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― 愛 獄 ― .
1
:
真也
◆ihElqIETAs
:2013/03/13(水) 22:31:41 ID:iym8d1y.
-
愛に捕らえられ、
愛に支配され、
愛に縛られ、
愛に狂う。
決して抜け出す事の出来ない、
愛と云う名の牢獄。
_
230
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/06(土) 23:08:50 ID:cy/U.1XI
「……それ、狙ってやってる?」
彼の顎をグイッと片手で掴み寄せ、そのまま顔を近付けて厚い下唇に舌先を這わす。
『……っ、ん、…何を狙うんだよ…っ、』
僅かに吐息を漏らして小さく言葉を返してくる先輩の頬はすっかり火照っていた。
年上とは思えない程、可愛くて、愛しくて。
「……こっちおいで。」
火照った頬の片側にそっと手を添えながら、軽く彼の唇を啄み囁く。
-
231
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/06(土) 23:17:56 ID:/srAhFzE
『んっ……、バカ、ここ教室だぞ…っ、』
「……ふーん。まあ、嫌なら良いっすけど。」
ふるふると困った様に睫毛を震わせて小声を荒げる先輩から、すっと離れて言い放ち、そのまま身体を反転させ黒板の方に向けた。
「…あ、ベンキョー終わったら言って下さい。俺寝てるんで。」
落書きや傷で汚れた机に、両手腕を付いて突っ伏して目を閉じ、そのまま背後に言葉を投げ掛ける。
『………ふ、風磨…、』
「……………。」
-
232
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/06(土) 23:20:10 ID:/srAhFzE
弱々しい声を背中で受け止め、返事は返さない。
─カタンッ…
すると背後で椅子を引く音が聞こえて、その後すぐに、俺の学ランの裾を何かが引っ張っている事に気付いた。
ゆっくりと瞼を開けると……、
『………嫌じゃないから、シよ…?』
俺の学ランを摘む様にクイクイと指先で引っ張りながら、恥ずかしそうに眉を寄せて頬を赤らめ、俺を見下ろす先輩が横に立っていた。
この人は何処まで、俺の心臓を抉れば気が済むのだろう。
-
233
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/06(土) 23:30:03 ID:E5q2nldQ
「………今日は随分素直っすね。」
思わず口角を上げて言いながら、机から上半身を起こしポンポンと自分の両膝を叩いて示す。
『……うるさい。お前が会えなくなるだの何だの、変な事言い出すからだろ…っ。』
何だかんだとぶつぶつ言いながら、俺の太股の上に大人しく向かい合わせに跨がる彼。
「………はいはい、もう黙って……チュッ…、」
そんな彼の唇を塞ぐ様に口付け、顔を斜めに傾けながら何度も柔らかい唇を啄む。
-
234
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/06(土) 23:42:59 ID:rjL8aySs
『……んっ……チュッ、……ふ、っ…』
次第に深まっていく口付けに、先輩の両手が俺の首に回った。
─…チュッ…ピチャッ…
いつの間にかお互い夢中で舌を絡め合い、どちらからとも無く溢れる唾液が、卑猥な水音を教室中に響かせる。
『……んっ…ふぁ、ハァッ…、』
彼の学ランのボタンを全て開け、ワイシャツのボタンも開けて胸の突起を指先で摘むように擦ると、彼の唇が粘着質な音を立てて離れていった。
-
235
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/06(土) 23:50:51 ID:s7y/ycoI
「……先輩キスだけで乳首立ってんじゃん、美味そ……チュプッ…、」
『……ひゃぁっ、あっ…、んん、っ…』
淡いピンク色に染まっている胸の突起を口に含み軽く吸い上げると、唾液で濡れた唇から甘く掠れた声が漏れる。
「…んっ、チュッ……カリッ…、」
『…あぁっ…あっん、そこばっか…、やぁ…っ、』
舌先を尖らせコリコリと舐め回しては軽く歯を立てて吸い上げる、それを繰り返していると、もどかしげにビクビクと肩を震わせる先輩が、俺の髪をくしゃりと掴んだ。
密着しているお互いの下半身は、ズボン越しにすっかり硬く熱を持ち、先輩は無意識なのか腰を揺らして自身同士が擦り合わさる様、自ら摩擦を起こしている。
-
236
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/07(日) 18:28:13 ID:s7y/ycoI
「……腰揺らしちゃってヤラし…、ここ苦しい…?」
『…ふぁあっ…、くる、し…、触って…、』
揺れる腰を指先でなぞり下ろして行き、ズボン越しに主張する彼の自身の先端部を円を描く様にして撫でると、ピクピクと自身を反応させながら先輩の手が俺の手首を掴んだ。
「………じゃあ自分で脱いで。」
『……ううっ、』
小さく唸り下唇を噛み締めながら、僅かに腰を上げてベルトを外し、ズボンと下着を脱いで床に落とす先輩。
露わになった彼自身の先端部からは、既にクプクプと先走りが溢れ裏筋を伝っていた。
-
237
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/07(日) 18:37:17 ID:pLOZawbg
「……もうこんな濡らしてたんすか……淫乱な身体だな、」
『……んぁっあぁっ…、風磨、もっと、もっと擦って…っ、』
手の平に先走りを絡め取りながら彼自身を握り上下に扱き出すと、クチャクチャと粘着質な音が響き、先輩はもっともっとと俺の手に自分の手を重ねてくる。
「……ん…?自分で扱いて。…ほら、こっちもあげるから。」
わざとらしくキョトンと見上げた後、空いている片手をそっと彼の股の下から後ろへと忍ばせ、蕾に中指を埋め込んだ。
─クチュ…、
-
238
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/07(日) 18:45:30 ID:5IrlYQS2
『…ひ、ぁんっあっ…、あぁっ…両方、駄目っ……可笑しく、なっちゃう…っ、』
「……可笑しくなってよ、大貴先輩……、チュッ…、」
クチュクチュと中指を出し入れしながら、彼の半開きの唇に口付け舌を絡め取ると、
『……んっ、ふ、チュッん…ふぁっ、はぅ…っ、』
彼自身を握る俺の片手を両手で包み、自ら俺の手を激しく上下させ扱いながら必死で舌を絡めてくる。
-
239
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/07(日) 18:46:48 ID:5IrlYQS2
─クチュックチュッ、チュプッ、
『……はぁっ、ぁんっ、ん、あぁっ…すごい、気持ちい…っ』
「……エロッ…、ハァッ…、先輩見てるだけでイけそうだわ…っ、」
唇が離れ、だらしなく舌を出し唾液を垂らしながら、先輩は俺の手で自身を扱き、中を指で犯されながら先走りを溢れさせ腰を揺らしている。
俺の上でこんな姿を見せられたら、それだけでもう、昇天してしまいそうで。
俺の自身は苦しげにズボンを押し上げていた。
-
240
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/07(日) 18:56:39 ID:4XnYIYzY
『…ハァッ、あっ、んん…、風磨っ……もう、お前の、挿れて…?』
焦点の合わない虚ろな瞳で見下ろされ、日常では出さない甘美な声を張り上げているせいか、少し掠れた声色が響く。
先輩が望むなら、どんなに不可能な望みでも、叶えてやりたいと思ってしまう。
悦ぶ顔が、見たいんだ。
「……俺ももう我慢出来ねえっ…、挿れますよ…っ、」
─ジュプッ…
『…あぁぁっ…っん、!』
-
241
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/07(日) 19:20:53 ID:174aSSq2
指を引き抜き、代わりに反り勃つ俺自身をズボンのチャックを下ろして取り出し、下から貫く様に挿入した。
先輩は内壁は衝撃でキュッと締まり、大きく背筋を反らしながら顎を上げて天井を見上げる様な形になっている。
─ジュプッジュプッジュプッ…
『…ひゃ、あっぁんっ、あんっあぁっ、…風磨、もっと、奥まで、…んぁっ…突き上げて…っ!』
「…ハァッ、ん、すげ、締まる…っ…言われなくても…っ、」
両手で彼の腰を掴みながら、何度も激しく下から突き上げる。
どちらとも知れない精液や汗が、幾度も飛び散り、それが余計に俺ら二人の欲を掻き立てた。
-
242
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/07(日) 19:22:05 ID:174aSSq2
「…はっ、あ、先輩、…一回出すよ…っ、」
『…あぁっ、ん、あっ、出して、いっぱい出して…っ、』
「……っ、く、!」
─ドビュッ…
『……あぁぁっん、!』
10年先、この日の事を思い出したりするのだろうか。
-
243
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/07(日) 19:23:24 ID:174aSSq2
「……ハァッ、ハァッ、やべ、止まんね、かも…っ」
『……はぁ、はぁ、ん……この万年情期めっ…』
”学校の教室でヤるなんて、若かったな”、とか。
そんな風に、今日というこの日を、今というこの時間を、
「……うっせ、淫乱な大貴先輩に、言われたくねえよ…っ、」
慈しんで、懐かしんで、瞳を細める時が、きっといつか来るのだろう。
ならばその時隣にあるのは、
『……ふはっ、……そんな俺が好きなくせに。』
今と変わらない、貴方の笑顔でありますように。
ー END ー
244
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/08(月) 21:59:27 ID:DiL6Kqn6
- f.k x s.s - request by ぁぃぽむさん-
好きな人には、喜んで貰いたい。
いつも貰っている沢山の幸せに、ありがとうを形にして返したい。
ううん、そんなの、ただの偽善に過ぎないかもしれない。
本当はただ、もっともっと、好きになって欲しいだけ。
-
245
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/08(月) 22:01:19 ID:DiL6Kqn6
『……風磨くん、ねえ風磨くん。』
小洒落たホテルの一室。
特別広い訳でもないが、西洋の映画にでも出てきそうなこの部屋は、勿論日本のものではない。
「……んー…、」
2つあるベッドの一つに、壁側を向いて横になっている彼は、不機嫌そうに小さく唸る。
『……熱湯って、英語で何て言うのかな。』
「……ねっとー?」
-
246
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/08(月) 22:02:54 ID:DiL6Kqn6
思考回路の働かない頭で復唱しながら、風磨くんが眩しそうに眉間に皺を寄せて顔だけ此方に向けてくれた。
すかさず手に持っていたカップラーメンを差し出す。
『……うん。カップラーメン持って来たじゃん?食べようかなーと思って。』
「……あー…、あれじゃん、ボイルドウォーターとか…ボイリングウォーターとか……そんなんじゃね。」
俺が差し出したそれを認識するなり、欠伸混じりに単語を口走りながら、再び壁側を向いてしまった。
何だよもう、部屋に着くなりソッコー寝ちゃってさ。
撮影でラスベガスに来てるけど、風磨くんとホテルの部屋一緒って聞いた時から、ずっと楽しみにしてたのに。
-
247
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/08(月) 22:06:17 ID:HJ2I5RCI
『………分かった、ありがと。』
素っ気なく礼を返して、ベッドの横にある電話をフロントに繋げる。
─プルルルル…
〈……Hello?〉
『…あ…、エクスキューズミー…、あ…っと、…ボイルドウォータープリーズ?』
〈……ah,ha?〉
-
248
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/08(月) 22:08:45 ID:DiL6Kqn6
『…えと…、ボイルドウォーター、ボイルドウォーター…』
〈……oh,yes. bottle water? Please wait a little. 〉
─プツッ………
『………え、あ……、』
…………切れちゃった。一応伝わったのかな。
カップラーメンを両手で持ち、風磨くんが居ない方のベッドに腰掛ける。
-
249
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/08(月) 22:20:02 ID:HMvG3oPk
……なんか、寂しい。
大好きな人と同じ空間に居れてるのに、なんか、自分ばかり舞い上がっていたみたいで。
………虚しい。
『………ハァ、』
一つ溜め息を吐いて、視線を横へ向けると、やはり壁側を向いて寝息を立てている彼の背中が見えた。
だけど、”起きて?構って?”なんて可愛くだだをこねられる訳もなく……、
-
250
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/08(月) 22:24:18 ID:dBtlshro
『………いつまで寝てんだよー…』
こうやって、少し離れたベッドから、小さく声を掛ける事しか出来ない自分が、情けない。
こういう時マリや聡なら、風磨くん好みの可愛い起こし方とか、自然と出来ちゃうんだろうな。
─ピンポン……、
『………あ、はい!』
そして部屋に届いたのは、熱湯ではなく、水の入ったペットボトルが二本。
……なんだよ、違うじゃん。
-
251
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/10(水) 13:55:24 ID:fFIj6Hjo
思わず怒りの矛先は、彼に向いてしまって。
八つ当たりなんて、格好悪いって分かってるけど…。
─ダンッ…!
「……おわっ…!」
彼の枕元に、二本のペットボトルを勢い良く乱雑に置いた。
流石にその音と振動で、ビクリと身体を跳ねさせた彼が、閉じていた瞳を丸くしながら上腿を此方に向ける。
-
252
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/10(水) 13:58:58 ID:fFIj6Hjo
『…………ペットボトルが二本。』
「……あ……わり、英語間違ってた…か。」
明らかに不機嫌気味な俺の視線と言葉に、風磨くんはゆっくり起き上がり、苦笑を浮かべながらパサパサと後頭部を掻いた。
俺がこういう態度にならないと、起き上がってもくれなかった。
今更そんな顔されたって遅い。
何だろう、俺、本当に大人気ない。
-
253
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/10(水) 14:00:04 ID:fFIj6Hjo
『…健人くん達の部屋行ってくる。』
「…ちょ、勝利、」
焦ってベッドから立ち上がる彼をよそに、そのまま部屋を出て、足心地の良い絨毯の廊下を歩く。
時刻はもう、23時を回っていて。
廊下を出歩くような人は全くいなかった。
─ピンポン…
ガチャリと扉が開き、出迎えてくれた健人くんの向こうには、同室の聡の他に、マリウスも遊びに来ている。
-
254
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/10(水) 14:02:19 ID:fFIj6Hjo
「どしたの、風磨と何かあった?」
二つのベッドに4人で胡座をかき、皆の視線が俺に集まった。
『……ちょっと八つ当たりしちゃって。』
「え、珍しいね。」
聡のおっとりとした瞳が、丸く見開かれる。
『……風磨くん、ずっと寝てんだもん。』
-
255
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/10(水) 14:03:15 ID:fFIj6Hjo
「悪戯しちゃえば良いのにー。」
今度はマリウスが楽しげに声を上げた。
その無邪気さが羨ましいな、なんて思ってしまって、思わず小さく笑みが零れる。
そんな俺をじっと見詰めていた健人くんが、不意にベッドの脇にある紙袋を引っ張り寄せた。
「よし、じゃあ勝利に良いモンやるよ。」
『……良いモノ?』
ニヤリと口角を上げる健人くんの顔を見て首を傾げる。
-
256
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/10(水) 14:04:54 ID:fFIj6Hjo
「じゃーん。」
『……えっ、それ……、』
健人くんが勢い良く紙袋から取り出したのは…、
「あ、ネコ!さっき買ったやつ!」
マリウスが指を差し声を上げた通り、黒い猫耳のカチューシャと黒い尻尾の付いたベルトの様なものだった。
「さっき三人で雑貨屋さん行った時、健人くんがネタで買ったんだよね。」
聡がクスクスと笑いながら、ツンと猫耳の部分を突つく。
-
257
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/10(水) 14:06:42 ID:fFIj6Hjo
「そーそ、ほら、勝利おいで。付けてやるから。」
『……い、やー……流石にそれは…、撮影じゃあるまいし…、』
爽やかな笑みを浮かべ手招きしてくる健人くんに、思わず口元が引き吊り、首を捻って見せる。
「風磨。もっと振り向かせたいんでしょ?」
『…………、』
思わず、先程苦笑を浮かべていた風磨くんの顔が脳裏を過ぎった。
もっともっと、俺に夢中に、なって欲しい。
-
258
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/10(水) 14:07:44 ID:fFIj6Hjo
「あいつ絶対喜ぶよ。」
健人くんのその一言で、俺の身体は大人しくそれらを受け入れていた。
「やべー、お前超似合うじゃん!」
「本物の猫みたい!」
「風磨くん好きそー!」
何故か着ていた服まで脱がされ、ダボダボの黒いニットセーター一枚だけを着せられた。
-
259
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/10(水) 14:08:47 ID:fFIj6Hjo
これもまた健人くんがこっちに来てから買った物らしく、外国のサイズの為健人くんでもデカいそうで。
俺が着ると、太股の辺りまで裾が来ていて、肩も出ちゃうし、袖も長過ぎだし。
猫耳に尻尾にこの格好って、俺完全に変質者じゃん……
『……あの、俺やっぱり辞め…、』
「返品不可。」
セーターの裾を擦り合わせながら遠慮がちに言うと、健人くんの有無を言わさぬ冷たい笑みが返ってきた。
-
260
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/17(水) 12:32:41 ID:rjL8aySs
本当にこんなの、風磨くん喜んでくれんのかな……
………男がこんな格好してたら、普通引くだろ。
「じゃ、頑張って」なんて無責任な言葉と共に3人から部屋を追い出され、愛しい人の待つ部屋へと向かう。
『………良かった、誰も居なくて。』
先程歩いた廊下を戻りながら、思わず呟かずには居られなかった。
こんな格好誰かに見られたら、堪ったもんじゃない。
-
261
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/17(水) 12:33:56 ID:rjL8aySs
元居た部屋の扉の前で、ピタリと足が止まる。
また、寝ちゃったかな。
─コンコンッ…
そっとドアをノックした。
どうせこんな格好なら、寝ていてくれた方が寧ろ助かる。
それを理由に、健人くん達のとこに戻って服も返して貰える。
と、そんな上手く行く訳もなく……、
-
262
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/17(水) 12:42:16 ID:yyztv0zM
─ガチャッ…
「勝利、さっきはごめ………、っ!?」
反省して謝罪の言葉を用意していてくれたのだろう、ドアを開けながら申し訳無さそうに軽く頭を下げかけた風磨くんの視線が、俺の姿を認識するなり瞳を丸く見開いた。
発しそうになる驚愕の声を抑えるかの様に、片手で口を塞ぎパチパチと瞬きを繰り返している。
………やっぱり、引かれちゃった、よな。
『……あ……引いたよね、ごめん。…あの…これは健人くん達に無理矢理着せられて…』
「…………分かったから取り敢えず入れ。」
-
263
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/17(水) 14:26:27 ID:DiL6Kqn6
呆れた様にハァ、と一つ溜め息を吐いた後、風磨くんがぶっきらぼうに俺を招き入れる。
『……あ、うん。』
慌てて足早に中に入ると、腰から垂れる尻尾が反動で少し揺れるのを感じた。
2つのベッドに、向かい合わせに腰を下ろす。
「…………。」
『…………。』
………何だよ、何か言ってよ。
-
264
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/17(水) 14:27:59 ID:DiL6Kqn6
セーターの裾を擦り合わせながら、チラリと視線だけ上げ彼の様子を伺うと、明らかに不機嫌そうに視線を落としていた。
何だか殺気の様なものさえ感じる。
『………ね、怒ってんの?』
在らぬ不安が込み上げてきて、思わず顔を上げ問い掛けてみた。
「うん。」
いつもより数段低い彼の声。
-
265
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/17(水) 14:29:55 ID:DiL6Kqn6
『………なんで?』
別に悪い事は何もしていない、自分に非はない、そう自分に言い聞かせながらも、絞り出た俺の声は僅かに掠れていた。
「………分かんねえの?」
やっと視線がぶつかる。
睨む様な彼の眼差しに、たじろぎそうになる。
けど……、
何で俺がそんな態度を取られなきゃいけないんだ。
-
266
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/17(水) 14:31:47 ID:DiL6Kqn6
『……分かんないよ。ずっと寝てた風磨くんに、そんな怒られなきゃいけない様な事してないもん。』
ずっと胸につっかえていた言葉達が、どんどん溢れてきて。
「……は?」
『…俺、風磨くんと部屋一緒だって聞いて、ずっと楽しみにしてたのに…、』
こんな事で涙腺が緩んで目頭が熱くなって、
『……いっぱい、イチャイチャ出来るかな、とかっ……いっぱい話せるな、とかっ……すげーワクワクしてたのに…っ、』
涙で視界が滲むなんて、俺は本当にまだまだ子供だと、実感してしまう。
-
267
:
真也
◆ihElqIETAs
:2013/04/19(金) 17:40:45 ID:iym8d1y.
「だーっ……もう、泣くな泣くな。」
零れ落ちる俺の涙を見て、風磨くんがガシガシと自分の後頭部を掻き乱した。
『…うっ…ぐ、…ごめ、ん。』
「こっち来なさい。」
『……はい。』
これ以上女々しい姿は見せまいと、必死に唇を噛み締め涙を止めようとしながら、招かれるがままに立ち上がり向かい側に座っている彼の膝の上に座る。
-
268
:
真也
◆ihElqIETAs
:2013/04/19(金) 17:41:51 ID:iym8d1y.
「…お前さ、何で俺が怒ってるか分かってないっしょ。」
『……俺が、こんなキモい格好、してるから。』
頬に、少し冷んやりとした大きな手が添えられて、涙が溜まる目尻を親指が掠った。
「ちげーよ、馬鹿。」
『……へ、?』
コツンと額にデコピンされ、思わず間抜けな声と共に小首を傾げ瞬きを繰り返す。
-
269
:
真也
◆ihElqIETAs
:2013/04/19(金) 17:45:05 ID:iym8d1y.
「……お前が、こんな可愛い姿、あいつらに見せた事が気に入らねえの。」
そう言って、風磨くんは不機嫌そうに眉を寄せながら俺の猫耳を指先で擦る様に摘んできた。
『……可愛い、姿、』
もしかしてこれって、
風磨くん、ヤキモチ妬いてくれてるのかな。
「……そ。なあマジでさ…、こういうの、俺の前だけにしろよ。」
『……んやっ…、』
-
270
:
真也
◆ihElqIETAs
:2013/04/19(金) 17:46:59 ID:iym8d1y.
猫耳の部分をふにふにと撫でられながら、自分の耳元でそう囁かれ、ピクリと肩が震える。
その声が、視線が、余りにも真剣で、何だか格好良くて。
ドクドクと、心臓の音が自分でも聞こえるくらいに高鳴り出して。
どうか彼には、聞こえてませんようにと、祈ってみたけれど。
「……お前すげードキドキしてる。猫のクセに。」
ニヤリと悪戯に口角を上げた彼の生暖かい舌先が、いきなりツゥっと首筋を舐め上げた。
-
271
:
真也
◆ihElqIETAs
:2013/04/19(金) 17:59:47 ID:fFIj6Hjo
『…んぁっ…、からかってるでしょ…っ、』
舌の動きに合わせる様に、俺の首が反れる。
「……んーん、可愛がってんの……チュッ…」
『…んっ…、』
そのまま顎先まで這い上がってきた舌先が咥内に滑り込み、唇が深く重なった。
ダボダボのセーターの上から、尻を両手で揉み上げられる感覚が気持ち良くて、思わず彼の首に両手を回しながら身体を密着させる。
-
272
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/23(火) 11:57:15 ID:xCmDeJ56
『……んっ、ふ、ぅ…っ、』
何度も顔の角度を変えながら、ピチャピチャと唾液の交わる音を響かせて舌を絡める。
「……お前発情期の猫?」
僅かに唇が離れた瞬間に、セーターの裾から忍び込んできた手に勃ち上がった自身をさすられて。
『…んぁっ、…あっ、駄目、擦っちゃ…っ、』
ビクビクと腰が震えるのを感じながら、先走りがトロトロと溢れ始める中羞恥で頬が火照った。
-
273
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/23(火) 11:58:50 ID:xCmDeJ56
「…駄目じゃねえっしょ、ほら…にゃーって鳴いてみ?」
挑発的な瞳が、羞恥と快感に犯される俺の表情をしっかりと捕らえて離さない。
先走りを絡めて自身を扱かれながら、もう片方の手が後ろに伸びてきて、ヒクつく蕾にクチュリと音を立て中指と薬指が埋め込まれた。
『…あっ、にゃあ…んっ、あぁっふ、』
「……やべ、すげーそそられる。もっと鳴いて…、」
扱かれる手と、中を掻き回される指の動きに合わせて、無意識に腰が揺れる。
『……ひゃ、あっあんっ、にゃ、ぁ
、にゃぁ…あっん、』
-
274
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/23(火) 12:06:20 ID:K/d.LagM
俺の姿に欲情して息を荒げてくれるのが嬉しくて、快感で、幸せで。
自ら理性を手放しながら唾液を垂らし、甘い声を張り上げる。
もっと、もっといっぱい俺に欲情して。
夢中になって。俺だけ視て。
そんな沢山の想いを、上手く言葉に出来る程大人じゃないから。
『…んっ……風磨くん…っ、』
「……はは、マジで猫みたい。」
彼の色白い首筋や頬を、ペロペロと不器用な舌つきで何度も舐める。
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275
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/23(火) 12:19:59 ID:dBtlshro
ちゃんと、伝わってるかな?
俺がどれほど、貴方に溺れきってしまっているか。
『………風磨くん、もうこれ頂戴。』
彼の厚い下唇にカリッと甘く噛みつきながら、首に回していた両手を降ろして行き、ズボン越しに主張を見せている彼自身をやんわり握る。
「……っ、…んじゃ子猫チャン、四つん這いなって。」
冗談めかした口調で言いながら、膝の上から降ろされる。
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276
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/24(水) 19:27:15 ID:j96BMcTc
『……だからそれ、辞めてよ。俺人間だし。』
少し拗ねた様に口先を尖らすと、「はいはい」って軽く頭を撫でられて。
ただそれだけで、大人しくベッドの上に四つん這いになり彼に腰を突き出してしまう自分の単純さが悔しい。
「……尻尾邪魔だな。」
『……へ、ちょっ、…!』
下半身にゾワゾワと違和感を抱き思わず顔を後ろへ向けると、あろう事か俺の自身に尻尾が巻き付いていた。
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277
:
◆ihElqIETAs
:2013/04/24(水) 19:28:10 ID:j96BMcTc
「……うっわ。自分の尻尾で射精止めなんて、ただの淫乱猫じゃんお前。」
『……っ、風磨くんがそうしたんだろ……なあやだ、外してっ…、』
大袈裟にいかがわしい表情を作りながら見下ろしてくる彼の言葉に、ううっと、溢れるそうになる涙を堪えて睨むように見上げる。
「……何その目。挿れてやんねえよ?これ。」
『……んっあぁっ…はぁ、っ…』
硬く熱い彼自身の先端部だけが蕾に押し付けられ、それを吸い込みたいと言わんばかりに俺のそこはヒクヒクと激しい収縮を繰り返し始めた。
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278
:
no name
:2013/06/14(金) 23:13:55 ID:EYd3.WX.
もう続き書かないの?
279
:
no name
:2013/07/21(日) 10:04:14 ID:pU2CzrYM
つづきよみたいー ! !
Sexy Zoneいまいちわかれんけど、
それでも真也さんの文才で
どんどん引き込まれてまいます(V)o\o(V) .**
つづき書いてほしいです*
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