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新年も爆発するカフェと魔法検定試験

1トーム(^ω^ ):2017/01/07(土) 22:20:20 ID:J5ZUlMko0
・荒らしはスルー
・他キャラの向こう側には自キャラと同じようにプレイヤーが居ます、思いやりの心を忘れずに
・自分の不快感は分身である自キャラの不快感、嫌だと思ったらキャラクターの行動として出してみよう
・一人じゃ出来ないと思ったら他のプレイヤーに助力を求めてみよう
・長いイベント、遅いレスは他PCを長期間拘束している事を知っておきましょう、イベントを幾つかに区切るのがお勧めです
・上記のイベント、レスは長期化すればするほどグダグダになりやすいので覚えておきましょう
・カップル成立等キャラ同士の恋愛は禁止していませんが、利用規約の範囲内で、節度を持って行動しましょう
・キャラ、組織は成長します。発生しないことが一番ですが、もし矛盾が生じた場合、後付けの設定を優先します
・疑問に思ったらその時に空気を気にせず聞きましょう。聞かずに禍根を残したり他スレへ行って争う方が空気を悪くしています

まとめwiki:ttp://www40.atwiki.jp/mahoken/
うpろだ:ttp://www6.uploader.jp/home/mahoken/

ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/15943/1440852946/

296メアリー ◆YJMWmO4ZS6:2017/04/08(土) 23:59:29 ID:T0YCDSjI0
>>295
 七つのてるてる坊主を集めし者の前に竜が現れ何でもひとつ願いを(修正)

 てるてる坊主が散らばるのと同時にメアリーも詠唱を開始する。

「命の、届かぬ空から冬の帳が下りる――足を止める、白い風が背中を追い越し目を瞑る……」

 毎回毎回即興で歌う、効率の悪い古代術式。だが、それで丁度いいと言わんばかりの高出力の魔力。
詠唱力場が、空中に足場を作るほどの大魔術。

297黒髪の女 ◆DUSK/kzn02:2017/04/09(日) 00:14:31 ID:eRkB3tXk0
>>296
「アマツカミ――」
「――クニツカミ」
「ヤオヨロズノカミタチ――」

遠い国の憑代、遠い時代の詞、

「――トモニキコシメセト――」

霜のような妖精の声に、朗々たる言葉が重なり……

「――カシコミカシコミモウス!」

柏手が、鳴った。

298メアリー ◆YJMWmO4ZS6:2017/04/09(日) 00:23:51 ID:T0YCDSjI0
>>297
「――落ちる、落ちる。混ざる、混ざる。寒空の繭解け日が差す空へ――まだ目覚めはいらない」

 雲の下の空気が、上空以上に冷やされる。異様な空気の流れが生まれ、雨と雪が混ざりミゾレとヒョウが入り乱れる。
下降気流と、地表からの上昇気流がぶつかり雲を押し広げていく。
てるてる坊主の囲む円を中心に、雲に穴が開いていく。地表に日の光が差し込むのが、遥か上空から見えた。

299黒髪の女 ◆DUSK/kzn02:2017/04/09(日) 00:32:37 ID:eRkB3tXk0
>>298

「かっかっかっかっか!」

これだけあければ検定地帯も入っているだろう。
そんな曖昧な自信で、足場から穴へ飛び出した。
笑いながら、落ちていく――

300メアリー ◆YJMWmO4ZS6:2017/04/09(日) 00:39:34 ID:T0YCDSjI0
>>299
 パラシュートを開くタイミングで自動的にパラシュートが開いて落下にブレーキがかかる。
そして、寒い。確実に桜の寿命に喧嘩を売るような寒さだ。氷属性で雲を散らしたのだから仕方がない。

 だが、少なくとも空は晴れていた。濡れた地面をある程度乾かせば余波により暖かくなるだろう。おそらく。

「……お花見」

 花妖精の里を思い出す。そして、故郷を思い出す。今は雪で閉ざされている故郷。

 今回の検定、余裕を持ってクリア! 報酬が二人に渡される。

301黒髪の女 ◆DUSK/kzn02:2017/04/09(日) 00:57:57 ID:eRkB3tXk0
>>300
「さっくらーもち!さっくらーもち!」

嬉々として受け取り、出店にお茶がないか探しに行った

302メアリー ◆YJMWmO4ZS6:2017/04/09(日) 01:02:47 ID:T0YCDSjI0
>>301
 出店があった。というかマスターだった。晴れてすぐに出店したのだろう。
というよりも上空からの降下より速く出店を出店したというのだろうか。
お茶とお酒とおつまみなどが置いてある。さらには上等な湯のみまで置いてあった。高い。

303 ◆Cs/SCyFmEg:2017/04/10(月) 00:44:44 ID:2CFmDysw0
【サクラ咲ク彼ノ地】

「此の花は、ボクと同じ名前だ」

此の花はボクと同じ名前だ。由来は違う。
それでも此の花を美しいと、物悲しいと想うのは、きっと因果の端が繋がっている所為だろう。
不思議だ。実に不思議だ。
手のひらに迷い込んだ淡い花弁が、こうも我が胸を射とうとは。

宵。
さらに一際、美しく。

「此の花は、ボクと同じ名前だ」

世にサクラは数あれど、我が身は一つ。
此処に存在する意味。此処で咲く意味。そして散る意味。
一度でも惜しいと、思ってしまった。迷ってしまった。
だから――

だから此の花はボクと同じ名前だ。

304 ◆fJNTk09.gI:2017/04/24(月) 00:49:51 ID:uOQMW8A.0
「久しぶりだなぁ、ニュモ」
「・・・・」

寒風吹きすさぶ時計塔の屋上に座り込む、尻尾の生えた人ならざる少年。
そして、その目線の先で宙に浮くもう一人の少年。
髪は砂漠のように滑らかな砂色。顔立ちは美しく、まるで作り物のようだ。

「殺したはずなんだが」
「生きててよかったよ」

「はぁ・・・今までやって来たことが全部無駄になっていく・・・」
「なあニュモ、"終わりの笛" はもう鳴らした、連邦は滅んだ。ボクたちもう戦う必要はないだろ?」

その少年は、大きな角笛を振りながら、時計塔の先端にしゅたり、と降り立つ。

「・・・まあ、少なくとも今はスポンサーが違うからな」

「スクナビコナも、トゥリグァフも、ジャバリですらまだあの時のままだった。・・・ニュモもそうなんだね」
「皆で仲良くしたいってか?散々殺しあった相手にお友達にでもなりにきたのか?」
「・・・叶うならそうしたいよ」
「マジでサイコ野郎だなお前」

ニュモの背中には闇属性が滲み出し、禍々しい翼の姿を模る。
それに呼応するように、少年の纏う布もまた、羽のように広がる。

「ただお互い許しあいたいだけなんだ、ナイフを向け合うような挨拶なんてボクには無理だよ」

「お前は存在そのものがナイフの切っ先なんだよ」
「・・・フフ、君も大概だよ」

305タート ◆YJMWmO4ZS6:2017/04/24(月) 01:45:51 ID:T0YCDSjI0
【路地裏】
 あの日から、目に映る景色が変わった。異界の風が鼻をくすぐる。
どうやら霊獣というものになりかけているらしい。人や物と関わる妖獣とは異なり、死後の存在と関わる獣。

 地面の下へ向かう坂、虚空へ延びる階段、壁もなく佇む扉、天井にのぞく巨大な口、途中で途絶える足跡。
自然界でも文明社会でも嗅ぎなれない悪臭や、ふと安心するような香りまで感じる。
だが、それらを調べても何もない。元ある地面、虚空。まだこの身はただのタヌキだ。

 この町は平和だ。異質で醜悪な怨念は自然界より多い。それでも死は圧倒的に少ない。
無論死は大量に満ちている。だが自然界に必要な死とは比べ物にならない。


「……汚い、な」


 自覚はなかった。だが世界の醜さがひとつの形として目に映るのだ。
そしてそれこそが平和を生み出している。これは善し悪しではない。これが人の自然。


「人の醜さ尊さ、知ってどの道を選ぶか、」


 この身は未だタヌキ。飼われ狸。その領分から出るつもりはない。
ただ、死に関わるならば、生まれ変わったであろう魂の死に目に会えるだろうか。そんなことに何の意味もないが。


「……後に回そう。手遅れになればそれも宿命というもの」


 今は強くなることだ。人の言葉を手に入れた今、必要なのは強さだ。
強くなれば、あの老人のように誰かに手を差し伸べられる。未練ではないが、あの老人の気持ちが知りたかった。


「老いるならば老いろ。死ぬならば死ね。それまで生き足掻かねばきっとわからない」

306ポニーテールの少女 ◆DUSK/kzn02:2017/04/29(土) 21:10:03 ID:eRkB3tXk0
【カフェ】

「ふふーん、僕ならここにきても大丈夫……なきがする!」

307クオン ◆YJMWmO4ZS6:2017/04/29(土) 21:23:13 ID:T0YCDSjI0
>>306
「ドラゴンと聞くと洋風ですけどグノームと聞くとピンと来ないですよね」

 何の話をしているのだろうか。

「? こんにちは〜」

308ポニーテールの少女 ◆DUSK/kzn02:2017/04/29(土) 21:42:38 ID:eRkB3tXk0
>>307
カフェには話し込んでいる先客がいたようだ
声をかけられて思わず少女は固まった

「こっ」

声が裏返っている

「こん、に、ちは!」

「ぐのーむ……?愚ノーム?」

309クオン ◆YJMWmO4ZS6:2017/04/29(土) 21:50:50 ID:T0YCDSjI0
>>308
「たぶん鬼とかを英訳したらそんな感じの単語ですよ」

 何やら鬼武者の説明書を読んでいる。本体はないようだ。

「VRでバイオハザード系とかファンタジーとか聞きますけど和風ファンタジーのVRって聞きませんよね〜」

310ポニーテールの少女 ◆DUSK/kzn02:2017/04/29(土) 21:53:46 ID:eRkB3tXk0
>>309
「オニ?」

「えーっと、えーっと…oni、oni……鬼か」

「少し昔のファンタジーだとミニゴブリンが近いイメージだな、僕は」
「待てば出るんじゃない?海外物の和風舞台だってあるんだからさ」

311クオン ◆YJMWmO4ZS6:2017/04/29(土) 21:59:59 ID:T0YCDSjI0
>>310
「なんとなくSIRENとか鬼武者とか心引かれるのですよね〜」

 そんなことを言う割には本人はローブ姿に武器もサブマシンガン。

「ゴブリンもゲームとかの影響で悪いイメージばかりつきましたよね。
ゴブリンが和風世界で鬼と間違われて、とか面白そうですけど」

312ポニーテールの少女 ◆DUSK/kzn02:2017/04/29(土) 22:06:34 ID:eRkB3tXk0
>>311
「国産国内向け和風は和室が無いのが当たり前になったころに作られそう」

目に鮮やかな橙のコートの少女は一件武器を持っているようには見えない。

「大体序盤のモンスターだもんね
「後はあれじゃないかな、『ゴブリンの洞窟』」
「今は転生してゴブリンとか探せばありそうじゃない?」

313クオン ◆YJMWmO4ZS6:2017/04/29(土) 22:13:45 ID:T0YCDSjI0
>>312
「この町は異文化混ざりまくっていて和室が一般的かもわからないですけど。
たまに凄い変な建物とかありますし。建物全面畳張りとか、家具まで畳とか」

 和風……?

「鬼って表記するとそこそこ強いイメージなんですけどね〜
魔物転生はいろんなのがありますからね、もうほぼ作りつくされてますよね。妖怪は少し少ないですが」

314ポニーテールの少女 ◆DUSK/kzn02:2017/04/29(土) 22:21:19 ID:eRkB3tXk0
>>313
「全面ってそれ3地区の角の?」
ぷひゃ、噴出した。
「噂で聞いた!」

それWAHUだ!

「イグサか近いのが生えてたらどこでも似たようなもの作るんだなとは思ったよ」

「多分、近年文学にでてこないか、出ても舞台がもっと昔で、いにしえのもの、みたいな空気のせいかな」
「タイトルだけみたやつだけど無機物もありだよね。空気にでもなるしかない?」

315クオン ◆YJMWmO4ZS6:2017/04/29(土) 22:29:54 ID:T0YCDSjI0
>>314
「はい、あのテスト住宅区域のです。爆発したらしいんですけど何故か直っていたとか。誰も住んでいないのに」

 いよいよ建物のおかしさも凄いことになっているこの町。

「近年で妖怪というと、ハートフルかラブコメ?」

「星そのものになって、とか……ストーリーが思いつきません」

316ポニーテールの少女 ◆DUSK/kzn02:2017/04/29(土) 22:38:46 ID:eRkB3tXk0
>>315
「へえ、トビでずっと隠れてるの、そういうワケだったんだ」
町内会とか団結したら怖そうですね

「主人公があらゆる種族からモテるって漫画ちょっと前に始まってた気がする」
「ヒロインがキューピッドでかわいいんだよね」

「規模でかいって!」
くすくす

317クオン ◆YJMWmO4ZS6:2017/04/29(土) 22:48:16 ID:T0YCDSjI0
>>316
「一応格安で買えるらしいですよ? テスト地域の住宅は。
掘り出し物とか見つかるかもですね〜買い物とか安全面が少し不安ですけど」

 少しで済むかはわからない。

「でも実際は種族が違えば染色体も違うものですし、子供ができても遺伝子異常とか出ないか心配です」

 気にする場所がおかしい。

「ほどほどのスケールが一番ですね〜」

318ポニーテールの少女 ◆DUSK/kzn02:2017/04/29(土) 22:53:06 ID:eRkB3tXk0
>>317
「別荘に……。……。いやー、僕はいいかな、姉さんの家あるから」
爆発に巻き込まれたくないし、とぼやくがそちらの方が主な理由だろう。

「ほら、ご都合ナントカ。きっと主人公のがどの種族にも対応できる新型とか?」

「何か別の生き物、くらいでいいね。命一つ。それ以上でも以下でもないんじゃないかな」

319クオン ◆YJMWmO4ZS6:2017/04/29(土) 23:00:31 ID:T0YCDSjI0
>>318
「いざとなればカフェの仮眠室借りればいいですし、優先順位は低いですよね。
だからあのあたり一部がゴーストタウンみたいなんですよね〜」

「……メタモン?」

 それだと性別すら超越してしまう。

「あ、でも集合体に転生っていうの見たことあるかもしれません。
ダイレクトコントロール指揮能力があると命ひとつ、という表記に違和感が出たり……人間って業が深いですよね」

320ポニーテールの少女 ◆DUSK/kzn02:2017/04/29(土) 23:18:06 ID:eRkB3tXk0
>>319
「ここだと屋根と食べ物同時に抑えられるのはいいね」
「衣食住足りて、ってかーなーり!大事なんだ……」
「やっぱりいつ何が起こるかわからないねぐらはいやかな。いやここも爆発するけど」

「男からも狙われるじゃん、やばい」

「平民になってもなんだかんだで目立つし……難しいなあ」

321クオン ◆YJMWmO4ZS6:2017/04/29(土) 23:21:35 ID:T0YCDSjI0
>>320
「最近はあまり爆発しませんよ? 爆発しても元に戻りますし。
何より検定で収入が得られるかもしれないのが大きいと思います」

 とはいっても収入は安定しないが。

「狙う側かもしれませんよ?」

 どちらにしろヤバイ。バイだけに。

322ポニーテールの少女 ◆DUSK/kzn02:2017/04/29(土) 23:28:06 ID:eRkB3tXk0
>>321
「この間久しぶりに爆発したって回覧板に載ってたけど」
「うん、そうだね。検定の報酬はそれだけで食べていけるって聞いて、ね」

開催されても毎回報酬を得られる腕があるかどうかではある。

「えっ……」
「……うーん、そこはもう好みかな……?」

323クオン ◆YJMWmO4ZS6:2017/04/29(土) 23:37:27 ID:T0YCDSjI0
>>322
「もしかしたらリクエストしたら検定が追加されるかもですね〜
私は公的資格が欲しいです。魔法の教導資格とかあれば働いたとき報酬の他に支援金貰えますし」

 有用な資格はハードルが高い。

「そういえばミュウが全てのポケモンの遺伝子を持っているって、なんだかおかしいですよね?
ポケモンの祖先だというなら、他のポケモンはミュウの持っていた遺伝子を失っている。つまり退化しているわけです。
進化が基本となっているポケモンの環境適応の仕方にしては、違和感があります」

 完全に話題が迷子になっている。マイペースの暴走だ。
何やらミュウ後発説を提唱し始めている。

324ポニーテールの少女 ◆DUSK/kzn02:2017/04/30(日) 00:08:44 ID:eRkB3tXk0
>>323
「僕も!」
「僕もさ、公的なやつほしいんだ!」
だから時々ここに来るようにする、と少女は瞳に光を湛える

「レッセイイデンシ……?」

325クオン ◆YJMWmO4ZS6:2017/04/30(日) 00:20:36 ID:T0YCDSjI0
>>324
「魔法薬系は専攻なのでいずれとりますけど、魔法と銃器の教導資格は欲しいですね。次点で儀式系とか」

 検定試験なのだから、己を磨くためにもそれは存在している。
これからは資格所得系の検定が少しずつ増えるかもしれない。

「伝説系、というよりもメタモンと交配できないポケモンは全て劣性遺伝子なのでしょうね。
そもそもメタモンの存在が謎にも思えますけど」

 最初のポケモンはメタモンだったのではないか、とか言い始める。
そうしてふと時計を見ると随分と話し込んでいたようだ。

「あっ、そろそろ私は帰ります。検定でご一緒する機会がありましたら、その時はよろしくお願いしますね」

 そういうと席を立つ。

326ポニーテールの少女 ◆DUSK/kzn02:2017/04/30(日) 00:30:35 ID:eRkB3tXk0
>>325
「メタモンは規格外じゃないかな」
「たとえるならアレルゲンみたいな、意図せぬ一致みたいなやつ」

「えっ、あ。もうこんな時間」
「僕はリアテア。ねえ、また逢えたら君の魔法薬の話、聞きたいな!」

327クオン ◆YJMWmO4ZS6:2017/04/30(日) 00:34:19 ID:T0YCDSjI0
>>326
「アルセウスが劣性遺伝を改善するために生み出した、とか……?」

 新説。

「私はクオン。興味がありましたら是非!」

 最後に自己紹介をして、分かれる。始めに自己紹介をしなくても、まるで旧友のようだった。

328モニュカ&グレンチュア:2017/05/06(土) 20:34:13 ID:uOQMW8A.0
【カフェ】

弟「ブラックで」
姉「ベンティノンティーマンゴーパッションティーフラペチーノアドホワイトモカシロップアドホイップクリーム」

弟「(・・・呪文?)」
姉「あとブラックもうひとつ」
    _, ._
弟「(; ゚ д ゚)...???」

いつぞやの姉弟だ。例の件も一段落したのだろうかカフェでくつろいでいる。

329ウェイデン ◆YJMWmO4ZS6:2017/05/06(土) 20:43:14 ID:T0YCDSjI0
>>328
「カフェ・コレット。コアントローで」

 何やら格好つけてコーヒーを注文している青年がいた。
そして出てきたコーヒーを一口。

「……アルコールじゃん」

 コーヒーカクテルの欄を知らずに頼んでしまったらしい。
オレンジの香りと甘さ、それらが絶妙にコーヒーとマッチしていて最適な味となっている。

330モニュカ&グレンチュア ◆fJNTk09.gI:2017/05/06(土) 21:00:50 ID:uOQMW8A.0
>>329
姉「今日は検定無いのかしら」

目の前に出てきたマンゴー色のよくわからない物体を食べながらブラックを啜る姉。
ちょっと退屈そうだ。

弟「・・・まあもう少し待とうよ(あの人昼間から酒飲んでる・・・)」

・・・とウェイデンに白い視線を向けながらやはりブラックを啜る弟。

姉「私別にスタバでマックみたいな事しに来たわけじゃないんだけどー」ズズズ
弟「姉ちゃんそれ僕のコーヒー・・・」

331ウェイデン ◆YJMWmO4ZS6:2017/05/06(土) 21:05:22 ID:T0YCDSjI0
>>330
「リキュールとか普段飲まないんだけどこんな甘いの?」

 青年は、随分鍛えられているようであり槍を背負っている。
検定に参加する者なのだろう。複数の参加者がいなければ出ない検定もある。
それを考えると人がいるほうが検定の開催に期待が持てる、のかもしれない。

 酔っ払いに背中を預けられるなら、の話だが。

332 ◆YJMWmO4ZS6:2017/05/06(土) 21:44:06 ID:T0YCDSjI0
【カフェのスクリーン】
本日の検定内容_
‘挑んだり挑まれたり’
〔ジャンル〕
逆発掘
〔推薦適性値〕
設置B
指揮C
〔開催地〕
カフェの電脳

〔概要〕
ダンジョン、それは冒険者の花道。
ですがリアルのダンジョンはどんどん攻略されていきます。
今の時代、何度も挑める電脳ダンジョンがブーム。

ですが、当然人の作るものにはマンネリ化がつき物です。
皆さんもたまには作る側に回ってみてはいかがでしょう。

〔ヒント、その他〕
他の方のダンジョンに遊びに行き参考にすることができます。
基本操作は罠の配置、配下の配置、自分自身の戦闘です。

〔失格行為〕
・とくになし、電脳世界でやりたい放題しましょう。

〔BOSS〕
参加者の皆様がボスです。

《PRESENT》
☆ダンジョンマップ☆
分類:アプリケーション
協会の提供するダンジョンでオートマッピングしてくれるソフトです。
参加者全員に与えられます。

☆[電脳]マグナムバタフライ☆
分類:武器データ
電脳世界でのみ使用できる武器です。自在に飛ばすことのできる爆薬の生成能力に近いです。
ダンジョンでの人気投票一位獲得でもらえます。

《検定開始時刻》
>>今
《終了予定時刻》
>>1:00〜

333モニュカ&グレンチュア ◆fJNTk09.gI:2017/05/06(土) 21:51:08 ID:uOQMW8A.0
>>331 >>332

「・・・・」ムッスー

転送装置の前で体育座りしだす姉。

>「リキュールとか普段飲まないんだけどこんな甘いの?」

「(未成年なので分かりようがないです・・・)」シャッシャッ

弟も得物の刀を研いで待機している。
小一時間の沈黙のあと、ようやくモニターが付いた。

姉「随分アバウトな検定ね・・・まあ無いよりマシだわ」

転送装置を蹴破って勇み足で入っていく姉。

姉「モタモタしない!」
弟「待って...待って...」

刀の手入れも存外面倒である。
最近はとんと使う機会が無くなってしまっているが。

334ウェイデン ◆YJMWmO4ZS6:2017/05/06(土) 21:57:28 ID:T0YCDSjI0
>>333
 ダンジョンのエディタ画面が表示される。
デフォルトでは与えられたダンジョンはただの石畳の広い空間でしかないようだ。
罠の設置に壁や扉という物があり、これでエディトしていくのだろう。

「早く作れ〜こちとら客だぞぉ」

 酔っ払いが早速ダンジョンに挑みにきている。まだダンジョン作ってないのに。

335モニュカ&グレンチュア ◆fJNTk09.gI:2017/05/06(土) 22:24:19 ID:uOQMW8A.0
>>334

姉「できた」
弟「えぇ・・・」

廊下状に洞窟が形成され、大量のゾンビを召還。
瞬く間に洞窟はうめき声で一杯になる。

姉「実際ダンジョンってこんなもんでしょ?」
弟「さぁ・・・そもそも僕らあんまりアカデミーから出ないし・・・」

弟「・・・で、これどうするの?」
姉「倒すんじゃないの?」
弟「一つ聞くけど、何匹出した?」
姉「適当にパネル連打しただけよ」

【ゾンビ集団があまりの密度にガリガリ音を立てながらコリジョンによる位置ズレを起こして向かってくる】

336ウェイデン ◆YJMWmO4ZS6:2017/05/06(土) 22:28:26 ID:T0YCDSjI0
>>335
「待った! もっとこう挑戦者に優しく! これ走れないだろっ!」

 流石に一本道にゾンビが大量だと走ることもできないのか物凄く文句言っている。
槍でゾンビを振り払い、氷の刃と爆発で器用に倒しているが全然進めていない。

「おいこら! いい加減にしないと天井走るぞ!」

 若干涙目になっている。ちなみに壁は走れるが天井は難しい。

337モニュカ&グレンチュア ◆fJNTk09.gI:2017/05/06(土) 22:56:03 ID:uOQMW8A.0
>>336

弟「疾走感のあるダンジョンが欲しい、との要望です」
姉「しょうがないにゃあ・・・」

洪水魔法でゾンビを押し流すと、あまりの衝突判定に電脳処理が落ちてしまった。
取りあえずこのダンジョンはボツだ。

姉「疾走感のあるダンジョンってなんだよ(哲学)」
弟「うーん・・・ソ○ック的なやつなのな」

巨大な工場のようなステージが形成される。
床壁足場天井あらゆる場所に電磁加速レールが張り巡らされ、中央に大型ロボットのBOSSを配置している。

姉「ふふん、結構雰囲気いいでしょ」
弟「はぇーすっご・・・あっぶね!」

BOSSのミサイル攻撃で足場が減っていく仕様のようだ・・・

338ウェイデン ◆YJMWmO4ZS6:2017/05/06(土) 23:01:47 ID:T0YCDSjI0
>>337
 洪水に巻き込まれボロボロになったランナーが再びチャレンジ。
自分の足に自信を持っている彼にとってこのステージはアリかナシか。

「割と好み、だけど最初にここに挑戦したかった」

 既にボロボロ。それでも挑戦するらしい。
ボロボロだがそれでも走ることは本能といわんばかりに走り出す。
体力を温存するためかなるべく電磁加速レールを利用するコースで走っている。
走りに関しては言うだけのことはあるのか、このままなら問題なくボスの下にたどり着くだろう。

339モニュカ&グレンチュア ◆fJNTk09.gI:2017/05/06(土) 23:20:30 ID:uOQMW8A.0
>>338

中央のBOSSはキャタピラ駆動で動くガンタンクめいた構造をしている。
ミサイルポッドから雨の様にミサイルが飛び出し、工場を縦横無尽に駆け抜け爆破していく。

電磁加速があるとはいえ長期戦は許されないようだ。

途中に幾つかレールの分岐レバーがあり、上手く使えばBOSSの真上へ飛べそうな分岐もある。

340ウェイデン ◆YJMWmO4ZS6:2017/05/06(土) 23:26:02 ID:T0YCDSjI0
>>339
 ミサイルによりどんどん足場が減っていくのをみて思いつく。
これ、ミサイル掴んで投げ返せばそこそこ有効なのでは? と。

「よっしゃこい!」

 ミサイルを捕まえようとする。捕まえたらミサイルに乗りながら電磁加速レールで突っ込むつもりだ。
仕留め切れなかったときのために一気に飛び込み近距離戦闘に持ち込むつもりらしい。
既に体力の温存など頭にない。前のめり過ぎる姿勢だ。

341モニュカ&グレンチュア ◆fJNTk09.gI:2017/05/06(土) 23:39:04 ID:uOQMW8A.0
>>340
既にミサイル弾自体は撃ちつくしているのか、BOSS自体は砲撃に切り替えてきている。
しかしホーミングを続けているミサイルの一機が手に触れた。
そのまま電磁加速とミサイルの航行で突っ込めそうだ。

手前に見えるレールは砲撃の爆散で大きく曲がり、切断されたレールの先端がBOSSの方に向いている。
うまく行けば追っ手のミサイルごとBOSSに突っ込めるかもしれない。

342ウェイデン ◆YJMWmO4ZS6:2017/05/06(土) 23:46:39 ID:T0YCDSjI0
>>341
「実際のミサイルだと熱源感知か魔力感知か電波誘導かわからないが、ここは電脳世界だもんな!」

 走りながら磨かれた状況判断力により即断即決。
ミサイルの先端部分に氷のスパイクまでオマケして、突っ込む直前にミサイルから跳び、ボスを通り越す。
そのスタントマンも真っ青なアクションを、実現させてしまった。

 どの程度効いているだろうか、ボロボロの体がそのまま床を転がる。
結果によっては、追撃しなければならない。槍を杖に立ち上がろうとする。

343モニュカ&グレンチュア ◆fJNTk09.gI:2017/05/07(日) 00:03:28 ID:uOQMW8A.0
>>342

ミサイルは轟音をたてて中央のBOSSに直撃する。
もうもうと上がった黒煙が張れると、メインカメラ以外全てやられているロボットが残っていた。
セルフ誘導弾は成功したようだ。ダンジョンクリア。

BOSSは爆発四散してステージを吹っ飛ばし、電脳空間は元のデフォルト状態に戻った。

「はひー疲れた、下手なゲームより難しいわこれ」
「ファンネルみたいなのもあると良かったかな」
「ムリムリ・・・操縦も作る側が全部やるとは思わなかったし」

また、ダンジョンクリアの報酬として製作側からは電磁加速器が贈呈された。
いまいち使途に困るが・・・まあクラウチングスタートとかには使えるだろう。

344ウェイデン ◆YJMWmO4ZS6:2017/05/07(日) 00:11:03 ID:T0YCDSjI0
>>343
「俺、マラソンランナーなんだけどなぁ」

 微妙そうな表情だ。でも一応売らずに貰っておくらしい。
電脳空間での電磁加速が気に入ったようだ。

「俺もダンジョン作るか。なんかこう、走らないと間に合わない自動ドアの罠とか配置してよ。
滑る油とかの罠も用意して、エネミーは後ろから迫ってくるタイプ」

 微妙に性格の悪いダンジョンについて語り始める。

345モニュカ&グレンチュア ◆fJNTk09.gI:2017/05/07(日) 00:30:25 ID:uOQMW8A.0
>344
「滑る油って・・・たけし城じみてるなぁ」

とりあえず今回のマップをワークショップに登録しておく。
地味に指揮系の検定は少ないので後で使うかもしれない。
スポーツマンにはSASUKEっぽいダンジョンの方が楽しめそうだ。
ともあれ時間的に検定終了。

姉「んー頭使って疲れた、わたし戻ってシャワー浴びるから」
姉「グレン、ショートアイスチョコレートオランジュモカノンモカエクストラホイップエクストラソース頼んどいて」
弟「えっショートアイス・・・何だって?待って!せめてメモに書いて!」

【我睡魔に抗えず、ロールおしめり】

346ウェイデン ◆YJMWmO4ZS6:2017/05/07(日) 00:35:08 ID:T0YCDSjI0
>>345
「お疲れー」

 結局酔っていたのか酔ってないのかわからない男はダンジョン作らなかった。
何しにきたのかはわからないが、優勝商品は自動的に手に入ることになるのだろう。
何せ、他にダンジョンを作っていた者がいないのだから。

 そしてカフェに静寂が戻る。

347 ◆YJMWmO4ZS6:2017/05/27(土) 22:19:10 ID:T0YCDSjI0
【カフェのスクリーン】
本日の検定内容_
‘ソロモン72のスタンドをぶっ潰せ!’
〔ジャンル〕
戦闘
〔推薦適性値〕
戦闘A
対応力A
〔開催地〕
町全域

〔概要〕
しまっちゃうフリーザ様の手により町にスタンド使い達が現れた。
それぞれソロモン72柱をモチーフにしたスタンド使い。
彼らに課せられた使命は検定で戦うこと、それのみ。
故に参加者諸君に与えられる使命もただ一つ。
戦え! 戦え! 戦え! 守りたくば戦え。葬りたくば戦え。戦え!

〔ヒント、その他〕
このスタンドバトルによる死者はリタイア機能で自動的に転送されます。
ただし行先はカフェの冷蔵庫です。スタンド使いの場合敗北しただけで冷蔵庫行きです。
スタンドはスタンド使い以外にも見えるとか見えないとか、干渉できるとかできないとか。
なお敗北しても挑戦権が失われることはありません。冷蔵庫からはなんとか脱出しましょう。

スタンドを得たい場合は冷凍庫の中の矢を使いましょう。使い終わったら元の場所に戻しましょう。
失格者は全員冷凍庫にぶち込まれますが、気が向いたら犯罪者以外はついでに助けてあげましょう。
またこの方法でスタンドを得た場合、一度も戦闘しないと冷凍庫にぶち込まれます。
(※スタンドは自分で考えた物かあらかじめ用意されているものの中から選べます。
 またこの矢により能力を得たスタンド使いは一度でも戦えばスタンドを手放すことができます)

〔失格行為〕
・街での過剰または不必要な破壊行為や窃盗行為、当然警察に追われます。
・無関係な者の殺害や後遺症の残る暴力行為、当然認められません。
・その他基本的に不必要な犯罪行為、常識の範疇での行動を心がけましょう。
・カフェ内での戦闘行為、カフェ内はセイフティエリアです。

〔BOSS〕
・ソロモンズ
君はこのスタンド使い達に打ち勝てるかッ!

《PRESENT》
☆七つの星の茶葉☆
分類:食品
この茶葉を七種類集めて全て混ぜたお茶を飲むと任意の魔法適正一つが一段階上昇します。
スタンド使い一名を倒すごとに希望の銘柄一つが貰えます。味は何故かどれも乳製品に近いです。

☆覚醒の弾丸☆
分類:?
スタンドに撃ち込むことでスタンドを強制進化させる弾丸。ただし進化に失敗すれば死亡します。
全ての敵対スタンドを倒すことで一つだけ貰えます。所有権は要相談です。

《検定開始時刻》
>>今
《終了予定時刻》
>>ほどほど

348クー ◆YJMWmO4ZS6:2017/05/27(土) 22:34:23 ID:T0YCDSjI0
>>347
 現在攻略フラグの立っているスタンド使いは、七位「アモン」、十二位「シトリー」、
十四位「レラジェ」、四十五位「ヴィネ」の四人。未だソロモンズの数は多勢!

 そして今、新たにスタンド使いへ挑む少女が転送装置をくぐる。転送装置に入力した数値は、六十六。

【闘技場】

 闘技場、そこに踏み入れた瞬間に嫌な予感というものを感じた。
咄嗟の判断が強く求められる剣士でもあるが故の直感とでも言うべきか。
あるいは観察眼か。少女の目の前には、迷路のような水路が張り巡らされていた。

 対峙する者は、船乗り風の大男。そして傍らには、ワニと馬の合いの仔のような何かに跨った騎士型スタンド。

「一人で、このキマリスと戦おうというのか?」

 慢心すら感じる、不敵な声。大男には、絶対の自信があった。既にこのフィールドは、男のためのフィールドだった。

349クー ◆YJMWmO4ZS6:2017/05/27(土) 22:54:22 ID:T0YCDSjI0
>>348
 少女は弓と矢に選ばれなかった。スタンドの適性はない。
世界法則の違いによりスタンド使い以外にもスタンドは見え、干渉可能だ。だが、油断はできない。
精霊術師の少女は知っている。手数の増える優位と、特殊な能力による爆発力。それは勝負を決する力すらある、と。

 そう、油断はなかった。だからこそ反応できた。

「セヤァアッ!」

 目を離してはいなかった。ただ歩いているだけの大男は、それでも一瞬でその姿が掻き消える。

 そこは水路であるというのに、当たり前のように踏み出した瞬間だった。姿が掻き消え、後ろから声が聞こえてきたのは。

 咄嗟に身を捩り、その場で転がる。だが騎士の持つ馬上鈍器は、直撃せずともその猛威を振るう。
肩に衝撃が走り予想以上に地面を転がる。目を白黒させるしかない、が、それでも戦闘の中では目の前の相手を見なければ負ける。

「……水を媒体にした空間移動、ですか?」

「否! キマリスは水を渡る。一瞬で、だが――水上に居続ければ、その一瞬は永遠に続く!」

 それは、事実上水路に足を踏み入れた瞬間敗北することを意味していた。
即座に判明したキマリスの能力。それは、水の上での時間停止ッ!

350クー ◆YJMWmO4ZS6:2017/05/27(土) 23:15:16 ID:T0YCDSjI0
>>349
 既に闘技場の設定が変えられ、水路ばかりとなっているこの状況。
そこに四方八方から馬上槌が襲い掛かる!
直撃を食らえば、水路に触れるまで弾き飛ばされるだろう。それは敗北を意味していた。

「くっ」

 苦し紛れに刀を振るう。が、その刀身は鞘に収まったままだ。
左肩を痛めた今、抜刀すらできずにいた。元より刃のない刀ではあったが、鞘ごと振るうようにはできていない。
ましてや近距離攻撃で馬上の相手に有効打を与えるのは、万全な状況であっても難しい。

「剣は、捨てるしかないですか……ッ」

「諦めるつもりか? だが、キマリスに追われて逃げられると思うか?」

「……」

 この状況下を打破するならば、魔法しかない。だが今、少女の契約精霊の片方はいない。
杖となる刀は、片手で振るわなければならない。勝負の始まる前から、今に至るまで状況は悪化しかしていない!

 だが、ここで諦めるようであれば、家族を連れ戻すことなど、不可能ッ!

351クー ◆YJMWmO4ZS6:2017/05/27(土) 23:44:00 ID:T0YCDSjI0
>>350
「嫉み嫉んで呪った全てが、私の光を奪い去る――堕ちた心を置き去りに、重い足音響かせて……」

「大型詠唱か? させん!」

 大男は、射程の外からの攻撃を可能とする魔法を警戒していた。
特に、水路全体を攻撃できるような広範囲の攻撃を。故にその素振りを見せたら無理にでも叩きに行く。
始めからそう決めていた大男に迷いはない。即座に反応し、キマリスに馬上槌を振るわせる。
それも今までのような一撃離脱ではなく、無理にでも水路に押し込もうとするラッシュだ。

「セヤセヤセヤセヤセヤァ〜ーーーッッ!!」

「うぐっ、!」

 詠唱を中断せざるを得ない。だが、違和感が生まれた。何故、まだ勝負が続いている?
人外の筋力、という感じではない。大男の肉体に比例したかのように力強いスタンドだが、人の範疇だ。
それでも、片腕の使えない少女を何故追い込めない? その重量とパワーは十分それを可能とするはずなのに。

 そもそも何故今までラッシュを仕掛けてこず、一撃離脱を繰り返していた? 確かにそれが一番リスクが少ない。
だが慢心すらしているこの男は、何故慎重な策を選んだのだろうか。性格を鑑みれば最初から無理を通してきそうだというのに。

「……っ!」

 クーは無理な体勢で刀を振るう。それは馬上槌を持つ右ではなく、左。それを大男は大げさに避ける。
受け止める、ではなく避けた。受け止めることも十分できたであろうに。クーに、戦いの目が生まれた。

352クー ◆YJMWmO4ZS6:2017/05/28(日) 00:10:42 ID:T0YCDSjI0
>>351
「その左手、使えないんですよね? スタンドの方も」

「……」

 スタンドと共に突撃してきたときも、最初に傍らにスタンドを置いていたときも、左手はスタンドに触れていた。
正確には、スタンドの手と繋がれていた。最初は右手と左手、突撃時には左手と左手。
おそらくは時間停止の解除時、一番初めの突撃時に一度スタンドを消し、再出現させていたのだろう。

「そのスタンドの射程距離は、ゼロッ! 常に本体と手をつないでいなければ消えてしまう。
だから、攻撃をスタンドだけに任せるのではなく、自分もスタンドの後ろに騎乗し、突撃を繰り返していた!」

「――なるほど、目は悪くないらしいな。だが、船に女は縁起が悪い」

 キマリスが、大上段に馬上槌を構える。弱点が相手に割れたとしても、行うことには関係ない。
海が荒れていようとも船で突き進む、無謀すぎる船乗りの精神。
見習うべきではない。海は危険だ。慎重になる者こそ真の海の男だ。それは事実。
だが、異端でも彼は己が海の男を曲げない。

「目だけで渡れるほど、この大海は甘くないぞッ!」

「ならば、腕もみせましょうっ!」

 今、再び二人は向かい合う。

353クー ◆YJMWmO4ZS6:2017/05/28(日) 00:35:23 ID:T0YCDSjI0
>>352
 キマリスが突進する。それをクーは避ける。そのはずだった。現にそうなった。
だが、クーは後ろに倒れる。後ろには、水路があるというのに!

「血迷ったかッ!?」

「さて、どうでしょう?」

 水路に、クーの腕がかかった。それを確認し、キマリスは水路に突入する。
そして、時が止まる。止まった世界で動き回れるのは、同じ時間干渉能力を持つものだけ。しかし――

「なっ、ナニィ!?」

 大男は、止めをさせなかった。周囲は暗く、黒に包まれていた!
いくら時が止まっていても、何も見えないのでは何もしようがない。
今、ここがどこであったかもわからない。時間の止まる感覚を頼りに、今水路にいるか否か、それだけしか分からない。

「チィ!」

「時間停止中でも、暗闇でできることは限られているようですねー」

 水路の外に足を踏み出し、時間停止が解除された中で舌打ちが響く。
暗闇の中、聞こえてきた声を頼りにキマリスを突撃させるが、あたらない。
クーのこの闇は、感知魔法! 内部の様子は、何度も読み返した間違い探しの本の答えの如くハッキリとわかる!

「嫉み嫉んで呪った全てが私の光を奪い去る。堕ちた心を置き去りに重い足音響かせて」

 詠唱が、完成する。

「流れる世界を追いきれず、後日談を彷徨い歩き、鏡の自分に手を伸ばす」

「糞ッ、どこだ! どこにいるぅ!?」

「その手を掴め――アクセスッ!」

 瞬間、闇が夜空のように煌いた。光があるというのに、内側は何も見えない。
遠くに光が瞬く場所の手前に、地面がある。目を開けているだけで距離感を錯覚しそうな状態。

 詠唱は完成した。大規模攻撃がくる。そう考えまずは全力で移動に専念する。闇から出るために。
だが、出ない。そのまま走ると、大男に衝撃が走る! 全力で壁に突進してしまったのだ。そして――

「勝負あり、ですよね?」

 馬上から引き摺り下ろされていた。いや、持ち上げられていた。
クーにつかまれたまま空を飛ぶ。そのまま上空に上がっていく。ダメだ。キマリスは飛べない。

「近距離パワー型を、なめるな!」

 無理矢理に振りほどき、無様ながらもなんとか着地する。まだ、戦いは終わっていない。

354クー ◆YJMWmO4ZS6:2017/05/28(日) 00:59:38 ID:T0YCDSjI0
>>353
 地面を転がりながら、必死に水路を探す。時間を停止しなければ追撃を受ける。
明らかに少女は空を飛んでいた。見えはしないが、持ち上げられたのだ。わかる。
空を飛ぶ相手に近距離型スタンドは、不利。能力や投擲などで攻撃しなければならない。
だが、その相手も闇の中で見えない。いくら時間を停止しても、攻撃が当たらないなら意味がない。

「だが! まだ負けたわけではない。水路を慎重に辿り、闇の外に出る!
先ほどは時間が動いていた。だから追跡され闇から抜けることができなかった。
時を止めている今なら、水路を伝えばどこかしら闇の外に出る! まずはそれからだ!」

 既に大男から油断は消えていた。必死に水路を探す。が、その手が何かに触れる。段差だ。

「闘技場に段差など、設定していないはず……! 違う、これは段差などではない!」

 段差は、さらに高いところで段差にあたる。またその先も段差だ。

「これは、階段! ここは観客席かッ!! 俺は観客席に落とされた!」

 急いで大男は闘技場に飛び降りる。そして水路を探す、が、時間は停止しない。

「どこだ、どこに水路が、」

 瞬間、闇が晴れた。大男の目の前には、一番最初に見た闘技場の光景があった。
そう。設定を弄り水路ばかりにする前の、障害物もない平らな闘技場!

「まさか! 戦いの最中に、設定端末を弄りに行ったのか!!」

「はい。事前に設定を変えるのがアリなら、途中で変えてもいいですよね?」

 水路がなければ、ただ片手の使えない近距離パワー型スタンド。
そして、その素のスペックは、パワー型スタンドというには力不足なものだった。
もう一度闇で闘技場を覆われれば、もうなす術はない。あの瞬間、戦いは終わらずとも勝負は決まっていた。

「俺が、負けたのか……? 馬鹿な、糞がァ……!」

355ベルン:2017/05/28(日) 01:21:49 ID:gKmW8um20
>>347

「……面白そうだな」

市街地に被害を出してはならないが、対象者の殺害は許される、加減が効きにくい自分の戦闘でもこの検定に支障はない――何より、相手も相応の強敵らしい。
丁度良い練習相手が欲しかった、躊躇い無く入力される番号は、最も強力な悪魔と称されるアモンのそれで。

356クー ◆YJMWmO4ZS6:2017/05/28(日) 01:29:37 ID:T0YCDSjI0
>>354
 完全に勝敗が決した。そう思われても男は、ただ、諦めたくなかった。
今は闇が晴れている。そして壁際だ。壁を砕き、その破片を馬上槌で打ち飛ばす。
それをあてれば、まだ勝敗を覆せる。勝負は一瞬、諦めない。海の男は生を模索する!

「俺は、俺は! オレはぁあああっ!! 負けないッ!」

 壁を砕く。その瞬間にクーは闇を再展開するが、場所は目に焼き付けている。
移動するよりも早く、そこに瓦礫を叩き込む。手に入れた瓦礫を放り、そこ目掛けて馬上槌が振るわれる!

 空を裂く音が聞こえた――

「空、振り……? 馬鹿な、今の集中力で外すわけが」

 闇が晴れる。瓦礫は、闇の刃に串刺しにされ壁に張り付いていた。
大男の喉下に闇の刃が突きつけられる。いつの間にか、クーは抜刀していた。

「勝負アリ、です」

 男は、敗北した。


>>355
「私も七つの星の茶葉、ゲットです!」

 転送装置から少女が出てきた。既に勝っている人物がいるらしい。
早速自分もと思い転送装置に行くが、七位アモンは既に敗北済みと出た。
他にも十二位シトリー、十四位レラジェ、四十五位ヴィネ、六十六位キマリスが選択不能となっていた。
あと何故か最後のほうに「しまっちゃうフリーザ様」の名前が。いきなりコレとも戦えるようだ。

357ベルン:2017/05/28(日) 01:36:16 ID:gKmW8um20
>>356

「勝った先客か、おめでとう、俺も後に続く……と言いたかったんだが、大体が潰されてるな」
「……しまっちゃうフリーザ様は後回しにするとして、他に良さげなのは……」

強敵とは違う何だか嫌な気配をフリーザ様から感じ取り敬遠、関わっちゃならない気配がする。

358 ◆YJMWmO4ZS6:2017/05/28(日) 01:43:57 ID:T0YCDSjI0
>>357
 ソロモン72柱、より取り見取りかと思えば、意外と戦闘に関係のない悪魔も混じっている。
戦闘に関する悪魔以外でも強敵の予感のする番号はいくつかある。
序列一位バアルなどは番号から重圧すら感じる。だが、ピンきりだ。
二位と三位は何故かセットで選ばれるようになっている。二十二位イポスなどは、重圧の種類が違う。
三十二位アスモデウスなど、何故か数字が愛らしい色合いに変化する。重圧は微塵も感じない。むしろリア充の香りがする。

359ベルン:2017/05/28(日) 01:54:46 ID:gKmW8um20
>>358

アスモデウスを血祭りにあげたい衝動に駆られるも、折角の機会をそんな事に使いたくはない……と自分に言い聞かせる。

「……バアル、か、ベルゼブブの語源だったか?」
「まあ、それっぽい能力者ってだけだから考察してもそこまで意味は無い、か」

1、とだけ数値を入力して転送装置を起動する。

360 ◆YJMWmO4ZS6:2017/05/28(日) 02:04:11 ID:T0YCDSjI0
>>359
【闘技場】
 そこには、一見老人にすら見える少年がいた。艶のない白髪で、隈が酷い。
体も痩せ細っている。だが、最低限運動できるだけの筋力はある。スタンドの姿は見えない。

「ッ!」

 問答すらなく、突然石を投げてきた! スタンド攻撃ではない、ただの投石!

361ベルン:2017/05/28(日) 21:16:46 ID:FdAWmiPc0
>>360

攻撃は不意討ちを含めて想定の範囲内、潰し合いには王道も外道も存在しない、勝利したいのなら最善を尽くして当たり前だ。
故に、此方も手は抜かない、一手目から全力で殺すつもりで行動する。

(――まさか、たかが石ころで殺せるなんて思っていないだろう、防げて当たり前の隙だらけの無駄な行為……をする相手ならこんな場所にはいないだろうし)

念には念を入れて行動する、石の軌道上に数本、少年の足下に一本、鋭利な骨の杭を生成し攻撃に対処する。
雑な攻撃にも見えるが、今まで幾度となく使った馴染みきった魔術、起動の速度と精度は尋常なものではなく、油断すれば即座に串刺しになるだろう。

362 ◆YJMWmO4ZS6:2017/05/28(日) 21:55:04 ID:T0YCDSjI0
>>361
「、」

 小さく舌打ちが響く。その舌打ちは、どうにも反撃よりも投石への対応へ向けられているように思えた。
そして、攻撃に反応して避けようと重心を後ろに移し、そのまま骨に足を貫かれる!

 避けることはできたはずだ。重心移動は完璧だった。だが、少年は避けるのを止めたのだ。
防御でもなく回避でもなく、貫かれ足から血を流す。しかも、その場に縫い止められたまま! スタンドすら出さない!
勝負を諦めた? いや、そんな目には見えない。

363ベルン:2017/05/28(日) 22:32:25 ID:FdAWmiPc0
>>362

舌打ち、素直に解釈するなら相手にとって不都合な行動を自分が取ったと思うべきだろう。
もっとも、その行為そのものが単なる演技の可能性も有る以上深く考察しようとは思わないが。

寧ろ、気にかかるのは回避を敢えて止めたこと、咄嗟に思考を巡らせて得た可能性は二つ。
一つは、負傷が少年にとって利益を生むこと、血を媒介とした魔術を使えたり、負傷を相手に押し付ける術が使えるのならばその行為も無意味ではないだろう。
そしてもう一つは、何かから意識を逸らすための演出であること、例えばあの石ころそのものが彼の能力――スタンドである場合などだ。
避けなかった少年に自分が疑問を持ち、警戒している隙にそれに不意討ちをさせる、そんな作戦が有るならこの行為も理解出来る。

(……つまり、視野を広く持て、って事だ)
(予め地中にスタンドを待機させるなり、奇襲の手段は山ほど有る、有利を取った以上攻撃を続けるが、それ一辺倒になるのは宜しくない)

思い至ったのなら行動あるのみだ、少年との距離は詰めず離れずを維持しながら、横方向に移動し同じ位置には留まらない。
その回避動作と平行して骨杭を追加する、足を穿つ杭に迅速に対処し追撃を回避しなければ、次は両腕を大地から生える骨の杭が貫くだろう。

364 ◆YJMWmO4ZS6:2017/05/28(日) 22:53:43 ID:T0YCDSjI0
>>363
「、微妙」

 微妙、と一言呟く。そして、骨杭を素手で叩き折る! 魔力の波動、身体強化魔法だ!
スタンドを出現させる。ハエのような小ぶりの翅が生え、猫の顔を持った人型のスタンド。

 少年が突進する。追随するスタンド。近距離型だろうか。
だが、スタンドなど関係ないとばかりに少年は殴りかかってくる!

365ベルン:2017/05/28(日) 23:23:26 ID:FdAWmiPc0
>>364

単純な突進に見える攻撃、それが本当にその程度のものなら試合はここで決着だろう。
殴り掛かる数歩手前でベルンの足下から小さな波のように、無数の骨杭が前方に突き出すからだ。
そして、それと同時に、いつの間にか、本人の手には紫炎を纏う一振りの剣が握りしめられていて――。

366 ◆YJMWmO4ZS6:2017/05/28(日) 23:33:55 ID:T0YCDSjI0
>>365
 スタンドにより自分の体を掴み、急停止。そしてそのまま、腕を振るう!
砂だ。単純かつ古典的目晦まし! 何故だろうか、少年は有効な攻撃、というものを避けているように思える。
何故だろうか。勝負を捨てているようには見えない。なのに何故か、まともな攻撃をしてこない。

 スタンドすら、攻撃にまわさない。軽い体とはいえ少年を急停止させた。パワーのないスタンドではないはずなのに。
まるで、意表をつくことそのものが目的となっているように――
意表をつく、それは勝負を有利にするためのもの。だが、優位を捨ててまで、意表をつこうとしている……?

367ベルン:2017/05/29(月) 22:08:28 ID:FdAWmiPc0
>>366

攻撃を誘って隙を作った、この攻防のみを見るなら少年の行動はおかしくはない。
しかし、少年の行動はあまりにもそれに徹底し過ぎている、となると嫌でも考えてしまう。

――何か、秘策がコイツには有るのだ。

と、それはきっとごく自然な判断で……だからこそ何よりも選びたくない選択肢だった。
秘策が有るにしても時間経過で発動するものかもしれない、可能性なんて幾らでも挙げられる。
視界を狭めてはならない、様々な可能性を考慮する、可能な限りの対応策を練る、それも必要な事ではあるが、今は――この流れは切らない、押し潰す。

「――吼えろ、ストラトキャスター……!」

砂掛けだろうが石投げだろうが気にしない、相手が力の弱い札を切る以上“ごり押し”で攻めるのも立派な戦術だ。
無造作に、力強く、紫炎剣を横一文字に振り抜かれた剣先から放たれるのは紫色の剣風、それは、砂を吹き飛ばし霧散させながら少年を両断するのには十分なもので。

368 ◆YJMWmO4ZS6:2017/05/29(月) 22:41:18 ID:T0YCDSjI0
>>367
 その一撃は、あっけなく少年の体を両断する。そう、両断した。
確実に致命傷だ。秘策も何もなしに、少年は、倒れる。

「……この、勝負……ボクは、何度、予想を覆した……?」

 力なく、そう呻く。強者としての雰囲気は間違いなくある。だというのに、あっけなすぎる。
――答えよう。何度、少年は予想を覆した? 予想を、超えた? いい意味でも、悪い意味でも――

369ベルン:2017/05/29(月) 23:39:15 ID:FdAWmiPc0
>>368

「……あのな、勝負の場では予測なんて……いや、言い方を改めようか、行動の選択肢なんて幾らでも、それこそ数え切れないくらいあるものなんだ」
「拳で殴る攻撃一つにせよ、両手両足の何処でどう防ぐか、それとも前後左右どちらに避けるのか、或いは相討ち覚悟で反撃を狙ってくるのか、狙うなら何処を狙うのか、ってな具合にな」
「……だから、残酷なようだがこれが答えだ、お前は俺の予測と違う行動を幾度となく取ったが……それだけだ、同時に、お前は俺の予測をただの一度も覆さなかった」
「完全に俺の予測を覆したかったのなら、珍妙な行動を取るんじゃなくて『コイツはこれだけの事が出来るのか』と思わせるべきだった、俺の上を行かないといけなかったんだ」

倒れ伏した少年に向けて、言葉を紡ぐ。
ただの一つの遠慮もないが、ただの一つの偽りもない言葉、これをどう受け取るかは少年次第だ。

370 ◆YJMWmO4ZS6:2017/05/29(月) 23:56:44 ID:T0YCDSjI0
>>369
 少年は確信した。この男の予想を覆すことは無理だ。全てで自分を上回っている。
そして、上から見るならば全ての仕掛けは丸見え。マジックショーに意味などなくなる。

 命が、尽きる。今ここで自分は死ぬ。ならば――

 少年のスタンドが少年の腰から拳銃を取り出し、自分自身に弾を撃ち込んだ!
検定の報酬にあった、強制スタンド進化バレット。どうせ死ぬならばと、少年は覚悟を決めた。
今のままでは勝てない。だが、可能性がある限り、諦めない。

「こいつに、勝ちたい――!」

 バアルの頭部に冠が現れる。そこには、悪魔には似つかわしくない綺麗な宝石があしらわれていた。
そして、今まで漂っていた強者の雰囲気。それが今ハッキリと強者の威圧に変貌する!

 新たなスタンドが少年に触れると、致命傷が時間を巻き戻すように癒えていく……!
少年の新たなスタンド! その名はッ!

「バアル・ラ・ファイル!」

 今度こそ、少年は! 正面から、敵を打ち倒す決意を固めた。

371ベルン:2017/05/30(火) 00:17:49 ID:FdAWmiPc0
>>370

「ああ、そうだ、予想を覆したいのならそれが正解だ、わざと攻撃を受けるのでも、攻撃を唐突に止めてみるのでもない」
「“輝きを見せる事”――俺がお前を軽んじていたと意図せず思ってしまうような、そんな何かを行動で示す事、それが予想を覆すって事だろう」


少年なら男の僅かな変化に気が付くだろう、今まで剣を握っていただけの筈の手が変化している。
紫炎を纏う魔刃はそのまま、だが、赤い脈のような紋様が走る黒手袋がいつの間にかその手に付けられていて。

「……お前が最後の意地を見せてくれたんだ、俺も相応の形で応えてやる――往くぞッ!」

再び、戦いの幕が上がる。

372 ◆YJMWmO4ZS6:2017/05/30(火) 00:30:40 ID:T0YCDSjI0
>>371
 今までとは違い少年は一気に距離をつめてくる。
身体強化魔法、スタンド、両方を使った力技の高速移動だ。
そして銃を構え、放り投げる! 投擲、と見せかけてのさらに急加速!
少年には、意表をつく動きが染み付いている。意味がなくても、それは癖として現れる。
この瞬間は、投げた銃をさらに殴りつけ加速して打ち出す! 完全に力技の、変則直線攻撃!

 明らかに、動きが違う。コンセプトは同じでも、その切れ味が突然に跳ね上がっている!

373ベルン:2017/05/30(火) 00:45:08 ID:FdAWmiPc0
>>372

銃そのものを弾丸のように放つ不意の攻撃、それに対する反応は、最初の投石に対するものとまるで同じ、地面から生える骨の杭が、銃の軌道に現れ攻撃を阻む。
だが、異なる点が幾つか存在していた、一つ目はその骨杭がより丈夫そうで太い、見るからに強力そうなものに変化していた事。
そしてもう一点は、ベルン自身がそれと同時に前方に駆け出していた事……受けて応じるだけの勝負ではなく、自らが戦局を変えねば勝てないと、そう思わせる事に成功したのだ。
最初からそれが出来ていればそれが「予想を覆した」事になるのだろうが……今更、互いにそんな事に拘ってはいないのだろう。

374 ◆YJMWmO4ZS6:2017/05/30(火) 00:51:10 ID:T0YCDSjI0
>>373
「バアル・ラ・ファイルッ!」

 骨の杭が銃を阻む、が、それに追いつき拳銃を、さらに殴りつける!
もはやまともに撃てる代物ではない。完全に銃身が曲がっている。

「ゼヤァ!」

 スタンドの右腕で殴り飛ばした銃。そしてさらに前に進むスタンドの繰り出す左腕の拳。
さらには少年の取り出した予備の銃による銃撃! みっつの攻撃が同時に襲い掛かる!
自らを両断した剣? その使い手? そんなことは、知らない! ただ勝ちたい。その一心で前のめりに攻撃を飽和させていく――!

375ベルン:2017/05/31(水) 23:17:42 ID:FdAWmiPc0
>>374

「勢いが大事なのは間違いないだろうが、それだけで勝てると思うなよ――!」

言葉を口にしたあと、内心で苦笑いをする。
少し前までの自分はそれ以上に勢い任せの人間だったのに、何を偉そうに言っているのか、と。

三方からの攻撃、全てを防ぐにも避けるにも相応の動きはしなければならない、少し前の少年が相手ならそれでも良かったのかもしれない。
だが、今の少年相手にそんな隙を晒す気はまるで起きなかった、戦い方が勢い任せのものだと感じたのは事実だが、それ故に何をされるか解らない『怖さ』がある。

(――けれど、易々と攻撃を許す気は無い、その勢いを見せてくれたからこそ、加減は一切無しだ)

「もう一度だ、ストラトキャスター……!」

三方からの攻撃を前に足を止め、紫炎剣を振り抜く構えに入る、肉を切らせて骨を断つ……という訳では当然無い。
術式を再度起動、自身の足下、文字通り完全な足の下から自分自身を打ち上げるように、地面を砕き骨の杭――ではなく骨の柱が現れる。
包囲されていた筈の男は、その一瞬で空に舞う、そして、その手には再び斬撃波を放つ準備が整った魔刃が握られている訳で。

一瞬の間を空けた後、少年に向けて空から紫色の斬撃が“落ちてくる”だろう。
それは断頭台の刃のように、重々しいながらも、正確かつ迅速に命を奪いに掛かってくる。

(お前が何を思って意地を張ったのかなんてまるで解らないけれどね、それでも――これで終わらない事くらいは解ってるつもりだ)

376 ◆YJMWmO4ZS6:2017/06/01(木) 01:11:10 ID:T0YCDSjI0
>>375
 その一撃は容易く命を奪い得る。それは少年にも分かっていた。
元よりカフェのメンバーは一般人に納まらない者たちばかり。スタンド使いになったとはいえ、少年は一般人。
センスも、スペックも、経験から装備まで、何から何まで足りない。

 だが、だがッ! 少年の新たな力はその不利を覆す!

 紫色の一閃に首を跳ね飛ばされる。致命傷だ。自然治癒どころかそのまま死ぬ、そんな傷だ。
それが、再び覆される! バアル・ラ・ファイルが触れた瞬間、少年の傷は時間を巻き戻したように癒えるッ!

「本能でわかる。ボクの新たな力! まだ、使いこなせてないけど、『ボクに致命傷は効かないッ!』」

 スタンドの進化の際に見せたその現象。ハッタリかはわからないが、こんな力が無制限に使えるのであれば、確かに同じ攻撃は効かないだろう。

 少年は骨の柱を登り追いつこうという素振りを見せ、やめた。相手の出した足場を信用する気にはなれない。
しかし、それでも柱を攻撃する! 砕いて叩き折れれば相手に重圧を与えられるかもしれない。
少しでも砕ければ、投げつける破片が手に入るかもしれない。あるいは、折れた柱を投げ付けることすらできるかもしれない。
手に入れたばかりの付け焼刃の力。それを持て余すのは当然だ。だが、持て余しながらも、全力だ!

377黒髪の女 ◆DUSK/kzn02:2017/06/01(木) 22:24:23 ID:eRkB3tXk0
【カフェ】

ことことと煮立つ手鍋をかき混ぜるマスターを見ている。
人が何かをしているところを見るのは嫌いじゃない。

378クー ◆YJMWmO4ZS6:2017/06/01(木) 22:35:06 ID:T0YCDSjI0
>>377
 後ろから忍び寄る。カフェの扉を開けたとき音が鳴ったからバレバレだ!
何かしら驚かそうとしているようだが、手にはカチューシャが。
カチューシャの頂点からはバネが伸び、その先に「あだ名募集中」の小さなプレートが揺れている。

379黒髪の女 ◆DUSK/kzn02:2017/06/01(木) 22:46:33 ID:eRkB3tXk0
>>378
ドアベルが鳴る、も静かだ
女は気づかないふりを選んだ、選んだが。


「そこ!」

クーがカチューシャをつけようと伸ばした手をつかもうとした!

380クー ◆YJMWmO4ZS6:2017/06/01(木) 22:52:11 ID:T0YCDSjI0
>>379
 咄嗟に手を引っ込める。だが、遅い。カチューシャを掴まれてしまう。言い訳はできない。

「……あっ、コレいります?」

 さすがにその返しは苦しい。

381黒髪の女 ◆DUSK/kzn02:2017/06/01(木) 22:58:30 ID:eRkB3tXk0
>>380
がっしー
勢いで『あだな募集中』がびよんびよん揺れているのを見てサングラス越しでもわかる苦々しげな顔になる。

「……そうだな、貰うか」

もう片手でカチューシャをとり、返す手でクーの頭にのせる――つもりだ

382クー ◆YJMWmO4ZS6:2017/06/01(木) 23:03:49 ID:T0YCDSjI0
>>381
 カチューシャが頭に乗った、瞬間――

「引っかかりましたね!」

 静電気が走る! ついでに自分も痛かったのか耳を押さえている。

383ベルン:2017/06/01(木) 23:06:51 ID:FdAWmiPc0
>>376

過程は兎も角、柱に接触した事は“正解”だ。
魔術を使える少年なら理解出来るだろう、骨の柱の中に蠢く魔力と、今まで散々男が行使してきた術式に近く、それでいて大きな気配が存在している事に。

上空からの攻撃は囮、わざと機敏に行動できない空中に自身の身を置き少年が反撃する好機を作る事、そして本命の攻撃を放つ為の重要な布石を“ただの足場”に見せかける事。
その二つを同時に行いつつ、現状で最も効果的な反撃をしたと思わせるのが一連の行動の真意だったのだ。

(……触れられたなら誤魔化しは効かないだろうなあ、間に合うか怪しいが――)

「ボーングレイブ――"八重紅枝垂"ッ!」

例え骨の柱がへし折られようと、術式の発動に支障は無い、男の声に応えるように、骨の柱から無数の骨杭が四方八方に飛び出し、その全てから真下に向かい更なる骨の杭が飛び出す。
骨の柱の中心に近ければ近いほどその攻撃の密度は高く、回避が困難になっているようだが、迅速に回避動作をとれたのなら、或いは柱を破壊動かす等、何らかの方法で攻撃の方向を操作出来たのなら、この攻撃を凌ぐのはそれほど困難ではないだろう。

384 ◆YJMWmO4ZS6:2017/06/01(木) 23:16:33 ID:T0YCDSjI0
>>383
 触れた瞬間に少年は理解する。これは、間に合わない。
殴りつけた反動で少しでも後ろに下がろうとし、それでも間に合わない。

「ガァアアッ!?」

 体を無数の骨で貫かれる。一部は体の内部で屈折し体内を長く貫通している。

「ぐっ……! ラ・ファイルッ」

 自らのスタンドに体を貫く骨を砕かせ、抜き取っている。どうやら、体内に異物がある状態で傷を癒すことはできないようだ。
痛みがスタンドにも影響しているのか、その動きは手早いものの、少し鈍い。

「……なあ、」

 あからさまな時間稼ぎのタイミング。精神攻撃でもなんでもとにかく試すつもりだ。

「この検定死者も想定してるが今まで全員空気読んで殺してないらしいぞ。あんたどれだけ空気読めないんだ?」

 先ほどまで致命傷は効かないと豪語しておきながらのこの言い草。生き汚い。

385黒髪の女 ◆DUSK/kzn02:2017/06/01(木) 23:22:56 ID:eRkB3tXk0
>>382
「あでっ!!」

「畜生……全ては貴様の手の上か……!」
じんじん

386クー ◆YJMWmO4ZS6:2017/06/01(木) 23:29:02 ID:T0YCDSjI0
>>385
「ちょっと改良が必要ですね」

 逆ドッキリ用カチューシャ。仕掛け人も痛いので改良行き。

「クオンさんに頼めばイタズラグッズ作ってもらえるので、貰ってきました」

 魔法薬専攻のくせに何を作っているのか。妙に子供っぽいことを。

387黒髪の女 ◆DUSK/kzn02:2017/06/01(木) 23:33:15 ID:eRkB3tXk0
>>386
「クオン作か」
マスターが出来上がった皿を出す。
ベリーを砂糖で煮たものにホイップクリーム。激甘メニューだ。

「俺も何か悪戯道具がほしいぞ!」

がうがうと唸っていたが料理が来ると隣の椅子を軽く引き座るかどうか窺った

388クー ◆YJMWmO4ZS6:2017/06/01(木) 23:40:51 ID:T0YCDSjI0
>>387
「とりあえず袋に入れて適当に貰ってきたのですが、見ます?」

 隣に座りテーブルに中身を広げる。
出てきたのは、目薬っぽい何か。「ふんどし一丁」とプリントされたTシャツ。
水晶っぽい飾りのついたボールペン。ぶーぶークッションらしき小物。合計よっつ。

「それ、甘そうですね」

 こちらは普通のバニラアイスにウエハース。追加オーダーで何故か枝豆。そして紅茶。

389黒髪の女 ◆DUSK/kzn02:2017/06/01(木) 23:48:47 ID:eRkB3tXk0
>>388
「見るみる。がっつり見……おお」

甘いものの合間に枝豆とは通ですな。
此方のドリンクはブラックコーヒーで。

「ふんどし」
「一丁」

まあまずそれが目に入りますよね

「どれもこれも先のようなギミックがあるのか?」

390 ◆YJMWmO4ZS6:2017/06/01(木) 23:56:44 ID:T0YCDSjI0
>>389
「たぶん、説明書ありますし」

 ふんどし一丁Tシャツ。これを誰かに投げ付けると、自分がこのTシャツ姿になる逆トラップ。
目薬のほうは料理にかけると一口目だけ納豆の味になるという地味なもの。

「……うわぁ」

391黒髪の女 ◆DUSK/kzn02:2017/06/02(金) 00:08:33 ID:eRkB3tXk0
>>390
「うわ」
「うわあ……」

逆ギミックマジ罠すぎませんか。
というかここに来る人って嬉々としてこういうの着そうだしなんならふんどしすら着そうだ

「納豆」
「どれどれ……」

なんで試そうと思った。いいぞもっとやれ

偶数なら目が納豆くさくなる

392クー ◆YJMWmO4ZS6:2017/06/02(金) 00:17:30 ID:T0YCDSjI0
>>391
「こう、地味なのはどうやって考えているんですかね?」

 頭の中にきっとキメラを飼っている。

 そして試した結果、味は納豆、香りはスイーツ。香りまでは変わらないらしい。
違和感が物凄い。副作用はないようだが。

「これは、一応魔法薬ですね」

 ちなみに他ふたつも、ノックしたら「なぁ、すけべしようやぁ〜」と声の流れるボールペン。
座ると体重が読み上げられるクッション。と書かれている。地味だ。

393黒髪の女 ◆DUSK/kzn02:2017/06/02(金) 00:23:29 ID:eRkB3tXk0
>>392
「……あみだくじ?」

「うっわまじで納豆の味だ……納豆として普通に旨い……甘味を食べていたはずなのに……」
「目から口に作用するとはなんとも奇妙な魔術よ……」

同じく体験してほしいのか、ふたを開けた目薬を差し出す。

「前言撤回。多分思考回路がとんでるぞ、クオン」
中の人が変な笑いで死にました

394クー ◆YJMWmO4ZS6:2017/06/02(金) 00:30:11 ID:T0YCDSjI0
>>393
「これ料理にかけるって書いてあるのですけど、目薬としてさしちゃったのですか?」

 容器が紛らわしい。そして、自分はウエハースにかけてみる。

「……さくさく食感の、納豆」

 枝豆にかけたほうがよかったかもしれない。
イタズラグッズ、きっと思いつきで作って放置しているのだろう。たぶん売れない。

395黒髪の女 ◆DUSK/kzn02:2017/06/02(金) 00:45:11 ID:eRkB3tXk0
>>394
(あーっ勘違いしてた!!!!)(なんか都合好い感じに補修してやってください!!!!)(どげね)

「サクサクの……納豆」
知ってる!それ納豆乾燥させたお菓子!(実在したぞ!)
ジョークのラインナップがはりーっ○ったーめいてて俺は好きだ!!!




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