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投句板 〜自由律俳句〜

483田中恭平:2015/01/08(木) 17:17:52

・書き残しても詠み人知らず風邪のひとひ 恭平

・冬の川訪ねては富士より俳味ながれくる 恭平

・白桃の種の燃え立つ薪ストーヴ 恭平

484田中恭平:2015/01/09(金) 08:15:58
2015年1月9日(金)。

・すっかり冬めく庭の花ぜんぶ枯れちゃった

・だるい体にこころ軽くストレンジ・ストリート

・松明や薬品苦し父厳し

・ジョージ・ハリスン聞きつつ薪ストーヴに指先温め

・今朝も陽にあたった草の匂い

485田中恭平:2015/01/10(土) 20:42:14
2015年1月10日(土)。
*晩の自由律俳句

・腹充ちて日向に菊となる

・尻の穴火事、小火とのことと文に書く

・少しずつ弱りゆく体、寺の鐘の音響く

・神経の海に漂う薬瓶かな

・水依存症にして水不足の夏を今から心配しとる

486田中恭平:2015/01/10(土) 20:51:04
田中恭平*筆者近況
正月は、家でひたすら寝正月。
マア、睡眠薬がないと眠れない体質になっているので、横になっても意識はあり
薬の副作用であるアカシジアに悩まされ、ずっと楽な姿勢を探す、手探りの寝正月でした。
抗不安剤デパスへの依存が強く、それは必死に抑えておりました。
以前のように幻聴や、妄想に苛まれることなく、寧ろ
抗不安剤の多幸感で、人生の時期で言えば、収穫の秋さえ感じている冬でありました。
何より皆様の一年のご多幸をお祈り申し上げます。

487田中恭平:2015/01/11(日) 18:52:50
2015年1月11日(日)。
*晩の自由律俳句

・人間は考える管足穂の忌

・はつはるのコーラ尽きけり冷蔵庫

・壊滅世相闊歩してゆくダンディズム

・かれはらに肥しの匂い陽の匂い

・美少女人形指の先より茶を出して


・迷惑の種を埋めては育てゆく

・時々は力を抜いて水母となり

・寂しさにふっと被せる藁帽子

・母不機嫌に私の病みを酷くさせ

・チョコを食べチョコになりゆく脚の親指──秘密

488田中恭平:2015/01/13(火) 06:28:10

2015年1月13日(火)、今朝の自由律俳句

・冬銀河その星のひとつになる日も近くなったか

・爽やかな朝に選ばれこの日は起きた

・体のなかで煙の騒ぐ

・風が吹いている、淘汰されるべきもの集っている

・水たらふく飲み水母となりたいよ

489田中恭平:2015/01/14(水) 07:31:56
2015年1月14日(水)。今朝の自由律俳句

 ・デイケア休日無為にして眠れない頭よ

 ・永すぎる一日に困惑しつつしっかりと墓まで歩む

 ・冬菊活けて線香は折って供える南無阿弥陀仏

 ・こころがやっと帰ってきて街に冬陽照る

 ・無用な者よゴー野菜食ってゴー

490田中恭平:2015/01/15(木) 19:42:46
2015年1月15日(木)。

晩の自由律俳句五句

・薬で酔っちまって焼き芋の匂い嗅いで満足だ

・己の頭を叩いてみれば何処か寂しい音のする

・雨上がりの道を歩く幻聴と二手に別れつつ

・薬で多幸しつつ冴えない夜に音楽を薄くかけて

・機械と化した体横にしつつ歳月がはやく進む

491田中恭平:2015/01/16(金) 03:57:25
2015年1月16日(金)。

○朝の自由律俳句

・哀しみは箱のなかの箱のなかの箱・・・否何もない

・チョコレット齧って歩む帰り道空気晴れ上がっている夜

・覚めない夢のひとり歌えば

・薬品が引力を持ち断薬できずにいる、冬、冬、ふゆ

・寂しさ窓を開ければ幻聴の雨おと

492田中恭平:2015/01/17(土) 20:31:39
2015年1月17日(土)。

・急がずいこう花はまだ凍っている

・洗面所に笑顔を忘れた、黙して青空を仰ぐ

・寒くなるという四枚着て眠る

・泣きたいのに愉しいふりをするのは簡単だね

・愉しいものばかり集めた部屋にみのむし


・親指出血している気にせず歩む

・あなたと出会って完成する宇宙が在る

・痛みが優しさになるまで傍にいてねとくさはらで

・人間は考える管胃に錠剤を三錠通して

・小さな目を持って小さな力を見てみたい

493田中恭平:2015/01/18(日) 06:27:07

・寝不足さえ連れて往こう枯原をゆく

・私の一日に雀が寒椿を落としていく

・寒過ぎる夜が朝になるころ目を覚ます

・苦痛な日々をつづける抗不安剤にも飽きちまって

・暗い夜を暗い色のコートで歩む

494田中恭平:2015/01/18(日) 18:45:26
2015年1月18日(日)。
晩の自由律俳句

・顔の冷たく不安なまま壁にもたれて座っている

・やっと善人になれました囀る小鳥もなく

・回心の日曜日あらたな息吹と緑の萌えている

・どこまでも青空それは希望か絶望か

・薬を飲んで吐くに吐く何ひとつ正しくもなく


・わかってもらえなくて冷たい水を飲む

・今日も必死で生きて冷たい水に又薬飲んで寝るだけ

・寂しかったなぁ風呂場で野良猫洗っている

・ひょろひょろ歩けば吐きそうで薬漬けでした

・失くしたもの全部帰ってこいと神頼み

495田中恭平:2015/01/20(火) 07:46:47
2015年1月19日(火)。

・凍りし花の寄り添うように二輪かな

・まだ眠りたいもう眠れないデイケアがある

・夢の中で夢辞典をめくっていた

・朝はコーンポタージュ頂けて庭のプランターに花

・時代がめぐり詩は歴史性に対し垂直に立つ


・雲を数える

・こころ落ち着かない寝室のこうもり傘

・ごみだらけの部屋にごみと化している

・本のみ綺麗に片付けられた部屋です

・そろそろ今日は今日の旅ゆく

496田中恭平:2015/01/20(火) 17:24:55
>495 
×2015年1月19日(火)。→○2015年1月20日(火)。

2015年1月20日(火)。

・陽を風が押している枯原

・ひとり蜜柑齧るこの蜜柑は死んでいる

・夢を次々見てはやっと朝の青空

・淋しい森を抜けてきた風がいまここらに

・頭のなか冷たくなって夜は明けない

497田中恭平:2015/01/22(木) 19:51:08
2015年1月22日(木)。

・ツイてない日はひたすら眠る霧の夜

・インヴェガという新しい薬しずかな唇に入れる

・愛の裂け目に何か入れたり出したりしている

・久々に鳥囀るや宮沢賢治の偉業に啼くや

・自己人体実験開始、文系と理系の境なしくさはらに


・雪を舐め私正しく生きてゆく

・さっきの私、別段憎からずじっと手を見る

・寺に立ち作法もなく弥勒菩薩を待つ

・繰り返す私は正しく生きてゆく

・母親の無関心寂しい統合失調症者の夕

498田中恭平:2015/01/23(金) 06:56:26

2015年1月23日(金)。・朝の五句

・曇天の朝雲の黒さが目にかすむ

・洗顔して言いたいこと洗面所に置いてきた

・今日も「賢治コート」で往く、腰に手をあてて歩む

・星空のひとつとなってあなたを照らす

・冬の今朝のコーラ、机の上には薬のタブレット

499田中恭平:2015/01/24(土) 08:26:02
2015年1月24日(土)。
朝の自由律俳句
・図書館へ行こうとする壮大な夢のさなか

・降りそうな空、模型飛行機を寝室に眺めている

・綺麗な部屋のバイクの鍵が見つからず

・星めぐりの歌を聞きつつ薬効いてきて目を閉じる

・鬼のように柔らかに土手を歩く病者であろう

500田中恭平:2015/01/24(土) 11:49:58
・服薬し弥勒待とうか路地の影 恭平

501田中恭平:2015/01/24(土) 12:48:56
2015年1月24日(土)。

・脳冷えてエアコンの音煩くて切る

・雲厚し、二段のカステラにザクッとフォーク刺す

・牛乳を温めて飲んで牛の子となる

・うどんほくほく大根に汁が滲んでいるね

・冬の月に触れて頭がおかしいのは元々だ

502田中恭平:2015/01/24(土) 15:11:17

・今宵の月は重いと空が嘆いて雨

・風のつきぬけている空を捜してひょうひょうと

・星空に惚れて真っ赤な葉

・大寒の今宵何に酔い眠るのか

・鶴が来てその白さで私の翳を笑う

503田中恭平:2015/01/24(土) 19:19:51
・ほくほくとキャベツ焼き食べ畜生と化す 恭平

・哲学を好まぬひとの印刷機 恭平

・白鳥を見たことある?と猫に問う 恭平

・幼児転んだ白梅のあと紅梅のころ 恭平

・剪定のあと枝を集める父の作業着 恭平

504田中恭平:2015/01/24(土) 23:04:59
2015年1月24日(土)。

・修羅の私に恋愛する資格などなし

・いま鴎がとおく飛んだ──私は時間を掛けた自殺していた

・石の声聞こうとして無言だから放る

・夜の散歩のしんとして静かで愉しい

・眠れない夜の様々な要因を想いペン握る


・淋しいことなんかないと月を指さす

・天上への還り道捜し本日も路傍の草となり

・想えば崩れてゆく天候に笑っちゃう

・私は普通ですよという嘘が行き交う駅前

・私に明日なし自由律俳句書きつつくしゃみする

505田中恭平:2015/01/24(土) 23:15:46
2015年1月24日(土)。

・睡眠薬の効かない敗因を考えて冬銀河

・やっぱり何か欠損している冬薔薇咲いていた

・狂いはじめているのだろうか瞼

・悪路もやはりうきうきする夜の散歩

・淋しいが答えはないだろう仏壇に花


・動かなければ確かに眠いみのむしとして

・昨日の今日で違う夜をオール漕いでゆく

・きちんと無となって椅子も鳴らさず深夜十一時

・夢の川辺を往こう冬に咲く花を見よう

・すると善も悪もないが後悔こころから拭えない

506田中恭平:2015/01/25(日) 13:26:01
*昼、自由律俳句五句
 
・ひとり線路を歩いていくんだよ冬銀河

・さびしさは石を磨いて誤魔化す噴水前

・断捨離の中途読み耽る俳本かな

・抗不安剤二錠含んで晴れた枯原

・夢にみたこと骸骨島を踏めばパキパキ鳴る

507田中恭平:2015/01/26(月) 18:47:23
○本日の自由律俳句三句

・私は私のこころのなかに浮いている 恭平

・このひとには大切なこと指を使って伝えよう 恭平

・短髪となり頭の上で小人がサッカーしている冬 恭平

508田中恭平:2015/01/27(火) 20:36:01
2015年1月27日(火)。

・初心者呼ばわりされて後々傷つくデイケアに翳

・Nさんに本貸して頂けて明日は俳句三昧になるでしょう

・Aさんの原付と私の原付がすれ違う路にたんぽぽ

・インヴェガ含んで頭明晰─クリア─になって芋煮ている

・住んでいた町を辿る脚が水たまりに二本浸かる


・ぽっと梅咲き流れる河

・星一つへたゆまず歩むに汗一滴

・ちょっと多幸しているとさっと風に時間は吹かれる

・嗚呼、友は先に灰になったか

・澄んだ青空に澄んだこころで動く

509田中恭平:2015/01/28(水) 19:16:55
2015年1月28日(水)。

・もう凩は吹かない心のなかを歩いてゆく

・しんじつ金なく病気は酷くしかし今朝も善い日で

・風流でゆく判断は風に任せて

・のっぱらやさしく微熱でいた

・ひとりの夢でたらふく食べていた


・病気のことも詠めばよいと諭され青空

・今宵は幻聴もなくしんじつ静かな寝室です

・「死」というタイトルの本正座して読む

・急がず散歩しよう落としてきた脳の欠片を捜そう

・多幸しつつそれは終焉の感覚に充ちております

510田中恭平:2015/01/29(木) 20:29:48
2015年1月29日(木)。

・夜──、モーツァルト聞きつつ機械人間は畦道を往く

・闇を二つ抱えて参る

・痩せた体で畑(はた)も打てない

・お菓子以外に囚われず私は自由に書く指

・風鈴の音もない仏間に安心している


・薬と仏と安心して眠る

・陽が射して不安はどこにも落ちてはいない

・アブラカタブラ星が一つ落ちましたよね

・こんなに兎が血の涙を出し──、私の友は何処にいる

・チェロが先導するが何故この道を往くか知らない

511田中恭平:2015/01/30(金) 19:41:51
2015年1月30日(金)。

・難あって人生止まる一夜です

・寂しさの冷たい窓にハート書く

・祈りあり千の鴉が夜を成す

・ピアノの音降り来る空が紫に

・朝八時家の全ての鍵を掛け


・母不徳しかし叱れず眠ります

・鬱酷く総てが詩へのレールかと

・手招いて来る犬もなく大柳

・冬の夢うどんを外で食べたいよ

・昼休み雨の中行き安心する

512田中恭平:2015/01/30(金) 22:50:21
2015年1月30日(金)。
詩誌空想用原稿

・月となり背中が寒い、抗不安剤

・ねぇ水が歩いてくるよ枯原を

・地球に飽きて正座を崩す傍に模型飛行機

・天体を家へと入れたい意地に泣く

・湧き水が全部毒だと鬼が吐く


・竹槍をいま何故創る躁総理

・寒さより逃れはできず御花散り

・箱庭の猿が俺なり独りなり

・祭とて死の哀しみは癒されず

・落下する林檎に学ぶことはなし

513田中恭平:2015/02/05(木) 19:57:44
・苦しみもなく一句も得られず春

514田中恭平:2015/02/05(木) 22:34:21
2015年2月5日(木)。

・降りしきる雪もなく枯草している

・夕飯の魚が善かったそんなこともどんどん忘れる

・書庫に姉の部屋の光が入って逃げ道を捜している

・不思議な水を飲む心の芥、浮いてはまた沈んで

・風に白い砂かけていて老人


・あたらしい印刷用の紙が届いて万感である

・はためく黒い旗下げる方法は知らない

・今日も不安定であって仮面が取れないように必死でした

・素敵な水の青空を眺めて飲む

・句があって善かった、句に救われていた

515田中恭平:2015/02/05(木) 22:47:34
2015年2月5日(木)。

・死と遊ぶ今宵野良猫が過ぎ行く

・骸骨となり誰も入ってこない寝室に眠る

・やっと薬が効いてきて安堵する

・疲れすぎた体は眠り動かない

・ひとそれぞれ闘っている、笑えやしない


・どろっとした血巡りして今宵も星を嗜好します

・しんじつ静かになって私は句作する理由忘れた

・天に届くまで句作する毎日が大望

・自殺念慮烈しく硝子に映る私をみていた

・風吹いて爽やかな夜にペン握っている

516田中恭平:2015/02/06(金) 19:43:29
・酔う位旨い水飲める富士の麓で

517田中恭平:2015/02/07(土) 20:49:47
2015年2月7日(土)。
今日の自由律俳句十句

・白い樹の下で白い本開く

・一日を酒で潰した男が歩いている

・妹の寝室にデパス、不穏

・これが幸せなのでしょう句を書きつづく

・前進できているのか、デイケアに西日射す


・世界がなくなれば私がなくなれば信仰のお祈りはできない

・ひとのことばかり熱心でしんじつ御金がない

・ふわっとふくらんだ枯原にポツポツ青い花

・夜空を叩けば星の降る

・酒に強い身の亡き祖父の血を感じた

518田中恭平:2015/02/08(日) 20:41:33
・星を眺めようと出たベランダの板が雨に濡れ冷たい 

・今朝もヒトリの食パンをボソボソ頂く

・書きに書き積み上げた紙にまだ充たされず書く

519田中恭平:2015/02/10(火) 18:06:38
2015年2月10日(火)。

・青い夜の明かりぽつんと消えた

・硝子に写る私を嫌ってカーテン閉じていた

・鴉ににらまれて傘ふりまわす

・かなしみをちからに一輪咲いた

・かなしみをちからに一人歩いた


・何かで埋め合わせたいだけ、心の隙間

・きっと頭も良くなるから、社会の闇も知っているから

・苦吟の日々が続く、それは平穏な日々で雪

・私の、いてもいなくてもよい人間の寝室だ

・頭中に泥色の雪降る

520田中恭平:2015/02/11(水) 13:28:32
今日の自由律俳句

・ひとつふたつ忘れ物しつつ原付を飛ばす
・春の陽、干された掛布団が少し揺れている
・飴が大好き、小さなメロディー大好き、春を散策

521田中恭平:2015/02/12(木) 20:04:02
2015年2月12日(木)。

・熱いこころが謝って謝って鉄となった

・「それでは善い日を」と砂の建物を去った

・箸一膳巧く握れず二十八歳になる

・眼前にちらつく死を肴に晩酌しとる

・できないことばかり己励まそうと月観る


・宇宙の塵のなかに宇宙あり、春

・約束できず家族で拉麵がとおくなる

・春の雨降る山だちょっと休んだ

・もう春という春が近く又歩きはじめる

・白梅の花薫って目は直線に青空へ

522田中恭平:2015/02/13(金) 21:23:53
2015年2月13日(金)。

・魂が硬化したまま春の浜

・のっぱらのっぱら、さよならを告げる相手もいない

・真に書斎に落ちつきつつも夜の散歩をしたい

・弥勒菩薩待ちつつ私はあたらしい眼鏡を選ぶ

・よく書いてまだ足らない、頭のなかに詩神が座る


・薬が睾丸にじわりと効いてもう去勢された猫です

・雨降らずの春にあなたの匂いがする

・この峠は永いと薬に酔いつつ句を書いていた

・断捨離します、私のこころも軽くなります

・よく食べてよく眠るのは物の少ない部屋です

523田中恭平:2015/02/13(金) 22:17:12
2015年2月13日(金)。

・死んだ枝が星を実らせている

・今日も新聞が読めなかった、寒風吹きすさぶ

・冬に青い花咲く、私の目がじっと濡れた

・山を分け入るとぶちまけられてのり弁

・濡れすぎた私を母は急いで迎えてくれる


・やっぱり酒か、山頭火のいそうな昼ののっぱら

・不治の病持ち私も一人

・生きる態度の今日は酔い潰れたい、圧倒した冬

・枯葉舞う、思い詰める

・野良猫最近よく観る、他人の罪に罰が悪くなる

524田中恭平:2015/02/14(土) 14:15:34
2015年2月14日(土)。

・書を待ちつつ薬を含む影の薄く在るキッチン

・梅にうぐいす、悟ったことを明かせないまま昼休み

・ときは充ちてきらめき苛々して刃物を入れる

・春の陽が夕暮となり復讐してくる

・血の味がして席に過呼吸しとる


・まだ無色なる明日に青い心持ちで往く

・長いお別れになるまで帰路手を繋いで行く

・なかなか溶けないこころのまま風呂に入(い)る

・あなたのことは私のこころと同じでわからないんだ

・バスに乗ってとおく行くきみ、空をのぞいている

525田中恭平:2015/02/15(日) 13:51:26

・春めいてコロン沢山並べている

・クスリやっと効いてきて陽を愛せる

・酒に溶けて小便として出る脳みそか

526刹那 ◆GbvohmL8bU:2015/05/08(金) 11:11:02
蝉時雨儚い命恋模様

527yuri.:2015/06/06(土) 17:38:10
アザレア枯れて葉に重たし

528yuri.:2015/06/09(火) 15:48:01
曇り空にアザミ曇れり

529yuri.:2015/06/15(月) 19:28:28
すれちがう人に死の匂いしたる

530yuri.:2015/06/21(日) 20:43:12
あぢさゐに蝶咲いている

531yuri.:2015/06/23(火) 23:29:51
階段に星の止まり木

水たまりの地図広がる雨上がり

闇の中から雨降りぬ

532yuri.:2015/06/24(水) 00:26:40
闇の中から雨落ちて来る

533yuri.:2015/06/24(水) 10:46:43
水たまりの地図に広がる雨の王国

534yuri.:2015/06/24(水) 17:40:35
文字と話す女

535yuri.:2015/07/01(水) 22:00:32
紫陽花の枯れ花に一つ青

自転車止めたら蜘蛛乗っていた夕暮れ

536yuri.:2015/07/03(金) 21:42:29
闇雨に降っている

537yuri.:2015/07/04(土) 17:11:59
雨の糸に絡まる心

闇に雨の音降っている

538yuri.:2015/07/05(日) 14:42:49
小熊座届いて開く星空

539yuri.:2015/07/06(月) 20:51:17
石ころみたいに蹴られる平和

540yuri.:2015/07/08(水) 18:43:42
蝉のモールス信号聞こえた夏の朝

541yuri.:2015/07/11(土) 19:00:36
蝉降る前のしづけさ

影も蒸発する炎天

542田中恭平:2015/07/11(土) 20:31:11

 あじさい崩れて半日すうすう寝ていたようだ  恭平

543田中恭平:2015/07/12(日) 05:53:19
 梅雨空マスカット実る道へあなたと逃避する 恭平

544yuri.:2015/07/12(日) 13:11:22
「復帰したんですね。よろしく。自由に発表出来る場にしましょう」。

545田中恭平:2015/07/12(日) 17:46:27
「宜しくお願い致します。」

546田中恭平:2015/07/12(日) 19:05:10
風鈴ほのかすゝしく葉のおと 恭平

547田中恭平:2015/07/13(月) 17:13:40
(福)と旗に画かれた船は雲峯のむこうひかりへ  恭平

548田中恭平:2015/07/14(火) 08:15:01
夕栄そして月もでていて雲峯  恭平

549田中恭平:2015/07/14(火) 19:56:54
大鍋のしろいけむり届いたのは雲峯  恭平

550田中恭平:2015/07/15(水) 11:30:57
焼砂に中也の御墓雲の峰  恭平

551yuri.:2015/07/15(水) 19:07:11
炎天に影を探しているのか蟻

星のように言葉を置く夜空に

552yuri.:2015/07/15(水) 21:15:29
舵を切つた空が泣いている

553田中恭平:2015/07/17(金) 01:08:42

夏の夜の明けはじめへと社あり  恭平

554田中恭平:2015/07/17(金) 21:56:52
夕立や煙草の煙押さへこむ  恭平

555田中恭平:2015/07/18(土) 08:51:35
夕立とおいあなたを思うはだかにて  恭平

556田中恭平:2015/07/18(土) 19:28:16
夕立雀がともだち夏の内  恭平

557田中恭平:2015/07/20(月) 09:15:46
短夜明ければ軍手落ちているみち  恭平

558yuri.:2015/07/20(月) 19:11:51
夕焼け歩いて来る

559田中恭平:2015/07/20(月) 19:55:31
短夜明けかねこのままとまれと腕時計にぎる  恭平

560_:2015/07/21(火) 00:54:43
友の鼻を笑う他愛もない日

561_:2015/07/21(火) 00:55:51
憂鬱が夏の風に炙り出される

562_:2015/07/21(火) 00:57:35
寝苦しい夜 空き缶が転がる

563_:2015/07/21(火) 00:59:19
頭を抱える 友の名を呼ぶ

564_:2015/07/21(火) 01:05:06
覚醒剤に溺れ 誰とでも寝る君

565_:2015/07/21(火) 01:07:43
思いだせない君の名を呼ぶ

566_:2015/07/21(火) 01:11:33
君は自由と言う名

567yuri.:2015/07/21(火) 09:33:43
これ以上ここに俳句を投稿すると何かと誤解を受けそうなので、止めることに致します。いちいち説明するのも、馬鹿馬鹿しいですが。

568田中恭平:2015/07/21(火) 16:52:56
わたしももう投稿はしないようにします。Twitterやっておりますので、そちらで作品発表行います。

569yuri.:2015/08/21(金) 11:56:01
自分がトットちゃん並みにそそっかしいと、この年になって気が付きました。名無しの方の投稿があったんですね。いつの間にか。でもやはり何か名前を名乗って欲しいです。

570yuri.:2015/08/22(土) 18:03:36
投句再開します。

571yuri.:2015/08/22(土) 18:05:23
白く濁る昼の月

572yuri.:2015/08/22(土) 19:09:40
月は空のタマシヒだろか

573yuri.:2015/08/22(土) 23:57:17
昼に濁る月 推敲

574yuri.:2015/08/23(日) 16:18:50
しわくちゃの手でしわくちゃの日傘たたむ老婆

575yuri.:2015/08/23(日) 16:25:01
違ふ空の色がそこまで来ている

576yuri.:2015/08/23(日) 16:42:46
違う色の空がそこまで来ている 推敲

577yuri.:2015/08/23(日) 19:39:41
空を仰げば何もない空

578yuri.:2015/08/23(日) 23:42:33
意志あるように落ちている手袋

鶏頭ぐんぐん雨をすつたようだ

579yuri.:2015/08/24(月) 18:28:51
つくつくぼうしに風暮れてゆく

580yuri.:2015/08/24(月) 22:04:22
夕焼けついて来る

581yuri.:2015/08/25(火) 00:06:44
夕焼けついて来るふりかえればもうない

582yuri.:2015/08/25(火) 00:08:54
違う色の空がそこに見えている

583yuri.:2015/08/25(火) 09:17:33
星をねだれば卑しき言葉

584yuri.:2015/08/25(火) 10:33:53
悲しい朝に悲しい色の朝顔だ

585yuri.:2015/08/25(火) 11:13:58
むかで空に投げても星にはならず

586yuri.:2015/08/25(火) 19:27:43
夕焼けついて来る坂登りきるまで

587yuri.:2015/08/25(火) 22:54:42
坂を登りきるわたしと夕焼け

588yuri.:2015/08/27(木) 15:50:52
うつむいても向日葵

589yuri.:2015/08/28(金) 08:32:10
蝉の翅が一枚秋を指している

590yuri.:2015/08/28(金) 23:39:21
ひとしきり鳴いただろう翅落ちている

591yuri.:2015/08/30(日) 23:59:53
鉦叩に秒針動いたり止まつたり

592yuri.:2015/08/31(月) 18:25:32
蝶群れ飛ぶ星のうら

593yuri.:2015/09/01(火) 20:41:47
蝶群れ飛ぶ星のうら側 推敲

594yuri.:2015/09/01(火) 22:05:21
雨ふる虫の声にふる

595yuri.:2015/09/01(火) 22:47:00
雨音虫の音にふる

596yuri.:2015/09/05(土) 22:09:48
女郎花白粉花厠に秋桜

597yuri:2015/09/07(月) 10:03:00
水鏡のひかりに遊ぶ秋の蝶

598yuri.:2015/09/07(月) 17:31:07
触れなばががんぼ人臭く

599yuri.:2015/09/07(月) 23:34:47
水鏡のひかりに群れる蝶の影    推敲

600yuri.:2015/09/09(水) 16:43:33
晴れてまた空高くなりし

601yuri.:2015/09/28(月) 22:17:24
TV時々秋の虫

602yuri.:2015/10/01(木) 16:07:18
ほおづきに灯る月

603yuri.:2015/10/02(金) 15:08:22
青空に指先踊る晴れ

604yuri.:2015/10/04(日) 16:30:46
ふらふらと教会に入りそうになつた

605yuri.:2015/10/04(日) 16:32:33
青空に指先踊る晴れの空

月灯るほおづき

606yuri.:2015/10/17(土) 21:47:45
夜に瞑る三日月

607yuri.:2015/10/26(月) 18:57:07
サイレンの音に運ばれてゆく夜

無くしたものが星になるなんて何て陳腐な銀紙の星だ

608yuri.:2015/12/25(金) 14:12:36
空かき分けて月が出ている

病院の窓が月

609yuri.:2015/12/25(金) 18:12:11
病室の窓が月 推敲

610yuri.:2016/01/12(火) 22:36:09
明日の珈琲のために眠る

611yuri.:2016/01/14(木) 20:41:53
薬かき分けて探す君を

612yuri.:2016/01/14(木) 21:07:34
闇に腫れている月

613yuri.:2016/02/10(水) 18:16:36
三日月に載るほどの空だ

614yuri.:2016/03/01(火) 21:46:40
さくらを見せてあげたかつた

615yuri.:2016/03/04(金) 18:28:56
鳥籠に大きな鴉飛び込んだ

616yuri.:2016/03/05(土) 17:51:40
浚っても浚っても薄汚い心

617yuri.:2016/03/05(土) 17:53:10
鳥籠に大きすぎる鴉が啼いてゐる 推敲

618yuri.:2016/03/05(土) 18:42:21
言葉を張り付けにしている自分を張り付けにしている

619yuri.:2016/03/05(土) 18:45:16
アドラーさん私には関係ないことだよね

620yuri.:2016/03/06(日) 21:41:51
自分という薬飲みきって人は皆死ぬのだろうか

621yuri.:2016/03/09(水) 16:47:23
僧祈るガレキの町に雪が舞う

622yuri.:2016/03/28(月) 18:33:44
さよならに一つしか意味が無いことを知る

623yuri.:2016/06/08(水) 14:45:41
青い毬も赤い毬もあぢさゐ

624yuri.:2016/06/13(月) 17:28:21
フェンスするり夏蝶

625yuri.:2016/06/14(火) 22:54:21
シャボン玉に一瞥されたり

626yuri.:2016/06/15(水) 17:59:04
抵抗されればされるほど力の入る正義だ

627yuri.:2016/06/15(水) 23:01:06
見上げれば名も無き星の涼しさよ

628yuri.:2016/06/29(水) 17:43:00
本当はため息つきたいこともある

629yuri.:2016/06/29(水) 21:36:13
ミトコンドリアも笑うらし

630yuri.:2016/07/05(火) 22:41:11
本日を持ちまして、こちらの掲示板への書き込みを終了致します。今までお読み下さりありがとうございました。

631if:2016/08/10(水) 14:08:59
仮想空間に仮装する心

632if:2016/10/21(金) 22:40:57
世界が風船のように飛んでいった

633if:2016/10/21(金) 22:42:34
平和は色褪せているくらいがちょうど良い

634if:2016/10/22(土) 19:00:45
世界が風船みたいに飛んでいつた 推敲

635if:2016/10/23(日) 19:09:01
毒林檎齧らされたままの世界

636if:2016/10/23(日) 21:10:32
君は本当の砂漠を見たことがあるか

637if:2016/10/24(月) 00:11:44
話せば話すほど何も話さない

638if:2016/10/24(月) 18:33:50
死んだ言葉並べて威張っている

639if:2016/10/24(月) 23:37:45
話せば話すほど何も話していない  推敲

640if:2016/10/25(火) 09:55:09
人間は砂漠の砂じゃない

641if:2016/10/25(火) 13:39:54
もらった憎悪をまた誰かに投げる

642if:2016/10/26(水) 15:46:36
あかとんぼう風の四角

643if:2016/10/26(水) 23:30:39
今朝もまだあるみのむしアパート

644音順和 otosuna:2016/10/27(木) 08:22:35
よい日の今朝はずっとみんなについて考えちょる

645if:2016/10/28(金) 10:10:54
otosunaさん連れ句ありがとう。よろしく。

予告編みたいな空を見ている

646音順和 otosuna:2016/10/28(金) 18:10:10
いつか弥勒来ていたか時計の針がとまったか

十一月より仕事ただひたすら学ぶことの書くことの

罵りでなくうらめつらめの二十九歳あたらしい水

苦しいことの苦しいことのただ書き落とす

あなたの話がながく一虫の豊光に満たされて

いつか宮沢賢治さんいたか頭の想像の中に

はじめから書きはじめることしっかり疲れている

今朝のシャワーのこんなに緊張しても指は動く


ずっとブルーズのその中で一人欠伸している

太陽にこにこ太陽を今朝見ておれば帰り花

ドンドンドンドン進んでいく少しの幸せのため

ドンキホーテに昨日は右目だけが泣いていた

私は私のあくがれていくしかしここににこにこ

思い違いすらそのままに灯の灯る夜こえて

けものみち葉の茂り葉の茂り歩いて行った

頭のぐちゃぐちゃになっているから詩の道をいくよ

ひどく険しいこの道深く畦道

ゆったりと森林にあった白い鉄の手すりを辿る

理性でなし日の当たる朝ホットコーヒー飲む

声に酔ってまぼろしの声今朝は明るい

どこへ向かえどすべて夢のように秋は学ぶこと


人様に見せるうたでなし富士の高嶺に雪がちらほら

猫が卓状にいる親鸞上人のごとくうた書きつづく


単純な純なままここにあること頭の中をぐるりとさせる

右耳が悪い堕落したこころのもう一度立ち上がる

今朝ももの書くことすすきのひかりその風吹くこと

よしなにしなさいただあなたがうつくしかったいつかの日

これから寒くなるあなたに手紙を書いて笑えることの良し

きみを愛する未来派として後ろから風受けつつ

647if:2016/10/29(土) 08:44:36
未来の森に人間は必要ですか

本の森イマココの森

友の手紙よく晴れている

ブラックバード掴む黒い森

648if:2016/10/29(土) 20:59:12
ブラックバード掴む黒い森を羽根の下に 推敲

649if:2016/10/31(月) 16:48:29
幸福な空に雨落ちている

冷やかして冷えるのは自分の心

ぐちゃぐちゃな雨も降る時は真っ直ぐ

寒いを思い出している10月尽

650if:2016/10/31(月) 18:11:28
649を推敲

幸福な空に雨落ちている

冷やかして冷えてゆく心

ぐちゃぐちゃな雨も降る時は真っ直ぐに

寒いを思い出している10月尽

651if:2016/10/31(月) 18:14:24
>>648 推敲失敗。if

652if:2016/11/01(火) 14:15:46
疵無きものに花も無く

653if:2016/11/01(火) 18:51:05
疵無きものには花もなく 推敲

654if:2016/11/12(土) 00:08:10
小鳥鳴かなくなってひとつ目の冬

655if:2016/11/12(土) 21:37:12
本当に取り残されているのは誰なんだ

656if:2016/11/14(月) 22:31:07
闇のようにひかる月

657if:2016/11/14(月) 22:42:43
擦り切れた言葉を紡ぐ人

幸福な空に色褪せた鶴を飛ばす

658if:2016/11/15(火) 00:36:32
音も無く傷は進むヒコーキ雲

659if:2016/11/17(木) 14:01:45
ほらほらクリスマスだよとのぼり旗

660if:2016/11/19(土) 22:01:28
悲しいねと言われて悲しくなった

661if:2016/11/21(月) 23:25:42
この世はセカイで満ちている

662if:2016/11/28(月) 18:20:53
ここは地獄だから善人が増えては困るのだよ

663if:2016/11/28(月) 22:39:08
幸福な空に色褪せた折鶴

664if:2016/11/29(火) 22:19:43
仕事帰りの一杯のhot soup

黒いまあるい月が出ている

665if:2016/12/08(木) 18:36:29
いつかは最後の手紙をもらうんだ

666if:2016/12/10(土) 23:16:51
言葉は小鳥、とほくへ

667if:2016/12/11(日) 15:24:29
命懸けで言葉守っている詩人だ

668if:2016/12/16(金) 23:02:48
人の声で部屋を温める?

669if:2016/12/17(土) 22:47:05
怯むな猫

670if:2016/12/19(月) 21:37:30
自分にはよく毒が回らないな

671if:2016/12/22(木) 23:30:20
夜の窓を這う雨

672if:2016/12/25(日) 18:36:42
一枚の写真に宿る言葉をこえたもの

673if:2017/01/04(水) 15:26:08
妄想か人かどちらかが死んだ

674if:2017/01/10(火) 14:13:31
みづからを弔うやうに雪降りぬ

675if:2017/02/15(水) 18:21:59
この世界で知っているもの二人だけテキまれいたそ

676if:2017/02/15(水) 18:22:40
ネットの外は自由だね

677if:2017/02/19(日) 23:31:51
ドブ川にドブの色した春の月

678if:2017/03/10(金) 01:10:17
詩をはさんで向かい合わせの二人

679if:2017/03/10(金) 08:54:27
あれは日記なのです

680if:2017/05/04(木) 21:00:21
かたちを確めたくて何度も顔を見てしまう

681if:2017/05/24(水) 13:21:26
友達はそういうことをしないんだよ

682if:2017/06/05(月) 21:49:12
文脈は分かりすぎるほどよく分かっているのです

683if:2017/07/21(金) 11:19:32
女など止めようと思っていた矢先に

望まれるうちは女なのですか

太宰不足天ぷらどんぶり

684if:2017/08/17(木) 00:16:40
傘を開いて心を閉じた

自らを弔うやうに降る雪と

美しくなくなつたら死にたいのだよ

685if:2017/08/28(月) 23:23:30
蜩の声高くなる二月堂

今までお読み下さりありがとうございました。if

686yuri.:2021/02/15(月) 14:43:18
気配だけが住んでいる街並み

赤いマフラーに雪

戻らない友のある日を生きてみる


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