年会に是非!職人さんの技が光る!マグロの解体ショーです。これで新年会は盛り上がる事間違いないなし!準備が出来たようなので、では、お願いします!』

テレビの中はお正月ムードですが、ここはまるでお通夜。

律子「すいません。遅くなりました〜。明けましておめでとうございます。プロデューサー殿…あれ?どうしました?」

遅れて律子が到着。実家から車で来たようです。害獣の為にわざわざご苦労様。

律子「顔色悪いですよ?そんなに良くない事があったんですか?」

P「…何と言うか、凄く悲劇的で残酷な事があってだな」

ぴよぴよ「ぴぃ」

『まずは尻尾を落とします。…よっと!』

『おー!パチパチパチパチ』

プギャアー* ヒィウー…

律子「今何か聞こえたような…えっと、良く分からないんですけど…何でそんな時にテレビでマグロの解体ショーみてるんですか?」

P「もう何も聞かないでくれ、律子。俺達は何も見てないし、知らないんだ、なあぴよぴよ?」

ぴよぴよ「ぴっ!」コクン

『続いては、『かぶと』、頭の部分ですね。これを落とします。それっ!』ゴリッ

「ポンギャアァァァァァァ!!!」

律子「マグロが叫んだ?!」

ひとりでできるもん!終わり

24ひとりでできるもん!:2015/01/04(日) 22:05:12 ID:5S54kiiA
以上です。『ちひゃー虐っぽいゆきぽ虐』(慢心→失敗)を書いてみました。
またネタが出来たらこちらに投下します。

25名無しさん:2015/01/04(日) 22:12:29 ID:HaOvjL4k
乙です

26名無しさん:2015/01/04(日) 23:10:20 ID:N0SeRG5A


ぴよぴよはPとのスキンシップは好き
外でやるとPが警察に捕まるけどな

27名無しさん:2015/01/05(月) 21:02:17 ID:dtUQXyAA
いと乙

28名無しさん:2015/01/05(月) 22:39:25 ID:VnrcQbF6
おつおつ
pixivでタヌキモグラ愛でss読んだけど はぁ?て感じだったからすごくスッキリした。

29名無しさん:2015/01/06(火) 01:31:43 ID:xY59jtHk

やっぱクソタヌキはぽんぎゃらせてなんぼだわ
異論とか挟む余地も無いわ

30名無しさん:2015/01/06(火) 10:57:28 ID:B0OdceiE
愛でssの場合、タヌキモグラに頭を撫でられるのが嬉しいことになっているのがすごい
あんなクズに触られるなんて耐えられないね

31名無しさん:2015/01/06(火) 16:28:31 ID:6oxOASEA
クレイジーサイコクズって呼び名を思い付いた
ゆきぽにぴったりだな

32ゆきぽと、『休憩』ぷ虐Ver.:2015/01/08(木) 02:45:49 ID:dq8NTSnA
この話は、愛でSSの『ゆきぽと、『休憩』』のぷ虐カバーバージョンです。興味のある方は読み比べて見てくださいね。


ぷちどる。
それは765プロの所属アイドルに似た不思議な生き物である。
出自生態は不明。
身長は大体人間の頭程度の2頭身体型。
言葉を話すことは出来ず、個体ごとに様々な鳴き声を発するのが特徴の一つ。
また、それぞれに特殊能力が備わってたりもしている。
テレポーテーションしたり増殖したり空を飛んだり、時にはビームを撃ったり。
けれど、この子達の個性はそんな部分ばかりではない。
のんびり屋だったり、せっかちだったり、子供っぽかったり、大人っぽかったり。
それぞれ違っていて、中にはとんでもない害獣がいる。
本人達は楽しく生活しているのだろうな。 人の気もしらずに。全く腹立たしい。
この子達は大事な家族。
そう口にする小鳥さんの気持ち、俺にはさっぱりわからない。
今日のお話は、はじまりのぷちどるの1人。
ゆきぽ。

何をやっても上手くいかないときは神様が休暇をくれていると思えばいい。
一昔前のドラマにあったフレーズだけど、神様からもらえても上司からはもらえないのが休暇というもの。
上手くいかなくても、やるべきことはたくさんあるのだ。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜」
事務所に誰もいないことを確認した後にでたため息は、自分でも驚くくらい長くうっとおしいものだった。
誰に見られたというわけではないが、なぜか恥ずかしくなりデスクに突っ伏して頭を抱えてしまう。
伊織に見つかったら何と言われることやら。
もちろん、自分でもあまり恰好がよくないことだとは分かってはいる。
分かってはいるのだが。
「……はぁ」
大人だって落ち込む時くらいあるのだ。
これくらいは許してほしい。
仕事で失敗した時なんて、大人も辛いときがあるのだから。
「ふぅ……」
何度目かの溜息をつく。
よく幸せが逃げるとかいうけれど、実際に悩んでみるとそんな前向きな気持ちになってなかなかなれない。
むしろ、ため息のたびに自分の中の嫌な気持ちを排出できているように思えるのは俺だけだろうか。
……どうせすぐに胸いっぱいに溜まるのだけれども。
背もたれに寄りかかる。
イスがギシリと無機質な音を立てる。
出来ることなら、このまま家へ帰ってふて寝したいくらいの気分だ。
とはいえそんなことが出来るはずもなく。
気晴らしになるわけもないが、書類仕事でもやろう。

33ゆきぽと、『休憩』ぷ虐Ver.:2015/01/08(木) 02:47:59 ID:dq8NTSnA
ゆきぽが俺のズボンを引っ張っているのに気付いたのは、ようやくそんなことを考えられるようになったころだった。
「ぽえっ」
「ゆきぽ?」
ゆきぽは未だに俺のズボンを引っ張っている。
この子は雪歩に似たぷちどるである。
雪歩に似て少し控えめなところがあるが案外力持ち。
ぷちどるの中でもトップクラスの害獣だ。
そんなゆきぽは先ほどぐいぐいと、俺のズボンを引っ張り続けている。
まるでどこかへ連れて行こうとしているようだ。
「ぽえっぽえっ」
「どうしたんだよゆきぽ。なんか用事ならうおおおおおおおおい!?」
キャスター付の椅子ごとぶん投げられた。
勢い余ったらしい。
ゴロゴロゴロゴロと事務所を数m滑走し壁に衝突して停止。
……いや、今日あんまりそういうのに対応できる気分じゃないんだけど。
拳を握り締めゆきぽの元へ戻る。
「ふざけやがって…」

ガンッ!

「ぷいあーっ!」

「てめぇはっ!むやみやたらに馬鹿力で引っ張るんじゃねえ!この馬鹿!」

「ぽ…ぽえっぽえっ」 ペコペコ

ぺこりと頭を下げたのち、こっちこっち、という風に先導して手招きするゆきぽ。

「話聞いてたのかこのクズがっ!舐めてると殺すぞこの穀潰しが!」ガンッ!

「ぷぎぇっ!」

涙目のゆきぽ見ると、大き目の水筒を背負っている。
間違いなく中身はお茶だろう。
行先について疑問には思ったけれど、しょうがなくついて行くことにした。 しかし床が汚いな。泥だらけだ。丸っこい足跡がいっぱいついている。こいつの仕業だろう。
ずんずん進むゆきぽは、事務所どころか建物の外に出てしまった。
そして連れてこられたのは事務所近くの公園の片隅。
そこには。
「穴?」
「ぽぇ〜」
深い穴が掘られていた。
結構大きなの穴で、人間一人楽々入れるくらいの大きさと深さだ。
ゆきぽはピョン、とその穴に飛び込み「ぽぇ〜」と鳴いた。
入って来いってことか、これ。
「ぽぇ〜」
「公園にくそでかい穴掘ってんじゃねえクソタヌキモグラがっ!子供が落ちて怪我でもしたら責任とれるのかこの出来損ないが!」 ガチンッ!

「ぽぎぃぃぃ!」

公園はみんなのものだ。勝手な振る舞いは皆の迷惑になってしまう。マナーを守って使うべきだ。いくらこいつが出来損ないだからといって特別に許される訳ではない。

「おまけに事務所の床、泥だらけにしやがって!てめえの自己満足の為にどれだけ他人が迷惑するかわかんねえのか!この害獣が!」

ギュムウゥゥゥ…

「ぷぎぃぃ!ぃぎいぃぃぃ!ぷあぁぁぁぁん!」

尻尾を思い切り踏みにじる。しばらく踏みつけていたら少しは怒りがおさまった。

34ゆきぽと、『休憩』ぷ虐Ver.:2015/01/08(木) 02:50:08 ID:dq8NTSnA
「……どうしてお前なんかが生まれてきたんだろう」
「ぽえ〜……ぐすっ」
凄くイラついた。
深い穴の底で座布団があった(ゆきぽが用意していた)。すべてがどうでもいい。

「事務所から勝手に座布団持ち出した挙げ句、泥の上に置きやがってこの馬鹿!てめえが洗濯するのか?できねえよな?余計な事してんじゃねえよ疫病神」ゴゴツン!

「ぱうあっ!ぷいー;;」

たんこぶだらけだな、こいつの頭。げんこつがたんこぶに当たってイレギュラーバウンドした。

このまま皆に忘れられて異世界に転移とかされないかな。こいつが。
「そうしたらお前の顔見なくて済むのにな、ゆきぽ」
「ぽえ?」
ゆきぽが不思議そうに首をかしげる。
お茶を受け取って即、ゆきぽの頭に浴びせた。

「ぷはぁっ!ぽ?ぽ?」

どうせ溶けきらない程の粉末茶を入れた只の緑の液体だろう。
ゆきぽの方も自分の湯飲みを持っているところを見ると、俺のために穴の底でお茶会をしてくれるつもりだったらしい。親切の押し売りはこいつの得意技だ。
午後からも仕事はあるし、スーツを汚せる訳ないだろ、低能。一匹で飲んでろ。

俺が付き合う気がないのが分かったのか、悲しそうな顔で一匹で茶を飲むゆきぽ。
「ぽえ〜」 クピッ
「ぶほっ!?」
「ぽっ!?」
お茶は青汁だったようだ。
盛大に噴出した後、ゆきぽは慌てて水筒を確認する。
そこでようやく中身がすり替えられていることに気が付いたようだ。
犯人は簡単に予想はつくが。
ゆきぽは「ぷーぷーぷー!」とか言いながら水筒の中身を地面に撒き始めた。
本当に自制心がないやつだ。
水筒の中身を盛大にぶちまけた後、ぺこぺことゆきぽは俺に頭を下げた。 大丈夫だ。仮にお茶でもお前ごときが淹れたお茶なんてクソ食らえだ。

「……ぽぇ」
「ぶっかけられても熱くなくて良かったじゃないか。すり替えたやつに感謝しろ。な?」
「ぽぇ〜……」 シュン…
欠陥生物は一匹だけで落ち込んだ。
落ち込むゆきぽを見てると、少し気分が晴れた。
先ほどまでの陰鬱な気分も少しだがましになった。
仕事先の人間の言葉が脳裏に浮かぶ。

『水瀬伊織におんぶにだっこされてるようにしか見えないんだよ』
『あんたは他の仕事の方が向いてるんじゃないか?』
『765プロさん、その言い訳は前に聞いたよ』

「…………っ」

ガツンッ!

「ぽんぎいっ!」

喉を掻き毟りたくなる衝動を誤魔化すためにゆきぽを殴る。
伊織はまだまだ半人前。
俺がサポートしてようやく一人前として働ける。
そんな風に全く思っていなかったと言えばうそになるのだろう。
だけどそれは、単なる自惚れだったのだろうか。
「……ふぅ」
「ぽぇー……」
ゆきぽはカタカタ震えながら時々俺を見つめるだけで何もしない。
落ち込んでいるみたいだ。

35ゆきぽと、『休憩』ぷ虐Ver.:2015/01/08(木) 02:55:29 ID:dq8NTSnA
何も告知もせずにお茶会(笑)開いて喜べとは押し付けがましい。 公園で迷惑行為までしやがって。
ふと上を見上げた。
真っ青な空には雲ひとつ見えない。
どこまでも昇っていけそうなほど高く青い空。
こうやってただぼぅっと見上げるなど、いつ以来のことだろうか。
だんだん意識がゆらゆらと薄らいでいく。
あやふやになっていた意識の中で、何もなかった空に一筋の飛行機雲が走るのが見えた。
雲を生み出す飛行機はものの数十秒で視界から消えさり、空には白色だけが残される。
その白色が崩れて霧散してしまうほどの時間がたったころ、誰かが来た。
そちらに視線を向ける。
見覚えのある顔がこちらを見ていた。
「お、伊織」
「…………何やってんのよあんた達、て言うか、事務所の床汚したのあんたね、ゆきぽ!」
「うっうー」
伊織はやよを頭に乗せていた。
どうやらやよが俺の匂いをたどってきてくれたらしい。
「暗い顔しちゃって」伊織は言う。
「私が知ってるプロデューサーはそんなシケた顔……いつもしてるわね、やっぱ取り消し」
「そうか」
「…………」
淡白な俺の返事が気に入らなかったのだろう。
顔はよく見えないが、伊織がイラついているのは雰囲気で分かった。
「プロデューサー」
「ん?」
「次の予定は?」
「え?」
「次の仕事の予定よ! いいから言いなさい!」
「うっうー!」
「なんだよ糞虫まで……30分後に撮影で事務所を出る予定」
もう間抜けの茶番劇に付き合うのもウンザリだ。
我ながら露骨にホッとした顔をしていたと思う。
しかしこうやってゆっくり空を見上げるのは久しぶりだ。もう少しこのままでいたい。
だからあと20、いや15分だけこうさせてくれ。
そしたらきちんと立ち直ってるからさ。
我ながら情けない顔をしていたと思う。
いつもだったら伊織に笑われてしまいそうな顔だ。

「じゃあ さっさときなさい!」
「うっうー!」
伊織はピクリとも笑ってくれはしなかった。
「あんた何様のつもり!? 勝手に落ち込んで勝手に立ち直るとか言い出して、こっちの身にもなりなさいよ!」
「うっうー!」
「周りのことも気にかけないで、大丈夫だからほっておけ? 自分勝手もいい加減になさいよね!」
「うっうー!」
「…………」
「そういうことされると、なんだかイライラするんだから! ちょっと! 聞いてるの!?」
「うぅ?」
「……聞いてるよ」
「嘘つくんじゃない! ああもう! だいたいね……」
「うっうー! うっうー! うっうー!」

ガツンッ!メリッ!

「びゃ〜〜〜〜;;」

「うるせー糞虫!だまってろ知恵遅れ!」

地団太を踏む伊織は、自分の中の感情が上手く説明できないらしい。
こういう時の彼女の言葉が遠回りになってしまうのは、けしてわざとではないのだろう。
意地っ張りで猫かぶりな伊織。
『水臭い』なんて、きっと思いついたって言えないんだ。
長々と続く彼女の怒鳴り声が胸の奥に染み渡る。
それこそ、まるで暖かいお茶のように。

36ゆきぽと、『休憩』ぷ虐Ver.:2015/01/08(木) 03:02:19 ID:dq8NTSnA
「ぽぇ」
「ん?」
くいくい、と。
いつの間にかゆきぽが俺の足を押していた。
殴られまくった頭が痛いのか力が入らないみたいだけど、小さな体で精一杯ぐいぐいと俺を前へ向かわせようとするゆきぽ。
そんな手のひらを通して、一つのメッセージが足に伝わってくる。
もう休憩はおしまいだよ、と。
そう言われた気がした。

ガツンッ!

「テメーは一生休憩中の癖して出過ぎた真似してんなよハナクソ」

「…ぷぃ〜;;…ぽえっぽえっぽえっ」
「……分かった。いくよ」
痺れを切らせてスコップを取り出したゆきぽを制しながら立ち上がる。
おら!行くって言ってるだろスコップこっち向けるな。
突きの構えをとるな、それは兵器なんだぞ。

「それこっちに向けたって事は、ケンカ売ってるって認識でいいんだよな?」

ガンッ!ゴリッ!ズンッ!

「ぽぇ!ぎゃっ!ぴいっ!」

「人様に平気で武器向けてんじゃねえそこのカスが!」

「よいせっと……」

俺は殴られた頭を押さえて踞っているゆきぽの胴体を抱えあげ、頭を下になるように持ち上げ、そのままこの馬鹿が掘った穴の中に頭から叩きつけた。

ブウンッ… グシャッ!

「ぽんぎゃあぁぁぁぁあぁぁ!!!」

まっ逆さまに穴の中に落下して、口から泡をふいて失神しているゆきぽ。人に武器を向けたんだから、このくらいの事をされる覚悟は当然、あったんだろうな?


「ほらズボンの裾が泥だけじゃない、もう」
「うっうー」
パンパンと強めに俺のズボン裾についた泥を払う伊織。
叩く力が気持ち強めなのは憂さ晴らしの意味もあるんだろう。
「はい。それじゃさっさと事務所に戻るわよ?」
「おう」
「うっうー」
「それと、やよにあんた探すよう頼んだからお駄賃あげてね」
「俺が払うのか」
10円出してくれないのかよ、この子。
糞虫、ちゃんと払うから。
くれないの? ねえくれないの? みたいな視線はやめてくれ。
浅ましい奴だ。
「ほら、10円」
「うっうー!」
「……さて、すぐに帰って仕事の準備だな」
「ええ!」
「うっうー」
「ぱう…ぐすっ」
少しだけいつも通りに戻った俺たちを、ゆきぽは穴の中から顔を出してベソをかきながらみている。
どうやら意識を取り戻したようだ。
「じゃ、いくか」
「そうね」
「うっうー」
「ぐすっ…ぅぅ」
痛い痛い、と首を押さえて泣いているゆきぽ。
その声を背に、俺たちは事務所へ歩き出したいところだったが。
「ボケッとしてんじゃねえよ」
「あんたはこれから事務所の床掃除よ。その後この穴の後始末」
「うっうー」
「ぷいー;;ぽぇっ!?」

3人で穴から引きずり出した。 こいつには事後処理がのこっている。床掃除が終わったら暗くなる前に、この穴埋めとけよ。
伊織はやよを、俺はゆきぽを抱えて事務所に戻る。
公園を出るところで、先導する伊織は振り向きもせず「ねぇ」と声をかけてきた。
「あんたが何て言われたかは知らないけど」
「ああ」
「多分、私はそう思ってないわよ?」
「……そっか」
「ええ」
こちらに背中を向けたまま、ツンとすましたような声で伊織は言う。
「どこかの誰かはそう思ってるけど、私はそう思ってない」
「うん」
「だから、それでいいじゃない」
「そうだな」
それでいいかもな。
だから、とりあえず、頑張ろう。
「あのさ伊織」
「なによ」
「ありがとな」
「……そ、そう思うならちゃんと仕事しなさい!」
「おう」
先ほどまでと何も変わっていないのだけれど、少しだけ心が軽くなった。
それは間違いなく、伊織のおかげなんだろう。

37ゆきぽと、『休憩』ぷ虐Ver.:2015/01/08(木) 03:06:50 ID:dq8NTSnA
「ぽえ」
いつの間にか俺によじ登り頭を撫でていたゆきぽ。
「…」イラッ

俺は立ち止まった。

「どうしたの?…あっ…ッ!」

ゆきぽが俺の頭を撫でているのに気が付いた伊織。その顔は怒りに満ちていた。

「…ひとつだけ聞くわ、ゆきぽ。あんた、最後に手を洗ったのはいつ?」

俺は頭を撫でているゆきぽの手を掴んだ。乾いた泥がこびりついた、薄汚い手だった。

バチィィィン!

「ぷきゃあっ!」

ドサッ

伊織がゆきぽにビンタ。ゆきぽはその勢いで地面に転がる。

「ぽ、ぽいぃぃ?」

「そんな汚い手でよく人の頭を触れるわね。この害獣。どういうつもりで頭を撫でたのか知らないけど、これは立派な侮辱よ」

俺は撫でられた頭を触ってみる。…砂や小さな小石が手についた。

「しかも頭を撫でるって、目上の人がやる事よ。あんたみたいな一匹じゃ何もできない出来損ないがやって良いことじゃないわ。分を弁えたらどうなの?言っておくけどあんたに頭を撫でられるなんて、屈辱以外の何物でもないわ」

静かに、しかし強い口調で伊織がゆきぽを叱責する。俺の思っていた事を全部言ってくれた。

「あんたがやった事は、つまりこういう事よ」

伊織はそう言って、被害者ヅラでメソメソ泣いているゆきぽの頭を踏みにじった。

「ぴぎぃ!ぽやあっ!」

「どんな気持ち?汚れた靴でぶしつけに頭クシャクシャにされて。あんたがやった事と今のこれ、どう違うのか言ってみなさいよ」

「ぷあぁぁ〜ん;;ひうー;;」

「何ぼさっとしてるの。あんたもやりなさい。侮辱されたんだから報復は正当な権利よ」

俺は伊織に促されるまま、ゆきぽの後頭部に靴の裏を当て、踏みにじった。念入りに靴の裏の泥を落とす。胸の中のモヤモヤも落ちていくようだ。

「ぱうう!ぱううぅぅぅ!」

頭を踏んだ状態で、こいつのスコップを回収する。…二本も持ってたのか。

すっかり靴の裏も、胸の中も綺麗になった。

「これでよし。お前もさっさと戻って事務所の床の掃除と公園の穴埋め、ちゃんとやっとけよ。事務所に戻る時ドアぶち抜かれたら困るからスコップは事務所の中に持ってっとくから。暗くなる前に穴埋めできなかったら明日の朝一で保健所だからな」


休憩時間はおしまいだ。
そうつぶやいて、俺たちは事務所へと向かった。

ゆきぽは次の日の早朝に殺処分になった。

ゆきぽと、『休憩』ぷ虐Ver. 終わり

38ゆきぽと、『休憩』ぷ虐Ver.:2015/01/08(木) 03:13:28 ID:dq8NTSnA
以上です。愛でSSは、『ゆきぽが何をしても許される世界』のお話のようです。夢がありますね。
そうでもしないと愛でSSとして成立しないところが流石害獣といったところです。

39名無しさん:2015/01/08(木) 03:36:36 ID:4a27Oq8M
>>38
乙!
元の方の「タヌキモグラに優しい世界」はマジで反吐が出る甘さだったからとてもいい気分だ。
ところで、『お茶会』の方もやるんですかい?

40ゆきぽと、『休憩』ぷ虐Ver.:2015/01/08(木) 19:25:50 ID:dBHUaijk
『お茶会』は面白くするのが難しそうなので…。書いて頂ける方がいらっしゃったら一読者として読みたいです。
愛でSSのゆきぽは独特の「調子こいてる」感がイラッときますね。
『休憩』のスコップ構えるところは殺意がわきました。

41名無しさん:2015/01/08(木) 20:32:32 ID:xABVZ6Qk
>>40
大変に乙
制裁シーンが多くて胸がスカッとする
Pと伊織の関係も良し。久しぶりのこんな面白い作品を読んだよ

42名無しさん:2015/01/08(木) 20:46:22 ID:/JDJg176
おつです!
最高の作品っすね!




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