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【安価】やる夫は誰かのために戦うようです【R-18】

3272 ◆x0SRSoJXe.:2020/10/26(月) 23:21:24 ID:eewyaVm60

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ただ、クニヒコと一緒に居た頃ほどの貪欲さはなくなった。
食糧も毛布も何でも、持ち切れなかったりする分はそこらの行き倒れている
他の子供に明け渡したり、なんてことも多くなった。

ある日、いつものように配給を受け、裏通りへと足を踏み入れると、
家屋の裏で蹲る少女を見かけた。

栗色の髪は枯れ木のようにぱさつき、雑巾を纏っているかのような服装だったが、
伸び放題の髪の下の顔つきは些か愛嬌があるように思えた。

少女に配給食の内の一パックを渡す時、こう吐露した。

「一人だと、なんか、さ。あげるよ」

すると、少女は二人で食べることを提案してきた。
当然訝しんだが、周囲に人の気配もなかったので、そのまま隣に腰を落とした。

どうやら少女は、居住権を失って後、ずっと一人の男と生活していたらしい。
今となって思えば、慰み者として重宝されていたのだろう。

ただ、少女に食事を分け与えた時、クニヒコと最初に出会った時のことを
思い出した。彼も、こんな気持ちだったのだろうか。
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