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【安価】やる夫は誰かのために戦うようです【R-18】

1 ◆x0SRSoJXe.:2018/11/18(日) 22:14:42 ID:NOfdPGR20

   ∧ `i¨ヽ   i   i  γ⌒ヽ`i¨ヽ `i ̄'`| ̄`ヽ.  .i\ i\
  _/,,∧ ├く    ∧ .∧ {{   }}|-く. ├一.|    }  .| | ヽ| .:iヽ
. _/_   ヘ_jL \__/ ∨ ∨ヽ、__ノ jL \」__.,イ!____ノ   | | .:| | ヽ
                    γ⌒ゝγ⌒ヽ `i¨ヽ `i ̄'\‐┘ー, .| └─:\
                   {{   {{   }}├く ├一. ¬┌ .:| ┌─'′\
                    ヾ、__.イ ヾ、__ノ .jL \」_イ   j_.L._j__L      )\

●この作品は株式会社フロム・ソフトウェアによって平成18年12月21日に発売された、『アーマード・コア4』の二次創作作品です

●原作との相違点も多く、作者の知識の至らない点は自己解釈によって補われています。あらかじめご了承ください

●この作品はフィクションであり、実在する人物・地名・団体とは一切関係ありません

6270 ◆x0SRSoJXe.:2024/08/22(木) 21:33:46 ID:lK97SEzU0

              _    __  _,.
            __<>''"´      `^''
           〈/   /          \  
          /7゙ / /                ヽ 
          _〉:∧│     | :     |:   |ハ
           〈: 7 : : | |    : | : : | : :  | : : . j: i
         〉| : ヽ| |│:ィ:/|⌒:/ト : : |ィ7ト: /: :│
           〈八\_| |人ィ灯圷ミ/イ : リィ灯Y}.: : :|         (……この梅干しというのものは、酸っぱいな。
         `{: :〈│:   | Vツ  |/ ヒソ /:.|/|/   
          `ーッ| :  |           〉  {: :|           納豆というのも……難しい味だな。
             /:::| :  │         八:|
.            /:::/| :  |\     ノ‐   イ: : :|            次からは別のものも検討するか……)
          \{∧: : : |    .,,_/〉イ|/| : : |
             厶ィヘ: Ν≧=‐<_,´}′   | ∧|
            _/⌒^ ∧|    __/7 {≧=、_l厶_   ,,.。;;::,.
        '´ ̄`>、     \/::// /〈:\ Υ ハ,;;::゚::..  ゙:;,,
      |   ゙⌒\   〈::rく/ { {ハ:::〉 V ;斗-冖冖ー‐(ヽ
      |  \   ∨  `}      ノ´  } 〈       ⊂ニノ
      │   ヽ   ∨  {    ∧   ∨\     ⊂/

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相も変らぬ大音量の蝉の鳴き声で、目覚ましが鳴る前に目が覚めた。
起きてすぐ、アルトリアのことが頭に浮かぶ。

二度寝などしている場合ではない。
昨日は風呂に入り損ねた身だ。
身を清めてから、顔を出すことにした。

さっぱりしてから居間へと足を運ぶと、ゆったりとした所作で朝食の準備を
しているアルトリアとばったり出くわした。
その瞬間、少し身構えてしまったのは秘密だ。

ただ、彼女は難しいことはしておらず、お米を炊いて、沸かしたお湯に味噌を
溶いて、たくあんや梅干しなどを豆皿に載せたものを用意してくれていた。
具材を綺麗に切ったり、盛りつけたりするのは、どうやら苦手ではないらしい。

礼を言って食卓につく。

どうしてこんな手間を、とも最初は思ったものだ。
だが、アルトリアがこういった形を望んだ。

スーパーマーケットの総菜コーナーに並ぶ弁当でいいではないか、
冷凍食品だって充実している、と物申したものの、アルトリアは首を
縦に振ることはなかった。
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6271 ◆x0SRSoJXe.:2024/08/22(木) 21:50:53 ID:lK97SEzU0

       ___
     /ノ  ヽ_\
    / (ー) (ー )\
  / ⌒ (__人__) ⌒ \
  |   /ζ⌒|     |
   \  ゝ .(⌒)     / ズズー
   / /  | ̄     \
   |  /   |        |

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その理由も、今なら少し分かる気がする。
恐らく、それもまた、自分のためだ。

下級IDに配給されるパッケージ食とは比べるべくもないが、
味気ないことには変わりない。

それならばと、自分の手で調理することを彼女は選んだのではないだろうか。
今もなお、手を焼いているにもかかわらず。

自惚れと一蹴されてはそこまでだが、それくらいしか理由が思いつかない。

今はただ、ありがたくいただく他ない。
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6272 ◆x0SRSoJXe.:2024/08/22(木) 22:00:18 ID:lK97SEzU0

       ___
      /     \
    /   ⌒  ⌒\
   /   ( ●)  (●),\
   i  ::::::⌒ (__人__) ⌒:: i      ところで、出かけたいって話しでしたけど。
   ヽ、    `ー '   /
     /     ┌─┐       「ああ」
     i   丶 ヽ{ .茶 }ヽ
     r     ヽ、__)一(_丿      どこに行くんですかお?
     ヽ、___   ヽ ヽ
     と_____ノ_ノ




                  _ -――――- _ __
               ∠            ` 、_}_
               /             、 ` 、⌒ヽ
               /        /           \  ', /
             /   /     '           |   '/\
           '   ′   /           |    |   、ノ}
            l{   /  {   /{   {  |    |    | ̄ア}ノ\
          八  |  ',  l  、  {  l 、 |    |/ ハ___ノ
            \|', ∧| |  \_{\|\\|    |  / /⌒}        結婚指輪を買いに行く。
              | ∨ャ竿ミ      斗竿ミ|    |/ /__ ノ
              | ∧  Lソ      Lソ |    |ヽ/⌒\
              | ハ            |    |ノi:i:i:i:i:i:i:\
              l  込、  '          |    |\i:i:i:i:i:i:i:i:i:',
              |   | \   r_、     ,|    |、i:i\i:i:i:i:i:i:i:}
              |   |    、      イl|    '{i\i:i:)_i:i:/
              人   |     l` ‐  ´   l|  /i:V⌒i: ̄{
                    、|    f≧======≦_|  ,'⌒i{i:i:i:i:i厂
          _-=ニニ=- __ノvニニニOニニニ=|/二⌒⌒^
            _-=ニニニ/ニニ\ニOニニニニニノニニニニ≧ァ≦⌒\
           _-==ニニ {ニニニニニ/\ニニニニニニニニニニニ/ニニニニニ',
         _-=ニニニニ〉二二ニ\/二二二ニニニニニ/ニニニニニニニ',
           _-=ニニニ/ニニニニニ/二二二ニニニニニニ/ニニニニニニニニ',

6273 ◆x0SRSoJXe.:2024/08/22(木) 22:06:00 ID:lK97SEzU0

       ___
      /     \
    /  一'  `ー\
   /   ( ○)  (○)\           ――あっつ!
   i       (__人__)   i
   ヽ、    |r┬-|  /            「……何をしている?」
     /    `ー'´  く
     i   丶 ヽ   ヽ   ガシャ
     r     ヽ、__) (_丿      , -っ ゚
     ヽ、___   ヽ ヽ  r. ― ┐ ー ュ '
     と_____ノ_ノ   | 茶. | 。, つ o
                    ` ー‐┘‐- ´。

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至極当然のように発せられた言葉が、鼓膜を通り、脳髄を殴りつけてきた。
持っていた湯呑が手から零れ落ち、盛大に膝の上へと中身をぶちまける。

慌てて立ち上がり、湯気が立ち上るジーンズを引っ張って肌から離す。

「昨日のマカベの件もあったろう。事実、彼の言ったことは的を射ている。
指輪を外しているにしては、私たちの見た目は若すぎる。
些細なことだが、潰せる違和感は潰しておくにこしたことはないだろう」
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6274 ◆x0SRSoJXe.:2024/08/22(木) 22:19:49 ID:lK97SEzU0

  /            i      \    } >
  /             i       .| / レヘ、
 ,         ヽ   i  .|       |、 / } ノ
 i      .l    i  .ハ. ∧.i      .| l /  |' ゙;
 |    .|  i    .| /! }/ }ハ     .|,ノ / ./"         あなたとて、いちいち疑いの目を向けられるのも
 | .i  .|  ト   1. ,ム斗:r7 }      |  / ./:.:.:.:.:ヽ
. i l  .|  「\  .ハ/ Vツ  ':/     .| / /|.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ     本意ではないだろう。
. 八ハ  ト |'芯\{  ´   ハ |    ハ /:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:/
.  { `:.ハ .ト.}7          }/|   .j y:.:.:.|:.:.:.:.:.:./       ……平穏な生活のためだ。家の中では外していていい。
      | ヾ. :,ヽ         / }   j ∩こ)゙,:-イ~
      l   |\  _ -,    イ  .,v⌒/: :ヽ:.:.}     _____,,
 .     l   .|.   、 ´   /ノ-マ`/: : : : : :’、_ . : : : : : : : :
      丶  i     `ー ' >r"f ゙/: : : : : : : : /: : : : : : : : : : :
        丶 ,      ⊂゙_/: : : : : : : : /: : : : : : : : : : : :


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アルトリアは淡々と語るものの、自分としては、かなり大事なことにも思えた。
確かに、自分とアルトリアは夫婦ということで周囲に通している。

アルトリアの出自や、自分が元リンクスであることは、幸運にも知られていない。
うなじのAMS接続インターフェースを覆うカモフラージュカバーが、
強引に剥がされる事態にでもならない限りは、そんなことは起きないだろう。

それが万が一、周囲に露見することになったら。
そこから先は未知数だ。何も起きない可能性もある。
けれど、そうでもない可能性もある。一部の住民は敵対企業のリンクスである
アルトリアに対し恐怖を抱き、個人的な暴力に奔る可能性だってある。

それを避けるための結婚指輪、ということなのだろうが。
彼女としては、それでいいのだろうか。

だが、当のアルトリアは、逆にこちらの反応を窺っているようだった。
まるで、「指輪をつけるなど嫌だろうが、耐えてほしい」と言わんばかりに、
僅かに目を伏せてさえいる。
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6275 ◆x0SRSoJXe.:2024/08/22(木) 22:33:41 ID:lK97SEzU0

            ____
          / u    \
         / ─    ─ \
       /   (●)  (●)  \      い、嫌ってわけないですお?
       |  u.   (__人__)     |
       \     ` ⌒´  u. ,/       買いに行きましょう、指輪。ドンとこいだお。
r、     r、/          ヘ
ヽヾ 三 |:l1             ヽ      「ふむ? ならばいいが……とりあえず、着替えてくるといい」
 \>ヽ/ |` }            | |
  ヘ lノ `'ソ             | |      はいっ。
   /´  /             |. |
   \. ィ                |  |
       |                |  |

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アルトリアが嫌がるならともかく、自分が嫌がるなんてことはない。
街中を歩いていても、疑問の目はいつだって自分に向けられる。
なぜこんな少年が、こんな少女と、といった具合の視線を浴びせられてきた。

ともかく、アルトリアがそう望むのであれば、従おう。
実際問題、指輪はあった方が自然だ。

幸い、リンクス時代の稼ぎはしっかりと残されている。
口座が凍結されているわけでもない。
携帯端末のクレジット機能を使えば、法外な値段のもの以外は難なく買える筈だ。

そう決意し、自室へと身を翻した。
まずは着替えなければ話にならない。
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6276 ◆x0SRSoJXe.:2024/08/22(木) 22:36:21 ID:lK97SEzU0

                         ┌──────┐
                         │::::::::::::::::::::::::::::::::│
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                                   □

                               ・

6277 ◆x0SRSoJXe.:2024/08/22(木) 22:55:01 ID:lK97SEzU0
すまないね、短いが今日はここまでとしよう。
やはり具合が悪い。なんなんだろうね、別に悪いものは食べていないはずなのだが……。

次回は8/29木曜日の21時からだ。それまでには良くなってるといいなァ

6278安価のやる夫だお:2024/08/22(木) 22:57:10 ID:39qFL5Kk0
乙でした
ご無理なさらず

6279 ◆x0SRSoJXe.:2024/08/29(木) 21:07:29 ID:zS7oGfZg0

   ______
  丶::::::::::::::::::::/   カタカタカタ
   |:::::::::○::○  ______
   |::::::::::ー=‐::i |  | ̄ ̄\ \    ハロー。
   .>::::::::::::::::く_.|  |    | ̄ ̄|
   /:::::::\_:::::::::::|  |    |__|
   |::::\::::::::::::つ |__|__/ /
   ::::::::: ̄| ̄ ̄ ̄ ̄|  〔 ̄ ̄〕

6280 ◆x0SRSoJXe.:2024/08/29(木) 21:15:00 ID:zS7oGfZg0

     *___    *
  * 丶::::::::::::::::::/  +
    n |::○:::::○:| n      しばらく赤痢にかかったみたいな状態になってたが、今日は平気そうだ。
 +(::ヨ |:::::ー=‐:::::i E::)
    ヽ::ヽ::::::::::::::::く:::ノ  *  いやはや、休みの日に限ってハライタは嫌だねえ。





            ______
           ヽ:::::::::::::::::::::::/
            |::○::::::::○:|
            |:::::::‐=‐:::::::|          そういえば台風が来てるけど、みんなは大丈夫かな?
             >::::::::::::::::::く
           /::::::::::::::::::::::::\         モコイさんは……通勤中になんか飛んで来たら死ぬくらいかな。
          (=m/ \_/ヽ、m=)
            / ヽ、    ノ ヽ,          それじゃ、ぼちぼちやっていこうか。
           ヽ、 \ 621○/ /
―――=== (:::::) i`――´i (::::) ===――――
             ヽ,| | |γ⌒ヽ| | |/
           (_| | | | | | | | |_)
             ヽ|_| | | | |_|ノ
        /     `'ー | | | ー´     \
     /        ヽ_i_ノ         \

6281安価のやる夫だお:2024/08/29(木) 21:25:53 ID:3Q7kSFcU0
ハロー

6282 ◆x0SRSoJXe.:2024/08/29(木) 21:30:18 ID:zS7oGfZg0
\   \
  \   \┌┐            Π                             ─
   \    |::::|        _,,,,,、. 三| |三                  ,'゚゙゚'~”“ヽ   / i__
丶   \  |::::|ヽ   ,,,r゙~゙~;: ;: `~"~ | |                  .,l°:;: ;: : ;:ヽ,,/ ,,/i
,,、\   '\|:::.|゙''┌┐´;:: :; ;:;: ;; :; ;:;  | | ;:"゙゚゚“''ヽ,,、.,vr'゙"`:;   _,,,xr‐ :;:;: ;:;:: ;: ,/ ,/,,;;/iミミミミ
,,;;/,,;\   '\|  |::::|  ;:、;: ;:、;、; ;  、| | [;:;: ;: ;:; ゙“″; :;: ;;  .z''“'l ;:; ;:;: :;  ;;/,,/,,;;/,,;;/iミミミミミ
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,,;;/,,;;/,,;;/,,;;/,,;;/,,;;/,,;;/,,;;/,,;;/;l:l     .| .|"ーーーーーー\ミミ;;ミミミ|∇|,,;;/,,;;/,,;;/,,;;/,,;;/,,;;/,,;;/,,;;/,,;;:iミミミミミミミ
,,;;/,,;;/,,;;/,,;;/,,;;/,,;;/,,;;/,,;;/,,;;/ l:l━'“”“""゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚゙\ミ ミ;|∇|,,;;/,,;;/,,;;/,,;;/,,;;/,,;;/,,;;/,,;;/,,/iミミミミミミミ
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,,,,;;;;/;;/                                      \,,;;/,,;;/,,;;/,,;;/,,;;/iミミミミミミミ
,,,,;;;/                                         \,,;;/,,;;/,,;;/,,;;/;:iミミミミミミミ

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普段よりも穏やかな日差しの下、二人で商店街の方向へと歩を進める。
蝉の声こそ相変わらずだが、それよりも気になるものを見かけた。

子供だ。齢の頃は十歳にも満たないだろう。
見慣れない形をした革の鞄を背負い、一直線に足をばたつかせて駆けている。
そういえば、今の時間は九時前といったところだ。慌てているのだろう。

ああいった身なりの良い子供が一人で、人気のない道を行っても、
何の問題もないのだろうか。いや、ないからこそ、彼は今こうしているのだろう。

突風の様に通り過ぎていく少年の背中を、アルトリアと二人で見送る。
すれ違いざま、好奇心と戸惑いの視線をアルトリアの横顔に向けていた気がした。
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6283 ◆x0SRSoJXe.:2024/08/29(木) 21:36:50 ID:zS7oGfZg0

              _ r―ァ-、―- ミ
             />''"~"''<⌒l   ` <
               7//ヽヽヽヤ⌒〉     \
                ψ/// ソノ }-〈     .|  ヽ ∨
              r{ゞ、>''´/ / Y′   .||  ハ ∨
             }ヘゞ`''<彡‰ソ  ! !  !\ / l| トゝ
                V乂三∠⌒)´ !∧| | .」ノレ' | リ |
              廴乂_)ノl l 八(l ヘ八ソ`メ|/ /
           >''⌒7^Y⌒ ヽ、,人|   ヘ{`¨乂レ′           企業の力が成せる業だ。
           /===/`nヘ=====\ilN  | __ / 
            \=/===l.l= \===/ |  | /               たとえ地上のほとんどが戦火に晒されているかの
              ´/====|.!==== <´≧〈从 |´
              _≧s、_ノハ_==== マニニゝ-`‐…¬冖ニニアl         ように思えても、これだ。
       _ <ニ/ニ二二Y  ̄ ̄ ニニニr'ニニニニ>''´ =|
     r<ニニ/ニニニニ/二二二ニニニ|ニニニ/二二ニ|-「ヽ∧     大きな力があれば、世界を滅茶苦茶にできる。
     ∨=ニニニニニ二/二二ニニニニニニニニニニニニ上′ニニ\
       Vニニニニニ/:⌒"''<ニニニニニニニニニニニニ乂ニニニ    そして、滅茶苦茶な世界に、平和を作ることも。
        {/ニニニニ/  :     ` マニニニミニニニニニニニニ\ニニ
       <=/ニヘ二/  :        `'マニニニミニニニニニニニニ>     
       〈´ニニ二∀     ':,         `'マニニ/冫、ニニニニニニニ
      }/二二{   ,'    ':,       : : ̄i .イニ=}`''<ニニニニニ
       /ニニニニΚ ,'      '       : : /ニニ=/     `''<ニニ
.      /ニニニニ∧\   ',        _ イ二二ア        `''<
     /二ニニニ/ ∨_\  ',    _ <ニニニ/
.    /ニニニニψ  V二`‐┴―≦ニニニニニリ
.   Yニニニ=/|     VニニГニニニニニニ彡〈
   {ニニニニニ/ヽ.   {ニニヘ二二二ニニニニ/
   ∨二二ニニニ\ /二二/二二ニニニニニ|

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アルトリアが呟くが、要領を得た相槌が咄嗟に出なかった。
代わりに、昨日も脳裏によぎった考えが頭を出す。

だからこそ、アルトリアはここを選んだのだ。
それも、自らの心身をいたわってのことではなく、自分のために。

その真意を問えるほど、自分はまだ、彼女に踏み込めていない。
彼女もまた、語りたくないのか、必要を感じていないのか、
多くを語ることはない。

唇を一文字に結び、ただ静かに、背に手を置いてくるだけだ。
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6284 ◆x0SRSoJXe.:2024/08/29(木) 21:53:02 ID:zS7oGfZg0

        ____
      /      \
     /  ─    ─\
   /    (●) (●) \      ……今、リンクスを辞めて、良かったなって思いましたお。
   |       (__人__)    |
    \      ` ⌒´   ,/      「そうか。理由を聞いてもいいか」
    /         ::::i \
   /  /       ::::|_/      ここを制圧する任務なんて、やりたくないお。
   \/          ::|
      |        ::::|  キュム
      i     \ ::::/ キュム
      \     |::/
        |\_//
        \_/





  /            i      \    } >
  /             i       .| / レヘ、
 ,         ヽ   i  .|       |、 / } ノ
 i      .l    i  .ハ. ∧.i      .| l /  |' ゙;
 |    .|  i    .| /! }/ }ハ     .|,ノ / ./"
 | .i  .|  ト   1. ,ム斗:r7 }      |  / ./:.:.:.:.:ヽ
. i l  .|  「\  .ハ/ Vツ  ':/     .| / /|.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ       フッ。仮にもオルデンブルク傘下企業のお膝元だ。
. 八ハ  ト |'芯\{  ´   ハ |    ハ /:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:/
.  { `:.ハ .ト.}7          }/|   .j y:.:.:.|:.:.:.:.:.:./         そんなことがあれば、ネクスト戦役の再来だがな。
      | ヾ. :,ヽ         / }   j ∩こ)゙,:-イ~
      l   |\  _ -,ァ    イ  .,v⌒/: :ヽ:.:.}     _____,,     ……もうすぐ着く。疲れてはいないか?
 .     l   .|.   、 ´   /ノ-マ`/: : : : : :’、_ . : : : : : : : :
      丶  i     `ー ' >r"f ゙/: : : : : : : : /: : : : : : : : : : :
        丶 ,      ⊂゙_/: : : : : : : : /: : : : : : : : : : : :
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我ながら冗談にしては無粋な台詞を吐いてしまった。
けれど、それを聞いたアルトリアは、少しだけ頬を緩めてみせた。
可笑しかったからのようにも、安堵の表情にも見えた。

それから、同じような景色を何度か通り過ぎたところで、ふと思った。

指輪を買うのに、商店街近く?
あまり詳しいわけではないが、それは一般的なことなのだろうか。

聞けば、ここコロニー・アマツには、インナーエリアとアウターエリアという
区画があるらしい。インナーエリア、つまり中心部には都市機能が集約され、
桜花重工本社ビルを囲うように、ブライドルのようなオフィスビル群があるとか。

そして、自分たちがいるのがアウターエリア。
国家としての機能を喪失する前の日本、その更に過去に遡った姿を模した町。

そういった前情報があったため、てっきり、今日は鉄道でインナーエリアまで
行くのかと思っていた。
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6285 ◆x0SRSoJXe.:2024/08/29(木) 22:24:49 ID:zS7oGfZg0

.       ____
       '"   U    `丶、
   /  \         \
.   /     `¨″  `'ー'" ̄`
  {  三三       三三   }      ここは……。
.  '.                 J /
   \ u  ゙'ー'^'ー'゙     /
     `¨7    ̄       ‘,
      /          ‘,

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朧げな不安を覚えつつ、歩を進める。
すると、目的には大分不釣り合いな店を前に、アルトリアは立ち止まった。

真四角の遊び心のない小さなビルの一階に構えられたその店は、
いかにもといった具合に、店先にまで雑多に品が置かれていた。
野ざらしの電化製品や置物の類には、無造作に手書きの値札が貼られている。

のぼりにも、でかでかと「リサイクルショップ」と書かれていた。
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6286 ◆x0SRSoJXe.:2024/08/29(木) 22:34:42 ID:zS7oGfZg0

                  _ -――――- _ __
               ∠            ` 、_}_
               /             、 ` 、⌒ヽ
               /        /           \  ', /
             /   /     '           |   '/\
           '   ′   /           |    |   、ノ}
            l{   /  {   /{   {  |    |    | ̄ア}ノ\
          八  |  ',  l  、  {  l 、 |    |/ ハ___ノ
            \|', ∧| |  \_{\|\\|    |  / /⌒}
              | ∨ャ竿ミ      斗竿ミ|    |/ /__ ノ       どうした、何やら戸惑っているようだが。
              | ∧  Lソ      Lソ |    |ヽ/⌒\
              | ハ            |    |ノi:i:i:i:i:i:i:\      「いや、そんなことは」
              l  込、  '          |    |\i:i:i:i:i:i:i:i:i:',
              |   | \   r_、     ,|    |、i:i\i:i:i:i:i:i:i:}      所詮は装いのためのものだ。
              |   |    、      イl|    '{i\i:i:)_i:i:/
              人   |     l` ‐  ´   l|  /i:V⌒i: ̄{         わざわざブライドルと変わらぬインナーエリアまで
                    、|    f≧======≦_|  ,'⌒i{i:i:i:i:i厂
          _-=ニニ=- __ノvニニニOニニニ=|/二⌒⌒^           遠出する必要もないと思ってな。
            _-=ニニニ/ニニ\ニOニニニニニノニニニニ≧ァ≦⌒\
           _-==ニニ {ニニニニニ/\ニニニニニニニニニニニ/ニニニニニ',
         _-=ニニニニ〉二二ニ\/二二二ニニニニニ/ニニニニニニニ',
           _-=ニニニ/ニニニニニ/二二二ニニニニニニ/ニニニニニニニニ',





         ____
       /      \
     /   _ノ  ヽへ\       気にしないでほしいお。
    /   ( ―) (―) ヽ
   .l  .u   ⌒(__人__)⌒ |       「ふむ、ならばいいが」
    \     ` ⌒r'.二ヽ<
    /        i^Y゙ r─ ゝ、     (後で頭を冷やした方がいいかもしれないお)
  /   ,     ヽ._H゙ f゙ニ、|
  {   {         \`7ー┘!
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至って冷静に理由を説明してくれるアルトリアに対し、静かに首を縦に振る。

自分が馬鹿だった。
成り行きで夫婦として振舞わなければならなくなったために、
必要に駆られて、それを装う道具を買いに来たのだ。何を期待していたのか。

そして、そんな期待を抱いていた自分に、驚きと困惑を覚えた。

指輪を買いに行くと言われ、ついていった店がリサイクルショップだったことに
落胆している自分がいる。
その事実は、この場ですぐさま咀嚼して呑み込めるようなものでもなさそうだった。

ガラス戸をくぐるアルトリアの後に、ただ黙って続く。
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6287 ◆x0SRSoJXe.:2024/08/29(木) 22:40:56 ID:zS7oGfZg0

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   ̄`""ー-- 、 ___ ̄`""''ー|  || ̄ l__||_,ゞ| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|,,| |:::::: :::/     |   |l :|: ・ :|. ・ _,,|_,,,, --─
r‐''┬‐r‐‐、 ───┬─`""ー|  ||_,━_, .|l___ iー_' ̄- 二_ ,| ̄`|::::/      |   |l_,,,l--─'''' ̄ . |
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薄暗い店内も、店先と似たようなものだった。
ラジオやスピーカーといった小さな家電に始まり、フライパンや鍋、
棚の上の方には何やらブランドものらしき派手な鞄や財布、
果てには謎のカエルや河童の陶器まで置かれている。

そのどれもが、埃を被っているようにも見えた。

「店員は……見当たらんな。いや、待て。奥から気配がするな。
こちらに向かってきている。少し待とう」

アルトリアは動じず、バックヤードに続く扉をじっと見据えている。
腰まで届く高さの河童に面食らいながら、最早どうにもならないと観念した。
今日のところは大人しく、どこかの若者が売り払った、
恋愛感情の残骸を購入して帰るしかない。
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6288 ◆x0SRSoJXe.:2024/08/29(木) 22:52:30 ID:zS7oGfZg0


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        ,': : : j:.!: :、:!'ア'マrタ         ` ´ ,:/: : : :ハ!: ":': :r-         あーはいはい、いらっしゃーい。
        ,': :/ !:i: : :':ム` ´  :j         ,/!: : : :ハ!:!: : : ,':,
        /イ  ,ハ:!,: : : 'ム""     __     八: : :{: : ∧: : : ,:.、        すみませんねぇ、なにぶんリモートワーク中な
          ,': :!::〉: : :',:.ハ、  f'´   }   イ:!_,斗'/: :/: ',: : : :.,::.、
          ,': ://ハ_____,ヽ:ヽ、 ゝ、 ,ノ  ,.イ!: :i: : !:/: : ': : : ,: : : : ,: ':、       ものでぇ〜……
         ,': :/ ': : : : :i: : : : j:>.、  ., <. . i'メ!: : ,: : :,: : : : ':,: : : :.V、:.、
         ,': :/ ,: : : : : :!: : :i:,': : !ィハ¨´. . . . . .V i: :,': : :,: : : : : : ___: : :Vヽ: :.、
        ,': / ,: : : : : :.!: : :!': :.,' ,ィノ. . . . . . . / i: :!: : ハ!f<:´:::::::::`メ:.V ヽヽ、
      , ヘ::/  ,: :>::'':ri: : /: :/ _!. . . . . . . . /z :,: : : , i!f'、:::::::/::r--' くV  ヽヽ、
     /- ,V´! ,'イ:::::::(//!: : :,/"'/:、. . . . ._,/-,ヾ:}: :./ .i! !'::::::ァ'"´r'ニ__j: :.、  ヽヽ、
    ,ァ '" j !ハ { /::::::!::r'//,ノ: :://''ノ  ヽ. ./ :}:::(,' ノ: :{  i! !)/ ィ'r '' "!/: : :.、  ヽ: .、
   〈 fハ j"´ ∨:::::::!:ノ'//!: : ノノ::,'       !:::::( !: :八zzj :!:! -―=='´ _j:::i: : : :.、   V:.、
    ヽ  `:.、  }::::::::j /,ィ: :f-'::::/       '::::::::7: :ヽ 、,ァf    .,.ィ::::::::::!: : : : :.   .V:.、
     ヽ  ヽ /::::::(ィrj: :ノ::::/       ヽ::::::〉: 〈:`´ゝ!ゝ____r'フ、::::::::::::!:\: : : .、  V: ,
   r,≦八____ノ !:::::::::/f: : j:/   、 ./    ヽj: : :j: : : : ! `¨¨´!`Yi::::::::::::::::::::Y: : : .、  V: !
   !j  ! ` ー "ハ:::::/:::ゝイヽ      ': ,'     ,ィゝ:ノ:::::::::::!   .!=='!::::::::::::::::::八: : : ::ヽ .V:!






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             /  .,  / ,:  i ',   i!   \. \
                 ,    i , /!.ハ. |  ',    !、  、  ',   ,
             i ,  j/ /ーi'- ', !  ヽ  { ヽ ヽ ',  ',
             レ'  / /r=芋ミヾ     `ィr弍=ァヽ :,  i         ……
             /  ' ∧ ゙ ゞソ ゙   " ゞン " ハヾミー- .._
              /   ハ._,      ,      ム/::::i `丁       
           / ィ   {ヽ:::ハ            ハ:::::::! . ',
             〃 i :  | ヾ彡:.、    - -    .イ}}:::/ | .ト、 ヽ
         /   | i  | /::::::::::::>      <::::::::::::} !/ ヽ 、
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       /::::ヽ::::`:::::ヾト、!ー--.=彡{::::::::::::::::::::::::::}ー-..__
       ,:::::::::::::',:::::::::::::::::::::::::::::::::ムハ::::::::::::::::::::::ノ',::::::::::::゙:.ー- .._
      .i::::::::::::::::,:::::::::::::;:::::::::::::::ム'  >ー==<.   マ、::::::::::::::::::::::`:ー- .._
      ,::::::::::::::::::',:::::::::::i::::::::::::ム' /      ヽ.  マ、:::::::::/:::::::::::::::::::::::ヽ
    r''::、::::::::::::::::::',:::::::::|:::::::ノ=.く         \ _}:::::::::i::::::/:::::::::::::::::i
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6289 ◆x0SRSoJXe.:2024/08/29(木) 22:52:43 ID:zS7oGfZg0

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裏から出てきたのは、長髪の女性だった。
間延びした声で、なんともやる気のなさそうな崩れた表情をしている。
腰まで伸びたぼさぼさの髪と、リモートワーク中ということを表しているのか、
今しがた着てきましたと言わんばかりの皺ひとつない白衣が不協和音を起こしていた。

よく見ると端正な顔つきをしているが、こちらもなのはやアルトリアで見慣れた
ものだ。その程度ではたじろいたりしない。

あくびを噛み殺すこともせず、目を擦りながら店主が一瞥してくる。
自分の顔を見たときは、まだ眠そうな顔をしていた。

そして、アルトリアを視認した瞬間、彼女は凍り付いた。
ひらひらと揺れていた手も、垂れ下がった眉も、何もかも。
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6290 ◆x0SRSoJXe.:2024/08/29(木) 22:58:08 ID:zS7oGfZg0


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      /    |   从:.:.:|: : :.''  、     "∥、ー=彡、:|
.    ,     |    \}、:.込、 __ ...っι{   ` ̄ / ̄/        の、ノルドルム!? なんで!?
    ′    l    ,∠ -Ⅵ: :.>`  _,,.イ:/` ー-r‐く二´
    ′     | { ̄  `   从{ 、    //    .八:.:.〉 }ヽ
   .     レ'77ヽ  〉 「:/    - ,     .  〈:.:〉丿: :\
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      ´    八  {{  {:.〉    {      / / : : : : {:\: : : : ':,: : : ', : ',:.\
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声を掛けようかと迷いだしたその時、店主は甲高い悲鳴を上げた。
全身が総毛立ち、思わず身を低くしそうになる。
神経に爪を立てるような悲鳴だった。

何かまずい。ここで彼女が暴れるようなことがあっても、
この騒ぎが外の人々に聞かれるようなことがあっても。
薄いガラス戸の外には、既に彼女の悲鳴が聞こえているだろう。
今ならばまだ、ネズミが出た程度に捉えられるかもしれない。
けれど、この恐慌状態が続けば、どうなるか。

宥めなければ、と何やら必死にレジカウンターの下をまさぐる店主に
声を掛けようとしたその時、彼女が引っ張り出した手にあったものに、
目を奪われる。
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6291 ◆x0SRSoJXe.:2024/08/29(木) 23:04:02 ID:zS7oGfZg0

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        ',  !:. .:l. ./γ⌒ヽ ', l:::...i!   ノ/
         〉、.ヽ、;| {.人:.:.:.丿.} .l:::入_ _.ノ
       /  \  ! ヽ、;.`¨´_ノ ,!´⌒)ゝソ
         ヽ、  ` 、\  `¨´ ,/=" ノノ
        `i 、      ` ̄ ̄´    /´ヽ
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              `ー、_  _,,ノ
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震える手に握られていたのは、見慣れた黒い鉄塊だった。

スラムで暮らしていた頃、自分を追い払うために治安維持部隊の大人が、
よくこれを向けてきたものだった。

冷たい銃口がこちらへと向けられる。
瞬間、静かな店内の空気が一気に重みを持ち、全身にのしかかって来た。

理性が声なき叫びをあげる。
手を上げるなり伏せるなりするか、さもなくば相手から銃を叩き落とせ、と。
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6292 ◆x0SRSoJXe.:2024/08/29(木) 23:22:21 ID:zS7oGfZg0
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眼前の光景が暗転する。
さっきまで昼だったのに、一体何が起こったのか。
いや、そうじゃない。勝手に瞼が閉じて、開かなくなってしまったのだ。

意思とは無関係に、肉体が、脳が、記憶を出鱈目に掘り返し、散乱させる。
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6293 ◆x0SRSoJXe.:2024/08/29(木) 23:26:52 ID:zS7oGfZg0


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呼吸が制御できない。
溢れかえった記憶の光景が瞼の裏に無理やり映し出される。
すぐさま思いだすのをやめようとするが、できない。
息一つ、瞼一つさえ、この身体はもう思うようにならなかった。

振動を感じる。どうやら膝を突いたらしい。

まるで今、この場で起きているかのように、あの時の銃声が、爆音が、
罵声が耳朶に響く。

さっきまで、心の奥底に埋もれていたはずのものが、
一切色褪せることなく、何度も何度も繰り返し網膜と鼓膜を支配する。
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6294 ◆x0SRSoJXe.:2024/08/29(木) 23:37:08 ID:zS7oGfZg0

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                   // ∨      / .j i                   >。、
                 /  {.  ∨ _ .>.’ .,' ト-.。_               ヽ
                   /  ,..!  /´    ,イ ん。_   > 。
.               i! ′/ jk .i!    .イ /三三≧s。  .>。
             イi  / イ人ゝ.! >'_゜   /三三二ニ二≧s。 .>
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.  /_ ,≧ニ≦―┴≠、//¨〉 \\三三三ニY / ゝ、   ヽ Y.ニ>、 .'.,
― -z=┴ 、 _____.ヽ-'    \\≠*ソ//     `ヽ _.ノ ム.三ム. マ
..   ヾ⌒ヽ’_        .〉、     \ヽイノ./       .ィ/、三三ム  マ
. ---イノ_____>!     /ゝ.\     〃.イ /      .// (_ \三ニム  !
.  /::::::    i!    ./j:::... \\  ノ /  i      //>-`、、Y三ニ! .i!
.... L::::....._ ノ   /_乂:::    ーヽ( 〈{  i!      //〈    ヽy三ニi! .i
---,イ¨¨>-≦t┬'¨┌┐::      〉〉_i!  }_ >''゜.イ  \   .リ三ニ7 /
           ヒ7、 レ'::::     .〃::::イ  ./   ./    .ヽ.ィ' ヽニマ./
              s。::::............./:::/::i! /  _,.ィ         .人.、∀/
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息をしているのか、痙攣しているだけなのか、判然としない中、自分の手を見る。
そこにあったのは、自らの肉の手ではなく、マーシフルの鋼鉄の掌だった。

眼下には今しがたまで動いていたノーマルACが、バラバラになるか、
もしくは炎に巻かれながら倒れ伏し、屑鉄の山を作り上げている。

その中から、揺らめく炎に反射して、ちらりと見えるものがあった。
ひしゃげた装甲の下。そうして生じた隙間から、マシンオイルとも、
人間の身体から流れ出た血の雫にも見えるものが流れ落ちている。
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6295 ◆x0SRSoJXe.:2024/08/29(木) 23:44:06 ID:zS7oGfZg0

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   ,   /        ,:  :/. . . ./ / :八  ん::::::' 刈  \ ー   /     ' /__/   斗r七さ/ '   '  . . . . . . .i   ――ヤルオ。
  :/          :/ i :/.:--i:,      f:::::┃::::: }        '  /‐=≠ ィ示ミ ㍉/ :イ.::/  /. | . . . . . . . |
 /          :/ 八 :/ヽ.:|      乂:::::::::ソ     / / / ⌒7:::::::::::::ハ  \.:/  /. . |/ . . . . . . |   聞け、ヤルオよ。
:/          :/   ∨ ハ           `¨¨´      ⌒¨´  /     {::::::┃:::::}    》  , . . ../. . . . . . . ..|
       /   :/   . :{ { :}                    .:{..    ゝ:::::::::`ァ  / /. . . . . '. . . . . . .
      , |   '        ',  (                    ':.      `¨¨´ _彡イハ . . /.../ . . . . /

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立ち尽くしていると、また揺れを感じた。
なんだろう。敵はもう、とっくにサーシェスが片づけたと思うのだが。
近くで敵機の残骸が爆発でも起こしたのだろうか。

また、揺れる。
揺れはするが、衝撃は感じない。

おかしい。ネクストの姿勢制御に異常を生じさせるほどのものであれば、
それ相応の衝撃が伴うはずだ。

生じた矛盾が、やがて目の前の光景に亀裂を入れる。

だんだん、聞き慣れた声が轟音の代わりに聞こえてきた。
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6296 ◆x0SRSoJXe.:2024/08/29(木) 23:52:54 ID:zS7oGfZg0

  /            i      \    } >
  /             i       .| / レヘ、
 ,         ヽ   i  .|       |、 / } ノ
 i      .l    i  .ハ. ∧.i      .| l /  |' ゙;
 |    .|  i    .| /! }/ }ハ     .|,ノ / ./"        何も考えるな。私の鼓動の音に意識を集中させろ。
 | .i  .|  ト   1. ,ム斗:r7 }      |  / ./:.:.:.:.:ヽ
. i l  .|  「\  .ハ/ Vツ  ':/     .| / /|.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ    ……それでいい。力を抜け。
. 八ハ  ト |'芯\{  ´   ハ |    ハ /:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:/
.  { `:.ハ .ト.}7          }/|   .j y:.:.:.|:.:.:.:.:.:./
      | ヾ. :,ヽ         / }   j ∩こ)゙,:-イ~
      l   |\  _ -,    イ  .,v⌒/: :ヽ:.:.}     _____,,
 .     l   .|.   、 ´   /ノ-マ`/: : : : : :’、_ . : : : : : : : :
      丶  i     `ー ' >r"f ゙/: : : : : : : : /: : : : : : : : : : :
        丶 ,      ⊂゙_/: : : : : : : : /: : : : : : : : : : : :

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目の前の光景が、埃っぽい小物に囲まれた店内へと切り替わる。

ずっと水中に潜っていたような気分だった。
心臓が繰り返し跳ねている。血流が加速する音が聞こえる。
空気を求めて喘ぎ、陸に上げられた魚のように口を開閉させる。
そうしていると、頬に手を添えられた。

少しひんやりとした感触に、少しずつ我に返る。
添えられた手とは反対側に、暖かさを感じた。
華奢で、あまり体重をかけると折れてしまいそうな感触だったが、
なぜか躊躇なく身を預けることができた。

アルトリアの心臓が、規則正しく鼓動を打つ音が聞こえる。
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6297 ◆x0SRSoJXe.:2024/08/29(木) 23:59:12 ID:zS7oGfZg0

              _ r―ァ-、―- ミ
             />''"~"''<⌒l   ` <
               7//ヽヽヽヤ⌒〉     \
                ψ/// ソノ }-〈     .|  ヽ ∨
              r{ゞ、>''´/ / Y′   .||  ハ ∨
             }ヘゞ`''<彡‰ソ  ! !  !\ / l| トゝ
                V乂三∠⌒)´ !∧| | .」ノレ' | リ |             「うひゃあっ!?」
              廴乂_)ノl l 八(l ヘ八ソ`メ|/ /
           >''⌒7^Y⌒ ヽ、,人|   ヘ{`¨乂レ′             ……必要な措置だ。
           /===/`nヘ=====\ilN  | __ /
            \=/===l.l= \===/ |  | /                 案ずるな、あなたに危害を加える気はない。
              ´/====|.!==== <´≧〈从 |´
              _≧s、_ノハ_==== マニニゝ-`‐…¬冖ニニアl          今の私は、ただの市民だと考えてほしい。
       _ <ニ/ニ二二Y  ̄ ̄ ニニニr'ニニニニ>''´ =|
     r<ニニ/ニニニニ/二二二ニニニ|ニニニ/二二ニ|-「ヽ∧
     ∨=ニニニニニ二/二二ニニニニニニニニニニニニ上′ニニ\
       Vニニニニニ/:⌒"''<ニニニニニニニニニニニニ乂ニニニ
        {/ニニニニ/  :     ` マニニニミニニニニニニニニ\ニニ
       <=/ニヘ二/  :        `'マニニニミニニニニニニニニ>
       〈´ニニ二∀     ':,         `'マニニ/冫、ニニニニニニニ
      }/二二{   ,'    ':,       : : ̄i .イニ=}`''<ニニニニニ
       /ニニニニΚ ,'      '       : : /ニニ=/     `''<ニニ
.      /ニニニニ∧\   ',        _ イ二二ア        `''<
     /二ニニニ/ ∨_\  ',    _ <ニニニ/
.    /ニニニニψ  V二`‐┴―≦ニニニニニリ
.   Yニニニ=/|     VニニГニニニニニニ彡〈
   {ニニニニニ/ヽ.   {ニニヘ二二二ニニニニ/
   ∨二二ニニニ\ /二二/二二ニニニニニ|

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どうやら、自分は我を失って跪いていたところを、アルトリアにずっと
頭から抱き締められていたらしい。
彼女の胸元に作られた皺と染みが、それを物語っていた。

自分が落ち着いたのを確かめると、アルトリアはそっと立ち上がり、
震えながらも銃口を向け続ける店主へと歩み寄っていく。

危ない、と制止しようとするも、喉が使い物にならない。
だが、彼女は自分が呻いている間に、店主の銃を瞬く間に叩き落とし、
拾い上げてスライドを外した。

素っ頓狂な悲鳴が、またもや響く。
この感じなら、まだネズミの類で納得してもらえそうだ。
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6298 ◆x0SRSoJXe.:2024/08/30(金) 00:08:48 ID:TA6zInCc0

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  ' ̄`/ / /二,..ァ'': : : :{:\____ノ /: : : 、: : : : \_/    \
/   / /l//---_ァ: : : : : ∨: ∧: : : l_/: : : : :∨: :.∧: : :、        、       いや、あなたがアマツに来てることは、
、  / | |_|- 、7/: : : : : : : \: :|: : : :.∨: : : : :∨: : :∨:,: :.、        \
\、 ':. | | |\__ア: : :.:.:|: :|:∨:、{∧: : :.∨\: : :∨: : :∨、: : 、         \     私も会社から知らされてたんだよ?
 ` | | } | ' {/: : : : : :.:|: :|: :∨ : ∧、: 、|\:{\: :! : !: :∨\:'\         、
  /{ |_// / ;: : : : : : : |: :|\{\: :∧\} ̄\ ̄| : |: : :|:r 、ヽ \          Y   でも、まさかうちの店に来るなんて……
イ |_/ ,'  {: : :|: : : : :|: :|_ノ\ 、 ∧    _ | : |: :.リ:|  `  //ヽ、      ,
   `ー'   |: |:.∨: : :T´从    \:」 -≠'´ |: /: /:∧   {/∧ ` ー   /
          |/| : ∨: :∧{ 、_ノ         u /:イ: /: :| ム}   マ/∧     ム、
          | ,: : :∨: : :\  ̄    ;   __  /イ: : j! ∧   ∨/\__/// :
       / : : : |\: : : :〉、     ,.-.:.':.:.:.:Y l|: : :| /'∧    \//////  |
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           '   ′   /           |    |   、ノ}
            l{   /  {   /{   {  |    |    | ̄ア}ノ\
          八  |  ',  l  、  {  l 、 |    |/ ハ___ノ
            \|', ∧| |  \_{\|\\|    |  / /⌒}       繰り返すが、今の私たちはただの市民だ。
              | ∨ャ竿ミ      斗竿ミ|    |/ /__ ノ
              | ∧  Lソ      Lソ |    |ヽ/⌒\        ネクストも置いてきている。
              | ハ            |    |ノi:i:i:i:i:i:i:\
              l  込、  '          |    |\i:i:i:i:i:i:i:i:i:',      諜報活動の類をする気もない。
              |   | \   r_、     ,|    |、i:i\i:i:i:i:i:i:i:}
              |   |    、      イl|    '{i\i:i:)_i:i:/
              人   |     l` ‐  ´   l|  /i:V⌒i: ̄{
                    、|    f≧======≦_|  ,'⌒i{i:i:i:i:i厂
          _-=ニニ=- __ノvニニニOニニニ=|/二⌒⌒^
            _-=ニニニ/ニニ\ニOニニニニニノニニニニ≧ァ≦⌒\
           _-==ニニ {ニニニニニ/\ニニニニニニニニニニニ/ニニニニニ',
         _-=ニニニニ〉二二ニ\/二二二ニニニニニ/ニニニニニニニ',
           _-=ニニニ/ニニニニニ/二二二ニニニニニニ/ニニニニニニニニ',
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ようやく落ち着きを取り戻した店主に、アルトリアが事情を説明してくれた。
レジカウンターを挟んでいるのは、単に店主と客だから、ではない。
これは境界線だ。自分達が踏み入ろうものなら、彼女はまた銃を抜くだろう。

「はいはい。まー実際、危害を加えられたりする前に、銃を出したのは私だし……
とりあえず、この場は何もなかったってことにしない?
そっちもゴタゴタは避けたい感じなんでしょ?」

「ああ」

「しっかし、かつてのトップランカーが若い男の子連れて、敵対企業にお忍びで、
ねぇ。そういう感じじゃないと思ってたんだけど」

店主が自分とアルトリアの顔を交互に睨みつける。
彼女はただのリサイクルショップ経営者というわけではなく、
桜花重工本社に勤務する、それでいて相応の立場ある人間らしい。

だからこそ、アルトリアの顔も見知っていたのだろう。
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6299 ◆x0SRSoJXe.:2024/08/30(金) 00:15:30 ID:TA6zInCc0

                 「 ̄ ̄∧      ,.ィ=-- 、
                 | o _,|∧_. --. ._///\  \
                 |-、__ノ |: : : : : : : : : `ヽ/\  _ハ
                〉、_ノ: : : :.|: : : : : : : : :ヽ \_}
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             l:|: |: :|: :}'{:/   ∨:_:」 /'  Ⅵ|:|',:|リ
             ;:|: : |:|: :| 、__,   、_,. |: |:| }'
            /:|: /|:|: :|      ,    ,: : ル:,        ……ま、ほんとに慰安旅行なんだろね。
             /:/イ: 从:.ム           ムイ: : |
         /: : : :|: : : |从、   r‐っ イ: : :|: : :|        実力で言えば最強のリンクスを、わざわざ諜報活動に使うバカいないでしょ。
           /: : : : :|: : : : :|\ ` ーュ´、 : : : j: : : :.
        /: : :,.--乂,: : : }/∧   | |,: : : : |:_: :., :.        こほん……いらっしゃぁい。お求めのものなどございますかぁ。
        ,: : :./    ヽ: : |/ ト、   ∨、: : : |∧:.| }l
        /: :./     、 ,: :|   , `  Ⅵ 、: : :. \:|
        ,: /      Y}: :|    :.   ∨ ヽ: : .   `ヽ
     /: {          |{: ノ   }  、:l \  、:._    }
      /: :/\_,.ィ///丶「: ノ_,.--r-r-、ヽ  > 乂: }   /
     , : / /{///////〈: ノ´   || ∨ `Y´ ̄乂_}l∨/\
    /:./ /: :| ̄ ̄`Y/从    ||         || }///,
   ,: /  ,: : ;    ,:{_/ 、    jj        / /イ  :.





  /            i      \    } >
  /             i       .| / レヘ、
 ,         ヽ   i  .|       |、 / } ノ
 i      .l    i  .ハ. ∧.i      .| l /  |' ゙;
 |    .|  i    .| /! }/ }ハ     .|,ノ / ./"
 | .i  .|  ト   1. ,ム斗:r7 }      |  / ./:.:.:.:.:ヽ        指輪が欲しい。私と彼のものだ。
. i l  .|  「\  .ハ/ Vツ  ':/     .| / /|.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ
. 八ハ  ト |'芯\{  ´   ハ |    ハ /:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:/       「へ? あるっちゃあると思うけど。どんなの?」
.  { `:.ハ .ト.}7          }/|   .j y:.:.:.|:.:.:.:.:.:./
      | ヾ. :,ヽ         / }   j ∩こ)゙,:-イ~         指が入ればいい。拘りはない。
      l   |\  _ -,    イ  .,v⌒/: :ヽ:.:.}     _____,,
 .     l   .|.   、 ´   /ノ-マ`/: : : : : :’、_ . : : : : : : : :
      丶  i     `ー ' >r"f ゙/: : : : : : : : /: : : : : : : : : : :
        丶 ,      ⊂゙_/: : : : : : : : /: : : : : : : : : : : :

6300 ◆x0SRSoJXe.:2024/08/30(金) 00:22:22 ID:TA6zInCc0

                          , ´ ̄`ヽ
                     / ,.-、  }
                      |__/ 0 {_/
                      |    /           ,.  -――-、
                      ∨//>--- 、__  r<    ー--、 ヽ
                   ,..</: : : : : : : : : :ヽ、//\   ゚r '__,ノ
                  /: /: : : : ,: : :/: : : : : |: :\/ ̄ ̄ ̄
                  ,:': : :/: : / : /: ,.ィ: :.イ : : : |: :、: :ヽ
                     / : : /: : / : /: / ':/ |,: : :./: : :∨: :、
               ,.ィ : : /:/:': : :!{/ ̄}' ̄|: : /トl、: :|:|: :.`\
             //: : :/': : : |: : :| == ムイ }'マ: |:|: ∧    
            //': :/: |: : : :l\:.| u     、 ==/l:/,:!,: : |       ええー……いや、本気で言ってる?
           /: ' /: :,: : : ,: : : |、_     __     ,: /:.lリ \}
         / ´  ,: : /: : : : ,: :.:.| :、  乂:.:.:.ソ  八:_:」   `
        / '  ,.-‐-、_/___|: :.∧   、      イ: :.|
         /   /   〈l |::|  l|: :{/∧   /` ー ´: /: : :|
      /,. イ     〈l |::|  ,: |/ /  //:/|: : : :{-、: :|
       ,:/         Ⅵ |::|  |:j! {_  ' ∨ !: : :/l〉 ∨        ,.-――---ァ
     /:{         ヽ|::,...イ: ノ | `  r|  ,: :{ l〉  `ヽ,   rく   _二≧ア
     ,: : |  、        }'  {:.:ノ  |     , Ⅵ/'     }  /   ー=rー '
     {/!\_}       /  「:.ノ   |  l   ∨∨:、  _/  〈    / 「/
    /: //}//>- 、_,.イ、__/:「  <   :.  \∨}ィ//∧ , ' \__,/--'
    ,: :/'´ |//////  :.    {: | ̄T≧=--゙ー--'-ハ'////,/   '
  ,: : '   ` 7ー ':.|   ,  从|  ||        ||ム ̄,:'     /
  /: /    /--、:/   ::.,:::.     /'           || l}     ,:'
 ':. /    ///,Ⅵ、   \::::...../............::::::.....   /'人\  /
/: /    ///'´¨//\   `7ー---― ¨ r―--イ : |: : |` ´
: /    //   \//\  {l      {l /: : : : :.:|: : |: : |

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まさかフェイクの結婚指輪を買いに来たとは微塵も思っていなかったらしく、
店主はアルトリアの言葉の意味を時間をかけて呑み込むと、
あからさまに顔をひきつらせた。

「何か、変か」

「だってさ、ふつーリサイクルショップに来ないでしょ。
インナーエリアとかで買ってくればいいじゃん。
キレーなアクセサリーショップとかも色々あるよ?
それ以前に、人の中古だよ? どこぞの別れたカップルが売り払ってった
情事の残骸を、わざわざ二人で身に着けるわけ? やばくない?
いや、私もそんな偉そうなコト言える人間じゃないんだけどさ……」

凄い言われようである。
矢継ぎ早に苦言を呈され、流石のアルトリアも考えこんでしまっていた。

確かに、店主の言うことは至極当然の理屈だ。
ただ、それは本当の夫婦にしか適用されない。
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6301 ◆x0SRSoJXe.:2024/08/30(金) 00:29:27 ID:TA6zInCc0

                 「 ̄ ̄∧      ,.ィ=-- 、
                 | o _,|∧_. --. ._///\  \
                 |-、__ノ |: : : : : : : : : `ヽ/\  _ハ
                〉、_ノ: : : :.|: : : : : : : : :ヽ \_}
            /: :/: : : :.,: :.:.|:|:!: |: :/: |: : : : .
            /: /: : : :_/:_|:/:从、:.∧:_|: |: : : :.
               ':': ':.:|:-|:/: /|' {: : : :| ´l:/`:.:.|:|: :.',
             l:|: |: :|: :},ィtォミ∨:_:」ィtュ、Ⅵ|:|',:|リ       いや〜、私もそんな、色恋沙汰を語れる人間じゃないけどさ。
             ;:|: : |:|: 圦込ソ    込ソヽ|: |:| }'
            /:|: /|:|: :|      ,    ,: : ル:,         さすがにリサイクルショップで買おう! はやばいと思うよ。
             /:/イ: 从:.ム u.         ムイ: : |
         /: : : :|: : : |从、  ´ `  イ: : :|: : :|         ほら、そっちの子も嫌そうな目してるじゃん?
           /: : : : :|: : : : :|\ ` ーュ´、 : : : j: : : :.
        /: : :,.--乂,: : : }/∧   | |,: : : : |:_: :., :.
        ,: : :./    ヽ: : |/ ト、   ∨、: : : |∧:.| }l
        /: :./     、 ,: :|   , `  Ⅵ 、: : :. \:|
        ,: /      Y}: :|    :.   ∨ ヽ: : .   `ヽ
     /: {          |{: ノ   }  、:l \  、:._    }
      /: :/\_,.ィ///丶「: ノ_,.--r-r-、ヽ  > 乂: }   /
     , : / /{///////〈: ノ´   || ∨ `Y´ ̄乂_}l∨/\
    /:./ /: :| ̄ ̄`Y/从    ||         || }///,
   ,: /  ,: : ;    ,:{_/ 、    jj        / /イ  :.





                  _____
.               / _ノ  ヽ_\
           /  (○)  (○)
              /     (__人__)  ヽ     えっ。
              |  U   ` ⌒´   |
.             \         /
.             /         \

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唐突に話題の矛先を向けられ、言葉に詰まる。
そういう目をしている、と言われてしまうと、どうにも否定しづらい。

自分がどんな目をしているかなんて、相手の目にしか映らないからだ。

しかし、そうなのだろうか。
自分はアルトリアと夫婦を装うための指輪を、もっと違う場所で手に入れたいと、
そう思っているのだろうか。
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6302 ◆x0SRSoJXe.:2024/08/30(金) 00:35:05 ID:TA6zInCc0

                     __  __
                  __,.r'' _≧´--`≦`ヽ
                     ノ> ´       ` <}
                /  /         .、 ヽ
            __.. -‐  /  /  i    i   ヽ  ,
                 ̄ 7   /   ,:   ハ.    |  ヽ  \!
             /  .,  / ,:  i ',   i!   \. \
                 ,    i , /!.ハ. |  ',    !、  、  ',   ,
             i ,  j/ /ーi'- ', !  ヽ  { ヽ ヽ ',  ',
             レ'  / /r=芋ミヾ     `ィr弍=ァヽ :,  i
             /  ' ∧ ゙ ゞソ ゙   " ゞン " ハヾミー- .._      ……そうなのか? ヤルオ。
              /   ハ._,      ,      ム/::::i `丁
           / ィ   {ヽ:::ハ            ハ:::::::! . ',
             〃 i :  | ヾ彡:.、    - -    .イ}}:::/ | .ト、 ヽ
         /   | i  | /::::::::::::>      <::::::::::::} !/ ヽ 、
        __    ', ! | {:::::::::::::::ハ、>.=.< _ハ::::::/ /    \
       /::::ヽ::::`:::::ヾト、!ー--.=彡{::::::::::::::::::::::::::}ー-..__
       ,:::::::::::::',:::::::::::::::::::::::::::::::::ムハ::::::::::::::::::::::ノ',::::::::::::゙:.ー- .._
      .i::::::::::::::::,:::::::::::::;:::::::::::::::ム'  >ー==<.   マ、::::::::::::::::::::::`:ー- .._
      ,::::::::::::::::::',:::::::::::i::::::::::::ム' /      ヽ.  マ、:::::::::/:::::::::::::::::::::::ヽ
    r''::、::::::::::::::::::',:::::::::|:::::::ノ=.く         \ _}:::::::::i::::::/:::::::::::::::::i
   /::::::::::ヽ::::::::::::::';::::::j:::/::::::::::::、    ,     .イヽ:\:::/:::::::::::::::::::::::|
   :::::::::::::::::::::::ー:::::::::';:::::/::/:::::::::::::::',.   ,     /:::::::::',:::::',:::::::::::::::::::::::::::i
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アルトリアが問いかけてくる。
真っ直ぐで、迷いなど無縁そうな眼差しが、自分の眼を射貫いてくる。

所詮は夫婦を装うためだけのものなのだから、そう拘らなくてもいいだろう。
そんな言葉が出てくるとばかり思っていたが、違った。

それが意味するところを、一切想像していないわけでもないとは思うのだけれど。
それでも、自分にどうしたいかを問うてくれている。

今、ここでどう答えるべきか。
眉を顰めながら後ろから覗いてくる店主に見守られつつ、口を開いた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

6303 ◆x0SRSoJXe.:2024/08/30(金) 00:35:25 ID:TA6zInCc0

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                                   □

                               ・

6304 ◆x0SRSoJXe.:2024/08/30(金) 00:39:26 ID:TA6zInCc0
今日はここまでだ。
次回は9/5木曜日の21時からにしよう。

それじゃあシーユーアゲイン。
明日はみんな仲良く雨ざらしだねぇ。

6305安価のやる夫だお:2024/08/30(金) 20:06:57 ID:tpSAXiDM0
乙でした

6306 ◆x0SRSoJXe.:2024/09/05(木) 21:09:57 ID:Pq/dzoPI0

    /||ミ
   / ::::||
 /:::::::::::||____
 |:::::::::::::::||      ||
 |:::::::::::::::||      ||
 |:::::::::::::::||  、 - ‐‐ -,
 |:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
 |:::::::::::::::|゙i : : : :○ ○゙i     ハロー。
 |:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _l
 |:::::::::::::::||: : : :-=´_ _,´
 |:::::::::::::::||___ : : :丿
 |::::::::::::::(_____ノ´||
 |::::::::::::::(_ノ / . . . ||
 |:::::::::::::::||/    ||
 |:::::::::::::::||      ||
 \:::::::::::|| ̄ ̄ ̄ ̄
   \ ::::||
    \||

6307安価のやる夫だお:2024/09/05(木) 21:12:59 ID:o5WUr1Fs0
ハロー

6308 ◆x0SRSoJXe.:2024/09/05(木) 21:15:16 ID:Pq/dzoPI0


        、 - ‐‐ -,
       ,´: : : : : : : : :
      ゙i : : : :○ ○゙i
       }: : : : : : : _ _ _|    うん、そうなんだ。またなんだ。
       |: : : :-=´_ _,´
      y' : : : : :_: : : : :i     今回もろくに書き溜めできていないんだ。すまない。
     / : : : : : : :┌─┐
     i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ
     r : : : : :ヽ、__)一(_丿
     ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ
     と_ : : : : : : ノ : :ノ
       ̄ ̄ ̄  ̄





                  ,- ‐‐ - 、
                   イ: : : : : : : : :`,
                      /○ ○: : : : /
          ┌─┐  i_ _ _ : : : : : : :{      今週はね……そこまでハードワークじゃなかったんだけどね……
          ┃茶┃   `,_ _`=-: : : :|
          ├─┤    i: : : : :_: : : :'      ちょっとリアルでトラブルというか……まぁ色々あったんだ。
   オ茶ドーゾ   ̄ ̄ ̄ー‐'' `-‐´ : : : : : :ヽ
             ゝ __ ,.. イ : : : : : : : : l: : |     具体的に言うと、極めて可能性は低いものの、
                  { : : : : : : : : :|: :.|
                ,、 '" : : : : : : : : :゙、:.ヽ     ワンチャン逮捕起訴とか懲戒処分みたいな状況になってた。
               ( : : :‐ 、 : : : :__,. : : :Y"
               ` ー‐┘ ̄‐〈_ ,,ノ

6309 ◆x0SRSoJXe.:2024/09/05(木) 21:21:07 ID:Pq/dzoPI0

       , -‐   ‐- 、
     /: : : : : : : : : : ::',
    , ': : : : : : : : : : : : : : :',         >>1本人は誰にも危害は加えていないし、企業に損害も与えていないのだが……
  /: : : : : : : : : : : : : : :○:',
  ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',        厳密に法に照らし合わせたら、やろうと思えば起訴できちゃうくさくね?
 .  `ト : : : : : : : : : : : _,-‐'`iヽ _
    i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : `ヽ    みたいな状況になっててね。
    | : : :ト: : : : `-‐´ : : : : : : 、: : : 丶
    | : : :'、j`-‐ : : : : : : : : : : : \: : : ヽ  死刑宣告待ちみたいな状況でろくに書き溜めもできなかった。
    丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
          `ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'   多分ほとぼりは冷めた……と思われる。
             ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ





                  . . .-─‐-. ミ
                     |: : : : : : : : : : `: ..
                     |: : : : : : : : : : : : /
                    }Ο : : : ◯: : : :,′   まぁ……明日出勤したら、退職勧奨されるかもしれないし。
                   : : : : : : : : : : : :i
                      { -===- 、: : :. :.|     始末書書かされたりするかもしれないし。
                    〉: : : : : : : : : :ノ
                  i: :`ニニニ´: : : : ‘,     話が変わっておまわりさんが待ってるかもしれない。
                 __/ : : : : : : : : : : : : i
      ___        /.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|     なんとも言えない感じだ。
     / :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |
     .′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/ | : : ‘,
.    ‘::::::::::::::ノ: : : : : :ハ \{/: : : :/⌒゙ヽ : : :‘
.       ゝ-=彡-──<¨¨゚‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
                 \: :′:::::::::::/______」
                     弋:::::: /
                       `¨´

6310 ◆x0SRSoJXe.:2024/09/05(木) 21:30:53 ID:Pq/dzoPI0

         _ _ _
       /: : : : : : `i
.       i: : : : : : : : : :!
       、: :○: : ○: :!
        i: : : : : : : : : i       うーん……本当にしょーもない経緯と言ってはあれなんだけどね。
        l: : :,, --_ッ: :',
        丶 `‐'´: : : :ノ       ブタ箱にぶち込まれたりする可能性も極めて低いと思うのだが……
         / ´: : : : : : : : `ヽ
  .     /: : : : : : : : : : : : : ヽ     可能性が1%でもあると気が気でなくてね。何も手が付かなかった。
    , -‐': : ,: : : : : : : : : : : : : :ヽ
  /: : : ,-イ: : : : : : : : /`丶: : : :、    ……生存報告はここまでにしよう。
  r⌒ ,/ /: : : : : : : : i   i: : : : i
  ` ‐ '  /: : : : : : : : : |   ! : : : |     なんとかかんとか、お話を頭からひねり出していくよ。
       i: : : : , _ -‐ ´,)   ` ヽ _|
        (_ _i ̄(_ -‐'´i
      | :|`‐´i : : : : |
       |: :ノ_ _ ノ: : : : :|
       |: : : : : |: : : : : !





       , -‐   ‐- 、
     /: : : : : : : : : : ::',
    , ': : : : : : : : : : : : : : :',         なんか、そっち方面の話に明るい方がいれば、
  /: : : : : : : : : : : : : : :○:',
  ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',        よかったらTwitterとかで助言をいただけると幸いだ……。
 .  `ト : : : : : : : : : : : _,-‐'`iヽ _
    i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : `ヽ    悲しきかな、相談相手とかもリアルにいないものでね。
    | : : :ト: : : : `-‐´ : : : : : : 、: : : 丶
    | : : :'、j`-‐ : : : : : : : : : : : \: : : ヽ  気が向いたら声かけてみてね。酒の肴にでもさ。
    丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
          `ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
             ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

6311 ◆x0SRSoJXe.:2024/09/05(木) 21:55:58 ID:Pq/dzoPI0

                ,ィ,、        /! ̄ \
               / //\-――/l||   ||
             / //,.> ´ ̄ ̄ ̄{__ 0 _l!
            / ,/,:': : : : :.:|: : : : : :.| |_j |
             /   //: : : ,: |: :|:{: : :|: |:乂___ノ
              ー ´/: : : |:,.ィ--|、: : :|-l-:、!: : : |:.
                |: |: : |: :| _| {: : : | _、:_:|: : :.:|: :.
                |: |: : :Ⅵ泌ソゝ-' 芯ソ}: : :|:|: :|
                |八: :、ム     '   /イ: /:j:.:.|     マイドアリー
                |: : :\}: 、  Y ̄} ムイ: /:.:.:|
              ,: : :|: ,:l: :| > ` ´ィ: :|: : :/ : : |
                /: : /: |:|: 八_| :`´ !〉:|: :/: :,: : !
     _      /: :., '´〈!: / /l|_  _ |l| |: {ー- 、: :.
      { l N   ,.:':.:_/ l /!:/='|」! ` ´ !{|.|: |}l〉 ハ: :.
     マ', l |,イ}/:/ l   /'ノ-イ/    | Ⅵ:{/l〉   }: .
   r 、__〉´ {. |: {   |  /:ん_/  Y   ヽ 乂}'   ∧: :.
    `_ー, / '  : :.,    {:ノ //}\__;::._/-r乂} /  〉: .
    ゝ-- 、   ト,//ヽ /:l !{       {/ノ {:.!   /: : : .
     /: : ゝ__ノノ∨//从! ム、_,     /  从,...ィ: : : :|: :.
     ,: rイ∧  /`ヽ /:.,`T ´   ` ーr-イ//// !: : :.:.| : |

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買い物袋を引っ提げて、リサイクルショップを後にする。
容赦なく降り注いでくる日差しに目を細めながら、手にあるビニール袋の中身へと
視線を落とした。

「別に買っていってもいかなくてもいいんだけどね〜。
このお店も、結局は文化再現の一環でしかないんだし」とぼやく篠ノ之をよそに、
迷惑料として購入した品だった。
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6312 ◆x0SRSoJXe.:2024/09/05(木) 22:07:25 ID:Pq/dzoPI0

                  _ -――――- _ __
               ∠            ` 、_}_
               /             、 ` 、⌒ヽ
               /        /           \  ', /
             /   /     '           |   '/\
           '   ′   /           |    |   、ノ}
            l{   /  {   /{   {  |    |    | ̄ア}ノ\
          八  |  ',  l  、  {  l 、 |    |/ ハ___ノ      「馬、好きなんですかお?」
            \|', ∧| |  \_{\|\\|    |  / /⌒}
              | ∨ャ竿ミ      斗竿ミ|    |/ /__ ノ       どうだろうな。ただ、馴染みはある。
              | ∧  Lソ      Lソ |    |ヽ/⌒\
              | ハ            |    |ノi:i:i:i:i:i:i:\      教養の一環として乗っていたからな。
              l  込、  '          |    |\i:i:i:i:i:i:i:i:i:',
              |   | \   r_、     ,|    |、i:i\i:i:i:i:i:i:i:}      後は、犬も好ましい。
              |   |    、      イl|    '{i\i:i:)_i:i:/
              人   |     l` ‐  ´   l|  /i:V⌒i: ̄{         猟犬であるなら尚更、な。
                    、|    f≧======≦_|  ,'⌒i{i:i:i:i:i厂
          _-=ニニ=- __ノvニニニOニニニ=|/二⌒⌒^
            _-=ニニニ/ニニ\ニOニニニニニノニニニニ≧ァ≦⌒\
           _-==ニニ {ニニニニニ/\ニニニニニニニニニニニ/ニニニニニ',
         _-=ニニニニ〉二二ニ\/二二二ニニニニニ/ニニニニニニニ',
           _-=ニニニ/ニニニニニ/二二二ニニニニニニ/ニニニニニニニニ',

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新聞紙で包まれた品物は、馬を模った陶器だった。
天を仰いで嘶く馬の置物は、ストリート時代であれば、購入するという
発想が微塵も湧いてこなさそうな値段だった。

棚の下の方で埃を被っていたそれを、アルトリアは指輪の代わりに手にして、
そのまま会計していったのだった。

その両手には、見慣れないものが二つ。
右手に握られた携帯端末の液晶には、さきほどの女性の名前が表示されている。
篠ノ之、というらしい。いつの間にか、連絡先を交換していたようだ。
なぜだろう。自分という例外を除いて、自分から積極的に他者と関わろうとしない
アルトリアにしては、とても珍しい行動だった。

左手には、篠ノ之から受け取ったチラシだ。
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6313 ◆x0SRSoJXe.:2024/09/05(木) 22:15:27 ID:Pq/dzoPI0

              _ r―ァ-、―- ミ
             />''"~"''<⌒l   ` <
               7//ヽヽヽヤ⌒〉     \
                ψ/// ソノ }-〈     .|  ヽ ∨
              r{ゞ、>''´/ / Y′   .||  ハ ∨
             }ヘゞ`''<彡‰ソ  ! !  !\ / l| トゝ
                V乂三∠⌒)´ !∧| | .」ノレ' | リ |
              廴乂_)ノl l 八(l ヘ八ソ`メ|/ /
           >''⌒7^Y⌒ ヽ、,人|   ヘ{`¨乂レ′          か弱い小型犬は……私には合わん。
           /===/`nヘ=====\ilN  | __ /
            \=/===l.l= \===/ |  | /              私が死した後、我が屍を喰らってでも
              ´/====|.!==== <´≧〈从 |´
              _≧s、_ノハ_==== マニニゝ-`‐…¬冖ニニアl        生きのびられるような、そんな猟犬がいい。
       _ <ニ/ニ二二Y  ̄ ̄ ニニニr'ニニニニ>''´ =|
     r<ニニ/ニニニニ/二二二ニニニ|ニニニ/二二ニ|-「ヽ∧    ……む、このパンフレットか。
     ∨=ニニニニニ二/二二ニニニニニニニニニニニニ上′ニニ\
       Vニニニニニ/:⌒"''<ニニニニニニニニニニニニ乂ニニニ   あなたも見てみるといい。
        {/ニニニニ/  :     ` マニニニミニニニニニニニニ\ニニ
       <=/ニヘ二/  :        `'マニニニミニニニニニニニニ>
       〈´ニニ二∀     ':,         `'マニニ/冫、ニニニニニニニ
      }/二二{   ,'    ':,       : : ̄i .イニ=}`''<ニニニニニ
       /ニニニニΚ ,'      '       : : /ニニ=/     `''<ニニ
.      /ニニニニ∧\   ',        _ イ二二ア        `''<
     /二ニニニ/ ∨_\  ',    _ <ニニニ/
.    /ニニニニψ  V二`‐┴―≦ニニニニニリ
.   Yニニニ=/|     VニニГニニニニニニ彡〈
   {ニニニニニ/ヽ.   {ニニヘ二二二ニニニニ/
   ∨二二ニニニ\ /二二/二二ニニニニニ|
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じっと見つめていると、チラシを手渡してくれた。
紙面には企業がプリントしたものとは打って変わり、素朴なデザインの
印刷が施されていた。ところどころ手書きの文字も見受けられる。

手作り工芸体験、と書かれている。ちょうど今日が最終日のようだ。
この近くの、「うつわや」というお店で開催されているらしい。
焼き物がメインではあるようだが、金属の品も作れると小さく書かれている。
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6314 ◆x0SRSoJXe.:2024/09/05(木) 22:29:10 ID:Pq/dzoPI0

     ____
   /_ノ  ヽ、_\
  /( ─)  (─)\     (なんか……凄い女々しいことを言った気がするお。
/::::::⌒/)/) ⌒::::: \
|   // /   u.  |    やる夫は、どうしたいんだお……?)
\ | /  二二)    /
/ i   r‐一'     \





                  ''"゚~ ̄~゚"'  、
              ,            、 _
              ,            v/  ヽl
.            ,′   :..     :. v/  v/  ハ 〉
.            ,′     .i     i  v/  v/ ハヽ
.            ,′i     |:..   .:|  v/:. .\\〈
           /.{ { |  | 八   .:| jI斗-=ニ: \\
.          //、.{ | . 八   \ .|,ィぅ笊㍉. 、 .:.ヽ.\        しかし、意外と言えば意外だったな。
           ′ ハヽ/,ィぅ心\|ヽ|  Vツ ハ \:.:..  \
           /  ∧ Vツ  :      ∥\. \.   \      あなたがそういったことに拘るとは。
.          / ,   ハ     `      .八::::: \. \ \ ⌒
.            | ./{  ∧:::::>、   - ´ , イ::::::\::::/ヽ|' \ \     指輪など……将来、真に結ばれた相手と
.            | { _{,、、、∧::::::::〕h 、 ..::: | ::::::::: ヽ.  |.  ヽ :\
.        / ̄/⌒:/⌒/)::::::}iニニニニニi{::::::::::::::::::〉           交わせばいいだろうに。
       ∥: /:::/:::: //:)`` 、i¬冖¬=\=‐-‐=¬冖¬=‐- _
.        ∥:///i:i:i:iヽ/(二二\.  i}::..  \:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}
...       ∥::: /i:i:i:i:i:i:i:i:‘,:::::)⌒` 、\.i}     ``〜、、i:i:i:i:i:i:i:i:i:}
        ∥/i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:‘, (:i:i:{.  ゙¨"i}         \i:i:i:i:i:i:/
      /i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}/:i:i:{.   /i:i:`` 、' ,     /i:\i:i〈
.     /i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:(:i:i:i/.   /i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ヽ ',::. /i:i:i:i:i:i:iヽ/,
.   /i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}/ 、 /i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iヽ::::/i:i:i:i:i:i:i:i:i:, /,
.  /i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/   ,′:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:メi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/:i:i/,
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i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/  ¨⌒    \i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:\_./i:i:i:i:i:i:i}:::i:i:i:/,
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/            ヽi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}:::i:i:i:i:/,

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このチラシからして、アルトリアの言わんとすることが分かった。

今からインナーエリアまで行くのは、少々時間がかかる。
なので、丁度良く開催されている、この催しで調達してしまおう、ということだろう。

結局、あの場で指輪を購入することはなかった。
自分が拒否したのを聞くや否や、アルトリアは逡巡した後、
すぐさま別のものへと手を伸ばした。

不思議と安堵を覚えている自分自身に疑念が生じる。

微かに苦笑を唇の端に浮かべるアルトリアだったが、
その言葉には反論の余地もなかった。
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6315 ◆x0SRSoJXe.:2024/09/05(木) 22:44:06 ID:Pq/dzoPI0

             { / ∨  /    / /      /   /   |   |    ∧
             ∨   ∨/    / /      /   /    /|   |     /∧
               |∧   /    / /      /   /    //|   |       ∧
          _ .。s≦|/∧ /    / /      /   /    /  |   |    | /∧
     _.....。s≦二二二|  ∧.    / /      /   /    /  /   /    |   ∧
  /ニニニ二二二二|\./    / /      /   /    /  /   //    |    |
  ∨ニニニ二二二二|/|     | ./ /      /   /    /  / /..//   i  |    |
   `寸二二二二二二|/^|     |/ /      /   /    //// ..//.     |  |    |
     ∨-二二二二二|  |     | /‐‐ -- /   /   ./ ./   //      |  |    |
      ∨.二二二二二|  |     |./_∠/ ./ /\'  /. /     //、    |  |    |
     ∨二二二二爪  |     |\ ̄7/¨`.....、/ /       // / /   /  |    |
      |ニ二二二二∧. |     |.....  {{....ij...../\/ / _..ィ7/===―― // /  /./    ……まさか。
      |ニ二二二二二, |     |.    `>==ィ、  ヾ/ / /'′_..-===x.、 / /  /./
      |ニ二二二二二-|     乂               /{...ij..../ )> /  /./      本当に惚れた、とでも
      |二二二二二/^|      | \              >==ィ、 ''´/ /  /./
      |ニ二ニ=-¬  /|      |             |      ......./ /  /Y´        言うつもりではあるまいな。
       ̄        /^|      |∧           /       /  /  |′
             /二|      |/∧                / | ./  /
               /二-|      |  \    `¨ ―    _...::::|  | /  /
           ../二二|      |、   \      _....-=二|  |  |′ /
             /二二-|∧    |≧s。.._ > ... -=二/二二ニ|  |  |  ′
            ./二二二|/∧.   |二二二≧s。.._/二\二二|  |    /
          /二二二/./∧  |二二二二二二二/.  \ .|  |   /|
           /二_=-:::::::::/  ∨!|    //  \\    \   |  .//|

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
考え込んでいると、唐突に視界ががくんと揺れた。
胸倉を掴まれて引き寄せられたのだ。

アルトリアが覗き込むようにして、こちらを見つめている。
金色の瞳は一切揺らぐことなく、自分の困り顔を映しだしていた。

一瞬、心臓が跳ねる。
アルトリアに見つめられることにも、随分慣れたと思っていたのだが。
舌が凍り付き、呻き声一つ出せないまま、息を止める。
止めなくては、アルトリアにかかってしまいそうだったからだ。

その表情は、いつもの能面じみた無表情かと思えた。
しかし、その眉に、唇に、瞼に、初めて見る感情が滲み出ていた。

大人の女性が少年を揶揄っているかのような、
愉快さを滲ませているようにも見える。

その一方で、困惑しているようでもあった。
唇の端に浮かぶそれは、一見すれば笑みにも見えるが、
引き攣っているようにも見えた。
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6316 ◆x0SRSoJXe.:2024/09/05(木) 23:13:06 ID:Pq/dzoPI0

  /            i      \    } >
  /             i       .| / レヘ、
 ,         ヽ   i  .|       |、 / } ノ
 i      .l    i  .ハ. ∧.i      .| l /  |' ゙;
 |    .|  i    .| /! }/ }ハ     .|,ノ / ./"
 | .i  .|  ト   1. ,ム斗:r7 }      |  / ./:.:.:.:.:ヽ        ……すまない、らしくない冗談だったな。
. i l  .|  「\  .ハ/ Vツ  ':/     .| / /|.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ
. 八ハ  ト |'芯\{  ´   ハ |    ハ /:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:/       行こう。手を。
.  { `:.ハ .ト.}7          }/|   .j y:.:.:.|:.:.:.:.:.:./
      | ヾ. :,ヽ         / }   j ∩こ)゙,:-イ~         「い、いや、大丈夫ですお」
      l   |\  _ -,    イ  .,v⌒/: :ヽ:.:.}     _____,,
 .     l   .|.   、 ´   /ノ-マ`/: : : : : :’、_ . : : : : : : : :   さっきまで倒れ伏していた者の言うことか。さぁ、手を。
      丶  i     `ー ' >r"f ゙/: : : : : : : : /: : : : : : : : : : :
        丶 ,      ⊂゙_/: : : : : : : : /: : : : : : : : : : : :

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
アルトリアはしばらくそうしていたかと思うと、何やら考えを振り払うように
目を伏せ、自分のシャツから手を放した。

止めていた息を吐き出し、酸素を求めて小さく喘ぐ。
助かった。単純に心臓に対する刺激が強すぎたのもそうだが、
あのままでいたら窒息していたかもしれない。いや、そんなことはあり得ないのだが、
そう思わせるだけのものがあった。

気づけば、周りで買い物中の人々が、こちらへと視線を向けていた。
大概が好奇の視線だったが、何やら生暖かい目をしている人もいる。
動いた方がよさそうだ。

いつものように、アルトリアから恭しく掌を差し出されるが、首を横に振った。
だが、アルトリアは譲る気配がない。さっきの一件以降、まるで壊れ物でも
扱うかのようだ。

観念して、差し出された掌に手を乗せる。
余計に目立つが、これが彼女のスタンダードなのだ。観念するほかない。
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6317 ◆x0SRSoJXe.:2024/09/05(木) 23:13:57 ID:Pq/dzoPI0

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6318 ◆x0SRSoJXe.:2024/09/05(木) 23:17:37 ID:Pq/dzoPI0
       , -‐   ‐- 、
     /: : : : : : : : : : ::',
    , ': : : : : : : : : : : : : : :',
  /: : : : : : : : : : : : : : :○:',        ひどく短いね……申し訳ないが、ここまでだ。
  ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
 .  `ト : : : : : : : : : : : _,-‐'`iヽ _      明日寝坊すると洒落にならないのだ。早めに終わらせていただく。
    i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : `ヽ
    | : : :ト: : : : `-‐´ : : : : : : 、: : : 丶   次回は……来週の木曜日にしたいところだけど。うーん。
    | : : :'、j`-‐ : : : : : : : : : : : \: : : ヽ
    丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i   その頃にシャバにいられてるかも分からないし……
          `ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
             ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ





                  . . .-─‐-. ミ
                     |: : : : : : : : : : `: ..
                     |: : : : : : : : : : : : /
                    }Ο : : : ◯: : : :,′
                   : : : : : : : : : : : :i
                      { -===- 、: : :. :.|       とりあえず、また生存報告するよ。
                    〉: : : : : : : : : :ノ
                  i: :`ニニニ´: : : : ‘,       懲戒解雇で済んだとしても、失業保険も貰えないから、それでも詰むしねぇ。
                 __/ : : : : : : : : : : : : i
      ___        /.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|       我ながら本当にしょうもない身の滅び方というかなんというか。
     / :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |
     .′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/ | : : ‘,       Twitterでも生存報告してるからね。
.    ‘::::::::::::::ノ: : : : : :ハ \{/: : : :/⌒゙ヽ : : :‘
.       ゝ-=彡-──<¨¨゚‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|       それじゃあ、また会えたらね。
                 \: :′:::::::::::/______」
                     弋:::::: /
                       `¨´

6319安価のやる夫だお:2024/09/05(木) 23:18:28 ID:o5WUr1Fs0
乙でした


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