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選ばれし子供「デーモンの捕虜になったわけだが」
1
:
ナクル
:2013/12/03(火) 21:05:15
選ばれし子供♀「もう一生ここ住みでもいいかも」
ヘルムモン「おい」
選ばれし子供♀「あ、いたの?」
ヘルムモン「デーモン様から選ばれし子供♀の守りをせよと命をうけているからな」
選ばれし子供♀「ポテチうめぇ」
ヘルムモン「くっ……しかし選ばれし子供として、お前はそれでいいのか?」
選ばれし子供♀「だって寝るところは保証されてるし、食べるものは美味しいし。あ、サイダーちょうだい」
ヘルムモン「確かにそうかもしれないがな……はいよ」
選ばれし子供♀「あんがと。そういえばヘルムモンって作者のオリデジか何か?」
ヘルムモン「初っ端からメタネタはやめろ! Vテイマーに出てきた魔族っぽい奴だよ、ググれ」
選ばれし子供♀「うわ、このサイダー冷えてないとかありえねぇー」
ヘルムモン「くっ……」
31
:
ナクル
:2013/12/04(水) 22:40:50
選ばれし子供♂「とりあえず、付近の探索をしてみようと思う」
選ばれし子供♀「あ、外行くなら自販機でコーラ買ってきてよ」
パンジャモン「俺ポカリで」
選ばれし子供♂「自分で行けよ!」
選ばれし子供♀「仕方ない、代金は出すから。ヘルムモンが」
選ばれし子供♂「敵だけどいい加減可哀相になってきたぞ」
パンジャモン「あ、デーモンだ」
選ばれし子供♂「唐突なうえに帰還早すぎるだろ……」
デーモン「んん、今日もいい収穫だった。上物のゴートモンとムースモンが併せて3ケタは捕れたか」
パンジャモン「絶滅しそうな勢いだね」
デーモン「これで2日は持つか」
選ばれし子供♂「消費早すぎだろ……」
32
:
ナクル
:2013/12/04(水) 22:48:52
選ばれし子供♀「あの、デーモン様」
デーモン「何だ」
選ばれし子供♀「あそこの通気口、ちょっと捕虜が逃げられそうな大きさなんでどうにかした方がいいと思いますよ」
選ばれし子供♂「俺のアイディア全力で潰しにきやがった!」
パンジャモン「あー、俺もそれ思ってました。なんとかした方がいいですよ」
選ばれし子供♂「予想できたわ!」
デーモン「ふむ……なるほど。確かにそうかもしれんな。すぐに手配しよう。仕事が増えてしまったな……」
選ばれし子供♀「こっちも寝食の確保に必死だしね」
パンジャモン「悪く思うな」
選ばれし子供♂「なんでこんなのが選ばれたんだよ……」
選ばれし子供♀「どんなのって?」
選ばれし子供♂「ンゴフッ! ガハッ……こんなのだよ……」
33
:
ナクル
:2013/12/04(水) 23:05:42
ヴァンデモン「デーモン様、お怪我などございませんか」
デーモン「あるわけがなかろう」
スカルサタモン「性癖は大怪我モノな気がするけど」
デーモン「ん?」
スカルサタモン「いえ、そちらの獲物はコチラでお預かりいたしましょう」
ヴァンデモン「また以前のように30分で消費されてしまってはコチラも堪りませんので」
デーモン「昔の話をするでない……わかっておる」
ヴァンデモン「ではスカルサタモン、そちらは頼んだぞ」
スカルサタモン「えっ、ちょ、手伝ってくれよ。流石に重いって」
ヴァンデモン「疲れきって抵抗できない方がこちらも楽だ」
スカルサタモン「……ヴァンデモンさん?」
34
:
ナクル
:2013/12/04(水) 23:08:26
選ばれし子供♂「……どうしてくれるんだよ……」
選ばれし子供♀「デーモンの仕事を増やせば相対的にドルグレモンが楽になるかなって」
選ばれし子供♂「いや、もしかしたらそうかもしれないけど……」
選ばれし子供♀「付近の探索するつもりだったんでしょ?」
選ばれし子供♂「いや、そうだけど。でもさ、世界救うんじゃないのかよ……」
選ばれし子供♀「そういうのは自分のことがしっかりできてる人が言うことだと思います」
選ばれし子供♂「なんか急にもっともらしいこと言い出しやがった!」
選ばれし子供♀「何? あの通気口はドルグレモンが通るには狭すぎると思うんです! とでも言えばよかったの?」
選ばれし子供♂「なんで逆ギレしてるんだよ!」
選ばれし子供♀「コーラが無いからだよ!」
選ばれし子供♂「知らねぇよ!」
パンジャモン「あ、選ばれし子供♂。そいえばリュックが光ってるよ」
選ばれし子供♂「冷静だな! でもなんで……うわぁっ!」
35
:
ナクル
:2013/12/04(水) 23:13:58
ボタモン「ポポポポーウ」
パンジャモン「あ、ボタモンだ」
選ばれし子供♂「デジタマが孵ったのか……てっきりあの神話が現実になるのかと」
選ばれし子供♀「あ、あの非常食用にしてたやつか」
選ばれし子供♂「大いなる光の矢つがえられし時、進化の最奥への扉開かれたり」
パンジャモン「ちょっともう非常食にはなりそうにないねー」
選ばれし子供♂「これが現実になった時、究極体への進化ができてデーモンとやりあえるようになるんじゃないかって」
選ばれし子供♀「わかんないよ、ちょっと厨房借りる?」
選ばれし子供♂「そんな風に聞かされてたんだけど。流石にそう上手く話しは転がらないか」
パンジャモン「遠慮するよ。あ、ピザ食べる?」
ボタモン「ポポポポーウ」
選ばれし子供♂「聞けって!!!」
36
:
ナクル
:2013/12/05(木) 20:59:57
選ばれし子供♀「非常食の割にはかわいいね」
ボタモン「ポポポポーウ」
選ばれし子供♂「非常食にかわいさを求めるとか斬新だな」
選ばれし子供♀「選ばれし子供♂よりは余裕でかわいいしね」
選ばれし子供♂「お、俺だって幼少の頃は」
選ばれし子供♀「過去の栄光に縋っても未来は掴めないよ?」
選ばれし子供♂「くそっ……コイツにそういうこと言われるっていうのが一番腹立つ……」
パンジャモン「まあまあ。何処かに需要はあるかもしれないじゃない」
選ばれし子供♂「どういう意味だよ!?」
ボタモン「ポポポポーウ」
37
:
ナクル
:2013/12/05(木) 21:07:29
ヴァンデモン「ぅぶぇくしょいぃっ!!」
スカルサタモン「うわ、きたねえ!」
ヴァンデモン「……私はそこまでストライクゾーンは広くないぞ」
スカルサタモン「何の話だよ。っていうか流石に壁ドンしてる時にくしゃみはやめろよ!」
ヴァンデモン「それは失礼したな。あんなことやこんなことの最中の方がサプライズ性があってよかったな」
スカルサタモン「まずこの状況からサプライズなんですけど」
ヴァンデモン「フラグは相当ちりばめられていたはずだが?」
スカルサタモン「そういうことじゃなくって」
ヴァンデモン「不安なのか……? 包容力になら自信がある、任せろ」
スカルサタモン「言葉で解決できる気がしない……こうなったら、すまんがヴァンデモン、逃げさせてもらう!」
ヴァンデモン「グフッ? ……なるほど追いかけっこかい? そういうシチュも嫌いじゃないね!」
38
:
ナクル
:2013/12/05(木) 21:14:56
選ばれし子供♂「とりあえず、俺は探索しにいくからな」
選ばれし子供♀「オッケ。デーモン軍への報告は任せて」
パンジャモン「あとポカリ」
選ばれし子供♂「いい加減真面目に選ばれし子供やろうよ!」
選ばれし子供♀「逆に訊くけど私に何を期待しているの?」
選ばれし子供♂「役名そのままをだよ!」
主人公に選ばれし子供♀「じゃあこれでいい?」
選ばれし子供♂「対処療法しろって言いたいんじゃないんだよ!」
39
:
ナクル
:2013/12/05(木) 21:23:25
選ばれし子供♂「もうわかったよ……一人で行くし期待もしないから邪魔だけはしないでくれよ」
選ばれし子供♀「コーラ」
パンジャモン「ポカリ」
選ばれし子供♂「そういうのは自分で行けって!」
ドルグレモン「喉が、渇いたのだが……自分で行くのが道理か……」
選ばれし子供♂「お前の分は買ってやるから寝てろ!」
パンジャモン「ドルグレモンクラスになると自販機あっという間に在庫無くなりそうだね」
選ばれし子供♀「お金なら大丈夫、ここにヘルムモンの財布があるから」
選ばれし子供♂「当然のように掏摸るなよ」
選ばれし子供♀「うわ、1000bitも入ってないんだけど。ありえねぇー」
選ばれし子供♂「掏摸ってる方が本来ありえねぇよ!」
40
:
ナクル
:2013/12/05(木) 21:32:03
選ばれし子供♂「ほんとに行くから! もう行くから!」
パンジャモン「テイク4くらいだよね」
選ばれし子供♂「お陰さまでな……」
選ばれし子供♀「ボタモン、あの男の人みたいな人を、器が小さい、って言うんだよ」
選ばれし子供♂「とんでもない奴にとんでもない教育されてるけど大丈夫なのか」
選ばれし子供♀「どんな奴って?」
選ばれし子供♂「ンゴフッ! グハッ……これ絶対教育に悪いって」
選ばれし子供♀「ほら、Repeat after me, "utsuwa-ga-chisai"」
ボタモン「バカ」
選ばれし子供♀「惜しい!」
ボタモン「ポポポポーウ」
選ばれし子供♂「惜しいじゃなくておかしいだろ!!!」
41
:
ナクル
:2013/12/05(木) 21:42:04
選ばれし子供♀「あー、行っちゃった」
パンジャモン「あれ、寂しいの?」
選ばれし子供♀「弄ぶ相手がいなくなっちゃったからね。ヘルムモン起きないかな」
パンジャモン「ハハッ、そのとおり。……ん? 誰か来るね」
スカルサタモン「うわああああああああああ」
ヴァンデモン「ハハハ、待てったら」
パンジャモン「見なかったことにしようかな」
スカルサタモン「その鞭だけは! せめて鞭だけは仕舞って!」
ヴァンデモン「仕舞えば言うことを聞いてくれるというんだな」
スカルサタモン「曲解しないで! あ、ちょっとそこの選ばれし子供! こいつをどうにかしてくれ!」
選ばれし子供♀「うわぁなんかめんどくさいのが来たよ」
42
:
ナクル
:2013/12/05(木) 21:49:24
選ばれし子供♀「そういえば選ばれし子供♂がさっき脱走しようと企んであっちに行ったよ」
スカルサタモン「ちょっと今それどころじゃ……ヴァンデモン、お前ちょっと捕まえてきてくれよ!」
ヴァンデモン「私はもう定時にタイムカードを押したぞ」
スカルサタモン「俺も押してるよ!」
パンジャモン「デーモン軍ってホワイト企業なのかな」
選ばれし子供♀「就職する?」
パンジャモン「考えとこうかな」
スカルサタモン「とりあえず逃げられたら始末書書かなきゃいけなさそうだし、ここは一旦業務に戻ろう!」
ヴァンデモン「……まあ、仕方ない。楽しみは後に取っておくタイプだからな」
スカルサタモン「じゃあタイムカード押し直しに行くか」
パンジャモン「ホワイトだなぁ」
ヴァンデモン「福利厚生もしっかりしているぞ」
選ばれし子供♀「あ、コーラとポカリもついでによろしくー」
43
:
ナクル
:2013/12/05(木) 21:56:30
選ばれし子供♂「で、俺だけ牢獄行きになったわけなんだが」
選ばれし子供♀「だっせぇ」
選ばれし子供♂「誰のせいだよ!」
パンジャモン「人に責任を押し付けるの、選ばれし子供♂の悪い癖だよ」
選ばれし子供♀「ほんとほんと。せっかくのドルグレモンの厚意を無駄にして」
選ばれし子供♂「だから誰のせいだよ!」
ドルグレモン「すまない……俺がもっと頑張ればこんなことには……」
選ばれし子供♂「お前だけはもう充分頑張ってるよ……」
選ばれし子供♀「まあたまに会いに来るから。暇だったら」
選ばれし子供♂「今暇だろ。出してくれよ」
選ばれし子供♀「はぁ? 録り溜めてたアニメ消化しなきゃいけないから超忙しいっての」
選ばれし子供♂「暇だろ!」
44
:
ナクル
:2013/12/05(木) 22:07:38
選ばれし子供♀「まあそういうことで、魔王城ライフエンジョイしてきますわ」
パンジャモン「選ばれし子供♂も滅多に経験できない牢獄ライフエンジョイしてきてね」
選ばれし子供♂「俺はなんでこんな奴らに薄情者扱いされないといけないんだ……」
ドルグレモン「すまない、選ばれし子供♂……きっといつか助け出してみせるからな……」
選ばれし子供♂「お前が唯一の良心でホントいてくれて助かる」
ヘルムモン「あ、ドルグレモン。デーモン様がお呼びだぞ」
パンジャモン「あ……」
ドルグレモン「あ、ああ……わかった……」
選ばれし子供♀「いってらっしゃーい」
選ばれし子供♂「唯一の良心がドナドナされていく……」
ボタモン「ポポポポーウ」
45
:
ナクル
:2013/12/05(木) 22:15:43
選ばれし子供♀「っていうかヘルムモン、あんた復活してたんだ」
ヘルムモン「なんとか医療班に治療してもらってな」
選ばれし子供♀「チッ」
ヘルムモン「くっ……医療費も自己負担だったんだぞ」
選ばれし子供♀「へぇー」
ヘルムモン「財布失くして保険証も無かったから10割負担だぞ、何とかツケてもらったけど今月ほんと死にそう……」
選ばれし子供♀「へぇー」
パンジャモン「そりゃあついてないね。ポカリ飲む?」
選ばれし子供♂「敵だけどほんと敵とは思えない親近感があるな……」
ヘルムモン「蟹食わせたその口でよくそんなことが言えるな!」
46
:
ナクル
:2013/12/05(木) 22:21:32
パンジャモン「じゃ、俺たちはアニメ見ないといけないからここらで」
選ばれし子供♀「多分また来るから。多分。3日後くらいに」
選ばれし子供♂「もういっそ来るなよ……」
選ばれし子供♀「ヘルムモン苛め飽きたくらいでまた、ね」
選ばれし子供♂「普通にもう来るなよ……」
パンジャモン「まあまあ。俺は選ばれし子供♂が生きてさえいればそれでいいから」
選ばれし子供♂「……いい言葉かと思ったら全然いい言葉じゃねぇ!」
選ばれし子供♀「じゃねー」
選ばれし子供♂「なんなんだよ……ん? ボタモン、お前は行かないのか?」
ボタモン「ポポポポーウ」
選ばれし子供♂「ん、俺の隣にいてくれるっていうのか?」
ボタモン「んなわけあるかよ。あばよ」
選ばれし子供♂「いや、ちょっとお前待て、おい、おかしいだろ!」
47
:
ナクル
:2013/12/05(木) 22:28:36
選ばれし子供♀「さーて今日は徹夜でアニメ消化だな」
ヘルムモン「私はもう帰って寝たいんだが」
選ばれし子供♀「ダメ。だってローソンで夜食買ってきてもらわないといけないし」
ヘルムモン「自分で行けって……眠いんだよ」
パンジャモン「捕虜にローソンまで自由にさせるとか見張り役としてどうなの?」
ヘルムモン「私ももうタイムカード押してるからサビ残なんだよ!」
選ばれし子供♀「まあまあ、いいじゃない。どうせ独り身なんだし」
ヘルムモン「そんな個人情報を言った覚えはないぞ! ……合ってるけど」
選ばれし子供♀「だと思った」
パンジャモン「まあ、わかるよね」
ヘルムモン「くっ……ムカつくと同時にどこか不甲斐ない……」
選ばれし子供♀「……そいえば、ドルグレモン今頃何してるんだろうなー」
48
:
ナクル
:2013/12/05(木) 22:33:55
デーモン「はぁ……はぁ……」
ドルグレモン「…………」
デーモン「……やっぱりケモノを縛り上げて鞭で調教するのは最高に興奮するなぁ……」
ドルグレモン「…………」
デーモン「しかしマンネリ化を防ぐためにそろそろコスプレさせるのも悪くはないか……」
ドルグレモン「…………」
デーモン「とりあえず今は猛烈にモフりたい気分だ……全力でモフってやろう……!」
ドルグレモン「…………あ、ガッ……う、そこは、そんな方向には曲がらなッ……あ゛あ゛あ゛ッ」
デーモン「ふおおお、たまらん、たまらん……!」
ドルグレモン「やめ、そこはあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!! …………」
デーモン「ふふっ……まだまだ夜は長いぞ……?」
49
:
ナクル
:2013/12/05(木) 22:41:19
選ばれし子供♀「まあ適当にデジソウル送ってれば大丈夫でしょ」
パンジャモン「ほんと2足歩行はボールでよかったよ」
ヘルムモン「ある意味デーモン様より恐ろしいな」
選ばれし子供♀「誰が?」
ヘルムモン「ウゴフッ! ガハッ……不条理だ」
パンジャモン「あ、暇なんだったらコンビニで肉まん買ってきてよ。一番高いの」
ヘルムモン「全然暇じゃないっていうか今本来ならフリーなはずなのに……」
選ばれし子供♀「じゃあ私は男のティラミス」
パンジャモン「あ、いいねそれ。やっぱ俺もそれで」
ヘルムモン「それファミマだろ! 最寄はローソンなんだって」
選ばれし子供♀「それが何か問題でも?」
パンジャモン「大丈夫だ、問題ない」
ヘルムモン「ですよねー……ハァ……」
50
:
ナクル
:2013/12/05(木) 22:49:48
選ばれし子供♀「……あー、気づいたらもう外明るくなってきてる……」
ヘルムモン「そうだな……」
選ばれし子供♀「パンジャモンは途中で寝ちゃったし」
ヘルムモン「そうだな……」
選ばれし子供♀「ニチアサ観たいから時間になったら起こして」
ヘルムモン「そうか……」
選ばれし子供♀「朝ご飯はごはんと味噌汁とたくあんでよろ」
ヘルムモン「ああ……」
選ばれし子供♀「じゃ。おやすみ」
ヘルムモン「…………寝られなかったじゃねえか!」
選ばれし子供♀「うるさいわ!」
ヘルムモン「ウゴフッ! ゲホッ……い、意識が……」
51
:
ナクル
:2013/12/05(木) 22:57:14
パンジャモン「……選ばれし子供♀!」
選ばれし子供♀「……何? 眠いんだけど」
パンジャモン「いや、その、プリキュア始まってるぞ」
選ばれし子供♀「……はあああ?」
パンジャモン「やっぱり起こした方がよかった? 寝起きの機嫌いっつも悪いから躊躇ってたんだけど」
選ばれし子供♀「うわ、ホントだ。ちょっとマジで勘弁……」
パンジャモン「録画はしてあるから安心して」
選ばれし子供♀「ああ、ありがと……でもリアルタイムで押さえたかったんだよくそ……ヘルムモンは何やってたの?」
パンジャモン「ヘルムモンならボタモンの隣で寝てるけど?」
ボタモン「ポポポポーウ」
選ばれし子供♀「安らかな寝顔で寝やがって……」
ヘルムモン「ウゴフッ! ゴホッ……え、ちょ、何やめウゴフッ! ゴフッ! ゲハッ!」
パンジャモン「安らかに逝きそうだね」
52
:
ナクル
:2013/12/05(木) 23:01:28
パンジャモン「あ、ドルグレモンだ」
選ばれし子供♀「ドルグレモンおっはー」
ドルグレモン「…………お、は……」
パンジャモン「こっちも安らかに逝っちゃいそうな感じだね」
選ばれし子供♀「まあ、私がいるから大丈夫でしょ」
ヘルムモン「その謎の安心感はどこから来てるんだ」
選ばれし子供♀「この拳からかな?」
ヘルムモン「ウゴフッ! ゴフッ……今日有給使おうかな……」
パンジャモン「え、マジで。それだったら一日俺らの世話してもらえるじゃん」
ボタモン「ポポポポーウ」
選ばれし子供♀「マジでー、助かるわー」
ヘルムモン「……デーモン軍はホワイト企業って聞いてたのに……」
53
:
ナクル
:2013/12/05(木) 23:06:53
選ばれし子供♂「……朝か」
選ばれし子供♂「パンジャモンがいない朝なんて久しぶりだな……」
選ばれし子供♂「なんだかいつもより平和だけど、少しさみしく感じるのが悔しいな」
選ばれし子供♂「……さて、どうしようか」
選ばれし子供♂「ここから脱出しないといけないわけだが、どうやって脱出しようか」
選ばれし子供♂「パンジャモンが助けに来てくれる可能性は……期待しない方がよさそうだし」
選ばれし子供♂「選ばれし子供♀に期待するのは根本的に間違ってる」
選ばれし子供♂「ドルグレモンは……自分の命を守るので精一杯じゃないかな」
選ばれし子供♂「とすると、やっぱり俺が一人で頑張らないといけないんだ」
選ばれし子供♂「考えろ、考えろ、考えろ……」
選ばれし子供♂「……ん、あれは、もしかして……?」
54
:
ナクル
:2013/12/05(木) 23:10:47
選ばれし子供♀「今週のプリキュアも面白かったー。……あ、ちょっとヘルムモン、どこ行くの」
ヘルムモン「タイムカード押しに行くんだよ」
パンジャモン「あれ、さっき代わりにスカルサタモンにヘルムモンが有給消費する旨伝えてるよ?」
ヘルムモン「他人の有給を勝手に消費するなよ!」
選ばれし子供♀「まあ、ヘルムモン自体が消耗品みたいなものと言っても過言ではないし」
ヘルムモン「過言だしその発想が怖いわ!」
パンジャモン「そういえばスカルサタモンはやたらげっそりしてたなぁ」
選ばれし子供♀「確かに、やたらやつれてた感じ」
ヘルムモン「お前らスカルサタモンのげっそり具合とかよくわかるな」
パンジャモン「代わりにヴァンデモンは凄く活き活きしてたなぁ」
選ばれし子供♀「顔色良かったね、血色良好で」
ヘルムモン「血色の良いヴァンデモンってどういうことだよ……」
55
:
ナクル
:2013/12/05(木) 23:17:01
パンジャモン「そういえばヘルムモンの会員証でデジアド無印のビデオ借りたんだけど」
選ばれし子供♀「GJ」
ヘルムモン「全然GJじゃないっていうか財布無いと思ったらやっぱりお前らかよ!」
選ばれし子供♀「お前のものは俺のもの」
パンジャモン「俺のものは俺のもの」
ヘルムモン「ジャイアニズム精神の持ち主が2人とかもうこの仕事辞めたい」
ボタモン「ポポポポーウ」
選ばれし子供♀「仕事無くなったら思う存分私に奉仕できるしね」
パンジャモン「素敵だね」
ヘルムモン「どちらかと言うと怨敵かもだが」
選ばれし子供♀「誰が?」
ヘルムモン「ウゴフッ! ガハッ……少なくとも味方ではない……」
パンジャモン「あー、このプレーヤーってビデオに対応してないじゃん。何とかしてよヘルムモン」
56
:
ナクル
:2013/12/05(木) 23:26:33
パンジャモン「ビデオを入れて……おお、再生できた」
ヘルムモン「自宅にビデオの再生機器取っておいて正解だった……」
選ばれし子供♀「たまには使えるじゃん」
ヘルムモン「いや捨てておくべきだったのかもしれない……」
選ばれし子供♀「あー、選ばれし子供たちが全員東京に一回帰ってる時のやつね。懐かしー」
パンジャモン「この回が好きかなと思って」
選ばれし子供♀「うんうん、しかも結構クライマックスのところからか」
パンジャモン「早くエンジェウーモン拝みたいかなと思って」
選ばれし子供♀「わかってるねェ……」
ヘルムモン「なんだろうこのおっさん臭さ……」
選ばれし子供♀「ん?」
ヘルムモン「ウゴフッ! ゲフッ……まあ私もエンジェウーモン好きだけど……」
57
:
ナクル
:2013/12/06(金) 20:42:38
選ばれし子供♀「おおおおおおっ」
ヘルムモン「ああっヒカリちゃん……!」
選ばれし子供♀「あああああああああ」
ヘルムモン「ウィザーモン……! お前……」
選ばれし子供♀「あああああやだああああああ」
ヘルムモン「ウィザーモオオオオオオオオン!!!」
選ばれし子供♀「……かーらーのー?」
ヘルムモン「超・進化あああああああ」
選ばれし子供♀「きたああああああああああああ」
パンジャモン「うるっさいなぁ……」
58
:
ナクル
:2013/12/06(金) 20:50:26
選ばれし子供♀「エンジェウーモン様のなまめかしい肢体を心行くまで……ん」
パンジャモン「……あ、止まっちゃったね」
ボタモン「ポポポポーウ」
ヘルムモン「いいところだったのに」
パンジャモン「ヘルムモンは今日有給の方がよかったかもね」
ヘルムモン「くっ……」
選ばれし子供♀「……あれ、全然直らないんだけど」
パンジャモン「ちょっと貸して見せてみて。……あー、これビデオ自体がもうかなり劣化してるみたい」
選ばれし子供♀「ってことは」
パンジャモン「残念だけど、エンジェウーモンがホーリーアローを撃つ直前くらいまでが限界かな」
選ばれし子供♀「……ふっざけんなよ! デジソウルチャージ! うらあ!!!」
ヘルムモン「ちょっとそれウチのビデオデッキなんだが!?」
59
:
ナクル
:2013/12/06(金) 20:57:09
ヘルムモン「あー……粉微塵になってしまった……」
選ばれし子供♀「やっぱ使えないなー」
ヘルムモン「今回は私に落ち度は無いはずなんだが……」
パンジャモン「あっ選ばれし子供♀」
選ばれし子供♀「何?」
パンジャモン「そういえばさっきからドルグレモンの様子がおかしいよ」
ドルグレモン「う……身体が……熱い……!」
選ばれし子供♀「へぇ」
ヘルムモン「もうちょっと心配してあげたら?」
選ばれし子供♀「絆の力舐めないで」
ヘルムモン「こんな絆で結ばれるのは嫌だなぁ……」
パンジャモン「ちょっとドルグレモン、ドルグレモーン?」
ドルグレモン「う、あ、あああ、あああああああああ!」
60
:
ナクル
:2013/12/06(金) 21:09:58
パンジャモン「……ドル、グレモン?」
アルファモン「……いや、今はアルファモン。進化、できたんだ……!」
ヘルムモン「やけに唐突だな!」
パンジャモン「ちょっと尺の都合でね」
ヘルムモン「そういう事情はいいから!」
選ばれし子供♀「でも本当になんでこのタイミングで……あ、まさか」
パンジャモン「大いなる光の矢つがえられし時」
選ばれし子供♀「進化の最奥への扉開かれたり」
パンジャモン「エンジェウーモンのホーリーアローのタイミングと」
選ばれし子供♀「私のビデオデッキ破壊デジソウルが一致して……!」
ヘルムモン「よくそれで理解が追いつくな!」
パンジャモン「尺が」
ヘルムモン「はい」
61
:
ナクル
:2013/12/06(金) 21:14:38
選ばれし子供♀「そうだ、アルファモン」
アルファモン「選ばれし子供♀……!」
選ばれし子供♀「……なんでアルファモンなの」
アルファモン「!?」
選ばれし子供♀「ドルグレモンからの進化だったらドルゴラモンでしょ普通!」
アルファモン「し、しかしデジモンストーリーでもゼヴォリューションでも」
選ばれし子供♀「あんな詰め詰めの登場枠に押し込められたゲーム設定とかアニメの進化ルートはいいから!」
アルファモン「そう言われても」
選ばれし子供♀「それとも何、ドルゴラモンはグレイドモンから進化しろとでも言うの?」
アルファモン「す、すまない」
ヘルムモン「……これが絆の力か」
パンジャモン「まあ、アルファモンもMだしこれでいいんだよ」
62
:
ナクル
:2013/12/06(金) 21:19:50
パンジャモン「あれ……でももしかしてこれってまずい?」
選ばれし子供♀「何が?」
ヘルムモン「ビデオデッキの保障だよ」
アルファモン「それの何がまずいの?」
ヘルムモン「まずいことだらけだよ!」
アルファモン「進化で先を越されたのを、変に気にする必要はないんだぞ」
パンジャモン「アルファモンも黙ってて」
アルファモン「すまない」
選ばれし子供♀「で、何がまずいの?」
パンジャモン「だってほら、なんで俺たちがタダ飯食らえてるのか考えてみなよ」
ヘルムモン「……あーなるほど、ドルグレモンがいたからか」
アルファモン「つまりこれから俺たちは」
選ばれし子供♀「タダ飯が食べられなくなる……っ!?」
63
:
ナクル
:2013/12/06(金) 21:27:09
選ばれし子供♀「えーやだーやだよ働かずに旨い飯を食らって生きたいんだよ」
ヘルムモン「私たちの税金がこんなところで……」
パンジャモン「ヘルムモンの給料に消えるのはまっぴら御免だよね」
ヘルムモン「私は働いてるじゃないか!」
アルファモン「しかし、これからどうする選ばれし子供♀」
選ばれし子供♀「そうだね、タダ飯の食えないデーモン城とか餡のないアンパンみたいなものだし」
ヘルムモン「なんか凄い言われようだな!」
パンジャモン「いる意味も無いか。じゃあ逃げる、か」
アルファモン「じゃあデーモンに見つからないうちに、さっさと脱出しよう」
デーモン「……誰のいないうちとな?」
ヘルムモン「で、デーモン様!」
パンジャモン「……あー、ここで死亡フラグ回収かぁ」
64
:
ナクル
:2013/12/06(金) 21:35:07
デーモン「ああ……かわいいかわいいかわいいドルグレモンちゃんがこのような姿に……!」
ヘルムモン「で、デーモン様。どうか落ち着いて」
デーモン「許さん……許さんぞ!」
ヘルムモン「ひあああああああっ」
パンジャモン「くっ……腐っても小隊長だったヘルムモンが怒りの波動だけで吹き飛ばされて……!」
ヘルムモン「腐ってもってどういうことだよ!」
アルファモン「進化したばかりの俺がまともにやりあって勝てる相手じゃない……!」
パンジャモン「待って! デーモンの様子が少しおかしいよ」
デーモン「はぁ……はぁ……昨晩のドルグレモンとの戯れが激しすぎて体力が……!」
パンジャモン「ほんとアルファモンはよく生きてるよね」
選ばれし子供♀「でも、これは食い逃げのチャンス!」
デーモン「仕方ない……特別にデーモン軍の秘密兵器で逝かせてやろう」
パンジャモン「そうでもないっぽいね」
65
:
ナクル
:2013/12/06(金) 21:41:29
スカルサタモン「いけませんデーモン様!」
ヴァンデモン「まだアレを使うには早すぎます!」
デーモン「なあに、一発撃てれば充分だ。奴らを消し飛ばすだけでいい」
スカルサタモン「それで城下町にも被害が及ぶんですよ!」
ヴァンデモン「まだコントロールが利かなければどうするおつもりなのです!」
デーモン「案ずるな。その時はお前たちに責任を追ってもらう」
パンジャモン「やっぱり就職はやめとくわ」
選ばれし子供♀「ちょっと上司がダメな職場はNGだよねー」
デーモン「黙れ貴様ら! ドルグレモンちゃんを殺した罪は重い!」
アルファモン「生きてはいるのだが……」
デーモン「封印されし魔王を、今呼び覚ましてやろう!」
スカルサタモン「ああああもうこれだから中間管理職は嫌だって言ったんだよもう!」
66
:
ナクル
:2013/12/06(金) 21:48:33
ヴァンデモン「下から来るぞ! 気を付けろ!」
アルファモン「なんだこの振動は……くっ、選ばれし子供♀は俺の下に!」
選ばれし子供♂「うわああああああああ」
パンジャモン「あれ、……空耳かな」
選ばれし子供♂「空耳じゃねぇよ! 上だよ!」
パンジャモン「あれ、選ばれし子供♂じゃない。すっかり忘れてたよ。なんでそんなところにいるの?」
選ばれし子供♂「牢獄の排気口から逃げてたんだ、その途中にいきなり排気口が壊れて……ああっ落ちる」
パンジャモン「危ない!」
選ばれし子供♂「グハァッ!」
パンジャモン「危ないじゃないかもう」
選ばれし子供♂「避けないでキャッチしてくれよ……」
67
:
ナクル
:2013/12/06(金) 21:57:04
デーモン「フハハ、見ろ、これが城の地下に封印してあったベルフェモンだ」
選ばれし子供♀「個人的にはデーモンよりベルフェモンの方が強い印象何だけど」
パンジャモン「あー、わかるわかる」
デーモン「そのあたりは適当に認識を改めておけ! デーモン軍はベルフェモンをコントロールすることに成功した」
ベルフェモン「……グオオオオオオオオオオ!!!」
アルファモン「くっ……凄い殺気だ」
選ばれし子供♂「こんなのに勝てるわけがない……」
選ばれし子供♀「死ぬ前にケーキバイキング連れて行ってよ、ヘルムモン」
ヘルムモン「突然無茶ぶり来たな!」
デーモン「フハハ、では行くぞ。このデーモンを怒らせたことを後悔するがいい」
パンジャモン「まあ、死亡フラグだったわりには長く生きられたかな」
選ばれし子供♂「いやまだ諦めるなよ!」
パンジャモン「悪くない人生だったよ」
選ばれし子供♂「だから! おい!」
68
:
ナクル
:2013/12/06(金) 22:03:37
デーモン「ベルフェモン! 一撃でやってしまうがいい!」
ベルフェモン「グオオオオオオオオオオオオ!!!」
アルファモン「ああ、ベルフェモンの口元にエネルギーが集まっていっている!」
ヘルムモン「あれ、ちょっと待ってこれこのままだと私も照準圏内なわけだが」
パンジャモン「まあラスボスのところまでは来られたんだから、我ながらよくやったよ」
選ばれし子供♂「達観するなって!」
ベルフェモン「グオオオオオオオオオオオオ!!!」
ヘルムモン「うわあああああああああああああ」
アルファモン「くそっ……選ばれし子供♀は守ってみせる!!!」
選ばれし子供♀「こっからどういうシナリオで逆転できるんだろ」
パンジャモン「じゃあね、読者の皆さん。ここでさよなら」
選ばれし子供♂「だから……諦めるなって言ってるだろ!!!」
69
:
ナクル
:2013/12/06(金) 22:11:11
選ばれし子供♂「!? この光は……まさか!」
パンジャモン「俺も……進化するっていうのか」
選ばれし子供♀「まあ順当なシナリオかな」
パンジャモン「ベルフェモンの攻撃を大いなる光の矢に例えてるのかな」
選ばれし子供♀「そういう説明が必要な展開は三流のやることだよねー」
選ばれし子供♂「裏の事情はこの際どうでもいいから……パンジャモン!」
サーベルレオモン「……いや、サーベルレオモンだよ」
選ばれし子供♂「よし、これで!」
サーベルレオモン「何言ってるの? 俺まだ死亡フラグのままなんだけど?」
選ばれし子供♂「は?」
サーベルレオモン「あとアルファモンと違って所詮一般デジモンだし。モブ究極体的クラスだよ所詮。期待しないで」
選ばれし子供♂「いや、でも」
サーベルレオモン「あとまだ後脚の構築が中途半端だから動けない。じきに一撃見舞われるよ。詰んでる」
選ばれし子供♂「なんでそう冷静なんだよ……」
サーベルレオモン「だからずっと覚悟して生きてきたからだよ」
70
:
ナクル
:2013/12/06(金) 22:16:23
ベルフェモン「グオオオオオオオオオオオオ!!!」
アルファモン「選ばれし子供♀だけは……っ!」
サーベルレオモン「……アルファモンは頑張るねぇ」
サーベルレオモン(……まあ、でもどうせ死ぬんなら)
サーベルレオモン(ちょっとカッコよく死ぬ方が、ちょっとはいいよね)
サーベルレオモン(別に俺の死んだあとの世界がどうなろうと、知ったこっちゃないんだけど)
サーベルレオモン(ならちょっとカッコつけて死ぬのも、アリっちゃありかな)
サーベルレオモン「……選ばれし子供♂」
サーベルレオモン「君は、次は死亡フラグの無いパートナーを見つけるんだよ」
選ばれし子供♂「……え?」
サーベルレオモン「俺は死ぬだろうけど、まあ、選ばれし子供♂くらいは生きられるようにしてあげるからさ」
選ばれし子供♂「サーベルレオモン……?」
サーベルレオモン「ほら、来る。危ないよ。身体を丸めて、頭を守って」
選ばれし子供♂「サーベルレオモン……嫌だ……嫌だあああああああああああ!!!」
71
:
ナクル
:2013/12/06(金) 22:23:59
選ばれし子供♂「うわああああああああああああ!!!」
ヘルムモン「ギャアアアアアアアアアアアアアア!!!」
選ばれし子供♂「……う……生きてる……そうだ、サーベルレオモンは……」
サーベルレオモン「……ここに、いるよ」
選ばれし子供♂「サーベルレオモン! 無事だったんだ!」
サーベルレオモン「……」
選ばれし子供♂「サーベルレオモン……?」
サーベルレオモン「いや……そういえば、忘れてたなって思ってね」
選ばれし子供♂「忘れてたって、何を……? うわ、よくみたら凄い血が……!」
サーベルレオモン「それは大丈夫、問題ないよ」
選ばれし子供♂「問題ないわけ……! ちょっと、サーベルレオモン、どこを見てるんだよ?」
サーベルレオモン「……あれだよ」
72
:
ナクル
:2013/12/06(金) 22:29:21
デーモン「ぐおおお……」
スカルサタモン「デーモン様……!」
デーモン「このデーモン……己の矜持にかけて……!」
ヴァンデモン「……デーモン様……!」
デーモン「自分以外の手でサーベルレオモンが傷つけられることを許すことはできん……!」
選ばれし子供♀「……うわぁ……そういうシナリオかぁ……」
選ばれし子供♂「え、ちょ、どういうこと?」
サーベルレオモン「俺がデーモンのドストライクゾーンに入っちゃったってことだよ」
選ばれし子供♀「デーモンは身をていしてベルフェモンの攻撃を受け止めた、と」
選ばれし子供♂「……お、おう」
アルファモン「サーベルレオモン! ありがとう、お前のおかげだ!」
サーベルレオモン「あ、うん。そだね」
スカルサタモン「デーモン様……だからその趣味は大怪我モノだって言ってたのに……」
73
:
ナクル
:2013/12/06(金) 22:35:27
ヴァンデモン「まだやはりコントロールが不完全なようだな」
スカルサタモン「ベルフェモンが眠ってしまった……よかった」
サーベルレオモン「それは好都合」
スカルサタモン「な、なんだお前は」
サーベルレオモン「えい」
デーモン「グハァッ」
スカルサタモン「ヒィッ、で、デーモン様!」
選ばれし子供♂「容赦ねぇ! 必殺技とか使って最後は決めようよ!」
サーベルレオモン「だってデーモンに狙われるの嫌だし。必殺技とか正直疲れるし」
デーモン「サーベルレオモンの脚に踏まれて絶命……わが生涯に一片の悔いなし……」
サーベルレオモン「ほら本人もそう言ってるし」
選ばれし子供♂「まあ本人がそう言ってるなら……」
74
:
ナクル
:2013/12/06(金) 22:40:43
アルファモン「あ、見て! 選ばれし子供♀!」
選ばれし子供♀「デーモンが踏まれてる様とかほんと見物」
アルファモン「そっちじゃなくて! ほらあそこ!」
選ばれし子供♀「ん……あれは、現実世界へのゲート?」
アルファモン「そうだよ、きっとベルフェモンの一撃で時空が歪んでゲートが開いたんだよ!」
選ばれし子供♀「合理的に見せかけて凄く適当に理由づけしてない?」
アルファモン「きっとあと3分くらいしか持たないよ!」
選ばれし子供♀「その情報どこから手に入れたのか全くもってわからないけど謎の説得力があるよね」
選ばれし子供♂「まあ、でも本当なんだろうな」
サーベルレオモン「ほら、選ばれし子供♂には帰るべき場所があるんだろ」
選ばれし子供♂「サーベルレオモンも、一緒に……」
サーベルレオモン「それはできない。俺は現実世界にはいてはならない存在だから」
選ばれし子供♂「……」
75
:
ナクル
:2013/12/06(金) 22:45:07
選ばれし子供♂「……そ、そうだ! ケガの手当だけでも!」
サーベルレオモン「だからこれは大丈夫だよ」
選ばれし子供♂「そんなにべったり血が付いてるのに大丈夫なわけ」
サーベルレオモン「俺の血じゃない。ヘルムモンの血だよ」
選ばれし子供♂「ああ……」
サーベルレオモン「後で洗浄費はヘルムモンに請求するから、選ばれし子供♂は気にしないで」
ヘルムモン「……くっ……俺破産するんじゃないかな……」
サーベルレオモン「ほら、時間稼ぎはいいから。帰れなくなるよ?」
選ばれし子供♂「……わかった。行く前に一つ、約束してくれよな」
サーベルレオモン「内容によるけどね」
選ばれし子供♂「死亡フラグだからって、何かを諦めることをしないこと」
サーベルレオモン「フフッ……難しいけど、努力するよ」
選ばれし子供♂「約束だぞ! ……じゃあ。長生きしろよ!」
サーベルレオモン「ああ……元気で」
76
:
ナクル
:2013/12/06(金) 22:49:55
選ばれし子供♀「あーあ……帰る前にタダでケーキバイキング行っておきたかったんだけどなー」
アルファモン「急展開にしてしまって、すまなかったな」
選ばれし子供♀「まあ、仕方ないか。アルファモン、世話になったね」
アルファモン「こちらこそだ」
スカルサタモン「このパートナーシップの原動力ってほんとどこから来てるんだ」
選ばれし子供♀「味わってみたい?」
スカルサタモン「ングフウッ! ゴフッ……殴られ役じゃないと思ってたのに……」
選ばれし子供♀「……んじゃ。またね!」
アルファモン「ああ、……またな」
スカルサタモン「……ずいぶんあっさりしてたなぁ……」
アルファモン「ああ……少し、目が潤んでいたがな」
77
:
ナクル
:2013/12/06(金) 22:56:50
サーベルレオモン「……行っちゃったね」
アルファモン「そうだな」
サーベルレオモン「……また、来るかな」
アルファモン「そうだな」
ヘルムモン「二度と来ないでいただきたいんだが」
アルファモン「デジタライズ・オブ・ソウル!」
ヘルムモン「ンゴフッ! ゲフッ……必殺技の使いどころがおかしい……」
サーベルレオモン「そういえば俺も使ってなかったなぁ。せっかくだしここで」
ヘルムモン「やめてください死んでしまいます」
ボタモン「ポポポポーウ」
サーベルレオモン「あ、ボタモン。こんなところに隠れてたのか」
ヘルムモン「すっかり作者に忘れられていたのかと」
ボタモン「死ね」
ヘルムモン「おい」
ボタモン「ポポポポーウ」
サーベルレオモン「ハハッ、ボタモンはかわいいなぁ」
アルファモン「まったくだ」
ヘルムモン「おい」
ボタモン「ポポポポーウ ポポポポーウ!」
78
:
ナクル
:2013/12/06(金) 22:57:27
ボタモン「お わ り」
79
:
ナクル
:2013/12/06(金) 23:01:09
本作が、私にとって初めてのSS、そしてNEXTのSS掲示板にとっても初めてのSSとなりました。
おい、こんなんでいいのか、と。
正直勝手がわからずリアルタイムで書き進めていましたが、あ、これ絶対書き溜めておいた方がいいやつだと途中で気づきました。時すでに遅し。
リアルタイムで書いていた名残のようなものが、それはもう袋を開けようとしたら力を入れて爆発してしまった時のポテトチップスのごとく随所に見受けられると思います。口調とかせめて統一しろよ、というような。あとネタ切れ感もやばいですね。はい。
でも書いてる時は楽しかったです。苦しかったですけど楽しかったです。
なんか>>ってやって台詞とか募集するのもやってみたかったのですが、ちょっとハードルが高そうだったので見送りました。あとやってレスが来るのかもわからなかったので。とりあえず特に技術面から見送って正解だったのではないでしょうか。はい。
80
:
ナクル
:2013/12/06(金) 23:01:41
書いてみたら案外楽しいかもしれないので、ちょっと息抜きなどにSS書いてみるのもおススメかもしれませんよ、とだけ最後に残して。ここいらで筆をおかせていただきます。
お目汚し失礼いたしました。ここまでお付き合いありがとうございました。
ナクルでした。
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