【己の屍を】T&Tソロアドベンチャーリプレイ第３巻【越えてゆけ】 - 1393717387

256：センダリアの皿洗い ◆m1yVu484Hc：2014/03/30(日) 09:13:38 ID:PDW3ZYFw0: カザン市で犯罪を犯すのは愚かな事である。
女帝レロトラーの肖像画を汚したとか、道ばたにつばを吐いたとか、老女の財布をすり取ったとか、
はたまた居酒屋の飲み代を踏み倒したとか、聖日に猫の皮を剥いだとか・・・
いずれにせよ、カザン帝国法務局は犯罪者の言い分など信用しない。

事実、彼らは犯罪者を処分するのに興味深い方法を採用している。
拷問の末の死か（君が拷問吏の技術向上に貢献したいというなら、それもよかろう。立派な心がけだ）、
はたまた「運命の審判」という名のダンジョンに放り込まれるか、どちらかを選ばせてくれるのだ。

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「運命の審判」。
もちろん正式名称ではない。
法律では「カザン王立犯罪者処罰・矯正施設」と言うことになっている。

元来は英雄たる資質を試すために建造された物だったが、
英雄となって出てくる者の数が余りに少ないので、法務局が譲り受けたのだ。
取るに足らない犯罪者を処分するのに丁度良かったからだ。

もちろん、生き延びた者も何人かはいる。
出口まで辿り着いて、衛兵を皆殺しにしたところを発見された者が二名。
殺人部隊として知られる、カザンのエリート部隊に喜んで入隊した者が五名。
他の数百人の末路は、ダンジョンを作った魔法使いだけが知っている・・・