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【安価】やる夫は誰かのために戦うようです【R-18】

3215： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/19(月) 20:22:32 ID:NjlOvYzI0

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　　　　　r　ー-､　!' ／ ', 〃示ヾi! ',: : ,' 　 い;;;;;::i: : : i ､!.ii!!: !: :',　　　　　　　ほな、行ってきます！
　　　　 /　 イ　!ゝ'/ヾ ヽ',　 ∨:∧. ',:.,'　　　ゞ斗'.':.i: :i'"/ヾ: :!: : ',
　　　　 !　　し/　/: !: :ヽ:ヽ.　弋:ツ　ヾ　　　　 ...,':/: /ｲ:.!: i!: ! : ､ヽ　　　　　　「いってらっしゃい。待ってますお」
　　　_r/　 イ.,- "',: ',: : : :`ヾ　　　　`　　　,　　./:/: ,': i!: !: i!: !: ! :ヾ､
　. /ヾ、＼ /､　　 ヽ:!',: : i､: :'､　　　`ー‐　　　/:/: :,'､:i!: !: :!: :!: !: :'､　　　　　　……うん。お留守番、よろしうな。
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スーツ姿に着替えたはやてを門扉の外、車で出発するところまで見送る。
今日は大分日差しが強く、軽く掛けておくには可愛らしいものの、
実際に目を隠すと似合わないサングラスをはやては手にしていた。

元気に手を振ってくるはやてに、手を振り返す。
こういう行為は家庭において一般的なことらしいが、
自分にはどうにも不慣れで、胸の奥から何かが溢れ出るような感覚に襲われた。

昔、こうして親に手を振ったことがあっただろうか。
軽くさかのぼり、あると確信する。父と母は油の匂いをさせながら帰ってきた。
それはやがて油の匂いではなく、仕事帰りの親の匂いと成り代わっていき、
その匂いを嗅ぐ度、「ああ、かえってきた」と実感させられていた。はずだ。

今では、油の匂いを嗅いだところで何も思わないが。
遠ざかっていく車体を見送りながら、しみじみと考えていた。
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3216： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/19(月) 20:31:51 ID:NjlOvYzI0

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　　　　 [二二二二]

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それからはもう、自分でもどうかと思うくらいに長閑なものだった。
庭の落ち葉や得体のしれない虫の死骸を竹箒で片づけ、、
屋内の掃除機がけや廊下の雑巾がけ、拭き掃除、
大体終わる頃にはお昼時といった具合である。

適当に炊飯器で炊いた米を濡れた手で掴み取り、三角形に握り、
味噌を塗ってフライパンで焼いたものを四つ程。
皿に盛って縁側まで持っていき、日差しと蝉の声を供に齧っていた。
じんわりと湿気と暑気が立ち込めてはいたが、シャツとズボンを目一杯捲って
過ごせば、耐えられなくもない。最初はやられたものだが、少し慣れた。
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3217： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/19(月) 20:46:31 ID:NjlOvYzI0

　　　　　　 ＿＿＿
　　　　　／ノ　　ヽ_＼
　　　 ／ （ー）　（ー ）＼
　　／　⌒ （__人__） ⌒　＼
　　|　　　／ζ⌒|　　　　　|
　　 ＼　 ゝ　.(⌒)　　 　 ／　ｽﾞｽﾞｰ
　　 ／　/　　|￣　　　　 ＼
　 　|　 /　　 |　　　　　　　 |

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掃除している時、不思議なものを見た。

「かまへんかまへん、見られたらあかんもんは前もって隠しとるよ」と
本人から許可されているとはいえ、掃除に入る時は緊張した。
いざ入ると、特に変わったものもない、普通の部屋だったが。
畳の上に箪笥や衣装棚、本棚に化粧台といったものが壁沿いに並べられ、
押し入れの向かい側にテレビがぽつんとあり、窓が一つあるだけだった。

彼女の個性が表れていたものとしては、本棚だろうか。
紙の本という珍しいものがぎっしりと詰められており、中身は色々だった。
旧時代の小説、詩集、コミック、とにかく色々だ。

なんとなく、その中でも大部分を占めていた『ドラゴンボール』というコミックには
興味をそそられたが、掃除を優先した。

はやての私室を掃除した後に玄関に向かうと、おかしな棚を見つけた。
今の今まで大して意識していなかったが、一人で落ち着いた時間の中、
意識の端っこに引っかかったのだ。

それは他の棚よりも意匠が凝っているような気がした。
中から不思議な匂いも漂ってくるし、ただならぬ雰囲気を感じ取り、
とりあえずは触らないでおいた。後ではやてに訊いてみるとしよう。
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3218： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/19(月) 20:55:56 ID:NjlOvYzI0

　 　　 ＿_＿__　　　　　━┓
　　 ／　―　　 ＼ 　　 ┏┛
　／ノ　　( ●)　　 ＼　 ・　　　　　なぜか洗濯物は『私がやっておくから気にせんでええ』と言われたお。
.｜ ( ●) 　 ⌒）　　　|
.｜　　 （__ノ￣　　　 /　　　　　　　まあ、考えがあるんだろうし、任せるかお。
.｜ 　 　 　 　 　 　 /
　＼＿　　　 ⊂ヽ∩＼　　　　　　　となると、この後暇だお……
　　　/´　　 　 (,＿ ＼.＼
.　 　|　　/　　　　　＼＿ﾉ

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僅かな洗い物を片付け、やることを終えると、途端にどうすればいいか
分からなくなった。テレビを見たり、昼寝したりするのもいいかもしれない。
胃袋も満たされているし、布団を敷いて横になればすぐに睡魔がやってくるだろう。

ただ、それだけだと少し勿体ない気がした。
折角だし、引きこもってばかりいないで散歩してもいいかもしれない。
何よりも、ただだらけていると、暗い記憶が襲ってきそうで、怖かった。

はやてと二人でいる時は、意識が彼女に向けられているからまだいい。
一人でじっとしている時が、一番怖かった。

下↓1　暇だ……どこかに散歩しに行こう
1．近くに川があるとはやてが言っていた。見に行こう
2．少し歩いたところに商店街がある。見に行こう
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3219：安価のやる夫だお：2020/10/19(月) 20:59:37 ID:8aM1YZ460
1

3220： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/19(月) 21:02:52 ID:NjlOvYzI0

　　　　　＿＿＿
　　　／ノ　 ヽ､_ ＼
　 ／（●）　（●.）　＼　　　　　　そういや、近くに川があるって言ってたお……
／　　（__人＿,）　　　 ＼
| 　ｌ^l^lｎ ⌒ ´ 　　 　 　 |　　　　本物の川なんてそうそう見られるもんでもないお。
＼ヽ 　 L　　 　 　 　 ,／
　　 ゝ 　ﾉ　　　　　　　　　　　　　見に行ってみるかお。
　／ 　 /

3221：安価のやる夫だお：2020/10/19(月) 21:02:55 ID:0pnRGi3g0
水かさを確認しないとな（フラグ）

3222： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/19(月) 21:03:08 ID:NjlOvYzI0

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 □

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

3223： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/19(月) 21:13:29 ID:NjlOvYzI0

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...::..:::..:::.. . ..::...::.: .: . ... 　　　　　　　　　　　　　　　　　,;;'":::.:.....::.::...
,.,,　:.. . ..::...::.: .: . ...　　　　　　　　　　　　　　　　 ,,.r'":::.:.....::.::....::...
;;;,;ヽ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,､､-'';":`::::::.:.....::.::...:...,..::...
;;;;,';;;;ヽ;,　　　　　　　　　　　　　　 ,..-''"::::::.:.:.:..:....::..::...:...,..:..:....::...::...
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^ _　_　-_ ^　_ _=_　-_^__　=_　- _ - 　　　　　≡　　　　　　 　 Y,.,lji,; 丱
=__-_ -__= -　_-_ -_　=_　-_ ^__-_=　　-ｰ"`ﾞ　　　　　　　　　　 i ,.,...ﾕiW
_　-_　__　-_^__　=_　-_ ^__ 　　_,,､。"`ﾞ　::: 　　::: 　　　　　　　　∥,,::iﾘv,i
_ =　_ -_ _　_ = __ __,,､｡-ｰ''"`ﾞ:::　　　　 　　　　　　　　　　　　　」:.::.ｖﾉiVi
　 _,,.,..､｡v-ｰ''"ﾞ~　::　'　::: :　:::　::: 　　　::　　:::: ::　:::　　　　　　「;;,,;;:ｙﾊiW
`"ﾞ　　:::: ::　:::'　,::　::::　　:　::: :　　　　　　　　　　　　　　　　　 /,:.;,:.;,:.ﾅｗｙ

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さすがにこの日差しの中、そのまま出かけるのは日焼けが怖かった。
日焼けというものがどういうものかは知らないが、はやてから散々脅かされた。
曰く、日焼けしたら最後、それは時間の経過でしか治らない。
日焼けしている間は皮がべりべり剥がれ、お湯を被れば地獄の痛苦を味わう。
つまり、入浴やシャワーが拷問の時間と化すのだそうな。
更に言えば、後々の皺やしみの原因になるとかどうとか。

というわけで、ちゃっかり貰った日焼け止めを肌の露出している部分に塗りつけ、
しっかりと戸締りしてから出かけた。

話に聞いていた川は、少し歩けばそこにあった。
水の流れる音が聞こえてきたと思い、歩みを早めると、それは見えた。
草原を縦に引き裂くように流れる水流が、そこにあった。
底には涼やかな色の石が転がっており、陽の光を煌々と反射している。

溜め息を吐きながら川へと近づいていく。
軽く感動さえしていた。こんなに澄み渡った水がとめどなく大量に流れている。
飲み水に困ることなどなくなっていたが、こうも見える形で目の前に現れると、
感慨深いものがあった。
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3224：安価のやる夫だお：2020/10/19(月) 21:16:07 ID:0pnRGi3g0
ドブ川とせせらぎの差を実感したかｗ

3225： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/19(月) 21:20:58 ID:NjlOvYzI0

　　　　　　＿＿＿_
　　　　 ／　　　　　＼
　　　／　＼　　　／　＼
　 ／　　（●）　 （●）　　＼　　　　　な、なんか跳ねたお……
　 |　 　　　（__人__）　u　　　|
　　＼　　.　|┬-r|　　　　／　　　　　あれは……魚かお！？　こんなところで、生きて泳いでるお……
　　 ／　　　｀ー´９ｍー　）
　　　　　　　　　　`ーー‐'ﾞ

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見つめていると、水面で飛沫が上がった。
よくよく見ると、それは魚のようだった。暗い色の魚が水面を跳び、
そしてまた飛沫を上げながら川へと戻っていった。

「オイオイなんだってんだ、タイムスリップしてきた人みたいなこと言ってよ」

驚嘆しながら腕を組んで観察していると、横から渋い声をかけられた。
初めて見る川に意識を取られ、全然気づいていなかった。
咄嗟に振り向くと、そこには変わった着物の中年男が立っていた。
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3226： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/19(月) 21:24:55 ID:NjlOvYzI0

　　　　　　　　　　　　　　､＿刈从WWWW从从≦二ィ_,_
　　　　　　　　　　　 　 ､_x≧W从从从WWi{从从从i从ア
　　　　　　　 　 　 　 　 ィW洲从从}i州从ハ从从}Wkく :.
　　　　　　　　　　　　 ､_j从WWW{i从{　　 　 , ､_　 `}从 :.
　　　　　　　　　　　　　洲W从从ﾘ{ィ＝≦壬r示≧＝代 :
　　　　　　　　　　　　　刈洲W{iﾚ'´ 込Z弐シ　{Z弐近{　:.
　　　　　　　　　　　　　 ｲ洲ｒ=i{|　　　　　 　 _ 冫　 　 }　:.
　　　　　　 　 　 　 　 　 }从{ V|i ､_　　　　　　 ′　　 .'　:.　　　　　　　　　　よぉ兄ちゃん。独り言激しいなオイ。
　　　　　　　　　　 　 　 　 从 {_　　｀　 　 　.ィこ> 　 ,'　 :.
　　　　　　　　　　　　　　　　}ﾄ､_ 　 　 　 　 ｀二 　 /　　 ::.　　　　　　　　　　「すみません」
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 从汽　　　　　,ｨi斥仆v　　　:.:
　　　　　　　　　　　　　　 　 洲　｀ ー‐-　{i｣从｣ｼ{　　　.:.　　　　　　　　　　　別に謝んなくてもいいよ……しっかし、そんなに珍しいか？
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ]}　　　　　 　 　　　|　　　.:
　　　　　　　　　　　　　　 ／.::i｣ 　 、　　 　 　 　 j＼_　: .　　　　　　　　　　　「まあ」
　　　　　　　　　　 _ 　-‐ {::::::::{、　　 、　　　　 / {ヽ::ヾヽ、
　　　　　　　　 _／　　　　|::::::::| ＼　　 、　　　{　　ハ::.:.:.. ｀丶、　　　　　　　　ふうん。
　　 　_ 　-‐　´　 　 　 　 |::::::::|　　｀ヽ､__　　 　 ／　 ',:.:.:.. i　　 ｀`丶、
　　／　　　　　　　　 　 　|::::::::|　　　　　 ｀ヽ.　 {_ 　 　',:.:.:. i　　　　　　ヽ、
　/　　 　 　 　 　 　 　 　 |::::::::|　　　　 　 l　|　 ||!　　　}:.:.:.::!　　　　　　　 ＼
./　　　　　　＼　　　　 　 |::::::::|　　　　 　 l　|　 |{　　　 ｌ::.:.:::l　　　 　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　 　 ヽ　 　 　 |::::::::|　　　　 ／,ア￣￣｀ヽ　l:.:::::::l　　　　　　　i　　　`､
　　　　　　　　　　 ＼　　 |::::::::|　　　／／　 ／＞≦二;;}:::::::l　　　　　 　 |　　　　`､

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咥えタバコの男は、ぼさぼさの黒髪と眉、蓄えられた顎髭、
そして厳めしいサングラスと怪しげな風貌だった。
旧時代に出てくるジャパニーズマフィアを意識したファッションなのだろうか。
靴にいたっては下駄だ。

その右手を見やると、長い棒が握られていた。何かの道具だろう。
グリップがあり、その上には筒状の機構が取り付けられている。
そこから細いワイヤーが棒の先まで伸びていた。

「これか？　これ、竿」

「さお」

「釣り竿だよ、釣り竿。これはリールで、先っちょのがルアー」

「つり」

「おまえなあ……」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3227： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/19(月) 21:32:51 ID:NjlOvYzI0

　　　　　　 　　ヽ ､______＿＿ ヽヽ. ､
　　　　　　　_,, ..≧::::::::::::::::::::::::::ヽV::ヽl
　　　　　　 ,.イ::;ィ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`＝イ/
　　　　　　 /／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::<
　　　　　　〃::::::::::::;ｲ／/ﾘ|:/|:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　∠::::::::从（ 　 　　l/ !::::::::::::::::::::::::::::::: ヾヽ
　　　　　　/イ∧` ､,,ｨ≦=ｒヽl／ﾙ::::::::::::::::::::::::ヾ、
　　　　　　　 〈_≧ｒ=!:::::::ノ　　　　ﾘ:::/ヽ:::::::::::::ｌヽ　　　　　　　ていうか、なんかおまえ、その辺の兄ちゃんと毛色が違うな……
　　　　　　　　!:::::/　 ￣　　　　 　 lん） !::::::::::ﾙ
　　　　　　　　`ｌ〈　_　　　　　　 ,.. 　( ,.ｲ:::::::::::（　　　　　　　　　養成学校の生徒って感じでもねえしよ……
　　　　　　　　 ヽｒ__　　　　　　/　　l´　!::::::::从ヽ
　　　　___ ,....,..._　ト-｀¨　　　　　　ノ　 ルﾘ人ヾヽ　　　　　　　　　まいっか。おまえも釣るか？
　　ｒ‐"＿ｌ＿辷〕_}illi、　　　,, -　　　,,..::::"::::..　|　＿_
　 ｆ,! └‐ｒ‐‐／ / ^vllllllｒ''"　 ,,...::''::::::::::::::::::::／´　 ／`!　　　　　　「やってみたいですお」
　 H__ﾉ__ﾉ__ﾉ　/　　　ｒ=`-''::::::::::::::::::::::::::::／　　／　　 ヽ
　{　　 ∨　　　ｌ　　 　ヽ:::::::::::::::::::::::::::::／　　／　,.　" 　　＼　　　　おう、ここだとニジマスが釣れるからよ、釣って食おうぜ。
　l､　　 l　　 ／　　　 / l::::::::::::::::::::::／　　／　／
　/｀'ー― /　　 　 ／ /:::::::::::::::::／　　／　／　　　　　　　　　　　　釣りながら色々話せんだろ。
/　　　　 /　／￣/　 /:::::::::::::／　　　　　/

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なんだろう。気のいい人なのだとは思うが、そこはかとなく感じられる、
このだらしなさというか、砕けた感じというか。
お高く留まっている連中からは嫌悪されそうな手合いだろう。
自分はそんなに嫌いではないが。こちらとてスラム上がりの落ちこぼれだ。

お言葉に甘えて釣り竿を握らせてもらう。
これを正しい姿勢で、そこそこの勢いをつけて川へと投げ、
ルアーを水面へと投入する。そして、リールを巻いて糸を戻す。
これをひたすら繰り返せば、たまに魚がかかる、そうだ。

半信半疑で言われた通りに竿を振りながら、魚もそんなに馬鹿なのだろうか、
と水中の魚たちに思いを馳せた。ルアーという釣り餌の模型も、
言ってしまえば色のついた鉄の板だ。

けど、糸が射出される時の軽快な音は、中々小気味よくて気に入った。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3228： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/19(月) 21:38:13 ID:NjlOvYzI0

　ノ＿,､＿ノﾉ,,孑 / ノ
彡从毛乂乍ﾘｿミヾ壬ミ
从彳川少匕从彳ﾐ川少＜
毛仆卅从ﾐ从毛仆卅从彡
Ｗ从匕ﾐ弋幵Ｗ从匕弋乂
从乂lヽlﾐ＼卅从乂lヽl＼Wﾐ
从W毛彡厂''V'＼ '　 　 .∨
Ｗ从匕乂　　　　　　　　　',　　　　　　　　「おじ……あなたは？　普段何されてるんですかお？」
从卞弋V'　　　 　 ',　 　 , -',
災什人.　　　 　 　 ', ii／少ﾐ}　　　　　　　おう、それ聞くかね。この俺に。
升入　　　 ｀ﾞｰ-=_ノ_,t壬昨ﾉ
ミﾐ______　_, -壬少ﾉ rxﾞ".rxl　　　　　　　　「あっ……」
W　 　 .｀弋匕ﾐ少'　{　.', { .∨
/'　　　　　｀￣´　　_.',　.',.',　',　　　　　　　昔は戦場に立ってたよ。コジマ技術導入試験型ノーマル部隊、サフィラスフォースってやつ。
∧　　　 　 　 rｘ　　.｀',　.',.',　',
. ∧.　　　 　 rﾞx X--‐'',　.',l　 ',　　　　　　俺はそれだった。おかげで体中ボロボロでな、永遠の療養中ってわけ。
　　｀ｰ- ,_. 　 ＼＼ ＼/',　.',　 lヽ
　　　　　 ｀ｰ- .._ヽ ヽ ｀ｰ'　　　l ﾊ
　　　 　 　 　 Y´ ヽ　ヽ　　　　 l　＼





　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼　　　　　　　奇遇ですお。
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　　　　「おまえもそのクチかぁ」
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　　　 でも、今は戦ってもいないし、守られる側にいますお。
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

3229： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/19(月) 21:44:15 ID:NjlOvYzI0

　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ､_,､_　,､_,__,_
　　　　　　　　　　　　　　_洲WW从W斥k
　　　　　　　 　 　 　 　 刈州州从从込iﾄ
　　　　　　　　　　　　　 仆W^__､_ ,＿_V[,
　　　　　　　　　 　 　 　 洲「{弐]刊卉｣ｉ{`
　　　　　　　　　　　　　　｛｣i｀￣〈|｀￣ り　　　　　 ..
　　　　　　　　　　　　　 　 }l､　 ‐_,‐'　/{　　　　 ...:..
　　　　　　　　　　 　 　 　 ∧＼iWi{ﾚ'{ﾘ`　　 ....:..　　　　　　　だよなぁ、いいトコだよなぁ、ここ。
　　　　　　 　 　 　 　 　 _/.::::',_r三く斗ﾍ、...:...
　　　　　　　　　　　, -<:::::::::::::`r一＾㍉,.:､.｀`丶、　　　　　　　俺も気に入ってるよ。子供をここで暮らさせてやれてるってだけで、
　　　　　　　　　 ／　　ヽ:::::::::::::｀マヽ、　 ヽ、 　｀ヽ.
.　　　　　 　 　 /　　　 　 `､::::::::::::::∨.＼_　 `､　　　',　　　　　すげー嬉しいしよ。他じゃあんな育て方できねえもん。
　　　 　 　 　 /　 ＼　　 　 `､::::::::::/.:::::::::}　　 ',　 　 }
　　　　　　　/　　　　ヽ　　　 `､::::/.:::::::::/l　 　 ﾄ、　 |　　　　　「……でしょうね」
　　　 　 　 〈　　 ､　　　､　　　 ∨.:::::::::/ {　 　 |　V^廴
　　　　　　　}　　　 ､　　}　　　 /.:::::::::/　∧　　|　 }　　}　　　　　ああ。
　　　　　　/　 　 _＿＼｣　 　 /.:::::::::/　 { ∧　 }　 | 　 |
.　　　　　/　 _／　　　　￣｀¨¨¨¨¨｀ヽ＿|　 ヽ/　　　　}
　　　　　{　　　　　　　　　　 　 　 　 { 　 l 　 /　　　　 ′
　　　　　 ',　　　　　　　　 　 　 　 　 L､ ｣_　{　 　 　 ,′

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川の流れる音を聞きながら、変わった風貌の中年男と一緒に釣りに興じるという
不思議な状況になっていたが、大して警戒心は抱いていなかった。

ここの人達が自分に危害を加えるようには思えない。理由がない。
鬱憤を晴らしたり、金や食料を奪ったりする必要もないだろう。
完全に無防備な状態を晒すつもりはないが、ある程度は安心していた。

本当に、おかしな場所だ。トウキョウでこんなことをしようものなら、
ごろつき共に素っ裸にされているところだろう。
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3230： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/19(月) 21:47:27 ID:NjlOvYzI0

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　　　　　|　　　（⌒ 　 (● ) ｜　　　　　……散々戦争してきて、今更ですけど。
　　　 　 ﾍ　　　 ￣｀､__）　　｜
　 　 　 　 ヽ　　　　 　 　 　 ｜　　　　　人を殺すのも怖いけど、殺した後も、凄く怖いですお。
　　　　　　, へ、　 　 　 ＿／
.　　　　　 |　 　 　 　 　 ＾ヽ
.　　　　　 |　　　　　　１ 　 |





　　　　　　　　　　　　　　　　　　､_,ヽ＼汁|ヽヾ_,_,
　　　　　　　　　　　　　　　　｀久匕卅从W勹災七
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 乂从Ｗ仆幵卞从Wﾐ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 YヾlVlN从ﾏ大Ｗ从ﾀﾞﾐ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾉ　　 ∨r ､卞卅从从　　　　　　　まぁなぁ。企業は美化してくれるし、幾ら殺しても責められやしねえ。
　　　　　　　　　　　　　　　　r}-―==ヽ）}从ｵﾐ仆匕
　　　　　　　　　　　　　　　　｀l　　　　|i/ 'W从卅冫　　　　　　　けど、実際戦場に立ってる身からすると、
　　　　　　　　　　　　　　　　　',　　　　 　 W从彡'
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',　　 　 ,　 ,r'´￣　　　　　　　　　そこにいるのはただの人だし、終わった後はただの人殺しだしなぁ。
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 """"ヾ／／´///
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 l/´//////　　　　　　　　言葉で幾ら飾っても、やってることは、な。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/////////
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 //////////　　　　　　　　……お、かかってるぞ。巻け巻け。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{/////,r'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ//,r'´　,r'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ）'´　,r'´

3231： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/19(月) 22:02:12 ID:NjlOvYzI0


　　　　　　 　　ヽ ､______＿＿ ヽヽ. ､
　　　　　　　_,, ..≧::::::::::::::::::::::::::ヽV::ヽl
　　　　　　 ,.イ::;ィ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`＝イ/
　　　　　　 /／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::<
　　　　　　〃::::::::::::;ｲ／/ﾘ|:/|:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　∠::::::::从（ 　 　　l/ !::::::::::::::::::::::::::::::: ヾヽ
　　　　　　/イ∧` ､,,ｨ≦=ｒヽl／ﾙ::::::::::::::::::::::::ヾ、
　　　　　　　 〈_≧ｒ=!:::::::ノ　　　　ﾘ:::/ヽ:::::::::::::ｌヽ
　　　　　　　　!:::::/　 ￣　　　　 　 lん） !::::::::::ﾙ　　　　　　　おー、四匹も釣れたのか。おまえセンスあるなぁ。
　　　　　　　　`ｌ〈　_　　　　　　 ,.. 　( ,.ｲ:::::::::::（
　　　　　　　　 ヽｒ__　　　　　　/　　l´　!::::::::从ヽ　　　　　　 俺、昼まだでよ。あっちに洗い場あんだ、処理して塩焼きにしようぜ。
　　　　___ ,....,..._　ト-｀¨　　　　　　ノ　 ルﾘ人ヾヽ
　　ｒ‐"＿ｌ＿辷〕_}illi、　　　,, -　　　,,..::::"::::..　|　＿_
　 ｆ,! └‐ｒ‐‐／ / ^vllllllｒ''"　 ,,...::''::::::::::::::::::::／´　 ／`!
　 H__ﾉ__ﾉ__ﾉ　/　　　ｒ=`-''::::::::::::::::::::::::::::／　　／　　 ヽ
　{　　 ∨　　　ｌ　　 　ヽ:::::::::::::::::::::::::::::／　　／　,.　" 　　＼
　l､　　 l　　 ／　　　 / l::::::::::::::::::::::／　　／　／
　/｀'ー― /　　 　 ／ /:::::::::::::::::／　　／　／
/　　　　 /　／￣/　 /:::::::::::::／　　　　　/

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
途中、男が「トイレトイレ」と席を外している間に、三匹立て続けにかかり、
釣り上げた。竿を引く力は予想以上に強く、暴れる魚を釣り上げた時は
不思議な達成感を感じた。

足元に置かれていた、水の溜められたバケツに放してやる。
素手で掴むとぬめりがあり、やや苦戦しながら口から針を抜く。
見るからに痛そうだが、魚は針を抜かれ水に入れられた途端、大人しくなった。

戻ってきた男はバケツの中を覗くと上機嫌そうに後ろを親指で指した。
近場にキャンプ場があるらしく、そこの洗い場を借りようという算段らしい。
七輪なるものもそこにあるそうだ。好奇心に任せるまま頷き、背中を追う。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3232： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/19(月) 22:02:22 ID:NjlOvYzI0

　　　　 　 　＿＿__
　 　 　 　／　　　　＼　　　　　　　「じゃ、これでケツから刃を入れてな、洗いながら内臓引っこ抜くんだ」
.　　 　／　 　 　 　 　 ＼　
.　　／　　　 ―　　 ー　 ＼　　　　あ、そうか……
　　|　　　　（●） 　（●） 　|
.　　＼　　　　（__人__）　 ／　　　　　「そりゃそうだ。ハラワタごとは食えねえからな。ああ、その前におでこをぶっ刺して絞めるんだ」
.　　　ノ　　　　｀ ⌒´ 　 ＼
　／´　 　　　　　　　　　 　ヽ





　　　o
　　　　ゝ;:ヽ-‐―ｒ;;,　　　　　　　　　　　　　　 。
,,____＿冫;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:＼　　　　　　,,,,,,,,　o　　／
"｀ヽ;:;:;;;:::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:从　　　　（;:;:;:;:ヾ-r
　　　〈;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:）　０　　ソ;:;:;:;:;:;:;:｝
　　,,__);:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ノ　　　　 ゞｲ"ヾ,:;:,ｿ
　　(;:;:ノｒ-´^~;;r-ー⌒｀　　　　,.、
　　"　　,,,,　　　　　　_;:;:⌒ゝｿ;:/
　　　　（;:;:丿　　　　（;:;:;:;:;:;:;:;:;:)
　　　　　　　　　　　　ヾ;;;;;;;;;;;;/;　＼
　　　　　　　　　　　　´　　/;:ﾉ　。　　。
　　　　　　　　　　　　　　　　（）

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
人気のない石造りの洗い場で蛇口をひねり、バケツを載せる。
男から小さな折り畳みナイフを受け取り、小指程度の大きさの刀身を
魚の細く、けれどしっかりと肉の詰まった頭へと当てた。

白くなっている部分がお腹で、ここを裂けば内臓が出てくる。
それを取り除き、水で血を洗い流して、それから焼いて食べるのだそうだ。

淡々と説明する男を他所に、考えるべきではないことをふと考えた。
人間と同じだな。それもそうだ。魚も人間も動物だ。
瞼の裏で、マーシフルの掌の上で絶命した兵士の姿が蘇り、
目の前のぐったりと脱力した魚と重なった。

視界が揺れる。足から力が抜け、そのままへたり込んでしまった。
男が隣で心配そうな声を上げるが、上手く聞き取れない。

結局、なんとか持ち直すまでに、男がさっさと下処理を済ませてしまっていた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3233： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/19(月) 22:09:55 ID:NjlOvYzI0

　　　　　　　　　　　　}ｉ|ハi从}ｉ｛{ｌ|W从川｛ {从i|{　 i　!　　 　 　　　｛_
　　　　　　　　　　　　V 　 ｝ハハ{V 　 Vハ{｛i｛ハ :{i｜! 　 　 　　{｛｀′
　　　　　　 　 　 　 　 }　　　　　　　　　　　　|Ｗ从小j！i !i|　 ,　 ､_≧ｧ
　　　　　　　　　　 　 ﾑ　　　　　　　 　 　 　 |/}ｲ小j｝}_} ｝!}W￤　｢广
　　　　　　　　　　　 ｣__＼､　　　　_　　-‐　 　　|/}/从从从ｉ｛ﾊ　｛
　　　　　　　　　　　{ f≧メ}､_,)≦二 __ 　 　 　 　 |/ﾑi7'⌒Ｖ小!|W
　　　　　　　　　　　‘斥沙′｀} ]三三ミF￢＝＝≠f/　　　}仆{ハ!
　　　　　　　　　　　　｛　/　　‘弐三三ｦ 　　　　　}小／ 　从｝Ⅵド
　　　　　　　　　　　　 ∨　　　　　｀￣´　　　　 　 l/ﾉ__／/从Wバ　　　　　普段は魚の切り身ばっか食ってる奴らが大半だがな、
　　　　　　　　　　　　　}〉--､　　　　　　　　　　　　　　_ ｲ/}|V/
　　　 　 　 　: 　 　 　 く_､__　　　　　 　 　 　 ／　 厂´}ｉ||Ｖ|ﾄ|{　　　　　　　　一から釣って食うには殺さなきゃならねえ。
　　　 　 　 　:　 　 　 ／∠}厶_　　　　　　　/　　 /　　|ﾊ|｣｛i　　
　　　　　　 　:　 　／／　｝>r‐ ｀　　　　　　　 _／　　　　|从{了　　　　　　　　ハラワタ抜いて、血を抜いて。誰かがそうしてる。
　　　　 　 　 :. ／／　 　 }i|ｌ}ﾄ､_　　 　_　 -‐ 　 　 　 　 　／ ｛_
　　　　　　　　`ﾞ´ 　 　 　 ﾞｰ≠≧=≠ 　 　 　 　 　 　 ／　　　{ﾍ._　　　　　　　手ぇ汚さずにいられるのは、誰かが手ぇ汚してくれてるからだ。
　　　　　　　　　　　　　　_／　　　　l　　 　 　 　 　 ／　 　 　 ,′ ＼_
　　　　　　　　　　　　　´ ハ　 　 　 |　　　 　 　 ／　 　 　 　/　　 　 }＼　　　　……そうだろ？　じゃねえと、報われねえだろ。俺たち
　　 　 　 　 　 　 ／　 　｛　‘.　　　 ｣ 　　　　／　　　　　 　/　　　　,′
.　　　　　　　　 / 　 　 　 !　 }i　 ／　　　　 ハ　　　　　　, '　 　 　 /
　　　　　　　　/　　　　　 |／∧/　　　　　 {　 ヽ. 　 　 ／　　　　 /　　　ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ
　 　 　 　 　 /　　　　　 /　/　｛＼　 　 ＿｣　 　 ＼／　　 　 　 / /





　　 ／￣￣￣＼
　／　　　　　　　 ＼　　　　
/　　　 ─　　　─　ヽ
|　　　 （●） 　（●）　|　　　　……。
＼　　∩（__人/777／
／　　（丶＿//// ＼

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借りてきた七輪を草むらのなるべく平らなところに置き、
下処理を済ませたニジマスたちに塩を塗りつけ、鉄串を口から差し込む。

七輪の中の炭に着火すると、男は網を被せ、そこに魚を並べた。
やがて魚から滲み出た脂が火へと零れて弾ける音が聞こえてくる。
さっきまで生臭いばかりだった魚から香ばしい匂いがしてきた。

男の話には、否定も肯定もできなかった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3234： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/19(月) 22:16:24 ID:NjlOvYzI0

　　　　　　　　　　　　　　､＿刈从WWWW从从≦二ィ_,_
　　　　　　　　　　　 　 ､_x≧W从从从WWi{从从从i从ア
　　　　　　　 　 　 　 　 ィW洲从从}i州从ハ从从}Wkく :.
　　　　　　　　　　　　 ､_j从WWW{i从{　　 　 , ､_　 `}从 :.
　　　　　　　　　　　　　洲W从从ﾘ{ィ＝≦壬r示≧＝代 :
　　　　　　　　　　　　　刈洲W{iﾚ'´ 込Z弐シ　{Z弐近{　:.　　　　　　　え、おまえはやてちゃんと暮らしてるの？
　　　　　　　　　　　　　 ｲ洲ｒ=i{|　　　　　 　 _ 冫　 　 }　:.
　　　　　　 　 　 　 　 　 }从{ V|i ､_　　　　　　 ′　　 .'　:.　　　　　　　いやー知ってるも何も、桜花の看板娘だからなあ。
　　　　　　　　　　 　 　 　 从 {_　　｀　 　 　.ィこ> 　 ,'　 :.
　　　　　　　　　　　　　　　　}ﾄ､_ 　 　 　 　 ｀二 　 /　　 ::.　　　　　　　となると、大変だろ。あの娘、ほら、魔性の女ってやつだから。
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 从汽　　　　　,ｨi斥仆v　　　:.:
　　　　　　　　　　　　　　 　 洲　｀ ー‐-　{i｣从｣ｼ{　　　.:.　　　　　　　　今まで何人勘違いして玉砕したことか。罪作りだねーほんと。
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ]}　　　　　 　 　　　|　　　.:
　　　　　　　　　　　　　　 ／.::i｣ 　 、　　 　 　 　 j＼_　: .　　　　　　　　　あれ、天然だから。
　　　　　　　　　　 _ 　-‐ {::::::::{、　　 、　　　　 / {ヽ::ヾヽ、
　　　　　　　　 _／　　　　|::::::::| ＼　　 、　　　{　　ハ::.:.:.. ｀丶、　　　　　　なんだよ、気になんのかよ？
　　 　_ 　-‐　´　 　 　 　 |::::::::|　　｀ヽ､__　　 　 ／　 ',:.:.:.. i　　 ｀`丶、
　　／　　　　　　　　 　 　|::::::::|　　　　　 ｀ヽ.　 {_ 　 　',:.:.:. i　　　　　　ヽ、
　/　　 　 　 　 　 　 　 　 |::::::::|　　　　 　 l　|　 ||!　　　}:.:.:.::!　　　　　　　 ＼
./　　　　　　＼　　　　 　 |::::::::|　　　　 　 l　|　 |{　　　 ｌ::.:.:::l　　　 　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　 　 ヽ　 　 　 |::::::::|　　　　 ／,ア￣￣｀ヽ　l:.:::::::l　　　　　　　i　　　`､
　　　　　　　　　　 ＼　　 |::::::::|　　　／／　 ／＞≦二;;}:::::::l　　　　　 　 |　　　　`､





　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ u.　 （●） 　（●） ＼　　　　　え？　あー、その……
|　 　/// （__人__）　 　 |　
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　「おうおうおうご馳走さん、青春だねえまったく」
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
話題を変えようとはやての話をすると、男はすぐに食いついてきた。
やはり桜花重工の旗頭たるはやてのことは知っているらしく、
色んなエピソードを語ってくれた。

というのも、既に近隣の子供たちから青年に至るまで、
彼女に恋心を抱いては玉砕した人々が結構いるらしいのだ。
明日は我が身である。

彼女は実際は身持ちが硬いが、表面上の無防備さや揺るさに引き寄せられ、
突撃を仕掛ける男たちが一時期絶えなかったそうだ。

当人は不思議がるばかりだったそうだが、同じ男としては同情を禁じえない。
あれは、勘違いする。彼女が思っている以上に男心とは単純なのだ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3235：安価のやる夫だお：2020/10/19(月) 22:20:44 ID:0pnRGi3g0
天然かよ・・・

3236： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/19(月) 22:33:10 ID:NjlOvYzI0

　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ､_,､_　,､_,__,_
　　　　　　　　　　　　　　_洲WW从W斥k
　　　　　　　 　 　 　 　 刈州州从从込iﾄ
　　　　　　　　　　　　　 仆W^__､_ ,＿_V[,
　　　　　　　　　 　 　 　 洲「{弐]刊卉｣ｉ{`
　　　　　　　　　　　　　　｛｣i｀￣〈|｀￣ り　　　　　 ..
　　　　　　　　　　　　　 　 }l､　 ‐_,‐'　/{　　　　 ...:..
　　　　　　　　　　 　 　 　 ∧＼iWi{ﾚ'{ﾘ`　　 ....:..　　　　　ようし、嫌なこと思い出させちまった詫びだ。
　　　　　　 　 　 　 　 　 _/.::::',_r三く斗ﾍ、...:...
　　　　　　　　　　　, -<:::::::::::::`r一＾㍉,.:､.｀`丶、　　　　　 良いこと教えてやるよ。明日の午後五時からな、近くの神社で夏祭りがあんだ。
　　　　　　　　　 ／　　ヽ:::::::::::::｀マヽ、　 ヽ、 　｀ヽ.
.　　　　　 　 　 /　　　 　 `､::::::::::::::∨.＼_　 `､　　　',　　　　「なつまつり？」
　　　 　 　 　 /　 ＼　　 　 `､::::::::::/.:::::::::}　　 ',　 　 }　　　
　　　　　　　/　　　　ヽ　　　 `､::::/.:::::::::/l　 　 ﾄ、　 |　　　　　おう、昔のイベントだよ。後で調べとけ。そこにはやてちゃんを誘ってみろ。
　　　 　 　 〈　　 ､　　　､　　　 ∨.:::::::::/ {　 　 |　V^廴
　　　　　　　}　　　 ､　　}　　　 /.:::::::::/　∧　　|　 }　　}　　　　　俺の経験から言わせれば……あの娘は、押しに弱いタイプだ。
　　　　　　/　 　 _＿＼｣　 　 /.:::::::::/　 { ∧　 }　 | 　 |
.　　　　　/　 _／　　　　￣｀¨¨¨¨¨｀ヽ＿|　 ヽ/　　　　}
　　　　　{　　　　　　　　　　 　 　 　 { 　 l 　 /　　　　 ′






　　　　 　 ／ ￣￣ ＼
　 　 　 ／ノ　　ヽ__ 　 ＼
　 　 ／（―） 　（― ） 　 ＼　　　　　そんな無責任な……
　 　 |.　　（_人＿）　　　u　|
　　　＼ 　 ｀⌒ ´　　 　 ,／　　　　　 「男にはな、守るべき時と攻めるべき時があんだよ。大丈夫だって。
　　 　 / 　　　　　　　　ヽ
.　 　 /　l　　　,/　 /　　 i　　　　　　　あの娘なら振った後言いふらしたりもしねえって」
　 　 (＿) 　　(__ ノ 　 　 l
　 　 ／　　／　　　___ ,ノ　　　　　　　　えー……やる夫、一緒に暮らしてるんですお？　気まずくなりますって。
　 　 !､＿__!､＿_＿＿_つ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
後で調べたのだが、夏祭りとは旧時代の日本において田舎町で行われた、
飾り付けた神社の境内や商店街などで行われるお祭りだそうだ。
出店がたくさん並び、浴衣という着物を着こんだ人々が闊歩し、
とにかく楽しいイベント、らしい。

男の言っていることはともかく、その夏祭りというものには行ってみたい。
帰ったらはやてに話してみるとしよう。告白とかどうとかは別として。

それはおいておくとして、ぱりっと焼けた魚はとても美味しかった。
塩と魚の脂が良い味を出していた。身も新鮮なだけあって弾けるようだ。
さっきまで生きていたものに対し、謝罪の言葉を抱くのは違和感を感じた。
なのはの言葉が蘇る。後悔するくらいなら最初から殺すな、と。

串を両手で摘まんで魚に齧りつき、考えることを中断する。
とりあえず、残さず食べよう。肉の一片まで、食べられる部分は、全部。
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3237： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/19(月) 22:33:35 ID:NjlOvYzI0

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

3238： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/19(月) 22:37:23 ID:NjlOvYzI0

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',　　　　　　　　　今回はここまでだ。皆も攻め時とそうでない時を見極めなければ痛い目を見るぞ。
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ　　　　　 基本的に、二度と会うことがないような人、今後大して関わらない人には攻めていい。
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ　　　逆に身内だったり、学校や職場内では守りの一手だ。女は言いふらすからねえ……
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'　　　 他校や職場外でするといい。職場恋愛はお勧めしないね。怖くない？
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ





　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 _ _____＿
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ´.: : : : : : : : : : :｀
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 l: : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i: : :○ : : : ○: :.|
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : |　　　　　　次回は来週の月曜日、10/26の午後八時からとしよう。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 j: : : -=＝=- : :.i
　　 　 　 　 　 　 　 r―--┐　　 　 i: : : : : : : : : : : :l　　　　　　　それじゃ、シーユーアゲイン。
　　　　　 　 　 　 　 i: : : : : ',　 　 　 ゝ : : : : : : : : :t´
　 　 　 　 　 　 　 　 ',: : : : : i　 , f: : : : : : : : : : : : : :ヽ　　　　　　　夏祭り回……エロゲらしくなってきたじゃあないか。オラワクワクすっぞ。
　　　 　 　 　 　 　 　 ＼: : : :y: : : :Υ: : : : : : : : : : :y: : '..,
　　　　　　　　　 　 　 　 ',_: :: :／　 i: : : : : : : : : : : :l丶 : : :ヽ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ￣　　　l: : : : : : : : : : : .i　　＼ : : :丶

3239：安価のやる夫だお：2020/10/19(月) 22:40:20 ID:CYScYWVE0
乙でした

3240：安価のやる夫だお：2020/10/19(月) 22:41:18 ID:JnQ6iwZ60
乙ー

3241：安価のやる夫だお：2020/10/19(月) 22:51:57 ID:0pnRGi3g0
乙
死霊の盆踊りをオマージュ…してたら嫌だなぁｗ

3242：安価のやる夫だお：2020/10/19(月) 23:03:55 ID:qEveFhzc0
魚を殺すのとヒトを殺すのとはどれくらい違うのかとか考えてしまった
おつー

3243：安価のやる夫だお：2020/10/19(月) 23:04:13 ID:Q09M3rrw0
乙でした

3244：安価のやる夫だお：2020/10/19(月) 23:16:58 ID:8aM1YZ460
おつです
3245：安価のやる夫だお：2020/10/20(火) 23:05:24 ID:dNxtI7Cw0
乙でした

3246： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/26(月) 20:01:11 ID:eewyaVm60
　　　　／||ミ
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　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
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　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
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　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

3247： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/26(月) 20:05:50 ID:eewyaVm60

　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ　　　　　　　やる夫君のAAでさ、携帯使ってる場面のがあるんだけどね。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i　　　　　　　スマホ持ってるAAがないのよね。ガラケーしかない。
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |　　　　　　　　いや、仕方がないし、文句もないんだが、時代を感じるね。
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘　　　　　　　　やっていこっか。私たちはピチピチヤング、いつだってエブリデイ最の高。
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´

3248： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/26(月) 20:06:04 ID:eewyaVm60

　　　　. . ＜: : : : : : : : : : ≧: : .
.　 , : : :_:_: : : : : : : : : : : : : : : : : : ＞ 、
　,: : : : : : Y´: : : : : : : : : : : : :丶: : : : :＼
./: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ: : : ヾ:.、
: : : : : / : : : : : : : : : : : : : : : : : ; : : : ; : :ﾊ
: : : : /: : : : : :/;_:_:;: : :/: : : : : : :∨: : ∨: :!
: : : ::{: : : : : : {´｀´｀∨: : : : : : : : ∨≪∨:{
: : : ::|: : : : : : | _,．--}:-:、 : : : :; -:∨≪Ⅵ
: l : {:!: : : : : : !´　　__l! ∨:|ﾍ : }从: }: : : |ﾘ
: |:l:从: {:-: : ::ﾄz====㍉,　　 }/__,ﾑ:| }: : |　　　　　　　　　　　　たっだいまー。
: |:|: : {｀ヽ ∨:!ゞ辷:ノ　　　 （ ´¨´八.!::从
: |:|: : ｀ヾ_- ., 　　　　　　　　,　　 .: : : ト 、　　　　　　　　　　　 「お帰りなさい、はやてさん」
: |:|: : ∨: 〉く: 、　　　　 __ .,　　.ィヘ:_:_、｀ヽ
::介∧ ∨{　 Y: ＞、 　 ￣ ＜: :{ ゝ_ィ^ヽ.　　　　　　　　　　　　お、ええ子にしとった？
:{ .l: :∧ ∨:＼）: }ヾ:、/￣_Y二ﾆrｆ´｀ ｀　　、
:| .|:∧　＼{~ ‐}:l:!　 >‐ミ {_|＿　{ﾉ^ヽ　　 　 、__　　　　　　　　　「……多分」
ゝ/　∧　　　　 |ﾊ./三三∨￣ ｀ヽ. ハ　　 　〉:::::Y
_/　/ ∧　　　 /　}!ゞ三三≧--=ﾆﾆﾆ{ト-::イ:::::::::!　　　　　　　　そか、ならええわ。
.　　 /　 ＼.　/　 .!::::::＞:..寸二〉::::>:::::｀ヽ:::::::::::::::|
,-=ミ　　 　.У＿.」::::::::::::::::＞<::::::＼:::Y::::::::;::::::;ノ{　　　　　　　　　「あ、お風呂沸かしておいたお」
　　　｀ヽ　 {　　　.|:::::::-＜::::::::}::::＞::Ⅵ:::::::::::Y:::::::l、
　　　　　　 l! 　　 !::::::{:::::::::::::└::―:-Y::o::::::::}::::::::|::＼　　　　　　　おお、それは嬉しいなぁ。おおきに。
　　　　　　 l!　　 ム::∧::::::::::::::::::::::::::::｀::、::::::|:::_:::_::_:::::
　　　　　　 l!　イ::::::::::::::＼::_:_::::::::::::::,::-::‐'::´:::::::::::::::ト、

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河川敷で元ノーマル乗りだったという男と魚釣りに興じ、
日が暮れてきたからと家に帰ってテレビを見ていると、端末が震えた。
もう少しで帰れるという、はやてからの連絡だった。

彼女の名前が画面に出た時、安堵を覚えるのはなぜだろう。
ただ、少しずつ、自分の中の当たり前が書き換わりつつあるように感じていた。
おかしな状況には変わりないが、それが普通になってきている。
この短い時間の中で、このジオラマのような世界で、はやてと暮らしている。
それが普通であり、自分にとってその象徴たるものがはやてなのかもしれない。

車の音が聞こえる度に、はやてだろうか、とそわそわしていると、
ついに鍵が回される音がした。椅子からすっくと立ちあがり、玄関まで出迎えに行く。

仕事帰りの彼女は特別くたびれた様子もなく、けれど目つきや語気の端々から
若干の疲労を滲ませていた。出迎えに来た自分を見ると目を細め、
声を弾ませる。

夕飯の用意は荷が勝ちすぎるので、せめて風呂だけでも、と用意しておいたのだが、
はやてはそれを聞くと極々小さくではあるが歓声を上げてくれた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3249： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/26(月) 20:11:30 ID:eewyaVm60

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼　　　　　　夏祭り……ううむ、やる夫が誘ったところで、はやてさん困らないかな。
|　 　u. 　 （__人__）　 　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　いや、はやてさんだったら、本当に困るならちゃんと断ってくれそうだお。
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　　言うだけ言ってみるかお。
　　＼ ／＿＿＿ ／

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はやてが先に風呂へ入っている間に、どう誘ったものか、
そもそも誘っていいものかとリビングの椅子の上で悶々と考えていた。

夏祭りというものに興味がある、というのも本音だ。
ただ、自分一人で行こう、という気持ちがなぜか湧かなかった。
はやてを誘って、はやてと一緒に行く、断られたら行かない、という大前提が、
いつの間にか自分の中で作られており、それに違和感も感じなかった。

テレビの古めかしい四角の画面に歌劇の舞台が映っている。
といっても、ミュージカルはミュージカルでもコメディらしいが。
観客たちの沸く声が聞こえてくるが、考えに夢中で内容が入ってこなかった。
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3250： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/26(月) 20:18:39 ID:eewyaVm60

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色々と悩んだり考えたり、落ち込んだりもした。
けれど、はやてと一緒に居ると、不思議と張り詰めた表情が綻ぶのが
自分でもわかった。

彼女が笑っていたり喜んでいたりすると、胸の内で堅く結ばれたものが解かれ
暖かい気持ちになれた。自分がどんな人間か、ここに来るまでに何をしてきたのか、
忘れてしまったわけではない。そうではないのに、暖かいものがこみ上げてくる。

罪悪感や後悔なんてものではない。怖かった。
自分の行いが、自分の行く末が怖くて仕方なかった。果てのない恐怖だった。
元に戻すこともできず、償いなんてできるはずもないことを抱えて、
不安と恐怖でどうにかなりそうだったのに。

ここではやてとこうしていると、それらは優しい平穏という仕切りの向こうへと
追いやられ、目の前に広がるのは、彼女との日々だけとなる。
そしてそれを享受し、何も知らない子供のように眠る。
素敵な夢でも見ているかのように。

そして、こうも思うのだ。これが夢なら覚めてほしくない、と。
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3251： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/26(月) 20:23:17 ID:eewyaVm60

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　　　　　　　　i　/ヽﾐ/　　 .∨//////　i　|
　　　　　　　　i/　　|　　　　 ヽ､＿_ノ 　 ヽ|
　　　　　　　 .〈　　 |　　　　　　ゝ＿,,へ　ﾉ

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風呂上がりのはやてと一緒に夕飯の用意をし、テレビを見ながらいただいた。
今日は中華風で、あまり辛くない麻婆豆腐と餃子、ワカメのスープだった。
二人とも辛いものや苦いものは不得手だということで、
当然の如く辛みがかなり抑えられた麻婆豆腐と相成った。

主な行程ははやてが担当しているが、食器を出したりといった簡単なことは
自分も手伝うというのが、二人の食事の用意となっていた。
最初こそいたく感激されたが、段々と喜ばれ方も穏やかになっていき、
今日にいたっては「ん」と優しく目を細めるだけに留まるようになったが、
それはそれで感慨深いものがある。

自分が誰かにとっての日常の一部になっているのだ、というのは、
存外に嬉しいものだ。
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3252： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/26(月) 20:26:17 ID:eewyaVm60

　　　　　＿＿＿
　　　／　　 ヽ､_ ＼
　 ／（● ） （● ）　＼　　　　　　　　あの、はやてさん。
／:::⌒（__人__）⌒:::::　＼
| 　ｌ^l^lｎー'´　　　　　　 |　　　　　　　「んー？」
＼ヽ 　 L　　　　　　　 ／
　　 ゝ 　ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　えっと、その……
　／ 　 /

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洗い物を済ませて食器を片し、冷蔵庫の中を物色するはやてへと向き直る。
「たまには別のにしよかなぁ」とぼやきながら、いつもと変わらぬ銘柄の
缶ビールを鷲掴みにしていた。確か、あれはオルデンブルクグループの
ドイツ系飲料メーカーが手がけているビールだったはずだ。

食糧分野においては、IGIOグループがトップシェアを誇り、
次点でオルデンブルクグループ、その次にアヴィアコルグループ、
最後にSIグループとなっている。オルデンブルクグループのそのメーカーは
結構人気らしいが、飲めない自分からすればよく分からなかった。

小気味いい開封音を鳴らしながら鼻歌を歌うはやてに呼びかけ、
夏祭りについて聞いてみた。最初から誘ったりできなかったのは、
ひとえに勇気の不足だ。
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3253： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/26(月) 20:26:40 ID:eewyaVm60

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　-‐…‐-
　　　　　　　　　　　　　　　　　 _.､-''" .: .: .: .: .: .: .: .: .｀丶、
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／⌒: .:／.: .: .: .: .: .: .: .: .: .:＼.:＼
　　　　　　　　　　　　　 ／／⌒ヽ(.: .: .:.:＼.: .: .: .: .:.＼.: .:＼.:＼
　　 　 　 　 　 　 　 　 /.:/.: .: : /∨＼.: .: .:.:＼ .: .: :＼.:＼.: .:＼:.ヽ
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　　　　　　　　 　 　 /.: .:.|.:.: .: .:| :|　　 |.:.:.|.:.:.／￣￣＼ :| .: 〈∨〉 : :.
.　　　　　　　 　 　 / .: | :|: : .: :／|⌒　|.:.:.| : : |　 |.:.: .: .:/|/〉〈∧〉.:.:.:|
　　　　　　　　 　 /.:|.: :| :|.:.:.: .:.:|八　　| .:j||.: .:|　_|__|_.:/ ///:|.:.|: .: .: |
　　　　　 　 　 　.:. .:|.: :| :|.:.:.: .:.:| xfて㍉.:ﾘ|.: .:|'⌒て（~"Y/.:.:|.:.|: .: .: |
　　　　　　　 ／.: .: :|.: :|八 : .: 八 　_):刈　|.:.八 　 _):狄ﾘ| .: 八| .: .: :|
　 　 　 　 ／⌒7.: : |.: :|.: .:＼.: .:.:ヽ乂少　j/　　　∨'少'.: .:/,ノ.: .: .: :|
　　　　　　　 　 |: .:八.: .: .:＼:＼.:〈⌒, ,　　､　　　　, ,　厶ｲ.: .: .: .: .: :|　　　　　　　私もここに住み始めたんが十七から……
　　　　　　　 　 | /　 ＼(＼: ＼:::込　　　　 _　　 　 　 ｲ.:.:.: .: .: .: /.: |
　　　　　　　 　 |:　　　　＼⌒＼ .: 个　 　 　　　　／/.: .:/.: .: .: /.: : |　　　　　　　　ちうても、たまにしか帰らへんかったから、
　　　　　　　　　　　　／.: .:./r＜＼.: .: .＼:＞-＜　 /￣/ .: /.:./､.: .:.|
　　　　　　　 　 　 ／:r＜＿_||"^＼＼.: .: .＼＿__／∧/／/.:./／＼:|　　　　　　　　　行く機会もたまにしかあらへんかったんやけどな。
　 　 　 　 　 　 ／ : ／⌒＼八　　 ＼＼.: .:| ＼_／〈∧＼.:.://　／￣￣|
　　　　　　　 ⌒7 :〈 　　 　 ∨￣￣￣￣|.: |〉 /⌒＼　|:::::V/.／ 　 　　∧　　　　　　　せやけど、何度か行ったことあるで。
　　　　　　　 　 {.: 八 　　　/ ／　　　　.八∧∧:i:i:i:ｉ:|＼:::::: 〈　　　　　/⌒＼
　　　　　　　　 ／　　　　ｒ＜　　　　　 /:::::::::〈　＼:ｉ:ｉ|　 |＼::::〉　 　 　 ＼＼ |　　　　　　楽しいで？　出店のご飯も美味しいし、
　　　　　　　 /　　　　 ／＿＿＿＿／::::::::::/ :＼ |⌒ヽ |::::::＼~"''〜､、　＼＼
.　　　　　　 /　　_.､-''":::::::::::::＼::::/＿＿__/::::::::::::|:|:i:i:ｉ:ｉ|::::::::::::￣|:::::＼:＼　＼＼　　　　　色々遊べるし。
　　　　　　_.､-''"　/:::::::::::::::::::::::::V:::::::::::／::::＼::::::＼:i:i:i:|:::::::::::::::::厂〕:::::Y: ＼__|.　＼
　　　　 ／　　　 ./:::::::::::::::::::::::::::::}:/: ／:::::::::::::::::::::::::::〈⌒〕:::::::::::/￣:::::::::}::::::|　＼　　＼
　 　 ／　 　 　 ノ:::::::::::::::::::::::::::::::/::::::｀`〜､、　:::::::::::::::＼|:::::::::/::::::::::::::::八::: ＼　＼　　＼
　　/　　　　　　〉''"ﾟ~~"''〜､、:::〈::::::::::::::::::::::::｀`〜､、:::::::::ヽ／::::::::::::::: /::::::---:L　　￣＼ ＼
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「行きたいん？」

はやては何かを察したかのように、穏やかな声音で聞いてきた。
頷いて返し、明日の夕方から始まるらしいと伝えると、
彼女は端末の画面に指を滑らせはじめた。予定を確認しているのだろうか。

ここで「ええやん、行っておいで」と言われたらどうしようかと思ったが、
その心配は杞憂に終わった。彼女も行きたかったのだろうか？
それとも、単に面倒見の良さの発露なのだろうか。少し、気になる。
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3254： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/26(月) 20:44:52 ID:eewyaVm60

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　　　　　　　　　　 ／　　 ⌒　　 ⌒＼　　　　　　　「――ここで速報をお知らせします」
　　　　　　　 　 ／　　　（ ●）　（ ●）ヽ
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　　　　　　　 　 ＼　　　　　｀ ⌒´ 　 ／
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　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:{　)いﾊ　从:.:.:.:.|　)いﾊ Y:.:.: ﾉ:.:.:.:.: |　　　　　　　ん、どないしたん？
　　|:.:|:.:.:|:.:|ﾍ:.人:.:.:　乂;;ツ　　 ＼:.| 乂;;ツ 从:.Λ:.:. /:.|
　　|八:.:.|:人:|:.＼＼ト''　　　　　　　　'''　　/:.:.:/　}:.:.:.:.:.|
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ただ、こういうのはちゃんと、言葉にして誘ったほうがいいと思い、
気の利いたセリフを考えていると、テレビがニュース番組へと切り替わった。
アーカイブからの過去の番組の配信ではなく、リアルタイムでのニュースだ。

といっても、何か凄い情報が流れるということはあまりない。
世界情勢の解説、ブライドルの様子、自社の主張、それくらいだ。
要は、気にしてもどうしようもないことばかりということである。
それに不満を覚えるような層は、そもそもテレビなど見られていないだろう。

その映像の中に、速報としてコーカソイド系の男性アナウンサーと、
下にテロップが流れていた。コロニー・アマツ周辺でネクスト機による
戦闘が発生した、とのことだった。コジマ汚染の影響や被害の有無などを
淡々と説明している。
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3255： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/26(月) 20:52:44 ID:eewyaVm60

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説明が終わると、ドローンによって撮影されたというVTR再生が始まった。
その映像を見た時、目を見張った。見覚えのある機体が二機、
空中戦を繰り広げている様を遠目に撮影している光景だった。

片方はカズキのリベリオンだ、間違いない。漆黒のオルデンブルクフレーム、
スタビライザーの位置、大型ブレードといえば彼の機体だ。

そしてもう片方は、自分の最後の僚機でもあった、カタストロフィだった。
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3256： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/26(月) 21:00:20 ID:eewyaVm60

　　　　　　＿＿＿
　　　　 ／::::::::::::::: ＼
　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::＼　　　　　なんでも、ありませんお。
　 ／:::::::::::::::::::::::::::::: 　　＼
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　 ＼ 　　 （__人__）　.　　／

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アナウンサーによれば、リベリオンがオルデンブルク輸送艦隊の
護衛任務に就いていたらしく、それをカタストロフィが襲撃した、とのことだった。

結果、リベリオンがカタストロフィを中破しつつも撃退。
カタストロフィは撤退し、リベリオンもアマツ周辺領域を脱出。
つまるところ、二人とも生き残ったらしい。

それを聞き、夏祭りだなんだと浮かれていた気持ちが途端に沈んでいった。
話題を切り、席を立つ。
途中で口を噤んで一緒に観ていたはやては困惑した様子でこちらを見つめるが、
取り繕う余裕もなかった。

少なくとも、目を逸らし続けていた現実を垣間見て尚、
彼女を夏祭りに誘えるほど、自分は居直れていなかったのだ。
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3257： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/26(月) 21:00:40 ID:eewyaVm60
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3258： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/26(月) 21:07:34 ID:eewyaVm60


　　　　　　　　　　　　　 -‐━━=ミ
　　　　　　　　　 /⌒:^.: : : : : : : : : ::＞
　　　　　　　_.-=ミ: : : : ＼: : : : : : : : :V: `.
　　 　 　 .ｨ: : : : 7:〉 :∧: : :V: : : : : : :〈/: /〉:.
　　　　 /: : : : : :|/ | : :|:V: : :i : :| : : : : V〉: : ﾊ
.　　　 /: : : : : : :|i　!::斗-V: :|ー|‐|:-|: ::|:|i: : : |i
　　　 ′l: : |i :|i |i_,.ｨﾃﾃﾐ : : |N|ｨテﾐN: |:|i: : : |i
　　　{　｜:::|i :|i |i　 r勿,　|:N　 r勿ﾉ !::|:|5!: : : .
.　 　 　 从::|i: |i |i:　^¨¨　　i　　　 　 」::|:|,ﾉ: ;小:.　　　　　　　　……大丈夫なん、ちうのもおかしな話やな。大丈夫ちゃうか。
.　　　　　　〕: :|i |N」　　　 ,　　、　　.: /|:| : /: : :|i
　　　　　　　　|i ||:|:i＞　　　　 　 .ｨ :/::」:/〈: : : 八　　　　　　　　これからは、ニュースは映さんようにしよか。
　　　　　　　　|i ||:|:|///〕ﾆ=-　　 | l: : :/　 V⌒V:＼
　　　　　　　　|i7⌒V|　V寸ﾆﾆ才　!: /　　　＼_,V⌒ :、　　　　　
. 　 　 　 _　--厶ヘ V　 V /⌒丶　| {　 　 -=ﾐ,V{　　,ハ
　　　　 〈,　　 / 　 　 V　V^V__/^V　|/　/　 　 ＼　/
　　　　/∧　/　　　　 }.　 }i /　Vi{　 」　/　 ______　/　　 __
.　　　 {　　V　 　 　 ,リ,　　}i　　 i{　 }i,　 ／　 　 |ー━=ﾐ」
　 　 r」　　⌒ー‐―(￣￣〉ﾑ　 /| 　i|／　　　　｜　 　 _.」Ｌ
　 　 |⌒ー}　　　　 /　 　 ＼ V　　 /　　＼　 　_|　　ー=ミ__ )
　 　 |　　 ﾉ　　　 ,/　　 　 　 ＼　./　　 f/―‐┐＿__　　　}　＼
　　 ∧__(___　　_/　　　　　　　　＼　　 /　￣￣〉　乙...
　　　　/　　　/八　　　　　　　_ji斗〜'へ　￣￣| 　 」(
　/　 /　　　/￣,.. ．-‐　'''""~ 　 　 　 　 .V　 rﾉ.　　　＼

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風呂から上がり、居間へと戻ると、はやてはさっきのままの状態で座っていた。
ビールに口を付けた様子もなく、素面だった。
冷え切っていたであろう缶ビールは結露すらなくなり、温くなっていそうだ。

椅子を引いてこちらへと体の向きを変えると、はやては手を膝に置き、
眉尻を下げて気遣いの言葉を口にした。

思わず頭を振り、そのままうつむく。
違うのだ。気を遣わせたかったわけではないのだ。
ただ、あの場で、気にしないということができず、どうすればいいかもわからず、
逃げるように去っただけで。
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3259： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/26(月) 21:12:34 ID:eewyaVm60

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: : : : :, i: : !: : : : : :i　　　＿ ,:i､: : : :!,: : :',: : !,: : ',ｲイ.ﾉ:/ﾘ
: : :!: :i: ! : i: : : : :', ',　´　　　ﾘ ヽ: : :!',: : i:.!: !',: : :!,イ: i　i!
: : :! : i: ',: :i: !: : : :ヾ､　　　 -―-'､: ! ': : !ﾘリ !: : !.!: : i
: : :!: : !: !,: !:!ヽ: : : !,,ィ示千キ''ヾ ヾ　',: !=＝''!:/! i: :,'i!　　　　　　　　　　今は無理かもしれへん。
: : :!: : ! i ヽ',). ', : : ',`＜Z汐　　　　　i i/　　　!'ヾ',!/ i!
: : :',: : ', ヽ､`- ヽ: : ', 　 　 　 　 　 　 ヽ　　　.,: : :ヽ、　　　　　　　　　　　けど、いつかは気にせんでようなるかもしれへん。
:.i!: :',: : ',: : : ヽ_ノ､ヾ'､　　　 　 　 　 　　　　,.ｲ: : : ',､ヽ
:.!i: : ',: : '､: : : :! ヽ:`　､ 　 　 　 -=＝'　 , イ!,､ヽ., -- ､',　　　　　　　　　　忘れるのは、無理やと思うけど。
:i !', : '､: : ヽ: : ヽ　'､: ヽ',＞　　 ＿_　.イ : !i:!ゝイﾆ￣　.'､
:i i:.'､: : 〉､ : ',､: : ＼ ',: :',ヾ　/､｀ー-, ￣￣r‐'‐'　　　　　',　　　　　　　　　だから、これからは静かに……
',',',: i'､/,　ヾ: ', ｀ヾ､ヽ!:i:i`ヾ''!_ヽ　 i!i　　　 ヽﾉ丶 　 　 　 ',
ヾヾ./ ヾ、　ヾ､　　 `i:iﾘ　 /;;;;;;ヽ. ゞ==---、 　 ヽ. 　　　 ',ヽ､__　　　　　　「やる夫は」
　　/　　 ヾ､　　 　 　 ﾘ,i! /;;;;;;;;;;;;;ヽ 、　　　ヾ、.　 ゝ､　　ノｲ／::!
＿/　　　/ ヾ、　　　// !i､`ー--〈;;;`ヽ､ー――--}`ー―‐''"::::::::}
. /　　　/　 　 ヾ,､. //　i !:::｀ヽ､　ヽ;;;;;;;;;;;ヽ::::::ヽ:::::＼::::::::::::::::::::::::i!
/　　　/　　　　　ヽ_/　, i !､:::::::::::＞ヽ;;;/::￣ヽ/..､::::::::＼::::::::::::::::::ﾉ､
イ ￣ ｀ヽ、　　　,ィ , イ　　!'､:::::::::::::,::-､＞､:::::ヽ::::｀i::::::::::ヽ--ー"ｲi
　　　　　　｀ヽ　 i !　　　　 i:',:ゝ''":::::::::::::',:::::::｀ヽヽ:::i:::::::::::::::',:￣:::イ!
　　　　　　　　　 i !　　　　 !::'､:::::::::::::::::::::ゝ-----ゝ'::::::::::::::::i::::::::::::::ヽ、
　　　　　　　　　i i !　 　 ／:::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',ﾟ:::::::::::::i!:::::::::::::::::::ヽ
ヽ　　　　　　　　i .',',. , ｲ::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::',:::::::,､:ﾉ＿＿__::::::::
　 ヽ､__　　　　　i　.!i' !　!:::::::::::::::::::ヽ__::::::::::::::::::::::::, --'."::i::i:::::::::::::::::::',ヽ、
｀ヽ、　　　　　　i/ /. ,'. ,'::::::::::::::::::::::::::::i--'￣:::￣::::::i !:::::::i::!::::::::::::::::::::!





　　　　 　 　＿＿__
　 　 　 　／　　　　＼
.　　 　／　 　 　 　 　 ＼
.　　／　　　 ―　　 ー　 ＼　　　　　　……やる夫には、そんな価値、ないですお。
　　|　　　　（●） 　（●） 　|
.　　＼　　　　（__人__）　 ／　　　　　　　リンクスでなくなったやる夫には。
.　　　ノ　　　　｀ ⌒´ 　 ＼
　／´　 　　　　　　　　　 　ヽ

3260： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/26(月) 21:15:32 ID:eewyaVm60

..　　　　　＿＿＿_
　　　　／　―　　-＼
..　　／　 （●） 　（●）　　　　　　　やる夫は……リンクスになれるって聞かされた時、嬉しかったんです。
　／　　　　 （__人__）　＼
　|　　　　 　　｀ ⌒´　　　|　　　　　　これで自分でも、って。
.　＼　　　　　 　　　　 ／
.　　ノ　　　　　　　　　＼　　　　　　　
／´　 　　　　　　　　　　ヽ





　　 ／￣￣￣＼
　／　　　　　　　 ＼
/　　　 ─　　　─　ヽ　　　　　……昔、友達がいたんです。友達と、よく、話してたんです。
|　　　 （●） 　（●）　|
＼　　∩（__人/777／　　　　　　『俺たちは、ただの路上暮らしじゃ終わらない』って。
／　　（丶＿//// ＼

3261： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/26(月) 21:32:11 ID:eewyaVm60

　 i .: .: .: .: ｉ.: .: .|.:i.: .: ! Ⅵ.:V.: .:V i:/i＼}.: .: .: .: .: .: .: .: .: }
　 |...: .: .: .: .: .: .:斗:-┼.ﾊ : }'，.: ∨＼i:ｉ}-､.: .: .: .: .: .: .: .:i
　 | .: .: .: : .:'，.: {八.:_.{/　Ⅵ Ⅵ.: }: .: .: |/ }.: .: .: .: .: .: .: .:
　 | .: .: .: ｉ.: .:Ⅵ:i爪r'ﾊ¨¨}} '， Ⅵ:|: .: .: |i　, .: .: .: i.: .: .: .::　　　　　……。
　 | .: .: .: l .: .: Ⅵ　 vﾘ　ﾉ'　}　 Ⅵ|: .: .: |//.: .: .: .:| .: .: .: :
　 |.:ｉ.: .: .:{ .: .:..八 　 　 　 　 　 Ⅵ: .: .: |/.: .: .: .: .ｉ .: .: .: :
　 |:.|八.: ﾊ.: .〈　　　　 　 　 　 　 |: .: .: |､ .: .i : .: .: .: .: .: i
　 |:.{⌒Ⅵ∧ .: ､ 　 　 　 　 　 　 |: .: .: | }.: .:|: .:..i.: .: .: .: {





　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　／ 　 （●） 　（●）　 ＼　　　　　　あの時……。
　　　|　 　 　 （__人__）　 　　 |
　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／
　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ
　　 / 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |
　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|





;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;;:;:;;:;:;:;;:;:;;:;::;::::;:;::;::;::;:;:;::::::::::::::::::::::::::::::::::.::.:.::......:.. 　.....:.:.
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;;:;:;;:;;:;:;:;:;;:;::;:::;::;:;:;::;:;::;:::::::::::::::::::.::.::.:.:.::.:.:.:..... 　.. ...:.:......::.:.:.:.:.:
:::.:::.:.:.::.:.::.::.:.::.:.:.:.::.:::.:.:.::.::.::.:.:.::.:.::.:.:.:.::.::.::.::.::.::.:.::.::.::.:.::.::.::.:.::.:.::.:.:.::.:.::.:.:
..:..:.:..:...:.:.:..:..:.:.:..:.:..:.:.:.:..:..:.::..:.:..:.:.:.:.:..:.:..:..:.:.:..:..:..:.:.:..:.:.:..:.:.:.:..:.:.:..:.:.:.:.:.:.:..:
　　..:.:.. ..　. ...:.:.:..:... ..:.:.:... . .　　..　 .:.:.:.:....　　　....:.:.:.. ..:.::..:...　　....:..
...　　...　　　　　...:.:.　　　　　　　　　　　　　.　　　　...　　　....:.:.:.:.::..
　　 　 　 　 　 　 　 О ﾟ　 ｡ ノ　　、｡　ﾟ 　О
　　　　　　　　　　　　　∩/｡◎ ◎｡ヽ∩
　　　　　 　 　 　 　 　 弋ゝ （_人_） ノノ　　
　　　　　　　　　　　 　 　 |　　 　 　 |
　　　　　　　　　　　 　 　 |　　 　 　 |

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
両親が死に、住んでいた家を追い出された後。
訳も分からず路傍で泣き続け、兵士から情けで貰った硬貨も
通りすがりの悪臭を放つごろつきの中年男性に奪われ、
途方に暮れて家の近くでうろついていた。

宛もなく歩き続け、歩き疲れて、どことも知れない家屋の冷たい壁に背を預け、
アスファルトの上に座り込んでいた。

両親を呼ぶこともやめ、喉が渇いた、腹が減ったといった言葉しか思いつかず、
掠れた声で、「水」とぽつぽつ呟くのが精いっぱいになるまで弱り果てていた。

多分、あのままだったら、自分は野垂れ死にしていただろう。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3262： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/26(月) 21:33:51 ID:eewyaVm60

　 　 　 　 　 ,..-'": : : : : : : : : : : :.,..- ..,,: : : :',: : : :.: :ヽ,,,,,,,,,,,
　　　　　._..-￣~/i: : : : : : : : : .,'´　　　 ｀'-.: : ::／: : : : :,／
　　._..-'"　　　/ │ ／''''>: :,il'''′　　　　　ﾞ'ｯ＿"": : : ｀ﾞ,ﾞﾆ＝‐
.-'"　　　　　./ ／ /　 ./ :./　｀''ｰ ..,,,,,,,,、　　 　 ヽ.: : ／
　　　　　　 ,l!-ｯ　: !、 .! ,i′ .‐'''ﾆヽ　　　　',　　 / : : :!
　 .　　　　 ｌ　,'-''li..-ﾍ,,,¨　　 'ｰﾞ‐'　　　　-､＼ ｌ: ｨ-ィ-ゝ
　│　　　/　　　| 　 /',　　　　　　　　　 |ﾌ..〉 ./￣゛　',
　　!　　 .lﾞ　　　.l、 i′ヽ　　　　　　　!　 ´ .,/゛　　　　!
　　.!　　lﾞ　　　 lﾞヽ.ﾞ　　 ｌ　 , - ､　 ‐　 ,.イ　　　　　　ﾞl
　　.|　　!　　　│　｀ﾞ'―‐',　´ﾞゝ" _..-'"　l　　　 　　　│　　　　　　……。
　　 l　｜　　　.!　　　　 　 ＼,_,／/　　　l　　 ／ 　　 /
　 ./ 　 !　　　 |　　　　　　　　　/ 　　　ｌ .／　　　 ／
. / 　　.l　　　│　　　　　　　_,./ 　　　,l＿__,,,,,,,,,,　 ＼
゛　　　 !　　　 !　　　　 _..-'" / 　　　./　　　　　　　 lﾞ
　　　　.!　　　,!　 ._ ／ 　　./ 　　 .／│　　　　　　　!
　　　　.|　　　!　 ﾞ !　　　 ./　　 ／　　.ｌ　　　　　　　│
　　　　│　　!　　/ 　　./　 ／　　　　 |　　　　　　　│
　　　　 .|　　|　　 〈　 ./ ／　　　　　　 ! 　 　 　 　 　 ｌ
　　　　　l　 /　　　 ヽ,'./ 　　　　　　　 .!　　　　　　　　ｌ
　　　　　|　/　　 ._..-ﾚﾞ　　　　　　　　　|　ｰ ,,,　　 .ヽ　 !
　　　　　| .,'￣￣　　 ｀´ﾞ'､　　　　　　　 ヽ　　 ~｀-￣　 ヽ
　　　　　|.,'　.!　　　　　 　 ﾞ―――――ｰゝ　..,,,_　 ｀''‐　ヽ
　　　　　lﾞ　 .ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ﾞ''ｰ､,　 ヽ
　　　　/ 　　　.!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀'‐､.ヽ
　　　/ 　　　 / 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞ''.ｌ､
　　/ 　　　 / 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞﾍ,





　　　　 　 　 　 　 　 l!i! 　.,　、 、i .i! !!
　　　　 　 　 　 　 　 l! 　〇 〇） ヽil |l
　　　　 　 　 　 　 　 l!　（人__）　ノ.i!.|l　　　　　　……。
　　　 　 　 　 　 　 　l!　(ξ）＿,ノ| i!.|l
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 | |　.|__ノ
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 LLノ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
そこに、彼が通りすがった。
自分よりそこそこ年上の、けれど少年の域を出ない男。
ごろつきにしては上等な恰好をした彼を、なんともなしに目で追っていると、
彼はふと立ち止まって、こちらを見た。

それから幾らか見つめ合った後、彼は黙ってジャケットの内側を探り、
何度も使いまわした形跡のあるペットボトルを差し出してきた。
中には澄んだ水が入っており、それを見た途端、思考が吹っ飛んだ。

彼の手からボトルを奪い取り、中身を夢中で喉へと流し込んだ。
落ち着きを取り戻し、少ししてから、立ち尽くしていた彼がぽつりと呟いた。

「どうしてこんなことしてんだろうなぁ、俺」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3263： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/26(月) 21:38:38 ID:eewyaVm60

　　　　　　　 ＿＿ ノヽv
　　　 　 　 　 ｀＞､　 　 ｀Yト､
　　　　　 　 ／　　､ヽ )） ﾉ 　ﾙ′
　　　　　　ｲ　　＞r─-､ﾉノｨ了
　　　　　　ﾑｨﾋｭ}ﾊゝ＿ ｀ｰ彡′
　　 　 　 　 久4iり　ｧ‐ ｀ rｲ
　　　　　／〈　ヽ 　 ｀´　 fｿ　r‐､
　　　　 ﾉ｀ｰ､ヽ　＼　 ‐r┘r<_ﾊ勹､
　　　 /　　　 ＼＼ 〉‐<ト､ ｀ｰﾋﾆｿﾄ、　　　　　　　　「それもそうですお。八歳の子供があんなスラムに一人で放り出されて、
　　　/　　　　　 ＼＼　＼〉　 l|　　l |
　　 〈 　 　 　 　 　 ＼＼　＼ﾉト-┘|　　　　　　　　　十年近くも生き残れる訳がありませんお。
　　　l.ｌ　　　　　　　　 ＼＼　Y　　　|
　　　||　 　 　 ｌ/ 　 　 　 ＼ヽﾄ､＿ ﾉ　　　　　　　　　　……一人でなら」
　　　ll　　 　 .ｲ!　　　　　　 ヽﾊ{
　　　|　　　〃l!ﾄ､　　　　　　　ヽ＼
　　　|　　　　 》　`┬<＿＿　　　ヽﾄ､
　　　l　　　／ 7´￣｀ヽ　 　 ｀ヽ 　 N
　　　l　　 　 ノ　 　 　 人 　 　 　 　 ﾄ､
　　　ヽ､＿＿＿＿＿__ 人　　　　　 |∧
　　　　　　　//　T　　　フﾊ 　 　 　 l　il
　　　 　 　 〃 　 l 　 　 　 ハ　　　 /　l|
　　　　 　 〈　 　 l　 /　 　 　 ヽ､_ノ个〈|
　　　 　 　 ヽ　　|Y/　　　　　　　 / l
　　　　　　　 ＼ﾊiﾉ　 　 　 　 　 / /
　　　　　　　　 　 {　　　　 　 　 / ,'
　　　　　　　　 　 |　　　　　 　 ,'　l
　　　　　　　　 　 | 　 　 　 　 /　 |
　　　　　　　　 　 |　　　　　 / 　 ,'

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
彼はただ、クニヒコ、と名乗った。
年齢は当時十五歳だと言っていたはずだ。

路上暮らしは当然自分より先輩で、十三の頃からだと言っていた。
ただ、その割には体つきもしっかりしており、ぼろぼろではあるものの
しっかりとしたジャケットとパンツを着こんでいた。

そんな彼に自分はついていき、特に何か決まり事も作ったりもせず、
一緒に配給の列に並び、時として彼の稼ぎ、まあ、スリだったのだが。
それにも付き合うようになっていった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3264： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/26(月) 21:49:10 ID:eewyaVm60

　　　　 ＜:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::} /
　　　　／::::::::::::::::::::::::＞ '´￣｀ヽ、::::::::::::::::::::ﾚ ィ´
　　　 _)::::::::::::::::::::::::::::ゝ　 ￣｀ヾ、＼::::::::::::::::::::/
　　　 ｀Y:::::::::, -､::::::/　 　 fｻ｀ヾ ＼ ｀ー┐::::/
　　　　ﾉ:::::::/⌒ }:::::l　　　　￣｀　　　　r=ﾍ::::ﾊ
　　　/:::::::::::'､ { ﾊ::::{　　　 　 　 　 　 fｱ｀}ﾉて
　　　⌒Y::::::::}o_　Ⅵ　　　 　 　 　 　 ｀Yｲ
　　　 ／)人/　 } 　 　 　 ;:　「二｀ヽ、イ/　　　　　　　　　おお、六本も……！　背が小さいからやりやすいのかね？
　　　　　　/　　 ＼　　 　 　 ｀ｰ､)_ﾝ　ﾉ′
　　 　 rｰ┴- ､　 　　　　　　 ー　 ／　　　　　　　　　　　とにかくでかしたぜ、やる夫！　今日はベンダーの中身を空に……
, -─‐' --　、　＼　 ＼　　 　 　 /
　　　　　　 　 丶、＼　 ｀丶＿／　　　　　　　　　　　　　　って、財布の中身が空だな……こいつは入ってるか。
　　　　　　　　　　＼ ＼ イ＼
　　　　　　　　　　　{ト､ ＼＼.＼　　　　　　　　　　　　　　
　,　　　　´￣￣￣￣￣ }　「｀ヽ ＼
　　　　　　 　 　 　 　 　 ﾄ､ ＼ ﾄ､　ト 、
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼」|　', ＼ ｀ｰ- 、
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀ヽ ﾍ　 '.　　　＼　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ 　 ､　　　 }　　　　　　　 　 _,. 　 ´





　　　　　　 　 　 　 　 　 　 -　－、
　　　　　　　　　　　 　 　 ● ●） ヽ　　　　　　ベンダーって、壊せないのかお？
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 （人__）　ノ
　　　　　　　　　　　　　　/　 　 　 ヽ　　　　　　「防弾素材に耐衝撃コーティング……とにかく滅茶苦茶かてえんだ、無理」
.　　　　　　　 　 　 　 　 （|　　 　 し'
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 .し 　　 Ｊ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
クニヒコは両親がオルデンブルクアジア支部の社員だったものの、汚職が発覚。
かなりの金額が横領されていたらしく、二人とも財産没収の末に
コロニーから追放され、ついでに息子のクニヒコも上級市民IDを剥奪された、
と語っていた。つまり、元は自分よりも良い生活をしていたのだ。

オルデンブルクのコロニー管理が杜撰なため、トウキョウの居住区には
修理もなされていない廃墟が数多く存在しており、それを転々としながら
スリで得た金と配給食で日々を凌いでいた。

いつしかスリは自分がやった方が効率も良いしリスクも少ないということで、
自分が担当することになった。もしかしたら、彼も彼で自分を利用しようと
していたのかもしれない。実行犯を他人に任せられれば、
もしも捕まったとしても、彼に憲兵の手が伸びることはなかったろうから。

だが、彼は自分が成果を持ち帰る度、いつしか自分の無事も喜ぶようになっていった。
段々リスクを避けようと場所も変えるようになった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
3265： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/26(月) 21:59:53 ID:eewyaVm60

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ィ＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿ .::::´::::::::::::::::て
　　　　　　　　　　　　　　　 　 人ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　､):::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::て
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 {:::::::::::／￣}::::::::::::::::::::::::::::::(
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽr'"／ 　 ヽ:::::::r=-､::::::::::ﾐ__∠
　　　　　　　　　　　　　　　　　 〈､ 　f}｀　　 }:::::}に l}:::::::/／／　　
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀}　 ´　 　 ゝｲ rイ:::::::( >´　　　　　　　　　「こんなにお金集めて、どうするんだお？」
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 く_　__ｨ　　　　 ﾉ ∨(´イ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヾフ′ 　 ／　　}／　＼_　　　　　　　　　へへ、聞いて驚くなよ。
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 l　　 ／　 ,　 ┴ ､ 　／
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　_｀二∧／／￣￣{イ/　　　　　　　　　　……市民IDのクラスを上げるには、
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　　 ´　／/ｲ／　　　　　ﾄ､　/
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／　 　/／　 ／　　 　 　 　 ヽﾊ　　　　　　　　　　企業から目をかけられるか、結構な額を積む必要がある。
　　　　　　　　　　　　　　 l　 　 ／　 ／|　　　　　　　　　 }|
　　　　　　　　　　　　　／ヽ/ /　 ／　ノ　　　　　 　 　 　 |　　　　　　　　　　 けどな、一月だけ……臨時上級IDって仕組みがある。
　　　　　　　　　　,　＜　 ､｜ _r-､_∠　 　　 　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　 ／r＝=- ､ rくヽヽ」┘　　　 　 　 　 　 /　ｲ__　　　　　　　　　　大体十分の一くらいの額で取得できてな。
　　 　 　 　 ／- ｆ　　　　　＞'ｰ`　　　　　　 　 　 7／　/ |
　　　　　　｜　　{　　　 ／　　　　　　　　　 　__ ∠ -一j　!　　　　　　　　　　　　医者に罹りたい奴とかは、大抵そうしてる。
　　　　　　/　 　 ∨　 /　　　　　　　　　　／　　　　　 /　|
　　　　 　 {　　　　∨　　　 　 　 　 　 　 ´　　　　　　 /　｜　　　　　　　　　　　　上級なら医療費も八割企業が持ってくれるからな。
　　　　　　 ヽ､＿＿ヽ、　　　 　 ＞ ´　　　　 　 　 　 }　　|
　　　　　　　　 ／　/　＼＿__／　 　 　 　 　 　 　 ／　　 !
　　 　 　 　 ／　／　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／　　 　 |
　　　　　　/　／　　　　　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　 |
　　 　 　 /　「　　　　　　　　 　 　 　 　 　 r''　 　 　 　 　 |
　 　 　／ 　 }　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /|　　　　　　　　|
　 　／　　 ｲ　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /｜　　　　　　　 |
　／　 　 /｜　　　　　　　　　　　　　　/l　|　　　　　　　　|





　　　　　　　　　　　　　　　　　/　｀ー┘＼|＼_,
　　　　　　　　　　　　､-‐'　´　 ＿＿ト､　　　　 ｀ヽノｌ
　　　　　　　　　　　　 ）　｀ー-'　　　　　＼|!　　 　　 |
　　　　　　　　　　　／　　　　 ＿ __　　　　 i　　　　　!
　　　　　　　　　 ∠　　　　　く　　　　￣｀ヽレ‐‐┐　 ﾚ|
　　　　　　　　　　丿　　　　 /　,r‐-､　　　　　　　|　 　/
　　　　　　　　　∠、　　　　|　´　　__ミｺ j　 r=-‐'l 　　Ｌ
　　　　　　　　　　　ヽ　r-､ |　　 r'´o｀　　　'´o｀　!　 ／　　　　　　　　　　　　　　で、だ。トウキョウのエリアC-6……端っこの方な。
　　　　　　　　　　　　ハ　| .!　　 ｀　 ´　 　l　｀　　ﾄﾚ'　
　　　　　　　　　　　　　ｽ_ヽ|　　　　　　　　,　　　/ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　そこにネクスト整備施設っていうのがあるんだ。
　　　／￣￣￣￣￣ﾌ　〉 ｀l　　　r-､＿＿＿ 　/＿＿　＿
　 ／　　　　　　 　　|!　|　　ゝ､　　｀ ￣￣￣´ /　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　そこには……なんと対コジマ装甲のノーマルもある！
　　　　　　　　　　　 |　 !　　　　ヽ　　　　　 ／　　　　　　　　　 丶
　　　　　　　　　　　 |　 ト､　　　　 ｀ ー,　ｲ　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　親父が昔言ってたんだよ。トウキョウの施設で、
　　　　　　　　　ﾉ｀ハ　 l　｀ー-､＿＿/＿,|　　　　　　　　　　　　 |
　　　　　＿__／　/_ｱヽ |　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　そういうのがあるってな。
　　　　（＿__|　 / /　 r' |　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　 ソ―-､__, -ｖ―､
　　　　　　　|　ﾑ,'　　 L_|　ｒ‐､　　　　　　 |　　　〉　　　　 ｒ-､__／　　　　　|　 ヽ_ノ　　　
　　　　　　　L_　ゝ__　　 レ'　/　　 ｒ‐､　　|　 ／　　　　／　　　　　__　 ,r‐ 〉　　〉
　　　　　　　　 ヽ　|　　　　 /￣｀v' 　 | 　 |　 ＼　　　　ヽ /｀ト-　/ -|　|　 | 　 /
　　　　　　　　　|　　　　､_/　　､　 　 / 　 |　　　＼ 　 　 ﾚ'　|　　| 　 | 　　 Ｌ／
　　　　　　　　　|　　　　　　　　 >‐‐ '　　 |　　　　/ 　 　 ゝ-'⌒ヽ､__人＿/
　　　　　　　　　|　　　　　　　／　　　　　 |　　　/　　 　　　　 　　　　　 |　ヽ

3266： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/26(月) 22:10:55 ID:eewyaVm60

　　　　　　　　　　/＼　　　　　　　　　　イ
　　　 　 　 　 　 /::::::::::::ｰ　--　一　´:::::::l
　　　　　 ﾄ､__／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　 |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:＼
　　　 ヽｰ'　:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:　　　ア
　 　 　 |::::ヽヽ:::::::::::::/::／:::::::::´::::.:.:.:.:.:.:.:　　　　|
　　　　 |::::::::::｀:::::::::〃:::::::／:.:.:´⌒:.:.:.:.:　　　　　ﾍ
　 　 　 l:::::::::/￣ヽ-‐ 一　￣`ｰ-‐､::.:::.:.:.:....　　　ヽ　　　　　　で、俺たちはその臨時IDを金貯めて取得して……
　　　∠:::::::::|　　　　　　　　　　　　　ゝ.:.:‐-:､　　　 ＼
　　　　Ｔ:::::/-‐､　　　　　＿　　　　く::.:ヽ､:　　　　 ／　　　　　　基地に入るんだ。そこで働かせてくれって頭下げるもよし。
　　　　 ＼ｲ ￣｀`　　　ー― ＝=-､　ヽ:.:ヽ:　　　/
　　　　 　 {|　r　fjﾄ　　　　ィ,ｧｰ-､　　　〉:::r=-､　|　　　　　　　　　無理そうなら……そのノーマルをかっぱらって逃げる。
　　　　　　 i　　ｰ-　　　　　 ｰ-‐　　　/:::/ ⌒ l:.:ミ
　　 　 　 　 i　　　 ,　　　　　　　　 　 /::/o ﾉ／/　　　　　　　　　　「無茶じゃないかお？」
　　　　　　　､　 　 ､　　　　　　　　　〃'　-ィ＼|　
　　　　　　　　､　　　　　　 　 　 　 　 /　　|ﾄ　　　　　　　　　　　　　無茶しなきゃあなあ。でねえとこのままだ。
　　　　　　　　 ヽ　`ー-‐-‐'　　　 ／　　　|/
　　　　　　　　 　 ､ 　ｰ　　　　 ／　　　 ／
　　　　　　　　　 　 ､　　 　 ／　　 　 ／
　　　　　　　　　　　　ｰ-＜　　 　 ／
　　　　　　　　　　 　 　　 /ヽ　／

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
臨時IDという制度は、労働者たちの希望だった。
金を溜めてそれを取得すれば、仕事だって相応の機会を得られる。
そうしてコロニーに押し込められ、労働に従事し、ギリギリの賃金で生を繋ぐ
日々を脱し、華やかな上級ID所持者としての生活を望める。

クニヒコもそれを狙っているようだった。
しかも、ただ上級ID所持者になろうと思っているわけではないようで、
彼はよく「稼ぐだけじゃねえ。デカくなるんだ。誰も無視できねえくらいに」と語った。

そのために、彼は武力に目を付けていた。ノーマル乗りになろうとしていたのだ。
実際、コロニーの若者たちにとって、唯一の希望とも呼べるのが、
ノーマル乗りという道だった。専門技術はいらず、ACの基本操作さえ覚えれば
誰でも操縦できるという点から、一番の近道だった。

彼はそこからさらに成り上がっていくのだと、よく自分に語って聞かせた。
当時は自分もAMS適性について大した知識もなく、
まさか自分のような人間にもあるとは思っていなかったため、
上手くいけば自分もノーマル乗りになるのだと思っていた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3267： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/26(月) 22:19:38 ID:eewyaVm60

　　　　　　　／`ｰ〃／　　　 ＜＿
　　　 |!/|l／　　／　　　　　　　　　￣￣二＝─
　　|Vl　ヽ　/ヘ　〃´　彡　　　　　　　　　ゝ
　＼ヽヽ　　　　 ＿　　　　　　　　　　　　　　＼
　ヽ､ﾄ､.__,,.　'"´　　 ｀ゝ　　　　　　　　　　　　　＼
　　＼/　　　　＿__　ミ､　　　　　　　　　　　　　 ＞
　 　 ﾑ ヽｰ''"´-‐-､　　ヽ 　 /￣ ヽ　　　　　 　 ト　　　　　　世の中は結構単純だ。雇い主さえいれば食っていける。
　　 ヽ-､　　　 ､ _fj_〉　　|　 l! l⌒)　l　　　　　　ナ
　　　 | f〉　　　　　　　　 |　/ 〈oノ /　　 　 　 广　　　　　　　最悪敵対企業の施設まで逃げて、そこで雇ってもらうさ。
　　　 ﾚ'　　　　　　　　　 ﾚ′ r-‐' l　　　　r彳
　　　 ヽ　　　　　　　　　　　　|　　　V､__/⌒ヽ　　　　　　　　　もしもかっぱらう場合は、一番性能が良さそうなのにしようぜ！
　　　 　 ､ー一‐'''´　　　　　ノ＿ ／￣￣〉
　　　　　 ヽ￣´　　　　 -／'´　　　　　　 `7
　　　　　　 l　　　　／／　　 　 　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　`ｰ-‐ ／ ／　　　　　　 　 　 　 ＼
　　　　　　　 　 ／　/　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　／/　 /　　　　　　　 　 　 　 　 　 　l
　　　　　　/　/ 　 l　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 l
　 　 　 　 |l /　　｜





　　　 Ｚ　　从　　ｖ　〃:::::::::::::::::::_,,:::::::::::::ミ
　ﾄ､V　　,"　　〃:::::ｖ〃:::::__‐''"~ 　ミ:::::::::::ア
　ﾐ　 ミ/ヽ､　::::-''""::__,,,,,_　"''ﾌ::::::::::::::::::::<
|'- ,,_　 ,,,､　::_,,-‐''""　　　`,::::｀"''''‐-､､:::::::ミ
ヽミ 　/　`"~　　　　　　　 /:::::::::::___　ﾐ ::::::::了　　　　　　俺もおまえもよ、こんな生活するために生まれてきたワケ、ねえんだ。
　　 ミ|''‐-､　､__..,,,-‐"''''‐ "‐ｒ::::「=､ゝ:::::::r''
　　　 ＼‐q､　　　,,u‐-､　　　|::::|⌒ ）:::::/　　　　　　　　　負け組になるために生まれてきたなんてあるわけねえ。
　　　　ミ|`"　　　｀‐- ''　　　 |::ﾉヾ/‐くv"‐-､_
　　　　　 l　ﾉ　　　　　　　　　Ｗ　|　　ﾉ　ヽ　　　　　　　　俺は、俺らは、デカくなるんだ。誰からも踏みつけられないくらいにな。
　　 _,-‐'''ヽ ､,,_　　　　　　　　　／ 　/　　/
　／　　　　＼､,,_____　　　　　 ノ　　/　　/　　　　　　　　　「……うん」
/　　　　　　　ヽ、　　｀　　　／　　/　　/
|　　　　　　　　/｀,　　 __,,イ　　　/　　 /
.|　　　　 　　 / 　｀~iﾞゝ､｀''､　　/　 　 /

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
その理屈は、自分にとっても希望だった。
このまま終わりたくない。その想いは一緒だ。

ただ、それ以上に、クニヒコの役に立ちたかった。
自分を拾ってくれた彼に、生き永らえる術を教えてくれた彼と共に在るために。
それに、自分も良い生活はしてみたかったし、ここで死ぬというのも嫌だった。

クニヒコが成り上がりたいと言わなければそれまでだったろうが、
彼がそう言うのであれば、自分はどこまでもついていこうと思っていた。

最悪の場所で最悪の暮らしの中で、彼の隣だけが、辛うじて笑える場所だったから。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3268： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/26(月) 22:30:02 ID:eewyaVm60

　　　　　　　　／￣￣￣ ＼
　　　　　　　ﾉし ﾞ＼, .,､,／"u＼
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がむしゃらだった。
ゴロツキ同士の縄張り争いで、人をたくさん殴ったり蹴ったりもした。
クニヒコも拳銃こそ持っていたものの撃ちはせず、脅し程度に使っていたので、
結局は殴り合いだった。ただ、それも積極的にはやらなかった。

別に自分は体格に恵まれていたわけでもないし、
クニヒコも特別筋肉質というわけでもなければ格闘技の経験者というわけでもない。

大抵はスリと配給の受け取りを繰り返しながら手ごろな廃墟を転々として、
諍いが起きれば逃げ、勝てそうだったら殴り合った。

そうやって、何度対汚染ドーム越しに夕暮れを眺めただろうか。

恐らく十歳になる頃に、それは起きた。
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3269： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/26(月) 22:36:29 ID:eewyaVm60

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夜明け頃に、別の廃墟を探そうと二人で移動を始めた時だった。
後ろから別の浮浪者に襲われたのだ。

クニヒコがベルトに差していた拳銃を奪われ、銃口を突き付けられ、
抵抗を禁じられたままタコ殴りにされた。

今までが奇跡のようなものだったのだ。幸運だったのだ。
それが尽きただけのことであり、そういった光景もありふれたものだった。
自分たちの番が回ってきたのだ。

それでも、命まで奪われることはそうそうない。
無一文の者をわざわざ殺したところで得られるものもそうないからだ。

今回はツイていなかった。溜めこみ続けた金が入った鞄も奪われるだろう。
一からやり直しか。もしくは後々奪い返すのか。
しこたま殴る蹴るを繰り返され、体中が熱を帯び、ぼんやりとする意識の中で
考えていると、視界の端で倒れ伏したクニヒコが男たちの足に掴みかかった。
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3270： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/26(月) 22:41:00 ID:eewyaVm60

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クニヒコは、それまでの努力が水泡に帰すのが耐えられなかったのだろう。
男の足に掴みかかり、囲んで蹴られながらも離さず、やがて足を掴まれていた
男が悲鳴を上げた。噛みつきでもしたのだろうか。

それからは、よく覚えていない。

男たちが去った後には、血だまりの中で転がったまま、
冷たくなっているクニヒコだけが残されていた。
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3271： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/26(月) 22:49:50 ID:eewyaVm60

　　　　　　　　　＿ ノ゛,, ;、､､ '⌒ゝ､ ',
　　　　　　　`┬;;;:::┬′　　　ｨ=＝=yｌ
　　　　　　　　⌒ﾞ''''''´"　　　　　　　　}
　　　 　ｌ! 　　　　　　　　　 　u　　　./　　　　クニヒコ……
　　　ｉ!　|ｌ　 　　　/´　　　|　　　ゝ /
＼　 ｌ|　ｌ　　　 　 ゝ、____人_____ソ
　 ` .､　　ι　　　　　､::::::::::ノ／
　　　:ﾐ:ｰ.､._　　　　　　 ￣　　｀`'''ｰ-､

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鈍い痛みに苛まれろくに動かぬ足を引きずり、物言わぬクニヒコのところまで
行くと、そのままくずおれた。揺さぶっても名前を呼んでもクニヒコは起きなかった。

しばらくして、震えが止まらなくなった。
走り出して、そのまま逃げ去った。
怖かった。何か複雑な感情なんて持ち合わせていなかった。
ただ、怖かった。涙と鼻水と血と小便を垂れ流しながら、走った。
片割れを殺された獣のように、ただひたすらに。

そこから先は、大して変わらなかった。
クニヒコが死のうと、腹は減るし喉は乾く。眠らなければ身体が持たない。
延々と、そうした日々の繰り返しが、再び始まった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3272： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/26(月) 23:21:24 ID:eewyaVm60

　　　　　　＿＿＿
　　　　 ／::::::::::::::: ＼
　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::＼
　 ／:::::::::::::::::::::::::::::: 　　＼
.　|:::::::::::::::::::::::::::（ー）　.　　|
　 ＼ 　　 （__人__）　.　　／

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ただ、クニヒコと一緒に居た頃ほどの貪欲さはなくなった。
食糧も毛布も何でも、持ち切れなかったりする分はそこらの行き倒れている
他の子供に明け渡したり、なんてことも多くなった。

ある日、いつものように配給を受け、裏通りへと足を踏み入れると、
家屋の裏で蹲る少女を見かけた。

栗色の髪は枯れ木のようにぱさつき、雑巾を纏っているかのような服装だったが、
伸び放題の髪の下の顔つきは些か愛嬌があるように思えた。

少女に配給食の内の一パックを渡す時、こう吐露した。

「一人だと、なんか、さ。あげるよ」

すると、少女は二人で食べることを提案してきた。
当然訝しんだが、周囲に人の気配もなかったので、そのまま隣に腰を落とした。

どうやら少女は、居住権を失って後、ずっと一人の男と生活していたらしい。
今となって思えば、慰み者として重宝されていたのだろう。

ただ、少女に食事を分け与えた時、クニヒコと最初に出会った時のことを
思い出した。彼も、こんな気持ちだったのだろうか。
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3273： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/26(月) 23:27:35 ID:eewyaVm60

..　　　　　＿＿＿_
　　　　／　―　　-＼
..　　／　 （●） 　（●）
　／　　　　 （__人__）　＼　　　　　戻ったお……。
　|　　　　 　　｀ ⌒´　　　|
.　＼　　　　　 　　　　 ／
.　　ノ　　　　　　　　　＼
／´　 　　　　　　　　　　ヽ





　　　　 　 　＿＿__
　 　 　 　／　　　　＼
.　　 　／　 　 　 　 　 ＼
.　　／　　　 ―　　 ー　 ＼　　　　　　……。
　　|　　　　（●） 　（●） 　|
.　　＼　　　　（__人__）　 ／
.　　　ノ　　　　｀ ⌒´ 　 ＼
　／´　 　　　　　　　　　 　ヽ




　　　　 ＿＿＿_
　　　／　　 　 　 ＼
　 ／　　　　　 ― 　　‐
／ 　 　　　　 （ ●）　　）　　　　くだらないお。
|　 　 　 　　　　 　（__ﾉ､_）
＼　 　　 　　　　 　｀_⌒
／　　　　　　　　　　　＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
少女は何も敷かずに座り込んでいたため、他の廃墟に置いていた
毛布を取りに行った。別に少女をどうこうするつもりもなければ、
ずっと一緒に居るつもりもなかった。極めて短絡的な行動だった。
しかし、一晩くらいは面倒を見ようと、そう思ったのだ。

少しして戻ると、少女はアスファルトの上に倒れ込み、肩で息をしていた。
駈け寄って確かめると、身体が熱かった。
まあ、事の顛末としては、病気を患い男に捨てられたところに、
自分が通りがかったというだけのことだろう。

しばらくすると、少女もまた、クニヒコ同様に動かなくなった。
冷たくなっていく少女を傍目に、彼女に掛ける筈だった毛布を羽織り、吐き捨てた。

何もかもがくだらなく思えていた。この場所も、暮らしも、自分という人間も。
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3274： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/26(月) 23:31:01 ID:eewyaVm60

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...　　...　　　　　...:.:.　　　　　　　　　　　　　.　　　　...　　　....:.:.:.:.::..

..　　　　　＿＿＿_
　　　　／　―　　-＼
..　　／　 （●） 　（●）　　　　　　ネクストに乗れるって聞いた時、嬉しかったんですお。
　／　　　　 （__人__）　＼
　|　　　　 　　｀ ⌒´　　　|　　　　 ネクストに乗れれば、自分でも、強い力が持てる。守ったり壊したりできる。
.　＼　　　　　 　　　　 ／
.　　ノ　　　　　　　　　＼　　　　　　あの黒いネクストみたいに。
／´　 　　　　　　　　　　ヽ




　　 ／￣￣￣＼
　／　　　　　　　 ＼
/　　　 ─　　　─　ヽ　　　　　そうだお。やる夫は、黒いネクストに親が殺されたし、思うところもあったお。
|　　　 （●） 　（●）　|
＼　　∩（__人/777／　　　　　　けど……それ以上に、憧れたんですお。それだけの強大なものに。
／　　（丶＿//// ＼

3275： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/26(月) 23:38:04 ID:eewyaVm60

　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　 ／―　―　＼
　　　　　　／（●） 　（●） ＼
　　　　 ／　 　（__人__） 　 　 ＼　　　　　　やる夫は……望んで人殺しになったんですお。それなのに、こんな……。
　 　 　 |　　　　｀ ⌒´　　 　　　|
　 　　 　＼　　　　 　 　　　　／　　　　　　 アリー・アル・サーシェスの言う通りですお。
　 　 　 　 ／　　　　　　　　　＼
　 　　 　 |　　　　　　　　　 　 　 ）　　　　　 望んで人殺しになって、途中で怖くなって、今頃マトモぶったところで。
.　　　　　|　　|　 　 　 　　 /　 /
　　 　 　 | 　 |　　　　 　 /　 / |　　　　　　　
　　 　 　 |　　|　　　 　 /　 / 　|
　 　 　 (YYYヾ　　Y　(YYYヽ　|
　　 　　（_＿＿ノ-'-（'＿＿_）_ﾉ





　　　／￣￣￣＼
..　／ ／ 　 　 ＼ ＼　
／　 （●） 　（●）　 ＼　　　　　やる夫には、はやてさんに良くしてもらうような価値なんてないんですお。
|　　　　（__人__）　　　　|
＼　　　 ｀ ⌒´　 　　／
／ 　 　 　　　　 　 　 ＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
何もなかった自分でも、ネクストに乗れさえすれば。
それだけの強大な力があれば。

何かの役に立てる。誰かが必要としてくれる。
大きなものを守ったり、壊したりできる。

自分のような人間にも、価値が生まれる。

そうだ、たったそれだけの理由だった。
あれだけ力を欲していた理由は、ただ価値が欲しかった。
自分の存在に、命に、価値が欲しかったのだ。

そのためだけに、ネクストに乗り、戦場に出て、殺戮を繰り返した。
笑い種だ。これほどまでに軽薄な理由で人を殺す者が他にいるだろうか。

サーシェスの言葉を受けて以来、奥底でずっと考えていた。
きっと、自分は価値が欲しかったのだ。理由が欲しかったのだ。
自分を自分たらしめてくれるものが欲しくて、それをネクストに求めたのだ。
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3276： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/26(月) 23:43:29 ID:eewyaVm60

　　　　　　＿＿＿
　　　　 ／::::::::::::::: ＼
　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::＼
　 ／:::::::::::::::::::::::::::::: 　　＼
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　 ＼ 　　 （__人__）　.　　／

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俯き、目を瞑る。
やはり、駄目だ。こんな生活もそろそろ終わりにするべきだ。
最初から、自分のことなんてどうでもよかった。

ここで暮らすのはいい。けれど、これ以上はやてに迷惑もかけられない。
彼女は自分を罪のない子供のように扱うが、それは大きな間違いだ。
この家で、はやての重荷となって生きていくのは、良くないだろう。
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3277： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/26(月) 23:46:57 ID:eewyaVm60

　　 　 　 　 　 　 ,　-　ー―　- 　 ..
　　　　　　,　 '": : : : : : : : : : : : : : : : : :＞ ..
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　　,. ' : : : : : ヾ,ィ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
　,.': : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ: : : : ､ ヽ、
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: : : : :, i: : !: : : : : :i　　　＿ ,:i､: : : :!,: : :',: : !,: : ',ｲイ.ﾉ:/ﾘ
: : :!: :i: ! : i: : : : :', ',　´　　　ﾘ ヽ: : :!',: : i:.!: !',: : :!,イ: i　i!
: : :! : i: ',: :i: !: : : :ヾ､　　　 -―-'､: ! ': : !ﾘリ !: : !.!: : i
: : :!: : !: !,: !:!ヽ: : : !,,ィ示千キ''ヾ ヾ　',: !=＝''!:/! i: :,'i!
: : :!: : ! i ヽ',). ', : : ',`＜Z汐　　　　　i i/　　　!'ヾ',!/ i!
: : :',: : ', ヽ､`- ヽ: : ', 　 　 　 　 　 　 ヽ　　　.,: : :ヽ、　　　　　　　　　……で？　それだけかいな？
:.i!: :',: : ',: : : ヽ_ノ､ヾ'､　　　 　 　 　 　　　　,.ｲ: : : ',､ヽ
:.!i: : ',: : '､: : : :! ヽ:`　､ 　 　 　 -=＝'　 , イ!,､ヽ., -- ､',　　　　　　　　「えっ」
:i !', : '､: : ヽ: : ヽ　'､: ヽ',＞　　 ＿_　.イ : !i:!ゝイﾆ￣　.'､
:i i:.'､: : 〉､ : ',､: : ＼ ',: :',ヾ　/､｀ー-, ￣￣r‐'‐'　　　　　',　　　　　　　あんなぁ、私を舐めすぎやで、自分。
',',',: i'､/,　ヾ: ', ｀ヾ､ヽ!:i:i`ヾ''!_ヽ　 i!i　　　 ヽﾉ丶 　 　 　 ',
ヾヾ./ ヾ、　ヾ､　　 `i:iﾘ　 /;;;;;;ヽ. ゞ==---、 　 ヽ. 　　　 ',ヽ､__　　　　それくらいのことで、はいそーですかと言うと？
　　/　　 ヾ､　　 　 　 ﾘ,i! /;;;;;;;;;;;;;ヽ 、　　　ヾ、.　 ゝ､　　ノｲ／::!
＿/　　　/ ヾ、　　　// !i､`ー--〈;;;`ヽ､ー――--}`ー―‐''"::::::::}
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/　　　/　　　　　ヽ_/　, i !､:::::::::::＞ヽ;;;/::￣ヽ/..､::::::::＼::::::::::::::::::ﾉ､
イ ￣ ｀ヽ、　　　,ィ , イ　　!'､:::::::::::::,::-､＞､:::::ヽ::::｀i::::::::::ヽ--ー"ｲi
　　　　　　｀ヽ　 i !　　　　 i:',:ゝ''":::::::::::::',:::::::｀ヽヽ:::i:::::::::::::::',:￣:::イ!
　　　　　　　　　 i !　　　　 !::'､:::::::::::::::::::::ゝ-----ゝ'::::::::::::::::i::::::::::::::ヽ、
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ヽ　　　　　　　　i .',',. , ｲ::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::',:::::::,､:ﾉ＿＿__::::::::
　 ヽ､__　　　　　i　.!i' !　!:::::::::::::::::::ヽ__::::::::::::::::::::::::, --'."::i::i:::::::::::::::::::',ヽ、
｀ヽ、　　　　　　i/ /. ,'. ,'::::::::::::::::::::::::::::i--'￣:::￣::::::i !:::::::i::!::::::::::::::::::::!

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だが、返ってきたのは、予想だにしなかったものだった。
はやてが呆れたように溜め息を吐くのが聞こえる。

顔を上げて見ると、頬杖を突きながら目を細める彼女の姿があった。
呆然と立ち尽くす自分に、彼女もまた椅子から立ち上がり、歩み寄ってくる。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3278： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/26(月) 23:55:50 ID:eewyaVm60

　　　　　　　　　　　　　 -‐━━=ミ
　　　　　　　　　 /⌒:^.: : : : : : : : : ::＞
　　　　　　　_.-=ミ: : : : ＼: : : : : : : : :V: `.
　　 　 　 .ｨ: : : : 7:〉 :∧: : :V: : : : : : :〈/: /〉:.
　　　　 /: : : : : :|/ | : :|:V: : :i : :| : : : : V〉: : ﾊ
.　　　 /: : : : : : :|i　!::斗-V: :|ー|‐|:-|: ::|:|i: : : |i
　　　 ′l: : |i :|i |i_,.ｨﾃﾃﾐ : : |N|ｨテﾐN: |:|i: : : |i
　　　{　｜:::|i :|i |i　 r勿,　|:N　 r勿ﾉ !::|:|5!: : : .　　　　　　　君が自分のない人間な理由もよう分かった。
.　 　 　 从::|i: |i |i:　^¨¨　　i　　　 　 」::|:|,ﾉ: ;小:.
.　　　　　　〕: :|i |N」　　　 ,　　、　　.: /|:| : /: : :|i　　　　　　　けどなぁ、やる夫君はただヤケ起こしてるようにしか見えへんで。
　　　　　　　　|i ||:|:i＞　　　　 　 .ｨ :/::」:/〈: : : 八
　　　　　　　　|i ||:|:|///〕ﾆ=-　　 | l: : :/　 V⌒V:＼　　　　　　どうすればええか分からんで、無力感と罪悪感ばっか募らせて。
　　　　　　　　|i7⌒V|　V寸ﾆﾆ才　!: /　　　＼_,V⌒ :、
. 　 　 　 _　--厶ヘ V　 V /⌒丶　| {　 　 -=ﾐ,V{　　,ハ　　　　　けどなあ、それは君が狭い世界で生きてきたからや。
　　　　 〈,　　 / 　 　 V　V^V__/^V　|/　/　 　 ＼　/
　　　　/∧　/　　　　 }.　 }i /　Vi{　 」　/　 ______　/　　 __　　　　　悟ったようなこと言うには百年早いわ。
.　　　 {　　V　 　 　 ,リ,　　}i　　 i{　 }i,　 ／　 　 |ー━=ﾐ」
　 　 r」　　⌒ー‐―(￣￣〉ﾑ　 /| 　i|／　　　　｜　 　 _.」Ｌ
　 　 |⌒ー}　　　　 /　 　 ＼ V　　 /　　＼　 　_|　　ー=ミ__ )
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　　 ∧__(___　　_/　　　　　　　　＼　　 /　￣￣〉　乙...
　　　　/　　　/八　　　　　　　_ji斗〜'へ　￣￣| 　 」(
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　　 　 ＼ 　 |:.:.:.:.:.八　　　　 '　 　 _,　　 /彡/_,ノ:.:.:.:.:.:|　　　　　　　もしも私に悪いなぁて思うんなら……
　　　　　　　八:.:.:.:.:.个　　　｀　　　　　　 イ:.:.:.:| :.:.:.:. |:.|
　　　　　　 /:/:.＼／￣　　　　 　 　 ＜ |＼__:.:|:. /:.:八|　　　　　　　　しっかりと自分を持った人になって、幸せになって、
　　　　　／:/⌒∨ :. :. :. {＼＞r≦.　　ノ| : :. :. :. :.＼:.:.:|
　　　 ／:.:./ :.:.:.: ∨:. :. Λニ=‐‐=ﾆﾆﾆﾆ|:. :. :. :. :. :./:.八　　　　　　　　私の寝覚めを良くしいや。
　　　⌒ｱ/:.:.:.:.:.:.:.:∨ /　 ∨二二二.／｜:. :. :. :. :/:.:.:∨＼
　/￣￣/::::::::::::::::::::∨　　　Ｖニ＞''´　　|:: :: :: :: /::::::::::∨__
:: :: :: :: 厂￣￣＼:: /{＿_／{⌒｀}＼　　Λ::: :: ::/::::::::::::::::⌒＼
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3279： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/27(火) 00:01:47 ID:AL7CGfaE0

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　　　　　　∥.: .: .: |.: .: |.: .八:＼__＼:(_＼ : .: |　 |.: .|.: .: |.: .: |) |.: .: .: :'，
　　　　　　{　ｉ.: .: : | .: 人: .: .: ／￣ノハ　＼.:|　　x===ミ.: .:人八.: .: .:.:'，　　　　　　　価値なんてなくてもな、人間生きられるんや。
　　　　 　 　 |.: .: : |.: : : |:＼ : 乂 乂＾ツ　　 )　　　, ,　 ﾉ／イ.: :| : : .: .: '，
　 　 　 　 　 j八.:.:.|八.: |.: .:| .: .: :＞, ,　　 ､　　　　 　　 /|: j|.:.:.:|.:＼.: .: .:'，　　　　　　そないなもん、必要ないんよ。やる夫君。
　　　　　　　　　＼| | :＼.:.:.| : .: 込　　　　_　　 '⌒) 　 .: :| :ﾘ.:.:.:|.: .:.:＼.:.:.:'，
　　　　　　　　　　　:|.: .: .: .:|.:|＼.: .:> ,. 　＇‐-‐　 ／ | ∨/.: .: :|.:＼.: .: .: : :　　　　　　そないなもんがなくても……
　　　　　　　　　　/.:|.:|.: .:.:.:|.:|／(　　　 ＞　　 _／　/:|　| : .: | .:|＼￣＼.: .:i
　　　 　 　 　 　 /.: :|.:|.: .:.:.:|.:|//∧　 /:::|　|＼＿／../　:| .: : |.: |/∧　 ∧.:.|　　　　　　君は笑ってええんや。
　　　　　　　　　. .: .:|.:|.: .:.:.:|.:|／⌒∨:::: |　＼ニﾆ／　 ∧ .: .|.: |＿_〉 /　∨
　　　　　　　　　| 八|八.: .:.:|.:|/＼_/ :::::: | /⌒> <⌒／:::∧.:.:| :八　∨ ＼ '，＼
　　　　　　　　　| ／　∧.: : 八　 /::::::::::::|　　〔:i:i:〕 /:／⌒ﾊ :|/　 ＼ ＼　＼ 　 ＼
　　　　　　　 　 /　　/　:).: .: .:∨⌒７⌒:〕　 /:i:i:| /:::::::::::::::〉八￣/￣ニニﾆ-_　　　.
　　 　 　 　 　 /　／ ／⌒＼.: {.ニ〈::::: 八_/:i:ｉ:ｉ:|::::::::::::::／-=ﾆ∨:::::∧ニニニ-_ 　 |
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　　　　　　　/　く_ノ=／:::::{／:::::｀`〜､::＼:::ヽ_/::: ／:::::::::::::::::::::::::V::/ ::::: 'ニニニﾆ_|
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　　　　　　　　　　　　　|:{　V､: ∨:l∧ Vzり　　　}'　 Vzり ﾉ|/r､ ﾉ|:|: : |: ､:＼　　　　　　くどいなぁ。サーシェスの言うたことが気になるんか？
　　　　　　　　　　　　　ゞ　 }: ＼〉:∧　　　 　 　 　 　 　 　 ,､_／: |:|: : |: : ＼:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 |: :|: :| : ∧　　　　　'　　　　　 ∧: :|: : |:|: : |: : : : ＼: .　　　　あないなもんどうでもええに決まってる。
　　　　　　　　　 　 　 　 　 .': :|: :|: /:个 .　　 　- ､　 　 . 个:l: :|: : |:|: : |＼: : : :､ヽ}
　　　　　　　　　　　 　 　 /: : :|: :|:八: }: | ＞　. 　 　 ＜|＼: : : ,: : |: : ∧: |＼: : }　　　　　サーシェスは君のことどうでもええ思うとるやろ、多分。
　　　　　　　　　 　 　 　 ,: : :/:|: :|: : :〉l从/.|＼::｀´-:／ |、 ＼- ､: V:/: :l :|　 ∨|
　　　　　　　　　 　 　 　 {: :/__|: √/　{' /...|　 ＞＜　　|..V　 ＼ ｀7'＞ ､:|__　}/　　　　　　だったら、そないなのが言った言葉だって、
　　　　　　　　 　 　 / ｢￣´　 |:/ ＼　 ,'......|　////∧ /....∨ ／| /　　　｀Y⌒＼
　　　　　　　　　 　 '　 |´￣￣/ || 　 V....../|ｲ　〉-〈　 ,.........∨＼〉　 　 　 / 　 　 ヽ　　　　　どうでもええて思わん？
　　　　　　　　　 / 　 ∧ 　 ／|/---/... /...|　////| ∧........∧￣￣＼　V　　 　 　 :.
　　　　 　 　 　 /＿_/＿／｢￣　　 ,.＼/.....l　|/// |/...∨./.....∨ /　　∨　　　　　　 ＼　　　　私の言葉より、サーシェスの方が信用できるん？
　　　　　　　/´　　／ | 　 /　　　 /.￣.........∨///_/.........＼.......∨ /　　}、　　　　　　　 ＼
　　　　　／￣￣￣￣　／　　　 ∧................ ∨...../..................>.....∨　 ＼＿＞----- 　、　＼＿＿_
　 　 　 /　　 　 　 　 イ＿＿＿/.....＼...............∨.,...............／............＼＿＿　　　　　　　　　＞ ￣　 　＼
　　　／´￣￣￣￣￣￣.....{....................＼............V...........／.......................}､...............ー--　　＿＿_　　　　 　 ＼
　 ／............................................人.......................＼........∨..／..........................人 ＼.....................................＼｀ヽ､
／.......................................／´　　 ヽ:::::::::::::...........＼....∨................::::::::::イ 　 ＼ ＼.....................................ヽ　 ＼　　　　＼

3280：安価のやる夫だお：2020/10/27(火) 00:10:56 ID:55eSASvU0
信じるというか、心の傷をえぐられて劇物塗られた感じだからね
もしかしてと思っちゃうんだよ

3281： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/27(火) 00:14:12 ID:AL7CGfaE0

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　　　　　　　|八.: .: |.: .: .: :| .: ／:＼　 | :/　 |.: .: .: : : / :|.: .: :/ |_,,／|.:. .:.:|.: |
　　　　　　　 　 )八|.: .: .: :|_.:.| 　 　 　j/　　:|.: .: .: : /　 |.: .:/　 .: .: .:|.:. .:.:|.: |
　　　　　　 　 　 　 |＼.: ..:{　)＼　ｨ芋芋ﾐ　:|.: .: .: /　ｨ芋芋ミ:/.: .:.人.: : |.: |　　　　　　　そら、はよ寝る支度しい。
　　　　　　　　　　 八..:＼:{　} ＾)＼ 　 　　　|/):／　　　　　　/.: ／ : .: .: |.: |
　　 　 　 　 　 　 /.: .: .: .: {,/　//⌒:/:/:/:. 　 〈i　　　 :/:/:/: イ　ﾉ.: .:/.: :| 八　　　　　　　夏祭り行くんやろ？　私も付き合ったるさかい。
　　　　　　　　　/.: .: /.: ／　.:.∧　 　 　 　 ＿＿＿　　 　 　 八.: .: / : : |.: |.:＼
　　 　 　 　 　 /ｲ. .:/.:./　 〈 : : : ＼＿_ 　　|　　　　|　　　　 . : .: ／ .: .: .|.: |.: |⌒　　　　　 君と同年代の子でもおったらええなぁ。
　　　 　 　 　 　 |.::∧.: ｀丶、￣￣＼.: .＼　＼＿／　　　イ : .／:|.: .: .: .:|.: |:八
　　　 　 　 　 ＿|:〈_∧.: .: .:L＼　　　).:.:..八　　　　　イ ￣＼/.: : |.: .: .: .:|.: |.: : ＼　　　　　　いや、おるやろ。多分。知らんけど。
　　　　　　／　　＼￣￣＼.: ｀丶、 .:.／⌒＼＞＜　 |＼　 /＼.: |.: .: .: .:|.: |.: .: .: |
　　　　　/　　＼ 　 ＼　　 |.: .: .:|| ＼　　　　 〉::::/　　＼ ＼　　∨ : .: . 人八.: .:.:.|
　 　 　 〈　 　 ＼）　　 ＼__|.: .: :八_ /＼　　/　　　　　　 　 |.　 /.: .: ／￣￣＼.:/
　　　　　| ､　　　　　　　〉 八.: /　 /　　　 /　　　　　 　 　 :|　厶 イ　　 　 　 ∧
　　　　　| ∧　 　 　 　 |　　 )' ＿/　　　 /　　 　 　 　　　 .:|　　　 |　　　　　/　 ＼
　　 　 　 〉　＼　　　　｜/ ／＼　　　　∧＿　　　　　　／/　　　 |￣￣＼/　 / 　'，
　　　 　 { 　 　 ＼　　　|／ 　 　 ＼ 　 /　＼ ＼ 　 　 /／ 　　 　 |　　＼　./ ,: 　　 '，
　　　　 〈￣￣＼. ＼　<　　　　　　 ＼ﾊ.　　 ＼＿　_／ 　 　 　 　|　　　 ∨./　　　　'，
　　　　　}　 　 　 ＼＿/|＼　　 　 　 　~}　　　　／Y⌒＼　　 　 　| 　 ＼　〈　/　＼.　'，
　　　　　}＿＿＿/ ／　|　 ＼ 　 　 ／/|　　 ／:i＼　 /:i:i＼　　　 |　　　 ＼∨ 　 　 　 '，
　　　　　〈　 　 ./　|　　 |　　　＼／　/∧　/　＼／⌒:ｉ「￣ ＼＿_|　　　　　'，　　　　　 '，
　　　　 　 〕　　　　|　　｜　　　　　 /V　∨＿　 {:i:i:i:i:i:ﾉ ／二=-―…　　　　'，　|/ 　 　 '，
　　　　　　〕　　 / .|　 　 ＼　　 　 /￣￣ 　 　　∨:i:i〈./　　　　　　　　 　 　　}　/ 　 　 　 }
　　　　　　〕　 ./　 |　　＼　　　 ／ 　 　 　 　 　 ﾉ:i:i:i:i:＼　　　　　 　 　 　 　 ; /　　／　　}

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はやての有無を言わさない笑顔に、頷く他なかった。
必死の吐露を溜め息と笑顔という形で飲み下され、返す言葉もなく、
否定する言葉も思いつかず、大人しく寝室へと布団を敷きに向かった。

彼女は無力でも無価値でも認めてくれる、いや、
それゆえに自己を否定する行為を良しとしなかった。

こういった時、どうすればいいのだろう。
いや、どうすればいいか、ではなく、やりたいことはある。
どうするのかが正しいのかは分からないが、やりたいことははっきりした。

明日の夏祭りの時にでも、それを言おう。伝えよう。
熱くなる目頭を抑えながら、人知れず思った。
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3282： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/27(火) 00:16:36 ID:AL7CGfaE0

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3283： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/27(火) 00:24:16 ID:AL7CGfaE0
〜Tips〜

　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼
【Name】
入束やる夫
【Status】
AMS適性：B
AMSに接続するための適性。
これがなければネクストを操縦できない。
そこそこの適性を持っており、精密な動きを可能とする。

戦闘技術：D→C
ネクストに搭乗しての戦闘経験、知識、技術。
しっかりとした訓練を受けてはいるものの、自分に合った戦闘スタイルが身についていない。

【Note】
日本人の少年。十八歳。誕生日は11月6日。人種としては日本、ベトナム、中国などアジア系の血が滅茶苦茶に混ざっている。
オルデンブルク統治下のコロニー・トウキョウで生まれ、
十年間まともな教育も受けないまま孤児として育つが、
オルデンブルクの行った全市民のAMS適性検査で見出され、リンクス候補生となる。
が、一般教養が皆無であることが災いし認定試験で落第してしまい、リンクスとしての未来が閉ざされかけたところを、
元リンクス、高町なのはに拾われ、独立傭兵としての道を歩むこととなる。
ブライドルランク26。コロニー・トウキョウの軍事施設を間借りして活動する。

【New】
路上暮らし時代に二年近く共に過ごした親友が目の前で死んだ過去を持つ。
以降、自身に強烈な無力感を覚え、世界を壊せるほどの力であるネクストに憧れに近い渇望を抱く。

自分を他者のために使うことで他者から認められたい、生きていることを許されたいという、
かなり変わった形ではあるが思春期の発露と言えなくもない性質の持ち主。

要は精神が摩耗したアンパンマンみたいな奴。顔を食わせてる時だけが安心できる。

根は素直だが頑固な一面もある純朴な少年。
ちょっと極端な部分も強く、こうと決めたら曲げない一途さを持っている。
実は社交的で人と関わるのが好き。一人でなにかしている時より誰かといる時の方が笑顔が多いタイプ。
空っぽな性格故に人からの影響をもろに受ける。周囲の人間次第で聖人にもなるし地獄に堕ちることもある。

十二年近く路上暮らしサバイバルを生き抜いただけあって適応能力が高く、観察眼も鋭い。応用も利かせられる。
社会経験が皆無に等しいため、一般的な道徳に乏しくルールを守りはするが必要とあらば迷いなく破る傾向がある。
他者との関係に依存してはいるが承認欲求などは弱く、社会的評価に興味を示さない。

コジマ汚染への耐久値が常人より優れた値を見せており、リンクスとしては長命。

3284： ◆x0SRSoJXe.：2020/10/27(火) 00:30:31 ID:AL7CGfaE0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i　　　　　　　今回はここまでだ。
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ　　　　　　　 言うなればやる夫君のキャラの成り立ちはアナキン・スカイウォーカーや
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i　　　　　　　ハリー・マクドゥエルに近いものがあるね。
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |　　　　　　　 彼等も何かしらに駆り立てられ、生き急いでいたから。
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´





　　　　　　　　　　　 _ _ ___ __ _　 　＿＿
　　　　　　 　 　 　/ :::::::::::::::::: :i, 　 .ヽ::::::＼
　　　　　　　　　　 i:::::::::::::::::::::: i　 ／　＼ 　＼
　　　　 　　　　　　i :::::::○::::○i／ 　 　　￣￣
　　　　　　 　 　　/ :::::::::,,- -_ｯi　　　　i i i
　　　　　　　　　 /::::::::::｀ー‐'´ヽ 　 ＿＿i i i--i
　　　　 　 　 　 /|::::|::::::::::::::::::|:::|　 ￣￣￣|::::::::|　　　　　　次回は来週の月曜日、11/2の午後八時からだ。
　　　　　　　　/::::＼ヽ :::::::::::::i:::|　　　　　 ﾉ＿_ﾉ
　　　　 　 　 /::::::::::::＼＼::／|:::|　　　　　　　　　　　　　　　モコイさんも今しっちゃかめっちゃかな状況だが、
　　　 .　　　（_ _.)￣i __.＼＼ |:::|　　　 i i i
　　　　　　/::::::/|￣|ヽ:::::　し（ メ　　　 ﾉﾉﾉ　　　　　　　　　 投下だけはしっかりやっていきたい。いきがい。
　　 　 　 /::::::/ﾉ_ _ﾉ　>:::::） 　 　 ＼
　　　　／:::／　 　　/:::／　 　 　 　 ＼＿＿　　　　　　　　　　それじゃ、シーユーアゲイン。
　　　/:::::/ 　 　 　 （＿つ　　 　 　　 /:::::::::/
　　　し'　　　　　　　　 　 　 　　 　 ノノ・ ./∴:・:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　~~~~~~~

3285：安価のやる夫だお：2020/10/27(火) 00:33:10 ID:55eSASvU0
乙

3286：安価のやる夫だお：2020/10/27(火) 00:33:38 ID:ch6qUvfU0
乙でした

3287：安価のやる夫だお：2020/10/27(火) 07:03:32 ID:CwaZnANI0
乙ー

3288：安価のやる夫だお：2020/10/27(火) 22:18:18 ID:Z.wmuLGQ0
乙でした

3289： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/02(月) 20:04:55 ID:7n63alzQ0

　　　　／||ミ
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　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
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　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
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　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
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　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

3290： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/02(月) 20:10:53 ID:7n63alzQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-‐'.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ､., _＿＿＿ _.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　｝　　_ _＿二ニ＝ｚ/::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨﾘ;.;'^´;.;.;.;.;.∠::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／;.;.;.;.;.;.;.;.;.,;-ｲヽ:::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　女神転生リマスターが発売されたねえ。
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,'=====ｚ-,弍　　 　 !:::::::::,L 、:::::::
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 !　i_ｿ　　　 /:;／_　 ,'::::::::::::　　　　　　モコイさんもしっかりボイス付きリマスターだ。
　 __､---､　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾉ　　　 ,, 　/´　　ﾌ/:::::::::::::
r´: : : : : :/'.、　　　　　　　　　　　　　　 、　 　 　 　 　 　 /:::::::::::::::::　　　　　　　みんなもライドウ君にぶっ殺されてこよう！
z―-イ´: : :'.,　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､　　　 　 　 r┴‐‐---―
: : : : : : : : :○',.　　　　　　　　r、　　　　　　　-―　　　 l;.;.;.;.;.;.;,;.;.;.;.;.;　　　　　　　んじゃまあはじめよっか。
二: : : : : : : : : i　　 　 　 　 　 i ゝ　　　 　 　 　 、_　 　 i;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;
: : : : : : : : : .-=i　 　 　 　 　 rj　|　　　 　 　 ｒ;.;.;.;r:::::::::::i;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;
: : : : : : : : : : : :i　　　　 　 　 i i　|　　　 　 　 ＼;.;.ヽ:::::::::i;.;.;.;.;.;.;.;.;.;/

3291：安価のやる夫だお：2020/11/02(月) 20:18:19 ID:DK12CIT.0
わぁい

3292： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/02(月) 20:19:20 ID:7n63alzQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　　　_　. . :''"ﾟ~￣￣~~"''〜､、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／⌒＼.: .: .: :⌒＼／. .: : ＼｀丶、
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ -‐…: .:/.: .:./ ﾊ '.: .: .: .: .: .: .: : ＼ : : : .: |.:.::ヽ
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　　 ((＼./ ) 　 (　＼ 　 　　 　 　　　　　 　 　 .: ./ :/.: : ／ :.|　 |.: .: .: :| :/¨¨７ト､ |二二 |∧〉 : i
　　 　＼i 「 }.,_　＼__＼　　　　　　　　　　　　/.: ' : ; : .: .: { ,ｘ=ミ|.: .: .: :|/　__/ |.: /|＿＿_|.: |.: .: |
　　 　 　|_|　V ﾆ=-＼ﾆ-_　　　　　　　　 　　; : { .: | :|.: .: Y　ノ狄.: .: .: | ⌒7ミk､.: |/.: .: /.: :|.: .: |　　　　　　行ってきまーす。
　　　 　 乂､,,)＼}ニニ＼ﾊ　 　 　　　　　 　 |.:八.: |八.: : 乂∨ﾂ ＼ .: |　ノ狄( ﾊ:/.: .: /.: .: |.: .: |
　　　　　　 ＼ﾆ}〕トミﾆﾆ 八 　 　 　 　 　 　 |　　〉:|.: .:＼:.(_' ' 〈ｉ　　＼　乂少' ノ : .: /'Y.: .八.: :|　　　　　　「行ってらっしゃい」
　　　　　　　　 :､ﾆニﾆ＼ﾆ.ﾊ　　　　 　 　 　 　 /.: | .: .: .: {⌒　r.　　_ 　 　 ' ' ／ : .:/ ノ.:.:/.: .: .:|
　　　　　　　　　 ＼ニニ Y /〉　　　　　　　　　.: .: :|.: .: | 八　　∨ ::::::)　　　⌒7:.:.:/.: .: .:/.: .: .: :|　　　　　　 夕方には帰るわ。ほな、、また後で。
　　　　　　　　　　 〈-=ニニ人　　　　　　　　　| : /|.: .: |.:.:.心 　　‐-　　＿_ ／ : /.:.:／/.: :|.: .:.:.|
　　　　　　　　　　　 |ﾆﾆ=---=）　　　 　 　 　 | /八.:.:.:|.: :|:／＼__ 　 〈⌒∨:／/.: .: .:/.: .: |.: .:.:.|　　　　　　　「はい」
　　　　　　　　　　　 |ニニニﾆ〈　　　　　　　　 :(　　＼.: .:几￣　_〕＿__＼ |:/／.: .: .:∧.:|.: | .: .八
　　　　　　　　　　　　|~''‐-=ﾆﾆ〕　　　　　　　　 ＿__.､-'' 〕 |＼　〕ニニﾆ〕.|:/.: .: .::.:/／ |.: |＼ .: .＼
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　　　　　　　　　　　　:.　　　　　 :　　　＼　　　　　　　_.-ﾆ <＼-　_ -=＼∧.:＼　|　 |　　　 ⌒T彡

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いつも通りの朝。というよりも、こうして朝を迎えるのがいつものことになりつつある。
まだ一週間近くしか経っていないというのに、ずっと昔から、
こうして過ごしてきたかのように錯覚させられる。

朝日を浴びて目を覚まし、朝食を済ませ、仕事へ行くはやてを見送り、
できる範囲で家事をこなす。そうすればあっという間にお昼だ。

こうしていていいのだろうか、という焦燥感はすっかり鳴りを潜め、
不思議な安心感を抱きながら庭の雑草を抜いていた。
じっとりとした暑さの中での作業は中々に過酷ではあったが、
誰かに監督されてるわけでもなし、のんびりと進めていた。
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3293： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/02(月) 20:38:08 ID:7n63alzQ0

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼　　　　ドラゴンボール……やる夫の中の何かが惹かれるお。
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　その眩しい笑顔に……。
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

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一通りの家事が終わり、簡単に昼を済ませると、途端にやることがなくなった。
事前にはやてに許可を貰っていたので、彼女の部屋の本棚にあった
少年漫画に手を伸ばし、それで時間を潰していた。

紙の書籍、それも原本だ。売り飛ばせばかなりの額になる骨とう品であるそれを
畳の上で寝っ転がりながらページをめくっていく。

内容はといえば、かなり面白かった。笑いあり涙あり、といったやつだ。
書かれたのはかなり古い時代だったはずだが、人間が手に取る以上、
面白さは共通なのだろう。一応近代のものでもあるし。

さすがに古代芸能や演劇までは、自分にも理解できない。

昨日、家の中で見つけたものについて、はやてから大抵の回答はもらっていた。
玄関にあった不思議な箪笥は「おぶつだん」と言うらしい。
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3294： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/02(月) 20:46:17 ID:7n63alzQ0

　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　／ 　 （●） 　（●）　 ＼　　　　　漫画……日本の漫画は面白いお。
　　　|　 　 　 （__人__）　 　　 |
　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／　　　　　　昔は平和な国だったらしいし、そういうのが盛んだったのかな。
　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ
　　 / 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |
　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|
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どうも宗教的な家具らしいが、はやてが熱心に信仰しているわけではないようだ。
様式美の類なのだろう。

世界を巻き込んだ経済戦争と生存圏の縮小による生活エリアのコロニー化に伴い、
そうした施設なども失われて久しい。
願掛け、懺悔、お祈り、そういったものをする場も、今ではほとんど現存していない。

だからこそ、こういった各家庭に小さくぽつんと、そういったスポットを象るのだろうか。

六巻くらいまで読み漁った辺りで、首の根っこ辺りに痛みを覚えた。
しばらく猫背になっていたせいで負荷がかかってしまったようだ。
鈍い痛みを緩和させようと首を回しつつ立ち上がる。

また、暇つぶしに散歩でもするとしよう。夕方までは時間がある。
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3295：安価のやる夫だお：2020/11/02(月) 20:47:29 ID:DK12CIT.0
首周りはパイロットやってたから丈夫かと思ってたぜ

3296： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/02(月) 20:51:41 ID:7n63alzQ0

　　 ~￣ ー-　　　　　　　　　　厂
　　　　　　　　`,つ　　　ｰ=一
　　　　　　　　( 　 　 r―一　　　　　　　　　 ､_＿
　　　　　　　　　￣） |　　　　　　　　　　　　　,＞　二ﾆﾒﾄﾍ、
　　　　　　　　　　{._ l　　　　_　　　　　　 ｰイ　　　`Z:::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　}l.＿｣｣ﾉ}　　　　　　　 〃ｨrﾍﾊ気ﾒ;:::::::::::::::
.　　　　　　　　　 　 ~￣77/＿　　　　　　　　l _　　ｷ　〉::::::::::::!
　　　　　　　　 　 　 　 f′ ,＝'　　　　　　　〈_　｀　ｷ　ﾚ‐;::::::ﾉ
　　.　　　　　　　　 　 /　ノ　　　　　　　　　　/　　　　 Σ::::く_,
　　　　　　　　　　　 /　f　　　　　　　_ -r一/　rﾍ.￣〉-―-<
.　　　　　　　　　　 / 　 !__　 　 　_／/ ,ﾑﾉ´/´　 |／　　　　 ＼, v‐y―z'⌒ヽ
　　　　　　　　　　/　　 |　 ﾒ^'￣l　 /　　{／　　　　　　　　　〆　 　　＞'´￣`<
　　　　　　　　　　|　 　 ﾄ　　〉　　　　　 i′　　　　　　　　　　　 　 ／　　　　 /
　　　　　　　　　　L_＿ﾉムノ一ｰ-f　　/o　　　　　　　　　, -一>'　　　　-=ニ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;　 /　　　　　　　　 イ´　 ／　 -=ニ
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　 {　　　　　　　　　/　　/　 ﾉ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　ﾉo　　　　　　　 /　　 lf　/
　　　　　　　　　　　　　　　 　 〈 　 /＿＿__　　　, ィ′　　|巛
　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__ノィ7///////＞､ 　 |
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ｌ//////////////////////|/////////ﾚ'///ハ
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|////////√｀^ ￣￣￣￣｀ !/////////｢￣
|////////ｆ 　 　 　 　 　 　　|/////////|
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昨日の河川敷に向かってみると、そこにはあの元ノーマル乗りではなく、
診療所の医師である間がいた。

陽も微かに傾き始め、日差しも少し落ち着いた昼過ぎ。
汗も引いて、時折吹き付ける風で涼めるくらいの余裕が出てきていた。
間は河川敷の斜面になっているところに、汚れるのもお構いなしに背を預けていた。
指の間に紙タバコを挟んで煙をくゆらせ、律儀に携帯灰皿が近くに置かれている。

ぼんやりとした表情で川を眺める横顔は、よく見ると端正な顔立ちなのだと
気付かされた。ルルーシュと同じような綺麗な部類に入る。
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3297： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/02(月) 20:57:30 ID:7n63alzQ0

　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　 　 ／ 　　―　＼
.　　　　　／ 　　(● )　　ﾍ＼
　　　　　|　　　（⌒ 　 (● ) ｜　　　　　　こんにちは。
　　　 　 ﾍ　　　 ￣｀､__）　　｜　
　 　 　 　 ヽ　　　　 　 　 　 ｜　　　　　　「おう……サボりじゃないぞ」
　　　　　　, へ、　 　 　 ＿／
.　　　　　 |　 　 　 　 　 ＾ヽ　　　　　　　　　まだなんも言ってないですお。
.　　　　　 |　　　　　　１ 　 |





　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＿＿　＿__ ､ .... _　,､､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ￣_..二ニ=-　｀ヾ　｀'　_｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＜.´ 　 　 　 　 　 　 .ヌ:::::::::::｀::...
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 .＞　　　　　　 ＜:::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／　　　 　 .＞..::´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／ ／ 　 　 '´／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 / ／ ,ｲ　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 / ' / /'　　　.::::／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,' /,′　 /／/::::::::::::::::::::::／ﾉ::; イ::::::::::::::::::::}_ノl　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 {/ i　ﾊ /′ ,:::::::::::::::z≦＝=x,,::::::::::::::::::::::::::::::::／./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＿{　Ｎi　　 .:ﾊ::::::::;' 弋ﾞで× ｀ヽ /::ｧ‐ ､::::::::::::／　　　　今は非番だ。全く、あの小娘め。
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 _..xz≦三从. {ﾆ{　 i ::{∧:::::{ X　￣ ´　　 ..::/ 　 j:::::::::::／
　　 　 　 　 　 　 　 　 ｘz≦三三三三三ﾍ{ﾆ{ 　{::〈　ヾ::j　　X　　　 ..::::/ 　 .ﾉ:::,,,ィ　　　　　　　非番の時の食生活にまで小言を言いやがる。
　　 　 ＼　､ 　 　 　 ´ ￣￣ ｀ '' ‐＜ﾆ三三∧ ilヾ{｀.. _　　　　X　 ｲ:::/_ ,,イ≦三!
　　 　 　 ヽ　｀ 　 .　 　 _＿＿＿＿＿｀''＜三_ﾍj ∧',　 ｀ヽ_.z≦二三三三三三/　　　　
　　　 　 　 }　　 　 ｀ 　 .}三三三三三三／￣｀丶､乂＿__＼三三三三三三ﾆｲ､
　　　 　 　 乂 　 　 　 　 ｀''＜三三三../⌒/｀丶、 ∨_ヽ__　 ヾ三三三三彡'ﾞ三ﾘ:.、
　　　 　 　 　 ｀　　 .. _　 　 　 ｀''＜三人｀ｰ───（／＿ ｀ヽ.∨三..＞''三三三三＼
　　　 　 　 ＿＿＿_ 　 ﾌ≧zｘ.. _＿＿＿ヽ... ＿ .... ｨ{　{／　 ノ_j＞''三三三三三三三＼
　　　　＜.　　　 　 　 ￣￣　￣￣￣￣￣´ ＿...∠.j_ゝ-‐=≦三三三三三三三三三三
　　　　 　 ｀ヽ. ＿_ ....　 --==＝≦二三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
　　　　　∠三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
　 　 　 /三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三

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どうやら彼は牧瀬の小言から避難するために河川敷にいたそうだ。
聞けば、インスタントラーメンを買い込んできたところを見つかって
こっぴどく叱られたらしい。一応、二人は叔父と甥くらいの歳の差があったはずだが。

「先生のお母さんみたいですお、牧瀬さん」

「からかってるつもりか？　言っておくがな、男なんてのは全員マザコンだし、
女だって全員ファザコンなのさ、極端な話をすればな。
一皮剥けば、求めているものの中身は母性か、父性だ。
……俺は彼女に母性を覚えたためしはないがね」

そこまで徹底的に言い返されると、言葉が出てこない。
間の前でこういった言動はよそう。抑え込まれるのがオチだ。
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3298： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/02(月) 21:02:47 ID:7n63alzQ0

..　　　　　＿＿＿_
　　　　／　―　　-＼
..　　／　 （●） 　（●）　　　　　　「そういうおまえは」
　／　　　　 （__人__）　＼
　|　　　　 　　｀ ⌒´　　　|　　　　　暇つぶしですお。やることも終わったし。
.　＼　　　　　 　　　　 ／
.　　ノ　　　　　　　　　＼　　　　　　
／´　 　　　　　　　　　　ヽ





　 　 ,,.-:::"￣￣｀ﾞ'ｰ-､r=
　　./::::ｲ　 　i　 !､　　ヽ
　　|:::ｲ i|/__ﾚ|./lヾ　 ﾍi
　　|lr:l　l -ｰ ﾚ -､ vﾚﾍ!　　　　　　ふーん。だったら後で俺の手伝いをしろ。全く、夏祭りだと？
　 ﾑl　ﾚi　　　　|ｷ N
　 彡`ｰ 　 　　 ' ｷ　　　　　　　　　　勝手にやってる分には好きなだけやればいいがな、俺が的屋の主人だと？
　彡;;;;| `ｰ　￣ , '
　 ,,r「￣￣7｀ /￣７　　　　　　　　　　文化再現というのも分かるが、柄に合ってなさすぎるだろう……。
／::::::::::::::::/^<:::::::〈
::::::::::::::::::::<水>:::::::ヽ　　　　　　　　　　　「いや、今日はお客さんで行こうと思ってるんですお」
::::::::::::::::::/:::ﾊ::::::::::::::ヽ

3299： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/02(月) 21:05:46 ID:7n63alzQ0

　　　　　　　　　　　　　　_＿z=‐-Zﾆ=､＿_
　　　　　　　　　　　＿＿≧　　＞ニニニﾆﾆ｀ヽ
　　　　　　　　　　　_＞　　＜ニニニニニニニﾆ',
　　　　　　　　　　　 7／ ／ニニニニニニニニﾆ!
　　　　　　　　　　　７　　7ニニニニニニニニﾆﾆ}___ノﾉ-‐ｧ
　　　　　　　　　　　И/ Nニﾆ!ﾆ=‐∨}/ニニニニﾆﾆニ＜__,
　　　　　　　 　 　 　 //　{ﾆ{ﾆ芍ｱ. . . .ﾑ=/ ヽニニニニ≦　　　　　　　　　　ほう、あの娘とか？
　　　　　　　　　　　 И∧{ ∧{ へ,,. . .〈ﾆ/ __/ニニニﾆヽ⌒
　　　　　　　　　　　　　 　 i!__　 ノ ＼,. . 　‐=ﾆニニニニ{､__　　　　　　　　　　「いや……ええと、まあ」
　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ_　　‐=ﾆニニニニニニニニﾆ=‐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ニニニニニニニニニニニニニヽ　　　　　　いいじゃあないか、そうでもなけりゃ、
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ニニニニニニニニニニニニニﾆﾆﾆ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 ７ニニニニニニニニニニニニニニニニﾆﾑ　　　　あの娘も行かんだろう。おまえとしてもオイシイだろうしな。
　　　　　　　　　　　　　　　／ニニニニニニニニニニニニニニニニニニﾑ
　　　　　　　　　　　　　 ／／/ニニニニニニニニニニニニニニニニニニﾑ
　　　　　　　　　　　　　ヽ ＼'ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニﾆ＼
　　　　　　　　　　　　　　 ＼二ニニニニニニニニニニニニニニニニニニﾆﾆﾆ＼
　　　　　　　　　　　　　　// |ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ≧=､
　　　　　　　　　　　　　 //　|ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ}!
　　　　　　　　　　　 　 //　 i!ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ､＼ニニ､
　　　　　　　　　 　 　 //　　|ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニﾆ}　ヽニニ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　!ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニﾆﾆﾑ　　ﾏニﾆﾆ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　|ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニﾑ　　ﾏニニニ＼





　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼　　　　　　オイシ……というか、皮肉らないんですかお？
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　　　結構ズタボロ言われるもんだと思ってましたけど。
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　　 役目も投げ出していいご身分だなー、とか。
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

3300： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/02(月) 21:11:48 ID:7n63alzQ0

::Vi /| /　　　　　＿　　　　　　　　　 /　/　 ﾊ　　　　　　　　　　ヽ　＼ヽ＼
::∧ﾊ./| //i/ｨ／　　V　　　　/　 /　{　/　 {　|　 |　　　　　　　　　 ＼ ',ﾍ ハ
::::::::::V::::/:::::/ /￣ヽ / 　 / / 　 |　 |　ﾊ　 |　ヽ　{　 l　　　　　　　 ∧ ヽ
::::::::::::::::::::::::|　 {　　 /　　∧||　　|　 |　|弋 ミﾐ､|　|　 |　　　　　　　　　}ハ
:::::::::::::::::::::::::i　　　{ |　　 |　|ﾊ　 ﾊ　ﾄ .|　ｨｔ､-､ V/　/　 |　　　　 　 　 |
:::::::::::::::::::::::::ヽ　　　|　　 |　ヽﾊ | .ﾚ ＼　 ヾソﾍ ﾉ .//　ﾉ 　 ｨ　　　ﾊ　|
:::::::::::::::::::::::::::::廴　 |　　 |　　 ＼ハ ゝ 　　 ゞノ/ /ﾌ　/　　/　　　 | |　|
:::::::::::::::::::::::::::::/ﾊイ|　　 |　　　　　 ＼　　　　 ／　イ/　　/　　i 　.| | .ﾉ
::::::::::::::::::::::ノ/.// | ｀ー'´　　　　　　　　　　　　　　 ﾚ　／　　/　　ハ/
:::::::::::::::::／／ 　　| +　　　　　　　　　　　　　　-＝イ:::／ / / 　 / ./
:::::::::::＜　 ´ 　 　 | ｷ　　　　　　　　　　　　　_　　　 V ／ / 　 /
≦=､＿＿　　 　 ∧ｷ　　　　　　　　　　　　　 ｀ 　　 Y ／　／
:::::::::::::::::::::￣≧=､　>｀ﾒ､　 　　　　　 ￣｀ - _/｀ー ' ´/ .／
:::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:＞､､　　　　　　　　- ､ノ　　／ ／
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╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
そこで間は深く息を吸うと、「あのな」と言い聞かせるように話し始めた。

「自虐はよせ。自分が惨めになるだけだ。自分で自分を貶すっていうことは、
他人に貶される前に自分で貶して済まそうとしてるだけだ。
必死に自分の心を守ろうとする働きだ。人に言われたら辛いことを、
自分で言って笑って済まそうという、な。
それ自体は自然なものだが、やりすぎるとみっともないし、惨めだ」

「惨め、ですかお」

「そうだ。高潔さに年齢や肩書は関係ない。みっともない真似はするな」

そこまで言って間は鼻を鳴らし、再び川の流れへと視線を落とした。

こういうところがあるから、自分は彼を嫌いになっていないのだろう。
色々と言ってくるが、自分を言い負かそうだとか、傷つけて笑い者にしようとか、
そういう悪意は一切見えない。どちらかというと世話焼きなのかもしれない。

とりあえず、立ったまま見下ろしているのも居心地が悪いので、
彼が好きな訳ではないが隣へ座り込んだ。

「なんだ、気色悪い」

「いや、そういうのはないですって」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3301： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/02(月) 21:28:57 ID:7n63alzQ0

　　　/　　　　　/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　/　　　　 ,': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　/ /　　　|: ,: : /: : : :/: : : : : i: : : : //ﾊ: : : : : : : :
　　　 /　l　　　1: /!: : : / /: : : ://: : :/ノ ノｨ: : : : : : :
　　　,|　 |　|　 |':.:|≧: . |:/:／:/_仁ｨ:≦Zz／ｨ: . r‐､: :　　　　　　そもそも、俺はおまえみたいなタイプは好きじゃないんだ。
　　　 |　|　|!　 |!:.|ゞｾl:.:ﾄ;イ／ﾗ人 ゞ仍;ｊ　 /ｨ::/ う l: :
　　　||　|l　|l　 |:.:|￣´|:l ／　　キ 　￣´､　 /: | 仆 |: :　　　　　　女々しくてうだつが上がらず、うじうじうじうじと。
　　　 |ヽﾄ　||,　|::|　　 ｿ　　　　　ｷ　　　 ／: : | .ﾚ /: :
　　　　|: : ', |:',　'!　　/　　　　　　 キ r‐1: : :─ '"´: :　　　　　 　 優男でもいいがな、もう少ししゃんとしていろ。
　　　　 |: : ヾ: ', ﾄ,　 ヽ-‐ ､　　　　 ヾ!: : : : : : : : : : : :
　　　 '´: : : : : :.ヽ!＼ 　 ー─‐─　　 ﾊ: : : : : : : : : :.:　　　　　　　
　　　: : : : : : : : : : : : ＼　´￣ ｀ ､, ＜|::|: : : : : : : : : :
　　　: : : : : : : : : : : : : <`ー　≦:::::＼: :.|: : : : : : : : : :
　　　: : : : : : : : : : : / ∨: :ﾊ: : |: : : : |: :|: : : : : : : : : :





　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼　　　　　　やっぱ、そっちの方がモテますかお？
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　「うーむ、受ける層が違うだけだろう。優男が受ける層もあれば伊達男が受ける層もある。
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　　ただ、おまえはワイルドや色男という感じではないからなあ。庇護欲掻き立てた方が……」
　　＼ ／＿＿＿ ／

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
それから少し、真面目な話は小難しい話をすることもあれば、
時々他愛もない話も挟んだ。

タイプこそ違うが、彼もクーガーに近いものがあるように感じた。
古風で頑固で一風変わった男。ただ、なんと言うべきだろうか。
芯というか、筋というか。言動や在り方がどっしりとしているのだ。

人と話した感覚を、こう譬えていいのかは分からないが、とにかくこうしよう。
椅子に座ったとする。その時、しっかりとした椅子に座った時の安心感とでも言おうか。

きっと、こうした人は、昔からこうだったのではないだろうか。
おじいさんになった後でも、似たようなことを言い続けるのかもしれない。

柔軟でクレバーで、時代や状況で主義や主張を変える人もいる。
彼等は反対だ。どんな時代や状況でも、大して生き方を変えないだろう。

それを疎む人もいるだろうが、個人的には好感が持てた。
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3302： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/02(月) 21:45:02 ID:7n63alzQ0

　　　　　／　／/::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　 /.／ イ::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ:::::::::/::::::ﾉ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
.　 　 　　 /./　//:::::::::::::::::::::::::::::/　|:::::/::::::/ i::::::::::::::::::::::::: _ _ :::::::::::::::
　　　　　 |/　//::::::/:::::::::::::::::ﾊ:::| ./:::/三≧/／/::::::::::::::/　_　ヾ:::::::::::
　　　　　 |　/ .i:::::/i::::::::::::::::::| 升彡イニ￣ 　 /／i::::::::::| /　 ） i:::::::::::
.　　 　　　　i　.l::/ ｨ::::::::::::::::::|　ヾﾃr j ／　　 　　./::::::::::| ） /　.|::,:::::-　　　　　　はあ、人のため。誰かのためねえ。
.　 　　　　　|　.| ﾊ i:::::::::::::::::::ミ､　）‐'´　　　　　 /::::::::::::| / - ' ´三三
.　　　　　　 |　　| |.ﾚi::::::::::::::,､:ヽ＼　　　 　 　 ./:::_::::-:::'::´三三三三　　　　　　　そんなに人に認められたかったのか？
.　　 　　 　 ヽ　 | |　|:::::::::::/　｀ﾐ､_ ＼　　 _　- ' ´三三三三三三三
　　　　　 　 　Ⅶ　Ⅵ::::::::/_　　-　　　 Y´三三三三三三三三三三　　　　　　　　「……」
　　　　　　　　 ヽ　 V:::ﾊ:::::::＞､　　＿ .＼三三三三三三三三三三
　　　　　　　　　　／ヾハ:::/三 >'￣　　　 ヽ三三三三三三三三三　　　　　　　　愚直、誠実、善良、実直。どれも美徳だ。
　　　　　 　 　 ／三三三/三三ﾆ｝￣　　　 V三三三三三三三三三
　　 　 　 　 ／三三三三三三三::i､　　　_ ィ ト三三三三三三三三　　　　　　　　 その後に身を滅ぼさなけりゃな。
　　　　 　 <三三三三三三三三三三三三ﾆ.| ヽ三三三三三三三
　　　　　 　 ｀ -　､三三三三三三三三三≧／:::＼三三三三三三　　　　　　　　　 自滅する程の善行は、ただの愚行だ。
　　　　　　　　　　 ｀ - ､三三三三三 ／／/）:::::::::人三三三三三三
　　　　　　　　　　　　　　＼三三ﾆ.／／/.//::::::::/ | |三三三三三三





　　　　　　　　　ー=≦ミ:i:i:i:i:i:i:i:寸=─-
　　　　　　　 ／　≧＞:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i＼
　　　　 　 ／才∠:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:＼
　　　　　 ／　　艾:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ﾑ
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　　　 {ｲ　　　ハ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/ ￣寸:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/乂./}
　　　 ,　/　'/:i:i:i:i:i:i{ﾊ/＞ハ:ﾑ 圦} .l:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i／:ﾉ　　　　　　　　　　　ガキなのさ。裁量ってのが分かってない。
　　　 |/|　.ﾊ:i:i:i:i:i从//苡　.}:iﾑ ::ﾉノ-=ﾆ二二二二二二二ﾆ=-
　　　 | .|　!　V:i:八〈.ﾑｲ.＿ﾑ=ﾆ二二二二二二二二二二二二/　　　　　　　　　まず、理由や報酬を求める時点でガキなのさ。
　　 　 八 | 　 Vﾑ乂　寸ﾆ二二二二二二二二二二二二二/
　　　　　 ＼　　寸＼　　寸ﾆﾆ二二二二二二二二二二二/　　　　　　　　　　　　そういう奴の末路は二つだ。
　　　　　　　　 　 ￣｀く　　寸二二二二二二二二二二二/
　　　　　　　　　　　　 人 　 |二二二二二二二二二二二二ﾆ=-　　　　　　　　　　利用されるだけされて捨てられるか……
　　　　　　　　　　　　 　 ｀´人二二二二二二二二二二二二二二二ﾆ=-
　　　　　　　　　　　-=ﾆ二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆ=ｰ　　　疲れ果てて嫌になって世捨て人になるか、だ。
　　　　　　　　-=ﾆ二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆ
　　　　　　 　 V二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆ|　　おまえは後者かな？
　 　 　 　 　 　 V二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二j_
　　　　　　　　　 V二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二|
　　　　　　　　　　V二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆ|
　　　　　　　　　　 }二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆ|
　　　　　　　　　　八二二.二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二|
　　　　　　　 　 ./二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆﾆ|
　　　　　　　　 /二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆﾆﾆ
　　　　　　　 ./二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆﾆﾆﾆ

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間の言動は徹底してぶっきらぼうだったが、考えさせられる言葉も多かった。
今までに出会ったことのないタイプだ。
自分に対してひいき目で見ていない分、言っていることが的確になっている。
歯に衣着せないだけ、まともに聞いていると時折耳を塞ぎたくなるが。

とにかく彼は、自分の未熟さに言及すれこそ、否定の言葉は口にしなかった。
よくよく頭の中で言葉の意味を反芻し、噛み砕いてみると、
年長者の助言と取れなくもない、気がする。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3303： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/02(月) 21:55:12 ID:7n63alzQ0

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　　　　　　　　　　　　 　_〃　,'::::::::/∧ル::::::::::::::::}
　　　　　　　 　 　 　　　7　 ﾊ´￣￥ ´￣|:::::ト､:::::!
　　　　　　　 　 　 　 　 ﾚ! ｲ　￣　ｷ￣｀ |:::::|　}::::｝　　　　　　　そら、おまえはこれでも食っとけ。
　　　　　　　 　 　 　 　 Vﾊｌ　　　/　ｷ 　.l:::├<:::/
　　　　　　　　　　　　　 ∨ﾍ　 　 ｀　 ｷ 仏ｲ:::::::〈　　　　　　　　「……凍った水風船？」
　　　　　　　　 　 　 　 　 ﾙ ﾊ　　― 　ｷ 　 |:::::::::彡
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼＿　イ 　 ﾊ;;;;;彡　　　　　　　　おっぱいアイスだ。かつて実在した由緒正しい、乳房を模したアイスだ。
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 〈￣￣ｌ＿　＜￣￣7
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 >:::::::/水ﾍ　}::::::::::::＼　　　　　　　　そこの突起を噛みちぎってだな……ククッ。きっと似合うぞ？
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 イ::::::::ｌ ハ　 /::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::ｌﾉ　ヽ/:::::::::::::::::::::::ﾍ　　　　　　　「ぐぬぬぬ……い、いただきます」
　　　　 　 　 　 　 　 　 /:::::::::::::::::::ｌ 　 /::::::::::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　ｌ::::::::::::::::::::::| ∨:::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ　　　　　　　……食うのか。おまえは変に素直だな。
　　　　　 　 　 　 　 　 ｌ:::::::::::::::::::::::| /::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ
　　　　　　　　　　　　 ｌ:::::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ

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途中で「腹が減った」とだけ呟くと、間はスラックスのポケットに手を突っ込みながら
川沿いに歩き出した。なんとなくついていっても怒られなかったので、
とりあえず背中を追いかけていくと、木造の大きな屋台にも似た建物が
河川敷の傍、住宅街の端にぽつんと建っており、そこに入っていった。

くすんだ紅色の看板にはひらがなで四文字、「だがしや」とあった。
見れば、中には色とりどりの、菓子なのか玩具なのか判然としないものが
これでもかと詰め込まれた棚や冷蔵庫が置かれている。

珍妙な品ぞろえを遠巻きに見ていると、間がおかしなものを持ってきた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3304： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/02(月) 22:11:07 ID:7n63alzQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 . -: = :＝=: 。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 。 : : : : : : : : : : : : : :≧: 。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 。＜: : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : :＞,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ィ: : : : : : : : : : :/ : : : : : : : : : : : /: : : : ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／7: : : : : :/: : : ; ｲ: : : : : : : : : : ::∨: /: : : : ::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,:´ /: : : : : :/: : : / /: : : : : : : : : :; : : ∨: : : Y : : : .
　　　　　　　　　　　　　　　 〃 / : : : ;': /: : : :/｀ト: : : ::!: : : : : : :;≫ﾊ : : : |: : : : .
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /: : : : :l:/: : :|_/__ {/|: :/ |{T: -: ; ::{:≪:| : : : |: : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　/: : : : : :{ : : : |{斧心 ∨: :l :|: : : : ｀ト: : | : : : |: : : : |
　　　　　　　　　　　　　　　 ,: : : : : : /:∧: :{. {辷:ﾘ　∨:ィ竿ミ、:/ }:从.ｘ≦|: : : : |
　　　　　　　　　　　　 　 　 {: : : : : /:/　 〉ﾄ　　　　　 ｀ﾞ　{辷心 <乂ﾏﾍ>/ : : : ;′
　　　　　　　　　　　　 　 　 j从 : r‐;′ /:ﾊ　 　、　　　 　 ｀ﾞ´/: : : : :ﾏ∨: : : :/
　　　　　　　　　　　　　　　 　乂/ /＞'´ __}:、 　ｒ-　、　 　 . : : : : : : ::/ : : ｨ/
　　　　　　　　　　　　　　　 =- ´　　　 ¨二ﾄ:ﾍ、 ｀ ‐' 　 イ : : : :/ : : /:／: :}
　　　　　　　　　　　　　, ´ 　 　　　 　 、∨/ル＞―=彡: : : : ::/: : 乂从ル'
.　　　 　 　 　　 　　　, 　 　　__、 　_ ,　>'´　　　 __.イ}.ノ :_:_:_厶イ__
　　　　　　 　 　 　　/　　　　,´｀¨¨¨｀´　, - = イ　///ィ´　　　 _。-=}＿
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. ゝ.　　　　 ＿_/　　 　 /」　。＜.　　　/ 　 　/ _ - ´　　　　　_ - ´　 　 　　 Y
　　 ｀ヽく⌒　./ 　　 　/　} ,′　　 　./ 　 _ - ´　　　　　_ - ´　　 　　　 　　 」
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　　　　 　　人_＿ ｲ / 　 く　　{{　　　　 _ - ´　　　　　　　　　 _ - ´　　　　 ｛

⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　о
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｡
　　　　　　　　　 ／￣￣￣＼
　　　　　　　　／　　─　　 ─＼＿
　　　 　　　／　　 （●） 　（●） ＼|l(^)　　　　もしもし……はやてさん。
　　 　　　　|　///　　（__人__）　　　l(_ ）
　　　　　　 ＼　　　　 ｀ ⌒´ 　　／⊂)　　　　　あ、今日は現地集合ですかお。了解ですお。
　　　　 　　／ 　 　 　　　　　 　 ヽ　ﾉ





　　　　　　 / ｲ　　　　　　　　　　 ／／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　 　 　 　 /ﾊ/　　／　 ,　　　　　 ／／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧
　　　　　 ﾚV　　/　　ｨ　　　　　 / 彡:::::::::::::::::::::::ｨ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　 | {　 ./　／　　/　　　　　/:::::/::::::::::／/:::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　 |　ﾊ .ｲ　　 /　　　　/ /::／:::::::／ ノ::::／/:::::/::::::／:::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　 | i .| /　　/i　　　　/ /:/i::::::∠-=彡-=ニﾆK::::イ≦::::::::::::::::::::::::::/
　　　　　　 ﾚ　|ﾊ　　i∧　 　 /i/:/::::ﾊ/ ＼　≧ィtjヽ､_￣＞イ::::::::::::::::::::::::/　 i
　　　　　　　　 | |ﾊ ./ l　　　 | |:::|::/　　 　 ＼　ヾン＿＞　≦彡::::r -､::::::レ彡/　　　さて、ガキのお守で休みを一日潰す趣味ないんでね。
　　　　　　　 >ハ ;;ヾ:::|　 |　 ﾊﾚ:://　　　　　 ヾ　￣　　　　　/::::/ r ､}:::::::::イ／ /
　　　　　　/..:::::::::＼:::::ヾ ﾊ　|　 ／　　　　　　　＼　　　　　 /::::∧　 /:::::::::::／／ﾉ　　　俺はここいらで失礼させてもらおう。
　　 　 　 /.:::::::::::::::::::::::::ﾚ:::ヽ|　　ヽ_､　　　　　　　 }　　　　./::::/　ｙ./:::::::::::::::::::／/
　 　　　./::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧　　＿　　　　　　　　{　　 　廴:/　 ノ:::::::::::::::::イ=≦､　　　「アイス、ごちそうさまでした」
　　　／::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::∧　　 ｀￣ ー-　　 　 }　　　　/ー'´:::::::::::::::::/／::::::::::＼
　　/::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::{i:::/　ヽ　　￣　　　　　 　 {　　／ |:::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::::::::　　　ああ……あれ、結構高いんだ。駄菓子は高級品だからな。
　./::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::{i}/　　∧　　　　　 　 　 　 レ'´ 　 |≧三ニ＝:::::::::::::::::::::::::::::
../::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::|　　 　 L＿＿　　 - ＜´　　 /:: ∧:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::　　　　今度、なんか良い酒でも持ってこい。
∧::::::::::::::::∧::::::::::::::::::::::::::::ヽ　　　　　　＜´　　　　　　...:::　|} ヾ:::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::
./::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::}　　　　　　　 ＞ - ､　　..::.:.: ノ＿ X≧=-::::::::::::::::::/:::::::::

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三時を回った辺りで、はやてから電話がかかってきた。
今日は夏祭りの開催場所である商店街に現地集合、とのことだ。

家で合流して一緒に行かない分、変な期待が沸き上がった。
例の、浴衣なるものを着てくるのだろうか。やはり。
浴衣姿のはやて。考えるとなんだかむず痒いような感覚に襲われる。

間とはあっさりとした別れとなった。
くたびれたシャツを着た後ろ姿に頭を下げ、自分もまた踵を返す。

家で少し支度をしてから商店街に行くべきだ。
大した仕度ではないが、ちゃんとアイロンのかかった服を着こんでいこう。
深い意味はもちろんない。
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3305： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/02(月) 22:11:38 ID:7n63alzQ0

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3306： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/02(月) 22:16:45 ID:7n63alzQ0

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＿ノ　| トﾐ　 ｀丶､|: : : ::| |　 |　 |＼　＼__'ﾉ'´ _,ｒ──j|.:.:|:/　　 ／: : : : ／.:.:｡s1: |:|　|
|.:.:.:|:| | |　 ｀`〜､、｀丶 | |　 |　 |　|＼　ヽ ∨´ |＿＿｜.:||　 ／: : : :.／: ,　'゜ | |'´|:|　|
￣..|:| | |丁=‐　___ ｀`丶| |＿|　 |　|:| |＼　寸ﾆﾆﾆﾆ匚|: /|／＿__／ ,､ 'ﾞ |　　| |　|:|　|
　　|:| | |¨|￣] || ｀`^iiー| | |　　 |ｰ' | |｜|＼ヽﾏ⌒Lｉ|-|/＿＿,/|::|:::| |　 人　.:| |　|:|　|
‐-- L| | :|: : ] ||　　 i| | | | |ZZZ|___,|_|┤l |_|＼'v'⌒ｉ|‐|: :||: : : l |::|:::| [／＿＼| |　|:|　|
‐ ‐ ｣ | | :|: : ] ||　　 i| | | | |‐||　|＿_l:|⊥l_| | |:| |ﾆニ| :|: :||: : : l |::|:::| |｜::::::::| | |　|:|　|
‐ ‐ ｣ | |ﾆﾆﾆl_||　　 i| |~~| |‐||二|ﾆ:| |＿_,| | |:| |⌒ｉ | :|: :||: : : l |::|:::| [人＿人| |　|:|　|
¨¨i「　| |￣{.:}ヽ|　　 i| |::: | |¨||＿| : | |冂_,|-┴￣￣ ﾍ|: :||: : : l |::|:::| [⌒⌒⌒| |　|:|　|
Ti丁i｢| |:: ::} } :||　　 i| |::: | |¨||＿|‐‐┘￣　　　　　　　|／＼: :l |::|:::| |:┌-┐.:| |　|:|　|
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　|　　　　 　　｀ ⌒´　　　|　ﾕｶﾀ…ﾊﾔﾃｻﾝﾉﾕｶﾀ…
.　＼　　　　　 　　　　 ／
.　　ノ　　　　　　　　　＼
／´　 　　　　　　　　　　ヽ

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その日の商店街は大盛況となっていた。
間の抜けた笛と太鼓の音が響き渡る中、普段どこにいるのだろうか、
電灯と提灯に照らされた商店街に人がごった返していた。

家族連れ、二人組の男女、若い少年少女たちに小さな子供。
人という人が溢れかえり、とにもかくにも賑わっていた。

その一角、商店街の入り口であるアーチの脇に立ち、端末を握りしめていた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3307： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/02(月) 22:20:03 ID:7n63alzQ0

　　　　 　 　＿＿__
　 　 　 　／　　　　＼
.　　 　／　 　 　 　 　 ＼
.　　／　　　 ―　　 ー　 ＼　　　　　（はやてさんが来たら……色んなお店を回って、色々食べて……
　　|　　　　（●） 　（●） 　|
.　　＼　　　　（__人__）　 ／　　　　　　間さんとか……あのおじさんもいるかな。あの辺の店も見てみたいお）
.　　　ノ　　　　｀ ⌒´ 　 ＼
　／´　 　　　　　　　　　 　ヽ





　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼　　　　　(それから……はやてさんに、お礼を言うんだお。昨日はありがとうって。
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　なんだか、ああ言われた後、ちょっと楽になれた気がしたから）
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

3308： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/02(月) 22:23:05 ID:7n63alzQ0

　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　 　 ／ 　　―　＼
.　　　　　／ 　　(● )　　ﾍ＼
　　　　　|　　　（⌒ 　 (● ) ｜
　　　 　 ﾍ　　　 ￣｀､__）　　｜
　 　 　 　 ヽ　　　　 　 　 　 ｜
　　　　　　, へ、　 　 　 ＿／
.　　　　　 |　 　 　 　 　 ＾ヽ
.　　　　　 |　　　　　　１ 　 |

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
時刻は午後の五時を若干過ぎたところだ。
待ち合わせは半なので、あと三十分はある。
我ながら気合いが入りすぎているというか、空回りしているというか。

商店街の中では見たことのない屋台がずらりと並び、
浴衣の人も普通の服装の人も、老いも若きも、男も女も、
少なからず笑っているように見えた。

なんだか良い匂いまでしてくる。はやてが来たら、最初は食べ物を見ようと提案しよう。

一人で先に回っていても構わないと言われてはいたが、そうするつもりはなかった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3309： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/02(月) 22:29:16 ID:7n63alzQ0

　　　　　　　　　 ／￣￣￣＼
　　　　　　　　／　　─　　 ─＼＿　　　　　　　「あっ、やる夫君？　今どこなん？」
　　　 　　　／　　 （●） 　（●） ＼|l(^)
　　 　　　　|　　　　　（__人__）　　　l(_ ）　　　　　えっと、商店街です。
　　　　　　 ＼　　　　 ｀ ⌒´ 　　／⊂)
　　　　 　　／ 　 　 　　　　　 　 ヽ　ﾉ　　　　　　　「さよかぁ……」

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
しばらく立ち尽くしながら、道行く人々の群れを眺めていると、
ポケットの中でPDAが震え出した。

手に取ると、画面には予想通りの名前が表示されており、慌てて通話画面に映る。

電話越しのはやての声は、いつもより、ほんの少しトーンが落ちていた気がした。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3310： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/02(月) 22:29:27 ID:7n63alzQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __　　　----　 __
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 _／: :⌒: : : "´: : : : : : : ､
　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒: : ､／: : : : :‐‐: : ､: : : :＼
　　　　　　　　　　　 　 　 ／: : : : -ﾍ: ::/⌒＼ : : : : : ＼: : : :.
　　　　　　　　　　　　　　ｉ: : : : /: : /{:/⌒＼: :＼: :＼: : ＼: : '，
　　　　　　　　　　　　　　|: : : /: ::/: ﾊVﾊ: : : ､: : /,: ∧＼∧: :.
　　　　　　　　　　　　　　|: : / : / {/""ﾞﾞ}: {: : : ＼: V/∧//ﾊ: :.
　　　　　　　　　　　　　　{/::': : :': :{　 　 }: :､: : : : :＼V/ﾊ: : :}: :ｉ
　　　　　　　　　　　　　　{/:ｉ: : :i: 八⌒八 : {＼⌒: }⌒: : }: : }: :|
　　　 　 　 　 　 　 　 　 /: :{: : :{: iｨぅ灯^ ヽ{　灯うぅ: :} : }: : }: :|　　　　　　　　　　ほんま、ほんま堪忍な。
　　　　　　　　　　　　　 ': : 八: :Ⅳ､Vツ　　　　乂ツⅥ: :,＾Ｙ : :|
　　　　　　　　　　　　　: : : i: ::＼乂:.:.　　,　　　 .:.:.:.ノ : /ノ: :∨　　　　　　　　　　　……お仕事、はいってしもてん。
　　　　　　　　　　　　　ｉ: l: {: {: ::込 u　 　 　 　 　 ⌒7ｲ:/: ＼{
　　　　　　　　　　　　　|:八{: {:､: :.:}: ::.. 　 r__，　 ..: :／V: :. : ::}　　　　　　　　　　　　「えっ。あ、いえ。分かりましたお。でも、仕事って」
　　　　　　　　　　　　　|'　 {:八{＼}: : i :::.. __　イ_／/　 }/: : 八__
　　　　　　　　　　　　　　 八／ﾆ7: : ﾉ: ／/ﾊﾆﾆﾆ/ 　 /: : 'ニﾆ=- _
　　　　　　　　　　　　　　　r{ﾆﾆ,: : :/／　　/〉ﾆrく　　 ': ::ﾊニニニﾆ=-_
　　　　　　　　　　　　　　　{∧ﾆ{乂:/___　 /､ﾆﾆ{⌒＼八(.:.Vニニ／-=∧
　　　　　　　　　　　　　　 八ﾆﾆ／/ ／ У-=ﾆﾆ〉 　 ∨.:.:.:.:Vニ'-=ﾆニﾆ}
　　　　　　　　　　　　 　 '　{ﾆ<.:.:/／〉／-=ﾆニ/ {: .:　|.:.:.:／ﾆ/ニニニﾆ
　　　　　　 　 　 　 　 　 {_∧ニV／／'"´､-=ニ{　/⌒:|∠ﾆﾆ/ニニニニ{_






　　　　　　　　　　　　　 -‐━━=ミ
　　　　　　　　　 /⌒:^.: : : : : : : : : ::＞
　　　　　　　_.-=ミ: : : : ＼: : : : : : : : :V: `.
　　 　 　 .ｨ: : : : 7:〉 :∧: : :V: : : : : : :〈/: /〉:.
　　　　 /: : : : : :|/ | : :|:V: : :i : :| : : : : V〉: : ﾊ
.　　　 /: : : : : : :|i　!::斗-V: :|ー|‐|:-|: ::|:|i: : : |i
　　　 ′l: : |i :|i |i_,.ｨﾃﾃﾐ : : |N|ｨテﾐN: |:|i: : : |i
　　　{　｜:::|i :|i |i　 r勿,　|:N　 r勿ﾉ !::|:|5!: : : .　　　　　　　　そら……任務や。結構長いお休みしとったからなぁ。
.　 　 　 从::|i: |i |i:　^¨¨　　i　　　 　 」::|:|,ﾉ: ;小:.
.　　　　　　〕: :|i |N」　　　 ,　　、　　.: /|:| : /: : :|i　　　　　　　　その、ええとね？　ちょっと緊急の迎撃任務なんや。
　　　　　　　　|i ||:|:i＞　　　　 　 .ｨ :/::」:/〈: : : 八
　　　　　　　　|i ||:|:|///〕ﾆ=-　　 | l: : :/　 V⌒V:＼　　　　　　　ほんま堪忍やで……今日は一人でお祭り行ってや。
　　　　　　　　|i7⌒V|　V寸ﾆﾆ才　!: /　　　＼_,V⌒ :、
. 　 　 　 _　--厶ヘ V　 V /⌒丶　| {　 　 -=ﾐ,V{　　,ハ　　　　　　明後日には帰れるさかい。
　　　　 〈,　　 / 　 　 V　V^V__/^V　|/　/　 　 ＼　/
　　　　/∧　/　　　　 }.　 }i /　Vi{　 」　/　 ______　/　　 __
.　　　 {　　V　 　 　 ,リ,　　}i　　 i{　 }i,　 ／　 　 |ー━=ﾐ」
　 　 r」　　⌒ー‐―(￣￣〉ﾑ　 /| 　i|／　　　　｜　 　 _.」Ｌ
　 　 |⌒ー}　　　　 /　 　 ＼ V　　 /　　＼　 　_|　　ー=ミ__ )
　 　 |　　 ﾉ　　　 ,/　　 　 　 ＼　./　　 f/―‐┐＿__　　　}　＼
　　 ∧__(___　　_/　　　　　　　　＼　　 /　￣￣〉　乙...
　　　　/　　　/八　　　　　　　_ji斗〜'へ　￣￣| 　 」(
　/　 /　　　/￣,.. ．-‐　'''""~ 　 　 　 　 .V　 rﾉ.　　　＼

3311： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/02(月) 22:34:18 ID:7n63alzQ0

　　　　　　　　　 ／￣￣￣＼
　　　　　　　　／　　─　　 ─＼＿
　　　 　　　／　　 （〇） 　（〇） ＼|l(^)　　　　　　……。
　　 　　　　|　　　　　（__人__）　　　l(_ ）
　　　　　　 ＼　　　　 ｀ ⌒´ 　　／⊂)
　　　　 　　／ 　 　 　　　　　 　 ヽ　ﾉ






　　　　　　　　　 ／￣￣￣＼
　　　　　　　　／　　─　　 ─＼＿
　　　 　　　／　　 （〇） 　（〇） ＼|l(^)　　　　　　帰るかお。
　　 　　　　|　　　　　（__人__）　　　l(_ ）
　　　　　　 ＼　　　　 ｀ ⌒´ 　　／⊂)
　　　　 　　／ 　 　 　　　　　 　 ヽ　ﾉ
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電話が切れた途端、全身から力が抜け、その場にへたり込みそうになった。
端末を耳に当てたまま硬直し、ぽかんと口を開け、虚空を見つめる。
楽しげな喧騒が、途端に雑音に感じられた。

そうだ。ずっと考えないようにしてきたけれど、何らおかしな話でもなかった。

自分が自由の身になろうと、戦いから身を引こうと、はやてはリンクスなのだ。

一体どれくらいの時間、固まっていたのだろうか。
軋む身体を動かし、帰路へと着く。

帰ろう。はやてが戦場に赴いていると知っていながら、祭りに行くなんて、無理だ。
暖かい灯りに背を向け、歩き出した。
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3312： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/02(月) 22:34:48 ID:7n63alzQ0

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3313： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/02(月) 22:37:09 ID:7n63alzQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i　　　　　今回の投下はここまでだ。ほとんどブラックジャック回だったね。
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ　　　　　　夏祭りをブッチされたやる夫君の行く末はどうなるのか？　青春クライシス。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i　　　　　　次回は来週の月曜日11/9午後八時から、お楽しみに。
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |　　　　　　　シーユーアゲイン。
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´

3314：安価のやる夫だお：2020/11/02(月) 22:37:41 ID:4rdgv7aM0
乙でした
3315：安価のやる夫だお：2020/11/02(月) 22:37:56 ID:6BfPwqhM0
乙ー

3316：安価のやる夫だお：2020/11/02(月) 22:55:28 ID:dRSZRGV60
生きて帰ってきてくれたらいいけど
お疲れさまでした

3317：安価のやる夫だお：2020/11/02(月) 23:04:17 ID:DK12CIT.0
乙

3318：安価のやる夫だお：2020/11/03(火) 22:07:56 ID:J3UaGSMU0
乙でした

3319： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 20:01:22 ID:3p9yxhx60

　　　　／||ミ
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　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ　　　　　　　ハロー。
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　　　　　　　 ､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|　　　　　　　前回はやる夫君が夏祭りの約束をブッチされた辺りだね。
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i　　　　　　　　再開していこう。
　　　 　/ : : : : : : :┌─┐
　　　 　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ
　　　 　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿
　　　 　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ
　　　　 と_ : : : : : : ノ : :ノ
　　　　　　￣￣￣　￣

3320： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 20:03:12 ID:3p9yxhx60

＿＿＿＿
　　　　　　|l
　　　　　　|l
　　　　　　|l　　　　 ,　-―- ､
　　　　　ｌ´ｌl　　 ／: : :　　　　 ＼
　　　　　|ｌｉ|l　 /: : : : : : :　　　　　ヽ
　　　　　|ｌｉ|l　,': : : : : : : : :　　　　　ｌ
　　　　　|ｌｉ|l　{: : : : : : : : : 　　　　丿　　　　　(ヽ､、
　　　　　ヽil　 ヽ_＿: : : :　　　 ｒ '　　　　　　　＼ ｀ー､
　　　　　　|l　　　 l: : : : :　　　',　　　　　　　　　　｀ー '
＝==--＿.|l 　 　 !: : : : :　　　 丶
　　　　　　|l 　 　 !: : : : :　　　　　 ヽ　　　　　 ＿,,,　-‐＝ｱ
　　　　　　|l　　　l: : : : : :　　　 ､　　 ｀ーｙ＝=ヾ､＿＿ ／
　　　　　　|l　　　|: : : : : : :　　　 ＼＿,, ィ＿,,,,　ｒ':; :.'　:;.ヽ
　　　　　l´|l　　　'; : : : : : : :　　　　l三三三三三三三三三

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はやてのいない朝は、酷く静かだった。
起き抜けの顔を洗い、適当な朝ごはんを用意して胃に流し込み、
いつものように掃除をして、縁側で座り込んで、途方に暮れた。

静寂に不慣れだったわけではないし、はやてが留守にするのも珍しい話ではない。
ただ、今だけは話が違った。

この場所にははやてはいない。
この平和は自分だけのもので、はやてにとっては、本当にひと時のものだった。

当然のように、自分の平和の中には、彼女がいた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3321： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 20:09:01 ID:3p9yxhx60

　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　 ／―　―　＼
　　　　　　／（●） 　（●） ＼
　　　　 ／　 　（__人__） 　 　 ＼　　　　　無事かな。いや、はやてさんのことだお。
　 　 　 |　　　　｀ ⌒´　　 　　　|　　
　 　　 　＼　　　　 　 　　　　／　　　　　 やる夫とは違う……今頃さくっと終わらせてるかもしれないお。
　 　 　 　 ／　　　　　　　　　＼
　 　　 　 |　　　・　　　　・ 　 　 ）
.　　　　　|　　|　 　 　 　　 /　 /
　　 　 　 | 　 |　　　　 　 /　 / |
　　 　 　 |　　|　　　 　 /　 / 　|
　 　 　 (YYYヾ　　Y　(YYYヽ　|
　　 　　（_＿＿ノ-'-（'＿＿_）_ﾉ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
今日は暑さも控えめで、涼しげな風が頬に当たり、微かに庭の草木を揺らす。
セミの喧しいばかりの鳴き声が響き渡る中、ぼんやりと日差しに体を晒していた。
じわりと汗が滲み、シャツが肌に張り付くが、気にもならない。

寂しい、というのも違う。
いや、確かに寂しいが、そういう問題ではない。

ただ、居ても立っても居られない。
今までのように、のほほんと昼行燈をやる気になれなかった。
縁側から腰を上げ、サンダル姿のまま門扉へと向かう。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3322：安価のやる夫だお：2020/11/09(月) 20:11:40 ID:fLL0.lxY0
かなｃ

3323： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 20:13:28 ID:3p9yxhx60


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／⌒＞ _
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／／ト _　　 ＞　_
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／／　　　　＞　_　　 ＞ ､
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／／ 　 　 　 　 　 　 ＞ ,_　 )>､
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／／　　　　　　　　　　　　 ／,ｨ':::ｦ’
　　　　　　　　　　　　　 　 ／／　　　　　　　　　　　　 ／,ｨ':::ｦ’
　　　　　　　 　 　 　 　 ／／　　 　 　 　 　 　 　 　 ／,ｨ':::ｦ’
　　　　 　 　 　 　 　 ／／　　 　 　 　 　 　 　 　 ／,ｨ':::ｦ’
　 　 　 　 　 　 　 ／／　　 　 　 　 　 　 　 　 ／,ｨ':::ｦ’
　　　 　 　 　 　／ 　 ｀ ＜　　　　　　 　 　 ／,ｨ':::ｦ’
　　　　 　 　 　( 　 　 　 　_｀ ＜　　　 　 ／,ｨ':::ｦ’
.　　　　　　 　 　 ｀_＜　廴 )　　 ｀ ＜ ／,ｨ':::ｦ’
　　　 　 　 　 　 　 ＞ ｀_＜　　　　 　 ,ｨ':::ｦ’
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＞ ｀_＜__,,ｨ':::ｦ’
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＞::_::ｦ’

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
誰もいない細道を歩きながら、何気なくPDAをポケットから取り出す。
なのはやアルトリアからの連絡はない。
恐らくは気を遣われてのことだろう。

アルトリアは分からないが、なのはに関しては怒りを露わにしても
いいくらいだろうに、一言の文句も終ぞなかった。

今頃、何をしているのだろうか。
自分がのんびりとこの場所で過ごしている間に、経済戦争はどう動いたのだろうか。
そんなことばかり、布団の中でも考え続けていた。

くだらない。

そうだ、くだらない。なんてくだらないのだろう。
自分はいったい何だというのだ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3324： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 20:19:16 ID:3p9yxhx60

　　　　　　 　　ヽ ､______＿＿ ヽヽ. ､
　　　　　　　_,, ..≧::::::::::::::::::::::::::ヽV::ヽl
　　　　　　 ,.イ::;ィ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`＝イ/
　　　　　　 /／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::<
　　　　　　〃::::::::::::;ｲ／/ﾘ|:/|:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　∠::::::::从（ 　 　　l/ !::::::::::::::::::::::::::::::: ヾヽ
　　　　　　/イ∧` ､,,ｨ≦=ｒヽl／ﾙ::::::::::::::::::::::::ヾ、　　　　　　おっ、この前の兄ちゃんじゃねえか。
　　　　　　　 〈_≧ｒ=!:::::::ノ　　　　ﾘ:::/ヽ:::::::::::::ｌヽ
　　　　　　　　!:::::/　 ￣　　　　 　 lん） !::::::::::ﾙ　　　　　　　　はやてちゃんとの煩悩悶々ハレンチ生活の具合はどうよ……
　　　　　　　　`ｌ〈　_　　　　　　 ,.. 　( ,.ｲ:::::::::::（　
　　　　　　　　 ヽｒ__　　　　　　/　　l´　!::::::::从ヽ　　　　　　　　んだよ、怖い顔して。
　　　　___ ,....,..._　ト-｀¨　　　　　　ノ　 ルﾘ人ヾヽ
　　ｒ‐"＿ｌ＿辷〕_}illi、　　　,, -　　　,,..::::"::::..　|　＿_
　 ｆ,! └‐ｒ‐‐／ / ^vllllllｒ''"　 ,,...::''::::::::::::::::::::／´　 ／`!
　 H__ﾉ__ﾉ__ﾉ　/　　　ｒ=`-''::::::::::::::::::::::::::::／　　／　　 ヽ
　{　　 ∨　　　ｌ　　 　ヽ:::::::::::::::::::::::::::::／　　／　,.　" 　　＼
　l､　　 l　　 ／　　　 / l::::::::::::::::::::::／　　／　／
　/｀'ー― /　　 　 ／ /:::::::::::::::::／　　／　／
/　　　　 /　／￣/　 /:::::::::::::／　　　　　/

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
いつもの河川敷まで歩いていくと、今日は元ノーマル乗りの男が一人でぽつんと
キャンプチェアに腰かけながら竿を握っていた。
後で聞いたが、ハセガワという名前だったらしい。

扱けた頬に顎髭、細眉にサングラスと随分な強面ではあるが、
今となってはそんなものも気にならない。

出会い頭にからかってこようとしたハセガワだったが、
自分の表情が余程酷かったのか、言葉を呑み込むのが見えた。

「おうおう、なんだ振られたのか。おじちゃん暇だからよ、聞くだけ聞いてやるよ。
聞くだけだからな」

そう言うハセガワは、多分本当に暇なのだろう。
へらっと唇を歪める彼と目線を合わせるように膝を折った。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3325： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 20:25:46 ID:3p9yxhx60

　　　　　　　　　　　　　　､＿刈从WWWW从从≦二ィ_,_
　　　　　　　　　　　 　 ､_x≧W从从从WWi{从从从i从ア
　　　　　　　 　 　 　 　 ィW洲从从}i州从ハ从从}Wkく :.
　　　　　　　　　　　　 ､_j从WWW{i从{　　 　 , ､_　 `}从 :.
　　　　　　　　　　　　　洲W从从ﾘ{ィ＝≦壬r示≧＝代 :
　　　　　　　　　　　　　刈洲W{iﾚ'´ 込Z弐シ　{Z弐近{　:.
　　　　　　　　　　　　　 ｲ洲ｒ=i{|　　　　　 　 _ 冫　 　 }　:.　　　　　　　　……そりゃしょうがなくね？
　　　　　　 　 　 　 　 　 }从{ V|i ､_　　　　　　 ′　　 .'　:.
　　　　　　　　　　 　 　 　 从 {_　　｀　 　 　.ィこ> 　 ,'　 :.　　　　　　　　　戦える奴が戦う。戦えない奴らのために。
　　　　　　　　　　　　　　　　}ﾄ､_ 　 　 　 　 ｀二 　 /　　 ::.
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 从汽　　　　　,ｨi斥仆v　　　:.:　　　　　　　　　リンクスだったら猶更だろ。
　　　　　　　　　　　　　　 　 洲　｀ ー‐-　{i｣从｣ｼ{　　　.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ]}　　　　　 　 　　　|　　　.:　　　　　　　　　　　「戦えない奴ら……」
　　　　　　　　　　　　　　 ／.::i｣ 　 、　　 　 　 　 j＼_　: .
　　　　　　　　　　 _ 　-‐ {::::::::{、　　 、　　　　 / {ヽ::ヾヽ、　　　　　　　　　　　そ。俺とか、おまえとか、その辺の皆、な。
　　　　　　　　 _／　　　　|::::::::| ＼　　 、　　　{　　ハ::.:.:.. ｀丶、
　　 　_ 　-‐　´　 　 　 　 |::::::::|　　｀ヽ､__　　 　 ／　 ',:.:.:.. i　　 ｀`丶、
　　／　　　　　　　　 　 　|::::::::|　　　　　 ｀ヽ.　 {_ 　 　',:.:.:. i　　　　　　ヽ、
　/　　 　 　 　 　 　 　 　 |::::::::|　　　　 　 l　|　 ||!　　　}:.:.:.::!　　　　　　　 ＼
./　　　　　　＼　　　　 　 |::::::::|　　　　 　 l　|　 |{　　　 ｌ::.:.:::l　　　 　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　 　 ヽ　 　 　 |::::::::|　　　　 ／,ア￣￣｀ヽ　l:.:::::::l　　　　　　　i　　　`､
　　　　　　　　　　 ＼　　 |::::::::|　　　／／　 ／＞≦二;;}:::::::l　　　　　 　 |　　　　`､





　ノ＿,､＿ノﾉ,,孑 / ノ
彡从毛乂乍ﾘｿミヾ壬ミ
从彳川少匕从彳ﾐ川少＜
毛仆卅从ﾐ从毛仆卅从彡
Ｗ从匕ﾐ弋幵Ｗ从匕弋乂
从乂lヽlﾐ＼卅从乂lヽl＼Wﾐ
从W毛彡厂''V'＼ '　 　 .∨
Ｗ从匕乂　　　　　　　　　',　　　　　　　　世の中はなぁ、ざっくり分けて三つの層があるんだ。
从卞弋V'　　　 　 ',　 　 , -',
災什人.　　　 　 　 ', ii／少ﾐ}　　　　　　　 やられる奴らと、やる奴ら。そして、そいつらに守られてる奴らだ。
升入　　　 ｀ﾞｰ-=_ノ_,t壬昨ﾉ
ミﾐ______　_, -壬少ﾉ rxﾞ".rxl　　　　　　　　　誰がいつやられる側に回るか、やる側に立つか、それもその時だけどな。
W　 　 .｀弋匕ﾐ少'　{　.', { .∨
/'　　　　　｀￣´　　_.',　.',.',　',　　　　　　　　　
∧　　　 　 　 rｘ　　.｀',　.',.',　',
. ∧.　　　 　 rﾞx X--‐'',　.',l　 ',
　　｀ｰ- ,_. 　 ＼＼ ＼/',　.',　 lヽ
　　　　　 ｀ｰ- .._ヽ ヽ ｀ｰ'　　　l ﾊ
　　　 　 　 　 Y´ ヽ　ヽ　　　　 l　＼

3326：安価のやる夫だお：2020/11/09(月) 20:29:16 ID:fLL0.lxY0
こういうおっさんいいなあ

3327： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 20:32:22 ID:3p9yxhx60

　　　　　　　　　　　　　　　　　　､_,ヽ＼汁|ヽヾ_,_,
　　　　　　　　　　　　　　　　｀久匕卅从W勹災七
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 乂从Ｗ仆幵卞从Wﾐ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 YヾlVlN从ﾏ大Ｗ从ﾀﾞﾐ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾉ　　 ∨r ､卞卅从从　　　　　　人間っつーか、生き物の本質は血生臭いんだ。
　　　　　　　　　　　　　　　　r}-―==ヽ）}从ｵﾐ仆匕
　　　　　　　　　　　　　　　　｀l　　　　|i/ 'W从卅冫　　　　　　 奪われないように奪って、傷つけられないように傷つけるんだ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　',　　　　 　 W从彡'
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',　　 　 ,　 ,r'´￣　　　　　　　　 そんな弱肉強食の世の中から離れて生きていけるのも、
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 """"ヾ／／´///
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 l/´//////　　　　　　　　結局は俺らの代わりに戦場に立つ奴らがいるからだ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/////////
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 //////////　　　　　　　　　平和ってのは、いつの時代も血塗られてんだ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{/////,r'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ//,r'´　,r'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ）'´　,r'´





　　　　　　 　　ヽ ､______＿＿ ヽヽ. ､
　　　　　　　_,, ..≧::::::::::::::::::::::::::ヽV::ヽl
　　　　　　 ,.イ::;ィ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`＝イ/
　　　　　　 /／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::<
　　　　　　〃::::::::::::;ｲ／/ﾘ|:/|:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　∠::::::::从（ 　 　　l/ !::::::::::::::::::::::::::::::: ヾヽ
　　　　　　/イ∧` ､,,ｨ≦=ｒヽl／ﾙ::::::::::::::::::::::::ヾ、　　　　　　そんなの、おまえが気にしてもしょうがねえだろ。
　　　　　　　 〈_≧ｒ=!:::::::ノ　　　　ﾘ:::/ヽ:::::::::::::ｌヽ
　　　　　　　　!:::::/　 ￣　　　　 　 lん） !::::::::::ﾙ　　　　　　　　もう戦えねえんだし、はやてちゃんが住む場所だってくれたんだろ？
　　　　　　　　`ｌ〈　_　　　　　　 ,.. 　( ,.ｲ:::::::::::（　
　　　　　　　　 ヽｒ__　　　　　　/　　l´　!::::::::从ヽ　　　　　　　　「やる夫にできることは、ないんですかお」
　　　　___ ,....,..._　ト-｀¨　　　　　　ノ　 ルﾘ人ヾヽ
　　ｒ‐"＿ｌ＿辷〕_}illi、　　　,, -　　　,,..::::"::::..　|　＿_　　　　　　できることねえ……
　 ｆ,! └‐ｒ‐‐／ / ^vllllllｒ''"　 ,,...::''::::::::::::::::::::／´　 ／`!
　 H__ﾉ__ﾉ__ﾉ　/　　　ｒ=`-''::::::::::::::::::::::::::::／　　／　　 ヽ
　{　　 ∨　　　ｌ　　 　ヽ:::::::::::::::::::::::::::::／　　／　,.　" 　　＼
　l､　　 l　　 ／　　　 / l::::::::::::::::::::::／　　／　／
　/｀'ー― /　　 　 ／ /:::::::::::::::::／　　／　／
/　　　　 /　／￣/　 /:::::::::::::／　　　　　/

3328： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 20:37:46 ID:3p9yxhx60

　　　　　　　　　 ､_／N从ﾏ大Ｗ从＼l　ﾍ卅从W勹災七災七
　　　　　　　　　　乂;从l勹|＼|　＼l　　　 ﾍＷ从ﾀﾞﾐ从ｵﾐ仆匕
　　　　　　　　　 ￣Y毛l＼l　 ヽ 　　　　　　＼W勹災七卅从
　　 　 　 　 　 　 　 ﾍl＼l　　　　　　　 　 　 , r '´
　　　　　　　　　　　　 　 ', ;;　 /　　 　, r ' ´
　　　　　　　　　　　 　 　 ',;;; /　, r ';;´''
　　　　　　　　　　　　　　 j ,ｲ､'´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　自覚すること、くらいかね。
　　　　　 　 　 　 　 　 　 l //ハ
　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀lヽ//i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　俺たちは恵まれてる、守ってもらえている。
　　　　　　　　　　　　　　　｀| ｀ '
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そう自覚して、平和に酔わず、兵士達に祈る。
　　　　　　　　　　　　　　　 l
　　　　　　　　　　　　 　 　 l_＿r‐　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そんくらいだ。おまえもはやてちゃんに目一杯感謝しな。
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀i
　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿ヽ==‐―'　　　 　 　 　 　 ／
　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣ l 　　　　　　　　　　／
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀ヽ　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 弋ilililililililiツ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀'''''''''''´　.｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ',

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
ハセガワの視線の在処は分からない。
けれど、サングラスの奥の瞳は、まっすぐにこちらを見据えているように思えた。
この男とて元兵士だ、自分のような戦場に立って一年も経たずに降りた男とは違う。

彼の言葉は、彼なりに導き出した答えの一端なのだろう。
それでも、腑に落ちなかった。ああ、そうなのかと、納得できなかった。
具体的な反論があるわけではないが、彼の答えに恭順するのも違う気がする。

感謝ならいつだってしている。自分の周りは恩人ばかりだ。
今となってははやてにおんぶにだっこだ。
昨日までは、それを享受できていた。
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3329： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 20:52:23 ID:3p9yxhx60

　　　　　　　　　 ／￣￣￣＼
　　　　　　　　／　　─　　 ─＼＿　とうおるるるるるんっ
　　　 　　　／　　 （●） 　（●） ＼|l(^)
　　 　　　　|　　　　　（__人__）　　　l(_ ）
　　　　　　 ＼　　　　 ｀ ⌒´ 　　／⊂)
　　　　 　　／ 　 　 　　　　　 　 ヽ　ﾉ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
ハセガワと男二人、獲物のかからない竿の先を眺めていると、
端末が振動しだした。この振動の仕方は通話の着信だ。

はやてかと思って、画面も碌に確認せずに出ると、
牧瀬の声が聞こえてきた。

「ああ、入束君？　今って予定空いてる？」

事務的な彼女の声にはい、はいと応える。

「そう、よかった。先生が直接伝えたいことがあるから来てくれって……
来られそう？」
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3330： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 21:00:05 ID:3p9yxhx60

..　　　　　＿＿＿_
　　　　／　―　　-＼
..　　／　 （●） 　（●）　　　　　　　　ちょっと、用事ができましたお。
　／　　　　 （__人__）　＼
　|　　　　 　　｀ ⌒´　　　|　　　　　　「おう」
.　＼　　　　　 　　　　 ／
.　　ノ　　　　　　　　　＼
／´　 　　　　　　　　　　ヽ





　　　　　　 　　ヽ ､______＿＿ ヽヽ. ､
　　　　　　　_,, ..≧::::::::::::::::::::::::::ヽV::ヽl
　　　　　　 ,.イ::;ィ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`＝イ/
　　　　　　 /／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::<
　　　　　　〃::::::::::::;ｲ／/ﾘ|:/|:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　∠::::::::从（ 　 　　l/ !::::::::::::::::::::::::::::::: ヾヽ
　　　　　　/イ∧` ､,,ｨ≦=ｒヽl／ﾙ::::::::::::::::::::::::ヾ、
　　　　　　　 〈_≧ｒ=!:::::::ノ　　　　ﾘ:::/ヽ:::::::::::::ｌヽ　　　　　じゃあな、兄ちゃん。そう考えすぎんなよ。
　　　　　　　　!:::::/　 ￣　　　　 　 lん） !::::::::::ﾙ
　　　　　　　　`ｌ〈　_　　　　　　 ,.. 　( ,.ｲ:::::::::::（　　　　　　　はやてちゃんに心配かけさすなよ。歯ぁ磨けよ。
　　　　　　　　 ヽｒ__　　　　　　/　　l´　!::::::::从ヽ
　　　　___ ,....,..._　ト-｀¨　　　　　　ノ　 ルﾘ人ヾヽ
　　ｒ‐"＿ｌ＿辷〕_}illi、　　　,, -　　　,,..::::"::::..　|　＿_
　 ｆ,! └‐ｒ‐‐／ / ^vllllllｒ''"　 ,,...::''::::::::::::::::::::／´　 ／`!
　 H__ﾉ__ﾉ__ﾉ　/　　　ｒ=`-''::::::::::::::::::::::::::::／　　／　　 ヽ
　{　　 ∨　　　ｌ　　 　ヽ:::::::::::::::::::::::::::::／　　／　,.　" 　　＼
　l､　　 l　　 ／　　　 / l::::::::::::::::::::::／　　／　／
　/｀'ー― /　　 　 ／ /:::::::::::::::::／　　／　／
/　　　　 /　／￣/　 /:::::::::::::／　　　　　/

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了承して通話を切り、ハセガワへと向き直る。

この男と自分の境遇は似通っている。
かつては戦場に身を置き、そして身を退き、今ではこうして平和に暮らしている。
自分もこの島で暮らしていれば、いつかこうなるのだろうか。

戦場での出来事を、昔話にできる日が来るのかもしれない。
それはとても幸せなことに違いない。
多くのことに目を瞑ってさえいれば。
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3331： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 21:04:11 ID:3p9yxhx60
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3332：安価のやる夫だお：2020/11/09(月) 21:09:23 ID:fLL0.lxY0
オカン属性オッサン…ヒロインかな？

3333： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 21:10:45 ID:3p9yxhx60

　　　　　　　　　　　　　　|i　|　 ≫　　　　　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　|i　|　:′　　　　　　　V
二三＿　　　　　　 　 　 .|i　|　i|　　　　　　　　｜
.　　.　　　.三二ﾆ≡＝=-|i　|　i|　　　　　　　　｜￣三二ﾆ≡＝=―-　　 ..,_＿
　　　　　　　　　　　　　　|i　|　i|　　　　　　　　｜
　　　　　　　　　　　　　　|i　|　i|　　　　　　　　｜　　　　/￣三二ﾆ≡＝ミ
　　　　　　　　　　　　　　|i　|　i|　　　　　　　　｜　　 　 {　　　　　 　 //　ハ
　　　　　　　　　　　　　　|i　|　i|　　　　　　　　｜　　　　∨　　　　　//　　 .厂
　　　　　　　　　　　　　　|i　|　i|　　　　　　　　｜_＿　　　￣三二ﾆ≡　≠
　　　　　　　　　　　　　　|i　|　i|_　　　 　 　 　 .|￣i　　　￣三二ﾆ≡＝=―-
＿　　-‐=＝ ﾆ- 　 　 　 |i　|　i|＝=ﾆ二三_ 　 .!　 !
三二ﾆ=＝-‐　i |___|r三ﾆﾊ｜ i|i　　 　 　 　 | . !　 !　 i￣三二ﾆ≡＝=―-
　　　　　 |r三二ﾆ=||////|i |　i| }{＝=ﾆ二三!　|　 |　｜//////////////|
z　　　　__!i////// !!////!!.|　i|/ﾊ __ fﾊ__　　　　　fffr≦抃//////////,.|
三二ﾆ=--i//////,|i////jｌニ=.廴}{__}辷}　 rr≦ﾆ=i:.:!　　|:|//////////,｜
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　　　　|:i:i:i:i!　　　　　　　　　|　　　 ,.. r≦　j:i:i:!　　/,　　从!
.　　 　 !:i:i:i:lー-＝=ﾆ二　　｜ ｒ≦　　　　 刈厶斗/f≦ {:i:}
　　 　 .|:i:i:i:i!. : : : : : : : ::| !　　/二 ＝ -　=i:.:|ﾆ＞ｲ!:i　　.i:i|
-＝=ﾆ」:i:i:i:il_,..　-‐　"　i |　　{/￣ ニ ＝:｜:!　　i:|i:i| 　 .i:i|





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
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　　　　　　　　　　　　　 ///|｛;人:{ ﾉ 　 ]￣　{::::(＿ノ彡////∧　　　　　　　　　　　　　　　　　……なんだ、手土産の一つもなしか。
　　　　 　 　 　 　 　 　 |///ﾚＶヽ└ ＿　]_　_У　}/////|////{　　　　　 　 　 ／)
　　　 (＼ 　 　 　 　 　 |/////// ＼｀┘ ＜￣｀Ｖ/////,|////,|　　　　　　＿/　/＿＿_　　　　「先生っ」
　＿＿)　＼_　　＿＿__|'///|/////∧￣八ー‐///////|//// |　　 ／ヽ´| |　　　 　＿__)
（＿__,　　 　 |Τ|/////＼//|//////∧/|　ト-/////// |/////| ／///∧| |　　　＼ ＼　　　　　へいへい。んじゃま、そこに座れ。
　 ／ ／ 　 │|│////////|///////∧｣　∨/////// |////／//////∧｣　 　 ＼ ＼)
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二十分近く歩いただろうか、丁度いい運動だと思って徒歩で診療所へ向かった。
観音開きの扉の向こうには、相変わらずの使い込まれた家具に囲まれた空間と、
白衣姿の間が問診用スペースのソファに座っていた。

少し遅れて牧瀬がカルテを挟んだバインダーを小脇に現れる。
膝を組んでふんぞり返っている間相手に小言を口にし、
間が条件反射に思える速度でひらひらと手を振る。

牧瀬と間は親戚くらいの歳の差らしいが、それを除いても、
男女の雰囲気には見えなかった。二人とも美形だし、
間もまだ青年らしさが抜けきっていないくらいの年頃のはずだが、
こういうものなのだろうか。

言われるがままに彼の向かい側のソファに座ると、
彼はわざとらしく咳払いをした。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3334： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 21:14:36 ID:3p9yxhx60

　　　　　　　　　　　　　　_＿z=‐-Zﾆ=､＿_
　　　　　　　　　　　＿＿≧　　＞ニニニﾆﾆ｀ヽ
　　　　　　　　　　　_＞　　＜ニニニニニニニﾆ',
　　　　　　　　　　　 7／ ／ニニニニニニニニﾆ!
　　　　　　　　　　　７　　7ニニニニニニニニﾆﾆ}___ノﾉ-‐ｧ
　　　　　　　　　　　И/ Nニﾆ!ﾆ=‐∨}/ニニニニﾆﾆニ＜__,
　　　　　　　 　 　 　 //　{ﾆ{ﾆ芍ｱ. . . .ﾑ=/ ヽニニニニ≦　　　　　　　　　　　　おまえの検査結果を詳しく分析していてな……
　　　　　　　　　　　 И∧{ ∧{ へ,,. . .〈ﾆ/ __/ニニニﾆヽ⌒
　　　　　　　　　　　　　 　 i!__　 ノ ＼,. . 　‐=ﾆニニニニ{､__　　　　　　　　　　　　で、結果から言うと、だ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ_　　‐=ﾆニニニニニニニニﾆ=‐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ニニニニニニニニニニニニニヽ　　　　　　　　おまえ……これからしっかり治療すれば、
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ニニニニニニニニニニニニニﾆﾆﾆ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 ７ニニニニニニニニニニニニニニニニﾆﾑ　　　　　　コジマ汚染もAMS負荷の後遺症も出ない。
　　　　　　　　　　　　　　　／ニニニニニニニニニニニニニニニニニニﾑ
　　　　　　　　　　　　　 ／／/ニニニニニニニニニニニニニニニニニニﾑ　　　　　　天寿も全うできる……
　　　　　　　　　　　　　ヽ ＼'ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニﾆ＼
　　　　　　　　　　　　　　 ＼二ニニニニニニニニニニニニニニニニニニﾆﾆﾆ＼
　　　　　　　　　　　　　　// |ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ≧=､
　　　　　　　　　　　　　 //　|ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ}!
　　　　　　　　　　　 　 //　 i!ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ､＼ニニ､
　　　　　　　　　 　 　 //　　|ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニﾆ}　ヽニニ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　!ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニﾆﾆﾑ　　ﾏニﾆﾆ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　|ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニﾑ　　ﾏニニニ＼





　　　　　　　　　　 i: : : : : : : : : : : : : : : : |ﾊ: : :!: : |: :|: : : : : i
.　　　　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : : : : :.|_｣厶|ニL: |: : : : : |
.　　　　　　　 　 　 |: :i: :i＼ﾊ{、: l＼: : : ﾌ斗云ﾃｱ.:｜ Y : : !
　　　 　 　 　 　 　 |: :|斗‐=士ヽ ＼＼/　弋t:|/: : : |　:|: : : :,
　　　　　　 　 　 　 |:八 {r弋'うﾐ ＼{　　 　 　 |: : : :,ﾊノ: : : : ;
　　　　　　　　　　　!: : :＼　ゝ 'ﾞ　　　　　　　｜: : :|: {: : : : :i :,
　　　　　　　　　　　' : : : : ヽ　　 　 '　　 　 　 | : : :ｌ: :V: : : :l: :,　　　　　　つまり、どちらの進行度もかなりの軽度。
　　　　　　　　　　　 '.: : : : : :＼ 　　,.　-‐ 　 ｜: : :! /: : : : :!: :,
　　　　　　　　　　　　'. : : : : : :　ｈ｡,　｀　　／ｉ|/ :/: : : : : : :i: : :,　　　　　　余命うんぬんに怯えなくてもいいってことね。
　　　　　　　　　 　 　 i: : : : : : : :|:l:i: :＞ く｢￣|: : : : : : : : : ::: : : :,
　　　　　　　　　 　 　 ｝.: : : : : : :|:l:i:ｉ.:|}＿_!　/!: :i: :l: : : : : :i::: : : ′　　　　　「牧瀬、君なぁ」
　　　　　　 　 　 　 　 j: : : : : : ／二}.ｲ　　》,　{: :i: :l: : : : : ;::::: : : :
　　　　　 　 　 　 　 _人_;.二∠=-／:::|　／:::＼: : : : : : : : Ｌ.,_:_:_:_　　　　　　　変に先生が脅かそうとするからです。
　　　　　　　　　　〃　/　　　　 ⌒!:::::| /:::::::／ ; : : : : : : :.|
　　　　　　　　　 /　　′　　 　 　 トくj/_:／　　 '. : : : : : : |
　 　 　 　 　 　 /　　 i 　 /　 　 　:|::::::/　　 　 　 '. : : : : :｜
　　　　　　　　/　　. ！ /　　　 　 L_/　　 　 　 　 '.: : : : :.i
　 　 　 　 　 / 　 　＼V　　　　　 厂{　　　 　 　 　 '.: : : : :',
　　　　 　 ／　　　　／　　　　　 ,′:|　　　　　　　　 '.: : : : ',

3335： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 21:19:03 ID:3p9yxhx60

　　　　　　　　　　　　／: : /: : : : : : : : : : : ｌ: : : : ＼
　　　　　　　　　　　/: : : :/: : :ｉ: : : : : : : : : l!: : : : : : ヽ
　　　　　　　　　　/: : : : / : : ｌ: : : : : : : : : i! : : : : : : : :',
　　　　　　　　　 /: : : : ｉ: : : :ｌ : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　　 　 　 　 /.: : : : :ｌ : : ∧ : : : : : : ｉ: : : : y: : : : : : :ｉ
　　　　 　 　　 ,': : : ｌ: : !: /─ト､: ｉ: : : :ｌ: : : _ハｌ : : : : : ｌ
　　　　　 　 　 | : : : ｉ: : : 手＝ﾐ'ヽ: : : ｉ´≧=zヽｌ: : : : : :ｌ
　　　　　 　 　 |: : : : ',: :ｌ 人うｿ　ハ::/　灯なゝｌ_ i : : : :ｌ　　　　　　　　今日はちょっと、色々と試験段階の治療も扱うから
　　　　　　　　 |: : : : ヽ { 　￣　　　'´　　ゞ-'　ｌｨ｀} : : : ｌ
　　　　　　　　 |: : : : : 乂　　　　　　'　　　 　 /イ:ｌ: : : :ｌ　　　　　　　　　同意書へのサインが欲しくて。ああ、一応紙のね。
　　　　　　　　 |: : : l!: : ヽ｀ 　 　 ._ __　　　　/ｌ: : :ｌ: : : :ﾊ
　　　　　　　　 |: : : l!: : : : ＼　　　　　　　 ｲ: :ｌ: : :ｌ: : : iﾊ　　　　　　　　　アナログ復興主義者じゃないけど、ほら、こういう場所だから。
　　　　　　　　,': : : :l! : : : : : :＞ 　 __　＜ : : : ｌ: : :ｌ: : : ｉハ
　　　　　　　 ,': : : : :l!: : : : :ﾊ:|￣「ｉ＿「ｉ￣| : : ｌ: : :ｌ: : : ｉ ハ
　　 　 　 　 /: : : : : l!: : ｌ: ｌ ｌ/　　ｌ ｌ.0.ｌ ｌ　 ヽ: :ｌ: : :ｌ : : ｉ : ハ
　　　　　　/: : : : : : :l! : ｌ: ｌ/　　// ｌ ｌ ｌ i　　 ＼: : :ｌ: : :ｉ: : :ハ
　　 　 　 /: : : : : : : :l : ｌ／===// ﾍ　∧丶===''─ｌ: : ｉ─　 ﾊ
　　　　　ｌ::./二='´￣l: :ｉ　　　 ｀ ＼ ∨ ／ 　 　 　 ｌ : :ｌ　　 ヽ{
　　　　　ｌ/　ヽ　　　 ｌ: ｉ 　　　　　{￣￣}　 　 　 　 ｉ: : !　　　　|}==y
　　　 　 {|　　　＼　 ｌ: ｉ　　　　 　 [!:::::l] 　 　 　 　 ｌ : !　　＿_／/　〉





　　　　　　　　　ー=≦ミ:i:i:i:i:i:i:i:寸=─-
　　　　　　　 ／　≧＞:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i＼
　　　　 　 ／才∠:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:＼
　　　　　 ／　　艾:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ﾑ
　　　　 /　　イ/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i　　Y
　　　 ./　／//:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|ﾉ}/}　}
　　　 {ｲ　　　ハ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/ ￣寸:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/乂./}
　　　 ,　/　'/:i:i:i:i:i:i{ﾊ/＞ハ:ﾑ 圦} .l:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i／:ﾉ
　　　 |/|　.ﾊ:i:i:i:i:i从//苡　.}:iﾑ ::ﾉノ-=ﾆ二二二二二二二ﾆ=-　　　　　　　　　桜花の連中も、お抱えのリンクスの連れだからと
　　　 | .|　!　V:i:八〈.ﾑｲ.＿ﾑ=ﾆ二二二二二二二二二二二二/
　　 　 八 | 　 Vﾑ乂　寸ﾆ二二二二二二二二二二二二二/　　　　　　　　　　タダで面倒見てやるつもりもないのさ。
　　　　　 ＼　　寸＼　　寸ﾆﾆ二二二二二二二二二二二/
　　　　　　　　 　 ￣｀く　　寸二二二二二二二二二二二/　　　　　　　　　　　　AMS適性保持者も貴重だからな、
　　　　　　　　　　　　 人 　 |二二二二二二二二二二二二ﾆ=-
　　　　　　　　　　　　 　 ｀´人二二二二二二二二二二二二二二二ﾆ=-　　　　　サンプルは幾らあってもいいって話だ。
　　　　　　　　　　　-=ﾆ二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆ=ｰ
　　　　　　　　-=ﾆ二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆ　　　「先生っ。折角ポジティブな話してるのに」
　　　　　　 　 V二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆ|
　 　 　 　 　 　 V二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二j_　　　へいへい。
　　　　　　　　　 V二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二|
　　　　　　　　　　V二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆ|
　　　　　　　　　　 }二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆ|
　　　　　　　　　　八二二.二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二|
　　　　　　　 　 ./二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆﾆ|
　　　　　　　　 /二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆﾆﾆ
　　　　　　　 ./二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆﾆﾆﾆ

3336： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 21:20:36 ID:3p9yxhx60

　　　　 　 　＿＿__
　 　 　 　／　　　　＼
.　　 　／　 　 　 　 　 ＼
.　　／　　　 ―　　 ー　 ＼　　　　　　……はやてさんは。はやてさんは、どうなんですかお。
　　|　　　　（●） 　（●） 　|
.　　＼　　　　（__人__）　 ／
.　　　ノ　　　　｀ ⌒´ 　 ＼
　／´　 　　　　　　　　　 　ヽ





::Vi /| /　　　　　＿　　　　　　　　　 /　/　 ﾊ　　　　　　　　　　ヽ　＼ヽ＼
::∧ﾊ./| //i/ｨ／　　V　　　　/　 /　{　/　 {　|　 |　　　　　　　　　 ＼ ',ﾍ ハ
::::::::::V::::/:::::/ /￣ヽ / 　 / / 　 |　 |　ﾊ　 |　ヽ　{　 l　　　　　　　 ∧ ヽ
::::::::::::::::::::::::|　 {　　 /　　∧||　　|　 |　|弋 ミﾐ､|　|　 |　　　　　　　　　}ハ
:::::::::::::::::::::::::i　　　{ |　　 |　|ﾊ　 ﾊ　ﾄ .|　ｨｔ､-､ V/　/　 |　　　　 　 　 |
:::::::::::::::::::::::::ヽ　　　|　　 |　ヽﾊ | .ﾚ ＼　 ヾソﾍ ﾉ .//　ﾉ 　 ｨ　　　ﾊ　|
:::::::::::::::::::::::::::::廴　 |　　 |　　 ＼ハ ゝ 　　 ゞノ/ /ﾌ　/　　/　　　 | |　|
:::::::::::::::::::::::::::::/ﾊイ|　　 |　　　　　 ＼　　　　 ／　イ/　　/　　i 　.| | .ﾉ
::::::::::::::::::::::ノ/.// | ｀ー'´　　　　　　　　　　　　　　 ﾚ　／　　/　　ハ/　　　　　　　個人情報だ、教えられんな。
:::::::::::::::::／／ 　　| +　　　　　　　　　　　　　　-＝イ:::／ / / 　 / ./
:::::::::::＜　 ´ 　 　 | ｷ　　　　　　　　　　　　　_　　　 V ／ / 　 /　　　　　　　　　　　どうしても聞きたきゃ本人に聞け。
≦=､＿＿　　 　 ∧ｷ　　　　　　　　　　　　　 ｀ 　　 Y ／　／
:::::::::::::::::::::￣≧=､　>｀ﾒ､　 　　　　　 ￣｀ - _/｀ー ' ´/ .／
:::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:＞､､　　　　　　　　- ､ノ　　／ ／
:::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.::.＼　　　　　　　/
:::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＞､　　　　/
:::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.≧ー＜
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.￣｀ー - ､
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:￣ ｀ ー ─ - ､ ＿
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.＼

3337： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 21:24:05 ID:3p9yxhx60

　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　 Vﾐ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､
　　　 　 　　　{　　　　　　　　　　　　　　　 ヾ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽﾍ
　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　 i　 　 V:::::::i::::::ヾ::::::::::::::::::::::::::::ﾊ:::∧i
　　　　_,ｨニニ|　　　　　　　　 　/　　ﾊ　　 }:::::::::ﾊ:::::::}}:::::::::::::::::::::::､::i |::|
　 _,ｨ壬ニニﾆ.Vi　　　　　 /　　|　　 / .| 　 }::::::/　i:::/ﾉ:::/i:::ｲ:::::::::::::ヾ|ﾚ-､
＜ニニニニニ|:v:i　　 |　 |　　. |　　|　 }　　|::/＿///∠/ノ::/::::::ﾊ:::::/二二二
二二二二二ﾆ|::::r ､|　|　 |　　. |　　|　 |　 /ｲ彡'ニ='´￣Уｲ:::::::|/:::ﾊ二二二
二二二ヾ＼ﾊ/::/　 |ヽ|　 |　　 ||　 .|　/　/ /＜弋ン＞　 /:::::::::/ i/二二二ﾆ　　　　　　なんだ、もしかして、今更後悔してるのか？
二二二＼:::::::::::i　　| ヽゝ | 　　||　 | /.／ ∧　 ￣￣　　/:ﾊ::::/ハ|二二二二
二二 ヾ＼:::::::::∧　 | |ヽ∨ヽ　.||　 | ﾚ |　 　 ＼　　　　イ/::::/二二二二二二　　　　　　最初に言っただろう。誰かが代わりをやる。
二二ﾆ≦ヾ:::::::::::::＼_ヾ　 V　　||　 |　 .|　　　　 ＼　　 /ﾊ::/二二二二二二ﾆ
二二二≦=､＿:::::::::::≧､　ヽﾊ　ヽ .|　 |　　　　　　ヾ　ﾊ二二二二二二二二　　　　　　　社会ってのはそういう風にできているってな。
二二二二ﾆフ/￣|´　 ＼　 　 ＼ﾊ.|　 ー'　 　　　　ﾚ'　|二二二二二二二二
二二二二二ﾆ|　　|　　　∧　　　　￣｀ ´￣　　 　 /　　|二二二二二二二二　　　　　　　おまえが用意してもらったのは、そういう道だ。
二二二二二ﾆ|　　|　　　 ＼＼　　　｀￣　　　　 < 　 　 |二二二二二二二二
＞､二二二二.|　　|　　　　　　 ＞　　　　　　／/ 　　　 |二二二二二二二二
二ﾆ＞､二二ﾆ|　　|　　　　　　　　＞──イ／　　　　 ∧二二二二二二＜
二二二 ＞､ニゝ　 |　　　　　　　　 ＞=-=＜　　　　　/ /二二二二 ＜二二

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
間の鋭い瞳に射竦められ、それ以上の言葉が発せられなくなる。
分かっている。自分は本当に虫のいい男だ。

けれど、そう思わずにいられないのも自分だ。
呑み込めるほど大人じゃない。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3338： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 21:28:44 ID:3p9yxhx60

　　　　　／　／/::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　 /.／ イ::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ:::::::::/::::::ﾉ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
.　 　 　　 /./　//:::::::::::::::::::::::::::::/　|:::::/::::::/ i::::::::::::::::::::::::: _ _ :::::::::::::::
　　　　　 |/　//::::::/:::::::::::::::::ﾊ:::| ./:::/三≧/／/::::::::::::::/　_　ヾ:::::::::::
　　　　　 |　/ .i:::::/i::::::::::::::::::| 升彡イニ￣ 　 /／i::::::::::| /　 ） i:::::::::::
.　　 　　　　i　.l::/ ｨ::::::::::::::::::|　ヾﾃr j ／　　 　　./::::::::::| ） /　.|::,:::::-
.　 　　　　　|　.| ﾊ i:::::::::::::::::::ミ､　）‐'´　　　　　 /::::::::::::| / - ' ´三三　　　　　　　俺はおまえに意見を言う気もない。好きにするがいい。
.　　　　　　 |　　| |.ﾚi::::::::::::::,､:ヽ＼　　　 　 　 ./:::_::::-:::'::´三三三三
.　　 　　 　 ヽ　 | |　|:::::::::::/　｀ﾐ､_ ＼　　 _　- ' ´三三三三三三三　　　　　　　　何もかも、おまえがどうしたいか、だ。
　　　　　 　 　Ⅶ　Ⅵ::::::::/_　　-　　　 Y´三三三三三三三三三三
　　　　　　　　 ヽ　 V:::ﾊ:::::::＞､　　＿ .＼三三三三三三三三三三　　　　　　　　おまえには選択の余地ってもんがある。
　　　　　　　　　　／ヾハ:::/三 >'￣　　　 ヽ三三三三三三三三三
　　　　　 　 　 ／三三三/三三ﾆ｝￣　　　 V三三三三三三三三三　　　　　　　　それはな、凄く有難いことなんだ。
　　 　 　 　 ／三三三三三三三::i､　　　_ ィ ト三三三三三三三三
　　　　 　 <三三三三三三三三三三三三ﾆ.| ヽ三三三三三三三
　　　　　 　 ｀ -　､三三三三三三三三三≧／:::＼三三三三三三
　　　　　　　　　　 ｀ - ､三三三三三 ／／/）:::::::::人三三三三三三
　　　　　　　　　　　　　　＼三三ﾆ.／／/.//::::::::/ | |三三三三三三





　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ､-､＿＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　≦　　,;≠"':':':':::::＼
　　　　　　　 　 　 　 　　＜　 ,;''":::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　 　_〃　,'::::::::/∧ル::::::::::::::::}
　　　　　　　 　 　 　　　7　 ﾊ´￣￥ ´￣|:::::ト､:::::!
　　　　　　　 　 　 　 　 ﾚ! ｲ　￣　ｷ￣｀ |:::::|　}::::｝　　　　　　　やりたいようにすればいいさ。甘えるもよし、拒むもよし。
　　　　　　　 　 　 　 　 Vﾊｌ　　　/　ｷ 　.l:::├<:::/
　　　　　　　　　　　　　 ∨ﾍ　 　 ｀　 ｷ 仏ｲ:::::::〈　　　　　　　　 幾ら悩んでご高説垂れたってな、結局は二つに一つだ。
　　　　　　　　 　 　 　 　 ﾙ ﾊ　　― 　ｷ 　 |:::::::::彡
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼＿　イ 　 ﾊ;;;;;彡　　　　　　　　やるか、やらないか、ってな。
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 〈￣￣ｌ＿　＜￣￣7
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 >:::::::/水ﾍ　}::::::::::::＼　　　　　　　　 俺は賛成も反対もせん。おまえが決めろ。
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 イ::::::::ｌ ハ　 /::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::ｌﾉ　ヽ/:::::::::::::::::::::::ﾍ
　　　　 　 　 　 　 　 　 /:::::::::::::::::::ｌ 　 /::::::::::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　ｌ::::::::::::::::::::::| ∨:::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ
　　　　　 　 　 　 　 　 ｌ:::::::::::::::::::::::| /::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ
　　　　　　　　　　　　 ｌ:::::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ

3339： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 21:34:00 ID:3p9yxhx60

　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 . . .-━-. . .
　　　　　　　　　　　　　　　 . . : : : : : : : : : : : : : : : : .、
　　　　　　　　　　　　　 ／: : : : : : : : /: : : : : : : : : : : ＼
.　　　　　　　 　 　 　 . : : : : : : :/ : : /: : : : : : : : : : : : : : ヽ
.　　　　　　 　 　 　 /: : : /: : :./.: : : : : : : : : : :.|.: : : : : : : : ﾟ｡
　　　　　　　　　　 / : : : : : : /.: : : :.|.: :. :. .:l|: :.|: : : : : : : : : :ﾟ｡
.　　　　　 　 　 　 ′ : : |: : /ｌ|:: : : :.|.: :. :. .:l|: :.|: : : : : : : : : : :ﾟ.
.　　　 　 　 　 　 : : : : : :|: : |八 : : : |: : : : :.ﾘ: :八: : : :|: : : : : : :
　　　　　　　　　 |: : : : : |人|　 ＼ : |: : : : /:.:/　 ＼: :|: : : :|: : :|
　 　 　 　 　 　 /|: : : : : | 　￣￣ ヽ|: : :.:/7/￣￣ 　:|: : : :|: : :|　　　　　　……私は、このままここで暮らせばいいと思うけど。
　　　　　　　　//|.: :. :. :.斗r矛笊⌒ ＼/＾⌒笊ﾃ矛寸 : : :|: : :|
.　　　　　　　 :′|: : : : : 八乂rツ　　　　　 　 乂rツﾉ|.: :. :.ﾄ : :|　　　　　　世の中、辛いことから抜け出せない人もいる。
　 　 　 　 　 ｛　 |: : : : : :l　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |.: :. :.|ﾉ: :|
　　　　　　　￤　|.: : : :. :.|.　　　　　　　'　　　　 　 　 |.: :. :.|: : :|　　　　　　抜け出せるだけ幸せだって思わない？
　　　　　　　￤　|.: : : :. :.|i　　　　　　　　　　　 　 　 ,|.: :. :.|: : :|
　 　 　 　 　 ｛ 　|.: : : :. :.込、　　　　r　 ヽ　　　　　仆: : : |/: :|　　　　　　それこそ、はやてさんに感謝しなきゃ。
　　　　　　　 乂 ′.: : : :.|: : :ﾄ. 　 　 　 　 　 　 . : : :|:|: : : /: : :|
　　　　　 　 　 /: |: : : : : |: : :|l : ＞　　　　　イ.:. :. .:.|:|: : /: : : :|　　　　　　「やる夫は……」
　　　 　 　 ァ⌒ｰ|: : : : : |: : :|ｌ｛￣￣うT〔￣￣].: : :.|:|: /: : :Λ|￢、
.　　　　　 / 　 　 |: : : : : トＺ廴｝　　}}=={{　　 ｛廴.斗|/ : : /　｝ 　 ＼
. 　 　 　 /　　　　|人: : : |　.//　 　 }}=={{　　 　 } }　/ : : / 　｝　　　Λ





　　　　 /　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...
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　 　 / /　　　　　　／::::::::::::::/:::::::::::::::::::::/i:::::::ﾊ:::::::::::i::::::::::::...
.　　/ /　　　　　　/::/::::::::::::/::::::::::::/::::::/ ﾉ:ﾊ i　V:::::::l::::::i:::::::::::..
　 / ｲ /　　/　　/イ::::/::::::/::::::::::::/::::::/ /:/　i.l＿V:::::|::::::|::::::::::::::::...
　i .ﾊ./　　/　　 i /::::ｨ::::::/::::::::::::::i::::::::レ＝ニ=''￣V:::|:::::::|:::::::::::::::::
　l ﾊ i 　 /　　　 {::::/:::::::i:::::::::::::::::l::::::::彡´=ｔ=ョ=≧i::/:::::::l::::／ヾ::::
　l　ﾚ　 /.　　　　i;/i:::::::::|::::::::::::::::ﾊ:::::{　 ´ 廴-ン ノﾉ::/::::ﾚ　/j　}::
　l　|　./　i　　 　.| .|::::i::::|::::::::::::::ハ::::::ゝ､,,　　　　　／ィ::::::i/ ﾉ /::::
　　 V |　 |　 i　　l　l:::|::::|:::::::::::::|　 ﾄ:::ミヾ＼-　　　　ノ:::/:::レ /::::::
　　　V 　 |　ﾊ　　　i::ﾊ::::ﾄ::::::i::::|　　} ＼ _　,ヽ´　　-イ/:::ヒ /:::::::::::....　　　ノ　　　　　　　いいか小僧。大人になるっていうのはな、
　　　 V　 i./i　　i　 ヾ V:::::::::ﾊ:::|　　i　　｀　　.,ヾ　　ノ イ レ::::::::::::::::::::::::::::／./
　　　　ヾ .ﾚ l　ヽヽ　 V入:::::|　ヾ　　l　　　　　　 ',　´　 ﾉイ:::::::ヾ::::::::::::::彡／　　　　　　　自分の生き様を他人に委ねなくなることだ。
　 ＿＿_.>､ヽハ　　ヽノ　 ヾ::ゞ　　　 ヽ　　 _ノ　　ヽ　./人:::::＼:::＼::::::::イ:::ﾉ
／::::::::::::::::::￣￣｀' ､＼＼.∧:ヾ､　ー - '' ´_　　　　 V i:::::::::＼::::＞::＿＿ノ　　　　　　　　 子供のままでいたいなら、それでいい。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､ヾ　＼ゝ≧　　ー''´　　　 　/ 斗:::i::::::::ミ≧ﾆ=-
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾハレミ　　　　　　　　／ イ::::::ﾊ:::廴:::::ニ＝-＼　　　　　　　　　子供のままでいられないなら、自分で決めろ。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミ､＞､　　　　　 ／　　/:::::人　＼￣:::::::::::::::::::＼
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミゞ､ー─ ‐'´　　　 / /.i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　　　　　　
＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::￣￣￣／　 　i /　l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
／＞::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／　　　　/　　|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::／'´￣
::::::::::::｀ー─-:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／　　　　／　　　|::::::::::::::::::::::::::::::／
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＜　　 　 ／ 　 　 　 }::::::::::::::::::::::::::/
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／　 ＞-＜　　　　　　 |:::::::::::::::::::::::::廴＿＿＿ノ
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3340： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 21:39:47 ID:3p9yxhx60

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　　 　 　 　 ／　　　　　　 ＼
　　　　　　/ /　/　 /　　 　 ﾊ
　　　　　　i　i　ト＜_// ﾊ i_　}
　　　 　 　 V　 i"ﾃｧ｀ﾚ ≦从i
　　　　　　　|　 | 　 　 i ´/ ｲ
　　　　　　ノｌ 　ト 　‐ ／i　 !　　　　　　　　　私たちが今目にしている光景がいい例だ。
　　　 　 /　从 jj::ヽｴ 　 ｊ j/
　　,..―:＜::::::::j/:::::::::::＼j/　　　　　　　　　　この世にいる人間は三種類。奪う者と、奪われる者。
　 /:::::::::::::::::::::::ﾊ.....〉<:::::::::::┐
　 {::::::::::::::::::i:::::::V....!::::i::::::::::::}　　　　　　　　　そして今この場にいる、奪ったものを譲ってもらって生きている者たちだ。
　 {::::::::::::::::::::::::::::ヽj:::::::i:::::::::::!
　 {:::i::::::::::::::i::＼:::::::::::::::::::::::i:::!　　　　　　　　　私なら、あなたから、これ以上何も奪わせない。それだけの力がある。
　　ヽ:::::::::::::ﾊ:::::::::ヽ:::::::::::::::i:::}　　 __
　　　V::::::::::::ﾊ::::::::::i:::0:::::::::i:::i　/7::/　　　　　　あなたが誰かから何かを奪う必要もなくせる。
　　　 V::::::::::::ﾊ:::::::::i:::::::ﾉ::レ::ﾚ::::::/
　　　　V:::::::::::┴::::::￣::i:::::::::::::::::ノ　　　　　　　 あなたを、譲られる者にすることができる。生活を。平穏を。
　　　　 V::´:::::::::::::::::::::::::::ﾆﾌT´
　　　 　 }:::::::::::::::::::::┬::￣:::::::!
　　　　 /::::::￣::::::::::::i::o:::::ﾊ:::::!
.　　　 /:::::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::}
　　　/::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::!





　　　　　　　　　　　 , ─´──-＜::::::::::::::::` ｰ────-- ､
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　　　　　　　 ／　／, ´　　＞　´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
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　　　　 /　 　＿ヽ　　О　　　r　 ´ ￣: : :／|: :/:ｌ´: : : : : : :|: : : : ヽ　　/
.　　　 /　 , ´　　 |　　　　　＿ｌ: : : :/: :／ヽ/／､:ｌ: : : : : :／､: : : : : ｌ　/
　　　 |　 /　　　　｀ｰ─ ´ |　|: : //／く￣ィ､ヽ ｌ:ヽ: : ／/__ ｌ: : : : : ｌ/　　　　　　いいかあ？　この時代に……いや、常にだ。
　　　 ヽ/　　　　　　　　|　|　|: : ',　 　‐ ｰ＾´ ソ､ｌ､: / ィ‐ ､｀|: : : : : ｌ
　　　　 |　　　　　　　　 ｌ　|__|＿: :ゝ‐ィ　　　　　　 　　ヾｰ　ｌ: : : ／ｌ　　　　　　　人類史が始まって以来、人間は三種類に分かれてきた。
　　　　 | 　 　 　 　 　 ｌ´　　　 　 ＼　　　　　　　　,　　/　_ﾉ: /､　 ｌ
　　　　 |ヽ　　　　　　 ｌ　　　　　　　 ＼　　　　　 　 　 ′ヽィ-‐´　ｌ　　　　　　　 実際に手を汚して弱者を殺し奪う者、
.　 　 　 |　',　　　　　/　　　　　　　　　 ヽ´ニニ二 ｰ-､　 /　　　 /
　　　 　 ',　＼　　／　　　　　　　　　　　 ヽ::::::::::::::::｀ /　/　　　 /　　　　　　　　　殺され奪われ強者の糧となる弱者、
　　　　　 ',　　￣　　　　　　　　　 r ､　　　 ＼ｰ-､::::/　/ 　 　 /
　 　 　 　 ∨　　　　　　　　　　　 ゝ '　　　　　＼ ∨　/　　　./　　　　　　　　　　　そして……殺し奪ったものを分け与えられ、
　　　　　　 ∨　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ヽ　/　　　./ヽ
.　　 　 　 　 ∨　　　　　　　　　　　　　　　　 　／ ｀　ｰ -　＿| |　　　　　　　　　　　血塗れの土地と金と飯で生きてるクセに、
　　　　　　　　ゝ───────- ､ 　 　 ／　　　　　　　　 /
──- ､　　　　|　　　　　　　　　　　　　丶　､　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　『私たちは罪もなく暮らしています』ってツラしたゴミ共だ！
　　　　　＞ ､　.|　　　　　　　　　r───--- ､￣ ` ┬--- '
　　　　　　　　＼　 　 　 　 　 　 ｌ　　　　　 О |　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　実行犯かそうでないかの違いしかねぇのによォ！！

3341： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 21:40:20 ID:3p9yxhx60

.　　 　 　 /:.:.:.:ァ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼ ／ ￣￣ ヽ
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　　 　 　 ,':.:.:/:.:.:.:.:.:./:.:.:. l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}
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　　　　　ﾘ　',:.:. |:.:.:ﾏ ﾏ:.:|: ´沁}:.:.|:.:.:.:/:.:.:.:/_／:.: , ':.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.: : /　　　　　　結局、私も君も彼らもリンクス。血塗れの戦争屋。
　　　　　　　ﾏ:.lﾏ:.:|∧ﾏ::{　 )じﾘ/:.: /:.:.:.:/　 }:.:.／:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: /
　　　 　 　 　Ⅳ ﾏ,':,　´N　ゞノ〃:.:/／:.ｲ　　／: ／:.:.:.:.:.:. ／:. : /　　　　　　　 だからこそ、信念がいる。せめてもの矜持がいるの。
　　　　　 　 　　 / : ＼　　 　/:.／ /:.:.:/__／:.:／:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:/
.　　　　　　 　　 {:.:.:/　ゝ┐ /ノ　 /:.: /, ':.: ／:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:..　　　　　　　　　　それが赦しになることはないけれど、なければ自分を貫けない。
　　　　　 　 　　 i: /　　　ヽ/　　./:.:.／:.:／:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.／
　　　　　 　 　　 |/ 　 　 　 ヽ-- ／:.:.／:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.／　　　　　　　　　　　　人は、そこまで強くないから。
　　　　　 　 　　 |!　　　　　　 ／:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:／:.:.:.:.:.／、
.　　　　　　 　 　 　 　 ＿__／:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:／:.:.:.:.: ／― ≧ｭ､　　　　　　　　　　　
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　　　　　　{　ｉ.: .: : | .: 人: .: .: ／￣ノハ　＼.:|　　x===ミ.: .:人八.: .: .:.:'，　　　　　　　もう、リンクスとして生きる必要はあらへんのや。
　　　　 　 　 |.: .: : |.: : : |:＼ : 乂 乂＾ツ　　 )　　　, ,　 ﾉ／イ.: :| : : .: .: '，
　 　 　 　 　 j八.:.:.|八.: |.: .:| .: .: :＞, ,　　 ､　　　　 　　 /|: j|.:.:.:|.:＼.: .: .:'，　　　　　　やる夫君はやる夫君として生きなさい。
　　　　　　　　　＼| | :＼.:.:.| : .: 込　　　　_　　 '⌒) 　 .: :| :ﾘ.:.:.:|.: .:.:＼.:.:.:'，
　　　　　　　　　　　:|.: .: .: .:|.:|＼.: .:> ,. 　＇‐-‐　 ／ | ∨/.: .: :|.:＼.: .: .: : :　　　　　　 人生は君が思うとるより短くて、
　　　　　　　　　　/.:|.:|.: .:.:.:|.:|／(　　　 ＞　　 _／　/:|　| : .: | .:|＼￣＼.: .:i　
　　　 　 　 　 　 /.: :|.:|.: .:.:.:|.:|//∧　 /:::|　|＼＿／../　:| .: : |.: |/∧　 ∧.:.|　　　　　　　君が思うとるより世界は広いで？
　　　　　　　　　. .: .:|.:|.: .:.:.:|.:|／⌒∨:::: |　＼ニﾆ／　 ∧ .: .|.: |＿_〉 /　∨
　　　　　　　　　| 八|八.: .:.:|.:|/＼_/ :::::: | /⌒> <⌒／:::∧.:.:| :八　∨ ＼ '，＼
　　　　　　　　　| ／　∧.: : 八　 /::::::::::::|　　〔:i:i:〕 /:／⌒ﾊ :|/　 ＼ ＼　＼ 　 ＼
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3342： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 21:43:02 ID:3p9yxhx60

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　　　　|　ヽ　ヽ　 ＼ヽ､　 　 ヽ　　ヽ　　 　 l　　　｀ヽ、
　　　　l　　ヽ　 ヽ　　＼｀ヽ､　　ヽ　　　l　 /　　|　　　 V|
　　　　ヽ 　 ヽ　　＼ 　 ｀ヽ､｀ヽ､　ﾉ　ノ／´ 　 ﾉイ j 　 /
　　ヽ､_ ヽ　　＼　　 ＼　ミ´￣￣｀`ヽ､　ヽ､ ﾊ从〃ノ∠
　　　 ＼＼､　　　ミ ヾ　ヽ､　　　　　　　｀ヽ､　＼彡ノ´
　　　 　 〉､ハ＼三ミ　ﾐ／　　　　　　　　　　ヽ､ ＼
　　　　/〃 ゝr‐､＼　ミ　 ,.zrニ≡ー--‐'　 ,z-‐＼ヽ
　　　 /／ｲYl|しjﾄ､ヽ､l　　 　 ,.rｯ-､ 　 　 r ｨ｡‐､ /＼ヽ
　　　'´＿ﾉミﾍ! l ヽヽヾ.　　　 `ー-' 　　 　 l ｰ ' |　　 ヽﾞ､　　　他人の目にどう映ろうとよ……自分が胸張れればいいじゃねえか。
　　　 ｀ヽ､__ゝ＼ｰゝ､ヽ　　　　　　　　　 　 l　　.l　 　 　 ＼
　　　　　　７／ﾆ`r‐,｀＼　　　　　　　　　　ﾉ　, '　　　　　　　　 これが俺のやり方だ、俺の生き様だって言ってみせろ。
　　　　　／l　l'⌒|　 ､　　　 　 ､ 　　　　　_ ｨ/
　　　　　　 |　＼ !　　ヽ､　　 　 ｀ヾニﾆ二ｿ/､　　　　　　　　　　愚かさも貫き通せば信念だ。人のため、それもいい。だが、漫然と戦うな。
　　　　　　 l　　　＼_　　 ｀ヽ､　　 　 　 　 /　 ｀ヽ､
　　　　　／　　　　　　｀`ヽ､_ ＼　　　 　 ,' 　 　 　 ヽ､　　　　　　誇れ。自分で決めて、自分で切り開いた、自分の道をな。
_,,..､-‐''´　　　　　 　 　 　 　 〉　＼_　　_ﾉ　　　　　 　 ｀ヽ、
　　　　　　　　　 ｀ヽ､　　　 /　　　/￣ヽ、　　　　　　　　/ー‐-､　
　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　　　 '　　　 lヽ　　　　　　 /

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3343： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 21:43:33 ID:3p9yxhx60

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　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　／ 　 （●） 　（●）　 ＼　　　　　　……やる夫は。
　　　|　 　 　 （__人__）　 　　 |
　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／
　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ
　　 / 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |
　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|

3344： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 21:44:25 ID:3p9yxhx60

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

3345： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 21:48:44 ID:3p9yxhx60

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　　　　　　　　　　　　　　／.: .: .: .: .: .: .: .: .:￣￣＼:___| _:＼
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　　　　　　∥.: .: .: |.: .: |.: .八:＼__＼:(_＼ : .: |　 |.: .|.: .: |.: .: |) |.: .: .: :'，　　　　　　　たっだいまー！
　　　　　　{　ｉ.: .: : | .: 人: .: .: ／￣ノハ　＼.:|　　x===ミ.: .:人八.: .: .:.:'，
　　　　 　 　 |.: .: : |.: : : |:＼ : 乂 乂＾ツ　　 )　　　, ,　 ﾉ／イ.: :| : : .: .: '，
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翌朝、はやてが帰ってきた。
外から聞こえてくるエンジン音に跳ね起き、急いで軽く顔を洗い、
寝間着のくせに皺を伸ばしてから、玄関まで出迎えに行った。

任務帰りとは思えぬ溌溂さだ。
はやては自分を見て「おりこうさんにしとったー？」と気の抜けた声を上げ、
パンプスを脱ぎ捨てた。

お利口だっただろうか。多分、そこまで人に迷惑はかけていないと思う。
男たちの時間を幾らか食い潰したが、そこはご愛敬というものだ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3346： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 21:51:28 ID:3p9yxhx60

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼　　　　　　朝ごはんは食べたんですかお？
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　「軽くね。あーでも、とりあえず一息つきたいわ……」
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　　コーヒーとビール、どっちがいいですかお？
　　＼ ／＿＿＿ ／





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . . . . -―-. .
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 . . : : :´: : : : : ､丶:⌒:ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼＼
　　　　　　　 　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : ‐-: ､ : : : : :i┐`､
　　　　　　　　　　　　 /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼ : : :| |:',: :.、
　　　　　　　 　 　 　 ,': : : :/ヽ: : : : : : : : : : :＼: : : :/Xﾆ| |ﾆ',: :.、
　　　　　　　　　　／':｀ : : { : : : : : : : : : : : : : : `､:.// /X |: : ',: :',_
　　　 　 　 　 　 / ;′: : : :|: : : : :{: : : : :i: : { : : :l:ヽ/:// :|ミ: : ト､}_ ＼
.　　 　 　 　 　 /　': : : : :从:. : : :.i : : : : ', : i -‐:|-∧/: : :!　Y.:|.､ ヽi　}ヽ
　　　　　　　　;′ji : : : : i!　',: : : :', : : : : ,i´:| j,斗=ミ､ : : }ｿ }: |: `､　　　ﾄ､
　　　　　　　　:　 {ｌ : : : : {　 `､ : : ',: : : : :| : ｲ_ﾉｆ:沁 }}.: :.}_/}: j:／　　　　 }
　　　　　　 　 |　 {|: : i : : ',　　,ヽ‐-＼: : :|i | 乂ゞシ　i : :}: :j :/　　　　　 /､　　　　　　　え、朝から呑んでもええんか！？
　　　　　　　　ｌ　 l|: : |: : : `､ 　 ,xャ=ﾐ､: jﾊ|　 '"´　　|: :;'Y// 　 　 　 ／ : `､
　　　　　 　 　 　 l|: : i: : : : : ＼{{　う沁j/　　 　 　 　ﾉ!/ / {　 　　 ,イ入: : : :}　　　　　　　ヤッター！
　　　　　 　 　 　 i|: : ', : : : : : : :ゝ_ ゞ'" 　､　_,.. ‐￢　,　f"_!＿__ｒ__| / / ＼:/
　　　　　　　　　 八:.:个 ､: : : : :.ｒ⌒: ､　　　乂__: :丿/　 ! |　　　_ ノ:}/　　　｀ ー　　　　　　「あ、冗談ですお。冗談」
　　　　　　　　／　 ＼|　|:＞-- ゝ: : :个ー-- ..,　- '　　_||￣ :: : : : : }　　　　 /　 ',
　　　　 　 　 　 　 　 　 /: : : : |: : : : :八:_＞/_　{ー=彡'"|| : : : : : : :: }　_|＿　!　　 }　　　　　　えー。じゃ、コーヒーお願いするわ。
　　　　　　　　　　ー=彡: : :r‐'|: : : : { : ＼ :|　`､三／､　j{: : : : : : 彡'i　 |￣　　 　 }
　　　　　　　　　　　　　|: : :j .八: : : :{:／ : }レ ヽ==イ `, { T: :￣ : : : }-―-､.{　　　}　　　　　　　砂糖とミルクええ感じに。
　　　　　　　　　　　 　 γ…': : :＼:.:{ =-　/ 　 { : :/　　〉', } : : : : : ;ハ　　　｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　 /⌒＿...-‐'..)/　 ／:|　 /⌒! 　 /､::v! : : : : ;′:i-‐　､　　`､
　　　　　　 　 　 　 　 {　 /: : : : ￣￣:`､: : ﾄ､,:: : :.|_ ./: : ＼! : : : ;′: :|: : : :冫　　`､
　　　　　　　　　　 　 ﾉ ./: : : : : : : ｀ヽ: :`､:|: : ￣ ／: :､ヽ` |: : : ;′: : :} : : /　',
　　　　　　　 　 　 ,.:　 /{: : : : : : : : : : : : : '.,: : :／､ヽ`: :_: :.:{: : : !: : : : :} : /　　',
　　　　　　　　　　{　 / 人:. : : : : : : : : : : : : Yイ:::-‐: : ´ : : {: : : : : : : : : /i　 　 i
　　　　　　　　　　{ ./　 /:.＼: : : : : : : : : : ノ: :､: : : : : : : : : :l: : : : : : : : / :|　　 :|

3347： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 21:55:58 ID:3p9yxhx60

　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　／　　 　 　 ＼
　　　　　 ／　　　―　　　―
　　　　／ 　 　　（ ●） 　（●）'　 ∫
　　　　|　 　 　 　 　（__人__）　| ∬　　　　　　　　　　……。
　　　　＼　 　　 　 　｀ ⌒´　 .|￣|
＿＿__／　　　　　　　ー‐　 '-|＿|）
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いつも通りのインスタントコーヒーに、黒い水面が薄茶色になるまで
砂糖とミルクを突っ込んだものを口につける。

朝のニュースを見ながら二人で立ち昇る湯気を見つめていると、
はやてが「あんな」と口を開いた。

見れば、あまりコーヒーの体積が減っている様子もない。
ずっと話題を出すタイミングを窺っていたのだろうか。

「いや、悪い話とちゃうねん。むしろごっつええ話」
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3348： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 22:02:19 ID:3p9yxhx60

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　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:{　)いﾊ　从:.:.:.:.|　)いﾊ Y:.:.: ﾉ:.:.:.:.: |　　　　　　　学校、行かへん？
　　|:.:|:.:.:|:.:|ﾍ:.人:.:.:　乂;;ツ　　 ＼:.| 乂;;ツ 从:.Λ:.:. /:.|
　　|八:.:.|:人:|:.＼＼ト''　　　　　　　　'''　　/:.:.:/　}:.:.:.:.:.|　　　　　　　「……んっ？」
　　 　 ＼ 　 |:.:.:.:.:.八　　　　 '　 　 _,　　 /彡/_,ノ:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　八:.:.:.:.:.个　　　｀　　　　　　 イ:.:.:.:| :.:.:.:. |:.|　　　　　　　学校や。アウターエリアにこじんまりとしたハイスクールがあってなぁ。
　　　　　　 /:/:.＼／￣　　　　 　 　 ＜ |＼__:.:|:. /:.:八|
　　　　　／:/⌒∨ :. :. :. {＼＞r≦.　　ノ| : :. :. :. :.＼:.:.:|　　　　　　　 君の入学許可、取って来とったんや。あとは君の意思次第でな。
　　　 ／:.:./ :.:.:.: ∨:. :. Λニ=‐‐=ﾆﾆﾆﾆ|:. :. :. :. :. :./:.八
　　　⌒ｱ/:.:.:.:.:.:.:.:∨ /　 ∨二二二.／｜:. :. :. :. :/:.:.:∨＼
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ただ、予想だにしなかったその言葉に、一瞬目を見張った。

はやては続きを嬉々として語った。
目を輝かせながら、手振り身振りを加えて。
それはまるで、学校に通う自分の姿を想像しているかのように。

「一応養成所に通ったり、なのはちゃんに勉強教えてもらったりしとったみたいやけど、
ちゃんとした学校に通ってたことはあらへんのやろ？　ええ機会やさかい。
しっかりと教養を身に着けて、自分自身を見極めるんや。
学力はアレやから、ほら、歳は置いといて一学年からやけど。
今年の冬までに入学するとして、勉強しとかんとなぁ」
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3349： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 22:05:01 ID:3p9yxhx60

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: : : : :, i: : !: : : : : :i　　　＿ ,:i､: : : :!,: : :',: : !,: : ',ｲイ.ﾉ:/ﾘ
: : :!: :i: ! : i: : : : :', ',　´　　　ﾘ ヽ: : :!',: : i:.!: !',: : :!,イ: i　i!
: : :! : i: ',: :i: !: : : :ヾ､　　　 -―-'､: ! ': : !ﾘリ !: : !.!: : i
: : :!: : !: !,: !:!ヽ: : : !,,ィ示千キ''ヾ ヾ　',: !=＝''!:/! i: :,'i!
: : :!: : ! i ヽ',). ', : : ',`＜Z汐　　　　　i i/　　　!'ヾ',!/ i!
: : :',: : ', ヽ､`- ヽ: : ', 　 　 　 　 　 　 ヽ　　　.,: : :ヽ、　　　　　　　　　それから、君の家も、君自身で決めてええよ。
:.i!: :',: : ',: : : ヽ_ノ､ヾ'､　　　 　 　 　 　　　　,.ｲ: : : ',､ヽ
:.!i: : ',: : '､: : : :! ヽ:`　､ 　 　 　 -=＝'　 , イ!,､ヽ., -- ､',　　　　　　　　ずっとここにおるより、ちゃんとした自分の部屋を持ちたいゆうなら、
:i !', : '､: : ヽ: : ヽ　'､: ヽ',＞　　 ＿_　.イ : !i:!ゝイﾆ￣　.'､
:i i:.'､: : 〉､ : ',､: : ＼ ',: :',ヾ　/､｀ー-, ￣￣r‐'‐'　　　　　',　　　　　　　　それでもええ。ここにおっても、まあかまへんけど。
',',',: i'､/,　ヾ: ', ｀ヾ､ヽ!:i:i`ヾ''!_ヽ　 i!i　　　 ヽﾉ丶 　 　 　 ',
ヾヾ./ ヾ、　ヾ､　　 `i:iﾘ　 /;;;;;;ヽ. ゞ==---、 　 ヽ. 　　　 ',ヽ､__　　　　　　好きにしてええからね。
　　/　　 ヾ､　　 　 　 ﾘ,i! /;;;;;;;;;;;;;ヽ 、　　　ヾ、.　 ゝ､　　ノｲ／::!
＿/　　　/ ヾ、　　　// !i､`ー--〈;;;`ヽ､ー――--}`ー―‐''"::::::::}
. /　　　/　 　 ヾ,､. //　i !:::｀ヽ､　ヽ;;;;;;;;;;;ヽ::::::ヽ:::::＼::::::::::::::::::::::::i!
/　　　/　　　　　ヽ_/　, i !､:::::::::::＞ヽ;;;/::￣ヽ/..､::::::::＼::::::::::::::::::ﾉ､
イ ￣ ｀ヽ、　　　,ィ , イ　　!'､:::::::::::::,::-､＞､:::::ヽ::::｀i::::::::::ヽ--ー"ｲi
　　　　　　｀ヽ　 i !　　　　 i:',:ゝ''":::::::::::::',:::::::｀ヽヽ:::i:::::::::::::::',:￣:::イ!
　　　　　　　　　 i !　　　　 !::'､:::::::::::::::::::::ゝ-----ゝ'::::::::::::::::i::::::::::::::ヽ、
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　　　　　　 　 ／.: .: .: /.:.:.:.|.:.:／|.:八 |.:八.: .:.:.|.:.:.:| .:.| .: |.:.:＼/.:.|／＼|　　　　　　　　どないや。学校、行ってみいひん？
　　　　　　 ⌒7.: .: .: / |.: .:.|.: | : :/ ,.斗ミx＼.: |.:.:.:| 斗tミx:.:|.: .: :| : : .: |
　　　　　　　　.: .: .: /　j : : |:八.: :〈　ノ,ハ 　 )八.:.|　ノ'ハ 〉|.: .: :| : : .: |i
　　　　　　 　 |.: .: /　/.: .: .: .: .:＼乂∨ツ 　 　　＼ ∨'ツ　|:.: .: .: .: .: :||
　　　　　　 　 |.: :/　/.: .: .: .: : /∧⌒, ,　　　 　 　　　, ,　　 |.: .:/.: .: .: 八
　　　　 　 　 人:(　/.: .: .: .: : / :|:∧　　　　　_`＿＿_　　　 八/.: .: .: /　 ＼
　 　 　 　 　 　 　 '.: |.: .: .:/|√.:|.:|込　　　 {　　 　, , ) 　　厶ｲ.: .: .:./＼＿∧
　　　　　 　 　 　 |.: :|.: .:./八ニ.|.:|:::|　＞ .,　　--　 ,. イ　／.: .: .:／ニ／ ニ|
　　　　　 　 　 　 |.:八.: √ﾆ ＼|.:|:::| 〔| ／＼＞＜／＼/.ｲ .: ／ニ／ ニニ〕
　　 　 　 　 　 　 j　/ Vニﾆﾆﾆ|八 |_／　＼〈:i:i:i:i:i〉／ ∨.:／:::|／ニニニxミ
　　　　　　　　　　　| 　|ニニニ|:::::::＼|　＼.　〉= 〈　 / /:ｲ:::::::::|＼ ニニ/　　',
　　　　　　　　 　 　 ＼|ニニニ| ::::::::: |＿　　〕:i:i:i:〔./_/::: |:::::::: |ニ|ニニ{ 　 　}
　　　　　　　　 　 　 　 |ニニ/~|／⌒人　　 /:i:i:i:i:〔　 ):::/＼ニニﾊ＼ 八　　ﾉ
　　　　　　　　 　 　 　 |_／/ニニ〈::::::::::＼__{:i:i:i:i:i:〔／ /:::::::::〉ニﾆ.}:::::＼ニ７

3350： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 22:09:09 ID:3p9yxhx60

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　　　　　　　／　　 　 　 ＼
　　　　　 ／　　　―　　　―
　　　　／ 　 　　（ 一） 　（一）'　 　　　　　　　　……。
　　　　|　 　 　 　 　（__人__）　|　　
　　　　＼　 　　 　 　｀ ⌒´　 .|￣|
＿＿__／　　　　　　　ー‐　 '-|＿|）
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下↓1　何と答えますか？

1．学校へ行ってみたい
2．そういう訳にはいかない
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3351：安価のやる夫だお：2020/11/09(月) 22:10:05 ID:ZJ2BnDCE0
2．そういう訳にはいかない

3352： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 22:15:15 ID:3p9yxhx60

　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　／　　 　 　 ＼
　　　　　 ／　　　―　　　―
　　　　／ 　 　　（ ●） 　（●）'　　　　　　　　　　　そういう訳には、いかないですお。
　　　　|　 　 　 　 　（__人__）　|
　　　　＼　 　　 　 　｀ ⌒´
＿＿__／　　　　　　　ー‐　 '-
| |　　/　　/　　　　　　　　 　 . ＼.
| |　 /　　/　　　　　 　 　 　 .i＼...|￣|　ｺﾄ…
| |　（　　　￣￣￣⌒ヽ 　 　 | 　 .|＿|）
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　　 : |:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:┼―‐ -:.:.:.|:.:.:. ィ:.:￣:.:.:.:.:|:.:.:.:|:.:.:.:.: |
　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:|斗ぅ＝ミ :|:.:.:.:.:|ｧう＝ミ: |:.:.:.:|:.:.:.:.: |
　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:{　)いﾊ　从:.:.:.:.|　)いﾊ Y:.:.: ﾉ:.:.:.:.: |　　　　　　　……へっ？
　　|:.:|:.:.:|:.:|ﾍ:.人:.:.:　乂;;ツ　　 ＼:.| 乂;;ツ 从:.Λ:.:. /:.|
　　|八:.:.|:人:|:.＼＼ト''　　　　　　　　'''　　/:.:.:/　}:.:.:.:.:.|
　　 　 ＼ 　 |:.:.:.:.:.八　u.　　 '　 　 _,　　 /彡/_,ノ:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　八:.:.:.:.:.个　　　｀　　　　　　 イ:.:.:.:| :.:.:.:. |:.|
　　　　　　 /:/:.＼／￣　　　　 　 　 ＜ |＼__:.:|:. /:.:八|
　　　　　／:/⌒∨ :. :. :. {＼＞r≦.　　ノ| : :. :. :. :.＼:.:.:|
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3353： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 22:17:58 ID:3p9yxhx60

　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　／ 　 （●） 　（●）　 ＼　　　　　　やりたいことが、できたんですお。
　　　|　 　 　 （__人__）　 　　 |
　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／　　　　　　　もう、なのはさんに連絡してあるんです。
　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ
　　 / 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |　　　　　　　　　トウキョウに戻るって。
　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|





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. |:.:.:.:|: : |:.: : ﾏ:.: : ﾍ: /斥ｭ､!:.:.: : |/ /: : ヽヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
　::. : |: : |:.:.:.:.:.＼: : ﾟ， {刈 /:.:.:.:.:| /:.:.:.:.:.:|　ﾟ，:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　　　　　なんで……？
　ﾏ:.:.|: : |ﾏ:.:.:.:.:.:.:ト､ﾍ　ﾏﾘ　}:.:.:.:j/:.:.:.:.:.:.:|　 }:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　 ﾏ: !: : ! ﾏ:.:.:.:.:.:|　∧{: ﾚ′i:.:.:/:.:.:.:.:.:. : |　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
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3354： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 22:20:59 ID:3p9yxhx60

　　　　　　　　　　　　　 -‐━━=ミ
　　　　　　　　　 /⌒:^.: : : : : : : : : ::＞
　　　　　　　_.-=ミ: : : : ＼: : : : : : : : :V: `.
　　 　 　 .ｨ: : : : 7:〉 :∧: : :V: : : : : : :〈/: /〉:.
　　　　 /: : : : : :|/ | : :|:V: : :i : :| : : : : V〉: : ﾊ
.　　　 /: : : : : : :|i　!::斗-V: :|ー|‐|:-|: ::|:|i: : : |i
　　　 ′l: : |i :|i |i_,.ｨﾃﾃﾐ : : |N|ｨテﾐN: |:|i: : : |i
　　　{　｜:::|i :|i |i　 r勿,　|:N　 r勿ﾉ !::|:|5!: : : .
.　 　 　 从::|i: |i |i:　^¨¨　　i　　　 　 」::|:|,ﾉ: ;小:.　　　　　　　　　　君だって、思い知らされたんやろ？
.　　　　　　〕: :|i |N」　　　 ,　　、　　.: /|:| : /: : :|i　
　　　　　　　　|i ||:|:i＞　　　　 　 .ｨ :/::」:/〈: : : 八　　　　　　　　　　だから、ここにおるんやろ？
　　　　　　　　|i ||:|:|///〕ﾆ=-　　 | l: : :/　 V⌒V:＼　　
　　　　　　　　|i7⌒V|　V寸ﾆﾆ才　!: /　　　＼_,V⌒ :、　　　　　　　戦場は痛くて怖くて、悲しいんやで。辛いんやで？
. 　 　 　 _　--厶ヘ V　 V /⌒丶　| {　 　 -=ﾐ,V{　　,ハ
　　　　 〈,　　 / 　 　 V　V^V__/^V　|/　/　 　 ＼　/　　　　　　　　　もう、苦しむ必要も……
　　　　/∧　/　　　　 }.　 }i /　Vi{　 」　/　 ______　/　　 __
.　　　 {　　V　 　 　 ,リ,　　}i　　 i{　 }i,　 ／　 　 |ー━=ﾐ」　　　　　　　「だから」
　 　 r」　　⌒ー‐―(￣￣〉ﾑ　 /| 　i|／　　　　｜　 　 _.」Ｌ
　 　 |⌒ー}　　　　 /　 　 ＼ V　　 /　　＼　 　_|　　ー=ミ__ )
　 　 |　　 ﾉ　　　 ,/　　 　 　 ＼　./　　 f/―‐┐＿__　　　}　＼
　　 ∧__(___　　_/　　　　　　　　＼　　 /　￣￣〉　乙...
　　　　/　　　/八　　　　　　　_ji斗〜'へ　￣￣| 　 」(
　/　 /　　　/￣,.. ．-‐　'''""~ 　 　 　 　 .V　 rﾉ.　　　＼





　　　　 　　　　＿＿＿
　　　　　 　 ／　　　　　＼
　　　　　 ／　　　　　　 　 ＼
　　　　／　 　 　＼ ,　, ／　 ＼　　　　　　だから……戻るんですお。
　　 　 |　 　 　 （ー）　 （ー）　 |
　　　　＼　 u. 　 （__人__）　,／　　　　　　　はやてさんには感謝していますお。これまでも、これからも。
　　　　　ノ　　　　 ｀ ⌒´　　＼
　　 ／´　　　 　 _i⌒i⌒i⌒i┐ ヽ　　　　　　　でも、こればっかりは従えないですお。譲れませんお。自分の中の、道理の問題なんですお。
　　 |　　　　ｌ　 （ l　/　/　/　l
　 　 l　　　　l 　ヽ 　　　　　 /

3355： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 22:29:18 ID:3p9yxhx60

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　 ＼ 　　 （__人__）　.　　／

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はやての言う通りだ。

だからこそなのだ。

そんな場所に彼女が赴いている間に、平和を享受してなんていられない。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3356： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 22:29:28 ID:3p9yxhx60

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　　　　　　　　　　　　 　 , イ: : : : : : : : :ー- ､ : : : : : : ヽ、
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　　　　　　　　　／ : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ : : : : : i i＞､: : : :＼
　　　 　 　 　 , ': : :,: : :i: : : : : : : : :､: : : : : /ヽ､: -┴'―‐＞､: : :ヽ
　　　　　　　/: : : / : : i!: : : : : : : :､:.＼: : /　/: ,ヽ-┬,――‐.ヽ、:ヽ
　　　　　　./: /: : i: : : :!ヽ: : : : : : : :ヽ､:ヽ'　/: :/ .!',: ! .i : : : : : : : ヽ: '､
　　 　 　 .,': /: : : ',: : : !　＼, 斗:.'"、: :ヽ:ヾ､: / /: :'､/ :ヽ、: : : : : : ヽ:ヽ
　　　　　 i: :i : : : : ',: : :',才´ ヽ、: : ヽ: : : ヽ:ヾ /: : : :', : : : ＼: : : : : : :',: ヽ
　　　　　 i: :!: : : : : :',: : :', イ示＝､: : ',ヽ: : ',: :ヽ: : : : :',: : : : : ＼: : : : : ヽ: :｀ヽ
　　　　　 ',: i: : :､: : : ヽ : '、 i刈　ﾉ.ヽ: ', ヾ: i､: : :ヽ: : : :!: : : : : : :＼ : : : : ヽ: : :｀ヽ　　　　　　　……。
　　　　　　',:!'､: :ヽ : : : ヾ､ヽizﾘ　　　 ヾ　 ヾ ヽ: :! ヽ: : !: : : : : : : : :ヽ､: :: : :ヽ: : : :ヽ
　　　　　　 ヽ ヽ: ',ヽ r'　　ヾ'､　　　　　　　　　',: ! ｲ.',: i : : : : : : : : : : !ヽ: : : : ',: : : : ',
　　　　　　　 ｀ 　 　 ∧　　　　　　　　u.　　　　 !:! : : ',:i: : : : : : : : : : : !: :ヽ: : : ヾ.: : :.',
　　　　　　　　　　 　 　廴＿__　　　　　　　　　,ｲ:!: : : :i!: : : : :',: : : : : : !: : i ',: !: !　',: : !
　　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ、 　 　 　 　 　 　 　 ﾘ: : : : !: : : : : ',: : : : : :!: : :! .!:i: :!　 ',: i
　　　　　　　　 　 　 　 　 /.ヽ、＿_ ,　　　　　　ｲi!: : : :i:､ : : : : !'､: : : ハ: :i　i:!i: !　　i:i
　　　　　　 　 　 　 　 　 / i : : : : : ∧　　 , イ;;;;＞'" /:!　ヽ : : i　',: :,'　 i: i　ﾘ ﾘ　　 i:!
　　　　　　 　 　 　 　 　 i: ﾊ: :i､: : : /二彡イ.　　　／::i　　 ヽ: i　 i:/ 　 i: !　　　　　 i!
　　　　　　　　　　　　 　_r―ヾ',‐/ .!, イ.　　　　／::::::::!　　 　 ヽ .i'　 　 !:i　　　　 　 !
　　　　　　　　 　 　　イ .i　　　〃r―‐,ヽ,　　／::::::::::::i　　　,ィヽ ', 　 　 ﾘ
　　　　　　　　　　　 i_＿.!　／/　i:::_／　 ',／:::::::::::::::::i 　 /＿　 ＼￣≧　 、
　　　　　　　　　 i￣　　／, 7/　/::::!　　／::::::_::_::_::_::_i　,ｲ　　 ＞､ ＼　　　 ヽ、
　　　　　　　　　∧　／,イ:::::,' ./::::::i　／:::￣::＞::､::::::i7 ,　イ"ー―ゝ､ヽ　／/　',
　　　　　　　､-ムイ ､/i::::::::,' /::::::::i／:::::::::::::::, イ:::::::i!イ　　　　　　　　 //／　　i
　　　　　　　ヽ,　　／:::::',:::::iー---/:::::::::,:::イ::::::::::::::::レ､　　　 　 　 　 / / 　 、　!
　　　　　　　 ∧ ,.':::::::::::::∨!:::::::::/:::,::イ::::::::::::::::::::::::::::::::::i＞ ､.　　　　 i i!　　　ヽ､!
　　　 　 　 ./.　/::::::::::::::::::',:!:::::,ｲイ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!::!:::::ヾ､、　　`ー-ニﾆﾐ　ヽ、

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はやてはずっと自分を見守ってくれていた。
心が折れた時、救い出してくれて、傍にいてくれた。
彼女からすれば、それは責任感の発露なのかもしれないが。

嬉しかった。あんなことを言われたのは初めてだったから。
素敵な人だと思ったのだ。

命を張るに値するほどに。

あれからたくさん考えた。色々な人の言葉が脳裏をよぎった。
確かにその中に幾らかの真実もあるのだろう。

けれど、どこまでいっても、それは言葉だ。
はやてが言うような、痛くて怖い場所に、はやてがいる。
その事実だけで十分だった。
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3357： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 22:31:23 ID:3p9yxhx60



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　　　　　／　（⌒）　（⌒）＼
　　　 ／　 ::⌒（__人__）⌒::: ＼　　　　　　　　大丈夫です。強くなってみせますお。
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　　　 ＼ 　 　 　 `ｰ'　　　しＥ　|　　　　　　　　今よりも、ずっと。
　　 　／　　　　　　 　　　 l､Ｅ ﾉ
　　／　　　　　　　　　　　 ｜　|
　 （　　 丶- 、　　　　　　 ヽ_／
　　　`ー､＿ﾉ

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好きな女の子が戦っているのを傍目に、自分は平和に暮らす。
そんなものは、豚以下だ。そんなものは、死んでいるようなものなのだ。
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3358： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 22:31:37 ID:3p9yxhx60

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3359： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 22:35:22 ID:3p9yxhx60

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. 　 / ／　 　／,ｨi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉⅥ}
　　イ　 ,　　　/i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:i:i:i:}.ﾘ.,ｲ
　　/ . / . 　 〈i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ/i:i}i:i:i/i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:i/}/i７
　 ,′ 　 ′ _/i:{i:i:/i:ｉ:/i:ノ}i:/i:,ｲi:i:i:i:i:i:i:i:i:i／￣＼ｉ:ｉ./
　 { .ｲ .j{　　 {i:i:{i:iﾊi:/ _,｡s≦=‐/jノ}i:i:i:i:/　,　　　.V　　　　　　　　　もしもし……ああ、はやてか。
　 {　} .j{ 　{　Ⅵi:i:{i:i{寸ｒｔうjア　　 /i:i:i:ｉ{　 　 　 　 V
　 {　　.j{　 ⅥIⅥ liN`ｘ, ￣　　　 く_i:ｉ:ｉ:」__.　　　 　 }　　　　　　　　　人聞きの悪いことだ。俺は何も吹き込んじゃいないさ。
　 {.八　 　　ⅥIⅥi{　 　 ^Ｘ ,　　 　 /´　　＼　 　 /≧s｡,_
　　 　 ＼〉､_ ⅥIⅥ.　　 　 　 ^X /⌒＾＼　　 ヽ／i:i:i:i:i:i:i:　　　　　　　全部あいつが勝手に決めたことだ。
　　 　 　 　 ＼)＼ヽ　_,.　ク　 .／⌒＼　　　 　 Vi:i:i:i:i:i:i:
　　　 　 　 　 ／i≫　 ￣ _　/⌒ヽ　 　 　 　 　 ﾉi:i:i:i:i:ｉ:　　　　　　　　　やりたいことがあったってな。
　　　　　　　/i:i:i:i:／￣￣￣>､　　　　　　　　 /i:i:i:i:i:i:i:
　　　　　 　 }i:ｉ:ｉ: ′　 　 .／　 ＼ 　 　 　 　 ｲi:i:i:i:i:i:i:
　　　　　 　 }i:i:i:i:V　　　/　　　 ｲ冫　　　　　ﾊ＼i:i:i:i:i:i:
　　　　　　 /i:i:i:i:i:i＼　 {__　.／i:i:i乂　 　 .／ /i:i:i:＼i:i:i:i:
　 　 　 　./i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:`ｰ‐‐く}八_){i:ｉ:ｉヽ__/　./i:i:i:i:i:i:i:iヽi:i:」





　｀ ､　　,:i　　　/i　　　　／　　　　/　/　　　　//　　 　 i　　;;;;;;;;;;;;;;;;;i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ト;;;
、 　,:　 ,:i　　 ./ i　　 　/ｹ　　　　/　/ 　 　 / / j　　 　,;i i ;;;;;;ii;;;;;;;;;;;i;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
冫 ,: 　 i i　　/　i　　　/ /　　　 /;;;;7　 　 /: :/ /　 　 ,; 　i ;;;;;;}i;;;;;;;;;;ｊ;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;i ;;;;;;;
　 ,:　　i .i　　i　 i　　 / /　　 　/ヾ/　　 ./: :/ /　　　,;,.,. i　;;;;/ﾐ;;;;;;;;/;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;i　;;;;;;;
t ,:　　.i　i　 i　　i　　匆i　　　/　 /　　 /: : / /　　　/三i 　;/=i;;;;;;/:;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;i　;;;;;;;　
.i,:　　 i　 ', .i　 　i 　 i　i　　ィ午/　　:/ : : :/ / 　　/　 /　i:/　ｊ;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i　;;;;;;;
j ',　　i 　 ', i　 　', 　i　i　　 i　 ｛　　/　: :/ / 　 ／ﾐ㍉　 从彡;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/i;;;;;;i　;;;;
　＼　j　　',i　　　', ..i　i, 　　i　 i 　/ 　 / /　 ／i 　 ./　/ /:／ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/　｝;;i　;;;
"'''　　　　　　　　　',i　 ',　　i　 i　 i 　 .j/ ..／ 　ik　/　/ ／ ,;';';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/　;';;　,;'
~""'''　‐-..,,　　　　　　　', 　i　 i　i 　　/／: : 　 i ｷj／ 　 . / ;; ;;;;;;;; ;;;;;;;/ミ ;';;
三三ﾐﾐ　 j　　　　　　　　', ..i　 ', .i　: : : : : : :　　i　ｷ　 　 /;; ;; ;;;;;;; ;;;;;;/三;';;　　　　　　　　　　……許してやれよ。
三三ﾐﾐ　.'　　　　　　　　　', i　　',i　;,;,;,;,;,;,;,;,;　　i　キ　 /;;; ;;; ;;;;;; ;;;;;;/三,;';　　　` ､
三三ﾐ　 i　　　　　　　　　　　　　　'ﾐﾐ;:;:;:;:;:;';';';';''　 キ /;;;;　;;; ;;;;;;;;;／三三三　 　　` ､　　　　理屈捏ねるのは爺になってからやればいい。
三三ﾘ　i'　　　　　　　 ,,　　　　　　　＿　　　　　　 , ;';;;;;　　　;;;／三三三三三
三三ﾘ　i'　　　　　　　　""'''　‐- ．..,,　___,.　　 　,;';';;;;／　　　　　　　　　三三　　　　　　　　　男ってのはね、馬鹿で度し難くて、
三三　 i' ＼　　　　　　　　　,,,,,,,,,,,,,,,,,,　　　 　 ｨ午　　　''
三三　.i'　　.＼ 　　　　　　　　　　　　 　 　 ｨ午三三三三三三　　　　　　　　　　　　　　　　　どうしようもない生き物なんだ。若けりゃ猶更な。
三三　 i　　　　＼　　　　　　.　　　　　 　ィ午三三三三三三
三三　 i"'''- ._　　　 ､　　　　　.　　　／ i三三三三三三　　　　　　三三㌣　　　　　　　　　　　馬鹿なくらいが、丁度いいのさ。
三三 　i__,,...　　"'''　　　""'''‐-　.. ／ 　 i三三三三三三三　　　　三㌣''三
三三;　i　　　~""'''　"'''- ．._ , '"__,,.. 　'''""~　　"'　及ヱ三三三三㌣三三三三
三三;,　i_,.．-'''"'''- ．._ヾ　ｷ y三ﾘ　　__,,.. ．-‐　'''- ．._　`㌧三三㌣ 三三三三三三

3360： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 22:35:51 ID:3p9yxhx60

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│::::::::::::::::::::::::::::::::│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│::::::::::::::::::::::::::::::::│
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌───┐
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　┌─┐
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ┌┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 └┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 □

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

3361： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/09(月) 22:43:14 ID:3p9yxhx60

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　　今回はここまでだ。
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　　果たして愛の戦士と化したやる夫君の行く末はいかに。
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　　一周目のヒロインの時とは対照的にしたつもりだが、どうだろう。
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i　　　　自由とは舗装されていない荒野に他ならないぞやる夫君。
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ





　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 _ _____＿
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ´.: : : : : : : : : : :｀
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 l: : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i: : :○ : : : ○: :.|
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : |　　　　　　　次回は来週の月曜日、11/16の午後八時からとする。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 j: : : -=＝=- : :.i
　　 　 　 　 　 　 　 r―--┐　　 　 i: : : : : : : : : : : :l　　　　　　　　信じるべきもの、それは自分自身ってね。
　　　　　 　 　 　 　 i: : : : : ',　 　 　 ゝ : : : : : : : : :t´
　 　 　 　 　 　 　 　 ',: : : : : i　 , f: : : : : : : : : : : : : :ヽ　　　　　　　　シーユーアゲイン。
　　　 　 　 　 　 　 　 ＼: : : :y: : : :Υ: : : : : : : : : : :y: : '..,
　　　　　　　　　 　 　 　 ',_: :: :／　 i: : : : : : : : : : : :l丶 : : :ヽ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ￣　　　l: : : : : : : : : : : .i　　＼ : : :丶

3362：安価のやる夫だお：2020/11/09(月) 22:44:47 ID:ZJ2BnDCE0
乙ー

3363：安価のやる夫だお：2020/11/09(月) 22:45:03 ID:1b5Qi9ak0
乙でした

3364：安価のやる夫だお：2020/11/10(火) 02:34:00 ID:ZeDxMNbk0
乙

3365：安価のやる夫だお：2020/11/10(火) 08:42:01 ID:M.Djpxqg0
乙でした

3366：安価のやる夫だお：2020/11/11(水) 00:02:35 ID:O.P3WTII0
乙でした

3367： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/13(金) 20:21:37 ID:eIdJrGxk0

┌──────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│　　　ここまでのあらすじ＆世界観解説　　....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
└──────────────────┘.

3368： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/13(金) 20:21:52 ID:eIdJrGxk0

　 　 　 　 　 ﾄ〈//ヽ 丶三三三三三三三三三二ニﾆ=‐＿,ｘ≦三三三三三
　　　　　　　ﾊ/,ヽ///＞- 　-r―――=ﾆ二二三三三三三三'//////////／
　　　　　 　 |::.Y´|l　へ'/三三|三三三三三三三三三三三三////,-/////.:::
　　　　　 　 ｌ::::|'/!| l::::::|l､_＜/|三三三三三三二ニ=__=ァ＝i////.::://///.::::
　　　　　 　 ∨ｌ'/ｌ| |:::: l:{　｀示ﾐ::::::::::／.//　　 _,,,ィ"¨´ Y}'/,ﾘ///ゝ/////.::.::.
　　　　　　　 .';:}'/! .';:::::l.ヽ.._ゞ'_,}::::::/　ｨ/==≦¨示＝ミ ;人/Ｌ'/‐ｧ'´7.::⌒ヽ::::;
―――― -- ﾐl:::l　.ｌ:从　　二人::〈　.::|!{!:从_　じ'　.ノ./.:::/.:::/.:/　/::.::.::.::.::.}/
二二二二二二.';::',　';::ﾄﾐｚ=‐'　::::ト､〉　　ヽ　:::::￣彡./.:::/.:::/:./　/::.::.::.::.::.:/　　　　　　　今回は長々と続けているせいで
二二二二二二/':::',　’;:.　　 　 :::;!　　　　　　　　　.,.:'::／!:::;'_.〈__;′ー／:; ′
二二/二二二二:';:‘;　 ヽ〉　　 ::/　　　　 　 ヽ __／..:/ ,ﾉ::＞―‐ｌｰ::.::.:／　　　　　　　　　色々こんがらがってきただろうスレ住民たちのため、
二ﾆ/二二二二ニ',∧　ハ　　::;′　　　　　　　/.:;:::::／／.::.::.::.:::{ｌ:_,:イ
二'/二二二二二ﾆ';:∧ . ∧ 　 ヽ　‐ 　 　 　 .;':::/／／..::.::.::.::.::.::ﾘ::::人　　　　　　　　　　　ざっくりとではあるが世界観解説などを行っていくぜ。
/::,'二二二二二ニ::〉_ハ　:::', ヽ、＿_　　　　 _{／:／.::.::.::.::.::.::.:::/:／//＼
::/ニニニニニニニ}/.::/{　　i　､.｀ー　二二ア.:／.::.::./.::.::.::.::.::./ｲ'//////＼
;'二二二二二二二l!:::/.:|l . ∧.　/.:::::::　　iヽ／..::.::.::/.::.::.::.::.:／//////////,＼
【ブライドルランク15　アリー・アル・サーシェス　独立傭兵】





"/／三ミﾐll;//彡ｰ､;;;;;;从从从,,ll||lll;;;;;;､- ''",,､ '"￣￣｀''' ｰ､
//　／;;;;ｯｯ从''""　 |;;;l|;;;;;;;;;;ll;;;从l| ''",,､-,､ "
ﾞﾞl|/;;;;r''"　　　　　　 |;;;;|l|;;;;;;;;|l;;;从| '";;;;;/
　||;;;;|　　　　　　 _,､-|;;|'l|;;;;;;;;;l|;;;;;;;;l|;;ヽ;/　　　い　暴　首
ll||ll|;;;',　_,,,､- ''"　 ,,,､|;;|"l|;;;;;;;;;l|;;;;;;;ヽ;;;;|　　　 い　力　輪　　　　　　　　本来であれば作中での描写で伝えられれば一番なのだが、
ll l|l',;;;;',　 _,,､ ｰ '"　　|;;| l |;;;;;;;;ヽ､;;;;;;ヽ|.　　　 ぞ　は　つ
}ll| l|',;;;;l''"　　　　　　 ヽ;; ヽ;;彡;;;;;;ﾞ';;;;ﾐ;|　　　 //　　　 き　　　　　　　　　スレ主のガバガバ具合により、皆も色々訳ワカメかもしれん。
| l| l||';;;ﾄ､,　 　 ミ､,,;;;;ｨ=彡'"ノ´彡''"彡ヽ.　　・・　　　　
ﾘ|| l||;;;;tヽ=;夫,ﾞﾐ'､:彡｀'''"´::::-ｰｰ ､彡彡＼　　　　　　　　　　　　　　　　　ここいらで一つ解説などを行おうという腹積もりだ。
.|从ll|;;;;;｀'､ﾞ'''"ﾞl　　｀ﾞ''彡''"　　　　..::彡彡:::|＼＿　＿＿,,,,､ '"
.ﾞ､从lヽ､; ;;',.　 |　　　　　　　　　　ﾞ'::彡彡/l;;;;;;;;llﾉノ　　　　　　　　　　　　　 実際文章ばかりだと印象が薄くて忘れるしな……
　ヽ从ヽヽ;;;',　j　　　ｰ ､　　　　　　彡//　|;;;;;;;;､ll､､ﾞﾞﾞ从从从
　　　　ﾞ|,,ll|;;;; j"　_,,､ '""　　　 ﾉ　　 ::::/　|;;;;;;;;;;| |||| l|;;|ﾞﾞ从l |　　　　　　　　　AAでの描写を合わせて解説していこう。
　 　 　 ||| | ;;;;ﾞ'､-::);;/_,,,...-;彡´　　　　　 |;;;;;;;;;;;| ||ﾘ||;;;;;lll 从
　 　 　 | l| | ; ;;;ヽ"ｰ- ''''"´,､:: 　　　 ll|l ::|;;;;l|;;;;;;l|ll|| |l;;;;;;;l| |||
　　　　lﾞlll从 ; ;;;;;;;'､ ｰ ''''"´彡　　　 从:/|;;;|ll|;;;;;;|　l| ||/||l|l|||,,
　　　　ヽヽミ≧l ; ;;ﾞ､ 了´´　　　　 ..::／　',;;| j;;;;;;l|从||l|从从;;
　　　　　ﾞ''''iﾞjjjl|| ; ;;;;', l　　　 　 　 ／　 　 ﾞ;| j;;;;;i;;;;;;从;;;;从;;;;
　　　　　　 | l||从;;;;;;;;l ヽ;;:　 　 ／　　　　　 ',|l||;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　　　　　　 ',从从;;;;;;;;｀ﾞ'''''''''''''"　　　　　　　 |.||;;;;;;;/|;;;;;;;;;;;;从
　　　　　　　'､从从ﾐ､;;;;;;;;;;;;/ ﾉ｀'' ､:::::""''::::: ヽ|､;;;;tヽ;;;／｀''
　　　　　　　　ヽ､ﾐミミｰ､;;;;ｲ　　 |　｀' ､　　　　 ｀ﾞｰﾐ／
【ブライドルランク23　アミバ　独立傭兵】

3369： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/13(金) 20:22:14 ID:eIdJrGxk0

　　 /: : : : : : :/: : : : : /: : : : {: : : : : : : : : :/ //／´　　　　 ﾌ//　./∧　　∧
. 　/: : : : : : :/: : : : : / |: :∧ﾍ: : : : : : : : / // ﾄ　 ∩　　／//　./: : ∧　　∧
　/: : : : : : :/: : : : : /⌒!∧､ ∧: : : : : : :{ /ｲ　{　　 ｚ＜´ 　 　 /: : : : ∧　　∧
　{: : : : : : :.|: : : : : :|　/厶云　∧: : : : :イ　 　 レイ　 　 　 　 /: : : : : : ∧　＿」
　|: : : : : : :.|: : : : : :| イ　　　 ＼､＼: : :.:{　二￣￣￣´　　　/: ／￣´/: :.∨　 ∧
　ﾄ､: : : : :..:|: : : : : :|　{　　∩　　冫　ヘミ≧=ｰ'　　 　 　 　 |/　　 　 {／´　　　 ∧
　|　＼: : : :|: : : : : :|　　　　　／//　　　　　　＼　　　　　　 {　　 ／⌒　　　　　　　＼
　{ｉ　　ゝ─ﾄ: : : : :∧　ゝ-＜　ｲ/　　　　　　　　　　　／⌒ヽ　 /　　　　　　　　　　　 ＼　　　ことの始まりは40年ほど前だ。
＼|　　　　　∨: : : :ゝミ三彡　/　　　　‐-　　　　　　 ィ⌒ﾍ　 /　　 ∨
. 　＼　 　 　 ∨ﾄ: : : :≧=ｰ' /　　　　　　　　　_　 　 ／　 ｊ ∨　　 　 ∨　　　　　　　　　　　　今の経済戦争最盛期時代の始まりだな。
　　　∨　　　　＼＼∧　　　ゝ　　　 ‐　　　　、｀ ／／＾.ノ /　　　　　 ∨
.　　　 ∨　　　　　 ≧=ｰ　　　　＼　　　､　｀､ ／／　　　 /　　　　　 　 .}　　　　　　　　　　　　まずはそれ以前を軽く振り返ろうじゃねえの。
　 　　　∨　　　　　　　∧　　　　ﾉ ｊ　｀ィ彡-￢´　　　　 /　　　 　 　 　 |
.　　 　 　∨ 　 　 　 　 　 ヽ　　　 r彡ィユ´　　　　　　／ } 　 　 　 　 　 |
　　　 　 　 ＼　　　　　　　　＼　　＼⌒´　　　　＞‐´　 /　{　　　　Y⌒Y
　　　　　　　　＼　　　　　　　　＼　　∨　　　／　 　 　 |　 ﾄ､　　　 ゝ ノ
　　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　　ヽ　 ∨　イ　 　 　 　 |　 　 ＼
　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　　､　∨ /　　　　　　|　 　　　＼

3370： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/13(金) 20:23:13 ID:eIdJrGxk0

┌─────────┐
│　　　　　　　　　　　　....│
│　　　そこそこ昔　　　..│
│　　　　　　　　　　　　....│
└─────────┘

　　　　　　　　　　　　l＼　　　　　今は悪魔が微笑む時代なんだぁ！＞
　　　　　　　　　　　　＼ ＼
　　　　　　　　　　　　　 ＼ ＼_
　＜ヒャッハァ！ 　　　　　＼ヽ＼_　　　　　　　　面倒なことになった……人口増えてく癖に近未来になるまで資源や環境問題は解決せず。
　　　　　　　　　　　　　　 __〔[]二/_/
　　　　　　　　　　　　_,-´　　 冂 ヽ〉､　　　　　　　求心力ガタ落ちして誰も言うこと聞かん。軍も警察もガワだけだ……
　　　　　＿＿_　 .＜――〔≡]／]〕
　　　　　|| 　 │　　 ｀―-,／;;;ll))　　　　　　　　　　とりあえずテロとか内紛とかやばいからPMC（民間軍事企業）雇って何とかしよう。
　　　　　|| 国│ 　 :::::/ ｌ　￣￣lヽ
　　　　　|| 家│ 　 :::::|-|/l⌒l⌒l-|　　　　　　　　　　いいか、俺は面倒が嫌いなんだ。
　　　　　|| 　　|　　 :::::＼二､_）二ﾉ ＿＿＿＿＿
　　　　　|l＿__｣　　...:::::|｜|　 |:|　 |
　　　　　||　　　　　 .／｀ー（⌒）（⌒）
　 　 　 匚] 　 　 .／;;;;;;;;;;;;;;;;￣;;;;;￣
【当時のどこかの国家役、スティンガーさん】
・人口爆発＆資源、環境問題悪化
・政治腐敗により治安悪化
・国力低下、求心力低下、軍事力低下に加え政治不信による内紛が勃発
・軍事面のほとんどを企業に依存するようになる





　　　　　　　　　　　　　　　　　　／;;;;r'￣´　　　　　　｀￣ゝ､;;;;;;;;;;ﾊヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ソ´　　　　　　　　　　　　　 (ﾍ;;;;;;;ﾊ）ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　 /／´　　　　　 /　　 　 　 　 　 　 (ﾍ;;;;;;;|） ﾊ
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ﾚ'　　 　 　 　 /|　　　ヽヽ　ヽ　　　 （ﾍ;;;;|）　ﾊ
　　　　　　　　　　 　 　 　 /　 　 　 / 　 /│　　　 |＿＼|__|＿_　(ﾍ;|））　ﾊ
　　　　　　　　　　 　 　 　 l　　　　/ 　l　|　|　　　r'|　　　|　ﾊ　　｀ ((!!)) 　 |
　　　　　　　　　　 　 　 　 |　　 　 |　| 」-ﾄ､ﾄ､　　|　　　_x===|　　 }（（ﾄ､ヽ |
　　　　　　　　　　 　 　 　 |　　　　レ|´|　|　| ヽ　|　 ｒテ´　　 | /　ハヽ__」〉|
　　　　　　　　　　 　 　 ＿| |　　　 | |　|_==ヾ､ ∨　　　 　 　 |/　/　{{￣￣||
　　　　　　　　　　　　 〈l￣〉ﾊﾊ ＼＼xﾞ　　　　 , 　　　　　　 /／/ / llヾ〉　|||　　　　　　　　　今回もご利用ありがとうございまぁす。
＿＿_　　　　　　 　 　 .ヾ_'-'∧. ヽ ＼＼　 　 　 _　 ノ 　 　 jﾉ ,ｲ /|　ll |ヾ_　|　　　 /
　|| 　 │　　　　　 　 　 /||ゞ´∧　＼_＼ゝ　　　　　　　　　 ／//　|　{{|　 |　|　 　 /;;;　　　　　我が社のACがあなた方の国をお守りします。
　|| オ│　　　 　 　 　 /／´||　〉〉､_ ヽ￣ヽ､　　　　　　　　／ｲ‐,,/　 ﾞ|　 |　|∧／;;;;;;
　|| ル│　　　　　 　 //　　 ﾞ　|_|　/＼＼＿|｀　- -､-　＜￣;;;;;/l　　 } /｀│＿;;;;;;;;;;;　　　　　 あ、我が社では国家、革命軍、
　|| デ│　　　 　 　 /＼ー─-､　/　 /￣/| 　 || 　 |;;;;;;;|;;;;;;;;;;;//|　　 |＿／;;;;;;;;| ;;;;;;;
　|| ン│　 　 .___＿/＿__〉;;;;;;;;;;;;>'　 /　 /l l/　||　　|;;;;;∧;;;;;;;;;/_ |　　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| ;;;;;;;　　　　　　反政府軍、政党、あらゆる団体がお客様です。
　|| ブ│ 　 .__ゝ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;//　/|　/-ﾄ─--'￣＼/　|ヽ;;;/　 | /ﾚ';;;;;;;;';;;;;;;;;;;;| ;;;;;;
　|| ル.|　　 .＿;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ｲ　/;;;|/;;;;;;;;;;;;;;;/》／　　　 ＼　 《 ﾚ'/;;|;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;| ;;;;;;　　　　　　皆さま、ぜひとも我が社のご利用を。
　|| ク..|　　 .＞;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;|　|;;;;;;;;;十､／ヽ-へへへ／￣《/;;;/;;;;;;;/;;;;;;;;;;＜´| ;;;;;;
　|l＿__｣　　 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|　|;;;;;;;／|´　《ミＹ≡》）　　　 《/;;;/;;;;;∠;;;;;;;;;;;;;;;;;;〈￣￣
　||　　　　　.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／|;;;;;;;;;;;;ﾚ/;;／;;;/　　 ゞ===ﾞ´　　 　《/;;;;;ﾚ'´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼
..匚]　　　　..;;;;;;;／|／ 　 |;;;;∧__{;;;;|;;;;;/）　　　　　　　　　 《/;;;;;;;;;＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／
　　　　　　　／/　 　 ／ ヽ/く;;;;;ヽ |;;;;|》 　 　 |/ 　 ／　 《/;;;;;;;;;;;／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
【当時の企業代表役：アリス（水銀燈）さん】
・当時はAC主体のPMC（民間軍事企業）
・世界中でACによる戦争が勃発
・戦争が民間企業に丸投げされたことにより、戦争がビジネスとして姿を変えていく

3371： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/13(金) 20:23:37 ID:eIdJrGxk0

　　　　　　　 　 仄いrく艾艾艾艾癶、
　　　　　 　 　r巛Uj〉j〉j〉::::::::::::::::::::辷う、　　　､
.　 　 　 　 ｎrｎrｎrｎrｎrｎrｎ:::::::::::::::::::辷う、　　 ＼
　　　　 ／乂乂乂乂乂乂乂ｎrｎ:::::::::::::::辷う、　　 ヽ
　　　／￣　　　　　　　　　　乂乂ｎrｎ::::::::::辷う、
　　　　　　　　 　 　 ＼　 　 　 　 乂乂ｎ::::::::::rう)、
/　　　　 　 　 　 　 　 :.＼ 　 ＼　　　 乂ｎ:::::::::rう)　　 　 ′
　　ｉ　　　　　　:　: 　 ::::::.　ヽ　 :.＼ 　 　 乂辷辷く　　　　 ′
　 ::|:.　　￤　　:...:|....: i :::|　　　_}L.:. 　　 　 艾艾艾＼
　 ::|:: |:::::ｌ|:.. . .::::::|:: 斗r七'　　　　 |l　￤ 　 Y⌒Y^　 ＼ 　 |
　 ::|:: |:: 八:::::::::::::|ｌ::ｌ::|　〕斗ぅ弌7. |ｌ 　|:　　 V⌒ト､　＼＼ |　　　　　　　うーん、儲かるわねえ。お金が踊り狂っているわ。
: |:八:. ､:::: ヽ :::::::八乂{ｱ乂`ｰク　 |l　 ﾊ:. 　 | 　 |ｌ　＼　＼＼
: |::::: ＼＼⌒＼/　　　　　''¨゛´ 　 八Λ|::　| |:)　八. 　 ＼　|　　　　　　　 今や大半の産業を私たち企業が担っている。
八::::::::::|＼ 托笊!　　 　 　 　 　 ./ .:/ ..:|::　ﾊ! ,.:代＿＿___＼＿＿
:.　＼ : |＼＼`ｰ1　　　 　 　 　 /／〉..:/|. /　「 ::|ｌ　　 |.　　　 ) 　　 )　　　　経済が回るおかげで金の流れもスムーズになった。
＼　　丿:::::ヽヽ込、　　　 ｧ　　 　 /／　 ′/　 :|ｌ　　 |　　　(
　 ＼　　 乂__込、 　 ィ_ノ　　　　　　 ./　 /　　 |ｌ　　 ﾄ､　　　　　　　　　　　　良いこと尽くしねぇ。
.　　　　（　 |:l ＼ ＼ 　 　 ｢ヽ　　 　 ./　 /:/...　八|: 　|:::＼
　　　　　＼|:l:: |:ﾊ　 ヽ　　}　}.　イ..::/　 /:/ 　 /|:: |: 　|:::::::::＼
　　　　　　 |:l:: |/Λ　个ヲ　厂 ハ/　 厶仏:::/＾|:: | . ├――=ミ
　　　　　　 |:l:: |/: Λ　V　/: 厂＼彡く／|..../: : |:: |: 　|
　　　　　　 |:l:: |:::/::Λ　　Ｖ/　厂　 ィ::::八/::::::::|:: |: 　|
・資本、人員、資源などが集中し肥大化





　　　　　l＼
　　　　　＼ ＼
　　　　　　 ＼ ＼_
　　　　　　　　＼ヽ＼_
　　　　　　　 __〔[]二/_/　　　　　　　素晴らしい……君達企業には感謝してもしきれん。
　　　　　_,-´　　 冂 ヽ〉､
　　　＜――〔≡]／]〕　　　　　　　　今後とも良きビジネスパートナーとして……
　　　　 ｀―-,／;;;ll))
　　　　:::::/ ｌ　￣￣lヽ
　　　　:::::|-|/l⌒l⌒l-|
　　　　:::::＼二､_）二ﾉ ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　 :::::|｜|　 |:|　 |
　　　 　／｀ー（⌒）（⌒）
　 　 ／;;;;;;;;;;;;;;;;￣;;;;;￣
・企業が代理戦争を行ってくれるおかげでひとまず国家転覆は免れている

3372： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/13(金) 20:23:57 ID:eIdJrGxk0


　　　　　　　／　　　　　　 ′　　　 　 　 |　',　　ﾄ､　　　 ＼ ヾヽ
　　　　　　/　　　 　 　 　 |　　　 　 　 　 |　 ｌ 　ｌ|　'.　　　　ヽ ｌ:::ﾄ､
.　　　 　 /　　　　　　 |　 ｌ| | 　 　 　 　 , |　 |　 ﾘ　 ｌ｜　　　ｌ |:::ﾄ ＼
　 　 　 /　/　|　　　　|l　| | ﾞ 、　　　　/jﾉ　 | _厶-┼ﾊ　　　| |:::| l＼＼
　　 　 ′/　｜　　　 | |｜ ヽ ＼　 　 ′斗≦/__,,.. ﾚﾞ l　 　 ｌ |:::|　l　ヽ:ヽ
　　　 l　ｌ|　　ｌ　　　　|_｣ Ｌ,,..≧　＼　{　　 才ﾍヽ 〕／ﾉl　　 '　|:::|　｜　',::',
　　　 | ハ |　'､　　 イ´ヽ＞ ､弋　　ヽ　　　 　 ￣"''´ ｲ　 /　 |:::|　　l　 }:::|
　　　 |{::∧|　　＼　 ｌ＜⊥ゝ '"　　　　　　　　　　　　/ ／｜　|:::|　　 ｌ ﾉノ
　　 /.::/　|　　　　＼丶　"´　　 　 　 ヽ　　　　　 　 ／　 ｒ1　 ｀´　 　 ｌ
.　 /.::/　∧　　 l　|　ﾄ　＞　　　　　　　　　　　　　 　 　 厶|　　 　 | 　 |　　　　　　　　　……あなたたち、もう要らなくない？
＼{::::{　/　ヽ 　 Ⅵ　|￢　　 　 　 　　 ＿_ 　 　 　 　 　 '　 |　　 　 |　　| ／
: . ＼∨ﾄ､　 ＼　 ＼ト--＼　 　 　 　 l＿_ヽ　　　　 ／ 　 ｌ　　 　 |　／/　　／　　　　　「へっ」
: : : . ＼|: .＼　|｀ ‐- ＼　 /｀ ┌‐-､　　　　 　 　 ィ　ｌ　　｜　　　 |/. :/　／. : :
: : : : : : : : : . ヽｌ　　　 |　 .′r┤ 　 ,＼__＿_,､＜__|__ ｌ　　｜　　　 |: :/／. : : : : :
ー-　 _ : : : : : :|　　　 |　 ｌ　 |｜ 　 | ／⌒ヽ::.::`￢　||　　 |　　 　 l ／. : : : : : : :
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.' /.::.::.::.::.::.::.::.::.::.'、　　 '::.::.|}〉｜　　 　 　 　 |　＼::.::.|}〉/　 /.::.::.::.::.::.::.::. .＼＼::::
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・コジマ粒子が発見される
・AMS接続技術の理論が確立、軍事運用に転用、実用化される

3373： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/13(金) 20:24:09 ID:eIdJrGxk0

┌───────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│　　　コジマ技術の登場、国家の終わり。世界は企業主導による経済戦争主体の時代へ　　　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
└───────────────────────────────────────┘

3374： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/13(金) 20:24:32 ID:eIdJrGxk0

.　　　　　　　　　rく _ノ.::::::::::::::::::{爪rく_j)}}:::::::::::::::::::L _(_丶
　　　　　 　 　rく　ノ.::::::::r壬云ﾊ乂辷彡'芸=ミ､::::::::::::廴）_＼
.　　 　 　 　 f　_厂.::::rく乂ﾋ坎艾艾艾艾艾艾抃､:::::::::::.L _(　ヽ
　　 　 　 　rケ.:::::,不厂　　　　　　　　　　　　　 込ﾄ､::::::::.廴）_
　　　　 　 尓.:::rく厂　　　　　　　　　　　　　　 　 　乂ﾄ､::::.乂_{
　　　　　　::::rく厂　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　込ﾄ､::::}_｝_
　　　　 　 i爿「　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 乂ﾄ､:::V} !
　　　　 　 |.rり　　 　 　 　 i　　　　　　　　　　　　　　　　　 {ハ::{_)|
.　　　　 xf抃{　 i.!: 　 i　　｜　　　　　　 　　 |　　　 ﾊ　　　　}ｋf＝ミ
　　　 ノ::r仔ｲ.　 |. 　｜ 　 |　 i　　　　　 | 　 |　 　 '　!　　　/.::::小マ:.＼
　　　{{:::ﾉ.::::/}.　i.|.　 ｜ 　 i　,从 |.　　　 i_ !. i　　/　 |　　./.::::/ｲﾑ}ゞ=彡　　　　　最近、コジマ技術とAMSっていうのが開発されてねぇ……
　 　 乂_.:::/.::ﾄ､从　　|.|_＿彡'| ハ｜　　|｀|＝=ーﾊ. {.i　〈.::::/ノ,|::|∨⌒i:}
.　　　 　 7.: ∧　　＼ﾉ从|　八|　八|i: |　.!/　| , ハ | 从　 ￣　/.!::!: ∨.:/　　　　　 ネクストACというのができたのよぉ。
.　　　　 ,::::::ﾊ::|　　　|!rr=＝=ミx　　ﾊ从ﾉｊx彡气う拆ﾐ. 　 　 /　|::∨::}/
　　　　 i::::/.:: 从　 八弌　ゞ乏ｲ 　 　 　　ゝ ゞ=坏ｲ'/　 　 /　 ﾊ:::::ト{　　　　　　　 一機で通常ACを師団であろうと殲滅できるの。
　　　　 |::,'.:::/.:| ヽ. 　 ＼　, , ,　　　 　 　 　 　 , , , 〃　 　 ' ,　　i ゞ{:::!:､
　　　　 圦イ|:人　　 　　｀ヽ　　　　　｀　　　　 　 ./ 　　　　,.! 　 |　 i/|:::〉　　　　　　 今から全世界に派遣するわね？
　　　　　　 | ´i:ハ 　 ＼ ｀ヾ　　　 ゝ::ﾊ=- '　　 .ｲ从　　　/ |　　|　 |　´
　　　　　　 |　 　 }　　　 ヽ ≫､　　 ,ｲ .{　　. イ::::{/ '　　 // |　　|　 |　　　　　　　　　　もはや国家の枠というもの自体が古いのよ。
　　　　　　 |　i　 乂　　　 ∨//{::::::ｊ |　}⌒i:::::::::::ﾉ/.　　/_//|　　|　 |
　　　　　　 |　|　　　＼　　 ∨/,!｀v　! .i.　 }-＜　j　　,ｲ::::::::｀ヽ　!　 !
　　　　　　 |　|丶.　 　 ＼　 ∨,ﾊ｜ 　　　　 　∨　〃.::::::::::::::::.＼　.!
　　　　　　 |　|/.:.＼.　 　 ヽ　∨ﾑ 　 　　＿ 　 i.　/.::::::::::::::::::::::::::::.｜
.　　　　　 八 .∨::::::ハ　 　 '.　.ﾏム　　rく　 }　 ; /.:::::::::::::::::::::::::::::::} |
　　 　 　 　 ,:＼＼::::::.i 　 　 }　 ∨斗く　　 /｀Y,.':::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ｜
　　　　　　 {::::::::) ,:::::: !　　　从　j＿ ノ}´￣｀ヽ}＼::::::::::::::::::::::::::::ｲ　.!
・ネクストACが登場
・企業連が発足、ネクストACにより各国を襲撃





　　　　　l＼
　　　　　＼ ＼
　　　　　　 ＼ ＼_
　ドカァン！;;;＼ヽ＼_
　　　(,,;;(;#（ζ::　）/_/
　　　 ,,从::;;;;∵;;;）;;ヽ〉､　　　　　　　馬鹿な、こんなはずでは……これは、面倒なことに、なった……
　　　 (;人 *（;;;;）;;§;)]〕
　　　　 ｀―-,／;;;ll))
・国家群、敢え無く解体。アメリカ合衆国は最後まで抗戦するも最終的に敗北

3375： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/13(金) 20:25:27 ID:eIdJrGxk0

　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　マ::::::::::::::::|
　　　 　 ／　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼:::::::::::|
　 　 　 ′ 　 　 　 　 　 　 　 '.　　　　　　＼　　 >‐イ
　　　 /　　　　　 /　　　　　　 | :|　　　　　　ヽ. //　小
.　　 /　　′　　 ′　　　　　　| :|　|　 |　　 　 ',ヾニｨf:ﾊ
　　 ′　 ! 　 　 |　|　　　　　　| :|　|　 |　　 ｌ　 | .//¨|:|
　　|　 　 |　　　 l　.!　 　 　 　 | :|　|　 |＿　|　 |//　 |:|
　　|　 　 l 　 　 .|　ﾄ､　　　　　}´|　|￣|　　 |　/ｲ 　 .ﾚ
　　'　　　{ 　 　 .! Τヽ　　 　 ' /} ム斗匕く! 　 |　 　 |　　　　　　　今後は我々企業が世界を統治するわ。
　　‘， 　 '.　　　{　l|≧x　　 /〃ｲ 弋zツ　 l}　 ′ 　 l
　　　ヽ 　 ‘.　　 V 弋ア＼/　　　　￣　　 /　/ 　 　 |　　　　　　　 経済による平和……限りある資源の節度ある再分配。
　 　 　 ＼　ヽ　　ﾍ　｀¨　,　　　　　 　 　 /　ｲ　　 　.:|
.　　　　　 ｀　 l＼　 ヽ　　　　　　　　　　/／/　 　 　 |　　　　　　　　人々に安定した生活を提供し、安心して経済活動に打ち込んでもらう。
　　　　　　 　 | . :＞-＞　　 ｰ ＝　´　 " ／|　 　 　 :ｌ
　　　　　　 　 | . l: l|/　／:＞　　　　　_＜不　　　　 /　　　　　　　　　経済を回すことにより人々はさらに豊かになるわ。
　　　　　　 　 | . l: l|　/:::::::::::::::::::｀￣|}〉ゞ彳　　　　/ ／
　　　　　　 　 | . l: l| ｛:::::::::::::::::::::::::::::|}〉　 |　　 　 /
　　　　　　 　 | . l: l|　|::::::::::::::::::::::::::::|}〉　 |!./ 　 /
　　　　　　 　 | . l: l|　∨::::::::::::::::::::::::|}〉　 {/|　 /　 ／
.　　　　　 　 八　' ‘，　ヽ::::::::::::::::::::::|}〉　　 | ./ ..:
　 　 　 　 　 　 ヽ　∧　　＼:::::::::::::::::|}〉　　 V,/　　　 〃
　　　　　　　　　　＼∧　 　 ＼:::::::::::ヾｱ〜‐v}　　　　{{
・企業連による世界統治が開始。国家解体後、生活圏をコロニーとし、市民を集約
・経営や主体事業に携わる人々を上級市民と中級市民、末端労働者を一般市民としてIDを振り分け
・一般市民は生活こそ保障されるものの先も上もない奴隷扱いへ。口減らしのためにID剥奪やコロニー追放なども行われる





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／　二二二二≧ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 , イ 彡＝=ヾ辷三三三二 ､
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／'/／三三ヽヽ　＼三二二ﾆ＝= ､＿＿
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ヾ//"ﾞﾞﾞﾞ￣￣ヾ＼　∨二ニニ＝=辷ﾆ彡'
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,i∥i / , "　__,,,--ﾞ∨ l 二二二辷＝＞- .__,
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 il∥i(_ヾ=≡ﾞ＿_　　∨l=r-､三三三三三ソ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 Y，}ﾞﾞﾞイ‘＿／"ﾞ　 ヾx'γ }ΞΞΞヲ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　i７　;:　 ﾞヽ､､　　　,,; ７' ' /彡彡/ｿ' 　　　　　　ついに我々の時代だネ！
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ゝ≡-'::..　　　　　,;;　,_ ノ彡彡イ∥　　　　　　　（邪魔者はいなくなったわけだ）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　i斗扞竿ﾑﾞ｝　　 ;;　j} 彡／彡"/
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ∨辷フ"　ﾘ　　　 ノ ヾ彡彡／　　　　　　　　　　これからは経済の発展と平和の維持のため力を尽くそう！
　　　　　＿＿_　　　　　　　 　 　 }　　　　　＿ ／::/　 ヾ彡/　　　　　　　　　　　（本当の覇権争いが始まるわけだが）
　　　　　|| .I. │　　　　　 　 　 　 ヽ __ ィΞ::::::::::∠==＝＝}
　　　　　|| G │　　　　　　 　 　 　 　 r|:::::::／,-'"　　　　　|　　　　　　　　　　　　皆、手を取り合って良き社会を築こうではないか！
　　　　　|| .I. │　　　　　　　　 　 　 ／i}:://´　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　（全ての富を手にするのは我々だ）
　　　　　|| .O. |　　　...マ≧z---xr､〈iiiiil|{/　 _,.．-'''"二ﾆア-===
　　　　　|l＿__｣　 　 .>≧=┴ｧ<<〃ﾐﾑilレ, -'"ミミミミミミ〉＼､
　　　　　||　　 　 　 .￣, -'"i:i:i:i:＼ﾐ／7ﾌKくミミミミミミ／
　 　 　 匚]　　　　..／/i:i:i:i:i:i:i／::::::::ﾞ＼iil}三ﾆ＼ミﾐ／
・企業間の経済戦争が更に活性化
・建前上は平和を維持する統治機構であるため、追放したコロニー市民などをテロリストに仕立て上げ裏で支援、他企業に攻撃させる
・主戦力が完全にネクストに移行。当時はオルデンブルク＝アヴィアコル＞SI＝IGIOという戦力差

3376： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/13(金) 20:25:56 ID:eIdJrGxk0

┌─────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│　　　第一次ネクスト戦役　　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
└─────────────┘

3377： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/13(金) 20:26:57 ID:eIdJrGxk0

////////////////// /i:i:i:i:i:i|///|/〕iト//|　　　 　 　 　 　 　 　 ィ
///////////////// /i:i:i:i:i:i: |///|///// |　　　　　 　 　 ．.:i:i:i:i/
i:i:`寸 /////////// /i:i:i:i:i:i:i:ｉ:|///|///// |　　　　　 ィi〔:i:i:i:i:ｉ／
i:i:i:i:i:i`寸//////// /i:i:i:i:i:i:i:i:i/:i:i:i:i:i:i:`寸/ |　　 ィi〔:i:i:i:i:i:i:ｉ:／__
i:i:i:i:i:i:i:i:i ＼///// ｲi:i:i:i:i:i:i:i ｲi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i: Ⅵ ／i:i:i:i:i:i:i:i:i:／i:i:i:i:i:}
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iヾ=彡从i:i:i:i:i:i:〃i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iﾚ'i:i:i:i:i:i:i:i:i:i／i:i:i:i:i:i:ｉ:ﾘ
i:i:i:i:i:i:i:i:／i:i:i:i:i:|　　{｀寸ミ':i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｨ:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ／i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:/
ヾ:i:i:i:i:ｲ:i:i:i:i:i:i:ｉ:|　　 ヽ ∨i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:厶イ:i:i:i:ｉ:／i:i:i:i:i:i:i:i:i:i: /　　　　　　　コッロース。
i:i:‘｡i:i:i|:i:i:i:i:i:i:i∧　　　 Xi:i∧i:i:i:i:i:i:i:i:i/　　|:i:i イ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i: /
i:i:i:i‘｡:i:∨:i:i:i:i:i ∧　　 }才ヽ._｀フi:i:i:ｲ　 .イ才i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i: ｲ　　　　　　　　　コッロース！
i:i:i:i:i:ﾊ:i:i:ヽ:i:i:i:i:i:i:i:＼ ∧i:i:i:i:i:i:ｉ／　 「i:i:/}}i:i:i:i:i:i:i:i: ====く
i:i:i:i:i:i∧:i:i:i:i＼:i:i:i:i:i:i:i:i〕ｉトi:i:／　　 /|:i:i:i:i:V:i:i:ィi〔:i:i:i:i:i:i:i:i:i〕iト．　　　　　　　　【黒いネクストは　やる気だ！】
i:i:i:i:i:i|i:i:i:､:i:i:i:i ＼:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ヽ　　ｲ:i:|:i:i:i:i:i|:i:fi:i:i:才´:i:i:i:`寸:i:i:i:i:＼
i:i:i:i:i:i|i:i:i:i:i＼:i:i:i:i:i〕iト:i:i:i(/)i:i:i:ﾏ刈:i/ヾ:i:i:ｉ|:i:|i:ｲ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i≧=:i:i:＼
i:i:i:i:i:i|彡ｲ:i:i: ＼:i:i:i:i:i:i:i〕iト===ﾍ彡’:i:i:ｉ 刈:i:j':i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/￣ ヽ -＼i:i:i:≧x
i:i:i:i:i:i|i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i＼:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ii＼:i:i:i:i:iﾘ:i:i:ヽ:i:i:i:i:i:i:i:i{ゝ　Y　　　 》i:/
i:i:i:i:i:i|i:i:i:i:i:i:、:i:i:i:i:ｉ:＼:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:＞===ミ　￣￣￣ `寸乂二.ィ/:i:＼
i:i:i:i:i:i|i:i:i:i:i:i:i:＼:i:i:i:i:i:i:i≧===≦:￣i:i:i:i:i:i:i:i:i:∧　　 　　　　 ￣
・企業連体制と企業社会が発足してから三十年後、当時のナンバー1が突如として蜂起した（とされる。詳細不明）
・黒いネクストはIGIO所属
・リンクスの個人データ、ネクストの機体データは共に機密扱い。当時の人間のみぞ知るが緘口令が敷かれている模様





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　　　　　　　　　　　　　乂　 　 　 　 .'″:::::;,.''　　//　/:: ::.介:: :: ｌ`ｰ'´ `ﾞヾﾞ＼ﾞヾ､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　⌒ヽ　 .／　〃:::;ゞ /　//　/:: :: :}{:: :: ::l ｌ|　i　＼　　　ヾ＼
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　　　　　　　　　　　　　　　/⌒｀　　　　　 :ｌ|,.:-‐イ´:＼/｀Ｘヽ／ヽ　..ｌ:i:|ｌ　　　⌒ヽ
　　　　　　　　　　　 /⌒　,.　-───‐ｧ'´.:::／:: :: :: ::/／　 入:: :: ＼､_.i|　　　　 i
　　　　　　　　　　r‐' .／.:: ::. ::.::: :: :::／.: ::／:: :: ／:: / ＼／ 　 ＼:: ::.＼｀:.､　　...乂
　 　 　 　 　 　 _ノ　...＼::.:: :: ::, ‐'´.:: :／/:: :: ×.:: ::/　／＼　　　 ＼:: ､:＼::＼　　 .⌒ ､
・黒いネクストが大暴れしたことにより二十機以上の企業所属ネクスト、およびリンクスを喪失
・被害の大きさはオルデンブルク＞アヴィアコル＞SI＞IGIO
・黒いネクスト自体は高町なのはが駆るマーシフルによって撃破される

3378： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/13(金) 20:27:19 ID:eIdJrGxk0


　　　　　　　　　　　　　　 　 -く匀> -
　　　　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　ヽ
　　　　　 　 　 　 　 　 ′ 　 !:!　 } /　　 ﾊ
　　　　　　　　　　　　 |　|　斗ﾄ　lト廴/ｲ l|
　　　　　　　　　　　　 |　,ィﾓﾌ ヽ{ﾋﾆﾐ/}　l|
　　　　　　　　　　　　 |: lﾄ。ﾟ　 __　 ﾟ。ﾘ　ｌﾄ
　　　　　　　　　　 　 ｲヽゞﾄ､ ´　｀ ｲlｲ〃∧
　　　 　 　 　 　 　 　 l　∧ }::≧＜::!/ ｌ|/ト ゝ
　　　　　　　　　　　イ_ｲ-从::::/Ｔヾ:::ﾑ从トミ ＼
　　　　　　 　 　 　 /⌒ヽ　 ∨个　　 /::}:⌒ヽ　 ヽ
　　　　　　　　　　/:::::::::::ﾊ〜^{薔}〜ｲ:::|::::::::∧ヾ　＼
　　　　　　 　 　 /:::::::::::::::ﾊヽ ｀¨´ 〃:::::|:::::::::::ﾊﾉ｝ 　 )
　　　　　　　　　{:::::::::::::::::::::}::::ヽ人/:::::::::}:::::::::::::}　　〃
　　　　　　　　　 ＼:::::::::::::::!::::::::∞::::::::::::〉::::::／
　　　　　　　　　　ノ`¨7:::::::|::::::::介::::::::::ﾊ:::::::{ﾊゝ
　　　　　 　 　 ｰ=彡ｲﾊ:::::∧::::::::::::::::::/:::::::::::}从 ＼
　　　　　　　　　　 ノl|ト7∧:::ゞ:::∧:::/::::/!::|/ l| }ゞ
　　　　　 　 　 　 / ｲl|7ﾊ }}:::::::/X∨:::/ .∨ヽ从从
　　　　　　　　 .ノ从乂}〜∧::::{ >< 〉/-〜}:}
　　　　　　　 ,.r＝イ<∧イ ∧:::ヽ／/⌒ー|:｀¨¨ー〜イ~ヽ．.._
　　　＿　x≦ｲ:::::::::::::::::}7⌒ヾ:!:::::::/ヽ_人_|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＞x
　 ／⌒＞イ:/::::::::r〜¨ヽ_ノ⌒ヽ}/⌒ー一ト-ミx:::::::::r〜ヾ:::::::::::::::::＼
・戦役終結後はテロリストへの弾圧が激化
・オルデンブルク、アヴィアコルは損失の激しさから失速、勢力図が塗り替わる





　 　 　 　 　 　 ／ ＜　ヽ　{/／　 二ﾆ=- ￣＿＿￣二フ_,,ｨ
　　　　　　　　 ＞ ,ｨ(三ミY　ノ-=毛＿　‐''´二ﾆ=-_,,､丶 ,ィ
.　　　　　　　 |　 /彡=ミ''``´´ /´`ﾏ＞―――　＿ﾆ=-　ｱ
　　　　 　 　 ,　 /イ´　　　　　,' 　ノ､''´ -===-　ミ=‐ 　ｲｧ
　　　　　　／　八 l''´　　.斗―_　　`ミ､　ｧ''^ヽ ＞''´／ /　　　　　_.斗‐ｧ
　　　　　/　　/ゝ |/,ｨｧ'´,ｨ=ｬ ﾒ　　　　ミｌ{ / ﾉ }／／ /,'　　 ＞''^´.:.:.:.:/
　 　 　 /.ｲ　,'.　 〈､'"! ''lｿ彳 '　　　　≠ﾐｌ {) .,ｲ ,ｲ.// ,' ＞'´ . .: .:.:.:.::./
.　　 　 {′', {.　 ／.}　|`''〜､　_ -､　/　　 ',ノ.//. // ,′　. .: :.:.:.:.:.:.:./＞''´
　　　　　　 ヽ／　 ,'　! 　 ｧ‐'"√}　,l　　　lﾊl /　 / ｲ . .: .:.＞''´￣/.:.:.:.:.:.:.::
　　　　　　／　　 ,'　_,,､ノ､,ィiliｌiｌi} ,　　　　|!　}ﾊ ∨/{.:.:.／.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:
　　　　 ／　　／ `''⌒!_イ)ｯ‐''ソ〃　　　八　_＞''"¨l,ｲ.:.:. ／.:.:.:.:〉:.:.:.――
.　　 ／　　　/: : / : : :丶:)≦´　'´　　,,ｨi＞''´　　　　.|､:.／.:.:.:.:／::.:.:＞''´.:.:
　　 ゝ､,,　　 `ｈ､{: : : : : :ハ 　 　 ,､く''´＞''´　　　 ,､‐'::}!／:.／.:.:.／.:.:.:.:.／
　　　　　 ｀''〜､､ `ヽ: : /: :}　 ／ ＞''´ 　 　 ,､丶:::::::::/.:.::.:/＞''´:.._:.:‐''´:.:.:
　　　　　　　＞''⌒''〜､,ｨﾆﾆﾆ〈 {}㍉　 ,､丶:::::::::::::::／:.:.>.:.:.:.:.:.:.:.:__二ﾆ=‐''"
　　　　＞''´＿　　　　,ｲﾆﾆ/　ﾊﾉ―＜:::::::::::::＞''´―――　＜ﾆ心､
・最も損失の少なかったIGIOが企業連の中でもトップの勢力として台頭
・ネクストへの脅威度からリンクス管理機構ブライドル（ブライドルとは手綱の意）が発足。
当然の如く機能しておらず、依頼仲介の場でしかなくなっている
・リンクスの管理権限をブライドルへ移行。あらゆるリンクスが傭兵となり、企業はあくまでスポンサーでしかなくなる
・それにより企業間戦闘が表面化。公然とネクスト戦闘が行われるようになっていく

・本編開始

3379： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/13(金) 20:28:09 ID:eIdJrGxk0

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│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│　　　第二次ネクスト戦役　　 　 │
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〜二週目後半で情報開示予定〜

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3380： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/13(金) 20:28:24 ID:eIdJrGxk0

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│　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　各企業の関係性　　　　.│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└────────────┘

3381： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/13(金) 20:28:37 ID:eIdJrGxk0

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│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /￣ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,､rへヘへr-､、　　　　　　　　　　　　　　....│
│　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,.ィｸ´￣￣ 二二ヾゝ　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　 　 Ｌ__　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　////　　　　　へ　＼＼　　　　　　　　　　　　.....│
│　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 //// / / /　ヽ へ＼ ヽ ﾍ　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /￣￣ﾟY　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i/// / / / ∧ヽ＼ ＼i_　ﾍ!　【ノルドルム】　　　.│
│　　　　　　　　　　　　　　　　 /=====＞''7＿＿＿　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ! l丁≧トハ!　ヽ|,斗＜＼ ﾘ　　　　　　　　　　　.....│
│　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /=彡＜　　彡-―-　/　／─――――――――――――――　..∨|! 三三｀　"´三三 ﾘﾊj !　　　　　　　　　　　　..│
│　　　うちが一番！　　　　/／　 ／￣｀ヽ　　　./:::　　誰のおかげでデカくなったと思ってる？ . | i! ￣￣　, 　 ￣￣　|　 |　　　　　　　　　　　　..│
│　　 　 　 　 　 　 　 　 -=ﾆ´___／　　　　　)ﾉヽ/::::::　＼─――――――――――――――　　.| ii、　　　　　　　　　,;|　 |__　　　　　　　　　　　 .│
│　　　　　　 【IGIO】 　 　 ∥/￣￣/　 /￣￣∥:::::::　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／|　iヽ　 　 △　 　　,ｲ;i　 l;;;;;;ヽ　　　　　　　　 　 │
│　　　　　　　　　　　　 　 |:/＿＿/⌒/＿____∥:::::::: . ─―――――――――――――＼　　∨:|　 |;;;＼　 　 　 イ;;;;;;;|　;!;;;;;;/　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　 　 　 　 ＿＿|:丈''ー……ｰ--‐ァl::::::::::: 　 .傘下の分際で何言ってんの？ 　 　 　 _ゝ!　 !/;;;ト､.ー_.´,.イ＼;| :ﾘ;;;;/　　　　　　　　　 　 .│
│　　 　 　 　 　 　 　 ﾏ.... |:/　｀丁⌒ーrｰ ´　!::::::::::: . ─―――――――――――――／ ./;;;;;;;iﾊ :ﾘｰ〈;;;;;;;;i;;;;;;;;;;;;!ー;;|:/;;;;;;｀ヽ　　　　　　　　　　│
│　　　　　　　 　 　 　 〉....|:＼　 乂＿ノ　 　 .|:::::::::::::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /;;;;;;;;;i!;;;〉;;;;;;;;;;;;;;;;{;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i';;;;;;;;;;;;;;;',　　　　　　　　......│
│　　　　 　 　 　 　 ∠_......|::::::＼-､__,-―‐-､|:::::::::::::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /;;;;;;;;;;;;∨;;;;;;;;;;;;;;;/∨;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;/;;;;;;;;;; i　　　　　　　　.....│
│　　　　　　　　　　 　 /.....|:::::γ7'Tヽ~ア'ｰ-|::::::::::::::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i;;;;;;;;;;;;; /;;;;;;;;;;;;;;;〈　 〉;;;;;;;;;;;;;;;;;j/;;;;;;;;;;;;;;;}　　　　　　　 　 .│
│　　　　　　　　　　　　￣｀|::::::{:.{:.:{:.:.}/:::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 j;;;;;;;ｲ二ヽ;;;;;;;;;;;;;∧/;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;/;;;;;;;;;;'　　　　　　　　　..│
└────────────────────────────────────────────────────────┘

3382： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/13(金) 20:28:51 ID:eIdJrGxk0
　　　　　　　　　　　　　　　／　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　│石│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　│油│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 │そ│
　　　　　　　　　　　　　　　│よ│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │ん│
　　　　　　　　　　　　　　　│こ│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │な│
　　　　　　　　　　　　　　　│せ│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 │に│
　　　　　　　　　　　　　　　＼　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 │仲│
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／ 　 /　　／ /　　　　　 /　 //　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │良│
　　　　　　　　　　　　　　　　/ / 　 ′　ｲ　/　疲弊中 '　／ｲ　　　　あいつ怪しくなぁい？　　 　 　 　 　 　 　 │.く.│　　　 ＿＿＿　　__
　　　　　　　　　 　 　 　 　 / ｲ 　ｌ |　 / |　′　　　／ ／〃 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│な│　..／__HｌHｌHｌHｌHｌhi｀ヽ
　　　　　　　　　　 　 　 　 〃 |　｜| 7二|丁　　　＞ ― /-　|､/　　　　ネクスト戦役でも損失少なかったし　...│い│../::::::::::::｀ヽｌHｌHｌHｌHｌHｌ〉
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　 |　｜|〃ﾋ} ｜　／ ァ＝≦ 、　|/　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │　 │ }_;:z≦ﾆﾆニ二二二二＞
　 【オルデンブルク】　　　　八　ヽ|　＝　|／　 　 ﾋン　　 ≫　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　　 /　 ,／|　 , |. ＼　ヽ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　 lヽ　ｌ　 　 '　　　　ヽ､＿　彡　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　,' ,/ ,／─ﾉノl/ ― .ｌヽ ',　【アヴィアコル】
　　　　　　　　　　　 　 　 / 　 .|　|＼　　 　 　 　 　 　 ￣ 　 /／　 　 　 　 　 　 ／──────＼　　　　 　 　 　 .|　　/／　 ● 　　　● ｌ. ﾍ|
　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／| ｜ﾍ、　　 __ 　　　　 　 　 ／　　　　　　　　 　 　 油田とかよこせ　　　　　　　 　 　 .｝　 （|.⊂⊃　､_,､_,　⊂l　|　　へっ。
　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＞―ｌ　 l＼　‘-｀ 　 　u　　／　　 ／　　　　　　　　＼──────／　　　 　 　 　 .／　　　ゝ　　　 　　 　　.ﾙ |
　　　　　　　　　　　 　 　 ／　 ―ﾍ ｜|::＼　　 　 　 ∠ イ　／　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 / ／　,' / rヽ,､　　__,　イ　 !/
　　　　　　　　　　　　＞'´／::::::::::::::ヽい:::::::＞┬＜:::::／ ／-＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 !/ }／ ,. ´ﾞｉ:::::＼∧,ﾍ／!{ヽ、
　　　　　　　 　 　 ／　／ :::::::::::::::::::::::＼／／/|::ト､彡イ:::::::::::::::::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｛_ ,_ｙ｝::（:::::::;!､::::::）i__ }

3383： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/13(金) 20:29:20 ID:eIdJrGxk0
　　　　　　　　　　　　　　　│比│　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　│較│　　　 　 　 　 　 　 　 　 │ノ.│
　　　　　　　　　　　　　　　│的│　　　　　　　　　 　 　 　.│││
　　　　　　　　　　　　　　　│マ│　　　　　　　　　　　　 　.│マ.│
　　　　　　　　　　　　　　　│シ│　　　　　　 　 　 　 　 　 │ル│
　　　　　　　　　　　　　　　│な│　　　　　　　　　 　 　 　 │貸│
　　　　　　　　　　　　　　　│対│　　　　　　　　　　　　 ... │し.│
　　　　　　　　　　　　　　　│応│　　　　　　 　 　 　 　 　 │て│
　　　　　　　　　　　　　　　＼　 ／　　　　　　　　　 　 　 　.│る│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＜´＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＜´　　　　..＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＜´　＿‐‐‐二ヽ__　＼
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 .＜´ /￣　, ＜￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 ＜´　 ／　 ／　　　 ,斗≦三｀l
　　　　　　　　 【SI】　　　＜´　　　/　　./　　　.／::::ゝ-.、_／
　　　　　　　　　　　　i∨　　　　　 〉　 /　　.／:::::::i′　∧
　　　　　　　 　 　 　 i .∨　　　　 .!　 .|　　/:::::::::::/ｰ-ゞヾ=,三
　　　　　　　　 　 　 .i　 .∨　　　　!　..|　 .|:::::::／　　 ｉｉ´ ｉ´_ 　 .┌──────────────────────┐
　　　　　　　　　　　 i　　 .∨　　　 !　.|　 |___/　　　　ｉｉ　| .| ｀ . │資源も領土も全部俺のもんだ！（大半の企業と敵対）│
　　　　　　　　　　　.i　　　 .∨　　　｀!ヽ |　ｉ　　　　　.ｉｉ　　|　　 └──────────────────────┘
　　　　　　　　　　　i　　　　 .∨　　　!,r‐、　ｰ、　　　 ｉｉ　 |
　　　　　　 　 　 　 i　　　　　 .∨　　〈ｉ´ヽ＼　ゝ-=____ｉ／
　　　　　　　 　 　 .i　　　　　 　.∨　／｀ｰ-vヽｰ-
　　　　　　　　　　 i 　 　 　 　 　 ／　　ｰ‐≦｀ヽ三)￣￣
　　　　　　　　　　.i　　　　　 　 ./　　　　　　 ´￣｀ｉ

3384： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/13(金) 20:30:01 ID:eIdJrGxk0

　　 　 　 　　｜ V /　 ィ＿ノ: / : /. : . 　 /:　 . :{从ｨｿ.
　　　　　　　　Ｖ/ ,'　　廴＿ ィ　: l: : :　 . ｌ　. :／　　 ＼: . .
　　　　　　　　｛{　|　　　 .　. : : : : |: :　　: l : :/　　＿＿ Ｖ:　:
　　　　　 　 　 ｀　|　 . . :　. : : ｲ : | | : : : : ､_廴／≦　　 Ｖ:
　　　　　 　 ,　 　 | . : : :　: : : lﾉ∠l∧: | : /ｒ≦ｨ矛了 　 //　　　 :　　　.
　　　　　　 ｛､＿ノ /. : : : : : : l´ｒ弋仗 ゝ:|　　二￣　　 /ｲ:　　　. : 　 　 : .　　　　　　こんなとこかねえ。Pixivのファンボックスにも
　　　　　　　ﾞー‐ ｲ: |: : : : : : :ゝ ￣　 ヽトゝ　　　　　　｛　V　　. : :　　　　:
　 　 　 　 　 　 　 l: :|ヽ : : : : : 三ｿｨ　 ′　　　　 　 　 　 ﾉ　　: : :　 :　　 :　　　　　　 残しておくから、好きな時に見てくれ。
　　　　　　　　　　ゝ:{　 ＼: : : : 彡'　　 l　　　　　　　　　 ゝ　　 : : 　: . . : :
＼　　　　　　　　　 ｀＼　 ヽ: : : :ヽ　　 ヽ,,`,,, ; ; ;_,;z;; ;,　 ､）　: . :　　 : : : :　　　　　　　追記や改訂もできるしな。
　 ｀ヽ￣￣￣｀　 ､　　　　 ﾉ: : : : : ＼ ､;;='''ﾞﾞ"~´　　　　∠ゝィ: :　　　: : : :
　　　　 :.　　　　　 ＼＿__{ : : : : : 厂∧　イ￣ヽ　　　／ヽ.／{: : : .　　: : : :
　　　　　::..　　　　　　＼　 ＼ｒｚく　 ｊ : ＼ｊ: : : : ＼／: : : : ｝　Ⅵ |: .　　: : :
　　　　　 :::i::..　　　　　　ヽ　 丶ヽヽ.V: : : : : : : : : : : : : : :/　／ヽlヽ　　: : :






"/／三ミﾐll;//彡ｰ､;;;;;;从从从,,ll||lll;;;;;;､- ''",,､
//　／;;;;ｯｯ从''""　 |;;;l|;;;;;;;;;;ll;;;从l| ''",,､-,､ "ヽ
ﾞﾞl|/;;;;r''"　　　　　　 |;;;;|l|;;;;;;;;|l;;;从| '";;;;;;;;;;;ヽ;;;;ヽ
　||;;;;|　　　　　　 _,､-|;;|'l|;;;;;;;;;l|;;;;;;;;l|;;ヽ;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;ヽ
ll||ll|;;;',　_,,,､- ''"　 ,,,､|;;|"l|;;;;;;;;;l|;;;;;;;ヽ;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;ヽ;
ll l|l',;;;;',　 _,,､ ｰ '"　　|;;| l |;;;;;;;;ヽ､;;;;;;ヽ;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;ヽ
}ll| l|',;;;;l''"　　　　　　 ヽ;; ヽ;;彡;;;;;;ﾞ';;;;ﾐ;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;ヽ;;从　　　　　　　　　　うん？　間違ったかな……というのも多いだろうからな。
| l| l||';;;ﾄ､,　 　 ミ､,,;;;;ｨ=彡'"ノ´彡''"彡ヽヽ;;;;;;ヽ;;;;从从从;;
ﾘ|| l||;;;;tヽ=;夫,ﾞﾐ'､:彡｀'''"´::::-ｰｰ ､彡彡;;;;;;ヽ;　;从从从从　　　　　　　　 大分ざっくりした解説だが、ないよりマシだと思いたい。
.|从ll|;;;;;｀'､ﾞ'''"ﾞl　　｀ﾞ''彡''"　　　　..::彡彡:::|ヽ;;;;;;从从从;从　
.ﾞ､从lヽ､; ;;',.　 |　　　　　　　　　　ﾞ'::彡彡/l;;;;;;;;llﾉノ从从从ヽ　　　　　　　　それじゃあドミナントたちよ、次回の投下でまた会おう！
　ヽ从ヽヽ;;;',　j　　　ｰ ､　　　　　　彡//　|;;;;;;;;､ll､､ﾞﾞﾞ从从从
　　　　ﾞ|,,ll|;;;; j"　_,,､ '""　　　 ﾉ　　 ::::/　|;;;;;;;;;;| |||| l|;;|ﾞﾞ从l |　　　　　　　　　
　 　 　 ||| | ;;;;ﾞ'､-::);;/_,,,...-;彡´　　　　　 |;;;;;;;;;;;| ||ﾘ||;;;;;lll 从
　 　 　 | l| | ; ;;;ヽ"ｰ- ''''"´,､:: 　　　 ll|l ::|;;;;l|;;;;;;l|ll|| |l;;;;;;;l| |||　　　　　　　　　　
　　　　lﾞlll从 ; ;;;;;;;'､ ｰ ''''"´彡　　　 从:/|;;;|ll|;;;;;;|　l| ||/||l|l|||,,
　　　　ヽヽミ≧l ; ;;ﾞ､ 了´´　　　　 ..::／　',;;| j;;;;;;l|从||l|从从;;
　　　　　ﾞ''''iﾞjjjl|| ; ;;;;', l　　　 　 　 ／　 　 ﾞ;| j;;;;;i;;;;;;从;;;;从;;;;
　　　　　　 | l||从;;;;;;;;l ヽ;;:　 　 ／　　　　　 ',|l||;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　　　　　　 ',从从;;;;;;;;｀ﾞ'''''''''''''"　　　　　　　 |.||;;;;;;;/|;;;;;;;;;;;;从
　　　　　　　'､从从ﾐ､;;;;;;;;;;;;/ ﾉ｀'' ､:::::""''::::: ヽ|､;;;;tヽ;;;／｀''
　　　　　　　　ヽ､ﾐミミｰ､;;;;ｲ　　 |　｀' ､　　　　 ｀ﾞｰﾐ／

3385： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/13(金) 20:55:01 ID:eIdJrGxk0
ああ、我がスレでは質問など大歓迎だ。

これってどうなってるの？　という疑問があったら是非言ってくれ。構ってくれ。ネタバレにならない範囲で応えるよ。

3386：安価のやる夫だお：2020/11/13(金) 20:55:53 ID:7Cz23Xlk0
乙でした

3387： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/16(月) 20:00:18 ID:InD3xJNk0
.　　　　　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.、:.:.:.:.:.:＼
　　　　 /:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:/:.:/:.:.:.:.:/:.:.:.:.:. |:.:. | : ｌ:.:.:.:.ｉ:.:.:.:ヽヽ:ヽ
.　　　　ｉ＼:.:.:.:.:.:.:.:./:.:./:.:.:.:./:.:.:/:.:.: |:.:.:.|:.:.|:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:ｉ ヽ:.:',
　 　 　 |:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.ｉ:.:./:.:.:.:. ｉ:.:.:,':.:.:.:..|:.:./|:. |:.:.|: |:.: |: : |　 ヽ:ｉ
　　　　 |:.:.:.:.:.＼:.:.|:.:/|:.:.|:.: |:.: ｉ:.;:‐7|‐二|メ|:.:|:.:|:.:.||:.:.|　　 ヽ
.　　　　 、＼:.:.: ヽ|:/-|:. ! : |:.: |:.: /x 斥 |/ {:/|: !:.: ||:.:|
　　　　　ゝ:.:.＼:.:. |{´｀ｌ:.:|:.:.:|:.:.|:./ﾍ　{::ﾘ/ 〈/ ｌｲ:.:./l:./
　　　　　 |＼:.:.:＼:|＼ ゝl:.:.:|:.:.|/　　 ゝ'　　＼ |:./ ﾚ′
　　　　　 |:.:.:.:.ヽ、ヽ:|　｀!:ヽ:|、|　　　　　　 ／ ﾚ′
　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.＼/　 ‘， ＼＼ 　 　― ´
　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:. |　　　ﾍ:.:.:.ﾍ　　　　/
　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.≠__　　　ﾍ:.:.:ﾍ ―‐´
　　　　　 |:.:.:.:.:. / ｀ヽ､≧ｭ､_ヽ :.{
　　　　　 |:.:.:.:.:.:|::＼　　 ≧ｭ､｀ヽヽ
　　　　　 |:.:.:.:.:./::::::::＼ 　　　 ＼ｌ┤
　　　　　 |:.:.:.:/:::::::::::::::::＼　 　　ヘ{ ヽ、
　　　　　 |:.:.:/:::::::::::::::::::::::::＼　　　|＼ ゝ
　　　　　 |:.:/:::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ｀￣ 7　 ﾍ´ヽ
　　　　　 |: ｉ::::::::::＿＿＿＿__|　　,′ 　 ﾍ::::ｉ
　　　　　 |: |:::::l´::::::::::::::::::::::::::＼　＼　　　ﾍ:|

3388： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/16(月) 20:01:18 ID:InD3xJNk0
なんかめっちゃ間違えてるわ。

3389： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/16(月) 20:01:28 ID:InD3xJNk0

　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ 　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

3390： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/16(月) 20:02:07 ID:InD3xJNk0

　　　　　　　 ､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|　　　　　　最近、世の中には横文字が多いね。
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i　　　　　　　文化が発達するのは良いが、「常識だぞ」ってのは勘弁してほしいね。
　　　 　/ : : : : : : :┌─┐
　　　 　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ　　　　　　「最近はこういう言い方するんだ」くらいにしてほしいや。
　　　 　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿
　　　 　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ　　　　　　　　それじゃあアソシエイツのみんな、ジョブズの再来と呼ばれたスレッドにコミットしていこうか。
　　　　 と_ : : : : : : ノ : :ノ
　　　　　　￣￣￣　￣

3391： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/16(月) 20:09:46 ID:InD3xJNk0

.　　　　　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.、:.:.:.:.:.:＼
　　　　 /:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:/:.:/:.:.:.:.:/:.:.:.:.:. |:.:. | : ｌ:.:.:.:.ｉ:.:.:.:ヽヽ:ヽ
.　　　　ｉ＼:.:.:.:.:.:.:.:./:.:./:.:.:.:./:.:.:/:.:.: |:.:.:.|:.:.|:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:ｉ ヽ:.:',
　 　 　 |:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.ｉ:.:./:.:.:.:. ｉ:.:.:,':.:.:.:..|:.:./|:. |:.:.|: |:.: |: : |　 ヽ:ｉ
　　　　 |:.:.:.:.:.＼:.:.|:.:/|:.:.|:.: |:.: ｉ:.;:‐7|‐二|メ|:.:|:.:|:.:.||:.:.|　　 ヽ
.　　　　 、＼:.:.: ヽ|:/-|:. ! : |:.: |:.: /x 斥 |/ {:/|: !:.: ||:.:|
　　　　　ゝ:.:.＼:.:. |{´｀ｌ:.:|:.:.:|:.:.|:./ﾍ　{::ﾘ/ 〈/ ｌｲ:.:./l:./
　　　　　 |＼:.:.:＼:|＼ ゝl:.:.:|:.:.|/　　 ゝ'　　＼ |:./ ﾚ′
　　　　　 |:.:.:.:.ヽ、ヽ:|　｀!:ヽ:|、|　　　　　　 ／ ﾚ′　　　　　　　おかえり、でいいのかな。
　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.＼/　 ‘， ＼＼ 　 　― ´
　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:. |　　　ﾍ:.:.:.ﾍ　　　　/　　　　　　　　　　　　　少し、日焼けした？
　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.≠__　　　ﾍ:.:.:ﾍ ―‐´　
　　　　　 |:.:.:.:.:. / ｀ヽ､≧ｭ､_ヽ :.{　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ええと、はい」
　　　　　 |:.:.:.:.:.:|::＼　　 ≧ｭ､｀ヽヽ
　　　　　 |:.:.:.:.:./::::::::＼ 　　　 ＼ｌ┤
　　　　　 |:.:.:.:/:::::::::::::::::＼　 　　ヘ{ ヽ、
　　　　　 |:.:.:/:::::::::::::::::::::::::＼　　　|＼ ゝ
　　　　　 |:.:/:::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ｀￣ 7　 ﾍ´ヽ
　　　　　 |: ｉ::::::::::＿＿＿＿__|　　,′ 　 ﾍ::::ｉ
　　　　　 |: |:::::l´::::::::::::::::::::::::::＼　＼　　　ﾍ:|

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
久しぶりに見たなのはの顔は、どことなく沈んだ表情だった。
目にはいつもの覇気がなく、声も抑揚がない。
化粧もなんだか適当な気がしなくもないが、流石にこれを言っては失礼だろう。

シミュレータールームのコックピットに腰かける彼女は、
怒りを押し殺しているのか、困惑しているのか、どうも感じ取れなかった。

「一週間くらいしか離れてなかったのに、懐かしい感じがします」

ただ、不謹慎ではあるものの、彼女の姿と、
散々籠り続けたシミュレータールームに、不思議と懐かしさを覚えていた。
鉛色の無骨な壁に囲まれ、天井には味気ない照明。
二対のコックピットブロックが置かれただけの空間でしかないのに。

「元気にはなったみたいだね。で、またネクストに乗りたいって話だけど。
一応マーシフルはそのまま保管してあるし、整備も万全。
リンクスへの再登録も簡単にできるよ。適性者は貴重だからね」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3392： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/16(月) 20:14:28 ID:InD3xJNk0

　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　,――==―
　　　　 　 　 　 　 　 ,　-‐…‐-=-...ゝ/:.／__´_
　　　　　　　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀:.:＿_:.:.:.:＼
　　　　　 　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.ヽヽ:.＼
　　　　　　　 //:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.ｌ:.:|:.ヽヽヽヽ:.:ヽ＼:.:.ヽ＼ヽ
　　　　　　　ｉ./:.:.:.:.:.l:.:|:.:||:./|:.ﾊ:.:i、i、ｉ:.:ｉ:.:l:.ｉ:.:.ｉ:.:.:.:i　|:.ｉ
　　　　　　　||:.|:.:|:./圦斥=≦　.|≧云ﾄl:.:|:.|:|:.:.|丶:|　.|
　　　　　　 ﾍ|:.|:.:|:.|/r爪:个　　.´{:::｡:ﾒ,|/:.|:.:|:.:| .ｉ:.:|
　　　　　　　ヽヽ:.ヽゝう:::::}　　　 b_::7〃ｌ/:./|:.:| |/　　　　　　　じゃ、聞くけど……なんでネクストにまた、って言い方は優しすぎるね。
　 　 　 　 　 　 小、ﾐゝ…´　　 ｀¨‐‐//;,l/|:.|/:|/
　　　　　　　　　 |:.:ゝ 　 　 　 ｀　　／/:.|:.:.:|/::.|　　　　　　　　　なんでまた、戦争をしたくなったのかな。
　　　　　　　　　 |:.:.|ヽ、　　-‐‐　 ,∠:.:.|:.:.::|:.:.:|
　　 　 　 　 　 　 |:.:|.　|＞ 、 _　イ　 |:.:|:.:.:.:.!:.:.|
　　　　　　　　　　|:.|／|――, ― |、 |/:.:.:.:.:|:.:.:!
　　　　　　　　,､r´:|:::| ﾍ　　/><l　l ヽ|｀ヽ:.:.:|:.:.|
　　　　　,､r::´::::::::::::::|　ﾍ、/ 只ヽ|　 ヽ:::::::｀ヽ:.!
　 ,､r::´:::::::::::::::::::::::::::|　 .ﾍ　/||ヽ |　　ヽ:::::::::::::::::｀ヽ
　|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::r L＿_lヽ‐‐‐yヽ／　｀ヽ、:::::::／|
　|:::::::::＼:::::::,､r ´　　　／ ﾍ:::::::::| 　`＜　　 ｀ヽ/::::|
　|rヽヽ:::::／　　　　　.<　　　丶:|　　 ./　　　　　|::::|}

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
その言葉に、すぐさま返事をすることはできなかった。
考えがないわけではなく、それを実際に口にするには、少し複雑だったからだ。

もっともな疑問だ。彼女からすればおかしな話にしか聞こえなかっただろう。
ああやって桜花重工のコロニーで一般人として暮らしていたほうが、
安全だし楽に決まっている。それは忘れていない。

自分が平和な道を捨てて選んだのは、道ですらないものだから。
軽く息を吐き、胸を張って、考えを整理しながら言葉を選ぶ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3393： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/16(月) 20:18:30 ID:InD3xJNk0

　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼　　　　　逃げ出した時。やる夫は、色んなことが怖くなりましたお。ネクストとか、戦争とか、
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |　　　　　人の命とか……自分のことが。向き合えそうになくて、逃げました。
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼





..　　　　　＿＿＿_
　　　　／　―　　-＼
..　　／　 （●） 　（●）　　　　　　でも、逃げ出したところで、過去は変わるもんじゃないですお。
　／　　　　 （__人__）　＼
　|　　　　 　　｀ ⌒´　　　|　　　　　やる夫は……これから先、どれだけ人畜無害な男になっても、平和に暮らしても、
.　＼　　　　　 　　　　 ／
.　　ノ　　　　　　　　　＼　　　　　　ずっとずっと、人殺しのままですお。
／´　 　　　　　　　　　　ヽ





　　　　 　 　＿＿__
　 　 　 　／　　　　＼
.　　 　／　 　 　 　 　 ＼
.　　／　　　 ―　　 ー　 ＼　　　　　　……いつかやる夫も、誰かに殺されるんだと思います。殺してきたように。
　　|　　　　（●） 　（●） 　|
.　　＼　　　　（__人__）　 ／　　　　　　　これだけ派手にやってきたんですお。きっとそうなりますお。
.　　　ノ　　　　｀ ⌒´ 　 ＼
　／´　 　　　　　　　　　 　ヽ

3394： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/16(月) 20:22:58 ID:InD3xJNk0

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼　　　　　　だったら、人殺しでもいいから、やれることをしたいと思ったんですお。
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　後戻りできなくても、進めはすると思って。
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　　やる夫はまだ、ネクストに乗れるから。体も動くし、戦える。武器もある。
　　＼ ／＿＿＿ ／





　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　 ／　─　 　 ─　＼　　　　　戦争をしたいとも思わないし、戦争が良いものだとも言わないけど。
　　　／ 　 （●） 　（●）　 ＼
　　　|　 　 　 （__人__）　 　　 |　　　　戦争から逃げたくもなくなったんです。こうなったからこそ、できることもあるはずですお。
　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／
　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ　　　　　　結局、殺すことしかできないけど……マトモぶるつもりもないけれど。
　　 / 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |
　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|

3395： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/16(月) 20:27:06 ID:InD3xJNk0

　　　　　　　　　／.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＞､i.:.ｲ´.:‐..:.:.─ ､
　　　　　　 ,､イ.:.／.:.:.:.:.:.:.:,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:...:::.:´.:.:.:.:.:.:.､.:.:.:.＼
　　　　　 nﾍ.:.:;.:'.::.::.:.:.:,ｲ.:.:..:.:,ｲ.:.:.:.:.:.:.:.:;l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_.:j¨｀ヽ.⌒ヾ:.､
　　　 　,ｲj､.:.v.:.:.:.:.:.::/:/.:.:,ｲ/.:.:.:ﾉ!.:.:i.:..:j.:.:.:.:.ヾ;,.:.:.:.:.:.:ヾ.:.:.ヽ　 ｀ﾍ
　　　　/ll!ﾊ:.:′.:.:.:.:/./.／.:/.:／.,ﾉ.;/l:.:;!.::l.ﾍ;.:.:.ヽ,:.:.:.:.:.:.ヾ,:.:.'; 　　!
　　　 ∧jﾊ.:′.:.:.:.:.′〃xｆz左ｚ,;,X, .j:/ !:;|:.:.:l.:.:.:.l.:ﾍ.:.＼.:.::.':;.:.';
　　　 l.l.ヽ.:.:|.::::.:.:.:|{:.:.,仆乞芸て卞 >′l./ｊ.:,ﾘ.:./.:l.:.ﾍ.:.::.ヽ.:.:.';.'|
　　 　'.:.:.:;:升∧::.:.|.:.:{ｲ ,伐::::::斥′　　ﾉクｻﾄxj:.:.li.:l.:.ﾊヽ.:.';.:.:;.!
　　　　∨　 !′l:.:.:|:.:.! ､辷ｰクﾉ　　　 　ｹ云x.:ﾉﾒi.:/.:.:.:.:l.:.:.:.:.l:.!　　　　　　地獄に堕ちるよ。殺しは良し悪しじゃない。
.　　　　 ゞ､)l::.:.:ゝ:ﾍ､:!　｀¨¨ﾞ`　　　　　/.::ﾇﾘｹ;´.:;ﾘ..:.:.:.∧:l.:.:ﾊ!
　　　　　 'iｰl;:.:.:.::.个｀　　　　　　　　　匕ﾞ.ノ_ノノ/!:.:.:.;/　ﾚノ　!　　　　　　 等しく地獄行きだよ。
　 　 　 　 l.:人::.:.:.ﾞl　　　　　　 　 　 　 ¨`て.._｀V.ﾊ.:::/ 　 !′
　 　 　_,､n<　 '.:.､∧　　　　　　　ｃ｡　　　人__,¨＼:l/　　　　　　　　　　　　　「覚悟は、してきたつもりです」
　　ｲ´.:::.ハﾍ　'､l?∧　　　　　　　 　 .,／: :.j　 ／}′
／　l:::::::., 　＼　´､?「＞､　　　　 , イ´. 　.:.イ´.:l.:.|
　 　ｊ::::::::.ﾍ　　＼　　＼ﾍf＞.ｰ イ. . . :＜.:.:.:.';.:.:.:|.:|
／¨ ﾍ:::::..∧ /＼｀ >ｰ<cﾊ. . . . . . .fヽ,¨ -ﾅﾍ.';.:.:|.|
////∧::::..∧＼/∧ Y∧:lｌ. . .,,..ｲ".ｿ ',////,j.:.';.:.||
/V//,∧:::::..∧､/　 >介ｲー"´　／.:::.∧//zj.:.:.';.:.|
j∧V//∧:::...∧　　ｊメﾍ＿_　-ｲ.::::::::::::.∧//j.:.:.:.';.|
j:iV∧//∧:::::::..＼　ヽ´.:::::::::::::::::::::::::::::::::人/j.:.:.:.:';|





..　　　　　＿＿＿_
　　　　／　―　　-＼
..　　／　 （●） 　（●）　　　　　　でも、そんな地獄行きの切符を、はやてさんに持たせたまま平和になんて暮らせませんお。
　／　　　　 （__人__）　＼
　|　　　　 　　｀ ⌒´　　　|　　　　　やる夫も一緒に地獄に堕ちるんですお。地獄でこそ成せるものもあるはずですお。
.　＼　　　　　 　　　　 ／
.　　ノ　　　　　　　　　＼　
／´　 　　　　　　　　　　ヽ

3396： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/16(月) 20:31:30 ID:InD3xJNk0

　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　 　 ／ 　　―　＼
.　　　　　／ 　　(● )　　ﾍ＼
　　　　　|　　　（⌒ 　 (● ) ｜
　　　 　 ﾍ　　　 ￣｀､__）　　｜　　　　はやてさんを……
　 　 　 　 ヽ　　　　 　 　 　 ｜
　　　　　　, へ、　 　 　 ＿／
.　　　　　 |　 　 　 　 　 ＾ヽ
.　　　　　 |　　　　　　１ 　 |





　　　　　　　　　 ＿＿＿
　　　　　　　 ／＼　 ／ ＼
　　　　　　／（●）　（●.） ＼　　　　　　　はやてさんを戦わせたまま逃げ出すなんてごめんだお！
　　　　 ／ 　　（__人__） 　 　 ＼
　　　　 |　　　 　 |::::::|　　ノ（　　|　　　　　　せめて同じ場所にいて、もしもの時は力になって見せるんだお！
　　　　 ＼　　 　 l;;;;;;l　　 ⌒ ,／
　　　 　 ／ヽ　 　`ｰ´ 　 ｨ⌒ヽ　　　　　　　　そのためにはマーシフルやなのはさんが必要なんですお！
　 　 　 rｰ'ゝ　　　　　　　〆ヽ .)
　　　　ﾉヾ　,>　　　　　　ヾ_ノ,ヽ}　　　　　　　　はやてさんと同じ世界にいるために！
　　　　ヽ ヽ|　　　　　　　　ヽ_ノ

3397： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/16(月) 20:35:31 ID:InD3xJNk0

　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　,――==―
　　　　 　 　 　 　 　 ,　-‐…‐-=-...ゝ/:.／__´_
　　　　　　　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀:.:＿_:.:.:.:＼
　　　　　 　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.ヽヽ:.＼
　　　　　　　 //:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.ｌ:.:|:.ヽヽヽヽ:.:ヽ＼:.:.ヽ＼ヽ
　　　　　　　ｉ./:.:.:.:.:.l:.:|:.:||:./|:.ﾊ:.:i、i、ｉ:.:ｉ:.:l:.ｉ:.:.ｉ:.:.:.:i　|:.ｉ
　　　　　　　||:.|:.:|:./圦斥=≦　.|≧云ﾄl:.:|:.|:|:.:.|丶:|　.|
　　　　　　 ﾍ|:.|:.:|:.|/r爪:个　　.´{:::｡:ﾒ,|/:.|:.:|:.:| .ｉ:.:|
　　　　　　　ヽヽ:.ヽゝう:::::}　　　 b_::7〃ｌ/:./|:.:| |/　　　　　　そ、それはなに？　はやてちゃんが可哀想だから？
　 　 　 　 　 　 小、ﾐゝ…´　　 ｀¨‐‐//;,l/|:.|/:|/
　　　　　　　　　 |:.:ゝ 　 　 　 ｀　　／/:.|:.:.:|/::.|　　　　　　　　「違いますお」
　　　　　　　　　 |:.:.|ヽ、　　-‐‐　 ,∠:.:.|:.:.::|:.:.:|
　　 　 　 　 　 　 |:.:|.　|＞ 、 _　イ　 |:.:|:.:.:.:.!:.:.|
　　　　　　　　　　|:.|／|――, ― |、 |/:.:.:.:.:|:.:.:!
　　　　　　　　,､r´:|:::| ﾍ　　/><l　l ヽ|｀ヽ:.:.:|:.:.|
　　　　　,､r::´::::::::::::::|　ﾍ、/ 只ヽ|　 ヽ:::::::｀ヽ:.!
　 ,､r::´:::::::::::::::::::::::::::|　 .ﾍ　/||ヽ |　　ヽ:::::::::::::::::｀ヽ
　|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::r L＿_lヽ‐‐‐yヽ／　｀ヽ、:::::::／|
　|:::::::::＼:::::::,､r ´　　　／ ﾍ:::::::::| 　`＜　　 ｀ヽ/::::|
　|rヽヽ:::::／　　　　　.<　　　丶:|　　 ./　　　　　|::::|}





　　　　　　　　 ＿＿＿
　　　　　 　 ／　　　　　＼
　　　　　 ／　　 ＼ ,　, ／＼　　　　　　　自分のためですお。もしかしなくても、はやてさんは有難迷惑かもしれないし。
　　　　／　 　 （●）　 （●） ＼
　　 　 |　　 　 　 （__人__）　　　|　　　　　　自分の中の道理とか、納得のためですお。自分のために、戦うんですお。
　　　　＼　 　 　 ` ⌒ ´　　,／
　　　　　ノ　　　　　　　　　　＼　　　　　　　そのためなら、要求があるなら何でも受けますお。だから……
　　 ／´　　　 　 _i⌒i⌒i⌒i┐ ヽ
　　 |　　　　ｌ　 （ l　/　/　/　l　　　　　　　　　もう一度、やる夫にマーシフルを譲ってほしいんですお。
　 　 l　　　　l 　ヽ 　　　　　 /

3398： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/16(月) 20:44:15 ID:InD3xJNk0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿　　 　　　　　 〃:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ、
　　 　 , イ￣￣￣ ヽ　 ,　..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ヽ 　 　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ｉ
.　 ／　--　,ァ:.:.:.:.｀ヽ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ｀ヽ､　ｉ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |
. 〃´ 　 ／:.::／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ｀ヽ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
./　　 /:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.､:.:／:/||ヽ:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
　　 /:.:.:/:.:./:.:./:.:.:.:.:.:.:.l:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ／／',|:.:.:.:.:.',:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |
. 　,':.:.:/:.:./:.:.:.ｉ:.:.:.:/:.l:. |:.:.|:.:.:|:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:､:.:.:.:.:',:.:.:/ }:.:.:.:. : ｉ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　 ｉ:.:/ｉ:.:.,':.:.:.:.{:.{:.:.ｉ:.:.|:.:|:.:.| !:.:!:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.',:.:ヽ:.}/: ,'|:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　 |/　|:/!:.:.:.:.!:.!:.:.:!:.:.!:.:!:.,|　',:‐廴---- ､:ｉ:.:.:.:ｉ:ｉ:.:.:.!!:.:.:.:. : |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　 | 　 !ｉ ',:.:.:.:|:.:',:.:',斥云､|　ヾ､〃笊㍉ヽ:}:.:.:j:.j-/ |:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　……え、なに、そういう話になってたの？
.　　 　ﾘ. ',:.:.:{',:.{ヽ:.', ,' {心　　　　 ',:::::::Ⅵ }:./ｲ　}. |:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　 ヽ:.| ヾ、ヽ ヽ弋ﾘ　　　　.乂シ´〃:. }／　!:.:.:.:. : |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　もっと違う感じかと……はやてちゃん……
　　　　　　 ヾ､.＼:.{ ＼ - ´　　 　　 ￣ /　|:.:.:!　　|:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　 　 　 　 ヽ',人 　 ヽ　 　 u. 　 　 ｲ: /.　　|:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　 罪作りというか、昔からそういうとこが……
　　　　　　　　　 　 ｀ {:.へ、 ‐‐ 　 　　イ }: /≠､　!:.:.:.:. : |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　 　 　 　 　 　 　 ヽ:.:.:! ＞ 、 イ, -　 / /　 /＼:.:.:.: : |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　「な、なのはさん？」
　　　　　　　　　　　　　＼|　　／! /∨　　/　 /:::::::::＼: : |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　 ヽ/::/ |./只∨./　　ｉ::::::::::::::::::｀:ヽ ､:.:.:.:.:. : |
　　　　　　　　　　　　,､r´:::::::/　|〃||　/　　　|:::::::::::::::::／｀::ヽ:ヽ:.:.:.: |
　　　　　　　　　　 /､:::::::::::/,'　 .|＿_./ |　　 ノ',/:::::::／::::::::::::::::::}:.:.:.: |
　　　　　　　　　　 ｉ::::', イ ｉ　ゝ‐|::::::/　ヽ＜ 　 {ヽ/:.:.:.:.:.:.:.:＿//:.:.: : |
　　　　　　 　 　 /||:::::∨/ !´　 .|::::/　　　 >　 .|//-:::::::::〃 ‐ ヽ:.:.:.:.:.|
　　　 　 　 　 　 {､|::::r　ｉ　 ',　　|::/　　 ／　 　 !/　|:::::::{ {　 　 }:.:.:.:.:.|
　　　　　　　 　 　 |::::| .{　　 ｉ　 |/　 ／　 　 　 /　 |::::::::ヽヽ-／:.:.:.:. |





　　　　　　 　 　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : :ﾊ: ∧: : :./: : : : : ｀ヽ: : :｀ヾ:.｀ヽ
　　　　　　　　　　　 　 /: :/: : : : :/ /ィ:廾:卞ハ: :/∨ハ: :ヽ: :.∨ﾍ:.:.:.ヽ
　　　 　 　 　 　 　 　 /: :/: : : : :/ /:/ xイ⌒ヾ ∨　 }⌒}: : :i: : :i: : ∨:.:.:i
　　　　　　　　　　　 /: : ; : : : :i: Ⅳ/ /てハ　　　　　/圷!: : | : :ﾊ : :.∨:.:!
　　　　　　　　　 　 ,: : : :i: : i : |: Ⅳ ん⌒)ハ　　　　 弋_トﾊ:!:./: ∧:.:.:ハ!
　　　　　　 　 　 　 ｉ: : : :|!:.:.| :.ト:ヾ〈代つ:::ノ`　　　　　 ﾉ　 ∨:./!　!:.:!　:!　　　　　……ま、いいよ。譲ってあげる。
　　　　　　　　　 　 ': : : :|＼:＼:.:.:＼　ヾ'´　　　　　　　＿ 　 ∨ |　l:.:′
　　 　 　 　 　 　 　 ∨ : ∨へ:.＼:.::.二ニー　 　 　 く　　!　　 !: :!　i/　　　　　　　 なんか単純で安直な感じだけど、嫌いじゃないよ。
　　　　　　　　　　 　 ∨ヽ{ し.:|:.:.:ミ　　　　　　　　　　　;;　 　 i :ﾘ　′
　　 　 　 　 　 　 　 　 ∨八ヽ !:.:.:i ヽ　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾊ　　　　　　　　　　　ちなみに、今後の目標は？
　　　　　　　 　 　 　 　 |＼:.孑!:.:..!　 ｀　 ､　　......　. . .:.:.:.:.:.ノ:.:.!
　　　　　　　 　 　 　 　 |:i:!|＼ﾊ:.:.ﾍ ／　　　　　　　　,　＜ﾘ:.:.:ﾘ　　　　　　　　　　　ランク1を潰すくらいの気概があってくれると嬉しいけど。
　　　　　　　 　 　 　 　 |:i:!|:.:.:.:.:Ⅵ:ﾍ　　　　　　　　　i 　 ノハ/
　　　　　　　 　 　 　 　 |:i:!|:.:.:.:.::.∨:ﾍ､、__＿＿＿＿j,___　　/
　　　　 　 　 　 ,ｘ≦三三≧ｘ､、:/¨＼＼ 　 　 　 　 /Vｊ、
　　　　　　　　/三三三三三三≧､、　 ｀＼　　 　 /∧/ ｀＼三三≧ｘ
　 　 　 　 　 /三三三三三三三三ﾍ、　 　 ＼　 // :ハヽ､、＼三三三ヽ





　　　　 　　　　＿＿＿
　　　　　 　 ／　　　　　＼
　　　　　 ／　　　　　　 　 ＼
　　　　／　 　 　＼ ,　, ／　 ＼　　　　　と、とりあえず、凄く強くなりたいですお。誰にも負けないくらい。
　　 　 |　 　 　 （ー）　 （ー）　 |
　　　　＼　 u. 　 （__人__）　,／　　　　　　それこそ、ランク1だって斃せるくらい。
　　　　　ノ　　　　 ｀ ⌒´　　＼
　　 ／´　　　 　 _i⌒i⌒i⌒i┐ ヽ　　　　　「なにそれ。やる夫君、ちょっと頭悪くなった？」
　　 |　　　　ｌ　 （ l　/　/　/　l
　 　 l　　　　l 　ヽ 　　　　　 /　　　　　　　そうかもしれませんお！

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
曇り続けていたなのはの表情が崩れ、へらりと口の端を上げるのが見えた。
張り詰めていた力が抜けていくのを感じる。
リンクスとして再起するにあたり、とりあえずの合格は貰えたようだ。

なのはは目を細め、幾分か軽やかになった声色で語りだした。
いつものなのはだ。人差し指を立て、見えない黒板に書き足すように動かしている。

「言っとくけど、君の評価は最悪を通り越してるからね。
私やルルーシュさんたちの現役時代のコネから何から何まで使えば、
幾つか依頼は取ってこられそうだけど。
君はゼロどころかマイナスからの再出発ってわけ」

「じゃあ、とりあえずゼロにしなきゃですお。その辺は頼らせてもらいますお」

「うわ、何かふてぶてしくなってる」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3399： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/16(月) 20:50:18 ID:InD3xJNk0

:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:l:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..: ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
:.:.:/:.:.:.:./:./:.:.:.:.:.:/:.:.:.:/:.|:.:/!:.:.:.:ﾊ:.:.:.:.:.:|:.|:.:.:.:.:.:.:.:ｌ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:. |
:./:.:.:.:.:.i:./:.:.:.:.:./:./:.:./:.:.!:.i .|:.:.:.:| .',:.:.:.:.:!:.ｉ:.:.:.:.:. : |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!:',.:.::.:.:.:.:.:. |
/:.:.:.::.:.!:.ｉ:.:.:.:.:/:.:ﾊ:.:./ｉ:L|_i_. |:.:.:.|　ｉ:.:.:.:.:i .!:.:.:.:.:.:.;|、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| }:.:.:.:.:.:.: : |
:.:.:.::.:.:.|:.|:.:.: : ｉ:孑ｉ´,'|| |:.| | ｀ﾄ:. |　 !:.:.:.丁弋:｀:ﾄ-|､ｉ:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:} ｉ:.:.:.:.:.:.:.:.:|
:.:.:.:.:|: |:.!:.: ´:,'|:|　!,'　.|　ｉ:ｉ　 ',:.:|　　＼:.:! . ヽ:.:.:.:.|　 !｀ヽ:!:.:.:..:i:.:!:.:.:.:.:.:.:.: |　　
:.: :.:.|:. !:.',:. : { ﾘ　|ｉ　　　ｉ|　　ヽ|　　 　＼', 　.＼ | 　 ﾏ:.,':.:.:.:/:.,':.:.:.:.:.:.:.:. |
:.:.:.:.:!:.: ',:.i:.:.:.:! 　 |　　　 | ＿　.|　　　　＿ヽ 　 .ヽ　　ﾏ:.::.:.///:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　　　　じゃあ、これからはもう甘やかさないから。
:.:.:.:.:.',:.:.:.',ヽ : ', ヽ,,,____,,,,,,=＝　　 　 　＝=,,,___,,__ ｲ. //:.:///:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
:.:.:.:.:| ',:.:.:.:トヽ:.',　￣´´´´　　　　　　　　　｀```￣ 〃//ﾚ〃:.:.:.:.:.::.::.:.: : |　　　　　　そこのシミュレーターに基礎訓練プログラムを
:.:.:.:.:|　ヽ:.|:.:..:.＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／／: !:.:.:.:.:.:.::.:.:.: : |
:.:.:.:.:| 　 ヽ:.: : ﾊ　　　　　　　　　 ｉ 　 　 　 　 　 ／/:. !:.:. : |:.:.::.::.:.::.:.:.:.:.:.|　　　　　　 仕込んでおいたから、私が事務処理してる間に
、: : |　 　 !.:.:.:.:ｉﾍ　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /:. /|:.:.:.: |:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
. ＼:| 　 　ヽ:.:.:.:! .＼　　　　　 ― ―　　 　　 イ/:.: / |:.:..:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　クリアしておくこと。どれくらい訛ってるか見ておきたいし。
　　 |　　 　 .＼ :.ヽ、. ヽ　　　　 　　　 　 イ 　./::. / ｜:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　＼ ヽ ./|　＞.、 　 , ＜　|, 　./:.:./.　｜:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　いい？
　　　　　　　　　 　 ヾ≠＼.　 　｀´　 　／.ｉ､/:／ . 　 |:.::.:. |:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　 　 　 　 　 　 ,､r´　.|　 　 ヽ 、_　- ´　　.|/　ヽ . 　 !:.:. : |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　 　 ,､r:´/　 　 .|　　　 /、　,ヽ　　　.|　　∧｀ヽ.|:.:.:.: |:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　 ,､r::´:::::::::/.　　 　 |　　 /ゝ‐‐./ ｉ　　 .|　 　 ∧:::::｀ヽ:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|





　　　　　　 　 　＿＿＿_
+ 　 　 　　 .／ ＼　　／＼　ｷﾘｯ
　　　　　 ／　（●） 　（●）＼
　　　　／　　 ⌒ﾉ(､_, )ヽ⌒　 ＼　　　　　　はいっ！
　　　　|　　 　　 ｀-=ﾆ=-　 　 　 |
　　　　＼　　 　　 `ー'´ 　 　 ／ +

3400： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/16(月) 20:53:26 ID:InD3xJNk0

　　　　　　　　 ＿＿　　　　　　　　＿＿　　　　　　　,x≦ ヽ
　　　　 　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ 　 ,x≦:.:.:.:.:.:.:.≧ｭ､　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
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　　　′　 l:.:/i:.:.:.:. i:.:.:.:.:.:. |:. : |＿|:. |:.: : |＿|:.:.}:.:.:.:.:.i:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　　　 　 |: { |:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|斗: ´|:.:.:|:.:.|:.:.:´!:.:.:|｀ ヽ:.: : }|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　（男子三日会わざれば、とは言うけどさ……
　　　　　　Ⅳ {:.:.:.:.:.::.:.:.:.|:.:|:. : |:.:.:|:.:.|:.: : |: : |:.:.:}:.:.:.:/:|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　　　 .::.:.:.:.ヽ:.:.: ゝ===‐'| /|:／ゞ==７:.:.:.:ｲ　!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　　　　変わりすぎっていうか……）
　　　　　　　　　ﾏ:.:lヽト:.､ヽ　　　|′,　　 　 /:／:. |　|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　　　 　 ﾏ{　|:.:.:.:|ヽ、　　 r　ｭ　　 ／}:.:.: !　|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　　　 　 　ヽ ヽ:. !　　 ト　　　　 イ､　i:.:. / ｜:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　　　　　　＿__ゝ{-,/| ＼＞＜ ／} ヽ|／、 :|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　 　 r‐‐=ﾆ二::::::::::::::/　|　　 〉r〈　　 i　‘，:::::::::::≧ｭ､:.:.:.:.: |
　　　　　/::::::}:::::::::::::::::::::_/　　|　 /{≠{∨　|　　.::::::::::::::::::::::::: ７､:!
　 　 　 /:::::::::ｉ ‐=ﾆ　　 《　　 :|／ //l l ∨/l　　 }ﾆ=‐::::::::::::: /:: }|
　　　 /ヽヽ:: ∧　,　　　　ヽ__/ l　 ｀__Ll　 ′≪　　　　　｀　/:::::::i__
　　 .:　 //:: /　∨　　 　 〈　 　 l〃:::::::::ヽ,'　 　 7　　　　l　/ ',::::{{　ヽ
　　 {_ノノ:::/　 /　　 　 　 ∨ 　:l:::::::::::::::::,'　 　 /　　　　 l:/ 　 ',::ゝ',　',





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　　　　　　　　　　　　　　　　|:.:i:.:.:.:.:.:.:.:i:.:./＿／|:／/:.:|/:.:./|:.:.:.|:.:.:.|:.:.:.|:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:ヽ:.:.:.ｉ　＼:.:.:ｉ
　　　　　　　　　　　　　　　　|:.:|:.|:.:.:.:.:.|:.丁／/Ⅳ｀テメ/:./　|:.:./|:.:/|:.:.|:.:.:|:.:.:|:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.:|　　 ヽｌ
　　　　　　　　　　　　　　 　 ﾍ:.ｌ:||:.:.:.:.|:./r≠=て7=、 /／　 |:.丁ﾒ-||:.:/:.:.|:.:.:.|:.:.:.:.:..|:.:.:.:.| 　 　 |
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 >|:.|:.:.:|:.||ヾら:::::ﾟ::::} 　 /　 　./∠=z//下:.:/:.:/|:.:.:.:.:/|:.:.:.:.|　　　　　　　（はやてちゃん……あのさあ……
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　||ヽ:.|:|ヽ. 辷zzメ_　　　 ／./::::o::7ヽ/:.:./:.:/:/:.:.:.:/ |:.:.:.:.!
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ |:.ヽヽ.　　　　 　 　 　 　 〈⊃::/.〃／//:.//:.:.:./　|:.:.:/　　　　　　　　人の人生狂わせてるって点では、
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |:.:.:.|:.|＼　　 　 　 　 　 　 ｀¨≠/／:/／/:/:.:./　 .|:.:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.:.|:|　　　　　　　　　´　　　　./:.:.／／:|/:./　　/:/　　　　　　　　　　はやてちゃんも大概だよ……）
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |:.:.;||ヽ　　u.　　 ` ー　　　　./:.／/|:.:.:/:イ 　 ／
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 rゝ:.:.|　 ＼　　　　 　 　 　, イ|:.:.:./:.:!:／|:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　,､..イ´ﾍ ヽ:.| 、　 ＼　　　,　＜´:.:/:.:.:/:.:.:|:!:.:.:.|:.:|
　　　　　　　　　　　 ,､r::´´:::::::| 　 ﾍ　＼ ＼　　｀ﾌｌ　 　.|:.:.::/:.:/:.:.:.:.:!:.:.:.:.!:.:!
.　　　　 　 　 ,､r::´´:::::::::::::::::::::|　　 ﾍ　　　　＼-/ |ヽ:.、|:.:./／:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:!:.|
　　 　 ,､r::´´:::::::::::::::::::::::::::::::::::|　　　ﾍ　　　 / | |ゝ.| ヽ::ヽ:/:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.|
　 /´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|　　 　.ﾍ 　 / ゝ≠| |　ヽ::::::＼:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:|:.|

3401： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/16(月) 20:55:06 ID:InD3xJNk0

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3402： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/16(月) 21:06:08 ID:InD3xJNk0

＜今更ノコノコ戻ってきやがって！

　 　 　 　 　　　　／ ⌒｀''"⌒｀ヽ、
　 　 　 　 　 　／,,　／￣￣￣￣＼
　　　 　 　 　 /,／/::　　　　　　　 　＼　　　　　　　　　許して……許してください……。
　 　 　 　　　;/⌒'":::..　　 　 　 　 　　 |⌒ヽ
　　　　　　　/　　/､:::::... 　 　 　 　 　 /ヽ_　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　てめえのせいでボーナス取り消しだ！＞
　　　　 _＿（　⌒ー-ｨ⌒ヽ、 　 /⌒`ー'⌒ 　 ）
　 　 ━━━`ー──ゝィｿﾉー‐ヾy＿ﾉー─ "





　　　　　　　　　　　　　 /|
　　　　　　　　　 　 　 V　しｲ　　 ＿
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 し　ﾚｭ　`!　　　＿__
　　　　　　　　　　　　ｒｆfL_ 　 　 j-=寸　／　　　 ＼
　　　　　　　　　　 　_j 　 'ｧ　　〈.　 　 ＼　　　　　　‘，
　　　　　　　 　 　 √¨丁　　 　 |｀ー'i:、 ＼　　　 　 ﾉ
　　　　　　　 　 　 Ｌ__ノ|_)‐　..,__i　　 |＾＼　＼＿_∠
　　　　　　　　　 　 | 　 i‐-　_　 j　　 |―→s｡.＿　　￣〉
　　　　　　　　　＿_|＿_|　　 　 7　　 |―‐┐　　 ￣¨ 7
　　　　　　　 ／__,　､___＼　　 /　 　 i　 　 |　　　　　｜
　　　　　　／(○)i|i|i(○)　＼/　　 　,i　 　 |　　　　　｜
　　　　 　 |　　 (_人__) 　 u　|　　　　 `､　.ﾉ　　　　　｜
　　　　　　＼ 　 |r┬i|　　 ／　 　 　 　 `く 　 　 　 　 !
　　　　　　　 `ｰ ｀⌒´‐＜　　　　　　 　 　 7 　 　 　 八
　　　　　　　　　)_　　　　　＞ .,_　　　　　 /　　 　 ／
　　　　　　　 ／　 )_　　　/　 　 ＞ .,_　 ./　　　／　 ‘,
　 　 　 　 　 　 ／⌒Ｙ　 ‘， 　〈　　 　 /　 　 く　　　 ‘,
　　　　　　　　　　　　　　 ∧　 ‘，　__,人__　　 `､　 　 ‘,
　　　　　　　　　 　 　 　 /　‘，　{¨´　　 　 ｀丶､ `、 　 ‘,
　　　　　　　　　　　　　/　　 /　ﾉ　　 　 　 　 　 ｀~`､　 　 、
　　　　　　 　 　 　 　 /　　 /¨´　　　　　　　 　 　 　 ＼　　＼
　　　　　　　　　　　 /　　 /　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　　＼

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なのはから課された訓練プログラムをこなした後、
誰に言われたわけでもないが、真っ先にドックへと向かった。
マーシフルを見ておきたかったというのもあるが、一番は整備班の人々だ。

彼等にかけた迷惑は凄まじいの一言に尽きる。
無効の立場に立って考えてみれば、今頃大激怒中のはずだ。

こういう時は変に誤魔化したりせず、真っ直ぐ謝って互いにすっきりしてから
任務に当たった方がいいと思い、一人納得し、突撃した。

結果はこれである。
整備中の皆さんの前に躍り出て頭を下げれば罵詈雑言の嵐、
最終的には整備班長の壮年の男に謎の関節技を掛けられ、
地面にぼろ雑巾の如く投げ捨てられて終わった。
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3403： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/16(月) 21:12:47 ID:InD3xJNk0

　＿＿
〃´￣`ヽｰ―＜
{　　　　　∨　　 　 ‘ ＜
{　　　　 　 }}　 ＞--　､　‘＜
.ゞ .　＿＿ﾉｨ´　　　　　}　 　 ＼
　　￣￣ 　 　 　 　 　_ﾉー‐=. 　＼
　　　　 　 　 　 　 　 ￣￣ ヽ: : ＞ ＼ _.
　　　　　　　　　　　　　　　　‘，: : : ＞.､.ヽ
　　　　　　　＿　　　　　　　　}: : : : : : : : ＼＼
　　　 　 ／ ⌒　ヽ　　　　　　|=ミ : : : : : : :ﾊ　‘.,
　　　　〃 　 　 　 ‘，､＿ _ ノ　　 ＼: : : : : :}　　|‐-　_
　　　　{{　　　　　　 ∨　　　　　　　　}⌒ヽﾉ　　 |　　　　‐-
　　　　||　　　　　　　∨　　　　　　　 |　　 |　　　}　　　　　　　　＞　，
　　　　||　　　　　　　 }}　　　 　 　 　 !　　 !　 ,.ｲ　　　　　　　　　　　　 ’　，
　　 　弋　 　 　 　 　 ||　　　　　　　 .|　　 |　　 |
　　　　　‘，　　　　　 ﾘ　　　　　　　 .|　　 |　　 |
　　　　　　ヾ　　　　 /　　　　　 　 　 |　　 |　　ﾉ
　 　 　 　 　 ≧==彡　 　 　 　 　 　 .|　　 |　ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j 　 .ﾉ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「いいか、てめえは俺たちを裏切った！
マーシフルとその整備チームをコケにしたんだ！　ツケはでかいぞ！
他のネクスト全部ぶっ壊して、俺たちに臨時ボーナスが出るくらいやれ！」

憤怒の形相で唾を飛ばす整備班長の怒鳴り声が鼓膜を揺さぶる。
喧騒と痛みの熱を帯びた体に、冷たい地面がなんだか心地よく感じられた。

起き上がろうとするが、ぷるぷる体を痙攣させることしかできない。
とにかく、下手に抑え込んで、いつか暴動が起きるよりはこっちの方が良い。
そのはずだ。うん。

むしろ、この程度でひとまず勘弁してくれた整備班の人達に感謝せねば。
自分がマーシフルに乗り続ける限り、ずっとお世話になる人々だ。
今までは大して自覚していなかったが、今は違う。

背負っているのは、自分のちっぽけな名誉だけではない。
自分の機体や肉体を調整してくれるスタッフたち、
自分にマーシフルを託したなのはの名、そうしたものもまた、
自分の背中に乗っかっているのだ。

償いと恩返しは、必ずせねばならない。そういうのは粗末にするべきではないと思う。
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3404： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/16(月) 21:23:01 ID:InD3xJNk0

　　　　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　　　　　 ／─　 　─　　 ＼
　　　　　　　／ （●）　（●） 　 　 ＼　　　　さすがに明日から任務、ってわけにはいかないみたいだお。
　　　　　　　|　 　（__人__）　　　　　 |
　　　　　　　＼　　 ｀ ⌒´　　　　_／　　　　　少しの間訓練漬け……かお。
　　　　　　　　/ l　　　　　　　 ヽ
.　　　　　　　/ /l　　　　　　 丶 .l　　　　　　　……。
　　　　　　 / / l　　　　　　　 }　l
　　　　 ／ユ¨‐‐- ､_　　　　　l　!
　　_ ／　　　｀ ヽ__　 `-　　　{し|
　／　　　　　　　　　　｀ヽ　}／
　　　　　　　　　　　　／ ／/
　 ,,, ＿＿ __＿　_／ ／_/

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夜になり、久々にトウキョウの食堂で出されたプレートを平らげ、
シャワーを浴びて布団に入る。

久しぶりのはずなのに、随分とスムーズなものだった。
望んでそうしているから、だろうか。

別に元気溌剌というわけでもない。ただ、前とは少し違った。
以前まで、自分の意思で望んでいたのは、要素や属性といったものだった。

クニヒコは言った。
俺たちは負けるために生まれてきたわけじゃない。
自分たちは大きくなるべきだ。自分たちには価値がある。
自分たちの命には意味があるはずだ、と。

こんなはずじゃないんだ、と。

たまたま食事を分け与えた少女の、冷たくなった肌に触れた時、
何もかもがくだらなく無為なものに思えたと同時に、考えたのだ。

自分が本当に、クニヒコが言うような存在だったなら。
クニヒコも死なず、少女も死ななかったのでは。
彼等にとっての支えや救いになれたのでは。

それこそが、自分の価値になったのではないか、と。
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3405： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/16(月) 21:28:32 ID:InD3xJNk0

　.:/　　　　,.:':_:／.: : : : : :,{_　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 _}, : : : : : : : :＼i!::..　 　　',:.
.::/　　　　 ヽ; :i: : : : : : : ;': ,}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{, :i : : : : : : : ／!::..　 　 　 ',:.
.:'　　 　 　 　 ＼.: : : : : :i: {　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 } i : : : : : ／　i!:::.. 　 　 　 ',:.
　!　 　 　 　 　 i!＼ : : : !: ',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 / :i: : : :／　　.i!::..　　　　 　 ',:.
　|　　 　 　 　 .i!:..　＞ ;.i: :.',　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 / : :!, ＜.　　　 i!::..
　|!　　　　　　 i!::..　　　 | : :.',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ : : i　　　　　　i!::.. 　 　 　 　 i!
　|! 　 　 　 　 i!:..　　　　i.: : :.',　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 / : : : !　　 　 　 .i!::.. 　 　 　 　 i}
　|!　　　　　　i!:..　 　 ／i: : : :.ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞': : : : :i＼　　　　.i!::..　　　　　　,i}
　|!　 　 　 　 i!::..　　　＼', : : : : : .` ＜　　　　　　　　　　　　　＞. :´: : : : : : :/／　　 　 .i!::..　　　　　　,j}
　|!.　　 　 　 i!:..　　　　　 ', : : : : : : : : : :｀: .＜　　　　　＞. :´: : : : : : : : : : : /i　　　　　 .i!::..　　　　　　,j}
　|i　　　　　 i!::..　　 　 　 ∧ : : : : : : : : : : : : : : :｀¨¨´ : : : : : : : : : : : : : : : / .!　　 　 　 i!::..　　　　　　,j}
　|i　　 　 　 i!::..　　　　　,'　.', : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/　 i　　　 　 .i!::..　　　　　　,j}
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:.',!|!,　　　　i!::..　　 　 ,'　　　　j}　|＼三>､: : : : : : : : : : : : :。ｓ≦／　 |　　　 .|　 　 　 .i!::..　　 　 　 ,j} ./
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:::.∧i, 　 　 i!::..　 　 ,'　 　 　 .j}　i!::::::::|　　 ≧s。,三,。ｓ≦ﾟ´/::::::::::i!　|　　 　.|　 　 　 i!::..　　　　 ,j} /
::/il∧!,　　 i!::..　　 ,'　　　　　j}　i! :::::::|　　 　 　.｀¨¨´　 　 ./::::::::::::i!　i　　 　 |　　 　 .i!::..　　　　,j} /
,'ililili∧i, 　 i!::.. 　 ,'　　 　 　 j}　i! ::::::::!　　　　　　　　　　 /::::::::::::::i!　i　　 　 .!　　 　 i!::..　　　 ,j} /


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ネクストは、リンクスは、とても分かりやすかった。
純粋な、それでいて強大な力であるネクストと、それを操るリンクス。

自分もリンクスになれれば。クニヒコが言ったような存在と言えるのかもしれない。
言葉にして自分の中で理屈として捏ねていたわけではないが、
漠然と、言葉にもならない想いとして抱えていたようにも感じる。

だが、それでは駄目なのだと思い知らされた。
自分の意思がなければ、リンクスであろうと強力な兵器程度の存在でしかない。

自分は兵器の真似事がしたいわけじゃない。
誰かの道具として生きるつもりもない。

はやてを戦場に立たせて逃げるわけにはいかない。
とにかく、彼女と同じ世界にいたかった。

そのために、リンクスとしての立場が、ネクストが必要なのだ。
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3406： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/16(月) 21:36:19 ID:InD3xJNk0

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　　　　　 ／ 　 　 　 　 　＼
　　　　／　⌒　 　 ー 　　　＼　　　　　……メッセージ入れとくかお。
　　 　 |　 （●）　 （●）　　　　|
　　　　＼ 　（__人__）　　　　／
　 　 　 ／ 　 ｀⌒ ´　　　イ｀ヽ、
.　 　 , '　 　 　｀￣　 　 　 　 　 ＼

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実は、誰にも言っていないことだが、墓を作った。
コロニー・アマツの、はやての家の庭の端。
広葉樹の根元に、誰にも気づかれないようにひっそりと、小石を積んできた。

間から聞いた。はやての家にあったお仏壇。あれは墓でもあるのだと。
死者を想うためのものでもあるのだと、そう言っていた。
恐らくは、彼女の弟のものだろう。なぜかは知る由もないが、
姉である彼女よりも先に亡くなられたのだ。

墓標という文化には、あまり馴染みがなかった。
葬式というのもあるが、そんなものを挙げられるのも、
墓場に誰かを埋められるのも、この時代では一握りだ。

クニヒコもあの女の子の遺体も、焼却場で焼かれて塵になっているはずだ。
だから、肉体を弔うというよりも、自分自身が死者を想うために、石を積んだ。

死んでしまったかつての友達や、自分が殺してきた人々や、
自分がこれから気付くであろう死山血河を想うために。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3407： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/16(月) 21:52:24 ID:InD3xJNk0

　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　 ／―　―　＼
　　　　　　／（●） 　（●） ＼
　　　　 ／　 　（__人__） 　 　 ＼　　　　　　　
　 　 　 |　　　　｀ ⌒´　　 　　　|
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　　 　 　 | 　 |　　　　 　 /　 / |
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　 　 　 (YYYヾ　　Y　(YYYヽ　|
　　 　　（_＿＿ノ-'-（'＿＿_）_ﾉ

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この先、自分が許されることは決してない。
どれだけ世間が、時代が許しても、自分に奪われた者たちが許さない。
自分自身が許さない。いつか必ず報いを受けるだろう。
そして、その運命を甘んじて受けることだけが、自分に許された唯一の殊勝さだ。

過去は変わらない。許されても、償っても、裁かれようと、消えるものではない。
自分が自分である限り、過去は変わらないし、消えない。
罪とは永遠なのだ。消せはしない。忘れることしかできない。
そして、自分はそれを忘れるつもりもない。
あの小さな墓標は、その誓いでもあった。

一種の開き直りと言えばそれまでだ。人の心はそこまで強くない。
それでも、あの墓標は自分なりの、精一杯の区切りなのだ。

これから再び身を投じるのは、死体を歯車に、血をオイルに回る世界。
そこに善悪はない。余地もない。なのはの言う通り、皆等しく地獄行きだ。
そこに飛び込むのに理由はいらない。今はただ進まなくては。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3408： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/16(月) 21:58:33 ID:InD3xJNk0

　　　　 ＿＿＿_
　　　／　　 　 　 ＼
　 ／　　 ─　　 　 ―
／ 　 　　（ ●） 　（●）'　　　　　……狂ってるんだな。やる夫も……何もかも。
|　 　 　 　 　（__人__）　 |
＼　 　　 　 　｀ ⌒´　／
／　　　　　　　ー‐　 '

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
きっと、人間は大なり小なり狂っているのだ。サーシェスのように。自分のように。
理屈にそぐわぬ狂気を情と呼び、血と涙を流し続けるのだ。
正しいものなんて何もない。感情に正邪はないのだ。
道理だ信念だと言って、これから血の雨を降らそうというのだから。

醜く混ざりあった矛盾の塊。心というものの正体は、そんなに美しくないと思う。
そして自分は、理屈を捨て、自分の狂気に従うことにした。
これが自分の狂い方だ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3409： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/16(月) 21:59:07 ID:InD3xJNk0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　┌─┐
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　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└─┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ┌┐
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 □

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

3410： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/16(月) 22:05:07 ID:InD3xJNk0

　　　　　　　 ､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´　　　　　　今回はここまでだ。一周目のやる夫君はしっとりした少年になっていったが、
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i
　　　 　/ : : : : : : :┌─┐　　　　　　二週目のやる夫君は少し違った感じだね。一粒で三度おいしい。
　　　 　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ
　　　 　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿　　　　　しかし、戦争……戦争か。いつか全ての戦争が、こうしたフィクションの中での出来事に、
　　　 　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ
　　　　 と_ : : : : : : ノ : :ノ　　　　　　　おとぎ話になってくれれば、一番なんだけどね。
　　　　　　￣￣￣　￣





　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　ま、それも無理だろうと思っているけど。人間は最後の一人になるまで戦争し続けるよ。
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　……それ以上は話の中で語るとしよう。
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　次回は来週月曜日、11/23午後八時からスタートだ。シーユーアゲイン。
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

3411：安価のやる夫だお：2020/11/16(月) 22:10:22 ID:MSny9mC20
乙でした

3412：安価のやる夫だお：2020/11/16(月) 22:12:56 ID:VoZp9W7A0
乙ー

3413：安価のやる夫だお：2020/11/23(月) 11:59:28 ID:PYTX4v1A0
乙

3414： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 20:00:58 ID:og/RYeAA0

　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿　　　　　　　
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

3415： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 20:06:03 ID:og/RYeAA0

　　　　　　　　　_　_　_
　　　　　　　／: : : : : : ｀i
.　　　 　　　i: : : : : : : : : :!
　　　　　　　､: :○: : ○: :!
　　　　　　　 i: : : : : : : : : i 　　　　　　　　色々辛いこともあるけれど、ここではただのスレ主とスレ住民。
　　　　　　　 l: : :,, --_ｯ: :',
　　　　　　　 丶 ｀‐'´: : : :ﾉ　　　　　　　　　今この瞬間は、AAこそがすべてだ！（レイヴン並感）
　　 　 　 　 / ´: : : : : : : : ｀ヽ
　 . 　　　　/: : : : : : : : : : : : : ヽ　　　　　　　やっていこっか。
　　　 , -‐': : ,: : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　／: : : ,-ｲ: : : : : : : : /｀丶: : : :､
　 ｒ⌒ ,／　/: : : : : : : : i　 　i: : : : i
　 ` ‐ '　　/: : : : : : : : : |　　 ! : : : |
　　　　 　 i: : : : , _ -‐ ´,) 　 ｀ ヽ _|
　 　 　 　 (_ _i￣(_　-‐'´i
　　　　　　|　:|`‐´i : : : : |
　　　　 　 |: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
　　　　 　 |: : : : : |: : : : : !

3416： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 20:06:13 ID:og/RYeAA0

　 　 　 　 　　　　／ ⌒｀''"⌒｀ヽ、
　 　 　 　 　 　／,,　／￣￣￣￣＼
　　　 　 　 　 /,／/::　　　　　　　 　＼
　 　 　 　　　;/⌒'":::..　　 　 　 　 　　 |⌒ヽ
　　　　　　　/　　/､:::::... 　 　 　 　 　 /ヽ_　＼
　　　　 _＿（　⌒ー-ｨ⌒ヽ、 　 /⌒`ー'⌒ 　 ）
　 　 ━━━`ー──ゝィｿﾉー‐ヾy＿ﾉー─ "

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
翌朝、またもや深々と頭を下げていた。
周囲からの冷ややかな視線とせせら笑いが聞こえてくるが、
気のせいだとしておこう。今は周りの目はどうでもいい。

ベッドの上で、寝ぼけ眼で端末を見ると、メッセージに返信が着いていたので
飛び起きて支度をした。

なのはに断りのメールを送ってから朝一番の輸送機でブライドル本部へと向かい、
こうして朝食を摂っている最中の彼に頭を下げていた次第だ。
空調の利いたブライドル本部のメインエントランスに併設された
カフェテリアは澄んだ空気に覆われていた。アマツほどではないが。

気取った企業勤めの人間たちが優雅にコーヒーを啜ったり、
手元のPCのキーボードを叩いている中でのことだった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3417： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 20:11:07 ID:og/RYeAA0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　ﾚｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　.ｲ　　　　　　　　　　　　　ﾉ|
　　　　　　　　　　　　　　　　!.|　ヽヽｌ　　　ｿ/　/　 ／ ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　! ｀ﾌ､　｀ ﾍ　　r―､／ 　/l!
　　　　　　　　　　　　　　　　ト､|／⌒ﾌｰ‐'　　 ｡ ）__ノ　|
　　　　　　　　　　　　　　　　ｌﾉ/　メ、　 /＿__ｙァﾟL　__」
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ ／-ｔｒゝ ｀　ﾗ‐ｔr-　| /　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　/イl　｀ｰ'　　　　､ー‐'　ﾚ　/　　　　　　　　　　　　　　相変らず極端だなぁ、やる夫。
　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ヽ　　　ﾉ　　　　　　　r'）
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾊ　 　ヽ　　　　 　 l　/L　　　　　　　　　　　　　　　腹ぁ鳴らしやがって、朝飯くらい食ってこい。
　　　　　　　　　　　 -――＞―ﾍ　 r-- ､　　　 厂　 ﾉ｀ーﾍﾆフ―- ､
　　　　　　　 　／　　　 ／　　　　 ヽ ー‐‐'　　/　　　　　　　　＼　　　＼　　　　　　そういったところに速さは必要ねえ。
　　　　　　　／　　　 ／　　　　　　　ヽ　　　／ｿ　　　　　　　　　 〉　　　　丶
　　　　　 ／　　　　（　　　　　　　　　 ｀ －' ／　　　　　　　　　／　　　　　　＼　　　　おら、一個やる。
　　　　　|　　　　　　 ＼　　　　　　　　＼／　　　　　　　　　／　　　　　　　　　ヽ
　　　　　ｌ　　　　　　　　|　　　　　　　　 /　　　　　　　　　メ、　　　　　　　　　　　ｌ　　　「あ、いただきますお」
　　　　　ヽ　　／￣｀ヽ、＼　　　　　　/　　, 　´￣ﾌ＼／ 　｀ー――┐　　　　　 !
　　　　　 | ＞ ト-､　　　｀ヽト､　　　＿レ'´　　　 r'　　|　　　　　 　　　|　　　　 ／
　　　　　 | ﾚﾍ」　　｀　 ､ ＿__＞ﾍｿ_＿＿_ r　'´　　 　|　　　　　 　　　|　　　 r'
　　　　　/ ト､ ＼　　　　　　　| 　 |　 　　　　　　　　　レ-､ 　　 　　　 |　　　 |
　　　　　| .ト､｀ｰ<　罪と罰　 .! 　 |　 　　　　　　　　／　 〈 　　 　　　 |　　　 |
　　　 ／　 〉､ゝ-'､　 　　　　 .| 　 |　 　　　　　　　　ヽ／　〉 　 　　　　|　　　 !
　　／　　 ﾍ、ーｒｊ..　　　　　　| 　 |　 　　　　　　　　r' 　ノ　 　 　　　　|　　　 !

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
その相手とは、アマツへ出奔する前から連絡を取ろうとして、
結局つかないままで終わった彼、ストレイト・クーガーである。

いつものタイトなロングコート姿の彼は、何やら小難しそうな本を広げ、
片手間にホットドッグを齧っていた。一応、待ち合わせという形ではある。
クーガーは自分が走り寄ってきて頭を下げるのを見ると、
軽く溜息を洩らし、もう一つあったホットドッグを差し出してきてくれた。

頭を上げ、有難く両手で受け取る。
以前一緒に食事をしたときも、彼はたくさん食べるタイプではなかったところからして、
自分の為に、余分に一つ注文してくれていたのかもしれない。

普段は奇天烈な変人そのものの振る舞いをする彼だが、
そういったところには頭が上がらない。

クーガーは本を畳んで立ち上がると、カフェテリアの端を指差した。
壁沿いの席で話そうということだろう。頷き、ついていく。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3418： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 20:15:01 ID:og/RYeAA0

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　　　　　　　　　　 /.:/　 ＿_j　/　　 l＿＿＿_|_l-┴‐''7´::i r ､ ｀|::ミ､:::≦､＿　　　　　で？　なんの用だ。いっぺん辞めようとしたんだろ？
　　　　　 　 __,,. -/:/ ￣／　V　　　　　　　　　　　　 /〃/ ) /, /::;:'"､ｰ‐'"´
　　　　 r'"´:::::::://:::::／　__／',`ｰ''''‐　　　　　　　　 '´l/'ヽ‐'／!､:::／!`　　　　　　　　　別に良いと思ったがな……。
　　　　|::::::::::::::/'::::::/ 　 〈　 　 l`ｰ‐-､,＿　　,､　　　 　 r‐''´　ﾉ／　,'`ｰ‐--
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　　　 l::::::::::::::::::::::::;l　/￣　 　 ｀ヽ、　　　　　　　_,,.‐''ﾞ,,.　'´ 　 　 　 !　　　/
　　　ﾉ:::::::::r―'''"´／ 　 ,-‐'''7‐-‐'　　　 _,,.ィ-‐''"￣　　　　　 　 /　　　 |::　　　　　　　　「クーガーさん」
　 ／:::::::::::|　　 ／ 　 ／'"´＼`''--r-‐＜　 l　　　　　　　　 　 ／　 　 　 l:::
　 !::::::::::::ノ　　.| r''"´　　　,､ 入.フ｜　　 ､/　　　　　　　　 ／　　　　　 /:::
　 〉:::::::〈　　　 |　　　-‐''´￣　 ﾍ　｜　　 /　　　　　　　　　　　 　 　 ／::::::
. /::::::::::/ 　 　 |　　　　　 _,.-‐'⌒ヽ, |　　/　　,,.　-‐''"´　　　　　　／::::::::::::
/::::::::::/　　　　|　　　　　　　 　 ／/｜ /　／　　　　　　　　 ,. -‐'´￣｀ヽ､:::

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
席に腰を下ろすクーガーの対面に立つ。
座れよ、と手で促されるが、首を横に振った。

大事な話だ。気持ちの問題に過ぎないが、立って話したかった。
そんな自分の様子を見て、クーガーはぴくりと片眉を上げた。
真っ直ぐにこちらを見据え、言葉が出てくるのを待つ姿勢だった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3419： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 20:16:42 ID:og/RYeAA0

　　　　　　　　　　 ＿＿__
　　　　　　　 　 ／　　　 　 ＼
　　　　 　 　 ／　　　　　　　　＼　　　　　　　　状況というか……自分の中で、色々変わったんですお。
　　　　 　|／） ノ ' 　ヽ､ 　 　 　 ＼
　　　＼／ .ｲ（ー）　（ー）　u　　 　 |　　　　　　　やる夫は今、戦争に背を向けたくないんですお。
　　 　 /,'才.ﾐ) （__人__）⌒　　 　 ／
　　 　.|　≧ｼ'　 ｀ ⌒（　 　 　 　 <　　ﾓｸﾞﾓｸﾞ　　　それこそ、矜持の問題ってやつですお。
　　 ／ 　/　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ





　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼　　　　　理屈捏ねるのもあれだから、簡潔に言いますお。
／ 　　 （●） 　（●） ＼ ｺﾞｸﾝ
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　　大事な人が戦場にいる中で、平和になんて暮らしてられないってわけですお。
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　　要するに……
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

3420： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 20:18:24 ID:og/RYeAA0

　　　　　　,r''ﾞ:::::::::::::::::::::::_ｒ'´__,,.-‐:::／
　　　　ノ´ﾞ::::::::::::::.r'‐‐'' !,,ィ'´:::::::::::/
　　　　 ヽ,.:::;;;; ∠;: ｒ=＝ﾋ、:ｒ- 、::/::r
　　　　 /;イ_、 　.::/´__ 　　|::ﾄﾋj:::〈~
　　　　 |::! ｀ヽ=ﾐ‐ rﾆﾟ;.'´　 !ﾍ_ﾘ^ヽ ___
.　　　　 !|　　 }~'i　　　　 、　 .!Y-‐´ ｲ　　　　　　　なんだぁ？　ひょっとして、女に惚れて、惚れた相手が現役リンクスなもんだから、
　　　　　!!　　 ヽﾄ-　__.ノ_!　ｲ'´／　　i
　　　　　　　　　 ヽ,~￣ ´/ r''´　　　 .!　　　　　　　　居ても立ってもいられなくなって舞い戻ってきたってか？
　　　　　　　　　 ｒ'::!__,.イ:::: |　　.::::　_!
　　 ,-､　　__,.--‐''_,イ　ヽ　.!　,.__,／／　　　　　　　　あー、確か八神はやてがリゾート地まで引っ張ってたんだろ？　あの娘か。
　　ﾉ_,..ゝ'"::::::.∠;-ゝ__　 y‐!∠ ,._／___
　 ヽ,___i''!ヽ／　　　〈　V´　 ／:::::￣:/
.　r''､　| | r'''　　　／// !　　＼::::::::/:::
. ,ゝ、>〉 ヽ!、.　ｒ'"／/_ |__＿,..-ヽﾍ::::
　!、_!〈　ｲ　r::::::／ / ∥i:::　　０|::;;:::::::
　ヽ__ノ::::_!,!ヽ　!0/　／´::::　　　!:::::::::::
　 ｒ!_,.,'´　 |:｛　!/／　　　　　　 .i::::::::::::
　 {　　　　 !.::V０　　　　　　 ０ .|:::::::::::
.　 }　　　　 !.ｲ　　　　　　　　ｒ'´:::::::::::::
　　!　　　　 { !０　　　　　　０|:::::::::::::/
　　{　　　　 ヽ|...::::.............;::::　!::::::::::::i
.　　{　　　　　ハ:::::::::::::: ０ ｒ'´::::::::::::!
　　 |　　　:::r'..　　　 ::::::: !┘::::::::::::ゝ
　　 ＼　;;;;/::::::::::::::::::::::iヽ;;;;;;;;;;;;;ヽ､





　　　　 　 　＿＿__
　 　 　 　／　　　　＼
.　　 　／　 　 　 　 　 ＼
.　　／　u.　 ―　　 ー　 ＼
　　| 　 　　 （●） 　（●） 　|　　　　　　…………。
.　　＼　:::::::　（__人__）　 ／　ﾎﾟｯ
.　　　ノ　　　　｀ ⌒´ 　 ＼
　／´　 　　　　　　　　　 　ヽ

3421： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 20:18:45 ID:og/RYeAA0

、:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::＼　 　 ＼: :: :: :: :: :: ＼|ド､
':: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::ﾍ　　 　 '､ :: :: :: :: :: : ＼::＼
:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ＼　　　＼:: :: :: :: :: :: :: :: ::'.
＞-:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :＼　　　＼:: :: :: :: :: :: :: :: ',　,!
｀７:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :＼　　　＼:: :: :: :: :: :: ::.!, i|
⌒ヽ:: :: :: :: :: :: :: :: :, - ､:! :: :: :: :: :: ＼　 /ﾞ´＼ :: :: :: :: ::|//
　　 !:: :: :: :: :: :: :: /-一Y: :: :: :: :: ,.-一 '` 　 　 ＼:: :: :: :∠
ｰ= ':: :: :: :: :: :: :: :! {' ￣|:: :: :: :: /　 　 ｰ=Zz,　 　 ＼:: :: ::キ＝=-､
´', ヘ:: :: :: :: :: :: ::'.ﾍ　r１:: :: :/7　 　 　 ト ､iﾄ､　 }　/｀丶:: ::＼
. ﾉ 　 ｀丶、:: ::≦´ 1＼Ⅳ :: :/　　　 　 ｀ ｰﾟ ヾzﾉ_,j 　 　'.: :: ::ﾊ　　　　　…………。
/　　　　　 ｀'＜　　 ｀7　 ∨/　　　　　　　　　　 iﾞ´　　　　'. :: :: '.
　　　　 　 　 　 ＼　〈　　 'V　　　　　　　　　　　|　 　 　 　 ' .:: ::ﾍ　　　　えっ。マジで？　デジマ？　マジデジマ？
　　　　　　　 　 　 ＼}、　　　　　　　　　　　- __,j　　　　　　　'. :: :!
ヽ　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　　　　 　￣ 　-r'´　　　　　 　 　 　 '. ::|　　　　　「マジですお……あと、そのネタ分かりませんお」
　 ＼　　　　　 　 　 　 　 ＼　　　　　　 /´　　　　 　 　 　 　 　 !::!
　　　＼　　　　　 　 　 　 　 ＼　　　　 ,'　　　　 　 　 　 　 　 　 !:|　　　　　　おぉう。つまらなかったか寒かったか引いたかイタかったかぁ。
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／丶　　 / 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |j
　　　　　　　　　　　　　,． ´　 　 ｀ｰ ｲ　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |!
　　　　　 　 　 　 　 ／　　 　 ,. -r‐ '´
　　　　　　　 　 　 /!　　,. 　´ ／::丶、
　　　　 　 　 　 ／　〉 / 　 ／＼::::::::::＼
- .,_　　　　　　　 　 i　　　/:: :: :: ＼::::::::::＼





　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼　
　 ／＿､　,,／"　　＼
／ （●）　ﾞ（●）　U　＼　　　　　とっ、とにかく、やる夫はこのままじゃいけないんですお。
|　 　 （__人__）　　　　　 |
＼　　 ⊂ ヽ∩　　　　 <　　　　　 やる夫はリンクスとして、はやてさんと並ぶに不測のない男にならなきゃいけないんですお。
　 |　 |　 '､＿ ＼　／　 )
　 |　 |＿＿＼　 “　 ／　　　　　　そこで、クーガーさんにお願いしたいっていうか。
　　＼ ＿＿＿＼_／

3422： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 20:21:10 ID:og/RYeAA0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -─z＿＿＿＿＿_ .イ _,ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 イ／::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:￣:彳
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:_ イｲ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾄ、::＿＿＿::.::.::.:＿＿::.::斗´／::ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{∠--:ﾊ　　 ｀ ＜ 　 　 　 ／::∠
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::ｨ≧´ ,.ー‐-　､　＼-::.:::´::.::.:::.ミ　
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /／ }ｰ｀ ｰ=≦ニ､ ヽ、ﾊ::.::.::.::(⌒Y
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /′　{ノ　　 ｀ー‐'　　}::＼}_::.::.人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　ヽ、　　　　　　イノｲ､ｿ::.::ト､　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r､{─- ､ ,　__ 斗≦(从人　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 Y )　　　　/　 　 　 ｀7　　
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |ヾ＿_.. イ　　　　　/　　　　　　　　　　　　それは分かったがよォ〜……
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿ 　-} |,.ﾍ　 ｜ 　 　 　 ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　_...:::::´::::::＿＿ヽ　　｜|　 }　/　　　　　　　｀ーｧ…-　、　　　　　　なんで俺なんだ？　なおはさんがいるだろ。
　　　　　　 　 　 　 　 　 r'´:::::,.　 ´:: :: :: :: ｀丶、　ヽ_／　　　　　　 ,.　＜::::::::::::::::::丶、
　　　　　　　　　　　　　/:::::／:: :: :: :: :: :: :: :: :: ::＞／/　　 　 , .. :: ´:: :: :: ::｀丶、::::::::::::＼　　　　「それは……」
　　　　　　　　 　 　 　 |:::::l:: :: :: :: :: :/:: ::,　　´ ／　/　/　 　 ＼:: :: :: :: :: :: :: :: ::＼:::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　 　 ヽ::|:: :: :: :: ::/: ∠ ＿／ 　 /　/　　　　　＼:: :|:: :/:: :: :: :: :/:: :: :: :: :}
　　　　　　　　　　　　 　 }:|:: ::l:: :: ::{::/○ ／　 　/￣￣￣￣￣￣ }:｜/:: :: :: :: :/:: :: :: :: :/
　　　　　　　 　 　 　 　 /::|:: ::|:: :: /::|　／　　　 l　　　　　　　　○/:: l/:: :: :: :: :/::/￣ ヽ/
　　 　 　 　 　 　 　 　 /::/:: :: ､:: :l:: :|/＿＿＿_」　　　　 　 　 　 /:: ::|:: :: :: :: :/::/ 　 ／
　　　　　　　　　　　　/::::{:: :: :: :ヽ;:: :|○　　　　 　 　 　 　 　 　 {:: :: :j:: :: :: ::/:::::∨ /
　　　　　　　　　　 　 |::::::l:: :: :: :: ::ヽ:{　 　 　 　 　 　 　 　 　 ○l: :: /:: :: :: :/::::::::::∨
　　　　　　　　　　 　 |::::::|:: :: :: :: :: :ハ　　　　　　　　　　　　　　|:: /:: :: :: :/::::::::::::/
　　　　　 　 　 　 　 /:::::::|:: :: :: :: :: :|:: l ○　　　　　 　 　 　 　 /::/:: :: :: :/::::::::::::/
　　　　　　　　　　 /::::::::::|:: :: :: :: :: :|:: |　　　　　　　　　　　 ○l:: l:: :: :: :/::::::::::::/
　　　　　　＿＿__r─- ､:|:: :: :: :: :: :|:: |　　　　　　　　　　　　　}ノ :: :: :/::::::::::::/
　　　　　　｀ー--､￣　　ヽ:: :: :: :: ::ﾉ: {　　　　　　　　　　 　 　 ヽ :: :: ::〉:::::::::/
　　　　　　　　(￣　　　　　>､＿_ノ{:: :l ○ 　 　 　 　 　 　 ○　/:: :: :: l:::::::::::l
　　　　　　　　 {、　 　 　 /　　　 ｀ ー'──--──　 　￣￣く:: :: :: :/:::::::::::|
　　　 　 　 　 　 {_　　 　 {　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼_ノ::::::::::::/｀丶、





　　　　 　　　　＿＿＿
　　　　　 　 ／　　　　　＼
　　　　　 ／　　　　　　 　 ＼
　　　　／　 　 　＼ ,　, ／　 ＼　　　　　やる夫が、クーガーさんみたいになりたいからですお……！
　　 　 |　 　 　 （ー）　 （ー）　 |
　　　　＼　 u. 　 （__人__）　,／　　　　　　
　　　　　ノ　　　　 ｀ ⌒´　　＼
　　 ／´　　　 　 _i⌒i⌒i⌒i┐ ヽ
　　 |　　　　ｌ　 （ l　/　/　/　l
　 　 l　　　　l 　ヽ 　　　　　 /

3423： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 20:22:21 ID:og/RYeAA0

　　　 　 |　ﾍ:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: : j !
　　　 　 |　 ∧:: :: ﾄ､:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :／ }
　　　　　＼ 　 ＼::ゝﾍト､:: :: :: /:: :: ｨ7ﾉ:: :／　 ﾉ
　　　 　 　ﾊ ゝ、 「 ー＜:: :: :: :: 7::＿ ,.ｨ´　 ,ｨ7
　　　　　　}:: ｀＜_}　　 　 ｀⌒Y::「　　　{__／::ｲ,
　　　　　　Y:: ::√　　　　　　　l:: }　　　 ヽ:: ::/
　　　　　 _」､:: l ≧三≧､　 　 |::| x≦≠7::∠
　　 　 　 { ﾐ}:: ﾊ ヽ,-tｯ ､ヽ }　|::|_, ｬ-ｧ }::/iｿ
　　　　 　 ヽヽ ::!　 ｀ー '´　l | }/ ー ´ // ﾉ　　　　　　　　　　　　　……フッ。
　　　　　　　ゝﾍ}　　 　 　 　 | |　　　　ﾚォ
　　　　　　 { く｀ﾊ 　 　 　 、　_l　　　　j´ﾉ}
　　　　　　__」 ＼ﾍ、 r,､＿｀＿＿, 　ノ´ /､
-ｧ　　´￣　｜　　｀＼｀ ￣￣￣　／　　l　　 ＞ -- ､ ＿　　
/　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　 ￣　 / 　 　 |　　　　　　　＼::＞......､
　　　　　　　　　　　　　　}､＿ イ　　　　　　　　　　　　　l:::::::::::::::｀:::::::..､
　　　　　　　　　　　　 　 l　 　 ﾉ　　　　　 　 　 　 　 　 /::::::::::::::::::::::::::::::｀'::
＼　　 　 　 　 　 　 　 　 '､＿/　　　　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::ゝ、　　　　　　　　　　　Y/　　　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:／:: :: ＼　　　　 　 　 　 ／r　　　　　　　　 ,. :: ´::｀丶、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
クーガーのような男になりたい。
クーガーそっくりの人間になりたいわけじゃない。
人間は誰かと同じになんてなれない。

けれど、自分もクーガーのようになれるのではないかという希望と、
クーガーのような男になりたいという強い渇望があった。

時代や状況で信念を曲げない真っ直ぐさと、それを貫けるだけの強さが欲しい。
それこそ、クーガーのような。ストレイト・クーガーという男が自分に見せつけてきた、
燃えるような意志と信念の強さが、自分にも欲しい。

自分も、自分らしく生きるために。自分を貫くために。
はやての傍に居たいという自分を貫くために。

戦い方だけじゃない。
人として、男として強くなる術を、彼から学びたいと思ったのだ。

クーガーの口角が僅かに上がり、目が見開かれる。
足を組み替え、これ以上なく愉快げに腕を組んで見せてきた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3424： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 20:22:42 ID:og/RYeAA0

　　　　　　　　　　!　,/／::::::::::::::::::::::::::::::::::::／　　／:::::::/:::ﾉ
　　　　　　　　 　 l|〃::::｀ヽ､　::::::::::::::::::::／　　／::::::::::く::/⌒
　　　　　　　　 　 l|∠＿::::::::＼:::,,. -‐''"´￣￣｀`ー-､:::::＞-､
　　　　,. ‐''"´￣＿＿＿￣＞''´　　　　　 ,. -‐＜￣:{rヽ::::::::ア
　,. ‐'´,.　-‐'''"´ヽ｀ヽ､ ／　　 r､　　　 ／,. -‐‐　ヽ:::lゝl|::::,.ﾍ
-‐''´　　　　 　 　 ＼／　　 　 |　ヽ､／／ _ｨｯ７　　l:::l_ﾉ／　 l
　　　　　　　　　　　 | 　 　 ＿」　　　ﾉ ｨ ｰ- ' 　 　 |:／　　　 l
　　　　 　 　 　 　 　 lr‐､‐''二ﾆrﾃ　　　　　　　　 /　　　　　　|r‐‐-　　　　　　ん〜〜〜〜……
　　　　　　　 　 　 　 l　 lヽ ｀ ｰ'´ l　　　　 　 ､　/　　　　　 　 l
　　　　　　　 　 　 　 |　 l　 ＼　　 ､_ r‐　 _ノﾉ/　　　　 　 　 /　　　　　　　　　つまりつまりそれは……
　　　　 　 　 　 　 　 |　 |　　　/ヽ.　､_,-‐'´'´〈　　　　　　　 /
　　　 ,.‐-､＿　,.--､ﾉ　｜　__/　__＼ ヽ‐=＝''＼　　　　　 /
　 　 〈　､　＼｀ヽ　 `|　 l'´／／　ﾉ　 ｀ヽ､　　　 ヽ　　　 /
　　　 ヽ　ヽしj　 l　 ﾉ　 ヽ‐'　 ／　　　　 l`ｰ-‐'´ ＼
　　　　|　　　 lr‐lヲ´　　 　 ／ヽ、　　　 ､l:::::::::::::::::::::〉　　　　　／
　　　　j　　　 `‐'　　　　　/::::::::::::`ｰ┬-､ ヽ::::::::::::::;/　　　　／::::::
　　　 / 　 　 　 ﾉ 　 　 ／::::::::::::::::::::/　　＼l:::::::／/　　　　 l::::::::::
　　 /　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::/o　　 　 l::/　/　　 　 　 l:::::::::





＼|:: l　　∨}:: :: :: :: :: ::　, 　-─────-　､_:: :: :: /! /:|　　
ﾍ: ｀∧　　＼ :: ,．　 ´　　　　　　　　 r- ､　´　＼:: / 1'::/
__ゝ:: :: ＼　　>　　　　　　　　　　 　 / 　 ゝ、　　 Y　/ /
:: :: :: :: :: ::∨　　　　　　　　　　　　 ,′ﾍ :: ::.＼＿」Y: /
＞:: :: :: :／　 r　T ￣￣￣￣￣￣ `'ﾞ´ ∨:: :: :1 |7: /
:: :: :: r-'-r ´:: ＼|　　　　　　　　　　　 　 ∨:: ::.ﾍ}／
{⌒!:::| 7ﾍ!:: :: ::/_ ,. ＞=z ､　　　　　 　 　 ∨:: :::1}　　　　　　　　　　おまえもついに理解したか！　この世の理は即ち速さだと！
_／∨Y　1:: :: ::!　 　t─-- ｡z_ ,ノ　 ､,ム斗,:: :: ::ト ､　　
　　 |ﾍ　､l:: :: :::!　　　｀ー─‐'`　"　　ﾉ く_ﾟ_∨:: :| 　 '.　　　　　　　　　そう！　スピードイズパワーパワーイズスピードそれこそが真理
、　 |　＼'∨:: :ﾍ、　　　　　　　 　 　 |　　　　l:: ::|　　 '.
ﾉ　　∨´ ＼ゝ､:::1　　　　　　　　　　 |　　　　l:: ::|ﾍ　　'.、　　　　　　　　光陰矢の如しという言葉もあるように人生にはブレーキもない
ﾍ　　 ＼　　 |　トﾍ　　/ 　　　　､,　　　　　　∧: | 1　　l ＼
　!　　 　＼　 '､　　｀　ﾄ､＿＿＿＿ _'´__,ﾉ　,′| ! j　　,′　｀丶、　　　　バック機能もないあるのはアクセルだけだだから俺最速を求めるのさ
　l　　　　　＼　＼　　 ､　　　　　　　1:::/　/　 ,':1/　 /　　　　 　＼
,N }　 　 　 　 ＼　＼　 ＼＿＿＿＿lｿ　ノ　　メl!, ／　　　　　　 　 ＼｀　､　徹底的にな！　止まれねえし後戻りもできねえなら最速で駆け抜ける！
　 ＼　　　　　　 ＼　＼　 ￣￣￣￣　 ,′ ／　|/　　　　　 　 　 　 　 ＼:::＼
　　　＼　　　 　 　 ＼　＼　　￣￣ 　 ,' ／　／1　　　　　　　　　　 　 　 ＼:::＼　誰よりも先を行くのさ！　そこに理由はいらねえ速さだけが
　　　　 ＼　　　　　　 ＼　＼　　　　 //　,／　/　　　　　　　　　　　　　　　 ＼:::＼
　　　　　　＼　　　　　　 |　　｀ー─ '７　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼:::＼





　　　　　 ＿＿＿_
　　　　／　　　　　＼
　　 ／　─　　　─　＼
　／　　（●）　（●）　　＼
　|　　　　（__人__）　　　　 |　　　　　　あ、そっちはいいですお。
　＼　　　 ｀ ⌒´　　　 _／
　／　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　「なぜだァァァァァ！？」
　|　　ｎ:n　　　 　ｎｎ　　　|
　 |nf|｜|　　　　 | | |^!n　|
　 ||: 　 ,∩　　∩、　　:| |
　　ヽ　　,ｲ 　　ヽ　 　:ｲ

3425： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 20:23:10 ID:og/RYeAA0

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

3426： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 20:28:49 ID:og/RYeAA0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｨ ィ, ──-厶イ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨイ::/::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.ﾊ
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,ｲ/::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.从ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 { ヽ、:＿＿＿::.::.::.::.::.::／ /:{_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ∠--ヽ　　 ｀ ＜￣ ／::.::.ミ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::ｨ≦_, ー--ｧx　＼´::.::.乂⌒
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /:イfｰa´ ｰ=≦ニ;＼ﾊ::.::.しィ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /′{ ￣/　　 ｀ｰﾟ´　 /Ⅵ､:ﾄ⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　 　ヽ ヽ　　　 　 　 ﾉｨ´ｿ:( }　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r､} ト─--ｫ __ 斗≦(｀
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 Y ﾊ｀二￣/　 　 　 /
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 | | l＿_ イ　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿ 　-} |, ﾍ　 ｜　　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　 _...:::::::::´::::::::::＜　　　 ヽ｜　.'　　　　　　　｀ーｧ…─‐-　 、
　　　　　　　　　　　　 r'´::::::::::-───‐｀丶、 　 ＼_/　　　　　　 ,.　＜:::::::::::::::::::::::::::丶、
　　　　　　　　　　　　 |:::／ :: :: :: :: :: :: :: :: :／　 　.イ　　　 , .. :: ::´:: :: :: ::￣￣｀ー- ､:::::::l
　　　　　　 　 　 　 　 {::l :: :: :: :: :/:: :: :: :／　　 ／ /　　　　＼:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: }:::::|
　　　　　　　 　 　 　 ﾉ/:: :: :: :: :/:: :: ∠＿＿／　 .′　　　　　＼:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::l:::::|
　　　　　　　　　　　//: :: :: :: ::｜:: /○ 　／　　 /￣￣￣￣￣￣}:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :::|::::入
　　　　 　 　 　 　 //:: :: :: :: :: ::|:: :l　　／　　　 /　　　　 　 　 ○｜:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :ヽ::ヾ ＼
　　　　　 　 　 ／:/ :: :: :: :: :: :: |:: :|,／　　　　 /　　　　　　　　　　|:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ＼:＼」
　　 　 　 　 ／:／:: :: :: :: :: :: :: 」:: {--r──‐ ′　　　　　　　　　｜:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ＼:::＼
　　　　　　/:::/:: :: :: :: :: :: :: ／ l:: :ヽ-'　　　　　　　　　 　 　 ○　/:: :: :: :: :＿＿_:: :: :: :: :: :: :: ::ヽ:::::ヽ
　　　 　　/::/:: :: ヽ:: :: :: :: /　　ヽ:: :l　　　　　　　　　　　　　　　/:: :: :: :: :: :: ::/　 ｀丶、:: :: :: :: :: :＼:::ヽ
　　　　 ノ::/:: :: :: ::}:: :: :: /　　 　 }::｜　　　 　 　 　 　 　 　 　 /:: :: :: :: :: :: ::/　　　　　＼:: :: :: :: :: ::}:::::l
　　　／／:: :: :: :: :: :: :: /　　　　 |: ::| ○　 　 　 　 　 　 　 ○/ :: :: :: :: :: :／　 　 　 　 　 ヽ:: :: :: :: ::＼::＼
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╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「最初は心構えだな。気持ちだけじゃどうにもならないことも多いが、
気持ちがあるからこそ、ついてくるものもある。
おまえは八神はやてに惚れていて、彼女の隣にいるために強くなりたい。だな？」

ブライドル本部のシミュレータールームは、丁度良く無人だった。
トウキョウのそれよりも一回りも二回りも大きな空間に並んだ
八つのコックピットを一瞥すると、クーガーは此方へ向き直り、問いを投げてきた。

迷いなく頷くと、「よし」とクーガーも頷いて返してきた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3427： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 20:29:05 ID:og/RYeAA0

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　　　　　 ,ﾍ　|!/　　　　 ,. -､/　　 ／　　　　　..::::::::　...:::::::::::::::::::::::
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　　　　 _」__,,j.=＝''"´￣_,,. -‐'''"´l! 　 　:|/⌒ヽl::::::::::::::::::::::::::::::::::/
　　　　 |〈　 l l　　 _ ｨ'´／　　　　 |　　 .::|ﾋ ヽ　l::::::::::::::::::::::::::::::::〈
　 　 　 !　＼l_レ'´|　l:::lr'''7　　　　l .l:..:::lﾘ7 ゝ/l､::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
　　　　|　　.l´　　 lj_/'ｲﾚ′　　　　l!| ﾚ/ ヽ‐' 丿ヽ､::::::::::::::::::::::::ミヘ
　　　　|　 ::l　 　 　 l'´　　　　　　 　 ﾙ′　　〈　　ﾉlWヽ､:::,. -‐''ﾍ　　　　　　リンクスなんて呼ばれるが、本質は傭兵、戦争屋だ。
　　　　|　:::|　　　　 |　　　　　　 ,/ヽ　　 　 　 l 　 　 　 ／　　　　ヽ
　　　　l :::::!　 　 　 l　　　 　 ／/　　　　　　 /　　　／　　　　　　　　　　　　 俺たちが生きる戦場で倫理観は機能しねえ。
　 　 　 !::::l　 　 　 '､_／-､ノr／　　　　　 ／　　／
　　　　 l ::!　　　　 　 　 　 〈　　　　　　 / 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　金、理想、充足、名声……誰もが何かを求めてACに乗る。
.　 　 　 |::|　　　　　　　　 　 |　　　　　/　／
　　　 　 !:!　　　　　　　　　　| 　 　 ／／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　その中で、おまえは意地の為に戦うことになる。
　　　　　|l　　　　　　　　　　 '-‐／　〈
　　　　　l!　　　　　　　　　　　　＼　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　俺も同じだ。意地がある。だから戦ってる。
　　　　　|　　　　　　 　 　 　 　 　 ＞-､　＼　　　　　 ,. -‐''´
　　　　　　　　,.-‐''"´￣｀`ｰｧ‐''´ 　 　 ヽ　/_,,. -‐'"´　　　　　 ／　
　　　　　　 ／:::::::::::::::::::::::::::::＼　 　 　 　 Y´　 　 　 　 　 　 ／::::::





　　　　|　ヽ　ヽ　 ＼ヽ､　 　 ヽ　　ヽ　　 　 l　　　｀ヽ、
　　　　l　　ヽ　 ヽ　　＼｀ヽ､　　ヽ　　　l　 /　　|　　　 V|
　　　　ヽ 　 ヽ　　＼ 　 ｀ヽ､｀ヽ､　ﾉ　ノ／´ 　 ﾉイ j 　 /
　　ヽ､_ ヽ　　＼　　 ＼　ミ´￣￣｀`ヽ､　ヽ､ ﾊ从〃ノ∠
　　　 ＼＼､　　　ミ ヾ　ヽ､　　　　　　　｀ヽ､　＼彡ノ´
　　　 　 〉､ハ＼三ミ　ﾐ／　　　　　　　　　　ヽ､ ＼
　　　　/〃 ゝr‐､＼　ミ　 ,.zrニ≡ー--‐'　 ,z-‐＼ヽ
　　　 /／ｲYl|しjﾄ､ヽ､l　　 　 ,.rｯ-､ 　 　 r ｨ｡‐､ /＼ヽ
　　　'´＿ﾉミﾍ! l ヽヽヾ.　　　 `ー-' 　　 　 l ｰ ' |　　 ヽﾞ､　　　　　　……戦うことでしか意地が通せねえ因果な身だがな。
　　　 ｀ヽ､__ゝ＼ｰゝ､ヽ　　　　　　　　　 　 l　　.l　 　 　 ＼
　　　　　　７／ﾆ`r‐,｀＼　　　　　　　　　　ﾉ　, '　　　　　　　　　　　 いつだって、自分で決めて戦ってきた。
　　　　　／l　l'⌒|　 ､　　　 　 ､ 　　　　　_ ｨ/
　　　　　　 |　＼ !　　ヽ､　　 　 ｀ヾニﾆ二ｿ/､　　　　　　　　　　　　　いいか、やる夫。主義や思想のために戦うな。
　　　　　　 l　　　＼_　　 ｀ヽ､　　 　 　 　 /　 ｀ヽ､
　　　　　／　　　　　　｀`ヽ､_ ＼　　　 　 ,' 　 　 　 ヽ､
_,,..､-‐''´　　　　　 　 　 　 　 〉　＼_　　_ﾉ　　　　　 　 ｀ヽ、
　　　　　　　　　 ｀ヽ､　　　 /　　　/￣ヽ、　　　　　　　　/ー‐-､
　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　　　 '　　　 lヽ　　　　　　 /

3428： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 20:29:40 ID:og/RYeAA0

　　　　　　　　　　　　　　　　　 　,､ﾊ,
　　　　　　　　　　　　　　　 　　 ﾉ .::::v!
　　　　　　　　　　　　　　　　　l　.:::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　r ‐- ‐'7
　　　　　　　　　　　　　　r 　´ ￣　￣ ヽ　　　
　 　 　 　 　 　 　　　 　/　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　 　　/:::　　　ト ._＿ イ ⌒j　　　　　　　　主義や思想ってのは腹の底に抱えておくもんだ。
　　　　　　　　　　　　 7⌒ T´￣ :::::::::/::::::|'
　　　　 　　 　 　　 　/ 　イ:::::::::::::::::::::ﾚ':::::|　　　　　　　　　それを殺しの理由にしたとき、そいつは思想に呑まれる。
　　　　　　　　　　　　ヽ.:::::|::::::::::::::::::::::|:::::::|
　　　　　　　　 　 　　　 `ｰ!:::::::::::::::::::::ヽ ::ﾉ　　　　　　　　　　自分の意思ではなく、雰囲気と熱狂で戦うようになる。思想の尖兵と化す。
　　　　　　　　　　　　　 　 !ハ　∧　 　ノ＼
　　　　　　　　　　　 　 　　!　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　いいな。戦う理由を決めるとき、思想や主義を持ち出すな。
　　　　　　　　　　　　 　 　!　　　　　　　　　:.:.:＼
　　　　　　　 　 　　　　　　!　　　　　　　　　＼ :.:.＼　　　　　　どこかかの勢力の一員ではなく、一個人として戦え。
　　　　　　　　 　　　　　　 !　　　　l:::　　　　　 ヾ:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　　　 　 !　　　　|::.　　　　　　　!:.:.:.:.::ヽ　　　　おまえの意地を誰かの思惑で濁らせるな。
　 　　　　　　　　　　　　　 !　　　　i:::::...　　 r‐─ ' ‐ ､:／
　　 　 　　　　　　　　　　　!　　　　|:::::::::::::ノ::::::::::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　!r'三ゝ人＿,＜:ィ:::::: r‐′
　　　　　　　　　　　　　　　1 三 Y　　　| 三 |￣´
　 　 　　 　　　　　　 　　 　| 三　!　　　| 三 |





　　　　 ＿＿＿_
　　　／　　 　 　 ＼
　 ／　　　　　 ― 　　‐
／ 　 　　　　 （ ●）　　）　　　　　はい。
|　 　 　 　　　　 　（__ﾉ､_）
＼　 　　 　　　　 　｀_⌒
／　　　　　　　　　　　＼

3429： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 20:30:29 ID:og/RYeAA0

、:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::＼　 　 ＼: :: :: :: :: :: ＼|ド､
':: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::ﾍ　　 　 '､ :: :: :: :: :: : ＼::＼
:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ＼　　　＼:: :: :: :: :: :: :: :: ::'.
＞-:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :＼　　　＼:: :: :: :: :: :: :: :: ',　,!
｀７:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :＼　　　＼:: :: :: :: :: :: ::.!, i|
⌒ヽ:: :: :: :: :: :: :: :: :, - ､:! :: :: :: :: :: ＼　 /ﾞ´＼ :: :: :: :: ::|//
　　 !:: :: :: :: :: :: :: /-一Y: :: :: :: :: ,.-一 '` 　 　 ＼:: :: :: :∠
ｰ= ':: :: :: :: :: :: :: :! {' ￣|:: :: :: :: /　 　 ｰ=Zz,　 　 ＼:: :: ::キ＝=-､
´', ヘ:: :: :: :: :: :: ::'.ﾍ　r１:: :: :/7　 　 　 ト ､iﾄ､　 }　/｀丶:: ::＼
. ﾉ 　 ｀丶、:: ::≦´ 1＼Ⅳ :: :/　　　 　 ｀ ｰﾟ ヾzﾉ_,j 　 　'.: :: ::ﾊ　　　　　　　　　そして二つ目。俺たちは傭兵だ。
/　　　　　 ｀'＜　　 ｀7　 ∨/　　　　　　　　　　 iﾞ´　　　　'. :: :: '.
　　　　 　 　 　 ＼　〈　　 'V　　　　　　　　　　　|　 　 　 　 ' .:: ::ﾍ　　　　　　　　俺たちは憎しみを理由に戦わない。
　　　　　　　 　 　 ＼}、　　　　　　　　　　　- __,j　　　　　　　'. :: :!
ヽ　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　　　　 　￣ 　-r'´　　　　　 　 　 　 '. ::|　　　　　　　　戦場が生きる場所ってだけだ。
　 ＼　　　　　 　 　 　 　 ＼　　　　　　 /´　　　　 　 　 　 　 　 !::!
　　　＼　　　　　 　 　 　 　 ＼　　　　 ,'　　　　 　 　 　 　 　 　 !:|　　　　　　　　 やるかやられるか、情けをかける余裕もねえ。
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／丶　　 / 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |j
　　　　　　　　　　　　　,． ´　 　 ｀ｰ ｲ　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |!　　　　　　　　　だが、憎しみも持つな。相手が誰であっても。
　　　　　 　 　 　 　 ／　　 　 ,. -r‐ '´
　　　　　　　 　 　 /!　　,. 　´ ／::丶、　
　　　　 　 　 　 ／　〉 / 　 ／＼::::::::::＼
- .,_　　　　　　　 　 i　　　/:: :: :: ＼::::::::::＼





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::!ﾍ 、
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /:::::::＼＼::'　 、
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 !::::::::::::::＼＼::::｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 N::::::::::::::::::::＼＼::::::::ﾍ ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ::::::::::::::,.ｨ::::::＼7 ､:::::::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ７:::::::::::!i l::::/´ 　 ,_＼7
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒ス _,≧N 　 　 fｯ!∧ヽ、
　　　　　　　　　　　　 , -──-　 _ ,.／　 ＼ l　　 ､　 　j　 ' .::!　　
　　　　　　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::!　　　 　 下、　 > '´　 　 |:!
　　　　　　 　 　 　 /:::::::::::::::::::::::::::::!　　　　 ／ ィ ､_!　　　 　 i|　　
　　　　　　　　　 ／::::::::::::::::::, -─ へ、 　 /∠_」　　　　　　　　　　　　　そして、俺が相手となったとしても。
　　　　　　　　 ノ:::::::::::::::::::/ : : : : : : ノ＼∧　!
　　 　 　 　 ／:::::::::::::::::／,. -': : : : j　　　!　i　ﾄ､　　　　　　　　　　　　　　俺はおまえに殺られたとしても恨まねえ。
　　　　　.／:::::::::::::::::／／: : : : : : / 0 ／　 ! 「!:::'.　
　　　 ／:::::::::::::::::／／: : : : : : : :/-＜　 　 ﾊ !: !:::!　　　　　　　　　　　　　　おまえも俺を恨める道理もねえ。
　 r ＜:::::::::::::::／／: : : : : : : : :/ ０　 ｀ヽ/ oY: j::::!
　 !　 　 ｀　 ､l／!: : : : : : : : , ０　　 　 　o ／ノ:／　　　　　　　　　　　　　　　そういう世界だ。切り捨てるしかない情もあると弁えておけ。
　 ,　 　 　 　 1　!: : : : : : : : !　　　　 　 ／: r'::ﾉ
　　,　 　 　 　 Ⅵ: : : : : : : f０　　　　ﾟ /: : : :!:::!　　　　　　　　　　　　　　　　　　「……はい」
　 　 ､　　　 　 ﾍ: : : : : : :ノ　　　　o /! : : :.:|:::i
　　　　、　　　 　 ,: : : : : ! o　　　　ｲ: ! : : :.:|:::!
　　　　　 ､　　　　 '. : : : } 　 　 　 oi: :!: : : :.l:::!
　　　　　　'　､　　 　＼ : 7＼　　　 |: j: : : : l:ｿ、
　 　 　 　 　 ∧　　　人: :!　 !　　　 Vー‐ '´　 !





＼|:: l　　∨}:: :: :: :: :: ::　, 　-─────-　､_:: :: :: /! /:|　　
ﾍ: ｀∧　　＼ :: ,．　 ´　　　　　　　　 r- ､　´　＼:: / 1'::/
__ゝ:: :: ＼　　>　　　　　　　　　　 　 / 　 ゝ、　　 Y　/ /
:: :: :: :: :: ::∨　　　　　　　　　　　　 ,′ﾍ :: ::.＼＿」Y: /
＞:: :: :: :／　 r　T ￣￣￣￣￣￣ `'ﾞ´ ∨:: :: :1 |7: /
:: :: :: r-'-r ´:: ＼|　　　　　　　　　　　 　 ∨:: ::.ﾍ}／
{⌒!:::| 7ﾍ!:: :: ::/_ ,. ＞=z ､　　　　　 　 　 ∨:: :::1}　　　　　　　　　　『自分の意思で戦え』『感傷は捨てろ』……ま、難しいがな。
_／∨Y　1:: :: ::!　 　t─-- ｡z_ ,ノ　 ､,ム斗,:: :: ::ト ､　　
　　 |ﾍ　､l:: :: :::!　　　｀ー─‐'`　"　　ﾉ く_ﾟ_∨:: :| 　 '.　　　　　　　　　さて、口で言うのはこれくらいでいいだろ。
、　 |　＼'∨:: :ﾍ、　　　　　　　 　 　 |　　　　l:: ::|　　 '.
ﾉ　　∨´ ＼ゝ､:::1　　　　　　　　　　 |　　　　l:: ::|ﾍ　　'.、　　　　　　　　乗れよ。おっぱじめようぜ。ここからは戦闘で教えてやる。
ﾍ　　 ＼　　 |　トﾍ　　/ 　　　　､,　　　　　　∧: | 1　　l ＼
　!　　 　＼　 '､　　｀　ﾄ､＿＿＿＿ _'´__,ﾉ　,′| ! j　　,′　｀丶、
　l　　　　　＼　＼　　 ､　　　　　　　1:::/　/　 ,':1/　 /　　　　 　＼
,N }　 　 　 　 ＼　＼　 ＼＿＿＿＿lｿ　ノ　　メl!, ／　　　　　　 　 ＼｀　､
　 ＼　　　　　　 ＼　＼　 ￣￣￣￣　 ,′ ／　|/　　　　　 　 　 　 　 ＼:::＼
　　　＼　　　 　 　 ＼　＼　　￣￣ 　 ,' ／　／1　　　　　　　　　　 　 　 ＼:::＼
　　　　 ＼　　　　　　 ＼　＼　　　　 //　,／　/　　　　　　　　　　　　　　　 ＼:::＼
　　　　　　＼　　　　　　 |　　｀ー─ '７　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼:::＼

3430： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 20:30:40 ID:og/RYeAA0

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3431： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 20:32:54 ID:og/RYeAA0



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　へ　　 　 〈:.:r'{:.:＿} へ、
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ﾄ　,/ーﾍｲ}　　_}.:.／　.イヽヽ＼　　　　斗.:.―.:.､＿　　　　　　-――　、
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |_V.:./{:.i!ﾊ イr,／ｰ／.:.:{⌒＼＿＿,/.:.⌒ヽ:.:.:.:.:.:.斗-―__　　　-―　 ⌒
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |ﾆ,／.:.j{i{ニ／.:/.<.:ィ／}ﾍ、{　 j{　　＞..、:.:.:＿／￣　　　r'二二ﾆ===
　　　　　　　　　　　 ＿ -=＝ 斥{i/.:.:.:ｨ／/r' __/.://ィニ}.....}} ヽｲ｀ヽ_／　ヽ　 {⌒ヽ　　　r―､＿_
　　　　　　　-=＝　￣　　　　　 /{ｰ/ﾆ{i //{:.i{:.:.//-ニ,/ｰ-.....{｡ｓ≦:.:.:.:.ヽィ　 <V}!　，　　￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 Ｙﾆ〃:ゝ=ｲ.V.:.:Уニﾆ{.:.:.:.:.:.:/{ニ≧=--__、.、　Ｖ{ 　 ，　<⌒ヽ
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ∨ｲ,ノ,/i{o,ﾊヽj/ニ,/_ゝニﾆゝＶニニニニ{:.:＼　ヽ　　，　 ￣ ＼、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨ヽr{..{...｀ヽ／ァ/ｒ≦ヽr≦￣-===-ニヽrヽr､＿ .，
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／{.ィ.:.:.:V.......){r≦}{ﾘ､武r'ﾆ)=-　　　　 _／､_jゝ.Vヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,/／!｡ｓ≦.....｀Y{__,ィ/　　 ￣　　　　　　　{ア＜ーヽ}ノ,}T＾
　　　　　　　　　　　　　　　　＜.:.:￣.:.:イ-...._..ヽ..}У′　　　　　　　　　　　 ｀　ーヽ　 レﾚ
　　　　　　　　　　　　　 　 ∥.::.:.:.:.r'.....｡ｓ≦⌒ｰ'}/
　　　　　　　　　　　　　　 ∥.:.:｡ｓ≦ﾆj{∥,/_,/_V
　　　　　　　　　-===ニニ￣...:＜ﾆﾆ/∥/_,/{_V
　　　　　　　　　　　　　斗.:<:.:.:.:.:.:}＼イ_j{__ﾊ_V
　　　　　 斗‐､ 　 イ.:.:.:.:.:ノ／｀ヽ/.:./O:<:.:.:.:./≧ｭ、
　　 イ.:.:イﾆ／ｲ.:.へｰイ／...........{ヽ{七......￣_ト､ニ=-_、
　 {:.／.:.:.:>.:.:イニニニ,...............／.:{......./.......{:.:.:.:.ヽニ=-ヽ
　　{:.:.＜⌒ヽニニニ,.........／⌒.:.:ノ￣...／...{:.:.:.:.:.:.ヾｰ'＾ｰ＼
　　/.:.:.:.:.:.:./ニﾆ=-/.........j.:.:.:.:／　　 {_アー{:.:.:.:.:/.:.:ヽ＼ ＼＼
　　｀ーr'⌒:.:.:.:.:.:./⌒ヽイ:.イ　　 　 　 ⌒Ｙ,ﾊ:.:.:.:ヽ.:.:.:.:.　＼ ＼＼
　　　　 ー―‐　/.:.:＞　´　　　 　 　 　 　 Ⅶiゝ-､:.ｰ{:.:.，r.!:＞.＼!.、
　　　　　　　 　 ｰ　　　　　　　　　　　　　　ヽ.ニﾆヽ:.:.:.:ゝ!:}i{.:.:.:.:｀:.:{ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼ニハ:.:.:.:}!}|乂:.:.:.:.:.V}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼r―:...、{、.:.i≧ｓ｡ｲ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |:.:.:.:.:.:.ヽ}:./:.{ﾆ{ヽ

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シミュレーター内の無限の砂漠へ意識だけを投影し、
マーシフルのメインカメラ越しに飛翔するシュクヴァールを睨みつける。

これで三戦目。初戦も二戦目も、自分が開始直後に撃墜される形で終わった。
今度こそはと自らを奮い立たせ、レーザーブレードを展開する。

「俺を狙い撃てねえことくらいは分かってんだろ！
一つの戦術に頼るな、俺と競り合える戦い方をしろ！」

叱責の声が聞こえ、それに応えるべく、ブレードを近接モードへと切り替えた。
ブースターを起動し、高速で接近してくるシュクヴァールへと飛び掛かる。
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3432： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 20:39:02 ID:og/RYeAA0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾄ､　　　　　　　 　 　 /l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 vﾍ　　　　　　　　　,ｲ l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 Viﾍ　　　　　　　 /｜l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 Vl.ﾍ　　　 　 　 .|　| l ／′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 Vi ﾍ　　　　　　|　| l／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 Vi ﾍ　　　　　,|　| l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 Vi ﾍ.|!　 ／, |　|ｿ　 ,.ｨｷＺ二ﾌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＿　　　　.vi　||l／∠､ﾏ7　／／　　 ﾑｰ-v‐ｭ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 V〉　 ｀　､. VYLｚ/　/ﾝヽ ヽ　　 -/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,,ｨ<＞　、　　､｀l　　,ｨ〈/ﾍ人ﾉ!‐Ｔ／
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 {　＼,､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 -‐＜フ7¨｀＾ヾﾐ＞　､L／ｿ､,Ｘ, イ　l￣
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　＼,､　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 .ｚr‐f´=≠　 ヽ才´￣｀ー一´Ｖ云¨ Ｖﾍ l　.l
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼　＼,､　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 .｀つﾉ^￣￣´ 　 　 　 　 　 　 ∨ム　V;〉l'^|､＿
　　　　　＿＿＞ ´〕ト｡　　　　　　　＼_ ＼,､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／`二ﾏ＝iｲl.」V　 二Ｚ=‐､
〕 ト ミ／i:ﾊ: : : :｀: : ::‐-=〕ト=‐ィ〔 ´￣ : ヽ ＼〕ﾄ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Ｖﾑ/ｚｷ￣7Ｚl　＼＿ﾆ-‐'´
: : ::／_i_i_i_i_〕ト==-‐≦／.ィi〔 ア¨ }}:Y:¨:Y､>､〕≦｡　 　 _　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 f　l Lｨ⌒V / フ´r､ ｀Y
. ≧s｡ : : : : : : : : :: ::／ｨi〔:..:／　　:]i:ﾘﾄ :iﾑ_＼:>､ _>ィi〔 : :〕≧s｡　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ゝ У　　 .〉 /＼ ソ二|
　　　　　 ≧s ｡ _:／ ´:: ::〃:　　　:,':i:i〕i: /¨｀‐-=ﾆィi〔＿__＞`´＿＿　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 `'|　i　 〈 ,ｨ=､ ヾ.ﾉ　ﾍ
　　　　　　　　　 ≧==イ′ ≧=-ｲ:i:>､i/i:＼r====s｡.,_｀　'‐＜-==-　 ミ..､,　/　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |　i　 /ﾙ'⌒＼ｌﾍ.　∧
　　　　　　 ,　-‐=ｧ/　∥　　_,／i{:i:|r={{､i:i:i:i}　}≦｡. .　 〕ト｡　　 ヾ〔}}　＼..∨ /　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 '.､i／/ |､　 　 |　Ｙ-〈
　　　　　／:..:.__ｱ./　/}}r≦イ:: : ::⌒＼i:i:i>､i}!　‐=＜≧s｡　　_:_　　＼ヽ　ヽ∨ /　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 '._／vﾍﾍ　　ﾉ　 |　.ﾍ
　　　 ／　.ィ〔ｱ∥ ,:'ｨ〔 }):′: : :: :: ::__i__≧==! 　 ／>}! : : : 〕ト､ 〕ﾄ､ . ＼:､__＼′　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ﾞｖﾞＴ´ 　 !　　ﾍ
ﾄ､　〃ｨ／::{_ii{. i{_/ : `¨¨}}:_:_:_:_:_:＞'`¨ゝ≧==r:'> ´ 〕ト. .　 ／¨　¨≧=‐‐ﾏ￣ `ヽ　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀､ 　 丿　　 ﾍ
: : ＼／:..:／:¨ヾ_ﾑ. 　 ／`..: :〃`　　　{{=====ハ　　　 >‐ '　 　 　 :}≧r':i_}!　｀≧s〕ト　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀¨´｀ヽ　　 ﾍ
: : : : ∨￣:￣:/::..Y:},,,,{`_____〃`　　 　 'ﾏ;_:_:_:__ﾏﾊィ i〔 }!　　　　　　{__≧='　ヽ: : :＼　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ　 |
:＼:_:_:〕:／ヽ:〔:_:ノ: iイ〔: : : /}　　　　　/=‐-: :／ﾏﾑ　 /`　　　　　　 ⌒〕ﾄ､　 　 ､　: 〕ト､___ヽ,　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ|
ヽ/: : ヽ-､: /: : : :/⌒:７: イ/`＿______/_: : ::∥`　 ﾏﾑ/　　　　　　　　　　　 ≧=‐＜<_ノ　__r≦〕ﾄ､
: ヽ:／}/ : ＼: :∨: : :_/:_!_//`＿＿___,'　〕ト〈　/i:}　ﾏ　　　　　　　　　　　　　　　　　'∧//i:i:i:<>≧=っ
: : :ゝ: }: : : ／! : 〉:_: :／:〉:ζ´,ｨi〔〕ﾄ､=〕ﾄ､　 Y:i:iﾙ=',　　　　　　　　　　　　　　　 　 /　 〕ト=っ}ﾙ'⌒ヾ
: : : :〉＼:./:.∥: : : :}!‐: /: :〉　i{i:i:i:i:}　}i:/i:iム/iﾙ'_ .ノ　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾙ'ﾚ`
:ヾ‐:＼: :＼/｀/＼: >: 〔: /.　 ,ﾘi:i:i;'　'〔:i:i/イ:i:}i:}〔i==＜ ,
: : ＼:-:Y: ; }ヽ: :＼〕ト: :i:ヽ 〃:i:ノ　　'∨ﾙ'i:/:/i}i:ﾊ　　 '＼,.../
: : : }: : }:ヽノ : 〉_:_／⌒〔;';〕ﾄ､≦¨￣≧'〕ﾙ' /i:iﾘi:i:i}!　　　'∨ /
i: : ﾉ: ∧:〈: : /};＼＼;';';';';'＼;';＼: :/⌒ヽ,'¨⌒'<,‐='ノ　r‐ ､ ｀i}〕＞
i /≧': :}:〕ト〈:.:!;';';'＼＼;';／;ﾊ;';'ﾊ,' ﾊ 　 ∨､/　:≧==r'_:ソ　人: / -=ｧ
/;〕: : Y/ヾ: : 〕ﾄ､';';';';〕ﾄ､';'≧ム';'ム:'ﾊ.　 '∨＼ｨi〔:¨:≧､-イへy: ﾙ'/
: :≧=ﾊ: : ﾑ: Y＼〕ﾄ､';';'ﾊ';';';';';';';＼';＼ﾑ __'〕　 :}}:: :: :: .　Y≧=／ ｨ`
｀¨´　　＼_:_:≧='　〕ト｡_>＼';';';';〕ト＼';＼ 　'∨:|}≧=ィ=/￣:/／`
　　　　　　　　　 /==/: :≧=＼;';';';';';'〕＼;';'ト｡'ﾏ }／_:_:_:_:_:ノ `
　　　　　　　　　 ｀　‐-≧≦` ¨〕ト'｡';';';';';'ﾏ;'> ;〕ト｡￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ∧:〕ト｡〕;';';';'〕ト;';'〕ト｡
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 / ∧: : : : '〕ト｡;';';';'〕ト;';';'〕ト,｡

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
視界がシュクヴァールのコバルトブルーの機体で一杯になる。
ブレードの刀身でシュクヴァールの一刀を受け止めるが、
一瞬で打ち負かされた。あの細身のくせに、凄まじい機体出力だ。
人で言うところの筋力が桁違いなのだ。

互いに半物理ブレードであるがために起こった鍔迫り合いだったが、
これがレーザーブレードであったなら、自分の方が真っ二つだった。
弾き飛ばされながらアサルトライフルを構えて発砲するも、
シュクヴァールの左肘に位置するPAブースターに阻まれ消し飛ぶのが見える。

六角形のプレートにも似たパーツは、PAを一点に集中させるのか、
それとも局所的にPAを強化するのか定かではないが、
ともかく盾のようにPAを突出させていた。

「そうだ！　洞察力を研ぎ澄ませ！　殺し合いはいつだってぶっつけ本番だ！
戦いの中での気づきってヤツが勝機になる！」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3433： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 20:44:09 ID:og/RYeAA0





　　　　　　　　　　　　　　　　/_ -‐＜//ヽ、 ヽ、　　　　/ /_ -‐ _// /　　　/ ／　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　 __ ／´　 /　 / 〈／/　｀/　　 　./ /_-‐' ´ /./,. -‐ /／ヽ、
　　　　　　　　-‐ "l｀/_ヽ_　　　ヽ /　 _〉´＿ヽ　　　 ＜´　　　 / /　　　/.' /　　ヽ、
　　　　　　／／　,' /　（:::::）‐--‐´､＜l/ |　　 ', __　/.　｀ヽ／/ /　,. - /　/、　　 　', ／
　　　　__./ ／_.. ‐ヽl 　 ／　　　　　｀ヽ|　|　,‐/´　ヽ_　　,'／／-'´　 |　/　　ヽ、　 /
　　　/／,.-'´　　　ヽ-'´　　　　　　　　|、 |/ / ヘ　.| |ヽ,' ／ ヽ、/　 l/‐ 、　, -'´/／ヽ、
　　 ／/ ／　　　　／　　　　　　　　　.|ヽ { ,'|　　 ヽ| l´　　　　 /ヽ、 ',　　／l‐‐/ヽ、＿ヽ
　　 l /／　　 -‐ ´　　　　　　　　　　　| l　ヽ　l　 //´/　　　／　/　｀l　 /__,'-‐' ´￣
　lヽ_　, ‐-／　　　　　　　　　　　　　　|,,|/　| .| //　/　　／-‐二 ─､_´_´二＿‐--＜
　l /‐-＝〈　　　　　　　　　　　　 　　 |///ヽ、／／　 ／ //::::::::::::￣ ',　　　　　￣｀ ‐ 、
　l__', ',--´　　　　　　　　　　　　　　　|　/l ／　/---´‐´/l::::::::::::::::::::::/|　　　　　　　　　　　　　　このっ……！
　ヽ----´　　　　　　　　　　　　　　 /　| /　／|　　/　　l::::',::::::::::::::::/::::|-　_
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　/ .　レ ´／l　 /　 　 l:::::ヽ-‐:::":::::::,'‐- ...._｀ ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'　l ,.-‐'´　 ',　 ／／-',:::/:::::::::::::::::/:::::::::::::::::::ヽ、ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　/　　　 ／.',/ ／ヽ､:::',::::::::::::::::／::::::,:::-‐:::、:::::::ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|/　,. - '´ //ヽ´//ヽ ヽ､ヽ-‐:::´::::::::l´:::´,:‐ヽ｀ヽ::::::::ヽ
　　　　　　　　,. -‐───── ､__‐､‐'´￣￣｀ヽ〈::‐-´::／ヽ:::ヽ､::::::l／/:::::ヽ､:::ヽ:/::::::
　　　　　┌‐´l／:::‐-二_‐‐--::::_::〉／ヽ::,::::──::::ヽ':´::::::::::::::::::::::::／::/::::::::::::::::ヽ/-、::::
　　　　　　ヽ､（:::::｀::::::‐┐::｀::::‐:::/‐--:'´|::::::::::::::::::::/:::ヽ::::::::::::::::／::::/:::::::::::::::::::::/::ヽ:::ヽ
　　　　　　　　ヽ､:::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::,'l::::::::::::::／::::::::::::ヽ､::::: /::l:::::::l::::::::::::::::::::/::::｀ヽヽ
　　　　　　　　　　￣　‐---　::_l, ‐-､__/l＿_:／‐´::::::::::::::::::::｀ヽ｀l::::::::l::::::::::::／/:ヽ::::::::',/::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　,'/',　　l　',::::::::::::::',:::::::::::::::／::|::::::::',::;::-'´:/::::::::::ヽ::/::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l,'::::',　l　｀フ-､::´::',::::::::／::::::::',::::／:::::／::::::::::::::::::/:::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　丶-,　/ヽ ヽヽ､｀´ヽ-‐‐‐ヽ,. -'´/::::::::::::::::::／:::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ､ ／／　 ＼＼::＼::::',::::::::://:::::::l:::::::::::::::／::::::::::::

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
もしかしたら、あれがシュクヴァールの守りの要なのだろうか。
仕掛けてみる価値はある。ライフルをパージし、追撃してくるシュクヴァールの
斬撃を右肩部で受け止めた。球形のPAが割れ、ブレードが装甲に食い込む。

ダメージアラートがけたたましく鳴り響く中、
空いた左手でシュクヴァールのPAブースターを鷲掴みにする。

PA同士の衝突によりコジマ粒子が拡散していく中で、
オーバードブースターと各装甲下部のパルスを展開させ、
シュクヴァールと取っ組み合いになったままアサルトアーマーを起動した。

視界が保護シャッターで閉ざされ、轟音が周囲へと響き渡る。
シャッターが格納されると、そこには左腕を著しく破損したシュクヴァールがいた。
衝撃で吹き飛ばされたのか、さっきより彼我の距離が開いている。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3434： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 20:47:59 ID:og/RYeAA0


　　　　　　　　　＿ ノ゛,, ;、､､ '⌒ゝ､ ',
　　　　　　　`┬;;;:::┬′　　　ｨ=＝=yｌ
　　　　　　　　⌒ﾞ''''''´"　　　　　　　　}
　　　 　ｌ! 　　　　　　　　　 　u　　　./　　　　　さ、さっきよりブースト出力もPA出力も落ちてる……
　　　ｉ!　|ｌ　 　　　/´　　　|　　　ゝ /
＼　 ｌ|　ｌ　　　 　 ゝ、____人_____ソ　　　　　　　　これならいけるお！
　 ` .､　　ι　　　　　､::::::::::ノ／
　　　:ﾐ:ｰ.､._　　　　　　 ￣　　｀`'''ｰ-､





　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,..､-ヽ､.,　 |l
　　　　　　　　　　　　 ,.-,.-‐''":,:::::,.　::::: ｀`j !
　　　　　　　　　　　／:::::::::､:::::/:::/::::__､-‐'　|､
　　　　　　　　 |, , /:::､::,.へ､':,ﾉr‐''"´,.='ヽ__ﾉ::ﾞ:､
　　　　　　　　､!;|;|::::ヾ/:::r--'"´ 　／‐'''"`ヽ::::::|
　　　　　　　　 ﾞl ヽ､r/:::j _,..,_ゝ '-'",r'｡"ヽ　ヽ::::',_
　　　　　　　　　ﾄ､._ /::/='" __ ､　　 ‐== ' ´　ヽ::| ヽ　　　　　　　　　　　　　俺より速く動くつもりかァ！
　　　　　　　　　ヽ､./:/ 　 r' ・ヽ ､　　　　 　 ､　!:|r }
　　　　　　　　　　､|:/::ﾞ,　 '-.'"　　ヽ､　　　,.､ l　l:| /　　　　　　　　　　　　　　「うわっ……」
.　　　　　　　 　 　 |:!ゝ:::､　　　　　 _,.-‐=´､j､　　|'､
　　　　　　　　　 　 ! ヾr､＼､ 　l ｒ"r''"´::::::::::|.　　!､‐=＝ﾆ,￣|
　　　　　　　　　　　　　ヽヽ:＼　 ヾ､::::;,.- '"｀'j　 /ヽ　　 ／ 　!
　　　　　　　　　　 ,r''"￣￣｀ヽ､ 　 ヽ.i___;､‐'"　/　 ﾞ,,-'"　 　 |,‐-､＿
　　　　　　　　 　 /´￣｀ヽ　　. ﾍ,'‐-､.,_　　‐''　.l　／　　　　　 ｀l
　　　　　　　　　 {´￣￣｀ﾞ　 ﾉ' 　ヾヽ＼｀''‐-‐'"　|　　　　　　　/
　　　　　　　　　 ヽ､,,,__,.-‐'"　　 　 Vヽ,＼　　 　 |
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　　　 ,,.-|　　　　　　i,　 　 !　　　　　　 　 `''‐ｧ''´　　　　　　 　 ! ／:::::
　 ,r''":::::j.-‐'''ヽ,　　 }´　　　　　　 ,.-''´　 ..イ　　　　　　　　　 ﾉ ＼::::::
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::::::::::::ﾞｌ‐''"　　　　ノ‐''"　　　_,.-‐‐''i"´　　　ヽ　　　　　,ｨ''´

3435： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 20:48:09 ID:og/RYeAA0

　　　 ＿.　　　 ＿
　　　 ＼＼__／／　　　　　　 __ 　 ___.　 く￣|　　　　　　　　＿_
　　　 　 ＼　／　　／⌒ヽ.　|　|　 |　|　 　|　|　　／⌒ヽ　（ ､-_ヽ　／三ヽ
　　　　　　|　|　　 （　○　）　|　|＿|　|　 　|　|　 （　○　）. __ヽヽ、 （ ､―┘
　　　　　　|　|.　 　 ヽ___ノ 　 ヽ.＿＿|.　　[＿] 　 ヽ___ノ 　ヽ二ノ　 ヽ二7　　ｏ　ｏ　ｏ
　　　　　　￣

　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　 　 ＼
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　─　 　 ─　＼
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／ 　 （●）　 （●）　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　|　 　 　 （__人__）　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　 ｀ ⌒´　　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ､　　　　　　　／　　　　　　　　
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　_.ノ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ）ノ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 (（
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ノ
　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼／￣＼
　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣￣｀.　 ＼　 　 ＼
　　　　　　 　 　 　 /　　　　　　　　　　 、　　　 、　ﾋﾟｰﾋﾟｰﾋﾟｰﾎﾞﾎﾞﾎﾞﾎﾞ
　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　i　　　　 l
　　　 　 　 ＿／ 、　　,ｲ　　　　　　　　　　　　/
　　 　 　 （ 　 　 ）_／＿＿＿＿＿＿ノ＿＿ノ


╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
左腕を損傷したシュクヴァールは、目に見えて出力が落ちていた。
凄まじいスピードには変わりないが、馬鹿げた機動が幾らか
ロックオンカーソルが追えるようになり、PAも乱れているように見えた。

これなら攻撃も当たると射撃戦へ切り替えようとした次の瞬間、
シュクヴァールも一度距離を取るだろうと踏んだ自分の読みは裏切られた。
クーガーはそのまま突進してきたかと思うと、アサルトアーマーでPAを焼失した
マーシフルの背後を取り、後ろから縦に一閃された。

敗北を知らせる表示が眼前に躍り出る。もう見慣れた七文字だ。
ぶっ続けでクーガーほどの実力者とシミュレーションを続けるのはかなりハードで、
ヘッドギアの内部は既に脂汗でじっとりと湿っており、呼吸も荒くなっていた。

さあ次だと構えていると、うなじの接続用ジャックからプラグが射出され、
意識がシミュレータールームへと引き戻された。

たまらずヘッドギアを乱暴に外し、溜めこんだ息を一気に吐き出す。
冷房の効いた空気が汗ばんだ頬に触れて心地よかった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3436： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 20:51:21 ID:og/RYeAA0

　　　　　　　　　　　　　_,,∠-‐'''´￣-一::::::::::::｀`ヽ、
　　　　　　　　　‐-､/￣￣￣｀`'''ー-､＝二:::::::::::::::::｀ヽ､
　　　　　　 ,.‐''"￣`ヽ　　 　 /　//　　｀ヽ､／￣｀` ｰ- ､_ヽ､
　　　 　 ／:::::::::::::::_,r'　＿,∠-――-､＿　＼￣￣｀`ｰ--､二ニ=一
　　　　/:::::::::,. ‐''"　￣lj　　,,z''"￣｀`　＼｀ヽ､＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　 　 /::::::::／　　　 　 〈､L〃r・ア　　　　/::::::::/⌒ヽ::::::::::::::::::::::::::::::
　　/:::::／　　　 　 　 　 7　　´　　　 　 /::::::::/ヽ､ﾊj:::::::::::::::::::::::::::／　　　　「クーガーさん……最後の一戦……ぜぇっ……
　/:::::/　　　　 　 　 　 /　　　　　　　 /!:::::::/　/ノ/:::::::::::::::::::::r､ｲ
　l:::/　　　　　　　　　　`'┬-　　　　　 ﾚ/'´　 lｰ〈::::::::::､__;r､/　ヾ　　　　　　わざと、腕を攻撃させましたかお？」
　|::l　　　 　 　 　 　 　 　 `=ｧ､ ､　 　 　 　 　 V　｀ーﾚヾl　_,. -‐､
　|:|　 　 　 　 　 　 　 　 /￣｀`ヽ　　　　　　 ノ/　 _,,. -‐''´　　　 |　　　　　　そうだ〜。俺のシュクヴァールの防御力、
　|:!　 　 　 　 　 　 　 　 ｀〉ｰ､　　　　　　_,,. -‐''"´　　　　　　　　|
　||　　　　　　　　　　　　/　　　 r‐''"´￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　その要が左腕のPAブースターだと気付いたのは、
　|!　　　　　　　　 _＿＿ヽ--‐‐'､
　l　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　おまえの実力だけどな。
　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　,. '-一
　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　 ヽ　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　ヽ　　　　　　／

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
隣のコックピットからクーガーが顔を覗かせていた。
自分とは対照的に汗一つ掻いていない。それどころか、なぜか変な顔をしていた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3437： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 20:51:35 ID:og/RYeAA0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ、　　　　　 　 　 ||　　 　 　 ,..:.:/.:.:.:.／ニ}i/>
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -_、　　　　 　 　 ||　　　　 //´.:.:./7ニﾆ/イ:::;／{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -_　　　　＿ 　 ||　　　　i{:.}!:.:.:/./ニﾆi{::::::://´}} -――‐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -_　 .ｲ:.:.:.{:.:ヽi|'7ヽ 　 i{/.:.:.:Уニﾆ/＿,//＿}}:.:.:.:o/.:.斗
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 _-V_/.:.:.:.:.:/ﾆi ! i{　　i{ヽ:.:./ニﾆ/.:.:ゝ:.＿j__{{乂_／__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { iヽ_ヽ≦ニﾆil| ! i{、__j{.:.:.Y{.ﾆﾆ,i{＿:.:.:.:.へ、:.:_,/＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　斗‐.:.:.＞、､:..、ニニiｹ:. ! ﾘノヽ{__/.:.:}／::::.｀ヽ:.:.ー/{/.{.{_/￣
　　　 .┌───────────────┐.:.:.:.:＼.､＼ニ/i!{〈ヽゝイゝ_/￣ゝ＼ニﾆ=-⌒＼r__{.┌───────────────────┐
　　　 .│　　　指向性レーザー発射装置　 　 .│..:.:.:.:./.:.ー'.￣､/〕} ／￣￣{_ゝ､ー/トニﾆ/´￣ﾆr'i .│　　　PAブースター（シールド形成装置）　　　....│
　　　 .└───────────────┘.}:.:.:.:}:.＞.:::}＞ヽ//´...V.......<ヽ__},/__}　￣　　j{ﾆj{r' └───────────────────┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 八:.:.:.＼__.:／...../_::ｧ=-／￣:{.......ーO{../>ｰ/'　　　　 j{ﾆj{i{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ニﾆ{{:.:.:.:.:{/{..／/{ﾉイ_j:.:.:.＿j 斗へ＜_7.../.{＿　｡ｓ≦＿}!.┌──────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣＜_>..,.-=≦:.:.:.:.:.__.｡ｓ≦:.:.:__:.:.:.:{/..ー{_/:::..:.＼ﾆrニニ.│　　　QBブースター　　　.│
　　　　　　r‐､　　　　　　　　　　　　　　　　 ∥j∥:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:./...j{............/-.､ヽ..}.... イ_{::＼r':.:.:7／￣ └──────────┘
　　　　/{　Ⅷﾊ　　　　　　　　　　　　　　 　∥j∥/.:.:.:.:＿:.:.:斗.:.:.￣￣:.}!ヽィゝ/´　　　￣ーヽｲ
　　　 /{ﾊ、ﾊ_.jＶ　　　　　　　　　　　　　　 j{ｲ:.´￣＿ ＼............ノ／.:.:/.,/ヽｲ!{ .┌─────────────────┐
　　　.乂}!/{-ﾊ{,ﾊ ＿＿＿　　 -―‐--＿_､{j{.:ィ__.:.:.:.:.r＼ヽ.__/.:{_.:._ノ.,/ｰ/:::!:!..│　　　外部レーダー兼PAブースター　　　...│
　　　　　{ｰkぅj{___}!ニニニニニi{ニニﾆ圦....K´ﾆﾆヽｰ'.:.:.:.Y´ー- __i{ﾆ/ｰ/ {__{...└─────────────────┘
　　　　　 ￣ゝ=--'ー--､ニ＼_ﾆ`气ニﾆﾆヽ＞....⌒ヾ:.、./.:O:.:.<:.:.:.:.ヽｰ{=-_、ﾘ　　　　　　　　　　　　´
┌──────────────┐.´.................}:.}!V´￣￣￣｀ヽ_}r‐Ⅷ_ヽ　　　　　　　 　´　　　　｡ｓ≦
│　　　ブレード兼パルスガン　　 　 .│...イ⌒ヽイ.:.:./／.......ﾊrﾍ:.:.＼.Vﾊニﾆ_　斗　　　　　　｡ｓ≦
└──────────────┘.:.:.:.:.:.:._∥ .:.′＿／...{:.《.:.:.:.:斗　　　　　　　｡ｓ≦
　　　　　＿_　　　　　　　＜.:.／.:.:.:.:｀ヽイ.:.:.-‐.:.:.:.:.:.:.:.{/......斗　七　　　　　　｡ｓ≦ハ
＿　 ／.:.:.:.:.:.:.:.:≧/´.:.:.:.:.:.／.:.:.:.:.:.:.／.:.:.／￣_　　-‐　　　　　　　　　斗＜:.:.＼　ヽ_j!
＞／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／.:.:.:.:.:.:.:.:ゝ-　＿　　-‐=　　　　　　　　　斗　七{:.:.:.:.:.:.://￣:.､＼　∨
／.:.:.:.:.:.:.:.:.:. イ.:.:.:＿　-‐=　　　　　　　　　　　　　-‐ ≦ゝ {＼//ヽ.:.:.:.:. .┌────────────────────┐
￣＿　　　-‐=　　　　　　　　　　　　　　-‐.:.:ゝ:.:.＞ー＜:.:.:.:.{＿{:.:.:ヽ:.:.:.:.│　　　装甲内部随所に追加ジェネレーター　　　　.│
　　　　　　　　　　　　　　　-‐＿＿_.:.:.｡ｓ≦/　　￣　　　￣{ニ}!ヽ:.:.:.:..、.└────────────────────┘
　　　　　　　　 -‐　＜}!:.:.:.:.:.:.:.::::::/.:.:.:.／／　　　　　　　 　 ￣}ﾆ∧:.:.:.:.￣｀ヽ:.:.:.:＼、:.:ﾊ ∨

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「これはアヴィアコルの設計思想のせいだな。
開発コンセプトはテクノロジーの凝縮と万能化ってやつでな、
つまりは小型化と複合化が推し進められてんだ。
おかげで軽量化とEN消費軽減も実現できているが……
複雑な内部機構が災いして、一部の損傷が他のネクストよりもデカい。
そこがアヴィアコル製ネクストフレームの弱点だ」

「一部を破壊されると、全体の出力が落ちるってことですかお」

「そういうことだ。無傷の内は凄まじいパフォーマンスを発揮するが、
一度穴を開けられると途端に弱まる。ま、腕でカバーできる範囲だけどな」

それを言われるとどうしようもない気がする。
現にシュクヴァールの左腕を奪ったにもかかわらず、自分は瞬殺された。
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3438：安価のやる夫だお：2020/11/23(月) 20:52:34 ID:0zO4ssac0
こういう機体すき

3439： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 20:54:55 ID:og/RYeAA0

＼|:: l　　∨}:: :: :: :: :: ::　, 　-─────-　､_:: :: :: /! /:|　　
ﾍ: ｀∧　　＼ :: ,．　 ´　　　　　　　　 r- ､　´　＼:: / 1'::/
__ゝ:: :: ＼　　>　　　　　　　　　　 　 / 　 ゝ、　　 Y　/ /
:: :: :: :: :: ::∨　　　　　　　　　　　　 ,′ﾍ :: ::.＼＿」Y: /
＞:: :: :: :／　 r　T ￣￣￣￣￣￣ `'ﾞ´ ∨:: :: :1 |7: /
:: :: :: r-'-r ´:: ＼|　　　　　　　　　　　 　 ∨:: ::.ﾍ}／
{⌒!:::| 7ﾍ!:: :: ::/_ ,. ＞=z ､　　　　　 　 　 ∨:: :::1}
_／∨Y　1:: :: ::!　 　t─-- ｡z_ ,ノ　 ､,ム斗,:: :: ::ト ､　　　　　　　　　　ちなみにシュクヴァールは、おまえのマーシフルと同じだ。
　　 |ﾍ　､l:: :: :::!　　　｀ー─‐'`　"　　ﾉ く_ﾟ_∨:: :| 　 '.　
、　 |　＼'∨:: :ﾍ、　　　　　　　 　 　 |　　　　l:: ::|　　 '.　　　　　　　　　機能制限がかけられてんだ。俺の経歴が経歴だからな。
ﾉ　　∨´ ＼ゝ､:::1　　　　　　　　　　 |　　　　l:: ::|ﾍ　　'.、
ﾍ　　 ＼　　 |　トﾍ　　/ 　　　　､,　　　　　　∧: | 1　　l ＼　　　　　　　今使える武装はブレードオンリーってわけ。
　!　　 　＼　 '､　　｀　ﾄ､＿＿＿＿ _'´__,ﾉ　,′| ! j　　,′　｀丶、
　l　　　　　＼　＼　　 ､　　　　　　　1:::/　/　 ,':1/　 /　　　　 　＼
,N }　 　 　 　 ＼　＼　 ＼＿＿＿＿lｿ　ノ　　メl!, ／　　　　　　 　 ＼｀　､
　 ＼　　　　　　 ＼　＼　 ￣￣￣￣　 ,′ ／　|/　　　　　 　 　 　 　 ＼:::＼
　　　＼　　　 　 　 ＼　＼　　￣￣ 　 ,' ／　／1　　　　　　　　　　 　 　 ＼:::＼
　　　　 ＼　　　　　　 ＼　＼　　　　 //　,／　/　　　　　　　　　　　　　　　 ＼:::＼
　　　　　　＼　　　　　　 |　　｀ー─ '７　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼:::＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
理屈としては分かるが、それで凄まじい戦果を出せているのは、
シュクヴァールの機体性能なのか、ストレイト・クーガーだからこそ成せる業なのか、
もしくはその両方なのか。

やはり、まだまだクーガーには敵いそうにない。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3440： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 20:56:41 ID:og/RYeAA0

　　　 　 |　ﾍ:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: : j !
　　　 　 |　 ∧:: :: ﾄ､:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :／ }
　　　　　＼ 　 ＼::ゝﾍト､:: :: :: /:: :: ｨ7ﾉ:: :／　 ﾉ
　　　 　 　ﾊ ゝ、 「 ー＜:: :: :: :: 7::＿ ,.ｨ´　 ,ｨ7
　　　　　　}:: ｀＜_}　　 　 ｀⌒Y::「　　　{__／::ｲ,
　　　　　　Y:: ::√　　　　　　　l:: }　　　 ヽ:: ::/
　　　　　 _」､:: l ≧三≧､　 　 |::| x≦≠7::∠
　　 　 　 { ﾐ}:: ﾊ ヽ,-tｯ ､ヽ }　|::|_, ｬ-ｧ }::/iｿ
　　　　 　 ヽヽ ::!　 ｀ー '´　l | }/ ー ´ // ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　で、だ。おまえ……使ってみたいパーツはねえか？
　　　　　　　ゝﾍ}　　 　 　 　 | |　　　　ﾚォ
　　　　　　 { く｀ﾊ 　 　 　 、　_l　　　　j´ﾉ}　　　　　　　　　　　　　　　　　アヴィアコル製のであれば、ある程度回せるぜ。
　　　　　　__」 ＼ﾍ、 r,､＿｀＿＿, 　ノ´ /､
-ｧ　　´￣　｜　　｀＼｀ ￣￣￣　／　　l　　 ＞ -- ､ ＿　　　　　　　　　　「えっ……」
/　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　 ￣　 / 　 　 |　　　　　　　＼::＞......､
　　　　　　　　　　　　　　}､＿ イ　　　　　　　　　　　　　l:::::::::::::::｀:::::::..､　　　　マーシフルのアセンブルだよ。
　　　　　　　　　　　　 　 l　 　 ﾉ　　　　　 　 　 　 　 　 /::::::::::::::::::::::::::::::｀'::
＼　　 　 　 　 　 　 　 　 '､＿/　　　　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::ゝ、　　　　　　　　　　　Y/　　　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:／:: :: ＼　　　　 　 　 　 ／r　　　　　　　　 ,. :: ´::｀丶、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::





.　　　　　 　　　 ∧ ',　　｀ 、j ＼
　　　　　　　 　/ 　', ヽ　　　　　 ｀￣`ー――--、
.　　　　　　 　/.　　 ヽ　ヽ　　　　　　　　　　　　　ヽ、
　　　　　　 　l　　　　　ヽ.　ヽ　　　　、、＿　　　　　ヽ　　,ｲ
　　　　　 　　!　　　　　　＼ 　 ヽ　　ヽヽ、 ヾ--、、.　レ´ﾉ
　　　　 　＿｣　　　　　　　　＼ 　 ヽ　ヽヾ 、＿_ヽｊ.／　ノ＿＿
　　　　　｀ヽ:::::..　　　　　　 　　｀`ヽ、｀ヽ　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　 _＞:::...　　　　 　　　　　 ＼　T￣￣｀`ー----T＼ミ ヽ
　　　　　 '´￣＞:::...　::...　　　　　　　　ヽ!　　　　　 ﾍ.　　 k　 ＼　ヽ
　　　　 　　　　７:::::::::::::::/⌒ヽ　　　「￣　え二ﾆヽ、〉　　ri.　　　＼ ヽ　　　　　　確かにマーシフルの完成度は高い。
　　　　　　 ｀`＜::::::::::::::.l i⌒.l !　l!ii.ll　　‐r-。--、　　　 ﾉ 〉　　　　＼ヽ
　　　　　　　　　 >M:::::::l.!　　j　! 川l! 　　ｰ`――　　　_〈ﾟﾑ　　　　　　｀＼　　　 下手に機体構成を弄るのも気が引けるだろうよ。
　　　　　　　／´｀ヽ、ヽ::::ﾍ＼!´ l!ﾍ !. 　　　　　　　 　　l. /
　　　　　 ／　　　　　ヽ 人　　　　W.　　　　　　　　 　　l/　　　　　　　　　　　　　けどな、マーシフルはそもそも、なおはさん専用機だ。
　　　　　ﾉ 　 　 　　　　 ヽ.〉 　　　　　　　　,.　 　　ー.、j
　＿_ ／　 　　　　 　　　 　ヽ　　　　　　　´ヽ、＿＿_,イ　　　　　　　　　　　　　　おまえはなおはさんじゃねえ、そうだろ。
'´　∠＿　　　　　　　　 　　　 ヽ　　　　　　　　　　,-‐/
　　　　　￣ﾍ￣￣￣￣｀`ヽ.　　 ヾ　、　　　　　　　　l　　　　　　　　　　　　　　　 優秀な基本構成は残して、武装とか細かい部分を
/　 　　　　　 〉　　　　 　　 　｀ヽ、　ヽ ＼　　　　　 　!
　　　　　　／　　　　　　 　　　　　ヽ　〉￣＼＿＿＿,j　　　　　　　　　　　　　　　　おまえにしっくりくるように変えるのはアリだ。
　 　　　／　　 　　　　　　　　　　　　ヾ
　　　／ 　 　　　 　　　　　　　　　 　　ヽ
　　/.　　　 　 　　 　　 　　　　　　　 　/

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
その発想は一切と言っていいほどなかった。
なのはや整備班の人々に任せっきりだというのもあるが、
英雄の機体であるマーシフルを自分用にアセンブルするなどというのは
畏れに近いものがあった。

そんな自分の躊躇いを感じ取ったのか、クーガーは更に続けた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
. ＿＿
_|。。::::|__
ｉ::ﾞ==-/::ｉ＜滅茶苦茶上手い人から貰った機体データとかアセンとか弄るの、すごく気が引けるよねえ。
｀|:::::::::|´
　{」{_」

3441： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 20:58:10 ID:og/RYeAA0

::::::::::::::::::::::::::|:::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::|:::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::
_,,.ゞ､::::::::::, イー::、:::::::::::::__,,.. ．-‐
: : : : ｀:／:::::::::／: '~" "'´　　　　 /
: : : :／／:::／　　　　　　　 ,ｲ{ .く
≧ｘ／::::／::」　　　　 　, イ:::::く_　}
ー/:::,／=＿,．､＿,x≦:::::＞――ア　　　　　違いが分かる男になれ、やる夫。質の良いものと自分に合うものは違うぜ。
=/::/ニニニ｝　}ニニニニニニｱ::|
/::/ニニニｱ　ハニニニニﾆ,-く:: !　　　　　　判断するときにレッテルを張るな。良いレッテルも、悪いレッテルもな。
::/￣￣ ﾗ′./　　｀¨¨¨ , イ　.ィ:,' !
/｀ : : :./　 ./ j　　　, イ　 ／　}:r_'ノ:::　　　　　本当のことはデータじゃ知れねえ。自分で確かめるしかねえ。
_ゞ: : :/　 ./ 〈　 .／ 　 ／　　 .,ｲヽ: /
: :∧/　 ./: : :.／　　／　　 , ｲ　,ｲ : :　　　　　　データベースやカタログにあるような情報はな、書き記せる程度の情報でしかねえんだ。
. ｒ-'　　ゝ､／　　／　 , イ　, イ: : : : {
. ｊ　　 r　 　 , イ_＞ '　 , イ: : : : : : :/　　　　　　新しくて良いものもあれば悪いものもある。古くて良いものもあれば悪いものもある。
/　　/　　　_　　　　 ／: : : : : : : : :/
　　　 　 ,f´　　　　〈.{　＿＿, --=≦　　　　　　　その中でも、自分に合うもの合わないものってもんがある。
　　　　　 　 　 　 　 ｀￣￣　＿＿
　　　　　　　　　　　_　-=≦￣





　　　　 ／￣￣￣ ＼
　　　／　　　　　　 .　＼　　
　 ／　 _ ノ　　 ヽ、_　　 ＼　　　　　合うように、ですかお……。
.　|　　　（ー） 　（ー）　.　　|
　 ＼ 　　 （__人__）　.　　／　　　　　うーん……。
　　 /　　　 ｀⌒´　　　　ヽ
　　ヽ、二⌒)　　　(⌒ニノ

3442： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 21:01:02 ID:og/RYeAA0

;:::＼.　　l　　 ／::::;:へﾍｿ'"　　　　　 　 　 　 |／::::::::::::::::,::
ﾞ､:::::::ヽ､,〉 ／:::::／　　　　　　　　　　　　 _,,.　＼::::::::::::,:'::::
ヾ､::::::::::/./::::::;:'ﾞ　　　　　　　　　　　_,,.=＝ヽ､　 l:::::::;r‐､::
　＼::::::;ﾞ/:::::,:'ﾞ,,_　　　　　 /　　　,,.z''"´_,,,,.´￣　|::::::|'"ヽl:　　　　　　なんだってそうだ。使う道具、状況、やり方。
　　'yヾ/::::;/''‐-ヽ､.,__ヽ　l､_,,. ‐',.-'''"´ ﾟ　/　 　 !::::l! 〉 /:
　　 l !/:::;/ヽ￣｀`・‐｀"　 ヽ.　 ´`'‐--‐‐'ﾞ　　　 |:::/!/,/:::　　　　　　　良いも悪いもない、結局はそいつに合っているかどうか、だ。
.　　 Y::::/l　 ｀'‐-‐''"　 |　　　　　　　　　　　　　 |/' /ﾞ::::::
　 　,'::::/､ﾞ、　 　 　 　 ｜　　 　 　 　 　 　 　 　 !‐'ﾞヽ:-､　　　　　　　　自分のスタイルを見つけろ。改善はその後だ。
.　　l:::/　k,ヽ,　　　　　　l　　　　　　　　　　　　 l　　ノ,.､‐
　　|::;'　〈ヽ,　ヽ　　　　　!　　　　　　　　　　　　|　 ／
　　|:l.　　ﾞ､ ＼.|'､　　　ヽ､,__,／　　　　,,./　　_,'.-'"
　　|!　　／! 　 ヽ,､　 ‐----‐‐''''''''''"´ 　 r''"
　　!-‐''ﾞ　 ',　　　l｀ヽ.　　｀''''''''""　　　　 |　　　　　　　 /
'"´　　　 　 ﾞ､　　.|.　 ﾞ､　　　　　　　　 ／!　　 　 　 　 /





　　　　　　　　　　 |　 l ｀ヽミﾍ　ヽ､　　　　, 〃　　　 　 /　 !　|　,/
　　　　　　 　 　 |､ﾄ､　＼　ヽ､ へヽ､　　/ 　'"´　　　 /　 /　 ﾚ/
　　　　　　　　　 l　 ＼　ヽ､_　　｀/　.:ゝ､　ﾉノ_,,,.､-‐ｧ'　 /　　 /
　　　　　　 　 　 ヽ　　ヽ､|　　￣/　.:/､／''"´　　　 / ／　 　 /
　　　　　　　　　　＼ヽ､ /　　　/ .:::/ 　 　 　 　 　 〈'´ イ　　/
　　　　　　　　 　 　 V,イゝｰ-,/ ::::/　　　　　　_,,.=ミ､ヽ〃　/´
　　　　　　　　　　　 |fｌ:|￣ __/ ::::/ヽ/　l＿_,.zr=ﾆ´￣ !:lr‐､l　　　　　　　　　　　あと、動きがなおはさんの真似に囚われすぎだぜ。
　　　　　　　　　　　 l ﾘ|!　 ､/ ::/u､〈　 `''´ ィ'´￣ﾟｱ　|ﾉ|ﾃ/
　　　　　　　　　　　 ヽjl:､　/ :/￣　 ,　　　 ｀ ￣´　　 !::l /､　　　　　　　　　　　　おまえ、結構戦闘中は勢いに身を任せるタイプだろ。
　　　　　　　　　　　　 | ﾄl /::/　　　 |　　　　　　　 　 lﾘノl　l　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　 l lr//　　　　､　　　　　　　　　/ | ｿ ,'　　　　　　　　　　　　　少しシミュレーター内で機体構成を弄ってみろ。
　　　　　　　　　_,. -一| /'､　 　 ､＿ヽ__∠＿,,.ｨ 　 /_／　l-､
　 ＿＿_,,.､‐''"´　　　　l　　ヽ、　ヽ､二二__フ´ _,,ノ'´　　 l 　｀ー- ､_　　　　　　　　　もっと攻撃的でいいんじゃねえか？
￣:::::::::::／　　　　　　　 l　 　 ﾄ　　　-‐‐-　　./　　　　　/　　　 　 　 ｀ヽｰ--
:::::::::::::く　　　 　 　 　 　 ',　　 | ヽ　　　　　　/l 　 　 　 /　　　　　　　　　ヽ:::::
:::::::::::::::::＼　　　　　　　　'　 　l　 ＼　　　／ ,'　　　　/　　　　　　　　　　/::::::
::::::::::::::::::::::＞､　　　　　　　 　 ＼ 　 `ｰ''´　/　　　／　　　　　　 　 　 ／::::::::

3443： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 21:01:21 ID:og/RYeAA0

　　　　 ＿＿＿_
　　　／_ノ 　 ヽ_＼
　 ／（ ●）　（ ●）＼　　　　　　　やってみますお。
／ ::::::⌒（__人__）⌒::::＼
|　　　　　　 ￣　　　　　 |
＼ 　 　 　 　　 　　 　 ／




　　　　　　　　　　!　,/／::::::::::::::::::::::::::::::::::::／　　／:::::::/:::ﾉ
　　　　　　　　 　 l|〃::::｀ヽ､　::::::::::::::::::::／　　／::::::::::く::/⌒
　　　　　　　　 　 l|∠＿::::::::＼:::,,. -‐''"´￣￣｀`ー-､:::::＞-､
　　　　,. ‐''"´￣＿＿＿￣＞''´　　　　　 ,. -‐＜￣:{rヽ::::::::ア
　,. ‐'´,.　-‐'''"´ヽ｀ヽ､ ／　　 r､　　　 ／,. -‐‐　ヽ:::lゝl|::::,.ﾍ
-‐''´　　　　 　 　 ＼／　　 　 |　ヽ､／／ _ｨｯ７　　l:::l_ﾉ／　 l
　　　　　　　　　　　 | 　 　 ＿」　　　ﾉ ｨ ｰ- ' 　 　 |:／　　　 l
　　　　 　 　 　 　 　 lr‐､‐''二ﾆrﾃ　　　　　　　　 /　　　　　　|r‐‐-
　　　　　　　 　 　 　 l　 lヽ ｀ ｰ'´ l　　　　 　 ､　/　　　　　 　 l　　　　　　　話し方、もうちょっと崩していいぜ。
　　　　　　　 　 　 　 |　 l　 ＼　　 ､_ r‐　 _ノﾉ/　　　　 　 　 /
　　　　 　 　 　 　 　 |　 |　　　/ヽ.　､_,-‐'´'´〈　　　　　　　 /　　　　　　　　お互い、品の良い生まれでもねえんだ。
　　　 ,.‐-､＿　,.--､ﾉ　｜　__/　__＼ ヽ‐=＝''＼　　　　　 /
　 　 〈　､　＼｀ヽ　 `|　 l'´／／　ﾉ　 ｀ヽ､　　　 ヽ　　　 /　　　　　　　　　　「分かったお、クーガーさん」
　　　 ヽ　ヽしj　 l　 ﾉ　 ヽ‐'　 ／　　　　 l`ｰ-‐'´ ＼
　　　　|　　　 lr‐lヲ´　　 　 ／ヽ、　　　 ､l:::::::::::::::::::::〉　　　　　／　　　　　　よし。
　　　　j　　　 `‐'　　　　　/::::::::::::`ｰ┬-､ ヽ::::::::::::::;/　　　　／::::::
　　　 / 　 　 　 ﾉ 　 　 ／::::::::::::::::::::/　　＼l:::::::／/　　　　 l::::::::::
　　 /　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::/o　　 　 l::/　/　　 　 　 l:::::::::

3444： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 21:02:35 ID:og/RYeAA0

　　　　 　 　 　 　 ﾄ､ヽ　　　`ー　-　　　＿　　　
　　 　 　 　　 　 　|　', ＼ 　 　 　 　 　 　 　 　｀ヽ,　 ﾄ 、　
　　　　　　　 　 iヽ| 　＼　＼ 　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ|　 l
　　　　　　 　 　|　　　　 ＼　＼　＿　　　　 　 　　　　　|
　　　　　　 　　 | 　 　 　 　 ＼　 　 　 　 　＞┬┬―＜L＿＿＿　
　　　　　　 　 　i 　 　 　 　 　 　 ￣￣　＞ｲ__」__」＿　{r―┬――＼　　　
　　　　　　　　　ヽ,　　　 　 　 　 　 　／,ィＴ　￣ヽ;;ヽ,　 7｀/ 　　　　 ヽ　　　　　　　　　　　　　　　しかし、惚れた女の為にネクストに乗る、か。
　　　　　　　　　 　＞　　 　　 　/￣ ヽ'　i |　　-＝=､` /∠ﾊ、　　　　ﾉ　　　
　　　　　　　　　 /　　　　 　　 〈　　　i l|　||　　　　　　::`マ　　　￣`…　　―　　　　__＿＿　　　　　いいじゃねえか。好きだぜ、そういうの。
　　　 　　 　 　 /7/´i　　 　　 　ゝ、　Nﾄ、|　 　　　　.::::. 　>　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀
　　　　 　 　 　　/ 　 〉 ﾊ　 　　|　　7　　　　　　　　　　　∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　荒んだ世の中だ……
　　　　　　　 　 　　　|/ ﾉ/|　ﾄ､|　　 ＼　　　　　´ｆ===┐i　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　
　　　　　　　　　 　 　　　　jﾉﾘ￣￣￣￣￣￣￣ヽ`ﾆﾆ'　|￣ `ー―　　―　　、　　　　　　　　　　　　　　おめえみたいな奴が一人くらい
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　|　　　 　 　　　　　　|　　　 {＼　　＿＿＿＿　　　 ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　 　j　　　　　　　　　　　ト　＿ﾉ　/´:::::::::::::::::::::.......、　　　＼　　　　　　　　　　　いてくれた方がおもしれえ。
　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　 　 　|　　　　/:::::::::::::::::::::::::::::::::/　　　　　＞、
　　　　　　　　　　 　 　／　　　　　　　　　　　 　　|　　　∧/　￣￣￣￣￣ﾚー――'´　　ヽ　
　　　　　　　＿＿　,＜　　　　　 　　 　 　 　　 　　l　 　.'　/　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　￣
　　 　,...::::´:::::::::::::::::::::::::::＞―　-　、　　　　 　　 　',　/　/　 　　　ヽ　 　/　
　　／::::::::::::::::::::::::::::::::／　　　　　　 ヽ　　　　　　　 ∨　〈 　 　 　 　 ＼/　　　　　　　　　　　　　　　／





￣｀`ｰ-- ､＿::::￣`'''ｰ-､　　　 ,　　　,.-――――--､_
‐-､__::::::::....　::...　ヽ､:::::::::｀'‐／/__,／::::::::::::::::::＿__,,,,,,....二ﾆ
　　 く￣､￣｀`''ヽ､..__:::::...::::l:::/:／:,.､-‐''"´￣
‐‐-yゝ､l:`ｰ―---､,,,二ヽ_」」/／::ヽ、
::／　 ｀'''ｰ---―‐''''''''''`ヽ　￣ヽ、::::l
ﾐ`　　　　 /´⌒ヽ、　　　　　　-､ l_,ノ
ﾞ､＝＝==-'､0＿　 !　　　　　　　ヽ＼
:::ﾞ､　　　　　 　 |￣!＝=‐､　 r‐､　ヾ:::|　　　　　　　「それ、どういう意味ですかお？」
::::::ﾞ､‐-､ _　　　|　 |!　 　 ｀＼0_j　 ├'
::::ミﾍ､,,＿｀ヽ、|　 |!　　 ／⌒ﾉ＼／　　　　　　　　 おまえも大概大バカ野郎だなってことさ！
/ヽ　|'ｰ‐-ﾆ＝､｀`ヽ､／　　'´|　| |＼
　　｜::::::::::::::::::::￣｀''＝=､＿ l.__| |　 }　　　　　　　　ハッハッハッハ、ハァーーー！
　　 |:::::::::::::::::::::::::::::::::￣`‐７'　｀7ｰ‐'ﾞ
　　j‐-､＿:::::::::::::::::::::::::::／　 ／:/
　　l　　ヽ　＼::::::::::::::::/ 　 ／Ｗ
　　|　　　　　 ヽ:::::::::/　／
　　|　　　　　　 |:::::/　/
　　l　　　　　　ﾉ:::/　/
-､　｀ヽ､＿,,／:::/　/
:::::＼ヽ､｀'''ｰ‐''"　.ﾉ

3445： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 21:02:55 ID:og/RYeAA0
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

3446： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 21:09:08 ID:og/RYeAA0
〜TIPS〜
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／!
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／i:i/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／,／/　　　　　 へ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／,／_,/　　　 ィ:i{:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 . . . : :,／,／_,／ へ、　}i:i:i}!.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　. . : : ＿: :／ﾆ∥//{＞ 、__ヽ{i:i:i:i}!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、
　　　　　　　　　　　／ ＿-=ﾆ＞|ﾆ_／　-―　　￣}ij{＞ ｧー―┐.:.:.:.:.:.、
　　　　　　　　　 ∠_イ__｡ｓ≦ﾆﾆト/　r　 ￣　　,／.:.:.:.イ: : : : : : !:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　,_-=,／ノﾉﾆ=-￣i:i:i{　.:|-= ￣ ／／／.:.:.＞---r'.{:.:.:.:.:.:.:.:/
　 　 　 　 　 /ﾆ／ｰ＜-￣i:i:i:i:i:i:i;{　 乂＞./.:,ﾉ／.:.＿:.:.:./.:.:.:.}:.ﾊ:.:.:.:.:.:.:{
　　　　　　 /／ニニ／i:i:i:i:i:i:i:i:i:/:{ゝ　__　/.:.j{.:.;／_,／i}'.:.:.:.:.:.://ｰ､.:.:.:.:.:.
　　　　　　 ー‐　'⌒Vi:i:i:i:i:／ア./´,ィ⌒7.:{／／/／ニ/ー--r'/　.< ヽｰ､.:.
　　　　 　 　 　 　 　 ゝi:／.:.:.:.／.:.:.:.:.://.::::Vニ{{_ニニ{:{{!:.:.:.ﾉ__＼　＼∨:.ﾊ
　　　　　　　　　　　　　 Ⅷ}／__ﾉ.:.:.:／／::::|ﾆ/∥ﾆﾆ/.:.:}l.イ＿j{＼ 、　.∨/
　　　　　　　　　 　 　 　 ∨イ⌒.:／イ:::::::::::ト　 ＿／／.:／.:.:.:.｀ヽ:.ヽ￣
　　　　　　　　　　　　 イ.:.::／:.r'.::::::／ ￣うー＜/i:/:{:.:.!{:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾊ:.:.:.
　　　　　　　　　　　　|: !:.:j{.:.:.:.:ヽ｡ｓ≦__／i:i:i:i:i:i:_/{:.:.r:.:.{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,ﾊ:.:.}
　　　　　　　　　　　　|: !:.j{.:./-=≦:::::/i:i:i:i:i:i:,／i:ji:i:i}:.{.:.:.:.＜:.:.:.:.:.:.／ ,
　　　　　　　　　　　　 ￣ ＿ ,＼::::::.｡ｓ≦:.:〃 ィﾍ_r':.:.ゝ＜:.:.:.:トイ.:／
　　　　　　　　　　ィ/￣:.｀ヽ:.:.:.:.ヽ＿:.:.:.:/ｰ{i:ｰ ケ:.{:.／_},/ヽi:＜／i|i
　 　 　 　 　 　 ノ_/.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.;／.／⌒＞　.V／ﾉｰr,／) ゝ.._Ⅷi|i|i|i|i|
　　　__　__-‐-=≦､‐ .､.:.:.:.:.:/.: :/.:.:.:.:.ゝ’:.ﾊ￣/イノ´.V　　　|i|i|i|i、i|i|i
　　 {ヽ{ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼/＼:.:.{:. :.{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.， ､{　　 ﾉゝ.　　|寸i〈 ﾏ|i|i
　　 ヽﾊヽV.:.:.:.:.:.:＿___.:.:.:.ヽ.Ⅷ:.V.:.:.:｡ｓ≦ｰ':ト、＼　 Vハ　 |　寸〉 ＼}
　　　 丶Lﾘ￣__　　　　　￣__∨__､ノ.:.:.:.:.ィ笊ｰ ー ＼__、 ＼!
　　　　　｀ヽゝ._ヾ＿＿ー'_r‐...∨__､r笊ソﾞ
AA：ZOE　ジェフティ
【Name】
シュクヴァール
【Type】
軽量二脚
【Architect】
リコア・ハーディマン
【Status】
火力：B　機動力：A+　耐久力：E　持続力：D　負荷：E
【Note】
数あるネクストの中でも最速と謳われる機体。
武装はレーザーブレードのみ。ミッションによっては大型レーザーキャノンや追尾性レーザーを装備する。
超高速の連続QBにより敵を翻弄する。

機体出力が並外れており、格闘戦において力負けすることはほぼない。

【new】
ラズルシェニェ同様、アヴィアコルの開発思想をふんだんに盛り込まれている。
内臓武装がとにかく多く、機体の一部を欠損することが全体機能の欠損に繋がる脆さを持つ。
開発者としては、それらの高性能さと脆さを両立させるためにPA出力を上昇させたようだ。

企業連上層部の意向により、大幅な機能制限をかけられている。
企業連からは実質的な最高戦力の一人として数えられているものの、その経歴とリンクスの性質から持て余し気味でもあったようだ。
一周目での第二次ネクスト戦役におけるマーシフル、ロストワードとの戦闘時に見受けられた整備ミスによる弱点露出は、
事前にIGIOリンクスのライト・ナイセルが仕込ませたもの。自分よりランクが上の元テロリストというだけで、彼にとって動機は充分だったのだろう。
（裏を返せば、弱点が露出していてもクーガーがオルデンブルクネクストに撃破されることはないと買っていた部分もあるようだが）

結果としてオペレーターの高町なのはに目を付けられ、二機の連携により撃墜される。
仮にそれがなければ、単独でマーシフルとロストワードの二機を撃破していた可能性が高い。（ロストワードとは実力差よりも相性の問題が顕著）

3447： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 21:17:50 ID:og/RYeAA0

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　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:|斗ぅ＝ミ :|:.:.:.:.:|ｧう＝ミ: |:.:.:.:|:.:.:.:.: |
　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:{　)いﾊ　从:.:.:.:.|　)いﾊ Y:.:.: ﾉ:.:.:.:.: |　　　　　　（中から声がするて思うたら、やる夫君と……
　　|:.:|:.:.:|:.:|ﾍ:.人:.:.:　乂;;ツ　　 ＼:.| 乂;;ツ 从:.Λ:.:. /:.|
　　|八:.:.|:人:|:.＼＼ト''　　　　　　　　'''　　/:.:.:/　}:.:.:.:.:.|　　　　　　 あのストレイト・クーガーやんけ。
　　 　 ＼ 　 |:.:.:.:.:.八　u.　　 '　 　 _,　　 /彡/_,ノ:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　八:.:.:.:.:.个　　　｀　　　　　　 イ:.:.:.:| :.:.:.:. |:.|　　　　　　　訓練しとんのか……？　アヴィアコル系リンクスのクーガーが？
　　　　　　 /:/:.＼／￣　　　　 　 　 ＜ |＼__:.:|:. /:.:八|
　　　　　／:/⌒∨ :. :. :. {＼＞r≦.　　ノ| : :. :. :. :.＼:.:.:|　　　　　　　　流れが読めんわ……）
　　　 ／:.:./ :.:.:.: ∨:. :. Λニ=‐‐=ﾆﾆﾆﾆ|:. :. :. :. :. :./:.八
　　　⌒ｱ/:.:.:.:.:.:.:.:∨ /　 ∨二二二.／｜:. :. :. :. :/:.:.:∨＼
　/￣￣/::::::::::::::::::::∨　　　Ｖニ＞''´　　|:: :: :: :: /::::::::::∨__
:: :: :: :: 厂￣￣＼:: /{＿_／{⌒｀}＼　　Λ::: :: ::/::::::::::::::::⌒＼
:: :: :: :/:: :: :: :: :: ::.:}::::{／　　{:::: /　　＼j:::::＼::/:::::::::::::::::::::::::::::

3448： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 21:20:33 ID:og/RYeAA0

　　　　　　　　　　　　　 -‐━━=ミ
　　　　　　　　　 /⌒:^.: : : : : : : : : ::＞
　　　　　　　_.-=ミ: : : : ＼: : : : : : : : :V: `.
　　 　 　 .ｨ: : : : 7:〉 :∧: : :V: : : : : : :〈/: /〉:.
　　　　 /: : : : : :|/ | : :|:V: : :i : :| : : : : V〉: : ﾊ
.　　　 /: : : : : : :|i　!::斗-V: :|ー|‐|:-|: ::|:|i: : : |i
　　　 ′l: : |i :|i |i_,.ｨﾃﾃﾐ : : |N|ｨテﾐN: |:|i: : : |i　　　　　　（やる夫君、どないしたんやろか。なんで、あないに一生懸命、
　　　{　｜:::|i :|i |i　 r勿,　|:N　 r勿ﾉ !::|:|5!: : : .
.　 　 　 从::|i: |i |i:　^¨¨　　i　　　 　 」::|:|,ﾉ: ;小:.　　　　　　ネクストに乗ろうとしとんのやろ。
.　　　　　　〕: :|i |N」　　　 ,　　、　　.: /|:| : /: : :|i
　　　　　　　　|i ||:|:i＞　　　　 　 .ｨ :/::」:/〈: : : 八　　　　　　私と暮らしとった時、本当に元気になってきてたっちうに。
　　　　　　　　|i ||:|:|///〕ﾆ=-　　 | l: : :/　 V⌒V:＼
　　　　　　　　|i7⌒V|　V寸ﾆﾆ才　!: /　　　＼_,V⌒ :、　　　　なんで……）
. 　 　 　 _　--厶ヘ V　 V /⌒丶　| {　 　 -=ﾐ,V{　　,ハ
　　　　 〈,　　 / 　 　 V　V^V__/^V　|/　/　 　 ＼　/
　　　　/∧　/　　　　 }.　 }i /　Vi{　 」　/　 ______　/　　 __
.　　　 {　　V　 　 　 ,リ,　　}i　　 i{　 }i,　 ／　 　 |ー━=ﾐ」
　 　 r」　　⌒ー‐―(￣￣〉ﾑ　 /| 　i|／　　　　｜　 　 _.」Ｌ
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　 　 |　　 ﾉ　　　 ,/　　 　 　 ＼　./　　 f/―‐┐＿__　　　}　＼
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　 　 　 　 __/　) __　 　 　／ ￣ 7 : : ／￣:／ : .: /.: 八 : 八　　　　　　　　（あかん、肩ぶつかってもた）
　　　　　「{ {　し'　}　　r/ 　 　 /.: .: /＿／　⌒∨ .:/.: :)/⌒＼
.　 　 　 { 　 　 　 ﾉ　　/／ 　 人.:.:/　 ＼￣￣Y￣/＼＿
.　 　 　人 　 　 / 　 ／　　　 　 ∨　　　 ＼　＼ /　　　　＼_
　　　　　 }　 　 {　 /￣￣￣＼ 　 〉＿ 　 　 ＼　{　　　 ／　 ∧
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3449： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 21:23:34 ID:og/RYeAA0

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　　　　　　　　　　 　 /　　' ∧ ﾞ　ゞソ ﾞ　　　"　ゞン " ハヾミｰ- ..＿
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　　　　　　　　　　 / ｨ　　 {ヽ:::ﾊ　　　　　　　　　　　 ハ:::::::!　.　',
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: : : ::{: : : : : : {´｀´｀∨: : : : : : : : ∨≪∨:{
: : : ::|: : : : : : | _,．--}:-:、 : : : :; -:∨≪Ⅵ
: l : {:!: : : : : : !´　　__l! ∨:|ﾍ : }从: }: : : |ﾘ
: |:l:从: {:-: : ::ﾄz====㍉,　　 }/__,ﾑ:| }: : |　　　　　　　　　　っ。アルトリア・ペンドラゴン……さん。
: |:|: : {｀ヽ ∨:!ゞ辷:ノ　　　 （ ´¨´八.!::从
: |:|: : ｀ヾ_- ., 　　　　　　　　,　　 .: : : ト 、　　　　　　　　　　「ハヤテか。久しいな、こうして顔を突き合わせるのは。
: |:|: : ∨: 〉く: 、　u.　　 __ .,　　.ィヘ:_:_、｀ヽ
::介∧ ∨{　 Y: ＞、 　 ￣ ＜: :{ ゝ_ィ^ヽ.　　　　　　　　　　　して、中にいるのはヤルオと……ストレイト・クーガーか」
:{ .l: :∧ ∨:＼）: }ヾ:、/￣_Y二ﾆrｆ´｀ ｀　　、
:| .|:∧　＼{~ ‐}:l:!　 >‐ミ {_|＿　{ﾉ^ヽ　　 　 、__
ゝ/　∧　　　　 |ﾊ./三三∨￣ ｀ヽ. ハ　　 　〉:::::Y
_/　/ ∧　　　 /　}!ゞ三三≧--=ﾆﾆﾆ{ト-::イ:::::::::!
.　　 /　 ＼.　/　 .!::::::＞:..寸二〉::::>:::::｀ヽ:::::::::::::::|
,-=ミ　　 　.У＿.」::::::::::::::::＞<::::::＼:::Y::::::::;::::::;ノ{
　　　｀ヽ　 {　　　.|:::::::-＜::::::::}::::＞::Ⅵ:::::::::::Y:::::::l、
　　　　　　 l! 　　 !::::::{:::::::::::::└::―:-Y::o::::::::}::::::::|::＼
　　　　　　 l!　　 ム::∧::::::::::::::::::::::::::::｀::、::::::|:::_:::_::_:::::
　　　　　　 l!　イ::::::::::::::＼::_:_::::::::::::::,::-::‐'::´:::::::::::::::ト、

3450： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 21:27:06 ID:og/RYeAA0

　　　　　　　　　　　　　　＿ r―ｧ-､―- ミ
　　　　　　　　　　　　　/＞''"~"''＜⌒l　　　｀　＜
　　　　　　　　 　 　 　 7／／ヽヽヽﾔ⌒〉　　　　　＼
　　 　 　 　 　 　 　 　ψ／／/ ソﾉ }-〈 　 　 .|　　ヽ ∨
　　　　　　　 　 　 　 r{ゞ、＞''´／ / Y′　　 .|｜　 ﾊ ∨
　　　　　　　　　　 　 }ﾍゞ｀''＜彡‰ソ　 !　!　 !＼ / ｌ| ﾄゝ
　　　 　 　 　 　 　 　 V乂三∠⌒)´ !∧|　|　.｣ﾉﾚ' | ﾘ |
　　　　　　　　　　　 　 廴乂＿)ノl l 八（l　ﾍ八ｿ｀ﾒ|/ /　　　　　　　　　　　　「なんか、知ってはるんです？」
　　　　　　　　　　　＞''⌒7^Y⌒ ヽ、,人| 　 ﾍ{｀¨乂ﾚ′
　　　　　　 　 　 ／===／｀nﾍ=====＼ilＮ　 | __　/　　　　　　　　　　　　　　何がだ。あなたの方が色々と知っているのではないか？
　　　 　 　 　 　 ＼=／===l.l= ＼===／　|　 |　／
　　　 　 　 　 　 　 ´/====|.!==== <´≧〈从 |´　　　　　　　　　　　　　　　　　彼を一度、戦場から離れさせたのはあなただと聞く。
　 　 　 　 　 　 　 ＿≧s､_ﾉﾊ_==== ﾏﾆﾆゝ-`‐…￢冖ニニアl
　　　　　　　_　＜ﾆ／ﾆ二二Y ￣￣ ニニﾆr'ニニニニ＞''´ =|　　　　　　　　 ……ドア越しに見るに、随分活気づいているようだが。
　　　　 r＜ニニ／ニニニﾆ/二二二ニニﾆ|ニニニ／二二ニ|-｢ヽ∧
　　　　 ∨=ニニニニニ二/二二ニニニニニニニニニニﾆﾆ上′ﾆﾆ＼
　　 　 　 Vニニニニニ／:⌒"''＜ニニニニニニニニニニニニ乂ニニﾆ
　 　 　 　 {／ニニﾆﾆ/　 :　　　　 ｀ マニニニミニニニニニニニﾆ＼ﾆﾆ
　　 　 　 <=／ﾆﾍ二/　　:　　　　　 　 ｀'マニニニミニニニニニニﾆﾆ＞
　　 　 　 〈´ﾆﾆ二∀　　　　　':, 　 　 　 　 ｀'マﾆﾆ／冫､ニニニニニニﾆ
　　　　　　}／二二{　　 ,'　　　 ':, 　　　　　　: :￣i　.ｲﾆ=}｀''＜ニニニﾆﾆ
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　　 ∨二二ニニニ＼ /二二/二二ニニニニﾆ|





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―　　- 　 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　´　 　　 　　　　｀
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　　　　　　　　　　　　　　 /　　, 、　 　　　 　　ヽ　 ｀
　　　　　　　　　　　　　　´　 　!　ヽ 　 　 　 　 Ⅹ!　　∨
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　　　　　　　　　　　　　　| !　　ﾄ近丶|＼|近八　 !　　、＼＼
　　　　　　　　　　　　　 ∧.　 八　　　、　　　´_| |　 　ヽ　.＼ヽ　　　　　　……皆目見当つきまへんわ。
.　　　　　　　　　　　 　/　ヽﾙ ,_ 丶 　‐　　 ｲ、.! !ヽ　 　＼ 　＼＼
　　　　　　　　　　　　/./|　／　　 ,l:::::-::::::::::〉 ヽﾘ ;　i 　ﾄ、＼ 、i 　}　　　　精神的にやられてもうて、普通に生きさせてあげよう思うて、
　　　　　　　　　　　 { ｲ .! _｀￣7 .//｀´￣i:::|　｀/ヽ―.、i.ﾊ 　ヽ
　　　　　　　　　　　 ヽ 　/:ﾊ￣__|:::＼ ／:::::い　.／::::::::.、 ﾚｿ/　　　　　　　 コロニー・アマツで一緒に暮らしました。
　　　　　　　　　　　　 ／::::::::〉.|_|::::::::|||::::::/∧　八::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　ト===/..:::::::::::::≠ ´:::::::::∨　 i＝＝＝)　　　　　　　　　　でも……急に戻る言い出して、今ではああですわ。
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　　　　　　　　　　　　 ｿ　.ｿ.、::::::::::!!::::::::::::::::::::!　　ヽ　　 〉
　　　　　　　　　　　　/ 　!　.{＝´:::≧::::::｀＝´!　 　 }|　　丶
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3451： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 21:31:00 ID:og/RYeAA0

　　　　　　　　　　　　　　 　 　_　-――――-　_　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　∠　　　　　　　　　 　 `　､＿}_
　　　　　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　､　` ､⌒ヽ
　　　　 　 　 　 　 　 ／　　　 　 　 /　　 　 　 　 　 ＼ 　'， /
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　　　　　　　　　　 '　　　′　　　/ 　 　 　 　 　 |　 　 |　 　､ノ}
　　　　　 　 　 　 ｌ{ 　 / 　{　　 /{　　　{ 　|　 　 |　 　 |￣ア}ノ＼
　　　　　　　　　 八 　|　　',　　ｌ 　、 　{ 　l　、　|　 　 |／　ﾊ___ノ
　　　　　　　　　 　 ＼|'， ∧|　|　　＼_{＼|＼＼|　 　 | 　/ /⌒}　　　　　　……ハヤテ。
　　　　　　　　　 　 　 | ∨ｬ竿ミ　　　 　 斗竿ミ|　 　 |／ /__ ノ　　　
　　　　　　　　　 　 　 | ∧ 　Lソ　　　　　　Ｌソ |　 　 |ヽ/⌒＼　　　　　　　「は、はいっ？」
　　　　　　　　　 　 　 |　ﾊ　　　　　　　　　　　　|　 　 |ノi:i:i:i:i:i:i:＼
　　　　　　　　　 　 　 l 　込、 　'　　　　　 　 　 |　 　 |＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:'，　　　　　私は人の心の機微に敏い方ではない。
　　　　　　　　　 　 　 |　 　| ＼　　 r_、　　　　 ,|　 　 |､ｉ:i＼i:i:i:i:i:i:i:}
　　　　　　　　　 　 　 |　 　|　　 　、　　　　 　ｲｌ|　 　 '{i＼i:i:）_ｉ:i:／　　　　　　だが、彼をああしたのはあなたではないのか。
　　　　　　　 　 　 　 人 　 |　　 　 l｀　‐ 　´ 　 ｌ|　　/i:V⌒i:￣{
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ､| 　 　f≧======≦_| 　,'⌒i{i:i:i:i:i厂　　　　　　　　 彼が立ち直るまで、ああになるまで、傍にいたのはあなただ。
　　　　　　　　　　_-=ﾆﾆ=-　__ﾉvﾆﾆﾆOニニﾆ=|／二⌒⌒^
　　　 　 　 　 　 _-=ﾆﾆﾆ／ニニ＼ﾆOﾆﾆﾆﾆﾆノﾆﾆﾆﾆ≧ｧ≦⌒＼　　　　　　　
　　　　 　 　 　 _-==ﾆﾆ {ﾆﾆﾆﾆﾆ／＼ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆニ'，
　　　　　　　 　_-=ﾆﾆﾆﾆ〉二二ﾆ＼／二二二ニﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ'，
　　 　 　 　 　 _-=ﾆﾆニ/ﾆﾆﾆﾆニ/二二二ニﾆﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ'，






　　　　　　　　　　 _ - ‐─‐ -　　､
　　　　　　　　　／　 , - ´　　　　　＞､
　　　　　　　 ｨ/　 ／　　　　　　 }　　 ヘ
　　　　　　 r'7ヽ /　　　 /　　　 i　.i　 　ﾊ
　　　　　　〈ﾐヘ /　　　/　//　 ﾊ　i　 ﾊ: ﾍ
　　　　　　〈ﾐ{丶{: :　i　{从ﾘﾚｲ i i　ﾊ ｨ }: :i}
　　　　　　 〈ﾍヽi: :　iｬ示ﾃ-､ ﾘ　ﾚｨﾁ从 ｲi　　　　　　　もしも中に入るのであれば、ヤルオによろしく伝えておいてほしい。
　　　　　 ／ヽi:(i: :　i ゝ-' 　　　　弋ﾉ / ﾉﾘ
.　　　　 r´:::/:个i: :　i i　　　　　 丶　/イi　　　　　　　　　私は失礼する。
　　　　 ∨::ﾚ::::|::'; :　i::i ､　　　_ _　 /i iiﾘ
　　　　　＼＿」__ﾑ: :iﾘ=＞　 __　イ:: ﾊi　　　　　　　　　　　「えっ、ちょっと、待っ……」
　　　　　　 <i::::i:::::ﾑ: ',{:::::::::o}:::ﾄ- ､i:: ir‐、
　　　　　 ／´ヽく::::::ﾍ{::::::::::oく::::::::::ヽi::::::::＼
　　　　 /:::::::::::::＼:::::::::::::::::::::/＼::::::::ﾊ::::::::::::ヽ

3452： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 21:32:12 ID:og/RYeAA0

　　/　　　　　　　　　　　　i　　　　　　＼　　　　}　>
　 /　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　.|　／　ﾚﾍ、
　,　　　　　　　　 ヽ　　 i　 .|　　　　　　　|、　/　} ノ
　i　　　　　 .l　　　 i　　.ﾊ. ∧.i　　　　　 .| l /　　|' ﾞ;
　|　　　 .|　 i　　　 .| ／! }/　}ﾊ　　　　　.|,ﾉ　/ ./"
　|　.i　　.|　 ﾄ　　　1. ,ﾑ斗:ｒ7 }　　　　　 |　 / ./:.:.:.:.:ヽ　　　　　　　　　　　　…………。
.　i　l　　.|　 「＼　 .ﾊ/ Ｖツ　 ':/　　　　 .|　/ /|.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ
. 八ハ　 ト　|'芯＼{　　´　　　ハ |　　　 ﾊ　/:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:/
.　　{　`:.ハ .ﾄ.}７　　　 　 　　　 }/|　　　.j　ｙ:.:.:.|:.:.:.:.:.:./
　　　　　 | ヾ. :,ヽ　　　　 　 　 /　}　　　ｊ ∩こ)ﾞ,:-イ~
　　　　　 ｌ　　　|＼　 _　-,　　　　ｲ 　.,v⌒／: :ヽ:.:.}　　　　 _____,,
　.　　　　 ｌ　　 .|.　　　､ ´　　　／ﾉ-ﾏ｀／: : : : : :’、_ . : : : : : : : :
　　　　　　丶　 i　　　　　`ｰ ' >r"f ﾞ／: : : : : : : : /: : : : : : : : : : :
　　　　　　　 丶 ，　　　　　　⊂ﾞ_／: : : : : : : : ／: : : : : : : : : : : :

3453： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 21:32:24 ID:og/RYeAA0
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

3454： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/23(月) 21:35:07 ID:og/RYeAA0


　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',　　　　　　　　　今回はここまでだ。
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ　　　　　 クーガーを出すときは私も結構戦々恐々している。なんたってみんなの兄貴だからね。
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ　　　　最大限かっこいい兄貴として書いていくつもりだ。
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ





　　　　　　 　 ,- ‐‐ -　､
　　　 　　 ｒ‐ｲ: : : : : : : : :｀,
　　　　　　i /○　○: : : : /　　　/｀ ､
　　　　　 　i_ _ _ : : : : : : :{　 　 / : : /
　　　　　　 ｀,_　_｀=-: : : :| 　 ノ : : /　　　　　　次回は来週の月曜日、11/30の午後八時からとしよう。
　　　　　　　i: : : : :_: : : : :'y´ : : : /
　　　　　　　｀-‐､´: : : : : : : : : ／　　　　　　　　シーユーアゲイン。
　　　 　 　 　 　 ﾉ : : : : : : : : i´
　　　　　 　 　 / : : : : : : : : : :|
　 　 　 　 　 　i: : : : : : : : : : : !
.　 　 　 　 　 （｀ー‐-　　-‐　_}

3455：安価のやる夫だお：2020/11/23(月) 21:37:25 ID:uPo0S8Hg0
乙でした

3456：安価のやる夫だお：2020/11/23(月) 21:49:11 ID:v/HNzad20
乙ー

3457：安価のやる夫だお：2020/11/23(月) 23:13:50 ID:0zO4ssac0
乙です

3458：安価のやる夫だお：2020/11/24(火) 22:55:22 ID:vLm70HWs0
乙でした

3459： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/30(月) 20:06:51 ID:iFRqp77g0
　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
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　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
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　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
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　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
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　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

3460： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/30(月) 20:15:44 ID:iFRqp77g0
　　　　　　　　　_　_　_
　　　　　　　／: : : : : : ｀i
.　　　 　　　i: : : : : : : : : :!
　　　　　　　､: :○: : ○: :!
　　　　　　　 i: : : : : : : : : i
　　　　　　　 l: : :,, --_ｯ: :',　　　　　　　　　　みんな元気かな。元気だといいな。祈ることしかできない。
　　　　　　　 丶 ｀‐'´: : : :ﾉ
　　 　 　 　 / ´: : : : : : : : ｀ヽ　　　　　　　　　そしてみんなにもモコイさんの無時を祈っていてほしい。
　 . 　　　　/: : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　 , -‐': : ,: : : : : : : : : : : : : :ヽ　　　　　　　　というわけで今日の投下を開始する。
　　／: : : ,-ｲ: : : : : : : : /｀丶: : : :､
　 ｒ⌒ ,／　/: : : : : : : : i　 　i: : : : i　　　　　　　　頑張れやる夫君、はやては未だに君を男として見ていないぞ！
　 ` ‐ '　　/: : : : : : : : : |　　 ! : : : |
　　　　 　 i: : : : , _ -‐ ´,) 　 ｀ ヽ _|
　 　 　 　 (_ _i￣(_　-‐'´i
　　　　　　|　:|`‐´i : : : : |
　　　　 　 |: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
　　　　 　 |: : : : : |: : : : : !

3461： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/30(月) 20:15:55 ID:iFRqp77g0

　　 　 　 　 　 　 　 /　 　 〃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　 　 　 /　　　/　　　　　　 　 　 　 　 　 　/　　 　 　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　　　　′ 　 //　　 　 　 　 ! 　 ／ 　 　 〃　　　　 　 　 　 　 　 、
　　　 　 　 　 　 ,　　　ｨ/| 　 　 　 　　 |　/　|　　 /{/　　 　　　　　　　　　 　 ,
.　　　　　　　　 ,′　/ l{' |. 　 　 {　─-| /　│ //| |'　 　 |　　　　 　 　 　 ﾍ　',
　　　　　　　　/　　 {　⌒ﾄ､　　 从　/ j/　 ｀lメ、 | |　 　 '|　　　　　　　　　　　|
.　　　　　 　 /　 　 ∧、｛|　＼ﾍ{　Ｖ　　　　│ 　 | |　　/ | j　　　　 　 　　　}　!
　　　 　 　 /　　　/　ﾍ.　|　　 l＼ =＝=ミ ､　　　 | |　 /ﾅメ、}　　　 　i　　 .′i
　　　　　 /　　　/　/　 `l|　　 |　　　　　　`　　　　 |／／jノ ,′　　　 |　　′/　　　　　――ミッションの概要を説明いたします。
.　 　 　 /　 　 /　/　　　l|　　 | 　　 　 　 　 　 　 　 =ﾐ、 　 ′　　 　 |　/
.　　　 /　　　/　　　_ｧ‐-|　　│　　 　 　 　 　 　 　 　 ヾ／　　 　ｲ　ﾘノ　　　　　　　　　依頼主はオルデンブルク。
　 　 / 　 　 ' 　// ﾄ､　/lｉ 　 │　　　　丶._　　´　　　＜.__ 　ﾉ／/　'′
　　/　 　 ,厶∠...　|　｀¨|ｉ 　　| ＼ 　 　 　` ｀ 　　 　 ,ハ/／´ ﾚ′　　　　　　　　　　　　　目標はネクスト二機の撃破となります。
　/　　／..:::.::.:::::..｀ヽ　　|　 　 |､　 ＼　　　　 ,.．r　 ´　 |
/　,／..::.::.::.::.:::::::::::::::..＼|　 　 |て /ト､`r　ｌ | 　丿|　　　|
　/..: : :.::.::.::.::.::::::::::::::::::::..＼　│　｀スrく}r‐┴く　 |　　　|
'/.:.:.::.::.::.::.:::.:::.:::::::::::::::::::::::::::}　| ／　 }＼j::::.:::.::..＼　　　|

3462： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/30(月) 20:17:17 ID:iFRqp77g0

/`''＜≧s｡.///////////／///／////////＼/////////// ＼
/////`''＜≧s｡.//////,′// ,′// ,′//ミミミＹ//／////// ハ
///////// `''＜≧s｡. //// //////{//⌒ヾ///}//彡彡////// ﾊ
///////////// `''＜ {////{///// {/{　　　 `````⌒ヾ//////// }
///／/////////////}////}///// }/}　　　　　　　　　 }////// /
,／//////／////// //// /////`''.}/}≧s｡.___　　　　　}/// ///
//////／///////／// ／//// 　 .}/}`''＜ﾊﾊ≧s｡.___///// /
//// ////////／//////////　　./ /　　　 `''＜ﾊハ//////{
////.{///// //⌒＼//_,,.､丶´＿ /イ 　 　 　 　 　 ￣}//////,
////.}//////{:::::::::::::::::::::::::::::弋⌒tｯミト---イ　　　　 ハ/////}　　　　　「撃破目標であるフラッドファルス、およびカスパールは、
//}//}//////}::::::::::::::::　　　　 :::`ー　"´:::::::彡 ノ､___/ ｊ/ }////
//}//}//////}　::::::::::::..　　　　　::::::::::::　 　 　 | ゞﾟ'’:::/// ///　　　　　　 低ランクリンクスやノーマル部隊を強襲しては機体を鹵獲、
//}//{//////}　　::::::::::.　　　　　　　　　　　　 |　　 ///ﾉ///
/ノ//{///}// }　　　::::::::.　　　　　　　　　　　　|　 ./ ／/／　　　　　　　　　解体して売却するといった矮小な小遣い稼ぎをしておりまして。
//// }///}//{　　　::::::　　、　　　 　 （ 　 　 ,,,,|　//{///
//// {///}//}　　　　　　　＼、　　　　 ⌒ 、__）///}//}　　　　　　　　　　　既に六人のリンクスが犠牲になっています」
//// }///}//}　　　　　 　 　 ｀`〜､、＿ ぃ　／ / /}//}
//// {///{//{＼　:::...　　　　 ::...、　 ￣￣´///{///}//}
//// }///}//}::::::＼::::..　　　　 :::::`:ー一　////}///}//
//// }///}//}　　::::＼　　　　　 　 　 ヽ ///／///／





　　　　　　　　　　　　　　　＞―-=ﾆ..＿_
　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　 　　 ｀ヽ、_
　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　 　 ≧=＜
　　　　　　　　 　 　 f　　　　　　　　　　　　　　　　　　≧
　　　　　　　　　　　 i
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　　　　　　　　　　 ,'　　 __ -=====-　___
　　　　　　　　　　,'=≦ニニニニニニニ≧==-　___
　　　　　　　　　 /ニニﾆ==================ﾆﾆ≧x
　　 　 　 　 ＞'ﾞ´　　　　　＿＿＿....--=====--　 ___ ｀
　　　__＞'ﾞ´　_...＞r ==-､__　i}! ｿ イ≦二三ミ｀ヽ=、 i≧
-=≦ ＿＞'ﾞ´::::::::i!　r= ｔ::ｯ }｀ ´　 〃、弋:ﾂ｀　　 Yﾊ i! ヽ
=ﾆ二::::::::::::::::::::::: !i:　｀¨¨¨/　 ,'　 　　 ｀¨¨¨´　　　Yﾊ !
:::::::::::::::::::::::::::::::::::i !　　　 ,'＿/　　　　　　　　　　　,'=ﾊ }　　　　　　「これでも貴重なネクスト戦力故、対処されずじまいでしたが……
:::::::::::::::::::::::::::::::::::i !}　　　ヽ、 _｀ヽ　　　　　　　　 ,'＝ i! !
￣｀¨¨¨¨¨¨¨ー=i! !i!　　 　 ゝ=-　　　　 _,　}　　 , ヾx i i　　　　　　 最近の横暴は目に余るものがあると、上層部は判断しました。
　　　　　　　　　 i iﾊ　｀ｒ―――--=='ﾞ´ﾊ　{　　 ゞ=ｲ i i
　　　　　　　　　 i ii！　ゞ==三二ﾆﾆ=＼:ヽ i!　　　/　i! i　　　　　　　しかし企業連は動く気配もなし。我々も自社ネクストを
　　　　　　　　　 i i ∧　　　｀こ二´￣｀　ヽ ＼.　 /ヾ i :!
　　　　　　　　　 i i　 i! 　　 ,' /　　 　 　 　 ＼ｿ_/　　i :i　　　　　　　　出す余裕もありません。よって、貴方に当機の撃破をお願いしたいのです」
　　　　　　　　　 i i　 i!ヽ.. -‐=、　　　　　 x≪´　　　 i {
　　　　　　　　　 i i 　i! ﾍ::::::::::::｀ヽ== ≪　　 /:.:. 　　 i i
　　　　　　　　　 i i:　ﾘ　 ｀ヽ==='´　　 　 　 ,':.:　　　　i i
　　　　　　　　　 i i_ノ　i!　　　　　　　　　　/: :.　　＿_.! !__
　　　　　　　 ＞' ! !　　:! 　　　　　　　　　/__...x≪ニ=i iニ
＿＿__...＞'ﾞ´/=/! ! 　　＼　　 　　 　 _x≪ニニﾆ＞'ﾞ:i i__
　　 　 　 　 /=/ i i =‐-､.　　　 　 　 /ニニニ ／　／i i

3463： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/30(月) 20:18:29 ID:iFRqp77g0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣｀`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ''´
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／　 　 ／　　　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　 .／　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　　　/　　　　　　　/　 /　/　 |　　　　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '　　　　　　　― -.| ./|: /:|　　　　}　　　　　 　 　 :',
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　 .|　　　　　 ／|／　|/｀|/､:} ､　　./　　　 　 　 　 　 :',
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |/　　　| |　　　 Ⅳィ巧≠ミ､　　 i .∧ ∧＿　　　　　　　　}:',　
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　 　.|人 : ト､{　 {r' J ﾘ　　　　|/　}/　}/| ヽ　　　　　　,' ﾘ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 /　 　 /γ | ヽ| |　　,,｀~~｀`　　　　　 ｨr'示k.}　　　 　 ./　,' /
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　 　.八 ゝ:.|　　 {　　　　　　　　　　 　 ゞzソ 》　　　　/|: /
　　　　　　　　　　　　　 　 /　　 　 　 ｰ :|　　 |　　　　　　　 　 　 ,　　　／　　　 ／ .}/　　　　　敵機は旧北米エリアの山岳部に潜伏中です。
　　　　　 　 　 　 　 　 　 / 　 　 　 　 　 |　　 |　　　　　　｀ ー ､　　　 ⌒7／}／
　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　r.∧　　∨s｡　　　　　　　　　　ノ　´/　　　　　　　　　　　 細かなミッションプランはお任せします。
　　　　　 　 　 　 　 　 / 　 　 　 　 　 |　∧　　∨　〕ト｡　　　　　＜i　　 |/
　　　　　　　　　　　　/　　　　　 .-==∧ .|∧　　∨ヽ__/> ¨´　 　 /|　　 |　　　　　　　　　　　　　確実な任務の遂行を期待します。
　　　　　 　 　 　 　 /　　　　／ニニニニﾆ∧　　∨　} 7｀ヽ　　.:/ :|　　 |
.　　　　 　 　 　 　 /　　　　/ニニニニニﾆ=∧　　∨r -ﾐニ> ／　 i　　 |　　　　　　　　　　　　　　では。
　　　　　 　 　 　 /　　　　/ニニニニニニﾆ=∧　　∨　　)　＼ニﾆi　　 |
.　　　　 　 　 　 /　　　　 {ニニニニニニニ=-∧　　∨¨´ヽ｀　 Yz_i　　 |

3464： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/30(月) 20:18:39 ID:iFRqp77g0

　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　　　　_＿__._ _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └‐ｫ |UU　 `
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 くノ　　　　　＼ ,,_人､ノヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　)ヽ　　　　（　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ -　＜　　　　　　 ＞━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣　　　)　　　　　て
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／^⌒`Y´^＼　　　　 ._ _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＵＵ/7
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 くノ

3465： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/30(月) 20:18:54 ID:iFRqp77g0

┌───────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　......│
│　　　独立傭兵ネクスト二機を粛清せよ　　　　.│
│　　　依頼主：オルデンブルク　　　　　　　　 　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　......│
└───────────────────┘

3466： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/30(月) 20:27:59 ID:iFRqp77g0

　　　 ,,, ＝＝＝＝,,
　 　〃　　　　　　　　＼
　/ 《　　 　⌒　　 ⌒ 　ヽ
　|∩||　　（ ●） 　（●）　}}　　　　　……。
　|∪《 　 ⌒（__人__）⌒∥|
　 ＼　 ミ三三|￣|三彡／
　 ノ卜 ＿＿＿兀 ＿ イヽ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
久々に搭乗したコックピット内で、シートに背を預けて脱力していた。
少し前までは、いつだって肩に力が入っていたが、今は違った。

クーガーに言われたのだ。
いわく「能ある鷹は爪を隠すと言うが、俺としてはこう言いたい！
能ある鷹は普段ゆるいと！　50%の力でなんとかなる時は、
50%の力の方がいいに決まってる！　狩りの時に100%であればいいのさ
普段から100%を出そうとして60%くらいしか出ない奴らよりはだいぶマシだ
大事なのはメリハリなのさおまえもリラックスして堂々と胸を張り」と。
それ以上は聞き取れなかったが。

とにかく、無駄な力はできるだけ抜け、ということだろう。
感傷を浮かべぬよう、思考を鎮める。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3467： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/30(月) 20:28:09 ID:iFRqp77g0

┌────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　　　　　　　　　＿_⌒＞:.ミー‐､　＿＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│　　　 　 　 　 ⌒＞―:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀:....、　 ＿　　　　　　　　 　 .│
│　　　　　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.く⌒:.:.:.ミ ､　　　　　　　.│
│　 　 　 　 ／:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.:.:.:.ヽ　　　　　　│
│　　　　　/／/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ.:.:.:.:.:.:.:.ﾊ　　　　　.│
│. 　 　 　 　 /:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:ｲ:.:.:ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.　　　......│
│　 　 　 　 /:./:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:|:.:.|:./ |:.:/　 ｌ:.:.:.|:.|:.:.:|:.ｌ:.:|:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.　　　....│
│　　 　 　 ,:.:/:.:.:.:.:j:.:.|:-|‐十十ト |/　　 |十|十‐|-､:|:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i　　 　 │
│　　 　 　 |ｲ:.:./:.:.:|:.:.|:.ﾊ|　V 八　 　 　 |ﾊﾉ 八ﾊﾉ:.|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　...│　　　　　ミッション開始。久々の実戦なわけだけど……
│　　　　　　|:.:.ｌ|:.:.:ﾊ:.:.:.-r竓芹坏　　 　 竓芹抃-|ﾉ:./.:.:j:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　...│
│　　　　　　|:.:.||:.:.:| |:.:.:[　 辷ｚリ　　　 　_辷ｚツ　/:/:./:ﾘ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |　　　...│　　　　　急にアセンブルを変更して大丈夫？
│　　　　　　ヽ八:. | |:.:.八　 　 　 　 ,　　　　　　 /:/:./:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |　　　...│
│　　　　　　　　 ヽ|八:.:.:.ゝ 　 　 　 ｀　　 　 　 /ノ:./:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　...│　　　　　　「テストはしてきましたお」
│　　　　　 ＿　　 　　＼:.:ト　　 　 ｰ一 　 　 ／:.:/イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　...│
│　　　　 /ニﾆ=-　__　　V＼:＞　　 　 　 イ /:.:./　 l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　...│　　　　　　言っておくけど、これは最後のチャンスだから。
│　　 　,ｲニ7　 ｰ=ニﾆ=　厂/ ￣ ７‐≦zノ/:.:./　　.| :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　...│
│　　／}}:ﾆ7　 ＼　　 辷7　〈　　 /天ヽ　 /:ノ 　 　 | :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　...│　　　　　　　かなり無理して取ってきた依頼だし。
│　 ′ﾉ'ﾆ7　　　〉　 　 /　　 ヽ／/Ｙ]　∨　〕ﾆ､ 　 .| :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　...│
│　 ﾚノﾆ7　 　 ∧　　　＼　.／| 〈_//　/　　|-ニニミx__:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　...│
│　 /ニ7 　 　 /∧　　　 ／.　 |―-.、∧＿_|　　-ニニニヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　...│
│. /ﾆフ　　　 /::::::::.　 　 ＼ 　 |ニニ/　 ＼　　　　 　／ﾆ=i:.:.:.:.:.:.:.: |　　　...│
│/￣　　　　./:::::/辷､ 　 　 ＼:|ニ=/　　 ／　　　 ／　　 ﾆ|:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　...│
└────────────────────────────┘

3468： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/30(月) 20:29:40 ID:iFRqp77g0

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│　　　　　　　　　　 ｉ丶|:.|:.:.:.:|:./斥拆心　／ 　/,≠､|:./:.:.!:.|:.:.:.:ｉ:.: |　ｉ:|　　　　　.│　　　　　　けど、チャンスの大きさは中々だよ。
│　　　　 　 　 　 　 ﾍ:.:ゝﾊ:.:. |:|《 ら::::り　　　　 ﾊ:::} }l/l:.:/:.:|:.:.:..!:.:.:|　ﾘ　　　　　 │
│　 　 　 　 　 　 　 　 / 　ヽ:ﾍ 　 辷zｼ　 　 　 う:ﾂﾉ /://:.:.!:.:.:.|.|:/　　　　　　　 │　　　　　　企業連からから煙たがられてる
│　　　　　　　 　 　 　 ヽ{:.:.:.:トヽ　　 　 　 　 　 ゞ'　／ // / |:./ |′　　　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　|:. : |　　　　　　　 　 ,　　 　ﾚ':./:/:.| }/　　　　　　　　　 .│　　　　　　 ネクスト二機の首を土産にすれば、
│　 　 　 　 　 　 　 　 　 !:.:.: ト、　　　　　 ―　 　 イ:.:.:}/:.:.:|/　　　　　　　　　　..│
│　　　　　　　　　　 　 　ﾍ:.:.:| |　 　 　 　 　 　 イ:.:.:|:.:./:.:.:.:.|　　　　　　　　　　　.│　　　　　　　君の評価だって回復するはず。
│　　　　　　　　 　 　 　 　ﾍ { l　　 ＞ 　__ イ: : |:. /::.:.:.:.:.:.: |　　　　　　　　　　　.│
│　　　　　　　　　　　　　　　/ ﾍ=、― ￣7　＼:|:/:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　　　　　　.│　　　　　　　 ……示してみなさい、君の価値を。
│　　　　 　 　 　 　 　 　 ,x/ |/|／|　　／　　／≧ｭ､:.:.:.:.:.:. |　　　　　　　　　　　.│
│　 　 　 　 　 　 　 ,､r::´/　ﾚ/≠´!　/　　 　ｉ::::::::::::::::::::::::≧ｭ､--- 、__　　　　　 │
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　　　　　　　　　　 __´￣￣二ﾆ=　、
　　　　　　　　／　　￣´ 　　　　　　ヽ
　　　　　 　 /　/ｨ　　　　　　}i　　　　∧
　　　　 　 /ﾔ'7=ﾆ二二二≦_｣Ｌﾍ/　 ∧
　　 　 　 ;　 /＼_　　､＿　￣Ｖ⌒{ 　 / }｝
　　　　　:; 　}(●）　　（●　）　〉 人 /　/^}
　　　　　 '､ {（　ｨ'　　　　　　/／Ｌ {__/(__/
　　　　 ＿{へ≧＾ゝ､___ノ_z彡二弐≠ ＞／￣￣ミヽ　　　　　　　　ありがとうございます、なのはさん。
　　　　r{_ `ｰ=＜三＞'’ ）二二 ／　//　　　___　　　＼
　　／/ ｛＼　　｀￣　 /二二／/ 　/ｲ　　 Ｙiっ) -┐　 ＼　　　　　　『……ハッチ開くよ、構えて』
　｛　　Ｖ 〉　　　　　　〈ﾆ二彡イ　 ｛ ｛　 　 }｣つ）二! -02 |ｌ
　｛　 　 i ＼ 　 　 　 /｝ト､　　 i　 /八ヘ　　￣´　　　　　 |ｌ　　　　　　了解。マーシフル、出撃します。
　　)〉=ﾆi　　＼＿∠_//ｚ/＼　i／　　＞　_　　　　　　 　 /ｌ
　　　汀 i　　　 〔_二//￣　　 ＼　　 /￣７ 　 ＞＝-≠〈/
　　 ！| iﾄ　　　　＼　　　　 　 　 ＼/　 /　　　　　　勹[_]
　　　　　｀v 　　　　＼　　　　　　　 ＼/　　 　 　 　　/
　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　 ＼　　　　 　 /

3469： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/30(月) 20:31:39 ID:iFRqp77g0

　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ ,-||
　　　　　　　　　≦＞。 ∨ヽ.　/｀ノ¨ｌ｝　　　。≦ヽ
　　　　　　　　　|ﾟ＜　　｀∨｛.｛　ﾄｧ=ｬ　 //-‐ー　.〉
　　　　　　　　　ゝ　＞　∧ー-ヽ|i Ai|__人　＞＜く
　　　　　　　　/／ヽ　　 ヽ｝ﾍ:.:.:.:.〈ヽ__ヽ:.ヽ　 丿＼>
　　　　　　　　　　/ ＼／:.:.:.:.:〉三 /圭/三| ー､........ヽ
　　　　　　　　 ,へ//∧/ｌ|:.:.:.:.ー‐|.圭.|--' ﾄ､ﾍ∧≧ i｝
　　　　 　 　　ｌ.|___∧/　.Yヽー-､|.|圭:|_ノ､　∨　ﾑﾝ.....ﾑ　　　　　　　おやぁ……？　間違えたかな。
　　　　　　　 |:.:.:./∨/　 ﾚ-/￣回Y廿｝回ヽ ∨　ﾑ........ﾑ
　　　　　　　 ｌ:.:/∨ｲﾉ　/ ./　　　 ｌ |___|　　 ', .∨/｝...........ｌ　　　　　　　もう少しでテスト機の輸送部隊が通るって話だったじゃないか。
　　　　　　　 ｀∧//　　ｌ ./＼　　 ｌ│　|　　 /　 <ﾏ」..........ｌ
　　　　　　　 //／　　 .ゝ>＼＼. /.∨.ｌ　 .∧..........................ｌ　　　　　　　なんでネクスト反応が近づいてくるんだ。
　　　　　　 ///　　　　　/ /　〉､/　 ∨ｌ／,', ｌ∨....................ｌ
　　　　　 .///　　　　　/ヘ］/､|　|／.ﾚ', ､__|　＼...................ｌ
　　　　　.ｲｔ/　　　　／ヽ/ﾆ｝　　　　　 ｛））ヽ　　ｌ.................ｌ
　　　　 ［//　　　／ /　/　ｌ　 　 　 　 /　　　',　 .ｌﾚ　- ‐､|
　　 　 /／　　／　./　/　 ｌ　　　　　　ｌ　　　　',　 ﾑ
　　　　ﾟ　　 /　　 /､ /　　ｌ　　　 　 　 ｌ　　　 /.',〈ヽ｝
　　　　　　/A　 /　/　Y /　　 　 　 　 ト､　 /　 ',∨ヽ
　　 　 　 /　／ヽ､　 　 /　　　　　　　　　∨　　 /　　',
　　　　 ./／/　/　ｌ 　 /　　　　　　　　　　|〉‐-　|､　　 ',
　　　　　　./　/　ﾊ　./　　　　　　　　　　 〈ヽﾖ､/＼　ー〉､
　　　　　 /　/／|.i／　　　　　　　　　　　　∨_∧:.:.:.ヽ　_　＼
　　　　 / ｀¨　./:.:/|　　　　　　　　　　　　　 ￣　 ー＝＝＝ノ
　　　 ./___.。≦∨¨
　　　/三≧彡ﾟ





;;..;;;; /;:;;;./;;;;/;;;;;mヾヾl|//;;:;:;:;､;;;:;;ヾ;;;ヽ.､;; :ヽ
;;;;;;;/;; ;;;/;;;;///,'　　　　　　　　ヾ;;;;;ヾ;;;;l.|;; .;;ﾊ
:::::/;;; ;; i;;;;;.i;|l.|;l　　　　　 　 　 　 `i;;l;;;;l::l;;;i､;;;l
;;; l;;;_,,ｪｮ;;;;;;l,l|'l:l--―――― ---ﾉﾉ!;;;ﾘ;l::::j､ ﾄ
;;;;lﾆ-ーf;;;;;;l|l･ﾘ"´￣￣￣￣｀゛''/〃〃;l,,l::::ヾ;l
;;;;l;;; ;;;;. j;;;;;j;,' /　　　 ..:　 .　　　 l|{;;〃!: ﾄ､!.:.ヾ!
;;;.j;; ;;;. j';;;;//' .....-.....;;;;.　　::::-　.{l 巛.{;; i| .::: :: `i
.;;;};;;;;;;;:::::::,r・こ―、;;;;;;ゞ　{.,r・こー､:::::l;;; : :.;;;; ; j
;;ﾉ;;;; :::::/;;;;――‐;;;;:;;,.. i;　l:;;;;;;―‐::::::::l;;;;;.; ,:;' ;:;'
.;.;';;;;;;;;ﾉ"""""´´　 ::..　　 l　　　　　 :::l;;;;.;;.;;.; ;;'　　　　　　「そりゃあれでしょうよ、旦那。偽情報だったんですよ。
;; ;;;;;;f　　　　　　　　　 ,i､　i､　　　　　:l;;;;;;.;.;..　l
; ;:;;;;;l ...　　　...　　 ゝ 〃/´､,　　　 　 l;;;;;, .;;;. .ﾊ　　　　　　早めに察知できてよかったぜ。さっさとズラかって……」
;;;;;; ;;;l:::::'　 ",,　　　　'';;.;;;;:''　　　　　 ,';;;; ,'':.: ; ; ;!
;;;;;; ;;;l;;;'　　　ゝ､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ｯ　　 .j;;;;;;;.;.:::;:. ; l　　　　　　いやあ待てホルホース。ありゃマーシフルだ。
;;;; ;;;;;;l;　　　　　 ￣￣｀´￣￣　　　/;;;;;;;; ;;; ; ;./
;;..;;;;;;;ﾉ　:.　　　...::::::"ﾘ"''""":.....　 /;;;;;;; ;; ; ;;;/　　　　　　　　しかも、今回はちゃんと一機だぞ。リンドヴルムのお守もなさそうだ。
;;:;;;;;;;;l ﾍ ::...　　 :.:.: .:　　　　　:.:　,';;;;;;;;;.: : ;;;ｲ
;;;;:;;;;;;l:.::.ヽ :.:..　　　:　　 　 　 　 ,'::::::: ,;;,; ,;;　l
;; ;;;;;;;l.::::.:::::`.ヾ.､　　　.......::::::..　/;;;;　;;;;; : :: :::l
;;;;;;;;ノ:::.::.:.:.:.:.: : :`ｰ-=≡三＝‐',;;;;;;;;;; :.:; :: :.::l
彡'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;;;;;;::"__,彡;;;; ;;;; ,;;.;; ; ;;.l

3470： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/30(月) 20:34:32 ID:iFRqp77g0


　　　　　　　　　　イ￣l
　　　　　　　　　　l_l〈|￣＼　　　　　　＿
　　　　　　　 　 ／　∨ ､:::::＼　　 ／//ll＼
　　　　　 　 .／　.／／＼＼:::::丶l　//ﾞ ll　/　　./!
　　　　　 ／__ ／／ ＼　 〉､＼:::::::〈〈　 ll/　　 //
　　　　 /二＿／　　　 〉〈　l:::::ヽ／＼ У二 l//　　　　　,ｨ
　　　　　　　　 　 　 　 ll　ll 丶／:::::::::/ ｉ 　 _//_,ｨ^>─／＿_／
　　　　　　　　 　 　 　 ll　ゞ､ ＼:::::::/─‐f///　／ ／/ ￣ ヽ¨l　　　　　　　マーシフルぅ？　あのマーシフルですかい。
　　　　　　　　 　 　 　 ゞ､〈　＼ ￣_l::::::://ｉ/__/ ／イ__／l:::::l　l
　　　　　　　　　 　 　 　 ＼l　r､＼Zl〉‐ﾄ､l/ミ/ィ_/_/7l ｌ /::::::l='　　　　　　　　へへ、なら話はちげえなぁ。
　　　　　　　　　　　　　 ,､〈／ｲ |ｌl/ ｌ:::::::::〉ﾐ>¨／／ l l l/〉彡l
　　　　　　　　　　　 　 / Y￣||/＞/ll ￣ Ｙ三〉fIl ￣l l l/ ／l　　　　　　　　　　あの時は散々だったからなぁ……借りは返さねえとな。
　　　　　　　　　　　　 /　l 　 ｌl〈YY　〉─‐､─〈＞‐‐l ゝY/ /
　　　　　　　　　　 　 /　 ｌ＿_ｌｌ　 ll､/>ﾆﾆ 乍了､／ﾆﾆ彳 /
　　　　　 　 　 　 　_/∩ 　l l:ｌ ＼ll/Y〉‐─┴‐'__rr7/>ｌ　/
　　　　　　　　　　_I〈 ∪／_ ＼　/ィlミ／＿／つゞ彡/／
　　　　　　　　／　　∨ ／l ＼УU ／　／lミ/イ〉





　　　　　 ノ　　　　　　　　　　　　　　 ／: /. . . . . . .
　　　　　｛　　　　　　　　　　　　　　　{: : :i . . . . . . . .
　　　　 __}ニニニ ＞=-　　　　　　　　>!∧. . . . . . . .
-‐=≦´　　｀ ＜ニニニﾆ≧Y::::Y三三ﾆヽ_＼. . .＞'´
.　　 　 　 　 　 　｀ー=ニ三!乂ﾟﾉ三三 ＞'´¨¨¨´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿ニ
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__ニ=-‐=ニ!:/:| |
　ヾﾊヽ. | ! ﾐ｛ 　 弋 ｔ::::ﾃ≧‐-　　 ,-‐三≠7:./:: | |
　{: :.ﾊ　.| !ﾆ }､　 　 ｀¨¨¨¨´　　　/ ｀ヾﾆ彡｀:.i::　| |
彡: : :. /,.ﾘ-:,'　ヽ　　　　　　　 　 |::Y　　 　.,: { 　 ! !
ﾐ : : : /, ,'｀ヾ　　　　　　　　 　 　 |:: }　　　/: :} 　 ! !　　　　　　　　いかんせん、チンケな低ランク傭兵の身だと、でけえヤマもねえからな。
: : :.:./., ,　　 ',　　｛　　　　 ヾ:::.:.....／　　 /彡' 　 :| |
: :.:./ , ,' 　 　 ,　　!　　 ＿__｀≧´___,　 /　 　 ,ｨ　:| |　　　　　　　　　下手にリスクの高い依頼を受けるより、手負いのネクスト機やらを
:.:./　i i　　 　 ヽ　|　　 ｀¨¨こ¨¨¨´ヾjヽ'　　 （(.　 | |
!/　 :i i　　 　 　 ＼　　　　 　 　 　 ,ｨヽj＼ 　 )） :| |　　　　　　　　　　鹵獲してからバラして売った方が儲けがいい……
　 　:| |　　 　 　 　 ヽ　　　　　　／ /　 ヽjヽ（(　 | |
..　　| |　　　　　ヽ　　 ＼__/__,イ　 ,'_　　　ヽ_)ﾉ　:! !　　　　　　　　　　　さあて、この前の帳尻合わせといきますかい。
　　 | |　　ﾍ　　　 ｀ー　　　　　　 /　 ー-　＿＿ ! !
.　　| |　　　 ＼　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 | |
.　　! !　　　　　＼＿__　 ｀ヽ_／　　 　 　 　 　 　 ! !
　　| |　　　　　　　　　　　　 ｀ヽ　　 　 　 　 　 　 ! !

3471： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/30(月) 20:34:43 ID:iFRqp77g0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 j}　 　 　 /　　　　　 f´　　 ,′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 j}　　 　 /　　　　　／　 　./_
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 j}　　　 / ｀ヽ 　 ／ 　 　 ./　　 ≧ー--､-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 jI斗ｬ≦j} 　.___/ 　 /_／　　 ,.。＜　　　　　　 　 ＼＼
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,ト､/ヽ/ __　　　j} ／-/　　/　 　 　 / 　 r‐､　　 　 ＿＿_ 　＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾄ{:V: i :}: :／_:_}__／-､!- /-'´{／{_／i{ ./　 r ' 　 ー‐＜｀ヽ、　　 　 ＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　＜:jI斗＜:-:-:_'ノ/　　}､　　／　 }!　　}＿_／　 　 　 　 　 　 ｀ー―‐､_ ＼!
　　　　　　　　　　　　　　　　 _ -//ヽ　 }､:_:_/ /--､/:｝　´　　 〈 　 /　　}_　　　　　　　　　　　　　　 ＼_ ＼
　　　　　 　 　 　 　 　 　 _ -　 //__jI斗＜>､!〈　　/::/-/　{　　/　/　　//　≧s､　　　　　　　　　 　 　 ＼_ ＼
　　 　 　 　 　 　 　 　 ／, ＜ ＞ﾟ´___　　 　 i　ヽ/ﾟﾞ´／ ／　 /／｀ヽ,//　　　　 ＼　　　 　 　ゝ/　　　 　 ＼_
　　　　　　　　　　　／＜＞ﾟ´￣￣￣≧､／ >､_}_／ ／　　,／ /､__/::{------ ､_　ヽ、　　／ /　　 　 　 　 .ヽ
　　　　　　　　 _ -´　　　　　　 　 。＜___r＜|!　,　　i　ｆ 　 , ヽ　V::::r--'＜_　 r'´　{__　ｰ／ / i{
　 　 　 　 _ -　　　　　 jI斗ｓ≦、＞--- ' 　 |! ,}, ／ /　 /､_/／_｀ヽ　　　　｀ヽ__ｒ_－'i/　 / 　 ヽ
　 　 _ -　　　　　 。＜＞ ﾟ ´　 　 　 　 　 　 |!.,}　 ／ ／__,／　　}r ,} 　 　 　 　 　 ヽ/　 /　　　 }!

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輸送機から後方へスライドするように射出され、作戦エリアへと突入する。
空は灰色の雲で覆いつくされ、辺り一帯に濃霧が出ていた。
レーダーに視線をやるが、やはりECMが撒かれており、使い物にならない。

あの二機らしいやり方だ。

「カスパールは狙撃特化の機体。既に狙いを付けられてると思って」

「どの道、やることは変わりませんお」

自由落下に身を委ね、オーバードブースターのみを展開する。
少しでも速度を高めようと体勢を整え、ブレードを両手で抱えるようにして構えた。
アサルトライフルは外した。EN効率の関係と、戦法の問題だ。

背後から噴射音が轟き、モニター上の景色が後ろへ吹き飛んでいく。
やはり実際に聞くと、シミュレーターとは違う。
今までの噴射音とは一線を画するものがあった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3472： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/30(月) 20:41:39 ID:iFRqp77g0

　　　　　　　　　　　　ノ.:ノ.:::::::::::::::⌒ヽY.::::::::::::.｀ヽ::.ヽ
　　　 　 　 　 　 　 〃〃.::::::〃〃⌒ヾVｘ≦､::.｀ヽ:::::::ﾊ
　　　　　 　 　 　 〃〃:〃.::::::{::{　　　　　　　}:::::ﾉ:}:::::::::}
　　　　　 　 　 　 {{={{::::{{:::{:::八{二二二ﾆﾆミ／:ﾉ}.:::::::ﾊ
　　 　 　 　 　 　 {{:::{{ 〃八(__,ﾉ＿_ ,　 　 〃:::X/.::ﾉ:} } }
　 ― -- =ミ　　 八八{:::{.::::::て ｡ユﾉ八≧=‐-ｖ'.::〃ﾉﾉﾉ
.　 　 　 　 　 ｀Y::　ﾊﾊ:Ｙ:::::::厂￣￣{　{｀ﾆﾟﾆ:::::::::::〃/　　　　　　　　　　　おお、流石に速いな。ほれ、カスパール。撃て。
.　　　　　　 　 ﾉ.:　} :}:从::::/　　.:::::ｒ_､_}〉::..　 ｀Y::::八{
　　　　　　 ／.:::　ﾉ ﾉ.::::}}::{　 ､＿__ヽノ___,　　,::::::{ { ﾊ-,‐―――　　　　　　着弾の硬直に俺がグレネードで合わせる。
　　　　　 〃.:::　〃〃.:::八{　　トｰｰｰ-一'　 /.:::::}} }::::} l
｀ヽ. 　 　 {{::〃〃.::::::::/.:::ﾊ　　K´　　　}/　/.::::::ﾉﾉﾉ:::{ l　　　　　　　　　　　　　……なぜ撃たん？
　　i　　 〃::{{:::{::::::::::i:{八{∧　 `=‐--=′/{:::::〃〃.:ﾉ l
　　li　 _从::从八{:::::从　{　 ヽ.::::(￣ 　 .ｲ　}::::}　}　八／⌒ヽ／⌒ヽ. _
　⌒Y´ '　}ﾊ　|i　ヽ(ヽ ヽ!　　 ヽ=--=彳　 ﾉ从八ﾉ'　|_ 　.イ　　／　　 ＼
　､_丿　 　 　 |i　　　　＼＼＿＿＿＿＿_／　/　 　 し' ﾉ |し'丿／ 　 　 ｀ヽ
　､__|　　　 　 |i　　 　 　 {＼　ー-　　　　　 ／|　 　 |￣　 ｀T　 |_　 ／
　　 ﾊ、　　 　|i_　　　　　{　 ｢厂￣｢厂￣｢{ 　ﾉ　　__|_　　　ﾉヽ. し_ﾉ／
　　　　＼　／　}ト ..　 　 {i__|{＿＿l{＿＿|{／　　 (　　 ｀Y 　 　 　 / ､／





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　　　　　　　　　__ ,,;=´ヾ;,.　 /´　　｀=､.|::|/ヾi::::!
　　 　 　 　 ,,=''--='''｀==':ヽ/　,.----/､|::!.　 !:::|
　　　　　　　　￣￣ ｀';:::::::'/　/､_　,,/､/|::|.　 !:::!
　　 　 　 　 　 　 　 ／''>::{__/::,--|;;／　|::|..　!:::!
　　　　　　　 　 　 /:i.:.:.{::::::::}ヾ!　 .} >="|::|--|:::|　　　　　　　　ちょっと待ってくれって……OB中の軽量機だぜ？
　　　　　　　　　　 ヾ;';,;,';::::/|　| 　.,}--､_l::|＿|:::|
　　　　　　 　 　 　 　 　 ';/ ,>､!,,='' ,,=<. /　/-ｲ　　　　　　　　　クソッ、当たれよ！
　　　　　　　 　 　 　 　 　 //,, =''´, =､ /　/;;;;ﾉ|＿-_
　　　　　　　 　 　 　 　 　 >::＼,／　!./__/;;::::::;;{;;;;;;;/',
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヾ;::::::|　／ ／ .}'''''''{_._._ ヾ､;
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヾ;;;／ ／　|/|｀'''´|.|.|.|ﾆ! ヾ
　　　　　　　　　　　　 　 　 ,.----,´二ヽ,-､ヽ.ｲ￣/
　　　　　　　　　 　 　 　 ／ミ::::::/三ﾐi　 |/三';ヾ''"
　　　　　　　　　 　 　 ／,ヾ;､;;;;/_,,/　　　|　 |_.';く
　　　　　　　　　 　 ,,=''´ 　 >､;<　 ';　　　|　 |　|. ';
　　　　　　 　 　 ／　　 .／　　 ';,　 ';　　..|　/_/,.　';ヽ
　　　 　 　 　 ／　　 .／　　　　∧　 ヽ,イ／_/　＼i!/＼
　　　　_ ,, -,_i__ ,,,,／　　　　／ 　 ';　 //￣!:::＼　 |!ヽ、ヽ
　 ,, =/: : : /: :／: :＼ ,, = '' 　　　　 V'"　　|;;;;|　ヾ'　　_}::::|,、
／　/: :／´｀ヽ: : : :／　　　　　　　　　　 　 |.:|　　|:｀''":|:／　>

3473： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/30(月) 20:44:55 ID:iFRqp77g0

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　　　　　　　　　　　　　／ ヽ ヽ 　 ト__
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　　|　二二二ﾐヽ| |三　 ≠　　　　　　　　　r‐' 　 ∧　 l
　　|　三￣Ξ＝i| |三　≡=　　　　　　　　　＼　 {　`ｰ'
　　乂　三三　　ﾍﾍ乂　ヾ　　　　　　　　　　　`ｰ'
＿　三＝─-　　 ﾍ人≧　＿＿＿　＿＿＿＿＿＿＿＿＼＼＿＿＿＿＿＿
　　三＝───≧─三二二ラ'　　　￣￣￣￣￣￣,:':;:;:;:;:;＼＼;:;:;:;:;:;≧￣￣￣
　=三三三三;:;:;:;:;:;:'､　　　　　　　　　　　　　 　 ,.,.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:＼＼;;:;:;:;:ニ─
　　　　ニ三;:;:;:;:;:;:;:;:;:` ,,　　　　　　 　 　 　 ,,, ;:;:ﾞ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:＼＼Ξ=‐
　　　　　＝ﾆ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:　　　　　 ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:＼＼
　　　　　　　　三　,:,;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:三二＼＼
　　　　　　　　　　　＝‐ ＝　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 `ｰ'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (⌒ ヽ　 _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿)/　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 / 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ゝ─'

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重い発射音が響き渡り、PAを貫いた弾丸が装甲を抉る衝撃が伝わってくる。
ダメージアラートが視界に躍り出てくるが、歯を食いしばって動揺を抑える。
機体が揺さぶられ、姿勢を崩しそうになるのをなんとか堪えた。
AP減少値も想定内だ。
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3474： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/30(月) 20:45:10 ID:iFRqp77g0

　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.－' ￣￣ ' ｰ ､
　　　　　　　　　　 　 　 　 ,　'´ 丶. -――-　._　丶.
　　　 　 　 　 　 　 　 　 , '　,. :'´.: : : : : : :. :. :. :.ヽ, - .、
　　　　　　　　　　　 　 / ／.: : : : : : : : : : : : : :. :. :.＼ ﾍ
　　　 　 　 　 　 　 　 /､/.: : : : :._ :-: .:‐:. :-: _: : : : : :.ヽﾊ
　　　　　　　　　　 　 i　 l: : :_;.=＝､､:_:_:_:_:,:＝='-､: : : /　!
　　　　 　 　 　 　 　 l 　 l: [i　　 ＼_.､,　､__／　ヽl}: : l 　 !　　　　　　　　損傷部位は右腕上部……だったら、方向はあっちかお！
　　　 　 　 　 　 　 　 ト､ l; i}´　（●）　　 （●）　{j: :/ ／!
　　 　 　 　 　 　 _, - i'´lヽl: [ｌ、 　 （__人__）　　/j: //＿｣_＿＿__　　　　　
　　 　 　 　 ,. :':´: : ￣ﾌｰｽﾍ:ヽ>､ 　 ｀⌒´　 ,ｨノ:.//´＼: : : : : : : ¨ヽ
　　　　　　/-――-イ＿/: :i＼:ヽﾍ_,.ゝｰく∠／:./:.ﾍ.＿_｣-‐ '´￣¨ヽ:l、
　　　 　 ／ 　　　/个 　 ￣l 　＼: : : :＿_: : : ／ lー┘ 个＼ 　 　 　 ＼､
　 　 　 厶=x､.　 i　 |　 　　弋　　ヽ======イ　 /　　　｜　 i　 　 z=＝ ﾇ
　　　 ／　 　 ヾx|　 l　 　 　　丶、 |: : :|} 　 /_ノ　 　 　 l 　 /　／´　 　 　＼
　 .／＝=z､　　　l　 |　　　　　　三t!:_:_ｌ三ﾁ´　 　　　　l　 /! /　 　,r '二二¨」、





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カスパールはリロード中、次はフラッドファルスからの第二射が来るだろう。
OBを中断し、右方向へと軽いブーストターンで機体を翻す。

素手となった左腕の掌を前へと突き出す。
思っていた通り、正面方向の眼下にマズルファイアが微かに見えたかと思うと、
すぐさま大口径榴弾が着弾した。
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3475： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/30(月) 20:50:07 ID:iFRqp77g0

　　　 勝　　凡　 　 ば　 ﾚ1i:,' / i| i| i
　　　　　　　　　　　　　　　 i//i　i|iﾊi|__ __-　--r≠=＝-- _＿i|　iﾉﾊi　{ r‐=　 　わ
　　　 て　　人　　　か　　 乂,ﾟ/ i|iﾉﾉ＝≠ ¨¨¨ ¨¨¨¨¨¨¨　=i-{i {＼i| i|i 廴
　　　　　　　　　　　　　　　　 〉 iリ{ﾉ___ __＿ﾐ　{__/==--― ==ﾐ{ i＼Ｉ|＜¨´ 　　　 っ
　　　 る　　が　　　め　　　//,:'/ｊixix'¨ﾟc¨ミ　⌒ミｘ'¨ﾟoﾞ"≧xi ｛i| iﾊ| 爪、
　　　　　　　　　　　　　　　〈/ﾚ｛ i| 　 ”¨¨¨〃　;__ﾐ”⌒¨¨¨"”　:7ﾊ　! i| ii｝　　 　は
　　　 か 　 お　　　 　 　 　 ｝i| i|i|　　　 r'¨{、　　_）　　　　　　 :,{ {'。__≧ｘ
　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾉﾉi :i|i|　　　　ヾ-=　¨　 　　　　　 ::/ﾊ i｛ ! iヽ<｝　　 は　　　　　　よぉし命中だ！　狙撃戦で終わると楽でいい！
　　　 ｜ 　.れ　　　　　　　乂｛.!i|i|! 　　ヽ=ﾆﾆ¨¨¨二二７　　 /:/∧ﾊ乂｝}/
　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｛ 从}|i　　　 }i^ﾆ三三三ﾆ ;'　　, : ,’i| i爪 Ti/　　　！！　　　　　　ホルホース、落下地点は分かるか！？
　　 　 っ　 に　　 　 　 　 {⌒ﾉﾉ:i|〉,　 　 i|i｛ ⌒こ⌒｝i/　　/;: ,:i !| i| i| i/ __ ____
　　　　　　 　 　 　 　 　＿{ﾉﾉi/ j|ｉ|ﾊ　　 }i |i　　　　 〃 　 '/　{i| i| i|i i｛爪¨i| i| ｝　　　　　　　　　……ん？
　　　！！　 　 　 　 　 i{ノ　 /,' !|iﾉ∧　 {rﾆﾆﾆﾆニ='　 　 　 /{i !| i|i i| i|: ｝ } i| ＼_＿
＼ __／＼　　　- -=⌒ミ彡'/ ﾊｊ∧ {∧ 　 　 　 ￣ 　 　 　 ,:’i|i| i| i|i i| {i { ｛





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視界内を黒煙が覆いつくすが、お構いなしにオーバードブーストで突き抜ける。
左腕部に仕込んだアヴィアコル製PAブースター、つまりシュクヴァールと同じ
シールド形成装置による盾は、無事にグレネードを受け止めてくれた。

流石に大口径の榴弾を受けてはPAも消失するが、
それでも無傷であるのは流石の一言に尽きる。

だが、PAブースターは同時にKP出力の向上機能も携えている。
今のマーシフルのPA回復速度は従来に二倍に等しい。十秒も経たずに復帰する。

深く息を吸い、そして吐く。
冷静に、冷静に、恐怖と焦燥を集中力で抑えつける。
脇に汗が滲むのが分かった。けれど、呼吸だけは規則正しいままだ。
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3476： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/30(月) 20:51:40 ID:iFRqp77g0

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､　　　...|||　　.,.　　.　　´　､　,　　′　.　、 "　 _　/　７ゝ〕iト､　 ＼∨ . 、.　.,.　　゛.　 　!　,　 .　． "　.´ . |||　 ． "　.´
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リロードの隙を突いて突貫し、痩せこけ、山肌が露出した地面すれすれの
ところでアサルトアーマーを起動した。

大気が震え出し、マーシフルを覆っていたPAが明滅する。
視界保護シャッターがカメラアイへと被さり、一瞬の振動の後、
遅れて轟音がやってくる。こうしてしまえばECMも何も関係ない。
地面が抉れ、吹き飛ばされていく。
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3477： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/30(月) 20:55:48 ID:iFRqp77g0

: :｀＼_　　 r‐'|::
: : : : : :｀y´: ...:::
＼: : : : :|ゝ､::::::,
:::::〉､: : : ヽ､三三
:::/／ﾐ､: : : : : : : 　
/7,lﾆ､|:|7ヽ､＿
´ || g ||:〉,／::::::￣
. u::ヽ_l:(（ﾌ＿:::
:::::／／,｀〉フ_ヾ　　　　　　　ちょっ……冗談じゃねぇぞ！　野郎、メチャクチャだ！！
:::ﾄ／ u ﾉ::ヽ､gヽ
:::l__ヽ :::::::::::）＼|　　　　　　　　それに、なんか……前と違わねえか！？
_＼: : : : : :／:::::
ヽ_｀ヽ　　｀´::u::
: : :ヽ|: :/ﾉ :/ ／
　　:::|:｀´ /ﾐ//:
─ﾌﾉ: : /　　　／
￣: : :ノ: : : :／ﾐ
＿／,-‐‐'´::／





　 ,.　-　─　＝　 ＿ ,　　.彡ヽ､ヽ､ノ　ﾉﾉ　ﾘ　 l´　,/´ }ミヽ.
　　,　ニ　─　' ´　　　　　　 　 ,ゝ､｀'メ､_　　,　,!　/l,,.,,ﾉヾ,!;:i
　　　 　 　 　 _　 彡 　 　 _,, イ　彡''｀シ ミノ,､ﾉ〃 i　"ﾂﾉﾐﾘゝ
　　　　　_ ,.　 -─ '" 　 　 ─ '　三　彡　　ﾞメ　 ﾒﾉ　 ﾘ了'
　　　　　　　-‐ ´￣　　　　三　─ '　　´;;;;彡,彡ヘ｀ｼﾞ ﾉ
　　 　 　 　 ,　＝'　_三　　,. ー　' _,,.:;;;;彡iぐ;,　　,'',/,ノ
　　　　　　ニ -‐ ´　 ´￣　　 ,ノ'"　　ﾞヾﾐヽﾟゞﾐｯ /"
　　　　_　 -‐ 　 _　 彡 ´　,／: : :　　　 　 ﾞﾞミ'' 厂
　　 　 　 　 　 ´　　 　 ,.ィ"　　　　 ..　　 ,r丶ﾞ/｀ヽ、　　　　　　　　馬鹿を言うなぁ！　機体性能に物を言わせてるだけの粗製だ！
　　　　　 _,　ﾆ ‐ '　,.イ　　 　 　 　 l.､　 .!:ヽ ,!　　　ヽ.
　 　 　 ´ 　 　 ,,ィ´.:.::l:　　　　　　.:.:.＼.ソ￣:: : : :. . . .ﾊ　　　　　　　今ならPAもない、畳みかけろ！　俺が前に出る！
　　　　　　　／　.::　::ﾊ.　　　　　 ﾞ''ｯ-':.:.:.:.:. : : : : : : : : ﾊ
　　　 ,,ィ ,〃　.:　　.:.:.:∧.　　　 　 ,'.:.:.::.: : : :　　　　　 　 i.
　　／/ /,'　.:.:　　..:.:.:.:.:,入　　 .: / : : :.　　　　　　　　　　i
　,ﾍ　{ / i　.:.　: :.:.:. ,／.;:　｀:ー "　 : : :.　　　　　　　　 　 l
;;'　ヾ ゞ、ヽ: .:.: .:,,イ/　;: 　 :.: : :.:　.:.: :.:.　　　　　　 　 　 7
ゝ-' ヾ､ ｀:.:　..:.:.:　/　,';　　.:.:.: .:　 :.:. :.:.　　　　　　　 　 /

3478： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/30(月) 20:56:48 ID:iFRqp77g0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　　 ./≧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿|.＼ﾑ　/:::/,_|_､ ／≧､
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,___　　　　　∠二　ﾑ　ヽﾄ/::/iｭｲ／､/::::::/i
　　　　　　　　　　　　　　 ＿/ /ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ）｝=i了ﾑ　ノ::｛iV_/｝ｲ:.:.:./i　＿＿
　　　　　　　　　　　　　/ ヽーｲ────‐// .∨ミゞ卞:::|ｌY´ｲ.丿:::＞´　　 ＞ゝ
　　　　　　　　 .,---‐‐‐､/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.//:.:./＿/ヽ∨¨｀ヽ´/:.:.〈＿___-≦￣|｝
　　 　 　 　 　 ｀￣￣￣//￣￣￣￣ﾌ￣石￣ノ　　 ｌｲ｝＼.:.:..∧ーイ　|圭::::|.ｌ／
　　　　　　　　　　　　　 ¨　　　　　　|ミ/／　　　　／ :.,:.:.:.:. ヽー＼ﾄ-‐ー ￣|ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／／Y>､|H|ー- イ-､　　　　　　　　　　　　　ぬおおおおっ……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 i／　　　/□ｌ‐日ﾑ＼ ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／|　　　 /ﾑﾏｌ　　　 ﾏ ヽ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ 　≦ﾄ.、ｌ　　./ ﾑﾏ ｌ　　　　ﾏﾄ､　＿＿
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 _ 　 ＜ ￣　く＞ｲ／ヽ／ ..ﾑﾏ ｌ　 　／ ＼ Y　ー　ヽ
　　　　　　　　　　　　　≦　　　　　　　　　 /　　　　　ﾑ/　ヽ／ ＼.≦ヾ｝　　　　＼
　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　∠　　　　　　 ∨　　　　　　 Y　＼　＼　　 ﾑ
　　　　　　　　　 ／　＞‐ヽ　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　∨　 ＼　　　　i｝
　　　　　　　　　| ／　　　 ｌ　　　.／　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　／ ∧
　　　　　　　 ／|　　_ _ ／　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　ーイ　　　ﾏ
　　　　 　 ／　 ヽ≦／ -‐　'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼　　ﾏ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 jI斗ｬ≦j} 　.___/ 　 /_／　　 ,.。＜　　　　　　 　 ＼＼
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　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾄ{:V: i :}: :／_:_}__／-､!- /-'´{／{_／i{ ./　 r ' 　 ー‐＜｀ヽ、　　 　 ＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　＜:jI斗＜:-:-:_'ノ/　　}､　　／　 }!　　}＿_／　 　 　 　 　 　 ｀ー―‐､_ ＼!
　　　　　　　　　　　　　　　　 _ -//ヽ　 }､:_:_/ /--､/:｝　´　　 〈 　 /　　}_　　　　　　　　　　　　　　 ＼_ ＼
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　　　　　　　　 _ -´　　　　　　 　 。＜___r＜|!　,　　i　ｆ 　 , ヽ　V::::r--'＜_　 r'´　{__　ｰ／ / i{
　 　 　 　 _ -　　　　　 jI斗ｓ≦、＞--- ' 　 |! ,}, ／ /　 /､_/／_｀ヽ　　　　｀ヽ__ｒ_－'i/　 / 　 ヽ
　 　 _ -　　　　　 。＜＞ ﾟ ´　 　 　 　 　 　 |!.,}　 ／ ／__,／　　}r ,} 　 　 　 　 　 ヽ/　 /　　　 }!
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　　 　 。＜＞ﾟ´ 　 　 　 　 　 , ＜ {／＿,}　 ' ´__ノ､>､　 ＞-､ ／ }　}ヽ　　　　 人 　,/ 　 　 ／
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　　　　　　　　　　　　　ノ }　 ,。z}t-{ノ{ー－--､ i {--/ /----＜_＞､__／- '　　ヽ- ' {、r'
　　　　　　 　 　 　 　 /　 ヽ'ﾟ　 　 }ヽノ 　 　 　 ﾟﾏ{-/ /＜　＿　　 　 /　　　　 / 　 　 }ﾉ、
　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　 ／　 〉 　 　 　 　 i_}_/-､fﾟ´　　｀ヽｰ/　　　　 /　　　 /--ヽ
　　　　　　　　 　 　 {　　　　 　 }　　/　 　 　 　 　 ヽi 　 　 　 r≦二{ｒー--､/_　　　/　ヽ }、 ,ゝ-､
　　　　　　　　　 　 /　　　　 ／　／　　　　　　　　　　　　　　 /__＞r‐<　/ i／ヽ r'　／｀ヽ_/　　} ＼
　 　 　 　 　 　 　 /　　　 ／　／　　　　　　　　　　　　　　　　{ /　 {　r'ヽ　ｒー､}｀　 {　　　 }　　 }　　＼

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アサルトアーマーで霧も吹き飛ばされ、
地面に空いた大穴の端にフラッドファルスが見えた。

よろめきながらも倒れはせず、頭部は真っ直ぐにこちらへ向いている。

一度地面へと手を突いて降り立ち、クラウチングスタートの要領で機体を持ち上げる。
そのままブースターを稼働させ、一直線にブレードを抜いたフラッドファルスへと駆けた。

ほとんど一瞬のうちに敵機へと肉薄し、がら空きの胴体へブレードを突き立て、
勢いのままに敵機を押し倒した。
IGIOネクストフレームのメインジェネレーターがある部分へ、
白い切っ先が装甲に突き刺さり、二又に展開すると同時に亀裂が走る。

シュクヴァールとの近接戦に比べれば、どうということはなかった。
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3479： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/30(月) 21:04:05 ID:iFRqp77g0

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　　　　　　',.　　 /　i　　 ヽー‐ '　　　　/｀ヽ､
　　　　　　 ＼　乂人＿__ﾉ､　　　 ,. ＜
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r-ｲ_　　,r'"// /　　　　　　　　　　　　　　　 ,,,,,､-ｰｧ　　　　　<　 ﾌノ　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　 r'"　／ ,ィ/ ノｨ'　ｱ　　　　　,,,,_　､､､､､;;;llllll ﾐ;ﾉ　 ∠´　　　　　 ,r' _// 　 ﾌ
　　　　　　　　　　l|　| wW　从 ｱ ∠-'" /ﾚ';;/､／W",,;;;;;;ﾞiil";;;;;ﾞ';;入ヽl|l||ﾘﾘ;;;;〉　／ヽ　＿,､イ / ./ /　 r'　,,､ '"
￣￣￣￣｀（";'||　l| l|/⌒>-ｰ''´　,r''""´,ィ　　W wl||l´uﾞﾞﾞﾞ｡""'"/;;从ﾚ⌒ヽl/　 /ミ））) |　　/ /''" /L／,､'"
　　　　　　　了;||;;＿)￣　,､-''/　L,r'''／､/||ll||从l|l|l;ﾘ二二二ﾆ（;l;;从l|i⌒l / ,／;;;;＼'',:/　 ﾌ　　　 ,,､ '"　,､ ''"
　　　な　 　 （l;',| Z　,ri '"ｨ;'|,.ｲ　ｲ[,ｲ|　 { |ﾘｿ从l||||/_,,,,__j, Y,;;; ,,,l|从:l|￣,/　lｲﾞ''ｰ､|,∠　 ﾌ;;　,r''"ヽ,､ '''",､ ''／´'l
　　　　　　　　〉':::|／,r''" |;;|;;/　| {　.'|_,,,,} ﾂ"ﾘi;;ﾂ:::∠,｡ヽｯ;yｨ-f-ヽ:::::::∠ ,r'ﾐﾐミ l|l;,::/　/::;:／ヽ,,,) },,､ '"　 /　匚{
　　　あ　　　＞;'.,'l|ii/　 」i;;;ｲ　/　|ｲ/Ww"ノノ;;l:::彡-ｰｨ''("')ヽ"""''':::::/／ヾヾヾ从'/　 |;;;/　ｰ-／//::/ ／{　　ノ
　　　　　　 ／从.:,.;l|/ .」j',l|;ﾘ　|.:',.:|　ツl,,/;;ｲﾐ;;;;t'´　 -ｰﾞﾐz'"三ﾆ　　/;;;从　ﾞ'l从l|l|l7／／'"}rｰ''"//j　';ｲ　｀ ／
　　　あ 　 （从从;';/　,l;;l|;;|;l／;;',.,;| |〉//l|ﾂ／;;;;;;',u , |;｀三--ｰ';ｲ lj /;;;;ヽ;;ヽlr､ヽll|::';;､// /:':;从,'//　 ／ｨr''"’､
　　　∫　 （';;从l||/　/;; ;l|;;;|;;l||　Y.,'l| /／//从ll|:::', u l;;{´::ヽ"ヽ;|　./l;;;;;;从;;从 ﾞｲ ヽ,'､|ﾘ/ 〉;;从,/ノ　（///;;',/从
　　　∫ 　 _〉从从|/ﾐ;;l|从;|'从'..l|从　|ｲ;/乂从ﾞ'':::',　.|;;l　　　/;;l.u/: ﾞl;;;;;;从从从|　l|　l|.l|､}:从ﾂ/ /;;;iii;ﾉ };:'从
　　　//　/,,';.'从从从;;||从;|从;人/ |";;/　|／;l|　:::::'l l.lｮヽ,,,,,/r/ ./::::: ゝi|从介;;;jj |ｲ;;;;;l|　〉:}};ノ;;r-'//"／从;:）l|｀
ヽ　 ・・　/从Wl|从从从;/|;;;/;/l|;//l|;;/､il|,､ '" 　 :::. :lﾞtﾞ'―ｰ-'´ /:::::　 ´（ヽ＼;ヽ;rf'"＼〉 ヽ'"（/ /""　|ｰ､;;ノ／ﾞ
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ミ|／;;ミ;;〉''ｰ ､　~,,,,,､､;ﾉ ~'' ､　l　　　,,,/,､- ''''' ｰ ､ヽﾐ::｀'ｰ― '´l|,､ '" ""ﾞ'''´　 ,､　｀'' ｰ､　 ﾞｱ　　 ｲ イ　／;;;,､-'
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3480： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/30(月) 21:08:52 ID:iFRqp77g0

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　从;:　｀:､ﾘﾞW゛jﾘw''､`'.､,:｀:,,‐'゛＼ヽ,　　|　 i'　'´_,,、 　 　 　 　 　 ド　 !ノﾊil;:ヽゝ ノﾊil;:ヽゝ
｀wﾘﾞW゛jﾘwj从ﾘj`'.､-='´　　_,ywj＼' !､ .|　 し''´　」　　　　　　　　　　 !　　,，　ノﾉ ノ'ﾉ,'ﾊハゝ
.wj从ﾘj`'.､　,:,-‐'゛,,vw-‐W゛w从　Wヽﾞ'!l|　 ,,.-''´　　.　　　　　　　　 ｌ .,／ !ﾊ';'ヽ..::...,ﾍ、ﾊ.:;>
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　 　~'　',;''　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ﾞ'':::..wj 彡ヾ;:ﾉﾊﾊﾚ;:,.'ilヾ ノノﾊﾊノﾉ;:'ﾍ;;ﾊﾊ

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熱線がフラッドファルスを貫く。即座にブレードの突き刺さった部分を蹴り、
その勢いで前方へと飛翔した。

後部カメラで確認すると、フラッドファルスは機体が中から弾けるように、
一瞬の膨張を見せた後、爆炎に呑まれた。
コジマタンクを有するが故の大爆発だ。

閃光を背後に、接近戦中に撃つこともできずにまごついていた
カスパールへと視線を向ける。
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3481： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/30(月) 21:12:19 ID:iFRqp77g0

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　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 └ ､ 〉／￣＼＼　　｝_｝ 　 ｣l
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｣l_____／／ニ}ﾆ〈〈￣￣]≧s｡. `ｿ{　`,
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／￣[＿＿／L_T´ﾆﾆ-､ ､　〈⌒¨¨¨´ソ⌒ ､　　　　　　　……おまえも傭兵だお？
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　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／／　／ __jl____／　 ／｀Tフ{_/＼_＼___　 　 /　　　＼　　　　　覚悟はできてるんだろうな。
　　　　　 　 　 　 　 　 　 _／／　／ ,'´⌒辷7ｰ‐ 'ﾞ　　 〈⌒＼　 ￣}￣｀` ､ ＼　　　　>
　　　　　　　 　 　 　 　 /￣　 ／　　{　　′ ∨　　 　 　 ＼／ Y7⌒L __　 ＼_＞ｬ≦　　　　　　
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.　　　　 　 　 /　 /~~＼_,／　　　 八　｛つ'´｝｝｝}　　　________／￣｝⌒Ｌll{＼　　 ＼__］彡'ﾞ
　　　　 　 __/　 /　　　/　　　　　　　＼≧=彡'^ 　 　 {[[/ ￣＼xく　　 }ﾆ}　 }､





　　　　　　 　 _,.　-‐=ﾆ三三三三三三三三ﾆ￣　　 　 　 　 　 　 ,.＞''′
＿,,..　-‐ ''"~　　　　 　 三三三三三＝￣　　 　 　 　 　 　 ,.＞''′
　　　　　　　 し　　　_-三三＝￣　 　 　 　 　 　 　 　 ,.ィ''′
　　　　　＿,,..　-‐ ''"￣　　　　　　　　　　　　　,.斗 '"~〉|
　 ￣￣　　　　　 U　　　　　　　　　　　 _,.＞_彡‐'"~Υ｜ 　 　
　 {_j　　　U　　　　　{ｊ　 　 　 _,..斗 ''"~| 厶ｲ=-‐￢　| ｜　　　
　　　　　　　　　 _,.. =-‐=≦ }ヘ_人＿,ﾉ/＿（・) __/ /|　|　　
　　　 ＿,.斗＜　　(・) __／ /　 ｊ ｕﾍ Uﾄ､＼ ￣ 　 ∥|　|
丁￣!　　　　　 ￣￣ 　 ／　| /∪　∨|uヽ　　 　 ∥ |　|　　　　　　　　こ、このガキ……
. !　｜　 　 　 ｌ _j　　　　　　 l | ｕ　　} ﾍ　}　　Ｕ　ｌ　 |　|　　　　
. |　 j　 Ｕ　　 l |　 ﾉ 　 　 　 Ｕ u　　|　 ∨ 　 　 /ｌ　 |　|　　　　　　　　　　　　
. ヽ l　　 　 　 Ｕ　{j　　|　 ｌ u　 -― ^ー１　　　｜|　 |　|　　　　
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3482： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/30(月) 21:16:32 ID:iFRqp77g0

　　　　　　　　　　イ￣l
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　　　　　　　 　 ／　∨ ､:::::＼　　 ／//ll＼
　　　　　 　 .／　.／／＼＼:::::丶l　//ﾞ ll　/　　./!
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　　　　 /二＿／　　　 〉〈　l:::::ヽ／＼ У二 l//　　　　　,ｨ
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　　　　　　　　　　　　　 ,､〈／ｲ |ｌl/ ｌ:::::::::〉ﾐ>¨／／ l l l/〉彡l
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　　　　　　　　　　　　 /　l 　 ｌl〈YY　〉─‐､─〈＞‐‐l ゝY/ /
　　　　　　　　　　 　 /　 ｌ＿_ｌｌ　 ll､/>ﾆﾆ 乍了､／ﾆﾆ彳 /　　　　　　　舐めんじゃねえぞぉ！　俺ぁこんなとこでくたばるタマじゃねえんだ！
　　　　　 　 　 　 　_/∩ 　l l:ｌ ＼ll/Y〉‐─┴‐'__rr7/>ｌ　/
　　　　　　　　　　_I〈 ∪／_ ＼　/ィlミ／＿／つゞ彡/／　　　　　　　　　てめえみてえなぽっと出にぃ！
　　　　　　　　／　　∨ ／l ＼УU ／　／lミ/イ〉
　　　　　　　/　 　 ／〉'￣ ｽ./_ | /＼／／ーV／〉
　　　　　　.〈 ＼／　 |li‐-//l-〉 |／)　〉'　 ／＼／〉
　　　　　,ｨ〈＼/ll_,-ィ└f‐〈／／.／ /l__／ 　／-/＼
　　　　〈　〉─／_／ 　 ／､＼／ ／　ll　　／　　＼　ﾄ､
　　　　<三‐'T／　　 /l､／／ ／　 　 ll_／＼　　／ミﾍヽ、
　　 ／ ＞‐'"　　　／〈/／ ／　　　　　　　　 ` <　 入7　 l＼
　　 ￣　　　　　／　 ／ ／　　　　　　　　　　　　〉'　 ||＼ l　 ヽ
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　　　　 ィi〔＞―‐r‐ ､　　　 　 　 　 　 　 ィ≫rzァ ア　Ⅴ{{:　:　:　: ‘:,
　 ィi〔　 ／　　　　`ｰﾉ　 　 　 　 　 ィi〔　 　 -‐=≦　　　V}}:丶:　:　: :|　　　　　　　　　やられてたまっかよぉ――
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3483： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/30(月) 21:16:59 ID:iFRqp77g0

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3484： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/30(月) 21:37:14 ID:iFRqp77g0

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　　 　 　 　 l:.ヽ:.:.:|:.:.:.:.:.:.|:.:.:匕:ﾁ |:.≠.ｌ/　　||,ｲう｡,/:.!:|:.:.:ヽ:.:.:.:ｉ　 ヽ
　　 　 　 　 ヽ:.ヽ:.|:.:.:.:.:.メ´:||:.yﾋて个/　 　/ .{::::j."ｉ/|:|:.:.:.|.ｉ:.:.:.:|
　　　　　　　 ヽ:./=ヽ:.|:.:.:i:.:ｉ,ｲ7::::::ﾟ::|　　 　 　 b:y /:.l/:|ｉ:.:.ｉ .|:.:.:|
　　　　　　　　 ゝ　.个:.::.:ヽ|ヽ らﾂ少　　　　　￣　|:.:ｉ:.|||:.:|　|:.:|　　　　　　　お疲れ様。
　　　　　　　　　 ＼ .|:.:.:|＼＼. ゝ¨　 　 　 　 、　. |:.:.|:.| |:.|　 |:|
　　　　　　　　　　　 ヽ:.:.:|　　　　　 　 　 　 　 　 ｲ|:.:|:ﾍ/　 　|　　　　　　　　全然堪えてないってわけでもなさそうだけど、落ち着いてるね。
　　　　　　　　　　　　 ヽ:.ヽ.　　　　　　　` ´　／:.:.|:/:.:.ﾍ
　 　 　 　 　 　 　 　 　 丶:.丶＞　、　　　　イ、:.:.:/:.:ヽ:.ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　 ＼ミ　　　 ` ≧´ 　 !＼:.:.:.:.丶:ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　,>.|ヽ　　 ＞＜ 　 /　.ｉ:`＞x.ヽ:ﾍ
　　　　　　　　　　　　 ,､r´:/ | >‐、´　　 　 /　　|::::::::::::::::::::｀ヽ 、
.　　　　　　 　 　 ,､r´:::::::/　 |/>-<＼ . 　 /　 　 |::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ 、
　　　　　　　,､r´::::::::::::/　　./└t┘　ヽ./　　 　 .ﾄ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ、
　　　　　／::::::::::::::::::/　　／|./ Ⅹ.ヽ　 ヽ　　 ＞┘　＼::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::|





　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＿＿＿_
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　　＼
　　　　 　 　 　 　 　 ／　　_ノ　　ヽ__ ＼
　　　　　　　 　 　 ／　　（ ●）　（ ●）　＼　　　　　　　　　まあ……割り切れてるわけじゃないですけど……
　　　　　　　 　 　 |　　　u　 （__人__）　　　|
　　　　　　 　 　 　 ＼　　　　 ｀⌒ ´　　 ／　　　ﾌｩｰ　　　　いや、無理やり割り切ってるようなもんですかお。
　　　　　　　　　　　／　u　　　／´ __)　＼
　　　 　 　 　 　 　 |　 ､＿__／　／´　 |／
　　　　　　 　 　 　 |＼________／　　 　 |
　　　　　　 　 　 　 }　　　　　　　　　　 |

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帰還後、メディカルチェックの後に医務室のベンチで一息ついていると、
なのはがコーヒー片手に顔を見に来てくれた。
目には安堵の色が浮かんでいる。任務の成功からか、自分の無事からか。
恐らくは両方だろう。

薄暗いコックピットから解放され、凝り固まった関節を回す。
ばきばきと人体から鳴ってはいけなさそうな音が聞こえてきた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3485： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/30(月) 21:48:17 ID:iFRqp77g0

　　　　 　 ／ ￣￣ ＼
　 　 　 ／ノ　　ヽ__ 　 ＼
　 　 ／（―） 　（― ） 　 ＼　　　　　やる夫は、殺すために戦ってるわけじゃないって、そういうことにしてますお。
　 　 |.　　（_人＿）　　　u　|
　　　＼ 　 ｀⌒ ´　　 　 ,／　　　　　 戦って、戦った末に殺して。殺す必要のない者に手をかけるつもりはありませんけど、
　　 　 / 　　　　　　　　ヽ
.　 　 /　l　　　,/　 /　　 i　　　　　　　必要だったら命を奪う。綺麗事なんて言ってられないお。感傷浸ってたら生き残れませんお。
　 　 (＿) 　　(__ ノ 　 　 l
　 　 ／　　／　　　___ ,ノ　　　　　　　　
　 　 !､＿__!､＿_＿＿_つ





　　　　　　＿＿＿
　　　　／　　 　 　 ＼
　　 ／　　　　　 　 　 ＼　　　　　　いつか……やる夫も殺される側に回る日が来るお。そうでなくても、時代が変わって、
　／　　　ノ　 ヽ､_　　　 ＼
　|　　 （ ●）　（● ）. 　 　 |　　　　　やる夫が裁かれるような日がくるかもしれないお。
　＼ ｌ^l^lｎ__人__)　 　　 ／
　 ／ヽ 　 L⌒ ´　　　　　　　　　　　　それを覚悟することで、折り合いつけてるっていうか。
　 　 　 ゝ 　ﾉ





　　　　　　　　　　　　　-― -
　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　 ∠　―― -　　　:::::::..　　　＿＿
　　　　　 ィ::i´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀::..､ l ／r――　＝‐､
　　　 ／::l::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`::'￣￣￣｀:..､
　　. /l::::::l::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::￣ ｀ヽ､:::ヽ
　　/::l:::::::l::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::ヾ:::::l
　. {:::::l:::::::l::::＼/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::ヽ::::::::lヽ::l
　 l::::::ﾍ:::::::＼/::::::::::::::::::::::::::i::::::i::::l:::::l:::::::::::ヽ::::::::l::::::::l ヽl
　 l::::::::::ﾍ::::::/::::::/:::/::::/:::::::l::::l::l::::l:::::l:::l::l::::::l:::l::::::l::::::::l　|
　. l::::::::::::ﾍ::l:::::::l::::::l:::::l:::::::/:::://::/l:_/l_｣_l､:::l:::l::::::l::::::::l　　　　　　　　殺すっていうより、殺し合いの渦中に身を置いてる、ってこと？
　　ヽ::::::r‐‐|::::::l::::::l:::_｣::-r‐:/7フ´｢/ .l/ｫﾐ:::l::::l::::::l:::::::l
　　. ヽ::{　　l:::::::l:::::l:´::l:::/∠ ﾆ＝ﾐ　 ﾁﾟ://::/ /:::::ｲ::::/　　　　　　　　　「そんなとこですお……無理やりな理屈だけど」
　　　 ヽ＼ ヽ:::::l::::::l::::<´,イ　 ,ﾘ　　 .ﾑ//;ｲ:::/::::/.l:::/
　　　　 ヽ:>ｰl＼{ヽ{ヽ{　 辷z/　　　　 l'//::/l:::/ l::/　　　　　　　　　　　いや、覚悟は必要だよ。殺す覚悟をするなら、
　　　　　V　 .l::::l` `　　　 　 　 　 　 v':/／ l:/　l/
　　　. r,/　　 .l::::l　 　 　 　 　 　 _ ／l:::l:::l /'　　　　　　　　　　　　　　　殺される覚悟だって、必要。
　　　/〈 ヽ､　　ヽ:ヾ ､ 　 　 　 ´／::::::l:/:::::l
　　./　 ＼　ヾヽ､ヽﾍ/` ┬-....´:::::::::/'::::::::::l

3486： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/30(月) 21:52:03 ID:iFRqp77g0

　　　　　　　　　／.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＞､i.:.ｲ´.:‐..:.:.─ ､
　　　　　　 ,､イ.:.／.:.:.:.:.:.:.:,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:...:::.:´.:.:.:.:.:.:.､.:.:.:.＼
　　　　　 nﾍ.:.:;.:'.::.::.:.:.:,ｲ.:.:..:.:,ｲ.:.:.:.:.:.:.:.:;l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_.:j¨｀ヽ.⌒ヾ:.､
　　　 　,ｲj､.:.v.:.:.:.:.:.::/:/.:.:,ｲ/.:.:.:ﾉ!.:.:i.:..:j.:.:.:.:.ヾ;,.:.:.:.:.:.:ヾ.:.:.ヽ　 ｀ﾍ
　　　　/ll!ﾊ:.:′.:.:.:.:/./.／.:/.:／.,ﾉ.;/l:.:;!.::l.ﾍ;.:.:.ヽ,:.:.:.:.:.:.ヾ,:.:.'; 　　!
　　　 ∧jﾊ.:′.:.:.:.:.′〃xｆz左ｚ,;,X, .j:/ !:;|:.:.:l.:.:.:.l.:ﾍ.:.＼.:.::.':;.:.';
　　　 l.l.ヽ.:.:|.::::.:.:.:|{:.:.,仆乞芸て卞 >′l./ｊ.:,ﾘ.:./.:l.:.ﾍ.:.::.ヽ.:.:.';.'|
　　 　'.:.:.:;:升∧::.:.|.:.:{ｲ ,伐::::::斥′　　ﾉクｻﾄxj:.:.li.:l.:.ﾊヽ.:.';.:.:;.!　　　　　「そのうち、慣れるかな」
　　　　∨　 !′l:.:.:|:.:.! ､辷ｰクﾉ　　　 　ｹ云x.:ﾉﾒi.:/.:.:.:.:l.:.:.:.:.l:.!
.　　　　 ゞ､)l::.:.:ゝ:ﾍ､:!　｀¨¨ﾞ`　　　　　/.::ﾇﾘｹ;´.:;ﾘ..:.:.:.∧:l.:.:ﾊ!　　　　　人間はね、痛みや苦しみに慣れるなんてことは、できないよ。
　　　　　 'iｰl;:.:.:.::.个｀　　　　　　　　　匕ﾞ.ノ_ノノ/!:.:.:.;/　ﾚノ　!
　 　 　 　 l.:人::.:.:.ﾞl　　　　　　 　 　 　 ¨`て.._｀V.ﾊ.:::/ 　 !′　　　　　　　慣れたと思ったら、それは慣れたんじゃなくて、
　 　 　_,､n<　 '.:.､∧　　　　　　　ｃ｡　　　人__,¨＼:l/　　　
　　ｲ´.:::.ハﾍ　'､l?∧　　　　　　　 　 .,／: :.j　 ／}′　　　　　　　　　　　　　麻痺してるだけ。心が死んでいってる証拠。
／　l:::::::., 　＼　´､?「＞､　　　　 , イ´. 　.:.イ´.:l.:.|
　 　ｊ::::::::.ﾍ　　＼　　＼ﾍf＞.ｰ イ. . . :＜.:.:.:.';.:.:.:|.:|　　　　　　　　　　　　　　……その葛藤は、今のうちに噛み締めておきなさい。
／¨ ﾍ:::::..∧ /＼｀ >ｰ<cﾊ. . . . . . .fヽ,¨ -ﾅﾍ.';.:.:|.|
////∧::::..∧＼/∧ Y∧:lｌ. . .,,..ｲ".ｿ ',////,j.:.';.:.||
/V//,∧:::::..∧､/　 >介ｲー"´　／.:::.∧//zj.:.:.';.:.|
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j:iV∧//∧:::::::..＼　ヽ´.:::::::::::::::::::::::::::::::::人/j.:.:.:.:';|

3487： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/30(月) 21:55:33 ID:iFRqp77g0

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　　　　　　　　　　　　　　　　|:.:|:.|:.:.:.:.:.|:.丁／/Ⅳ｀テメ/:./　|:.:./|:.:/|:.:.|:.:.:|:.:.:|:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.:|　　 ヽｌ
　　　　　　　　　　　　　　 　 ﾍ:.ｌ:||:.:.:.:.|:./r≠=て7=、 /／　 |:.丁ﾒ-||:.:/:.:.|:.:.:.|:.:.:.:.:..|:.:.:.:.| 　 　 |
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　　　　　　　　　　　　　　　　 |　||ヽ:.|:|ヽ. 辷zzメ_　　　 ／./::::o::7ヽ/:.:./:.:/:/:.:.:.:/ |:.:.:.:.!　　　　　で、今後の方針だけど。どうするの？
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ |:.ヽヽ.　　　　 　 　 　 　 〈⊃::/.〃／//:.//:.:.:./　|:.:.:/
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |:.:.:.|:.|＼　　 　 　 　 　 　 ｀¨≠/／:/／/:/:.:./　 .|:.:/　　　　　　　はやてちゃんの傍にいたいんでしょ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.:.|:|　　　　　　　　　´　　　　./:.:.／／:|/:./　　/:/
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |:.:.;||ヽ　　　　　 ` ー　　　　./:.／/|:.:.:/:イ 　 ／　　　　　　　　　　オルデンブルクに支援を受けたい？
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 rゝ:.:.|　 ＼　　　　 　 　 　, イ|:.:.:./:.:!:／|:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　,､..イ´ﾍ ヽ:.| 、　 ＼　　　,　＜´:.:/:.:.:/:.:.:|:!:.:.:.|:.:|
　　　　　　　　　　　 ,､r::´´:::::::| 　 ﾍ　＼ ＼　　｀ﾌｌ　 　.|:.:.::/:.:/:.:.:.:.:!:.:.:.:.!:.:!
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　　 　 ,､r::´´:::::::::::::::::::::::::::::::::::|　　　ﾍ　　　 / | |ゝ.| ヽ::ヽ:/:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.|
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　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼　　　　　いや、独立傭兵のままでやっていきたいですお。
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　企業の思惑に縛られない立場ってのは便利だし、やる夫はオルデンブルクや桜花じゃなくて、
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　はやてさんが大事なだけですから。
　　＼ ／＿＿＿ ／

3488： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/30(月) 22:05:29 ID:iFRqp77g0

..　　　　　＿＿＿_
　　　　／　―　　-＼
..　　／　 （●） 　（●）　　　　　はやてさんと一緒に戦いから離れられれば良い……てわけでもない気がするんですお。
　／　　　　 （__人__）　＼
　|　　　　 　　｀ ⌒´　　　|　　　　この世に安全な場所なんてないお。だったら、力は……ネクストは手放したくないですお。
.　＼　　　　　 　　　　 ／
.　　ノ　　　　　　　　　＼　　　　　　
／´　 　　　　　　　　　　ヽ




　　　/:.:.//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｌ:.:.:.:.:.ｌ:.:.:.:.||:.:ﾊ:.ヽ:.:.:.ヽ、,-:.┼--___:|:.:.:.:.:.:.:.|:.:/:.:.|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　|:.:/.,':.:.:.:.:.:.:/:.:.:.|:.:.:.:.:.:|:.:.:.:| |:.:ｌヽ:.＼:.:´＼ヽ≧云､:.:.|｀:.:.:.:.:.:|＾､/:.!:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:!
　 　 |/　|:.:.:.:.:.〃:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|:|≦卞|｀ヽ ヽヽヽ 〃て::､ 弋o|:.:.:.:.:.:.|´ ヽ:.|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　|　 |:.:.:.:.:.:||:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:ｲ |≠云う丶　 ＼　　{:::::::ヽ-} 〃:.:/:./|　 ./:!:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:!
　　　　　{:.:.:.:.:.|{:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:メ ん:::::::}　　　　　　つ -:少 ｲ:.:/|:/:.:|／:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　　　.∨:.:.:|.∨:.:.:ｉ:.:.ヽ:.:.:.:.｀ つ-´j　　　　　　‐｀‐‐┴/:.///:.:.:|:.:.:.:.:!:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:!
　　　　　　∨:.:| .∨:.:ヽ、:.＼:.:.＼.ゝ´　　　　　　　　　　///〃:.:.:.:|:.:.:.:..!:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:!　　　　しかし、ストレートに言うね……
　　　　　　　ヽ:.|　 ヽ:.ヽヽ、:.｀ヽ__ヽ_　 　 ′　　　　　　//,ｲ:.:.:.:|:.|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　　　　 　 ヽ|　　ヽヽ　＼:.:.|:ﾍ 　 u. 　 ‐ ‐ ´　　　　 / ,':.:.:./l.,':.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|　　　　自分のことだからって、あまり言い触らしちゃだめだよ？
　　　　　　　 　 ヽ　 　 .＼ 　 ﾏ:|:.:.ヽ、　　　　　　　　 ／　,':.:/:|/:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |∧:.:.:.:.|｀＞ .､　　　 イ　　/／ /ヽ、:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|　　　　「何がですかお？」
　　　　　　　　　　　　　　　　　|| ヽ:.:.:.| 　 　 ._｀T´　　_ -/　　 ./ .|＼_:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |　 ＼:.|　,､r ´/ヽv＜´　　　　/　 |::::::::::￣｀― 、:.:!　　　　　はやてちゃんのことが好きってこと。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､r －ヽ:/　 ,'／l./ .ヽ　　　 / 　 .|:::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ 、
　　　　　　　　　　　　　 ,､r::"´:::::::::::::::/ 　 / ヽy‐ 7´ヽ　 /　　　|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ 、
　　　　　 　 　 　 　 　 ,'|:::::::::::::::::::::::/　　./　 l≠´.|　　>´　　　 .|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,::--－‐ヽ
　　　　　 　 　 　 　 　 | |::::::|＿-- <　　 / ./ /　ヽ | ./　　　　　ト- 、_::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::/
　　　　　 　 　 　 　 　 |:::|:::::|　　　　 ＼イ　ﾆ　　　.y |　 ,.＞＜´　　　 ＞-＜__／:::::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　/´,':::::/　　 ≠＜´　|´::::::::ヽ /　　｀｀ 、　　 Eニニコ　　 ./　|::::::::::::::::::::::::|
　 　 　 　 　 　 　 / //::./　　 　ヽ　　　.|::::::::::::／　　　　　 /　　　　　　 　./　　 |::::::::::::::::::::::::|

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
今、世界のバランスは酷く危ういように思えて仕方がない。
四大企業という強い力が睨み合い、小競り合いを続けている。
ブライドル地下の人々や、アマツの人々を見ていると、いつまでも同じ日々が
続くと思っているように見えてくるが、自分は違った。

何かのきっかけで、もう一度ネクスト戦役のようなことが世界に巻き起これば、
全ての命が引き金一つで吹き飛ばされる立場となる。

そんな中で、ネクストを手放すという選択肢はあまり考えられなかった。
何でもいいからはやてを戦いから引き離せばいい、というわけでもないように思える。

かといって、何か具体的な考えが浮かぶわけでもなかった。
多分、この世の、この時代の社会構造に、自分が思い描くような理想がないのだ。

戦えば死ぬかもしれない。
戦う力を手放せば、一方的に殺される時が来るかもしれない。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3489： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/30(月) 22:13:26 ID:iFRqp77g0

　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　／ 　 （●） 　（●）　 ＼　　　　　　今はとにかく、リンクスとして強くなりたいですお。
　　　|　 　 　 （__人__）　 　　 |
　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／　　　　　　　誰もやる夫を好きにできないような、そんなリンクスに。
　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ
　　 / 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |　　　　　　　　　結局、いつの時代も物を言うのは力って気がしますお……財力でも、武力でも。
　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|





　　　　　　　　　／.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＞､i.:.ｲ´.:‐..:.:.─ ､
　　　　　　 ,､イ.:.／.:.:.:.:.:.:.:,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:...:::.:´.:.:.:.:.:.:.､.:.:.:.＼
　　　　　 nﾍ.:.:;.:'.::.::.:.:.:,ｲ.:.:..:.:,ｲ.:.:.:.:.:.:.:.:;l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_.:j¨｀ヽ.⌒ヾ:.､
　　　 　,ｲj､.:.v.:.:.:.:.:.::/:/.:.:,ｲ/.:.:.:ﾉ!.:.:i.:..:j.:.:.:.:.ヾ;,.:.:.:.:.:.:ヾ.:.:.ヽ　 ｀ﾍ
　　　　/ll!ﾊ:.:′.:.:.:.:/./.／.:/.:／.,ﾉ.;/l:.:;!.::l.ﾍ;.:.:.ヽ,:.:.:.:.:.:.ヾ,:.:.'; 　　!
　　　 ∧jﾊ.:′.:.:.:.:.′〃xｆz左ｚ,;,X, .j:/ !:;|:.:.:l.:.:.:.l.:ﾍ.:.＼.:.::.':;.:.';
　　　 l.l.ヽ.:.:|.::::.:.:.:|{:.:.,仆乞芸て卞 >′l./ｊ.:,ﾘ.:./.:l.:.ﾍ.:.::.ヽ.:.:.';.'|
　　 　'.:.:.:;:升∧::.:.|.:.:{ｲ ,伐::::::斥′　　ﾉクｻﾄxj:.:.li.:l.:.ﾊヽ.:.';.:.:;.!
　　　　∨　 !′l:.:.:|:.:.! ､辷ｰクﾉ　　　 　ｹ云x.:ﾉﾒi.:/.:.:.:.:l.:.:.:.:.l:.!　　　　その中でも、私たちは世界最強の個体戦力だけどね。
.　　　　 ゞ､)l::.:.:ゝ:ﾍ､:!　｀¨¨ﾞ`　　　　　/.::ﾇﾘｹ;´.:;ﾘ..:.:.:.∧:l.:.:ﾊ!
　　　　　 'iｰl;:.:.:.::.个｀　　　　　　　　　匕ﾞ.ノ_ノノ/!:.:.:.;/　ﾚノ　!　　　　 そういった点では、凄く自由に生きられるかな。
　 　 　 　 l.:人::.:.:.ﾞl　　　　　　 　 　 　 ¨`て.._｀V.ﾊ.:::/ 　 !′
　 　 　_,､n<　 '.:.､∧　　　　　　　ｃ｡　　　人__,¨＼:l/　　　　　　　　　　　……とりあえず、依頼はオルデンブルク系を中心にするね。
　　ｲ´.:::.ハﾍ　'､l?∧　　　　　　　 　 .,／: :.j　 ／}′
／　l:::::::., 　＼　´､?「＞､　　　　 , イ´. 　.:.イ´.:l.:.|　　　　　　　　　　　　　友好関係は築いておいた方がいいでしょ。
　 　ｊ::::::::.ﾍ　　＼　　＼ﾍf＞.ｰ イ. . . :＜.:.:.:.';.:.:.:|.:|
／¨ ﾍ:::::..∧ /＼｀ >ｰ<cﾊ. . . . . . .fヽ,¨ -ﾅﾍ.';.:.:|.|
////∧::::..∧＼/∧ Y∧:lｌ. . .,,..ｲ".ｿ ',////,j.:.';.:.||
/V//,∧:::::..∧､/　 >介ｲー"´　／.:::.∧//zj.:.:.';.:.|
j∧V//∧:::...∧　　ｊメﾍ＿_　-ｲ.::::::::::::.∧//j.:.:.:.';.|
j:iV∧//∧:::::::..＼　ヽ´.:::::::::::::::::::::::::::::::::人/j.:.:.:.:';|

3490： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/30(月) 22:13:36 ID:iFRqp77g0
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
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　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└─┘


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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 □

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

3491： ◆x0SRSoJXe.：2020/11/30(月) 22:18:37 ID:iFRqp77g0

　　　　　　　　　_　_　_
　　　　　　　／: : : : : : ｀i
.　　　 　　　i: : : : : : : : : :!
　　　　　　　､: :○: : ○: :!
　　　　　　　 i: : : : : : : : : i　　　　　　　　今日はここまでだ。次回……なのだが、実は会社からようやく一つ内定をもらってね。
　　　　　　　 l: : :,, --_ｯ: :',
　　　　　　　 丶 ｀‐'´: : : :ﾉ　　　　　　　　ただ、結構ハードな職種でさ。時間の余裕があるか分からない。
　　 　 　 　 / ´: : : : : : : : ｀ヽ
　 . 　　　　/: : : : : : : : : : : : : ヽ　　　　　　心身の面でも不安が一杯だ。
　　　 , -‐': : ,: : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　／: : : ,-ｲ: : : : : : : : /｀丶: : : :､　　　　　とりあえず、来週の月曜日は大丈夫ということにして……
　 ｒ⌒ ,／　/: : : : : : : : i　 　i: : : : i
　 ` ‐ '　　/: : : : : : : : : |　　 ! : : : |　　　　　　土日休み（休日出勤しないとは言ってない）になるからね、日曜日にズレるかもしれない。
　　　　 　 i: : : : , _ -‐ ´,) 　 ｀ ヽ _|　
　 　 　 　 (_ _i￣(_　-‐'´i
　　　　　　|　:|`‐´i : : : : |
　　　　 　 |: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
　　　　 　 |: : : : : |: : : : : !





　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',　　　　　　　その時になったら、投下ができそうか様子を見ながらやっていこうと思う。
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ　　　　現状報告とかもここやTwitterでやっていくよ。
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ　　　それじゃ、次回の来週月曜日、12/7午後八時にシーユーアゲイン。
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

3492：安価のやる夫だお：2020/11/30(月) 22:25:09 ID:0RpcZ92Q0
お疲れさまです

すごいなぁ、1週目とは大違いだ

3493：安価のやる夫だお：2020/11/30(月) 22:27:19 ID:4RyuGTeM0
乙でした

3494：安価のやる夫だお：2020/11/30(月) 22:33:19 ID:QGwGOGfU0
乙ー

3495： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/07(月) 20:02:33 ID:5rh2./zA0

　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

3496： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/07(月) 20:07:22 ID:5rh2./zA0

　　　　　　 　 ,- ‐‐ -　､
　　　 　　 ｒ‐ｲ: : : : : : : : :｀,
　　　　　　i /○　○: : : : /　　　/｀ ､
　　　　　 　i_ _ _ : : : : : : :{　 　 / : : /
　　　　　　 ｀,_　_｀=-: : : :| 　 ノ : : /　　　　　実は昔から悪い癖があってねえ。現行作品抱えてるくせに、新しいお話のプロットを
　　　　　　　i: : : : :_: : : : :'y´ : : : /
　　　　　　　｀-‐､´: : : : : : : : : ／　　　　　　　思いついてはあれこれ書き留めている。だめだねえ。浮気性だねえ。
　　　 　 　 　 　 ﾉ : : : : : : : : i´
　　　　　 　 　 / : : : : : : : : : :|　　　　　　　　　 このお話が終わった後も、時間さえあれば永遠にやっていけそうだ。
　 　 　 　 　 　i: : : : : : : : : : : !
.　 　 　 　 　 （｀ー‐-　　-‐　_}　　　　　　　　　　お話を書くのも見てもらうのも楽しいからねえ。やってこっか。

3497： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/07(月) 20:07:33 ID:5rh2./zA0

　　　　　　　　　　　　　　　｡
　　　　　　　　　　　　｡ O　　 　 ＿＿_
　　　　　　　　　　ﾟ　 ｡ ＼ヽ ／ u　ヽ　｀　､　　　　　　　　ﾟ
　　　　　　　　　　-　　･｡　/ ； ﾟ（●）　　─＼　　　　　@　｡
　　　　　　　 ,　 ﾟ　0　─　{ U u　(_人__)（●）.|　／ ｡　 ,'´￣￣｀',
　　　　　　　　　ﾟ　,,､,ｒ-'⌒l u　　/亠､/ 　 ｡ﾟ /　o　 　 ,!　ハ　ハ !
　　　　　　｡　ﾟ　ｒ-'⌒`ー-'´ヾ, 〈r┬/u　　　/　｡　･ﾟ　　ｌ　フ　ム ｌ
　　　　　　　　ヾヽ､＿,,,､-､/ミ,ヽ ￣　ノ_, -イ-､＼　　 ∠ 　ハ　ッ ｊ
　　　　　　　　　　ー = ＾〜､￣r'´￣｀''ｊヽ､　 〃ヾ ﾟ　｡　ヽ フ　　 /
　ｊヽｊｖｉ､人ノｌ__　　　　　/ /　　ヽ´｛ミ,_　 ￣｀'''-ヽヾ 　　　｀￣￣
　）　　 ハ　 　７　　　 　 /　　/ ｀'＝'´ｌ ￣ｉ'-､＿,,ﾝ ﾉ　｡
　）　　 フ　 　　て　　　/　　/　　 !。 ｌ　　ｌ　　- ニ
　７ 　　ッ　　　 （　 _＿ヽ､__ｌ　___ .!。 ｌ＿_ｌ__,-=-,＿＿_
　 ）　 　!! 　 　　（ ,-＝-,　∠ヾゞゝヽ ,-≡-,ｌ　　ｌ-=二=-,
　 ＾⌒~＾⌒＾~⌒＾└==┘　 ￣￣￣　ヽ==ﾉヽ=ﾉ＼＿_／





　　　　　　 ＿＿＿
　　　　　／ノ　　ヽ_＼
　　　 ／ （〇）　（〇 ）＼　　　　　　　　ヨタヨタのコジマジャンキーどもになめられてたまるかお……
　　／　⌒ （__人__） ⌒　＼
　　|　　　／ζ⌒|　　　　　|　　　　　　　やる夫ァ健康不良優良少年だお……。
　　 ＼　 ゝ　.(⌒)　　 　 ／　ｽﾞｽﾞｰ
　　 ／　/　　|￣　　　　 ＼
　 　|　 /　　 |　　　　　　　 |





　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ヽﾄ,
　　　　　　 ｀'ｰ-､..::::...:':､..､.　　　　　ﾚ1　 ______
　　 ^''ｰ-､　　　　｀'ｰ|`''ｰ-､;_`ヽ:.. -‐''",. -‐''"｀
　　　　　　｀'''ｰ-､,_:::::{　　　　 ｀ﾞ''ーr､￣＼
　　　　 i　　　:::::::;;;＞′_,.へ. 　 　　{ ＼　 ｀､
　　r'⌒'|　　 ::i"´　　　￣｀''ｰヽ､j ﾚ'′　＼　｀､　　　　　　　　おー、いい食いっぷりだなあ。
　　| i´ヽ|　　::|　　　　 `､￣ﾟ`　　(ｿ 　 　　.＼. `､
　　ヽヽ^'l.　　::|　　　　　 ￣ 　 　 ｀i　　　　　 ＼ ',　　　　　　　やっぱ戦闘後は腹減るよな。大して動いちゃいねえんだが、
ｰ-＜｀ﾌ''ヽ.　 :|　　　　　　　　　　　l　 　 　 　 　ヽi
　　　￣｀''''ヽ､:;|　　　　　　　　　ｰ-′　　　　　　　l　　　　　　　アホみたいにエネルギーを消費してる感じがするしよ。
　　　　　　　　　￣｀7 　 　,.. ‐''"j＼
　　　　　　　　　　 /､　　　　　　{: 　ヽ
　　　　　　　　　　/　｀＞､ 　 　 {　／
　 　 　 　 　　　 /　／l 　 ｀''ｰ‐'／

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
非番を合わせて行うクーガーとの訓練は、あれからすっかり日課となった。
無機質なテーブルに乗せた、ハンバーグランチプレートを平らげ、
仕上げとばかりに水を喉へと流し込む。

向かいに座るクーガーは、意外にも自分より食べ終えるのが遅く、
優雅な所作で、未だ湯気が立つハンバーグにナイフを入れていた。

ブライドル本部の人の入りは相変わらずで、耐えることがない。
ドーム越しの青空の下で、今日も多くのサラリーマンがカップ片手に寛ぎ、
もしくはタブレットやノートPCといった各々の端末を弄っていた。

周囲も、最初こそ独立傭兵とアヴィアコルのランク10が同席していることに
ざわめいていたが、段々気にならなくなってきたらしく、
まるで空気のような扱いとなっていった。今では視線も大して感じない。

食事に速さは必要ないらしい。
それについて指摘すると、こういう答えが返ってきた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3498： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/07(月) 20:12:33 ID:5rh2./zA0

＼|:: l　　∨}:: :: :: :: :: ::　, 　-─────-　､_:: :: :: /! /:|　　
ﾍ: ｀∧　　＼ :: ,．　 ´　　　　　　　　 r- ､　´　＼:: / 1'::/
__ゝ:: :: ＼　　>　　　　　　　　　　 　 / 　 ゝ、　　 Y　/ /
:: :: :: :: :: ::∨　　　　　　　　　　　　 ,′ﾍ :: ::.＼＿」Y: /
＞:: :: :: :／　 r　T ￣￣￣￣￣￣ `'ﾞ´ ∨:: :: :1 |7: /
:: :: :: r-'-r ´:: ＼|　　　　　　　　　　　 　 ∨:: ::.ﾍ}／　　　　　　　　　いいかやる夫！　俺はこう思うんだよ！　遠回りも近道の内だと！
{⌒!:::| 7ﾍ!:: :: ::/_ ,. ＞=z ､　　　　　 　 　 ∨:: :::1}
_／∨Y　1:: :: ::!　 　t─-- ｡z_ ,ノ　 ､,ム斗,:: :: ::ト ､　　　　　　　　　 常に最速それこそ俺のポリシーにしてアイデンティティーだそれは違いない
　　 |ﾍ　､l:: :: :::!　　　｀ー─‐'`　"　　ﾉ く_ﾟ_∨:: :| 　 '.　
、　 |　＼'∨:: :ﾍ、　　　　　　　 　 　 |　　　　l:: ::|　　 '.　　　　　　　　 けれどそれは速さが求められる時にこそ発揮されるべきなのさ
ﾉ　　∨´ ＼ゝ､:::1　　　　　　　　　　 |　　　　l:: ::|ﾍ　　'.、
ﾍ　　 ＼　　 |　トﾍ　　/ 　　　　､,　　　　　　∧: | 1　　l ＼　　　　　　　レースのコーナリングだってそうさ無理にアクセルを踏むより緩めた方が
　!　　 　＼　 '､　　｀　ﾄ､＿＿＿＿ _'´__,ﾉ　,′| ! j　　,′　｀丶、
　l　　　　　＼　＼　　 ､　　　　　　　1:::/　/　 ,':1/　 /　　　　 　＼　　　スムーズに曲がれて結果ゴールまでのタイムも短くなる！　つまり
,N }　 　 　 　 ＼　＼　 ＼＿＿＿＿lｿ　ノ　　メl!, ／　　　　　　 　 ＼｀　､
　 ＼　　　　　　 ＼　＼　 ￣￣￣￣　 ,′ ／　|/　　　　　 　 　 　 　 ＼:::＼
　　　＼　　　 　 　 ＼　＼　　￣￣ 　 ,' ／　／1　　　　　　　　　　 　 　 ＼:::＼
　　　　 ＼　　　　　　 ＼　＼　　　　 //　,／　/　　　　　　　　　　　　　　　 ＼:::＼
　　　　　　＼　　　　　　 |　　｀ー─ '７　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼:::＼

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速すぎて何を言っているが上手く聞き取れないが、
よく聞くと凄いことを言っているような気がする。

こればっかりはどうしようもないので、半分受け流しつつ食事をつづけた。
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3499： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/07(月) 20:16:00 ID:5rh2./zA0

　　　　　　 ＿＿＿
　　　　　／ノ　　ヽ_＼
　　　 ／ （ー）　（ー ）＼
　　／　⌒ （__人__） ⌒　＼　　　　　　　そういや、最近カズキと会わないお。何してるんだろ。
　　|　　　　　ヽノ　 　 　 　 |
　　 ＼ 　 .,､ |￣|　　 　 ／　 ﾎｰ
　　 ／　 j '⌒t. |　　　　＼
　 　|　／ 　 /￣　　　　　 |






　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨ, -──-　､＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.ｲ::.､::.::.:.＿＿::.::.::.::.::.::｀ｰ＝ｧ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　, .:::´.::_二」'"´＿,ｨ/￣￣｀ー─イ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∠　'"´ f=く､ｰ' rｯ ｧヾ￣￣￣｀::フ
　　　　　　　　　　　　　 　 ／ 　 　 　 |広ﾉ 　 ￣ 　7::.:::r ､::.::.(
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 l　ヽ　　　 、/:.::.ｲﾆl}::(⌒　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ - 　 ￣　￣r=イ:::.:彡´　　　　　　　　　　あー、それな。昨日、ワケを聞いたぜ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _'.　￣　　　 ﾉ彡/￣｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 ヽ＿　　 ´ r /　　　 /　　　　　　　　　　「どんなですかお？」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　 ﾊ、l　　 / /　　 　 {
　　　　　　　　　　　　　　 -──--､＿_rﾍ　 ﾍ ヽ　{　ﾉ　　　　 Ｌ　＿_
　　　　　 　 　 　 　 ／:::::,　 -──‐ヽ、　 ＼　ヾ─ｧ′　　 ／　　　　 ＞　　 、
　　 　 　 　 　 　 ／::::／:: :: :: :: :: :: :: :: ＼　　＼ ｀「 r　　　　　　　　∠__::::::::::::::
　 　 　 　 　 　 /::::／:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :>､＿_,ノ　}　　　　　_. :: ´ :: :: :: ｀丶、
　　　　　　　　 l::::〈:: :: :: l :: :: :: :: :: :: :: :: :/　　／ 　 l　　　 ＜ :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::
　 　 　 　 　 　 ＼:ヽ:: :: |:: :: :: :: :: :: ::r‐'´　／ 　 　 | 　 　 　 ｀丶、 :: :: :: :: :: :: ::
　　　　　　　 　 　 ＼＼:ヽ:: :: :: :: :／　 　/　　　　　|　　　　　　　　丶、:: :: :: :: ::
　　　　　　　 　 　 　 l::〈:: :＼:: ::Y── ｧ′　　　　｜─────‐‐┤:: :: :: ::/
　　　　　　　　　　 　 ヽ:ヽ:: :: ＼{○　 /　 _　　 ´￣　　　　　　　 　 ○l:: :: :: ::/::

3500： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/07(月) 20:16:20 ID:5rh2./zA0

.　　　　　 　　　 ∧ ',　　｀ 、j ＼
　　　　　　　 　/ 　', ヽ　　　　　 ｀￣`ー――--、
.　　　　　　 　/.　　 ヽ　ヽ　　　　　　　　　　　　　ヽ、
　　　　　　 　l　　　　　ヽ.　ヽ　　　　、、＿　　　　　ヽ　　,ｲ
　　　　　 　　!　　　　　　＼ 　 ヽ　　ヽヽ、 ヾ--、、.　レ´ﾉ
　　　　 　＿｣　　　　　　　　＼ 　 ヽ　ヽヾ 、＿_ヽｊ.／　ノ＿＿
　　　　　｀ヽ:::::..　　　　　　 　　｀`ヽ、｀ヽ　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　 _＞:::...　　　　 　　　　　 ＼　T￣￣｀`ー----T＼ミ ヽ
　　　　　 '´￣＞:::...　::...　　　　　　　　ヽ!　　　　　 ﾍ.　　 k　 ＼　ヽ
　　　　 　　　　７:::::::::::::::/⌒ヽ　　　「￣　え二ﾆヽ、〉　　ri.　　　＼ ヽ
　　　　　　 ｀`＜::::::::::::::.l i⌒.l !　l!ii.ll　　‐r-。--、　　　 ﾉ 〉　　　　＼ヽ
　　　　　　　　　 >M:::::::l.!　　j　! 川l! 　　ｰ`――　　　_〈ﾟﾑ　　　　　　｀＼　　　　　　　……デキちゃったそうだ。
　　　　　　　／´｀ヽ、ヽ::::ﾍ＼!´ l!ﾍ !. 　　　　　　　 　　l. /
　　　　　 ／　　　　　ヽ 人　　　　W.　　　　　　　　 　　l/
　　　　　ﾉ 　 　 　　　　 ヽ.〉 　　　　　　　　,.　 　　ー.、j
　＿_ ／　 　　　　 　　　 　ヽ　　　　　　　´ヽ、＿＿_,イ
'´　∠＿　　　　　　　　 　　　 ヽ　　　　　　　　　　,-‐/
　　　　　￣ﾍ￣￣￣￣｀`ヽ.　　 ヾ　、　　　　　　　　l
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　　　　　　／　　　　　　 　　　　　ヽ　〉￣＼＿＿＿,j
　 　　　／　　 　　　　　　　　　　　　ヾ
　　　／ 　 　　　 　　　　　　　　　 　　ヽ
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lヽ　＼: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ､ヽ
|::::＼　＼: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
ヽ::::::＼　 ＼、: : : : : ミ､ゞヽ＼: : : : :Ｎ Ｍ/）: }
＼ﾊ:::::::＼　　｀ー-、: : : : : : : : :ヽ: : : : ＿,-,-{ﾉ
:.:.:＼i::::::::::::｀-、　ミ ￣ﾄー-----､...ヽー､　⌒ヽ、
:.:.:.:.:ヽ:::::::::::::::::::ー､__ヾ、　7'ー-､　　　　 ｀ﾆヽ; :｀ヽ、
:.:.:.:.:.:.:ヽ::::::::::::::::::::::::.:.｀,ﾌ /／´＼＼_/ﾉ ､ｙ'ｒ） ＼: :.ヽ
:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:::::::::::::::::::.:.:ｲ　　　　 /´ ｡y´　〈ﾉ,j　 　 ＼:.ヽ
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ;;;（￣｀}:::..:l　　　　 ｀ー'　　.:: ヽヽ　　　　＼i
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ　}ヽ ｌヽ:.:{　　　　　　　.::::::::　 |/
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|;;＼ヽ__>-ヽー､　　　　_　､_　_|ｰ-,　　　　　　　　　　　　　ぬおおおお、吹くなー！
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|;;;;;;;;;ヽ:::::::::::　 ｌ　　 ／(二ヽ,-'　 /
、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|;;;;;;;;;;;|::::::::::: 　|　 {;;;;;;;;;;;;;;;;;;|　 /｀ー---､＿　　　　　　　　　「ゲッホ、ゴホ……ご、ごめん、クーガーさん」
;;;＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ;;;;;;;;;|::::::::::　　}　|;;;;;;;;;;;;;;;;;;|　 {;;;;;;;;;;;;;;;;;,ｌ;;;;;;｀ー-,＿
;;;;;;;;;＼:.:.:.:.:.:.:.:.:＼;;;;＼::::::　　|　l;;;;:,r'^ヽ;;;ｌ　 |;;;;;;;／:.:.:.|::;;;;;/ _,r-';;;　　　　　俺のハンバーグどうしてくれんだ！　
;;;;;;;;;;;;;;;{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼;;;;;＼　　!、ヽ､,===ノﾘl ハく:.:.:.:.:.:.:.:.V／;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼;;;;;＼ ト、　￣ -ｲ´:.:.:.:!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:};;;;;;;;;;;;;;;;;;;　　　　　　ったく……単品で何かもらってくか。
;;;;;;;;;;;;;;;;;|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼;;;;;＼ l ヽ､_.ｨ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｊ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
＼;;;;;;;;;;;;;|:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／＼;;;;;＼//ｲl:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:};;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　 ｀〉;;;;;;;;|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／　　　＼;;;;;;＼ ヽ､__:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　　ヽ;;;;;;;;{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ　○　　/ ＼;;;;;;＼＿二ヽ、:.:.{;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;

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予想だにしない言葉に、盛大に含んだ水を吹き出してしまった。
目前のクーガーのハンバーグプレートが見事に犠牲になり、悲鳴が上がる。
周囲の視線が刺さるのを感じ、慌てて声を潜めて聞いた。

それはつまり。
カズキが父親になった、ということだろうか。

クーガーは口を尖らせつつ、「それ以外ねえよ」とぶっきらぼうに続けた。
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3501： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/07(月) 20:20:21 ID:5rh2./zA0


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨ, -──-　､＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.ｲ::.､::.::.:.＿＿::.::.::.::.::.::｀ｰ＝ｧ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　, .:::´.::_二」'"´＿,ｨ/￣￣｀ー─イ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∠　'"´ f=く､ｰ' rｯ ｧヾ￣￣￣｀::フ
　　　　　　　　　　　　　 　 ／ 　 　 　 |広ﾉ 　 ￣ 　7::.:::r ､::.::.(
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 l　ヽ　　　 、/:.::.ｲﾆl}::(⌒　　　　　　　　　　　　　俺たちゃ傭兵だ。いつ死んでもおかしかねえ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ - 　 ￣　￣r=イ:::.:彡´　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _'.　￣　　　 ﾉ彡/￣｀ヽ、　　　　　　　　　　　　だから、生きてるうちにやれることをやっとく奴もいる。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 ヽ＿　　 ´ r /　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　 ﾊ、l　　 / /　　 　 {　　　　　　　　　　　　　　そのうち死ぬからと、最初から何もしない奴もいる。
　　　　　　　　　　　　　　 -──--､＿_rﾍ　 ﾍ ヽ　{　ﾉ　　　　 Ｌ　＿_
　　　　　 　 　 　 　 ／:::::,　 -──‐ヽ、　 ＼　ヾ─ｧ′　　 ／　　　　 ＞　　 、　　　　　　しかし、年下の男がガキこさえたとなると、
　　 　 　 　 　 　 ／::::／:: :: :: :: :: :: :: :: ＼　　＼ ｀「 r　　　　　　　　∠__::::::::::::::
　 　 　 　 　 　 /::::／:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :>､＿_,ノ　}　　　　　_. :: ´ :: :: :: ｀丶、　　　　　　　俺もちょーっぴり複雑だがね。
　　　　　　　　 l::::〈:: :: :: l :: :: :: :: :: :: :: :: :/　　／ 　 l　　　 ＜ :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::
　 　 　 　 　 　 ＼:ヽ:: :: |:: :: :: :: :: :: ::r‐'´　／ 　 　 | 　 　 　 ｀丶、 :: :: :: :: :: :: ::
　　　　　　　 　 　 ＼＼:ヽ:: :: :: :: :／　 　/　　　　　|　　　　　　　　丶、:: :: :: :: ::
　　　　　　　 　 　 　 l::〈:: :＼:: ::Y── ｧ′　　　　｜─────‐‐┤:: :: :: ::/
　　　　　　　　　　 　 ヽ:ヽ:: :: ＼{○　 /　 _　　 ´￣　　　　　　　 　 ○l:: :: :: ::/::





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::!ﾍ 、
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /:::::::＼＼::'　 、
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 !::::::::::::::＼＼::::｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 N::::::::::::::::::::＼＼::::::::ﾍ ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ::::::::::::::,.ｨ::::::＼7 ､:::::::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ７:::::::::::!i l::::/´ 　 ,_＼7
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒ス _,≧N 　 　 fｯ!∧ヽ、
　　　　　　　　　　　　 , -──-　 _ ,.／　 ＼ l　　 ､　 　j　 ' .::!　　
　　　　　　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::!　　　 　 下、　 > '´　 　 |:!　　　　　　　　　しばらくは休業だとよ。あいつはこれから忙しいだろうな。
　　　　　　 　 　 　 /:::::::::::::::::::::::::::::!　　　　 ／ ィ ､_!　　　 　 i|　　　
　　　　　　　　　 ／::::::::::::::::::, -─ へ、 　 /∠_」　　　　　　　　　　　　　　　　　式も挙げるっつってたぜ。
　　　　　　　　 ノ:::::::::::::::::::/ : : : : : : ノ＼∧　!
　　 　 　 　 ／:::::::::::::::::／,. -': : : : j　　　!　i　ﾄ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　「お、同い年なのに……」
　　　　　.／:::::::::::::::::／／: : : : : : / 0 ／　 ! 「!:::'.
　　　 ／:::::::::::::::::／／: : : : : : : :/-＜　 　 ﾊ !: !:::!　　　　　　　　　　　　　　　　　珍しい話でもねえさ。
　 r ＜:::::::::::::::／／: : : : : : : : :/ ０　 ｀ヽ/ oY: j::::!
　 !　 　 ｀　 ､l／!: : : : : : : : , ０　　 　 　o ／ノ:／
　 ,　 　 　 　 1　!: : : : : : : : !　　　　 　 ／: r'::ﾉ
　　,　 　 　 　 Ⅵ: : : : : : : f０　　　　ﾟ /: : : :!:::!
　 　 ､　　　 　 ﾍ: : : : : : :ノ　　　　o /! : : :.:|:::i
　　　　、　　　 　 ,: : : : : ! o　　　　ｲ: ! : : :.:|:::!
　　　　　 ､　　　　 '. : : : } 　 　 　 oi: :!: : : :.l:::!
　　　　　　'　､　　 　＼ : 7＼　　　 |: j: : : : l:ｿ、
　 　 　 　 　 ∧　　　人: :!　 !　　　 Vー‐ '´　 !

3502： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/07(月) 20:29:31 ID:5rh2./zA0

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼　　　　　カズキがお父さんで、旦那さんかお……
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　なんだか不思議な感じがするお。
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　おめでとってメッセージ送っとくかお。
　　＼ ／＿＿＿ ／

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
傭兵という生き方をする以上、その生き方は極端に分かれる。
クーガーの言い分ももっともだ。そして、少し前までの自分は、後者に近かった。

自分には力がない。ネクストを失えば無力な自分に戻る。
無力な自分が、誰かの傍にいたとしても、その人はいなくなる。

最初の友達のように、あの時の少女のように。
何かを抱きしめてみても、砂のように零れ落ちる。
だからこそ力が欲しかった。価値が欲しかった。

今も、そこだけは変わらない。
自分は自分だが、ネクストがなければ、ただの非力な小僧だ。
逆を返せば、ネクストに乗れている内は、自由に生きられる。
好きなだけ壊したり、守ったりできる。

カズキも、きっとそうなのだろう。結婚を機に引退、とならないのも、恐らくそれだ。
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3503： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/07(月) 20:33:10 ID:5rh2./zA0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｨ ィ, ──-厶イ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨイ::/::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.ﾊ
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,ｲ/::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.从ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 { ヽ、:＿＿＿::.::.::.::.::.::／ /:{_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ∠--ヽ　　 ｀ ＜￣ ／::.::.ミ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::ｨ≦_, ー--ｧx　＼´::.::.乂⌒
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /:イfｰa´ ｰ=≦ニ;＼ﾊ::.::.しィ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /′{ ￣/　　 ｀ｰﾟ´　 /Ⅵ､:ﾄ⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　 　ヽ ヽ　　　 　 　 ﾉｨ´ｿ:( }　　　　　　　　　　なあ、やる夫。おめー八神はやてにゾッコンなんだろ？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r､} ト─--ｫ __ 斗≦(｀
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 Y ﾊ｀二￣/　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　「改めて言われると恥ずかしいけど、そうですお」
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 | | l＿_ イ　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿ 　-} |, ﾍ　 ｜　　 　 ＼　　　　　　　　　　　　　　とにかくよ、言えるうちに言っとけ。
　　　　　　　　　　　　　　 _...:::::::::´::::::::::＜　　　 ヽ｜　.'　　　　　　　｀ーｧ…─‐-　 、
　　　　　　　　　　　　 r'´::::::::::-───‐｀丶、 　 ＼_/　　　　　　 ,.　＜:::::::::::::::::::::::::::丶、　　行動して後悔するなら踏ん切りがつく。
　　　　　　　　　　　　 |:::／ :: :: :: :: :: :: :: :: :／　 　.イ　　　 , .. :: ::´:: :: :: ::￣￣｀ー- ､:::::::l
　　　　　　 　 　 　 　 {::l :: :: :: :: :/:: :: :: :／　　 ／ /　　　　＼:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: }:::::|　　　何もせず後悔するのは一生モンだ。
　　　　　　　 　 　 　 ﾉ/:: :: :: :: :/:: :: ∠＿＿／　 .′　　　　　＼:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::l:::::|
　　　　　　　　　　　//: :: :: :: ::｜:: /○ 　／　　 /￣￣￣￣￣￣}:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :::|::::入
　　　　 　 　 　 　 //:: :: :: :: :: ::|:: :l　　／　　　 /　　　　 　 　 ○｜:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :ヽ::ヾ ＼
　　　　　 　 　 ／:/ :: :: :: :: :: :: |:: :|,／　　　　 /　　　　　　　　　　|:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ＼:＼」
　　 　 　 　 ／:／:: :: :: :: :: :: :: 」:: {--r──‐ ′　　　　　　　　　｜:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ＼:::＼
　　　　　　/:::/:: :: :: :: :: :: :: ／ l:: :ヽ-'　　　　　　　　　 　 　 ○　/:: :: :: :: :＿＿_:: :: :: :: :: :: :: ::ヽ:::::ヽ
　　　 　　/::/:: :: ヽ:: :: :: :: /　　ヽ:: :l　　　　　　　　　　　　　　　/:: :: :: :: :: :: ::/　 ｀丶、:: :: :: :: :: :＼:::ヽ
　　　　 ノ::/:: :: :: ::}:: :: :: /　　 　 }::｜　　　 　 　 　 　 　 　 　 /:: :: :: :: :: :: ::/　　　　　＼:: :: :: :: :: ::}:::::l
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　 ヽ　 　 　 　 　 ＼　　 　 　 　 |:: {○　　　　　 　 　 　 　 |:: :: :: :: /　　　　　　　　　　　　 ／
　　 ＼　　　　　　　 ＼　　 　 　 ヽ::ヽ　 　 　 　 　 　 　 ○|:: :: :: :/　 　 　 　 　 　 　 　 ／
　　　　＼　　　　　　　 ＼　　　　｜::l　　　　　　　　　　 　 |:: :: :: ::ヽ　　　　　　　　　 ／





　 　 　 　 　　　＿＿＿_
　 　 　 　　　／⌒　　⌒＼
　 　 　　　／（ ―） 　（―）＼　　　　　　　　　考えておきますお……クーガーさんも、いい加減なのはさんの名前、
　 　 　 ／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　 覚えてあげた方がいいと思うお。なのはさん、クーガーさんのこと、嫌ってはないから。
＿＿（　⌒-ｨ⌒ヽ、 　 /⌒` '⌒　）＿＿
　　　　 `ー-ゝィｿﾉー‐ヾy＿ﾉー"





￣｀`ｰ-- ､＿::::￣`'''ｰ-､　　　 ,　　　,.-――――--､_
‐-､__::::::::....　::...　ヽ､:::::::::｀'‐／/__,／::::::::::::::::::＿__,,,,,,....二ﾆ
　　 く￣､￣｀`''ヽ､..__:::::...::::l:::/:／:,.､-‐''"´￣
‐‐-yゝ､l:`ｰ―---､,,,二ヽ_」」/／::ヽ、
::／　 ｀'''ｰ---―‐''''''''''`ヽ　￣ヽ、::::l
ﾐ`　　　　 /´⌒ヽ、　　　　　　-､ l_,ノ
ﾞ､＝＝==-'､0＿　 !　　　　　　　ヽ＼
:::ﾞ､　　　　　 　 |￣!＝=‐､　 r‐､　ヾ:::|
::::::ﾞ､‐-､ _　　　|　 |!　 　 ｀＼0_j　 ├'
::::ミﾍ､,,＿｀ヽ、|　 |!　　 ／⌒ﾉ＼／　　　　　　　　なんだってェ！？　なおはさんが！　俺に！？　ラブハート！？
/ヽ　|'ｰ‐-ﾆ＝､｀`ヽ､／　　'´|　| |＼
　　｜::::::::::::::::::::￣｀''＝=､＿ l.__| |　 }　　　　　　　　「早とちりも甚だしいですお……」
　　 |:::::::::::::::::::::::::::::::::￣`‐７'　｀7ｰ‐'ﾞ
　　j‐-､＿:::::::::::::::::::::::::::／　 ／:/
　　l　　ヽ　＼::::::::::::::::/ 　 ／Ｗ
　　|　　　　　 ヽ:::::::::/　／
　　|　　　　　　 |:::::/　/
　　l　　　　　　ﾉ:::/　/
-､　｀ヽ､＿,,／:::/　/
:::::＼ヽ､｀'''ｰ‐''"　.ﾉ

3504： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/07(月) 20:33:26 ID:5rh2./zA0

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3505： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/07(月) 20:45:11 ID:5rh2./zA0


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　　　　　 |　　　　　　　　::::|　 ｷｭﾑ
　　　　　 i　　　　　＼　::::/　ｷｭﾑ
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時刻は既に午後の六時を回っていた。
トウキョウまで戻り、自室のある居住区へと向かう途中、
なのはに話してもらった内容を思い返していた。

作戦終了後、なのはに改めて理由を聞いたのだ。
自分をリンクスとした、本当の理由を。

明るく無機質な廊下で、白衣や作業着、スーツと様々な服装の人々とすれ違う。
慌ただしかったり、規則正しかったりする足音が行ったり来たりする。
身体を巡る酸素のように、スタッフたちが基地を巡る中、帰路に着く。

すれ違うスタッフから意識を外し、あの時のなのはの表情を思い起こした。
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3506： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/07(月) 20:51:59 ID:5rh2./zA0


　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　＿_⌒＞:.ミー‐､　＿＿
　　　 　 　 　 ⌒＞―:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀:....、　 ＿
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　 　 　 　 ／:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.:.:.:.ヽ
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　 　 　 　 /:./:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:|:.:.|:./ |:.:/　 ｌ:.:.:.|:.|:.:.:|:.ｌ:.:|:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　 　 　 ,:.:/:.:.:.:.:j:.:.|:-|‐十十ト |/　　 |十|十‐|-､:|:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i
　　 　 　 |ｲ:.:./:.:.:|:.:.|:.ﾊ|　V 八　 　 　 |ﾊﾉ 八ﾊﾉ:.|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　|:.:.ｌ|:.:.:ﾊ:.:.:.-r竓芹坏　　 　 竓芹抃-|ﾉ:./.:.:j:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　　　復讐だよ。
　　　　　　|:.:.||:.:.:| |:.:.:[　 辷ｚリ　　　 　_辷ｚツ　/:/:./:ﾘ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |
　　　　　　ヽ八:. | |:.:.八　 　 　 　 ,　　　　　　 /:/:./:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |
　　　　　　　　 ヽ|八:.:.:.ゝ 　 　 　 ｀　　 　 　 /ノ:./:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　　　　 ＿　　 　　＼:.:ト　　 　 ｰ一 　 　 ／:.:/イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　 /ニﾆ=-　__　　V＼:＞　　 　 　 イ /:.:./　 l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　 　,ｲニ7　 ｰ=ニﾆ=　厂/ ￣ ７‐≦zノ/:.:./　　.| :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　／}}:ﾆ7　 ＼　　 辷7　〈　　 /天ヽ　 /:ノ 　 　 | :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　 ′ﾉ'ﾆ7　　　〉　 　 /　　 ヽ／/Ｙ]　∨　〕ﾆ､ 　 .| :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　 ﾚノﾆ7　 　 ∧　　　＼　.／| 〈_//　/　　|-ニニミx__:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　 /ニ7 　 　 /∧　　　 ／.　 |―-.、∧＿_|　　-ニニニヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:|
. /ﾆフ　　　 /::::::::.　 　 ＼ 　 |ニニ/　 ＼　　　　 　／ﾆ=i:.:.:.:.:.:.:.: |
/￣　　　　./:::::/辷､ 　 　 ＼:|ニ=/　　 ／　　　 ／　　 ﾆ|:.:.:.:.:.:.:.:.|

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なのはは最初に、簡潔で強烈な二文字を並べた。
彼女の自室で、相変らず空の飲料パックやら何やらで大変なことになっていた
ところを片付け、それが終わった時のことだった。

ローテーブルを挟んで彼女と向かい合うように座り、クッションに尻を沈め、
綺麗に足を鳶足にした状態でこちらを見つめていた。
いつものジャケット姿には皺ひとつなく、薄っすらと施された化粧は最低限で、
彼女の精神的な静けさを表しているようでもあった。

彼女の言によれば、かつてなのはが撃破した黒いネクスト。
そのリンクスが、まだ生きているというのだ。
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3507： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/07(月) 20:58:35 ID:5rh2./zA0

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　　　　　　　　 　　　　_＿　　 　 　　　-.:―:.:.s。　　 ／ィ.:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　　 　 　 　 　　'⌒_＞s。ィi〔.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.≧/:./-:.―.:.､.:.:.∨
　　　　　　　　　　　 ィi〔.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/{.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ}!/⌒ヽ.:.:.:.:.ヽ.:.∨
　　　　　　　　　 ／.:.:.:.:.:.:.:.:／／.:.:.:.:/.:.:.:.:.:..＼:.ヽ.:.:Ⅶ｀ヽ.:.:.'.,.:.:.:.:.:..|
　　　　 　 　 　 .:.:.:／.:./:..:,:.:./:./.:.:/:ﾊ.:.l.:.:.:.:|.:.:.':.:.:';.:.∨.:.:::',.:.:.:∨.:.:.:|
　　　　　　　　/／|:..:.,:...:./.:.:.{:.:l.:.:/;'　 !:!.:＿l.:.:.:.l.:.:.!.:.:∨.:.:.l.:.:.:.:∨.:.:l
　 　 　 　 　 /' 　 |.:.:.l.:.:.:!.:.:.:.|⌒:{:{ 　 |ハ.:./｀ヽ'.:./.:.:.:ﾊ:.:.:.|.:.:.:.:.:|.:.:.:|
　 　 　 　 　 　 　 |:.:∧.:.:ヽ:.:.ィf笊{　 　 笊ぅｘ:.:イ.:.:.:/.:.:| : |.:.:.:.:.:|.:.:.:|
　 　 　 　 　 　 　 |ﾊ.:{ ヽ{､:.:ゝ乂ﾂ　 　　t':::ツ〉/:.／Y:/|.:.:|.:.:.:.:.:|.:.:.:.!　　　　　　　許せない、納得いかない……ていうのもそうだけど。
　　　　　　　　 　 　 ';{ 　　}:.:.:l　 　､ 　 　 　 ／ィ:.l_ノ:'　|.:.:|.:.:.:.:.:|:.:.:.:l
　　　　　　　　　　 　 　 　 }.:.人　 　 ､　_　 　 ｲ.:.:.ﾘ' 　 /.:.; :.:.:.:.;.:.:.:.:.|　　　　　　　 それ以外にやりたいこともない、っていうのが本音かな。
　　　　　　　 　 　 　　　_ ,-､:.:介s。 　 　 ィi〔/.:./。s≦≧:､.:.:./.:.:.l.:.:|
　　　　　　　　　　 /^ｧ/ / /＞ｧ}＿｀≦!_ イ。sｧ´ﾆ;'ﾆﾆﾆﾆ_∨.:.:.:, :. |　　　　　　　　でも、今の私はネクストに乗れないから、君を立てた。
　　　　　　　 　 　(_,ｲ ! ,'ィ/　,ｲﾆ／ /r:ァ､ ／/ﾆﾆ,ﾆﾆﾆﾆｨ≧､.:./.:.:.;
　　　　　　　 　　　ハ_Y／　/ﾆ「_ イ/Y´／　,:ィ｀/Ⅶﾆﾆ_{ ! ⌒Y.:.:./
　　　　 　 　 　 　 !　 ,.:　　/ィ´　/_ﾆ／ ｀ ＜　 ､l　Ⅶﾆﾆﾏ, 　 ﾉ:./
　　　　 　 　 　, ⌒}　 　 イ{/|　/_／ 　_。s≦｀ヽ|　 Ⅶﾆﾆゝｒｲ:.:/
　　　　 　 　 　}｀ ー≦ 　／ |イ_,,ィ≦- ―'　　　|　　Ⅶﾆﾆ└'Y
　　　　 　 　　 }　 　＞　´ 　 ／　　 　　　　　 /^ヽ 　 ｀ヽﾆﾆﾆ{
　　　 　　　　　ゝ_, '　 　 　 ,'　　　　　　　　 　八　 ﾊ　 　Ｙﾆﾆ{
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かつて世界を混乱に陥れ、反体制勢力の活性化を招き、
多くの企業に大損害をもたらした黒いネクスト。

そのリンクスが、素性を隠して現ブライドルのランク1に君臨している。
なのはにとっては、旧友や家族を死に追いやった、仇同然の男が。
淡々と語って述べてはいたが、その胸中は察するに余りある。

討てたと思っていた仇が生きていた、というのは、想像を絶する屈辱だろう。
その眼は酷く濁り、時折、虚空を見据えていた。
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3508： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/07(月) 21:04:52 ID:5rh2./zA0

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　　　　　　　　　　　　　 　 　 /: : : 〉': : :/: : : :／: : , : : : : : : : : : : :｀ : : ＼ ｀ :ﾍ
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /: : : / : : /: : :∠._:_／ｲ,イ , : : : : : : : : : ＼: :ヽ 　ヽ
　　　　　　　　　　　　 　 　 ′: : ' : : : l: : :/ /／｀メ、//| ﾊ: l: : : : : : : : :＼､ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　| : : :_l: : : : l: ,.ｨ 7´:てﾊ　 >　ﾘ. }ｲ.: : : : : : : : : : ヽﾘ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 V´う.l: : : : l: :{ ん::::::::ﾘ'　　 　 /｀ﾒ､ : 〉: : ﾊ:、 ﾄ.ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　 ∨　ﾙ: : : ﾊ:l 辷ヒ_ノ 　　　　,ｨう、 l/: : : : l |: l l: |
　　　　　　　　　　　　　 　 　 }､　| : : ﾍ ｀　　　　　　　　ん:/ﾉノ: : ﾊ: : | |｜| l　　　　　　やる夫君はどうなの？
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |: :Y}: : :.ト:.､　 　 　 　 　 〈:ン´r- ､' : |: ;'　!:l .ﾚ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |_ノ '. : : :.　　　　　　　_　 ' 　 ムﾆ､}: :ﾚ 　 ﾘ　　　　　　　　 黒いネクストに対して、思うところはない？
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 . イヾ:､ '.ﾍ: ﾍ　　　　　 ´ ´　 　'　l　ン : |
　　　　　　 　 　 　 　 . : ´|.　i!　ヾ:､ヾ:､ﾄ｀: .　　　　 . : ´ 　_. :´: : : :|
　　　　　　　　 　 . : ´　 . :| 　i!　　ヾ:､＿_,.イl｀ ｰ ´　 r ≦.､: : : : : :!
　　　　　　　 . : ´　 . : ´:.:.:|　　'. くヽ `ﾍ ‐く| !　　 　ノL:.｀ヽﾊ: : : : :|
　　　 　 ._:_´＿. : ´:.:.:.:.:.:.:.:!　　 ﾍ ´　∧X〈リ .．＜　 ﾊ:.:.:.:.:｜: : : :|
　　　／―― ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　 ヽ_/　〉 r ´　 .．＜　∧:.:.:. ! : : : :|
　　 {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i!.:.:.:.:.:|　　　　 ﾍ　 r┴　´ 　 　 　 ∧:.:.:|: : : : :!
　 　l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:l.:.:.:.:.:!　　　　　 ヽ∨　　　　　　　　 〉:.:|: : : : :!





　　　　 　 ／ ￣￣ ＼
　 　 　 ／ノ　　ヽ__ 　 ＼
　 　 ／（―） 　（― ） 　 ＼　　　　　やる夫は……実は、あまり。因縁を一切感じないわけじゃないですけど、
　 　 |.　　（_人＿）　　　u　|
　　　＼ 　 ｀⌒ ´　　 　 ,／　　　　　　血眼になって殺しに行くほどではありませんお。
　　 　 / 　　　　　　　　ヽ
.　 　 /　l　　　,/　 /　　 i
　 　 (＿) 　　(__ ノ 　 　 l
　 　 ／　　／　　　___ ,ノ
　 　 !､＿__!､＿_＿＿_つ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
なのはにそう問われたが、濁した答えしか返せなかった。

正直、黒いネクストとて、自分と大差ないようにも思えたのだ。
自分も彼もリンクスだ。たまたま彼の方が、壊したり殺したりした数が多かっただけで、
やっていることの本質は何一つ変わりはしない。

確かに彼は自分の両親の仇とも取れるが、それを言ったら、
自分だって誰かにとっての仇だ。

簡単に割り切れはしなかったが、何もかもを棚上げにして怒りを露わにするには、
復讐心を掻き立てられるには、悲しみが足りなかった。

なのはの言うように、それ以外ないのであれば違っただろうが。
今の自分には、多くの物がある。ただ、それを口に出しては言えなかった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3509： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/07(月) 21:06:51 ID:5rh2./zA0

　　　　　　　　＿＿＿
　　　　 ／）／ノ '　ヽ､＼
　 　 ／ .ｲ '（●） 　.（●）＼　　　　　　でも、ランク1は……ネームレスは、そのうち潰しますお。
. 　 /,'才.ﾐ).　 （__人__）　　　＼
. 　 |　≧ｼ'　　 ´ ⌒｀　　　　　|　　　　　いつになるかは分からないけど、いつかは。
.　　＼　ヽ 　　　　　　　　　 ／





　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿_　　　　　　〃:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　, x≦:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.≧ｭ､　　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　　, x≦:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.＼i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.ヽ:.:.:‘，:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:/:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.‘，:.‘，:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　′:.:./:.:.:.:.:.//:.:.:i:.:.:.:.:.:‘，:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:}:.:.:.:.i:.:.:.:.:.ｌ:.ｌヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
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　　 /:./:./:.:.:.:.:.:.{:.ｉ:.:.:.:.:.ｉ:.:.:.‘，:.:.:.廴---- ､:.l:.:.:.:.:l:./:./:.l:.:.ll:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　.i:.:.i:. i:.:.:.:.:.:.:i:.:.l:.:.:/‘，:.:.:.ヽ´:.:.＼＼:.:.:.ヽ|:.:.:.:.:|:.:/:.:.:.l:.:l l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　　l:.:.l:.:.l:.:.:.l:.:.:.l:.:.:⊥L　ヽ:.:.:.:.ヽ 　≧===＜|:.:.:.:. l-､:.:.:.l:.:l l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　|:.||:.:.l:.:.:.l:.:.:.l／{ヽ:{　　＼:.:.:＼〃γ::ヽ Ⅶ:.:.:.:.|- ',:.:.l:..l　!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　|:.||:.:.:',:.:.ﾄ:.:.:|ヽ|≧= ､　　｀ヽ___＼{:::::::う |:.:.:. : | ｀} }/:.l　 l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.　　　　　　　……えっ？
　　リ !:.:.:.ヽヽ:.:ヽ〃 f::::ヽ　　 　 　 　 ゞ- ' ｌ:.:.:.:.:.:ｌ ヽ }:.:/　｜:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　　　　∨:.:.‘，ﾄ:.Ⅵ　ﾏ:::::}　　　　　　　‐ ´ |:.:.:.:.:.:|- /:./.　　!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.　　　　　　　 そうなの？　でも、私にとっては仇でも、君は……
　　 　 　＼:.:.ゞ:.｀ヽ､　ゞ '　　,　　　　 　 　 {:.:.:.:.:.:|／:./.　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　 　 ヽヽ:.:.∧｀￣　　 ｀　　　　　 　 i:.:.:.:.:.:!{:.:.,′　　l!:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　ｌ｀:.:.:.∧　　　　 　 　 　 　 　 |:.:.:.:.:|　',/　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　|:.:.:.:.:.:{ ヽ　　　　r- , 　　　 /|:.:.:.:.:!　 ヽヽ　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　|:.:.:.:.: |　 ＞ .　　　 　 　 　 　|:.:. /　／　 ‘， |:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　!:.:.:.:.: l　　　　　＞　 　 ,ｲ　　|:.:./／　　 　 ‘，ヽ、:.:.:.:.:.
　　　　　　　　ヽ:.:.:.:.|　　　　　　　　 /ヽ　 . |/　　　　　　 /　　　',≠:.＿
　　　　　　　　　 ＼:{　　 　 　 　 ,xｲ′r-､ ′　　　　　 /　 　　 ∧::::::::::≧ｭ､
　　　　　　　　　　　｀ヽ　 　 ,x≦　/　/― }　　 　 　 　/　　　　　∧:::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　 ,x≦／　　/　/　　∧　　　　　 /　　　　　　∧::::::::::::::

3510： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/07(月) 21:14:06 ID:5rh2./zA0

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　_ノ　ヽ､_.＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼　　　　　　恩師の仇ですお。理由としちゃあ十分だし、上等ですお。
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　二束三文の金よりは、よっぽど張り合いがあるお。
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　　
　　＼ ／＿＿＿ ／





　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿_
　　　　　　　　　　　　 ,x ≦:.:.:.:.:.:.:.:.:≧ｭ､
　　　　　　　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:--――-:､ヽ　／｀ヽ
　　　　　 ,x ≦:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.//:.:.:.:.:.:.‘，
　　　　 /:.:.／:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.:.:.:.:. ／{{i:.:.:.:.:.:.:.:.:‘，
.　　 　/:.〃:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:／:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:. /:.:.',
　　　/:.//:.:.!/:.:.:.:l:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:./:!:l:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.}
　 　 i:./ {:.:.l{:.:.:.:.:.:l:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:‘，:.:/:.:l:.l:.:.:.:.:/:.:.:.:./
　　　ﾘ　i:.:.{ i:.:.:.|:.⊥:.‐‐:.:、:.:.:.:.:.:.:.:.:. ‘，:.:.:ｉ:.ｉ:.:.:./.:.:.:.:.,′
　　　 　 l:.:.l l:.:.:.l:.:.:{ ,斧ﾐx｀:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.: i:.:./l:.l:.:./:.:.:.:.:/
　　　　　ｉ:.:l l:.:.ヽ:ﾏヽ ﾏ:: ',ヽ:.}:.:.:.:.:.}:.:./:./:.|:.: /:.:.:.:.:/
　　　　　l:.:l ヽ:.{::!ヾ､　乂ﾘ　}:!:.:.:.:.: !/ﾐ}/_:.|:./:.:.:.:.:/
　　　　　Ⅳ　 {:./　　　 ￣　}:!:.:.:.:.: l　 　 l.l./:.:.:.:.:/:|　　　　　　　　なぁに？　親孝行ならぬ、先生孝行？
　　　　　　 　 |:.:ﾍ　　　 ,　 〃}|:.:.:.:l　　　iｌ |:.:.:,′: |
　　　　　　 　 |:. : l＼￣　　/､ /:.:./　　／/|:.:.{:.:. : |　　　　　　　　「みたいなもんですお」
　　　　　　　　ﾏ:.:.l ＿_ヽ-,r´ヽ:.:/-‐ ´／　!:.:.!:.:.:.:.:ｌ
　　　　　　　　 ゝ:.{::::::: ／/／}／　 ／　　人:.l:.:.:.:.:.l　　　　　　　　……そっか、なら、期待させてもらうね。
　　　　　　　　/::::ヽ::/　/／>〃 ／　　 ／:::::‘，:.:.:. l
　　　　　　　　l::::r==　/／/　l／ L＿_/:::::::::::::::ヽ:::::‘，
　　　　　　　, l::::ll　　/ヽ/,ｲ´　　<　　 ＼:::::::::::::::::‘，::',
　　　　　　 ／　lｉ　 /::／　 　 ≧´　　　 /::-―::￣:‘，:.ヽ
　　　　　〃　　 |　〃 ≧ ´　　　　l li　/:::::::::::::::::::::::::::}:.:.:.‘，
　　　　/　　　　 l イ　　　　　　　　li /::::::::::::::::::::::::::::::::}:.:.:.:.
　　 　 {　　　　 // 　 　 　 　 　 　 /:::::::::::x≦ ヽ､:::::/:.:.:.:.
　　　　 ヽ_　　{　{　　　　　　　 　 /:::::::::://　 　ヽ}::/:.:.:.:.:.
　　　　　 i　　 | ‘，　　　　　　　　i::::::::::::i ',　　　 }〃}:.:.:.:.
　　　　　 |　　 |　 ヽ　　　　　 /　 /:::::::::《 r===／　 i:.:.:.:
　　　　　 l　　/　　　　　ー‐/　　<:::::::::::::｀:r 〃　 　 l:.:.:.:
　　　　　 l　 /　　　　　　　/　　 　＼:::::／／　　　　l:.:.:.:.

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
自分をここまで育ててくれた人の人生を滅茶苦茶にした男。
親しい人を殺し、のうのうと生き延び、なのはにこんな眼をさせる男。

それだけでも銃口を向けるには十分だ。
人の命が軽い時代だ。二束三文で殺し殺される。
そんな中で、恩師の仇討ちというのは、戦う理由としてこれ以上なく上等だろう。

その男も、きっと覚悟はできているはずだ。
あれだけ多くの物を壊し、人を殺したのだ。立場が逆転する覚悟もあるだろう。

もしも覚悟がないのであれば、その程度の男というだけだ。
その場合も漏れなく死んでもらう。傭兵の定めと受け入れさせる。

そういったつもりで、ランク1の打倒を約束した。
なのはは呆れ半分、安堵半分といった様子で、微かに頬を緩めていた。
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3511： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/07(月) 21:35:10 ID:5rh2./zA0


　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　 ／　　─　 　 ─＼
　　　／ 　　 （●）　（●）　＼　　　　（強くなって……はやてさんの傍に行って……なのはさんの代わりに仇を討って……
　　　|　 　　 　 （__人__）　 　 |
　 　 ＼　　 　　 ｀ ⌒´ 　 ,／　　　　　　やること、沢山だお）
　　　 /　　　　　　　　　::::i　＼
　　　/　　/　　　　　　　::::|＿/
　　　＼／　　　　 　 　 　::|
　　　　　 |　　　　　　　　::::|　 ｷｭﾑ
　　　　　 i　　　　　＼　::::/　ｷｭﾑ
　　　　　　＼　　　 　|::／
　　　　　　　 |＼＿／/
　　　　　　　 ＼＿／

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何よりも優先される、というより、自分の中で大きかったのは、はやての存在だった。

何もなかった自分に優しくしてくれた、というのもある。
弱り切った自分を助け出そうとしてくれた、というのもそうだ。

ただ、何よりも。そんな素敵な人が、戦場に立っていて。
自分は平和な場所でのうのうと生きていくというのが、耐えられなかった。
それだけだった。

それがどういった答えにたどり着くかは、まだ分からないけれど。
自分の友人や恩人の願いは、なるべく叶えていきたかった。

IGIOの勢力を削れば、オルデンブルクグループは力を増すだろう。
はやてのランクが上がり、地位が上昇すればするほど、
上層部はその扱いを慎重なものにする。
危機が迫れば救援を出すくらいに重用するはずだ。

それもまた、必要な過程ともとれた。
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3512： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/07(月) 21:43:06 ID:5rh2./zA0

　　　　　　　　　　　　　　 　 　_　-――――-　_　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　∠　　　　　　　　　 　 `　､＿}_
　　　　　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　､　` ､⌒ヽ
　　　　 　 　 　 　 　 ／　　　 　 　 /　　 　 　 　 　 ＼ 　'， /
　　　　　　 　 　 　 /　 　/　　　 　'　　　　　　　　　　 | 　 '/＼
　　　　　　　　　　 '　　　′　　　/ 　 　 　 　 　 |　 　 |　 　､ノ}
　　　　　 　 　 　 ｌ{ 　 / 　{　　 /{　　　{ 　|　 　 |　 　 |￣ア}ノ＼
　　　　　　　　　 八 　|　　',　　ｌ 　、 　{ 　l　、　|　 　 |／　ﾊ___ノ
　　　　　　　　　 　 ＼|'， ∧|　|　　＼_{＼|＼＼|　 　 | 　/ /⌒}
　　　　　　　　　 　 　 | ∨ｬ竿ミ　　　 　 斗竿ミ|　 　 |／ /__ ノ　　　　　　　　　おかえりなさい、ヤルオ……
　　　　　　　　　 　 　 | ∧ 　Lソ　　　　　　Ｌソ |　 　 |ヽ/⌒＼
　　　　　　　　　 　 　 |　ﾊ　　　　　　　　　　　　|　 　 |ノi:i:i:i:i:i:i:＼　　　　　　　　と言うのは、私の柄ではないか。
　　　　　　　　　 　 　 l 　込、 　'　　　　　 　 　 |　 　 |＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:'，
　　　　　　　　　 　 　 |　 　| ＼　　 r_、　　　　 ,|　 　 |､ｉ:i＼i:i:i:i:i:i:i:}　　　　　　　　よくぞ戻った。邪魔しているぞ。
　　　　　　　　　 　 　 |　 　|　　 　、　　　　 　ｲｌ|　 　 '{i＼i:i:）_ｉ:i:／　
　　　　　　　 　 　 　 人 　 |　　 　 l｀　‐ 　´ 　 ｌ|　　/i:V⌒i:￣{　　　　　　　　　　　「あ、アルトリアさん……」
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ､| 　 　f≧======≦_| 　,'⌒i{i:i:i:i:i厂
　　　　　　　　　　_-=ﾆﾆ=-　__ﾉvﾆﾆﾆOニニﾆ=|／二⌒⌒^
　　　 　 　 　 　 _-=ﾆﾆﾆ／ニニ＼ﾆOﾆﾆﾆﾆﾆノﾆﾆﾆﾆ≧ｧ≦⌒＼
　　　　 　 　 　 _-==ﾆﾆ {ﾆﾆﾆﾆﾆ／＼ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆニ'，
　　　　　　　 　_-=ﾆﾆﾆﾆ〉二二ﾆ＼／二二二ニﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ'，
　　 　 　 　 　 _-=ﾆﾆニ/ﾆﾆﾆﾆニ/二二二ニﾆﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ'，

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自室に着くと、いつものようにロックを解除して中に入り、
そこでひっくり返りそうになった。

当たり前のように、アルトリアが部屋の中央に座りこんでいたからだ。
ぴんと背筋を伸ばし、飾り付けられた精巧な人間の模型さながらに。
黒いドレスのスカートが広がり、花弁のようでもあった。

やはり、多少慣れてきてはいたが、アルトリアが部屋にいる、というのは
中々に非現実的な状況でもあった。

かつてのトップランカー。他人を寄せ付けぬ冷淡さ。凄まじいの一言に尽きる戦果。
それでいて西洋人形を彷彿とさせる端麗な顔立ちと華奢な体躯。
そんな人が自室に入り浸り、構ってくれる。非現実的の極みと言えよう。
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3513： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/07(月) 21:49:54 ID:5rh2./zA0

　　/　　　　　　　　　　　　i　　　　　　＼　　　　}　>
　 /　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　.|　／　ﾚﾍ、
　,　　　　　　　　 ヽ　　 i　 .|　　　　　　　|、　/　} ノ
　i　　　　　 .l　　　 i　　.ﾊ. ∧.i　　　　　 .| l /　　|' ﾞ;
　|　　　 .|　 i　　　 .| ／! }/　}ﾊ　　　　　.|,ﾉ　/ ./"
　|　.i　　.|　 ﾄ　　　1. ,ﾑ斗:ｒ7 }　　　　　 |　 / ./:.:.:.:.:ヽ　　　　　　　顔を、見ておきたいと思ってな。
.　i　l　　.|　 「＼　 .ﾊ/ Ｖツ　 ':/　　　　 .|　/ /|.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ
. 八ハ　 ト　|'芯＼{　　´　　　ハ |　　　 ﾊ　/:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:/　　　　　　一応は気に掛けた相手だ、我ながら情が湧いているらしい。
.　　{　`:.ハ .ﾄ.}７　　　 　 　　　 }/|　　　.j　ｙ:.:.:.|:.:.:.:.:.:./
　　　　　 | ヾ. :,ヽ　　　　 　 　 /　}　　　ｊ ∩こ)ﾞ,:-イ~　　　　　　　　　……その表情から察するに、息災であるようだな。
　　　　　 ｌ　　　|＼　 _　-,　　　　ｲ 　.,v⌒／: :ヽ:.:.}　　　　 _____,,
　.　　　　 ｌ　　 .|.　　　､ ´　　　／ﾉ-ﾏ｀／: : : : : :’、_ . : : : : : : : :
　　　　　　丶　 i　　　　　`ｰ ' >r"f ﾞ／: : : : : : : : /: : : : : : : : : : :
　　　　　　　 丶 ，　　　　　　⊂ﾞ_／: : : : : : : : ／: : : : : : : : : : : :

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アルトリアはゆっくりと立ち上がると、金色の瞳をこちらへ向け、
静止したまま、しばらくじっと見つめてきた。軽く鼓動が飛ぶ。

一先ず頷いて返して見せる。確かに元気だ。それも、今までで一番かもしれない。
だが、アルトリアの前では借りてきた猫だ。いや、ここは自分の部屋なのだが。

しばし無言で見つめ合っていると、アルトリアへの用事を思い出した。
そういえば、と頭の中に浮上してきたのだ。

「あ、アルトリアさん。不躾なこと言って、申し訳ないんだけど……
頼みがあるんですお」

「なんだ」
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3514： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/07(月) 21:59:40 ID:5rh2./zA0

　　　　　　　 ＿＿＿
　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　 ／　::＼::::::／::: u＼
　　　／ 　（⌒）:::::::（⌒）　　ヽ　　　　　い、いや、やる夫ってコジマ耐性がそこそこあるみたいで……それを活かしたく……
　 　 |　　 　 （__人__）　　u　　|
　　　＼　　　　`‐'´　　　 　／　　　　　り、リンドヴルムに搭載されているようなオーバードブースターが……
　　　　/⌒ヽ　 　ー‐ 　　ｨヽ





　　　　　　　　　　　　　　　　　　－＝＝　ｘ--,_
　　　　　　　　　　　　 　 ,　´　　　　　　　　ヽ＼ト,
　　　　　　　　　　　　 ,　　　　　　　＼　　　　 、＼ｙ
　　　　　　　　　　 　 ,'　　　　　 ',　　　，　　　　、 .}ﾌ
　　　　　　　　　　　 ,　　　　 ﾊ　 ',　　　j　　　　ヽ　}ﾌ
　　　　　　　　　　　.;　!　|　　', ヽ、ｘー ナ、　　｀ ∨）　　　　　　　構わんが、私のものはテストパーツで、一つしかない。
　　　　　　　　　　　 ，.i　.ﾄ、　' ,　 》ﾁテ弌八　　乂
　　　　　　　　　　　 } 人 从≧ …　 乂jﾉ<;;;|　＼ {　　　　　　 　　話は通しておこう。ノルドルムの通常パーツのハイエンド版、
　　　　　　　　　　　.|ﾉ .}　 "叭)　　　　´ /;;;;|　　 ヽ
.　　　　　　　　　　　′ |　∧´　 '　　　　〉;;;,ﾘ　　　}　　　　　　　　　強化型オーバードブースターがカタログにあったはずだ。
.　　　　　　　　　　　　ノ　　ﾉ》x:.　´｀ /^:ﾈ !!|j　　 ,'
　　　　　　　　　／¨, ===ヽ<　（＼);;;;;;=¨”;;;;;|{　　ﾉ　　　　　　　　　 そちらには彼のラケル女史もいる。好みに合うよう調整してもらうがいい。
　　　　　　　　./ ノ/;,;,;,;,;,;,;,;,;,＼＼＼r--===ﾉ .ノz
.　　　　　　　 ´　/;,;,;,;,;,;,;,;/＼;,;,;ヽ￣|　　　￣　　 |l
　　　　　　　　 /;,;,;,;,;,;,;,;,;,l l;,;,,＼,;,}　.|　　《　　　 :　ﾍ＝＝´｀ヽ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
大分身勝手な申し出だったはずだが、すんなりと了承を貰えた。

単純な理屈だ。今のマーシフルは近接戦闘に重きを置いている。
今のオーバードブースターも十分高性能だが、あれは低負荷型なのだ。
恐らく、コジマ耐性の低いなのはを考慮してのアセンブルだったのだろう。

だが、今マーシフルに乗っているのは自分だ。
ある程度のコジマ兵器使用には耐えられる。それを活かしたいと思ったのだ。

アルトリアは眉一つ動かさず、そんな無茶な話を受けてくれた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3515： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/07(月) 22:17:29 ID:5rh2./zA0

　　　　　　　　　　　　　　＿ r―ｧ-､―- ミ
　　　　　　　　　　　　　/＞''"~"''＜⌒l　　　｀　＜
　　　　　　　　 　 　 　 7／／ヽヽヽﾔ⌒〉　　　　　＼
　　 　 　 　 　 　 　 　ψ／／/ ソﾉ }-〈 　 　 .|　　ヽ ∨
　　　　　　　 　 　 　 r{ゞ、＞''´／ / Y′　　 .|｜　 ﾊ ∨
　　　　　　　　　　 　 }ﾍゞ｀''＜彡‰ソ　 !　!　 !＼ / ｌ| ﾄゝ
　　　 　 　 　 　 　 　 V乂三∠⌒)´ !∧|　|　.｣ﾉﾚ' | ﾘ |
　　　　　　　　　　　 　 廴乂＿)ノl l 八（l　ﾍ八ｿ｀ﾒ|/ /
　　　　　　　　　　　＞''⌒7^Y⌒ ヽ、,人| 　 ﾍ{｀¨乂ﾚ′
　　　　　　 　 　 ／===／｀nﾍ=====＼ilＮ　 | __　/　　　　　　　　　　　　　用件としては、これくらいか。顔も見れたことだ。
　　　 　 　 　 　 ＼=／===l.l= ＼===／　|　 |　／
　　　 　 　 　 　 　 ´/====|.!==== <´≧〈从 |´　　　　　　　　　　　　　　　　失礼するとしよう。
　 　 　 　 　 　 　 ＿≧s､_ﾉﾊ_==== ﾏﾆﾆゝ-`‐…￢冖ニニアl
　　　　　　　_　＜ﾆ／ﾆ二二Y ￣￣ ニニﾆr'ニニニニ＞''´ =|　　　　　　　　「は、はい」
　　　　 r＜ニニ／ニニニﾆ/二二二ニニﾆ|ニニニ／二二ニ|-｢ヽ∧
　　　　 ∨=ニニニニニ二/二二ニニニニニニニニニニﾆﾆ上′ﾆﾆ＼　　　　そうだ、一つだけ伝えておかねばならん。
　　 　 　 Vニニニニニ／:⌒"''＜ニニニニニニニニニニニニ乂ニニﾆ
　 　 　 　 {／ニニﾆﾆ/　 :　　　　 ｀ マニニニミニニニニニニニﾆ＼ﾆﾆ
　　 　 　 <=／ﾆﾍ二/　　:　　　　　 　 ｀'マニニニミニニニニニニﾆﾆ＞
　　 　 　 〈´ﾆﾆ二∀　　　　　':, 　 　 　 　 ｀'マﾆﾆ／冫､ニニニニニニﾆ
　　　　　　}／二二{　　 ,'　　　 ':, 　　　　　　: :￣i　.ｲﾆ=}｀''＜ニニニﾆﾆ
　　 　 　 /ニニﾆﾆΚ　,'　　　 　 '　　　　　　 : : ／ﾆﾆ=/ 　 　 ｀''＜ニニ
.　 　 　 /ニニニﾆ∧＼　　 ',　　　　　　　　_ イ二二ア　　　　　　　 ｀''＜
　　 　 /二ニニﾆ/　∨_＼　 ',　　　　_　＜ニニニ／
.　 　 /ニニニﾆψ　　V二｀‐┴―≦ニニニニニﾘ
. 　 Yニニニ=／| 　 　 VニﾆГニニニニニﾆ彡〈
　　 {ニニニﾆﾆ/ヽ.　　 {ニニﾍ二二二ニニニﾆ/
　　 ∨二二ニニニ＼ /二二/二二ニニニニﾆ|





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　　　　　　　　　　　　　　　　 '　　　　　　　　　　　＼ヽ 〉
　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　 ∨　ヽ＼
　　　　 　 　 　 　 　 　 ／'ﾉ　　　 /　　　 i　　 　.∨　.∨/
　 　 　 　 　 　 　 　 ／'　 '　　　 /〔　　　.!　 　 !　i　　 ∨　　　　　　　こうして、あなたの部屋に入り浸るのも、これが最後だ。
　　　　　　 　 　 　 /'　 / イ　　　! | 　 　 !　 !　〕　! 　 !､∨
　 　 　 　 　 　 　 ∥　 ' / ',　　{/ミ､　 iヽ!＼!､人//　/　',　　　　　　　　「えっ」
　　　　 　 　 　 　 {i　　i/　∧i/ 乂ﾂ＼{　 代zタ　 ')/　　 !
　　　　　　　　　　 ヽ､ /　　 /ヽ　　　 ､　　　　　 / }/　 !　,⌒',　　　　　　今のあなたの目は、良い目だ。未来を見る者の目だ。
　　　　　　　　　　　　/ｲ　 /(　 ＼　　　　　　　ノ}¨/　 /!　! ∧v
　　　　　　　　　　　　　i/　!　　)//＼｀　 ´　ィ({从'　 //} /　　ﾘ　　　　　　そのような人が、私のような女と関わるものではない。
　　　　　　　　　　　　　　＼､　)////〕､≦　 ｡ｲ､/ ／//ｲ!
　　　　　　　　　　　　　　　--‐　 ⌒ノﾆ==ﾆﾆﾆ/｀`〜､、ﾉ　　　
　　　　　　　　　　　　　/　　　　　 /ニニニニ/　　　　　 ｀ ヽ





　　　　　　＿＿＿_
..　　　　／　　　u　＼　　　　　　　　「では、さらばだ」
　　　／　　／　 　 ＼＼
..　／ 　し （○） 　（○） ＼　　　　　……？
　 |　∪　 　 （__人__）　 J |
..　＼　　u　　 ｀⌒´　 　／

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突如として告げられた別れに、返答できずにいた。
正確には別れでもなんでもないのだが、彼女の意図が読めなかった。

嫌われるようなことでもしたのだろうか？
それにしては、アルトリアは妙に清々しい様子ですらある。
大きな目を細め、穏やかに、寂しそうに、微笑んでいた。

今までの、自分を見る目とは、明らかに違っていた。
諦観と安堵に満ちた、ブライドルの地下で夜遊びに連れて行ってもらった時に見た、
優しくも危うげな目ではない。けれど、危うさが抜けたわけでもない。

全く別の危うさが、その表情一杯に湛えられているように見えて仕方なかった。
言葉が出てこない。こういう時、こんな表情をする人にかける言葉を知らなかった。

結局、廊下へと向かう彼女の後ろ姿を、黙って見つめることしかできなかった。
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3516：安価のやる夫だお：2020/12/07(月) 22:24:03 ID:HjfCMz3o0
アルトリアエンドも見たかったぜ…

3517： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/07(月) 22:29:07 ID:5rh2./zA0

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　　　　　　　　　　　　　　　/ ‐ャ－ 、 f辷彡'　　 　 　 　 ｀　､
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ′ ハ　　f辷_彡^ー ｧ　 　 　 　 　 ＼
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　　　　　　　　 　 　 　 　 ∨　,f辷__彡く　　　/　　　　/　　 　 　 　 丶
　　　　　　　　　　 　 　 　rｔf辷__彡'　ｉ　＼　　　　　 /　 ／/　　　 ｉ　‘,
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀Ｙﾍ　　　　 ､　-､|　 　 ｀ﾊ　/　/　ｲ　 　 　 ｉ
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |,ハ　 　 　 〉い |　　 圻ミ、＼　 /　 ｲ　i .ｉ|
　　　　　　　　　　　　　　　 ‘,　ﾊ　　　〈　r( |　 　 弋rハ　 ノ イ ,′ﾊ:ﾘ
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ∨　 、　 ﾊ ヽ.:|　 　 i　　　　　　　厶ｲ ﾉ'　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ∨//vﾍ{介f:::|　　 ｉ|　　　　　 fｹ 　 |
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |///////ハ:|　　 ｉ|　　　　　 〈 　 .ｉ|　　　　　　　……本当に、柄でもなかったな。
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　＿ 」/」/」/」」/ﾊ|　　 ｉ|　 ‐ ､　 イ　　 ｌ|
　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　＞‐……―＜　 |ｉ 　 从　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　 　 ′　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::＞...　i| |
　　　　 　 　 　 　 　 　 」　　斗 ―－ァ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ !

3518： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/07(月) 22:29:22 ID:5rh2./zA0

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

3519： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/07(月) 22:33:03 ID:5rh2./zA0

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',　　　　　　　　　　今日はここまでだ。
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ　　　　　　次回は、そうだねえ、今週の日曜日、12/13の午後八時からとしよう。
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ　　　　なるほど、サンデーじゃねえの。これからは日曜休みゆえな。
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'　　　　　それじゃ、シーユーアゲイン。小説の方も更新しとくから、読んでる人は確認してみてね。
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

3520：安価のやる夫だお：2020/12/07(月) 22:36:35 ID:yrKTW0E60
乙ー

3521：安価のやる夫だお：2020/12/07(月) 22:37:29 ID:HjfCMz3o0
乙でした

3522：安価のやる夫だお：2020/12/07(月) 22:43:41 ID:MQyS2oK.0
乙

3523：安価のやる夫だお：2020/12/07(月) 22:46:24 ID:.d70GJPA0
乙でした

3524：安価のやる夫だお：2020/12/07(月) 22:50:08 ID:/gVCzhsk0
お疲れさまでしたー
この周回もう一回やりたい…

3525： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/13(日) 20:04:47 ID:a6GY4IpM0
　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

3526： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/13(日) 20:12:14 ID:a6GY4IpM0

　　　　　　　　　_　_　_
　　　　　　　／: : : : : : ｀i
.　　　 　　　i: : : : : : : : : :!
　　　　　　　､: :○: : ○: :!
　　　　　　　 i: : : : : : : : : i　　　　　　　　AC4シリーズではメーカーの概念があったが、Vシリーズではなくなってたよね。
　　　　　　　 l: : :,, --_ｯ: :',
　　　　　　　 丶 ｀‐'´: : : :ﾉ　　　　　　　　私は好きなメーカーがあったから、Vシリーズでなくなったのは切なかったね。
　　 　 　 　 / ´: : : : : : : : ｀ヽ
　 . 　　　　/: : : : : : : : : : : : : ヽ　　　　　　ちなみに4シリーズではオーメルのライールとBFFの063AN、
　　　 , -‐': : ,: : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　／: : : ,-ｲ: : : : : : : : /｀丶: : : :､　　　　　あとはやっぱり……王道を行く……アリーヤですかね。
　 ｒ⌒ ,／　/: : : : : : : : i　 　i: : : : i
　 ` ‐ '　　/: : : : : : : : : |　　 ! : : : |
　　　　 　 i: : : : , _ -‐ ´,) 　 ｀ ヽ _|
　 　 　 　 (_ _i￣(_　-‐'´i
　　　　　　|　:|`‐´i : : : : |
　　　　 　 |: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
　　　　 　 |: : : : : |: : : : : !

3527： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/13(日) 20:12:24 ID:a6GY4IpM0

　　　　　　　 〃/　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 }　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ
　　　　　 　 / /　　　 　 　 　 　 i　　　　 　 　 i　　 　}　　　　 　 　 　 |　　 　 　 ,
　　　　　　 '　′　　　　　　　 　 l　{　　　　　　i 　 　 |　　　　　　　 　 |　　　　　 ′
　　　　　　ｌ　|　　　　　　　 　 　 |　'　　　　　　i　|　　|　l 　 }　　 　 　 |
　　　　　　|　|　　　　　　{　　　 ∧ ﾍ　　　　　ﾑrﾋ　７"{｢￣|　　 　 　 |
　　　　　　|　| /　　　 　 |　　 {/ __'　｛ 　　 　 '_jﾉ _厶ﾆL _ |　　 　 　 |
　　　　　　|　|'{　　　　　 |　ィ'{｢　__｀j八 　　 / ノ ;ノ乙心jﾉ| 　 /　　 r: ､
　　　　 　 　 |　.　　　 {　 , 　 l　ｧァぅ,　ﾊ 　/　　 ‘;::::ﾀ刈　|.　/　 　 ′ |
　　　　 　 　 {.　',　　 ∧　'.　 |〈{ {:::hﾑ　 ∨　 　 　 ｰ '' ”　| /　　　ﾙ ) 从 　 　 i
.　　　　　　　 　 ‘.　/ ,ハ　ヽﾑ　弋:㌣　　　　　　　　　　　j/ 　 　 ﾊ　/　 }　　　i　　　　　　　　――ミッションを説明いたします。
　　　　 　 　 　 　 )' /　　Ｖ{　ハ　　　 〈　　 　 　 　 　 　 / 　 　 厶ｨ´　　　　　 i
　　　　　　　　　 /　　　　　 ＼　',　　 　 　 __　　　　 　 , 　　　　′│　 　 　 　 !　　　　　　　　依頼主はオルデンブルク社。
　　　　　　　　　　　　　　 　 /　 人　 　 　 ｀´　　 　 ／　　 　 .′/ | 　 　 　 　 !
　　　　　　　　　　　　　 　 /　 /　　＞　.　　　　　／ 　 　 　 /}丁厂　　 ! 　 　 l
　　　　　　　　　　　　　　/　 /　 ／　　　 ＞-=''"￣｀丶、／ j　j　 ′　 i　　　│
.　　　　　　　　　　　 　 /　　　〃　 　 ／..:::::::::::::::::::::::::::::..＼ ﾘ　j　′ 　 ! 　 　 |
　　　　　　　　　 　 　 /　　　 /　　　/..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..ヽ　j/　　　 i　　　│
.　　　　　 　 　 　 　 /　　　 /　　　/.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.∨　　　　ｉ　　　 |





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　___
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r=ﾆ三三三ﾆ=-,
　　　　_,.. -==ニニニ===--　__　　　｀ﾞ` -y-+-‐‐'"　　 ＿＿_
　 ., '”三三三三三三三三三三` ､　　　 /　l,..-=ﾆ三三三三三ニ＝- ..,,_
　 .ﾏ三三三三三三三三三三三ノ　　 ./ﾆY三三三三三三三三三三三＞､
　　　｀` -=ﾆ三三三三ﾆ=-‐ '"´ゝY,===､-l_`＜三三三三三三三三三三.ノ
　　　　　　　　　　 　　　 ` -'"- ､_./ニ//`ﾄ､__,.-､__フ .‐---======-‐ '"´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //¨ l/ `l ﾄ.､
　　　　　　　　　　　　　　　　 __　l'l-- '`/ｲ.l__.)
　　　　　　　　　　　　　　　, ':::::`.i l　//, -l'__.ノ-,.-､　　　　　　　　　　　　　　　任務目標は、前回、あなたが取り逃がしたIGIO製巨大兵器。
　　　　　　　　　　　　　　　l:::::::::.l"¨¨`ﾉ /;;;;/;;lﾏニl )
　　　　　　　　　　　　　　　ゝ､__ l l l´l_ノ;;;/｀¨　iニi　　　　　　　　　　　　　　　 つい先日、IGIOから情報公開がありました。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ_ノ l__/　　　ﾑﾏ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　Y´｀ i　　　　 ﾑﾏ　　　　　　　　　　　　　　　　 あれはアヴィアコルと共同開発された新型戦略兵器。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:::::::l　　　　.ﾑ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l::。:l　　　　ゝ'　　　　　　　　　　　　　　　　　　企業連は「アームズフォート」という呼称を付けました。
　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 ｀¨´
┌─────────┐
│　　　Arms Fort　　　...│
└─────────┘

3528： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/13(日) 20:15:49 ID:a6GY4IpM0

　　　　　　　　　　　　　　　　＿_. ＜´￣￣￣￣ ｀ `丶、
.　　　 　 　 　 　 ／￣￣＞┤ 　＼　　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　／　　　／　　|　　　 　 　 　 ＼　 ヽ　　　　 ＼
　　　 　 　 ／ 　 　 ,　　　　 {　　　　 ＼　＼　＼　 ＼　　　 ∧
　　　　　 〃　　　 /　　　　　　　　ヘ 　 ＼　＼　＼　 ＼　 　∧
　　　　　 {{　　　 / ,　　　　|　 ｌ　　　 ＼　　ヽ　ヽ 　＼　.!　　 　'.
　　　　　　　　　 {　|　　 　 |　 |　 、　､　＼　,へ ＝x　ｌ │　　　 '.
　　　　　　　　　 |　|　　 　 |　 | .|　＼ ＼ く 八厂「`ﾐl ｌ　|　　 　　'.
　　　　　　　　　 |　| 　　、 |＼l斗≠く＼ ＼ｌ_ﾉ ___ ､ l. l　|ヽ　　 　 .
　　　　　　　　　 |　|ｌ＼　 彳　ゞl 　 　＼`ヽ　'"￣ﾞヽ|│ |　}　　 　 '.
　　　　　　　　　 | ヽ＼.＼　＼　,r==ﾐ　　 　 　 　 　 |│ |.丿　　　　'.　　　　　　　あなたには、この自律飛行型巡行空母……
　　　　　　　　　 ﾄ ､ ＼＼＼　}ｌ"　 　　,　　　　　　　|│ | ＼　 　 　 '.
　　　　　　　　　 | 　＼ ヽl＼`ハ　　　 　 .　 '　　 　 ,|│ |　　＼ 　 　 '.　　　　　　　アームズフォート・ダムゼルフライの撃破をお願いします。
　　　　　　　　 　 　 　 　 | ,　＼丶､　　　　　　　　ｲ_ｌ│ |＼　　ヽ　 　 '.
　　　　　　　　 　 　 　 　 | | │ l　__＞<￣ヽ -＜ 厂} ｌ　|　 ）=＝へ、　　　　　　　　当機は超長距離射程を誇る大口径コジマ粒子砲が
　　　　　　　　 　 　 　 　 | |　|　　{ n ヽヽヽ }＿厂}　} ｌ　|¨´.: : : : : : :}.　　'.
　　　　　　　　 　 　 　 　 | |　|　　い　　 　 ﾉ　 〉ノ 丿 　| :／: : : : : :.|　 　 '.　　　　　主な脅威であり、他にもSAM、高射砲、
　　　　　　　　 　 　 　 　 | |　|　 ./　　 　 /oＹ´￣｀ヽ　 /´: : : : : : : :.| 　 　 '.
　　　　　　　　 　 　 　 　 | ｌ　l　,′　　 ,くヽノ`ー　 / ／: : : : : : : : :.:.|　　 　 '.　　　　　ノーマル最大二百機に加え、UAVを積載しています。
　　　　　　　　　　　　 　 /　/レ{ 　　イ /{　} ＼__.ノ{´: : : : : : : : : : .:.:|　　　　 '.
.　　　　　　　 　 　 　 　 '　/::/⌒ヽ／￣!<. }　　} 　 }: : : : : : : : : : : : :|　　　 　 '.　　　　　
　　　　　　　　 　 　 　 '　/:.:.{　　/ 　　/: : ＼　 } 　 l: : : : : : : : : : : : :| 、　　　　'.
　 　 　 　 　 　 　 　 /　く: : :| 　/　　./: : : : ∧/ 　 ﾉ:.: : : : : : : : : :..:ノ　ヽ　　　　'.





　　　　　/ 　 /　　　　V∧
-､_＿ 　i　　 i　　　_ 　 V i
､　　　ヽ! r＜!　　/　ヽ　V!
　V/--､V　 j}　./　 　 i　}.!
、 .ﾏﾑ-ﾑV/　./　　_　 ! i i
. ヽ-'! 〉,___V//　／ r｀-､/　　　　　　　　 ,ゝ--- ､
--＜　 〉___〉 ! i'　／!. 　 ＼　　　　　　／ 　 　 　 ＼
　　　V/ ,__}､.| i 〈　 .!　　i´ ｀` - ､　 ./　　 　 　 ,＞-＼
＼, '´ ヽ/　__ヽ--V/ヽ-､ヽ　　　　＼!　　 　_＿/　___i´ ＼
___.＼ 　 ＼{! 　 ＼　 i.:.:.:.:..､_　　, 'ﾟ´ ＼r＜＞--< 　 ヽ、. ヽ
{　 ｀ヽ､ー‐}!、　　 ＼ヽ;.:.:.:.:.:.:.ヽ、　 ,　 ＼ilililililil/　 /　 V/ }!　　　　　　　　　「この怪物に正面から突貫するのは無謀の極み。
{　　　　　　＿V/／´｀ ､＞ 。:.:.:.:.:..､___ 　　Vililill{　 / }、 i}／
ヽ_jI斗ｬ≦￣￣￣｀ヽ／＞{ili{≧s､_:.:.:.:.:.､　 Vililiヽ__/{　} i　V/　　　　　　　　　よって、我が社のステルス戦闘機部隊によるECM、
ililil{_　　　_＿／ 　 　 ＼il＞-､ililij!ililヽ;.:.:.:.＼_!ilililili}_　 '　ヽ, V/
ili{´ヽ、／　　　　　　　 __＼ililil_}ilil>‐<､ヽ、:.:.:.}ilililili} V/　　 ヽV/　　　　　　　　及びフレア散布を行い、あなたの接近をサポートいたします。
iliﾄ､　 ＼　　　　　　／　　 ｀ヽililil＞-<ilヽ/≧'ilililil〈　 〉　 　 　 }!
ililili} 　　 Ｖ/　　　./　　　　　　｀ ＜ilililililil＼　｀ヽ＞ー＜　　　 }!　　　　　　　　　今回、カギを握るのはマーシフルの加速力です。
ililili}　　　 V/　 　 V/　　　　　　＿　｀¨¨｀Y-＜ﾟ　　　 / 　＞ ､}!
ililili}　　　　V/　　　V/　　　　　{f¨｀ヽ　　　　　　｀ﾟ ＜} 　 　 　 ＼　　　　　　　　　高速接近の後、敵機を破壊してください」
ililili}.　 　 　 V/　　　V/　　　　 {!　　　　　　　　　　　 　｀＞ー - -ヽー ､
ilili/　　　　　_V/　　　}!　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　ヽ　　　　＼
il/ 　 　 　 /　.V/　　 .V/　　　　　　　　　　　　　　　/　　　 　 　 　 　 　 　 ＼
´＼　　　/　 　 }!　　　 V/　　　　　　　　　　　 　 　 {　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼

3529： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/13(日) 20:19:42 ID:a6GY4IpM0

　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　ヽ　 '
　　　 　 ,′　　　　　　 i　　{ 　 　 !　　 　 ｉ　 ｉ　│　i
.　　　　 iｌ ｉ　　　　　　ｉ│!　{　　　 !　　 !　ｉ　 ｉ　│　|
.　　　　 j! !　　 　 　_,｣⊥L八　 　 ｉ _｣.⊥.｣_　ｉ　│　|　
　　　 　 {'.i　 :.　 　 {V|,L.|_ｌ ｀＼　 ｉ　j,..L,_i ヽｉ　│　|
　 　 　 　 '． {:{　 { .ﾝ'{::ﾊな`　ヽ＼i '’かh::!'y!　 |　│
　　　 　 　 ヽ从 { ﾍ‘弋z::ﾘ　　　　　　込::ｿ ’|　│　|
　　　　　　　　八トﾍ＼ 　 　 　 .;　　　　　　 ;ﾘ　 j}　il　　　　　　　　なお、作戦エリアは旧アフリカ砂漠地帯、
　　　　　　　 ,′ | 　ﾑ.　 　 　 、__,.　 　 　 ,ﾊ| 　|　 ｉl
　　　　　 　 ,′　|　 i　ﾄ ．　　　　　 　 . イ　 |　 |　 i !　　　　　　　　作戦開始時刻は午前零時となります。
.　　　　 　 / /　│　!:│r:えr　. _ .　'{つL|.　 |　 | 　ｉ '.
　　　　　 / .' 　　|　 i　|ん{　| 　　 　 | _,ﾉ} 　 |　 |　 j　'.　　　　　　　　物理、電子の視界を奪ったうえでの強襲です。
.　　　　 /,厶.-‐-|　 L厶　`yｰ-ｎ‐ﾋ７ У､___|　 |.　- ､}
　　　 ／..::.::.::.::.:::|　 |:.::.::..`弋 ヾ〃 /,ノ.:: :.::.::|　 |::.::.::.::.＼　　　　　　　　万が一の為に高度制限も設けますので、ご留意を。
　　 /..::.::.::.::.::.::.:::|　 |::.::.;． 'フY⌒Y"丶、::.::.::|　 |::.::.::.::.::.::.ヽ
.　　{.::.::.::.::.::.::.::.:::|　 |／ ／　八__,ﾉ＼　 ＼::.:|　 |::.::.::.::.::.::.::.:}







　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＿＿_
　　　　　　　　　　＿＿,.．'´￣　 　 　　｀丶、
　　　　　　　　, '"￣ フ￣l ｀ヽ　 　 　　　　　＼
　 　 　　　 ／' 　 ／ 　 　| 　 　 　 　　 ヽ 　 　 ヽ
　　　　　 〃　　,ｲ 　 　　 | 　 　 ! 　 　　 | 　l　　 i
　　　　　 i'　　 ,'　 　 　 　l、　　 |　l| |　l､| 　|　　 |
　 　 　　　　　 |l 　 |　　| ｣ム　　|ﾍﾅ7メ､|　 |　　 |
　 　 　　　　　 || |　ヽ.　|ﾊ|=､ヽ、l 彳うﾐ､|　 |　　 |　　　　　　　　データが不足しており、現場での対応が重要となる作戦です。
　　　　　　　　 |ﾊ､ ヽ从l 化ﾘ 　 `　ゞ‐'　| 　|ヽ　 l
　 　 　 　 　　　　　ヽﾄトゝ 　　、 　 　 　 | 　ﾚ' 　 l　　　　　　　　しかし、ここでアームズフォートなるものの台頭を許してしまえば、
　 　 　　　　　　　　　　|　i、 　 r_， 　 　 |　 | 　 　!　
　 　 　　　　　　　　　　|　| ＞ 、　　 , イ | 　| 　 　l　　　　　　　　ネクストの市場価値を墜とすこととなります。
　 　 　　　　　　　 　　｜ | 　/ｿ）T,.,_,.､jｰ|　 |　　　|
　 　 　 　 　 　 　 　　/j　|＿l | ﾚ',ｲﾑﾄr )| 　|.,.．-┴..、　　　　　　弊社はそれを望んでいません。
　　　　　　　　　　 ／:´l　l::::::! 　 '´ｨ,'(_ﾟ)､| 　|'::::::::::::::::::ヽ
　 　　 　 　 　 　 /::::::::::! l::::::| 　 　!/ ｲiヽ|　 |:::::::::::::::::::::::!
　　　　　　　　　 !::::::::::::| |:::/ヽ、　j '´||l| ||　 |:::::::::::::::::::::::l
　 　 　 　　　　　l:::::::::::::| |::|　/ )､ルﾉl､|l｣|　 |:::::::::::::::::::::::l

3530： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/13(日) 20:27:39 ID:a6GY4IpM0


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　　　　　　 　 　 　 　 　 人八:.　＼ { ｧ≠ミ、　｀i　 ´Vr リ￤　.ｉ　　:|
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼　{ヾ 代r リ　　　 　 ｀ ´ .,'　　;　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 i ヾ.从　, , ,　　､　　　' ' ' ′ ./　　 :|
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |.! .!　 i.､ 　 　 ､　　ノ 　 i　 　 　 　 |
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 从_ｉ　　个s｡.　　　　　イ |　　i　　　 | 　 　 　 r ､
　　　　　　　　　　　　　　 　 ,.　´ニ' 　 iヾー‐{〕≧ ﾁr 7八　 .|　　　:|　　　　　＼＼　　_　　　　　　　以上、説明を終了いたします。
　　　　　　　　　　　 　 　 ／ニ二/　　ﾉニﾆﾆLL}ｰ{｣,/＼ 　　|__　　:|　　　　　　 ヽ ヾ7 .)_
　　　　　 　 　 　 　 　 ／ニニﾆ/　／r――=ミ辷彡'ニﾆ≧　iニ≧.､　　　　　 　 .i　'　ｲ} }､　　　　　速やか、かつ確実な任務遂行を
.　　　　　 　 　 　 　 ,;仁ニニ‐/.／ニ,!　　　　(/,)´￣￣｀ヽ{　|ニニﾆ＼　　　 　 八　　 ヾノ､
　　　　　　　　 　 　 {ニニニﾆ{/ニﾆ〈ｰ―==彡7｀　､ 　 ､_ﾉ{　!ニニニﾆヽ.　　　　　〉、__　　.}　　　　　期待しております。
　　　　　　　　　 　 人ニニニ,'ニニﾆ厂￣　　/　＼ ＼ /ﾆ.､.ﾉニニニﾆ‐ﾑ　　　　 i　厂'ｰｧﾉｰ=ｧ__
.　　　　　　 　 　 　 　 ヽニニ{ニニﾆ｀ｰ‐ ､　 ′　__辷r'ニﾆﾑニニニニﾆﾆ　　　　,' /　／￣}ｰ=ｧ_j}
　　　　　　 　 　 ′　　/ゞニ人ニニニニﾆヽ{{／´ニニニニ‐iニニニﾆﾆ‐ﾉ、　　./≧　.,　_,ノ　/´.ﾉ
　　　　　 　 　 /　　　,仁ニニ‐}ﾆ=‐-‐=ﾆニ,'≧ ､ニニニﾆﾆﾉニ_ﾆ=--r ' 　 .,　 ,ニニニ≧‐-　イ
.　　　　 　 　 /　　 .,;仁ニﾆﾆ‐jニニニニニ'ニニﾆ=‐--‐=彡≦ニニニ〉 　 .‘,./ニニニニニﾆ‐ﾉ
　　　　　 　 /　　 ,;仁ニニﾆ／ﾆニニニニ7ニニニニニ7´ 「｀ﾏニニニ＼　　/二二ニニﾆﾆ／
.　　　　 　 /　　.,;仁ニﾆ‐／　iニニニニﾆ7ニニニﾆﾆ‐7 　:|　　､ニニニﾆｰ彳二二ニﾆﾆ／
　　　　　 /　　 .iニニ=ﾐ'　　　iニニニニﾆ'ニニニニニ7 　 :!　　:,＼ニニﾆﾆﾉ二二ニﾆ／
. 　 　 　 ′　　 !ニニﾆﾑ　　人ニニニﾆ7ニニニﾆﾆ‐7　　｜　　 ,　＼ニニニニﾆﾆ／
　　　　　　　 　 iﾆ＞rzz,ﾑ／ニニニﾆﾆ7ニニニニﾆ‐j}　　｜　　 ′　 ＼ニニニ／′
　　　　　　　 　 ﾚ'7｣ｰ'ヽ '‐ニニニニニ'ニニニニﾆﾆ从 　 i|　　 　 ,　　　｀≪彡'　　 ,
.　　　　i　　　　r{┘　 _-ﾆニニニニﾆ7ニニニニニニﾆ-_　i|　　　　′　　　　　　, 　 ′
　　 　 ｉ|　　 ∩ﾉ　　_-ﾆニニニニﾆﾆ'‐ﾆニニニニニニﾆ-_i|　　　　 }.　　　 　 　 ′ﾚ'
..　　　八. 　 乂,__,ｲ.ﾏニニニニニ／＼‐ﾆニニニニニニﾆ‐_.　　 　 }　　　　　　　}　}
　　　 　 ヽ{､从／ニ‐ﾏニニニ,.イニ,ﾆ‐＼ニニニニニﾆ‐／‐_ 　 　 }　　　　　　　},ノ
　　　　　 　 ／ニニﾆ‐＼.．＜ニニ7ニﾆﾆ＼ニニﾆ‐,. イニニ‐_　　 }　 　 　 　|i　}
　　　　 　 _-ﾆニニﾆ,.'ニニニニニ7ニニニﾆ＼.．＜ニニニﾆﾆ‐_　　　　　 　 .ル'
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3531： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/13(日) 20:27:52 ID:a6GY4IpM0
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＵＵ/7
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 くノ

3532： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/13(日) 20:28:40 ID:a6GY4IpM0

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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　　　新開発の巨大戦略兵器「アームズフォート」を撃破せよ　　　.│
│　　　依頼主：オルデンブルク　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
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3533： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/13(日) 20:36:45 ID:a6GY4IpM0

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輸送機から放たれ、降下しながらオーバードブースターを起動する。
事前に行っていたシステムチェックにも異常はない。
新しいオーバードブースターの調整も万全だ。

マーシフルのカメラアイ越しに映る夜景が眼前に広がる。
幾らかの雲が千切れた綿のようになって浮かび、
その中に見事な円形の満月が鎮座していた。
眼下の砂漠が月明かりに照らされ、灰色に姿を変えている。

吹きすさぶ風とジェット音を聞きながら、滑空しつつ高度を高度を落としていく。
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3534： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/13(日) 20:39:59 ID:a6GY4IpM0

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│:.:.:.::.:.:.|:.|:.:.: : ｉ:孑ｉ´,'|| |:.| | ｀ﾄ:. |　 !:.:.:.丁弋:｀:ﾄ-|､ｉ:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:} ｉ:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　│
│:.:.:.:.:|: |:.!:.: ´:,'|:|　!,'　.|　ｉ:ｉ　 ',:.:|　　＼:.:! . ヽ:.:.:.:.|　 !｀ヽ:!:.:.:..:i:.:!:.:.:.:.:.:.:.: |　　　　│
│:.: :.:.|:. !:.',:. : { ﾘ　|ｉ　　　ｉ|　　ヽ|　　 　＼', 　.＼ | 　 ﾏ:.,':.:.:.:/:.,':.:.:.:.:.:.:.:. |　　　　│
│:.:.:.:.:!:.: ',:.i:.:.:.:! 　 |　　　 | ＿　.|　　　　＿ヽ 　 .ヽ　　ﾏ:.::.:.///:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　　│　　　ミッション開始。敵AF、ダムゼルフライを撃破するよ。
│:.:.:.:.:.',:.:.:.',ヽ : ', ヽ,,,____,,,,,,=＝　　 　 　＝=,,,___,,__ ｲ. //:.:///:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　　│
│:.:.:.:.:| ',:.:.:.:トヽ:.',　￣´´´´　　　　　　　　　｀```￣ 〃//ﾚ〃:.:.:.:.:.::.::.:.: : |　　　　│　　　まずは高度を1000フィートまで落として。
│:.:.:.:.:|　ヽ:.|:.:..:.＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／／: !:.:.:.:.:.:.::.:.:.: : |　　　　│
│:.:.:.:.:| 　 ヽ:.: : ﾊ　　　　　　　　　 ｉ 　 　 　 　 　 ／/:. !:.:. : |:.:.::.::.:.::.:.:.:.:.:.|　　　　│　　　 現在、オルデンブルクのステルス戦闘機部隊が
│、: : |　 　 !.:.:.:.:ｉﾍ　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /:. /|:.:.:.: |:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　│
│. ＼:| 　 　ヽ:.:.:.:! .＼　　　　　 ― ―　　 　　 イ/:.: / |:.:..:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　│　　　 仕込みを行ってる。闇夜に紛れて直進。
│　　 |　　 　 .＼ :.ヽ、. ヽ　　　　 　　　 　 イ 　./::. / ｜:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　│
│　　　　　　　　　＼ ヽ ./|　＞.、 　 , ＜　|, 　./:.:./.　｜:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　│
│　　　　　　　　　 　 ヾ≠＼.　 　｀´　 　／.ｉ､/:／ . 　 |:.::.:. |:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　│
│　 　 　 　 　 　 ,､r´　.|　 　 ヽ 、_　- ´　　.|/　ヽ . 　 !:.:. : |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　│
│　　　　 　 ,､r:´/　 　 .|　　　 /、　,ヽ　　　.|　　∧｀ヽ.|:.:.:.: |:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　│
│　　 ,､r::´:::::::::/.　　 　 |　　 /ゝ‐‐./ ｉ　　 .|　 　 ∧:::::｀ヽ:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　│
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　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼　　　　　IGIO肝入りの新型兵器なんですお？　撃破して、火種にならないかな。
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　「テロリストに奪取されたって口実もあるし、IGIOとも同意の上でしょ」
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　ま、それもそうですかお。でも、テロリストにしては気概がありすぎるお。
　　＼ ／＿＿＿ ／

3535： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/13(日) 20:41:46 ID:a6GY4IpM0

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│　　　　　　　　　　　　　-― -　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::＼　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│　　　　　　　　 ∠　―― -　　　:::::::..　　　＿＿　　　　　　　　..│
│　　　　　 ィ::i´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀::..､ l ／r――　＝‐､　　　　..│
│　　　 ／::l::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`::'￣￣￣｀:..､　　　　 　 .│
│　　. /l::::::l::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::￣ ｀ヽ､:::ヽ　　　　　│
│　　/::l:::::::l::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::ヾ:::::l　　　　..│
│　. {:::::l:::::::l::::＼/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::ヽ::::::::lヽ::l　　 　 │
│　 l::::::ﾍ:::::::＼/::::::::::::::::::::::::::i::::::i::::l:::::l:::::::::::ヽ::::::::l::::::::l ヽl　　　 │
│　 l::::::::::ﾍ::::::/::::::/:::/::::/:::::::l::::l::l::::l:::::l:::l::l::::::l:::l::::::l::::::::l　|　　　 │　　　　　どっからAFの開発情報を聞きつけたのかも、
│　. l::::::::::::ﾍ::l:::::::l::::::l:::::l:::::::/:::://::/l:_/l_｣_l､:::l:::l::::::l::::::::l　　　　 .│
│　　ヽ::::::r‐‐|::::::l::::::l:::_｣::-r‐:/7フ´｢/ .l/ｫﾐ:::l::::l::::::l:::::::l　　　 　 │　　　　　怪しいもんだしね。ま、気にしないでいいんじゃないかな。
│　　. ヽ::{　　l:::::::l:::::l:´::l:::/∠ ﾆ＝ﾐ　 ﾁﾟ://::/ /:::::ｲ::::/　　　 　 │
│　　　 ヽ＼ ヽ:::::l::::::l::::<´,イ　 ,ﾘ　　 .ﾑ//;ｲ:::/::::/.l:::/　　　　......│　　　　　裏に何があろうと、私たち傭兵には関係ない。そうでしょ？
│　　　　 ヽ:>ｰl＼{ヽ{ヽ{　 辷z/　　　　 l'//::/l:::/ l::/　　　　　......│
│　　　　　V　 .l::::l` `　　　 　 　 　 　 v':/／ l:/　l/　　　　　　　 │
│　　　. r,/　　 .l::::l　 　 　 　 　 　 _ ／l:::l:::l /'　　　　　　　　　　.│
│　　　/〈 ヽ､　　ヽ:ヾ ､ 　 　 　 ´／::::::l:/:::::l　　　　　　　　　 　 .│
│　　./　 ＼　ヾヽ､ヽﾍ/` ┬-....´:::::::::/'::::::::::l　　　　　　　　　 　 │
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　　　　　／￣￣￣ ＼
.　　　／　　　 ( ●)　　＼　　　　　　ま、それもそうですかお。
　　　|　( ●)　　　⌒）　　|
　　　|　　　 （__.ノ￣　　 /　　　　　　マーシフル、第一ウェイポイント通過。このまま直進しますお。
　　　|　　　　　　　　　 /
.　　　＼＿　　　　　　　＼

3536： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/13(日) 20:48:09 ID:a6GY4IpM0

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　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 └ ､ 〉／￣＼＼　　｝_｝ 　 ｣l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ∨￣＼　 }「￣~＼jl_Y {￣~''＜￣＼
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｣l_____／／ニ}ﾆ〈〈￣￣]≧s｡. `ｿ{　`,
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.　　　　 　 　 /　 /~~＼_,／　　　 八　｛つ'´｝｝｝}　　　________／￣｝⌒Ｌll{＼　　 ＼__］彡'ﾞ
　　　　 　 __/　 /　　　/　　　　　　　＼≧=彡'^ 　 　 {[[/ ￣＼xく　　 }ﾆ}　 }､
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砂を巻き上げながら着地し、EN効率を考えてOBの起動と停止を繰り返す。
砂煙が舞い上がる中を突っ切り、前方に見える巨大な敵影を目指す。

ふと、自分の右腕、もとい、マーシフルの右腕に視線を落とす。
今回は夜間作戦ということもあり、装甲全体を一時的に黒くリペイントしていた。
夜間迷彩というやつである。

如何せん、見つかれば最後、この距離からでも超大口径コジマキャノンで
狙い撃たれ、ネクストとあれど消し炭にされてしまうのだ。

圧倒的な個体戦力たるネクストが隠密作戦に徹さねばならないという、
前代未聞の状況でもあった。
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3537： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/13(日) 20:55:35 ID:a6GY4IpM0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,.ｨ=ｧ　　　　　　 　 　 　 __,.. -- ..,,,__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.,ｨf";;;,.-<__　　　　　　　　 , '",.-'"´￣￣｀ ｀`　- ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,.,ｨf";;;;;;;;;l＞..､__)Yニニ==,-､.ｧ' ./-- l __　　　__r ､　　　＞ ､
　　　　　　　　　　　　　　　 , -',ｨf;;";;;;;;, ＜ L_ ,-'",.-"　,.-ﾍl .l'　l　l-.､` - ､`Y´　,. -- ._` ､　 　 ヽ､
　　　　　　　　　　　　　 , '",ｨf";;;;;;;;,／ .／` /ﾞ¨/__,.-'",. -"ゝヽ_ﾏ ﾏ　 ）　　 l ｀`i` .､　 　 ヽ.ヽ　　　ヽ
　　　　　　　　　　　 , '",ｨf";;;;;;, 7､" ／ ,-､＞-,..ヽ､ '" l_r-,ヽ､__.ﾍ　ﾏ　　　　ヘ　ヽ 　 `　.､　ﾏﾑ.　　　ヽ
　　　　　　　　　　, '.／;;;;;;;;;;;_ ゝ､ >'._-､ゝ､ ヽ"ニニY".l `'ﾆﾆ/　　ヽ. ヽ　　　　 ヽ､ ` - ..,____ノ ､ i　　 ,- ﾍ
　　　　　　　　　 ／;;;;;;;;;;;;;;;;Ll `-l l l´l` ､_ ` ､l`.l , ､ l;;;;ly`､//　　　　ヽ､ヽ､　　　　 ` -　､r-､__.ノ ` ､ ﾍ､ﾏﾑ
　　　　　　　 .／;;;;;;;;;;;＞'"　` ＜l.l l`l .､ l `i___`´==='. ゝ､__/　　　　　　 ヽ　ヽ､　　　　　　｀ '　　　 ` ､l` ､l　l
　　　　　　 /;;;;;;;＞'"　　　　　　 ゝ-ｲ_/ >-)　 .// 7 ,ﾍ　　 ,---､　　　　　　`＜＞ ､　　　　　　　　　　l`ノ　,'
　　　　　　ゝ-'"　　　　　　　　　 ゝ---l-'"　 ./--'-< / ,-'---, l. ` ､　　　　　　　 ` ＜＞-　　＿__,,.. -'　.ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:::::::::::l　　　 ﾏ　　ﾑ　∧　／ ` ､　ﾑ　　　　　　　　　　｀ﾞ`　　----　 '"´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:::::::::::l　　　　ﾏ　　ﾑ --'"______,-ヽ.ﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:o:::::::l　　　　 ,-===='"_｀`- .､l　　 ﾏ.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ー‐'　　　　 .l　　,=====-､`-､` .､.l　ﾏ ヽ　　　　,.. ----　 _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　___　　＿`/￣,` .､__　 `l　`､ﾘ ` ､--.ヽ､／ ,. ----　､_. ` .､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ, - ､` ､. )/　∧ /,',' Y´ﾞr､ノ､ヽ､ 　ヽ､ ﾏヽ'　　　　　　　` ､　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　iY　　　ﾑ.ﾑ---'､. ヽﾍ. ﾏ　l　ﾑ. ` .､7､　_`､/ `,､　　　　　　　 ヽ　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧　　　　 l-lノ `､ヽ､ ヽﾍﾏﾑ_/ `__,. -ｧ<_ﾉ､. ><　ヽr---.､　　　　ﾏ ﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ヽ､　__ノノ　　　` -`ﾏﾏ ﾑﾍ _／ ／ヽY Y ` .､ヽ､ ヽ_ノ　l　　　　 .l　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀¨¨´　　　　　　　ﾏﾑ,.>'　.／ﾉ-'",.ゝ',.-"　/` ､`____ノ　　　　 .i　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　／ l__,..＜./´　 .／ヽ､　　　　　　　　 / ./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.／　／　 　l　l　/l　 ／　　　 `＜　　　　 .／／
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／／ヽ､／
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前方に聳え立つ巨大な影に、激しい動きは見受けられない。
遠視モードで見てみると、下の関節部からハッチが開き、
無人戦闘機やノーマルが発艦しているのが見えた。

周囲には、少し工夫を凝らした黒い紙飛行機のような飛翔体が多数。
オルデンブルクのステルス戦闘機群だ。
三角形の空飛ぶ円盤とでも言うべきそれらは、水族館で見たエイにも似ていた。

戦闘機とミサイルの噴煙が夜空に無数の軌跡を描き、交差していた。
花火のようにフレアが撒かれ、見世物のように弧を描く。
蠅に集られる動物にも、何かのパレードのようにも見えた。
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3538： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/13(日) 21:03:09 ID:a6GY4IpM0

　　　　　＿＿＿
　　　／ノ　 ヽ､_ ＼
　 ／（●）　（●.）　＼ 　　　　　しかし、デカいお……高層ビルも目じゃないくらいだお。ブライドル本部何個分だお？
／　　（__人＿,）　　　 ＼
| 　ｌ^l^lｎ ⌒ ´ 　u. 　 　 |　　　　攻める時は……とりあえず、関節部、ジェット部あたりに突っ込んでみるかお。
＼ヽ 　 L　　 　 　 　 ,／
　　 ゝ 　ﾉ　　　　　　　　　　　　　砲口……有効だろうけど、真正面から撃ちに行くのは少し怖いな。
　／ 　 /





　 　 ／/ 　 ,ゝ-{≧ｓ。、　　Vﾑ　　 |　　{ .! 　 　,′.}／ヽ　　 　 　 　 ,。ｓ≦}ヽ ＞ 。
.　／　/　　!　,′　　 / ｀ﾄ. 　Vﾑ 　 |　　ﾏV　　,′V!　　 V/ 　 　 /¨{￣ ￣ }　＼　　｀ヽ、
, '　　/, ＜,'!　!　　 ／ 　 ! ヽ、Vﾑ.　|　 　.ﾏV .,′　.〉、 　 V/ 　 / 　.V　　 /　 /-＼.　 　＼
　 ／　　 {i !　i__／　　／＼　}　ヽﾑ,|　　　 ﾏV　　./　 V/ /　　　〉,　　V　/　 /i!　 　＼.　　 ＼
../　 　 　 V!　　　　／　　　ヽ{≧ｓ{　　　 　 　 　 /　　/ー‐‐, ＜　 V/　¨ﾟ　 / i{　　　 　｀ヽ.、　V/
i{,　　 　 　 '!__＿／､＿＿ 　 }!　　{!　　　　　 　 /　　/　 　,/　　　　.Vi/ 　 /　i{　　　 　 _,.　-ﾏ　V/
i{　≧s。., __＼　＼　＼　 ＼ }!　　{!　　　　　　/　　/　　 ,/ 　>ー‐＜ヽ--.'V/i{、 ＞ ﾟ´　　　　ヽ, V/
,}　　　　　　　 ヽ--ヽ-' ヽ--ヽ!　　{!.　　　 　 /　　/　　 ,/ ／ ＼＿_＼∧＿V/ V　 　 　 　 　 　 V}!
{　　　　　　 ／　 　 　 　 　 　 }!＞ﾟヽ----- ' ｀ヽ'　 　 /イ　　／　　　　　　　　　ヽ、　　　　　　　 }Ｖ/
.',　　　　 ／　　　　　　　 　 ／＼　　　　　　　　　＼ ./｀ヽ_／　　　　　　 　 　 　 　 ＼　　　　　　 }! ヽ、
　ヽ--- 〈　　　　　　 　 　 /　　ヾ＼　　　　　　　　　ヽ＼/　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀ヽ､　　　　}! 　 ＼
　 ,s≦ミy}!　　　 　 　 　 /.　　　　ヾ＼__　　　　　／　}!　＼　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ,　 　}!　　　 {＞ ､
　{三{ilililil}}! 　 　 　 　 　 V/　　　　 ￣ヾ＼ 　.／　　 }!　　i}　　　　　　　　　　　　　　　　　　r≦.､ }!　　　 {　 {_!＼
　｀ー― ' }!　　　　　 　 　 V/ 　 　 　 　 .＼／　　 ／ ＼__i}　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ilil三}.i{;　　　{　　 ＼ ＼
　　　　r-{,'　　　 　 　 　 　 V/　 　 　 　 ／ヾ＼／　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {ilil三} .i{;　　 {i　　 　 ＼ ＼
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＞'ﾆニ{__}　　　 /　/　/　＼／　 .／　　　|　 　 !＿＿_|_./　/il{　{ ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼:＼:.ヽ、　　 　 　 / 　 　 /
二}＞'｀ヽ }ヽ 　 V/__/　 .／　 .／　 　 　 .!　 ／ ',　　/　　 {ilil{　{　 }　　　　　　　　　　　　　　　＜二二＞:-:-:＼　　 　./ 　 　 /

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戦闘機群がいつまで持つかも分からない。さっさと接近して叩かねば。
なのはが以前言ったように、あのフレーム構造であれば、
真下へのコジマキャノン発射はできないだろう。

UAVやノーマル機の妨害が予測されるが、突破するしかない。

「なのはさん、PAはいつ起動するんですかお？」

「ギリギリまでだね。PAもコジマ粒子を滞留させることにより発生する、
一種の力場だから。レーダー網に揺らぎみたいなのが出るの。
それで発見される可能性もないわけじゃない」

つまり、このまま前進していき、一度のOBで懐まで潜り込める距離になったら、
PAを展開して一気に攻め落とす、ということだ。
見つからなければ、の話だが。
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3539： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/13(日) 21:14:25 ID:a6GY4IpM0


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│.　　　　 ゞ､)l::.:.:ゝ:ﾍ､:!　｀¨¨ﾞ`　　　　　/.::ﾇﾘｹ;´.:;ﾘ..:.:.:.∧:l.:.:ﾊ!　　　　 .│
│　　　　　 'iｰl;:.:.:.::.个｀　　　　　　　　　匕ﾞ.ノ_ノノ/!:.:.:.;/　ﾚノ　!　　　　 .│　　　　敵AFの旋回開始を確認！
│　 　 　 　 l.:人::.:.:.ﾞl　　　　　　 　 　 　 ¨`て.._｀V.ﾊ.:::/ 　 !′　　　　　...│
│　 　 　_,､n<　 '.:.､∧　　　　　　　ｃ｡　　　人__,¨＼:l/　　　　　　　　　.....│　　　　レーダー照射はなし、けど、こっちに向こうとしてる！
│　　ｲ´.:::.ハﾍ　'､l?∧　　　　　　　 　 .,／: :.j　 ／}′　　　　　　　　　　 │
│／　l:::::::., 　＼　´､?「＞､　　　　 , イ´. 　.:.イ´.:l.:.|　　　　　　　　　　　...│
│　 　ｊ::::::::.ﾍ　　＼　　＼ﾍf＞.ｰ イ. . . :＜.:.:.:.';.:.:.:|.:|　　　　　　　　　　　.│
│／¨ ﾍ:::::..∧ /＼｀ >ｰ<cﾊ. . . . . . .fヽ,¨ -ﾅﾍ.';.:.:|.|　　　　　　　　　　　 │
│////∧::::..∧＼/∧ Y∧:lｌ. . .,,..ｲ".ｿ ',////,j.:.';.:.||　　　　　　　　　　......│
│/V//,∧:::::..∧､/　 >介ｲー"´　／.:::.∧//zj.:.:.';.:.|　　　　　　　　　　......│
│j∧V//∧:::...∧　　ｊメﾍ＿_　-ｲ.::::::::::::.∧//j.:.:.:.';.|　　　　　　　　　　　..│
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　　　　 ＿{へ≧＾ゝ､___ノ_z彡二弐≠ ＞／￣￣ミヽ　　　　　　　　そんな馬鹿な、ヘマした覚えはないですお！？
　　　　r{_ `ｰ=＜三＞'’ ）二二 ／　//　　　___　　　＼
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突如として通信越しになのはが声を張った。
だが、確かに敵AFが旋回を始めていた。巨体を回転させ、こちらへ向こうとしている。

そして、あろうことか、砲塔が此方の方向でぴたりと止まったではないか。
脇や手に嫌な汗が滲むのが分かる。砲口の中の闇が見えた時、
鼓動が一つ飛んだ。

どうする。

今、敵機はこちらへと向いている。下手に派手な回避機動を取れば、
見つかる可能性は飛躍的に高まる。

あれは、どうなんだ。たまたまこちらに向いただけなのか？
それとも、完全に気づかれているのか？

下↓1　どうしますか？
1．すぐさま回避行動をとる
2．見つからないのが前提の作戦だ、様子見しよう
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3540：安価のやる夫だお：2020/12/13(日) 21:20:53 ID:nuN5cI6I0
1

3541： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/13(日) 21:33:49 ID:a6GY4IpM0

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　　　　　　　　　　　　　　　　 _ -//ヽ　 }､:_:_/ /--､/:｝　´　　 〈 　 /　　}_　　　　　　　　　　　　　　 ＼_ ＼
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　 　 　 　 _ -　　　　　 jI斗ｓ≦、＞--- ' 　 |! ,}, ／ /　 /､_/／_｀ヽ　　　　｀ヽ__ｒ_－'i/　 / 　 ヽ
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　　 　 。＜＞ﾟ´ 　 　 　 　 　 , ＜ {／＿,}　 ' ´__ノ､>､　 ＞-､ ／ }　}ヽ　　　　 人 　,/ 　 　 ／
, 。＜＞ﾟ´　 　 　 　 　 　 　 /　 ／　　 /´_￣_{　{　Ｙ　i´ __,／　ノ／ /}ヽ-､　/　 }/ﾟililﾑ　 /}
＞ﾟ´　　　　　　　　 　 　 rzz}_／　　　｛ヽ´---{　ヽ,ﾉ｀- ´/,.。ｓ＜___//､__　 /　　/ilililil/　//
　　　　　　 　 　 　 　 　 {il{　　｀ヽ 　_/､_}＿{≧ｓ､{---／＿_,。＜＞ﾟ´ 　 }ノｒ‐‐/ilililil/_／/
　　　　　　　　　　　　　ノ }　 ,。z}t-{ノ{ー－--､ i {--/ /----＜_＞､__／- '　　ヽ- ' {、r'
　　　　　　 　 　 　 　 /　 ヽ'ﾟ　 　 }ヽノ 　 　 　 ﾟﾏ{-/ /＜　＿　　 　 /　　　　 / 　 　 }ﾉ、
　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　 ／　 〉 　 　 　 　 i_}_/-､fﾟ´　　｀ヽｰ/　　　　 /　　　 /--ヽ
　　　　　　　　 　 　 {　　　　 　 }　　/　 　 　 　 　 ヽi 　 　 　 r≦二{ｒー--､/_　　　/　ヽ }、 ,ゝ-､
　　　　　　　　　 　 /　　　　 ／　／　　　　　　　　　　　　　　 /__＞r‐<　/ i／ヽ r'　／｀ヽ_/　　} ＼
　 　 　 　 　 　 　 /　　　 ／　／　　　　　　　　　　　　　　　　{ /　 {　r'ヽ　ｒー､}｀　 {　　　 }　　 }　　＼
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
いや、見つかっていると考えた方が自然だ。
急な旋回と、探るような砲塔の動き。理由は分からないが、
何らかの形でマーシフルを補足したと見てもいい。

「了解、PA展開！　読み通りみたいだね……敵砲口にコジマ粒子の収束を確認、
チャージ中と断定。発射タイミングを予測、カウントするよ！」

「了解！」

前回の戦闘データから、チャージ開始から発射までのタイミングは予測できる。
なのはの粛々とした秒読みに合わせ、ブースターを起動させる。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3542： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/13(日) 21:38:02 ID:a6GY4IpM0
ごめん、一コマ抜けてた。






　　　　　 __＿＿
　　　　／　　　　 ＼
　　 ／　＼　 　／　＼
　／ 　（●）i!i!（●）　 ＼　　　　　　　補足されていると見たお！　PA制限解除を要請！
　| 　u ,　（__人__）　　　 |
　＼　　　 .｀⌒´　　　　〆ヽ　　　　　 これより通常戦闘に入るお！
　　/　　　　　　　　　　ヾ_ノ
　/rｰ､　　　　　　　　　　　|
/,ﾉヾ　,> 　　　　　　 　|　/
ヽヽ〆|　　　　　　　　 .|





　　 　 　 　 . .:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.:;:..;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.j}　 　 　 /　　　　　 f´　　 ,′;:;:;:.
　　 　 　 ,:;:;:;:;:;:;:;:;:.:.:.:.:.. .:. .:. .:. .:. .:. .:. .:. .:. .:. .:. .:. .:. .:.j}　　 　 /　　　　　／　 　./_.:;:;:;:;:;:;:;:;:.
　　　　.:;:;:;:;:;:;:.:.:.:.:.:... .. ..　　　　　　　　 　 　 　 　 　 j}　　　 / ｀ヽ 　 ／ 　 　 ./　　 ≧ー--､-､
　 　 .:;:;:;:;:;:.:.:.:.:.:.:... ..　　　　 　 　 　 　 　 　 jI斗ｬ≦j} 　.___/ 　 /_／　　 ,.。＜　　　　　　 　 ＼＼
　　 .:;:;:;:;:;:.:.:.:.. ..　　　　　　 　 　 　 ,ト､/ヽ/ __　　　j} ／-/　　/　 　 　 / 　 r‐､　　 　 ＿＿_ 　＼＼
　　.:;:;:;:;:.:.:.:...　　　　 　 　 　 　 ﾄ{:V: i :}: :／_:_}__／-､!- /-'´{／{_／i{ ./　 r ' 　 ー‐＜｀ヽ、　　 　 ＼＼
　　.:;:;:;:;.:.:.:..　　　　　　　 　 　 ＜:jI斗＜:-:-:_'ノ/　　}､　　／　 }!　　}＿_／　 　 　 　 　 　 ｀ー―‐､_ ＼!
　　　　　　　　　　　　　　　　 _ -//ヽ　 }､:_:_/ /--､/:｝　´　　 〈 　 /　　}_　　　　　　　　　　　　　　 ＼_ ＼
　　.:;:;:;:;.:.:.:..　 　 　 　 　 ._ -　 //__jI斗＜>､!〈　　/::/-/　{　　/　/　　//　≧s､　　　　　　　　　 　 　 ＼_ ＼
　　 　 　 　 　 　 　 　 ／, ＜ ＞ﾟ´___　　 　 i　ヽ/ﾟﾞ´／ ／　 /／｀ヽ,//　　　　 ＼　　　 　 　ゝ/　　　 　 ＼_
　　　　　　　　　　　／＜＞ﾟ´￣￣￣≧､／ >､_}_／ ／　　,／ /､__/::{------ ､_　ヽ、　　／ /　　 　 　 　 .ヽ
　　　　.:;:;:.:.:.. . _ -´　　　　　　 　 。＜___r＜|!　,　　i　ｆ 　 , ヽ　V::::r--'＜_　 r'´　{__　ｰ／ / i{
　 　 　 　 _ -　　　　　 jI斗ｓ≦、＞--- ' 　 |! ,}, ／ /　 /､_/／_｀ヽ　　　　｀ヽ__ｒ_－'i/　 / 　 ヽ
　 　 _ -　　　　　 。＜＞ ﾟ ´　 　 　 　 　 　 |!.,}　 ／ ／__,／　　}r ,} 　 　 　 　 　 ヽ/　 /　　　 }!
_ -　　　　　 。＜＞ﾟ´　　　　　 　 ,。ｓ≦{　 i|/ ／ｨﾟ´￣､　　　　／ヽ　　　　　　 r＜　 /　　 　 /
　　 　 。＜＞ﾟ´ 　 　 　 　 　 , ＜ {／＿,}　 ' ´__ノ､>､　 ＞-､ ／ }　}ヽ　　　　 人 　,/ 　 　 ／
, 。＜＞ﾟ´　 　 　 　 　 　 　 /　 ／　　 /´_￣_{　{　Ｙ　i´ __,／　ノ／ /}ヽ-､　/　 }/ﾟililﾑ　 /}
＞ﾟ´　　　　　　　　 　 　 rzz}_／　　　｛ヽ´---{　ヽ,ﾉ｀- ´/,.。ｓ＜___//､__　 /　　/ilililil/　//
　　　　　　 　 　 　 　 　 {il{　　｀ヽ 　_/､_}＿{≧ｓ､{---／＿_,。＜＞ﾟ´ 　 }ノｒ‐‐/ilililil/_／/
　　　　　　　　　　　　　ノ }　 ,。z}t-{ノ{ー－--､ i {--/ /----＜_＞､__／- '　　ヽ- ' {、r'
　　　　　　 　 　 　 　 /　 ヽ'ﾟ　 　 }ヽノ 　 　 　 ﾟﾏ{-/ /＜　＿　　 　 /　　　　 / 　 　 }ﾉ、
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いや、見つかっていると考えた方が自然だ。
急な旋回と、探るような砲塔の動き。理由は分からないが、
何らかの形でマーシフルを補足したと見てもいい。

「了解、PA展開！　読み通りみたいだね……敵砲口にコジマ粒子の収束を確認、
チャージ中と断定。発射タイミングを予測、カウントするよ！」

「了解！」

前回の戦闘データから、チャージ開始から発射までのタイミングは予測できる。
なのはの粛々とした秒読みに合わせ、ブースターを起動させる。
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3543： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/13(日) 21:40:37 ID:a6GY4IpM0

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |′
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「5、４、3、2、1……来るよ！　回避！」

合図とともにブースターを全力稼働させ、右方向へジグザグに飛翔した。
砂煙を舞い上がらせ、機体が一気に右へと吹き飛ぶ。

そこへ、敵AFのコジマキャノンが発射されるのが見えた。
緑色の燐光が放たれ、熱量の奔流となり、さっきまでマーシフルがいた位置を
呑み込んでいくのが見える。

「今だよ、再充填の隙を突いて突撃！」

「了解、突撃するお！　味方機に、ECMよりフレアを多めにばら撒くよう
要請できますかお！？」

「もうやってるよ！」

なら話は速い。このまま突貫し、距離を一気に詰める。
再充填が完了し次第、また回避機動を取らねばならないが。
失敗したら消し炭だが、とにかくやるしかない。避ける他ない。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3544： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/13(日) 21:43:33 ID:a6GY4IpM0

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　,. - ､--, -===-､ )
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.-',.. -===/　ﾏ-ーーﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.-., '´ﾍ　_,.. -.l 　 `-===-ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿__　　　　　　　　　　　　　　　　/　 l　 ノ´　 ／ゝ､ , '` - ､.' ､　　　　　 __
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾑニニl ヽ､　　　　　　　　　　　　　　lﾍ　ヽ<_, .／　, - ,.'　 ./　 `-.､` .､-='" (
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ﾑlニニlﾆﾆ`l-.l=ニニニ=､__,.--､　 　 ﾏl--- l .l　 Y　/　 /　l`　､　　`' ﾄ ､ニニ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 lﾆｌニニlニﾆ.lﾆl.lニニニﾆl l l .lニl　　 　`---'/ヽ　 >'　 /, -,-､` .､｀`,-/　.l__ﾆﾆ　　　　……ふむ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 lﾆlニニlニﾆ.lﾆl.lニニニﾆl l l .lニl　　　　　　 ヽ　`ﾑヽ/ '　.<:/:::::7､｀´/　 .i　 ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 lﾆlニニlニﾆ.l_.lｿニニﾆﾆlﾆl l .lニl　　　　　　　 >'.ﾑ.／　　　 ` -､彡ヽ　　ﾑ､_　　　　　 仰角修正。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿　　　 　 　 　　ﾍﾘ＿_ﾉ,.-'"　 .lr------r'"` -= '　　　　　　 r/,..l／　　　　　　　 　 /､___ﾑ ﾑﾍﾆ
ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニヽ_Yニニニﾉﾆr---､ﾑ＿＿　　　　　　,..＜ ／　　　　　　　　　././　., ﾍ　 ﾑﾍ　　　　座標送信。
ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニヽl l lニニニニニニニニニﾑ　　 __,.＜　 / ヽ､　　　　　　　 , '　/　.∧ノ
ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニﾆl .l.lニニニニニニr----┐｀.,.'.,..'　　　/＿.　　`　.､ 　 　 ,.'　/'　 /;;ﾉ
──────────────-------- ゞ' lニニニニニニﾏニニ.l,. ﾍ./`,.-'"´(　)　｀` .､　　 ` -.'　 //　/;;
￣￣￣￣￣￣¨¨寸――‐―――‐ァ------' ﾍ' l￣￣￣Y____,,.....ヽ --'-`',. ',=ｧ　　,.--､　　　 ヽ-／ l　/;;;;`-';;;;; 　　　 /
　　　　　　　　　　　ヽ､ニニニニニノ Yl´￣￣)`l',.-='"´l ￣　＿＿＿＿ .//, ゝ'　　 ゝ__ノ　 , -.､ ﾑl　 l /;;;;;;;;;;;;;;;;　　　 ./r-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,../´｀¨`=‐- ､l.l ./ ￣ l￣￣　　　　　　l l　　　　, ==､　　 ゝ__ノ　ﾉ_／;;;;;;;;;;;;;;;;;,. -‐'"´ `l-
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./ r-------- / .l l　　　.l　　　　　　　　 .l.ﾍ　 　 人__ノ　　　　　 /;´;;;;;;;;;;;,. -'"´　　　　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　ゝ--------l　 l l　　　l　　　　　　　　　ヽ.ヽ　　　　　　　 　 ／;;;;;;;;;,.-'"　　　　　　　　　l
【ネクスト：国崩　種別：中量二脚】





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　/;:;:;:　 ;:;:;:;:;:;:;:r'´　　　　　　　ゝﾟ､z'　　　_ ,,,, -- ,,, _ﾍ;:/
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;:;:;:;:;:;:;:;:;|　　　　　　／:;:;:r´　　　　　　　　 , , - ' ' ´,､／:;　/| 　ヘ;:;:;:;:;:;
ヽ;:;:;:;:;:;ﾍ　　　　／;:;:r,'　　　　　　　, , ' ' _,,,-7'´・´~　}　|／/　　　 ヽ;;:;:;:;:　　　　　　　マーシフル……オペレーターは英雄殿か。
　 ｀'''ヽ;:ﾍ　　 /ヽ○/｀ 丶 _ , , ; '　　_／;:; /｀　ー ´　　| /ﾍヽ　　　　"z;:;:;:;:;
　　　　　 ヽ_/: : : :":;:;ヽ､　　　　_,,,r´;:;:;:;　 ｀ 　 　 　 　 |　　入　　z　　　"=;:;:;:　　　　 私という観測手にまでは気づいていないか？
　　　　／r'　 ｀ヽ: :; ; ; ;:;｀;:ｰ;:´;:;:;:;:;:'　 　 　 ヽ　　　 　 .|; ヽ　＼　 三　　 {;:;:;:;:;:
　　　　"z ﾍ　´ヽ : ; ; ; ' '　' ' '　　　　　　　　　r　　　　/ |　ﾍ　 ヽ　"　　 }:;:;:;:;:;
　　　 ´7　 ﾍヽr ヽ ; ; ; ; ; ; ; ; ;　　　　 -=ヽ, /;　　 　 /　|　　|　　ゞ　　　;:;:;:;:;:;
　　　/,､　　 ｀＼_ヽ ' ; ; ; ; ; ;　 　 　 　 　 　 　 _ 　 _/ ヽ|　　|　　 ゝ　　　}:;:;:;
　　　´,ﾄ　　"　 | ｀;:;｀､ヽ ; ; ; 　　　　　 , r '_´- ´　 / ヽ　ﾉ 　 |　　/;:;:
　　　/:;:|　　〆 |　ヽ| ﾍ |｀ ､ ; ;　 　　　´ ´　　´　/ ､ヽ /　／|
　_,,ノ;:;:;:´|　　　 |ﾍ　ヽ ﾍ |　 ｀ =　､ _　　　 _　 ノ　　ヽ　ヽ　 } / ´　/
【ブライドルランク16：新城直衛　スポンサー：SI】

3545： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/13(日) 21:49:37 ID:a6GY4IpM0

　　　　　 　 　 　 　 _, -‐‐';;´;;;;;; _ ...'''' -‐===‐- ､ヽ
　 　 　 　 　　,,　( )￣;; ..　-‐ ' ´ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,　 ''';;;ヽ.
　　 　 ,,, -'''　_,,, '"ヾヽ､ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;'''　　'';;;;ヽ
　　''''　_,,　-''':::::::::::::::,ヽ､ ヽ､ _ ;;;;;; ＿ ..... ---―‐--―‐‐ヽ
　　, ´ _ ｀:::::::::::::,,::''''　 ''ﾞ｀ヽ､ ＿＿＿ 　, .,,,､ｧｰ,--,-‐―_-_ゝ
　/　/ 　｀;;:::::,,'' 　　 　　　　'´ ----―･ﾅ´,ﾞ〃ｼ　 l
　i　i. <　 ;;::::;　　　　　　　　　　｀￣￣-‐´-___ｭz.　 `､　　　　　　　だったら撃たずに、このまま観測手に徹するとしよう。
　!　ﾄ 〈 　''::;　　　　　　　　　　　 　　´　 　 　 　 　 　 /
　､ヽ`ｰ ､.l !　　　　 　 　　　 　 　　　　　　　　　　　__/　　　　　　　正面戦闘でマーシフルに勝てるとは思わん。
　:ヽ､ｰﾞ'´ ,､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨ, ´, ´ ,,
　"'',, ￣ ､､ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,У､　",,　　　　　　　ある程度近づかれたら、そのまま退避だ。
　､　,,""ｯ, ヾ.､　 　 　 　 /／￣,￣二ニニﾆﾆﾁ./ ,:.:.:.,i　 '',,
　"'' ,, 　 '',,:.:｀〒＝=ﾐ､ 　ヾｰ´￣　.＿　 　　　l'　/:.:.:.l|　 ,,''
　　　 "'' ,,　 '',,:.:.:.:`:.､ `〒＝=＝〒￣ヾ　 　 / /:.:.::.:.i|　,,''





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　　　　　　　　　　　　　　 ＼＿｣〕　　　丁二7￣＞ｧｧ√二二i　 |i |i |i　　￣|二二二| |──ゝ--ゝ '
――‐──へ､　　　　,へ　 　 .≧s｡　　|三/　 /ﾆﾆ()＿＿／──┬弋:┬┘リリ
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:: :: :: :: :: :: :: ::　 　 　 　 　 　 ＼　 .|　　　___／二ア√丁.:.:|＿|__xヘ|
:: :: :: :: :: :: :: ::　　　　＿　 -―　`ヘ､　　　　 　 　 .|:|:::::乂:::::|　＼　/＾＼　　　　　　　　　　　　　　楽ではあるが、張り合いがない……
:: :: :: :: :: :: ::.|￣　　　 　 　 　 　 　　 `-´＼　　 　 .ﾘ＿T二了＞'＾|＼.:.:.:＼
:: :: :: :: :: :: ::.l 　 　 　 へ　　　　 .:: :: :: :: :: ::`!...√＼ //￣//´.:.:.:.:.|.:.:|＼.:.:/＼＿　　　　　　　　　　座標更新、データを送信。
:: :: :: :: :: :: ::.|　　　／:: :: ヽ　　 .: :: :: :: :: :: :: | /.:.:.:.:.//＿//.:.:.:.:.:.:.:|.:.:|　 ＼＿/／＼
:: :: :: :: :: :: ::.|　 ／:: :: :: :: :: ＼77777777ﾊ　ヽ.:.:.:. /∧　 〈＿＿_／ヽ|　＜|＼｢＼ 　 ＼　　　　　　 次は当ててくれよ。
:: :: :: :: :: :: ::.|／:: :: :: :: :: :: :: :: ＼///////,! 　 ＼ / ∧　 〈＿＿＿／＼〈＼ﾉ　　 ,
:: :: :: :: :: :: ノ ＼:: :: :: :: :: :: :: :: rく///////|_ ィ77ﾊ /　∨⌒>-＜＿　　　》⌒ヽ.　 ′　　｜
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3546： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/13(日) 21:55:38 ID:a6GY4IpM0

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／ 　 （●） 　（●） 　 ＼　　　　　　クソッ、サーシェスはサポート抜きで避けてたんだお！
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＼　　　　|i||||||i|　　 　 ／　　　　　　当たって堪るかお！
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3547： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/13(日) 22:08:53 ID:a6GY4IpM0

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再度放たれたコジマキャノンの射線から逃れ、エネルギーの放出が終わるところに、
砲口目がけて手動照準でレーザーブレードの切っ先を向けた。

丁度狙える位置にあったのだ。
刀身が二又に展開し、その間に稲光が迸る。

だが、敵AFは如何様にして察知したのか、砲塔のみを旋回させ、
砲口をこちらから隠す姿勢となった。だが、チャージしてしまったものは仕方ない。

「これでも喰らっとけお！」

青白い熱線の槍が刀身から放たれる。
砲塔の横っ面へと真っ直ぐに突き刺さるものの、耐熱装甲なのか、
貫くまでは至らなかった。

爆炎が砲身部分で巻きあがる。

「敵砲身に命中確認。破壊までは至ってないけど、動きが止まってる！
今のうちに接近して！」

なのはに言われるまでもなく、砂の地面を蹴り、月明かりと爆炎が照らす空へと飛ぶ。
最大出力のOBで十分詰められる距離だ。
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3548： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/13(日) 22:14:35 ID:a6GY4IpM0

　　　　　　　　　　　　　　　　fヽ　　　,,　-- ．
　　　　　　　　　　　　　　　　|　＞ｰ┴v┬､jヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　 /ゞ''´　　　r>‐‐ァ''^ヽ､､
　　　　　　　　　　　　　　　j　　　　　　{ゝ／ヽ　　 ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　 /',r''"´￣二ﾐﾞJ ',　ヽ,r=､ ヽヾ､
　　　　　　　　　　　　　　¨"vf"千¨ミﾐ7ーr　　l⌒f　〉､ヽ'．
　　　　　　　　　　　　　　 　 l　 ,'　 　 ト'''′__|f⌒j〃.ヽくヾ
　　　　　　　　　　　　　 ,;r､‐､ノr｡．,./__≦彡r⌒ｲ|V'¨ク⌒)　　　　　　　　　　　　　/７丶、　　 ,
　　　　　　　　　　 　 　 j　ﾉ　ﾉ"-.A( (_(_.(,,ゝ-'７rヽﾐ{{ゝｧ<　　　　　　　　　　　　　f､′　　丶,,,ﾊ
　　　　　　　　　　　　 ｲ.!(~　/ノ　 ,ﾉ｀　 ‐‐"¨T〈- ァﾐｰ{ '. '.　　　　　　　　　　　　　 ｀ヽ＞‐-ﾝ＝ヽ
　　　　　　　　　　　 ,､{.Uﾉ　'こ_,,イ!　　　　　l .! Ⅴﾐl　ヽ.　V　　　　　　　　　　　　　　〈;;rｧｲ､　　　 '.___
　　　　　　　　　 _,,,rメゝ'．､イr// !　　　　　 l .!　*?: 十 r''~　　　　　　　　　　　　　　ゞイく,ﾉr-‐‐-..f"!
　　　　　　 ,,,rr､((_く;＞ｰ'^y'少 j .!　　　　　　l l　 Ⅳゝ､ﾉ　　　　　　　　　　　　　　／,ｲ〈　 しf''ヽ￣Yｨ}
　　　　　　ゞ-‐'⌒´　　　　　 / i!_! - ‐─‐ ￢''ヽ､_', ｀¨',}!　　　　　　　　, ､　　 ／　{ r{　ヽ..__ヽrゝr=ﾘヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾋ〈ﾉ''"´_￣ ￣￣｀丶＞､　ﾉ　　　　　　　 く_／_／　／´巡ﾗﾍ_).))７く{ゝノリ
　　　　　　　　　　　　　　　　 `7　 f⌒j　　　　　 √ ｀ ´',　　　　　　　　　){>ヽ／_rf'T(,ゞｱ!_,,/⌒､ヾ ノ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　l. 　f⌒!　　　　　,′　　　 ,、　　　　　　／　>く'juﾊﾐｰ孑7 lﾐj) ,､ ,>／,',
　　　　　　　　　　　　　　　　　l　 ,f¨ヽ、_,,r ､.ノ　　　　　 l>､　　 　 ／　／ヾ>ヾ''ｲﾉ/' 'i　j!,≧≠´．､.j!
　　　　　　　　　　　　　 　 /ヽ.}V{├┤ ', fﾔj.　　 　 ,r''"jﾉヾヽ　r ´　／　 　 ヾiノ 〈/v,ir_r''´ ￣ ,､ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　 ハ　{ﾐゝi'¨'i≦‐-､',ゝ､ ,rノﾐ;､ .iﾞヽ ヾ>,.ヽ_f′　　　　　　 /　｀¨{;　　　 ゞ7く'′
　　　　　　　　　　　　　　,′Ⅴ¨´ :f¨'i 二 `ヽｭ ヽ'ヽ',ヾ､ ,バr,iコ　　　　　　　　　　}_ｨ'¨ソ¨ヽ､_f⌒{ヽ_',
　　　　　　　　　　　　 　 {　　l　.r''¨ﾄ'''{　　ヽl,,_j　!ゝｲﾐ,_` '''¨}i}-}:　　　　　　　　 {ヽ}_,ゝ''i　　ヽ_ゝ彡､i.ｺ
　　　　　　　　　　　　　　ヽ.　l /　_,,f,,´j-‐'''"バ, ',V二､}.,, ､'" ヽlr'''"ヽ　　　　　 l　l　r''"i　　/　,.-‐〈ﾄｲ
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　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＜∨::／|/:Λ <:::＞｀¨¨〈__／　寸ト---､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_／⌒) 7￣]::::〉::〉::::/: :　 ∨/＼　 ＼しノ〉
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　　　　　　　　 /¨7へ(ニ)
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　　　　　　　 ′｛しｲ/
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距離が縮まるにつれ、敵の細部が鮮明に見えてくる。
腰部ハッチからわらわらと出てくるノーマル機たちが、
着地してから射撃体勢を取り、こちらを狙っているのが分かった。

飛翔してくる榴弾の雨を掻い潜り、巨大な傘となった敵機の股下へ潜り込む。
途端に敵側からの集中砲火が止み、隊列に戸惑いの色が乱れとなって表れた。
この位置で撃てば、天井ともいえるAFの腹にも当たる。

「味方航空部隊、半壊！　撤退してくよ！」

「それならそれで好都合だお……！」
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3549： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/13(日) 22:18:52 ID:a6GY4IpM0

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味方部隊が撤退したというのならば、気を遣う必要もなくなったということだ。
となれば、やることは一つ。

視界保護シャッターが降りる。鋼鉄の瞼を閉じて、オーバードブースターを展開した。
周囲の大気が震え、轟音が遅れてやってくる。

視界が回復すると、崩落し、砂の大地へと残骸の雨が降り注ぐところだった。
急いで通常推力で離脱し、そのまま輸送機目がけて飛翔する。
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3550： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/13(日) 22:23:42 ID:a6GY4IpM0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 〈'v
<ﾐh､ ＿＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ∧v
　~''＜ﾆ< ~''＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ∧v　＿
　 　 　 ~''＜ﾘﾆ!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨ冖冖h､∨7__7h｡
　　　　　　弋/ﾆﾆ〕ｈ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／-=ﾆ〔{rﾆﾆ'7__7ニﾆ}h､
　　　　　　　　~''＜ﾆニ〕ｈ､　　　　 /7h｡　　　　　　　　　　　〈 v{ !＞'乂__/ {__} `芍ﾆﾆ}
　　　　　　　　　　/○ヾ{　`'＜`''＜`''＜ﾆ〕ｈ､　　　 　 　 ／´ヾイ､/<／:.:{/　　 )h､`芍}''＜　　　　　　　……終わりか。
　　　　　　　　　/7 7　　 )h､　　`'＜`''＜`''＜ﾆ〕ｈ､　 ／　／ﾆﾆ_ヽｲ　｡s廴　　　r-=!ﾉ`''＜})h､
　　　　　　　　/ 7 7　　　　　〕ｈ､　　 ￣`''＜　/''＜ﾆ {二_ヽﾆ／｡s≦//!///≧s｡ ィ(s｡　／ヽ{￣ ＼　　　やはり、AFは潜り込まれたら終わり、
　　　　　　　/_/7 7　　　　　　　　 ≧s｡　＿//`''＜}｀'＼　ヽ/ {ﾆ={＞''~二ﾆ====≦//7 ⌒ﾄ/ ＼ヽ　 ､
　　　　　　　　　ヾ!　　　　　　　　　　　　＼　`''＜　 ≧=┐､{//､}__∨-=!￣}////}＼/ !　 ∧∨　ヽ＼ ヽ　　ということか。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≧s｡ /＼ゝ=/　 ￣ ∧　∨ /⌒!￣ヽ}///､}　　　＼ヽ ／ﾆ=-}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 弋≧ゝ-┐＿＿ ∧ﾆ}h-=ﾆ二Ｙ }ヽィi〔　　　　　7_丿　}　∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ﾆﾆ⊃二ﾆ=v/／/////.∨∧〕ｈ､ 　 　 　 　 {iノ└_Ｔ=ﾆ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ﾆﾆ ７　　i　∨{.〈-=ﾆ二ヽﾉ i//i/!　　　　　　　　　} }-}_}.}
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　　＼::::::::::/　　　　　　　　`‐--='''" 　 ／　 　 　 　 　 　 }
＼　　ﾊ::::/　　　　　　　　　　　　　　￣　　　　　　　　　　/　　　　　　　　これが僕らの代替……個を制する物量の怪物か。
　　|　　',::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _...::／
〟　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ∠≦{　　　　　　　　　　　まあ、まだ戦場の主役を奪われる心配はしなくてよさそうだ。
　"ヽ〃､_　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ノ　´ゝ
　　　　　　ゞ|､　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／}　　　ミ　　　　　　　　 帰るとするかね。全く、つまらん仕事だった。
　　　　ヽ',　ゝ,ｒ'|!,､　　 　 　 　 　 　 　 　 ,　 　i´　i´　〃　､,χ
ミ　　　　　　　ヽ　 x､π　　　 　 　 　 ‐" 　／ 　　{　　　　　て
　　　　　　　　　　　-　　〈､　　　-=´ -‐''" 　 　　 |〉　　　 斗
＞､　‐-　　　　　　　　　　ミ､　　　　　　　　　__,／/　　　　≦
　¨ミχ￣--　､　　　　　　　仆-≦i¨|,　　　　},　i./:　　　　､´
　　　￣'ヽ,　　　　"　　　　　　　"ゞ　 ゝ‐-＜/ ノ:.:.　　　x´

3551： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/13(日) 22:30:16 ID:a6GY4IpM0

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│　　 　 　 　 l:.ヽ:.:.:|:.:.:.:.:.:.|:.:.:匕:ﾁ |:.≠.ｌ/　　||,ｲう｡,/:.!:|:.:.:ヽ:.:.:.:ｉ　 ヽ　　　　　　　　　│
│　　 　 　 　 ヽ:.ヽ:.|:.:.:.:.:.メ´:||:.yﾋて个/　 　/ .{::::j."ｉ/|:|:.:.:.|.ｉ:.:.:.:|　　　　　　　　　　.....│　　　　敵AF、ダムゼルフライの撃破を確認。
│　　　　　　　 ヽ:./=ヽ:.|:.:.:i:.:ｉ,ｲ7::::::ﾟ::|　　 　 　 b:y /:.l/:|ｉ:.:.ｉ .|:.:.:|　　　　　　　　　　.....│
│　　　　　　　　 ゝ　.个:.::.:ヽ|ヽ らﾂ少　　　　　￣　|:.:ｉ:.|||:.:|　|:.:|　　　　　　　　　　　 .│　　　　目立った損傷もなし、目標も完全沈黙。
│　　　　　　　　　 ＼ .|:.:.:|＼＼. ゝ¨　 　 　 　 、　. |:.:.|:.| |:.|　 |:|　　　　　　　　　　 　 │
│　　　　　　　　　　　 ヽ:.:.:|　　　　　 　 　 　 　 　 ｲ|:.:|:ﾍ/　 　|　　　　　　　　　　　　 │　　　　 何とか一端の傭兵になってきたってとこかな。
│　　　　　　　　　　　　 ヽ:.ヽ.　　　　　　　` ´　／:.:.|:/:.:.ﾍ　　　　　　　　　　　　　　.....│
│　 　 　 　 　 　 　 　 　 丶:.丶＞　、　　　　イ、:.:.:/:.:ヽ:.ﾍ　　　　　　　　　　　　　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　 ＼ミ　　　 ` ≧´ 　 !＼:.:.:.:.丶:ﾍ　　　　　　　　　　　　　.....│
│　　　　　　　　　　　　　　　,>.|ヽ　　 ＞＜ 　 /　.ｉ:`＞x.ヽ:ﾍ　　　　　　　　　　　　......│
│　　　　　　　　　　　　 ,､r´:/ | >‐、´　　 　 /　　|::::::::::::::::::::｀ヽ 、　　　　　　　　　　 .│
│.　　　　　　 　 　 ,､r´:::::::/　 |/>-<＼ . 　 /　 　 |::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ 、　　　　　　　.│
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〕 ト ミ／i:ﾊ: : : :｀: : ::‐-=〕ト=‐ィ〔 ´￣ : ヽ ＼〕ﾄ､
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　　　　　 ≧s ｡ _:／ ´:: ::〃:　　　:,':i:i〕i: /¨｀‐-=ﾆィi〔＿__＞`´＿＿　　　　　　　　　　　了解。任務完了、帰還します！
　　　　　　　　　 ≧==イ′ ≧=-ｲ:i:>､i/i:＼r====s｡.,_｀　'‐＜-==-　 ミ..､,　/
　　　　　　 ,　-‐=ｧ/　∥　　_,／i{:i:|r={{､i:i:i:i}　}≦｡. .　 〕ト｡　　 ヾ〔}}　＼..∨ /　　　　　　回収お願いしますお！
　　　　　／:..:.__ｱ./　/}}r≦イ:: : ::⌒＼i:i:i>､i}!　‐=＜≧s｡　　_:_　　＼ヽ　ヽ∨ /
　　　 ／　.ィ〔ｱ∥ ,:'ｨ〔 }):′: : :: :: ::__i__≧==! 　 ／>}! : : : 〕ト､ 〕ﾄ､ . ＼:､__＼′
ﾄ､　〃ｨ／::{_ii{. i{_/ : `¨¨}}:_:_:_:_:_:＞'`¨ゝ≧==r:'> ´ 〕ト. .　 ／¨　¨≧=‐‐ﾏ￣ `ヽ
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ヽ/: : ヽ-､: /: : : :/⌒:７: イ/`＿______/_: : ::∥`　 ﾏﾑ/　　　　　　　　　　　 ≧=‐＜<_ノ　__r≦〕ﾄ､

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爆音を背に、夜空へと駆ける。
戦闘の興奮が冷めやらぬまま、漆黒にペイントされた機体を飛ばした。
鉄の巨体を排した今、空がやけに広く感じられた。

AFだか何だか知らないが、この空は我々リンクスのものだ。
早々にご退場願うとしよう。
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3552： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/13(日) 22:30:34 ID:a6GY4IpM0
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3553： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/13(日) 22:48:31 ID:a6GY4IpM0

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二二|　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 | ｜＿_＿＿|＿＿＿｜　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
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　　 ﾞ! :| ﾞ､ :l.|＼　　　　　　　　　　　　 ￣｀ﾞ丶ﾐヽ、 /: :/: : : ::/　 !:/! : : ∨: : :!: : : : !　}'
　　　lﾞ:| : :ﾞ､l|　｀｀｀　　　　　　　　　　　　　　　　｀`/,.ｲ : : : :/　 //:|: : : : ∨: :|: : : : |　　　　　　　史上初のAF撃破リンクスさん？
　　　| : : : : :|、　　　　　　　 　 ,:　　　　　　　｀｀ ／ /／: :, ':!　//: |!: : : : :.∨:|: : : : |
　　　.!: : : : :.| ヽ　　　　　　 _　　　　　　　　　　　, ／/: ／:/ ./ .|: :l|: : : : : : }/: : : : .!　　　　　　　「茶化さないでくださいお……」
　　　.|: : : : ∧　 ＼　 　 　 ヽ｀＞　 　 　 　 　 , '￣/／: :./ ./　.|: :l|: : : : : :/': : : : : |
　　　.∨: !: :从　　 l＼　　　　　　　　 　 　 _／　／!: : : :/　　　 |: :!|: : : : : : : : : : : :.!　　　　　　　まあまあ、拍がついたのは良いことだよ？
　　　　∨:ﾄ､{　 　 _|　 ＼　　　　　　_.. ‐ '"　　　 /: : : :/　　　　.|: |.|: : : : : : : : : : : :.!
　　　　　ヾ ｀＼ .∧　 　 丶... -‐ "´ .|_ 　 　　.／イ;ｲ/　　 　 　 !: ! !: : : : : : : : : : : :|
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作戦終了後の翌日。
深夜の作戦だったので、朝に帰投した後、仮眠を挟んでからの通話だった。

随分綺麗に片付いた自室で、デスクに座りながら端末を耳に当てる。
声の主であるやる夫は、流石に夜間戦闘の疲れを滲ませてはいるものの、
どことなく浮ついた感じが見受けられた。

持ち上げられることに慣れていないせいだろう。
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3554： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/13(日) 22:54:22 ID:a6GY4IpM0

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／′／|ﾆ|――「 ＼ニニﾍ/:.:.:.:.:.:.|
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作業椅子の背もたれに体重をかけ、デスクトップのモニターをニュース画面へと
切り替える。予想通り、アームズフォートの登場と撃破が報じられていた。
仰々しいテロップは、当事者からすると、どこか白々しい。

しかし、あのやる夫が、こうも戦果を叩き出せるようになるとは。
凄まじい戦いぶりを見せているわけではないが、良く動けてはいる。
今回の作戦も、頭の回転が鈍かったり、ネクストを扱いきれていない
新兵であったなら、爆散していただろう難度のものだった。

仕上がってきている、と言えばいいだろうか。
クーガーの教練の賜物なのか、はやてへの恋慕が熱意となって、そうさせるのか。
自分の手から離れて成長していくというのは、嬉しい反面、寂しいものだ。

「そういや、はやてさんからは、何か話されたりしてませんかお？」

「いんや、なにも？」

「そうですかお……」

その声には、あからさまに落胆の色が混じっていた。彼は本当に分かりやすい。
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3555： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/13(日) 22:57:25 ID:a6GY4IpM0

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│　 ／　　　　 　 　　＼　　　 　 .│
│／ 　　　　　　　　　　＼　　　....│　　　実は、最近はやてさんと全然話せてなくて……ちょっと気まずいし。
│|　 　　　＼　　 ,＿　　 |　　 　 .│
│/　　ｕ　 ∩ノ ⊃―）／　　　.....│　　　　もしかして怒ってたりするかなあって。話の切り出し方も分からないし。
│(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　..│
│.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　 │
│　　＼ ／＿＿＿ ／　　　　　...│
└────────────┘





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　　　　　ﾘ　',:.:. |:.:.:ﾏ ﾏ:.:|: ´沁}:.:.|:.:.:.:/:.:.:.:/_／:.: , ':.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.: : /
　　　　　　　ﾏ:.lﾏ:.:|∧ﾏ::{　 )じﾘ/:.: /:.:.:.:/　 }:.:.／:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: /　　　　　　あー、そういうこと。
　　　 　 　 　Ⅳ ﾏ,':,　´N　ゞノ〃:.:/／:.ｲ　　／: ／:.:.:.:.:.:. ／:. : /
　　　　　 　 　　 / : ＼　　 　/:.／ /:.:.:/__／:.:／:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:/　　　　　　　　特に連絡とかはないけど、怒ってはないと思うよ。
.　　　　　　 　　 {:.:.:/　ゝ┐ /ノ　 /:.: /, ':.: ／:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:..
　　　　　 　 　　 i: /　　　ヽ/　　./:.:.／:.:／:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.／　　　　　　　　　　　あの子、怒る時は結構その場で出すし。
　　　　　 　 　　 |/ 　 　 　 ヽ-- ／:.:.／:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.／　
　　　　　 　 　　 |!　　　　　　 ／:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:／:.:.:.:.:.／、　　　　　　　　　　　　　 気になるなら、今度食事にでも誘ってみたら？
.　　　　　　 　 　 　 　 ＿__／:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:／:.:.:.:.: ／― ≧ｭ､
　　　　　 　 　 　,　´:::::::::./:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:／:.:.:.:.:.／::::::::::::::::::::::::::::≧ｭ､　　　　　　　　近況報告って体で。
　　 　 　 　 　／:::::::::::::::/:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::≧､
　　　　　　　.::::::::::::::::::::/:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:::}
　　　　　　/:::::::::::::::::::/:.:.:. /:.:.:.:.:.:.:./:.:.:／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::i

3556： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/13(日) 23:00:29 ID:a6GY4IpM0

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　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ |:.ヽヽ.　　　　 　 　 　 　 〈⊃::/.〃／//:.//:.:.:./　|:.:.:/　　　　　　言いたいことがあるなら、言っておきなさい？
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |:.:.:.|:.|＼　　 　 　 　 　 　 ｀¨≠/／:/／/:/:.:./　 .|:.:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.:.|:|　　　　　　　　　´　　　　./:.:.／／:|/:./　　/:/　　　　　　　　大事な言葉なら猶更。
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |:.:.;||ヽ　　　　　 ` ー　　　　./:.／/|:.:.:/:イ 　 ／
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 rゝ:.:.|　 ＼　　　　 　 　 　, イ|:.:.:./:.:!:／|:.:|　　　　　　　　　　　　　「そ、そういうものですかお……やっぱり」
　　　　　　　　　　　　　　　,､..イ´ﾍ ヽ:.| 、　 ＼　　　,　＜´:.:/:.:.:/:.:.:|:!:.:.:.|:.:|
　　　　　　　　　　　 ,､r::´´:::::::| 　 ﾍ　＼ ＼　　｀ﾌｌ　 　.|:.:.::/:.:/:.:.:.:.:!:.:.:.:.!:.:!　　　　　　　　　　　　　　ふふ。
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│　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／　　　　│　　　　　　……もうちょっと仮眠しますお。なのはさん、また。
│　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ　　　　　│
│　　 / 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |　　　　...│　　　　　　「うん、またね」
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│　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|　　　.....│
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3557： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/13(日) 23:02:58 ID:a6GY4IpM0

|: ::!: : l : ::| : : : : : | : : : ::l　|:l　.| : : : : / ://　.|: : : l : l: : : :,! : : : : : : : :l: : l : : : : ∧: :|
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l'　.l: : :|: : :| :||. _=土三ﾆ:::.、/ ' ／ 　 , ‐-/　 　 /' .|//: : :/ : : :/!: : ﾊ: : : :.∧: : : ヽ: :ﾊ
　　|: : |､: ::ﾄ:!、´　￣￣｀丶　　　　 　 ´ﾆ≡::.､./　 /./ : /: : : :/ .l: ::!: :∨ : :.ﾊ: : : : :|ヾ:}
　　 ﾞ! :| ﾞ､ :l.|＼　　　　　　　　　　　　 ￣｀ﾞ丶ﾐヽ、 /: :/: : : ::/　 !:/! : : ∨: : :!: : : : !　}'　　　　……ごめんね、はやてちゃん。
　　　lﾞ:| : :ﾞ､l|　｀｀｀　　　　　　　　　　　　　　　　｀`/,.ｲ : : : :/　 //:|: : : : ∨: :|: : : : |
　　　| : : : : :|、　　　　　　　 　 ,:　　　　　　　｀｀ ／ /／: :, ':!　//: |!: : : : :.∨:|: : : : |　　　　　　仕事の電話があって、保留にしちゃった。
　　　.!: : : : :.| ヽ　　　　　　 _　　　　　　　　　　　, ／/: ／:/ ./ .|: :l|: : : : : : }/: : : : .!
　　　.|: : : : ∧　 ＼　 　 　 ヽ｀＞　 　 　 　 　 , '￣/／: :./ ./　.|: :l|: : : : : :/': : : : : |　　　　　　　で、なんだっけ？
　　　.∨: !: :从　　 l＼　　　　　　　　 　 　 _／　／!: : : :/　　　 |: :!|: : : : : : : : : : : :.!
　　　　∨:ﾄ､{　 　 _|　 ＼　　　　　　_.. ‐ '"　　　 /: : : :/　　　　.|: |.|: : : : : : : : : : : :.!
　　　　　ヾ ｀＼ .∧　 　 丶... -‐ "´ .|_ 　 　　.／イ;ｲ/　　 　 　 !: ! !: : : : : : : : : : : :|
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│　　　　　　|: |.: .:|.: 八　|.: ＼.: .: .:| .:| ィぅうミｘ.: .:|ﾉ.: .:/　　)＼イ　　　　　　　　 　 .│
│　　　　　　|: |.: .:|.: .: .:.､／⌒ ､.:.:.| .:|　乂少　|.: :|.: .:/　　⌒Y:|ﾉ　　　　　　　　　.....│
│　　　　　　|: |.: .:|.: .: .:.:.＼.ｨぅミk.: :八　　' '　 |.: ∧/　　 　 人:＼　　　　　　　　......│　　　　ああ、かまへんよ。
│　　　　　　 八.:.:|.: .: ＼.:└ 乂ﾂ∨　　 　 u. 八(_〈 　 　／ /∧.: )　　　　　　　　....│
│　　　　　　　　 人.: .: .: ＼.:.:.:＞　　` r　 ＾)　//|∨----〕//　 ＞‐┐　　　　　 　 │　　　　で、話っちうんがね……やる夫君やねん。
│　　　　　　　　　　＼( : .: .＼.: )＞ 　., ＿___// :| 」＿__／::|　 /　/ ∧　　　　　　...│
│　　　　　　　　　　　ﾉ:＼￣..: .: ∧:.: :(／〈＿／ ||:::::::::: ／::|___|＿_/　|＼　　　　　 │　　　　 最近めっきり連絡もせんくなって……
│　　　　　　　 　 _／.: .:./八.: .:.〈⌒∨ ＼〕ﾆ ／ ||:::::::::::::::::::〉__j 　 |　 | 　|　　　　....│
│　　　　　　　　⌒7.: :__|＿∧.: .:∨〈,,／Y⌒Y＼,,〉T¨¨¨¨¨∧￣＼|　 |　 |　　　　....│　　　　 元気そうではあるけど、どうなんかなーって。
│　　　　　　　　　 |.: :「￣￣込 : .:∨/|　L:i:i:ﾉ　 〉 ::|:::::::::::/::::|＿___＼_|,／＼　　　 .│
│　　　　　　　　　 |／￣￣￣　＼:|: 八 /:ｉ:i|　 /＼:| ::::: /::::: |:::::::＼　＼　　　　 　 .│
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3558： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/13(日) 23:09:45 ID:a6GY4IpM0

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│　　　　　　　　　　　　　 -‐━━=ミ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
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│　　　　　　　_.-=ミ: : : : ＼: : : : : : : : :V: `.　　　　　　　　　　　　　　　....│
│　　 　 　 .ｨ: : : : 7:〉 :∧: : :V: : : : : : :〈/: /〉:.　　　　　　　　　　　　　　 .│
│　　　　 /: : : : : :|/ | : :|:V: : :i : :| : : : : V〉: : ﾊ　　　　　　　　　　　　　....│
│.　　　 /: : : : : : :|i　!::斗-V: :|ー|‐|:-|: ::|:|i: : : |i　　　　　　　　　　　　......│
│　　　 ′l: : |i :|i |i_,.ｨﾃﾃﾐ : : |N|ｨテﾐN: |:|i: : : |i　　　　　　　　　　　　......│
│　　　{　｜:::|i :|i |i　 r勿,　|:N　 r勿ﾉ !::|:|5!: : : .　　　　　　　　　　　 　 .│　　　　なんかなぁ……やる夫君のこと、
│.　 　 　 从::|i: |i |i:　^¨¨　　i　　　 　 」::|:|,ﾉ: ;小:.　　　　　　　　　　　　 .│
│.　　　　　　〕: :|i |N」　　　 ,　　、　　.: /|:| : /: : :|i　　　　　　　　　　　　 │　　　　分かってきてた気がして……さっぱり分からなくなってもた。
│　　　　　　　　|i ||:|:i＞　　　　 　 .ｨ :/::」:/〈: : : 八　　　　　　　　　　 　 │
│　　　　　　　　|i ||:|:|///〕ﾆ=-　　 | l: : :/　 V⌒V:＼　　　　　　　　　　 │　　　　 やっぱ男の子って難しいなぁ。
│　　　　　　　　|i7⌒V|　V寸ﾆﾆ才　!: /　　　＼_,V⌒ :、　　　　　　　　 │
│. 　 　 　 _　--厶ヘ V　 V /⌒丶　| {　 　 -=ﾐ,V{　　,ハ　　　　　　 　 .│　　　　　「とりあえず、話してみないことには始まらないでしょ。
│　　　　 〈,　　 / 　 　 V　V^V__/^V　|/　/　 　 ＼　/　　　　　　　　　...│　
│　　　　/∧　/　　　　 }.　 }i /　Vi{　 」　/　 ______　/　　 __　　　　　　　.│　　　　　 今度、久しぶりにご飯でも行ったら？」
│.　　　 {　　V　 　 　 ,リ,　　}i　　 i{　 }i,　 ／　 　 |ー━=ﾐ」　　　　　　....│
│　 　 r」　　⌒ー‐―(￣￣〉ﾑ　 /| 　i|／　　　　｜　 　 _.」Ｌ　　　　 　 .│　　　　　　せやなぁ。ねえ、なのはちゃん。
│　 　 |⌒ー}　　　　 /　 　 ＼ V　　 /　　＼　 　_|　　ー=ミ__ )　　　　....│
│　 　 |　　 ﾉ　　　 ,/　　 　 　 ＼　./　　 f/―‐┐＿__　　　}　＼　　　....│　　　　　　　どうするのが、あの子にとって一番やと思う？
│　　 ∧__(___　　_/　　　　　　　　＼　　 /　￣￣〉　乙...　　　　　　　 　 │
│　　　　/　　　/八　　　　　　　_ji斗〜'へ　￣￣| 　 」(　　　　　　　　　.│
│　/　 /　　　/￣,.. ．-‐　'''""~ 　 　 　 　 .V　 rﾉ.　　　＼　　　　　　......│
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　　　　　　　　　　　　　-― -
　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　 ∠　―― -　　　:::::::..　　　＿＿
　　　　　 ィ::i´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀::..､ l ／r――　＝‐､
　　　 ／::l::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`::'￣￣￣｀:..､
　　. /l::::::l::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::￣ ｀ヽ､:::ヽ
　　/::l:::::::l::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::ヾ:::::l
　. {:::::l:::::::l::::＼/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::ヽ::::::::lヽ::l
　 l::::::ﾍ:::::::＼/::::::::::::::::::::::::::i::::::i::::l:::::l:::::::::::ヽ::::::::l::::::::l ヽl　　　　　　どうって……好きにさせてあげるのが一番じゃないかな。
　 l::::::::::ﾍ::::::/::::::/:::/::::/:::::::l::::l::l::::l:::::l:::l::l::::::l:::l::::::l::::::::l　|
　. l::::::::::::ﾍ::l:::::::l::::::l:::::l:::::::/:::://::/l:_/l_｣_l､:::l:::l::::::l::::::::l　　　　　　　　あの子なりに考えてはいるみたいだし。
　　ヽ::::::r‐‐|::::::l::::::l:::_｣::-r‐:/7フ´｢/ .l/ｫﾐ:::l::::l::::::l:::::::l
　　. ヽ::{　　l:::::::l:::::l:´::l:::/∠ ﾆ＝ﾐ　 ﾁﾟ://::/ /:::::ｲ::::/　　　　　　　　　今のところ、変に無理してる感じもないし。
　　　 ヽ＼ ヽ:::::l::::::l::::<´,イ　 ,ﾘ　　 .ﾑ//;ｲ:::/::::/.l:::/
　　　　 ヽ:>ｰl＼{ヽ{ヽ{　 辷z/　　　　 l'//::/l:::/ l::/　　　　　　　　　　　 なんか、私たちが口出しする段階も過ぎたのかなって。
　　　　　V　 .l::::l` `　　　 　 　 　 　 v':/／ l:/　l/
　　　. r,/　　 .l::::l　 　 　 　 　 　 _ ／l:::l:::l /'
　　　/〈 ヽ､　　ヽ:ヾ ､ 　 　 　 ´／::::::l:/:::::l
　　./　 ＼　ヾヽ､ヽﾍ/` ┬-....´:::::::::/'::::::::::l

3559： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/13(日) 23:24:28 ID:a6GY4IpM0

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│./: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ: : : ヾ:.、　　　　　　　　....│
│: : : : : / : : : : : : : : : : : : : : : : : ; : : : ; : :ﾊ　　　　　　　　　　 .│
│: : : : /: : : : : :/;_:_:;: : :/: : : : : : :∨: : ∨: :!　　　　　　　　　.....│
│: : : ::{: : : : : : {´｀´｀∨: : : : : : : : ∨≪∨:{　　　　　　　　　　 │
│: : : ::|: : : : : : | _,．--}:-:、 : : : :; -:∨≪Ⅵ　　　　　　　　　.....│
│: l : {:!: : : : : : !´　　__l! ∨:|ﾍ : }从: }: : : |ﾘ　　　　　　　　　　 │
│: |:l:从: {:-: : ::ﾄz====㍉,　　 }/__,ﾑ:| }: : |　　　　　　　　　　....│
│: |:|: : {｀ヽ ∨:!ゞ辷:ノ　　　 （ ´¨´八.!::从　　　　　　　　　 　 │　　　　　　んー、成長しとるってことなんかなぁ。それならええねんけど。
│: |:|: : ｀ヾ_- ., 　　　　　　　　,　　 .: : : ト 、　　　　　　　　　　.│
│: |:|: : ∨: 〉く: 、　　　　 __ .,　　.ィヘ:_:_、｀ヽ　　　　　　　　......│　　　　　　実際に話聞いてみるのが一番やな、やっぱ。
│::介∧ ∨{　 Y: ＞、 　 ￣ ＜: :{ ゝ_ィ^ヽ.　　　　　　　　　　 .│
│:{ .l: :∧ ∨:＼）: }ヾ:、/￣_Y二ﾆrｆ´｀ ｀　　、　　　　　　　　....│　　　　　　 おおきに、なのはちゃん。ほな、また。
│:| .|:∧　＼{~ ‐}:l:!　 >‐ミ {_|＿　{ﾉ^ヽ　　 　 、__　　　　　 　 .│
│ゝ/　∧　　　　 |ﾊ./三三∨￣ ｀ヽ. ハ　　 　〉:::::Y　　　　　...│　　　　　　　「うん。よろしく伝えとく」
│_/　/ ∧　　　 /　}!ゞ三三≧--=ﾆﾆﾆ{ト-::イ:::::::::!　　　　 　 │
│.　　 /　 ＼.　/　 .!::::::＞:..寸二〉::::>:::::｀ヽ:::::::::::::::|　　　　　　│　　　　　　　　頼むわ。
│,-=ミ　　 　.У＿.」::::::::::::::::＞<::::::＼:::Y::::::::;::::::;ノ{　　　　　....│
│　　　｀ヽ　 {　　　.|:::::::-＜::::::::}::::＞::Ⅵ:::::::::::Y:::::::l、　　　　　│
│　　　　　　 l! 　　 !::::::{:::::::::::::└::―:-Y::o::::::::}::::::::|::＼　　 　 │
│　　　　　　 l!　　 ム::∧::::::::::::::::::::::::::::｀::、::::::|:::_:::_::_:::::　　......│
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　　　　　　　　　　　　　　　　|:.:|:.|:.:.:.:.:.|:.丁／/Ⅳ｀テメ/:./　|:.:./|:.:/|:.:.|:.:.:|:.:.:|:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.:|　　 ヽｌ
　　　　　　　　　　　　　　 　 ﾍ:.ｌ:||:.:.:.:.|:./r≠=て7=、 /／　 |:.丁ﾒ-||:.:/:.:.|:.:.:.|:.:.:.:.:..|:.:.:.:.| 　 　 |
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 >|:.|:.:.:|:.||ヾら:::::ﾟ::::} 　 /　 　./∠=z//下:.:/:.:/|:.:.:.:.:/|:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　||ヽ:.|:|ヽ. 辷zzメ_　　　 ／./::::o::7ヽ/:.:./:.:/:/:.:.:.:/ |:.:.:.:.!
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ |:.ヽヽ.　　　　 　 　 　 　 〈⊃::/.〃／//:.//:.:.:./　|:.:.:/　　　　　　　
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |:.:.:.|:.|＼　　 　 　 　 　 　 ｀¨≠/／:/／/:/:.:./　 .|:.:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.:.|:|　　　　　　　　　´　　　　./:.:.／／:|/:./　　/:/　　　　　　　　リンクスになる前の気持ち、思い出すなぁ。
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |:.:.;||ヽ　　　　　 ` ー　　　　./:.／/|:.:.:/:イ 　 ／
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 rゝ:.:.|　 ＼　　　　 　 　 　, イ|:.:.:./:.:!:／|:.:|　　　　　　　　　　　　　 頑張りなよ、やる夫君。
　　　　　　　　　　　　　　　,､..イ´ﾍ ヽ:.| 、　 ＼　　　,　＜´:.:/:.:.:/:.:.:|:!:.:.:.|:.:|
　　　　　　　　　　　 ,､r::´´:::::::| 　 ﾍ　＼ ＼　　｀ﾌｌ　 　.|:.:.::/:.:/:.:.:.:.:!:.:.:.:.!:.:!　　　　　　　　　　　　　　応援くらいは、幾らでもしてあげるから。
.　　　　 　 　 ,､r::´´:::::::::::::::::::::|　　 ﾍ　　　　＼-/ |ヽ:.、|:.:./／:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:!:.|
　　 　 ,､r::´´:::::::::::::::::::::::::::::::::::|　　　ﾍ　　　 / | |ゝ.| ヽ::ヽ:/:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.|
　 /´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|　　 　.ﾍ 　 / ゝ≠| |　ヽ::::::＼:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:|:.|

3560： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/13(日) 23:24:38 ID:a6GY4IpM0
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3561： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/13(日) 23:27:43 ID:a6GY4IpM0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|　　　　　　　今回の投下はここまでだ。
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,　　　　　　　今作ではアームズフォート黎明期ということで、VOBもなく苦労したね。
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|　　　　　　　でもまあ、HARDモードだとあってないようなもんだし、多少はね？
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,　　　　　　　次回は……少し間が開く。12/27の日曜日20時からとしよう。
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|　　　　　　　それじゃ、シーユーアゲイン。クリスマスイブの予定？　そんなものはない。
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´

3562：安価のやる夫だお：2020/12/13(日) 23:29:01 ID:nuN5cI6I0
乙でした

3563：安価のやる夫だお：2020/12/14(月) 00:14:02 ID:yX3.dweg0
乙ー

3564：安価のやる夫だお：2020/12/14(月) 22:24:17 ID:1lNAhKjI0
乙でした

3565： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/27(日) 20:04:32 ID:q0i/SdUI0
　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
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　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
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　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´　　　　　ハロー。
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　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

3566：安価のやる夫だお：2020/12/27(日) 20:08:31 ID:cTspbytA0
ハロー

3567： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/27(日) 20:15:54 ID:q0i/SdUI0

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　　　そういえば、この前はクリスマスだったね。みんなはどうだったかな？
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',　　
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　　　モコイさんは25日であることを忘れて、支払い忘れが生じて大変だった。
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　　　はじめよっか。
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

3568： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/27(日) 20:31:46 ID:q0i/SdUI0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,.ｨ=ｧ　　　　　　 　 　 　 __,.. -- ..,,,__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.,ｨf";;;,.-<__　　　　　　　　 , '",.-'"´￣￣｀ ｀`　- ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,.,ｨf";;;;;;;;;l＞..､__)Yニニ==,-､.ｧ' ./-- l __　　　__r ､　　　＞ ､
　　　　　　　　　　　　　　　 , -',ｨf;;";;;;;;, ＜ L_ ,-'",.-"　,.-ﾍl .l'　l　l-.､` - ､`Y´　,. -- ._` ､　 　 ヽ､
　　　　　　　　　　　　　 , '",ｨf";;;;;;;;,／ .／` /ﾞ¨/__,.-'",. -"ゝヽ_ﾏ ﾏ　 ）　　 l ｀`i` .､　 　 ヽ.ヽ　　　ヽ
　　　　　　　　　　　 , '",ｨf";;;;;;, 7､" ／ ,-､＞-,..ヽ､ '" l_r-,ヽ､__.ﾍ　ﾏ　　　　ヘ　ヽ 　 `　.､　ﾏﾑ.　　　ヽ
　　　　　　　　　　, '.／;;;;;;;;;;;_ ゝ､ >'._-､ゝ､ ヽ"ニニY".l `'ﾆﾆ/　　ヽ. ヽ　　　　 ヽ､ ` - ..,____ノ ､ i　　 ,- ﾍ
　　　　　　　　　 ／;;;;;;;;;;;;;;;;Ll `-l l l´l` ､_ ` ､l`.l , ､ l;;;;ly`､//　　　　ヽ､ヽ､　　　　 ` -　､r-､__.ノ ` ､ ﾍ､ﾏﾑ
　　　　　　　 .／;;;;;;;;;;;＞'"　` ＜l.l l`l .､ l `i___`´==='. ゝ､__/　　　　　　 ヽ　ヽ､　　　　　　｀ '　　　 ` ､l` ､l　l
　　　　　　 /;;;;;;;＞'"　　　　　　 ゝ-ｲ_/ >-)　 .// 7 ,ﾍ　　 ,---､　　　　　　`＜＞ ､　　　　　　　　　　l`ノ　,'
　　　　　　ゝ-'"　　　　　　　　　 ゝ---l-'"　 ./--'-< / ,-'---, l. ` ､　　　　　　　 ` ＜＞-　　＿__,,.. -'　.ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:::::::::::l　　　 ﾏ　　ﾑ　∧　／ ` ､　ﾑ　　　　　　　　　　｀ﾞ`　　----　 '"´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:::::::::::l　　　　ﾏ　　ﾑ --'"______,-ヽ.ﾑ
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アームズフォート。
前触れもなく現れた新兵器は、経済を大きく賑わわせた。
IGIOとアヴィアコルという、四大企業の中でも幅を利かせる二社の
共同開発というのも大きかった。特にIGIOに至っては、企業連の実質的な頭目である。

コジマ技術とAMS技術の確立から百年と経ってもいないものの、
それらがあらゆるエネルギー産業を過去のものとし、
戦争経済の主軸となっていた現代において、それは異質な存在だったのだ。

コジマとAMSの申し子であるネクストACと、それを駆るリンクス。
ネクストとは即ち力であり、強力なリンクスを保有する企業こそが強大な企業。

アームズフォートは、その常識を打破するためのものでもあった。
新たな試みであったともいえる。
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3569： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/27(日) 20:40:55 ID:q0i/SdUI0

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ネクスト戦役による全世界の経済、産業、インフラへのダメージは、
企業をネクスト主軸の経済活動から、別の方向へと水面下でシフトしようとさせた。

幾らネクストとあれど乗るのは人。どれだけネクスト戦力を充実させても、
万が一翻意を抱くようなことがあれば、ネクスト戦役の二の舞と化す。
事実、黒いネクストを撃破した高町なのはに関しても、
当時の企業連は手に余る存在として扱いに困る程であった。

世界を守った程の英雄ともなれば、世界を壊すことも容易であると。
高町なのはがジーンセラピーやネクストへの適合手術をほとんど受けていなかった、
極めて純粋な人間であったことにも起因していた。

そこで企業は、全く別方向へアプローチした。
意思持つ強大な個ではなく、凡庸な群により制御される巨大兵器。
物量と質量の暴力。コジマ技術をネクストAC以上にふんだんに取り入れた、
新たなる戦場の支配者。それがアームズフォートであった。

企業は、IGIOは、己の握る手綱の脆弱さに嫌気が差していたのだ。
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3570： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/27(日) 20:56:06 ID:q0i/SdUI0

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もちろん、それをよく思わない勢力も存在した。
その筆頭がオルデンブルクである。
コジマ技術、AMS技術のお株こそIGIOとノルドルムに後れを取っているものの、
国家解体以前からAC開発を担ってきた同社は、典型的なネクスト至上主義だった。

ネクストの代替となる戦力の登場は、即ちオルデンブルクグループの
商業戦略を真っ向から否定するものでもあったのだ。

上層部の諦観と開発者たちの意地。
新たな技術と古い技術。淘汰してきた側が、淘汰される側へと代わろうとしていた。

鉛のような空気。
時代が変わる前触れとでも言うべき息苦しさが、企業の間で立ち込めていた。
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3571： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/27(日) 21:07:40 ID:q0i/SdUI0

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そしてそれは、十年近い膠着の中では、絶好の火種でもあった。

企業といえど連合を組んでいるように、競争相手がいなければ成長は停滞する。
生かさず殺さず、競争相手を痛めつけ、自らが前に出る。

今、企業間による大規模戦闘が起こったとして、
ネクスト戦役の傷が未だ癒えないオルデンブルクグループは、それに耐えられない。
自社戦力であるネクスト機はわずか三機。
強力とはいえ、潰してしまえばそれまで。
ましてやIGIOグループはネームレスとアルトリア・ペンドラゴンを擁する。
水面下で友好関係にあるアヴィアコルにはアリサ・イリニーチナ・アミエーラに加え、
最強の反体制勢力ネクストとして猛威を振るったストレイト・クーガーも名を連ねていた。

対するオルデンブルクグループも、静観しているつもりはなかった。
開き続ける資本と勢力の差に、地道な経済競争で追いつくことを諦めはじめていた
彼等の中には、強硬手段に出ることを考える幹部もいたのだ。

アームズフォートの登場により、互いの不満と焦りの爆弾が顔を出し、
舞い散る対立の火花を火種としようとしていた。
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3572： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/27(日) 21:33:03 ID:q0i/SdUI0

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こうして、第二次ネクスト戦役の幕開けは、水面下で進められつつあった。

そんな中で、戦端を開くシナリオとして最もIGIOが理想的としたもの。
あくまでも取引として、それでいて戦力を削る口上。

オルデンブルク自体を攻撃すれば、連合を反故にする正当性を欠くこととなる。
ランク4アリス・メルキュリーやランク13シグナムに直接的な攻撃をすれば、
それこそ後の禍根となりかねない。

オルデンブルクの弾薬庫である、桜花重工の反体制運動の吊るし上げ。
そして第一次ネクスト戦役の生き残りにして、オルデンブルクグループの
ネクスト戦力の一角を担う古強者。

即刻大規模な戦闘が起こるわけでもなく、それでいて、
決して小さくない戦力の低下が狙える一手。

ランク9、八神はやての排除であった。
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3573： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/27(日) 21:33:15 ID:q0i/SdUI0

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3574： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/27(日) 21:41:25 ID:q0i/SdUI0
〜TIPS〜

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　　　　　　　　　　 ' !八.:.:.:{ヽi.:.!.:{、　 　 　 , `'’ ﾉﾊ.:.:.j'.:.}',:}
　　　　　　　 　 　 { !.:.:.:、.:{:从.|个ｰ　　　 　 　 八.:}.:.:'.:./ﾉ'
　　　　　　　 　 　 {八.:{ ＼.{:!.:'|.:|:ヽ　 ｀　 ’ ,..ｲ.:,'.ﾉ!:/:/Vﾉ
　　　　　　　　　　 ヽ ヽ　从!:ＹV|:{| ≧=-r≦_,＞/ j'ノ:::::!
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【Name】
八神はやて（一周目）
【Status】
AMS適性：A
極めて高い適性の持ち主。
高負荷の機体であろうと問題なく搭乗できる。

戦闘技術：A
ネクスト操縦技術。
見た目に似つかわしくない歴戦の猛者のような戦いぶりを見せる。

【Note】
ネクスト戦役末期、高町なのはと同時期に登録された女性リンクス。
当時は狙撃支援機に搭乗しており、オルデンブルク所属のリンクスとして戦い抜いた。
25歳。
桜花重工に所属しており、企業間の関係からオルデンブルクの支援リンクスと親密。
ブライドルランク9。
やる夫のことを気に入ってはいるものの異性としては見ていない模様。

かなり肝の据わった性格であり、そうそう慄いたりしない度胸の持ち主。
揺るがぬ冷静さは近接戦闘において冴えた機動を見せる。

【New】
第一次ネクスト戦役を生き抜いたものの、戦力評価としては高町なのはに遠く及ばない。
かといって伊達にトップランカーを張っている訳ではない、実力派の古参リンクスとして名を連ねていた。
桜花唯一のリンクスとして、著しく縮小したオルデンブルクグループのネクスト戦力の一翼を担っていたものの、
政治的に守られる領域にいない絶妙な立ち位置から、戦端を開く際の、最初の標的として目を付けられることとなった。

彼女と桜花重工が健在であったならば、第二次ネクスト戦役は企業連側の優位から始まるでもなく、イーブンな状態から始まっただろう。
それはそれで戦争の激化を招くことも意味しており、世界は更に疲弊したかもしれない。

3575： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/27(日) 21:46:41 ID:q0i/SdUI0
〜ブライドル本部〜
_‐_‐_‐_‐_‐_‐_‐ﾐh｡,_　　`　､　　　　　`'マ }h､　　　　　寸､_,,,..､､- |｣｣_,,..､-‐ﾆ^＾-‐…‐-=ﾆ _=‐-　 //
_ｰ_‐_‐_‐_‐_‐_‐_‐_‐_ﾐh｡,_　 `　､　　　 _,,.`'マ }h､　　　　>＞``｀_そ込_ i｢_　　 　 　 　 　 　 　 ＾^７/
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三三三三三三三ミミｈ｡_‐_‐_‐ﾐh｡,_ ｀丶、　　　`'マh､_,,..===云ﾆ｢ﾞﾞﾞYィ≧=z　　｀```｀　￣___//=-‐
二二二二二二二三三三ﾐh｡_ｰ_ｰ_‐ﾐh｡,_｀'マﾆ=-‐`'マ ､|　 |八　!＿lﾉr┤　|￢冖^^＾＾￣__,,,..､､　-‐
_‐_‐_‐_‐_=_ニニ二三三三|}h､}h､_‐_‐_‐_‐ﾐh｡,_`""´´____,|___|-‐| ｰr ゛=!__七¨¨￣_‐_‐_‐_‐_‐_‐_‐_‐_
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‐_‐_‐_‐_‐_‐_‐_‐_=_=_=_=_=|=_=_=_=_l　屮_‐｢lГΠﾞﾞﾞl| 山 !:ｉ:ｉ| ,ﾞⅰ.::. l　|||　　　|||l　! .: j　 i|:ｉ:ｉ|　山
‐_‐_‐_‐_‐_‐_‐_‐_‐_=_=_=_=|=_=_=_=_ｌ_‐_‐_‐|l||　ⅱ　||　` ⅱ]| ーi .:. ∟|||ｰ―‐|ll∟! .: l∟ !:ｉ:ｉ|‐_′_‐
‐_‐_‐_‐_‐_‐_‐_‐_‐_=_=_=_=|=_=_=_=_|_‐_‐_‐|l||　ⅱ　||ｰ_‐_|ｉ:ｉ|,'　ⅰ:. !　|||　　　jj||　! .: !|　 |:ｉ:ｉ|_‐_‐_‐_
ﾆ_‐_‐_‐_rｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚz _=_=_=_|==ミ_├-､_jj　 ||ｰ_ｰ_|!ij r〜:, jj　 l||　　　jj||　', ,,ム　|:ｉ:ｉ|_‐_‐_‐_
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=_=_=ﾆﾆ|ニニ|ーr'''``｀__,,,,..　r =_=_i;;;;;;;::.} ,　∥_:,-ｰｰ┐_j:ｉ:|z∟二二〕　}｢　 「￣r― ┴‐==㌻… 、
=_=_=ﾆﾆ|ニニ|ニ|ｰ=ニrr‐==‐┐ｰ-|;;;;;;:::{_ ,‘……:,Y___ｰｭzzzzｧﾉГ∥ 八　 {Гﾉ　..:.:.:.::::;;:ﾞ　 .:'⌒ヽ
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､-‐=ﾆこ|ニニ|ニ|三三|//,'|,,,,..l|.;;..;;..|;;;;;;;;;;;;;;;乂-､ﾞ~~~￣)／)|／　　　 /{　,,.　 ,ﾞ｢｀｀`` ^^^^^ ``｀｀￣
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3576： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/27(日) 21:46:52 ID:q0i/SdUI0

　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ
.　　　　　 　 　 　 　 /　ヽｰ　ヽ-}ﾄ､、
　　　　　　　　 　 　 {乂￣ﾆ=-ヽ､　 } ヽ
　　　　　　　　　　　 } ー''　 ≧xヽ} 〆ノV{
　　　 　 　 　 　 　 ﾊ乂　／／⌒''''^^ﾐ / ,〉
　　　　　　　　　､ー=　.イ /　- '' -　` ミ.ｲ
.　　　　　 　 　 　 ゝ_　ノ| |＿､　ｰ''莎　Yヽ
.　　　　　　　 　 　 　 `ﾄ.| !-‐/ヽ ヽ､　 ﾊｿ
　　　　　 　 　 　 　 　 ゞﾊ､　　:::l　__┐ｒ'′　　　　　　　　　　　　　新兵器アームズフォートは、ランク26によって撃破。
　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ,ィニ=‐'',ｨ:)
　　　　　　　　　　　　　　　ハ:ヽ_,ィ:::::く|　　　　　　　　　　　　　　　 図体の大きさから来る緩慢さを突かれると、どうも弱いらしく。
　　 　 　 　 　 　 　 _,,､＜/∨:::::::::::::::::/}≧x
　　 　 　 　 ｧ―=ﾆ:i:i:i:i:i:i{　,':::::/:::::::::::::〉:i:i:i:i:i:i:≧s｡　　　　　　　　　いやはや、時代はそう簡単に変わらんもんだね。
　 　 　 　 / ﾏ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:V::::::::::::::::::::ノ/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/ヽ
　　　　　 , ﾊ ﾏ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:l''⌒ヽ:::::／ィ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/　/',
　　　 　 , l　 ', ﾏ……''´ l.　　　/////｀''＜:i:i:i:i:i:i:i:i/ ./　|
.　　　　 , | 　 ヽ∨: : : : :.l 　 　 |////: : : : : : : :.￣/ ./　 |
.　 　 　 { |　　 　 V: : : : ｌ　　　 |/／.: : : : : : :. :. :./ /　　 !
　　　　 ﾍ ',　　　　V : : 廴.　　 |｀ヽ : : : : : : : : : / /　　 ,'
　　　　　/￣￣＼　V 〈〉 ７―┴‐ | : : : : : : : : / /　　 ヽ
　　　　　{.　 　 　 √ヽ　 /　　　　/: : ∧: : :／/／ ／　 /
　　　　　 ﾍ　＼／　　ヽ/＿＿＿ﾊ.: :.∨: :/: /　／ 　　 {
　 　 　 　 { ／/　　　 /´　　　　 / : : : : : :|:〈 ／　　　　 ',
.　　 　 　 ﾍ　 |ハ/_／__＞''´ ／ } : : : : : :|: /／⌒　　　 }
　　　　　 　 ヽ　　７￣　　 ／　 /: : : ∧: |ア￣￣　＼　ヽ
.　　　 　 　 　 ＞､/　　　　{　／:_:_:/￣￣　l　 　 　 　 ヽ }
　　　　　　　 〈:::::::＞､､＿_／￣ 　 |　　　　{l　　　　 ,,丶 ',
　　　　　　　 〈::::::{　　　　　　　＿__|　　　　{l ―　''´　　.丿
.　　　　 　 　 〈:::::::ア¨¨¨¨''''' ―― ﾍ ＜＞V ＿　､丶,ｲ





　　　　　　　 　 仄いrく艾艾艾艾癶、
　　　　　 　 　r巛Uj〉j〉j〉::::::::::::::::::::辷う、　　　､
.　 　 　 　 ｎrｎrｎrｎrｎrｎrｎ:::::::::::::::::::辷う、　　 ＼
　　　　 ／乂乂乂乂乂乂乂ｎrｎ:::::::::::::::辷う、　　 ヽ
　　　／￣　　　　　　　　　　乂乂ｎrｎ::::::::::辷う、
　　　　　　　　 　 　 ＼　 　 　 　 乂乂ｎ::::::::::rう)、
/　　　　 　 　 　 　 　 :.＼ 　 ＼　　　 乂ｎ:::::::::rう)　　 　 ′
　　ｉ　　　　　　:　: 　 ::::::.　ヽ　 :.＼ 　 　 乂辷辷く　　　　 ′
　 ::|:.　　￤　　:...:|....: i :::|　　　_}L.:. 　　 　 艾艾艾＼
　 ::|:: |:::::ｌ|:.. . .::::::|:: 斗r七'　　　　 |l　￤ 　 Y⌒Y^　 ＼ 　 |　　　　　　　　その割には満足そうね。
　 ::|:: |:: 八:::::::::::::|ｌ::ｌ::|　〕斗ぅ弌7. |ｌ 　|:　　 V⌒ト､　＼＼ |
: |:八:. ､:::: ヽ :::::::八乂{ｱ乂`ｰク　 |l　 ﾊ:. 　 | 　 |ｌ　＼　＼＼　　　　　　　 まあ、一定の成果があったからでしょうけれど。
: |::::: ＼＼⌒＼/　　　　　''¨゛´ 　 八Λ|::　| |:)　八. 　 ＼　|
八::::::::::|＼ 托笊!　　 　 　 　 　 ./ .:/ ..:|::　ﾊ! ,.:代＿＿___＼＿＿
:.　＼ : |＼＼`ｰ1　　　 　 　 　 /／〉..:/|. /　「 ::|ｌ　　 |.　　　 ) 　　 )
＼　　丿:::::ヽヽ込､ 　　　　　　　　/／　 ′/　 :|ｌ　　 |　　　(
　 ＼　　 乂__込、 　 　_　ｰ　　　　　 ./　 /　　 |ｌ　　 ﾄ､
.　　　　（　 |:l ＼ ＼　　　　　　　　　./　 /:/...　八|: 　|:::＼
　　　　　＼|:l:: |:ﾊ　 ヽ　　　　　イ..::/　 /:/ 　 /|:: |: 　|:::::::::＼
　　　　　　 |:l:: |:: |: |: 个ヲ　厂 ハ/　 厶仏:::/＾|:: | . ├――=ミ
　　　　　　 |:l:: |:: |: |:　|　ﾉ/: 厂＼彡く／|..../: : |:: |: 　|
　　　　　　 |:l:: |:: |: |: ｜}/ 　厂￣　,ィ__八/: : : |:: |: 　|

3577： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/27(日) 21:52:31 ID:q0i/SdUI0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /i:i:i:i:i:ir≪k弍*ｘ､
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /ｘ≪公x≦彡″ｱ''ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i.{I__乂戈″/　／ / ,′v
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /.乂ｨf”}}　 ｛ .ｲ ／''*､}　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／≠ｉ{i}〃 ｖ.从.ｉ {弋fｧﾉｨ }
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 { ./　 ／ . //{ 　ｖ{　 　 ､::ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _,／,　 "　, . / 八i iヽ 　 ,.´i　　　　　　　　　「はて？」
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 _,.斗*''　　　, 　'" i/V　/i i＞ .ｲ/ }
　　　　　　　　　　　　　　_.,，*''¨　 ｘ≦”　／,ｨｉ:ｉ:v从 Vi:i:i/f７／ ./　　　　　　　　　 だってそうじゃない。異例の事態よ。
　　　　　　 　 　 _.斗*''¨　　　, 　" ／i:i:i:ｉ:／i:i:i:ｉ:ｉ:Vi:}i:i:i:迄iく.′ ,′
　　　　 　 　 ,:*''　　　_,.．-'''" 　／-=彡ｨi:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉVN/{i:i:i:ヽ　　　　　　　　　　　 　 戦術も何もかもを個体の強さで踏み躙ってきた
　　　　 　 ／　.,，*''¨　　　 ,　'"i:i:i:i:i:i:i:i:/i:i:i:i:i:i:i:ｉ}i:i:i込rft弐i:i.v′
　 　 　 ／ 　／　 _,,. 　x＜i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i《i:i:i:i:i:i:i:i:ｿi:i:i:｛´ⅶ彡ｉ:i:}　　　　　　　　　　　　ネクストが、ステルス戦闘機のECMとフレアに頼りながら、
　　　../　 ／　,　"　./　 ／くi:i:i:i:i:i:i:i:i:i/i:i:i:i:i:i／i:i:i:i:ｉ:ｉ＼Ⅵi:i:i:ｉ}
　　　 {,　"￣　　　　i ／　　 .＼i:i:i:i:i:/i:i:ｉ:i:i:/i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:V ）ｉｉｉ}　　　　　　　　　　　　 わざわざ夜間に、夜間迷彩までご丁寧に仕込んで、
　　　　　　 　 　 　 .乂　　 　 　 ／^:ｉ:ｉ:i:i:i:/ノi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:i.ｲｉ:i:i:i}
　　　　　　　　　　　　 .￣ 　 .／-‐彳i:i:ｉ:/^}i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/　V:I:ｉ}　　　　＿＿＿__　　　 こそこそ近づいて撃破したのよ？
　　　　　　　 　 　 　 .{　 ＼,　" ／i:i:i:i:i/ ./i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i{‐-‐==ﾆi:i:￣i:i:i:i:i:i:i:i:i:／
　　　　　 　 　 　 　 ./^≧=ｘ_／i:,,イｉ:ｉ/／i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:rく⌒ヽi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i_i_i_　"
　　　　　 　 　 　 　 {i:i:i:i:i:i:i:i:i:／／i:i/i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/i:i:i:i:i:i:i:i:＞-‐=ﾆi:i:i:i:i:i:i:i:”“≧x
　　　　　＿＿＿＿/i:i:斗*''¨ ／i:i:i:i:{i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/i:i:i:i:i:i:i:i:i:＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:斗*''¨ゝxー
　　　　 ,{I＼____　　　-‐=ﾆ三i:i:i:i:i:i:ｉ:}i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｲi:i:i:i:i:i_i_i:i:i:i:i:i＼i:i:i:i:i／　　　　{ I‐‐-
　　　　く⌒　　I〕／　 ＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/i:i:i:i:i:i:i:i:i:/} }斗*''¨斗i:i:i:i:i:i:i:i＼i｛　､　　Nノ
　　　　　}／　 ＼　 　 ／￣}i:i:i:i:i:ｉ/i:i:i:i:i:i:i:i:i:/”　r‐'''"i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ＼　　　{I
　 　 　 く 　 　 　 ＼　　　　 ＼i:i/i:i:i:i:i:i:i:i:i:/“”} .}i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:＼　 ＼





　　　　　　　　　　　　　　　　=≧　　　　　　　　ミﾐ
　　　　　　　　　　　　　ミ三三＞　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　ﾐ　　　　　　　　 /zヽ　　　　 ヾヽゞ
　　　　　　　　　　ニ彡　　　　　　　　!cj /ﾐﾐ＼_　/ 刈
　　　　　　　　　三彡ﾉﾉ　　　　　　./ヽ_/ミﾐ　 |i!i!,r
　　　　　　　　__彡／彡´ノ∥ く/ / 　 .ｉミミ　 ｀´ｉ
　　　　　　二三 ./　￣￣｀ヽ　 ￣!_　 ∧三　 ,ーﾞ
　　　　　　 斗.／　　　　　　＼　　∧　 ∧〃/
　　　　／ ／ .∨　　斗―――＼　∧ __ ｉｉｉｉ,ゝ　　　　　　　　戦場に絶対はない。絶対に見えるだけだ。
　　 ./ ／/　 ∨___ノ　　　　＿＿∧／　　｀¨
　　/∨ /　　/　　 ／　　≦≧　　 ￣｀ヽ　　　　　　　　　　　 ネクストと言えど例外ではない。これまで錯覚してきただけだ。
　 /／./　　/　　 /　　／　　 .|　　　　　 ＼
　/　 /　　/　　 /　　/　　　　.|　　　　　　　!　　　　　　　　　　「そうね。ネクストの優位性は揺るがないけれど、絶対性は崩れた。
　　 〈　　/　　　ｉ　　∧　　　　j　　　　　　　|
　　ヽ∨/ 　 　 .|　　ｉ　　　　.∧　　　　　　 (ｉ　　　　　　　　　　数に物言わせるのが得意なSIとしては嬉しいんじゃなくて？」
　　　 ∨　　　　|　　|　　　 ∧　　　　　　　_∧
　　 .┌∨　　　.|　　!　　／斗二二二二二　 〉　　　　　　　　　他が揃えるなら、うちも揃えるだろうな。政治屋気取りの
　　　「　∨　　 .|　 .ｉ＼　ゝ、￣￣￣￣￣｀ｉ´
　　　｀ヽ ∨ 　 .| 　 ｉ /　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　上層部の頭の中身など知らん。
　　　　 ∨{　ｉ　.|　　| ヽ　　　　　　　　　　　j
　　　　　.∨¨　 |　　|　　ゝ　　　　　　　　　/
　　　　　　ヽ　 .|　　.|　　∨　　　　　　　 ∧

3578： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/27(日) 21:55:47 ID:q0i/SdUI0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　´￣￣￣｀　、
　　　　　　　　　　　　　　　 　／　　　　 　 　 ／:::::ヽ. ／＼
　　　　　　　　　　　　　 　 ／＞＜　　　　 　 ｀ ＜::::/::::::::::::＞ 、
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /.:´:::::／ ＞= ﾆ二_三＞､ {:::/ ￣∨::∧
　　　　　　　　　　　　 　 {:::::::::/ ∠斗＜广,.へ. .ヽ. .l:/. : : : :∨::∧
　　　　 　 　 　 　 　 　 八:::::/ / /-ﾉ- /　ィ ﾋﾊ: .}.:./. : : : : : :ｉ::::::ﾉ
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＞イ ,ﾍｨfち.′　　　 li/ ,i: : : : : : : :レ　　　　　　皆さん、考えすぎじゃないですか？
　　　　　　　 {　　　　　　　 ／// ﾍ. /　　,　　　ﾙｲ:l: : : : : : : :l
　　　　　　 　ヽ　 　　ｰ=≠ イ/./ ／､　 　r-　 /厶l: : : : : : : :l　　　　　　　 そもそも戦場に主役脇役なんてありませんよ。
　　　　 　 　 　 ｀ ー=≦ ｰ=彡'′ /. .＞‐-r. 彡:::::::!: : : : : : : !
.　　　　　｀ ー=＝≦. . . . . ./|. . . . . ./!ハ__圦:::::::::::j＼ ＿ ／l　　　　　　　　ACが陸海空全てを担ってるから、そう見えるだけで。
.　　　　　　 ／.. . . . . . . .／.人. ./. . | Lノo ヽ}:::::／| 　 　 　 八
. 　 　 　 ／⌒'ー==≠彡／　ﾉ厶斗＜_　ヘ.,j∠:::l |､ 　　　/
.　　　　/　　 　　／　 ／.　 ´　 ／.::::/ .:::::/米 /:::l |ﾊ　　 /
.　　 　 {　　 　 / .　　´　　　 ／. ::::::/.::::::::ヽ イ::::: !:|:∧　/
.　　 　 ヽ　, 　 ´　　 　 　 ／.::::::::::::′::::::::::::::::::::::::l l :::.∨





――――――-　　、　　 ＿＼
‐　　　 　 　 　 　―-＼／::::: ＼＼
　　　　　　　　　　　　　 ＼::::::::::::＼ヽ
┬――――‐、―― 　--∨:::::::::::::::.〉
　　|　　　　　＿＿＼__　 　:|＼:::::::／
　　j　　―　　　　 l‐7　,|　　|⌒l／
　　| 　 l二_l/　 l/ l　l　｝ 　 |　 |　　　　　　　精々、役割や立ち位置が変わるだけですよ。AFの方が適する場面もあれば、
　　|　　==l/-―ﾅ＞l　｝　 八 ｜
ヽ　',　.　 / ￣ﾌ¨´// /　/.. ﾊ八　　　　　　　ネクストの方が適している場面だってあるでしょう。一緒に使われるだけです。
.l　 y　　　　　　 ノ/ ｲ　/　,'　',　＼
ﾉ 　　　　　　　　／./　/　/　　', ト ＼
　　　 　　　　　　／　/ ／｛　　　, 　 ',`ｰ-‐
. ─-　　　 　　イ 　/ /　　i! .i　　', 　　＼
　` 　　　　,　'　l 　/ /　　 j .j!　　 ', 　　ヽ＼

3579： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/27(日) 22:05:27 ID:q0i/SdUI0

　　　　　　　　　　　　　　＿ r―ｧ-､―- ミ
　　　　　　　　　　　　　/＞''"~"''＜⌒l　　　｀　＜
　　　　　　　　 　 　 　 7／／ヽヽヽﾔ⌒〉　　　　　＼
　　 　 　 　 　 　 　 　ψ／／/ ソﾉ }-〈 　 　 .|　　ヽ ∨
　　　　　　　 　 　 　 r{ゞ、＞''´／ / Y′　　 .|｜　 ﾊ ∨
　　　　　　　　　　 　 }ﾍゞ｀''＜彡‰ソ　 !　!　 !＼ / ｌ| ﾄゝ
　　　 　 　 　 　 　 　 V乂三∠⌒)´ !∧|　|　.｣ﾉﾚ' | ﾘ |
　　　　　　　　　　　 　 廴乂＿)ノl l 八（l　ﾍ八ｿ｀ﾒ|/ /
　　　　　　　　　　　＞''⌒7^Y⌒ ヽ、,人| 　 ﾍ{｀¨乂ﾚ′
　　　　　　 　 　 ／===／｀nﾍ=====＼ilＮ　 | __　/　　　　　　　　　　　　　……。
　　　 　 　 　 　 ＼=／===l.l= ＼===／　|　 |　／
　　　 　 　 　 　 　 ´/====|.!==== <´≧〈从 |´
　 　 　 　 　 　 　 ＿≧s､_ﾉﾊ_==== ﾏﾆﾆゝ-`‐…￢冖ニニアl
　　　　　　　_　＜ﾆ／ﾆ二二Y ￣￣ ニニﾆr'ニニニニ＞''´ =|
　　　　 r＜ニニ／ニニニﾆ/二二二ニニﾆ|ニニニ／二二ニ|-｢ヽ∧
　　　　 ∨=ニニニニニ二/二二ニニニニニニニニニニﾆﾆ上′ﾆﾆ＼
　　 　 　 Vニニニニニ／:⌒"''＜ニニニニニニニニニニニニ乂ニニﾆ
　 　 　 　 {／ニニﾆﾆ/　 :　　　　 ｀ マニニニミニニニニニニニﾆ＼ﾆﾆ
　　 　 　 <=／ﾆﾍ二/　　:　　　　　 　 ｀'マニニニミニニニニニニﾆﾆ＞
　　 　 　 〈´ﾆﾆ二∀　　　　　':, 　 　 　 　 ｀'マﾆﾆ／冫､ニニニニニニﾆ
　　　　　　}／二二{　　 ,'　　　 ':, 　　　　　　: :￣i　.ｲﾆ=}｀''＜ニニニﾆﾆ
　　 　 　 /ニニﾆﾆΚ　,'　　　 　 '　　　　　　 : : ／ﾆﾆ=/ 　 　 ｀''＜ニニ
.　 　 　 /ニニニﾆ∧＼　　 ',　　　　　　　　_ イ二二ア　　　　　　　 ｀''＜
　　 　 /二ニニﾆ/　∨_＼　 ',　　　　_　＜ニニニ／
.　 　 /ニニニﾆψ　　V二｀‐┴―≦ニニニニニﾘ
. 　 Yニニニ=／| 　 　 VニﾆГニニニニニﾆ彡〈
　　 {ニニニﾆﾆ/ヽ.　　 {ニニﾍ二二二ニニニﾆ/
　　 ∨二二ニニニ＼ /二二/二二ニニニニﾆ|





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　　　　 　 　 　 /￣｀ヽ〃,,､､― ､､,,_　　　,,＜
　　　　　　　　/ / ｧ―― ﾐ　　　　　　　　　　 `''ーｧ
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　　　　￣ 　 ﾊ{/,､､､､,,_ヽ　　ﾐ`''〜 -===彡 イ´≦_
　 　 　 　 ／　ﾊ }＿_:. 　 ｀ 　 ﾐ三二ﾆ　　　／ 　 /
　　　 -=彡''´ 　}"莎'　　　　　 ﾐ ＞寸-''"´　／ ./　　　　　　　アリサ君の言う通り。そう焦らなくてもいいんじゃないかね？
　　 　 　 　 　 /　 　 　 　 　 　 ﾐ<⌒.}''"　／ ／⌒
.　　　　　 　 ｱ　　　　　　 　 ｧ　 }〕: /,,､丶 ／　　　　　　　　　　 ネクストはなくならんよ。使い道が多すぎる。
.　　　　　 　 ＼､､､-‐''ヤ 　 {　　rツ　彡 /
　　　　　　　　ﾉ,､〜''´　　　　　/^^ﾚ}＿ｧ⌒　　　　　　　　　　　　……そろそろ本題に入ろうか。
.　　　　　　 　 　 }　　　　　,､＜＞''´　　}､
.　　　 　 　 　 　 |　　 ,､丶〜'´　 _,,､､＜:.:.ﾄ､　　　　　　　　　　　　条約における、作戦時の傭兵雇用についてだが……
.　　　　　　 　 　 `''''´｢'Ｙく　,,､＜:.:.:.:.:./:.:ノニ}
　　　　　　　　　　　　〕_{／:.:.:.:.／:.:.:./／(( )ﾏﾑ
　 　 　 　 　 　 　 ／:.:/:.:}:.:.:／:.:.:..／/∧　　 ﾏﾑ
　　　　　　　　 , .:.:.:.:./.:.:.:}:.:.:.:.:.:.／////∧　 　 ﾏﾑ､
　　　　　 　 ／:.／:./:.:.:.: }:＞／///////∧　　　 寸ﾑ
　 　 　 　 /:.:.:./:.／:.:.:.:.:/ イ:::}//////////＼／￣`''寸
　　　　　 ,:.:.:.:.／:.:.:.:.:.／:::::::::::}////////////　/＼￣ヽヽ
.　　　 　 l:.:.:.:.:.:.:.:.:.／::::::::::／ハ''-=＜///// ／　　 ヽ　 ヽヽ

3580： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/27(日) 22:11:08 ID:q0i/SdUI0

　　　　　　　　　　　　　　　__　　_
　　　　　　　　　　　 _ｒ:ァ┴┴┴:'＜＞v‐ｧ､
　　　　　　　　　 (＞''":::::::::::::::::::::::::::::::｀::＜L＼
　　 　 　 　 　 c/:::::::::::::__::＿:::::_::::::::::::＼:::::ヽL_ヽ
　　　 　 　 　 /'::::rｧー^ｰ^ー^ヽへ､:::::::::::＼::::::V┐､
　　　　　 　 /{:／　　　 |　　l!　　｀ｰﾍ>､::::::::ヽ:::::V┐',
　　　 　 　 ,' /　　 /|　 ||　 | |　　|　 | ｀L>､::::ヽ:::::V!　!
　　　　　　l l　!　| !　|　| |　| ||　 ||　 |　||　(>､:::ヽ:::}）.　!
　 　 　 　 | l! |　 |l 　|　|ｌ|　! || ! | |_ | 　|　 ｀Ｌ_;::イ勹＼!
　 　 　 　 || |!|　 || 　|　|!| |　|lイ｢ ﾚ1　/|　l|　{＞||＜}＼＼　　　　　　　　　
　　　　 　 || ', ､　l|ヽ. l! |lリ´｣斗ﾔ刋 /! |　|　　 〈＼＼　ヽ ＼
　　　　　　ヽ ヽﾍ {＞ヽ{ﾘ ´ ｀辷'ｿ //l! ,'. /　 |　《.　＼＼ ヽ　｀ヽ、　　　　　　　　　ふん……今頃、うちの上層部は渋い顔ね。
　　　　　　　 　ヾ<ヽﾍ';)　　　　　ノ'　,'./ /　　||　》＼　＼＼ ヽ　　｀ヽ、
　　　 　 　 　　　|:! |lハ〈 　 　_ 　 　// /　, 　| l《　　》　《　 》　ヽ　　　｀ヽ、　　　　　
　　　　　　　　　 |:! !　|l ヽ､ ´ｰ 　 //'´|　/　 |　|　　《 　 》 《　　 ヽ　　　　 ＼
　　　　 　 　 　 〃 | /! |/ ||｀iヽ-//'⌒| /　/⌒''⌒ヽ.　 《　　　　　ヽ　　　　　ヽ　　　　
　　　　　　　　/〈　ﾉ' |　|　|| | |://:::::::::l'′/::::::::::::::::::::ヽ 　　　i 　 　 ヽ　　 　 　 ヽ
　 　 　 　 　 //l:|　　|　|ヽ V /'´ﾊ､:::/　/::::::::::::::::::::::::::::ヽ　　　l.　 　　ヽ　　　　　 ）
　　　　　 　 {/　ﾘ 　 !　ﾄ､_//　/　〉/／{::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　　 |　　　　ヽ
　　　　　　 〈　　　　 L_,し'´.／　/／　/:::::::::::::::／::::::::::::::::〈　　　|　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　／⌒_＾_＾ヽｎ_r7::::::::::::／::::::::::/::::::::::::〉 l　　|!　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　 !　 〔:::::::::::〕　　〈::::::::／:::::::::::::/::::::::::::/　 |　　| !　　|　　 ヽ
　　　　　 　 　 　 　 |　　 丁7´l! // (〉:::::::::::::::::::::/::::::::::::〈　　 |　　| |　　|　　　ヽ
　　　　　　　　　　　 |　/　 /　|l | _r/::::::::::::::::::::::::::::::::::::／　 | ||　　| |　　|ヽ　　 ヽ
　 　 　 　 　 　 　　/:L,､ｎ_rｎ_rァ'´::::::::::::::::::::::::::::::::::::（　　　| | | 　 ! |　　|　ヽ
　　　　　　　　　　 {::::}:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|!:::::::::::::}　　 |l | |　　| |





　　　　　　　ｲ二二二二二ミヽ、
　　　　　／|　　ﾉ|　　　　　　　　￣≧ｰ、
　　　　/´ｉ .!、　　!　　　　　　　　　　　　ー-,
　　　　|　|　 ／∨｀ｉ　∧　　　　　　　　　　＼
　　　　ｌ　|／　　 ＼| |ｉ!ｉ|　　　　　　　　　　　 ゝ
　　　　 ,r≦≧t、　 || Ⅵヽ　| |＼　　　　　　　￣
　　　／　　ゞ≡´丶、 　 　＼|| 　＼
　　<　__ 　 | 　 　 　 ＼　　　 |　　　 ヽ
　　 ,ゞヽ｀´　｀ヽ　　　　ミﾐ　 二ﾐヽ　　∧
　　 ゞﾐヽ、　　 |　　　　ミ　 ノ　ヽ |　　　∧　　　　　　　　　　　だろうな。我が社もだ。
　　 i｀ヽ ｉ!ｉl　　 ∨　　　 ゝ !、__／　　　　∧
　／　_,-ﾉ,!ｉ!ｉ!、　　　　ｉ´　-― ´　＼　　　∧　　　　　　　　　　老人どもは不満を抑えるのが苦手だからな。
　∨彡彡´ﾉｉ!ｉ!ﾐ　　　　　　　　|　　　 ＼___／
　　` 刈彡´ﾉノ　　　　　__＿斗　　　　　　　　　　　　　　　　　　 方針の変更もあるだろう。
　　　　　｀ヾ＿,斗―≦￣i!i!i!/　　　　＿＿
　　　　　 ／i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!ノ ＿／⌒＼　 ｀ヽ
　　　　　 }i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!´／　　　 斗＜ヽ　└‐
　　　　　/i!i!〈⌒´／／　　　斗＜　　 　 ｉ_j
　　_,―´/｀ｰ´／／　ゝ--イ∨
　 /　　/　　/　/　　　　　　　∨

3581： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/27(日) 22:17:45 ID:q0i/SdUI0

　　/　　　　　　　　　　　　i　　　　　　＼　　　　}　>
　 /　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　.|　／　ﾚﾍ、
　,　　　　　　　　 ヽ　　 i　 .|　　　　　　　|、　/　} ノ
　i　　　　　 .l　　　 i　　.ﾊ. ∧.i　　　　　 .| l /　　|' ﾞ;
　|　　　 .|　 i　　　 .| ／! }/　}ﾊ　　　　　.|,ﾉ　/ ./"
　|　.i　　.|　 ﾄ　　　1. ,ﾑ斗:ｒ7 }　　　　　 |　 / ./:.:.:.:.:ヽ　　　　　　　　　（これで企業間関係の悪化は決定的なものとなった。
.　i　l　　.|　 「＼　 .ﾊ/ Ｖツ　 ':/　　　　 .|　/ /|.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ
. 八ハ　 ト　|'芯＼{　　´　　　ハ |　　　 ﾊ　/:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:/　　　　　　　　 モリアーティの言う通り……大規模な企業間戦争は近いだろう。
.　　{　`:.ハ .ﾄ.}７　　　 　 　　　 }/|　　　.j　ｙ:.:.:.|:.:.:.:.:.:./
　　　　　 | ヾ. :,ヽ　　　　 　 　 /　}　　　ｊ ∩こ)ﾞ,:-イ~　　　　　　　　　　　順当にいけば、IGIO側の勝利だろうな）
　　　　　 ｌ　　　|＼　 _　-,　　　　ｲ 　.,v⌒／: :ヽ:.:.}　　　　 _____,,
　.　　　　 ｌ　　 .|.　　　､ ´　　　／ﾉ-ﾏ｀／: : : : : :’、_ . : : : : : : : :
　　　　　　丶　 i　　　　　`ｰ ' >r"f ﾞ／: : : : : : : : /: : : : : : : : : : :
　　　　　　　 丶 ，　　　　　　⊂ﾞ_／: : : : : : : : ／: : : : : : : : : : : :





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ ....　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . 　 ´　　＿ 　 ｀　 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　,.ィ ＞―-｀>‐､- ＼
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　　 r'"／　／　'／ヽﾄ､　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ;　/　/´/　,/　　／､ヽ ',　〉　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, ./　,{　l＿＿_,／　　-‐ !/　;　!
　　　　　　　　　　　　 　 　 　　　ﾉ;　 〃ゝ{ 　 --―　　 彡! 〉 .i　!
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／　V /　廴ヽ、　　 ＝‐ ,.ｲ'"　.!,ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　,.　,.イ　ｒ ',　//　i、,.ィマヽ、-イ　l! ; i{
　　　　　　　　　　　　　　　／　,　 '. ヽ 〃／//ｲ'l!ヽ'/ヽ　}.,ﾊﾉ: !',　　　　　　　　　　　　（老人たちは未来など見てはいない。
　　　　　　　　　　　　　,. '　　／ / .lヽ ＼マ////l.!'∧/∧/./i　: ヽ、
　　　　　　　　　　　　,　　　　, 　 ,: :　 ﾏゝヽ.///,l !/∧／7'　!　、ゝ　　　　　　　　　　　　汚染や破壊から立ち直れずに世界が衰弱しようと
　　　　　　　　　　　/,...::::::::..､ 　 ハ!　　ヾ‐=!'//,l=!//,l／ }　l　 ; ,ヽ、,...::::::::::..､
　　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::＼ ＿＿ｒ=＝ !'//,l=|'//,!ﾆ=-､＿＿ ／:::::::::::::::::::＼　　　　　お構いなしに、目の前の利益のため、
.　　　 　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ二ﾆﾆ＼ﾆ|_//lﾆ|//,!二／ﾆﾆ二ｌ::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　 　 '::::::::::::::､:::::::::::::::::::::l二ニニﾆ`マニ二ニ＞'ﾆニニニl:::::::::::::::::::::::::::::::::〉　　　　この星を火の海にするだろう。
　　　　　 　 　 ':::::::::::::::＼::::::::::::::::!ニニニニニ＞''''＜ニニニニニl:::::::::::::::::::::／::::::'
　　　　　　　　 ,ゝ::::::::::::::::ヽ::::::::::::!二ﾆﾆ＞‐'"二二ニ｀''-＜ﾆニニl::::::::::::::／::::::::::::i　　　　　……それで滅んだとしても、どうでもいいが）
　　　　　　　 　 ;:::::＼::::::::::::::::::::::::!ニ／ﾆニニ二二ニニニﾆ＼ﾆニ!:::::::／::::::::::::::::::;
.　　　　　　　 　 }::::::::::::::::ー-::::::::;'_/ニニニニ二二ニニニニニヽﾆ!::::::::::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　i:::::::::::::::::::::::::::::::;ﾆlニニニ二二二二二ニニニニ〉_!::::::::::::::::::::::::::::i
　 　 　 　 　 　 l::::::::::::::::::::-‐::::::;ニ!二二二二二二二二二二ニ/ﾆｌ:::::::::::ー-::::::::::}

3582： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/27(日) 22:29:48 ID:q0i/SdUI0

　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 -―f=ミ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´ ―　 ､f辷彡' ￣
　　　　　　　　　　　　　　　/ ‐ャ－ 、 f辷彡'　　 　 　 　 ｀　､
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ′ ハ　　f辷_彡^ー ｧ　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　 　 　 　 　 |　/ 　 ,f辷__彡　　　/　　 　 /／ 　 　 ＼
　　　　　　　　 　 　 　 　 ∨　,f辷__彡く　　　/　　　　/　　 　 　 　 丶
　　　　　　　　　　 　 　 　rｔf辷__彡'　ｉ　＼　　　　　 /　 ／/　　　 ｉ　‘,
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀Ｙﾍ　　　　 ､　-､|　 　 ｀ﾊ　/　/　ｲ　 　 　 ｉ
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |,ハ　 　 　 〉い |　　 圻ミ、＼　 /　 ｲ　i .ｉ|
　　　　　　　　　　　　　　　 ‘,　ﾊ　　　〈　r( |　 　 弋rハ　 ノ イ ,′ﾊ:ﾘ
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ∨　 、　 ﾊ ヽ.:|　 　 i　　　　　　　厶ｲ ﾉ'　　　　　（……どうでもいい、が。最初の標的は桜花と……ハヤテか。
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ∨//vﾍ{介f:::|　　 ｉ|　　　　　 fｹ 　 |
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |///////ハ:|　　 ｉ|　　　　　 〈 　 .ｉ|　　　　　　　……彼は悲しむだろうな）
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　＿ 」/」/」/」」/ﾊ|　　 ｉ|　 ‐ ､　 イ　　 ｌ|
　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　＞‐……―＜　 |ｉ 　 从　　　　　　
　　　　　　　　　　　　 　 ′　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::＞...　i| |
　　　　 　 　 　 　 　 　 」　　斗 ―－ァ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ

3583： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/27(日) 22:29:59 ID:q0i/SdUI0
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

3584： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/27(日) 22:32:05 ID:q0i/SdUI0
すまない、あまり投下できていないが、今日はここまでとさせていただく。

次回は来週の日曜、1/3午後八時からとするが……臨時で投下できそうなら、随時予告する。

今日は少し調子が悪いが、回復すれば書けるようになるだろうから。

それでは、シーユーアゲイン。よいお年をね。

3585： ◆x0SRSoJXe.：2020/12/27(日) 22:33:54 ID:q0i/SdUI0
短くてすまないが、今日はここまでとさせていただく。

次回は遅くとも来週日曜、1/3午後八時から。それ以外でも随時投下できるときがあれば予告する。

今日は調子が悪いが、そのうち回復していくと思うし。

それじゃ、シーユーアゲイン。よいお年をね。

3586：安価のやる夫だお：2020/12/27(日) 22:34:42 ID:ZoFBNWaE0
乙ー
良いお年を

3587：安価のやる夫だお：2020/12/27(日) 22:37:12 ID:cTspbytA0
乙
よいお年をー

3588：安価のやる夫だお：2020/12/28(月) 21:14:51 ID:nkKTRwA60
乙でした
良いお年を

3589： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 17:14:40 ID:1m221qiQ0
午後八時から新年のご挨拶を行うよォ

3590： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 20:01:11 ID:1m221qiQ0

　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ　　　　　ハローエンハッピーニューイヤー。
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´　　　　　　エンエネミーオールデストロイ。
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

3591： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 20:02:12 ID:1m221qiQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　,- ‐‐ -　､
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｲ: : : : : : : : :｀,
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /○　○: : : : /　　　　　　明けましておめでとうってやつだ。
　　　　　　　　　　┌─┐　　i_ _ _ : : : : : : :{　
　　　　　　　　　　┃茶┃　　 ｀,_　_｀=-: : : :|　　　　　　　2020年に限らず、いつもボロクソのまま、>>1もやる夫スレを始めてはや七年。
　　　　　　　　　　├─┤　　 　i: : : : :_: : : :'
　　　　　　　　　　￣￣￣ー‐'' ｀-‐´ : : : : : :ヽ　　　　　　 18から始めたから、もう今年で25だ。おっさんになっていくね……。
　　　　　　　　　　　　 ゝ __ ,..　ｲ : : : : : : : : l: : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　 { : : : : : : : : :|: :.|　　　　　　　最初から付き合ってくれている人、最近読み始めて追ってくれている人、
　　　　　　　　　　　　　　　 ,､ '" : : : : : : : : :ﾞ､:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 （ : : :‐ ､ : : : :__,. : : :Y"　　　　　　　ROM専の人、皆ありがとう。感謝感謝だ。今年もよろしくね。
　　　　　　　　　　　　　　　` ー‐┘￣‐〈＿ ,,ノ





　　　　　　　 ､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|　　　　　　さて、新年のあいさつがてら、ちょっと小ネタも投下しておこう。
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i　　　　　　　皆も参加できるよう安価も盛り込んだ小ネタだ。
　　　 　/ : : : : : : :┌─┐　　
　　　 　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ　　　　　　最悪の新年、2021年の幕開けだ。諸君、派手に行こう。
　　　 　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿
　　　 　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ
　　　　 と_ : : : : : : ノ : :ノ
　　　　　　￣￣￣　￣

3592： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 20:10:28 ID:1m221qiQ0

┌──────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│　　　小ネタ『IFルートやる夫クエスト』　　　....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
└──────────────────┘

3593： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 20:10:41 ID:1m221qiQ0

　　　　　　　　 　__　　＿＿＿__　　　　　 　　　　 __
　　　　　　　　 　| |／─　　─　＼＝＝＝＝＝=| |
　　　　　　　　　 |/ （ー）　（ー）　　＼　　 　 　 　| |
　　　　　　　　　/　　（__人__）　　　　 ヽ　　　　 　| |　　　　　zzz……あ、やめるんだお……幾らやる夫が最強リンクスだからって、
　　　　　　　_rーー‐‐- ､_　　　 　 　 /￣ヽ＿＿_| |
　　　　 __ノ￣￣￣￣｀ ヽ__`-ー´⌒ヽ＿ノ 　 .／| |　　　　　 取り合いはよくないんだお……zzz……やっぱりやる夫が最強かー……
　　／￣　　　　　ヽ_　_　　ーー　ヽ__　ヽ、...／　 | |
　ノ　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 ｀ヽ／| 　／| |
/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　)　|／ 　|_|
　　　　　　　　　 　 　 　 　　　　　　／　|　 |
　　　　　　　　　 　 　 　 　　　　 ／　 　|／





　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿_＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　 ／ｰﾆjj三ﾆ‐ u ＼
　　　　　　　　　　　　　（(○ ）三 ( ○）) ::li|;ヾ
　　　　　　　　　　　　　 l|　:i((_人__）)) ニ: :u:;:li}　　ｶﾞﾊﾞｯ！
　　　　　　　　　　　__　 .ヽ:;::　|r┬-|i　::lii:::;u /　 　　　　__
　　　　　　　　　　　| |====＼_|　:!　i! 　::::::;;./ .＝＝＝=| |
　　　　　　　　　　　| |　　 / l ヽ二ノ　　　 ヽ　　　　　　 | |　　　　　　　　　　　――はっ！
　　　　　　　　　　　| |　　/ /l　　　　　　丶 .l　　　　　　.| |
　　　　　　　　　　　| |　 / / l　　　　　　　}　l￣ヽ＿＿_.| |　　　　　　　　　　　や、やる夫は……ここは、トウキョウの、やる夫の部屋かお？
　　　　　　　　 ／￣ｰユ¨‐‐- ､_　　　　　l　!＿_ノ　　／| |
　 　　　　　 ／　　　　　｀ ヽ__　 `-　　　{し|　　　 .／.　 | |　　　　　　　　　　　 とっくに壊滅したはずじゃ……。
＿＿＿　／　　　　ヽ　　　　　　　　｀ヽー、}　　／.　 ／| |＿＿＿＿＿
　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　 ヽ__　 ｀ヽ.／. 　／　 |_|
　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ|　 .／
／　　　　　　　　　　 　 　 　 　　　　　　／　|／
| 　　　　　.|　　　　　　　　 |　　　　　　 .|　|　|
|. 　　　　　|　　　　 .|　　　.|　　　　　　 |_　|／
| |　　　　　|　　　　 |へ　　|　　　|　　ﾉ| ||/
|_|＿＿＿ﾉ|＿＿＿|　　＼|＿＿|＿ﾉ |_|

3594： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 20:13:05 ID:1m221qiQ0

　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼　　　　　やる夫は……そうだお、やる夫は……第二次ネクスト戦役で、企業連側について……
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼
　 　 　 　 　 　 |　 u. 　 （__人__）　　 　 |　　　　勝利に導いたんだお。それから、ブライドルランク9になって……
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼　　　　　ネームレスもぶっ倒して……





　　　　 ＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
..　／　 _ノ 　ヽ､_　 ＼　　　　　　けど、特に彼女的なサムシングができるわけでもなく……！
／ oﾟ(（●）) (（●）)ﾟo ＼
|　　　　 （__人__）　　　　 |　　　　　なのはさんにも……！
＼　　 　 ｀ ⌒´　　 　 ／

3595： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 20:13:20 ID:1m221qiQ0


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ´:.:.´――　、
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　/:.:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 ｉ:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼、:.:.:＼
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |:.:./:.:.:.:.:.:.:./:.:/:.:.:.:./:.:.:./:.:.:./:.:|:.:.:.:|:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:ヽ:.:.:ヽヽ:.:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　|:.:i:.:.:.:.:.:.:.:i:.:./＿／|:／/:.:|/:.:./|:.:.:.|:.:.:.|:.:.:.|:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:ヽ:.:.:.ｉ　＼:.:.:ｉ
　　　　　　　　　　　　　　　　|:.:|:.|:.:.:.:.:.|:.丁／/Ⅳ｀テメ/:./　|:.:./|:.:/|:.:.|:.:.:|:.:.:|:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.:|　　 ヽｌ
　　　　　　　　　　　　　　 　 ﾍ:.ｌ:||:.:.:.:.|:./r≠=て7=、 /／　 |:.丁ﾒ-||:.:/:.:.|:.:.:.|:.:.:.:.:..|:.:.:.:.| 　 　 |
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 >|:.|:.:.:|:.||ヾら:::::ﾟ::::} 　 /　 　./∠=z//下:.:/:.:/|:.:.:.:.:/|:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　||ヽ:.|:|ヽ. 辷zzメ_　　　 ／./::::o::7ヽ/:.:./:.:/:/:.:.:.:/ |:.:.:.:.!
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ |:.ヽヽ.　　　　 　 　 　 　 〈⊃::/.〃／//:.//:.:.:./　|:.:.:/　　　　　　え、えっと……ごめんね？
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |:.:.:.|:.|＼　　 　 　 　 　 　 ｀¨≠/／:/／/:/:.:./　 .|:.:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.:.|:|　　u.　　　　　　´　　　　./:.:.／／:|/:./　　/:/　　　　　　　　そういう感じじゃあ、ないかなあ……
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |:.:.;||ヽ　　　　　 ` ー　　　　./:.／/|:.:.:/:イ 　 ／
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 rゝ:.:.|　 ＼　　　　 　 　 　, イ|:.:.:./:.:!:／|:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　,､..イ´ﾍ ヽ:.| 、　 ＼　　　,　＜´:.:/:.:.:/:.:.:|:!:.:.:.|:.:|
　　　　　　　　　　　 ,､r::´´:::::::| 　 ﾍ　＼ ＼　　｀ﾌｌ　 　.|:.:.::/:.:/:.:.:.:.:!:.:.:.:.!:.:!
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　　　　┃　　　　ﾞヽ,='',ヽ‐_"　　 |　　　　.:|　　　　　　　　　 　 Υ　　　　　　　 　 ヾ;　）　 　 　 　 　 　 　 　 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞ､ . (　　⌒＼{＼ー ――く ／〕人)υγう、　　　　　　　　　　 　 ;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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　　　　　　　　　　　　　　 /　＼ 　 　ζ´ (rν　　　　　　　　} n。ヽ(　 ⌒ヾﾞ';。　　 　 　 　 .....:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　|　. |　　＼.く⌒)｡j　　　　　 　 　 　 い!;　。）　　。};J　 　　 .........::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

3596： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 20:14:55 ID:1m221qiQ0


　　 　 　 　 ／￣￣￣ ＼
　　　　　 ／　　 :::::＼:::／＼　　　　　　　結局、DTも適当にいい感じの風俗で捨てて……
　　 　 ／　　 　｡<一>:::::<ー>。
　　 　 |　　　　.:::｡ﾟ~（__人__）~ﾟj　　　　　　　何か革命的なこととかするわけでもなく……
　　 　 ＼、　　　゜i⌒i.⌒´,;／゜
　　　　／　 ⌒ヽ.ﾉ　ﾉ'"´(;ﾟ　｡　　　　　　　　とりあえず生き延びただけで、大して変われなかったんだお！！
　　　/　,＿ ＼　l||l 从＼ ＼
　 　 と_＿＿）_ヽ＿つ_;_ヾ_つ.;.
　　　　　　　　　ﾍﾞｼﾍﾞｼﾍﾞｼ
【ブライドルランク9：入束やる夫　スポンサー：IGIO　20歳　童 貞】




　　　　　 __＿＿
　　　　／　　　　 ＼
　　 ／　＼　 　／　＼　　　　　「やる夫よ……聞こえますか、やる夫よ……」
　／ 　（●）i!i!（●）　 ＼
　| 　u ,　（__人__）　　　 |　　　　な、なんだお、急に端末に無線が入ったお……発信元は、マーシフルのコクピット？
　＼　　　 .｀⌒´　　　　〆ヽ
　　/　　　　　　　　　　ヾ_ノ　　　それに、この機械音声は、マーシフルの操縦支援AI……じゃあ、おまえは？
　/rｰ､　　　　　　　　　　　|
/,ﾉヾ　,> 　　　　　　 　|　/　　　　「そうです、あなたのネクスト、マーシフルです……」
ヽヽ〆|　　　　　　　　 .|

3597： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 20:15:34 ID:1m221qiQ0

　　　　　/ 　 /　　　　V∧
-､_＿ 　i　　 i　　　_ 　 V i
､　　　ヽ! r＜!　　/　ヽ　V!
　V/--､V　 j}　./　 　 i　}.!
、 .ﾏﾑ-ﾑV/　./　　_　 ! i i
. ヽ-'! 〉,___V//　／ r｀-､/　　　　　　　　 ,ゝ--- ､
--＜　 〉___〉 ! i'　／!. 　 ＼　　　　　　／ 　 　 　 ＼
　　　V/ ,__}､.| i 〈　 .!　　i´ ｀` - ､　 ./　　 　 　 ,＞-＼
＼, '´ ヽ/　__ヽ--V/ヽ-､ヽ　　　　＼!　　 　_＿/　___i´ ＼
___.＼ 　 ＼{! 　 ＼　 i.:.:.:.:..､_　　, 'ﾟ´ ＼r＜＞--< 　 ヽ、. ヽ　　　　　私はあなたの行動すべてを見てきました……一周目も、二週目も、
{　 ｀ヽ､ー‐}!、　　 ＼ヽ;.:.:.:.:.:.:.ヽ、　 ,　 ＼ilililililil/　 /　 V/ }!
{　　　　　　＿V/／´｀ ､＞ 。:.:.:.:.:..､___ 　　Vililill{　 / }、 i}／　　　　　これから来たる三週目も……まあ、一周目は乗り捨てられましたけど。
ヽ_jI斗ｬ≦￣￣￣｀ヽ／＞{ili{≧s､_:.:.:.:.:.､　 Vililiヽ__/{　} i　V/
ililil{_　　　_＿／ 　 　 ＼il＞-､ililij!ililヽ;.:.:.:.＼_!ilililili}_　 '　ヽ, V/　　　　私の記憶データから周回時の情報、つまりは並行世界の
ili{´ヽ、／　　　　　　　 __＼ililil_}ilil>‐<､ヽ、:.:.:.}ilililili} V/　　 ヽV/
iliﾄ､　 ＼　　　　　　／　　 ｀ヽililil＞-<ilヽ/≧'ilililil〈　 〉　 　 　 }!　　　　うんたらかんたらで、とにかく、あなたに恋人ができていたかもしれない
ililili} 　　 Ｖ/　　　./　　　　　　｀ ＜ilililililil＼　｀ヽ＞ー＜　　　 }!
ililili}　　　 V/　 　 V/　　　　　　＿　｀¨¨｀Y-＜ﾟ　　　 / 　＞ ､}!　　　　 可能性を算出します。その仮想データをホログラムとして、
ililili}　　　　V/　　　V/　　　　　{f¨｀ヽ　　　　　　｀ﾟ ＜} 　 　 　 ＼
ililili}.　 　 　 V/　　　V/　　　　 {!　　　　　　　　　　　 　｀＞ー - -ヽー ､　　VR空間のコロニー内に配置しました。
ilili/　　　　　_V/　　　}!　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　ヽ　　　　＼
il/ 　 　 　 /　.V/　　 .V/　　　　　　　　　　　　　　　/　　　 　 　 　 　 　 　 ＼
´＼　　　/　 　 }!　　　 V/　　　　　　　　　　　 　 　 {　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼





　　　　 　＿＿＿_
　　　　／　 ノ　 ヽ＼
　　 ／ 　（○）}liil{（○）　　　　　　　「それを探し出し、気に入った世界線を選ぶのです」
　／　　　　　（__人__） ヽ
　|　　　　　　　|!!il|l| 　　|　　　　　　　それなら、やる夫もおにゃのことニャンニャンした世界線が！？
　＼　 　 　 　 lｪｪｪl　／
　　/　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　「そういうことです。各世界線のあなたをサポート役として配置しました。お役立てください」
　 しヽ　　　　　　　 ﾄ､ﾉ
　　　 |　　　 __　 　 |　　　　　　　　　　おお……！　くっそ雑な導入だけど美味しい展開だお！
　　　 !___ノ´　 ヽ__丿





　　　　　　　 _ _
. 　 　 　 　 / / )
　　　　 　 / / /　 ／)
.　／　　 / / / ／／　 　 ＿＿＿__
./　　　　| / ／／　　　／ ⌒　　⌒＼　　　　　　　　そういうことなら、早速探索してみるかお！
　　／　│〈 　 二二二) ( ＞）　 (＜ )＼
.　/　　　|　　　 |　／:::: ⌒（__人__）⌒::::: ＼　　　　　　サンキューマーシフル！　やっぱ愛機は裏切らないお！
　　　　　|　　　 |　|　　　　　|r┬‐|　　　 　 |　
　　　　　|＼　,ノ　 ＼　　　 ｀ー‐´　　　 ／　　　　　　　「いえ、コクピット内がイカ臭くなるのが嫌なだけなんで……」

3598： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 20:17:53 ID:1m221qiQ0
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│::::::::::::::::::::::::::::::::│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│::::::::::::::::::::::::::::::::│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│::::::::::::::::::::::::::::::::│
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└───┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　┌─┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　│ :: │
　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└─┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ┌┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 └┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 □

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

3599： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 20:18:16 ID:1m221qiQ0


　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼　　　　　　で、やる夫を二人見つけたわけだけど……。
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼





　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　　 　 ＼
　　　　　　　　　　 ／　　 ⌒　1　⌒＼
　　　　　　　 　 ／　　　（ ●）　（ ●）ヽ　　　　　どこだお、ここ……僕は早く家に帰らなきゃいけないんだお。
　 　 　 　 　 　 l　 　 　 ⌒（__人__）⌒　|
　　　　　　　 　 ＼　　　　　｀ ⌒´ 　 ／　　　　　　全く面倒なことになったお……僕は面倒が嫌いなんだお。
　　　　　　　 　 ／　　　　 　 　 　 　 ヽ
【ブライドルランク3：入束やる夫（一周目）　スポンサー：オルデンブルク】




　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿
　　　　　　　　　　 　 ／　　　 　 ＼
　　　　　　　　　　 ／⌒　2　⌒　　 ＼　　　　　　　んなこと言ったら俺だっておんなじだお。
　　　　　　　 　 ／（● ）　（● ）　　　ヽ
　 　 　 　 　 　 |　⌒（__人__）⌒　 　 　 |　　　　　　はやてさんとのデートに備えたいってのに……ったく。
　　　　　　　　　＼ 　 ｀⌒ ´　　　　　／
　　 　 　 　 　 　 /　　　　 　 　 　 　 ＼
【ブライドルランク？？？：入束やる夫（二週目）　スポンサー：？？？】

3600： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 20:19:19 ID:1m221qiQ0

　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／ 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　 ／　 ⌒ 　 ⌒　 ＼　　　　　　　　同じ顔が三つもあると面倒だお……。
　　　　　　　 　 ／　　（●）　（●）　　＼
　 　 　 　 　 　 l　 　 ⌒（__人__）⌒　 　 ｌ　　　　　　　というか、なんか性格違わないかお？
　　　　　　　 　 ＼　　 　 ｀⌒´　　 　 ／
　　　　　　　 　 ／　　　 　 　 　 　 　 ＼





　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　─　2　─　＼　　　　　　ま、違いもするお。歩んだ人生の違いだお。で？　どうすんだお、童貞。
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　あぁ！？＞
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |　　　　　 おまえの事情は大体分かったけど……俺にも手伝ってほしいのかお？
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼





　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／ 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　 ／　 ⌒ 　 ⌒　 ＼　　　　　　　　そりゃ、そうしてくれると助かるけど……
　　　　　　　 　 ／　　（●）　（●）　　＼
　 　 　 　 　 　 l　 　 ⌒（__人__）⌒　 　 ｌ　　　　　　「しゃーなし、同じやる夫のよしみだお。助けてやるお」
　　　　　　　 　 ＼　　 　 ｀⌒´　　 　 ／
　　　　　　　 　 ／　　　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　 おお、二週目はからっとしてるし、なんだか付き合いが良いお。

3601： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 20:19:45 ID:1m221qiQ0

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　　1　　　＼　　　　　　　　うーん、アリスのところに帰りたいお……最近調子悪いみたいだし……
／ 　　　　　　　　　　＼
|　 　　　＼　　 ,＿　　 |　　　　　　　「だ、大丈夫かお？」
/　　ｕ　 ∩ノ ⊃―）／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　　　　いや、気にしないで欲しいお。君についていく他にできることも思いつかないお。
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／　　　　　　　　　　手伝うついでに、僕も帰る手段を探すお。





　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　 　 ／　　　 　 ＼
　　　　 ／　　 _ノ　 ヽへ＼　　　　　　　（ホログラムの仮想人格だから、やる夫の目標達成で消える……まあ、間違ってはないかお）
　 　 ／　　　（ ―）　（―） ヽ
　　 .l　 .u 　 ⌒（__人__）⌒　|　　　　　　一周目は、なんだかナイーブな感じだお？　まあ、頼りにさせてもらうお。
　 　 ＼　　　　　｀ ⌒r'.二ヽ<
　 　 ／　　　　 　 　ｉ＾Yﾞ r─ ゝ、　　　　　「いや、妻が心配で気が気でないだけだお。普段はもっとしゃんとしてるお」
　　/　　　,　　　　　ヽ._Ｈﾞ ｆﾞﾆ、|
　　{　　　{　　 　 　 　 ＼｀7ｰ┘!　　　　　　そうなのかお？　ていうか、一周目は既婚かぁ。同じやる夫なのに、偉い差だお。

3602： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 20:20:24 ID:1m221qiQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　│ :: │
　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└─┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ┌┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 └┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 □

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

3603： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 20:20:36 ID:1m221qiQ0

　　　　　_＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__
　　　　　|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　|.:.:.:.::.:.:.:._＿＿＿＿＿＿＿＿_.:.:.:.::.:.:.:|
　　　　　|.:.:.:.:.:.:.:.|l￣￣￣￣￣￣￣￣l|.:.:.:.:: .:.:|
　　　　　|.:.:.:.:.:.:.:.|l: : : : : : : : : : : : : : : : ||.: :.:.: .:.:|
　　　　　|.:.:.:.:.:.:.:.|l: : : : : : : : : : : : : : : : ||.: :.:.: .:.:|
　　　　　|.:.:.:.:.:.:.:.|l: : : : : : : : : : : : : : : : ||.: :.:.: .:.:|
　　　　　|.:.:.:.:.:.:.:.|l: : : : : : : : : : : : : : : : ||.: :.:.: .:.:|
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　　　　　|.:.:.:.:.:.:.:.|l: : : : : : : : : : : : : : : : ||.: :.:.: .:.:|
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￣ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

3604： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 20:20:50 ID:1m221qiQ0

　　　　 ＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼　　　　　　なんかSF世界に不似合いな木製のドアがぽつんと……わざとらしいお。
..　／　─　2　─　＼
／ -=・=- 　　-=・=-　＼　　　　ここにそのデータがあるんじゃないかお？
|　 　 　 （__人__）　　U 　|
＼　　 　 ｀ ⌒´ 　　　 ／





　　　／￣￣￣＼
..　／ ／ 　1　.＼ ＼　　　　　　　　僕もそんな予感がするお。危険は……どうだお？　あると思うかお？
／　 （●） 　（●）　 ＼
|　　　　（__人__）　　　　|　　　　　　 二週目「知らねえお。どの道行くしかないんだお」
＼　　　 ｀ ⌒´　 　　／　　
／ 　 　 　　　　 　 　 ＼　　　　　　……それもそっか。





　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／ 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　 ／　 ⌒ 　 ⌒　 ＼　　　　　　　　ま、なるようになるお！
　　　　　　　 　 ／　　（●）　（●）　　＼
　 　 　 　 　 　 l　 　 ⌒（__人__）⌒　 　 ｌ　　　　　　　行ってみるお！
　　　　　　　 　 ＼　　 　 ｀⌒´　　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　ｷﾞｨ…
　　　　　　　 　 ／　　　 　 　 　 　 　 ＼

3605： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 20:21:18 ID:1m221qiQ0

　　　　　　　　/´〉,､　　　　　|￣|rﾍ
　　l､￣￣了〈_ノ<_/（＾ｰヵ　L__」L/　　 ∧　　　　　 /~7 ／）
　　　二ｺ ,|　　　　　r三'_」　　　 r--､　（/ 　 /二~|/_/∠／
　　/＿＿」　　　　　　　　　　　_,,,ﾆｺ〈　 〈〉　/￣ 」　　　　／^ヽ､　／〉
　　'´　　　　　　　　　　　　　 （__,,,-ｰ''　　　　~~￣　　ャｰ-､フ /´く／／>
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 `ｰ-､__,| 　　　`"
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 _＿
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／///,＼
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　／///////,＼
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |///////////|　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　__＼///////／＿_
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,ｘ≦∧////／／////ハ
　　　　　　　　　　 　 γ7/////∧/∠/////////ﾉ
　　　　　　　 　 　 　 //////////////////////
　　　　　　　 　 　 　 ∨//////∠/////////才
　　 　 　 　 　 　 　 　 ｀ ー==!//////////／
　　　　　　　 　 　 　 　 ／////////////ﾊ′
　　 　 　 　 　 　 　 　 /,//////////////∧
　　 　 　 　 　 　 　 　 {,'////////////////}
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∨//////////////ハ
　　　　　　　　　　　　 　 |////////////////,i
　　　　　　　　 　 　 　 　 !//////rﾍ///////,,'
　　　　　　　　　　　 　 　 Ⅵ!////ﾊ i//////〈
　　　　　　　　　　　　　 　 j///////!///////}
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 i//////ハ//////,'
　　　　　　　　　　　　　　／/////´　 ヾ////}
　　　　　　　　　　　　 r///////}　　　∧///∧
　　　　　　┌─────────────────┐
　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
　　　　　　│　　　HERE　COMES　NEW　RIVAL　　　 .│
　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
　　　　　　└─────────────────┘

3606： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 20:21:33 ID:1m221qiQ0

　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,,､,､､,,,';i;'i,}､,､
　　　　　　　　　　 t　　 　 　 　 　 ヾ､'i,';||i !｝ 'i, ﾞ〃　..）　　　　　　　　　　~'ｰ､
　　　　　　　　　　　了　　 　 　 　 　 ﾞ､';|i,!　　'i i"i,　　　　　　　　 　 　 　 　 /
　　 て　消　　　　　（　　　　　　 　 　 `､||i　|i　i　l|,　..i|　　　土　わ　　　　 （
　　 え　毒　　　　　 〉　　　　　　　　 　 ',||i　}i |　;,〃 .:j　　　下　は　　　　　〉
　　 か　さ　　　　　（　　　 　 　 　 　 ＿＿＿＿.l　　　　 　 .座　は　　　　 （
　　 ┃. れ　　　　　ヽ,　　 　 　 　 .／＾　　⌒　　＼　 .） 　　 し　は　　　　 / ,,､-''"
　　 ┃　　　　　　　　 ゝ 　 　 　 .（●）　 （● ）　　 ＼.|　　　ろ　　　　　　 /'",､-'"
　　 ┃　　　　　　　,r" 　 　 　 ./⌒（__人＿）⌒::::::　　＼　 ...//　　　　　　 〉:::::::::::::
　　 //　　　　　r-､|　　　 　 　 |　　　|-┬r|　　　　　　　| .､ ・・　　　　　　_（::::::::::::::
　　・・　　　　　|　 　 　 　 　 　 ＼ 　｀'ー`　　 　 　　 ／..:::L　　＿　　__ /::::::::::::／
,r､　,､-- ､, -'"　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　 　　　 　 ＼／ ﾉ／",, ﾚ''"､~　　,､ ':::;;､　　　　　　ヒャッハー！　サーシェスさんとテロリストの
　ﾚ"从　;:;: （　　　　　　　　　_,, r'''~|::::tｏ'''''"ｏ~j";;;､ -'":::"::|　,,,,」L,,,,　 ヽ''",,､-'~::::
　从　　　　 ）,,,､-ｰ ''''"￣￣::/::::.　(､;;;;二＝ｰ'''":::::::::::::::,､-''i,　　|j" ,,,,,､- '":::::::::::::　　　　　　　野営地を焼け野原にしてたら、
　ﾞ〉　　, '''~　'''"::''＿__''''/::::::::| ::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;､-ｰ''"/从;;;;~'''''''i'i""| i|:／￣￣
　∫　（,,:::::''"　,r"ii　.ﾂY""::/:' ､;;;;;;;;;;､ -ｰ ''""　　　　　i i|||;;;;;;;;;;;;;;||;;;;;| i|:::／　　　　　　　　　　　こんなところに飛ばされてきたお！
｀}∫　 _ﾉ､,,,,,,,/ﾆ了￣/,,,,,i////::::::::::::::::::::tj:::::::::::::::::::::::::| }||;;;;;;;;;;;;;;;|i;;;;;;| |/
";:;:　;:i'＿＿_（二二i|/iiiiii////　　　　　:::::i :::　　　　　　i 〈t""○;;;;ti;;;;;;i /　　　　　　　　　　　　　でもいい女もいるから悪くねえお！
'､t,,々ヽ＝=､､~'' ､ヽ| iＯj//ﾘ:::::,､ '""　 :::| :::　　　　　　 t | t､､　　 ti;;;;;;i
.,r／;:;~''tt;;;;;:ヽヽヽ'yi|ﾘ,//iｿ''~ 　　　　 ::::| :::　　　　　　　'､ヽ';;;;;;Ｏ;;;;ヽ;;i
.i.|;:;:;:;:;;ﾟ;;;;ｏ;:;;:;:;:i |"|::|Ｏ|ii||||　　　　　　 :: it :::::::　　　　　　 ' ､;'､;;;;;;;;;;;;ヽ|　､､
i ';:;:;:;:;;;;;;:;:;:;:;;:;:;ﾉﾉ:::i:ｿii|||i| ||　　　　　　　::;;ヽ ::::::::......................｀' ､;;;;;;;;;;;;;;;i :::"　　　,､
ｰ､' ､､;;;;;;;;;;;､ '"::::ノ人i从i ||　　　　　　::::::;;;j ~' ､,,::::::::::::::::::::::::::::::＼;;;;;;;;;;;t ::::::,､ '~ ,,
＿i､ヽ,,二＿,,､ '",,r"入从jﾉ:::::::::::::::::::::::::::;;/ （:､　 ~ '''''''''''''''''""""~ヽ;;;;;;;;;'､／:::／::
　 'ﾌヽ､iii二二;;;;､-'"ｰ-'､〉､､;;;;;;;;;;;;,､- ''~　 ;;;;};;;;:::::;;;;;;;;　,,,,,,,,,､　 ,､-ｰ''''､~ﾌ""/:::::::
　/､ '"~（~~~　 '''､"~　　 ヽ,...,,'ｰ-､~'ｰ､::::'''"　ヽ::　　　　~ ､-ｰ''":::::::ヽ　 Y
【ブライドルランク？？？：アナザーやる夫（サーシェスエンド）　スポンサー：独立傭兵派遣団体カニスラトラーンス】

3607： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 20:22:20 ID:1m221qiQ0

　　　　　　＿＿＿_
　　　　 ／⌒ 1 ⌒＼ 　 　 　 　　━━┓┃┃
　 　 ／（ ￣） 　（＿）＼　　　　　　　　 ┃　　　━━━━━━━━
　 ／::::::⌒（__人__）⌒:::: ＼ 　 　 　 　　┃　　　　　　　　　　　　　　　┃┃┃
　|　　　 ゝ'ﾟ　　　　　≦　三　ﾟ｡　ﾟ　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ┛
　＼ 　 ｡≧　　　　　　　三　＝=-
　　　　 -ｧ,　　　　　　　　≧=-　。
　　　 　 ｲﾚ,､　　　　　　　＞三　　｡ﾟ　･　ﾟ　　ﾄﾞｼｬｧ
　　　　 ≦｀Vヾ　　　　　　　ヾ　≧
　　　　 ｡ﾟ　/｡･ｲﾊ ､､　　　　｀ミ　｡ ﾟ　｡ ･





　　　　 　＿＿＿_
　　　　／　 ノ　2ヽ＼
　　 ／ 　（○）}liil{（○）
　／　　　　　（__人__） ヽ　　　一周目があまりのギャップでぶっ倒れやがったお！
　|　　　　　　　|!!il|l| 　　|
　＼　 　 　 　 lｪｪｪl　／　　　　同じ自分だと受け入れきれずにニューロンが処理限界を超えたんだお！
　　/　　　　　　　　　ヽ
　 しヽ　　　　　　　 ﾄ､ﾉ
　　　 |　　　 __　 　 |
　　　 !___ノ´　 ヽ__丿





　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､ﾊ/:::7
　　　　　　　　　　　　___/|/:::::::::::/〃
　　　　 　 　 　 　 ､_}::::::::::::::::::::::::::/
　　　　　　 　 ｰ=ﾐY::::::::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　 ミｰ ,: -‐‐ ::::::,/
　　　　　　　　　彡〃 ＼:::::::::::::i ` ,
　　　　　　　　彡.:::ｿ ―-＼::／-‐ i
.　 　 　 　 　 彡.:::}__,,r:::::::::::::ｪ::::::::y、　　　　　　　なんだァ、おまえら！　ここにいる美女データが欲しくて来たのかお！？
.　　　　　 　 彡.:::｢t￣`ｰ=='⌒ｰ=''　）
.　　　 　 　 彡.:::人　 　 （___人__）　/　　 　　　　　上等だお！　ECM巻きながらBFFライフルとWGミサでひたすら引き撃ちしてやるお！
　　　,,,,-=彡:::::く　 ＼　　 ｀ ⌒´　∧＿＿
　　〃⌒ヾﾆﾆﾆﾆ≧x ＼__＿＿ ,/}::::ﾆﾆﾆ≧ｘ__　　　勝てばいい！　それがすべてだお！　負けて死んだら元の木阿弥ってなァ！！
　　 ゞ:::/´:::ヾﾆﾆﾆﾆﾆ○ｰ====彡○ﾆ才ﾆ〃　)）
　.　　　i　　　`ｰ====彡　　 i:　　Ⅵ／ﾆﾆﾆ`ｰ ´
　　　　 ゞ:::　　　/|::::::::|　　 人　 ／=ﾆﾆﾆﾆ／

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
ダメだ！　話にならない！
世紀末やる夫は　やる気だ！
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3608： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 20:25:20 ID:1m221qiQ0

　　　　　　　　　　　　　　,,, -'''"""""""''-- ,__
　　　　　　　　　　　　／　　　　／,, __　　　　　`ヽ､
　　　　　　　　　　 ／　　／／／　　　　　　.. 　 ... ヽ
　　　　　　　　 　/　,､i　i　　/　//／　／　　　　　　'ヽ
　　　　　　　　　/ i,,/　``､ヽl i i　　/　　ノ　ノ ﾉ　/　 ヽ
　　　　　　　　 /（ i'　　 ..::::::``ii, , //ﾉノ／,; ',,,　 ﾉﾉ 　 l
　　 　 　 　　　iヽ/　　..::: :::　　 　 ） ）　　　 彡　彡'　　|
　　　　　 　 　;ミ!　　　:: ..:　:: 　 ／ノ　　　　彡　_,, '　 .ﾉ
　　　　　　　　;ﾐi（((ii,､ : : ::::　／.　　　　　　彡　_,, '　.ﾉ
__,,, --------;ﾐlヽi_＼((　 Ｏ .:　　　　　　彡　　ノノ.ﾉ
::::::::::::::::::::::::::::::`| ''ヽ●`､ﾐi､' i､＿,,,,, -'''))) ヽン ／ ﾉ
_________::::::::::::::::| 　　 ￣~　 ミ `､　●`ヽ_,;;;;'''　）,ﾉ） ﾉ､　　　　　我は汝！　汝は我！
　　　　|::::::::::::::|:　 ｛.....:: 　　'~ :::ヽ￣~~~　　/__ノｰ'---､__
　　.　　!:::::::::: l| .　:ヽ_　_人　　　｀ｉ.　　　　/､　 `::　　　　ヽ　　　
　　　　 i:::／￣'i　 　｀)l|!|!lゝ　__ノ 　 　　i~　::　::. ::
:..　　　 ヽ :　　,i　　　/l|!|!l!l!il/_　　　　　/`::..　　 :::__,, ----=
:::::::...　 　ヽ :　iヽ　　.:ヽ,/.,,,/　　　　 ／i`:::::: .::::::.／
＼::::::... 　　＼|　`ヽ 　 ::: 　 　　,, -''"::: ＼ :::::::／
;;;;;;＼:::::......　　＼::　`ｰ-==-‐'""　.:_;;--''" ＼/;;;;,／　　　::::::
;;;;;;;;;;;;＼::::::...　　 ヽ､　:::::::::::: , -''"　　　 　,::ヽ､／　　　:::::::　　　　。
;:;;;;;;;;;;;;;;;;`'- ;,,__ 　　 `---<'~.........:::::::;;;'''ノ;;;;;;;;;;）::　　:::::::::::　　　　　o
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`''- ,,_______,,`-''''''''''''''//ﾉ）;;;;;;/　::::::::::::::::::
┌─────────────┐
│Lv.60　DTやる夫　HP550　　　 .│
└─────────────┘
┌───────────────┐
│Lv.70　一周目やる夫　HP600　　　　│
└───────────────┘
┌───────────────┐
│Lv.70　二週目やる夫　HP600　　　　│
└───────────────┘
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
外道　世紀末やる夫が一体出た！
一周目やる夫は卒倒している！
世紀末やる夫は　引き撃ちする気満々だ！

下↓1　どうしますか？
1．レーザーブレードは全てを解決するお。斬りかかるお
2．カラサワは全てを解決するお。ぶっ放すお
3．とっつきはいい。私にはそれが必要なんだ
4．プランK、いわゆるコジマキャノンですね
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3609：安価のやる夫だお：2021/01/01(金) 20:30:09 ID:GUQPnCt.0
2

3610： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 20:38:24 ID:1m221qiQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/^l 　r i　/ﾆヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ / 　 ! i　.| |.| |
　　　　　　　　　/^l 　r i　/ﾆヽ 　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ /　 　| .|　| U |
　　　　　 　 　 / / 　 ! i　| |.| |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ./　　　| .|　`ー'
　　　　　　　 / /　 　| .|　| U |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ./ 　　　.| |
　　　　　 　/ ./　　　| .|　`ー' 　 　 '　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / /　　　　 | |
　 　 　 　 / / 　　　.| | 　 　 　 　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //　　　　　 J
　　　　　//　 　 　　 J 　 　　　　　　　 　　 ／￣￣ ＼　　　　　　　　　　　　"
　　 　　 "　　　　　　　　　 　 　 　 　　.　／　―　 　 ―＼
　　　　　　 ｒ-- ―-､　　　　　　 　 　 ／　 　（●） 　（●) ＼　　　　　　　　　　 ｒ-- ―-､
　　　　　　 ~.= フ ／　　　　　　　　　 |　　　　 （__人__）　　　|　　　　　　　　　　~.= フ ／
　　　　　　　,' /ｰ"　　　 　　　　 　 .＿＼　　　　｀⌒´　　　 /　　　　　　　　　　,' /ｰ"
　　　　　　　ﾚ　 　 　 　 　 　 　 __r'　　 l/' 　　　ー 　　 　＜　　　　　　　　　　 ﾚ
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　　　(二ニ　　　　　 , -'' _　-‐ 　.|　　　 i　　　　 　 |　　　|｀　　 ＼
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　　　　／／　　　　,ｲ／′　／／　　 ',,´／,､ｉｌ|、／,　ノﾉ'／ >　 ;‘ '／　　　,
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･／ "rｸ　　,／　 ／　,　　,∠　キ　 ，''　 〈ﾞｰrr､､ヽ,')ﾐ､_｡_ノ/　／ '／,　　 ／　　　 ,
＿__ _／ ／／　　　{］　∠!　　"ﾍ　　　　　 ⌒ヽﾉ)ﾐゝィ　､'´／'　／／_, ∠=-―､-、
／　.　．≧ ､／／　 ∠　キ　〃　,／, `、　　　　／　　!／'／　 ／.∠、｀ヽ ＼ヽ} ﾉ
　／　　.．-‐ヽ-‐､∠／"'),　／／,／,　 `ー　　　　　ノ　 　 ＞''´ﾆ､ヽrﾞ＜、ヽ／/
　, ･ ´＿__ '/　／'／／　'／,　 ヾ.≡／　 ,ｨ／／　イ／　/'´.／`/ニ!｀iI､ヽﾞ／. /
ｨ＝‐　￣` {　 {ヽ､＿"'／／.／／／／／ '／ ,丿 ，／　｀"′　［ニ］ ／" ﾏ／　　　 〝
;/;/;/;/;/;/∧　ヽ._　　＼　　"/／／／, ／〃,ｨv'゜¨i`',　　 ／　rｧ　　　　　　　／／
;/;/;/;/;/;/;/∧､　　｀ｰ- _＿-―　"　／,　　ノ／}　 !　＼'_　　 ｀ ／　／／ ／／　　／
;/;/;/;/;/;/;/;/;/;7;7>　_　　　｀「７ -￣-‐／／ ノ　 i　／i /〉' ／ﾉ}／／　　　'
;/;/;/;/;/;/;/;/;/／／;/;/;/≧､___,,,,,,,,,,,,,,,､ ＜´,ﾟ　　j　 _イ/_,_／｀´／<>　　　　, ／
ﾆニ二二ヽ__／ ／;/;/;/;/;/;/;/;/;/;/;/;/;/ヽ ＼--＜　￣ )"／｀ヽ._　　　　 ／／ ／,
イ／／　二ヽ.　{;/;/;/;/;/;/;/;/;/;/;/;/;/;/;/;/ヽ.＼-‐‐っ彡´,,　　　_}＿__／／　 .,／

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
DTやる夫はおもむろに細大チャージカラサワを打ち込んだ！
かいしんのいちげき！
TE関係なしに世紀末やる夫のAPは吹き飛んだ！
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3611： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 20:39:44 ID:1m221qiQ0

　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 _..- ―--　、
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 _..-''ﾞﾞ´　　　　　　　ヽ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　 　 ＼
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　　, --､　　　　.,.-- 、　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　 　 /　 ／´　｀ヽ　　 /´　　 ｀ヽ 　　ヽ
　　　　　　　　　　　 　 　 ,′（　 -―- l　　 l -―-　　 ） 　 　!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ぴょんぴょん引き撃ちする奴には、
　　　　　　　　　　　　 　 ;　　 ヽ_　　 ノ　 　 ヽ　　　 _ノ　　　 |
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 {　 ''"⌒（　　　i　　　　）'⌒"'　　　　}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　威特カラカラをぶち込むのが一番だお……
　　　　　　　　　　　 　 　 ',　　　　 ｀ ─'＾ー - ´　　　　　　 /
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ、　...／／----／　　 　 　 ／
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,＞<x'´　｀こ二　　　　　.∧　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／>ヘ、
　　　　　　　　　　　　　＿_／　∨ ｀丶、　　　　　　／ | ＼＿　　　　　　　　　　　　 <／ 　／>､
　　　　　　　￣￣￣￣〈　　　　　　　　　￣¨フ=弋,　 ∧　 ＼　＞―-　　 　 　 　 ／　 ／／ ＼>
／　　　　　　　　　　　 ∧　　　　 ヽ　　　　 /　　　}　　　、　　ヽ　　　　　　　＼／　 ／／　　／
￣￣ ＼　　　　　　　　| ∧　　　　　＼　　∧　　　|＼　 ∧　 　 ＼　　 　 　 ／　 ／／ 　 ／





　　　　 ＿＿＿_
　　　／　　 二　＼
　 ／　　─　 　 ─＼　　　　　　な、なんとか倒せたお……
／ 　　 （○） 　（○） ＼
|　 u.　 　 （__人__）　 　 |　　　　　お？　フィギュア……大のホログラムデータが落ちてるお。これは……女の子だお。
/　　　　 　|!!il|!|!l|　　／
　　　　　　|ｪｪｪｪ|　　　　　　　　　　でも、でけえお……一つくらいしか持てないかお。

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
世紀末やる夫を倒した！
女性のデータが落ちている……どれを拾いますか？

下↓1　終盤で、拾った中からどれか一つを選べます
1．IGIOの女リンクス、リエラ・マルセリス
2．SIの女リンクス、ダージリン
3．アヴィアコルの女リンクス、アリサ
4．オルデンブルクの女リンクス、シグナム
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3612：安価のやる夫だお：2021/01/01(金) 20:49:11 ID:4AKvJk2w0
１

3613： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 20:51:18 ID:1m221qiQ0

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／/　∩ノ ⊃　　　　　とりあえずリエラを……あ、取ったら他のが消えてしまったお。
(　 ＼　／ ＿ノ　 　 ＼／ ＿ノ
.＼　“　　／　　.　＼　“　　／　　　　　　　　
　　＼ ／　　　　　　/＼／
　　　 ＼　　　　　　　＼
　　　　　＼　　　　＼　　＼
　　　　　　　>　　　　　> 　　>
　　 　 　 ／　　　　／　　／





　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　二 　＼
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼　　　　　リエラかあ、結局疎遠のまま終わっちまったお……
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |　　　　「そうなのかお？　やる夫はIGIOに着いた分、結構関りは多かったお」
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼　　　　　まあ、本来なら幼馴染ポジ、と言えなくもない役だったからなあ。

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
リエラ・マルセリスのデータを手に入れた！
リエラ・マルセリスのIFルートが選択できるようになった！
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3614： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 20:51:43 ID:1m221qiQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／　⌒　1　⌒　＼
　 　　　　　　　　　　　　　 ｎ　　　／　 （●） 　（●）　 ＼　　　　　　おっ、目的のものを手に入れたのかお！？
　 　　　　　　　　　　　　（ﾖ　)　　 |　　 ⌒（__人__）⌒ 　　|
　 　　　 　　　　　　　　　 ヽ､｀ー .＼　　　 ｀ ー´　　 　／　　　　　　なら、これで終わりだお？
　 　　　　　　　　　　　　　　　｀＞"´　 ．　　　　　　　 く,.
　 　　　　　　　　　　　　 　 ／　,　　　　　　 　 ．　 ヽ　 ヽ　　　　　　「起きたのかお。うーん、それでもいいんだけど……」
　 　　　　　　　　　　　 ＿（＿_ l,　　　　　　　　 ／　 l_　 l
　 　　　　　　　　　　 /´＿_＿＿__｀＿＿＿_　,　´ 　 (´__ノ　　　　　　ええ、まだ探すのかお……？





　　　　 ＿＿＿_
　　　／_ノ..2.ヽ､_＼
　 ／（ ─）　　(─）＼　　　　　　　ま、気持ちも分からんでもないお。俺もそんなモテる人間でもなし、残りも少ないはずだお。
／::::::⌒／)／） ⌒::::: ＼
|　　 ／／ ／　　　　　　|　　　　　　毒喰らわばなんとやら、付き合ってやるお……でも、無茶には付き合えねえお？
＼　|　/　 二二)　 　 ／
／　ｉ　　　r‐一' 　 　 ＼　　　　　　　「サンキュー二週目。まあ、やばいやる夫が出たら逃げるとするかお」

3615： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 20:52:06 ID:1m221qiQ0

┌────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　そして三人は……　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└────────────┘

;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;;;;;;;;;／: : ::.::::／:::::::::::::::.:.:.:＼_::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;,ｲ､＿ .:.:.:::＼::.:,r'"´　￣＿ ＼,　-ー─-.､:.＼
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/::.:.:./.:::＼.:.:::::V′ ,r'"´ 　_ ＿__.:.:.:.:.::::::::::::.＼.:!
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/:.:.:.:　＼.::::!:::::.:.i イイﾆ二j＿ﾉ_ ノ｀`ヽ､.:.:.::::::::::::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i::::::.:.:.:.:._,」:::::!::.:./ /:ﾉ ､,, -ｰ-､.::ヽ｀`ヽイヽ..:.::::::/
;;;;;;;;:;:;:;:;:;:|':"´￣:　 |:::::|::.1 |::j　　`ヽ_ ●｀)､ﾉ;:.:.:;:;ﾞ,／ヽ.:/
;;:;:;:;:;:;:;:;:;:|:::::.:.:.:. :_;」:::::|::.:.| |:j!.:.`､　　 ￣｀`'';:;:●:!- ｰ|/　　　　　なのはさんはやる夫の母になってくれたかもしれなかった女性だお！
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|' "´￣　 !:::::|:.:::ヾ!j:::.:./　　　　　:;:;/ >ｲ　　 !
;:;:;:;:;::::::::::|, -‐''"´/::::::::!::::.:.:.:.＼′　（＿__）＿）.:;j　　,′　　　　　それを捨てて別ヒロインに行ったおまえたちに、これ以上求める
;:;:::::::::::::::::＼;;;;;;;;;;＼:::/:::::::::::.:.:.:.＼. `'' ｀ ⌒´ :;;,′ /
::::::::::::::::.:.:.:.:.:｀ｺィ仁「ﾆ''rｰ ､:::::::.:.:.＼ｰ-｀二´ /　 /　　　　　　　　資格などないはずだお！　だから粛清するのだお！
::::::::::::::::.:.:.:.:.://;:;:;:;:;:;:;:;/::::::ヽﾄ､:::::::::.:.:.ゝー‐‐< _,ｲ
二ﾆﾆ''ｰ ､_//;:;:;:;:;:;:;:;/.:::::::::::::::ヽ:::::.:.:/::::::::::::::::.:.:.:!　　　　　　　　　なのはさんを利用するだけ利用して打ち捨てた企業連体制を！
￣｀`ー-/7,ﾄ;:;:;:;:;:;:;:/.:.:.:.::::::::::::::::＼/:::::::::::::::::.:.:./
: : : : . . ..「V^ｰ- ､ /..:.:.::::/＼.:.:.::::::::ﾄ､:::::::::::::::.:/　　　　　　　　　　　　なのはさんの犠牲を忘れた愚民どもを！
:.:.:.:.:.:.: : :| ﾉ.:.:.:.:. . ＼_.:.::::＼/.:.:::::::::::::`7tfﾆ厂
:::.:.:.:.:.:.:./:::::::::::::.:.:.:.:.　 i＼:.:.::::::::::::::::::::/ j' /L　　　　　　　　　　　　　　　行けソルディオス！　忌まわしき記憶と共に！
::::::::::.:./::::::::::::::::::.:.:.:.:.:. .＼j＼.:.:::::::::::/ j' / / ｀ヽ






　 　 　 　 　 　 ／　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　 　 　 　 /　　　　　　　　　　2,　　　 　 　 ,
　　　　　　　 ′　　　 ー―一　　　　ー―一　′　　　
　 　 　 　 　 |:　　　 ━━━━i:!::!:i::!:━━━　:|
　 　 　 　 　 |　　　 :　 　 ・ 　 .i:!::!:i::! 　　・　 　:|　　　　　うげえっ、なのはさんをこじらせたやる夫だお……！
　 　 　 　 　 |:　　　 `i:!￢冖:!´i:!::!:i::!:`!:i￢:!´　:}
　　　　　　　 　 　 　 u　 　 （＿__人__ ）　　　　′　　　　　情けない奴だお……一切理解できないわけじゃないけど、
　　　　　　　　＼ 　 　 u　　　（＿ ﾉ　　 　 ,／
　　　　　　　　 　 ＞ 　　 　＿＿＿_ 　　ｨく　　　　　　　　　傍から見るとキモいマザコンにしか見えねえお……！
　　　　　　　　　′　　　　　ー -一　　　　　ヽ
　　　　 　　 　/　　i　　 　 　 　 　 　 　 　 ｆ 　：
　　　　　 　　｛　　 |　　 　 　 　 　 　 　 　 |:　 |

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
外道　なのはをこじらせたやる夫を倒した！
伝説の英雄　高町なのはのデータを手に入れた！
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3616： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 20:54:05 ID:1m221qiQ0

　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＿
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |　|
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |__|
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ┃
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ┃
　　　　　　　　　 　 　 　 __　　┃
　　　　　　　　　　　　　/　） Π
　　　 　 　 　 　 　 　 /　/￣|.|　　 　 　 　 　 　 ┃/ヽ.
　　　　　　　　 　 　 /　/´￣|.|　　　　　　　　　　||H｀, ∨
.　　　　　　　 　 　 /／/＼ //　 ＿＿＿＿　　 | ||‐|　 |
　　 　 　 　 　 　 　 //　　//＜/　　　　　　｀ヽ | ||´|　 |
　　　　 　 　 　 　 //　／／.／|　　　　　　　　| |_|| ∧ヽ.
　　　　　　 　 　 //　/　/／　│______________／∨ヽ　ヽ ヽ_
.　　　 　 　 /| ,//　/　/| |　　 　─　 　 ─　　　 .|　|　 |│　||＼
　　　　　　l　|//　　｀´ .| | 　 　（●） 　（●）　　　|| |　 |│ /　ο
　 　 　 　 ο|||　　　　　| |　　 　 （__人__）　 　 　 ||/　　＼|　　 |　　　　　　排除……排除……排除排除排除排除排除排除
　　　　　 |　/||　　　,、くヽ＼.　　　｀⌒´ 　　　　y'/　　　　 i',.　 |
　　　　　 レ⌒ヽ.　/ |___', ヽ ＼　　　　　　　 .／/　Π　　　| ',　|
　　　　 /　 　__ ﾍ.!_/＼ ﾍ　|＼￣￣|￣￣／|　|￣| |　　 ｒゞ ', |
　　　　 |　／:::::',/|:::|::> ＼| .|　　￣　￣　　 / /／,| .|　　ﾚ|　|｀
　　　　 ｀ｒ' 、::::::| |:::|/　　 | .|　　　　　　　　|　´／|｀´|　_,/　ﾘ
　　　　 く| /|⌒l´,|::/　　　￣　　　　　　　　｀‐´　 ',　 | ｀ー'
　　　　　 ´（_O_）／ヽ　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,ゝ |__
　　　　　 ￤＼‐‐　| ∨ 　　　　　　　　　　　　　　|＼＿＼
　　　　　　',　 ﾍ. 　 ', ∨　　　　　　　　　　　　　　|　　　¨ |
　　　　　　∇　∧.　 ', ∨　　　　　　　　　　　　　 |　 |　　|
　　　　　　　　　 (',￣>. |　　　　　　　　　　　　　　＼|　　|
　　　　　　　　　　ヽ　v |　　　　　　　　　　　　　　　|　￣|
　　　　　　　　　　　ヽ　|　　　　　　　　　 　 　 　 　 | 　/
　　　　　　　　, r　´￣^lヽ.　　　　　　　　　　　　　__', /__
　　　 　 　 　 |‐‐‐‐‐‐_',_ﾉ　　　　　　　　　　　 　 | ヽ‐‐‐｀ヽ,
　　　　　　　　￣￣￣　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ー──´





　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　＼
　　 　 　 　 　 ／ ｕ　"⌒｀`::::::::::::::::::'´⌒ﾞ　＼
　　　　　　　／ 　.:::::/　ｏ ヽ ::::::::::::::: / ｏ　ヽ::::＼
　　　　　 ／ 　 　 ; ::ヽ　　丿　　　　　ヽ　　丿:::　＼　　　　　なのはさんが拾ってくれずにノルドルムで実験体にされたやる夫だお！
　　 　 　 |　 　 　 ∪ ''"´'（　　　　j　　　　）'"´''　 　:|
　　 　 　 |　　　　　　　　　 ｀ｰ-‐'′`ｰ-‐′　;　　　 |　　　　　ヤク漬けにされて話通じねえお！　あっなんだおまえ何でEN切れしないんだお
　 　 　 　| 　 　 ｕ　　 　 　 　 |　　　　/　　 　U　　 /
　　　　　 ＼ 　 　 　 　 　 ; 　 |⌒ヾ｀/　　　　　　／　　　　　　アッー！　構え武器を飛びながら撃つなお！！
　　　　　　　＼　　　　 　 ∪　`ー一′　 　　 ィ´
　 　 　 　 　 ／　　　　　 　 　 ー‐　　　　　　　＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
外道　実験体やる夫を倒した！
堕ちた英雄　アルトリア・ペンドラゴンのデータを手に入れた！
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3617： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 20:54:51 ID:1m221qiQ0

　　　　 　 ＿＿＿_
　　　　 ／;:#;:;:;:;: 　＼
　　　／　 _ノ 　 ヽ_　 ＼
　 ／　　（―）　（―）;#;:;:＼　　　　　　ふう……大分集まったお……でも、あと二つくらいある気がするお。
.　|;#;:;:;:　 （__人__）　　 #　 |
　 ＼　//　 ｀⌒´ ;:;:;:;:　,／　　　　　　　あのドアが最後だお……きっと、あそこに残りの二つがあるお。
　 ／　　　 　ー‐　　　　＼





　　　　　　 ＿＿＿
　　　　　／　　1.　 ＼
　　　 ／ ::::（ 　）::::（　 ）
　　／　　⌒（＿人__）　＼　　　　　耐久力に定評のある僕らでも、これはキツイお……。
　　|　　　　　 ｀ ⌒´　　　|
　　＼　　　　　　　　　 ／　　　　　　地味に強いやる夫が多いお。そういう運にだけは恵まれるみたいだお。
　　／　 　　　　　　　　＼
　 /　 　　　　　i;;三三ラ |
　 |　　| 　　 　・i;j：　|　　|





　　　　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　／　　 2 　＼_
　　　　　　　　 ／　／　 　＼（ ;:;:;）
　　　　　　　／（ ;:;:;:;:;ﾉ 　 （＝）　 ＼
　　　　　　（;:;:;:;;;:;　 （__人__）　　　 .:::::）　　　　　なんでもいいお、次で終わりだお？
　　　　　　／ || 　　　｀ ⌒|||　　　,／
　　　　　 / / |＼／ /　 /ｌ　| ￣　　　　　　　　　ほら、行くお……
　　　 　 / /__|　 ＼/　/　|　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｷﾞｨ・・・
　　　　 ヽ、//////） /　 |　|　
　　　　　 /　￣￣　/　　 |　|
　 　 _＿/　　)--- ヽ　　　ヽ つ
　 ⊂---― 'ｰ----'

3618： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 20:55:23 ID:1m221qiQ0

　　　　　　　　/´〉,､　　　　　|￣|rﾍ
　　l､￣￣了〈_ノ<_/（＾ｰヵ　L__」L/　　 ∧　　　　　 /~7 ／）
　　　二ｺ ,|　　　　　r三'_」　　　 r--､　（/ 　 /二~|/_/∠／
　　/＿＿」　　　　　　　　　　　_,,,ﾆｺ〈　 〈〉　/￣ 」　　　　／^ヽ､　／〉
　　'´　　　　　　　　　　　　　 （__,,,-ｰ''　　　　~~￣　　ャｰ-､フ /´く／／>
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 `ｰ-､__,| 　　　`"
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 _＿
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／///,＼
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　／///////,＼
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |///////////|　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　__＼///////／＿_
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,ｘ≦∧////／／////ハ
　　　　　　　　　　 　 γ7/////∧/∠/////////ﾉ
　　　　　　　 　 　 　 //////////////////////
　　　　　　　 　 　 　 ∨//////∠/////////才
　　 　 　 　 　 　 　 　 ｀ ー==!//////////／
　　　　　　　 　 　 　 　 ／////////////ﾊ′
　　 　 　 　 　 　 　 　 /,//////////////∧
　　 　 　 　 　 　 　 　 {,'////////////////}
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∨//////////////ハ
　　　　　　　　　　　　 　 |////////////////,i
　　　　　　　　 　 　 　 　 !//////rﾍ///////,,'
　　　　　　　　　　　 　 　 Ⅵ!////ﾊ i//////〈
　　　　　　　　　　　　　 　 j///////!///////}
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 i//////ハ//////,'
　　　　　　　　　　　　　　／/////´　 ヾ////}
　　　　　　　　　　　　 r///////}　　　∧///∧
　　　　　　┌─────────────────┐
　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
　　　　　　│　　　HERE　COMES　NEW　RIVAL　　　 .│
　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
　　　　　　└─────────────────┘

3619： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 20:55:36 ID:1m221qiQ0

　　　 　 　 ＿＿＿
　　　 　／　 3　　 ＼
　　　／⌒　　 ⌒　　 ＼
　 ／（● ）　（● ）　　　＼
　 |　⌒（__人__）⌒　 　 　 |　　　　　　　お？
　　＼ 　 ｀⌒ ´　　　　　／
　 　 /　　　　 　 　 　 　⌒ヽ
　　/　＿　　　　　　　　/　　|
　　'、＿＿ヽ　（　￣￣　＿/
　　/　　　＼　　/￣￣ヽ　 .|
　　|　　　、　　　|　　　　　　|
　　、　　　＼＿_|　　　　|　/
　　　＼＿　 |　　| ＿ /〜´
　　　（＿＿/　 （＿＿）





　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼　　　　　あ、あの頭の「3」の字……あいつ、三週目のやる夫かお。
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　アナザーエンドでない限りは話が通じそうだお。
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　おーい……
　　＼ ／＿＿＿ ／

3620： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 20:55:55 ID:1m221qiQ0


　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |l|ｌｉｌ|l　　　　　|ｌ|川ｌ|ｌY|l|l|l|l{
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |l|　ｌ|　　　　　|ｌ|　　ｌ||　　 ｌ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |l|　ｌ|　　　　　|ｌ|　　ｌ||　　 ｌ|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 |l||ｌ|川ﾘ　　|l川|l|l|l|l|l|l|l　　ｌ||　　 ｌ|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 |l|　　　　　　　　　 　 |l|　　l||　　 ｌ|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 |l|　 ｌ|l|l|l|l|l|l|l|l|川　　|l|ｌ|ｌ|川|l|l|lｌ|ｌ| 　 　 　 　 ||　|| ||
　　　　　　　　　　　　　　　|| .|l|川ﾘ　 　 　 　 ﾘ 　 l||　　　　　　　　　　　　　 　 || ..|| ||
　　　　　　　　　 　　　|| .|| .||.|l|　　　　　　 　 l|　 l||　　　　　　　 |l|l|l|l　　　　　　 　 .|| .|| .||
　　　　　　　 　＿＿.||　|| ―――￣￣￣￣.|l　 l||　　　　　　 　 |l　|l| .￣￣￣￣―――||　||＿＿
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　　　　.||| ,　、 　..　" . 　　 !　　　　､　　 .　　 !! ./　　　　 　 　 　 　⌒ヽ　 !　!　 　´　､ !!　 ..　 " .l!　 　 |||　" .l!
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3621： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 20:56:19 ID:1m221qiQ0

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　　　　　　　　＼、　　　 /,　　　 ＿_　　　　 .:|.:|: .　　 　 _ﾉ::::＼＼　 ､ヽ.　＿_／
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.　　　　　　 　 　 　 )　) 　 　 〈::::://　　 . . : ::!:.: .:|: : .　　 　 ￣　 　 　 i　　　 　 ー　'／
　　　＼ ､　　　　／／　l7　　　￣　　. : :|: :: :!: :. :|: : : . . .　 　 　 l> 　 ｉｌ　　　　　ﾌ∠／
..　　　　＼ー　'　　　 i!　　　　　　 . . .: : :|!: : |..: . :l : く]: . i. .　 　 　 　 !:l　 　 　 ／／
.　 　 　 　 ＼＼　　　iｌ 、〈〉　 i　. . : <＞!|: :,' .:: .: | : : !: : !:. . .　　　　ﾉ::l　 　 ／／　l7
.　 　 　 　 　 ）:.:＼　八:.＼_　人　)､ : : ﾉ.:V.: : .::.: :!: :人 八,､ ノl　／ : ﾉ,､ ／: （
　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
┌────────────┐
│Lv.60　DTやる夫　HP1　　　 .│
└────────────┘
┌──────────────┐
│Lv.70　一周目やる夫　HP1　　　　│
└──────────────┘
┌──────────────┐
│Lv.70　二週目やる夫　HP1　　　　│
└──────────────┘

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
外道　三週目やる夫が出た！
三週目やる夫の先制ゼロ距離アサルトアーマー！

三人のPAが吹っ飛ばされた挙句APも大半消し飛んだ！
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3622： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 20:56:47 ID:1m221qiQ0


　　　　　　　／.:￣￣￣￣￣＼
　　　　　 ／: : :　　 　 　 　 　　 ＼
　　 　 ／: : : :　　　 　 3 　　　　　 ＼
　　 ／: : : : : :　　　　　　　　　　 　 　＼
　 / : : : : : : :　.. 　　 　　　　　　 　　　　＼
　 |: : : : : :　 ,,,,ノ⌒" '' ``⌒＼,,, 　 　　 　 l　　　　　……。
　 |: : : ::;;　（　(・) ）　ﾉヽ　（ (・)　）;;:::　　　 |
　 |: : : : :　 ´"''"　 　　 　 　"''"´ 　　 　　 l
.　 ＼ : : : : . .（　　 　 j 　　　 ）　 　　 　／
　　　 ＼: : :: : ＞ｰ-‐'=ｰ-ｰ＜　　　 ／
　　　／ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : イ＼
　　　: : : : : : : : :｀`ｰ- -‐'"´　　　 　　＼
　　　: : : : . : : . : : .　 　 　 　 　 　 　 　　＼





　　　 　＿＿＿_　　 　 　 ＿＿＿_　　　　..＿＿＿_
　 　 ／:::::―三ｰヽ　　 ／:::::―三ｰヽ　 .／:::::―三ｰヽ　　　＿
　　/::u（ 〇）三（〇） /::u（ 〇）三（〇 /::u（ 〇）三（〇）　　　─
　　|:::u::::::　（__人_） i .|:::u::::::　（__人_） |:::u::::::　（__人_） i __.　￣　　　　　　　な、なんなんだお！？　正史やる夫なのに問答無用だお！！
　　ヽ､;;;;;;　 ﾉ＿_{ ;／.ヽ､;;;;;;　 ﾉ＿_{ ; .ヽ､;;;;;;　 ﾉ＿_{ ;／　＼
"＼／　,　　　　　."＼／　,　　　　 "＼／　,　　　　　　／＼_〉　　　　　　　　話せはしそうだけど取り付く島もないお……！
＼__／＼　　　 　 ＼__／＼　　 　 .＼__／＼　　　　　 （
　　　　　　＼　　＿ ヽ　　　 .＼　　＿ ヽ　 　 ＼　　＿ ヽ　　　　　三　　　　　ひとまず逃げるしかないお！　残りの二人分はお預けだお！
　　　　　　　　／ __　ヽ　三　　...／ __　ヽ　三　　／ __　ヽ　三
　　　　　　　 !　/r .）　 　 　 　 .!　/r .）　　　　　.!　/r .）
　　　　　　　　ヽヽ _／　　 　 　 .ヽヽ _／ 　 　 　 ヽヽ _／
　　　　　　　　　`ー　　　　　　 　 .`ー　　　　 　 　 `ー

3623： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 20:57:48 ID:1m221qiQ0

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 □

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

3624： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 21:06:53 ID:1m221qiQ0

　r､_rz_　　　　 r､_rz　 　 （＿＿ノ/ 　'　　　:::　　　　　　 　 　 　｀ ､
<,､　､‐,）　　　<,､　､‐,）　　　　 ／:::::　　　　　　　　　　　　　::::::::::;;::::＼
.　 ヽゝ　　　　 　 ヽゝ　　 　 ／　::::::　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ::::::::::::>
.　 --,　　　　　 　 　 　 　 , ::: ::::　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 :::::::::／ 　 ヽ
　　'‐‐､　　　 　 ｌ」ｌ」//　/　　　::　　　　　　　　　　　　　　 　 　 :::／　　 ／
　　rｭノ　 　 　 　 ノノ　/.::　 :::::::　　　　　　:::　　　　:::::::::::::　　 ／　　 ／　 　 l
　　 __ 　 　 　 　 　 　 / ::::..::::::::..::.　　　　　 　 　 ::　　　　．＜　 　 ／　　　　 ｌ
┌┘└┐　　 　 .〇 /ー- 　 　. ＿＿＿＿　　　．　＜　　　　．＜　　　 ／　ｌ!
r‐┘└‐┐ 　 　 .○ {、　　　　　　　　　　　　　　　　　．　'" 　 　 ．　'' /　 　 !
￣ﾉ八 ￣　　　　 ○ |　ー―　　．　　_＿　 ＿．ｒ≦　 　． 　'　　　　／ ｌ　　　!
. <ｲ　 ＼ｌ　　　　 ○∧　　　　　 　 　 　 　 　 　 ．　'　　 　 　 ． ＜ 　　!　 　 ｌ　　　　　　　集まったのは……三つかお。
　　ｌ」ｌ」//　 　 　 ○. ∧＿＿_　　　．　　　'"　　　　 　 　 ＜::::::　ヽ　　 |　　 /
　　　ノノ　　　　　○　　ヽ ､　　　　　　　 　 __,,.　 　 ＜_____　　　r= l　　l!　 /　　　　　　　　このデバイスから投影されている
　　ｌ」ｌ」//　 　 　 ○　　 l::::::::ｰ― ､‐ ''' ""'　　　__,.．-'''ﾆﾆ．_::::: ll ｜　 l　/
　　　ノノ　　　　　○　　 ヽ　==r= ､ヽ　　　　　　　, '´:::: 　 :::　 ヽｌl ｜　 l/　::::　　　　　　　　女性のホログラム映像……
　　ｌ」ｌ」//　　　　　 　 　 　 l::::::: ￣　　）:::::　　 :::　{:::::　　　　　　,ｌｌ ｜　ﾉ　　::::
　　　ノノ 　 　 ,== 　 　 ,= 人::　　⌒ /:::::::::::　　　　:::::　　　　 ノ::ｌｌ ｜/　　　　,　　　　　　　　このうち一つを選べば……
. , ⌒ヽ　 　 ／　　}　　/　　　ヽ /::: /::::::::::::::: : : 　　ヽ 　 : ::::::::ヽ ヽﾉ' l　::::　 /
/　　　l　 ／　　　 } 　/　　　　ヽ/ : {:::::::::::::人::::::::::::::::} 　 　 :::::　／　｜:::::／　　　　　　　　　　えっと、どうなるんだお？
. 　 　 ｌ／ 　 　 　 }　/　　　　 /ヽ::::. ｰ― '　　 ｰ―　'　:::::::::　／/　　 l ／　　／
　　　　 　 　 　 　 },/　　　 ／{ヽ　＼　 :::::.　　　　 　 　 ヽ ／　/.　　／ 　 ／
　　　　　　　　　　　　　 ／　　ヽ ＼　＞　_　/:::::　　　::::ﾉ　　 /　 ／ 　 ／
　　　　　　　　　　 　 ／:::::乂__ノ＼ ＼　　 ヽ ::::::　 　 ｲ'　　 / ／　　／　　／
　　　　　　　 　 　 ／ ﾉ::::::::::r‐ー ´＼　　、　} ￣　　　　 　ノ　 　 ／　　／





　　　　 ＿＿＿_
　　　／_ノ 　 ヽ_＼　　　　　　　　　「やる夫よ……一つ、一つを選ぶのです。そうなれば、貴方はその女性と一緒になった
　 ／（ ●）　（ ●）＼
／ ::::::⌒（__人__）⌒::::＼　　　　　　世界線へ飛び、そのまま意識は統合されます」
|　　　　　　 ￣　　　　　 |
＼ 　 　 　 　　 　　 　 ／　　　　　　おお、マーシフル……

3625： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 21:10:10 ID:1m221qiQ0



　　　　 ＿＿＿_　　　　　　　つまり、ヒロインのホログラムを一つ選び……そのヒロインと結ばれた世界線へ飛び、
　　　／⌒　　⌒＼
..　／（ ―） 　（―）＼　　　　　やる夫の意識がその世界線のやる夫に上書きされるってことかお。
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼
|　　　　　　　　　　　　　|　　　　　ほうほう……
＼ 　　 　 　　 　 　 　／





　　　　　＿＿＿
　　　／ノ2. ヽ､_ ＼　　　　　　「二人とも、どう思う？」
　 ／（●）　（●.）　＼
／　　（__人＿,）　　　 ＼　　　俺は口出せねえお。おまえの問題だし、おまえが決めなきゃ意味ねえお？
| 　ｌ^l^lｎ ⌒ ´ 　　 　 　 |
＼ヽ 　 L　　 　 　 　 ,／　　　　……それに、今更はやてさん以外の女の人なんて考えるのも、なあ。
　　 ゝ 　ﾉ
　／ 　 /





　　　　　　　　＿＿＿
　　　　 ／）／ノ '1ヽ､＼
　 　 ／ .ｲ '（●） 　.（●）＼　　　　　　僕も同感だお。アリスを選ばなかったら、なんて後悔するような、生半可な選び方はしてないお。
. 　 /　二）　　(__人__）　　　＼
. 　 |　二ﾉ　 　 ´ ⌒｀　　　　　|　　　　　君が自分で考えるべきだお。
.　　＼　ヽ 　　　　　　　　　 ／

3626： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 21:16:05 ID:1m221qiQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _｣L二L｣_..　　　　　　 ＿___　　　 _｣L二L｣_
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 γ~　　　　　 　 ¨"　 ｰ ﾏ":::::::｀vﾞ ＜::::__ _::::rｰ,.:~,ﾞ-、
　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧　　　　　　　　　　　　　~¨ ￣ｷ　　｝　｝　｀"〈 /,へ7＼
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∧　　 ﾞ ::...、_＿..　　　　　.::::::::ﾉ　　ﾉ　ﾉ　　⌒ ｰっ 〉:::::ヽ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ∧　　 　 ＼　　￣￣¨~…"―‐'v"ｰ'。..　 __.ｨ"..ィ:::::-:.、y-┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧ 　 　 　 ＼　　 　 　 /:::::i:::::rzzx i'::::::::,´‐- 、',::‐:‐〈ﾑ::: :}
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ∧　 　 　 　 ﾏ 、　　 {::::八{《 (::rj {ﾉﾙ'rzzzzミ }::::::'/::ﾘ::::::}
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ∧　　　　..ｲ三}:..、 从{::: {　 ~¨ ,　　´　伐ｒ:) 》/:/::::'::::::/、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ∧_ 　／ﾆﾆ /ﾆ ＼{｀¨叭 　 　ｌ　　　 　¨~,δ)/:::/::::://
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 〔:::y´ニﾆ／ニニﾆ〉、　.:h、`　.. __　　 .,r-//:::::':::::/i:}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽニﾆ" ﾆﾆﾆﾆ/:_:_〉::::::,' h、　　,.、彳.,／:::::::::::/..ｌ:}
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　＼ニニニノ : } ::γ/:..　｀ｰ／.:} ヽ: :"': : :/:/| //
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 _＞_´__ｰ=彡,:_:_L_/ .'__＿／γ~　/ /.: : : :'./∨/
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,;_r"v~v,,-‐^‐^‐＜＞＜＞.γ‐‐'-―/: :( :、: :./ i:Yﾞ　　　　　　DTやる夫
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／_>"ア´ 　　'ο／　 ｀‐"＼l ＼ﾆﾆﾆｒ‐{: : :＼ : {　l:」　　　　　　　「リエラは……養成所でも煙たがられてた
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,, 'ア~':::/:::..　　/ ／　 　 　 .　' }／ ｌ~ミ乂从、 : : : ゞ,
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,..::;.:":::::i:::i::::::::::::::'::/..::::::::::....／ ／ｌ ＼}ﾆﾆ＼ﾆﾆﾆ,,≠ﾆﾆヽ　　　　　　　やる夫に唯一優しくしてくれた子だお。
　　　　　　　 　 　 　 　 　 //三{:::::::::';::{:::::::::::{::.{::::::::::::::::'::／:..　}／ ｌﾆﾆﾆ ヾ／ﾆﾆﾆﾆﾆ }
　　　 　 　 　 　 　 　 　 〃三三ゝ,.::::ヾ;、::::::::,::{::::::::::::":/::::::::;:: ｌ＼ }ﾆﾆﾆ／ ,ﾆ ﾆﾆﾆﾆ∧　　　　　　　優しくしてくれた、というよりも、
　　 　 　 　 　 　 　 　 ／三三三三~〕ｰ:}:‐::"::‐}-｀.、{:::{:::::::/: /／/ﾆﾆ〃／ﾆﾆﾆﾆﾆ∧
　　　　　　　　　　　／三三三三三 {:::/:｝::::::/::;′::::ヽ:::{::::/:::/＼/r --==ﾆ7ﾆﾆﾆﾆ∧　　　　　　　　　リエラその人が優しいんだと思うお。
　　　　　　　 　 　 ~≧…‐- ,,三三.〈/ｊI斗7¨7≧s｡:::::｝゛;:.__:/／/ﾆ{ﾆﾆﾆﾆ/ヽ／ .∨
.　　　　　　　　　／: : : : :／/: : : :~¨7",.ｉ:i/i:/i:i:ｉ:ｉ:/ｉ:i:i＞、 :゛ヽ/ﾆﾆ{ﾆﾆﾆ/／.:ﾆﾆ/　　　　　　　　　　　結局、付き合うまでいかなかったけど」
　　　　　 　 　 ': : : : : ／　/: : : :.:／,i_:_i/_:i:{:i:i:i:i/i:i:i:i:i:ｉ:i:ﾞy／/ニ /.:⌒｀ヽﾆニﾆ/.:i
　　　　 　 　 { : : : : : "　 /: / :／//ﾆ7 7ﾆﾆﾆ≧s｡_:ｉ:ｉ:／＼/ﾆﾆ ｌ　　　 ア" ¨:´ : ｌ
　　　　　　　 ｌ: : : : : i　 /: : ｨ"ﾆ//ﾆ/ /ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＞s/ﾆﾆﾆ i　　　/: /: : :} : :ｌ
　　　　　　　 ｌ : : : __ｌ_./:ｨ「￣.,ｲﾆﾆﾆ / ｌ￣ﾞ＼ ＼¨~ ｰ-　≧s。 ﾆ{_　 /: /: : : i :i :ｌ
。-‐…: ‐:.:.:-s 。///////|i/　/ ., '／.ｌ i　　　ｌ ＼ ＼i:i:i:i:i:i:i:i:i~¨ｘﾆ} /: , : : : : l :ｌ: ｌ
´⌒ヽ./////////////∧ｌi,／., '／//:l ｉ　　　ｌ ｌ　＼ ＼ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:i:i:i:i:iア/ : : : : : : ﾘ : :ｌ
　　　λ//////////,,///ｌi., '／/////ｌ i　　　| |　 ｌ .＼ ＼ｉ:ｉ:ｉ:i:i:i∨: : :, : : : / : :/
_　-‐ ~ ＼__///-‐"/ ,,//ｌ／///////:ｌ ｉ　　　| |　 ｌ　 ｌ ＼."二二} : : / : : /: : /
　　　　　　{//////／ ////// ｰ __ //ｌ ｉ.　 　 | |　 ｌ　 ｌ　　 　 　 .{ : / : : / :／
ﾐh､　　　　i/／////////////////~¨ l_i＿____|_|＿ｌ＿ｌ__。s-‐マ_}: : : :/／
i:i:i:iヽ　　　 ＼_//////////////////////ﾊ///i }///////////|: :／
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i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:} 　 ,. rｾ~　　　 7＼///////.ﾊ///////i }///////////|
⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ
　　　　　　　　　　　　　○
　　　　　　　　　　　о
　　　　　　　　　　｡
　　　／￣￣￣＼
..　／ ／ 　1　 ＼.＼　　　　　……リエラは、良い子だったお。
／　 （●） 　（●）　 ＼
|　　　　（__人__）　　　　|　　　　真っ直ぐで、穏やかで、優しくて……養成所での、唯一の友達だったお。
＼　　　 ｀ ⌒´　 　　／
／ 　 　 　　　　 　 　 ＼　　　　 彼女と一緒になる可能性も、あったのかお……後悔してる、わけじゃないけど……

3627： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 21:22:00 ID:1m221qiQ0

　　　　　　　　　　　　　　＿ r―ｧ-､―- ミ
　　　　　　　　　　　　　/＞''"~"''＜⌒l　　　｀　＜
　　　　　　　　 　 　 　 7／／ヽヽヽﾔ⌒〉　　　　　＼
　　 　 　 　 　 　 　 　ψ／／/ ソﾉ }-〈 　 　 .|　　ヽ ∨
　　　　　　　 　 　 　 r{ゞ、＞''´／ / Y′　　 .|｜　 ﾊ ∨
　　　　　　　　　　 　 }ﾍゞ｀''＜彡‰ソ　 !　!　 !＼ / ｌ| ﾄゝ
　　　 　 　 　 　 　 　 V乂三∠⌒)´ !∧|　|　.｣ﾉﾚ' | ﾘ |
　　　　　　　　　　　 　 廴乂＿)ノl l 八（l　ﾍ八ｿ｀ﾒ|/ /　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　＞''⌒7^Y⌒ ヽ、,人| 　 ﾍ{｀¨乂ﾚ′　　　　　　　　　　　　DTやる夫
　　　　　　 　 　 ／===／｀nﾍ=====＼ilＮ　 |.、_　/　　　　　　　　　　　　　　「アルトリアさんは……IGIO所属だったし、共闘もしたお。
　　　 　 　 　 　 ＼=／===l.l= ＼===／　|　 |　／
　　　 　 　 　 　 　 ´/====|.!==== <´≧〈从 |´　　　　　　　　　　　　　　　　　なんというか……高潔な人だったお。
　 　 　 　 　 　 　 ＿≧s､_ﾉﾊ_==== ﾏﾆﾆゝ-`‐…￢冖ニニアl
　　　　　　　_　＜ﾆ／ﾆ二二Y ￣￣ ニニﾆr'ニニニニ＞''´ =|　　　　　　　　　やる夫のことも、気にかけてくれて……
　　　　 r＜ニニ／ニニニﾆ/二二二ニニﾆ|ニニニ／二二ニ|-｢ヽ∧
　　　　 ∨=ニニニニニ二/二二ニニニニニニニニニニﾆﾆ上′ﾆﾆ＼　　　　でも、そういう感じになる前に……
　　 　 　 Vニニニニニ／:⌒"''＜ニニニニニニニニニニニニ乂ニニﾆ
　 　 　 　 {／ニニﾆﾆ/　 :　　　　 ｀ マニニニミニニニニニニニﾆ＼ﾆﾆ
　　 　 　 <=／ﾆﾍ二/　　:　　　　　 　 ｀'マニニニミニニニニニニﾆﾆ＞
　　 　 　 〈´ﾆﾆ二∀　　　　　':, 　 　 　 　 ｀'マﾆﾆ／冫､ニニニニニニﾆ
　　　　　　}／二二{　　 ,'　　　 ':, 　　　　　　: :￣i　.ｲﾆ=}｀''＜ニニニﾆﾆ
　　 　 　 /ニニﾆﾆΚ　,'　　　 　 '　　　　　　 : : ／ﾆﾆ=/ 　 　 ｀''＜ニニ
.　 　 　 /ニニニﾆ∧＼　　 ',　　　　　　　　_ イ二二ア　　　　　　　 ｀''＜
　　 　 /二ニニﾆ/　∨_＼　 ',　　　　_　＜ニニニ／
.　 　 /ニニニﾆψ　　V二｀‐┴―≦ニニニニニﾘ
. 　 Yニニニ=／| 　 　 VニﾆГニニニニニﾆ彡〈
　　 {ニニニﾆﾆ/ヽ.　　 {ニニﾍ二二二ニニニﾆ/
　　 ∨二二ニニニ＼ /二二/二二ニニニニﾆ|
⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ
　　　　　　　　　　　　　○
　　　　　　　　　　　о
　　　　　　　　　　｡
　　　　　　＿＿＿
　　　　 ／::::::::::::::: ＼　　　　　　　アルトリアさんには、俺も世話になったお。
　 　 ／::::::::::::::2:::::::::::＼
　 ／:::::::::::::::::::::::::::::: 　　＼　　　　 ランクは落ちても、本当にすごい人だったお。尊敬しているお。
.　|:::::::::::::::::::::::::::（ー）　.　　|
　 ＼ 　　 （__人__）　.　　／　　　　　そういう関係になる可能性があったんだと思うと、なんだか不思議な気分だお……





　　　　　　　　　　　 ＿＿__
　　　　　　　　　：／　　　　＼：
　　　　　　　 ：／ _ノ　 1　＼ ＼　　　　　　　ええ……あのアルトリア・ペンドラゴンだお？　恐ろしいことこの上ないお。
　　　　　 　／ 　（○） 　（○） 　＼
　　　　　 ： |　　　　（__人__）　　　 |：　　　　　やる夫はあのリンクスに二度も殺されかけたんだお……
　　　　 　　 ＼　　　｀ ⌒´　　　／
　　　　　　　 / ⌒　/⌒Y⌒ヽ ヽ　　　　　　　　なんかこう、底知れない恐怖を駆り立てられる台詞も言ってたし……
　　　　　 　：|　　＼|　　.i　　ｲ　|
　　　　 　 　|＼　／ 　 人 　.＼!　　　　　　　　き、君たち、僕と随分違う関わり方をしてたみたいだお。
　　　　　 　 |　 ＼___／　 ＼__/：
　　 　 　 　 |　　　　　　　　/
　　 　 　 　 |　　　　 　 　 /

3628： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 21:27:10 ID:1m221qiQ0

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　　　　　　　　　　　　　　　　|:.:|:.|:.:.:.:.:.|:.丁／/Ⅳ｀テメ/:./　|:.:./|:.:/|:.:.|:.:.:|:.:.:|:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.:|　　 ヽｌ
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　　　　　　　　　　　　　　　　 |　||ヽ:.|:|ヽ. 辷zzメ_　　　 ／./::::o::7ヽ/:.:./:.:/:/:.:.:.:/ |:.:.:.:.!
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　　　　　　　　　　　 ,､r::´´:::::::| 　 ﾍ　＼ ＼　　｀ﾌｌ　 　.|:.:.::/:.:/:.:.:.:.:!:.:.:.:.!:.:!
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　　 　 ,､r::´´:::::::::::::::::::::::::::::::::::|　　　ﾍ　　　 / | |ゝ.| ヽ::ヽ:/:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.|
　 /´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|　　 　.ﾍ 　 / ゝ≠| |　ヽ::::::＼:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:|:.|

⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ
　　　　　　　　　　　　　○
　　　　　　　　　　　о
　　　　　　　　　　｡
　　　　 ＿＿＿_
　　　／_ノ　 ヽ､_＼
　 ／（ ─）　　(─）＼　　　　　なのはさんは……言うまでもないかお。先生で、相棒で、師匠で……
／::::::⌒／)／） ⌒::::: ＼
|　　 ／／ ／　　　　　　|　　　　何もかもが、あの人ありきだったお。
＼　|　/　 二二)　 　 ／
／　ｉ　　　r‐一' 　 　 ＼




　　　　　　　　　　　　 　 ∩＿
　　　　　　　　　　　　　　〈〈〈　ヽ
　　　　　　＿＿＿_　　　〈⊃　　}
　　　　 ／⌒ 2　⌒＼　　 |　　 |　　　　　　一週目は随分アルトリアさんに怯えてるけど、俺は誰を選んでもいいと思うお。
　　　／（ ●） 　（●）＼　 !　　 !
　 ／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼|　　 l　　　　　　三人とも、これ以上ないくらい素敵な人だお。
　 |　　　　　|r┬-| 　 　 　 | 　／
　 ＼ 　 　　｀ ー'´ 　 　 ／／　　　　　　　　 全く、俺たちは果報者だお。これだけ縁に恵まれてるんだからな。
　　/　＿＿　 　　　　　　/
　　(＿＿＿）　　　　　　/　　　　　　　　　　　「やる夫にそれを言うかお？」

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下↓1　誰のIFルートを見ますか？
1．リエラ・マルセリス（一周目）
2．高町なのは（一周目）
3．高町なのは（二週目）
4．アルトリア・ペンドラゴン（二週目）
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3629：安価のやる夫だお：2021/01/01(金) 21:27:55 ID:SfrOx.d.0
4

3630： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 21:29:56 ID:1m221qiQ0

　　　　 ＿＿＿_
　　　／⌒　　⌒＼
　 ／（ ●） 　（●）＼　　　　　　……決めたお。
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼
|　　　　　|r┬-|　　　　 |　　　　　やる夫は――
＼ 　　 　 `ー'´ 　 　 ／

3631： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 21:30:06 ID:1m221qiQ0
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3632： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 21:36:03 ID:1m221qiQ0

　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼／￣＼
　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣￣｀.　 ＼ 　　 ＼
　　　　　　 　 　 　 /　　　　　　　　　　 、　 　　、
　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　i　　　　 l
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　　 　 　 （ 　 　 ）_／＿＿＿＿＿＿ノ＿＿ノ
　　　　　　￣￣
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時間の感覚など、とうになくなっていた。
何時間かもしれないし、まだ数分も経っていないのかもしれない。

ありとあらゆる、生きる力が全身から抜け、起き上がることなど到底叶わなかった。
サーシェスの言葉と、死体のひしゃげる音ばかりが頭の中で反芻され、
何も考えられなくなっていた。

喉は乾き、胃は空っぽで、不快感こそあれど、何か入れる気にもなれなかった。
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3633： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 21:40:16 ID:1m221qiQ0

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　　　　　　　　　　　　　　　∠　　　　　　　　　 　 `　､＿}_
　　　　　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　､　` ､⌒ヽ
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　　　　　　　　　　 '　　　′　　　/ 　 　 　 　 　 |　 　 |　 　､ノ}
　　　　　 　 　 　 ｌ{ 　 / 　{　　 /{　　　{ 　|　 　 |　 　 |￣ア}ノ＼
　　　　　　　　　 八 　|　　',　　ｌ 　、 　{ 　l　、　|　 　 |／　ﾊ___ノ
　　　　　　　　　 　 ＼|'， ∧|　|　　＼_{＼|＼＼|　 　 | 　/ /⌒}
　　　　　　　　　 　 　 | ∨ｬ竿ミ　　　 　 斗竿ミ|　 　 |／ /__ ノ　　　　　　邪魔をするぞ。
　　　　　　　　　 　 　 | ∧ 　Lソ　　　　　　Ｌソ |　 　 |ヽ/⌒＼
　　　　　　　　　 　 　 |　ﾊ　　　　　　　　　　　　|　 　 |ノi:i:i:i:i:i:i:＼　　　　　……なのはから事情は聞いていたが、予想以上だな。
　　　　　　　　　 　 　 l 　込、 　'　　　　　 　 　 |　 　 |＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:'，
　　　　　　　　　 　 　 |　 　| ＼　　 r_、　　　　 ,|　 　 |､ｉ:i＼i:i:i:i:i:i:i:}
　　　　　　　　　 　 　 |　 　|　　 　、　　　　 　ｲｌ|　 　 '{i＼i:i:）_ｉ:i:／
　　　　　　　 　 　 　 人 　 |　　 　 l｀　‐ 　´ 　 ｌ|　　/i:V⌒i:￣{
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ､| 　 　f≧======≦_| 　,'⌒i{i:i:i:i:i厂
　　　　　　　　　　_-=ﾆﾆ=-　__ﾉvﾆﾆﾆOニニﾆ=|／二⌒⌒^
　　　 　 　 　 　 _-=ﾆﾆﾆ／ニニ＼ﾆOﾆﾆﾆﾆﾆノﾆﾆﾆﾆ≧ｧ≦⌒＼
　　　　 　 　 　 _-==ﾆﾆ {ﾆﾆﾆﾆﾆ／＼ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆニ'，
　　　　　　　 　_-=ﾆﾆﾆﾆ〉二二ﾆ＼／二二二ニﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ'，
　　 　 　 　 　 _-=ﾆﾆニ/ﾆﾆﾆﾆニ/二二二ニﾆﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ'，

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
突如としてドアが開いたかと思うと、廊下からの明かりが差し込み、
暗闇にすっかり慣れ切った眼を瞼の上から焼いた。

ただ、驚きを動作にする気力すらなかった。
彼女の声が聞こえてきても、それに反応すらできなかった。

不思議なあの人。優しくて、どこか危うげなあの人。

アルトリアは凛とした声で、「こうなるくらいなら、
最初から私に従っていればよかったのだ。」と呟き、
静かに歩み寄ってきたかと思うと、ベッドの縁へと腰かけたようだった。

少女の体の重みがベッドをへこませ、身体を揺らされる。
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3634： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 21:48:54 ID:1m221qiQ0

　　/　　　　　　　　　　　　i　　　　　　＼　　　　}　>
　 /　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　.|　／　ﾚﾍ、
　,　　　　　　　　 ヽ　　 i　 .|　　　　　　　|、　/　} ノ
　i　　　　　 .l　　　 i　　.ﾊ. ∧.i　　　　　 .| l /　　|' ﾞ;
　|　　　 .|　 i　　　 .| ／! }/　}ﾊ　　　　　.|,ﾉ　/ ./"
　|　.i　　.|　 ﾄ　　　1. ,ﾑ斗:ｒ7 }　　　　　 |　 / ./:.:.:.:.:ヽ
.　i　l　　.|　 「＼　 .ﾊ/ Ｖツ　 ':/　　　　 .|　/ /|.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ　　　　　　　……なあ、ヤルオ。もう一度、同じ問いをあなたにしよう。
. 八ハ　 ト　|'芯＼{　　´　　　ハ |　　　 ﾊ　/:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:/
.　　{　`:.ハ .ﾄ.}７　　　 　 　　　 }/|　　　.j　ｙ:.:.:.|:.:.:.:.:.:./　　　　　　　　　私の物にならないか。
　　　　　 | ヾ. :,ヽ　　　　 　 　 /　}　　　ｊ ∩こ)ﾞ,:-イ~
　　　　　 ｌ　　　|＼　 _　-,ｧ　 　　ｲ 　.,v⌒／: :ヽ:.:.}　　　　 _____,,　　　　これ以上、奪う必要も、奪われる恐れもない。
　.　　　　 ｌ　　 .|.　　　､ ´　　　／ﾉ-ﾏ｀／: : : : : :’、_ . : : : : : : : :
　　　　　　丶　 i　　　　　`ｰ ' >r"f ﾞ／: : : : : : : : /: : : : : : : : : : :　　　　　私が、そういったものから、あなたを守ろう。
　　　　　　　 丶 ，　　　　　　⊂ﾞ_／: : : : : : : : ／: : : : : : : : : : : :




　　　　　　　　　　　　　　　　 　 , - ､　__,- 、
　　　　　　　　　　　　　　, ｰ ､ /、　丁　 ,.ノ_
　　　　　　　　　　　 , ｰ､f　　 ｀l l　　|_,ｨ'´　 ﾉ
　　　　　　　　　　　|ヽ　｀〈l　　 ﾄﾞ､　l　　_／_
　　　　　　 , -、　 ／ ｀ 、 ゝ 　 !　｀´rｩ- '´　j
　　　　 __/ ｀ｭ >_/　　　 1_,/｀‐'　 ''" 　 _...／
　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　r' ´
　　　　　 　 　 l　　　　　　＿, -‐ '´厶_
　　　　　　　　 ト-‐ｩ-‐' ＼　　　ィ´　 ｀t┼
　　　　　　　　 ｀ゝ_| !　　　」　　　ヽ　　 / １
　　　　　　　　　__＿」　　 |∧　　　　／　勺
　　　　　　　　"　　　　　　!ヽﾍ　 _／　ﾞ;`

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
その声は穏やかで、今まで聞いたことがない以上に、優しかった。
若干の罪悪感さえ滲んだ、少し悲しげな声だった。
アルトリアが自分を責める必要などないだろうに。

「分かり、ました」

それでも、今の自分にとっては、それを拒む理由もなかった。
リンクスとしての本分も全うできず、こうして塞ぎ込んでいるだけだ。
誰かが求めてくれるのならば、どうにでもしてくれて構わないと、思った。

「約束する」

答えを聞いたアルトリアは、そっと布団から出ていた自分の手を握ってきた。
冷えた指先は柔らかく、しなやかで、自分の体温で溶けてなくなりそうだった。

「私があなたを譲られる側としよう。私が、あなたを守られる側としよう」
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3635： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 21:49:05 ID:1m221qiQ0
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3636： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 21:58:33 ID:1m221qiQ0

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＿＿_____.|ﾆ|￣￣￣￣￣￣¨|ニ|¨¨　　　　　　 ―--|ﾆ|--　　　　 ＿＿_ ￣|ﾆ|　　 　|
＿＿_____.|ﾆ|￣￣￣￣￣￣¨|ニ|¨¨　　　　　　 ―--|ﾆ|--　　　　 ＿＿_r-ｆ´　　`ー┴--　　 ..＿
　　　　　 |ﾆ|￣￣￣￣￣￣¨|ニ|¨¨　　　　　　 ―--|ﾆ|--　　　　 ＿__ ji〈￣￣＼
ニニニニニニニニニ==――ニiＬ　　　＿＿＿　　　iﾆ|　　　　　　　　 7 ∧　　　　　　　_＞　―
¨¨¨　　　　――====ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニi|　 ﾉ∠⌒　ｰ　 _j{
　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　 　　　￣￣¨¨¨¨　 　 ――====7ﾉ'"⌒　ー＜＿　 ⌒ー--
　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 厂{　　　　　　　 　 ⌒７厂＜__
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　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 i| ﾏニニニニニニニニニニニニニニ
　　　　　　　　　　　 ./　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i|　ﾏニニニニニニニニニニニニニﾆ
　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 i| 　 寸ニニニニニニニニニニニニﾆ
　　　　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 i|　　　｀¨¨　 ―==ニニニニニニニニ
　　　 　 　 　 　 ./　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　i|　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣
　　　　 　 　 　 /　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 i|
　　　 　 　 　 ./　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 i|

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連れてこられたのは、コロニー・アマツという場所だった。
コロニーと名付けられてはいたが、その実、桜花重工の本社を兼ねたリゾート地である。
ミニチュアサイズの亡国日本とでも言うべきそれは、
かつての文化を再現した、緑豊かな人工島だった。

アルトリアはノルドルムのリンクスではあるものの、
ネクストや武装に類するものさえ持ち込まなければ、移動は自由であるらしかった。

輸送機の着陸時は三十分ほど検査されたものの、その後はお咎めなしだ。
二人で慣れぬ夏の日差しを浴びながら歩き、辿り着いたのは、小さな木造の家だった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3637： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 21:58:43 ID:1m221qiQ0


　　/　　　　　　　　　　　　i　　　　　　＼　　　　}　>
　 /　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　.|　／　ﾚﾍ、
　,　　　　　　　　 ヽ　　 i　 .|　　　　　　　|、　/　} ノ
　i　　　　　 .l　　　 i　　.ﾊ. ∧.i　　　　　 .| l /　　|' ﾞ;
　|　　　 .|　 i　　　 .| ／! }/　}ﾊ　　　　　.|,ﾉ　/ ./"
　|　.i　　.|　 ﾄ　　　1. ,ﾑ斗:ｒ7 }　　　　　 |　 / ./:.:.:.:.:ヽ
.　i　l　　.|　 「＼　 .ﾊ/ Ｖツ　 ':/　　　　 .|　/ /|.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ　　　　　　　土地ごと購入しておいたのでな、この場所は私のものだ。
. 八ハ　 ト　|'芯＼{　　´　　　ハ |　　　 ﾊ　/:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:/
.　　{　`:.ハ .ﾄ.}７　　　 　 　　　 }/|　　　.j　ｙ:.:.:.|:.:.:.:.:.:./　　　　　　　　　あまり大きなものでなくてもよいと考えたのだが……
　　　　　 | ヾ. :,ヽ　　　　 　 　 /　}　　　ｊ ∩こ)ﾞ,:-イ~
　　　　　 ｌ　　　|＼　 _　-,ｧ　 　　ｲ 　.,v⌒／: :ヽ:.:.}　　　　 _____,,　　　　広い方がよかったか？
　.　　　　 ｌ　　 .|.　　　､ ´　　　／ﾉ-ﾏ｀／: : : : : :’、_ . : : : : : : : :
　　　　　　丶　 i　　　　　`ｰ ' >r"f ﾞ／: : : : : : : : /: : : : : : : : : : :　　　　　「い、いえ」
　　　　　　　 丶 ，　　　　　　⊂ﾞ_／: : : : : : : : ／: : : : : : : : : : : :





　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＿＿___
.　　　　　　 　 　 　 　 ／ _ノ　　ヽ_＼
　　　　　　　　　　　／　 （○）　 （○）
　 　 　 　 　 　 　 /　　　　 （__人__）　 ヽ　　　　　　けど……なんで、やる夫なんかを？
　 　 　 　 　 　 　 |　　U　 　｀ ⌒´　　　|
.　　　　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　　　／　　　　　　　一緒に暮らそうって……
.　　　　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　＼
.　　　 　 　 　 　 /　　,　　　　　　　　l　 |　　　　　　　「ふむ」
　 　 　 　 　 　 /　　/|　　　　　　　　|　 |
　　　　　　　　/　　/ .|　　　　　　　　l!　.|

3638： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 21:59:47 ID:1m221qiQ0

　　　　　　　　　　　　　　＿ r―ｧ-､―- ミ
　　　　　　　　　　　　　/＞''"~"''＜⌒l　　　｀　＜
　　　　　　　　 　 　 　 7／／ヽヽヽﾔ⌒〉　　　　　＼
　　 　 　 　 　 　 　 　ψ／／/ ソﾉ }-〈 　 　 .|　　ヽ ∨
　　　　　　　 　 　 　 r{ゞ、＞''´／ / Y′　　 .|｜　 ﾊ ∨
　　　　　　　　　　 　 }ﾍゞ｀''＜彡‰ソ　 !　!　 !＼ / ｌ| ﾄゝ
　　　 　 　 　 　 　 　 V乂三∠⌒)´ !∧|　|　.｣ﾉﾚ' | ﾘ |
　　　　　　　　　　　 　 廴乂＿)ノl l 八（l　ﾍ八ｿ｀ﾒ|/ /
　　　　　　　　　　　＞''⌒7^Y⌒ ヽ、,人| 　 ﾍ{｀¨乂ﾚ′
　　　　　　 　 　 ／===／｀nﾍ=====＼ilＮ　 | __　/　　　　　　　　　　　　　勘違いさせていたようだな。すまない。
　　　 　 　 　 　 ＼=／===l.l= ＼===／　|　 |　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　・ ・ ・ ・
　　　 　 　 　 　 　 ´/====|.!==== <´≧〈从 |´　　　　　　　　　　　　　　　　私は、あなたに恋愛感情を抱いているわけではないのだ。
　 　 　 　 　 　 　 ＿≧s､_ﾉﾊ_==== ﾏﾆﾆゝ-`‐…￢冖ニニアl
　　　　　　　_　＜ﾆ／ﾆ二二Y ￣￣ ニニﾆr'ニニニニ＞''´ =|　　　　　　　　理由は……今、言うようなものでもない。
　　　　 r＜ニニ／ニニニﾆ/二二二ニニﾆ|ニニニ／二二ニ|-｢ヽ∧
　　　　 ∨=ニニニニニ二/二二ニニニニニニニニニニﾆﾆ上′ﾆﾆ＼　　　あなたも、あなたのことで精一杯だろうからな。
　　 　 　 Vニニニニニ／:⌒"''＜ニニニニニニニニニニニニ乂ニニﾆ
　 　 　 　 {／ニニﾆﾆ/　 :　　　　 ｀ マニニニミニニニニニニニﾆ＼ﾆﾆ　　　　落ち着いてから、聞かせてやる。
　　 　 　 <=／ﾆﾍ二/　　:　　　　　 　 ｀'マニニニミニニニニニニﾆﾆ＞
　　 　 　 〈´ﾆﾆ二∀　　　　　':, 　 　 　 　 ｀'マﾆﾆ／冫､ニニニニニニﾆ
　　　　　　}／二二{　　 ,'　　　 ':, 　　　　　　: :￣i　.ｲﾆ=}｀''＜ニニニﾆﾆ
　　 　 　 /ニニﾆﾆΚ　,'　　　 　 '　　　　　　 : : ／ﾆﾆ=/ 　 　 ｀''＜ニニ
.　 　 　 /ニニニﾆ∧＼　　 ',　　　　　　　　_ イ二二ア　　　　　　　 ｀''＜
　　 　 /二ニニﾆ/　∨_＼　 ',　　　　_　＜ニニニ／
.　 　 /ニニニﾆψ　　V二｀‐┴―≦ニニニニニﾘ
. 　 Yニニニ=／| 　 　 VニﾆГニニニニニﾆ彡〈
　　 {ニニニﾆﾆ/ヽ.　　 {ニニﾍ二二二ニニニﾆ/
　　 ∨二二ニニニ＼ /二二/二二ニニニニﾆ|





　　　　　　　　＿
　　　　　　 _´＿　_` ､
　 　 　 ／‘=’ﾆ ‘=’u‘.　　　　　！？
　　 　 i　　└‐' ｰ'　　ｕ‘.
　　　　ヽ　　　　　　　　　!

3639： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 22:04:19 ID:1m221qiQ0

　　　　　　　　　　　 ¨¨¨¨¨ 　 、
　　　　 　 　 ／　 ｉ ｌ! |　　　 　 ＼
　　 　 　 　 ′u | | |ｌ !　　　 　 u. ヽ
　　　　　 / 　 　 ! 　 （___人___）　　 }　　　　　（そ、そんな……そういった感じじゃなかったのかお！？
　　 　 　 i　u　　　　　 !ililililil|　　　/
　　　　　 !　　　　　 　 {ililililiﾉ　 ／　　　　　　　だとしたら、ますます分からないお……アルトリアさんは、何を考えてるんだお？）
　 　 　 　 ゝ　　　　　　　 　 イ..ノ}
　　　　　　　　 7　..ノ}　 　 　 !　ノ
　　　　　　 　 /　　.ノ　　　　 |´
　 　 　 　 　 /　　　　　 　 　 |

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
そうして、自分とアルトリアの、奇妙な同居生活が始まった。
木造の平屋で、和室が三つと、立派な台所と水回りが完備された家だった。

結局、自分を連れてきてくれた理由も聞かせてもらえず、ただ混乱した。
一体、彼女に何の得があるというのだろうか。さっぱり分からない。
分からないが、彼女はこの状況に大変満足しているようで、
どこか機嫌が良さそうに見えた気がした。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3640： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 22:13:06 ID:1m221qiQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__　 __
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-====-　＼＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　 ＼}__
　　　　　　　　　　　　　　　　 '　　　　　　　　　　　＼ヽ 〉
　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　 ∨　ヽ＼
　　　　 　 　 　 　 　 　 ／'ﾉ　　　 /　　　 i　　 　.∨　.∨/
　 　 　 　 　 　 　 　 ／'　 '　　　 /〔　　　.!　 　 !　i　　 ∨
　　　　　　 　 　 　 /'　 / イ　　　! | 　 　 !　 !　〕　! 　 !､∨　　　　　　　　料理……さすがに買ってばかりでは味気ない、か。
　 　 　 　 　 　 　 ∥　 ' / ',　　{/ミ､　 iヽ!＼!､人//　/　',
　　　　 　 　 　 　 {i　　i/　∧i/ 乂ﾂ＼{　 代zタ　 ')/　　 !　　　　　　　　　すまない、実は、その……サンドイッチしか、作れないのだ。
　　　　　　　　　　 ヽ､ /　　 /ヽ　　　 ､　　　　　 / }/　 !　,⌒',
　　　　　　　　　　　　/ｲ　 /(　 ＼　　　　　u.　ノ}¨/　 /!　! ∧v　　　　　　　練習、していく。
　　　　　　　　　　　　　i/　!　　)//＼｀　 ´　ィ({从'　 //} /　　ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　＼､　)////〕､≦　 ｡ｲ､/ ／//ｲ!
　　　　　　　　　　　　　　　--‐　 ⌒ノﾆ==ﾆﾆﾆ/｀`〜､、ﾉ
　　　　　　　　　　　　　/　　　　　 /ニニニニ/　　　　　 ｀ ヽ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /ニニニﾆﾆ{　　　　　　　　 ,
　　　　　　　　　 　 　 ,　　 ﾉ　 ィ(ニニニニニ!　　　　　 　 　 ,





　　　　　　　　　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　／_ノ　　　ヽ､_　＼
　　　　　　 ／　（●） 　（●）　　 ＼
　　　　　　 | 　 　 （__人__）　　 u 　 |　　　　　　い、いや、謝られるようなもんじゃないですお。
r､　　　 　r､＼　 　 ｀ ⌒´　　 　 ,／
ヽヾ　三　|:l1　>　　 ー‐　　 　 ヘ　　　　　　　　やる夫もちょっと覚えますお……ここって、結構自炊前提というか……
　＼>ヽ/ |｀ ｝　　　　　　　　 　 　 ヽ
　 　ﾍ　lノ `'ｿ　ｲ　 　 　 　 　 　 | 　|　　　　　　　食料品店も、料理より食材の方ばかり取り扱ってますし。
　　　 /´　 / ./ |　　　　　　　　　| 　|
　　　 ＼. ｨ_ノ　.|　　　　　　　　　|　 |　　　　　　　　暮らしていくなら、そっちの方がいいと思いますお。
　　　　　　　　　|　　　　　　　　　| 　|

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
そして、二人での生活は、思っていた以上に手探りのものだった。
如何せん、二人とも古めかしい家具の扱いには慣れておらず、土地勘もない。
店を回ればパッケージの料理よりも生の食材ばかりだ。

途中で、アルトリアは申し訳なさそうに、料理の経験がほぼないことを告白してきた。
それもそうだ。ランク3の頃からずっと、リンクスとして戦ってばかりで、
他は箱入り娘同然だったと本人が語っていた。
あのサンドイッチの山だって、自分を気遣って、わざわざ慣れぬことをしてくれたのだ。

二人で街を散策して、帰った後に慣れぬ家事をするだけで、一日が潰れた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3641： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 22:21:00 ID:1m221qiQ0

　　　　　　 　　ヽ ､______＿＿ ヽヽ. ､
　　　　　　　_,, ..≧::::::::::::::::::::::::::ヽV::ヽl
　　　　　　 ,.イ::;ィ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`＝イ/
　　　　　　 /／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::<
　　　　　　〃::::::::::::;ｲ／/ﾘ|:/|:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　∠::::::::从（ 　 　　l/ !::::::::::::::::::::::::::::::: ヾヽ
　　　　　　/イ∧` ､,,ｨ≦=ｒヽl／ﾙ::::::::::::::::::::::::ヾ、
　　　　　　　 〈_≧ｒ=!:::::::ノ　　　　ﾘ:::/ヽ:::::::::::::ｌヽ　　　　　　　おう？　珍しい感じの二人だな。
　　　　　　　　!:::::/　 ￣　　　　 　 lん） !::::::::::ﾙ
　　　　　　　　`ｌ〈　_　　　　　　 ,.. 　( ,.ｲ:::::::::::（　　　　　　　　　……カップルか？
　　　　　　　　 ヽｒ__　　　　　　/　　l´　!::::::::从ヽ
　　　　___ ,....,..._　ト-｀¨　　　　　　ノ　 ルﾘ人ヾヽ
　　ｒ‐"＿ｌ＿辷〕_}illi、　　　,, -　　　,,..::::"::::..　|　＿_
　 ｆ,! └‐ｒ‐‐／ / ^vllllllｒ''"　 ,,...::''::::::::::::::::::::／´　 ／`!
　 H__ﾉ__ﾉ__ﾉ　/　　　ｒ=`-''::::::::::::::::::::::::::::／　　／　　 ヽ
　{　　 ∨　　　ｌ　　 　ヽ:::::::::::::::::::::::::::::／　　／　,.　" 　　＼
　l､　　 l　　 ／　　　 / l::::::::::::::::::::::／　　／　／
　/｀'ー― /　　 　 ／ /:::::::::::::::::／　　／　／
/　　　　 /　／￣/　 /:::::::::::::／　　　　　/






　　　　　　　V/　/　　　　 l　　 　 　 ｌ　 l　　　　　 　 ‘
　　　　　　　 (l　 　 　 l　　ｌ　　 ｌ　　 ｌ　 ｌ ｌ　 　 l　 　 l‘
　　　　　　　 (ｌ　l ,ｲ　 ｌ　_ l -─-　　ｌ　-─-- /_　　 l､’
　　　　　　　　|　l从 ‐八ｌ ﾊ__ｨﾊ l､ ,ｲ /l ハl　/ｌ　/ｌ /l ヾ
　　　　　　　　|i　 　 |ィ乏不汽‐ﾞﾊ/ l/ ィ乏不汽/ l/ .l　　　　　　　（まあ、そういうことにしておいた方が自然か）
　　　　　　　　|i　 　 |` 弋zソ　　　　　　 弋zソ '~|　　 !
　　　　　　　　|i　 　 |　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,|　　 |　　　　　　　　ああ、新しく居を構えようと思ってな。ここに目を付けたわけだ。
　　　　 　 　 　 　 i　|､ 　 　 　 　 　 !　 　 　 　 /|　　 |
　　　　　　　　 |　 i　|-､　　　　　　　　　　 　　 '~|　　　　　　　　　　　　これがご近所付き合い、というものか……
　　　　　　　　 |　 　 |/::ゝ、　　 ｀　 　 ´ 　 ／　 |　　 !
　　　　　　　　　 ｌ､　 |､:ハ 丶　　　　　　ｨ〈ﾉ　　 |　　j　　　　　　　　　　私はアルトリア。こちらは、夫のヤルオだ。そうだろう？
　　　　　　　　　l从　ｌ|/　丶 　 ｀　-　´　!　､　　 l从/
　　　　　　　 　 　 _Vj! 　 　 丶　_　　　/　　 l"''- ．_　　　　　　　　　　　　「へえ、若いのにもう籍入れてんのか」
　　　　　_,,..-‐''　　　 ､　　　　　　　7^く　　　l　　　　"'ー-　_
　 γ￣　　ヽ 　 　 　 丶　　 　 　 / 　 ヽ 　 l　 　 　 　 ヽ　　 ヽ





　　　　　　　　　　　　　　|ヽ／|＿
　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼　 　/
　　　　 ＿＿＿　　　　　　 |_＿＞
　　　／ヽ、　_ノ＼
　 ／　（○）　（○）＼　　　　　　　　　へっ！？　あ、はい、ええと……
／ .///（___人__）.///＼
|　　u　　ﾉ　　　ヽ,　　　|　　　　　　　　「ハハッ、なんだなんだ、随分若くて初々しい夫婦だなあ」
.＼　　　（/⌒ﾉ´ﾌ 　 .／
　　>　　 .￣￣´　　<.

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
近所付き合いも多少はあった。
ある日、家の近くに会った河川敷を二人で歩いていると、
浮ついた雰囲気の男と出会い、挨拶を交わした。

あろうことか、アルトリアは自分との関係を、若夫婦とすることにしたらしい。
あくまで便宜上、というのは、もちろん理解していた。
けれど、あのアルトリアに夫と呼ばれると、どうにも落ち着かない。

確かに、こうも雰囲気の違う男女が二人で移り住んでくれば、
周囲の住民も不思議がるだろう。夫婦と言えば収まりは良いが、
アルトリアの躊躇のなさに、気恥ずかしさと共に複雑な思いを抱かされた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3642： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 22:33:32 ID:1m221qiQ0

　　　　,‐x-‐……‐-ミ
　　 rク´　　　　　　　 ＼
　 /シ　　／　/／　／|　＼　
　ﾄvﾞ乂_/　　/　 / /　ﾊ　　'.　
　V〈　　{　　{-‐/‐ﾐ　/ _}　　}
.　 ＼　(|　　|x巧㍉ノ rﾁ　ﾉﾉ
.　/: ヘ∧　 |　￣　　 ,”小「
. /:::/|: Ｖ∨ |　　__ _　 ,.:　 |　　　　　　　――む。入ろうとしていたのか。すまないな。
/:::/:/|:::〉 ∨ﾊ､.　　 ／|　 :|
＼{::l リ｀`ｰVﾊ ｀爪 　 |　 :|　　　　　　　　なんだったら、先に入るか？
＿レく　　　 〉 ﾔ{_∧ー|　 /
　 ＼　＼　/／〈＼＼-レハ　　　　　　　　　私は後でもいい。
　　　ヽ　｀¨´　〈＼ ヽ　|^＼'.
　　　　:.　　　　 '.　　　 {　　ヽ
.　　　　|　　　　 人,.　-ゝ､_／￣､
　　　　 | 　　／ ／--- ､/ ヽ'´￣}
,　　　　 l　　　 /　　　 　 〉　}　　 l
′　　　 {　　 /　　　 　 ∧ ,ﾊ　　l
∧　　　 乂／　　　　／|　V　|　/
..∧　　　/　　　　　　　 |　 ∨| /
.　∧　 /　　　　／　　 l　　 Ⅵ
　　　　　　　 ／　　　 l　　　 l.|
　　　＼___／　　　 　 | 　 　 } |
　　　　　 }　＼　　 　 |　 |　 ｌ |
　　　　_ｱ　 }　:.　　　 |　 |　 l |
　　 _ア　　 |　 ′　　.|sssssl |
　__ｱ　　　 l 　 　,　　 |／＼lハ
._ｱ　　 　 .: 　 　 ′　.|　　　l　|
/　　 　 /　　 　 　 　 |　　.:.|　|
　　　　/　　　　　　　 |　 ,　|　|
{　　　.′　　　　　　　|　/　l　|
ﾍ　　 {　　　　　　　　 ﾚﾞ　 |／
.∧￣＼＿＿＿＿__ハ--ﾞl
　 ﾍ　　｡o≦うううううﾊ うi





　　　　　　＿＿＿_
　　　　 ／⌒　　⌒＼ 　 　 　 　　━━┓┃┃
　 　 ／（ ￣） 　（＿）＼　　　　　　　　 ┃　　　━━━━━━━━
　 ／::::::⌒（__人__）⌒:::: ＼ 　 　 　 　　┃　　　　　　　　　　　　　　　┃┃┃
　|　　　 ゝ'ﾟ　　　　　≦　三　ﾟ｡　ﾟ　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ┛
　＼ 　 ｡≧　　　　　　　三　＝=-
　　　　 -ｧ,　　　　　　　　≧=-　。
　　　 　 ｲﾚ,､　　　　　　　＞三　　｡ﾟ　･　ﾟ
　　　　 ≦｀Vヾ　　　　　　　ヾ　≧
　　　　 ｡ﾟ　/｡･ｲﾊ ､､　　　　｀ミ　｡ ﾟ　｡ ･






　　/　　　　　　　　　　　　i　　　　　　＼　　　　}　>
　 /　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　.|　／　ﾚﾍ、
　,　　　　　　　　 ヽ　　 i　 .|　　　　　　　|、　/　} ノ
　i　　　　　 .l　　　 i　　.ﾊ. ∧.i　　　　　 .| l /　　|' ﾞ;　　　　　　　……よもや、私のような女の身体でも、劣情を催せるのか？
　|　　　 .|　 i　　　 .| ／! }/　}ﾊ　　　　　.|,ﾉ　/ ./"
　|　.i　　.|　 ﾄ　　　1. ,ﾑ斗:ｒ7 }　　　　　 |　 / ./:.:.:.:.:ヽ　　　　　　　　　変わった人だな。
.　i　l　　.|　 「＼　 .ﾊ/ Ｖツ　 ':/　　　　 .|　/ /|.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ
. 八ハ　 ト　|'芯＼{　　´　　　ハ |　　　 ﾊ　/:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:/　　　　　　　　「い、いいから服着てくださいお」
.　　{　`:.ハ .ﾄ.}７　　　 　 　　　 }/|　　　.j　ｙ:.:.:.|:.:.:.:.:.:./
　　　　　 | ヾ. :,ヽ　　　　 　 　 /　}　　　ｊ ∩こ)ﾞ,:-イ~　　　　　　　　　　む、すまない。検査が多い関係で、
　　　　　 ｌ　　　|＼　 _　-,ｧ　 　　ｲ 　.,v⌒／: :ヽ:.:.}　　　　 _____,,
　.　　　　 ｌ　　 .|.　　　､ ´　　　／ﾉ-ﾏ｀／: : : : : :’、_ . : : : : : : : :　　　　　人に裸を見られても大した感慨もなく、な。
　　　　　　丶　 i　　　　　`ｰ ' >r"f ﾞ／: : : : : : : : /: : : : : : : : : : :　
　　　　　　　 丶 ，　　　　　　⊂ﾞ_／: : : : : : : : ／: : : : : : : : : : : :
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一緒に住み始めて、三日が経ったあたりだろうか。
さすがに周辺の地図も頭に入りつつあり、簡単な、炒飯であったり、
焼き魚であったり、そういったものを二人で四苦八苦しながら作るようになっていた。

その日は自分が買い出しに出て、アルトリアは家で家具を検めていた。

日差しに炙られながら商店街を練り歩いていたせいで、
シャツもジーンズもすっかり汗で濡れそぼり、他人から匂いを嗅がれたら
間違いなく顔をしかめられるであろうと想像を巡らせていた。

家の玄関までたどり着き、買い物袋の中身を冷蔵庫へ突っ込んで、
さっさと風呂場まで向かうと、事故が起きた。

こげ茶の引き戸を開けると、脱衣所に、シャツ一枚となったアルトリアが佇んでいた。
今まさに胸元のボタンへと手をかけていたところで、
肋骨が浮き出ていそうな華奢な体躯と、血管が透けて見えそうなほどに白い
肌が露わになっていた。劣情云々ではなく、初めて見る少女の裸体の衝撃に
身動きを取れないでいると、アルトリアは淡々とした反応を返してきた。

怒られなくてよかったが、どうにも腑に落ちない。
それはそうと、その日の夜は中々眠れなかった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3643： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 22:40:15 ID:1m221qiQ0

　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼　　　　　あ……アルトリアさんも、女の子なんだから……
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　　　　　 　 ／ u. （ー） 　（ー）　 ＼　　　　もうちょっと、恥じらい、じゃないけど。もっとこう。
　 　 　 　 　 　 |　 ///　（__人__）　/// |
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／　　　　　何かあってもいい気がしますお……。
　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼





　　　　　　　　　　 _ 　 ＿＿＿
　　 　 　 , -,f´＞´　｀　　　 　 　｀　. 　　　 　 　 　 　 　
　　 　, イfﾝ／　　　　　　　　　　　　　｀　、　　　　　　　　
　 　 / f ´/　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ゝ
　　 ,' 人/　 　 　 /　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ　
　　.l　〉/ー　 　 /　　　　/　 /　　 　 　 l　　 ∧　　 　　
　　.K´l＼　　　/　　　　/　 /　 　,ｲ　　 l! 　 　 l　　 　 　
.　　∨l　 　 　 ,　　　 . ｲ .`/ヽ､ /'/　　/.!　　ｌ　|　　　　
　　 〈 l 　 　,イl　 　 　 |,f子＜ノン 　./ ｜　｜ | 　　　
　　/ ∧ 　 { （.!　　.| 　|弋うソ｝彡_.イ _..ﾑ　 .| ｜　　　　　　　　　？
　 / / ∧　 ヽ_l　　 |　 |　 ｀´ ′　 　＿从　 .ｌ 人　 　 　
　.l　l　l ∧　,ミl　　 |　 |　　 　 　 　 fｿ/ﾝ_彡 ´　　　　　　　　　　　不思議なことを言うのだな。
　.L_lノ/　l∨　l 　　|　 |　　 　 　 　 }ｲ 　/　　　　　 　 　
　 | 　 |　 l l 　.|!　　|　 |　 ｀ ｰ 、　ン 　 ′　　　　　　 　 　　　　　
　 |＿_|. ,fﾚ、　l|　　|ｌ　|　　 　 ..イ　　 .|
　　 　 ノ　　＼|l　　|ｌ　ﾄ､-　´ 　.| 　 　|
＿. ＜ 　 　 　 !l 　 ト､.!,ﾍ-―- ､!　　l |
　　 　｀ヽ　 　 'ﾘ从ﾉ.∧!lヽ＼　　ﾘ 　,リ
　　　　 ∧　　　　,.イ｀}⌒{::｀:.＜. 从ﾉ｀i

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
一緒に暮らしている間、アルトリアは信じられないくらいに穏やかだった。
きっと、他の人は見たことがないだろうと思えるほどに。

包丁やアイロンを握っている間は剣呑な雰囲気さえ醸すほどの表情だったが、
そうでないときは、良い意味で力の抜けた面持ちをしていた。

どこか寂しげな視線を空へと投げることもあったが、
自分と話している間は、優しく、凛々しく、涼やかに笑っていることが多かった。
それを見られていると、自分への嫌悪よりも、彼女の姿を見られていることの
喜びが、不安を塗りつぶしていくようだった。
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3644： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 22:57:22 ID:1m221qiQ0

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　　ヽヽ　::::... ::::.　　　　 ::::::::::::::::::::::::::::::::.　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ´￣7// ／／,// 　/　/｀',　', ＼￣〉
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　　　　　　　　　::.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .::　 　 ／フ¨´彡ｲ ⊿　　　7笊ぅ､Ⅸ 　/ ./　 ＼/<〉
::. 　 　 　 　 　 　 :::.　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::::　 　 (／,斗ｧ=彡ｉ ｬ､　　　ヽ辺ソ〉' ／／─--/イ
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::::::::::::..　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　::::.. {′ .　　　 　 ! '⌒>, ／／／∠ｺ)ﾉ- ∠___ﾉ
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　:::::::::::: ::. :::..　　:::::::..　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 _＿＿/　 　　. : : ヽ､___.{/: : ::￣¨水′|}:::|
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＜ﾆ＞-､:::::... :::...　　　　　　　　　　　　 　 　 　 , -､.　, 孑'´ /　　　　: : : : : |:.: : : :／ :: ／｀ﾄ厂厂
/介ｮｧ､　＞‐-､::::. 　 　 　 　 　 　 　 　 :::::::...　'､__ﾉ　|　 　:/　　　　 : : : :.:./: :／〈:::::／:/::_ノイ
刈ミｧ介!､__　 　＞､::....:::....　　　　　　　:::...　:::::::...　　,′　.;′　　　. : : : :./／:.: :. :∨:.:/ : :/: :.}
爻ﾐソヘﾐ＞＼爻爻＞‐､:::::::::::...　　　 　 :::::.　::::::::::./　　 ,′　　　 : : : : ;′ : : : : : : :/: : /:.:.:.;′
爻爻xｿミ={三ミ､爻xr/￣ﾚ‐､ :::...　　　　　 　 ..::: / 　 　 }　　　　: : : : :/: : : : : : : ／: : /: : :/
ヘへ､爻xへへへ三ﾐ＞〈___/ ＞-､::.　 :::::::..　　:::{ 　 　 /　:: 　　: : : :./.: : : : : :／: : ／ : : /
／¨〉ヘ＼＼介介へへへ爻x/7　 ＞-､ 　 :::. .::/＼　 ,′.:　 　 : : : /: : : : :／.: :／: : : :.:/
`x爻x'ｯｯ>ｯ>>､￣}介介介iへへ爻xへ､＞、_／::::::::＞'´　　　.:　.:.:/: : : ／:; : '´: : : : : :/
/ミ/ﾐ/ミ>へ､/ﾐへ二爻￣}介介}ｪｪｪv'}/￣{ヽ:::::::::::{　　:.:.:.　.:: : :./ : ／:／: : : : : : :.:.:/
爻x爻x' /ミ､〉/＼/ /ミｯへ￣￣爻ｼ／:::::::::＼＼::::ﾉ´＼ :.:. .:.:.:.:/: :/: :_}: : : : : : : :.:.:/
爻x爻x爻 x'./' ' / /　/ /' '/＼/ｮ／:::::::::::::::;斗'´　 `ｰ-=ﾐ､:.:.:.:/Ⅹ}厂__: : : : : : : :./
从 从 从x爻x' //二ヽ/' '/　　／:::::::::::::::／　 ＼＿＿_:.:.:.:.:.:.:/Ⅹ/_>:.__二ﾆ=-: :/
爻x爻x爻 从爻x'　　/￣＼／:::::::::::::::／　　　　 　.....:.:.:.:.:.:／:l¨ｋ'´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./
从 从 从　　 从x爻x爻x／:::::::::::::::／..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／::／}ﾉハ:.:.:.:.:.: .:.:.:.:./
　　　　　　　 　 x爻x爻/:::::::::／￣　　　　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.／::／::::// ::::} :.:.:.:..:.:.: ノ
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一緒に暮らしていても、彼女は多くを語らず、新しく何かを知ることもできなかった。
けれど、一つだけ、確かに伝わってきたものがあった。

それは、彼女が普通の女性だということだ。
戦いから少し離れて、こうして一緒に暮らしてみて。
誰もが恐れるランク8。ノルドルムの冷酷な殺し屋。
そう呼ばれた彼女が、こんな風に笑うのだと知ると、段々自分の過去や失態も
忘れることができてしまうくらい、眩しかった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3645： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 22:57:40 ID:1m221qiQ0

　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／ 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　 ／　 ⌒ 　 ⌒　 ＼
　　　　　　　 　 ／　　（●）　（●）　　＼
　 　 　 　 　 　 l　///⌒（__人__）⌒/// ｌ
　　　　　　　 　 ＼　　 　 ｀⌒´　　 　 ／
　　　　　　　 　 ／　　　 　 　 　 　 　 ＼

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こんな日々が、ずっと続くのかと思えた。
ずっと続けばいいとすら、思っていた。

時の流れも忘れて、自分はただ、アルトリアとの日々に夢中になっていった。
世話を焼かれている、というよりも、互いに支え合っているという実感がある
生活が、何よりも自分の乾ききった精神を癒してくれた。

少しずつ、彼女が暮れた平和に、不安と後悔が塗り潰されつつあった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3646： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 22:59:06 ID:1m221qiQ0


― -＿￣― -＿￣― -＿￣― -＿-＿￣￣― -＿￣― ― -＿￣― -＿￣― -＿￣― -＿￣
＿＿―＿＿＿＿＿￣￣￣￣‐―￣￣―‐――　＿＿＿￣￣―――　　＿＿＿――￣￣＿＿＿￣―＝＝
――￣￣＿＿＿￣―＝＝＝━＿＿＿￣―　　――――　　　　＝＝　￣――￣￣＿＿＿￣―＝＝＝━
＿＿―＿＿＿＿＿￣￣￣￣‐―　　　――――　　　　＝＝　￣￣￣ 　――＿――￣＿＿＿￣―
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￣――――　　　　＝＝　￣￣￣￣＿――_━￣￣ 　――＿――￣＿＿＿￣―＝‐― 　 .―＝≡|｢|
　＿＿＿―＝＝＝―＿＿＿　　　――――　　　　＝＝　￣￣￣ 　――＿――￣￣／|　 .／|　　|｣|｣
￣￣―‐――　＿＿＿￣￣―――　　＿＿＿　＝― 　　￣￣＿＿＿￣―＝＝＿＿|　 |＿l　 |＿
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￣＿＿＿￣―＝＝＝━＿＿＿￣― 　＝＝　￣￣￣ 　――＿――＿＿―＿＿＿ |　 |　 |　 |　￣‐―
　 ＿＿＿―＝＝＝―＿―　　　　＝＝　￣￣￣ 　――＿――￣￣―‐――　.―＝≡'´ 　|　 |　　　　　　 ｢|｢|
　 ――――　　　　＝＝　￣￣￣￣￣ 　――　＿＿――_━￣￣ 　――＿――￣ ―ニ三 ∠＿　　 ―＝｣|｣　∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∠／￣￣￣　　 　　　∠ノ

3647： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 23:01:47 ID:1m221qiQ0

　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_　　　　　　　　……？　記憶が途切れたお。
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼　　　　　「そこから先は、現行の二週目のネタバレになってしまいますので……」
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |　　　　あー、そういう……
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼　　　　　「二週目が終わってから、再度しっかりと描写するそうです。>>1が」





　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿
　　　　　　　　　　 　 ／　2　 　 ＼
　　　　　　　　　　 ／⌒　　 ⌒　　 ＼　　　　　　なんか良い感じだったじゃないかお。
　　　　　　　 　 ／（● ）　（● ）　　　ヽ
　 　 　 　 　 　 |　⌒（__人__）⌒　 　 　 |　　　　　……アルトリアさんのこと、幸せにしてやってくれお。
　　　　　　　　　＼ 　 ｀⌒ ´　　　　　／
　　 　 　 　 　 　 /　　　　 　 　 　 　 ＼

3648： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 23:07:04 ID:1m221qiQ0

　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　 ／―　―　＼
　　　　　　／（●） 　（●） ＼
　　　　 ／　 　（__人__） 　 　 ＼　　　　　　　……いや、いいお。やる夫は、元の場所に帰るお。
　 　 　 |　　　　｀ ⌒´　　 　　　|
　 　　 　＼　　　　 　 　　　　／　　　　　　　　一週目「なんでだお。彼女欲しいんじゃなかったのかお？」
　 　 　 　 ／　　　　　　　　　＼
　 　　 　 |　　　・　　　　・ 　 　 ）　　　　　　　　アルトリアさんにしても、誰にしても……彼女らが愛したのは、別のやる夫だお？
.　　　　　|　　|　 　 　 　　 /　 /
　　 　 　 | 　 |　　　　 　 /　 / |　　　　　　　　　おまえらを見て分かったお。やる夫たちは、別人だお。存在としては、同じでも。
　　 　 　 |　　|　　　 　 /　 / 　|
　 　 　 (YYYヾ　　Y　(YYYヽ　|
　　 　　（_＿＿ノ-'-（'＿＿_）_ﾉ





　　　　 　 　＿＿__
　 　 　 　／　　　　＼
.　　 　／　 　 　 　 　 ＼　　　　　　なんか……その時の、二人に幸せになってほしいなって。
.　　／　　　 ―　　 ー　 ＼
　　|　　　　（●） 　（●） 　|　　　　　急に他人のドラマに横入りしたところで、本気になれない気もするし。
.　　＼　　　　（__人__）　 ／
.　　　ノ　　　　｀ ⌒´ 　 ＼　　　　　　やる夫も……元の場所で、新しく友達作ったり、彼女探したりするお。
　／´　 　　　　　　　　　 　ヽ





　　　 ／￣￣￣＼
　　／　　　　　　　 ＼　　　　　幸い、やる夫は一周目のやる夫みたいにボロボロでもないし。
　/　─　　　─　　　 ヽ
　|　（●）　 （●）　　 　|　　　　……大丈夫、これから、なんでもできるさ。
　＼;ﾍﾍﾍ人__.）∩　 ／
.　 ,ヘヽヽヽ __ノ　）　＼




　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 1 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼　
／ 　　 （●） 　（●） ＼　　　　　　DTやる夫……！
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／





　　　　　　　　　　　　　 　　 /（_＿_ﾉ|
　 　　　　　　　　　　 　　／:::ノ::::::::ヽ::＼
　　　　　　　　　　　 　／（ ＞）:::::::（＜）＼ 　　 　 　　 　　　　/∠ノ|　＿l__　 　 ､ i亠┐
　ゝ、　　　　　　 　 ／::::::⌒（__人__）⌒:::::::＼ 　　　 　 　　 ／:::::二）　 ノ|　 |,　　| 　 ノ
＼::::::ｰ- ... ＿　 　 |::::::::::::::::::|r┬-/::::::::::::::::::::| 　＿ _,-一-一'__､_::::-/ ＿l__　／　 ＿l__
　 丶､:::::::::::::::::`..ｰ-..＼::::::::::::::`￣'´:::::::::::::::::／::::::::::::::::: _／´ 　 　￣） 　 ノ|　　＼ 　 ノ|
　　　　　　　　￣ ┐::::::::::::ヾ[l兀l]:::::::::::::::::::::::::::::;;; 一 ´　　　　　　　 ＼　　　 　ソ ﾞ ＿l__
　　　　　　　　　　 |:::＼:::ー-::::::人:::::::::::::/￣￣　　 　　　　　　　　　 　）　┃　｀て 　ノ|
　　　　　 　　　　　l:::::::::::｀:::::ーﾉ　ヽ:::::::/　　　　　　_ｨ＿　　　　　　　ノ　　・　＿l__　＿l__
　　ご　あ　ご　 　 |:::::::ヽ:::::::::） さ （::::/　　　　　 r´, ､､〈ー- ､＿/7　＼　　 　ノ|　 　ノ|
　　 ざ　り　愛　　 |::::::::::::::::::::|　あ　|/　　　lｌ＼/l　l　ヽ ﾍ‐＿__,ヲ)＿ 　)
　　　い　が 読　　l::::::::::::::::::::l　来　l　　　　＼　＼ｗｗY´l_｀二7 /T ´　￣＼／⌒ヽ／￣
　　　 ま　と　　　/::::::::::::::::::::::|　い　|　　　　　｀∨　　　　|l＿_,/ / |
　　　　し　う　　/:::::::::::::::::::::::｜ヤ　|　 　　　 　　l` 　 　 `〈ｰ/ /　,!
　　　　 た　　 /:::::::::::::::::::::::::::｜ル　|　 　　　　 　＼ 　 　　∨ /￣
　　　　　！　/:::::::::::::::::::::::::::::::｜オ　l､　　　　　　　__ゝ,　 　///
　　　　　　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ！/::ヽ　　　　　/　 ｀L__.///
　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ/::::::::l　　　　〈　 ￣|　/// l
　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|　　　　ヽ　　l　l／〈´
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3649： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 23:10:14 ID:1m221qiQ0

　　　┌──────────────────────────────── ──　─
　　　└────────────────────────── ──　─
　　　┌──────────────────── ──　─
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　　　／（ ー） 　（ー）＼　　　　 　 　 　 ._　_　_
　 ／　　　（__人__）　　　＼　　　　　 ／: : : : : : ｀i
　 |　　　　　ー-u'　　　　　|　　　　　i: : : : : : : : : :!
　 ＼ 　　 　 　　　 　 　 ／　　　　　 ､: :○: : ○: :!
　/ ⌒⌒⌒⌒⌒⌒/^）　　　　　　　　i: : : : : : : : : i
//＃＃＃＃＃＃/ /　　　　　　　 　 l: : :,, --_ｯ: :',　　　　　　　すまないね、ここから先ははやてルートの二週目のネタバレにもなって
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丶 ｀‐'´: : : :ﾉ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 / ´: : : : : : : : ｀ヽ　　　　　　しまうんだ。サービスサービス、は二週目が終わってからね。
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /: : : : : : : : : : : : : ヽ　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　, -‐': : ,: : : : : : : : : : : : : :ヽ　　　　きちんとアルトリアでの二週目IFを書かせていただく。
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／: : : ,-ｲ: : : : : : : : /｀丶: : : :､
　　　　　　　　　　　　　　　ｒ⌒ ,／　/: : : : : : : : i　 　i: : : : i　　　　なんだかんだ、はやての陰で一定の人気があったからね。
　　　　　　　　　　　　　　　` ‐ '　　/: : : : : : : : : |　　 ! : : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: : : : , _ -‐ ´,) 　 ｀ ヽ _|
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 (_ _i￣(_　-‐'´i
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　:|`‐´i : : : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: : : : : |: : : : : !

3650：安価のやる夫だお：2021/01/01(金) 23:12:19 ID:ObjN7tHs0
楽しみにしてます

3651： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 23:12:55 ID:1m221qiQ0

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',　　　　　　　　というのも、アルトリアはヒロインということを抜きにしても、
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ　　　　　このお話の中核に食い込んでる人物でね……彼女を深く描写すると、
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ　　　話全体のネタバレになってしまうのだ。許してちょんまげ。
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ





　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|　　　　　　ま、二週目が終わる頃には、大体の情報は開示し終える。
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,　　　　　　その時になったら、存分にアルトリアの心情や背景を描写しよう。
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|　　　　　　……結構本格的なものになりそうだね。小ネタというより、
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,　　　　　　何回か分けて番外編みたいな感じになるかもしれない。
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´

3652： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/01(金) 23:16:04 ID:1m221qiQ0

　　　　　　　 ､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´　　　　　　　長々とやっていたら、もう元旦も終わりそうになってしまったね。
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i
　　　 　/ : : : : : : :┌─┐　　　　　　　強く凛々しく儚い謎のお姉さんのアルトリアは後のお楽しみ。
　　　 　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ
　　　 　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿　　　　　　 今は天然お色気お姉さんのはやてとのリンクスライフを謳歌したまえ。
　　　 　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ
　　　　 と_ : : : : : : ノ : :ノ　　　　　　　　　不穏な雰囲気に負けるなやる夫君。頑張れやる夫君。シーユーアゲイン。
　　　　　　￣￣￣　￣

3653：安価のやる夫だお：2021/01/01(金) 23:29:25 ID:4AKvJk2w0
乙でした

3654：安価のやる夫だお：2021/01/02(土) 00:15:57 ID:M8XizVvc0
乙ー

3655：安価のやる夫だお：2021/01/02(土) 10:46:56 ID:jLVLP.lI0
乙

3656：安価のやる夫だお：2021/01/02(土) 23:21:37 ID:sXHUG7nM0
おつかれさまでしたー
なんだかはやてさんの周りが不穏なのが気になりますが、IFヒロインも楽しみにしてますねー

3657：安価のやる夫だお：2021/01/03(日) 01:49:33 ID:/5RjynJA0
乙でした

3658： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/03(日) 20:00:19 ID:NdLObEMg0

　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

3659：安価のやる夫だお：2021/01/03(日) 20:04:00 ID:.8NKpPNU0
ハロー

3660： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/03(日) 20:06:13 ID:NdLObEMg0

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',　　　　　　　　　　 もうすぐ働く細胞というアニメが始まるんだが、モコイさんはとても楽しみだ。
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ　　　　　　 現実辛いとのほほんとしたアニメしか見たくなくなるよね。
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ　　　　　なにも見たくねェ……やっていこっか。
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

3661： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/03(日) 20:12:31 ID:NdLObEMg0

　　　　　　　　　 /　　 /　　　　　　　　　　　,　　　/　　　　　　　　 ヽ
　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　 /　 　./　 /　　　′
　　　　　 　 　 ′　　 ﾚ{　　i　　′＿_′´′　.,.:ﾞ　　 }　　　　　　　　　Ⅵ
　　　　　　　　　 　 /⌒{　　|　 { 　 ／{ ｀ { ､／ i　 　 ;　　 　 　 　 　 　 Ⅵ
.　　　　 　 　 {i　　 { 7从　 :|: 八 斗午ミ､{/ﾞ 　 |　　/　 ; 　 　 　 　 ‘,.　 Ⅵ
.　　　 　 　　从　 八　 ; 　 :|'ﾞ　 {　ハ刎　'　 　 |　./」_ /i　　　　　　　}ハ }
　 　 　 　 　ﾞ 　 　 / ヽ′　:l.　 　 辷 ッ　 　 　 | /　i /｀i　 　 　 　 　 　 }ﾞ　　　　　　ミッションの内容を説明いたします。
　　　　　 　 　 　 / 　 　 　 .|　　　　　　 　 　 　 泛弐　ﾉ　　　 }　 　.;
　 　 　 /　　　　/　　 ｉ　　　|　　　　　　　 　 　 戈ツ／ 　　　ｧﾞ　;　/　　　　　　　　　今回の任務目標はIGIO保有の採掘施設の制圧――
. 　 　 /　　　　/r‐'7^i|　　　|　　　　　 　 　 '　 　 ／　　　才ﾞ　／{/
　 　 /　　　　/ .|乂___|　　　| 　　　　 ｀　‐　　　　⌒ｧ=≦　{／
. 　 /　　jIﾆﾆ=-ミ　ｉ　|　　　| 　 ､　　　　　　　.｡s 升
　 /　／ニニﾆﾆ‐｀　､|　　　|　　介=-　七　ﾉi　　　|
.　 ｧ'ニニニニニニニ＼ 　 |｀'くr '⌒7__ ／　|　 　 |
　/ニニニニニニニﾆﾆ‐ヽ :|　 ﾉ⌒7ﾞﾆﾆ≧x |　 　 |

　　　┌──────────────────────────────── ──　─
　　　└────────────────────────── ──　─
　　　┌──────────────────── ──　─
　　　└──────────── ──　─
　　　┌──────── ──　─
　　　└── ──　─
　　 　 　 　 　 　 　 ﾉｲ}//////////{///// {///{/////}i///ヽ//////}/////////|/
　　　　　 　 　 　 　 　 }//,{///////'V///　i{///|/////|i///,| V/////,/////////!/
　　 　 　 　 　 　 　 　 j/ﾚﾞ/{/////　 V/{ 　 {///|/////|i///,|　}/////,/////////!/
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 {/{////{≦ミV{x､ .{// :|/////| }//ﾉ　}/////|/////|///,|
　　　　　　　　　　　　　　 /v|////|　　 乂⌒'{N|、!/////_,}//ｚｚj////zi|/////////|
　　　　　　　　　 　 　 　 ﾉ:ヽ|/ﾞﾄ /| 汽^恣ぅｧ-ﾚ　 Ｗ//　ﾉｲ⌒ノイ~^i{''i|//////////
　　　 　 　 　 　 　 　 　 { 乂|/,|　ヽ 　 ￣　　-‐　　}// 　 　 灯恣ぅｧ=-i|///////＾V/
　　　　　　 　 　 　 　 /八 {:.{//,　　 　 　 　 　 　 ノ'′　　　｀^'　￣~^　i|/ }////-:　W/
　　　　　　　 　 　 　 　 /ﾍ.ヽV/ﾐh､ 　 　 　 　 　 l|　　　　　　　　　　　ノ{ ////ヽ 　 }　　　　　　ミッションを説明しよう。
　　　　　　　　　　　　　　/ﾍ　 :{⌒´　　　　　　　 l|　　 　 　 　 　 　 f^_ノ////:.ノ .／
　　　　　　　　 　 　 　 　 /人 ！　　　　　　　　 〈{　　　　　　 　 　 //__彡イ　.ｘく　　　　　　　　　依頼主はアヴィアコルだ。
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /∧　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /'′ 　 /,ノ
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /∧　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　 /　　　　　　　　　　　　　　なんでも、SIの連中が我が社の
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /∧.　　 ｀　ー-- 　 .,_　　 _,，　′　　,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _},心、　 　 　 　 　 　 ￣　　 　 　 ／{__　　　　　　　　　　　　　　　通信インフラ施設を狙って――
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／_∧　 ヽ　　　　　　　　　　 　 　 ／i{ ｣!ﾆ-_
　　　　　　 　 　 　 __ 　 　 ／-=/::∧}i ∧　　　　　　　　　　　イ/ ／::::i{ﾆ=-_
　　　　　　　_ -=ﾆ二ﾆ＞'^-=ﾆ/:::::::∧}i　ヽ..　　　　 　 　 イ　 '／:::::::::::{二ﾆ=-_ﾆ=-_
　　　　_ -=ニ二二／-=ﾆ二二{:::::::::::::ヽ　　 ￣　 二二´　　／:::::::::::::::::::V二ﾆ=-_二ﾆ

3662： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/03(日) 20:18:58 ID:NdLObEMg0

　　　┌──────────────────────────────── ──　─
　　　└────────────────────────── ──　─
　　　┌──────────────────── ──　─
　　　└──────────── ──　─
　　　┌──────── ──　─
　　　└── ──　─
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ○
　　　　　　　　　＿＿＿　　　.//
　　　　　　　 ／ノ||||　ヽ＼　//
　　　　　　／（ ○） 　（○）//
　　　 ：.／:::::＼（__人__）i⌒)､　：
　　　　.|　　　　| |r┬-|./ﾌヽ.｀i　　　　　　　な、なんか、最近出撃頻度高くないですかお……？
　　　　 ＼ 　　 　`ー"//　.ﾉﾉ
　　　　　（　　i　　　 .//　 イ：　　　　　　　　「まあ、マーシフルの損傷頻度も減ったからねえ」
　　　　　 .＼ .＼,.　//　 ／
　　　　　　 |　｀ヽ、 ⌒) |　　　　　　　　　　　それだけじゃなさそうですけど……
　　　 　 ;　:|　　　//''" /;
　　　　　'　 ＼　// 　/ :
　　　 　 ,　:／,.//＼ ＼ .
　　　　　;　し'//　'　:|　|　;
　　　　　　　// 　 　 ⌒
　　　　　　　~





　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　＿_⌒＞:.ミー‐､　＿＿
　　　 　 　 　 ⌒＞―:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀:....、　 ＿
　　　　　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.く⌒:.:.:.ミ ､
　 　 　 　 ／:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　/／/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ.:.:.:.:.:.:.:.ﾊ
. 　 　 　 　 /:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:ｲ:.:.:ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　 　 　 　 /:./:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:|:.:.|:./ |:.:/　 ｌ:.:.:.|:.|:.:.:|:.ｌ:.:|:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　 　 　 ,:.:/:.:.:.:.:j:.:.|:-|‐十十ト |/　　 |十|十‐|-､:|:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i
　　 　 　 |ｲ:.:./:.:.:|:.:.|:.ﾊ|　V 八　 　 　 |ﾊﾉ 八ﾊﾉ:.|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　|:.:.ｌ|:.:.:ﾊ:.:.:.-r竓芹坏　　 　 竓芹抃-|ﾉ:./.:.:j:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　|:.:.||:.:.:| |:.:.:[　 辷ｚリ　　　 　_辷ｚツ　/:/:./:ﾘ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |
　　　　　　ヽ八:. | |:.:.八　 　 　 　 ,　　　　　　 /:/:./:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |　　　　　　　　　確かに、変なくらいに依頼が溢れかえってるんだよねえ。
　　　　　　　　 ヽ|八:.:.:.ゝ 　 　 　 ｀　　 　 　 /ノ:./:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　　　　 ＿　　 　　＼:.:ト　　 　 ｰ一 　 　 ／:.:/イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　　　　　　 でも、メチャクチャにあれこれ取ってるわけじゃないんだ。
　　　　 /ニﾆ=-　__　　V＼:＞　　 　 　 イ /:.:./　 l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　 　,ｲニ7　 ｰ=ニﾆ=　厂/ ￣ ７‐≦zノ/:.:./　　.| :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　　　　　　　　アヴィアコルの依頼なんか、緊急も緊急だったし。
　　／}}:ﾆ7　 ＼　　 辷7　〈　　 /天ヽ　 /:ノ 　 　 | :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　 ′ﾉ'ﾆ7　　　〉　 　 /　　 ヽ／/Ｙ]　∨　〕ﾆ､ 　 .| :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　 ﾚノﾆ7　 　 ∧　　　＼　.／| 〈_//　/　　|-ニニミx__:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　 /ニ7 　 　 /∧　　　 ／.　 |―-.、∧＿_|　　-ニニニヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:|
. /ﾆフ　　　 /::::::::.　 　 ＼ 　 |ニニ/　 ＼　　　　 　／ﾆ=i:.:.:.:.:.:.:.: |
/￣　　　　./:::::/辷､ 　 　 ＼:|ニ=/　　 ／　　　 ／　　 ﾆ|:.:.:.:.:.:.:.:.|

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
その時の出撃は、やけに間隔が短かった。
帰投後のメディカルチェックを手短に済ませてもらい、
さっさと自室に戻って、ベッドへと沈んだあたりで、なのはから電話がかかってきた。

暗い部屋の中で端末の画面を見ているのは目に良くないので、
音声認識で常夜灯をつける。
若干冷えたシーツの感触が心地いい。パイロットシートに縛り付けられていた
身体は軋みに軋み、調子の悪い歯車のようだった。

心身の疲労が凄まじい眠気となり、意識を引きずり込もうとするのを堪え、
ベッドに倒れ伏したままなのはと会話する。

自分でも分かるくらいに声にも疲労が滲んでおり、
なのはは申し訳なさそうに苦笑していた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3663： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/03(日) 20:22:27 ID:NdLObEMg0


　　　　　　　　　, -─‐──‐-､
　 　 　 　 　 ／　 　 　 　 ﾟ　 　 ＼
　　　　 　 ／ ;　　゜　　　　　 °　 ＼
　　　　　 l　　U　　　 　 ;　　 　 　 　 l⌒ '"⌒ ヽ、
　 　 　 　|　　　 　 　 　 u. 　 　;　　　|ｰ　　 　 　 ＼　　　　　　　　あー、アヴィアコルの……というか、子会社のホグニメカニカの
.　　　　　 !　u.　_ノ′ヽ､__　　 ∪ 　 　 　 　 　 ,; 　　＼　,rｰ､
　　　 　 　 ゝ｡(（-‐）　 （ｰ-）)::｡　i'′⌒￣￣`￣￣￣ヾ｀ヽ　ヽ　　製品ですお？　あの通信拠点って。
　 　 　 　（ 　ヽ'"（__人___）"'__ ,ノ ヽ､_＿＿＿"_＿＿,､___ｿﾉ__ﾉ
　　´ ´ `ﾟ~゜´＾" ´~`ﾟ゜｀⌒ ´"´´ﾟ＾ﾟ＾ ~゜ﾟ`´＾ﾞ＾ ＾´'





　　　　　　　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:-――- -　、:＼
.　　　 　 　 　 /:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ、:.:.:＼ .ヘ:ヽ
　　　　 　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:＼:.:.:＼　 ヽ
　　　　　 　 |:|:.＼:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｌ:.:.:.:.|:.:.:.:ｌ:.:ﾊ:.:ヽ:.ヽ:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:＼:.:丶
　　　　　　 .ｉ:|:.ヽ:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.|:.:.:.:.|:.:| ヽ:.:ｉ:.:.ｉ:.:.:|:＼:.:.:.:.:.:ﾍヽ:.ヽ
. 　 　 　 　 |:.:|:.:.ヽ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!:.:._7t:.-十:ｉ　 ｉ:.ｉ|´丁｀i:.:.|:.ヽ:.:.:.:ﾍ丶:.ｉ
　　 　 　 　 l:.ヽ:.:.:|:.:.:.:.:.:.|:.:.:匕:ﾁ |:.≠.ｌ/　　||,ｲう｡,/:.!:|:.:.:ヽ:.:.:.:ｉ　 ヽ
　　 　 　 　 ヽ:.ヽ:.|:.:.:.:.:.メ´:||:.yﾋて个/　 　/ .{::::j."ｉ/|:|:.:.:.|.ｉ:.:.:.:|
　　　　　　　 ヽ:./=ヽ:.|:.:.:i:.:ｉ,ｲ7::::::ﾟ::|　　 　 　 b:y /:.l/:|ｉ:.:.ｉ .|:.:.:|　　　　　　　　そうそう。今の通信業界のシェアは、ホグニメカニカが
　　　　　　　　 ゝ　.个:.::.:ヽ|ヽ らﾂ少　　　　　￣　|:.:ｉ:.|||:.:|　|:.:|
　　　　　　　　　 ＼ .|:.:.:|＼＼. ゝ¨　 　 　 　 、　. |:.:.|:.| |:.|　 |:|　　　　　　　　　ほとんど独占しているからね。それを各企業にレンタル
　　　　　　　　　　　 ヽ:.:.:|　　　　　 　 　 　 　 　 ｲ|:.:|:ﾍ/　 　|
　　　　　　　　　　　　 ヽ:.ヽ.　　　　　　　` ´　／:.:.|:/:.:.ﾍ　　　　　　　　　　　　　してるわけだけど……SIも、レンタルじゃなくて、
　 　 　 　 　 　 　 　 　 丶:.丶＞　、　　　　イ、:.:.:/:.:ヽ:.ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　 ＼ミ　　　 ` ≧´ 　 !＼:.:.:.:.丶:ﾍ　　　　　　　　　　　　自社保有に切り替えたかったんだろうね。
　　　　　　　　　　　　　　　,>.|ヽ　　 ＞＜ 　 /　.ｉ:`＞x.ヽ:ﾍ
　　　　　　　　　　　　 ,､r´:/ | >‐、´　　 　 /　　|::::::::::::::::::::｀ヽ 、　　　　　　　　　それにしては野蛮だったけど。
.　　　　　　 　 　 ,､r´:::::::/　 |/>-<＼ . 　 /　 　 |::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ 、
　　　　　　　,､r´::::::::::::/　　./└t┘　ヽ./　　 　 .ﾄ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ、
　　　　　／::::::::::::::::::/　　／|./ Ⅹ.ヽ　 ヽ　　 ＞┘　＼::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::|

3664： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/03(日) 20:38:43 ID:NdLObEMg0

〃三三三三三三三三三三三三三三三三三三 ｀ヽ
ｌ三三三三三三三三⊂ニニ⊃三三三三三三三三 |
|三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三l|
|三|　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |三|
|三|　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |三|
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|三|　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |三|
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|三|　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |三|
|三|　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |三|
|三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三l|
|三三三三三三三 （ 　 □　　）三三三三三三三三l|
|三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三｣
乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__ ノ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
ホグニメカニカというのは、四大企業であるアヴィアコルグループの子会社だ。
なんでも、国家解体より少し前、我らが地球は通信衛星を失った。

国家解体戦争における作戦段階の一つとして、
通信衛星のハッキングが企業間で行われたものの、
その後の所有権争いがこじれにこじれ、最終的にほとんどが破壊されてしまったという。

結果、今では各地に大型のアンテナのような通信基地が置かれた他、
小型飛行通信子機『スキャルブ』という無人の通信中継UAVにより
インターネットや長距離通信といった通信インフラが確保されている。

加えて、自分が見ている端末もホグニ製だ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3665： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/03(日) 20:45:57 ID:NdLObEMg0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ─　 　─　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　（ー）　 （ー） 　　＼　　　　　　まあ、生命線の一つである通信手段が他社製じゃ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | 　 　 （__人__）　　　 　 |
　 　　　 　　　　　　　　　 　　 ／⌒＼　 　 ｀ ⌒´　j⌒i、／　　　　　　SIも安心できなかったってとこですかお。
　 　　　　　　　　　　　　 　／´　 　　　・　　　　　 /　 /
　 　　　　　　　　　　　 ＿（＿_ l,　　　　　　　．　ﾉ　 ﾉ　　　　　　　　　「そんなとこじゃない？」
　 　　　　　　　　　　 /´＿_＿＿__｀＿＿＿ ＿´__ノ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
おかげでGPSなどといったものは実質死んだままであり、
ほとんどスキャルブに搭載されたカメラにより視認データなどで
地上マップなどを形成している。現代社会においては雲隠れも割と容易だ。

そんなスキャルブに関しては、アヴィアコルの敵対企業内で
陰謀論が囁かれているらしい。
アヴィアコルがその気になれば通信インフラ全てをシャットダウンできるだの、
まあ、そういった類の与太話だ。

SIの作戦発案部がアヴィアコルの通信基地強襲に踏み切ったのも、
そういった与太話を加味した上での行動だったのかもしれない。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3666： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/03(日) 20:56:53 ID:NdLObEMg0


|: ::!: : l : ::| : : : : : | : : : ::l　|:l　.| : : : : / ://　.|: : : l : l: : : :,! : : : : : : : :l: : l : : : : ∧: :|
| :,'|: : l : :.| ::_..-‐!:l''::￣/｀ ト　l|:: : : :/ /:/ 　 | : : ,!: :.!: : :./ : : : : : : : :l: : :l: : : : : :∧ |
|::l |: : :! : :l:´ :| l :l !: :::/　　!|　!ｌ : : :/:/:７￣｀ト: ./| : l: : :/: : : : : : :|: :.! : : ﾄ､: : : : :∧|
| ! |: : :| : ::!:::::! .|:! |: :,′　 | / ,! : :////　　 .,! :/｀ﾄ:,'|: :/!: : : :/ : : ｌ: :|: : :∧:＼: : : ∧
!l　l: : :| : : !: ||.　| .|/ －-.、　/:;／//'　　　/'l/　 l:/.!ヽ:,!: : :/ : : :/.: :l: : : :∧: :.＼: :.∧
l'　.l: : :|: : :| :||. _=土三ﾆ:::.、/ ' ／ 　 , ‐-/　 　 /' .|//: : :/ : : :/!: : ﾊ: : : :.∧: : : ヽ: :ﾊ
　　|: : |､: ::ﾄ:!、´　￣￣｀丶　　　　 　 ´ﾆ≡::.､./　 /./ : /: : : :/ .l: ::!: :∨ : :.ﾊ: : : : :|ヾ:}
　　 ﾞ! :| ﾞ､ :l.|＼　　　　　　　　　　　　 ￣｀ﾞ丶ﾐヽ、 /: :/: : : ::/　 !:/! : : ∨: : :!: : : : !　}'　　　ま、お偉方の考えることだし。
　　　lﾞ:| : :ﾞ､l|　｀｀｀　　　　　　　　　　　　　　　　｀`/,.ｲ : : : :/　 //:|: : : : ∨: :|: : : : |
　　　| : : : : :|、　　　　　　　 　 ,:　　　　　　　｀｀ ／ /／: :, ':!　//: |!: : : : :.∨:|: : : : |　　　　　私たち雇われの傭兵は気にしない、気にしない。
　　　.!: : : : :.| ヽ　　　　　　 _　　　　　　　　　　　, ／/: ／:/ ./ .|: :l|: : : : : : }/: : : : .!
　　　.|: : : : ∧　 ＼　 　 　 ヽ｀＞　 　 　 　 　 , '￣/／: :./ ./　.|: :l|: : : : : :/': : : : : |　　　　　 時代と社会が敵を選ぶ。
　　　.∨: !: :从　　 l＼　　　　　　　　 　 　 _／　／!: : : :/　　　 |: :!|: : : : : : : : : : : :.!
　　　　∨:ﾄ､{　 　 _|　 ＼　　　　　　_.. ‐ '"　　　 /: : : :/　　　　.|: |.|: : : : : : : : : : : :.!　　　　　　私たちは選ばれた敵を撃つだけ。
　　　　　ヾ ｀＼ .∧　 　 丶... -‐ "´ .|_ 　 　　.／イ;ｲ/　　 　 　 !: ! !: : : : : : : : : : : :|
　　　　　　　　　/　ﾞ、　　　　　　　 ,/ .|　　　　　 /'　'　　　　　　|: | |: : : : : : : : : : : :.!





　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼／￣＼
　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣￣｀.　 ＼ 　　 ＼
　　　　　　 　 　 　 /　　　　　　　　　　 、　 　　、　　　　　ふあ……ろくでもない匂いはしますけど。
　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　i　　　　 l
　　　 　 　 ＿／ 、　　,ｲ　　　　　　　　　　　　/　　　　　　「まあね。それじゃ、おやすみなさい」
　　 　 　 （ 　 　 ）_／＿＿＿＿＿＿ノ＿＿ノ
　　　　　　￣￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　おやすみなさーい。

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
企業は戦争ばかりにかまけているろくでなし組織に見えるが、
いや、確かにそれも真実ではあるのだが、立派に世界を運営してもいるのだ。

この部屋の家具から、自分の着ている服、食事に至るまで、
どこかしらの企業群が用意したものなのだ。

電子レンジや冷蔵庫はSIグループのものだし、服はIGIO系列の会社の店で買った。
ここはオルデンブルク管理下の基地ということもあって、
食堂のメニューは結構おいしい。SIグループだとやけに大味だったりする。
企業連に見捨てられ、消費される命もある中で、企業連があるからこそ
寝床や食事に困らないという側面もある。

自分は企業連に対してドライな目を向けてはいるが、そこは否定できない。
こういったところは、国家解体前も変わらなかったのではないか、という気もした。
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3667： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/03(日) 20:57:16 ID:NdLObEMg0

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3668： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/03(日) 21:12:20 ID:NdLObEMg0

　 /:::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::{､::::::::::ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
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　　 ！:::::::::::::::∧:{ {:{　　￣＼:::::::::.　 彡^⌒¨ヾ｀ 　 ＼:|/:::::.＼::.
.　　！:::::}::::::::{　∨ }ｘ=≠ミ　 ＼::::::.　 　　 　"" 　:}　 丶:::::::.　｀
　　！::::::}::::::::| ',　 〃　　　　　　}＼::{　 　 　 　 　 ′ /ﾊ{＼::.
.　　 |::::/.{::::::::! ∧　 ""　　 　 　i{ 　 　 　 　 　 　 r‐'::::{　 　 ヽ　　　　　　　いやーはっはっはっは！
.　　 |:/　.}/Ⅵ ､ ∧　　　　　　　{i:.　　 　 　 　 　 爪ニニ､ﾆ=‐-_
. 　　 ′　　　／マ.ﾑ　 　 　 v 　 -‐=ﾆニ}　 　 //ニニﾆﾑニニﾆ　　　　　　わりいな二人とも、全然連絡できなくってよー！
　　　　　_-‐=ﾆﾆ7ニ込 　 　 ∨　 　 　　ﾉ　　 ｲ ニニニﾆﾑニニﾆ
　　_-‐=ﾆﾆニニ{iﾆﾆﾑ个 　 　 `ー　　　　／ ./ニ}/ニニﾆムニニ　　　　　　ひっさしぶりぃ！
-=ﾆニニニニニ{i.ニニ.＼　 ＼　　￣´ ／　 /ニ./ニニニニ.}ニニ
ニニニニニニニ∨ニニﾆ＼ 　 　 -=彡　／ﾆﾆ/ニニニﾆ=-　ニニ
ニニニニニニﾆﾆ.∨ニニﾆﾆ＼　　　　／ニニニニニニﾆ=-　ニニ





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_}、　　｀ヽ､＿
　､. 　 　 　 　 ｀Ｌ
　＿ｒ―　‐- ､ｒ-､｀ヽ.
　ｒ'´ ｀ヽ、 ,／｀|　｀ヽ!
￣￣￣￣￣￣!
　￣｀ｰ―'＾ｒ‐イ　　　　　　　　　くっそ元気そうだな。
　　　　　　 ,ゝ |
　＿＿　　＞ ﾉ
　＿＿｀ヽ,／
　　 |　 ｀　ヽ
　　/　　　 /
　/　　 　/
　　　　./ |
　　　 /　 !
　　 ./　　|
　　 〉　　ゝ　　　　　　 　 ＿＿＿
　　 ＼　 ヽ　　　　 　 .／ 　 　　　＼
　　　　ヽ、 ｌ　　　　.／ 　　⌒ 　　⌒＼
　＼　 ／　 | 　 . ／　　　（ ●）　（ ●）＼　　　　　そりゃそうでしょうお。
　　 ｀´　　　|　　 | 　 　 　⌒（__人__）⌒　|
　　　　 ＿__|　　 .＼　　　　　｀ ⌒´ 　 ／
ーｒ一'´　ヽ　　 ./⌒　　　　　　　　 　 ヽ
　 ヽ　　　 ヽ　...| 　 ヽ＿＿　　　　　＿　',
　　 ヽ　　　ヽ　..:､＿　 　　　） 　（￣ ＿丿
　　　 「￣￣|　 .| 　 ／ ￣｀ｉ　　／￣ 　｀ｉ
　　　 | 　 　 |　 .|　　　　　　| 　 　 , 　　　|
　　　 | 　 　 | . ∧　|　　 　 |＿_／ 　 　 /
　　　 |　　ー〉､__ ｀ーヽ ＿ | 　 | 　＿／
　　　 |＿＿＿＿i　　（＿＿） 　､＿＿）
　　　 ￣　￣￣

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翌日の昼過ぎ。
今日はクーガーと非番が重なったので、二人で昼飯にピラフを掻き込んだ後、
シミュレータールームで1on1の時間といこうとしたときだった。

久しぶりにカズキからの連絡が入ったのだ。
無機質なシミュレータールームにずらりと設置された、
コックピットブロックのレプリカの一つ、その上にPDAを置いて通話を開始すると、
画面に満面のカズキの姿が映し出された。

後ろにはテディベアなどが散りばめられた、可愛らしいカーテンが引かれている。
やはりというべきか、自宅からの通話だった。
久しぶりに聞くカズキの声は、普段とは別の活気に満ち溢れていた。
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3669： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/03(日) 21:25:13 ID:NdLObEMg0

　　　　　　　　　 ＿＿
　　　　　　　　　 V, :::::::::::::￣”三二ニ＝…‐一
　　　　　　　　　　V, :::::::::::::::::::::::::::::ー=≦
　　　　　　　 _______V, :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::......
　　　　 　 　 V, :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::≧=ー
　　　　　　　　V, ::::::::::::::::::::::::::::::::::V, ::::::::::::::::::: く
　　　　　　　 / V, ::::::::::::::::::::::::::::::::::V, ::::::::::::::::::::::＼
　　　　　 　 i{::::: V, :::抖rｾ〔:::::::::|:::::::V, :::::::::::::::::::::::: ＼　　　　　　いや、何の連絡かっていうとな？
　　　　　　 八|::::::V, ::芹テﾐx::::: |:::::::: V, ::::::::::::::::::::::::___＼
　　　　　　 　 |::∧;V,:| ﾋﾘ　 〉 :: |ヾ ::::: ｉ､:::::::::::: |:::::::{　　　　　　　　……式、挙げようかなって、斗貴子さん……彼女と話しててさ。
　　　　　　 　 l/／　 :!　　　　V,:|　}ﾊ::::|ﾉ :::::::::: ﾄ､::::{
　　　　　　　 　 ヽ　　{ 　 　 　 vl　八V|::::::: | ::: |　ヾ{　　　　　　　　二人とも、空けられる日とかないかなって。
　　　　　　　　　　ゝ‐－'　 　 　 }/: : |:ﾘ:::::::::ﾄ､:::|
　　　　　　　　　　　}　　　 . . : : : : : ::l∧:::::: |　ヾ　　　　　　　　　　 「ぶっ……し、式かお。ていうか、まだ籍入れてなかったのかお？」
　　　　　　　　　　　ゝ=≦: : : : :｢三二ﾆﾊ从l］
　　　　　　　　　　　／ 　 ヽ: : .:|三二ﾆ=―　|_　　　　　　　　　　　　まあ、気持ちの問題でな……挙げてからということになりまして。
　　　　　　　　　　 入_／ﾆｱ : : !三二ﾆ=―=ﾆﾊ___
　　　　　　　 r≦三三}ﾆア___ ノ 三三二ニ＝―=ﾆ二≧x
　　　　　　　 |三三／ﾆ7　　|三三二二ニﾆ＝―=ﾆ二二 ＼





　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　　 　 　　＼
／ 　　　　　　　　　　＼　　　　　　やる夫は独立傭兵だから、割と融通利くけど……でも、やる夫たちの都合で決めるのかお？
|　 　　　＼　　 ,＿　　 |
/　　ｕ　 ∩ノ ⊃―）／　　　　　　　「やる夫たちくらいしか誘う相手もいないのさ。彼女も孤児だし」
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　……そうかお。まあ、見繕っておくお。
　　＼ ／＿＿＿ ／





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨ, -──-　､＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.ｲ::.､::.::.:.＿＿::.::.::.::.::.::｀ｰ＝ｧ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　, .:::´.::_二」'"´＿,ｨ/￣￣｀ー─イ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∠　'"´ f=く､ｰ' rｯ ｧヾ￣￣￣｀::フ
　　　　　　　　　　　　　 　 ／ 　 　 　 |広ﾉ 　 ￣ 　7::.:::r ､::.::.(
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 l　ヽ　　　 、/:.::.ｲﾆl}::(⌒　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ - 　 ￣　￣r=イ:::.:彡´　　　　　　　　　　んー、迅速な連絡、グッドだ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _'.　￣　　　 ﾉ彡/￣｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 ヽ＿　　 ´ r /　　　 /　　　　　　　　　　俺も後でスケジュールを確認しておこう。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　 ﾊ、l　　 / /　　 　 {
　　　　　　　　　　　　　　 -──--､＿_rﾍ　 ﾍ ヽ　{　ﾉ　　　　 Ｌ　＿_　　　　　　　 なに、俺にかかれば時間なんていくらでもできるぜ。
　　　　　 　 　 　 　 ／:::::,　 -──‐ヽ、　 ＼　ヾ─ｧ′　　 ／　　　　 ＞　　 、
　　 　 　 　 　 　 ／::::／:: :: :: :: :: :: :: :: ＼　　＼ ｀「 r　　　　　　　　∠__::::::::::::::　　　なんせ俺はグッドスピードだからなァー。
　 　 　 　 　 　 /::::／:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :>､＿_,ノ　}　　　　　_. :: ´ :: :: :: ｀丶、
　　　　　　　　 l::::〈:: :: :: l :: :: :: :: :: :: :: :: :/　　／ 　 l　　　 ＜ :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::
　 　 　 　 　 　 ＼:ヽ:: :: |:: :: :: :: :: :: ::r‐'´　／ 　 　 | 　 　 　 ｀丶、 :: :: :: :: :: :: ::
　　　　　　　 　 　 ＼＼:ヽ:: :: :: :: :／　 　/　　　　　|　　　　　　　　丶、:: :: :: :: ::
　　　　　　　 　 　 　 l::〈:: :＼:: ::Y── ｧ′　　　　｜─────‐‐┤:: :: :: ::/
　　　　　　　　　　 　 ヽ:ヽ:: :: ＼{○　 /　 _　　 ´￣　　　　　　　 　 ○l:: :: :: ::/::

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二人して小さな画面をのぞき込みながら、弾けるような笑顔を浮かべる
カズキを眺める。

ここにいる誰もが、身内と呼べる身内もいない。
そして食い扶持にしている稼業も、中々に因果なものだ。
そんな男たちが、顔を突き合わせて、このような話題を口にしているのは、
不思議な感覚だった。

幸福な違和感とでも言えばいいだろうか。
どこの作戦をこなしてきただの、あの企業が変な動きを見せているだの、
そんな話ばかりの傭兵たちの間に、優しく明るい話題が躍っている。

なんだか気味が良いような気もした。
幾ら企業連が美化しているとはいえ、やっていることは戦争屋だ。
基本的に白い目で見られることはないとはいえ、
たまに、そういった目があるというのも知っている。

そんな自分たちが、こんな話をしていると思うと、
不思議と胸が空く思いだった。
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3670： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/03(日) 21:31:41 ID:NdLObEMg0

　　　　　　　　　　　　　　..∠::＞ ´
　　　　　　　　 -＜　く:::::::::::≪＝＝=-
　　　　　　　　　 ＞::∧::::::::::::::::::::＜´
　　　　　　　-≪::::〉:￣::::::::::::::::::::::::::::＞ 、
　　　　　　´￣￣/::ﾍ:::::::V＼V＼::::::::弋¨｀
　　　　　　　　　/|::/|〉:::::ΝΝ:::::::::::::::::∧
　　 　 　 　 　 /７ｲ拆V:::!≦ﾆV寸:::::＜∧
　　　　　　　　　Ⅴ,｀¨ﾉⅤ 拆_ i| |V:):ﾊ　｀'
　　　　　　　　　 '　、.ゝ　　　　 ノﾝN 寸　　　　　　……やっぱ、変かな。
　　　　　　　　　　 　 、⊂　 ／　Ν
　　　　　　　　　　　　 >-＜　　　乂　　　　　　　　　「なにがだよ」
　　　　　　　　　　＜く　ヽ　　　　_ -￣ヽ
　　　　　　　 ＜　 |　＞ ー一 ´　　　　　＼　　　　　俺たちみたいな稼業の奴が、こういう風に浮かれるのって。
　　　　　γ´　　 i　　 //￣￣ ／ /　 |　 _ .＼
　　　　　,'　ｲ|　　!　 //　　 // 　 ′　',　| |　　ヽ
　　　　　|　 |」　 ,　　　　 　 / ＿＿_　　, | |　　　|
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　　　　　|　　;　,;　　　;　　　　|∩ 　 |　　 ｆ　　　｜
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　　　　　|　　l　;;　　 ,　　　　｜ﾉ￣┤　　|　　＿.|





　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ヽﾄ,
　　　　　　 ｀'ｰ-､..::::...:':､..､.　　　　　ﾚ1　 ______
　　 ^''ｰ-､　　　　｀'ｰ|`''ｰ-､;_`ヽ:.. -‐''",. -‐''"｀
　　　　　　｀'''ｰ-､,_:::::{　　　　 ｀ﾞ''ーr､￣＼
　　　　 i　　　:::::::;;;＞′_,.へ. 　 　　{ ＼　 ｀､
　　r'⌒'|　　 ::i"´　　　￣｀''ｰヽ､j ﾚ'′　＼　｀､
　　| i´ヽ|　　::|　　　　 `､￣ﾟ`　　(ｿ 　 　　.＼. `､　　　　　あのなぁ、カズキ。おまえは一つの決心をしたわけだろ？
　　ヽヽ^'l.　　::|　　　　　 ￣ 　 　 ｀i　　　　　 ＼ ',
ｰ-＜｀ﾌ''ヽ.　 :|　　　　　　　　　　　l　 　 　 　 　ヽi　　　　　そんな、変だとか、おかしいだとか、そういうのは……
　　　￣｀''''ヽ､:;|　　　　　　　　　ｰ-′　　　　　　　l
　　　　　　　　　￣｀7 　 　,.. ‐''"j＼
　　　　　　　　　　 /､　　　　　　{: 　ヽ
　　　　　　　　　　/　｀＞､ 　 　 {　／
　 　 　 　 　　　 /　／l 　 ｀''ｰ‐'／

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そして、その想いは、どうやらカズキも似たようなものを抱いていたらしい。
彼は一転して表情を陰らせ、自信がなさそうに言った。

それに対し、隣のクーガーが諭そうとしたところで、
通話越しにカーテンが揺れるのが見えた。

カズキの背後で、白く細い腕が、カーテンを捲っていた。
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3671： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/03(日) 21:40:26 ID:NdLObEMg0

　　　　　　　 ./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　/.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..,
　　　　　　 .'.:::::::::::::::::::ｌ::::::::::::::::::::::::::::::::ｉ::::::::::ｌ::::i:::::::::::::::.
　　　　　　 i:::::::::::::::::::::l:::::::::::::l::::|:::::ｌ:::::::l::l:::::::ｌ::::l::: |::::ｌ:::ﾊ
　　　　　　 l:::::::::::::::::::::l:::::::::::::ｌ::;ﾊ:::ﾊ ::::l::l:::::∧∧::ﾊ::j/::::i
　　　　　　 l::l::::::::::::::::::l:::::::::::::ﾄﾋ弋!才/l/!::/ ≦ﾆy/!ハ ::l　　　　　　……お初にお目にかかる。君達がカズキの友達か。
　　　　　　 l::l!:::::::::::::::::l:::::::::::::ｌ佗て!｀ヽ　ﾚ　 けj 'ﾊ ::::::Ⅵ
　　　　　　 l::ｌ!:::::::::::::::::l:::::::::::::l 乂ﾝ__　　,,. ={､¨´ l::i:::::::::::!　　　　　　「あっ、斗貴子さん。ええと」
　　　　　　 Иヘ :::::::::::l :::::::::::l　 _,,.. -‐"　 　〉ﾞ ‐ﾊl::::::::::′　
　　　　　　　　　 ｀　､.:::l::::::::::::|　　　 　 　 　 　 ,ｲ :l:::::::/　　　　　　　　カズキの、まあ、婚約者というものだ。
　　　　　　　　　　　 　 ､ :::::::::|　　　　　　ｰ　∠.::::.' :::/
　　　　　　　　　　　　/　ヽ::::::|＞ ..　　　　／　 ｀ﾒ.:::/　　　　　　　　　　サングラスの方がクーガーさんで、もう片方がやる夫君、だな？
　　　　　　　　　　 i´￣｀　ﾐ､::|　　 /｀ ｰ "　　　/:／
　　　　　　　　　　/　　　　　ヾ､　 {､　 　 　 　 ／
　　　　　　 　 　 /　　　　　　　 ヽ !_ソ´ﾊ
　 　 　 　 　 　 /　　　　　　 　 　 ＼ ./ノ:.
　　　　　　　　/　 　 　 　 　 　 　 　 ＼ xﾍ





　　　　 　 ／ ￣￣ ＼
　 　 　 ／ノ　　ヽ__ 　 ＼
　 　 ／（―） 　（― ） 　 ＼　　　　　　あっ、はいっ。
　 　 |.　　（_人＿）　　　u　|
　　　＼ 　 ｀⌒ ´　　 　 ,／　　　　　　「はは、そう畏まらないでもいい」
　　 　 / 　　　　　　　　ヽ
.　 　 /　l　　　,/　 /　　 i
　 　 (＿) 　　(__ ノ 　 　 l
　 　 ／　　／　　　___ ,ノ
　 　 !､＿__!､＿_＿＿_つ

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現れたのは、ベージュのニットの服を着た、ショートカットの女性だった。
二人とも上半身しか映っていないので、若い男女が二人で、
机に身を乗り出しているような格好になっていた。

目鼻立ちも通っており、凛々しい風貌の女性だった。
カズキ曰く年上の恋人だと言っていたが、なるほどその通りといった雰囲気だ。
落ち着いているし、肝が据わっていそうだ。
鼻頭に線を引くような傷があったが、それについては触れないでおいた。
別段、大して気にもならなかったこともあるが。

「未来の夫が世話になっている。今は私が独り占めしているが、
そのうちそっちにも顔を出させる。その時は、また仲良くしてやってほしい」

カズキの婚約者はぺこりと頭を下げると、静かに目を細めた。
少女と言っても通りそうな出で立ちであるのに、その眼差しには芯の強さが見えた。
ただ芯が強いというものではない。何か、どっしりとしたものだ。

これから母になる女性だから、だろうか。
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3672： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/03(日) 21:41:15 ID:NdLObEMg0

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　　　　　　　　　　　　 }::::::::::::::::::::::::::::::::.:.....
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　　　　　　　　　　_}/:/斗匕::::::::::::::::::::::::＼
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　　　　　　　　r'’‐‐‐,′ ´　.}::::::,､::::::{￣｀
　　　　　　　 / ヽ}￣_}__　-‐=ﾆﾆ{＼:{
.　　　　　　 /　ﾏ/__}ﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ{
　 　 　 　 /＼/}ﾆ}ﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ{
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　　　　 /ﾆﾆﾆ.／ヽﾆﾆﾆ ',ﾆﾆﾆニ}
　　　 /}ﾆﾆﾆ/ ＼　＼ﾆﾆ}ﾆﾆﾆニ}
　　 /{ {ヽﾆ./＼ /＼　',ﾆi}ﾆﾆﾆニ}





　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／ 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　 ／　 ⌒ 　 ⌒　 ＼　　　　　カズキ。
　　　　　　　 　 ／　　（●）　（●）　　＼
　 　 　 　 　 　 l　 　 ⌒（__人__）⌒　 　 ｌ　　　　「おう？」
　　　　　　　 　 ＼　　 　 ｀⌒´　　 　 ／
　　　　　　　 　 ／　　　 　 　 　 　 　 ＼

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それを見て、確かに思った。
そして、それを伝えねばならないと、思った時には口に出していた。
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3673： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/03(日) 21:43:45 ID:NdLObEMg0

　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼　　　　　　おまえが、やる夫に証明してみせてくれお。
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／　　　　　　 どんな身の上でも、笑って生きられるんだって。
　　　　　　　　　／_∩　 　ー‐　　　　＼
　　　　　　　　（＿__＿）　　　　　　　|、　＼　　　　　生きてもいいんだって。
　　　　　　　　　 　|　　　　　　　　　 |/　 ／
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　⊂　／　　　　　　　だから、心配しなくていいお。なんか言う奴らがいたら、
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　し'
　　　　　　　　　　　＼ 　　､／　　／　　　　　　　　　 やる夫が後でそいつらの財布スって、トイレに流してやるお。
　　　　　　　　　　　 　＼／　　／
　　　　　　　　　　　＿／　　／｀`l
　　　　　　　　　　（＿_＿_／（＿/





　 /:::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::{､::::::::::ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
. /::::::::::::::::::::::::::::::::::::{＼:::::::::::::::::{＼＼:::::.斗:::::::::::::::::::::::}::::::::::.´
/／　}::::::::::::::::::::::::ﾊ:{___.＼:::::::::::::.　／＼{____＼::{＼:::::::|´}::､::::.
　　 ！:::::::::::::::∧:{ {:{　　￣＼:::::::::.　 彡^⌒¨ヾ｀ 　 ＼:|/:::::.＼::.
.　　！:::::}::::::::{　∨ }ｘ=≠ミ　 ＼::::::.　 　　 　"" 　:}　 丶:::::::.　｀
　　！::::::}::::::::| ',　 〃　　　　　　}＼::{　 　 　 　 　 ′ /ﾊ{＼::.　　　　　　……なんだ、それ。
.　　 |::::/.{::::::::! ∧　 ""　　 　 　i{ 　 　 　 　 　 　 r‐'::::{　 　 ヽ
.　　 |:/　.}/Ⅵ ､ ∧　　　　　　　{i:.　　 　 　 　 　 爪ニニ､ﾆ=‐-_
. 　　 ′　　　／マ.ﾑ　 　 　 v 　 -‐=ﾆニ}　 　 //ニニﾆﾑニニﾆ
　　　　　_-‐=ﾆﾆ7ニ込 　 　 ∨　 　 　　ﾉ　　 ｲ ニニニﾆﾑニニﾆ
　　_-‐=ﾆﾆニニ{iﾆﾆﾑ个 　 　 `ー　　　　／ ./ニ}/ニニﾆムニニ
-=ﾆニニニニニ{i.ニニ.＼　 ＼　　￣´ ／　 /ニ./ニニニニ.}ニニ
ニニニニニニニ∨ニニﾆ＼ 　 　 -=彡　／ﾆﾆ/ニニニﾆ=-　ニニ
ニニニニニニﾆﾆ.∨ニニﾆﾆ＼　　　　／ニニニニニニﾆ=-　ニニ

3674： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/03(日) 21:48:25 ID:NdLObEMg0

　　　　　　　　　　　　....:::::::::/＿＿＿_
　　　　　　　　　　 く_::::::::::::::::::::::::::::／
　　　　　　　　　　 <::::::::::::::::::::::::::::::::丶
　　　　　　　　　／:::＼:::::＼::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　 ′}::::::ﾊ::ﾄ､::{ヽﾆ::::::::::::::＼´　　　　　　　ま、俺も、色々落ち着いたら傭兵稼業に戻るからよ。
　　　　　　　　 　 }:/::{ｘ=ﾐ ＼^⌒＼{::＼⌒
　 　 　 　 　 　 　´ }:ﾊ 　 l　　　　 ﾊ:{⌒　　　　　　　　　稼がねえとならねえからなあ。
　　　　　　　　　 　 　込　 ｖ　ﾌ　 　／',
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＞　イ ／::::::::＼　　　　　　　　実はオルデンブルクからスポンサー契約の話が来ててよ、それ、受けるつもりだ。
　　　　　 　 　 　 　 　 　 r'’ .r‐'::::::／:::::::::＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 〉: : 〉::^´:::::::::::::::::::::＼　　　　　そんときになったら、よろしくな。
　　　　　 　 　 　 　 　 r'´: :r'^:::::::::::::::::::::::／::::::::ヽ
　　　　　　　　 　 　 　 ∨: :|:::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::!　　　　「おう、式で会おうぜ」
　　　　　　　　　　　　　ｌ:V :|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　 　 ｌ:::｝ |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|　　　　ああ、クーガーさん。二人とも元気でな。
　　　　　　　　 　 　 　 ｌ::::Ⅵ::::::::::::::::::::::', :::::::::::::::::|__
　　　 　 　 　 　 　 　 /:::::::::|:::::::::::::::::::::/} :::::::::::::::／',
.　　　　　　　　　　　r'::::::::::/:::::::::::::::::::::{￣￣￣´　　{





　 　 　 　 　　　＿＿＿_
　 　 　 　　　／⌒　　⌒＼　　　　　　ﾌﾟﾂｯ　ﾂｰﾂｰﾂｰ
　 　 　　　／（ ―） 　（―）＼
　 　 　 ／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼　　　　　……
　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　 |
＿＿（　⌒-ｨ⌒ヽ、 　 /⌒` '⌒　）＿＿
　　　　 `ー-ゝィｿﾉー‐ヾy＿ﾉー"





　　　　　　　　　　　 　 　 |､/!　l､l､j,:/:l　,　.::　'"　"´..::　 '"´　　　　.......:::::_,,
　　　　　　　　　　　　　　 l '::|　ヽヽ/::／:::::::-‐''":::::::::::::::::::::::::::::::_,,. -‐''"´ _
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　　　ﾉ:::::::::r―'''"´／ 　 ,-‐'''7‐-‐'　　　 _,,.ィ-‐''"￣　　　　　 　 /　　　 |::
　 ／:::::::::::|　　 ／ 　 ／'"´＼`''--r-‐＜　 l　　　　　　　　 　 ／　 　 　 l:::
　 !::::::::::::ノ　　.| r''"´　　　,､ 入.フ｜　　 ､/　　　　　　　　 ／　　　　　 /:::
　 〉:::::::〈　　　 |　　　-‐''´￣　 ﾍ　｜　　 /　　　　　　　　　　　 　 　 ／::::::
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/::::::::::/　　　　|　　　　　　　 　 ／/｜ /　／　　　　　　　　 ,. -‐'´￣｀ヽ､:::

3675： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/03(日) 21:56:57 ID:NdLObEMg0

　　　 　 V ` ー-ﾉ _＿ 　 　 　 ヽ.　 |　 　 　　 /..-…イﾚ'
　　　　　 |　　　/∠.._ 　ヽ　 ヽ.　|　 |　,. -─ ､ヽ 　　　/
　　　　 　ﾄ､　　|　　,　二ヽ＼_ ,! | 　ﾚ ,.-_―_¨　|　　 /､
　　　 　 /ﾊ. 　 | 　 l　 　o`ヽ_ノ. |　 ﾚ' ´｡　　〉　| 　 ,ﾑ.|
　　　　　{ rﾊ　 | 　 `ー─_ .'イ'　|　 ﾄ_ー─ '　　, 　/7/
　　　　　 ＼ !　|　　　　　　!::::!　 |　/　　　　　　i　/ ﾝ　　　　　　　　オメーも人のこと言えねえだろうがァ！
　 　　 　　 ∧ﾊ|. 　 　 　 　`　　 j/　　 　　　　 ,..ｲイ
　　　　　　ﾊ:::`|　　 　　　　　`　　´　　　　　　ｲ::::ﾉ|　　　　　　　　　「ひえっ！？　急に大声出さないでほしいお！？」
　　　 　 　|　Vハ　　 　 /_二二二二ヽ　　 　 /／ 7
　　　　　 ハ　＼ ＼.　　|::::::＿　＿::::`|　 　 ,. ' 　/!　　　　　　　　　　はやてだよ、八神はやて！　何にもアクション起こしてねえんだろ！？
　　　　／　 ヽ　 ＼.ﾊ　 |V　　　　　 V　 ／　　 /　＼
　　 ／　 　 　 !　　 ＼　| !　　　　　'/　/　　 　/'　　　＼　　　　　　　いいかやる夫！　俺ぁこう思うんだよ！　
. ／　　　　　 　　　　　'i ヾ. -----'/　/　　　 ,　 　　 　　`　.
　　　　　　　　　　　　　|　 ｀ 二二´　' 　　　　　　 　 　 　 　 ヽ　　　　下手な鉄砲でも撃たなきゃ当たんねえと！
　　　　　　　　　　　　　| ゝ───'7　　　　　　 　 　 　　　　 　＼
　　　　　　　　　　　　　| 　　 　　 /　　　 　　 　　 　 　 　　 　　 　＼





　　　　　　　　　　　　　　　　　 　,､ﾊ,
　　　　　　　　　　　　　　　 　　 ﾉ .::::v!
　　　　　　　　　　　　　　　　　l　.:::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　r ‐- ‐'7
　　　　　　　　　　　　　　r 　´ ￣　￣ ヽ　　　　　　　　世の中ブーたれる奴はいるさあー大勢いる！　色んなことをブーたれまくる！
　 　 　 　 　 　 　　　 　/　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　 　　/:::　　　ト ._＿ イ ⌒j　　　　　 　けどなあそういう奴の大半は何もしねえ奴らだ何もせず文句だけだ
　　　　　　　　　　　　 7⌒ T´￣ :::::::::/::::::|'
　　　　 　　 　 　　 　/ 　イ:::::::::::::::::::::ﾚ':::::|　　　　　　 　やってから失敗して文句垂れるならいいさしょうがねえそんなこともある
　　　　　　　　　　　　ヽ.:::::|::::::::::::::::::::::|:::::::|
　　　　　　　　 　 　　　 `ｰ!:::::::::::::::::::::ヽ ::ﾉ　　　　　　　　人生は確かに運だ巡り合わせだ努力が実を結ばないことも多々ある
　　　　　　　　　　　　　 　 !ハ　∧　 　ノ＼
　　　　　　　　　　　 　 　　!　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　幾らギャグの練習をしたところで一切ウケないこともある
　　　　　　　　　　　　 　 　!　　　　　　　　　:.:.:＼
　　　　　　　 　 　　　　　　!　　　　　　　　　＼ :.:.＼　　　　けどなそんなのは問題じゃねえやらねえのが一番だめなのさ！
　　　　　　　　 　　　　　　 !　　　　l:::　　　　　 ヾ:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　　　 　 !　　　　|::.　　　　　　　!:.:.:.:.::ヽ　　ねだるな勝ち取れってなァ！
　 　　　　　　　　　　　　　 !　　　　i:::::...　　 r‐─ ' ‐ ､:／
　　 　 　　　　　　　　　　　!　　　　|:::::::::::::ノ::::::::::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　!r'三ゝ人＿,＜:ィ:::::: r‐′
　　　　　　　　　　　　　　　1 三 Y　　　| 三 |￣´
　 　 　　 　　　　　　 　　 　| 三　!　　　| 三 |

3676： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/03(日) 21:58:37 ID:NdLObEMg0

＼|:: l　　∨}:: :: :: :: :: ::　, 　-─────-　､_:: :: :: /! /:|　　
ﾍ: ｀∧　　＼ :: ,．　 ´　　　　　　　　 r- ､　´　＼:: / 1'::/
__ゝ:: :: ＼　　>　　　　　　　　　　 　 / 　 ゝ、　　 Y　/ /
:: :: :: :: :: ::∨　　　　　　　　　　　　 ,′ﾍ :: ::.＼＿」Y: /
＞:: :: :: :／　 r　T ￣￣￣￣￣￣ `'ﾞ´ ∨:: :: :1 |7: /
:: :: :: r-'-r ´:: ＼|　　　　　　　　　　　 　 ∨:: ::.ﾍ}／
{⌒!:::| 7ﾍ!:: :: ::/_ ,. ＞=z ､　　　　　 　 　 ∨:: :::1}
_／∨Y　1:: :: ::!　 　t─-- ｡z_ ,ノ　 ､,ム斗,:: :: ::ト ､　　
　　 |ﾍ　､l:: :: :::!　　　｀ー─‐'`　"　　ﾉ く_ﾟ_∨:: :| 　 '.　　　　　　　　　　　　　　今日は訓練はお預けだ！　作戦会議と行くぞ！
、　 |　＼'∨:: :ﾍ、　　　　　　　 　 　 |　　　　l:: ::|　　 '.
ﾉ　　∨´ ＼ゝ､:::1　　　　　　　　　　 |　　　　l:: ::|ﾍ　　'.、　　　　　　　　　　　　　「な、なんのですかお」
ﾍ　　 ＼　　 |　トﾍ　　/ 　　　　､,　　　　　　∧: | 1　　l ＼
　!　　 　＼　 '､　　｀　ﾄ､＿＿＿＿ _'´__,ﾉ　,′| ! j　　,′　｀丶、　　　　　　　　　おまえのデートだよォ！　当たって砕けろ男道ィ！
　l　　　　　＼　＼　　 ､　　　　　　　1:::/　/　 ,':1/　 /　　　　 　＼
,N }　 　 　 　 ＼　＼　 ＼＿＿＿＿lｿ　ノ　　メl!, ／　　　　　　 　 ＼｀　､　　　　　「こ、心の準備が」
　 ＼　　　　　　 ＼　＼　 ￣￣￣￣　 ,′ ／　|/　　　　　 　 　 　 　 ＼:::＼
　　　＼　　　 　 　 ＼　＼　　￣￣ 　 ,' ／　／1　　　　　　　　　　 　 　 ＼:::＼　　　　うだうだ言ってんじゃねえケツ蹴り飛ばすぞ！
　　　　 ＼　　　　　　 ＼　＼　　　　 //　,／　/　　　　　　　　　　　　　　　 ＼:::＼
　　　　　　＼　　　　　　 |　　｀ー─ '７　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼:::＼

3677： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/03(日) 21:58:51 ID:NdLObEMg0
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│::::::::::::::::::::::::::::::::│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│::::::::::::::::::::::::::::::::│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│::::::::::::::::::::::::::::::::│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│::::::::::::::::::::::::::::::::│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└──────┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌───┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│::::::::::::::::│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│::::::::::::::::│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└───┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　┌─┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　│ :: │
　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└─┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ┌┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 └┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 □

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

3678： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/03(日) 22:09:15 ID:NdLObEMg0



　　　　　　　　　　　　 　ﾄ、
　　　　　　　　　　　　 　{ 7
　　　　　　　　　　 　 　 「 |
　　　　　　　　　　 　 　 |　!　　　　　ではブリーフィングを行う！！
　　　　　　　　　トｲ､　　ﾄ､|
　　　　　　　 　 { 　 ﾐ ノ　ﾉ　　　　　ハイッ、じゃあ要点の復唱！　言ってみろ！
　　 　 　 　 　 __ﾄｰ'j7 　/
　　　　　　, イ厂￣　　 l
　　　　 ／ ／|　　　　 /
　　 　 弋　`ｰｮ　　 　 l
　　　　　　二フ　　 　 l
　 　 ィ'　´　　　　　 　 l
　　 / 　　　, ｨ 　 　 　 l
　　 |　　 ／ /　 ,ｲ　 　l
　　 ヽ／　７ 　 ﾑ| 　 　ﾄ、
　　　 　 　 |＿/　|　　/　|
　　　　　　「　| 　 レ ^T斗
　　　　　　|　,' 　 　 　 |　|
　　　　　 / /　　 　 　 ｌ　l
　　　 　 / /　　　　　　|　|
　　 　 ムﾉ　　 　 　 　 L つ





　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　 　 　
　　　　 ＿＿＿　　　　　　 　1．フリーかどうかの確認！
　　　／ヽ、　_ノ＼
　 ／　（○）　（○）＼　　　　　2．アポ取りとプラン作成、店の確保！
／　　　（___人__）　　..＼
|　　u　　ﾉ　　　ヽ,　　　|　　　　　3．身だしなみ＆マナーの確認！
.＼　　　（/⌒ﾉ´ﾌ 　 .／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　よォし！！＞
　　>　　 .￣￣´　　<.

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
こうして、自分とクーガーはシミュレータールームを貸し切ったきり、
なぜかはやてとのデートに備えるため、ブリーフィングを行うこととなった。
コクピットの天蓋部分に腰かけながら、やけに姿勢のいいクーガーの
言うことを復唱する。

切れ長の目はいつにも増してギラついている。ノリノリだ。
にやりと口角を吊り上げては白い歯を見せ、クーガーは人差指を立てた。

本来は訓練の相手をしてもらうはずだったが、正直、こういうのもありがたかった。
自分も色恋沙汰では全くの素人だ。右も左も分からない。
はやてに対して、というより、意中の相手に対する接し方が分からなかった。

そんな自分にこんなことをするクーガーの意図は、
紛れもなく世話焼きの一環であり、彼の兄貴分気質の発露に違いない。
素直に感謝しておこう。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3679： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/03(日) 22:14:23 ID:NdLObEMg0

　　　 　 |　ﾍ:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: : j !
　　　 　 |　 ∧:: :: ﾄ､:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :／ }
　　　　　＼ 　 ＼::ゝﾍト､:: :: :: /:: :: ｨ7ﾉ:: :／　 ﾉ
　　　 　 　ﾊ ゝ、 「 ー＜:: :: :: :: 7::＿ ,.ｨ´　 ,ｨ7
　　　　　　}:: ｀＜_}　　 　 ｀⌒Y::「　　　{__／::ｲ,
　　　　　　Y:: ::√　　　　　　　l:: }　　　 ヽ:: ::/
　　　　　 _」､:: l ≧三≧､　 　 |::| x≦≠7::∠
　　 　 　 { ﾐ}:: ﾊ ヽ,-tｯ ､ヽ }　|::|_, ｬ-ｧ }::/iｿ
　　　　 　 ヽヽ ::!　 ｀ー '´　l | }/ ー ´ // ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　ひとぉつ、フリーかどうかの確認……これまたデリケートだ。
　　　　　　　ゝﾍ}　　 　 　 　 | |　　　　ﾚォ
　　　　　　 { く｀ﾊ 　 　 　 、　_l　　　　j´ﾉ}　　　　　　　　　　　　　　　　　　一歩間違えれば雰囲気はおシャカ、恋心もおシャカ。
　　　　　　__」 ＼ﾍ、 r,､＿｀＿＿, 　ノ´ /､
-ｧ　　´￣　｜　　｀＼｀ ￣￣￣　／　　l　　 ＞ -- ､ ＿　　　　　　　　　　　第一段階は地雷除去と思えチェリー！
/　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　 ￣　 / 　 　 |　　　　　　　＼::＞......､
　　　　　　　　　　　　　　}､＿ イ　　　　　　　　　　　　　l:::::::::::::::｀:::::::..､　　　　「イエッサー！　どうすればいいでありますか、サー！」
　　　　　　　　　　　　 　 l　 　 ﾉ　　　　　 　 　 　 　 　 /::::::::::::::::::::::::::::::｀'::
＼　　 　 　 　 　 　 　 　 '､＿/　　　　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　　　一つ！　一つ、定石の台詞がある！！
:::::::ゝ、　　　　　　　　　　　Y/　　　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:／:: :: ＼　　　　 　 　 　 ／r　　　　　　　　 ,. :: ´::｀丶、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::






.　　　　　 　　　 ∧ ',　　｀ 、j ＼
　　　　　　　 　/ 　', ヽ　　　　　 ｀￣`ー――--、
.　　　　　　 　/.　　 ヽ　ヽ　　　　　　　　　　　　　ヽ、
　　　　　　 　l　　　　　ヽ.　ヽ　　　　、、＿　　　　　ヽ　　,ｲ
　　　　　 　　!　　　　　　＼ 　 ヽ　　ヽヽ、 ヾ--、、.　レ´ﾉ
　　　　 　＿｣　　　　　　　　＼ 　 ヽ　ヽヾ 、＿_ヽｊ.／　ノ＿＿
　　　　　｀ヽ:::::..　　　　　　 　　｀`ヽ、｀ヽ　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　 _＞:::...　　　　 　　　　　 ＼　T￣￣｀`ー----T＼ミ ヽ
　　　　　 '´￣＞:::...　::...　　　　　　　　ヽ!　　　　　 ﾍ.　　 k　 ＼　ヽ
　　　　 　　　　７:::::::::::::::/⌒ヽ　　　「￣　え二ﾆヽ、〉　　ri.　　　＼ ヽ
　　　　　　 ｀`＜::::::::::::::.l i⌒.l !　l!ii.ll　　‐r-。--、　　　 ﾉ 〉　　　　＼ヽ　　　　……『彼氏ってどんな人？』って聞くんだ。
　　　　　　　　　 >M:::::::l.!　　j　! 川l! 　　ｰ`――　　　_〈ﾟﾑ　　　　　　｀＼
　　　　　　　／´｀ヽ、ヽ::::ﾍ＼!´ l!ﾍ !. 　　　　　　　 　　l. /　　　　　　　　　　　　「は、はあ」
　　　　　 ／　　　　　ヽ 人　　　　W.　　　　　　　　 　　l/
　　　　　ﾉ 　 　 　　　　 ヽ.〉 　　　　　　　　,.　 　　ー.、j　　　　　　　　　　　　　　これなら彼氏がいた場合、普通に説明してくれる！
　＿_ ／　 　　　　 　　　 　ヽ　　　　　　　´ヽ、＿＿_,イ
'´　∠＿　　　　　　　　 　　　 ヽ　　　　　　　　　　,-‐/　　　　　　　　　　　　　　　いなかったなら「いないよぉ（はぁと）」と言うだろう！
　　　　　￣ﾍ￣￣￣￣｀`ヽ.　　 ヾ　、　　　　　　　　l
/　 　　　　　 〉　　　　 　　 　｀ヽ、　ヽ ＼　　　　　 　!　　　　　　　　　　　　　　　　『ハァ？　なんでそんなこと言わなきゃいけないの？』
　　　　　　／　　　　　　 　　　　　ヽ　〉￣＼＿＿＿,j
　 　　　／　　 　　　　　　　　　　　　ヾ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　と言われたらおしまいだがな！
　　　／ 　 　　　 　　　　　　　　　 　　ヽ
　　/.　　　 　 　　 　　 　　　　　　　 　/






　　　　　　　　　　　　　_,,∠-‐'''´￣-一::::::::::::｀`ヽ、
　　　　　　　　　‐-､/￣￣￣｀`'''ー-､＝二:::::::::::::::::｀ヽ､
　　　　　　 ,.‐''"￣`ヽ　　 　 /　//　　｀ヽ､／￣｀` ｰ- ､_ヽ､
　　　 　 ／:::::::::::::::_,r'　＿,∠-――-､＿　＼￣￣｀`ｰ--､二ニ=一
　　　　/:::::::::,. ‐''"　￣lj　　,,z''"￣｀`　＼｀ヽ､＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　 　 /::::::::／　　　 　 〈､L〃r・ア　　　　/::::::::/⌒ヽ::::::::::::::::::::::::::::::
　　/:::::／　　　 　 　 　 7　　´　　　 　 /::::::::/ヽ､ﾊj:::::::::::::::::::::::::::／　　　　　　　　男と女ってのはなァ、面倒なんだ……
　/:::::/　　　　 　 　 　 /　　　　　　　 /!:::::::/　/ノ/:::::::::::::::::::::r､ｲ
　l:::/　　　　　　　　　　`'┬-　　　　　 ﾚ/'´　 lｰ〈::::::::::､__;r､/　ヾ　　　　　　　　　　惚れ甲斐付き合い甲斐がある分、同じくらいな……
　|::l　　　 　 　 　 　 　 　 `=ｧ､ ､　 　 　 　 　 V　｀ーﾚヾl　_,. -‐､
　|:|　 　 　 　 　 　 　 　 /￣｀`ヽ　　　　　　 ノ/　 _,,. -‐''´　　　 |　　　　　　　　　　　ウカツにいい女だと思って近づいてみろ。
　|:!　 　 　 　 　 　 　 　 ｀〉ｰ､　　　　　　_,,. -‐''"´　　　　　　　　|
　||　　　　　　　　　　　　/　　　 r‐''"´￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　隣にいた男がカレシでしたー♥なんて目も当てられねえ。
　|!　　　　　　　　 _＿＿ヽ--‐‐'､
　l　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　,. '-一
　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　 ヽ　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　ヽ　　　　　　／

3680： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/03(日) 22:20:32 ID:NdLObEMg0

　　　　　　　　　　!　,/／::::::::::::::::::::::::::::::::::::／　　／:::::::/:::ﾉ
　　　　　　　　 　 l|〃::::｀ヽ､　::::::::::::::::::::／　　／::::::::::く::/⌒
　　　　　　　　 　 l|∠＿::::::::＼:::,,. -‐''"´￣￣｀`ー-､:::::＞-､
　　　　,. ‐''"´￣＿＿＿￣＞''´　　　　　 ,. -‐＜￣:{rヽ::::::::ア
　,. ‐'´,.　-‐'''"´ヽ｀ヽ､ ／　　 r､　　　 ／,. -‐‐　ヽ:::lゝl|::::,.ﾍ　　　　　　　　　そしてもう一つ……可愛い女には彼氏がいる！
-‐''´　　　　 　 　 ＼／　　 　 |　ヽ､／／ _ｨｯ７　　l:::l_ﾉ／　 l
　　　　　　　　　　　 | 　 　 ＿」　　　ﾉ ｨ ｰ- ' 　 　 |:／　　　 l　　　　　　　　　「ん、んなこと言ったら元も子もないお！
　　　　 　 　 　 　 　 lr‐､‐''二ﾆrﾃ　　　　　　　　 /　　　　　　|r‐‐-
　　　　　　　 　 　 　 l　 lヽ ｀ ｰ'´ l　　　　 　 ､　/　　　　　 　 l　　　　　　　　　はやてさんは超絶天然美人だお！？」
　　　　　　　 　 　 　 |　 l　 ＼　　 ､_ r‐　 _ノﾉ/　　　　 　 　 /
　　　　 　 　 　 　 　 |　 |　　　/ヽ.　､_,-‐'´'´〈　　　　　　　 /　　　　　　　　　　 真理だ！　言い切れるぜ！
　　　 ,.‐-､＿　,.--､ﾉ　｜　__/　__＼ ヽ‐=＝''＼　　　　　 /
　 　 〈　､　＼｀ヽ　 `|　 l'´／／　ﾉ　 ｀ヽ､　　　 ヽ　　　 /　　　　　　　　　　　　　可愛くて彼氏がいない子には……何かがある！
　　　 ヽ　ヽしj　 l　 ﾉ　 ヽ‐'　 ／　　　　 l`ｰ-‐'´ ＼
　　　　|　　　 lr‐lヲ´　　 　 ／ヽ、　　　 ､l:::::::::::::::::::::〉　　　　　／　　　　　　　　　間違いなく訳アリ物件だ！　世の中美味い話はねえ！
　　　　j　　　 `‐'　　　　　/::::::::::::`ｰ┬-､ ヽ::::::::::::::;/　　　　／::::::
　　　 / 　 　 　 ﾉ 　 　 ／::::::::::::::::::::/　　＼l:::::::／/　　　　 l::::::::::
　　 /　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::/o　　 　 l::/　/　　 　 　 l:::::::::






､
.|｀ヽ､_
_}、　　｀ヽ､＿
　､. 　 　 　 　 ｀Ｌ
　＿ｒ―　‐- ､ｒ-､｀ヽ.
　ｒ'´ ｀ヽ、 ,／｀|　｀ヽ!
￣￣￣￣￣￣!
　￣｀ｰ―'＾ｒ‐イ
　　　　　　 ,ゝ |
　＿＿　　＞ ﾉ　　　　　　　　　超絶メンヘラだったりぃ？　『話してなかったけど子供いるの……』だったりぃ？
　＿＿｀ヽ,／
　　 |　 ｀　ヽ　　　　　　　　　　　彼女の家族がヤバかったりぃ？　単純に性格が激ヤバだったりぃ？
　　/　　　 /
　/　　 　/　　　　　　　　　　　　　もしくはマジで出会いのない環境にいたかだ。顔が良くて周りに男がいりゃ、相手なんて幾らでもいる！
　　　　./ |
　　　 /　 !　　　　　　　　　　　　　　訳アリは訳アリでも事故物件出ないことを祈るんだな！
　　 ./　　|
　　 〉　　ゝ
　　 ＼　 ヽ
　　　　ヽ、 ｌ
　＼　 ／　 |
　　 ｀´　　　|
　　　　 ＿__|
ーｒ一'´　ヽ
　 ヽ　　　 ヽ
　　 ヽ　　　ヽ
　　　 「￣￣|
　　　 | 　 　 |
　　　 | 　 　 |
　　　 |　　ー〉､__
　　　 |＿＿＿＿i
　　　 ￣　￣￣





　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　／　　 ∪ 　＼
　　 γ⌒)　ノ三三三ゞ(⌒ヽ　　　　うおおおっ、聞きたくないおっ……！
　　／ _ノ　（＞）三（＜） ＼ `､
　（　 <:::∪:::::（__人__）:::::∪| 　）　　　「足掻くなァ！　運命を受け入れろォ！」
　 ＼　ヽ ::∪::::｀ ⌒´∪::／／

3681： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/03(日) 22:25:42 ID:NdLObEMg0

　　　　　　　　　　　 ,' ::::::::::::::::::::::::::::!:::::::::::::::::::::::::::::|　::v/
　　　　　　　　　　 ,､i　:::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::i　|:/
　　　　　　　　　　 {:::　:::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::,　.:{ ,､
　　　　　　　　　 ﾄ､i::.　:::::::::::::::::::::＼|::::::::::::::::::::::::::::,' ,':::v/
　　　　　　　　　 |:::::::::. ':::::::::::::::::::::::::_:::::::::::::::::::::::::/ /:::/
　　　　　　　　　 '::::::::::::.',´~"''‐-＞´::,ｨ__,,.. ．-‐'７/::::_',
　　　　　　　　　　'::::::::::::ゝ, ､ ／::::／　　　 ＿_,､<::::::'-,
　　　　　　　　　　 ヽ､:::/ ｣:::::>::／､　 ,　,x,'::::::::＞i::_i'ヽ
　　　　　　　　　　　　ﾄ､∨ﾆ//ニニ勹ニニニニｼ'　}
　　　　　　 　 　 -=ﾆ∧'::ゝ//ニ=/ / ＼ニﾆ＞､::| /ﾆ=-　、　　　　　　　　　　　いやでも、実際そうだぜ？　顔が良い奴はマジで途切れねえ。
　　　　　 , イ／　　　 　'ﾍ//　　/ /}　　.／　／/ﾝ:i:} }　　 　＼__
　 , イ/////　 　 　 　 ,､i|ﾚﾍ　/ / < .／　／　/>‐//．　　　　 ﾏ≧x､　　　　　　当人が交際相手を作る気がなかったなら話は別だがな。
///////<′ 　 　 　 / ｉ ＼:／ /ｰ／　／ ＞'", ＜｛ ! 　　　　　 ﾏ///≧x､
///////∧　　 　 　 }　|　 /　 ﾚ '　f__, イ , イ　　　/　　　　　　　｀マ////≧x､　　美人の新しい恋のスタート、その形の大半は乗り換えだ。
/////////＼　　　　i　 ､/　　'　r 　 　／　　　_ ／_　　　　　　　　 >///////ム､
///////////＼　 　 ､ ./　　　　　　　 ｀ー‐''" _,,.. ｲ　　　　　　 ／//////////ｱ　　もしくは、途切れた一瞬の隙を突くか、くらいだな。
＼///／:ｉ:ｉ:i:i:i:ｉ:ｉ:＼　 V　　　　　　　　 ／　´　　　　 　 　 　 , <//////////:／
／//ゝ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i＼ }　　　　　 　 ／|　　　　　　　　　, イ:i:i:iﾍ////////／　　　　　……さて、ここまでぐだぐだ並べたが。
/////:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧　　　　　／　 |　　　　　　, イ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iﾑ//////i
///:∧:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/　 ＼　 　 /　 　 |　　　　　　ﾏ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iム////{
∨//:∧:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:i/　　　　＼<..､　 　 |　　 　 　 　 ﾏ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i／/////}
　ヽ//:∧:i:i:i:i:i:i:i:／　　　　 　 冫´　 　 !　　　　　　　 ﾏ:i:i:i:i:i:i:i:i:iﾑ///r'　,ｲ
　　∨/:∧:i:i:i:／ 　 　 　 　 ／ 　 　 　 !　　　　　　　　ﾏ:i:i:i:i:i:i:i:i:i/// |／
　　 ﾏ///}:i:i/　　　　　　　/--x__ 　 　 !　 　 　 　 　 　 ﾏ:i:i:i:i:i:i/////
　　　ﾏ/:∧/　　　　　 　 /　　 　 `'ｰ‐┴‐-----------匕:i:i:i/////





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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.ｲ::.､::.::.:.＿＿::.::.::.::.::.::｀ｰ＝ｧ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　, .:::´.::_二」'"´＿,ｨ/￣￣｀ー─イ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∠　'"´ f=く､ｰ' rｯ ｧヾ￣￣￣｀::フ
　　　　　　　　　　　　　 　 ／ 　 　 　 |広ﾉ 　 ￣ 　7::.:::r ､::.::.(
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 l　ヽ　　　 、/:.::.ｲﾆl}::(⌒　　　　　　　　　　　惚れちまったんなら行くしかねえわな。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ - 　 ￣　￣r=イ:::.:彡´　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _'.　￣　　　 ﾉ彡/￣｀ヽ、　　　　　　　　　　突撃玉砕それしかねえよ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 ヽ＿　　 ´ r /　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　 ﾊ、l　　 / /　　 　 {　　　　　　　　　　　　「ふ、フラれたら」
　　　　　　　　　　　　　　 -──--､＿_rﾍ　 ﾍ ヽ　{　ﾉ　　　　 Ｌ　＿_
　　　　　 　 　 　 　 ／:::::,　 -──‐ヽ、　 ＼　ヾ─ｧ′　　 ／　　　　 ＞　　 、　　　　諦められるなら諦めりゃいいし、諦められねえなら
　　 　 　 　 　 　 ／::::／:: :: :: :: :: :: :: :: ＼　　＼ ｀「 r　　　　　　　　∠__::::::::::::::
　 　 　 　 　 　 /::::／:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :>､＿_,ノ　}　　　　　_. :: ´ :: :: :: ｀丶、　　　　　諦めなきゃいい。迷惑にならねえ範囲でな。
　　　　　　　　 l::::〈:: :: :: l :: :: :: :: :: :: :: :: :/　　／ 　 l　　　 ＜ :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::
　 　 　 　 　 　 ＼:ヽ:: :: |:: :: :: :: :: :: ::r‐'´　／ 　 　 | 　 　 　 ｀丶、 :: :: :: :: :: :: ::　　　　　結局、やるかやらないかよ。
　　　　　　　 　 　 ＼＼:ヽ:: :: :: :: :／　 　/　　　　　|　　　　　　　　丶、:: :: :: :: ::
　　　　　　　 　 　 　 l::〈:: :＼:: ::Y── ｧ′　　　　｜─────‐‐┤:: :: :: ::/
　　　　　　　　　　 　 ヽ:ヽ:: :: ＼{○　 /　 _　　 ´￣　　　　　　　 　 ○l:: :: :: ::/::

3682： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/03(日) 22:30:34 ID:NdLObEMg0

　　 /　　　 /'　/　　　　　/　,:'くヽ／　＼　,、 ﾍ　 ／i
　,:'　/　　　,:　'　/　'　/　/　,:'／　 ／＼丶＼ゞ」 ﾉ 丿
'　 ,:　　　/'　　 ／￣￣　;;＼＼へ＼ 　|｜　　　|／
'　/　,:'/,:　　／（〇） 　（●）;＼　 Y´　|ノ
/,:　　　　 ／　（__人__） :::::::;;;;;;;;;＼　　,:'/,:　　　/'
/　,:'/,　　|;;;; ::::｀ ⌒´:::::;;;;;;∪;;;;;;;;;;| '　/　/　,:'/,:
　/　　　　＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,／'　/
/　　/'　　／　　∪　:::::::::;;;;;;;;;;;;;＼'/　　/'
/　,:'/,:　｜::Ｙ　　　　::::∪;;;;;;;|;;;;;｜/　,:'/,:
　　　　　｜｜∪　:::::::;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;｜

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盲点だった。なぜ、自分ははやてがフリーだと思い込んでいたのだろう。
心のどこかで、願望を都合よく思い込んでいたのかもしれない。

それもそうだ、あれだけ美人で、優しくて魅力的な女性だ。
他の男が放っておくものか。自分はそういった人に惚れたのである。

だが、なのはもなのはで負けず劣らずの美女だが、彼女に男の影は見えない。
言い寄る男はクーガー然り、あのIGIOの変人リンクス然りといるようだが、
特定の誰かと交際している様子は見受けられなかった。

彼女の場合は、作る気がないタイプ、だと見たが。
はやてもそうだったとして、それはそれで希望が薄い。

ただ、それで諦めきれるようなものでもない。
クーガーが言う通り、玉砕しかないのだ。

恋愛とは片道切符と見たり。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3683： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/03(日) 22:38:52 ID:NdLObEMg0

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　　　　　　　　　　 |/:::::::: |斗― ､ ::::::::::::::ィ:::⌒ヽl／／::「::::::';:|　　　　　　　　　　　　　　　┌ |　 |　　　　 　 |
　 　 　 　 　 　 　 /::::::l:::::|八　 八:::::::::::::|　|:::::::| {／::::::::|l::::::::'|　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　|　 |　 　お 　 |
　　　　　　　　　 /:/:::::l:::::|　 ＿　 ＼:::::: | ⊥;;:::|::::|:::::::::::|l::::::::::',　　　　 　 　 　 　 　 　 ／ |　|　 ′　 こ 　 ′
　 　 　 　 　 　 /:/l::::: l::八 7⌒ヾ 　 ＼::{ｱ⌒狄|::|:::::::::::|l:: ＼:::',　　　　　　　　 　 　 　 ＼.|　|　,′　 と　 /
　　　　　　　　〈::( 乂::::＼:::＼ｗ 　,　 　 　 yｖｗ |八:::::: ﾉ }:::::::ｉ:::i　　　　　　　　　　　　　　 |　//　　 わ　 /
.　　　　　　　　　　 ノ个ｰ＜⌒　 　 　 　 　 　 　 /::::／_ノ ::::::|:::|　　　　　　　　　 　 　 　 ∥//　　り　 ./
　　　　　 _,,.､....::::::::::::::|::::|::::|　　　V ￣⌒ヽ　　 厶イ:::::::::::|i:::::|:::|　　　　　　　　　　　　　 ∥ /　　♥　 ./
　　 　 ／ ／::::::::: /|:: |::::|::::|:}ih､　乂　　ノ　　 ｲ:i:|:::/::::::::::|i::::ﾉ :|　　　　　　　　　　　　　∥ /　　　　 /
. 　 　 　 /:／:::::::斗| ┴=ミ::乂i:i:}ih､　　　イi{八i:iﾉ/::::::::::: |i :::|:ノ　　　　　　　　 　 　 　 ///　　　　 /
　　　 　 {/::::::::/　　 ｧ''゛￣~"寸i:i:|　　　 ／ 　 ∨ﾊ::: |:::::::八::|　　　　　　　　　　 　 　 ///　　 　 ／
　　　　　　∨/　 　 {　 　 　 　 Vi:|｢＼　ﾉ　　　 }　 }:: |::::/　 }:|　　 　 ＿　 　 　 　 　 /／　　　／
　　　　　　　　　　 八　　　　　 ﾉﾉ＼／⌒＼　 八.八:|:/ ＿斗r＜￣　　＼――-- ＜　　　／
　　　　　 　 ！　　　 ＞―‐=''゛　 　 ＼｢::::｣ ∨__⊥ﾆ广￣　　　　＼　　　 |　　　　　　 ＼''゛
.　　 　 　 　 从 　　　　　　　　　　 ／￣￣￣　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼／⌒つこ＼＼＼}
　　　　　　　 | ＼＿＞――　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　＿／／⌒ﾍ　|　 |__｣ノ
　　　　　　　 |　　Ｌノ‐┬＜＿　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＿／　>ｨi{└へ　}　}　ﾉ
　　　　　　　 |＼　　　ノ　＼　￣―＿＿　　　　　　　＿- ￣<　,.ｨi{:i:i:jｱ┬――
　　　　　　　｛　　/／　　　　＼　　∨厶云ニ=- =ﾆ入___ノΛ　 ∨ji:〔　　}
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　　　　　　　　|　　　　　　 　 　 　 ＼∨/／　　　 　 /=ﾔﾞ 　 　 ＼ ＿／
　　　　　　　　|　 　 ∨　　　　　　　　　　　　　　　／　/　　　　　／⌒
　　　　　　　　|.　　　 ∨　　　　　 ＿⊥　　-=ﾆ〔　　 /　　　 　 /
　　　　　　 　 ∨　 　　 ﾞ'ー--　 ￣ 7　　　　 　｛　　　　　　　 /
　 　 　 　 　 　 ∨　／　　　　　 ＿厶―　　　　 ｝　　　　　 ／
.　　　　　　　　 /／　　　　　　　　　　}　　　 　_入　　　　／
　　　　　　　　 {　　　　　　　　　　　 ｛＿＿／｛<　＼__／
　　　　　　　　/　　　　　　　　　　 ／＿彡　　ﾉ八
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ―｢￣ ｜ ／　　 ＼
　　┌‐--‐ ⌒〕ト------ ‐　 　　 Ｌ　 ノ　　　　　　 ＼
　　！　　　 /｢ |＼＿＿｣ Ｌ　　　　 j〔　　　　　　　　　　＼
.　　！　　 / ﾉ八　　　 　 ￣￣ 　 /厂⌒＼　　　 　 　 　 丶
　 　！　 　 　 　 ＼　　　　 　 　 /　　　//^＼　　 　 　 　 ！
　　 　＼　　　　　　 　 　 　 　 ／　 　 //　　　＼　　　　　 ！
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⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ
　　　　　　　　　　　　　○
　　　　　　　　　　　о
　　　　　　　　　　｡
　　　　　　 ＿＿＿_
　　 ／::::::─三三─＼
　／:::::::: （ 　 ）三（　 ）＼
　|::::::::::::::::::::（__人__）:::: 　|
　|:::::::::::::::::::::: |ililililil|::::: 　|
　|:::::::::::::::::::::: |ililililil|::::: 　|　　　　　　で、まあ、お店の確保とかは……まあ、事前にやっておけばいいですかお。
　|:::::::::::::::::::::: |ililililil|::::: 　|
　|:::::::::::::::::::::: |ililililil|::::: 　|　　　　　　 今までを参考にするなら、どっかで遊んだ後に夕飯食べる感じですかお。
　|:::::::::::::::::::::: |ililililil|::::: 　|
　|:::::::::::::::::::::: |ililililil|::::: 　|
　 ＼:::::::::　 　|r┬-| 　,／
　　ノ::::::::　　　`ー'´　　＼

3684： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/03(日) 22:45:13 ID:NdLObEMg0

　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ヽﾄ,
　　　　　　 ｀'ｰ-､..::::...:':､..､.　　　　　ﾚ1　 ______
　　 ^''ｰ-､　　　　｀'ｰ|`''ｰ-､;_`ヽ:.. -‐''",. -‐''"｀
　　　　　　｀'''ｰ-､,_:::::{　　　　 ｀ﾞ''ーr､￣＼
　　　　 i　　　:::::::;;;＞′_,.へ. 　 　　{ ＼　 ｀､　　　　　　　　まだお互い親しくなくて、顔合わせだったら昼飯……
　　r'⌒'|　　 ::i"´　　　￣｀''ｰヽ､j ﾚ'′　＼　｀､
　　| i´ヽ|　　::|　　　　 `､￣ﾟ`　　(ｿ 　 　　.＼. `､　　　　　　が、おまえら結構仲良いもんな。夕飯でいいんじゃねえか。
　　ヽヽ^'l.　　::|　　　　　 ￣ 　 　 ｀i　　　　　 ＼ ',
ｰ-＜｀ﾌ''ヽ.　 :|　　　　　　　　　　　l　 　 　 　 　ヽi　　　　　 相手だっておまえに下心ないって分かってくれてんだろ、多分。
　　　￣｀''''ヽ､:;|　　　　　　　　　ｰ-′　　　　　　　l
　　　　　　　　　￣｀7 　 　,.. ‐''"j＼　　　　　　　　　　　　　　あんまガサツじゃない、けれど女に媚び媚びでもない、
　　　　　　　　　　 /､　　　　　　{: 　ヽ
　　　　　　　　　　/　｀＞､ 　 　 {　／　　　　　　　　　　　　　 男でも女でも楽しめるようなプランにすべきだな、うん。
　 　 　 　 　　　 /　／l 　 ｀''ｰ‐'／





＼|:: l　　∨}:: :: :: :: :: ::　, 　-─────-　､_:: :: :: /! /:|　　
ﾍ: ｀∧　　＼ :: ,．　 ´　　　　　　　　 r- ､　´　＼:: / 1'::/
__ゝ:: :: ＼　　>　　　　　　　　　　 　 / 　 ゝ、　　 Y　/ /
:: :: :: :: :: ::∨　　　　　　　　　　　　 ,′ﾍ :: ::.＼＿」Y: /
＞:: :: :: :／　 r　T ￣￣￣￣￣￣ `'ﾞ´ ∨:: :: :1 |7: /
:: :: :: r-'-r ´:: ＼|　　　　　　　　　　　 　 ∨:: ::.ﾍ}／
{⌒!:::| 7ﾍ!:: :: ::/_ ,. ＞=z ､　　　　　 　 　 ∨:: :::1}　　　　　　　　　　　　結局ものを言うのはな、ノリなんだよ。
_／∨Y　1:: :: ::!　 　t─-- ｡z_ ,ノ　 ､,ム斗,:: :: ::ト ､　　
　　 |ﾍ　､l:: :: :::!　　　｀ー─‐'`　"　　ﾉ く_ﾟ_∨:: :| 　 '.　　　　　　　　　　 ノリが良ければ大体何とかなるし、ノリが合えば上手くいく。
、　 |　＼'∨:: :ﾍ、　　　　　　　 　 　 |　　　　l:: ::|　　 '.
ﾉ　　∨´ ＼ゝ､:::1　　　　　　　　　　 |　　　　l:: ::|ﾍ　　'.、　　　　　　　　　等身大で行け。背伸びはするな、素直にな。
ﾍ　　 ＼　　 |　トﾍ　　/ 　　　　､,　　　　　　∧: | 1　　l ＼
　!　　 　＼　 '､　　｀　ﾄ､＿＿＿＿ _'´__,ﾉ　,′| ! j　　,′　｀丶、　　　　　　相手が年上の女なら猶更だ。支払いとかもかっこつけて持つな。
　l　　　　　＼　＼　　 ､　　　　　　　1:::/　/　 ,':1/　 /　　　　 　＼
,N }　 　 　 　 ＼　＼　 ＼＿＿＿＿lｿ　ノ　　メl!, ／　　　　　　 　 ＼｀　､　　まあ、最初くらいは気持ちってことで持ってもいいけどな？
　 ＼　　　　　　 ＼　＼　 ￣￣￣￣　 ,′ ／　|/　　　　　 　 　 　 　 ＼:::＼
　　　＼　　　 　 　 ＼　＼　　￣￣ 　 ,' ／　／1　　　　　　　　　　 　 　 ＼:::＼
　　　　 ＼　　　　　　 ＼　＼　　　　 //　,／　/　　　　　　　　　　　　　　　 ＼:::＼
　　　　　　＼　　　　　　 |　　｀ー─ '７　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼:::＼

3685： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/03(日) 22:51:16 ID:NdLObEMg0

　　　 　 |　ﾍ:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: : j !
　　　 　 |　 ∧:: :: ﾄ､:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :／ }
　　　　　＼ 　 ＼::ゝﾍト､:: :: :: /:: :: ｨ7ﾉ:: :／　 ﾉ
　　　 　 　ﾊ ゝ、 「 ー＜:: :: :: :: 7::＿ ,.ｨ´　 ,ｨ7
　　　　　　}:: ｀＜_}　　 　 ｀⌒Y::「　　　{__／::ｲ,
　　　　　　Y:: ::√　　　　　　　l:: }　　　 ヽ:: ::/
　　　　　 _」､:: l ≧三≧､　 　 |::| x≦≠7::∠
　　 　 　 { ﾐ}:: ﾊ ヽ,-tｯ ､ヽ }　|::|_, ｬ-ｧ }::/iｿ
　　　　 　 ヽヽ ::!　 ｀ー '´　l | }/ ー ´ // ﾉ　　　　　　　　　　　　　恰好は……ま、最初に会った頃より良くなったし、いいだろう。
　　　　　　　ゝﾍ}　　 　 　 　 | |　　　　ﾚォ
　　　　　　 { く｀ﾊ 　 　 　 、　_l　　　　j´ﾉ}　　　　　　　　　　　　　　行く前にシャワー浴びて髭剃って歯磨いて、服にアイロンかけて、
　　　　　　__」 ＼ﾍ、 r,､＿｀＿＿, 　ノ´ /､
-ｧ　　´￣　｜　　｀＼｀ ￣￣￣　／　　l　　 ＞ -- ､ ＿　　　　　　　消臭剤ぶっかけといて、靴磨くぐらいはしとけ。……こんなとこか。
/　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　 ￣　 / 　 　 |　　　　　　　＼::＞......､
　　　　　　　　　　　　　　}､＿ イ　　　　　　　　　　　　　l:::::::::::::::｀:::::::..､　
　　　　　　　　　　　　 　 l　 　 ﾉ　　　　　 　 　 　 　 　 /::::::::::::::::::::::::::::::｀'::
＼　　 　 　 　 　 　 　 　 '､＿/　　　　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::ゝ、　　　　　　　　　　　Y/　　　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:／:: :: ＼　　　　 　 　 　 ／r　　　　　　　　 ,. :: ´::｀丶、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::





　　　　　　　　　　 |::ﾊ　　 入:::::::::::..ヽ＼: : : : : : : :／／　∨　　　　／: : : : : ﾄ､
　　　　　　 _,.x＜´ﾍ:::∧　　ﾘ｀ヽ､:::::::::::...ヽ: : : :／-'´　　　∨_,.x＜: : : : : :∧|　＼
　　　 　 ／ .. :: :: :: :∨.:ﾍ　/　r=≠'￣￣,.ヾ／　 　 　 　 　 ＼: : : : : : : ::/　 　 　 ＼
.　　　／ .. :: :: :: :: :: ∧::::::ｿ　/. : : :: ::／　　　　　　　　,.x≦三､ヽ: : : : :_/_
　　 / .. :: :: :: :: :: :: /　ﾑ:r'=,/.. : : :／ ､　　 　 /　　 ／,.=====ﾐ､ V. : :/￢｀i　　　　　　　そしたら誘え！　飯行きませんかとストレートに行け！
　　ﾊ:: :: :: :: :: :: :: /　 { ニｱ. : : Xﾞ_　　 ヽ　　/／／／＿＿_　 　 .|:: :/⌒;::ｿ
　 .ﾊ:: :: :: :: :: :: ::ハ　 ﾍ, /. : :ｿ¨ヽtｯ=≠}　V ,≠'´ｨ´ rｯ　　 ヽ 　 |::ﾘ'⌒.丿　　 　　　　　　俺の方でもブライドル地下で行きつけの店とか
　 {:: :: :: :: :: :: :: ::::ﾊ 　 ./. : ;ｲ ヽ､_＿ ノ　　　　　　ヽ＿＿ ノ　　　ﾚ′-ｲ |
　 |:: :: :: :: :: :: :: :: ::ﾊ　/.::/ヽ_　　　　　　　:i　　　　　　　　　　　　　r='´/! |　　　　　　　　　　スポットとか送っといてやる！
　 |:: :: :: :: :: :: :: :: :: ::V.::/　　ﾊ　　　 　 　 :|　　　　　 　 　 　 　 　 片ｿ　 ／＼
　 ∨.: :: :: :: :: :: :: :: :/:X　　　.ﾊ　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /／　 / 　 　 ＼　　　　　　　いつかなおはさんを連れ回すための
　　∨.: :: :: :: :: :: :: /'′ﾍ　　 八 　 　 　 ヽ＝ 　 　 　 ,ｨ　　　／´　 .／　 　 　 　 ＼　
　 　 ＼:: :: :: :: :: :: :: :: :: ::＼　　 ＼　 ﾏ二二二二二´ｿ　　,ｲ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　とっておきをなぁ！
　　　　 ＼::: ::: ::: ::: ::: ::: ::: :::＼　　 ヽ　寸´: : : : : :: ::::ﾘ　 /　　 ／
　　　　　　 ｀ーi:: :: :: :: :: :: :: :: ::＼　 ハ　寸 : : : : : : :/　/　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「いや、だから、心の準備が」
　　　　　　　　 {:: :: :: :: :: :: :: :: ::／＼　.ﾊ　丶── '´　/ 　 ／　　　　　　　　　　,.x＜
　 　 　 　 　 　 ｀ｰ､:: :: :: :: :::／　 　 ＞xﾊ　｀￣　 　 ,ｲ　／　　　　 　 　 　 ,.x＜::::::::::　　　　　　　　キンタマついてんなら行けェ！
　　　　　　　　　　　＼:: :::／　　　　 　 　 ｀ｰ､＿__ ノ}　　　　　　　　　,.x＜:: :: :: :: :: :::
　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼!　　　　　　　　　　　　　＞' 　 　 　 　 ,.x＜:: :: :: ::: ::: ::: ::: :::
　　　　　　　　　　　　　　 寸　　　　　　　　　　／　　　　 　 　 　 ＞x:: :: :: :: :: :: ::::::::::

3686： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/03(日) 23:01:06 ID:NdLObEMg0

　　　　 　 ／ ￣￣ ＼
　 　 　 ／ノ　　ヽ__ 　 ＼
　 　 ／（―） 　（― ） 　 ＼　　　　　うう、でも、上手くいけばはやてさんとデート……
　 　 |.　　（_人＿）　　　u　|
　　　＼ 　 ｀⌒ ´　　 　 ,／　　　　　　はやてさんと……
　　 　 / 　　　　　　　　ヽ
.　 　 /　l　　　,/　 /　　 i
　 　 (＿) 　　(__ ノ 　 　 l
　 　 ／　　／　　　___ ,ノ
　 　 !､＿__!､＿_＿＿_つ





⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ
　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : ､: : : : : : :＼: : : : : ､
　　　　　.: : :／ : : : : : : : : : : : : : : ＼: : : : : : : :.､: : : :＼
　　　　/: : /: :/: : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ: : : : : : :.∨.: : : : :.
　　　 /: :./: : ': : : :i : : : : : : : : : : : : : : ﾊ ､: : : :./ ﾊ: : : : : ∨
　　　,: : /: : : : : : : i: : : : : : :',: : : ',: : :./∧､＼:/ /:.∨ : : : : ∨
　　　i : ; : : :.i: : : : :|: : : : : : : ',: : ::＼//: ∧ヽ/ /ヽ: V : : : : :.∨
　　　|: :|: : : :{: : : : :ﾄ､ : : : : : : ',＼ 斗:-:ト､}:/ /＼ヽ:| : : : : : : ∨
　　　|: :|: : : :.',: : : :.{　ヽ: : : : : : ',´＼!＼!　 ∨: : : :ヽ| : : : : : : : }
　　　|: :|: : : : :',: : : :',　　＼: : : : :',　.ｨf弐ハ~ｱ: : : : : !: : : : : : :ﾊ!
　　　|: :|: : : : : :',:.:斗', ―　＼: : : '〃　v_沙 |: :! : : : :|: : : : : : :!
　　　|: : , : : : ／',＼: ',　　　　＼: :i　:/:/:/:/:レ!: : : : :! : : : : : ;
　　　|:.:∧ : : : : : ',　,.ｨ弍=,,　 　 ヽ!:/:/:/:/:/:/|: : : : :!: : :.:.|: /
　　　',: : : ＼: : : : :',{{　v沙　/:/: j　　　　　 　 |: : : : :! : : /}/ ｀ ＜__　　　　　　　　　　　　あかんわ、えろう酔ってしもうた……
　　　i∨: : :{: ≧=-_:＼/:/:/:/:　　　　　　　 　 |: : : : ﾊ: :/ ∧　　　＼ ー-　　_
　　　|: .＼: |: : :|: ::从「ヽ　　　 　 　 　 　 ﾉ　　| : : : ;　}∧　∧　　　　＼_　 　 ｀ヽ
　　　|: { : : : {: :{: : : :{ト - .。　　 　 ー　　 　 .ｲ!: : :/　　　∨　＼　　／⌒　　　 ハ
　　　iハ: : : :',: :',: : : |　　/ ｀ ﾆﾆ=--　-=≦　 |: :/　　　　 .i! ＼　Y　　　　　　 .′
　　　　　 ､: : ',､: : : ト!　/　　　　　/｀''ｰ-　 .__ }/　 ,.-一 ´ i!　 }ヽ}　　　　　　/　　 ',
　　　　　　＼:.', i＼{　 /　　　　　/　　　　　　 丶　′　　　 i!　.!　!ヽ　　　　　 　 　 }
　　　　　　　 ＼{　　 ､´￣￣　ヽ{　　　　　　　　　　　　　　 i!　,　 |　＼　　 .′　　 ,
　　　　　　　　　',　　　＼　　　 , 丶　　　　　　 　 　 　 　 　 V　　|　　　　 　 　 　 ′
　　　　　　　　　 ',　　 ',　＼..У　.}i!　　　　　　　　　　　　　　}　　i!　　　 V 　 /　/
　　　　　　　　 　 ヽ　　',　　.′　 }ﾊ　　 　 　 　 　 　 　 　 ´ | 　 ,　 　 　 ',　/ 　 i
　　　　　　　 -――　､　　　{　　/ ﾘ　　 　｀''ｰ　　　 ／　　　ﾘ　 ′
　　　　 　 /　　　　　　ヽ＜..|　 / /　　　　　　　 ｀ヽ′　　　.′ｲ　　　　　 .i!　　./
　　　　　 ′　　 　 　 　 ＼≧ｘ{　{　　 　 　 　 　 　 ',　　　　{　 {　　　　　　}　 ./
　　　　　 i　　　　　　　　　 ∨　ヽ{　　　　 　 　 　 　 　 　 　 V ﾊ　　 　 　 从 ′
　　　 　 ,　 j　　i　　 、　　　 V　ハ　　　　 　 　 　 　 }　　　 ,:}　 }　　　　　　/
　　　　/　 /　　}　 .ｨﾊ　　i　　V　.∧＼　　　 　 　 　 ,　 _,.ィ:/　/　　　　/　ﾊ
　　　.八　 {,.ィf |　 {三i 　 ',　　}　　∧､::::''ー::.-:...__ ノ.ィ::::::／／　　　　/　/: :,
　　　　　｀/.／.｜　}　 | 　 i　 /　 　 ∧＼::_:::_:::ノ^７二≧彡　　　　 ..ｨ　 /: : ::,
　　　　　 {/　　 {r　}　 | 　 }､_ij 　　　　}≧=个ーイ´　　 ﾉ￣￣　　´ 　 /: : : : :.
　　　　　 |　　　 し'　　{r　八　|　　 　 八/: : : : : :}　}　 〈　　　　　　 .ィ: : : : .彡{
　　　　　 |　　　　　 　 ゝ' 　　 |＿　.ィ　/: :ー--: |　|／: }　　　　　　.ﾉ: : : : : : : i
　　　　　 |　　 　 　 　 　 　 　 |: : :＼:／:=-: : : : :レ=彡/　 ,　　　　ﾊ: : : : : : : : }
　　　　　 |　　 　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : /´: : : : : : i　 /　　　　i : : : : : : : : ;
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　　　　　　　　　　　о
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　　　　　　　　＿＿__
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　　　|＼／　　ノ'　ヾ　 ＼／|
　　　|／ 　≪①>　／￣￣￣＼
　　　|　　　 　 （__／（ ○）　（○）＼
　　　 ＼、 　　／　　⌒（n_人__）⌒ ＼
　　　　 　／⌒ヾ 　　　　（　　ヨ　　　　|
　　　　　/　 　　`ー─－　　厂　　　／
　　　　　|　ｒ-､､ ＿ 　　__,,／,　　　　 ＼⌒⌒ヽ
　　　 　 | （_ノノ/　 ￣　　　i;;三三ラ´　| しし_）
　　　 　 |　　　 |　 　| 　 　・i;j：　　 |　　|
:::: :::::::::: :::::::　::::: ::::::::::::;; :: :::::;;;;;::::: :::::; :::::;;;;;:::::::::;;;;;::::
　　　:::::;;;;;:::　;;::;;::　　　　　　:::::::　::::: ::::::::::::;;;;;;::::: :::
　　　　　:::::::::　　 ＿＿＿　　　:::::;;; ::::::: :::;
　　　　　 　::;;::.／⌒ 三⌒＼:::;;;;''　　　　　　　　　　　　　その意気だ！　グッドラック・チェリーボーイ！＞
　　　　　　　／<○>三 <○>＼
　　　　　 ／:::::　 （__人__） 　::::: ＼
　　　　　 |　　　　　`⌒'J　　　　　|
　　　　　 ＼　　　 　 　 　 　 　 ／
　　　　　 ／ 　 　 　　　　 　 　 ＼

3687： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/03(日) 23:01:18 ID:NdLObEMg0

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

3688： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/03(日) 23:10:57 ID:NdLObEMg0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i　　　　　今回はここまでだ。若いっていいよね。希望に溢れてるとまでは言わないが、
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ　　　　　 人生って若いうちにできることの方が、老いてからできることより圧倒的に多いよね。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i　　　　　 そう、鏡に映る目元の小じわを見ながら思うんだ、最近ね……
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |　　　　　　次回の投下は来週日曜、1/10の午後八時からだ。
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,　
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘　　　　　　頑張れやる夫君、頑張れやる夫君、俺は限界だ。
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」　　　　　　食らわせろ、食らわせろ、誰も知らない謎の小袋七十袋……シーユーアゲイン。
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´

3689：安価のやる夫だお：2021/01/03(日) 23:12:19 ID:rtMck9Hw0
乙

3690：安価のやる夫だお：2021/01/03(日) 23:13:46 ID:ZYwNY6CI0
乙ー

3691：安価のやる夫だお：2021/01/03(日) 23:16:24 ID:.8NKpPNU0
乙でした

3692：安価のやる夫だお：2021/01/04(月) 08:33:10 ID:HaauUd8s0
乙でした

3693： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/10(日) 20:00:26 ID:VecQzDGA0
　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

3694： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/10(日) 20:06:22 ID:VecQzDGA0

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:', 　　　　　　　　　　最近、職場のご老人から心無い言葉をよくぶつけられるよ。
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　　　おまえたち若者が自粛していないからって。たまらんね。
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　　　はじめてこっか。思春期を取り戻したやる夫君のデート大作戦だ。
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

3695： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/10(日) 20:21:49 ID:VecQzDGA0


　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　/ /　　　/　　 　 　 ヽ 　　',
　　　　　　　　　　 　 　 '　/ /　:/　/　　　 / /　 }　} !│
　　　　　　　　　　　　　{　{　{　∧　{　　　/l /!　/　:! !│
　　　　　　　　　　 　 　 ﾄ､!　Ⅳ_斗ﾍ　　/ 仆j /|　//　!
　　　　　　　　　　　　　 ｌ|: ヽ{ィｧﾃﾐ　＼{　斗ｧﾃﾄ/ｲ　 |
　　　　　　　　　 　 　 　 l 　│ゞ‐'　　　　　 ゞ-'　/!　│　　　　　　　　家族会議か？
　　　　　　　　　 　 　 　 l 　小　　　　 !　　　 　 /ﾉ!　│
　　　　　　　　　 　 　 　 | 　 l::ﾍ、　　 - 　　 　,.'::::ｌ 　 |
　　　　　　　　　 　 　 　 | 　 |:: 个　 　　 　, イ ::::::| 　 |
　　　　　　　　　 　 　 　 | 　 |::::/ ,x|　｀ ´　|ハ ::::::| 　 |
　　　　　　　　　／￣￣ | 　 |__ﾚ7　＼ __／ヽ､}ｰ‐! 　 !´￣ ＼
　 　 　 　 　 ＜　／￣ ｀| 　 l／ l　　∧∧　　l. ＼l 　 |二二.__＞
　　　　　　　　＜ _　　　_| 　 | 　 |ヽ/ 〉 :〈 ヽ/|　　j 　 ｌ_　　　＞
　　　　　　　 　　 /´￣　| 　 | 　 |　　l::::::::l　　| 　/　 /　￣¨ヽ
　　　　　　 　 　 │　 　│　 ! 　 ! 　 |::::::::l 　 |: /　 /　　　 　 |
　　　　　　 　 　 │　　　l　 ⊥ -=＝ﾆ¨¨¨ﾆ==/　 /│　 l /　:|
　　　　　　 　 　 │　＼/　 /　　　　　　　　　/　 /｀丶　j/ 　│
　　　　　　 　 　 │　 :/　 / 　 　 　 _______　/　 /　　　∨　　│
　　　　　　 　 　 │　/　 /　 　 ／,. -―‐-/　 /､　　　__l__　　|
　　　　　　　　 　 l　/　 /　　／／　　　　/　 /ヽ ヽ　/ ,､　}　 |
　　　　　　　 　 　|l/　 /、　/∨:　　　　 /　 /　　Vﾍ.{_ﾉ/´ !　 |
　　　　 　 　 　 　/　 /ヽ＼{　{　　　　／　 /　　　}　l　/ /,ﾊ 　|
　　　　　　　　 ／　 /､ヽ＼)､ ヽ　 ／　 ,／　　　/ ,/ (／/::::〉　|
　　　　　 　 ／　 ／ `ー＼) ＼／　　／　　　／／ 　 `ｲ:::/ 　│





　　　　　　 　 　 　 　 /: : : : /: : /: : / : : : /l: : : : : : : : :ヽ
.　　　　　　　　 　 　 /: l : : /: : /: : /: /:/:/∧:l: : : : : : : :ﾊ
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　　　　　　　　　　 ,':/: :l : l : ://:/l: ｲ//,l/＝ｷi≦V | : : : ﾊ
　　　　　 　 　 　 /ｲ: | | : |: :l/!/=l'､l'/´/,.ィ彷ｒ） 7:/: ﾑ ｌ:ﾄ|　　　　　　　こんな大きい息子を持ったつもりはないんだがな。
　　　　　　　　 　　,': ,ｌ l: : ∨ｒ忘外　}　　￣￣　//: /) }从
　　　　　　　 　 　 l:/ |:l: ､: ヽ ｀￣　〈　　　　　 //: /.ン:l　　　　　　　　　まあ、隠居生活の身だ。下世話な話題も恋しくもなる。
　　　　　　　 　 　 l′lﾊ : ＼ ＼　　　　＿＿,./ｲｨ/彳|l l
　　　　　　　　　　 　 ′!: | |:ヽ‐ヽ　 ´-‐一　　 /ﾍ: N州　　　　　　　　　付き合ってやろうじゃないか。
　　　　　　　 　 　 　 　 |/l/|:l､_､:＞ ､　　 　 ／,. -ﾍl 、
　　　　 　 　 　　　　　　'　' l／| ヽl: | ｀ ‐　'´　 〉 __l　 ヽ
　　　　　　　　　　　　 　 　 |.:.:.|:.:.:.|∧　　　　 /彡,:.|　　|
　　　　　　　 　 　 　 　 　 /.:.:_ｊ.:.:‐￢l　　　 , ゝ／.:.|　　l-､
　　　　　　　　　　　　　　/.:.:.へ　:.V＾ゝ　　/ / /.:.:.:l　 /⌒'ー
　　　　　　　　 　 ,　-―/／　　 ヽ ヽ‐.　 ｒ‐/ /.:.:.:.:.! /:.:.:.:.:.:.:.





　　　　　　　　　 　 　 ＿　　 　 ﾄ
　　　　　 　 　 　 　 ⌒＼:.:.＼　|:.l
　　　　　　　　　　＿＿＿＼:.:.V:.:L　-――-
　　 　 　 　 　 ／:.:.:.:.:.:.-‐:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＞､　　＿＿
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　　　　　　　// /:.:.:./:.:.:|:.:ﾊ:.Ｎ:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:. |:.:.:.:.八|//.＼:.:.:.:.:|:.:.:.:.:i
　　　　　 　 |′|:.:.:/ |:.:.:|:.| ト| |:.:.|:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:∧//.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|
　 　 　 　 　 　 |:./　l|:.:.:|:.| |/ 〕ト|:.:.:.:.|:.:.:.:|:.:.|:.:.:.:./:.:.|//.:.:.:|:.:.:.:|:.:.:.:.:|
　 　 　 　 　 　 |′ 八:.:.Ｎ　=ミx　ヽ: |:.:.:ハ:.|Ｙ:.:.:.:.:∧//.:. |:.:.:.:|:.:.:.:.′　　　　　　あはは。まあ、ルルーシュさんもC.Cさんも、
　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾉ　　　 `′　)|:./:.:||ハ:.:.:.:./:.:|//.:.: |:.:.:.:|:.:.:.:|
　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ_ ＿　　　/ﾉｲ:.:厶イ:.:.:.:.:.:.∧//.:.:|:.:.:.:|:.:.:.:|　　　　　　　 やる夫君のこと可愛がってるし。
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｰ'　　　　/:./　　ﾞζ:.／　 V//:|:.:.:.:|:.:.:.:|
　　　　　　　　　 　 　 　 　八 ＿＿ /:./　　　　＞┐　 ∨//:.:.:.|:.:.:.:|　　　　　　　 ここはひとつ、みんなで背中を押してあげるってことで。
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /′/へ　　 x彡"／二〕　V//:.:.|:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 Χ"　／／ｌ|ﾆ＼　V//:|:.:.:.八
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 〈　У'／ 　 l|ニﾆ＼ '//:.:.:.:.:.:.ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｘ〈／　/ |-―‐|ニニﾆ＼/,:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／′／|ﾆ|――「 ＼ニニﾍ/:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 〈/ ／ﾆ〃ニニニニニヽﾆニﾍ/:.:.:.: |

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その日の午後、夕方の食事時。
コロニー・トウキョウに、三人の元歴戦のトップランカーと、
一人の新人リンクスが一堂に会し、食堂で顔を突き合わせていた。

今日のトウキョウはそこそこ人の流れも落ち着いていた。
基本的にここは研究施設であり、その副次的な機能として、
ネクスト等の格納と整備、ノーマル防衛部隊の駐屯地を兼ねているに過ぎない。

何かの案件が一段落つきでもしたのか、いつもの忙しなさはどこへやら、
行き交う人々も白衣姿のお偉方から青いツナギの清掃員まで、
のんびりとした様子で廊下を歩いていた。

食堂にも、普段はポリシー通りに食事を食べられない人も集っているのか、
かなりの込み具合だった。ここまでになるのは初めて見るかもしれない。
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3696： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/10(日) 20:35:21 ID:VecQzDGA0

　　　　　　　　　　//L｣ 　 /　　　　/　　 　 /　　 　 　 ｉ 　i
　　　　　　　　　 .′ .ｲ　 .′　 　 .′　　　.′　　　　　ｌ　 i　i
　　　　　　　　　; 　/ ,l　 {　 　 　 ｌ　 i　　 l　　　　　 　 l　 i　i　　i
　　　　　　　 　 i |/l/！　',　　 　 |　 l　 　{　　 　 　 　 } 　i　} 　 }
　　　　　　　 　 |　　　l　　ヽ　　　l　 {　{　 ',　 　 　 　 .′/ /　 / /}
　　　　　　　 　 ｌ　　　|　 ヽ. ＼　 ﾄ､｢＼ヽ. ヽ.　　 　 .′/ /}　/l/ 7
　　　　　　　 　 {　　　|　　　ヽ.fﾄ､斥k≠ミ.＼ｌ＼　　,l　/l/≠kメx/　,ｲ
　　　　　　　　　',　 　 ! 　 i　　ﾄ灯ｆ千´rｯ'｀　　　ヽ/ l,代ｆ千rf}　灯'　!
　　　　　　　　　 '. 　　! 　 i　　| ´^'冖`^｀　　　　　　　 ｀^冖'`^｀ .′￤　　　　　　いいかボウヤ、良いことを教えてやろう。
　　　　　　　　 　 '. 　 |　　i　　|　　　　　　　　　　 !　　 　 　　　/!　　;
　　　 　 　 　 　 　 ､　|　　i　　|　　　　　　　　　　 }　　　　　　厶j　　　　　　　　　 女からすればな、どれだけ相手が努力してこようと、
　　　　　_ 　-‐‐- 　ヽ|　　i　　|ﾍ、　　　　　　　 ＿ 　 　 　 .ｲ'　 !
　　　　　＼　　　　 ＼|　　l　　|　 .>.、　　　　　´ｰ┘ 　 ／　l 　 l　　　　　　　　　　元からOKならOKだし、NGならNGなのだ。
　　 　　　　ヽ、_,．-─! 　 l　　|／ ｣　`　. 　　　　　　.ｨヘ　　l 　 |
　　　　 　　　／　　　 |　　l　　|　 { 'ｰ ､　｀ 　 . _ .　´} }　f ‐┴‐┤　　　　　　　　　　「夢も希望もないこと言わないでくださいよお」
　 　 　 　 ／　,．-─‐! 　 l　　|／l　　　ヽ、　　　 ／　l､ }､＿＿_}
　　　 　 /　 　 　 　 　} 　 l　　| 　|　　　 　 ｀ﾞ対く.　 　l ヽ{ 　　Ⅵ　　　　　　　　　　　
　　　 　 '⌒ ー─一イ! 　 ! 　 !　 !　　　　　/.::::::::}　 　l 　 ヽ.　　|
　　　　　　　　　　　/ ｣ 　 { 　 |　 |　 　 　 ∧:::::::ハ　　l 　 　 ヽ. |
　 　 ,．-─‐　 ¨　 ￣∧　 '.　 l　 l　　 　 .′}'⌒{　', 　 '. 　 　　｀|
　　ヘ　　 　 　 　 　 / ,｣　 ｉ　 |　 |　　　/ 　.'::::::::'.　', 　 '　　　　 |
. /　 　 ､　 　 　 　 / /！　ｉ　 |　 ﾄ、　∧　.'.::::::::::'.　ヽ　ハ 　 　 !
/　　 　　ヽ. 　　　/ /　 |　 ｉ　 |　 |　｀′　.':::::::::::::::'.　　′ }　　　;





　　　　　　　／. : /. : :/. :　. / . : : : :　. : : : : :　: : : : : : : : : !
　　　　　　 i.:::::. /.: : /. : .:: ,.′.: : :/.　. : : i: : : : :　: :　: :　i: l
　　　　　　 l:::: /.::: : .::: .:: ./ :/. : :/. : . ://:}: : : :::.　i: : : :| :l: |
　　　　　　 l:::::}::::::　::::..:: / :/. ／}. : : //}::ハ: :i: ::. :}: : : | :|: {
　　　　　　 |:::::|::::i::. !:::::/.:ｲ: /　/: : ｲ:/ l::l　 ｌ: ﾄ､::. |: : : | :|: l
　　　　　　 }i::::|::::i:::.{:::ｲ:/_i:/　/:::.///　j::{　.｣斗ﾍ:::}:/ : }. ﾄ､!
　　　　　　ｲ:::ハ::|::::V十rfﾘミ｣:::/// , //ｨf≧=ﾍ小/. :ｲ: :ﾊ:ﾄ､　　　　　　しかし、はやてか……おまえも大層な女に目を付けたな。
　　　　　　 }/　 ｌﾊ:::::ヽ､近Ｚｿ|/メV/7/ｰﾍ北シメ/. :/ }/　}{
　　　　　 ノ′　|ヽﾄ､:::ヽ 　 　i{　　 ノ′ 　 　 　 /. :/.ィ:!　 ｀　　　　　　　もうちょっと、普通の、この基地の事務員にでもしておけば……
　　　　　　　　　|:::ﾊ:::ヽﾄ＼⌒´　 ﾉ!　　　　　 ／: :ｲ: .ｲ:l
　　　　　　　　　|/　}::|::::＼ 　 ､＿＿＿_.ノ イ: ／i |/　ﾘ　　　　　　　　　　「ルルーシュさんまで」
　　　　　　　　　}!　 |ハ::::::i＼　 ｀二二´　／ｲ:!: ﾊ::{
　　　　　　　　　　　　　}从Li｣ ヽ、　　 ∠＿.｣｣:::{ }:l　　　　　　　　　　　　　あの性格、あの見た目、あの経歴だぞ？
　　　　　　　　　　　　　　 ﾄ--Ｔ r‐｀´─┐|‐‐ｲV .ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　 }_ﾊ_｣ |: : : : : : :| L｢!｣　　　　　　　　　　　　　　　　喜べ少年、おまえの前のハードルは途方もなく高いぞ。
　　　　　　　　　　　　 __ノf7/,ｲ |: : : : : : :| ﾄ斗ﾄ､‐-､＿＿

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肩を寄せ合うほどではないものの、かなりの人の密度の中、
四人でボウルに盛られたビーフシチューをスプーンでつつく。
野菜と赤ワインで濁った色の水面に、ちぎったバケットを突っ込みながら、
ランペルージ夫妻は意地の悪い笑みを浮かべた。

二人の服装は年相応なのか、それとも不相応なのか分からないが、
至極落ち着いた装いだった。二人とも黒いシャツで、ルルーシュは白いチノパン、
C.Cは白いフレアスカートと、モノトーン調で揃えていた。
味気ないといえばそうだが、二人が特に気にしている様子もない。
ペアルックといえばそうだが、二人がそれを意識しているようにも見えない。
見た目に大差のない番の鳥を見ている気分だ。

なのはは帰ってきた自分に相談を受けると、
早々に二人へと連絡を寄越し、こうして顔を合わせることとなった。

仕事を切り上げてきたランペルージ夫妻の顔に疲労の色は見えない。
楽隠居生活、というのは本当なのかもしれない。
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3697： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/10(日) 20:43:10 ID:VecQzDGA0

　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼　　　　　　　こちらにははやてさんの古いちこが三人……
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／　　　　　　　「知己のこと？」
　　　　　　　　　／_∩　 　ー‐　　　　＼
　　　　　　　　（＿__＿）　　　　　　　|、　＼　　　　　　そうそうそれですお。知己が三人。負ける気がしませんお。
　　　　　　　　　 　|　　　　　　　　　 |/　 ／
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　⊂　／　　　　　　　　敵を知り己を知れば百戦危なからずですお。
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　し'
　　　　　　　　　　　＼ 　　､／　　／　　　　　　　　　　　「危うからずか？」
　　　　　　　　　　　 　＼／　　／
　　　　　　　　　　　＿／　　／｀`l　　　　　　　　　　　　　そうそう、それそれ。
　　　　　　　　　　（＿_＿_／（＿/

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しかし、これは自分の稚拙な頭で考えた、最大限の作戦だった。
コロニー・トウキョウには三人の古強者がいる。
ランペルージ夫妻もネクスト戦役におけるはやての戦友だし、
なのはに至っては正真正銘の幼馴染だ。
これを利用しない手はない。内心で快哉を叫んでいたものだ。

それはそれとしてビーフシチューというものはとても美味しい。
煮込んだ牛肉というものがこれほど美味しいとは思ってもみなかった。
他の三人の倍のスピードで、パンをちぎり、ルーに漬けて口に運び、
たまにスプーンで掻き込むというループをこなしていく。

半分ほど腹に収めたところで一息つき、涎のように口元から垂れていた
ルーをナプキンで拭って、向かいに座る二人に向き直った。
隣のなのはは終始苦笑している。
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3698： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/10(日) 20:50:45 ID:VecQzDGA0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　---　ﾆ￣￣:/:.:.:./　-――　 、
　　　　　　　　　　　　　 　 ,イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ゝ:.:.:´:.＿_――‐- ＼
　　　　　　　　　　　　　／:.: ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:-:.:.:.::.≧ｭ､ 　 ｀
　　　　　　　　　　　　/‐‐／:.:.:.:.:.:.:./:l:.:.:.:/:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:ヽ、:.: ＼
　　　　　 　 　 　 　 /:.:.:/:.:.:.:.:/:.:.:/:.:.!:.:./:.:.|:.:.:ﾊ:.:|:ヽ:. |:＼:.:.:.＼:.:.:.:ﾍ
.　　　　 　 　 　 　 /、:/:.:.:.:.:/＿/__/L// /ｉ:./ .ｉ:.:!:. ｉ:. |:.:.:.ｉ:ﾍ:.:.:丶:.:.:.ｉ
　　　　　　　　　　 |:.:. ｉ |:.:.:.:i:.:.:/／/／／7 /　//_L|:.:.ｉ: l: l:.:.ﾍ:.:.:ｉ丶 |
　　　　　　　　　　 ｉ丶|:.|:.:.:.:|:./斥拆心　／ 　/,≠､|:./:.:.!:.|:.:.:.:ｉ:.: |　ｉ:|
　　　　 　 　 　 　 ﾍ:.:ゝﾊ:.:. |:|《 ら::::り　　　　 ﾊ:::} }l/l:.:/:.:|:.:.:..!:.:.:|　ﾘ　　　　　　「えーと、じゃあ……はやてさんの好みって」
　 　 　 　 　 　 　 　 / 　ヽ:ﾍ 　 辷zｼ　 　 　 う:ﾂﾉ /://:.:.!:.:.:.|.|:/
　　　　　　　 　 　 　 ヽ{:.:.:.:トヽ　　 　 　 　 　 ゞ'　／ // / |:./ |′　　　　　　　　あの子、年上好きじゃなかったっけ。
　　　　　　　　　　　　　|:. : |　　　　　　　 　 ,　　 　ﾚ':./:/:.| }/
　 　 　 　 　 　 　 　 　 !:.:.: ト、　　　　　 ―　 　 イ:.:.:}/:.:.:|/　　　　　　　　　　　　昔付き合ってた人、みんな年上だったし。
　　　　　　　　　　 　 　ﾍ:.:.:| |　 　 　 　 　 　 イ:.:.:|:.:./:.:.:.:.|
　　　　　　　　 　 　 　 　ﾍ { l　　 ＞ 　__ イ: : |:. /::.:.:.:.:.:.: |　　　　　　　　　　　　　たまに同い年がいたくらいかなあ。
　　　　　　　　　　　　　　　/ ﾍ=、― ￣7　＼:|:/:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　 　 　 　 　 　 　 ,x/ |/|／|　　／　　／≧ｭ､:.:.:.:.:.:. |
　 　 　 　 　 　 　 ,､r::´/　ﾚ/≠´!　/　　 　ｉ::::::::::::::::::::::::≧ｭ､--- 、__
　　　　 　 　 .,､r:´:::::::/　 |//.| |　>´　　　　|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＿:::ヽ
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　　　　　　　　　　　　　　　　 _,.　-- ､_
　　　　　　　　　　　　_　-‐: : : : : : : : : :｀丶､
　　　　　　　　　 , . : .:.:.: : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ､
　　　　　　　, : : .:.:.: .:. : : : .: : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　 ／: .:.／:.／:.:.／／／: / : : : : : : : : : : :ハ
　　 　 ／:.:./:./:.:./:.:.／／／: ://: :.: : : : : : : :. : :. い
　　 ／ﾌ://:.:.':.:./:.;.:.:.;.:／: .:.:.//: : :.: :. : : : : :.: :.:.:. ｉ: '､
　 ´／:.//:.://:/:./:.:/:, : .:.:／ィ:| |:.:.:.:.:i: : : .:.:. :ｉ:.:.: ﾄ､ﾄ＼
　　l／〃:.:.l:.l:/:./:〃/: :.ィ:／ l/!:|l:.:.:.:.|: : :.:./:/:.:.:. | 丶
　　{　|ｌ|:.l:.l:.ｌ|:ﾒl:///:.:/ナ＝┼l小:.:.://: .:/:/:.:.:.:.!:!
　 　　lﾊ:.!:.!:|ｉ小以!:./ノ‐ﾗ云＝ミﾍ//: .:/:/:.:.:.:.!:い　　　　　　　　　見た目……見た目はあまり拘りはなさそうだな。
　 　　{　ぃl:.い.:.l｀Ⅳ　 ノ匕zｊ_　ﾝ//:.:.ｨ ｨ:.:.:.:.:.:|:.l､ヽ
　　　　 　 ゝﾍトＶ　　　　　　 　 //／/ //:{:.:.:.:､ヽミ 、　　　　　　　　なんせ俺を見ても大したリアクションもなかった。
　　 　 　 ｒｆ: : : : ヽ'　_　　　　‐彡' ／ /ｲl:小:.､:.ヽﾞ＼:＼
　　　　　 l:{: : : : : ﾉヘ` ＝‐-　.イ　　／|'! ｊ八{:￢ｉ : : : : ＼　　　　　　俺も当時は、大半の女子からいい顔をされたものだが……
　　　　　 ハ: : : : : ノｨへ..　ｨ入二二 く ｒ=ﾉ气_): /: : : : : : : ＼
　　　 　 {: : : ､: : : : : : : : : ﾉﾍ: ＼: : ヽヽ ⌒)､( /: : : : : : : : : : ヽ　　　　「ほう」
　　　　_儿: : : ＼: : : ､: : : : : :＼《: ＿_〉〉彡: :〃: : : : : : : : : : : ‘.
　　　〈: : : : ＿＿ ニﾆヽ: : : :＼〃ー: ））: : : /: : ; :-‐……‐-:､: :',　　　　すまん、忘れてくれ。
　　　ノ: : : : : : : : : : :, -‐ｬ＾＼: :{{: : : 〃 : : /: ／ : : : : : : : : : : : : i
　　　}: : : -‐: : : ＿／　　 Ⅵ＼ヽ}}: : : {{: : : レ: : : : : : : : : : : : : : : :{
　 ／／: : -‐: : ／ 　 　 　 ぃ ）:￣: : : :ぃ＿ｊ: : : : : : : : : ／ : : : : : :l
／‐: : : : :／ ／　　　　　　 丶､: : : : : : : :￣{: : : : : : : : : : : : : : : : : :|





　 { {　 　 　 i　　i`､　　 |!_:ｌ_斗 ´　　// |l　　 :::/　/:/｀ ｰ/　　　 .:／ /　　/ ::/
　　､`､ 　 　 i 　 ｉ　丶　| ', ｉ　丶 　Ⅳ　:|l 　 ::/　/:/　　,/　　 .:／￣/　　/ ::/
　 　 ､ ､　 　 Ⅵ ｌi　　_Ⅵ__{{ﾆ=厶　{　　|ｌ　::/　/:/　 ／　 _ ≦--／ 　 ..::／
　　　 ヽヽ　 　＼ f　⌒／/⌒ｨｧ气 i　　|l　:i　/:/ ／-=≦ﾆ＿／_,ｨf㌣≦ ／
　　　　|　 ｒs｡　 　＼ /　ん_ノ::::::::;ﾍi　 λ　:i[{ {　　　 　 ／⌒ｨ三ﾆ=㍉／ .::
　　　　|　 |　　T―ｒ 《 　{ｆｊ:::::ｒｨ::::ｆｊ ㍉　　＼{ {{　　　 ／ん_ノ::::::::::::::} ヾ_,.イ
　　　　|　 |　　:|l　 i 　 ヽゞ三彡cﾉ_　　　　 　 ｀ 　 　 　 {ｆｊ::::::ｒｨ::::::::ｆｊ　 】|.:|　　　　　「い、今は相手は」
　　　　|　 |　　:|ｌ　 li 　 "⌒^¨￣　 　 　 　 　 　 　 　 　 ゞ三_彡ctノ　ノ |.:|
　　　　|　 |　　:ll 　 lｉ　　　　　　　　　　　::ｉ　　　　　　　　　　　¨^⌒'゛　 ｜ｉ　　　　　作る気はないと言っていたな。そんな気分になれないと。
　　　　|　 |　　:|l　　li　　　　 　 　 　 　 .::ﾉ　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,′
　　　　|　 |　　:ｌ!| ｉ　∧　　　 　 　 　 　 ::}　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,′　　　　　　別に男で痛い目に遭ったわけではないらしいが。
　　　　|　 |　　:i ｌ ｌ / /〉　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,′
　　　　|　 |　　　l l　//　f＼　　　　　　 t‐- 　 __　　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　ああ見えて相当に冷め切ってるぞ、あいつ。
　　　　|　 |　　　l l,//　/|/ /: .　　　　 　 ｀こ¨ 　　　　　　　　 　 ＜/
　　　　|　 |　　　l l,/　/ l|,/　　i丶　　　　　　　　　　　 　 　 ＜ 　 /　　　.::/
　　　　|　 |　　　l l　/　 lL_　　ｉ:＿｀ ､　　　　　　　　　＜　　　／/　　　.::/.:
　　 　 ｊ／⌒ヽ　ヾヽ　　〕 /￣　　　〕i`　　 __　　≦　 　 　 ／　/　 　 .::/.::

3699： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/10(日) 21:02:15 ID:VecQzDGA0

　　 /　　　 /'　/　　　　　/　,:'くヽ／　＼　,、 ﾍ　 ／i
　,:'　/　　　,:　'　/　'　/　/　,:'／　 ／＼丶＼ゞ」 ﾉ 丿
'　 ,:　　　/'　　 ／￣￣　;;＼＼へ＼ 　|｜　　　|／
'　/　,:'/,:　　／（〇） 　（●）;＼　 Y´　|ノ
/,:　　　　 ／　（__人__） :::::::;;;;;;;;;＼　　,:'/,:　　　/'　　　　　有益な情報が一つもないお……！
/　,:'/,　　|;;;; ::::｀ ⌒´:::::;;;;;;∪;;;;;;;;;;| '　/　/　,:'/,:
　/　　　　＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,／'　/
/　　/'　　／　　∪　:::::::::;;;;;;;;;;;;;＼'/　　/'
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　　　　　　 /:.:.:l:.:.l:.:.:|:.:,'.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:／ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:ﾊ:.:.:r ､:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.ﾊ
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　 　 　 　 |:.:.:.:.|:.:.ｌ:.:.:.':.:.:/ //¨ﾌ'ｲ廴|:.:.:.:.:.:.:／, 　//_｣レ''｢.:.:､ 　∨.:}、　'＜:.:.:.:l
　　　　 　 |:.:.:.:.l.:.:.':.:.:.∨ /ｙ=ミ:､,ﾘ 寸:.:.:.:,ｲ!〃,ｨ//´ノ,＞==ﾐﾑ　 ヽ:.:.＞:､　｀ヽ|
　　　　　　|:.:.:.:.l:.:.:.':.:.:.:∨ {{ fて心、 |:.:.:/ ﾘ:{{彳:/ ,.ィ,ｨ'Ⅴヽ　}}ヽ　|:i､:}.:.:.｀! 　 !
　　　　　　ﾊ:.:.:..':.:.:.:.:.:.:.:.', 　 辷zｸ_｀ |:.:ハ.　　//　　ﾋ込ｨツ　ﾉ /〉.ｊﾉ l|、.:.:|　　|
　　　　　 　 ',:.:.:.l,:.:.:.:.':.:.:.:', ｀¨¨￣ 　 |.;'　}　 /ｲ　　 ￣¨¨¨¨ 　//:.ﾊ　ﾘ ＼:|　　|_　　　　　　　　ブッハハハハハ！
　　　　　　　 ',:.:.|∨:.:.:.':.:.:ﾊ　　　　　 |'　ﾉ　　　　　　　　　　／´:./.:.:＼ 　 ｀ ｰ-:, ＼
　　　　　　　　',:.ｌ |＼:.:.:.',:.:.| ＼　　　　 :|　　　　　　　　 r───── '′　　,　ヽ　＼　　　　　高根の花を狙うというのは、
　　　　　　　　 ':| |:./ ＼:.ヽ|＼_|　 　＿__｀ 　 　 　 　 　 }　 ＿＿＿__　　 　 　 ' 、 ＼
　　　　　 　 　 　 |;' ／ハ:.:.:＼ ＼　ヽ 　/｀ ー--─=7 /　 /:./.:.:.:.:＞'　　　　　　　　　　　　　 　とどのつまりそういうことだ！
　　　　　　 　 　 　 |　{　ﾊ:.:.:.',.|二|、　∨　　 　 　 ／ /　 /.:＞ ' ´
　　　　 　 　 　 　 ム ∨　}:l:.:.}:.:.:.:.|ヽ.　 、　 　 ／　 /　／　　　 __,. く　　　　　　　　　　　　　　　「楽しそうだな」
＿＿＿＿＿＿／　 }　V 从:.{ﾊ:.l:.:! 　＼ ￣￣　　　{／　.ｨ'´厂　 　 l ＼__
　　　　　　　　　　　/ 　 ＼　ﾘ 从:.!': 　　＼　　　 ／　／ ,ﾚ'′　 　 ;|　 　 ＼
　　　　　　　　　 　 |　　　　＼　　ﾘ　:,　　　｀ ーく　／ ／　　　　　/ |

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
なんということだ。まるで役に立つ情報がない。

絶望に打ちひしがれる自分を見て、ルルーシュがとても愉快そうに、中年親父めいた
下品な高笑いを上げた。十年前はもう少し気品のある笑い方だったのだろうか。

隣のC.Cが自らの夫である男の脇腹を膝で小突き、
ルルーシュは我に返ると、気まずそうに咳払いを挟む。
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3700： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/10(日) 21:14:43 ID:VecQzDGA0

|: ::!: : l : ::| : : : : : | : : : ::l　|:l　.| : : : : / ://　.|: : : l : l: : : :,! : : : : : : : :l: : l : : : : ∧: :|
| :,'|: : l : :.| ::_..-‐!:l''::￣/｀ ト　l|:: : : :/ /:/ 　 | : : ,!: :.!: : :./ : : : : : : : :l: : :l: : : : : :∧ |
|::l |: : :! : :l:´ :| l :l !: :::/　　!|　!ｌ : : :/:/:７￣｀ト: ./| : l: : :/: : : : : : :|: :.! : : ﾄ､: : : : :∧|
| ! |: : :| : ::!:::::! .|:! |: :,′　 | / ,! : :////　　 .,! :/｀ﾄ:,'|: :/!: : : :/ : : ｌ: :|: : :∧:＼: : : ∧
!l　l: : :| : : !: ||.　| .|/ －-.、　/:;／//'　　　/'l/　 l:/.!ヽ:,!: : :/ : : :/.: :l: : : :∧: :.＼: :.∧
l'　.l: : :|: : :| :||. _=土三ﾆ:::.、/ ' ／ 　 , ‐-/　 　 /' .|//: : :/ : : :/!: : ﾊ: : : :.∧: : : ヽ: :ﾊ
　　|: : |､: ::ﾄ:!、´　￣￣｀丶　　　　 　 ´ﾆ≡::.､./　 /./ : /: : : :/ .l: ::!: :∨ : :.ﾊ: : : : :|ヾ:}
　　 ﾞ! :| ﾞ､ :l.|＼　　　　　　　　　　　　 ￣｀ﾞ丶ﾐヽ、 /: :/: : : ::/　 !:/! : : ∨: : :!: : : : !　}'　　　　　とりあえず、やる夫君のことは嫌いじゃないし、
　　　lﾞ:| : :ﾞ､l|　｀｀｀　　　　　　　　　　　　　　　　｀`/,.ｲ : : : :/　 //:|: : : : ∨: :|: : : : |
　　　| : : : : :|、　　　　　　　 　 ,:　　　　　　　｀｀ ／ /／: :, ':!　//: |!: : : : :.∨:|: : : : |　　　　　　　やるだけやってみたら？
　　　.!: : : : :.| ヽ　u.　　　　 _　　　　　　　　　　　, ／/: ／:/ ./ .|: :l|: : : : : : }/: : : : .!
　　　.|: : : : ∧　 ＼　 　 　 ヽ｀＞　 　 　 　 　 , '￣/／: :./ ./　.|: :l|: : : : : :/': : : : : |　　　　　　　　チャンスはあるよ。
　　　.∨: !: :从　　 l＼　　　　　　　　 　 　 _／　／!: : : :/　　　 |: :!|: : : : : : : : : : : :.!
　　　　∨:ﾄ､{　 　 _|　 ＼　　　　　　_.. ‐ '"　　　 /: : : :/　　　　.|: |.|: : : : : : : : : : : :.!
　　　　　ヾ ｀＼ .∧　 　 丶... -‐ "´ .|_ 　 　　.／イ;ｲ/　　 　 　 !: ! !: : : : : : : : : : : :|
　　　　　　　　　/　ﾞ、　　　　　　　 ,/ .|　　　　　 /'　'　　　　　　|: | |: : : : : : : : : : : :.!





　　　|　　　　|　　　 |　　|　 　 　i|　　　　　　　　| |　　j　　 '　　　 }　 　 }　　　}　i}
　　　|　　　　|　　 　|　　|　　 　 l|、　　　　　　　i｜　/　　'｜　　/　　 ,' 　 　 　ﾉ
.　　八　　　！,　 　 !　　!　　　　|ﾊ　　 }　　　　’　　, 　 /　! 　 /　　 /　　　,’
.　　　 ＼　 人 ＼ 　Ⅵ　Ⅵ　 　i|　Ⅵ　|　　　/　'　/　 /　 ' 　 '　　 /　　　/
.　　　 　 ｀ﾄ 、ヽｰ＼　'。-ﾍ　　 lト､ Ⅵ l　　 '　/　/j　/＿,'　ノ　　 /　 　 / 　〔
　　　　　　i　 ＼＼　＼＼　＼　l{　　Ⅵ!　 /r'/／７ /　 /イ/　　 /　　／　　 i|
　　　　 　 f≧ｭ。..._＼　＼}　　＼}　　 | 　/　/　／j/ _... 斗≦1／ . イ　　　　 |
　|　　　　从　 {i{::::::外≧メ, 　 　 　 　 |　' 　 　 。≦廴　ﾘ}　从,　´
　|　　　　　》　戈=z。::::。ツヽ¨ =-　 　j/　 イ　ゝ。:::.::::少′イ　　　 |
　|　　 　 　 i　｀¨¨¨¨¨¨¨´　　　　　　　　i　　　｀¨¨¨¨¨¨¨´　/　　 　 | 　 　 　 |　　　　　　そういうことだ。必勝法などありはしないのさ。
　|　　　　　 ∧　　　　　　　　 　 　 　 　 }　　　　　　 　 　 '　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ところで知っているか？　ハイエナの生態だ。
.　　　　　　 　 ヽ　　　　　　　　　　　 　 /　　　　　　　 ／! 　 　 　 　| 　 　 　 |
　　 　 　 |　　　i会x　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／　 !　　　　 　 | 　 　 　 |　　　　　　　奴らの群れには階級制度があり、
　　 　 　 |　 　 {iﾆﾆへ　　　　＾ ー‐　　¨´　　　　／　 　 |　　 　 　 　 　 　 　 |
　　 　 　 |　　　ⅥﾆL._ ^　　　　　 　 　 　 　 .。会y　 　 i|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　女王に一般のハイエナは近づけないらしいぞ。
　　|　　　|　　　 寸ｉﾆﾆ≧=-`　．.　　　...。イ ﾆニｽ　　　i|　　 　 　 　|
　　|　　　　　　　　寸三ヲ寸三三≧≦zﾆ三三ス　 ヽ,　l|　　 　 　 　|　　　 　|　
　　|　　　　 　 　 　 }　 /　　寸ﾆ三三三三ヲ^ヾ　＼　'　|　　　 　 　 |　　　 　|
　　|　 　 　 　 　 　 l　 '　　　　ヽ ｀¨ヽ /∨＼ 　　'　 ヽ　|　　　 　 　 |　　　　 |
　　|　 　 　 　 　 　 | /　　　　　 }　 　 ヽ　　 ﾊ 　 ﾊ　 ﾊ j　　　　　　 |　　　　 |





　　 /　　　 /'　/　　　　　/　,:'くヽ／　＼　,、 ﾍ　 ／i
　,:'　/　　　,:　'　/　'　/　/　,:'／　 ／＼丶＼ゞ」 ﾉ 丿
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3701： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/10(日) 21:25:57 ID:VecQzDGA0

　　　　　　　＿＿＿
　　　　　／＼:::::::::／＼.
　　　 ／:::<◎>:::<◎>:::＼
　　／::::::::⌒（__人__）⌒::::::＼　　　　　　そ、それでも、それでもやる夫はやってやりますお。
　　|　　　　　｀ ー'´　　u 　　|
　　＼　　u 　　:::::　　　　　／　　　　　　　このままなあなあでやっていったら、後悔する予感しかしませんお。
　　／　　　::::::::::::::::::: 　：巛￣ヽ
　 /　　,　　　　　　　 ：〈⊃￣( .}：






　　　　　　　　　　　　　　, イ::::::::::／::::::::::::::::::::::::::::i::::::;::::::::',::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　 　 　 j::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::i:::::i::::::::::',::::::::::::::::::ﾍ
　　　　　　　　　　　　　j::::::::::/:::::::::::::::::::;:::::::::::::::::::::i:::::i:::::::::::i::::::::::::::::::::::ﾍ
　　　　　　　　　　　　 7::::::::/:::::::::::::::::::/::;:::::::::::::::::::i:::::i:::::::::::i::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　7:::::::7:::::::::::::::::::/::/:::::::::::::::::::i::::::i:::::::::::i::::::::::::::::::::::::::i
　　　　　　　　　　　 7:i:::::::i:::::::::::::::::::7::7ﾊ::::::::::::::::7:::::i::::::::::::i::::::::::::::::::::::::::!
　　　　　　　　　　 ,ィi:i.i::::::i:::::::::::::::::7_/i-‐',:i､:::::::7:::::/:::::::::::/⌒',::::::::::::::::iﾔ
　 　 　 　 　 　 　 　 |:ij::::::i:::::::::::::///./　 __',iA:::7::::/::::::::::/ヽ ﾉ/::::::::::7:ﾊ.ﾍ　　　　　……そうだな。自分に正直にいくべきだ。
　 　 　 　 　 　 　 　 |:i !:::::i',::::::::7 i|　 ﾃ弋;;;ｿィ〉:::/:::::::::::/ノ::::/::::::::::::,'.i| ヽ `
　　　　　　　　　　　　ヾ',:::i|ﾍ:::::7　i!　　　￣　/:::/:::::::::::/ ,--'::::::::::::::::i ﾘ　　　　　　　あまり気を張るなよ。ベストな状態と歯、即ち自然体のことだ。
　　　　　　 　 　 　 　 　ヾ:iヽ .､′　　　　　 /:::/:::::::::／ ./　j:::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ　　　　　ｲ／/／/　　/　7::::::::::::::::::i　　　　　　　　　そら、端末を出せ。店選びくらい付き合ってやる。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　j:ﾊ` ‐-､　　ｲ'"　,　イ　　ﾉ7:::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ′ﾘi',　　　　, .＜　　　　 _7:/ i:iﾆi::::::::i　　　　　　　　　 C.C。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ- '::::ﾉ!　 __, ...-‐'ニ〃‐'i:iﾍ::::::::ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾘﾊ----=i i:::::::::::::::::::::::::::ﾍヾ､:ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿_　 __!::::::::::::i i::::::::::::::::::::::::::::::＞､ヾ､
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::i i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼





　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　 　 , '　　 /　　/ 　 　 　 　 i　　　｀ヽ　ヽ
　　　　　　　/　 　 / 　 / 　 　 i　　　 } 　 　　 　ヽ '.
　　　 　 　 .′　　.′ ,ｲ　　　　l　　 　|　i　 　 　 　' }
　　　　　　fi　　　l　　{ |　 . ′ }　　　 |　l　 |　　 　 }i
　　　　　　|i　　　{　　| { / /　/　　　| |　l　 }　　 　 ||
　　　　　　|i　　　|　　| !{ ｲ |ｲ　{ 　　| }　}　ﾑ｣　　　||
　　　　　　|i　　　|　　| !|斗ｌ┤ ｉ|-　 ﾚ'}/]厶斗 } 　 }l
　　　　　　|i　　　{　　{从=≠ミ､ﾄ､　 ! ィ爪_刋/ 　/ |
　　　　　　|i　　 ∧　 V代丞外 　 ヽ|　 ｀　ア　.イi　|
　　　　　　|　　/　 ヽ、ヽ　　　　　 　 :::.　　　/　 l｣　|
　　　　　　l 　,'　　 　 ト-ト 　 　 　 　 　 　 /l　 爪　|　　　　　　　　仕方がない。結果が見えてる勝負というのも面白くないのだが。
　　　　　　|　'　　　　 i　　＼ 　 　 -‐　　 .ｲ |　小､ヾ、
　　　　　　|/　　　　　|　 　 i个　 .　　 ／| | i|// }　ヽ '.　　　　　　　「それを覆すのがロマンがあるんじゃないか」
　　　　　　{　　 i　　　|　　　| l　　 ｀　　　{ { i|/ 小､ 　 i
　　　　　　ｌ　　 |　　　}　　　} }　　　　　　比7 　 },rﾍi　}　　　　　　　おまえのそういうところは、変わらないな。
　　　　 　 ｌ　　 ,　 　 , i 　 //　　　　 　 　 /　　/厶 }_｣
　 　 　 　 ,　　/　　 /厶イ´　 　 　 　 -‐ｧ'　　/ {{　 　 ｀ヽ　　　　　　「まあな。こんなちんちくりんがはやてと付き合ってみろ。
　　　　　/　 /　　　{ { 川｢￣｀ 　 ´　 　 ′　/ 　ﾍ 　 　 　 ,
　 　 　 　　, 　　　 ﾉﾉメｲ　　　　 　 　 , /　 ,′ {　 ヽ　　　 }　　　　　　それだけでも面白いどんでん返しだ」
　　　　i 　 l　　　 //}′{　　　　　 　 //　　{{　ハ　ヽ ヽ　　ﾄ､
　　　　| 　 |　 　〃/.::|　} 　 　 　 　//　 　 |ﾚ' 　 ヽ、ヽ ヽ　　 ,
　　　　{ 　 {　　 {{/}::::}　ト＝≠＝彡' 　　　{く　 　　 ヽ　ヽ ヽ　}
　　　r‐`ーﾍ　　|ﾚ'.:ノ .ﾉ:::::::::::::::::://　　 　！|　　　　　',　 '　} ﾉ
　　　{　　　　＼i′::{ {{:::::::':::::::::::// 　 　 　 l::|　　　　　 }　ﾙ'く

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
この二人は、口こそ絶妙に悪いものの、実際はかなり甲斐甲斐しい先輩だった。
赤の他人とはいえ、先輩として後輩である自分に接してくれている。
言っていることも的外れなものはない。

素直にPDAを出して検索画面を呼び出し、
ブライドル地下の歓楽街情報ページを表示させる。

机に置かれた小さな画面に、四人で顔を寄せる。
二人は半ば道楽で付き合ってくれてはいるが、考え自体は真剣そのものだ。
ここは素直に、先達の意見に従っていこう。
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3702： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/10(日) 21:26:08 ID:VecQzDGA0
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

3703： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/10(日) 21:39:50 ID:VecQzDGA0

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　　　|　 　　 　 （__人__）　 　 |
　 　 ＼　　 　　 ｀ ⌒´ 　 ,／　　　　　　　おっ……
　　　 /　　　　　　　　　::::i　＼
　　　/　　/　　　　　　　::::|＿/
　　　＼／　　　　 　 　 　::|
　　　　　 |　　　　　　　　::::|　 ｷｭﾑ
　　　　　 i　　　　　＼　::::/　ｷｭﾑ
　　　　　　＼　　　 　|::／
　　　　　　　 |＼＿／/
　　　　　　　 ＼＿／






　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿--――- ＿
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 jニニニニニニニ＞､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＜ニニニニニニニニニヽ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／': :.`＜ニニニニニニニﾆ{
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／:/: :': : : ': :｀:,＜二二二二＞'"、
　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ/: /: : :/: : ,ｲ:l: : :￣i､￣:!: : : :.': ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 〉:.': : :.': : /＿:l: : : : l: V: :i : : : : ': :{
　　　　　　　　　　　　　　　　,'l: :!: : :.!: :/‐-､: !: : : :l: :.V: l: : : : : ; :.＼
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /ヽ:l: : :.ｌ: ;代ツ`: !: : : l:_; :V:.!: : : : : ; : .ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　/ .! l＼: l: ｌ: : : : : : :l: : :.!､ツl: l: : : :.ｌ: :／
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 , l .l .!.　 Tｰ､: : : : : :,:l: : l: : : l: !: : : ／ '
　　　　　 　 　 　 　 　 　 , .l　| l　　.|ﾄ .＼ヽ: : _: !: :!: :ｲ: :l :/ i !　　,　　　　　　　　　　　　　　あら。
　　　　　　　　　　　　 　 , ,　 .! !, 　 l!　＼ヽ: :＿:ヽ:.! :.!: イ　,! !,
　　　　　　 　 　 　 　 　 '/.　l !.l l 　 ｌ .l　　 　 ´;　 '.,l j　 / ハ.l ,　　 ,
　　　　　　　　　　　　　 ' .l　 l ',ハ　 l.ﾉ,へ__ｊ⌒ｰ｀ィヽ! ,　/　 'l　,
　　　　 　 　 　 　 　 　 ;　_ ...-,:ィﾊ　.!::::::::::::::::l:::::///:;　 /:::ヽ　!　,　　 '
　　　　　　　　　　　 　 ,./:::::::///::::,　!:::::::::::::::::::///:/ .,:':::::::::l　 l,　,　 　 ,
　　　　　　　　　　　　　,::::::::///＿_l .!＿＿＿///{/ ./:::::::::::::!　 ｌ',　　　　,ｰ､
　　　　　　　　 　 　 　 ::::::::j／､乂 .! !{ }./ ／ﾉ//./ /:::::::::::::::l 　 } !　,　 　 ﾏヽ　 ,.‐- ._
　　　　　　　　　　　　 ,:::::::////＼ } l　,. イ///// /:::::::::::::::::;　　, j 　 ,　 　 ﾏヘl　 ._//＼
　　　　　　　　　　　　,::::::::!//////,'/////////, ./:::::::::::::::::/　 /.ﾉ　　 ,　　　ﾏ　ヽ/! ＼//}
　 　 　 　 　 　 　 　 ,:::::::::l//////ｲ////////,{ /::::::::::/::::/　ノｲ　　 　 , 　 　 ヽ. },l　　 Vﾉ
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　　　 ,..:::::::::::::::::::_f⌒ヽｰ--､:::::::::::::::::::::::::::::::;:ｲ//／///!__{.＿_l__.ノﾉ＼　 ＼ ,ノ〃
　　 ｒ‐､_jヽ｀ヽ:/.ヽ'"´（ r‐､ヽ:::::::::::::::::::::::::::::'-＝ー-//,ゝｰ---―ｲ!.ト.　ヽ. 　＼'

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
夕食を済ませ、なのはたちと別れた後。
ここからでは外の様子は分からないものの、時刻は既に夜といってもいい頃だった。
帰りがてらに基地内に点在するこじんまりとした売店へと立ち寄り、
目についた菓子や飲料を買っていくと、あまり見ない顔に出くわした。

曲がり角の先に、同じコロニーで暮らしているはずなのに、
不思議と通りすがらない車椅子姿があった。

細く華奢で、硝子細工のような趣すら感じさせる痩躯。
まるで喪に服しているのかと言わんばかりの黒ずくめの服装。
頭からはご丁寧に薄手の黒いヴェールまでかけている。
車椅子は中世風の凝った見た目をしており、
艶のある黒檀と真鍮で構成されている。

マーシフルのアーキテクトでもあり、オルデンブルク有数のネクスト技術研究者として
知られる才女、ラケル・クラウディウス博士だった。

立ち止まり、会釈する。面識がある程度の中だが、彼女も恩人の一人だ。
マーシフルの調整を行う整備チームの顧問も、彼女が兼任してくれている。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3704：安価のやる夫だお：2021/01/10(日) 21:45:01 ID:D6lrMPCE0
おお久しぶりだ

3705： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/10(日) 21:49:20 ID:VecQzDGA0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 rﾍ／ィ_)=-----__、
　　　　　　　　　　　　　斗 七-E三Oｰっニニニﾆ=-_
　　　　　　　　　　　　 j_.斗七ニ(ノし⌒ニニニニニ=->
　　　　　　　　　　　　_-=ニニニ=-￣: : : : : : : : .ヽ: : .ヽ 、
　　　　　　　　　　　 {-=ニ=-￣: : : : ∨ /: : : : : : ;ﾊ: : ∧ .、
　　　　　　　　　　　ムイ: : : : : : : : : : :∨: : : : : : : : }!: : ∧: :.
　　　　　　　　　　　 .′!{: : : : : : : : : : : :v: : : : : : : :ﾊ:＿_: :ィ
　　　　　　　　　　　 i|: :{:乂: :.、: : : v: : : }!: : : i: : ;／⌒　　 }
　　　　　　　　　　　 i|: : V: :⌒＼: : : v: :!|!: : : :／Y　　V 　 !　　　　　　　お元気そうで何よりです。マーシフルの引き渡しの時以来ですね。
　　　　　　　　　　　 i{. . . V. . rぅｯｧ . }! . |!. .／l　 ;　　　　　{　
　　　　　　　　　　　 ∧从. .、 ⌒／. .}l . l／　:|! ./　　　i{ 　 :.　　　　　　　「ええ、まあ。おかげさまで」
　　　　　　　　　　 　 i: vﾉ＼ 、. .斗 七　}!　　:}!ｲv　 　 i{　　 :.
　　　　　　　　　　 　 :.　ゝ　 ＼　　　V}i/　 　 }!　j　　　i{　　　:.　　　　　　　随分、雰囲気もお変わりになられました。
　　　　　　　　　　　　:__,／ ｰｧ ＼　 .j/　　　 :}!,ノ{　 　 i{　　　 :.
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ∧　　　__. !　 　 　:;:::::::::v　　　　　　　:.、　　　　　……ふふ、まさに男の子、という印象を受けます。
　　　　　　　　　　　 　 　 　 iー　⌒l |　　　　′:::::::乂　　　　　　 :.＼
　　　　　　　　　　　　　　 　 l　　 ／l:|　　　 ′::::;／⌒≧ｓ｡、　　　　　、　　　「そ、そうですかお？」
　　　　　　　　　　 斗--厂⌒＼く::ｰ'!|　　　ﾘ::::::/::::::::::::::::::::::::...、
　　　　　　　　　r'⌒ ／.:::::::::::::::::vﾍ.:!|　　 .′::/::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ
　　　　　　　　　L,メ::::::::::::::::::::::::::⌒{:i|　　.′,/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::.

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
深い青色の瞳を覆う瞼は微動だにせず、眉一つ動かない。
のっぺりとした笑顔のまま、のっぺりとした声で、ラケル博士は話していた。
表情は宗教関連の資料で見られるような、仏や聖母といったものの像が
浮かべる微笑みそのものだ。敵意も邪気も、微塵も感じられない。

ただ、それはどこか超然としたもので、安心感とは程遠かった。

人間、相手が自分を見る目に、色々と感じ取るものだ。
親しみ、尊敬、無関心、敵意、悪意、とにかく色々だ。
人はそれで相手を量る。相手が自分にとってどんな人間かを量る。

なのはから言わせれば、それに加えて、人間は自分という人間像を、
相手の目から量っているのだ、とも。

ラケルにはそれがない。まさしく、聖母像か何かの前に立たされた気分だ。
嫌な気分ではなかったが、どことなく落ち着かない自分がいる。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3706： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/10(日) 21:57:43 ID:VecQzDGA0


　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿_　-――- ＿
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /二二二二二二ニ＞ ､
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 〈ニニニニニニニニニニ=ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　, '"￣￣｀""''＜ニニニニニﾆ',
　　　　　　　　　　　　　 ／: : :/: : : : : : /: : : : : i"＜二ニ/
　　　　　　　　　　　　,.: : : : : ,: : : : : : :/: : : : : : !: ; ; !` -ヽ
　　　　　　　　 　 　 /: : : : : ; : : : : : :.;: : : : : :／!: : :.!: : :ハ
　　　　　　　　　　　,｀"‐: : :.!: : : : : : :l: : : :.／‐ ､: : :l: : : : :!',
　　　　　　　 　 　 /　　　　ｌヽ: : : : : /: ／'ヽゝ: ｌ: : ;!: : : : :}: ､　　　　　お噂はかねがね……お優しいのですね、貴方は。
　　　　　　　　　　,　　/ 　 ;　,{: : : : : ィ: : : : : ｀: |: :ﾊ.; : : : ': : :
.　　　 　 　 　 　 ,　　,　 　 ! , 丶: : /',ｌ: : : : : : : :.ｌ.{ヾ: : : /: : : ',　　　　 それでも、心を鬼にして戦場に残り続ける。
　　　　　　　　　　　　　　　',　　 `: ':_:{: : : ､:_: : : ':{:,:!: : /: : : : :}
　　　　　　　　/　　.:'　　 ノﾊ 　 　 l、￣　-`- ― ､:j＿': : :-‐┘　　　　　実に……いじらしい。
　　　　　　　　 ,..-―-...､ｆ::{::::!　l　 l:.＞　 / -　.､｀）';./
　　　　 　 ,　/::::::::::::::::::V,ヽ:::::,　!　.!:::::)ヽ'　　ｰ' l/,ｲ'　 ふ　　　　　　　　　世界を変え損ねた人々が気にするのも頷けます。
.　　　 　 /.'/:::::::::::::::::::::::V/ヽ::,　',　!::':／'　　 .ト'/　{　　ふ
　　　　 .' ./::::::::::::::::::::::::::::V/,ﾊ::,　/::f:::ヽ｀ヽ .ﾉ '.!　 l.　　 っ
.　　　 　 ,::::::::::::::::::::::::::::::::::V/ﾊ:ヽ.!:/:::/::::／:ヽ　!　 |
.　　 '　　i::::::;::::::::::::::::::::::::::::::}//}:::::{:!:/::／::::::::::）,　　',
　 /　　 .l::::/::::::::::::ヽ::::::::::::::j'///／＞､ヽ:::-=::ヽ:., 　.!





　　　　 　 　 　 ＿＿＿_
　　　　 　 　 ／　　 　 u.＼
　　　　 　 ／ー‐-:::::::::::-‐' ＼　　　　　　　へっ？　あー、そのことは……ラケルさんにも迷惑かけましたお。
　 　 　 ／ 　 t　 j:::::::ｨ　 ｯ 　 ＼
.　　 　 |. u 　 ｀¨､__,､__,¨´　　　 |　　　　　　次から長期休暇を貰う時は、前もって言うんで。
.　　　　＼　 　 　 ｀こ´　　 　 ／
　 　 　 ／　　　 　　　　　u　.＼

3707： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/10(日) 22:04:39 ID:VecQzDGA0

　　　　　　　　　　　＿ -―- ＿
　　　　　　　 _-=ニニニニニニニ=-__
. 　 　 　 　 ｆニニニニニニニニニニﾆ;
　 　 　 　 ＜ニニニニニニニニニニニ>
.　　　　　/:/: :`"＜ニニニニニニ＞":ヽ:.＼
.　　 　 ,.': / : : : : : : : ﾊ￣―￣: : : : : : : :ヽ: : :､
.　　　〈: :./: : : : ': : : / ∨: : : : ﾄ : : : : : : : :'; : : : ヽ
　　　　ヽ': : : : :l: : :./＿.V: : : :.! ヽ: : : : : : : l: : : : /
　　　　 ｌl: : : : :.! : :/-－､V: : : l : ヽ:‐-: : : : l: : :./
.　　 　 l:.!: :ｌ: : :l : :ﾊ:::ソ ｀∨: : :,ｲ:::∨: : : : : l: :/　　　　　　　　いいえ、いいえ。私は怒ってなどおりません。
　　　　l　ﾄ､!: : :!: :l : : : : : : ∨: : ;`: "V: : : : ;ィ
　　 　 l　.! .l` ｰ　:!: : : : : : : :'V: : ,: : :ハl: : ｊ　.!　　　　　　　　　むしろ、喜ばしく思っております。マーシフルは、貴方のような人にこそ。
.　　　 ｌ　 l　!　　V!＼: : :､ : :_:.ヽ: :.; /: : }／ .i |
.　　　 ! i　!　'　　 V丶｀　: :＿: : ヽ:_:,:イ ! .l　! l　　　　　　　　　 ……大いなる力は、優しさにこそ、託されるべきです。
. 　 　 | .!　!.　 ,　　V.! ＞　　＜!、＼ヽ,　 ,　ﾊ.|
. 　 　 l,..::::::::::....､　 .V-‐,　　 ｒ┴-ｲ. ＼､/ /! ﾘ　　　　　　　　　 ましてやネクスト、個人の意思で世界を滅ぼせるほどのもの。
　　　/:::::::::::::::::::!､　 l:::{:::ー―'{:::ヽ-._　 ,＼'.ｌ.ﾉ
　 　 ;:::::::::::::::::::::!ﾍ　 l::::::::､::::::::':::::::∨7/ /_ヽ、　　　　　　　　　　我々科学者は、縦横無尽にこの星を翔ける核弾頭のようなものを、
.　　 l::::::::::::::::::::::l/ﾊ　l:::::::::::::::::::::::::::::V/.,':::::ヽ
.　　 !:::::::::::::::::::::::!/∧.!￣￣　―--　l, /i:::::::::;　　　　　　　　　　　あくまで個人にすぎぬものに託しているのですから。
　　 l:::::::::::::::::::::::::l//ﾊﾄ､'/,l.l'/o/,!l//,i ハ::::::::i
　　 l::::::::::::::::::::::::::!///}/＞､`ｰ--''"/{.!'/ｉ::::::::l
.　　 !:::::::::::::::::::::::::!'///////＞-＜//'{'/,}::::::::l
　 　 ':::::::::::::::::::::::ﾉ/////////////////j:::::::::!





　　　　　　　　　　　 {-=ニニニニニニニニニニニニニ=-;.: .:.
　　　　　　　　　　　ハ-=ニニニニニニニニニニニニ=-/.: .:}!:.
　　　　　　　　　　 .: .: :.、-=ﾆニニニニニニニニニ=-／.: .: .:}! :.
　　　　 　 　 　 　 .: .: .: :. .-=ﾆﾆニニニニニニﾆ=-イ.: .: .: .: .:|!.: :.
　　　　　　　　　　i.: .: |: .: .:＼-=ニニニﾆﾆ=-￣.: .:.:}!:. :. :. :.! :|!:. :. :.
　　　　　　　　　　i.: .: |:. i{ .: : ≧=--　--=≦.: .: .: .: |!:. :. :. :.! :|! :. :. :.
　　　　　　　　　　i.: .: |:. i| :. /从:. :. :. :.i{＼:. :. :. :. :.!:|!:. :. :. :.! :|!:. :. :. :.、
　　　　　　　　　　l:. : 从 | /廴__ヽ:. :. :.i{: : :`: : : : : !:|!:. :. :. :.! :|!:. :. :. ;ハ　　　　　　これからも、どうぞマーシフルをよろしくお願いします。
　　　　　　　　　　l: : : :|! | i{＾¨¨¨´:＼:八: :ゝ===彡.:|!:. :. :. :.! :|!:. :.／}!　:.
　　　　　　　　　　l. . . .|! |从. . . . . . . ＼.＼ . . . _ノ〉l!:. :. :. :.! :|!:. ;　 :}! 　 .　　　　　科学者とにとって、己の技術とは子も同然。
　　　　　　　　　　l. . . .|! ト　＼. . . . .ﾉ . ＼.＼. .￣. |!:. :. :. ﾘ:!:|!:/　　|!
　　　　　　　　 　 {. . . .|! |　| ￣ 、　.　.　.　＼( . . .ｲ|!:. :. ./／⌒　　 |!　　 :.　　　　 ましてや兵器という因果なもの。
　　　　　　　　 　 乂　jI斗-|　　| ＼　-=-　　.＼´ﾆi|!.: .:／乂　 i: 　 |!　　　　
　　　　　　　　　 ／⌒[{i:i:ｉ:ｉ|　　|ﾆニヽ.__　ィi〔ﾆ⌒＼,／′i:i:i:≧ｭ　.:|!　　　:.　　　　 どうぞ、大事に、慎重に扱ってくださいませ。
　　　　　 　 　 /-=ﾆﾆ[{i:i:ｉ:ｉ|　　|ニ=-}i:i:i:i:i:i:i:{-=ﾆ/　　/-ﾉi:i:i:i::i:i:}≧=-　　 }!
　　　　　　　　 -=ニﾆ[{ｉ:ｉ:ｉ:ｉ|　　|ニ=-{i:i:i:i::i:i:i:l-=/　　/-/i:i:i:i:i:i:i:/ニﾆﾆ=-＼

3708： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/10(日) 22:10:48 ID:VecQzDGA0


　　　　 　 ／ ￣￣ ＼
　 　 　 ／ノ　　ヽ__ 　 ＼
　 　 ／（―） 　（― ） 　 ＼　　　　　　も、もちろんですお。ラケルさんにも、なのはさんたちにも、これ以上恥かかせられませんお。
　 　 |.　　（_人＿）　　　u　|
　　　＼ 　 ｀⌒ ´　　 　 ,／　　　　　　 マーシフルも……ちょくちょく壊しちゃってますけど、大事に使わせてもらいますお。
　　 　 / 　　　　　　　　ヽ
.　 　 /　l　　　,/　 /　　 i　　　　　　　　（なんか、変わった人だお）
　 　 (＿) 　　(__ ノ 　 　 l
　 　 ／　　／　　　___ ,ノ
　 　 !､＿__!､＿_＿＿_つ

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二回だけしか顔を合わせていないが、自分は彼女と相対するとき、
得も言われぬ違和感のようなものを感じずにはいられなかった。

悪人ではない、と思う。これで悪人だったとしたら、凄まじい極悪人だろう。
オルデンブルクの有力な技術者でありながら、こんな閑職同然の立場に
追いやられて尚権力に固執することもせず、孤児院まで建立するような女性だ。

誰に対しても態度を変えず、穏やかで、慈愛に満ちた表情を浮かべている。
ルルーシュも、C.Cも、彼女とはより直接的な仕事仲間ではあるが、
彼女に対しては好意的だ。なのはもラケル博士を尊敬していると言っていた。
彼等の人を見る目は、疑うべくもない。

それでも、自分にはどこか、拭いきれない違和感があった。
嫌悪感とは全く違う。事実、こうしていても苦痛ではない。
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3709： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/10(日) 22:25:33 ID:VecQzDGA0

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　　　　　　　　　　　　　　ｿr_>)r〜ﾍ////////////r()ｸﾌ
　　　　　　　　　　　　 </＞=^(廴ﾊ)f-ﾐ//////r=ﾐ/木_>
　　　　　　　　　　　 ／../`＜/ゝ-<廴ﾒr_ｧ=┐廴)){{辷))
　　　　　　　　　 ／/. ./. . . . /`＜ゞー((辷ソ/ゞ彡ゝ〜/＞
　　　　　　　　／. /. . /. . . ./. . . ./l. `＜///////≫ ' ﾍ. .'.,
　　　　　　　　＼/. . /. . . ./. . . ./. l . . . . . . .l. . . .l. . . . . .i. .ヽ
　　　　　　　　　ﾊ. ./. . . .,. . . ../. . .l. . . . . . .lV. . . l. . . . .ハ. . )
　　　　　　　　 /ﾉ./. . . ./. . . /ー- l. . . . . . l. .V. . .l. . . . . . .,. .＼
　　　　　　　　, {. .,. . . .l . ._,ｨ=＝ミﾐl. . . . . .l - l、. .l. . . . . .l. .i. . . .Y
　　　　　　　 ,'人.i. . . . l. . .弋:.ﾟ_ﾉﾉ. .V. . .l. l zzkl. . l. . . . . .;. . ,. . ./　　　　　　　……？　どうか、なさいましたか？
　　　　　　　/　　l＼. . l. ./. . . . . . . ..V. . ;..ｲ:.。.:}l. ..l. . . . . .l. . .,／
　　　　　　 /　　 l 　 ＼./. . . . . . . . . .V. . .l^ -　.l. .l. . . . . .l. ／ l　　　　　　　　私のような者の顔をじっと見て。面白いものでもないでしょう。
　　　　 　 /　　　l　　　l l＼. . . . . . . .' .V. ..l. .ﾞﾞ´.,}. l. . . . . ｲ 　　 l
　　　　　 /　　　 l　　　l lﾍ. ＼ `:. . . __. V. .l. . ./.l. l. . ／/, 　 　　l　　　　　　　　「い、いえ」
　　　　 ./　　 　 l i　　　l　.|ヽ ヽ 、. . . . . V l.ｲ. . l l／ / / 　　　　l
　　　　/　　　　 l　l　　　l-:l　::...、｀　_--イ----＜ 　./ / 　　　 　 l
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　　　l /　 l　　　_ｨ/ﾊ　　 l::::::::::::::::::::l:::::::::///ハ V ./:::ヽ
　　　li　γ::::::::::///:::ﾍ 　 l::::::::::::::::::::{::::::///:::/ ∧〈:::::::::l　　　　　　　　l
　　　l　/:::::::::::///::::::::::}　 l:::::::::::::::::::::: ///::::/　 ∧ ;::::::::l　　　　　　　　l

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年の頃はなのはより少々上、くらいだろうか。
全体的に顔のパーツが愛らしい丸みを帯びた、かなりの幼顔なので分かりづらいが、
三十手前くらいには考えておいてもいいかもしれない。死んでも口には出さないが。

本当に、謎に包まれた女性だ。不透明さが服を着て歩いているようなものだ。
正確には、不透明さが服を着て車椅子に乗っている、とでも言うべきか。

思わず顔を覗き込むようにして見つめてしまっていたようで、
ラケルは表情を崩さないまま、首を傾げていた。訳もなくどもってしまう。

しかし、どうしたものか。気になることがないわけでもない。
だが、藪から棒に聞いていいものだろうか。

それに、こんな夜更けに身体が不自由な、しかも女性を一人で行かせる、
というのも気が引ける。送っていくと申し出ようか。
いや、電気駆動の車椅子があるし、不便ではないだろう。
いくら女性一人と言えど、ここは基地内だ。警備員もいる。
そうそう変な気を起こす人間も居はしまい。しまいのだが。

どうしたものだろうか。

下↓1　どうしますか？　行動、もしくは台詞をどうぞ
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3710：安価のやる夫だお：2021/01/10(日) 22:26:38 ID:D6lrMPCE0
送っていく

3711： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/10(日) 22:43:43 ID:VecQzDGA0

　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |　　　　　送っていきますお。
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　　　／_∩　 　ー‐　　　　＼　　　　　 「あら……どうして？」
　　　　　　　　（＿__＿）　　　　　　　|、　＼
　　　　　　　　　 　|　　　　　　　　　 |/　 ／　　　　車椅子の女の人を一人で『はいさようなら』と見送るのも、気が引けるってだけですお。
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　⊂　／
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　し'
　　　　　　　　　　　＼ 　　､／　　／
　　　　　　　　　　　 　＼／　　／
　　　　　　　　　　　＿／　　／｀`l
　　　　　　　　　　（＿_＿_／（＿/





　　　　　　　　/. . . . . l. . . . . . . . . . . . l／. . . . . . .l.l. . . . . . ./. . . . . . . . .V.....|
　　　　　　　 /. . . . . .l. . . . . . . . . . . . l__,,x===ミﾐ l l. . . . . ./. . . . . . . . .__.V...|
　　　　　 　 /. . . . . . l. . . . . . . . . . . . { 弋t 込ｿﾉ l il. . . . /. . . . . . . . . . . . V|
　　　　　 　/. . . . . . .l. . l. . . . . . . . . .li` ー＝'^. . . l. . . . /. . . . . . . . . . . .　　|
　　　　 　 /. . . . . . . l. . l. . . . . . . . . .l. . . . . . . . . . ,　 ／. . . . . . . . . . . . . .　.|　　　　　　でしたら……地上階の出入り口までお願いします。
　　　　　./. . . . . . . . l. .li. . . . . . . . . li. . . . . . . . . ./／. . , . . . . . . . . . . . . . . .|
　　　　 /. . . . . . . . _,l. l l. . . . . . . . .lﾍ. . . . . . . ../´. . . . ヽ. . . . . . . . . . . . .　.|　　　　　　 迎えの車がありますので、そこまで。
　　 　 / _,,. -‐''"´. . l. l. l. . . . . . . . .l:::::..、. . . . . . . . . . . . . . . __　-‐'. . . . . ...|
　　　/. . . . . . . . . __zl=l个ミz ___. . . l::lﾍ::＼. . . . . . . . . ` ￣. . . . . . . . . _ ／|　　　　　　　 しかし……ふふ。紳士的なのですね……
　　 /、======彡　 人V　　　`￣　===zz::::`::..、. . . . . . . . . . .___,,. -‐''´　　|
　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　 V　 | }::::::::::::...、----==='　　　　　　　 |

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特に下心があるわけではない。はやてのことがあるのもそうだが、
そういったところの分別はついている。伊達になのはやはやて、
アルトリアと一緒に過ごしてきたわけではない。
今の自分は、美女と二人で密室に放り込まれたとしても耐えられる自信がある。
何せ妙齢の美女が酔っぱらい、自分のベッドで寝ていても、何もしなかった男だ。

自分のぎこちない申し出に、ラケル博士はにこりと微笑みで返した。
口許が妖しく歪むのが見える。思わず、生唾を呑み込んだ。
どうかしている。彼女の静謐な表情から、背筋を這うような艶めかしさが
滲み出たように見えたからだ。別に、そういった意味合いはないはずだ。
本当にどうかしている。

動揺を押し隠すために、さっさと彼女の背後に回ると、車椅子のハンドルを掴んだ。
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3712： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/10(日) 22:51:44 ID:VecQzDGA0

　　　　　　　　　　　　　　　 　 ´ニニﾆﾆ才^'､________
　　　　　　　　　　　　　　／ニニ,.｡s≦ニ｛器｝ﾆﾆｱﾟ
　　　　　　　　　　　　　_j≧=≦ニニニニニニアﾟ＼ __
　　　　　　　　　　　／{薔}ﾆ{薔}ﾆ{薔}ﾆﾆ=‐ ''. . . . . .ヽ ＼_
　　　　 　 　 　 　 アﾟ＾ｱ'' ‐=ﾆﾆ=-　'' ~. . . . `､. . . . . .}i : :¨＼__
　　　　　　　　　 /. . ./ . . . . '. . . . . . . . . .ﾟ,. . . `,. . i⌒∨: : : : ¨i}___
　 　 　 　 　 　 〈 . . .ﾟ. ,ﾞ . . i{ . . . . . . {l___. .ﾟ,. . . .ﾟ, .jl 　 ∨ : : : : ⌒＾＼
　　　　　　　　　 ヽ. i .i{. . __l{__. . . . .´{l ＼. .ﾟ,.r'⌒´　　 　' : : : : : : : : : i}___
　　 　 　 　 　 　 人{ .l{. . .{.l{ '.､. . . .斗筏弐｣{l　　 ,　　　 i___: : : : : : : :´⌒＼
　　　　　　 　 　 　 ｉ{｀l{､_._lrf愆ｱ 、. .{~^^´_ノ} 　 　 　 　 l'//＼__.: : : : : : : : :
.　　　　 　 　 　 　 八il{ 　 込ｰ---＼{'ﾞ´　　从, 　 } 　 　 l//////＼: : : : : : :
　　　　　　　 　 　 　 从　　V公｡, 　-　'　 ｨ^'ｌ}　　 } 　 　 l////////}__.: : : : :
　　　　　　　　 　 　 　 ﾟ, ､　 V/从≧= 升_ ノi}　　 }__ 　　l//////////}.: .: : :
　　　　　　　 　 　 　 　 }小,　∨-‐r{⌒ｉ＾{⌒_j}　　 }　　~¨寸'////////}.: .: : :
　　　　　　　 　 　 　 　 }　ハ　∨ j{l{⌒^ﾞ^´　,　　 ,　　　　 ∨'///////＼: : :
　　　　　　　　　　　 　 , /　 ,}　i} j{l{　　　　_/　　/　　　　　 }V ////////{ : :
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　　　　　　　　　　　 //　 / il}　l}ニ＼i__i／ﾞ 　 ﾞﾆ{　 　 ,　　 , 　V///////＼
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　　　　　　 {　　　 「　　　　 ,}ニニニ二二／ 　 ｀ 　 '　　 /,､丶`: : : : : ,､丶` :
　　　　　　人　 　 } 　 　　_=ニニニ二／　　　 　 　 _､+''~: : : : : : ,､丶|i//}: : :
　　　 　 　 　 ヽ／} 　 　 /ニニニ=／　　　　　_､+''~ : : : : : _､+''~ li 　从,7.: : :
　 　 　 　 　 ／=ﾆ}　　 /ニニニ／　　　　　ｘく: : : : : :_､+''~　　　,ﾉ　/ //: : : :

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人通りがあからさまに少なくなりつつある連絡通路を、
会話もないまま車椅子を押して進んでいく。

車輪の軋む音と自分の足音を聞きながら、己に言い聞かせた。
さっきのは俗にいう、気の迷いというやつだ。

ラケル博士には、なのはやはやてとは違う、別のベクトルの何かがあった。
見ての通り、幼さの残る目元や唇は可愛らしい。
色素の薄い金髪も、質のいい織物でも見ているような気分にさせられる。

どちらかといえば、アルトリアに近いものを感じた。
神秘性のある美女というものだ。思えば、自分もアルトリアには、
初対面から散々どぎまぎさせられていた。似たようなものだろう。
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3713： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/10(日) 23:24:10 ID:VecQzDGA0

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しばらくすると、地上階のゲートに辿り着いた。
機械音声の案内が流れる中、ゲート中央の液晶デバイスの前に歩み寄る。
ここのロックは虹彩認証式なのだ。もちろん、自分も登録してある。

といっても、ここからわざわざ地上に出ることも少ないのだが。
いくら一口に故郷と言っても、思い出のようなものがあるわけではない。

コロニートウキョウには大きく分けて三つの区画がある。
この基地が存在する行政区。住居が多数存在する居住区。
一般市民たちが労働に従事するための工業区だ。

行政区は企業に連なる人間も多く住んでいるため、かつての国家に見られた
オフィス街のような風貌を持ち合わせている。
だが、そこから一歩出れば、それはスラムと言って差し支えなかった。
自分が生まれ育ったのもそこだ。

工業区だって、言ってしまえば配給を受ける資格を維持するためだけに、
言われた作業をこなすための工場である。
オートメーション、ありとあらゆる業務の完全自動化というのは、大昔に頓挫していた。
というのも、コスト面等といった製造段階での問題を解決できなかったのだ。
枯渇する資源。膨大な電力消費。設計やプログラミングの手間。
大幅な自動化こそ遂げたものの、完全な自動化は夢のまた夢だった。

その間を埋めるようにして、充分な教育も受けられず、
企業の人間として在籍することも叶わず、ただ生きているだけのような、
そんな人間が突っ込まれるようになった。
工業区は、そういった人間たちのための、生きる糧を得るための場所だ。

ろくなものではない。

沸々と沸き上がる嫌な郷愁を感じながら、開いていくゲートの隙間を見つめる。
その先には、煌びやかな街灯に照らされたその下に、素朴な一般車が佇んでいた。
ベージュにペイントされた、飾り気のないファミリーカーだった。
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3714： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/10(日) 23:42:41 ID:VecQzDGA0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´　 /ﾊ
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　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　ヽ∨ /　　＿{､
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　　　　　　　　　　 / / .,　___{_　　i 斗匕､}　ｉ　　ｉ iV　　　 i
　　　　　　　　 　 ,' /　i{ 　./{i.　　l､ .i斗=ミ |　　| ｉ ∨　　 |
　　　　　 　 　 　 ﾚ'i　 i{　.,ﾞ斥､　 i V　ﾄ刈 〉　 /i|i }i!　 　 |
　　　　　　　　　 　 |　 iレ!. 似 ＼|i　　ゞ '　' ,.ｲ　!/ ｉ　　　|
　　　　　　　　　 　 |　　　i , ,　 ､　　　 ' ' /'´　}　|／!　 　 !　　　　　　　ラケル先生、今日もお疲れ様でした。
.　　　　 　 　 　 　 ﾉi 　 i人.　 　-　､　　厶　 /　i!　i!　 　 |
　　　　　　　　　　'´ i　ﾄi　 个　.,_　　　_,.ｨi　/ ∧|　 !　 　 !　　　　　　　……そちらの方は？
　　　　　　　　　 　 人_{ ＼{ヽir≦〕抓-≦ﾚ'レ'〉---､. 　 ｜
　　　　　　　　　　　　　 ＞‐ rﾄ､三三三 ＞''´／'///｀ヽ　!
　　　　　　　　　　　 　////∧ﾑ｀ー一 ´__,／'///////,ﾊ |
　　　　 　 　 　 　 　 ////, /∧乂＿__,,.イ////,ﾞ//////,i !
　 　 　 　 　 　 　 　 〉/／/// ｀7777777´///,{///////!i!
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　　　 　 　 人///乂r '////∧__{__////////////////// }
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　　　　　　　　　　　　　斗 七-E三Oｰっニニニﾆ=-_
　　　　　　　　　　　　 j_.斗七ニ(ノし⌒ニニニニニ=->
　　　　　　　　　　　　_-=ニニニ=-￣: : : : : : : : .ヽ: : .ヽ 、
　　　　　　　　　　　 {-=ニ=-￣: : : : ∨ /: : : : : : ;ﾊ: : ∧ .、
　　　　　　　　　　　ムイ: : : : : : : : : : :∨: : : : : : : : }!: : ∧: :.
　　　　　　　　　　　 .′!{: : : : : : : : : : : :v: : : : : : : :ﾊ:＿_: :ィ
　　　　　　　　　　　 i|: :{:乂: :.、: : : v: : : }!: : : i: : ;／⌒　　 }
　　　　　　　　　　　 i|: : V: :⌒＼: : : v: :!|!: : : :／Y　　V 　 !　　　　　　ああ、シスター・オリコ。
　　　　　　　　　　　 i{. . . V. . rぅｯｧ . }! . |!. .／l　 ;　　　　　{
　　　　　　　　　　　 ∧从. .、 ⌒／. .}l . l／　:|! ./　　　i{ 　 :.　　　　　　今日もお迎え、ありがとうございます。
　　　　　　　　　　 　 i: vﾉ＼ 、. .斗 七　}!　　:}!ｲv　 　 i{　　 :.
　　　　　　　　　　 　 :.　ゝ　 ＼　　　V}i/　 　 }!　j　　　i{　　　:.　　　　　　こちらの方は、ここまで送ってくださった、親切な御仁です。
　　　　　　　　　　　　:__,／ ｰｧ ＼　 .j/　　　 :}!,ノ{　 　 i{　　　 :.
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ∧　　　__. !　 　 　:;:::::::::v　　　　　　　:.、　　　　ご挨拶を。
　　　　　　　　　　　 　 　 　 iー　⌒l |　　　　′:::::::乂　　　　　　 :.＼
　　　　　　　　　　　　　　 　 l　　 ／l:|　　　 ′::::;／⌒≧ｓ｡、　　　　　、
　　　　　　　　　　 斗--厂⌒＼く::ｰ'!|　　　ﾘ::::::/::::::::::::::::::::::::...、
　　　　　　　　　r'⌒ ／.:::::::::::::::::vﾍ.:!|　　 .′::/::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ
　　　　　　　　　L,メ::::::::::::::::::::::::::⌒{:i|　　.′,/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::.

3715： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/10(日) 23:45:54 ID:VecQzDGA0

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　 　 　 　　‘　 ィ芹;j｀　ヽ{代:ｱ〉　　/ {　}　{
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　　　　　　　 }'} ﾊ{`　､ 　　 イ}/'　 　/ 　! /'
　　　　　　　　'´　　　 }≧´　 {　　　.'　 , {
　　　　　　 　 _ . x≦{'　　 /　 ｀＞=|　/{‘.　　　　　　　　　　……こんばんは。先生が、お世話になりました。
　　　　　 　 /､ﾆﾆ ∧ニ _ ニ／ﾆﾆ∧‘.!　‘.
　　　　　　 .'ヽ ＼ﾆ:∧　　 ,:'ﾆﾆﾆ＞‘. ｀ヽ　ヽ　　　　　　　　　先生の営む孤児院で修道女をしております。
　　　　　　 |ニ∨/＜ ヽ　/_＞ ´ﾆﾆﾆ∧　 : 　＼
　　　　　　 |ﾆ, 'ﾆﾆニ＞=ｧ＜ﾆﾆヽﾆﾆﾆ ヽ　ヽ.　}　　　　　　　　オリコ、と申します。
　　　　　　 |./ﾆﾆﾆ／,ｲ={､//｀ヽﾆ:＼ﾆニ|､ 　 }.'
　　　　　　 |{ﾆﾆﾆ {// }ﾆ|/ヽ/// 〉ﾆ ∨ :|ﾉ 　/　　　　　　　　　……では、失礼いたします。あなたに主のご加護があらんことを。
　　　 　　　|∨ﾆﾆ ヽ/;|ﾆ|/,{ﾆ＼,/ﾆﾆ/ニ{　 ,:'
　　　　　　 }ﾆヽﾆﾆ, '/,'ﾆ:!/{､ﾆﾆﾆ .イﾆ _.'／
　　　 　 　 〈ニ}ﾆ// /ﾆﾆ}/|ﾆ二ﾆﾆ/ﾆﾆ:!
　　　　　　　}/ {//// ﾆﾆ|/{ﾆﾆﾆﾆ,'ﾆヽ〈
　　　　　　　{ニ!､／ﾆﾆﾆ:ヽ{ﾆﾆﾆﾆ{ﾆﾆ ,'
　 　 　 　 　 }ﾆ!ﾆ _ﾆ＿ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ∨ﾆ{
　　　　　　　 |:,'ﾆﾆﾆﾆ≧=-ﾆ＿ﾆﾆﾆ∨{
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　　 　 　 　 /ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ∧
　　　　　　/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ ∧
　　　　　 ,'ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ }∧
　　　　　,ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ }!∧
　　　　 ,:ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ:}| ∧
　　　　/≧s。ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ:」ゝ'‘.
　　　 ,'ﾆﾆ/ﾆﾆ≧s。＿＿二二。ｃ≦´{ﾆﾆﾆ‘.
　　 ,:'ﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ}ﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ}ﾆﾆﾆﾆ!





　　　　　　　|　|　|

　　　　 ／￣￣￣ ＼　　ペコッ
　　　／　　　　　　 .　＼
　 ／　 　＼　　　／　　 ＼　　　　　ど、どうも。気をつけて。
　.|　　　（●） 　（●）　.　　|
　 ＼ 　　 （__人__）　.u.　／　　　　　　（……しゅ？　ごかご？）
　　 /　　　 ｀⌒´　　　　ヽ

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車から降りてきたのは、自分と大差ないくらいの、おさげ髪の少女だった。
車へと近づいていくラケルと、よく分からない暗号めいた言葉を交わしている。
すると、ラケルが自分を平手で指し示し、挨拶するように促していた。

少女は一瞬、怪訝そうに眉を顰めたかと思うと、こちらへ向き直って会釈をした。
これまたよく分からない言葉を交えてはいたが、丁寧なあいさつだったので、
こちらもつい畏まってしまい、下げる頭の角度も深くなってしまった。

それを見るや否や、少女は踵を返し、車へと戻っていった。
後部座席が開き、車体の底からスロープが射出されている。
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3716： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/10(日) 23:49:40 ID:VecQzDGA0

　　　　　　　　　　くｿ＾-=ニニニニニ=-￣: : : :V: : : :: : : : : : : v: : : : .Ⅶ: : : :
　 　 　 　 　 　 　 /-=ニニニニ=-￣j{: : : : : : : .v: : : : : : : : : : .V: : : : Ⅶ: : :
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　　　　　　 　 　 . . j{ . . . . . j{／⌒.、. . . . . . . . 　　　　メ芋芋芋気ﾒ、､l
　　　　　　　　　 . . j{. . . . .!:j{.: : .: . : .、. . . . . . . .、　 ｨf l{っ亢ｿ}ﾘ　ﾒ⌒ l
　　　　　　　　　. :　‘　　 :i|j{__,,ｨfzzﾒﾐ、. . . . . . . .＼　j{ .乂zr歹ィi〔　,　 l　　　　　　　　ありがとうございました。
　 　 　 　 　 　 . :　. ‘　　:i|:{ 〃 笊気＾ヾ 、. . . . . . .＼　￣ 　　　　 ﾉ〉　l
　　　　　　　　 . :　.　.‘.　 i|ﾊj{( {うじソ　. . . .、 . . . . . . ＼　　　　／´ 　 .l　　　　　　　　では……また、お会いするときまで。
　　　　　　　　 . :　　. .‘.　i|: :. ＾ ゝ " .　.　.　. ＼　　　く⌒＼　　 　 　 　 :l
　　　　　 　 　 . : 　 . . ∧　 : : .　　 　 　 　 l　　 ＼　　 ＼　　 　　　　　　l,／
　　　　　　　　i . . . . . / ∧　 ∧　　　　　　　、　　 `　　　 ＼　　　　　 ,／!
　　　　　　　　i . . . . . . / ∧　 ∧　　　　 　 　 　 　 　 `　　　＼　　 ／ 　:l
　　　　　　　　: . . . . . . . / ∧　 ∧ 　 　 　 　 　 　 　 　 　 `　　＼'　　　　l
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　　　　　　　　!　　　　　　　　　 、　 ゝ　　　　　 　￣ 　 　 ／　　 　 ／. : :.|
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去り際、目を細めたラケル博士に微笑みかけられる。
自分なりの愛想として口角を上げてみるが、きっと不自然に映っただろう。
それを意に会する様子もなく、ラケル博士は軽く会釈をすると、
車へと乗り込んでいった。

本当に、変わった人たちだ。言うことも雰囲気も変わっている。
この先、そこまで彼女らと親密になることはなさそうだな、と、
願望なのか予感なのか分からないものを抱きつつ、その日はそのまま自室へ帰った。
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3717： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/10(日) 23:49:53 ID:VecQzDGA0
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3718： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/10(日) 23:54:48 ID:VecQzDGA0

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【Name】
ラケル・クラウディウス
【Status】
アーキテクト：A
ネクスト開発、設計、整備の技術と知識に通じている。
オルデンブルク社の中でも随一の技術者として有名。

AMS適性：D
AMSに接続するための適性。
最低限の適性を持っており、ごく小さな機械を動かす程度なら可能。
AMSが組み込まれたインターフェースを手術で体内に埋め込んでおり、
感覚の復活、自発的な排泄等ある程度の身体機能を取り戻してはいるものの、歩行までは至っていない。

【Note】
オルデンブルク開発部ネクスト部門所属。
コロニー・トウキョウのネクスト収容整備施設に勤務している。
技術顧問に抜擢されるほどの優秀な技術者だが、出世を固辞している。
近年コロニー・トウキョウに建設された児童養護施設の出資者であり、経営者でもある。
幼少期の事故による下半身不随であり、常に車椅子に乗っている。

【New】
年齢不詳。イタリアと北欧系の混血とのこと。
車椅子は電動式であり、AMSを利用したインプラント式操作システムによって動かしているらしい。
基地内では物腰穏やかで誰からも好印象を持たれているものの、距離を感じずにはいられないようだ。

ネクストを我が子に例えることが多いらしい。
（三週目ヒロイン）


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　　　　　　　‘.ヽ{: :　　' 　　: :, ' 　,'/　 }　{/}!
　　　　　　　 /　｀ゝ 　.　,　ノ.ｲ //}'　 .'　/ i!
　　　　　　　 }'} ﾊ{`　､ 　　 イ}/'　 　/ 　! /'
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　　　　　　 　 _ . x≦{'　　 /　 ｀＞=|　/{‘.
　　　　　 　 /､ﾆﾆ ∧ニ _ ニ／ﾆﾆ∧‘.!　‘.
　　　　　　 .'ヽ ＼ﾆ:∧　　 ,:'ﾆﾆﾆ＞‘. ｀ヽ　ヽ
　　　　　　 |ニ∨/＜ ヽ　/_＞ ´ﾆﾆﾆ∧　 : 　＼
　　　　　　 |ﾆ, 'ﾆﾆニ＞=ｧ＜ﾆﾆヽﾆﾆﾆ ヽ　ヽ.　}
　　　　　　 |./ﾆﾆﾆ／,ｲ={､//｀ヽﾆ:＼ﾆニ|､ 　 }.'
　　　　　　 |{ﾆﾆﾆ {// }ﾆ|/ヽ/// 〉ﾆ ∨ :|ﾉ 　/
　　　 　　　|∨ﾆﾆ ヽ/;|ﾆ|/,{ﾆ＼,/ﾆﾆ/ニ{　 ,:'
　　　　　　 }ﾆヽﾆﾆ, '/,'ﾆ:!/{､ﾆﾆﾆ .イﾆ _.'／
　　　 　 　 〈ニ}ﾆ// /ﾆﾆ}/|ﾆ二ﾆﾆ/ﾆﾆ:!
　　　　　　　}/ {//// ﾆﾆ|/{ﾆﾆﾆﾆ,'ﾆヽ〈
　　　　　　　{ニ!､／ﾆﾆﾆ:ヽ{ﾆﾆﾆﾆ{ﾆﾆ ,'
　 　 　 　 　 }ﾆ!ﾆ _ﾆ＿ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ∨ﾆ{
　　　　　　　 |:,'ﾆﾆﾆﾆ≧=-ﾆ＿ﾆﾆﾆ∨{

【Name】
オリコ・L・ムラクモ
【Status】
---
【Note】
詳細不明。ラケルの営む孤児院で、修道女という職についているらしい。
自分とは同い年くらいにも見える……
（三週目ヒロイン）

3719： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/10(日) 23:56:24 ID:VecQzDGA0
今日はここまでだ。

最近、本当に眠くてね。無限に寝られるよ。オフトゥンが我が最後の領地となりそうだ。

次回は来週の日曜日、1/17午後八時からとしよう。シーユーアゲイン。

3720：安価のやる夫だお：2021/01/10(日) 23:59:56 ID:zIFkpKmQ0
乙ー

3721：安価のやる夫だお：2021/01/11(月) 00:00:20 ID:xezACZ960
乙でした

3722：安価のやる夫だお：2021/01/11(月) 00:08:41 ID:ux2NmBXM0
乙

3723：安価のやる夫だお：2021/01/11(月) 11:00:37 ID:qF96zRng0
乙でした

3724： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/17(日) 20:01:22 ID:bnjco0vk0

　　　　／||ミ
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　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

3725： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/17(日) 20:16:39 ID:bnjco0vk0

　　　　　　 　 ,- ‐‐ -　､
　　　 　　 ｒ‐ｲ: : : : : : : : :｀,
　　　　　　i /○　○: : : : /　　　/｀ ､
　　　　　 　i_ _ _ : : : : : : :{　 　 / : : /
　　　　　　 ｀,_　_｀=-: : : :| 　 ノ : : /　　　　　　　ACVDの鯖が、未だに生きていることを最近知った>>1だよ。
　　　　　　　i: : : : :_: : : : :'y´ : : : /
　　　　　　　｀-‐､´: : : : : : : : : ／　　　　　　　　　レザスピ四脚四機……一向に呼ばれぬ傭兵稼業……引き砂軽逆……
　　　 　 　 　 　 ﾉ : : : : : : : : i´
　　　　　 　 　 / : : : : : : : : : :|　　　　　　　　　　　Twitter上での内ゲバ……私は……ﾅﾆｶｻﾚﾀﾖｳﾀﾞ
　 　 　 　 　 　i: : : : : : : : : : : !
.　 　 　 　 　 （｀ー‐-　　-‐　_}　　　　　　　　　　　　はじめていこっか。

3726： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/17(日) 20:24:30 ID:bnjco0vk0

　　　　　　　　　　　　　＿_　　　　　　　　　＿_
　　　　　　 　 　 　 ／: 7:.Ｔ: ＼　　　　 ／´:／⌒
　　　　　　　　　　/: : 厶斗―┷‐-: : : : :∠ ＿＿
　　　 　 　 　 　 ／´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
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　　　　　　 / : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : :l: :ヽ: :Ｙ: : : ヽ
　　　　　　.: : : : : : : : : : :′: : : :./: : ﾊ: :ﾊ: : | : | : : ト ﾊ
　　　　 　 {: : : : :ー----|: | : : : |:斗冖ナ|: :ﾊ: :| : : }　ｿ
　　　　　　 : : : : : : : : : : |: |: : :| |ノ　xf=ミﾚ: /}ハ:.:/
　　　　　　 V : 辷―‐--ヘ八 |.:N 〃ん}　V　　 ﾚ′
　 　 　 　 　 ＼: ＼: : :/んl: : ＼{　N ﾋﾂ 　゛､
　　 　 　 　 　|: ＼ : ｰ ゞ_｣ : : ｢　　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　へえー、ラケル博士と会ったんだ。
　　　 　 　 　 |: | : ＼: :ζ |: : :|　　　　　　_ﾉ
　　　 　 　 　 |: |: : | : Y　八: : ゝ　　 　 〈ｨ′　　　　　　　　　　　　　　ラケル博士かぁ……私も最近話してなかったなあ。
　　　 　 　 　 |: |: : |: ┌=- _＼|　　　 　 /
　　　 　 　 　 |: |: : | 厂 -=　二辷厂￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　 　 　 　 |: |: : /―‐　、｀　 ､ Ｈ_
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　　　 　 　 　 |: |ﾏ､::::::::＿:::::::::} 　　｀ ･　、　＼ 　 　 　 　 ／ へヽ
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　　　 　 　 　 |: |: : |:::::::::::::::::／Y　　　　　　　 人､　　　ヽ へ
　　　 　 　 　 |: |: : :| ヽ:::::::/ 　 辷=-　　 彡彳ﾊ》､ __ ／∠ヽ〉_
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　　　 　 　 　 |: |: : : :|　　　 ／ 〉匕冖 　 |:|　　　 |　　　 __ニフ
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食堂のカウンターでベーコンエッグトーストとコーヒー、蜂蜜のかかった
ヨーグルトが盛られた小さなボウル、といったラインナップのプレートを受け取る。

白衣、作業服、スーツ、私服、様々な恰好の人々で賑わう朝の食堂で、
カーキ色の飾り気のないジャケット姿を見つけ、真っ直ぐにそちらへ向かう。
ちょうど空いていた向かい側の席に座ると、なのはは折り目正しい襟元を
改めて直し、「おはよう、やる夫君」と朗らかに笑った。

食堂で顔を見た時は、何を言うでもなく、二人で食事を摂ることが多かった。
朝からぴしっと丁寧な化粧と、枝毛一つない姿のなのはに、昨晩の話をした。

「私が最後に話したのは……新しい論文が故郷のカレッジで出た時だったかな」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3727： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/17(日) 20:32:21 ID:bnjco0vk0

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　　　　　 　 　 　 　　'⌒_＞s。ィi〔.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.≧/:./-:.―.:.､.:.:.∨
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　　　　 　 　 　 .:.:.:／.:./:..:,:.:./:./.:.:/:ﾊ.:.l.:.:.:.:|.:.:.':.:.:';.:.∨.:.:::',.:.:.:∨.:.:.:|
　　　　　　　　/／|:..:.,:...:./.:.:.{:.:l.:.:/;'　 !:!.:＿l.:.:.:.l.:.:.!.:.:∨.:.:.l.:.:.:.:∨.:.:l
　 　 　 　 　 /' 　 |.:.:.l.:.:.:!.:.:.:.|⌒:{:{ 　 |ハ.:./｀ヽ'.:./.:.:.:ﾊ:.:.:.|.:.:.:.:.:|.:.:.:|
　 　 　 　 　 　 　 |:.:∧.:.:ヽ:.:.ィf笊{　 　 笊ぅｘ:.:イ.:.:.:/.:.:| : |.:.:.:.:.:|.:.:.:|　　　　　　　「論文？」
　 　 　 　 　 　 　 |ﾊ.:{ ヽ{､:.:ゝ乂ﾂ　 　　t':::ツ〉/:.／Y:/|.:.:|.:.:.:.:.:|.:.:.:.!　
　　　　　　　　 　 　 ';{ 　　}:.:.:l　 　､ 　 　 　 ／ィ:.l_ノ:'　|.:.:|.:.:.:.:.:|:.:.:.:l　　　　　　　そう、AMS適性と遺伝子の関係。
　　　　　　　　　　 　 　 　 }.:.人　 　 ､　_　 　 ｲ.:.:.ﾘ' 　 /.:.; :.:.:.:.;.:.:.:.:.|
　　　　　　　 　 　 　　　_ ,-､:.:介s。 　 　 ィi〔/.:./。s≦≧:､.:.:./.:.:.l.:.:|　　　　　　　　遺伝子については、教えたよね？
　　　　　　　　　　 /^ｧ/ / /＞ｧ}＿｀≦!_ イ。sｧ´ﾆ;'ﾆﾆﾆﾆ_∨.:.:.:, :. |
　　　　　　　 　 　(_,ｲ ! ,'ィ/　,ｲﾆ／ /r:ァ､ ／/ﾆﾆ,ﾆﾆﾆﾆｨ≧､.:./.:.:.;
　　　　　　　 　　　ハ_Y／　/ﾆ「_ イ/Y´／　,:ィ｀/Ⅶﾆﾆ_{ ! ⌒Y.:.:./
　　　　 　 　 　 　 !　 ,.:　　/ィ´　/_ﾆ／ ｀ ＜　 ､l　Ⅶﾆﾆﾏ, 　 ﾉ:./
　　　　 　 　 　, ⌒}　 　 イ{/|　/_／ 　_。s≦｀ヽ|　 Ⅶﾆﾆゝｒｲ:.:/
　　　　 　 　 　}｀ ー≦ 　／ |イ_,,ィ≦- ―'　　　|　　Ⅶﾆﾆ└'Y
　　　　 　 　　 }　 　＞　´ 　 ／　　 　　　　　 /^ヽ 　 ｀ヽﾆﾆﾆ{
　　　 　　　　　ゝ_, '　 　 　 ,'　　　　　　　　 　八　 ﾊ　 　Ｙﾆﾆ{
　　 　 　 　 　/　 l 　 　 　 l　　　 　　　　　　/　　/∧　　 ￣ '/,





　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　　 　 　　＼
／ 　　　　　　　　　　＼　　　　　ええーっと……生物の細胞、その全てに存在する塩基配列……
|　 　　　＼　　 ,＿　　 |
/　　ｕ　 ∩ノ ⊃―）／　　　　　　生物の設計図というか、肉体を形成するプログラム、というか……
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　
　　＼ ／＿＿＿ ／





　　　　　　_　　￣￣:.:ヽ　　　　　　　　　　　　　　　 -　、
　　　　 ￣　￣__ヽ､:.:.:.:.ヽ　 ,x≦￣￣ ≧ｭ､ ＿〃:.:.:.:.:.:.:.:.:､
　　　　 　 .:.:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..
　　　　/:.:.:.　ｧ ￣:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.∧}:.:.:.:.:.:.:.:.: : i
　　　 /:.／/:.:.:.:.／:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ　:.:.ヽ:.l:.',:.:.:.:.:.:.:.: : |
　 　 / ′/:.:.／:.:.:.:/:.:.:.:./:.:. |:.:.:.: |:.:. |:.:.ヽ:.ヽ:.:.:.‘，:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　 　 /:.:/:.:.:.:.: /:.:.:.:.:.{:.: : |:.:.:.: |: ,⊥--ゝ､',:.:.:.:.:}:.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　 　 {:.:ｲ:.:.:.:.:. {:.:.:.:.斗: T:| ヽ:.:|ヽ:.:,≠＜:.:.}:.:.:. i/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　И!:.: : |:.:ｉ:.:´: |:.l ,x≦ミ :.|　ヽ んﾊヽ:i:.:.:.:.l､:.:.:.:.:.:.:.: : |
　　　 　 　 :.:.:.:.:|:.:.ﾏ: : |:.《に:刈|:./　 　にシ /:.:.:.//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　 　 :.: : ｌﾏ:.ヽ:.:|ヽ弋＞′　 　　￣ /:.イヽ'|:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　　　　　　そう。生き物の細胞に記された、唯一無二の設計図。
　　　　　　　 ﾏ:.{ ﾏ:.ｌ ＼ﾊ　　　　 _ '＿　　// ﾊ:.:.}!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　ヽ{　ヽ{:.: : |ヽ 　 　 ﾏ　 ﾉ　　ノ　|:.:.||:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　　　　　　　この遺伝子によって、その生き物がどういった姿になり、
　　　　 　 　 　 　 　 i:.:.:.:|　＞　　　　　 . :l　　 |: /!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　.::.:.:|　　 / l ≧≦　 /＼ :|′|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　　　どういった生態を持つのかが決まる。
　　　　　　　　　　__　‐=ﾆ二:/ {　 ＼_,／　 |　.二ﾆ=‐　___:.:.:.:|
　　　　　 　 r::::´::::::::::::::::::::::/　 i　/ 只 ＼　! ∧:::::::::::::::::::::: ≧ｭ､　　　　　　　　　これとAMS適性の関係の調査レポート。
　　　　　　 /ヽ:::::::::::__:: --/　　Ⅳ 〈/|_〉　Ⅵ　∧‐=::::::::::::::::::::／::}
　　　 　 　 i:::::::l‐=　　　　 ＼ /:l　　 - 　　l ヽ／　　　　‐=:::/::::: rl__　　　　　　　　AMS適性は遺伝性なのか、とかね。
　　　 ／￣,::::/　l　/　　　 ／　 }／::::::::::ヽ　　 ヽ　　　 l　 / ＼::{{　 ヽ
　　 / ／／::/　　ゝ　　 　 ∨ 　 i:::::::::::::::::}　　　/　　　 :ｉ /　　 ヽゝ､　}
　　/ ／::::::/　 　 l　　　　　 ∨　:l::::::::::::::/　　 /　　　　 l　　　　 ヽ:::ゝゝ

3728： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/17(日) 20:38:46 ID:bnjco0vk0

　　　　　　　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:-――- -　、:＼
.　　　 　 　 　 /:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ、:.:.:＼ .ヘ:ヽ
　　　　 　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:＼:.:.:＼　 ヽ
　　　　　 　 |:|:.＼:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｌ:.:.:.:.|:.:.:.:ｌ:.:ﾊ:.:ヽ:.ヽ:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:＼:.:丶
　　　　　　 .ｉ:|:.ヽ:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.|:.:.:.:.|:.:| ヽ:.:ｉ:.:.ｉ:.:.:|:＼:.:.:.:.:.:ﾍヽ:.ヽ
. 　 　 　 　 |:.:|:.:.ヽ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!:.:._7t:.-十:ｉ　 ｉ:.ｉ|´丁｀i:.:.|:.ヽ:.:.:.:ﾍ丶:.ｉ
　　 　 　 　 l:.ヽ:.:.:|:.:.:.:.:.:.|:.:.:匕:ﾁ |:.≠.ｌ/　　||,ｲう｡,/:.!:|:.:.:ヽ:.:.:.:ｉ　 ヽ　　　　　事実、AMS適性保持者の子供には、多かれ少なかれ
　　 　 　 　 ヽ:.ヽ:.|:.:.:.:.:.メ´:||:.yﾋて个/　 　/ .{::::j."ｉ/|:|:.:.:.|.ｉ:.:.:.:|
　　　　　　　 ヽ:./=ヽ:.|:.:.:i:.:ｉ,ｲ7::::::ﾟ::|　　 　 　 b:y /:.l/:|ｉ:.:.ｉ .|:.:.:|　　　　　　　　適性が見つかることがあるみたい。
　　　　　　　　 ゝ　.个:.::.:ヽ|ヽ らﾂ少　　　　　￣　|:.:ｉ:.|||:.:|　|:.:|
　　　　　　　　　 ＼ .|:.:.:|＼＼. ゝ¨　 　 　 　 、　. |:.:.|:.| |:.|　 |:|　　　　　　　　　で、ラケル博士が、世間話みたいな感じで言ってたんだけど……
　　　　　　　　　　　 ヽ:.:.:|　　　　　 　 　 　 　 　 ｲ|:.:|:ﾍ/　 　|
　　　　　　　　　　　　 ヽ:.ヽ.　　　　　　　` ´　／:.:.|:/:.:.ﾍ
　 　 　 　 　 　 　 　 　 丶:.丶＞　、　　　　イ、:.:.:/:.:ヽ:.ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　 ＼ミ　　　 ` ≧´ 　 !＼:.:.:.:.丶:ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　,>.|ヽ　　 ＞＜ 　 /　.ｉ:`＞x.ヽ:ﾍ
　　　　　　　　　　　　 ,､r´:/ | >‐、´　　 　 /　　|::::::::::::::::::::｀ヽ 、
.　　　　　　 　 　 ,､r´:::::::/　 |/>-<＼ . 　 /　 　 |::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ 、
　　　　　　　,､r´::::::::::::/　　./└t┘　ヽ./　　 　 .ﾄ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ、
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　　　　　　　 _-=ニニニニニニニ=-__
. 　 　 　 　 ｆニニニニニニニニニニﾆ;
　 　 　 　 ＜ニニニニニニニニニニニ>
.　　　　　/:/: :`"＜ニニニニニニ＞":ヽ:.＼
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　　　　ヽ': : : : :l: : :./＿.V: : : :.! ヽ: : : : : : : l: : : : /
　　　　 ｌl: : : : :.! : :/-－､V: : : l : ヽ:‐-: : : : l: : :./
.　　 　 l:.!: :ｌ: : :l : :ﾊ:::ソ ｀∨: : :,ｲ:::∨: : : : : l: :/
　　　　l　ﾄ､!: : :!: :l : : : : : : ∨: : ;`: "V: : : : ;ィ　　　　　　　　　　遺伝子といえば、こんな話はご存知ですか？
　　 　 l　.! .l` ｰ　:!: : : : : : : :'V: : ,: : :ハl: : ｊ　.!
.　　　 ｌ　 l　!　　V!＼: : :､ : :_:.ヽ: :.; /: : }／ .i |　　　　　　　　　　 『全ての命は、己の遺伝情報を遺すために生きている』と。
.　　　 ! i　!　'　　 V丶｀　: :＿: : ヽ:_:,:イ ! .l　! l
. 　 　 | .!　!.　 ,　　V.! ＞　　＜!、＼ヽ,　 ,　ﾊ.|　　　　　　　　　　「……そうなんですか？」
. 　 　 l,..::::::::::....､　 .V-‐,　　 ｒ┴-ｲ. ＼､/ /! ﾘ
　　　/:::::::::::::::::::!､　 l:::{:::ー―'{:::ヽ-._　 ,＼'.ｌ.ﾉ　　　　　　　　　　　本能だけで語るなら、ですがね。
　 　 ;:::::::::::::::::::::!ﾍ　 l::::::::､::::::::':::::::∨7/ /_ヽ、
.　　 l::::::::::::::::::::::l/ﾊ　l:::::::::::::::::::::::::::::V/.,':::::ヽ　　　　　　　　　　　　全ての生物には、須らく生殖機能が備わっています。
.　　 !:::::::::::::::::::::::!/∧.!￣￣　―--　l, /i:::::::::;
　　 l:::::::::::::::::::::::::l//ﾊﾄ､'/,l.l'/o/,!l//,i ハ::::::::i　　　　　　　　　　　　そうでなくても、自己複製機能を持つ生命も。
　　 l::::::::::::::::::::::::::!///}/＞､`ｰ--''"/{.!'/ｉ::::::::l
.　　 !:::::::::::::::::::::::::!'///////＞-＜//'{'/,}::::::::l　　　　　　　　　　　　　この星に、その世代で完結する命はほとんど見られません。
　 　 ':::::::::::::::::::::::ﾉ/////////////////j:::::::::!





　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　---　ﾆ￣￣:/:.:.:./　-――　 、
　　　　　　　　　　　　　 　 ,イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ゝ:.:.:´:.＿_――‐- ＼
　　　　　　　　　　　　　／:.: ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:-:.:.:.::.≧ｭ､ 　 ｀
　　　　　　　　　　　　/‐‐／:.:.:.:.:.:.:./:l:.:.:.:/:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:ヽ、:.: ＼
　　　　　 　 　 　 　 /:.:.:/:.:.:.:.:/:.:.:/:.:.!:.:./:.:.|:.:.:ﾊ:.:|:ヽ:. |:＼:.:.:.＼:.:.:.:ﾍ
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　　　　　　　　　　 |:.:. ｉ |:.:.:.:i:.:.:/／/／／7 /　//_L|:.:.ｉ: l: l:.:.ﾍ:.:.:ｉ丶 |
　　　　　　　　　　 ｉ丶|:.|:.:.:.:|:./斥拆心　／ 　/,≠､|:./:.:.!:.|:.:.:.:ｉ:.: |　ｉ:|
　　　　 　 　 　 　 ﾍ:.:ゝﾊ:.:. |:|《 ら::::り　　　　 ﾊ:::} }l/l:.:/:.:|:.:.:..!:.:.:|　ﾘ
　 　 　 　 　 　 　 　 / 　ヽ:ﾍ 　 辷zｼ　 　 　 う:ﾂﾉ /://:.:.!:.:.:.|.|:/　　　　　　確かに、人にも生殖のための本能が多く備わっていますが。
　　　　　　　 　 　 　 ヽ{:.:.:.:トヽ　　 　 　 　 　 ゞ'　／ // / |:./ |′
　　　　　　　　　　　　　|:. : |　　　　　　　 　 ,　　 　ﾚ':./:/:.| }/　　　　　　　　　だとしたら、あまりいい気分ではありませんね。
　 　 　 　 　 　 　 　 　 !:.:.: ト、　　　　　 ―　 　 イ:.:.:}/:.:.:|/
　　　　　　　　　　 　 　ﾍ:.:.:| |　 　 　 　 　 　 イ:.:.:|:.:./:.:.:.:.|　　　　　　　　　　　「おや、それはなぜ？」
　　　　　　　　 　 　 　 　ﾍ { l　　 ＞ 　__ イ: : |:. /::.:.:.:.:.:.: |
　　　　　　　　　　　　　　　/ ﾍ=、― ￣7　＼:|:/:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　　　　　　子供を遺せなかったら、命の本分を遂げられなかったも同然、
　　　　 　 　 　 　 　 　 ,x/ |/|／|　　／　　／≧ｭ､:.:.:.:.:.:. |
　 　 　 　 　 　 　 ,､r::´/　ﾚ/≠´!　/　　 　ｉ::::::::::::::::::::::::≧ｭ､--- 、__　　　　　　ってことになりませんか？　その理屈でいくのなら。
　　　　 　 　 .,､r:´:::::::/　 |//.| |　>´　　　　|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＿:::ヽ
.　 　 　 ､r::´:::::::::::::::/　　|ゝ　|_| /　　　 　 :|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::ｉ

3729： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/17(日) 20:43:34 ID:bnjco0vk0

　　　　　　　　　　　　　/＜　＾Y⌒Y＾Y⌒Y＾Y{辷}}辷彡'ハ
　　　　　　　　　　　　 /_ 、 ` -=　_辷彡气辷乂乂ﾉ乂ﾉ/ﾊ
　　　　　　　　　　　 //. ./ `　　_　　　=-　　　__　　-=　　　〉
　　　　　　　　　　／./. /. . ./. . . . . . =-　__　　　　　　　_／ﾊ',
　　　　　　　　 ／. . .l. .l. . . l. . . . . . . . . . ./. . ﾄ　__　イ. . . . . }.'.,
　　　　　　　／. . . . l. ..l. . . |. . . . . . . . . ./ V. . . . l. . ＼. . . . .l. . .,
　　　　　　　＼. . . ..l. . l. . . |. . . . . . . . ./. . .V. . . .l＼. .ヽ. . . .|. . . ,
　　　　　　　　　,　. l. . .l. . . |. . . . . . . /‐‐-　V. . . i--‐＼.V. .l. . . .'.,
　　　　　　　　　 ', .l. . ..|. . . l. . . . . .l/ --. . . ..V.. . .l .-- . ..}. .l. . . . . ,
　　　　　　　　　　'l. . . .l. . . {. . . . . .l、＿ _,. . . V. . . 、＿, .l. .l. . . . . .l　　　　　　そうですね。けれど、人間には、このような概念があります。
　　　　　　　　　　l＼. . l. . . V. . . . l ｀. . . . . . . . V. . .i￣.ﾉ.l. .l. . . . . .}
　　　　　　　　　　;　 ＼.l. . . .V. . . .l. . . . . . . . . . .V. .ﾍ. . .,. ./. . . .／　　　　　　　『ミーム』。遺伝子……『ジーン』が肉体の情報なら、
　　　　　　　　　　　　　 ` 　--　、. l. . . . . . . . . .' . ＼ﾍ. / /. . .／
　　　　　　　　　 l　　　　 l　　　　 ＼. . . . . . . __ _. . . . >V/ l. ./　　　　　　　　　　　ミームは精神や文化の情報……
　　　　　　　　　 l　　　　　,　　　　 ﾄ| `　　_ . _　＿.／＿.__ .ノ
　　　　　　　　　　　　　　　',　　　　l- 、　=-　 _, イミ>　　　l　　　　　　　　　　　　　形のない遺伝情報、思想の遺伝子とでもいいましょうか。
　　　　　　 　　 ,　　　　　　 l　　　　l 人__ノ⌒＼__)r -- 、　l
　　　　　 　 　 /　　　　 _　-ﾍ　　　 l　　l　　　　/_　-> --＼
　　　　　　 　 /_, -=≦ﾆ　　　l　　　 l　人　　／ゝr '　　　＿ ＼
　　　　　　　　　 -=<　>ﾆ 　　 l　　　l　　　　　　　 ｀T , '　 _　ヽ＼- 、
　　　　　/　　　　 -=<　>ﾆ　　 l 　　 l　　　　　　　　 lゝ-´　}　　　l　 ヽ
　　　　 /　　　　　 -=＜＞ﾆ ﾆ l,　　 l ┬── ┬─ l　 l／　　 　 l　　 l
　　　　　　　　　　　-=＜＞ﾆVﾆl　　 lﾆ|ﾆ　○ﾆ lﾆﾆ l　 `　　　　　l　　 l
　　　/　　　　　 l::.　 -=＜＞ﾆ V　　 lﾆ|ﾆ　○ﾆ |ﾆﾆ八　　　　　　 l　　 l





　　　　　　　　. . ./. : . : /. : : : : : : : : : : : : : /: : :.＼-=ニニニニニ=-}
　　　　 　　 く. ../. : . : /. : : : : : : : : : : : : : /. : :. .: .:.＼-=ニニﾆﾆ=-/
　　　　　　　　＼. . . ./{: : : :/. : : : : : : : : /. : :. .: .: .:/ .:l￣-=ﾆﾆ=-/ }
　　　　 　 　 ./　.＼. . :l : . ′ . : . : . : . /. : . : . : . /. : :|:. :. :. :.l￣:. : ;
　　　　　 　 /　　/. }. . ./´l . . . . . . . . .:′. . . . . ./. . . .|:. :. :. :.|ﾊ:. .:/
　　　　 　 ./　　/. : .＼.{　.|　.　.　.　.　.i{　.　. / /__⌒: :{: : : : : ; :l／:　　　　　　　ミームはあらゆるものに偏在します。
　　　　　 /　　/. : 　 　 ＼|　.i{　.　.　. .i|: . : /f笊気}! 从: :/ : :|/〉. .:
　　　　 ./　　　　　　　/ :} |　.i|　.　.　. .i|: : //辷rク. . : : V :/. |ｲ. . :l　　　　　　　 思想が関わるものであれば、そのすべてに。
　　　　/　　　　　　　/i　 ＼、|　.　.　 从 : /.　.　.　.　.　. {V. : ;. : : .:l　　
　　　./　　　　　　　/. i　　.:|＼__　　　　:.V　.　.　.　.　.　. l〉. :/. : . :.:　　　　　　　　パンの一切れからネクストのパーツ、
　　 /　　　　　 　　 　:i 　 「|　 i⌒`　i{__/　　　　　 ＿_　´}: /. : . : :.:
　 ./　　 　 　 　 　 　 :i 　 {:|　 i　　.:从 {｀ヽ　　　　ー_´_ .j/. : .: . : .:l　　　　　　　　 映画の一コマから歌のワンフレーズに至るまで。
　/　　　　/　　　　　　i 　 {:|　 i{　　　 {＼ .`＼　　　 乂｀　 、. : . : .:
./　　　　/　　　　　　 ._-=ﾆ|　从 　　!:{=-{ ＿{.＼ｰくj/ ｀ヽ　＼. . . ;
　　　　./　　　　　 へ.ニﾆ从　　.ヽ 　 {=-乂ノ／⌒≧=-　,〉＿_ヽ/
　　　 /　　 　 ＜i:i:i:i:i:＼ﾆニ＼　　　 i{-.⌒¨´ニニ=rﾍ ／　／￣ ｀　、
　　 ./　　_-=ニﾆ｀ヽi:i:i:i:i＼ニﾆ＼ 　!i{ニニニニ=-/　i{　／　　ィ　　:.＼

3730： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/17(日) 20:51:58 ID:bnjco0vk0

　　　　　　　　　　くｿ＾-=ニニニニニ=-￣: : : :V: : : :: : : : : : : v: : : : .Ⅶ: : : :
　 　 　 　 　 　 　 /-=ニニニニ=-￣j{: : : : : : : .v: : : : : : : : : : .V: : : : Ⅶ: : :
　　　　　　　　　 /＿_　　　-=≦: : : :八: : : : : : : :V: : : : : : : : : : .V: : : : Ⅶ: :
　　　　　　　　　　 .:′: : : : : j{: : : : : : : : .、: : : : : : .、: : : : : : : : : .V: : : . Ⅶ
　　　　　　　　　　.:j{: : : : : : .j{: : : : : : : : i{:＼: : : : : : . 、: : : : : : : : :.v : : . Ⅶ
　　　　　　　　　 .:.:i{: : : : : : .∧: : : : : : : .∨.:.＼. : : : : :.＼ 、. . . . . . Ⅵ . . Ⅷ
　　　　　　　　　 l.:.j{: : . . . ./ ∧ : : : : : : . ∨. . .＞ : : : : : ＼　、: : : : Ⅵ. . .Ⅷ
　　　　　　　　　 l. .j{. . . . . .:.j{ ∧: : : : : : : :.∨. . . -―≧=--＼＼: : . .Ⅶ. . .Ⅷ
　　　　　　　　　 l. .j{. . . . . . j{/ ∧: . : . : . : . .、. : . : . : . :.、＿_,,,　＼. . }!.　.　.
　　　　　　 　 　 . . j{ . . . . . j{／⌒.、. . . . . . . . 　　　　メ芋芋芋気ﾒ、､l　　　　　　　　　それもまた、遺伝子とはいえませんか？
　　　　　　　　　 . . j{. . . . .!:j{.: : .: . : .、. . . . . . . .、　 ｨf l{っ亢ｿ}ﾘ　ﾒ⌒ l
　　　　　　　　　. :　‘　　 :i|j{__,,ｨfzzﾒﾐ、. . . . . . . .＼　j{ .乂zr歹ィi〔　,　 l　　　　　　　　　 私たち人間は、遺伝子という情報の鎖を繋ぐうえで、
　 　 　 　 　 　 . :　. ‘　　:i|:{ 〃 笊気＾ヾ 、. . . . . . .＼　￣ 　　　　 ﾉ〉　l
　　　　　　　　 . :　.　.‘.　 i|ﾊj{( {うじソ　. . . .、 . . . . . . ＼　　　　／´ 　 .l　　　　　　　　　　思想の継承という手段を持っています。
　　　　　　　　 . :　　. .‘.　i|: :. ＾ ゝ " .　.　.　. ＼　　　く⌒＼　　 　 　 　 :l
　　　　　 　 　 . : 　 . . ∧　 : : .　　 　 　 　 l　　 ＼　　 ＼　　 　　　　　　l,／　　　　　　　　　設計思想、政治思想、信念、祈りの言葉、
　　　　　　　　i . . . . . / ∧　 ∧　　　　　　　、　　 `　　　 ＼　　　　　 ,／!
　　　　　　　　i . . . . . . / ∧　 ∧　　　　 　 　 　 　 　 `　　　＼　　 ／ 　:l　　　　　　　　　　　　死生観や、純粋なメッセージ……
　　　　　　　　: . . . . . . . / ∧　 ∧ 　 　 　 　 　 　 　 　 　 `　　＼'　　　　l
　　　　　　 　 .　.　.　.　.　./ ∧　　: .　　　　　　　＿_　　'　　　／　.＼　 .ｲ:|
　　　　　　　　!　　　　　　　　　 、　 ゝ　　　　　 　￣ 　 　 ／　　 　 ／. : :.|
　　　　　　　 　 、　　　　　　　　|＼　　 ＼　　　　　　　　'　　　　 ／. : : : : |

3731： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/17(日) 20:52:10 ID:bnjco0vk0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　ィ////////////＞　、
　　　　　　　　　　　　　　ｿr_>)r〜ﾍ////////////r()ｸﾌ
　　　　　　　　　　　　 </＞=^(廴ﾊ)f-ﾐ//////r=ﾐ/木_>
　　　　　　　　　　　 ／../`＜/ゝ-<廴ﾒr_ｧ=┐廴)){{辷))
　　　　　　　　　 ／/. ./. . . . /`＜ゞー((辷ソ/ゞ彡ゝ〜/＞
　　　　　　　　／. /. . /. . . ./. . . ./l. `＜///////≫ ' ﾍ. .'.,
　　　　　　　　＼/. . /. . . ./. . . ./. l . . . . . . .l. . . .l. . . . . .i. .ヽ
　　　　　　　　　ﾊ. ./. . . .,. . . ../. . .l. . . . . . .lV. . . l. . . . .ハ. . )
　　　　　　　　 /ﾉ./. . . ./. . . /ー- l. . . . . . l. .V. . .l. . . . . . .,. .＼　　　　　　　　そういった意味では、私たちも、私たちなりに、
　　　　　　　　, {. .,. . . .l . ._,ｨ=＝ミﾐl. . . . . .l - l、. .l. . . . . .l. .i. . . .Y
　　　　　　　 ,'人.i. . . . l. . .弋:.ﾟ_ﾉﾉ. .V. . .l. l zzkl. . l. . . . . .;. . ,. . ./　　　　　　　　己の情報をこの世に、次の世代に遺せているのでは？
　　　　　　　/　　l＼. . l. ./. . . . . . . ..V. . ;..ｲ:.。.:}l. ..l. . . . . .l. . .,／
　　　　　　 /　　 l 　 ＼./. . . . . . . . . .V. . .l^ -　.l. .l. . . . . .l. ／ l　　　　　　　　　　関わった人々や物に、私たちのミームは息づきます。
　　　　 　 /　　　l　　　l l＼. . . . . . . .' .V. ..l. .ﾞﾞ´.,}. l. . . . . ｲ 　　 l
　　　　　 /　　　 l　　　l lﾍ. ＼ `:. . . __. V. .l. . ./.l. l. . ／/, 　 　　l　　　　　　　　　　あなたであれば、戦友や教え子たちに。
　　　　 ./　　 　 l i　　　l　.|ヽ ヽ 、. . . . . V l.ｲ. . l l／ / / 　　　　l
　　　　/　　　　 l　l　　　l-:l　::...、｀　_--イ----＜ 　./ / 　　　 　 l　　　　　　　　　　私であれば……施設の子供たちや、ネクストに。
　　　 /　/ l　　 l　 l　 　 l::l　　　　　　 l r_ﾆﾍ V 　　/ /
　　　l'　/　l　　 l　　l　　 l:ﾉ_ノ＾ヽ _|ﾌヽ-:::-ｲﾍ V　/ /　　　　　　　　l　　　　　　　　　　そういった意味では、ネクストは私の子供、
　　　l /　 l　　　_ｨ/ﾊ　　 l::::::::::::::::::::l:::::::::///ハ V ./:::ヽ
　　　li　γ::::::::::///:::ﾍ 　 l::::::::::::::::::::{::::::///:::/ ∧〈:::::::::l　　　　　　　　l　　　　　　　　　　といってもいいのかもしれませんね。
　　　l　/:::::::::::///::::::::::}　 l:::::::::::::::::::::: ///::::/　 ∧ ;::::::::l　　　　　　　　l






　　　　　　　 ＼: : :ﾍ　　　　 _　. . : :´￣￣: : : ｀: : . ､　　　　. . .――
　　　　／￣｀ｰ-＼: ﾍ　 . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼ ／,　-――-､＼
　　.／: :＿＿＿_: : : : :´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/∠: ――― ､: :ヽ:
. ／:／　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ;ｲl￣＼: : : : : : : ＼: : l
/／　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ : : { l | : : : ﾍ: : : : : : : :ヽ: :l
'　　 /: : : ／: : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :l : : :∨: : : : : ﾍ: : : : : : : : : :l
　　/: : : /: : /: : /: : : : : :ﾊ: :l : i: : : : :ヽ : : : : : : : l: : : :l : : : : : : :ﾍ: : : : : : : : :l
　　l: : :/l: : :l: : : l: : : :l : l　l: l: : l: : : : : :l : : : :l : : : l: : : :l : : : : : : : ﾍ : : : : : : : l
　　|: :/ l: : :l : : :l : : : |: :l　 l: ﾄ､:lヽ: : : : ﾄ : : : l: : : :l : : : l: : : : : : : : ﾍ: : : : : : : l
　　|./　l: : l|: : : :l: : ;-r‐|‐　l:l`ｰt‐＼--|､l: : : l: : : :l : : : l: : : : : : : : : ﾍ: : : : : : l
　　|'　 .|: :l l: : : :l: : : :lrﾃiﾐ　`＼ Zニ＝ﾐ　l｀i: |l:l :/⌒.i: :l : : : : : : : : : :ﾍ: : : : : l　　　　　肉体の情報とは別に、精神的に受け継がれるもの、
　　　　 l: :| l: : : :lヽ: : l.Vﾑ　　　　 b::::l;;} ,}>ﾘ|:l.ﾚ:/|　　}:∧: : : : : : : : : : :l : : : : l
　　　　　l:| .ﾍ: : :l: :＼{l ﾏ｣　　　　.辷'_ﾉ　　.,ﾘ//: :l　 ﾉ/　.l: : : : : : : : : : :l : : : : l　　　　　ですか。生物の全てが己の複製に躍起になっている、
　　　　　 {　 ﾍ: : l: : :||ﾍ　　　　　 　 　 　 　 /ｲ: : l／/　　.l : : : : : : : : : : l: : : : l
　　　　　　　　ﾍ: :lヽ: ll: ﾍ　 '　　　　　　　　　　l: : l: /　　　.l : : : : : : : : : : l : : : l　　　　　　というのが、命の本質なのだとしたら。
　　　　　　　　　＼{ ヽ{l : l＼　- -　　　　　　　l: :/|-=　　　 l: : : : : : : : : : :l: : : :l
　　　　　　　　　　　　　ﾍ:l　 ＼　　　　　_　´　 l/ .|､_　　　　 l: : : : : : : : : : :l: : : l　　　　　　中々、シュールなものにも思えますが……。
　　　　　　　　　　　　　　`＼　　ー , ｢　　　　/ '7 .lヽｰ ､　　.l: : : : : : : : : : : :l : :l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/|ヾー ´／　　.l　ﾍ::::::｀ヽ⊥_: : : : : : : : : : l : l
　　　　　　　　　　　　　　 　 ／:::::/ .|　 >‐<　　　 /　 ﾍ::::::::::::::::::｀:...､: : : : : : : l: :l
　　　　　　　　　　　　　 -‐´::::::::/　 l /､_V_ >　　/　　　ﾍ::::::::::::::::::::::::::｀　 ､: : : : :l
　　　　　　　　　　_ ‐::´::::::::::::::/　　.l/　l___/　ヽ /　　　　 ﾍ:::::::::::::::::::::::::::/´｀i: : : :l
　　　　　　　 .rィ´::::::::::::::::::::::/　　 /l　/ ∧ヽ　 〉 ヽ_　　 ／｀ヽ､:::::::::::::::/:::::::::l: : : :l
　　　　　　　 l::::l::::::::::::::__ ‐/＿_／　l/ /　l　〉/　　　｀＜_　　　　｀ヽ､:::/::::::::::::l: : : :l
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
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　　　　　　　　 ∠　―― -　　　:::::::..　　　＿＿
　　　　　 ィ::i´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀::..､ l ／r――　＝‐､
　　　 ／::l::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`::'￣￣￣｀:..､
　　. /l::::::l::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::￣ ｀ヽ､:::ヽ
　　/::l:::::::l::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::ヾ:::::l
　. {:::::l:::::::l::::＼/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::ヽ::::::::lヽ::l
　 l::::::ﾍ:::::::＼/::::::::::::::::::::::::::i::::::i::::l:::::l:::::::::::ヽ::::::::l::::::::l ヽl
　 l::::::::::ﾍ::::::/::::::/:::/::::/:::::::l::::l::l::::l:::::l:::l::l::::::l:::l::::::l::::::::l　|　　　　　　　肉体、もしくは精神問わず、自分の情報の継承、転写、複製。
　. l::::::::::::ﾍ::l:::::::l::::::l:::::l:::::::/:::://::/l:_/l_｣_l､:::l:::l::::::l::::::::l
　　ヽ::::::r‐‐|::::::l::::::l:::_｣::-r‐:/7フ´｢/ .l/ｫﾐ:::l::::l::::::l:::::::l　　　　　　　　　それが生き物の本懐なんだってさ。
　　. ヽ::{　　l:::::::l:::::l:´::l:::/∠ ﾆ＝ﾐ　 ﾁﾟ://::/ /:::::ｲ::::/
　　　 ヽ＼ ヽ:::::l::::::l::::<´,イ　 ,ﾘ　　 .ﾑ//;ｲ:::/::::/.l:::/　　　　　　　　　　　
　　　　 ヽ:>ｰl＼{ヽ{ヽ{　 辷z/　　　　 l'//::/l:::/ l::/
　　　　　V　 .l::::l` `　　　 　 　 　 　 v':/／ l:/　l/
　　　. r,/　　 .l::::l　 　 　 　 　 　 _ ／l:::l:::l /'
　　　/〈 ヽ､　　ヽ:ヾ ､ 　 　 　 ´／::::::l:/:::::l
　　./　 ＼　ヾヽ､ヽﾍ/` ┬-....´:::::::::/'::::::::::l

3732： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/17(日) 21:02:18 ID:bnjco0vk0

　　　　 　 　 　 ＿＿＿_
　　　　 　 　 ／　　 　 u.＼
　　　　 　 ／ー‐-:::::::::::-‐' ＼　　　　　頭がパンクしそうですお……。
　 　 　 ／ 　 t　 j:::::::ｨ　 ｯ 　 ＼
.　　 　 |. u 　 ｀¨､__,､__,¨´　　　 |　　　　「あはは、ごめんごめん。朝から小難しい話しちゃった」
.　　　　＼　 　 　 ｀こ´　　 　 ／
　 　 　 ／　　　 　　　　　u　.＼





　　　　　　　　　／.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＞､i.:.ｲ´.:‐..:.:.─ ､
　　　　　　 ,､イ.:.／.:.:.:.:.:.:.:,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:...:::.:´.:.:.:.:.:.:.､.:.:.:.＼
　　　　　 nﾍ.:.:;.:'.::.::.:.:.:,ｲ.:.:..:.:,ｲ.:.:.:.:.:.:.:.:;l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_.:j¨｀ヽ.⌒ヾ:.､
　　　 　,ｲj､.:.v.:.:.:.:.:.::/:/.:.:,ｲ/.:.:.:ﾉ!.:.:i.:..:j.:.:.:.:.ヾ;,.:.:.:.:.:.:ヾ.:.:.ヽ　 ｀ﾍ
　　　　/ll!ﾊ:.:′.:.:.:.:/./.／.:/.:／.,ﾉ.;/l:.:;!.::l.ﾍ;.:.:.ヽ,:.:.:.:.:.:.ヾ,:.:.'; 　　!
　　　 ∧jﾊ.:′.:.:.:.:.′〃xｆz左ｚ,;,X, .j:/ !:;|:.:.:l.:.:.:.l.:ﾍ.:.＼.:.::.':;.:.';
　　　 l.l.ヽ.:.:|.::::.:.:.:|{:.:.,仆乞芸て卞 >′l./ｊ.:,ﾘ.:./.:l.:.ﾍ.:.::.ヽ.:.:.';.'|
　　 　'.:.:.:;:升∧::.:.|.:.:{ｲ ,伐::::::斥′　　ﾉクｻﾄxj:.:.li.:l.:.ﾊヽ.:.';.:.:;.!
　　　　∨　 !′l:.:.:|:.:.! ､辷ｰクﾉ　　　 　ｹ云x.:ﾉﾒi.:/.:.:.:.:l.:.:.:.:.l:.!
.　　　　 ゞ､)l::.:.:ゝ:ﾍ､:!　｀¨¨ﾞ`　　　　　/.::ﾇﾘｹ;´.:;ﾘ..:.:.:.∧:l.:.:ﾊ!　　　　　　　でもさ、酷だよね、その理屈。
　　　　　 'iｰl;:.:.:.::.个｀　　　　　　　　　匕ﾞ.ノ_ノノ/!:.:.:.;/　ﾚノ　!
　 　 　 　 l.:人::.:.:.ﾞl　　　　　　 　 　 　 ¨`て.._｀V.ﾊ.:::/ 　 !′　　　　　　　　 自分たちの人生すらままならないのに、その上で、
　 　 　_,､n<　 '.:.､∧　　　　　　　ｃ｡　　　人__,¨＼:l/
　　ｲ´.:::.ハﾍ　'､l?∧　　　　　　　 　 .,／: :.j　 ／}′　　　　　　　　　　　　　 次の世代に何かを託せっていうんだよ？
／　l:::::::., 　＼　´､?「＞､　　　　 , イ´. 　.:.イ´.:l.:.|
　 　ｊ::::::::.ﾍ　　＼　　＼ﾍf＞.ｰ イ. . . :＜.:.:.:.';.:.:.:|.:|　　　　　　　　　　　　　　　そんな余裕ないってのって感じ。
／¨ ﾍ:::::..∧ /＼｀ >ｰ<cﾊ. . . . . . .fヽ,¨ -ﾅﾍ.';.:.:|.|
////∧::::..∧＼/∧ Y∧:lｌ. . .,,..ｲ".ｿ ',////,j.:.';.:.||
/V//,∧:::::..∧､/　 >介ｲー"´　／.:::.∧//zj.:.:.';.:.|
j∧V//∧:::...∧　　ｊメﾍ＿_　-ｲ.::::::::::::.∧//j.:.:.:.';.|
j:iV∧//∧:::::::..＼　ヽ´.:::::::::::::::::::::::::::::::::人/j.:.:.:.:';|

3733： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/17(日) 21:06:06 ID:bnjco0vk0

.　　　　　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.、:.:.:.:.:.:＼
　　　　 /:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:/:.:/:.:.:.:.:/:.:.:.:.:. |:.:. | : ｌ:.:.:.:.ｉ:.:.:.:ヽヽ:ヽ
.　　　　ｉ＼:.:.:.:.:.:.:.:./:.:./:.:.:.:./:.:.:/:.:.: |:.:.:.|:.:.|:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:ｉ ヽ:.:',
　 　 　 |:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.ｉ:.:./:.:.:.:. ｉ:.:.:,':.:.:.:..|:.:./|:. |:.:.|: |:.: |: : |　 ヽ:ｉ
　　　　 |:.:.:.:.:.＼:.:.|:.:/|:.:.|:.: |:.: ｉ:.;:‐7|‐二|メ|:.:|:.:|:.:.||:.:.|　　 ヽ
.　　　　 、＼:.:.: ヽ|:/-|:. ! : |:.: |:.: /x 斥 |/ {:/|: !:.: ||:.:|
　　　　　ゝ:.:.＼:.:. |{´｀ｌ:.:|:.:.:|:.:.|:./ﾍ　{::ﾘ/ 〈/ ｌｲ:.:./l:./
　　　　　 |＼:.:.:＼:|＼ ゝl:.:.:|:.:.|/　　 ゝ'　　＼ |:./ ﾚ′　　　　　　……あー、でも。逆に、遺したくないものなら思いつくな。
　　　　　 |:.:.:.:.ヽ、ヽ:|　｀!:ヽ:|、|　　　　　　 ／ ﾚ′
　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.＼/　 ‘， ＼＼ 　 　― ´　　　　　　　　　　　　　これが次の世代に受け継がれるんだと思うと、
　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:. |　　　ﾍ:.:.:.ﾍ　　　　/
　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.≠__　　　ﾍ:.:.:ﾍ ―‐´　　　　　　　　　　　　　　　　嫌だなって。呪いみたいなものだなあって。
　　　　　 |:.:.:.:.:. / ｀ヽ､≧ｭ､_ヽ :.{
　　　　　 |:.:.:.:.:.:|::＼　　 ≧ｭ､｀ヽヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ラケル博士が羨ましくなったよ。そんなに遺したいものがあるんだって。
　　　　　 |:.:.:.:.:./::::::::＼ 　　　 ＼ｌ┤
　　　　　 |:.:.:.:/:::::::::::::::::＼　 　　ヘ{ ヽ、
　　　　　 |:.:.:/:::::::::::::::::::::::::＼　　　|＼ ゝ
　　　　　 |:.:/:::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ｀￣ 7　 ﾍ´ヽ
　　　　　 |: ｉ::::::::::＿＿＿＿__|　　,′ 　 ﾍ::::ｉ
　　　　　 |: |:::::l´::::::::::::::::::::::::::＼　＼　　　ﾍ:|





　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　／　　 　 　 ＼
　　　　　 ／　　　―　　　―
　　　　／ 　 　　（ ●） 　（●）'　 ∫
　　　　|　 　 　 　 　（__人__）　| ∬
　　　　＼　 　　 　 　｀ ⌒´　 .|￣|　　　　　　　　　よく分からないけれど、その理屈でいくと、やる夫はなのはさんの子供……？
＿＿__／　　　　　　　ー‐　 '-|＿|）
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| |　（　　　￣￣￣⌒ヽ
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|





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　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 >|:.|:.:.:|:.||ヾら:::::ﾟ::::} 　 /　 　./∠=z//下:.:/:.:/|:.:.:.:.:/|:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　||ヽ:.|:|ヽ. 辷zzメ_　　　 ／./::::o::7ヽ/:.:./:.:/:/:.:.:.:/ |:.:.:.:.!　　　　　　　　バカ言ってないで、さっさと食べなさい。
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ |:.ヽヽ.　　　　 　 　 　 　 〈⊃::/.〃／//:.//:.:.:./　|:.:.:/
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |:.:.:.|:.|＼　　 　 　 　 　 　 ｀¨≠/／:/／/:/:.:./　 .|:.:/　　　　　　　　　今日ははやてちゃんをデートに誘う日、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.:.|:|　　　　　　　　　´　　　　./:.:.／／:|/:./　　/:/
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |:.:.;||ヽ　　　　　 ` ー　　　　./:.／/|:.:.:/:イ 　 ／　　　　　　　　　　　 そうでしょ？　明日はブリーフィングが
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 rゝ:.:.|　 ＼　　　　 　 　 　, イ|:.:.:./:.:!:／|:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　,､..イ´ﾍ ヽ:.| 、　 ＼　　　,　＜´:.:/:.:.:/:.:.:|:!:.:.:.|:.:|　　　　　　　　　　　　　　　入ってるんだから、ほら。
　　　　　　　　　　　 ,､r::´´:::::::| 　 ﾍ　＼ ＼　　｀ﾌｌ　 　.|:.:.::/:.:/:.:.:.:.:!:.:.:.:.!:.:!
.　　　　 　 　 ,､r::´´:::::::::::::::::::::|　　 ﾍ　　　　＼-/ |ヽ:.、|:.:./／:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:!:.|
　　 　 ,､r::´´:::::::::::::::::::::::::::::::::::|　　　ﾍ　　　 / | |ゝ.| ヽ::ヽ:/:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.|
　 /´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|　　 　.ﾍ 　 / ゝ≠| |　ヽ::::::＼:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:|:.|

3734： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/17(日) 21:06:32 ID:bnjco0vk0

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3735： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/17(日) 21:41:08 ID:bnjco0vk0

　　　　　　*　　　＿＿＿_
　　　　+　。　／ ＼　　／＼　ｷﾘｯ
　　 　　　　／　（ー） 　（ー）＼+　。　*
　　　　　／　　 ⌒（__人__）⌒ .＼
　　+　。|　　 　　　|r┬-|　　　　|　　+　。
　　　　　＼　　　　 `ー'´　　　／
　　　　 　　＼　,,,,　　　　,,, ／　+　。　　　　　　　やる夫もいっちょまえにジャケットを着こんでみることにしたお！
　　　　　　 ／　　　　　　　 ＼
　　　　　／　,､　　　　　　.l>　,>　　　　　　　　　　やはり一張羅というのはよいものだお……
　　　　　＼　ﾘ　　　　　　 l　<
　　　　　　<_/　　　　　　　ト-'
　　　　　　　ｉ　　　　　　　 l
.　　　　　　 l　　　　　　　　l
　　　　　　 ｌ　　 ､__.　　　　ｌ
　　　　　　 ｌ　　　 ∧　　　 ｌ
.　　　　　　l　　　 /　ｌ.　　　ｌ
　　　 ,､-'"ｌ　　　/'￣ｌ　　　ｌ'-､
　　／　　(＿＿ﾉ　　 ﾞ'-､,＿)　＼
　 /　　　　　　　　　　　　　　　　 ｉ
　 l　　 　　リ　ン　ク　ス　　 　　/
　　ﾞ'-､, ＿＿＿＿＿＿_ ,､ - '"

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
お世辞に広々としたとはいえない部屋で、アイロン台をカーペットの上に置き、
せっせとスチームをパンツに押し当てては、伸ばすようにスライドさせる。
お湯が気化する音と共に、かなりの量の熱気が湯気と共に立ち昇っていた。

柄にもなく有頂天であった。
よく分からない鼻歌交じりに、クローゼットに掛けられた、
降ろしたてのネイビーのジャケットに思いを馳せる。

何を隠そう、了承を貰ったのだ。
つい先ほど、はやてから。
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3736： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/17(日) 21:43:42 ID:bnjco0vk0

　　　　　　　　　 ／￣￣￣＼
　　　　　　　　／　　─　　 ─＼＿　　　　あー、もしもし……
　　　 　　　／　　 （●） 　（●） ＼|l(^)
　　 　　　　|　　　　　（__人__）　　　l(_ ）　　　「やる夫君っ！？　はー、元気やったー！？　心配させよってからに！」
　　　　　　 ＼　　　　 ｀ ⌒´ 　　／⊂)
　　　　 　　／ 　 　 　　　　　 　 ヽ　ﾉ　　　　おおう。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
まだ朝の時間であったにもかかわらず、ワンコールではやては食いついてきた。
どうやら、相当に心配させていたらしい。

無理もない。コロニー・アマツで別れて以来、疎遠と言っても過言ではなかった。
はやてにどんな言葉を言えばいいか、どんな態度で接すればいいか分からず、
考えている内に、行動に移す時期を見失ってしまった。
はやても、似たようなものだったのかもしれない。

必死の形相を電話越しの声に写したかのような様子に、申し訳なくなった。
それもこれも、ひとえに自分の我儘ゆえであり、弱さのせいである。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3737： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/17(日) 21:49:51 ID:bnjco0vk0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. .: '"~~￣￣￣~~"''〜､、
　　　　　　　　　　　　　　　＿＿／.: : .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .:｀丶、
　　　　　　　　　　 _.､-''"　---ﾐ{.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: : ＼.: .: .: .: :＼
　　　　　　　　　／　／.: .: .:.: .:八.: .: .: .: .:.＼.: .: .: .: .: .: .: .:＼.: .: ＼.:.＼
　　　　　　　 ／　／.: .: .: .: .: ⌒＼／⌒: .: .: ＼.: .: .: .: .: .: .: .:＼.: .: ＼.:.ヽ
　 　 　 　 ／ 　 : /.: .: .: .: .: .: .: .:./.:_.: .: .: .: .: .: :＼.: .: .: .: .: .: .: .:＼.: .:.:|.: .:.
　　　　　 '　　 ..:./ .: .: .: .: |.: .: .: /.: :∧.: .: .: .: .: .: .::＼.: .: .: .: .: .: .: .:＼∧.:.:i
　　　　　{　　/.:/ .: |.: .: .: :|.: .: :∧__彡|.: .: .|.: .: .: .: .: .: .: .: .:.: .:.|.: .:__| /　|.:.:|
　　 　 　 　 ∥.: .: .:|.: .: .: :|.: :|/|'^　　 |.: .: :|.: .: .: .: .:.:.:|.: .: .: .:.:.|／　| ＼.|.:.:|
　　　　　　　|.:|.: .: .:|.: .: .: :|.: :| :| 　 ＿|.: .:.∧.: .: .: .:.: _|.:|＿.: .: |,,／_|＼ ＼:|
　　　　　　　|.:|.: .: .:|.: .: .: :|.: :|八／　｜ ＼ |.: .: .: .: .: |.:|.: .: ＼|／　||_/＼_〉
　　　　　　　|八.: .: |.: .: .: :| .: ／:＼　 | :/　 |.: .: .: : : / :|.: .: :/ |_,,／|.:. .:.:|.: |
　　　　　　　 　 )八|.: .: .: :|_.:.| 　 　 　j/　　:|.: .: .: : /　 |.: .:/　 .: .: .:|.:. .:.:|.: |
　　　　　　 　 　 　 |＼.: ..:{　)＼　ｨ芋芋ﾐ　:|.: .: .: /　ｨ芋芋ミ:/.: .:.人.: : |.: |
　　　　　　　　　　 八..:＼:{　} ＾)＼ 　 　　　|/):／　　　　　　/.: ／ : .: .: |.: |
　　 　 　 　 　 　 /.: .: .: .: {,/　//⌒:/:/:/:. 　 〈i　　　 :/:/:/: イ　ﾉ.: .:/.: :| 八
　　　　　　　　　/.: .: /.: ／　.:.∧　 　 　 　 ＿＿＿　　 　 　 八.: .: / : : |.: |.:＼　　　　　　ご飯？　ええよぉ、付き合ったる！
　　 　 　 　 　 /ｲ. .:/.:./　 〈 : : : ＼＿_ 　　|　　　　|　　　　 . : .: ／ .: .: .|.: |.: |⌒
　　　 　 　 　 　 |.::∧.: ｀丶、￣￣＼.: .＼　＼＿／　　　イ : .／:|.: .: .: .:|.: |:八　　　　　　　久々に顔見せてぇな！
　　　 　 　 　 ＿|:〈_∧.: .: .:L＼　　　).:.:..八　　　　　イ ￣＼/.: : |.: .: .: .:|.: |.: : ＼
　　　　　　／　　＼￣￣＼.: ｀丶、 .:.／⌒＼＞＜　 |＼　 /＼.: |.: .: .: .:|.: |.: .: .: |　　　　　　男子三日合わざればっちうしなぁ、楽しみやわぁ。
　　　　　/　　＼ 　 ＼　　 |.: .: .:|| ＼　　　　 〉::::/　　＼ ＼　　∨ : .: . 人八.: .:.:.|
　 　 　 〈　 　 ＼）　　 ＼__|.: .: :八_ /＼　　/　　　　　　 　 |.　 /.: .: ／￣￣＼.:/　　　　　　 え、なに、そっちで予約してくれとんの？
　　　　　| ､　　　　　　　〉 八.: /　 /　　　 /　　　　　 　 　 :|　厶 イ　　 　 　 ∧
　　　　　| ∧　 　 　 　 |　　 )' ＿/　　　 /　　 　 　 　　　 .:|　　　 |　　　　　/　 ＼　　　　　　ひゃー、マセてんなぁ。お姉さん照れてまうで。
　　 　 　 〉　＼　　　　｜/ ／＼　　　　∧＿　　　　　　／/　　　 |￣￣＼/　 / 　'，
　　　 　 { 　 　 ＼　　　|／ 　 　 ＼ 　 /　＼ ＼ 　 　 /／ 　　 　 |　　＼　./ ,: 　　 '，　　　　　お酒呑めるとこがええなぁ〜。
　　　　 〈￣￣＼. ＼　<　　　　　　 ＼ﾊ.　　 ＼＿　_／ 　 　 　 　|　　　 ∨./　　　　'，
　　　　　}　 　 　 ＼＿/|＼　　 　 　 　~}　　　　／Y⌒＼　　 　 　| 　 ＼　〈　/　＼.　'，
　　　　　}＿＿＿/ ／　|　 ＼ 　 　 ／/|　　 ／:i＼　 /:i:i＼　　　 |　　　 ＼∨ 　 　 　 '，
　　　　　〈　 　 ./　|　　 |　　　＼／　/∧　/　＼／⌒:ｉ「￣ ＼＿_|　　　　　'，　　　　　 '，
　　　　 　 〕　　　　|　　｜　　　　　 /V　∨＿　 {:i:i:i:i:i:ﾉ ／二=-―…　　　　'，　|/ 　 　 '，
　　　　　　〕　　 / .|　 　 ＼　　 　 /￣￣ 　 　　∨:i:i〈./　　　　　　　　 　 　　}　/ 　 　 　 }
　　　　　　〕　 ./　 |　　＼　　　 ／ 　 　 　 　 　 ﾉ:i:i:i:i:＼　　　　　 　 　 　 　 ; /　　／　　}

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
近況報告もほどほどに、食事に誘ってみると、なんと二つ返事で了承を貰えた。
それに関しては、嬉しい反面、少々複雑な気持ちでもあった。

曲がりなりにも異性からの誘いであるのに、彼女の無防備さといったらどうだ。
自分以外の男にも、そういった態度を取るのか？
いや、そんなことはないだろう。彼女なりに色々と踏まえて判断するはずだ。
聞けば、ああ見えて身持ちはかなり堅いらしい。
そんな彼女が、なぜ自分相手には、こうも無防備なのか。

単純だ。
異性として扱われていないのである。
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3738： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/17(日) 21:56:41 ID:bnjco0vk0

　　　　　　 　 ,.-、
. 　 　　　　 ／ﾞ(_ )､ 　 　 　 ＿＿＿
.　 　 　 　 （ _ノ"　i 　 　 ／ 　 　 　 ＼
　　 　 　 　 ゝ、　〈　　／ 　 ―　　 ― ＼
　　　　　 ,〃 ﾍ 　 ﾄ／　 　（ ●）　（ ●） ヽ　　　　　　　分からせてやるお……思春期男子の本気ってヤツ……。
　　　 　 7　,　弋　│　　　　　（__人__）　　 |
　　　　　ｉ ！　　＼ ＼　 　 　 　 し′ 　　/
　　　　　ヽ ゝ､　　 .＞　　　　　　　　　_／
.　　　 　 　 ｀＞｀- ,_ 　 ,.-､　　　　　　　＼
. 　 　 　 　 〈　 　 　 ￣ 　´) 　 　 　　| 　 ﾊ
　 　 　 　 　 ゝ--― -､__.ノ　 　 　 　 |>　　!
　　　　　　　　　　 ｜　 　 　 　 ／｀''"　_／
　　　　　　　　　 　 | 　 　　　　 `く__, ｨ"

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最近は世界情勢に動きがあったのか、戦争経済も活発化の一途を辿っている。
傭兵需要もうなぎ上りだ。いついかなる時も依頼が溢れかえっている。
自分もはやても、忙しくなる。この機会を逃したら、次は遠いかもしれない。

はやては「ほんま堪忍な、今日ちょうどアレの日やねん。
えっとな、AMS接続インターフェースの点検日。いかんせんインプラント式やさかい。
おまけに私のは旧式やから、チェックとかも面倒なんよ」と言っていた。
というわけで、今日の勝負は夕方からとなる。

歯磨きに歯磨きを重ね、これでもかというくらいに消臭剤をぶちまけておいた。
事前にシャワーも浴びておいたし、言うことはないだろう。
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3739： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/17(日) 22:09:00 ID:bnjco0vk0

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ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/^ﾆﾆニ}:.:＞　 　 　 　 . :　　 |ﾍ:.:.|:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.|:|
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/ こ}ﾆﾆﾆ}:.:.:.:|∠≧=＜　 __／　 ∨ :.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.|:|
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾉﾆﾆニ〉:.: |　　　|ﾆﾆニ厂　　　∨:.:.:.:ﾉ:.:.:.:.:.:.|:|
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ／ﾆﾆﾆﾆ/ ＼|　　　|ﾆﾆ-/　,| 　　| |:.:.:／:.:.:.:.:.:.从
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/　 ＼ 　 　|ﾆﾆ/／｜／ﾉﾉ／:.:.:.:.:.:.／/＼
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ{:: :: :: :＼＿| ::::::: :|　　　 ／ ﾉ／j／ |:: :: :: :＼
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　 ／（ ─）　　(─）＼
／::::::⌒／)／） ⌒::::: ＼
|　　 ／／ ／　　　　　　|
＼　|　/　 二二)　 　 ／
／　ｉ　　　r‐一' 　 　 ＼

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思えば、はやて相手にこうもなるまで、色々とあった。
最初はただ、可愛い人だな、と思うくらいだった。
頼りになる年上の女性で、なのはの旧友で、沢山世話を焼いてもらった。

純粋に、嬉しかった。
ああも良くしてくれたのは、単になのはから頼まれたから、かもしれないが。

一度心が折れて、コロニー・アマツまで連れて行ってもらった時。
平和というものを教えてもらった時。生き方を決める時間をもらった時。

ずっと抱え続けてきたものを彼女の前で吐露した時、彼女はそれを一蹴した。
気にしなくてもいい。たとえ気にすることをやめられずとも、
自分はそれを気にしない。

その言葉を聞いた時、何かが、かちりと固定された気がした。

価値も理由もいらない。命に、そんなものは必要ない。
そんなものがなくても、笑っていていいのだと。
許すでも、認めるでもなく、そう教えてくれた。

そんな中で、彼女だけが戦場に戻り、自分だけが平和の中に居残った時。
こうしてはいられないと、確かに思ったのだ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3740：安価のやる夫だお：2021/01/17(日) 22:10:24 ID:gSaTmPaQ0
ここまで能動的に動いてるここのやる夫ってあんまりなかったから、成長したのかな

3741： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/17(日) 22:17:03 ID:bnjco0vk0

　　　　　　　　　 ＿＿＿
　　　　　　 　 ／ 　 　　　＼
　　　　　　 ／ 　　⌒ 　　⌒＼
. 　 　 　 ／　　　（ ●）　（ ●）＼
　　　　　| 　 　 　⌒（__人__）⌒　|　　　　　守るなんて、偉そうなことは言えないお。
.　　　 　 ＼　　　　　｀ ⌒´ 　 ／　
　　　　 /⌒　　　　　　　　 　 ヽ　　　　　　　けど、せめて傍に居たいとは思うお。こんな時代だから……
.　　 　 | 　 ヽ＿＿　　　　　＿　',　　　
　　　　 :､＿　 　　　） 　（￣ ＿丿　　　　　　　せめて、同じ世界に身を置いていたいお。
　　　　 | 　 ／ ￣｀ｉ　　／￣ 　｀ｉ
　　　　 |　　　　　　| 　 　 , 　　　|
　　　　∧　|　　 　 |＿_／ 　 　 /
.　　　 　 ｀ーヽ ＿ | 　 | 　＿／
.　　　　　 　 （＿＿） 　､＿＿）

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
至極、単純な気持ちだった。願望や欲望でもある。

傍に居たい。その人の存在を感じていたい。
その人の笑顔を見ると安心する。勇気が湧いてくる。
その人の不幸を想像すると、胸が抉られるような感覚に襲われる。
何一つ惜しくないと思える。

はやてに対しての気持ちは、それだ。
好きという表現を用いるには、十分ではないだろうか。

自分がはやてに対して何が出来るのか、それが未だ判然としないくらいに、
自分は弱く、はやては自立している。

だから、それが分かるまで、せめて住む世界くらいは、一緒が良かった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3742： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/17(日) 22:25:37 ID:bnjco0vk0

　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　 ／　　 　 　＼
　 　　 ／　⌒　　⌒　 　＼
　　 ／　 （ー）　（ー） ／^ヽ　　　　　　ふー、アイロン掛けはこんくらいでいいかお。
　　|　　　（__人__）（　/　　 〉|
　　＼　　 ｀ ⌒´　　〈 ／ ⌒^ヽ　　　　　
―――――――― ＼ _ _ ＿ ）

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
気持ちを行動に移そうと思ったのは、周囲の後押しもあるが、
一番の理由はカズキだ。

自分はリンクスだ。兵士だ。そして、はやても。
戦場に身を置く以上、いつ殺される側になるかもわからない。
ネクストという戦場の支配者を駆る関係上、そう易々と獲物にはならないだろうが。

この世に絶対はない。時は速く過ぎる。輝く星はいつの間にか落ちる。
コジマ汚染やAMS負荷の関係上、リンクスであるこの身に、あまり余裕はない。

いつか、という言葉を使おうにも、あまりにも時の流れは残酷だ。

自分を確かめていたかった。自分が何をしたいのか、何ができるのか。
自分の真実を感じていたかった。

そして今、自分の中で最も確かなのが、はやてへの感情だった。

だから今日も、はやてに会いに行く。
自分に正直にいられる内に。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3743： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/17(日) 22:32:56 ID:bnjco0vk0

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼　　　　　クーガーさん、カズキ……やる夫も……やる夫なりに、自分を貫いてみるお。
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　フラれたら……ま、そん時はそん時だお。
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　お友達でいさせてくれるかなー……。
　　＼ ／＿＿＿ ／

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
立ち上がり、首を回して骨を鳴らす。

誰かに平和を譲り受けるということは、誰かが平和を手放すということであり。
守られる立場になるということは、誰かが戦う立場になるということである。
誰かが血に汚れないためには、誰かが牙にならねばならない。

だったら、自分は牙でありたい。はやてという牙と並び立つ牙でありたい。
壊すことしかできない身の上ではあるけれど。広がる光景は地獄そのものだけど。

そこに彼女がいるのなら、行くしかあるまい。
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3744： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/17(日) 22:33:08 ID:bnjco0vk0
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3745： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/17(日) 22:36:19 ID:bnjco0vk0
すまない、途中で止まってしまったね。最近は本当に調子が悪くてね、申し訳ない。

次の投下は1/27日曜日の午後八時からとする。

シーユーアゲイン。

3746： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/17(日) 22:38:33 ID:bnjco0vk0
1/24だったね、ごめんね。

3747：安価のやる夫だお：2021/01/17(日) 22:42:40 ID:XvFoD4VQ0
乙ー

3748：安価のやる夫だお：2021/01/17(日) 22:43:43 ID:MFFUuRDc0
乙
お大事に

3749：安価のやる夫だお：2021/01/17(日) 22:45:35 ID:7uYbiCQE0
乙でした

3750：安価のやる夫だお：2021/01/19(火) 00:18:38 ID:xneA8w6Q0
乙でした

3751： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/24(日) 20:02:21 ID:Px.kgFME0
　　　　／||ミ
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　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
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　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

3752： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/24(日) 20:06:34 ID:Px.kgFME0

　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 _ _____＿
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ´.: : : : : : : : : : :｀
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 l: : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i: : :○ : : : ○: :.|
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : |　　　　　　　　　　　最近は前口上も思いつかなくなってきたね。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 j: : : -=＝=- : :.i
　　 　 　 　 　 　 　 r―--┐　　 　 i: : : : : : : : : : : :l　　　　　　　　　　　　はじめていこっか。
　　　　　 　 　 　 　 i: : : : : ',　 　 　 ゝ : : : : : : : : :t´
　 　 　 　 　 　 　 　 ',: : : : : i　 , f: : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　　 　 　 　 　 　 　 ＼: : : :y: : : :Υ: : : : : : : : : : :y: : '..,
　　　　　　　　　 　 　 　 ',_: :: :／　 i: : : : : : : : : : : :l丶 : : :ヽ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ￣　　　l: : : : : : : : : : : .i　　＼ : : :丶

3753： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/24(日) 20:33:23 ID:Px.kgFME0

　　 l{　　　　　　　　　　　　　≦ﾐx
　　/|　　　　　　　　　　／／⌒Ⅷ
　 j　＼_,､　 　 　 　 ／／. 　 　 Ⅷ
⌒　　　　　　　　 ／／三二ﾆ‐　Ⅷ
zzzzzzzz.　 　 ／／三二ﾆ=‐.....　Ⅷ
　　三二ﾆ=‐Y／三二ﾆ=―‐ ､ 　 Ⅷ
　　　　　　　 ┼　　 /, '´／　　∨　Ⅷ
　　　　　　　 三ﾆ=　 / ､,ノ　 　 i　　Ⅷ
　　　　　　三二ﾆ=人　　,,,,　　ノ^^j__Ⅷ
...　　n＿＿＿＿＿＿У＿{三三三ヽﾌ＿＿
　 ⊂とﾆ ヽ　　　　　　　　　　｀＜三三＼ . /
　　ゝｸー〈ー―――'´〈　　　　 　ヽ三三∨
　　　　　　　三二ﾆ=‐ ＜.　 　 　 ノ三三三}
　　　　　　　 三二ﾆ=‐../_ -―r彡三三三ﾘ､
.　　　　 　 　 三二ﾆ=‐〈＿＿_レ'￣￣￣ﾉ　ヽ
　　　　　　　　　 　三二ﾆ=‐／　　　　　ハ　　 ヽ

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待ち合わせの午後七時から数えること、一時間前。
飛び跳ねる勢いで巡回輸送機へと乗り込み、ブライドル本部まで飛んだ。

はやてのことだから、あまり早くから待っていても気を遣わせてしまうだろう。

今日初めて袖を通す服に身を包み、程よく緊張と期待が混ざり合った気分で、
ブライドル地下のエリアD5という場所へとタクシーで向かった。
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3754： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/24(日) 20:38:28 ID:Px.kgFME0

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Τ广.| ΤΤ 「￣ :. |　 '｡ ﾟ。　　ﾟ｡‐| |──‐┸──‐ ┸──|_|‐┸‐{ {ﾆﾆニ| .|　}ﾆﾆﾆ} }┸──┸─ー─┸ｰ| 　 |
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エリアD5は、ブライドル地下の中では牧歌的な風景が広がることで知られている。
本物と見比べても大差ないような、よくできた人口の緑で覆われたような場所だ。
自然公園ともいう。

もちろん、湿った土の匂いや涼やかな風、澱みのない空気とは無縁だ。
木や花に触れたところで、硬い樹脂の感触しかしない。

けれど、人間の脳というものは単純なものらしい。
理屈では分かっていても、木々に囲まれているような気分にはなれる。
企業連のお膝元であるブライドル地下のものというだけあって、
勢を凝らした造形は本格的の一言に尽きる。

こちらの方には、アルトリアに連れて行ってもらった歓楽街とは客層も違っていた。
もっと素朴な、飾り気のない人が多い。心なしか年齢層も高めに感じる。
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3755： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/24(日) 20:47:23 ID:Px.kgFME0

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思うに、自分もはやても、そこまで派手な感性の持ち主ではないのだ。

煌びやかな街の灯りや、豪奢な内装の建物、小洒落た酒瓶、
そういったものに全くロマンを感じないわけではない。

けれど、それらをとりわけ好むわけでもない。
それは、あのアマツでの暮らしで感じたことだ。

とにかく、落ち着けそうな場所で話したかった。

自分の中でのはやてが、そういった存在である、ということの証左なのかもしれない。
激しい快楽が得られるわけではない。強張った肩を落とさせ、
素直で穏やかな自分でいさせてくれる。

半ば飾りの腕時計に視線を落とし、こちらへ向かってくる足音を聞いては顔を上げ、
人違いに内心落胆することを繰り返すこと数分。
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3756： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/24(日) 20:57:50 ID:Px.kgFME0

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　　　　　　|: |.: .:|.: 八　|.: ＼.: .: .:| .:| ィぅうミｘ.: .:|ﾉ.: .:/　　)＼イ
　　　　　　|: |.: .:|.: .: .:.､／⌒ ､.:.:.| .:|　乂少　|.: :|.: .:/　　⌒Y:|ﾉ　　　　　　　　　お疲れさん、やる夫君……って、随分めかしこんどるなぁ。
　　　　　　|: |.: .:|.: .: .:.:.＼.ｨぅミk.: :八　　' '　 |.: ∧/　　 　 人:＼
　　　　　　 八.:.:|.: .: ＼.:└ 乂ﾂ∨　　 　 　 八(_〈 　 　／ /∧.: )　　　　　　　　どないしたん、そないに気合い入れはって。
　　　　　　　　 人.: .: .: ＼.:.:.:＞　　` r　 ＾)　//|∨----〕//　 ＞‐┐
　　　　　　　　　　＼( : .: .＼.: )＞ 　., ＿___// :| 」＿__／::|　 /　/ ∧　　　　　　「え、ええと、まあ」
　　　　　　　　　　　ﾉ:＼￣..: .: ∧:.: :(／〈＿／ ||:::::::::: ／::|___|＿_/　|＼
　　　　　　　 　 _／.: .:./八.: .:.〈⌒∨ ＼〕ﾆ ／ ||:::::::::::::::::::〉__j 　 |　 | 　|　　　　　まー、最初の時とはえらい違いやなぁ。
　　　　　　　　⌒7.: :__|＿∧.: .:∨〈,,／Y⌒Y＼,,〉T¨¨¨¨¨∧￣＼|　 |　 |
　　　　　　　　　 |.: :「￣￣込 : .:∨/|　L:i:i:ﾉ　 〉 ::|:::::::::::/::::|＿___＼_|,／＼　　　　誰のせいで、そないに色気づいてもうたんやろなぁ？
　　　　　　　　　 |／￣￣￣　＼:|: 八 /:ｉ:i|　 /＼:| ::::: /::::: |:::::::＼　＼
　　　　　　　　　 |　 /:￣￣￣￣`､::|V:i:ｉ:ｉ:|_,/ ::／|:::: / :::::: | :::::: ∧ 　 ＼　　　　　　興味あるわー。
　　　　　　　　　/　 {::::::::::::::::::: ＼::: |:i:i:i:／:::／::::::|:::::::::::::::: |:::::::/　|　＼
　　 　 　 　 　 /　 八:::::::::::::::::::::::::ヽ:〈:i/:::／::::::: 八::::::::::::::: | : /　 .|
　　 　 　 　 　 〕／ /:: ､:::::::::::::::::::::::ﾉ八:::::::::::::::::::::::::::､::::::::::::::/　　 |＼
　　　　　　　 /　　/＼:::＞‐--‐＜:::::::{:::::､:::::::::::::::::::::: ＼_:／ 　 　 |
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ついに本命がやってきた。
割と視力は良い方なので、すぐにわかった。

公園の歩道の向こう側から、久しぶりに見た彼女の姿は普段通りのものだった。
軍服調のジャケットに、丈の長いタイトスカート。
そこから伸びる白い脚に、落ち着いた暖色のパンプス。
全体的に女性的な細さと丸みを帯びた柔らかいシルエットにも関わらず、
やけに小柄なその姿に、すぐさま手を振った。

はやては小走りで駈け寄ってくると、軽く乱れた前髪を掻き上げ、
にっと歯を見せてきた。
その反応を見られただけで満足しそうになる。

実は、ずっと心配していたのだ。
あれからというもの、はやてとは疎遠と言っても過言ではない状態だった。
胸をなでおろしたくなるのを抑え、笑みを返す。

自分でもわかるくらい、照れくささが滲み出ていた。
頬の筋肉の動きがおかしい。
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3757： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/24(日) 21:12:41 ID:Px.kgFME0

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　　 　 ﾞ　 : : : |_;|,斗! 八:_:_:_:_,|〓 〉〈: :}
　　 　j　|: : : .:|八 从{　 )八|ﾊ: : /⌒: :'　♪
　　　 　 }: : : :x≠ミ　 　 x≠ミ: .'/: : : ﾞ　　　　　　　えー、エスコートしてくれるん？　はあ、ほんま、この子ったら……
　　　　 　: : : :| ,:,:,: r-- ､ ,:,:,:｜;ﾞﾂ/: :{
　　　 　 八| : |ﾞ:....　Ｖ__丿　..:j|;ﾞ｢/: /:,　　　　　　　　そないにしたって何も出えへんよお？
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　　　　　　(｀j_..　-‐}ﾆ{V7ﾆ､.._｀`ァ_　　　　　　　　　　もう、変な気になってまうやーん。
　　　　　　　＾／/　{ﾆ=｡=ﾆく　｢⌒＼)
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夕飯時としては丁度良い時間帯でもあったため、
とりあえず店まで行こうと促してみる。

「ご飯って、どこで食べるん？」

「この近くに小さなレストランがあるんですお。ロッジ？　山小屋風っていうのかな。
ご飯も美味しいって話ですし、お酒も呑めますお」

ルルーシュと一緒に調べた情報であって、自分もこれから体験するわけだが。

頭の中でぐるぐると予定や計画を反芻している自分に対し、
はやてはやけに浮かれた様子だった。かなりの上機嫌である。
にっこりと口角を上げ、小さく肩を揺らしてまでいた。

だが、やはりというべきか、軽い違和感のようなものが拭いきれない。
口ではああ言っているものの、彼女の言動は、男性に食事に誘われた時の
それではないように思える。

これは、前途多難というやつかもしれない。
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3758： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/24(日) 21:32:06 ID:Px.kgFME0

ﾄｰｲﾉ　　 ヾ 、　　／'i| |＼　　 　 |ゝ｢ノ|｜　|　',　　　　　 |　　　 　 　 /　　|　 　 |　　　 |　　　 ／　　,.　'　　　 ,.∠ヽ
ノ ゝ- ､　　 ヾ､／'　 || | 　 ＼　　|｢￣|.|｜　| 　',　　　　　|　　　　　 /　 　 |　 　 |　　　 |　 ／　 ,.　'　　_,r'-ヽf¨¨￣
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　　　＼',　　 } l 　.//|| ﾄ､_　　　　 .|　 　 |　 |＿＿　 | |　 　 　 .l |　　　　　　 .|　f f |r三=‐¨　| ﾊ､ﾉノ } } rﾆ-‐.i=f''ri´
　 　 　 i i　 .,!,'　//　|| |:::::{ｰ、　 　|　 　 |　 |=､､i |　.| |　 　 　 .l |　　　　　　 .|__-=iir､iir'ヽ=ﾆ.ゝ　i_ノ_ノ__| r'ｺ .|_|ｰ＿
　　　　ﾉﾉ　/ ＼/ 　 || |_::〈:::::∨!¨ゝ､　　|　 |_ﾟ,j.}!.|　.| |　 　 　 .l |　　　　　　 .|　| | |! |!|!_j_,.｢r‐‐i |＝=‐‐i |¨¨´￣
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｀¨¨/／　　＞ ､ー'ｨ..|| |:::{:)ヽ'::トｼ:ｨ-_,.ｰ.|__..|=-=ヾr‐､∨　　　..| |＼＼　　　　　｀´　ゝ'ｭ=-|.| .,_ﾉ!|=L、　.!.!｢r-=|!
ｰ''´ｰ―――‐一 ゞ' !! |::Y:::::}_;::i-=＞ﾆ=-ヾ､ﾊ 　 i|!　',.〉‐=‐-r1.| .| ＼ ＼　　　　　　　　　|.| fｰ||ﾆ=-|‐r|.l≦三|!
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　　 　　　　　 _　 　 {:/＼八 _／)＞'.: .:.:／.: .:/.: .: .: .:|.: .: .:|
　 　 　 　 __/　) __　 　 　／ ￣ 7 : : ／￣:／ : .: /.: 八 : 八　　　　　　　　　メニューは……へえ、色々あるやん。
　　　　　「{ {　し'　}　　r/ 　 　 /.: .: /＿／　⌒∨ .:/.: :)/⌒＼
.　 　 　 { 　 　 　 ﾉ　　/／ 　 人.:.:/　 ＼￣￣Y￣/＼＿　　　　　　　　　　　あ、エルディンガーと……オレンジジュースで。
.　 　 　人 　 　 / 　 ／　　　 　 ∨　　　 ＼　＼ /　　　　＼_
　　　　　 }　 　 {　 /￣￣￣＼ 　 〉＿ 　 　 ＼　{　　　 ／　 ∧
　　　　　 } 　　 　 '　 ／　　　　 ／}　　　　　　 ＼　 ／ 　 ／　}
　　　　　　　　　}/.／　　　　 ／／　 　 　 　 ／　 ＼　 　 　　∧
　　　　　,'　　／{＿＿　　 ／イ　　　　　　／　　　 }　＼　／/ /
　　　　　;　　|　 |　　　　 /--≠-　　　　　＿　　　/　　 ∨ /／{
　　　　　{／ |　 |＼　 ／　　 /　　　　　 　 　 ＼./　　 　 }／＿_＼
　 　 　 八　 |　 ＼　/　＼＿{　／　　　　 　 　 /＼　　 ∧------{
　　　　　　＼＼__／　　　　　{ 〈 ／　　　￣￣〈. 　 ＼ 〈　＼　　　 〉

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歩くこと数分。特に急ぐでもなく、のんびりと二人で、歩幅を合わせて歩いた。

実際に訪れてみると、その店は思っていたよりもこじんまりとしていた。
建物自体には本物の木材が使用されているらしく、近づくと仄かに檜の匂いがした。
隣のはやてが感嘆の溜息を漏らす。店に対してなのか、店を選んだ自分に対してか。

内装もアンティーク調の落ち着いたまとまりを見せていたが、
ニスの塗られた木のカウンターには年輪の模様が浮かび、
カウンターの奥には本格的なサイフォンやビールサーバーが置かれていた。

ドアベルを聞きつけてやってきた、白髪をオールバックでまとめたエプロン姿の
壮年男性に導かれるまま、奥のテーブル席へと二人で向かい合って座る。

はやてはそそくさとジャケットを脱ぐと、
意気揚々とメニューを捲って飲み物を頼みだした。

ここは自分が頼みたかったところだったのだが、遅かった。

「やる夫君はどないするん？」と満面の笑みで聞かれて、
肩をすぼめてオレンジジュースと呟いた時、情けなさに身が縮む思いだった。
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3759： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/24(日) 21:48:46 ID:Px.kgFME0


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＿＿__／　　　　　　　ー‐　 '-|＿|）
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|

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「それじゃ、今日もおつかれさーん」

高らかに乾杯を交わす。軽やかな音がグラス同士の間で鳴った。

はやては相変わらずビールを頼んだようで、一息ついたかと思うと、
少し心配になるような勢いでグラスを呷り、黄金色の液体を喉へ流し込んでいる。

幾何学模様の細工が綺麗なグラスに注がれたオレンジジュースを啄みながら、
話題を探した。

店内には聞いたことのない音楽が流れている。
聞きなれない弦楽器の旋律と共に、陽気な女性の歌と、時折男性の歌唱が重なる。

なるようになるわ。先のことなんて分からないのよ。分かるわけないじゃない。

そう歌い上げる女性の声は、やけに古びたリズムに乗せ、そう繰り返していた。

さて、どんな話をするべきだろうか。
世間話、質問、近況報告、色々とあるが、如何せん経験がない。
こういった時、クーガーやカズキはどんな言葉を選ぶのだろうか？

とはいえ、無理に背伸びしてもいいことはないだろう。そういう相手でもない。
ルルーシュも言っていたように、等身大の話題を振るのがいいだろう。

下↓1　デート中の年上女性にかける、気の利いたセリフをどうぞ
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3760：安価のやる夫だお：2021/01/24(日) 22:20:52 ID:nwqC2MhE0
あまり連絡もせずすいません
お元気でしたか？

3761：安価のやる夫だお：2021/01/24(日) 22:32:23 ID:kZO4phvc0
考えたけどうまいのが思い付かなかった

3762： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/24(日) 22:33:34 ID:Px.kgFME0
よし、安価も取れたし今日はここまでとする。

ごめんね、そろそろ寝ないと明日が不安でね……

次回は来週の日曜日、1/31の午後八時からとしよう。

気持ちだけで言うなら、週三くらいで投下したいくらいなんだけどね……

それじゃ、シーユーアゲイン。

3763：安価のやる夫だお：2021/01/24(日) 22:41:05 ID:nwqC2MhE0
乙

3764：安価のやる夫だお：2021/01/24(日) 22:49:32 ID:kZO4phvc0
乙でした

3765：安価のやる夫だお：2021/01/24(日) 23:19:26 ID:zFtbQcUM0
乙ー

3766： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/31(日) 20:00:56 ID:sGycIjx60
　　　　／||ミ
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3767： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/31(日) 20:06:47 ID:sGycIjx60

　　　　　　 　 ,- ‐‐ -　､
　　　 　　 ｒ‐ｲ: : : : : : : : :｀,
　　　　　　i /○　○: : : : /　　　/｀ ､
　　　　　 　i_ _ _ : : : : : : :{　 　 / : : /　　　　　ハリウッド映画とかでさ、ドル札の山にガソリンぶっかけて、
　　　　　　 ｀,_　_｀=-: : : :| 　 ノ : : /
　　　　　　　i: : : : :_: : : : :'y´ : : : /　　　　　　　ライターぶんなげてボーンってやるやつあるじゃん。あれ、気持ちよさそうだよね。
　　　　　　　｀-‐､´: : : : : : : : : ／　　
　　　 　 　 　 　 ﾉ : : : : : : : : i´　　　　　　　　　　なんかもったいないより気持ちよさそうが勝つね。ケツを拭く紙にもなりゃしねえのによォ。
　　　　　 　 　 / : : : : : : : : : :|
　 　 　 　 　 　i: : : : : : : : : : : !　　　　　　　　　　　はじめてこっか。
.　 　 　 　 　 （｀ー‐-　　-‐　_}

3768： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/31(日) 20:06:59 ID:sGycIjx60

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　　 　 　　＼
／ 　　　　　　　　　　＼　　　　ええっと、なんていうか……とにかく、あまり連絡もせずすみません
|　 　　　＼　　 ,＿　　 |
/　　ｕ　 ∩ノ ⊃―）／　　　　　元気でしたかお？
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

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ただ、いざこうして対面すると、どうにも上手く言葉が出てこなかった。
言いたい言葉が見つからないのではない。
言いたい言葉が多すぎて、どれから先に言えばいいのか分からない。

とにかく、ほとんど連絡していなかったことを詫びた。

「気にせんでもええよ。やる夫君にも色々あったんやろ？」

はやてはあっけらかんとした調子で返すと、唇の端を持ち上げて見せてきた。
既にアルコールが回っているのか、眼が据わっている。
手元のグラスは既に空っぽで泡が伝うのみであり、
視線をこちらへ向けたまま、器用にビール瓶を傾けて注いでいた。

しかし、酒が飲めない自分が察するのも難しいことだが。
彼女は酒を流し込むペースが、些か速すぎやしないだろうか？

ふと思ったのだが、最初に彼女に遊びに連れて行ってもらった時も、
アマツで一緒に暮らしていた時も、今もそうだ。

なんだか危うげで、見ていて不安になる光景だった。
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3769： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/31(日) 20:13:16 ID:sGycIjx60

　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:――
　　　　　　 __,.∠:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.⌒＼:.:.:.:＼
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　　　　 /:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:. | :.:{:.:.:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.＼:.:.Λ:.:.:.:.:.:..
.　　　 /:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:. |:|ﾊ|/:.|:.:.:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:.:∨ /∨∨〉:
　　　/:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:. |:|　　｜:.:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.|/ /|:〉 〈: |
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　　 : |:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:┼―‐ -:.:.:.|:.:.:. ィ:.:￣:.:.:.:.:|:.:.:.:|:.:.:.:.: |
　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:|斗ぅ＝ミ :|:.:.:.:.:|ｧう＝ミ: |:.:.:.:|:.:.:.:.: |
　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:{　)いﾊ　从:.:.:.:.|　)いﾊ Y:.:.: ﾉ:.:.:.:.: |
　　|:.:|:.:.:|:.:|ﾍ:.人:.:.:　乂;;ツ　　 ＼:.| 乂;;ツ 从:.Λ:.:. /:.|　　　　　　　　しっかし、やる夫君も変わったなぁ。随分変わったわ。
　　|八:.:.|:人:|:.＼＼ト''　　　　　　　　'''　　/:.:.:/　}:.:.:.:.:.|　　
　　 　 ＼ 　 |:.:.:.:.:.八　　　　 '　 　 _,　　 /彡/_,ノ:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　最初はぽやーんとした子だったちうに、今となってはこれや。
　　　　　　　八:.:.:.:.:.个　　　｀　　　　　　 イ:.:.:.:| :.:.:.:. |:.|
　　　　　　 /:/:.＼／￣　　　　 　 　 ＜ |＼__:.:|:. /:.:八|　　　　　　　　 色気づいてみたり、自分でお店選んできたり、ご飯誘ってきたり。
　　　　　／:/⌒∨ :. :. :. {＼＞r≦.　　ノ| : :. :. :. :.＼:.:.:|
　　　 ／:.:./ :.:.:.: ∨:. :. Λニ=‐‐=ﾆﾆﾆﾆ|:. :. :. :. :. :./:.八　　　　　　　　 なんやろな、時間の流れっちうんを感じてまうわ。
　　　⌒ｱ/:.:.:.:.:.:.:.:∨ /　 ∨二二二.／｜:. :. :. :. :/:.:.:∨＼
　/￣￣/::::::::::::::::::::∨　　　Ｖニ＞''´　　|:: :: :: :: /::::::::::∨__
:: :: :: :: 厂￣￣＼:: /{＿_／{⌒｀}＼　　Λ::: :: ::/::::::::::::::::⌒＼
:: :: :: :/:: :: :: :: :: ::.:}::::{／　　{:::: /　　＼j:::::＼::/:::::::::::::::::::::::::::::





　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼　　　　　　　　え、そうですかお？
　 　 　 　 　 　 |　　/// （__人__）　　 　 |
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／　　　　　　　　　「うんうん、かっこええよぉ」
　　　　　　　　　／_∩　 　ー‐　　　　＼
　　　　　　　　（＿__＿）　　　　　　　|、　＼　　　　　　　　おっほ……。
　　　　　　　　　 　|　　　　　　　　　 |/　 ／
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　⊂　／
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はやては感慨深そうに笑うと、軽く首を傾げながら、
更にこちらの顔を覗き込んできた。色んな角度から自分を見ているようだった。
髪が揺れ、垂れて、肩にかかる様に視線を奪われる。

なのはも似たようなことをしていた気がしたが、それとは少し違う気がした。

確かに、自分は最初に比べて大きく変わったと思う。
大体はカズキやクーガーの影響だと思うが、C.Cの苦言もあった。

自分を信じられない奴は、いくら他人に信じられてもだめだ。
自分を愛せない奴は、いくら他人に愛されても無駄だ。
彼女はそう言った。

今でも、その意味を全て理解できたわけではない。
けれど、腑に落ちる点もあった。

そういった人間は、自分で自分をダメにするのだ。
けれど、そんな人間ではいられない。子供でもいられない。
強くなって、大人になって、はやての傍にいられるよう頑張ると決めたのだ。
その小さな決意が、自分の中の大きな芯となっていた。

迷いも随分減った。恐れはあるし、不安もある。
けれど、迷いだけはない。それが言動に出ている、というのもあるかもしれない。
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3770： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/31(日) 20:18:41 ID:sGycIjx60

　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／￣:::::::::::::=‐-
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＿ノ￣:::::::::::::::::::::::::::―へ::＼
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／´￣／::::::::::/ /:::::::::::::::: ＼ :::: |:::::＼
　（＼＼　　　　　　　　　 　 /　　／::::::::::/::{　|:::::|:::::|:::::::::::::::::: |:::: i:::::.
　　＼　/Ｙ_　(＼　　　 　 　 　 /:/::::::／⌒ヽ |:::::|:::ﾉ―:く:::{ﾆﾆ｝ : |::::::|
　　 　 { 〈:::::＼V＾ヽ　　　　　　|::{ ::::::::::xf笊し|:::::|:::ｘ=ミ､ヽ{ﾆﾆ｝::::|::::::|
　　　　∨:::::::::::{:::::::}　　　　 　 |八:::::::: 八LJ八:::|　ﾉしﾊ /::::::::|:::::::::::::|
　　　　　＼::::::::::::::::}　　　　　　　V＼{＼| ,, ｀　　　└ン/::ﾉ::::::|:::::::::::/　　　　　　　　ね、ご飯はどうするん？　色々あるで。
　　　　　　　>､__:::::{　　　　　 　 /:::::::::从　 V⌒　　　''/／:::::::ﾉ::::::::/
　　　　　 　 |:::::::::::::::Ｙ　　　　　 ｌΛ:::::::{:::＼　　ノ ／／:::::::／::::::::: {　　　　　　　　　　折角や、同じの頼む？
　　　　　 　 ト :;::::::::::|　 　 　 　 |{　∨::{r― うﾆ ｛ /:::::::／ Λ∨八{
　　　　　 　 ｜　￣Г　　　　　 r―厂 |i^＼＿　V::::／ :::/　}::}Λ:::＼　　　　　　　　　 「いや、好きなもんでいいと思いますお。
　　　　　　　 | 　 　 ',　 　 ＿＿j　 { 　 || _ﾉ{　 厂∨/:::::/　 ﾉ:ﾉ　}:::::|::::::
　　　　　　　 |　　　　V‐く　　　 ＼ ∨￣　ﾉ＼| ／ {::: / 　 ／　ﾉ:::: l＼:　　　　　　　　　食いたくなったら小皿で分ければいいですお」
　　　　　　　 |　　　　 }　　＼　　　｝ ＞''"´:::::::ﾉ::::{　∨　 〉　／イ:::::|　 ＼
.　　　　 　 　 ',　　　 丿　　　＼　.／::::::::>､>:::::::::Λ　　 /Λ　　ﾉ八｛　__))　　　　　　　　さよか？　ならそうしよか。
.　　　　　 　 　'､　　 　__、＜: : : /:::::::::/::::::::::::::::::: Λ　/　　 ＼　　　　⌒＼
　　　 　 　 　 　 ｀¨¨｢: : : : : : : : {:::::::::｛::::::::::::::::::::::′∨ 　 ＿ノ＼
　　　　　　　　　　　 |: : : : : : :. :人:::に二｝::::::::::::::′　∨　⌒ｱ　　＼





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　　　　　　 |: : /: : : ｜　 |: |: :|: :|: : : : :|/〉 : :｜
　　　　　　 |: / : : : :｜　 |: |: :|: :|Λ: : :|/〉Ｘ:.｜
　　　　　　 |/ : |: : |斗‐　|ﾉ|: ﾊ: |‐‐ミ: |/ |: :|:.|
　　　　　　 | : : |: :ｘｾ爪う　|/　 不 うｋ: : |: :|:.|
　　　　　　 | : : |: : | 乂'ソ　　 　 ∨ソ: |/┐:|:.|　　　　　　　　　……やる夫君、なんか口調も変わったなぁ。
　 　 　 　 八: : |＼| :::::::::::　 　　:::::::　|/　八. :|
. 　 　 　 　 : ＼| :八　　　　｀ 　 、　 / イ:.l: : :|　　　　　　　　　一体全体、誰の影響なんやろなぁ？
　　　　　　|: : :|: : : : iト　　 V:::::ノ　　ｲ: : : l: : :|
　　　　　　|: : :|: : : : |: | :}ト　 　 イ:|: :l: : : :l: : :|　　　　　　　　　　「あー、男友達が増えたもんで」
　　　　　　|小:|: : : : |: |Λ　　　 　 |Λ: : :..l: : :|
　　　　　 　 |八 : : : |从 Λ　　　　j　 V: : l: :八　　　　　　　　　　ええなぁ、男の子。楽しそうやなぁ。
　　 　 ／^￣　∨ハ| |　ｎΛ　　　　 ﾉ∨ ＼
　　　/＼　　　　　　　|　Ｌ,／⌒　 √　}⌒∨　　　　　　　　　　　「はは……」
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　 ノ　　　　}　　　｛　 　 　 　 /　/　/　|　V /　　　　　　　　　 __＿
　|　　　　　∨　 　 ｀^''　　　 {　｛　/ ／ -=ミ､　　　　　　　　　| {｀¨¨¨　¨
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3771： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/31(日) 20:27:32 ID:sGycIjx60

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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|

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止まった。会話の流れが完全に止まってしまった。
いつも賑やかなはやてが、自分を前にして沈黙している。

いや、自分が押し黙ってしまうのは、まだ理屈としては分かる。
だが、なぜはやてまで口を閉ざすのか。これが分からない。
ぱちぱちと目をしばたたいては、こちらの様子を窺っている。

既にビール瓶は空になり、こちらもオレンジジュースを飲み干していた。
何かを誤魔化すように、隣のお冷に口をつける。酷く喉が渇く。
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3772： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/31(日) 20:35:50 ID:sGycIjx60

　　　　　　　　　　　 　 　 　 　　 ''"ﾟ~~ﾟ~"''〜､、
　　　　　　 　 　 　　　　 . :''"ﾟ/ :／⌒＼.: .: .: .:.＼
　　　　　　　　 　 　 ／.: .: .: .: .: .: .: .: ￣＼.: .: .:.:.:|＼
　　　　　　　　　　 /.: .: .: .: .: : ＼.: .: : ＼ /〉､_____|　|:＼
　　　　　　　　　　.: .: .: .: .: ＼.: .: ＼＿__:∨ /〉＿|　|￣ ＼
　　　　　　 　 /⌒.:＿ : : : .: .:.＼:／ .: .: .: ∨/ .: ＼ |￣.: .: ＼
　 　 　 　 　 /.: .: .:|_:/＼ : : .: ／＼:斗tｰミk.: .: |.: .:＼.: .: .: .: :＼
.　　　 　 　 / :/.: : |〈"⌒ヽ.: .:.:|.:／　ノＬﾊ　小:.:|⌒Y. :'，.: .: : .:'，~"''〜､、
　　　 　 　 .: /.: : 八.:.:.／　)ﾊ:.| : }　乂少'　 :|.: :|ﾉ 人/∧.: .: .: : '，.: .: .: .: ｀丶、　　　　　　　　　……す、好きな人でもできたん？
　　　　　　|:/|.: .: .: .:＼:. ｨうぅk|:V 　　　' ' 　 |.: :|イ___//∧.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: ＼
　　　　　　|　|.: .: |.: .: .: : ､乂ﾂ r 　 　 　 u./ |.:八厂|　＼∧ .: .: .: |.: .: : .: .: .: ＼.: ＼
　　　　 　 　 |八.:|.: .: ＼.: .:＞　 　　　 ﾌ 　 ／_彡 /　／ ＼. .: .: .:|.: ＼.: .: .: .: : ＼.: ＼
　　　　　　　　　＼(⌒¨¨「 込　 ＇　　　　　／/／／　　　∧ .: .: |.: .: .:＼.: .: .: |: .:＼.: ＼
　　　　　　　　　　　　 　 |.:| .:个 .　　　　 ／..:/,,／　　　　/￣.: .:.:八.:／⌒＼.: 八.: .: ).: .: ＼
　　　　　　　　　 　 　 　 .: |.: .:|.: |　＞‐く: ＼「￣＼ 　　 /　　 j／　 ＼　　　 ￣三二ﾆ=---
　　　　　　　　　　　　 /.: 八 .: .: | .: r＜　／ |i⌒＼＼_,/　　　　　 　　 ＼
　　　　　　　　　　　　⌒7{.: .: .: .:|＼|／⌒几〕!／⌒＼〔｀`〜､、　　　　　 ＼　''"ﾟ~￣~ﾟ"''
　　　　　　　　　　　　　 :人 : : .: |__/＿__/:i:i:八　 　 　 |　　　　 ｀`〜､、
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼／／＞'":i:iイ　 |:、 　 　|　　　_.､-''"￣￣￣| |￣~"''〜､、
　　　　　　　　　　　 　 　 　 /／ r――ミノ 　 |　＼＿.|/⌒ ／＼ ＼＿＿_リニニ|
　　　　　　　　　　　　　　　/／　.|　　 ／　　 人. 　 ＼　 ／ニニ ＼＿＿／ニニ |
　　　　　　　　　　　　　　／.._　　|__／ _ -=~:::::::＼　 　 ∧ﾆ=---=ニニニニニﾆノ
　　　　　　　　　　　　　/::::::::::＼〈-=~:::::::::::::::::::::::::::＼／:::::＼::::::::::::::＼ニニニ／＼
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　　　　　　　　　 　 　 　 ∧:::::::::::::::::::人::::::::::::::::::＿＿_::::::::::::::/( 　 　 ＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
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　＼ 　 ｡≧　　　　　　　三　＝=-
　　　　 -ｧ,　　　　　　　　≧=-　。
　　　 　 ｲﾚ,､　　　　　　　＞三　　｡ﾟ　･　ﾟ
　　　　 ≦｀Vヾ　　　　　　　ヾ　≧
　　　　 ｡ﾟ　/｡･ｲﾊ ､､　　　　｀ミ　｡ ﾟ　｡ ･

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
口の中に含んでいた水を盛大に吹き出した。
はやてが甲高い悲鳴を上げ、その割には冷静に、ジャケットのポケットから
ハンカチを引っ張り出していた。
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3773：安価のやる夫だお：2021/01/31(日) 20:39:38 ID:qYba20dc0
天然すぎません...

3774： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/31(日) 20:45:48 ID:sGycIjx60

　　 　 　 　 　 　 ,　-　ー―　- 　 ..
　　　　　　,　 '": : : : : : : : : : : : : : : : : :＞ ..
　　 　 ,　': : :、: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :≧ ､
　　,. ' : : : : : ヾ,ィ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
　,.': : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ: : : : ､ ヽ、
./: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ: : : ヽ､:',
' : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ､: : : : :'､: ヽ:.',ヾ､
: : : : : : /: : : : : : : : ,: : : ', : : : : : : : : : : : : ヽ.: : : : ', : ',:.!
: : : : : :,': : : : : : : : /ミ彡ヽ: : : : : : : : : : : : : :',: : : ,ｨ',､ ',:!
: : : : : :i: : !: : : : : :i!　　　　',:',: : : :､ : : ', : : : : ',:／／!:',: !
: : : : :, i: : !: : : : : :i　　　＿ ,:i､: : : :!,: : :',: : !,: : ',ｲイ.ﾉ:/ﾘ
: : :!: :i: ! : i: : : : :', ',　´　　　ﾘ ヽ: : :!',: : i:.!: !',: : :!,イ: i　i!
: : :! : i: ',: :i: !: : : :ヾ､　　　 -―-'､: ! ': : !ﾘリ !: : !.!: : i
: : :!: : !: !,: !:!ヽ: : : !,,ィ示千キ''ヾ ヾ　',: !=＝''!:/! i: :,'i!
: : :!: : ! i ヽ',). ', : : ',`＜Z汐　　　　　i i/　　　!'ヾ',!/ i!
: : :',: : ', ヽ､`- ヽ: : ', 　 　 　 　 　 　 ヽ　　　.,: : :ヽ、　　　　　　　　　　　いやあ、人がそないに急に変わるいうたら、そんなとこやろなー、
:.i!: :',: : ',: : : ヽ_ノ､ヾ'､　　u. 　 　 　 　　　　,.ｲ: : : ',､ヽ
:.!i: : ',: : '､: : : :! ヽ:`　､ 　 　 　 -=＝'　 , イ!,､ヽ., -- ､',　　　　　　　　　　って思ったんやさかい。けど、その……ううん？
:i !', : '､: : ヽ: : ヽ　'､: ヽ',＞　　 ＿_　.イ : !i:!ゝイﾆ￣　.'､
:i i:.'､: : 〉､ : ',､: : ＼ ',: :',ヾ　/､｀ー-, ￣￣r‐'‐'　　　　　',　　　　　　　　　　図星なん？
',',',: i'､/,　ヾ: ', ｀ヾ､ヽ!:i:i`ヾ''!_ヽ　 i!i　　　 ヽﾉ丶 　 　 　 ',
ヾヾ./ ヾ、　ヾ､　　 `i:iﾘ　 /;;;;;;ヽ. ゞ==---、 　 ヽ. 　　　 ',ヽ､__
　　/　　 ヾ､　　 　 　 ﾘ,i! /;;;;;;;;;;;;;ヽ 、　　　ヾ、.　 ゝ､　　ノｲ／::!
＿/　　　/ ヾ、　　　// !i､`ー--〈;;;`ヽ､ー――--}`ー―‐''"::::::::}
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イ ￣ ｀ヽ、　　　,ィ , イ　　!'､:::::::::::::,::-､＞､:::::ヽ::::｀i::::::::::ヽ--ー"ｲi
　　　　　　｀ヽ　 i !　　　　 i:',:ゝ''":::::::::::::',:::::::｀ヽヽ:::i:::::::::::::::',:￣:::イ!
　　　　　　　　　 i !　　　　 !::'､:::::::::::::::::::::ゝ-----ゝ'::::::::::::::::i::::::::::::::ヽ、
　　　　　　　　　i i !　 　 ／:::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',ﾟ:::::::::::::i!:::::::::::::::::::ヽ
ヽ　　　　　　　　i .',',. , ｲ::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::',:::::::,､:ﾉ＿＿__::::::::
　 ヽ､__　　　　　i　.!i' !　!:::::::::::::::::::ヽ__::::::::::::::::::::::::, --'."::i::i:::::::::::::::::::',ヽ、
｀ヽ、　　　　　　i/ /. ,'. ,'::::::::::::::::::::::::::::i--'￣:::￣::::::i !:::::::i::!::::::::::::::::::::!





　　 /　　　 /'　/　　　　　/　,:'くヽ／　＼　,、 ﾍ　 ／i
　,:'　/　　　,:　'　/　'　/　/　,:'／　 ／＼丶＼ゞ」 ﾉ 丿
'　 ,:　　　/'　　 ／￣￣　;;＼＼へ＼ 　|｜　　　|／
'　/　,:'/,:　　／（〇） 　（●）;＼　 Y´　|ノ
/,:　　　　 ／　（__人__） :::::::;;;;;;;;;＼　　,:'/,:　　　/'　　　　　（天然……！　これが天然逆ジゴロ……！
/　,:'/,　　|;;;; ::::｀ ⌒´:::::;;;;;;∪;;;;;;;;;;| '　/　/　,:'/,:
　/　　　　＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,／'　/　　　　　　　　　　　　数多の男たちが、この天然逆ジゴロに屠られてきたんだお……！）
/　　/'　　／　　∪　:::::::::;;;;;;;;;;;;;＼'/　　/'
/　,:'/,:　｜::Ｙ　　　　::::∪;;;;;;;|;;;;;｜/　,:'/,:
　　　　　｜｜∪　:::::::;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;｜

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あまりの恐ろしさに震えそうになった。
あれだけのことを、手を握ったり、平気で同じ布団に入ったり、
目の前で酔い潰れてみたりしてみて、こんなことが言えるのか。

それを受けて盛大に勘違いした男子たちに好意を告げられ、
きょとんとした様子でそれらを撃墜してきたに違いない。
ある意味、いや、すごく、性質が悪い。天然な分なおさらだ。

しかし、どう答えたものだろうか……

下↓1　このド天然お色気お姉さんにどう返答しますか？
1．好意を匂わす
2．とりあえず濁す
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3775：安価のやる夫だお：2021/01/31(日) 20:48:03 ID:qYba20dc0
1. ガンガン行こうぜ

3776： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/31(日) 20:52:41 ID:sGycIjx60

　 　 　 　 　　　＿＿＿_
　 　 　 　　　／⌒　　⌒＼
　 　 　　　／（ ―） 　（―）＼　　　　　　　　えっと、その……はい。
　 　 　 ／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
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　　 　 　 　 　 　 j　/ Vニﾆﾆﾆ|八 |_／　＼〈:i:i:i:i:i〉／ ∨.:／:::|／ニニニxミ　　　　　　　ふんふん。
　　　　　　　　　　　| 　|ニニニ|:::::::＼|　＼.　〉= 〈　 / /:ｲ:::::::::|＼ ニニ/　　',
　　　　　　　　 　 　 ＼|ニニニ| ::::::::: |＿　　〕:i:i:i:〔./_/::: |:::::::: |ニ|ニニ{ 　 　}　　　　　　　「世話好きの年上のお姉さんで」
　　　　　　　　 　 　 　 |ニニ/~|／⌒人　　 /:i:i:i:i:〔　 ):::/＼ニニﾊ＼ 八　　ﾉ
　　　　　　　　 　 　 　 |_／/ニニ〈::::::::::＼__{:i:i:i:i:i:〔／ /:::::::::〉ニﾆ.}:::::＼ニ７　　　　　　　　　ええなぁ、男の子は好きそうやなぁ。
　　　　　　　　　　( ＼ |:::::::|ﾆ／⌒＼::::::::＼｀¨¨¨¨｀ ::/:::::／ ￣＼:}:::::::∧ﾆ{
　　　　　　　　　　 ＼ ＼( ＼::::-―‐-＼::::::::＼{:::::::／_ -~:::::〔￣〕:八::/::::∨　　　　　　　　　　「幼顔で背も小さくて」
　　　　　　　　　　　　＼__　------ミ＿:＼::::::::}:／::-‐……‐-:::::/::::/:／:::}
　　　　　　　　　　　　／　　　　　 ／／::::::￣／ニ=-::::_::::::::::::r‐＜~⌒::::::/＼　　　　　　　　　　おおー。
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3777： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/31(日) 20:57:42 ID:sGycIjx60

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　　　　　　　 |.:.:|.: .: .:|.:.:|　|.: .: .: .:.:|.: :＞==ミx..: .: |＾　}.: .:|
　　　　　　　 |.:.:|.: .: .:|.:.:| 八.: .: .: .:|〃　_)ぃハ Y.:.| 〉/.: : |
　　　　　　　 |.:.:|.: |.:八.:.／　,,,,_.:.:.i| 　 乂ぅ少　j:/|ノ:|.: .: | ＿___　　　　　　　　なになに？　俺が守るんやー、とか、そないな感じ？
　　　　　　　 |.::.|.: | : .: 八 Y _)心ｊﾘ　　 　 , , ,　/ :|.: :|.: :／　 ／￣＼
　　　　　　　 |.:.:|:八 .: .: : :人乂ぅｯ 　 　 　 　 　　八.:／　　/ 　 　 　 ＼　　　　「いや、凄く気丈な人なんで……守るとか、そんな。
　　　　　　　 |.:.:|.: .:.＼ .: 〈:心　, ,　　` _　ノ　　 / :|.: |＼　 |
　　　　　　　 |.:.:| :(＼( ＼.:.:. 个　. 　　　 　 　 ｲ／|:/| / ＼〉　　　|　　　　　　　　ただ、傍に居たいなって……」
　　　　　　　 |.:.(＼＼ ＼ ＼(＼ ::::/ ).‐--＜／ 〈:/.::|￣￣＼　 　|　 ／
　　　　　　　 |:/ ＼＼＼ ＼ ＼ ＼ //::::://-:＼ /:::八　　　　＼　| /　　　　　　　　ええなぁええなぁ、素敵やん。
　　　　　　　 / r‐ミ＼＼(｀`〜､＼ `'＜〈/|＿://--＜:＼ 　 　 　 〈
　　　　　　　 　 )＞　 .,　　 ﾆ=-　..,_　 　 　￣＼へ::::::/:::|＼　　　　〕
　　　　　　　　　　　　　＼　　　 r''　　　　　　　 〕:::::＼:::::|::::::＼　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　_/)＞　_ と _,,....,, ＿_　 /:::::::::::|＼::::::::/ ＼
　　　　　　　＿_／￣￣~"''〜､、---):::::|: :/|∨:::::::::::::|::::|＼/ ::::::: ＼
　　　　 ／　 ／　　　　　　　　　｀丶、::: |:/ :|/::::::::::::::/:::/::::::＼::::::::::/＼
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　　　　　　＿＿＿_　　
..　　　　／　　　u　＼　
　　　／　　／　 　 ＼＼
..　／ 　し （○） 　（○） ＼　　　　　ただ、その人との接し方が分からなくて……好意も中々伝わらなくて。
　 |　∪　 　 （__人__）　 J |
..　＼　　u　　 ｀⌒´　 　／





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　　　　　　　　　　　　　　　 ／⌒: : : : ,: : : : : : : : : : : : ヽ: : ヽ:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 .:': : :/: : ,: :/{∧: : : : |: : : :､ : : V=､|: : .
　　　　　　　　　 　 　 　 /: : :/: : /: :.' 　 |: : : : |: :|: : | : }: |=V : |:|
　　　　　　　　　　 　 　 .': : :/: : /: : :|　　{: : : : |: :|: : |: /:/ : |Ⅹ|:
　　　　　　　　　　 　 　 |: : :|: : ィ:|￣|￣｀∨ : イ´l￣}/:ｲ｀: /':V |
　　　　　　　　　　 　 　 |: : ||: : :|: 从{　 　 ∨: :|: /　/　l､: /_V : |
　　　　　　　　　　　　 　 ,: :|{: : :{从 　 　 　 }: // 　　 　 }/ ) l: : |
　　　　　　　　　　　　　　V:|:＼: ミ､ ｨ≠ﾐ､ / '　　ｨ≠ﾐ 　r ,.ｲ: : |
　　　　　　　　　　　　　　 |＼: :|:∧　　　　　 ,　　　　　　ﾑ: : |: : |　　　　　　　あちゃー、そういう感じなんやなぁ。
　　　　　　　　　　　　　　 |: : ∨: 八 　 　 　 　 　 u 　 ｲ: : : :|: : :.
　　　　　　　　　　　　　　 | : : | : {: 个: .　　v: っ 　 イ:_:| : : : |: : : :.　　　　　　　そら辛いわなぁ、相手が鈍いとなぁ。うん。
　　　　　　　　　　　　　　 | : : | : |／￣ |＞　-　＜|　　 ＼: :.|: : : : ＼
　　　　　　　　　　　　　　 | : : | : | 　／∧ー::::::―∧　 　 ∧:|＿: : : : }
　　　　　　　　　　　 　r--|_,イ| : |／.../　｀r,＜￣ |...＼　/　|　 　 ＞┴ ､
　　　　　　　　　／￣||　 　 / }:从...../ ＼///∧ /.........∨＼〉　　 　 /　∧
　　　　　　 　 ,: 　　　||　　 　 //.......|　　 〉/〈　 }'.............|、　　　 　 ,: 　/ ∧
　 　 　 　 　 /　　 　 ∨　　 //........ | 　 ///l|　/..............|..＼ 　 　 /　　 / ∧
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　　　　　/　 ／.............人..............＼.........､../.........／..................../.....................＼ 　 |

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効果は　いまいちだ……
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3778：安価のやる夫だお：2021/01/31(日) 21:00:16 ID:qYba20dc0
こういう鈍い人ほど、意識されているのに気づいたら、まじめに考えてくれそうではある

3779： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/31(日) 21:06:04 ID:sGycIjx60

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . ''"ﾟ~.:／⌒＼ ‐-ミ
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /⌒＼／/.: .: .:.:⌒＼.: .: .:.＼.: : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　 /.: .: .: .: r∧.: .: .: .: .: .: ＼: .: .: ＼.: .: :.
　　　　　　　　　　 　 　 　 /.: .: .: .: .:|/:∧.: .: .: .:.:.:.|.: :/〉:＿/∧: : ﾊ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／.: .: .: .: .:.:i'"⌒ : |.: .: .:.:.L〈/_/〉//￣V .: i
　　　　　　　　　　　　／.: .: .:|.: .: .: .:.|＿　 |:|.:.| :／|:∧〈/|./ .: .: |.:/ |
　　　　　　　　 　 　 '⌒.: |.: .:|.: .:.／八_ 　 |:|:.:|.:.:.斗tミx :|'， : .: |: .: |
　　　　　　　　　　　　　| :|.: .:|.: :|.: : ｨう㍉ 八.:| :/　ノ(_,,狄 '，: : |: .: |
　　　　　　　　　　　　　| :|.: .:|.:八.:八 Vリ 　　j/ 　ヒ'少ﾟ | :ﾊ.: : | .:八　　　　　　　でも、ま、よかったわ。心配しとったんよ。
＿＿＿___ 　 　　 　 　 |八 : |.(.: :＼.:＼, ,r'　 　　 , , , 　/|./)|.: .:|:/.: :|
　　　　　　＼　　　　　　 /:＼ .＼.: 八⌒　､　　　，　_彡ｸ／|.: .:|.: .: :|　　　　　　　　「えっ」
　　　　　　　 ',　　　　 ／.: ／ : : ／　 ＼＿_　　 　 　　イ.:.:.:|.: :八 : :|
_　 　 　 　 　 | 　　 ／⌒7.: ／￣￣(￣　　∧__. :　 　　:| : : |.:/ .: ) .:|　　　　　　　　　また、何か自分を追い詰めて
￣￣￣＼ 　 |　　 　 　 /.:/ ／⌒＼ ￣＼　 |＼_　 _,／|＿_|/ .: .: .: |
　|　　　　 )／　　　 ／人:(/ニニニﾆ＼.　 ＼_〉 /　八 ∧___/＼. .: 八　　　　　　　　　無理しようとしとんのちゃうかって。
　|　　　／　　 　 ／　 ／ |ﾆ/⌒ヽニﾆ| ＼_／／＼／＼／⌒＼＼: :..)
　＼__（＿＿__,／　 ／　　|八 　 八ニ.|＼:::::＼　 〉-〈(　 　 　 　 ＼/｀　　　　　　　　　 でも、頑張りたい理由が見つかっただけなんやね。
.　　 　 　　 ／　 ／ 　 　 〔ニ|＿|ニニ|ニ.＼:::::＼---〉､＿＿＿_／＼　
. 　 　 　 ／　 ／　　 　 　 |＼ニニニ∧ニニ/::::::::＼ :::厂|ニﾆﾆﾆ.|　　　　　　　　　　　　なら、ええ。ええんや。
.　　 〈　　　／　　 　 　 　 |:::::|ニﾆﾆ/:::::＼／￣￣￣∨＼＼ﾆﾆﾆ.|. 　
　 　 　 　 /　　　 　 　 　 :|::::::＼ﾆ./::::::::::::|::::::::::＼:::::::::}::::: ＼＼ニ|. 　 　
.￣￣￣ /　　　　 　 　 　 |::::::::::::::::::::::::::::: |:::::::::::::: ＼ ::::::::::::::::'，∨　　 　 　 　
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そこでようやく、今まではやての表情に滲んでいた硬さが消えた。
目を細め、心底安堵したように肩を落としている。

まあ、それも当然のことだったのかもしれない。
はやてには、今まで散々、自分の弱さを曝け出してきた。
弱い自分ばかりを見せてきたのだ。そういう人間だと思われても仕方がない。

はやてにとって、自分は庇護の対象なのだ。
コロニー・アマツに連れて行ったあの時も、今も。

それに安心感を覚えると共に、常に甘えてはいられないと強く自分を戒める。
自分は、はやてに守られる側の人間になるのが嫌で、ここにいるのだ。
決心すると共に、やはり今日だと自分に言い聞かせた。

今日、この場で、はやてに想いを告げるべきだ。
早ければ早いほどいい。遅くなるほど、彼女が遠くなってしまいそうな、
そんな予感がした。
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3780： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/31(日) 21:21:50 ID:sGycIjx60

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　　 ／　　─　 　 ─＼
　／ 　　 （一） 　（一） ＼　　　　　　　ごちそうさまでした。
　|　 　　 　 （__人__）　 　 |
　 ＼　 　 　 `_⌒ ´　　／　　　　　　　「はぁ、おいしかったなぁ」
.　　ノ　　　 /　）ヽ 　 く
　(　 ＼　／__ノi　）　,　)　　　　　　　　 ちょっと食べすぎたかもしれませんお。
.　＼　　ﾞ　／　ヽ ヽ/ /
　　　＼_／　　　 ＼_ﾉ





　　　　　／￣￣￣ ＼
.　　　／　　　 ( ●)　　＼　　　　　じゃあ、そろそろ出ますかお。
　　　|　( ●)　　　⌒）　　|　　
　　　|　　　 （__.ノ￣　　 /　　　　　 「せやな」
　　　|　　　　　　　　　 /
.　　　＼＿　　　　　　　＼

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異国情緒あふれる、といっても、この世に母国などと概念はないのだが、
物珍しいラインナップの食事だった。特にソーセージの種類が豊富だった。
チーズやスパイス、スライスされたオリーブの実が入っていたりと面白かった。

胃袋のスペースをすっかり占領され、満腹時特有の倦怠感を覚えつつ、
はやてと一緒に店を出る。

時刻は午後の九時ちょうどを指そうとしていた。
はやては食事中、終始色恋沙汰の話題で盛り上がってくれた。
全てあなたのことなのだが、と声を大にして言いたいのを抑え、
匂わせに匂わせてみたものの、一つも嗅ぎ取ってはくれなかった。

無常なものである。
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3781：安価のやる夫だお：2021/01/31(日) 21:23:41 ID:qYba20dc0
言ったらどうなるだろう

3782：安価のやる夫だお：2021/01/31(日) 21:25:52 ID:Dj8rrH2c0
直球をぶち込むしかないか

3783：安価のやる夫だお：2021/01/31(日) 21:45:14 ID:bBJJycQI0
言えーッ!

3784： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/31(日) 21:48:36 ID:sGycIjx60

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　　　　　　　　　　　|:.:.:.|:.:|:.:.:.:｜抖=ﾐ:八:.:.:. |　)ﾉﾊﾟＹ＼:.:.:|:.＼ .:.:.:. l
　　　　　　　　　　　|:.:.:.|:.:|:.:.:.:.:|（　)Jハ　ヽ:ﾉ　Vヅ　　｜ |:.:.:.:.:.:.:.:. |　　　　　　　　ん、どしたん？　急に立ち止まって。
　　　　　　　　　　　|:.|八 |:／⌒　　Vツ　　　　　:.:''　 /:|:.八:.:.:. ||:.:.:|:.
　　　　　　　　　　　|:.|:.:.／ / /　〉､ ,,:.　 丶　　　　　人:|/: |:.|:. 八:. |:.|　　　　　　　　「い、いや、もう少しで九時なんで」
　　　　　　 　 　 　 ／￣　〈 /／_込　　　 ｰ　 ´　／ :|　|:.:.|:.||/ﾉ:.}ノ八
　 　 　 　 　 　 　 /　　／￣　￣⌒ヽ ＞　　　 イ　　ﾉ　|:.:.|:.||￣￣＼:.＼　　　　　　　……？　分からん、お姉さん分からんで？
　 　 　 　 　 　 _/＼　　　　／|:.:.「￣　 　 /{　　　 ／.　 |:.:.|:八　　 　 ヽ:.:i
　　　　　　　　/: ＼　 -イ　　ﾉ:.:.:| Γヽ　/　＼　/Λ　　|:.:.|(　　　　 　 |:.:|　　　　　　　どうゆうこっちゃねん。
　 　 　 　 　 /: : : : : : ー{　⌒7:.:.|八　 ∨　 ／_ﾉﾉ　＼八八　　　　　　|:人
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帰り道の途中。緑が生い茂る風景の中には、夕飯を済ませて帰路へ着く人々が
ちらほらと見えた。自分たちもそのうちに入るが。

ただ、そういった人々が意識の外に弾き出される程、緊張していた。
風も吹かない人口の夜の中、足を止める。

はやてが目を丸くして不思議がるが、動かない。そろそろのはずだ。
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3785： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/31(日) 21:49:36 ID:sGycIjx60

　　　　　　　　＼　　ﾟ　　ｏ 　 　。　　 /　　。　 ／
　　　　　　　　　 ○ 　 。　ﾟ　 　　O　/　ｏ 　／　。゜
　　　　　　゜　 　。　＼　 　o ﾟ ﾟ　。 /ﾟ　　。　　　O
　　　　　　　　ﾟ 　 。　 ＼　　 　 　 ﾟ o ／　　ﾟ　　。　゜
　 　 　 　 　 。　゜　　。　　　｡ 　ﾟ　　　　　　。ｏ　　　゜
　　　　＿＿。＿＿＿　　　ﾟ　○ 　　゜　　―O――――
　　　　　　゜　ｏ　｡　　　　ｏ　　　ﾟ　　　。　　ﾟ　　。　ﾟ
　　　　　　ﾟ　。　Ｏ 　／　 。 ｜゜　。ﾟ　＼゜　　O　　゜
　　　　　゜　　｡ 　 ／　。 /　 ○ﾟ　　　O　＼　｡　゜
　　　　　　　　　Ｏ　゜。 /　ﾟ　｜　。゜　　ﾟ 。　ｏ
　　　　　　　 ／　　　ｏ　　。゜ |　　　ｏ　゜　　　 ＼

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天井に投影された夜空の藍色に、光が弾けた。
よく再現された、けれど電子音であることをすぐに見抜けてしまうような、
風邪を切り裂く音と破裂音が鳴り響く。

今日は丁度、そういった小さなイベントの日だった。
何かの記念日で、このエリアでちょっとした花火の映像が流れる。

そんな、小さなものだった。
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3786： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/31(日) 21:52:23 ID:sGycIjx60

　　　　. . ＜: : : : : : : : : : ≧: : .
.　 , : : :_:_: : : : : : : : : : : : : : : : : : ＞ 、
　,: : : : : : Y´: : : : : : : : : : : : :丶: : : : :＼
./: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ: : : ヾ:.、
: : : : : / : : : : : : : : : : : : : : : : : ; : : : ; : :ﾊ
: : : : /: : : : : :/;_:_:;: : :/: : : : : : :∨: : ∨: :!
: : : ::{: : : : : : {´｀´｀∨: : : : : : : : ∨≪∨:{
: : : ::|: : : : : : | _,．--}:-:、 : : : :; -:∨≪Ⅵ
: l : {:!: : : : : : !´　　__l! ∨:|ﾍ : }从: }: : : |ﾘ
: |:l:从: {:-: : ::ﾄz====㍉,　　 }/__,ﾑ:| }: : |
: |:|: : {｀ヽ ∨:!ゞ辷:ノ　　　 （ ´¨´八.!::从
: |:|: : ｀ヾ_- ., 　　　　　　　　,　　 .: : : ト 、　　　　　　　ふふ、これ、見たかったん？
: |:|: : ∨: 〉く: 、　　　　 __ .,　　.ィヘ:_:_、｀ヽ
::介∧ ∨{　 Y: ＞、 　 ￣ ＜: :{ ゝ_ィ^ヽ.　　　　　　　　「夏祭りの時、一緒に観られなかったから」
:{ .l: :∧ ∨:＼）: }ヾ:、/￣_Y二ﾆrｆ´｀ ｀　　、
:| .|:∧　＼{~ ‐}:l:!　 >‐ミ {_|＿　{ﾉ^ヽ　　 　 、__　　　　　……せやったね。
ゝ/　∧　　　　 |ﾊ./三三∨￣ ｀ヽ. ハ　　 　〉:::::Y
_/　/ ∧　　　 /　}!ゞ三三≧--=ﾆﾆﾆ{ト-::イ:::::::::!
.　　 /　 ＼.　/　 .!::::::＞:..寸二〉::::>:::::｀ヽ:::::::::::::::|
,-=ミ　　 　.У＿.」::::::::::::::::＞<::::::＼:::Y::::::::;::::::;ノ{
　　　｀ヽ　 {　　　.|:::::::-＜::::::::}::::＞::Ⅵ:::::::::::Y:::::::l、
　　　　　　 l! 　　 !::::::{:::::::::::::└::―:-Y::o::::::::}::::::::|::＼
　　　　　　 l!　　 ム::∧::::::::::::::::::::::::::::｀::、::::::|:::_:::_::_:::::
　　　　　　 l!　イ::::::::::::::＼::_:_::::::::::::::,::-::‐'::´:::::::::::::::ト、

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人口の火花をさらに映像と音声で再現した光が、はやての横顔を照らしていた。
花火自体には強い関心を示している様子こそないものの、
可愛らしいなと和むようにこちらを見ていた。

本当は、ちゃんとしたものが見てみたかったけれど。
彼女と見られたので、よしとしたい。とりあえず、アマツでの苦い思い出を一つ、
払拭できた。ということにしておこう。
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3787： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/31(日) 21:59:18 ID:sGycIjx60

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　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　/ ／　| |.: .: |', 　 　 ⌒¨¨¨ く少　) .: :￣/.: .:∨　　　　いやあ、ええもん食って、まあ、花火っちゃ花火か。
　　　　　　　　　　　　＿_/⌒＼/＼　＿/｜: : |∧　 `　 _　'　' ' ＿彡ｲ..:.:/.: .: /
　　　　　　　　　　　/:::／|　　 /　　∨ //八 .: |::込　　　　　_ ⌒>:／ : .:/.: .: /　　　　　　そういうんも見させてもろたし、満足や。
　　　　 　 　 　 　 /／　｜　./　　_　-=７⌒ .:.:|＼ うTﾆ二 　　:／.:.:／/.: .: /
　　　　　　 　 　 ／　 　 ﾉ／ -=ﾆ／::::/／ ∧ |ニニニ／|　 ／　イ.:.:/|.:.:.:/　　　　　　　　せや、今度、何かお返ししたらんとなぁ。
　　　 　 　 　 ／　 /　 ／/--／〈::::::::7　|:::| ∧＞--彡 /〕 ∧　　.|.:/ :j.: /
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　　 　 〈　 ＼__/　 (_／ __).人::::::|::::人,/_>"　　 ／::::::: |.＼　　 〈（|.　　 |　　　　　　　　　　　一緒に服でも選びに……
　　　 　 ＼　　　　 |(／／ ).个::_|::::{　/　_____／＿＿/:〉ニ＼ 　 ＼____,|__
　　　　　∧　 　 　 |└(_／::::￣￣￣＼／:::::::>:::::::::::::: }:: ＼ﾆ＼　/＼＿__〕　　　　　　　　　　「はやてさんっ」
　　　　 /　　　　　人:::::::::::::::::::::::::::::::://:＼／:::::::::::::: イ＿__|ニ./＼　 ＼.　＼
.　　　_/ 　 /　 　 .|ニニニﾆ=-　 ＿_/:::::::::うﾆTﾆ爪::::＼:::::＼/ニﾆ|　　 |　　 ＼　　　　　　　　んー？
　　 /￣￣＼　　/|ニニニ ﾉ__}{＿〕￣￣|''＜:::::::::::::::::::::: ＼_/ニニ.|　　 ト､ 　　 ＼
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3788： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/31(日) 22:05:57 ID:sGycIjx60

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はやては呆けたような表情で、こちらを見ていた。
アルコールと満腹感と眠気でごちゃ混ぜになった、蕩けた眼差しを向けられる。
酔っぱらってる時を狙ったわけではないのだが、こうなったら行くしかない。

しかし、言葉が上手く出てこない。
何度も何度も、台本を頭の中に叩き込んだにも拘らずだ。
頭の中なんて、既に真っ白の空っぽだ。何を考えていたのだか。
戦闘中だって、ここまでの恐慌状態になることは少ない。

心臓が悲鳴を上げている。もう限界だ、弾け飛ぶぞと鳴動している。
血流が加速し、全身から蒸気が立ち上がらんばかりの熱を感じる。
錆びついた喉を無理やり動かし、なんとか、言うべき言葉を絞り出した。

「あ、あなたが、あなたが、好きです」
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3789： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/31(日) 22:11:55 ID:sGycIjx60

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　　 　 　 　 　 　 /.: .: .: .: {,/　//⌒:/:/:/:. 　 〈i　　　 :/:/:/: イ　ﾉ.: .:/.: :| 八
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　　 　 　 　 　 /ｲ. .:/.:./　 〈 : : : ＼＿_ 　　|　　　　|　　　　 . : .: ／ .: .: .|.: |.: |⌒
　　　 　 　 　 　 |.::∧.: ｀丶、￣￣＼.: .＼　＼＿／　　　イ : .／:|.: .: .: .:|.: |:八　　　　　　　うーん？
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　　　　　　／　　＼￣￣＼.: ｀丶、 .:.／⌒＼＞＜　 |＼　 /＼.: |.: .: .: .:|.: |.: .: .: |
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　　　　／　 　 　＼ ,　, ／　 ＼　　　　　　だから、あなたが好きなんですお……！
　　 　 |　 　 　 （ー）　 （ー）　 |
　　　　＼　 u. 　 （__人__）　,／　　　　　　　他でもない、はやてさんが好きなんですお！
　　　　　ノ　　　　 ｀ ⌒´　　＼
　　 ／´　　　 　 _i⌒i⌒i⌒i┐ ヽ
　　 |　　　　ｌ　 （ l　/　/　/　l
　 　 l　　　　l 　ヽ 　　　　　 /

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聞こえていたはずだが、はやては言葉の意味が呑み込めていないらしく、
可愛らしく唸るだけだった。いや、可愛いが、そうではない。

もう一度、念押すように、さっきの言葉を繰り返す。
もうだめかもしれない。今すぐ逃げ出したいくらいだ。
そんな言葉を繰り返している時点で、顔から火を噴く勢いだ。

そこまでしてようやく、酔いと眠気が入り混じったはやての表情が、
みるみる内にしゃっきりとしていった。
目を見開き、何度か瞬かせ、言葉を失っているようだった。
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3790： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/31(日) 22:19:11 ID:sGycIjx60

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　　　　　　　　/-=二二二=| |-=二二二二二二-_　　 　 ／＿＿　 ＼





　　　　 ／￣￣￣ ＼　
　　　／　　　　　u .　＼
　 ／　 　＼　　　／　　 ＼　　　　　つ、つ、付き合ってくれとかじゃなくて、言っておきたかっただけなんですお……
　.| 　u　（ー） 　（ー）　.　　|
　 ＼ 　　 （__人__）　.　　／　　　　　　え、ええーっと……。
　　 /　　　 ｀⌒´　　　　ヽ

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しまった。ここから先のことを一切考えていなかった。

こういう場合はどうなるのだろうか？
お付き合い。了承を得られたら？　何の了承なのだ。
そも、自分は彼女に好意を伝えに来たものの、交際は別だ。
そういう意味では、目的は既に達成したと言えるのではないか？

いや、お付き合いはしたい。とてもしたい。ただ、それは相手次第だ。
そこまでは望みすぎだろうか？　一旦退くべきか？

といっても、告白とは、つまり交際の申し込みなのでは？

思考の歯車が噛み合わないまま高速回転し、いくつか転がり落ちる。

何か、何か言ってくれないだろうか。このままでは自分の身が持たない。
パンク寸前の風船の気持ちがわかる気がする。

固まっていると、はやての唇が、微かに震えるのが見えた。
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3791： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/31(日) 22:21:25 ID:sGycIjx60

　　　　　　　　　　　　　 -‐━━=ミ
　　　　　　　　　 /⌒:^.: : : : : : : : : ::＞
　　　　　　　_.-=ミ: : : : ＼: : : : : : : : :V: `.
　　 　 　 .ｨ: : : : 7:〉 :∧: : :V: : : : : : :〈/: /〉:.
　　　　 /: : : : : :|/ | : :|:V: : :i : :| : : : : V〉: : ﾊ
.　　　 /: : : : : : :|i　!::斗-V: :|ー|‐|:-|: ::|:|i: : : |i
　　　 ′l: : |i :|i |i_,.ｨﾃﾃﾐ : : |N|ｨテﾐN: |:|i: : : |i
　　　{　｜:::|i :|i |i　 r勿,　|:N　 r勿ﾉ !::|:|5!: : : .
.　 　 　 从::|i: |i |i:　^¨¨　　i　　　 　 」::|:|,ﾉ: ;小:.　　　　　　　　……やる夫君。
.　　　　　　〕: :|i |N」　　　 ,　　、　　.: /|:| : /: : :|i
　　　　　　　　|i ||:|:i＞　　　　 　 .ｨ :/::」:/〈: : : 八　　　　　　　　「は、はいっ」
　　　　　　　　|i ||:|:|///〕ﾆ=-　　 | l: : :/　 V⌒V:＼
　　　　　　　　|i7⌒V|　V寸ﾆﾆ才　!: /　　　＼_,V⌒ :、　　　　　私は、私はな……そないな女とちゃうんや。
. 　 　 　 _　--厶ヘ V　 V /⌒丶　| {　 　 -=ﾐ,V{　　,ハ
　　　　 〈,　　 / 　 　 V　V^V__/^V　|/　/　 　 ＼　/　　　　　　　君が、そう思うたとしたら……勘違いっちうやつや。
　　　　/∧　/　　　　 }.　 }i /　Vi{　 」　/　 ______　/　　 __
.　　　 {　　V　 　 　 ,リ,　　}i　　 i{　 }i,　 ／　 　 |ー━=ﾐ」
　 　 r」　　⌒ー‐―(￣￣〉ﾑ　 /| 　i|／　　　　｜　 　 _.」Ｌ
　 　 |⌒ー}　　　　 /　 　 ＼ V　　 /　　＼　 　_|　　ー=ミ__ )
　 　 |　　 ﾉ　　　 ,/　　 　 　 ＼　./　　 f/―‐┐＿__　　　}　＼
　　 ∧__(___　　_/　　　　　　　　＼　　 /　￣￣〉　乙...
　　　　/　　　/八　　　　　　　_ji斗〜'へ　￣￣| 　 」(
　/　 /　　　/￣,.. ．-‐　'''""~ 　 　 　 　 .V　 rﾉ.　　　＼





　　　　　　＿＿＿_
　　　　 ／ノ 　 ヽ､_＼　　　　r ⌒j
　　　／（ ○）.　 （○）＼　　/ 　 /
　 ／　　　 （__人__）　　 ＼/ 　 / 　　／　 ）
　|　u　　　 .｀ ⌒´　　 　 /　　/　 ／　 ／　　　　　　　い、いや、やる夫は、本当に――
　＼　　　　　　　　　 　 /　 　'` ´ 　／
　　　r´　　(⌒'ー―- イ′　　　　　´廴
　　/　　　 ＞ 、　　　　　ヽ　　　 　 _　￣￣￣)
　/　　 　　　　 -､　　　 　 } 　 　 　 　(　￣¨´
/　　　 　 　　　　　ヽ._　　　　　　　__　 ＼
　　　　　　　　　　　　　｀　　　--‐'´　｀ﾞ'

3792： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/31(日) 22:26:17 ID:sGycIjx60

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その穏やかな笑顔で、何でもなかったかのように言ってのけられると、
それ以上言えなかった。有無を言わさぬものがあった。

無駄だと、間違いだったのだと、言い聞かせるような眼差しだった。
諦観なのか、憐れみなのか、判然としないものを湛えた目で、
揺るがず自分を見つめていた。

早鐘を打ちに打っていた心臓が急停止し、握り潰される。
血の気が失せ、視界が崩れ去りそうになり、足元がぐらついた。
口の中がからからになり、何も考えられなかった。
その場で倒れ込んで、恥も外聞もなく眠りに落ちたい衝動に駆られる。

自分も自分で、どう反応すればいいか分からずにいた。
一つ確かなことがあるとすれば。

これは、フラれた。
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3793： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/31(日) 22:26:50 ID:sGycIjx60

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/,:　　　　 ／　（__人__）　　　 　 ＼　　,:'/,:　　　/'
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　/　　　　＼　　 　　 ｀ 　 　 　 ,／'　/
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/　,:'/,:　｜ Ｙ 　 　 　 ∪　　 |　 ｜/　,:'/,:
　　　　　｜｜∪　　　　　　　| 　｜





　　 /　　　 /'　/　　　　　/　,:'くヽ／　＼　,、 ﾍ　 ／i
　,:'　/　　　,:　'　/　'　/　/　,:'／　 ／＼丶＼ゞ」 ﾉ 丿
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3794： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/31(日) 22:27:20 ID:sGycIjx60

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3795： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/31(日) 22:31:10 ID:sGycIjx60
　r､_rz_　　　　 r､_rz　 　 （＿＿ノ/ 　'　　　:::　　　　　　 　 　 　｀ ､
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　　　ノノ 　 　 ,== 　 　 ,= 人::　　⌒ /:::::::::::　　　　:::::　　　　 ノ::ｌｌ ｜/　　　 /ｉ三Ⅳ 　 .l三三l　　　　　 　 　 　 ヽ
. , ⌒ヽ　 　 ／　　}　　/　　　ヽ /::: /::::::::::::::: : : 　　ヽ 　 : ::::::::ヽ ヽﾉ' l　::::...,4ｉ三Ⅳ　　　l三ﾆ{　　　　　　　　　 　 》.、
/　　　l　 ／　　　 } 　/　　　　ヽ/ : {:::::::::::::人::::::::::::::::} 　 　 :::::　／　｜:::::/三三/　　 　 l三ﾆ}　　　　　　　　　　 l三{__
. 　 　 ｌ／ 　 　 　 }　/　　　　 /ヽ::::. ｰ― '　　 ｰ―　'　:::::::::　／/　　 l .＋ニ,+ﾟ　　　　　lニﾆ{　　　　　　　　　　 }三ニ｝
　　　　 　 　 　 　 },/　　　 ／{ヽ　＼　 :::::.　　　　 　 　 ヽ ／　/.　　 . ４三／　　　　　　 Ⅵニ＼___　　　_　 -=≦三ニむ
　　　　　　　　　　　　　 ／　　ヽ ＼　＞　_　/:::::　　　::::ﾉ　　 /　 ／４Ｅ／　　　　　　 　　｀寸:三三三三三三三三三い｝
　　　　　　　　　　 　 ／:::::乂__ノ＼ ＼　　 ヽ ::::::　 　 ｲ'　　 / ._／＞ﾟ　　　　　　 　 　 　 　 ｀マ三三三三三三三ﾆ彡´
　　　　　　　 　 　 ／ ﾉ::::::::::r‐ー ´＼　　、　} ￣　　　　 　ノ.￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨´

3796：安価のやる夫だお：2021/01/31(日) 22:31:58 ID:qYba20dc0
えぇえ
知識不足ですか

3797： ◆x0SRSoJXe.：2021/01/31(日) 22:34:17 ID:sGycIjx60

　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 _ _____＿
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ´.: : : : : : : : : : :｀
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 l: : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i: : :○ : : : ○: :.|
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : |　　　　　　　　じゃなァーい。まだ終わってないッ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 j: : : -=＝=- : :.i
　　 　 　 　 　 　 　 r―--┐　　 　 i: : : : : : : : : : : :l　　　　　　　　　大丈夫、安心したまえ住民諸君。
　　　　　 　 　 　 　 i: : : : : ',　 　 　 ゝ : : : : : : : : :t´
　 　 　 　 　 　 　 　 ',: : : : : i　 , f: : : : : : : : : : : : : :ヽ　　　　　　　　　はやてルートにはちゃんと入っている。
　　　 　 　 　 　 　 　 ＼: : : :y: : : :Υ: : : : : : : : : : :y: : '..,
　　　　　　　　　 　 　 　 ',_: :: :／　 i: : : : : : : : : : : :l丶 : : :ヽ　　　　　　スレ住民は動じないッ。
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ￣　　　l: : : : : : : : : : : .i　　＼ : : :丶





　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′　　　　　　　　さて、次回は来週の日曜日、2/7午後八時からだ。
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|　　　　　　　　　　盛大にフラれてしまったやる夫君。
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,　　　　　　　　　　果たして彼はどうなってしまうのか。
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|　　　　　　　　　　 シーユーアゲイン。
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´

3798：安価のやる夫だお：2021/01/31(日) 22:35:22 ID:Lu8Tz3E.0
乙ー

3799：安価のやる夫だお：2021/01/31(日) 22:35:24 ID:bBJJycQI0
乙です

3800：安価のやる夫だお：2021/01/31(日) 22:39:22 ID:Dj8rrH2c0
乙

3801：安価のやる夫だお：2021/02/02(火) 20:49:08 ID:.hh5I8pc0
遅ればせながら乙

3802： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/07(日) 20:04:21 ID:NqAqwFyA0

　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

3803： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/07(日) 20:11:27 ID:NqAqwFyA0

　　　　　　　　　_　_　_
　　　　　　　／: : : : : : ｀i
.　　　 　　　i: : : : : : : : : :!
　　　　　　　､: :○: : ○: :!　　　　　　　　最近、朝ごはんや夕飯をお菓子で済ませることが増えたよ。
　　　　　　　 i: : : : : : : : : i
　　　　　　　 l: : :,, --_ｯ: :',　　　　　　　　カロリーもあるし甘い。
　　　　　　　 丶 ｀‐'´: : : :ﾉ
　　 　 　 　 / ´: : : : : : : : ｀ヽ　　　　　　　あとはまあ、そうだねえ、部屋がゴミ屋敷になりつつあるね。　　
　 . 　　　　/: : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　 , -‐': : ,: : : : : : : : : : : : : :ヽ　　　　　　いや、ゴミ屋敷というのは正確ではないね。そこまで物はない。家にもそんなにいないし。
　　／: : : ,-ｲ: : : : : : : : /｀丶: : : :､
　 ｒ⌒ ,／　/: : : : : : : : i　 　i: : : : i　　　　　　ただ汚れと埃が凄いことになってる。春が怖いよ。
　 ` ‐ '　　/: : : : : : : : : |　　 ! : : : |
　　　　 　 i: : : : , _ -‐ ´,) 　 ｀ ヽ _|　　　　　　はじめてこっか。
　 　 　 　 (_ _i￣(_　-‐'´i
　　　　　　|　:|`‐´i : : : : |
　　　　 　 |: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
　　　　 　 |: : : : : |: : : : : !

3804：安価のやる夫だお：2021/02/07(日) 20:13:40 ID:BNvAIzPc0
ハロー

3805： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/07(日) 20:16:05 ID:NqAqwFyA0

　　 ___　　　 　　 　＿　　　└,'　　　 ／／
.┌┘└┐'＼┌‐┘└─┐ ヽﾌ,.／　/
.└.ﾌ　＝'‐､"　ﾞ'''ﾌ　＝=､┘　　　　 /
. /"o ┌_ヽ .）　 く__‐''つ　）　　　　/
. ヽ､,,,,ﾉヽ,,／　　ヽ,,,￣,,／　　　 /
. ┌┘└vヽ､　　　 ／　>　　　 /,.　, ／/
. └┐ ==ヽ､'　　／ ／　　　　└/,.／/
　／,、┌‐､ ﾞｌ　 ＼　＼　　　　　　　/
　＼"_.ﾉ､'''／　　　 ＼　>　　　　　/
　　　　┃　　　 ┌┐ .ﾞ"　　　　　/
　　　　┃　　　　|　|　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾞ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　┃　　　　|　|　　/ヽ,　　　|　　　　　　 　 　 　 .〈＼　　　　　　　　　　　　　　　｀ﾞ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　┃　　　　ｌ、ヽ‐".／　　　 ＞　　　　　　　　　　 　 }　　 / 〉/　 　 （￣　　　 　 　 ｀ﾞ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　┃　　　　　ﾞ''''',.",　　　 　/ .〈＿＿＿＿＿＿＿／ 　 　 //　〈/　　￣＼　　　　　　 ｀ﾞ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　┃　　　　 　　 | └┐　　ゝ　　 　 　 　 　 .＿＿,. 　 　 //〉　〈 　 ＿＿_ ＼　　 　 　 　 ｀ﾞ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　┃　　　　　,.-┘ "､"　　/　　　　 　 　 ∠　ノﾉ　}￣ヽ 　//〉　)へ ＿＿)、 ＼＿　　　 　　｀ﾞ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　┃　　　　 ヽ,._°ヘ/　　|　　　　　　 ／￣￣　／ 　　}: 〈/ し∧､＿＿＿人　　　　　　　　 　 ｀ﾞ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　┃　　　　　┌､~　_　　　＼　　　 .／'''''''''''''''''´　　　　|:　　　,'　 ｀''''''''''''''　　＼　　　　　　　　　 ｀ﾞ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　┃　　　　匚　 コヽ､/　　 ＼‐　...{　　　　　　　　　　 ﾉ: /〈　{　 　 　 　 　 　 　 ,　　　　　　　　 　 ｀:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　┃　　　　,..┘ "'_"'ヽ,　　,-､＼　 {＼＿　-―――ぐ´　　⌒ヽ　　　　　　　　　 }〉　　　　　　　 　 　 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　┃　　　 （　o　|,.-'　/　　|‐''"ﾞﾞ　 .Y"　　　 　　　　　＼＿／￣￣￣￣＼＿_,ｨJ　　　　　 　 　 　 　 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　┃　　　　ﾞヽ,='',ヽ‐_"　　 |　　　　.:|　　　　　　　　　 　 Υ　　　　　　　 　 ヾ;　）　 　 　 　 　 　 　 　 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　┃　　　 ┌┘└┐,ヽ　　ﾞ､　　　 .:|　　　　　　　　　　　 :　　　 　 　 　 　 　 ヽ! 　 　 　 　 　 　 　 　 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　┃　　　　",ﾌ　"'__''ヽ,　　 |　　 　 .:　　　　　　 　 　 　 ノ　　　　　　　　　　　 :}　　　　　　　　　 　 　 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　┃　　　　/ o　|,.,.ﾉ　ﾉ　 　|　 　 　 ＼＿＿＿／￣￣　￣＼　　　　　　 　 ／!　　　　　　　　　　 　 ;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　┃　　　　ヽ‐-''ヽ-‐"　　,.､|　　 　 　 　 ./　＿＿, 　 　 　 厶＼ ＿＿＿／し' 　 　 　 　 　 　 　 　 ;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　 　|　　　　　　 　 /:／￣／￣￣＼ rぐ/´　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　┃┃┃┃　　　　　　　 　|　　　 .,σ⌒ /,　　,; ´:. :. :. :. :. :..)しﾘ:　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　┃┃┃┃　　　　　　　　 ﾞ､ 　 . 勹へ)/〉: ／ .: .: .: .: .: .:／ rく〕:。　　　　　　　 　　　　　　　　　　;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　・　・　・ ・　　　　　　　　　ヽ、　 　 .。<へ、:. :. :. :. :. :. :. ＿rﾍ/!⌒つ_、。　　　　　 　 　 　 　 　 ;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞ､ . (　　⌒＼{＼ー ――く ／〕人)υγう、　　　　　　　　　　 　 ;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　__　　　ﾞ､ . :) へ<(⌒￣￣￣￣￣}　!(｡　rτ⌒>ヽ> 　 　 　 　 　 　 .....:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　 /　＼ 　 　ζ´ (rν　　　　　　　　} n。ヽ(　 ⌒ヾﾞ';。　　 　 　 　 .....:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　|　. |　　＼.く⌒)｡j　　　　　 　 　 　 い!;　。）　　。};J　 　　 .........::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
翌日。
ブライドル本部、シミュレーションルームにて。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3806： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/07(日) 20:24:19 ID:NqAqwFyA0


￣｀`ｰ-- ､＿::::￣`'''ｰ-､　　　 ,　　　,.-――――--､_
‐-､__::::::::....　::...　ヽ､:::::::::｀'‐／/__,／::::::::::::::::::＿__,,,,,,....二ﾆ
　　 く￣､￣｀`''ヽ､..__:::::...::::l:::/:／:,.､-‐''"´￣
‐‐-yゝ､l:`ｰ―---､,,,二ヽ_」」/／::ヽ、
::／　 ｀'''ｰ---―‐''''''''''`ヽ　￣ヽ、::::l
ﾐ`　　　　 /´⌒ヽ、　　　　　　-､ l_,ノ
ﾞ､＝＝==-'､0＿　 !　　　　　　　ヽ＼
:::ﾞ､　　　　　 　 |￣!＝=‐､　 r‐､　ヾ:::|
::::::ﾞ､‐-､ _　　　|　 |!　 　 ｀＼0_j　 ├'　　　　　　　ハァーーーーハッハッハッハ！！！
::::ミﾍ､,,＿｀ヽ、|　 |!　　 ／⌒ﾉ＼／
/ヽ　|'ｰ‐-ﾆ＝､｀`ヽ､／　　'´|　| |＼
　　｜::::::::::::::::::::￣｀''＝=､＿ l.__| |　 }
　　 |:::::::::::::::::::::::::::::::::￣`‐７'　｀7ｰ‐'ﾞ
　　j‐-､＿:::::::::::::::::::::::::::／　 ／:/
　　l　　ヽ　＼::::::::::::::::/ 　 ／Ｗ
　　|　　　　　 ヽ:::::::::/　／
　　|　　　　　　 |:::::/　/
　　l　　　　　　ﾉ:::/　/
-､　｀ヽ､＿,,／:::/　/
:::::＼ヽ､｀'''ｰ‐''"　.ﾉ






　＿＿
〃´￣`ヽｰ―＜
{　　　　　∨＼　　 ‘ ＜
{　　　　 　 }}　 ＞--　､　‘＜
.ゞ .　＿＿ﾉｨ´　　　　　}　 　 ＼
　　￣￣ 　 　 　 　 　_ﾉー‐=. 　＼
　　　　 　 　 　 　 　 ￣￣ ヽ: : ＞ ＼ _
　　　　　　　　　　　　　　　　‘，: : : ＞.､.ヽ
　　　　　　　＿　　　　　　　　}: : : : : : : : ＼＼:　　　　　　　おっ……おっ……
　　　 　 ／ ⌒　ヽ　　　　　　|=ミ : : : : : : :ﾊ　‘，
　　　　〃 　 　 　 ‘，､＿ _ ノ　　 ＼: : : : : :}　　|
　　　　{{　　　　　　 ∨　　　　　　　　}⌒ヽﾉ　　 |
　　　　||　　　　　　　∨　　　　　　　 |　　 |　　　}
　　　　||　　　　　　　 }}　 　 ｒ‐―一 .!　　 !　 ,.ｲ
　　 　弋　 　 　 　 　 ||　 　 |　　　　 |　　 |　　 |
　　　　　‘，　　　　　 ﾘ　 　 |　　　　 |　　 |　　 |
　　　　　　ヾ　　　　 /　　　！　　 　 |　　 |　　ﾉ
　 　 　 　 　 ≧==彡　　 　 ﾉ　 　 　 |　　 |　ｲ
　　　　　　　　　　　　　　彡　　　　　j 　 .ﾉ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
傷心旅行ならぬ傷心VR殴り合いで、応じてくれたクーガーとシミュレータールームに
入り浸り、早二時間。

百敗目の表示が現れたところで、ずるりとコックピットから床へ転がり落ちる。
冷たい床が気持ちいい。

そう、フラれた人間の、行き場のない思いをぶつけるための戦闘である。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3807： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/07(日) 20:30:55 ID:NqAqwFyA0

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼ （ ;;;;(
　 ／　　　_ノ ,､ヽ､_＼) ;;;;）
／　 　;;;（─）::::::（─/;;／
|　　　　:;:, （__人__） l;;,´|　　　　　　　ちくしょう……ちくしょう……
/　　　 　 ∩ ノ)━・'／
(　 ＼　／ ＿ノ´.　く　,､jｰi
.＼　 " 　／　　 ﾄ､　ヽソ　⊆)
　　＼ ／　　　　　 　（ |　 ⊂ﾘ
　　　　　　　　　　　　　|＿とﾝ





　　　　　　　　､＿,. -'ｰﾍ,,_ 　　 ＿ ＿_
　　　　　　　／ : : : : : : : : v:´: : : : : : : : :: ＼
　　　　　　　´￣ ＞'"´　": : : : : : : : : : : : : :: ＼　／￣ヽ、
　　　Ο　　　 ／: : : ／,:´: : : : : : : : : : : : : : ヽ::∨ : : : : : ヽ
　　　　　　　/: : : ／ .: / : ,: : : : : : : : : : : : : i: : :|l : : : : : : :| 　　　　　　　あっ、それ……！　こらっ、何やってるのっ！？
　　　　ﾟ　　 i　／i:: : : i : 7||:ﾊ::|i:: : /!ﾊ:.,ｨ !|｜::八 : : : : : : |
　　に　　　 i/ 　 |: : /| -l/‐ﾚ'ﾘ丶ﾄ|-‐ｻﾅ ﾚ/:/ 　＼: : : : |　　こ)　　　　　って、よく見たら、電子タバコと……こどもびいる！？
　　　　　　　　　　Ⅵ　､:ﾄﾞ ○　 ＿　○ 〃ｨ:/,-､ 　 | : : : :|
　　　　Ｏ　　　　　(_うﾄ､ゝ　　/　　ヽ　彡ソ仆ン　　j: :|:: ::|　　　○　　　　　とにかく！　荒れるのは分かるけど、
　　　　　　　　　Ｏ　 ＼ノ＞､」 ＿　レｲ「_」ｒ'´　 　　|: :l: : |
　　　　　　　　　　　　　 ｀''-〈　l 只 l　ゝ´　　　　　　|: :l: :|　ﾟ　Ｏ　　　　　　　　みっともないからやめなさあいっ！
　　　　　　　 　　　　　　　　（'^/∧ヽY 　　　　　　　l: :l: :|
　　　　　　　　　　　　　　 　 冫 ｌ/　　} 　　　　　　　!::l: .|
　　　　　　　　　　　　　　　 く＞∧.イ｀>　　　　　 　|::l: /

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
ちなみに、トウキョウから出てきた理由は単純だ。
荒れていたら、あまりの荒れようをなのはに見兼ねられ、
軽く怒られてしまったからである。

居心地が悪いといったらありはしない。
朝から食堂で暴飲暴食の限りを尽くしていたら怒られたので、
勢いのまま午前便の輸送機で本部まで逃げてきたのだ。

なのはもなのはで、なんだというのだ。
こういう時くらい許してくれてもいいではないか。
矛先が定まらぬ怒りと情けなさが腹の中で暴れまわっている。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3808： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/07(日) 20:37:32 ID:NqAqwFyA0

　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　.／ヽ,,)ii(,,ノ＼
　　　　　...／（ ﾟ ）))((（ ﾟ ）.＼
　　　　 ／:::::⌒（__人__）⌒:::::＼　　　　　　 jl　　　　　　　／/
　　　　|　 ヽ iｌ´|r┬-|｀ｌi　ｒ　 　|　　　　　 l ||　　ヽ　＼／　　　　　　　　あげゃげゃげゃっ！
　　　　＼ 　.!ｌ　ヾｪｪｲ　ｌ!　　／"'''ヽ　　　| ||　　　ゝ　　　/
　　　　,,,-彡＿,r''"￣ 「/￣/￣/;二"二"二((二(（三三Ｃ≡＝─　　　　　もう一戦だお、クーガーさん！
　　_,-|　 r'"　二　=＝i　ﾆﾆ二/＼/ccccccc//＿ヽ　）　　　ヽ
　<､、ﾞl　　-￣￣C＝]　ﾉ;ヾ / ⊂ﾆﾆﾆ二二ソﾆﾆﾆｿﾉ／⌒ヽ＼　　　　　　　戦いはいいお！　やる夫にはそれが必要なんだお！
　　 ,lﾞﾞ'l、　　」ﾆﾆ二二〈ｰ;;　＼/二L＿」　j
　 ／　 l　　/;:: /{￣`)ﾉ　ーーｰ ＼　　　/　　　
/´　　　ゝ　;;::/　{　￣ｿ　　ヽ　　　　　　/






　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ヽﾄ,
　　　　　　 ｀'ｰ-､..::::...:':､..､.　　　　　ﾚ1　 ______
　　 ^''ｰ-､　　　　｀'ｰ|`''ｰ-､;_`ヽ:.. -‐''",. -‐''"｀
　　　　　　｀'''ｰ-､,_:::::{　　　　 ｀ﾞ''ーr､￣＼
　　　　 i　　　:::::::;;;＞′_,.へ. 　 　　{ ＼　 ｀､
　　r'⌒'|　　 ::i"´　　　￣｀''ｰヽ､j ﾚ'′　＼　｀､　　　　　　　　　　　ダメだ。
　　| i´ヽ|　　::|　　　　 `､￣ﾟ`　　(ｿ 　 　　.＼. `､
　　ヽヽ^'l.　　::|　　　　　 ￣ 　 　 ｀i　　　　　 ＼ ',　　　　　　　　　　「あげゃ……えっ？」
ｰ-＜｀ﾌ''ヽ.　 :|　　　　　　　　　　　l　 　 　 　 　ヽi
　　　￣｀''''ヽ､:;|　　　　　　　　　ｰ-′　　　　　　　l　　　　　　　　　　　俺もおまえも連続搭乗可能時間は短けえ方だ。
　　　　　　　　　￣｀7 　 　,.. ‐''"j＼
　　　　　　　　　　 /､　　　　　　{: 　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ここまでだ。充分暴れただろ、そろそろ頭冷やせ。
　　　　　　　　　　/　｀＞､ 　 　 {　／
　 　 　 　 　　　 /　／l 　 ｀''ｰ‐'／

3809： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/07(日) 20:41:28 ID:NqAqwFyA0


　　　　 ＿＿＿_
　　　／ノ 　 ヽ､_＼
..　／（ ○）}liil{（○）＼　　　　　　　おっ……おっ……
／　　　 （__人__）　　　＼
|　　　ヽ　|!!il|!|!l|　/　　　|
＼　　　　|ｪｪｪｪ| 　 　 ／





..　　　　＿＿＿_
　 　 ／_ノ　ヽ､_ ＼
..　oﾟ(（●）) (（●）)ﾟo　　　　　　　どうしてクーガーさんまでそんなこと言うんだお！
／::::::⌒（__人__）⌒::::::＼
| 　 　 　 |r┬-|　　　　　|　　　　　　やる夫は、やる夫はフラれたんですお！？　初恋だったんですお！？
＼　　 　 ｀ー'´　　 　 ／

3810： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/07(日) 20:52:38 ID:NqAqwFyA0
　　　　　　　 　（　＼
　　　　　　／￣`　　 ￣￣＼
　 　 　 　 |　　　　　　　　 （＿）
　　　　　　＼＿,　　　　　 　 ヽ
　　　　　　　　 （　／￣￣`（＿）

　　　　　　　∧∧∧∧∧∧∧∧∧
　∧ ∧　 ＜やる夫くん　　　　　　＞
　(ﾟДﾟ)　　＜ふっとばされた！　 ＞
　 |　 |　　　∨∨∨∨∨∨∨∨∨





　　　　　　　　 　 　 　 ＿＿＿＿...... ｡ 　─────ｧ,
　　　　 　 ,..｡=- ''"￣　 ／￣7 　 　 「:::::::::::::7　 　 　/　 、
　　　　 ／ ,　-z＿＿／:::::::::/　　　　|;;;;;;;;;;;;/　　　 ./　　　、
　　　／／::::::::::::::::::::::::::::::::::〈　　　　 ＿＿　　　　 ./　
　 ／∠::::::::::::／￣ |:::::::::::::::::':,　　　/::::::::::|　　　 ./　　　　　　＼　　　　_　＿
_.〈__＿__￣￣　　　 ト､:::::::::::::::':,　 /:::::::::::::|　　　/　　　　　　　＿`ｰｧ-'　/　　￣　､　___
ニ─-　 .,_￣ニ=-r｡..,_ ￣￣￣　└──┘　／　　　　　　　ﾊ三ﾆ=ｰァ´ ､　　,ィ´ｱ付三
＿三ニ─…￣｀-=ニ_￣￣￣ニ''‐───=　 .,_　　　　　　ﾑ三三ニ/⌒ヾ> ﾊﾘ /{三三
: : : :＼三ニ─…............｀''ｰ-　___｀ヽ.,　　　　　　　~ '　 .,　　 ｀寸三z/　 　 /;.{ﾆ{ {::ｷﾆ三
: : : : : :＼三ニ─…:::::::::::::::::::::::::::::￣`ｰ､_　　　　　　　　 `'　 .,_　} ハー__〈　 ﾏﾑ ':,_寸三
: : : : : : : |_,.＝‐＜￣￣￣￣¨¨'''ｰ-=ニ竺]─f￣￣￣　 - ., 　 ｀　.,/￣　 ｀　 寸ﾐr｡.,_￣_
: : : : : : /i: '､〈｀￣｀ヽ､{f´　　　　　　　　　　｀y:＼　＜￣"''- ..,,_＞ｧ　｀'　.,_　　　｀寸三三
: : : : : /八　':,＼　':,　〉ﾏ⌒ 　 　 　 　 　 　 〈:::::::::>‐､_＞､　　　/￣「"''　.,_｀'　.,_　　 ￣￣
: : : : /|　 i　　Уﾍ ／Nj{　　　　　　　　　　 /}:::::::{: : : :{三r。_／　／`ｰ-　.,_｀'　.,_''ー --
: : : /::|､__､r-､r'⌒ヾ､^≧x　 , へ.,_　　　　〈_ハ::::ﾊ,: : :`寸ﾑ＿／ 　 　 　 　 ｀ r'ヽ
: : :,'::::|ﾄ､`____　　　/ ,ｨ＼ ｀ﾒ:::::::::::::＼___　　L_::::{　ﾊ,: : : :寸ﾑ　　　　　　　　　 }　 }'´￣
: :.,':::::|!ﾑﾄ---≧ztイ,ﾉ |r'`:､::::::::::::::／:::::/､____}::::}　ハ: : : : 寸ﾑ、　　　　　　　ﾉ／_,.ィ:／
: :{::::::i!;;;;ﾊ` ー'´　「´　,':::::::::X:::::／::::::::└─'´::::::}　　 ＼: : : :￣｀　､＿..　-=ﾆラ'": :／
: :|::::::i{;;;;;i}￣|､＿.」..ィ/~＞''"::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::}　　　　｀ ｰ-､: : : : : : : : : : : : : ／
: :j:::::::ﾚﾍﾊ　 |`ｰ''￣/／¨¨¨７─/／`ー------ﾘ　　　　　　　 |　|￣""……ァ ´
: : ':,::::::::::｜　|　｀〜'/〉　　 / : ／､ : : : : : : : : : .′　　 　 　 ／／ 　 　 　 ／
: : : |::::::::::::|　 ＼`　ﾘ {　　 〈: : {: : :`r─''''''~~￣′　　　　 ／／ 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　バッキャロウ！　俺なんてなあ！
: : /|:::::::::::::::> .,_ ＞У　　　 ＼: : : :|　 　 　 　.′ 　 　 ／／ 　 　 　 ／
:./: :＼:::::／: : :/　 /､　　　　　 ＼: |　　　　　.′　 　∠＿─ァ　　 ./　　　　　　　　　　　　　　　なおはさんに何べんフラれてると思ってんだ！
: : : : : ｀´: : : :/　　|　 ＼　　 　 (;;)ﾘ　　　　 .:′ 　 　 　 ／／　　　{
: : : : : : : : :..:/　　 | 　 　 ＼　　　 i{　　　　/　　 　 　 　 > >　　　　|!　　　　　　　　　　　　　　　　「げほっ……やる夫は……　
: : : : : : : : : {　　　|　　　　　〉　　　|　　　,:′ 　 　 　 ／／　　　　　|　　＿＿__　　　
ﾊ: : : : : : : : |(;;;)　|　　　 ／　　(;;) |　　/ﾊ、　　　　　＼＼　　　　／二.. -‐─､＼　　　　　　　　　クーガーさんみたく、名前、間違えてな……」
ハ: : : : : : : :':,　　i|　　／　　 　 　 |　./: : : ＼ 　 　 　 / /　　 ／ 　 　 　 　 　 ＼＼
..ハ: : : : : : : : ':,　j_.／　　　　／ｧび:､{: : : : : : ＼＿／／　_.／＿....　-‐─　 、 　　　　　　　　　　　いいかやる夫！　俺はこう思うんだよ！
　.ハ: : : : : : : : ':,{/;;)　　　　　＿.. -　}: : : : : : : : : : :￣: : : :{: : : : : : : : : : : : : :＼
　　　＼: : : : : : : ':,(　　／-=ニ　　　 |: : : : : : : : : : : : : : : : }: : : : : : : : : : : : : : : :＼　　　　　　　　　　告白ってのは答え合わせだと！
　　　　 ＼: : : : : : ＼ (;;;),,. -''"／__/:|: : : : : : : : : : : : : : : : !＿: : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　＼: : : : : : :`ー- ｧﾟ´ >''"7:|: : : : : : : : : : : : : : : :,': : ￣　 、: : : : : : : : :
　　　　　　　 ＼: : : : : : : : / ／: : :/|;|: : : : : : : : : : : : : : :/: : : : : : : :＼: : : : : : : :
　　　　　　　 　 ＼: : : : : : |/: : : :/: :|i: : : : : : : : : : : : : :./ : : : : : : : : : : ＼: : : : :
　　　　　　　　　　 ｀ア: : : |!;: : : :iﾊ: |!: : : : : : : : : : : : :./: : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　　　　　　{: : : :./: : | i/ハ |: : : : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : ＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
蹴り飛ばされた。
自分としてはかつてないほどの迫真の叫びに対し、
クーガーは渾身の浴びせ蹴りを背中へと見舞ってきた。

吹っ飛ばされ、床へと倒れ伏す。
なんとか手で受け身を取るが、腹を強かに打ち付け、肺が押しつぶされた。
呼吸困難に陥りながらも反論するが、クーガーは相変わらず意に介さない。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3811： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/07(日) 20:59:04 ID:NqAqwFyA0

　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,..､-ヽ､.,　 |l
　　　　　　　　　　　　 ,.-,.-‐''":,:::::,.　::::: ｀`j !
　　　　　　　　　　　／:::::::::､:::::/:::/::::__､-‐'　|､
　　　　　　　　 |, , /:::､::,.へ､':,ﾉr‐''"´,.='ヽ__ﾉ::ﾞ:､
　　　　　　　　､!;|;|::::ヾ/:::r--'"´ 　／‐'''"`ヽ::::::|
　　　　　　　　 ﾞl ヽ､r/:::j _,..,_ゝ '-'",r'｡"ヽ　ヽ::::',_
　　　　　　　　　ﾄ､._ /::/='" __ ､　　 ‐== ' ´　ヽ::| ヽ　　　　　　　　　　　言ってしまえばポーカーで言うところのショウダウン戦いでいうところの
　　　　　　　　　ヽ､./:/ 　 r' ・ヽ ､　　　　 　 ､　!:|r }　　　　　　
　　　　　　　　　　､|:/::ﾞ,　 '-.'"　　ヽ､　　　,.､ l　l:| /　　　　　　　　　　　　決戦それはつまりそれまでの積み重ねに積み重ねた結果が
.　　　　　　　 　 　 |:!ゝ:::､　　　　　 _,.-‐=´､j､　　|'､
　　　　　　　　　 　 ! ヾr､＼､ 　l ｒ"r''"´::::::::::|.　　!､‐=＝ﾆ,￣|　　　　　　　さあどうでしょうってこったおまえはなぁ！　告白云々の前に！
　　　　　　　　　　　　　ヽヽ:＼　 ヾ､::::;,.- '"｀'j　 /ヽ　　 ／ 　!
　　　　　　　　　　 ,r''"￣￣｀ヽ､ 　 ヽ.i___;､‐'"　/　 ﾞ,,-'"　 　 |,‐-､＿　　　　八神はやてと付き合えなかったってことなんだよォ！
　　　　　　　　 　 /´￣｀ヽ　　. ﾍ,'‐-､.,_　　‐''　.l　／　　　　　 ｀l
　　　　　　　　　 {´￣￣｀ﾞ　 ﾉ' 　ヾヽ＼｀''‐-‐'"　|　　　　　　　/
　　　　　　　　　 ヽ､,,,__,.-‐'"　　 　 Vヽ,＼　　 　 |
　　　　 　 　 ,.--､.　 　',　　　　　 　 ヽ　　　　　　 !　　　＿_
　　　　　 ,／　 　 ｀ﾞ''‐-ゝ､　　　　　　 ＼　　　　_,j,､-''"´　 ｀ヽ　　 ／
　　　 ,,.-|　　　　　　i,　 　 !　　　　　　 　 `''‐ｧ''´　　　　　　 　 ! ／:::::
　 ,r''":::::j.-‐'''ヽ,　　 }´　　　　　　 ,.-''´　 ..イ　　　　　　　　　 ﾉ ＼::::::
／:::::::::／ __,,..-‐'　 /　 ／　　 ´￣　　 _,ノ　|　　　　　　 　 ／　　　＼
::::::::::::ﾞｌ‐''"　　　　ノ‐''"　　　_,.-‐‐''i"´　　　ヽ　　　　　,ｨ''´





　　　　　 　 　 ＿＿＿
　　　　　　　／::::::::::::::::＼　　ｹﾞﾊｯ !
　　　　 　／::::::─三三─＼　　　　　　　　　　 :∴: :;． ;. .: :｀：: ∵:゛
　　　　／:::::::: （ ○）三（○）＼　　　　 :゛;∴゛`　;｀: :゛;:`´..;．∴;．｀:'：
　　　　|::::::::::::::::::::（__人__）:::: 　|　 ゛;．゛;．　;　:″:: :゛;. :∵゛　;．　:'-､
　 　　 ＼:::::::::　 　|r┬-|'　;`∵:　;`;.:`´..;　`　;．゛;．:　::゛;．゛;．
　　　　ノ::::::::::::　　`ー;:: :゛;.・:゛∴;．゛;．:　::゛;．″:: :゛;∵゛　;
　　／:::::::::::::::::::::　　　　　∵∴゛;．゛;．::　`；　　:;　｀,　　・
　　|::::::::::::::::: ｌ

3812： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/07(日) 21:01:47 ID:NqAqwFyA0

　　　　　　　　　　　　　_,,∠-‐'''´￣-一::::::::::::｀`ヽ、
　　　　　　　　　‐-､/￣￣￣｀`'''ー-､＝二:::::::::::::::::｀ヽ､
　　　　　　 ,.‐''"￣`ヽ　　 　 /　//　　｀ヽ､／￣｀` ｰ- ､_ヽ､
　　　 　 ／:::::::::::::::_,r'　＿,∠-――-､＿　＼￣￣｀`ｰ--､二ニ=一
　　　　/:::::::::,. ‐''"　￣lj　　,,z''"￣｀`　＼｀ヽ､＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　 　 /::::::::／　　　 　 〈､L〃r・ア　　　　/::::::::/⌒ヽ::::::::::::::::::::::::::::::
　　/:::::／　　　 　 　 　 7　　´　　　 　 /::::::::/ヽ､ﾊj:::::::::::::::::::::::::::／　　　　　　　　けどな、別にそこまで気にする必要もねえよ。
　/:::::/　　　　 　 　 　 /　　　　　　　 /!:::::::/　/ノ/:::::::::::::::::::::r､ｲ
　l:::/　　　　　　　　　　`'┬-　　　　　 ﾚ/'´　 lｰ〈::::::::::､__;r､/　ヾ　　　　　　　　　　フラれました。そんなこともある。
　|::l　　　 　 　 　 　 　 　 `=ｧ､ ､　 　 　 　 　 V　｀ーﾚヾl　_,. -‐､
　|:|　 　 　 　 　 　 　 　 /￣｀`ヽ　　　　　　 ノ/　 _,,. -‐''´　　　 |　　　　　　　　　　　いいじゃねえか。自分を誤魔化して相手を決めつけて、
　|:!　 　 　 　 　 　 　 　 ｀〉ｰ､　　　　　　_,,. -‐''"´　　　　　　　　|
　||　　　　　　　　　　　　/　　　 r‐''"´￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　適当に済まして逃げる奴よりは百倍かっこいいぜ。
　|!　　　　　　　　 _＿＿ヽ--‐‐'､
　l　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　,. '-一
　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　 ヽ　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　ヽ　　　　　　／






　　 ,-'"￣￣￣＼　ﾞ
　 /＼，#､／ 　 　ヽ ;：
　i （○） ；（○） u　i　；
　ヽ （__人__）　　　/　;　　　　　……？
　　i　　　　　　　 ､＼　;
　　|　 　!　　　　／__｝ ；　　　　　フラれることはカッコ悪いんじゃないんですかお？
　,-|　.　|ー-､/ ゞノヽ
｛_　i､___,l　　 |　　　　| ；　　　　　「ケンカ売ってるか？」
　）ｿ(___i）---|　　　　|
　　　　　　　 ゝ-i--i´ ；　　　　　　いえまったく。
　　　　　　　　　 ｀-ﾞ

3813： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/07(日) 21:13:55 ID:NqAqwFyA0

、:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::＼　 　 ＼: :: :: :: :: :: ＼|ド､
':: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::ﾍ　　 　 '､ :: :: :: :: :: : ＼::＼
:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ＼　　　＼:: :: :: :: :: :: :: :: ::'.
＞-:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :＼　　　＼:: :: :: :: :: :: :: :: ',　,!
｀７:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :＼　　　＼:: :: :: :: :: :: ::.!, i|
⌒ヽ:: :: :: :: :: :: :: :: :, - ､:! :: :: :: :: :: ＼　 /ﾞ´＼ :: :: :: :: ::|//
　　 !:: :: :: :: :: :: :: /-一Y: :: :: :: :: ,.-一 '` 　 　 ＼:: :: :: :∠
ｰ= ':: :: :: :: :: :: :: :! {' ￣|:: :: :: :: /　 　 ｰ=Zz,　 　 ＼:: :: ::キ＝=-､
´', ヘ:: :: :: :: :: :: ::'.ﾍ　r１:: :: :/7　 　 　 ト ､iﾄ､　 }　/｀丶:: ::＼　　　　　……なあ、やる夫。
. ﾉ 　 ｀丶、:: ::≦´ 1＼Ⅳ :: :/　　　 　 ｀ ｰﾟ ヾzﾉ_,j 　 　'.: :: ::ﾊ
/　　　　　 ｀'＜　　 ｀7　 ∨/　　　　　　　　　　 iﾞ´　　　　'. :: :: '.　　　　俺がなんで、最速であろうとするのか、わかるか？
　　　　 　 　 　 ＼　〈　　 'V　　　　　　　　　　　|　 　 　 　 ' .:: ::ﾍ
　　　　　　　 　 　 ＼}、　　　　　　　　　　　- __,j　　　　　　　'. :: :!　　　「全然」
ヽ　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　　　　 　￣ 　-r'´　　　　　 　 　 　 '. ::
　 ＼　　　　　 　 　 　 　 ＼　　　　　　 /´　　　　 　 　 　 　 　 !::!　　　迷うからだ。止まれば迷う。迷えば、それは周りに伝染する。
　　　＼　　　　　 　 　 　 　 ＼　　　　 ,'　　　　 　 　 　 　 　 　 !:|
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／丶　　 / 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |j　　　　一度決めたなら、迷っちゃいけねえ。進んで、進み続けるしかねえ。
　　　　　　　　　　　　　,． ´　 　 ｀ｰ ｲ　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |!
　　　　　 　 　 　 　 ／　　 　 ,. -r‐ '´
　　　　　　　 　 　 /!　　,. 　´ ／::丶、
　　　　 　 　 　 ／　〉 / 　 ／＼::::::::::＼
- .,_　　　　　　　 　 i　　　/:: :: :: ＼::::::::::＼
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あまりにも唐突で理不尽な蹴りの訳を問いただそうとすると、
クーガーは怒涛の持論の展開を止め、口調も一転させた。

いつもの飄々とした、つかみどころのない早口ではない。
静かで、厳かな口調だった。

それを聞き、コックピットのレプリカにもたれかかって四肢を投げ出しながら、
腕を組んで語りだすクーガーの表情を見つめる。

そこには、見たことのない表情をして、聞いたこともないようなことを言う、
クーガーの姿があった。

あのストレイト・クーガーが迷う？

続いて、いつかはやてに言われた言葉が脳裏を過った。
弱くない人間などいない。人間は弱い生き物だ。
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3814： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/07(日) 21:24:21 ID:NqAqwFyA0

　　　　　　　　　　　／　　　　　　 ／　　　　_,. ‐''"　　　　　　..:::::::
　　　 　 　 　 　 ／ 　 　 　 　 ／　　 ,.-‐''´　　　 .:　　　 ....:::::::::::::
　　　　　 ,ﾍ　|!/　　　　 ,. -､/　　 ／　　　　　..::::::::　...:::::::::::::::::::::::
　　 　 　 |　:ﾄK　　　 ／＿_l＿_∠＿＿_／｀ヽ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　 _」__,,j.=＝''"´￣_,,. -‐'''"´l! 　 　:|/⌒ヽl::::::::::::::::::::::::::::::::::/
　　　　 |〈　 l l　　 _ ｨ'´／　　　　 |　　 .::|ﾋ ヽ　l::::::::::::::::::::::::::::::::〈
　 　 　 !　＼l_レ'´|　l:::lr'''7　　　　l .l:..:::lﾘ7 ゝ/l､::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
　　　　|　　.l´　　 lj_/'ｲﾚ′　　　　l!| ﾚ/ ヽ‐' 丿ヽ､::::::::::::::::::::::::ミヘ
　　　　|　 ::l　 　 　 l'´　　　　　　 　 ﾙ′　　〈　　ﾉlWヽ､:::,. -‐''ﾍ　　　　　　だから俺は答えを確かめにいく。徹底的に、最速でな。
　　　　|　:::|　　　　 |　　　　　　 ,/ヽ　　 　 　 l 　 　 　 ／　　　　ヽ
　　　　l :::::!　 　 　 l　　　 　 ／/　　　　　　 /　　　／　　　　　　　　　　　　 これだっていう狙いを定め、最速で、真正面から直線でブチ抜く。
　 　 　 !::::l　 　 　 '､_／-､ノr／　　　　　 ／　　／
　　　　 l ::!　　　　 　 　 　 〈　　　　　　 / 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　 それが俺だ。それがストレイト・クーガーだからだ。
.　 　 　 |::|　　　　　　　　 　 |　　　　　/　／
　　　 　 !:!　　　　　　　　　　| 　 　 ／／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　止まって、迷って、うだうだ言うようになったら……
　　　　　|l　　　　　　　　　　 '-‐／　〈
　　　　　l!　　　　　　　　　　　　＼　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　俺は死んだも同然なんだよ。俺は、そういう男なんだ。
　　　　　|　　　　　　 　 　 　 　 　 ＞-､　＼　　　　　 ,. -‐''´
　　　　　　　　,.-‐''"´￣｀`ｰｧ‐''´ 　 　 ヽ　/_,,. -‐'"´　　　　　 ／
　　　　　　 ／:::::::::::::::::::::::::::::＼　 　 　 　 Y´　 　 　 　 　 　 ／::::::





　　　 ＼　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l
　　　　　＼　　l｀ ヽ､z 、　　　　　　　　　　　　　｀ソ
　　　　　　＿、j　＿＿　｀` 、z 、　　　　 ＿　　 ７
.　　　　　 l　　　Z＿::::::ヽ、　　　 ｀`ー ｘ´ ＜┐´
　／ヽ.―┴―――→―‐←――--- 、>、 ヽ
K.　→l￣＼:.:.:.:.弋ー　ｬｯ- 、`ｰ':.:.:.:.:.:.:.＿_ヽ　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　
　ヽ.´/!.　ﾘ ＼:.:.:.:.｀ー――:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.､tｯノ.l ヽ　',
.　　ヽ l 　l.　　｀ ヽ 、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./⌒i.:.:.:.:.:.:.:.:! 　ヽ ',　　　　　　　　
　 　　',^ヽ!.　　　　　｀`ヽ、:.:.:.:./.　　l:.:.:.:＞'´　　　ヾ　　　　　　　　　　　　　俺の場合は、止まれば迷うから、止まらねえ。
.　　　　ト　　　　　　　　　 ￣　 　 　ﾄｰ´/　　　　　　ヽ　 　　
　 　　　l　　　　 , 、　　　　　　ｰ　 ノ　/ 　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　おまえも、迷うな。折れるな。ブレちゃいけねえ。自分を貫け。
　　　　〈　　　　　ヾ ー――‐┬‐ィ　/　　　　　　　　 　　
　　　　 ヽ-- 、.　　ヽ、＿＿＿ソ´ /｀ ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　フラれようが、どうなろうが、自分を貫け。
　　　　　 ',　　 l. 　　　　　　　　　/　　　｀ヽ　　　_
　　　　　　〉.　 ト、.　　　　　　　/　　　　　 〉　　　　　　　　　　　　　　　　　　できねえとは言わせねえ。俺ができるようにしてやるからだ。
　　　　　　j.　　',　｀ 、　　　　 / 　　　　／＿＿　
　 　　　　 ヽ.　　',　　ー――'´　　　／　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　入束やる夫は、男だ。そうだろ。
　　　　　　　j　　 ヽ　　〈　　〉　　／ 　　　　 /　　　 　　　　

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一変した空気に、爆発寸前のエンジン同然だった体が沈黙していく。

クーガーが今語っているものは、つまり。
彼の弱さであり、強さでもあり。そして、信念の形ともいえるものだった。

速く、速く。絡みつく何もかもを置き去りにして、答えを確かめに行く。
迷いも、恐れも、弱さも、あらゆる諸事情や雑念を置き去りにして、走る。
それがストレイト・クーガーという男なのだと。

誰よりも先を往き、誰よりも速く走る理由なのだと。

それはとても強く、孤独で、真っ直ぐなやり方だった。
誰かが安易に真似できるようなものではない。
ある意味では全てを犠牲にする生き方だ。自分の立場や安全すらも。

一通り語り終えると、クーガーは「俺と同じように、速く走れとは言わねえ。
おまえは俺じゃねえからな。けどな……俺もおまえも、男だ。自分を貫け。
フラれた程度で、ブレんじゃねえ。ダセえだろ？　ダセえのはやめだ」と告げた。
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3815： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/07(日) 21:28:23 ID:NqAqwFyA0

　　　　　　　　　　　 　 　 |､/!　l､l､j,:/:l　,　.::　'"　"´..::　 '"´　　　　.......:::::_,,
　　　　　　　　　　　　　　 l '::|　ヽヽ/::／:::::::-‐''":::::::::::::::::::::::::::::::_,,. -‐''"´ _
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　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |:／.::／　　　　　　　　　　 　 /　　 _,,. -''"::::::::::::::
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　　　　　　 　 　 　 　 ／.:／|　　 r-､　￣`''ｰ┬r-,- ､,_ヾ::::｀ヽ:::彡´::::''"::::::
　　　　　　　　 　 　 /.:／ 　 l＼./　 ', 　 　 　 | |　ll　　￣二r‐-､::､ヽ::::::＿､
　　　　　　　　　　 /.:/　 ＿_j　/　　 l＿＿＿_|_l-┴‐''7´::i r ､ ｀|::ミ､:::≦､＿　　　それによ。八神はやてだって、フラれようがなんだろうが、
　　　　　 　 __,,. -/:/ ￣／　V　　　　　　　　　　　　 /〃/ ) /, /::;:'"､ｰ‐'"´
　　　　 r'"´:::::::://:::::／　__／',`ｰ''''‐　　　　　　　　 '´l/'ヽ‐'／!､:::／!`　　　　　　　しゃんとしてるおまえを見られた方が良いだろ。
　　　　|::::::::::::::/'::::::/ 　 〈　 　 l`ｰ‐-､,＿　　,､　　　 　 r‐''´　ﾉ／　,'`ｰ‐--
.　　　 |::::::::::::/:::::::::|　　　 l＿_,j　｀ヽ､　　 ￣´　 　 　 /　　 ／　 　 |　　　　　　　　　あの娘だって安心するだろうしな。
　　　 l::::::::::::::::::::::::;l　/￣　 　 ｀ヽ、　　　　　　　_,,.‐''ﾞ,,.　'´ 　 　 　 !　　　/
　　　ﾉ:::::::::r―'''"´／ 　 ,-‐'''7‐-‐'　　　 _,,.ィ-‐''"￣　　　　　 　 /　　　 |::　　　　　　何より、フラれたからこそ、だ。それでもおまえが
　 ／:::::::::::|　　 ／ 　 ／'"´＼`''--r-‐＜　 l　　　　　　　　 　 ／　 　 　 l:::
　 !::::::::::::ノ　　.| r''"´　　　,､ 入.フ｜　　 ､/　　　　　　　　 ／　　　　　 /:::　　　　　　　男見せりゃ、考えだって改めるかもしれねぇ。
　 〉:::::::〈　　　 |　　　-‐''´￣　 ﾍ　｜　　 /　　　　　　　　　　　 　 　 ／::::::
. /::::::::::/ 　 　 |　　　　　 _,.-‐'⌒ヽ, |　　/　　,,.　-‐''"´　　　　　　／::::::::::::
/::::::::::/　　　　|　　　　　　　 　 ／/｜ /　／　　　　　　　　 ,. -‐'´￣｀ヽ､:::





　　　 　 |　ﾍ:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: : j !
　　　 　 |　 ∧:: :: ﾄ､:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :／ }
　　　　　＼ 　 ＼::ゝﾍト､:: :: :: /:: :: ｨ7ﾉ:: :／　 ﾉ
　　　 　 　ﾊ ゝ、 「 ー＜:: :: :: :: 7::＿ ,.ｨ´　 ,ｨ7
　　　　　　}:: ｀＜_}　　 　 ｀⌒Y::「　　　{__／::ｲ,
　　　　　　Y:: ::√　　　　　　　l:: }　　　 ヽ:: ::/
　　　　　 _」､:: l ≧三≧､　 　 |::| x≦≠7::∠
　　 　 　 { ﾐ}:: ﾊ ヽ,-tｯ ､ヽ }　|::|_, ｬ-ｧ }::/iｿ
　　　　 　 ヽヽ ::!　 ｀ー '´　l | }/ ー ´ // ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　俺はよ……おまえを買ってるんだぜ？　こう見えてもな。
　　　　　　　ゝﾍ}　　 　 　 　 | |　　　　ﾚォ
　　　　　　 { く｀ﾊ 　 　 　 、　_l　　　　j´ﾉ}　　　　　　　　　　　　　　　　　眼には自信があるんだ。今度から、こう思え。
　　　　　　__」 ＼ﾍ、 r,､＿｀＿＿, 　ノ´ /､
-ｧ　　´￣　｜　　｀＼｀ ￣￣￣　／　　l　　 ＞ -- ､ ＿　　　　　　　　　　自分を疑うってこたぁ、俺の、ストレイト・クーガーの眼を疑うってことだ。
/　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　 ￣　 / 　 　 |　　　　　　　＼::＞......､
　　　　　　　　　　　　　　}､＿ イ　　　　　　　　　　　　　l:::::::::::::::｀:::::::..､　　　おまえはな、ストレイト・クーガーに買われている男なんだよ。
　　　　　　　　　　　　 　 l　 　 ﾉ　　　　　 　 　 　 　 　 /::::::::::::::::::::::::::::::｀'::
＼　　 　 　 　 　 　 　 　 '､＿/　　　　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::ゝ、　　　　　　　　　　　Y/　　　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:／:: :: ＼　　　　 　 　 　 ／r　　　　　　　　 ,. :: ´::｀丶、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::

3816： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/07(日) 21:36:42 ID:NqAqwFyA0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨ, -──-　､＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.ｲ::.､::.::.:.＿＿::.::.::.::.::.::｀ｰ＝ｧ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　, .:::´.::_二」'"´＿,ｨ/￣￣｀ー─イ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∠　'"´ f=く､ｰ' rｯ ｧヾ￣￣￣｀::フ
　　　　　　　　　　　　　 　 ／ 　 　 　 |広ﾉ 　 ￣ 　7::.:::r ､::.::.(
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 l　ヽ　　　 、/:.::.ｲﾆl}::(⌒　　　　　　　　　　　ま、どんなスーパーカーにも補給は必要なのと同じだ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ - 　 ￣　￣r=イ:::.:彡´　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _'.　￣　　　 ﾉ彡/￣｀ヽ、　　　　　　　　　　美味い飯でも食いに行こうぜ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 ヽ＿　　 ´ r /　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　 ﾊ、l　　 / /　　 　 {　　　　　　　　　　　　暴れるのは充分やったしな。
　　　　　　　　　　　　　　 -──--､＿_rﾍ　 ﾍ ヽ　{　ﾉ　　　　 Ｌ　＿_
　　　　　 　 　 　 　 ／:::::,　 -──‐ヽ、　 ＼　ヾ─ｧ′　　 ／　　　　 ＞　　 、　　　　あとは帰って寝ろ。いいな。
　　 　 　 　 　 　 ／::::／:: :: :: :: :: :: :: :: ＼　　＼ ｀「 r　　　　　　　　∠__::::::::::::::
　 　 　 　 　 　 /::::／:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :>､＿_,ノ　}　　　　　_. :: ´ :: :: :: ｀丶、
　　　　　　　　 l::::〈:: :: :: l :: :: :: :: :: :: :: :: :/　　／ 　 l　　　 ＜ :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::
　 　 　 　 　 　 ＼:ヽ:: :: |:: :: :: :: :: :: ::r‐'´　／ 　 　 | 　 　 　 ｀丶、 :: :: :: :: :: :: ::
　　　　　　　 　 　 ＼＼:ヽ:: :: :: :: :／　 　/　　　　　|　　　　　　　　丶、:: :: :: :: ::
　　　　　　　 　 　 　 l::〈:: :＼:: ::Y── ｧ′　　　　｜─────‐‐┤:: :: :: ::/
　　　　　　　　　　 　 ヽ:ヽ:: :: ＼{○　 /　 _　　 ´￣　　　　　　　 　 ○l:: :: :: ::/::




　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
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　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼
　 　 　 　 　 　 |　 u. 　 （__人__）　　 　 |　　　　　……。
　　　　　　　 　 ＼　　　 （　 （　 　 　 ／
　　　　　　　 　 ／　　　　｀ー'　 　 　 ＼





　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼　　　　　　　　……はいっ。
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／　ｽﾝｯ
　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼

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クーガーは、狡い。こういうところばかりは、狡いと思う。
クーガーにそこまで言われては、これ以上、泣き言も寝言も言えないではないか。
腐りたくても腐れない。腐ってはいられない。

それに、言っていることも理に適っている。
自分がいつまでも腐っていては、なのはやはやてに迷惑をかける。

ましてや、はやては優しい人だ。酷く心配させても不思議ではない。
自分がしっかりすることが、彼女らを安心させることに繋がる。

失恋に終わったとはいえ、好きになった人を不安がらせたくはなかった。
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3817： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/07(日) 21:37:05 ID:NqAqwFyA0
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3818： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/07(日) 21:48:48 ID:NqAqwFyA0

　　　　　　　, -ッ"　￣￣￣ `'' ー--､
　　　　　, ‐'　 l　　　　　　...,.....................ヽ
　　　 ／ ､::::::::|::::::::::_,,.::::::､::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　i´ l ￣`"'''''"´ 　 　　 `ー ､ -::::-::::;;;;l
　　　|.　!　　　　　　　　 　 　　　 ヽ:::::::::::::::|
　 　 j ノ‐‐､　　　　　 ,. -‐─-､　　ヽ;;:::::::::::l
　　l￣ ` ー--‐'´￣ﾌ二二ﾆ､ ーr─j__ l　 , '' 7
　　|　　 i￣o、 　 ´ 〈 　　 o l 　 l 　 l　 ﾚ'　 /
　　ｌ ::　 |.＿/ r ､:::::.. ヽ.＿ ノ 　 レ'¨jノ f´ /　　　　　　　　――ミッションの概要を説明いたします。
　　`ーr ‐-- ﾉ::::::ヽ､__　　　 ___ノ 　 ::|- ィ´
　　　　l 　 　､ 　 　 　 ￣￣ 　 　 　 ::ｌ 　l
　　　　 ｌ　　　__ ＿＿＿_ _,､　 　 　::ｌ|::::::|
　　　　 ヽ　　　　 ＿_　　　　　　 ／::::l:::ｌ|
　　　　　　＼ 　 　 　 　 　 　 ／　 :::::|::ﾉ
　　　　　　　　ヽ.　　　　 ,. - '-‐ '' "´　|　　 　 ,.へ
　　　　 　 　　　　T　￣　　　　 __ ,,.. -┐─''"　 ／ヽ
　　　　　　　　　l´j ＿_ -''" ￣　 　 　 ﾉ　　　_∠-─､`ー-- ...,,,__
　　　　　　-─ ﾉハ　　　　 　 _,ﾆ''´　/　　　　　 ─‐ ｀i ''''''' ー--′
　　　　　　　 　 /　l　　　　／　　　 / 　 　 '′ 　 　 __{
　　　　　　　　/ 　 |　　 ／　　　　/ 　 　 　　　　 ￣　{
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.ﾍ　　　　　　' ′　 -'′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　‐''´

3819： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/07(日) 21:52:33 ID:NqAqwFyA0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r ﾆ_￣ ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/-z-t_-.　　ﾟ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 〈／　:::::::)　　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}'´..:'::::ｲ_,.　､{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ'ヽz≦ _　-ﾍ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／}　／二二ﾆﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／／jｲ二二二二二Y　　　　　依頼主はIGIO。
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／／／二二二二二ニ7
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／／.イ二ﾆﾆ三i二二ﾆﾆ/　　　　　　どうやら、弊社の新型兵器、そのデータが流出していたようで。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／=≦二二ニ三三|二二ﾆ/
　　　　　　　　　　　　　　　　,.イ二二二二ﾆﾆ三三/二ﾆﾆ「　　　　　　　　貴方には、その流出先であるテロリストの拠点を叩いて欲しい。
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／二二二二二二二ﾆ／}ニニﾆ|　　
　　　　　　　　　　　　 ／二二二二二ニニニ∠ イ二二=l　　　　　　　　　 マンハッタン沖海上に存在する、油田施設跡地です。
　 　 　 　 　 　 　 　 /二二二二二r===≦二二二ニニ／
　　　　　　　　　 　 /二二二ニﾆく. Ⅵニ二二二二斗 '　　　　　　　　　　　　防衛兵器群の存在も確認されている他、
　 　 　 　 　 　 　 /≠}二二二ニﾆﾄ-V二７
　　　　　　　　　　　/ｲ二二二二二二ﾆ=7　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　何があるか分からないミッションです。
　　　　　　　　　　 ,'三 ≧======ﾆﾆﾌ}=7
　　　　 　 　 　 　 i三三三三ニニ／. |/
　　　　 　 　 　 　 }三三三三ニ≠
　 　 　 　 　 　 　 |三三三三ﾆ/
　 　 　 　 　 　 　 |三三三三７
　 　 　 　 　 　 　 |三三三三i{

3820： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/07(日) 21:55:17 ID:NqAqwFyA0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 , -=≦￣　〕iト　.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _/　_　　　　　　　　　〕iト .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / '´ 　 i ,　　 --　_　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／　　　　 ゝ=z____　　　　　　　　　＼
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 , '｀ヽ- ､　　　　　　　　｀ ーミ　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /::/, -::＼!　　　_　　　　　　 　 ＼
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 レ:〈　 。:.}:`ー＜￢、　　　　　　　Ⅵ
　　　　　　　　　　　　　　 　 /ヽ:::::｀:ン⌒!::::::::/｀ト丶　　 　 　 　 }'
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 {　 r　´　　　|:::::::r─- ､::＼　　　_, ｲ　　　　　　　　　　　　　　なので……今回は、特別に。
.　　　　 　 　 　 r　、　　　　| ,、i　　　　〈::::::::ヽ、 。 ',::::::ﾟ ;　 |　　　　 },
.　　　　　 　 　 人　｀丶　　 | !v ､　　　　ヽ::::::::::::ー::::::::/:∧ ! 　 :|　 〃　　　　　　　　　　　此方の方で僚機を用意させていただきました。
　　　　　　　　＿　　=＝　￣亠＼＼　　　　｀ ＜___彡'⌒´ヾ!　　i|　/
　　　　　　, -｛　-弋 ﾟ,__ ￣7 ,∨: :｀ -ト　__,　　　　　　__,　_￣-､┐　　／　　　　　　　　　　ええ、最高の僚機です。
　　　　 _ノ!　 {　　{　V　',i }'　ヽ ＼_----_ノ '’　　　　_,. ｨ'彡ﾊ //　 　 ／
.　 　 /　, |　从　`i､_ ﾟ,｛ ＼＼_　　　￣　　　　　 　 　 　 ー_　イ　　／　　　　　　　　　　　　　なぜなら……。
　　 /　/;へ、　ヽ　i- :ヽヽ　!　￣ヽ＝＝==─　 '´￣￣ヾ　　 　 ／
.　 ｛__／　　iヽ_jﾊ_ﾉ 　 ﾉ｜ |　 　 /iト　　＿＿＿＿___ ｨ_ﾍ　　〃
　　　　　　　{　 '´ , '　ハ｜ |　 ﾊ｛二二二二二＝=≦/// }　 {ﾊ
　　　　　　　 l　　 !:/　　 ′.!_,j ./　　 ,. ＜/////////////　 |/{_
.　　　　　　 八　　 {　　 　 /７ /,. ＜///////////////,/　　 !二iト､
　　　　　　 Y´‘,　　!　　,. =≦/////////--=≦二ニﾆ,/　　 .ﾘ二ニ=＼
.　　　　　　 |ﾍΞ　 _,／＜二／二二二二二二二ニ=７　 　 /二二二二
　　 　 　 　 ∨ニ,ｲ二二ﾆ／二二二二二二二二二=i　　　｛二二二二ﾆ
　　　　　　　 ｝イニニ＞'´二二二二二二二二二二=|　　　j二二二二二





　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾊ.　 　 　 / ,'
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /,'　　　　/. ,'
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /.'　　　 / . ,'
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 / |　 　 /　/
　　　　　　　　　　　　　 　 　 /　|＞‐/ . /___
　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　 !　 /　 /.　　 　 "'' ‐-　,,.._
　　　　　　　　　 　 　 ＞''"/.　 l　/.　 / ＼　　　　　　　　　｀¨'''‐＜
　 　 　 　 　 |',. 　 ,イ　　　 ',　 |./ 　 ,'ヽヽヽヽ＿＿　　　　 　 　 　 ＼
　　　　　　　 | 〉' '气　　　　| . /. 　 ,'　 ＞''"　　 `丶、~"''〜､、　　　 ＼
　　　　　 　 ｧ'"　 ／:＼　　l ./.　　,'／　　　　__,,　-‐‐‐‐‐‐ ﾐ､　"'''' ､、　＼
　　　　　　　ﾍ￣ヽ: : :_:_ﾍ__|/　　 ,'　　　＞''" 　　　　　　＿__ﾉ　　　　 ヽ　　＼
　　　　　 　 　 ﾍ . ∨ﾆﾆﾆ'.　　　 |　／ 　　　　　　_, -''" 　 ﾍ＿＿　　　 ヽ.　　＼.　　 　 　 　 　 ,ｲ
.　　　　 　 　 　 ',〉ﾆﾆﾆ //.　 　 /,ｲ⌒ヽ　　_,　''"　　　　 ＞''¨¨¨''''ミ､　　ヽ　　　 ＼　　 　 　 ,ｲ
.　 　 ､-.、　　　 ,'ﾆﾆﾆ.//　, 　 /.人ゞ／,ｨ＜.　　　　　 ／ｨ=ﾍ　　　　　｀'' ､_ｧ‐､ 　 /　　　　 ,ｲ. ／
.　　　 ＼ ヽ、　,'.ﾆﾆﾆ',〈　/　././　 /／　　　 ヽ　　 ≦'"::::::::::ﾊ　　　　　　　　　　ヽ　　　　/　／
.　　　 　 ＼　`ｌ ﾆﾆﾆﾆ', V . / /__／　　　＿_,,ィ |.　 　 ＞'''"　 |　　　　　　　　　　　ヽ　　/ ／
　　 　 　 　 ＼|ﾆﾆﾆﾆﾆ',　 /　　　 _,,,ｨ‐''::::::::::| ,ｲ　　　＼__,,ｨ:::::|　　　　　　　　　　　　ヽ. |/　　　　　　　「今回、随伴する僚機はノーバディ。
　　　　　 　 　 ﾔﾆﾆﾆﾆ.ﾑ./ _,,ィﾞ:::::＞‐┐::::／　　　 　 　 >‐''" |　　　　　　　　　　　　　ﾏﾑ
　　　　　　　　　ﾔﾆﾆア_,,ｨ‐､:::::／　　 ,ｲ≠　　　　　　　＼　.....::|!　　　　　　　　　　　　　 |ﾑ　　　　　　　ブライドルランク1。
　　　 　 　 　 　 {ﾍア /＿__l::::/＿_／≠　', 　　　　　　　　,>:‐''"|!　　　　　　　 　 　 　 　 |ﾆ',
　　　　　　 　 　 ヽ_l_/__／¨¨',¨¨¨/ｨ‐､. 　 〉 　　　　　　　＼ 　_,,|!　　　　　　　　　　　　　|ﾆﾑ　　　　　　正真正銘の最高戦力。
　　　　　　 　 　 　 ￣｀|,ｧ''¨¨¨¨¨ﾍヽｧﾊ.　 ',　　　　　　 　 　 l:::::::|!　　　　　 　 　 　 　 　 lﾆﾆﾍ
　　　　　　　　　　　　 〈≠ｚz≧　　ﾍ ',ﾏ〉 _ ',　　　　　　　　　}::／ヽ　　　　　　　　　 ＿__|ﾆﾆﾆﾍ　　　　　ネームレスだからです」
　　　　　　　　　 　 　 ハ≠ｚｚx...　　ﾍ /　　 >　　　　　　　／ヽzzzzzzzzzzzzzzzz≦/三三三三',
　　　　　　　　　　　 　 ', ﾏ´　', 　　　　＞､／ |＿＿＿＿/／三三三三三三＞''"三三三三三ﾆ',
　　　　　　　　　　 　 　 ',__',　 ‘, 　　　 |　', ﾏ／三三三=/三三ﾑ三三三＞"三三三三三三三三',
　　　　　　　　　　　 　 　 ヽ､__,,,,､`丶、| 　ヽ|三三三三ﾑﾆﾆ／　ﾏ三／三三三三三三三三三三ﾑ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 |::::|:::::::＞､ヽ /|三三三三ﾆﾑﾆﾑ　　 ﾏ三三三三三三三三三三三三ﾍ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 |--､::::::::::::>ｲ. |三三三三三ﾑﾆﾑ　　 ﾏ三三三三三三三三三三三三
　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ:::::ヽ::／.　　|三三三三三=ﾑﾆﾑ　　 ﾏ三三三三三三三三三三三三
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ゝ''"　　　　|三三三三三三ﾑﾆﾑ,イ三三三三三三三三三三三三三
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿__,ｨ三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
　　　　　　 　 　 　 ＿＿,,　-==ﾆ三三三./三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三ﾆ
.　　　 　 _,,.｡s≦三三三三三三三三ｱ／三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三

3821：安価のやる夫だお：2021/02/07(日) 21:56:28 ID:JYYYY2kc0
！？

3822： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/07(日) 21:57:27 ID:NqAqwFyA0

　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　 　 ＼
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 l 　 , -‐ '´￣ ヽ　　　 　 　 ､ ヽ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 Y´　　　　　　　〉　　　　 ｀ヽ ヽi
　　　　　　　　　　　　　　　　/　,　-―　 　 〈　　　　　　 ヽ　|
　　　　　　　　　　　　　　　r Y:￣ﾄ､「￣｀ヽ__ヽ＿r‐- ､ 　 ヽl
　　　　　　　　　　　　　 　 |　|.:.:.:.ﾚj|:.:.:.r‐'´￣　V ｲ个|　　 ,'
　　　　　　　　 　 r‐､　　　 Vヽ:.:.:.:.:|:.:./　　　 　 　 lノ/　　〈　　　　　　捕虜は必要ありません。投降されても応じなくて結構。
　　　　__　　　 　 |　 l　 　 く　 ｀ ｰ┴'　　　　　　仁ソ 　 　 i
　 　 〈　 ＼ｰ-､　ｌ　 |　 　 └=＝テ‐ァ‐ヽ　　　「　 ＞‐-､〈ﾄ､　　　　　ノーバディと共に、敵施設の破壊、および撃滅をお願いします。
　　 　_ゝ､　＼‐ヽﾄ　 ヽ　　　　r┴ィ´　　　 　 ノ ／ 　 ／ﾍヘ＼
- ‐ ﾆt‐''´＼ ﾉ　ｿ　　 |　　 　 |￣　　　. -‐'´ ／ 　 ／　　 〉::::ﾄ､＼　　 あくまでノーバディは万全を期すための随伴。
￣　　 ヽ、　 ｀ヽ、 　 /　　　　 `ー‐イ　　 ／ 　 ／　　 ／:::::::::::
　　　　〈} ＼　　 }　 lr'　　　　　　, ｲ7|　／ 　 ／　　 ／:::::::::::::::::　　　　　一流のビジネスマンはリスクマネジメントを忘れぬものです。
　　　　/L＼｀ー' フｲ　　 　 , イ　/ﾄ-彳　 ／　　 ／:::::::::::::::::::::::
　　　 /::::::ヽ｀ー‐ヲ厂￣￣ ／　/ l::::::| ／　　 ／:::::::::::::::::::::::::::::　　　　　　ええ。それでは、良い結果を期待していますよ。
　　／::::::::::::｀ ーｲ/::::::::::::／　　/　{::::/　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::

3823： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/07(日) 21:58:39 ID:NqAqwFyA0
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　　　　_＿__._ _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └‐ｫ |UU　 `
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 くノ　　　　　＼ ,,_人､ノヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　)ヽ　　　　（　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ -　＜　　　　　　 ＞━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣　　　)　　　　　て
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／^⌒`Y´^＼　　　　 ._ _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＵＵ/7
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 くノ

3824： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/07(日) 22:01:32 ID:NqAqwFyA0
┌──────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　　敵テロリストの海上拠点を撃滅せよ　　　　　　　..│
│　　　依頼主：IGIO　僚機：ノーバディ　　　　　　　　　　 │
│　　　備考：修理費、弾薬費はIGIOが全額負担　　 　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
└──────────────────────┘

3825：安価のやる夫だお：2021/02/07(日) 22:02:11 ID:BNvAIzPc0
なにこれ？

3826： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/07(日) 22:07:21 ID:NqAqwFyA0

┌─────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-:.＜　　　　　　　 │
│　　　　　　　　 　　　　_＿　　 　 　　　-.:―:.:.s。　　 ／ィ.:.:.:.:.:.:ヽ　　　　　　.│
│　　　　　 　 　 　 　　'⌒_＞s。ィi〔.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.≧/:./-:.―.:.､.:.:.∨　　　　...│
│　　　　　　　　　　　 ィi〔.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/{.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ}!/⌒ヽ.:.:.:.:.ヽ.:.∨　　　....│
│　　　　　　　　　 ／.:.:.:.:.:.:.:.:／／.:.:.:.:/.:.:.:.:.:..＼:.ヽ.:.:Ⅶ｀ヽ.:.:.'.,.:.:.:.:.:..|　　　　..│
│　　　　 　 　 　 .:.:.:／.:./:..:,:.:./:./.:.:/:ﾊ.:.l.:.:.:.:|.:.:.':.:.:';.:.∨.:.:::',.:.:.:∨.:.:.:|　　　　..│
│　　　　　　　　/／|:..:.,:...:./.:.:.{:.:l.:.:/;'　 !:!.:＿l.:.:.:.l.:.:.!.:.:∨.:.:.l.:.:.:.:∨.:.:l　　　......│
│　 　 　 　 　 /' 　 |.:.:.l.:.:.:!.:.:.:.|⌒:{:{ 　 |ハ.:./｀ヽ'.:./.:.:.:ﾊ:.:.:.|.:.:.:.:.:|.:.:.:|　　　　 │
│　 　 　 　 　 　 　 |:.:∧.:.:ヽ:.:.ィf笊{　 　 笊ぅｘ:.:イ.:.:.:/.:.:| : |.:.:.:.:.:|.:.:.:|　　　　 │　　　　　もうすぐ作戦エリアだけど……
│　 　 　 　 　 　 　 |ﾊ.:{ ヽ{､:.:ゝ乂ﾂ　 　　t':::ツ〉/:.／Y:/|.:.:|.:.:.:.:.:|.:.:.:.!　　 　 .│
│　　　　　　　　 　 　 ';{ 　　}:.:.:l　 　､ 　 　 　 ／ィ:.l_ノ:'　|.:.:|.:.:.:.:.:|:.:.:.:l　　　　.│　　　　　随分、落ち着いたようだね。よかった。
│　　　　　　　　　　 　 　 　 }.:.人　 　 ､　_　 　 ｲ.:.:.ﾘ' 　 /.:.; :.:.:.:.;.:.:.:.:.|　　 　 .│
│　　　　　　　 　 　 　　　_ ,-､:.:介s。 　 　 ィi〔/.:./。s≦≧:､.:.:./.:.:.l.:.:|　　 　 .│
│　　　　　　　　　　 /^ｧ/ / /＞ｧ}＿｀≦!_ イ。sｧ´ﾆ;'ﾆﾆﾆﾆ_∨.:.:.:, :. |　　　....│
│　　　　　　　 　 　(_,ｲ ! ,'ィ/　,ｲﾆ／ /r:ァ､ ／/ﾆﾆ,ﾆﾆﾆﾆｨ≧､.:./.:.:.;　　　.....│
│　　　　　　　 　　　ハ_Y／　/ﾆ「_ イ/Y´／　,:ィ｀/Ⅶﾆﾆ_{ ! ⌒Y.:.:./　　　　 .│
│　　　　 　 　 　 　 !　 ,.:　　/ィ´　/_ﾆ／ ｀ ＜　 ､l　Ⅶﾆﾆﾏ, 　 ﾉ:./　　　　　..│
│　　　　 　 　 　, ⌒}　 　 イ{/|　/_／ 　_。s≦｀ヽ|　 Ⅶﾆﾆゝｒｲ:.:/　　　　 　 .│
│　　　　 　 　 　}｀ ー≦ 　／ |イ_,,ィ≦- ―'　　　|　　Ⅶﾆﾆ└'Y　　　　　　....│
│　　　　 　 　　 }　 　＞　´ 　 ／　　 　　　　　 /^ヽ 　 ｀ヽﾆﾆﾆ{　　　　　　　.│
└─────────────────────────────┘





　　　　　　　　　　 __´￣￣二ﾆ=　、
　　　　　　　　／　　￣´ 　　　　　　ヽ
　　　　　 　 /　/ｨ　　　　　　}i　　　　∧
　　　　 　 /ﾔ'7=ﾆ二二二≦_｣Ｌﾍ/　 ∧
　　 　 　 ;　 /＼_　　､＿　￣Ｖ⌒{ 　 / }｝
　　　　　:; 　}(●）　　（●　）　〉 人 /　/^}
　　　　　 '､ {（　ｨ'　　　　　　/／Ｌ {__/(__/
　　　　 ＿{へ≧＾ゝ､___ノ_z彡二弐≠ ＞／￣￣ミヽ　　　　　　　　いつまでも腐ってるわけにもいきませんお。
　　　　r{_ `ｰ=＜三＞'’ ）二二 ／　//　　　___　　　＼
　　／/ ｛＼　　｀￣　 /二二／/ 　/ｲ　　 Ｙiっ) -┐　 ＼　　　　　　こうして仕事だってあるわけですし。
　｛　　Ｖ 〉　　　　　　〈ﾆ二彡イ　 ｛ ｛　 　 }｣つ）二! -02 |ｌ
　｛　 　 i ＼ 　 　 　 /｝ト､　　 i　 /八ヘ　　￣´　　　　　 |ｌ
　　)〉=ﾆi　　＼＿∠_//ｚ/＼　i／　　＞　_　　　　　　 　 /ｌ
　　　汀 i　　　 〔_二//￣　　 ＼　　 /￣７ 　 ＞＝-≠〈/
　　 ！| iﾄ　　　　＼　　　　 　 　 ＼/　 /　　　　　　勹[_]
　　　　　｀v 　　　　＼　　　　　　　 ＼/　　 　 　 　　/
　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　 ＼　　　　 　 /

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
輸送機内で軽口を叩き合う。
現在位置は、かつて世界最大の勢力を誇った大国の海。
最強の国家が支配していた海域も、今では戦場の一つに過ぎない。

あの後、クーガーと散々ブライドル地下で飲んで食べて騒いでいると、
急になのはから連絡が入ったのだ。

ランク1と接触する機会が手に入った、と。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3827： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/07(日) 22:14:35 ID:NqAqwFyA0

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│　　　　　　　　　　　　＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│　　　　　　　　　＿_⌒＞:.ミー‐､　＿＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│　　　 　 　 　 ⌒＞―:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀:....、　 ＿　　　　　　　　　　......│
│　　　　　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.く⌒:.:.:.ミ ､　　　　　　　　 .│
│　 　 　 　 ／:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.:.:.:.ヽ　　　　　　　 │
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│　 　 　 　 /:./:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:|:.:.|:./ |:.:/　 ｌ:.:.:.|:.|:.:.:|:.ｌ:.:|:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.　　　　　..│
│　　 　 　 ,:.:/:.:.:.:.:j:.:.|:-|‐十十ト |/　　 |十|十‐|-､:|:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i　　　　.....│　　　　　　　彼は私の……目標、だからね。
│　　 　 　 |ｲ:.:./:.:.:|:.:.|:.ﾊ|　V 八　 　 　 |ﾊﾉ 八ﾊﾉ:.|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　.│
│　　　　　　|:.:.ｌ|:.:.:ﾊ:.:.:.-r竓芹坏　　 　 竓芹抃-|ﾉ:./.:.:j:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　　.│　　　　　　　今回の作戦で、少しでも、彼の戦いぶりを目に焼き付けて。
│　　　　　　|:.:.||:.:.:| |:.:.:[　 辷ｚリ　　　 　_辷ｚツ　/:/:./:ﾘ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |　　　　　.│
│　　　　　　ヽ八:. | |:.:.八　 　 　 　 ,　　　　　　 /:/:./:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |　　　　　.│　　　　　　　それじゃあ、降下開始。ミッションスタート。
│　　　　　　　　 ヽ|八:.:.:.ゝ 　 　 　 ｀　　 　 　 /ノ:./:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　　　.│
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│　　 　,ｲニ7　 ｰ=ニﾆ=　厂/ ￣ ７‐≦zノ/:.:./　　.| :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　　　.│
│　　／}}:ﾆ7　 ＼　　 辷7　〈　　 /天ヽ　 /:ノ 　 　 | :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　　　.│
│　 ′ﾉ'ﾆ7　　　〉　 　 /　　 ヽ／/Ｙ]　∨　〕ﾆ､ 　 .| :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　　　.│
│　 ﾚノﾆ7　 　 ∧　　　＼　.／| 〈_//　/　　|-ニニミx__:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　　.│
│　 /ニ7 　 　 /∧　　　 ／.　 |―-.、∧＿_|　　-ニニニヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　.│
│. /ﾆフ　　　 /::::::::.　 　 ＼ 　 |ニニ/　 ＼　　　　 　／ﾆ=i:.:.:.:.:.:.:.: |　　　　　.│
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　/ 《　　 　⌒　　 ⌒ 　ヽ
　|∩||　　（ ●） 　（●）　}}　　　　　了解。マーシフル、出撃しますお。
　|∪《 　 ⌒（__人__）⌒∥|
　 ＼　 ミ三三|￣|三彡／
　 ノ卜 ＿＿＿兀 ＿ イヽ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
通信封鎖を行っているため、どこに耳がついているか分からない業界だ。
二人して直接的な表現を控えたやり取りをする。

突然入ってきた依頼だったが、断る理由もなかった。
報酬もそこそこ高額、経費はあちら持ちだ。
そして何よりも、ランク1であるネームレスの敵情視察ができる。

如何せんデータが少なく、開示されていない。
最強のネクスト、不動のランク1。
いつか、自分がなのはのオペレーションの下、討つ相手。

その一挙手一投足のうちの一コマでも記録しておきたい、とのことだった。

無論、今から仕掛けたりはしない。
戦う時は正々堂々、他社からの依頼で、だ。

一応、そのあたりについては、なのはの方で目星をつけているらしい。
ランク1であるネームレスのバックがIGIOであることに対して、
面白く思っていない連中など幾らでもいる、となのはは唇をゆがめていた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3828： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/07(日) 22:23:22 ID:NqAqwFyA0
※文面がおかしくなっていたので訂正

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│　　　　　　|:.:.ｌ|:.:.:ﾊ:.:.:.-r竓芹坏　　 　 竓芹抃-|ﾉ:./.:.:j:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　　.│　　　　　　　今回の作戦で、少しでも、彼の戦いぶりを目に焼き付けて。
│　　　　　　|:.:.||:.:.:| |:.:.:[　 辷ｚリ　　　 　_辷ｚツ　/:/:./:ﾘ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |　　　　　.│
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　|∪《 　 ⌒（__人__）⌒∥|
　 ＼　 ミ三三|￣|三彡／
　 ノ卜 ＿＿＿兀 ＿ イヽ

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通信封鎖を行っているとはいえ、どこに耳がついているか分からない業界だ。
二人して直接的な表現を控えたやり取りをする。

突然入ってきた依頼だったが、断る理由もなかった。
報酬もそこそこ高額、経費はあちら持ちだ。
そして何よりも、ランク1であるネームレスの敵情視察ができる。

如何せんデータが少なく、開示されていない。
最強のネクスト、不動のランク1。
いつか、自分がなのはのオペレーションの下、討つ相手。

その一挙手一投足のうちの一コマでも記録しておきたい、とのことだった。

無論、今から仕掛けたりはしない。
戦う時は正々堂々、他社からの依頼で、だ。

一応、そのあたりについては、なのはの方で目星をつけているらしい。
ランク1であるネームレスのバックがIGIOであることに対して、
面白く思っていない連中など幾らでもいる、となのはは唇をゆがめていた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3829： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/07(日) 22:31:03 ID:NqAqwFyA0

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､　　　ヽ! r＜!　　/　ヽ　V!
　V/--､V　 j}　./　 　 i　}.!
、 .ﾏﾑ-ﾑV/　./　　_　 ! i i
. ヽ-'! 〉,___V//　／ r｀-､/　　　　　　　　 ,ゝ--- ､
--＜　 〉___〉 ! i'　／!. 　 ＼　　　　　　／ 　 　 　 ＼
　　　V/ ,__}､.| i 〈　 .!　　i´ ｀` - ､　 ./　　 　 　 ,＞-＼
＼, '´ ヽ/　__ヽ--V/ヽ-､ヽ　　　　＼!　　 　_＿/　___i´ ＼
___.＼ 　 ＼{! 　 ＼　 i.:.:.:.:..､_　　, 'ﾟ´ ＼r＜＞--< 　 ヽ、. ヽ
{　 ｀ヽ､ー‐}!、　　 ＼ヽ;.:.:.:.:.:.:.ヽ、　 ,　 ＼ilililililil/　 /　 V/ }!
{　　　　　　＿V/／´｀ ､＞ 。:.:.:.:.:..､___ 　　Vililill{　 / }、 i}／
ヽ_jI斗ｬ≦￣￣￣｀ヽ／＞{ili{≧s､_:.:.:.:.:.､　 Vililiヽ__/{　} i　V/　　　　　　　　こちら入束やる夫。ネクスト、マーシフル。
ililil{_　　　_＿／ 　 　 ＼il＞-､ililij!ililヽ;.:.:.:.＼_!ilililili}_　 '　ヽ, V/
ili{´ヽ、／　　　　　　　 __＼ililil_}ilil>‐<､ヽ、:.:.:.}ilililili} V/　　 ヽV/　　　　　　　 今回の随伴、感謝するお。
iliﾄ､　 ＼　　　　　　／　　 ｀ヽililil＞-<ilヽ/≧'ilililil〈　 〉　 　 　 }!
ililili} 　　 Ｖ/　　　./　　　　　　｀ ＜ilililililil＼　｀ヽ＞ー＜　　　 }!　　　　　　　　こっちは高機動型の機体、突貫させてもらうお。
ililili}　　　 V/　 　 V/　　　　　　＿　｀¨¨｀Y-＜ﾟ　　　 / 　＞ ､}!
ililili}　　　　V/　　　V/　　　　　{f¨｀ヽ　　　　　　｀ﾟ ＜} 　 　 　 ＼　　　　　　　　それが売りなんでね。
ililili}.　 　 　 V/　　　V/　　　　 {!　　　　　　　　　　　 　｀＞ー - -ヽー ､
ilili/　　　　　_V/　　　}!　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　ヽ　　　　＼
il/ 　 　 　 /　.V/　　 .V/　　　　　　　　　　　　　　　/　　　 　 　 　 　 　 　 ＼
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　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　/　 ＼__｀>、 ＼　 ＼＼|::',::: 〉　　　　/ﾆﾆﾆ7!
　　　　　　　　 ===ｧ､_____　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　仁 　 ＼　`(@）＼{::::V　　　 ／　　 ／〉￣ >､
　　　　 　 　 ____／/　　　＼_　　 　 　 　 　 　　　 |　　　{ニ　　　弌℡ｭ.、 L:/ 　__, fニニニ／　 ／　 {
　　　　　　　___/__/　　　　　|＼rーｧ‐‐ ､　　 　 　 }　 　 {ニ　　　 ∧ 〉===Y!}／／ 　 　 ／　 ／ {　　 {　　　　　　了解、マーシフル。
.　　　　　 　 ||‘,　‘, 　 　 　 |　 l　 |　　 L＼　　 r'-=ﾆﾆ二ヽ　　 /_/7　三/7.／ 　 　 ／　.／　　 !　 　{_
.　　　　　 　 || ‘,　‘,　　__　 |　 l　 |　　　　L＼_/_________{_____＼_l{/ {_／〉〉∧._____　 /　 ./　　 　 ∥￣　∨　　　　 支援射撃を行う。
.　　　　　 　 ||_ ‘,　‘,／／￣￣＼.!　　　　　　　｀ヽニニニﾆ/ニ＼ﾆヽ//ﾆﾆﾑﾆﾑ V　 　{　　　　 }l　　 　 }
　　　　　　 　 二‘,　‘, ‘,　　　　　 |　 　 　 　 　 　 |ｰ―‐‐ｧ.ニ　＼{‐‐‐=ﾆ二ﾑﾆﾑ_',　　‘,　　　　ヾ　　　「　　　　　
. 　 　 　 　 ////∧　‘, ‘,　　　 　 |　 　 　 　 　 　 |ﾆ|ﾆ「{ﾆ＼ニニﾆ=- _　 　 　 ｀ -=ニ「‘, 　 　 　 ＼__/.
　　　　　　 '//////,　‘,_‘,　　 　 /＼　　　　　　　 |ﾆ|ﾆ|__寸ニ寸寸ﾆﾆﾆ=- _　　　 ｀ ‐=ﾆ‘,___　　　　　}
　　　　　　　'//////,/　＼＼___/　　 ＼　 　 　 　 |ﾆ|ﾆ＼ニニﾆ＼ｊ.ニﾆlニニ=-ニニニﾆﾆ寸ﾆ＼ 　 /
.　　 　 　 　 ＼///,{　＼ 　＼‐　　 　 　 ＼ ________|./ニニ＼.ニニニニﾆ＼ﾆニニニ=-ニニﾆ寸ﾆ}　 !
　　　　　　　 　 ＼八　　＼ 　＼　 　 　 　 　 　 　 |ニニﾆﾆニ,>=========＼lﾆﾆﾆニ|　　　　 |ﾆ7 ./
.　　　　 　 　 　 　 }　ヽ 　　＼　 ＼　　　　　　　 ／ニニニニｌ {三三三三三} ｌ＼ﾆﾆﾆ|　　　　 |./／

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
開かれたハッチから射出され、快晴の海原へと身を投げ出す。
事前に走らせたシステムチェック通り、ブースターがいつも通りに作動し、
海面すれすれで機体を浮遊させ、大きな波紋を作った。
飛沫が煌めき、飛び散る。美しい光景だが、相変らず命の気配のしない海だった。
魚影の一つも見えやしない。

既に降下していたノーバディに通信を飛ばしてみる。
軽い探りのつもりでもあった。どんな反応を返してくるのか。
純粋な興味の表れでもあった。どんな男が乗っているのか。

だが、返ってきたのは、酷く事務的な対応だった。
思っていた以上につまらない男なのかもしれない。
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3830： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/07(日) 22:36:32 ID:NqAqwFyA0

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│　　　　　 nﾍ.:.:;.:'.::.::.:.:.:,ｲ.:.:..:.:,ｲ.:.:.:.:.:.:.:.:;l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_.:j¨｀ヽ.⌒ヾ:.､　　　.│
│　　　 　,ｲj､.:.v.:.:.:.:.:.::/:/.:.:,ｲ/.:.:.:ﾉ!.:.:i.:..:j.:.:.:.:.ヾ;,.:.:.:.:.:.:ヾ.:.:.ヽ　 ｀ﾍ　 　 .│
│　　　　/ll!ﾊ:.:′.:.:.:.:/./.／.:/.:／.,ﾉ.;/l:.:;!.::l.ﾍ;.:.:.ヽ,:.:.:.:.:.:.ヾ,:.:.'; 　　!　 　 │
│　　　 ∧jﾊ.:′.:.:.:.:.′〃xｆz左ｚ,;,X, .j:/ !:;|:.:.:l.:.:.:.l.:ﾍ.:.＼.:.::.':;.:.';　　　......│
│　　　 l.l.ヽ.:.:|.::::.:.:.:|{:.:.,仆乞芸て卞 >′l./ｊ.:,ﾘ.:./.:l.:.ﾍ.:.::.ヽ.:.:.';.'|　　　　..│
│　　 　'.:.:.:;:升∧::.:.|.:.:{ｲ ,伐::::::斥′　　ﾉクｻﾄxj:.:.li.:l.:.ﾊヽ.:.';.:.:;.!　　　　..│
│　　　　∨　 !′l:.:.:|:.:.! ､辷ｰクﾉ　　　 　ｹ云x.:ﾉﾒi.:/.:.:.:.:l.:.:.:.:.l:.!　　　......│　　　　　目標は防衛兵器群、およびSI製ノーマル群。
│.　　　　 ゞ､)l::.:.:ゝ:ﾍ､:!　｀¨¨ﾞ`　　　　　/.::ﾇﾘｹ;´.:;ﾘ..:.:.:.∧:l.:.:ﾊ!　　　　 .│
│　　　　　 'iｰl;:.:.:.::.个｀　　　　　　　　　匕ﾞ.ノ_ノノ/!:.:.:.;/　ﾚノ　!　　　　 .│　　　　　 細かなプランは提示されてないけど……
│　 　 　 　 l.:人::.:.:.ﾞl　　　　　　 　 　 　 ¨`て.._｀V.ﾊ.:::/ 　 !′　　　　　...│
│　 　 　_,､n<　 '.:.､∧　　　　　　　ｃ｡　　　人__,¨＼:l/　　　　　　　　　.....│　　　　　 プラント中央から伸びる支柱を壊すのが良さそうかな。
│　　ｲ´.:::.ハﾍ　'､l?∧　　　　　　　 　 .,／: :.j　 ／}′　　　　　　　　　　 │
│／　l:::::::., 　＼　´､?「＞､　　　　 , イ´. 　.:.イ´.:l.:.|　　　　　　　　　　　...│　　　　　　施設も全部壊していいって話だし、
│　 　ｊ::::::::.ﾍ　　＼　　＼ﾍf＞.ｰ イ. . . :＜.:.:.:.';.:.:.:|.:|　　　　　　　　　　　.│
│／¨ ﾍ:::::..∧ /＼｀ >ｰ<cﾊ. . . . . . .fヽ,¨ -ﾅﾍ.';.:.:|.|　　　　　　　　　　　 │　　　　　　遠慮なくやっちゃって。
│////∧::::..∧＼/∧ Y∧:lｌ. . .,,..ｲ".ｿ ',////,j.:.';.:.||　　　　　　　　　　......│
│/V//,∧:::::..∧､/　 >介ｲー"´　／.:::.∧//zj.:.:.';.:.|　　　　　　　　　　......│　　　　　　「了解、施設を破壊しつつ、撃滅しますお」
│j∧V//∧:::...∧　　ｊメﾍ＿_　-ｲ.::::::::::::.∧//j.:.:.:.';.|　　　　　　　　　　　..│
│j:iV∧//∧:::::::..＼　ヽ´.:::::::::::::::::::::::::::::::::人/j.:.:.:.:';|　　　　　　　　　　　 │
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│　　　　　￣＞--｀:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ:/ヽ、:.:.:.:.:.ヽ、　　　　　 　 .│
│　　 　 .／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:、:.:.:.:.ヽ/:|＼:.:.:.:.:.:ﾍ　　　　　　　.│
│　 　 /:.:.:〃:.:.:.:.:.:.:.:.l:.|ヽ:.:ヽヽヽ、:.:.:.:.:',:.:ｉ:.:',:＼:.:.:.:.ﾍ　　　　　.....│
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│　　 ∨.ｉ:.:.:/:ｉ:|:.:.､メ云　ヽ .'ら い,.ｉ:.:.:|:|ヾ/　',:.:.ヽ＼:.:',　　　　　│
│　　　　|:.:∧:.ｉヽ:.ヽんう　　　.辷ﾉ .}:.:.,':| /　　',:.:.:.ヽ ヽ:.ｉ　　　　..│
│　 　 　 ',:.| {:.:',ヽヽ:ヾ､ゝ,　　　　　,':./:.:!/　　　ｉ:.:.:.:ｉ:.:.ヽ:|　　 　 .│　　　　　（今回のミッション、きな臭いところは大あり。
│　　　　　ヽ ヽヾ ＼ヽ、 ｀＿　　　〃|:./|　　 　 }:.:.:.:|:.:.:.:.|　　　　│
│　 　 　 　 　 ヽヽヽ、.ト 、　　　./／./ .|､　　　.ｉ:.:.:.:|:.:.:.: |　　 　 │　　　　　 鬼が出るか蛇が出るか分かったものじゃない。
│　　　　　　　　　＼ 　ヽ:.｀＞ .イ　.〃／/.>＜￣7‐‐ ､:. |　　　...│　
│　　　　　　　　　　　　　ヾ 、.r/､./／ /　/:::::／::::::::::::::',:.|　　　 .│　　　　 　 だったら、出る前に潰すのが一番と見た。
│　　　　　　　　　　　　,､r:::´// .ﾍ´　/　./-:/::::::::::::::::::::::}:|　　......│
│　　　 　 　 　 　 　 /:|:::::::/ Ⅳ∧ヽ′ / / ヽ::::::::::::::::::::,':.|　　　 │　　　　　　 ネームレスを出張らせるほどのもの……
│　　　　　　　　 　_/::::| /ヽ／ヾ､/ヽ‐‐　.| ./ |::::, ≠ ､::/:.:|　　.....│
│　　　　　　　　 //::::〃　/ .|::／　／　.／ 　.|:/,'　　.}/|:.:.:|　　.....│　　　　　　　興味はあるけど、リスクは潰しておきたいし）
│　　　 　 　 　 //::〃∠‐ゝ∠ ／ 　 /.､ヽ　　!{ ､　.丿:|:.:.:|　　　 │
│　　　　 　 　 ゝ ｀/　　　/:／｀ ‐‐ぐ､ゝ′ 　 |｀-::´!:.:.|:.:.:|　　　..│
│　　　　　　 / ___ {　　 ./:/　　　　　 ヽ´＼　　‐‐／:.:.:|:.:.:|　　　..│
│　　　　　 .///　 ヽ 、 |:.|　　　　　　　ヽ　　 　 //:.:.:.:.|:.:.:|　　　..│
│　　　　　/ /　　　　　｀ヽ ､　　　　　　　　　 /./ |:.:.:.:.:|:.:.:|　　　..│
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3831： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/07(日) 22:49:40 ID:NqAqwFyA0

　　　　　　　〔￣￣￣￣￣￣｀iヽ､　　　　　　　　　/＼
　　　　　　　　￣￣￣￣￣Z}　i 　 ｀Y 　＿　　_／ ⌒込､
　　　　　　　　　　　　　　　(ﾉ|　|　　_jﾚ'´ ＜￣i }　　/::::::::｀Y
　　　　　　_＿__, -‐'⌒ir'´{ :└┴'´7ｲ　　　 ＼j/　/{::))‐))::j}
　　　　r/^ゝ―}:{ i　i {ｴ}　ヽ　　〉-/{ ﾄ辷O彡'ナ　j r――､〈_
　　　　(￣￣｀ヾﾐヽ､zｼ厂´｀￣¨7 /｀{r‐ｫjﾄ-‐'＼/ {f´ヽ/(⌒)入‐ｧ､　　　　　　　　
　　　　 ｀￣ヽ､＜:{￣´　　 　 　 {　{‐､｀￣´:/　fj込､_＞'￣ヽ´　//:ﾉ　　_
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　　　　　　　　　 (:￣＞――――(_(｀辷jz‐{＿_＞'´￣｀v'　 ／__＿＿.{:{　}
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　　　　　　　　　　　　　　 ,-‐ｭヽ//　,ｲ￣l:|　 ｀,＞‐-ｲ ＞ｨ'´／／
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　　　　　　　　∠_::入{-/:::::〉_(⌒)／　　　　　　 ∨=ﾐ､:::/f=f 　Yz､
　　　　　　　/ ０/:ｽ,ｲ/:::::/:}辷ｨ　　　　　　　　　０: : :):)'ｺ{={ ＋}０ﾟ ，
　　　 　 　 / ０/:/7入:::/／　〈　　　　　　　　　　￣´}圦_jゝゝｲ ヽ０‘｡
.　　　　 　〈 O,ﾑ:ノ/＼｀ｰ―彡'　　　　　　　　　　　　{辷二彡'_　圦０ 〉
　　　　　　 ￣＜,ヘ , ' 7￣´ﾉ　　　　　　　　　　　　　　ヽj　Y´ ＼‐ヽ'
　　　　　　　 ／／ {　 {　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　Y´ ＼__j　 }i
　 　 　 　 ,ｨ心´-‐' ＼ ￣j　　　　　　　　　　　　　　　　　 ゞﾐヽ､＿ノ:j
　　　　　/入＿＿,ｨ≦＞'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヾﾐ彡'¨´
　　　　　ヾﾐ込三＞'´

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白と濃紺の機体と轡を並べ、海面を割りながら飛行する。
敵拠点である油田施設跡地は、すぐそこにあった。

こちらを補足したのか、レーダー照射を受けるものの、意には介さない。
構わずオーバードブースターを起動する。ジェット部が展開し、
白い燐光と化したコジマ粒子が背中へと収束していく。

瞬間、視界が一気に後ろへと引き延ばされ、凄まじい風の音が聴覚を支配する。
コジマ技術では穂一のノルドルム、そのハイエンドブースターだ。
桁違いの出力に自分でも圧倒されつつ、ノーバディすら置き去りにして、飛ぶ。

レーダー照射から続けざまに弾丸とミサイルの雨が降ってくるものの、
一度のクイックブーストで避けたきり、マーシフルを掠めもしなかった。

一筋の流星そのものとなって、血の代わりに重油を、
肉片の代わりに装甲板を舞わせる海面を飛ぶ。
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3832： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/07(日) 22:55:52 ID:NqAqwFyA0
　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.－' ￣￣ ' ｰ ､
　　　　　　　　　　 　 　 　 ,　'´ 丶. -――-　._　丶.
　　　 　 　 　 　 　 　 　 , '　,. :'´.: : : : : : :. :. :. :.ヽ, - .、
　　　　　　　　　　　 　 / ／.: : : : : : : : : : : : : :. :. :.＼ ﾍ
　　　 　 　 　 　 　 　 /､/.: : : : :._ :-: .:‐:. :-: _: : : : : :.ヽﾊ
　　　　　　　　　　 　 i　 l: : :_;.=＝､､:_:_:_:_:,:＝='-､: : : /　!　　　　　　　　　動きも単純、機体も標準型、数も多くはない……
　　　　 　 　 　 　 　 l 　 l: [i　　 ＼_.､,　､__／　ヽl}: : l 　 !
　　　 　 　 　 　 　 　 ト､ l; i}´　（●）　　 （●）　{j: :/ ／!　　　　　　　　　　その程度で、マーシフルを墜とせると思うんじゃねえお！
　　 　 　 　 　 　 _, - i'´lヽl: [ｌ、 　 （__人__）　　/j: //＿｣_＿＿__
　　 　 　 　 ,. :':´: : ￣ﾌｰｽﾍ:ヽ>､ 　 ｀⌒´　 ,ｨノ:.//´＼: : : : : : : ¨ヽ
　　　　　　/-――-イ＿/: :i＼:ヽﾍ_,.ゝｰく∠／:./:.ﾍ.＿_｣-‐ '´￣¨ヽ:l、
　　　 　 ／ 　　　/个 　 ￣l 　＼: : : :＿_: : : ／ lー┘ 个＼ 　 　 　 ＼､
　 　 　 厶=x､.　 i　 |　 　　弋　　ヽ======イ　 /　　　｜　 i　 　 z=＝ ﾇ
　　　 ／　 　 ヾx|　 l　 　 　　丶、 |: : :|} 　 /_ノ　 　 　 l 　 /　／´　 　 　＼
　 .／＝=z､　　　l　 |　　　　　　三t!:_:_ｌ三ﾁ´　 　　　　l　 /! /　 　,r '二二¨」、






　　　　　　　　　　　　　　　　　|| ||　||　 　 　 　 　 　 ,ﾍ　　　　　　 　 　 　 .||　|| ||
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　　. 　 ||| .|!　　､　　 !　'　||　　!!　　　!!　｜ !!lll||!!　._}{))＞=j ´ヽ ⌒゛　 ....|ｌｌ !!!　!　　　! l|l. |l!　　 l!||l !　 |!||　　l!||l !
　　　　.||| ,　、 　..　" . 　　 !　　　　､　　 .　　 !! 　 ﾉ_{ (:i:}r‐'＜. ∨ /　　　.!　!　 　´　､ !!　 ..　 " .l!　 　 |||　" .l!
､　　　...|||　　.,.　　.　　´　､　,　　′　.　、 "　 _　/　７ゝ〕iト､　 ＼∨ . 、.　.,.　　゛.　 　!　,　 .　． "　.´ . |||　 ． "　.´
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充分な推力は得た。
ブースターを停止し、EN残量を回復させつつ滑空する。

幾ら重量を犠牲に高出力大容量のジェネレーターを搭載したとはいえ、
マーシフルはエネルギー兵器主体の特化機だ。
エネルギーの枯渇は丸腰になるのも同然と言える。

オーバードブーストの勢いのままに敵プラント群へと突貫する。
油田施設跡は三基連結型の構造となっていた。

まとめてやるにはもってこいの構造だ。
遠慮なくアサルトアーマーを起動させる。

視界がシャッターで閉ざされ、圧縮されたコジマ粒子が震え出し、解放される。
コジマの閃光と暴風が全てを呑み込み、消していく。
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3833： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/07(日) 23:02:28 ID:NqAqwFyA0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 xく＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　xく＼＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 く＼＼＼＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼＼＼＼／＼
　　　　　　　　　　　＿　__i＿　　く＼＼＼￣＼＼
　　　　　　　　　 ／　Y´ /|,.‐／､ ＼ ＼＼ /＾'ー-＼
　　　　　　　　／､＼/＿|_|／/〉∧ ／￣ ∨　￥　∨
　　　　　　　 /　 /＼＼く／ィ 〈〉 }/ 〈　　/　　ﾆ　　|
　　　　　　　 |()./　/〈Y=＜ソ　fｰ{　　＼ﾍ＼　/|　 .|　　　　　　　施設の崩壊開始を確認。残存兵力を相当する。
　　　　　　　〈ｰ＼/:::〈 〉-r､/∨:::::＼＿/-∨|〈 :|　/〉
　　　　　　／⌒УV＾代ﾌﾆﾆ/--〈:://＾＼ i|::|　　 ∥　　　　　　　 「了解！　近接でも射撃でも、好きなようにしろお！」
　　　　 ／　　／(ﾆ)､￣∧_弋＞r'＼ｰ--､｀|::|　　∥
.　　 ／　　／￣`ｰ' }:::/￣//￣∧／＼ ／.|::|　 ∥
　 xく　 .／　　 　　 /＼ｰｲ_＼￣∧＿xﾍ　 .|:|　∥､
　((⌒)'´　　　　　 ∧　 ｀/￣/ア￣　　　〈＼{{_∥￣|-ミ
　 ｀¨´　　　　　　　　＼￣￣７　　　　　　 ＼「」＼／ ∧
　　　　　　　　　　　　　 `ー‐′　　　　　　　￣＼￣{／





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ノーバディの方から通信が入る。
冷淡なその声は、事前情報通り、壮年男性の低音だった。
しかし、やけに抑揚のない、気合いの抜けた声だった。

いくらノーマル群が相手とはいえ、ここは戦場だ。油断が過ぎるのではないか。
それとも、これが大物の余裕、という奴なのだろうか？
どちらのせよ、あまり面白くはなかった。

半ば吐き捨てるように返答し、崩壊する施設から散り散りに離脱していく
ノーマル機たちへとレーザーブレードの切っ先を向ける。

ノーマル機もノーマル機だ。機動が単純、というより、素直だ。
ネクスト機が二機、それも片やトップランクだというのに、
動揺の色一つ見られない。かといって、練度が高いわけではない。

まるでシミュレーターで戦うAI機のようだ。

自分で考えておいて、そんなまさか、と苦笑する。
テロリスト群がACに搭載する自律機動コンピュータなど用意できるはずもない。
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3834： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/07(日) 23:07:33 ID:NqAqwFyA0

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│:.: :.:.|:. !:.',:. : { ﾘ　|ｉ　　　ｉ|　　ヽ|　　 　＼', 　.＼ | 　 ﾏ:.,':.:.:.:/:.,':.:.:.:.:.:.:.:. |　　　　│
│:.:.:.:.:!:.: ',:.i:.:.:.:! 　 |　　　 | ＿　.|　　　　＿ヽ 　 .ヽ　　ﾏ:.::.:.///:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　　│　　　　――今のが最後の一機だね。敵施設も完全破壊。
│:.:.:.:.:.',:.:.:.',ヽ : ', ヽ,,,____,,,,,,=＝　　 　 　＝=,,,___,,__ ｲ. //:.:///:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　　│
│:.:.:.:.:| ',:.:.:.:トヽ:.',　￣´´´´　　　　　　　　　｀```￣ 〃//ﾚ〃:.:.:.:.:.::.::.:.: : |　　　　│　　　　ミッション完了、帰還して。
│:.:.:.:.:|　ヽ:.|:.:..:.＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／／: !:.:.:.:.:.:.::.:.:.: : |　　　　│
│:.:.:.:.:| 　 ヽ:.: : ﾊ　　　　　　　　　 ｉ 　 　 　 　 　 ／/:. !:.:. : |:.:.::.::.:.::.:.:.:.:.:.|　　　　│
│、: : |　 　 !.:.:.:.:ｉﾍ　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /:. /|:.:.:.: |:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　│
│. ＼:| 　 　ヽ:.:.:.:! .＼　　　　　 ― ―　　 　　 イ/:.: / |:.:..:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　│
│　　 |　　 　 .＼ :.ヽ、. ヽ　　　　 　　　 　 イ 　./::. / ｜:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　│
│　　　　　　　　　＼ ヽ ./|　＞.、 　 , ＜　|, 　./:.:./.　｜:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　│
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│　 　 　 　 　 　 ,､r´　.|　 　 ヽ 、_　- ´　　.|/　ヽ . 　 !:.:. : |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　│
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　　 　　　,,, ＝＝＝＝,,
　　　 　〃　　　　　　　　＼
　　　/ 《　　 ─　 　 ─ 　 ヽ
　　　|∩||　 （●） 　（●）　 }}　　　　　　了解。手早く片付いたお。
　　　|∪《 　 　（__人__）　　∥|
　　／＼　 ミ三∩_ノ ⊃彡 ／ゞ　　　　　ノーバディにも、もうちょっと仕事をやればよかったかお？
　/　　乂 ゝ _／ ＿ ノ ＿イ,＿)
　(　, ′ヽ ／　 ,,;;; ｲ/　　 i　　i
　 ＼　　 " ` ､ ／￣￣i￣"　 )

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残存機の殲滅にも、そう時間はかからなかった。
最後の一機へと飛翔し、交差の一瞬にブレードを振り抜いて斬り捨て、両断した。
爆炎と黒煙が上がる海面へ、残骸の雨が降る。

随分と楽な依頼だった。結局、新兵器とやらも出番なしだ。
施設を破壊した際に、一緒に壊れてしまったのだろうか。

とにかく、仕事は終わった。帰って、なのはと一緒にノーバディの記録映像でも見よう。
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3835： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/07(日) 23:17:28 ID:NqAqwFyA0

　　　　　　　　ｶﾞｶﾞｶﾞｯ
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |　 /　　　　　　　　|　 /　,
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,＼__ノし/／　　　　 ＼__ノし/／ ､...＼
　　　　 　 　 　 　 　 　 /　　)/⌒ヽ(＿　　＿＿)/⌒ヽ(＿ ', .＼ ＼
　　　　 　 　 　 　 　 　 ￣￣)ヽ__ノ（￣￣　　￣)ヽ__ノ（￣￣￣.〉 _,,..,, _
　　　　 　 　 　 　 　 　 ´　 ／⌒|「⌒＼ 　　　／⌒|「⌒＼ .ﾉし 寸＝―′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＜∨::／|/:Λ <:::.|　 /　,.__／　寸｢…- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_／⌒) 7￣]＼__ノし/／´∨/＼　 ＼しノ〉　　　　　　　　　　なっ！？
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 _,､<　　　 ..|　 /　,, )/⌒ヽ(＿ .r‐…へ＼　 ﾞ'yﾞ
　　　　　　　 　 　 ＿　-=ニ￣　...＼__ノし/／￣)ヽ__ノ（￣￣￣ 　 ＼厂/
　　　　 ＿　-=ニ￣　　　　　　　/　.)/⌒ヽ(＿ ／⌒|「⌒＼.ﾞ'〜ﾍ、　ﾉ-<
..-=ニ￣　　　　　　　　 　 　 　 ￣￣)ヽ__ノ（￣￣￣/ ＼＼　　 |　ﾞく　 　`:、
　　　 　 　 　 　 　 　 ニ-￣´"'.´　 ／⌒|「⌒＼　 (◯)イﾞ'> >___|　　‘， ＿`、
.　　　　　　　　 ニ-￣　　　　　　　　　　　　 　 ／ 　 ／しｨ／>　 　 　 〈´　__`、
　　 　 　 ニ-￣　　　　　　　　　　　　　 　 　 /　　／､　／／　)　　　 　 Ｙ::::J:｝
　　ニ-￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　／__ 〉'ﾞ　　└＜__／〉　　　　　 〈ミノ
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　　¨　　-=に_　　　￣　 ‐-=ﾆ二三三三L　 ＼　 |/:::/~//￣ ∧　　 //,ﾍ　 /`ヽ､　 ＼　{　　}
　　　　　　　　￣　　‐-　　__　￣　-=ﾆ二三二ムﾉﾆ7￣/ー‐〈:::,:ヘ_/〈/　＼{　　　＼　　 ヽ　`､
　　　　　　　　　　　　　　　　「」＝‐-　＿　￣T(⌒)N￣＼ー‐ヘ二」ィく⌒ヽ/＼　　　＼ 　　＼ `､
　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　‐' rヶ‐┬=≧==彡ヘ￣ヽ r'´|＿ﾉ＼￣∨∧,ヘ. 　 　＼　　 ＼`､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{三}´l:::／　　 |:_:_:_}￣|_|ｰ〈＿∨∧￣Q 〈_/__＼　　　＼　　 ＼､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　辷￣|＿,｡s＜　厂厂/￣ ∨ ∨∧￣ヽ 〈〈/77＼　　　＼　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　|＼＿／/__/　|＿＿ ＼/ []＼　 ,　ゝ'‐'‐'､ ＼　　　＼　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿|/＿＿_|　 |　 |　　　　 圦 ＼　ヽ′　　　 ∨　＼　　　＼　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／／ｰr'　 　 |　 |　 |　　　　/　 ＼ ヽ/　,　　　　 ∨∧ ＼　　　＼　　',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ト､　/:::/:::::::ﾉ､二ﾆ弋 弋,∧　　 /＼　　 ＼〉　′　　 　 ∨∧　 ＼　　 〈￣Ⅵ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|＼/:::::／､ ＼　　　￣　　＼/　　 ＼　／＼))＿　　 　 ∨∧　　 ＼　 ＼ Ⅵ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|　 `ｰ///∧　＼　　　　　　　　　　　＼　　 ＼＼｀ヽ　　∨∧　　　　￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼|　　 /////ﾒ､＿ ＼　　　　　　　　　　　＼　　 ＼',::::＼　∨∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼___{////､　　　￣　　　　　　　　　　　　 ＼　　 ＼:::::ﾄ､ ∨∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ　　￣ヽ　,.ヘ　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼ ／￣　｀''＜∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　 |/　 /＼　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　{　 /:::::/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　‘，　　　　　__}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＼＿__}／ｰ'"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ', 　　 ／／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　|　／:::/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',　／／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼|'::::::／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
沈みゆく敵拠点に背を向け、作戦エリア外で待機するなのはの下まで
戻ろうとした、その時だった。

ダメージアラートがけたたましく鳴り響き、視界が赤い警告色に染まる。
ご丁寧にレーダー照射まで受けていた。

攻撃があった方向へとクイックターンで向き直り、ブレードを正眼で構える。

「おまえ……何のつもりだお！？　IGIOご自慢のランク1ってのは、
敵味方の区別もつかないポンコツなのかお！」

そこには、右手のライフルの銃口から硝煙を立ち昇らせる、
ノーバディの姿があった。悠然と飛びながらも、物言わぬその様は、
得体の知れない威圧感を覚えさせるものがあった。

不気味だった。怒っているのか、ほくそ笑んでいるのかも定かではない。
真意を質そうと声を張るも、ノーバディは動じない。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3836：安価のやる夫だお：2021/02/07(日) 23:20:26 ID:JYYYY2kc0
騙して悪いがが来たか

3837： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/07(日) 23:25:46 ID:NqAqwFyA0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |ｌ _ｌ|__ ,/
　　　　　　　　　　　　 　＿＿＿ 　 　 　 ＼､　|ｌ__ｌ| ,/｀l 、　_＿_
　　　　　　　　　　　　　 ＼　　 　＼　　　　 ＼|l　ｌ|/､ ﾉハ/ /二l＼＿
　　　　　　　 　 　 　 |＼　 ＼　　　 ＼ 　 〈´ 〈ヽムイ ｌﾖ/ /`ー'|　|〕 /＼
　　　　　 　 　 　 　 ｜　＼／、　　 　 ＼__∨∧〉ｎ〔ｌ_ / /〈三] |　|_/　 〔|
.　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　　 　 ＼　　 /´ 　 ＼/7ｰ/r/ //´　 　|　| ＼ 　|＿　　　　　　……。
.　　　　　　　　　　 　 　 ＼__＿＿＿/　〔]＼　 ＼/r〈_// ￣＼/ / ＼ ＼〕 ﾉ
　　　　　　　　　　　　　 　 |/＼　　　＼　　　＼　 ＼// ￣＼/_/ ＼　＼｢￣|
　　　　　 　 r―┬――┬ ＼　＼〔l　　＼　　　＼　 ＼r‐ ､/_/　　　＼/､_,ノ
　　　　ｌ二二〕ｰ┴――┴ヘ/＼　＼　　　＼　　　＼　 ＼/〉 〉＿＿／＼
　　　　　　　`ｰ――――――‐ ＼　＼　　　＼　　　＼　 ￣＼　　 |＿,ノ
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やっと動きがあったと思えば、あろうことか、ノーバディは更に銃弾を撃ち込んできた。
マズルフラッシュが視界に映ると同時に、こちらもブースターを展開する。

断続的に浴びせられる銃弾を避けつつ、なのはに叫んだ。

「なのはさんっ！　野郎、トチ狂いやがりましたお！　やっていいんですかお！？」

ただ、戦おうにもIFF――敵味方識別装置が生きているせいで、
狙いを定められない。誤射を阻止するためのものだ。

が、なのははそれに対し、IFFの解除という形で応えた。

「ごめん、急に映像の転送が止まった！　ジャミングがされてる！
なに、襲われてるの！？　とりあえずIFFは止めたけど！！」

舌打ちし、敵機として認識されたノーバディと相対する。

「ああそうですお！　なのはさん、作戦エリアからギリギリまで離れてくださいお！
こいつが何しでかすか分からない……証拠隠滅目的で輸送機を襲いかねないお！」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3838： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/07(日) 23:34:04 ID:NqAqwFyA0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　 　 }===================} }
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＿ 　 　 　 　 {:　　 } ================== } }
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､‐‐　、　　　　 　 丁∧　　{　/_　　_>､__　＼}_/／／､　／　V////ｉ}========} }
_＞=-　 　__　　／‐〈___＼_{　{__　i「　/7=ｱ-ｲ'´＼ｌ＼ }'iﾄ､/　}////i} = = = == } }　　　　　……排除する。
¨ﾆ=‐　‐=ﾆ气ト､≦==‐　　¨¨＼､/ /ｲ／〉}__＼＼} 　ｉ} {/＼∧ｉ//ｉ∧ = == == } }
‐- ､‐=斗=‐- 　_>､-----＼} - ＼ｰ'｀ｰ'　＼----＼ }　　 /{　＼/========= } }
　 　} {　{､　　>‐‐　 ＼----->:､--＼__　　イ＼----＼､_/{∧_/ == === ==== } }
　 　}_{　{　Y　　　　　 ｉ} ､------⌒＼>}=‐ﾄ､＼＼‐‐‐‐＼__/}}============//
_　　‐= ､　 }　　　　　 ｉ}l}ﾘ＞=‐ 　 =≦「¨＼＼>_」」-＼-／} }ｲ‐　_ ======= //
/i/i/ｉ//ｉ}.__}　　　　　 ｉ}/ ､‐‐＼‐‐‐‐‐‐＼-＼-------＼ｲ_} }⌒ヽ＼=====,' '
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾒ､,,.ｨｲ´ ,ｲ.''!/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,ｲ'_.,ｲ／.／＞" ＾ ''''.‐‐.、
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　　　　　　　　　　　　　　　　 .t'''."　　 /--‐"!ﾊ,, -''ﾍ!,|　.ﾘ.‐''ｬ''''.￣ '' <,ﾍ　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 ,,.- "　　　　ﾍ　　　　 ﾍ,, =!彡 ﾉ'´,,/‐､ｬ''''7‐‐-ﾞ-三三.､　　 ,,,i,
　　　　　　　　　.＞i-i‐‐‐iｧ.､　　　　　　ﾍ ,,,.--- ﾆ.1／.,,ｨ=7、　 ''､i-.,,,,,,,ｲ".＼.ヽ/iｬ,　."'－､
　＿_____,,,, ＞''´　 .ｬ,,ﾆﾆ.､"'i､　　　　　　　'i,,,,,,,,,,./　 .,, ‐"i' ./".''''く ‐ｧ''>,､　　 ﾍﾉ,/ .'ｰ-､　 ヽ
￣ _______,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,ﾔL,,,,,,,l,,,l .l　　　　　 .j'''''''''''''､＞(--イヽ,,ﾆ〈￣ ＾メヾ/'iヽ,,,,, ｸﾉ　　　　.＼　＼　　　　　　舐めやがって……！
--――‐‐‐ー-､,,,,　ﾔ,ー=‐‐ｌ1　 ,,　,,,／　　　　　　.ﾍ,,-''"　〉''7　　'‐''ﾂ.ﾌ_ﾌ　　　　　　　 　　＼ ＼
　　　　　　　　　　 "'''''''''''""´ ｀''´i._/　　　　　　　 　 ,へ .∠,,-'　　　　'´.´　　　　　　　　　　　　.＼ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ﾉi.7i｀t '''ﾌ＿　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 ＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾄ､｀i.i |.‐'''!ﾆ-‐'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,.+ ｨｯｬｌﾐi,ｨ,ﾍンﾔﾑ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`''"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .∠.-‐l /ｬ"1l-ﾞ,.---''｀ｰ 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __ 　／〉."　 　 |ｨ" ｌ |」ﾞ'''' .､_　　　 ''.ｧ､.,､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{,,－ｧ=ﾍ,,,　 ｧ-"　　!‐''　　　.＼＿ ./　 ヽ.`Yﾆﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　..,イ .／　 /i ﾉ"　　　　　　　　　　　　 ^ﾞ''ｭ－､ﾄ＼ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　.／//.〈　,,.-',,ｸ´　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ-i ＼　＼ﾔ-,,
　　　　　　　　　　　　　 ,,,,,l　,ﾂ　.,,ｲ.ｧ"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　''-,,ﾞ_-.ｲ.ﾍ L,,
　　　　　　　　　　 .ｧ''У　　 "''",,ノ"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ.`_ｰ'　 .ヾ.'''l
　　　　　　　　　 　+‐' _,,,,.-,j"￣　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ￣.ﾔ－ ､,,`''ｭ､
　　　　　　　　　/'''' " __,,／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　"ｬ-.、￣　'',.、
　　　　　　 .,,ｪ-'ﾍ,,,,,,ﾍ,,,,,),　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀‐‐''.i_,, イｪ､ｭ__
　　　　 ／,,ｨi.､ _,,,--∠／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.i、ｬ,i´ .〉,､.＼
　　　./ .<　　 ´ﾉ 》　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`-{.く='' .＼.ヽ
　　　t　 ﾞ''-''" ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.＼｀-‐"　 .}
　　　 .ﾞｰ-‐'''´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ''‐.,,,,／

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
ふざけた話だ。何の真似だか知らないが、高名なランク1が暗殺業とは。
上にいる政治家気取りの役員たちの間で、どんなやり取りがあったかも知らない。

しかし、確かなことが一つある。
抵抗せねば、やられる。

現在は中距離といえる間合い、今なら射撃戦にも格闘戦にも持ち込める。
敵の武装はライフル、シールド、PMミサイルに、ハンガー内のレーザーブレード。
今はライフルを構えているが、どう動いてくるのか。

敵の性能的に未知数な部分が多すぎる。
マーシフルを大きく凌駕する運動性能というのも考えにくいが、果たして……

下↓1　行動を選択してください
1．ブレードで格闘戦を挑む
2．射撃戦に持ち込む
3．アサルトアーマーで目くらまし
4．出方を見る。このままの距離で回避に専念
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3839：安価のやる夫だお：2021/02/07(日) 23:35:35 ID:E806JU360
3

3840： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/07(日) 23:38:33 ID:NqAqwFyA0
目くらまし、相分かった。

すまないが、睡眠時間の確保的な意味で、ここで中断だ。尻すぼみな感じですまないね。

次回は来週の日曜日、2/14の午後八時からとする。

それじゃあ、シーユーアゲイン。投下の瞬間を誰よりも楽しみにしてるのは私かもしれない。来週まで皆も元気でね。

シリーズ恒例の騙して悪いがなんかに負けるなやる夫君。頑張れやる夫君。

3841：安価のやる夫だお：2021/02/07(日) 23:40:27 ID:JYYYY2kc0
乙でした

3842：安価のやる夫だお：2021/02/07(日) 23:41:46 ID:E806JU360
乙

3843：安価のやる夫だお：2021/02/07(日) 23:54:43 ID:wzMmzC8A0
乙ー

3844： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 20:03:22 ID:jjWs1jOQ0

　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

3845： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 20:08:00 ID:jjWs1jOQ0

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　　こういう選択肢制だと>>1の匙加減次第なわけだが、実質そうだね。
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　　ただ、正解の傾向はある。そのルートでのやる夫君の傾向そのものだ。
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　　例えば、一周目であるなら、「アリスから離れない、アリスに協力する」選択肢が
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i　　　　正解のものが多かった。二週目である今回は……まあ、君達で確かめてくれ。始めよう。
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

3846： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 20:22:22 ID:jjWs1jOQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　|| ||　||　 　 　 　 　 　 ,ﾍ　　　　　　 　 　 　 .||　|| ||
　　　　　　　　　　　　　　　|| ||　||　　　　　　　　　　 j{ !　　　　　　　　　　 　 　 || ..|| ||
　　　　　　　　　 　　　|| .|| .||　　　　　　　　 　 　 　 j{ i　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 || .|| .||
　　　　　　　 　＿＿.||　|| ―――￣￣￣￣￣￣ . j{ i.￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣―――||　||＿＿
　　＿――￣￣　.|| ||　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 j{ i　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 || ||￣￣――＿
＿￣　 　　　 　.|| ||　　　　　　　　　　　　　　 　 　 j{ i　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 || ||　　　　 　￣
　 ―＿　　 　.|| ||　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　{　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 || ||　　　＿―￣
　　　　　 ―||||　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 j{〕iト､　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |||―
　　　　　　..|||　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 iJ``y' (　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |||
　　　　　　|||　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ζ:.:〈:: :〈　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |||
　　　　　 |||　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ヽ:/ 〉ミ′　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |||
　　.　　..|||| 　 　　　　　　　　　．゛　　　　　　、 ./⌒>__　　j( __ . " . 　　　　,　　′　　. 　　´　,　　　、　|||
　　"　...|||　　.｀　　.　　､　´　,　　′　.　、 " 　 .`'､(_j‐-≧j(j{｀｀ヽ___　 、.　.｀　　゛.　 　i　,　 .　． "　. ､. |||　． "
､　　　...||| ,　、 　　" . 　　 i　　　　´　　 .　　 ii 　 .ヽ}／ヽ⌒ヾj{⌒⌒) 　 .i　i　 　､　´ ii　 ..　 " .li　　 　 .|||　.li
　　. 　 ||| .|!　　､　　 !　'　||　　!!　　　!!　｜ !!lll||!!　._}{))＞=j ´ヽ ⌒゛　 ....|ｌｌ !!!　!　　　! l|l. |l!　　 l!||l !　 |!||　　l!||l !
　　　　.||| ,　、 　..　" . 　　 !　　　　､　　 .　　 !! 　 ﾉ_{ (:i:}r‐'＜. ∨ /　　　.!　!　 　´　､ !!　 ..　 " .l!　 　 |||　" .l!
､　　　...|||　　.,.　　.　　´　､　,　　′　.　、 "　 _　/　７ゝ〕iト､　 ＼∨ . 、.　.,.　　゛.　 　!　,　 .　． "　.´ . |||　 ． "　.´
　　"　.. |||| 　　　　　　　　　　．゛　　　　　　./⌒{_j /　　⌒　ヽ　‐彡､ 　 . ,　　′　　. 　　､　,　　　、　 |||　　　 、
　　.　　　 |||　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 j{　ィi{７　　　　　　 ＼ ⌒`ヽ　　　　　　　　　　　　　　　 　 |||
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相手が何を考えているか分からないという不気味さこそあれど、
だからこそ取りえる手段というものがある。

下手なことは何もさせず、ペースも握らせず、有無を言わせず殴り倒す。

不意にアサルトアーマーを起動させ、閃光と衝撃波を撒き散らした。
海面が叩き割られ、浮かんでいた残骸が吹き飛んでいく。

これで両者ともに視界もレーダーも死ぬ。
だが、先に視界が戻るのは、カメラアイをシャッターで保護していたこちらだ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3847： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 20:28:37 ID:jjWs1jOQ0

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ニニニ . ＿＿　　　-==ミ .ニニニニニニニニニﾆ/｀''＜ﾆ／ニニニニイ Τ＼　 ＼/　|｢　　　　　乂 し (ﾍ＼
ニニニ .＼(￣ > 〈__　　　＼ 、 ニニニ . }}...ニニニ、　 ＜ニニニニニﾆ}　乂,_,)　　　 ∥　 ／＼└‐^)〉 )｣　)/
ﾆ／￣￣　＼ ､／⌒j>　　　} 〉.''''''' __,==,.' ＝ニニニ＞､ /:｀`＜/''＜ニく ／＼＼　　∥:><::＼::::::>
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眼を潰されて硬直するノーバディを捉えると同時に、
オーバードブースターを唸らせる。

コジマ技術によりGを屈服させた機体は用意に音の壁を突き破り、
一気に距離を詰めて飛びかかった。

眼と鼻の先の距離となった敵機相手に、右手のレーザーブレードを
抱えるようにして構え、全身を投槍のようにして突撃する。

突き刺して、そのまま真っ二つに両断してやる。
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3848： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 20:38:12 ID:jjWs1jOQ0

　　　　　　　　　　 __´￣￣二ﾆ=　、
　　　　　　　　／　　￣´ 　　　　　　ヽ
　　　　　 　 /　/ｨ　　　　　　}i　　　　∧
　　　　 　 /ﾔ'7=ﾆ二二二≦_｣Ｌﾍ/　 ∧
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　　　　　:; 　}(●）　　（●　）　〉 人 /　/^}　　　　　　　　　　　　　　　逸らされた！？　往生際の悪い奴だお！
　　　　　 '､ {（　ｨ'　　　　　u,/／Ｌ {__/(__/
　　　　 ＿{へ≧＾ゝ､___ノ_z彡二弐≠ ＞／￣￣ミヽ
　　　　r{_ `ｰ=＜三＞'’ ）二二 ／　//　　　___　　　＼
　　／/ ｛＼　　｀￣　 /二二／/ 　/ｲ　　 Ｙiっ) -┐　 ＼
　｛　　Ｖ 〉　　　　　　〈ﾆ二彡イ　 ｛ ｛　 　 }｣つ）二! -02 |ｌ
　｛　 　 i ＼ 　 　 　 /｝ト､　　 i　 /八ヘ　　￣´　　　　　 |ｌ
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　　　汀 i　　　 〔_二//￣　　 ＼　　 /￣７ 　 ＞＝-≠〈/
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　　　　　｀v 　　　　＼　　　　　　　 ＼/　　 　 　 　　/
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　　　　　　　　　　　　　　　　 く＼＼＼＼＼
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　　　　　　　 /　 /＼＼く／ィ 〈〉 }/ 〈　　/　　ﾆ　　|
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　 ｀¨´　　　　　　　　＼￣￣７　　　　　　 ＼「」＼／ ∧
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だが、渾身の突撃は狙い通りに敵機の腹部を貫くことはなく、
直前に左腕のシールドで切っ先を払われてしまった。

このまま張り付いて、堕ちるまで切り刻んでやろうとブーストするが、
敵の起動もえげつない。さすがにIGIOの最新鋭機だけある。
バックブーストとサイドブーストを織り交ぜながら、喰らいつくマーシフルを
的確にライフルで撃ち抜いてきた。

一発一発は大したダメージではないが、損傷が確実に拡大しつつある。
このまま闇雲に接近するのも得策ではない。

そう踏んで、一度距離を取ることを許して射撃戦に移行しようとした、その時だった。
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3849： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 20:45:05 ID:jjWs1jOQ0

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敵機の背部に装備されていた、翼状のユニット。
PMミサイル、つまりは垂直発射式の連装誘導ミサイルだと聞いていたのだが、
その砲身が、あろうことか浮遊したのだ。

よくよく見れば、飛行したことで露わになった砲身の一つ一つには、
ミサイルなど搭載されていなかった。どちらかというと、
マーシフルの持つようなレーザーキャノンに近い機構が見える。

ご丁寧にブースターが取り付けられているらしく、
根元の方から鮮やかな緋色のアフターバーナーまでもが見えた。

自律飛行している。こんな情報、というよりも、そんな兵器は見たことがない。
情報もない。分離式自律飛行兵器。オービット。こんなものが実用化されていただなんて。
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3850： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 20:52:22 ID:jjWs1jOQ0

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しかも小型なだけあって速いし、捉えにくい。
気付いた時には後ろに回られており、緑色の燐光が収束しているのが見えた。

「うおおおっ！？　しかもこれ、コジマキャノンかお！？　冗談じゃねえお！」

思わず悲鳴を上げながら、敵のビットから一斉発射されたコジマの熱線の隙間へと
ブーストして飛び込む。心臓を冷水に突っ込まれたような感覚がする。
あんなに小型化されたコジマキャノンなんて代物があるとは。

装甲をコジマの光が掠め、焦がし、溶かし去っていく。
直撃すれば、熱々のフライパンの上に乗せられたバターの如し、だ。
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3851： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 21:00:01 ID:jjWs1jOQ0


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　　　　　　　　 　 　 　 〔(=爻(､_,／__,r‐､辷ﾞ＾辷,ｿ二∠ｿｨ辷'′　)i;:::..＾ﾏｈ､、〔　　　　 丶、　　　｀　ヽ、
　　　　　　　　　　　　　7⌒'┘｀`>辷 _____￣｀｀'ｰ‐‐'￣￣￣~~~~¨¨¨""7ｧｭ____`丶､　　 　 丶､　 　 　 ヽ、
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /ﾍ,　jＬ.i{　| 　 　 i |/　｀ﾞ' ､、`寸i;_〉　　　　　　　　　　　 　 　 ｀~¨"′
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　　 　 iく／く, 'ﾞヾく､ `ｈ､、ﾞ' 　,　 　 ,ｨ(　 ,ｨ^ｧ'＾ﾘij厂｀i`'，　　　　　　｀＾ﾞ'くヽ､>,．-　｀'く、r‐ﾍ,.....,,__
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀′　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 `'く　くヽ､,>
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更にそこへ追い打ちをかけられる。
逃げ惑うマーシフルに向かって悠然とライフルを構え、
射的に興じるように容赦なく弾丸を撃ちこんでくるノーバディの姿が視界の端に映り込む。

コジマキャノンが直撃すれば一撃で蒸発。
避けていてもライフルで削られる。
加速していく脈拍と上昇する体温を感じながら、レーダー上に飛び交う
赤い点と目前の視界を交互に見やり、半ば反射に任せる形でブーストする。

さっきのアサルトアーマーが凶と出たか。
阻むもののない弾丸が装甲へとめり込み、ダメージアラートを響かせる。

「これがランク1……っていうか、機体性能が段違いすぎるお！
企業秘密の塊みたいな武装しやがって！」

なるほどジャミングもしたくもなる。情報も少ないわけだ。
不動のランク1には秘密の切り札が多いらしい。

下↓1　どうしますか？
1．短期決戦に限る。もう一度接近戦を挑む
2．タイミングを待って敵機本体にレーザーを撃ちこむ
3．とにかく敵のコジマキャノンビットを叩き墜とす
4．PAの回復を待つために回避行動に専念する
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3852：安価のやる夫だお：2021/02/14(日) 21:17:21 ID:8HkggcNQ0
だ、誰もいねぇ……えぇい、ままよ！

3

3853： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 21:25:25 ID:jjWs1jOQ0

　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　＼
　　 　 　 　 　 ／ ｕ　"⌒｀`::::::::::::::::::'´⌒ﾞ　＼
　　　　　　　／ 　.:::::/　ｏ ヽ ::::::::::::::: / ｏ　ヽ::::＼　　　　　　　こ、こいつら、クイックブーストまでできるのかお！？
　　　　　 ／ 　 　 ; ::ヽ　　丿　　　　　ヽ　　丿:::　＼
　　 　 　 |　 　 　 ∪ ''"´'（　　　　j　　　　）'"´''　 　:|　　　　　まず――
　　 　 　 |　　　　　　　　　 ｀ｰ-‐'′`ｰ-‐′　;　　　 |
　 　 　 　| 　 　 ｕ　　 　 　 　 |　　　　/　　 　U　　 /
　　　　　 ＼ 　 　 　 　 　 ; 　 |⌒ヾ｀/　　　　　　／
　　　　　　　＼　　　　 　 ∪　`ー一′　 　　 ィ´
　 　 　 　 　 ／　　　　　 　 　 ー‐　　　　　　　＼

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とにかく、このコジマキャノンビットをどうにかしなくては話にならない。
そう思い、すれ違いざまに叩き墜とそうとブレードを振り抜いた。
が、手応えがない。今のは当たる角度だったはずだ。

よく見れば、このビット、妙に変則的な軌道で飛行している。
従来の戦闘機とは一線を画すその軌道は、嫌というほど見覚えがあった。
クイックブーストだ。

前面にセンサーでも搭載しているのか、ブレードの刀身が接近すると、
クイックブーストで位置をずらしているのだ。

まずい、これでは叩き墜とす手段もない。
アサルトアーマーがあれば話は別だったが、復旧まで時間がかかる。
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3854：安価のやる夫だお：2021/02/14(日) 21:28:54 ID:8HkggcNQ0
（やっちまった……）

3855： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 21:29:10 ID:jjWs1jOQ0
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||:|:| | |　　　　　　　　　｀）ヽノヽノヽノヽ／ヽノヽノヽ／ヽノヽ／ヽノヽノヽ／(

3856： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 21:30:38 ID:jjWs1jOQ0

┌────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　MISSION FAILED　　　...│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└────────────┘

　　　／／,　 ／／／　　　 _,　　　　'／／〃　　　　'　　 ／　　 ,　 ／／　／
　 ／／／／ ／／　　　／/!"　　　_　　′　, 　 　　_,__ __,__／　／, '　　 ´　 　　　　'／
／／／ 　 ／　　　　　/,ｲﾍj　　　〈/　　　／.．=‐',.-‐-、 '／ヽ,　　／／／　　　　／
／ ．　　　　　　　　　/Y_/´　､iI　, 　 ．　.／,,'.ィ'"　 　ﾟ } , ／／`、／／　　　　／／,
　　　　／／　　　　,ｲ／′　／／　　 ',,´／,､ｉｌ|、／,　ノﾉ'／ >　 ;‘ '／　　　,
　　'／,　／　 ／／´　 ,　／／　 .．''´／／／ヾ=_ -く,'=-‐､／, .; 　 　 　 ／,　 ‘／／
'ﾞ／／／　　.´　　 　／／　　 .イ 　 　 　（__,.ｨ77tゝ､.'、　　 }Y､,　 ／　／／　／／
･／ "rｸ　　,／　 ／　,　　,∠　キ　 ，''　 〈ﾞｰrr､､ヽ,')ﾐ､_｡_ノ/　／ '／,　　 ／　　　 ,
＿__ _／ ／／　　　{］　∠!　　"ﾍ　　　　　 ⌒ヽﾉ)ﾐゝィ　､'´／'　／／_, ∠=-―､-、
／　.　．≧ ､／／　 ∠　キ　〃　,／, `、　　　　／　　!／'／　 ／.∠、｀ヽ ＼ヽ} ﾉ
　／　　.．-‐ヽ-‐､∠／"'),　／／,／,　 `ー　　　　　ノ　 　 ＞''´ﾆ､ヽrﾞ＜、ヽ／/
　, ･ ´＿__ '/　／'／／　'／,　 ヾ.≡／　 ,ｨ／／　イ／　/'´.／`/ニ!｀iI､ヽﾞ／. /
ｨ＝‐　￣` {　 {ヽ､＿"'／／.／／／／／ '／ ,丿 ，／　｀"′　［ニ］ ／" ﾏ／　　　 〝
;/;/;/;/;/;/∧　ヽ._　　＼　　"/／／／, ／〃,ｨv'゜¨i`',　　 ／　rｧ　　　　　　　／／
;/;/;/;/;/;/;/∧､　　｀ｰ- _＿-―　"　／,　　ノ／}　 !　＼'_　　 ｀ ／　／／ ／／　　／
;/;/;/;/;/;/;/;/;/;7;7>　_　　　｀「７ -￣-‐／／ ノ　 i　／i /〉' ／ﾉ}／／　　　'
;/;/;/;/;/;/;/;/;/／／;/;/;/≧､___,,,,,,,,,,,,,,,､ ＜´,ﾟ　　j　 _イ/_,_／｀´／<>　　　　, ／
ﾆニ二二ヽ__／ ／;/;/;/;/;/;/;/;/;/;/;/;/;/ヽ ＼--＜　￣ )"／｀ヽ._　　　　 ／／ ／,
イ／／　二ヽ.　{;/;/;/;/;/;/;/;/;/;/;/;/;/;/;/;/ヽ.＼-‐‐っ彡´,,　　　_}＿__／／　 .,／

3857：安価のやる夫だお：2021/02/14(日) 21:32:27 ID:FJDY9ibU0
さすがにランク1は強いな

3858： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 21:34:17 ID:jjWs1jOQ0

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',　　　　　　　　　久しぶりの任務失敗だね。今回はコジマキャノンでミンチよりひでえことにされたね。
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ　　　　　前回の任務失敗は……一周目、キャプテンブラボーにとっつきでぶち抜かれたときか。
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ　　　コジマキャノンはねー……まじで最大チャージが直撃すると即堕ちするから……
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'　　　　コジマミサイルの爆風でさえ半分くらい吹っ飛ぶもんね……
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ





　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i　　　　　　　冒頭でも言ったが、正解選択肢の傾向は、やる夫君の傾向そのものだ。
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ　　　　　　　 一周目ではアリスへの依存度が高かったために、アリスに協力、
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i　　　　　　　もしくは助けてもらう選択肢に正解が多かった。
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |　　　　　　　　二週目のやる夫君はどうかな？　クーガー兄貴の言葉を思い出してみよう。
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´

3859： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 21:36:50 ID:jjWs1jOQ0


　　　　　　　　　_　_　_
　　　　　　　／: : : : : : ｀i
.　　　 　　　i: : : : : : : : : :!
　　　　　　　､: :○: : ○: :!
　　　　　　　 i: : : : : : : : : i　　　　　　　　まっ、気に病む必要はまじでゼロ。だってデスペナルティないもん。
　　　　　　　 l: : :,, --_ｯ: :',
　　　　　　　 丶 ｀‐'´: : : :ﾉ　　　　　　　　ノーリスクで死に戻りだ。エンタメで「あいつがこの安価とったから」とか責任追及するの、
　　 　 　 　 / ´: : : : : : : : ｀ヽ
　 . 　　　　/: : : : : : : : : : : : : ヽ　　　　　　私はあまり好きではなくてね。……昔の他スレではデスペナ凄かったんだが、今ではどうだろう？
　　　 , -‐': : ,: : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　／: : : ,-ｲ: : : : : : : : /｀丶: : : :､　　　　他スレ、見なくなっちゃったからなあ……私のスレはガラパゴスだよ。
　 ｒ⌒ ,／　/: : : : : : : : i　 　i: : : : i
　 ` ‐ '　　/: : : : : : : : : |　　 ! : : : |　　　　じゃ、気を取り直して過去へレッツゴー。跳べよぉぉぉ。
　　　　 　 i: : : : , _ -‐ ´,) 　 ｀ ヽ _|
　 　 　 　 (_ _i￣(_　-‐'´i
　　　　　　|　:|`‐´i : : : : |
　　　　 　 |: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
　　　　 　 |: : : : : |: : : : : !

3860：安価のやる夫だお：2021/02/14(日) 21:37:57 ID:8HkggcNQ0
ﾃﾞｽﾍﾟﾅなくてﾀｽｶﾙﾀｽｶﾙ、いまはこの形式自体を見ないですね

3861： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 21:38:49 ID:jjWs1jOQ0
>>3860
あー、そうだったのか……

私が他スレ見ていた時は聖杯戦争の二次創作が盛んでね、すごかったよ。喧嘩してた。

平和が一番だよ、ラブアンドピース。

3862： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 21:39:03 ID:jjWs1jOQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／,>,、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／／､> ｀′　　,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,、ﾍ,　　 　 　 Vj辷,,__　　 　 　 ｀′ 　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 j〉　ﾍ,.、　　 　 ＼,>⌒｀`ﾞ'〜 ､、　　 　 ｀′ 　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 j〉　:ﾍ〉,　　 　 　 ＼／､>　　　｀`ﾞ'〜 ､、 　 　 ｀′ .、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ｬﾔ^〉　::ﾍ〉,　　　　　　ヾ辷_ 　 　　　　　　｀`ﾞ'〜 .,,_／′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 jｬﾔ'〉 ::/〉　:::ﾍ〉,　　　　　　　｀`ﾞ'〜　､、 　 　 　 ｀ﾞ ' 　 ,
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　)i, ::/〉 ::/〉　::::ﾍ〉,　　　　　　　 　 　 　 ｀`ﾞ'〜　､、　　 　｀ﾞ '　.、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　)i, ::/〉 ::/〉'＾`'＜〉,　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀`ﾞ'〜　.,_／′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　)i, ::/〉 ::'〉　/＾`' ｀′　,
　　　,　,、　　　　　　　　　　　　　r ,､　　 　 　 、|ｌ)i,_Лﾝﾞ　/ﾞ'　　 丶、　`'i　､、
　 ／､> ｀′　 ,　　　　　 　 　 　 ｀′､>,､rく＼j〉|[j(　〈 ,、/ﾞ'　　　　 /`' ｰ'　｀ﾞヾヽ,
　＾ヾ,､、　 　 　 ｀′　 .,　　jr‐　､__ 　_＾'_j_j〉k_,>|〔ﾐ辷j〉､丶､　_ ___/　　　　　　　 ;＼
　　　＼　｀`'〜 ､、　／ 　〔}| {,、 }｢｀亥i戉冖i弌_犹j冖ihjﾞヽ、＼　‘:、　　　　　 　 ′ ヽ、
.　 　 　 ＼,>'＾　　 ｀ﾞ　 ､、,ﾏ>､′ ＼_, }r込ﾖ辷沁j7廴 ｣ik、 ＼ ＼,__>　　 　 　丶、丶、 ヽ、
.　　　　 　 ｀`ﾞ'〜　､、　　　｀`〉＼｣i__n_|{冖ﾍjｰクi7√~ ]衍i>,､__>､j＼丶、　　　,､　`　　丶、ヽ、
　　　　　　　　　　　　 ｀`ぅトr'ァくヽ,>宀ﾞ辷_jJ==',iUヮ冖ｉﾘ广Y＾)i;:. ＼｀'ｰL....　'´'^丶、　　　 丶 ヽ、
　　　　　　　　 　 　 　 〔(=爻(､_,／__,r‐､辷ﾞ＾辷,ｿ二∠ｿｨ辷'′　)i;:::..＾ﾏｈ､、〔　　　　 丶、　　　｀　ヽ、
　　　　　　　　　　　　　7⌒'┘｀`>辷 _____￣｀｀'ｰ‐‐'￣￣￣~~~~¨¨¨""7ｧｭ____`丶､　　 　 丶､　 　 　 ヽ、
　　　　　　　　　　　　　j^'＜>__j｣ﾐﾝ´__,ｘく'寸ｧ_____／匸二二二二二二{(二二ｴ!　　`′､, 　 　 丶､ 　 　 ､ヽ、
　　　　　　　 　 　 　 　㍉ﾐ,、｀~~}ｷ=ｧｰi |｣ﾉ^ーi‐‐if´　 j、L. ＼＼ {、)i;:::.‘,　　　　　　　　 `′､,　 　 丶､/ヽ,｀､
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀`' ｰ`' 〈'ﾆｿ'′ｉ ＼j　j{ﾍ,／`′ |>,､,>'＾ﾞ' ､ )i;:.‘,　　　　　　　　 　 　 `′､,　　ヽ､｀′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /ﾍ,　jＬ.i{　| 　 　 i |/　｀ﾞ' ､、`寸i;_〉　　　　　　　　　　　 　 　 ｀~¨"′
.　　　 　 　 , へ,､、　　　　　　　　　　　 /〉　ﾍ, ヽ,｀､|、　／>'`｀､､ 　 ｀ﾞ'ｧ伐ﾕｈ､__ 　 __
. 　 　 　 ／／ j`ｈ､、'　 ,　　　　　　　rｧ＼ ,xァ'く,>'ﾌ＾'く／ 　 　 ``､､ /＾`くﾞ~匸i^'､⌒｀`ヽ,
　　 　 iく／く, 'ﾞヾく､ `ｈ､、ﾞ' 　,　 　 ,ｨ(　 ,ｨ^ｧ'＾ﾘij厂｀i`'，　　　　　　｀＾ﾞ'くヽ､>,．-　｀'く、r‐ﾍ,.....,,__
. 　 　 ‘､ i｀`′､, 　 `'〜, )ｈ､、`'　〔Cゞ"フ辷彡'ﾞ>　/ /　　　　　 　 　 　 `' ､j、｀ﾞ';ｰ- ､、,i'"＾｀`ヽ,｀`ヽ,
　　　　　ﾞ':、｀ 、 ｀′　, 　`'〜,ﾞｈ､、`'＜＾i､,__,,.ィ厂<／　　 　 　 　 　 　 　 　 `｀ ､ｰ- ､、.ﾉ｀`丶､　｀¨ブく　、
. 　 　 　 　 ＼j｀` 　 　 ｀′　,　`'〜ﾞ,ｈ､、 '＜／／　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀~¨＾｀`ヽ､　　 ｀,>'´ヽ<ヽ,ヽ、
　　　　　　　　｀`'〜 ､、 　 　 ｀′　,　`'〜ｈ､j¨´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀､ヽ､,/､,__､>く,　＼ヽ,
　　　　　 　 　 　 　 　 ｀`'〜 ､、　　｀′､、 `′　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ'ｰ`｀'く`'＼ ｀'ｰ‐ﾍ,`､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀`'〜 ､, }j　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀^ヽi、　／｀＼､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀′　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 `'く　くヽ､,>
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 丶､>′

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
更にそこへ追い打ちをかけられる。
逃げ惑うマーシフルに向かって悠然とライフルを構え、
射的に興じるように容赦なく弾丸を撃ちこんでくるノーバディの姿が視界の端に映り込む。

コジマキャノンが直撃すれば一撃で蒸発。
避けていてもライフルで削られる。
加速していく脈拍と上昇する体温を感じながら、レーダー上に飛び交う
赤い点と目前の視界を交互に見やり、半ば反射に任せる形でブーストする。

さっきのアサルトアーマーが凶と出たか。
阻むもののない弾丸が装甲へとめり込み、ダメージアラートを響かせる。

「これがランク1……っていうか、機体性能が段違いすぎるお！
企業秘密の塊みたいな武装しやがって！」

なるほどジャミングもしたくもなる。情報も少ないわけだ。
不動のランク1には秘密の切り札が多いらしい。

下↓1　どうしますか？
1．短期決戦に限る。もう一度接近戦を挑む
2．タイミングを待って敵機本体にレーザーを撃ちこむ
3．PAの回復を待つために回避行動に専念する
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

. ＿＿
_|。。::::|__
ｉ::ﾞ==-/::ｉ　＜やる夫君（二週目）の性格や傾向、タイプを考慮して選んでみよう！
｀|:::::::::|´
　{」{_」

3863：安価のやる夫だお：2021/02/14(日) 21:39:38 ID:aio/huig0
1
兄貴の言葉は迷うなブレるな、かな

3864：安価のやる夫だお：2021/02/14(日) 21:39:42 ID:y1nYO09k0
今のやる夫なら…こうかな？
1

3865：安価のやる夫だお：2021/02/14(日) 21:39:47 ID:8HkggcNQ0
というか、最近見つけてACモノだー！と参加したばっかりなので
何が正解か分かってない奴に安価させないでー（悲鳴）、というわけで任せたァ！

3866： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 21:48:06 ID:jjWs1jOQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾍ
　　 ＼ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ
　　 　 ＼ 　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ×
　　　,　- ＼　　　　　　　　　　　　　　　／´ ‘,
　 〃　 γ　｀ ＜ 　　　　　　　　　　> ´', 　　| i
　 {i 　　{ 　●　} ヽｪｰ ,.}　　 　 .}=ッ{● }　　 i |
　 ﾍ 　　!､.＿.ノ､ ﾉ　　 　 　 　 　 ﾄ !､_ソ__,／ .i　　　　　　〜〜〜〜〜っ！　しゃらくせえお！
　　　゛'''──ー /　　　　　 　 　 i　｀ヽ　　　　 i
　　　　　　　　／　　　　　　　　　i 　　ヽ 　 　 ハ
　　　　　　　 { 　 　 　 　 　 　 　 }.　　　}　　 /
　　　　　　　　!､　　　　　　　＿.入.__／ 　／
　　　　　 　 ／　￣￣￣ ∨/////ｲ 　.／
　　　　　　/　　 　 　 　 　 }////ッ　 /
　　　　　　{ ヽ　　　　　 　 .}///／ ／
　　　　　　＼ ヽ､_＿二ﾆ　ー´_. イ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
一度全ての推力を切り、自由落下に任せて海面へと急速降下する。

よもや水面へ激突というところの寸前でオーバードブースターを起動させ、
そこから直角に曲がる形で海上を低空飛行する。
派手に飛沫を舞わせ、後方のコジマキャノンビットに浴びせてみるが、
どうにも効果が見えなかった。流石に海水程度ではびくともしないか。

急激な回避機動を取ったにもかかわらず、コジマキャノンビットの群れは
死体に集る蠅のように纏わりつき、離れない。

熱線の雨を掻い潜りながら、執拗に照準を定めるノーバディの直下へと
辿り着くと、そこから更に急上昇した。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3867： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 21:55:03 ID:jjWs1jOQ0

　　　　　　　　　　 /￣|￣ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 ＼
.　　　　　　　　 　 　　 |　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／＼　　　 ＼
　　　　　　　　　 /　　 |　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 ／ '，　 ＼　　　 ＼
　　　　　　 　 　 |　 　 |　　 |　　　　 ＿＿　　　　　　　　　　　　　　　　　‘,　/∧　∧＼　 　 　＼
　　　　　　 　 　 |　 　 |　　 |..　　　/　 :|　:|　　　　　　　　　　　　　　　　　‘,　/∧　∧　＼／　 | ＼　　　　　　 　 　 　 ／|＼
　　　　　　 　 　 |　 　 |　　 |　　　/　　:|　:|　　　　　　　　　　　/ 〉　＿__／‘,　　 '. /∧ 　 ＼／＼　＼　　　　　 　 .／|　 |　 ＼
　　　　　　 　 　 |　 　 |　　 |　 　 |　　 :|　:|. 〈＼　　 /￣~/＼/ /　.|　　 :|　 ／　　'. /∧ 　 　＼／＼__〉 　 　 　 ／: : |　 |　　　ヽ
　　　　　　 　 　 |　 　 |　　 |　 　 |　　 :|　:|　 ∨＼ /　　/　 / /＼ |　__,､／　‘,　　‘, /∧／::::::::＼／　 ＼　　 ./＼: :.:|　 |　　　　|
＿＿　　　　　　 |　 　 |　　 |　 　 |　＼､__　　　∨∧＿,/　 / /　　',／／.|〈￣￣〈￣￣ ＼:::::／＼::＼　 　 ＼ /: : : ＼|　 |　　　　|
￣￣＼　　　　　|＿＿|　　 |　 　 |　　 :＼＼,__　∨∧ﾆ',　/ /　_／／　　|∧　 /∧　　　　 ＼ ／::::／＼　　 ./: : : :.: :.:| 　|　　　　|
＼　　　＼　　　 ＼＿_＼_,,,|　 　 |　　 :|　 ＼　＼∨/￣∨./／ ／//_/＼/∧　/∧　　　　　 ＼／　　　＼ /: : : : : : /|／＼　 　 |
　 ＼　 　 ＼ 　 　 .|¨¨¨¨|¨|　 　 　　　:|　:|　 ＼__＼|::::::::|／ ／__,.ｨ仁| |　| ／＼/∧　　　　　　 ＼　　　　/: : : : : :.:/　＼　 ＼　｜
＼　 ＼_＿＿＼　 .|￣￣|¨|　 　 |＿＿|　:|　　　|_|＼＿/ |／／ /　に| | ／　 ／|　　＼　　　　　　 ＼　 /: : : : : : :/　 　 .＼ 　＼|
￣＼＿|＿＿＿|　 |匚］］| :|　　　＼＿＼_|　　 ∧弋_＼_/／＿/　 万／＼／　/|＼__／＼＿＿　　　 ＼＼: : : : /　　　　　 ＼／
＼: : :＼ 　 　 　 　 |＿＿|_:|　　　　 |＿＿|　　/＿＼ ＼￣__　厶イ7/＼　 |く￣|￣〔__)ﾍ　　　　｀、　　 　 ＼＼_/
＼＼: : :＼　　 　 /＿＿/　|　　　　 |　　斗=≦∨//:＼_〉┴/匚]:::∧　 |　 |　|,/＿_√＼_)>,　　　｀、　　　 /ﾍ
　 ＼＼: : :＼　　 |　 　 :|　 |　　　　＞　　辷{__,/〈/＿＿_／＿＿/::∧　|　 |　|￣　 |＼＿＿_＼　　｀、　　　/∧
　 　 ＼＼: : :＼　|　 　 :|　 |　 ､＜＿__／ |二|＿|ﾍ:::::::::::|:|三三||＞:::|＼__/_/￣￣ ＼|__|/＼_/＼ 　 ヽ　 　 /∧
　　　　 ＼|＿＿| |　 　 :|　 |／￣|＼＿__／￣　 ＼',_____|:＼￣:::＼／＿＿∧:::::::::::::/￣| ＼/＼ハ:　　 ＼　　/∧
　　　　　　　　　　|　 　 :|∠＿___ﾉﾉﾉ　　　|　　 ／|￣|＿|□::|￣|￣￣　／＼_〉￣ └〈￣＼ ＼/　| ＼　　 　　 /∧
　　　　　　　　　　|. .:__／: : 〈／￣　|　　:.:|　／　 |　 ／＿／￣＼＿／＼　 |　　　　 ∧　　￣{__ノ　　 ＼　　　　/∧
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　　　　　. . : :_／: :.:〈⌒ |＿|　　 |￣￣∨〈__()＿_|__|　|　 　 :|　 |　　 |／￣＼/￣＼　 　 ∧　 /∧　　　　　　　 ＼__｢＼〉
　　　.. . : :_／: : 〈⌒　￣　　　　 |　　　/ /￣└∧〉 ＼___＿,|　 |　／{　 ＼＿|＼　　＼　　∧　 /∧
. . . : : : ／: : 〈⌒　　　　　　　　　＼___|_/＼＿/　|　　　　　　＼／￣＼ ／＼　　＼＿|＼　∧　 /∧
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼|＼＿/￣￣ ＼
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼|＿＿__／

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ノーバディもライフルで応戦するのは不利と見たのか、
おもむろに銃身をパージし、腰のハンガーに右腕を近づけると、
レーザーブレード発生装置へと換装させていた。

そこまではいい。そして、ここで一つ、狙い通りのことが起きた。
コジマキャノンビットの集中砲火の勢いが弱まったのだ。
サーシェスと一緒に戦った時のことを思い出していた。

自律兵器にも敵味方識別装置が搭載されている。
味方が射線上にいれば、攻撃の手も止まる、と。

いくら自分を後ろから撃ったとしても、そのすぐ向こうには自機がいる。
マーシフルを消し炭にした後、ノーバディ諸共爆散させるだろう。
無言の快哉を叫びながら突貫する。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3868： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 22:01:15 ID:jjWs1jOQ0


　 .ｌ.l　 　 )　　|　　　　l　　　　 |!　　　/ 　 .|　　　　 ./ 　　 ／　　 　 ／　 .／　　　　　 ./
　　.ｌl　　　ヽ　!　　　 .l　　　　 ｌ.ヽ.. 〃　　 l　　　　 .!.／|／　　　　 /　 　 　 　 　 　 .／
　　　ｌ　　　..ｌ,│　　 .lﾞ　　　　ｌ　　 .lﾞ　　　,!　　　　.〃 ./　　　　　/　　　　　　　　,ｒ'"
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　　　　　 ._人　l　　　　.〃　 |　!　　　　 !　　　　　　　　/ 　L__／゛　　　　　　　 _..-'"´
　　 .../￣ 　 ｌ　｝　　.,ｨﾞlﾞ　　 ! !　 .I　　│　　　　　 .厂　　　　　　　　　　　,..-'"
.ｌ　　 .ヽ　　 ./ 　!　　 .|l　　　!,!　 /.!　　!　　　　　 ./　 　 　 　 　 　 　 ,／ﾞ　　　　 ＿
..l!､　　 ﾞl,　./　　.゛　　.li　　　!|　　.ｌ:!　 .|　　　　 ／　　 　 　 　 　 　　__て　　　 ノ 　 そ
　!＼　　 ! .l　　　　　.,.ﾞi.　　 :!　　 .ﾞ!　＿　　　/ 　　　 　　 _　　 ＜二_　　　 ノ‐''"´￣
　＼.ﾞ'i　 .ﾞｌ｝　　　lｒ'"　.l 　 　 　 　 　 ｌ,　ヽ ／　　　 ,,-ﾞ‐'^./ 　 . ＿＿＞´¨
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.lヽ　　　　ｌ.　　　!　　!|　　　:! ｌ　　　 .,/　　 ./゛　 .,rジ“＿___＿__
..! .＼ .,　　ゝ　　 !　　!l　　　! .＼＿/ 　　 ,／　 .il"　 　　　　　　￣ﾞﾞﾞ"''―　,,,、
..ｌ.　 ｌ　.ｌ　　　　　.ｌ　　l　　　!　 　 　　　／　　 '"＿　　　　　　　　　　 　 　 　 ｀ﾞ'''ｰ　,,,、
　ヽ !　　ｌ,　 　 　 　 　 ｌ　　ｌ　　　 . , ‐"　　 _..-'゛ /
　　∥　 . ｌ,　　　　.、　 li　/　　 . / 　　., ;;彡ｰ¨￣
　　 .!　　　.ｌ,　　　 .ト､　!'┘　　/ 　　 .ﾞ~　　　　　　　　　-‐=＝¨￣て
!､　　　　　 .ヽ　　　.} .｀'′　 ./　　　 ,-　　　＼　 　 　 　 　 ｀ﾞﾞ'''ｰム、
､ ＼、　　　　..ｌ､　 /　　　　./ .,,ィﾝ/" _,　　　　.ヽ　　　　　　　　　　　｀'''-、
..ヽ　｀.!　　　　 .ｌﾞ'‐ﾞ　　　　/／ﾉ./　/／　　　　　 ＼
　 .ｌ,　 ヽ　　　__,|　　　　　.゛　./ 　.ｉ″　　　 .───マ─-..........,,,,__
.　 ..｀ﾞ''‐∟　　＼　　　　　　 /,､　,∠フ　　　　　　　　.ヽ,　　　　　　 .￣'''''ｰ- ..,,_
. ＼ 　　　ヽ 　　 )　 　 　 　 "7　　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ　　　　　 　 　 　 　 　 ｀ﾞ''ｰ　,,_
　ﾞ'′　 　　　　.ぐ　　　　　　/　 .、　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ﾞ''ｰ､,_
　　　　　ハ..,,、 . !　　　　　 lﾞ　/ .|　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀'''-..、
　　　　　 ＼　.⌒　　　　　　{ /　 |

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敵に盾がある以上、突きは捌かれやすい。
角度を付けられれば逸らされるし、直接弾かれもしてしまう。
だったら。

ブレードを展開して熱線の刃を形成し、袈裟に振り下ろす。
青白いレーザーが、敵機が反応するよりも早く装甲へと食い込み、
そのまま溶断していった。

浅い。だが、手応えは感じる。やはり、今のマーシフルなら、
今の自分なら、高速の格闘戦であれば高ランカーとも渡り合える。
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3869： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 22:08:39 ID:jjWs1jOQ0

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　 　 　 　　　　　　　　　　/ ／: :, : : :ﾍ|: : : : : : : : /: :＼ ﾍ
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　 　 　 　　　　　　　　　i　 l: : :_;└ ､｣ 　 　,:┘;.-'-､: : : /　!
　 　 　 　 　 　 　 　　　l 　 l: [i　 　＼-､, ､_ゝ／　ヽl}: : l 　 !　　　　　　　　　　　　　よくもコケにしやがってくれたもんだお！
　 　 　 　 　 　 　 　 　　ト､ l; i}´　（●） 　　（●） ｛j: :/ ／!
　 　 　 　 　 　 　 　_, - i'´lヽl: [ｌ、　　（__人__） 　 /j: //＿｣_＿＿__　　　　　　　　　　覚悟はいいな、ランク1！？
　 　 　 　 　 　,. :':´: : ￣ﾌｰｽﾍ:ヽ>､ 　|r┬-|、　,ｨノ:.//´＼: : : : : : : ¨ヽ
　 　　　　　　/-――-イ＿/: :i＼:ヽﾍ_,.ゝｰく∠／:./:.ﾍ.＿_｣-‐ '´￣¨ヽ:l、
　 　 　 　　／ 　　　/个 　 ￣l 　＼: : : :＿_: : : ／ lー┘ 个＼ 　 　 　 ＼､
　 　 　 　 厶=x､.　 i　 |　 　　弋　　ヽ======イ　 /　　　｜　 i　 　 z=＝ ﾇ
　 　 　　／　 　 ヾx|　 l　 　 　　丶、 |: : :|} 　 /_ノ　 　 　 l 　 /　／´　 　 　＼
　　　／＝=z､ 　 　 l　 |　 　 　 　 三t!:_:_ｌ三ﾁ´　 　　　　l　 /! /　 　,r '二二¨」、
　 ／　 　 　 　ヽ　 ｣l, 　!　　 　　　　´|: : :!´ ｷ　　　　　　l　 /ゝ　 　/ '´ 　 　 　 ヽ
／　 　 　 　 　 　l／ ﾍ　',　 　 　 　 　!: : |　｜　　　　　/　/´　＼ / 　 　　 　 　　ヽ
　 　 　 　 　 　／　 　 ヽ ヽ　 　 　 　 |: : j　 l! 　 　 　 /　/ 　　　 ﾞヽ、　 　　　　　　ヽ

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まるで舞踏会でタンゴを踊る二組の男女のように、
連続クイックブーストで回避機動を取るノーバディに空中で喰らいつく。

敵機もライフルを捨てたのが仇となったか、時折反撃しようとブレードを
振ってくるものの、クーガーのシュクヴァールの速さと比べれば足元にも及ばない。
無論、当たるはずもない。

だが、こちらも致命の一撃を与えられずにいた。
すんでのところで装甲の浅い部位で受けられたり、切っ先を逸らされたりしているのだ。

そこへ天啓のように、独特の高音と共に粒子の膜が視界上に一瞬現れる。
PAが復旧したのだ。

下↓1　どうしますか？
1．PAシールドに物を言わせてブレードで押し切る
2．アサルトアーマーを叩き込む
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3870：安価のやる夫だお：2021/02/14(日) 22:09:31 ID:FJDY9ibU0
1

3871： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 22:21:21 ID:jjWs1jOQ0

　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 イ´ _.r'　＞-、、〉　　　　 　 　 ./ /　　　　　 / / 　 　 　 ../　　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/＿∠＿ / ∧　ﾏ＼　　　　　　 ./ /　　 　 　 / / 　 　 　 ../　　.,.イ＞.。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞　　ﾉ 　ヽ/ /　／/＼ ヽ　 　 　 ./ / 　 　 ..＞/ / 　 　 　 ../　　./ /　　　　＞.。
　　　　　　　　　　　　　　　__ イ　　　 {　　../　ゝ' ／＼　＼!　　　 / /　＞､'゜　./ / 　 　 　 ../　 ／ ./＼　　　　 　 ＼
　　　　　 　 　 　 ＞ '' 孑ｲ／　　　　 乂.../ 　 ／,ｨ= - ＼/　　　,｡s≦　　　＞/ /　　　　　./ .／　 /、　 ＼
　　　　　　　　／＞'ｲ＞' .Yr⌒yr－―≦ﾏ.／..r.'｜　　 |´_　 　/　≧s．＜　/ /　　 .＞L./／　 ／ ノ 、　　＼
　　　　　　 ／／　　j ／　乂彡’　 　 　 　｀＞.|.　|　,.イ´ 　ヽ./　　　 /　 .ﾚ'ン　　_ノ　 i／　　メ、/　　.ヽ_　　 ＼
　　　 r≦ｿ¨´　＞ ´ {　　 ／　　　　　　　　　 rﾄ、ﾙ' /　 　 ﾊ!ヽ. 　../ .ｨ´／ ＜¨　　　/　　／ 　 丶、　／ ￣ ≧s。
　　　_ﾚ´ .＞’　　　 込=ィ'　　　　　　 　 　 　 N !./ /／丶.　j　i! .＞´ ／´ ＼　　　　 !　 /　　　　＿_Y,.イ∨　　　　ヽ
　　./　イ　　　　　　　 ノ´　　 　 　 　 　 　 　 i i!〈 f´　 　ハ/　ﾊ´　　 　 　 　 ヽ _　　{　/＜zr＜./.r.'　　　.∨
　　j /　　　　　 _ ＞ ’　　　　　　　　　　　　　| !.!.ﾄ!　　　　_}.r' ／ 　 　 　 　 　 　 ＼.У　ｨr≠メ-┴――=≦ニ、.,_
.. ケ′　　　　ノ　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 i!i!L,!V 　　ﾉ/´ /　 　 　 　 　 ,..ｨ　　　_ﾉ ,.化≦＿＿　　　　／　　 .>、
.j/　｀ゝ＜ﾆｲ　　　　　　　　　　　　　　　　　 r'ｲ/,.ﾑ∨／/ ／　　 　 　 ＞t'二¨ ヽ、,ヒ＞’´　　　　　 ＞'- 、― .、
i!,/⌒ー≠ｲ　　　　　　　　　　　　　　　　　　j　 /　ﾑ｀,.ｲ／　　　　＞ //　　　 ｀ ｰ-{￣￣￣￣￣　≧ .。　 .>、　.ヽ
{ハ_ﾄ､〉ニ!′　　　　　　　　　　　　 　 　 　 j　ｲ　 . ／　　　 　 　 　 　 ＿＿＿＿＿＿＿.＿＿＿＿＿＿＿＿　　　　　　　　　 ＼
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 / ﾉ´　　　　 　 ＞'゜ .／...／ jk　.i!　　　 .イ　/三三≧s。　　.>。　　　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｲ　　　　　 ＞'.゜　 .／　　　　　　　　　　,. ――――.――――‐ ､　　　　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 L...＞ ' ゜　　＞..／　　　　　　　　　　／.ゝ-.'三三／_z=-z。＼ﾆ> .＼.　　　　　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /＿ ,≧ . .／　　　　　　　　　　／.三三三ﾆY ／ ゝ、 　 ヽ Y.ﾆ>、.＼　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　＞ ―――― -z=┴　／　　　　　　　　　　／ .＼＼≠*ソ// 　 　 ｀ヽ _.ﾉ ﾑ.三ム.　＼　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　＞ ' ゜＿　　　　　　　　　ヾ.／　　　　　　　　 　 ／　　　　＼ヽｲノ./　　　　　 　.ｨ/、三三ﾑ　 ...＼　　　　　　　　　　＼
　　 　 　 　 　 r'゜,z≦　＿__゜¨¨ ー―---イ.|　　　　　　　　 　 ／ .＼　　　　 〃.ｲ /　　　　　　.// (_ ＼三ﾆﾑ　 !　.＼　　　　　 　 　 　 |
　　　　　　　　 ゜＜　 /::::::::::::￣:Y　　 　 /:::::|　　　　　 　 　 ／::...　＼＼　　ノ /　 i　　　　　　//＞-｀、､Y三ﾆ! .i!　 　 ＼.　　　　　　 　 |
　　　　　　　　　　　＞ ≧ー― '　　　　 L::::..|　　 　 　 　 　 |..:::　　　　ーヽ( 〈{　　i!　　　 　 //〈　　　 ヽy三ﾆi! .i　　　　 |　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　¨'''' ー ------,イ¨|　　 　 　 　 　 |　.::　　　　　　〉〉_i!　　}＿ ＞''゜.ｲ　 ＼　　 .ﾘ三ﾆ7 /　 　 　 |　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 Y/ii}...|　　 　 　 　 　 |.'::::　　　　　.〃::::ｲ　 ./　　　.／　　　　.ヽ.ｨ' ヽﾆﾏ./ 　 　 　 .|　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {iiii人.|　　 　 　 　 　 | .::::.............／:::／::i!　/　　_,.ｨ　　 　 　 　 .人.、∀/　 　 　 　 |　　　　　　　　|

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左手にPAを収束させ、コジマ粒子の盾と成す。
掌のPAブースターが振動しだし、ちょうど手をすっぽり覆うほどの
大きさの障壁を作り出した。

これはいわば、幾重にも積み重なった小さなPAだ。
ライフル弾の一発一発程度であれば寄せ付けず、
ブレードであろうと一撃くらいは確実に耐えきれる。

それはつまり、反撃のリスクを無視して、必殺の一撃を叩き込めるということだ。

敵機が振り下ろしてきたレーザーブレードをPAシールドで受け、
そのままの姿勢で抑え込む。超高出力の熱線とコジマ粒子の盾がぶつかり合い、
拮抗する。

そこへブレードを突き立て、展開した。
振っても刺突しても逸らされる。であれば、ゼロ距離でレーザーを撃ちこめばいい。
オルデンブルク式射出対応型ブレードだからこそできる芸当だ。
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3872： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 22:27:43 ID:jjWs1jOQ0

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　iヽ　　　＿　＿ノ从ﾒ#ヾ'人ヾ:;:ー-　．..、
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.　／　/　　!　,′　　 / ｀ﾄ. 　Vﾑ 　 |　　ﾏV　　,′V!　　 V/ 　 　 /¨{.丶　　　　　》:;:;;#ﾉ彡三二三 」──　二=≡≡＝ヾ:;:;:．，ゝ　──　─　i!二二二｀７
, '　　/, ＜,'!　!　　 ／ 　 ! ヽ、Vﾑ.　|　 　.ﾏV .,′　.〉、 　 V/ 　 / 　 　 ＼丶　ヾ，:;'ﾞ´'人i从'※'iﾐ彡∠ﾞ´　　　　　　　｀ヾ:;:;　；:;:レ'　　　　　　　 　/７∠／
　 ／　　 {i !　i__／　　／＼　}　ヽﾑ,|　　　 ﾏV　　./　 V/ /　　　〉,　...,。ｓ≦}ヽ ＞ 。´川彡／ｒ-三ﾞ´　　　　　　　　　　　｀ﾞヾ;:;　;:／　　　　　　　〈_/
../　 　 　 V!　　　　／　　　ヽ{≧ｓ{　　　 　 　 　 /　　/ー‐‐, ＜　 V/￣ ￣ }　＼　　｀ヽ、 ／´ﾞ　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ：;川;;;;;;;;／'
i{,　　 　 　 '!__＿／､＿＿ 　 }!　　{!　　　　　 　 /　　/　 　,/　　　　.V.V　　 /　 /-＼.　 　＼ 　 . :　　　　．;:　::.　　　　　　　　　i|!i《:;:;:／
i{　≧s。., __＼　＼　＼　 ＼ }!　　{!　　　　　　/　　/　　 ,/ 　>ー‐＜ V　/　 /i!　 　＼.　　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |《巛＜´　ﾞ
,}　　　　　　　 ヽ--ヽ-' ヽ--ヽ!　　{!.　　　 　 /　　/　　 ,/ ／ ＼＿_＼ .¨ﾟ　 / i{　　　 　｀ヽ.、　V/　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾞ!|i!i|ヾゝi!二二二｀７
{　　　　　　 ／　 　 　 　 　 　 }!＞ﾟヽ----- ' ｀ヽ'　 　 /イ　　／　 二.i/ 　 /　i{　　　 　 _,.　-ﾏ　V/　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |i:;:#i!`i'|!i　/７∠／
.',　　　　 ／　　　　　　　 　 ／＼　　　　　　　　　＼ ./｀ヽ_／　 　 　 .ヽ--.'V/i{、 ＞ ﾟ´　　　　ヽ, V/　　　　 .＼'　　　　人ﾞ-─∠　ﾞ｀　　　　〈_/
　ヽ--- 〈　　　　　　 　 　 /　　ヾ＼　　　　　　　　　ヽ＼/　　　　　　 ∧＿V/ V　 　 　 　 　 　 V}!　　　　 　 >ヾ'ﾞ´　::::::::::::;;;:#i|!　i|ヾ
　 ,s≦ミy}!　　　 　 　 　 /.　　　　ヾ＼__　　　　　／　}!　＼...ヾ、　　　　　ゞ'ﾞ´　 ヽ、　　　　　　　 }Ｖ/ 　 .ｒ'ﾞ´;;;;;;《'ミﾞ´i三二＝ヾ　ﾞヾ
　{三{ilililil}}! 　 　 　 　 　 V/　　　　 ￣ヾ＼ 　.／　　 }!　　i}　 ＼＼　　,:;'ﾞ´:;:;:.、`・　.＼　　　　　　 }! ヽ、i|!#　i!iﾞ´　　　　　　　｀ﾞヾ:;　:;て
　｀ー― ' }!　　　　　 　 　 V/ 　 　 　 　 .＼／　　 ／ ＼__i}　　　＼ヾﾐミi!#ﾞ─＜#i!`|ﾞ´｀ヽ､　　　　}! 　 ＼　;:;!ii　　.::'ﾞ｀　　　ﾞ::.、　i|!ﾐ　　／
　　　　r-{,'　　　 　 　 　 　 V/　 　 　 　 ／ヾ＼／　　　／ 　 　 　 ヾ:;i!iﾞ´'ﾞ´:::;;;:》i|!iﾞ`　　 　 ヽ,　 　}!　　　 {＞ ､ :　　　　　:　　　　ヾ:;．、て
_　　　 i /　　　 　 　 　 　 　 V/. 　 　 ／　　 ／＿___.／　 　 .─＝二て　人从#ヾ|＼/人从..r≦.､ }!　　　 {　 {_!＼.i∧ノ/《ヾノ！　　ノ/人从／
. ヽ___ノ,'　　　　　　　　　　　　V/　 ／　　 ／＿__＞ﾟ´　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 {ilil三}.i{;　　　{　　 ＼ ＼
　　　 .,′　　　　　　　　　　　　｀ヽ'._＿_／　 Vﾑ　 　 ',　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 {ilil三} .i{;　　 {i　　 　 ＼ ＼
.　　　,′　　　　　　　　　　　　 r＜　＿＿　　.Vﾑ　 　 ',　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｀ー､'　 i{;　　{i　　　　　 ＼ ＼
　　 .,′　　　　　　　　　　　　, { /／ 　 ／!　　.Vﾑ　　/ー‐ｧ　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼ .i{;.　 {i　　 　 　 　 ＼ ＼
　　/{　　　　　　　　　　 。＜　{,_'＿_.／　 |　 　 Vﾑ_./　　/ ∧　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 {! .ヽ、{i　　　　　 　 　 ＼ ヽ, .∧￣￣
＞ﾟ´.{　　　　　　　　,＜＿__　　|ヽ／|　 　 |　　　／　　　/ 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 V　　Y＼.　　　　　　　　 ﾏ i/　 V/
_ ＞ﾟ ',　　　　　　　,′　　/｀ヽ,|　|　.!　 　 !　.／＿＿__/ 　 /　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 V　/　　＼　　　 　 　 　 i/　 　.V＿
　　／≧､　 　 　 /＞。._/　 　.|._＿_!　　 .i／　 |　　　 |　 /＞-＜　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 Y.　 　 　 ＼　 　 　 　 ∧　　 /
＞'ﾆニ{__}　　　 /　/　/　＼／　 .／　　　|　 　 !＿＿_|_./　/il{　{ ヽ　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ! 　 　 　 　 ＼　　　 /　 V//
二}＞'｀ヽ }ヽ 　 V/__/　 .／　 .／　 　 　 .!　 ／ ',　　/　　 {ilil{　{　 }

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直後、レーザーをジェネレーターのある位置へと撃ち込まれた
ノーバディの機体が膨れ上がったかと思うと、爆炎が上がった。

装甲が弾け、飛散する。機体内部でコジマ爆発が起こったために、
破裂する形となったのだ。
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3873： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 22:31:36 ID:jjWs1jOQ0

　　　　 　　　　＿＿＿
　　　　　 　 ／　　　　　＼
　　　　　 ／　　　　　　 　 ＼
　　　　／　 　 　＼ ,　, ／　 ＼
　　 　 |　 　 　 （ー）　 （ー）　 |　　　　　　ふー……。
　　　　＼　 u. 　 （__人__）　,／
　　　　　ノ　　　　 ｀ ⌒´　　＼
　　 ／´　　　 　 _i⌒i⌒i⌒i┐ ヽ
　　 |　　　　ｌ　 （ l　/　/　/　l
　 　 l　　　　l 　ヽ 　　　　　 /





　　　　　　　＿＿＿
　　　　　／＼:::::::::／＼.
　　　 ／:::<◎>:::<◎>:::＼
　　／::::::::⌒（__人__）⌒::::::＼　　　　　あっ、くそっ……急に襲われたから応戦したけど、証拠もろくに残っちゃいねえお。
　　|　　　　　｀ ー'´　　u 　　|
　　＼　　u 　　:::::　　　　　／　　　　　　マーシフルのカメラデータがあるけど、これだけでどうにかなるかお……？
　　／　　　::::::::::::::::::: 　：巛￣ヽ
　 /　　,　　　　　　　 ：〈⊃￣( .}：





　　　　　　＿＿＿
　　　　 ／::::::::::::::: ＼
　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::＼　　　　　……輸送機まで帰るかお。やる夫がどうなるかは分からないけど……
　 ／:::::::::::::::::::::::::::::: 　　＼
.　|:::::::::::::::::::::::::::（ー）　.u.　|　　　仇、取れたし。なのはさんに、教えてあげなきゃな。
　 ＼ 　　 （__人__）　.　　／

3874： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 22:32:17 ID:jjWs1jOQ0

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

3875： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 22:35:54 ID:jjWs1jOQ0

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　　　　　　　　　　　　　　 　 ﾍ:.ｌ:||:.:.:.:.|:./r≠=て7=、 /／　 |:.丁ﾒ-||:.:/:.:.|:.:.:.|:.:.:.:.:..|:.:.:.:.| 　 　 |
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 >|:.|:.:.:|:.||ヾら:::::ﾟ::::} 　 /　 　./∠=z//下:.:/:.:/|:.:.:.:.:/|:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　||ヽ:.|:|ヽ. 辷zzメ_　　　 ／./::::o::7ヽ/:.:./:.:/:/:.:.:.:/ |:.:.:.:.!
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ |:.ヽヽ.　　　　 　 　 　 　 〈⊃::/.〃／//:.//:.:.:./　|:.:.:/　　　　　　……お疲れ様、やる夫君。
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |:.:.:.|:.|＼　　 　 　 　 　 　 ｀¨≠/／:/／/:/:.:./　 .|:.:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.:.|:|　　　　　　　　　´　　　　./:.:.／／:|/:./　　/:/　　　　　　　　本当に……お疲れ。
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |:.:.;||ヽ　　　　　 ` ー　　　　./:.／/|:.:.:/:イ 　 ／
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　　　　　　　　　　　　　　　,､..イ´ﾍ ヽ:.| 、　 ＼　　　,　＜´:.:/:.:.:/:.:.:|:!:.:.:.|:.:|
　　　　　　　　　　　 ,､r::´´:::::::| 　 ﾍ　＼ ＼　　｀ﾌｌ　 　.|:.:.::/:.:/:.:.:.:.:!:.:.:.:.!:.:!
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　　 　 ,､r::´´:::::::::::::::::::::::::::::::::::|　　　ﾍ　　　 / | |ゝ.| ヽ::ヽ:/:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.|
　 /´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|　　 　.ﾍ 　 / ゝ≠| |　ヽ::::::＼:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:|:.|


╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
トウキョウまで戻り、例によってメディカルルームで検診を受けた後。
なのはの私室まで行くと、見たこともないくらいに穏やかな彼女に出迎えられた。
憑き物が落ちたという表現がぴったりくるような様子だ。

時々酷く散らかっている部屋も、彼女の心情を表すかのように片付いている。
促されるままに、カーペットの上に置かれたピンク色の可愛いクッションの上で
胡坐をかき、向かい合って座った彼女に視線を戻す。

「まさか、本当に倒せちゃうとはね。さすがにこれは、予想以上、かな」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3876： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 22:38:45 ID:jjWs1jOQ0

　　　/:.:.//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｌ:.:.:.:.:.ｌ:.:.:.:.||:.:ﾊ:.ヽ:.:.:.ヽ、,-:.┼--___:|:.:.:.:.:.:.:.|:.:/:.:.|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
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　　　　　　∨:.:| .∨:.:ヽ、:.＼:.:.＼.ゝ´　　　　　　　　　　///〃:.:.:.:|:.:.:.:..!:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:!　　　　　　　　……うん、認めるよ。
　　　　　　　ヽ:.|　 ヽ:.ヽヽ、:.｀ヽ__ヽ_　 　 ′　　　　　　//,ｲ:.:.:.:|:.|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　　　　 　 ヽ|　　ヽヽ　＼:.:.|:ﾍ 　 　 　 ‐ ‐ ´　　　　 / ,':.:.:./l.,':.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　　君は私の教え子たちの中でも、
　　　　　　　 　 ヽ　 　 .＼ 　 ﾏ:|:.:.ヽ、　　　　　　　　 ／　,':.:/:|/:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |∧:.:.:.:.|｀＞ .､　　　 イ　　/／ /ヽ、:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　　　最高のリンクスになった。
　　　　　　　　　　　　　　　　　|| ヽ:.:.:.| 　 　 ._｀T´　　_ -/　　 ./ .|＼_:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|　
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |　 ＼:.|　,､r ´/ヽv＜´　　　　/　 |::::::::::￣｀― 、:.:!　　　　　　　　　　　ランクはともかく、
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､r －ヽ:/　 ,'／l./ .ヽ　　　 / 　 .|:::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ 、
　　　　　　　　　　　　　 ,､r::"´:::::::::::::::/ 　 / ヽy‐ 7´ヽ　 /　　　|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ 、　　　　　　私からすればナンバーワンだよ。
　　　　　 　 　 　 　 　 ,'|:::::::::::::::::::::::/　　./　 l≠´.|　　>´　　　 .|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,::--－‐ヽ
　　　　　 　 　 　 　 　 | |::::::|＿-- <　　 / ./ /　ヽ | ./　　　　　ト- 、_::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::/
　　　　　 　 　 　 　 　 |:::|:::::|　　　　 ＼イ　ﾆ　　　.y |　 ,.＞＜´　　　 ＞-＜__／:::::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　/´,':::::/　　 ≠＜´　|´::::::::ヽ /　　｀｀ 、　　 Eニニコ　　 ./　|::::::::::::::::::::::::|
　 　 　 　 　 　 　 / //::./　　 　ヽ　　　.|::::::::::::／　　　　　 /　　　　　　 　./　　 |::::::::::::::::::::::::|





　　　 　 　 　 　 ＿＿＿
　 　 　 　 　 ／ ⌒　　⌒＼
　 　 　 　 ／　（⌒）　 （⌒）＼
　 　 　 ／ 　 ///（__人__）///ﾊ
　 　 　 |　　 u. 　 `Y⌒y'´ 　 　|ヽ　　　　　　　ほ、褒めすぎですお。というか、処分とかはどうなってるんですかお？
　　　　 ＼ 　 　 　 ﾞー ′　　 ,/　ﾊ
　　　　　/⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨ 　 　.}　　　　　　　「マーシフルの映像記録を提出済み。あれだけばっちり映ってたら、言い逃れできないよ」
　　　　 / rｰ'ゝ　　　　　　　　　　 /
　　　　/,ﾉヾ　,>　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　そ、それならいいんですけど……。
　　 　 |　ヽ〆　　　　　　　　　|

3877： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 22:44:55 ID:jjWs1jOQ0

　　　　 ＿＿＿_
　　　／_ノ　 ヽ､_＼
　 ／（ ─）　　(─）＼　　　　　……仇、討てたわけですけど。なのはさん、これからどうするんですかお？
／::::::⌒／)／） ⌒::::: ＼
|　　 ／／ ／　　　　　　|　　　　やる夫はリンクスを続けますけど……
＼　|　/　 二二)　 　 ／
／　ｉ　　　r‐一' 　 　 ＼





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , --- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿_ ／:.:.:.:.,:ｲ´｀‐‐‐===―
　　　　　　　　　 　 　, :.:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀:.,ゝ´:.:.:--＜´ヽ
　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ､
　　　　　　　　 ／:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ、
　　　　 　 　 ./:.:.:.: /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ、:.:.:.ﾍ
　　　　　　 ./--:. /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽヽ:.:ﾍ
　　　　 　 .,':.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:./:.:.:∧:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ ヽ:ﾍ
　　　　　　ｉヽ:. /:.:.:.:.:.:. : |:.:.:.:. /|:.:./　|:.:.:.|:.:.:.:.:|:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:ｉ 　ヾ､
　　　　　　|ヽ: |:.:.:.:.:.:.|:._⊥___/ .| /　 .|:.:.,'⊥__:||:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}:.:.:.:.:.}
　　　　　　',ヽ:.|:.:.:.:‐卞:.ム∠..｀|/　　.|:.7´＿ :|.リヽ:.:. !:. |:.:.:.:ｉヽ:.:.: |
　　　　　　 ',:.:.|:.!:.:.:. |.≠::てうﾐ/　　　|/ ｲてうヽ､|:.:.:.ｲ:.:.!:.:.: ,' |ヽ:. |
　　 　 　 　 ∨|:|:.:.:.:〃ら::::::::}　　　　/　 b:::刈 〃:.:ｲ:|:.:ｲ:.: /:.:|　.}:.|　　　　　　　もちろん、まだまだ付き合ってあげる。
　　　 　 　 　 {.|:|ヽ:.ヽ｀.辷z.ﾉ. 　 　 　 　 辷丿 ././:|:.|/:.}:./:.:. |　.|/
　 　 　 　 　 　 |ヽヽ:.ヽ　　　 　 　 　 ,　　　　.／/:.:.!/:.: |/|:.:.: |　/　　　　　　　　君って突っ走りがちだから、危なっかしくて放っておけないし。
　　　　　　　　　!:.:.:.:＼＼　　　　　　　　　　 　 /:.:.:ｉ:.:.:.:/:.:|:.:.: |
　　　　　　　 　 .',:.:.:.:!ヽ、　　　　　r -,　　　　.ｲ:.:.:.:}:.:.:.:.:.:.:|:.:.: |　　　　　　　　　　「うーん、複雑な気分だお……優秀なオペレーターが
　　　　　　　　 　 ｉ:.:.:.|　 ト 　　　　　　　　／ . ｉ:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.|:.:.: |
　　　　　　　　　　 !:.: |　.|　 ＞　　　　.イ_　 　.|:./:.:.:.:.:.:.: : |:.:.: |　　　　　　　　　　　いなくならないでくれるのはありがたいけれど」
　　　　　　　　　　　ヽ:|/ヽ __　 　 ｀´　._/|　　 .},':.:.:.:.:.:.:.: : |:.:.: |
　　　　　　　　　 　 / ﾍ　　　 ｀ヽ -- ´　 i!ヽ､./:.:.:.:.:.:.:.:.: : |:.:.: |　　　　　　　　　　　ま、私も、その方が張り合いがあるしね。
　　　　　　　,､r::´::/ 　 ﾍ　　　　/　 ヽ 　 .|　ヽ｀ヽ、:.:.:.:.:.: |:.:.: |
　 　 ,､r::::´::::::::::::/　　　 ﾍ　　 / ヽ <.ヽ ./|　　＼::::｀:ヽ、: |:.:.: |

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帰投後、IGIO、企業連、ブライドルから下される処分に戦々恐々としながら
メディカルチェックを受けていた。

IGIOの最高戦力にしてブライドルのランク1を撃墜。
しかも協働中に仲間割れの末、だ。あらぬ疑いもかけられるはずだ。
最悪、粛清の対象になりかねない。
今頃トウキョウへの強襲依頼が出ているかもしれない。
もしくは、次の任務時にマーシフルの撃破依頼が出るだろうか。

そんな不安で胸が一杯だったが、なのはは泰然自若としていた。
確かにマーシフルの記録映像には、ネームレスが先に攻撃してきた光景が
しっかりと映っていた。あれが動かぬ証拠となることを祈るしかない。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3878： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 22:49:17 ID:jjWs1jOQ0

　　　　　　　　　　　　　　　 r-　､
　　　　　　　　　　 　 _∠＿＿＿:.:｀ヽ, イ´￣￣ニニ＝―
　　　　　　　　, .:.:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.--´--- ､
　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:､:.:.｀ヽ、
　 　 　 .ｲ:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ、:.:ヽ、
　　　 /＼:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.',:.:.:.:＼、:ﾍ
　 　./ヽ:.:.ヽ:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:./:.:.:/:.:.:|:.:.:.:.|:.:.: ',:.:.:.:.:ヽヽ:ﾍ
　　 ,'ヽ:.ヽ:.: ,':.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:/:.:.:.:.:〃:.:.∧:.: }:.: : |:}:.:.:.}:.:.､:.:.:ヽ ヾ、
　　 ｉ:.:.:＼ヽｉ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:./|:.:.:.:././:.:/　ｉ:.:/|:.:.: |:ｉ:.:.:.ｉ:.:.:ヽ:.:.:ｉ
　　 ',:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.||-/丁:.云ﾒ-/　 .}:.ｉ ┼:/:.|:.:.:,':|:.:.|.､:.:.|
　　　',:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.{|:/ ≠´てト/　　 /ｲ7､/:./:.:/:.|:.: | }:.:.!　　　　　　　　あとはまあ、そうだね。
　　　 ∨:.:./!:.:.:.:.:!:.:.:.:.| 〃 ら::::::|　 　 　 b:} !:|/:.:/:.:/|:.:.! |:.,'
　　　　ヽ:.:{ ∨:.:.:ﾍ:.:.:.{　.｀ .辷シ　　　　 ﾋﾘ,':.|:./|:.:/ }:/　|/　　　　　　　　　目標もなくなっちゃったし……
　　　　　ヽヽ .!:.:.:.:.ヽ:.ヽ　　　　　　　　 ヽ　ｉ:./　.}/　ｉ/　./
　　　　　　.＼ヽ:.:.:.:.|ヾヽ　　　　　 　 　 　 ﾉ:.|　./ . /
　　　　　　　 .ヽヽ:.:.:|.　　　　　　 　 ‐　　ｲ:.:.!
　　　　　　　　　 ヽ:.:.| ヽ　　　　　　　 ｲ |:.:.:,'
　　　 　 　 　 　 _| ヽ:|　　 ＞　 、∠:. |:.:|:.:/
　　　 　 　 　 .r/ ｀ヽ ＼＿_　_ /lヽ:.:.:.|:. |/
　　　　　　 r.´　ﾍ　　　　　 / |　 i!ヽ .:|:./|
　　,､ r:::´::::|　　　ﾍ　　 　 /≠|　 i!　ヽ:::｀ヽ 、





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　　　　　　　// /:.:.:./:.:.:|:.:ﾊ:.Ｎ:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:. |:.:.:.:.八|//.＼:.:.:.:.:|:.:.:.:.:i
　　　　　 　 |′|:.:.:/ |:.:.:|:.| ト| |:.:.|:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:∧//.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|
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　 　 　 　 　 　 |′ 八:.:.Ｎ　=ミx　ヽ: |:.:.:ハ:.|Ｙ:.:.:.:.:∧//.:. |:.:.:.:|:.:.:.:.′　　　　　　　　久しぶりに彼氏でも作ってみようかなー。
　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾉ　　　 `′　)|:./:.:||ハ:.:.:.:./:.:|//.:.: |:.:.:.:|:.:.:.:|
　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ_ ＿　　　/ﾉｲ:.:厶イ:.:.:.:.:.:.∧//.:.:|:.:.:.:|:.:.:.:|　　　　　　　　　　やる夫くーん、いいひと紹介してー。
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｰ'　　　　/:./　　ﾞζ:.／　 V//:|:.:.:.:|:.:.:.:|
　　　　　　　　　 　 　 　 　八 ＿＿ /:./　　　　＞┐　 ∨//:.:.:.|:.:.:.:|　　　　　　　　　　「ええ……大していないなぁ」
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /′/へ　　 x彡"／二〕　V//:.:.|:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 Χ"　／／ｌ|ﾆ＼　V//:|:.:.:.八　　　　　　　　　　そんなー。
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 〈　У'／ 　 l|ニﾆ＼ '//:.:.:.:.:.:.ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｘ〈／　/ |-―‐|ニニﾆ＼/,:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／′／|ﾆ|――「 ＼ニニﾍ/:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 〈/ ／ﾆ〃ニニニニニヽﾆニﾍ/:.:.:.: |

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ネームレス。第一次ネクスト戦役における元凶にして、
正体を隠して現役に復帰したランク1。生きていた黒いネクストのリンクス。
当時のなのは達の仲間、その多くを戦士に至らしめた仇。

彼が死んだ後、彼女がどうするのか、安堵と心配が綯交ぜになっていた。
だが、それも杞憂だったようだ。色々とすっきりしたのか、表情からは険が取れ、
朗らかに笑っている。こんな声も出せるんだな、と微かに感動さえした。

彼女にここまで穏やかさを取り戻せたのなら、自分も命を張った甲斐がある。
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3879： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 22:55:27 ID:jjWs1jOQ0

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　　　　　　 .ｉ:|:.ヽ:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.|:.:.:.:.|:.:| ヽ:.:ｉ:.:.ｉ:.:.:|:＼:.:.:.:.:.:ﾍヽ:.ヽ
. 　 　 　 　 |:.:|:.:.ヽ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!:.:._7t:.-十:ｉ　 ｉ:.ｉ|´丁｀i:.:.|:.ヽ:.:.:.:ﾍ丶:.ｉ
　　 　 　 　 l:.ヽ:.:.:|:.:.:.:.:.:.|:.:.:匕:ﾁ |:.≠.ｌ/　　||,ｲう｡,/:.!:|:.:.:ヽ:.:.:.:ｉ　 ヽ
　　 　 　 　 ヽ:.ヽ:.|:.:.:.:.:.メ´:||:.yﾋて个/　 　/ .{::::j."ｉ/|:|:.:.:.|.ｉ:.:.:.:|　　　　　　あー、そういや、そろそろ来る頃だなあ。
　　　　　　　 ヽ:./=ヽ:.|:.:.:i:.:ｉ,ｲ7::::::ﾟ::|　　 　 　 b:y /:.l/:|ｉ:.:.ｉ .|:.:.:|
　　　　　　　　 ゝ　.个:.::.:ヽ|ヽ らﾂ少　　　　　￣　|:.:ｉ:.|||:.:|　|:.:|　　　　　　　「？　誰がですお？」
　　　　　　　　　 ＼ .|:.:.:|＼＼. ゝ¨　 　 　 　 、　. |:.:.|:.| |:.|　 |:|
　　　　　　　　　　　 ヽ:.:.:|　　　　　 　 　 　 　 　 ｲ|:.:|:ﾍ/　 　|　　　　　　　　まあまあ。
　　　　　　　　　　　　 ヽ:.ヽ.　　　　　　　` ´　／:.:.|:/:.:.ﾍ
　 　 　 　 　 　 　 　 　 丶:.丶＞　、　　　　イ、:.:.:/:.:ヽ:.ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　 ＼ミ　　　 ` ≧´ 　 !＼:.:.:.:.丶:ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　,>.|ヽ　　 ＞＜ 　 /　.ｉ:`＞x.ヽ:ﾍ
　　　　　　　　　　　　 ,､r´:/ | >‐、´　　 　 /　　|::::::::::::::::::::｀ヽ 、
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　　　　　　　,､r´::::::::::::/　　./└t┘　ヽ./　　 　 .ﾄ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ、
　　　　　／::::::::::::::::::/　　／|./ Ⅹ.ヽ　 ヽ　　 ＞┘　＼::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::|

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
すると、なのはは何やら壁掛けの時計をちらりと見やった。
何かと思っている自分を他所に、にやにやとほくそ笑んでいる。
悪戯っぽい少女のような笑みだ。

ネームレスを討ててからというもの、自分の知らなかった彼女の表情や声を
たくさん見聞きした。というより、これが本来のなのはなのかもしれない。
穏やかで明るく優しく、柔和な女性というのが。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3880： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 23:03:17 ID:jjWs1jOQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 _,,..､､､､..,,_
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　　　　　　　 　 　 　 .､-''" 　 　 ／ .: / :/ :/ : : |.:/.: /　＼.: / : : .: .: .: /.: .: / : .: |
　 　 　 　 　 　 　 ／ 　 　 　 ／.:/.:.:/ :/.: . .: .:.:.|ィうう㍉.:.:./.:／.: .:.:／.: .:.:/ : :/ :|
　　　　　　　　　　　 　 　　／⌒7.: / :/ ___|八:Ν 乂少　∨.: .: .:..∠ .: : .:/--/.:Ｘ|
　　　　　　　　　　 　 　 ／　　 /:／〉￣/| |.: .: |　' '　　 ／ .: .:.斗tﾐ.:.:＼/--/<／|
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　/ ／　| |.: .: |', u. 　 ⌒¨¨¨ く少　) .: :￣/.: .:∨　　　　　　あー……二人とも、久しぶりやねんな。
　　　　　　　　　　　　＿_/⌒＼/＼　＿/｜: : |∧　 `　 _　'　' ' ＿彡ｲ..:.:/.: .: /
　　　　　　　　　　　/:::／|　　 /　　∨ //八 .: |::込　　　　　_ ⌒>:／ : .:/.: .: /　　　　　　　
　　　　 　 　 　 　 /／　｜　./　　_　-=７⌒ .:.:|＼ うTﾆ二 　　:／.:.:／/.: .: /
　　　　　　 　 　 ／　 　 ﾉ／ -=ﾆ／::::/／ ∧ |ニニニ／|　 ／　イ.:.:/|.:.:.:/
　　　 　 　 　 ／　 /　 ／/--／〈::::::::7　|:::| ∧＞--彡 /〕 ∧　　.|.:/ :j.: /
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　　 　 〈　 ＼__/　 (_／ __).人::::::|::::人,/_>"　　 ／::::::: |.＼　　 〈（|.　　 |
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　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼　　　　　はやて、さん。
　 　 　 　 　 　 |　 u. 　 （__人__）　　 　 |
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　　　ｉ:.:.:.:.://:.|:.:!:.:.:.:.y´|｡≠､ヽ＼:.ﾍ んてﾒ.＼:.:.:.:.:. |:.:. : |:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　　∨:.:/ ｉ:.:.ｉ:.{!:.:.:.:.|〃んう　　　＼.う__/} ,ｲ|:ｌ:.:.: : ｌ＼:/|:.:.:.:.:.:.:. : |
.　　　人,′!:.:.:ﾘ!:.:.!:.:.ｉ ｀.うﾂ},　　　　 ゝ-┴　 }:l.:./:/　/:. |:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　　呼んでおいたの。元々、今回の私の企てに、
　　　　　　 ',:.:.:. ﾄ:.:ヽ:.ﾍ. ゝ¨, 　 　 　 　 　 　 / /:. |／!:.:.:|::.:.:.:.:.:.: : |
.　　　 　 　 丶:.:.ｉ ＼:>､ﾍ　　　　　 　 　 　 　/}:.: : !　 |: : |:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　　はやてちゃんも無理やり協力させてたから。
　　　 　 　 　 ＼|　 /l:人＼　 ﾏ￣ﾉ　 　 　 　 !:.:./ 　 |: : |:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　　　　　　|:.|{:. : r .　　　　　　　　イ　|:.,'　　 |: : |:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　　　といっても、主にやる夫君の面倒見てもらってた
.　　　　　　 　 　 　 リヽ:.: |　 　. 　　　＜　　　/ｲ . 　 |: : |:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　　　　　　　　＼{ 　 　 ￣|　　　　 ／ ∧ﾍ　|: : |:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　　　　くらいなんだけど……。報告も兼ねてね。
　　　　　　　　　　 　 　 　＼ 　 r/{　　 , ＜ 　　　/ ヽL;; |:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　　　　　　　 　 　 ,､／/－＜、　　　 .／　./:::::::::｀ヽ:、:.:.: |
　　　 　 　 　 　 　 　 ,､r ´／　/>= /´ ＼　 ／　　/::::::::::::::::::::::::｀ヽ、
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訝しんでいると、入口の方からはやてが姿を現した。
いつものジャケット姿ではあったが、様子が普段と違う。
それもそうだ。彼女を相手に失恋したのは、たったの三日前だ。

にこっと微笑みを浮かべてはいるが、どうにもぎこちない。
どういう顔をすればいいか分からないといった様子だ。
そんなものはこちらも同じである。

なのはは気を利かせて呼んだのかもしれないが、
和やかな雰囲気が一気に居心地の悪いものへと急転するのを感じる。
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3881： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 23:06:31 ID:jjWs1jOQ0


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.　　　　　　 　 　 　 / :..:: |:..:..:..:.. |:..|斗-j､/ ｲ/:..::斗┼-ト::|Λ|/::Λ:..|:|:|
.　　　　　　 　 　 ／　{:..:..| :..:..::ィ|´ _ｚ-=ミ　|:..:../:..抖-=ミ j:｀ |:../ :..: |:|:|
.　　　　 ､__　_,／　 　 い八:: :..:..::Ｙ勹:..:ﾉ:}　|:../:../ _):..ﾉ:}　ﾟY::[/ :..:.. 八|
　　　　　　　　　　　　人{:..::＼:..:..:{　 V＾ソ　|/://　 V＾ソ　　:ﾉ:..:..:..:/:: |::..、　　　　　　　　　無事に帰ってこられたみたいで、
　　　　　　　　　　　　　　|:.. r‐＼乂 ^'',,　　　 /　 　 ,,,'''^___彡:..:..::/:..:..|:..:..＼
　　　　　　　　　　　　　　l:ノ＼ /:Λ''″　　　 ｀　 　 　"''' 八:..:..::Λ:..:..|＼:..:..＼　　　　　　　安心したわ。心配、しとったんやで？
　　　　　　　 　 　 　 __ .ﾉ=-イ/:..i⌒> ., __ ｰ　　　 ' ___イ/／:..:../⌒＼|　　　:..:..＼ __ﾉ
　 　 　 　 　 　 　 　 {_j　 -‐ /八| /　　/　7＝‐- ＜⌒/ /:..:..:/⌒ ト-}ｰ-　　　　　　　　　　「は、はい、なんとか」
　　 　 　 　 　 　 　 八＼　ｰ{:{ ＿i　　/　/　　 {　___∨　/:..:..::ｆ　　ﾉ　ﾉ＼　＼
.　　　　　　 　 　 　 厂 　＼ 乂　 |￣| ー{ ___　j　　　 },ノ!:..:..:八 ヾ／　 　 　 }　　　　　　　　　　……。
　　　　　　　　　　 / 　 　 ﾉ＼_／＼ﾉｰ‐j　　 / ￣ ／　 {:..:/　 ／ }　　　　／
　　　　　　　　 　 Λ: 　／ : : ::＞ミく___ノ ⌒/ ｰ∠...__　人:{ ／ : :/　　 ／ /
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.　　ノ　　　　　　　　　＼
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3882： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 23:10:36 ID:jjWs1jOQ0

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/,:　　　　 ／　（__人__）　　　 　 ＼　　,:'/,:　　　/'　　　　　　（前よりも距離を感じる……のは仕方ないお。
/　,:'/,　　|　 　｀ ⌒´　 　 ∪　 　 | '　/　/　,:'/,:
　/　　　　＼　　 　　 ｀ 　 　 　 ,／'　/　　　　　　　　　　　　　口調も親密な感じじゃなくなって……。
/　　/'　　／　　∪　　　　　　　＼'/　　/'
/　,:'/,:　｜ Ｙ 　 　 　 ∪　　 |　 ｜/　,:'/,:　　　　　　　　　　　けど、何よりも気になるのは……）
　　　　　｜｜∪　　　　　　　| 　｜





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　　 　 　 　 　 　 　 　 /.:/.: .: : /∨＼.: .: .:.:＼ .: .: :＼.:＼.: .:＼:.ヽ　.,　- ‐.、
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　　 /　　　 /'　/　　　　　/　,:'くヽ／　＼　,、 ﾍ　 ／i
　,:'　/　　　,:　'　/　'　/　/　,:'／　 ／＼丶＼ゞ」 ﾉ 丿
'　 ,:　　　/'　　 ／￣￣　;;＼＼へ＼ 　|｜　　　|／
'　/　,:'/,:　　／（〇） 　（●）;＼　 Y´　|ノ　　　　　　　　　（前までシンプルだったヘアピンが可愛いデザインになってるお……！
/,:　　　　 ／　（__人__） :::::::;;;;;;;;;＼　　,:'/,:　　　/'
/　,:'/,　　|;;;; ::::｀ ⌒´:::::;;;;;;∪;;;;;;;;;;| '　/　/　,:'/,:　　　　　　それに、なんか、こう……この匂いって香水かお！？
　/　　　　＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,／'　/
/　　/'　　／　　∪　:::::::::;;;;;;;;;;;;;＼'/　　/'　　　　　　　　　　　やる夫と会う時はそんなもの付けてなかったのに……
/　,:'/,:　｜::Ｙ　　　　::::∪;;;;;;;|;;;;;｜/　,:'/,:
　　　　　｜｜∪　:::::::;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;｜　　　　　　　　　　　　　　　　他の男と会ってきた帰りとかかお！？）

3883：安価のやる夫だお：2021/02/14(日) 23:16:22 ID:aio/huig0
言え、気づいたんだから褒めろ

3884： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 23:17:44 ID:jjWs1jOQ0

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　　　　　　 　. : |.: .: .: .: |'＾| : : .: : '，_:ﾆ=-‐….: .:.:.|＾ヽ.: .:.|
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　　　　　　　 |.:.:|.: .: .:|.:.:| 八.: .: .: .:|〃　_)ぃハ Y.:.| 〉/.: : |
　　　　　　　 |.:.:|.: |.:八.:.／　,,,,_.:.:.i| 　 乂ぅ少　j:/|ノ:|.: .: | ＿___
　　　　　　　 |.::.|.: | : .: 八 Y _)心ｊﾘ　　 　 , , ,　/ :|.: :|.: :／　 ／￣＼　　　　　　　　な、なのはちゃん……私、出直してきてええ？
　　　　　　　 |.:.:|:八 .: .: : :人乂ぅｯ 　 　 　 　 u.　八.:／　　/ 　 　 　 ＼
　　　　　　　 |.:.:|.: .:.＼ .: 〈:心　, ,　　` _　ノ　　 / :|.: |＼　 |　　　　　　　　　　　　　　私も仕事終わりやさかい、こないな感じやし。
　　　　　　　 |.:.:| :(＼( ＼.:.:. 个　. 　　　 　 　 ｲ／|:/| / ＼〉　　　|
　　　　　　　 |.:.(＼＼ ＼ ＼(＼ ::::/ ).‐--＜／ 〈:/.::|￣￣＼　 　|　 ／　　　　　　　　なんか、こう……な？
　　　　　　　 |:/ ＼＼＼ ＼ ＼ ＼ //::::://-:＼ /:::八　　　　＼　| /
　　　　　　　 / r‐ミ＼＼(｀`〜､＼ `'＜〈/|＿://--＜:＼ 　 　 　 〈
　　　　　　　 　 )＞　 .,　　 ﾆ=-　..,_　 　 　￣＼へ::::::/:::|＼　　　　〕
　　　　　　　　　　　　　＼　　　 r''　　　　　　　 〕:::::＼:::::|::::::＼　　 ＼
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l'　.l: : :|: : :| :||. _=土三ﾆ:::.、/ ' ／ 　 , ‐-/　 　 /' .|//: : :/ : : :/!: : ﾊ: : : :.∧: : : ヽ: :ﾊ　　　　んー？　はやてちゃんは、今から私たちと一緒に
　　|: : |､: ::ﾄ:!、´　￣￣｀丶　　　　 　 ´ﾆ≡::.､./　 /./ : /: : : :/ .l: ::!: :∨ : :.ﾊ: : : : :|ヾ:}
　　 ﾞ! :| ﾞ､ :l.|＼　　　　　　　　　　　　 ￣｀ﾞ丶ﾐヽ、 /: :/: : : ::/　 !:/! : : ∨: : :!: : : : !　}'　　　　ブライドル地下に繰り出して、ご飯を食べるの。
　　　lﾞ:| : :ﾞ､l|　｀｀｀　　　　　　　　　　　　　　　　｀`/,.ｲ : : : :/　 //:|: : : : ∨: :|: : : : |
　　　| : : : : :|、　　　　　　　 　 ,:　　　　　　　｀｀ ／ /／: :, ':!　//: |!: : : : :.∨:|: : : : |　　　　　　 そういう意図で呼んだんだから。
　　　.!: : : : :.| ヽ　　　　　　 _　　　　　　　　　　　, ／/: ／:/ ./ .|: :l|: : : : : : }/: : : : .!
　　　.|: : : : ∧　 ＼　 　 　 ヽ｀＞　 　 　 　 　 , '￣/／: :./ ./　.|: :l|: : : : : :/': : : : : |　　　　　　　「ええ……あかんて……」
　　　.∨: !: :从　　 l＼　　　　　　　　 　 　 _／　／!: : : :/　　　 |: :!|: : : : : : : : : : : :.!
　　　　∨:ﾄ､{　 　 _|　 ＼　　　　　　_.. ‐ '"　　　 /: : : :/　　　　.|: |.|: : : : : : : : : : : :.!　　　　　　　なにがあかんのか見当つきまへんなあ……
　　　　　ヾ ｀＼ .∧　 　 丶... -‐ "´ .|_ 　 　　.／イ;ｲ/　　 　 　 !: ! !: : : : : : : : : : : :|
　　　　　　　　　/　ﾞ、　　　　　　　 ,/ .|　　　　　 /'　'　　　　　　|: | |: : : : : : : : : : : :.!　　　　　


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しかも、帰ろうとしている。
これは、完全に、あれだ。距離を置こうとされている。
大方、なのはに呼ばれた時も、自分がいるとは知らされていなかったのだろう。

なのはに褒められていた時とは打って変わって、顔を覆って逃げ出したくなってきた。
これは最早拷問の域に入っている。思春期男児に向かってなんという仕打ちか。

なのはとしては、ただの粋な計らいなのかもしれないが。
はやてもはやてで困ってしまっているではないか。
優しさと困惑が傷口に沁みる。
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3885： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 23:23:32 ID:jjWs1jOQ0

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　　　　　 ﾁﾗﾁﾗ　 ／.: .: .:「　 　 　 V'少У.:.:.:/|.: .: .:.:|.: .: .:|
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　 　 　 　 __/　) __　 　 　／ ￣ 7 : : ／￣:／ : .: /.: 八 : 八
　　　　　「{ {　し'　}　　r/ 　 　 /.: .: /＿／　⌒∨ .:/.: :)/⌒＼
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.　 　 　人 　 　 / 　 ／　　　 　 ∨　　　 ＼　＼ /　　　　＼_
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'　/　,:'/,:　　／（〇） 　（●）;＼　 Y´　|ノ
/,:　　　　 ／　（__人__） :::::::;;;;;;;;;＼　　,:'/,:　　　/'　　　　　（なんかすごい見られてるお……困った顔してるし……。
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　/　　　　＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,／'　/　　　　　　　　　　　　きっと、早く帰りたいんだお……）
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はやてもはやてで、見たこともないような表情と挙動をしていた。
基本的にはなのはの方に視線を向けているが、
ちょくちょく隙を見計らうように、こちらを盗み見ている。

いつもの天真爛漫な笑顔も途切れ途切れだ。
言動の節々が硬い。

分からない。女心というのは本当によく分からない。
もしかしたら、いやらしい目で見られていると嫌悪感を抱いているのだろうか？

だとしたら生きていられない。
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3886： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 23:28:18 ID:jjWs1jOQ0

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　　　　　　　　　l::::ｌl::::::::l:::::::::l::l ,ィ尤坏l/　|:/ 从'尤示沁、l:::::::'l　ｌ::|i::::.
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　　　　　ｉ:.:l l:.:.ヽ:ﾏヽ ﾏ:: ',ヽ:.}:.:.:.:.:.}:.:./:./:.|:.: /:.:.:.:.:/
　　　　　l:.:l ヽ:.{::!ヾ､　乂ﾘ　}:!:.:.:.:.: !/ﾐ}/_:.|:./:.:.:.:.:/　　　　　　　　まーまー、二人とも、いいじゃない。
　　　　　Ⅳ　 {:./　　　 ￣　}:!:.:.:.:.: l　 　 l.l./:.:.:.:.:/:|
　　　　　　 　 |:.:ﾍ　　　 ,　 〃}|:.:.:.:l　　　iｌ |:.:.:,′: |　　　　　　　　 積年の悩みっていうか、胸のつかえっていうか、
　　　　　　 　 |:. : l＼￣　　/､ /:.:./　　／/|:.:.{:.:. : |
　　　　　　　　ﾏ:.:.l ＿_ヽ-,r´ヽ:.:/-‐ ´／　!:.:.!:.:.:.:.:ｌ　　　　　　　　　そういうのが終わったんだよ？　ご飯くらい付き合ってよ。
　　　　　　　　 ゝ:.{::::::: ／/／}／　 ／　　人:.l:.:.:.:.:.l
　　　　　　　　/::::ヽ::/　/／>〃 ／　　 ／:::::‘，:.:.:. l　　　　　　　　　食べてるうちに楽しくなるって……あ、連絡きてた。
　　　　　　　　l::::r==　/／/　l／ L＿_/:::::::::::::::ヽ:::::‘，
　　　　　　　, l::::ll　　/ヽ/,ｲ´　　<　　 ＼:::::::::::::::::‘，::',　　　　　　　　ブライドルからか……
　　　　　　 ／　lｉ　 /::／　 　 ≧´　　　 /::-―::￣:‘，:.ヽ
　　　　　〃　　 |　〃 ≧ ´　　　　l li　/:::::::::::::::::::::::::::}:.:.:.‘，
　　　　/　　　　 l イ　　　　　　　　li /::::::::::::::::::::::::::::::::}:.:.:.:.
　　 　 {　　　　 // 　 　 　 　 　 　 /:::::::::::x≦ ヽ､:::::/:.:.:.:.
　　　　 ヽ_　　{　{　　　　　　　 　 /:::::::::://　 　ヽ}::/:.:.:.:.:.
　　　　　 i　　 | ‘，　　　　　　　　i::::::::::::i ',　　　 }〃}:.:.:.:.
　　　　　 |　　 |　 ヽ　　　　　 /　 /:::::::::《 r===／　 i:.:.:.:
　　　　　 l　　/　　　　　ー‐/　　<:::::::::::::｀:r 〃　 　 l:.:.:.:
　　　　　 l　 /　　　　　　　/　　 　＼:::::／／　　　　l:.:.:.:.

3887： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 23:31:55 ID:jjWs1jOQ0



　　　　 ／￣￣￣ ＼
　　　／　　　　　　 .　＼　　　　　　審査の結果ですかお？　賠償しろとか？
　 ／　 _ ノ　　 ヽ、_　　 ＼
.　|　　　（ー） 　（ー）　.　　|　　　　「……ううん」
　 ＼ .u　 （__人__）　.　　／
　　 /　　　 ｀⌒´　　　　ヽ　　　　　じゃあ、どんな……
　　ヽ、二⌒)　　　(⌒ニノ






　　　　　　　　ｌ｀:.:.:.∧　　　　 　 　 　 　 　 |:.:.:.:.:|　',/　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　|:.:.:.:.:.:{ ヽ　　　　r- , 　　　 /|:.:.:.:.:!　 ヽヽ　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　|:.:.:.:.: |　 ＞ .　　　 　 　 　 　|:.:. /　／　 ‘， |:.:.:.:.:.:.:.:.:.
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　　　　∨　 !′l:.:.:|:.:.! ､辷ｰクﾉ　　　 　ｹ云x.:ﾉﾒi.:/.:.:.:.:l.:.:.:.:.l:.!
.　　　　 ゞ､)l::.:.:ゝ:ﾍ､:!　｀¨¨ﾞ`　　　　　/.::ﾇﾘｹ;´.:;ﾘ..:.:.:.∧:l.:.:ﾊ!　　　　　　　……生きてるって。ノーバディとマーシフルの戦闘記録はなし。
　　　　　 'iｰl;:.:.:.::.个｀　　　　　　　　　匕ﾞ.ノ_ノノ/!:.:.:.;/　ﾚノ　!
　 　 　 　 l.:人::.:.:.ﾞl　　　　　　 　 　 　 ¨`て.._｀V.ﾊ.:::/ 　 !′　　　　　　　　　ネームレス、ノーバディ共に健在。ランクも変わらず。
　 　 　_,､n<　 '.:.､∧　　　　　　　ｃ｡　　　人__,¨＼:l/
　　ｲ´.:::.ハﾍ　'､l?∧　　　　　　　 　 .,／: :.j　 ／}′　　　　　　　　　　　　　　撃破された事実は認めず、今回も不問に処す。
／　l:::::::., 　＼　´､?「＞､　　　　 , イ´. 　.:.イ´.:l.:.|
　 　ｊ::::::::.ﾍ　　＼　　＼ﾍf＞.ｰ イ. . . :＜.:.:.:.';.:.:.:|.:|　　　　　　　　　　　　　　　　って。
／¨ ﾍ:::::..∧ /＼｀ >ｰ<cﾊ. . . . . . .fヽ,¨ -ﾅﾍ.';.:.:|.|
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/V//,∧:::::..∧､/　 >介ｲー"´　／.:::.∧//zj.:.:.';.:.|
j∧V//∧:::...∧　　ｊメﾍ＿_　-ｲ.::::::::::::.∧//j.:.:.:.';.|
j:iV∧//∧:::::::..＼　ヽ´.:::::::::::::::::::::::::::::::::人/j.:.:.:.:';|

3888： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 23:32:34 ID:jjWs1jOQ0

　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼　　　　……ええ？
　 　 　 　 　 　 |　 　u　 （__人__）　　 　 |
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼

3889： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 23:32:49 ID:jjWs1jOQ0
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

3890： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 23:39:19 ID:jjWs1jOQ0

---Unknown---

【Name】
ネームレス
【Status】
AMS適性：？
極めて高い適性を持っており、機体を自身の体同様に動かせる、と思われる。

戦闘技術：A
ネクスト操縦技術。
ブライドルランク1位に相応しい実力の持ち主。

【Note】
IGIOの切り札。ブライドルランク1。
決して人前には姿を出さない、不動のランク1。
壮年男性の声をしているらしいが、詳細は不明。

【New】
かつて第一次ネクスト戦役において元凶となった黒いネクストのリンクスその人、と高町なのはは語る。
声と機体の機動が本人のそれだという。




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈＼　　＿______ ﾊ　　 /l　 　 ./〉
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /(二ﾄ　/ヽ 　 ＼＼ｌ l 「「ヽl//
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　　　　　　　　 ===ｧ､_____　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　仁 　 ＼　`(@）＼{::::V　　　 ／　　 ／〉￣ >､
　　　　 　 　 ____／/　　　＼_　　 　 　 　 　 　　　 |　　　{ニ　　　弌℡ｭ.、 L:/ 　__, fニニニ／　 ／　 {
　　　　　　　___/__/　　　　　|＼rーｧ‐‐ ､　　 　 　 }　 　 {ニ　　　 ∧ 〉===Y!}／／ 　 　 ／　 ／ {　　 {
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.　　　　　 　 ||_ ‘,　‘,／／￣￣＼.!　　　　　　　｀ヽニニニﾆ/ニ＼ﾆヽ//ﾆﾆﾑﾆﾑ V　 　{　　　　 }l　　 　 }
　　　　　　 　 二‘,　‘, ‘,　　　　　 |　 　 　 　 　 　 |ｰ―‐‐ｧ.ニ　＼{‐‐‐=ﾆ二ﾑﾆﾑ_',　　‘,　　　　ヾ　　　「
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　　　　　　 '//////,　‘,_‘,　　 　 /＼　　　　　　　 |ﾆ|ﾆ|__寸ニ寸寸ﾆﾆﾆ=- _　　　 ｀ ‐=ﾆ‘,___　　　　　}
　　　　　　　'//////,/　＼＼___/　　 ＼　 　 　 　 |ﾆ|ﾆ＼ニニﾆ＼ｊ.ニﾆlニニ=-ニニニﾆﾆ寸ﾆ＼ 　 /
.　　 　 　 　 ＼///,{　＼ 　＼‐　　 　 　 ＼ ________|./ニニ＼.ニニニニﾆ＼ﾆニニニ=-ニニﾆ寸ﾆ}　 !
　　　　　　　 　 ＼八　　＼ 　＼　 　 　 　 　 　 　 |ニニﾆﾆニ,>=========＼lﾆﾆﾆニ|　　　　 |ﾆ7 ./
.　　　　 　 　 　 　 }　ヽ 　　＼　 ＼　　　　　　　 ／ニニニニｌ {三三三三三} ｌ＼ﾆﾆﾆ|　　　　 |./／

【Name】
ノーバディ
【Type】
中量二脚
【Architect】
IGIO開発部
【Status】
火力：A　機動力：A　耐久力：B　持続力：B　負荷：D
【Note】
IGIO開発部が総力を挙げて開発した白い中量二脚ネクスト。
武装はレーザーブレード、シールド、ライフル、PMミサイル。
機動性、火力共に高水準で仕上がっており、それでいて装甲が犠牲になっているわけでもなく、
持続力もあるというIGIOの最高傑作。

【New（二週目）】
戦闘記録が極端に少ないものの、撃破率は極めて高い。
実際の武装はPMミサイルではなく小型の連装式コジマキャノンビットを搭載。
ビットはクイックブースト機構を搭載しており、更なる機能も隠している可能性がある。
現存する兵器群において、これほど高度な自律機動兵器は例を見ず、露見すれば騒ぎになるはずだった。

マーシフルとの戦闘で撃破されるものの、なぜか健在とされる。
記録映像もフェイクと処理され、戦闘自体がなかったものとされた。

3891： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/14(日) 23:44:05 ID:jjWs1jOQ0

　　　　　　　 ､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|　　　　　　　すまない、眠い。寝たいわけじゃないが眠い。まあ、そろそろ寝ないとまずいんだけどさ。
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i　　　　　　　　最近は話のテンポを重視して投下している。ほら、どんな作品も終わらせなきゃじゃん。
　　　 　/ : : : : : : :┌─┐
　　　 　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ　　　　　　　私も、いつまで投下できるか分からないし。生活的な意味で。
　　　 　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿
　　　 　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ　　　　　　　　　正直、いつ「リアルの都合で一旦エターします」となっても不思議じゃない状態だ。
　　　　 と_ : : : : : : ノ : :ノ
　　　　　　￣￣￣　￣　　





　　　　　　 　 ,- ‐‐ -　､
　　　 　　 ｒ‐ｲ: : : : : : : : :｀,　
　　　　　　i /○　○: : : : /　　　/｀ ､　　　　　まあ、ひとえに>>1の心身が弱り切ってるのと、今の仕事の負荷がやばいってのがね。
　　　　　 　i_ _ _ : : : : : : :{　 　 / : : /
　　　　　　 ｀,_　_｀=-: : : :| 　 ノ : : /　　　　　　次回は来週の……木曜日にしようと思う。2/25だ。次の現場が平日休みでね。
　　　　　　　i: : : : :_: : : : :'y´ : : : /
　　　　　　　｀-‐､´: : : : : : : : : ／　　　　　　　　しかも夜勤がたっぷりと聞かされた。拒否権はなかった。どうなるか分からない。
　　　 　 　 　 　 ﾉ : : : : : : : : i´
　　　　　 　 　 / : : : : : : : : : :|　　　　　　　　　　とりあえず、シーユーアゲイン。完結、させてやりたいね……。
　 　 　 　 　 　i: : : : : : : : : : : !
.　 　 　 　 　 （｀ー‐-　　-‐　_}

3892：安価のやる夫だお：2021/02/14(日) 23:47:10 ID:FJDY9ibU0
乙
まあリアル大事で

3893：安価のやる夫だお：2021/02/14(日) 23:48:56 ID:aio/huig0
乙ー

3894：安価のやる夫だお：2021/02/14(日) 23:50:14 ID:y1nYO09k0
乙でした

3895：安価のやる夫だお：2021/02/15(月) 00:04:30 ID:Qs/MEW6.0
乙

3896：安価のやる夫だお：2021/02/15(月) 18:10:08 ID:ETFig8mc0
乙でした

3897：安価のやる夫だお：2021/02/16(火) 00:14:19 ID:cm0ZV0pY0
お疲れ様でしたー

こいつ、ダミープラグよろしく人間じゃない気配がするなぁ

3898： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/19(金) 18:50:14 ID:QSQZlnis0
すまない、木曜日が休みでなくなった。
水曜日はなんとか休みにしてもらえたから、来週水曜日2/24の午後8時からに変更する。

振り回してごめんね、ほんと・・・

3899：安価のやる夫だお：2021/02/20(土) 21:29:02 ID:AimJr2a60
お疲れさまでした。
ゆっくり待ってます。

3900： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/24(水) 20:01:06 ID:cZ0Ca8Hk0

　　　　／||ミ
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　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　　お互い大変な時代を生きてるねえ。私のスレでも見て気を紛らわしていってくれ。
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　　我がスレではROM専でも大歓迎だ。でもレスがあったらあったで元気になるなあ！
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　　　男も女もオカマもオナベもよくわかんないやつも、ご老人でもヤングでもカマンだぜ。
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

3901：安価のやる夫だお：2021/02/24(水) 20:07:38 ID:6Cw.ki1k0
ハロー

3902： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/24(水) 20:16:59 ID:cZ0Ca8Hk0

　　　　. . ＜: : : : : : : : : : ≧: : .
.　 , : : :_:_: : : : : : : : : : : : : : : : : : ＞ 、
　,: : : : : : Y´: : : : : : : : : : : : :丶: : : : :＼
./: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ: : : ヾ:.、
: : : : : / : : : : : : : : : : : : : : : : : ; : : : ; : :ﾊ
: : : : /: : : : : :/;_:_:;: : :/: : : : : : :∨: : ∨: :!
: : : ::{: : : : : : {´｀´｀∨: : : : : : : : ∨≪∨:{
: : : ::|: : : : : : | _,．--}:-:、 : : : :; -:∨≪Ⅵ
: l : {:!: : : : : : !´　　__l! ∨:|ﾍ : }从: }: : : |ﾘ
: |:l:从: {:-: : ::ﾄz====㍉,　　 }/__,ﾑ:| }: : |　　　　　　　　――なんや、きな臭い話なってきたなぁ。
: |:|: : {｀ヽ ∨:!ゞ辷:ノ　　　 （ ´¨´八.!::从
: |:|: : ｀ヾ_- ., 　　　　　　　　,　　 .: : : ト 、　　　　　　　　なのはちゃんも飛び出してってもうたし……。
: |:|: : ∨: 〉く: 、　　　　 __ .,　　.ィヘ:_:_、｀ヽ
::介∧ ∨{　 Y: ＞、 　 ￣ ＜: :{ ゝ_ィ^ヽ.
:{ .l: :∧ ∨:＼）: }ヾ:、/￣_Y二ﾆrｆ´｀ ｀　　、
:| .|:∧　＼{~ ‐}:l:!　 >‐ミ {_|＿　{ﾉ^ヽ　　 　 、__
ゝ/　∧　　　　 |ﾊ./三三∨￣ ｀ヽ. ハ　　 　〉:::::Y
_/　/ ∧　　　 /　}!ゞ三三≧--=ﾆﾆﾆ{ト-::イ:::::::::!
.　　 /　 ＼.　/　 .!::::::＞:..寸二〉::::>:::::｀ヽ:::::::::::::::|
,-=ミ　　 　.У＿.」::::::::::::::::＞<::::::＼:::Y::::::::;::::::;ノ{
　　　｀ヽ　 {　　　.|:::::::-＜::::::::}::::＞::Ⅵ:::::::::::Y:::::::l、
　　　　　　 l! 　　 !::::::{:::::::::::::└::―:-Y::o::::::::}::::::::|::＼
　　　　　　 l!　　 ム::∧::::::::::::::::::::::::::::｀::、::::::|:::_:::_::_:::::
　　　　　　 l!　イ::::::::::::::＼::_:_::::::::::::::,::-::‐'::´:::::::::::::::ト、

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
三人の間の空気が祝い事から混乱へと一転した後。
なぜか自分とはやての二人は、自分の部屋に集まっていた。

まあ、確かに、今話している話題は、絶対に他人に聞かれてはいけない内容だ。
この場所、このコロニー、あらゆる公共の場所は企業の管理下にある。

部屋の主が留守のまま、居座り続けるのも、という流れになり、場所を自室へと移した。
正直、こちらとしては気が気でなかったが。

ネームレスを討てたと思って話していた時とは打って変わって、
冷静になったはやては、部屋に入ると謎の小さな機械を取り出した。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3903： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/24(水) 20:22:04 ID:cZ0Ca8Hk0


　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼　　　　　　なんですかお？　その機械。
　 　 　 　 　 　 |　 u. 　 （__人__）　　 　 |
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼





　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／￣:::::::::::::=‐-
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＿ノ￣:::::::::::::::::::::::::::―へ::＼
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／´￣／::::::::::/ /:::::::::::::::: ＼ :::: |:::::＼
　（＼＼　　　　　　　　　 　 /　　／::::::::::/::{　|:::::|:::::|:::::::::::::::::: |:::: i:::::.
　　＼　/Ｙ_　(＼　　　 　 　 　 /:/::::::／⌒ヽ |:::::|:::ﾉ―:く:::{ﾆﾆ｝ : |::::::|
　　 　 { 〈:::::＼V＾ヽ　　　　　　|::{ ::::::::::xf笊し|:::::|:::ｘ=ミ､ヽ{ﾆﾆ｝::::|::::::|
　　　　∨:::::::::::{:::::::}　　　　 　 |八:::::::: 八LJ八:::|　ﾉしﾊ /::::::::|:::::::::::::|
　　　　　＼::::::::::::::::}　　　　　　　V＼{＼| ,, ｀　　　└ン/::ﾉ::::::|:::::::::::/
　　　　　　　>､__:::::{　　　　　 　 /:::::::::从　 V⌒　　　''/／:::::::ﾉ::::::::/
　　　　　 　 |:::::::::::::::Ｙ　　　　　 ｌΛ:::::::{:::＼　　ノ ／／:::::::／::::::::: {　　　　　　　　盗聴器発見器ー。こないな稼業やさかい、
　　　　　 　 ト :;::::::::::|　 　 　 　 |{　∨::{r― うﾆ ｛ /:::::::／ Λ∨八{
　　　　　 　 ｜　￣Г　　　　　 r―厂 |i^＼＿　V::::／ :::/　}::}Λ:::＼　　　　　　　私たちリンクスは政争の真っただ中にいるようなもんやで。
　　　　　　　 | 　 　 ',　 　 ＿＿j　 { 　 || _ﾉ{　 厂∨/:::::/　 ﾉ:ﾉ　}:::::|::::::
　　　　　　　 |　　　　V‐く　　　 ＼ ∨￣　ﾉ＼| ／ {::: / 　 ／　ﾉ:::: l＼:　　　　　　備えあればうれしいなちうやろ？
　　　　　　　 |　　　　 }　　＼　　　｝ ＞''"´:::::::ﾉ::::{　∨　 〉　／イ:::::|　 ＼
.　　　　 　 　 ',　　　 丿　　　＼　.／::::::::>､>:::::::::Λ　　 /Λ　　ﾉ八｛　__))
.　　　　　 　 　'､　　 　__、＜: : : /:::::::::/::::::::::::::::::: Λ　/　　 ＼　　　　⌒＼
　　　 　 　 　 　 ｀¨¨｢: : : : : : : : {:::::::::｛::::::::::::::::::::::′∨ 　 ＿ノ＼
　　　　　　　　　　　 |: : : : : : :. :人:::に二｝::::::::::::::′　∨　⌒ｱ　　＼
　　　　　　　　　　　 |: : : : : : : : : : ＼:::::＼::::::::::::′　　∨　　　 　　　＼
　　　　　　　　　　　 |: : : : : : : : : : : : `:Ｔ:::::::::: /　　 　 Λ
　　　　　　　　　　　 |: : : : : : : : : : : : : 人{ニ}/　　 　 /￣＼　　　 ＼

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なるほど、そう言われればそうだ。しかし、ほんわかした彼女が言うと、
どうにもギャップを感じずにはいられない。

どれだけ穏やかさを装っていても、自分も彼女も、実情は殺伐としたものだ。

だが、それも仕方のないことといえばそうなのだ。
リンクスはネクストのパイロットたりえる唯一の人間。
そしてネクストは一個の軍に相当する。つまりはワンマンアーミーだ。
そんなもの、政治屋としては厄介以外のなにものでもないだろう。

というより、自分が不用心なのかもしれない。少し反省しよう。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3904： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/24(水) 20:32:55 ID:cZ0Ca8Hk0


　　　　　　　　　　　　　 -‐━━=ミ
　　　　　　　　　 /⌒:^.: : : : : : : : : ::＞
　　　　　　　_.-=ミ: : : : ＼: : : : : : : : :V: `.
　　 　 　 .ｨ: : : : 7:〉 :∧: : :V: : : : : : :〈/: /〉:.
　　　　 /: : : : : :|/ | : :|:V: : :i : :| : : : : V〉: : ﾊ
.　　　 /: : : : : : :|i　!::斗-V: :|ー|‐|:-|: ::|:|i: : : |i
　　　 ′l: : |i :|i |i_,.ｨﾃﾃﾐ : : |N|ｨテﾐN: |:|i: : : |i
　　　{　｜:::|i :|i |i　 r勿,　|:N　 r勿ﾉ !::|:|5!: : : .
.　 　 　 从::|i: |i |i:　^¨¨　　i　　　 　 」::|:|,ﾉ: ;小:.　　　　　　　　　しっかしなあ……爆発四散させた相手が生きとって？　機体も新品？
.　　　　　　〕: :|i |N」　　　 ,　　、　　.: /|:| : /: : :|i　
　　　　　　　　|i ||:|:i＞　　　　 　 .ｨ :/::」:/〈: : : 八　　　　　　　　 なんや、ランク1さんは影武者でもおるんかいな。
　　　　　　　　|i ||:|:|///〕ﾆ=-　　 | l: : :/　 V⌒V:＼
　　　　　　　　|i7⌒V|　V寸ﾆﾆ才　!: /　　　＼_,V⌒ :、　　　　　　「AMS適性者って、そんなゴロゴロ転がってないと思いますお」
. 　 　 　 _　--厶ヘ V　 V /⌒丶　| {　 　 -=ﾐ,V{　　,ハ
　　　　 〈,　　 / 　 　 V　V^V__/^V　|/　/　 　 ＼　/　　　　　　　　そうなんよねえ。ノーバディみたいな機体を動かせるほどの
　　　　/∧　/　　　　 }.　 }i /　Vi{　 」　/　 ______　/　　 __
.　　　 {　　V　 　 　 ,リ,　　}i　　 i{　 }i,　 ／　 　 |ー━=ﾐ」　　　　　　適性持ち、そうそうおらんやろうし……
　 　 r」　　⌒ー‐―(￣￣〉ﾑ　 /| 　i|／　　　　｜　 　 _.」Ｌ
　 　 |⌒ー}　　　　 /　 　 ＼ V　　 /　　＼　 　_|　　ー=ミ__ )　　　　　せやけど、そうでもあらへんと説明つかんで、実際。
　 　 |　　 ﾉ　　　 ,/　　 　 　 ＼　./　　 f/―‐┐＿__　　　}　＼
　　 ∧__(___　　_/　　　　　　　　＼　　 /　￣￣〉　乙...
　　　　/　　　/八　　　　　　　_ji斗〜'へ　￣￣| 　 」(
　/　 /　　　/￣,.. ．-‐　'''""~ 　 　 　 　 .V　 rﾉ.　　　＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
盗聴器の類は見つからなかったらしく、はやては黙って黒い無線機のような
機械をジャケットの懐にしまうと、リビングの壁に背中を預けた。
座ればいいのに、と思ったのだが、この雰囲気では中々言い出せるものでもない。

しかし、実際あれはどういうことなのだろうか。
マーシフルのレーザーブレードに貫かれ、確かにノーバディは爆ぜた。
燃え落ちるコックピットだって視認できた。あれでは生きていられまい。

なのに、ブライドルもIGIOも、戦闘自体がなかったと言うではないか。
今なのはが依頼仲介人の蛇男を問い詰めに行っているが、
ろくな返答は期待できそうにないと直感が言っている。

影武者とて、簡単に用意できないだろう。
現存するリンクスが30人にも満たないことから分かるように、
ネクストを動かせるほどのAMS適性者は世界的に見ても少ない。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3905： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/24(水) 20:46:54 ID:cZ0Ca8Hk0


　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼　　　　　　まあ、影武者も欲しくなるかもだけど。ランク1がぶっ倒されたら大騒ぎだお。
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　やる夫みたいな低ランクの独立傭兵に負けたってんなら尚更ですお。
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　　ともかく、誰かが細工してるのは間違いなさそうだお。
　　＼ ／＿＿＿ ／





　　　　　　　　　　　　　　　 　　 .. :''"ﾟ~￣~"''〜､、
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／:/ .: /:|.: /.: .: .: V⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　/.: /.:|.:.:|.:.|:/ |.: .: .: :|.: |.: :',
　　　　　　　　 　 　 　 　 / .: .: .:|.:.:|.:.|-.:八|.: .: |.: |ｸ|: ,
　 　 　 　 　 　　 　 　 　 ;.:.: .:| : |.:.:|斗tミx:|.: .: |.: |ｸ|Xi
　　　　　　　　　　　　　　|.: .:.:| : |.:八乂ﾂ　|ﾊ:xミ.:|.:.l.: |
　　　　　　　 　 　 　 　 /|.: .:.:|.: :〈:(⌒ '' 　 　,ゞ'_彡ｲ: |　　　　　　　　　……私ら、知らん方がええことに首突っ込んどるのかも。
　　　　 　 　 　 　 　 ／.:.|.: .:.:|.: .: : ＼　 　 _　 ''八 :| .:|
　　　　　　　　　　 ⌒7.:.:.| .: 八.: .:〈.＞　　_　.イ.: .:.:.| .:|　　　　　　　　　 どんな物事にも表裏っちうんはあんねん。
　　　　　　　　 　 　 /_　 -=ﾆﾆ.: .:.:|⌒Y|￣＼:| .: / |.:/
　　　　　　　　　　 /⌒ニニニ|∧.:.| / 八／⌒V/___/__　　　　　　　　　　企業連が私らや一般市民に秘密にしていることが、
　　 　 　 　 　 　 /／⌒ 二二|ニ＼(＼:::{⌒＼:}ニニニ＼
　　　　　　　　　 {:{ニ| /ﾆ'ニ.八ニﾆ|::::::＼::::::::::＼=======‐┐　　　　　　あのネームレスに関係しとんのかもしらん。
　　　　　　 　 　 八ﾆ/ニﾆ∨ニ＼ﾆ|:__〈^〉＼:::::／`'＜.ニニ八
　　　　　　　　　 　 /ニニﾆ〕／⌒ﾆ〕::::::〕L:::::＼ :::: :o/⌒＼ニ＼
　　　　　　 　 　 　 { ニニ／ニニﾆﾉ :::: 〕 〔::::::}:::V::::/:::::::::::::ヽ.ニ|
　　　　　　　　　　　] ﾆ／ニニﾆ／::::::::::〕　〔::: }::::}::::{::::::::::::::}::::V八
　　　　　 　 　 　 　 ／ニニﾆ／ ',:＼／　 ノ:::/ :人八::::::::::::}::::八 -_
　　 　 　 　 　 　 ／ニニﾆイ///∧::::=‐---‐=~::::o::|::> __:ノ::ｲ:|ﾆﾆ-_
　　　　　　　 　 /ﾆ=-.----＼///∧:::::＿＿{_:::＼___/:::::::≠ / |ニﾆ-_
　　 　 　 　 　 /ﾆ/::::::::::::::::::::: ＼_//／ --＜:::::::::-‐……}}:::}::〈ニニ-_
　　 　 　 　 　 |ﾆ.| ＼:::::::::::::::::／::: 〈 /　⌒＼)--------=ミj:::::〉ニニ-_

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はやてが腰に手を当てて考え込む素振りを見せる。
表情自体はなのはと違って平静を保っていた。
意外でもなんでもない、と言いたげな程に。

正直、そこに関しては同じ気持ちだった。

企業連は彼らが語る程クリーンな組織体制ではない。
金、領土、資源、利権、メンツ、確執、民族意識。
それらを戦争による経済、経済による世界安定の名の下に、
無理やり一括りにしたのが企業連だ。

裏ではどんなアコギなことをやっているのか。
巨大化した組織が腐敗するのは、もはや定めといってもいい。

その腐敗や汚点が、あのネームレスに関係しているのだろうか。
彼が倒れることで、企業連の汚点が晒される、ということになるのか。
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3906： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/24(水) 21:01:23 ID:cZ0Ca8Hk0

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　　 : |:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:┼―‐ -:.:.:.|:.:.:. ィ:.:￣:.:.:.:.:|:.:.:.:|:.:.:.:.: |　
　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:|斗ぅ＝ミ :|:.:.:.:.:|ｧう＝ミ: |:.:.:.:|:.:.:.:.: |　　　　　　　　ちうても、私は、やめろーなんて言えへんけどな。
　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:{　)いﾊ　从:.:.:.:.|　)いﾊ Y:.:.: ﾉ:.:.:.:.: |
　　|:.:|:.:.:|:.:|ﾍ:.人:.:.:　乂;;ツ　　 ＼:.| 乂;;ツ 从:.Λ:.:. /:.|　　　　　　　　なのはちゃんの宿願や、やめたくてもやめれへんやろ。
　　|八:.:.|:人:|:.＼＼ト''　　　　　　　　'''　　/:.:.:/　}:.:.:.:.:.|
　　 　 ＼ 　 |:.:.:.:.:.八　　　　 '　 　 _,　　 /彡/_,ノ:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　 ……あの子の心は過去に取り残されとる。
　　　　　　　八:.:.:.:.:.个　　　｀　　　　　　 イ:.:.:.:| :.:.:.:. |:.|
　　　　　　 /:/:.＼／￣　　　　 　 　 ＜ |＼__:.:|:. /:.:八|　　　　　　　　 あの子は、自分の心を過去から今へ取り戻そうとしとるんや。
　　　　　／:/⌒∨ :. :. :. {＼＞r≦.　　ノ| : :. :. :. :.＼:.:.:|
　　　 ／:.:./ :.:.:.: ∨:. :. Λニ=‐‐=ﾆﾆﾆﾆ|:. :. :. :. :. :./:.八　　　　　　　　 やろうとしとるんは人殺しやけど……止められへんよ。
　　　⌒ｱ/:.:.:.:.:.:.:.:∨ /　 ∨二二二.／｜:. :. :. :. :/:.:.:∨＼
　/￣￣/::::::::::::::::::::∨　　　Ｖニ＞''´　　|:: :: :: :: /::::::::::∨__
:: :: :: :: 厂￣￣＼:: /{＿_／{⌒｀}＼　　Λ::: :: ::/::::::::::::::::⌒＼
:: :: :: :/:: :: :: :: :: ::.:}::::{／　　{:::: /　　＼j:::::＼::/:::::::::::::::::::::::::::::





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　 　 　 　／　　　　＼
.　　 　／　 　 　 　 　 ＼
.　　／　　　 ―　　 ー　 ＼
　　|　　　　（●） 　（●） 　|
.　　＼　　　　（__人__）　 ／
.　　　ノ　　　　｀ ⌒´ 　 ＼
　／´　 　　　　　　　　　 　ヽ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
はやては柔らかい声色で続けた。反論も意見もする気が起きず、傾聴する。

なのはは過去に決着を着けたがっている。
終わらせたはずの因縁を終わらせるため、自分自身の納得のため、
死んでいった家族や友人の報いを受けさせるため。

復讐は虚しい、負の連鎖であると、手垢の付いた表現がある。
その言葉は、復讐など考えたこともないような人生を歩んできた人の台詞だ。

自分だって、あの時仕留められてなかったことになっていることに、
相応の憤りを感じていた。なのはの心の靄を晴らせたと思ったのに。
ようやく、まともな恩返しができたと思ったのに。

かといって、もう一度ノーバディを倒すのか？　また同じことが起きるかもしれない。
何も見えない中で、霧の中に銃弾を撃ち込むようなものだ。
敵の有無も、撃った後に倒したかどうかも判然としないだろう。

いつかのように、本人は裏でぴんぴんしているかもしれない。
こういうことが起きれば、何も信じられなくなる。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3907： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/24(水) 21:12:25 ID:cZ0Ca8Hk0

　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　／ 　 （●） 　（●）　 ＼　　　　　情報が、足りなさすぎるお。動くにもリスクばかりだし……
　　　|　 　 　 （__人__）　 　　 |
　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／　　　　　　ネームレスについては、一旦置いとくしかなさそうだお。
　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ
　　 / 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |　　　　　　　なのはさんには、面目立たないけど……。
　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|






　　　　　　　　　　　　　　　　''"ﾟ~￣~~"''〜､、
　　 　 　 　 　 　 　 　 ／.: .: .: .: .: .: .: .: .: ＼.:＼
　　　　　　　　　　　／.: .: .: .: .: .: .: ⌒＼.: .: :＼.:＼
　　　　　　　　　　.: .: .:.:へ.: .: .: .: : ＼.: .:.＼＿_| |__:ヽ
　　　　　　　　 _/ : .: .: |.: : ＼.: .: ＼.: ＼.: / 〉-| |-:|:.: :.
　 　 　 　 　 /⌒.:.:.:|.:.:.|.: .: : .:＼.: .: .: .: .:〈_/.: .:|_|.:∧.: (＼
　　　　　　 /.: .:.| : .:|.:.:.|.: .: .: .: .: :. .: .|_.:|_|_:/ 〉.:.|Y.:.(＼.:Y ﾄ､
　　　 　 　 : |.: .:|.: : i⌒|.: .: .: .: .: |／ |.: | |〈_/.: .:| } .: : 〉＼　|＼
　　　　　　|: |.: .:|.: 八　|.: ＼.: .: .:| .:| ィぅうミｘ.: .:|ﾉ.: .:/　　)＼イ
　　　　　　|: |.: .:|.: .: .:.､／⌒ ､.:.:.| .:|　乂少　|.: :|.: .:/　　⌒Y:|ﾉ　　　　　　　　　なのはちゃんも、同じこと言うと思うで。
　　　　　　|: |.: .:|.: .: .:.:.＼.ｨぅミk.: :八　　' '　 |.: ∧/　　 　 人:＼
　　　　　　 八.:.:|.: .: ＼.:└ 乂ﾂ∨　　 　 　 八(_〈 　 　／ /∧.: )　　　　　　　　五里霧中や、何もはっきりせえへん、動きようあらへん。
　　　　　　　　 人.: .: .: ＼.:.:.:＞　　` r　 ＾)　//|∨----〕//　 ＞‐┐
　　　　　　　　　　＼( : .: .＼.: )＞ 　., ＿___// :| 」＿__／::|　 /　/ ∧　　　　　　 しばらくは情報収集やろなあ。
　　　　　　　　　　　ﾉ:＼￣..: .: ∧:.: :(／〈＿／ ||:::::::::: ／::|___|＿_/　|＼
　　　　　　　 　 _／.: .:./八.: .:.〈⌒∨ ＼〕ﾆ ／ ||:::::::::::::::::::〉__j 　 |　 | 　|　　　　　私は……オルデンブルク系リンクスやさかい、
　　　　　　　　⌒7.: :__|＿∧.: .:∨〈,,／Y⌒Y＼,,〉T¨¨¨¨¨∧￣＼|　 |　 |
　　　　　　　　　 |.: :「￣￣込 : .:∨/|　L:i:i:ﾉ　 〉 ::|:::::::::::/::::|＿___＼_|,／＼　　　　あんま情報流せへんかも。
　　　　　　　　　 |／￣￣￣　＼:|: 八 /:ｉ:i|　 /＼:| ::::: /::::: |:::::::＼　＼
　　　　　　　　　 |　 /:￣￣￣￣`､::|V:i:ｉ:ｉ:|_,/ ::／|:::: / :::::: | :::::: ∧ 　 ＼
　　　　　　　　　/　 {::::::::::::::::::: ＼::: |:i:i:i:／:::／::::::|:::::::::::::::: |:::::::/　|　＼
　　 　 　 　 　 /　 八:::::::::::::::::::::::::ヽ:〈:i/:::／::::::: 八::::::::::::::: | : /　 .|
　　 　 　 　 　 〕／ /:: ､:::::::::::::::::::::::ﾉ八:::::::::::::::::::::::::::､::::::::::::::/　　 |＼
　　　　　　　 /　　/＼:::＞‐--‐＜:::::::{:::::､:::::::::::::::::::::: ＼_:／ 　 　 |
　　　　 　 　 |　 .〈:::::::::＼::::{｀`〜､、::::}:::::::＞‐---‐＜::::/　　　　　|
　　　　　　　〈_／￣￣::::::ヽ}::::::＼:::::::::}::::---‐:::::::::::::::: 〈. 　 　　　 |

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
とにかく、これからは様子見の時期だろう。
はやても言うように、何も分からないまま動いたところでどうしようもない。

元より、今回のノーバディ撃破も、最初は棚ぼたのようなものだったのだ。
初めはもっと気長にやるつもりだった。そこに戻るだけだ。何も失ってはいない。

もっとも、しばらくは警戒した方がいいかもしれないが。
何せ企業連の首魁たるIGIOお抱えのランク1を斃してしまったのだから。
眼は付けられているに違いない。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3908： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/24(水) 21:16:35 ID:cZ0Ca8Hk0


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　-‐…‐-
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　　　|　 　 　 （__人__）　 　　 |
　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／
　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ
　　 / 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |
　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|

3909： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/24(水) 21:25:19 ID:cZ0Ca8Hk0

　　　　 　　　＿＿＿_
　　　　　　／　　　u　＼
　　　 　／　　＼　 　 ／＼
　　　／ 　し （○） 　（○） ＼　　　　（気まずっ）
　 　 |　∪　 　 （__人__）　 J |
　　　＼　　u　　 ｀⌒´　 　／

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
思春期男児にはあまりにも重い沈黙が流れる。

はやてが自分の部屋にいる嬉しさと高揚感。
少し前に告白を敢行して、やんわりとお断りされたという事実。
感情が容量を超え、パンクを起こしていた。

とりあえず、ネームレスに関する話はひとまずの結論に達した。

普段であれば、ちょっとした何気ない話題を少し話したかもしれない。
だが、フラれた相手に話す話題となると、どうにも思いつかなかった。
そも、話していいものなのだろうか。話さない方が良いのか？

下↓1　どうしますか？
1．溢れる想いは流線形、とにかくアプローチだ
2．なにか、無難な話題を探すべきだ
3．答えは沈黙。そんな雰囲気じゃないし……
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3910：安価のやる夫だお：2021/02/24(水) 21:26:56 ID:ORjfqgLY0
1

3911：安価のやる夫だお：2021/02/24(水) 21:34:14 ID:ogB8LRRY0
1

3912： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/24(水) 21:38:41 ID:cZ0Ca8Hk0
おおう、しばらく埋まらないだろうと思っていたら即レス……食いつきがよくてモコイさんうれしみ。

3913： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/24(水) 21:42:00 ID:cZ0Ca8Hk0

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼　　　　　え、ええと、は、はやてさん。
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 u.　 　 （__人__）　 　 |　　　　「んー？」
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　　そっ、その、ヘアピン、変えたみたいですけど……
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 _,,..､､､､..,,_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_.､-''".: .: .: .: .: .: .:｀丶、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／／.: .: .: .: .:⌒i／ .: .: .: ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　／ :/.: .: .: .: .:／{ﾊ.: .: .: .: .: . : .:＼_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,.､丶´.: :/.: .: .:./.: /⌒^/.:/.: .: .: .: .: :＼ : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　_,.　　''" . : .: .: / :/ : |.:.:＿_/　　/ :/ : .:/ .: .: /. .: .〉 .: |
　　　　　　　 　 　 　 .､-''" 　 　 ／ .: / :/ :/ : : |.:/.: /　＼.: / : : .: .: .: /.: .: / : .: |
　 　 　 　 　 　 　 ／ 　 　 　 ／.:/.:.:/ :/.: . .: .:.:.|ィうう㍉.:.:./.:／.: .:.:／.: .:.:/ : :/ :|
　　　　　　　　　　　 　 　　／⌒7.: / :/ ___|八:Ν 乂少　∨.: .: .:..∠ .: : .:/--/.:Ｘ|
　　　　　　　　　　 　 　 ／　　 /:／〉￣/| |.: .: |　' '　　 ／ .: .:.斗tﾐ.:.:＼/--/<／|　　　　　えっ……あ、あー。気付いとったん？
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　/ ／　| |.: .: |', u. 　 ⌒¨¨¨ く少　) .: :￣/.: .:∨
　　　　　　　　　　　　＿_/⌒＼/＼　＿/｜: : |∧　 `　 _　'　' ' ＿彡ｲ..:.:/.: .: /　　　　　　　こないなとこまで、よう見とるんやね、ほんま……。
　　　　　　　　　　　/:::／|　　 /　　∨ //八 .: |::込　　　　　_ ⌒>:／ : .:/.: .: /
　　　　 　 　 　 　 /／　｜　./　　_　-=７⌒ .:.:|＼ うTﾆ二 　　:／.:.:／/.: .: /　　　　　　　　　「か、可愛いと思います」
　　　　　　 　 　 ／　 　 ﾉ／ -=ﾆ／::::/／ ∧ |ニニニ／|　 ／　イ.:.:/|.:.:.:/
　　　 　 　 　 ／　 /　 ／/--／〈::::::::7　|:::| ∧＞--彡 /〕 ∧　　.|.:/ :j.: /　　　　　　　　　　　　へっ？　あ、う、うん。
.　　　　 　 ／　　./　 /／___/:::::::::＼/　 〕::〕／_ ⌒＼　 /,/　 ＼_,|＼.:.:/
.　 　 　 ／　　　/／{／ )二{::::::::: ＿|　 /⌒＞'"￣／∨ﾟ￣￣￣/￣￣|
　　 　 〈　 ＼__/　 (_／ __).人::::::|::::人,/_>"　　 ／::::::: |.＼　　 〈（|.　　 |
　　　 　 ＼　　　　 |(／／ ).个::_|::::{　/　_____／＿＿/:〉ニ＼ 　 ＼____,|__
　　　　　∧　 　 　 |└(_／::::￣￣￣＼／:::::::>:::::::::::::: }:: ＼ﾆ＼　/＼＿__〕
　　　　 /　　　　　人:::::::::::::::::::::::::::::::://:＼／:::::::::::::: イ＿__|ニ./＼　 ＼.　＼

3914： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/24(水) 21:53:11 ID:cZ0Ca8Hk0

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　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 _／: :⌒: : : "´: : : : : : : ､
　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒: : ､／: : : : :‐‐: : ､: : : :＼
　　　　　　　　　　　 　 　 ／: : : : -ﾍ: ::/⌒＼ : : : : : ＼: : : :.
　　　　　　　　　　　　　　ｉ: : : : /: : /{:/⌒＼: :＼: :＼: : ＼: : '，
　　　　　　　　　　　　　　|: : : /: ::/: ﾊVﾊ: : : ､: : /,: ∧＼∧: :.
　　　　　　　　　　　　　　|: : / : / {/""ﾞﾞ}: {: : : ＼: V/∧//ﾊ: :.
　　　　　　　　　　　　　　{/::': : :': :{　 　 }: :､: : : : :＼V/ﾊ: : :}: :ｉ
　　　　　　　　　　　　　　{/:ｉ: : :i: 八⌒八 : {＼⌒: }⌒: : }: : }: :|　　　　　　　　……やる夫君って、年上好きだったん？
　　　 　 　 　 　 　 　 　 /: :{: : :{: iｨぅ灯^ ヽ{　灯うぅ: :} : }: : }: :|
　　　　　　　　　　　　　 ': : 八: :Ⅳ､Vツ　　　　乂ツⅥ: :,＾Ｙ : :|　　　　　　　　 「そ、そういう訳じゃないですお。たまたま年上だっただけで」
　　　　　　　　　　　　　: : : i: ::＼乂:.:.　　,　　　 .:.:.:.ノ : /ノ: :∨
　　　　　　　　　　　　　ｉ: l: {: {: ::込 u　 　 　 　 　 ⌒7ｲ:/: ＼{　　　　　　　　　　ふ、ふうん……。
　　　　　　　　　　　　　|:八{: {:､: :.:}: ::.. 　 r__，　 ..: : :/V: :. : ::}
　　　　　　　　　　　　　|'　 {:八{＼}: : i :::.. __　イ　. :/　 }/: : 八__
　　　　　　　　　　　　　　 八／ﾆ7: : ﾉ: ／/ﾊ 　 . :' 　 /: : :'ニﾆ=- _
　　　　　　　　　　　　　　　r{ﾆﾆ,:.:: :/／　　/ 〉 rく　　 ': ::ﾊニニニﾆ=-_
　　　　　　　　　　　　　　　{∧ﾆ{乂:/___　 /、　 {⌒＼八(.:.Vニニ／-=∧
　　　　　　　　　　　 　 　 八ﾆﾆ／/ ／ У 　 　 〉 　 ∨.:.:.:.:Vニ'-=ﾆニﾆ}
　　　　　　　　　　　　　　'　{ﾆ<.:.:/／〉／　　 　/ {: . 　|.:.:.:／ﾆ/ニニニﾆ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
たどたどしい言葉に、はやては何とも言えない反応だった。
困り果てているようにも見える。というより、困り果てているのだろう。
肩口から垂れる毛先を指先で捏ねながら、眉を下げている。

気恥ずかしいのか、頬を微かに上気させているように見えるのは、
自分の願望が見せている蜃気楼の類だろうか。

ただ、今まで二人で過ごしていた時のような、大人が子供に見せる表情とは、
また違ったものを感じて、少しだけ達成感のようなものを覚えていた。

大人と子供の関係ではなく、男と女として話せている。
といっても、フラれた男とフラれた女なのだが。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3915： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/24(水) 21:55:08 ID:cZ0Ca8Hk0
※誤字修正
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __　　　----　 __
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 _／: :⌒: : : "´: : : : : : : ､
　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒: : ､／: : : : :‐‐: : ､: : : :＼
　　　　　　　　　　　 　 　 ／: : : : -ﾍ: ::/⌒＼ : : : : : ＼: : : :.
　　　　　　　　　　　　　　ｉ: : : : /: : /{:/⌒＼: :＼: :＼: : ＼: : '，
　　　　　　　　　　　　　　|: : : /: ::/: ﾊVﾊ: : : ､: : /,: ∧＼∧: :.
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　　　　　　　　　　　　　　{/::': : :': :{　 　 }: :､: : : : :＼V/ﾊ: : :}: :ｉ
　　　　　　　　　　　　　　{/:ｉ: : :i: 八⌒八 : {＼⌒: }⌒: : }: : }: :|　　　　　　　　……やる夫君って、年上好きだったん？
　　　 　 　 　 　 　 　 　 /: :{: : :{: iｨぅ灯^ ヽ{　灯うぅ: :} : }: : }: :|
　　　　　　　　　　　　　 ': : 八: :Ⅳ､Vツ　　　　乂ツⅥ: :,＾Ｙ : :|　　　　　　　　 「そ、そういう訳じゃないですお。たまたま年上だっただけで」
　　　　　　　　　　　　　: : : i: ::＼乂:.:.　　,　　　 .:.:.:.ノ : /ノ: :∨
　　　　　　　　　　　　　ｉ: l: {: {: ::込 u　 　 　 　 　 ⌒7ｲ:/: ＼{　　　　　　　　　　ふ、ふうん……。
　　　　　　　　　　　　　|:八{: {:､: :.:}: ::.. 　 r__，　 ..: : :/V: :. : ::}
　　　　　　　　　　　　　|'　 {:八{＼}: : i :::.. __　イ　. :/　 }/: : 八__
　　　　　　　　　　　　　　 八／ﾆ7: : ﾉ: ／/ﾊ 　 . :' 　 /: : :'ニﾆ=- _
　　　　　　　　　　　　　　　r{ﾆﾆ,:.:: :/／　　/ 〉 rく　　 ': ::ﾊニニニﾆ=-_
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　　　　　　　　　　　 　 　 八ﾆﾆ／/ ／ У 　 　 〉 　 ∨.:.:.:.:Vニ'-=ﾆニﾆ}
　　　　　　　　　　　　　　'　{ﾆ<.:.:/／〉／　　 　/ {: . 　|.:.:.:／ﾆ/ニニニﾆ

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たどたどしい言葉に、はやては何とも言えない反応だった。
困り果てているようにも見える。というより、困り果てているのだろう。
肩口から垂れる毛先を指先で捏ねながら、眉を下げている。

気恥ずかしいのか、頬を微かに上気させているように見えるのは、
自分の願望が見せている蜃気楼の類だろうか。

ただ、今まで二人で過ごしていた時のような、大人が子供に見せる表情とは、
また違ったものを感じて、少しだけ達成感のようなものを覚えていた。

大人と子供の関係ではなく、男と女として話せている。
といっても、フラれた男とフった女なのだが。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3916： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/24(水) 22:08:11 ID:cZ0Ca8Hk0

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　　 　 　　＼　　　　　　　　「一回フラれてるんよ、自分？　効いてへんようにも見えんけど」
／ 　　　　　　　　　　＼
|　 　　　＼　　 ,＿　　 |　　　　　　　滅茶苦茶効きましたお……。でも、付き合う付き合えないとか、諦める諦めない、
/　　　　 ∩ノ ⊃―）／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　　　　でもなくて。とにかく好きなんですお。大事なんですお。
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／






　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_　　　-──-　　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　 , -'":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....､
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　　　　　　　　　　　, -=ﾆﾆヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..
　　　　　　　　　 ／ ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::..
　　　　　　　　 /　 /:::::::::::::::::::::ヘ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',::::::::::::::::ヽ:::.
　　　　　　　　　　/:::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::v －_ｺ､::::l::ﾊ
　　　　　　　　　 /:::::::/::::::::::::::ハ_/=ﾍ::::::ｌ::::::::::::::l:::::::::::::::::vイ:::::l＼/　l
　　　　　　 　 　 ':::::::/:::::::::::l:::|　 　 　 ',::::l::::::::::::::l::::::::::l::::::l}ニﾆｺ>　 〈l
　　　　　　　　　|::::::/:::::::::::::l:::|　 　 　 ,l::::ﾊ:::､_l:::从:::::/:::::ﾊ:::::::::|／:＼〉
　　　　　　　　　|::::/::::::::::::::::ﾄｰ─　⌒ l::/ |::::/l:l:≧ー─--l::::::::lヽ:::li:::.
　　　　　　　　　l::::ｌl::::::::l:::::::::l::l ,ィ尤坏l/　|:/ 从'尤示沁、l:::::::'l　ｌ::|i::::.　　　　　　　　ほ、ほーん……。
　　　　　　　　　l:::八::::∧::ヽ:ゞヾ lイﾟハ　 /'　　　lイﾟルｌ} Уｉ::/' /:::|i:::::::.
　　　　　　　　　∨　’::l}:{l::::::＼　乂こｿ　 　　　　乂こソ l/:::/／ ::::|i:::::::::.　　　　　　　　「迷惑ですかお？」
　　　　　　　 　 　 　 _〉:lイ＼:ハ/////// ,　　　///////'7/:::::::::::::ﾄ､::::::::l
　　　　　　　　　　 _l//////Y::::::.､　　　　　　　　　　　しイ/:::::::::::::ｌ:| ///＞､　　　　　　　ん？　いや、そういうわけとちゃうねんけど……。
　　　　 　 　 　 ／///////彳::::::::＞　　　⌒　　　 　＜//:/::::/:::::|:| /////厶
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　　 '{　　　// //////∧l}　　　ヾ|　　　∧　 / |∧　/　　　ヾｌ　　　　ハ/////////⌒ヽ
　　ハ辷_／//////ノ 　 }/ _ 　 　 l　　　∧/　　∧/ 　　　/　　 　 Ｙ　 Y///////l　 　 ‘,
　 /∨//////─＜　　　/'´　　　　ゝ===､∧──7　‐‐＜　　　 _　l　／ヽ////八ヽ　　　〉
　///////／　　　　　//　　　　　　　<￣　∧　 /　　 ／　　　 　 ｀Y　　　ゝ-､///乂辷乏

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普通の男女であれば、告白してフラれたらそれまでなのだろうか。
ああ付き合えなかった、よかった付き合えた、そういった具合なのだろうか。
普通というのが分からないし、普通にならなければならない、と思いもしないが。

自分に常識がないからなのか、こんな命のやり取りを当たり前にするような
日常に身を置いているからなのか。
拒まれたのは確かにショックではあったが、やはり好きなものは好きなのだ。

変わらず、はやてのことばかり考えている。彼女のことで頭が一杯だ。
声を聞けば安心するし、彼女のことが心配で胸が抉られることもある。

付き合う付き合えないは通り越してしまっていた。
大事な相手に嫌われようとどうなろうと、大事なことに変わりないのと同じだ。

はやては、自分の好きな人であると同時に、大事な人なのだ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3917： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/24(水) 22:22:15 ID:cZ0Ca8Hk0

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.　　　　　　 : : : /: : : VΛ: :|: : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　 |: : /: : : ｜　 |: |: :|: :|: : : : :|/〉 : :｜
　　　　　　 |: / : : : :｜　 |: |: :|: :|Λ: : :|/〉Ｘ:.｜
　　　　　　 |/ : |: : |斗‐　|ﾉ|: ﾊ: |‐‐ミ: |/ |: :|:.|
　　　　　　 | : : |: :ｘｾ爪う　|/　 不 うｋ: : |: :|:.|　　　　　　　　　　　……私も、やる夫君のことはいつも心配しとるし、
　　　　　　 | : : |: : | 乂'ソ　　 　 ∨ソ: |/┐:|:.|
　 　 　 　 八: : |＼| :::::::::::　 　　:::::::　|/　八. :|　　　　　　　　　　　元気でやっていってほしい、幸せになってほしいーって思うとる。
. 　 　 　 　 : ＼| :八　　　　｀ 　 、　 / イ:.l: : :|
　　　　　　|: : :|: : : : iト　　 V:::::ノ　　ｲ: : : l: : :|　　　　　　　　　　　 そういう意味では、まあ……ズルい言い方やねんけど、
　　　　　　|: : :|: : : : |: | :}ト　 　 イ:|: :l: : : :l: : :|
　　　　　　|小:|: : : : |: |Λ　　　 　 |Λ: : :..l: : :|　　　　　　　　　　　　このままでも、ええ？　お互い、まあ、気に掛け合ってる相手っちうことで。
　　　　　 　 |八 : : : |从 Λ　　　　j　 V: : l: :八
　　 　 ／^￣　∨ハ| |　ｎΛ　　　　 ﾉ∨ ＼
　　　/＼　　　　　　　|　Ｌ,／⌒　 √　}⌒∨
.　　/　　　 　 　 　 　 | ／　　 }‐┐　/:|　　　〉
　 ノ　　　　}　　　｛　 　 　 　 /　/　/　|　V /　　　　　　　　
　|　　　　　∨　 　 ｀^''　　　 {　｛　/ ／ -=ミ､　　　　　　　　
　|　 　 　 　 ∨　　　 　 　 　 ＼∨'゛ 　 　 　 ＼ 　 　 　 　 　






　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　 　 ／ ＼　　／＼　キリッ
　　　　　 ／　（●） 　（●）＼　　　　　　　ひとまずはそれで我慢しますお！
　　　　／　　 ⌒（__人__）⌒　＼　+
　　　　|　　 　　　　　　　　　　　|　　　　　　「あはは、何それ……」
　　　+ ＼　　　　 　　　　　 　／

3918： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/24(水) 22:26:15 ID:cZ0Ca8Hk0

　　　　　　　　　　　　　 -‐━━=ミ
　　　　　　　　　 /⌒:^.: : : : : : : : : ::＞
　　　　　　　_.-=ミ: : : : ＼: : : : : : : : :V: `.
　　 　 　 .ｨ: : : : 7:〉 :∧: : :V: : : : : : :〈/: /〉:.
　　　　 /: : : : : :|/ | : :|:V: : :i : :| : : : : V〉: : ﾊ
.　　　 /: : : : : : :|i　!::斗-V: :|ー|‐|:-|: ::|:|i: : : |i
　　　 ′l: : |i :|i |i_,.ｨﾃﾃﾐ : : |N|ｨテﾐN: |:|i: : : |i
　　　{　｜:::|i :|i |i　 r勿,　|:N　 r勿ﾉ !::|:|5!: : : .　　　　　　　
.　 　 　 从::|i: |i |i:　^¨¨　　i　　　 　 」::|:|,ﾉ: ;小:.
.　　　　　　〕: :|i |N」　　　、　 ,　　　.: /|:| : /: : :|i　　　　　　　……ほんま、どうかしとるわな。
　　　　　　　　|i ||:|:i＞　　　　 　 .ｨ :/::」:/〈: : : 八
　　　　　　　　|i ||:|:|///〕ﾆ=-　　 | l: : :/　 V⌒V:＼
　　　　　　　　|i7⌒V|　V寸ﾆﾆ才　!: /　　　＼_,V⌒ :、
. 　 　 　 _　--厶ヘ V　 V /⌒丶　| {　 　 -=ﾐ,V{　　,ハ
　　　　 〈,　　 / 　 　 V　V^V__/^V　|/　/　 　 ＼　/
　　　　/∧　/　　　　 }.　 }i /　Vi{　 」　/　 ______　/　　 __
.　　　 {　　V　 　 　 ,リ,　　}i　　 i{　 }i,　 ／　 　 |ー━=ﾐ」
　 　 r」　　⌒ー‐―(￣￣〉ﾑ　 /| 　i|／　　　　｜　 　 _.」Ｌ
　 　 |⌒ー}　　　　 /　 　 ＼ V　　 /　　＼　 　_|　　ー=ミ__ )
　 　 |　　 ﾉ　　　 ,/　　 　 　 ＼　./　　 f/―‐┐＿__　　　}　＼
　　 ∧__(___　　_/　　　　　　　　＼　　 /　￣￣〉　乙...
　　　　/　　　/八　　　　　　　_ji斗〜'へ　￣￣| 　 」(　
　/　 /　　　/￣,.. ．-‐　'''""~ 　 　 　 　 .V　 rﾉ.　　　＼

3919： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/24(水) 22:26:28 ID:cZ0Ca8Hk0
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
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　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└─┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ┌┐
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 □

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

3920： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/24(水) 22:30:47 ID:cZ0Ca8Hk0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 , -=≦￣　〕iト　.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _/　_　　　　　　　　　〕iト .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / '´ 　 i ,　　 --　_　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／　　　　 ゝ=z____　　　　　　　　　＼
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 , '｀ヽ- ､　　　　　　　　｀ ーミ　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /::/, -::＼!　　　_　　　　　　 　 ＼
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 レ:〈　 。:.}:`ー＜￢、　　　　　　　Ⅵ
　　　　　　　　　　　　　　 　 /ヽ:::::｀:ン⌒!::::::::/｀ト丶　　 　 　 　 }'
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 {　 r　´　　　|:::::::r─- ､::＼　　　_, ｲ
.　　　　 　 　 　 r　、　　　　| ,、i　　　　〈::::::::ヽ、 。 ',::::::ﾟ ;　 |　　　　 },
.　　　　　 　 　 人　｀丶　　 | !v ､　　　　ヽ::::::::::::ー::::::::/:∧ ! 　 :|　 〃
　　　　　　　　＿　　=＝　￣亠＼＼　　　　｀ ＜___彡'⌒´ヾ!　　i|　/　　　　　　　　――ミッションの概要を説明します。
　　　　　　, -｛　-弋 ﾟ,__ ￣7 ,∨: :｀ -ト　__,　　　　　　__,　_￣-､┐　　／
　　　　 _ノ!　 {　　{　V　',i }'　ヽ ＼_----_ノ '’　　　　_,. ｨ'彡ﾊ //　 　 ／　　　　　　ああ、いやだなあ、そんなに怒らないで。
.　 　 /　, |　从　`i､_ ﾟ,｛ ＼＼_　　　￣　　　　　 　 　 　 ー_　イ　　／
　　 /　/;へ、　ヽ　i- :ヽヽ　!　￣ヽ＝＝==─　 '´￣￣ヾ　　 　 ／　　　　　　　　　　私だって、何が何だかさっぱりなんです。
.　 ｛__／　　iヽ_jﾊ_ﾉ 　 ﾉ｜ |　 　 /iト　　＿＿＿＿___ ｨ_ﾍ　　〃
　　　　　　　{　 '´ , '　ハ｜ |　 ﾊ｛二二二二二＝=≦/// }　 {ﾊ　　　　　　　　　　　　立場は同じですよ。豆鉄砲を喰らった同士です。
　　　　　　　 l　　 !:/　　 ′.!_,j ./　　 ,. ＜/////////////　 |/{_
.　　　　　　 八　　 {　　 　 /７ /,. ＜///////////////,/　　 !二iト､
　　　　　　 Y´‘,　　!　　,. =≦/////////--=≦二ニﾆ,/　　 .ﾘ二ニ=＼
.　　　　　　 |ﾍΞ　 _,／＜二／二二二二二二二ニ=７　 　 /二二二二
　　 　 　 　 ∨ニ,ｲ二二ﾆ／二二二二二二二二二=i　　　｛二二二二ﾆ
　　　　　　　 ｝イニニ＞'´二二二二二二二二二二=|　　　j二二二二二

3921： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/24(水) 22:35:00 ID:cZ0Ca8Hk0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r ﾆ_￣ ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/-z-t_-.　　ﾟ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 〈／　:::::::)　　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}'´..:'::::ｲ_,.　､{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ'ヽz≦ _　-ﾍ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／}　／二二ﾆﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／／jｲ二二二二二Y　　　　　　今回の依頼主もIGIO。
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／／／二二二二二ニ7
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／／.イ二ﾆﾆ三i二二ﾆﾆ/　　　　　　　目標はコロニー・グリュンを強襲している
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／=≦二二ニ三三|二二ﾆ/
　　　　　　　　　　　　　　　　,.イ二二二二ﾆﾆ三三/二ﾆﾆ「　　　　　　　　　ネクスト、カタストロフィの撃破。
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／二二二二二二二ﾆ／}ニニﾆ|
　　　　　　　　　　　　 ／二二二二二ニニニ∠ イ二二=l　　　　　　　　　　　……はて、なんでしょうね。
　 　 　 　 　 　 　 　 /二二二二二r===≦二二二ニニ／
　　　　　　　　　 　 /二二二ニﾆく. Ⅵニ二二二二斗 '　　　　　　　　　　　　　あくまで彼も独立傭兵。こちらの思惑だけで
　 　 　 　 　 　 　 /≠}二二二ニﾆﾄ-V二７
　　　　　　　　　　　/ｲ二二二二二二ﾆ=7　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　動いているわけではないのでしょう。
　　　　　　　　　　 ,'三 ≧======ﾆﾆﾌ}=7
　　　　 　 　 　 　 i三三三三ニニ／. |/
　　　　 　 　 　 　 }三三三三ニ≠
　 　 　 　 　 　 　 |三三三三ﾆ/
　 　 　 　 　 　 　 |三三三三７
　 　 　 　 　 　 　 |三三三三i{





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 [] ﾏ〉 　 　 　 __
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_|.|　ﾏ〉∩　　/''''〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｢ l.| 　ﾏ〉 | 　/''''7
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | iL!ｌ　|ﾏ〉|! /''''7
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | 　ﾇ/ ! ﾏ∠'''_｣rmｭ､_　,r-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 乂 {]ﾑｲ'《/ｱ⌒弋ﾇﾉ乂l| ゝ ∨
　　　 　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 弋､__ 　 　 .∠=- ´ .〕〔7 |――┴ｭ､_∧ 　 l}
　　　　　 　 　 ｲ:::::::::::: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽﾆﾆノ　 .,r=≠巛》 |　　　　　　 　ゝ-'　　　　「知っての通り、リンクスはサーシェス。
　 　 -‐――=..j::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::＞': : : : : : : : : : : : : ヽ .=ｧ弋刈ﾙくrく ∧
　　　　　　￣ /:::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::´: : : ｲ: : : : : : : {:::::::: : : ',　 .`ﾏ7~ ノ/　　~''＜　　　　　　　　　　　　アリー・アル・サーシェス。
　　　 ﾄ､_____ノ::::::::::::::::j:::::::::::::::::::::::::::::::::::::／ .|: : : : : : : ﾊ:::::::ヽ::::::|.､ // r‐‐|　 　 　 　 `ー―――― ､
　 　 . ヽ､::::::::::::::::::::::::ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::-─ ､ノｲ: : : : : 丿j:::::::::ﾉ}:::ﾘ_///　 　ゝ､　　　　 　 ＼　　 　 _＿_>　　よくご存じでしょう？
. 　 　 　 Z::::::::::::::::::::::ﾘ::::::::::::::::::::::::::ｲ　弋ﾗミ从::::j::::ﾉｲ小:::／.ﾉノ〈__/　　 〈　 Vー- ､,､ 　 　丶 ／
　　　　 ｲ::::::::::::::::::::::ﾉ:::ｲ::::::::::::::::::::::弋___　　　　ｿ' | ¨}:::::::/.弋＿ノ　ヽ　　　､　∨　ﾄ､‘'+:,'＜_　 ＼　　　　　　手の内は知っているはず。
　　　　　>::::::::::::::::::´:::::ﾊ::::::::::::::::::弋ー´　 　 　 　 ∨从小､__　>く斗ｙ′　　 ゝ'’､　Yヽ､ ‘''+:;｀`弋′
　 　 　 .{:::::::::::::::::::::,ｲ/　',::::::::::::::ﾂ¨¨´　　　　　､.＿ 〉′　¨´　 .／　　　　　　 丶 　弋ﾉ| 　 　 ‘''+.,|　　　　　　手早い処理をお願いしますよ」
　 　 　 .ヽ:::::::::::::::::::ﾄ　　 }:::::::::ﾒ　　　 弋==＝ｲ/::::{　　　　.(ｔ／　　　　　 　 　 　 ゝ､　√L
　 　 . r‐‐ﾐ､（::::::::::人.　 八::::{|　＼ 　　　 ￣´/::::小､__　　　　　　　　　　　　　　　　 `'匕ノﾑ
.　 　 /:::::::::::jｱ￣　ヽ､｀¨'' 从{　 　 ＞ ､ 　 　j:::::::jj　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 Ⅵi､｢
小､ノ:::::::::::ｱ弋　　　　＞- ､_ 　¨¨¨く__. ｀¨¨ |::::ﾉ　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 Ⅵi |
. Y:::::::::::::ｲ　　 ＼　　　　　　　｀＞､_ ヽ＼ ヽ ﾚ′　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 Ⅵ |
./ｲ::::::::::::ﾘ　　　　 ｀¨ー-- ､ 　 　 　 ｀＞､j　ﾊ　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 Ⅵ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 込!

3922： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/24(水) 22:37:02 ID:cZ0Ca8Hk0

｀`ー--、:::::::::::::::::/.　　　 ﾍ:::::::::`::.................:::::::　　:::/:::::::::
　 l　　　￣￣￣/　　　　　 ',:::::::::::::::::::::::::::::::::::　 ／:::::::::::
.　 ',.　　　　　　' ::::::::　　　　 `ー――――― '´:::::::'´:::::::
　　ヽ　　　　　 ` -::::..　　　　　　　　　　　　　　 ::...　　::::::
:::::::::::ヽ　`､ー――--------------------／ ::;　 ::::::::　　　　　　以上、ミッションの説明を終了します。
￣￣／ヽ　',￣/l￣￣￣￣￣￣￣￣`,ヽノ＾/　,'´　:::::／
　 ／/ 　ヽ　V'''''ヽ、　　　　　　　　　　 ）',, ｿ　　 :.::／　　　　　　　　 こちらの管理下のコロニーをやられ放題では、
／ / 　　　ヽ `ー、 `ー---､＿＿＿ , ﾍ　', 　 ::／　　　／
　/　　　 :::::::::＼　 `ー---、＿＿＿＿_ ',　',／　　　／ ,r'´　　　　　　市民に示しがつきません。くれぐれも、頼みますよ。
/　　　　::::::::::::::::ヽ.　｀'::::::::::::::::::::::::::::::'´　.',　',＿＿/ '´:::::::
　　　　　::::::::::::::::::`,　　　　　　　　　　／ ﾍ _.',　　l　　　　　　　　　　　　
　　　　　 ::::::::::::::::::::',　　　　　　　 ／.',　 　`‐' ／
　　　　　　:::::::::::::::::::`ー------'´　　 ＼

3923： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/24(水) 22:38:38 ID:cZ0Ca8Hk0
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　　　　_＿__._ _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └‐ｫ |UU　 `
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 くノ　　　　　＼ ,,_人､ノヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　)ヽ　　　　（　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ -　＜　　　　　　 ＞━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣　　　)　　　　　て
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／^⌒`Y´^＼　　　　 ._ _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＵＵ/7
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 くノ

3924： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/24(水) 22:40:10 ID:cZ0Ca8Hk0
┌───────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　　　コロニー・グリュンを強襲中のカタストロフィを撃破せよ　　......│
│　　　依頼主：IGIO　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　備考：緊急依頼。詳細不明　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
└───────────────────────────┘

3925： ◆x0SRSoJXe.：2021/02/24(水) 22:44:45 ID:cZ0Ca8Hk0


　　　　　　　 ､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ　　　　　　今回はここまでだ。長かった……ここまで。ようやく一周目での分水嶺まで来たね。
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´　　　　　　 一周目はここから第二次ネクスト戦役が幕を開けたわけだが、皆覚えているだろうか？
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i
　　　 　/ : : : : : : :┌─┐　　　　　　　なにぶん、おととしの夏だもの。我々、二つも歳食っちゃったよ。
　　　 　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ
　　　 　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿　　　　　　チミたちも付き合いがいいねえ。嬉しい限り。
　　　 　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ
　　　　 と_ : : : : : : ノ : :ノ
　　　　　　￣￣￣　￣





　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　さて、次回なのだが……うーん、会社から「休みは未定」と言われてしまってね。
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　なしってこたあ、ない、と思いたいが。仕事終わりに投下できるほど通勤も楽じゃないし、
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　朝も早いし、仕事内容もキッツキツだからねえ。投下の予定も未定だ。
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i　　　やんなるね。一億円くらいあったら私は隠居してひっそり投下を続けるのに。
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ　　　　それじゃ、シーユーアゲイン。休みが分かったら、こことツイッターで報告するよ。

3926：安価のやる夫だお：2021/02/24(水) 22:46:06 ID:ORjfqgLY0
乙

3927：安価のやる夫だお：2021/02/24(水) 22:47:14 ID:9X4zLFsA0
乙ー

3928：安価のやる夫だお：2021/02/24(水) 22:48:18 ID:6Cw.ki1k0
乙でした

3929：安価のやる夫だお：2021/02/25(木) 22:26:21 ID:ibUyYw4E0
乙でした

3930：安価のやる夫だお：2021/02/28(日) 00:38:44 ID:3xOV.2jE0
お疲れ様でしたー

え、アリスさんが助けに来てくれたシーンから2年経ってるの

3931： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/06(土) 06:44:13 ID:NfIwujwE0
ハロー。電車の中から失礼、生存報告だよ。
休みが分かったら予告して投下って話だったね。
十日経ったが次の休みが分からない。ちょっとなに言ってるか分からないですね。

とりあえず生きてはいるから待っててね。

3932： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/06(土) 21:56:19 ID:sZZW9ESU0
ちょうど今日、次の休みが貰えたよ。3/11の木曜日だ。その日の午後八時から投下するよ。

3933：安価のやる夫だお：2021/03/06(土) 21:58:38 ID:DGT6FzNg0
了解

3934：安価のやる夫だお：2021/03/06(土) 22:17:19 ID:luiBdxOA0
了解です

3935： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/11(木) 20:08:50 ID:I8E32CYs0
　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ　　　　　ハロー。投下を始めるよ。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿　　　　　　書き貯め全然できてないから、書き込みの間隔がいつも以上に空くかもしれない。
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||　　　　　　　テレビでも見ながらちらちら見てほしい。
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

3936： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/11(木) 20:23:34 ID:6Bq1/QrU0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,. : ´: : : : : : : : : : : :｀_: . ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／: -: : : : : : : : : : : : : : _:＼:＼
　　　　　　　　　　　　　　　 , -＜: : : : : : : : : : :ヽ: : : : : ヽ: ヽ:＼:ヽ
　　　　　　　　　　　　　 　 /: ,: : : : : : : : : : : :､: : ∨: ､: : :∨: _ : ヽ::.
　　　　　　　　　　　　　　,:': /: :/: : /:| : lV∧: |: : : V: :V: : :V: ,x: ∧::.
　　　　　　　　　　　　　 /: /: :/: : :l|: |: :l| 　 |: }: : : :|: : | : |: |/_,}:〉:､|: l
　　　　　　　　　　　　　.': .': : : : : :|:|_:|: :l| 　 l: | : : ∧: :| : |: |: : |/ : |: .
　　　　　　　　　　　　　|: |: : : |: : :|:l: :＼|　 从|: ,: |　|:_／:|: |: : }_: : |: : 、
　　　　　　　　　　　　　|:∧: ,: V: 从ィ雫≧､　|∧:| ｨ≦雫ﾐ:|: /-ﾐ,|:|: :V＼
　　　　　　　　　　　　　|:{　V､: ∨:l∧ Vzり　　　}'　 Vzり ﾉ|/r､ ﾉ|:|: : |: ､:＼　　　　　　　　　　――なのはちゃん。どうゆう風の吹き回しなん？
　　　　　　　　　　　　　ゞ　 }: ＼〉:∧　　　 　 　 　 　 　 　 ,､_／: |:|: : |: : ＼:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 |: :|: :| : ∧　　　　　'　　　　　 ∧: :|: : |:|: : |: : : : ＼: .　　　　　　　　私、いつの間に彼の彼女役にされてんねん？
　　　　　　　　　 　 　 　 　 .': :|: :|: /:个 .　　 　- ､　 　 . 个:l: :|: : |:|: : |＼: : : :､ヽ}
　　　　　　　　　　　 　 　 /: : :|: :|:八: }: | ＞　. 　 　 ＜|＼: : : ,: : |: : ∧: |＼: : }　　　　　　　　　話、ちがない？
　　　　　　　　　 　 　 　 ,: : :/:|: :|: : :〉l从/.|＼::｀´-:／ |、 ＼- ､: V:/: :l :|　 ∨|
　　　　　　　　　 　 　 　 {: :/__|: √/　{' /...|　 ＞＜　　|..V　 ＼ ｀7'＞ ､:|__　}/
　　　　　　　　 　 　 / ｢￣´　 |:/ ＼　 ,'......|　////∧ /....∨ ／| /　　　｀Y⌒＼
　　　　　　　　　 　 '　 |´￣￣/ || 　 V....../|ｲ　〉-〈　 ,.........∨＼〉　 　 　 / 　 　 ヽ
　　　　　　　　　 / 　 ∧ 　 ／|/---/... /...|　////| ∧........∧￣￣＼　V　　 　 　 :.
　　　　 　 　 　 /＿_/＿／｢￣　　 ,.＼/.....l　|/// |/...∨./.....∨ /　　∨　　　　　　 ＼
　　　　　　　/´　　／ | 　 /　　　 /.￣.........∨///_/.........＼.......∨ /　　}、　　　　　　　 ＼
　　　　　／￣￣￣￣　／　　　 ∧................ ∨...../..................>.....∨　 ＼＿＞----- 　、　＼＿＿_
　 　 　 /　　 　 　 　 イ＿＿＿/.....＼...............∨.,...............／............＼＿＿　　　　　　　　　＞ ￣　 　＼
　　　／´￣￣￣￣￣￣.....{....................＼............V...........／.......................}､...............ー--　　＿＿_　　　　 　 ＼
　 ／............................................人.......................＼........∨..／..........................人 ＼.....................................＼｀ヽ､
／.......................................／´　　 ヽ:::::::::::::...........＼....∨................::::::::::イ 　 ＼ ＼.....................................ヽ　 ＼　　　　＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
後日、明朝。気だるげに目覚め、横になったままでぼんやりとPDAの画面を見つめる。
画面に映るメールの山の表題に、プライベートの連絡は含まれない。
仕事用のアドレスであるから当然なのだが、味気ない文章の羅列は、
自分が機械にでもなったかのような気分にさせられる。

枕に頬をうずめたまま、布団を被って画面に指を滑らせていると、
旧友の名前がけたたましい着信音と共に躍り出た。

耳に当てることも億劫で、スピーカーモードにしたまま通話を開始すると、
はやては朝の挨拶もほどほどに、険しげな声色で話し始めた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3937： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/11(木) 20:33:15 ID:6Bq1/QrU0

　　　　　　　　　　　　　 -‐━━=ミ
　　　　　　　　　 /⌒:^.: : : : : : : : : ::＞
　　　　　　　_.-=ミ: : : : ＼: : : : : : : : :V: `.
　　 　 　 .ｨ: : : : 7:〉 :∧: : :V: : : : : : :〈/: /〉:.
　　　　 /: : : : : :|/ | : :|:V: : :i : :| : : : : V〉: : ﾊ
.　　　 /: : : : : : :|i　!::斗-V: :|ー|‐|:-|: ::|:|i: : : |i
　　　 ′l: : |i :|i |i_,.ｨﾃﾃﾐ : : |N|ｨテﾐN: |:|i: : : |i
　　　{　｜:::|i :|i |i　 r勿,　|:N　 r勿ﾉ !::|:|5!: : : .　　　　　　　　「確かに、最初の予定とは大分ズレたね」
.　 　 　 从::|i: |i |i:　^¨¨　　i　　　 　 」::|:|,ﾉ: ;小:.
.　　　　　　〕: :|i |N」　　　 ,　　、　　.: /|:| : /: : :|i　　　　　　　　大分、で済むかいな。こんなん筋書きになかったわ。
　　　　　　　　|i ||:|:i＞　　　　 　 .ｨ :/::」:/〈: : : 八
　　　　　　　　|i ||:|:|///〕ﾆ=-　　 | l: : :/　 V⌒V:＼　　　　　　 ……傷の舐め合い、共依存、いずれにせよ、ろくなことにならんで。
　　　　　　　　|i7⌒V|　V寸ﾆﾆ才　!: /　　　＼_,V⌒ :、
. 　 　 　 _　--厶ヘ V　 V /⌒丶　| {　 　 -=ﾐ,V{　　,ハ　　　　　「まあまあ、落ち着いてよ……私だって、何もキューピッドのつもりじゃ。
　　　　 〈,　　 / 　 　 V　V^V__/^V　|/　/　 　 ＼　/
　　　　/∧　/　　　　 }.　 }i /　Vi{　 」　/　 ______　/　　 __　　　　　惚れたのはやる夫君の勝手だし。どうするかもはやてちゃんの自由。
.　　　 {　　V　 　 　 ,リ,　　}i　　 i{　 }i,　 ／　 　 |ー━=ﾐ」
　 　 r」　　⌒ー‐―(￣￣〉ﾑ　 /| 　i|／　　　　｜　 　 _.」Ｌ　　　　 はやてちゃん自身にはどう見えたの？」
　 　 |⌒ー}　　　　 /　 　 ＼ V　　 /　　＼　 　_|　　ー=ミ__ )
　 　 |　　 ﾉ　　　 ,/　　 　 　 ＼　./　　 f/―‐┐＿__　　　}　＼　　　私？　うーん……
　　 ∧__(___　　_/　　　　　　　　＼　　 /　￣￣〉　乙...
　　　　/　　　/八　　　　　　　_ji斗〜'へ　￣￣| 　 」(
　/　 /　　　/￣,.. ．-‐　'''""~ 　 　 　 　 .V　 rﾉ.　　　＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
眼を閉じたまま、画面の向こうで煩悶とする旧友の姿を思い浮かべる。
彼女は楽天的で明朗快活に振る舞うことが多いが、あくまでも振る舞っているだけだ。
その実、頭の中では多くの思考がせめぎ合っていることがあるらしく、
一度言葉に出すと、貯め込んだ意見や理屈が出てくる。

「エッチがしたいだけ……ってわけでもなさそうやなぁ。第一、お金なんて
幾らでもあるし、そういう店行けばええやろ。下品な話やけど。
そんなら私でなくてもええやろし」

「それを言ったら、とっくに襲ってると思うけど。自分の行動、顧みてみなよ」

「うっ……それ言われたら弱いわあ」

割れ鍋に綴じ蓋とは言うが、これではやる夫も苦労する。
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3938： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/11(木) 20:47:12 ID:6Bq1/QrU0

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「あのねえ、はやてちゃん。やる夫君も相当な訳アリ物件だよ？
けど、はやてちゃんもはやてちゃんだよ……今まで何回男の子泣かせたの」

「うぐ」

「で、どうなの」

「どうなの、言われてもなあ……難しい気質の子やなあ思うて、色々世話焼いて……
急に好き好き言われてなあ。フッて、あー終わったかなあ、て思うても、
相変わらずな感じやし……まあ、単なる子供って見方はできんくなったわ。
あ、考えてへんよ？　そない、お付き合いなんて。そういう感じちゃうもん」

そしてこれである。これはやる夫には伝えられない。下手をすれば卒倒しかねない。
彼女は可愛い顔をして、男性の心を抉る言葉を不意に連発する。
まあ、やる夫に関しては、かなりオブラートに包んだ表現でフッたらしいが。

過去、酷いときには、告白を別の事柄と勘違いしたまま終わらせたことすらあったらしい。
本人曰く、本当に困惑していただけだったそうだが、これでは男性側も哀れだ。
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3939： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/11(木) 21:01:16 ID:6Bq1/QrU0


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: l : {:!: : : : : : !´　　__l! ∨:|ﾍ : }从: }: : : |ﾘ
: |:l:从: {:-: : ::ﾄz====㍉,　　 }/__,ﾑ:| }: : |　　　　　　　　　はあ……とにかく、私はそういうん、ガラとちゃうねん。
: |:|: : {｀ヽ ∨:!ゞ辷:ノ　　　 （ ´¨´八.!::从
: |:|: : ｀ヾ_- ., 　　　　　　　　,　　 .: : : ト 、　　　　　　　　　「彼、またデートに誘おうとしてたけど？」
: |:|: : ∨: 〉く: 、　u　　 __ .,　　.ィヘ:_:_、｀ヽ
::介∧ ∨{　 Y: ＞、 　 ￣ ＜: :{ ゝ_ィ^ヽ.　　　　　　　　　　嘘やん……。でも、断るのも酷やしなぁ……
:{ .l: :∧ ∨:＼）: }ヾ:、/￣_Y二ﾆrｆ´｀ ｀　　、
:| .|:∧　＼{~ ‐}:l:!　 >‐ミ {_|＿　{ﾉ^ヽ　　 　 、__　　　　　　　はあ……ちと色々考えるわ。私にも勘違いさせた責任はあるし。
ゝ/　∧　　　　 |ﾊ./三三∨￣ ｀ヽ. ハ　　 　〉:::::Y
_/　/ ∧　　　 /　}!ゞ三三≧--=ﾆﾆﾆ{ト-::イ:::::::::!　　　　　　
.　　 /　 ＼.　/　 .!::::::＞:..寸二〉::::>:::::｀ヽ:::::::::::::::|
,-=ミ　　 　.У＿.」::::::::::::::::＞<::::::＼:::Y::::::::;::::::;ノ{
　　　｀ヽ　 {　　　.|:::::::-＜::::::::}::::＞::Ⅵ:::::::::::Y:::::::l、
　　　　　　 l! 　　 !::::::{:::::::::::::└::―:-Y::o::::::::}::::::::|::＼
　　　　　　 l!　　 ム::∧::::::::::::::::::::::::::::｀::、::::::|:::_:::_::_:::::
　　　　　　 l!　イ::::::::::::::＼::_:_::::::::::::::,::-::‐'::´:::::::::::::::ト、

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電話越しのはやての声は、ひどく深刻そうではあるものの、暗くはなかった。
私としては、そっちの方がよっぽど良い。
難しい話や、過去の話、世の中の話をしている時より、よっぽど。
表現に困るが、人間らしく感じるのだ。小市民らしくて、安心する。

もしくは、私もやる夫をダシにして、安心感を得ようとしているのかもしれない。
自分の復讐劇に妙な雲が立ち込めてきたところに、教え子の色恋沙汰だ。
だが、許してほしい、とも思う。そういった事柄でもないと、気が持たない。

それに、はやてとて、たまにはいいではないか。
人間、異性との付き合いがないと、枯れていく。本当に枯れる。
身なりにも気を遣わなくなり、化粧も投槍になり、いつも同じ服を着る。
たまには、一人の女性として過ごしてもいいではないか。

とりあえず、脈ありとは言えないが、脈なしとも言えない状態ではある。
やる夫には、そこはかとなく焚きつけておくとしよう。

彼は彼で、とても変わった男の子だ。
はやてくらいの女性が傍に居てくれた方が、私としても安心できる。
そう、勝手に見込んでのことでもあった。
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3940： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/11(木) 21:01:30 ID:6Bq1/QrU0
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3941： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/11(木) 21:17:40 ID:6Bq1/QrU0

ﾆ|ﾆﾆﾆ＞'´⌒ヽ　...|i:i:i:i:i:i:i:i:i:|〕iト　｀'＜￣|ヽ／ ＼:::::: |／＼:::|／＼／::::::＞ｒ‐￣|γ⌒／￣ ＼／＼ ／＼
ﾆ|＞ ´ 　 　 ィi〔|　.|i:i:i:i:i:i:i:i:i:|i:i:i:i:i≧s｡＞へ|＼／|xヘ|＼／xヘ ／|＼／::::::|x'⌒ヽ　.|＼ 　 ／ |＼／|ヽ／
ﾆ|´｀ヽ　,ィi〔 γ⌒ |i:i:i:i:i:i:i:i:i:|i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ|i:i|＼＼|xヘ／＼l<　 __/|γ⌒⌒ヽ⌒ヽ　　}　|::: l￣:|::::::|::::|＼ヘ|::::
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γ´ﾉ｀丶　　　　　　_二‐　{: : : : :　　　ノ..: : : γ´ . . . . ノ　　　　　 }三|／|: :|:: ／＼|__／ヽ／＼:: :: :|:::|｜
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弋:::＼＿人:::::::/丶､＼γ´　　　　 }　　　): : :乂＿＿ノ:..:{　　　　　　ノ|Υ|'⌒　　 }　ヽ￣ノ⌒'＜⌒ヽ⌒
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ニﾑγ⌒　　　＼:::::::::≧=‐￣｀'＜⌒　　　ノ: : : ノ｀丶､⌒乂_γ⌒　ヽ: : : : :ノ　　　ノ　(:γ⌒　ヽ　　ヽノ⌒
ﾆﾆﾑ{　　　γ´彡≧=‐　L_:::::::::::::::＞''＾丶､　　 ;⌒ヽ　｀丶／⌒ゝ __ノ: γ⌒　　　. . : : }人　　　　)　 /: :
ﾆﾆｱ乂＿ノ: :(_彡　　｀ヽ: : ｀`丶､::::乂＿/‐ヽ_丿　⌒ヽ／　　｀ヽ／　｀`{: : :　　　: : : :ソ /ゝ─=彡‐ｲ: : :
ｱ⌒i´　 }ヽ: :ノ_彡. : : _ノゝ: ::. . :::|:＼／〈ヽ　丶__ノ　⌒ヽ　　　／　｀丶 乂　　　丿: :丿7ｰ-　 ＿_／_｀¨¨¨´
{　　,:　ノ　ﾉ⌒_彡⌒:,　　.::｀７￣ |:::::/＼(^′ノ: : :乂＿ノく>xく　　　　／＼｀'''''´｀¨´ ／　　　　／｀''＜二二

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輸送機から降下して直後、眼下に広がったのは、爆炎と黒煙に包まれた街だった。
建物が崩壊し、舗装された地面が割れ、炸裂し弾け飛ぶ音が聞こえてくる。

ネクスト一機がもたらす被害については、自分も良く知っているつもりだった。
けれど、それがコロニーを、今の時代における人の営みの場所を
襲った場合、どういった光景になるのか。それをまざまざと見せつけられている。

降り注ぐコジマ粒子に悶え、喘ぎ、死んでいく人々。
弾丸一発で吹き飛ぶビルに、オモチャのようにへし折れる橋。

息を呑み、黙って見つめる。
コロニー・グリュンは、たった一人のリンクスによって、
立派な地獄へと変貌させられていた。
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3942： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/11(木) 21:25:58 ID:6Bq1/QrU0

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│　　　　/ll!ﾊ:.:′.:.:.:.:/./.／.:/.:／.,ﾉ.;/l:.:;!.::l.ﾍ;.:.:.ヽ,:.:.:.:.:.:.ヾ,:.:.'; 　　!　 　 │
│　　　 ∧jﾊ.:′.:.:.:.:.′〃xｆz左ｚ,;,X, .j:/ !:;|:.:.:l.:.:.:.l.:ﾍ.:.＼.:.::.':;.:.';　　　......│
│　　　 l.l.ヽ.:.:|.::::.:.:.:|{:.:.,仆乞芸て卞 >′l./ｊ.:,ﾘ.:./.:l.:.ﾍ.:.::.ヽ.:.:.';.'|　　　　..│
│　　 　'.:.:.:;:升∧::.:.|.:.:{ｲ ,伐::::::斥′　　ﾉクｻﾄxj:.:.li.:l.:.ﾊヽ.:.';.:.:;.!　　　　..│
│　　　　∨　 !′l:.:.:|:.:.! ､辷ｰクﾉ　　　 　ｹ云x.:ﾉﾒi.:/.:.:.:.:l.:.:.:.:.l:.!　　　......│　　　　ミッション開始。ネクスト、カタストロフィを撃滅する。
│.　　　　 ゞ､)l::.:.:ゝ:ﾍ､:!　｀¨¨ﾞ`　　　　　/.::ﾇﾘｹ;´.:;ﾘ..:.:.:.∧:l.:.:ﾊ!　　　　 .│
│　　　　　 'iｰl;:.:.:.::.个｀　　　　　　　　　匕ﾞ.ノ_ノノ/!:.:.:.;/　ﾚノ　!　　　　 .│　　　　 「PAは停止しなくていいんですか」
│　 　 　 　 l.:人::.:.:.ﾞl　　　　　　 　 　 　 ¨`て.._｀V.ﾊ.:::/ 　 !′　　　　　...│
│　 　 　_,､n<　 '.:.､∧　　　　　　　ｃ｡　　　人__,¨＼:l/　　　　　　　　　.....│　　　　　展開したまま。意味は分かるね。
│　　ｲ´.:::.ハﾍ　'､l?∧　　　　　　　 　 .,／: :.j　 ／}′　　　　　　　　　　 │
│／　l:::::::., 　＼　´､?「＞､　　　　 , イ´. 　.:.イ´.:l.:.|　　　　　　　　　　　...│　　　　　「……了解」
│　 　ｊ::::::::.ﾍ　　＼　　＼ﾍf＞.ｰ イ. . . :＜.:.:.:.';.:.:.:|.:|　　　　　　　　　　　.│
│／¨ ﾍ:::::..∧ /＼｀ >ｰ<cﾊ. . . . . . .fヽ,¨ -ﾅﾍ.';.:.:|.|　　　　　　　　　　　 │
│////∧::::..∧＼/∧ Y∧:lｌ. . .,,..ｲ".ｿ ',////,j.:.';.:.||　　　　　　　　　　......│
│/V//,∧:::::..∧､/　 >介ｲー"´　／.:::.∧//zj.:.:.';.:.|　　　　　　　　　　......│
│j∧V//∧:::...∧　　ｊメﾍ＿_　-ｲ.::::::::::::.∧//j.:.:.:.';.|　　　　　　　　　　　..│
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　　　　　 　 /　/ｨ　　　　　　}i　　　　∧
　　　　 　 /ﾔ'7=ﾆ二二二≦_｣Ｌﾍ/　 ∧
　　 　 　 ;　 /＼_　　､＿　￣Ｖ⌒{ 　 / }｝
　　　　　:; 　}(●）　　（●　）　〉 人 /　/^}
　　　　　 '､ {（　ｨ'　　　　　u./／Ｌ {__/(__/
　　　　 ＿{へ≧＾ゝ､___ノ_z彡二弐≠ ＞／￣￣ミヽ　　　　　　　　胸糞悪い戦場だお……さっさと終わらせるお。
　　　　r{_ `ｰ=＜三＞'’ ）二二 ／　//　　　___　　　＼
　　／/ ｛＼　　｀￣　 /二二／/ 　/ｲ　　 Ｙiっ) -┐　 ＼　　　　　 あいつは……サーシェスはどこだお？
　｛　　Ｖ 〉　　　　　　〈ﾆ二彡イ　 ｛ ｛　 　 }｣つ）二! -02 |ｌ
　｛　 　 i ＼ 　 　 　 /｝ト､　　 i　 /八ヘ　　￣´　　　　　 |ｌ　　　　　　「サーチ中。どっかで暴れまわってるはずだけど」
　　)〉=ﾆi　　＼＿∠_//ｚ/＼　i／　　＞　_　　　　　　 　 /ｌ
　　　汀 i　　　 〔_二//￣　　 ＼　　 /￣７ 　 ＞＝-≠〈/
　　 ！| iﾄ　　　　＼　　　　 　 　 ＼/　 /　　　　　　勹[_]
　　　　　｀v 　　　　＼　　　　　　　 ＼/　　 　 　 　　/
　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　 ＼　　　　 　 /

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なのはの言葉の意味するところは、付近に生存者はいない、ということだ。
より正確に言うならば、生存できる見込みのある者、といったところだ。

襲撃が始まったのは、つい先刻というわけでもない。
コジマ汚染は、確実に人が生きられないレベルに達しているだろう。
そういった点では、ネクストは戦うことより、殺すことにおいて他の追随を許さない。
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3943： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/11(木) 21:31:19 ID:6Bq1/QrU0

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│　　　　　　　 //:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.ｌ:.:|:.ヽヽヽヽ:.:ヽ＼:.:.ヽ＼ヽ　　......│
│　　　　　　　ｉ./:.:.:.:.:.l:.:|:.:||:./|:.ﾊ:.:i、i、ｉ:.:ｉ:.:l:.ｉ:.:.ｉ:.:.:.:i　|:.ｉ　　　 │
│　　　　　　　||:.|:.:|:./圦斥=≦　.|≧云ﾄl:.:|:.|:|:.:.|丶:|　.|　　 　 │　　　　　意外と冷静だね。状況も状況だし、相手はあのサーシェスだし、
│　　　　　　 ﾍ|:.|:.:|:.|/r爪:个　　.´{:::｡:ﾒ,|/:.|:.:|:.:| .ｉ:.:|　　　　　..│
│　　　　　　　ヽヽ:.ヽゝう:::::}　　　 b_::7〃ｌ/:./|:.:| |/　　　　　　│　　　　　もう少し取り乱すと思ってたんだけど。
│　 　 　 　 　 　 小、ﾐゝ…´　　 ｀¨‐‐//;,l/|:.|/:|/　　　　　......│
│　　　　　　　　　 |:.:ゝ 　 　 　 ｀　　／/:.|:.:.:|/::.|　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　 |:.:.|ヽ、　　-‐‐　 ,∠:.:.|:.:.::|:.:.:|　　　　　　　..│
│　　 　 　 　 　 　 |:.:|.　|＞ 、 _　イ　 |:.:|:.:.:.:.!:.:.|　　　　　　　..│
│　　　　　　　　　　|:.|／|――, ― |、 |/:.:.:.:.:|:.:.:!　　　　　　.....│
│　　　　　　　　,､r´:|:::| ﾍ　　/><l　l ヽ|｀ヽ:.:.:|:.:.|　　　　　　　 │
│　　　　　,､r::´::::::::::::::|　ﾍ、/ 只ヽ|　 ヽ:::::::｀ヽ:.!　　　　　　.....│
│　 ,､r::´:::::::::::::::::::::::::::|　 .ﾍ　/||ヽ |　　ヽ:::::::::::::::::｀ヽ　　　　　│
│　|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::r L＿_lヽ‐‐‐yヽ／　｀ヽ、:::::::／|　　　　　│
│　|:::::::::＼:::::::,､r ´　　　／ ﾍ:::::::::| 　`＜　　 ｀ヽ/::::|　　　　　│
│　|rヽヽ:::::／　　　　　.<　　　丶:|　　 ./　　　　　|::::|}　　　　...│
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　　 　／　　　 　 　 　 ヾ
　　/《　 ─　 　 ─　 　》 ヽ　
　　| ||　（●） 　（●）　 }}.∩}　　　　　　　こんだけネクストに乗ってれば、嫌でも肝は据わりますお。
　　| 《　　（__人__）　　　》.∪|
　 /＼ﾐ==⊂ ヽ ∩三彡　／＼　　　　　　「まあ、それもそうだね。早く終わらせて、さっさと帰ろう」
　 (＿,ﾄ___　'､＿,,　＼イ乂　　 )　
　 {　　i　　　　| ﾄ ;;;,,. ＼ /￣"/
　 (　 "￣￣i￣￣＼,　' "　　/

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
心配してくれていたのか、なのははああ言うが、一度パイロットスーツに
袖を通せばこんなものだ。危険に身を置き続ければ、危険が常となる。
異常も日常にすり替わっていく。手の震えも、吐き気も失せる。

サーシェスが敵になっても同じだ。手こずる予感はあるが、
勝てる望みがないわけでもない。そういった点では、至極冷静だった。

目の前に虐殺の風景が映っているのは、いい気分ではないが。
自分もリンクスだ。戦争屋だ。怒れる資格もない。
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3944：安価のやる夫だお：2021/03/11(木) 21:31:45 ID:CaSDI8Oo0
ほんと、ろくでもない機械だ

3945： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/11(木) 21:37:12 ID:6Bq1/QrU0

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　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 _ ｡s≦　　　　　　　　　　 　｀`〜､、　 　_　-‐=ﾐ　　　/
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 _ ｡s≦ 　 　_　-=圭圭圭圭圭=- _　　＿,厶ｨ　　　　　ｲ　　/
　　　　　　　　　　　　　 　_ ｡s≦　　　　　　圭圭圭圭圭=‐ 　 ￣ ‐=ﾆ_　　　　　　 _,､＜　 /
　　　　　　　　　 　 　 ／　}　　　　　　　　　ゝﾐ圭圭圭=- 　 　 　 　_-=ｭ、_＿_､＜　／　./
.　　　　　 　 　 　 　 //　/ 　 　 　 　 　 ＿　-=二圭圭=-　_　 　_三刈ﾌ　 　　､ 丶_＿　-――
　　　　　　 　 　 　 //　/ 　 　 　 　 　 /圭=‐ /￣〉━━‐=ﾆﾆ=━━─‐　　￣ 　 　 /
　 　 　 　 　 　 　 //　/　　　　　_　- /圭圭ﾆ_￣ _ -=圭圭圭圭ﾆ‐ ノ　　　}　/　 　/
　　　　　　　　　 〈_ ／ 　_　-　¨　　　{圭圭圭=‐ﾆ圭√￣￣￣ﾑｲ´　 　／￣ﾏ 　 /　　　　　　　　おーっと……来たかあ。
.　　　　 　 　 　 / /_ - ¨　　　　　 ／ 　`'ｲ=ｋ才´ ∨　　 　 　 　 _ ｡s≦'////,ﾏ／
　　　　　　　　 〈_/　 _ 　 -‐…‐-┬―－ l 　ﾏ｣　 /　 　 　_ ｡s≦////､＜￣／
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　　　 ヽ/　　　　　　　　|　|　|: : ',　 　‐ ｰ＾´ ソ､ｌ､: / ィ‐ ､｀|: : : : : ｌ
　　　　 |　　　　　　　　 ｌ　|__|＿: :ゝ‐ィ　　　　　　 　　ヾｰ　ｌ: : : ／ｌ　　　　　　　久しぶりだなァ、チキン野郎ォ！
　　　　 | 　 　 　 　 　 ｌ´　　　 　 ＼　　　　　　　　,　　/　_ﾉ: /､　 ｌ
　　　　 |ヽ　　　　　　 ｌ　　　　　　　 ＼　　　　　 　 　 ′ヽィ-‐´　ｌ　　　　　 　　あんだけ無様晒して、のこのこ面出してきやがるたあ、
.　 　 　 |　',　　　　　/　　　　　　　　　 ヽ´ニニ二 ｰ-､　 /　　　 /
　　　 　 ',　＼　　／　　　　　　　　　　　 ヽ::::::::::::::::｀ /　/　　　 /　　　　　　　　 面の皮の千枚張りってやつじゃねえの！
　　　　　 ',　　￣　　　　　　　　　 r ､　　　 ＼ｰ-､::::/　/ 　 　 /
　 　 　 　 ∨　　　　　　　　　　　 ゝ '　　　　　＼ ∨　/　　　./　　　　　　　　　　殺される覚悟はいいなぁ！？
　　　　　　 ∨　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ヽ　/　　　./ヽ
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瓦礫の山と化した居住区の向こうに、赤い機影を見た。
そう認識した途端に、活き活きとした罵倒が通信越しに飛んでくる。
サーシェスだ。あの戦争マニアが、嬉々としてライフル弾をばらまいていた。
水を得た魚という表現がしっくりくる。

自分も同じリンクスとして、サーシェスを批難できる資格はない。
が、眉を顰めずにはいられない。
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3946： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/11(木) 22:02:18 ID:6Bq1/QrU0

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￣￣￣￣￣￣￣￣`'弋__入＿_ 　｀/　/=ﾆﾆ／／
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　　 　/　　　　　　　　　　 /∧　＼ ＼くl:i:i:i:i|＼ 　.ﾊ
　　／　　 　 　 　 　 　 ノ //∧　　＼ 〉⌒V＿ ＼_/ 　 　 　 　 　 _＿
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￣￣￣￣￣￣￣￣ ,.ィ⌒> //∧　　 ﾏ}‐ミ_＿_　 　 ￣￣￣￣ヽｿ,ゝｰ､.》
　　　 　 　 　 　 　 イ 　／///＿,l|　 　从　l} 　 ￣`''ー-－―━┷‐一'ヾ
　　　　　　　 　イ　　／///／　　l| 　 ∥__ノ ￣￣〉二ﾆ=＝＝＝＝＝彡
　　　　 　 イ〈 　､ヽ｀ ￣￣　　　 .l| 　∥　　　　　/
　　　 イ 　｣＞'´　　　_＿＿ 　 　 l|　∥　　 　 ／
　イ 　＞ ´　 　 ､丶´　　 　 ｀ヽ　.l| ∥　 　 ／

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「随分な自信だお」

言葉で返しながら、おもむろにブレードを展開してレーザーを撃ち放つ。
ろくにチャージもしていない、不意打ちに近しい一撃を、
カタストロフィは身を捩らせて避けた。

青白い熱線が、深紅の装甲を掠めて虚空へ消えていく。
減衰したPAがじわじわと形を整えていくのが見える。

「テメエに殺られるほど落ちぶれちゃいねえんでなあ。
さあて、雑魚相手のお遊びも終わりだ。おっぱじめようぜ」

涼しい声色で言い放つと、カタストロフィが跳躍した。
猛禽じみた頭部のカメラアイをぎらりと煌めかせ、上空へと上がっていく。

それに合わせ、こちらもOBを起動した。
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3947： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/11(木) 22:16:31 ID:6Bq1/QrU0

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋＿ノ　ヽ　　　､　∨　ﾄ､‘'+:,'＜_　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 >く斗ｙ′　　 ゝ'’､　Yヽ､ ‘''+:;｀`弋′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／ ／　　　　　　 丶 　弋ﾉ| 　 　 ‘''+.,|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 (ｔ／　　　　　 　 　 　 ゝ､　√L
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 Ⅵ |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 Ⅵ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 込!

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レーザーライフルの軌跡を掻い潜り、突貫する。
カタストロフィはそれを闘牛士さながらにブーストして身を翻すと、
勢いのままに回し蹴りを見舞ってきた。

それに合わせるようにして左腕を突き出し、PAをシールド上に収束させて受ける。
互いのPAが干渉し合い、じりじりと波立つ。

「はっ、動けるじゃねえか！」

サーシェスは興が乗ったと言わんばかりの急制動で、
機体を空中で横たえたままブーストターンを行い、更に後ろ蹴りを加えてくる。
FCSでは確実にロックが見切れる動きであるにも関わらず、
狂気じみた蹴りは正確にこちらのコックピットを捉えていた。

さすがに受けるわけにはいかず、刀身を肩部に沿わせ、盾のように扱う。
巨大な質量が軋み、擦れ、大量の火花が散る。
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3948： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/11(木) 22:21:01 ID:6Bq1/QrU0

　　　　 　 ／ ￣￣ ＼
　 　 　 ／ノ　　ヽ__ 　 ＼　　　　　っ……もう一回会えたら……聞いて、みたかったんだけど……
　 　 ／（―） 　（― ） 　 ＼
　 　 |.　　（_人＿）　　　u　|　　　　 あんた、なんで自分で戦ってるんだお……？　人を使えば、いい、気がするお。
　　　＼ 　 ｀⌒ ´　　 　 ,／
　　 　 / 　　　　　　　　ヽ　　　　　　「あぁ！？」
.　 　 /　l　　　,/　 /　　 i
　 　 (＿) 　　(__ ノ 　 　 l





　　　／￣￣￣＼
..　／ ／ 　 　 ＼ ＼　　　　　　……認めたかないけど、あんたは凄い奴だお。頭がいい。
／　 （●） 　（●）　 ＼
|　　　　（__人__）　　　　|　　　　 大金が欲しいなら、自分で独立傭兵なんてやらずに、使う側に回ればいいお。
＼　　　 ｀ ⌒´　 　　／
／ 　 　 　　　　 　 　 ＼　　　　　そっちの方が、安全だし、長くやれるお。違うかお？


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取っ組み合いながらも、ふと、沸き上がった疑問を、何となしに投げてみる。

以前協働した際に、散々罵倒されたときのことだ。
サーシェスはネクストを絶対的な力だと称した。

今の時代は戦争を軸に回っており、戦争を制することは時代を制すること。
そして戦場の支配者たるネクストに乗れる我々リンクスは、
上手く立ち回れさえすれば人生の絶頂にいられるのだと、そう説いた。

理屈としては痛いほど分かる。かなり合理的な理屈だ。
だが、それなら、自分でネクストに乗る必要はないのではないか？

企業に上手いこと取り入って、ネクストを動かす側になればいい。
いつの時代も、使う側の方が得をする。リスクも少ない。

そして、サーシェスは、認めたくはないが大物だ。決して小物ではない。
外道ではあるのだが、矮小ではない。一種のカリスマさえ感じる。
倫理は抜きにしても優れた男だと思える。それくらいはできそうなのに、
彼は使われる側の独立傭兵という立場に甘んじている。それが違和感になっていた。
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3949： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/11(木) 22:25:51 ID:6Bq1/QrU0

　　 　 　 　　｜ V /　 ィ＿ノ: / : /. : . 　 /:　 . :{从ｨｿ.
　　　　　　　　Ｖ/ ,'　　廴＿ ィ　: l: : :　 . ｌ　. :／　　 ＼: . .
　　　　　　　　｛{　|　　　 .　. : : : : |: :　　: l : :/　　＿＿ Ｖ:　:
　　　　　 　 　 ｀　|　 . . :　. : : ｲ : | | : : : : ､_廴／≦　　 Ｖ:
　　　　　 　 ,　 　 | . : : :　: : : lﾉ∠l∧: | : /ｒ≦ｨ矛了 　 //　　　 :　　　.
　　　　　　 ｛､＿ノ /. : : : : : : l´ｒ弋仗 ゝ:|　　二￣　　 /ｲ:　　　. : 　 　 : .　　　　　まあ、言ってることは間違いじゃねえわな。
　　　　　　　ﾞー‐ ｲ: |: : : : : : :ゝ ￣　 ヽトゝ　　　　　　｛　V　　. : :　　　　:　
　 　 　 　 　 　 　 l: :|ヽ : : : : : 三ｿｨ　 ′　　　　 　 　 　 ﾉ　　: : :　 :　　 :　　　　　 けどよぉ、それってつまり、戦争させる側ってこったろ。
　　　　　　　　　　ゝ:{　 ＼: : : : 彡'　　 l　　　　　　　　　 ゝ　　 : : 　: . . : :
＼　　　　　　　　　 ｀＼　 ヽ: : : :ヽ　　 ヽ,,`,,, ; ; ;_,;z;; ;,　 ､）　: . :　　 : : : :　　　　　　上の連中はな、戦争してるんじゃねえんだ。
　 ｀ヽ￣￣￣｀　 ､　　　　 ﾉ: : : : : ＼ ､;;='''ﾞﾞ"~´　　　　∠ゝィ: :　　　: : : :
　　　　 :.　　　　　 ＼＿__{ : : : : : 厂∧　イ￣ヽ　　　／ヽ.／{: : : .　　: : : :　　　　　　　戦争させてるんだよ。いつだってな。
　　　　　::..　　　　　　＼　 ＼ｒｚく　 ｊ : ＼ｊ: : : : ＼／: : : : ｝　Ⅵ |: .　　: : :
　　　　　 :::i::..　　　　　　ヽ　 丶ヽヽ.V: : : : : : : : : : : : : : :/　／ヽlヽ　　: : :





　　　　　　､＿,r--ミヽ ､
　　　 ､__‐''´:.:.:.:.:.:.:.:.｀':.ﾚ)
　　 　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.;.:.:ir:.:.:.ミ､
　　　 ''/:::::::::ｒ::::::{::::〈｀ヽi:.:l ﾞ
　　 ､ノ;::::::::::l::;:ノｲ:::l;}ﾀl::::::しi_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　自分は弾丸一発掠りもしねえデスクで、指示だけ出すのさ。
　　､_ノ::::|:l'‐弋',‐ｲﾍ　ｲ:::i::): : ｀ヽ-. .､.＿　　　　,..,.. --､　
　　　f/;ィ:l:i:::::匕 ....:_',∧ヽ,ｨ: : :_:-ﾍ_: : : : :￣: フ/　 i　ヽ＼_　　　　　　　　　血の一滴も流さずタバコ吹かしながら、あれこれあれこれ、
　　r' ´ ヽ,＞-‐ヽ｀ﾉ:ﾞﾍ ヽヽi､:{ フと´｀>r '' "´ ||.l _ ヾ　ヽ　＼｀7
　.i!　　 ノ_　ﾒ-__,r, >､:jノl'' '　ヽミ''　　l　　/　　V　｀ｰ'>､ ヽ､　＼　　　　　　　プロパガンダを垂れ流して、指示だけ出してな。
　.l　　,r l　｀ﾒ´l.lﾞf<＿j,ノ　　　 .〉､｀'_ ﾞ 　 　 　 rfヽ　ｲ,ﾆ「´ |＼　 ＼_
　 ヽ,'　 l　　l|.|　l '､ ｀　　　　　 j:::::｀:ｰ..､　　 ノ r――'　,j　 l: l ｀‐ .._,ﾉ　　　　　甘い汁、安楽椅子、まー、楽だな。
　　l　 /　　l !.l l　: ヽノ　ｰ-　　l::::::::::::::::::ヽ:'´:::..: ｀ヽ-‐'/　/: l
　　l /　　　Y ゝil　 ヽ､, -　　　 |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..: : :|　|: :l　　　　　　　　　　　けどよ、楽なのと楽しいのは、違うワケよ。
　　 l 　 　 　!　ﾞ' |.　 i　　　　 　 l_::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ｰ': l
　　.ﾍ　　 f ﾉヽ　j　　|i　　　 　 　 ﾈ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l
　　　 i i　lｲ　 l＼ヽ.　ﾍ　｀　　　_／,ゝ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
　　　 ,￣　／l　l }ﾉ､　 ﾄ　　　　　ノ　 ,〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::l

3950： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/11(木) 22:31:16 ID:6Bq1/QrU0

　　　　Vﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
　　　　 Vﾆﾆ＼ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
　　　　 个、ﾆﾆ` ､ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ≦ﾆﾆﾆﾆﾆ
　　　　,;':!ﾆ＼ﾆﾆﾆ｀　、ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ≦ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
　　　　i:;:!Lﾆ」　＞ﾆﾆﾆ｀ヽﾆ|ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
　　　　|:;:;:;:|ﾆ!　i:::::::::へ_ﾆﾆ |ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/リﾆﾆ
　　　　',:;:;:;:!ﾆ!　,::::::::lイ｀ｰﾐﾐﾄ┬―――――""""" _ィ≦≧:::ﾆﾆﾆ｝ﾆﾆﾆし'ﾆﾆﾆ　　　　　　俺ぁよ……スポーツの試合は観戦するより、
　　　　 V:;:;!ﾆ!　 ,::::::| 乂　｛i｝ﾍ:::::::::::/　/:/＿_z≦二＿＿　j::Lﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆ≧≦
　　　　　V:;!ﾆ! 　 〉:::!　　｀ー 人::::И　'《:,"￣ｲ￣｛i ｝　　 〉,::::::/三7　 /　 /:;:;:;:;:;　　　　　 　自分でプレイする方が好きなタイプなんだよ。
三三三三弍:;',　 |:ヽヽ、　　,　　乂! ｀　 |　　　ゝ ＿＿x　 ,::::::/:::::/　 /　 /:;:;:;:;:;:;
三三三三三:;:;,　 ',:::l> ≧≦　　 ﾉ ｀　　　　　　　　　　　 ,::::::/:::::/　 /　 /:;:;:;:;:;:;:;　　　　　　　それによ、スリルっつーのか？
三三三三三V:;:　 ヽﾄ、　　　　 ,　　　　　　　　ヽ、　_　イ::::/ ::::/　 〈　 /:;:;:;:;:;:;:;:;
三三三三三 V:;:　　ヽ＼｝　　 ,　　　　　　　　　　￣／:::::V/"":;:;:;:;＜ﾌ:;:;:;:;:;:;:;／　　　　　　　　生きてるって感じがするんだよなぁ！
三三三三三ﾆV:;:;　　 ヽ　 　 〈　　　　　　　　　　 ,´::::::／:;:;／:;:;:;:;:;:;:;:|:;:;:;:;:;イ三
三三三三三三V:;:;　　　V '、,,,,ヽ　　　　　　　　 ,:／／:;:;／:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:｀￣:;く三三　　　　　　　　それを絶対的優位性のもとにやれるんだ！
三三三三三三 V:;:;　　　 ,　ヽrx＿＿＿＿＿＿(／:;:;／:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;, '三三
三三三三三三 ７:;:;:;:;｝　　,　 乂二二二二二／:;:;:／:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;／三三三　　　　　　　　　　乗らねえ手はねえだろ！　ネクストに！！
三三三三三三/:;:;:;:;:;｛　 　 、　、｀ー――r ´:;:;:／:;:;:;:;:/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;／三三三三
三三三三三三!:;:;:;:;:;:;:ﾑ　　 ヽ　j//////　!:;:;／:;:;:;:;:;:;/:;:;:;:;:;:;:;:;:／三三三三三






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　　　 　 Vﾍﾍ　 　 ＼_　 `　.、　ヽ　　　　　　　　　　　　ﾔ 　'，、
　　　　　 Vﾍﾍ　　　/ 　-　_　 `ｰ'　　　　　　　　　 　 　 ﾔ　　'，、
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　＼.　　　　 Vﾍﾍ 　 ＼＼ r ､ 　 　-　_　　　　　 　 　 　 ﾔ 　 　'，、
　　 l＼.　　　 Vﾍﾍ　 　.＼〉＼＼　 　 　 -　_　　　　　　　ﾍ_　‐ ´＼,　　　　　　こんな刺激的な仕事はそうはねえぜ！
　　 | Lヽ　　　 Vﾍﾍ　　 ＼ 　 ＼＼　　　　　　-　_　　　　　＼　　　|　　
　　 ＼}-ﾍ.　 　 ∨ﾍﾍ　 　 ＼　　`‐′　 _,.､r―――‐- 　_ 　 ＼ 　|　　　　　　それでいて稼ぎもいい！　抜群にな！！
　　　　＼ ヽ 　 　∨ﾍﾍ 　 　 |､　 _,.､r＜　　　　　　 　 　 　 ¨　- ＼!
　　 　 　 ゝハ　　　￣辷ｭ　　｢￣｢　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀′　　　　　 サイッコーじゃねえか！？
　　 　 　 　 ヾヽ　　 　 Ⅵi_／ 丶l
　　　 　 　 　 | 丶　　 　Ⅵﾍ┌ ﾉ
　　　　　　　　ﾄ　　､ 　　Ⅴ YⅥ
　　 　 　 　 　 |　＼ ＼ 　ｌ|<　∧
.　　　　　　　　　 　 ＼ ヽ ｌ!⌒ヽ∧
　　　　　　　 　 |　　 　＼ ＼　　｢`
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3951： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/11(木) 22:36:13 ID:6Bq1/QrU0

ノ : : :__ ﾉ : : /: : : : : : : : : : ,′: : : : : : | : : : :|: : :|/ｲ:／⌒ヾ.: :ヽ : : ヽ : : ヽヽ::',
_; ィ´／／ｲ/: :/ ,ｨ: :/: : : :/: : : : :／: : !: |: : :|: : :|　´　 　 　 ヽ: :',: : : :',: : : |　',:|
::: ／イ:::::::/: ,ｲ://:,ｲ: :/: ,' : : :;ィ´:ｨ : : |: !: : :|､ : |　　　　　 　 |ヽ:i: : : :|: : : |　 !|
:'´:::,::::::::: ,'／//;' /,' :/ﾚ/ : : //'´:ﾉ: :ノi: |、:｜',: :',　　　　　＿|:::i:|: : : :!: : : |　 ﾘ
::／:::::::::::′::i/::ﾚ':::! :':::,' : : :,'::::／／:;ｨ::V::ヽﾉ:::| : ﾍ.　　 ／／j:: |:!: : :｜ : : ! ノ　.ィ
'/::::::::::::::::::::｜:::::::::|/::/ /／:::/／:／,':::;ﾊ::::::::::,' : |､:', _ノ,ィ''7´! ﾉ' : : : ヽ: : :|ーく::::::
′ :::::::::::::::::::|:::::::::::レ',ノ'::／/::;:ｨ‐-/∠__|:| : /.: :ﾉ ,Xz'ﾆ´''´　|:|: : : : : : :ヽ: ',::::::::＼
::::::::::::::::::::ヽ､',___／／:::::/ ,ｲ::/ぇ‐ｧ弋ｧァ/::/.: :,'　{　|｀　　　 ﾉﾉ : : :;〈: |､: i ､ヽ、__,:　　　　　　思想、矜持、道理、そんなもんはな、
::::::::::::::: / :::::｀ーｧ'― ‐1:/::ﾚ'　／￣￣'´{:::{.: :/　 レ'　　ー'イ: : : :/}::| |,|: |´｀ー‐'::
::::::::::::::/ ::::::::::: /::::::::::::::|'::::::ヽ、 　 ,|　 　 Ⅵ.:,'　 ´ヽ　 　　　′ : ,',ｲ´!ﾉ:|: |::::::::::::::::　　　　　　 俺から言わせりゃ取り繕いなのさ。
:::::::::: ,′/::::::::,'::::::::::|:::: ヽ::: ::､:｀ー'ﾉ　　　　V　　 　冫　　 / : : : {'　V:::::|:/::::::::::::::::
:::::::::/ヘ{ :l::::::i::::::::::::!:::::::::::: : ､ヾ¨´　,.ｲ　　　＼-､ r' 　 　 '} 、 : : ﾞXﾞヽノ':::::::::::::::::::　　　　　　　人間の本質、プリミティブな衝動、
r''¨￣｀¨ヽV´{:::|::::|::|::::::: ::: :::: ヽ.｀二ノ ｨ' ,､_＿＿,．- '　/,'　| : : :ヽ ヽ{_, ｲ:::::::::::::::
￣ ｀ 丶､　＼Ⅵ::::|::ヽ:::: : : :_;＞‐｀＝‐ ､_｀¨¨￣＿,, 　 ,{/　｜ : : : ヽ-r‐':::::::::::::ノ　　　　　　　　俺はそれを受け入れて生きてるのさ……
　　　　　_＞ 、 ＼!＞' ´￣ .: .: .: .: .: .￣ヽ｀ヽ､　}::::ヽv':::ヽ /|、 : : : : ＼::::}、／:::::
　 　, ィ´　　 , ゝ'´ .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: . ＼ﾉ|'″::::::::＼ヽ`く ヽ: : : : ヽ Yイ:::::::::::　　　　　　　　 取り繕ったところで、意味もねえしよ。
　／　　 , イ .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .:｀ヽ.:::::::::ヽ::ﾍ::ヽ:}　!ヽ: : : : }:', |::::::::::::
'´　　 ／ヽ、__ .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: /:／ .: . ヽ.::::::::ヽﾍ::｜｜:.}:}､ : ﾊj､|::::::::::::　　　　　　　　　たった一度の人生、正直に行こうぜってハナシ。
.　 　 ヽ、.: .: .: ｀.: ｬ‐ ､ .: .: .: .: .: .: __, .:ノﾞ´〉｀ｧ-= :/::::::::::::',:}',:|　ﾊ:,'ﾉ.:i:｜.:.j'__:::/::::
　　　　,ﾊ .: .:ヽ、 .:ヽ::::ヽ、＿_, ィ.: , イﾙ:'´: / .: .:./::::::::::::::::ij i:!/ 7ﾞ.:.:.:|: |:ノ.:.:.{ '::::::






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|　　　　（__人__）　　　　|　　　　　「誰かに正しいと思われたいわけじゃねえからなぁ、それでいいぜ」
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3952： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/11(木) 22:41:55 ID:6Bq1/QrU0

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　　　　　　　| 《　 　（__人__） 　 　》 |
　　　　　　　＼ミ三三|￣|三三彡／　　　　　　　 けど……
　r､　　　,'⌒r,卜 ＿　 兀　＿　 イヽ⌒ヽ
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　|!　 　 　 　 i!::..　　　＼', : : : : : .` ＜　　　　　　　　　　　　　＞. :´: : : : : : :/／　　 　 .i!::..　　　　　　,j}
　|!.　　 　 　 i!:..　　　　　 ', : : : : : : : : : :｀: .＜　　　　　＞. :´: : : : : : : : : : : /i　　　　　 .i!::..　　　　　　,j}　　　　　　 あんたにはここで死んでもらうお。
　|i　　　　　 i!::..　　 　 　 ∧ : : : : : : : : : : : : : : :｀¨¨´ : : : : : : : : : : : : : : : / .!　　 　 　 i!::..　　　　　　,j}
　|i　　 　 　 i!::..　　　　　,'　.', : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/　 i　　　 　 .i!::..　　　　　　,j}　　　　　　　殺してるんだお、
　|i,　　　 　 i!:..　　　 　 ,'　　 ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :,ｨ'ﾟ 　 .! 　 　 　 i!::..　　　　 　 ,j}　./
', |i, 　 　 　 i!:..　　　　 ,'　　 　 }＞ 。 ､ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ;。＜ｲ　　　|　　　　 .i!::...　　 　 　 ,j}　/　　　　　　 殺される覚悟もあるだろ。
:.',!|!,　　　　i!::..　　 　 ,'　　　　j}　|＼三>､: : : : : : : : : : : : :。ｓ≦／　 |　　　 .|　 　 　 .i!::..　　 　 　 ,j} ./
:::.',|i,　　 　 i!::.. 　 　 ,'　 　 　 j}.　!／＞ 。≧ｓ。, ___。ｓ≦三＞ﾟ　＼/! 　 　 .|　　　　 i!::..　　　　　,j}../
:::.∧i, 　 　 i!::..　 　 ,'　 　 　 .j}　i!::::::::|　　 ≧s。,三,。ｓ≦ﾟ´/::::::::::i!　|　　 　.|　 　 　 i!::..　　　　 ,j} /
::/il∧!,　　 i!::..　　 ,'　　　　　j}　i! :::::::|　　 　 　.｀¨¨´　 　 ./::::::::::::i!　i　　 　 |　　 　 .i!::..　　　　,j} /
,'ililili∧i, 　 i!::.. 　 ,'　　 　 　 j}　i! ::::::::!　　　　　　　　　　 /::::::::::::::i!　i　　 　 .!　　 　 i!::..　　　 ,j} /

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結局、行きつく答えはこれだ。
戦場に正邪はない。死ねば等しく地獄行き。
畜生同士のたった一つの道理は、力の優劣のみ。

後の歴史が自分たちの正邪を決めることになるだろう。
だが、今この瞬間は、力こそが全てなのだ。
ここにあるのは人の道理ではなくケダモノの摂理なのである。

敵として前に立った以上は、死んでもらう。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3953： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/11(木) 22:53:12 ID:6Bq1/QrU0

　　 /: : : : : : :/: : : : : /: : : : {: : : : : : : : : :/ //／´　　　　 ﾌ//　./∧　　∧
. 　/: : : : : : :/: : : : : / |: :∧ﾍ: : : : : : : : / // ﾄ　 ∩　　／//　./: : ∧　　∧
　/: : : : : : :/: : : : : /⌒!∧､ ∧: : : : : : :{ /ｲ　{　　 ｚ＜´ 　 　 /: : : : ∧　　∧
　{: : : : : : :.|: : : : : :|　/厶云　∧: : : : :イ　 　 レイ　 　 　 　 /: : : : : : ∧　＿」
　|: : : : : : :.|: : : : : :| イ　　　 ＼､＼: : :.:{　二￣￣￣´　　　/: ／￣´/: :.∨　 ∧
　ﾄ､: : : : :..:|: : : : : :|　{　　∩　　冫　ヘミ≧=ｰ'　　 　 　 　 |/　　 　 {／´　　　 ∧
　|　＼: : : :|: : : : : :|　　　　　／//　　　　　　＼　　　　　　 {　　 ／⌒　　　　　　　＼
　{ｉ　　ゝ─ﾄ: : : : :∧　ゝ-＜　ｲ/　　　　　　　　　　　／⌒ヽ　 /　　　　　　　　　　　 ＼
＼|　　　　　∨: : : :ゝミ三彡　/　　　　‐-　　　　　　 ィ⌒ﾍ　 /　　 ∨　　　　　　　　　　　　　　へ……ハハハハハァ！！
. 　＼　 　 　 ∨ﾄ: : : :≧=ｰ' /　　　　　　　　　_　 　 ／　 ｊ ∨　　 　 ∨
　　　∨　　　　＼＼∧　　　ゝ　　　 ‐　　　　、｀ ／／＾.ノ /　　　　　 ∨　　　　　　　　　　　　　おもしれえガキだなぁ！？　えぇ！？
.　　　 ∨　　　　　 ≧=ｰ　　　　＼　　　､　｀､ ／／　　　 /　　　　　 　 .}
　 　　　∨　　　　　　　∧　　　　ﾉ ｊ　｀ィ彡-￢´　　　　 /　　　 　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　　伝説のマーシフル、そのパイロットさんよォ！
.　　 　 　∨ 　 　 　 　 　 ヽ　　　 r彡ィユ´　　　　　　／ } 　 　 　 　 　 |
　　　 　 　 ＼　　　　　　　　＼　　＼⌒´　　　　＞‐´　 /　{　　　　Y⌒Y　　　　　　　　　　　　　　　さあ、戦争しようぜ！　俺たちの戦争を！
　　　　　　　　＼　　　　　　　　＼　　∨　　　／　 　 　 |　 ﾄ､　　　 ゝ ノ
　　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　　ヽ　 ∨　イ　 　 　 　 |　 　 ＼
　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　　､　∨ /　　　　　　|　 　　　＼





　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ┌― ﾍ、 　 　 　 　　r┐
　　　 　 　 　 　 　 ｢ﾑ　　　 　 　∨ 　｢_ヽ､　　　　 r､| ∧
　　　 　 　 　 　 　 |ｰﾑ 　 　 　 　∨ ∧ 　∨　　 　Ｎ|　l∧
　　　　　　 　 　 　 | 　ﾑ 　 　 　 　∨ ∧ 　∨　　|＼!-‐ｌ∧`'＜
　　　　　　　　　 　 |　　ﾑ 　 　 　 　∨ ∧ 　∨　i|＼||　 ｌ ∧　　`'<
　　　　　　　　　　　l　　 ﾑ 　　 　 　 ,∨ ∧ 　∨ | ｢ l ￣ 　∧⌒＞､_>
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　　　　　　　　　　　|　　　 ﾑ　　　 / 　∧Ⅵ_/〈`Y＾Vi|　l　　　　|　　　　　　 　 　 　 　 　 _　 　-┐
　　　　　　　　／￣￣　 - _ﾑ 　 /　／ ∧＿r∧,| ∩i!　l　 　∠＿　　 　 　 　 _ 　 =- 　 　 　 _ノ
　　　 　 　 　 | 　 　 　 　 　 　 /　/７／ ／ ﾄﾐj｢ヽ∪!　r―┬―‐-=ﾆ　￣　　　　　 _　-=ﾆ⌒　　　　　　　　　オシャカになっちまいなァ！！
　　　　　　　　＼　　　　 　 　/　/ ／γ´.／ヘ､ﾍゝ斗/　　//　＿＿ 　￣ 　-=ﾆ⌒
.　　　　　　 　 　 ＼　 　 　 /　,　/　　|／　､ゝ-=气√ー‐┴z/∧/////７77ーﾍ
　　　　　 　 　 　 　 ヽ＿ノゝく__/々　厶イ＿＿,.､＜入 　_＿∨//////////∧__〉
　　　　　　　　　　　_―マ从┬― = ﾆ 二 .:.:.:.:.:.: ￣￣￣.:.:.:.:.:.:.:.:￣￣￣￣￣￣~''＜
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　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　|Ξ//／　　　　 　ｌ　　_　ﾆ=-　 　￣
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　`'＜厶イ

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カタストロフィが弾みをつけて跳躍し、ブレードを振りかぶる。
ブレードを展開して射撃戦に持ち込もうとするも、相手の方が速い。
狂ったような笑い声を上げながらブーストで突進してくる。

上手い。がむしゃらな突撃ではなく、ランダム性がある。
相手に軌道を読ませぬよう、敢えてそうしているのだ。今も妙な溜めがあった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3954： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/11(木) 23:05:57 ID:6Bq1/QrU0

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |__|ﾄ､__|へ、　　　　 ／ ／ 人＿　 　 /(
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　　　　 　 　 　 　 　 　 /７''’ 　／　　＼／　_,､r=＝＝　⌒ヾrf' . :.'"　.: :　，　　　illii''　　.'　　　 　　''iilli;　　　　　　　ぬぅお！？
　　　　　　　　　　　 rrくl{_＿／ 　 　 ｆニＴl7"　 　 　 ,,,,;;iiilliii;;;,,,.　　.: :.,イ: . ..　　 iilll;,　 　 　　 ・　　　,;iilli;
　　　　　　　　 　 　 {jﾚド√　　　　　 辷ムゞｰ-===,ilill''''"""'''llili,i. . 　 ':;::!:. . .　.: .:illii ,　　.'　　　 　 ,,,;;,,,;
　　　　　　　　 　 ／>７^7　　　 　 　 　 ／rくゞ= .illii''　‘.'　　,.'　''iil'　 ::;;;' .. . . '_∠ iillil;,　　・,‘ .:;:;;''''"""''';;:;:.;
　　　　　　　　_∠／ ７ //`ｰ､、　 　.／　｣＼｀`' illii'',　　.'　　　　''iill.; '’: . 　.∠三三'''iill;;,, 　, :;;::　‘.'　　,.'　: :;;'.　 ,
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｬ''.-'.,,,_ｱ/　 / ＞ "
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾒ､,,.ｨｲ´ ,ｲ.''!/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,ｲ'_.,ｲ／.／＞" ＾ ''''.‐‐.、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,,,,,ｧ-､　　 i''´,,,,-ﾞｱ,ｨ‐iｭ.'/',.ｲ''　ｲ／ 〈　　　　　　.ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　 .t'''."　　 /--‐"!ﾊ,, -''ﾍ!,|　.ﾘ.‐''ｬ''''.￣ '' <,ﾍ　　　　　　 ヽ　　　　　　　　なめんじゃねえお！
　　　　　　　　　　　　　　 ,,.- "　　　　ﾍ　　　　 ﾍ,, =!彡 ﾉ'´,,/‐､ｬ''''7‐‐-ﾞ-三三.､　　 ,,,i,
　　　　　　　　　.＞i-i‐‐‐iｧ.､　　　　　　ﾍ ,,,.--- ﾆ.1／.,,ｨ=7、　 ''､i-.,,,,,,,ｲ".＼.ヽ/iｬ,　."'－､　　　　　　こちとら、てめえより百倍速い相手に
　＿_____,,,, ＞''´　 .ｬ,,ﾆﾆ.､"'i､　　　　　　　'i,,,,,,,,,,./　 .,, ‐"i' ./".''''く ‐ｧ''>,､　　 ﾍﾉ,/ .'ｰ-､　 ヽ
￣ _______,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,ﾔL,,,,,,,l,,,l .l　　　　　 .j'''''''''''''､＞(--イヽ,,ﾆ〈￣ ＾メヾ/'iヽ,,,,, ｸﾉ　　　　.＼　＼　　　　何千回とぶちのめされてんだお！！
--――‐‐‐ー-､,,,,　ﾔ,ー=‐‐ｌ1　 ,,　,,,／　　　　　　.ﾍ,,-''"　〉''7　　'‐''ﾂ.ﾌ_ﾌ　　　　　　　 　　＼ ＼
　　　　　　　　　　 "'''''''''''""´ ｀''´i._/　　　　　　　 　 ,へ .∠,,-'　　　　'´.´　　　　　　　　　　　　.＼ ＼　　ウスノロッ！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ﾉi.7i｀t '''ﾌ＿　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 ＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾄ､｀i.i |.‐'''!ﾆ-‐'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,.+ ｨｯｬｌﾐi,ｨ,ﾍンﾔﾑ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`''"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .∠.-‐l /ｬ"1l-ﾞ,.---''｀ｰ 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __ 　／〉."　 　 |ｨ" ｌ |」ﾞ'''' .､_　　　 ''.ｧ､.,､

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玩ぶような機動に合わせ、バックブーストと同時にチャージしたレーザーを撃ちこむ。
超々高熱の光線が敵機の肩部を貫き、赤熱し膨れ上がらせ、爆発を引き起こす。

互いに口汚く罵り合いながら、間合いを計りつつ熱線の応酬を繰り広げる。

「機体性能におんぶにだっこは卒業ってか！　いいねぇ！　殺し甲斐がある！
てめえをバラしてボーナスゲットってもんよ！」

煮え切らなかったのか、はたまた戦いの熱に浮かされたか。
鼻息荒くサーシェスは吠えると、ミサイルを射出すると共に急接近してきた。
どちらに対応するべきか、一瞬の迷いの隙を突かれ、
膝蹴りとミサイルの炸裂の両方をまともに受けてしまう。

衝撃が迸り、ダメージアラートが重なる。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3955： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/11(木) 23:12:48 ID:6Bq1/QrU0
ごめん、本当にごめん、時間切れっていうか、そろそろ寝る準備をせねばだ。

もっとやっていたいところなんだが……最近、仕事先が1時間半から一時間45分くらいのところに変えられてね。

始まるのも朝八時からだし、そろそろ切り上げねばなんだ……

次回も、ちょっと、また休みが分からないんだ。どっかで休ませてはもらえるはずだから、その時告知するよ。本当に申し訳ない。

中途半端だけど、シーユーアゲイン。

3956：安価のやる夫だお：2021/03/11(木) 23:16:20 ID:ah5l24fY0
乙でした

3957：安価のやる夫だお：2021/03/11(木) 23:16:38 ID:FDSg52jc0
乙ー

3958：安価のやる夫だお：2021/03/11(木) 23:22:59 ID:CaSDI8Oo0
乙でしたー

サーシェスもサーシェスなりの理屈があるわけねー
やってることは虐殺だけども

3959：安価のやる夫だお：2021/03/12(金) 19:32:21 ID:LVPZ8Yw.0
乙でした

3960： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/26(金) 23:39:35 ID:KbQkdtZg0
ハロー、モコイさんだよ。
今週の日曜日、午後半休がもらえるかもしれなくてね。

運が良ければその日の午後8時から投下できるかもしれない。
当日、正午くらいに改めて告知するね。

3961： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/28(日) 13:22:39 ID:DSiXlqM.0
すまない、連絡が遅れてしまった。

今日の投下だが、予定どおりにできそうだ。
半休は瞑れてしまったんだが、定時に帰れそうでさ。午後八時前には帰って投下できる。
よろちくび。

3962： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/28(日) 13:23:20 ID:DSiXlqM.0
すまない、連絡が遅れてしまった。

今日の投下だが、予定どおりにできそうだ。
半休は瞑れてしまったんだが、定時に帰れそうでさ。午後八時前には帰って投下できる。
よろちくび。

3963： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/28(日) 13:23:30 ID:DSiXlqM.0
すまない、連絡が遅れてしまった。

今日の投下だが、予定どおりにできそうだ。
半休は瞑れてしまったんだが、定時に帰れそうでさ。午後八時前には帰って投下できる。
よろちくび。

3964：安価のやる夫だお：2021/03/28(日) 13:52:05 ID:uyf39oLM0
大事なことなので3回(ry
了解

3965： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/28(日) 20:00:33 ID:LLW05WR60

　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ　　　　　　　ハロー。久しぶりだね。
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´　　　　　　　　今の仕事が、なんだろう、昭和の運動部みたいなノリの業界でさ。
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||　　　　　　　　　　「仕事だ仕事！　休みなんていらねえよな仕事ほっぽってられねえしよ！　ガハハ！」
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||　　　　　　　　　　　みたいな職業柄故、こうなってしまっている。
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||





　　　　　　　 ､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´　　　　　　　　みんなは元気かな。モコイさんは最近、右耳が聞こえづらくなってきた。
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i
　　　 　/ : : : : : : :┌─┐　　　　　　　　電話越しに怒鳴られることが増えたからね……仕方ないね。
　　　 　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ
　　　 　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿　　　　　　　完全に聞こえなくなることはない……と思いたいね。ま、死にはしてないよ。
　　　 　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ
　　　　 と_ : : : : : : ノ : :ノ　　
　　　　　　￣￣￣　￣

3966： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/28(日) 20:00:44 ID:LLW05WR60

　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|　　　　　　　　一周目のやる夫君はサーシェスに対して激しく非難していたが、
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,　　　　　　　　二週目のやる夫君はからっとしてるね。そういった差異も楽しんでくれるとうれしみ。
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|　　　　　　　　それじゃあ再開していこうか。ぎっちょんちょん。
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´

3967：安価のやる夫だお：2021/03/28(日) 20:02:59 ID:uyf39oLM0
ぎっちょんちょん

3968： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/28(日) 20:09:13 ID:LLW05WR60

　　　　　　　　　／.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＞､i.:.ｲ´.:‐..:.:.─ ､
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　　　 ∧jﾊ.:′.:.:.:.:.′〃xｆz左ｚ,;,X, .j:/ !:;|:.:.:l.:.:.:.l.:ﾍ.:.＼.:.::.':;.:.';
　　　 l.l.ヽ.:.:|.::::.:.:.:|{:.:.,仆乞芸て卞 >′l./ｊ.:,ﾘ.:./.:l.:.ﾍ.:.::.ヽ.:.:.';.'|
　　 　'.:.:.:;:升∧::.:.|.:.:{ｲ ,伐::::::斥′　　ﾉクｻﾄxj:.:.li.:l.:.ﾊヽ.:.';.:.:;.!
　　　　∨　 !′l:.:.:|:.:.! ､辷ｰクﾉ　　　 　ｹ云x.:ﾉﾒi.:/.:.:.:.:l.:.:.:.:.l:.!
.　　　　 ゞ､)l::.:.:ゝ:ﾍ､:!　｀¨¨ﾞ`　　　　　/.::ﾇﾘｹ;´.:;ﾘ..:.:.:.∧:l.:.:ﾊ!　　　　　　　　　直通回線……？
　　　　　 'iｰl;:.:.:.::.个｀　　　　　　　　　匕ﾞ.ノ_ノノ/!:.:.:.;/　ﾚノ　!
　 　 　 　 l.:人::.:.:.ﾞl　　　　　　 　 　 　 ¨`て.._｀V.ﾊ.:::/ 　 !′　　　　　　　　　　こんな時に、一体だれが？
　 　 　_,､n<　 '.:.､∧　　　　　　　ｃ｡　　　人__,¨＼:l/
　　ｲ´.:::.ハﾍ　'､l?∧　　　　　　　 　 .,／: :.j　 ／}′　　　　　　　　　　　　　　　……。
／　l:::::::., 　＼　´､?「＞､　　　　 , イ´. 　.:.イ´.:l.:.|
　 　ｊ::::::::.ﾍ　　＼　　＼ﾍf＞.ｰ イ. . . :＜.:.:.:.';.:.:.:|.:|
／¨ ﾍ:::::..∧ /＼｀ >ｰ<cﾊ. . . . . . .fヽ,¨ -ﾅﾍ.';.:.:|.|
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/V//,∧:::::..∧､/　 >介ｲー"´　／.:::.∧//zj.:.:.';.:.|
j∧V//∧:::...∧　　ｊメﾍ＿_　-ｲ.::::::::::::.∧//j.:.:.:.';.|
j:iV∧//∧:::::::..＼　ヽ´.:::::::::::::::::::::::::::::::::人/j.:.:.:.:';|





　　　　 ＿＿＿_
　　　／ノ 　 ヽ､_＼　　　　　　　　　「やる夫君、無理を承知で聞くよ。あと三分で片づけられる？」　
..　／（ ○）}liil{（○）＼　　
／　　　 （__人__）　　　＼　　　　　　それくらいのつもりでやってはいますお！
|　　　ヽ　|!!il|!|!l|　/　　　|　　　　　
＼　　　　|ｪｪｪｪ| 　 　 ／

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
カタストロフィとの取っ組み合いの中、なのはが急に支離滅裂な通信を入れてきた。

ネクスト戦において、三分で決着を着ける、というのは不可能ではない。
だが、相手はあのアリー・アル・サーシェスのカタストロフィだ。
さっきからこちらの決定的な一撃は逸らされ、中々仕留めきれずにいる。

もっと直線的な相手であれば、三分での決着も叶っただろうが。
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3969： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/28(日) 20:19:02 ID:LLW05WR60


　　　　　`マ三ﾐi､ ヾマミｭ､　 　.ﾏ　ﾑ　　 　 ／イ´ /　　j　l､　　　　　/ l
　　　　　　 `マ三ﾐi､　　`マﾐ､ 　 ﾏ　.ﾑ　　　 ￣ `)　＼,ｲ ,j､i　　　　 /.liｪ
　　　　　　　　`マ三ﾐ､　　　　＼　ﾏ　.ﾑ　　　　 /　　/　 i .l　　　　 i　 iミ /i
　　　　　　　　　 `マ三ミ､　　　　 ＼,.-､ヽ　　　/　 /　　..i .l　　　　i　 iミ7 i
　　　　　　　　　　　`マ三ミ､　　　　　　 ＞､　 /　./　　jミi l　　　.}i　 jﾐ./ j三≧iｭ､
　　　　　　　　　　　　　ﾏ三三､　　 ,, 　 　 　 ヽ　/　|'､ﾉミ､.l .ﾑ ./i　 .iﾉ　 j　　 ｀` マﾐｭ
　　　　　　　　　　　　　 ﾏ三三ミ ､ `ヾｭ､　　　∨ 　 i ﾏﾐ､ﾏ―.V ━　,'　/￣｀` ―-ﾏﾑ/ｭ､
　　　　　　　　　　　　　　.i三三ミl i　　　`ヾｪｭ､}ｭ､ノ.i　ﾏi i､ヽ　 ﾚ/ｭ ､ /　　　　　　　ﾏ }ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　 寺三三､＼　　　　 ＞寺≧､. ﾏ､.ﾑ/　j彡ミ　}　　　　　　　　　　　　　　　　　　できるようになったじゃねえか！
　　　　　　　　　　　　　　　　 ` 寺ア､ ＼＿,ｲ三ア`'' ヽ　ﾏ､}ﾑ/ ）'''l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　 i　Y,イ ∨ {　 ',　 ヽ ヾ｀ﾍ_/」 .l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 イイねぇ！　俺好みだ！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　i　　l l　 l | ﾏ､　',　 .ヽ《ヽ　　i j
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 iｲミiｱ ´ ￣￣￣ マ ヽ､　ヽヽ＼ j/　　　　　　　　　　　_ｲ三三三三　　　マーシフルゥ！
　　　　　　　　　　　　　　 ＿_,,ｨﾏ彡'　　　　　　　　　`―`‐`‐｀――――'￣￣￣｀ｧ ＜　 }==ｭ
　　　　　　　　　　　 　 ., ＜ﾏ､　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿＿＿＿　　　　　.lﾐ　　　 ﾏコ
　　　　　　　　　 .,　＜　　／ﾏ　＼＿＿＿＿＿＿＞´＿＿＿＿＿＿＿≧ﾆﾆﾆﾆｺﾐ―――――‐
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　　　　　　　　　　　　　　ﾏ三ヽ＿＿＿ﾏ三ﾑ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿,,,,,,,　-‐
　　　　　　　　　　　　　　 ヽ―-ﾏ三三三､　 ヽ＿＿＿､＿ ,,,,,,,,,,,,,,,,ｪｪｪｪ≦三三三ｺ＿　　 --―
　　　　　　　　　　　　 ＿＿ヽ　　ヽ　　　　ヽ　　ﾏ三三三三彡==--''''''''''''￣￣￣
　　　　　　　　　　,,ｨ彡三三三､＿ﾑ　　　　 ヽ―｀　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿ ,,,
　　　　　　　　 ｬｲ三ア　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＿＿　　 --　ｧｪi― '''''
　　　　　　　　　ﾏ'　　　　　　　　　 　 ＞ ´　ヽ --‐/ ￣ ヽ￣i　　　＼≦≧/三{- ､_
　　　　　　　　　,,ﾑ　　　　　　＞　 ´　　　 ／　　/　　　　 i　.l　` ――マ三三ア　/ ヽ
　　　 .,,,　 ｨ　''´　 ヽ＿＞ ´　　　　　　／＿　／　　　　　 ﾏ l　　　　　　 ` ＜　　/　__}
￣￣ /　　　　　　　ﾏ　　　　　　 ,＞ ´￣/　＞､　　　　　　ﾏl　　　　　　　　　 ￣￣
　　 /　　　　　　　　　ﾏ　 　 , イ/　　 ／　　　　}　　　　　　 `
　 ./　　　　　 　 　 　 ム,＜＿/ 　 ／　　　　.／
　./　　　　　　　　 ／　　　　　　 ／　　　　／
　i　　　　　 　 ＞´　　　　　　 ／　　　　.／

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サーシェスのしゃがれた高笑いが響き渡る。
獣のような息遣いまでもが通信に入っていた。楽しそうに、涎を垂らすように。

巨大な物理ブレードを縦横無尽に振り回す敵機から距離を取り、
カタストロフィのEN残量を予測と直感で量りつつ、再度飛翔する。
双方ともに格闘戦に優れた機体だ。運動性能も高い。

だが、EN出力で言うなら、間違いなくマーシフルの方が段違いに高いはずだ。
EN容量が肺の大きさなら、出力は肺活量だ。
容量こそ控えめだが、マーシフルの出力は群を抜く。
ネクスト戦役を生き抜くために作り上げられたハイエンドパーツは伊達ではない。
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3970： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/28(日) 20:26:53 ID:LLW05WR60

　　　　Vﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
　　　　 Vﾆﾆ＼ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
　　　　 个、ﾆﾆ` ､ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ≦ﾆﾆﾆﾆﾆ
　　　　,;':!ﾆ＼ﾆﾆﾆ｀　、ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ≦ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
　　　　i:;:!Lﾆ」　＞ﾆﾆﾆ｀ヽﾆ|ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
　　　　|:;:;:;:|ﾆ!　i:::::::::へ_ﾆﾆ |ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/リﾆﾆ
　　　　',:;:;:;:!ﾆ!　,::::::::lイ｀ｰﾐﾐﾄ┬―――――""""" _ィ≦≧:::ﾆﾆﾆ｝ﾆﾆﾆし'ﾆﾆﾆ
　　　　 V:;:;!ﾆ!　 ,::::::| 乂　｛i｝ﾍ:::::::::::/　/:/＿_z≦二＿＿　j::Lﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆ≧≦　　　　　　チッ……疲れ知らずかよ！　けどなぁ！
　　　　　V:;!ﾆ! 　 〉:::!　　｀ー 人::::И　'《:,"￣ｲ￣｛i ｝　　 〉,::::::/三7　 /　 /:;:;:;:;:;
三三三三弍:;',　 |:ヽヽ、　　,　　乂! ｀　 |　　　ゝ ＿＿x　 ,::::::/:::::/　 /　 /:;:;:;:;:;:;　　　　　　　動きを止めりゃあこっちのもんよ！
三三三三三:;:;,　 ',:::l> ≧≦　　 ﾉ ｀　　　　　　　　　　　 ,::::::/:::::/　 /　 /:;:;:;:;:;:;:;
三三三三三V:;:　 ヽﾄ、　　　　 ,　　　　　　　　ヽ、　_　イ::::/ ::::/　 〈　 /:;:;:;:;:;:;:;:;
三三三三三 V:;:　　ヽ＼｝　　 ,　　　　　　　　　　￣／:::::V/"":;:;:;:;＜ﾌ:;:;:;:;:;:;:;／
三三三三三ﾆV:;:;　　 ヽ　 　 〈　　　　　　　　　　 ,´::::::／:;:;／:;:;:;:;:;:;:;:|:;:;:;:;:;イ三
三三三三三三V:;:;　　　V '、,,,,ヽ　　　　　　　　 ,:／／:;:;／:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:｀￣:;く三三
三三三三三三 V:;:;　　　 ,　ヽrx＿＿＿＿＿＿(／:;:;／:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;, '三三
三三三三三三 ７:;:;:;:;｝　　,　 乂二二二二二／:;:;:／:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;／三三三
三三三三三三/:;:;:;:;:;｛　 　 、　、｀ー――r ´:;:;:／:;:;:;:;:/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;／三三三三
三三三三三三!:;:;:;:;:;:;:ﾑ　　 ヽ　j//////　!:;:;／:;:;:;:;:;:;/:;:;:;:;:;:;:;:;:／三三三三三

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展開されたブレードを引き、刺突の姿勢を取る。
そのまま一直線に敵機のコックピット部分を刺し貫こうとしたとき、
視界が突如として暗闇に包まれた。

衝撃が奔り、意識上の画面が乱れてノイズが走る。
最後に見えたカタストロフィの傾いた姿勢から、何が起こったのかを察した。
自分が突撃するタイミングに合わせて脚部を持ち上げ、こちらの頭部パーツに
叩きつけてきたのだ。

幸い、頭部パーツが吹き飛ぶようなことにはなっていないが、
完全に視界が塞がれてしまった。装甲がひしゃげて軋む重い音が聞こえる。
これはカメラアイを破壊されたと見た。
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3971： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/28(日) 20:32:56 ID:LLW05WR60

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　　　　　　　　　　　　　 　_ ｡s≦　　　　　　圭圭圭圭圭=‐ 　 ￣ ‐=ﾆ_　　　　　　 _,､＜　 /
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　　　　　　　　　 〈_ ／ 　_　-　¨　　　{圭圭圭=‐ﾆ圭√￣￣￣ﾑｲ´　 　／￣ﾏ 　 /
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　　　　　　　　 〈_/　 _ 　 -‐…‐-┬―－ l 　ﾏ｣　 /　 　 　_ ｡s≦////､＜￣／
.　　　　　　　 　 ￣　　　　　　　　 |　　 i : |　　ﾏ／　　　　//////ｌ／　 　 |　|　　　　　　　　　　 くたばっちまえよォ！　マーシフルゥ！
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　 i : ｌ　　 l|　　　　 //////ｌ/　　　　 ｌ　|
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　､i: .`ﾄ､　|　　 　 ∧/////l|　　　　/L/　　　　　　　　　　　 俺の代わりに地獄に堕ちといてくれよ！
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 l　 　 i: : :! ヽ|　 　／　 〕トミ辷! 　 　 /ﾞ'/
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾄ､ 　 i:. : |　 |__／ 　／:::::::／ l|　　　/ /　　　　　　　　　　　　　　ハハハッ、ハッハーーー！！
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　|　＼: : : :|: : : : : :|　　　　　／//　　　　　　＼　　　　　　 {　　 ／⌒　　　　　　　＼　　　　　　　　　ああ、たまらねえぜ！　最高だァ！
　{ｉ　　ゝ─ﾄ: : : : :∧　ゝ-＜　ｲ/　　　　　　　　　　　／⌒ヽ　 /　　　　　　　　　　　 ＼
＼|　　　　　∨: : : :ゝミ三彡　/　　　　‐-　　　　　　 ィ⌒ﾍ　 /　　 ∨　　　　　　　　　　　　　　　　　　あばよ、楽しかったぜェ！
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　　　∨　　　　＼＼∧　　　ゝ　　　 ‐　　　　、｀ ／／＾.ノ /　　　　　 ∨　　　　　　　　　　　　　　　　　
.　　　 ∨　　　　　 ≧=ｰ　　　　＼　　　､　｀､ ／／　　　 /　　　　　 　 .}
　 　　　∨　　　　　　　∧　　　　ﾉ ｊ　｀ィ彡-￢´　　　　 /　　　 　 　 　 |
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　　　 　 　 ＼　　　　　　　　＼　　＼⌒´　　　　＞‐´　 /　{　　　　Y⌒Y
　　　　　　　　＼　　　　　　　　＼　　∨　　　／　 　 　 |　 ﾄ､　　　 ゝ ノ
　　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　　ヽ　 ∨　イ　 　 　 　 |　 　 ＼
　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　　､　∨ /　　　　　　|　 　　　＼

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自機と敵機が重なり意味を成さなくなったレーダー画面に意識を傾ける。
そこには一瞬、ミサイルの熱源反応を示すピンクの表示が映っていた。

それの意味を教えるように、機体が爆発の振動で揺さぶられる。
カタストロフィがマーシフルに組み付いたまま、PMミサイルを発射しているのだ。

ゼロ距離で放たれたミサイルは一度上空へ舞い上がり、
雨霰のようにマーシフルへ降り注いでいるに違いない。

サーシェスの勝ち誇った笑い声と、爆発音が鼓膜を責め立てる。
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3972： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/28(日) 20:41:47 ID:LLW05WR60

　　 　　　＿＿＿_
　　　　／:::::::::　 u＼　　　　　　　　　　　　　　サーシェス……考えたもんだお。
　 　／ﾉ└ ＼,三_ノ＼　 　,∩__
　／:::::⌒（ ●）三（●）＼ fつuu　　　　　　　 クソッ、認めたかないけど、やっぱ強いお。
　|::::::::::::::::⌒（__人__）⌒　| | 　 |
　＼:::::::::　　 ｀ ⌒´ 　 ,／_ | 　 |　　　　　　　　けどな……
　　 ヽ　　　 　 　　 　 i　　　　丿
　 /(⌒)　　　　　 　　/￣￣´
　/　／　　　　　　　/

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相手は的確にこちらの長所を潰し、弱点を突いてきている。
眼を潰され、動きを封じられ、その状態で爆撃だ。
一歩間違えれば、この時点で成す術なく爆発炎上していたかもしれない。
凄まじい戦闘センスだ。この男、あの名ばかりの上位ランカーだった
ディエゴ・ブランドーの数倍は強いのではないか。

だが、それでも、自分はまだ負けてはいない。
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3973： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/28(日) 20:47:46 ID:LLW05WR60

　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 イ´ _.r'　＞-、、〉　　　　 　 　 ./ /　　　　　 / / 　 　 　 ../　　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/＿∠＿ / ∧　ﾏ＼　　　　　　 ./ /　　 　 　 / / 　 　 　 ../　　.,.イ＞.。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞　　ﾉ 　ヽ/ /　／/＼ ヽ　 　 　 ./ / 　 　 ..＞/ / 　 　 　 ../　　./ /　　　　＞.。
　　　　　　　　　　　　　　　__ イ　　　 {　　../　ゝ' ／＼　＼!　　　 / /　＞､'゜　./ / 　 　 　 ../　 ／ ./＼　　　　 　 ＼
　　　　　 　 　 　 ＞ '' 孑ｲ／　　　　 乂.../ 　 ／,ｨ= - ＼/　　　,｡s≦　　　＞/ /　　　　　./ .／　 /、　 ＼
　　　　　　　　／＞'ｲ＞' .Yr⌒yr－―≦ﾏ.／..r.'｜　　 |´_　 　/　≧s．＜　/ /　　 .＞L./／　 ／ ノ 、　　＼
　　　　　　 ／／　　j ／　乂彡’　 　 　 　｀＞.|.　|　,.イ´ 　ヽ./　　　 /　 .ﾚ'ン　　_ノ　 i／　　メ、/　　.ヽ_　　 ＼
　　　 r≦ｿ¨´　＞ ´ {　　 ／　　　　　　　　　 rﾄ、ﾙ' /　 　 ﾊ!ヽ. 　../ .ｨ´／ ＜¨　　　/　　／ 　 丶、　／ ￣ ≧s。
　　　_ﾚ´ .＞’　　　 込=ィ'　　　　　　 　 　 　 N !./ /／丶.　j　i! .＞´ ／´ ＼　　　　 !　 /　　　　＿_Y,.イ∨　　　　ヽ
　　./　イ　　　　　　　 ノ´　　 　 　 　 　 　 　 i i!〈 f´　 　ハ/　ﾊ´　　 　 　 　 ヽ _　　{　/＜zr＜./.r.'　　　.∨
　　j /　　　　　 _ ＞ ’　　　　　　　　　　　　　| !.!.ﾄ!　　　　_}.r' ／ 　 　 　 　 　 　 ＼.У　ｨr≠メ-┴――=≦ニ、.,_
.. ケ′　　　　ノ　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 i!i!L,!V 　　ﾉ/´ /　 　 　 　 　 ,..ｨ　　　_ﾉ ,.化≦＿＿　　　　／　　 .>、
.j/　｀ゝ＜ﾆｲ　　　　　　　　　　　　　　　　　 r'ｲ/,.ﾑ∨／/ ／　　 　 　 ＞t'二¨ ヽ、,ヒ＞’´　　　　　 ＞'- 、― .、
i!,/⌒ー≠ｲ　　　　　　　　　　　　　　　　　　j　 /　ﾑ｀,.ｲ／　　　　＞ //　　　 ｀ ｰ-{￣￣￣￣￣　≧ .。　 .>、　.ヽ
{ハ_ﾄ､〉ニ!′　　　　　　　　　　　　 　 　 　 j　ｲ　イ ´／　　　_∠≦ｨ /　　　　　　 /ﾄ,　　　　　 　 　 　 　 ＞。ヽ
.ヽX__}_}_}ﾉ　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 / .ﾑ ＞ ’ ／　 .イ　　／/ ∨　　　 　 / .j i　　 　 　 　 　 　 　 　 　 >。、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　.′ 　 イ　 ／　j　 /　 {. 　∨　_ .＞.’ .,' ﾄ-.。_　　　　　　　　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 / / _ ..イ　 　 　 　 i . /　 ,..!　　/´　　　　,ｲ ん。_ 　 ＞ 。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 / ﾉ´　　　　 　 ＞'゜ i! ′／ jk　.i!　　　 .イ　/三三≧s。　　.>。
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｲ　　　　　 ＞'.゜　　イi　 / イ人ゝ.! ＞'_゜ 　 /三三二ﾆ二≧s。　.>.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 L...＞ ' ゜　　＞'.゜イ/.Ⅳ_//¨＼＼-≦ﾆゝ-.'三三／_z=-z。＼ﾆ>、 .ヽ
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　　　　　　　　　　　　　　＞ ―――― -z=┴ 、　＿＿＿＿_.ヽ-'　　　 ＼＼≠*ソ// 　 　 ｀ヽ _.ﾉ ﾑ.三ム.　ﾏ
　　　　　　　　　　＞ ' ゜＿　　　　　　　　　ヾ⌒ヽ’_　　　　　 　 .〉、　　　　 ＼ヽｲノ./　　　　　 　.ｨ/、三三ﾑ　 ﾏ
　　 　 　 　 　 r'゜,z≦　＿__゜¨¨ ー―---イﾉ_____＞!　　　　　／ゝ.＼　　　　 〃.ｲ /　　　　　　.// (_ ＼三ﾆﾑ　 !
　　　　　　　　 ゜＜　 /::::::::::::￣:Y　　 　 /::::::　　　 i!　　　 .／j:::...　＼＼　　ノ /　 i　　　　　　//＞-｀、､Y三ﾆ! .i!
　　　　　　　　　　　＞ ≧ー― '　　　　 L::::.....＿ ノ　　 ／_乂:::　　　　ーヽ( 〈{　　i!　　　 　 //〈　　　 ヽy三ﾆi! .i
　　　　　　　　　　　　　　¨'''' ー ------,イ¨¨＞-≦t┬'¨┌┐::　　　　　　〉〉_i!　　}＿ ＞''゜.ｲ　 ＼　　 .ﾘ三ﾆ7 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 Y/ii}　　　{ {{ ,ﾋ7、　レ'::::　　　　　.〃::::ｲ　 ./　　　.／　　　　.ヽ.ｨ' ヽﾆﾏ./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {iiii人　　 /¨´ノ /＞s。::::.............／:::／::i!　/　　_,.ｨ　　 　 　 　 .人.、∀/
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.〈　　　｀>' ﾋ _ ／　　 ∨∧::::::: 　∨::::::::/./　./　　　　　　 >'゜ ＼　.}'/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ゝゝー≦＞’　　　　　　 ヽ　ゝ,::::::::::∨:::/./ 　 !　　　 　 .／　 　 　.ゝ〉　　　 ＞'
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「動きを封じられてるのはお互い様だお！」

霧散寸前のPAを圧縮させる。見えずとも、大気が揺らぐ気配を感じる。
各所の装甲が展開され、小型の制波装置が乾いた音を鳴らして露出させる。
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3974： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/28(日) 20:53:06 ID:LLW05WR60


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　　　　.||| ,　、 　..　" . 　　 !　　　　､　　 .　　 !! 　 ﾉ_{ (:i:}r‐'＜. ∨ /　　　.!　!　 　´　､ !!　 ..　 " .l!　 　 |||　" .l!
､　　　...|||　　.,.　　.　　´　､　,　　′　.　、 "　 _　/　７ゝ〕iト､　 ＼∨ . 、.　.,.　　゛.　 　!　,　 .　． "　.´ . |||　 ． "　.´
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理不尽なまでの範囲攻撃の直前、サーシェスの高笑いが途切れる。
不意打ちのアサルトアーマーが、解放されたコジマ粒子の奔流が、
射程範囲内の物体をこの世から洗い流していく。

今、このマーシフルに搭載されているアサルトアーマー搭載型オーバードブースターは、
ノルドルム謹製のハイエンドパーツ、つまりはアルトリアのリンドヴルムに準ずるものだ。

その威力は、最後にサーシェスが見たアサルトアーマーとは比べ物にならない。
乱れた息を必死で整えながら、レーダーに意識を集中させる。
PAはさっきまで消失寸前だった。幾ら威力が上がっているとはいえ、
首の皮一枚で生き残っている可能性は十全にある。
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3975： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/28(日) 21:06:33 ID:LLW05WR60


..ｌ　　ｌ 　.!　　 .ｉ　　　│　 　 !　　　　ｌ　　　　ｌ　　　　/　 　 　 　 　 　 / 　　　 ／　　　　　　／ 　　　　　 ,／
　.ｌ　　!　l　　　 　 　 .,!　 　 !　　　　l　　　 ./　　 　 /　　 　 　 　 　 / 　　　／　　　　　 .／　 　 　 　 ／゛
. 　ｌ　　! .|l　 .． .|　　 !　　 ilﾞ　 .ｌ 　.!　　　./　　　 /　　　　　　　　/ 　　 .／　　　　　.／　　　　　 ,／
　h,　l、｝ l|　 l、 l．　.l!　 　l!　 .|,! .lﾞ　　　/　　　./　/　　　　　 ./ 　　 ／　　　　　／　　　　　 ／　　　　　　　　 ,..-'
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　{ｉ　　ゝ─ﾄ: : : : :∧　ゝ-＜　ｲ/　　　　　　　　　　　／⌒ヽ　 /　　　　　　　　　　　 ＼
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アサルトアーマーで麻痺し、点滅するレーダー画面に、一瞬の赤い光が灯った。
自機から十字の方向、正面から少し逸れている。
背後からの奇襲ではなく、奇をてらった斜めからの突進だった。

方向さえ分かればいい。お互い死に体だ。
次の一撃さえ入れられれば、それでいい。
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3976： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/28(日) 21:13:05 ID:LLW05WR60

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　　　　 　 　 　 　 　 l 　 l: [i　　 ＼_.､,　､__／　ヽl}: : l 　 !　　　　　　　　　　　　了解！
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　 .／＝=z､　　　l　 |　　　　　　三t!:_:_ｌ三ﾁ´　 　　　　l　 /! /　 　,r '二二¨」、

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何しろ、こちらには優秀なオペレーターがついているのだから。
なのはの指示のタイミングは完璧で、言われた通りにバックブーストした直後、
巨大な質量が暗闇の向こうで、高速で通過する気配を感じた。

輸送機から遠目に見ている状態で、よく見測れるものだ。

「次、八時の方向！　ブレード展開、チャージせず発射！」

「了解！」

見えぬままにクイックターンで機体を翻し、ブレードを射撃モードで展開する。
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3977： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/28(日) 21:24:34 ID:LLW05WR60

　　　　Vﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
　　　　 Vﾆﾆ＼ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
　　　　 个、ﾆﾆ` ､ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ≦ﾆﾆﾆﾆﾆ
　　　　,;':!ﾆ＼ﾆﾆﾆ｀　、ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ≦ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
　　　　i:;:!Lﾆ」　＞ﾆﾆﾆ｀ヽﾆ|ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
　　　　|:;:;:;:|ﾆ!　i:::::::::へ_ﾆﾆ |ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/リﾆﾆ
　　　　',:;:;:;:!ﾆ!　,::::::::lイ｀ｰﾐﾐﾄ┬―――――""""" _ィ≦≧:::ﾆﾆﾆ｝ﾆﾆﾆし'ﾆﾆﾆ
　　　　 V:;:;!ﾆ!　 ,::::::| 乂　｛i｝ﾍ:::::::::::/　/:/＿_z≦二＿＿　j::Lﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆ≧≦
　　　　　V:;!ﾆ! 　 〉:::!　　｀ー 人::::И　'《:,"￣ｲ￣｛i ｝　　 〉,::::::/三7　 /　 /:;:;:;:;:;
三三三三弍:;',　 |:ヽヽ、　　,　　乂! ｀　 |　　　ゝ ＿＿x　 ,::::::/:::::/　 /　 /:;:;:;:;:;:;　　　　　――あ？
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　 ／　　 {i !　i__／　　／＼　}　ヽﾑ,|　　　 ﾏV　　./　 V/ /　　　〉,　...,。ｓ≦}ヽ ＞ 。´川彡／ｒ-三ﾞ´　　　　　　　　　　　｀ﾞヾ;:;　;:／　　　　　　　〈_/
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　{三{ilililil}}! 　 　 　 　 　 V/　　　　 ￣ヾ＼ 　.／　　 }!　　i}　 ＼＼　　,:;'ﾞ´:;:;:.、`・　.＼　　　　　　 }! ヽ、i|!#　i!iﾞ´　　　　　　　｀ﾞヾ:;　:;て
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二}＞'｀ヽ }ヽ 　 V/__/　 .／　 .／　 　 　 .!　 ／ ',　　/　　 {ilil{　{　 }

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放たれた熱線の行方は、遅れて聞こえてきた爆音が教えてくれた。
けたたましい笑い声も、獣のような息遣いも、全てが炎に呑まれて消えていく。
戦場に生の実感と充足を求めた男が死んだ音がする。

張り詰めていた息を吐き出し、両腕を降ろして高度を下げていく。
達成感など何一つない。ただ、大変なことが終わったという、
嵐が過ぎ去った後のような安心感と虚脱感に全身を浸からせる。

こんな戦いに、意義などあるわけがない。
ただ、あの男の、戯れにも等しい行為に付き合わされただけでしかない。

「……敵機撃滅を確認、ミッション終了。
その状態じゃ、自力の飛行はちょっと危ないね。回収に向かうから、待ってて」

なのはの淡々とした声色が、荒み切った今の自分にはちょうどよかった。
さっさと帰って、シャワーでも浴びよう。
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3978： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/28(日) 21:24:58 ID:LLW05WR60
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3979： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/28(日) 21:34:55 ID:LLW05WR60

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│'".　　　 ／　/ 　 　 /　　〃. /　/　 ,ｨ'¨¨`＿〔,､　　　　　　　　 　 │
│_.　　　 　 ／　　　 / /　/,ｲ ,'　/ ／　 ／ ＼ ヾ^'＜ ＿　　　　　...│　　　　　　　「……モリアーティ殿」
│彡''" ‐''´　　　　　／　/ /ｲ.l　,'/　 ／ ,,ｧ,ｲﾘ＼ﾉ　　 　 〉　　　 　 │
│　―＝二二＞''"´ 　 . : /ｨ |　| .／　 '''"¨¨´ /　　　 ｧｲ　　　　......│　　　　　　　たかがリンクス一人の確保のために、
│_　　　　　　　　／. :__: :,/: :lﾑ. |'"　 　 　 　 ./　　　,,ノヽ、　　　　 .│
│≧=- 　-‐'' ／　　.|　 ＼／´.',|＼　 -　　 　 　 ／　 _.ィ　　　　......│　　　　　　　その拠点を強襲するなんて、正気の沙汰じゃないって？
│.　　　　 　 　 -=彡|〈⌒ ｀ミh､ ヽ､',　　｀ 　　／,,､≦´ Y　　　　　 .│
│"''ー=､,,　　　, イ: :ﾍ　ｬー} ヾ. 　 ',}　　＿. /'´〈.　　　　',　　　　　 │　　　　　　　　「私は決して、そのような」
│　　／　　　　. : : : : : ＼`''―‐ ､,､＿_/ﾆﾆﾍ　　`　 　 　 '､　　　　 │
│.／―===ミ　: : : : ／／/7≧／ﾆ＞'´ニニﾊ斗､　　　　　 Y　　　 │
│　　　　　　⌒''''=‐､､: : //: :/ﾆ／ニニニニニニﾍ. 　 　 ,ィ　　 　 .│
│　　　　　　　　　　''´⌒ヽ: /=/ニニニニニニニニﾑ¨¨´　　　　　..│
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: : :.i: : : : : : : :1: : : : !: : : : |: : : : : : : }: : i: : ﾄ、: : : } : : :.!: |: :.|: :: :
: : :.|: : : : : : : :i: : : : :|: : : :.:|: : : : : : ,′:.{′.|:＼: : !: : : :|: :|: :1: :}ヽ
: : :.|: : : : : : : :ﾄ.: : : :1: : : : !: : : : : /: : :ﾊ: : ﾄ､: :＼!: : : :| .1 .1: :|
: : :.|: : : : : : : :| }: : : .|: : : : |: : : : ｲ: : / }: : :.′＼::.＼: ｜::|: :}: :1
: :.ハ: : : : : : :.,' |: : : :}: : : :ﾊ: : : /: : /≦: : ′ : : |＼::.＼: ハｲ:｜　　　　　　「隠さずともいい。君は自分が思っているより分かりやすい男だ」
./　 |: : : : : : 1 1: : ./|: : :/‐'}: ム: :/　 }: ｨ!: : : : i: : ＞ ､::.ヽ⊥.!_＿
　　ﾊ: : : : : : :}_」: : 'ﾆ! ./二!/ｨ| ｲ≦ｲ}:./ }: : : /: :/: :/: :＞┬┬ ´　　　　　 ……。
.r　　}: : : : : :ﾑ/: :ﾊ-}:.'千丐行 }/}　// /: : : /: /: :/: : //　}: :}
. ｀-ﾆ|: : : .:/ /:.:ハ_/'､竺竺xzｨ .イ// /: : : /: /: :/: : /ｲ　/:./　　　　　　　　コロニーの人民の命と引き換えにしてまで、
　　　|: : :./ /.／` _｀_￣￣￣￣´ / ./: : .／:./／/／　 ／´
　　 ,': : / /./　 ｀ ─- ､　　　　　 ／: ／: ／}}ｽ´./　　　　　　　　　　　　　　あの男をIGIOに引き入れる価値があるのか、
　　,': /　// 　 　 　 　 　 　 　 ／:.:イ: :／//ｲ } /
　 ,':./　 /　　　　　　 　 　 　 ´　／_ィ 　///{ノ/　　　　　　　　　　　　　　　 疑問に感じていただけです。
　//　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /.　///　 /
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3980： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/28(日) 21:40:30 ID:LLW05WR60

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　　　　　　＼:;:;:;:;:;:;:;:;;ヽ　　　　　　　　,.／'"　 `'''" ',　　 ｀､　 ＼　｀､　　　　 ／￣.|　 |　　／　　　` ＼　　　／
　　　　　　　　＼:;:;:;:;:;:;:|.　　　|　.|　　l　_ ,.- ｽ　　　 ',.　　 ｀､　 ＼　｀､　　　 |　!!!!!|　 |／　　　　　　　へ／
　　　　　　　　　　＼:;:;ﾉ　　　　|　.ｌ ,. 7'　　/ 人.　　　',　　　｀､　　 ､　｀､　　 |.　!!!!!|　 |　　　　　　　　.／　　　,.　　　　　「そうはいってもね」
　　　　　　　　　　　 ＼　　　　,. .';ﾂ／ |｀｀| /<,.l　　　 ',.　　　 li　　　l､　｀､　 |　 !!!!.|　 |　　　　　 　／　　 ,.／ |
　　　　　　　　___,. ----`-彡'|:::／　 　|　 | | 厶|　　　 .|i　　　 .|i　　　.l.　 ｀､ .|　!!!!!|　 |　　　 　 ／　　,.／ )ﾉﾉ　　　　 　ネームレスの件ですか。
　　　　　　 / |　 |　　　　. ＼ﾅ'||　　　 |___|ｿ　ﾛ .l　　　 |i　　　　|.i　　　 l　　｀ L ,.- '　 .j_-―__.,'　　　/,.^- 'ﾂ ,./
　　　　　　 |　|　 |　　　　　.　ヾ |　　 /　久 〈乂.|　　　.|i　　　　 |.i　　　 .l　　｀＼__ --く　　　 /　　 ./／／／　 ,　　　　　「分かってるじゃないか。
.　　　　　　 |　|　 |　　　　 ,.>|　ヽ　 / ヾ 〈　ﾒ　 .l　　　.|i　　　　 .| i　　　　l　　｀､. |　　 .|　　 /　 __,.〃二‐‐' ￣
.　　　　　　 |　|　 |　　 ／　　〉　|｀ ' ､　| |　/勹.l　　　 .|i　　　　　| i,　　　 .l``― ト|　　 |.　 / ／　／　　　　　　　　　　　　なら話は早い」
.　　　　　　 Lﾉ　 ﾉ-／---- l　 |`､　ﾁ.乂 /ｨ／l　　　 .|i　　　　　,|└‐-　.,　l　　 ／　　/ .//　 ./
　　　　　　　 `'-'く　　　　　 l　 .|　 〉ﾀ// ,.'"　 l　　　　|i　　　／ 　　　　　　` .／　　 /　.//　　/
　　　　　　　　　|　|　　　　 l　　|　 |ｸ//-=- 　l　　　　.|i　 ／　　　__二二コ／　　　/　 / ￣￣
　　　　　　　　／　|　.,へ, l　　.|　/-/´　　　　l　　　,. ' |／--―￣　 ,. --'____　 `l｀/- _l
　　　　　　 ／　 /　/　,.ﾉl　　_|_/_/____.,　　　l　,.／> .／　　　　　 ／厂￣　/　 l .|　　||
　　　　__／____/　 /／　!| /´　　　　/　 ` .／'" ,.　／　　　 _,. - ／/,.　- "｀　./ .|　　 l|＿
　　 ／―／　|`-, ﾅ _/'　/　　　　 /　　／　,. ´／,.＿-　'' .／／　　　　　　　/　|　　　ヽ　￣｀―――――――
　／ ｀.／　|`´　 ||j/　`/　　　　 /　 ／＼r' /l|'￣　　　／ ／　　　　　　　,.　--へ.,　| ヽ
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　　　　 　 　 　 /￣｀ヽ〃,,､､― ､､,,_　　　,,＜
　　　　　　　　/ / ｧ―― ﾐ　　　　　　　　　　 `''ーｧ
.　　　　　 __ノ{ / /　　　　　ﾐ　二二＝‐''"　イ 　,ｲ
　　　　￣ 　 ﾊ{/,､､､､,,_ヽ　　ﾐ`''〜 -===彡 イ´≦_
　 　 　 　 ／　ﾊ }＿_:. 　 ｀ 　 ﾐ三二ﾆ　　　／ 　 /
　　　 -=彡''´ 　}"莎'　　　　　 ﾐ ＞寸-''"´　／ ./
　　 　 　 　 　 /　 　 　 　 　 　 ﾐ<⌒.}''"　／ ／⌒　　　　　　一人でも手元に置いておきたいのさ。ネクストをね。
.　　　　　 　 ｱ　　　　　　 　 ｧ　 }〕: /,,､丶 ／　　
.　　　　　 　 ＼､､､-‐''ヤ 　 {　　rツ　彡 /　　　　　　　　　　　それに、まぐれかもしれないが、彼はランク1を返り討ちにしたんだぞ？
　　　　　　　　ﾉ,､〜''´　　　　　/^^ﾚ}＿ｧ⌒
.　　　　　　 　 　 }　　　　　,､＜＞''´　　}､　　　　　　　　　　　　最初は邪魔だから潰しておくかという話だったが……
.　　　 　 　 　 　 |　　 ,､丶〜'´　 _,,､､＜:.:.ﾄ､
.　　　　　　 　 　 `''''´｢'Ｙく　,,､＜:.:.:.:.:./:.:ノニ}　　　　　　　　　　いや、戦力として悪くないかもしれん、となってね。
　　　　　　　　　　　　〕_{／:.:.:.:.／:.:.:./／(( )ﾏﾑ
　 　 　 　 　 　 　 ／:.:/:.:}:.:.:／:.:.:..／/∧　　 ﾏﾑ　　　　　　　　　変に盾突かれて言い触らされてもね。
　　　　　　　　 , .:.:.:.:./.:.:.:}:.:.:.:.:.:.／////∧　 　 ﾏﾑ､
　　　　　 　 ／:.／:./:.:.:.: }:＞／///////∧　　　 寸ﾑ
　 　 　 　 /:.:.:./:.／:.:.:.:.:/ イ:::}//////////＼／￣`''寸
　　　　　 ,:.:.:.:.／:.:.:.:.:.／:::::::::::}////////////　/＼￣ヽヽ
.　　　 　 l:.:.:.:.:.:.:.:.:.／::::::::::／ハ''-=＜///// ／　　 ヽ　 ヽヽ





　　　　　　　　　　 _,,ゝー ､、
　　　　　　　 　 ／　''´￣V_∨
　　　　　　　 ﾌ'　／,ｨi毟ノｨ,-ヽ
　　　　　　　/／／-'l||ー＿,ミ､〉
.　　　　　 _ノィｲ''^¨¨}={´ 　 }ﾊ,(
　　　　　 彡ｧｲゝ─┘_¨¨¨´|ｲ}__,,､､､　　　　　　　　「だから、こちらから首輪を付けにいくと」
. 　 　 　 　 ﾍ　',　∠二二ヽ.|ノ.:.:.:.／
. 　 　 　 ､┘:.:.`', r┐/ヽ､／l.:.:.:.:/,､‐ｧ　　　　　　　　そゆこと。家を奪って、こちらの与えた家に住まわせる。
　　　　 　 ヽ.:.:.:.ﾉ V////〉_./ 〉.:.:.:.∠
　　,､､､.　 ＜.:.:. 〕｀}/////}　/.:.:／.:.／　, -､　　　　　　飼い主がこちらになってしまえば、それで済む。
.　 l r‐ )＞￣.:.:〈;;; }////,〈㌢|ｲ.:.:／`'く_(_)　}
.　 ゝ_,,､､-=＼.:.:.:|>!///ｱノ . |.:.:/≧s｡　 ＿〈　　　　　　 事実が露見してみなさい、テロリスト共の活性化に繋がりかねん。
　　/｣｣｣｣｣｣｣｣ﾊ.:∧`¨｣_〉;ｌ　/|.:/7｣｣｣｣ | | | |',
　　 /ﾆﾆﾆﾆﾍ.:.:,';;;;;￣;;;|;;;;|/;;;;|.:.:|ニニl｣」l」」 ',　　　　　　第二次ネクスト戦役どころじゃなくなってしまうよ。
　　 Vﾆﾆﾆニ}__| ;;;;;;;;;;; |;;/;;;;;;;;|､:V二二ニﾆﾊ_',
. 　 /ﾆﾆﾆニ/ ;;|/;;;;;;;;;; |;;;;;;;;;;;;;;/ヽ＜ニニ/
　 /ﾆﾆﾆニ/;;;;:/ ;;;;;;;;;;; |＿＿./;;;;;;;;;;;;;寸ニ>
. /ﾆﾆﾆニ/ﾆ＼;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ﾆﾆ＼

3981： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/28(日) 21:45:57 ID:LLW05WR60

　　　　　　　　　　　　　　　　　．　":.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : :ヽ:.:.:.: . . __
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／:.: ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : :⌒ヽ:.:.:.:.⌒､
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ′ : :'⌒:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ヽ:. ｀ヽ
　　　　　　 　 　 　 　 　 /／:.: / : :／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : :､:. ヽ:. l:.:. 仆
　 　 　 　 　 　 　 　 　 /:.:.:.:.:.//:. ′／:. /:.:.:.:.／:ﾉ:.: l : :}:. } ､..} ヽ
　　　　　　　　　　ー=彡: //.../.../.../// /.-=彡イ/ヽ､:.:/: /:. | l:.: |
　　　　　　　　　　　　' / ′:.:′.{: /..l l...l : :/ i/../__ j」V:.:/:.:.:.| | : |
　　　　　　　 　 　 　 { l |.l i...i...|-V－十i|:.:.:| ﾌノ ,､≦ﾐ V:.:. : :| |.i i}
　　　　　　　　　　　　l八.l |: |: i/ うﾐt､　＼j　 イ{ｲz7 〉i}:. ﾉ:.:.i/ | |　　　　　　（妙だ。確かに、IGIOはあのランク26が欲しいのかもしれない。
　　　　　　　　　 　 　 　 乂l.i.人_」斗''゛　 　 　 `　¨¨´ノイ_ ノ}l人}
　　　　　　　　　　　　　　　从｀ト`　　　　|　　　　　　　　/　 ﾉﾘ　　　　　　　　 だが、それなら、もっとやり方があるはずだ。
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ヽ∧　　　　｀　　　　　　　/r=彡､
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ､　 　 ,―-､　　 　 ｲｌ:|:.:|ﾐﾄ､　　　　　　　　　こんな遠回しに、しかも大掛かりにやる必要など……
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼　　￣　　　／ i|从人
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 r== >､　　　 イ,r＜>r= ﾐ　　　　　　　　　　　もしや、トウキョウに目障りな存在でもあるのでは？）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l ｀ヽ ＼｀Y´ ／<f´r ´￣l
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |｀lil l ヽ＞＜ :′| li 　 　 l
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　il l:.:∧乂 /:. : | lil 　 　 l
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　il l:.:.:∧x/:.:.:.:.:| li　　 　 l ､
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,,..　イi　il l:.:.:.:.:.v:.:.:. : :|ﾐﾄ､　 r　､ 　＞．
　　　 　 　 　 　 　 …''"¨＞ｌ l　 ＼ il l=＝o＝＝=| l＞｀弋ン≦三{il｀＞
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　　_,　　-──':´: :〃: :.ハ' ﾍ::::::::::::::::::／::::::::/:::::::::::::::::',:::::::::::::::::::::::ハミ＝'
:':.´: : : : : : : : : : : //: : : : : ﾍ }:::::::::::／::::/:::::::!::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::::::::::::i
: : : : : : : : : : : : :/:{: : : : : : :. ﾍ::::::::/,//::!|::::::::|::::::::::}:::::::::i:::::::::::::::::::::::::::::l
: : : : : : : : : : : :/: :|: : : : : : : : :.ﾍ:::i､ji　|:| V:::::i∨:::::i:::::::::i:::::|!::::::::::::::::/:::}
: : : : : : : : : : : i: : :l: : : : : : : : : : : :<{芯ｚz､V､:! i::::/::::::メ|::::ﾄ!:::::::::::::///　　　　　　（……トウキョウにはルルーシュたちがいる。
: : : : : : : : : : :.i: : :.∨: : : : : : : : : : : ヽ￣　　 ヾ V:::;ｲzzｯ:/ j:::::::::::/:ｲ',
: : : : : : : : : : : : : : : ∨: : : : : : : , イ ｲ　 　 　 -彳::.　　.:／:::::::::／: : : ﾍ　　　　　　　モリアーティ殿には申し訳ないが、
: : : : : :_:_:_: : : : : : : : ∨: : r ' ´　 ｲ　　　 　 　 _j::::::.:-=彡i:ハ:i 7: : : : : :＼
: : : -- ､　　 ヽ: : : : : : : : :.|　　,ｲ:::}＼ -===ﾆy .　＜//ｊ/|:!//iﾉ: : : : : : : : ヽ　　　　　彼等にはブライドル本部に出向いてもらっている。
: : : , ---ﾍ　　 ∨: : : : : : :|　/　ヽヽ　＼__　＜　 /////＞-'´,- ﾆテ`: : : : : 7
／ 　 　 　 　 　 }: : : : : : :.| i'::::ﾉ　}:j i:::{ r::::/ 　 /イx＜: :.／ ／: : : : : : : : :./　　　　　　あの二人が邪魔だったのなら、肩透かしになるな）
　　　 　 　 　 　 !: : : : : : :.!.i:-､ <:〈 〉≠〉,ｲ　 7 ／: : : :,ｲ　 (, ---- ､: : : :/
, ィﾆﾆﾆヽ,　　　7: : : : : : ﾉ.{i',::::::i il〃,.::,ｲ　　 l./ i: : :,ノ　 　 　 　 　 　 }:./
: : : : : : : :.}　　/: : : : :_,.ｲ　|.∨''´ ` .／　　　 }' 八／ヽ　　　＿__　 　 //
: : : : : : : /　　｀`ヽ: :∧　　|　∨ .／　　　 , イ .／／　,. イ: : : : :ﾉ　,ｲ:/

3982： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/28(日) 21:48:53 ID:LLW05WR60

　　　　　　　　　　　　　　　　 , ィ＿
　　　　　　　　　　　　　 , -‐┘: : : : ｀丶_,.ｨ
　　　　　　　　　　　　　/. : : : : : : : : : : : :〈
　　　　　　　　　　　 ､_{: /.!: : : : : : : : /. : ﾊ
　　　　　　　　　　　　｀ｲ: 从!: : : :{:ノｲ^Vﾉl′
　　　　　　　　　　　　　ﾍ、: l: : : ハ:从小
　　　　　　　　　　　　　　厶从从イミﾊ｣
　　　　　　　　　　　　　 {´　　　　　 ｀Y　　　　　　　　　　　　　　（……あまりおかしなことを考えてはいけないな。
　　　　　　　　　　　 _　ノ　　　　　　　{_
　　　　　　,．--‐　´　　　　　　　　　　　￣　　 ‐- 、　　　　　　　僕の役目は、IGIO主導の企業連体制を安定させることだ。
　　　　　　ﾄ　　 ＿＿　　　　　　_＿＿＿__ __　,ｲﾊ}
　　　　　　{｣}｢r‐…‥=ミ､i____ﾉ／￣￣￣[ﾊ }くく /　　　　　　　　IGIOが力を増せば、パワーバランスは固定され、熾烈な争いも減る。
　　　　　　 Yﾉ:ﾍ:::::::::::::::::::｢¨¨｢::::::::::::::::::::::/.:{{　 V
　　　　　 　{:::::::::ﾊ::::::::::::::::}:::::{:::::::::::::::::::::::{:::::｀＝'　　　　　　　　　 これは……未来への、投資なんだ）
　　　　　　,'.::::::::::::ﾄ､:::::::::::, ‐‐ ､:::::::::::::::, ｲ:::::::::::!
　　　　　　ｌ::::::::::::::ハ二彡'´、｀ ミ二二 .ｲ:::::::::::}
　　　　　　{:::::::::::,'　　}　　　　}　　　　　　{:::::::::::j
　　　 　 　j:::::::::::'　　 {　　 ,ｨ仆､　　　　 ,1::::::::::|
　　　　　 f::::::::::,′　　i　,f′ }　 ヾ、　　l｣:::::::::::!
　　　　 　{::::::::::{　　　 } ,||　　|　　 }}　　 |j:::::::::::{
　 　 　 　 }::::::::::}　　　j ,}}　　j　　 ||　 　 {:::::::::::ﾊ

3983： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/28(日) 21:51:22 ID:LLW05WR60
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3984： ◆x0SRSoJXe.：2021/03/28(日) 22:03:52 ID:LLW05WR60
続きをね、続きをしようと思ったんだけどね、今日はここまでだ。

次回はね……分からない……分からないのだ……

仕事も段々きつさを増すし、休めなくなってしまったし、身体も慣れるどころか弱る一方だし……

エタることだけは絶対に避けるから、待っててクレメンシー……

3985：安価のやる夫だお：2021/03/28(日) 22:05:19 ID:lNGKs5aw0
乙です!!

3986：安価のやる夫だお：2021/03/28(日) 22:05:46 ID:e28hgXEs0
乙
ご自愛下さい

3987：安価のやる夫だお：2021/03/28(日) 22:48:35 ID:uyf39oLM0
乙ー

3988：安価のやる夫だお：2021/03/29(月) 19:22:52 ID:FlZE.vlU0
乙でした

3989：安価のやる夫だお：2021/03/31(水) 00:45:41 ID:DsYc1VrA0
乙です
右耳はできれば早めに耳鼻科で見てもらうのをおすすめします
突発性難聴だった場合、治療が遅れると聴力を失う可能性もあります
私の職場の先輩もストレスが原因で右耳が突発性難聴になっていました

3990：安価のやる夫だお：2021/04/02(金) 22:58:12 ID:Zjou3EEY0
私も仕事が多くて久しぶりにスレッドを見ましたが、投下ありがとうございました

待ってますんで、ゆったりやってください

3991： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/06(火) 21:35:34 ID:JLfrQhHc0
ハロー、モコイさんだよ。

今週の木曜日、4/8午後八時から投下を開始できる、はずだ。

休みが潰れたり呼び出されたりしなければね……

まあ、仕事であっても投下はするよ。午後八時に帰れそうになかったら、その時はまたその時で告知する。シーユーアゲイン。

3992： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/08(木) 20:03:46 ID:05JlyKlA0
　　　　／||ミ
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　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´　　　　　ハロー。
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　　　　＼||

3993： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/08(木) 20:10:03 ID:05JlyKlA0

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',　　　　　　　　　Twitterでおっぱいおっぱい言ってたら裏垢にフォローされることが増えたモコイさんだよ。
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',　　　　　　　　　世の中そう都合のいい話もないからね。都合のいい女もそういないからね。
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ　　　　　みんなも大人しくお風呂屋行こうね（今はだめだが）。モコイさんはちょんの間に行ったことがあるが、
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ　　　中々よかったよ。某三人組ボーカルユニットのロングの子みたいなのが出てきた。
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'　　　　あれももう何年も前……ごめんごめん、始めていこうか。
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

3994： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/08(木) 20:10:15 ID:05JlyKlA0

　　　　　　＿＿＿
　　　　 ／::::::::::::::: ＼
　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::＼
　 ／:::::::::::::::::::::::::::::: 　　＼
.　|:::::::::::::::::::::::::::（ー）　.　　|
　 ＼ 　　 （__人__）　.　　／

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対汚染スーツのヘルメット部分、AMS接続による機体との視界共有のための
バイザーを片手で乱暴に上げる。
薄っすらと下から照らされた、仄暗いコックピットの中で、脱力した。
パイロットシートに全体重を投げ出し、深々と溜め息を吐く。

やってられない、というのが、今の正直な気持ちだった。
サーシェスを斃した。それはいい。命の選別などということをするつもりはない。

だが、初戦は傭兵同士の命のやり取りだ。荒れ野の獣同士といってもいいくらいだ。
同じ穴の狢同士の殺し合いだ。道徳の価値など弾丸一発分にもならない場所だ。
最早持ち合わせる感傷などなかった。麻痺してしまったと言ってもいい。

いつか自分も、サーシェスのように、どこかの戦場で果てる。ベッドでは死ねないだろう。
再びネクストに乗ったあの時は、それくらいの覚悟は決めていた。
世の中に都合のいい話はない。特別な存在などいない。

自分もいつか、自分が殺してきた大勢のように、殺される。
誰かが殺す大勢のうちの一人になる日が来る。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3995： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/08(木) 20:13:40 ID:05JlyKlA0


　　　　　　 ／:.:.:.／:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.､:.:.ヽヽ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　／:.:.:〃:.:.:.:／:.:/:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ/ヽ} : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　 　 　 /:.／/:.:.:.:／:.:.:./:/:./:.:.:/:.:.:/:.:.:/:.:.!:.:.:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.',/:} : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　〃 ./:.:.:.:/:.:.:/:.,':.i:.:.:i:.:.:.i:.:.:/|:.:.:.i:. /{:.:.:!:.:.:.:i:.ヽ:.:.ヽ:.:.',:.:.:.ｉ:.! :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　 / 　.i:.:.: /!:.:.:ｉ:.:.:i:.!: : |:.:.:.|_⊥----:!　',:.┼---､ヽ:.:ヽ:.:}:.:. |,' : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　|:.:/ |:.:, |:.:. | |: : |:.´{ヽ|　 |:| ヽ|　 ヽヽ ＼ヽ:.｀:.┼:|:.:. | : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　|:.,'　|: |.|:.:.|:{:.!:.:.:ﾄ、,斥干芋ﾐﾘ.　　　,イ芋冬､ヽ} .!:.:.:! : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　　トウキョウは今、所属不明のノーマル部隊……
　　　　　　|/　 |:.| !:.:|:.ﾘ:.',:.:! 《 .{:::::::::ら　　　 　 .{::::::::う .》:./:.: /| : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　 　 .|　　!:.| ',:.:{ヽ:.{ヽヽ　 辷zシ　　　　　 辷zシ　// :./| !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　　つまりはテロリスト集団に襲撃された直後。
　　　　　　　 　 }j　ヽ', ヽ{ |:.ヾ、　　　　　　　　　　　　 ／:./|./｜ : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　 　 　 ' 　 ヾ、ヾ{:.:.:.',　　　　 　 '　　　　　／イ| : :|　 | : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　　 ネクスト収容・開発施設は全壊。
　　　　　　　　　　　　　 　 !:.:.!人　　 　 ー ―　　　　/　| : :|　 | : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　∨:{　 ＞　　　　　　　 ,＜　　| :.,'.　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　　　死傷者は確認中。
　　　　　　　　　　　　　　　　',:.', ,ｲ|ヽ. ≧ .- .≦‐ |、. 　 |:/. 　 | : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　__ ‐ヽ .|　　　 /‐ ､　　 | ｀ヽ､/　　　| : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　 ,､r::::´::::::: /　　|　　 / ∨ ,',　　 | 　 ヽ::｀ヽ　| : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　,､r:::´:::::::::::::::::::::::/　　 .| 　 /　/ ゝ ∨　.|　　　＼::::::::｀ヽ､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|





　　　　　　　　　　　　　　　 r-　､
　　　　　　　　　　 　 _∠＿＿＿:.:｀ヽ, イ´￣￣ニニ＝―
　　　　　　　　, .:.:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.--´--- ､
　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:､:.:.｀ヽ、
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　　　 /＼:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.',:.:.:.:＼、:ﾍ
　 　./ヽ:.:.ヽ:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:./:.:.:/:.:.:|:.:.:.:.|:.:.: ',:.:.:.:.:ヽヽ:ﾍ
　　 ,'ヽ:.ヽ:.: ,':.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:/:.:.:.:.:〃:.:.∧:.: }:.: : |:}:.:.:.}:.:.､:.:.:ヽ ヾ、
　　 ｉ:.:.:＼ヽｉ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:./|:.:.:.:././:.:/　ｉ:.:/|:.:.: |:ｉ:.:.:.ｉ:.:.:ヽ:.:.:ｉ
　　 ',:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.||-/丁:.云ﾒ-/　 .}:.ｉ ┼:/:.|:.:.:,':|:.:.|.､:.:.|
　　　',:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.{|:/ ≠´てト/　　 /ｲ7､/:./:.:/:.|:.: | }:.:.!　　　　　　　　無機質で、殺風景で、陽の光も差さなくて、
　　　 ∨:.:./!:.:.:.:.:!:.:.:.:.| 〃 ら::::::|　 　 　 b:} !:|/:.:/:.:/|:.:.! |:.,'
　　　　ヽ:.:{ ∨:.:.:ﾍ:.:.:.{　.｀ .辷シ　　　　 ﾋﾘ,':.|:./|:.:/ }:/　|/　　　　　　　　　鉄と油の匂いばっかりな場所だったけど……
　　　　　ヽヽ .!:.:.:.:.ヽ:.ヽ　　　　　　　　 ヽ　ｉ:./　.}/　ｉ/　./
　　　　　　.＼ヽ:.:.:.:.|ヾヽ　　　　　 　 　 　 ﾉ:.|　./ . /　　　　　　　　　　　　　それでも、私たちの家だったのにね。
　　　　　　　 .ヽヽ:.:.:|.　　　　　　 　 ‐　　ｲ:.:.!
　　　　　　　　　 ヽ:.:.| ヽ　　　　　　　 ｲ |:.:.:,'　　　　　　　　　　　　　　　　　　とにかく、ブライドルの中立施設にナシつけといたから。
　　　 　 　 　 　 _| ヽ:|　　 ＞　 、∠:. |:.:|:.:/　
　　　 　 　 　 .r/ ｀ヽ ＼＿_　_ /lヽ:.:.:.|:. |/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 そこでマーシフルも修理してもらお。
　　　　　　 r.´　ﾍ　　　　　 / |　 i!ヽ .:|:./|
　　,､ r:::´::::|　　　ﾍ　　 　 /≠|　 i!　ヽ:::｀ヽ 、

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もちろん、家がなくなる可能性だって、微塵も考えてこなかったわけではない。
この世界で安全な場所なんてないのだ。どんなに大きな要塞だって、
明日の晩には廃墟になっていたりするのが、この時代だ。

ただ、それが実際に起きると、話は別だった。
人間が理屈で感覚を屈服させられる生き物であったなら、どれだけ生きやすかったか。

今、輸送機はマーシフルを格納したまま、とぼとぼと航行している。
行先はブライドルの管理する中立施設だ。企業連直轄の施設といってもいい。
金さえ払えば受け入れてもらえる。自分もそこまで素行が悪いわけではない。

要するに、自分たちは留守のうちに家を焼き討ちされたのだ。
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3996： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/08(木) 20:18:28 ID:05JlyKlA0

　　　　　　 /:::/:::;ｲ:/:/::::::::::::::::;ィ::::::/:::::::::::::::::::::/:/::::::::::}ｉ::::::::::'，
　　　　　／/ｲ::::;’}:j/:::::::::::::／,::;ｨ::/::::::::::::::::::／;ｨ:::::::::::::}ｉ:::::::::::::'，
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　　　　 　 i:ｉ|:::ﾊ:::|:::{ {{ 勹i:i:ﾄ､.}:::::／ ,:／ xz=≠=ミゝ/::::::/:::::::{
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　 　 　 　 i:{ i:{　Ⅵ:::}ヾ:. 　　　{/　}　　　　　￣¨”／::::／/::; }:从
　　　　　　i{. i{　 Ⅶ::}:. ヾ、 　 　 ,:　　 　 　 　 ／.:::／／:〃 i:|
　　　　　　｀　ゞ　 }从:::､　｀　　　} . 　 　 　 ／ｲ:／-'’:::;ｲ{.　ゞ
　　　　　　　　　　;/　}:ﾊ::.､　 ｰz ､ ＿_　　　 ,.イ,::::::::〃;’ﾘ
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　　　　　　　 　 ′　 ﾘ .从r! ＼　　　　. ＜i:′{:::::ﾊ{. i!
　　　　　　　　　　　　 / i:;ﾄ､.｀ｰ＼,｡≦i:i:'＿_,ﾉ}::::{ ﾘ
　　　　　　　　　　　　　/' |ﾆ三ミf´rzzzzzzzｭ 从:{
　　　　　　　　　　　　　　j{ﾆ/ }ﾆ{ i{二ニニﾆ{ {　｀
　　　　　　　　　 　 ,.｡≦/r､} /ﾍi{ {二ニニﾆi{ {≧ｭ｡、




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　　　　　　　　　　　　 ,ﾊ、　/⌒＼ｰrﾍ⌒｀ヽヽ(「rｸﾊ⌒ゝ⌒ヽ
　　　　　　　　　　　／//〉,ﾉ乂ｸソ}l(i:人ゝソ)ﾊ(乂ｰ=彡ﾍ乂(ﾊゝ
　　　　　　　　　r､「!ノ)ノ〈辷ｿゝ=彡(i:i:)ゝ_-=ニニニニニニ=-__、
　　　　　　　　 r_/()つ_,ノ)L.斗-=ニニニ=-￣￣￣￣￣-=ﾆﾆ=-ヽ
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　　　　　 i/_,／　　　　 ∧　V　 　 |i　　|　　./ ∧　　　:.
　　　　　　　　　　　　　　 ゝ }　　　|i　　|　__-./_∧　 　 :.

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なのはの言う通り、たとえ軍事施設の一角を間借りして生活していたに過ぎずとも、
あそこは自分たちの家だった。生きていた時間が染みついた場所だった。
思い出もあったし、親しくなった人たちも沢山いた。

そうした人たちが、部屋に置いてきた気持ちばかりの思い出の品が、
何もかも燃え尽きてしまったのだと思うと、やっていられなかった。
腕が固定されていなかったなら、壁の一つでも殴っていた。

まあ、今まで散々誰かの居場所を粉々に粉砕してきた自分が、
自分の番になった途端に憤るのも、中々に虫のいい話なのだが。

それでも、やはり、腹は立つ。どれだけ覚悟はしていても、弁えていても、
いざという時の感覚や感情は押し殺せないのだ。
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3997： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/08(木) 20:26:16 ID:05JlyKlA0


　　　　 ／￣￣￣ ＼
　　　／　　　　　　 .　＼　　　　　なのはさん。
　 ／　 _ ノ　　 ヽ、_　　 ＼
.　|　　　（ー） 　（ー）　.　　|　　　　「ん、どうかした？」
　 ＼ 　　 （__人__）　.　　／
　　 /　　　 ｀⌒´　　　　ヽ　　　　　　少し、寝てますお。
　　ヽ、二⌒)　　　(⌒ニノ

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体中に鉛を詰められているかのようだ。パイロットシートに体が沈んで、
そのまま埋まってしまいそうだった。瞼が重くてたまらない。
若干の睡魔にも抗えぬほどに気力が削がれているのかもしれない。

疲労感、喪失感、虚無感、そういったものばかりが一杯になる。
マーシフルの整備チーム、ラケル博士、ランペルージ夫妻。
彼等がみんな死んでしまったという実感は、薄い方だ。
このままコロニーに帰れば、悪者っぽい笑みを浮かべるあの夫婦や、
額に汗を滲ませた整備班の人々とまた会える、そんな気がしてならない。

けれど、そうはできない。存在しない場所には帰れない。

自分が何を壊して、誰を殺して、何を守ったのか。
なんだか、よく分からなくなりつつあった。

やりきれない気持ちをどこにぶつけるでもなく、重りのように抱えたまま、
瞼を閉じた。浅くなっていく呼吸が、夢すら見ないであろうことを予感させた。
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3998： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/08(木) 20:26:39 ID:05JlyKlA0
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

3999： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/08(木) 20:56:04 ID:05JlyKlA0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　i　!| ,′ ,′
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　　/i　!|,′ ,′
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 _/　,ゝ' .i　!|iヽ ,′
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　, '　　 i/ !|i､i}, !
　　　　　　　 　 ,ゝー -＜　　＞rﾟ´-＞x-､　 ,_'__rfヽ､∧
　　　　　,...､jI／＿＿＿／, 'ﾟ　 i!＿＿__}ili}-､{　 {:{　 }}　} xzf ｀ヽ、
　　 　, ＜ﾟ´　　　　　／＞-＜　　 ＞ﾟ´／{ .| }　ヽ{　}' //ililili}　　_ヽ
　　, '￣≧s､　}＞－'ﾟ´　　 {／｀¨´ ￣｀¨>}__ヽ i {iヽﾉ_＞､ililil{ヽ′　V/
　 /　/／ヽ'ﾟ´_　　　　　　 ／￣￣}　　　　}_　 }　{!//　｀¨¨｀¨ヽ ＼　}/
　 ヽ,<　＼≧､ ＼　　 　 / /　　　{　　＿/ rz,､}　i!/　　　　　　 ヽ､} '､
　　 {/＼　ヽ／　 } ,ゝ-､ヽ､＿≧s}｀ヽ{_/ヽili/>}　/_　　　　　　　 {il{ / ヽ、
　　rヽ／｀´、 >ー 、　 .}　 ｀ヽ、/-/ ./} ヽili!> ヽ'＞'、 　 　 　 　 ｀{'　　　V/
　　 ＼／　 /　＼　＼ j!ヽ　／-{_/ ./_/ヽ| }-＜-､三}　　　　　　　ヽ、　　 V/
　　　　｀¨¨´＼.　 ＼　＼／　　　｀¨ﾟ´｀ヽ,| }---V　　ヽ　　　　　　　| ヽ　　 }/
　　　 　 　 　｀{＼.　 ＼　＼　　　　　　　 ヽ/￣>V　　 V/_　　　　　ヽ　V/ {!
　　　 　 　 　 j}　 ＼.　 ＼　＼　　　　　 r-〉、 　 ﾄ､　 ／ {　　 　 　 {、　} r ､
　　　　　　　 /｀￣ ´＼.　 ＼　＼　　 　 | 〈 ili>､/...-　－、.V/ 　　　{_!　 } V
　　 　 　 　 /{ilililili} / . ＼.　 ＼　＼　　 !　{＿}/..● ●） ヽ}/　　 　f｀ヽ、　!　　　　……うん？
　　　　　　　>ー－< .}! 　 ＼.　 ＼　＼　ヽ ＿,'　（人__）　ノ_}　　ｒ≦ﾆ}　 ｰ'
　　　　　 ／　　　　 V　　　　＼.　 ＼　＼　　　 ./　 　 　 ヽ　 　 .{三ﾉ_／
　　　　　 V＿＿＿__}/　　　　　＼.　 ＼　＼　...（|　　 　 し'　　　...｀￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 .し 　　 Ｊ

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なのはに起こされるまでもなく、着陸の衝撃で意識が引き戻された。
固定され続け、すっかり錆びた歯車のようになってしまった首の関節を回す。

内部に表示される時刻は、あれから三時間ほど過ぎたことを示していた。
今は夕方の五時半ばだ。

しばらくは暗闇の中で、手慰みにマーシフルのCPU内部に溜めこまれた
戦闘ログを眺めていた。大して面白いものでもないが、無意味でもない。
メインカメラに映っていた映像なども見られるが、そっちは好きではなかった。

その時戦った敵の兵装や、パーツの特徴などをぼんやりと読み続けていると、
やがてなのはから通信が入った。

「やる夫君、起きて……るね。除染作業終わったから、
これからコックピットブロックを解放するよ」

なのはの声は、若干さっきよりも軽いものに聞こえた。
なにかいいニュースでもあったのだろうか。

おぼろげな意識のまま、装甲を展開し地面まで降下させられたコックピットブロック
から這い出ると、予想外の風景が広がっていた。
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4000： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/08(木) 21:02:34 ID:05JlyKlA0



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介c｡., : : 　｀'ト　　　　. . . : : : : ´´´: : :.:.:.:.:´"'ｰ-ｰ'＾':: .､、　　　　　　_,,..,,__　　　　　　. . . : : . .　＿|____|: : : . . .
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爻;';';';';';ﾞ爻|ｘ; ; ;;';';';';' '; ´'小, : ::|‐┐|´¨^''|::|二i |＼:;.:,:;.:,:;.:,:￤' ´|￣_:_￣|: ¨""冂 ＿: {.:.:. }:::::::::::::::_:_:_:_:_:_:,,,...､､
爻ｉ爻;';';';';！;';爻ｘ;';';';' ; ; ; ;´'㍉|::: |::|￣｢￤|:i ｉ} |:_|￣i_､‐''゛ |:冂:|:| ｉ ｉ ｉ: :|┌…|: |:|::::|└ｒ‐|-‐: "~| |:|;:;:;:;:;:;:;:;:.:.:.:
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狄爻爻ﾐ_:_:_:__､‐''゛;:;:_ -　: : : : . .　　 |　 _-　. . . : ￤: : ....　　ｉ　. . : : : : :.:.:.:.:.:｀¨＾ L__.:.:;:;:;.:.:.: ⌒"'ｰ-=..ｰ-　..__
狄狄爻ｿ二二--　　. . : : :::::::: : : : . . j__--. . . : : : : .　　　 　 | : ::..　 　 . . : : : :::::::ｉ:::;:;≧s｡.,;:;:: : :: : : : :｀`〜､、
狄狄ツ;:;:;:;::／.:.:.:.: : : : ￤: : : . . . . ._‐　. . : : : : : : : : . .　　　！. . : :‐_. . . : : .: .::::::|:::::;:;:;:;:二≧s｡.,;:;:;:;:: : : : : :
狄ﾂ⌒ﾟ:;:;:;ｉ;:;:;:;:;:;:;:;::;.:,.:.:. :. : :ｉ　　 .:　　　. ..::ｉ: : : . . .　　　　　　　　　. : :‐_ 　　　. ！. : : : .:.:;:;:;:;:;:;二≧s｡.,;:;:;:;:;:;:
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しとしとと雨に降られる空港に、自分は立っていた。
ヘルメットを脱ぐと、冷たい雨の雫が蒸れた顔に当たって心地よかった。
滑走路の端にいるにもかかわらず、湿った土の匂いと草の匂いがここまで漂ってくる。
空は灰色の綿のような雲に覆われており、陽の光を隠していた。
覚えのある雰囲気だった。

なのはと一緒に傘もささず、かといって急ぐわけでもなく、
雨に降られるまま出入管理所に赴くと、スムーズに受け入れてもらえた。
ちょっとした電子サインなどもなしだ。
管理カウンターに埋め込まれたAIもやけに話が早い。

外に出ると、やはり見覚えのある街並みが広がっており、
反射的に辺りを見回した。時代錯誤な博物館じみたこの光景を、自分は知っている。
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4001： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/08(木) 21:16:07 ID:05JlyKlA0

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　　 ((＼./ ) 　 (　＼ 　 　　 　 　　　　　 　 　 .: ./ :/.: : ／ :.|　 |.: .: .: :| :/¨¨７ト､ |二二 |∧〉 : i
　　 　＼i 「 }.,_　＼__＼　　　　　　　　　　　　/.: ' : ; : .: .: { ,ｘ=ミ|.: .: .: :|/　__/ |.: /|＿＿_|.: |.: .: |
　　 　 　|_|　V ﾆ=-＼ﾆ-_　　　　　　　　 　　; : { .: | :|.: .: Y　ノ狄.: .: .: | ⌒7ミk､.: |/.: .: /.: :|.: .: |
　　　 　 乂､,,)＼}ニニ＼ﾊ　 　 　　　　　 　 |.:八.: |八.: : 乂∨ﾂ ＼ .: |　ノ狄( ﾊ:/.: .: /.: .: |.: .: |
　　　　　　 ＼ﾆ}〕トミﾆﾆ 八 　 　 　 　 　 　 |　　〉:|.: .:＼:.(_' ' 〈ｉ　　＼　乂少' ノ : .: /'Y.: .八.: :|
　　　　　　　　 :､ﾆニﾆ＼ﾆ.ﾊ　　　　 　 　 　 　 /.: | .: .: .: {⌒　r.　　_ 　 　 ' ' ／ : .:/ ノ.:.:/.: .: .:|
　　　　　　　　　 ＼ニニ Y /〉　　　　　　　　　.: .: :|.: .: | 八　　∨ ::::::)　　　⌒7:.:.:/.: .: .:/.: .: .: :|　　　　　　おー、来よった来よった。
　　　　　　　　　　 〈-=ニニ人　　　　　　　　　| : /|.: .: |.:.:.心 　　‐-　　＿_ ／ : /.:.:／/.: :|.: .:.:.|
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　　　　　　　　　　　 |ニニニﾆ〈　　　　　　　　 :(　　＼.: .:几￣　_〕＿__＼ |:/／.: .: .:∧.:|.: | .: .八
　　　　　　　　　　　　|~''‐-=ﾆﾆ〕　　　　　　　　 ＿__.､-'' 〕 |＼　〕ニニﾆ〕.|:/.: .: .::.:/／ |.: |＼ .: .＼
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　　　　　　　　　　　　|　　　　　V／＼　 ｀`〜､、　＼　|　 _　-‐-ミ)|〕ﾆ∧八 (　 |　 |　 ＼　 ﾉ.: : /　 )
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「あらまー、二人とも濡れ鼠みたいになってもうて。ほれ、こっちこっち」

呆気にとられていると、横から聞き慣れた声がした。
曇天には不似合いな、高めで朗らかな女性の声だった。

なのは共々振り向くと、丸みを帯びた空色の軽自動車の窓から、
ジャケット姿のはやてが手を振っていた。
走る骨とう品といっても過言ではない車のウィンカーをちかちかと点滅させながら、
舗装されただけの道路の端に佇んでいる。

訳も分からないままに車に駈け寄り、なのはに続いて乗り込む。
「助手席じゃなくてもいいの？」と言いたげににやついた視線を投げてくる
なのはに負けそうになったが、一先ずは一緒に後部座席へ入った。

雨が入ってこないよう、急いでドアを閉めた。
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4002： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/08(木) 21:25:31 ID:05JlyKlA0

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（○） ＼　　　　「シートベルト締めたー？　よし、ほんならいきますか」
|　 　u, 　 （__人__）　 　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　え、ええと、なんではやてさんが……？
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／






　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　＿＿／.: .: .: .:＼.: .: .: ＼
　　　　　　　　　　　　　 ／.: .: .: : ＼.:.:.＼.: .:＼.: .: .: ＼
　　　　　　　　　　　　／.: .: .: _.: : .:. :＼／＼.: .:＼.: .: .: ＼
　　　　　　　　　　 ／.: .: .: .:/:∧.:.:|.: :<／／|: .: .: |.: .: .: .: .:.
　　　 　 　 　 　 '⌒7.: .:|.:|.:.{＼ |.: |.:_|__< ／|.: .: : |.: .: .: .:.:.:|
　　　　　　　　　　 /. |.: |.:| :fﾊ　|.: |.:_|,,_:|＼:八_/7 : .: .: .: . |　　　　　　　　聞いたで、トウキョウの施設がお釈迦になったんやろ？
　　　　　　　　　　 :( :|.:人V:じ　j.:〃ノ刈:. /／∨.: .: .: .: .:.:.|
　　　　　　　　　　 ／.: .: .:「　 　 　 V'少У.:.:.:/|.: .: .:.:|.: .: .:|　　　　　　　　 ……うちの開発部門のチーフの一人が、是非にっちうて。
　　　　　 　 　 　 ⌒7.:/.:.ﾊ 　 　　 ' ' ／.: .:／ノ .: : .: |.: .: .:|
　　 　　　　　 _　 　 {:/＼八 _／)＞'.: .:.:／.: .:/.: .: .: .:|.: .: .:|　　　　　　　　　前回の滞在ん時、やる夫君単身やったやろ？
　 　 　 　 __/　) __　 　 　／ ￣ 7 : : ／￣:／ : .: /.: 八 : 八
　　　　　「{ {　し'　}　　r/ 　 　 /.: .: /＿／　⌒∨ .:/.: :)/⌒＼　　　　　　　　「は、はい」
.　 　 　 { 　 　 　 ﾉ　　/／ 　 人.:.:/　 ＼￣￣Y￣/＼＿
.　 　 　人 　 　 / 　 ／　　　 　 ∨　　　 ＼　＼ /　　　　＼_　　　　　　　　　マーシフルが見られんちうて悔しがっててなあ。
　　　　　 }　 　 {　 /￣￣￣＼ 　 〉＿ 　 　 ＼　{　　　 ／　 ∧
　　　　　 } 　　 　 '　 ／　　　　 ／}　　　　　　 ＼　 ／ 　 ／　}　　　　　　　　今回の件を聞いて、喜んで滞在許可を出したっちゅうわけ。
　　　　　　　　　}/.／　　　　 ／／　 　 　 　 ／　 ＼　 　 　　∧
　　　　　,'　　／{＿＿　　 ／イ　　　　　　／　　　 }　＼　／/ /
　　　　　;　　|　 |　　　　 /--≠-　　　　　＿　　　/　　 ∨ /／{

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
シートの横から見える腕が、手慣れた動きでギアを1速へと入れる。
ゆっくりと走り出す車の中で、バックミラーに映るはやてに問いかけた。

はやては乾いた笑いを漏らすと、困ったように目を細めた。
どうやら、はやて個人の意向というより、桜花重工の開発部の人間の意向らしい。
歓迎されているのは自分ではなく、行き場をなくしたマーシフルの方だというが。
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4003： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/08(木) 21:33:05 ID:05JlyKlA0

　　　/:.:.//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｌ:.:.:.:.:.ｌ:.:.:.:.||:.:ﾊ:.ヽ:.:.:.ヽ、,-:.┼--___:|:.:.:.:.:.:.:.|:.:/:.:.|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　|:.:/.,':.:.:.:.:.:.:/:.:.:.|:.:.:.:.:.:|:.:.:.:| |:.:ｌヽ:.＼:.:´＼ヽ≧云､:.:.|｀:.:.:.:.:.:|＾､/:.!:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:!
　 　 |/　|:.:.:.:.:.〃:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|:|≦卞|｀ヽ ヽヽヽ 〃て::､ 弋o|:.:.:.:.:.:.|´ ヽ:.|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　|　 |:.:.:.:.:.:||:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:ｲ |≠云う丶　 ＼　　{:::::::ヽ-} 〃:.:/:./|　 ./:!:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:!
　　　　　{:.:.:.:.:.|{:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:メ ん:::::::}　　　　　　つ -:少 ｲ:.:/|:/:.:|／:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　　　.∨:.:.:|.∨:.:.:ｉ:.:.ヽ:.:.:.:.｀ つ-´j　　　　　　‐｀‐‐┴/:.///:.:.:|:.:.:.:.:!:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:!
　　　　　　∨:.:| .∨:.:ヽ、:.＼:.:.＼.ゝ´　　　　　　　　　　///〃:.:.:.:|:.:.:.:..!:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:!　　　　　　　　どうせブライドルの施設じゃ応急処置しか
　　　　　　　ヽ:.|　 ヽ:.ヽヽ、:.｀ヽ__ヽ_　 　 ′　　　　　　//,ｲ:.:.:.:|:.|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　　　　 　 ヽ|　　ヽヽ　＼:.:.|:ﾍ 　 　 　 ‐ ‐ ´　　　　 / ,':.:.:./l.,':.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　受けられなかっただろうし、桜花の施設に
　　　　　　　 　 ヽ　 　 .＼ 　 ﾏ:|:.:.ヽ、　　　　　　　　 ／　,':.:/:|/:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |∧:.:.:.:.|｀＞ .､　　　 イ　　/／ /ヽ、:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|　　　　　　　 　預かってもらうことにしたの。しかもロハ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　|| ヽ:.:.:.| 　 　 ._｀T´　　_ -/　　 ./ .|＼_:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |　 ＼:.|　,､r ´/ヽv＜´　　　　/　 |::::::::::￣｀― 、:.:!　　　　　　　　　「あー、タダ修理はでかいお……」
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､r －ヽ:/　 ,'／l./ .ヽ　　　 / 　 .|:::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ 、
　　　　　　　　　　　　　 ,､r::"´:::::::::::::::/ 　 / ヽy‐ 7´ヽ　 /　　　|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ 、
　　　　　 　 　 　 　 　 ,'|:::::::::::::::::::::::/　　./　 l≠´.|　　>´　　　 .|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,::--－‐ヽ
　　　　　 　 　 　 　 　 | |::::::|＿-- <　　 / ./ /　ヽ | ./　　　　　ト- 、_::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::/
　　　　　 　 　 　 　 　 |:::|:::::|　　　　 ＼イ　ﾆ　　　.y |　 ,.＞＜´　　　 ＞-＜__／:::::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　/´,':::::/　　 ≠＜´　|´::::::::ヽ /　　｀｀ 、　　 Eニニコ　　 ./　|::::::::::::::::::::::::|
　 　 　 　 　 　 　 / //::./　　 　ヽ　　　.|::::::::::::／　　　　　 /　　　　　　 　./　　 |::::::::::::::::::::::::|

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隣のなのはの説明を聞いて合点がいった。
マーシフルはネクストの中でも特殊な機体だ。フレームパーツはどれも独自のもの、
オルデンブルク製といっても標準フレームとは基礎からして違う。

改造品などではなく、かつてオルデンブルク標準フレームで組み上げられていた
マーシフルを、フルにコンバージョンするために一から開発されたものばかりだ。
中立施設に持っていったところで、標準パーツに換装して終わりだっただろう。

自分としては、そっちの方が助かる。
マーシフルは内部パーツこそ弄りまわしていたが、外装はほぼそのままだった。
消費ENや重量、装甲などを考慮しても、変える必要がなかったのだ。

しかし、桜花の開発部門でなら、マーシフルを修理できるものなのだろうか？
自分はてっきり、ラケルの下の整備チームでなければ無理とばかり思っていたが。
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4004： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/08(木) 21:39:52 ID:05JlyKlA0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　-‐…‐-
　　　　　　　　　　　　　　　　　 _.､-''" .: .: .: .: .: .: .: .: .｀丶、
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／⌒: .:／.: .: .: .: .: .: .: .: .: .:＼.:＼
　　　　　　　　　　　　　 ／／⌒ヽ(.: .: .:.:＼.: .: .: .: .:.＼.: .:＼.:＼
　　 　 　 　 　 　 　 　 /.:/.: .: : /∨＼.: .: .:.:＼ .: .: :＼.:＼.: .:＼:.ヽ
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　　　　　　　　 　 　 /.: .:.|.:.: .: .:| :|　　 |.:.:.|.:.:.／￣￣＼ :| .: 〈∨〉 : :.
.　　　　　　　 　 　 / .: | :|: : .: :／|⌒　|.:.:.| : : |　 |.:.: .: .:/|/〉〈∧〉.:.:.:|
　　　　　　　　 　 /.:|.: :| :|.:.:.: .:.:|八　　| .:j||.: .:|　_|__|_.:/ ///:|.:.|: .: .: |
　　　　　 　 　 　.:. .:|.: :| :|.:.:.: .:.:| xfて㍉.:ﾘ|.: .:|'⌒て（~"Y/.:.:|.:.|: .: .: |
　　　　　　　 ／.: .: :|.: :|八 : .: 八 　_):刈　|.:.八 　 _):狄ﾘ| .: 八| .: .: :|
　 　 　 　 ／⌒7.: : |.: :|.: .:＼.: .:.:ヽ乂少　j/　　　∨'少'.: .:/,ノ.: .: .: :|　　　　　　　　　「できないわけないもん！」て豪語しとったで。
　　　　　　　 　 |: .:八.: .: .:＼:＼.:〈⌒, ,　　､　　　　, ,　厶ｲ.: .: .: .: .: :|
　　　　　　　 　 | /　 ＼(＼: ＼:::込　　　　 _　　 　 　 ｲ.:.:.: .: .: .: /.: |　　　　　　　　　 各パーツのデータはあらへんけど、
　　　　　　　 　 |:　　　　＼⌒＼ .: 个　 　 　　　　／/.: .:/.: .: .: /.: : |
　　　　　　　　　　　　／.: .:./r＜＼.: .: .＼:＞-＜　 /￣/ .: /.:./､.: .:.|　　　　　　　　　　解析して何とかするちうてたわ。
　　　　　　　 　 　 ／:r＜＿_||"^＼＼.: .: .＼＿__／∧/／/.:./／＼:|
　 　 　 　 　 　 ／ : ／⌒＼八　　 ＼＼.: .:| ＼_／〈∧＼.:.://　／￣￣|　　　　　　　　　ま、腕だけは確かやさかい、安心してええよ。
　　　　　　　 ⌒7 :〈 　　 　 ∨￣￣￣￣|.: |〉 /⌒＼　|:::::V/.／ 　 　　∧
　　　　　　　 　 {.: 八 　　　/ ／　　　　.八∧∧:i:i:i:ｉ:|＼:::::: 〈　　　　　/⌒＼　　　　　　　　……学者先生の考えとることはようわからんわ。
　　　　　　　　 ／　　　　ｒ＜　　　　　 /:::::::::〈　＼:ｉ:ｉ|　 |＼::::〉　 　 　 ＼＼ |
　　　　　　　 /　　　　 ／＿＿＿＿／::::::::::/ :＼ |⌒ヽ |::::::＼~"''〜､、　＼＼　　　　　　　　悪いようにはせえへんやろけど。
.　　　　　　 /　　_.､-''":::::::::::::＼::::/＿＿__/::::::::::::|:|:i:i:ｉ:ｉ|::::::::::::￣|:::::＼:＼　＼＼
　　　　　　_.､-''"　/:::::::::::::::::::::::::V:::::::::::／::::＼::::::＼:i:i:i:|:::::::::::::::::厂〕:::::Y: ＼__|.　＼
　　　　 ／　　　 ./:::::::::::::::::::::::::::::}:/: ／:::::::::::::::::::::::::::〈⌒〕:::::::::::/￣:::::::::}::::::|　＼　　＼
　 　 ／　 　 　 ノ:::::::::::::::::::::::::::::::/::::::｀`〜､、　:::::::::::::::＼|:::::::::/::::::::::::::::八::: ＼　＼　　＼
　　/　　　　　　〉''"ﾟ~~"''〜､、:::〈::::::::::::::::::::::::｀`〜､、:::::::::ヽ／::::::::::::::: /::::::---:L　　￣＼ ＼
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4005： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/08(木) 21:40:04 ID:05JlyKlA0
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4006： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/08(木) 21:53:23 ID:05JlyKlA0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ{ィ===ミ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 jI斗rﾍ[lノ)ｿ薔》薔ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /-=薔yﾊ)ｰ'ニ=-￣⌒＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　j{薔》薔jI斗≦⌒＼. . . . ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　j{=-￣: :!: : : : : : : : }!. . . . . 〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /´从: : : :!: : . . . . }!. }!._. . イ i
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . : 从,ﾊ　芯ﾒ、..|! .／　ﾉ　 !　　:i
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【TIPS】
『オルデンブルクグループの軍事開発事情』
ネクスト至上主義を掲げ、ノーマル機のほとんどをSIから購入してやり過ごしているオルデンブルクグループ。
標準フレームとして高機動型中量二脚、軽量二脚を一般市場に流しているが、そのカタログスペックはマーシフルやロストワードに遠く及ばない。
とはいえ、標準フレームの性能が低いのではなく、ラケル・クラウディウス女史手がけたハイエンド機が高性能すぎるのである。

オルデンブルクのネクスト機は、もはやラケル・クラウディウスのネクスト機といっても過言ではなく、
標準フレームは存在こそすれど、トップランカーである同社所属のアリス・メルキュリーが乗るロストワードはラケル博士のハイエンド機という始末。

このことから、オルデンブルクグループでは「脱ラケル主義」なるものまで発足している。
現在では桜花重工ネクスト開発部門に籍を置く、ラケル博士の同期が対抗馬とされている。

そのため、マーシフルやロストワードは新旧オルデンブルクの旗頭であるにもかかわらず、技術者連中から疎まれたり、羨望の目で見られることも多い。

4007： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/08(木) 22:07:02 ID:05JlyKlA0

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　　　　　　　　　　　 ./　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i|　ﾏニニニニニニニニニニニニニﾆ
　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 i| 　 寸ニニニニニニニニニニニニﾆ
　　　　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 i|　　　｀¨¨　 ―==ニニニニニニニニ
　　　 　 　 　 　 ./　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　i|　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈イ|　　 ＼＿＿__ﾉ
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 〈イ |　　　　　　　|

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久々に帰ってきた、という表現で合っているのかどうか。
とにかく、はやてが用意してくれていた自分の部屋は、
ほとんどそのままの状態で維持されていた。
布団などもそのままで、机に埃が積もっている様子もない。

はやても多忙の身だし、わざわざハウスキーパーでも雇ったのだろうか。

上がって早々、自室へと身一つで戻った自分は、真っ先に電話をかけていた。
なのはは風呂に入っているし、どうせその次は何やら事務処理を
端末で片づけているはやてだ。

その間に、トウキョウの人々の安否を確認できないかと思ったのだ。
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4008： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/08(木) 22:11:38 ID:05JlyKlA0

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　　　　 〃　　 ′ /　 /　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　'
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　　　　 ヽ ヽ　 ﾄ､|| |　　/　／／　_　‐''´ ／　 ／　　　　　　　　|
　　　　　 ＼{＼{ 八l　 /l /／ ＜／ _,,.ィ　　／　　　　　　　 | 　 l
　　　　　　 　 | 扞パV　〃　斗≦三∠ イ　　　　　｜　　　 |　　|
　　　　　　 　 | |弋_ｿ　　　　 イ_ノ;バ｀)〉|　　　　 　 |　 　 　 | 　 |
　　　　　　 　 | | ＾¨　　 　 　 弋辷ソ〝 |　　　　 　 | 　 |　　 | 　 |　　　　　　　　　勝手に殺すな。
　　　 　 　 　 | |　 〈　　　　　　 ￣¨´　 ｌ　 　 　 /　|　　|　　　　　l
　　　 　 　 　 |∧　　　　　　 　 　 　 　 |　 　 　/　 |　　|　　　| 　 |
.　　　　　　　 |　 ヽ　 ヽゝ　　　　　　　 |　　　 ,′/ｌ| 　 |　　　　　｜
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　　　　　　　 |　　｜ /ヽ_　 ＜　　　　 |　　　l　 ′ｌ|　　|　　　 |　　|
　　　　 　 　 |　　｜.′ |l　〈Ｙ ニニニ|　　　|　l|　 ｌ|　　|　　　 |　　|
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畳の上に置かれた三つ折りの布団に背を預け、正座の姿勢で画面に食い入る。
祈るような気持ちで、静かな部屋に響くコールを聞いていた。

五回目のコールが鳴り響き、だめかと肩を落としかけたその時、画面が切り替わる。
ランペルージ夫妻が渋面ながらもぴんぴんした様子で、
どこかの客室のソファーを背景に映ったのだ。

塞ぎ込んでいた気持ちがふわりと持ち上がる。

親しい人の生存を確認出来て浮足立つ自分を前に、
カメラ越しの夫妻は首を傾げながら、お互いの顔を見やっていた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4009： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/08(木) 22:15:15 ID:05JlyKlA0

　　　　　　　　　　　　　　　　 _,.　-- ､_
　　　　　　　　　　　　_　-‐: : : : : : : : : :｀丶､
　　　　　　　　　 , . : .:.:.: : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ､
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　　　　　 ／: .:.／:.／:.:.／／／: / : : : : : : : : : : :ハ
　　 　 ／:.:./:./:.:./:.:.／／／: ://: :.: : : : : : : :. : :. い
　　 ／ﾌ://:.:.':.:./:.;.:.:.;.:／: .:.:.//: : :.: :. : : : : :.: :.:.:. ｉ: '､
　 ´／:.//:.://:/:./:.:/:, : .:.:／ィ:| |:.:.:.:.:i: : : .:.:. :ｉ:.:.: ﾄ､ﾄ＼
　　l／〃:.:.l:.l:/:./:〃/: :.ィ:／ l/!:|l:.:.:.:.|: : :.:./:/:.:.:. | 丶
　　{　|ｌ|:.l:.l:.ｌ|:ﾒl:///:.:/ナ＝┼l小:.:.://: .:/:/:.:.:.:.!:!　　　　　　　　どういうわけか、ブライドルのオルデンブルク支部に呼び出されてな。
　 　　lﾊ:.!:.!:|ｉ小以!:./ノ‐ﾗ云＝ミﾍ//: .:/:/:.:.:.:.!:い
　 　　{　ぃl:.い.:.l｀Ⅳ　 ノ匕zｊ_　ﾝ//:.:.ｨ ｨ:.:.:.:.:.:|:.l､ヽ　　　　　　　しかも用件も不明で、直接顔を出せ、実際に行ったら門前払いだ。
　　　　 　 ゝﾍトＶ　　　　　　 　 //／/ //:{:.:.:.:､ヽミ 、
　　 　 　 ｒｆ: : : : ヽ'　_　　　　‐彡' ／ /ｲl:小:.､:.ヽﾞ＼:＼　　　　　 実際にオルデンブルクからのメールではあったが、記録がない、とな。
　　　　　 l:{: : : : : ﾉヘ` ＝‐-　.イ　　／|'! ｊ八{:￢ｉ : : : : ＼
　　　　　 ハ: : : : : ノｨへ..　ｨ入二二 く ｒ=ﾉ气_): /: : : : : : : ＼　　 二人して肩透かしを食らってぽかんとしていたら、トウキョウもあの有様だ。
　　　 　 {: : : ､: : : : : : : : : ﾉﾍ: ＼: : ヽヽ ⌒)､( /: : : : : : : : : : ヽ
　　　　_儿: : : ＼: : : ､: : : : : :＼《: ＿_〉〉彡: :〃: : : : : : : : : : : ‘.
　　　〈: : : : ＿＿ ニﾆヽ: : : :＼〃ー: ））: : : /: : ; :-‐……‐-:､: :',
　　　ノ: : : : : : : : : : :, -‐ｬ＾＼: :{{: : : 〃 : : /: ／ : : : : : : : : : : : : i
　　　}: : : -‐: : : ＿／　　 Ⅵ＼ヽ}}: : : {{: : : レ: : : : : : : : : : : : : : : :{
　 ／／: : -‐: : ／ 　 　 　 ぃ ）:￣: : : :ぃ＿ｊ: : : : : : : : : ／ : : : : : :l
／‐: : : : :／ ／　　　　　　 丶､: : : : : : : :￣{: : : : : : : : : : : : : : : : : :|





: : : : : : : : : : :/: : : : : : : :/: :/　 /: : :/　 /: : : : : : : : /: : : :/: : : : : : : : :./: : : : :}
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: : : : : : : : : '　: : : : : :.:/: :/　 /: : :/　 /: : : : : : : : /: : : :/: : : : : : : : :./: : : : : ::
: : : : : : : :./　 : : : : : ,.':., ^--/: : :/_　/: : : : : : : , ': : : : ': : : :: : : : : : /: : : : : ::
ﾊ: : : : : :/　　: : : : :/／ 　 /: :／ 　/`: : : : : :／: : : : ': : : : : : : : : : ': : : : : :./
　}: : : ／　　': : : ／---- /／　　 /: : : : : ／/: : :.／: :: : : : : : :,．. : : : : : :/
. j,　'´　: 　/.:／≡ﾆ二三二≧ｚx/＿...．'　 /: :／: : : : : : :_． ´: : : : : : .. '
/ 　 　 : ／'＾ ≧ｭ{:::::::::::::人　　　¨^ヽ｀¨^ヽﾍ´_...．　'^´／: : : : : : : : ／　　　　　　　私はきな臭く感じているがな。
　　　　:.　　　　 　　≧ｭ (厶)ゝ．.......ﾉ}　　 }:::::〉　　　 . : : : : : : :．:　´
　　　　 :.　　　　　　　　　　≧ｭ:::::::::::ﾉ　　/ｲｿ　 　 '.:.:．: : ´: :|: : |　　　　　　　　　　　が、踏み込んだことをするつもりもない。
　　　　八　　　　　　　　　 　 　 　 ≧ｭ-　　 _....'´イ: : : : : : : :|: : .
　　　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 / |.: : : : : : : :|: : :|　　　　　　　　　　　裏にある思惑を暴いたところで、ろくなことがない。
.　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, : :|.: : : : : : : :|: : :.
. 　 　 /　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 .': : :|.: : : : : : : :|: : ::　　　　　　　　　　　　知らぬが仏だ。
　　　/　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /.: : :|.: : : : : : : :|: : : i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /.: : : :|.: : : : : : : :|: : : :
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /.: : : : :|.: : : : : : : :|: : : :.l

4010： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/08(木) 22:23:55 ID:05JlyKlA0


　　　　　　　/:.:.:.l　.:.:.:.:.:.:.:.ヽ :.:.: .:l|:.: .:. :.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}
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　　　　　　　 |:.:|l:.{ヽ:./　　 ´　　 //:.:.//　　l　 |:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.l|:.|　　　　　　　ま、そういうことだ。俺たちはどうにでもなる。
　　　　　　　　ヾヽ／　　　　　　//／　　　 ｝　|:.:.:.l:.{:.:.:.:.:.:./:.:.|:.l|ｿ
　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　/　　　　　　　|:.:.l|:.:|:.:.:.:./|:.||:.l:.l　　　　　　　　　方々にコネなり恩なりあるからな。
　　　　　　　　　　　　|ヽrｰ--　　　　　 _,　　　|:.l| l|:.|:.:.:./ l:.| |:|i|
　　　　　　　　　　　　|/|ﾉ r 　　　　 ／　　　　}ﾉ__l|_|:.:./‐‐ﾘﾆｿ　　　　　　　　　　しばらくは本部でホテル暮らしだろうが。
　　　　　　　　　　　　l　'　 ﾍ 　 　<　　　_-ニニ─‐|/￣￣: : {
　　　　　　　　　　　　　　　　｀´　　,∨ニ‐´: : : : : : :': : : : : : : :l　　　　　　　　　　　おまえはおまえの心配をすることだ。
　　　　　 ＿--‐-､＿　　　 　　　<∠: _: : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　 /　 ＿__､＿ ノ､　　　　　　∨((: : : : ／ : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　／　 /　／））─ｰ'　　　　　　 ∨乢-‐' : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　｛　　ﾍ ／ 　/￣｀l　　_-ｰ一ニ￣￣: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　 l　　 l/　　/　ヽ　|￣: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼





　 { {　 　 　 i　　i`､　　 |!_:ｌ_斗 ´　　// |l　　 :::/　/:/｀ ｰ/　　　 .:／ /　　/ ::/
　　､`､ 　 　 i 　 ｉ　丶　| ', ｉ　丶 　Ⅳ　:|l 　 ::/　/:/　　,/　　 .:／￣/　　/ ::/
　 　 ､ ､　 　 Ⅵ ｌi　　_Ⅵ__{{ﾆ=厶　{　　|ｌ　::/　/:/　 ／　 _ ≦--／ 　 ..::／
　　　 ヽヽ　 　＼ f　⌒／/⌒ｨｧ气 i　　|l　:i　/:/ ／-=≦ﾆ＿／_,ｨf㌣≦ ／
　　　　|　 ｒs｡　 　＼ /　ん_ノ::::::::;ﾍi　 λ　:i[{ {　　　 　 ／⌒ｨ三ﾆ=㍉／ .::
　　　　|　 |　　T―ｒ 《 　{ｆｊ:::::ｒｨ::::ｆｊ ㍉　　＼{ {{　　　 ／ん_ノ::::::::::::::} ヾ_,.イ
　　　　|　 |　　:|l　 i 　 ヽゞ三彡cﾉ_　　　　 　 ｀ 　 　 　 {ｆｊ::::::ｒｨ::::::::ｆｊ　 】|.:|
　　　　|　 |　　:|ｌ　 li 　 "⌒^¨￣　 　 　 　 　 　 　 　 　 ゞ三_彡ctノ　ノ |.:|
　　　　|　 |　　:ll 　 lｉ　　　　　　　　　　　::ｉ　　　　　　　　　　　¨^⌒'゛　 ｜ｉ　　　　　　何やら雲行きも怪しい。十年前と同じ空気だ。
　　　　|　 |　　:|l　　li　　　　 　 　 　 　 .::ﾉ　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,′
　　　　|　 |　　:ｌ!| ｉ　∧　　　 　 　 　 　 ::}　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,′　　　　　　　ボウヤ、しっかりするんだぞ。
　　　　|　 |　　:i ｌ ｌ / /〉　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,′
　　　　|　 |　　　l l　//　f＼　　　　　　 t‐- 　 __　　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　色々な思惑がおまえを取り巻くだろうが、
　　　　|　 |　　　l l,//　/|/ /: .　　　　 　 ｀こ¨ 　　　　　　　　 　 ＜/
　　　　|　 |　　　l l,/　/ l|,/　　i丶　　　　　　　　　　　 　 　 ＜ 　 /　　　.::/　　　　　　　 物事をしっかりと見極めることだ。
　　　　|　 |　　　l l　/　 lL_　　ｉ:＿｀ ､　　　　　　　　　＜　　　／/　　　.::/.:
　　 　 ｊ／⌒ヽ　ヾヽ　　〕 /￣　　　〕i`　　 __　　≦　 　 　 ／　/　 　 .::/.::

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
裏にある思惑を感じ取りつつも、それに踏み込まないというのも、
またこの二人らしかった。若かりし頃の二人であれば、それに手をかけたのだろうか。

しかし、二人が死んで不都合に思う人間、とは誰なのだろうか。
それに、それではトウキョウの被害が予測されていたようにも聞こえる。
確かにきなくさい。だが、裏を読めるほどの情報もない。

感じ取れるのは、誰かしらの思惑があるということだけだ。

考え込む自分を見ると、二人して画面に顔を寄せ、一転して穏やかな声音で
あれこれ語り掛けてきた。ルルーシュは時々凄い悪人面をするし、
C.Cはやたらと口調が鋭く辛辣だったりするが、こういうところがある。

だからこそ、生きていてくれたことに強く感謝した。
彼等を逃がしたのがどこの誰だか知らないが、ありがたく思っておくことにしよう。
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4011： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/08(木) 22:34:44 ID:05JlyKlA0

　 　 　　　　 ＿_＿＿_　
　 　＿　　／　　 　 　＼　　　　　　　ほ、本当に良かったお……
　　|　 |／　 _ノ 　ヽ､_　 ＼
　　| 　| 　oﾟ⌒　　　⌒ﾟo　 ＼　　　　二人だけでも生きててくれてありがてえお。
　　| 　|　　　 （__人__）　　　　|
　　|＿|　　 　 ｀ ⌒´ 　 　 ／
　　 §
　　∂
　∽

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
通話が終了し、溜めこみ続けた息を吐きだし、その場に四肢を投げ出した。
目尻に浮かんだ涙が、寝転がった表紙に頬を伝う。

証明に照らされた檜の天井を見ながら、久しく沸き上がることもなかった
感情に感慨深いものを覚えた。

自分にもまだ、誰かの無事を喜ぶ心が残っていたらしい。
戦争屋を続けるうちに、心がどんどん冷たくなっていき、
二度と熱くなることもなくなっていくのではないか、そんな曖昧な不安に駆られていた。

人殺しであろうと、恩人の無事を喜んだりするのである。
結局、感情は殺しても殺しても死に切らないのだ。

ラケル博士や整備班の人々の生死は相変わらず不明だが、
一人でも生き延びてくれていることを祈る他ない。この際なんだって構わない。
命さえ残っていれば、生きることはできるのだから。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4012： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/08(木) 22:46:43 ID:05JlyKlA0


　 　　　＿＿＿_　　　　　　
　　　／─　　─＼　　　　　
　 ／（ ●） 　（●）＼. 　 　 　　いや、ほんと、二人が無事で……
／　　　（__人__）　　　＼
|　　　　　 　　　　　　　 |　　　　　無事で……
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／





　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　　 　 　　＼　
／ U　　_ノ 　　 ヽ_ 　＼　　　　　無事で……
|　 　　 （一）|lil|（ー）　 |
/　　　　 ∩ノ ⊃_）　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／





　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　　 　 　　＼　　
／ 　　　　　　　　　　＼　　　　　あー、やっぱ不安なもんは不安だお……やる夫はこれからどうなるんだお？
|　 　　　＼　　 ,＿　　 |
/　　ｕ　 ∩ノ ⊃―）／　　　　　 このまま桜花に引き取ってもらうかお？　トウキョウでの救助はちゃんとしてくれてるのかお？
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　いくらスラムをほっぽってたオルデンブルクでも、中級市民相手ならちゃんと助ける……はず……
　　＼ ／＿＿＿ ／

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
憂鬱の中和剤の如く舞い込んだ良いニュースを聞いて、
その余韻を胸に思考を前向きに持っていこうとしたが、失敗した。

どう足掻いても、自分の今後やトウキョウでの救助作業の進捗という
気がかりが消えることはない。

自分も拠点がなければ独立傭兵を続けていくのは難しい。
資金繰りは、何とかならなくもないだろう。蓄えもある。
ただ、場所と人がない。マーシフルは特殊な機体だ。
修理、整備することができる人や場所も限られる。

心配事で充満した頭を抱え、うんうんとどうにもならないことで唸る。

オルデンブルクはトウキョウでの救助をしっかりやってくれているだろうか。
甚だ疑問である。あの企業は外面こそいいが、価値がないと断じた弱者に対して
徹底的な排除の姿勢を崩さない一面がある。

スラム暮らしの記憶を遡っても、オルデンブルクの統治に良いイメージを
抱ける要素がなかった。流石に中級ID持ちの施設職員が相手ならば、
きちんと救助部隊を差し向けるはずだが。どうだろう。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4013： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/08(木) 22:50:55 ID:05JlyKlA0

　　　　 　 ／ ￣￣ ＼
　 　 　 ／ノ　　ヽ__ 　 ＼
　 　 ／（―） 　（― ） 　 ＼　　　　　……一人で悩んだってしょうがないか。
　 　 |.　　（_人＿）　　　u　|
　　　＼ 　 ｀⌒ ´　　 　 ,／　　　　　明日になったら、なのはさんたちと相談してみよう。
　　 　 / 　　　　　　　　ヽ
.　 　 /　l　　　,/　 /　　 i　　　　　　 しかし……裏で何が起こってるんだお？
　 　 (＿) 　　(__ ノ 　 　 l
　 　 ／　　／　　　___ ,ノ
　 　 !､＿__!､＿_＿＿_つ

4014： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/08(木) 22:51:06 ID:05JlyKlA0
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　┌─┐
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ┌┐
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 □

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

4015： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/08(木) 23:02:44 ID:05JlyKlA0



　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　今日はここまでだ。次回は……いつだろうねマジで。いやホント。
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',　
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　こんな感じで……えーと……私ってやる夫スレ七年くらい続けてるのか？
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ　　
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　お察しの通り、スレが生き甲斐の寂しい低レベル悪魔なわけだが、
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i　　　状況が状況すぎてね。投下が滞りまくりだ。最近朝立ちもしなくなっちゃったよ。ﾄﾞｳｼﾃｸﾚﾙ
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ





　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i　　　　　　次休めるとしたら……火曜日あたりかなあ。仕事の内容や日程的に。
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ　　　　　　 書きたいことと時間の量が釣り合ってなさすぎる。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i　　　　　　 精神と時の部屋欲しいね。休みの日はそこに引きこもりたい。
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |　　　　　　　とにかく、投下のタイミングに関しては随時告知するよ。
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘　　　　　　　スレとツイッターを要チェックだ。シーユーアゲイン。
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´

4016：安価のやる夫だお：2021/04/08(木) 23:03:03 ID:f8XDDRhs0
乙乙

4017：安価のやる夫だお：2021/04/08(木) 23:03:17 ID:IIWswcMY0
乙でした

4018：安価のやる夫だお：2021/04/08(木) 23:03:53 ID:Mtd3PWZQ0
乙ー

4019：安価のやる夫だお：2021/04/09(金) 08:07:09 ID:sZpvIFEE0
乙でした

4020： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/13(火) 18:26:10 ID:ckUh.L6k0
ハロー、モコイさんだよ。
今、帰りの電車に揺られているところだよ。

20時までには帰れるから今日は投下デーだ。
見る人がいるようなら、待っててね

4021： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/13(火) 20:02:29 ID:ckUh.L6k0
　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

4022：安価のやる夫だお：2021/04/13(火) 20:06:03 ID:sbfOPmUs0
ハロー

4023： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/13(火) 20:09:43 ID:ckUh.L6k0

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　　　　はやくこのスレを完結させてやりたいと思いつつ、亀の歩みを辞められない>>1だよ。
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　　　　次回作は……その時の状況が良くなっていたら考えるかもしれないけど……。
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　　　　ACVDやデビルサマナーの二次創作とか、そういうのを考えていたんだが……
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i　　　　　　ま、今はこのスレだ。少しでも進めていこう。
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

4024： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/13(火) 20:24:42 ID:ckUh.L6k0

　　　　　　　　　　　　　　　　　-‐: : : : ¨¨: : : ､
　　　　　　　 　 　 　 　 ／: : : : : : : ＼: : ＼: : :＼
　　　　　　　　　　　　 /: : : : : : : : : :､: ＼ : ‘，: : : .
　　　　　　　　　　　　.:.:/: /:, {: : : : : :＼: :‘，/ﾍ: : :
　　　　　　　　　　　　|:'::: ::::{^{: { : : ､: : :∨:∧: :}: : :
　　　　　　　　　　　　|{: : {: {‐＼::､: : ＼: ∨::} : }: |: }　　　　　　　「おはよう、はやてさん」
　　　　　　　　　　　　ﾚ: :ｉ{从=z　＼ｨf伝ﾊ}: :} : }: |: }
　　　　　　　　　 　 　 }ﾍ ｉ个 vﾘ　　 夊ッ }: :} : }: |: }　　　　　　　 おはようさん、眠れてへんのちゃうかって心配しとったけど、
　　　　　　　　　 　 　 }: ヾ∧　　,　　　　　}: :} : }: |: }
　　　　　　　　　 　 　 } |: :l:: : ､　r‐　 ｧ　 ﾉｲ: :ﾊ: |: }　　　　　　　　そうでもなさそうやねぇ。安心したわ。
　　　　　　　　　 　 　 } |: :l: :l 个 `ｰ　 ／　ﾉ:/: }::|: }
　　　　　　　　　 　 　 }ﾊ:: l: :l: ヽ: :｀爪　　/:/`ｰ‐　､　　　　　　　　　「任務帰りだったから」
　　　　　　　　　　　　ﾉ　ヽﾄ､lヽ(-＜´}　ノｲ/　　　　 .
　　　　　　　　　　　　　　　,'　 ／ｲ{　 ／//　　　　 ∧　　　　　　　　テキトーに朝ごはん用意しといたさかい、腹入れときや。
　　　　　　　　　　　　　　　{　// 　`~゛　' '　　　　 / 　 ､
　　　　　　　　　　　　　　　>ｲ=v-z_＿_{_{ 　　　　′　　＼　　　　　　「うん、ありがとう」
　　　　　　　　　　 　 　 ／:.:.:.:{/,′.:.:.:.:.:.:}　　{　　　　　 　 ＼
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布団に入っても悶々としているものと思っていたのだが、
自分の身体は予想を裏切り、すんなりと眠りに落ちていった。
夢すら見ることもせず、気が付けば朝日が窓から差し込んでいた。
自分が思っているよりも、この家にいることが安心感に繋がっているらしい。

よれよれの寝間着姿で居間に降りると、半袖シャツに黒のジーンズ、
カーキ色のエプロン姿という、いかにも家庭的な装いのはやてに出迎えられた。
いそいそとベーコンエッグとトーストが盛られた皿を三つテーブルに並べ、
視線を上げてにこりとはにかんで見せてくる。
以前までのよそよそしさも大分薄らいでいた。

正直、気が気でなかった。はやてがこの家に居座らせてくれたとして、
前のような関係ではいられないのではないか、と不安だったのだ。
この様子でなら、気まずい思いをせずに済みそうだ。

中途半端に開いた眼を擦りつつ、素直に洗面台へと踵を返す。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4025： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/13(火) 20:27:23 ID:ckUh.L6k0
※一文抜けていた。絶好調だねまったく。
　　　　　　　　　　　　　　　　　-‐: : : : ¨¨: : : ､
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　　　　　　　　　　　　 /: : : : : : : : : :､: ＼ : ‘，: : : .
　　　　　　　　　　　　.:.:/: /:, {: : : : : :＼: :‘，/ﾍ: : :
　　　　　　　　　　　　|:'::: ::::{^{: { : : ､: : :∨:∧: :}: : :
　　　　　　　　　　　　|{: : {: {‐＼::､: : ＼: ∨::} : }: |: }　　　　　　　「おはよう、はやてさん」
　　　　　　　　　　　　ﾚ: :ｉ{从=z　＼ｨf伝ﾊ}: :} : }: |: }
　　　　　　　　　 　 　 }ﾍ ｉ个 vﾘ　　 夊ッ }: :} : }: |: }　　　　　　　 おはようさん、眠れてへんのちゃうかって心配しとったけど、
　　　　　　　　　 　 　 }: ヾ∧　　,　　　　　}: :} : }: |: }
　　　　　　　　　 　 　 } |: :l:: : ､　r‐　 ｧ　 ﾉｲ: :ﾊ: |: }　　　　　　　　そうでもなさそうやねぇ。安心したわ。
　　　　　　　　　 　 　 } |: :l: :l 个 `ｰ　 ／　ﾉ:/: }::|: }
　　　　　　　　　 　 　 }ﾊ:: l: :l: ヽ: :｀爪　　/:/`ｰ‐　､　　　　　　　　　「任務帰りだったから」
　　　　　　　　　　　　ﾉ　ヽﾄ､lヽ(-＜´}　ノｲ/　　　　 .
　　　　　　　　　　　　　　　,'　 ／ｲ{　 ／//　　　　 ∧　　　　　　　　テキトーに朝ごはん用意しといたさかい、腹入れときや。
　　　　　　　　　　　　　　　{　// 　`~゛　' '　　　　 / 　 ､
　　　　　　　　　　　　　　　>ｲ=v-z_＿_{_{ 　　　　′　　＼　　　　　　「うん、ありがとう」
　　　　　　　　　　 　 　 ／:.:.:.:{/,′.:.:.:.:.:.:}　　{　　　　　 　 ＼
　　　　　　 　 　 　 　 ..:.:.:.:.:.:.:ﾉｲ.:.:.:.:.:.:.:.:.:{　　{　　 　 　 　 　 　 ｧ　　　　あー、その前に顔洗ってき。
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　　　　　　　　 　 　 {.:.:.:.:.:.:.:{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{　　　＼　　　　　　人
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布団に入っても悶々としているものと思っていたのだが、
自分の身体は予想を裏切り、すんなりと眠りに落ちていった。
夢すら見ることもせず、気が付けば朝日が窓から差し込んでいた。
自分が思っているよりも、この家にいることが安心感に繋がっているらしい。

よれよれの寝間着姿で居間に降りると、半袖シャツに黒のジーンズ、
カーキ色のエプロン姿という、いかにも家庭的な装いのはやてに出迎えられた。
いそいそとベーコンエッグとトーストが盛られた皿を三つテーブルに並べ、
視線を上げてにこりとはにかんで見せてくる。
以前までのよそよそしさも大分薄らいでいた。

正直、気が気でなかった。はやてがこの家に居座らせてくれたとして、
前のような関係ではいられないのではないか、と不安だったのだ。
この様子でなら、気まずい思いをせずに済みそうだ。

中途半端に開いた眼を擦りつつ、素直に洗面台へと踵を返す。
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4026： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/13(火) 20:41:31 ID:ckUh.L6k0

　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ/ ／: : : : ｀: .､
　　　　　　　　　　　　　　　　　, ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :― ､- : : :ヽ
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　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /: : : / : : /: : :∠._:_／ｲ,イ , : : : : : : : : : ＼: :ヽ 　ヽ
　　　　　　　　　　　　 　 　 ′: : ' : : : l: : :/ /／｀メ、//| ﾊ: l: : : : : : : : :＼､ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　| : : :_l: : : : l: ,.ｨ 7´:てﾊ　 >　ﾘ. }ｲ.: : : : : : : : : : ヽﾘ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 V´う.l: : : : l: :{ ん::::::::ﾘ'　　 　 /｀ﾒ､ : 〉: : ﾊ:、 ﾄ.ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　 ∨　ﾙ: : : ﾊ:l 辷ヒ_ノ 　　　　,ｨう、 l/: : : : l |: l l: |　　　　　　いっつもはやてちゃんが、こうやってご飯作ってたの？
　　　　　　　　　　　　　 　 　 }､　| : : ﾍ ｀　　　　　　　　ん:/ﾉノ: : ﾊ: : | |｜| l
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |: :Y}: : :.ト:.､　 　 　 　 　 〈:ン´r- ､' : |: ;'　!:l .ﾚ　　　　　　　「ま、包丁なんて握らせたかないしなぁ。
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |_ノ '. : : :.　　　　　　　_　 ' 　 ムﾆ､}: :ﾚ 　 ﾘ
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 . イヾ:､ '.ﾍ: ﾍ　　　　　 ´ ´　 　'　l　ン : |　　　　　　　　　　　　下手に指切られてもかなわんし」
　　　　　　 　 　 　 　 . : ´|.　i!　ヾ:､ヾ:､ﾄ｀: .　　　　 . : ´ 　_. :´: : : :|
　　　　　　　　 　 . : ´　 . :| 　i!　　ヾ:､＿_,.イl｀ ｰ ´　 r ≦.､: : : : : :!　　　　　　　　　　　　 ふうん。
　　　　　　　 . : ´　 . : ´:.:.:|　　'. くヽ `ﾍ ‐く| !　　 　ノL:.｀ヽﾊ: : : : :|
　　　 　 ._:_´＿. : ´:.:.:.:.:.:.:.:!　　 ﾍ ´　∧X〈リ .．＜　 ﾊ:.:.:.:.:｜: : : :|
　　　／―― ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　 ヽ_/　〉 r ´　 .．＜　∧:.:.:. ! : : : :|
　　 {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i!.:.:.:.:.:|　　　　 ﾍ　 r┴　´ 　 　 　 ∧:.:.:|: : : : :!
　 　l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:l.:.:.:.:.:!　　　　　 ヽ∨　　　　　　　　 〉:.:|: : : : :!

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時刻は午前の七時丁度。最後に起きてきたなのはを加え、
椅子に腰を下ろして手を合わせる。

まだ夏の匂いが色濃く残るアマツに建つこの家には、微かに湿った空気と、
朝から照り付ける陽の光が窓から部屋中へと行き渡っていた。

棚の上に乗せられた、箱型の小さなテレビの画面には、
今も昔も変わらないスーツ姿の男性アナウンサーがハイライトを読み上げている。

相変わらず、外の世界での戦乱が嘘のような場所だ。
テレビという窓を通して、物騒な世界を覗き見ているような気分にさせられる。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4027： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/13(火) 20:56:39 ID:ckUh.L6k0

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./: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ: : : ヾ:.、
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: : : : /: : : : : :/;_:_:;: : :/: : : : : : :∨: : ∨: :!
: : : ::{: : : : : : {´｀´｀∨: : : : : : : : ∨≪∨:{
: : : ::|: : : : : : | _,．--}:-:、 : : : :; -:∨≪Ⅵ
: l : {:!: : : : : : !´　　__l! ∨:|ﾍ : }从: }: : : |ﾘ
: |:l:从: {:-: : ::ﾄz====㍉,　　 }/__,ﾑ:| }: : |　　　　　　　　　　　――で、どないすんねん。これからのこと。
: |:|: : {｀ヽ ∨:!ゞ辷:ノ　　　 （ ´¨´八.!::从
: |:|: : ｀ヾ_- ., 　　　　　　　　,　　 .: : : ト 、　　　　　　　　　　「うーん……桜花からは、なんて？」
: |:|: : ∨: 〉く: 、　　　　 __ .,　　.ィヘ:_:_、｀ヽ
::介∧ ∨{　 Y: ＞、 　 ￣ ＜: :{ ゝ_ィ^ヽ.　　　　　　　　　　 これがなぁ、結構歓迎ムードなんよ。是非うちの支援リンクスにって。
:{ .l: :∧ ∨:＼）: }ヾ:、/￣_Y二ﾆrｆ´｀ ｀　　、
:| .|:∧　＼{~ ‐}:l:!　 >‐ミ {_|＿　{ﾉ^ヽ　　 　 、__　　　　　　　 所詮、桜花はオルデンブルクの傘下企業。自由に動かせるネクストも
ゝ/　∧　　　　 |ﾊ./三三∨￣ ｀ヽ. ハ　　 　〉:::::Y
_/　/ ∧　　　 /　}!ゞ三三≧--=ﾆﾆﾆ{ト-::イ:::::::::!　　　　　　 私の八咫烏くらいのもんや。絶好のチャンスや思うとるんかも。
.　　 /　 ＼.　/　 .!::::::＞:..寸二〉::::>:::::｀ヽ:::::::::::::::|
,-=ミ　　 　.У＿.」::::::::::::::::＞<::::::＼:::Y::::::::;::::::;ノ{
　　　｀ヽ　 {　　　.|:::::::-＜::::::::}::::＞::Ⅵ:::::::::::Y:::::::l、
　　　　　　 l! 　　 !::::::{:::::::::::::└::―:-Y::o::::::::}::::::::|::＼
　　　　　　 l!　　 ム::∧::::::::::::::::::::::::::::｀::、::::::|:::_:::_::_:::::
　　　　　　 l!　イ::::::::::::::＼::_:_::::::::::::::,::-::‐'::´:::::::::::::::ト、

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湯気の立つ朝食を起き抜けの胃に流し込み、三人で行儀よく手を合わせたところで、
はやてが本題を切り出した。頬杖を突きながら、横目で隣のなのはを見ている。

当のなのはは同様の色も見せず、泰然自若とした様子で、
はやてが淹れてくれたコーヒーを啜っていた。
流石というべきか、色々と麻痺しているのか。

はやてから桜花の事情がつらつらと語られる。
内部からの情報であるからか、お偉方の本音が生々しく反映されている。

四大企業傘下の企業でネクスト戦力を保持している例は少ない。
現状はたったの二機、ノルドルムのアルトリアと、桜花のはやてだ。

希少なネクスト戦力を一機だけでも保持しているだけで、
その企業の力や立ち位置が分かるというものだが、
数が数であるだけに心許ないというのが実情なのだろう。

これを機にマーシフルを自社戦力に、ということらしい。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4028： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/13(火) 21:04:49 ID:ckUh.L6k0

　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　／　　 　 　 ＼
　　　　　 ／　　　―　　　―
　　　　／ 　 　　（ ●） 　（●）'　 ∫　　　　　　　　んー、桜花重工にはオルデンブルクの後ろ盾があるわけだし、
　　　　|　 　 　 　 　（__人__）　| ∬
　　　　＼　 　　 　 　｀ ⌒´　 .|￣|　　　　　　　　　 そこまでネクスト戦力について気にする必要があるとも思えないお。
＿＿__／　　　　　　　ー‐　 '-|＿|）
| |　　/　　/　　　　　　　　 　＿＿/
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| |　（　　　￣￣￣⌒ヽ
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|






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　　　　　　 ,､イ.:.／.:.:.:.:.:.:.:,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:...:::.:´.:.:.:.:.:.:.､.:.:.:.＼
　　　　　 nﾍ.:.:;.:'.::.::.:.:.:,ｲ.:.:..:.:,ｲ.:.:.:.:.:.:.:.:;l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_.:j¨｀ヽ.⌒ヾ:.､
　　　 　,ｲj､.:.v.:.:.:.:.:.::/:/.:.:,ｲ/.:.:.:ﾉ!.:.:i.:..:j.:.:.:.:.ヾ;,.:.:.:.:.:.:ヾ.:.:.ヽ　 ｀ﾍ
　　　　/ll!ﾊ:.:′.:.:.:.:/./.／.:/.:／.,ﾉ.;/l:.:;!.::l.ﾍ;.:.:.ヽ,:.:.:.:.:.:.ヾ,:.:.'; 　　!
　　　 ∧jﾊ.:′.:.:.:.:.′〃xｆz左ｚ,;,X, .j:/ !:;|:.:.:l.:.:.:.l.:ﾍ.:.＼.:.::.':;.:.';
　　　 l.l.ヽ.:.:|.::::.:.:.:|{:.:.,仆乞芸て卞 >′l./ｊ.:,ﾘ.:./.:l.:.ﾍ.:.::.ヽ.:.:.';.'|
　　 　'.:.:.:;:升∧::.:.|.:.:{ｲ ,伐::::::斥′　　ﾉクｻﾄxj:.:.li.:l.:.ﾊヽ.:.';.:.:;.!
　　　　∨　 !′l:.:.:|:.:.! ､辷ｰクﾉ　　　 　ｹ云x.:ﾉﾒi.:/.:.:.:.:l.:.:.:.:.l:.!
.　　　　 ゞ､)l::.:.:ゝ:ﾍ､:!　｀¨¨ﾞ`　　　　　/.::ﾇﾘｹ;´.:;ﾘ..:.:.:.∧:l.:.:ﾊ!　　　　　　　傘下とはいっても、あくまでグループ企業ってだけ。
　　　　　 'iｰl;:.:.:.::.个｀　　　　　　　　　匕ﾞ.ノ_ノノ/!:.:.:.;/　ﾚノ　!
　 　 　 　 l.:人::.:.:.ﾞl　　　　　　 　 　 　 ¨`て.._｀V.ﾊ.:::/ 　 !′　　　　　　　　 オルデンブルクがその気になれば、いつでも切り捨てられる。
　 　 　_,､n<　 '.:.､∧　　　　　　　ｃ｡　　　人__,¨＼:l/
　　ｲ´.:::.ハﾍ　'､l?∧　　　　　　　 　 .,／: :.j　 ／}′　　　　　　　　　　　　　 結構、傘下企業のネクスト戦力獲得への動きって、
／　l:::::::., 　＼　´､?「＞､　　　　 , イ´. 　.:.イ´.:l.:.|
　 　ｊ::::::::.ﾍ　　＼　　＼ﾍf＞.ｰ イ. . . :＜.:.:.:.';.:.:.:|.:|　　　　　　　　　　　　　　　切実なものなんだよ。経済への影響力そのものだからね。
／¨ ﾍ:::::..∧ /＼｀ >ｰ<cﾊ. . . . . . .fヽ,¨ -ﾅﾍ.';.:.:|.|
////∧::::..∧＼/∧ Y∧:lｌ. . .,,..ｲ".ｿ ',////,j.:.';.:.||
/V//,∧:::::..∧､/　 >介ｲー"´　／.:::.∧//zj.:.:.';.:.|
j∧V//∧:::...∧　　ｊメﾍ＿_　-ｲ.::::::::::::.∧//j.:.:.:.';.|
j:iV∧//∧:::::::..＼　ヽ´.:::::::::::::::::::::::::::::::::人/j.:.:.:.:';|





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　　　 　 　 　 　 　 /.:.:.:.:.:. {::{.:.:.:.:ｉ{.:ヽ.:.:.:.ヾ.://∨/{∨ /　　　　　　　　そうゆうこっちゃ。オルデンブルクから私っちうお下がりを
　　　　　　　　　　/.:.:.:.:. :. i{ｲ．.:.:.i{､.:. `．.:.:ヾ.:.. ﾞ､.:.:.:∨ /
　　　　　　　　 　 |i.:.:.:.:.:.:. i{　 ﾟ，.:.:`,＼´＼.:.:ﾟ,.:.:.:i.:.:.:.::∨ /　　　　　　　貰って、欲が出てるんやろ。もっとネクストを、ちうてな。
　　　　　　　　 　 |i.:.:.:.:.:.:. i{--､`､丶ヾ斧芋ミ:ﾟ,.:.:i¨ﾞ}.:.:.:∨
　　　　　　　　 　 |i.:.:.:{.:.:{.:.ヾう示`､＼､乂シ ﾚ'}.:} /.:.:.:.:.i　　　　　　　　 今の時代、なんもかんもが脆いもんやで。
　　　　　　　　 　 ﾘ､.: ヽヽ___＼ゞ'　,｀｀｀ ｀ﾞﾞﾞ　, リ´|.:.:.:.:.:|
　　　　　 　 　 　 　 ＼}从ﾉ ⌒,.　 　 __ 　　／/{.:. |.:.:.:.:.:|　　　　　　　　　大企業の鶴の一声で、発展してた企業も一晩で潰れる。
　　　　　　　　　　　　　 /.:.:.:.:.:.ﾐh｡._´ﾟ　 ／　:{{.i.:.:.|.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　／／¨¨ﾟ､　:}　{ﾞ¨´　　　ﾘ.i.:.:.|.:.:.:.:.:|　　　　　　　　　　コジマキャノンの一発もあれば、巨大コロニーだってお陀仏や。
　　　　　　　　　　_／／　:{　　{Ⅳ　:{　　　 ／ .{.:.:.|ヽ.:.:.:|
　　　　　　　 　 彡／　　 :{ 　 ,ﾘ, -､ }　.r-'　　..|.:.:,ﾟ／ 斗-､　　　　　　　　　力と金は幾らあっても足りんのよ。
　　　　 　 ∠二ヾ、「|　 ヽ彡ﾞ〈/{:: {｀}／／ヽ　 |.:.} ／　　　 ＼

4029： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/13(火) 21:16:30 ID:ckUh.L6k0

　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　 　 ／ 　　―　＼
.　　　　　／ 　　(● )　　ﾍ＼　　　　　生き残るため、かお。企業も人も、弱い立場にいると苦労するお。
　　　　　|　　　（⌒ 　 (● ) ｜
　　　 　 ﾍ　　　 ￣｀､__）　　｜　　　　　……でも、やる夫もマーシフルを置かせてくれる場所がないと困るお。
　 　 　 　 ヽ　　　　 　 　 　 ｜
　　　　　　, へ、　 　 　 ＿／　　　　　　
.　　　　　 |　 　 　 　 　 ＾ヽ
.　　　　　 |　　　　　　１ 　 |





　　　　　　　　　　　　　-― -
　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　 ∠　―― -　　　:::::::..　　　＿＿
　　　　　 ィ::i´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀::..､ l ／r――　＝‐､
　　　 ／::l::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`::'￣￣￣｀:..､
　　. /l::::::l::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::￣ ｀ヽ､:::ヽ
　　/::l:::::::l::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::ヾ:::::l
　. {:::::l:::::::l::::＼/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::ヽ::::::::lヽ::l
　 l::::::ﾍ:::::::＼/::::::::::::::::::::::::::i::::::i::::l:::::l:::::::::::ヽ::::::::l::::::::l ヽl
　 l::::::::::ﾍ::::::/::::::/:::/::::/:::::::l::::l::l::::l:::::l:::l::l::::::l:::l::::::l::::::::l　|　　　　　　　そこばっかりはね。フレームパーツは市場に流れてないし。
　. l::::::::::::ﾍ::l:::::::l::::::l:::::l:::::::/:::://::/l:_/l_｣_l､:::l:::l::::::l::::::::l
　　ヽ::::::r‐‐|::::::l::::::l:::_｣::-r‐:/7フ´｢/ .l/ｫﾐ:::l::::l::::::l:::::::l　　　　　　　　　開発当時の図面とかもトウキョウで焼かれちゃったろうし。
　　. ヽ::{　　l:::::::l:::::l:´::l:::/∠ ﾆ＝ﾐ　 ﾁﾟ://::/ /:::::ｲ::::/
　　　 ヽ＼ ヽ:::::l::::::l::::<´,イ　 ,ﾘ　　 .ﾑ//;ｲ:::/::::/.l:::/　　　　　　　　　　桜花に頼るしかない、てのが現状かな。
　　　　 ヽ:>ｰl＼{ヽ{ヽ{　 辷z/　　　　 l'//::/l:::/ l::/
　　　　　V　 .l::::l` `　　　 　 　 　 　 v':/／ l:/　l/
　　　. r,/　　 .l::::l　 　 　 　 　 　 _ ／l:::l:::l /'
　　　/〈 ヽ､　　ヽ:ヾ ､ 　 　 　 ´／::::::l:/:::::l
　　./　 ＼　ヾヽ､ヽﾍ/` ┬-....´:::::::::/'::::::::::l

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
どうやらマーシフルやランク4のロストワードについては、
データが社外秘、というレベルではなく、ラケル博士個人が管理していたらしい。

ロストワードに関してはオルデンブルクの方で権利を買い取ったそうだが、
マーシフルの機体図面やデータはトウキョウにしかなかったそうだ。
博士のオリジナルフレームは、それ程までの戦術的価値を持たされていたのだ。

単純に技術の流出を防ぐためのものだろう。
根拠はないが、あの女性が利権に固執するようにも思えなかった。

いっそマーシフルを手放して、市場に流れているフレームで組み上げた
ネクストに乗り換えるという選択肢もある。
だが、ここまで乗り回した機体を手放すというのも、どうかと思えた。

なのはの言う通り、桜花の世話になる他あるまい。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4030： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/13(火) 21:26:09 ID:ckUh.L6k0

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　　　 　 　 　 　 '⌒7.: .:|.:|.:.{＼ |.: |.:_|__< ／|.: .: : |.: .: .: .:.:.:|
　　　　　　　　　　 /. |.: |.:| :fﾊ　|.: |.:_|,,_:|＼:八_/7 : .: .: .: . |
　　　　　　　　　　 :( :|.:人V:じ　j.:〃ノ刈:. /／∨.: .: .: .: .:.:.|
　　　　　　　　　　 ／.: .: .:「　 　 　 V'少У.:.:.:/|.: .: .:.:|.: .: .:|　　　　　　　　　決まりってことでええの？
　　　　　 　 　 　 ⌒7.:/.:.ﾊ 　 　　 ' ' ／.: .:／ノ .: : .: |.: .: .:|
　　 　　　　　 _　 　 {:/＼八 _／)＞'.: .:.:／.: .:/.: .: .: .:|.: .: .:|　　　　　　　　　　「うん、それでお願い」
　 　 　 　 __/　) __　 　 　／ ￣ 7 : : ／￣:／ : .: /.: 八 : 八
　　　　　「{ {　し'　}　　r/ 　 　 /.: .: /＿／　⌒∨ .:/.: :)/⌒＼　　　　　　　　ん、じゃあ上にもそう伝えとくわ。
.　 　 　 { 　 　 　 ﾉ　　/／ 　 人.:.:/　 ＼￣￣Y￣/＼＿
.　 　 　人 　 　 / 　 ／　　　 　 ∨　　　 ＼　＼ /　　　　＼_　　　　　　　　　……あー、そうそう、後でうちの開発主任に電話かけたってや。
　　　　　 }　 　 {　 /￣￣￣＼ 　 〉＿ 　 　 ＼　{　　　 ／　 ∧
　　　　　 } 　　 　 '　 ／　　　　 ／}　　　　　　 ＼　 ／ 　 ／　}　　　　　　　　マーシフルのことで、当事者たちに色々聞きたいちうててな。
　　　　　　　　　}/.／　　　　 ／／　 　 　 　 ／　 ＼　 　 　　∧
　　　　　,'　　／{＿＿　　 ／イ　　　　　　／　　　 }　＼　／/ /　　　　　　　　 修理の手伝いってことで、頼むで。
　　　　　;　　|　 |　　　　 /--≠-　　　　　＿　　　/　　 ∨ /／{
　　　　　{／ |　 |＼　 ／　　 /　　　　　 　 　 ＼./　　 　 }／＿_＼

4031： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/13(火) 21:26:31 ID:ckUh.L6k0
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4032： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/13(火) 21:29:17 ID:ckUh.L6k0
すまんね、仕事の電話がさっきからちょくちょく鳴っててね……

集中力途切れちったし、また今度とさせていただく……

次回は、また休めそうな日の見当が付いたら告知するよ。

シーユーアゲイン。

4033：安価のやる夫だお：2021/04/13(火) 21:31:10 ID:sbfOPmUs0
乙ー

4034：安価のやる夫だお：2021/04/13(火) 21:45:18 ID:Ud/yCIcM0
乙

4035：安価のやる夫だお：2021/04/14(水) 23:16:08 ID:9yiehQ8Q0
乙でした

4036： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/17(土) 23:03:13 ID:x4IrviNY0
ハロー、モコイさんだよ。

急に明日から仕事が四日間休み……というか、会社の都合で待機になってね。まあその分、きっちり月給から削られるんだが。月給とはいったい。

久々に時間ができたから、とりあえず明後日の午後八時からでも投下しようと思う。

明日は……まあ、病院とか、役所とか行こうと思ってね……18の投下はなしだ。4./19の午後八時にまた会おう。

4037： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/19(月) 20:02:48 ID:t0dz.uLE0

　　　　／||ミ
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4038：安価のやる夫だお：2021/04/19(月) 20:07:25 ID:fxFiqCD60
ハロー

4039： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/19(月) 20:13:11 ID:t0dz.uLE0

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　今日も今日とて始めていくわけだが、最近は開始と中断が滅茶苦茶すぎて、
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　そろそろ誰も見なくなるんじゃないかと戦々恐々としている>>1だよ。
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　　まあ嘆いていてもどうにもならない。さすがにこの時間から呼び出しってことも、そうはない。
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i　　　　はじめよっか。
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

4040： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/19(月) 20:13:22 ID:t0dz.uLE0

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│　　　　　　　　　　　　／|＼　　　 _, . :‐: : : : : : ＼＿＿_.ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│　　　　　　　 　 　 .ｨ__〉｜:ト＼.／: : : : : : : : : : : : : : : : : ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
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│.　　 　 　 　 　 | し'／／/: :/ : : : : : {: ﾄ: : ゝ: : :!:.／|⌒i: :} : : : :| : ',　　　　　　　　　　　　　　　　...│
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│　　　　　　　　　　　　　 |: : : :| : |: : :|:.:|.メ〉　＼__i '"￣￣|ｊﾉ: : :i! : : : ',　　　　　/ // /､　　　　　...│
│　　　　　　　　　 　 　 　|: {: :/!: :|: : :Ⅳ .ｨ:ﾁ　　　,. 　 '' "/:/: : /|: : : : ',　{ ヽ　/ // / /　　　　　　│　　　私、桜花重工ネクスト開発部門、
│　　　 　 　 　 　 　 　 　 V|: :{ |: : : : :|ｨ／　 　 　 ′　　 l:/: : /: |:＼: : 丶!　ﾚ　// / /　 __　　　　.│
│　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |: :| |: : :＼{ ､'' "　　 　 　 ノ　/: ／: : |: : :＼: :ﾉ　、 　 　 〈／／　　　.....│　　　チーフの篠ノ之と申します〜。
│　　　　　　　　　　 　 　 　 Ｖ　ト　＿{.:_;>.._　　￣　　 ∠ィ: : l: : :|: : : : _/　　 ）　　　 ／　　　　　　│
│　　 　 　 　 　 　 　( ＼　　　丿: : : :: ヽ: : ｀i ーr---　　 |: : :|: : :|／い{　　 / 　 　 /　　　　　　　..│
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│　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼ ＼ ＼: : : : ／λ|: : ﾉ　　　 　 | : V: : |　 ＼ うト=＝'"　i　 [_]　　　　.....│
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【アーキテクト：篠ノ之束　桜花重工ネクスト開発部門開発チーフ】
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八神亭二階、やる夫の部屋。
ちゃぶ台に水平に置いたPDAの画面から投影された3D映像は、
想像していた白衣の厳めしい男ではなく、小柄な女性だった。

明るい髪色はぼさぼさの伸ばし放題で枝毛だらけ。
辛うじて白衣は纏っているものの、よれよれで形無しだ。
眼は眠たげで、今にも閉じそうだ。口許には軽薄な薄ら笑いが張り付いている。
着古されたワンピースと、だらしなく開いた胸元が眼に毒であった。

化粧もまともにしていないすっぴん姿ではあったが、顔のパーツ自体は端正だった。
愛嬌のある幼顔は、奇しくもラケル博士を彷彿とさせた。

なのはと二人、畳の上で正座しながら、相手が通話に出るのを待つこと五分。
中々応答しない、顔も知らない開発主任に若干の苛立ちを覚えはじめていた。

そして出てきた、肩書に似合わぬ気の抜けた表情に、
自分もなのはも怒るより呆気にとられていた。
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4041： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/19(月) 20:16:39 ID:t0dz.uLE0

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　　　 　,ｲj､.:.v.:.:.:.:.:.::/:/.:.:,ｲ/.:.:.:ﾉ!.:.:i.:..:j.:.:.:.:.ヾ;,.:.:.:.:.:.:ヾ.:.:.ヽ　 ｀ﾍ
　　　　/ll!ﾊ:.:′.:.:.:.:/./.／.:/.:／.,ﾉ.;/l:.:;!.::l.ﾍ;.:.:.ヽ,:.:.:.:.:.:.ヾ,:.:.'; 　　!
　　　 ∧jﾊ.:′.:.:.:.:.′〃xｆz左ｚ,;,X, .j:/ !:;|:.:.:l.:.:.:.l.:ﾍ.:.＼.:.::.':;.:.';
　　　 l.l.ヽ.:.:|.::::.:.:.:|{:.:.,仆乞芸て卞 >′l./ｊ.:,ﾘ.:./.:l.:.ﾍ.:.::.ヽ.:.:.';.'|
　　 　'.:.:.:;:升∧::.:.|.:.:{ｲ ,伐::::::斥′　　ﾉクｻﾄxj:.:.li.:l.:.ﾊヽ.:.';.:.:;.!
　　　　∨　 !′l:.:.:|:.:.! ､辷ｰクﾉ　　　 　ｹ云x.:ﾉﾒi.:/.:.:.:.:l.:.:.:.:.l:.!　　　　　　……お初にお目にかかります。
.　　　　 ゞ､)l::.:.:ゝ:ﾍ､:!　｀¨¨ﾞ`　　　　　/.::ﾇﾘｹ;´.:;ﾘ..:.:.:.∧:l.:.:ﾊ!
　　　　　 'iｰl;:.:.:.::.个｀　　　　　　　　　匕ﾞ.ノ_ノノ/!:.:.:.;/　ﾚノ　!　　　　　　　入束やる夫のタクティカルオペレーター、
　 　 　 　 l.:人::.:.:.ﾞl　　　　　　 　 　 　 ¨`て.._｀V.ﾊ.:::/ 　 !′
　 　 　_,､n<　 '.:.､∧　　　　　　　ｃ｡　　　人__,¨＼:l/　　　　　　　　　　　　　高町なのはと申します。以後、お見知りおきを。
　　ｲ´.:::.ハﾍ　'､l?∧　　　　　　　 　 .,／: :.j　 ／}′
／　l:::::::., 　＼　´､?「＞､　　　　 , イ´. 　.:.イ´.:l.:.|
　 　ｊ::::::::.ﾍ　　＼　　＼ﾍf＞.ｰ イ. . . :＜.:.:.:.';.:.:.:|.:|
／¨ ﾍ:::::..∧ /＼｀ >ｰ<cﾊ. . . . . . .fヽ,¨ -ﾅﾍ.';.:.:|.|
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│　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /:　|: |: : r=r-|　　|^|: :./|| 〉　 　 ＼: :.　　　　　　　　 .│　　　　　　はー、お会いできて光栄。
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4042： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/19(月) 20:16:50 ID:t0dz.uLE0

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│　　　　＼＿_,..イ: /: : : /:|,|-ﾏ∨: :∧､:.＼: ｀Ⅵ､: l: :|: :ﾑ　　　　　　　　　　　　..│　　　　　……うーん、良い。可愛いね、貴女。
│　　　　　　　 /ｲ: ':|: : : |イ:|　{:l ∨: :∧＼}＼:.|:|: : ': :!: : :.',　　　　　　　　　　 　 │
│　　 　 　 　 /' ':/: |: : : |: |:{　 ｀　＼＿{　r＝=､|: / : |: : : : .　　　　　　　　　　.....│　　　　　 はやてちゃんも好きだけど、
│　　　　 　　　/:;: : {: : : :Ⅵ,ィニﾁ　　　　 　 ⊂⊃: : :.|: : : : :.　　　　　　　　　　....│
│　　　　　　　,: :{ : ∧: : : :､⊂⊃　　　　 　 　 /:ｲ: : :/: : ,ｨ : l　　　　　　　　　 　 │　　　　　　貴女のことも好きになれそう。
│　　　　　 　 {: :|: /: : ､: : : ＼　　　 ,. -―v　'　ムイ: : / j!: ﾑ_,.　　　　　　　　　 │
│　　　　　 　 |:./ｲ:r､: : : ｢ヽ : ミ　　乂:.:.:.:.ﾉ　　,ｨ:r ､: :/ /:／, ' 〉　　　　　　　　 .│　　　　　　　よろしくね、なのはちゃん。
│　　　　　 　 | /:〈＼＼:.∧ Y^}:＞　　 こ　 イ: : :|　}:/　{,'　/ /　　　　　　　　　 .│
│　　　　　　　/: : :＼＼　ｰ'　, ∨￣| ｀ ¨´　 !: :./|　'　　 ｀ヽ/:_,.. -ｧ　　　　　　....│
│　　　 　 　 /: : :__r-ヽ/　／ 　ヽ | '　　　　/: ノ {　　 ､＼　 _,..イ´　　　　　　　...│
│　　　　 　 ,: : : :ー-- ､　'　{　　 |l|--､ 　 /:イ=､|　　 ﾉ　　/ ∧: .　　　　　　　　.│
│　　 　 　 /: : : /　 　　＼　 　　j ﾄ､　　 /: ノ　l∧　　　 イ〉,'　 ヽ: .　　　　　　....│
│　　　　 ,:': : ／'， r---r-≧---､| |　　 {: ﾉ|　∧ }＿＿{＿/___　 }: :、　　　　　 .│
│　　 　 /: : :.{　　 ∧　 l|　　　 　 l| |　　 {: { ! /　|　　　　|　　r'-､∧: ヽ　　　 　 .│
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しかし、得も言われぬこの距離間の取り方は何なのか。
隣のなのはは極めて冷静に応対しているが、眼には微かに動揺が滲んでいる。
なのはは親しくない人間を相手に動揺すると、逆に表情が硬くなり、眉を顰めるのだ。

警戒心の表れと言ってもいいかもしれない。
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4043： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/19(月) 20:17:00 ID:t0dz.uLE0


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│.　　　　　　 　 　 i: : : : : : : : : : : : : /‐-_|: :|: : : :｢￣　　　　　　　....│　　　　　……で？　そっちが現リンクス、だっけ。
│　　 　 　 　 　 　 |: : : : : :/.:ｲ : : : ｬ芯｢/.:/ : : : |　　　　　　　　　...│
│　　　　　 　 　 　 |: : : : :/:（_|: : :|:{ 　 /／　>: :.ｲ　　　　　　　　　...│　　　　　　「は、はい」
│　　　　　　　　 　 |: : : : |/.: :|: : :|: 〉 　 ,.，, : : :|:|　　　　　　　　　　│　
│　　　　　　　　　　|: : : : }:､ :八: ﾙ _　 　 /: :/|:ﾚ　　　　　　　　 　 .│　　　　　　……ふうん。まあ、うん。へえ。
│　　　　　　　　　 /: : : : :ヽ:｀^メXxメx￣ }イメXｘ　　　　　　　　　 .│
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篠ノ之はなのは相手に出していた甘ったるい声を急激にトーンダウンさせ、
自分の方を一瞥した。名前すら呼ばれないところからして、
あまり良いイメージを持たれていないのかもしれない。

薄ら笑いも剥がれ落ち、死んだ魚のような眼を向けられる。
立体映像とはいえ、その態度の変わり様には異様なものを感じずにはいられない。

まるで出来の悪い実験動物でも見るような眼の色だ。

内心、可愛い女性だなと思った自分を呪う。あからさますぎやしないか。
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4044： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/19(月) 20:17:12 ID:t0dz.uLE0

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│　　　　　　　　　　　　　　　 {二二二二二二二二二ノ　　　　　│
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│　　　　　　　　　 ,. ＜: : : : : ﾏ/＞': : : : :＞ ､　　 　＼ ＼　　　 │
│　　　　　　　　,.:': : : : : : : : : ://: : : : : : : : :ヽ:ヽ. 　 　 ｀ー'　　　│
│　　 　 　 　 / : : : : : : : : : : //: : : : : : : : :.:|: : : : :.　　　　　　　 .│
│　　　 　 　 ': : : : : : : : : : : // : : ,: : : /: : : |:{: ､: : : .　　　　　　 .│　　　　　……ま、いっか。はやてちゃんの知り合いだし。
│　　　　　 /: : : : : : : : : : : :{/: : :/: : :/: , : /}: ､: ＼: : .　　　　 　 │
│　　　　　.': : : : ': : : : : : : :/: : :/: : :/: /: /:r-!:.:|: :|｀: ::.　　　　　..│　　　　　 あなたたちに要求することは二つ。
│　　　　　|: : : : |: : : : : ://: : :/: :／: ,:':./} ﾘ_,|: :|: :|: : : :.　　　　....│
│　　　　　|: : : : {: : : : :/ｲ: : : ' , ´:／: ｲ/ィｫ､{イ:ｰ': :､ : |　　　　 .│　　　　　　一つはなのはちゃん。貴女には私のシミュレーターで
│　　　　　|: : : : :∨: : :{/|:;: : :|イ: : :イ: |{l tj 　 {: : :|: | ､:|　　　　 .│
│　　　　　|: : : : : :∨: :|: |: : :∧|: : :.:.|: :|　 　 　 ヽ:.|: |　ﾘ　　　　 .│　　　　　　データ検証に付き合ってもらう。
│　　　　　|: : : : |: :.∨: : |: :/､l∧: : :.|: :|　　　_ ,.ｲ: |: |　　　　　　 │
│　　　　　;: : : :.:|: : : :､: :j:/: : }ー＼__〉｣　　 ｀/: |: :|_｣　　　　　　 │　　　　　　「突っ込んできますね」
│　　　　 ,: : : : :,: : : : : :､/: : :ﾑ 　 　 ｰ,､＿__,': /｀¨　　　　　　　 .│
│　　　　/: : : :/: : : : |: : :＼: : : }--.､　{:＼: : :, '　　　　　　　　　...│　　　　 　　ギブアンドテイクだよ。貴女の脳波データ、戦闘データ、
│　　　 ,: : : :./: : : : : |: :/⌒＼: :≧=-､|-､:）:ｲ　　　　　　　　　　 .│
│　 　 /: : : /: : : : : /イ乂匸乂＼ー-:ﾑ､ ヽ: }､　　　　　　　　　 .│　　　　　　　諸々ちょうだい。そしたら、私が口添えして、
│　　,:': : : /: : : : : ,: {／￣￣＼乂＼_∨:ﾊ_}ゝ: ヽ　　　　　　　......│
│　, : : : :/: : : : : :/:/ 　 　 　 　 ＼　ー乂:_}＼＼:}　　　　　　 　 .│　　　　　　　桜花重工としてあなたたちを囲ってあげる。
│./: : : :/: : : : : :/:/　　　　　　　　 ＼　　{从　 ｀ヾ､　　　　　　　 │
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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒｚｚｚｚｚｚｚ ､　　　　　　xｚｚｚｚｚｚｚ.､　　　　　　 .│
│　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∨ﾊ　 　.Ｖﾊ＿＿＿ / ＼＼ 　 ＼＼　　　　　.│
│　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 . /∨ﾊ　 　 l/!: : : : : :/ : ､　＼＼ 　 ＼＼　　　 .│
│　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／ /:/Vﾊ＿_ノ/}: : : : : : : : : :＼. ＼＼___ﾉ ﾉ　　　...│
│　　　　　　　　　　　　　　 　 / : /:/: : ＼_____.ノ: :ヽ: : : : : : : : :‘.　 ≧=≦　　　　...│
│　　　　　　　　　　　　 　 　 /: : :}/ : : : : : /:./|: :V人 : '. : : ' : : ∧　　　　　　　　....│
│　　　　　　　 　 　 　 　 　 /: : :/: : :{斗//}:/¨|: : ヾ{:.＼{: : : |: :/人　　　　　　　　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　/: : :/: : : :|:./}'xz!_　Ⅵ: :|V{=ミ､ : :!: : : }ヾ　　　　　　 　 .│　　　そしてもう一つ。
│　　　　　　 　 　 　 　 .／: :／:／} 八{ 《 込ﾘ｀.人:{　ｚｘ:ﾄ､Y:|: :|: :|　　　　　　　 　 .│　
│　　　　　　　　　　　／ /／:イ: : :|ヾ:{ヽ　　　　 　 ｀弋ｿ》'}:从: |､人　　　　　　　　 │　 　　私にマーシフルの復元を任せること。
│　　　　　　　　　 ／:／/: : :{: : : :弋_＼　 　 　 　 ' 　 .〃 : /}/　ヾ:{　　　　　　　.....│
│　　　 　 　 　 ／:／　/: : :八: : /: : {:}ヽ　　｀　 -　　イ: : :/ /　　　　　　　　　　　 .│　　　 「は……？」
│　　　　　　.／:／ 　 /: : :/: : ∨: : : |＼ ＼　 　 . ＜ﾉ／ﾊ　　　　　　　　　　　　　..│
│　　　　　 /: :/　　 ./:_:_:/:r_､:_:∨: : |　 ﾊ　＞.ｆヽ_: /: : /{　　　　　　　　　　　　　　│　　　　酷い有様なんだもの。原型留めてないじゃない。
│　　　 　./: :/　　〃´　　＼弋　∨: :∨ﾉ |　　{　ﾊ》{ : /八　　　　　　　　　　　　......│
│　　　　/: :/　　/,′　　 　 ∨ﾊ. ∨: :{/　! 　 |､,' |〉|: :|_:_:_:}　　　　　　　　　　　　　│　　　　 あんなの、あのラケル・クラウディウスの
│　　　./: :/　　/:,′　　 　 　.V〈.　ヾ:人　|ヽ　 .{ヽ〉､:人　　ヽ　　　　　　　　　　 　 │
│　　 /: :/ 　 ./ ,′　　　　　　ヾ{ー '}: : :ヾ　　　∨　＼ﾊ　　} '.　　　　　　　　　 　 .│　　　　　マーシフルじゃないよ。
│　　.{ : { 　 ./:./　　　　　　　　　＼　＼:.人　　　 ＼　.{: :ヽ ﾊ |　　　　　　　　　　　│
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4045： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/19(月) 20:17:28 ID:t0dz.uLE0

　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　／ 　 （●） 　（●）　 ＼　　　　　　どういう意味なんですかお？
　　　|　 u. 　 （__人__）　 　　 |
　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／　　　　　　　「そのまま。ネクスト戦役末期に運用された、本当のマーシフルの復元。
　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ
　　 / 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |　　　　　　　　だって、なにアレ。内部機関も滅茶苦茶。おまけに出力制限。舐めてるの？」
　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|





　　　　　　 ／:.:.:.／:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.､:.:.ヽヽ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　／:.:.:〃:.:.:.:／:.:/:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ/ヽ} : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　 　 　 /:.／/:.:.:.:／:.:.:./:/:./:.:.:/:.:.:/:.:.:/:.:.!:.:.:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.',/:} : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　〃 ./:.:.:.:/:.:.:/:.,':.i:.:.:i:.:.:.i:.:.:/|:.:.:.i:. /{:.:.:!:.:.:.:i:.ヽ:.:.ヽ:.:.',:.:.:.ｉ:.! :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
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　　　　　　|:.:/ |:.:, |:.:. | |: : |:.´{ヽ|　 |:| ヽ|　 ヽヽ ＼ヽ:.｀:.┼:|:.:. | : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　……お言葉ですが。やる夫君のAMS適性値では、
　　　　　　|:.,'　|: |.|:.:.|:{:.!:.:.:ﾄ、,斥干芋ﾐﾘ.　　　,イ芋冬､ヽ} .!:.:.:! : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　|/　 |:.| !:.:|:.ﾘ:.',:.:! 《 .{:::::::::ら　　　 　 .{::::::::う .》:./:.: /| : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　 リミッターを外したマーシフルの運用に耐えられません。
　　　　 　 .|　　!:.| ',:.:{ヽ:.{ヽヽ　 辷zシ　　　　　 辷zシ　// :./| !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　 　 }j　ヽ', ヽ{ |:.ヾ、　　　　　　　　　　　　 ／:./|./｜ : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　僅か数回の搭乗で廃人と化すでしょう。
　　　　　　 　 　 ' 　 ヾ、ヾ{:.:.:.',　　　　 　 '　　　　　／イ| : :|　 | : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　 　 !:.:.!人　　 　 ー ―　　　　/　| : :|　 | : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　　「それが？　そしたらなのはちゃんが乗ればいいじゃない」
　　　　　　　　　　　　　　　∨:{　 ＞　　　　　　　 ,＜　　| :.,'.　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　',:.', ,ｲ|ヽ. ≧ .- .≦‐ |、. 　 |:/. 　 | : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　　と、申されましても。うちのリンクスは消耗品ではないので。
　　　　　　　　　　　　　　　__ ‐ヽ .|　　　 /‐ ､　　 | ｀ヽ､/　　　| : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　 ,､r::::´::::::: /　　|　　 / ∨ ,',　　 | 　 ヽ::｀ヽ　| : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　,､r:::´:::::::::::::::::::::::/　　 .| 　 /　/ ゝ ∨　.|　　　＼::::::::｀ヽ､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|

4046： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/19(月) 20:17:59 ID:t0dz.uLE0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r ───c─────┐
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |////ll　　 　 /　　　　　 /
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:/ l : / ｲ⌒/ﾚ| ＼:l: : |: : |ⅥV: : :| : : : : :}=　 =-　、
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　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,. ､　／　「「 |l￣ 代ﾐｭ_　L:/　_ ＼|＼l| :/V | : ll : : |///i/////}
　　　　　　　　　　　　　　　.／"　　l〔　 ヽ| lﾟ L_＿}　　　　　　 ｲ_)心､ l|// V| : ll : : |///l/////l
　　　　　　　　　　　　　　　「|／　　 ヽ　⌒`￣ -`{　　　 ´　　　 ¨´ " ノ : :/ | : ll : : |///l/////l
　　　　　　　　　　　　　　／ ヽ　　　　}=-　＜ /: ハ　　r　、　　　 ／ : : :/:ノ: : ll : : |///l/////l
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　　　　　　　　　 ,　´　　　　　／`〔 {　／ : / /¨} ￣ /` - =　７　「ニニ　∨:/: :l: : : |-----＜
　　　　　　　 ,　　　　　　　／　　　￣ ¨ ＞ /　 ﾚ　´　 ＿＿/　 「 y￣　 　l'ヽ :ｌ: : : |///////ヽ
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　　　　 ,´　　　　　　／ﾊ//∧　＞ ´　￣￣　´¨ ￣ 　＞、 ( : : :／八　 　 ﾄ,　　 ＼l////ﾉ///ﾉ
　　　 Y　　　　_　ノ　　　}///r ´　　　　 ﾆ≠-　　　／　 　`( y ) l　 「 =- ´ l　　 　 ＼ //////
　　　　>　、　＿　　　,.ノ//ノ{　　　　　　 -=　　　,'　　　　　( y ) {　 「」|　　 l　　　　　 }/////
　　　　　　　　　　　　　　 V　',　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　( y ) }　 「」|_　 ｲ　　　 　 八///
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　　　　　　　　　　　　　　　　　个 、_ ,.　　　＼　 ',　　　　　ノ/} ゝ＿r-}　 　 ' ￣「 : : : : :,
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どうにも、この篠ノ之という女性はマーシフルに固執しているようだ。
それも、ラケル博士がコンバージョンしたばかりの、
ネクスト戦役当時のマーシフルに。

しかし、中々好き勝手言ってくれるものだ。
彼女の言っている内容は、自分には廃人になれ、なのはには拾った命を
捨てろと言っているも同然である。分かって言っているのだろうか。

そうだとしたら、とんでもない。自分も人でなしの戦争屋だが、
それとはまた違ってベクトルのろくでなしだ。

「あのさー、自分たちが扱っているものと、自身の存在価値を考えてごらんよ。
あのラケル・クラウディウスが手がけた最強のネクストなんだよ？
そして貴女はそのリンクス。最強のリンクス。敵う者のいなかった兵士と兵器。
それを弄りまわして、ただの型落ち機にして、くだらない小銭稼ぎ？
ノコギリは木を切ってこそ、包丁は食材を切ってこそ、だよ。なのはちゃん。
あなたたちには、そうあるべき形があるの」
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4047： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/19(月) 20:18:11 ID:t0dz.uLE0

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　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（○） ＼　　　　　あ……アンタなあ……
|　 u.　 　 （__人__）　 　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　ﾁﾗｯ
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／





　　　　　　　　　　　　　　　 r-　､
　　　　　　　　　　 　 _∠＿＿＿:.:｀ヽ, イ´￣￣ニニ＝―
　　　　　　　　, .:.:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.--´--- ､
　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:､:.:.｀ヽ、
　 　 　 .ｲ:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ、:.:ヽ、
　　　 /＼:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.',:.:.:.:＼、:ﾍ
　 　./ヽ:.:.ヽ:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:./:.:.:/:.:.:|:.:.:.:.|:.:.: ',:.:.:.:.:ヽヽ:ﾍ
　　 ,'ヽ:.ヽ:.: ,':.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:/:.:.:.:.:〃:.:.∧:.: }:.: : |:}:.:.:.}:.:.､:.:.:ヽ ヾ、
　　 ｉ:.:.:＼ヽｉ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:./|:.:.:.:././:.:/　ｉ:.:/|:.:.: |:ｉ:.:.:.ｉ:.:.:ヽ:.:.:ｉ
　　 ',:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.||-/丁:.云ﾒ-/　 .}:.ｉ ┼:/:.|:.:.:,':|:.:.|.､:.:.|　　　　　　……。
　　　',:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.{|:/ ≠´てト/　　 /ｲ7､/:./:.:/:.|:.: | }:.:.!
　　　 ∨:.:./!:.:.:.:.:!:.:.:.:.| 〃 ら::::::|　 　 　 b:} !:|/:.:/:.:/|:.:.! |:.,'　　　　　　（任せて。こういう手合いに理屈は通じないよ。
　　　　ヽ:.:{ ∨:.:.:ﾍ:.:.:.{　.｀ .辷シ　　　　 ﾋﾘ,':.|:./|:.:/ }:/　|/
　　　　　ヽヽ .!:.:.:.:.ヽ:.ヽ　　　　　　　　 ヽ　ｉ:./　.}/　ｉ/　./　　　　　　　　事実を突きつけることでしか動かせない類と見た）
　　　　　　.＼ヽ:.:.:.:.|ヾヽ　　　　　 　 　 　 ﾉ:.|　./ . /　ｺｸﾘ
　　　　　　　 .ヽヽ:.:.:|.　　　　　　 　 ‐　　ｲ:.:.!
　　　　　　　　　 ヽ:.:.| ヽ　　　　　　　 ｲ |:.:.:,'
　　　 　 　 　 　 _| ヽ:|　　 ＞　 、∠:. |:.:|:.:/
　　　 　 　 　 .r/ ｀ヽ ＼＿_　_ /lヽ:.:.:.|:. |/
　　　　　　 r.´　ﾍ　　　　　 / |　 i!ヽ .:|:./|
　　,､ r:::´::::|　　　ﾍ　　 　 /≠|　 i!　ヽ:::｀ヽ 、

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
流石に、ここまで好き勝手言われて黙ってはいられない。
交渉の条件としても滅茶苦茶だ。死ねと言われているも同じである。

それ以上に、そろそろ虫の居所がだいぶ悪くなってきたところだ。
一つ、強い拒絶の意思を見せねばと思い立ったところで、
なのはが流し目と頷きで制止してきた。任せろ、ということだろう。

なのはは短く息を吸うと、胸を張って篠ノ之に向き直った。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4048： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/19(月) 20:18:27 ID:t0dz.uLE0

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　　　　i:.:./ |:.:.:|:.:.:|:.:.:. |,イう≧､ヽ 　 ヽ|芹う≦、:.!:.:.|/|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　一つ目の条件は構いません。データでも細胞でも、幾らでも。
　　　　|:/.　!:.:.:!:.:.:!:.:.:.《 {::::::::ら　　　　´ {:::::刈 》/: /ヽ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　|j 　 ',:. |:.:. |＼ヽ. 辷シ　　　　 　 辷シ /:／:} /|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　ですが、二つ目は呑めません。
.　　　　|　　 i: |!:.:.|:.:.:.:ヾ､　　　　　j　　　　 　 /!:. : ｉ_,' |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　 ﾘ ヽ|!:.: : ﾍ　　　　　　　　　　　　 }: : /　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　 今更、命を惜しむつもりはありませんが、
　　　　　　　　　　 ',:.:.:.:.{ヽ　　 　 ￣　　 　 ／/:.:,' 　　! :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　 　 ヽ :.:.ｉ　＞　 　 　 　 イ　/ :./　　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　あなたのために死ぬつもりは毛頭ありません。
　　　　　　　　　　　　＼ヽ ,rヽ. ＞＜　_／|/／　　 　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
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　　　　　　∨:.:| .∨:.:ヽ、:.＼:.:.＼.ゝ´　　　　　　　　　　///〃:.:.:.:|:.:.:.:..!:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:!　　　　　　　そんなにマーシフルを再現したいのであれば、
　　　　　　　ヽ:.|　 ヽ:.ヽヽ、:.｀ヽ__ヽ_　 　 ′　　　　　　//,ｲ:.:.:.:|:.|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　　　　 　 ヽ|　　ヽヽ　＼:.:.|:ﾍ 　 　 　 ‐ ‐ ´　　　　 / ,':.:.:./l.,':.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|　　　　　　　 ご自分で一から作られてはいかがです？
　　　　　　　 　 ヽ　 　 .＼ 　 ﾏ:|:.:.ヽ、　　　　　　　　 ／　,':.:/:|/:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |∧:.:.:.:.|｀＞ .､　　　 イ　　/／ /ヽ、:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　雛形ありきでは、あなたが彼女より優れている
　　　　　　　　　　　　　　　　　|| ヽ:.:.:.| 　 　 ._｀T´　　_ -/　　 ./ .|＼_:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |　 ＼:.|　,､r ´/ヽv＜´　　　　/　 |::::::::::￣｀― 、:.:!　　　　　　　　　証にはならないと、私は思いますが。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､r －ヽ:/　 ,'／l./ .ヽ　　　 / 　 .|:::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ 、
　　　　　　　　　　　　　 ,､r::"´:::::::::::::::/ 　 / ヽy‐ 7´ヽ　 /　　　|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ 、
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4049： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/19(月) 20:18:39 ID:t0dz.uLE0

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一瞬で空気が凍り付く。二人はにこやかな表情で対峙したまま、動かない。
怒り狂う男同士の野蛮な喧嘩とは、また違った趣の恐怖である。
いや、男同士の喧嘩よりよっぽど怖いのではなかろうか。

二人とも回線越しの対話であるが、その笑顔のままに、
徐に拳銃を取り出しそうな鋭さを全身から発散させていた。
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4050： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/19(月) 20:18:49 ID:t0dz.uLE0

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│　　　　　　　 /ｲ: ':|: : : |イ:|　{:l ∨: :∧＼}＼:.|:|: : ': :!: : :.',　　　　　　　　　　 　 │　　　　……ま、いいよ。それで。
│　　 　 　 　 /' ':/: |: : : |: |:{　 ｀　＼＿{　r＝=､|: / : |: : : : .　　　　　　　　　　.....│
│　　　　 　　　/:;: : {: : : :Ⅵ,ィニﾁ　　　　 　 ⊂⊃: : :.|: : : : :.　　　　　　　　　　....│　　　　 それじゃ、私は上に色々言っとくから。
│　　　　　　　,: :{ : ∧: : : :､⊂⊃　　　　 　 　 /:ｲ: : :/: : ,ｨ : l　　　　　　　　　 　 │
│　　　　　 　 {: :|: /: : ､: : : ＼　　　 ,. -―v　'　ムイ: : / j!: ﾑ_,.　　　　　　　　　 │　　　　　そこのあなたも、直に桜花のリンクスね。
│　　　　　 　 |:./ｲ:r､: : : ｢ヽ : ミ　　乂:.:.:.:.ﾉ　　,ｨ:r ､: :/ /:／, ' 〉　　　　　　　　 .│　
│　　　　　 　 | /:〈＼＼:.∧ Y^}:＞　　 こ　 イ: : :|　}:/　{,'　/ /　　　　　　　　　 .│　　　　　　――じゃね、なのはちゃん。
│　　　　　　　/: : :＼＼　ｰ'　, ∨￣| ｀ ¨´　 !: :./|　'　　 ｀ヽ/:_,.. -ｧ　　　　　　....│　
│　　　 　 　 /: : :__r-ヽ/　／ 　ヽ | '　　　　/: ノ {　　 ､＼　 _,..イ´　　　　　　　...│　　　　　　今度、ちゃんとうちの開発フロアに来てよ？
│　　　　 　 ,: : : :ー-- ､　'　{　　 |l|--､ 　 /:イ=､|　　 ﾉ　　/ ∧: .　　　　　　　　.│
│　　 　 　 /: : : /　 　　＼　 　　j ﾄ､　　 /: ノ　l∧　　　 イ〉,'　 ヽ: .　　　　　　....│
│　　　　 ,:': : ／'， r---r-≧---､| |　　 {: ﾉ|　∧ }＿＿{＿/___　 }: :、　　　　　 .│
│　　 　 /: : :.{　　 ∧　 l|　　　 　 l| |　　 {: { ! /　|　　　　|　　r'-､∧: ヽ　　　 　 .│
│.　 　 /: : : : : ､　{ｰ' 　 |　　　　　l| ＼　Y:.j ,'　　|　　　　|　　|＿} 　＼: ＼　　.....│
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十秒くらいだろうか。静かな視線のぶつかり合いは、篠ノ之が白旗を振って終わった。

降参の意を示すかのように手をひらひらさせながら、口許を緩めている。

とりあえず、桜花に身を寄せることは叶いそうだ。
かつてのレイヴンであったならまだしも、我々リンクスは企業を寄る辺とする他ない。
企業の支援抜きにネクストを動かすなど、技術面や物資面で無理がある。

以前の自分ですら、オルデンブルク管理下の施設にマーシフルを置いていた。
我々リンクスというものは、どんな看板を掲げたところで、
その本質は企業の尖兵に過ぎないのだ。

テロリストであろうと、独立傭兵であろうと。
そういった意味では一安心といったところだが、中々に先が思いやられる。

あの篠ノ之という女、はやてと親しそうな様子だったが……
そうだったとしても、あまり信用しない方が良さそうだ。
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4051： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/19(月) 20:19:01 ID:t0dz.uLE0

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4052： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/19(月) 20:19:19 ID:t0dz.uLE0

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　　　　　　　.!ﾊ',:::i´　　　　　　　/ノ:,':::::::::/:'　j:::::::::/:::::::::::::V
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　　　　　　　　　　,':,' !ﾊ._,...o≦. . . . ../:/／:::メ:::::::::V:V::::::::::::. 　ヾ:、
　　　　　　　　　　{:{ .i:j::}::::::::::ﾊ. . . .,:':／::::,ｲ ∨_:::::::V::V:::::::::::.　 .}::i
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　　　　　　　　　　 ＞/:::::/ﾍ'　/::::／V´丿／: : : : : : : : : :}::V::::::::∨

【Name】
篠ノ之束
【Status】
アーキテクト：B
　ネクスト開発、設計、整備の技術と知識に通じている。
　桜花重工におけるハイエンド機のデザインを一任されている。　

【Note】
26歳アジア系女性。
小柄で伏し目がちの童顔。明るめの髪を伸ばし放題にしている。
桜花重工ネクスト開発部門のチーフを務める才媛と知られる。
フレーム、内部機関、IRS（統合制御システム）、FRS（専用制御システム）からスタビライザーまで、
すべての分野を統括する桜花の大黒柱、その一本。

平時はアウターの小さなリサイクルショップで働いている。ラケル博士とは同期。

好奇心旺盛で気まぐれ、豪放磊落で享楽的、悪く言えば無責任な人物。
経済戦争を研究成果の発表会のように捉えており、良くも悪くも研究一辺倒。
ラケル博士には一方的な確執を抱いているようで、マーシフルにも固執する。

マーシフルのリミッターを徐に外そうとしたりする。

4053： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/19(月) 20:34:09 ID:t0dz.uLE0

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　　　　　　　ﾏ:.lﾏ:.:|∧ﾏ::{　 )じﾘ/:.: /:.:.:.:/　 }:.:.／:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: /　　　　　　　「その内って言ってたじゃないですかお」
　　　 　 　 　Ⅳ ﾏ,':,　´N　ゞノ〃:.:/／:.ｲ　　／: ／:.:.:.:.:.:. ／:. : /
　　　　　 　 　　 / : ＼　　 　/:.／ /:.:.:/__／:.:／:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:/　　　　　　　　　建前と本音っていうのがあるから。
.　　　　　　 　　 {:.:.:/　ゝ┐ /ノ　 /:.: /, ':.: ／:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:..　
　　　　　 　 　　 i: /　　　ヽ/　　./:.:.／:.:／:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.／　　　　　　　　　　　　相手の顔、立ててくるね。
　　　　　 　 　　 |/ 　 　 　 ヽ-- ／:.:.／:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.／
　　　　　 　 　　 |!　　　　　　 ／:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:／:.:.:.:.:.／、
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あれから一時間とせずに、なのはは手短に身支度を済ませると、
近場のバス停へと向かっていった。

自分にはよく分からないが、企業内でのやり取りというのは複雑らしい。
こういった場面では、なのはがいてくれて本当に良かったと思う。

自分はそんなに器用ではない。というより、社会の中で生きてきた経験が希薄だ。
建前で表面を固めたり、波風起たない言い回しをしたり、
相手の言葉の裏を読んだりと、色々なことが必要になってくるだろう。
いつまでもなのは任せ、というのもどうなのだろうか、とは思うが。
それでもやはり、頼ってしまう。
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4054： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/19(月) 20:47:18 ID:t0dz.uLE0

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: : : : : / : : : : : : : : : : : : : : : : : ; : : : ; : :ﾊ
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: : : ::{: : : : : : {´｀´｀∨: : : : : : : : ∨≪∨:{
: : : ::|: : : : : : | _,．--}:-:、 : : : :; -:∨≪Ⅵ
: l : {:!: : : : : : !´　　__l! ∨:|ﾍ : }从: }: : : |ﾘ　　　　　　　束に失礼なこと言われんかった？
: |:l:从: {:-: : ::ﾄz====㍉,　　 }/__,ﾑ:| }: : |
: |:|: : {｀ヽ ∨:!ゞ辷:ノ　　　 （ ´¨´八.!::从　　　　　　　　「滅茶苦茶失礼でしたお、あの人」
: |:|: : ｀ヾ_- ., 　　　　　　　　,　　 .: : : ト 、　
: |:|: : ∨: 〉く: 、　　　　 __ .,　　.ィヘ:_:_、｀ヽ　　　　　　　　あー……せやったかあ。堪忍なあ、どうにもなぁ。
::介∧ ∨{　 Y: ＞、 　 ￣ ＜: :{ ゝ_ィ^ヽ.
:{ .l: :∧ ∨:＼）: }ヾ:、/￣_Y二ﾆrｆ´｀ ｀　　、　　　　　　　　悪い子とちゃうんやけど、冷たい子には変わりあらへんのや。
:| .|:∧　＼{~ ‐}:l:!　 >‐ミ {_|＿　{ﾉ^ヽ　　 　 、__
ゝ/　∧　　　　 |ﾊ./三三∨￣ ｀ヽ. ハ　　 　〉:::::Y　　　　　　自分が興味ないもんにはぞんざいなもんなんよ。
_/　/ ∧　　　 /　}!ゞ三三≧--=ﾆﾆﾆ{ト-::イ:::::::::!
.　　 /　 ＼.　/　 .!::::::＞:..寸二〉::::>:::::｀ヽ:::::::::::::::|
,-=ミ　　 　.У＿.」::::::::::::::::＞<::::::＼:::Y::::::::;::::::;ノ{
　　　｀ヽ　 {　　　.|:::::::-＜::::::::}::::＞::Ⅵ:::::::::::Y:::::::l、
　　　　　　 l! 　　 !::::::{:::::::::::::└::―:-Y::o::::::::}::::::::|::＼
　　　　　　 l!　　 ム::∧::::::::::::::::::::::::::::｀::、::::::|:::_:::_::_:::::
　　　　　　 l!　イ::::::::::::::＼::_:_::::::::::::::,::-::‐'::´:::::::::::::::ト、

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玄関から出かけていったスーツ姿のなのはを見送り、
居間の方に大人しく戻ると、はやてが頬杖を突きながらテレビを見ていた。
傍らの幅広のグラスには氷入りの麦茶が注がれ、びっしりと結露している。

篠ノ之束についてさらっと聞かれる。確かにはやては彼女と交友関係にありそうだ。

訳を聞く限りでは、自分に冷たかったのは、単純に興味がなかったから、らしい。
それはそれでどうかとは思うが。興味がなければ冷たくあしらっていいものか。
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4055： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/19(月) 20:52:48 ID:t0dz.uLE0

　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　 　 ／ 　　―　＼
.　　　　　／ 　　(● )　　ﾍ＼
　　　　　|　　　（⌒ 　 (● ) ｜　　　　　はあ……とにかく、これからはやる夫も桜花のリンクスってことになりそうだし。
　　　 　 ﾍ　　　 ￣｀､__）　　｜
　 　 　 　 ヽ　　　　 　 　 　 ｜　　　　　 これからよろしくだお、はやてさん。
　　　　　　, へ、　 　 　 ＿／
.　　　　　 |　 　 　 　 　 ＾ヽ　　　　　　　　「うん、よろしう。なんだかんだで私たちって協働したことなかったけど、増えるやろなあ」
.　　　　　 |　　　　　　１ 　 |

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桜花重工をスポンサーに付けるというのは、本意ではなかった。
当初の予定とは違う、という意味では本意ではない。

独立傭兵という立場、そしてオルデンブルク管理下ではあるものの
中立施設と言って差し支えないトウキョウの施設を拠点している境遇は、
とても都合がよかったのだ。

どの勢力にも味方できるし、どの勢力にも敵対できる。
オルデンブルクに敵対する場合は、トウキョウからの退去もありえたが、
その場合はIGIOあたりの庇護を受けられただろう。

これから先は、桜花の、オルデンブルクに意向に従うことになる。
自分の銃口を決める相手は、これからは一社ということだ。

企業自体に大して良いイメージを持たない自分にとっては、好ましいものではない。
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4056： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/19(月) 21:11:20 ID:t0dz.uLE0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __　　　----　 __
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 _／: :⌒: : : "´: : : : : : : ､
　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒: : ､／: : : : :‐‐: : ､: : : :＼
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　　　　　　　　　　　　　　|: : / : / {/""ﾞﾞ}: {: : : ＼: V/∧//ﾊ: :.
　　　　　　　　　　　　　　{/::': : :': :{　 　 }: :､: : : : :＼V/ﾊ: : :}: :ｉ
　　　　　　　　　　　　　　{/:ｉ: : :i: 八⌒八 : {＼⌒: }⌒: : }: : }: :|　　　　　　　……あ、やる夫君。
　　　 　 　 　 　 　 　 　 /: :{: : :{: iｨぅ灯^ ヽ{　灯うぅ: :} : }: : }: :|
　　　　　　　　　　　　　 ': : 八: :Ⅳ､Vツ　　　　乂ツⅥ: :,＾Ｙ : :|　　　　　　　「うん？」
　　　　　　　　　　　　　: : : i: ::＼乂:.:.　　,　　　 .:.:.:.ノ : /ノ: :∨
　　　　　　　　　　　　　ｉ: l: {: {: ::込 u　 　 　 　 　 ⌒7ｲ:/: ＼{　　　　　　　　このニュース……
　　　　　　　　　　　　　|:八{: {:､: :.:}: ::.. 　 r__，　 ..: :／V: :. : ::}
　　　　　　　　　　　　　|'　 {:八{＼}: : i :::.. __　イ_／/　 }/: : 八__
　　　　　　　　　　　　　　 八／ﾆ7: : ﾉ: ／/ﾊﾆﾆﾆ/ 　 /: : 'ニﾆ=- _
　　　　　　　　　　　　　　　r{ﾆﾆ,: : :/／　　/〉ﾆrく　　 ': ::ﾊニニニﾆ=-_
　　　　　　　　　　　　　　　{∧ﾆ{乂:/___　 /､ﾆﾆ{⌒＼八(.:.Vニニ／-=∧
　　　　　　　　　　　　　　 八ﾆﾆ／/ ／ У-=ﾆﾆ〉 　 ∨.:.:.:.:Vニ'-=ﾆニﾆ}
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何か断りを入れたりもせず、はやての向かい側の椅子を引いて座る。
木と木が擦れる音が、妙に耳に馴染んでいた。

「お茶飲む？」

「ああ、ありがとう、はやてさん」

はやては「ん」と小さく頷き、グラスをもう一つ、背後の棚から取り出してくれた。
冷蔵庫の中に腕を突っ込む彼女の、少し汗ばんだシャツの背中を眺めて、
戻ってきたのだなとしみじみ感じる。

アマツで二人暮らしていた頃、最後の方ではごく普通になっていたやり取りだった。
テレビから流れる音も忘れ、はやての動作に見入っていると、
彼女はポッドを持ったままテレビに食いついた。
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4057： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/19(月) 21:18:54 ID:t0dz.uLE0

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: : : : : : : : : : : :';';';',r‐､｀ -=ミ≦>品ェlﾘZｦ≧ぐ三Fｭ品{{三毛Eﾃﾖ挂圭卦r￢∠>＜二＞r-､/￣||三≧ｮF毛
: : : : : : : : : : : : :';';';＼｀ｰ ､';';';';';';ヾミ三≧=-＜>r┴-､<二＞r┬F|圭圭/.: : :||｀＼〒∠}=|;_;八;_;;||┴く::￣:|ｌｪ
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古臭い丸みを帯びた画面には、廃墟の風景が映し出されていた。
アーカイブから引っ張り出された映像資料などでは断じてない、
リアルタイムの映像だ。

ドローンで撮影しているらしく、倒壊した建物やうず高く積み上げられた瓦礫の山、
散乱したガラス片などがもう滅茶苦茶に視界を埋め尽くしていた。

見覚えのある風景だった。スラム暮らしをしていた頃にはよく見た光景だ。
コロニーが紛争に巻き込まれ、外縁部などが破壊されて尚、
そこの復興がしばらく放置されるなんてことは日常茶飯事だった。

だが、これはそれに輪をかけて酷い。徹底的な破壊ぶりだ。
何か恨みでもあったのかと思わされるほどに、中途半端な破壊ではなく、
丁寧に一棟一棟木っ端微塵に粉砕されている。

キャスターはしきりにトウキョウの惨状と、テロリズムの非道ぶりを訴えていた。
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4058： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/19(月) 21:27:31 ID:t0dz.uLE0

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想像の何倍も酷い有様だ。画面に映るのは瓦礫撤去用のMTや重機ばかり。
救命活動を行っている様子など一欠けらほどもありはしない。

あれでは、整備班の人々も、ラケル博士も、生存の可能性は低いだろう。

何が起こったのかを今更聞かされなくても、十全に理解しているつもりだった。
だが、人というのは不都合な現実というものを、無意識に拒絶するものらしい。

こうして現実の光景を突きつけられると、それを自覚させられる。
暑さからくる汗とはまた違ったものが額に滲む。
歯を軋ませ、視線を落とすが、テレビが語る内容は変わらない。

現実は人の顔色を窺ってくれたりなどしない。
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4059： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/19(月) 21:41:28 ID:t0dz.uLE0

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　　　　　　 　 {　　　　　 |::::::｢ニニニニニﾆﾆ｝:::::: |　　　　|

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そっとクロスの敷かれた机に差し出されたグラスに目もくれないでいると、
はやては突然席を立った。ぱたぱたとスリッパを鳴らしながら、
一目散に廊下の方へと消えていく様が視界の端に映る。

待っていろ、と言われたが、一体なんだというのか。
一気に余裕を持っていかれた精神では、考えることもままならない。

ようやく次のハイライトに映ったテレビの画面をぼんやりと眺め、
背もたれに身を投げ出していると、後ろから声をかけられた。

ちょっとだけ上ずった、緊張を匂わせる声だった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4060： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/19(月) 21:52:47 ID:t0dz.uLE0

..　　　　　＿＿＿_
　　　　／　―　　-＼
..　　／　 （○） 　（○）　　　　　　　――はやてさん？　どうしたんですかお、そんな恰好で……
　／　　　　 （__人__）　＼
　|　　u.　 　　｀ ⌒´　　　|
.　＼　　　　　 　　　　 ／
.　　ノ　　　　　　　　　＼
／´　 　　　　　　　　　　ヽ





　　　　　{　　　　　　　 ＼＼ 　／　　　　　　　　　　＼
　　　　　 ',　　　￣⌒丶　｀`＜､._￣￣￣￣｀`丶､._　　ヽ
　　　　　　＼　　　　　　＞'⌒: : ｀`丶￣｀`丶､._ 　　＼　',
　　　　　　　 ＼　　　／: : : : : : : : : : ヽ: ｀`'〜───-- L
　　　　　　　 　 ＼ . : :/: : / : ヽ: : : : : : ',: : : ',: : ',: : ',: : ',　 ヾ､
　　　　　　　　 　 /: : :l: :l: ｌ : ﾑﾊ : ',: : : : l: : : ∨: }､ <: : :',／=≦｀ヽ
　　　　　　　 　 ./: :l: :{: :l: { : {　 ∨:l: : :l斗─寸ノV＼l:|＼─‐-:ヽヽ
　　　　　　　　　{'l: :l: :{: :l: :',: :V⌒l:ﾊ: : }: ﾚ允lﾊヽ:.l: : :l:＼|　ヽ)､: }　',
　　　　　　　　　{入{l: {: :l: : 'l斗斧l　l: / l}´乍心: : }: : :V彡} 　　}ﾉ　　　　　　……デート。
　　　　　　　　／　ヾ',:.＼{､: ＼Vｿ　}/ 　　 Vソl:/ﾊ: : : }:ﾉ:.}　　　 ',
　　　　 　 　 ´　 　 , -Ｖ: : ヽ}ｰゝﾞﾞ ､　　　　ﾞﾞﾞ　ﾉﾚﾍ : : ｌ:ノ　 　 　 }　　　　　　「えっ」
　　　, -'"　　 　 ／　　|: l: : : : ゝ　　_ _ 　 u. ／ﾊ／|: : :|彡､＿＿_レ
　　´　　　　 　 ´　　　 |从: : :l: : l丶､　 　,ｨ''´　lヘ　|: : :|　　　　　　　　　　　　
　　　　　　 ／　　　 　 |　 Ｖ: |廴l＿/￣＿　　.′　 |: : :|
　　　　　／‐-　　 ＿＿_,ｨア''´_,, -─‐寸ﾊ､　l_　　 |/l:.,'　　　　　　　　　　　
　 -‐　 ´　　＿＿＿__ノ=厶ｨ'´　　　　　 寸ﾏｰ‐'　 / ,l/
　 ､　　　,ｨニニニニニｧ寸ｱ　　　　　　　 }Vﾊ}　　　　　　　　　　　　　　　　　 　
　　 ｀　‐|ニニニﾆﾆア　　}l'　　　　 　 　 　 }ニﾔ
　　　 　 {ニニニﾆﾆ{　　　,'　　　　　　　/　,iニﾆ〉
　　　　　Vニニニニヽ u ,'　　　　　　 /　 /ニ}‐'
　　　　　 ∨ニニニニヽﾉ　　　　 　 /　／ニ}ﾉ
　　　　　 ﾊゝｰ---‐''´ 7　 　 　 　/,ｨi〔=／
　　　　　｛ニニニニニ/ 　 　 　 /ﾆﾆ／
　　 　 　 {ニニニニﾆ/　　　　 /=／

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振り返ると、そこには誰かと見紛うような格好のはやてがしおらしげに立っていた。
普段の軍服然としたジャケットとタイトスカート姿とも、
ラフなシャツとジーンズ姿ともまた違っていた。

黒いノースリーブのワンピースに、白い襟が映えている。
しなやかな左腕には細い革ベルトの腕時計が撒かれていた。
小さな頭の上には、すっぽりと鍔の広い白ハットが覆いかぶさっている。
もじもじと落ち着かない様子で、遂にはそっぽを向いて、顔だけこちらへ向けてきた。

「だから……デート。行きたないん？」

なぜかぶっきらぼうな言い方をする彼女を前にして、ただ、頷くことしかできなかった。
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4061： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/19(月) 21:53:02 ID:t0dz.uLE0
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4062： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/19(月) 21:58:06 ID:t0dz.uLE0

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　　はい、今日はここまでだ。
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　　なお、はやてのAAは制服のままで行く。心眼でノースリーブ黒ワンピ白ハットという
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　　モノトーンコーデのはやてを見て心和ませてくれたまへ。
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i　　　　AA技術ないからね。仕方ないね。
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ





　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|　　　　　　次回は明後日。なんと明後日だ。こんなチャンスはそうないからね。
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,　　　　　　4/21木曜日の午後八時から開始とする。
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|　　　　　　モコイさんは気合いを入れてイベントパートの書き貯めをするとしよう。
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,　　　　　　それじゃ、シーユーアゲイン。
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´

4063：安価のやる夫だお：2021/04/19(月) 22:00:14 ID:fqciI2Rw0
乙でした

4064：安価のやる夫だお：2021/04/19(月) 22:01:23 ID:FOKraK4.0
乙ー

4065：安価のやる夫だお：2021/04/19(月) 22:03:24 ID:fxFiqCD60
乙ー

4066：安価のやる夫だお：2021/04/21(水) 19:03:22 ID:6FeLPY6Q0
乙でした

4067： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/21(水) 20:05:51 ID:GV2hUkOw0
　　　　／||ミ
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　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
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　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

4068： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/21(水) 20:11:47 ID:GV2hUkOw0

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　　水曜日と木曜日を思いっきり間違えてたモコイさんだよ。
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　　オリンピックの日も、GWの日程も分からないね。亡者化が進んでいる。
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　　最近はハロウィンやバレンタインすら分からなかったりする。ポッキーの日は覚えてる。
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i　　　はじめよっか。
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

4069：安価のやる夫だお：2021/04/21(水) 20:19:11 ID:ooULowH60
ハロー

4070： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/21(水) 20:25:17 ID:GV2hUkOw0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　l''~l
　　　　〃;;:;ヽ:;:.　　　 　 　 　 　 l''~l　　　　　　　　 　 　;:〃:;:;:　 r,,
;:　;:〃;;:　ヾ;:;）;ﾞﾞi.　　 　 　 　 __,..|　|⌒:;ﾐヾ:;:;;,,,ｖrｰ:;:;:;:〃:;:;:;:〃;:;:;:,》:〃::::::::::::::;::;;
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夏の日差しの下に飛び出し、それからしばらく、二人並んで道沿いに歩いた。
低めの石垣を伝うように、人気のない土の道をふらふらと。

そこかしこから聞こえる蝉の声と、少し湿った土を踏む音ばかりが聞こえる。
まるで自然のサウナだ。外に出た途端に険しい日照りと湿気に蒸され、
体中から汗という汗が噴出しだした。家を出て一時間と経っていないが、
肌着がぐしゃぐしゃになるのも時間の問題だろう。

無言で隣を歩くはやてを盗み見る。
普通に横を向くだけでは彼女のつむじの辺りが見えるだけなので、
少し視線を傾けて横顔を観察する。

白いパンプスで舗装されていない地面を器用に歩く彼女もまた、
頬に汗の筋をいくつか作っていた。
帽子を被っているため、幾分かは日除けになっているはずだが。

首筋に伝う大玉の汗の雫が陽の光を受けて輝いている。
心なしか吐息も熱っぽく、少しだけ変な気分にさせられる。
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4071： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/21(水) 20:33:11 ID:GV2hUkOw0

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　　　　　　　　　　/:::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::v －_ｺ､::::l::ﾊ
　　　　　　　　　 /:::::::/::::::::::::::ハ_/=ﾍ::::::ｌ::::::::::::::l:::::::::::::::::vイ:::::l＼/　l
　　　　　　 　 　 ':::::::/:::::::::::l:::|　 　 　 ',::::l::::::::::::::l::::::::::l::::::l}ニﾆｺ>　 〈l
　　　　　　　　　|::::::/:::::::::::::l:::|　 　 　 ,l::::ﾊ:::､_l:::从:::::/:::::ﾊ:::::::::|／:＼〉　　　　　　　「はやてさん、どこ行くんだお？」
　　　　　　　　　|::::/::::::::::::::::ﾄｰ─　⌒ l::/ |::::/l:l:≧ー─--l::::::::lヽ:::li:::.
　　　　　　　　　l::::ｌl::::::::l:::::::::l::l ,ィ尤坏l/　|:/ 从'尤示沁、l:::::::'l　ｌ::|i::::.　　　　　　　アテ、あらへん。
　　　　　　　　　l:::八::::∧::ヽ:ゞヾ lイﾟハ　 /'　　　lイﾟルｌ} Уｉ::/' /:::|i:::::::.
　　　　　　　　　∨　’::l}:{l::::::＼　乂こｿ　 　　　　乂こソ l/:::/／ ::::|i:::::::::.　　　　　　 「な、なるほど」
　　　　　　　 　 　 　 _〉:lイ＼:ハ/////// ,　　　///////'7/:::::::::::::ﾄ､::::::::l
　　　　　　　　　　 _l//////Y::::::.､　　　　　　　　　　　しイ/:::::::::::::ｌ:| ///＞､　　　　　　……。
　　　　 　 　 　 ／///////彳::::::::＞　　　⌒　　　 　＜//:/::::/:::::|:| /////厶
　　　　　　　__///////////|:|l:::::|､:l∧ ＞　＿ ＜　　 //;::::::/:::/::lヾ //////∧
　　 　 ／⌒ヽ /////l/////|ハ:::| ヾl∧〈〉／===､ 〈〉/ l:|l:::::l:::/l/ /////////厶
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　　 '{　　　// //////∧l}　　　ヾ|　　　∧　 / |∧　/　　　ヾｌ　　　　ハ/////////⌒ヽ
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足を止めぬまま行き先を尋ねると、半分予想していた答えが返ってきた。
かなり突発的に飛び出してきたので、もしかしたら、と思っていたのだ。

隣のはやてはかなり日差しにやられつつあるらしく、
眼に入る汗を鬱陶しそうに手の甲で拭っていた。

「はやてさんのワンピース、黒いし、それで余計に暑いのかも」

かなり涼しげな服装ではあるが、黒い服で日差しの下にいれば、
普段の三割増しくらいは暑く感じるのだろう。

「可愛い服、これしかあらへんかったんや」

いじけているのか拗ねているのか、はやてはぶっきらぼうに説明すると、
むくれ気味の表情になってそっぽを向いてしまった。

珍しい。とてもとても珍しいはやての姿が、そこにあった。
先輩でも、年長者でもない、初めて見るはやてだった。
少し前までは想像することすらできなかったであろう光景だ。
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4072： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/21(水) 20:43:57 ID:GV2hUkOw0

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＼　　 ／　　 Υ　 -─ ￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(´~
　 ヽ　　　　-‐ ￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(´⌒´"
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　 /　 　 へ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (´⌒''´｀´　　　(,,,,,´(⌒ヽ
／　　　ゝ　　 ヽ　　　 ヘ　　　　　 　 　 　 　 　 (´~'　（´( (⌒` （´⌒´
　 ＊＼　 ＼　　　 ヾ　　　 　 　 ヘ 　 　 　 　 　 ￣￣`ｰ─── ─- - ---
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　 　 t 　 　 Υ　 ＼　　　　　＼　　　　　　　丶
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 | 　 　（__人__） 　 u.　 　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼. 　 ｀⌒ ´ 　　 　　／　　　　　　せめて、避難場所を……。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　!::::　　　　　　　 　ﾍ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｷｭﾑ ｷｭﾑ　　＼: |　 　　　／
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今まで、はやてが自分を前にするときは、もっと違った顔を見せていた。
それは愛玩の類と言っていいだろう。

そして、自分も自分で、それに甘えていた。
子ども扱いされ、実際に彼女も、「自分の前では子供でいていい」と言った。
それは許可でもあり、要望でもあったのだろう。

実際にその間柄は居心地が良かったし、安心感をもたらしてくれていた。
だが、それではもう駄目なのだ。
自分ははやてに母親や姉をやってもらいたいわけではない。
少なくとも、今は違う。

ちょっとした達成感を得ながらも、彼女の小柄な身体から滝のように流れる
汗を見ていると、絡みつくような不安に駆られた。

このまま当てもなく歩き続けていたら、熱中症で倒れてしまいかねない。
どこか別の場所に誘導すべきだろう。

はやてもはやてで、あまり冷静ではないようだ。
どこか躍起というか、勢い任せが勢いを失ってしまったというか、そんな様子だ。
ここは自分がしっかりするのだ。

下↓1　どこへ向かいますか？
1．河川敷に向かおう。水辺だから涼しいはずだ
2．商店街に向かおう。日陰がたくさんあるに違いない
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4073：安価のやる夫だお：2021/04/21(水) 20:45:18 ID:u9NtXKLI0
2

4074： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/21(水) 20:58:45 ID:GV2hUkOw0


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　　　　　　　　　　 　 ／　u. 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼　　　　　　　はやてさん、はやてさん。
　 　 　 　 　 　 |　 u. 　 （__人__）　　 　 |
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　u.　,／　　　　　　　 「……ん？　ああ、どないしたん？」
　　　　　　　　　／_∩　 　ー‐　　　　＼
　　　　　　　　（＿__＿）　　　　　　　|、　＼　　　　　　こっから商店街って近かったはずですお？
　　　　　　　　　 　|　　　　　　　　　 |/　 ／
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　⊂　／　　　　　　　 「せやねえ。歩いて十分ってとこや」
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　し'
　　　　　　　　　　　＼ 　　､／　　／　　　　　　　　　　じゃあ、そこに行きましょう。涼める場所もあるはずですお。
　　　　　　　　　　　 　＼／　　／
　　　　　　　　　　　＿／　　／｀`l
　　　　　　　　　　（＿_＿_／（＿/

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昼前の夏場に、ろくに用意もなく彷徨うなど自殺行為である。
はやても小さなベージュ色のポーチを携えているくらいだし、
自分に至ってはPDAと財布しか持っていない。ほぼ手ぶらだ。

聞けば、はやてのポーチの中身も、化粧直し用の道具であったりらしい。
用意と言えるものとしては、日焼け止めあたりが精々だった。
見た目に関する用意はしっかりしていたが、出かけるにしては不用意である。

自販機もたまにしか見かけないし、これでは熱中症まっしぐらだ。

なんだか言動がはっきりしないはやてを連れ、
日差しに蒸されながら商店街を目指すことにした。
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4075： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/21(水) 21:01:40 ID:GV2hUkOw0
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4076： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/21(水) 21:09:09 ID:GV2hUkOw0

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＿ノ　| トﾐ　 ｀丶､|: : : ::| |　 |　 |＼　＼__'ﾉ'´ _,ｒ──j|.:.:|:/　　 ／: : : : ／.:.:｡s1: |:|　|
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アマツの各地を繋ぐ鉄道の駅、そちらの方向へひたすら歩いていると、
徐々に人通りが増えていき、やがて目的地である商店街の入り口にたどり着いた。

前回、夏祭りがやっていた時、はやてを待って立ち尽くしていたモールの入り口だ。
あの時とはやはり違った趣がある。ブライドル本部とは比較にならないが、
アウターエリア、つまりは田舎町を再現したこの辺り一帯においては
中々の賑わいを見せている。

夏祭りの時ほどではないが、子連れの母親や買い物袋を提げた年配の人、
爽やかな学生指定の白シャツとスラックスを着込んだ男子学生の集団。

人種こそ様々ではあったが、誰もが亡国を思わせる衣装に身を包み、
ゆったりと商店街を練り歩いていた。

大きな屋根の下にできた日陰へ転がり込み、二人して大きく息を吐いた。
ようやくひと心地つけそうだ。
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4077： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/21(水) 21:28:09 ID:GV2hUkOw0

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　　　　　　　　　　 /. |.: |.:| :fﾊ　|.: |.:_|,,_:|＼:八_/7 : .: .: .: . |
　　　　　　　　　　 :( :|.:人V:じ　j.:〃ノ刈:. /／∨.: .: .: .: .:.:.|
　　　　　　　　　　 ／.: .: .:「　 　 　 V'少У.:.:.:/|.: .: .:.:|.: .: .:|
　　　　　 　 　 　 ⌒7.:/.:.ﾊ 　 　.u ' ' ／.: .:／ノ .: : .: |.: .: .:|　　　　　　　　「はやてさん、飲み物」
　　 　　　　　 _　 　 {:/＼八 _／)＞'.: .:.:／.: .:/.: .: .: .:|.: .: .:|
　 　 　 　 __/　) __　 　 　／ ￣ 7 : : ／￣:／ : .: /.: 八 : 八　　　　　　　　あー、おおきに。いやはや、気ぃ利くようになりはって……
　　　　　「{ {　し'　}　　r/ 　 　 /.: .: /＿／　⌒∨ .:/.: :)/⌒＼
.　 　 　 { 　 　 　 ﾉ　　/／ 　 人.:.:/　 ＼￣￣Y￣/＼＿　　　　　　　　　　
.　 　 　人 　 　 / 　 ／　　　 　 ∨　　　 ＼　＼ /　　　　＼_
　　　　　 }　 　 {　 /￣￣￣＼ 　 〉＿ 　 　 ＼　{　　　 ／　 ∧
　　　　　 } 　　 　 '　 ／　　　　 ／}　　　　　　 ＼　 ／ 　 ／　}
　　　　　　　　　}/.／　　　　 ／／　 　 　 　 ／　 ＼　 　 　　∧
　　　　　,'　　／{＿＿　　 ／イ　　　　　　／　　　 }　＼　／/ /
　　　　　;　　|　 |　　　　 /--≠-　　　　　＿　　　/　　 ∨ /／{
　　　　　{／ |　 |＼　 ／　　 /　　　　　 　 　 ＼./　　 　 }／＿_＼
　 　 　 八　 |　 ＼　/　＼＿{　／　　　　 　 　 /＼　　 ∧------{
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近場にあった自販機に扱い慣れぬ硬貨を突っ込み、
スポーツドリンクを二本買うと、膝に手を突き、
肩で息をするはやての下へととんぼ返りした。

冷えて結露したペットボトルを握らせ、自分もキャップを回す。
このペットボトルの中身と同じくらいの水分は、とうに排出しただろう。
口をつけ、大きく傾けて飲み干す。自分も自分で限界だったらしい。

対するはやては、ペットボトル相手に何やら手間取っていた。
「ごめん、開けて？」と此方を見上げ、にへらと笑ってみせてくる。
どうやら手が汗でぬかるんで、上手く蓋が回らないらしい。

まあ、それだけではないだろう。酷暑の中を歩いてきて、
単純に力が抜けているのもあると見た。

そっとペットボトルを受け取って、キャップを捩じり開けてから返す。
えへへ、と気まずさ半分、嬉しさ半分といった様子で、
汗を滲ませながら笑う彼女に、場違いながらも鼓動が弾んだ。

可愛いな、可愛いなとは思わされてきたが、こういった表情もするのか。
役得である。
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4078： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/21(水) 21:40:14 ID:GV2hUkOw0

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　　､-‐ 　　／⌒　　 ⌒　　　 　　　　⌒　　 ⌒＼　　　__＿,ノ-､
､- !､,＿_／（● ）　（● ）　 彡　　 （ ●）　（ ●）ヽ　　　 __＿,ノ
!､,＿__　l　　（__人__）　　 　　　 　　　　（__人__）　 　|　　　　　　　　　（周りから視線を感じるお）
　　　　　＼　｀⌒ ´　　　　　彡　　　　　 ⌒´ 　 ／
　　　　　　/　　　　 　 　 　 　　　　　　　　 　 　ヽ

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普段のビールの飲み干しっぷりとは相対的に、
少しずつボトルを傾けるはやてを見守っていると、周囲のざわめきが聞こえた。

はやてはこのコロニー・アマツでは有名人だ。
で、あると同時にアイドルと言ってもいい。
ここで暮らしていた頃も、はやてが通りすがると、大半の人が挨拶をしていた。
せずとも一瞥はくれて行き、無視するようなことはなかった。

リンクスもメディアへの露出がないわけではない。
オルデンブルク系のリンクスは寧ろ多い部類だ。

ましてや、はやてはお世辞抜きにしても、間違いなく綺麗どころだ。
出演の機会は少なくないだろう。島民も知っている人は多いのだ。

そんな彼女が男を連れて、しかも洒落た服を着て歩いていたら、注目も集めよう。
相手としては不釣り合いに映るのが、余計に視線を鋭くさせている気がする。
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4079： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/21(水) 21:49:36 ID:GV2hUkOw0

　　　　 ＿＿＿_
　　　／_ノ　 ヽ､_＼
　 ／（ ─）　　(─）＼　　　　
／::::::⌒／)／） ⌒::::: ＼
|　　 ／／ ／　　　　　　|　　　　
＼　|　/　 二二)　 　 ／
／　ｉ　　　r‐一' 　 　 ＼

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しかし、それはそれとして、だ。
恋愛とはかくも不思議なものなのか、としみじみ思わされる。
はやては魅力的だが、自分が彼女に好意を抱いているとはっきり自覚してから
というもの、それは加速度的に増していった。

何をどうしても可愛く見えるのである。
いや、実際可愛いのだ。はやては可愛い。

なのだが、自分の眼にはそれ以上のものが映っている気がする。
家で寝転んでいる後ろ姿ですら可愛く見えてくる。

ハヤテ＝サンカワイイヤッター！

もしかしたら、自分はかなり熱しやすい性質なのかもしれない。
冷めやすいかどうかは分からないが。

こうして着飾った彼女と連れ立っているのも、ちょっとした優越感を
感じずにはいられない。魅力的なのは傍に居るはやてだというのに、
なぜか自分の方が自信が湧いてくる気がした。自然と背筋が伸びる。
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4080： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/21(水) 22:03:41 ID:GV2hUkOw0

　　　　　{　　　　　　　 ＼＼ 　／　　　　　　　　　　＼
　　　　　 ',　　　￣⌒丶　｀`＜､._￣￣￣￣｀`丶､._　　ヽ
　　　　　　＼　　　　　　＞'⌒: : ｀`丶￣｀`丶､._ 　　＼　',
　　　　　　　 ＼　　　／: : : : : : : : : : ヽ: ｀`'〜───-- L
　　　　　　　 　 ＼ . : :/: : / : ヽ: : : : : : ',: : : ',: : ',: : ',: : ',　 ヾ､
　　　　　　　　 　 /: : :l: :l: ｌ : ﾑﾊ : ',: : : : l: : : ∨: }､ <: : :',／=≦｀ヽ
　　　　　　　 　 ./: :l: :{: :l: { : {　 ∨:l: : :l斗─寸ノV＼l:|＼─‐-:ヽヽ
　　　　　　　　　{'l: :l: :{: :l: :',: :V⌒l:ﾊ: : }: ﾚ允lﾊヽ:.l: : :l:＼|　ヽ)､: }　',
　　　　　　　　　{入{l: {: :l: : 'l斗斧l　l: / l}´乍心: : }: : :V彡} 　　}ﾉ
　　　　　　　　／　ヾ',:.＼{､: ＼Vｿ　}/ u.　 Vソl:/ﾊ: : : }:ﾉ:.}　　　 ',
　　　　 　 　 ´　 　 , -Ｖ: : ヽ}ｰゝﾞﾞ ､　　　　ﾞﾞﾞ　ﾉﾚﾍ : : ｌ:ノ　 　 　 }
　　　, -'"　　 　 ／　　|: l: : : : ゝ　　_ _ 　 u ／ﾊ／|: : :|彡､＿＿_レ　　　　　　　ふー……。
　　´　　　　 　 ´　　　 |从: : :l: : l丶､　 　,ｨ''´　lヘ　|: : :|　　
　　　　　　 ／　　　 　 |　 Ｖ: |廴l＿/￣＿　　.′　 |: : :|
　　　　　／‐-　　 ＿＿_,ｨア''´_,, -─‐寸ﾊ､　l_　　 |/l:.,'
　 -‐　 ´　　＿＿＿__ノ=厶ｨ'´　　　　　 寸ﾏｰ‐'　 / ,l/
　 ､　　　,ｨニニニニニｧ寸ｱ　　　　　　　 }Vﾊ}
　　 ｀　‐|ニニニﾆﾆア　　}l'　　　　 　 　 　 }ニﾔ
　　　 　 {ニニニﾆﾆ{　　　,'　　　　　　　/　,iニﾆ〉
　　　　　Vニニニニヽ u ,'　　　　　　 /　 /ニ}‐'
　　　　　 ∨ニニニニヽﾉ　　　　 　 /　／ニ}ﾉ
　　　　　 ﾊゝｰ---‐''´ 7　 　 　 　/,ｨi〔=／
　　　　　｛ニニニニニ/ 　 　 　 /ﾆﾆ／
　　 　 　 {ニニニニﾆ/　　　　 /=／

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しかし、はやては一体どういった意図で自分を連れ出したのだろう。
それも、彼女の方からデートなどという表現をするとは思いもよらなかった。
あれだけ望んでいたことにも拘らず、面食らって声が裏返ってしまった。

とにかく、今、自分ははやてとデートをしているのだ。
そうだ、デートである。それもはやての方から誘われて。

さっきまでトウキョウの安否を考えて沈んでいたくせに、
今となっては、眼前のはやてのことで頭が一杯だった。

しかし、デート中というのは、どういった話題を振ればいいのだろう。

今、自分とはやての間には、何とも言えない雰囲気が漂っている。
和やかではあるのだが、若干の緊張をお互いに帯びている。
距離感こそ以前より遠くなってしまったが、そこに気まずさがあるわけでもない。

既存の言葉では表現しがたい関係性の中に、自分たちはいる。

下↓1　どんな話題を振りますか？
1．はやての服装について触れる
2．商店街について聞く
3．相手の出方を待つ
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4081：安価のやる夫だお：2021/04/21(水) 22:05:28 ID:u9NtXKLI0
1

4082： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/21(水) 22:13:08 ID:GV2hUkOw0

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／ 　　 （●） 　（●） ＼　　　　　　　そういや、その恰好……。
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　　　　　　　　　　　　　　|: : / : / {/""ﾞﾞ}: {: : : ＼: V/∧//ﾊ: :.
　　　　　　　　　　　　　　{/::': : :': :{　 　 }: :､: : : : :＼V/ﾊ: : :}: :ｉ
　　　　　　　　　　　　　　{/:ｉ: : :i: 八⌒八 : {＼⌒: }⌒: : }: : }: :|　　　　　　　　　　恰好？　……やっぱ、似合わへんかった？
　　　 　 　 　 　 　 　 　 /: :{: : :{: iｨぅ灯^ ヽ{　灯うぅ: :} : }: : }: :|
　　　　　　　　　　　　　 ': : 八: :Ⅳ､Vツ　　　　乂ツⅥ: :,＾Ｙ : :|　　　　　　　　　　普段はこないな恰好なんかそうそうせえへんさかい、
　　　　　　　　　　　　　: : : i: ::＼乂:.:.　　,　　　 .:.:.:.ノ : /ノ: :∨
　　　　　　　　　　　　　ｉ: l: {: {: ::込 u　 　 　 　 　 ⌒7ｲ:/: ＼{　　　　　　　　　　　ちょっとキャラでもない服着てもうたかな……
　　　　　　　　　　　　　|:八{: {:､: :.:}: ::.. 　 r__，　 ..: : :/V: :. : ::}
　　　　　　　　　　　　　|'　 {:八{＼}: : i :::.. __　イ　. :/　 }/: : 八__　　　　　　　　　　「い、いや、そうじゃなくて」
　　　　　　　　　　　　　　 八／ﾆ7: : ﾉ: ／/ﾊ 　 . :' 　 /: : :'ニﾆ=- _
　　　　　　　　　　　　　　　r{ﾆﾆ,:.:: :/／　　/ 〉 rく　　 ': ::ﾊニニニﾆ=-_
　　　　　　　　　　　　　　　{∧ﾆ{乂:/___　 /、　 {⌒＼八(.:.Vニニ／-=∧
　　　　　　　　　　　 　 　 八ﾆﾆ／/ ／ У 　 　 〉 　 ∨.:.:.:.:Vニ'-=ﾆニﾆ}
　　　　　　　　　　　　　　'　{ﾆ<.:.:/／〉／　　 　/ {: . 　|.:.:.:／ﾆ/ニニニﾆ





　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　 ／　 ノ '　ヽ＼
　　　　　／ （≡） 　 （≡）＼　　　　　　　滅茶苦茶可愛いですお。
　　　 ／　/// （__人__） ///＼
　　 　|　 　 　　　|::::::|　　　　　|　　　　　　「……へっ？」
　　　 ＼ 　 　 　 l;;;;;;l　　 　／l!| !
　　 　／　　　　　`ｰ'　 　　＼ |i　　　　　　いや、すごい似合ってますお。やる夫はあまり口が上手くないから、あれだけど……
　　／　　　　　　　　　　ヽ !l　ヽi
　 （　　 丶- 、　　　　　　 しＥ　|そ　　　　　控えめに言って最高ですお。
　　　`ー､＿ﾉ 　 　 　 ∑　l､Ｅ ﾉ　<

4083： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/21(水) 22:19:37 ID:GV2hUkOw0

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ﾊ.:.:.:.､:.:.:.:.:.:.:.:.:《fう 　　丶　　　　乂_ ／ 　 }:./}:.:.:.:} :.:.:.:.:.:.: }=- } , :.: }:.:.:.:.:.:.:.}:.:.:.:.}:.
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:.:}⌒ヽ:＼ :.:.:.:.:.:./　 　 　 　 　 　 　 　 　 / 　}:.//:.:.:.:.:.:.:.:.:.,　/:.:.} :.:.:.}:.:.:.:.:.:.:.}:.:.:.:.}:　　　　　　　　テキトーに店でも見て回るで。
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`(　,.:.:.:./:.:.:.:.＼.:.:.:.＼　　　　　 　 　 　 　 　 //:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.ﾉ{ :.:.: } .:..:.}:.:.:.:.:.:.:.}:.:.:.:.　　　　　　　　　「は、はい」
　 /.:.:./{:.:.:.:.:.:{.:.:.:.:.:.:.ﾊ　　r‐　､　　　___＿　 ,.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:./ ﾊ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}:.:.:.:.:
　 .:.:./ i{:.:.:.:.:.:{:.:.:.:.:.:.{:.:.＼　Y:.丿　　{　{‐‐‐/:.:.:.:.:.:.:.:.／ﾉ'　　}:.:.:.:.:.:.:.:.:..､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.　　　　　　　　　　……。
　{.:.:{　 {:.:.:.:.:.:{:.:.:.:.､:.:.:.:.:.:.丶¨´　 　⊥_{--/.:.:.:.:.:.:.／‐＼　　 }:.:.{＼:.:.:.:.: ＼:.:.:.:.＼:
　{.:.:{　 {:.:.:.:.:.:{＼:.:.:＼:.:＼.:.:／　　　　　＼〕iト イ----- ＼　}:.:.{ 　＼:.:.:. } ＼.:.:.:.:.
　 ､:{　　.:.:.{ : {　 ＼ :.:.:.:.:.:.,　　　 　 　 　 　 、 　 V〕iト．--＞ヽ(　　 }‘，:.}　　｀＞
　　ヽ　　.: { : {　　　｀＞-/　　 　 　 　 　 　 ‘， 　 }--- ＼----＼_⊥ ）ｲ
　　 　 　 ､.:.､:{　　　　　 ′　　　　　　　　　　　　　}----- ＼-------＞o｡
　　　　 　 ヽ(＼　 　 　 {　　　　　　　　　　　　}　　}‐‐‐‐‐‐‐‐＼---------〉

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拙い語彙の中から、できる限り最大の誉め言葉を捻り出してみたものの、
反応は薄かった。まあ、それもそうだろうとは思うが。
一度フッた男から幾ら褒められたところで、反応に困るものなのだろう。

とりあえず、はやての言う通り、モール内に立ち並ぶ店を見て回ることにした。
はやての頬は依然として上気しており、視線も落としがちだ。
明らかに元気がない。もう少し涼んでいった方がいいだろう。

肩をすぼめる彼女の隣に立ち、ゆっくりと歩き出す。
自分はスニーカーだが、はやてはパンプスだ。
気持ち遅めに足を踏み出すくらいでちょうどいい。
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4084： ◆x0SRSoJXe.：2021/04/21(水) 22:30:54 ID:GV2hUkOw0
　　　　　　　　　　い　い　と　こ　ろ　な　ス　レ　に　ア　ク　ア　ビ　ッ　ト　マ　ン　が　！
　　　　　　　　 ＼　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　＼　　 ＼　　丶　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　 /　　　　　　　　 ／
　　　　　 　　　　 　 ＼　　 ＼　　丶　　　　　　　　 i　　　|　　　　　　　./　　　 / 　 　 　 　 　 ／
　　　　　　　ヽ　　　　　＼　　 ＼　　丶　　　　　　　i.､...＿_　　　　　　　　 /¨,'　　　　　　　 ／ 　 　 　 ／
　　　　　　　　 ヽ　　　 　 ＼　　 ＼　　丶.＿　　　　　｀ｰﾄ､込__　　　　　 /　,'　　　 　 。 .。 .。 .。 . ／
　　　　　　　　　　ヽ　　　　　＼　　 ＼　 /　|　　　　　　（l!ｿｰz'＿,,...-―/／７　　　 __l! __l! __l!__l! [i､
　　　　　　　　　　　 ヽ　　　 　 ＼　　 　/_,,..|　_　 -‐匕フｰイ /7/7／￣ ,／ヽ__　　l|　l|　l|　l|￣|ﾄ||ﾍ
　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　 rr七 /￣　　　　　　　 ＿,,,...//¨二lニﾆコヾヽ　l|　l|　l|　l|　 || |　ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 l」＿厶=＝ｆ〒才´￣三二>´ ｀７¨7/　　　　ヽ／／／／...／|| |　 ﾍ
　　　　　　　　　　 　 ／￣￣三ヽ　　/　└ｧ　　 .| ﾟヾ__,rヘ|匚l|￣￣二７ 　 　 　 l] l] .l]　l]_／　..||」ｰ-､＼
　　　　　　　　　　　 ﾟヾ＿,rヘ,z‐'ﾞﾞ￣　　 .∧　　ｨﾄ､.〈 | |ｨ＾ヾｿ 下￣￣　　　　　　 ヽヽヽヽ/￣￣　　　 ￣
　　　　　　　　　　　　 〈 | |ｨ＾ヾij￣￣￣｀ヽﾍ／　　|　l.l | /__　　|　 ＼　 　 　 　 　 　 　 　 　 -----‐‐‐‐‐
　　　　ー―――――.l | |ｿ　　　　　　　　 〈 　 　 .| 〃/ ヽ ￣丁　　 ＼　　　　 　 　 ＿/＼／＼/＼／|/＼／＼/＼／|＿
_____＿＿＿＿＿＿＿ﾉﾉﾉ　　　　　　　　 　 ヽ.　　/[l／〈二ヽ　　　,/￣￣￣〕　　　　 ＼　　　　　　　　　 　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　 　 斥_ノ　　　　　　　　　　 　 ',.／　_,,|＿_/¨ヽ＿_/､＿＿／　　　 　 .＜ ビッグボックスへようこそ！　　＞
　 ￣￣￣￣￣￣￣￣　　　　　　　　 　 　 　 |ー‐/　|　　　　 ',　 l　ト--､　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼
　 　 　 　 --------‐‐‐‐‐‐‐‐　　　　　　　　 |　　|　l＾ｰ┐　　 ',　l　|　 └-､　　　　 .￣|／＼/＼/＼/|／＼/＼/＼/￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　_〔　ヽ　　￣7　.i　L ヽ　　　|
　　　　　　　　　　　　 ---‐‐‐‐‐　　　　　　　 ﾚ'ィTＶ　　 _／ 　 .レｹﾍﾉ　┌'　 　 　 　 .‐‐‐‐---
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〈　　 .|＿ノ　　　　 〈　　ﾍ_／
　　　　　　　　　　　　　　　／　 ／ 　 　 　 　 .l　 /ゝマ　　　　　　',　　ｆ´`ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　 ／　 ／　　　 　 　 　 .j　ヽ＿/　　　　　　 ﾞ,　 ヽ＿」　　　　　　　＼
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　　　　　　　　　　 　 ／　　　　 　 /　　 　 ヽ ヽｰ'__,z-‐'´　　 　 　 　_ﾞ,_|ﾏ┘　／　丶　　　　　＼　　　＼
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'llllllllll,　 　　　　 　　,,llllllllll'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　lllllllll,, 　 　　　 　 ,llllllllll'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 llllllllll, 　 　 　 　,lllllllll''
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 A R M O R E D　 C O R E
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 'lllllllll, 　　 　llllllllll'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'l, 　 l' ll'''''''　ll''''''l　ll'''''',,　ll'　,l'''''l,,　''''ll'''' 　　'll'''''l,,　 lll,　 'l,,　,''
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l, ,l'　ll'''''''　ll'''l,''　ll 　 l　ll　l 　　, 　 ll 　 　　ll 　 l　ll,,,ll, 　 ll'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ll' 　ll,,,,,,,　ll　 'l, ,ll,,,,,l''　ll,　'l,,,,l'' 　 ,ll　　 　 ll,,,,l''　ll'　 l,　 'l'
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　llllllllllllll'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 'lllllllll'




　　　　　　 　 ,- ‐‐ -　､
　　　 　　 ｒ‐ｲ: : : : : : : : :｀,
　　　　　　i /○　○: : : : /　　　/｀ ､
　　　　　 　i_ _ _ : : : : : : :{　 　 / : : /
　　　　　　 ｀,_　_｀=-: : : :| 　 ノ : : /　　　　　　騙して悪いが明日から仕事なんでな！
　　　　　　　i: : : : :_: : : : :'y´ : : : /
　　　　　　　｀-‐､´: : : : : : : : : ／　　　　　　　　終わりにさせてもらうぞ！
　　　 　 　 　 　 ﾉ : : : : : : : : i´
　　　　　 　 　 / : : : : : : : : : :|　　　　　　　　　　　次回は次の休みが分かってからだ！　また会おうイレギュラー！！
　 　 　 　 　 　i: : : : : : : : : : : !
.　 　 　 　 　 （｀ー‐-　　-‐　_}

4085：安価のやる夫だお：2021/04/21(水) 22:34:44 ID:u9NtXKLI0
乙ー

4086：安価のやる夫だお：2021/04/21(水) 22:37:03 ID:ooULowH60
乙

4087：安価のやる夫だお：2021/04/22(木) 00:37:00 ID:Vq5t3dNc0
乙

4088：安価のやる夫だお：2021/04/22(木) 07:48:33 ID:Xfh1iI/g0
乙でした

4089：安価のやる夫だお：2021/04/25(日) 22:02:33 ID:kZWUk/1Y0
お疲れ様でしたー
かわいらしい

4090： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/01(土) 17:57:55 ID:MGOdQWKo0
ハロー、モコイさんだよ。

GW、何日か仕事がない日があってね。

次の投下は明日、5/2の午後八時からとする。シーユーアゲイン。

4091： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 20:00:05 ID:Nub7M.4A0

　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ　　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||





　　　　　　　 ､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´　　　　　　チミたち、エヴァンゲリオン好きかい？　シンエヴァ見た？
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i
　　　 　/ : : : : : : :┌─┐　　　　　　私ってエヴァ素人童貞みたいな感じでさ。ようつべで無料公開中に急いで新劇三作見たくらいだ。
　　　 　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ
　　　 　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿　　　　　……素人童貞として言うのもなんだが、あの作品って全編通して大人やってる大人がいないよね。
　　　 　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ
　　　　 と_ : : : : : : ノ : :ノ　　　　　　　 シンジ君はグレていいと思った……初めていこっか。
　　　　　　￣￣￣　￣

4092：安価のやる夫だお：2021/05/02(日) 20:08:30 ID:9eE.oYPs0
ハロー

4093： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 20:14:58 ID:Nub7M.4A0

　　　　　 ＿＿＿_
　　　　／　　　　　＼
　　　/　　─　　　　　＼
　 　 '　（●）　　　　　　 ＼　　　　　（やっぱり、ブライドル地下とは比べるべくもないお）
　　（ｌ､__）　　　　u.　　　　 |
　 　 ⌒´　　　　　　　　 ／
　　　｀ｌ　　　　　　　　　 ＼
　　　　ｌ　　　　　　　　　　 ＼

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お世辞にも長いとはいえないモールは、少し歩けばすぐに通り抜けられて
しまいそうだった。はやてに合わせるという名目を抜きにしたとしても、
もう少し歩みを遅らせたほうがいいくらいだ。

ここはコロニー・アマツのアウターエリア。つまりは外側、外縁部だ。
亡国日本、その２１世紀初頭の田舎町を再現した、
生活圏を兼ねた博物館である。

コロニーのインナーエリアに行けば都心部が再現されているので、
オフィス街や大型施設などもあるのだろうが、ここは御覧の通りだ。

いつかアルトリアに夜遊びと称して連れられたブライドル地下とは比べるべくもない。

あの場所とはまた違った趣や良さもあるが。
利便性のみでいうならば、圧倒的に向こうのほうが上だ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4094： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 20:23:40 ID:Nub7M.4A0


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　　　|　|///ﾞ| |¨´.:|　　//: : : : /~|　 ∨::::::〉: : :|_,,|: : : : : : : : |_,,|′:::::::::: : ／　|::／＿､　＼|二二l |:::::::::
　　　|　|///ﾞ| |　　|　 //: : : : /￣~|　∨ /=弋二二二二ナ=ｧﾞ::::::::::::::::／　　,.| 　 :|l￣ヽ　＼　　 :|::::::::::
　　　l　 ￣￣ |　　ト // : : : /￣|　|ｫ　V ﾊ=弋ニニニﾆナ='::::::::::::::::／　　´r┴ｭ__||＿__|＼　＼　|::::::::::
　　　|　______　|　　| //､＼/´＾ヽ|‐:l_|_, ∨,ﾊ::::| | : : : : | | ,.:ﾞ::::::::::::／　／￣||　　||¨ﾞ|￣~:| |::|＼/＼::::::::::
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　　　|　|///ﾞ| |　 {ナ''´　|￣￣|丁_ﾉ|二|_|∨〉┼=┼=::::::::／_r.|¨:|‐┘'"|￣ (___) :|＼>　__,|:::::: ||:::|￣￣
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　:　:　::|:|______,|　　|￣li￣|　 | ||ノY＼|//=∋　V/ﾉ:/:::|:::{　　　 {_{_:L　 }::::ﾄ:::{　|:||::::|_|: :|ﾚィﾆﾆﾐ===ィ=
　:　:　::|:|:::::::::::|　　|zz||ｪｪｲ　| ||　ﾉ　 ￣ゞ　|　ノ´斗┬‐ｿ　　　　　　　 {::::| 圦‐┼─|: :// ,.ィ㌻},.ィ升ミ
──‐ |:|:::::::::::|　　|'⌒'ﾐx　　|｀¨´　　　　 ｀¨´　 　.|:::|〉/　　　　　　　　 Y_{ 辷l　　　 ￣{ｌ　ゝ'　ﾉ//
¨¨¨¨¨ |:|:::::::::::|　　|(__) ﾉﾘ￣　　　　　　　　　　　　|:::|/　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ゞ==彡'{ｌ{　(_)

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
とはいえ、だ。

これまでの経験で、実際に味わってきた。
良いものと優れたものは違う。新しいと古い、それと良し悪しはまったくの別問題だ。
大事なものと必要なものの違いの差というのは大きい。

この場所には、現代文明が捨て去った多くのものが再現されている。
それはひとえに郷愁によるものだろう。
不要と断じ、それでも懐かしむことをやめられない。
人間はいつの時代も、昔はよかったとぼやく。

現在は過去から見た未来だというのに。
隣の芝は青いならぬ、昔の芝は青いとでもいったところだ。

その過去の風景に、自分は居心地の良さを感じている。
この島すべてが理想郷だとは言わない。けど、今の文明が捨て去ったものがある。
捨て去った距離感や時間の感覚、そして平和がある。

ブライドル地下とは、二重の意味で比べるべくもないのだ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4095： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 20:38:54 ID:Nub7M.4A0

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　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼　　　　　　あの店から楽し気な音楽が聞こえてくるお……しかし小さいお。
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　「あー、あれな、ゲーセンちうねん。正確にはゲームセンター」
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　　カジノみたいなもんですかお？
　　＼ ／＿＿＿ ／





　　　　 　 　 　 　 　 　 -──- ，
　　　　　　　　　　／ : : : : : : : : : :ヽ
.　　　　 　 　 　// /: :/ : : :､ : : : : : :' ,
　　　　　　 　 //:!::!::ｲ.i:.!: : :i: :.ヽ :ヽヽ ',　　　　そないたいそうなもんとちゃうで。
.　　　 　 　 　 |:l :! | :ﾄkﾊ: : :ﾄ､斗j:: ﾍ: : ',
.　　　 　 　 　 l:Ⅳ ﾄ{●　＼l ● ﾉl><|、:|　　　　子供の遊び場に近いもんや。ま、大人が入ってもええんやけど。
　　　　　 　 　 l |:ゝ⊃ ､_,､_,　⊂⊃::/ﾉ:/　　　
　　　　 　 /⌒ヽW ﾍ　　ゝ._）　/: :/⌒i　　　　　　筐体のゲーム機やらがたくさんあるで。
　　　　　　＼∥::∥゜＞,､ __　/／ﾍ =./!
.　　　　　 　 ∥::∥＼ﾍ/只ﾍ/／|::::::::/!
.　　　　　　　｀ヽ《::::/::ﾍ〈;;;;〉/:::::::ヾ::::::::|

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
ゆっくりゆっくり商店街を進んでいくと、途中で楽し気な音楽が脇から聞こえてきた。
人もまばらの商店街に軽快な音楽を響かせるその建物は、小さく、
けれど看板は煌びやかなネオンに彩られている。

慣れた様子のはやてから説明を受け、一人納得する。
つまりは遊興施設だ。ならば、はやてを連れて入るにはうってつけのはずだ。

意気込んで動きの鈍い自動ドアをくぐる。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4096： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 20:39:04 ID:Nub7M.4A0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿,,,,,,,。。--ｰｰ
───=======。。。。,,,,,,,,,＿＿＿,,,,,,,。。---‐‐‐''''''＿＿´￣
Ⅵｪｪｪ====┐===┐===┐─--ｌ__/二ﾑ二二二i￣￣|二二|
⊃|.||ミ||===||====||====||/ ./≧ｪ‐┐.|_|＿__|___|＿＿＿＿_|＿＿ﾏ三三三三》
　 |.||ミ||i:i:i:i:||i:i:i:i:i:i||i:i:i:i:i:{i─{三ミ|　// / ∥ｪｪｪｪ iiii∥ｪｪi,.iii {_ｪｪ.iii7──／￣/
ｯｯｯ||三二二}}二二}}二二ﾏ　ﾏ三i./　　|─.ﾏ─''''''"ﾑ ﾏ"""ﾑ ﾏ""ﾑ￣//￣.//￣
ﾏﾏiｪｪｪi三三}}三三壬￣￣__ノミﾏ.　.　.|　　 ﾏ　　　 .ﾑ ﾏ　　 ﾑ ﾏ　 ﾑｪｲｪｪｪｲｪｪ
　　|iiii|iii|ヾﾆﾆ}ゞi二|≧ii二三三ﾏ. 　 　.|　　　.ﾏ　　　 .ﾑ ﾏ　　.ﾑ ﾏ　 ﾑｪｪ　 }i￣
　　ゞ-ｰ''"i　　 ｯｪｪｪｯ､|三三i＜i. 　 　 .|　　　 .ﾏ　　　 .ﾑ ﾏ__,,　ｨ_,,,_＜__＞} ii
　　　　　　　　　}｀i'''".}iﾑ三三ﾐi　__,,,,,,,､|　　　　.ﾏ__,, 。-_,。。'‐=‐''"´ｲ 壬＿ii。。
　　　　　　　　　　i　　｀　　 /....| ﾉ､ヽ-ｰ}　　　 ゝ-＜三＞'"´イ''´|.|　}ゝ-､_,,ｨ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　.| .|｀'┐''"|　　　　┬─┘≦　　　 .|.|,ｨ'´｀"''＜.{
　　　　　　　　　　　　　　　　　.ゝ|　 i　　|　　　　 i　　　　 i|　＞──＜ゝｯシ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {､ .i　 .i}　　　　 i　　　　ノイ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}｀''}i　}i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ''´｀｀'＜　 .i　＞'´　　}iゞミ三三ｼ　 }i　}i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀"´　　　　 .||　　　　　||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 . .||　　　　　||

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薄暗い店内に侵入した途端、極彩色の光を四方八方から照射される。
ちかちかする目を瞬かせ、眉を顰めて周囲をうかがうと、
あたり一面にカジノのスロット台を彷彿とさせるような筐体が並んでいた。

人気がないためか、垂れ流されるゲーム音が響き渡っている。
アルトリアに連れられて行ったカジノとは似て非なるものだった。
どうも賭け事をする場所とは違うらしい。

後ろをついてくるはやてに「何がなんだが分からへんやろ」とぼやかれるが、
はいそうです、はやてさん案内してください、とも言いづらい。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4097： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 20:47:48 ID:Nub7M.4A0

　　　　　　　　　　　　　　|ヽ／|＿
　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼　 　/
　　　　 ＿＿＿　　　　　　 |_＿＞
　　　／ヽ、　_ノ＼
　 ／　（○）　（○）＼　　　　　　　　なっ、このクレーンゲームっての、アコギな商売してやがるお……
／　　　（___人__）　　..＼
|　　u　　ﾉ　　　ヽ,　　　|　　　　　　　　このアームの関節ぐらぐらじゃないかお。
.＼　　　（/⌒ﾉ´ﾌ 　 .／
　　>　　 .￣￣´　　<.




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　　 :| :|.: |八.:.:|.: .:.:y^うx: |: :ﾊ.:/ _ノﾊ Y.: :/).:.|.: .: .:＼　　　　　　　　　　あー、そういんはなあ、胴元がそうそう損せえへんようできとんねや。
　　 :| :|.: |: .: ､.: .:.:.:乂Vﾂ |/　 　 ゞ''" 厶ｲ|.: .:|.: .: ＼ :＼
　　 :|八八.: .:(＼.:. :〈' '　　､ 　 　　' ' / {.: |.: .:|.: .: .: .:＼:(＼　　　　　　　　簡単に行くもんでもあらへんで。
.　 　 　 ＼＼.:＼＼込　　　､　一　 . :.八.:|.: .:| ￣|＼＿＼: ＼
.　　　　　　　 ＼.: .:|.:| :＞　.,　　 ／／ﾆ∧ .: .| //|:::: ＼|￣＼ )　　　　　　　「ぐぬぬ……（少し恰好つけられるかと思ったのに）」
　　　　　　　　　八:|.:|＼ :＼　「ニニニ〈 ∧.: :〈　 |￣／|　　　＼
　　 　 　 　 　 /.: : |.:|＼＼.:.Ⅵ::.＼ニニ〉⌒＼:＼|／　 |　　　　厂＼　　　　　あはは、無理せんでもええよ。百円玉なくなってまうで？
　　　　　　　 /.: ..:/|八:: ＼＼:|::::∨￣〈/」　　|:＼(　　　|＼__／　 　 |
　　　 　　　　.: .:./_.〕／_____＼j::::::::. 　　〈/＼ |::::: ＼ 　 |　 〈＿＿＿__〕
　　　　　　　|.: |￣|￣￣￣＼:|:::::::::::.　　| ///|:＼__∧ /＼　＼　　　　 ＼
　　　　　　　|:/|　 |　　 ＼　 /|::::::::::::|＼／￣:|:::::::::|:::L(＿_＼__＼______＼ ＼
　　　　　 　 //|　 |　　 　 ／八＿＿|::::::＼:::: |::::::: 厂::::::::::Yニﾆ＼ //// ＼ ＼
.　　　　 　 〈〈 (_／＼. ／ﾆ/V::::::::＜:::::::::::::＼|::://::::::::'"^:::}:￣＼_∨///// )　 ＼
　　　　　　　〉 /　　／Yﾆ./:: } :::::::::::: ｀`〜､、:＼:{:::::::::::::::: 八::::::::::::::'////／ ＼⌒＼
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しかもこのゲーム群、過去の遺物であるくせに、中々一筋縄ではいかなかった。

レースゲームに格闘ゲーム、シューティング、ほかにもアナログ志向な
パンチングマシーンだのバスケットゲームだのモグラたたきだの、
品ぞろえは豊富だったが、そのどれもが曲者だった。
どれ一つとっても、初見でははやてに惨敗である。

クレーンゲームという、ガラスケースの中に詰まった景品を、
ケース内を行き来できる天井から伸びたアームで取るゲームに飛びつくが、
百円玉をいくつも飲み込まれ、気づけば財布の小銭入れが空にされていた。

後ろで余裕を取り戻したはやてがけらけらと腹を抱えている。
空調の風を浴びているのもあるだろうが、単純に自分の様子がおかしいのだろう。
少しは格好をつけたかったのだが、ひどい結果に終わった。
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4098： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 20:50:06 ID:Nub7M.4A0

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　　　　　　　|八.: .: |.: .: .: :| .: ／:＼　 | :/　 |.: .: .: : : / :|.: .: :/ |_,,／|.:. .:.:|.: |
　　　　　　　 　 )八|.: .: .: :|_.:.| 　 　 　j/　　:|.: .: .: : /　 |.: .:/　 .: .: .:|.:. .:.:|.: |
　　　　　　 　 　 　 |＼.: ..:{　)＼　ｨ芋芋ﾐ　:|.: .: .: /　ｨ芋芋ミ:/.: .:.人.: : |.: |　　　　　　　博打と同じや。一回勝つ前に百回負けとるんや。
　　　　　　　　　　 八..:＼:{　} ＾)＼ 　 　　　|/):／　　　　　　/.: ／ : .: .: |.: |
　　 　 　 　 　 　 /.: .: .: .: {,/　//⌒:/:/:/:. 　 〈i　　　 :/:/:/: イ　ﾉ.: .:/.: :| 八　　　　　　　十万儲ける前に百万溶かしとるのが博打や。
　　　　　　　　　/.: .: /.: ／　.:.∧　 　 　 　 ＿＿＿　　 　 　 八.: .: / : : |.: |.:＼
　　 　 　 　 　 /ｲ. .:/.:./　 〈 : : : ＼＿_ 　　|　　　　|　　　　 . : .: ／ .: .: .|.: |.: |⌒　　　　　　そん中のぬいぐるみが五百いくらとしよか。
　　　 　 　 　 　 |.::∧.: ｀丶、￣￣＼.: .＼　＼＿／　　　イ : .／:|.: .: .: .:|.: |:八
　　　 　 　 　 ＿|:〈_∧.: .: .:L＼　　　).:.:..八　　　　　イ ￣＼/.: : |.: .: .: .:|.: |.: : ＼　　　　　　取れるころには千取られとる。そうゆうもんや。
　　　　　　／　　＼￣￣＼.: ｀丶、 .:.／⌒＼＞＜　 |＼　 /＼.: |.: .: .: .:|.: |.: .: .: |
　　　　　/　　＼ 　 ＼　　 |.: .: .:|| ＼　　　　 〉::::/　　＼ ＼　　∨ : .: . 人八.: .:.:.|
　 　 　 〈　 　 ＼）　　 ＼__|.: .: :八_ /＼　　/　　　　　　 　 |.　 /.: .: ／￣￣＼.:/
　　　　　| ､　　　　　　　〉 八.: /　 /　　　 /　　　　　 　 　 :|　厶 イ　　 　 　 ∧
　　　　　| ∧　 　 　 　 |　　 )' ＿/　　　 /　　 　 　 　　　 .:|　　　 |　　　　　/　 ＼
　　 　 　 〉　＼　　　　｜/ ／＼　　　　∧＿　　　　　　／/　　　 |￣￣＼/　 / 　'，
　　　 　 { 　 　 ＼　　　|／ 　 　 ＼ 　 /　＼ ＼ 　 　 /／ 　　 　 |　　＼　./ ,: 　　 '，
　　　　 〈￣￣＼. ＼　<　　　　　　 ＼ﾊ.　　 ＼＿　_／ 　 　 　 　|　　　 ∨./　　　　'，
　　　　　}　 　 　 ＼＿/|＼　　 　 　 　~}　　　　／Y⌒＼　　 　 　| 　 ＼　〈　/　＼.　'，
　　　　　}＿＿＿/ ／　|　 ＼ 　 　 ／/|　　 ／:i＼　 /:i:i＼　　　 |　　　 ＼∨ 　 　 　 '，
　　　　　〈　 　 ./　|　　 |　　　＼／　/∧　/　＼／⌒:ｉ「￣ ＼＿_|　　　　　'，　　　　　 '，
　　　　 　 〕　　　　|　　｜　　　　　 /V　∨＿　 {:i:i:i:i:i:ﾉ ／二=-―…　　　　'，　|/ 　 　 '，
　　　　　　〕　　 / .|　 　 ＼　　 　 /￣￣ 　 　　∨:i:i〈./　　　　　　　　 　 　　}　/ 　 　 　 }
　　　　　　〕　 ./　 |　　＼　　　 ／ 　 　 　 　 　 ﾉ:i:i:i:i:＼　　　　　 　 　 　 　 ; /　　／　　}

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そんなことを言ったら元も子もない気がする。
にこやかに残酷な現実を淡々と告げるはやてを前に、
クレーンゲームへの再挑戦を素直にあきらめるのであった。
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4099： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 20:57:03 ID:Nub7M.4A0
　　　　　　　　　　　　　 -‐━━=ミ
　　　　　　　　　 /⌒:^.: : : : : : : : : ::＞
　　　　　　　_.-=ミ: : : : ＼: : : : : : : : :V: `.
　　 　 　 .ｨ: : : : 7:〉 :∧: : :V: : : : : : :〈/: /〉:.
　　　　 /: : : : : :|/ | : :|:V: : :i : :| : : : : V〉: : ﾊ
.　　　 /: : : : : : :|i　!::斗-V: :|ー|‐|:-|: ::|:|i: : : |i
　　　 ′l: : |i :|i |i_,.ｨﾃﾃﾐ : : |N|ｨテﾐN: |:|i: : : |i
　　　{　｜:::|i :|i |i　 r勿,　|:N　 r勿ﾉ !::|:|5!: : : . 　　　　　　　　　……そないに頑張って。欲しかったん？
.　 　 　 从::|i: |i |i:　^¨¨　　i　　　 　 」::|:|,ﾉ: ;小:.
.　　　　　　〕: :|i |N」,:,:,:,　 ,　　、　,:,:,:: /|:| : /: : :|i　　　　　　　　　「いや、はやてさんの前で格好つけたくて……」
　　　　　　　　|i ||:|:i＞　　　　 　 .ｨ :/::」:/〈: : : 八
　　　　　　　　|i ||:|:|///〕ﾆ=-　　 | l: : :/　 V⌒V:＼　　　　　　　　あんなぁ、自分、そういうんは当人の前で言うたらあかんて。
　　　　　　　　|i7⌒V|　V寸ﾆﾆ才　!: /　　　＼_,V⌒ :、
. 　 　 　 _　--厶ヘ V　 V /⌒丶　| {　 　 -=ﾐ,V{　　,ハ　　　　　　ほんま、無理はせんと、自然体でええよ。
　　　　 〈,　　 / 　 　 V　V^V__/^V　|/　/　 　 ＼　/
　　　　/∧　/　　　　 }.　 }i /　Vi{　 」　/　 ______　/　　 __　　　　　　私たち、そういうんとちゃうやろ。
.　　　 {　　V　 　 　 ,リ,　　}i　　 i{　 }i,　 ／　 　 |ー━=ﾐ」
　 　 r」　　⌒ー‐―(￣￣〉ﾑ　 /| 　i|／　　　　｜　 　 _.」Ｌ
　 　 |⌒ー}　　　　 /　 　 ＼ V　　 /　　＼　 　_|　　ー=ミ__ )
　 　 |　　 ﾉ　　　 ,/　　 　 　 ＼　./　　 f/―‐┐＿__　　　}　＼
　　 ∧__(___　　_/　　　　　　　　＼　　 /　￣￣〉　乙...
　　　　/　　　/八　　　　　　　_ji斗〜'へ　￣￣| 　 」(
　/　 /　　　/￣,.. ．-‐　'''""~ 　 　 　 　 .V　 rﾉ.　　　＼





　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　 ／　─　 　 ─　＼　　　　　　　そういう……？
　　　／ 　 （●） 　（●）　 ＼
　　　|　 　 　 （__人__）　 　　 |　　　　　　「ニブチンやなぁ……」
　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／
　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ　　　　　　　　はやてさんには言われたくな「なんか言うた？」
　　 / 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |
　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|　　　　　　　　アッハイ。なんでもないです。
　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|

4100： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 21:04:51 ID:Nub7M.4A0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　　　_　. . :''"ﾟ~￣￣~~"''〜､、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／⌒＼.: .: .: :⌒＼／. .: : ＼｀丶、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿／.: .: .: .: .: .:/.: .: .: .: .: .: .: .: ￣￣＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ -‐…: .:/.: .:./ ﾊ '.: .: .: .: .: .: .: : ＼ : : : .: |.:.::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／　 　 /.: .: /.: .:./:/ﾟ^|: .: .: .:|.: :| : .: |: .: |.: .: .:.:.| .: .: :.
　　　 　 　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ( 　　　 /.: .: /.: .:./|.:|＿|.: .: .: :|.: :| : .: |: .: |￣￣ |∨〉 : .
　　 ((＼./ ) 　 (　＼ 　 　　 　 　　　　　 　 　 .: ./ :/.: : ／ :.|　 |.: .: .: :| :/¨¨７ト､ |二二 |∧〉 : i
　　 　＼i 「 }.,_　＼__＼　　　　　　　　　　　　/.: ' : ; : .: .: { ,ｘ=ミ|.: .: .: :|/　__/ |.: /|＿＿_|.: |.: .: |
　　 　 　|_|　V ﾆ=-＼ﾆ-_　　　　　　　　 　　; : { .: | :|.: .: Y　ノ狄.: .: .: | ⌒7ミk､.: |/.: .: /.: :|.: .: |
　　　 　 乂､,,)＼}ニニ＼ﾊ　 　 　　　　　 　 |.:八.: |八.: : 乂∨ﾂ ＼ .: |　ノ狄( ﾊ:/.: .: /.: .: |.: .: |
　　　　　　 ＼ﾆ}〕トミﾆﾆ 八 　 　 　 　 　 　 |　　〉:|.: .:＼:.(_' ' 〈ｉ　　＼　乂少' ノ : .: /'Y.: .八.: :|　　　男の人は女の前で格好つけたがるけど、
　　　　　　　　 :､ﾆニﾆ＼ﾆ.ﾊ　　　　 　 　 　 　 /.: | .: .: .: {⌒　r.　　_ 　 　 ' ' ／ : .:/ ノ.:.:/.: .: .:|
　　　　　　　　　 ＼ニニ Y /〉　　　　　　　　　.: .: :|.: .: | 八　　∨ ::::::)　　　⌒7:.:.:/.: .: .:/.: .: .: :|　　　女からすれば……相手が好きな人、
　　　　　　　　　　 〈-=ニニ人　　　　　　　　　| : /|.: .: |.:.:.心 　　‐-　　＿_ ／ : /.:.:／/.: :|.: .:.:.|
　　　　　　　　　　　 |ﾆﾆ=---=）　　　 　 　 　 | /八.:.:.:|.: :|:／＼__ 　 〈⌒∨:／/.: .: .:/.: .: |.: .:.:.|　　　　な場合やったらやけどな？
　　　　　　　　　　　 |ニニニﾆ〈　　　　　　　　 :(　　＼.: .:几￣　_〕＿__＼ |:/／.: .: .:∧.:|.: | .: .八　　
　　　　　　　　　　　　|~''‐-=ﾆﾆ〕　　　　　　　　 ＿__.､-'' 〕 |＼　〕ニニﾆ〕.|:/.: .: .::.:/／ |.: |＼ .: .＼　　　一緒に居られるだけで満足なんよ。
　　　　　　　　　　　　|　　　　|　　　　　　　　　/ ／　|＿,,〕 |／_>|o __,／〕 .: .: .: ／　　 .|.: |⌒|.: .: : |
　　　　　　　　　　　　|　　　　，　　　　　＿_／ ´　　 |　____.j_|_/.人 {　　 厂|.: .:/ |＼_／|.: |　 |.: .: : |＼　　
　　　　　　　　　　　　|　 　 　 '， ____r＜￣￣￣＼　＼|.　　 /ニ＼T彡〈　 |.: , 　|　 |　人:八｜ : : 八
　　　　　　　　　　　　|　　　　　V／＼　 ｀`〜､、　＼　|　 _　-‐-ミ)|〕ﾆ∧八 (　 |　 |　 ＼　 ﾉ.: : /　 )
　　　　　　　　　　　　:.　　　　　 :　　　＼　　　　　　　_.-ﾆ <＼-　_ -=＼∧.:＼　|　 |　　　 ⌒T彡
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店内に響き渡る音楽に負けぬよう、はやては声を張る。

「あー、別に、私が君のことをそういうってワケとちゃうで？
でも、覚えとき。女の前で無理して好いてもらえたところでな、
女の子が好きなのは無理してる君なんや。素面が一番や」

なるほど、と思う反面、どうにも腑に落ちない部分もある。
自分ははやてに好いてもらいたくて格好をつけるわけで、男の大部分もそうだろう。
素を晒して、それでもなお女性から慕ってもらえるのは、
余程の人格者か美丈夫くらいのものではないか。

「あ、納得してへん顔やなあ」

はやてがにやりと唇の端を吊り上げる。
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4101： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 21:18:26 ID:Nub7M.4A0

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　　　　 　 　 .: .:/.:.|.: .: |.: .:| :|＿|_. .: .: .: ＼ : | .: |.:_:|＿.:|.: .: .: .:| : ..'，
　　　　　　 ∥:/.: .:|.: .: |.: .:| .:　八.:.:＼.: .: .: : |／|.: .|.: .: |.: .: |:∨ : .: '，
　　　　　　∥.: .: .: |.: .: |.: .八:＼__＼:(_＼ : .: |　 |.: .|.: .: |.: .: |) |.: .: .: :'，
　　　　　　{　ｉ.: .: : | .: 人: .: .: ／￣ノハ　＼.:|　　x===ミ.: .:人八.: .: .:.:'，　　　　　　　　ここぞ！　って時に恰好つけられりゃええんよ。
　　　　 　 　 |.: .: : |.: : : |:＼ : 乂 乂＾ツ　　 )　　　, ,　 ﾉ／イ.: :| : : .: .: '，
　 　 　 　 　 j八.:.:.|八.: |.: .:| .: .: :＞, ,　　 ､　　　　 　　 /|: j|.:.:.:|.:＼.: .: .:'，　　　　　　　女の子のピンチとか、記念日とかな？
　　　　　　　　　＼| | :＼.:.:.| : .: 込　　　　_　　 '⌒) 　 .: :| :ﾘ.:.:.:|.: .:.:＼.:.:.:'，
　　　　　　　　　　　:|.: .: .: .:|.:|＼.: .:> ,. 　＇‐-‐　 ／ | ∨/.: .: :|.:＼.: .: .: : :　　　　　　　 いつも格好つけてろ、送り迎えしろ、
　　　　　　　　　　/.:|.:|.: .:.:.:|.:|／(　　　 ＞　　 _／　/:|　| : .: | .:|＼￣＼.: .:i
　　　 　 　 　 　 /.: :|.:|.: .:.:.:|.:|//∧　 /:::|　|＼＿／../　:| .: : |.: |/∧　 ∧.:.|　　　　　　　　貢いで尽くしてひれ伏してーって子はな、
　　　　　　　　　. .: .:|.:|.: .:.:.:|.:|／⌒∨:::: |　＼ニﾆ／　 ∧ .: .|.: |＿_〉 /　∨
　　　　　　　　　| 八|八.: .:.:|.:|/＼_/ :::::: | /⌒> <⌒／:::∧.:.:| :八　∨ ＼ '，＼　　　　　　男のことなんて本気で愛してなんぞおらへんのや。
　　　　　　　　　| ／　∧.: : 八　 /::::::::::::|　　〔:i:i:〕 /:／⌒ﾊ :|/　 ＼ ＼　＼ 　 ＼
　　　　　　　 　 /　　/　:).: .: .:∨⌒７⌒:〕　 /:i:i:| /:::::::::::::::〉八￣/￣ニニﾆ-_　　　.
　　 　 　 　 　 /　／ ／⌒＼.: {.ニ〈::::: 八_/:i:ｉ:ｉ:|::::::::::::::／-=ﾆ∨:::::∧ニニニ-_ 　 |
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　　　　　　　/　く_ノ=／:::::{／:::::｀`〜､::＼:::ヽ_/::: ／:::::::::::::::::::::::::V::/ ::::: 'ニニニﾆ_|
　　　 　 　 /::::/___／::::::::: {::::::::::::::::::::::::｀`〜､、／::::::::::::::::::::::::::::::::}/:::::::::::::}ニニﾆﾆ.|
.　　　　　 /::::/:::::::::＼::::: 八:::::::::::::::::::::::::::::::::::: ＼::::::::::::::::::::::::::::::::八:::::::::::::＼ニニﾆ|
.　　　　／| :/:::＼:::::::::＼::/ ＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::}::::::::::::::::::::::::::: / / ::／:::::::::: ￣￣||
.　　 ／　 ∨::::::::: ＼::::::::::{　　 〕ﾆ=------‐=＜:〕⌒::::::::::ﾆ=-:::∨／::::::::::::::::::::::::::/:|
'⌒＼　　 〈:::::::::::::::::::::::::::::}　　 〈::::::::::::::::::::::::O)::::〕ト:::::::::::::::::::／:{:::::::::::::::::::::::::::::::/　|

4102： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 21:23:45 ID:Nub7M.4A0

　　　　 ＿＿＿_
　　　／_ノ　 ヽ､_＼
　 ／（ ─）／)（─）＼　　　　　「……？　どしたん、やる夫君？」
／::::::⌒／／／)⌒::::: ＼
|　　 ／,.=ﾞ''"／　　　　　 |　　　　いや……やる夫は、間違ってなかったんだなって……
＼.　i f ,.r='"-‐'つ　　 ／
／　ｉ　 　 _,.-‐'~　　　 ＼　　　　　「んん？」
..　　i　　　,二ﾆ⊃

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かつて。かつてここまで。男性諸君の心を打つセリフがあっただろうか。
自分は惚れた相手を間違っていなかった。間違いではなかった。
度を越した天然と鈍感が玉に疵だが、はやては最上級にいい女だ。
多くの男性たちが玉砕するのも道理である。彼女はいい女だ。

自分の運というものに密かに感謝する。惚れた相手が彼女で本当に良かった。
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4103： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 21:54:03 ID:Go1kThLo0

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｜::: : 冂:: 冂_Г!Г!_／／/7＿:: |｜「 |:::::::<>:: 冂::::::::: 匚￣￣|::::::::::｜
｜::: : 凵:: [ ]-__r┐r ｨ｜/_, -,　| |｜|.｜/^!<>/ /:::::::::::: : ￣/ /::::::::::｜
｜:::::::::: : / /:::::::/ /:: |_,!: : ／／./,/ 乂__／!二./:: ヨ:: ツ匚＿/::::::::::::｜
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｜　｜特｜｜ ||　l]　　　　　　　　 || ||＿＿　 ┌─|| ||了ｱ　／　||　｜
｜　｜価｜｜ ||　 　 　 　 　 　 　 || ||　 　 ＼｜　 || ||｜|　| 川: ||　｜
｜　｜￣三｜ ||　 　 　 　 　 　 　 || ||＿＿＿｜　 || ||｜|　| 圭: ||　｜
｜　｜三三｜ ||　 　 　 　 　 　 　 || ||　 　 ┌┴―|| ||｜ト.,＼＿||　｜
｜　└――┘ ||　 　 　 　 　 　 　 || ||＿＿⊥＿＿|| ||七ヱ冂冂||　｜
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クレーンゲームに惨敗した後、両替機に向かうのを堪えて退散した。
格好つけようとあれだけ思っていたにもかかわらず、結局はこうなった。
なんだかんだで、自分ははやてに敵わない。

若干調子を取り戻しつつあるはやてと一緒に、変わらぬ商店街の風景の中へと
戻ると、また歩き始める。見当といえる見当もなく、彷徨うように。

そんな時だった。立ち並ぶ店の中、こじんまりとしたリサイクルショップが目に入った。
ガラス越しに、カウンターに座る主人と視線がぶつかる。

先ほど通話越しになのはと舌戦を交えていた、その当人が、そこに佇んでいた。
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4104： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 22:01:34 ID:Go1kThLo0

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　　　　　　　　　　 　 　 　 Ｖ　ト　＿{.:_;>.._　　￣　　 ∠ィ: : l: : :|: : : : _/　　 ）　　　 ／
　　 　 　 　 　 　 　( ＼　　　丿: : : :: ヽ: : ｀i ーr---　　 |: : :|: : :|／い{　　 / 　 　 /　　　　　　　　文化再現も立派なお仕事だからねえ。
　　　　　　　　　　 　＼ ＼(＼: : : : : : : 丶: | : : | 　 　 　 |: : :|: : :!ヽ ヽ)ヽ　　 　 ／===ｭ
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼ ＼ ＼: : : : ／λ|: : ﾉ　　　 　 | : V: : |　 ＼ うト=＝'"　i　 [_]　　　　　　 ま、ちょっと息抜きってのもあるけど。
　　　　 　 　 　 ＿＿＿＿〉　i 　 ヽ: /　 （ﾊ: : { |) ＿_　 /ヽ:_: : /＿／/〉|　 　 　 ｜　｜
　　　　　　　　}――――　　{　 　 V　　（| |: 丿|) 〉　｀　　 〈:ヽ:）--〜ヾ |　　　　　 ,..イ＼
　　　　 　 　 　(二二二 　 　 　 　 _}　　 (| |}:!:|_|)/　　　　　 ）:〈＼＿＿_ >r――イ､.丿: : ヽ
　　　　　　　　　　　　　/＼＿＿_.ノ∧ 　X (:.:ﾉ / 　 　 ヽ/　} : :）∧::::ヽ　｜ 　 　 |/}: : :＼

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はやても篠ノ之束の存在に気付くと、何を言うでもなく向かっていった。
同僚であるためか、顔を出していこうということなのだろうが、
自分としては気まずいことこの上ない。

狭い店内にはガラクタまがいの家電から訳のわからない雑貨まで、
とにかく物がうず高く積まれ、空間を埋め尽くしていた。

カウンターの中の、質素な店には不釣り合いなオフィスチェアの上で
跳ねる彼女の眼中に、相変わらず自分はいない。
隣のはやても苦笑いを浮かべながらも咎める様子はなかった。

そういう人なのだろう。
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4105： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 22:14:14 ID:Go1kThLo0

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　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿__　　　　　　/∧　r∧
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　 ||/＼ _,. .--- ミ∧-､,∧
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　　　　　　　　　　　　　　{:/, ｨｧ : |:.|!:.| 　 ＼｣ ｰ__＼!:|: :.|: : .
　　　　　　　　　 　　__　 ／／|: : { ｨ≠=　　　'´￣｀j:/: : |: :＼､
　　　　　　 　 　 ,r/／｀' ／: : |: 从　　 　 　 ,　　　/': : :.:|: :|: :｀＼　　　　　　　いやさー、なんかさっきから社内がギスギスしててねー。
　　　 　 　 　 　 {〈{_!_{とヽ l/: |､: : ﾑ　　　　　　, 　 ム:イ: :.|: :|
　　　　 　 　 　 { ｀／´　/ ,: :/: :＼｣込､　｀　　　 .ｲ: : : : : : |: :|　　　　　　　　　ギスギス？　んー、とにかく、あんま雰囲気良くないの。
　　　　　　＿r￣｀ヽ､／ /: /:r､:,: : : : : |l＞　 -く| ∨: : : :.:.:|: :
　　　 　 /　/　 　 　 〉--＜￣{ Ⅵ: : : ;'|!　 　 　 Ⅵ:,: : : : : |-､　　　　　　　　　　だから、こっちに逃げてきちゃった。
　 　 　 〈＿{----､ /　　　　　〈l ﾏ: : :/l|ﾑ＿　　_,|　 ､: : :.:.:| l〉｀ヽ
　　　　 　 /　　　/／⌒ヽ　　 〈l |!: ://ﾉ　|　｀ ´　,　　 ､: : :|li〉　　 ￣ Y　　　　　　周りも不安なのか怖がってるのかうるさくてさー。
　　　　　,　　　　'´ ＼///}　　　/: /イ　　{　　　　 ﾏ　　∨:|ｲ　　　　　j
　　　　 ,　 　 　 }　 　 }//｣　　 ｢:ノ 　 　 ,｣　　､　　 ＼ 　Ⅵﾊ､　　＿,ｲ　　　　　　　「どないしたん？」
　　　　 {　　 　/　 ,..イ--'＼__,.〉:,ﾉ ____イ＿　　∨:.　　〉＿乂:ﾊ／// ∧
　　　　　,　　 _,..イ: :/: /: : : : 〈: :〉´{//ﾉ　　 ｀ヽ l:::イ´　{//,}ト,:}///／´ヽ　　　　　　さあ？　なんか上がモメてるみたい。
　　 　 　 ￣　/:/: :/: /: : : : : :}从 ||￣　　 　 　 ｀´　　　￣ jj }从Y､　　　 :.
.　　 　 　 　 /:/: :/: /: :.,: : : | /人 :.､　 　 　 　 　 　 　 　 ///: :|: : :〉　　　 :,
　　　 　 　 /:/: :/: /:.:.:.{: : : :|: : : :|｀ｰl｀＿,...:　　　　 ､＿_//ｲ: :.:|:／　　　／
　 　 　 　 ,.:/: :/: ,:: : :.:.|: : : :|: : : ﾑ　 | |　 　 　 　 　 　 //{: r-rく_　　 ／
　　　　　 ,: {: :/: / l: : : |: : : :|: : : : :.〉 | |　　　　　　　　 { {ヽ{ /　　 ヽ '
　　　　　 {: |: {:.:.'　|: : : |: : : :|:_:_: :〈　//_,..ィ========､ﾉﾉイ=､ 　 ／:|
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　　　　　 |: |: {　 ／ニニニニ／､ ＼ ー ||ﾆ||二二||ﾆ||二イ　}　 }N^〉ニニ＼





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. /: : : //∧ : : |:/ｘf斧j:./ ﾋﾘj/:八
/: : : /／...∧:.:.|{弋::ﾘ /　　､ i/:ﾊ　　　　　　……そういえば、なんで二人なの？
: : : /' 　i 　 ∧.ゝ　　　　　_ /.､.:.:ﾊ
: : : : :|::::i 　/ . Y:≧　　　_, ′: :､:.ﾊ　ﾁﾗｯ
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: : : : :| : : : : i : : : ', ∟ 　 クﾍ 〉: |
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篠ノ之束がちらりとこちらに視線を寄越す。
一応、存在自体は認知されていたようだ。

こちらから挨拶もしたのだが、その時は見事な無視だった。
気まぐれなのか、見下されているのか。
ともかく、どれだけ彼女に失礼な態度をとられても、怒るわけにいかない。

彼女は逢花重工開発部の重鎮であり、今後のマーシフルの運用に
深く携わっていく人間なのだ。ぞんざいには扱えない。
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4106： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 22:18:50 ID:Go1kThLo0

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　　　 Y　　　　_　ノ　　　}///r ´　　　　 ﾆ≠-　　　／　 　`( y ) l　 「 =- ´ l　　 　 ＼ //////
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　　　　　　　　　　　　　　 V　',　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　( y ) }　 「」|_　 ｲ　　　 　 八///
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　　　　　　　　　　　　　　　　　个 、_ ,.　　　＼　 ',　　　　　ノ/} ゝ＿r-}　 　 ' ￣「 : : : : :,

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そこで初めて、篠ノ之束の意識が、まともにこちらへ向けられた気がした。
じろりと検分するようにつま先から頭のてっぺんまで視線を巡らせてくる。
椅子を軋ませ、おさげにした髪を弄りながら、愉快気に目を伏せた。
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4107： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 22:29:56 ID:Go1kThLo0

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　　　　　/: : : : :,: : |: :.|: :| ､　　　r ―.､　　 /: :|:/　 リ　　　　　　　あのはやてちゃんに、そんな顔させるなんて、ねえ。
　　　 ／: :/: : :∧: :, : |: ,　 ＼　 ゝ　ﾝ 　 .ｲ: :./'
　　 /: : :./: : :/: : :, : : |＼　　 ｀ 　._　 ＜:./:イ: .　　　　　　　　　　　それも、こんな男が……ふぅん。
　　,: : : ,.　 ´〈ﾑｰ.∨: | /∧　　 /＼|: : : ,: : :ト､:.
　 /: : /　　　 〈ﾑ }!∨{' //|　　 {　/l|: : : l: : :|　 ,:.　　　　　　　　　　　リンクスとして見るところはコジマ汚染への耐性くらいだったけど、
　,: : :/　　＼:　〈ﾑl| }:ハ/}l|　　 ∨l∧: : :|⌒Y 　 : .
./: : :|　 　 　 ＼〈ﾑⅥ: :.}　|-､　 _∨ l〉,: :! 　 l,　 }: |　　　　　　　　　　 面白いところもあるんだねえ。
': : : ,'　　　　　　 〈l／{: : 〉l|　　　　∨〈: :ﾊ.　 :.　 l: |
: : :/　　　　　 　 　 |　〉: {/　　 ::.　　＼〉: :}　 |:.　l: |
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　　　　　　 　 ,:',ィ': : ': : :i: :.!: ﾊ:ｒ 'i: : : {ヽ:'￣':,｀:メ:.､ヽ、ー(: V:.,
　　　　　　 ／´ :': : :': : : ': ,ィ{´'{　j: : : {　':{,zz≧,_',ヽト--: :',: :ヽ:,
　　　　 　 ´ 　 /: : :i: : : :,〈ﾊ:{≫示ー､{　 ´.j_r::'ﾘ｀》 ': : : : :!:,: : :.＼
　　　　　　　　,': : : j:.!: :、:!'ｱ'ﾏrタ　　　　 　 　 ｀ ´ ,:/: : : :ﾊ!: ":': :r-
　　　　　　　 ,': :／ !:i: : :':ム｀ ´　　:j　　　　　　 　 ,/!: : : :ハ!:!: : : ,':,
　　　　　 　 /イ　 ,ﾊ:!,: : : 'ム""　　　　 ＿_　　　　 八: : :{: : ∧: : : ,:.、
　　　　　　　　　　,': :!::〉: : :',:.ﾊ、　　f'´　　　}　　　ｲ:!_,斗'/: :/: ',: : : :.,::.、　　　　　　　　　　　……私、今ちょっと試してることがあるの。
　　　　　　　　　 ,': ://ﾊ_____,ヽ:ヽ､　ゝ、　,ノ　 ,.ｲ!: :i: : !:/: : ': : : ,: : : : ,: ':、
　　　　　　　　　,': :/ ': : : : :i: : : : j:＞.、　 ., ＜. . i'メ!: : ,: : :,: : : : ':,: : : :.V、:.、　　　　　　　　　VR訓練の応用なんだけどね……興味ない？
　　　　　　　　 ,': :/ ,: : : : : :!: : :i:,': : !ｨﾊ¨´. . . . . .V i: :,': : :,: : : : : : ___: : :Vヽ: :.、
　　　　　　　　,': /　,: : : : : :.!: : :!': :.,' ,ィﾉ. . . . . . . / i: :!: : ﾊ!f＜:´:::::::::｀メ:.V　ヽヽ、　　　　　　　「な、ないですお」
　　　　　　, ヘ::/　 ,: :＞::'':ri: : /: :/ _!. . . . . . . . /z :,: : : ,　i!f'、:::::::/::r--' くV　 ヽヽ、
　　　　 ／- ,V´!　,'イ:::::::(//!: : :,/"'/:、. . . . ._,/-,ヾ:}: :./　.i! !'::::::ｧ'"´ｒ'ニ__j: :.、　 ヽヽ、　　　　　上手くいけば君もランカーリンクスだよぉ？
　　 　,ｧ '" j !ﾊ { /::::::!::r'//,ﾉ: :://''ﾉ　 ヽ. .／ :}:::(,' ﾉ: :{　　i! !)／　ィ'r '' "!/: : :.、　　ヽ: .、
　　　〈　fﾊ j"´ ∨:::::::!:ﾉ'//!: : ﾉﾉ::,'　　　　　　 !:::::( !: :八zzj :!:! -―=='´ _j:::i: : : :.、　　 V:.、
　　　 ヽ　 ｀:.、　 }::::::::j /,ィ: :f-'::::/　　　　　　 '::::::::7: :ヽ　、,ｧf　　　 .,.ィ::::::::::!: : : : :.　　　.V:.、
　　　　 ヽ　　ヽ /::::::（ィrj: :ノ::::／　　　　　　　ヽ::::::〉: 〈:｀´ゝ!ゝ____r'ﾌ、::::::::::::!:＼: : : .、　　V: ,
　　 r,≦八____ノ !:::::::::/f: : j:／　　　、　./　　　　ヽj: : :j: : : : ! ｀¨¨´!｀Yi::::::::::::::::::::Y: : : .、　 V: !
　　 !j　 ! ｀ ー "ﾊ:::::/:::ゝイヽ　 　 　 ': ,'　　　　　,ィゝ:ﾉ:::::::::::!　　　.!=='!::::::::::::::::::八: : : ::ヽ　.V:!

4108： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 22:34:02 ID:Go1kThLo0

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　　 　 　 　 　 /: : :' : : : : ｲ´/￣|:7ヽ|: : :!: !: ＼:!: : : : : .　∨∧
　　　　　　 　 ': : :/: /:/:./:|:ｲｨr=ｫ､　{: :.:.|: |-､:.:.|: :.:.:.ﾄ､: .　 ＼_〉
　　　　　　　/: : /: ｲ:/:ｲ:.:.圦込り　 乂:_｣ __| |: :l: : : :|　｀＼　　　 ざっくり説明するとね……
　　　 　 　 ,: : :/:´: :'∧ : : l 　 　 　 　 　 之ｵ|:./:.| ,:.:|
　 　 　 　 /: : : {: : : : :|＼: 〉　　　　　 '　　｀¨/': :.八: |　　　　　　　ほら、AMS接続での操縦って、感覚的なものが大きいでしょ？
　　　　　/: : : : :,: : |: :.|: :| ､　　　r ―.､　　 /: :|:/　 リ
　　　 ／: :/: : :∧: :, : |: ,　 ＼　 ゝ　ﾝ 　 .ｲ: :./'　　　　　　　　　　　それを逆手にとって、優秀なリンクスの戦闘データを追体験させて、
　　 /: : :./: : :/: : :, : : |＼　　 ｀ 　._　 ＜:./:イ: .
　　,: : : ,.　 ´〈ﾑｰ.∨: | /∧　　 /＼|: : : ,: : :ト､:.　　　　　　　　　　　その人のコピーを作れないかって。
　 /: : /　　　 〈ﾑ }!∨{' //|　　 {　/l|: : : l: : :|　 ,:.
　,: : :/　　＼:　〈ﾑl| }:ハ/}l|　　 ∨l∧: : :|⌒Y 　 : .　　　　　　　　　　まだアイデアの段階なんだけど、素材の確保は大切ってね。
./: : :|　 　 　 ＼〈ﾑⅥ: :.}　|-､　 _∨ l〉,: :! 　 l,　 }: |
': : : ,'　　　　　　 〈l／{: : 〉l|　　　　∨〈: :ﾊ.　 :.　 l: ||　　　　　　　　　　「いや、だから……」
: : :/　　　　　 　 　 |　〉: {/　　 ::.　　＼〉: :}　 |:.　l: |
: : {　 　 　 　 　 　 八': :ﾉ＼__　 :､　　　ヽ:ﾑ　ヽ ,: :　　　　　　　　　　 AMS適正者は貴重だからさぁ。
: : :＼　＿＿__ 　 /´ 从{　ﾏ/ ＼ Y　　　/＼　 }' : |
: : : :////////∨　 /: :.| 　 }､}　 ＼＿／---∨:.∨
: : :///////// | 　 {: :从　 ||　　　　　 ￣{/ｲハ: :{
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: : :＼_j!　　　 |:::::､::::::::::::::/,'::::::::::_-- '　　　 ///: : : :.
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: : : : ,　 　 　 ,　　　　　ﾏ､　　　　　 / / 　 |: : : : : ,: : : : : : .

4109： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 22:41:43 ID:Go1kThLo0

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　　　　　　　　　　 　 　 /ｲ: |: :|:|从{ ＼{ｲ苡ｵヽ}: /＼､: : ;: .
　　　　　　　 　　　　　　 /: :|: :|:{泌ｿ　　　:.:.:.: /:ｲ: : : |:＼: : .　　　　　　　なんなら、お礼もするよぉ？
　　　　　　　　　　　　　 , : : |: 从 :.:.: ' ＿_ 　 　 /: : :./: /: : : .
　　　　　　　 　 　 　 　 |: :./|/:.从　　V:.:.:.}　　 ´√´:.:/: | : : :.　　　　　　　そうだねえ……私も君とデートでもしてあげよっか。
　　　　　　　 　 　 　 　 l／　　|:|:ム 　 ー'　 　 ｲ: : : /: : ! : : : .
　　　　　　　　　　ｸｽｸｽ　 　 /:,|: |: :｀: . __,... ´　|: : :,:,ィ⌒ヽ､: : : .　　　　　　自分で言うのもなんだけど、私も容姿には恵まれてる方だからさ。
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /:　|: |: : r=r-|　　|^|: :./|| 〉　 　 ＼: :.
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 {/ /-j: :/!| Lﾉ　　{l |: :{ jj|_〉　　＼＿､＼　　　　
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　　　　　　　　　 　 ∨　　 人 ヽr==777{7}}//≧ ､　　｝: /-////＞､:.:|　 }: :|





　　　　　　＿＿＿_
..　　　　／　　　u　＼
　　　／　　／　 　 ＼＼　　　　　な、なめやがって……その手には乗らないお。
..　／ 　し （○） 　（○） ＼
　 |　∪　 　 （__人__）　 J |　　　　こっちだってそれなりに目が肥えてるんだお、アンタ程度じゃ動じねえお。
..　＼　　u　　 ｀⌒´　 　／

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篠ノ之束が挑発的に胸元へと手をかける。
あまりにも眼に毒な光景に、はやてが身構えていた。
自分の眼を塞げるように、いつでも飛び掛かれる姿勢をとっている。

だが、こちらとて、それなりに耐性はある。
何しろ、あのなのはと毎日のように顔を合わせ、アルトリアに部屋に居座られ、
はやてにくっつかれたりしていたのだ。慣れもする。

今の自分には、生半可な色仕掛けなど通用しない。多分。
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4110： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 22:52:06 ID:Go1kThLo0

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　　　　　　　　　　　　　　,:': /: :/: : /:| : lV∧: |: : : V: :V: : :V: ,x: ∧::.
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　　　　　　　　　　　　　|: |: : : |: : :|:l: :＼|　 从|: ,: |　|:_／:|: |: : }_: : |: : 、
　　　　　　　　　　　　　|:∧: ,: V: 从ィ雫≧､　|∧:| ｨ≦雫ﾐ:|: /-ﾐ,|:|: :V＼　　　　　　　　束。それ、最近お釈迦になった案やろ。
　　　　　　　　　　　　　|:{　V､: ∨:l∧ Vzり　　　}'　 Vzり ﾉ|/r､ ﾉ|:|: : |: ､:＼
　　　　　　　　　　　　　ゞ　 }: ＼〉:∧　　　 　 　 　 　 　 　 ,､_／: |:|: : |: : ＼:ヽ　　　　　　しかもただの追体験とちゃう。
　　　　　　　　　　　　　　　 |: :|: :| : ∧　　　　　'　　　　　 ∧: :|: : |:|: : |: : : : ＼: .
　　　　　　　　　 　 　 　 　 .': :|: :|: /:个 .　　 　- ､　 　 . 个:l: :|: : |:|: : |＼: : : :､ヽ}　　　　　薬物と戦争の追体験で弱らせた上で
　　　　　　　　　　　 　 　 /: : :|: :|:八: }: | ＞　. 　 　 ＜|＼: : : ,: : |: : ∧: |＼: : }
　　　　　　　　　 　 　 　 ,: : :/:|: :|: : :〉l从/.|＼::｀´-:／ |、 ＼- ､: V:/: :l :|　 ∨|　　　　　　　人格を上塗りするちう代物やんけ。
　　　　　　　　　 　 　 　 {: :/__|: √/　{' /...|　 ＞＜　　|..V　 ＼ ｀7'＞ ､:|__　}/
　　　　　　　　 　 　 / ｢￣´　 |:/ ＼　 ,'......|　////∧ /....∨ ／| /　　　｀Y⌒＼　　　　　　　 やる夫君をオモチャにするんは見過ごせへんな。
　　　　　　　　　 　 '　 |´￣￣/ || 　 V....../|ｲ　〉-〈　 ,.........∨＼〉　 　 　 / 　 　 ヽ
　　　　　　　　　 / 　 ∧ 　 ／|/---/... /...|　////| ∧........∧￣￣＼　V　　 　 　 :.
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　｀ | |　} |　' {/: : : : : :.:|: :|: :∨ : ∧､: ､|＼:{＼: :! : !: :∨＼:'＼　　　　　　　　 ､
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イ　|＿/ ,'　 {: : :|: : : : :|: :|_ノ＼　､ ∧　　　　_　| : |: :.ﾘ:|　 ｀　 //ヽ､　　　　　　,
　　 ｀ー'　　 |: |:.∨: : :T´从　　　 ＼:｣　-≠'´　|: /: /:∧　　　{/∧　｀　ｰ　 　/
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それでも止まらぬ篠ノ之に、隣のはやてが制止に入る。
敢然としたはやての口から恐ろしい実験内容が語られるが、
当の篠ノ之は悪びれた様子など欠片もなかった。
精々が叱られてしょぼくれる子供のようなものだ。

「堪忍な、やる夫君。この通り、悪気なくこういうこと言う子なんや。
失礼極まりないけど、なにかない限りは無害やさかい、そっとしといたってや」

はやてが呆れたように、庇っているのかそうでないのか分からない言葉を並べる。
なんだか、本当に子供のようだ。

ひとまず、ここでこれ以上彼女を責めてもどうにもならない気がしたので、
自分も怒りの矛先を収めることとした。

当人が悪いと思っていなければ、反省のしようがない。
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4111： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 23:00:37 ID:Go1kThLo0


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　　　　　　　　　　 /. |.: |.:| :fﾊ　|.: |.:_|,,_:|＼:八_/7 : .: .: .: . |
　　　　　　　　　　 :( :|.:人V:じ　j.:〃ノ刈:. /／∨.: .: .: .: .:.:.|
　　　　　　　　　　 ／.: .: .:「　 　 　 V'少У.:.:.:/|.: .: .:.:|.: .: .:|　　　　　　　　はあ……行こか、やる夫君。
　　　　　 　 　 　 ⌒7.:/.:.ﾊ 　 　　 ' ' ／.: .:／ノ .: : .: |.: .: .:|
　　 　　　　　 _　 　 {:/＼八 _／)＞'.: .:.:／.: .:/.: .: .: .:|.: .: .:|　　　　　　　　 邪魔したわ。
　 　 　 　 __/　) __　 　 　／ ￣ 7 : : ／￣:／ : .: /.: 八 : 八
　　　　　「{ {　し'　}　　r/ 　 　 /.: .: /＿／　⌒∨ .:/.: :)/⌒＼
.　 　 　 { 　 　 　 ﾉ　　/／ 　 人.:.:/　 ＼￣￣Y￣/＼＿
.　 　 　人 　 　 / 　 ／　　　 　 ∨　　　 ＼　＼ /　　　　＼_
　　　　　 }　 　 {　 /￣￣￣＼ 　 〉＿ 　 　 ＼　{　　　 ／　 ∧
　　　　　 } 　　 　 '　 ／　　　　 ／}　　　　　　 ＼　 ／ 　 ／　}
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　　　　　,'　　／{＿＿　　 ／イ　　　　　　／　　　 }　＼　／/ /
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　　　　　{／ |　 |＼　 ／　　 /　　　　　 　 　 ＼./　　 　 }／＿_＼
　 　 　 八　 |　 ＼　/　＼＿{　／　　　　 　 　 /＼　　 ∧------{
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それからというもの、ぱったりと会話が止んでしまった。
発端は篠ノ之束であるのだが、如何せん、ここは彼女の店だ。
退散するのはこちらというのが筋である。

はやてに手を引かれ、小さなリサイクルショップを飛び出す。
篠ノ之束は変わらず、拗ねた様子で口を尖らせながら、
自分たちの背中を見送っていた。
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4112： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 23:00:55 ID:Go1kThLo0
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4113： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 23:01:44 ID:Go1kThLo0
今日はここまでだ。次回は明後日、5/4の午後八時からとする。

シーユーアゲイン。

4114：安価のやる夫だお：2021/05/02(日) 23:05:39 ID:9eE.oYPs0
乙でした

4115：安価のやる夫だお：2021/05/02(日) 23:06:02 ID:CtqWqpPE0
乙ー

4116：安価のやる夫だお：2021/05/02(日) 23:18:42 ID:v0NXCodk0
乙

4117：安価のやる夫だお：2021/05/03(月) 23:50:13 ID:WGSPx6/E0
乙でした

4118：安価のやる夫だお：2021/05/04(火) 20:01:29 ID:R4Wboi6A0

　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

4119：安価のやる夫だお：2021/05/04(火) 20:03:07 ID:WylwkrR.0
ハロー

4120：安価のやる夫だお：2021/05/04(火) 20:09:24 ID:R4Wboi6A0

　　　　　　　 ､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|　　　　　　　　wifiが速度制限食らってニコニコ動画すらまともに再生できない>>1だよ。
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i　　　　　　　　　 投下しながらツイッター開くのも一苦労だ。ファッキュー。
　　　 　/ : : : : : : :┌─┐
　　　 　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ　　　　　　　　　近々光に切り替えるから多少はね。はじめていこっか。
　　　 　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿
　　　 　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ
　　　　 と_ : : : : : : ノ : :ノ
　　　　　　￣￣￣　￣

4121： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/04(火) 20:10:29 ID:R4Wboi6A0
sageついてるうえに酉も外れていたではないか……

とんだポコチンスレ主もいたものだ。

4122： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/04(火) 20:11:14 ID:R4Wboi6A0

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　　　　　　　　　|:.:;′, , ,　　 　 　 　 　 , , 　|八　　ﾉ:.:.:.:|
　　　　　　　　　|八　　　　　　 　 ＿　　　　　　 イ:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　「はは……」
　　　　　　　　　|:.:个:..,　u.　　 Ｖ　 ﾉ　　　　 イ|:.:|:.:.:.:.|八
　　　 　 　 　 　 八|:.:.|:.:.:i:.:‥┬　　　￢≦∨八 |:.: Ν
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　　　　　　　⊂⌒＼　 /￣　|＼ｨ只ﾄ ／|⌒　　　 |/-ｧ冖つ
　　　　　　　(＿　ィﾆV 　 　 |ニ|/Λ |ニ|.　 　 　 /ﾆ(　 ⌒＼
.　　　　 　 　 　 |ニニ＼＿ノﾆﾆ∨//- 人＿＿ /ニﾆ＼＿_ ﾉ
　　　 　 　 　 　 ＼二二＼ニニﾆ∨二二二二/ニニ /
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たどり着いた河川敷では、川の流れる音と木々のざわめきが聞こえるばかりで、
人気もなく静かなものだった。向こう岸の地平線上に見える街並みも、
少しずつ明かりが灯り始めていた。

日は傾き、肌を炙る日照りも随分とおさまった。
汗を吸って重くなっていた肌着も、今ではすっかり乾ききっている。

瑞々しい緑が生い茂る地面に、はやてが腰を下ろす。
疲労を滲ませたため息を漏らし、遠い目で沈みゆく夕日を見つめていた。
つられて屈む。立ったままでは彼女の表情が読めない。

「はやてさん、スカート白いから汚れちゃうんじゃ」

「かまへんよ、どうせ洗濯するさかい」

少しだけぶっきらぼうに彼女は言うと、そのまま唇を固く結んでしまった。
白い帽子が夕焼けの色を微かに映している。
陰の下の彼女の横顔は、どこか物憂げだ。

純粋な黒とは言い難い、若干明るめの髪がそよ風に揺れている。
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4123： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/04(火) 20:14:31 ID:R4Wboi6A0


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　　　　　 ',　　　￣⌒丶　｀`＜､._￣￣￣￣｀`丶､._　　ヽ
　　　　　　＼　　　　　　＞'⌒: : ｀`丶￣｀`丶､._ 　　＼　',
　　　　　　　 ＼　　　／: : : : : : : : : : ヽ: ｀`'〜───-- L
　　　　　　　 　 ＼ . : :/: : / : ヽ: : : : : : ',: : : ',: : ',: : ',: : ',　 ヾ､
　　　　　　　　 　 /: : :l: :l: ｌ : ﾑﾊ : ',: : : : l: : : ∨: }､ <: : :',／=≦｀ヽ
　　　　　　　 　 ./: :l: :{: :l: { : {　 ∨:l: : :l斗─寸ノV＼l:|＼─‐-:ヽヽ
　　　　　　　　　{'l: :l: :{: :l: :',: :V⌒l:ﾊ: : }: ﾚ允lﾊヽ:.l: : :l:＼|　ヽ)､: }　',
　　　　　　　　　{入{l: {: :l: : 'l斗斧l　l: / l}´乍心: : }: : :V彡} 　　}ﾉ
　　　　　　　　／　ヾ',:.＼{､: ＼Vｿ　}/ 　　 Vソl:/ﾊ: : : }:ﾉ:.}　　　 ',　　　　　　ほんま、笑えへんわ。元気づけよう思うて、
　　　　 　 　 ´　 　 , -Ｖ: : ヽ}ｰゝﾞﾞ ､　　　　ﾞﾞﾞ　ﾉﾚﾍ : : ｌ:ノ　 　 　 }
　　　, -'"　　 　 ／　　|: l: : : : ゝ　　_ _ 　 　 ／ﾊ／|: : :|彡､＿＿_レ　　　　　君の好意を利用するような言い回しして……
　　´　　　　 　 ´　　　 |从: : :l: : l丶､　 　,ｨ''´　lヘ　|: : :|
　　　　　　 ／　　　 　 |　 Ｖ: |廴l＿/￣＿　　.′　 |: : :|　　　　　　　　　　　　 このザマやしなぁ。生娘とちゃうくせに、
　　　　　／‐-　　 ＿＿_,ｨア''´_,, -─‐寸ﾊ､　l_　　 |/l:.,'
　 -‐　 ´　　＿＿＿__ノ=厶ｨ'´　　　　　 寸ﾏｰ‐'　 / ,l/　　　　　　　　　　　　　年下の男の子一人慰められへんときた。
　 ､　　　,ｨニニニニニｧ寸ｱ　　　　　　　 }Vﾊ}
　　 ｀　‐|ニニニﾆﾆア　　}l'　　　　 　 　 　 }ニﾔ　　　　　　　　　　　　　　　　　「はやてさん……」
　　　 　 {ニニニﾆﾆ{　　　,'　　　　　　　/　,iニﾆ〉
　　　　　Vニニニニヽ u ,'　　　　　　 /　 /ニ}‐'
　　　　　 ∨ニニニニヽﾉ　　　　 　 /　／ニ}ﾉ
　　　　　 ﾊゝｰ---‐''´ 7　 　 　 　/,ｨi〔=／
　　　　　｛ニニニニニ/ 　 　 　 /ﾆﾆ／
　　 　 　 {ニニニニﾆ/　　　　 /=／





　　　　　　　 　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　　　 　／　　─　 　 ─＼　　　　　　　……感謝、していますお。世話になってることもそうだけど、今日のことも。
　　　　　　／　 　 （●） 　（●） ＼　
　　　　　　|　　　　　（__人__）　　　|　　　　　　こう見えて、楽しんでましたお……トウキョウのこと、忘れてたくらいに。
　　　 　　 ＼　　 　　｀ ⌒´　　 ,／
　　　　　　ノ　　　　　　ー‐　　　＼

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それを聞いたはやては、自嘲気味に鼻を鳴らした。

「なんだか、逆になってもうたなぁ。前は私が君に色々しとったんに、
今じゃ君に気ぃ遣われてなぁ。世の中、分からへんもんやね」

はやての視線は相変わらず茜色の空へと向けられている。
雲がいくつか千切れ飛び、穏やかに流れている。

少し言い淀んでから、はやては続けた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4124： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/04(火) 20:22:18 ID:R4Wboi6A0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __　　　----　 __
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 _／: :⌒: : : "´: : : : : : : ､
　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒: : ､／: : : : :‐‐: : ､: : : :＼
　　　　　　　　　　　 　 　 ／: : : : -ﾍ: ::/⌒＼ : : : : : ＼: : : :.
　　　　　　　　　　　　　　ｉ: : : : /: : /{:/⌒＼: :＼: :＼: : ＼: : '，
　　　　　　　　　　　　　　|: : : /: ::/: ﾊVﾊ: : : ､: : /,: ∧＼∧: :.
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　　　　　　　　　　　　　　{/:ｉ: : :i: 八⌒八 : {＼⌒: }⌒: : }: : }: :|
　　　 　 　 　 　 　 　 　 /: :{: : :{: iｨぅ灯^ ヽ{　灯うぅ: :} : }: : }: :|　　　　　　　私な、正直な話……よう分からへんねや。君のこと。
　　　　　　　　　　　　　 ': : 八: :Ⅳ､Vツ　　　　乂ツⅥ: :,＾Ｙ : :|
　　　　　　　　　　　　　: : : i: ::＼乂:.:.　　,　　　 .:.:.:.ノ : /ノ: :∨　　　　　　　 まだ戸惑ってるちうんが正しいかなぁ。
　　　　　　　　　　　　　ｉ: l: {: {: ::込 u　 　 　 　 　 ⌒7ｲ:/: ＼{
　　　　　　　　　　　　　|:八{: {:､: :.:}: ::.. 　 r__，　 ..: : :/V: :. : ::}　　　　　　　　 会ってからこの方、子供と大人って思うてきたさかい。
　　　　　　　　　　　　　|'　 {:八{＼}: : i :::.. __　イ　. :/　 }/: : 八__
　　　　　　　　　　　　　　 八／ﾆ7: : ﾉ: ／/ﾊ 　 . :' 　 /: : :'ニﾆ=- _　　　　　　男と女って方向に急転換ちうのも、ね。
　　　　　　　　　　　　　　　r{ﾆﾆ,:.:: :/／　　/ 〉 rく　　 ': ::ﾊニニニﾆ=-_
　　　　　　　　　　　　　　　{∧ﾆ{乂:/___　 /、　 {⌒＼八(.:.Vニニ／-=∧
　　　　　　　　　　　 　 　 八ﾆﾆ／/ ／ У 　 　 〉 　 ∨.:.:.:.:Vニ'-=ﾆニﾆ}
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　／´　 　　　　　　　　　 　ヽ

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言わんとすることは分かる。
自分は最初、世話を焼かれるまま、甘やかされるままだった。
それはまさしく、大人と子供の関係性だった。

少し判断が違っていれば、自分はあのまま、はやてに促されるがまま、
このコロニーで平和に暮らし、今頃はネクストなど無縁の生活を送っていただろう。

それが悪いとは言わない。学校に通ってみないかと彼女に言われたとき、
心が揺れたのも事実だ。

けれど、今となっては、それではだめなのだ。
はやての近くに居続けることは、リンクスとしての自分にしかできない。
だからこそ、彼女の提案を断り、家を出て、トウキョウに戻った。

そんな、ずっと世話を焼くばかりだった相手と、
いきなり男女の関係というのも難しいのだろう。
自分はスタートラインにすら立てていなかったのだ。
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4125： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/04(火) 20:37:01 ID:R4Wboi6A0

　　　　. . ＜: : : : : : : : : : ≧: : .
.　 , : : :_:_: : : : : : : : : : : : : : : : : : ＞ 、
　,: : : : : : Y´: : : : : : : : : : : : :丶: : : : :＼
./: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ: : : ヾ:.、
: : : : : / : : : : : : : : : : : : : : : : : ; : : : ; : :ﾊ
: : : : /: : : : : :/;_:_:;: : :/: : : : : : :∨: : ∨: :!
: : : ::{: : : : : : {´｀´｀∨: : : : : : : : ∨≪∨:{
: : : ::|: : : : : : | _,．--}:-:、 : : : :; -:∨≪Ⅵ
: l : {:!: : : : : : !´　　__l! ∨:|ﾍ : }从: }: : : |ﾘ
: |:l:从: {:-: : ::ﾄz====㍉,　　 }/__,ﾑ:| }: : |
: |:|: : {｀ヽ ∨:!ゞ辷:ノ　　　 （ ´¨´八.!::从　　　　　　　　君のことは、せやねえ……その、魅力がないわけとちゃうんよ？
: |:|: : ｀ヾ_- ., 　　　　　　　　,　　 .: : : ト 、
: |:|: : ∨: 〉く: 、　u.　　 __ .,　　.ィヘ:_:_、｀ヽ　　　　　　　ええ子やとは思うてんねん。うん。
::介∧ ∨{　 Y: ＞、 　 ￣ ＜: :{ ゝ_ィ^ヽ.
:{ .l: :∧ ∨:＼）: }ヾ:、/￣_Y二ﾆrｆ´｀ ｀　　、　　　　　　　 ……しっかし、私が初恋の相手かいな。荷が重いで。
:| .|:∧　＼{~ ‐}:l:!　 >‐ミ {_|＿　{ﾉ^ヽ　　 　 、__
ゝ/　∧　　　　 |ﾊ./三三∨￣ ｀ヽ. ハ　　 　〉:::::Y　　　　　
_/　/ ∧　　　 /　}!ゞ三三≧--=ﾆﾆﾆ{ト-::イ:::::::::!
.　　 /　 ＼.　/　 .!::::::＞:..寸二〉::::>:::::｀ヽ:::::::::::::::|　　　　　　
,-=ミ　　 　.У＿.」::::::::::::::::＞<::::::＼:::Y::::::::;::::::;ノ{
　　　｀ヽ　 {　　　.|:::::::-＜::::::::}::::＞::Ⅵ:::::::::::Y:::::::l、
　　　　　　 l! 　　 !::::::{:::::::::::::└::―:-Y::o::::::::}::::::::|::＼
　　　　　　 l!　　 ム::∧::::::::::::::::::::::::::::｀::、::::::|:::_:::_::_:::::
　　　　　　 l!　イ::::::::::::::＼::_:_::::::::::::::,::-::‐'::´:::::::::::::::ト、





　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　／ 　 （●） 　（●）　 ＼　　　　　　え、そういうものなんですかお？
　　　|　 u. 　 （__人__）　 　　 |
　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／　　　　　　 「私が君を変な風にしてみい、なのはちゃんに顔向けできへんわ。
　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ
　　 / 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |　　　　　　　　てか、どないして私んことなんか好きになったん？」
　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|

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はやては至極冷静に、不思議そうに質問してきた。
こういうところは本当に相変わらずである。

しかも、一度フった相手に、自分に惚れた理由を説明しろ、ときた。
中々にハードな問答である。しかし、ここで言い淀んではいけない。

遠い場所で、報告を待っているであろうクーガーとカズキの顔が浮かぶ。
当たって砕けたなら、彼らは笑ってくれるだろう。
当たらず砕けたとしても、しょうがねえ奴だと笑ってはくれるだろうが、苦笑に違いない。
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4126： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/04(火) 20:42:46 ID:R4Wboi6A0

　　　　　　　　　 ＿＿＿
　　　　　　 　 ／ 　 　　　＼
　　　　　　 ／ 　　⌒ 　　⌒＼
. 　 　 　 ／　　　（ ●）　（ ●）＼　　　　　　……多分、少しずつ好きになっていったんだと思います。
　　　　　| 　 　 　⌒（__人__）⌒　|
.　　　 　 ＼　　　　　｀ ⌒´ 　 ／　　　　　　　色々良くしてもらって、ここで一緒に暮らして。なんか、傍にいると安心するようになっていて。
　　　　 /⌒　　　　　　　　 　 ヽ
.　　 　 | 　 ヽ＿＿　　　　　＿　',　　　　　　　気が付いたら、はやてさんのことばっか考えるようになってました。
　　　　 :､＿　 　　　） 　（￣ ＿丿
　　　　 | 　 ／ ￣｀ｉ　　／￣ 　｀ｉ　　　　　　　
　　　　 |　　　　　　| 　 　 , 　　　|
　　　　∧　|　　 　 |＿_／ 　 　 /
.　　　 　 ｀ーヽ ＿ | 　 | 　＿／
.　　　　　 　 （＿＿） 　､＿＿）





　　　 ／￣￣￣＼
　　／　　　　　　　 ＼　　　　　で……はやてさんに、守られてばっかりはいやだって、そう思ったんですお。
　/　─　　　─　　　 ヽ
　|　（●）　 （●）　　 　|　　　　　せめて自分の身は自分でどうにかして、その上で、一緒に居たいなって……
　＼;ﾍﾍﾍ人__.）∩　 ／
.　 ,ヘヽヽヽ __ノ　）　＼





　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　-　ー――　-　..
　　　　　　　　　　　　 , 　 ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＞ ､
　　　　　　　　　 ,　'" : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　 , .' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ' ,
　　　　　　, ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :、: : : : : : : : : : ',: : : : : : ',
　　　 　., ': : : : : : : : : : !: : : : : : : : : : :､: ヽ: : '､: ',: ',: : : :i: : : : :!: :',
　　　　/:,: : : : : : i: : : : i!!: : : : : : : : : : :i! : ﾊ: : :!: ',: ',: : : i､: : : :!: : ',
　　　 ,': :!: : : : : : !: : : : i i: : : : : : : : : :,' ',: !　',: :!: :!: :iﾆﾆ:!､ヽ／!: : !
　　　,': : !: : : ',: : :', : : : i! ',: : : : : : : /iイ ﾘ￣.i: !',: !: :!: : , !／／!: : !　　
　　　!: i: ! : : : ',: : :',､: : :',. ',: : : : : : ,'!' ,ィ千示気ﾘi: :,'イ,イ／ヽi!: : i
　 　 !: :! ',: i!: : :ヽ: :',ヽ､: !__'､: : : : ,'　" 　 !::i!:::i!:::!i: ,'イ.:.,': : : /: ! : ',
　　　!: :!: :',:',: : ヾ､､:.ヽ〃::心ヽ: : :!　　　　Ⅵし:::ﾘi:/ : : ,': : : ,': : ',: : ,　　　　　　　ふ、ふーん……。
　 　 ',: :i! : ',!',: : : : ヽ.　 ∨刈　ヾ:!　　　 　 ゞ''" /'.!: : /: : : ,': : : :',.: :,
　　　 ',: !',: : : ヽ: :､: ∧. 　ゞ-'　　　　　 　 /i/i/i/ ,': :/: : : /: : : : : ',: :,
　　　　',:', ', : : : ヾ､',ヽ:', /i/i/ ヽ　　　　　　　　　/:.,ｲ: : : /! : i : : : i!: :!
　　　　 ',:', ヽ: :i!: : :ヾ､ ヽ、 　 　 ,､　　　　　u.　/イ/ : : //: : i!: : :ﾊ: : !
　　　　　ヾ､. ヾ!,ヽ: : : iヽ: ヽ、　　　　　　　　 , イ. /: , ｲ:/!: : i!: : / ',: :i
　　　　　　 　 　 ', : : : i､: ＼.:＞　　 　 　 ,.イ　　 /:ｲ--､/: :/i: :/ 　 !:.i
　　　　　　　　　　',: : : i ヽ : ',ヽ , ＞-　'"　　　　, ィ::!.　 ヽ,/ i:/.　　 リ
　　　　　　　　　　 ヽ: : i　 ヽ ゝ/　r!､＿ , ＜";;;;;;;;;;;,′　 ヽ`ー--
　　　　　　　　　　　 ヾ: ! , イ/:,′i!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/!　　　 ヽ　　　　　 ￣￣,ヽ＿
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　　　　　　　 ,　イ　　 , イ;;/:/,､　 ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,ｲ　i!　,- ､ ゝ' ',;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`´;;;;;;;;;;;;',

4127： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/04(火) 20:52:32 ID:R4Wboi6A0

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:ｌ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ｲ乂＼.:.:.:.:.:.:.{　 　 _}z=ﾉ==-　 }::}:::::} :.: V.:.:.:.:.:.:.:.}⌒ヽ.:.:.:.}:.:.:.:.:.:.:.}:.:.:.:.}:.:
:ｌ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.{ :.: ＼＼ :.:. {　　//　_ﾉ::::ﾊ秀个s__}:.:.:.:} :.:.:.:.:.:.: }~丶 V:.:.}:.:.:.:.:.:.:.}:.:.:.:.}:.　　　　　　　……せっかくや、彼氏彼女っぽいこと、
ｉ{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{ﾄ､ ヽ(　 ＼:{　　ｲ　　{忤 r'ｿノイ:.: }.:.:.:.} :.:.:.:.:.:.: }｀ヽ} i}:.:.:}:.:.:.:.:.:.:.}:.:.:.:.}:.
ﾊ.:.:.:.､:.:.:.:.:.:.:.:.:《fう 　　丶　　　　乂_ ／ 　 }:./}:.:.:.:} :.:.:.:.:.:.: }=- } , :.: }:.:.:.:.:.:.:.}:.:.:.:.}:.　　　　　　　してみる？　それくらいは付き合ったる。
:.:}＼:.:.:.:.:.:.:.＼:. Vﾘ}　　　　　　　 ¨¨´ 　 　 }/ }:.:.:.ﾊ :.:.:.:.:.:.:.}　　/ :.:.:.}:.:.:.:.:.:.:.}:.:.:.:.}:
:.:}乂:.､:.:.:.:.:.:.:. ＼V　　　　 　 /i/i/ｉ/ｉ/ｉ　　/　}:.:./7:.:.:.:.:.:.:.:.}ノ ∧ :.:. }:.:.:.:.:.:.:.}:.:.:.:.}:　　　　　　　 今日振り回したお詫びっちうてもアレやけど。
:.:}⌒ヽ:＼ :.:.:.:.:.:./　 　 　 　 　 　 　 　 　 / 　}:.//:.:.:.:.:.:.:.:.:.,　/:.:.} :.:.:.}:.:.:.:.:.:.:.}:.:.:.:.}:
:.:}　 /:＼(＼{＼丶　　　　　　　　　　 　 　 　 }//:.:.:.:.:.:.:.:.:./イ:.:.:.:} .:..:.}:.:.:.:.:.:.:.}:.:.:.:.}
`(　,.:.:.:./:.:.:.:.＼.:.:.:.＼　　　　　 　 　 　 　 　 //:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.ﾉ{ :.:.: } .:..:.}:.:.:.:.:.:.:.}:.:.:.:.
　 /.:.:./{:.:.:.:.:.:{.:.:.:.:.:.:.ﾊ　　r‐　､　　　___＿　 ,.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:./ ﾊ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}:.:.:.:.:
　 .:.:./ i{:.:.:.:.:.:{:.:.:.:.:.:.{:.:.＼　Y:.丿　　{　{‐‐‐/:.:.:.:.:.:.:.:.／ﾉ'　　}:.:.:.:.:.:.:.:.:..､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　{.:.:{　 {:.:.:.:.:.:{:.:.:.:.､:.:.:.:.:.:.丶¨´　 　⊥_{--/.:.:.:.:.:.:.／‐＼　　 }:.:.{＼:.:.:.:.: ＼:.:.:.:.＼:
　{.:.:{　 {:.:.:.:.:.:{＼:.:.:＼:.:＼.:.:／　　　　　＼〕iト イ----- ＼　}:.:.{ 　＼:.:.:. } ＼.:.:.:.:.
　 ､:{　　.:.:.{ : {　 ＼ :.:.:.:.:.:.,　　　 　 　 　 　 、 　 V〕iト．--＞ヽ(　　 }‘，:.}　　｀＞
　　ヽ　　.: { : {　　　｀＞-/　　 　 　 　 　 　 ‘， 　 }--- ＼----＼_⊥ ）ｲ
　　 　 　 ､.:.､:{　　　　　 ′　　　　　　　　　　　　　}----- ＼-------＞o｡
　　　　 　 ヽ(＼　 　 　 {　　　　　　　　　　　　}　　}‐‐‐‐‐‐‐‐＼---------〉

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はやてはようやく視線をこちらへと寄越すと、幾度か口を開いては閉じた。
言葉を選んでは、口にしかねているのだろうか。

髪を片手でくるくると弄びながら、視線を自分と地面へと上下させている。
空いた左腕で足を抱き寄せるようにし、縮こまっていた。

ようやく出てきた言葉は、予想の斜め上をいくものだった。

彼氏彼女っぽいこと？　恥ずかしながらよくわからない。
一体何を思ってそんなことを口走ったのか。
もしかしていやらしいことだろうか？　いや、はやてに限ってそんなことは。

なんにせよ、これはチャンスというものなのでは。
はやてが起こした、一時の気の迷い、気まぐれなのでは。

返答に困っていると、彼女も深く考えずに先ほどの台詞を口にしたのか、
口を噤んで目を伏せてしまっていた。

下↓1　どうしますか？
1．やったぜ。お願いしよう
2．紳士ぶりの見せどころだ。お断りしよう
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4128：安価のやる夫だお：2021/05/04(火) 20:55:08 ID:WylwkrR.0
1

4129： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/04(火) 21:05:06 ID:R4Wboi6A0

　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　 ／⌒　　⌒＼
　　　　　／　（⌒）　（⌒）＼
　　　 ／　 ::⌒（__人__）⌒::: ＼　　　　　おお……！　お願いしますお！
　　 　|　 　 　　　|::::::|　　　,---、
　　　 ＼ 　 　 　 `ｰ'　　　しＥ　|　　　　　「うわ、すごい食いつきやなあ。じゃあ早速」
　　 　／　　　　　　 　　　 l､Ｅ ﾉ
　　／　　　　　　　　　　　 ｜　|
　 （　　 丶- 、　　　　　　 ヽ_／
　　　`ー､＿ﾉ





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　-‐……‐-
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　　　　　　　　　　　　　　／.: .: .: .: .: .: .: .: .:￣￣＼:___| _:＼
　　　　　　　　　　　　_／＿.: .＿)＼.: .: .~"''〜､、.:/＼| |: .: ヽ
　 　 　 　 　 　 　 /.: .: .: .: : ＼.: .:.＼: .: .: .: .: .: .:.＼ /.:＼.: .: .:.
　　　　　　　　　 /.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: :＼.: .: .:＼.: .: .:＼/ ∧. '，'，
　 　 　 　 　 　 /.: .: .: .: .: :|:∨ﾊ.: .: .: .: .＼.: .: .:＼.: .: .:＼.:.'， '，'，
　　　　　　　　/: .: | : : .: .: | :|彡|.: .: .: .: .: .:＼.: .: .: .: .:.:.:|.:＼'，:|.:.:'，
　　　　 　 　 .: .:/.:.|.: .: |.: .:| :|＿|_. .: .: .: ＼ : | .: |.:_:|＿.:|.: .: .: .:| : ..'，
　　　　　　 ∥:/.: .:|.: .: |.: .:| .:　八.:.:＼.: .: .: : |／|.: .|.: .: |.: .: |:∨ : .: '，
　　　　　　∥.: .: .: |.: .: |.: .八:＼__＼:(_＼ : .: |　 |.: .|.: .: |.: .: |) |.: .: .: :'，　　　　　　　　「はやてさん、これって……」
　　　　　　{　ｉ.: .: : | .: 人: .: .: ／￣ノハ　＼.:|　　x===ミ.: .:人八.: .: .:.:'，
　　　　 　 　 |.: .: : |.: : : |:＼ : 乂 乂＾ツ　　 )　　　, ,　 ﾉ／イ.: :| : : .: .: '，　　　　　　　水遊びー。ふふ、なーに想像してたか知らんけど、
　 　 　 　 　 j八.:.:.|八.: |.: .:| .: .: :＞, ,　　 ､　　　　 　　 /|: j|.:.:.:|.:＼.: .: .:'，
　　　　　　　　　＼| | :＼.:.:.| : .: 込　　　　_　　 '⌒) 　 .: :| :ﾘ.:.:.:|.: .:.:＼.:.:.:'，　　　　　　　そういうんは早いでー。
　　　　　　　　　　　:|.: .: .: .:|.:|＼.: .:> ,. 　＇‐-‐　 ／ | ∨/.: .: :|.:＼.: .: .: : :
　　　　　　　　　　/.:|.:|.: .:.:.:|.:|／(　　　 ＞　　 _／　/:|　| : .: | .:|＼￣＼.: .:i
　　　 　 　 　 　 /.: :|.:|.: .:.:.:|.:|//∧　 /:::|　|＼＿／../　:| .: : |.: |/∧　 ∧.:.|
　　　　　　　　　. .: .:|.:|.: .:.:.:|.:|／⌒∨:::: |　＼ニﾆ／　 ∧ .: .|.: |＿_〉 /　∨
　　　　　　　　　| 八|八.: .:.:|.:|/＼_/ :::::: | /⌒> <⌒／:::∧.:.:| :八　∨ ＼ '，＼
　　　　　　　　　| ／　∧.: : 八　 /::::::::::::|　　〔:i:i:〕 /:／⌒ﾊ :|/　 ＼ ＼　＼ 　 ＼
　　　　　　　 　 /　　/　:).: .: .:∨⌒７⌒:〕　 /:i:i:| /:::::::::::::::〉八￣/￣ニニﾆ-_　　　.
　　 　 　 　 　 /　／ ／⌒＼.: {.ニ〈::::: 八_/:i:ｉ:ｉ:|::::::::::::::／-=ﾆ∨:::::∧ニニニ-_ 　 |
.　　　　 　 　 /／ _ -ニ／/ニ=- ⌒＼::::::〈⌒:::/:::::: ／〔_______〕L:::/::::::~ﾆﾆニニ-_ |
　　　　　　　/　く_ノ=／:::::{／:::::｀`〜､::＼:::ヽ_/::: ／:::::::::::::::::::::::::V::/ ::::: 'ニニニﾆ_|
　　　 　 　 /::::/___／::::::::: {::::::::::::::::::::::::｀`〜､、／::::::::::::::::::::::::::::::::}/:::::::::::::}ニニﾆﾆ.|
.　　　　　 /::::/:::::::::＼::::: 八:::::::::::::::::::::::::::::::::::: ＼::::::::::::::::::::::::::::::::八:::::::::::::＼ニニﾆ|
.　　　　／| :/:::＼:::::::::＼::/ ＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::}::::::::::::::::::::::::::: / / ::／:::::::::: ￣￣||
.　　 ／　 ∨::::::::: ＼::::::::::{　　 〕ﾆ=------‐=＜:〕⌒::::::::::ﾆ=-:::∨／::::::::::::::::::::::::::/:|
'⌒＼　　 〈:::::::::::::::::::::::::::::}　　 〈::::::::::::::::::::::::O)::::〕ト:::::::::::::::::::／:{:::::::::::::::::::::::::::::::/　|

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はやては一瞬目を丸くしたものの、すぐに悪戯っぽい笑みを浮かべて驚きを消した。
立ち上がって尻をはたくと、膝を曲げて片足立ちをしながらパンプスを脱ぎ捨てる。

呆気にとられる自分をよそに、軽やかな足取りで敷き詰められた石の上を
渡っていくと、彼女は川の中へと足を突っ込んだ。

くるりと身を翻し、座ったままの自分に向かって手を振っている。

少しでも変な想像をした自分が恥ずかしくなる。
誤魔化すように乾いた笑いを浮かべ、靴に手をかけた。
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4130： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/04(火) 21:14:11 ID:R4Wboi6A0

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　　　　　　　　　　 | ::::::::: |:::| 　 |::::::::::::::::|::::::::::::::::|／／>Χ<::.
　　　　　　　　　　 |/:::::::: |斗― ､ ::::::::::::::ィ:::⌒ヽl／／::「::::::';:|
　 　 　 　 　 　 　 /::::::l:::::|八　 八:::::::::::::|　|:::::::| {／::::::::|l::::::::'|
　　　　　　　　　 /:/:::::l:::::|　 ＿　 ＼:::::: | ⊥;;:::|::::|:::::::::::|l::::::::::',
　 　 　 　 　 　 /:/l::::: l::八 7⌒ヾ 　 ＼::{ｱ⌒狄|::|:::::::::::|l:: ＼:::',
　　　　　　　　〈::( 乂::::＼:::＼ｗ 　,　 　 　 yｖｗ |八:::::: ﾉ }:::::::ｉ:::i
　　　 　 　 　 　 　 ノ个ｰ＜⌒　 　 　 　 　 　 　 /::::／_ノ ::::::|:::|
　　　　　 _,,.､....::::::::::::::|::::|::::|　　　V ￣⌒ヽ　　 厶イ:::::::::::|i:::::|:::|　　　　　　　　　あ、そーれ。
　　 　 ／ ／::::::::: /|:: |::::|::::|:}ih､　乂　　ノ　　 ｲ:i:|:::/::::::::::|i::::ﾉ :|
. 　 　 　 /:／:::::::斗| ┴=ミ::乂i:i:}ih､　　　イi{八i:iﾉ/::::::::::: |i :::|:ノ　　　　　　　　　　ふふふ、彼氏彼女が川に来たらなぁ、
　　　 　 {/::::::::/　　 ｧ''゛￣~"寸i:i:|　　　 ／ 　 ∨ﾊ::: |:::::::八::|　
　　　　　　∨/　 　 {　 　 　 　 Vi:|｢＼　ﾉ　　　 }　 }:: |::::/　 }:|　　　　　　　　　　　　こうやって水掛け合うんがお決まりなんやでぇ。
　　　　　　　　　　 八　　　　　 ﾉﾉ＼／⌒＼　 八.八:|:/ ＿斗r＜￣　　
　　　　　 　 ！　　　 ＞―‐=''゛　 　 ＼｢::::｣ ∨__⊥ﾆ广￣　　　　＼　　　　　　　　　「は、はやてさん、勢い強すぎ……」
.　　 　 　 　 从 　　　　　　　　　　 ／￣￣￣
　　　　　　　 | ＼＿＞――　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　　　　　　　　　　暑いんやしちょうどええやろー？
　　　　　　　 |　　Ｌノ‐┬＜＿　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＿／　>ｨ
　　　　　　　 |＼　　　ノ　＼　￣―＿＿　　　　　　　＿- ￣<　,.ｨi{:i:i:
　　　　　　　｛　　/／　　　　＼　　∨厶云ニ=- =ﾆ入___ノΛ　 ∨ji:〔
　 　 　 　 　 .＼/　　　 　 　 　 ＼　∨///　／ ｢　￣]　| /　＼　　　 ＼
　　　　　　　　|　　　　　　 　 　 　 ＼∨/／　　　 　 /=ﾔﾞ 　 　 ＼ ＿
　　　　　　　　|　 　 ∨　　　　　　　　　　　　　　　／　/　　　　　／
　　　　　　　　|.　　　 ∨　　　　　 ＿⊥　　-=ﾆ〔　　 /　　　 　 /
　　　　　　 　 ∨　 　　 ﾞ'ー--　 ￣ 7　　　　 　｛　　　　　　　 /
　 　 　 　 　 　 ∨　／　　　　　 ＿厶―　　　　 ｝　　　　　 ／
　 　 　 　 　 　 /／　　　　　　　　　　}　　　 　_入　　　　／
　　　　　　　　 {　　　　　　　　　　　 ｛＿＿／｛<　＼__／
　　　　　　　　/　　　　　　　　　　 ／＿彡　　ﾉ八
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ―｢￣ ｜ ／　　 ＼
　　┌‐--‐ ⌒〕ト------ ‐　 　　 Ｌ　 ノ　　　　　　 ＼
　　！　　　 /｢ |＼＿＿｣ Ｌ　　　　 j〔　　　　　　　　　　＼
.　　！　　 / ﾉ八　　　 　 ￣￣ 　 /厂⌒＼　　　 　 　 　 丶
　 　！　 　 　 　 ＼　　　　 　 　 /　　　//^＼　　 　 　 　 ！
　　　 ＼　　　　　　 　 　 　 　 ／　 　 //　　　＼　　　　　 ！

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穏やかな流れの中に足を踏み入れると、心地よいくらいの冷たさだった。
足の底にごつごつとした石の感触を感じるが、
水の流れで研磨された丸さのおかげで痛みは感じない。

ズボンを捲っていると、はやてが不意打ちで足を振り上げて水をかけてきた。
飛沫が舞い、頭へともろに被ってしまう。

はやてが鈴の音のような笑い声をあげ、はしゃぐ。
さらに水をかけようとしてくるものだから、顔を上げようにも上げられない。

一瞬、視界の端に黒くて艶のある下着がちらりと見えた気がしたからだ。
自分がスカートであることを忘れているらしい。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4131： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/04(火) 21:33:58 ID:R4Wboi6A0

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　 　 　 ／ 　 t　 j:::::::ｨ　 ｯ 　 ＼　　　　　　ずぶ濡れだお……。
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.　　　　＼　 　 　 ｀こ´　　 　 ／
　 　 　 ／　　　 　　　　　u　.＼





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . ''"ﾟ~.:／⌒＼ ‐-ミ
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　　　　　　　　　　 　 　 　 /.: .: .: .: .:|/:∧.: .: .: .:.:.:.|.: :/〉:＿/∧: : ﾊ
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　　　　　　　　　　　　／.: .: .:|.: .: .: .:.|＿　 |:|.:.| :／|:∧〈/|./ .: .: |.:/ |
　　　　　　　　 　 　 '⌒.: |.: .:|.: .:.／八_ 　 |:|:.:|.:.:.斗tミx :|'， : .: |: .: |
　　　　　　　　　　　　　| :|.: .:|.: :|.: : ｨう㍉ 八.:| :/　ノ(_,,狄 '，: : |: .: |
　　　　　　　　　　　　　| :|.: .:|.:八.:八 Vリ 　　j/ 　ヒ'少ﾟ | :ﾊ.: : | .:八　　　　　　ふー。ま、後で一緒に洗濯したるさかい。
＿＿＿___ 　 　　 　 　 |八 : |.(.: :＼.:＼, ,r'　 　　 , , , 　/|./)|.: .:|:/.: :|
　　　　　　＼　　　　　　 /:＼ .＼.: 八⌒　､　　　，　_彡ｸ／|.: .:|.: .: :|　　　　　　 そろそろ帰って、お風呂とご飯といこか。
　　　　　　　 ',　　　　 ／.: ／ : : ／　 ＼＿_　　 　 　　イ.:.:.:|.: :八 : :|
_　 　 　 　 　 | 　　 ／⌒7.: ／￣￣(￣　　∧__. :　 　　:| : : |.:/ .: ) .:|　　　　　　　 少ししたら、また任務や。英気、養ってかへんとな。
￣￣￣＼ 　 |　　 　 　 /.:/ ／⌒＼ ￣＼　 |＼_　 _,／|＿_|/ .: .: .: |
　|　　　　 )／　　　 ／人:(/ニニニﾆ＼.　 ＼_〉 /　八 ∧___/＼. .: 八
　|　　　／　　 　 ／　 ／ |ﾆ/⌒ヽニﾆ| ＼_／／＼／＼／⌒＼＼: :..)
　＼__（＿＿__,／　 ／　　|八 　 八ニ.|＼:::::＼　 〉-〈(　 　 　 　 ＼/｀
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　 　 　 　 /　　　 　 　 　 :|::::::＼ﾆ./::::::::::::|::::::::::＼:::::::::}::::: ＼＼ニ|. 　 　　
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こちらがすっかり水浸しになったところで、はやても満足したのか、
水面を片足でかき混ぜていた。

なんだかんだで、はやてもまんざらではなかったらしい。
それが、自分には嬉しかった。
はやてに気を遣ってもらったことよりも、彼女の表情の陰りが晴れたことが、
もっと嬉しかった。

安堵を覚え、シャツの袖をねじって絞りながら、頬を緩める彼女を見つめる。

彼女の言うように、こうしていられるのも、今の内だ。
少ししたら、また戦場に出なければならない。
拠点こそ平和なこの場所に移ったが、外の世界は変わらない。

この時代において、コロニーから一歩出れば、そこは戦場だ。
そして、自分たちはリンクスだ。企業の保有する最高戦力なのだ。
平和な時間に、いつまでも居座ってはいられない。
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4132： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/04(火) 21:56:07 ID:R4Wboi6A0

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　　　　　　　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:――
　　　　　　 __,.∠:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.⌒＼:.:.:.:＼
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　　　/:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:. |:|　　｜:.:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.|/ /|:〉 〈: |
.　　/ :.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:.:Ν.　　| :.:. |:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.| /: |._Λ〉|
　　 : |:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:┼―‐ -:.:.:.|:.:.:. ィ:.:￣:.:.:.:.:|:.:.:.:|:.:.:.:.: |
　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:|斗ぅ＝ミ :|:.:.:.:.:|ｧう＝ミ: |:.:.:.:|:.:.:.:.: |
　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:{　)いﾊ　从:.:.:.:.|　)いﾊ Y:.:.: ﾉ:.:.:.:.: |
　　|:.:|:.:.:|:.:|ﾍ:.人:.:.:　乂;;ツ　　 ＼:.| 乂;;ツ 从:.Λ:.:. /:.|　　　　　　　……ね、やる夫君。実は私も、人を守り損ねたこと、あるんよ。
　　|八:.:.|:人:|:.＼＼ト''　　　　　　　　'''　　/:.:.:/　}:.:.:.:.:.|
　　 　 ＼ 　 |:.:.:.:.:.八　　　　 '　 　 _,　　 /彡/_,ノ:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　「えっ……」
　　　　　　　八:.:.:.:.:.个　　　｀　　　　　　 イ:.:.:.:| :.:.:.:. |:.|
　　　　　　 /:/:.＼／￣　　　　 　 　 ＜ |＼__:.:|:. /:.:八|　　　　　　　　あん時な、私はまだ十代で――
　　　　　／:/⌒∨ :. :. :. {＼＞r≦.　　ノ| : :. :. :. :.＼:.:.:|
　　　 ／:.:./ :.:.:.: ∨:. :. Λニ=‐‐=ﾆﾆﾆﾆ|:. :. :. :. :. :./:.八
　　　⌒ｱ/:.:.:.:.:.:.:.:∨ /　 ∨二二二.／｜:. :. :. :. :/:.:.:∨＼
　/￣￣/::::::::::::::::::::∨　　　Ｖニ＞''´　　|:: :: :: :: /::::::::::∨__
:: :: :: :: 厂￣￣＼:: /{＿_／{⌒｀}＼　　Λ::: :: ::/::::::::::::::::⌒＼
:: :: :: :/:: :: :: :: :: ::.:}::::{／　　{:::: /　　＼j:::::＼::/:::::::::::::::::::::::::::::
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さあ帰り支度だという時。
はやては一瞬押し黙ると、穏やかな表情でそう告げた。

ちょっとした思い出話でも語りだすかのように、
口許を綻ばせながら彼女が次の言葉を口にしようとする。

そして。
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4133： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/04(火) 21:56:22 ID:R4Wboi6A0

　...|ヽ　　　　||.
　...|　`,　 　 | |
.　 .l　　`､／　!
.　 .l　　　　　 |
|` ,/　 ,､／|　 |.: . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . :
|　 .,／　　 |　 |　　　　l＼＿＿＿＿＿....: . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . :
.＼ ＼　 　 |　 !　　　　 ヽ＿＿＿＿＿ ＼　.: . : : : : ; : : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . :
. :..＼ ヽ, 　 |　|　　　　　　　　　　　　 / ／ .`｀　　 　 　 　 ｀`　: . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . :
: . : . ＼j 　 .| .|　　　　　　　　　　　　 ＼ヽ＿＿＿＿＿＿＿　....＼' : . : . : . : . : . : . : . : . : . :
. : . : . : . : . :.| .|　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣´　...〇　〇　〇　: . : . : . : . : . :
: . : . : . : . :　| |..: . : . : . : . : . : . : /　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 '. : . : . : . : . : . : . : . : . :
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-_-_-_-_-,,/| {j..: . : . : . : . : . : . ′　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿.:
-_-_-_-_-/ :|ﾆ|　: . : . : . : . : . : l､＿ 　 　 _　　＿＿　　　 . 笊tttttttttttttttttttttttttttttt.:
竺竺竺ﾃ 　:|ﾆ|.: . : . : . : . : . : :. ,　￣￣　 ￣　 　 ￣￣　 〈＼⌒＼＼⌒＼＼＼＼＼＼　:
ﾆﾆﾆﾄ．　　 :|ﾆ|　　　　　　　　　　　　　,,,...,.､,.､,...､-‐‐‐‐-- /ヽ＼⌒＼＼⌒＼＼＼＼＼＼.
ｉ:ｉ:|　|l≧s｡　:|ﾆ|　　　　　　　　　　,.．'´:　:　:　:.　:　:　:　:　:/ｰ/＼＼⌒)､ ＼⌒)､ ＼＼＼＼.
ｉ:ｉ:|　||_|＼|　 |ﾆ|Zi,.､,.､,,,.....．-‐''":　:　:　:　:　:　:. . ｡o≦ﾐs/ｰ/㌻ 弌竺竺竺竺竺竺竺竺竺.
ｉ:ｉ:|　|| | : |＼ |ﾆ|_||:.;:.;:.;ヽ　:　:　:　:　:　:　:　:｡o . ㌻　　`/ｰ/　　　　|..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
ｉ:ｉ:|　|| | : |:＼＼|_ﾘ:.;:.;:.;:.;:.)　:　:　,,,,;;;;,.｡o≦/㌻.:.＿＿___./ｰ/　　,.ィ㌻ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ...
ZＺＺ|| | : | :|:|＼|:|:.;:.;:.;:.;ノ--ミ:.;:.;;';';';'///ﾏﾆﾆﾆ..ﾆﾆﾆﾆ/　/　,.ｨ癶竺竺竺竺竺竺竺竺竺竺
-_-圦 | : | :|:|＼＼;';';''´;';';';';';';';';';';';';////,|_|_|＿.＿|_|__弌,.ｨ㌻　　＼＼＼＼＼＼＼＼＼＼
-_-_-メ､::| :|:|::/|￣ヽﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾃ;'; //|l／ﾍ-_-_ .-_-_-_-_-||　　　　　 ＼＼＼＼＼＼＼＼＼
ﾆﾆﾆ/ﾐs｡|_,|:l/77x￣| |二二| l._ t≦/||／,.ィ＾＾＾.＾＾＾＾＾＾^||　　　 ｡o≦ｉ||二二二二二二二二
:::|≧个s｡:ﾐs｡-‐r彳､| |──| |┘||:|l/||ィ㌻,|ＺＺ ＺＺＺＺZZ||｡o≦i:i:i:i:i:i:i:||::|: :::|＼／＼／||i:i:i
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過去の亡国、その夕焼け空を、けたたましいサイレンが引き裂いた。
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4134： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/04(火) 21:56:41 ID:R4Wboi6A0

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4135： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/04(火) 22:24:55 ID:R4Wboi6A0
今日の投下はここまでだ。

次回なんだが、これまた休みがわからない。モコイさんのGWは一日早く終わるのだ。

休み……というより、仕事があれば何十連勤でもするし、なければ出勤せず家にいる、みたいな状況でね。

仕事がない日がまた分かったら、連絡するよ。シーユーアゲイン。

4136：安価のやる夫だお：2021/05/04(火) 22:26:04 ID:B5IBBCMQ0
乙

4137：安価のやる夫だお：2021/05/04(火) 22:27:12 ID:WylwkrR.0
乙でした

4138：安価のやる夫だお：2021/05/04(火) 22:57:08 ID:5n8osPD60
乙ー

4139：安価のやる夫だお：2021/05/08(土) 00:19:09 ID:hbGIFLlE0
お疲れ様でしたー

はやてさん、天然だけど芯のあるいい人ですね。

4140： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/18(火) 21:00:38 ID:JH8WGtug0
ハロー、モコイさんだよ。

仕事の進捗が今日良くてね、明日は休めそうなんだ。

というわけで、次回は明日の午後八時から開始とする。

安価も取ろうと思っているから、よろしくね。

4141： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 20:05:40 ID:tn/NubPk0
　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ　　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

4142：安価のやる夫だお：2021/05/19(水) 20:07:52 ID:O/ms2EVY0
ハロー

4143： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 20:12:55 ID:tn/NubPk0
　　　　　　　　　_　_　_
　　　　　　　／: : : : : : ｀i
.　　　 　　　i: : : : : : : : : :!
　　　　　　　､: :○: : ○: :!
　　　　　　　 i: : : : : : : : : i　　　　　　今回から大きく話が動く。
　　　　　　　 l: : :,, --_ｯ: :',
　　　　　　　 丶 ｀‐'´: : : :ﾉ　　　　　　やる夫君たちの立場や動きも一周目とはだいぶ違うものとなるだろう。
　　 　 　 　 / ´: : : : : : : : ｀ヽ
　 . 　　　　/: : : : : : : : : : : : : ヽ　　　　　で、なんだがね。
　　　 , -‐': : ,: : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　／: : : ,-ｲ: : : : : : : : /｀丶: : : :､　　　　これからの安価では、デッドエンドのみならず、
　 ｒ⌒ ,／　/: : : : : : : : i　 　i: : : : i
　 ` ‐ '　　/: : : : : : : : : |　　 ! : : : |　　　　　その後の展開を変える安価を取り入れていこうと思う。
　　　　 　 i: : : : , _ -‐ ´,) 　 ｀ ヽ _|
　 　 　 　 (_ _i￣(_　-‐'´i
　　　　　　|　:|`‐´i : : : : |
　　　　 　 |: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
　　　　 　 |: : : : : |: : : : : !

4144： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 20:16:18 ID:tn/NubPk0

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　　人数を考慮しての安価の頻度の低さではあったんだが……もっとあってもいいだろう。
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　　具体的にいえば、状況が安価によって変わっていく。
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　　戦況、生存者の数、敵の数……そういったものだ。話の大局には関わらないが……
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i　　　ちょっとしたゲーム要素の追加だと思って、楽しんでくれると嬉しい。やってこっか。
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

4145： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 20:16:59 ID:tn/NubPk0
なお、これは二週目の終わりまでであり、三週目からはいつも通り、安価範囲は会話やヒロインの選択に留まる……

4146：安価のやる夫だお：2021/05/19(水) 20:23:17 ID:evNqc4S60
なるほど

4147： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 20:31:44 ID:tn/NubPk0

　　　　　　　 |::::: |: : : . . .　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . : : : : :|:::::::|
:　　　　 　 　 |::::: |: : : . . .　　　　　　　　△ B G 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 ▽　　　　　　　　 . . . : |:::::::|
:.　 　 　 　 　 |::::: |: : : : : . .　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿　　　　…　　. : :|:::::::|
: :　　　　　　　|::::: |: : : : : . .　　　　 |＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／|　　ｉ二二二ｉ　.:|:::::::|
: : .　　　　　　 |::::: |: : : . . .. 　 　 　 |　|　　　　　　　　　. : :|: : .　　　　　　　　　|　|　　i二二二ｉ　.:|:::::::|
: :　　　　 　 　 |::::: |: : : : . . ..　　　　|　|: : .　　　　　 . . : : ::|: : : .　　　　　 　 . ::|　|　　ｉ二二二i　 |:::::::|
:　　 　 　 　 　 |::::: |: : : . ..　　 　 　 |　|: : : . . .　　 . . : : : :.|: : : : : . .　　　 . . : :|　|　　◯　　◯: : |:::::::|
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: .　　　　　　 　 |::::: |: : : . . 　　　　　|　|: : : : : : : : : : : : :.:.:.|:.:.:: : : : : : : : : : : : :|　|　　⑨　　⑧.: :|:::::::|
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: :　　 　 　 　 　 |::::: |: : : : . ...　　　　|　|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: .:.:. .:.:.:.:.|.::.::.::.::.::.::. .::.::.::.:: .::|　|　　⑤　　④.:.:|:::::::|
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: : .　　　　　　 　 |::::: |: : : . . .　 　 　 |　|.::.::.::.::.::.::.::.::.::.: ::.::.|.::.::.::.::.::.::.::.::.::.. ::.::.|　|　　①　　Ｇ　:|:::::::|: .
: : .　.　　 　 　 　 |:::_⊥、: : . ..　　 　 |　|.::.::.::.::.::. .::.::.::.:: :.::.|.::.::.::.::.::.:: :.::.: ::.::.::.|　|　　Ｂ　　　..:.⊥ __|: : .
: : : . .　　　 _　-=ﾆ¨:::::::|: : : . .　　　　|　|.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::|.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::|　|　　･　　　･: :|:::::::¨ﾆ=-　_
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下降するエレベーターの中で二人。
他に誰も乗っていないエレベーターの中で、直立不動のまま、
眼前の中年の男を見据えた。

私を出迎え、先ほどまで商談を纏めていたスーツ姿の男。
品のいい黒いジャケットに身を包んでいるが、年齢が感じられる体型は
隠しきれず、いかにも冴えない男とといった風貌を成していた。

視線だけはまっすぐで、こちらの目を見て話してくれてはいたが。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4148： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 20:39:47 ID:tn/NubPk0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　_r=＜⌒'／　　　　〕ｉト .,
　　　　　　　　　　　　　　　　√｀ヽ､V '／　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 ム==ミ､:{／⌒ヽ　　､　＼　 .∧
　　　　　　　　　　　　　　 f´-=ミ:､ヾ{if','///∧　.‘，　.＼ .∧
　　　　　　　　　　　　　　 }　 , -=ｧ─＜ｒ'─:}∧　∧＼　.＼.l
　　　　　　　　　　　　　　〈／／/ u　　　 　 .||　V:､ ＼ ＼　.|
　　　　　　　　　　　　　　 .}./// -‐=＝ニ＝ｻﾆ=ヾ＼ .＼ ヾ!
　　　　　　　　　　　　　　 fヽ/{　_＿＿_ ,ji　Vｔ:､＿彡ヘ　.ヽ|
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 | ∧!_´¨-tｯ‐ｧ l　 l∧-tｯ=j = Vヾ!
　　　　　　　　　　 　 　 　 v　i.　　｀三彡:l　 l/iミ三´　　.l　 }　　　　　　　　　　　いやはや、あのミズ・タカマチがおいでになられるとは……
　　　　　　　　　　　　 　 ／ｖ .!　u　　　　| 　.|　　　　 　 l　/､　
　　　　　　　　　 　 　 ／　　Ⅵ　　　　f’ !:. .: ! ｝､　　 　.ﾚ' V ＼　　　　　　　　　 大した歓待の用意もできておらず……
　　　 　 　 　 　 　 ／ 　/ 　　|　　／ｲ≧=-=≦¨ヾヽ　 .l 　 V　 〕ｉト .,
　　　　　　　. ｡s≦　／/　　 .∧　 (从ｨｖｊ人ivﾄｖ仆}　　/　　 ∨　　　　　〕ｉト .,　　　「いえ、お構いなく……」
　　　. ｡s≦　　　 ／ ./　　　 l　 '，　　＞=＝=＜　　／ヽ　 　 ∨
　　　　　　＿彡.’　 /　　　　l　　　≧x　　　　　　／　　.}　　 　 v
　　　¨￣　　　　　 / 　 　 　.|　　　　　 ｀ー--_＜　　 　 |　　　　‘，
　　　　　　　　　　/　　　　　.|　　　　　.r=V/r､　　　　　 |　　　　 .‘，
　　　 　 　 　 　 /　　　　　　|､　　　　∧ヾ=ｲ∧　　 　 /!　　　　　 ‘，
　　　　　　　　 /　　 　 　 　 |∧　　 /　 V.//　 ＼　 ./.il　　　　　 　‘，
　　　　 　 　 ./　　　　　　　 .| ∧ ／　　 }/ﾑ　　　 ヽ'　ﾘ　　　　 　 　.‘，
【シェルビー・M・ペンウッド　桜花重工最高経営責任者】
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白髪交じりの髪を上品に整髪料でまとめ、立派な髭を蓄えた西洋人男性。
役職にふさわしい恰好ではあるが、立ち居振る舞いがいささか見合わない。
腰が低いわけではないのだが、震える草食動物にも似たものを感じる。

こう見えても、彼こそがオルデンブルクグループ内で最大の規模を誇る企業、
桜花重工のCEOだというのだから驚きだ。
企業の重鎮など、捻くれた老人やお高く留まった高級官僚もどきばかりと
思っていたので、余計に意外だった。

インナーエリアの本社オフィスを訪れると、すぐさま彼が直接出迎えてくれたのだ。

ただ、話してみたところ、存外にまともなことを言う。
周囲の部下からも冷たくあしらわれたりはせず、むしろ暖かい目で見られていた。

リーダーとしては珍しいタイプだ。慕われているという点では、
組織の団結力こそ高いものの、独断でのコントロールは効かないだろう。

よほど緊張しているのか、さっきから汗を額に滲ませている。
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4149： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 20:46:32 ID:tn/NubPk0


.　　 / / / 　 　 ヽ }　＼　＼　 ＼　　　ヽ　　
.　　 V ./　-‐=ﾆ　} {.　　＼　＼　.＼＿＿j＿
　　　 Y　 て二ミ､ Vヾ 　　＼　ヽ
　　　　}　　ィテ=ｧ　.＼.　 Ｙ⌒Y.
　　　 /　　　`¨　　∪ .＼ﾉ心 　　　　　　　　　（英雄ナノハ・タカマチと、そのお抱えリンクスとのスポンサー契約。
.　　 /　 　 ヽ　 　 　 　 　 　 .
　　人_　-‐ '　＼　　u　　　 　　　　　　　　　　 傘下企業として立場の弱い桜花として逃す手はない。
　　　　{_j_j_j_j_j_j 〉　 　 　 　　　　　　　　　
　　　　　ヽ‐-　　 ′ 　 　 　　　　　　　　　　　 しかし、可愛いお嬢さんだと聞いていたのに、功績以上に立派な方だ……
　　　　／:ヽ　　　　 　　 .／.
　　　 }::::::::::≧，_-‐　 ／ 　　　　　　　　　　　　私なんかじゃなくて、秘書に応対させたほうがよかったのでは……？）
　 　 ﾉ::::::::::::::::::/ ヽ／　　　　





　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　---　ﾆ￣￣:/:.:.:./　-――　 、
　　　　　　　　　　　　　 　 ,イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ゝ:.:.:´:.＿_――‐- ＼
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　　　　　　　　　　　　/‐‐／:.:.:.:.:.:.:./:l:.:.:.:/:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:ヽ、:.: ＼
　　　　　 　 　 　 　 /:.:.:/:.:.:.:.:/:.:.:/:.:.!:.:./:.:.|:.:.:ﾊ:.:|:ヽ:. |:＼:.:.:.＼:.:.:.:ﾍ
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　　　　　　　　　　 ｉ丶|:.|:.:.:.:|:./斥拆心　／ 　/,≠､|:./:.:.!:.|:.:.:.:ｉ:.: |　ｉ:|
　　　　 　 　 　 　 ﾍ:.:ゝﾊ:.:. |:|《 ら::::り　　　　 ﾊ:::} }l/l:.:/:.:|:.:.:..!:.:.:|　ﾘ
　 　 　 　 　 　 　 　 / 　ヽ:ﾍ 　 辷zｼ　 　 　 う:ﾂﾉ /://:.:.!:.:.:.|.|:/　　　　　　この度はご契約いただき、感謝いたしております。
　　　　　　　 　 　 　 ヽ{:.:.:.:トヽ　　 　 　 　 　 ゞ'　／ // / |:./ |′
　　　　　　　　　　　　　|:. : |　　　　　　　 　 ,　　 　ﾚ':./:/:.| }/　　　　　　　　 しかし、締結してから申し上げるのも、
　 　 　 　 　 　 　 　 　 !:.:.: ト、　　　　　 ―　 　 イ:.:.:}/:.:.:|/
　　　　　　　　　　 　 　ﾍ:.:.:| |　 　 　 　 　 　 イ:.:.:|:.:./:.:.:.:.|　　　　　　　　　　おかしな話とは存じますが……
　　　　　　　　 　 　 　 　ﾍ { l　　 ＞ 　__ イ: : |:. /::.:.:.:.:.:.: |
　　　　　　　　　　　　　　　/ ﾍ=、― ￣7　＼:|:/:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　　　　　 あれほどの破格の条件、本当によかったので？
　　　　 　 　 　 　 　 　 ,x/ |/|／|　　／　　／≧ｭ､:.:.:.:.:.:. |
　 　 　 　 　 　 　 ,､r::´/　ﾚ/≠´!　/　　 　ｉ::::::::::::::::::::::::≧ｭ､--- 、__
　　　　 　 　 .,､r:´:::::::/　 |//.| |　>´　　　　|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＿:::ヽ
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4150： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 20:53:21 ID:tn/NubPk0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.．─ ﾆミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿ ／/77≧，　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,ィ'' ヾ ii} ./////ハ　　＼ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ -‐=ミﾞ　゛¨¨¨¨¨ミ刈　　 ＼ ＼
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 〉-‐=ｧミ＿　　　　　　　 V　　　ヾ　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　／,' '´￣ ¨''ヽ､_　 し＿{　＼ヾ　 　　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 } /　/ ィﾆﾆ≦{{i　u {ﾊ､＿_＼　＼＼.　 }
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /⌒Y　　 {弋.・ j }　　　ｒﾆﾆ≧､＼　ヽ　 ,′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { 斥.|　ヾ　`ｰ彡/　　　ヽ弋’ノ ヽ ヽ 人/　　　　　　　　　　　ああ、もう商談は終わったのだし、
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ', ツ|　　u　　 /　　　 ヽ　￣-‐彡　}'心}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ ゝ | u /ｒ-‐ｧヽ　　　　 〉､　u　 u .ﾊﾋﾉ　　　　　　　　　　　　もう少し砕けてくれても構わんよ……
　　　　　　　　　　　　　　　　ィ/////,{　 {{{ ／:.:.:.:＼__ ／:.:.:＼ 　u .ﾊィ_
　　　　 　 　 　 　 　 　 ,ィ////////,ﾊ　 ヾ `ｰ-‐=彡ヾ:.:.:.::.:.:.:.}　　ﾊ/,∧＞，_　　　　　　　　　　社内のみんなのようにね。
　　　　　　　　　　　ィ　　|/////////,ﾊ u　 　 `ｰ= ‐､二二ヽ从　ﾊ///∧　　＼＞，
　　　　　　　　ィ　／　.／/////////ﾊﾍ　　　　　　　　　　 ノ　　ﾊ/////∧　　　＼　＞，
　　　　　 ／　.／　 ／///////////,ﾊ　＼ヽ＿　　　　　　　　ｲ |////////＞， 　 ＼　　＞，
.　　　 ／　 ／　.／//////////////,ﾊ　　＞， ﾆ=‐--‐彡，＜ |////////////＞， ＼／/|
　　／＼／　 ／/////////////////ﾊ　　　　＞，_ ，＜ 　 　 .|/////////////////////|
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　　 }////////////////////////////ﾊ　　　　./////ハ　 　|///////////////////////ハ

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先ほど応接室で行われた商談には、蹴る要素のほうが少なかった。
マーシフルの整備チーム、やる夫への医療チーム配備、
地下施設の使用許可と資材や弾薬の提供、援助。
果てには任務の受注の可否すら任せてもらえる、とのことだった。

手厚いサポートに、自由の利く立場の保証。
もっと苛烈な条件を叩きつけられると思っていた身としては拍子抜けだ。

これでは、私たちを手元に置いておくメリットがやや薄いのでは。

ペンウッドは苦笑いを浮かべつつ、赤裸々に内々の事情を語った。

「保有しているだけでも意味があるのだよ、ネクストというものは。
今やネクストとは力そのもの。ネクストの数が戦力の規模であり、
ネクストの強さが企業の強さと同等といっても過言ではない。
保有するネクストが多いほど、強いほど、我々桜花の立場も強くなる。
傘下企業……下の立場というのは、いつだって辛いものなのさ」
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4151： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 20:57:37 ID:tn/NubPk0

　　　　　　　　　　　　　-― -
　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　 ∠　―― -　　　:::::::..　　　＿＿
　　　　　 ィ::i´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀::..､ l ／r――　＝‐､
　　　 ／::l::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`::'￣￣￣｀:..､
　　. /l::::::l::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::￣ ｀ヽ､:::ヽ
　　/::l:::::::l::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::ヾ:::::l
　. {:::::l:::::::l::::＼/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::ヽ::::::::lヽ::l
　 l::::::ﾍ:::::::＼/::::::::::::::::::::::::::i::::::i::::l:::::l:::::::::::ヽ::::::::l::::::::l ヽl
　 l::::::::::ﾍ::::::/::::::/:::/::::/:::::::l::::l::l::::l:::::l:::l::l::::::l:::l::::::l::::::::l　|　　　　　　兎にも角にも、桜花に留まらせるため、ということですか。
　. l::::::::::::ﾍ::l:::::::l::::::l:::::l:::::::/:::://::/l:_/l_｣_l､:::l:::l::::::l::::::::l
　　ヽ::::::r‐‐|::::::l::::::l:::_｣::-r‐:/7フ´｢/ .l/ｫﾐ:::l::::l::::::l:::::::l　　　　　　　　「お察しの通りだ」
　　. ヽ::{　　l:::::::l:::::l:´::l:::/∠ ﾆ＝ﾐ　 ﾁﾟ://::/ /:::::ｲ::::/
　　　 ヽ＼ ヽ:::::l::::::l::::<´,イ　 ,ﾘ　　 .ﾑ//;ｲ:::/::::/.l:::/　　　　　　　　　まるで旧時代の核ですね……。
　　　　 ヽ:>ｰl＼{ヽ{ヽ{　 辷z/　　　　 l'//::/l:::/ l::/
　　　　　V　 .l::::l` `　　　 　 　 　 　 v':/／ l:/　l/　　　　　　　　　　　「核よりも依存性は高い。重要度もね」
　　　. r,/　　 .l::::l　 　 　 　 　 　 _ ／l:::l:::l /'
　　　/〈 ヽ､　　ヽ:ヾ ､ 　 　 　 ´／::::::l:/:::::l
　　./　 ＼　ヾヽ､ヽﾍ/` ┬-....´:::::::::/'::::::::::l

4152： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 21:10:34 ID:tn/NubPk0

／　　 ／ 　／ 　 ／　　　　´　　　　　　　　　　-‐　⌒｀ 　　　　　　　　　', 　　∨∧
　　 ／ 　／ 　 ／　 　　-‐　　　¨¨￣￣　 ／´　　　　　　　　　　 　 　 　 }　　　}　 }
　／　 ／ 　 ／　　＿_　-‐　　　¨¨￣￣ ア⌒ 　　　　　 u　 　 　 　 　 　 }　　　} /
,　　／ 　 ／ 　 ／ __ 　ﾏ==-‐ 　¨¨　ア´ 　 ／　　　　　　　 　 ＿　　__,,_ }　　　}′
　 / 　 ／　　　}! /⌒ヽ　ﾏ==-‐ 　 ア´　　 (__)　　　--──＜ ___,,ｚ-‐=叭 　 ノ
　′／　 　 　 }! 　 /⌒}　!　-‐　フ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}! Y´
,　 /　　　　　 }!　 　 　 }　|__ア´ 　　　　　　　‐-　　＿＿_　,,, 　　-‐___アﾉ |′
　/　　 　 ／ }!　　 /⌒} 　′　　　　　　　　　　　 {:.｀}ililト-=≦ｭ,_´::::::／ 　′
,/　　　／　　}!　　 }　　!　　 　 　 　 　 ､　　 　 　 {:.　ﾏﾑ 　 込歹^::/ 　　′
　　 ／　　　　}! 　 }　　}　i　　　 　 　 (__}　　 　 　 ＼　^ｰ===彡 ;:::j　　{
　／　　　 　／',　 i＿＿,,　-‐=====‐-　,, __　　　 　 __ 　　　　-‐　　　 ∨
〃　　　　／　　} f^ー=ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆミｧ､ 　　｀¨¨¨´ 　　　　　　'
　　　　／　　　ﾑ} 　　　　　　￣￣￣¨　‐=ﾆﾆﾆﾆﾆミｧ; 　 ο　　_ 　　　　 '
´￣ア不,＿／´ }　　　　　　,ｚ‐‐ ､　 　 　 　 　 ‐===ｆ′　 　／ 　 　 　 　 !
:､　　 　 　 　 　 } 　　⌒＼ 　γ⌒＼　 ､　　　　　　 }__,,zzf´　　　 　 　 　 |
　＼　　　　　　 {　⌒Ｙ´￣＼ {　　　 ヽ　 ｰ- ､ 　 　 {¨￣ ア)ｧ,， 　　　　　|
　　 ＼　　　 　 { 　　 !　　　　}i 　　　　',　　 y‐-､ 　.{ 　／　〃}　〕iト　_＿_{
､ 　 　 ＼ 　 　 {ｒ==ﾐｊ　 　 　 |:}　　　　 ',　　!　　 ﾏ :{／ __ノ　ｲ　} | }
=＼ 　 　 ＼ 　 } 　　:|　 　 　 ! }　　　　 ',　 } 　 　 ∨¨¨ｰ‐ァ入{^},リ
ﾆﾆ_＼ 　 　 ＼j　　　}　 　 　 |　}　　　　 }　 ∨　　∧　　 　 {
二ﾆﾆ_＼　　　,′　　}　 　 　 { 　}　　＿　'; 　∨　　∧ｰ‐　ノ
二二二ﾆ＼　,′　　,'／￣｀　 }　レ´ 　 　 ';　 ∨ ￣｀∨´
二二二二ﾆY ／￣ { 　 　 　 ∧ {　　　　　j{　　{:　 　 ∧
二二二二ﾆ{ 　　　　}! 　　　　 ∧{　　　　　ｊ{　　{: 　 　 ∧
二二二二ﾆﾑ 　　　 }!　　　　　　ｊ{　　　　　ｊ{　　{: 　 　　∧

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「マーシフルを加えれば、我が社が専属で契約しているネクストは二機。
そのリンクスも、片やネクスト戦役を生き抜いたランカー、
片や伝説の英雄が後見人を務めるリンクスだ。
いくらオルデンブルクという後ろ盾があるとはいえ、そのオルデンブルクに
見捨てられたら最後、我々傘下企業は終わりだ。
独立とまでは言わないが、もしもそうなった場合、他企業から
買い取ってもらえるだけの価値を残しておきたいのだよ」

切実に語るペンウッドであったが、随分と保守的な考えに聞こえた。
野心も希薄で、欲望でギトギトになった支配者特有の思考も見えてこない。

小物なのか大物なのか判断に困らされる。
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4153： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 21:16:39 ID:tn/NubPk0

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ｉ:ｉ:|　|| | : |:＼＼|_ﾘ:.;:.;:.;:.;:.)　:　:　,,,,;;;;,.｡o≦/㌻.:.＿＿___./ｰ/　　,.ィ㌻ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ...
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-_-_-メ､::| :|:|::/|￣ヽﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾃ;'; //|l／ﾍ-_-_ .-_-_-_-_-||　　　　　 ＼＼＼＼＼＼＼＼＼
ﾆﾆﾆ/ﾐs｡|_,|:l/77x￣| |二二| l._ t≦/||／,.ィ＾＾＾.＾＾＾＾＾＾^||　　　 ｡o≦ｉ||二二二二二二二二
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さすがに高層ビルの最上階フロアから地上一階まで降りてくるには、
少々時間がかかる。ペンウッドの切ない事情を聴きながら、
企業上層部にもこういう人はいるものなのだな、としみじみしていた。

そこへ、室内であるにも関わらず、甲高いサイレンが響き渡った。
建物内での火災警報などというものでは済まない。
内から、外から、コロニー中に雷鳴のごとく鳴り響いていた。

取り乱し、目をひん剥きながらも端末を取り出すペンウッド。

このサイレンには聞き覚えがある。
幼き日に故郷のティルピッツで聞いた、あのサイレンだ。
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4154： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 21:22:44 ID:tn/NubPk0

　　　　　　　/　 / / .／ ﾉ ./¨¨¨¨¨''ﾆ=‐-ミﾆ=‐ ＼
.　　　　 　 /　 / /／ ／ ./　　　　　　　　　 ヾﾆ=‐ {
　　　　　 /　　　　 ／/ ノ　 .:.:.:.:.:.:　　　　＿ _ V 　.ﾊ
　　　　　 i　　　 ／￣≧，_　:.:.:.:.:.:　　 ／　　　 V 　 }
　　　　　 |　　 /　,ィ´￣ヽ, ヽ:.:.:.:. ヽ,ィ´￣ヽ,　　}　　|
　　　　　 }.　 / 　 ､　 ・　　} .|:.:.:.:. 　､　 ・　　}　 { 　 |
.　　　　 /⌒ヽ　 ヾ `==彡′|:.:.:.:.　ヾ `==彡′ .{⌒ヽ　　　　　　　　な、なんだね、今のは！？
　　　　 {　{心| 　 　 　 　 /　{:.:.:.:.: ﾊ　　　　n　　|斥 .}　　
　　　　 {　し .|　　 ∪　 ノ　ｒ､　 　 ｒ､ヽ　　　　　| し ,'　　　　　　　　……敵襲！？　敵対信号をキャッチしただと？
　　　　 入 ゝ.!　　　　/　ゝ-‐=ﾆﾆ=‐- ､',　 　　 |　 ﾉ
　　　　　　ヽ_|　∪　/　从: :i:i : i:i :i:i: : i从　∪ ├彡　　　　　　　　　は、はあ……へ！？　バカな。
　　　　　 ／ {　 　 　 　 ｒ┬┬┬┬┬┐ }　　　}＼
　　　-ｧ''　　ﾊ　　（　　　|￣￣￣￣￣¨|　 　　 ﾊ　ﾍ _　　　　　　　　 そんなことをしたら、企業間での全面戦争になるぞ！？
／　／　　　　}､　　　　 弋 二二二二ノ　ﾉ　 / }　　ﾍ　＞，
　 /　　　 　　.|. ＼　　　　　　　　　　　　　　/　 |　　 .ﾍ　　 ＞，　　　　地球を人が住めなくしたいのか！？
. /　　　　　 　|　　ヽ　　　　　　　　　　　　, '　　.|　　　 ﾍ　　 　 ＞，
/　　 　　 　　.{　　　≧，　　　　　　 _，＜　　　 |　　　　 ﾍ　　　　　＼
　　　　　　　　',　　　　　二ﾆ=‐-‐≦.　　 　 　 ｜　　 　　 ﾍ
. 　 　 　 　 /　ﾊ　　　 /　〈////∧＼　　　　　/＼　　　　　ﾍ
＼　　　　 /　　ﾊ　　 /　　 ∨///　　＼　　　/　　＼　　　 ／





　　　 　 　 　 , - ‐‐‐-　、:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ、　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.ヽ、
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　　　|/　 !:.:.:.!:.:.ヽ:.:.:.|〃{:::j　　　　　 辷シ　!:.:./:.:./| ヽ.} |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　オルデンブルクの参加企業本社施設に、
.　　　|.　　',:. | ',:| .|ヽヽ｀.ﾋﾘ　 　 　 　 　 　 /:/／:.:.:!　/: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
.　　　　　　ヽ|　ﾘ　!:.:.ヽ＼ ヽ　　　　　　　.〃|:.:.:.:.:./_/／.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　直接敵襲とは。正気を疑いますが。
.　　　　　　　ヽ　　ｉ:.:.:人　　　 -‐-　　 　/　 !:.:.:.:./／. 　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　 　 　 　 　 　 ',:.:.:.:.ﾍ　 　 　 　 　 　 　 |:.:.:.:/.　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　 「れ、冷静だね……」
　　　　　　　　　　　 ヽ:.:.{　ヽ、　　 　 　 .＜.|:.:./l　 　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　 ＼ｉ　　　＞.-t ´　　　|:/‐┤、.　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　で、勢力は？
　　　　　　　　　　　　　　＼　　　 r､| .-　￣/　／　ｉ、　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〃.ヽ　　　.／　　 |::｀ヽ.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
そうだ、正気の沙汰ではない。
ただコロニーを襲うだけなら、テロリストの皮をかぶった敵対企業の
破壊工作であったり、兵器の実戦テストである可能性も高い。

だが、四大企業の参加企業、その本社を兼ねるコロニーを襲うということは、
四大企業そのものに表立って戦争を吹っ掛けるという行為に他ならない。

いったい、どこの誰が、そんな向こう見ずなことを。
企業連からの粛清対象になって終わりだろうに。
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4155：安価のやる夫だお：2021/05/19(水) 21:25:41 ID:evNqc4S60
やべーぞぉ

4156： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 21:26:55 ID:tn/NubPk0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.．─ ﾆミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿ ／/77≧，　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,ィ'' ヾ ii} ./////ハ　　＼ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ -‐=ミﾞ　゛¨¨¨¨¨ミ刈　　 ＼ ＼
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 〉-‐=ｧミ＿　　　　　　　 V　　　ヾ　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　／,' '´￣ ¨''ヽ､_　 し＿{　＼ヾ　 　　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 } /　/ ィﾆﾆ≦{{i　u {ﾊ､＿_＼　＼＼.　 }
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /⌒Y　　 {弋.・ j }　　　ｒﾆﾆ≧､＼　ヽ　 ,′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { 斥.|　ヾ　`ｰ彡/　　　ヽ弋’ノ ヽ ヽ 人/
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ', ツ|　　u　　 /　　　 ヽ　￣-‐彡　}'心}　　　　　　　　　敵は……一機のみ。現在、海上をマッハ3で移動中。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ ゝ | u /ｒ-‐ｧヽ　　　　 〉､　u　 u .ﾊﾋﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　ィ/////,{　 {{{ ／:.:.:.:＼__ ／:.:.:＼ 　u .ﾊィ_　　　　　　　　　　　こちらへ直進してきている。
　　　　 　 　 　 　 　 　 ,ィ////////,ﾊ　 ヾ `ｰ-‐=彡ヾ:.:.:.::.:.:.:.}　　ﾊ/,∧＞，_
　　　　　　　　　　　ィ　　|/////////,ﾊ u　 　 `ｰ= ‐､二二ヽ从　ﾊ///∧　　＼＞，　　　　　勢力は……アヴィアコル。
　　　　　　　　ィ　／　.／/////////ﾊﾍ　　　　　　　　　　 ノ　　ﾊ/////∧　　　＼　＞，
　　　　　 ／　.／　 ／///////////,ﾊ　＼ヽ＿　　　　　　　　ｲ |////////＞， 　 ＼　　＞，
.　　　 ／　 ／　.／//////////////,ﾊ　　＞， ﾆ=‐--‐彡，＜ |////////////＞， ＼／/|
　　／＼／　 ／/////////////////ﾊ　　　　＞，_ ，＜ 　 　 .|/////////////////////|
　　∨//＼／///////////////////,ﾊ　　　　　////＼ 　 　　i/////////////////////{_
.　　 ∨/////////////////////////ﾊ＼　　./V/////＼　　.|//////////////////////}_
.　　 ///////////////////////////,ﾊ.　＼/　 V///ﾊ　 ヽ/.|///////////////////////ﾊ
　　 }////////////////////////////ﾊ　　　　./////ハ　 　|///////////////////////ハ





　　　　　 /|:.:./:.:.:.:／:.__:.-ｵ‐‐ メ≠//＿:.//:.:/　.}:.| .|:.:.!|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　　,'||:./:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:/:.:.,∠__// /:.::／,':.:/　　|/__|:/ |:.:.:|:.:.:.:.:.:ヽ:.ﾍ:.:.:＼:.:.:.:.}
　　　 　 ｉ:.|:.ｉ:.:.:〃:.:.:/:.:./〃,r-ニ､ヽl／　/／　　/　 .|7 ﾒ､:,':.:.:.:.:.:.:.:.}ヽ:ｉ:.:.:.:}ヽ:.:.:ｉ
　　　　　!:.:/|:./|:.:.:.:.ｉ:.:.〃 .ん::´:::::j .｀　 〃　　　 　 ,.廴 .|:./|ヽ:.:.:.:l:.:.ｉ:.:}|:.:.:.:.ｉ　ｉ:.:.|
　　　　　 y .|:.ｉ.|:.:.:.:.|:.:|ヽ. f::::f ｽ::/ 　　/ 　 　 　〃r--､彳 .|:.:＼/l:.:.|､:|:.:.:.:.:.| .|:.:.!
　 　 　 　 | {',| {:.:.:.:.|:. | 　 ',::ヽ:':ﾂ　 　 　 　 　 　 /::,-::::7.i! ,':.:.:.:/:|:.:/:}:.:.:.:.:.:.| .|:.,'
　　　　 　 ヽヽ ゝ:.:.:{',:.| 　　｀￣.　　 　 　 　 　 　i!::f_/::/.以:.:.:/}:.:}:/:.:!ｉ:.:.:.:.:.:! .|/
　　　　　　　ヽ/ヽ:.:.:ｉ .＼　　　 　 　 　 　 .ｌ　　　 ヽ__シ ´7:.:/:.:.:〃:.:./:|:.:.:.:.:,'|/　　　　　……はい？
　　　　　　 　 ｉ:.:.:.＼＼　　　　　　　　 　 /　　　　　　　 /／:.:.:./|:.:.:.,':.:|:.:.:.:/ !
　　　　　　　 .{:.:.:.:.:|.､＼　　　　　 　 .r ‐ ､　　　　　　 ／/:.|:.:.:.:.:!:.:.:/:.:.|:.:.:/:.:|
　　　 　 　 　 ｉ:.:.:.:.:| ﾍ　　　　　　　　｀　-′ 　 　 　 　 /:.:.|:.:.:.:.,':.:/:.:.:.:|:./:.:. |
　　　　　　　　!:.:.:.:.:! .|＼　　　　　　　　　　　　　　 　 ｲ:.:.:.:!:.:.:./:./|:.:.:.〃:.:. : |
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4157： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 21:32:06 ID:tn/NubPk0


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /＼､　 　 ,'＼､　　 　 /∧　　　　　__＿_ ,､
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 / ,ヘ ＼､　,',ﾍ |.|　　　 .|_|/ﾄ.　　　　 | |..／　＼ｨ'ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ／ヽヽ// ,',ﾍ「T|　　　 |i|ii|.　l　　 　 .|_|ﾊ_ ﾆ- ､＼ ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 /／　　 /ﾏﾞ ,'　 .|ii|i|　|l　|l .i|ii|　 l　 　 　 ||｀'ﾍ　　 ｀　＼',
　　　　　　　　　　　　　＿ Г|　　　 ./ /　l 　 |ii|i|　 |lイ|l¨＼　 !　　　.／'ﾞ　.〉〉　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　|ヽ`ﾄ､|､／ヽ〈_/　_| ／|ﾞﾆl　/ tｭｌｋ=､＼| 　.／'ﾞ.| |　.i/―-､　　　 〉､__
　　　　　　　　　　　　 /　ｌ∧ |　　　｀〉〉|V|′ |¨ﾞｌ 厶ｨｹ7^_ノヽﾊ／'ﾞ 　.| |　.∨　　 ＼__,/'´＿>　　　　　　　　　「ブライドルランク2……
　　　　　　　 　 　 　 /　 /　l!.|　 　 // |ﾑ|!　 |　|／￣|匕il　　ilｨ|､＿　 ﾄﾄ､　∨＿＿__/ー'　/＞'＾ヽ
　　　　　　　　　　　/　　 　 |! |＿_,// .l　 |､ノl /　　_,/f⌒i|__/　／　 ｀ヽ//＼ﾐ>‐-､_」　 i＜　 　 　 l　　　　　　　アヴィアコルの猟犬だ」
　　　　　　　　　　./　　　　/ﾍ ﾄ-､.| |　!　.|ｰ､.l.|ﾍl /７｀il´ｆ''ヽl￣Y　　　 .ﾍ　　｀V　, -､＿|　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　 /　　, '＾ｰ'　.ﾍ　 ヽｿ ,'.._∧　ﾍﾍﾐﾑｲ._jl ヽ.ノ/　/フヽ∧｀'ﾍ. 　__〉'　　　 /＼　　　　　 ヽ
　　　　　　　　 ./　　 i　 　., '￣∨　| ,' / ソV７´ﾐｚ､/l_７ヽ､ ｀ソ彡ヘ_ノ＾ｰﾐ〉'´/　　　／ト.､ ＼,､　　　　ヽ
　　　　　　　　/　　　j 　 ,.'　　　∨ .!,' |　l /７　　／} | l　jﾐフソ　 |　 ヽ. 　 ∧/ ＿∠ -┴ｧ＼　 ＼　　　 ヽ
　　　　　　　./　　 ., '　, ' 　 　 　 ヽ |　|　/７　／'ﾞ ﾉ厶' .ﾉﾐＺ{ l 　 |　　　｀iソ〈￣ ＜_　 -‐'.ヽ. ＼　 `i　　　 ヽ
　　　　　　 /　　 , '　, '　　　　　　　ｿ ,'　lメ.／'ﾞ.イ/ｰ､_〉-‐'＾ヽ!　 .|　　　/　./　二!　￣二!'..ヽ　 ＼ .ﾄ､　　　 ヽ
　　　　　 ./､　 , '　, '　　　　　　 　 ,'　' ,ｲ,rｹイ 〈7 　 _〕　 ／ｱ⌒ヽ!　　 .|　/　/｀=ﾆ二￣´ '. ヽ.　　＼ ＼　　　ヽ
　　　　　/　 `'　., '　 　 　 　 　 　 ,'　' ｆｹ '//　// ,' / /／r'ﾞﾄ､　 ハ.　　ﾉ./　〈＼＿_￣〉　　'.　ヽ　 　 ＼ ＼　　 ヽ
　　　　./　　　 , ' 　 　 　 　 　 　 ,'　／'ﾞ　|/　 〉　' / /〈ミ{-､ ﾊ　　 '. ._// /^ﾏ￣＼¨∨　　 .'.　 ヽ. 　 　 ＼ ＼　　ヽ
　　　 〈　　 _, '　　　　　　　　　　 ／'ﾞ,'　　|　　'　,'ノ／｀￣∨ﾍ.ﾍ　　/kノ / 　 ｀ｰ-┘ .∨　　 '.　　ヽ.　　　　＼　　　 ヽ
　　　　｀ヽ/　　　　　　　　　　 ／;ﾞ　,'　　..|　 |7´／　　　　 ゝ､ヽ.ヽ〃ヾノ　　　　 　 　 .∨　　.'.　　 ヽ　　　 ∧＼　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 ／'ﾞ ,'　,' 　 　 }__l/イ｀ヽ　　　　　ｉ!.＼_j_ .〃ﾞヽ　　　　 　 　 .∨ 　 '.　　　ヽ.　　　∧　＼　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　／'ﾞ　.〈_,/　　 ／|__.ｨｹt､　} 　 　 　 i!　 ﾄ､_ノﾏ ∧　　　 　 　 　 ∨　 .'.　　　 ヽ　 　 ∧　　＼　 ヽ
　　　　　　　　　　　　 ／'ﾞ　　　　　　 ./　ﾄﾐ彡'　.|ﾚ′　　 　 .i!　.|　ヾノ../∧　　　　　　 　 ∨　 '.　　　　ヽ　　 ∧　　　＼ ヽ
　　　　　　　　　 　 ／'ﾞ　　　　　　 　 .|l__ﾑ-‐ ､　|ｌ　　　　　　i!　..V､　 /　 ∧　　　　　　　　ヽ_　'.　　　　 ヽ　　.∧　　 　 ＼ヽ
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　　　　　　 　 ／'ﾞ　　　　　　　 　 　 l　　　　　.／　　　　　　 i!　　.Ｖﾊ 　 '.　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ヽ. ∧
　　　　　　 ／'ﾞ　　　　　　　　 　 　 / 　 　 _／　　　　　　　 .j!　　　V.l　　'.　{　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀￣
　　　　　／'ﾞ　　　　　　　 　 　 　 ./　 　,イ　　　　　　　　　 j!　　　　ヽ.　　'. .l
　　　 ／〉　　　　　　　　 　 　 　 /　　 /　　　 x=＝=::､＿_〃＿＿__..　∨　'. l
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　　　　　　　　　　　　　　　 レ'´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ∨|

4158： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 21:32:22 ID:tn/NubPk0
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

4159： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 21:42:27 ID:tn/NubPk0

　　　　　{　　　　　　　 ＼＼ 　／　　　　　　　　　　＼
　　　　　 ',　　　￣⌒丶　｀`＜､._￣￣￣￣｀`丶､._　　ヽ
　　　　　　＼　　　　　　＞'⌒: : ｀`丶￣｀`丶､._ 　　＼　',
　　　　　　　 ＼　　　／: : : : : : : : : : ヽ: ｀`'〜───-- L
　　　　　　　 　 ＼ . : :/: : / : ヽ: : : : : : ',: : : ',: : ',: : ',: : ',　 ヾ､
　　　　　　　　 　 /: : :l: :l: ｌ : ﾑﾊ : ',: : : : l: : : ∨: }､ <: : :',／=≦｀ヽ
　　　　　　　 　 ./: :l: :{: :l: { : {　 ∨:l: : :l斗─寸ノV＼l:|＼─‐-:ヽヽ
　　　　　　　　　{'l: :l: :{: :l: :',: :V⌒l:ﾊ: : }: ﾚ允lﾊヽ:.l: : :l:＼|　ヽ)､: }　',
　　　　　　　　　{入{l: {: :l: : 'l斗斧l　l: / l}´乍心: : }: : :V彡} 　　}ﾉ
　　　　　　　　／　ヾ',:.＼{､: ＼Vｿ　}/ 　　 Vソl:/ﾊ: : : }:ﾉ:.}　　　 ',　　　　　　警報……敵襲？　アホなんとちゃうんか……
　　　　 　 　 ´　 　 , -Ｖ: : ヽ}ｰゝﾞﾞ ､　　　　ﾞﾞﾞ　ﾉﾚﾍ : : ｌ:ノ　 　 　 }
　　　, -'"　　 　 ／　　|: l: : : : ゝ　　_ _ 　 u. ／ﾊ／|: : :|彡､＿＿_レ　　　　　ここは四大企業の傘下、そのお膝元やで？
　　´　　　　 　 ´　　　 |从: : :l: : l丶､　 　,ｨ''´　lヘ　|: : :|
　　　　　　 ／　　　 　 |　 Ｖ: |廴l＿/￣＿　　.′　 |: : :|　　　　　　　　　　　　企業連にケンカ吹っ掛けようちうんか？
　　　　　／‐-　　 ＿＿_,ｨア''´_,, -─‐寸ﾊ､　l_　　 |/l:.,'
　 -‐　 ´　　＿＿＿__ノ=厶ｨ'´　　　　　 寸ﾏｰ‐'　 / ,l/　　　　　　　　　　　　　自殺行為やろ……
　 ､　　　,ｨニニニニニｧ寸ｱ　　　　　　　 }Vﾊ}
　　 ｀　‐|ニニニﾆﾆア　　}l'　　　　 　 　 　 }ニﾔ
　　　 　 {ニニニﾆﾆ{　　　,'　　　　　　　/　,iニﾆ〉
　　　　　Vニニニニヽ u ,'　　　　　　 /　 /ニ}‐'
　　　　　 ∨ニニニニヽﾉ　　　　 　 /　／ニ}ﾉ
　　　　　 ﾊゝｰ---‐''´ 7　 　 　 　/,ｨi〔=／
　　　　　｛ニニニニニ/ 　 　 　 /ﾆﾆ／
　　 　 　 {ニニニニﾆ/　　　　 /=／





　　　　 ＿＿＿
　　　／ヽ、　_ノ＼
　 ／　（○）　（○）＼　　　　　　敵……はやてさん、こっから地下の基地に行く手段って……
／　　　（___人__）　　..＼
|　　u　　ﾉ　　　ヽ,　　　|　　　　　「地下直通のエレベーターが街のあちこちに隠されとる」
.＼　　　（/⌒ﾉ´ﾌ 　 .／
　　>　　 .￣￣´　　<.　　　　　　　　行きますお！

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
鳴り響くサイレンに続いて、町内のスピーカーから女性の声が発された。
極めて事務的ではあるものの、その若い声は緊迫していて、
現状の危うさを如実に表しているように聞こえる。

「コロニーに対し、敵対信号を発する敵対存在を確認しました。
島民の皆さんは落ち着いて、指定された座標に避難してください。
これは訓練ではありません。繰り返します……」

響き渡る放送に負けぬように声を張り、はやてに呼びかける。
微かに動揺を滲ませるはやての手を取って陸に上がり、
濡れたままの足で靴を履いて、河川敷から道路へと駆け上がった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4160： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 21:49:04 ID:tn/NubPk0

　　　　　 __＿＿
　　　　／　　　　 ＼
　　 ／　＼　 　／　＼　　　　　　「やる夫君、戦う気なん？」
　／ 　（●）i!i!（●）　 ＼
　| 　u ,　（__人__）　　　 |　　　　　　もちろんですお。もしかしたらネクストかも……そうしたら、抑えられるのはやる夫たちだけだお。
　＼　　　 .｀⌒´　　　　〆ヽ
　　/　　　　　　　　　　ヾ_ノ　　　　　はやてさん一人に戦わせるつもりはハナっからないお。
　/rｰ､　　　　　　　　　　　|
/,ﾉヾ　,> 　　　　　　 　|　/　　　　　　「……分かった。ほないこか」
ヽヽ〆|　　　　　　　　 .|

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
トウキョウにいたときにも、何度か耳にしたことのあるサイレン。
ネクスト戦役末期の時にも度々鳴り響いてはいたが、
当時の自分はまだ子供で、瓦礫の山の影でクニヒコと震えるばかりだった。

だが、今となっては違う。今の自分にとって、脅威とは逃げる対象ではない。
戦うべき対象だ。ましてや、それがこの場所を脅かそうとしているのなら。

はやてが暮らしてきたこの場所を、町医者の間や、ハセガワが暮らすこの場所を、
誰とも知らないテロリストに傷つけさせてたまるものか。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4161：安価のやる夫だお：2021/05/19(水) 21:53:06 ID:evNqc4S60
頑張っていただきたい

4162： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 21:56:07 ID:tn/NubPk0

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　　　 　 　 　 , - ‐‐‐-　、:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ、　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.ヽ、
　　　　　,イ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.ヽ:.:/く::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ｉ
　　　 ／:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:--‐ヽヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.: |
　　 /:.:／:.:.:.:／:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:./:.:.: 7|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
.　 /／/:.:.:.:/:.:.:/:.:.:.:/:.:.l:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.!: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
.　/　 ,':.:.:.:/:.:.:.ｉ:.:.:.:.:.ｉ:.:.:|:. ∧:.:!､:.:.:.ヽ:.:.ヽ__:.:.:.:}:.:.:.: }:.:/　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |
　　　,':.:.:.:,':.:.:.:.{:.:.:.:.:.|:.:.ﾊ:.ｉ　ヽヽヽ:.:._メ:.´ヽヽ:.:.ｉ:.:.:.:|/:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　　　やる夫君！？　今どこ！？
　 　 ｉ:.:.:/|:.:.:.:. ',:.:.:.:.:|-/_|_|　　ヽ／,イ圷≧ｉ:.ｉ:.:.|:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
　　　|:./ .|:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:!:.ｉｲうﾐ　　　 　 {::::::::ら |:}:.:|:.:.:.:!´.ヽ:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　　　 「町の河川敷！　地下の基地に向かうとこですお！」
　　　|/　 !:.:.:.!:.:.ヽ:.:.:.|〃{:::j　　　　　 辷シ　!:.:./:.:./| ヽ.} |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
.　　　|.　　',:. | ',:| .|ヽヽ｀.ﾋﾘ　 　 　 　 　 　 /:/／:.:.:!　/: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　オッケー、そのままドックまで行って！
.　　　　　　ヽ|　ﾘ　!:.:.ヽ＼ ヽ　 ＿　　　　.〃|:.:.:.:.:./_/／.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :.:|
.　　　　　　　ヽ　　ｉ:.:.:人　　　∨　 ヽ　　/　 !:.:.:.:./／. 　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : :|　　　　　　 二人とも迎撃に出てもらうよ！
　　　 　 　 　 　 　 ',:.:.:.:.ﾍ　 　 `ー '　 　　　|:.:.:.:/.　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
　　　　　　　　　　　 ヽ:.:.{　ヽ、　　 　 　 .＜.|:.:./l　 　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　 ＼ｉ　　　＞.-t ´　　　|:/‐┤、.　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　＼　　　 r､| .-　￣/　／　ｉ、　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〃.ヽ　　　.／　　 |::｀ヽ.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
はやてに導かれるままに、夕焼けに照らされる車道をひた走る。
そのせいで、ポケットの中で鳴動するPDAに気づくのに遅れた。

慌てて取り出すと、なのはからの着信だった。
通話が繋がると、なのはは間髪入れずに現在地を確認してきた。
指示を受けつつ、端末を右耳に当てながら走り続ける。

「なのはさん、マーシフルは！？」

「まだ修理中！　実験用の機体があるから、それに乗って！」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4163： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 22:13:40 ID:tn/NubPk0

　　　　　　　　　　　　　 -‐━━=ミ
　　　　　　　　　 /⌒:^.: : : : : : : : : ::＞
　　　　　　　_.-=ミ: : : : ＼: : : : : : : : :V: `.
　　 　 　 .ｨ: : : : 7:〉 :∧: : :V: : : : : : :〈/: /〉:.
　　　　 /: : : : : :|/ | : :|:V: : :i : :| : : : : V〉: : ﾊ
.　　　 /: : : : : : :|i　!::斗-V: :|ー|‐|:-|: ::|:|i: : : |i
　　　 ′l: : |i :|i |i_,.ｨﾃﾃﾐ : : |N|ｨテﾐN: |:|i: : : |i
　　　{　｜:::|i :|i |i　 r勿,　|:N　 r勿ﾉ !::|:|5!: : : .　　　　　　　……おかしいわ、こんなん。
.　 　 　 从::|i: |i |i:　^¨¨　　i　　　 　 」::|:|,ﾉ: ;小:.
.　　　　　　〕: :|i |N」　　　 ,　　、　　.: /|:| : /: : :|i　　　　　　　こんな場所に敵襲なんて……それこそ、
　　　　　　　　|i ||:|:i＞　　　　 　 .ｨ :/::」:/〈: : : 八
　　　　　　　　|i ||:|:|///〕ﾆ=-　　 | l: : :/　 V⌒V:＼　　　　　　十年前以来や……
　　　　　　　　|i7⌒V|　V寸ﾆﾆ才　!: /　　　＼_,V⌒ :、
. 　 　 　 _　--厶ヘ V　 V /⌒丶　| {　 　 -=ﾐ,V{　　,ハ　　　　　
　　　　 〈,　　 / 　 　 V　V^V__/^V　|/　/　 　 ＼　/
　　　　/∧　/　　　　 }.　 }i /　Vi{　 」　/　 ______　/　　 __
.　　　 {　　V　 　 　 ,リ,　　}i　　 i{　 }i,　 ／　 　 |ー━=ﾐ」
　 　 r」　　⌒ー‐―(￣￣〉ﾑ　 /| 　i|／　　　　｜　 　 _.」Ｌ
　 　 |⌒ー}　　　　 /　 　 ＼ V　　 /　　＼　 　_|　　ー=ミ__ )
　 　 |　　 ﾉ　　　 ,/　　 　 　 ＼　./　　 f/―‐┐＿__　　　}　＼
　　 ∧__(___　　_/　　　　　　　　＼　　 /　￣￣〉　乙...
　　　　/　　　/八　　　　　　　_ji斗〜'へ　￣￣| 　 」(
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　　　　i:.:./ |:.:.:|:.:.:|:.:.:. |,イう≧､ヽ 　 ヽ|芹う≦、:.!:.:.|/|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　|:/.　!:.:.:!:.:.:!:.:.:.《 {::::::::ら　　　　´ {:::::刈 》/: /ヽ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　やる夫君、よく聞いて。
　　　　|j 　 ',:. |:.:. |＼ヽ. 辷シ　　　　 　 辷シ /:／:} /|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
.　　　　|　　 i: |!:.:.|:.:.:.:ヾ､　　　　　j　　　　 　 /!:. : ｉ_,' |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　……これから、十年前の続きが始まるかもしれない。
　　　　　　　 ﾘ ヽ|!:.: : ﾍ　　　　　　　　　　　　 }: : /　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　 ',:.:.:.:.{ヽ　　 　 ￣　　 　 ／/:.:,' 　　! :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　 　 ヽ :.:.ｉ　＞　 　 　 　 イ　/ :./　　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　＼ヽ ,rヽ. ＞＜　_／|/／　　 　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　　　　　　　　　 　 　, ヾ､{　　 ≠<´　　./｀ヽ、　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
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4164： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 22:15:51 ID:tn/NubPk0
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　　　 l.l.ヽ.:.:|.::::.:.:.:|{:.:.,仆乞芸て卞 >′l./ｊ.:,ﾘ.:./.:l.:.ﾍ.:.::.ヽ.:.:.';.'|
　　 　'.:.:.:;:升∧::.:.|.:.:{ｲ ,伐::::::斥′　　ﾉクｻﾄxj:.:.li.:l.:.ﾊヽ.:.';.:.:;.!
　　　　∨　 !′l:.:.:|:.:.! ､辷ｰクﾉ　　　 　ｹ云x.:ﾉﾒi.:/.:.:.:.:l.:.:.:.:.l:.!　　　　 　　敵機は一機。個体名……ネクスト・ラズルシェニェ。
.　　　　 ゞ､)l::.:.:ゝ:ﾍ､:!　｀¨¨ﾞ`　　　　　/.::ﾇﾘｹ;´.:;ﾘ..:.:.:.∧:l.:.:ﾊ!
　　　　　 'iｰl;:.:.:.::.个｀　　　　　　　　　匕ﾞ.ノ_ノノ/!:.:.:.;/　ﾚノ　!　　　　 　　 アヴィアコルのランク2。今、オルデンブルクに
　 　 　 　 l.:人::.:.:.ﾞl　　　　　　 　 　 　 ¨`て.._｀V.ﾊ.:::/ 　 !′
　 　 　_,､n<　 '.:.､∧　　　　　　　ｃ｡　　　人__,¨＼:l/　　　　　　　　　　　　　救援と事態の説明を求めているけど、応答なし。
　　ｲ´.:::.ハﾍ　'､l?∧　　　　　　　 　 .,／: :.j　 ／}′
／　l:::::::., 　＼　´､?「＞､　　　　 , イ´. 　.:.イ´.:l.:.|　　　　　　　　　　　　　　　桜花は……オルデンブルクに、
　 　ｊ::::::::.ﾍ　　＼　　＼ﾍf＞.ｰ イ. . . :＜.:.:.:.';.:.:.:|.:|
／¨ ﾍ:::::..∧ /＼｀ >ｰ<cﾊ. . . . . . .fヽ,¨ -ﾅﾍ.';.:.:|.|　　　　　　　　　　　　　　　企業連に、見捨てられたのかもしれない。
////∧::::..∧＼/∧ Y∧:lｌ. . .,,..ｲ".ｿ ',////,j.:.';.:.||
/V//,∧:::::..∧､/　 >介ｲー"´　／.:::.∧//zj.:.:.';.:.|
j∧V//∧:::...∧　　ｊメﾍ＿_　-ｲ.::::::::::::.∧//j.:.:.:.';.|
j:iV∧//∧:::::::..＼　ヽ´.:::::::::::::::::::::::::::::::::人/j.:.:.:.:';|
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

4165： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 22:16:05 ID:tn/NubPk0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│::::::::::::::::::::::::::::::::│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│::::::::::::::::::::::::::::::::│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│::::::::::::::::::::::::::::::::│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│::::::::::::::::::::::::::::::::│
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　┌─┐
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　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└─┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ┌┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 └┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 □

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

4166： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 22:21:59 ID:tn/NubPk0
┌───────────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
│　　　コロニー・アマツ防衛戦　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　　　依頼主：---　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│　　　接近するラズルシェニェからコロニーを防衛せよ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　　　搭乗機：実験機ネクスト　味方勢力：ネクスト八咫烏、ノーマル三個中隊、MT一個大隊、航空機部隊群　　 　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
│　　　敵勢力…ネクスト1機　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　......│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
└───────────────────────────────────────────────┘

4167： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 22:24:00 ID:tn/NubPk0
さて、続き……と行きたいところなんだが、今日はここまでだ。

安価とるところまで行きたかったんだがね……

次回なんだが、明日の午後八時も投下しようと思う。その日の仕事はそこまでかからないはずだから、早めに帰ってこられるはずなんだ。

それじゃ、シーユーアゲイン。また明日ね。

4168：安価のやる夫だお：2021/05/19(水) 22:24:13 ID:evNqc4S60
乙です!!

4169：安価のやる夫だお：2021/05/19(水) 22:25:16 ID:O/ms2EVY0
乙ー

4170： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 20:01:24 ID:ouBoW6Ao0
　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ　　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

4171： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 20:09:36 ID:ouBoW6Ao0

　　　　　　　 ､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ　　　　　　　知り合いにBlood borneを勧めたら、最初は断固拒否されたのに、
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´　　　　　　　 最近ハマっているのに草を生やしている>>1だよ。
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i
　　　 　/ : : : : : : :┌─┐　　　　　　　でもあの作品、たまに厄介なファンがいてニガテ……というか、
　　　 　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ
　　　 　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿　　　　　　フロムのファンってそういうのいないかい？　コアなゲーム好きな自分に自己陶酔、みたいな。
　　　 　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ
　　　　 と_ : : : : : : ノ : :ノ　　　　　　　　 オタク趣味なんてのは、各々勝手に、密やかに楽しむくらいでいいと個人的に思うがね……
　　　　　　￣￣￣　￣





　　　　　　　　　　　　　　　　　　,- ‐‐ -　､
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｲ: : : : : : : : :｀,
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /○　○: : : : /
　　　　　　　　　　┌─┐　　i_ _ _ : : : : : : :{
　　　　　　　　　　┃茶┃　　 ｀,_　_｀=-: : : :|　　　　　　　話が逸れたね、やっていこうか。
　　　　　　　　　　├─┤　　 　i: : : : :_: : : :'
　　　　　　　　　　￣￣￣ー‐'' ｀-‐´ : : : : : :ヽ　　　　　　　大戦争パートだ。こっからは激しいよ。
　　　　　　　　　　　　 ゝ __ ,..　ｲ : : : : : : : : l: : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　 { : : : : : : : : :|: :.|
　　　　　　　　　　　　　　　 ,､ '" : : : : : : : : :ﾞ､:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 （ : : :‐ ､ : : : :__,. : : :Y"
　　　　　　　　　　　　　　　` ー‐┘￣‐〈＿ ,,ノ

4172： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 20:10:05 ID:ouBoW6Ao0

＿＿＿＿＿
　 /.// ＼　　≧s。
. /.//　　 .＼　　.ゞ ≧s。
/.//　　　　　＼　　　 ◎}i〉/7
./_i{_　　　　　　 ＼　　 ,ｨ〈|ﾆ{
二i_ ｀'≦。,　　　　.＼.//ﾆ二},,,_
　i　｀'≦。, ｀''ヽｨﾌﾆﾆヾﾆﾆﾆ'...........ヽ,
i .i　　　　　　ヾ_i{　　　 ヾ二{................∨
i .i　　　　　　　ﾏi。　　　　.}ｿ...............　}
i､ ゝ,　　　　　　ヾii。　　　/=====.､.　ﾑ
.＼　 〉,　　　　　 .ヾii。　/≧s二≧ゝｨ==＜
ﾆﾆゞ　.|'＜　　　　　.ヾﾏ////iイ......//￣.ヾ,}i
ﾆ／|　 |　　.｀''＜　　　　i////i......//:}i　 ＿Y
ii|　 |　 |　　　　　 ｀'＜....i////i....//:::ｿ┐ﾆミ
ii|　 |　 |　　　　　　　　　i////iゞ'´::::::::∧....｀∨
ii|　 |　 |　　　　　　　　　i////i:::::::::∨:::∧..... ∨
ii|　 |　 |　　　　　　　　　i////i::::::::::::∨:::∧......∨　　　　　　　　　　　　　 ＿　　　　　 ,ｨ､
ii|　 |　 |　　　　　　　　　i////i:::::::::ヽ::ヽ::::∧....≧､　　　　　　　　　。s≦コ |.|＿,,,,,。ｲ　|.|
ii|　 |　 |　　　　　　　　　i////i:::::::::::::ヽ::ﾐi::::∧...　 ｀'＜　〉s≦＿　 　 　 コ |´　　　i|　　|.|
ii|　 |　 |　　　　　　　　　i////i::::::::::::::::::ヽ,∨:::≧s。　 .｀'＜／ﾆﾆ≧s。...コ |　　　. i|　 ﾉﾉ

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喧騒に包まれたドック内。水を流し込まれた蟻の巣のような、
混乱を極める中で、整備チームたちの怒号が飛び交っている。

音感センサーを切れば聞こえなくなるが、それでも入れておいた。
少しでも情報が欲しかった。この異常事態において、何よりも不足しているのは、
情報に他ならない。敵の情報も味方の情報も、あまりにも少ない。

だが、それは誰もが同じことで、企業連に見捨てられ、
あまつさえブライドルのランク2が敵対信号を発しながら向かってきている事実に、
皆恐れ、動揺するばかりだった。聞こえてくるのは怒鳴り声と悲鳴ばかりだ。

慣れないパイロットシートに四肢を固定され、うなじの接続ジャックに衝撃を感じる。
直後、視界が暗闇に閉ざされ、それからすぐにドックの光景が現れる。

機体のカメラアイの視点から、対汚染スーツに身を包んだ誘導員の誘導灯を見つけ、
カタパルトとの接続状況を確認してから姿勢を屈める。

今回の出撃ははやての八咫烏と同時にカタパルトから射出、海底トンネルに侵入し、
そこから海上へと浮上するという手筈だ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4173： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 20:17:35 ID:ouBoW6Ao0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r、
　　　　　　　　　　　　　　　　/｀ ー- ､_　/,,/
　　　 　 　 　 　 　　 　　　 // 　 　 　/l |　l　　　　　　　　　　　 r、
　 　 　 　 　 　 　 　 　　 /./　　　　 / l!,|　l i　　　　　　　　　　/ /
　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　｀ ー- ､_/　li !　l,f='ｰ-､＿.　 　 　 / /
　 　 　 　　 　　 　　　/　　　 　 　 　 l l 7// ./ヽ´Y､ヾ　　　/ /
　　　 　 　 　 　　 　/　　 　　 　　　 l lll ﾛ/_/ /ヽ,ﾉﾉ､｀li┐/ /i
　　　 　　 　 　 　 /　　　　　 　　　 l ,l　 /ゝ-'一ヾ」　/ーゞ-i､l
　　　　　　　　　 /　 　 　 　　　　　l ,l　 i |〉ｰ'i´ii"ｿ､/.　 /;rｰiﾞ`''…ｰｯ,､ ..　　　　　　
　 　 　 　 　 　 /　 　 　 　　　　　 l ,! 　 ,ゝ≡=ソ／｀ー/:;! l;;:l　　　　　＼_ヽ
　　　　　　　　/　　　　　　 　　 　,! .l､,r´　　　//　　　(oiil;;;l;;;l`ｰ──´／／　　　　　
　 　 　 　　 　i,ﾟ　　　　　　　　　/　.! i ｀ ー-//　　　 /｡ i!;;;l;;;l`'ｰ─ｯ"ソ"
　　　　　 　　 |}　　 　　 　 　　/ 　 !､l｀:::::-､| |￣￣ｿ/;;;::il:;;;;lヽｰ-､/ソ
　　　　　　　　ﾘ￣'ｰ- ､、_,,､-'＼　l　|:::::::::::il　l､＿ ,i二ﾆ;;/ ilニー-､
　　　　　　　 /　　　　　 7 ｬ::､P ヽ!ｰ|::::::::::::i|　 〉─,〉ﾞｰ‐' / i　　//
　 　 　 　　 /　　　　 　 /i ｬ::､P／ー|::::::::::::il／ﾆ二7ミｸﾌ´/　 //
　　　　　　 i　　　　　　/　l:::;;／｀ﾞー/｀ ー-､/三二i／　/┘─''
　　　 　 　 l　 　　　　/　 /´　ヾ,.／　　／/､＿＿＿＿/＼ {l
　 　　 　　│　　　　/　 /　　／iー､／　/'i　　　　　　/iﾄ､ i=i
　　　　　　│　　　./　 /　／　　l／　　/　〉ｰ───'ｲ i､ i=i
　　　　　　│　　 /　 /／　　　 /.　　 /　/　　　　　　ｿ　l .i=i

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機体の挙動が、重さが、マーシフルと全然違う。
マーシフルを操縦しているときも、自分の肉体が機械の巨人になったような
感覚だったが、それとは訳が違う。まるで知らない人間の体に乗り移ったみたいだ。

今回与えられたのは、IGIO製の旧型フレームネクスト。
実験機として格安で買い取られたとされるこの機体には、
最低限の装備しか持たされていなかった。

アサルトアーマーもPA収束装置もなければ、いつもの射出対応ブレードもない。
武装も軽めのレーザーライフルと、耐熱コーティングが施されたシールド、
お守り代わりにハンガーに格納されたレーザーブレードくらいだ。

これで満足に戦えるかどうかは分からないが、贅沢は言っていられない。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4174： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 20:20:31 ID:ouBoW6Ao0

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　　　　　　　　　／.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＞､i.:.ｲ´.:‐..:.:.─ ､
　　　　　　 ,､イ.:.／.:.:.:.:.:.:.:,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:...:::.:´.:.:.:.:.:.:.､.:.:.:.＼
　　　　　 nﾍ.:.:;.:'.::.::.:.:.:,ｲ.:.:..:.:,ｲ.:.:.:.:.:.:.:.:;l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_.:j¨｀ヽ.⌒ヾ:.､
　　　 　,ｲj､.:.v.:.:.:.:.:.::/:/.:.:,ｲ/.:.:.:ﾉ!.:.:i.:..:j.:.:.:.:.ヾ;,.:.:.:.:.:.:ヾ.:.:.ヽ　 ｀ﾍ
　　　　/ll!ﾊ:.:′.:.:.:.:/./.／.:/.:／.,ﾉ.;/l:.:;!.::l.ﾍ;.:.:.ヽ,:.:.:.:.:.:.ヾ,:.:.'; 　　!
　　　 ∧jﾊ.:′.:.:.:.:.′〃xｆz左ｚ,;,X, .j:/ !:;|:.:.:l.:.:.:.l.:ﾍ.:.＼.:.::.':;.:.';
　　　 l.l.ヽ.:.:|.::::.:.:.:|{:.:.,仆乞芸て卞 >′l./ｊ.:,ﾘ.:./.:l.:.ﾍ.:.::.ヽ.:.:.';.'|
　　 　'.:.:.:;:升∧::.:.|.:.:{ｲ ,伐::::::斥′　　ﾉクｻﾄxj:.:.li.:l.:.ﾊヽ.:.';.:.:;.!　
　　　　∨　 !′l:.:.:|:.:.! ､辷ｰクﾉ　　　 　ｹ云x.:ﾉﾒi.:/.:.:.:.:l.:.:.:.:.l:.!
.　　　　 ゞ､)l::.:.:ゝ:ﾍ､:!　｀¨¨ﾞ`　　　　　/.::ﾇﾘｹ;´.:;ﾘ..:.:.:.∧:l.:.:ﾊ!　　　　　　状況が不透明すぎる……冷静に行動して。
　　　　　 'iｰl;:.:.:.::.个｀　　　　　　　　　匕ﾞ.ノ_ノノ/!:.:.:.;/　ﾚノ　!
　 　 　 　 l.:人::.:.:.ﾞl　　　　　　 　 　 　 ¨`て.._｀V.ﾊ.:::/ 　 !′　　　　　　　 ひとまずは八咫烏と上空で待機。
　 　 　_,､n<　 '.:.､∧　　　　　　　ｃ｡　　　人__,¨＼:l/
　　ｲ´.:::.ハﾍ　'､l?∧　　　　　　　 　 .,／: :.j　 ／}′　　　　　　　　　　　　 戦闘行為に発展するようなら……
／　l:::::::., 　＼　´､?「＞､　　　　 , イ´. 　.:.イ´.:l.:.|
　 　ｊ::::::::.ﾍ　　＼　　＼ﾍf＞.ｰ イ. . . :＜.:.:.:.';.:.:.:|.:|　　　　　　　　　　　　　　「するようなら？」
／¨ ﾍ:::::..∧ /＼｀ >ｰ<cﾊ. . . . . . .fヽ,¨ -ﾅﾍ.';.:.:|.|
////∧::::..∧＼/∧ Y∧:lｌ. . .,,..ｲ".ｿ ',////,j.:.';.:.||
/V//,∧:::::..∧､/　 >介ｲー"´　／.:::.∧//zj.:.:.';.:.|
j∧V//∧:::...∧　　ｊメﾍ＿_　-ｲ.::::::::::::.∧//j.:.:.:.';.|
j:iV∧//∧:::::::..＼　ヽ´.:::::::::::::::::::::::::::::::::人/j.:.:.:.:';|





　　　　　　　　 ＿＿　　　　　　　　＿＿　　　　　　　,x≦ ヽ
　　　　 　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ 　 ,x≦:.:.:.:.:.:.:.≧ｭ､　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
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　　　{/　　:.:.:.:/:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.: |:.:.:. : |:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:}:.:l:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　′　 l:.:/i:.:.:.:. i:.:.:.:.:.:. |:. : |＿|:. |:.: : |＿|:.:.}:.:.:.:.:.i:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　　　　……全力で応戦するしかない。
　　　　 　 |: { |:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|斗: ´|:.:.:|:.:.|:.:.:´!:.:.:|｀ ヽ:.: : }|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　Ⅳ {:.:.:.:.:.::.:.:.:.|:.:|:. : |:.:.:|:.:.|:.: : |: : |:.:.:}:.:.:.:/:|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　最悪、今回の戦いは防衛戦じゃなくて、撤退戦になりうる。
　　　　　　　　 .::.:.:.:.ヽ:.:.: ゝ===‐'| /|:／ゞ==７:.:.:.:ｲ　!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　　　ﾏ:.:lヽト:.､ヽ　　　|′,　　 　 /:／:. |　|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　やれるだけやるしかないよ。
　　　　　　　　 　 ﾏ{　|:.:.:.:|ヽ、　　 r　ｭ　　 ／}:.:.: !　|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　　　 　 　ヽ ヽ:. !　　 ト　　　　 イ､　i:.:. / ｜:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　　　　　　＿__ゝ{-,/| ＼＞＜ ／} ヽ|／、 :|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　 　 r‐‐=ﾆ二::::::::::::::/　|　　 〉r〈　　 i　‘，:::::::::::≧ｭ､:.:.:.:.: |
　　　　　/::::::}:::::::::::::::::::::_/　　|　 /{≠{∨　|　　.::::::::::::::::::::::::: ７､:!
　 　 　 /:::::::::ｉ ‐=ﾆ　　 《　　 :|／ //l l ∨/l　　 }ﾆ=‐::::::::::::: /:: }|
　　　 /ヽヽ:: ∧　,　　　　ヽ__/ l　 ｀__Ll　 ′≪　　　　　｀　/:::::::i__
　　 .:　 //:: /　∨　　 　 〈　 　 l〃:::::::::ヽ,'　 　 7　　　　l　/ ',::::{{　ヽ
　　 {_ノノ:::/　 /　　 　 　 ∨ 　:l:::::::::::::::::,'　 　 /　　　　 l:/ 　 ',::ゝ',　',

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

4175： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 20:26:33 ID:ouBoW6Ao0

　　　　　　　　　　 __´￣￣二ﾆ=　、
　　　　　　　　／　　￣´ 　　　　　　ヽ
　　　　　 　 /　/ｨ　　　　　　}i　　　　∧
　　　　 　 /ﾔ'7=ﾆ二二二≦_｣Ｌﾍ/　 ∧
　　 　 　 ;　 /＼_　　､＿　￣Ｖ⌒{ 　 / }｝
　　　　　:; 　}(●）　　（●　）　〉 人 /　/^}　　　　　　　　　　　　　「……弱気になってもしょうがない、か。
　　　　　 '､ {（　ｨ'　　　　　u./／Ｌ {__/(__/
　　　　 ＿{へ≧＾ゝ､___ノ_z彡二弐≠ ＞／￣￣ミヽ　　　　　　　　実験機ネクスト、仮称脇差、出撃スタンバイ」
　　　　r{_ `ｰ=＜三＞'’ ）二二 ／　//　　　___　　　＼
　　／/ ｛＼　　｀￣　 /二二／/ 　/ｲ　　 Ｙiっ) -┐　 ＼　　　　　了解、いつでも出られますお。
　｛　　Ｖ 〉　　　　　　〈ﾆ二彡イ　 ｛ ｛　 　 }｣つ）二! -02 |ｌ
　｛　 　 i ＼ 　 　 　 /｝ト､　　 i　 /八ヘ　　￣´　　　　　 |ｌ
　　)〉=ﾆi　　＼＿∠_//ｚ/＼　i／　　＞　_　　　　　　 　 /ｌ
　　　汀 i　　　 〔_二//￣　　 ＼　　 /￣７ 　 ＞＝-≠〈/
　　 ！| iﾄ　　　　＼　　　　 　 　 ＼/　 /　　　　　　勹[_]
　　　　　｀v 　　　　＼　　　　　　　 ＼/　　 　 　 　　/
　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　 ＼　　　　 　 /

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
なのはが聞いたこともないような言葉を発する度、
今起きている事態がこれまでにないほどの非常事態であることを感じさせられ、
心臓が強張る。

あのなのはが「しかない」などと言うなんて、今まであっただろうか？
あったとしても、数えるくらいしかないだろう。
それほどに聞き覚えがない。

とにかく、今は出撃するしかない。解放されるゲートを見据え、
オーバードブースターを起動させる。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4176： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 20:29:19 ID:ouBoW6Ao0

　　　　　　　　 ＿
　　　　　 　 ／: : :｀ヽ　 　 　 ＿＿＿　　　　　　 　 __
　　　　　 ／: : : : : : : ＼,　´: : : : : : : : : : :‐-､　 ,ｨ彡'´
.　　　　 /:／⌒＼ : : ／: : : : : : : : : : : : : : : : :Ｙ:ノ＿＿
　 　 　 ′: : : : : : 〉'ミz: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :｀ヽ
　　　　i: : : : : : : / z‐- : : : : ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :‘，
　　　　|: : : : : : :′:.: : : :.‐-/: : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : :|
　　　　|: : : : : : i: : i: ＼: : : |: : /: : : / : /: : /| : : : ,: : :|: |ヽ: :|
　　　　|: : : : : : i: : i: : : ヽ:.:.|: /|: : : :|: :/卞/､|,ｨ|: / : /|: |　∨
　　　　|: : : : : : :∨:､: : : : : {vﾍ!: : : :!v {チ抃.｀ ﾚ'|: / .ﾚ'
　　　　|: : : : : : :八: :＼: : : ヽ ,'＼: ﾊ　弋ツ 　 / |/　　　　　　（最悪、私たちだけでも、無関係を主張して降伏……と考えもしたけど。
　　　　|: : : : : : :|　＼: : ヽ: : : |: : |＼|.　　 　 　{　　　
　　　　|: : : : : i :|　　 ＼:.:., -‐|: : |　　　　 　 　 〉　　　　　　　　ランク2を出してくるあたり、企業連も本気……
　　　　|: : : : : i :|　　 　./　　 ﾍ : |　 　 　 ‐-／
　　　　|: : : : : i :|　　.r―──‐ ､| ＼　＿／:|　　　　　　　　　　ランク1のこともある。やる夫君のことを邪魔者扱いしていてもおかしくない。
　　　　|: : : : : i :|　 ./　　 　 　 　 ＼＿＿|ﾊ/__
　　　　| : : : :,　-─'￣￣￣￣￣￣::::::::::::::::::::::::｀＞x　　　　　　　今はこっちのほうが安牌と見たけど、さて）
　　　　|: i : ｔ' :::::::::: ,'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::, -‐:::::::::::::i
　　　　|: i : |:::::::::::::,':::::::::::::::::::::::::::::::::: ヽ::: i:::::::::::::::::::: |
　　　　|: i : |::::::::::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∨| :::::::::::::::::: |
　　　　|: i : |::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾍ|::::::::::::::::Ｙ⌒Ｙ

4177： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 20:29:30 ID:ouBoW6Ao0
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　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└─┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ┌┐
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 □

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

4178： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 20:44:39 ID:ouBoW6Ao0

〜Tips〜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 / 「l　 　/　　　 / ∧
　　　　　　　　　　　　 　/ 7`7ﾆVi　　 　/ / /
　　　　　　　　　　 　 　 ヽ'_/‐ｭ叮::〕　 / /-─､､
　　　　　　 　 　 / ,ﾆﾆヽ├イ_ノT´ｰｲ／￣ ヽ い　＿＿_､
　　　　　　 　 　 V　　 ,r'7に7_／ ￣/..　　　　:::∥　　　　|
　　　　　 　 　 　 ﾄ｡ｭｲ _ __／/　　 ∧.:｡ｭ.:.:./:,,,//　　　　|.|
　　　　　　　　 　 ｀7〈r─〈　ヽ￣｀ヽ　.　　　:::∧ﾄ───ｲ|
　　　　　　　　　　/　 ＼;;;;＼/ﾆﾆﾆﾆ7ヱｸ::::∧'＼ : : : ／ :|
　　　　　　　　　　〉Q))ハ==く´ __ _＿レ ::::::/ﾞｉ／: : :┼ :＼ |
　　　　　　　 　 /´　.:rrｲ.:::/ /r=＝＝.　::: ∧ｉ.＼ : : V: :.／ |
　　　　　　 ／ｨﾝ＾>'ﾊ///.::/ / .::.r＝ rl.::::∧ﾞｉ. ／: : : : : :＼ |
　　　　 　,ｨ'v′／ ,</ 「￣「　.:::.i 　　 l. ∧､ﾞｉ |: : : : : : : : : : :|
　　　　　ｌﾚ’／_,-ぐｿ 　 ',　 ',　 .::i　　 　{ :＞r‐─‐ --;..人___|
　　　 .／／ 人 ＼彡'　　ヽ二ヽ_ﾊ　　　.｀|∪|' |　　　　　　　 }:
　　　<／／　　＼/！__ / 　! 　　 ', -‐！|∪/￣￣￣￣￣Ⅳ
　 ／へ'　　　　　　　i　 i　, ｲ　　　 ', __ 」人ｌ∧　　　　　　　 ’
<／　　　　　　　　　l弐( (0)　　　　ﾚ´　ﾄ|::::!ﾊ　　　　　　　 ’
　　　　　　　　　　　|￣| 〉´〕　　　∧.　.　　|:::|ｌ:　　　　 　 /
　　　　　　 　 　　 /l　 l/　/｀ヽ　 ﾄ､', .　 　|::ｌ:　　　　 　 /
　　　　 　 　 　 　 l/　 ′/　　 〉.！ヽ 　　 '|::ｌ　　　 　 ./
　　　　　　　　　　/　/　〈　　 / 　 ヽ ! 　 　|::|　　　　 /
　　　 　 　 　 　 /　/　 　ヽ／!　　 　|.　　　|:|: 　 　 ./
　　　　　　　　　「弐`ヽ　　l／　 　　 |　,rr＝||＿＿/
　　　　　　　　／／`ヽヽイ/　　 　　 |//　　　 い
　　　　　　 ∠∠, ...イ 7.:.:.ヽ 　 　 　 l/ｲ　i　i　lﾄ､!
　　　　　 く─く￣`ヽ_/⊥-┘ 　 　 　ヽl__l __l/l
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【Name】
脇差
【Type】
中量二脚
【Architect】
桜花重工研究開発部
【Status】
火力：D　機動力：C　耐久力：C　持続力：A　負荷：B
【Note】
桜花重工研究開発部において運用されていた実験機ネクスト。
IGIO製の旧式フレームで構成されており、最低限の武装しか持たされていない。
主にブースターなどの内部機関のテストに使用されていた。EN負荷は低く、AMS適正が低くとも問題なく運用可能。

近接適正も申し訳程度にあるが、FCSは射撃戦向け。

IGIOから格安で卸された機体であり、そうそう実戦に駆り出すようなものではない。

4179： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 20:50:42 ID:ouBoW6Ao0

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。 ． ` ； 　 ' 、 '、′' ．　'、′' ・．　'、ヾ ､`　;人. /;′。．・"；　'、．・" 、 ′。　`　'、．
'　、　′'、′' 　、`' ． 'ヾ `､ヾ ､`､,, 　',．　'`、′。．・`；　'、．`；　'、．・" 、 ′"　。　．　`
．　'`、′。．・`；　'、．、ヾ ､`　ヾ・、　',　:　　:　　:,'　,　',　,'　'`、′。．・`；　'、．・。　`　'、．
　 '、′' ．　'、′' ・．　'　.ｎ　　　　　　　_ ::　　:　　　:　　::　　:　/;′。．・"；　'、．・"　`　'、．
'、′' 　、`' ． 'ヾ `､ヾ ..┌-:;ニ 、 /|　/_|　　 　 :　　　:　　　:,　:　／．　'`、′。．・`；　'、．・
、′' ・．'、ヾ ､`　.＼ ＿.|　　|.i~ヾ// / /　　　　　 　 　 　 　 　 ,"　´,　′(　／:′。．・"；　'
．　'・．．　'・､`ヽ `､/, -<|,ー'~フiﾖ'）,〆ニﾛ∧　　　 　 　 　 　 　 ,　　,'　',　_,. - '．　'`、′。．
　　　 `ヾ＼'i,　　`　'ヽ_,, .iﾛn.ﾛ)ノ /　　　||∧/|.　　　　　　　　　　　　 ,　　',　,ｉ　'／,′",／／
　　 ＼.`ヾ＼ ,,)`　 ./ ヾ, (-<＿<__| 旦／ |　　 |　　　　 　 　 　 　 .,　'　,　',　 ´(　／　〃´,. '
　　　　 `ヾ＼'i,　　.<_.u　├T_┐√~＼└ヽ　/ |　　　　　　　 　 　 ,　　',　,ｉ　’／,′",／／
　　　　　 ＼､ヾ　＼　　　　ト　>i> /￣＼|ﾌヽ._/　　　　　　 　 　 　 　 .／,　〃,　〃／
　　　　　 `ヾ＼'i, 　 　 　 .L_／　ヽ　,、,、/　　　　　　　　　　　 　 　 　 ´／,. ',〃／
　　　　　　　 ＼､ヾ　　　　　　　　　 ￣￣　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,／〃´,. '
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　　　　　　　　 l: 　　.＼　 .　|;､　 ﾉ　　 　　^ヽ､　　,.,ゝλ,v ,r', .;l, ,r' 〈　.,; ,l
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海底から急速浮上し、派手に水飛沫を巻き上げる。
夕暮れの空の色を映した海面に、自機の姿が映りこんだ。
見慣れぬ無骨なフォルムのネクストは、マーシフルよりも肉厚であるものの、
どこか貧相に見えて仕方がない。
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4180： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 21:00:13 ID:ouBoW6Ao0

　　　　　　　　　　　　　 -‐━━=ミ
　　　　　　　　　 /⌒:^.: : : : : : : : : ::＞
　　　　　　　_.-=ミ: : : : ＼: : : : : : : : :V: `.
　　 　 　 .ｨ: : : : 7:〉 :∧: : :V: : : : : : :〈/: /〉:.
　　　　 /: : : : : :|/ | : :|:V: : :i : :| : : : : V〉: : ﾊ
.　　　 /: : : : : : :|i　!::斗-V: :|ー|‐|:-|: ::|:|i: : : |i
　　　 ′l: : |i :|i |i_,.ｨﾃﾃﾐ : : |N|ｨテﾐN: |:|i: : : |i
　　　{　｜:::|i :|i |i　 r勿,　|:N　 r勿ﾉ !::|:|5!: : : .
.　 　 　 从::|i: |i |i:　^¨¨　　i　　　 　 」::|:|,ﾉ: ;小:.　　　　　　　　……こっから町の様子が見えるけど、まだ避難が終わっとらん。
.　　　　　　〕: :|i |N」　　　 ,　　、　　.: /|:| : /: : :|i
　　　　　　　　|i ||:|:i＞　　　　 　 .ｨ :/::」:/〈: : : 八　　　　　　　　商店街も、住宅街も、アウターもインナーもてんてこ舞いや。
　　　　　　　　|i ||:|:|///〕ﾆ=-　　 | l: : :/　 V⌒V:＼
　　　　　　　　|i7⌒V|　V寸ﾆﾆ才　!: /　　　＼_,V⌒ :、　　　　　 企業のお膝元の人々が避難慣れなんてしとるわけあらへん。
. 　 　 　 _　--厶ヘ V　 V /⌒丶　| {　 　 -=ﾐ,V{　　,ハ
　　　　 〈,　　 / 　 　 V　V^V__/^V　|/　/　 　 ＼　/　　　　　　　ノーマル部隊が誘導しとるけど……もう少し手間取るやろな……
　　　　/∧　/　　　　 }.　 }i /　Vi{　 」　/　 ______　/　　 __
.　　　 {　　V　 　 　 ,リ,　　}i　　 i{　 }i,　 ／　 　 |ー━=ﾐ」
　 　 r」　　⌒ー‐―(￣￣〉ﾑ　 /| 　i|／　　　　｜　 　 _.」Ｌ
　 　 |⌒ー}　　　　 /　 　 ＼ V　　 /　　＼　 　_|　　ー=ミ__ )
　 　 |　　 ﾉ　　　 ,/　　 　 　 ＼　./　　 f/―‐┐＿__　　　}　＼
　　 ∧__(___　　_/　　　　　　　　＼　　 /　￣￣〉　乙...
　　　　/　　　/八　　　　　　　_ji斗〜'へ　￣￣| 　 」(
　/　 /　　　/￣,.. ．-‐　'''""~ 　 　 　 　 .V　 rﾉ.　　　＼

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先に海上に上がっていたはやてと通信回線を開く。
漆黒の装甲を鎧武者に見立てたようなフォルムのネクスト、
八咫烏に乗る彼女は、不安げに声を潜めて、町の様子をうかがっていた。

赤いカメラアイが忙しなく動き、彼女の心情を伝えてくるようでもある。

「とにかく、ここで敵ネクストを待ち構えるお。
ひとまずそいつを墜とせれば、この場は何とかなるはずだお」

自分にも言い聞かせるようにして呼び掛ける。
ネクスト単騎による強襲であるのなら、それを退ければ何とかなる。
現代におけるネクスト戦というのは、そういうものだ。

何機墜としたか、敵軍の何割を壊滅させたかで勝敗が決まるのではない。
ネクストが落ちた方が負ける。

それは自分たちも同じことで、自分とはやてが墜とされれば、
このコロニーは真っ裸も同然だ。ノーマル部隊など蹴散らされて終わってしまう。

どのみち、全ては自分たちにかかっているのだ。
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4181： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 21:11:58 ID:ouBoW6Ao0

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空から自分たちのものとは別のジェット音が聞こえてくる。
見上げると、茜色の空に幾つもの雲の筋が形作られていた。

ネクストからすれば掌に収まるサイズの戦闘機軍が飛び交っている。
スクランブル発進したのか、いくつかの小隊がまばらに編隊を組んでいた。

桜花重工直属、コロニーの防衛部隊だ。
いつもは撃墜の対象である通常兵器群だが、今はこれ以上に心強いものはない。

通常兵器の攻撃でも、ネクストに一切手傷を負わせられない、などということはない。
戦闘機のミサイルの雨をまともに受ければ、半端なPAはすぐさま吹き飛ぶ。
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4182： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 21:20:47 ID:ouBoW6Ao0

　　 　　　,,, ＝＝＝＝,,
　　　 　〃　　　　　　　　＼
　　　/ 《　　 ─　 　 ─ 　 ヽ
　　　|∩||　 （●） 　（●）　 }}　　　　　　「上空の両機、聞こえるか！？」
　　　|∪《 　 　（__人__）　　∥|
　　／＼　 ミ三∩_ノ ⊃彡 ／ゞ　　　　　おっ……
　/　　乂 ゝ _／ ＿ ノ ＿イ,＿)
　(　, ′ヽ ／　 ,,;;; ｲ/　　 i　　i
　 ＼　　 " ` ､ ／￣￣i￣"　 )





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/￣',　　　　　　　　 r‐=
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 r　 　 .　　　/￣￣￣:| :ｌ　',
　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿　 fﾆY--∧　/{__／｀ヽ /ｌ :ｌ　 ｉ
　　　　　　　　　　　　　 /　 r‐=〈- ((二二}¨{　　　　　/ /! l　 l
　　　　　　　　　　　　　{　　 }イ__/　/　　 i　i　　　　 //　| :!
　　　　　　　　　　　 　 ∨　/　f　∨　 　 ﾉ　ゝ‐=≦　ゝ/:! :　　',
　　　　　　　　　　　　　 f=〈ヽ八f__)二二_____/ 〉 〉　 　 》l　}
　　　　　　　　　　　　　 /　}　∧％------〈‐=≦ 〉ニ ∨!　＼　}　　　　　　　こちらはコロニー・アマツ防衛部隊！
　　　　　　　　　　　　　 〉/7 / f--/ r‐=≦/ ＼　{　　 /　l　 l　 /
　　　　　　　　　　　　 / // 　∨　{ / ゝ‐≦', f¨¨ゝ 　 i　 :!　:　 {　　　　　　　　ノーマル中隊の指揮を預かっている者だ！
　　　　 　 　 　 　 　 / // /　 ゝ-〈　　　　 ∧i 　 }{ 　 !　 ｌ　ｌ　 i
　　　　　　　　　/77∨ /:/　　 /　 i　 　 　 　:〉¨¨〈ゝ--＜}　!　 !　　　　　　　　交戦が開始し次第、海と空から君たちを援護する！
　　　　　　　　 〈〈///〉/ヽ 　 / ｌ　 ｌ　　‐=≦　　〉 / /　}7 ｉ :l　｜
　　　　　　　　 ////// /　{¨¨! ゝ＜77/∨　　 ∧ゝ〈 〈/　l :l　 :　　　　　　　　　相手はネクスト機だ、頼んだぞ！
　　　 　 　 　 ///〈〉r＜　 i　 l　　 / ＜:∧　/ヽ　}　￣　　　:　 :|
　　　　　　　〈//／¨　　 / ∧:! 　 〉　　 　 ∨　　∧　　　　 l　l /
　　　　　_／ 〉ゝ′　　 /　　 }{　 /　　　　　〉　　　 ∨}:　　 ∨/
　　　　///〃 　 　 　 〈　　　}‐=ﾆミ　　　 〈 ∨　-　 } i　　　 ¨
　　　 〉＜¨　　　　　 　 〉　 /ヽ　 イ　　　　 ∨',{___∨ ﾍ
　　 ％　　　　　　　 　 7￣/　 ゝ´ !　　　　　 } ∨　∧　 ヽ
.／／　　　　　　　　 ／ヽ:/　　　　 :　　 　 　 ｉ　∨ - ',--　',

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
通信要請の通知音が鳴る。自分が確認する前になのはが繋ぐと、
壮年男性の落ち着き払った、それでいて険しい声が聞こえてきた。
どうやら海上の後方で構えているノーマル部隊の指揮官らしい。

レーダー上には大量の緑の点が映り、それらで覆いつくされていた。
レーダー画面一杯の味方機に、僚機である八咫烏。

慣れない状況だ。いつもは少数で大勢を打ち破る側だというのに、
今はこうして、大勢で襲い来る敵を待ち構えている。妙な気分だった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4183： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 21:26:45 ID:ouBoW6Ao0

　　　 　 　 　 .　 -‐〈V＞‐=ミ　 {r　 　 　 　 　 〉、
　　　　　　／:::::::::::::/　｀ヽ　　 ヽ {i.　　　　　　//
　　　　rzく:::::ヽ::ヽ .′ 　 　 o -‐i {i.　_r- ､　//　　　 __,　ｚzミ
　 　 ／:::::::＼::::::::八　　 　 /　　 }::∨::{iﾟi}::∨/　r≦:i｀V´ ､　　ヽ
. 　 〈==ミ:::::::::＼:::::::丶 　 /　　 ノ ゝ:`zzz彡’　人:i:i:i:i:{　　 ヽo-‐}､
　　　／:::≧x:::::::≧x､:::≧zzz彡ｲ_/::｀YﾊY´〈　{ /i:i__i:∧　　 / 　 i:::ヽ　 　 　 / 〉
　　くミ ､::::::::::>､:::/::::::`ｰ=zzz≦|::7{i:i:i:i:i{:i:i:i}ｰくY´::::/::::: 、 / 　 人／　　　 / /
　　 /:::::::>:イ⊇:::≧x::／:}::く:::::::::/人:::::::ゝzﾍ::::::ヽ:::ムヘ::::｀¨¨´:イ::::> 　 　/ /
.　 /::::／/::::／`O::::::::＼ﾉ::::::Y＾〈彡O`:::::::/⌒ヽO}::::::j::::::Yく:イ:::/:´:j　　　/ /　　　　　　　　　　……一体、どうなっとるんや。
　 {:rく　 {:::/::::::::::::＼::::::::ヽ::/　〈:ヽ:::厂厂::¨¨¨`::/}}｀ヽ::::人 ヽ::∧イ ., =ﾐ/ /
　　　　　∨:ミ ､::::::::x≦ミ､/　 ﾊーﾍ::〈ﾆ人ﾆﾆイ {{___rﾊ:／⌒ヽ:::Ⅵ/　r/ ∧、　　　　　　　　　　
　　　　　 {＼:::::::／{ { { { ﾄ〉‐/ ム､　}ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ|ミ ¨¨[:::{::::〇::::::〉、.′{≧z ‘，
　 　 　 　 ￣｀¨¨ ‐Ⅵ从ﾉ　/ /:::::ﾉ￣ ¨¨　　‐- 　..ヽ_乂::Y´:::::::::::}' 　 ゝｲ 　 '. '.　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　 　 　 　 `/ /≧z　 ‐- 　..　_　　　　　　￣ ¨¨　　‐- 　../ _ 　 '. '.
　　　 　 　 　 　 　 　 　 /ｰ’::::::,　=ミ:::Y::::::{::::￣:.¨¨　　‐- 　..　_　 　　　　　￣ ¨¨　　‐- 　..　_
　　　　　　　　　　　 　 ムへ、ノ::::::::::::ｰ|:ヽﾊ::::::::::V〈:::::::::/::ゝ　　Yヽ￣ ¨¨　　‐- 　..　_
　　　　　　　　　　　　〈::::::}::::::::r―‐ ､:::::!/i:i:i}:::::::::::}ヽ＼/:::::::ﾊ　(::::::::::::::::::} 　 　 } }
　　　　　　　　　 　 　 入::｀¨¨::::::::::::::::ヽ|i:i:i:iﾑ=彡ｲ:::::＼::::::/:∧ |｀7¨¨¨´　　 　 ' .′
　 　 　 　 　 　 　 　 〈:::::ヽ::::::::::::::::::::::::::|i:i:i:i{::::::ノ八:::::::::ヽ/:::::∧!/ 　 　 　 　 / /
　　　　　　　　　　 　 入:::::::ー:::'⌒ヽ.__ |:i:i:i:i:¨´:::::} ﾊ、::::::∨::::::::}　　　 　 　 / /
　　　　　　　　　　　〈::::::＼::::::::::::::::::::::::::|:‐〈:::::::／　 〔:＼:::::}::厂ｲ
　　　　 　 　 　 　 　 ト､::::::ヽ::::::::::::::::::::::| 　 ｀¨　　　　≧:〉‐く::::::::>　　 　彡
　　　　　　　 　 　 　 |::ﾊ::::::::::ー:'⌒ヽ:::::}　　　　　 　 ｀ヽ{::::::::}／ﾊ ¨¨¨´






　 ｉ .: .: .: .: i.: .: :|.: i .:_j_Ⅵ.:V.: .:V i:/i＼}.: .: .: .: .: .: .: .: .: }
　 | .: .: .:. ､j_,. 斗r匕.:i: ﾊ : }'，.: ∨＼i:ｉ}-､.: .: .: .: .: .: .: .:i　　　　　　こないなことしたら、全面戦争になるで……アヴィアコルは本気なんか？
　 | .: .: .: : .:'，.: {八.: .{/　Ⅵ Ⅵ.: }: .: .: |/ }.: .: .: .: .: .: .: .:
　 | .: .: .: ｉ.: .:Ⅵ:i笊芋^ｱ　'， Ⅵ.:|: .: .: |i　, .: .: .: i.: .: .: .::　　　　　　 いや、オルデンブルクもグルなんか……？　にしたって、どないして……
　 | .: .: .: | .: .: Ⅵ　Vﾘノ 　 }　 Ⅵ|: .: .: |//.: .: .: .:| .: .: .: :
　 |.:ｉ.: .: .:{ .: .:..八　 ´　　　　　 Ⅵ: .: .: |/.: .: .: .: .ｉ .: .: .: :　　　　　　　桜花を潰して、何の得が……
　 |:.|八.: ﾊ.: .〈　　　　 　 　 　 　 |: .: .: |､ .: .i : .: .: .: .: .: i

4184： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 21:34:57 ID:ouBoW6Ao0
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╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
なのはが短く告げる。

おそらくは全ての答えを知っているであろう者が、
コロニーの一つや二つを灰に変えられる兵器に乗って。
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4185： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 21:40:21 ID:ouBoW6Ao0

　　　　 　 /　　 　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
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　　　　　i　　　　ノ{:;:;:;:}　　　 ｉｉ　　〃　　　　　　　　　　　　　i
　　　　　i　　　ﾞ´ { ゞ'"　　　 ﾂ　　　／　　　　　　　　　　　　ｉ
　　　　/｀　　　　 ゝ　　　　´　　　 ／　　　　　　　　　　　　/
　　　　i　　　　　　　ヽ　　　　Ｕ　　／　　　　　　　　　　　/
　　　　i　　　　　　　　}　　　　　　 三　　　　　　　　　,..／
　 　 　 ＼＿＿＿_ノ　　　　　　　"＿＿＿＿　　　ｲへ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
その言葉の通り、水平線に一点の燃える彗星が現れた。

レーダーに映った赤い点が、消えては映り、映っては消えるを繰り返す。
レーダーの更新間隔をかいくぐるようにして高速移動しているのだ。

速い。ネクストであることを鑑みたとしても速すぎる。

こちらへと飛来するそれは徐々に輪郭を露わにしていく。
後方のノーマル部隊が一斉に各々の武器を構える音が聞こえた。
関節部を軋ませ、射撃体勢に入る音が。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4186： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 21:51:01 ID:ouBoW6Ao0

""'';;.＿__　　　　　　　　　　　　 　 　 ｀ヽ　　　　: : : : : : : : : : : : ｀ｰ=　._＿_
彡´ .＼_]＼　　　　　　　　　　　　 ､＿ノ　　: : : : : : : : : : : : : : : : :　.／[_／
:::; ;,, ,ノ'.＼ﾆ＼　　　　　　　　　　　 ￣ヾ　　　　　　: : : : : : : : : .／ﾆ／.:(＿__
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その機体は、こちらの射程圏内に入ったことを察知したのか、
突如としてOBを切ると、ホバリングの姿勢を取って停止した。

太陽を背にしたその姿には、見覚えがあった。

あの時、マーシフルがヒステリックベインの手で完膚なきまでに破壊されたとき。
あのロールシャッハにすら「勝てない」と言わせ、手を引かせた機体。

黒い猟犬を思わせるメインフレームに、砂色の装甲。
背部の追加ジェネレーターは広げられた翼のようでもある。

機械の天使、といった印象ではシュクヴァールと同じだ。
だが、決定的に何かが違う。

味方のノーマル部隊が、上空の航空機群が、隣のはやてですら、
その姿を前にして固まっていた。照準だけでも合わせようとするが、
動揺がAMSを通じて伝わってしまっているのか、サイトが震える。
背中に無数の銃口が突き付けられているようだ。
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4187： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 21:55:38 ID:ouBoW6Ao0

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　　|: : : : : : : : l: l:l: :＼: : : : : : : : : : : : : : : :/'´}: :l:/: : l: :l　　　　　　　ネクスト、ラズルシェニェとの接敵を確認。
　　|: : : : : : : : ﾍ: : : : : : : : : : : : : : : : : : r‐/〉': // : : ﾊ: l
　　|: : : :l: : : : : :|ヽ: : : : : : : : : : : : : : ／{ l .l'ｲl /|: : / .}/　　　　　　　通信を……
　　|: : :/ : : : : : l　_ヽ: :⊥: _: : : : : ／　　〈ｲ: l/' l:／
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　　　　　　　　　　　 　 　 /,イ＿!¨ ､　　 　 /ｲ　イ､　 ｀ヽ ',＼
　　　　　　　　　　　 　 _,:'　(_-_八　　,_　　　/／ {_ ＼　ハ{　 ＼　　　　　　　　　　ああ、その必要はありません。
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なのはが通信回線を開けないか、今一度要請を出そうとしたとき。
ラズルシェニェの威容からは似つかわしくない少女の声が聞こえた。
オープン回線などではなく、内臓スピーカーによる実際の声だった。

あどけなさが残る声は冷めきっており、背筋を凍り付かせるものがあった。
こちらを見下した、淡々とした口調で、ラズルシェニェのリンクスが続ける。
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4188： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 22:04:51 ID:ouBoW6Ao0

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　　　　　　　　　　　　　 　 ／＞＜　　　　 　 ｀ ＜::::/::::::::::::＞ 、
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /.:´:::::／ ＞= ﾆ二_三＞､ {:::/ ￣∨::∧
　　　　　　　　　　　　 　 {:::::::::/ ∠斗＜广,.へ. .ヽ. .l:/. : : : :∨::∧
　　　　 　 　 　 　 　 　 八:::::/ / /-ﾉ- /　ィ ﾋﾊ: .}.:./. : : : : : :ｉ::::::ﾉ
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＞イ ,ﾍｨfち.′　　　 li/ ,i: : : : : : : :レ
　　　　　　　 {　　　　　　　 ／// ﾍ. /　　,　　　ﾙｲ:l: : : : : : : :l　　　　　　　交渉を受けるつもりはありません。
　　　　　　 　ヽ　 　　ｰ=≠ イ/./ ／､　 　r-　 /厶l: : : : : : : :l
　　　　 　 　 　 ｀ ー=≦ ｰ=彡'′ /. .＞‐-r. 彡:::::::!: : : : : : : !　　　　　　　降伏も認めません。これは、企業連の決定です。
.　　　　　｀ ー=＝≦. . . . . ./|. . . . . ./!ハ__圦:::::::::::j＼ ＿ ／l
.　　　　　　 ／.. . . . . . . .／.人. ./. . | Lノo ヽ}:::::／| 　 　 　 八　　　　　　　
. 　 　 　 ／⌒'ー==≠彡／　ﾉ厶斗＜_　ヘ.,j∠:::l |､ 　　　/
.　　　　/　　 　　／　 ／.　 ´　 ／.::::/ .:::::/米 /:::l |ﾊ　　 /
.　　 　 {　　 　 / .　　´　　　 ／. ::::::/.::::::::ヽ イ::::: !:|:∧　/
.　　 　 ヽ　, 　 ´　　 　 　 ／.::::::::::::′::::::::::::::::::::::::l l :::.∨
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　　　　　　　　　　　　　 ＼::::::::::::＼ヽ
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　　j　　―　　　　 l‐7　,|　　|⌒l／　
　　| 　 l二_l/　 l/ l　l　｝ 　 |　 |　　　　　　　　　　あなた方には、ここで全滅していただきます。
　　|　　==l/-―ﾅ＞l　｝　 八 ｜
ヽ　',　.　 / ￣ﾌ¨´// /　/.. ﾊ八　　　　　　　　　　恨むなら、自分たちの運の悪さを恨んでください。
.l　 y　　　　　　 ノ/ ｲ　/　,'　',　＼
ﾉ 　　　　　　　　／./　/　/　　', ト ＼
　　　 　　　　　　／　/ ／｛　　　, 　 ',`ｰ-‐
. ─-　　　 　　イ 　/ /　　i! .i　　', 　　＼
　` 　　　　,　'　l 　/ /　　 j .j!　　 ', 　　ヽ＼

4189： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 22:09:25 ID:ouBoW6Ao0

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言い終わるや否や、ラズルシェニェの槍のようなハイレーザーライフルに
深紅の光が集束したかと思うと、海を割らんばかりの轟音が耳を劈いた。

びりびりと空気が震え、視界が真っ赤に染め上げられる。
苦悶の声を上げ、反射的にシールドを翳して赤い閃光を遮る。

僅かに残った感覚を総動員して、周囲の状況を把握できないかと四苦八苦する。
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4190： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 22:13:47 ID:ouBoW6Ao0

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そして、しばし、動くこともできずに、佇んでしまった。
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4191： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 22:13:57 ID:ouBoW6Ao0

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　　　　　　　　　　　　　　　　`゛辨;'~´｀　..::`ﾞ'!徽,,ii_,-‐っ ｀~ヽ゛ｰ　　，　　’.,,　`!　　　　　　　i´;:;:;:,...
　　　　　　　　　　　　　　　　　 `¨,,,':;:;:;:;:;＼:::::`ﾞ'!徽''｀ｰ--ｯ-〜''"~y'~´ ,,　　~’ 　 　 　 　 　 `ヾ:;:;:;::::::...
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さっきまで悠然と空を飛び交っていた戦闘機たちが、
まるでおもちゃのようにバラバラに弾け飛び、空中で黒煙を巻き上げていた。

鉄と炎の雨が海面へと降り注ぐ中、余波にやられたのか、
半分溶解して鉄屑同然と化したノーマル機たちの残骸が音を立てて沈んでいく。

レーダーの画面上から、緑の点が次々と消えていく。
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4192： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 22:22:28 ID:ouBoW6Ao0

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　　　　　ﾏ ∨　 　 　 fミ／//∧ヽ__∧', 　 ∨／≧ｭ､ ',
　　　　 　 マ ヽ＿＿ ゝ///f///fぅゝ__}ﾉ‐= iヽ　 /　　} ヽ
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　　Ⅳ　 _ﾌ´　　　 ／　　　　　　 ||| ｜　 || / ┘　／´　　 ／´　　　　守､　　　 　　　/ |　　　　／　　/
　　　　　　　　　 //　＿,,,,,‐‐彡´| ∨　　 ∨　／´　　 ,／´＿___=='''　{|　＼_　　ﾄ､_ /　|　　 ／　　 /　　　_,,／
　　　　　　　　／-‐‐￣　,／ﾆ____}　　　　　　　　　　／-‐￣__／___,,,　 |　　＼__ | ∨　 | j_／　　 //　,,／／
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驚く間も与えられず、血のような赤い熱戦の雨が海に降り注ぐ。
叩きつけられる超々高熱の光の奔流に、海上の部隊が飲み込まれていく。

指揮官からの通信も途絶え、途端に救援要請のアラートが四方八方から飛んでくる。
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4193： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 22:26:41 ID:ouBoW6Ao0

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　 　 {/　　{:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.: ／} 　 ﾏ′　　　 / :/.: /:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:j:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}ヾ、
　 　 |!　　 i:.:.:.:.:. {:.:.:.:.:.:.:.:.:/: /　　　　　　　　　/／ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}i　　　　　　　　こいつを抑える！　一秒でも長く！
　　　 　 　 ﾟ，:.:.: i:.:.:.:.:.:.:./　〈　　　　　　　　　/,ｨｉ｢:.／:.:.:.:.:.:.: /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,′
　　　　　　　ﾟ，:.:.|:.:.:.:.:.:. {　　 ゝ__ --- ､　,ｨｉ｢=‐　/:.:.:.:.:.:.:.:.:∧:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./}ハ/
.　　　　 　 　 ﾟ，:.{∨:.:.:. i　　　　ヽヽ　　}//　　　/:.:.:.:.:.:.:.／二 ＼:. |＼:.:.:/从{ 　 /
　　　　　 　 　 ヾ、∨:.:. {　　　　　{ﾍ ¨¨{/　 　 /:.:.:.:.:.:／¨　 　 　 ゝ　|ヽ,′/
　　　　　　　　 　 　 ＼: i　　 　 　 ',:ゝ‐=≦:.:.:/:.:.:.:.／　　 　 　 　 ＿_!--　_
　　　　　　　 　 　 　 　ヾ、　 　 　 　 ゝ}ルゝ/:.:.:／　　 　 　 ‐=　　　　　　　　 ≧ｭ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:／l　　‐=ﾆ　　　　　　　　　　　　　　　 ＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
凍り付いた意識に、なのはの声が響く。
同時に、はやてが動いた。

八咫烏のオーバードブースターが唸りを上げ、
シールドを構えながらラズルシェニェ目掛けて弾丸のように飛翔する。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4194： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 22:38:50 ID:ouBoW6Ao0

　 　 　 　 　 　 ,,.. ´　　　　　　　｀・ 、　　　　　　「待って、味方航空機部隊から入電――
　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　/　　　　　　　　　 　 　 　 　 ',　　　　　更に12時の方向から敵航空戦力……大規模爆撃機部隊を確認！　コジマ爆弾を積んでる！
　　 　 　 _l;;;;;;;;;,,,　　　　 　 ／　　 　 　 .l
　 　 　 　 l;;;;;;;;;;;;;;; 　 ､_,.ｨtﾁ　） 　 　 　 |　　　　　　今はまだ距離があるけど、あの速力じゃすぐだよ！」
　　　　　　',.　　 /　i　　 ヽー‐ '　u.　　/｀ヽ､
　　　　　　 ＼　乂人＿__ﾉ､　　　 ,. ＜　　　　　　　　なんだって……！？
　　　　　 　 　 ＞-｀￣￣｀'　-
　　　　 　 　 　 　 ｀ー―





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞==､　　　　　　　 ＞==､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　/ Ｙｶ 　 　 　 　 /　/ Ｙｶ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, 　 ,　 '/,　　　　　 ., 　 ,　 '/,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 /　.'/,　　　　　 /　 /　.'/,
　　　　　　　　　　　 > ァﾆﾆ===--､　　　　,　　 }==≦　　　　　,　　 }==≦
　　　 　 　 　 　 　 / /　　 ∧　　 　 ､　 { 7　　 '　∥_Υ＿__ ノ　　 ' ∥ ＼
　 　 　 　 　 　 　 / /　　 /　∨　　　　､.!〔　　 '　∥∨∧　　∨　 / .7＼　 ヽ
　　　　　　 　 　 .∧∨ 　,'　　 ∨　　　　､ ｌ　 /　 /　∨ ∧＿_∨/　/　　ヽ　}
　　　　 　 　 　 　 ∧∨＿､＼　}＿　-=ﾆ}_!_./＞''~　Ⅶ //￣￣-=ﾐ　　　　}.ﾉ
　　　　 　 　 　 　 　 弌///ヽ　i￣　　　 ﾘィi〔 　 Ⅶ　Ⅶ/　　{ i　　' ∨-=ﾆ!　　　
　　　　　　　　　　　　 ∧‐=≦､!＿__ -=≦ 　 '/,　Ⅶ　Ⅶ､　λ v　　ﾉ＿__ﾉ
　　　　　　　　　　　　　 ∥ ∥　　 ７ﾆﾆ!　!　　'/,　.Ⅵ　Υ !　 ≧=‐' ∨/ ∨
　　　　　　　　 　 　 　 .∥ ∥　　 / ==┘ |　 ＞''~~~Ⅶ　Ⅶ　　　 ', 　.∨/ ∨
　　　　　　　 　 　 　 　 {!､/~''＜ ,: : :|　　 }!'´　 '/,__　Ⅶ__Ⅶ====ｧ!__}__! ／}
　　　　　　　　　　　　 (_))ﾆﾆ〕iトｲ`〜､、〕!　　／￣￢´/~~´＿∨￣!ア-=≦
　　　　　　　　　　　 /∧∨-=ﾆﾆ!　∧zz}z＜::/´~~~｀{７ィi〔::::::::::∨~ ∨ﾆﾆノ~ヽ
　　　　　　　　　　　,　 ∧∨__　 〕＿ ∧ !__}_!{ィi〔￣丶v:＞''~￣~:∨フ{冖〔､　　∨
　　　　　　　 　 　 .,　　∥￣￣ 7／／ } r──￣￣:::/::::::::::::-===∨: |: : : ヽ}''´ !
　　　　　　　　　　,　　.∥　　　∥┐{　√!_}＿＿∧ Ⅵィi〔　 __ ､丶`: : !: : : : }i　｜
　　 　 　 　 　 　 , 　 .∥　　　∥､(__) √＿}!__: : :.∧.∨￣￣　!〕　 ∨ !: : : : }i　｜

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
企業連の奴ら、本気だ。本気でこのコロニーを消し済みにするつもりなのだ。

このラズルシェニェは、今まで戦ってきたネクストとは訳が違う。
アルトリアのリンドヴルム、クーガーのシュクヴァールに比肩する。
つまり、今まで戦ってきた中で、一番強い。

それに加えてコジマ爆弾の投下部隊と来た。
本気で一人残さず皆殺しにするつもりなのだ。

どうする。今のでこちらの勢力は半壊したといっても過言ではない。
動ける者より動けない者、すでに物言わぬ者の方が大いに違いない。

下↓1
1．この機体じゃ無理がある。中距離から八咫烏の援護射撃に回る
2．八咫烏一機に任せられない。白兵戦を仕掛ける
3．ラズルシェニェは八咫烏に任せて、爆撃機撃墜の支援を行う
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4195：安価のやる夫だお：2021/05/20(木) 22:52:59 ID:Z8nkTMb.0
1

4196： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 23:02:26 ID:ouBoW6Ao0
さて、安価も取れたことだし、今日はここまでとさせていただく。次回は続きからだ……また休めそうな日の見当がついたら言うね。

今後、二週目ではこういった安価が増える。今回のはちょっとしたものだったが、大きな判断をすることもある。

その時は、「その選択肢を選んだルート」に進むこととなる。

大局には影響を及ぼさないが、話の雰囲気とかも違ってくるだろう。特に大きな選択肢も一つ用意している。

楽しんでくれるとこれ幸い。

それじゃ、シーユーアゲイン。

4197：安価のやる夫だお：2021/05/20(木) 23:13:49 ID:Z8nkTMb.0
乙ー

4198：安価のやる夫だお：2021/05/20(木) 23:22:25 ID:bS3Eaw7.0
乙です

4199：安価のやる夫だお：2021/05/20(木) 23:38:31 ID:W2C2A9Gk0
お疲れ様でしたー

やっぱりここの企業はダメだわ...

4200： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/05(土) 22:20:49 ID:BrrHiXLw0
ハロー。お久しぶりだね。

毎度急ですまないのだが、明日が休みになったので、夜に投下を行おうと思う。

本当にすまなく思う。とにかく、次回は翌日6/6 20:00時からだ。よかったら見にきてね。

4201： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/06(日) 20:01:49 ID:YnQvE0aQ0

　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

4202：安価のやる夫だお：2021/06/06(日) 20:02:33 ID:46XpwRmE0
イエーイ

4203： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/06(日) 20:05:29 ID:YnQvE0aQ0

　　　　　　　 ､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :　　　　　　　ちょうど前回、SIフレームのノーマルがゴミのように吹っ飛ばされたが……
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|　　　　　　このスレは4シリーズの二次創作であるため、ノーマル機が雑魚敵みたいに登場する。
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i　　　　　　　このノーマルという概念だが、私はノーマルACと3シリーズ以前のACは別物と考えている。
　　　 　/ : : : : : : :┌─┐
　　　 　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ　　　　　　機動性も明らかに違うし、OBしないし、MT並みに数多いし。企業ごとに同じパーツ構成だし。
　　　 　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿
　　　 　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ　　　　　　　おそらくはレイヴンのそれと違い、パッケージで製造、販売、運用されているのだろう。
　　　　 と_ : : : : : : ノ : :ノ
　　　　　　￣￣￣　￣





　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 _ _____＿
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ´.: : : : : : : : : : :｀
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 l: : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i: : :○ : : : ○: :.|
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : |　　　　　　　非コジマACのパッケージ化、ワンオフ機の消滅と大量量産、レイヴンの消失。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 j: : : -=＝=- : :.i
　　 　 　 　 　 　 　 r―--┐　　 　 i: : : : : : : : : : : :l　　　　　　　 こういった事情を鑑みると、4シリーズのACシリーズの中における
　　　　　 　 　 　 　 i: : : : : ',　 　 　 ゝ : : : : : : : : :t´
　 　 　 　 　 　 　 　 ',: : : : : i　 , f: : : : : : : : : : : : : :ヽ　　　　　　　特異さを感じるね。それはそれとして、やっていこう。
　　　 　 　 　 　 　 　 ＼: : : :y: : : :Υ: : : : : : : : : : :y: : '..,
　　　　　　　　　 　 　 　 ',_: :: :／　 i: : : : : : : : : : : :l丶 : : :ヽ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ￣　　　l: : : : : : : : : : : .i　　＼ : : :丶

4204： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/06(日) 20:15:12 ID:YnQvE0aQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ 〃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /Y´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ﾍ　 //
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/7!　　　　　 l|／ハ.//
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 rヘ､　　　　　|.|.|　　　　　 .||'´ ）.//
　　　　　　　　　　　　　　 ┌‐-　_　 |ヘ.||　　　 　 |.| |　　　　　 .||イ //〉､
　　　　　　　　　l￣二ニl　l,厶二l.|　|/ヽ||　　　　 .|.| .|　　 　 　 .||　//'＾才l
　　　　　　　　 l　 ,ｚ-―1l/　_.「lニ1.|　__|]　　　　 |.|　|　　　　　 |ﾄ//　i´　.|
　　　　　　 　 /／　 　 _|l　 / |!i|　.|.|_/　||　　　　 ﾄi /　 　 　 　 l//　/　　.|
　　　　　　　 .|′　　／ |ヽ/　|!l|　 ||ヾﾐ/7　　ｚｰ､|_|ｲ,　 　 　 __//,イﾍ_,､ ∧
　　　　　　 ／‐-､／　　|ｰ､ヽ|!l|　 ||　 i　l､　/ﾆ kｲ,ｲ､　 .＿∠//´　＼　ﾍ ∧
　　　　　r→ー┐＼__／! . ヽ|!l|　 ||　 ﾄ､_ ∨⌒ﾑﾏ　i!￣｀ヽ､//　　 　 ∨/ .∧
　　　　　|.　　　 ＼.　　　＼ .|!l|ゝ/,'＼|,ｨ⌒ヽ､_j|込､_j! ヽ／¨Ｚ　/７ 　 ..∨　.∧
　　　 　 l　　　　　/ヽ^ｰ､　 |!l|　llﾊ　r{{ ＼jlヽK二ﾆY_／ _／ーｔｚ/／〉　.∨　.∧
　　　　 l 　 　 ＿/,イ　 /｀ｰ|!l|　|ﾍ.`ｰﾍマ ｀ .ﾉ ＞､／　r'二二Ｚ／　/／ヽ∨　.∧
　　　　l　　　/　 / l.　 〈　/.|!l|　|｀T -i､__≫＜＿_厶ｨｹ´二Ｚ７_￣｀'く_,.イ　 ∨　∧
　　　 l　 　 〈　 / l　　 /./ .|ｉl|　|　|._」|　 ￣￣｀ヾ彡 ｀7ｧく　　　｀'‐-､ ＼　　 `t､／
　　　l　　　 / /　l　　/ /　.|il|　|　|　 | 　 　 　 　 〕彡// ./＼　　　　 ｀'-､>
　　 .l　　　/ /　 l＿/ /　　|il|　|　|　 |　　　　　__」_､//　〈,.-､＼　　　　　 ヾt､
　　 l　　 ././ 　.l　　 /　　..|il|　|　.＼|　　　　,ｲ　　//＞ ､＼ﾄ､..＼
tz=l＿,-7./ﾐｉk l　　./　 　 .!ｆ|　|　　　　　　, '　.／// ﾉヽ＞'´＼ゝ-＼
　 l　　 //　 ｌiｌl＿_/　　　 .|ｉ|　l　　　　 .／　／ .//イ　　|　　　|｀'ー一
　l　　//　　 lil　　　 　 　 .|i|　l　　　γﾐヽ／ _,//　　 　 |.７ーム
. l＿/´ 　 　 li!　　　 　 　 |i|/l　　　/＾ヽ ﾉ.／//　　　　 ヽマﾄﾐﾝ＼
　　　　　　　 ヾ:､　　　 　 ||‐'l　 .／Υﾏヽl　//　　　　　　 >､｀'ー ﾍ
　　　　　　　　　ヾ:､　　　 |　l　　Vﾊ,〉. ｀ｿ //　　　　　　　＼ﾞマ!　 ﾍ
　　　　　　　　　　｀'＝=:､.|　l_,z=f|Y^i!　/.//　　　　　　 　 　 ＼ヽ.　ﾍ
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀ |／´　 .|.| i! .,' //　 　 　 　 　 　 　 　 ＼`Yﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | |j!.,' //　　　　　　　　　　　　　　ヾｿﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |. Y' //　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀ ､〉
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 L/ //
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　ﾑ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ/

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
死の熱線を海上へ降り注がせるラズルシェニェへと八咫烏が肉薄するが、
そのリンクスははやてを意にも介さず、ノーマル部隊への攻撃を悠然と続けていた。

視線一つ寄越さぬラズルシェニェへ、
八咫烏の物理ブレードが逆袈裟に振りぬかれる。

傍から見れば、完全に不意打ちが決まった形だった。

だが、ラズルシェニェはそれでも動じない。
ライフルを構えて八咫烏へと続こうとするが、カメラアイの向こうの光景に、
思わず声を漏らした。

プライマルアーマーが、ブレードを押しとどめている。
常軌を逸したコジマ出力によって形作られた粒子の盾が、刃を止めているのだ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4205： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/06(日) 20:22:32 ID:YnQvE0aQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ィi〔╋┼╋ 土≧s。
　　　　　　　　　　　　　　　 .ィi〔╋┼╋。s≦::::::::::::::::::｀:...､
　　　　　　　　　　　　　　 /╋┼╋ ／_:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　 　 　 ﾏ╋┼╋┼╋}二王≧s。::::::::::::::::::',
　　　　　 　 　　 　 　 　 　ヽ╋┼╋／ _＼ ＼　≧s。ヽ::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　／ｨ≦7¨´,ィ＼ 　 ≧=≧s。 ',｀≧::::::::}
　　　　　　　　　　　　　 ｀´ }　 zz´ 　 x笊ﾐ ､ 　　　｀ヽ {　ﾏ::／
　　　　　　　　　　　　　　　/　,f笊 　 　 ¨´　)¨ ≧s。　＼ {'　　　　　　　　　　……ハヤテ・ヤガミ。ネクスト戦役の生き残り。
　　　　　　　　　　　 　 　 /,イ＿!¨ ､　　 　 /ｲ　イ､　 ｀ヽ ',＼
　　　　　　　　　　　 　 _,:'　(_-_八　　,_　　　/／ {_ ＼　ハ{　 ＼　　　　　　　　あのオルデンブルクの魔王の同期。
　　　　　　　　　　 　／::ゝs。 ｀ヽ|＼ 　 。s/'≦:::::::::∨｀　 ､　 　 ≧s。
　　　　 　_r-r。s≦ヽ::::::::::::} ＞s。＼二ハ::r ;::::::::::::::_∨＿ ≧s。　　　 ヽ　　　　とはいえ、無様ですね。
　　　　 「_;|:i:|_:i:i:i:i:i:i:≧=＜　 }Y　/) }ﾊＹﾏﾑ。ｓ≦ｱ/　￣㍉ヽ― ≧s。 　':,
　　 　 ｒ'≦:i:|:i:-￣-¨≧s。i! /' ＞-//　〈ヽイ:::::///　　　 　 ﾏﾑ 　 　 ‘:, 　!　　　「なんやて」
　　　　＜:i:r＝r―＜:i:＜｀「 ／　 /イ' ヽ.〉イ㍉Ⅶ'　　　　　　 ﾏﾑ　ヽ:.､_) ﾉ
　　　　 　 ≧s; 　 　 |_-:i:i),:' 　 ／:::::};';{::/神喰}!}i{　ィ=､ 　 　。s≧.､　￣
　　　 　 　 　j!　　　 | 　,.:'　 ＞::´:;ｲ;/::::＼＞::´::}i{´　　 ＼ /::／: : : ＼
　　　　　　　j!　　 　 !／ ,／::::::::::/;'/::::::::::::::::::::::::}i{ヽ　　 イ＼{: : : : :. : :ヽ
　　 　 　 　 j!　　　　|　Y::::::::::::::;:'/;{::::::::::::::::::::::::::}i{:::::`´::/ji! 　＼: : : : : : :. :.､
　　 　 　 　 j!　　　　|　 !:::::::::::::;';ﾊ;'{:::::::::::::::::::::::ｨ}i{::::::::::::| ji!　　　＼: : : : : : : :.､
　　　　 　 　|　 　 　 ｌ　 }:､::::::::j;{ノﾏ≧::::::::::::::::::::}i{:::::::::::::!ji!　　 　 　ヽ: : :. :. :. :.＼
　　　　　 　　 　　　 ﾊ, x}ﾐh､:::j;{ 　 ﾏ';::::::::::::::＿}i{:＿::::_:{ji!　　 　 　 /二≧s。:_: /





　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　´￣￣￣｀　、
　　　　　　　　　　　　　　　 　／　　　　 　 　 ／:::::ヽ. ／＼
　　　　　　　　　　　　　 　 ／＞＜　　　　 　 ｀ ＜::::/::::::::::::＞ 、
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /.:´:::::／ ＞= ﾆ二_三＞､ {:::/ ￣∨::∧
　　　　　　　　　　　　 　 {:::::::::/ ∠斗＜广,.へ. .ヽ. .l:/. : : : :∨::∧
　　　　 　 　 　 　 　 　 八:::::/ / /-ﾉ- /　ィ ﾋﾊ: .}.:./. : : : : : :ｉ::::::ﾉ
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＞イ ,ﾍｨfち.′　　　 li/ ,i: : : : : : : :レ　　　　　　いくらネクスト戦役の生き残りといえど、所詮は旧世代のリンクス。
　　　　　　　 {　　　　　　　 ／// ﾍ. /　　,　　　ﾙｲ:l: : : : : : : :l
　　　　　　 　ヽ　 　　ｰ=≠ イ/./ ／､　 　r-　 /厶l: : : : : : : :l　　　　　　　 この私に敵う道理もありません。
　　　　 　 　 　 ｀ ー=≦ ｰ=彡'′ /. .＞‐-r. 彡:::::::!: : : : : : : !
.　　　　　｀ ー=＝≦. . . . . ./|. . . . . ./!ハ__圦:::::::::::j＼ ＿ ／l　　　　　　　　ナノハ・タカマチとまでなれば、話は別かもしれませんが……
.　　　　　　 ／.. . . . . . . .／.人. ./. . | Lノo ヽ}:::::／| 　 　 　 八
. 　 　 　 ／⌒'ー==≠彡／　ﾉ厶斗＜_　ヘ.,j∠:::l |､ 　　　/　　　　　　　　　アナタですからね。
.　　　　/　　 　　／　 ／.　 ´　 ／.::::/ .:::::/米 /:::l |ﾊ　　 /
.　　 　 {　　 　 / .　　´　　　 ／. ::::::/.::::::::ヽ イ::::: !:|:∧　/
.　　 　 ヽ　, 　 ´　　 　 　 ／.::::::::::::′::::::::::::::::::::::::l l :::.∨
.　 　 　 ／　　　　　　　 ,/.::::::::::::::∧ ::::::::::::::::::::::::::!:l::::::::!
　 　 　 |　 　 ヽ,_　　 ´　{:::::::::::::::/　∨:::::::::::::::::::::::l l::::::∧




　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿
　　　　　　　　 　 　 ,....:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ ヽ､
　　　　　　　　, イ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.￣ヽ:.ヽ、
　 　 　 　 ,イ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ｉ:.:.＼
　　　　／:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/',:.:.:.:ヽ、
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　　/:.:.:.:.:/:.:.:.:ｉ:.:.!:.:|:.:.:.:.:ｉ:.ヽ:.ヽ:__斗-ｉ〃:|:.://＼:.|:.:.:.:.:. ｉ
　 /:./:.:.:ｉ:.:.:.:.:.|:.{',:.:!:.:.:.:.:ヽ斗,≠＝､:.:.}:.:.:.ｉ/:.:.:.:ヽ|:.:.:.:. : |
　/:/:.:.:!:|:.:.:.:.|__|__',,∨:.´:.ｉ 〃 f⌒ヽ≧、:.:|:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:. |　　　　　　　……っ。
.〃 ｉ:.:.:|:.|:.:.:´|　≠ﾆﾐ､:.:.:.:|　　{::::::: ｉ　 〃:.!:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:. |
/　 |:.:.:|:.|:.:.:.:.|〃 f::::} ∨:.:|　　乂zﾉ　 ´:.:./:.:.:.:.:.:.:|､:.:.: : |
　　|:.:.:.!:.!:.:.:.:.',ヽ 弋ﾘ　 ', |　 　 ―‐ ´ }:./:.:.:.:.:.:.:.:! }:.:.:.: |
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4206： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/06(日) 20:27:31 ID:YnQvE0aQ0


　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 zミi
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 }::|
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 _　　　　　　　 |:::!
　　　　　　　　　　　 　 　 {:廴 　 　 　＿.|:::|　　　　　　 __ ...　　-‐::::ヽ _
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼::＼　／:::::::|:: |＞..､　　／:〈::::::::__「j「j::/:::::::`::.
　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼::YY´:|:::ﾉ::::|::／::` く:::::::;　´　　　＞ ､::::::::::::::`::.､
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　／Ⅵ |／::>､:::j:::::::::::::::::ヽ/=＝ O　　　 ヽ::/〉::::::／:＼　　　　　　　　　抜かしよるわ……
　　　　　　　　　　　　　　　 ｲﾝ´ノ´:::,ィ:く:::｀ヽ、::::≫ ´{　　　　，　　 　 }:＼／::／::::ヽ ､
　　　　　　　　　　　　　　 〈/i　‘ｰヘ:〈:::∧__/::::}:__::イ八　　　 ‘， 　 　′′／＼::::::::〉〉　　　　　　　流石はアヴィアコルの虎の子ちうわけか。
　　　　　　　　　　　 　 　 /{｜　 　ﾉ:::r―::ミx≦:::::::::{//ヽ 　 　 ‘，／／:::く::ヽ>::::＼//
　　　 　 　 　 　 　 　 　 /八廴彡:::::/:}::::::::/ハ::-=彡〉//ミ＞::-=彡:::::く::`ｰ=≦彡ヘヽ　　　　　　　　　言うことがちゃうなぁ。
　　　　　　　　　　　　　入:::::ヽ::/::::ｲ::/⌒7:7V:::::::人ゝく/i:i:}::::／:::::く::::::::＼:::::::::::　_ ..　-‐ ・ ・ ・ ‐- ミ
　　　　　　 　 　 　 　 /::::::｀¨入／i:i/:ム/:/:ムイ(o):〉::/|i:i:iー=≦zミヽoヽ::::＞ ´　 　 　 　 r‐‐z　　 　 ｀　 .
　　　　　　　　　 　 　 `ト=≦∨ ヽ/{‐-〈彡:廴::::::彡イi:i:!:/　　ヘ　　〈::＞ ´ ィ´　　　　　　｜´　　　　　　 ,_ ｀
　　　　　　　　　　　 　 廴彡 -‐＜::ゝ=く:1ー-ヘi:i:i:i:i:i:i:iﾄ､／く}::::} .　´　 　 《　　　 　 　 　 | | 　 　 　 　 /ム
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:i:i:ｉ:/　ﾞ　　　|:i:ｉ:i:^`/　〉:i:|:i:i:|r[｢　　　　 　 　 ／:i:i:i:i〕トrヘ`^ ＼
:ｉ:ｉ/⌒＼　 　＼i:ｉ:/　/:ｉ:ｉ:|:i:i:|r[L,r≠く⌒＾`'く:i:i:i:i:i:i:i〕爪_r'~`ー='
:i/__／⌒＼／　):｢⌒＼ :|:i:i:^`〈/⌒＼_、: :[! ヾ:i:i:ｉ(＿j｢｀ヽ_　　　　　　　　　　　事実を述べたまでですよ。
《__　　　　　＼ｲノ_／⌒＼___rヘ/ : : : ]｢.:.:.[L_√:i:i:i:i「＼ : :[!
三]＼＿＿＿_)　《　　　　 ＼　/:. :. : : :.＼_／ﾆ｢三≫ｘｒﾍ_ﾉ　　 　ノＬ　　　　　　純粋なハイスペックの暴力を知るといいです。
⌒^ﾏj[￣＼二＼ﾆ＼＿＿__ﾉ/: : : : : rｸｘく'^｣ﾆトミ三__「｢l　　　厂爪_ﾊ
　 _ﾉ｢￣￣￣￣￣`マ]二二＼__:. :.／”＼ー廴j＼＼__八jr‐=彡ヘ _／　　　　　　
]　|　＼＿＿＿＿r仁_〉:::::l!:＼ﾊ　ヽ　　　 ＼ーヘ::＼ノ^Ｙ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i＼
]　l 　 　 　 !　[l　| ]二[:::::/':::::::)'ヽノ　　　　　[ﾆ=ー‐z ::: {:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:＼
]　| ｢￣￣￣￣￣`マ_j:::《::::::::[:i:i:ｉ:}　　　　　　ﾏﾆ=ーz:::_j＼_厂＼:i:i:i:i｢＼:i＼
]　|　＼＿＿＿＿r仁_〉:: 》::::::[i:i:ｉﾘ　　 　 　 　 ﾏﾆ=ｰz〈ﾉrへ　　　＼_j 　 ＼ﾉ
]　l 　 　 　 !　[l　| ]二[__/:::::::: |:ｉ:′　　 　 　 　 厂]厂￣＼_/＼
]　| ｢￣￣￣￣￣`マﾆ＼_::::::::L{　　 　 　 　 ／⌒＼　　　 [　　 ＼
]　|　＼＿＿＿＿r仁厂)ﾆ!l:::: |_|ｉ,　 　 　 　 [γ⌒＼)≫--､＼_　　＼
]　l 　 　 　 !　[l　| ／　〈ﾆ八__ﾊ]ｉ:i， 　 　 　 /: : : : : :ヽ　 　 >,　(〕ﾄ､
／　　　　　l　l] ／　　 ／⌒└‐=彡　 　 　 .: : : : : : : : :)ｰ=ﾆｱ＼　　＼__＼
　　　　　　 | ／　　 ／　　　　{::::::ヾ＼　　　|: : : : : : : .:/ﾆニ/　　 ＼＿＿___〉
　　　　　　 l ＼__／　　　　 　 Ｖ〉Ｖ〉: ﾄ　　 |: : : : : : .:/トミ__j
　　　　　　 |　[l　|　 　 　 　 　 | 厂l [ﾘ＼＼! : : : : : /＼__ [_

4207： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/06(日) 20:35:20 ID:YnQvE0aQ0
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　　　　　　　　‘*｡、 　ﾟ%。'ﾏk、　　　　　 　 　 |_ﾘ　　　　　 　 　 　 .ψ　,｡♂^ﾟ″
　　　　　 　 　 　 ＾''*｡.,x%x 　'*k　　　　　　　　　　　　　　　　　,｡♂″*''

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八咫烏が果敢に返す刃を叩きつけ、PAを弾き飛ばす。
だが、その白刃も、砂色の装甲に突き立つ前に止められてしまった。
ハイレーザーライフルを持っていない片手一つで受け止められているのが見える。

八咫烏の関節が軋み、負荷のかかった駆動部の悲鳴が響く。

純粋に機体出力で力負けしているのだ。

射線を八咫烏からずらし、白兵戦の隙間へとレーザーを捻じ込むが、
命中はすれど効いている様子がない。

耐熱装甲としての性能も高いときている。
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4208： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/06(日) 20:44:13 ID:YnQvE0aQ0

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　　　　　　　　　　　　　 ＿　　　‘:， ,.へ　/{::-=ﾐ/:::::::/i:i:i:i:/
　　　　　　　　　　　 r≦:::::トミ､_　,〉::⌒ヽ:/´ ／ }::::::/::::＼::＼　　
　　　 　 　 　 　 x≦ﾊ,　-=ﾐ::::::/::／≧ミ::{ ・　　 ':く:′::::::::厂:ミ
　　　　　　　　　ヽ:::::/ ヽ．__.}:/::{⌒7:::::::八 {　ノ:::/{::::::::／:‘:，:‘:，
　　　　　　　　　ノ＼{　/　　ﾉ:r，:Y{:::::rO::｀Y::::::::/:::ヽイ::::::::::::〉::::‘，　　　　　いや、まったく効いてへんわけとちゃう！
　　　　　　　　く:::::::〈::`ｰ=彡:::::ｨ::::}::::::{::::::/ ﾊ::::/:}:::::::} 辷:=彡ﾍ｀:〈
　　　　　　　／::＼::人::::::::ｲ 〃{:::ﾊ::::::}:::::{ {:::∨::ﾊ:::ｲ::ヽ |:::::::::::}::::::}　　　　　 撃ち込み続けりゃちっとは削れる！
　　　　　　〈::::::::::::У_ ヽ/::}//　V　｀ヽ≦廴ﾆﾆ彡く:ヘ:_:⊥.._::彡ｰ '
　 　 　 　 /:＼／!/｀ヾ==彡　 　 　 　 }ﾖﾖﾖ八　　＼:/、::::::::}　　　　　　　　　　そのまま援護頼むで！
　　　　　 {＿_j＿j{:＿/__:ム=ミ　　　〈Vﾖﾖﾖﾖﾖ〉､ r ､ Y:::::::::弋
　　　 ／:i:i:i:i:i:i:o:〔:::::::::::/:i:i:i:i/:iヽ ィ≧=ミｰ=彡r:へ:}　ゝ::::::::::::､
.　　,.i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:_Y::{{:ヽV:i:i:i:i/:i:i／/:´:::::::::::ﾐY:ﾍ∧:::::〉-{{ 〉::::::__:}
　 /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:(:(:|:::}}:::}}:i:i:i/: ,〈::::/´i i i:::::::::: |:::ﾊ:::V´∧ゞz≦:::o`!
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　　　　　　　　　　　　　|:∧: ,: V: 从ィ雫≧､　|∧:| ｨ≦雫ﾐ:|: /-ﾐ,|:|: :V＼　　　　　　　人をナメるんも大概にせえよ！
　　　　　　　　　　　　　|:{　V､: ∨:l∧ Vzり　　　}'　 Vzり ﾉ|/r､ ﾉ|:|: : |: ､:＼
　　　　　　　　　　　　　ゞ　 }: ＼〉:∧　　　 　 　 　 　 　 　 ,､_／: |:|: : |: : ＼:ヽ　　　　　アヴィアコルの犬が、偉そうにしよってからに！
　　　　　　　　　　　　　　　 |: :|: :| : ∧　　　　　'　　　　　 ∧: :|: : |:|: : |: : : : ＼: .　　
　　　　　　　　　 　 　 　 　 .': :|: :|: /:个 .　　 　- ､　 　 . 个:l: :|: : |:|: : |＼: : : :､ヽ}
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　　　　　　　　 　 　 / ｢￣´　 |:/ ＼　 ,'......|　////∧ /....∨ ／| /　　　｀Y⌒＼
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4209： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/06(日) 20:45:03 ID:YnQvE0aQ0
コピペミスだ……


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　　　　　　　　　　　　　ﾉ:.//::/: :/
　　　　　　　 　　　 ／:/://::/: :/
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　　　　 「|　'.　　/: : /:///: : ／〉
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　 　 　 | |　 |　　V: : : /ィィ´　 :|
　 　 　 L|　 l　　/:: イ:/:〉〉 　 i:|
　　　　 _」 _/,r.イ: : / ﾉﾉﾉ:.ｧ:ｧ,r'─r‐ｭ､
　　　イ　　 /: ://:/　 〃.// ´￣＞く ヽヽ
　 i i:..:i　 l./: ://:/‐ 〈:/:i /´￣｀〉r‐‐､_//
　 l l: ﾉ　 l: :./／/ ｀.ﾉヽl/:.ﾆﾆ´　｀>､_ﾉ　　　　　　　　　　　　　クソッ……！　実弾兵器を持ってくるべきだったお！
　 ｀Tヽ _ﾉ:〃　/ /´＼」　Vﾆ＞.〃r::7
　 i |:::/ 〃　/ /　　　/＼ ￣｀ヽ: :≦_
　　ヽ/　/　/ /　　　/:.:.:. .ヽ　　 ＼ ￣＼　,　‐─‐ ､
　　 /　/　/ /　 　 /:.:.:. : :/　｀丶､ ヽ　　 ＼　　 　 〉〉　　　　　　 　 ＿_
.　 /　/　 ／　 　 / : : :.:.:/ /´￣｀丶 〉　//　 ヽ__ /∧.　　-‐　. :´: :＼: : ＼
　〈　/_／　　　／_＿,. イ　　　　　　/　//_ 　 /　　//:　＼: :,.:　 - ── ─r‐ r r r==:､
_ノV ヽ＼ _ イ　　__／　i　｀丶､　__/　//::::｀V　 ｀7´ ￣￣〉〉　　　　　　　　i　 i.:VﾆﾆV:〉二二ﾆﾆ
､: : : :>､｀フ´ ｀Y´　　　 l　　 　 |　　 //.:.:.:./ 　　〈　　　　//　__ _ ＿＿ ＿ﾉ　ﾉ.:⊆三〃.:.:.:.:.:.:::::::.::
　＞ ': : : i 　 　L.. .__＿」 ｀丶､ | 彡'.:.:.:.:.../｀ﾆﾆﾌ´＞=＜:三ヽ _ _＿＿ ＿ ＿L::::ﾉﾆノ.:.:..＝:＝.＝:
　ヽ: : : :.:.|　　　 /::. . . .:/　　　 〈 〈.:.:.:. ／　　 /://.//.:i.:.＞ r'　　_ ＿ ＿＿ ＿__／.:.:.:::::::::::::::::::::::::
　　 `ー‐'＞＝く´ﾆﾆﾆﾆミミﾐヽ､ ｀ﾆﾆ´ _＿_ノ L/.:l/: :.L:.:.:.:.l.:.:.:./.:.:.:.:..:.:／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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　　 /.:/　((::::)　　 /ミﾐヽ ｨｲ´￣｀ヽ.:.:＼＼　｀丶､: : : /:: : :/: :/:.:.:／: : : :＿:＿: 二二 二 二ﾆﾆ
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　　　　　　　／::＼::人::::::::ｲ 〃{:::ﾊ::::::}:::::{ {:::∨::ﾊ:::ｲ::ヽ |:::::::::::}::::::}　　　　　 撃ち込み続けりゃちっとは削れる！
　　　　　　〈::::::::::::У_ ヽ/::}//　V　｀ヽ≦廴ﾆﾆ彡く:ヘ:_:⊥.._::彡ｰ '
　 　 　 　 /:＼／!/｀ヾ==彡　 　 　 　 }ﾖﾖﾖ八　　＼:/、::::::::}　　　　　　　　　　そのまま援護頼むで！
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4210： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/06(日) 21:07:59 ID:YnQvE0aQ0

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　　　　　 |||::|:|::::ｉ:::::::::::ヽ::ｉ＼`¨-≠　　 ﾚ/:ﾌ!|/::::/::::::/　　　　　　　相手は逆関節型……跳躍を軸とした機動が主体の機体や。
.　　 　 　 | ﾘ|:|:::::|::::::::::个ヽ.　　　 　 　 匕/ｲ´ｌ::/::::::::ｉ
　　　　 　 　 ﾘヽ::||::::::::::::| `.`　　 　 　 ,.　　/:://:::::::::|　　　　　　　　跳べる地面がない海上なら浮く的……
―----==r´::ヽヽ|ヽ:ｌ:::::::|　　　　r‐.,　　　.ｲ:::/:|::::::::::|
　　　　　　|::::::::ヽ　ヽヽ::::|　　　 　 　 , ＜:::::::::::|:::::::::|　　　　　　　　　優位性はこっちが取っとる！
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　　| 　 l二_l/　 l/ l　l　｝ 　 |　 |　　　　　　　　　はあ。随分とおめでたいことを言うのですね。
　　|　　==l/-―ﾅ＞l　｝　 八 ｜
ヽ　',　.　 / ￣ﾌ¨´// /　/.. ﾊ八　　　　　　　　　
.l　 y　　　　　　 ノ/ ｲ　/　,'　',　＼
ﾉ 　　　　　　　　／./　/　/　　', ト ＼
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　` 　　　　,　'　l 　/ /　　 j .j!　　 ', 　　ヽ＼

4211： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/06(日) 21:08:09 ID:YnQvE0aQ0

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　　 `ヽﾉ　　　 _＿____　　 〈==ミ:::::::::＼:::::::丶 　 /　　 ノ ゝ:`zzz彡’　人:i:i:i:i:{　　 ヽo-‐}､
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　 　 　 　 ){.: ::　　[:i:i{7　..くミ ､::::::::::>､:::/::::::`ｰ=zzz≦|::7{i:i:i:i:i{:i:i:i}ｰくY´::::/::::: 、 / 　 人／　　　 / /
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　}:ｉ:ｉ:}　　　　　 　 /{ 　 .｀ヽ ヾヽ､'; .',;:, j ,} 'Y ,' f, ,/､,.:',..:'"　　　 ,　　'　 {{___rﾊ:／⌒ヽ:::Ⅵ/　r/ ∧、
　}:ｉ∥　　　 　 .._　 .._ -. _',r'-"ヾヾヾ;: ,{ r',:.j::l,,:,j,",.:',.::;:'",. 　,　'　,.　'"|ミ ¨¨[:::{::::〇::::::〉、.′{≧z ‘，
　}:∥　　　..ﾞ' ｰ=ミｰ _｀ヾ ヾ ヽ.:. ::..:jrK';;:;.f',.,.;,/.,;.',.;;'",.;:',.,　'.:., '"　":.: '　..ヽ_乂::Y´:::::::::::}' 　 ゝｲ 　 '. '.
　Ⅵ　　　　 {:i:i:i:i:i:｀ヽミミヾヽ,:..ヽ.:ソr, ｿr;'"f"ゝ',.:'",r'" ,.. ''"-r　　.''" 　 　 　 .￣ ¨¨　　‐- 　../ _ 　 '. '.
V　＼　　　..{:i:i:i.｀ﾞﾞﾞ''ミミ斥ｰ-ヾヽ' :,r'" ソ'"　"'ヽ,r'　r'"_,. -斧'" _,. -'"..¨¨　　‐- 　..　_　 　　　　　￣ ¨¨　　‐- 　..　_
:ｉV　 :}}h､　..{ｉ...__三二ﾆﾆ'; '",;;:. r,'r"-'" ｀ヾ､　　 '"v'-､;'" _, -='"_　　,.;.:V〈:::::::::/::ゝ　　Yヽ￣ ¨¨　　‐- 　..　_
:i:i:V　ﾟ寸ﾊ 　 　 .__,.. --='"- ,,.ソソj'"　　　　':.,　　　-='_'"-= 毛''"　　".:::}ヽ＼/:::::::ﾊ　(::::::::::::::::::} 　 　 } }
:i:i:i:V　　⌒`　 _,.. - ='''"匕二幵f'"(　　　　',　ソ　 r''" r'"ヽ--==＜　　　.:.::::＼::::::/:∧ |｀7¨¨¨´　　 　 ' .′
:i:i:i:i:}...- ''　"´-=''''''"ﾍj_,..-;;'r'''ヾr''"ヽ_,r''"v'"｀ヽ,(-r'ヾ､r'' ｀ヽ､f'".:. :..ノ八:::::::::ヽ/:::::∧!/ 　 　 　 　 / /
:i:i:i:i:}　　　　　　''" _,. -'r'"-=''",._,.-''ｼ'r, )-r't"v''"ソヾ､ゝ｀ヾ､r' ヾ､ ::. :..:} ﾊ、::::::∨::::::::}　　　 　 　 / /
:i:i:i:ハ　 　 　 　 〈."　,.. ｼ'",. -'" 7,r'''" t,.._-='ゞ-''"t　 )｀ヽ､r｀ヾヽ._ ﾞ　:.　 〔:＼:::::}::厂ｲ
　　 　 　 　 　 　 　 _, -'">, r'",;', :',　 r'v'" f",:.:.':., ヾ､｀ヾr'"ヾヾ ｀｀ヽ､　 　 .≧:〉‐く::::::::>　　 　彡
　　　　 　 　 　 　 　 '''"　7,r,:;':' j,:j,:.:.j';.:..r''"f''ヾr'"t;:..'ヽ､'-r'"ヾヽ　　　ﾞ 　 .｀ヽ{::::::::}／ﾊ ¨¨¨´
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,:'" ,.:;.r-'-'r'/,.; .:' ヾr'ゞv'ヽ.'.:.｀ヽ｀ヽヽ､　｀ﾞ ,
　　　　　　　　　　　 ,／ ,／´ 　/ ,'ヾrv'ヽ,_,j.:.r-''",.ヾ r､｀ヽ ヾヽ　　 ヽ
　　　　　　 　 　 .,／ ,／ 　 　 ,' ,'　,';' ;;:. r':.t:. t: :.'　 :.:.t ヾ:ヽ　 ヾ､

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
黒い機体がラズルシェニェの脇を掻い潜る形ですり抜け、
ブーストターンで踵を返してから再度の突撃をかける。

素早い切り替えしに加え、背面からの近接攻撃。
流石にこれなら有効打になりえる。

はやての高速機動に内心で快哉を叫びつつ、つかず離れずの距離で
レーザーライフルの援護射撃を砂色の装甲へと浴びせる。

そして、振りかぶられた刀身が叩きつけられようとする直前、
八咫烏の機体が爆風に呑まれた。

大きく振り回されて逆手に持ち替えられたハイレーザーライフルの銃口が、
はやての機体の胴体を真っ直ぐに捉えていた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4212： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/06(日) 21:14:33 ID:YnQvE0aQ0

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│　　　　　 nﾍ.:.:;.:'.::.::.:.:.:,ｲ.:.:..:.:,ｲ.:.:.:.:.:.:.:.:;l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_.:j¨｀ヽ.⌒ヾ:.､　　　.│
│　　　 　,ｲj､.:.v.:.:.:.:.:.::/:/.:.:,ｲ/.:.:.:ﾉ!.:.:i.:..:j.:.:.:.:.ヾ;,.:.:.:.:.:.:ヾ.:.:.ヽ　 ｀ﾍ　 　 .│
│　　　　/ll!ﾊ:.:′.:.:.:.:/./.／.:/.:／.,ﾉ.;/l:.:;!.::l.ﾍ;.:.:.ヽ,:.:.:.:.:.:.ヾ,:.:.'; 　　!　 　 │
│　　　 ∧jﾊ.:′.:.:.:.:.′〃xｆz左ｚ,;,X, .j:/ !:;|:.:.:l.:.:.:.l.:ﾍ.:.＼.:.::.':;.:.';　　　......│
│　　　 l.l.ヽ.:.:|.::::.:.:.:|{:.:.,仆乞芸て卞 >′l./ｊ.:,ﾘ.:./.:l.:.ﾍ.:.::.ヽ.:.:.';.'|　　　　..│
│　　 　'.:.:.:;:升∧::.:.|.:.:{ｲ ,伐::::::斥′　　ﾉクｻﾄxj:.:.li.:l.:.ﾊヽ.:.';.:.:;.!　　　　..│　　　　　　やっぱり無理か……！
│　　　　∨　 !′l:.:.:|:.:.! ､辷ｰクﾉ　　　 　ｹ云x.:ﾉﾒi.:/.:.:.:.:l.:.:.:.:.l:.!　　　......│
│.　　　　 ゞ､)l::.:.:ゝ:ﾍ､:!　｀¨¨ﾞ`　　　　　/.::ﾇﾘｹ;´.:;ﾘ..:.:.:.∧:l.:.:ﾊ!　　　　 .│　　　　　　二人とも聞こえる！？
│　　　　　 'iｰl;:.:.:.::.个｀　　　　　　　　　匕ﾞ.ノ_ノノ/!:.:.:.;/　ﾚノ　!　　　　 .│
│　 　 　 　 l.:人::.:.:.ﾞl　　　　　　 　 　 　 ¨`て.._｀V.ﾊ.:::/ 　 !′　　　　　...│　　　　　　 これより作戦目標を敵殲滅から撤退に変更！
│　 　 　_,､n<　 '.:.､∧　　u.　　　　ｃ｡　　　人__,¨＼:l/　　　　　　　　　.....│
│　　ｲ´.:::.ハﾍ　'､l?∧　　　　　　　 　 .,／: :.j　 ／}′　　　　　　　　　　 │　　　　　　　
│／　l:::::::., 　＼　´､?「＞､　　　　 , イ´. 　.:.イ´.:l.:.|　　　　　　　　　　　...│
│　 　ｊ::::::::.ﾍ　　＼　　＼ﾍf＞.ｰ イ. . . :＜.:.:.:.';.:.:.:|.:|　　　　　　　　　　　.│
│／¨ ﾍ:::::..∧ /＼｀ >ｰ<cﾊ. . . . . . .fヽ,¨ -ﾅﾍ.';.:.:|.|　　　　　　　　　　　 │
│////∧::::..∧＼/∧ Y∧:lｌ. . .,,..ｲ".ｿ ',////,j.:.';.:.||　　　　　　　　　　......│
│/V//,∧:::::..∧､/　 >介ｲー"´　／.:::.∧//zj.:.:.';.:.|　　　　　　　　　　......│
│j∧V//∧:::...∧　　ｊメﾍ＿_　-ｲ.::::::::::::.∧//j.:.:.:.';.|　　　　　　　　　　　..│
│j:iV∧//∧:::::::..＼　ヽ´.:::::::::::::::::::::::::::::::::人/j.:.:.:.:';|　　　　　　　　　　　 │
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│　　　 　 　 　 , - ‐‐‐-　、:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ、　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.ヽ、　　　....│
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│　　　 ／:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:--‐ヽヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.: |　　　......│
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│.　 /／/:.:.:.:/:.:.:/:.:.:.:/:.:.l:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.!: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　......│
│.　/　 ,':.:.:.:/:.:.:.ｉ:.:.:.:.:.ｉ:.:.:|:. ∧:.:!､:.:.:.ヽ:.:.ヽ__:.:.:.:}:.:.:.: }:.:/　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |　　　......│　　　　　市民の避難誘導完了を確認後、
│　　　,':.:.:.:,':.:.:.:.{:.:.:.:.:.|:.:.ﾊ:.ｉ　ヽヽヽ:.:._メ:.´ヽヽ:.:.ｉ:.:.:.:|/:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　......│
│　 　 ｉ:.:.:/|:.:.:.:. ',:.:.:.:.:|-/_|_|　　ヽ／,イ圷≧ｉ:.ｉ:.:.|:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　......│　　　　　 コロニー・アマツを破棄する！
│　　　|:./ .|:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:!:.ｉｲうﾐ　　　 　 {::::::::ら |:}:.:|:.:.:.:!´.ヽ:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　......│
│　　　|/　 !:.:.:.!:.:.ヽ:.:.:.|〃{:::j　　　　　 辷シ　!:.:./:.:./| ヽ.} |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│　　　　　　「撤退なんて……輸送は！？」
│.　　　|.　　',:. | ',:| .|ヽヽ｀.ﾋﾘ　 　 　 　 　 　 /:/／:.:.:!　/: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│
│.　　　　　　ヽ|　ﾘ　!:.:.ヽ＼ ヽ　 ＿　　　　.〃|:.:.:.:.:./_/／.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :.:|　　　......│　　　　　　地下施設が独立してて、
│.　　　　　　　ヽ　　ｉ:.:.:人　　　∨　 ヽ　　/　 !:.:.:.:./／. 　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : :|　　　......│　　　　
│　　　 　 　 　 　 　 ',:.:.:.:.ﾍ　 　 `ー '　 　　　|:.:.:.:/.　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　......│　　　　　　 潜水艦としての機能を有してる！
│　　　　　　　　　　　 ヽ:.:.{　ヽ、　　 　 　 .＜.|:.:./l　 　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│
│　　　　　　　　　　　　 ＼ｉ　　　＞.-t ´　　　|:/‐┤、.　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│　　　　　　　5000人の収容くらいワケない！
│　　　　　　　　　　　　　　＼　　　 r､| .-　￣/　／　ｉ、　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　......│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〃.ヽ　　　.／　　 |::｀ヽ.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　......│
└───────────────────────────────┘

4213： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/06(日) 21:21:48 ID:YnQvE0aQ0

　xー==ミ
〈::::＼:::::::::Y＞‐ ､
:::＼::::ヽ``:′＼　ヽ
く::::::＼r‐::{　　　 o ､V{　　 　 　 ﾊ
::::＼:::::{::::八　　 / 　 !i　　__　　//　　　　　　　　　　　　　　「二人はそこでラズルシェニェを抑えて！　防戦に徹すること！
x≦i:i:i∧:::::::＼ /　　ﾉ:i　r{o}､ //　 　 ,　-zzミ:､
:八i:i:i:i:i:}:ヽ:::::::::`:T ´ {:込zzz彡' 　 ／/´ 　 ｀ヽ:ヽ　　　　　　撃破は考えなくていい！　生き残って！」
人_＼i:〈:::::::＼::::::八　/:Y天Y〈､ ／ヽ:{ ―‐ o′Y:〉
ゝ:::::::ヽ:У:x≦ヽ{i:i:i:Y{ミヾY＾Y_くi:i:i:i:ﾊ､　　　}　ﾉ::｀>
::::x≦ミ＼{ｰくi:i:j:::イ:YO:::`乂＞=ミYi:i:}:≧zー彳Y::::ヽ
/::::::x≦ミ}　 //　/乂`zzzrｰ:;⌒Yっ}i八／厂ヽ／ヽ::人
､::::ｲ:r:::ヘ=彡ﾍ　＼:::ヽﾖﾖ{:Y::::::∧:{ｰく:::::::廴 　 ＾ヽ:::::::::>





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r、
　　　　　　　　　　　　　　　　/｀ ー- ､_　/,,/
　　　 　 　 　 　 　　 　　　 // 　 　 　/l |　l　　　　　　　　　　　 r、
　 　 　 　 　 　 　 　 　　 /./　　　　 / l!,|　l i　　　　　　　　　　/ /
　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　｀ ー- ､_/　li !　l,f='ｰ-､＿.　 　 　 / /
　 　 　 　　 　　 　　　/　　　 　 　 　 l l 7// ./ヽ´Y､ヾ　　　/ /
　　　 　 　 　 　　 　/　　 　　 　　　 l lll ﾛ/_/ /ヽ,ﾉﾉ､｀li┐/ /i
　　　 　　 　 　 　 /　　　　　 　　　 l ,l　 /ゝ-'一ヾ」　/ーゞ-i､l
　　　　　　　　　 /　 　 　 　　　　　l ,l　 i |〉ｰ'i´ii"ｿ､/.　 /;rｰiﾞ`''…ｰｯ,､ ..　　　　　　　「避難完了まで残り一時間……
　 　 　 　 　 　 /　 　 　 　　　　　 l ,! 　 ,ゝ≡=ソ／｀ー/:;! l;;:l　　　　　＼_ヽ
　　　　　　　　/　　　　　　 　　 　,! .l､,r´　　　//　　　(oiil;;;l;;;l`ｰ──´／／　　　　　　カウントを表示する！　持ちこたえて！」
　 　 　 　　 　i,ﾟ　　　　　　　　　/　.! i ｀ ー-//　　　 /｡ i!;;;l;;;l`'ｰ─ｯ"ソ"
　　　　　 　　 |}　　 　　 　 　　/ 　 !､l｀:::::-､| |￣￣ｿ/;;;::il:;;;;lヽｰ-､/ソ　　　　　　　　　 一時間！？　無茶ですお！
　　　　　　　　ﾘ￣'ｰ- ､、_,,､-'＼　l　|:::::::::::il　l､＿ ,i二ﾆ;;/ ilニー-､
　　　　　　　 /　　　　　 7 ｬ::､P ヽ!ｰ|::::::::::::i|　 〉─,〉ﾞｰ‐' / i　　//　　　　　　　　　　　　「やるしかない！」
　 　 　 　　 /　　　　 　 /i ｬ::､P／ー|::::::::::::il／ﾆ二7ミｸﾌ´/　 //
　　　　　　 i　　　　　　/　l:::;;／｀ﾞー/｀ ー-､/三二i／　/┘─''
　　　 　 　 l　 　　　　/　 /´　ヾ,.／　　／/､＿＿＿＿/＼ {l
　 　　 　　│　　　　/　 /　　／iー､／　/'i　　　　　　/iﾄ､ i=i
　　　　　　│　　　./　 /　／　　l／　　/　〉ｰ───'ｲ i､ i=i
　　　　　　│　　 /　 /／　　　 /.　　 /　/　　　　　　ｿ　l .i=i

4214： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/06(日) 21:24:53 ID:YnQvE0aQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　 ,. -‐-､　　　　　　　　　　　　　／:/⌒
　　　.. ／: : : : : :ヽ　　 . . .-――-. . ､　l: :/-‐: ￣￣｀ヽ
　　.／: : : : : : : : : :／: : : : : : : : : : : : : ｀ヽ: : :-＝＝ﾆ￣｀＼
　　i: : : : : : : : : :／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :_: :＼
　　|: : : : : : : : /: : : : : : :＼: : : : : : : : : : : : : :i: : : : :＼ヽ: ヽ
　　| : : : : : : : !:{:{: : : : : : : : :＼: : : : : : : : : : :l: : :l: : ヽ:ヽ ヽl
　　| : : : : : : : l: l lヽ: : : : : : : : : :＼: : : : : : : l: : : l: : : i: :l　 }　　　　とにかくギリギリまで粘る。ダメなら……
　　|: : : : : : : : l: l:l: :＼: : : : : : : : : : : : : : : :/'´}: :l:/: : l: :l
　　|: : : : : : : : ﾍ: : : : : : : : : : : : : : : : : : r‐/〉': // : : ﾊ: l　　　　　　ラズルシェニェが抑えきれないようであれば、
　　|: : : :l: : : : : :|ヽ: : : : : : : : : : : : : : ／{ l .l'ｲl /|: : / .}/
　　|: : :/ : : : : : l　_ヽ: :⊥: _: : : : : ／　　〈ｲ: l/' l:／　　　　　　　　　 もしくはコジマ爆弾の投下を許すことになったら、
　　|: :/: : : : : : /./'⌒l´　　　｀ー ´　　　　.l: :l　 '　
　　|:/: : : : : : /　r-'＝＝＝=_-､ /　　 ／l: ,ﾘ　　　　　　　　　　　　　　その時点で撤退を開始する！
　　|': : : : : : :/ ./＿＿＿　　　 ｀､ｭ_／　 l:/
　 /: : : : : : :/'´:::::::::::::::::::::￣:::::::ー`-...　/'　　　　　　　　　　　　　　　　　
　i: : : : : : : :l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀::.....､
　l: : : : : : : l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::⌒i
　!: : : : : : :l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::r=､
. l: : : : : : :l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::{{　 ヽ
. |: : : : : : l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::ヾ､ /

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
それはつまり。

守り切れなくなった時点で、残った市民ごと、
コロニーの居住区を切り捨てると――
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4215： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/06(日) 21:30:05 ID:YnQvE0aQ0

　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　,――==―
　　　　 　 　 　 　 　 ,　-‐…‐-=-...ゝ/:.／__´_
　　　　　　　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀:.:＿_:.:.:.:＼
　　　　　 　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.ヽヽ:.＼
　　　　　　　 //:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.ｌ:.:|:.ヽヽヽヽ:.:ヽ＼:.:.ヽ＼ヽ
　　　　　　　ｉ./:.:.:.:.:.l:.:|:.:||:./|:.ﾊ:.:i、i、ｉ:.:ｉ:.:l:.ｉ:.:.ｉ:.:.:.:i　|:.ｉ
　　　　　　　||:.|:.:|:./圦斥=≦　.|≧云ﾄl:.:|:.|:|:.:.|丶:|　.|
　　　　　　 ﾍ|:.|:.:|:.|/r爪:个　　.´{:::｡:ﾒ,|/:.|:.:|:.:| .ｉ:.:|
　　　　　　　ヽヽ:.ヽゝう:::::}　　　 b_::7〃ｌ/:./|:.:| |/　　　　　　　　……構いませんね、ペンウッドさん。
　 　 　 　 　 　 小、ﾐゝ…´　　 ｀¨‐‐//;,l/|:.|/:|/
　　　　　　　　　 |:.:ゝ 　 　 　 ｀　　／/:.|:.:.:|/::.|　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　 |:.:.|ヽ、　　-‐‐　 ,∠:.:.|:.:.::|:.:.:|
　　 　 　 　 　 　 |:.:|.　|＞ 、 _　イ　 |:.:|:.:.:.:.!:.:.|
　　　　　　　　　　|:.|／|――, ― |、 |/:.:.:.:.:|:.:.:!
　　　　　　　　,､r´:|:::| ﾍ　　/><l　l ヽ|｀ヽ:.:.:|:.:.|
　　　　　,､r::´::::::::::::::|　ﾍ、/ 只ヽ|　 ヽ:::::::｀ヽ:.!
　 ,､r::´:::::::::::::::::::::::::::|　 .ﾍ　/||ヽ |　　ヽ:::::::::::::::::｀ヽ
　|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::r L＿_lヽ‐‐‐yヽ／　｀ヽ、:::::::／|
　|:::::::::＼:::::::,､r ´　　　／ ﾍ:::::::::| 　`＜　　 ｀ヽ/::::|
　|rヽヽ:::::／　　　　　.<　　　丶:|　　 ./　　　　　|::::|}





／　　 ／ 　／ 　 ／　　　　´　　　　　　　　　　-‐　⌒｀ 　　　　　　　　　', 　　∨∧
　　 ／ 　／ 　 ／　 　　-‐　　　¨¨￣￣　 ／´　　　　　　　　　　 　 　 　 }　　　}　 }
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　／　　　 　／',　 i＿＿,,　-‐=====‐-　,, __　　　 　 __ 　　　　-‐　　　 ∨　　　　　　　……いや、ダメだ。
〃　　　　／　　} f^ー=ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆミｧ､ 　　｀¨¨¨´ 　　　　　　'
　　　　／　　　ﾑ} 　　　　　　￣￣￣¨　‐=ﾆﾆﾆﾆﾆミｧ; 　 ο　　_ 　　　　 '　　　　　　　「はい？」
´￣ア不,＿／´ }　　　　　　,ｚ‐‐ ､　 　 　 　 　 ‐===ｆ′　 　／ 　 　 　 　 !
:､　　 　 　 　 　 } 　　⌒＼ 　γ⌒＼　 ､　　　　　　 }__,,zzf´　　　 　 　 　 |
　＼　　　　　　 {　⌒Ｙ´￣＼ {　　　 ヽ　 ｰ- ､ 　 　 {¨￣ ア)ｧ,， 　　　　　|
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=＼ 　 　 ＼ 　 } 　　:|　 　 　 ! }　　　　 ',　 } 　 　 ∨¨¨ｰ‐ァ入{^},リ
ﾆﾆ_＼ 　 　 ＼j　　　}　 　 　 |　}　　　　 }　 ∨　　∧　　 　 {
二ﾆﾆ_＼　　　,′　　}　 　 　 { 　}　　＿　'; 　∨　　∧ｰ‐　ノ
二二二ﾆ＼　,′　　,'／￣｀　 }　レ´ 　 　 ';　 ∨ ￣｀∨´
二二二二ﾆY ／￣ { 　 　 　 ∧ {　　　　　j{　　{:　 　 ∧
二二二二ﾆ{ 　　　　}! 　　　　 ∧{　　　　　ｊ{　　{: 　 　 ∧
二二二二ﾆﾑ 　　　 }!　　　　　　ｊ{　　　　　ｊ{　　{: 　 　　∧

4216： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/06(日) 21:34:31 ID:YnQvE0aQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.．─ ﾆミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿ ／/77≧，　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,ィ'' ヾ ii} ./////ハ　　＼ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ -‐=ミﾞ　゛¨¨¨¨¨ミ刈　　 ＼ ＼
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 〉-‐=ｧミ＿　　　　　　　 V　　　ヾ　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　／,' '´￣ ¨''ヽ､_　 し＿{　＼ヾ　 　　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 } /　/ ィﾆﾆ≦{{i　u {ﾊ､＿_＼　＼＼.　 }
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /⌒Y　　 {弋.・ j }　　　ｒﾆﾆ≧､＼　ヽ　 ,′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { 斥.|　ヾ　`ｰ彡/　　　ヽ弋’ノ ヽ ヽ 人/　　　　　　　　　　　い、いや、だって……それは……
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ', ツ|　　u　　 /　　　 ヽ　￣-‐彡　}'心}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ ゝ | u /ｒ-‐ｧヽ　　　　 〉､　u　 u .ﾊﾋﾉ　　　　　　　　　　　　 市民のみならず、今防衛に当たっている
　　　　　　　　　　　　　　　　ィ/////,{　 {{{ ／:.:.:.:＼__ ／:.:.:＼ 　u .ﾊィ_
　　　　 　 　 　 　 　 　 ,ィ////////,ﾊ　 ヾ `ｰ-‐=彡ヾ:.:.:.::.:.:.:.}　　ﾊ/,∧＞，_　　　　　　　　　　部隊も切るということだろう？
　　　　　　　　　　　ィ　　|/////////,ﾊ u　 　 `ｰ= ‐､二二ヽ从　ﾊ///∧　　＼＞，　
　　　　　　　　ィ　／　.／/////////ﾊﾍ　　　　　　　　　　 ノ　　ﾊ/////∧　　　＼　＞，　　　　企業連のことだ、逃げおおせたとて、
　　　　　 ／　.／　 ／///////////,ﾊ　＼ヽ＿　　　　　　　　ｲ |////////＞， 　 ＼　　＞，
.　　　 ／　 ／　.／//////////////,ﾊ　　＞， ﾆ=‐--‐彡，＜ |////////////＞， ＼／/|　　　必ず追撃を行うに違いない。
　　／＼／　 ／/////////////////ﾊ　　　　＞，_ ，＜ 　 　 .|/////////////////////|
　　∨//＼／///////////////////,ﾊ　　　　　////＼ 　 　　i/////////////////////{_　　　　彼らなしでは生き残れんよ。
.　　 ∨/////////////////////////ﾊ＼　　./V/////＼　　.|//////////////////////}_
.　　 ///////////////////////////,ﾊ.　＼/　 V///ﾊ　 ヽ/.|///////////////////////ﾊ
　　 }////////////////////////////ﾊ　　　　./////ハ　 　|///////////////////////ハ





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　_r=＜⌒'／　　　　〕ｉト .,
　　　　　　　　　　　　　　　　√｀ヽ､V '／　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 ム==ミ､:{／⌒ヽ　　､　＼　 .∧
　　　　　　　　　　　　　　 f´-=ミ:､ヾ{if','///∧　.‘，　.＼ .∧
　　　　　　　　　　　　　　 }　 , -=ｧ─＜ｒ'─:}∧　∧＼　.＼.l
　　　　　　　　　　　　　　〈／／/ u　　　 　 .||　V:､ ＼ ＼　.|
　　　　　　　　　　　　　　 .}./// -‐=＝ニ＝ｻﾆ=ヾ＼ .＼ ヾ!
　　　　　　　　　　　　　　 fヽ/{　_＿＿_ ,ji　Vｔ:､＿彡ヘ　.ヽ|
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 | ∧!_´¨-tｯ‐ｧ l　 l∧-tｯ=j = Vヾ!　　　　　　　　　　き、きき、基地地下に……実験段階ではあるが、
　　　　　　　　　　 　 　 　 v　i.　　｀三彡:l　 l/iミ三´　　.l　 }
　　　　　　　　　　　　 　 ／ｖ .!　u　　　　| 　.|　　　　 　 l　/､　　　　　　　　　　遠隔制御タイプのネクストが三基ある。
　　　　　　　　　 　 　 ／　　Ⅵ　　　　f’ !:. .: ! ｝､　　 　.ﾚ' V ＼
　　　 　 　 　 　 　 ／ 　/ 　　|　　／ｲ≧=-=≦¨ヾヽ　 .l 　 V　 〕ｉト .,　　　　　　有人制御には遥かに劣るが、腐ってもネクストだ。
　　　　　　　. ｡s≦　／/　　 .∧　 (从ｨｖｊ人ivﾄｖ仆}　　/　　 ∨　　　　　〕ｉト .,
　　　. ｡s≦　　　 ／ ./　　　 l　 '，　　＞=＝=＜　　／ヽ　 　 ∨　　　　　　　　　　それに殿を任せようと思う。
　　　　　　＿彡.’　 /　　　　l　　　≧x　　　　　　／　　.}　　 　 v
　　　¨￣　　　　　 / 　 　 　.|　　　　　 ｀ー--_＜　　 　 |　　　　‘，　　　　　　　　　　「……動くんですか？」
　　　　　　　　　　/　　　　　.|　　　　　.r=V/r､　　　　　 |　　　　 .‘，
　　　 　 　 　 　 /　　　　　　|､　　　　∧ヾ=ｲ∧　　 　 /!　　　　　 ‘，　　　　　　　　　それは……やってみなければ……。
　　　　　　　　 /　　 　 　 　 |∧　　 /　 V.//　 ＼　 ./.il　　　　　 　‘，
　　　　 　 　 ./　　　　　　　 .| ∧ ／　　 }/ﾑ　　　 ヽ'　ﾘ　　　　 　 　.‘，

4217： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/06(日) 21:42:02 ID:YnQvE0aQ0

.　　 / / / 　 　 ヽ }　＼　＼　 ＼　　　ヽ　　
.　　 V ./　-‐=ﾆ　} {.　　＼　＼　.＼＿＿j
　　　 Y　 て二ミ､ Vヾ 　　＼　ヽ　　　　　　私たちは企業連に見捨てられた……何かしら、彼らの尾を踏むような真似をしたのか……
　　　　}　　ィテ=ｧ　.＼.　 Ｙ⌒Y.
　　　 /　　　`¨　　∪ .＼ﾉ心 .　　　　　　　　とにかく、私は桜花のトップとして、彼らを政争の敗北に巻き込んだ者としての義務がある。
.　　 /　 　 ヽ　 　 　 　 　　　　　
　　人_　-‐ '　＼　　u　　　 　　　　　　　　　　……あの二機には限界を迎える前にベイルアウトしてもらおう。
　　　　{_j_j_j_j_j_j 〉　 　 　 　　　　
　　　　　ヽ‐-　　 ′ 　 　 　 　　　　　　　　　　避難を終えた後、遠隔制御ネクストで足止めをし……島の上層にコジマ爆弾を落とさせ、
　　　　／:ヽ　　　　 　　 .／.　　　　
　　　 }::::::::::≧，_-‐　 ／ 　　　　　　　　　　　　　我らの壊滅を偽装する、というのはどうかね。
　 　 ﾉ::::::::::::::::::/ ヽ／　　　　





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　 ,. -‐-､　　　　　　　　　　　　　／:/⌒
　　　.. ／: : : : : :ヽ　　 . . .-――-. . ､　l: :/-‐: ￣￣｀ヽ
　　.／: : : : : : : : : :／: : : : : : : : : : : : : ｀ヽ: : :-＝＝ﾆ￣｀＼
　　i: : : : : : : : : :／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :_: :＼
　　|: : : : : : : : /: : : : : : :＼: : : : : : : : : : : : : :i: : : : :＼ヽ: ヽ
　　| : : : : : : : !:{:{: : : : : : : : :＼: : : : : : : : : : :l: : :l: : ヽ:ヽ ヽl
　　| : : : : : : : l: l lヽ: : : : : : : : : :＼: : : : : : : l: : : l: : : i: :l　 }
　　|: : : : : : : : l: l:l: :＼: : : : : : : : : : : : : : : :/'´}: :l:/: : l: :l
　　|: : : : : : : : ﾍ: : : : : : : : : : : : : : : : : : r‐/〉': // : : ﾊ: l　　　　　　……幸運を前提とした作戦には同意しかねます。
　　|: : : :l: : : : : :|ヽ: : : : : : : : : : : : : : ／{ l .l'ｲl /|: : / .}/
　　|: : :/ : : : : : l　_ヽ: :⊥: _: : : : : ／　　〈ｲ: l/' l:／　　　　　　　　　「うっ……」
　　|: :/: : : : : : /./'⌒l´　　　｀ー ´　　　　.l: :l　 '
　　|:/: : : : : : /　r-'＝＝＝=_-､ /　　 ／l: ,ﾘ
　　|': : : : : : :/ ./＿＿＿　　　 ｀､ｭ_／　 l:/
　 /: : : : : : :/'´:::::::::::::::::::::￣:::::::ー`-...　/'
　i: : : : : : : :l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀::.....､
　l: : : : : : : l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::⌒i
　!: : : : : : :l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::r=､
. l: : : : : : :l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::{{　 ヽ
. |: : : : : : l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::ヾ､ /

4218： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/06(日) 21:45:56 ID:YnQvE0aQ0

　　　　　　　/　 / / .／ ﾉ ./¨¨¨¨¨''ﾆ=‐-ミﾆ=‐ ＼
.　　　　 　 /　 / /／ ／ ./　　　　　　　　　 ヾﾆ=‐ {
　　　　　 /　　　　 ／/ ノ　 .:.:.:.:.:.:　　　　＿ _ V 　.ﾊ
　　　　　 i　　　 ／￣≧，_　:.:.:.:.:.:　　 ／　　　 V 　 }
　　　　　 |　　 /　,ィ´￣ヽ, ヽ:.:.:.:. ヽ,ィ´￣ヽ,　　}　　|
　　　　　 }.　 / 　 ､　 ・　　} .|:.:.:.:. 　､　 ・　　}　 { 　 |
.　　　　 /⌒ヽ　 ヾ `==彡′|:.:.:.:.　ヾ `==彡′ .{⌒ヽ
　　　　 {　{心| 　 　 　 　 /　{:.:.:.:.: ﾊ　　　　n　　|斥 .}　　　　　　　　　み、見積もりが甘いのは百も承知だ！
　　　　 {　し .|　　 ∪　 ノ　ｒ､　 　 ｒ､ヽ　　　　　| し ,'
　　　　 入 ゝ.!　　　　/　ゝ-‐=ﾆﾆ=‐- ､',　 　　 |　 ﾉ　　　　　　　　　　しかし、こうでもしなければ……
　　　　　　ヽ_|　∪　/　从: :i:i : i:i :i:i: : i从　∪ ├彡
　　　　　 ／ {　 　 　 　 ｒ┬┬┬┬┬┐ }　　　}＼　　　　　　　　　　　
　　　-ｧ''　　ﾊ　　（　　　|￣￣￣￣￣¨|　 　　 ﾊ　ﾍ _　
／　／　　　　}､　　　　 弋 二二二二ノ　ﾉ　 / }　　ﾍ　＞，　　　　　　　
　 /　　　 　　.|. ＼　　　　　　　　　　　　　　/　 |　　 .ﾍ　　 ＞，
. /　　　　　 　|　　ヽ　　　　　　　　　　　　, '　　.|　　　 ﾍ　　 　 ＞，
/　　 　　 　　.{　　　≧，　　　　　　 _，＜　　　 |　　　　 ﾍ　　　　　＼
　　　　　　　　',　　　　　二ﾆ=‐-‐≦.　　 　 　 ｜　　 　　 ﾍ
. 　 　 　 　 /　ﾊ　　　 /　〈////∧＼　　　　　/＼　　　　　ﾍ
＼　　　　 /　　ﾊ　　 /　　 ∨///　　＼　　　/　　＼　　　 ／





.　　 　 　 /:.:.:.:ァ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼ ／ ￣￣ ヽ
　　　　　/／／:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:‘，
　 　 　 /′.:.:.／:.:.:.:. /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:‘，:.:.二ﾆ=‐:.{{}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..
　　 　 　 ,':.:.:/:.:.:.:.:.:./:.:.:. l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}
　　　　　: : /:.:.:.:.:.:.:,':.:.:. : |:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:. : /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
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　　　　　|:! :.:.:.: {:.:. {:.:|:.:.:|l--､ ヽ:.:.:.:.:.: i:.:.:.:.}:.:.:.:／:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
　　　　　ﾘ　',:.:. |:.:.:ﾏ ﾏ:.:|: ´沁}:.:.|:.:.:.:/:.:.:.:/_／:.: , ':.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.: : /
　　　　　　　ﾏ:.lﾏ:.:|∧ﾏ::{　 )じﾘ/:.: /:.:.:.:/　 }:.:.／:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: /　　　　　　　……ですが、従います。決定権はあなたにありますので。
　　　 　 　 　Ⅳ ﾏ,':,　´N　ゞノ〃:.:/／:.ｲ　　／: ／:.:.:.:.:.:. ／:. : /
　　　　　 　 　　 / : ＼　　 　/:.／ /:.:.:/__／:.:／:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:/　　　　　　　　　私はただの雇われオペレーターにすぎません。
.　　　　　　 　　 {:.:.:/　ゝ┐ /ノ　 /:.: /, ':.: ／:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:..
　　　　　 　 　　 i: /　　　ヽ/　　./:.:.／:.:／:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.／　　　　　　　　　　　聞こえてる、二人とも？
　　　　　 　 　　 |/ 　 　 　 ヽ-- ／:.:.／:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.／
　　　　　 　 　　 |!　　　　　　 ／:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:／:.:.:.:.:.／、　　　　　　　　　　　　　 追加の変更を伝えます。
.　　　　　　 　 　 　 　 ＿__／:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:／:.:.:.:.: ／― ≧ｭ､
　　　　　 　 　 　,　´:::::::::./:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:／:.:.:.:.:.／::::::::::::::::::::::::::::≧ｭ､
　　 　 　 　 　／:::::::::::::::/:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::≧､
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　　　　　　/:::::::::::::::::::/:.:.:. /:.:.:.:.:.:.:./:.:.:／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::i

4219： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/06(日) 21:58:41 ID:YnQvE0aQ0


　　　　　　　　　　 __´￣￣二ﾆ=　、
　　　　　　　　／　　￣´ 　　　　　　ヽ
　　　　　 　 /　/ｨ　　　　　　}i　　　　∧
　　　　 　 /ﾔ'7=ﾆ二二二≦_｣Ｌﾍ/　 ∧
　　 　 　 ;　 /＼_　　､＿　￣Ｖ⌒{ 　 / }｝
　　　　　:; 　}(●）　　（●　）　〉 人 /　/^}
　　　　　 '､ {（　ｨ'　　　　u.　/／Ｌ {__/(__/
　　　　 ＿{へ≧＾ゝ､___ノ_z彡二弐≠ ＞／￣￣ミヽ　　　　　　　　――了解ですお。てか、避難、もうちっと速くできませんかお？
　　　　r{_ `ｰ=＜三＞'’ ）二二 ／　//　　　___　　　＼
　　／/ ｛＼　　｀￣　 /二二／/ 　/ｲ　　 Ｙiっ) -┐　 ＼　　　　　　「聞こえましたか、ペンウッドさん。三十分でお願いします」
　｛　　Ｖ 〉　　　　　　〈ﾆ二彡イ　 ｛ ｛　 　 }｣つ）二! -02 |ｌ
　｛　 　 i ＼ 　 　 　 /｝ト､　　 i　 /八ヘ　　￣´　　　　　 |ｌ　　　　　　「ひいっ……」
　　)〉=ﾆi　　＼＿∠_//ｚ/＼　i／　　＞　_　　　　　　 　 /ｌ
　　　汀 i　　　 〔_二//￣　　 ＼　　 /￣７ 　 ＞＝-≠〈/　　　　　　　向こうのお偉方、大丈夫かな……。
　　 ！| iﾄ　　　　＼　　　　 　 　 ＼/　 /　　　　　　勹[_]
　　　　　｀v 　　　　＼　　　　　　　 ＼/　　 　 　 　　/
　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　 ＼　　　　 　 /





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞==､　　　　　　　 ＞==､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　/ Ｙｶ 　 　 　 　 /　/ Ｙｶ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, 　 ,　 '/,　　　　　 ., 　 ,　 '/,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 /　.'/,　　　　　 /　 /　.'/,
　　　　　　　　　　　 > ァﾆﾆ===--､　　　　,　　 }==≦　　　　　,　　 }==≦
　　　 　 　 　 　 　 / /　　 ∧　　 　 ､　 { 7　　 '　∥_Υ＿__ ノ　　 ' ∥ ＼
　 　 　 　 　 　 　 / /　　 /　∨　　　　､.!〔　　 '　∥∨∧　　∨　 / .7＼　 ヽ
　　　　　　 　 　 .∧∨ 　,'　　 ∨　　　　､ ｌ　 /　 /　∨ ∧＿_∨/　/　　ヽ　}
　　　　 　 　 　 　 ∧∨＿､＼　}＿　-=ﾆ}_!_./＞''~　Ⅶ //￣￣-=ﾐ　　　　}.ﾉ
　　　　 　 　 　 　 　 弌///ヽ　i￣　　　 ﾘィi〔 　 Ⅶ　Ⅶ/　　{ i　　' ∨-=ﾆ!　　　　　　　ふう……とにかく、やるしかねえお……
　　　　　　　　　　　　 ∧‐=≦､!＿__ -=≦ 　 '/,　Ⅶ　Ⅶ､　λ v　　ﾉ＿__ﾉ
　　　　　　　　　　　　　 ∥ ∥　　 ７ﾆﾆ!　!　　'/,　.Ⅵ　Υ !　 ≧=‐' ∨/ ∨　　　　　　　
　　　　　　　　 　 　 　 .∥ ∥　　 / ==┘ |　 ＞''~~~Ⅶ　Ⅶ　　　 ', 　.∨/ ∨
　　　　　　　 　 　 　 　 {!､/~''＜ ,: : :|　　 }!'´　 '/,__　Ⅶ__Ⅶ====ｧ!__}__! ／}
　　　　　　　　　　　　 (_))ﾆﾆ〕iトｲ`〜､、〕!　　／￣￢´/~~´＿∨￣!ア-=≦
　　　　　　　　　　　 /∧∨-=ﾆﾆ!　∧zz}z＜::/´~~~｀{７ィi〔::::::::::∨~ ∨ﾆﾆノ~ヽ
　　　　　　　　　　　,　 ∧∨__　 〕＿ ∧ !__}_!{ィi〔￣丶v:＞''~￣~:∨フ{冖〔､　　∨
　　　　　　　 　 　 .,　　∥￣￣ 7／／ } r──￣￣:::/::::::::::::-===∨: |: : : ヽ}''´ !
　　　　　　　　　　,　　.∥　　　∥┐{　√!_}＿＿∧ Ⅵィi〔　 __ ､丶`: : !: : : : }i　｜
　　 　 　 　 　 　 , 　 .∥　　　∥､(__) √＿}!__: : :.∧.∨￣￣　!〕　 ∨ !: : : : }i　｜

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
はやての八咫烏も、すでに手ひどくやられている。
装甲はあちこちが焼け焦げ、融解して崩れ落ちていた。

自分のこのネクスト、脇差にしたって、大した耐久力は持ち合わせていない。
おそらく、あのハイレーザーライフルを二、三発まともに受ければ、終わりだ。

だが、なのはの言った作戦には、若干の希望があった。
遠隔制御型の実験機は3機。しかもそのどれもがオルデンブルク製フレーム、
つまり対ENに優れた重量二脚型だというのだ。

いくらラズルシェニェといえど、ネクストを一瞬で葬れるわけではない。
壊すまでにはある程度の時間を要する。ハイレーザーライフルだって
冷却に要するインターバルなどもある。

自分たちが成すべきは、一秒でも長く持ちこたえて、
ギリギリのところであたかも撃破されたかの如くベイルアウトする。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4220： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/06(日) 22:04:54 ID:YnQvE0aQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃
　　　　　　　　　　 　 　 　 　　 /:/
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　　　　　　　　　　　　　ﾉ:.//::/: :/
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　　　　　 __　　　 /: : /://:/: :./
　　　　 「|　'.　　/: : /:///: : ／〉
　 　 　 | |　 |　〈: : /:〃/::／／
　 　 　 | |　 |　　V: : : /ィィ´　 :|
　 　 　 L|　 l　　/:: イ:/:〉〉 　 i:|
　　　　 _」 _/,r.イ: : / ﾉﾉﾉ:.ｧ:ｧ,r'─r‐ｭ､
　　　イ　　 /: ://:/　 〃.// ´￣＞く ヽヽ
　 i i:..:i　 l./: ://:/‐ 〈:/:i /´￣｀〉r‐‐､_//
　 l l: ﾉ　 l: :./／/ ｀.ﾉヽl/:.ﾆﾆ´　｀>､_ﾉ
　 ｀Tヽ _ﾉ:〃　/ /´＼」　Vﾆ＞.〃r::7　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　なのはさん、爆撃機部隊の方は？
　 i |:::/ 〃　/ /　　　/＼ ￣｀ヽ: :≦_
　　ヽ/　/　/ /　　　/:.:.:. .ヽ　　 ＼ ￣＼　,　‐─‐ ､　　　　　　　　　　　　　「それなんだけどね……」
　　 /　/　/ /　 　 /:.:.:. : :/　｀丶､ ヽ　　 ＼　　 　 〉〉　　　　　　 　 ＿_
.　 /　/　 ／　 　 / : : :.:.:/ /´￣｀丶 〉　//　 ヽ__ /∧.　　-‐　. :´: :＼: : ＼
　〈　/_／　　　／_＿,. イ　　　　　　/　//_ 　 /　　//:　＼: :,.:　 - ── ─r‐ r r r==:､
_ノV ヽ＼ _ イ　　__／　i　｀丶､　__/　//::::｀V　 ｀7´ ￣￣〉〉　　　　　　　　i　 i.:VﾆﾆV:〉二二ﾆﾆ
､: : : :>､｀フ´ ｀Y´　　　 l　　 　 |　　 //.:.:.:./ 　　〈　　　　//　__ _ ＿＿ ＿ﾉ　ﾉ.:⊆三〃.:.:.:.:.:.:::::::.::
　＞ ': : : i 　 　L.. .__＿」 ｀丶､ | 彡'.:.:.:.:.../｀ﾆﾆﾌ´＞=＜:三ヽ _ _＿＿ ＿ ＿L::::ﾉﾆノ.:.:..＝:＝.＝:
　ヽ: : : :.:.|　　　 /::. . . .:/　　　 〈 〈.:.:.:. ／　　 /://.//.:i.:.＞ r'　　_ ＿ ＿＿ ＿__／.:.:.:::::::::::::::::::::::::
　　 `ー‐'＞＝く´ﾆﾆﾆﾆミミﾐヽ､ ｀ﾆﾆ´ _＿_ノ L/.:l/: :.L:.:.:.:.l.:.:.:./.:.:.:.:..:.:／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　__/,.　ィ´ 〈_〈　　((:::::)´￣.:.:.:.:i:ヽY´ : : : : : : : : : /: : : /: /.:.:.:.::／.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:
　　 /.:/　((::::)　　 /ミﾐヽ ｨｲ´￣｀ヽ.:.:＼＼　｀丶､: : : /:: : :/: :/:.:.:／: : : :＿:＿: 二二 二 二ﾆﾆ
　 ./:./　　/　　　/.:::::::::::::::LL　_＿」ﾄ､.:.:.＼＼‐､　｀　丶　､:: /: :/: : :.//:.:.:.:〃´
　/:./　 ((:::)　　/　　 ｀T´￣｀ヽ二 ﾉ　＼_/._:/　 ＼　　　　　｀丶､: :.//.:.:.:.〃
./:./　　/　　　/　i　 　 i　　　　i.:.:.: 　　 |　　|　＼ ﾉ〉　　　　　　　　 ￣￣
_ /　 ((:::)　　/　　 　 　l　　　　l.:::.:　 　 |　　ﾄ､　　＼
　　　〈　 　 /　　 l　 　 |　　 　 !.:.:.:..　　ﾉ　 ﾉ　＼　　＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
八咫烏とラズルシェニェによる高速機動戦にレーザーライフルによる
茶々を入れながら、なのはに爆撃機部隊の迎撃の如何を聞く。

さっきからラズルシェニェにかかりきりで、そちらの方には一切と言っていいほど
意識も火力も割けていない。正面方向からの大部隊ということだったが、
それらしき影を視認してもいない。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4221： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/06(日) 22:11:52 ID:YnQvE0aQ0

　　　　＼.ヽ　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿,〈　/
.　　 　 　 ＼ ヽ　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 , ／　　_）く｀ヽ
　 　 　 　 　 ＼ ＼ ＿　　 　 　 　 ｨ　lヽ　{ヽ 〃　 ／　　　 Vj　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 . , : :γ⌒ヽ
.　　　　 　 　 　 > ｲ　 ⌒ヽ （ {　/: :二 ∧, //'　 /　　　　　oﾊ　　　　　　　　　　　　　 　 __. . ＜: : : { : : {{　　 }}
　　　　　 　 　 ,′ ′　　　 ヽ＼､: :|ﾍ ヽy/ { {､ j 　 o　＞===ト ､　 　 .F-!　 　 　 　 ＜〃: : : : : : : 弋: : ゞ=="
　　　　＿＿＿{ 　{　 　 　 x=ミﾏ＼ﾄ∧__}!Y:i ｀ ´ 　 ／　 ．-──＞　 |　|　.＜ : : : : : : {{: : : : : 斗　　´
　　　 ヽ　 　　 ∨人　　 〃 　 }}:|.:| ヾfY{l|人ゝ0_ 斗＜　￣ミ ＜ . . ＜:.|　| .: : : : : : : 斗 ﾞ　´
　　　　　 ＞､　 乂o ）　 l!ゞ=彳: Ⅶ:.圦刈 : : 7三} ヾｲ ヽ . ＜: : : : : : : .|__j　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／x>
　　 　 ／ 　　` ＜ 　 o　} ' T: : : :ⅦLHУ:／ﾆ＞. : :´ : : :_:_ 斗 r　γ⌒Vハ 　 ＿　 r､　 　 　 　 　 ／ ／
　　 ／　 　 ， 　 / (>ｰｲ＿_L_ミ=ｘ: :斗r≦: : : : : 斗r≦ (ヽヾ ,　 -/　/⌒　{ V |γヽ. 〉j　　 　 ＿／ ／
　　　-─=､ ｱ丈＞　/ / ＞ ヒ Y: : : : : :斗_ｧ､´＿　 V く xへ.{　 o{__/　 　.∧ v| { 　j//ﾊ γ´　-‐ く
　　　　　 　 (/　＼ く r[]: : : : : : ゝ≦ｭ :|: : : :ﾘ: :_: ､ヽ ＼ ヽヽ ＼　　　 〃　ゞヽ 込ソ/ ァ/ ｀´ o＿ (ﾊ
　　　　 _r≦.:＼ 　 ＼弋ニ:_:（(＞＜LT:l､「: f:（＿）､＼}　 ￣｀¨´ ＼o　{γ:´: /. 代Hj （_/ ﾟ ≦===ミ 〈
　　　rf_ z//_ - ＼　/! f ﾆ⊃ｰ //､_ヽ ──ﾄ､Y /:.:＼＼ 　 　 　 .ﾄ､ ｰ〈ﾐx : ｰr-:' : : _/7´　　 　 ﾊ//｀ヽ
　 　 　 _//　_/7＜` 弋i{三}: :Y:/ゞ-ｿ-──j´ }/: : : : :＼|　r＜⌒ヽ ＞＿｀ }/7_ /／ へてヽ　　　l ＞ "
. 　 　 / /　/ /_'∠.:＞､__ﾍ: : .:∧: :{ : r──}: :〈 : : : : ∠二 ヽ/_￣　¨　　 　‐-===｀ ｰ┐ __ｰﾍ ,..⊥.......,,,,　　　＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　 {＿フｰ,.斗-r∨: : : : : : : /.:〉∧ ∨: : :ﾊ∧　(二{ { (二二≦三三ミ辷ァｧz ､-- ､ （ (＿((´::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:￣￣.:.:.:＿.:三二ﾆ=-
　　　 　 　 /!　／／∨: : : : : /.:/|: : :＼∨/　' ∧∨: .｀ ｰ'＞ ー-＜_っ‐─ゞr┴‐ ､:弋フ､ ＼ ≧ー r──‥…　　''''''' 　　"""　￣￣￣￣￣
.　　 　 　 / {＿__ヽ／∨: : : /.:/ l|: : : : :`r' ＼　vﾍ∨: :l ｝: イ´￣￣＞￣ヽY´￣: 7 : ／ : ＼ `ｰ一リ
.　　　　 γ⌒ ､　＼:.､ ∨: /.:/　 |: :＿: : |　　 ヽlVﾍ∨:|.ﾚ _〈__xﾍ 　 　 ´　ﾉ|: : : :/: / : : : ', : : ￣￣l
　　　　 /　/　　`フ l　} ﾊ :}:/ 　 :|´l.:.:.:.l｀|　　 　 {ヾ〈 ` ../ 〈　　.ｨﾍ 　　　/: ゝ-:ｲl: :| : : : : :',: : : : : :ﾉ
　　　／　 { ＿／ z弋＿ ゝ'　　　| :i.:.:.:.i: |　　　　∨l ...,〈　{>=ﾐ ／r　　 ∧.: .: .:/ l: :| : : : : : ィ彡 ´､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ 　７ ＿ ）へ _／　 ∨.:/　.レl : :／／　∨　 〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 イ > ／ 　 }　　　 　 　 　 ∨　　　|イr　}　 　_∨〈
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／／　　　ハ　 　 　 　 　 　 　 　 ゞ ^ 〈__f´､　｀¨＼
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　 /　ﾉ　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∨　 　 ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／／　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ∨〈｀ヽ 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ￣彡'　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 {　∨∧　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼ ゝｲx ‐ ､　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Ⅵ　　　 jvﾄ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼ヽイ　 |: |

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「どうも、ノーマル部隊の中に腕利きのパイロットたちが居たみたいでね……
さっきからコロニーに爆撃機部隊を近づけさせないでいるの。
今は第一波をすでに撃墜済みで、第二波待ち」

「腕利き？」

「正規の防衛部隊じゃないみたいなんだけどね……
ロングレンジ仕様のレーザーライフルを担いでて、爆撃機を狙い撃ちにしてるみたい」

これについてはなのはも予想外の戦果らしく、少し戸惑っていた。
自分も驚いている。ノーマル乗りにもそういった者がいるのか。

だが、何にせよ良いニュースには変わりない。
さっきラズルシェニェに専念することにした選択は正解だったようだ。

敵爆撃機は、そのノーマル部隊に任せていいだろう。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4222： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/06(日) 22:21:06 ID:YnQvE0aQ0

　　　　　　　　 .| |　|　　　　　.| .|　|　　　　　／　　 ',
　　　　　　　　　| |__|　　, -― | .|　|￣￣￣ヽ、 ,ﾍ　',
　　　　　　　　　.|　 ﾞ!／　　　　! ゞ､i￣ヽ--、 ＼　l　',
　　　　　　　　　 |,イ　　　　　　〉　 .!.!　　　　ヽ、＼i　',
　　　　　　　　／　　　　　　　／ト、.!.!ー―､　　ー､＼',
　　　　　　　/　　　　　　　　/　 ,!､〉.イ二二二ヽ　 ヽ .ヽ
　　　　　　 /／,.,.,,,　i 　 ＿ソヽ' /　|　　;;;;;;;;;;;　 ＼　ヽ, ヽ　　　　　　　　　　　うざったいですね。
　　　　 　 ,!　　""ﾞ　/￣_ノi　　i".　 !--、＿＿＿＿ヽ　i　ヽ
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　 　 　 /　　 , イ　,ﾞ＞イ__,,イヽ| /　　/　C,,,, -‐ｲ　　 ヽ　 ヽ ∨
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　　　!＞イ"　　　　ヽ、　!､_/　　, イ　　!、　　　　　　　　|　　 |　∨
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　　　　　__, -ー――‐| , イ　〉 /| |.!、　　、　　　　　　　　|　　ヽ、
　　 ＞,"-ー‐ﾞ二二＞|　　　,!ｲ　| !､ ￣i　i　　　　_　　　　|　 ＿ ヽ
　　／　 ／￣,, イ"　 |　　 i" .|　 |　|　　|　!、　　　ﾞi　　　 ／ 　 ￣





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　　　　　　　　　　　　　　　　　＼三三三=ﾆ（　　　三ﾑ　 ,　　　　　　_三 ｀ヽ三ﾆﾆ./　／ﾆ/　／/　　　　／ ´Y､ヾ　　　/ /
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ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ﾆ/　　 　 ﾏﾆ=イ　　　、　　　　　　 /ﾆ＝=ﾆ三=ﾏﾑ_-ﾆ-"　...l ,l　 /ゝ-'一ヾ」　/ーゞ-i､l　　
　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　 ｝ﾆ　',　i　　゛ｰﾆﾑ　、　　{　　、　　ノノ　　　　 ',　ヽﾏﾆ　　　 .l ,l　 i |〉ｰ'i´ii"ｿ､/.　 /;rｰiﾞ`''…ｰｯ,､ ..
　　　　　　　　　　　　　　ヽ＼　　ヽﾆ=-人　 /" ＼＼　　 ﾑ　／ｌ　　　　ヽ　　　　　 ﾉﾆﾑ　　　　 　＿- =＝ﾌ／｀ー/:;! l;;:l　　　　　＼_ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 ~=-三三/ヽ三{　　　 ゛ー　　>ﾆ／　　ﾑ　　 ）　　　　'　ﾆ ﾆー=＝ﾆ＝ニ ￣　　　　　　_、.;;l`ｰ──´／／
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　　　　　　　　　　　　　　,,,,,,,,=＝ {ﾆ、゛ｰイﾉヽ＼＿　　　　o　　　　　＼　 ,、　　 ／ハ三=＝￣￣　　　　　　　　 ￣il:;;;;lヽｰ-､/ソ
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　 -=＝ニ三三三三三三三＝=,,三ﾑ､＿-=イ/ ∧/　　　　　　　_-＝=_ 　　　　　　 }三三三ﾆ= _.::::::::::i|　 〉─,〉ﾞｰ‐' / i　　//
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　｡s≦ム　　 入　　　　、＿ ノ　　　　　 ノ ゛ー "／=ﾆム　　　　　　　　　　　 ~＝=- _　 {l
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安堵するのも束の間、姿勢の制御と照準にばかり気を取られていたところに、
悪寒が走るのを感じた。八咫烏が蹴り飛ばされて宙に舞い、
長槍のようなハイレーザーライフルの銃口がこちらへと向けられる。

咄嗟にシールドを構え、狭い装甲板の中へ身を寄せる。
すると、発射音に反応する間もなく、深紅の光の奔流が視界を埋め尽くした。
装甲が融解し、ダメージアラートが立て続けに鳴り響く。
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4223： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/06(日) 22:32:44 ID:YnQvE0aQ0

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　　ｰ {r 彡＼ﾉ_≫ ´ 　 　. :::´::∧::::／:::::::/::/:://:::::::::::::.′　　　 　 ｀ ≪≫､ ｨ　 ／　　　　　　　}　 ｀ヽ､　 ﾄ ／
　　　 ゝ'ム、 ＼　　 　 ｛::::::::::::::::::ｰ::::{ｰ=ﾐ::/ｰ’':::::::::::::.′　　　 　 　 　 ｀ ≪/ 〃-‐ 弋　 　 　 ﾉ　　　. ‘，V
　 　 　 　 　＼ ､ヽ . :::´∧:::::::::::::／／>､___> 〈::::/:::::::.′ ﾊ　　　　　　　　 　 //　　　　　ー=彡　　　　}　‘，
　　　　　　　 . ::ｰ ’::::::::::::ﾊ::::::／彡 ´i:i:i:i:i:i:i:i:i:∨::/::::{　 {__`==========〔　{.′　 　 　 　 　 　 　 　 /　　}
　　　　　　 ｛::::::::::::::::::::::::::::}／i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:∨::::::i　　　　　　　　　　　　　 . ´　 ｀ヽ　　 　 　 , ⌒′　/

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「く……このっ……」

低く唸り、メイン、サイドブースターを最大出力で吹かせ、
安定を失って落ちかける機体に何とか受け身を取らせる。

揺れる視界の中で、炎上しつつある機体で突貫する八咫烏の姿が映る。
対するラズルシェニェの得物には、ライフル下部に熱線の刃が形成され、
さながら銃剣のような形を成していた。

八咫烏が盾を押し付けるようにして前面に出し、視覚的な死角から
物理ブレードを突き出すも、PAに一瞬阻まれてしまう。

その一瞬の隙に、横凪ぎに何度も砂色の機体の銃剣が叩きつけられる。
黒い装甲が弾け飛び、甲高い鋼鉄の断末魔が響き渡る。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4224： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/06(日) 22:41:15 ID:YnQvE0aQ0

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___＿三二ニﾆ＝-‐へ .メ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'八,､.l　／ : ﾉ/　＼;;;;;;〉　{　 　,:}　/　/....│
　　　　　　　　　　　／:: .　ヽ　　/　　ｲ　/／ 　 　 　 　 　 　 　 　 /|　　　　　　 ヾ_彡′/　｛__,／ ／￣￣７＼:.:.
　　　　　　 　 　 ／::::: : : ____〉 /. ...　..し′廴 .＼､.　　　　　　 　 / .|　　　　　　　　　　./　　／　〈:　＿＿/　 .:〉:
　　　　　　,.......::::::::: : : : :/＼三二ﾆ＝=‐-　　__　＼ヽ--‐‐…‐‐ﾉ　乂从厂￣￣＼._,ノ　.／　　./　Ｖ＿＿＿／
　　 ,........::::: : : : : : : . . ./ 　/ 　 ￣三二ﾆ=-　　　　ヾ　ゝ　　　　　　,_三二ﾆ＝=‐=ﾆ二三__人ノヽ._从／（　／
..::::::::: : : : : : : : :: . . ..../ 　/　　　　　　　￣￣￣三二　=　　　　　／_ノ　　　　　　　 　 /「￣￣¨フ
　　　　　　　　　　　 / 　/　　　　　　　　　　__ 三二　＝　　　 ／「　　　　　　　　　　 //｀¨´￣/

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
直後、大きく姿勢を崩した八咫烏の頭部を、ラズルシェニェが徐に鷲掴みにした。
抵抗することすら許されず、視界を塞がれ、動きを封じられた八咫烏ごと
腕を振りかぶると、あろうことか片手で放り投げた。

放たれた矢のように黒い機体が宙を舞い、後方のコロニー隔壁へと
飛んでいくと、周囲にいたノーマル機を巻き込んで激突した。

粉々に砕かれて粉塵と化したコンクリートが巻きあがり、
隔壁へ叩きつけられた八咫烏の姿を覆い隠していく。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4225： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/06(日) 22:50:43 ID:YnQvE0aQ0

ﾆ/ , .: .: .: .:.'.: .: .: .: .Ⅵ.: V/∧＼_:/∧.: .: .: .: .: .: .: .: .: ::.
/　.: .: .: .: .: .: .:..i.: : .: Ⅵ.: V/∧i:i/i:i:i∧.: .: .: .: .: .: .: .: .: :
　 i .: .: .: .: ｉ.: .: .|.:i.: .: ! Ⅵ.:V.: .:V i:/i＼}.: .: .: .: .: .: .: .: .: }　　　　　　「は、はやてさん！？　はやてさんっ！」
　 |...: .: .: .: .: .: .:斗:-┼.ﾊ : }'，.: ∨＼i:ｉ}-､.: .: .: .: .: .: .: .:i
　 | .: .: .: : .:'，.: {八.:_.{/　Ⅵ Ⅵ.: }: .: .: |/ }.: .: .: .: .: .: .: .:　　　　　　っ、は、うっ……。
　 | .: .: .: ｉ.: .:Ⅵ:i爪r'ﾊ¨¨}} '， Ⅵ:|: .: .: |i　, .: .: .: i.: .: .: .::
　 | .: .: .: l .: .: Ⅵ　 vﾘ　ﾉ'　}　 Ⅵ|: .: .: |//.: .: .: .:| .: .: .: :　　　　　　 あ、あかん、今ので姿勢制御が完全にイカれてもうた……
　 |.:ｉ.: .: .:{ .: .:..八 　 　 　 　 u. Ⅵ: .: .: |/.: .: .: .: .ｉ .: .: .: :
　 |:.|八.: ﾊ.: .〈　　　　 　 　 　 　 |: .: .: |､ .: .i : .: .: .: .: .: i　　　　　　　まともに立てへん……
　 |:.{⌒Ⅵ∧ .: ､ 　 　 u. 　 　 　 |: .: .: | }.: .:|: .:..i.: .: .: .: {





　　　　 ＿＿＿
　　　／　　　　 ＼
　 ／　　_丿;;;;ヽ_　＼　　　　　　　だ、脱出を……
／　　（○） ;; （○）　 ＼
| 　　　　（__人__）　　u　.|
＼ 　　　　|i!|i!||　　　 ／
／(<<<)　.｀⌒´（>>>）＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
心臓が一瞬止まったかのような感覚に襲われる。

反射的に通信で呼び掛けると、苦し気なうめき声が返ってきた。
生きてはいる。パイロットの生命活動には支障はなさそうだ。
だが、今の一撃でネクストの姿勢制御がやられたという。

明らかに戦闘不能状態だ。

なんとかして時間を稼いで、はやてに脱出させなければ――
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4226： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/06(日) 22:55:06 ID:YnQvE0aQ0




　　　 　 　 　 　 　 　 ｡ﾟ _‐_‐_‐_‐_‐_‐_,.､rｾﾆ=‐'''`｀　　　　　　　　　｀`丶､
　　　　　　　　 　 　 /_‐_‐_‐_‐_‐,､rf〔㌻`｀　　　　　　　　　　　､　 　 　 　 ゜｡
　　　　　　 　 　 　 ,'_‐_‐_‐_‐_,ｨｉ{㌻゛　　　　　　　　　ﾟ,　　　　　｀ ､　　　　　 '｡
.　　　　　　　 　 　 {ｰ_‐_‐_‐/㌻゛　　　　　　　　 　 　 ﾄ、ヽ　　　　｀､　　 　 　 '｡
.　　　　 　 　 　 　 乂_‐_‐_;㌻ 　 　 　 　 ,:' /　　j　　ⅰ`､ ｀ ,　　 　 ':,＼　　 　 ﾟ｡
　　　　　　　　 　 　 　 ￣/　　　　　　　/　ｉ{　　 |　　 }　 ｀､　':,　　ﾟ｡ ‘､…､　`､ ‘，
.　　　　　　　 　 　 　 　 /　　　　　 　 ,,′ {{　　 i　　 '`､　 `、 ﾟ｡ 　 ',　;∨､ヽ　｀､ ﾟ｡
　　　　　　　　　　　　　,ﾞ / ,′　　　 ∥　 ⅱ 　 ; 　 ,′ ＼_ `､ ‘,　　,　; Ｖ!} }　　`､ﾟ,
　　　　　 　 　 　 　 　 ;｡ﾟ　;　　　　　ⅱ　　{{i　 ,ﾞ　_/-‐'''_,,,.＞｡_ ､ 　 ;　! ∨,ﾞ,　　　`ﾟ,　　　　　　　何を、呆けているのですか？
.　　　　　　　 　 　 　 / ;　,ﾞ　;　　　　[{ 　 /从 ,ﾞ //　x彳(С）》　}h｡,_j　! ﾟ,Ⅵ｝ 　 　 ‘，
　　　　　　　　　　　 //,゜ ′,ﾞ　　　　{{　｡ﾟ　ﾔ}′/　{ⅰ うｰ '｀} ∥　 ｀ﾄ、 }从! j|　　　:,':,
　　　 　 　 　 　 　 /'　j　′;　　　　 j｣=‐ｘ､ /ｲ　!　　 ｀　　　 ,ﾞ/}｝i　　| ） ﾞ川　i|　　　 ﾟ｡ﾞ:,
　　　　　　　　　　/　　{ j|　j　　　　´|/-r茫ミﾉ / 　 　 　 　 ／ ｣ }j　 ⅱ　i ,ﾘ　i　　　　 ﾟ,
　　　　　　　　　 ,'　　 j∥ ￤　　　　くﾄ､`ｰァ／　　　　　　´　　∥ﾘ　,从　|　　 { 　 　 　 ',
　　　　　　　　　i{　 　 !{{　 ヽ　　　　j| h、´　　 }　　　　　　　　∥'　｡ﾟ ,ﾞ ﾟ, |i　　 ﾟ｡　 　 　 ;
　　　　　　　　 ん｡,_　j八　∪　　 　 {', '/ ,　　　ー ´　　_,ノ　 /　 ｡ﾟ ｡ﾟ＿ﾑ乂　　｀ ､
　　　　　　 　 人廴彡!｢｀､　　　 i　　{/,∨/h､　　　- ､_´　　 .′/∠-￣　 '乂ﾐh｡,,_
　　　　　　　　　 ｀`｀_{（_丿　　　|　 ; {'ム寸//ﾐh｡,_ 　 　 　 .' 。⌒'，　　　　ヽミ二冖〜､
　　　　　　　_,.､ 丶`八{　　　 　 |　∧{/心,寸'ﾌ///へSo｡./ /∧':, ‘，　　／　　。ﾟ＼　 ／





. 　 /　/　　,-ﾏ　/　　/　ハ　 ||　　　　　 ｌ|　|　.l|　　 ﾍ_,ィﾍ　　　　　＼
　 /　/　　//　Ｖ　　./　 li i| 　||, -―‐- ､ｌ| . | . l|､　　.ﾍ∨ﾍ　　　　　　 >
. /　/　 /´｀ヽ/ ＼_/ 　 li i|　 |lr-､　 ,r-i l|　 |,ィl| ＼ 　ﾍ∨ ヽ　　　　 〈
/　/　 /　　 / 　 〃 　 .li i|　〔lﾄﾐ＾ = ＾´,ｲl〕　|　.l|　　＼.ﾍ∨^ヾﾐヽ.　　 ヽ
l. /__／　 ／i＼／　　　li i|　.7代ｔ､　 ,ｨｹ小.　|ーﾍ　　　〉ﾍ∨　　 ノヽ＿　
ヽ∨＿／　j!　 ＼ 　 　 ﾏー7 l lﾄ､｀´,ｲｹ,小.　V-､ﾍ　 〈　//―-ｲ､＿_／
　ヾ〔 Y ﾄi彳.／￣＼　　.|.　,' .l l .|i｀´ｉ| lﾊ,小. /　 ヾﾍ__,ﾊУ rＺ７　　 /
＼　ヽ|　 `X-､ ＞‐＝ｧz|,､.i　ｌ ｌ .|i　 ｉ| l ﾍ7ー､――- ､ /　/　　　　〈
　 /／＼‐′／　　／/ｰ≧トk lィ‐ ､ﾙ'ヘ-―' ヽﾍ≦¨ﾍ＼_|　　　_,,.ィ＾ﾄ､　　　　　　　　　次は、あなたです。
／/　, -'＾／_/　／∠ｰ-､大ｰ〈___,ノ入／ﾝフ一ﾍ.ヽ_,ィ　ヽ＼‐''　　 У
　/　ヽ　厶ヘﾐ彡'＾ヽ ＼/　.l　 i l　 f　 ヽイ　 _/　ヽ.ィ7＼＿_>　　 〈
./　／　 /　　 〈ハ_　 〉 ﾍ_ノ　_j i_　ヽ､ノ　　rく__ 　 .人 ー＿_ヽ　　　ヽ
'　/　 ／ ,.ヘ_,厶ヾﾐY/｀ヽ〉Ｚ:―‐ﾐヽ､ヽ--く　 ｀メソ/77巛/　｀ヽ　　　 ヽ
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/　　　/　〃 У/　　 | ヽＺ7 .!　 .l　〈＾ヽ ｙく/　　　V　　 ﾄ､　　ヽ. ,ﾑ.　　／
　 __ ./　/　〈／　 　 .|　 }Z〉 l　　l　/ヽミﾆY　　　　.V　　　iヽ　 ,ｨ彡ﾄ､Ｋ
../ Уﾐ彡ﾐヽ|　　　　 |　ﾑｲ ,'　　,i ﾑミﾆrｸ′　 　 　 V　　 .! ∨彡ｨ' くヽ
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∨// ｹ　ｙﾍl　　　 ,ｨ|'ﾞ/, ― <´ ヽ_＞i＾ ＼　　　　　　 V　　.l　l　l i! ヾ＾ヽ
iＹ　l!/　 i!　|　　／ .／´　　.'　ﾏ´　　 `'ｰ-ヘ　 　 　 　 V　　l　l　l i!__》　ﾍ
l.|　ハ 　 i!./ ／　 /　 　. '　/V＾ヽ.　 　 　 ／＼ 　 　 　 V　 .l　|､」 彳　rｲ
､|〔　 l 　 i/'イ＾ヽ/　 . '　　〈Z　 /　　___／　　　＼＿　　 V　 l　',　l　　 .l |
/|,ﾍ　 　 /　　｀ソ　 . 　　／ﾄ､ /　 ／／ﾍー-､　　∨｀ヽ､ V　.l　i　.! 　 .l |
ﾚ|　|　／　/７　l|　 .' /V´／ ,/-‐´／ﾄ､　ﾍ　　ヽ　 ∨　 ﾍ V　l　| 人　 l |
　|　l/ 　 / /　 l|　 ;　〉／ ／Ｖ＾Ｙ´l　ヾﾍ　ﾍ　　 ヽ　＼ｰｔﾍ V｜ ｿ　l ノノ

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そこへ目立った外傷一つ見せないラズルシェニェが、視線を遮るように現れる。
超高出力のブーストによる高速移動に我が目を疑う。
ほとんど一瞬で距離を詰められていた。

歯を軋ませ、臓腑が縮み上がる感覚に襲われながら、
ハンガーからレーザーブレードを引き抜いた。

はやての脱出も、ノーマル部隊の撤退も、一般市民の避難も終わっていない。
まだ何一つ終わっていない。ここでやられては、全てが水の泡だ。

最早機体がどうこう言っていられない。
何としてでも、刺し違えてでも、この殲滅者を止めなければ。
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4227： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/06(日) 22:59:18 ID:YnQvE0aQ0

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　　　　　　　　　　　 `ー'＼　＼__にヽ _| 　 ＼ ＼　 /　ｒｲ　 L_」 V/´￣｀7／ / //　　〉
　　　　　　　　　　　　　 　 　￣ 　 　　　＼ 　 ＼　/　　l_L__/´ L」::| 　 /: ／ ／L___/|　　　　　　　　　　　ちくしょう！　そこをどけってんだお！
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　　 　 　 _l;;;;;;;;;,,,　　　　 　 ／　　 　 　 .l　　　　　おまえなんかにここでやられて――
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　　　　　　',.　　 /　i　　 ヽー‐ '　　u.　/｀ヽ､
　　　　　　 ＼　乂人＿__ﾉ､　　　 ,. ＜
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4228： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/06(日) 23:02:04 ID:YnQvE0aQ0

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4229： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/06(日) 23:04:06 ID:YnQvE0aQ0
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||:|:| | |　　　　　）＼.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;从 l ,　　　　　　　　　　 　 人.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.／（　　.　　　 　 　 | | |:|:||
||:|:| | |　　　　／)＼.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;ヽノ（＿人人 从＿)ヽ'＿)＼ノ.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;／(＼　　 :　　　 　 | | |:|:||
||:|:| | |　　　　　　　）ヽ.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.￣￣;:;:;:;:;:￣￣:;:;:;:;:;:;:￣.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;／( 　　　　　　　　　| | |:|:||
||:|:| | |　　　　　　　　　｀）ヽノヽノヽノヽ／ヽノヽノヽ／ヽノヽ／ヽノヽノヽ／(　　　　　　　 　 　 | | |:|:||

4230： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/06(日) 23:04:23 ID:YnQvE0aQ0

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

4231： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/06(日) 23:13:52 ID:YnQvE0aQ0



　　　　　　　　　_　_　_
　　　　　　　／: : : : : : ｀i
.　　　 　　　i: : : : : : : : : :!
　　　　　　　､: :○: : ○: :!
　　　　　　　 i: : : : : : : : : i
　　　　　　　 l: : :,, --_ｯ: :',　　　　　　　　今回はここまでだ。ああ、ゲームオーバーではないから安心してね。
　　　　　　　 丶 ｀‐'´: : : :ﾉ
　　 　 　 　 / ´: : : : : : : : ｀ヽ　　　　　　 ちなみに前回の選択肢の結果でも、若干今後の展開に影響が出ている。
　 . 　　　　/: : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　 , -‐': : ,: : : : : : : : : : : : : :ヽ　　　　　本当に、若干、おまけくらいのものだけど。お話を追っていけばわかるさ。
　　／: : : ,-ｲ: : : : : : : : /｀丶: : : :､
　 ｒ⌒ ,／　/: : : : : : : : i　 　i: : : : i　　　　　
　 ` ‐ '　　/: : : : : : : : : |　　 ! : : : |
　　　　 　 i: : : : , _ -‐ ´,) 　 ｀ ヽ _|
　 　 　 　 (_ _i￣(_　-‐'´i
　　　　　　|　:|`‐´i : : : : |
　　　　 　 |: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
　　　　 　 |: : : : : |: : : : : !





　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　　さて、スレ住民諸君はすでに察しているかもしれないが、
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　　二週目のここからは企業連からの攻撃を受ける……つまりは敵対するルートとなる。
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　　一週目では第二次ネクスト戦役開戦前に呆気なく消滅し、同時に開戦の引き金とも
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i　　　　なったコロニー・アマツだが……今回はやる夫君が居合わせたため、こうなった。
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ




　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|　　　　　　一応、ささやかながら企業間の関係などの背景も考えてある。
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,　　　　　　なぜIGIOとアヴィアコルが仲が良いのか。
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|　　　　　　なぜオルデンブルクがIGIOに目の敵にされているのか。
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,　　　　　　なぜ桜花重工が潰される羽目になったのか。色々と作中で説明していくつもりだ。
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´

4232： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/06(日) 23:16:23 ID:YnQvE0aQ0

　　　　　　　 ､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ　　　　　　　ここまでは「リンクスとなった少年やる夫の日常」といった形でお話が進んでいたが……
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´　　　　　　　ここからは少し違った形となる。まあ、暖かい目で続きを見守ってくれたまへ。
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i
　　　 　/ : : : : : : :┌─┐　　　　　　　さて、次回なのだが、またもや未定だ。私だって未定って言いたくないんだが。
　　　 　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ
　　　 　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿　　　　　　仕事がね。やる夫スレ辞めればいい話なんだが、このスレが私のささやかな生き甲斐なわけで……
　　　 　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ
　　　　 と_ : : : : : : ノ : :ノ　　　　　　　　とにかく、首を長くして待っていてほしい。シーユーアゲイン。
　　　　　　￣￣￣　￣

4233：安価のやる夫だお：2021/06/06(日) 23:17:07 ID:3v/pc7uM0
乙

4234：安価のやる夫だお：2021/06/06(日) 23:37:54 ID:lJDIf5jM0
乙でした

4235：安価のやる夫だお：2021/06/06(日) 23:59:36 ID:EAQB2ik60
乙ー

4236：安価のやる夫だお：2021/06/07(月) 18:03:24 ID:3x5omBXg0
乙
楽しみに待ってるぜ

4237： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/24(木) 23:06:27 ID:xFFHVmts0
ハロー。モコイさんだよ。

今週の日曜、6/27に休めそうでね……その日の午後八時から投下とする。

4238： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/27(日) 20:02:09 ID:Dvrje3tw0

　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ 　　　　　　ハロー、やっていこっか。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

4239： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/27(日) 20:15:51 ID:Dvrje3tw0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　/ｱヽ ‘， | |　| |　|　| |　| 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　/ｱヽ. ‘，|｜|　| |　|　| |　| 　 |
￣丁　冖￢==┬--　　　＿　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /　/ｱヽ　‘，｜|｜ | |　|　| |　| ／|
＾^´!｀ ＾｢＾'´|｀ｰ'^lヽノ^!^⌒ヽ丁フ'r冖￢ェ=―--　 　 ＿.. - ´　 〈ｱヽ　‘， | |｜|　| |　|　| ﾚ'T. . .|
　　|　　| 　｜　　|　　｜　 |　 |　　|　 　 | |　　　　　　　　　　 　 　 ヽ　‘， | | |｜|　| |_ -‐ '|. .| . . |
　　|　　| 　｜　　|　　｜　 |　 |　　|　 　 | | 　 　 　 　 ―-- 　 ＿　　|　 |　| | |｜|　| |. .|...| |. .| . . |
　　|　　| 　｜　　|　　｜　 |　 |　　|　 　 | |　 　 　 /　　 　 　 　 /　　|　 |　| | |｜|　|ﾉ. .|...| |. .| . . |
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　　|　　|　 ｜　　|　　｜＿|＿|＿｜ ＿ | |＿_　 ￣　　冖￢‐'　　　　|　 | _|_|..|..|..|. |..|. .|...| |. .| . . |
　　|　　|　 ｜　　|　　｜三|三|三｜ 三 | |三三二ヽ　,.．-┬┬--　-|　 ｢..|..|..|..|..|. |..|. .|. | |. .| . . |
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自分が目を瞑って横たわっていると認識したとき、微かに揺れを感じた。
白い光を感じ、瞼をこじ開ける。

見慣れた、それでいて知らない天井が目の前に広がる。
周囲は清潔感のある白いカーテンの仕切りで覆われている。

リンクスになってから何度となく見てきた病室の風景だ。
けれど、トウキョウのそれとは違う。
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4240： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/27(日) 20:21:37 ID:Dvrje3tw0

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　　　　　　　　　　　　　 ／ （●）　（●）　　　＼
　　　　　　　　　　　__　 |　 　（__人__）　　 　　　| 　　　　__　　　　　　　全部、夢だったとか……？
　　　　　　　　　　　| |= ＼　　｀ ⌒´　 　 ＿／＝＝＝=| |
　　　　　　　　　　　| |　　 / l　　　　　　　 ヽ　　　　　　 | |
　　　　　　　　　　　| |　　/ /l　　　　　　丶 .l　　　　　　.| |
　　　　　　　　　　　| |　 / / l　　　　　　　}　l￣ヽ＿＿_.| |
　　　　　　　　 ／￣ｰユ¨‐‐- ､_　　　　　l　!＿_ノ　　／| |
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＿＿＿　／　　　　ヽ　　　　　　　　｀ヽー、}　　／.　 ／| |＿＿＿＿＿
　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　 ヽ__　 ｀ヽ.／. 　／　 |_|
　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ|　 .／
／　　　　　　　　　　 　 　 　 　　　　　　／　|／
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| |　　　　　|　　　　 |へ　　|　　　|　　ﾉ| ||/
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そう言ってしまえば、そうとも思えてくるくらいに脈絡のない場面の転換だった。

さっきまでアヴィアコルの恐ろしいネクストと戦い、はやての八咫烏が吹き飛ばされ、
自分はハイレーザーキャノンの閃光に飲み込まれた。

その割には自分は五体満足で、今の今まで呑気にベッドで寝ていた。
変な夢だったと片づけられなくもない。熱中症で倒れでもしたか。

しかし、ひどく喉が渇いている。口の中が粘つき、独り言もたどたどしい。
胃の中もからっぽで、なんだか気持ちが悪い。水が飲みたかった。

「残念だけど、夢でもなんでもないよ」

カーテンの向こうで、聞き慣れた声の主が答える。
なのはの声だった。安堵と落胆が混ざった、低い声色だった。
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4241： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/27(日) 20:30:38 ID:Dvrje3tw0

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　　　　　　　　　　　　　　　　|:.:|:.|:.:.:.:.:.|:.丁／/Ⅳ｀テメ/:./　|:.:./|:.:/|:.:.|:.:.:|:.:.:|:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.:|　　 ヽｌ
　　　　　　　　　　　　　　 　 ﾍ:.ｌ:||:.:.:.:.|:./r≠=て7=、 /／　 |:.丁ﾒ-||:.:/:.:.|:.:.:.|:.:.:.:.:..|:.:.:.:.| 　 　 |
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 >|:.|:.:.:|:.||ヾら:::::ﾟ::::} 　 /　 　./∠=z//下:.:/:.:/|:.:.:.:.:/|:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　||ヽ:.|:|ヽ. 辷zzメ_　　　 ／./::::o::7ヽ/:.:./:.:/:/:.:.:.:/ |:.:.:.:.!　　　　　　おはよう、やる夫君。
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ |:.ヽヽ.　　　　 　 　 　 　 〈⊃::/.〃／//:.//:.:.:./　|:.:.:/
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |:.:.:.|:.|＼　　 　 　 　 　 　 ｀¨≠/／:/／/:/:.:./　 .|:.:/　　　　　　　 三日三晩寝てたわけだけど、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.:.|:|　　　　　　　　　´　　　　./:.:.／／:|/:./　　/:/
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |:.:.;||ヽ　　　　　 ` ー　　　　./:.／/|:.:.:/:イ 　 ／　　　　　　　　　　具合はどう？
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 rゝ:.:.|　 ＼　　　　 　 　 　, イ|:.:.:./:.:!:／|:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　,､..イ´ﾍ ヽ:.| 、　 ＼　　　,　＜´:.:/:.:.:/:.:.:|:!:.:.:.|:.:|　　　　　　　　　　　　　　「み、水、ください」
　　　　　　　　　　　 ,､r::´´:::::::| 　 ﾍ　＼ ＼　　｀ﾌｌ　 　.|:.:.::/:.:/:.:.:.:.:!:.:.:.:.!:.:!
.　　　　 　 　 ,､r::´´:::::::::::::::::::::|　　 ﾍ　　　　＼-/ |ヽ:.、|:.:./／:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:!:.|　　　　　　　　　　　　　　 言うと思った。あるよ、はい。
　　 　 ,､r::´´:::::::::::::::::::::::::::::::::::|　　　ﾍ　　　 / | |ゝ.| ヽ::ヽ:/:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.|
　 /´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|　　 　.ﾍ 　 / ゝ≠| |　ヽ::::::＼:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:|:.|





　　　　　　　　　 ,-‐-､
　　　　　　　　　 | 　. |　　ﾝｸﾞ
　　　ﾝｸﾞ　　　　 | 　 .|
　　　　　　　　　 | 　 .|
　　　　　 ／￣⌒)　 (⌒￣＼ﾝｸﾞ　　　　　　　　　ありがとう、なのはさん……って、三日？
　　　　／　,. ^‐'_ヽ　/__ｰ^ ､　＼
　　／　／／￣ ｀ ⌒ ´￣＼＼　＼　　　　　　　　「そ、三日間。大変だったんだからね」
　（　　<／　 　　　　　　 　　 ＼ﾉ 　 ）
　　＼　＼　　　　　　　　　　 ／　／
　ﾝｸﾞ ＼　＼　　　　　　　／　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾝｸﾞ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
カーテンをめくって入ってきたなのはは、いつもより少し細く見えた。
いや、彼女自身は決して太くはない。均整の取れた、というやつだ。
だが、そういったものではないのだが、ほっそりとして見えた。
存在感と言うべきか、活気と言うべきか。

礼を言って差し出されたペットボトルを受け取り、口をつけて逆さにする。
喉へと温い水を流し込み、一息吐く。

しかし、三日というのは。

「外傷はなかったんだけどね……AMS越しに機体が吹き飛ばされるときの
衝撃やら閃光や爆発音、とにかく色んな感覚が流れ込んできたせいで、
ショックで意識が飛んでたみたい。はやてちゃんも似たような感じだよ」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4242： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/27(日) 20:40:47 ID:Dvrje3tw0

　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　,――==―
　　　　 　 　 　 　 　 ,　-‐…‐-=-...ゝ/:.／__´_
　　　　　　　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀:.:＿_:.:.:.:＼
　　　　　 　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.ヽヽ:.＼
　　　　　　　 //:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.ｌ:.:|:.ヽヽヽヽ:.:ヽ＼:.:.ヽ＼ヽ
　　　　　　　ｉ./:.:.:.:.:.l:.:|:.:||:./|:.ﾊ:.:i、i、ｉ:.:ｉ:.:l:.ｉ:.:.ｉ:.:.:.:i　|:.ｉ
　　　　　　　||:.|:.:|:./圦斥=≦　.|≧云ﾄl:.:|:.|:|:.:.|丶:|　.|
　　　　　　 ﾍ|:.|:.:|:.|/r爪:个　　.´{:::｡:ﾒ,|/:.|:.:|:.:| .ｉ:.:|
　　　　　　　ヽヽ:.ヽゝう:::::}　　　 b_::7〃ｌ/:./|:.:| |/　　　　　簡潔に状況を説明するよ。ここは桜花重工所有の本社の軍事ベース部分……
　 　 　 　 　 　 小、ﾐゝ…´　　 ｀¨‐‐//;,l/|:.|/:|/
　　　　　　　　　 |:.:ゝ 　 　 　 ｀　　／/:.|:.:.:|/::.|　　　　　　 浮島であるコロニーを移動させるための航行システムを搭載していた潜水艦、
　　　　　　　　　 |:.:.|ヽ、　　-‐‐　 ,∠:.:.|:.:.::|:.:.:|
　　 　 　 　 　 　 |:.:|.　|＞ 、 _　イ　 |:.:|:.:.:.:.!:.:.|　　　　　　　その医務室。
　　　　　　　　　　|:.|／|――, ― |、 |/:.:.:.:.:|:.:.:!
　　　　　　　　,､r´:|:::| ﾍ　　/><l　l ヽ|｀ヽ:.:.:|:.:.　　　　　　　　私たちはネクスト脇差、八咫烏を喪失。ノーマル二個中隊と航空機40機消失。
　　　　　,､r::´::::::::::::::|　ﾍ、/ 只ヽ|　 ヽ:::::::｀ヽ:.!
　 ,､r::´:::::::::::::::::::::::::::|　 .ﾍ　/||ヽ |　　ヽ:::::::::::::::::｀ヽ|　　　　　 MT部隊はほぼ全滅。一万人の生存者を残して、他の島民は生死不明。
　|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::r L＿_lヽ‐‐‐yヽ／　｀ヽ、:::::::／|
　|:::::::::＼:::::::,､r ´　　　／ ﾍ:::::::::| 　`＜　　 ｀ヽ/::::|
　|rヽヽ:::::／　　　　　.<　　　丶:|　　 ./　　　　　|::::|}





.　　　　　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.、:.:.:.:.:.:＼
　　　　 /:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:/:.:/:.:.:.:.:/:.:.:.:.:. |:.:. | : ｌ:.:.:.:.ｉ:.:.:.:ヽヽ:ヽ
.　　　　ｉ＼:.:.:.:.:.:.:.:./:.:./:.:.:.:./:.:.:/:.:.: |:.:.:.|:.:.|:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:ｉ ヽ:.:',
　 　 　 |:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.ｉ:.:./:.:.:.:. ｉ:.:.:,':.:.:.:..|:.:./|:. |:.:.|: |:.: |: : |　 ヽ:ｉ
　　　　 |:.:.:.:.:.＼:.:.|:.:/|:.:.|:.: |:.: ｉ:.;:‐7|‐二|メ|:.:|:.:|:.:.||:.:.|　　 ヽ
.　　　　 、＼:.:.: ヽ|:/-|:. ! : |:.: |:.: /x 斥 |/ {:/|: !:.: ||:.:|
　　　　　ゝ:.:.＼:.:. |{´｀ｌ:.:|:.:.:|:.:.|:./ﾍ　{::ﾘ/ 〈/ ｌｲ:.:./l:./
　　　　　 |＼:.:.:＼:|＼ ゝl:.:.:|:.:.|/　　 ゝ'　　＼ |:./ ﾚ′　　　　　　　残存戦力はフル稼働でなんとか修復したマーシフル一機。
　　　　　 |:.:.:.:.ヽ、ヽ:|　｀!:ヽ:|、|　　　　　　 ／ ﾚ′
　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.＼/　 ‘， ＼＼ 　 　― ´　　　　　　　　　　　　　ノーマル二個中隊、戦闘機15機のみ。
　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:. |　　　ﾍ:.:.:.ﾍ　　　　/
　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.≠__　　　ﾍ:.:.:ﾍ ―‐´　　　　　　　　　　　　　　　　私たちはその状態で、海の底で息を潜めてる。
　　　　　 |:.:.:.:.:. / ｀ヽ､≧ｭ､_ヽ :.{
　　　　　 |:.:.:.:.:.:|::＼　　 ≧ｭ､｀ヽヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　 脇差と八咫烏は派手に爆発四散したし、島も消し炭だろうから、
　　　　　 |:.:.:.:.:./::::::::＼ 　　　 ＼ｌ┤
　　　　　 |:.:.:.:/:::::::::::::::::＼　 　　ヘ{ ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　しばらくは察知されない、と思いたいけど。
　　　　　 |:.:.:/:::::::::::::::::::::::::＼　　　|＼ ゝ
　　　　　 |:.:/:::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ｀￣ 7　 ﾍ´ヽ
　　　　　 |: ｉ::::::::::＿＿＿＿__|　　,′ 　 ﾍ::::ｉ
　　　　　 |: |:::::l´::::::::::::::::::::::::::＼　＼　　　ﾍ:|

4243： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/27(日) 20:52:37 ID:Dvrje3tw0

　　　　　　　　　／.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＞､i.:.ｲ´.:‐..:.:.─ ､
　　　　　　 ,､イ.:.／.:.:.:.:.:.:.:,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:...:::.:´.:.:.:.:.:.:.､.:.:.:.＼
　　　　　 nﾍ.:.:;.:'.::.::.:.:.:,ｲ.:.:..:.:,ｲ.:.:.:.:.:.:.:.:;l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_.:j¨｀ヽ.⌒ヾ:.､
　　　 　,ｲj､.:.v.:.:.:.:.:.::/:/.:.:,ｲ/.:.:.:ﾉ!.:.:i.:..:j.:.:.:.:.ヾ;,.:.:.:.:.:.:ヾ.:.:.ヽ　 ｀ﾍ
　　　　/ll!ﾊ:.:′.:.:.:.:/./.／.:/.:／.,ﾉ.;/l:.:;!.::l.ﾍ;.:.:.ヽ,:.:.:.:.:.:.ヾ,:.:.'; 　　!
　　　 ∧jﾊ.:′.:.:.:.:.′〃xｆz左ｚ,;,X, .j:/ !:;|:.:.:l.:.:.:.l.:ﾍ.:.＼.:.::.':;.:.';
　　　 l.l.ヽ.:.:|.::::.:.:.:|{:.:.,仆乞芸て卞 >′l./ｊ.:,ﾘ.:./.:l.:.ﾍ.:.::.ヽ.:.:.';.'|
　　 　'.:.:.:;:升∧::.:.|.:.:{ｲ ,伐::::::斥′　　ﾉクｻﾄxj:.:.li.:l.:.ﾊヽ.:.';.:.:;.!
　　　　∨　 !′l:.:.:|:.:.! ､辷ｰクﾉ　　　 　ｹ云x.:ﾉﾒi.:/.:.:.:.:l.:.:.:.:.l:.!　　　　　　　「……桜花の、桜花重工の上層部は？
.　　　　 ゞ､)l::.:.:ゝ:ﾍ､:!　｀¨¨ﾞ`　　　　　/.::ﾇﾘｹ;´.:;ﾘ..:.:.:.∧:l.:.:ﾊ!　
　　　　　 'iｰl;:.:.:.::.个｀　　　　　　　　　匕ﾞ.ノ_ノノ/!:.:.:.;/　ﾚノ　!　　　　　　　　企業連とコンタクトを」
　 　 　 　 l.:人::.:.:.ﾞl　　　　　　 　 　 　 ¨`て.._｀V.ﾊ.:::/ 　 !′
　 　 　_,､n<　 '.:.､∧　　　　　　　ｃ｡　　　人__,¨＼:l/　　　　　　　　　　　　　桜花重工はもうない。私たちは桜花重工のリンクスじゃない。
　　ｲ´.:::.ハﾍ　'､l?∧　　　　　　　 　 .,／: :.j　 ／}′
／　l:::::::., 　＼　´､?「＞､　　　　 , イ´. 　.:.イ´.:l.:.|　　　　　　　　　　　　　　　社会的な立場で呼ぶなら、私たちは反体制勢力。
　 　ｊ::::::::.ﾍ　　＼　　＼ﾍf＞.ｰ イ. . . :＜.:.:.:.';.:.:.:|.:|
／¨ ﾍ:::::..∧ /＼｀ >ｰ<cﾊ. . . . . . .fヽ,¨ -ﾅﾍ.';.:.:|.|　　　　　　　　　　　　　　　テロリストではないけど、粛清対象。
////∧::::..∧＼/∧ Y∧:lｌ. . .,,..ｲ".ｿ ',////,j.:.';.:.||
/V//,∧:::::..∧､/　 >介ｲー"´　／.:::.∧//zj.:.:.';.:.|
j∧V//∧:::...∧　　ｊメﾍ＿_　-ｲ.::::::::::::.∧//j.:.:.:.';.|
j:iV∧//∧:::::::..＼　ヽ´.:::::::::::::::::::::::::::::::::人/j.:.:.:.:';|





　　　　　　　　　　　　　-― -
　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　 ∠　―― -　　　:::::::..　　　＿＿
　　　　　 ィ::i´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀::..､ l ／r――　＝‐､
　　　 ／::l::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`::'￣￣￣｀:..､
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　　/::l:::::::l::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::ヾ:::::l
　. {:::::l:::::::l::::＼/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::ヽ::::::::lヽ::l
　 l::::::ﾍ:::::::＼/::::::::::::::::::::::::::i::::::i::::l:::::l:::::::::::ヽ::::::::l::::::::l ヽl
　 l::::::::::ﾍ::::::/::::::/:::/::::/:::::::l::::l::l::::l:::::l:::l::l::::::l:::l::::::l::::::::l　|　　　　　桜花重工代表取締役社長、シェルビー・M・ペンウッド氏は戦死。
　. l::::::::::::ﾍ::l:::::::l::::::l:::::l:::::::/:::://::/l:_/l_｣_l､:::l:::l::::::l::::::::l
　　ヽ::::::r‐‐|::::::l::::::l:::_｣::-r‐:/7フ´｢/ .l/ｫﾐ:::l::::l::::::l:::::::l　　　　　　 他幹部は戦闘開始前に脱出機でブライドル本部へ
　　. ヽ::{　　l:::::::l:::::l:´::l:::/∠ ﾆ＝ﾐ　 ﾁﾟ://::/ /:::::ｲ::::/
　　　 ヽ＼ ヽ:::::l::::::l::::<´,イ　 ,ﾘ　　 .ﾑ//;ｲ:::/::::/.l:::/　　　　　　　　投降に向かったみたいだけど、全機撃墜が確認されてる。
　　　　 ヽ:>ｰl＼{ヽ{ヽ{　 辷z/　　　　 l'//::/l:::/ l::/
　　　　　V　 .l::::l` `　　　 　 　 　 　 v':/／ l:/　l/　　　　　　　　　　
　　　. r,/　　 .l::::l　 　 　 　 　 　 _ ／l:::l:::l /'
　　　/〈 ヽ､　　ヽ:ヾ ､ 　 　 　 ´／::::::l:/:::::l
　　./　 ＼　ヾヽ､ヽﾍ/` ┬-....´:::::::::/'::::::::::l





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　 ,. -‐-､　　　　　　　　　　　　　／:/⌒
　　　.. ／: : : : : :ヽ　　 . . .-――-. . ､　l: :/-‐: ￣￣｀ヽ
　　.／: : : : : : : : : :／: : : : : : : : : : : : : ｀ヽ: : :-＝＝ﾆ￣｀＼
　　i: : : : : : : : : :／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :_: :＼
　　|: : : : : : : : /: : : : : : :＼: : : : : : : : : : : : : :i: : : : :＼ヽ: ヽ
　　| : : : : : : : !:{:{: : : : : : : : :＼: : : : : : : : : : :l: : :l: : ヽ:ヽ ヽl
　　| : : : : : : : l: l lヽ: : : : : : : : : :＼: : : : : : : l: : : l: : : i: :l　 }
　　|: : : : : : : : l: l:l: :＼: : : : : : : : : : : : : : : :/'´}: :l:/: : l: :l　　　　　　　……居住区画に入りきらなかった島民たちが、
　　|: : : : : : : : ﾍ: : : : : : : : : : : : : : : : : : r‐/〉': // : : ﾊ: l
　　|: : : :l: : : : : :|ヽ: : : : : : : : : : : : : : ／{ l .l'ｲl /|: : / .}/　　　　　　　 通路や電機室にまで詰め込まれてる。
　　|: : :/ : : : : : l　_ヽ: :⊥: _: : : : : ／　　〈ｲ: l/' l:／
　　|: :/: : : : : : /./'⌒l´　　　｀ー ´　　　　.l: :l　 '　　　　　　　　　　　　一歩外に出たら、地獄だよ。
　　|:/: : : : : : /　r-'＝＝＝=_-､ /　　 ／l: ,ﾘ
　　|': : : : : : :/ ./＿＿＿　　　 ｀､ｭ_／　 l:/
　 /: : : : : : :/'´:::::::::::::::::::::￣:::::::ー`-...　/'
　i: : : : : : : :l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀::.....､
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..　　　　／　　　u　＼
　　　／　　／　 　 ＼＼　　　　　　……。
..　／ 　し （○） 　（○） ＼
　 |　∪　 　 （__人__）　 J |
..　＼　　u　　 ｀⌒´　 　／

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
にわかには信じがたい。

少し前まで、桜花重工はオルデンブルク傘下の企業、
四大企業のグループ企業として経済戦争の輪に参加していた。
昨日今日発足した組織ではない。数十年という時をかけ、何万という人と
膨大な金を積み上げて形作られた有力企業の一つだ。

そんな企業が今、枠すら残らず消え去り、その残党が我々だと。

空腹を訴えていた胃袋が沈黙する。重い石が腹の中に居座っているみたいだ。
空になったペットボトルを両手で包み込むように握る。
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4244： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/27(日) 20:57:10 ID:Dvrje3tw0




　　　　　　　　　 　 　 ＿　　 　 ﾄ
　　　　　 　 　 　 　 ⌒＼:.:.＼　|:.l
　　　　　　　　　　＿＿＿＼:.:.V:.:L　-――-
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　　　　　　　 ⌒￣／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:〉⌒:.:.:.:.:.:.:＼
　 　 　 　 　 　 ／:／:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.⌒:.:.:.:.:.:.-=ｲ:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:ﾊ
　　　　　　　 ./:／′:./:./:.l:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.-―｢|ト:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　// /:.:.:./:.:.:|:.:ﾊ:.Ｎ:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:. |:.:.:.:.八|//.＼:.:.:.:.:|:.:.:.:.:i
　　　　　 　 |′|:.:.:/ |:.:.:|:.| ト| |:.:.|:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:∧//.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|
　 　 　 　 　 　 |:./　l|:.:.:|:.| |/ 〕ト|:.:.:.:.|:.:.:.:|:.:.|:.:.:.:./:.:.|//.:.:.:|:.:.:.:|:.:.:.:.:|　　　　　　はは……企業連からは持ち上げられてばっかだったけど、
　 　 　 　 　 　 |′ 八:.:.Ｎ　=ミx　ヽ: |:.:.:ハ:.|Ｙ:.:.:.:.:∧//.:. |:.:.:.:|:.:.:.:.′
　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾉ　　　 `′　)|:./:.:||ハ:.:.:.:./:.:|//.:.: |:.:.:.:|:.:.:.:|　　　　　　　まさか追い回される側になるとはね。十年前と逆だよ。
　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ_ ＿　　　/ﾉｲ:.:厶イ:.:.:.:.:.:.∧//.:.:|:.:.:.:|:.:.:.:|
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｰ'　　　　/:./　　ﾞζ:.／　 V//:|:.:.:.:|:.:.:.:|
　　　　　　　　　 　 　 　 　八 ＿＿ /:./　　　　＞┐　 ∨//:.:.:.|:.:.:.:|
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /′/へ　　 x彡"／二〕　V//:.:.|:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 Χ"　／／ｌ|ﾆ＼　V//:|:.:.:.八
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 〈　У'／ 　 l|ニﾆ＼ '//:.:.:.:.:.:.ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｘ〈／　/ |-―‐|ニニﾆ＼/,:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／′／|ﾆ|――「 ＼ニニﾍ/:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 〈/ ／ﾆ〃ニニニニニヽﾆニﾍ/:.:.:.: |

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腕を組んで顎を引いていたなのはが、力なく頬を緩ませた。
顔全体に疲労の色が滲み出ている。髪もあちこち刎ねて、枝毛がたくさんあった。
目の下には色濃いくまができてしまっているが、化粧の一つもしていない。

この三日間の間、彼女の苦労と尽力を、その全身が物語っていた。

「ごめん、なのはさん。呑気に寝てる場合じゃなかったお」

「別にいいよ。これも私の仕事……今って無職になるのかな？
とりあえず、役割だって思ってるから」
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4245： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/27(日) 21:02:21 ID:Dvrje3tw0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　---　ﾆ￣￣:/:.:.:./　-――　 、
　　　　　　　　　　　　　 　 ,イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ゝ:.:.:´:.＿_――‐- ＼
　　　　　　　　　　　　　／:.: ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:-:.:.:.::.≧ｭ､ 　 ｀
　　　　　　　　　　　　/‐‐／:.:.:.:.:.:.:./:l:.:.:.:/:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:ヽ、:.: ＼
　　　　　 　 　 　 　 /:.:.:/:.:.:.:.:/:.:.:/:.:.!:.:./:.:.|:.:.:ﾊ:.:|:ヽ:. |:＼:.:.:.＼:.:.:.:ﾍ
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　　　　　　　　　　 |:.:. ｉ |:.:.:.:i:.:.:/／/／／7 /　//_L|:.:.ｉ: l: l:.:.ﾍ:.:.:ｉ丶 |
　　　　　　　　　　 ｉ丶|:.|:.:.:.:|:./斥拆心　／ 　/,≠､|:./:.:.!:.|:.:.:.:ｉ:.: |　ｉ:|
　　　　 　 　 　 　 ﾍ:.:ゝﾊ:.:. |:|《 ら::::り　　　　 ﾊ:::} }l/l:.:/:.:|:.:.:..!:.:.:|　ﾘ　　　　このままゆっくり休ませておいてあげたいけど……
　 　 　 　 　 　 　 　 / 　ヽ:ﾍ 　 辷zｼ　 　 　 う:ﾂﾉ /://:.:.!:.:.:.|.|:/
　　　　　　　 　 　 　 ヽ{:.:.:.:トヽ　　 　 　 　 　 ゞ'　／ // / |:./ |′　　　　　　そうもいかない。この艦のCDCに行くよ、やる夫君。
　　　　　　　　　　　　　|:. : |　　　　　　　 　 ,　　 　ﾚ':./:/:.| }/
　 　 　 　 　 　 　 　 　 !:.:.: ト、　　　　　 ―　 　 イ:.:.:}/:.:.:|/　　　　　　　　　　私たちは話し合う必要がある。
　　　　　　　　　　 　 　ﾍ:.:.:| |　 　 　 　 　 　 イ:.:.:|:.:./:.:.:.:.|
　　　　　　　　 　 　 　 　ﾍ { l　　 ＞ 　__ イ: : |:. /::.:.:.:.:.:.: |　　　　　　　　　　　今後、どうするのか。
　　　　　　　　　　　　　　　/ ﾍ=、― ￣7　＼:|:/:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　 　 　 　 　 　 　 ,x/ |/|／|　　／　　／≧ｭ､:.:.:.:.:.:. |
　 　 　 　 　 　 　 ,､r::´/　ﾚ/≠´!　/　　 　ｉ::::::::::::::::::::::::≧ｭ､--- 、__
　　　　 　 　 .,､r:´:::::::/　 |//.| |　>´　　　　|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＿:::ヽ
.　 　 　 ､r::´:::::::::::::::/　　|ゝ　|_| /　　　 　 :|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::ｉ

4246： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/27(日) 21:02:36 ID:Dvrje3tw0

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 □

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

4247： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/27(日) 21:20:50 ID:Dvrje3tw0



イ
¨´`''＜￣⌒ー---''´￣￣￣ 二ー-ミ､
　 「ﾉ　 ヽ　　　　　　　　　/ ／￣`''ーｚ＞ｘ　　　　　　　　　　　　　_rー---ミ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,r＜￣￣「
　　　,　　i/　　　　　　　　i　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｛￣￣｀ヽ　　　　　　　_. イ´　　　｀''ト､＼　　　　　　　　　　　　　　　　.／￣:.:.:.: ｀ヽ　|
≧≫-ミ .辷ミｘー----ミ､ヽ|:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾐ､.ィ≦二ｱアア￣￣/ /　　　　　　ヽ ＼｀7⌒¨⌒ー＜￣￣Y´￣￣7:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i　.|
∠＿＿＼__／￣￣￣`　≧}ｲ:.:.:i!:.:.i!:.;､{ /:::::::::／ /, ' 　 　 ./ /　　　　＼＼｜ ムﾍ＿__r―― ､＼ 　＼:.:.:.: i:|:.:.:i:.:|!:.:.|!: V　ﾑ
ー-､　￣　　　　　　　　　　　`ー==≠　`''＜::::廴//　　　　 i　|　＼　　Y }　寸/　　 ＼　　　　　 ＼! 　　＼:.从:. 川|:.:.ﾘⅣ ./ｲ

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人工島の地下部分として作られた超大型潜水艦。
その内部は、なのはの言う通り、人が犇めき合っていた。

一歩医務室から出て通路に出ると、ブルーシートを敷いて
転がる人々の姿がすぐさま目に飛び込んできた。

老若男女問わず、とにかくそこかしこの壁際や隅に、人という人が転がっている。
ある者は気絶するように口を開けて眠り、ある者は力なく壁を見つめて動かない。

少しは区切りがあるようで、家族と思しき者たちも身を寄せ合っていた。
二人して俯き、壁に背を預ける両親に挟まれ、訳も分からず退屈そうに
辺りを見回す少年の姿が視界の端に映る。

汗と垢の入り交じった匂いが通路中に充満し、鼻腔を突いた。
顔をしかめることこそせずとも、歯を食いしばる。

幼き頃から何度も見てきた光景だ。だが、それはこの場所では無縁のはずだった。
襲撃を受けた後のコロニー。住処も何もかも失い、誰の助けも得られず、
路上にゴミのように転がる人々の群れ。ハエにたかられ、企業の治安維持部隊に
足蹴にされながら、何とか息をしている人々。

倒れ伏す人々の間をすり抜けるように、二人でCDC、戦闘指揮室へと向かう。
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4248： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/27(日) 21:26:33 ID:Dvrje3tw0

　　　　　　　 ＼: : :ﾍ　　　　 _　. . : :´￣￣: : : ｀: : . ､　　　　. . .――
　　　　／￣｀ｰ-＼: ﾍ　 . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼ ／,　-――-､＼
　　.／: :＿＿＿_: : : : :´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/∠: ――― ､: :ヽ:
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喧騒の気配など一かけらも感じられなかった。
もしくは、すでに相応の混乱が生じ、誰もかれもが精魂尽き果ててしまったのか。

誰もが疲弊し、生きるための機能以外の全てを停止させてしまったかのようだった。
呻き声や子供の甲高い泣き声ばかりが虚しく響いている。

できることもなく、かけられる言葉もなく、狭い通路の先を目指してひたすら歩く。

前を行くなのはの両手が、固く握られているのが見えた。
強張った背中からは、たとえ難い緊張感が感じ取れる。
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4249： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/27(日) 21:54:37 ID:Dvrje3tw0

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狭い階段を上り、電子ロックの扉を幾つか潜った先。
両開きの重厚な耐圧扉の脇に設置された認証端末になのはが手を翳すと、
指紋か静脈パターンを読み取ったのか、噴出音とともに開いた。

先ほどまで鬱屈とした狭い通路が続いていただけに、
CDCの広さは段違いのものに思えた。

柔らかい青色の照明が辺り一帯に張り巡らされ、
大量の計器や制御コンソールが長机状に鎮座している。

中には軍服、というよりは桜花重工軍事部門の制服である群青色のジャケットを
着こんだ人々が各端末に張り付いている。

こうなる前からアマツの航行のために働いていた人々だとなのはが説明してくれる。
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4250： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/27(日) 22:09:18 ID:Dvrje3tw0


　　　　　　　　　　　　　 -‐━━=ミ
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　　 　 　 .ｨ: : : : 7:〉 :∧: : :V: : : : : : :〈/: /〉:.
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　　　 ′l: : |i :|i |i_,.ｨﾃﾃﾐ : : |N|ｨテﾐN: |:|i: : : |i
　　　{　｜:::|i :|i |i　 r勿,　|:N　 r勿ﾉ !::|:|5!: : : .　　　　　　　　　　やる夫君……
.　 　 　 从::|i: |i |i:　^¨¨　　i　　　 　 」::|:|,ﾉ: ;小:.
.　　　　　　〕: :|i |N」　　　 ,　　、　　.: /|:| : /: : :|i　　　　　　　　　　「おはよう、はやてさん」
　　　　　　　　|i ||:|:i＞　　　　 　 .ｨ :/::」:/〈: : : 八
　　　　　　　　|i ||:|:|///〕ﾆ=-　　 | l: : :/　 V⌒V:＼　　　　　　　　　おはよ。今起きたんやね。状況は分かっとる？
　　　　　　　　|i7⌒V|　V寸ﾆﾆ才　!: /　　　＼_,V⌒ :、
. 　 　 　 _　--厶ヘ V　 V /⌒丶　| {　 　 -=ﾐ,V{　　,ハ　　　　　　　 「なのはさんから、大体は」
　　　　 〈,　　 / 　 　 V　V^V__/^V　|/　/　 　 ＼　/
　　　　/∧　/　　　　 }.　 }i /　Vi{　 」　/　 ______　/　　 __　　　　　　　さよか……まぁ、ここまで歩いてきたさかい、
.　　　 {　　V　 　 　 ,リ,　　}i　　 i{　 }i,　 ／　 　 |ー━=ﾐ」
　 　 r」　　⌒ー‐―(￣￣〉ﾑ　 /| 　i|／　　　　｜　 　 _.」Ｌ　　　　　　　いやでも分かるっちうもんか。
　 　 |⌒ー}　　　　 /　 　 ＼ V　　 /　　＼　 　_|　　ー=ミ__ )
　 　 |　　 ﾉ　　　 ,/　　 　 　 ＼　./　　 f/―‐┐＿__　　　}　＼
　　 ∧__(___　　_/　　　　　　　　＼　　 /　￣￣〉　乙...
　　　　/　　　/八　　　　　　　_ji斗〜'へ　￣￣| 　 」(
　/　 /　　　/￣,.. ．-‐　'''""~ 　 　 　 　 .V　 rﾉ.　　　＼

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更にそこから右脇の扉の中へと進むと、会議室になっていた。
楕円形の会議卓に固定式のチェアが並べられており、
そこに七人の男女が神妙な面持ちで着席していた。

自分が足を踏み入れると、その中の一人が勢いよく立ち上がるのが見えた。

なのは同様、いや、ともすればなのは以上に疲れ果てた様子のはやてが、
自分を食い入るように見つめてきていた。

血色も悪く、立ち上がる時も少しふらついて見えたが、
それでも実際の無事の姿を見ると、やはり安心した。
胸の中のざわめきが一気に収まっていくのがわかる。

頷いて見せ、席についている面々を一瞥する。
見知った顔もあれば、初対面の者もいた。
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4251： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/27(日) 22:14:15 ID:Dvrje3tw0

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　 　 　 |:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.ｉ:.:./:.:.:.:. ｉ:.:.:,':.:.:.:..|:.:./|:. |:.:.|: |:.: |: : |　 ヽ:ｉ
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　　　　　ゝ:.:.＼:.:. |{´｀ｌ:.:|:.:.:|:.:.|:./ﾍ　{::ﾘ/ 〈/ ｌｲ:.:./l:./　　　　　みなさん、紹介します。
　　　　　 |＼:.:.:＼:|＼ ゝl:.:.:|:.:.|/　　 ゝ'　　＼ |:./ ﾚ′
　　　　　 |:.:.:.:.ヽ、ヽ:|　｀!:ヽ:|、|　　　　　　 ／ ﾚ′　　　　　　　こちらが入束やる夫。ネクスト、マーシフルのリンクスです。
　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.＼/　 ‘， ＼＼ 　 　― ´
　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:. |　　　ﾍ:.:.:.ﾍ　　　　/　　　　　　　　　　　　　年若くはありますが、既に多くの戦果を挙げています。
　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.≠__　　　ﾍ:.:.:ﾍ ―‐´
　　　　　 |:.:.:.:.:. / ｀ヽ､≧ｭ､_ヽ :.{　　　　　　　　　　　　　　　　　 彼にも今後の方針決定に加わってもらいます。
　　　　　 |:.:.:.:.:.:|::＼　　 ≧ｭ､｀ヽヽ
　　　　　 |:.:.:.:.:./::::::::＼ 　　　 ＼ｌ┤　　　　　　　　　　　　　　　　 構いませんね。
　　　　　 |:.:.:.:/:::::::::::::::::＼　 　　ヘ{ ヽ、
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　　　　　　　　　　　 ./: : : : : : : : : : : : : :: : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　 _丿: : : : : : : : : : : :ﾐif' : : : : : 弋
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　　　　　　　　 .': : : : : : : : :／: : : : :ミj⌒`: : : : : : : :: }
　　　　　　　　/: : : : : : : :/: : : : : :r=jL_, : : : : : : : : :.(
　　　　　　　　∨: : : : : :〈: : : : : : {　　　V: : : : : : j_: : Y
　　　　　　　 　 V: : : i /∧: : : : :.|　　　 从: : : : Y }: : |　　　　　　　　　ええ。何せ第一線に立つネクスト、そのリンクスだ。
　　　　　　　　　.}: : : 从厶__､: :j丿＿彡⌒∨: : //:_:ノ
　　　　　　　　　{: : : : :| ー='从{　　ー一 '_彡イ丿.i　　　　　　　　　　　ぜひとも全体の意思決定権に携わってもらわねば。
　　　　　　 　 　 `＼:/乂　　　ﾘ　　　　　 　 j{¨ ∥|
　　　　　　　　　　　 j}/ハ　　 ,}　　　　　　　j{／　.|:､　　　　　　　　　　 私は反対する理由はない。
　　　　　　　　　　　 ///∧.,'　ﾏ>　 ヽ　　.／　　　|:::::＼
　　　　　　　　　 ／ ∨///ヽ´￣_￣`　／ {{　　　.'::::::::::::＼
　　　　　　 　 ／　 　.∨//,:人＿＿ ノ /_.丿　　/::::::::::::::::::::＼_
　　　　　　.／　　　　　}}////}/////}/ {f¨　　 /:::::::::::::::::::／⌒`ｉト .,
　　　　. ／　　　　　　 ∨//,//////,//}}　 ／::::::::::::::::::::/　　　　　　 `ｉト .,
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｡s≦＼　　　　　　　　　　＼}∨///'::{／::::::::::::::::::::::::／
. . . . . . ＼　　　　　　　　 　 }:::∨/:::::{::::::::::::::::::::::::::/


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なのはが粛々と自分を紹介し、卓の端に座っていた壮年のアジア系男性が頷く。
堀が深い顔つきをした険しい表情の持ち主だったが、
落ち着き払っており、堂々としていた。

幹部連中は軒並み逃げ出そうとして撃墜されたと聞いたが、その生き残りだろうか。
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4252： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/27(日) 22:20:55 ID:Dvrje3tw0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒｚｚｚｚｚｚｚ ､　　　　　　xｚｚｚｚｚｚｚ.､
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∨ﾊ　 　.Ｖﾊ＿＿＿ / ＼＼ 　 ＼＼
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 . /∨ﾊ　 　 l/!: : : : : :/ : ､　＼＼ 　 ＼＼
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／ /:/Vﾊ＿_ノ/}: : : : : : : : : :＼. ＼＼___ﾉ ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　 　 / : /:/: : ＼_____.ノ: :ヽ: : : : : : : : :‘.　 ≧=≦
　　　　　　　　　　　　 　 　 /: : :}/ : : : : : /:./|: :V人 : '. : : ' : : ∧
　　　　　　　 　 　 　 　 　 /: : :/: : :{斗//}:/¨|: : ヾ{:.＼{: : : |: :/人
　　　　　　　　　　　　　　/: : :/: : : :|:./}'xz!_　Ⅵ: :|V{=ミ､ : :!: : : }ヾ　　　　　　　　ま、いーんじゃない？
　　　　　　 　 　 　 　 .／: :／:／} 八{ 《 込ﾘ｀.人:{　ｚｘ:ﾄ､Y:|: :|: :|
　　　　　　　　　　　／ /／:イ: : :|ヾ:{ヽ　　　　 　 ｀弋ｿ》'}:从: |､人　　　　　　　　　それじゃあ改めまして……
　　　　　　　　　 ／:／/: : :{: : : :弋_＼　 　 　 　 ' 　 .〃 : /}/　ヾ:{
　　　 　 　 　 ／:／　/: : :八: : /: : {:}ヽ　　｀　 -　　イ: : :/ /　　　　　　　　　　　　　篠ノ之束。元、桜花重工ネクスト開発部門チーフ。
　　　　　　.／:／ 　 /: : :/: : ∨: : : |＼ ＼　 　 . ＜ﾉ／ﾊ
　　　　　 /: :/　　 ./:_:_:/:r_､:_:∨: : |　 ﾊ　＞.ｆヽ_: /: : /{　　　　　　　　　　　　　　　　整備班リーダーってことでいいのかな？
　　　 　./: :/　　〃´　　＼弋　∨: :∨ﾉ |　　{　ﾊ》{ : /八
　　　　/: :/　　/,′　　 　 ∨ﾊ. ∨: :{/　! 　 |､,' |〉|: :|_:_:_:}
　　　./: :/　　/:,′　　 　 　.V〈.　ヾ:人　|ヽ　 .{ヽ〉､:人　　ヽ
　　 /: :/ 　 ./ ,′　　　　　　ヾ{ー '}: : :ヾ　　　∨　＼ﾊ　　} '.
　　.{ : { 　 ./:./　　　　　　　　　＼　＼:.人　　　 ＼　.{: :ヽ ﾊ |





　　 ~￣ ー-　　　　　　　　　　厂
　　　　　　　　`,つ　　　ｰ=一
　　　　　　　　( 　 　 r―一　　　　　　　　　 ､_＿
　　　　　　　　　￣） |　　　　　　　　　　　　　,＞　二ﾆﾒﾄﾍ、
　　　　　　　　　　{._ l　　　　_　　　　　　 ｰイ　　　`Z:::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　}l.＿｣｣ﾉ}　　　　　　　 〃ｨrﾍﾊ気ﾒ;:::::::::::::::
.　　　　　　　　　 　 ~￣77/＿　　　　　　　　l _　　ｷ　〉::::::::::::!
　　　　　　　　 　 　 　 f′ ,＝'　　　　　　　〈_　｀　ｷ　ﾚ‐;::::::ﾉ
　　.　　　　　　　　 　 /　ノ　　　　　　　　　　/　　　　 Σ::::く_,　　　　　　　　　　　　　元町医者の間だ。
　　　　　　　　　　　 /　f　　　　　　　_ -r一/　rﾍ.￣〉-―-<
.　　　　　　　　　　 / 　 !__　 　 　_／/ ,ﾑﾉ´/´　 |／　　　　 ＼, v‐y―z'⌒ヽ　　　　　医療班リーダー、らしい。
　　　　　　　　　　/　　 |　 ﾒ^'￣l　 /　　{／　　　　　　　　　〆　 　　＞'´￣`<
　　　　　　　　　　|　 　 ﾄ　　〉　　　　　 i′　　　　　　　　　　　 　 ／　　　　 /　　　　　久しぶりだな、坊主。
　　　　　　　　　　L_＿ﾉムノ一ｰ-f　　/o　　　　　　　　　, -一>'　　　　-=ニ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;　 /　　　　　　　　 イ´　 ／　 -=ニ　　　　　　　　　　「先生っ！　おもむろに火をつけないでください！」
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　 {　　　　　　　　　/　　/　 ﾉ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　ﾉo　　　　　　　 /　　 lf　/　　　　　　　　　　　　　　　禁煙だったか？
　　　　　　　　　　　　　　　 　 〈 　 /＿＿__　　　, ィ′　　|巛
　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__ノィ7///////＞､ 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「禁煙ですっ！　三度目ですよ！？」
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　　　　　　　　　　　　　　　 　 |: : :.:ｉ | |: :|: :|　　u.　 　 　 ′　　 .′′.′　　　　　　あーもー……同じく医療班、牧瀬紅莉栖。
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 八 : :| | |: :|: :l＼　　　‐_ｧ　　　.　＾:/.: :,
　　　　　　　　　　　 　 　 　 / . : : ﾉﾉr|: :|: :|＼＼　　 　 　 1| {: :{:. :/　　　　　　　　　担当はAMS制御系整備、
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /. : : :.{ {..:|:|: :|: :|１ｉ.　　ー＜{ｉ|:.ﾉ乂＼v′
　　　　　　　　 　 　 　 　 / : : : : ﾊ Ｖ |: :|: :|ﾟ|:|:　　{ ｉ　./ﾘﾉ′: :） }　　　　　　　　　　　ネクスト搭乗者のメディカルチェック。
　　　　　　　　　　　　　 /. : : .:.:/ ／ ∧.:|: :|ﾟ|:|: 　 乂V./.: : . イ :八
　　 　 　 　 　 　 　 　 /. :, /. :/:〈　,/　ﾊj.:.:|ﾟ|:ﾚ ／　//. :〃. :｣L{_: }
　　　　　　　　　　 　 /_ /厶斗f「∨r ┴ハﾊレ'＾ ／.″:/′　｀ヽ_ ＼
　　　　　　　 　 厂￣　//　　　ヽ＼|:::::/　　　 ／. . . . /_ .. -―‐-　､}
　　 　 　 　 　 /^ヽ. 　{ ′　　　.. _ ﾊY　　　 〃／. : :/´　　　_＿＿ ﾉ
　　　　　　／￣＼　　 ＼　　 　／.:/｀^　r―{{/　　.:/　 __／................＼
　　　　　/.../............＼／　　　 /.::::/ 　 　 ¨¨７.:./. : ′´.................................,
　　　 　 |../..............／　 　 　 /.::::/　　　　　 ′:{: :{｛_,　-‐―‐.............＼...′
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　　 　 ′／⌒ﾄ､ｉ　　　　｀v .::::::ｉ,／ 　 　 　 V. :ﾊ:.{...................................... }/
　　　 {../／⌒＞., 　 　 　 |:::::::::{_　 　 　 　 /: 〈.....＼ _　　-‐=ミ、......イ
　　 　 Ｙ.......´.........′　　　 }_＿.::::〉　 　 　 / :/〉Ｖ／ -‐…　-ミ、V/....}
　 　 　 }__..............ハ　　 _＿厶　 -‐…　　――-　.._.........................V...／
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4253： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/27(日) 22:26:10 ID:Dvrje3tw0

　　　　　　　＿＿＿
　　　　　／ ⌒　　⌒＼
　　　 ／　（○）　 （○） ＼　　　　　　　　生きてたんですかお……！
　　／ 　 ///（__人__）/// ＼
　　|　　 u. 　 `Y⌒y'´　　　　|
　　 ＼ 　 　 　゛ー ′　　 ,／
　 　 /　　　　 　ー‐ 　 　ィ





　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_ﾄ､　____　　　　　　
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　　　　　　　　　　　　　　∠￣￣　　 ＿r‐┘￣:＼　　　 　
　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　＿ﾉ::::::::::::::::::::::::::ヽ　　　　　
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　　　　　　　　　　 　 　 　 / / /::::/ﾚく -＜ヽレ{:::::__:|彡＿__　
　　　　　 　 　 　 　 　 　 _|/| /::::::l 　 ]_苟ヽ} ,ノ:://{ }ノ///∧　 　　　　　　　　　　　　　　　　クルマがエンストしやがって、
　　　　　　　　　　　　　 ///|｛;人:{ ﾉ 　 ]￣　{::::(＿ノ彡////∧
　　　　 　 　 　 　 　 　 |///ﾚＶヽ└ ＿　]_　_У　}/////|////{　　　　　 　 　 ／)　　　　　　　避難に手間取ってたんだがな……
　　　 (＼ 　 　 　 　 　 |/////// ＼｀┘ ＜￣｀Ｖ/////,|////,|　　　　　　＿/　/＿＿_
　＿＿)　＼_　　＿＿__|'///|/////∧￣八ー‐///////|//// |　　 ／ヽ´| |　　　 　＿__)　　　　そこの優秀な傭兵サマのおかげだ。
（＿__,　　 　 |Τ|/////＼//|//////∧/|　ト-/////// |/////| ／///∧| |　　　＼ ＼
　 ／ ／ 　 │|│////////|///////∧｣　∨/////// |////／//////∧｣　 　 ＼ ＼)　　　　　爆撃機撃墜のおかげで猶予も増えた。
　(／ ／ ／ーノ/////////|////////∧__///////// |////////////／　￣￣＼＼)
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篠ノ之束はともかくとして、世話になったおさむし診療所の二人組が
名乗りを上げたとき、自分も声を上ずらせてしまった。

まさか生き残ってくれていたとは。アウターの端っこにある岬に
居を構えていたものだから、彼らは避難に苦労したはずだ。

間と牧瀬のやり取りも相変わらずのもので、ほんの少しの安堵をもたらしてくれる。
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4254： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/27(日) 22:40:14 ID:Dvrje3tw0

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／: : : : : /: l: l: : : l: : : : :＼: : :ヽ: : : : : : l
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7: : : :/: l　/:/ゞ: : :l＼: : : : : : : : :l: : : : : ヽ
: : : ｌ:l: l_ゞ ｌ:l　 ＼: :ゝ-＼ : : : : : l: : : : : : :
: : :/l: :l 辷ｌ:l　 ￣辷､:＼_): : : : :/: : : : : : :　　　　　　……コロニー・アマツ防衛部隊、臨時編成ノーマル小隊隊長、
ゞ:乂 : l　/ヾ､　　　￣__ノ: : : : / ＼: : : : :
　　　):∨　　 丶　　　／: : :／ノ ／: : /　　　　　　　ニール・ディランディ。少尉だ。俺は元じゃないぜ。SIからの出向なんでな。
　　乂: ｨヽ　　　　　　ﾊ/ｌ:/ x-イ: : : : ゝ､_
　　　 _ノ:ヽ‐-　_ 　 　 　 ／　l: : : : l: : :ﾆ=　　　　　　今でも現役のSIノーマル部隊ってワケだ。
ゞ=ﾆ三: :_ﾊ 　　　 　,　　　 彡: : : : l : :ヽ
　 7:/,＜　 〉-　-　´　__ -=ﾆ- l: : : : :)　　　　　　　　　で、俺は防衛部隊隊長か？　冗談じゃねぇ。
　 ゞ-l　l　 从l二二二f丶　　 /: : :／ゞ
---./　,l　 彡〉二二ﾆ.l　 l ゝﾆ: :／ 　 〉、　　　　　　　　リンクス様も復活なんだろ？　降りていいか？
─,/ ／ ｌ ／二二二ﾆl　 l /: ／　　／ l
　 ／　ｌ l/二二二ﾆ／　 ゝ:/ 　 ／　 /
　　　　l/二二二ﾆl　　 ／ヽ ／
【ニール・ディランディ少尉　SIノーマル小隊隊長】





　　　　　　 　 　 　 |::::::::::::|:::::::::::/::::::::::: /::/l::::::::::;':::}:::::l:::::::::!:::::::!:::::|
　　　　　　 　 　 　 |::::::::::: !::::::::/ :::::::::;ｲ:::/.,':::::::;ｲ:::ﾊ::: !:::::: |:::::::|:::: !
　　　　　　 　 　 　 |:::::::::::::l:::: /＿::／/::/ ,'::::::,:' //　.',:|';::::::|:::::::|:::: !
　　　　　　 　 　 　 l::::::::::::::lイ´::／ ／'" /:::／ // ￣ ﾘ｀ﾄ::;'::::::::!:::::|
　　　　　　　　　 　 l::i:::::::,:::',l _ィi乏圷、 '／ ／" ,r行ｻz､/:::/::::|:::: !
　　　　　　　　　　 //!:::i:::',:::',´　Vzソ ／　　　　" Vzソ ./｀/::::: !::i::|
　　　　　 　 　 　 /ｲ:l:::::',::::'.,:',　　 　 　 　 　 i　　 　 　 /::/:::::::::l:::l::|　　　　　　　　　　　　　き、貴様というものは……
　　　　　 　 　 ／ /;'|i::::::',:::::ヾ:､　　　　　　　'　　　　／'"l::::i:::::/:i:l!:!
　　 　 　 　 ／　.// ||';:::: ',::::::',＼ 　 u. 　 ＿__ 　 　"´　/::/:::/:::|l|';',　　　　　　　　　　　　　失礼、さっきまで言い争いの最中だったんだ。
　　　　 　 　 　 //　 | ヾ::::',､::::', 、　　 　 ー―'　　 　 .ｲ::/:::/::::/ ! ';',
　　　　 　 　 ／´　 　 　 ＼',.､: ',::＼　　　　　　　　／:/:/:::/l／',　　ヾ、　　　　　　　　　　　 私はコロニー・アマツ防衛部隊、
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,'｀:::ヾ:',:::::l｀　 　 　 　 ィ .|:/:/／t､:::::::',
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,'::::|:::::|ヾ!:::|.　　｀ ‐ ´ _.,,-/:／_/!.l |::::::: '.,　　　　　　　　　　　　　　　ノーマル中隊一番隊隊長、黛唯依という。
　　　　　　　　　　　　　 /::::::l:::::|:::::__|　 __ -≦´ilili/'":::::/ | | !-. ＿:'.,
　　　　　　　　 　 　 　 /:::::::,'::::,'／il/´｀ヽililililililil , ':::::::/./| | 〉: : : : ｀＞=z、 _　-　''!　　　　　　ノーマル隊の指揮を引き継いだ者だ。
.　　　　 　 　 　 , 、　./:::::::/::::/ililiｨﾞ　　　〉ililililil, ' :::::::/./ ,ﾚ'｀ : : : ／;;; ィ "´_. .-z　|
　　　　　　　　　|.',.＼:::::::;/::::/／ili!　　_,/ili＼, '::::::::::/./ /: : : : :／ィ", - ": : : : : :l　|　　　　　　　よろしく頼む。
　 　 　 　 　 　 ,|, ',　 ゝ'/::::/ilililil/｀ ´ |ililililil/:::::::::::/./_/ : : : :/", イ: : : : : : : : : : l .,
　　　　　　_,,.イ::|:', ','":./::::/ilililil/　 　 .!ilili,ｲ::::::::::::,'二､___: : :/.'": : : : : : : : : : : : : l/
ﾐﾆ=ー::::´:::::: ／|: ', ', /::::/lililiｌ/　　 　 l／/::::::::::::,' : ／／ : i! : : : : : : : : : : : : : : /
. ｀ﾞ''''ー---ｧ'::|￣￣￣￣￣￣￣￣￣|: ,'::::::::::::::i／／: : i: i!: : : : : : : : : : : : : : /
　　　　 　 /:::::|　 　 　 　 　 　 　 　 　 |:,' :::::::::::: l／: : : : l:.i!:..: : : : : : : : : : : : :/:::'.,
.　　 　 　/:::::: |　 　 　 　 　 　 　 　 　 |:!::::::::::::::::|: : : : : : l:i!..: : : : : : : : : : : : /:',ヾ::'.,
　 　 　 /::::::::rー‐ ､　 　 　 　 　 　 　 .|:!::::::::::::::::|: : : : : : :i!: : : : : : : : : : : :../::::::', ヾ::'.,
. 　 　 /:::::::::::〉ー‐､'　　　　　 　 　 　　|:!::::::::::::::::|: : : : : : i!: : : : : : : : : : : :/:::::::::::', 　ヾ'.,
【黛唯依　桜花重工ノーマル中隊一番隊隊長】
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間は紫煙をくゆらせながら、口に咥えた煙草の先で人を指した。

その対面には、若い二人の男女が険悪な雰囲気を醸しながら座っている。
北欧系の男性と、純アジア人といった風体の女性だ。二人とも軍服風の装いをしている。

男の方は、男性としては長髪の部類で、精悍な顔つきの持ち主だった。
蒼い目はあからさまに不機嫌そうに歪み、誰とも視線を合わさずにそっぽを向いている。

対する女性は艶のある長い黒髪を綺麗に後ろで束ねた、
アーカイブに出てくる平安のお姫様のような出で立ちをしていた。
端正な顔立ちが困惑に染まっている。

どうやら女性の方は正規の桜花重工所属であるようだが、
男の方は出向の身、つまりは別企業所属の部隊長であったようだ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4255： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/27(日) 22:46:49 ID:Dvrje3tw0

　　　　　　　　　　　　　　　／ ／: : : : : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　　　 ／￣／￣: : : ､: : : : : : : ､: : ＼
　　　　　　　　　 　 ／￣ｒ┴､＿: : : : :ヽ: : : : : : :＼: : ＼
　　　　　　　　　 ／: ／｀{: : : :＼:＼: :ヽ|: :V: : : : : : ＼: : ヽ
　　　　 　 　 　 / : /: : :､|: :ヽ: : : : : ヽ__l: : :V: |: : : : :ヽ: : ､l
.　　　　　　 　 /: : ': : : : :ﾄﾑ: lム: : l: ∧ V: : Ⅵ: : : : : : ヽ: ヽ
　　　　　　　　l : : |: : : : l:トﾍﾑ　ヽ ヽ: :ヽ V : `|: : : : l: : : V∧　　　　　
　　　　　　　　|: |: |: : : : l:|　 ｖﾑ　 ＼:＼: :ヽ: : |: : : : |: : l: :V∧
　　　　　　　 /:/ / : : : |:ﾘ　 ｛: l　　　 >､二　＼＿＿､: :V: :＼ヽ　　　　　　　冗談じゃねえぞ。ウチの連中だって帰りたがってる。
　　 　 　 　 /: ｌ: :! : : |: |人 　Vﾑ〈ｒ≦ﾃ乏ｱ 丁丁￣:人: V ￣了´
　　　　　ー'‐彳: l: |: :|: l代会､Vﾑ　　￣　　 /: / : : /ｸ厂｀: : :/　　　　　　　　てめえらが企業連の機嫌を損ねたせいで、
　　　　　　 　 |l: :l: |: :|: |￣　 ヽVﾑ　　 　 ／‐ｧ : ／_ﾝ : : : : ｲ
　　　　　　 　 lﾍ｜l､ ﾄ: ＼　　ﾉ 丶ヽ　　 ､_／‐ ´　| Ｖ: : : //　　　　　　　　　　俺たちゃ巻き添え食らった身なんだ。
　　　　　　　　　`トl ｀ヽ: ≧‐ ヽ　 ､｀＼ 　 　　 　 ､_ノ: : : : :{　　、
　　　　　　　　　　　　　| | : ＼　｀　＿__　　 　 　 , ＞ｚ＿_: :＼ノ｝　　　　　　　　部隊の仲間が、いったい何人死んだと思ってやがる……
　　　　　　　　　　　　　|∧: : : ＼´ ―　｀　 　 ／/　// ∧l: ヽ≦_
　　　　　　　　　　　　　l'　≧ｚィ: :ヽ　　　　 ／　/　// / _ﾊ: /　Ⅵ
　　　　　　　　　　　 　 ｒｆ⌒i　 | |: : `ｒ―‐彡￢7　// /　　ﾉ'_　 ´￣￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　VVム. ｊ∧: :{￣￣:.:.:.:.:.l　 l l　l　　／　　 　 　　 , 　 ―ヽ＿
　　　　　　　　　　　　―VV ム　ﾉﾉ 〉:.:.:.:.:.:.:.:ｌ:.|__// / ／　　　　　　 ／ 　 　 ／
　　　　　　　　　／　　／VV　ﾑｱ: /:.:l.:.:.:.:.:./:/ //_/ / /￣　　.　 ／　　 __／
　　　　　　　 ／＿　 /　　>ヘ ﾑⅣ:.:.:l:.:.:..:./:ﾉ厂＿_/ /　　　　 ｝/　　 ／/
　　　　　―/／　 / /　／　 〈〈〈―､:ﾉ.:,―‐l/／___/ /⌒ヽ　　//　 ／　 '
　　 ／　　/´　　 {__{／ヽ　 　 Vﾑ:.:.:.:.:.:.:.:／´／／Ｖ　　　 l　// ／＼　｜
　／　　　｛ 　 　 ﾉ　　 　 ＼　　Ⅵ:.:.:.:.／, ／／　　l 　 　　!//＼　 　 ＼ゝ





　　　　　　　　　　　　　| :::::::::: |:::::/l::::/l:/! ::::;'|:|!:| |:| ';:!::::::::::: !
　　　　　　　　　　　　　| :::::::::: ト/__l:/ / ,'::::/ |:||:|_|:|__'|::::::::::: |
　　　　　　　　　　　　　| :::::::::l |/,z=ミr /／ =-彡=z、 !::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　 /:::::::::::l::|《 仍ﾘ` ´　 　´ 仍ﾘ 》 | l:::::::: ﾄ､
　 　 　 　 　 　 　 　 /ｲ:::::::::::l::|　 ￣　　　　　　￣ 　 ,':::l:::::::::|;;:＼　　　　　　　　貴様……言うに事を欠いてそれか！
　　　　　 　 　 　 　 　 ||::::::::::l::|　　　 　 i　　　 　 　 ,ｲ ::l:::::::::|　｀ﾞ
　　　　　 　 　 　 　 　 |!::::::::::l::|　　　　, ― ､　　　／ |::::l:::::::::|　　　　　　　　　　　我々は今、無辜の人々の命を背負っているんだぞ！
　　 　 　 　 　, ｨ/!　 　|ヾ, :::::l |ヽ、　　{/;;;;;;;}　　　／:|::::l::::／i.　 　　ﾄ､
　 　 　 　 　.///::|　　　　｀7=-ﾞ::::i＼ 　￣￣ 　 ィ:::::{ '-='"::从 　　　l |:'.,
　　　 　 　 /:.! !:: |　　　　/:;;;/:::::/:::个　＿　 '"　!:::::{三} ヽ:::iヾ,　 　 l | : '.,
.　　 　 　 / : | |::::|　　 ／" /:::::/_ ｨ<!　　　 　 ,ｨ个-{三}| ||:::|. 　　 　l |: : :.'.,
　 　　 　/ : : | |::::|　　　 _ /:::::/ : : !il＼ 　 _／ililil| : |::::::|| ||:::!　　　　| |: : : : '.,
.　　　　/:. : :..| |,斗‐=''": /:::::/: : : :|ilililili><ililililililil!: :|::::::||_|!｀ﾞ''' r - ､| |: : : : :.:'.,
. 　 　 /: : : : :| |::::|: : : : /:::::/ : : : : !ililイ´ ｀iヾilililil!: :!::::::l: : : : : :|:::::::::| |: : : : : : :'.,





　　　　　　　 ／: : : : :／: : : : : : : : :／: Y: : : : ＼
　　　　 　 ／: : : : ／: : : : : : : : : : /: : : :l/:ヽ: : : :＼
　　　　　/: : : : : /: : : : /: : : : : : :/: : :/∨:l : lヽ: : : ヽ
　　　　 / : : : : /: : : : /: : : : : : :/7: : l─‐ﾞl: : l_l: : : : :l
　　　　 l: : : : : l: : : : /: : : : : : :/ l: : : l　　 l: : l l: : : : :l
　　　　/: : : : /: : : : l: : : : : :ノl　 l: : : l　　 l: :ｌ l : : : l: l
　　ゝ-'/ : : /: :/: l: :l: : : ／ 弋‐-ヽ : l　　 l: ｌ l: : : : l: ﾞ､='ﾞ　　　　　　わからねえなぁ。俺たちに戦争やらせて、
　　 ゞ=: : ｰ:f''ﾞ l: :l: :l: : /ゝ辷廴ヽ　l:ﾘ　､zｬ二l: l: :l: l､: l
　　　 T: : : :ｌ　 ヽ:l : lヾヽ　　　　　 ﾉ/ l　ヾ'-ヾ∧: l:ﾉ l:ﾘ　　　　　　　自分たちは塀の中でほのぼのやってた連中だろ。何がムコだ。
　　　　ヽ: : : ＼　ヾ: l　　　　　　 ／　 l　　　l: :l: lノ　 l/
　　　　　ヾ: : : :ゝ- ゞﾞ=-'　　　　　　　 〉 ､__ﾉ: :l:/　　　　　　　　　　　「この、レイヴン崩れめ……！」
　　　　,　ﾉ : : : : ハ　　　　　　　　　　　　 /: :(ゞ
　　　　ゞ7: : : : :l　　　　　　　 　_ --､ 　 /ゞ=‐'ﾞ
　　　, - l: : : : l､ゝ__ノ ＼　 　 　 二 　 /
　　 /　 ＼l: : :l‐-　_　　　＼　　　 　 /
　　/　　　　￣¨‐-､ ￣　‐-　｀　-┐'‐- ､
　 /　　　　　　　　/ヽ　　　　　￣ ∧　　　＞、

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一度は自分の入室で落ち着きを取り戻した二人だったようだが、
顔を見合わせた途端に、またもやヒートアップしだした。

売り言葉に買い言葉で、ニールと黛の言い争いが激化していく。
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4256： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/27(日) 22:52:55 ID:Dvrje3tw0

　　　　　　　　　　　　　　　 _､
　　　　　　　　　　　＿､-､＿）＼
　　　　　　　　≦￣　　　　 ヽ　 ＞-､
　　　　　　＜￣　　　　　＿＿≦ヽ＜｀＼
　　　　 -≦　　　　　 　／:::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　 ／　　　　　　 ,'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　 　 ／ /　　　　　　､'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
　　'´ フ　　　　　　/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i　ﾉ/i /l　　　　　　　その口ぶりの割には、ラズルシェニェが来た時も逃げなかったし、
　　 / /　　　　　/:::::::::::::::::::ﾊ:::/|::::ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::://:/　/
　　Ⅶ　/　　　 ﾉ:::::::::::::::::i:/ .|/ .i < ﾚ´|:::::r-､::::::::::::::::/／/　　　　　　随分と奮戦してくれていたじゃないか。おかげで助かる奴も増えた。
　　 / ｲ　　　 /ｲ::::::::::::::::ﾚ ニ三' ､￣ﾉ:::/ ｊ i::::::::::::::::::::::/／
　　 V |　/　 ,　 |:::::::::::::::|｀､´､ヱソ ./::::.i i} /::::::::::::::::::／ノ　　　　　　 だが、逃げようと思えば、どさくさに紛れて逃げられたはずだ。
　　　　|∧　 i　 |:::::::::::Ⅳ　 X　　　　{::::/　ノ:::::::::::::::::::彡
　　　　V∧ .ﾊ　i:::::::ﾊ:i/　　　Ｘ　　　 Ｖ ノ /r―- --＜　　　　　　　　その辺はどうなんだ？
.　　　　　　Vハ ﾊ;:::|､Vヽ_＿ ,　X　　／／/::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　 　 Xハ/ﾚ:::::::ヽ､　　　　 ＜／ゝ/::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　/:::::::::::::::::::::::::::::ト- イ/／ハ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::





　　　|　　　　　　　　＿＿＿　　　　　　　　　　　
　　　|　　　 _　　　´　　　　　｀ー――-､_　 　 　
　　　|　　／　　　　　　／　　　. : : : 　 　 `ー ､　
　　　| ／　　　　　　　　　　 . : : ／ イ . :ヽ: ___ ヽ
　　　|´　　　/　　　　　 /　. : ／／V . : : :ﾚ: : : : :
　　　|　　　/　　　　　. :|　. : :Ｋ 　 ｛: : : /:ﾚｌ: : : :
　　　|　　 , 　 /　 　 : : |: : : ム ＼ l: : : ﾄlヽ{: : : :
　　　|＿ノ　 /　 . 　 : /| : : ﾄ心>､｀ゝ | |　｜: : : :
　　　|､＿_ ｨ. : :ｲ l　: :l ゝ: ﾄl ｀ヽ　ト ｀ヾ､__l: : : : :
　　　|　　ン ≦ l: |　: :ヽ｀‐＼　　　　　 ｆﾃｿ: : : : :
　　　|　　　 ＼‐Vヘ: : : ＼＿｀ ‐　　　 ｀くl: : : : :_
　　　|　　　: V ｀Ⅳ: l＼: ヽ￣ _　　　 ‐ ..ィ イ:／ 　　　　　　　　……知らねえよ、そんなのは。
　　　|　| :|　 :廴ィ＼|　 V:l　　‘　ー-､　/:/ l/ 〃
　　　|　`‐＼　≦＿､＿ リ　　　　 ￢ .ｲ: l　'　/　
　　　|　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　/ |ﾍl　　　
　　　|､＼　　 ､　　　　　 ∧―＿___∧＿_`　　　
　　　|　￣｀ ー ≧､　　　lﾍl三〜ｘ: : : : : : ｀ヽ　　
　　　|__ｚ〜ー_=―┴―― ≧ッ　＾ヽ: : ｔ‐-､ ヽ　
　　　|　　　／　　　　　　　　　 ヽ　　 `ヽ:）　ｊﾙ'　
　　　|　 ／　　　　　　　　　　　 ∧　　　ヽ 　　　
　　　| /　　　　　　　　　　　　 　 ∧　　　 ヽ. 　
　　　|'　/　　　　　 　 　 　 　 　 　 |　　　　＾ヽ　
　　　| ,　　　　　　　　 　　 　 　 　 ﾊ　　　　 ｜　
　　　|｛　　　　　　　　 　 　　　 　 ﾑﾑ　　　　ﾑ,

4257： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/27(日) 22:57:27 ID:Dvrje3tw0

/∧　／: : : : : : : : ／: : : : : : : : : :彡: : : : : : }ミ: : )
//∧': : : : /: : : : /: : : : : /: : : : : :}: : : : : : : :{: : : 乂
///∧: : :/: : : : /: : : : : /: : : : : :/: : : : : : : : 乂: : : : ヽ
////∧: {: : : : /: : : : : : : : : : : :/{: : : : : : : : : : : ヽ: : : }
/////∧: : : :/: : : : : : :{: : : : :,/ 乂＿: : : : : : ヽ: :}: : /
//////∧: : {: : : : : :.:.人: : : :.{∠三三ヽ: : : : : :ソ: : 乂
///////∧: {: : : : : : : : :.＼:.人　 ＜以 ヽ: : ／: : : : :ハ
////////∧乂: : : : : : : : : :ト､_＼　　..::　}／　`''＜.从/　　　　　　　　落ち着いてほしい。君の思惑がどうであれ、
/////////∧　＼: : : :、: :人　⌒ 　　　　　　　　　/
//////////∧ 〈 　￣｀`ヾハ　　　　　　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　こうして同じ艦に乗っているんだ。
///////////∧ ゝ　　　　　　　　　　　　,,　 '' ''　)
////////////∧＿Y　　　　　　　　　　 r ／ 二)　　　　　　　　　　　　今だけは所属のことは忘れてほしい。
///////////// |: :{ !　　　　　　　　　　〈　　　　|
///////////// |:从 !　,,　　　　　　　　 　 　 　 |
///////////// |:〈 今s｡.., ,, ,, 　　 ,,　　　　　　 |
///////////// |　　　　　　　 ｀゛¨ '' ‐-　...,, __人＿＿
///////////// |_,,..　-‐　'' "´:::::::::::::::::::::::::::::::::＼:i:i＼i:i｀`〜､、
///////////// |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:i:i＼i:i:i:i:i:i:丶
//////////////:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∨:i:i∨i:i:i:i:i:∧





: : : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : :|　　　　　|: : : : : : : |: : : : : : ＼: : : :
: : : : : : : : : : :.|: : : : : :| : : :.:.:.:|　　　　　|: : : : : : : ∨: : : : : : :.＼: :
、: : }: : : : |: : :|: : : : : :∨: : : ∧　　　　 ∨: : : : : : :∨: : : : : : : ∧:
_〉: :.}: : : : |: : 乂: : : : : ∨: : : : }　　　_＿}ハ: : : : : : : : : : : : : : : :|:
: : :/: : : :./!: : : | ＼: : : : : : : :./_.｡s≦ﾆﾆﾆﾆ∨.:.: : :.:}: : : : : : : :.:.|:
: : {: : : :/ﾆ∨:.:.|ﾆﾆ＼: : : : :./ﾆ＞,.ｨﾁｆ芯ミ､ }: : : : : }: : : : : : :: }/:
∨: : : :.|＼. ＼_!芯ァ 〉: : :./　::...　ー ゞﾟ'’　 ,}: :/: : : : : : : : : : /: :
　､: : V:!: : } ゝ-''"　.::|: :／　　　　＼ 　　　 ⌒7: : : : : /: : : : /^!: :　　　　　　　……失礼、申し遅れた。
　 ＼: ＼: :}　　 　 　 {/　　　　　　　 　 　 　 /ﾊ: :: : : : : : : :/　.|: :
　　/: : : :.人　　　　　|ゝ　　　　　　　　 　 　 　 |: : : : :／⌒　 /: :　　　　　　　　私は真壁史彦。元、SIの下請けPMC、航空機部隊所属。
　　!: : : : : :ハ　　 　 ,　　　　　　　　 　 　 　 　 |: : ／ ＿　　/: : : :
　　＼: : : : : |^　 　 〈 　　　　　　　　　　　　　　}／　　＿_／: : : :/　　　　　　　 それも三十年以上の前だが……
　　　 ＼__: :.|　　　　 ＼　　　　　　　　,,　　　　　　　　|　{: : : : :./
　　　　 　 j从 　　　　, ,　　　　　" , '　, ,　　　　　　　｜ ∨: : :〈　　　　　　　　　　まあ、つまり一般人代表ということだ。
　　　　　　　∧　　　　　r―――-　　、ヽ　　　　　 ／ 　 ∨: : :〉
　　 　 　 　 　 ＼　　{　 ゝ―――― 　　} } , , 　／＿＿＿}:_:_:|＿
　　　　　 　 　 　 ＼ 　　　ー―一　　　　 /￣￣￣::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　＿＿＿＼,, 　　＼:;.,.、 　 , .:/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　/:::::::::::::::::::::::＼ , ,　 ヾ;:;ヽ,／/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　 　 　 /:::::::::::::::/￣￣/≧====≦:i:/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　＿__,/:::::::::::::::/:i:i:i:i:i/i:i:i:i:i:/:i:i:i:厂:::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　 |:::::::::::::::::::::::::/:i:i:i:i:i/:i:i:i:i:i/:i:i:i:i:i|:::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
【真壁史彦　一般人代表】




　　　　 ＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
..　／　─　 　 ─　＼　　　　　（てっきりお偉いさんの生き残りだとばかり思っていたお）
／ -=・=- 　　-=・=-　＼
|　 　 　 （__人__）　　U 　|　　　　よろしくお願いしますお。
＼　　 　 ｀ ⌒´ 　　　 ／

4258： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/27(日) 23:06:46 ID:Dvrje3tw0

　　　　　　　　　　　　　　　 　　 .. :''"ﾟ~￣~"''〜､、
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／:/ .: /:|.: /.: .: .: V⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　/.: /.:|.:.:|.:.|:/ |.: .: .: :|.: |.: :',
　　　　　　　　 　 　 　 　 / .: .: .:|.:.:|.:.|-.:八|.: .: |.: |ｸ|: ,
　 　 　 　 　 　　 　 　 　 ;.:.: .:| : |.:.:|斗tミx:|.: .: |.: |ｸ|Xi
　　　　　　　　　　　　　　|.: .:.:| : |.:八乂ﾂ　|ﾊ:xミ.:|.:.l.: |
　　　　　　　 　 　 　 　 /|.: .:.:|.: :〈:(⌒ '' 　 　,ゞ'_彡ｲ: |　　　　　　　　　　……私はリンクス、と言いたいところやねんけど。
　　　　 　 　 　 　 　 ／.:.|.: .:.:|.: .: : ＼　 　 _　 ''八 :| .:|
　　　　　　　　　　 ⌒7.:.:.| .: 八.: .:〈.＞　　_　.イ.: .:.:.| .:|　　　　　　　　　　八咫烏をなくした今は、ただのお荷物やさかい。
　　　　　　　　 　 　 /_　 -=ﾆﾆ.: .:.:|⌒Y|￣＼:| .: / |.:/
　　　　　　　　　　 /⌒ニニニ|∧.:.| / 八／⌒V/___/__　　　　　　　　　　 なのはちゃんと一緒にオペレーターや。
　　 　 　 　 　 　 /／⌒ 二二|ニ＼(＼:::{⌒＼:}ニニニ＼
　　　　　　　　　 {:{ニ| /ﾆ'ニ.八ニﾆ|::::::＼::::::::::＼=======‐┐
　　　　　　 　 　 八ﾆ/ニﾆ∨ニ＼ﾆ|:__〈^〉＼:::::／`'＜.ニニ八
　　　　　　　　　 　 /ニニﾆ〕／⌒ﾆ〕::::::〕L:::::＼ :::: :o/⌒＼ニ＼
　　　　　　 　 　 　 { ニニ／ニニﾆﾉ :::: 〕 〔::::::}:::V::::/:::::::::::::ヽ.ニ|
　　　　　　　　　　　] ﾆ／ニニﾆ／::::::::::〕　〔::: }::::}::::{::::::::::::::}::::V八
　　　　　 　 　 　 　 ／ニニﾆ／ ',:＼／　 ノ:::/ :人八::::::::::::}::::八 -_
　　 　 　 　 　 　 ／ニニﾆイ///∧::::=‐---‐=~::::o::|::> __:ノ::ｲ:|ﾆﾆ-_
　　　　　　　 　 /ﾆ=-.----＼///∧:::::＿＿{_:::＼___/:::::::≠ / |ニﾆ-_
　　 　 　 　 　 /ﾆ/::::::::::::::::::::: ＼_//／ --＜:::::::::-‐……}}:::}::〈ニニ-_




　　　　　　　　　　　　　-― -
　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　 ∠　―― -　　　:::::::..　　　＿＿
　　　　　 ィ::i´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀::..､ l ／r――　＝‐､
　　　 ／::l::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`::'￣￣￣｀:..､
　　. /l::::::l::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::￣ ｀ヽ､:::ヽ
　　/::l:::::::l::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::ヾ:::::l
　. {:::::l:::::::l::::＼/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::ヽ::::::::lヽ::l　　　　　　　指揮能力がある人間は残ってない。私も個人のオペレーターで、
　 l::::::ﾍ:::::::＼/::::::::::::::::::::::::::i::::::i::::l:::::l:::::::::::ヽ::::::::l::::::::l ヽl
　 l::::::::::ﾍ::::::/::::::/:::/::::/:::::::l::::l::l::::l:::::l:::l::l::::::l:::l::::::l::::::::l　|　　　　　　　組織単位での作戦進行を担ったこともないし。
　. l::::::::::::ﾍ::l:::::::l::::::l:::::l:::::::/:::://::/l:_/l_｣_l､:::l:::l::::::l::::::::l
　　ヽ::::::r‐‐|::::::l::::::l:::_｣::-r‐:/7フ´｢/ .l/ｫﾐ:::l::::l::::::l:::::::l　　　　　　　　　でも、やるしかない。私とはやてちゃんが作戦立案、
　　. ヽ::{　　l:::::::l:::::l:´::l:::/∠ ﾆ＝ﾐ　 ﾁﾟ://::/ /:::::ｲ::::/　
　　　 ヽ＼ ヽ:::::l::::::l::::<´,イ　 ,ﾘ　　 .ﾑ//;ｲ:::/::::/.l:::/　　　　　　　　　　ブリーフィング進行、全体指揮。
　　　　 ヽ:>ｰl＼{ヽ{ヽ{　 辷z/　　　　 l'//::/l:::/ l::/
　　　　　V　 .l::::l` `　　　 　 　 　 　 v':/／ l:/　l/　　　　　　　　　　　　暫定体制としては、こんな感じかな。
　　　. r,/　　 .l::::l　 　 　 　 　 　 _ ／l:::l:::l /'
　　　/〈 ヽ､　　ヽ:ヾ ､ 　 　 　 ´／::::::l:/:::::l
　　./　 ＼　ヾヽ､ヽﾍ/` ┬-....´:::::::::/'::::::::::l

4259： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/27(日) 23:11:12 ID:Dvrje3tw0

　　　　　　　　　 ｒく　　 ＼　　　　＼ 　､ ＼　　　　 : : . . . .＼
.　　　　　　　　 /| ヽ＼　 ヽ:ヽ　　　 ヽ　ヽ　ヽ　　　 : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　//|　|､　:　　 Vﾑ　:　　　:　: .　 : . .　　 : : : : : : :∧
　　　　　　　 ,': /|　|ﾑ　: .　　l　V : .　:　　: : .　: : : .　 : : : : : : : ∧
　　　　 　 　 |　l |　レﾍ　: .　ﾍ　V : . : .　 : : :　: : . : : : . : : : : : : ∧
　　　　 　 　 |　l |　|　　V: : .　ﾍ‐ヽ: : : :　: : :|: : : : : : : : : : : : : : : ∧
　　　　 　　　Ｖ　|　|　ｒ=≧ : .　 ヽ ヽ|: : : : : :|､ ＼: : : : : : : : : : : : : |
　　　　　　　　＼V ﾄ､'´ ﾅ价ｘ､: : :＼|: : : : : ﾑ　>､ヽ: |: l: : l: : : : : : |　　　 　　あのおっさんが生きていてくれりゃぁ、まだ違ったろうけどよ。
　　　　　　　　　 ⅣV　　　¨´　` ー . ﾆ＝一／／｀ ＼ l: : l: : : : : : |
　 　 　 　 　 {＿ﾉ ﾑヽ　　　　　　　/:ｲ: : : /´ /: : : : :| : |: /: : : : : :/　　　　　　一人でも多く逃がそうと、基地地上部に残って
　　　　　　　 `￢ﾝ　 ｀＼＿_　　／´｜:／ 厂|: : : : : | : |/: : : : : :/
　　　　　　　　　ゝ..　_　 　 　　　 　 ノ´　　　｜ : : : /／|: : : : : : |　　　　　　　　ギリギリまで指揮を執ってたって言うじゃねえか。
　　　　　　　　　　　｀､　, ---　　　　　　　 　 | :/: :/´: : |: : : : : : |
　　　　　　　　　　　　 ｀'､_　　　　　　　　　　/ /／:　: : : :|: : : :l: :ヽ　　　　　　　　あの人、社長に向いてないぜ。
　　　　　　　　　　　 　 　 l　　　　　　　　ー´ イ. /　: : : :ｌ|: : : :ヽ : ＼
　　　　　　　　　　　 　 　 ゝ　　　　.イ 　 　 　/:/　 : : : :八: : : : :＼: : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　 ｀¨¨厂:八 　 　　 l/　　: : : ム_: : : ､ : : ヽ―‐
　　　　　　　　　　　　　　　 　 /: : :　:ヽ　 ＿/　. : : : :/ /:.:.`'''ー―ｘ､ヽ
　　　　　　　　　　　　 　 ー=彳: : . : :/ V ／　. : : : :/ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:￣
　　　　　　　　　　　　　　-=彡 . : : 〃⌒/　. : : : :／ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:





: : : : : : : : : : : : : : : : :|: : : : :ｲ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |: : : : : : : : : :l
: : : : : : : : : : : : : : : : :|: : : /　い:i: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :l : : : : : : : : :/
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: : : : : : : : : : : : : : : : :|:/　　-- V∧: :', V: : : : : : : : : : : : : : :/ : : : : :イ : ′
i: : : : : : : : : : : : : : : : kr─ テ示ﾍK不:', V: : : : : : : : : : : : :/ : : :／ : : : ′
|: : : : : : : : : : : : : : : : ﾄ,っら些zノヽ', ヽ:!　＼:＼: : : : : : : / : イ/ : : : : :′　　　　　　私みたいな一研究スタッフがCDCに立ち入るあたり、
.';: : : : : : : : : : : : : : : :|　　´´　｀｀　　ヽﾘ 　　＼:i＼: : : :/' ´　/ : : : : : ′
∧ : : : : : : : : : : : : : : l　　　　　　　　　　 　 　 ヽ ハ: :/　　 /: : : : : : ハ　　　　　　　 結構深刻よね、今の状況。
.ハ: : : : : : : : : : : : : : :l　　　　　　　　　　　　　　 ′ﾚ'　　　': : : : : : : ′ヽ
　 '; : : : : : : : : : : : : : :|　　　　　　　　　 　 　 　 j　 　 　 ｲ: : : : : : : :′　 |　　　　　　　まあ、やれることをやるつもりだけど。
　　: : : : : : : : : : : : : : |　　　　　　　　　　　　　 ´　　 ／: |: : : : : : : ′　 /
.　　;: : : : : : : : : : : : :|:|　　　　　　　　 　 _,　 　 　 ／: : : :!: : : : : : :′　/　　　　　　　　　このまま企業連に殺されるつもりはないわ。
..　　; : : : : : : : : : : : :|:|､　　　　　　 ´￣　　　　イ |: : : : : !: : : : : :.′　′
...　　i : : : : : : : : : : : |:|　＞　　　　　　　　　 ´　　 ! : : : : |: : : : : ′ /
　 　 |: : : : : : : : : : : :|:| //O/7＞　___　 ´ 　 　 　 ! : : : : l: : : : :′/





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　　　.. ／: : : : : :ヽ　　 . . .-――-. . ､　l: :/-‐: ￣￣｀ヽ
　　.／: : : : : : : : : :／: : : : : : : : : : : : : ｀ヽ: : :-＝＝ﾆ￣｀＼
　　i: : : : : : : : : :／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :_: :＼
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　　|: : : : : : : : l: l:l: :＼: : : : : : : : : : : : : : : :/'´}: :l:/: : l: :l
　　|: : : : : : : : ﾍ: : : : : : : : : : : : : : : : : : r‐/〉': // : : ﾊ: l
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　　|: : :/ : : : : : l　_ヽ: :⊥: _: : : : : ／　　〈ｲ: l/' l:／
　　|: :/: : : : : : /./'⌒l´　　　｀ー ´　　　　.l: :l　 '　　　　　　　　　　　状況を確認しようか。
　　|:/: : : : : : /　r-'＝＝＝=_-､ /　　 ／l: ,ﾘ
　　|': : : : : : :/ ./＿＿＿　　　 ｀､ｭ_／　 l:/
　 /: : : : : : :/'´:::::::::::::::::::::￣:::::::ー`-...　/'
　i: : : : : : : :l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀::.....､
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4260： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/27(日) 23:21:43 ID:Dvrje3tw0

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三三三三三ニニニニﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ:.:.:.／　　　/:.:. 　　:.:.:.:.:.:.l　　 l::::::::.　 　 :::::::::::::＼　　:.:.:.:.ニニニ三三
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三三三三三三三三三三ニニﾆﾆﾆ: :. ´　　 . . : .:.:.:.:. 　 　 |::::::::::: 　 　 :::::::::::::.　　　 ::::::::::::::::::.:.: : : . . .ニニ三
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「私たちの艦……呼びづらいね。アマツでいっか。アマツは現在、
マイナス6000フィートの海底にいる。位置的には旧北太平洋の北部」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4261： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/27(日) 23:23:54 ID:Dvrje3tw0

　　　　　　　　　　　 ＿,..ィ　乂＿＿_,. イ￣///|
　　　　　　　 　 　 /: /　　_,.. -　_,. ┴'===〈///{__
　　　　　　　　　 　ー　 ´　 ,.＜: : : : : : : : : :ヽ/∧:＞､
　　　　　　　　　 　 　 　 ／: |: : |: |: : : : : : : : : ﾏﾑ: : : ヽ
　　　　　　　　 　 　 　 /: ,: : |: /|: |: : : : :.､: :､: : |/!: : : : : .
　　　 　 　 　 　 　 　 /: /: ｲ{/:7ｰr 、: : :.|: : ∨:|/: : : : : : .
　　　　　　　　　　　 /: /: !: |: / {｣ {:､: : : :|: : : ∨: : : : :.,: : :
　　　　　　 　 　 　 /イ {/|:V:.|ｨ≠ﾐ　＼: :|: : : : ∨: : : /: : ::
　　　　　　　　　　 　 　 ｢¨´　 　 　 /: : ＼}-､: : :∨: /: : : : :　　　　　　　ネクストも対潜性能はそこまで高くないし、潜れない。
　　　　　　　　　 　 　 　 　＿__ 　 /イ: : :/＼}: :＿＼: : : : : :.
　　　　　　　　　　　　　　Y{':.:.:.}　　 /: : /__イ:: : : :/: : : : : : :.:.　　　　　　　そのうちコロニーの残骸を調べるうちに地下部分がないことに
　　　　　　　　　　 　 　 　 ､ー'　 ／＿/: : : : : :／: : : : : : : : : .
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ー r:-､　 /: : : :.／┴､ : : : : : : : : :.　　　　　　　気づかれて、追っかけてきた敵海上戦力や航空機から
　　　　　　　　　　　　　　　　　/＿}　,' : : ／,..---､}: : : : : : : : : .
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /{ | {l∨: ／／　　 　 ヽ: : : : : : : : :.　　　　　　　対潜ミサイルの雨を浴びせかけられるくらいかな。
　　　　　　　　　　　　　　　 /://!／: :/　{　　 　 　 　 ＼: : : : : : |
　　　　　　　　　 　 　 　 ,イ:/／ {: :ノ　,ｨ|　　　 ;　　　 ￣｀ヽ､: :.:|　　　　　　　　この艦が沈没する道筋としては。
　　　　　　　　　　 　＿ {:／´／/: |//ｲ/ 　 　 /　 　 　 　 　 }: :.|
　　　　　　　　　　　{＞／　〈　 l: :∧,／　　 ／　　　　　　　　|: :.|
　　　　　　　　　,ｨ＿_/＿_／__/: ﾉ　＼　　　　　　　　　 ＿＿|: :.|
　　　　　　　　/　　　　{//| |　{: :{----＼　 　 　 　 ,ィ/////∧:.|
　　　 　 　 　 {　　　 　 ＼j |　|: : ､　　 　 　､　　　/////|＼l/∧}
.　　　　　 　 八　　　　 　 | |　|:∧:}　　　　　｀ ー///__／　　 T´




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―　　- 　 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　´　 　　 　　　　｀
　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　 /　　, 、　 　　　 　　ヽ　 ｀
　　　　　　　　　　　　　　´　 　!　ヽ 　 　 　 　 Ⅹ!　　∨
　　　　　　　　　　　　　　| !　　! ヽ_|　i ヽ 、ヽ 　 |　 ＼＼
　　　　　　　　　　　　　　| !　　ﾄ近丶|＼|近八　 !　　、＼＼
　　　　　　　　　　　　　 ∧.　 八　　　、　　　´_| |　 　ヽ　.＼ヽ　　　　　　　　　元もコロニー移動のための機関や。
.　　　　　　　　　　　 　/　ヽﾙ ,_ 丶 　‐　　 ｲ、.! !ヽ　 　＼ 　＼＼
　　　　　　　　　　　　/./|　／　　 ,l:::::-::::::::::〉 ヽﾘ ;　i 　ﾄ、＼ 、i 　}　　　　　　 兵装もほぼあらへん。艦載機射出カタパルトと、
　　　　　　　　　　　 { ｲ .! _｀￣7 .//｀´￣i:::|　｀/ヽ―.、i.ﾊ 　ヽ
　　　　　　　　　　　 ヽ 　/:ﾊ￣__|:::＼ ／:::::い　.／::::::::.、 ﾚｿ/　　　　　　　　　 水中出撃ゲートがあるくらいや。
　　　　　　　　　　　　 ／::::::::〉.|_|::::::::|||::::::/∧　八::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　ト===/..:::::::::::::≠ ´:::::::::∨　 i＝＝＝)　　　　　　　　　　　敵が来たら艦から出て迎え撃たなあかん。
　　　　　　　　　　　　 > 　 |{:::::::::::::||:::::::;::::::::::::i　　ﾄ 　 　 /
　　　　　　　　　　　　 ｿ　.ｿ.、::::::::::!!::::::::::::::::::::!　　ヽ　　 〉
　　　　　　　　　　　　/ 　!　.{＝´:::≧::::::｀＝´!　 　 }|　　丶
　　　　　　　　 　 　 〈　　|　/|::::::::::::::!!:::::::::::::::|　　　||　　　i
　　　　　　　　　　 ノ　 　||/, |::::::::::::::||::::::::::::〈.!　　 /、　　.ﾄ、

4262： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/27(日) 23:27:33 ID:Dvrje3tw0
設定見直してたら、コロニー・アマツの人口5000くらいじゃないか……

すまない、修正だ……1000としよう。

こういうこと、最初のやる夫スレでも多かったな……あの時も総ツッコミを食らった……

4263： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/27(日) 23:27:56 ID:Dvrje3tw0
生存者の数のことね……言葉足らず……

4264： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/27(日) 23:33:58 ID:Dvrje3tw0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　_...-:::::―:::..、
　　　　　　　　　　　　　　　 　,.:-:、:::::::::;;:-:､::｀ヽ、
　　　　　　　　　　 　 　 　 ／:::,、::::::::::::::::、::＼:::::'.,
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /::::::/:::::::::::::::::::::::':;:::::ヽ::::i
　　　　　　　　　　　　　 /::::::/::/::::::::::::::: i:::::|::::::::|::::',
　　　　　　　　　　 　 　 |:::::::|:::!:::/!:/!::::/|:::/!::::::::!:::i:',　　　　　残存戦力は私の指揮するノーマル部隊、臨時小隊合わせて二個中隊規模。
　　　　　　　　　　 　 　 |:::::::|::l!/-ｿ/／-!/|:|:::::i::',::::',`
　　　　　　　　　　 　 　 |:i:::::|/〈fzﾘ´　 'fzﾘ〉::::::ﾄ､',､::',　　　　　艦載機15機、そしてネクスト、マーシフルのみ。
　　　　　　　　 　 　 　 //!l;::!l::', 　 ､　　　/ｲ:::::|:::ヾ｀ ‐
　 　 　 　 　 　 　 　 ∧´ |!ヾ|::|ヽ、 ― 　 ｲ|;イ:::::',　　　 ,､　　　艦載機は小型戦闘機。通常兵装他、無誘導投下爆弾を搭載。
　　　　　　　　　　　/||:ﾍ 　　|::|_,,ｨ｀i - '／;〉ﾆ}､:::::',　　 /: ',
　　　　 　 　 　 　 / || : ﾍ,,..-|::|: :.|;ｨゝ<;;;;/ |ﾆ} {､_::',　./.: : :',　　　ノーマル部隊は中量二脚にて編成。
　　　　　　　　　 /: :||: : _': : :.|::|／!;{　∧/: :|:::|{_!: :≧∥: : : :',
　　　　 　 　 　 ,': : :||:f//777!::!: :.|/｀'!;/:ヽ_|:::|＿: : :∥ : : : : ',　　　ディランディ少尉の部隊は遠距離射撃適性あり。
　 　 　 　 　 　 i: :|￣.{!　 　 !￣￣|　_/: : : :|:::|／ : ∥: : : : : : i
　 　 　 　 　 　 l: :|　　',　 　 l　 　 |ヾ、___,ィ|:::|: : : ∥ : : : : : : |
　 　 　 　 　 　 l: :| /'≧z､_ /　 　 !: : ＼: :. l:::|: : : ｌｌ : : : : : : : |





　　　　　　　 ／: : : : :／: : : : : : : : :／: Y: : : : ＼
　　　　 　 ／: : : : ／: : : : : : : : : : /: : : :l/:ヽ: : : :＼
　　　　　/: : : : : /: : : : /: : : : : : :/: : :/∨:l : lヽ: : : ヽ
　　　　 / : : : : /: : : : /: : : : : : :/7: : l─‐ﾞl: : l_l: : : : :l
　　　　 l: : : : : l: : : : /: : : : : : :/ l: : : l　　 l: : l l: : : : :l
　　　　/: : : : /: : : : l: : : : : :ノl　 l: : : l　　 l: :ｌ l : : : l: l
　　ゝ-'/ : : /: :/: l: :l: : : ／ 弋‐-ヽ : l　　 l: ｌ l: : : : l: ﾞ､='ﾞ
　　 ゞ=: : ｰ:f''ﾞ l: :l: :l: : /ゝ辷廴ヽ　l:ﾘ　､zｬ二l: l: :l: l､: l　　　　　……追撃部隊がノーマル部隊なら、余程の数でない限りは対処できるな。
　　　 T: : : :ｌ　 ヽ:l : lヾヽ　　　　　 ﾉ/ l　ヾ'-ヾ∧: l:ﾉ l:ﾘ
　　　　ヽ: : : ＼　ヾ: l　　　　　　 ／　 l　　　l: :l: lノ　 l/　　　　　 だが、ネクスト相手じゃ時間稼ぎがせいぜいだ。
　　　　　ヾ: : : :ゝ- ゞﾞ=-'　　　　　　　 〉 ､__ﾉ: :l:/
　　　　,　ﾉ : : : : ハ　　　　　　　　　　　　 /: :(ゞ　　　　　　　　　　それが二機以上来られたら即座に瓦解するぜ。
　　　　ゞ7: : : : :l　　　　　　　 　_ --､ 　 /ゞ=‐'ﾞ
　　　, - l: : : : l､ゝ__ノ ＼　 　 　 二 　 /　　　　　　　　　　　　　　 つまり……マーシフルが墜ちたら終わりってわけだ。
　　 /　 ＼l: : :l‐-　_　　　＼　　　 　 /
　　/　　　　￣¨‐-､ ￣　‐-　｀　-┐'‐- ､
　 /　　　　　　　　/ヽ　　　　　￣ ∧　　　＞、

4265： ◆x0SRSoJXe.：2021/06/27(日) 23:37:32 ID:Dvrje3tw0
うーん、折角のしっかりしたブリーフィング回だし、キリのいいところまでやりたいところなんだが、そろそろ終わりにせねばなんだ…・…

モコイさん、最近五時起きから四時半起きせざるを得ない状況になってしまってね……

次回は、どうしよう、休みになりそうな日がまたしばらくなさそうなんだよね。

こんなんだといつ終わるかわからないし、投下も突発的過ぎて住民も見に来られないし、内容忘れちゃいそうだし……

頭が痛いよ。とりあえず今回はこれで終わりだ。シーユーアゲイン。

4266：安価のやる夫だお：2021/06/27(日) 23:45:43 ID:HaD0.1FE0
乙でした

4267：安価のやる夫だお：2021/06/27(日) 23:55:23 ID:jEa0l.GQ0
乙
健康第一で無理せずにね

4268：安価のやる夫だお：2021/06/28(月) 23:47:25 ID:rzmCv2n20
お疲れ様でした

仕事の合間で小説のほうも読み進めてみますね

4269：安価のやる夫だお：2021/06/29(火) 09:33:28 ID:yZ3.Dze60
乙
また待ってるぜ

4270：安価のやる夫だお：2021/06/30(水) 20:35:54 ID:ywFXUKN.0
乙でした

4271： ◆x0SRSoJXe.：2021/07/05(月) 22:13:46 ID:rQ7clEs.0
ハロー。毎度突発ですまないね、モコイさんだよ。

休みがねー、作れたんだよ。しかも二連休だよ。二日間投下と行きたいところだけど、片方は荒れ果てた部屋の整備に充てたいのだよ。

というわけで次回は7/7水曜日の20時からとする。

首とふぐりを洗って待っていてくれたまえ。

4272： ◆x0SRSoJXe.：2021/07/07(水) 20:03:08 ID:7AUshoCU0

　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

4273： ◆x0SRSoJXe.：2021/07/07(水) 20:08:26 ID:7AUshoCU0

　　　　　　　 ､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´　　　　　　　前にアルトリアがヒロインだったらというIF展開を描写すると言ったね。
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i
　　　 　/ : : : : : : :┌─┐　　　　　　　あれで少し悩んでいる。というのも、アルトリアがヒロインだった場合、
　　　 　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ
　　　 　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿　　　　　　　「途中で爛れた関係になる」選択肢を盛り込んでいたからだ。
　　　 　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ
　　　　 と_ : : : : : : ノ : :ノ
　　　　　　￣￣￣　￣





　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',　　　　　　　　>>1の頭の中では、なのは：気の迷いを見せるかもしれないが肉体関係には発展しない
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',　　　　　　　　はやて：絶対に肉体関係には発展させない
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ　　　　アルトリア：好きにさせちゃう
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ　　　みたいなイメージがあってねえ……いやはや……
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'　　　　　はじめてこっか。
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

4274： ◆x0SRSoJXe.：2021/07/07(水) 20:08:44 ID:7AUshoCU0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 j}　 　 　 /　　　　　 f´　　 ,′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 j}　　 　 /　　　　　／　 　./_
　　　 AP　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 j}　　　 / ｀ヽ 　 ／ 　 　 ./　　 ≧ー--､-､
　　　┏┓FULL　　　　　　 　 　 　 　 　 　 jI斗ｬ≦j} 　.___/ 　 /_／　　 ,.。＜　　　　　　 　 ＼＼
　　　┃┃　　　　　　　　　 　 　 　 ,ト､/ヽ/ __　　　j} ／-/　　/　 　 　 / 　 r‐､　　 　 ＿＿_ 　＼＼
　　　┃┃　　　　　 　 　 　 　 .ﾄ{:V: i :}: :／_:_}__／-､!- /-'´{／{_／i{ ./　 r ' 　 ー‐＜｀ヽ、　　 　 ＼＼
　　　┃┃　　　　　　 　 　 　 .＜:jI斗＜:-:-:_'ノ/　　}､　　／　 }!　　}＿_／　 　 　 　 　 　 ｀ー―‐､_ ＼!
　　　┣┫HALF　　 　 　 　 ._ -//ヽ　 }､:_:_/ /--､/:｝　´　　 〈 　 /　　}_　　　　　　　　　　　　　　 ＼_ ＼
　　　┃┃　↓　 　 　 　 _ -　 //__jI斗＜>､!〈　　/::/-/　{　　/　/　　/ .,ｨ-- ､　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼_ ＼
　　　┃┃MISSION　FAILED . ﾟ´___　　 　 i　ヽ/ﾟﾞ´／ ／　 ..／￣￣￣￣￣￣￣￣ ヽ　　 ゝ/　　　 　 ＼_
　　　┃┃ 　 　 　 .／＜＞ﾟ´￣￣￣≧､／ >､_}_／ ／　　,　.{二二二二二二二二二ノ . ／ /　　 　 　 　 .ヽ
　　　┗┛　　.._ -´　　　　　　 　 。＜___r＜|!　,　　i　ｆ . _. . . :|///|=-- ､|//|￣￣＼_＼　./ i{
　 　 　 　 _ -　　　　　 jI斗ｓ≦、＞--- ' 　 |! ,},.. . ,. ＜: : : : : ﾏ/＞': : : : :＞ ､　　 　＼ ＼　 .ヽ
　 　 _ -　　　　　 。＜＞ ﾟ ´　 　 　 　 　 　 |!.,} .,.:': : : : : : : : : ://: : : : : : : : :ヽ:ヽ. 　 　 ｀ー'　　}!
_ -　　　　　 。＜＞ﾟ´　　　　　 　 ,。ｓ≦{　 i|// : : : : : : : : : : //: : : : : : : : :.:|: : : : :.　.../　　 　 /
　　 　 。＜＞ﾟ´ 　 　 　 　 　 , ＜ {／＿,}　 ' ': : : : : : : : : : : // : : ,: : : /: : : |:{: ､: : : ,/ 　 　 ／
, 。＜＞ﾟ´　 　 　 　 　 　 　 /　 ／　　 /´_ /: : : : : : : : : : : :{/: : :/: : :/: , : /}: ､: ＼: :ilﾑ　 /}
＞ﾟ´　　　　　　　　 　 　 rzz}_／　　　｛ヽ´ .': : : : ': : : : : : : :/: : :/: : :/: /: /:r-!:.:|: :|｀: ::. . //
　　　　　　 　 　 　 　 　 {il{　　｀ヽ 　_/､_}　|: : : : |: : : : : ://: : :/: :／: ,:':./} ﾘ_,|: :|: :|: : : :.　　　　　　訂正。中破以上で終わりってとこかな。現状じゃマーシフルの修理は
　　　　　　　　　　　　　ノ }　 ,。z}t-{ノ{ー　|: : : : {: : : : :/ｲ: : : ' , ´:／: ｲ/ィｫ､{イ:ｰ': :､ : |
　　　　　　 　 　 　 　 /　 ヽ'ﾟ　 　 }ヽノ　　 |: : : : :∨: : :{/|:;: : :|イ: : :イ: |{l tj 　 {: : :|: | ､:|　　　　　　応急処置しかできないうえに、立て続けのネクスト戦が起これば
　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　 ／　 〉　　 |: : : : : :∨: :|: |: : :∧|: : :.:.|: :|　 　 　 ヽ:.|: |　ﾘ.ヽ
　　　　　　　　 　 　 {　　　　 　 }　　/　 　 .|: : : : |: :.∨: : |: :/､l∧: : :.|: :|　　　_ ,.ｲ: |: |　　　　　　　　マーシフルも連戦せざるを得ない。つまり……
　　　　　　　　　 　 /　　　　 ／　／　　 　 ;: : : :.:|: : : :､: :j:/: : }ー＼__〉｣　　 ｀/: |: :|_｣　｀ヽ_/　　} ＼
　 　 　 　 　 　 　 /　　　 ／　／ 　 　 　 .,: : : : :,: : : : : :､/: : :ﾑ 　 　 ｰ,､＿__,': /｀¨　　　　　　　　　　マーシフルには単騎で敵ネクストを退けつつ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /: : : :/: : : : |: : :＼: : : }--.､　{:＼: : :, '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,: : : :./: : : : : |: :/⌒＼: :≧=-､|-､:）:ｲ　　　　　　　　　　　　　　自身のダメージも抑えてもらわなきゃいけないねえ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /: : : /: : : : : /イ乂匸乂＼ー-:ﾑ､ ヽ: }､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,:': : : /: : : : : ,: {／￣￣＼乂＼_∨:ﾊ_}ゝ: ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 , : : : :/: : : : : :/:/ 　 　 　 　 ＼　ー乂:_}＼＼:}
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ./: : : :/: : : : : :/:/　　　　　　　　 ＼　　{从　 ｀ヾ､








　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　＿＿／.: .: .: .:＼.: .: .: ＼
　　　　　　　　　　　　　 ／.: .: .: : ＼.:.:.＼.: .:＼.: .: .: ＼
　　　　　　　　　　　　／.: .: .: _.: : .:. :＼／＼.: .:＼.: .: .: ＼
　　　　　　　　　　 ／.: .: .: .:/:∧.:.:|.: :<／／|: .: .: |.: .: .: .: .:.
　　　 　 　 　 　 '⌒7.: .:|.:|.:.{＼ |.: |.:_|__< ／|.: .: : |.: .: .: .:.:.:|
　　　　　　　　　　 /. |.: |.:| :fﾊ　|.: |.:_|,,_:|＼:八_/7 : .: .: .: . |
　　　　　　　　　　 :( :|.:人V:じ　j.:〃ノ刈:. /／∨.: .: .: .: .:.:.|　　　　　ネクストに依存しきった現代戦の、その悪いとこがモロに出とんねんな。
　　　　　　　　　　 ／.: .: .:「　 　 　 V'少У.:.:.:/|.: .: .:.:|.: .: .:|
　　　　　 　 　 　 ⌒7.:/.:.ﾊ 　 　　 ' ' ／.: .:／ノ .: : .: |.: .: .:|　　　　　　マーシフルは切り札的な運用になっていくちうわけか。
　　 　　　　　 _　 　 {:/＼八 _／)＞'.: .:.:／.: .:/.: .: .: .:|.: .: .:|
　 　 　 　 __/　) __　 　 　／ ￣ 7 : : ／￣:／ : .: /.: 八 : 八　　　　　　　メインはノーマル隊になりそうやね。
　　　　　「{ {　し'　}　　r/ 　 　 /.: .: /＿／　⌒∨ .:/.: :)/⌒＼
.　 　 　 { 　 　 　 ﾉ　　/／ 　 人.:.:/　 ＼￣￣Y￣/＼＿
.　 　 　人 　 　 / 　 ／　　　 　 ∨　　　 ＼　＼ /　　　　＼_
　　　　　 }　 　 {　 /￣￣￣＼ 　 〉＿ 　 　 ＼　{　　　 ／　 ∧
　　　　　 } 　　 　 '　 ／　　　　 ／}　　　　　　 ＼　 ／ 　 ／　}
　　　　　　　　　}/.／　　　　 ／／　 　 　 　 ／　 ＼　 　 　　∧
　　　　　,'　　／{＿＿　　 ／イ　　　　　　／　　　 }　＼　／/ /
　　　　　;　　|　 |　　　　 /--≠-　　　　　＿　　　/　　 ∨ /／{

4275： ◆x0SRSoJXe.：2021/07/07(水) 20:12:10 ID:7AUshoCU0

　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　　　　/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ::.ヽ
　　　 　 　　 /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',
　　　　　　　i: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
　　　　　　　|: : : : : :: : : : : : : : : :.l: : : : : : : : : : :| : : : : : |
　　　　　　　|: :|: : l: : : : : : : : : ヽ:|: 从:斗:‐ｌ: : : |: : : : : ::!
　　　　　　　|: :|: : ﾄ: : : : :.＼: : : ::!/ ,孑㌣圷､: :l‐ ､: : : :|
　　　　　　　|: :l: : :l: ;斗ヾ: : :＼: :| / 弋z少!: : ::|､　!: : : |
　　　　　　　}::∧: :|,ｨ孑ﾟ外＼: :ヾ!　　 　 　|: : : |｝jﾉ: : : :|!　　　　　　　　　当該リンクスのAMS適正とコジマ汚染耐性から計算、
.　　　　　　　!: : :ゞi　弋炒　　｀　　　　　　 |: : : |´: : : : : |l　
　　　　　　　 }: : : : :ﾍ　　 　　,　　　　　　　|: : : |: : : : : ::,':l　　　　　　　　　連続戦闘可能時間は15時間。アイドリング状態では25時間。
.　　　　 　 　 l: : : : : ::ヽ　　　　　　 　　 　 |: : ::ﾊ: : : : :/:
　　　 　 　 　 !: l: : : : :|: ＼　　´ ￣　　 ／|: ::/: : : : ::/: : :',　　　　　　　　　今回は色々と良い目として出るわね。
　　　 　 　 　 |八: : : ::|: : : :＞...　__　イ＿ |: /: : : : : :|: : : ∧
　　　 　 　 　 |: : ヽ: : :!: : : : ﾊ::.::「ｒ‐=く 　 |/: : : : : : :|: : : : :ﾍ　　　　　　　　
　　　 　 　 　 |: : : ::＼|: : : /　!::ﾘ｝o＿i 　 |: : : : : : : :|: : : : : : :＼
　　　 　 　 　 |: : : : : : : : :/　 ∨ﾉ　　∧　.|: : : : : : : :|: : : : : : : : :＼
　　　 　 　 　 |: : : : : : : :/＿.ｨ'::.|/　/::.:ﾍ .|: : : : : : : :|: : : : : : : : : : :.＼
　　　　　　　r‐'´￣￣´　　　{::.::j　/::.::／｀|: : : : : : : :|｀￣￣￣｀7ー‐ ､
　　　　　　/　l　　　　　　　　〉､:ﾚ_::／　　人: : : : : : :|　　 　　 /　 / 　 i
.　　　　　/　　ヽ　　／　　　 |::.::.: /　　　 　 丶: : : : :|.　 　　 / ／　　　|
　　　　 /　　　 　／　　　 　 |::.::./　　　 　 　 　＼: : |　 　　/ /　　　　 |





::Vi /| /　　　　　＿　　　　　　　　　 /　/　 ﾊ　　　　　　　　　　ヽ　＼ヽ＼
::∧ﾊ./| //i/ｨ／　　V　　　　/　 /　{　/　 {　|　 |　　　　　　　　　 ＼ ',ﾍ ハ
::::::::::V::::/:::::/ /￣ヽ / 　 / / 　 |　 |　ﾊ　 |　ヽ　{　 l　　　　　　　 ∧ ヽ
::::::::::::::::::::::::|　 {　　 /　　∧||　　|　 |　|弋 ミﾐ､|　|　 |　　　　　　　　　}ハ
:::::::::::::::::::::::::i　　　{ |　　 |　|ﾊ　 ﾊ　ﾄ .|　ｨｔ､-､ V/　/　 |　　　　 　 　 |
:::::::::::::::::::::::::ヽ　　　|　　 |　ヽﾊ | .ﾚ ＼　 ヾソﾍ ﾉ .//　ﾉ 　 ｨ　　　ﾊ　|
:::::::::::::::::::::::::::::廴　 |　　 |　　 ＼ハ ゝ 　　 ゞノ/ /ﾌ　/　　/　　　 | |　|
:::::::::::::::::::::::::::::/ﾊイ|　　 |　　　　　 ＼　　　　 ／　イ/　　/　　i 　.| | .ﾉ
::::::::::::::::::::::ノ/.// | ｀ー'´　　　　　　　　　　　　　　 ﾚ　／　　/　　ハ/　　　　機体のリミッターのおかげで、
:::::::::::::::::／／ 　　| +　　　　　　　　　　　　　　-＝イ:::／ / / 　 / ./
:::::::::::＜　 ´ 　 　 | ｷ　　　　　　　　　　　　　_　　　 V ／ / 　 /　　　　　　　一回乗ったら神経麻痺や感覚障害、ショック死なんてこともない。
≦=､＿＿　　 　 ∧ｷ　　　　　　　　　　　　　 ｀ 　　 Y ／　／
:::::::::::::::::::::￣≧=､　>｀ﾒ､　 　　　　　 ￣｀ - _/｀ー ' ´/ .／　　　　　　　　　　汚染耐性もかなり高めだ。連続戦闘にはもってこいだな。
:::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:＞､､　　　　　　　　- ､ノ　　／ ／
:::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.::.＼　　　　　　　/
:::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＞､　　　　/
:::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.≧ー＜
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.￣｀ー - ､
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:￣ ｀ ー ─ - ､ ＿
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.＼

4276： ◆x0SRSoJXe.：2021/07/07(水) 20:12:46 ID:7AUshoCU0


　　　　　　　　　　　　 　 　 　 .....:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.....
　　　　　　　　　　 　 　 　 . .:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.:;:..;:.:..:;:.:;:;:;:;:;:;:;:;:;:. .
　　　　　　　　　　 　 　 ,:;:;:;:;:;:;:;:;:.:.:.:.:.. .:. .:. .:. ..:.:.:.:.:;:;:;:;:;:;:;:;:.　　＿＿Kojima material
　　　　　　　　　　　　.:;:;:;:;:;:;:.:.:.:.:.:... .. .. . .　.. .. .. ...:.:.:.:.:.:;:;:;:;:;:;:./
　　　　　　　　　 　 .:;:;:;:;:;:.:.:.:.:.:.:... ..　　　　 　 　 .. ...:.:.:.:.:.:.:;:;:;:;:;:.　　　　　　　　　　　　　　　　「俺も専門家ではないので、簡単に
　　　　　　　　　　, .;:;:;:;:;:.:.:.:.. ..　　　　　　　　 　 　 　 .. ..:.:.:.:;:;:;:;:;.
　　　　,. ; ,+X'∴ﾞ.':;:;::;:;:.:.:.:... .　　　　　　　　　　　　　 　 . ..:.:.:.:;:;:;:;:.x ;､ 、　　　　　　　　　　　説明してしまうが……コジマ物質に一定量の
　　 +:'､+　　　　　.:;:;:;:;.:.:.:.. .　　　　 　 　 　　 　 　 　 　 　 . ..:.:.:;:;:.　　 +､', ､
　 ﾞ,∵,､　　　　　　.:;:;:;:;.:.:.:.. .　　　　 　 　 　　 　 　 　 　 　 . ..:.:.:;:;:.　　　, +,∵　　　　　　　　　電流を流すことで発生するのが、コジマ粒子だ」
　　　` ∴',+:; . ,　.:;:;:;:;:.:.:.:... .　　　　　　　　　　　　　 　 . ..:.:.:.:;:;:;:;:.　 　　,　+: ∵
　　　　　 `'∵',+'∴; ,:;:;:;:;:.:.:.:.. ..　　　　　　　　 　 　 　 .. ..:.:.:.:, . , ; 　+ ;∵ 'ﾞ　＼
　　　　　　　　　`　' ∵',"+',x' ；,'∵,'∴,'+,ヽ;'∴,'+,ヽ;','+'；,'∵,'∴, ∵ "　　　　　.￣￣Kojima particle
　　　　　　　　　　　　.:;:;:;:;:;:;:.｀^　ﾞ..ﾞ　 ^　".:.: ^　".:.:.:.:.:;:;:;:;:;:;:.
　　　　　　　　　　 　 　 ,:;:;:;:;:;:;:;:;:.:.:.:.:.. .:. .:. .:. ..:.:.:.:.:;:;:;:;:;:;:;:;:.
　　　　　　　　　　 　 　 　 . .:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.:;:..;:.:..:;:.:;:;:;:;:;:;:;:;:;:. .
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 .....:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.....





　　　/　　　　　/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　/　　　　 ,': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　/ /　　　|: ,: : /: : : :/: : : : : i: : : : //ﾊ: : : : : : : :
　　　 /　l　　　1: /!: : : / /: : : ://: : :/ノ ノｨ: : : : : : :
　　　,|　 |　|　 |':.:|≧: . |:/:／:/_仁ｨ:≦Zz／ｨ: . r‐､: :
　　　 |　|　|!　 |!:.|ゞｾl:.:ﾄ;イ／ﾗ人 ゞ仍;ｊ　 /ｨ::/ う l: :　　　　　　発生段階で膨大なエネルギーが取り出せるのがコジマ粒子だが、
　　　||　|l　|l　 |:.:|￣´|:l ／　　キ 　￣´､　 /: | 仆 |: :
　　　 |ヽﾄ　||,　|::|　　 ｿ　　　　　ｷ　　　 ／: : | .ﾚ /: :　　　　　　 この発生した光子には細胞毒としての性質がある。
　　　　|: : ', |:',　'!　　/　　　　　　 キ r‐1: : :─ '"´: :
　　　　 |: : ヾ: ', ﾄ,　 ヽ-‐ ､　　　　 ヾ!: : : : : : : : : : : :　　　　　　　経口、経皮から吸引すれば、あらゆる生物に対し遺伝子異常、
　　　 '´: : : : : :.ヽ!＼ 　 ー─‐─　　 ﾊ: : : : : : : : : :.:
　　　: : : : : : : : : : : : ＼　´￣ ｀ ､, ＜|::|: : : : : : : : : :　　　　　　　　臓器不全、色素消失といった症状を引き起こす。未だ未知の毒だ。
　　　: : : : : : : : : : : : : <`ー　≦:::::＼: :.|: : : : : : : : : :
　　　: : : : : : : : : : : / ∨: :ﾊ: : |: : : : |: :|: : : : : : : : : :

4277： ◆x0SRSoJXe.：2021/07/07(水) 20:21:27 ID:7AUshoCU0

::::::::ｨ　　　　　　　　　　　.-ゝ
:::::i´　　　　　　　　　　　　｀ヽ、
::::::ﾚｒ-、　　　　　　　　　｀ヽ、ヽ
:::::/ i　|　　　　 ,　　　　　　、ヽﾉ
:::::! i｣/　 i　　 i　　 i　　ヽ　i!.｜
:::::>ｨ'　 / / i .|　i　｜i　!｜ |ヽ!　　　　　だが、汚染の進行度にも個人差があることが最近解明された。
i!　 ヽ-'ヽ'ｖ-'/ /　/ ｌ'　|　i! i
;｀ヽ、キ　　//7　/'1　 i /|/　　　　　　　コックピットブロックの対汚染コーティングも進化したことだしな。
;;;;;;;;;;;;ﾞ;;;7　'´/ノ"i./ ノ! / i!
;;;;;;;;;;;;;;/　ヽ、　 ｨ'／ ﾚ'　　　　　　　　　　直接浴びたりしなければ、おまえも血を吐いてぶっ倒れたりせん。
;;;;;;;;;;;;{　　　,ｒ‐ ´
;;;;;;;;;;;;|｀ヽ,;;'-、
;;;;;;;;;;;;`;;;;;ｒｭ;;;;L_
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;}





　 　 ,,.-:::"￣￣｀ﾞ'ｰ-､r=
　　./::::ｲ　 　i　 !､　　ヽ
　　|:::ｲ i|/__ﾚ|./lヾ　 ﾍi
　　|lr:l　l -ｰ ﾚ -､ vﾚﾍ!
　 ﾑl　ﾚi　　　　|ｷ N　　　　　　……ある統計があってな。コジマ汚染耐性が高い人間は、劣悪な環境……
　 彡`ｰ 　 　　 ' ｷ
　彡;;;;| `ｰ　￣ , '　　　　　　　　幼児期に軽度な汚染に晒された経験がある人間が多いというデータがある。
　 ,,r「￣￣7｀ /￣７
／::::::::::::::::/^<:::::::〈　　　　　　　　こいつも、もしかしたらソレかもな。あくまでデータ上だが。
::::::::::::::::::::<水>:::::::ヽ
::::::::::::::::::/:::ﾊ::::::::::::::ヽ





　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼　　　　　あの……
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼
　 　 　 　 　 　 |　 u. 　 （__人__）　　 　 |　　　　「なんだ」
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼　　　　　なんか、やけに落ち着いてますお？

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
さっきからずっと腹の底に居座っていた疑問を、思い切ってぶつけてみた。

状況の変化に戸惑っていて、現実感がない自分は置いておいたとして、
彼らはすでに三日間の時間を体感している。

自分たちが置かれている状況は、これ以上ないくらいに絶望的なはずだ。
少しくらいは閉塞感や絶望感が漂っていようものを、この場にいる誰もが
淡々と話を進めていた。ニールと黛の二人が冷戦状態であるが、それくらいだ。

少し不自然に思える。

そんな自分の言葉を聞くと、真壁が咳払いを挟み込んできた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4278： ◆x0SRSoJXe.：2021/07/07(水) 20:21:38 ID:7AUshoCU0

　　　　　　　　　　　　　　 ＿__　　_　-＝ミ
　　　　　　　　　　　　 .／: : : : ｀´: : : : : : : :＼_
　　　　　　　　　　　 ./: : : : : : : : : : : : : :: : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　 _丿: : : : : : : : : : : :ﾐif' : : : : : 弋
　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : :ミiL_: : : : : : : :＼
　　　　　　　　 .': : : : : : : : :／: : : : :ミj⌒`: : : : : : : :: }
　　　　　　　　/: : : : : : : :/: : : : : :r=jL_, : : : : : : : : :.(
　　　　　　　　∨: : : : : :〈: : : : : : {　　　V: : : : : : j_: : Y
　　　　　　　 　 V: : : i /∧: : : : :.|　　　 从: : : : Y }: : |　　　　　　　　　　君が眠っていた三日間の間に、三十六名の死者が出た。
　　　　　　　　　.}: : : 从厶__､: :j丿＿彡⌒∨: : //:_:ノ
　　　　　　　　　{: : : : :| ー='从{　　ー一 '_彡イ丿.i　　　　　　　　　　　　 敵襲ではない。この状況で暴動というべきか。
　　　　　　 　 　 `＼:/乂　　　ﾘ　　　　　 　 j{¨ ∥|
　　　　　　　　　　　 j}/ハ　　 ,}　　　　　　　j{／　.|:､　　　　　　　　　　　　企業連にすぐさま降伏すべきだと、恐慌状態に陥った
　　　　　　　　　　　 ///∧.,'　ﾏ>　 ヽ　　.／　　　|:::::＼
　　　　　　　　　 ／ ∨///ヽ´￣_￣`　／ {{　　　.'::::::::::::＼　　　　　　　　　一般市民たちが艦内で彼ら……元桜花の面々に対し、
　　　　　　 　 ／　 　.∨//,:人＿＿ ノ /_.丿　　/::::::::::::::::::::＼_
　　　　　　.／　　　　　}}////}/////}/ {f¨　　 /:::::::::::::::::::／⌒`ｉト .,　　　　　蜂起した。元治安維持部隊たちも加担した。
　　　　. ／　　　　　　 ∨//,//////,//}}　 ／::::::::::::::::::::/　　　　　　 `ｉト .,
　　　／　　　　　　　　　∨/{//////{/ }}／:::::::::::::::::::::::/　　　　　　　　　　 ＼
｡s≦＼　　　　　　　　　　＼}∨///'::{／::::::::::::::::::::::::／
. . . . . . ＼　　　　　　　　 　 }:::∨/:::::{::::::::::::::::::::::::::/





　　　　 ＿＿＿_
　　　／　　 　 　 ＼
　 ／　　　　　 ― 　　‐
／ 　 　　　　 （ 〇）　　）　　　　　　な……馬鹿げてるお。自分たちの街にコジマ爆弾ぶち落とされたんだお？
|　 　 u. 　　　　 　（__ﾉ､_）
＼　 　　 　　　　 　｀_⌒　　　　　　　どうしてそんな思考になれるんだお。
／　　　　　　　　　　　＼

4279： ◆x0SRSoJXe.：2021/07/07(水) 20:23:40 ID:7AUshoCU0

　　　　　　　　　　　　　 -‐━━=ミ
　　　　　　　　　 /⌒:^.: : : : : : : : : ::＞
　　　　　　　_.-=ミ: : : : ＼: : : : : : : : :V: `.
　　 　 　 .ｨ: : : : 7:〉 :∧: : :V: : : : : : :〈/: /〉:.
　　　　 /: : : : : :|/ | : :|:V: : :i : :| : : : : V〉: : ﾊ
.　　　 /: : : : : : :|i　!::斗-V: :|ー|‐|:-|: ::|:|i: : : |i
　　　 ′l: : |i :|i |i_,.ｨﾃﾃﾐ : : |N|ｨテﾐN: |:|i: : : |i
　　　{　｜:::|i :|i |i　 r勿,　|:N　 r勿ﾉ !::|:|5!: : : .
.　 　 　 从::|i: |i |i:　^¨¨　　i　　　 　 」::|:|,ﾉ: ;小:.　　　　　　　 君のように企業連に蔑ろにされてきた人もおる。
.　　　　　　〕: :|i |N」　　　 ,　　、　　.: /|:| : /: : :|i
　　　　　　　　|i ||:|:i＞　　　　 　 .ｨ :/::」:/〈: : : 八　　　　　　　 けど、ここにいる人々は、大半が企業連に守られてきた人や。
　　　　　　　　|i ||:|:|///〕ﾆ=-　　 | l: : :/　 V⌒V:＼
　　　　　　　　|i7⌒V|　V寸ﾆﾆ才　!: /　　　＼_,V⌒ :、　　　　 ましてや若い世代に至っては、生まれた頃から企業連の庇護を受け、
. 　 　 　 _　--厶ヘ V　 V /⌒丶　| {　 　 -=ﾐ,V{　　,ハ
　　　　 〈,　　 / 　 　 V　V^V__/^V　|/　/　 　 ＼　/　　　　　　 企業連を信じる教育を施されてきたんや。
　　　　/∧　/　　　　 }.　 }i /　Vi{　 」　/　 ______　/　　 __
.　　　 {　　V　 　 　 ,リ,　　}i　　 i{　 }i,　 ／　 　 |ー━=ﾐ」　　　　 企業連に恭順することと、平和っちうんは、彼らにとって同じなんよ。
　 　 r」　　⌒ー‐―(￣￣〉ﾑ　 /| 　i|／　　　　｜　 　 _.」Ｌ
　 　 |⌒ー}　　　　 /　 　 ＼ V　　 /　　＼　 　_|　　ー=ミ__ )
　 　 |　　 ﾉ　　　 ,/　　 　 　 ＼　./　　 f/―‐┐＿__　　　}　＼
　　 ∧__(___　　_/　　　　　　　　＼　　 /　￣￣〉　乙...
　　　　/　　　/八　　　　　　　_ji斗〜'へ　￣￣| 　 」(
　/　 /　　　/￣,.. ．-‐　'''""~ 　 　 　 　 .V　 rﾉ.　　　＼





　　　　__ ／: : : : : : : : : : : : : : : : : ､
　　 ／: : : : : :_: : : : : : : 丶: : : : : : : 丶
　 /: : : : : l:l: : : :ヾ: : :＼: : :丶 : : : : : : ヽ
／: : : : : /: l: l: : : l: : : : :＼: : :ヽ: : : : : : l
: : :/: : /l⌒l: :､: : :ll: : : : : : : : : :ヽ: : : : : l
7: : : :/: l　/:/ゞ: : :l＼: : : : : : : : :l: : : : : ヽ
: : : ｌ:l: l_ゞ ｌ:l　 ＼: :ゝ-＼ : : : : : l: : : : : : :
: : :/l: :l 辷ｌ:l　 ￣辷､:＼_): : : : :/: : : : : : :　　　　　生まれきっての感覚ってやつは、そうそう変わらないのさ。
ゞ:乂 : l　/ヾ､　　　￣__ノ: : : : / ＼: : : : :
　　　):∨　　 丶　　　／: : :／ノ ／: : /　　　　　　 全員が全員じゃなかったがね。あの爆撃で企業連に見切りをつけた奴らもいる。
　　乂: ｨヽ　　　　　　ﾊ/ｌ:/ x-イ: : : : ゝ､_
　　　 _ノ:ヽ‐-　_ 　 　 　 ／　l: : : : l: : :ﾆ=　　　　　 だが、残りはそうじゃなかった。奴さんら、元警備兵を先頭にCDCまで押し掛けたんだ。
ゞ=ﾆ三: :_ﾊ 　　　 　,　　　 彡: : : : l : :ヽ
　 7:/,＜　 〉-　-　´　__ -=ﾆ- l: : : : :)　　　　　　　　厄介なことに、支給品のライフルも携えた状態でな。
　 ゞ-l　l　 从l二二二f丶　　 /: : :／ゞ
---./　,l　 彡〉二二ﾆ.l　 l ゝﾆ: :／ 　 〉、　　　　　　 おかげで死ぬとこだったぜ。だから俺は現状を話すなと言ったんだ。
─,/ ／ ｌ ／二二二ﾆl　 l /: ／　　／ l
　 ／　ｌ l/二二二ﾆ／　 ゝ:/ 　 ／　 /
　　　　l/二二二ﾆl　　 ／ヽ ／





　　　　　　　　　_ノ: : : : 彡: : : : : :`ー-　、
　　　　　　　.／: : : : : : : : : : : : : /: : : : : :＼
　　　　　　 /: : : : : :.:/: : : : ／: :Y: : : : : : : : :ヽ
　　　　　　 ): : : __: :/: : :,／: : : :从: : : ヽ: : : : }
　　　　　 ./: , -'_ノ: : : :/: : : :／⌒ｱ: : : }: : : : }
　　　　　〈／／_〈: :／｛: : : :.}　　ハ: : : : : : : :,′
　　　　　.'　/　/: :V__ 〈: : : :/　 ＿_∨: : : : :/
　　　　　| /　/-- ､茫ﾄ.〉: /=≦茫ﾃ }: : : :/(　　　　　　　　　　　　　　　　　嘘も方便というがね、方便となるのはバレない嘘だけだ。
　　　　　|,′´ ,へ_｝￣ {ﾊ{　`ｰ　　 ,八: ,ｲ}: }―､――――　 ､
　　　　　( 　 ノ ,_　〉　　..:; 　　　 　 },／_ノ:./::::::∧　　　　　 　 ∨　　　　　　隠し通せない嘘は火種になるだけだ。
　　　　　 ヽ　　ゝｲ:,　　, ,ヽ , , ,　　　 /: ／:::::::::: ∧、　 　 　 |::::∨
　　　_､‐''゛ ヽ　　 ＼､{ - -- - ､}　 ｨ(},/::::::::::::::::::/::::.　　　　 |::::: ∨　　　　　　そういった点では、私は彼らの判断を評価している。
_､‐''゛ ／: : :.∧　　　 ヽ ,ﾉ;,,　 , , メ:i:i:i:∧::::::::::::::/:::::::|　 　 　 !::::::|　,
　 　 /＼__, --〉　　　　〉ー‐=≦:i:i:}:i:i:i}　,::::::::::/::::::::::| . 　 　 |:::::::| ｜
　 　 |::::::::/ー !　 　 　 |、: ＼:i:i:i:i:i:}:i:i:i}　∨:::::|::::::::::::|　　　　|:::::::|　乂
　 　 |:::::/: : :./｀丶、＿| ＼: :.∨i:i: }:i: ﾘ　｜:::/:::::::::::/　　　 /::::::/ 　　 ヽ
　 　 |: /: : :./　　　　　 ｱﾄ-＼:∨i:i:i: /　　|::/:::::::::::/　　　 /::::::/／::::::...　∨
　　 ／:::|／　　　 　 ／::::::::／　＼:i:/ . 　 |"::::::::::::|　　　 /::::::/:::::::::::::::::ヽ ∨

4280： ◆x0SRSoJXe.：2021/07/07(水) 20:30:36 ID:7AUshoCU0

　　　　　　 　 　 |.:.:.::.:.:.:.::.:::|:::::::j::::::::::l::::::::::::::.:.::::j::::l|:::|:::|:.:.:::.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:|
　　　 　 　 　 　 |.:.:::.:.:.:.::.::::|:::::/|:l:::::::j::::::::::::::::::::/::::ﾊ::|:::|:.:.:::.:.:.:.::.::.:|.:.::.:|
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　　　　　　　　　|.:.:.:::.:.:.:::::::::|/―l |:|‐l::ｲ:::::::::/'//―/‐リ::::::.:.:.:.:::::::|::::::|::l
　　　　　　　 　 |.:|::::::.:.:::::l:::ｲ<'Tｱﾘﾌ' /::::／ /´<'Tﾗﾜｱ::::::.:.:.:.::::::::l:::::::ﾄ､'､
　　　　　　　　 j.::l::::::::::::::::ﾄ::l　｀￣´　'´　　　　　｀￣´/:::::::::::::::::::ﾊ::ﾄ､::l　ヽ
　　　　　　　　/:ハ:|::l::::::::::|ﾄ､　　　　　}　　　　　　　.//:::::::::::::::::/|:|＼l｀`　　　　　　　……そこの男が、私を庇って撃たれた。
　　　　　　　 /'　　lﾄ､l:::::::;:ﾘヽ　　　 　丶　 　 　 　 /ｲ::/:::::::/::/:|::|::::::ﾄ
　　　　　　 　 　 　 ヽヽ､::ヽl:|::＼　　 　　　　　　 　 /:/:::::::/:::ﾘ:::|:::|::::::|　　　　　　　　 幸い、急所は外れたが……私たちはあと一歩で、
　　　　　　　　　　 　 　 j＼ヽ:::::::｀:.､　 ￣￣｀　 　 /ｲ:::;ｲ⌒ ﾒ､::|:::|::::::|
　　, ﾍ　　　　　　　　　 j::::|j.:.::::::/:::;:ｨl丶　　　 . イ/　'´,::l⌒f　||::|:::|::::::|　　　　　　　　 重要な防衛戦力の隊長を失うところだったんだ。
　/l　|:l　　　　　　　　 /:::::ﾘ.:.:.::y.:'.:/:::l 　｀　´　 　 ／:::::j⌒j|　||:＼:l:::::::|
/.::|　|::.l　　　　　_, 　 -‐'./.:.:.::/.::.:/:::::::＼ _,,...-::'´::::::::::/⌒.||　||:::.::.｀::.:.､|
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　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｘ‐＝ミ ＿＿＿
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ｘ‐＝ミ.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀::..
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　　　 　 　 　 　 　 　 八ｲ.:.:.{.:.ハ| 　 .|.:.| 　_＼:.:.:.:.:＼.:.:.:八＼{＿ノ
　　　　　　　　 　 　 个.:.:|.{.:.:.:{えﾄxヽ |.:.| ´Ｚrたｱ‐=彡.:.:.:.:.} ーイ
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　　　　　　　 　 　 　 乂.:/:乂_ 　 　 | 乂:､　 　ｰ=彡.:.:/／.:.:.:.:／　　　　　　　フン……。
　　　　　　　　　　　　　 {.::ハ∧　　〈　 _　＼　　ｰ=彡ｲ.:./. イ
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　　　　　　　　　　　　 　 r┤: : : : : :Ol!　　 　 |::|　　|.:.:(: : : : : //
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4281： ◆x0SRSoJXe.：2021/07/07(水) 20:30:48 ID:7AUshoCU0

　　　　　　　　 ＿＿　　　　　　　　＿＿　　　　　　　,x≦ ヽ
　　　　 　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ 　 ,x≦:.:.:.:.:.:.:.≧ｭ､　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
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　　　′　 l:.:/i:.:.:.:. i:.:.:.:.:.:. |:. : |＿|:. |:.: : |＿|:.:.}:.:.:.:.:.i:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　　　 　 |: { |:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|斗: ´|:.:.:|:.:.|:.:.:´!:.:.:|｀ ヽ:.: : }|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　ノーマル隊の皆のおかげで、なんとか鎮圧できたけど……
　　　　　　Ⅳ {:.:.:.:.:.::.:.:.:.|:.:|:. : |:.:.:|:.:.|:.: : |: : |:.:.:}:.:.:.:/:|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　　　 .::.:.:.:.ヽ:.:.: ゝ===‐'| /|:／ゞ==７:.:.:.:ｲ　!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　　　流れ弾や取っ組み合いで市民、部隊員の双方に死傷者が出た。
　　　　　　　　　ﾏ:.:lヽト:.､ヽ　　　|′,　　 　 /:／:. |　|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　　　 　 ﾏ{　|:.:.:.:|ヽ、　　 r　ｭ　　 ／}:.:.: !　|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　 みんな、落ち着いてるわけじゃないの。
　　　　　　　　 　 　ヽ ヽ:. !　　 ト　　　　 イ､　i:.:. / ｜:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　　　　　　＿__ゝ{-,/| ＼＞＜ ／} ヽ|／、 :|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　　疲れ切って、取り乱すこともできないだけ。
　　　　 　 r‐‐=ﾆ二::::::::::::::/　|　　 〉r〈　　 i　‘，:::::::::::≧ｭ､:.:.:.:.: |
　　　　　/::::::}:::::::::::::::::::::_/　　|　 /{≠{∨　|　　.::::::::::::::::::::::::: ７､:!
　 　 　 /:::::::::ｉ ‐=ﾆ　　 《　　 :|／ //l l ∨/l　　 }ﾆ=‐::::::::::::: /:: }|
　　　 /ヽヽ:: ∧　,　　　　ヽ__/ l　 ｀__Ll　 ′≪　　　　　｀　/:::::::i__
　　 .:　 //:: /　∨　　 　 〈　 　 l〃:::::::::ヽ,'　 　 7　　　　l　/ ',::::{{　ヽ
　　 {_ノノ:::/　 /　　 　 　 ∨ 　:l:::::::::::::::::,'　 　 /　　　　 l:/ 　 ',::ゝ',　',





　　　　 　＿＿＿_
　　　　／　 ノ　 ヽ＼
　　 ／ 　（○）}liil{（○）
　／　　　　　（__人__） ヽ　　　　……やる夫が思っていたよりも、状況は悪そうですお。
　|　　　　　　　|!!il|l| 　　|
　＼　 　 　 　 lｪｪｪl　／
　　/　　　　　　　　　ヽ
　 しヽ　　　　　　　 ﾄ､ﾉ
　　　 |　　　 __　 　 |
　　　 !___ノ´　 ヽ__丿

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
黛が不甲斐なさや罪悪感が綯交ぜになった表情で目を伏せ、
ニールも面白くなさそうに鼻を鳴らしてそっぽを向く。

あの時は散々だった、と間も遠い目をしてぼやいていた。
それもそうだろう、彼に関しては鎮圧にあたったノーマル乗りと同じく、
ある意味で最前線にいた人物だ。

頭が痛くなってくる。企業連からの追撃ばかり心配していたが、
ここまで内情が切羽詰まっているとは。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4282： ◆x0SRSoJXe.：2021/07/07(水) 20:31:11 ID:7AUshoCU0

　　　　　　　　　_ノ: : : : 彡: : : : : :`ー-　、
　　　　　　　.／: : : : : : : : : : : : : /: : : : : :＼
　　　　　　 /: : : : : :.:/: : : : ／: :Y: : : : : : : : :ヽ
　　　　　　 ): : : __: :/: : :,／: : : :从: : : ヽ: : : : }
　　　　　 ./: , -'_ノ: : : :/: : : :／⌒ｱ: : : }: : : : }
　　　　　〈／／_〈: :／｛: : : :.}　　ハ: : : : : : : :,′
　　　　　.'　/　/: :V__ 〈: : : :/　 ＿_∨: : : : :/　　　　　　　　　　　　　　　　備蓄物資があったおかげで、まだ食糧難などには陥っていない。
　　　　　| /　/-- ､茫ﾄ.〉: /=≦茫ﾃ }: : : :/(
　　　　　|,′´ ,へ_｝￣ {ﾊ{　`ｰ　　 ,八: ,ｲ}: }―､――――　 ､　　　　　　 が、時間の問題だ。計算ではあと四日でコーヒーも飲めなくなる。
　　　　　( 　 ノ ,_　〉　　..:; 　　　 　 },／_ノ:./::::::∧　　　　　 　 ∨
　　　　　 ヽ　　ゝｲ:,　　, ,ヽ , , ,　　　 /: ／:::::::::: ∧、　 　 　 |::::∨　　　　　生理用品や毛布、諸々の日用品も不足している。
　　　_､‐''゛ ヽ　　 ＼､{ - -- - ､}　 ｨ(},/::::::::::::::::::/::::.　　　　 |::::: ∨
_､‐''゛ ／: : :.∧　　　 ヽ ,ﾉ;,,　 , , メ:i:i:i:∧::::::::::::::/:::::::|　 　 　 !::::::|　,　　　　　市民たちの不安とストレスも爆発寸前だ。
　 　 /＼__, --〉　　　　〉ー‐=≦:i:i:}:i:i:i}　,::::::::::/::::::::::| . 　 　 |:::::::| ｜
　 　 |::::::::/ー !　 　 　 |、: ＼:i:i:i:i:i:}:i:i:i}　∨:::::|::::::::::::|　　　　|:::::::|　乂　　　　　いつ次の暴動が起きても不思議ではない。
　 　 |:::::/: : :./｀丶、＿| ＼: :.∨i:i: }:i: ﾘ　｜:::/:::::::::::/　　　 /::::::/ 　　 ヽ
　 　 |: /: : :./　　　　　 ｱﾄ-＼:∨i:i:i: /　　|::/:::::::::::/　　　 /::::::/／::::::...　∨
　　 ／:::|／　　　 　 ／::::::::／　＼:i:/ . 　 |"::::::::::::|　　　 /::::::/:::::::::::::::::ヽ ∨





/: : : : : : : : :,: : : : : : : : : :＼: : : : : : ミメ、
: : : : : : : : : {::＼: : : : : : : : : ＼: : : : : : :.:|
: /: : : : : : :/~^^ヾ; : }: : : : : : :.:.':, : : : : :.:|
/: : : : : : 从　　　 ）人: : :ヽ: : : :.|: :.､: : :.乂
: : : : : : : : : }.　　　´　 ＼: :!: : :,人: :}: : : : : ミ
: : : : : : : : : }三≧＝=ァ/ヽ}: :/三从: : : : : :.〉
}: : : : : : :,人{ _,ｚrﾋ岱＾　　人｛ 赱　ヽ: : ハ/　　　　　　　彼らに不足しているのは、それらに加え、希望だ。
: : : : : : : {　　` "´ ,..:'´　　　 ^∨~"　.ﾏ{
: : : : : : : 乂_　　 　 　 　 　 　 / 　 　 从　　　　　　　　　 このまま海底に隠れていても、見つかれば撃沈させられる。
乂: : : : : : : :.ヽ、　　　　　　　　　; ,　 {: :.',
:|　＼: : : : : : : :}　　　 ; ; ;　 , r‐ ｧ ;,　∨^　　　　　　　　　見つからずとも物資が底を突けば全員諸共餓死。
:≧s｡.⌒ヾ:从:.:!　　　　　／' ´こ　 .｝　∨
ヾ: : :.:＼__　 .}/　　　 {:.　　　　　＿＿_/＿＿_　　　　　　　抗おうにも相手は企業連、こちらはネクスト一機にノーマル部隊のみ。
　ヾ: : : : :{:',　　　　　 ゝ 　 　 　 |::::::::::::::::::::::::∧
　　{: : : 从 廴_　　　　　; ; ,　　 .∨::::::::::::::::::::::∧　　　　　　絶望しているのだ。だからヤケも起こす。
　　乂: : : :}　:::::::::≧=‐-.........＿,..入:::::::::::::::::::::::∧
　　　 }: : /! . 　 　 　 ＿＿__ 〈::::::::∨::::::::::::::::＞''"￣
￣￣￣　∧　 　,.ィi〔:;:;:;/;:/;:;∧::::::::|::::＞''"
　　　　　γ:;￣/:;:;:{;:;:;:/;:;:;:;:;:;: ∧＞''"
　　　　 ./;:;:;:;:/;:;:;:;:{;:;:;从;:;:;:;:;:;:;:/

4283： ◆x0SRSoJXe.：2021/07/07(水) 20:31:39 ID:7AUshoCU0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-‐―‐‐-
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ´ 　 　 　 　 　 　 　 ｀丶、
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／.:::::::::::::::::::::::::::::::......　　　 　 　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...　　 　 　 ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .′::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. .　　　 　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 _,ノ＾):::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :.
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 厂r‐　´）::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: : .　　　　ｉ
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　ﾉ/￣`つ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: : :.　　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〈　　　 '￣`つ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: : :.　 　 │
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ;　　　 〈::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: : :. 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｉ　　　　i:::::::::::::::::::::::::::::::/.:::::/.:::::::ｉ:: : : ｉ:. 　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｣　　　　|::|:/Ｖﾄ､:|i:::::::::∧:::/} ﾊ:::::|:: : : |:. 　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　＼　　 |::丁Т }ハ::::/┬v┬‐┐:|:: : : |:. 　　|
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ′　　＼　|i:i ￣　 　 ∨ └‐┘　小|:: : : |:. 　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｉ　　　　　V:八　　　　　 　 　 　 　 |:::::..: : |:. 　　|　　　　　　　　士気の低下に繋がるし、やることもないからって
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 厂i　　 　 　 〉:::::＼　　　　　 　 　 　 |:::::..: : |:. 　　|
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 / 　|　　　　 /∧ _,ノ＼　r‐　､　　　　 |:::::..: : |:. 　　|　　　　　　　　 掃除したけど……ひどかったんだから。
　　　　　　　　　　 　 　 　 / 　 ｣　　　　　　 〉|　 |　丶⌒ ＾-‐≦〔.:|:::::..: : |:. 　　|
　　　　　 　 　 　 　 　 　 .′　　　 　 　 　 /:::| 　|　　　厂三ｉ| 　 : |:::::..: : |:. 　　| ＼　　　　　　　壁も床も血で汚れてて……
　　　　　　　　 　 　 　 ,　　　　　 　 　 　 /::::::|　 |　　 ,　厂}」| 　 , |:::::::: : |:. 　　|　　＼
　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　 ／ }::::::|　 ﾄ＼/ /ｉ 　叭　/:ｉ|:::::::: 八　i|:八 　 　 ヽ　　　　
　　　　　 　 　 　 ／　　　　　　　　 ／　 ∧:::｛　│＼∧{ 　 }::∨/||::::: ∧　刈:. 　;
　　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　 ／|　　/ ∧:｛　│ 　　 }::ｰ'^ｖ′ ｌ|:::::,′〉　,ﾊ:　刈　　　ｉ
　　　 　 　 　 ′　　　　　 　 　 　 │　　　/ ＼　|　　　 }:::.... ′　 ｝ﾊ{. /∧　 ｝/　 　 　 |
　　　　　　　 ｉ　　　　　　　　　　　,ﾉ ,ﾊ　 〈　　　│　 　 {ﾆﾆ{　　　}′　　　〉　.′　　　　|
　　　　　 　 │　　　　　　　　　／／　}: 　 ＼ ／|　　　 |:::....ｉ　 　__ｉ ＼ ／　/　　　 　 　|
　　　　　　　 |　　　　　　　　／／　　　　　 ／　│　 　 |:::....|　　 Ｆ| 　 ＼　　　 　 　 　 :|
　　　　　　　 | 　 　 |;　　　 . イｉ　　　　　／　 　 :|　　　 |:::....|　　 |│　 　 ＼ 　 　 　 　 :|
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　　　　 ／　　　　　　 ,'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　　　　　　　　　　遺体を回収して袋に納めるのも、安置するのも骨が折れた。
　 　 ／ /　　　　　　､'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
　　'´ フ　　　　　　/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i　ﾉ/i /l　　　　　俺としては二度とごめんだね。というより……
　　 / /　　　　　/:::::::::::::::::::ﾊ:::/|::::ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::://:/　/　
　　Ⅶ　/　　　 ﾉ:::::::::::::::::i:/ .|/ .i < ﾚ´|:::::r-､::::::::::::::::/／/　　　　敵襲よりも、次に暴動が起きれば、今度こそ終わりだろ。
　　 / ｲ　　　 /ｲ::::::::::::::::ﾚ ニ三' ､￣ﾉ:::/ ｊ i::::::::::::::::::::::/／
　　 V |　/　 ,　 |:::::::::::::::|｀､´､ヱソ ./::::.i i} /::::::::::::::::::／ノ　　　　 我々は皆殺しか捕縛。市民たちは潜水艦を浮上させ、
　　　　|∧　 i　 |:::::::::::Ⅳ　 X　　　　{::::/　ノ:::::::::::::::::::彡　
　　　　V∧ .ﾊ　i:::::::ﾊ:i/　　　Ｘ　　　 Ｖ ノ /r―- --＜　　　　　　 企業連はそれを見つけて撃沈するだろうさ。
.　　　　　　Vハ ﾊ;:::|､Vヽ_＿ ,　X　　／／/::::::::::::::::::::::::::＼　
　　　　　 　 Xハ/ﾚ:::::::ヽ､　　　　 ＜／ゝ/::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　/:::::::::::::::::::::::::::::ト- イ/／ハ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
冷静さに見えたものは、消沈がそう錯覚させていただけだった。
事情を聴いた途端に、あの間の声の節々にすら、心身の疲労が見えた。

この場にいる誰もが、血色もくすみ、
目の下にはくまを作り、眉間には皺が刻み込まれている。
声もワントーン低く、呼吸すらも重々しい。

次に暴動が起これば終わり。敵襲よりもまずい。
まったく予想だにしていなかった事態に、思考が凍り付く。

希望、といわれたって、どうすればいいのか。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4284： ◆x0SRSoJXe.：2021/07/07(水) 20:38:37 ID:7AUshoCU0

　　　　　　　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:-――- -　、:＼
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　　 　 　 　 l:.ヽ:.:.:|:.:.:.:.:.:.|:.:.:匕:ﾁ |:.≠.ｌ/　　||,ｲう｡,/:.!:|:.:.:ヽ:.:.:.:ｉ　 ヽ　　　　　色々もあって、CDCに真壁さんも入ってもらうことにしたの。
　　 　 　 　 ヽ:.ヽ:.|:.:.:.:.:.メ´:||:.yﾋて个/　 　/ .{::::j."ｉ/|:|:.:.:.|.ｉ:.:.:.:|
　　　　　　　 ヽ:./=ヽ:.|:.:.:i:.:ｉ,ｲ7::::::ﾟ::|　　 　 　 b:y /:.l/:|ｉ:.:.ｉ .|:.:.:|　　　　　　　　市民の中で一番冷静だったし、こう、含蓄っていうのかな。
　　　　　　　　 ゝ　.个:.::.:ヽ|ヽ らﾂ少　　　　　￣　|:.:ｉ:.|||:.:|　|:.:|
　　　　　　　　　 ＼ .|:.:.:|＼＼. ゝ¨　 　 　 　 、　. |:.:.|:.| |:.|　 |:|　　　　　　　　　色々ためになることも言ってくれるし、
　　　　　　　　　　　 ヽ:.:.:|　　　　　 　 　 　 　 　 ｲ|:.:|:ﾍ/　 　|
　　　　　　　　　　　　 ヽ:.ヽ.　　　　　　　` ´　／:.:.|:/:.:.ﾍ　　　　　　　　　　　　　生存者たちの声も届けてくれるしね。
　 　 　 　 　 　 　 　 　 丶:.丶＞　、　　　　イ、:.:.:/:.:ヽ:.ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　 ＼ミ　　　 ` ≧´ 　 !＼:.:.:.:.丶:ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　,>.|ヽ　　 ＞＜ 　 /　.ｉ:`＞x.ヽ:ﾍ
　　　　　　　　　　　　 ,､r´:/ | >‐、´　　 　 /　　|::::::::::::::::::::｀ヽ 、
.　　　　　　 　 　 ,､r´:::::::/　 |/>-<＼ . 　 /　 　 |::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ 、
　　　　　　　,､r´::::::::::::/　　./└t┘　ヽ./　　 　 .ﾄ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ、
　　　　　／::::::::::::::::::/　　／|./ Ⅹ.ヽ　 ヽ　　 ＞┘　＼::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::|





/∧　／: : : : : : : : ／: : : : : : : : : :彡: : : : : : }ミ: : )
//∧': : : : /: : : : /: : : : : /: : : : : :}: : : : : : : :{: : : 乂
///∧: : :/: : : : /: : : : : /: : : : : :/: : : : : : : : 乂: : : : ヽ
////∧: {: : : : /: : : : : : : : : : : :/{: : : : : : : : : : : ヽ: : : }
/////∧: : : :/: : : : : : :{: : : : :,/ 乂＿: : : : : : ヽ: :}: : /
//////∧: : {: : : : : :.:.人: : : :.{∠三三ヽ: : : : : :ソ: : 乂
///////∧: {: : : : : : : : :.＼:.人　 ＜以 ヽ: : ／: : : : :ハ
////////∧乂: : : : : : : : : :ト､_＼　　..::　}／　`''＜.从/　　　　　まあ、私をこの場に置いているだけでも効果はあるだろう。
/////////∧　＼: : : :、: :人　⌒ 　　　　　　　　　/
//////////∧ 〈 　￣｀`ヾハ　　　　　　 　 　 　 /　　　　　　　　司令部に市民の声も反映されている、ということになる。
///////////∧ ゝ　　　　　　　　　　　　,,　 '' ''　)
////////////∧＿Y　　　　　　　　　　 r ／ 二)　　　　　　　　　そのうち、私自身が桜花残党の回し者と言われるかもしれんが……
///////////// |: :{ !　　　　　　　　　　〈　　　　|
///////////// |:从 !　,,　　　　　　　　 　 　 　 |　　　　　　　　　　今はまだ、絶望感ばかりで、疑心暗鬼には発展していない。
///////////// |:〈 今s｡.., ,, ,, 　　 ,,　　　　　　 |
///////////// |　　　　　　　 ｀゛¨ '' ‐-　...,, __人＿＿　　　　　　　私が市民から疑われだすのも、まだ先だろう。
///////////// |_,,..　-‐　'' "´:::::::::::::::::::::::::::::::::＼:i:i＼i:i｀`〜､、
///////////// |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:i:i＼i:i:i:i:i:i:丶
//////////////:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∨:i:i∨i:i:i:i:i:∧

4285： ◆x0SRSoJXe.：2021/07/07(水) 21:06:06 ID:7AUshoCU0

　　　 　 　 　 　 　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ＼
　　　　　　　　　　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾟ，
　　　　　　 　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : :
.　　　　　　　 　 :.:. : /:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:|: : }:. ﾄｲ}
　　　　　　　 　 {:.: : {:. ＿_|_:.:.:.:.:.__|＿iﾆi/| i
.　　　　 　 　 　 i:.: : i: : 芹ミ:.:.:.:.:斧ぅ/ / //
　　　 　 　 　 　 ﾟ，:. ヽ{込ｼ＼:.: 込ｼ〈/://
　　　　 　 　 　 　 。: 八　　　'　　 　八//
　　　 　 　 　 　 　 ﾟ，:.: へ　⌒　 イ /,ｨ　　　　　　　　　　　……で、や。三日間の間に話し合って、私たちは抗戦を選択した。
　　　　　 　 　 　 ‐=:＼{/ { ≧≦/}/ヽ ≧o｡、
　　　　 　 　 〈 ／:.:.:.:.:.:}: :.i ／ヽ∧ ｌ:.:.:.:.:.:‐=　7　　　　　　　降伏したいところやけど、受け入れてもらえへんやろからなぁ。
　　　 　 　 　 |:.＼:.:.:.:.:.i: : {　}:::{ :}: : !:.:.:.:.:.:.:.:./ |
　　　 　 　 　 |:.:.:./:.:.:.: {: : ﾍ_l__i:/: :/:.:.:.:.:. : /:.:.|　　　　　　　 第一の目標として、物資の確保と戦力の整備。
　　　 　 　 　 |:. / {‐=:.:＼: : ﾍ /: /:.: : =‐ / }:.:.|
　　　 　 　 　 | /: :i: : : : :.:.＼ ヽ /‐=: : : :.:}: :i:.:.|　　　　　　　　といっても、今はまだそれしか見据えられてへんけどな。
　　　 　 　 　 {/: : |: : : : : :〈:.＼l／: : : : : :/: :ヽﾍ
.　　　　　　　/: : : :ヽ: : : : : :＼_＼: : : : :./: : : /: :i
　　 　 　 　 /: : : :.:/ ヽ: : o: : : :.:oi: : : :/ }: : /: : :}
. 　 　 　 　 {: : : :.:〈__}: :＞＜ミｔ､: :!____:{ /　 r―: :ゝ
.　　　 　 　 i: : : : : :.:.:/／r-- __　ヽ}: : :.}￣: : : : :.:.|
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　　　　　　　 ‐=≦: : / : : : /------　　 ヽｧ---＜





　　　　　　　　　　　　　 -‐━━=ミ
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　　 　 　 .ｨ: : : : 7:〉 :∧: : :V: : : : : : :〈/: /〉:.
　　　　 /: : : : : :|/ | : :|:V: : :i : :| : : : : V〉: : ﾊ
.　　　 /: : : : : : :|i　!::斗-V: :|ー|‐|:-|: ::|:|i: : : |i
　　　 ′l: : |i :|i |i_,.ｨﾃﾃﾐ : : |N|ｨテﾐN: |:|i: : : |i
　　　{　｜:::|i :|i |i　 r勿,　|:N　 r勿ﾉ !::|:|5!: : : .　　　　　　　　　……堪忍な、やる夫君。私が巻き込んだばっかりに。
.　 　 　 从::|i: |i |i:　^¨¨　　i　　　 　 」::|:|,ﾉ: ;小:.
.　　　　　　〕: :|i |N」　　　 ,　　、　　.: /|:| : /: : :|i　　　　　　　　　本当なら君たちだけでも逃がすべきなんかもしれへん。
　　　　　　　　|i ||:|:i＞　　　　 　 .ｨ :/::」:/〈: : : 八
　　　　　　　　|i ||:|:|///〕ﾆ=-　　 | l: : :/　 V⌒V:＼　　　　　　　　けど……君に助けを求めるほかあらへんのや。
　　　　　　　　|i7⌒V|　V寸ﾆﾆ才　!: /　　　＼_,V⌒ :、
. 　 　 　 _　--厶ヘ V　 V /⌒丶　| {　 　 -=ﾐ,V{　　,ハ　　　　　　力、貸してや。
　　　　 〈,　　 / 　 　 V　V^V__/^V　|/　/　 　 ＼　/
　　　　/∧　/　　　　 }.　 }i /　Vi{　 」　/　 ______　/　　 __
.　　　 {　　V　 　 　 ,リ,　　}i　　 i{　 }i,　 ／　 　 |ー━=ﾐ」
　 　 r」　　⌒ー‐―(￣￣〉ﾑ　 /| 　i|／　　　　｜　 　 _.」Ｌ
　 　 |⌒ー}　　　　 /　 　 ＼ V　　 /　　＼　 　_|　　ー=ミ__ )
　 　 |　　 ﾉ　　　 ,/　　 　 　 ＼　./　　 f/―‐┐＿__　　　}　＼
　　 ∧__(___　　_/　　　　　　　　＼　　 /　￣￣〉　乙...
　　　　/　　　/八　　　　　　　_ji斗〜'へ　￣￣| 　 」(
　/　 /　　　/￣,.. ．-‐　'''""~ 　 　 　 　 .V　 rﾉ.　　　＼
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
はやてが席から立ちあがり、眉を八の字にしたままで謝罪の言葉を口にした。
罪悪感と無力感が滲む、居たたまれない姿だった。
あの明朗快活なはやてが、ここまで参ってしまっている。

事実、彼女の思いは計り知れない。
ネクストを失い、戦場に出る手段を失い、自分に託すしかない彼女の胸の内は。
彼女のような人物だからこそ、それは苦痛なのだろう。

下↓1　どう答えますか？
1．黙って首を縦に振る
2．笑顔で応じる
3．おどけてデートの続きを要求する
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4286：安価のやる夫だお：2021/07/07(水) 21:07:59 ID:of6x0Gxg0
2

4287：安価のやる夫だお：2021/07/07(水) 21:08:17 ID:ESdOvIfY0
3

4288： ◆x0SRSoJXe.：2021/07/07(水) 21:15:37 ID:7AUshoCU0

　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　　 　 ＼
　　　　　　　　　　 ／　　 ⌒　　 ⌒＼　　　　　　　気にするこたぁないですお。はやてさんがやるっていうなら、やる夫もやりますお。
　　　　　　　 　 ／　　　（ ●）　（ ●）ヽ
　 　 　 　 　 　 l　 　 　 ⌒（__人__）⌒　|　　　　　　　日頃の恩の返しどころってやつですお。
　　　　　　　 　 ＼　　　　　｀ ⌒´ 　 ／　ニッ
　　　　　　　 　 ／　　　　 　 　 　 　 ヽ





/　.: .: .: .: .: .: .:..i.: : .: Ⅵ.: V/∧i:i/i:i:i∧.: .: .: .: .: .: .: .: .: :
　 i .: .: .: .: ｉ.: .: .|.:i.: .: ! Ⅵ.:V.: .:V i:/i＼}.: .: .: .: .: .: .: .: .: }
　 |...: .: .: .: .: .: .:斗:-┼.ﾊ : }'，.: ∨＼i:ｉ}-､.: .: .: .: .: .: .: .:i
　 | .: .: .: : .:'，.: {八.: .{/　Ⅵ Ⅵ.: }: .: .: |/ }.: .: .: .: .: .: .: .:
　 | .: .: .: ｉ.: .:Ⅵ:i笊芋^ｱ　'， Ⅵ.:|: .: .: |i　, .: .: .: i.: .: .: .::
　 | .: .: .: | .: .: Ⅵ　Vﾘノ 　 }　 Ⅵ|: .: .: |//.: .: .: .:| .: .: .: :
　 |.:ｉ.: .: .:{ .: .: 八　 ´　 ///// Ⅵ: .: .: |/.: .: .: .: .ｉ .: .: .: :　　　　　　ありがとなぁ、やる夫君……ほんま、恩に着るで。
　 |:.|八.: ﾊ.: .〈　　　　 　 　 　 　 |: .: .: |､ .: .i : .: .: .: .: .: i
　 |:.{⌒Ⅵ∧ .: ､　 　_ ノ 　 　 　 |: .: .: | }.: .:|: .:..i.: .: .: .: {
　 |八　 Ⅵ.: :､.: .: .. 　 　 　 　 . : |.:ｉ: .: jハ.:∧.: .}.: .: .:|.:八
　　　 )　八.: .: ＼.: .:＼　　 ィ　 /|.:|.: ., 　 }'　 ∨八.: .ﾄ(⌒
　　　 　 ⌒＼(⌒＼.: .: 「.: .: .Vｨ j/|.:/　　　 ∠⌒　ヽ{⌒
　　　　　　　　 　 　 ヽ{八{^rく/}　 j/　　 ／⌒＼　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　⌒}//ﾊ　　　／　　　　 ＼　　　＼
　　　　　　　　　　　　 　 　 {__/　}　／　　　　/ _　⌒〕iト　　V/
　　　　　　　　　　　　　　　//ﾊ　|/　　　__ ∠ﾆ=- 　 　⌒〕iトV/

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唇の端を持ち上げて見せると、はやてはようやく堅い表情をほどき、目を細めた。
感謝と信頼の視線がむず痒くもある。

とにかく、今戦えるネクスト戦力は自分のマーシフルだけなのだ。

あの時、戦う力を手放さずにいて、心から良かったと思う。
自らのAMS適正に感謝さえしていた。力に感謝する日が来るとは思ってもみなかった。

だが、自分がネクストに乗れるからこそ守れるものが、今はある。
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4289： ◆x0SRSoJXe.：2021/07/07(水) 21:18:31 ID:7AUshoCU0

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　　　 rj幺　XzZr'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　厶 .〃 ｉ:.:.ｉ:.:ｉ:.:.:|:.:.|:.:|:.| ',:.:.ヽ斗‐下￣:. ｉ:.:.:.:.:ｉ:.:../|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
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　　　 弋z乏X｀': └┐　　Ll　　　　　　　　　　　々ﾉ _zﾉ　　..',:.:|',:.:.|:ヽ:',ヽ{::::j . 　 　 ヒzﾉ　 //:.:/ }｀ヽ/|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
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　　　　　　 ; |　　　　　 ／　　　　　　　　 ﾏｯ 〔_ﾉ『公ー､_. . .　　' ''　 　 .',:.:. |　ヽ、　 ,　＜　_〃´!ヽ- ､ |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
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　　　　　　　 〈　　　　r' /!　　　　　　　　　　　　 .Ｖ三三三三三三三三ＶＡヽ . 　,/ /_ ｉ　　　/　 　 .|::::::::::::::｀::ヽ::、 : |
　　　　　　　　∨　　/　Ll　　　　　　　　　　　 f´ .V　　　　　　　　　　　　VA,r::´/ |/≠ヽ　 /　　　 .ト､:::::::::::::::::::::::::｀ヽ
　　　　 　 　 　 }＿/　　　　　　　　　　　　　　 |＿ V　　　　　　　　　　　　VA:::/.　|/∧ヽ∨　　 　 /.　ヽ:::::::::::::::::／::::::
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会議室のモニターに世界地図が映し出される。
なのはは指示棒を取り出すと、とんとんと液晶をつついた。

「今回の作戦目標は旧ノルウェーエリア、北極圏に位置する
スヴァールバル諸島のオルデンブルク所有軍事基地、これの制圧。
基地の規模としては小規模だけど、この艦の物資を補うには十二分。
つい数日前に補給部隊が同エリアに入っていったのも把握済み」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4290： ◆x0SRSoJXe.：2021/07/07(水) 21:21:34 ID:7AUshoCU0

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::::::::::::::/:;ｲ:::::::::::::::::::::/::::::::::: /:;' ゞ芳ゞ､./:::／/::::::::::/:/:::;'
:::::::::::/;:':/::::::::::::::::::::;':::::::::::::/::;'　l!シfソ/／ ﾞ/:::::::／:/::::;'
::::::::/;:'::;':;'::::::::::::::::::;':::::::::::::;'|::l!　ヾ‐'"　´　 /::::;イ::::/:i:::;'　　　　　　　　そこを次の拠点とするのですか？
:::::/;:':::;':;'::::::::::::::::::;'i::::::::::::;' .!:l　　 ｀　 　 ∠::'":/:／::::! !
／":::::l;':!::::::::::::::::::{.!::::::::::;'　.!l　　　　　　 　',:::/'":::::}:::!:l　　　　　　　　　「いえ、物資の奪取後は放棄します」
:::::::::::::|!:|::::::::::::::::::i !:::::::::i!　 |!　　　 　 　 　 ',:::::::::: ;'::;';:!
:::::::::::::::: ＼::::::::::: i |:::::::::i! 　.!　　　　　　　　 ', ::::: ;':/ l:|
::::::::::::::::::::::i＼:::::::| |:::::::::|　　　　　　　　r‐''"´::::: //　.!l
::::::::::::::::::::: !:::::＼:| |:::::::::|　　　 ヽ￣ ,ゝ'::::/!:::::: //　　|!
::::::::::::::::::::: |::::::::::｀, ＼::::|　　 　 　｀ﾉ:::::::://:::::://　 　 !
:::::::::::::::::::::::l＼::::::::',、 ヾj　　　　/´ ヾ;:://:::::://
:::::::::::::::::::::::l:::::ヽ::::::'.,ﾞ'　、　 　 /　　　｀/:::;ィﾞ/
:::::::::::::::::::::: ﾄ、:::::ヽ::::'.,　 ｀　‐'　 　 　 .}／ i/
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　　　　__ ／: : : : : : : : : : : : : : : : : ､
　　 ／: : : : : :_: : : : : : : 丶: : : : : : : 丶
　 /: : : : : l:l: : : :ヾ: : :＼: : :丶 : : : : : : ヽ
／: : : : : /: l: l: : : l: : : : :＼: : :ヽ: : : : : : l
: : :/: : /l⌒l: :､: : :ll: : : : : : : : : :ヽ: : : : : l
7: : : :/: l　/:/ゞ: : :l＼: : : : : : : : :l: : : : : ヽ　　　　　　潜水、移動できる拠点の方が都合がいい。基地に居を構えたら包囲される。
: : : ｌ:l: l_ゞ ｌ:l　 ＼: :ゝ-＼ : : : : : l: : : : : : :
: : :/l: :l 辷ｌ:l　 ￣辷､:＼_): : : : :/: : : : : : :　　　　　　　第一、俺達には企業連の大部隊相手に、小さい基地を防衛できるだけの
ゞ:乂 : l　/ヾ､　　　￣__ノ: : : : / ＼: : : : :
　　　):∨　　 丶　　　／: : :／ノ ／: : /　　　　　　　　　戦力はねえ。守るより逃げ回ることを重点に置いた方がいい。
　　乂: ｨヽ　　　　　　ﾊ/ｌ:/ x-イ: : : : ゝ､_
　　　 _ノ:ヽ‐-　_ 　 　 　 ／　l: : : : l: : :ﾆ=　　　　　　　　そうだろ、英雄さんよ。
ゞ=ﾆ三: :_ﾊ 　　　 　,　　　 彡: : : : l : :ヽ
　 7:/,＜　 〉-　-　´　__ -=ﾆ- l: : : : :)
　 ゞ-l　l　 从l二二二f丶　　 /: : :／ゞ
---./　,l　 彡〉二二ﾆ.l　 l ゝﾆ: :／ 　 〉、
─,/ ／ ｌ ／二二二ﾆl　 l /: ／　　／ l
　 ／　ｌ l/二二二ﾆ／　 ゝ:/ 　 ／　 /
　　　　l/二二二ﾆl　　 ／ヽ ／

4291： ◆x0SRSoJXe.：2021/07/07(水) 21:23:13 ID:7AUshoCU0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,:'⌒ヽ:ヽ:.:.:.:._:_ヽ
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／.:.:.:/.:.:.:.:.:い:.!':´:.:.:.:.:.:｀ヽ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /.:.:.:,:'.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,:'.:.:.:.:.:.:}:.:.:.:.:.:.}､:!ﾚ'⌒ヽ:.:.:.:.:.:l、
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　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼、_ノ_:.≫‐=ﾆ´.:.:.:.:.:!:.:.|:/ ﾍ弌芹ミ. ､!:.:ぃ　　　　 _厶:.:.|:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　 　 ＼ー=ミ二´:_:.ノｲ:.:.:.:.:.:.:|:.:.:!|　 ﾐ､_ヾ=ﾞ´ヽ!:.:.V ／ , イ=ﾆﾕ:.l:.|:.:.:.:.l:.:.:./
　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀￣／.:.:.:.:{ Ｖ!:.:.:.:l:.:.:l､:.:ヽ 　 　 ￣｀ 　＼{´ 　 ト弋t_卞:l/.:.!:.:.:!:.:,′
　　　　　　　　　　　　　　　/.:.:|:.:.:.:.:ヽ ヽ:.:.:|:.:.:!ヘ:.:_`ﾆ=-　　　　　｀　　 |　　￣}:./.:./.:.:.:}:.{
　　　　　　　　　　 　 　 　 {:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:＼＼!、:ヽ､　　　　　　 　 　 　 　 {　`ﾆ彡'.:.:/.:.:.:厶_`ﾆ=-　　　　　　しかし、いい場所に目を付けたな。
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼:.:.:｀:､:.:.:.:.:!:.T^l` ｰ-`=-　　　　　　　　　　ヽ　 ｀７∠:.:-く
　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:.:.|:.:{:.:.:V:|　ヽ　　　　　　　　　　　-　 ／　　/.:.:.|ヽ:.:.:.}　　　　　　　　　　　この規模の基地なら、防衛戦力も
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 }/.:小、:.ヾ､_厶　　　　　､__　　　　　´　　／/.:./　 }:./
　　　　　　　　　 　 　 　 {､_　 _,ノ:./.:.}:.:｀ト-‐ '´ ＼　　 　 ｀￢ﾆ＝‐-　 ,.:.:.:/／　 ノ'　　　　　　　　　　　　　大したこたあねえだろ。
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾐ=─-.:厶:┴‐'- ､_　 　 　ヽ　　　　 ─-　　 ｲ:.:|:{´　　　　　
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 `￢ｧ{￣￣￣¨ 　ﾆ二ミ ､　＼　　　　　 ∧:.l:.:.ヾ､_ _,ノ　　　　　　　　　　　　　　　取るもん取ってトンズラだな。
　　　　　　　　　　　　　　　　　{:.|　　　　 　 　 　 　 ヽヽ_ ｀丶 __　.ｲ:.:.}:.トミ=-‐'´
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 V　　　　　　　　　 〔_] | l　￣丁厂}:|:.:.:.::j｀ 　ミ　､_
　　　　　　　　　 　 　 　 　 _ノ´＼　､＿ 　 　 　 　 　 | l　　 j j　 j:.:.:.:.:.{　　　　｀　二ヽ
───────　￢'¨￣　＼　 ヽ　 ｀¨下‐- ､_ 〔.] | |　　| {　∧:.:ヽ:.廴_　_,　　 　 |｜
　　　　　　 　 　 ＿__　 -＜¨￣｀丶　　 ＼| {`￢‐- ﾆ._」 　 } }　{:.:.:ヾﾆ｀-‐'´　　　　 |｜
￢冖､¨´￣￣￣　　　 　 　 ヽ　　　 丶､　 ヽ'､　　　　　　　{ {　ハ:.:.:.:.:.ヽ　　＿　　　} |
　　＼ヽ　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 丶､ヽ＼ ＼､＿＿j_Ｌﾑ　>､:.:.:.:.:}　 | トミ二_厶_
　　　　 }　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼ヽ＼　　　￣} [_／　 ヽ:.:ﾉ 　ヽ＼_　　　　｀　‐-､_

4292： ◆x0SRSoJXe.：2021/07/07(水) 21:28:53 ID:7AUshoCU0

　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 , -----　、
　　 　 　 , -‐‐‐ ､, ＜´￣￣:.｀:.ヽく:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ、
　　　 ／--=:.ァ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ、＼:.:＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ｉ
　　 ／／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.ヽ:.:.ヽ:.:|',:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　 　 /:.:.:.:.:.:.:l:.:.|:.|:.|:!:.:.:.:ヽ:.:.ヽ:.:.:.ヽ:.:ヽ|:.ｉ:.:.:.:.:.:.: : |
　　 ,':.:.:.:/:.:|:|:.:.|:.|:.|:.',:.:.:.:',ヽ斗---ｉ､:.:ｉ:./:}:.:.:.:.:.:.:.:|
　　 ｉ:.:.:/:.:. |:.:',:.:ゝ--＼:.:.|　,示气､.|:.:.}:ｌ_||:.:.:.:.:.:.: |
　　 .',:.:ｉ.{:.:.:|:.:.ヽ:〃沁､ ヾ､.　{:::::Ⅳ|:./:|ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　',:.| ',:.:.|＼:ヽ｀.',:::j　　 　 .ゞソ 〃:|/:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　　　　　　確認されているのはSI製ノーマル部隊が数個小隊、
. 　 　 ﾘ　ヽ|　 ヽヽ._ゞ′,　　　　 /|:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　　 　 　 |　　 |:.:ト、　　_　　　／:.:/|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　　　 MT部隊、地対空ミサイル搭載車、高射砲搭載車。
　　　　　　　　　 |ヽヽ＞ 　_ ∠　//| .!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　 　 　 　 r‐‐｀ヽ-.／|ヽ ／　/.| ､:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　　　　　　 艦載機部隊の偵察の後、ディランディ少尉、黛中尉の両隊で
　　　　　　　　 |:::::::::::<´　 .| /.|　 /　.ヽ::::｀::ヽ 、:.|
　　 　 　 　 　_|:::::,-- ＞.‐Ⅳ/.Ⅸ|　＞｀::::::::::::::::::｀ヽ　　　　　　　 敵基地を制圧。マーシフルは艦上空から支援砲撃。
　　　　 　 　 { |:::/　 |　　 |｀:ヽ/　ヽ- ｀ヽ、:::::::::::__./
　　　　_　　 .{ |::/!　　|　　|::::/　　 ／ .|　 /ｌ::::〃　 }　　　　　　　　強襲部隊援護と艦の防衛を担当。
　　　 | |＞ ､7／　　　i!　.|:/　＞´　 　 |/　.|::{{　　 ,'
　　 　.|.|　　./　　　 　 .ヽ|／　　＝＝ .|　　 |::｀ - ′
　　　　|.| 　.{　　　　　　0ゝ　　　　　　 |／　 |::/:. |
　　　r､r､　 ', . 　 　 　 /　 　 　 　 　 |/　　 .|/: . |
　　　ゝ｀￣ヽヽ､＿＿ .ｉ　　 　 　 　 ./ 　 /　/:.: . |
　　　 }　 　 /｀ ヾ- __ ﾟ{- ､ ＿＿__ / ／　　,′:.:.:|
　　　ヽ、　,′　　//　｀　ヽ-- __ rﾆﾆ--　 /:.:.:.:.: |
　　　.{ヽヽｉ　　　 ｉ.ｉ　　　　　　　　 ヽ＼　 /:.:.:.:.:.: |
　　　.rヽ-└t- _.|_|　　　　　　　　　　ヽ /:.:.:.:.:.:.:. |
　　　.ト､｀_コ/_| |‐‐￣-ニニ---　､　　/:.:.:.:.:.:.:.:. |
　　　 ｀ヽT/　 ｀ ヽ---┘--_| |--- ｀ヒ:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　 /､　　　　/::| . 　 　｀　 　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　　 　 /::::::＼　 /:::::|　　　　 __ -::´∧:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　　　./::::::::::::::::｀::::::::L::--::´:::::::::::::::::∧:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',:.:.:.:.:.:.:.!
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　　　　　　　',　　　　　　　 /|　　　　　/|
　　　　　　　 ﾄ、　　　　／　.|ヽ--- ´. ,′
　　　　 　. 　 ', ｀ヽ-- ´　 　.| 　 　 　 ,′

4293： ◆x0SRSoJXe.：2021/07/07(水) 21:33:15 ID:7AUshoCU0

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼　　　　　　やる夫が後詰かお……慣れないけど、従いますお。
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　妥当な判断だとも思うし。
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／





　　　　　　　　　　　　 　 　 　 | :: |::::::::::::::::::::::::|/:::::::/:::::::::::/::::::::::::::}:|:::::::::::::|:::::::::::::'.,
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 | :: |:|:::::::::::::::::::: !:::::::/::::::::::;ｲ::;ｲ::::::::/::|:::::i:::::::|::::::::::::::::'.,
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 | :: |:|:::::::::::::::::::::|:::::/::::::::／/://::::::/::|:ﾄ､::|::::: !:::::::::::::::::::〉
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 | :: |:|:::::::::::::::i:::::!_:/＿／ ./://:::::;ｲ::/::! !::ﾄ､:::|::::::::::::::::::;
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /::::::|:!:::::::::::::::|::::|:/!:∠｀ﾞメ'"/:::／//_|:|_|_:| |:: !::::::::::::::::;
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /:::::::/:| :::::::::::: |::イだ芳ﾄ､　/／　//,__ﾚ'_ﾚ'｀|::/:::::::::::::::;
　　　　　　　　　　 　 　 　 /::: ／;ｨ|i ::::::::::: |!::｀乂zソ　 '" 　／'ｲだ芳ﾄ､ ｌ/::::::::::::::::;
　　　　　　　　　　　　　 ／'／"´::::|l ::::::::::: |!::ﾄ､　　　　　　　　　乂zソ "/ :::::: i:::::::;　　　　　　　　マーシフルが艦から離れれば、
　　　　　　　　　 　 　 　 　 /／/:: |l ::::::::::: ||::|｀＼ 　 　 　 　 　 　 　 ,ィ"::::::::: |::|!:;
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／ ./"i:::!l::::::::::::::|.!:|　　　 　 　 '　　 　 　 ´/|::::::::::::::|::|l:;　　　　　　　　　艦を奇襲から守れなくなる。
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |: |l::::::::::::::|.|:l 、　　　` ‐ -　 　 　 ,ｲ-!::::::::::::/::ﾊi
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /:::|ヾ:::::::::::| !!::|＼　　　 　 　 　 ／:::{-|::::::::::/::/　';　　　　　　　　　ネクスト機に基地制圧を行わせても、
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /:::::::::::｀i''=z| |!:,|　 `　、　　　,　":::::::::{-|:::::: /::/ 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::::::::::::::|:::::|イ´il≧ｭ､　` ‐ " /::::::::::::::|''|:::::/::/　　　　　　　　　　　　コジマ汚染で物資が使えなくなる。
　　　　　　,､　　　　 　 　 　 /::::::::::::__,ｨ|:::::|:.',ilililililililil≧ｭ、 /il'.,、:::::: |::ヾ/ﾚ'
　　 　 　 /: :＼　 　 　 　 ∠ -=''"´:/:..|:::::|: :',ilililililililililili／＼iliｌ'.,≧z|::::::||　　 　 　 　 　 ,.､　　　　　合理的なプランですね。
　　　 　 ,': : : : :＼-= ''"´: : : : : : : :/: : |:::::|: : ',ililililililil／　 　 '.,ilil}',: :.|::::::|≧ｭ 、　　　 ／::::',
　　　　 ,': : : : : : : ＼: : : : : : : : : : /: :. :|:::::|: : : '.,ilili／＼　　　 |ヾ}il',: !::::::!:.＼: : :｀≧ｭ ､::::::: ',
　　　　,' : : : : : : : : : ＼: : : : : : : /: : : :.|:::::|: : : : :＼ilililililヽ-=-{ililililil',|::::::|: : : ＼: : : : : :|ヽ::::::',





　　　　　 　 　 　 　 /:.:.:. /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾟ。:.:.:.:ﾟ。
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.　　　　　　　 　 |:/{ /: : {:. ｜: ,x斧ミｔ､＼:.:.:.:.ｌ,ｨ斧ミｔ､ }:. //∧〉:ｉ
.　　　　　　　 　 |! :i/:.: : ﾟ:.:. {〃んゝう　　 ＼/んゝう:ﾏ i / ¨:.:.:.:} l　　　　　　　プライマルアーマーとOBを使用しなけりゃええ話やけど、
　　　　　　 　 　 　 |:.:.:. : ﾟ。:.:ゝにJ刈 　 　 　:にJ刈 / /:.:.:.:.:.:.:./
　　　　　　　　　　　!:.:.:.:.:.:.ﾟ，ﾟ.　V^)ツ　　　 　 V^)ツ/ /:.:.:.:.:.:.:./　　　　　　　　たった一機のネクストにリスキーな真似はさせとうない。
　　　　　　　　　　　ﾟ，:.:.:.:.:.:＼{　 　 　 　､　　 　 　 〈:/:.:.:.:.:. : /
　　　　　　　　　　　　。:.:.:.: : 八　　　　 - - 　 　 　 八:.:.:.:.:.:./　　　　　　　　　　何かあったらノーマル部隊は艦まで退却、
　　　　　　　　　　　　 ﾟ，:.:.:.:.:.:.{＼　　 　 　 　 　 ／/:.:.:.:.:.: /
　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾟ，:.:.:.:. i {/:l＞　　 　 ＜l:.: /:.:.:.:.:.:.:/　　　　　　　　　　　　マーシフルに守らせつつ撤退って算段や。
　　　 　 　 　 　 　 　 　 ‘，:.:{:.:ﾘ/ ＼　　¨　　／}/:.:.:.:.: ／
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼:i/: :{　　＼____／　:/:.: : ∠
.　　　　　　 　 　 　 ‐=　　　 ∧: :i　 　 /: : ∨ :/:. ／|　　 ≧o｡、
　　 　 　 　 ‐=ﾆ　　　　ﾆ=‐ {: : :.{:　　/::::::::::∨／/: :.!‐=ﾆ　　　　≧o｡、
　 　 　 　 /　 ﾆ=‐‐=ﾆ:.:.:.:.:.:.i: : :.i＼:∧:::::: : ∧ :/: :.:.|:.:.:.:.:.:.:. : ‐=ﾆ　　 ト､
.　　　 　 /:.T:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|: : :.|　　　} ⌒ {　/: : : :.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: T:.:.}

4294： ◆x0SRSoJXe.：2021/07/07(水) 21:39:52 ID:7AUshoCU0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , --- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿_ ／:.:.:.:.,:ｲ´｀‐‐‐===―
　　　　　　　　　 　 　, :.:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀:.,ゝ´:.:.:--＜´ヽ
　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ､
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　　　　　　ｉヽ:. /:.:.:.:.:.:. : |:.:.:.:. /|:.:./　|:.:.:.|:.:.:.:.:|:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:ｉ 　ヾ､
　　　　　　|ヽ: |:.:.:.:.:.:.|:._⊥___/ .| /　 .|:.:.,'⊥__:||:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}:.:.:.:.:.}
　　　　　　',ヽ:.|:.:.:.:‐卞:.ム∠..｀|/　　.|:.7´＿ :|.リヽ:.:. !:. |:.:.:.:ｉヽ:.:.: |
　　　　　　 ',:.:.|:.!:.:.:. |.≠::てうﾐ/　　　|/ ｲてうヽ､|:.:.:.ｲ:.:.!:.:.: ,' |ヽ:. |　　　　　　　今回の作戦は、そこまで難易度が高いものじゃない。
　　 　 　 　 ∨|:|:.:.:.:〃ら::::::::}　　　　/　 b:::刈 〃:.:ｲ:|:.:ｲ:.: /:.:|　.}:.|
　　　 　 　 　 {.|:|ヽ:.ヽ｀.辷z.ﾉ. 　 　 　 　 辷丿 ././:|:.|/:.}:./:.:. |　.|/　　　　　　　 けど、絶対に失敗できない。ノーマル一機、
　 　 　 　 　 　 |ヽヽ:.ヽ　　　 　 　 　 ,　　　　.／/:.:.!/:.: |/|:.:.: |　/
　　　　　　　　　!:.:.:.:＼＼　　　　　　　　　　 　 /:.:.:ｉ:.:.:.:/:.:|:.:.: |　　　　　　　　　　艦載機一機の撃墜で、私たちの命運は破滅に傾く。
　　　　　　　 　 .',:.:.:.:!ヽ、　　　　　r -,　　　　.ｲ:.:.:.:}:.:.:.:.:.:.:|:.:.: |
　　　　　　　　 　 ｉ:.:.:.|　 ト 　　　　　　　　／ . ｉ:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.|:.:.: |　　　　　　　　　　戦果と同じくらい、生存することが一番の条件。
　　　　　　　　　　 !:.: |　.|　 ＞　　　　.イ_　 　.|:./:.:.:.:.:.:.: : |:.:.: |
　　　　　　　　　　　ヽ:|/ヽ __　 　 ｀´　._/|　　 .},':.:.:.:.:.:.:.: : |:.:.: |
　　　　　　　　　 　 / ﾍ　　　 ｀ヽ -- ´　 i!ヽ､./:.:.:.:.:.:.:.:.: : |:.:.: |
　　　　　　　,､r::´::/ 　 ﾍ　　　　/　 ヽ 　 .|　ヽ｀ヽ、:.:.:.:.:.: |:.:.: |
　 　 ,､r::::´::::::::::::/　　　 ﾍ　　 / ヽ <.ヽ ./|　　＼::::｀:ヽ、: |:.:.: |





　　　 　 　 　 , - ‐‐‐-　、:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ、　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.ヽ、
　　　　　,イ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.ヽ:.:/く::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ｉ
　　　 ／:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:--‐ヽヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.: |
　　 /:.:／:.:.:.:／:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:./:.:.: 7|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
.　 /／/:.:.:.:/:.:.:/:.:.:.:/:.:.l:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.!: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
.　/　 ,':.:.:.:/:.:.:.ｉ:.:.:.:.:.ｉ:.:.:|:. ∧:.:!､:.:.:.ヽ:.:.ヽ__:.:.:.:}:.:.:.: }:.:/　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |
　　　,':.:.:.:,':.:.:.:.{:.:.:.:.:.|:.:.ﾊ:.ｉ　ヽヽヽ:.:._メ:.´ヽヽ:.:.ｉ:.:.:.:|/:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　　　　……やる夫君、無茶を承知で言うね。
　 　 ｉ:.:.:/|:.:.:.:. ',:.:.:.:.:|-/_|_|　　ヽ／,イ圷≧ｉ:.ｉ:.:.|:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
　　　|:./ .|:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:!:.ｉｲうﾐ　　　 　 {::::::::ら |:}:.:|:.:.:.:!´.ヽ:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　　　　皆を守って、敵を倒して。
　　　|/　 !:.:.:.!:.:.ヽ:.:.:.|〃{:::j　　　　　 辷シ　!:.:./:.:./| ヽ.} |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
.　　　|.　　',:. | ',:| .|ヽヽ｀.ﾋﾘ　 　 　 　 　 　 /:/／:.:.:!　/: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　 今、味方を守れるのは君と、君のマーシフルだけ。
.　　　　　　ヽ|　ﾘ　!:.:.ヽ＼ ヽ　　　　　　　.〃|:.:.:.:.:./_/／.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |
.　　　　　　　ヽ　　ｉ:.:.:人　　　 -‐-　　 　/　 !:.:.:.:./／. 　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　一人でも多く生き残らせるの。
　　　 　 　 　 　 　 ',:.:.:.:.ﾍ　 　 　 　 　 　 　 |:.:.:.:/.　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　 ヽ:.:.{　ヽ、　　 　 　 .＜.|:.:./l　 　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　 ＼ｉ　　　＞.-t ´　　　|:/‐┤、.　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　＼　　　 r､| .-　￣/　／　ｉ、　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〃.ヽ　　　.／　　 |::｀ヽ.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |

4295： ◆x0SRSoJXe.：2021/07/07(水) 21:45:37 ID:7AUshoCU0

　　　　　　　|　|　|

　　　　 ／￣￣￣ ＼　　ペコッ
　　　／　　　　　　 .　＼
　 ／　 　＼　　　／　　 ＼　　　　　　了解。……やってやりますお。
　.|　　　（ー） 　（ー）　.　　|
　 ＼ 　　 （__人__）　.u.　／
　　 /　　　 ｀⌒´　　　　ヽ





　　　　　　　　　　　 ／　　　　　／/ /　/ ﾚ1｜　lヽ
　　　　　　　　 　 ／　/　/　 ／ .ィ /　/ /　|　　　 ∧
　　　　 　 　 　 , ' /　'　/　 '　／７ ′ﾑﾑ. /　!　　　 |
.　　　　　　 　 / /　/　,　/ ∠､　|｜ / 　 ﾞ|　 |　　　∧
　　　　　　　　l/′｜ 　 l∠＿≧Ⅵ/　　　|　 l　　 　 ﾊ
　　　　　　　 / |　　|　　 | `ﾍ心ヽl |´　　-=Ｖ |　　　　 |
　　 　 　 　 /　|　　丶　 ゝ　　　　`し　 勹心 N　　　|｜
　　　　　　　ゝﾉ｜ 　 |丶≧=‐　　 　 {　　￣リﾞ|　 　 |｜
　　　　 　 ゝﾆ　ｨﾍ.　 ゝ 　　 　 　 ｒ 丿 ､__／ /// l　|｜　,}　　　　　　　ハハ、ま、そう気負うなよ、小僧。
　　　　　　　/　ゝﾆﾍ ､ ﾆソ ､＿_　　　　　 `彡'/ /|　| `ﾆｿ
　　　 ゝー ',　　 | 个ｊﾉﾘ　 　 　 ‐-｀　，　ゝ=彳ィ彡 ﾍ. |　　　　　　　　　俺たちは所詮雇われだ。自分の身は自分で守ってきた。
　　　　 ｀¨７　　 |　L..)､　　　　　　 　 　 ∠ﾝ｛　{　 ， ｊ/
　　　　　　{　　　|　__ﾉ　＼　　　　　　 ィ　 {　 ゝ.ﾆｿ　´　　　　　　　　　　 それに、明日のおまんまに困るのは、俺たちも嫌だからな。
　　 　 　 ，＼　　　＼　　 　 ､＿__／ /　　∨⌒)ヽ
.　　　　 /{　 ﾉ 　 　 ﾄ.ヽ　　　　　　 , ｛ 　 　 ｀¨´ ﾉ　　　　　　　　　　　　　ロハでアンタらに戦果を提供してやるよ。
　　　　 ゝニ' /　　　l | |　　　　 ﾉ　 ゝソ　 　 ‐＜
.　　　_／/　/　　　 .リﾉl　　　 ｒ　　　 |、　　　　　＼
　　　　　ゝ,　　　　 ／　'　　　　 　 　 | ＼　 　 　 　 ヽ　,}
　　　　　 / ,　　　/　　　 '.　　　　 /　　　 ヽ　 、　　ゝﾆｿｚ
.　　　　　| ｛　 ､　ゝ_ノ)　ハ　　　/　　　　 ﾉ'」＼ヽ　 ､ヽ く,_
　　　　　 V{＼｛ヽ　≦　￣＼　 ﾉ／￣￣／ |　 ｊハ　l| |　 ﾍ`ー‐
　　　　　　` =-i`　Vl　￣`"ー―--‐ﾆニ ｨ　∨ 　 l　l|/　　 ﾍ
　　　　　　　　｜､ﾝﾉ　　￣￣￣ 　 　 　 / 　 ∨ ノ'＾` =-　　 Z

4296： ◆x0SRSoJXe.：2021/07/07(水) 21:48:34 ID:7AUshoCU0

　　　　　　　　　　|::::::::::::::/ :::: |:::: |:::::::::::::::::::::::i::::', ',:::::|　ヾ,:::l!::::::::i::::::::::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　|::::::::::::,'::::::::::|:::: |!::::::::i:::::::::::::|',:::!._',:::l-‐‐l:::||-:::: !:::::::::::::::::::::::::::::ｌ::::::::::::::::i:::::',
　　　　　　　　　　|::::::::::::i:::::::::::|:::: |l::::::::ll ::::::: l:l-l::l.‐l:::|_二」::l |:::::::|::::::::::::::::::::::::::::::',:::::::::::::::l::::::',
　　　　　　　　　　|::::::::::::l:::i:::::::l:::i::|.!__:::l.!:::::::/:;' .l::|rてﾞﾘ沁,｀ヾ!::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::',:::::::::::: ﾄ､::.',
　　　　　　　　　　|::::::::::::l:: l!::::::',:|二',::/ |::::/ /　.l/'　ﾏ泛刋　 |::::/:::::::::::::::::::::::::i::::::::',:::::::::::::', ヾ:',
　　　　　　　　　　|:::::::::::::',: ll:::::::',!.fて沁 ''"　 　 　 　 ゞ=''"´　,::/:::::::::::::::::::::::::::l:::::ii:::',:::::::::::::',　 ﾞ
　　　　　　　　　　|:::::::::::::::',::',､:::::',ﾑ マ込　　　 　 　 　 　 　 //i::::::::::::::::::::::::::i::ﾄ､::l:',::',:::::::::::::',
　　　　　　　　　　|:::::::::::::::::'.,:',:＼:', 　 ゞ'"　　 　 　 　 　 　 /''　|:::::::::::::::::::::::::ll:l::::';:l::ヾ;､:::::::::::',　　　　　　ああ。この男は腕は確かだ。
　　　　　　　　　　|::::::i:::::::::::::ヾ:::::lヾ、　　　|　　　　　　　　 " 　 |::::i:::::::::::::::::::l.l:!:::: ';',.:::ヾ;,::::::::::',
　　　　　　　　　　|::::::l!::::i::::::::::::::::l:::::.、　　 `　　　 　 　 　 　 　 |:: l!:::::::::::::::::l |l::::::::.';,.:::::::ヽ:::::::::',　　　　　　「は、ってなんだ」
　　　　　　　　　　!::::/';::::l!:::::::::::::::l:::::::ヽ　　 　 ､-‐　フ 　 　 　 .|:::ll:::::::::::::::://':::::::::::.';.::::::::::::::::::::'
　　　　　　　　 　 l::/　.';:::ll:::::::::::::::',::::::::::＼　　　｀ﾞ¨´　　　　 　 .!:∥::::::::::::/|　|-､::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　　私たちは一介のノーマル乗り。
　　　　　　 　 　 //　　 ';::ll ::::::::::::::',::::::::::::::::>.、　　　　　 　 ,,ィ///:::_,, イ´ |　|;;;;;〉＼::::::::::::::::::::::
　 　 　 　 　 　 /"　　　 .';:!',::::::::::::i::',::::::::／!: 个..､ 　　 ,,ィ"　/' /:／|二|,l　l　|;;;/: : : ＼::::::::::::::::　　　　　　あなたのようにネクストには乗れない。
　　　 　 　 　 　 　 ∧　　.'; ヾ:::::::::',､'､''" 　|:::::|:::::::i｀¨´'.,　　/　"´_,ｨ|二|;l ├‐'/: : :..:..| |＼:::::::::::
　　　　　　　　　　/i!: ',　　 ';　＼:::::',｀ヽ、　|:::::|:::::::l:::::::,ｨ.',　_,,ィ''";;;;; !:::::|;|__|.／: : : : : | |: : ＼::::::
　　　 　 　 　 　 /:i!: : :',　　　　　＼:', 　 　 |:::::|:::::::l: _/;;;;;｀´;;;;;;;;;;;;;;;;;.!:::::|;;／: : : : : :..:..| |: : : : ＼
.　　 　 　 　 　 /:.i!: : : :.',　　　　　　｀ 　 　 |:::::|::::::://;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.!:::::|": : : : : : : : : | |: : : : : : :
　　　 　 　 　 /: :i!: : : : :.',　　　　　　 　 　 .|:::::|::: // ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; !:::::|: : : : : : : : : : | |: : : : : : :





　　　　　　 　 　 　 |::::::::::::|:::::::::::/::::::::::: /::/l::::::::::;':::}:::::l:::::::::!:::::::!:::::|
　　　　　　 　 　 　 |::::::::::: !::::::::/ :::::::::;ｲ:::/.,':::::::;ｲ:::ﾊ::: !:::::: |:::::::|:::: !
　　　　　　 　 　 　 |:::::::::::::l:::: /＿::／/::/ ,'::::::,:' //　.',:|';::::::|:::::::|:::: !
　　　　　　 　 　 　 l::::::::::::::lイ´::／ ／'" /:::／ // ￣ ﾘ｀ﾄ::;'::::::::!:::::|
　　　　　　　　　 　 l::i:::::::,:::',l _ィi乏圷、 '／ ／" ,r行ｻz､/:::/::::|:::: !
　　　　　　　　　　 //!:::i:::',:::',´　Vzソ ／　　　　" Vzソ ./｀/::::: !::i::|
　　　　　 　 　 　 /ｲ:l:::::',::::'.,:',　　 　 　 　 　 i　　 　 　 /::/:::::::::l:::l::|　　　　　　　だが、今この時は、私たちはあなたの友軍。
　　　　　 　 　 ／ /;'|i::::::',:::::ヾ:､　　　　　　　'　　　　／'"l::::i:::::/:i:l!:!
　　 　 　 　 ／　.// ||';:::: ',::::::',＼ 　 　 　 　　 　 　."´　/::/:::/:::|l|';',　　　　　　　全力であなたのサポートに応えよう。
　　　　 　 　 　 //　 | ヾ::::',､::::', 、　　 　 ー―'　　 　 .ｲ::/:::/::::/ ! ';',
　　　　 　 　 ／´　 　 　 ＼',.､: ',::＼　　　　　　　　／:/:/:::/l／',　　ヾ、　　　　　　宜しく頼むぞ、マーシフルのリンクス。
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,'｀:::ヾ:',:::::l｀　 　 　 　 ィ .|:/:/／t､:::::::',
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,'::::|:::::|ヾ!:::|.　　｀ ‐ ´ _.,,-/:／_/!.l |::::::: '.,
　　　　　　　　　　　　　 /::::::l:::::|:::::__|　 __ -≦´ilili/'":::::/ | | !-. ＿:'.,
　　　　　　　　 　 　 　 /:::::::,'::::,'／il/´｀ヽililililililil , ':::::::/./| | 〉: : : : ｀＞=z、 _　-　''!
.　　　　 　 　 　 , 、　./:::::::/::::/ililiｨﾞ　　　〉ililililil, ' :::::::/./ ,ﾚ'｀ : : : ／;;; ィ "´_. .-z　|
　　　　　　　　　|.',.＼:::::::;/::::/／ili!　　_,/ili＼, '::::::::::/./ /: : : : :／ィ", - ": : : : : :l　|
　 　 　 　 　 　 ,|, ',　 ゝ'/::::/ilililil/｀ ´ |ililililil/:::::::::::/./_/ : : : :/", イ: : : : : : : : : : l .,
　　　　　　_,,.イ::|:', ','":./::::/ilililil/　 　 .!ilili,ｲ::::::::::::,'二､___: : :/.'": : : : : : : : : : : : : l/
ﾐﾆ=ー::::´:::::: ／|: ', ', /::::/lililiｌ/　　 　 l／/::::::::::::,' : ／／ : i! : : : : : : : : : : : : : : /
. ｀ﾞ''''ー---ｧ'::|￣￣￣￣￣￣￣￣￣|: ,'::::::::::::::i／／: : i: i!: : : : : : : : : : : : : : /
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4297： ◆x0SRSoJXe.：2021/07/07(水) 21:51:46 ID:7AUshoCU0

　　　　 　　　　＿＿＿
　　　　　 　 ／　　　　　＼
　　　　　 ／　　　　　　 　 ＼
　　　　／　 　 　＼ ,　, ／　 ＼
　　 　 |　 　 　 （ー）　 （ー）　 |　　　　　よ、よろしくお願いするお。
　　　　＼　 u. 　 （__人__）　,／
　　　　　ノ　　　　 ｀ ⌒´　　＼　　　　　　全力で支援するお！
　　 ／´　　　 　 _i⌒i⌒i⌒i┐ ヽ
　　 |　　　　ｌ　 （ l　/　/　/　l
　 　 l　　　　l 　ヽ 　　　　　 /

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隊長両名から気さくな声を掛けられ、締め上げられていた精神が幾らか緩む。

しかし、本当に不思議な気分だった。

いつもは追う側なのが、今は追われる側。
味方はいつも蹴散らしてきたノーマル部隊の人々。

そして何よりも、立場だ。
自分たちが生き延びるために、企業戦力に戦闘を仕掛ける。
決死の想いで、生きるために。

それはまるで、自分が依頼を受けて散々屠ってきた、テロリストのようだったから。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4298： ◆x0SRSoJXe.：2021/07/07(水) 22:00:41 ID:7AUshoCU0

　　　　　　　　　　　　／|＼　　　 _, . :‐: : : : : : ＼＿＿_.ノ
　　　　　　　 　 　 .ｨ__〉｜:ト＼.／: : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
.　　　 　 　 　 　 /　　r::|:::|＼/: : : : : |: :i : : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　 　 　 　 /　o./::/:::ル': : : : : : :|: :{ : : : : i: : : : : : : : : : : ＼
.　　 　 　 　 　 |_　 /::/::://: : : : : : : λ: :､ : : : |: : : ﾄ: : ヽ: : : : : :ヽ
.　　 　 　 　 　 | し'／／/: :/ : : : : : {: ﾄ: : ゝ: : :!:.／|⌒i: :} : : : :| : ',
.　　　　　 　 　 し.';／　 {: :/: :/ {: : : |: |}从:〉 : : !ヽ: }ヽハ:!|: : : :|: : :',
　　　　　　　　　　　　　 |:/: : {: :|: : :／|:l {＼: : : i'´V-―z|:!: : : :!: : : ',.　 　 　 　 /ヽ _
　　　　　　　　　　　　　 |: : : :| : |: : :|:.:|.メ〉　＼__i '"￣￣|ｊﾉ: : :i! : : : ',　　　　　/ // /､　　　　　　あんま壊さないで帰ってきてね？
　　　　　　　　　 　 　 　|: {: :/!: :|: : :Ⅳ .ｨ:ﾁ　　　,. 　 '' "/:/: : /|: : : : ',　{ ヽ　/ // / /
　　　 　 　 　 　 　 　 　 V|: :{ |: : : : :|ｨ／　 　 　 ′　　 l:/: : /: |:＼: : 丶!　ﾚ　// / /　 __　　　　　直すの割とマジできついから。
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |: :| |: : :＼{ ､'' "　　 　 　 ノ　/: ／: : |: : :＼: :ﾉ　、 　 　 〈／／
　　　　　　　　　　 　 　 　 Ｖ　ト　＿{.:_;>.._　　￣　　 ∠ィ: : l: : :|: : : : _/　　 ）　　　 ／　　　　　　　物資的な意味で。
　　 　 　 　 　 　 　( ＼　　　丿: : : :: ヽ: : ｀i ーr---　　 |: : :|: : :|／い{　　 / 　 　 /
　　　　　　　　　　 　＼ ＼(＼: : : : : : : 丶: | : : | 　 　 　 |: : :|: : :!ヽ ヽ)ヽ　　 　 ／===ｭ
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼ ＼ ＼: : : : ／λ|: : ﾉ　　　 　 | : V: : |　 ＼ うト=＝'"　i　 [_]
　　　　 　 　 　 ＿＿＿＿〉　i 　 ヽ: /　 （ﾊ: : { |) ＿_　 /ヽ:_: : /＿／/〉|　 　 　 ｜　｜
　　　　　　　　}――――　　{　 　 V　　（| |: 丿|) 〉　｀　　 〈:ヽ:）--〜ヾ |　　　　　 ,..イ＼
　　　　 　 　 　(二二二 　 　 　 　 _}　　 (| |}:!:|_|)/　　　　　 ）:〈＼＿＿_ >r――イ､.丿: : ヽ
　　　　　　　　　　　　　/＼＿＿_.ノ∧ 　X (:.:ﾉ / 　 　 ヽ/　} : :）∧::::ヽ　｜ 　 　 |/}: : :＼





　　 ~￣ ー-　　　　　　　　　　厂
　　　　　　　　`,つ　　　ｰ=一
　　　　　　　　( 　 　 r―一　　　　　　　　　 ､_＿
　　　　　　　　　￣） |　　　　　　　　　　　　　,＞　二ﾆﾒﾄﾍ、
　　　　　　　　　　{._ l　　　　_　　　　　　 ｰイ　　　`Z:::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　}l.＿｣｣ﾉ}　　　　　　　 〃ｨrﾍﾊ気ﾒ;:::::::::::::::
.　　　　　　　　　 　 ~￣77/＿　　　　　　　　l _　　ｷ　〉::::::::::::!
　　　　　　　　 　 　 　 f′ ,＝'　　　　　　　〈_　｀　ｷ　ﾚ‐;::::::ﾉ　　　　　　　　　　　　ケガもしてくるなよ。治すのが面倒だ。
　　.　　　　　　　　 　 /　ノ　　　　　　　　　　/　　　　 Σ::::く_,
　　　　　　　　　　　 /　f　　　　　　　_ -r一/　rﾍ.￣〉-―-<　
.　　　　　　　　　　 / 　 !__　 　 　_／/ ,ﾑﾉ´/´　 |／　　　　 ＼, v‐y―z'⌒ヽ
　　　　　　　　　　/　　 |　 ﾒ^'￣l　 /　　{／　　　　　　　　　〆　 　　＞'´￣`<
　　　　　　　　　　|　 　 ﾄ　　〉　　　　　 i′　　　　　　　　　　　 　 ／　　　　 /
　　　　　　　　　　L_＿ﾉムノ一ｰ-f　　/o　　　　　　　　　, -一>'　　　　-=ニ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;　 /　　　　　　　　 イ´　 ／　 -=ニ
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　 　 　 　 　 　 /|: : : : : | 　￣￣ ヽ|: : :.:/7/￣￣ 　:|: : : :|: : :|　　　　　　　先生っ……あーもう。
　　　　　　　　//|.: :. :. :.斗r矛笊⌒ ＼/＾⌒笊ﾃ矛寸 : : :|: : :|
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　　　　　　　￤　|.: : : :. :.|.　　　　　　　'　　　　 　 　 |.: :. :.|: : :|　　　　　　　　機体を壊してもケガしても、生きてればそれでいいわよ。
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　 　 　 　 　 ｛ 　|.: : : :. :.込、　　　　r　 ヽ　　　　　仆: : : |/: :|
　　　　　　　 乂 ′.: : : :.|: : :ﾄ. 　 　 　 　 　 　 . : : :|:|: : : /: : :|
　　　　　 　 　 /: |: : : : : |: : :|l : ＞　　　　　イ.:. :. .:.|:|: : /: : : :|
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.　　　　　 / 　 　 |: : : : : トＺ廴｝　　}}=={{　　 ｛廴.斗|/ : : /　｝ 　 ＼
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4299： ◆x0SRSoJXe.：2021/07/07(水) 22:06:37 ID:7AUshoCU0

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　　　　　l:.:l ヽ:.{::!ヾ､　乂ﾘ　}:!:.:.:.:.: !/ﾐ}/_:.|:./:.:.:.:.:/　　　　　　　　　　作戦開始はツースリーフォーゼロ、今から数えて四時間後。
　　　　　Ⅳ　 {:./　　　 ￣　}:!:.:.:.:.: l　 　 l.l./:.:.:.:.:/:|
　　　　　　 　 |:.:ﾍ　　　 ,　 〃}|:.:.:.:l　　　iｌ |:.:.:,′: |　　　　　　　　　　 定刻になったら各自定位置についてください。
　　　　　　 　 |:. : l＼￣　　/､ /:.:./　　／/|:.:.{:.:. : |
　　　　　　　　ﾏ:.:.l ＿_ヽ-,r´ヽ:.:/-‐ ´／　!:.:.!:.:.:.:.:ｌ　　　　　　　　　　　やる夫君はカタパルト内のマーシフルに搭乗しておくこと。
　　　　　　　　 ゝ:.{::::::: ／/／}／　 ／　　人:.l:.:.:.:.:.l
　　　　　　　　/::::ヽ::/　/／>〃 ／　　 ／:::::‘，:.:.:. l　　　　　　　　　　　以上、解散。生き延びるための第一歩、必ずの完遂を
　　　　　　　　l::::r==　/／/　l／ L＿_/:::::::::::::::ヽ:::::‘，
　　　　　　　, l::::ll　　/ヽ/,ｲ´　　<　　 ＼:::::::::::::::::‘，::',
　　　　　　 ／　lｉ　 /::／　 　 ≧´　　　 /::-―::￣:‘，:.ヽ
　　　　　〃　　 |　〃 ≧ ´　　　　l li　/:::::::::::::::::::::::::::}:.:.:.‘，
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4300： ◆x0SRSoJXe.：2021/07/07(水) 22:07:31 ID:7AUshoCU0

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4301： ◆x0SRSoJXe.：2021/07/07(水) 22:11:57 ID:7AUshoCU0
〜Tips〜
　　　　　　　　　　　　　　 　, -‐──､
　　　　　　　 　 ＿＿＿ ／-‐-　　　　＼
.　　　　　　　 /　　　ミ､ /⌒　　　　　　　＼
　　　　　　　/　-‐=ﾆミ ./　　　　　　　　　　＼
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.　　 　 　 / -‐=ﾆ=‐__Y{iiiiﾊ　 　 '，　 ＼　 '， '， ｀､
　　　　　/　./　彡{ゞヽjiiiiiiiﾊ.　　　＼　　＼　'， i　 i
　　　　　V / ./　 .||　　 　　 V ＼＼ ＼　　ヽ }　}　|
　　　　　 V ./i　　.ﾘ　　　　　ﾊ 　 ＼＼ ＼　　Y⌒Y
　　　　　　V　{ =≠ﾆ=ミヾ__{　V＼　＼＼ ＼　}斥 |
　　　　　　 }ヽ}　ｒ==ｔヵミ}二　　ｒ==ｔヵミ≧=‐-{ 心.i__
　　　　　　_jツ|　 ヽ==彡|　　ヾ　ヽ==彡　ﾆ= 个　ﾉ:.:.ヽ
　　　　　/:.:.ヽ.{ 　 ''''　　.|　　　 ゛　　　　　ﾆ=‐ し'|:.:.:.:.:.:',≧．..,,_
　　　_≦{:.:.:.:.:}ﾊ }　 　　 |　 ､　ヽ　　　　　 ﾆ=‐{:.:.|:.:.::.:.:.:.i/////
　 ／///V:.:.:.:|:.{ `ｧ==ミj　　 { __〉＿ ミ､　　}　.|:: :|.:.::.:.:.:.:|/////
／//////V:.:.:|:ﾊ {__　　ゝ-彡　　　　　 ) ﾉ ﾊ .|:.:.:|.:.::.:..:.//////
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///////ﾊ |::　 ゝ　　　　 .／＼///ﾊ　　　 ////////////////
////////ﾊ:::::::　　　　 ／　　 ./ｰ､/ﾊ　　./////////////////
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【Name】
シェルビー・M・ペンウッド

【Note】
桜花重工代表取締役社長。イギリス人男性52歳。
終始弱気な態度を見せる桜花重工のトップ……なのだが、どうにも威厳に欠ける部分がある。
野心や支配欲も希薄で、重要な業務は部下たちが率先して引き受けるなど、お飾りのトップという印象が否めない。

柔軟性には優れるため、部下のパフォーマンスに制約をかけないという点では良きリーダー。
なのはからは若干頼りなく思われてしまっている。

コロニー・アマツ撤退戦において、最後までコロニーに残り防衛部隊および無人機に指示を出し続け、戦死。




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　　　　　　　　 ｀丁: ヽヽ｀ヽ　 　 | 丶ヽ 　　 ノﾉ:ﾉ : : }
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　　　　　　　　　V {､: :｀下　　,　丶´　 ,　-彳: : : :{
　　　　　　　　　 ゝ-）ﾊ :トヽ.　｀¨二.¨´　 .彳/ ∧:`ーｧ
　　　　　　 ＿__　｀7/ ﾉ:ﾍ　 ＼　　　　／　lｨ: / ﾍl丁
　　　.　　´　　/ ＼{ V　　}`ー‐`=== ´一"八{　∨∧／￣　　　､
　 ／　　　　〃　 /∧V V:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:V/　// l }　　l　 　 　 ＼

【Name】
ニール・ディランディ
【Note】
コロニー・アマツ防衛部隊、臨時編成ノーマル小隊隊長。SIからの出向で桜花重工防衛部隊に加わっていた。
年齢は28。階級は少尉。北欧系の血を感じさせる偉丈夫。
籍こそ企業に置いているものの、立ち位置としては金で動く傭兵であり、かつてのレイヴンに極めて近い。
愛称はロックオン。部下や桜花の人間たちからもそう呼ばれることが多く、本人もたまにそう名乗る。

狙撃の名手であり、AMS適性がないことが悔やまれた逸材の一人でもある。愛称の由来にもなっている。

性格は飄々としており、それでいて抜け目ない。根底は熱血漢であり、人命を無視した作戦などには反発する。部下からの信頼も厚い。

搭乗機はSI製フレームを長距離射撃戦仕様にカスタムしたダークオリーブカラーのもの。AA：機動戦士Zガンダムよりガブスレイ
装甲の一部がオミットされており、隠蔽性と機動性が強化されている。
武装はIGIO製ロングレンジ仕様のレーザーライフル、ハンガーにオルデンブルク製レーザーブレード二つ。

4302： ◆x0SRSoJXe.：2021/07/07(水) 22:12:07 ID:7AUshoCU0
〜Tips〜

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【Name】
篁唯依
【Note】
コロニー・アマツ防衛部隊、ノーマル中隊一番隊隊長。
このご時世に珍しい純日本人。
出自こそお嬢様だが、ノーマルに搭乗して前線で戦っている。

年齢は20、階級は中尉。並々ならぬ正義感と責任感の強さを併せ持つ若き隊長。
典型的な堅物であり、筋さえ通せば首を縦に振るが、通らなければ頑として振らない昔気質の人間でもある。

高圧的というわけではなく、むしろ礼儀を重んじるので、父ほどの年齢のノーマル乗りたちにも慕われている。

コロニー・アマツ撤退戦を生き残っただけあり、指揮能力、操縦能力共に高レベル。
AMS適正さえあれば名リンクスとなっていたと惜しまれる才媛。要は今作におけるアミバやホルホースとは逆タイプのキャラ。

ニール・ディランディとは相性が悪い。

部隊機はSI製フレームを軽量化して中量二脚タイプにまで落とし込んだもの。AA：機動戦士Zガンダムよりガルバルディβ






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【Name】
真壁史彦
【Note】
52歳日本人男性。国家解体前、かつてSIの下請けPMCで航空機部隊所属だった男。
コロニー・アマツにて息子と一緒に暮らしていたが、企業連の粛清劇に巻き込まれ、命からがら逃げおおせる。

恐慌を極める一般市民を代表し、CDCに顔を出す。
戦争に対してはうんざりしているといった様子で、冷静な視点の持ち主。大衆心理にも聡い。

4303： ◆x0SRSoJXe.：2021/07/07(水) 22:20:27 ID:7AUshoCU0
今日はここまでだ。

アテも希望もろくにありゃしない企業連からの逃避行、その1ページ目だね。

だが二週目ルートは他ルートよりも、友軍との協力シーンが多い。ノーマル乗りですらネームドキャラとして描写している。

そこらへんの違いも楽しんでくれると嬉しみ。

さて、次回なんだが、またもや未定だ。私だって未定だとか言いたかない。が、未定だ。休みがいつになるかわからない。

これで繁忙期でもなんでもないってんだからしびれるよね。

それじゃ、シーユーアゲイン。続きができる日の見当がついたら、Twitterとここで告知するよ。

4304：安価のやる夫だお：2021/07/07(水) 22:21:25 ID:of6x0Gxg0
乙ー

4305：安価のやる夫だお：2021/07/07(水) 22:22:36 ID:ESdOvIfY0
乙

4306：安価のやる夫だお：2021/07/07(水) 22:24:05 ID:RfstvMIc0
乙でした

4307：四方田尚美：2021/07/24(土) 13:52:42 ID:1wFjdV/s0
詐欺容疑で四方田 尚美 容疑者逮捕（飯能市）

　職場同僚女性から計三回にわたり現金をだまし取ったとして、埼玉県飯能署は23日、
飯能市双柳在住、有限会社アド勤務、四方田 尚美 容疑者(61)を詐欺容疑で逮捕した。
　調べによると四方田容疑者は2018年より2020年にかけて職場の同僚女性（73)に
「不動産修繕費用を貸してほしい。」と噓をつき、三回にわたり現金計約800万円をだまし取った疑い。
　四方田容疑者は「疑う気配がないので何度でもお金をだまし取れた。ATMを持った気分になっていた。」と供述。
　有限会社アドは「このようなことになって非常に残念。事実関係を確認し、厳正に対処する。」とコメント。
　　　　　　　　　　（2021年7月23日　毎日新聞）

4308： ◆x0SRSoJXe.：2021/07/28(水) 00:10:19 ID:wHZoFRL.0
お久しぶりだね、モコイさんだよ。今回は生存報告だ。

なんとね、前回の投下から休んでいない。激務ってわけじゃあないんだが、休んでいない。

モコイさんが休める日は仕事が一切ない日って感じなんだが、最近ないんだ。

時々早めに帰ったりしてるし、過労死とは心配いらないはず。

さて、次の投下なんだが、これまた目途が立っていない。かといってエターする気もない。

おそらく、予告は相変わらず突発的になってしまうだろう。ちょこちょこ見ていてくれると嬉しい。本当にすまないと思っている。

シーユーアゲイン。

4309：安価のやる夫だお：2021/07/30(金) 12:20:06 ID:ayQEFvM.0
乙
こっちも健康第一で投下を頻繁に見られる様な環境になる事を期待してるぜ

4310： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/03(火) 21:49:54 ID:1ofuvAHo0
ハロー。モコイさんだよ。

今回は生存報告……ではなく、投下の予告だ。

次回は8/5の木曜日、午後八時からとする。休み、というか、仕事がなく家に居られる日って感じだ。

何かあれば職場に向かわなきゃいけない。別に凄いバリバリ仕事してるとかじゃないんだけどね……私以外の人員がいないってだけで。

とにかく、その時にまた会おう。休みが潰れたら、またここやTwitterで通知するよ。

4311： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/04(水) 18:24:47 ID:SwLTWWeA0
ハロー、モコイさんだよ。

明日に投下すると言ったね。

お休み、潰れちゃったんだ。いつに帰れるかも分からないし、また次回は未定となってしまう。

申し訳ない。また出来そうな日の目処が立ったら、こことツイッターでお知らせするよ。

4312：安価のやる夫だお：2021/08/04(水) 20:42:12 ID:mJX64nSU0
了解
健康第一無理せずにね

4313：安価のやる夫だお：2021/08/07(土) 21:16:19 ID:tJKSYlRE0
お疲れ様です

4314：安価のやる夫だお：2021/08/08(日) 12:54:38 ID:RPnO5hgc0
お大事に

4315： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/10(火) 23:22:08 ID:gZGzdgpU0
ハロー、モコイさんだよ。

お盆なんだけどね、何日か休めそうなんだ。

というわけで、次回の投下はBON休みに入れようと思う。8/12の午後八時からとしよう。

シーユーアゲイン。

4316： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 20:00:39 ID:.WgRXGVc0

　　　　／||ミ
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　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

4317：安価のやる夫だお：2021/08/12(木) 20:03:42 ID:GB66OI6U0
ハロー

4318： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 20:04:49 ID:.WgRXGVc0

　　　　　　　　　　　 _ _ ___ __ _　 　＿＿
　　　　　　 　 　 　/ :::::::::::::::::: :i, 　 .ヽ::::::＼
　　　　　　　　　　 i:::::::::::::::::::::: i　 ／　＼ 　＼
　　　　 　　　　　　i :::::::○::::○i／ 　 　　￣￣
　　　　　　 　 　　/ :::::::::,,- -_ｯi　　　　i i i
　　　　　　　　　 /::::::::::｀ー‐'´ヽ 　 ＿＿i i i--i　　　　　　随分久々の投下になってしまったね。ひと月以上間が開いてしまった。
　　　　 　 　 　 /|::::|::::::::::::::::::|:::|　 ￣￣￣|::::::::|
　　　　　　　　/::::＼ヽ :::::::::::::i:::|　　　　　 ﾉ＿_ﾉ　　　　　　芳しくない部分もあるし、無事な部分もある。
　　　　 　 　 /::::::::::::＼＼::／|:::|
　　　 .　　　（_ _.)￣i __.＼＼ |:::|　　　 i i i　　　　　　　　　　まあ、生きてるし、愛があればなんとかなるっていうし。
　　　　　　/::::::/|￣|ヽ:::::　し（ メ　　　 ﾉﾉﾉ
　　 　 　 /::::::/ﾉ_ _ﾉ　>:::::） 　 　 ＼　　　　　　　　　　　　　やっていこっか。誰かいるといいけどナー。
　　　　／:::／　 　　/:::／　 　 　 　 ＼＿＿
　　　/:::::/ 　 　 　 （＿つ　　 　 　　 /:::::::::/
　　　し'　　　　　　　　 　 　 　　 　 ノノ・ ./∴:・:
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4319： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 20:04:59 ID:.WgRXGVc0

　　　　　　　∠ へ＿＿＿＿＿
　　　　　 ／_|＿＿|＿＿＿＿＿
.　 　 　 // ﾉ　　　｀'‐-　　　|
　　 　 //（○） 　 （○ ） 　 .|
　　 　 | | 　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　想像してはいたけど、やっぱスムーズにはいってないみたいだお……
　　 　 { {　　 （__人__）　u　 .|
　　　　ヽヽ　　 {＿_}　　　　 }　　　　　　　　トウキョウの人達って、慣れてたんだな……
　　　　 ヽ ヽ―┬‐┬――┘
　　　　　／ヽ＿{＿_|＿＿＿
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　／　　/.　 　 |　|
　　　　{　　　　|　|

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艦内のドック、AC格納スペースの中央に、直立不動の姿勢で置かれていた
マーシフルへと速足で駆け寄る。

天井スピーカーからはCDCからの緊急音声を閉鎖された空間へ響き渡らせていた。

幅広のブリッジの下には、誘導員やキャスター付きの機器を押して駆ける
整備班の人々が右往左往している。飛び交うのは怒鳴り声だ。

スクランブルというわけでもないのに、この慌てようである。

無理もない。皆、本来は後方支援の身だったのだ。
下手をすれば戦いなど無縁の身でもあったかもしれない。
前線の基地に所属していたならまだしも、あの場所は桜花重工、
オルデンブルク傘下企業のお膝元だったのだ。練度など言うまでもない。

マーシフルの前に辿り着き、ヘルメットのマイクで篠ノ之に通信を飛ばす。
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4320： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 20:06:13 ID:.WgRXGVc0

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「こちら入束やる夫、マーシフルのコックピットブロック前に到着。
ハッチ開放願います」

「りょうかぁい。ハッチ開放スタンバイ。あ、機体のコンディションは七割ってとこ。
ヘッドパーツはオルデンブルクの市販モデルフレームからパーツ取りして
何とか直したから、細かいところはオリジナルのマーシフルと違うね。
一から新造するのも無茶だったからねえ」

「贅沢言うつもりもないお。戦えればなんでもいいお」

「言うねえ。ハッチ開放、幸運を祈ってるよぉ」

篠ノ之束の間延びした声に若干苛立つも、押し殺す。
あの女、今が緊急事態だという自覚はあるのだろうか。
後方の学者連中にも色々いるのは分かっているが、あの女はどうにも。

大物だと言えば、そうとも取れるのかもしれないが。
自分とは相性がいいとは思えない。
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4321： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 20:06:34 ID:.WgRXGVc0

￣￣￣￣￣￣￣＼|￣７､　　 ＿＿／_　　ﾏ　　 〈　　　　　 ∥　.∥ﾆﾆﾆﾆiiゞ''ﾞ
＿＿＿＿＞,=====i|── 〉'´,,_ｨ　　　／＼　　／ 〕i,　　 　 ∥　.∥ﾆﾆﾆ/´
───／_.ヾﾑ　　　ヾﾆ.,ｲ　　　{　 ／ﾆﾆ≧∨ ﾏﾑ .∧ . 　 ∥　.∥ﾆﾆﾆ'
￣￣／/iｰ,∨ﾏi　　　 ﾏ{ i､　　　｀''＜ﾆﾆﾆﾆ〉i|　ﾏﾑ .∧　 .∥　.∥ﾆﾆﾆ'
ﾆﾆノノﾑ.i　.i } .}i}　　　 /ヽヽ /}≧s。,,_｀''ｰｲ._,,}　 ﾏﾑ .∧ .∥　.∥ﾆﾆﾆ'
｀'＜/ﾆﾉﾉi // ﾑi　　　.i{.} .i｀'''《;;;;;;;;;;;;;;≧s。,イ　　 ゝ==ｲ ∥　.∥ﾆﾆﾆ'
≦iゞ''´|ヽ彡 .//　　　./ﾏ,_}i､,_}};;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;//__二二二二.∨　 ∨ﾆﾆ∧
'´　　　|＞=.､￣￣丶/二≧s}ゞiゝ=､;;;;;;;;;;;// .ヾi,　　　　　　∨　 ∨ﾆﾆ∧　　　　　　　　　　　　　　　
　　 ／=ヽ　ﾏi,　　　 }]´＜.｀＜｀'＜ヾ､-‐ﾉ∨,　.i}i　　　　　　 ∨　 ∨ﾆﾆ∧
. ／|./ ∧.i　.} }　　／￣∨ﾑ _ﾑ_　〈＞-‐{=i} .ヽi}i　　　　　　　 ∨　 ∨ﾆﾆ∧
　 . |i /　i i　//　/　　　　}.＞〉丿｀''i i.i''´.ゝヾ。 Y　　　　　　　　.∨　 ゝ====================
　 . |.ﾏ.ノノ //　 i　　　／ｲ i　==== i i.i .=== | ﾏ∨　　　　　　　//二二二二二二二二二二二二
　 . |　ゞ'´ .| |　　}／ ./ .} .| | 　　　　i i.i　　　.i　.ﾏ∨　　　　　 //　　　　　| |
　 . |　 | 　 | |　　}　　.〉 i　乂ソ'＜ ,ｨ===.､ 〉〉　　ゝ∨　　 　 //　　 　 　 .| |
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　 ∨　..|　 | |　.乂　　　 .｀''=イ/｀／.＼｀ヽ彡　 .i{ ≧s。＿＿＿| ./｀''ヾｲ.ノﾉ} }┐,
　　∨　|　 | |　　 ｀''==≧s。__// ､ ＼ .ヽi} i|　　 ∨/ //￣￣￣ゝゝ=≦⊃彡'ノノ＜
　　..|　..|　 | |　　　　　　　　　｀''＜ヽノイ´}丿≧s .∨￣"''＜／≧s。／ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ≧s。

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コックピット、といってもマーシフルの場合は股間に位置しているのだが、
その部分の装甲が上に展開され、パイロットシートが露になる。

操縦席と言えば聞こえはいいが、実際には磔台のようなものだ。

飛び乗り、シートに背を預けて四肢を固定ユニットへと差し込む。
パイロットの搭乗を感知した機体内のAIが起動し、ベルトが胴体、
両腕、両足へときつめに巻かれ、対汚染スーツ越しに圧迫してくる。

頭上からバイザー型インターフェースがアームで降りてきて、
ヘルメットのバイザーを覆い隠すように装着される。

同時にうなじのジャックへとAMS接続ユニットが差し込まれ、
軽い衝撃が走った。

通常の視界が奪われ、マーシフルのカメラアイが見る光景に移り変わる。
神経の指示、その出力先が、自らの肉体ではなくACへと変換される。
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4322： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 20:06:47 ID:.WgRXGVc0

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　　　　/ll!ﾊ:.:′.:.:.:.:/./.／.:/.:／.,ﾉ.;/l:.:;!.::l.ﾍ;.:.:.ヽ,:.:.:.:.:.:.ヾ,:.:.'; 　　!
　　　 ∧jﾊ.:′.:.:.:.:.′〃xｆz左ｚ,;,X, .j:/ !:;|:.:.:l.:.:.:.l.:ﾍ.:.＼.:.::.':;.:.';
　　　 l.l.ヽ.:.:|.::::.:.:.:|{:.:.,仆乞芸て卞 >′l./ｊ.:,ﾘ.:./.:l.:.ﾍ.:.::.ヽ.:.:.';.'|
　　 　'.:.:.:;:升∧::.:.|.:.:{ｲ ,伐::::::斥′　　ﾉクｻﾄxj:.:.li.:l.:.ﾊヽ.:.';.:.:;.!
　　　　∨　 !′l:.:.:|:.:.! ､辷ｰクﾉ　　　 　ｹ云x.:ﾉﾒi.:/.:.:.:.:l.:.:.:.:.l:.!　　　　　　（難しい作戦ではない……けど、失敗は許されない。
.　　　　 ゞ､)l::.:.:ゝ:ﾍ､:!　｀¨¨ﾞ`　　　　　/.::ﾇﾘｹ;´.:;ﾘ..:.:.:.∧:l.:.:ﾊ!
　　　　　 'iｰl;:.:.:.::.个｀　　　　　　　　　匕ﾞ.ノ_ノノ/!:.:.:.;/　ﾚノ　!　　　　　　　一手間違えばフォローできる余裕もない……ぶっつけか）
　 　 　 　 l.:人::.:.:.ﾞl　　　　　　 　 　 　 ¨`て.._｀V.ﾊ.:::/ 　 !′
　 　 　_,､n<　 '.:.､∧　　　　　　　ｃ｡　　　人__,¨＼:l/　　　　　　　　　　　　　艦載機部隊からは！？
　　ｲ´.:::.ハﾍ　'､l?∧　　　　　　　 　 .,／: :.j　 ／}′
／　l:::::::., 　＼　´､?「＞､　　　　 , イ´. 　.:.イ´.:l.:.|　　　　　　　　　　　　　　　「敵影確認、想定外敵戦力はおらず！」
　 　ｊ::::::::.ﾍ　　＼　　＼ﾍf＞.ｰ イ. . . :＜.:.:.:.';.:.:.:|.:|
／¨ ﾍ:::::..∧ /＼｀ >ｰ<cﾊ. . . . . . .fヽ,¨ -ﾅﾍ.';.:.:|.|　　　　　　　　　　　　　　　了解、各機出撃スタンバイ！
////∧::::..∧＼/∧ Y∧:lｌ. . .,,..ｲ".ｿ ',////,j.:.';.:.||
/V//,∧:::::..∧､/　 >介ｲー"´　／.:::.∧//zj.:.:.';.:.|
j∧V//∧:::...∧　　ｊメﾍ＿_　-ｲ.::::::::::::.∧//j.:.:.:.';.|
j:iV∧//∧:::::::..＼　ヽ´.:::::::::::::::::::::::::::::::::人/j.:.:.:.:';|





　　　　　　　　　　　　　 -‐━━=ミ
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　　　　　　　_.-=ミ: : : : ＼: : : : : : : : :V: `.
　　 　 　 .ｨ: : : : 7:〉 :∧: : :V: : : : : : :〈/: /〉:.
　　　　 /: : : : : :|/ | : :|:V: : :i : :| : : : : V〉: : ﾊ
.　　　 /: : : : : : :|i　!::斗-V: :|ー|‐|:-|: ::|:|i: : : |i
　　　 ′l: : |i :|i |i_,.ｨﾃﾃﾐ : : |N|ｨテﾐN: |:|i: : : |i
　　　{　｜:::|i :|i |i　 r勿,　|:N　 r勿ﾉ !::|:|5!: : : .　　　　　　　　やる夫君……任せたで。
.　 　 　 从::|i: |i |i:　^¨¨　　i　　　 　 」::|:|,ﾉ: ;小:.
.　　　　　　〕: :|i |N」　　　 ,　　、　　.: /|:| : /: : :|i
　　　　　　　　|i ||:|:i＞　　　　 　 .ｨ :/::」:/〈: : : 八
　　　　　　　　|i ||:|:|///〕ﾆ=-　　 | l: : :/　 V⌒V:＼
　　　　　　　　|i7⌒V|　V寸ﾆﾆ才　!: /　　　＼_,V⌒ :、
. 　 　 　 _　--厶ヘ V　 V /⌒丶　| {　 　 -=ﾐ,V{　　,ハ
　　　　 〈,　　 / 　 　 V　V^V__/^V　|/　/　 　 ＼　/
　　　　/∧　/　　　　 }.　 }i /　Vi{　 」　/　 ______　/　　 __
.　　　 {　　V　 　 　 ,リ,　　}i　　 i{　 }i,　 ／　 　 |ー━=ﾐ」
　 　 r」　　⌒ー‐―(￣￣〉ﾑ　 /| 　i|／　　　　｜　 　 _.」Ｌ
　 　 |⌒ー}　　　　 /　 　 ＼ V　　 /　　＼　 　_|　　ー=ミ__ )
　 　 |　　 ﾉ　　　 ,/　　 　 　 ＼　./　　 f/―‐┐＿__　　　}　＼
　　 ∧__(___　　_/　　　　　　　　＼　　 /　￣￣〉　乙...
　　　　/　　　/八　　　　　　　_ji斗〜'へ　￣￣| 　 」(
　/　 /　　　/￣,.. ．-‐　'''""~ 　 　 　 　 .V　 rﾉ.　　　＼

4323： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 20:06:58 ID:.WgRXGVc0

　　　　　　　　　　 __´￣￣二ﾆ=　、
　　　　　　　　／　　￣´ 　　　　　　ヽ
　　　　　 　 /　/ｨ　　　　　　}i　　　　∧
　　　　 　 /ﾔ'7=ﾆ二二二≦_｣Ｌﾍ/　 ∧
　　 　 　 ;　 /＼_　　､＿　￣Ｖ⌒{ 　 / }｝
　　　　　:; 　}(●）　　（●　）　〉 人 /　/^}
　　　　　 '､ {（　ｨ'　　　　　　/／Ｌ {__/(__/　　　　　　　　　　　　　接続安定、油圧、ジェネレーター出力確認。
　　　　 ＿{へ≧＾ゝ､___ノ_z彡二弐≠ ＞／￣￣ミヽ
　　　　r{_ `ｰ=＜三＞'’ ）二二 ／　//　　　___　　　＼　　　　　　操作系、駆動系にも問題なし。耐G機構も稼働中。いつでもどうぞ。
　　／/ ｛＼　　｀￣　 /二二／/ 　/ｲ　　 Ｙiっ) -┐　 ＼
　｛　　Ｖ 〉　　　　　　〈ﾆ二彡イ　 ｛ ｛　 　 }｣つ）二! -02 |ｌ
　｛　 　 i ＼ 　 　 　 /｝ト､　　 i　 /八ヘ　　￣´　　　　　 |ｌ
　　)〉=ﾆi　　＼＿∠_//ｚ/＼　i／　　＞　_　　　　　　 　 /ｌ
　　　汀 i　　　 〔_二//￣　　 ＼　　 /￣７ 　 ＞＝-≠〈/
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　　　　　｀v 　　　　＼　　　　　　　 ＼/　　 　 　 　　/
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　　 ／: : : : : :_: : : : : : : 丶: : : : : : : 丶
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7: : : :/: l　/:/ゞ: : :l＼: : : : : : : : :l: : : : : ヽ
: : : ｌ:l: l_ゞ ｌ:l　 ＼: :ゝ-＼ : : : : : l: : : : : : :
: : :/l: :l 辷ｌ:l　 ￣辷､:＼_): : : : :/: : : : : : :　　　　　　野郎ども！　お家に帰る前に一仕事だ！
ゞ:乂 : l　/ヾ､　　　￣__ノ: : : : / ＼: : : : :
　　　):∨　　 丶　　　／: : :／ノ ／: : /　　　　　 　　当分のおまんまを調達しに行くぜ！
　　乂: ｨヽ　　　　　　ﾊ/ｌ:/ x-イ: : : : ゝ､_
　　　 _ノ:ヽ‐-　_ 　 　 　 ／　l: : : : l: : :ﾆ=　　　　　 　死にたくなけりゃ遅れるな！
ゞ=ﾆ三: :_ﾊ 　　　 　,　　　 彡: : : : l : :ヽ
　 7:/,＜　 〉-　-　´　__ -=ﾆ- l: : : : :)
　 ゞ-l　l　 从l二二二f丶　　 /: : :／ゞ
---./　,l　 彡〉二二ﾆ.l　 l ゝﾆ: :／ 　 〉、
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　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /ｲ/!:::＼|i､ :::::::::::::',＼　　　　,　　∠7 ﾄ､:::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 / | :::::: |!:ヾ:::::::::::::'.,｀ヽ　　 　 　 }　}-| |:::::::::::: ',　　　　　　　聞こえているな！？　各機出撃スタンバイ！
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /::::::::::|::::{`'i'''''i' -ゝ 　 ￣　　 /／! | |ﾞ　､::::::ﾄ',
　　　　　　　　　　 　 　 ,　-===-　__:::::＿＿|__|:::::| ＼ 　 　 　 ／´|　|::| |　　 ヾj ﾘ
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　　　　　　 ', 　 　 　 :.　|／|　 |　|::::::／／:::::::::|:::::|:::::::::::::::＼￣|:::ヽ'"|::|_',

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機体が地面へと吸い込まれていく。
格納スペースの床がそのままエレベーターとなっているのだ。

しばらく降下していくと、トンネル状の出撃ゲートの前で停止した。
天井部分が封鎖され、眼前の重厚なゲートが開き、海水が流れ込んでくる。
視界が薄暗い鉄の空間から海中へと移り変わり、脚部がカタパルトに固定される。
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4324： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 20:07:11 ID:.WgRXGVc0


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　　　|:./ .|:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:!:.ｉｲうﾐ　　　 　 {::::::::ら |:}:.:|:.:.:.:!´.ヽ:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　　　　全機出撃！
　　　|/　 !:.:.:.!:.:.ヽ:.:.:.|〃{:::j　　　　　 辷シ　!:.:./:.:./| ヽ.} |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
.　　　|.　　',:. | ',:| .|ヽヽ｀.ﾋﾘ　 　 　 　 　 　 /:/／:.:.:!　/: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　
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長いトンネルを滑走し、淡い光を視認した次の瞬間、
海面を爆発させて空中へと舞い上がった。

月明かりの下、飛沫のシャワーを装甲に受けながら、
痩せこけた大地の端にある沿岸、そこにぽつんと建つ軍事基地を見つめる。

散々聞かされてきたものと同じ、遠吠えのようなサイレンが鳴り響いている。
赤く煌めく照明が散りばめられた基地の上空には、艦載機部隊が既に
爆撃を開始していた。自分たちの露払いをしようとしてくれているのだ。

暗闇の中に黒煙が上がり、火が閃光となって炸裂している。
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4325： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 20:07:26 ID:.WgRXGVc0

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次々と海面から暗闇の中に躍り出るノーマル機たち。
黛隊のノーマルたちを前衛に、ディランディ隊が少し下がった後方で構える。

海上を緊迫した空気が支配する。ノーマル乗りたちの緊張が、
装甲越しの大気を通じて伝わってくるようだった。
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4326： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 20:07:41 ID:.WgRXGVc0


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―――‐:::'"::::::::::::::::;;:-''"::::::::::::::::: / :: /:::/:::::::::::::::/:/:/::::::彡＼://::::::::: / ::::::::::/
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＿:::-‐=''":::::::::::::::::;;ィ'" ::::::::: ／ ::::: /:::/:::::::::::::::/:/{:{＼　 　ん'/::＞":::::::::::/:/
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_,. ＜ : : : : ＞ 、｀　 、 :／:::::::::::::::::i!:;ｲ::/!:::::::: i{:{,ィ'|!＞'ﾞ　　　　 ',:::::::::::::/.!:!　　　　　　　各機散開――突撃！　
: : : : : : : : : : : :,＞　_ ｀ヽ、::::::::::／:ﾚ :|/::|::::::::::|i:|"´|　　　＿　 　 >::/!::/　l:|
-: : :_: : : ,,＞"´　　　｀　、＼:／: :＼ilililili|::::::::::|.|!　 　 ,r'"ヽ_＞'´ ::///　　ﾘ
＼: : :｀＞ 、　　　　　　　 ヽ ＼ : : : ＼ilil＼:::: |､!　　　ヾ／ |:::::::／／
ililil＼: : : : : ＞ 、　　　　　　 ＼.､: : : : ヽiｌiｌ,＼{ ＼　　 ,rﾞ　 |:／／
ilililililil＼: : : : : : ＼　 　 　 　 　 ヾ、: : .　ヾ　　 ＼ >'ヾ、　 ´／
ililililililililil＼: : : : : : ＼　　　　　　　|: : : :　　',　　　ヾ 　 }
ilililililililililililil＼: : : : : : ＼ 　 　 　 ｜: : : 　 /}　　 　 ｀¨´





　　　　　/　　　　　 　 　 　 .＾ヽ　　　　　　　　　 ＼
　 　 　 //　/　　 /　　　 l/`ﾚi ヽ　　＼ヽ
.　　　 //..ｨ≦二≧ｘ.....　/ー‐l　Ａ　 　 トl　　　ヽ.
.　 　 /.,'／::::::::::::::::::ヾヽヽ　　ﾊ/ ｛　　 ヽl　　　　|　l
　　　 ',':::::::::::::::::::::::::::::::',｝ ).　| |　 ∨　　｛　　　　| /
　　/...{{:::::::::::::::::::::::::::::::::}.} 　 | |　＿>、　 ヽ　　 //　　　　　　全機射撃体勢！
　　　 ､、:::::::::::::::::::::::::::ﾉﾉ.　　| |´ｨ赱ｱ>､　 ＼_// ,.
..　　￣＼::::::::::::::::::::／ｲ..＼! ゝ!　　　　　＞　　ニソ　　　　　　黛隊を援護する！　敵防衛設備を端から順に攻撃しろ！
.　　　_| ｀ .》 ==＝彡《　　 ｝　｀＼　 ゝ二ｨ　, /　　 '
　　　　　 《ｨ≦二≧ｘ》　　{　　 　.｀ 一／／｜　 /　　　　　　　敵弾幕に穴を作るんだ！
　　＼ 　 '／　　　　　ヽ　 ヽ ´　　ー ´イ　 /l　 / /
..　　　ヽ,'　　　　　　　　 ', . ＝＝ラ　／l/ / ｛　' /
　　　　{:{　　　　　　　　　}.}　　　　　／_　- ――
　　　　､:、 　 　 　 　 　 ﾉﾉゝ--- 　　ヽ
..　　　　､＼　　　　　 ／ｲ　　　　 　 　 }
　 　 　 lﾍ ､ゞ==＝彡'／　　　　　　　　|
　　　 　 　 | TT￣TT |　　　　　　　　　|
　　　 　 　 | :| | 　 | |: |　　　　　　　　　|

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眼下の黛隊の赤い隊列が弾けるように散開し、海面を割りながら進軍を開始する。

その背後から、ディランディ率いるダークオリーブのノーマル隊が一斉に
ライフルを構え、銃口から火を噴かせた。ネクスト機用のライフルには
及ばないにしても、重厚な鉄の響きが鼓膜を揺さぶってくる。

対岸からもミサイルや弾丸の一斉射撃が降り注いでくるが、
赤いノーマルたちは臆する様子もなく突撃していく。
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4327： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 20:08:03 ID:.WgRXGVc0

　　　 /!ー- i-,　　　　　　　 i　 l'　　　　　　　　　　　　　　　　 'l　　i,　　　 　 ＿__,,..i,- ー'ヽ,
　　　.l　　　i,__i/"''' ──--l　,l'　　　　　　　　　　　　　　　　　 'l,　/ ''' " ´￣　　ヾ__,i　　　 .i
　　 .i'　　　!,__!}　　"'　.,,_　　ヽi, 　　　　　　　　　　　　　 　　　_, .!/　　　　　　　　　{!__,!　　　.!
　　 i'　　　.L_!}　 ○　 / `'ｰ ,,　｀ " ' ──--------──' "´ ＿_, -ヽ［◎］　 　 　{!__.i　　　i　　　　　　　こちらマーシフル、支援砲撃を行う！
　　 .{　　　L_!}　　　 /　-.、　　 ｀''ｰ ..,、'.´　　ヾ 　 ....ｰｰ''"´　　 ._,-　　ヽ　 　 　　　{!__,l　　　}
　　　|_.　　i,__!} 　 　i' 　 　广''┬--v-‐．　○　 }　 　 .'i-----r‐ヾ　　　　'i　　　　　{!__,l 　　_.|　　　　　　　カウントはいらないお！？
,..＝ニl__＿|.'__ｌ}　 .,!　　　/.ヽ,、.ゝ-'ﾞ _./ ゝ　　ノ　　　　ヽ_.ﾞｰ'" .／.ヾ　　［◎］　　　{l__,l'.|＿__lニ＝､..,,,
.i 　　　ヽ ´ ヾ__,ヽ |　U .Ｅ 　　｀ﾞﾞﾞﾞﾞ./ 　　 ｀|´　　［◎］ 　 ヾﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ　∃　　　.|　　　 ,'__./´　　/　　 /　　 ﾞﾞ'-､、　　「おう！　やってくれ！」
. !　　　　ヽ　 .ヽ__,.＼　　○ 　　　│○ 　　.|　 　 　 　 　 　 l　 　　/　 　 /　　 ／_./　　 ./　　 ./　　　./
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ブレードを中段に構え、刀身を音叉の様に展開させる。
青白い稲妻が割れた刀身の裂け目に迸り、膨張していく。

沿岸部をなぞるように設置されたSAMや高射砲搭載車を視界の中央に捉える。

中距離専用FCSを搭載している関係で、ここからではロックオンできない。
火器管制をマニュアルモードへ切り替え、弾道予測ガイドのみを表示させる。

息を止め、視線の先に意識を集める。
揺らぐ照準が定まった瞬間、ディランディ隊が集中砲火している沿岸部右側へと放った。

青い熱線が高音を轟かせ、防衛施設を薙ぎ払い、爆発炎上させていく。
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4328： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 20:08:20 ID:.WgRXGVc0

　　　　　　　　　　 __´￣￣二ﾆ=　、
　　　　　　　　／　　￣´ 　　　　　　ヽ
　　　　　 　 /　/ｨ　　　　　　}i　　　　∧
　　　　 　 /ﾔ'7=ﾆ二二二≦_｣Ｌﾍ/　 ∧
　　 　 　 ;　 /＼_　　､＿　￣Ｖ⌒{ 　 / }｝
　　　　　:; 　}(●）　　（●　）　〉 人 /　/^}　　　　　　　　　　しっかし、ディランディ隊、狙いが正確だお……
　　　　　 '､ {（　ｨ'　　　　　　/／Ｌ {__/(__/
　　　　 ＿{へ≧＾ゝ､___ノ_z彡二弐≠ ＞／￣￣ミヽ　　　　　黛隊も動きが良い。まだ一機も堕ちてないお。
　　　　r{_ `ｰ=＜三＞'’ ）二二 ／　//　　　___　　　＼
　　／/ ｛＼　　｀￣　 /二二／/ 　/ｲ　　 Ｙiっ) -┐　 ＼　　　下手なネクスト機より戦力的には良いんじゃないかお？
　｛　　Ｖ 〉　　　　　　〈ﾆ二彡イ　 ｛ ｛　 　 }｣つ）二! -02 |ｌ
　｛　 　 i ＼ 　 　 　 /｝ト､　　 i　 /八ヘ　　￣´　　　　　 |ｌ
　　)〉=ﾆi　　＼＿∠_//ｚ/＼　i／　　＞　_　　　　　　 　 /ｌ
　　　汀 i　　　 〔_二//￣　　 ＼　　 /￣７ 　 ＞＝-≠〈/
　　 ！| iﾄ　　　　＼　　　　 　 　 ＼/　 /　　　　　　勹[_]
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│　　　　　ゝ:.:.＼:.:. |{´｀ｌ:.:|:.:.:|:.:.|:./ﾍ　{::ﾘ/ 〈/ ｌｲ:.:./l:./　　　　　　...│
│　　　　　 |＼:.:.:＼:|＼ ゝl:.:.:|:.:.|/　　 ゝ'　　＼ |:./ ﾚ′　　　　　.....│
│　　　　　 |:.:.:.:.ヽ、ヽ:|　｀!:ヽ:|、|　　　　　　 ／ ﾚ′　　　　　　　　 │
│　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.＼/　 ‘， ＼＼ 　 　― ´　　　　　　　　　　　　 │　　　　伊達にあの撤退戦を生き残ってはいないだろうからね。
│　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:. |　　　ﾍ:.:.:.ﾍ　　　　/　　　　　　　　　　　　 　 .│
│　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.≠__　　　ﾍ:.:.:ﾍ ―‐´　　　　　　　　　　　　　　...│　　　　 今回の作戦は石橋を叩いて渡るようなプランだけど、
│　　　　　 |:.:.:.:.:. / ｀ヽ､≧ｭ､_ヽ :.{　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　　　　 |:.:.:.:.:.:|::＼　　 ≧ｭ､｀ヽヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　そもそも彼らの腕なら生存率も高く見込める。
│　　　　　 |:.:.:.:.:./::::::::＼ 　　　 ＼ｌ┤　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　　　　　 |:.:.:.:/:::::::::::::::::＼　 　　ヘ{ ヽ、　　　　　　　　　　　　　....│　　　　　　一機失えば大損害だよ。引き続き援護、お願いね。
│　　　　　 |:.:.:/:::::::::::::::::::::::::＼　　　|＼ ゝ　　　　　　　　　　　　　...│
│　　　　　 |:.:/:::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ｀￣ 7　 ﾍ´ヽ　　　　　　　　　　　....│
│　　　　　 |: ｉ::::::::::＿＿＿＿__|　　,′ 　 ﾍ::::ｉ　　　　　　　　　　......│
│　　　　　 |: |:::::l´::::::::::::::::::::::::::＼　＼　　　ﾍ:|　　　　　　　　　　　..│
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早速、防衛線に穴が開くのが見えた。
レーダー上の赤い点の線も、途切れてがら空きになっている。

自分の支援砲撃もあるにしても、驚異的な殲滅速度だ。
ディランディ隊の狙撃精度が優れている証左と言える。

更に、黛隊も銃弾やミサイルの雨を掻い潜りつつ、既に上陸寸前まできていた。
大した損害も見受けられない。猛らず急かず、けれど迅速な動きだ。
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4329： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 20:08:31 ID:.WgRXGVc0

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　　　　 〈ヽ　 /　　　　　〉￣ ≫　fｺｲ}　＼〈　　　/: ＼
　　　　　ﾏ ∨　 　 　 fミ／//∧ヽ__∧', 　 ∨／≧ｭ､ ',　　　　　　　　　コンタクト！　敵ノーマル十五機を確認！
　　　　 　 マ ヽ＿＿ ゝ///f///fぅゝ__}ﾉ‐= iヽ　 /　　} ヽ
　　　　　　　ヽヽゝ--- {z}///z7‐≦ T　|　 人{ ＼　／ ヽヽ　　　　　　　「やれそうかよ、お姫様！？」
　　　　 　 　 　 7 　f⌒!├/z))　　|　∧/／　　ヽ-＼　／ 厂ヽ
　　 　 　 　 　 　 {　i　 ヽ{{ニ}二二ﾆ=/ 〉￣',　　 ＼ ¨ ＼〈_／　　　　　　無論だ！
　　　　　　　　 　 〉〈　 ／／二二}　 |／∨ ∧ 　 　 ＼　　　 ∧
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│　　　|/　 !:.:.:.!:.:.ヽ:.:.:.|〃{:::j　　　　　 辷シ　!:.:./:.:./| ヽ.} |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│　　　　　敵ノーマルが密集してるよ。
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│.　　　　　　ヽ|　ﾘ　!:.:.ヽ＼ ヽ　 ＿　　　　.〃|:.:.:.:.:./_/／.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :.:|　　　......│　　　　　 黛隊を巻き込まないよう、
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{　　　　　　＿V/／´｀ ､＞ 。:.:.:.:.:..､___ 　　Vililill{　 / }、 i}／
ヽ_jI斗ｬ≦￣￣￣｀ヽ／＞{ili{≧s､_:.:.:.:.:.､　 Vililiヽ__/{　} i　V/　　　　　　　　火力支援、了解。
ililil{_　　　_＿／ 　 　 ＼il＞-､ililij!ililヽ;.:.:.:.＼_!ilililili}_　 '　ヽ, V/
ili{´ヽ、／　　　　　　　 __＼ililil_}ilil>‐<､ヽ、:.:.:.}ilililili} V/　　 ヽV/　　　　　　　　カウントスタート、5、4、3……
iliﾄ､　 ＼　　　　　　／　　 ｀ヽililil＞-<ilヽ/≧'ilililil〈　 〉　 　 　 }!
ililili} 　　 Ｖ/　　　./　　　　　　｀ ＜ilililililil＼　｀ヽ＞ー＜　　　 }!
ililili}　　　 V/　 　 V/　　　　　　＿　｀¨¨｀Y-＜ﾟ　　　 / 　＞ ､}!
ililili}　　　　V/　　　V/　　　　　{f¨｀ヽ　　　　　　｀ﾟ ＜} 　 　 　 ＼
ililili}.　 　 　 V/　　　V/　　　　 {!　　　　　　　　　　　 　｀＞ー - -ヽー ､
ilili/　　　　　_V/　　　}!　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　ヽ　　　　＼
il/ 　 　 　 /　.V/　　 .V/　　　　　　　　　　　　　　　/　　　 　 　 　 　 　 　 ＼
´＼　　　/　 　 }!　　　 V/　　　　　　　　　　　 　 　 {　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼

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しかし、マーシフルという機動力を生かした接近戦向けの軽量機で、
こうした遠距離後方からの支援射撃という慣れないことをしているのもそうだが、
ノーマル同士の戦闘に大火力での射撃支援というのは中々に骨が折れる。

時には針の穴を通すかのような繊細さが必要になってくる。
ネクスト同士の連携とはまた違った、慣れない難しさが神経を容赦なく削ってくる。

なのはの指示通りにポイントマーカーに示された地点へレーザーを放ち、
黛隊の露払いを粛々とこなしていく。
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4330： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 20:08:56 ID:.WgRXGVc0

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今まで、こうした軍事拠点を襲撃することもあった。
だが、それは自分の意志で決めたことではない。
確かに自分の意志で行ったことではあるが、決めたのは、企業だった。

それが今では、自分たちが生き延びるための糧を得るために、
いや、奪うために、こうして基地を襲っている。

今更罪悪感に膝を折る気もなければ、膝を折っていいような人間でもないと
自覚している。懺悔する資格すら自分にはない。

自分は他の粗暴な独立傭兵たちや、あのサーシェスと何も変わらない。
所詮は戦争屋なのだ。

ただ、懺悔の感情こそ底に沈んだままであるものの、
不思議な感慨とでもいうべきものがあった。

金のためじゃない。企業連の政争、その代理戦争でもない。
今、我々の中の誰もが、生きるためだけに戦っていた。

純粋な、まるで野の獣が他の獣を襲って食らうように。
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4331： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 20:09:21 ID:.WgRXGVc0

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.　　 　 　 | ﾘ|:|:::::|::::::::::个ヽ.　　　 　 　 匕/ｲ´ｌ::/::::::::ｉ　　　　　　　　艦載機部隊から入電。
　　　　 　 　 ﾘヽ::||::::::::::::| `.`　　 　 　 ,.　　/:://:::::::::|
―----==r´::ヽヽ|ヽ:ｌ:::::::|　　　　r‐.,　　　.ｲ:::/:|::::::::::|　　　　　　　　 五時の方向にオーバードブーストで接近する機体を発見。
　　　　　　|::::::::ヽ　ヽヽ::::|　　　 　 　 , ＜:::::::::::|:::::::::|
--＜＿ 　 |::::::::::ｉ　　|ヽ:丶＼_,　＜´　/::/:::://!::::::::|　　　　　　　　　　大きさからして、ネクストACや。
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＞|:::::::::::|　　／.ヽ| 、/ﾘ从////:://　|:::::::|
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:::::::::::|.／、;;;;;||::|｀ヽ、 / / //　　 |::::/　　　　　　　　　　　……救難信号拾われたか。ちょうど近くにおったみたいやな。
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:::::::::::|　 ヽー|||::|、 .｀ヽ、/　　 　 //
、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:::::::::::| 　 |;;;;;;| |::|:.｀ヽ、｀、　　　 /
:.:＼、:.:.:.:.:.:.:.:|::::::::::::| 　|;;;;;;;|.|:::|:.:.:.:.:｀/:|
:/:::::::::＞:.:.:.:.:ヽ:::::::::::|　|;;;;;;;;||::::|:.:.:.:./:.:.|





　　　 　 　 　 , - ‐‐‐-　、:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ、　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.ヽ、
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　　　 ／:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:--‐ヽヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.: |
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　　　,':.:.:.:,':.:.:.:.{:.:.:.:.:.|:.:.ﾊ:.ｉ　ヽヽヽ:.:._メ:.´ヽヽ:.:.ｉ:.:.:.:|/:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　　　　　聞こえた、やる夫君！？
　 　 ｉ:.:.:/|:.:.:.:. ',:.:.:.:.:|-/_|_|　　ヽ／,イ圷≧ｉ:.ｉ:.:.|:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
　　　|:./ .|:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:!:.ｉｲうﾐ　　　 　 {::::::::ら |:}:.:|:.:.:.:!´.ヽ:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　　　　　「すみません、なんですかお！？」
　　　|/　 !:.:.:.!:.:.ヽ:.:.:.|〃{:::j　　　　　 辷シ　!:.:./:.:./| ヽ.} |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
.　　　|.　　',:. | ',:| .|ヽヽ｀.ﾋﾘ　 　 　 　 　 　 /:/／:.:.:!　/: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　 敵ネクストの接近を確認！　詳細は不明！
.　　　　　　ヽ|　ﾘ　!:.:.ヽ＼ ヽ　 ＿　　　　.〃|:.:.:.:.:./_/／.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :.:|
.　　　　　　　ヽ　　ｉ:.:.:人　　　∨　 ヽ　　/　 !:.:.:.:./／. 　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : :|　　　　　　　　作戦を邪魔させるわけにはいかない。
　　　 　 　 　 　 　 ',:.:.:.:.ﾍ　 　 `ー '　 　　　|:.:.:.:/.　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
　　　　　　　　　　　 ヽ:.:.{　ヽ、　　 　 　 .＜.|:.:./l　 　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　　迎撃、お願い！
　　　　　　　　　　　　 ＼ｉ　　　＞.-t ´　　　|:/‐┤、.　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　＼　　　 r､| .-　￣/　／　ｉ、　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〃.ヽ　　　.／　　 |::｀ヽ.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |

4332： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 20:09:34 ID:.WgRXGVc0

　　　　　　 　　　　＝＝＝＝丶
　　　　　　　 　／　　　 　 　 　 ヾ
　　　　　　　/《　　─　　　─　　》ヽ
　　　　　　　| ||　 （●） 　（●)　 }}. |　　　　　　　　ノーマル隊の援護はいいんですかお！？
　　　　　　　| 《u. 　（__人__） 　 　》 |
　　　　　　　＼ミ三三|￣|三三彡／
　r､　　　,'⌒r,卜 ＿　 兀　＿　 イヽ⌒ヽ
　ヽヾ　三　|:l1.　 　 　 | |　　　　　　 } 　 )
　　＼>ヽ/ |｀ }　　　　 | |　　　　　　　|￣|





　　　　　　　　　　　_,,　―ｰ､
　　　 　 　 　 　 ,'ﾞ゛　　　　　ヽ
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　　　　　　　　 、!　　　　　　　 　;:;:;:.;:｀''ｰ､
　　　　　　　 ./　 　 　 　 　 　 　 ;:;:;:;:;:;:;:;:;: ＼
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　　　　　　/　　　　　　　　　　　　 ;:;:;:;:;:;:;:;:、;:;:　_../'ﾞ./ ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.`'､
..,, - ....,,,_ /　　　　　　　　　　　　　 ;:;:;:;:;:.,i,! 　,/　 　" 　;:　　._.. ‐'"
　.''― ..,,./　　　　　　　　　　　　　 　;:..,i,'. l　.i.¨'''"゛ .ヽ　　.;''―ｰ''''''''^
　　　　　.! 　　　 ' ＼ 　　　　　 . _,,..-" |;:.!　,｝　　　　 ヽ　 .ｌ .,,,,　　　、　　　　　　　ここまで来れば、後は我々だけでもどうにかできる！
　　　　　 ',´.ヽ.　　.ヽ:｀''-.../ '"´:!､__,,,./ 　,/｜　　　　　ヽ,i′　,ﾞ‐'''ﾞ゛
　　　　　　＼　＼　 .ヽ,;:;:;:;:;:_,,,...... -. 　,／ .: | 　 　 　 　 　 　 ,'　 ._゛　　　　　　　　 それよりネクスト機が来れば戦線も崩壊する！
　 ......､　　　　＼、ﾞ''ｰ　ﾐ:''"　　　　| .;:;ﾞ､　＞.l、　　　　　　　 ,.',..―',
　;:;:;:.｜　 .／ 　. ｀ﾞ''''ー ､　　　　 .l ;:;:;:;:i";:;:;:;:.ヽ 　 　 ..... ／ ;:;:;:;:;:...ｌ
　 ;､;:;:;ﾞ-,'ﾐ、　 ,-;./ ;:;:;:;:i;.ｌ　　　 　!;:;:;:./ ;:;:;:;:;:;:;:ヽ 　:.／゛;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.ｌ
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4333： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 20:09:46 ID:.WgRXGVc0

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.　　　　　 || ';::!.';:::::: {､` 乂ｿ｀ 　 　´ ﾄｲﾘ　,≫./::::::::://　　　　　　　　　君にしか相手どれない敵だ！
　 　 　 　 |!　':!. ＼::::',＼　　　　　 　 ｀¨　 ／/::::::／::{
.　　　　 　 　 　 /::|｀ﾞi'' 〈　　 ` ＿_ 　 　 <.∠r=f´::::i::|',　　　　　　　　　そちらを頼む、マーシフルのリンクス！
　 　 　 　 　 　 ´}::|::::|＼＼　 {/::::::) 　 ／∠,,{ﾆﾄ､::::l::ﾄゝ
.　　　　　_　＜´￣|::::|＼｀＞=r┬､=＜"´ﾄ､　{ﾆ}ヾ＼‐- 、
　 _　＜´　　　　　.|::::| ヽ＼{l¨{__!/ ¨¨¨¨ﾞ},. ヽ|:::|＿ヾｿ＿}
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.　　　　　 ⌒|:.:.:{ハｔｯﾍ:|:.| ｔえﾃﾌ￣ /:.:.:.:.:.: ハ:.／|
.　　　　　 　 l:.:八:.:|　 八:、　 　 　 厶ｲ:.:.:.:/_丿:.:.ﾉ　　　　　　　　　　　　頼んだぜ坊主！　こっちの仕事はこっちで片づける！
.　　　　　 　 |( 　|八 /　　＼　 ＼ー‐':.:.／:.:.:.:.:.〔_ノ
　　　　　　　　 　 　 l`、　 　 　 　 ｀¨¨7　}:.:.:.:.:.:.:.:.＼
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　　 　 　 　 　 　 　 -‐∧　　　　　´　　 /二二}.:.:.／￣￣
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　 　〃　　　　　　　　＼
　/ 《　　 　⌒　　 ⌒ 　ヽ　　　　――了解ですお。ちょっくら片づけてきますお！
　|∩||　　（ ●） 　（●）　}}
　|∪《 　 ⌒（__人__）⌒∥|
　 ＼　 ミ三三|￣|三彡／
　 ノ卜 ＿＿＿兀 ＿ イヽ

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二人の隊長から飛ばされた叫びに、軽快に答える。

自分の何倍という時間を戦場に生きてきた二人の言葉だ。
短い付き合いという信頼感の薄さを捨て置くに値する。

世闇の中で火の手が上がる施設群に背を向け、
なのはが設置したマーカーを頼りに、星すら見えない空を飛翔する。

やがて風を切る音と轟くジェット音だけが鼓膜を揺さぶるようになり、
高度を保ちつつ、暗い海を眼下に納める。
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4334： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 20:09:58 ID:.WgRXGVc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　(⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 {⌒ヽ　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　ヽ＿}
　　　　　　　　　　　　　／ ヽ ヽ 　 ト__
　　　　　　 　 　 　 　 〈　 　 ＼ ￣ /　l
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　　　　　　　 　 =ﾆ;:;:;:;:;:;:; ＼　　　　　/;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
　　　　　　　三;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:＼　 　 〈;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
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　　　　　ﾆ三;:;:;:;:;:;:;:'　　　 　 　 　 ＼　　〉　　　'　､;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
＿　≦三二＝＝─フ　￣￣二丶　　￣　 __　＿　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
／　／　　　　'´　 //三≠　￣￣　￣￣　〈　ヽ／＼￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　ｉ　三── 　 //三/　Ξ　　　　　　　　 ＼　　　　ヽ
　　|　二二二ﾐヽ| |三　 ≠　　　　　　　　　r‐' 　 ∧　 l
　　|　三￣Ξ＝i| |三　≡=　　　　　　　　　＼　 {　`ｰ'
　　乂　三三　　ﾍﾍ乂　ヾ　　　　　　　　　　　`ｰ'
＿　三＝─-　　 ﾍ人≧　＿＿＿　＿＿＿＿＿＿＿＿＼＼＿＿＿＿＿＿
　　三＝───≧─三二二ラ'　　　￣￣￣￣￣￣,:':;:;:;:;:;＼＼;:;:;:;:;:;≧￣￣￣
　=三三三三;:;:;:;:;:;:'､　　　　　　　　　　　　　 　 ,.,.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:＼＼;;:;:;:;:ニ─
　　　　ニ三;:;:;:;:;:;:;:;:;:` ,,　　　　　　 　 　 　 ,,, ;:;:ﾞ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:＼＼Ξ=‐
　　　　　＝ﾆ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:　　　　　 ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:＼＼
　　　　　　　　三　,:,;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:三二＼＼
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月とマーシフルの影が落ちる海は穏やかで、透き通っていた。
鑑の様に空の光景を反射しており、マーシフルの白い巨体と、
ジェットの残光が鑑の様に映し出されている。

遠方からのマズルフラッシュもまた、海面に映っていた。
ノーマル機規格の火器ではありえない程の光の炸裂に、ネクスト機の存在を確信する。
神経が張り詰め、一層高まった緊張に心臓が一瞬締め付けられる。

EN消費を抑えるためにOBを停止して滑空し、落下しながらサイドブーストを吹かす。

するとどうだ。瞬間的にスライドした視点から見て、ついさっきまでいた位置を、
鉄柱さながらの規模の熱線が貫いたではないか。

あの射線からして恐らくは頭部、カメラアイ周辺に着弾していた。
かなりの正確さが見て取れる狙撃だった。
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4335： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 20:10:12 ID:.WgRXGVc0

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【ネクスト：ヘヴィードーラ　中量二脚】
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遠視モードに切り替えると、1㎞ほど先に、ホバリングしつつ起用にこちらへ
狙いをつける、暗い青の機体があった。

飾り気もなく、スタビライザーの類もほとんど見当たらない無骨な機体だ。
角ばったフォルムと特徴的なツインアイから、IGIO製フレームを
基調としているのが見て取れる。

淡々とハイレーザーライフルをチャージし、再度照準を合わせる動きをしていた。
他武装として左腕にシールドを持っているが、それくらいだ。

素人目から見ても分かる。優秀な狙撃手だ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4336： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 20:10:31 ID:.WgRXGVc0

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　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀ゝ¨ﾆﾅｰﾊi^ｆ¨升ｊメ　l}:::ノ⌒} |::.ﾞ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 ∧　 〈､_,..　`．ﾞ￣　..ノ.V_)　ノﾉﾞ　　　　　　　　　　救援要請を受けて来てみれば……噂は本当だったか。
　　　　　　　　　　　　　 　 ',　 ＿　 　　￣￣　 /(__,ノ´
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｉ　‐-｀丶　　　　　/　ﾚﾍ　　　　　　　　　　　　 たった一機のネクストとノーマル部隊で、
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ﾊ　　　　　　　　／　／　ゝ,
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ゝ＿＿__ .. ＜　／ 　 ｊ　 ヽ　　　　　　　　　　　企業連を相手どろうとはな。大したものだよ。
　　　　　　　　　　　　　　　　厂＼ ＿＿＿ノ　　 ,ノ　 ⌒＼__
　 　 　 　 　 　 　 　 　 .　-‐/}/´｀⌒⌒ﾆヽ.　　 ／　　 ,/／⌒＞､　　　　　　……しかし、避けるな。ただのバカではなさそうだ。
　　　 　 　 　 　 　 ／　／〈_/　　ノ 　　　　ゝ／　　　 /／　　　　 ヽ
　　　 　 　 　 　 ／　／　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／　　　 　 　 　V
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　　　 　 ／　　　/　　　　　　　　　　　　　　　 / .::: /　　　　　　　　　 |
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.　 　 　ー､＿/,／　　　　　　　 　 　 　 　 /　　.:｛ . : : ′　　　　　　　|
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【リンクス：ノービィ・ノビタリア　ブライドルランク17　独立傭兵】





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　　　 〈ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ=‐　⌒＼:.:.:.:.:.:.＿／¨|8[/:.:.:.:.:.:.:.:./ :.:.:.:.:.:. /:.:/|:.〔l:.l〕:.|]:./:.／:／:.:.:／:＼　＼＼
-=ﾆﾆﾆ＼ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ√¨¨寸__)_ノ¨￣　　　　　_〈＼_.:.:.:.:./:/＾7 :.: /:.:/ハ:________/ｲ:.／:.:.:／:.:.:.:.:.:.:＼　＼＼
¨¨¨￣　　 ⌒7ﾆﾆﾆﾆﾆニ7　　　　　　　　　　　　 ／/∧:.:.:.:.:.:∧:|8[:.:.:V:.／:／⌒ト　　／:.:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼　＼
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╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
放たれる第二射を射線をずらすようにブーストして回避し、
ダークブルーの機体と相対する。熱線が右肩部を掠め、赤熱させるのが見える。

相手も自機の位置がバレていることを察しているのか、
開き直って機体のスピーカーから語りかけてきた。

「よお、酔っ払い。アンタも大層な企てに乗せられたもんだな。
本気で企業連に敵うとでも思っているのか？」

挑発でもなければ、油断でもないように見えた。
どうやら、本気で問いかけているようだ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4337： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 20:10:42 ID:.WgRXGVc0

　　　　　　　　　　 __´￣￣二ﾆ=　、
　　　　　　　　／　　￣´ 　　　　　　ヽ
　　　　　 　 /　/ｨ　　　　　　}i　　　　∧
　　　　 　 /ﾔ'7=ﾆ二二二≦_｣Ｌﾍ/　 ∧
　　 　 　 ;　 /＼_　　､＿　￣Ｖ⌒{ 　 / }｝　　　　　　　　　　　　　なんの話だお。
　　　　　:; 　}(●）　　（●　）　〉 人 /　/^}
　　　　　 '､ {（　ｨ'　　　　　　/／Ｌ {__/(__/　　　　　　　　　　　　　「決まっている。傘下企業が一転、最大規模の反体制勢力に転身。
　　　　 ＿{へ≧＾ゝ､___ノ_z彡二弐≠ ＞／￣￣ミヽ
　　　　r{_ `ｰ=＜三＞'’ ）二二 ／　//　　　___　　　＼　　　　　　たった一機のネクストを引っさげて宣戦布告ときた」
　　／/ ｛＼　　｀￣　 /二二／/ 　/ｲ　　 Ｙiっ) -┐　 ＼
　｛　　Ｖ 〉　　　　　　〈ﾆ二彡イ　 ｛ ｛　 　 }｣つ）二! -02 |ｌ　　　　　……企業連が自分らの口で謳ったことだお。
　｛　 　 i ＼ 　 　 　 /｝ト､　　 i　 /八ヘ　　￣´　　　　　 |ｌ
　　)〉=ﾆi　　＼＿∠_//ｚ/＼　i／　　＞　_　　　　　　 　 /ｌ　　　　　企業連の都合がいいようにしか言わないって、思わないのかお？
　　　汀 i　　　 〔_二//￣　　 ＼　　 /￣７ 　 ＞＝-≠〈/
　　 ！| iﾄ　　　　＼　　　　 　 　 ＼/　 /　　　　　　勹[_]
　　　　　｀v 　　　　＼　　　　　　　 ＼/　　 　 　 　　/
　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　 ＼　　　　 　 /





　　　　　　　 |::::i:::::::/::::/j:::::::::::ﾉ:::::::ｊ::::::::::::::::::ヽ:::::::.:i
　　　　　　　 |::,/¨`ー: : : : : : ´ーイ￣￣￣＼::::.::::::i
　　 　 　　rく|:::　:::　:::　:/: ﾉ:　::　::　::　 :　 :　 i:::::::::::i
　　 　 ..　/ ﾄト-､:　:::　/::/:　: / :　:: :　　: 　 :　i::::::::,|
　　　　　 | t,.|-,―ﾐ､: :i: :i:　: ﾉ　/:　 :　 :　:　 . j:::::::/
　 　 　 ／! |f　ヽ､iﾞi,;､::Y::　:/　/　　　　_,;; - /.:::::/
　 　　¨ヽ ti !､　　゛´ :;;ﾒ､_f ヽﾅ ニ ￣　､　 /:::::,/　　　　　　　真実など、俺には関係ないね。金を払われて撃つだけだ。
　 　 　 　i ,i i .`--,r 　 / !i　 くｰr三テ､　i,/::::／i
　 　 　 　i .i i 　 　 　 /　 ､　　ヽ ヾ-- ´/ﾃ7イ　　　　　　　　　だが、アンタらは今確かに企業連を敵に回している。
　　　　 　l ,i i 　 　 ir' 　 　`ー ----､イ　/　i､
　　　 　　i　!i 　 　 ､｀_､,　　 　 　 　 /.　/　　i　 i､　　　　　　　　俺なら機体なんて捨てて雲隠れするがね。
　 . 　 　 i 　 i､　 入＿_　　 　 　　／ ／　 　 |　r'/ i
　　　　　i .　｜　ヽ ＿, ヽ　　　／ ,∠´/　　　ヽ_Y /　　　　　　　　なに、その無謀さに興味が湧いたのさ。
　　　　 /　　 ヽ_ 　 　 　 　　　, イ　　/　　　　　）'
　　　　　　　　　　¨ ー- イ彡 .　 　 /　　　　　¨　 ,ィ

4338： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 20:11:00 ID:.WgRXGVc0

　　 　　　,,, ＝＝＝＝,,
　　　 　〃　　　　　　　　＼
　　　/ 《　　 ─　 　 ─ 　 ヽ
　　　|∩||　 （●） 　（●）　 }}　　　　　……さあ。やる夫もよく分かっちゃいねえお。アンタの言うことがもっともだお。
　　　|∪《 　 　（__人__）　　∥|
　　／＼　 ミ三∩_ノ ⊃彡 ／ゞ　　　　けどね……分かっちゃいても、やる気になっちまうもんなんだお。
　/　　乂 ゝ _／ ＿ ノ ＿イ,＿)
　(　, ′ヽ ／　 ,,;;; ｲ/　　 i　　i　　　　　理屈じゃ分かっちゃいてもね。
　 ＼　　 " ` ､ ／￣￣i￣"　 )





　　　　　／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　　 ／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:─────　.:.:.:.
　　　.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／　　　　　　　　　　＼ i!
　　f.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/　　. ---　　　　　　　　ヽ
　　i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/　フ≧ｘ;,,, 　ヽ　　　　　__ }　　　　　……酔っ払いってのは訂正しよう。
　　|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ｆ 　f　 =ｘ;≧x_,　　　　／　ﾉヽ
　　|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:､.　１´｀{ 　ヾｊ`x ji;,　l __ ｆ､__ｲ´　i.!　　　　アンタからは扇動されて、思想に浮かされた熱狂てのも感じない。
　　|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∧ V;{　　ゝ　　￣　,ノ´ﾞ ゝﾒﾁｼ>./ l
　 ∧.:.:.:.:.:.:.:.:.:;　　 V　　　　ﾞ　―‐　　　　 >´｀ヾｆ ﾉ　　　　 かといって擦れた感じもしない。金も絡んでいなさそうだ。
　　∧.:.:.:.:.:.:.:.:ゝ　　　　　　　 　 　 　 ｧ　ｲ.｀ --f
.　　　∨.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ ∧　　 　 　 　 _＿_　　 　 ノ　　　　　　　恨みか？　女か？
　　　　∨.:.:.:.:.　　　　ゝ　　　　￣￣ `ゝ　 ／
　　　 　 ヾ　　　　 　 ｊ　｀ ．　　　 ｀ゝ￣ ∧　　　　　　　　　　「そんなところだお」
　　　　　ﾉ　 　 　 　 ∧　 　 ヽ　　　　　 f
　　　　∧＞　．　　　 ∧　　　´ー -　 _ﾉ　　　　　　　　　　　　バカだね、アンタ。
　　　　 　 　 　 ＞ ．　 　 　 　 ｊ´￣￣
　 　 　 　 　 　 　 　 ＞　ゝ． ∨
　　　　　　　　　　　　　　ゝ　｀.{





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /|￣~.;""=
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /┌ ─.;.;.;.;.;|.;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､‐'´|　|.;.;.;.;.;.;;.;∥ヽ
　　　　　　　　　　　　　 　 ＼　　 　 / 　 　 i └.;.;.;.;..;∥ 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　 /　　　 　 "'''"'''"'''.;.;.;.;.;.;.;.;丶　　　　　　　　　　　　　　じゃあ、試してやろうじゃないか。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 -'''"|.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;￤
　　　　　　 　 ＼　　　　　　 　 |─ |.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;l"''ヽ　　　　　　　　　　　　俺を殺して第一歩とするか、
　　　　　　　　　 ＼　　 　　 　 | ◎| 　| ~""'''ｌ.　　　,- - .,..,,_ 　 |.;.;.;|
　　　　　　　　 　 ／￣￣￣￣| ＿| 　|　:( )::: ~""''｀　　　　|　 ￤.;￤　　　　　　　　　　　　俺に殺されて無謀だったと後悔するか。
　　　　　　 ＼ ／　　　 　　 　 | 　 |_　"'''- ．/"'"'ヽ＿_,.-''.;.;.;.;.;.;.;/.;＼
　　　　　　　　 |　 __,,.. ．-‐''　 | 　 ￤.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;/.;.;.;.;.;.;＼_,.．-'''"＼　　　　おまえたちのこれからってやつをさ。
　　　　　　　　 |／　　　 　　 　 ~"|　|.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;/.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;"'- ､
　 ＼　　　　／　　　　　　　　　　 "'''-'- __　　　　　　 __,,.. ．'''"　　　　　　　　　　　　 　 "'-
　　　＼|／　　　　　　　　　　　　　　　　　 "ヽ.____./".;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;. ;.;.;.;.;.;.;.;|
　　 .;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;|

4339： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 20:11:33 ID:.WgRXGVc0

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そう言って、男は得物の銃口に紫電を奔らせた。

対抗するわけでもないが、こちらも火花を散らしてブレードを展開させる。
撃つにしても斬るにしても、撃鉄は起こしておいた方がいい。

射撃戦では圧倒的にこちらが不利だ。
さっきまでの二回の狙撃も極めて正確だったし、
何より第二射はさらに精度を増していた。

読まれている、というより、覚えられているのだ。
マーシフルのブースト推力、重心の傾き、自分のクセ、
諸々からこちらの挙動を把握し、感覚的に覚えられている。

次こそはコックピットブロックを撃ち貫かれるんじゃないか、
という冷たい予感が、さっきから心臓を掴んで離さない。

下↓1　どうしますか？
1．目くらましにアサルトアーマーを起動、視界を奪う
2．左腕のPA収束装置で狙撃を防御する。撃墜まではされないはずだ
3．何とか接近戦に持ち込む。撃ち合いよりも現実的だ
4．撃たれる前にレーザーを撃ち込む
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4340：安価のやる夫だお：2021/08/12(木) 20:13:04 ID:RAO/WWH.0
1

4341： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 20:25:04 ID:.WgRXGVc0

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二ﾆﾆ''ｰ ､_//;:;:;:;:;:;:;:;/.:::::::::::::::ヽ:::::.:.:/::::::::::::::::.:.:.:!
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オーバードブースターが展開され、各装甲からパルス装置が露出する。

咄嗟の思い付きと言ってしまえばそれまでだが、狙撃に対する一つの答えだ。
そもそもの視界を奪う、フラッシュバンとしてアサルトアーマーを利用する。

バラまかれる高濃度のコジマ粒子によってレーダーも死ぬ。
どんなに腕がよかろうと、これなら関係あるまい。

プライマルアーマーを構成する粒子が震えだし、閃光となって炸裂した。
自機を中心とした爆発が広がり、一瞬にして周囲を飲み込み、海面に大穴を穿つ。
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4342： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 20:32:45 ID:.WgRXGVc0

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,.+ ｨｯｬｌﾐi,ｨ,ﾍンﾔﾑ　　　　　　 .ﾞハ！　;. ﾞ:、　　 　 j| 　 '/'}′
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __ 　／〉."　 　 |ｨ" ｌ |」ﾞ'''' .､_　　　 ''.ｧ.丶､v{　ﾋ!　　　i!||il.　　 , 八 Ｚ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　..,イ .／　 /i ﾉ"　　　 　 　 　 　 .＿　￣｀ζ｣'(´ ヽ　　j!　゛　,ィ彡′_.. -
　　　　　　　　　　　　　　　.／//.〈　,,.-',,ｸ´　　　　　　　　　　　　二 ﾆ ﾞて∠rιｸ_;.,､_,ｰ-'＾- =ﾆ_
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　　　　　　　　　　 .ｧ''У　　 "''",,ノ"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ.`_ｰ'　 .ヾ.'''l
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　　　t　 ﾞ''-''" ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.＼｀-‐"　 .}
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ブレードを構え、姿勢を崩しているであろう敵座標へと突き付ける。

それと同時に、左脚部への着弾、破損通知が視界に赤く躍り出た。
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4343： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 20:33:02 ID:.WgRXGVc0

　 　　　　　　　　　　　　　　　　|/
　　　　　　　　　　　_,.-'''"￣￣"'- ､
　　　　　　　　　 ／　　＿＿　　　　＼
　 　　　　　　　 /　 ／,_,.．、,｀-、i⌒!ヽ,
.　 　 　　　　　 .i　 /　i"　 　`;　　　 ´ヽ‐'>:'´￣:|ｨｰ ､
　　　　　　　　　ヽ/i"丶__, -'　　　　.／　　:／　　 ＼
　　　　　　　　　　｀ ヽ__o　　　　　　,ｉ/　／／　,. -―　　　　　　　　外したか。
　　　　　　　　　　　　　ヽ､._'´　　,/〃　/:/　.／
　　　　　　　　　　　　　　　　｀ ´.'ｰ:ﾄ/:/ ／　　　　　　　　　　　　　　ヤキが回ったのは、どうやら俺の方だったらしいな。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 λ/,.ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /,r:'´
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 V 　 ヽ　　　　　　 ,..
　　　　　　　　　　　　　　　　 /´ 　 i　 |　　 /　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　.l,´　＼　＼.　 ∠-‐′
　　　　　　　　　 　 　 　 ／ l、　　　　 ヽ/　　　 ／
　　　　　　　　 　 　 　 /　　　,> ､_ r'" ´　　　／
　　　　　　　　　 　 　 / 　 .i. l　 /.〈　 ‐- ､／
　　　　　　　 　 　 　 /　　 ﾉ .} 〈 l´
　　 　 　 　 　 　 　 〈　　/_. 〈　/ヽ
　　　　 　 　 　 　 　 ﾊ　 '.λ | ,）ヽ
　 　 　 　 　 　 　 　 |└‐'ﾞ,ｨﾞ |ｲ　　＼
　　　　　　　　　　 　 ｀[｀`くヽハ　　　 'ｰ ､ __
　　　　　　　　　　　 　 |｀ﾄ､.)､　 ヽ　＼
　　　　　 　 　 　 _,. ‐'´｀´　 | ＼.　　　 ＼





　　　　　　　∠ へ＿＿＿＿＿
　　　　　 ／_|＿＿|＿＿＿＿＿
.　 　 　 // ﾉ　　　｀'‐-　　　|
　　 　 //（○） 　 （○ ） 　 .|
　　 　 | | 　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　アサルトアーマー喰らってんのに当ててくるのかお……！？
　　 　 { {　　 （__人__）　u　 .|　
　　　　ヽヽ　　 {＿_}　　　　 }　　　　　　　　けど、これで仕舞いだお！
　　　　 ヽ ヽ―┬‐┬――┘
　　　　　／ヽ＿{＿_|＿＿＿
.　　　 　 /　　 /　/
　／　　/.　 　 |　|
　　　　{　　　　|　|

4344： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 20:46:32 ID:.WgRXGVc0




　　　　　　　　　　　　ゞ-ニ=＝==-ー--......
　　　　　　　　　　 ﾌ＝　三　三三三三二_ヽ
　　　　　　　　　　ゝ　三　三　三_,,..．----y´
　　　　　　　　　　|"''"三,.へ三i"　 ／,,--、 〉
　　　　　　　　　　|三テY ,ﾍ,`=j＿＿_i_..=iﾃ,〈　　　　　　　思っていたよりも、面白くなりそうだが……
　　　　　　　　　　|=≠　ヽ. ''}　　￣￣ヽ￣;´_ >
　　　　　　　　 ,.へ.　　 └‐'' i　　　　　　　_..>　　　　　　　ここまでだな。あとは地獄で見物させてもらうとしよう。
　　　 　 　　,.へ,　 ＼　　　　 ｀'　　　　　''^(
　　　　　／`'ｰ､`''ｰ､ `'ｰ､　　 ｀''ｰ-　...ﾉ
　　　／　　　　｀'ｰ､ ｀'ｰ､ `'ｰ'ｲ





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ｌ￣!i|　　|!　i!　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ ＿＿i!|　　|!＿ L__!i__i|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i!|　＿　　　　　＿ _＿|i|!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿i|￣|i＿ 　 |!´i!ﾞ｀|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣｀ﾞ!|i　　i!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i!|￣￣　　　＿￣L__!i__i|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／｀ﾞ≫|i!　　!|＜´＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣｀ﾞi!|　　|i￣i!　　!|i!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　<　／　　|i!＿i|　　ヾ__≫　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　　　　　￣￣　　|i!　　i|
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'　　　　　　　　　|::i　i!|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　iヽ　　　＿　＿ノ从ﾒ#ヾ'人ヾ:;:ー-　．..、
　 　 ／/ 　 ,ゝ-{≧ｓ。、　　Vﾑ　　 |　　{ .! 　 　,′.}／ヽ　　　　　.＼　　　　　ヽ　　__ﾉ;;;ヾ=二三　:;:;:　:;：;:;；・　　，｀ﾞヾ:;:;:;:;::;:;:ヾ
.　／　/　　!　,′　　 / ｀ﾄ. 　Vﾑ 　 |　　ﾏV　　,′V!　　 V/ 　 　 /¨{.丶　　　　　》:;:;;#ﾉ彡三二三 」──　二=≡≡＝ヾ:;:;:．，ゝ　──　─　i!二二二｀７
, '　　/, ＜,'!　!　　 ／ 　 ! ヽ、Vﾑ.　|　 　.ﾏV .,′　.〉、 　 V/ 　 / 　 　 ＼丶　ヾ，:;'ﾞ´'人i从'※'iﾐ彡∠ﾞ´　　　　　　　｀ヾ:;:;　；:;:レ'　　　　　　　 　/７∠／
　 ／　　 {i !　i__／　　／＼　}　ヽﾑ,|　　　 ﾏV　　./　 V/ /　　　〉,　...,。ｓ≦}ヽ ＞ 。´川彡／ｒ-三ﾞ´　　　　　　　　　　　｀ﾞヾ;:;　;:／　　　　　　　〈_/
../　 　 　 V!　　　　／　　　ヽ{≧ｓ{　　　 　 　 　 /　　/ー‐‐, ＜　 V/￣ ￣ }　＼　　｀ヽ、 ／´ﾞ　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ：;川;;;;;;;;／'
i{,　　 　 　 '!__＿／､＿＿ 　 }!　　{!　　　　　 　 /　　/　 　,/　　　　.V.V　　 /　 /-＼.　 　＼ 　 . :　　　　．;:　::.　　　　　　　　　i|!i《:;:;:／
i{　≧s。., __＼　＼　＼　 ＼ }!　　{!　　　　　　/　　/　　 ,/ 　>ー‐＜ V　/　 /i!　 　＼.　　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |《巛＜´　ﾞ
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{　　　　　　 ／　 　 　 　 　 　 }!＞ﾟヽ----- ' ｀ヽ'　 　 /イ　　／　 二.i/ 　 /　i{　　　 　 _,.　-ﾏ　V/　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |i:;:#i!`i'|!i　/７∠／
.',　　　　 ／　　　　　　　 　 ／＼　　　　　　　　　＼ ./｀ヽ_／　 　 　 .ヽ--.'V/i{、 ＞ ﾟ´　　　　ヽ, V/　　　　 .＼'　　　　人ﾞ-─∠　ﾞ｀　　　　〈_/
　ヽ--- 〈　　　　　　 　 　 /　　ヾ＼　　　　　　　　　ヽ＼/　　　　　　 ∧＿V/ V　 　 　 　 　 　 V}!　　　　 　 >ヾ'ﾞ´　::::::::::::;;;:#i|!　i|ヾ
　 ,s≦ミy}!　　　 　 　 　 /.　　　　ヾ＼__　　　　　／　}!　＼...ヾ、　　　　　ゞ'ﾞ´　 ヽ、　　　　　　　 }Ｖ/ 　 .ｒ'ﾞ´;;;;;;《'ミﾞ´i三二＝ヾ　ﾞヾ
　{三{ilililil}}! 　 　 　 　 　 V/　　　　 ￣ヾ＼ 　.／　　 }!　　i}　 ＼＼　　,:;'ﾞ´:;:;:.、`・　.＼　　　　　　 }! ヽ、i|!#　i!iﾞ´　　　　　　　｀ﾞヾ:;　:;て
　｀ー― ' }!　　　　　 　 　 V/ 　 　 　 　 .＼／　　 ／ ＼__i}　　　＼ヾﾐミi!#ﾞ─＜#i!`|ﾞ´｀ヽ､　　　　}! 　 ＼　;:;!ii　　.::'ﾞ｀　　　ﾞ::.、　i|!ﾐ　　／
　　　　r-{,'　　　 　 　 　 　 V/　 　 　 　 ／ヾ＼／　　　／ 　 　 　 ヾ:;i!iﾞ´'ﾞ´:::;;;:》i|!iﾞ`　　 　 ヽ,　 　}!　　　 {＞ ､ :　　　　　:　　　　ヾ:;．、て
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. ヽ___ノ,'　　　　　　　　　　　　V/　 ／　　 ／＿__＞ﾟ´　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 {ilil三}.i{;　　　{　　 ＼ ＼
　　　 .,′　　　　　　　　　　　　｀ヽ'._＿_／　 Vﾑ　 　 ',　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 {ilil三} .i{;　　 {i　　 　 ＼ ＼
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＞'ﾆニ{__}　　　 /　/　/　＼／　 .／　　　|　 　 !＿＿_|_./　/il{　{ ヽ　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ! 　 　 　 　 ＼　　　 /　 V//
二}＞'｀ヽ }ヽ 　 V/__/　 .／　 .／　 　 　 .!　 ／ ',　　/　　 {ilil{　{　 }
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姿勢を崩しながらも、ロックオンした敵機にレーザーを撃ち込む。

熱線が槍となってダークブルーの機体、その胴体を撃ち貫き、
一瞬の赤熱と膨張の後に爆発を引き起こす。

更に一撃、とどめの一発を撃ち込む。
万が一にも生存されていては困る。自分たちの所在がバレるのは遅らせたい。

火柱が立ち上り、海面に炎が広がる。
吹き飛んだ装甲片を復旧したPAが弾き飛ばす中、
ノーマル隊の任務成功の通信を受け取った。

重苦しい緊張から解き放たれ、一人息を吐く。

最初の一歩としては、あまりにも重い。
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4345： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 20:46:58 ID:.WgRXGVc0

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4346： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 20:57:13 ID:.WgRXGVc0

〜潜水艦アマツ　CDC内部会議室〜
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斗-‐ '' "´´_＼:::::::__,..|┬──|￣|────────|￣|─|￣|──‐┬　　⌒ア_￣”¨"''　‐　　__「｣"''
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　: :: :: ::,': : : :/￣｀ﾞ'､l: :!　　_＿_｀_.,ー‐┬′: : : :l.ヽ: :: ::
　ヽ: :: :|: : : :l　＿_..,从ﾊ　 ｀￣￣´　　 ﾉ: : : : : : |ｸl!}: :: :l　　　　　　　――損害報告は以上だ。被撃墜数はゼロ。
.　　i: : :'.,: :: :',.｀￣´ i ヽヽ　　　　　-ｪ彡ｭ: :: :: ::/ﾝ/: :: ::l
　_丿: : : :' ,: :l.　　 ノ 　 丶ヽ　　 　 _,ノ_ノ: : : :,'　/:: : : :l　　　　　　　　損壊も黛隊で二機小破したのみ。接収した物資もたんまり。
　｀―',: : : :ヽ._'、　ヽ　 ､ 　｀＼　　　　., ' _ ｨ´ﾄイ: : : : :l
.　　 　ヽ:: :: :: :ﾍ　　 ｀　　　　　　　　 ム‐´ / ',: :, : : !:l　　　　　　　　　これで向こう二週間は食っていけるんだろ？
　　　　 ﾉ,: :: :: :: :､　　 ,ｨ=＝=‐ｫ　　　　 　/ / ',,' : :,'l
.　　　　|.ﾊ: :,'､: :: :＼　｀ -一 '´　　　　 .ｨ　　　ﾉ: :/;l　　　　　　　　　　 それに衣料品、生活雑貨、弾薬やパーツも手に入った。
　　　　 ﾞ　ﾚ　.i.: :: :: :' , 　 ー　　　　.∠　　 ／_;;:- ..,,_
　　　　　　 　 .l: :_z‐弋ヽ_　　　__ ｨ.　　　 　 ´ .l　‐- , i　　　　　　　　　 これ以上の成果はないんじゃないか？
　　　 　.|l　 　.ﾉｌ.弋.　 　 iー　　　　 ___,,..　-‐ ´　 ィ　.|
　　　　 ｌ ｀ー´ :| 　 ｀ﾞ゛ヽ三二ﾆﾆ二＿＿_ｙ 'ﾞ ﾞ´　∠..|
　　　　　ﾞ‐-ｧ: ::|＾"` ヽ_　'.,　　　　　　　　/ 　, ''ﾞ´　　.|
　 　 _____／ : : ,|　　　　',　.i 　 　 　 　 　 |　 l!　　　　 |､__
　 ￣　　{l: : ; ' .ﾊ　　 　 | . |　　　　 　 　 .!　.{　 　 　 .ﾊ
　 　　　 ﾍ: :!　　 '.,　　　l　 !　　　　　　　 |　 |　　 　 ,'
　 　 　 　 ヽ!.　　　'., 　 .|　.|　　　　　　　 |　 |　　　,.'

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物資を詰め込んだコンテナの運び込みを終え、帰還した自分たちは、
一息吐く間もなく早速デブリーフィングを行っていた。

自分も間に簡単な診察を受けてそれきりだ。
あの場で勝利したところで、逼迫した状況自体は変わっていない。

なのは、はやて、間、篠ノ之、ノーマル隊両隊長、真壁という
変わらぬ面々で集まり、顔を突き合わせていた。
相変わらずの剣呑さではあるが、それでも幾分かは和らいだ方だ。

実際の状況はともかく、ひとまずの成功を収めたのだから。

背もたれに寄りかかり、ディランディが得意げに被害報告を終えていた。
隣の黛が眉を顰めつつも、同意見であることを淡々と述べる。
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4347： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 21:01:54 ID:.WgRXGVc0

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　　/::::::::::::::::::/ﾆ|:::::::::l::::::::::::::|_,｡イ芹汽/::／::;ｲｹア::::/::: /
.　/:::/::::::::::::::{ {. |:::::::::l::::::::::::::|｀' _込ｿ　／/／ lｿ /:::/,':::/
../::;ｲ::::::::::::::: ヽ. |::::::::::ｌ:::::::::::::',　､､､､ 　　'´ 　{　/／/:::/　　　　　　　まったく、この男は……ともかく、負傷者も出ていないし、
.／/::::::::::::::::::/::｀ヾ、::::l :::::::::::::',　　 　 　 　 　 >´::::/／　　　
　/::::::::::::::::::/:::::::::::/ `f=ｭ､_::::::::',　　　　 　 　 /::::!::´}　　　　　　　　　無事の終了ということでいいだろう。
./::::::::::::::::::/::::::::／､　.|::::::|　｀ﾞ'ミ',　　　　__ ／|:::::|:::/
′:::::::::::: /::::::::/ililili＞|::::::| 　 ≧s｡_　　´ /:／|:::::|/、　　　　　　　　　 修理は接収したSIフレームパーツでどうにかなる。
::::::::::::::: /:::::／＼ilililiｌｌ|::::::|=ｭ､_　 /.､ﾞ'' -.'://: |ニﾄ､:',
::::::::::::::::::/￣` ＜＼ilil|::::::|ilililililil7il}､:＼:://: : |ニ|, |:i',　　　　　　　　　ただ、マーシフルが足をやられたと聞いたが……
:::::::::::::: /: : : : : : : ＼iｌ|::::::|ililililili;'´ ',､: : ＼=- |:::::|l |:l !
::::::::::／: : : : : : : : : : : |::::::|､ilililil{　　',ｌ＼: : ＼i|:::::|l |:l |
::::／:..: : : : : : : : : : : :..|::::::|ili＼iljヽ／ヾム: : : :|:::::|l |:l |
:/､＼.: : : : : : : : : : : :..|::::::|＼lililililﾑ　　ﾏﾑ : /|:::::|l |:l |
' ﾏi;､ ＼:..: : : : : : : : :..|::::::|: : ＼ilililiﾑ　　ﾏﾑ:¨|:::::|l/.二¨i
､　ﾏiｌ;、 ＼: : : : : : : : |::::::|: : : : ＼iliｌﾑ.　　ﾏﾑ|:::::| : : : | |
: ',　ﾏilil;、　＼: : : : : :.|::::::|: : ／｀i ＼ｌﾑ.　　ﾏ}|:::::| : : : | |
: :.',　ﾏliliｌiｌ;､　 ＼: : :..:|::::::|／／l | : : ｀＞.、　}|:::::| : : : | |





　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿
　　　　　　　　　　　　　　 　 ,.ィ" ゞ-'-:、
　　　　　　　　　　　 　 , .ィ"　　　.／,ィﾑ
　　　　　　　　 ___ ,..ィ／ ゝ'__　／ｨ´:::::!::!
　　　 　 ,斗＜ァ:´f'´　 ／／{／　i::::::::i::i_
　　　／ ／／f:(: :｀ー':／／"￣:::｀:マﾆﾑ,:::｀:..＜
　.／ィ'r:ｧ´　　ゝミﾆ彡':´:::::::::::::::::::::::::::ヽ:ム:::::::::::｀ヽ
ｨ'／:／　　　 　,.:'::::/!:!,::{:::::::::::!:ヽ::::::::::::::::ヽム::::::::::::::ヽ
¨:／　 　　 　,.:':::::::':::!:!:',:':,::::::::!::::::':,::::::::::::::::::v::::::::::::::::::::.
´　　　　　　//::::::'{:::i::!::iヽ{::::::i、::::::!:::::::::::::::::::v::::::::::::::::::::!
　　　　　　//':!:::::!{':::',!riT',ﾏ::::'メ、:!:::::::::::::::::':::V::::::::::::V::i
　　　　　　'　!:i::!::ｆ{´,:::::{ ｀zr==ミ,､:j::::::::::::::::::}:::::V:::::::::::V:i
　　　　　　　.!:i::!::ﾊfr}‐‐ ´ jf:rタ ≫:::::!:::::::::::i、:::::V::::::::::V{　　　　　　　　私もモニターしてたけど、心臓止まるかと思ったよー。
　　　　　　　.!:i::ゝ:::jｿ　　　　　 　 ': : 八::::::::ハ:ヽ:_ヽ::::::::::V
　　　　　　　.!ﾊ',:::i´　　　　　　　/ノ:,':::::::::/:'　j:::::::::/:::::::::::::V　　　　　　　ま、内部機関や駆動部まではやられてなかったから、
　　　　　　　´　ヽ:}　　　,　　　　' /ｲ::::::::/:/／:::::::/:::::::::::::::':;ヽ
　　　　　　　 　 　 ヽ｀ ´　　　　 /´/:::::/-'::::::::::::∧:、:::::::::::::.ヾ:.、　　　　　接収した装甲とか当てがっとくね。
　　　　　　　　　　 /ム　　　　 ,。ｒー‐'/:::::::／:/:::::VV::::::::::::', .ヾ:.、
　　　　　　　　　　,':,' !ﾊ._,...o≦. . . . ../:/／:::メ:::::::::V:V::::::::::::. 　ヾ:、　　　　……リペイント、地味にめんどいなぁ。
　　　　　　　　　　{:{ .i:j::}::::::::::ﾊ. . . .,:':／::::,ｲ ∨_:::::::V::V:::::::::::.　 .}::i
　　　　　　　　　　 ,:, i/:j::::::::::/j　,.ｲ::´::::;ｲィ'斗う'":':＜::::V::::::::::.　.!::i　　　　
　　　　　　　　　 　',:V:/:::::::ィ!´ /ｲ::::／〃ノ´＞: ´: : ｀: ﾒ:V:::::::::∨:,'
　　　　　　　　　　 ＞/:::::/ﾍ'　/::::／V´丿／: : : : : : : : : :}::V::::::::∨

4348： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 21:11:04 ID:.WgRXGVc0

　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ､
　　　 f: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.|
　　　 {: : : : : : : : : : : : :ヽ､: : : :ヽ: : ﾍ: : : t
　　　 }: : : : : : : : : : :{'"`ヽ}: : : : :ヽ: :.}: : ノ
　　　 }: : /: : : : : : i!: :）　 !: : : : : :ﾉ:,ｲ: :ヽ
　　　ﾉ: : !,.{: : : : : :!: ムｚｚ込: : :.ムｸ: : ノ
　　く: : : :i ヽ､: : : ﾉ`´,.ztｯ-　}j､:.}~ .}: :{、　　　　　　　　市民たちもだいぶ落ち着きを取り戻せたようだ。
　　 ヽ: : :ヽ　 }: ﾍﾄ､　 ::　''"　　'" ,/: { |}
　　　{: : : : ヽ !ト: :.}　　　　　　　 〉! '"　　　　　　　　　　目先の生活の保障はされたわけだからな、多少は違う。
　　　i:::≧s｡|ヽ i　ｿ　　　, ,　__　 j､
　 ,.ｨ'!::::::::::::＞ｘヽ、,　 <　t'"_ ﾉ.ｲ::::ヽ　　　　　　　　　　 何よりも、君が企業連のネクストを退けたというのもある。
ｨ'´::::::＞:::::::::::::::::`i __ヽ、, , , ,_,.人:::::::/
::::::::::::::::::＞::::::::::::::|':i:i:i:i:i:i~i~:i:i:i:i/:i:i:〈｀ヽ､　　　　　　　　 艦内の雰囲気も、ほんの少し明るくなったよ。
ヾ:::::::::::::::::::::＞:::::::| 〉:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:）::::::》　　｀ヽ､
　ヾ::::::::::::::::::::::::＞:/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:!:::|'"
　　ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::ヾ､:i:i:i:i:i:i:i:i:i/i!:|
　　　ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::/:i:i:i:i:i:i:i:/　.i:|
　　　　!:::::::::::::::::::::::::::|}h，:i:i:i/　　.i|
　　　　 !:::::::::::::::::::::::::|　　}hく　 　 .|
　　　　 !:::::::::::::::::::::::::|　　　　 `i　 .|





　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼　　　　　　やる夫が勝ったから……
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　　　「というよりも、マーシフルが、だな。君のパーソナルデータは大まかにしか伝えていない。
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　　スパイでも紛れ込んでいたらコトだからね」
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
向かいに座る真壁史彦が、低い声をトーンアップさせて語った。
ずっと暗がりの底で蹲るしかなかったような状況に置かれていた市民に、
希望の先端を見せられたことを嬉しく思っているようだ。

確かに、ここに来るまでに通ってきた通路でも、
行きかう人々の目に若干の生気が戻っているのが見て取れた。
声にも動きにも張りが出ていて、談笑も聞こえてきた。

気力、士気というものの重要性を身をもって教えられている気分だ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4349： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 21:18:42 ID:.WgRXGVc0

　　 　 　 　 　 　 ,　-　ー―　- 　 ..
　　　　　　,　 '": : : : : : : : : : : : : : : : : :＞ ..
　　 　 ,　': : :、: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :≧ ､
　　,. ' : : : : : ヾ,ィ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
　,.': : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ: : : : ､ ヽ、
./: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ: : : ヽ､:',
' : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ､: : : : :'､: ヽ:.',ヾ､
: : : : : : /: : : : : : : : ,: : : ', : : : : : : : : : : : : ヽ.: : : : ', : ',:.!
: : : : : :,': : : : : : : : /ミ彡ヽ: : : : : : : : : : : : : :',: : : ,ｨ',､ ',:!
: : : : : :i: : !: : : : : :i!　　　　',:',: : : :､ : : ', : : : : ',:／／!:',: !
: : : : :, i: : !: : : : : :i　　　＿ ,:i､: : : :!,: : :',: : !,: : ',ｲイ.ﾉ:/ﾘ
: : :!: :i: ! : i: : : : :', ',　´　　　ﾘ ヽ: : :!',: : i:.!: !',: : :!,イ: i　i!
: : :! : i: ',: :i: !: : : :ヾ､　　　 -―-'､: ! ': : !ﾘリ !: : !.!: : i　　　　　　　　　マーシフルっちうたら、なのはちゃんの代名詞やし、
: : :!: : !: !,: !:!ヽ: : : !,,ィ示千キ''ヾ ヾ　',: !=＝''!:/! i: :,'i!
: : :!: : ! i ヽ',). ', : : ',`＜Z汐　　　　　i i/　　　!'ヾ',!/ i!　　　　　　　　　もっと言うなら十年前の大戦争んときからの名物ネクストや。
: : :',: : ', ヽ､`- ヽ: : ', 　 　 　 　 　 　 ヽ　　　.,: : :ヽ、
:.i!: :',: : ',: : : ヽ_ノ､ヾ'､　　　 　 　 　 　　　　,.ｲ: : : ',､ヽ　　　　　　　　　不安だらけの民衆の拠り所としてはもってこいなんやろ。
:.!i: : ',: : '､: : : :! ヽ:`　､ 　 　 　 -=＝'　 , イ!,､ヽ., -- ､',
:i !', : '､: : ヽ: : ヽ　'､: ヽ',＞　　 ＿_　.イ : !i:!ゝイﾆ￣　.'､　　　　　　　　　ま、持ち上げられといてちょうだい。
:i i:.'､: : 〉､ : ',､: : ＼ ',: :',ヾ　/､｀ー-, ￣￣r‐'‐'　　　　　',
',',',: i'､/,　ヾ: ', ｀ヾ､ヽ!:i:i`ヾ''!_ヽ　 i!i　　　 ヽﾉ丶 　 　 　 ',
ヾヾ./ ヾ、　ヾ､　　 `i:iﾘ　 /;;;;;;ヽ. ゞ==---、 　 ヽ. 　　　 ',ヽ､__
　　/　　 ヾ､　　 　 　 ﾘ,i! /;;;;;;;;;;;;;ヽ 、　　　ヾ、.　 ゝ､　　ノｲ／::!
＿/　　　/ ヾ、　　　// !i､`ー--〈;;;`ヽ､ー――--}`ー―‐''"::::::::}
. /　　　/　 　 ヾ,､. //　i !:::｀ヽ､　ヽ;;;;;;;;;;;ヽ::::::ヽ:::::＼::::::::::::::::::::::::i!
/　　　/　　　　　ヽ_/　, i !､:::::::::::＞ヽ;;;/::￣ヽ/..､::::::::＼::::::::::::::::::ﾉ､
イ ￣ ｀ヽ、　　　,ィ , イ　　!'､:::::::::::::,::-､＞､:::::ヽ::::｀i::::::::::ヽ--ー"ｲi
　　　　　　｀ヽ　 i !　　　　 i:',:ゝ''":::::::::::::',:::::::｀ヽヽ:::i:::::::::::::::',:￣:::イ!
　　　　　　　　　 i !　　　　 !::'､:::::::::::::::::::::ゝ-----ゝ'::::::::::::::::i::::::::::::::ヽ、
　　　　　　　　　i i !　 　 ／:::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',ﾟ:::::::::::::i!:::::::::::::::::::ヽ
ヽ　　　　　　　　i .',',. , ｲ::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::',:::::::,､:ﾉ＿＿__::::::::
　 ヽ､__　　　　　i　.!i' !　!:::::::::::::::::::ヽ__::::::::::::::::::::::::, --'."::i::i:::::::::::::::::::',ヽ、
｀ヽ、　　　　　　i/ /. ,'. ,'::::::::::::::::::::::::::::i--'￣:::￣::::::i !:::::::i::!::::::::::::::::::::!





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　　　　　　　　　　　　　　　　　, ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :― ､- : : :ヽ
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　　　　　　　　　　　　　　　 ∨　ﾙ: : : ﾊ:l 辷ヒ_ノ 　　　　,ｨう、 l/: : : : l |: l l: |
　　　　　　　　　　　　　 　 　 }､　| : : ﾍ ｀　　　　　　　　ん:/ﾉノ: : ﾊ: : | |｜| l
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |: :Y}: : :.ト:.､　 　 　 　 　 〈:ン´r- ､' : |: ;'　!:l .ﾚ　　　　　　物理的、心理的にも補給は十分、か。
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |_ノ '. : : :.　　　　　　　_　 ' 　 ムﾆ､}: :ﾚ 　 ﾘ
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 . イヾ:､ '.ﾍ: ﾍ　　　　　 ´ ´　 　'　l　ン : |　　　　　　　　　　　 確かに、暴動を抑えながら企業連相手に逃げ回る、
　　　　　　 　 　 　 　 . : ´|.　i!　ヾ:､ヾ:､ﾄ｀: .　　　　 . : ´ 　_. :´: : : :|
　　　　　　　　 　 . : ´　 . :| 　i!　　ヾ:､＿_,.イl｀ ｰ ´　 r ≦.､: : : : : :!　　　　　　　　　　　　なんてのも無理だからね。どっちも大事。
　　　　　　　 . : ´　 . : ´:.:.:|　　'. くヽ `ﾍ ‐く| !　　 　ノL:.｀ヽﾊ: : : : :|
　　　 　 ._:_´＿. : ´:.:.:.:.:.:.:.:!　　 ﾍ ´　∧X〈リ .．＜　 ﾊ:.:.:.:.:｜: : : :|
　　　／―― ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　 ヽ_/　〉 r ´　 .．＜　∧:.:.:. ! : : : :|
　　 {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i!.:.:.:.:.:|　　　　 ﾍ　 r┴　´ 　 　 　 ∧:.:.:|: : : : :!
　 　l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:l.:.:.:.:.:!　　　　　 ヽ∨　　　　　　　　 〉:.:|: : : : :!

4350： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 21:24:21 ID:.WgRXGVc0

　　　/　　　　　/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　/　　　　 ,': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　/ /　　　|: ,: : /: : : :/: : : : : i: : : : //ﾊ: : : : : : : :
　　　 /　l　　　1: /!: : : / /: : : ://: : :/ノ ノｨ: : : : : : :
　　　,|　 |　|　 |':.:|≧: . |:/:／:/_仁ｨ:≦Zz／ｨ: . r‐､: :　　　　　　　　医療班として言うことは特にはないな。
　　　 |　|　|!　 |!:.|ゞｾl:.:ﾄ;イ／ﾗ人 ゞ仍;ｊ　 /ｨ::/ う l: :
　　　||　|l　|l　 |:.:|￣´|:l ／　　キ 　￣´､　 /: | 仆 |: :　　　　　　　　まあまあ派手にやっておきながら怪我人はゼロときた。
　　　 |ヽﾄ　||,　|::|　　 ｿ　　　　　ｷ　　　 ／: : | .ﾚ /: :
　　　　|: : ', |:',　'!　　/　　　　　　 キ r‐1: : :─ '"´: :　　　　　　　　　次もこの調子で頼む。
　　　　 |: : ヾ: ', ﾄ,　 ヽ-‐ ､　　　　 ヾ!: : : : : : : : : : : :
　　　 '´: : : : : :.ヽ!＼ 　 ー─‐─　　 ﾊ: : : : : : : : : :.:
　　　: : : : : : : : : : : : ＼　´￣ ｀ ､, ＜|::|: : : : : : : : : :
　　　: : : : : : : : : : : : : <`ー　≦:::::＼: :.|: : : : : : : : : :
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　　　　　　　　　 |: : : : : |人|　 ＼ : |: : : : /:.:/　 ＼: :|: : : :|: : :|
　 　 　 　 　 　 /|: : : : : | 　￣￣ ヽ|: : :.:/7/￣￣ 　:|: : : :|: : :|
　　　　　　　　//|.: :. :. :.斗r矛笊⌒ ＼/＾⌒笊ﾃ矛寸 : : :|: : :|　　　　　　そうですね……いくら機材や器具が充実しても、
.　　　　　　　 :′|: : : : : 八乂rツ　　　　　 　 乂rツﾉ|.: :. :.ﾄ : :|
　 　 　 　 　 ｛　 |: : : : : :l　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |.: :. :.|ﾉ: :|　　　　　　 医療スタッフの絶対数が多くはないので。
　　　　　　　￤　|.: : : :. :.|.　　　　　　　'　　　　 　 　 |.: :. :.|: : :|
　　　　　　　￤　|.: : : :. :.|i　　　　　　　　　　　 　 　 ,|.: :. :.|: : :|　　　　　　 正直、大量の死傷者なんて出た日にはパンクします。
　 　 　 　 　 ｛ 　|.: : : :. :.込、　　　　r　 ヽ　　　　　仆: : : |/: :|
　　　　　　　 乂 ′.: : : :.|: : :ﾄ. 　 　 　 　 　 　 . : : :|:|: : : /: : :|　　　　　　　人員的にも……あと、スペース的にもね。
　　　　　 　 　 /: |: : : : : |: : :|l : ＞　　　　　イ.:. :. .:.|:|: : /: : : :|
　　　 　 　 ァ⌒ｰ|: : : : : |: : :|ｌ｛￣￣うT〔￣￣].: : :.|:|: /: : :Λ|￢、
.　　　　　 / 　 　 |: : : : : トＺ廴｝　　}}=={{　　 ｛廴.斗|/ : : /　｝ 　 ＼
. 　 　 　 /　　　　|人: : : |　.//　 　 }}=={{　　 　 } }　/ : : / 　｝　　　Λ

4351： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 21:27:55 ID:.WgRXGVc0

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　　 ｉ:.:.:/:.:. |:.:',:.:ゝ--＼:.:.|　,示气､.|:.:.}:ｌ_||:.:.:.:.:.:.: |
　　 .',:.:ｉ.{:.:.:|:.:.ヽ:〃沁､ ヾ､.　{:::::Ⅳ|:./:|ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　',:.| ',:.:.|＼:ヽ｀.',:::j　　 　 .ゞソ 〃:|/:.:.:.:.:.:.:.:.: |
. 　 　 ﾘ　ヽ|　 ヽヽ._ゞ′,　　　　 /|:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　　　　　　――さて、確認はこれくらいにしておくとして……これからだね。
　　　 　 　 |　　 |:.:ト、　　_　　　／:.:/|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　　　　 |ヽヽ＞ 　_ ∠　//| .!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　　　　　今、我が艦は潜水中だけど……死んだふりはバレてる。
　　　　 　 　 　 r‐‐｀ヽ-.／|ヽ ／　/.| ､:.:.:.:.:.:.:.: : |
　　　　　　　　 |:::::::::::<´　 .| /.|　 /　.ヽ::::｀::ヽ 、:.|　　　　　　　　 今頃、企業連の追撃部隊が編成されてるはず。
　　 　 　 　 　_|:::::,-- ＞.‐Ⅳ/.Ⅸ|　＞｀::::::::::::::::::｀ヽ
　　　　 　 　 { |:::/　 |　　 |｀:ヽ/　ヽ- ｀ヽ、:::::::::::__./　　　　　　　　彼らも沽券ってものがあるからね。
　　　　_　　 .{ |::/!　　|　　|::::/　　 ／ .|　 /ｌ::::〃　 }
　　　 | |＞ ､7／　　　i!　.|:/　＞´　 　 |/　.|::{{　　 ,'　　　　　　　　取り逃がした私たちを火達磨にしようと躍起だろうな。
　　 　.|.|　　./　　　 　 .ヽ|／　　＝＝ .|　　 |::｀ - ′
　　　　|.| 　.{　　　　　　0ゝ　　　　　　 |／　 |::/:. |
　　　r､r､　 ', . 　 　 　 /　 　 　 　 　 |/　　 .|/: . |
　　　ゝ｀￣ヽヽ､＿＿ .ｉ　　 　 　 　 ./ 　 /　/:.: . |
　　　 }　 　 /｀ ヾ- __ ﾟ{- ､ ＿＿__ / ／　　,′:.:.:|
　　　ヽ、　,′　　//　｀　ヽ-- __ rﾆﾆ--　 /:.:.:.:.: |
　　　.{ヽヽｉ　　　 ｉ.ｉ　　　　　　　　 ヽ＼　 /:.:.:.:.:.: |
　　　.rヽ-└t- _.|_|　　　　　　　　　　ヽ /:.:.:.:.:.:.:. |
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　 　./ヽ:.:.ヽ:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:./:.:.:/:.:.:|:.:.:.:.|:.:.: ',:.:.:.:.:ヽヽ:ﾍ
　　 ,'ヽ:.ヽ:.: ,':.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:/:.:.:.:.:〃:.:.∧:.: }:.: : |:}:.:.:.}:.:.､:.:.:ヽ ヾ、
　　 ｉ:.:.:＼ヽｉ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:./|:.:.:.:././:.:/　ｉ:.:/|:.:.: |:ｉ:.:.:.ｉ:.:.:ヽ:.:.:ｉ
　　 ',:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.||-/丁:.云ﾒ-/　 .}:.ｉ ┼:/:.|:.:.:,':|:.:.|.､:.:.|　　　　　　　加えて、あの基地を襲ったこともすぐにバレると思う。
　　　',:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.{|:/ ≠´てト/　　 /ｲ7､/:./:.:/:.|:.: | }:.:.!
　　　 ∨:.:./!:.:.:.:.:!:.:.:.:.| 〃 ら::::::|　 　 　 b:} !:|/:.:/:.:/|:.:.! |:.,'　　　　　　　 物資奪取後に爆破したり、わざわざ施設スタッフを
　　　　ヽ:.:{ ∨:.:.:ﾍ:.:.:.{　.｀ .辷シ　　　　 ﾋﾘ,':.|:./|:.:/ }:/　|/
　　　　　ヽヽ .!:.:.:.:.ヽ:.ヽ　　　　　　　　 ヽ　ｉ:./　.}/　ｉ/　./　　　　　　　　　標的にジェノサイドをしたわけじゃないからね。
　　　　　　.＼ヽ:.:.:.:.|ヾヽ　　　　　 　 　 　 ﾉ:.|　./ . /
　　　　　　　 .ヽヽ:.:.:|.　　　　　　 　 ‐　　ｲ:.:.!　　　　　　　　　　　　　　　　　生き残りが今頃報告を飛ばしてるよ。
　　　　　　　　　 ヽ:.:.| ヽ　　　　　　　 ｲ |:.:.:,'
　　　 　 　 　 　 _| ヽ:|　　 ＞　 、∠:. |:.:|:.:/
　　　 　 　 　 .r/ ｀ヽ ＼＿_　_ /lヽ:.:.:.|:. |/
　　　　　　 r.´　ﾍ　　　　　 / |　 i!ヽ .:|:./|
　　,､ r:::´::::|　　　ﾍ　　 　 /≠|　 i!　ヽ:::｀ヽ 、

4352： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 21:33:09 ID:.WgRXGVc0

::::::::ｨ　　　　　　　　　　　.-ゝ
:::::i´　　　　　　　　　　　　｀ヽ、
::::::ﾚｒ-、　　　　　　　　　｀ヽ、ヽ
:::::/ i　|　　　　 ,　　　　　　、ヽﾉ
:::::! i｣/　 i　　 i　　 i　　ヽ　i!.｜
:::::>ｨ'　 / / i .|　i　｜i　!｜ |ヽ!
i!　 ヽ-'ヽ'ｖ-'/ /　/ ｌ'　|　i! i　　　　　　おや、随分お優しいんだな。
;｀ヽ、キ　　//7　/'1　 i /|/
;;;;;;;;;;;;ﾞ;;;7　'´/ノ"i./ ノ! / i!　　　　　　　そんなんでやっていけるのか？
;;;;;;;;;;;;;;/　ヽ、　 ｨ'／ ﾚ'
;;;;;;;;;;;;{　　　,ｒ‐ ´
;;;;;;;;;;;;|｀ヽ,;;'-、
;;;;;;;;;;;;`;;;;;ｒｭ;;;;L_
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;}





　　　　　　　　　　　　　 -‐━━=ミ
　　　　　　　　　 /⌒:^.: : : : : : : : : ::＞
　　　　　　　_.-=ミ: : : : ＼: : : : : : : : :V: `.
　　 　 　 .ｨ: : : : 7:〉 :∧: : :V: : : : : : :〈/: /〉:.
　　　　 /: : : : : :|/ | : :|:V: : :i : :| : : : : V〉: : ﾊ
.　　　 /: : : : : : :|i　!::斗-V: :|ー|‐|:-|: ::|:|i: : : |i
　　　 ′l: : |i :|i |i_,.ｨﾃﾃﾐ : : |N|ｨテﾐN: |:|i: : : |i
　　　{　｜:::|i :|i |i　 r勿,　|:N　 r勿ﾉ !::|:|5!: : : .
.　 　 　 从::|i: |i |i:　^¨¨　　i　　　 　 」::|:|,ﾉ: ;小:.　　　　　　　　……苦渋の決断ではあったんやねんけどな。
.　　　　　　〕: :|i |N」　　　 ,　　、　　.: /|:| : /: : :|i
　　　　　　　　|i ||:|:i＞　　　　 　 .ｨ :/::」:/〈: : : 八　　　　　　　　倫理観以前に、各隊員の士気に致命的な影響があると判断した。
　　　　　　　　|i ||:|:|///〕ﾆ=-　　 | l: : :/　 V⌒V:＼
　　　　　　　　|i7⌒V|　V寸ﾆﾆ才　!: /　　　＼_,V⌒ :、　　　　　幾ら理屈捏ねても、結局皆殺しを実行するんは現場の人間や。
. 　 　 　 _　--厶ヘ V　 V /⌒丶　| {　 　 -=ﾐ,V{　　,ハ
　　　　 〈,　　 / 　 　 V　V^V__/^V　|/　/　 　 ＼　/　　　　　　　それに、一度やったら、次もやらなあかん。筋が通らん。
　　　　/∧　/　　　　 }.　 }i /　Vi{　 」　/　 ______　/　　 __
.　　　 {　　V　 　 　 ,リ,　　}i　　 i{　 }i,　 ／　 　 |ー━=ﾐ」　　　　　だから、やらんかった。あとは……口実作りや。
　 　 r」　　⌒ー‐―(￣￣〉ﾑ　 /| 　i|／　　　　｜　 　 _.」Ｌ
　 　 |⌒ー}　　　　 /　 　 ＼ V　　 /　　＼　 　_|　　ー=ミ__ )
　 　 |　　 ﾉ　　　 ,/　　 　 　 ＼　./　　 f/―‐┐＿__　　　}　＼
　　 ∧__(___　　_/　　　　　　　　＼　　 /　￣￣〉　乙...
　　　　/　　　/八　　　　　　　_ji斗〜'へ　￣￣| 　 」(
　/　 /　　　/￣,.. ．-‐　'''""~ 　 　 　 　 .V　 rﾉ.　　　＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
なのはの言葉に、間が皮肉屋らしく噛みついた。

それもそうだ。それで足元を掬われていては元も子もない。
自分としては、その判断に感謝しているが。

虐殺を実行した途端、隊員たちには無視できない影響があるだろう。
上層部や指揮系統、つまりは自分たちへの不信にも繋がる。

しかし、はやてが言う口実とはいったい。
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4353： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 21:35:56 ID:.WgRXGVc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　-‐…‐-
　　　　　　　　　　　　　　　　　 _.､-''" .: .: .: .: .: .: .: .: .｀丶、
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／⌒: .:／.: .: .: .: .: .: .: .: .: .:＼.:＼
　　　　　　　　　　　　　 ／／⌒ヽ(.: .: .:.:＼.: .: .: .: .:.＼.: .:＼.:＼
　　 　 　 　 　 　 　 　 /.:/.: .: : /∨＼.: .: .:.:＼ .: .: :＼.:＼.: .:＼:.ヽ
.　　　　 　 　 　 　 　 / : .: .: : : | :i⌒ヽ : .:| : : |＼ .: .: :＼.:＼.: .: .: : .
　　　　　　　　 　 　 /.: .:.|.:.: .: .:| :|　　 |.:.:.|.:.:.／￣￣＼ :| .: 〈∨〉 : :.
.　　　　　　　 　 　 / .: | :|: : .: :／|⌒　|.:.:.| : : |　 |.:.: .: .:/|/〉〈∧〉.:.:.:|
　　　　　　　　 　 /.:|.: :| :|.:.:.: .:.:|八　　| .:j||.: .:|　_|__|_.:/ ///:|.:.|: .: .: |　　　　　　『我々は生き残るために必要な物資を頂戴したまで』
　　　　　 　 　 　.:. .:|.: :| :|.:.:.: .:.:| xfて㍉.:ﾘ|.: .:|'⌒て（~"Y/.:.:|.:.|: .: .: |
　　　　　　　 ／.: .: :|.: :|八 : .: 八 　_):刈　|.:.八 　 _):狄ﾘ| .: 八| .: .: :|　　　　　　『企業連体制への反逆の意図はない』
　 　 　 　 ／⌒7.: : |.: :|.: .:＼.: .:.:ヽ乂少　j/　　　∨'少'.: .:/,ノ.: .: .: :|
　　　　　　　 　 |: .:八.: .: .:＼:＼.:〈⌒, ,　　､　　　　, ,　厶ｲ.: .: .: .: .: :|　　　　　　……ちうことや。私たちはアヴィアコルのネクストに
　　　　　　　 　 | /　 ＼(＼: ＼:::込　　　　 _　　 　 　 ｲ.:.:.: .: .: .: /.: |　　
　　　　　　　 　 |:　　　　＼⌒＼ .: 个　 　 　　　　／/.: .:/.: .: .: /.: : |　　　　　　襲われたけど、企業連から直に殺害宣告されたわけとちゃう。
　　　　　　　　　　　　／.: .:./r＜＼.: .: .＼:＞-＜　 /￣/ .: /.:./､.: .:.|
　　　　　　　 　 　 ／:r＜＿_||"^＼＼.: .: .＼＿__／∧/／/.:./／＼:|　　　　　　いうてIGIOだけかもしれん。オルデンブルクは分からん。
　 　 　 　 　 　 ／ : ／⌒＼八　　 ＼＼.: .:| ＼_／〈∧＼.:.://　／￣￣|
　　　　　　　 ⌒7 :〈 　　 　 ∨￣￣￣￣|.: |〉 /⌒＼　|:::::V/.／ 　 　　∧
　　　　　　　 　 {.: 八 　　　/ ／　　　　.八∧∧:i:i:i:ｉ:|＼:::::: 〈　　　　　/⌒＼
　　　　　　　　 ／　　　　ｒ＜　　　　　 /:::::::::〈　＼:ｉ:ｉ|　 |＼::::〉　 　 　 ＼＼ |
　　　　　　　 /　　　　 ／＿＿＿＿／::::::::::/ :＼ |⌒ヽ |::::::＼~"''〜､、　＼＼
.　　　　　　 /　　_.､-''":::::::::::::＼::::/＿＿__/::::::::::::|:|:i:i:ｉ:ｉ|::::::::::::￣|:::::＼:＼　＼＼
　　　　　　_.､-''"　/:::::::::::::::::::::::::V:::::::::::／::::＼::::::＼:i:i:i:|:::::::::::::::::厂〕:::::Y: ＼__|.　＼
　　　　 ／　　　 ./:::::::::::::::::::::::::::::}:/: ／:::::::::::::::::::::::::::〈⌒〕:::::::::::/￣:::::::::}::::::|　＼　　＼
　 　 ／　 　 　 ノ:::::::::::::::::::::::::::::::/::::::｀`〜､、　:::::::::::::::＼|:::::::::/::::::::::::::::八::: ＼　＼　　＼
　　/　　　　　　〉''"ﾟ~~"''〜､、:::〈::::::::::::::::::::::::｀`〜､、:::::::::ヽ／::::::::::::::: /::::::---:L　　￣＼ ＼
.　/　　　　　　/''"ﾟ~￣~ﾟ"''::::::＼|:＼:::::::::::::::::::::::::::::::::｀`〜､_|__／:::::::::/:::::＿::::::::∧　 　 　 ＼ ＼
　 　 　 　 　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::∧:::::＼::::::::::::::_::::::::::-‐＝:::::|::::／ :: /〉／:::::::::::/::∧　　 　 　 ＼ ＼

4354： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 21:42:04 ID:.WgRXGVc0

　 　 　　　＿＿＿_
　 　　　／_ノ　 ヽ、＼
　　　／（ ●） 　（●）.＼　　　　　　　　　……まさか、まだ企業に助けてもらえるかもって算段なんですかお？
　 ／　　　（__人__）　　u. ＼
　 |ｎi 7　　 ｀ ⌒´　　　　.　|ｎ　　　　　　　無茶ですお。桜花の本社が襲われたとき、救援を無視されたんですお？
l^l | | ｌ ,/)　　　　　　U 　l^l.| | /）
', U ! ﾚ' /　　　　　　.　.　| U ﾚ'/／)　　　　「通信妨害という線もあんねん」
{　　　 〈　　　　　　　　　ﾉ　　　 ／
..i,　　 　."⊃　　　　ｒニ 　　　 /
　."'""⌒´　　　　　　　`''""''''





.　　　　　　　 　 　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　 　 .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾟ，:.:.:.:.:.:.:ﾟ，
　　 　 　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾟ，:.:.:.:.:.:.:ﾟ，
　　　　　　/:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾟ，:.:.:.:.:.:.:.:./}:.:.:.:.:. : i
　　 　 　 /:.:.:.: {:.:.:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:ﾟ，:.:.:. : / :i:.:.:.:.:. : |
.　 　 　 /:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.ﾟ。:.:.:.:.＼:.:.: : ヽ〃|＼:. /　/:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　/:.:.:.:.: : |:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:. ﾟ，:.:.:.:.:.＼:.:.:.:}:.: |＼　　/:.}:.:.:.:.: : |
　　 　 :: :/:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.|ヽ:.:.:.:.:.:. : i:.:.:.:斗匕ヽ丁/|:./ヽ/＼:i:.:.:.:.: : |　　　　　　企業を敵に回したら死、なんてことはあらへんよ。
　　　 {:.:.{:.:.:.: : |:.: : ----|廴ヽ:.:.:.:‐T ´,xzzzzz､ ||:.:|/　:/:.ヽ ゝ､:.:.:.:.|
　　　 i:.:.i:.:.:.:.:.:.|:.＼:.:.:.:.,ｲぅｭ､∨:.:.:.:|: / :{ぅ::: : ℡:. |　/:.:.:.:.:.}　 :}:.:.: |　　　　　　けどな、企業のバックアップなしに、企業は相手どれん。
　　　 |:.:.!:.:.:.:.:.:.!:.: : ＼《 ﾏ:::ﾍ :∨:.: |:　　Ⅷ::::::: Ⅸ !:/:.:.:.:.:.: i:　/:.:.:.:|
　　　 |:.:.|:.:.:.:. : ﾟ，:.: : {: 　Ⅵ（ 　∨:.!　　 Ⅵじ::ﾘ/ }j:.:.:.:.:.:.:.: | /:.:.:.:. |　　　　　　 ネクストを動かすのもままならんねや。
　 　 人/∨:.:.:.:.:.:＼:.:.:＼　ﾏシ 　＼{　　　ゞ=='　/':.:.:.:.:.:.:.:. |´:.:.:.: : |
　 　 　 　 ∨:.:.:.:.:.:.:.＼＿＼　　 , 　 ＼ 　 　 　 /:}:.:.:.:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.|　　　　　　　私たちだって、言ってしまえば企業の残党。
　　　　　　 ∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.八　　　　　　　　　　　　　i:.:.:.:.:.:.:.: : |:/:.:.}:.:/
　 　 　 　 　 ∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヘ　 　　∨　)　　　　　 }:.:.:.:.:.:.:.: // }/: ヽ　　　　　　　 企業の力の残骸を使って生き残っとるんや。
　　　　　　　　∨:.:.!∨:.:.:.:.:.:{:.:.:..　　　　　　　 　 /:.:.:.:.:.:.／／:./:.:／{
　　　　　　　　　＼{: ∨:.:.:.:.:i:.:＼:.:.:....＿ 　 ≦ /:.:.:.:. ／／: : :.／:.:.:.i　　　　　　　施設、資金、物資、人員……色々とな。
　　　　　　　　　　 ＼ ∨:.:.:.|　　 ＼:.:.:{|: |:ヽヽ:{:.:.:.:./／: : : ／:.:.:.: : |
　　　　　　　 　 　 　 　 ＼: |　　　　＼リ ＼/: i:.:.:/: : : : ／:.:.:.:.:.:.:.:.:|

4355： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 21:51:05 ID:.WgRXGVc0




　　　 　 　 　 　 　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ＼
　　　　　　　　　　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾟ，
　　　　　　 　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : :
.　　　　　　　 　 :.:. : /:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:|: : }:. ﾄｲ}
　　　　　　　 　 {:.: : {:. ＿_|_:.:.:.:.:.__|＿iﾆi/| i
.　　　　 　 　 　 i:.: : i: : 芹ミ:.:.:.:.:斧ぅ/ / //
　　　 　 　 　 　 ﾟ，:. ヽ{込ｼ＼:.: 込ｼ〈/://
　　　　 　 　 　 　 。: 八　　　'　　 　八//　　　　　　　　こっちには君とマーシフルっちう交渉材料もある。
　　　 　 　 　 　 　 ﾟ，:.: へ　⌒　 イ /,ｨ
　　　　　 　 　 　 ‐=:＼{/ { ≧≦/}/ヽ ≧o｡、　　　　　　ネクスト不足のオルデンブルクからすりゃ喉から手が出る代物や。
　　　　 　 　 〈 ／:.:.:.:.:.:}: :.i ／ヽ∧ ｌ:.:.:.:.:.:‐=　7
　　　 　 　 　 |:.＼:.:.:.:.:.i: : {　}:::{ :}: : !:.:.:.:.:.:.:.:./ |　　　　　 そのままオルデンブルクの指揮下に艦ごと編入させてもらえりゃ御の字。
　　　 　 　 　 |:.:.:./:.:.:.: {: : ﾍ_l__i:/: :/:.:.:.:.:. : /:.:.|
　　　 　 　 　 |:. / {‐=:.:＼: : ﾍ /: /:.: : =‐ / }:.:.|　　　　　　ダメならSIでも、ノルドルムでも、どこでもええ。
　　　 　 　 　 | /: :i: : : : :.:.＼ ヽ /‐=: : : :.:}: :i:.:.|
　　　 　 　 　 {/: : |: : : : : :〈:.＼l／: : : : : :/: :ヽﾍ　　　　　　 アヴィアコルにマークされてる以上、他企業の庇護がいる。
.　　　　　　　/: : : :ヽ: : : : : :＼_＼: : : : :./: : : /: :i
　　 　 　 　 /: : : :.:/ ヽ: : o: : : :.:oi: : : :/ }: : /: : :}
. 　 　 　 　 {: : : :.:〈__}: :＞＜ミｔ､: :!____:{ /　 r―: :ゝ
.　　　 　 　 i: : : : : :.:.:/／r-- __　ヽ}: : :.}￣: : : : :.:.|
.　　　 　 　 {: : : : : : :.:.7¨: : :./ ￣￣￣ ＼: : : : : : |
　　　　　　　 ‐=≦: : / : : : /------　　 ヽｧ---＜





　　　　　　　 ／: : : : :／: : : : : : : : :／: Y: : : : ＼
　　　　 　 ／: : : : ／: : : : : : : : : : /: : : :l/:ヽ: : : :＼
　　　　　/: : : : : /: : : : /: : : : : : :/: : :/∨:l : lヽ: : : ヽ
　　　　 / : : : : /: : : : /: : : : : : :/7: : l─‐ﾞl: : l_l: : : : :l
　　　　 l: : : : : l: : : : /: : : : : : :/ l: : : l　　 l: : l l: : : : :l
　　　　/: : : : /: : : : l: : : : : :ノl　 l: : : l　　 l: :ｌ l : : : l: l
　　ゝ-'/ : : /: :/: l: :l: : : ／ 弋‐-ヽ : l　　 l: ｌ l: : : : l: ﾞ､='ﾞ
　　 ゞ=: : ｰ:f''ﾞ l: :l: :l: : /ゝ辷廴ヽ　l:ﾘ　､zｬ二l: l: :l: l､: l　　　　　　　おまえも腕は立つらしいがな、それでもネクスト一機だ。
　　　 T: : : :ｌ　 ヽ:l : lヾヽ　　　　　 ﾉ/ l　ヾ'-ヾ∧: l:ﾉ l:ﾘ
　　　　ヽ: : : ＼　ヾ: l　　　　　　 ／　 l　　　l: :l: lノ　 l/　　　　　　　 企業の相手は企業しかできねえ。それが現実ってもんさ。
　　　　　ヾ: : : :ゝ- ゞﾞ=-'　　　　　　　 〉 ､__ﾉ: :l:/
　　　　,　ﾉ : : : : ハ　　　　　　　　　　　　 /: :(ゞ　　　　　　　　　　　　俺らだって、まだSIへの帰還を諦めちゃいねえ。
　　　　ゞ7: : : : :l　　　　　　　 　_ --､ 　 /ゞ=‐'ﾞ
　　　, - l: : : : l､ゝ__ノ ＼　 　 　 二 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　それが道理ってやつなんだよ。
　　 /　 ＼l: : :l‐-　_　　　＼　　　 　 /
　　/　　　　￣¨‐-､ ￣　‐-　｀　-┐'‐- ､
　 /　　　　　　　　/ヽ　　　　　￣ ∧　　　＞、

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
困惑していると、隣の席にて頬杖を突くディランディが諫めるように声をかけてきた。

落ち着いた視線に貫かれ、それ以上言葉を続けられなくなる。
理屈は分かるが、本当に企業の助けを当てにして行動するつもりなのか？

会議室の雰囲気に、若干の揺らぎと緊張が走る。
とはいえ、その原因は自分だが。自分だけが、企業の助けを一切信じていない。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4356： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 22:01:04 ID:.WgRXGVc0

.　　　　　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.、:.:.:.:.:.:＼
　　　　 /:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:/:.:/:.:.:.:.:/:.:.:.:.:. |:.:. | : ｌ:.:.:.:.ｉ:.:.:.:ヽヽ:ヽ
.　　　　ｉ＼:.:.:.:.:.:.:.:./:.:./:.:.:.:./:.:.:/:.:.: |:.:.:.|:.:.|:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:ｉ ヽ:.:',
　 　 　 |:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.ｉ:.:./:.:.:.:. ｉ:.:.:,':.:.:.:..|:.:./|:. |:.:.|: |:.: |: : |　 ヽ:ｉ
　　　　 |:.:.:.:.:.＼:.:.|:.:/|:.:.|:.: |:.: ｉ:.;:‐7|‐二|メ|:.:|:.:|:.:.||:.:.|　　 ヽ
.　　　　 、＼:.:.: ヽ|:/-|:. ! : |:.: |:.: /x 斥 |/ {:/|: !:.: ||:.:|
　　　　　ゝ:.:.＼:.:. |{´｀ｌ:.:|:.:.:|:.:.|:./ﾍ　{::ﾘ/ 〈/ ｌｲ:.:./l:./
　　　　　 |＼:.:.:＼:|＼ ゝl:.:.:|:.:.|/　　 ゝ'　　＼ |:./ ﾚ′
　　　　　 |:.:.:.:.ヽ、ヽ:|　｀!:ヽ:|、|　　　　　　 ／ ﾚ′　　　　これより、本艦は南東へと向かいます。
　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.＼/　 ‘， ＼＼ 　 　― ´
　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:. |　　　ﾍ:.:.:.ﾍ　　　　/　　　　　　　　　　接収した物資の中に小型UAVがあったから、これを遣わせる。
　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.≠__　　　ﾍ:.:.:ﾍ ―‐´
　　　　　 |:.:.:.:.:. / ｀ヽ､≧ｭ､_ヽ :.{　　　　　　　　　　　　　　まずはオルデンブルク本社付近で艦を待機、
　　　　　 |:.:.:.:.:.:|::＼　　 ≧ｭ､｀ヽヽ
　　　　　 |:.:.:.:.:./::::::::＼ 　　　 ＼ｌ┤　　　　　　　　　　　　 救援要請のメッセージデータを搭載させた当機体を飛ばす。
　　　　　 |:.:.:.:/:::::::::::::::::＼　 　　ヘ{ ヽ、
　　　　　 |:.:.:/:::::::::::::::::::::::::＼　　　|＼ ゝ　　　　　　　　　　 応答がない場合は艦の座標を明かさず撤退。SI本社を目指す。
　　　　　 |:.:/:::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ｀￣ 7　 ﾍ´ヽ
　　　　　 |: ｉ::::::::::＿＿＿＿__|　　,′ 　 ﾍ::::ｉ
　　　　　 |: |:::::l´::::::::::::::::::::::::::＼　＼　　　ﾍ:|





/∧　／: : : : : : : : ／: : : : : : : : : :彡: : : : : : }ミ: : )
//∧': : : : /: : : : /: : : : : /: : : : : :}: : : : : : : :{: : : 乂
///∧: : :/: : : : /: : : : : /: : : : : :/: : : : : : : : 乂: : : : ヽ
////∧: {: : : : /: : : : : : : : : : : :/{: : : : : : : : : : : ヽ: : : }
/////∧: : : :/: : : : : : :{: : : : :,/ 乂＿: : : : : : ヽ: :}: : /
//////∧: : {: : : : : :.:.人: : : :.{∠三三ヽ: : : : : :ソ: : 乂　　　　　　「異存のある方は挙手を」
///////∧: {: : : : : : : : :.＼:.人　 ＜以 ヽ: : ／: : : : :ハ
////////∧乂: : : : : : : : : :ト､_＼　　..::　}／　`''＜.从/　　　　　　私はない。結局はそうするしかないのだ。
/////////∧　＼: : : :、: :人　⌒ 　　　　　　　　　/
//////////∧ 〈 　￣｀`ヾハ　　　　　　 　 　 　 /　　　　　　　　　いつまでも流浪の暮らしはできん。市民たちも耐えられん。
///////////∧ ゝ　　　　　　　　　　　　,,　 '' ''　)
////////////∧＿Y　　　　　　　　　　 r ／ 二)
///////////// |: :{ !　　　　　　　　　　〈　　　　|
///////////// |:从 !　,,　　　　　　　　 　 　 　 |
///////////// |:〈 今s｡.., ,, ,, 　　 ,,　　　　　　 |
///////////// |　　　　　　　 ｀゛¨ '' ‐-　...,, __人＿＿
///////////// |_,,..　-‐　'' "´:::::::::::::::::::::::::::::::::＼:i:i＼i:i｀`〜､、
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4357： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 22:03:18 ID:.WgRXGVc0

　　　　　　　 　 　 　 　 l:::::::::: !:::::::::::::::::: ,':::::/:::::: }::::::::::::';::､::::::ヽ::::::::＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 l::::::::::::|:::::::::::::::: ,':::::/::::::::::l!:::::::::::::';::';:::::::::';:::::::::::ヽ
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　　　　　　　　　　-="/::::/::::::;'::|:|:::|::::::';;､　　　 ´ 　 　 ¨"''/::ｲ::::::: i:i::l　　　　　　　　こちらにネクストの十や二十もいたなら、
　　　 　 　 　 　 　 ／_; ｲ:;ｨ'/,ｨ'::|:::|::::::::'ﾐ､　 　 　 　 ,　 　 /:::|::::::::从:!
　　　　　　 　 　 　 　 　 " |´/／l:::|:::::::::::',`　　 　＿　 　 /!:::/::::::/,' ヾ、　　　　　　　強硬策も考えたかもしれんがな……
　　　　　　　　　　　　　 　 l::´::::|: ｀i'=z､::::',　　　　　　 ／-|;/!::::://
　　　　　　　　　　　 　 　 /::::::::;':::: |:::::|､｀ﾞ'' ｀''　 __,...:"::{ニ}_ |／/　　　　　　　　　　　 私も同意見だ。他企業に救援を求めよう。
　　　　　　 　 　 　 　 　 /::::::::/:::,ｨ.|:::::|;;｀'z､_　　/ﾍ:::::/{ニﾄ,',
　　　　　　　　　　　 　 ,.::::::::::,ィ": :.|:::::|;;;;;;;;;;;;;>_<;;;;;',ﾞ.、{ニ} i ',　　　 　 ,.ﾍ
　　 　 |＼ 　 　 　 __／,,...-='| |: : : |:::::|;;;;;;;;;;/　　ヽ;;;',:.:.|:::::|', '.,'.,_　　／: : |!
　　　　l＼＼-=''" : : : : : : : :.| |: : : |:::::|;;;;;;;;/、　　 !､;;|: |:::::| ',　'.,{ ∠_: : : :||
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7: : : :/: l　/:/ゞ: : :l＼: : : : : : : : :l: : : : : ヽ　　　　　　オルデンブルクならアンタらの元の鞘ってやつだからな。
: : : ｌ:l: l_ゞ ｌ:l　 ＼: :ゝ-＼ : : : : : l: : : : : : :
: : :/l: :l 辷ｌ:l　 ￣辷､:＼_): : : : :/: : : : : : :　　　　　　ダメならSIでもいい。俺たちの部隊という口実もあるし、
ゞ:乂 : l　/ヾ､　　　￣__ノ: : : : / ＼: : : : :
　　　):∨　　 丶　　　／: : :／ノ ／: : /　　　　　　　 あそこはアヴィアコルやIGIOとガンガンにやり合ってる。
　　乂: ｨヽ　　　　　　ﾊ/ｌ:/ x-イ: : : : ゝ､_
　　　 _ノ:ヽ‐-　_ 　 　 　 ／　l: : : : l: : :ﾆ=　　　　　　俺らを含め、アンタらもまとめて受け入れてくれる可能性も大だ。
ゞ=ﾆ三: :_ﾊ 　　　 　,　　　 彡: : : : l : :ヽ
　 7:/,＜　 〉-　-　´　__ -=ﾆ- l: : : : :)
　 ゞ-l　l　 从l二二二f丶　　 /: : :／ゞ
---./　,l　 彡〉二二ﾆ.l　 l ゝﾆ: :／ 　 〉、
─,/ ／ ｌ ／二二二ﾆl　 l /: ／　　／ l
　 ／　ｌ l/二二二ﾆ／　 ゝ:/ 　 ／　 /
　　　　l/二二二ﾆl　　 ／ヽ ／

4358： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 22:08:29 ID:.WgRXGVc0


　　　　 /　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...
.　　　 /　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::i::::::::|::::::::::::::::::::::..
　 　 / /　　　　　　／::::::::::::::/:::::::::::::::::::::/i:::::::ﾊ:::::::::::i::::::::::::...
.　　/ /　　　　　　/::/::::::::::::/::::::::::::/::::::/ ﾉ:ﾊ i　V:::::::l::::::i:::::::::::..
　 / ｲ /　　/　　/イ::::/::::::/::::::::::::/::::::/ /:/　i.l＿V:::::|::::::|::::::::::::::::...
　i .ﾊ./　　/　　 i /::::ｨ::::::/::::::::::::::i::::::::レ＝ニ=''￣V:::|:::::::|:::::::::::::::::
　l ﾊ i 　 /　　　 {::::/:::::::i:::::::::::::::::l::::::::彡´=ｔ=ョ=≧i::/:::::::l::::／ヾ::::
　l　ﾚ　 /.　　　　i;/i:::::::::|::::::::::::::::ﾊ:::::{　 ´ 廴-ン ノﾉ::/::::ﾚ　/j　}::
　l　|　./　i　　 　.| .|::::i::::|::::::::::::::ハ::::::ゝ､,,　　　　　／ィ::::::i/ ﾉ /::::
　　 V |　 |　 i　　l　l:::|::::|:::::::::::::|　 ﾄ:::ミヾ＼-　　　　ノ:::/:::レ /::::::
　　　V 　 |　ﾊ　　　i::ﾊ::::ﾄ::::::i::::|　　} ＼ _　,ヽ´　　-イ/:::ヒ /:::::::::::....　　　ノ　　　　　　　フン……嫌になるな、坊主？
　　　 V　 i./i　　i　 ヾ V:::::::::ﾊ:::|　　i　　｀　　.,ヾ　　ノ イ レ::::::::::::::::::::::::::::／./
　　　　ヾ .ﾚ l　ヽヽ　 V入:::::|　ヾ　　l　　　　　　 ',　´　 ﾉイ:::::::ヾ::::::::::::::彡／　　　　　　　あれだけ滅茶苦茶にやられて、
　 ＿＿_.>､ヽハ　　ヽノ　 ヾ::ゞ　　　 ヽ　　 _ノ　　ヽ　./人:::::＼:::＼::::::::イ:::ﾉ
／::::::::::::::::::￣￣｀' ､＼＼.∧:ヾ､　ー - '' ´_　　　　 V i:::::::::＼::::＞::＿＿ノ　　　　　　　　　それでも頼らざるを得ないってわけだ。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､ヾ　＼ゝ≧　　ー''´　　　 　/ 斗:::i::::::::ミ≧ﾆ=-
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾハレミ　　　　　　　　／ イ::::::ﾊ:::廴:::::ニ＝-＼
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミ､＞､　　　　　 ／　　/:::::人　＼￣:::::::::::::::::::＼
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミゞ､ー─ ‐'´　　　 / /.i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::￣￣￣／　 　i /　l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
／＞::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／　　　　/　　|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::／'´￣
::::::::::::｀ー─-:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／　　　　／　　　|::::::::::::::::::::::::::::::／
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＜　　 　 ／ 　 　 　 }::::::::::::::::::::::::::/
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／　 ＞-＜　　　　　　 |:::::::::::::::::::::::::廴＿＿＿ノ
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:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/／::::イ:::l:::::lヾ:::::＼ 　 　 |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
間が諦観に満ちた笑みを投げかけてきた。
そこでようやく、自分と周囲の思惑の差異が垣間見えた。

きっと、皆も心の底から企業を頼りにしているわけではないのだ。
自分たちの居場所を、人によっては故郷だった場所を焼き払われ、
生命の危機に晒されて、企業連への不信感も多いだろう。

だが、それでも、企業の庇護なしには生きられない。
企業連の宗主たるIGIOやアヴィアコルに狙われている以上、
同じ企業連とはいえ敵対関係にある他企業に助けを求めざるを得ない。

それに、賭けるほかないのだ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4359： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 22:08:43 ID:.WgRXGVc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 □

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

4360： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 22:16:05 ID:.WgRXGVc0

　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／ 　 :::）:::（::: 　 ＼　　　　　はぁ……みんな心変わりが早くないかお？
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼
　 　 　 　 　 　 |.　 u 　 （__人__）　　 　 |　　　　最初は抗戦するって言ってたのに……
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼





　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　　 　 　　＼
／ 　　　　　　　　　　＼　　　　　　いや、抗戦しようとして、考えに考えて、どうしようもない、助けを求めようってなったのかお？
|　 　　　＼　　 ,＿　　 |
/　　ｕ　 ∩ノ ⊃―）／　　　　　　　……そうなのかな。そんな感じもするお。UAVとか、艦の位置を知らせずに
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　助けを求められる道具がちょうど手に入ったのもあるのかな。
　　＼ ／＿＿＿ ／

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
自室に戻り、二段ベッドの下の方に身を投げ出す。
お世辞にもふかふかとはいえないマットレスに身を打ち付けて呻きつつ、
それでもなお湧きあがる靄に煩悶とする。

無機質なベッドフレームの裏を見つめながら大の字になり、
ぼんやりと取り留めのない考察を行っていた。

悔しいとか、あれだけのことをされて信じられるかとか、
そういった感情はあったはずだ。それを抜きにしてもなお、
皆は抗戦を取りやめ、救援を求めようと転身した。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4361： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 22:22:43 ID:.WgRXGVc0



　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　 　 ／　　　 　 ＼
　　　　 ／　　 _ノ　 ヽへ＼
　 　 ／　　　（ ―）　（―） ヽ　　　　　そもそも、認められるなら降伏したい、って言ってたもんな……
　　 .l　 .u 　 ⌒（__人__）⌒　|
　 　 ＼　　　　　｀ ⌒r'.二ヽ<　　　　　 抗戦って選択自体が最終手段で、別の手段が見つかったからそれにシフト……
　 　 ／　　　　 　 　ｉ＾Yﾞ r─ ゝ、
　　/　　　,　　　　　ヽ._Ｈﾞ ｆﾞﾆ、|　　　　　ってだけかお？　しかし、なんか腑に落ちねえお。
　　{　　　{　　 　 　 　 ＼｀7ｰ┘!





　　　　　　＿＿＿
　　　　／　　 　 　 ＼
　　 ／　　　　　 　 　 ＼　　　　……まあ、マーシフルとノーマル部隊だけじゃ、できることは限られるかお。
　／　　　ノ　 ヽ､_　　　 ＼
　|　　 （ ●）　（● ）. 　 　 |　　 終わりなく逃げ回り続けるのも無理だろうし……うーん。
　＼ ｌ^l^lｎ__人__)　 　　 ／
　 ／ヽ 　 L⌒ ´
　 　 　 ゝ 　ﾉ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
こうやって現実と感情の狭間で大きく揺れ動くあたり、
自分はまだまだ子供なのかもしれない。

だとしても、やはり腑に落ちない。理解を示せないわけではないが、
これは絶対に勝てない、という理不尽に迫られた末の行動だ。
まな板の上に、水中に隠れた魚が自ら躍り出るようなものだ。

いや、UAVがあるから、一方的に救援要請を出して、
快い返事以外のものが返って来れば尻尾をまくだけなのだが。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4362： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 22:29:24 ID:.WgRXGVc0

. 　 　 　 　 ＿＿__
. 　 　 　 ／　　 　 ＼
　　　 ／　　　　　　　＼
　　／　／）　ノ ' 　ヽ､　＼　　　　　疲れ切ってはいるけど、眠れそうにねえお。
.　 |　／ .ｲ '（ー）　（ー）　u|
　　 /,'才.ﾐ).　（__人__）　 ／　　　　　……ん？
　　 |　≧ｼ'　　｀ ⌒´ 　 ＼
. ／＼　ヽ 　　　　　　　　　ヽ　ﾌﾞﾌﾞﾌﾞｯ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
早々に眠ることを諦め、体を起こして壁にもたれかかる。
冷たい感触がシャツ越しに伝わってきて、逆立った神経によって火照っていた
身体には心地よかった。

暗く狭い室内でしばらくぼんやりとしていると、ポケットのPDAが振動しはじめた。
まさか敵襲でもあったかと引っ張り出し、覗き込んだ画面を見て、
詰まっていた息を吐きだす。映っていたのは、はやてからの呼び出しだった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4363： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 22:34:35 ID:.WgRXGVc0

　　　　　　　　　 ／￣￣￣＼
　　　　　　　　／　　─　　 ─＼＿
　　　 　　　／　　 （●） 　（●） ＼|l(^)　　　　「あっ、やる夫君？　起きとった？」
　　 　　　　|　　　　　（__人__）　　　l(_ ）
　　　　　　 ＼　　　　 ｀ ⌒´ 　　／⊂)　　　　ええ、まぁ……。
　　　　 　　／ 　 　 　　　　　 　 ヽ　ﾉ





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　＿＿／.: .: .: .:＼.: .: .: ＼
　　　　　　　　　　　　　 ／.: .: .: : ＼.:.:.＼.: .:＼.: .: .: ＼
　　　　　　　　　　　　／.: .: .: _.: : .:. :＼／＼.: .:＼.: .: .: ＼
　　　　　　　　　　 ／.: .: .: .:/:∧.:.:|.: :<／／|: .: .: |.: .: .: .: .:.
　　　 　 　 　 　 '⌒7.: .:|.:|.:.{＼ |.: |.:_|__< ／|.: .: : |.: .: .: .:.:.:|
　　　　　　　　　　 /. |.: |.:| :fﾊ　|.: |.:_|,,_:|＼:八_/7 : .: .: .: . |
　　　　　　　　　　 :( :|.:人V:じ　j.:〃ノ刈:. /／∨.: .: .: .: .:.:.|　　　　　　　堪忍な、あと数時間で夜明けっちうところに。
　　　　　　　　　　 ／.: .: .:「　 　 　 V'少У.:.:.:/|.: .: .:.:|.: .: .:|
　　　　　 　 　 　 ⌒7.:/.:.ﾊ 　 　　 ' ' ／.: .:／ノ .: : .: |.: .: .:|　　　　　　　 ……お互い眠れへんかった感じやねえ、これは。
　　 　　　　　 _　 　 {:/＼八 _／)＞'.: .:.:／.: .:/.: .: .: .:|.: .: .:|
　 　 　 　 __/　) __　 　 　／ ￣ 7 : : ／￣:／ : .: /.: 八 : 八　　　　　　　「はは、まあ、そうなりますお」
　　　　　「{ {　し'　}　　r/ 　 　 /.: .: /＿／　⌒∨ .:/.: :)/⌒＼
.　 　 　 { 　 　 　 ﾉ　　/／ 　 人.:.:/　 ＼￣￣Y￣/＼＿　　　　　　　　　やる夫君、会議の時に悶々としとったもんね。
.　 　 　人 　 　 / 　 ／　　　 　 ∨　　　 ＼　＼ /　　　　＼_
　　　　　 }　 　 {　 /￣￣￣＼ 　 〉＿ 　 　 ＼　{　　　 ／　 ∧
　　　　　 } 　　 　 '　 ／　　　　 ／}　　　　　　 ＼　 ／ 　 ／　}
　　　　　　　　　}/.／　　　　 ／／　 　 　 　 ／　 ＼　 　 　　∧
　　　　　,'　　／{＿＿　　 ／イ　　　　　　／　　　 }　＼　／/ /
　　　　　;　　|　 |　　　　 /--≠-　　　　　＿　　　/　　 ∨ /／{

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
電話の向こうのはやての声は、アマツの家で聞いた、
自分の良く知る穏やかな声色だった。

CDCでのはやての声は、非常時らしく引き締まった事務的なものだった。
それが自分にも向けられることには、納得しつつも、少し寂しく思っていたのだ。

久々に聞いた平常時のはやての声に、神経の糸が急激に緩んでいく。
条件反射のようなものになっているのかもしれない。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4364： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 22:41:51 ID:.WgRXGVc0


　/:.:.:/:.:.:.: : |:.: : |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.: /}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
. i:.: : i:.:.:.:.: : |:.: : |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／＼:.:. / :i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
. {:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:|:.: : |ﾏ:.:.:.:.:.:.:.:}／:.:.:.ト､ヽ　/}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
. i:.: : |:.:.:.:.:.:.:|:.:. : } ﾏ: ＿＿ｉ__:.:.:/}:. ＼＼i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
. |:.:.:.:|: : |:.:.:.:!:.: : ﾍ´＼:.:.:.: |:.:／:.i:.:/ ∧ :|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |　　　　　　……君の気持ちも分かんねん。けど、
. |:.:.:.:|: : |:.: : ﾏ:.: : ﾍ: /斥ｭ､!:.:.: : |/ /: : ヽヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
　::. : |: : |:.:.:.:.:.＼: : ﾟ， {刈 /:.:.:.:.:| /:.:.:.:.:.:|　ﾟ，:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　　　　UAVが見つかった時、なのはちゃんと話してな。
　ﾏ:.:.|: : |ﾏ:.:.:.:.:.:.:ト､ﾍ　ﾏﾘ　}:.:.:.:j/:.:.:.:.:.:.:|　 }:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　 ﾏ: !: : ! ﾏ:.:.:.:.:.:|　∧{: ﾚ′i:.:.:/:.:.:.:.:.:. : |　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　 これに救援要請のメッセージをデータで載せて、
.　八:{: : |　ﾟ，:.:.:. | / 　 　 　:}:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|〃:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　＼ ! 　 ， : ｨ　　　　 　 i/ }:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　　　　 飛ばして発信だけさせてみようって。
　　　 　 ＼　ﾏ: : ｀ヽ　　　　 　 i:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./
　　　　　　 　 ﾏ:.:.:.:.:.:ゝ --　　 :|:.:.:.:.:.:.:/}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:/　　　　　　　 賭けるだけの価値はあるって。
　　　　　　　　 ﾟ，:.:. { 　 ヽ　 　 !:.:.:.:.:./ :ｉ:.:|:.:.:.:＼:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:. : |:./:. /
.　　　　　　　 　 ﾟ。:.:.ﾟ。:.:.:ﾍ　　:|:.:.:.:./ ﾍ Ⅳ＼:.:| ヽ:.:.: : |:.:.}:.:.:.://／
　　　　　　　　　　ﾟ。:.:.ﾟ。:.:.:ゝ‐=!:.:.:/　　ヽ　　ヽ!　 ＼:.:.:! /:.／／





　　　　　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　 　 　 　 ′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.――､
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　　　　 ｉ:.:.:.:.:.:.:. : l:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／:.:.:!:.:.:.:.:.}:ﾄ､:.:.ｲ
　　　　 |:.:.:.:.:.:.:. : |:.:.:.:.:.:.:,':.:.:.:.:.:.:.:<:./:.:./:./:.l:.:.:.:.i=ﾄ∨/
　　　　 |:.:.:.:.:.:.:. : |:.:.:.:.:.:.{:.:.:.:.:.:.:.:.//:／メ､__|:.:.:.:.l=|//ヽ　　　　　　それで何かしら電波信号でも飛ばしてくれれば御の字。
　　　　 l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.l:. l:.:.:.:.:.:.:.:{/,／　　 l:l:.:.:.:.:!:.!/:.:7
　　　　 ｌ:.|:.:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:!:.:.:!:.:.:.:.:.:.{{ ゞ、_ヽ　li:.:.:./:./:.:.:.!　　　　　　　沈黙だったり、UAVが撃墜されて終わりだったり、
　　　　 ｌ:.|:.:.|:.:.:.:.:.|:.:.:.:{:.:.:.l:.:.:.:.:. ｉﾘ　　ﾞ｀　 ,':.}:ｲ:/:.:.:.:.l　　　
　　　　 N|:.:.|l:l:.:l:.:|:.:.:.i:.:.:.:.:.＼:.:.:.{　　　　　',/:}/:.:.:.:.: !　　　　　　　 そうなったらそれまでや。
　　　　 　 } l {jl ll:.l:.:.:.{:.:.:.:.:.:. | ＼ヽ ､　　,イ:./:.:.:.:.:. ,'
　　　　　　／＼ ヽjl:.:.l:.:.:.:.:.:.:l　　 ｀ , ｀´:.:.|:.:.〃:. : /　　　　　　　　　「……それで、両方ともだめだったら？」
　　　　／＼ : : ＼ |:.: |:.:.:.:.:.:.| 、.／:.:./:/:.!}:.:!}:.:.:. /
　　 ／　　　＼: : :ﾍ ＼{:.:.:.:.:.| / }/ / ////:/,':.:.:/
　／　　　／:.:.:ﾍ: : : ﾍ　/＼:.:|:ヽ―― }　/　/:.:/
/----／:.:.:.:.:.:.:.:ヽ: : : :＼　 ヽl:ヽヽ:.:.:.:.ｉ. 　/／
:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼: : : :＼　}::::ヽヽ:.:.:} ／

4365： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 22:49:54 ID:.WgRXGVc0

　　　　. . ＜: : : : : : : : : : ≧: : .
.　 , : : :_:_: : : : : : : : : : : : : : : : : : ＞ 、
　,: : : : : : Y´: : : : : : : : : : : : :丶: : : : :＼
./: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ: : : ヾ:.、
: : : : : / : : : : : : : : : : : : : : : : : ; : : : ; : :ﾊ
: : : : /: : : : : :/;_:_:;: : :/: : : : : : :∨: : ∨: :!
: : : ::{: : : : : : {´｀´｀∨: : : : : : : : ∨≪∨:{
: : : ::|: : : : : : | _,．--}:-:、 : : : :; -:∨≪Ⅵ
: l : {:!: : : : : : !´　　__l! ∨:|ﾍ : }从: }: : : |ﾘ
: |:l:从: {:-: : ::ﾄz====㍉,　　 }/__,ﾑ:| }: : |　　　　　　　　そん時は……せやなぁ。一緒に逃げる？
: |:|: : {｀ヽ ∨:!ゞ辷:ノ　　　 （ ´¨´八.!::从
: |:|: : ｀ヾ_- ., 　　　　　　　　,　　 .: : : ト 、　　　　　　　　二人で、顔も名前もなんもかも変えて、偽造IDでも用意して、
: |:|: : ∨: 〉く: 、　　　　 __ .,　　.ィヘ:_:_、｀ヽ
::介∧ ∨{　 Y: ＞、 　 ￣ ＜: :{ ゝ_ィ^ヽ.　　　　　　　　　テキトーなコロニーに転がり込んで……
:{ .l: :∧ ∨:＼）: }ヾ:、/￣_Y二ﾆrｆ´｀ ｀　　、
:| .|:∧　＼{~ ‐}:l:!　 >‐ミ {_|＿　{ﾉ^ヽ　　 　 、__　　　　　　口座とかは凍結されとるやろうし、ちびちび二人で稼がなあかんけど。
ゝ/　∧　　　　 |ﾊ./三三∨￣ ｀ヽ. ハ　　 　〉:::::Y
_/　/ ∧　　　 /　}!ゞ三三≧--=ﾆﾆﾆ{ト-::イ:::::::::!　　　　　　あは、駆け落ちやな。でもま、二人だけなら逃げ切れるんとちゃう？
.　　 /　 ＼.　/　 .!::::::＞:..寸二〉::::>:::::｀ヽ:::::::::::::::|
,-=ミ　　 　.У＿.」::::::::::::::::＞<::::::＼:::Y::::::::;::::::;ノ{　　　　　　　知らんけど。
　　　｀ヽ　 {　　　.|:::::::-＜::::::::}::::＞::Ⅵ:::::::::::Y:::::::l、
　　　　　　 l! 　　 !::::::{:::::::::::::└::―:-Y::o::::::::}::::::::|::＼
　　　　　　 l!　　 ム::∧::::::::::::::::::::::::::::｀::、::::::|:::_:::_::_:::::
　　　　　　 l!　イ::::::::::::::＼::_:_::::::::::::::,::-::‐'::´:::::::::::::::ト、





　　　　 　 　＿＿__
　 　 　 　／　　　　＼
.　　 　／　 　 　 　 　 ＼　　　　　　……。
.　　／　　　 ―　　 ー　 ＼
　　|　　u.　（●） 　（●） 　|　　　　　「ふふ、冗談やって。本気にした？」
.　　＼　　　　（__人__）　 ／
.　　　ノ　　　　｀ ⌒´ 　 ＼　　　　　　はやてさん……。
　／´　 　　　　　　　　　 　ヽ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
なんとも反応に困る冗談だ。
面白おかしく笑い飛ばそうとしてはいるものの、言葉の意味があまりにも殺伐としていた。

ただの冗談だと言い切るには、少し躊躇した。
その言葉には、若干の願望も混ざっているのかもしれない。
いや、自分と駆け落ちしたいという願望はないだろうが。そこまで自惚れてはいない。

彼女にかかっているプレッシャーの表れなのでは、と思ったのだ。

下↓1　なんと返しますか？
1．冗談で返す
2．はやてさんが望むなら
3．励ます
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4366：安価のやる夫だお：2021/08/12(木) 22:52:32 ID:GB66OI6U0
2

4367： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 22:59:39 ID:.WgRXGVc0

..　　　　　＿＿＿_
　　　　／　―　　-＼
..　　／　 （●） 　（●）
　／　　　　 （__人__）　＼　　　　……はやてさんが望むなら、やる夫は構いませんお？
　|　　　　 　　｀ ⌒´　　　|
.　＼　　　　　 　　　　 ／
.　　ノ　　　　　　　　　＼
／´　 　　　　　　　　　　ヽ





　 |.:ｉ.: .: .:{ .: .:..八 　 　 　 　 　 Ⅵ: .: .: |/.: .: .: .: .ｉ .: .: .: :
　 |:.|八.: ﾊ.: .〈　　　　 　 　 　 　 |: .: .: |､ .: .i : .: .: .: .: .: i
　 |:.{⌒Ⅵ∧ .: ､ 　 　 　 　 　 　 |: .: .: | }.: .:|: .:..i.: .: .: .: {　　　
　 |八　 Ⅵ.: :､.: .: .. 　ﾟ　　　　 . : |.:ｉ: .: jハ.:∧.: .}.: .: .:|.:八　　　　　　……。
　　　 )　八.: .: ＼.: .:＼　　 ィ　 /|.:|.: ., 　 }'　 ∨八.: .ﾄ(⌒
　　　 　 ⌒＼(⌒＼.: .: 「.: .: .Vｨ j/|.:/　　　 ∠⌒　ヽ{⌒
　　　　　　　　 　 　 ヽ{八{^rく/}　 j/　　 ／⌒＼　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　⌒}//ﾊ　　　／　　　　 ＼　　　＼
　　　　　　　　　　　　 　 　 {__/　}　／　　　　/ _　⌒〕iト　　V/
　　　　　　　　　　　　　　　//ﾊ　|/　　　__ ∠ﾆ=- 　 　⌒〕iトV/

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
至って真剣にそう返すと、彼女は沈黙してしまった。
電話の向こうで硬直しているはやての姿が脳裏に映る。

実際、彼女が望むのであれば、自分は本気になる。
一緒に来てほしいと言われればついていく。
とにかく逃げ出したいと言うのなら、彼女一人でも逃がす。

それ自体は自分の本意だった。
はやてを危険な場所から逃がせるのなら、それに越したことはない。

何がどうあれ、生きていてほしい。他の何を捨ておいたとしても。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4368： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 23:09:19 ID:.WgRXGVc0

　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:――
　　　　　　 __,.∠:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.⌒＼:.:.:.:＼
.　　　 　 /:.:.:.:.:.:.:／:.:.∨:. /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　 /:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:. | :.:{:.:.:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.＼:.:.Λ:.:.:.:.:.:..
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　　　/:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:. |:|　　｜:.:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.|/ /|:〉 〈: |
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　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:|斗ぅ＝ミ :|:.:.:.:.:|ｧう＝ミ: |:.:.:.:|:.:.:.:.: |
　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:{　)いﾊ　从:.:.:.:.|　)いﾊ Y:.:.: ﾉ:.:.:.:.: |　　　　　　……冗談やって言うとるやろー？
　　|:.:|:.:.:|:.:|ﾍ:.人:.:.:　乂;;ツ　　 ＼:.| 乂;;ツ 从:.Λ:.:. /:.|
　　|八:.:.|:人:|:.＼＼ト''　　　　　　　　'''　　/:.:.:/　}:.:.:.:.:.|　　　　　　 こんな時まで本気にならんでもええよ、もう。
　　 　 ＼ 　 |:.:.:.:.:.八　　　　 '　 　 _,　　 /彡/_,ノ:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　八:.:.:.:.:.个　　　｀　　　　　　 イ:.:.:.:| :.:.:.:. |:.|　　　　　　　へーきへーき。オルデンブルクが拾ってくれるやろ。
　　　　　　 /:/:.＼／￣　　　　 　 　 ＜ |＼__:.:|:. /:.:八|
　　　　　／:/⌒∨ :. :. :. {＼＞r≦.　　ノ| : :. :. :. :.＼:.:.:|　　　　　　　リンクス二人、マーシフルまであるんや、突っぱねるわけあらへん。
　　　 ／:.:./ :.:.:.: ∨:. :. Λニ=‐‐=ﾆﾆﾆﾆ|:. :. :. :. :. :./:.八
　　　⌒ｱ/:.:.:.:.:.:.:.:∨ /　 ∨二二二.／｜:. :. :. :. :/:.:.:∨＼　　　　　ダメでもSIに拾ってもらえばええ。飛び跳ねて受け入れてくれるで。
　/￣￣/::::::::::::::::::::∨　　　Ｖニ＞''´　　|:: :: :: :: /::::::::::∨__
:: :: :: :: 厂￣￣＼:: /{＿_／{⌒｀}＼　　Λ::: :: ::/::::::::::::::::⌒＼
:: :: :: :/:: :: :: :: :: ::.:}::::{／　　{:::: /　　＼j:::::＼::/:::::::::::::::::::::::::::::





　　　　. . ＜: : : : : : : : : : ≧: : .
.　 , : : :_:_: : : : : : : : : : : : : : : : : : ＞ 、
　,: : : : : : Y´: : : : : : : : : : : : :丶: : : : :＼
./: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ: : : ヾ:.、
: : : : : / : : : : : : : : : : : : : : : : : ; : : : ; : :ﾊ
: : : : /: : : : : :/;_:_:;: : :/: : : : : : :∨: : ∨: :!
: : : ::{: : : : : : {´｀´｀∨: : : : : : : : ∨≪∨:{
: : : ::|: : : : : : | _,．--}:-:、 : : : :; -:∨≪Ⅵ
: l : {:!: : : : : : !´　　__l! ∨:|ﾍ : }从: }: : : |ﾘ
: |:l:从: {:-: : ::ﾄz====㍉,　　 }/__,ﾑ:| }: : |
: |:|: : {｀ヽ ∨:!ゞ辷:ノ　　　 （ ´¨´八.!::从　　　　　　　　　ま……その言葉は覚えとくわ。
: |:|: : ｀ヾ_- ., 　　　　　　　　,　　 .: : : ト 、
: |:|: : ∨: 〉く: 、　　　　 __ .,　　.ィヘ:_:_、｀ヽ　　　　　　　　ありがとうなぁ、やる夫君。
::介∧ ∨{　 Y: ＞、 　 ￣ ＜: :{ ゝ_ィ^ヽ.
:{ .l: :∧ ∨:＼）: }ヾ:、/￣_Y二ﾆrｆ´｀ ｀　　、　　　　　　　　駆け落ちするハメにならんようがんばろ？
:| .|:∧　＼{~ ‐}:l:!　 >‐ミ {_|＿　{ﾉ^ヽ　　 　 、__
ゝ/　∧　　　　 |ﾊ./三三∨￣ ｀ヽ. ハ　　 　〉:::::Y　　　　　「またフラれたお……」
_/　/ ∧　　　 /　}!ゞ三三≧--=ﾆﾆﾆ{ト-::イ:::::::::!
.　　 /　 ＼.　/　 .!::::::＞:..寸二〉::::>:::::｀ヽ:::::::::::::::|　　　　　　ふふ。
,-=ミ　　 　.У＿.」::::::::::::::::＞<::::::＼:::Y::::::::;::::::;ノ{
　　　｀ヽ　 {　　　.|:::::::-＜::::::::}::::＞::Ⅵ:::::::::::Y:::::::l、
　　　　　　 l! 　　 !::::::{:::::::::::::└::―:-Y::o::::::::}::::::::|::＼
　　　　　　 l!　　 ム::∧::::::::::::::::::::::::::::｀::、::::::|:::_:::_::_:::::
　　　　　　 l!　イ::::::::::::::＼::_:_::::::::::::::,::-::‐'::´:::::::::::::::ト、

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
努めて明るく振舞うはやてに対し、少しだけ胸の内が曇るのを感じた。

彼女とて一切堪えていないわけがない。何かしらの形で重圧を受けているはずだ。
だが、彼女はそれを見せてはくれない。見せまいとすらしているのかもしれない。

それが酷く危うげで、寂しくもあった。

本当に、全てが上手くいって、オルデンブルクかSIに拾ってもらえて。
追われる立場でなくなった時には、再び彼女の飾り気のない笑みを見られるだろうか。

そうであってほしいと、思わずにはいられなかった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4369： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 23:09:38 ID:.WgRXGVc0
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4370： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 23:11:16 ID:.WgRXGVc0

　　　　__／.:::::::::::::::::::::::::...ヽ
　　　x｀.:::::＞-'''''''''''''''ｰ＜.ゝV
　　 ＞　 fナーヽ　ナーヽ∨; i
　 　＼　 |ｌ 　・　 }{ 　・　 } ｝::!!
　　　 ｀h/ゝ __ ノcゝ __ノ＼, ､!
　 　 　 |;{　　　　　 　 　 ヾ ! ﾉ
　　　　 ｀ﾍ　　　ー-./＼　 ｊﾞ
　　　 　 　 ゞ､　　　ﾉ　　ゝﾞ__
　　　　＿　イ ｝｀ｰ｛, ーイf::. ヽ､
　　　　ゝ ＿､（　　ﾅ´.:.:.:{.:.::. ゝヽ
　　　　　,ﾍ´.:.:ヽｲ´.:.:.:.:.:i!.:.:.:::..＿（
　　　　 ﾒ.:.:}.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}.:.:／　∨
　　　／.:.:.:{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i∧

【Name】
ノービィ・ノビタリア
【Status】
AMS適性：B
そこそこの適性を持っており、精密な動きを可能とする。

戦闘技術：C++
ネクスト操縦技術。
射撃技術はトップランカーにも匹敵する腕前。

アーキテクト：B
ネクスト開発、設計、整備の技術と知識に通じている。
ノービィはリンクスであると共にアーキテクトとしても優秀。

【Note】
若くしてランクを急激に上げた超新星。
ブライドルランクは17と新人にしては破格。
射撃技術に優れ、狙撃用FCSに拘わらずオールレンジの射撃戦に対応できる傑物。
才に溺れず堅実な戦闘を繰り返すストイックな性格の男。

【New】
IGIOにより見出されたものの、独立傭兵として産声を上げたリンクス。
噂によれば、住んでいたコロニーがネクスト戦の巻き添えになったところを、半壊状態のノーマル機に搭乗し脱出。

以降は戦地を放浪していたところをIGIOに拾われた、らしい。
その現実的な視点は、その経歴の噂を裏付けるものだったのだろうか。彼は何も語らなかったという。






　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／´｀` ､~｀`　､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　イ_,,.　､　　ヽ--　ヽ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /i　　　ヽ　　　 ∨/　 冫--}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　|　　　　ヽ＞　´ ∨/==</Y
　　　　　　　　　　　　　　　　　;＜ ゝ-､　＞　´　　　　 ｀ ￣´　 i
　　　　　　 ＿＿＿　　　　　 /´ ｀i｀ヽ-<　　　　　　　　　　　　 .i　　　　　　　　　　　　　　,,....
　　　　　　i l≡≡≡i__　　　 {　　　i　i≡Y:::i-､..,, 　　　　　　　　iy　　　　　　　　　　　　／ ／ ≧ｭ､
　　　　 i´:::ヾ::::::::::::::::::}ヽ＿_ ∨　 ﾉ<＞-､:::!､　　　`''､､　　　,.ィ´　　　　　　　　_,,.． ＜ ／ i≧ｭ／／i
------iヽヽ----------ヽ::::}ゝｨ　ﾉ　　　＼ :＼　　 ＿_--/i　ヽ　　 ／＞.　　　　　　　　　　 ／／ ,,. |
　　　　　 ∨i三三三三三i::::::::＞ｨ　　　　　 i-:}｀ ￣'　ヽ ヽ'::|i::::!　／　　　　｀＞　　　　　_,,.．　　＜　　ヽ
　　　　　　∨i三三三三三ir----＼＿＿_/:::/　　i｀i´ __/:}.∥:::!_|　＞　　　　　　｀＞｛　　　　　　　_,,.．　i
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　　　i}　　　｀∨　　　　　　＞　　　＞i/ヾ i::::::::::ヽ<　/　/≧ｭ､ﾑ ∨｀＞　　｀＞､　｀ヽi´　　　　　　　　　 i
　　　i}　　　　 ∨　　　　　　　　ヽ　　!､＞;:::::::::::::::::｀:::::':::i )　　〕i　i　　　　｀＞､ i　　　|　　　　　　　　　 .i
￣￣￣￣｀　､ }ヽ´　_,,.．-='''"´　 ヽ!　＞=-､..,,_＿＿　　_.ィ ｡s≦!　　　　　　 ∨ 　　|　　　　　　　　　/
　　　　　　　　 Y､iヽ　　　　　　　　　　ヽ､..,,　　　　 ||　　　　ｌ｝_.ィヽ　　　　　　　∨ 　.|　　　　　　　　 /
　　　　　　　　 i::::ヽ　Y　　　　　　　　　　　≧ｭ,ｨｉヽ￣￣￣￣￣￣｀ヽ　　ﾏ:::ﾑ　.∨　|　　　　　　　＞
　　　　　　　　 i:::::::::Y i　　 r----､　　　　　　∨　　ヽ　　　　　　　　　ヽ　 ﾏr´ ｀＞､ |　　　　＞ ´
　　　　　　　　.i:::::::::::;　i　　∨ｨ---∨　　　　　.∨　　∨　　　　　　　　　ヽ　ﾏ i´i´:::::::＞i＞´i
　　　　　　　　i:::::::::::::;　i　　 ∨ｨ----､　　　　　 ∨　　∨　　　　　　　　　∨　ﾏi:::::｛i´ ＞､ /
　　　　　　　 i:::::::::::::::;ヽ∨　　∨i´:::≧ｭ､　　　　　∨　　∨　　　　　　　　　∨ .i |:::::::ゝ(　ﾉ_i
　　　　　　　i:::::::::::::::::!　ゝ ゝ--i::::,r':::≧ｭ∨　　　　.∨　　∨　　　　　　　　　i　| |:::::|::::/ ノ i
AA：ガンダム外伝　ブルーデスティニー
【Name】
ヘヴィードーラ
【Type】
中量二脚
【Architect】
ノービィ・ノビタリア
【Status】
火力：C　機動力：B　耐久力：B　持続力：A　負荷：B
【Note】
一丁のアヴィアコル製ハイレーザーキャノンを主兵装とする青い中量二脚ネクスト。
IGIO製パーツを基調としている。ブースター類はSI系メーカーのブロッケンカンパニー、FCSはヘルマ・エレクトロニクス。
ハンガーにレーザーブレードを格納しており、狙撃と格闘戦を見据えた極端なアセンブル。

武装が少ない分EN効率も優れているため、存外に軽快な動きが可能。

4371： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/12(木) 23:19:18 ID:.WgRXGVc0

　　　　　　　 ､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|　　　　　　今回はここまでだ。
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i　　　　　　　ちなみに選択肢だが、1と2が正解、3は機体中破、4は死だ。
　　　 　/ : : : : : : :┌─┐
　　　 　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ　　　　　　中破すると少し展開が変わっていた。
　　　 　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿
　　　 　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ
　　　　 と_ : : : : : : ノ : :ノ
　　　　　　￣￣￣　￣





　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /　　　　　　さて、次回だが……モコイさんのBON休みはまだ残ってるぜ。
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i　　　　　　　 次回は8/14（土）の午後八時からとする。
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ　　　　　　　　 明日はね……荒れ果てた自宅の整備に充てさせてほしい。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i　　　　　　　　またハエ沸かしちゃってさ……ホイホイもカピカピになってたし。
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |　　　　　　　　　髪も切りたいし、布団も久々に干したい。
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」　　
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´　　　　　　　　　　　　　　





　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 _ _____＿
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ´.: : : : : : : : : : :｀
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 l: : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i: : :○ : : : ○: :.|
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : |　　　　　　　　　それじゃ、シーユーアゲイン。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 j: : : -=＝=- : :.i
　　 　 　 　 　 　 　 r―--┐　　 　 i: : : : : : : : : : : :l　　　　　　　　　　ヒロインのはやてさんも頼れるお姉さんだったが、段々と揺らぎを
　　　　　 　 　 　 　 i: : : : : ',　 　 　 ゝ : : : : : : : : :t´
　 　 　 　 　 　 　 　 ',: : : : : i　 , f: : : : : : : : : : : : : :ヽ　　　　　　　　　見せてくるようになってきた。暖かい目で見守ってくれたまえ。
　　　 　 　 　 　 　 　 ＼: : : :y: : : :Υ: : : : : : : : : : :y: : '..,
　　　　　　　　　 　 　 　 ',_: :: :／　 i: : : : : : : : : : : :l丶 : : :ヽ　　　　　　何せ、チミたち自身が選んだヒロインなのだから……
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ￣　　　l: : : : : : : : : : : .i　　＼ : : :丶

4372：安価のやる夫だお：2021/08/12(木) 23:21:23 ID:GB66OI6U0
乙
鉄壁のガードを崩して見せる

4373：安価のやる夫だお：2021/08/12(木) 23:25:09 ID:wV.5RRd.0
乙でした

4374：安価のやる夫だお：2021/08/12(木) 23:36:04 ID:RAO/WWH.0
乙ー

4375：安価のやる夫だお：2021/08/13(金) 17:06:32 ID:QRID6fyc0
乙です。

4376： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/14(土) 20:02:29 ID:aq/rhrIs0

　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ　　　　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||





　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',　　　　　　　　　天気が悪くて結局お布団を干せなかったモコイさんだよ。
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ　　　　　去年もこんな感じだったかね？　最近記憶力が落ちてきてる気がしてね。
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ　　　 去年の夏のこともよく思い出せないんだよね。とりあえずやっていこっか。
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

4377：安価のやる夫だお：2021/08/14(土) 20:03:24 ID:21fbHR4c0
ハロー

4378： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/14(土) 20:13:51 ID:aq/rhrIs0


〜潜水艦アマツ　第一医務室〜
　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　.|　　　　r==,、　　　∥∥_/_/_/_/_/_/　./
　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　　　　　　 .|　　　　｀＝´　　　∥∥_/_/_/_/_/_/ ./
　　　　　　　──────‐ヽ──────‐.|──────‐∥──────/───
　　　　　　　＼　　　　　　　　　ヽ　　 ＿＿＿＿_|＿＿＿＿＿＿.∥＿＿＿＿＿__/＿__
　　　　　　　　 ＼＿＿＿＿＿__ヽr'´￣￣￣￣''T￣￣￣￣￣'''∥￣￣￣￣￣'７￣￣｀ヾヽ
　　　　　　　￣//二二二二二二｀li─────|─────‐∥─────/───ｎi⌒l
　　　　　　　　ヾヽ ヽ￣￣￣￣｀ヽ il　　　　　　　|　　　　　　　φ　　　　　　　/　　　　n「i .|　 i
　　　　　　　──ヾ-ヽ────‐ヽil────‐|────‐∥────‐/──nl^| i!.| .|　.|
　　　　　　　、＿＿_ヽ ヽ＿＿＿＿.',i!＿＿＿＿_|＿＿＿＿.∥＿＿＿＿/＿＿__.|.| .| | | .|　.|
　　　　　　　ヽ,　　　 l^l^h、,,,,,,,,,,,,,,,,,,i^h　　　　　 .|　　　　　 ∥　　　　　 /,,,,,,,,,,,,_／|.| .| |.| .|　.|
　　　　　　　＿_ヽ＿∥i |.ト|:::|　　|::::| l|＿＿＿＿|＿＿＿_∥＿＿＿_/li三三三.|　.|| ..| || .|　.|
　　　　　　　　　　　∥.l |.l .l:::i　　l::::i　.|:::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.: : :　　　　:.:.:.:.:.:.:.|::|i::::::::::::::::|　.|i ..| |i .|　 |
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　　　　　　　三三ﾆij　l .|iﾆl:::l　　l:::i　 .|三三三三三三三三三三三三l::|i::::::::::::::::l　|i　.| |i .|　 |
　　　　　　　三三ﾆij　l .|ﾆl:::i　　.l:::l　. |三三三三三三三三三三三三l::|l::::::::::::::::i ..|l　.| |l　i　.|
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　　　　　　　 　 　 　　　7　 ﾊ´￣￥ ´￣|:::::ト､:::::!
　　　　　　　 　 　 　 　 ﾚ! ｲ　￣　ｷ￣｀ |:::::|　}::::｝
　　　　　　　 　 　 　 　 Vﾊｌ　　　/　ｷ 　.l:::├<:::/　　　　 　おまえさんはホント頑丈だな。俺もリンクスを何人か診たことがあるが、
　　　　　　　　　　　　　 ∨ﾍ　 　 ｀　 ｷ 仏ｲ:::::::〈
　　　　　　　　 　 　 　 　 ﾙ ﾊ　　― 　ｷ 　 |:::::::::彡　　　　　おまえさんは折り紙付きだ。AMSの負荷も相当なはずなのに、
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼＿　イ 　 ﾊ;;;;;彡
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 〈￣￣ｌ＿　＜￣￣7　　　　　　　こんだけピンピンしてればな。栄養状態の方が心配なくらいさ。
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 >:::::::/水ﾍ　}::::::::::::＼
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 イ::::::::ｌ ハ　 /::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::ｌﾉ　ヽ/:::::::::::::::::::::::ﾍ
　　　　 　 　 　 　 　 　 /:::::::::::::::::::ｌ 　 /::::::::::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　ｌ::::::::::::::::::::::| ∨:::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ
　　　　　 　 　 　 　 　 ｌ:::::::::::::::::::::::| /::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ
　　　　　　　　　　　　 ｌ:::::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
周りの医療機器が微かに駆動音を響かせる白い空間で、
白衣を着こんだ間が椅子をぎこぎこ揺らし、タブレットに映ったカルテの上に
視線を滑らせている。

隣のデスクでは同じく白衣姿の牧瀬女史が、何やら忙しくキーボードを叩いていた。
きっと間が投げだした事務作業の類を一手に引き受けているのだろう。
それに加えて間の世話までしているあたり、彼女の苦労は計り知れない。

清潔感のある空間で、清潔感のないボサボサ頭が揺れる。

確かに自分は頑丈な類のリンクスであるらしい。
そういった話は何度か聞かされてきたが、ここまで戦ってきて、
自分でも思うようになった。

どうも自分には類まれなAMS適性があるわけでもないが、
やけに丈夫だ。これまでAMS接続の後遺症や、コジマ汚染の症状も出たことがない。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4379： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/14(土) 20:22:11 ID:aq/rhrIs0

　　　　　　 　　ヽ ､______＿＿ ヽヽ. ､
　　　　　　　_,, ..≧::::::::::::::::::::::::::ヽV::ヽl
　　　　　　 ,.イ::;ィ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`＝イ/
　　　　　　 /／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::<
　　　　　　〃::::::::::::;ｲ／/ﾘ|:/|:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　∠::::::::从（ 　 　　l/ !::::::::::::::::::::::::::::::: ヾヽ
　　　　　　/イ∧` ､,,ｨ≦=ｒヽl／ﾙ::::::::::::::::::::::::ヾ、
　　　　　　　 〈_≧ｒ=!:::::::ノ　　　　ﾘ:::/ヽ:::::::::::::ｌヽ
　　　　　　　　!:::::/　 ￣　　　　 　 lん） !::::::::::ﾙ　　　　　　　　　いいじゃねえか、健康は若いのの特権だぜ。
　　　　　　　　`ｌ〈　_　　　　　　 ,.. 　( ,.ｲ:::::::::::（
　　　　　　　　 ヽｒ__　　　　　　/　　l´　!::::::::从ヽ　　　　　　　　　はー、羨ましい限りだねまったく。
　　　　___ ,....,..._　ト-｀¨　　　　　　ノ　 ルﾘ人ヾヽ
　　ｒ‐"＿ｌ＿辷〕_}illi、　　　,, -　　　,,..::::"::::..　|　＿_
　 ｆ,! └‐ｒ‐‐／ / ^vllllllｒ''"　 ,,...::''::::::::::::::::::::／´　 ／`!
　 H__ﾉ__ﾉ__ﾉ　/　　　ｒ=`-''::::::::::::::::::::::::::::／　　／　　 ヽ
　{　　 ∨　　　ｌ　　 　ヽ:::::::::::::::::::::::::::::／　　／　,.　" 　　＼
　l､　　 l　　 ／　　　 / l::::::::::::::::::::::／　　／　／
　/｀'ー― /　　 　 ／ /:::::::::::::::::／　　／　／
/　　　　 /　／￣/　 /:::::::::::::／　　　　　/





/: : : : : : : : :,: : : : : : : : : :＼: : : : : : ミメ、
: : : : : : : : : {::＼: : : : : : : : : ＼: : : : : : :.:|
: /: : : : : : :/~^^ヾ; : }: : : : : : :.:.':, : : : : :.:|
/: : : : : : 从　　　 ）人: : :ヽ: : : :.|: :.､: : :.乂
: : : : : : : : : }.　　　´　 ＼: :!: : :,人: :}: : : : : ミ
: : : : : : : : : }三≧＝=ァ/ヽ}: :/三从: : : : : :.〉
}: : : : : : :,人{ _,ｚrﾋ岱＾　　人｛ 赱　ヽ: : ハ/
: : : : : : : {　　` "´ ,..:'´　　　 ^∨~"　.ﾏ{　　　　　　　　　　いやはや、まったくですな。私も血糖値が……
: : : : : : : 乂_　　 　 　 　 　 　 / 　 　 从
乂: : : : : : : :.ヽ、　　　　　　　　　; ,　 {: :.',　　　　　　　　　「なに言ってんですか真壁さァん、アンタ年の割にムキムキだし、
:|　＼: : : : : : : :}　　　 ; ; ;　 , r‐ ｧ ;,　∨^
:≧s｡.⌒ヾ:从:.:!　　　　　／' ´こ　 .｝　∨　　　　　　　　　　腹だって割れてんじゃねえですか」
ヾ: : :.:＼__　 .}/　　　 {:.　　　　　＿＿_/＿＿_
　ヾ: : : : :{:',　　　　　 ゝ 　 　 　 |::::::::::::::::::::::::∧
　　{: : : 从 廴_　　　　　; ; ,　　 .∨::::::::::::::::::::::∧
　　乂: : : :}　:::::::::≧=‐-.........＿,..入:::::::::::::::::::::::∧
　　　 }: : /! . 　 　 　 ＿＿__ 〈::::::::∨::::::::::::::::＞''"￣￣￣￣
￣￣￣　∧　 　,.ィi〔:;:;:;/;:/;:;∧::::::::|::::＞''"
　　　　　γ:;￣/:;:;:{;:;:;:/;:;:;:;:;:;: ∧＞''"
　　　　 ./;:;:;:;:/;:;:;:;:{;:;:;从;:;:;:;:;:;:;:/





　　　　 　 ／ ￣￣ ＼
　 　 　 ／ノ　　ヽ__ 　 ＼
　 　 ／（―） 　（― ） 　 ＼　　　　　　……ところで、お二方はこんなところで何してるんですかお？
　 　 |.　　（_人＿）　　　u　|
　　　＼ 　 ｀⌒ ´　　 　 ,／
　　 　 / 　　　　　　　　ヽ
.　 　 /　l　　　,/　 /　　 i
　 　 (＿) 　　(__ ノ 　 　 l
　 　 ／　　／　　　___ ,ノ
　 　 !､＿__!､＿_＿＿_つ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
そして、後ろのベンチでのほほんと談笑する壮年の男性二人が気になった。

仏頂面の真壁史彦と、コロニー・アマツで世話になったハセガワが、
戦時とは思えぬ和み具合で井戸端会議に勤しんでいたのだ。

ハセガワとの再会には喜んだが、その脱力具合には面食らった。
あまりにも肝が据わりすぎではないか。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4380： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/14(土) 20:27:33 ID:aq/rhrIs0



　　　　　　　　　　　　　　 ＿__　　_　-＝ミ
　　　　　　　　　　　　 .／: : : : ｀´: : : : : : : :＼_
　　　　　　　　　　　 ./: : : : : : : : : : : : : :: : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　 _丿: : : : : : : : : : : :ﾐif' : : : : : 弋
　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : :ミiL_: : : : : : : :＼
　　　　　　　　 .': : : : : : : : :／: : : : :ミj⌒`: : : : : : : :: }
　　　　　　　　/: : : : : : : :/: : : : : :r=jL_, : : : : : : : : :.(
　　　　　　　　∨: : : : : :〈: : : : : : {　　　V: : : : : : j_: : Y
　　　　　　　 　 V: : : i /∧: : : : :.|　　　 从: : : : Y }: : |　　　　　　　　　　やる夫君。歳を取るとね、身体が弱くなくとも、
　　　　　　　　　.}: : : 从厶__､: :j丿＿彡⌒∨: : //:_:ノ
　　　　　　　　　{: : : : :| ー='从{　　ー一 '_彡イ丿.i　　　　　　　　　　　　医者の世話になるものなのだよ……。
　　　　　　 　 　 `＼:/乂　　　ﾘ　　　　　 　 j{¨ ∥|
　　　　　　　　　　　 j}/ハ　　 ,}　　　　　　　j{／　.|:､　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　 ///∧.,'　ﾏ>　 ヽ　　.／　　　|:::::＼
　　　　　　　　　 ／ ∨///ヽ´￣_￣`　／ {{　　　.'::::::::::::＼
　　　　　　 　 ／　 　.∨//,:人＿＿ ノ /_.丿　　/::::::::::::::::::::＼_
　　　　　　.／　　　　　}}////}/////}/ {f¨　　 /:::::::::::::::::::／⌒`ｉト .,
　　　　. ／　　　　　　 ∨//,//////,//}}　 ／::::::::::::::::::::/　　　　　　 `ｉト .,
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｡s≦＼　　　　　　　　　　＼}∨///'::{／::::::::::::::::::::::::／
. . . . . . ＼　　　　　　　　 　 }:::∨/:::::{::::::::::::::::::::::::::/





　　　　　　　　　　　　　　､＿刈从WWWW从从≦二ィ_,_
　　　　　　　　　　　 　 ､_x≧W从从从WWi{从从从i从ア
　　　　　　　 　 　 　 　 ィW洲从从}i州从ハ从从}Wkく
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　　　　　　　　　　　　　洲W从从ﾘ{ィ＝≦壬r示≧＝代
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　　　　　　　　　　　　　 ｲ洲ｒ=i{|　　　　　 　 _ 冫　 　 }
　　　　　　 　 　 　 　 　 }从{ V|i ､_　　　　　　 ′　　 .'　　　　　　　　　　　　　　　　おめーもいつかはそうなるの。
　　　　　　　　　　 　 　 　 从 {_　　｀　 　　i== ﾆi 　　,'
　　　　　　　　　　　　　　　　}ﾄ､_ 　 　 　 　|　　 |　　,! 　　　　　　　　　　　　　　　　　食後にカプセルを幾つも、ザラザラ口に流し込むんだよ。
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 从汽 　 　　　 l ─ i　 /　
　　　　　　　　　　　　　　 　 洲　｀ヽ　　　　｀￣　/ 　
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ]}　　　`ー,ｨi斥仆v| 　 　
　　　　　　　　　　　　　　 ／.::i｣ 　 、　 　{i｣从｣ｼj＼_　　　 　 　 　 　　　|i!|／￣￣ヽ_
　　　　　　　　　　 _ 　-‐ {::::::::{、　　 、　　　　 / {ヽ::ヾヽ、　　　　　　　　(_／ |￣＿ 人__
　　　　　　　　 _／　　　　|::::::::| ＼　　 、　　　{　　ハ::.:.:.. ｀丶、 　 　 　 .＼ ヽ|　|　 ＿＿}_
　　 　_ 　-‐　´　 　 　 　 |::::::::|　　｀ヽ､__　　 　 ／　 ',:.:.:.. i　　 ｀`丶、　　　ヽ し'／　　　　}
　　／　　　　　　　　 　 　|::::::::|　　　　　 ｀ヽ.　 {_ 　 　',:.:.:. i　　　　　　ヽ、. 　 ∨ー'´￣ 　 l
　/　　 　 　 　 　 　 　 　 |::::::::|　　　　 　 l　|　 ||!　　　}:.:.:.::!　　　　　　　 ＼ .　'，　　 i　　│
./　　　　　　＼　　　　 　 |::::::::|　　　　 　 l　|　 |{　　　 ｌ::.:.:::l　　　 　 　 　 　 ヽ .＼___ |　　 |
　　　　　　　 　 ヽ　 　 　 |::::::::|　　　　 　 l　|　 |{　　　 l:.:::::::l　　　　　　　i　　　`､ . }　 ヽ--|
　　　　　　　　　　 ＼　　 |::::::::|　　　　 　 l　|　 |{ 　　　!:::::::::l　　　　　 　 |　　　　`､! 　　　. l





　　　　　　　 　 　　＿＿＿_
　　　　　　　　　 ／　　 　 　＼
　　　　　　 　 ／　─　 　 ─　＼
　　　　　　 ／ 　 （●） 　（●）　 ＼　　　　　　　おっかねえこと言わないでくださいお……
　　　　　　 |　 　 　 （__人__）　 　　 |
　　　　　　 ＼　 　　 ｀ ⌒´ 　　 ,／　　　　　　　　しかし、やけに緩い感じですけど……
r､　　　 　r､／　　　　　　　　　　ヘ
ヽヾ　三　|:l1　　　　　　　　 　　　　ヽ
　＼>ヽ/ |｀ ｝　　　　　　　　　 　　|　|
　　ﾍ　lノ `'ｿ 　　　　　　　 　　　　|　|
　　　/´　 /　　　　　　　　　　　　 |.　|
　　　＼. ｨ 　　　　　　 　 　 　 　　|　 |
　　 　 　 |　　　　　　　 　 　 　 　 | 　|

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
ハセガワはコロニー・アマツがコジマ爆弾による爆撃を受ける前に、
こちらの艦に避難することができたらしい。

妻や一人息子も無事で、今のところは病気もしていないそうだ。
艦内に喫煙スペースがほとんど無いことだけが辛いとこぼしており、
間がうんうんと激しく同意し、牧瀬が冷たい視線を投げかけていた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4381： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/14(土) 20:32:26 ID:aq/rhrIs0

　ノ＿,､＿ノﾉ,,孑 / ノ
彡从毛乂乍ﾘｿミヾ壬ミ
从彳川少匕从彳ﾐ川少＜
毛仆卅从ﾐ从毛仆卅从彡
Ｗ从匕ﾐ弋幵Ｗ从匕弋乂
从乂lヽlﾐ＼卅从乂lヽl＼Wﾐ
从W毛彡厂''V'＼ '　 　 .∨
Ｗ从匕乂　　　　　　　　　',
从卞弋V'　　　 　 ',　 　 , -',　　　　　　　そりゃおめー、緩くもなるってもんよ。艦内は安心ムードだぜ？
災什人.　　　 　 　 ', ii／少ﾐ}
升入　　　 ｀ﾞｰ-=_ノ_,t壬昨ﾉ　　　　　　　オルデンブルクかSIに引き取ってもらおうって方向転換したそうじゃねえか。
ミﾐ______　_, -壬少ﾉ rxﾞ".rxl
W　 　 .｀弋匕ﾐ少'　{　.', { .∨　　　　　　　やっぱそれが、今の時代の、世の中の道理ってやつなんだよ。
/'　　　　　｀￣´　　_.',　.',.',　',
∧　　　 　 　 rｘ　　.｀',　.',.',　',
. ∧.　　　 　 rﾞx X--‐'',　.',l　 ',
　　｀ｰ- ,_. 　 ＼＼ ＼/',　.',　 lヽ
　　　　　 ｀ｰ- .._ヽ ヽ ｀ｰ'　　　l ﾊ
　　　 　 　 　 Y´ ヽ　ヽ　　　　 l　＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
ハセガワが腕を組み、なぜか誇らしげに胸を張って語った。

そうか、真壁が市民たちと自分たちの橋渡しになっているのだから、
当然そういった情報も彼らに流れるわけだ。

「全会一致、とはいっていないがね。前回の爆撃がトラウマとなり、
企業への不信から不安がる人々も少なくない」

そこに真壁が言葉を差し込んでくる。
多分、その人たちと自分は同意見だ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4382： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/14(土) 20:37:39 ID:aq/rhrIs0

　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ､
　　　 f: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.|
　　　 {: : : : : : : : : : : : :ヽ､: : : :ヽ: : ﾍ: : : t
　　　 }: : : : : : : : : : :{'"`ヽ}: : : : :ヽ: :.}: : ノ
　　　 }: : /: : : : : : i!: :）　 !: : : : : :ﾉ:,ｲ: :ヽ
　　　ﾉ: : !,.{: : : : : :!: ムｚｚ込: : :.ムｸ: : ノ
　　く: : : :i ヽ､: : : ﾉ`´,.ztｯ-　}j､:.}~ .}: :{、
　　 ヽ: : :ヽ　 }: ﾍﾄ､　 ::　''"　　'" ,/: { |}　　　　　　　　　やる夫君。私の見立てでは、君は企業にいい覚えがない。
　　　{: : : : ヽ !ト: :.}　　　　　　　 〉! '"
　　　i:::≧s｡|ヽ i　ｿ　　　, ,　__　 j､　　　　　　　　　　　　違うかね？
　 ,.ｨ'!::::::::::::＞ｘヽ、,　 <　t'"_ ﾉ.ｲ::::ヽ
ｨ'´::::::＞:::::::::::::::::`i __ヽ、, , , ,_,.人:::::::/　　　　　　　　　　「仰る通りですお。こちとら路上暮らし上がりなもんで」
::::::::::::::::::＞::::::::::::::|':i:i:i:i:i:i~i~:i:i:i:i/:i:i:〈｀ヽ､
ヾ:::::::::::::::::::::＞:::::::| 〉:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:）::::::》　　｀ヽ､　　　　　　で、あるのなら、君の言うことは決して間違いじゃない。
　ヾ::::::::::::::::::::::::＞:/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:!:::|'"
　　ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::ヾ､:i:i:i:i:i:i:i:i:i/i!:|　　　　　　　　　　　　 けれど、それは企業に蔑ろにされてきた者の視点だ。
　　　ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::/:i:i:i:i:i:i:i:/　.i:|
　　　　!:::::::::::::::::::::::::::|}h，:i:i:i/　　.i|
　　　　 !:::::::::::::::::::::::::|　　}hく　 　 .|
　　　　 !:::::::::::::::::::::::::|　　　　 `i　 .|





/: : : : : : : : :,: : : : : : : : : :＼: : : : : : ミメ、
: : : : : : : : : {::＼: : : : : : : : : ＼: : : : : : :.:|
: /: : : : : : :/~^^ヾ; : }: : : : : : :.:.':, : : : : :.:|
/: : : : : : 从　　　 ）人: : :ヽ: : : :.|: :.､: : :.乂
: : : : : : : : : }.　　　´　 ＼: :!: : :,人: :}: : : : : ミ
: : : : : : : : : }三≧＝=ァ/ヽ}: :/三从: : : : : :.〉
}: : : : : : :,人{ _,ｚrﾋ岱＾　　人｛ 赱　ヽ: : ハ/　　　　　　　　　八神君も言っていたが、ここに居るのは、つい数日前まで、
: : : : : : : {　　` "´ ,..:'´　　　 ^∨~"　.ﾏ{
: : : : : : : 乂_　　 　 　 　 　 　 / 　 　 从　　　　　　　　　　　企業から守られて生きてきた人間が大半だ。見てきたものが違いすぎる。
乂: : : : : : : :.ヽ、　　　　　　　　　; ,　 {: :.',
:|　＼: : : : : : : :}　　　 ; ; ;　 , r‐ ｧ ;,　∨^　　　　　　　　　　　だから君とも意見が分かれる。理屈はいくらでもひっくり返せるがね、
:≧s｡.⌒ヾ:从:.:!　　　　　／' ´こ　 .｝　∨
ヾ: : :.:＼__　 .}/　　　 {:.　　　　　＿＿_/＿＿_　　　　　　　　　長年培われた人の感覚というのは如何ともしがたいものだ。
　ヾ: : : : :{:',　　　　　 ゝ 　 　 　 |::::::::::::::::::::::::∧
　　{: : : 从 廴_　　　　　; ; ,　　 .∨::::::::::::::::::::::∧　　　　　　　　爆撃の一度や二度じゃひっくりかえらん。
　　乂: : : :}　:::::::::≧=‐-.........＿,..入:::::::::::::::::::::::∧
　　　 }: : /! . 　 　 　 ＿＿__ 〈::::::::∨::::::::::::::::＞''"￣￣￣￣
￣￣￣　∧　 　,.ィi〔:;:;:;/;:/;:;∧::::::::|::::＞''"
　　　　　γ:;￣/:;:;:{;:;:;:/;:;:;:;:;:;: ∧＞''"
　　　　 ./;:;:;:;:/;:;:;:;:{;:;:;从;:;:;:;:;:;:;:/

4383： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/14(土) 20:43:13 ID:aq/rhrIs0

　　　　　　　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　　　 　 　 　 / : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
　　　　　　　　　　 ' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.',
　　　　　　　　　　': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.
　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',
　　　　　　　　　 {: : : : : :|: : : : : : : : :/: : : : : : : : : : :ヽ: :} : : : 八
　　　　　　　　　 |: : : : : :|: : : : : : : : ｉ : : ;ｲ:|;ﾊ.: : : : :.:.}: ﾊ_ : : : ﾐ＼
　　　　　　　　　 ', : : ｉ : :|: : : : : : : : | : / j:.|_,.}: : : : :.:.j/´｣_:|: :i: :ｉ　 ヽ
　　　　　　　　　　; : :i: :._|; : : : : : : : |:/￣|ﾉ_,,ﾘﾍ: : : :圻ﾘﾉ}:|: :|ﾊ|　　　　　　　――ふう、打ち込み終わり、っと……。
　　　　　　　　　　i : j: :{　i: : : : : : : :代圻~ｿヽ　 ＼/`"　小:.:.|　!
　　　　　　　　　　}: ﾉ:八　i: : : : : : : |　｀¨´　　　　　 　 /:ﾉ: : :|　　　　　　　　君もアマツに一時期住んでたんだから、分かるでしょ。
　　　　　　　　　　|/: : ::::ヽi::. : : : : : |　　　　　　　　,　/:::::: : : |
.　　　　　　 　 　 /: : : .::::::::::::. : : : :.:.ｉ　　 　 　 　 　 /: ::::::: :.八　　　　　　　　あの平和も、企業が作り出したものなんだから。
　　　　　　　　　/: : : .::::::::::::::::. : : : : :ｉ､　 　 　 ´’／ : : |:: : : : :.'，
　　　　　　　　 ,: : : : ::::::::::::::::::::. : : : 八.＞　,_ .ィ:::::::: : : |､: : : : : ::.　　　　　　　神様みたいなものなのよ。
　　　　　　　　,: {: : :.:::::::::::::::::::::::. : : : :iﾍﾞ¨7气!}:::::::::: : |.:{ﾊ : : : : : ，
　　　　　　　　{: |: : :::::::::::::::::::ハ::. : : : i. ∨=斗|::::::::::. :.| :i人: : : : : '
　　　 　 　 　 -┴──…''"＼∧:::. : :.ｉ,/｝　 j!ﾄ､:::::::. :.|: :i.　＼ : : :}
　 　 　 　 /　-─-ミ　　　　 　 ＼:,::::. :.i　　 ﾉ圦::＼:: 人┴-ミﾍ: : |
　　　　　 j＿＿＿　　　　　　　　 ∧:::. :.!＼,j_j＼）::::＼: :＼　∧‘:.:|
　　　　 〃///////｀ヽ　＼　 :. 　 ∧:::. |＼ﾉ ヽ　　　　＼:: ＼∧ i:|
　　　　 {,////////////＼　 ::　.::: ∧:: |　 ＼人　　　:..:/＼:: ＼ﾉ′





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.　 　　　　　|　.| ﾊ i:::::::::::::::::::ミ､　）‐'´　　　　　 /::::::::::::| / - ' ´三三　　　　　　そもそも、今の状況が非現実的なんだ。
.　　　　　　 |　　| |.ﾚi::::::::::::::,､:ヽ＼　　　 　 　 ./:::_::::-:::'::´三三三三
.　　 　　 　 ヽ　 | |　|:::::::::::/　｀ﾐ､_ ＼　　 _　- ' ´三三三三三三三　　　　　　　企業連にケンカを売るテロリストだって、実際には
　　　　　 　 　Ⅶ　Ⅵ::::::::/_　　-　　　 Y´三三三三三三三三三三
　　　　　　　　 ヽ　 V:::ﾊ:::::::＞､　　＿ .＼三三三三三三三三三三　　　　　　　裏で指示を出し、武器を流す企業がバックにいる。
　　　　　　　　　　／ヾハ:::/三 >'￣　　　 ヽ三三三三三三三三三
　　　　　 　 　 ／三三三/三三ﾆ｝￣　　　 V三三三三三三三三三　　　　　　 聞いたことあるだろ？　だが、俺たちにはそれすらない。
　　 　 　 　 ／三三三三三三三::i､　　　_ ィ ト三三三三三三三三　　　
　　　　 　 <三三三三三三三三三三三三ﾆ.| ヽ三三三三三三三　　　　　　　 土台無理な話だったのさ。
　　　　　 　 ｀ -　､三三三三三三三三三≧／:::＼三三三三三三
　　　　　　　　　　 ｀ - ､三三三三三 ／／/）:::::::::人三三三三三三
　　　　　　　　　　　　　　＼三三ﾆ.／／/.//::::::::/ | |三三三三三三

4384： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/14(土) 20:50:06 ID:aq/rhrIs0

　　　　 ＿＿＿_
　　　／　　 　 　 ＼
　 ／　　　　　 ― 　　‐　　　　　まあ、そりゃ……あんな平和な場所で暮らしてりゃ、そうもなりますかお。
／ 　 　　　　 （ ●）　　）
|　 　 　 　　　　 　（__ﾉ､_）　　　　やる夫も彼らの立場だったら、同じことを言う……と、思うし。
＼　 　　 　　　　 　｀_⌒
／　　　　　　　　　　　＼





/∧　／: : : : : : : : ／: : : : : : : : : :彡: : : : : : }ミ: : )
//∧': : : : /: : : : /: : : : : /: : : : : :}: : : : : : : :{: : : 乂
///∧: : :/: : : : /: : : : : /: : : : : :/: : : : : : : : 乂: : : : ヽ
////∧: {: : : : /: : : : : : : : : : : :/{: : : : : : : : : : : ヽ: : : }
/////∧: : : :/: : : : : : :{: : : : :,/ 乂＿: : : : : : ヽ: :}: : /
//////∧: : {: : : : : :.:.人: : : :.{∠三三ヽ: : : : : :ソ: : 乂
///////∧: {: : : : : : : : :.＼:.人　 ＜以 ヽ: : ／: : : : :ハ　　　　納得していない目だね。大衆というのは得てして身勝手で浅慮なものだ。
////////∧乂: : : : : : : : : :ト､_＼　　..::　}／　`''＜.从/
/////////∧　＼: : : :、: :人　⌒ 　　　　　　　　　/　　　　　　そういう性質なのだよ。大昔から変わっていない。
//////////∧ 〈 　￣｀`ヾハ　　　　　　 　 　 　 /
///////////∧ ゝ　　　　　　　　　　　　,,　 '' ''　)　　　　　　　 嵐のようなものだ。大きくなって、暴れて、落ち着いた頃には何も残らない。
////////////∧＿Y　　　　　　　　　　 r ／ 二)
///////////// |: :{ !　　　　　　　　　　〈　　　　|　　　　　　　　責任も取らない。数が責任を拡散させてうやむやにする。
///////////// |:从 !　,,　　　　　　　　 　 　 　 |
///////////// |:〈 今s｡.., ,, ,, 　　 ,,　　　　　　 |　　　　　　　　市民たちの声がどんな結果を招いたとしても、ね。
///////////// |　　　　　　　 ｀゛¨ '' ‐-　...,, __人＿＿
///////////// |_,,..　-‐　'' "´:::::::::::::::::::::::::::::::::＼:i:i＼i:i｀`〜､、
///////////// |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:i:i＼i:i:i:i:i:i:丶
//////////////:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∨:i:i∨i:i:i:i:i:∧

4385： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/14(土) 21:01:14 ID:aq/rhrIs0

　　　　　　　　　　　　　　　 _､
　　　　　　　　　　　＿､-､＿）＼
　　　　　　　　≦￣　　　　 ヽ　 ＞-､
　　　　　　＜￣　　　　　＿＿≦ヽ＜｀＼
　　　　 -≦　　　　　 　／:::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　 ／　　　　　　 ,'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　 　 ／ /　　　　　　､'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',　
　　'´ フ　　　　　　/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i　ﾉ/i /l　　　　　　　　現実ばっか見ていても、暗いことしかないぞ。
　　 / /　　　　　/:::::::::::::::::::ﾊ:::/|::::ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::://:/　/
　　Ⅶ　/　　　 ﾉ:::::::::::::::::i:/ .|/ .i < ﾚ´|:::::r-､::::::::::::::::/／/　　　　　　　どうせ目標位置に到着するまで暇なんだろ？
　　 / ｲ　　　 /ｲ::::::::::::::::ﾚ ニ三' ､￣ﾉ:::/ ｊ i::::::::::::::::::::::/／
　　 V |　/　 ,　 |:::::::::::::::|｀､´､ヱソ ./::::.i i} /::::::::::::::::::／ノ　　　　　　　　ちょっと気晴らししてきたらどうだ。
　　　　|∧　 i　 |:::::::::::Ⅳ　 X　　　　{::::/　ノ:::::::::::::::::::彡
　　　　V∧ .ﾊ　i:::::::ﾊ:i/　　　Ｘ　　　 Ｖ ノ /r―- --＜
.　　　　　　Vハ ﾊ;:::|､Vヽ_＿ ,　X　　／／/::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　 　 Xハ/ﾚ:::::::ヽ､　　　　 ＜／ゝ/::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　/:::::::::::::::::::::::::::::ト- イ/／ハ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::

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真壁は重々しく言い切ると、それ以上語ることはなかった。
納得しきれない自分自身を諫めるように、真壁の言葉を反芻する。

しかし、それで再度企業から見捨てられることになった時、どうするのだろうか。

考えていると、間が話題を断ち切ろうとしたのか、
口の端を軽く持ち上げて割り込んできた。

今は午後の二時。世闇に紛れる形での襲撃を終えた自分たちを載せたアマツは、
海の中を息を潜めて航行している。南東へ。オルデンブルクの総本山へ。

エンジニアチームやスタッフたちは大忙しだが、他は大してそうでもない。
自分のような戦うしか能のない人間に関しては、体力を温存しておくのが精々だ。

昼にプレートに載せられた味気ない配給職をいただき、検査も今終わった。
今日やるべきことは何もないと言える。

下↓1　どうしますか？
1．整備中のマーシフルが気になる。ドックへ見に行ってみよう
2．ノーマル隊の隊長たちは何をしているのだろうか？　所在を聞いてみよう
3．医務室に居座って間たちと話を続ける
4．大人しく自室に戻って寝る（イベントスキップ）
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4386：安価のやる夫だお：2021/08/14(土) 21:01:46 ID:4f7YHRG60
1

4387： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/14(土) 21:13:00 ID:aq/rhrIs0

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼　　　　……診察、ありがとうございました。
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　んじゃまぁ、ドックでも見てきますお。愛機の様子も気になるし。
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿___
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . . : :~⌒´く, . . . : .:｀丶、
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／.:／.: : : : : :}⌒ヽ : : : : : ＼
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 . : : / : : : : : : : : : : : : . : : : : : : : .
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 / . : ,′: : : : : : : .: : : : : :. : : : : : :　:.
　　　　　　　　　　　　　 　 　 ′: .:i. . : : : : : : /. : : : : : ; : : : : : :　:i
　　　　　　　　　　　　　　 　 :.⌒ﾒ |: : : : : : :j/. : : : : : : | : : : : : : : |
　　　　　　　　　　　　　　 　 ｉ: :j ､:j : : : :⌒ﾒ、 : : : : : : | : : : : : : : |
　　　　　　　　　　　 　 　 　 jyif扎}i :,ﾉ.:／　|:＼: : : : ..:| : : : : : : : |
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |:ｉ.ﾘ　八{／　汝jＫ: : : : : ..:| : : : : : : : |
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |:ｉ:j　′ ｀ 　 `z勿ハ : : . :ハ : : : : : : |　　　　　　　行ってらっしゃい。整備兵さんの邪魔しちゃだめよ？
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 j:八 　 　 　 　 　 | : : : ..:/_,ﾉ : : : : : : |　　
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｝: :i: 、､)　　　 　 | : : : :.′′: : : : : : |　　　　　　　「はーい」
　　　　　　　　　　　 　 　 　 }..:ﾉ:个ｰ―=≦{__j : : :/Ｌ/　.:　.: : : : :|
　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｝′.:| . : 厂f｢⌒7 . :/／′ : : : / . : :|
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｉ　 . :|. .:/ハ||　 ′:/ . : : : : : : / . : : :|
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 | . : .:|.:/厂刈 /. : : : : : : : : : :/. . :/ : |
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　 _＿__ 　 　 　 　 　 |　 ′ .:.:.′　　 | 　 　 {　　 ｝＼
　 }｢　.}|:.　　￣三㌻ﾆ｝,ﾉ ..:.:.:;′　　　|　　　 |　　 ＼___、
　 }{ 　}|　　　　　三三;′.:.:.:.:{　　　　/　　　 j　　　 　 / ＼　　　　　　　 、
　 }{ 　}|　　 　 　 :ﾆニ|　.:.:.:.:.:}　　　/⌒'￢=′　　　 / 　 /＼__＿,ノ　 　 〉

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そういえば、マーシフルの修理はどうなっているだろう。
昨夜の戦いで、ヘヴィードーラに脚部の装甲を蒸発させられたのだ。
自分の愛機である以上に、今やこの艦を守る唯一のネクスト戦力である。

そう告げると、いい歳こいた男たち三人はニヤリと歯を見せて手をひらひらさせ、
牧瀬から母親のように釘を刺された。そうなるのも仕方ないのかもしれない。
間と一緒に過ごしている女性は母親染みた言動にもなりそうだな、とも思った。
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4388： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/14(土) 21:13:15 ID:aq/rhrIs0

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4389： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/14(土) 21:23:57 ID:aq/rhrIs0

〜潜水艦アマツ　格納庫、AC用区画〜
＼┌‐/:〈/ /〉:::/─┐　　 /匕」　　　　{::::::/／　　　　　　 ／　　　　_＼　 　 　 | 　 　 　 |:::| }　}　　　　}　 }／　　　:|　 |:|　　　／
＼└/:〈/ /〉:::/─‐┘　／/＼_|,､‐辷三ア´　　　　　　 ／　　 xく￣{::::::ヽ＿＿_|｀ヽ　　　|:::| }　}　　　　}　 }　　　　 :|　 |:|　 ／ /
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ふらりと立ち寄ったドックには、人の足音と声、工具の作動音といった
様々な音が反響し合っており、鼓膜へと容赦なく叩きつけられた。

鉛色の広大な空間にノーマルACたちが直立不動で鎮座し、
その端にはひと際大きなAC、つまりはネクスト用区画に置かれた
マーシフルの姿がある。

とはいっても、大分慣れたものだが。戦場での爆音、ドックでの騒音も慣れっこだ。
今ではACの起動実験を行っている場所でも眠れるほどである。

しかし、やはりと言うべきか、全体的な動きがぎこちない。
トウキョウに比べると、整備班の人々の顔も少し険しい。

あまり円滑とは言えない稼働状況が見て取れるようだった。
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4390： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/14(土) 21:28:44 ID:aq/rhrIs0

　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 , ´￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /　,.-､　 }
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　　　　　　　　　　　　　　 ,.ｨ : : /:／:': : :!{/￣}'￣|: : /ﾄl､: :|:|: :.｀＼
　　　　　　　　　　　　　／/: : :/': : : |: : :| ＝＝　ﾑイ　}'ﾏ: |:|: ∧　　　　　　　　　　　「チーフ！　こんな規格違いのモン、
　　　　　　　　　　　 ／／': :/: |: : : :l＼:.| u　 　 　、 ==/l:/,:!,: : |
　　　　　　　　 　 ／: '　/: :,: : : ,: : : |､_ 　 　 ＿_ 　 　 ,: /:.lﾘ ＼}　　　　　　　　　　　　どうやって取り付けろってんです！？」
　　　　　　　　 ／ ´　 ,: : /: : : : ,: :.:.|　:､　　乂:.:.:.ｿ　 八:_:｣　　 ｀
　　　　　　　 / '　　,.-‐-､＿/___|: :.∧　　 ､　 　 　 イ: :.|　　　　　　　　　　　　　　　　　あれー、駆動系の改造ってどうなってんの？
　　 　 　 　 / 　 ／　　 〈l |::|　 l|: :{/∧ 　 /｀ ｰ ´: /: : :|
　　　　　　/,. イ　　　　 〈l |::|　　,: |/ /　 //:/|: : : :{-､: :|　　　　　　　　　　　　　　　　　 ちょっとー。あ、まま、落ち着いて。
　　 　 　 ,:/ 　 　 　 　 Ⅵ |::|　　|:j!　{_　 ' ∨ !: : :/l〉 ∨　 　 　 　 ,.-――---ァ
　　　　 /:{　　　　　　 　 ヽ|::,...イ: ﾉ　| ｀　 r|　 ,: :{ l〉 　｀ヽ,　　　rく　　 ＿二≧ｱ　　　　　「無理やりやってもいいですけど、
　　 　 ,: : |　 ､　　　　　 　 }'　 {:.:ﾉ　 |　　 　 ,　Ⅵ/' 　　　 }　　/ 　 ｰ=rｰ '
　　 　 {／!＼_}　　 　 　 ／　 ｢:.ﾉ 　 |　　l 　 ∨∨:､　 ＿/　 〈　　 　/ ｢/　　　　　　　　　動くかどうか知りませんからね！」
　　　 /: //}//＞- ､_,.イ､＿_/:｢　 ＜　　 :.　　＼∨}ィ//∧ , ' ＼__,/--'
　 　 ,: :/'´ |//////　 :.　 　 {: |￣T≧=--ﾞー--'-ﾊ'////,／　　　'　　　　　　　　　　　　　　怒らないでよー……今確認するから……
　　,: : ' 　　｀ 7ｰ ':.|　　 ,　　从|　 ||　　　　　　　　||ﾑ￣,:'　　 　 /
　 /: /　　　 /--､:/ 　 ::.,:::. 　 　 /'　　 　 　 　 　 || l}　　　　　,:'
　':. /　　　 ///,Ⅵ、　　 ＼::::...../............::::::.....　　 /'人＼　　／
/: /　　　 ///'´¨//＼　　 ｀7ー---― ¨ r―--イ : |: : |｀ ´
: /　　　 /／　　 ＼//＼　 {l　　　　　 {l /: : : : :.:|: : |: : |

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その喧騒の真っただ中に、猫背の白衣姿があった。
何やら年配の整備兵たちに囲まれ、ああでもないこうでもないと
四方八方から怒鳴り声をぶつけられている姿が視界の端に止まる。

篠ノ之だ。飄々とした普段の姿からは想像できない、弱り切った姿が見える。
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4391： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/14(土) 21:40:41 ID:aq/rhrIs0

　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿　　 　　　　　　　　　 ／＼
　　　　　　　　　　　　　　　/￣¨¨¨￣l|　 ,.　 ⌒ヽ､-､／／／＼
　　　　　　　　 　 　 　 　 /　 　 　 　 l|／　　　　 ／/　＼ ＼／〉
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　 '￣｀/ /　/二,..ｧ'': : : :{:＼＿＿__ノ /: : : ､: : : : ＼＿／　　 　＼
/　　 / /l//---_ｧ: : : : : ∨: ∧: : : l_/: : : : :∨: :.∧: : :、　　　　　 　 ､
､　　/　| |_|- ､7/: : : : : : : ＼: :|: : : :.∨: : : : :∨: : :∨:,: :.、　　　 　 　 ＼　　　　　　　　ガワはそのまんま、電装系だけ取り替えて……
＼､ ':.　| | |＼__ア: : :.:.:|: :|:∨:､{∧: : :.∨＼: : :∨: : :∨､: : ､　　　　 　 　 ＼
　｀ | |　} |　' {/: : : : : :.:|: :|: :∨ : ∧､: ､|＼:{＼: :! : !: :∨＼:'＼　　　　　　　　 ､　　　　　桜花のと互換性があるはずだから……
　 /{ |_// /　;: : : : : : : |: :|＼{＼: :∧＼}￣＼￣| : |: : :|:r ､ヽ　＼　　　 　 　 　 Y
イ　|＿/ ,'　 {: : :|: : : : :|: :|_ノ＼　､ ∧　　　　_　| : |: :.ﾘ:|　 ｀　 //ヽ､　　　　　　,　　　　　あー、装甲だけならよかったのに、
　　 ｀ー'　　 |: |:.∨: : :T´从　　　 ＼:｣　-≠'´　|: /: /:∧　　　{/∧　｀　ｰ　 　/
　 　 　 　 　 |/| : ∨: :∧{　､＿ノ 　 　 　 　 u /:ｲ: /: :| ﾑ}　　 ﾏ/∧　　　　 ム､　　　　　内部機関も若干やられてるの、なんで……
　 　 　 　 　 |　,: : :∨: : :＼ ￣　　　 ;　　　__　 /イ: : j!　∧ 　　∨/＼＿_／// :
　　　　　　　／ : : : |＼: : : :〉､　　　　 ,.-.:.':.:.:.:Y　l|: : :|　/'∧　 　 ＼/////／　 |
　　　　 ＿/_､　 |: :/ 　 ＼:｣: :＞.,..._　乂＿_,／　ｨ|: :./ー-'　}　　　　｀￣￣ ´　 /
　　　r/∧∨∧ j:/　　 （_| ||: : : :|-､ |＿｀¨´ /´　 !: :{ー'ー-' 　 　 　 　 　 　 ／＼
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　　　　　　　 ＿_､_　　　 ,..ィ: : ,: : : /: :/ |: : :.∧:!ﾏ:.∨: ∨}:＞､　 　 　 　 ＼
　　　 　 　 /　 '　　￣7　 /: :.∧:_:/_|:_!ノ{: : :|　|ﾄ､ﾏ:.∨: ',: : : | : T ー､ 　 　 }＿_
　　　　　 /　 /　　　 /　　': ,: !: Ⅵrtｫ=ﾐ ＼:｣　'＿ {:_｣＼|: : : |: : |:＼ r===イ-r--=l　　　　　　　そもそも私は開発さんであって、
　　　　　 ---､＿＿/　　 {/:/|: : :|弋)ソ　　　 ´必オヽ/: : :/: |､: :,:.､: :|　 　 　 |　[ﾆ!
　　　　　　　 /　　 ,　　／:{/_从:八　　　 , 　 　 ｀ ¨　/: : :∧:_|: ＼: .　!　　　　 }-- '　　　　　　　 こういうのはお門違いなんだけど……
　　　　　 　 ,　　　,　 /:,／　 〈l ＼}:.　 　 　 　 　 　 /ｲ: :/:/||l〉｀ヽ: : 　 T¨¨´｢､
　　　 　 　 /　　　}'´￣　　　〈l ||',: :ム、　__　　　　,.ムイ:./ ||l〉 　 ＼:_:､| 　　 ＼:.　　　　　　　　　ま、できるんだけどさ……
　　　　　 ,:　　　　|/｀ヽ　　　〈l ||∨: :| ＞｀ ｀ 　 イ | |: : /__/'l〉 　 　 　 l|　 　 | ﾏﾑ
　　　　　/　　　　八//∧ 　 〈l ｰ=l : |　|ヽ｀¨　r― | |: /＿_/ﾌ　 　 　 ,ｨ|　　　:.　ﾏ :.　ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ
　　　 　 {　　 　 /　∨//}　　　＞ |: , 　|　　　　　　| l: {ー　r'　　　 ／/{| 　 　 {＼ , : .
　　　 　 |　　　 '　　 }// |　 _,.' 　 〈: {／　　l::/　 　 ｀|: 〉 　 ﾏ　　 //// |　　　 ﾏ//､: :..
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牧瀬にも言われたが、かなり忙しそうだ。他スタッフも、自分の来訪に目もくれない。
遠目に見守るとしよう。

篠ノ之は弱り切っていたが、修理自体はなんとかやれているように見えた。

マーシフルの左脚部、人間でいえば膝下にあたる部位の装甲が取り外されている。
どうやら補修では間に合わず、交換しているようだ。
天井に取り付けられたクレーンアームとワイヤーロープで釣られた
白い装甲が空中で制止している。取り付け前の最終確認でつまずいたのだろうか。

会議室での言葉が思い起こされる。
企業のバックアップなしにネクストは動かせない。

まさにこの光景がそれなのだろう。桜花の遺産がなければ、
マーシフルとて動かせても、一度壊されたらそれっきりだ。
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4392： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/14(土) 21:53:32 ID:aq/rhrIs0

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　　　　{　ー ´　 ／: : : : : :/|: {: l､: :{:＼:＿: ､:∨ー:.:r＜
　　　　＼＿_,..イ: /: : : /:|,|-ﾏ∨: :∧､:.＼: ｀Ⅵ､: l: :|: :ﾑ
　　　　　　　 /ｲ: ':|: : : |イ:|　{:l ∨: :∧＼}＼:.|:|: : ': :!: : :.',　　　　　　――あっれ、誰かと思えば。
　　 　 　 　 /' ':/: |: : : |: |:{　 ｀　＼＿{　r＝=､|: / : |: : : : .
　　　　 　　　/:;: : {: : : :Ⅵ,ィニﾁ　　　　 　 ⊂⊃: : :.|: : : : :.　　　　　　ご心配無用、マーシフルには修理しか施してないよ。
　　　　　　　,: :{ : ∧: : : :､⊂⊃　　　　 　 　 /:ｲ: : :/: : ,ｨ : l
　　　　　 　 {: :|: /: : ､: : : ＼　　　 ,. -―v　'　ムイ: : / j!: ﾑ_,.　　　　　「別に、監視してたわけじゃないお」
　　　　　 　 |:./ｲ:r､: : : ｢ヽ : ミ　　乂:.:.:.:.ﾉ　　,ｨ:r ､: :/ /:／, ' 〉
　　　　　 　 | /:〈＼＼:.∧ Y^}:＞　　 こ　 イ: : :|　}:/　{,'　/ /　　　　　　あらそう。信頼してもらえてなにより。
　　　　　　　/: : :＼＼　ｰ'　, ∨￣| ｀ ¨´　 !: :./|　'　　 ｀ヽ/:_,.. -ｧ
　　　 　 　 /: : :__r-ヽ/　／ 　ヽ | '　　　　/: ノ {　　 ､＼　 _,..イ´
　　　　 　 ,: : : :ー-- ､　'　{　　 |l|--､ 　 /:イ=､|　　 ﾉ　　/ ∧: .
　　 　 　 /: : : /　 　　＼　 　　j ﾄ､　　 /: ノ　l∧　　　 イ〉,'　 ヽ: .
　　　　 ,:': : ／'， r---r-≧---､| |　　 {: ﾉ|　∧ }＿＿{＿/___　 }: :、
　　 　 /: : :.{　　 ∧　 l|　　　 　 l| |　　 {: { ! /　|　　　　|　　r'-､∧: ヽ
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しばらくすると、篠ノ之がこちらの方に歩いてきた。
ふらふらと虚空を見つめる眼でこちらを、というより、
自分の背後の出入り口を見つめて歩いていた。

彼女が自分の存在を察知したのは、結局ぶつかる寸前のところだった。
相変わらず、興味のないものには徹底して無関心な女だ。

取って付けた笑顔を浮かべる篠ノ之だったが、怒りは沸かなかった。
腹立たしく思う理由もない。何せマーシフルを修理してもらっている立場だ。

挨拶の意で軽く頭を下げ、改めて向き直る。

「コーヒーでも飲みますかお？」

ジャケットのポケットに忍ばせていたコーヒーのボトルを差し出す。
医務室で間が淹れてくれたものの余りを、後で飲もうと頂いていたのだ。

「えー、気色悪い。どしたの、君って私のこと好きだったっけ？」

「そんなわけねえですお」

「……ま、いっか。それ、ブラック？」

「一応」
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4393： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/14(土) 21:58:17 ID:aq/rhrIs0


　　　　　／￣￣￣ ＼
.　　　／　　　 ( ●)　　＼　　　（いけ好かない女だけど、世話になってるのは確かだし……）
　　　|　( ●)　　　⌒）　　|
　　　|　　　 （__.ノ￣　　 /
　　　|　　　　　　　　　 /
.　　　＼＿　　　　　　　＼

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廊下に出て壁に背を預けると、篠ノ之は受け取ったボトルを口に付け傾ける。

その姿はどこかの映像資料で見たことがあった気がした。
記憶の棚の底を軽く漁ると、案外あっさりと類似した風景が出てきた。
小動物がケージに設置されたボトルから水を飲もうと、
飲み口に齧りついて上を向く姿だ。

我ながら単純な男だ。あれだけ失礼なことを言われたのに、
こうして愛機の世話をしてもらっている姿を見ただけでコレだ。
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4394： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/14(土) 22:00:06 ID:aq/rhrIs0

　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,.．-=ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ)
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 //////￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　 　 　 　 　 　 -―‐ //////
　　 　 　 　 　 　 　 ／: : : : : : :/≧=-: :｀ヽ
　　　　　　　 　 　 /: : : : : : : :/'´: : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　′: : : : : : : : : : : __/__|: : : : :.＼＿
.　　　　　　 　 　 i: : : : : : : : : : : : : /‐-_|: :|: : : :｢￣
　　 　 　 　 　 　 |: : : : : :/.:ｲ : : : ｬ芯｢/.:/ : : : |　　　　　　　　しっかし、ネクストが一機だけってしんどいねえ。
　　　　　 　 　 　 |: : : : :/:（_|: : :|:{ 　 /／　>: :.ｲ
　　　　　　　　 　 |: : : : |/.: :|: : :|: 〉 　 ,.，, : : :|:|　　　　　　　　 せめて研究中の無人機が残ってればねー。
　　　　　　　　　　|: : : : }:､ :八: ﾙ _　 　 /: :/|:ﾚ
　　　　　　　　　 /: : : : :ヽ:｀^メXxメx￣ }イメXｘ
　　　　 　 　 　 /: : :. : : : : : : : :｀ﾏメXxメx､ ｀^メXx
.　　　 　 　 　 /: : :. : : : : : : : : : :∧ / ｀＾|: :＼　　l: :＼
　　　　 　 　 /: : :. : : : : : : : : : : : :∧　　 ＼｢｀＼ |:/⌒
.　　　 　 　 /: : :/: : : : : : : : : : : : : :∧　　　　　　〉





　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　／ 　 （●） 　（●）　 ＼　　　　　そういや、なのはさんから聞いたお。
　　　|　 　 　 （__人__）　 　　 |
　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／　　　　　　無人制御のネクストなんて代物があったって。
　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ
　　 / 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |
　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|

4395： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/14(土) 22:06:12 ID:aq/rhrIs0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒｚｚｚｚｚｚｚ ､　　　　　　xｚｚｚｚｚｚｚ.､
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∨ﾊ　 　.Ｖﾊ＿＿＿ / ＼＼ 　 ＼＼
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 . /∨ﾊ　 　 l/!: : : : : :/ : ､　＼＼ 　 ＼＼
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／ /:/Vﾊ＿_ノ/}: : : : : : : : : :＼. ＼＼___ﾉ ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　 　 / : /:/: : ＼_____.ノ: :ヽ: : : : : : : : :‘.　 ≧=≦
　　　　　　　　　　　　 　 　 /: : :}/ : : : : : /:./|: :V人 : '. : : ' : : ∧
　　　　　　　 　 　 　 　 　 /: : :/: : :{斗//}:/¨|: : ヾ{:.＼{: : : |: :/人　　　　　　　「使い物になるんですかお？」
　　　　　　　　　　　　　　/: : :/: : : :|:./}'xz!_　Ⅵ: :|V{=ミ､ : :!: : : }ヾ
　　　　　　 　 　 　 　 .／: :／:／} 八{ 《 込ﾘ｀.人:{　ｚｘ:ﾄ､Y:|: :|: :|　　　　　　　　腐っても鯛ってね。通常ブーストと火器使用くらい
　　　　　　　　　　　／ /／:イ: : :|ヾ:{ヽ　　　　 　 ｀弋ｿ》'}:从: |､人
　　　　　　　　　 ／:／/: : :{: : : :弋_＼　 　 　 　 ' 　 .〃 : /}/　ヾ:{　　　　　　　 しかできないモノが今の限界だけど。
　　　 　 　 　 ／:／　/: : :八: : /: : {:}ヽ　　｀　 -　　イ: : :/ /
　　　　　　.／:／ 　 /: : :/: : ∨: : : |＼ ＼　 　 . ＜ﾉ／ﾊ　　　　　　　　　　　　　どこの企業でもやってることだよ。
　　　　　 /: :/　　 ./:_:_:/:r_､:_:∨: : |　 ﾊ　＞.ｆヽ_: /: : /{
　　　 　./: :/　　〃´　　＼弋　∨: :∨ﾉ |　　{　ﾊ》{ : /八　　　　　　　　　　　　　「どこの企業でも、って……」
　　　　/: :/　　/,′　　 　 ∨ﾊ. ∨: :{/　! 　 |､,' |〉|: :|_:_:_:}
　　　./: :/　　/:,′　　 　 　.V〈.　ヾ:人　|ヽ　 .{ヽ〉､:人　　ヽ
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　　　　　　　　　　　　/: :/: : : :.,: :.:.|:|:!: |: :/: |: : : : .
　　　　　　　　　　　 /: /: : : :_/:_|:/:从､:.∧:_|: |: : : :.
　　 　 　 　 　 　 　 ':': ':.:|:-|:/: /|' {: : : :| ´l:/｀:.:.|:|: :.',
　　　　　　 　 　 　 l:|: |: :|: :},ィtォﾐ∨:_:｣ｨtｭ、Ⅵ|:|',:|ﾘ　　　　　　　黒いネクストのことは知ってるでしょ。
　　　　　　 　 　 　 ;:|: : |:|: 圦込ｿ　　　 込ｿヽ|: |:| }'
　　　　　　　 　 　 /:|: /|:|: :|　　　 　 ,　　　　,: : ﾙ:,　　　　　　　　　あれ以来、企業はネクストの不確実性に嫌気が差してるわけ。
　　 　 　 　 　 　 /:/ｲ: 从:.ﾑ　　 　 　 　 　 ﾑイ: : |　
　　　　　　　　　/: : : :|: : : |从、　｀ 　 ´　イ: : :|: : :|　　　　　　　　　ネクスト以上の兵器がないから、頼らざるを得ないわけだけど。
　　 　 　 　 　 /: : : : :|: : : : :|＼ ｀　ーｭ´､ : : : j: : : :.
　　　　　　　 /: : :,.--乂,: : : }/∧　　　| |,: : : : |:_: :., :.　　　　　　　　最強の兵器は有人制御限定、扱える人間もごく一部。
　　　　　 　 ,: : :./　　　 ヽ: : |/　ト､ 　 ∨､: : : |∧:.| }l
　　　 　 　 /: :./　 　　 ､　,: :|　　 , ｀　　Ⅵ ､: : :.　＼:|　　　　　　　　ネクストとリンクスがワンセットで考えられるように、
　 　 　 　 ,: ／　　　　　 Y}: :|　 　 :.　　　∨ ヽ: : .　　 ｀ヽ
　　　　　/: {　 　 　 　 　 |{: ﾉ　　　}　　､:l　＼　 ､:._　　 　}　　　　　　 ネクストは個人の意思でしか動かない。企業に従うとしても、
　 　 　 /: :/＼_,.ィ///丶｢: ﾉ＿,.--r-r-､ヽ　　> 乂: } 　 /
　　 　 , : /　/{///////〈: ﾉ´　　　||　∨ ｀Y´￣乂_}l∨/＼　　　　　　それは「企業に従う」という個人の意思。
　　　 /:./　/: :|￣￣｀Y/从　　　　||　　　　　　　　 || }//／,
　　　,: /　 ,: : ;　　　　,:{_/　、　 　 jj　　　　　　　　/ /イ　　:.

4396： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/14(土) 22:09:28 ID:aq/rhrIs0

　　　　　　 　 　 　 　 　 /＞ ､
　　　 　 　 r--=-- ､　 /////＞､
　　　 　 　 ∨/∧_ノ __{////｀￣´
　　　　　　　∨＞: :´ : : : ＼ミ､: ､
　　 　 　 　 ,:': : : : : : : : : : : :＼}: :＼
　　　　　　/: : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ:ヽ
　　　　 　 ': : : : : : : : : : : : : : : : : :,: : ,_:､
　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : : : : : : :|: : { ｀＼　　　　　　人間なんて幾らでも心変わりするからねえ。使う側としては気が気でない。
　 　 　 　 |: : : : l: : : : : : : : : : : : : |: : ::.
　　 　 　 ,: : : : :.|: : : : : : : : :|: : :,: :!＼_:}　　　　　　　　だから、企業は色んなアプローチを考えたわけよ。
　　　 　 /: : : ,: :|: : : : : : : : :|: : : :,: , 　 ｀
　　　　,:': : : : :,:.:|: : : : : : : : :|: : : :|: :＼　　　　　　　　　アームズフォート、無人制御ネクスト……デザイナーベビー。
　　　/:/,: :;: : : : ',: : : : : : : : :,: : : :',＼: : .
.　　/://: /: : : : : }: : : : : : : : :,: : : :}-､ヽ: :.　　　　　　　 私はあまり興味ないけどね。道具は人が使ってこそだよ。
.　,: ://: /: : : : : : : ,: : : : : : : : ,: : : : :. ヽ:,: .
／ //: /: : : : : : : : ,: : : : : : : : :,: : : : : .　|: |　　　　　　　 自律兵器って味気ないじゃない？
: :/,:': :/: : : : : : : : :.|: : : : : : : : : ,: : : : :.　}: !｀¨ヽ､
:// : /: : : : : : : : : : ,: : : : : : : : : :, : : : :∨: ;　　　}　　　　「それは……よくわかんないけど」
'/ : /: : : : : : :|: : : : :|: : : : : : : : : : : : : : :∨ 　　 /
': :./: : : : : : : :}: : : : : : : : : : : : : : : : ,: : : : :,＿_,:'　　　　　だってえ、作っても感想の一つも聞けないんだよぉ？
: /: : : : : : : : :|: : : : :|: : : : :|: : : : : : : : : : : .∨/|
/: : : : : |: : : : !: : : : :!: : : : :,: : : : : : : : : : : : :∨j
: : : : : : |: : : : : : : : /: : : : :.|: : : : : : : : :,: : : : : :,
: /: : : : |: : : : : : : : : : : : : :.|: : : |,: : : : :|: : : :,: : : .
/: : : : : |: : : : : : : : : : : : : :.|: : : |ﾑ: : : :|: : : : ,､: : :.
: : : : : : |: : : : : : : : : : : : : :.|: : : |/l: : : :|: :ト､:.} ＼: : .
: : : : : : |: : : : : : : : : : : : : :.; : :.:.|/|: : : : : |/ﾑ:|　 }ヽ: :.
: : : : : : |: : : : : : : : : : : : : : : :.:.:.|/|: : : : : |//|:!　 |　}: l

4397： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/14(土) 22:11:45 ID:aq/rhrIs0

..　　　　　＿＿＿_
　　　　／　―　　-＼
..　　／　 （●） 　（●）　　　　　　　偉く軽いけど。アンタは、なんかこう、苦悩したりしないのかお？
　／　　　　 （__人__）　＼
　|　　　　 　　｀ ⌒´　　　|　　　　　　やる夫が言うのもなんだけど。作る側も悩んだりしないのかお。
.　＼　　　　　 　　　　 ／
.　　ノ　　　　　　　　　＼
／´　 　　　　　　　　　　ヽ





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＿＿
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＿__ 　 　 　 　 　 　 //ﾊ　　ヽ
　　　　　　　 　 　 　 　 .／ 　　,ﾊ　　　　　 　　///∧　　 ＼
　　　　　　　　　　　　／ 　　／/∧,. --　－--'く∨　',　　 　 ヽ
　　　　　　　　　　 ／ 　　／ ∨,ｨ'': : : : : : : : : : : :＼. 乂＿__ ノ
　　　　　　　　　 （　 ___ ノ　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 ／: : : : :.i : : : : :.i: : : : ヽ: : ヾ:､
　　　　　　　　　　　 　 ／ｨ: : : : : : ト､: : : :.ﾄ._:_:_: : V: : ',: ,
　　　　　　　　　　　 ／´ /: ; : : !:ｨ''!´ ヽ: : { ヾﾄﾐ､｀ !: : |: :',
　　　　　　　　　　 　 　 /: : {: : :i: !　　 ,, ＼! ､..___,, ﾘ: : |: : ;
　　 　 　 　 　 　 　 　 /: :i : ヽ: ﾊ!,z=ｨ''　 　　｀￣ ｲ: :.ハ: :|　　　　　　　　　　なんで？
　　　　　　　　　　　　/／ ヽ: : ヾ. 　 　 　 ′ 　　/: :/:|: :.＼　
　　　　　　　　　　　　　　／ ＼:_:＞. 　 ｰ-　 '　 ,７´: :.!: : : :.＼　　　　　　　　「なんで、って」
　　　　　　　　　　　　 ／イ: : : : ミ:.､≧。　　　／: : : : :! : : :ﾄ､:.＼
　　　　　　　　　 　 ／　 ,: : : : : i: : :/: r i.｀¨¨´ |{ﾐ.: : : :|: : : :,　＼:ヽ
　 　 　 　 　 　 　 　 　 /: : :_:_:_:j: :/_ノ! |　　 　.!}　ト､: {:_:_:, - ､　 ヾ＼
　　　　　　　　　　　　 /:.／　//}: :! 　 | |-､　 , -|　!　}: ヽ. i! {　ヽ.__＿.,,
　　　　　　　　　 rー- y′　.{!{/: :j__,ｨj .|　　　　 |　ヾミ: : } ノ　　　　　　}
　　　　　　 　 　 {　　　　　　 V: r''彡′ !　　　 　',　　　ヽ:ヽ　　 　 ,　　 |
　　　　 　 　 　 人　　　　　 /: :／ 　 _ノ　 ｀Y´　 乂　　 ヽ:ヽ　 ／　　 .!、
　 　 　 　 　 ／::::::ヽ　 　 ､/: :/____ く　　　　i!　　　/,;--=Ｖ: :.V　　　／::::ヽ
　　　　　 　 .,＼／:::::＼__./: :/ /{::::::/ ｀≧=--=≦´ ヾ:::j､　∨:}__ ／::::::::::ﾄ:/ ､
　　　　　 .／　　＼:::::／: : : ;′. ｀¨´　　 　 =!=　　　　｀.|i! 　}: : : :＼:::::／　 　 ヽ
　　　　　 {　　　.／､´: : : : : {　 { {　　　　　　　　　　　　 } } ./: : : : : :｀¨ヽ.,　　 　 〉
　 　 　 　.,:ヽ　　 　 ヽ: : :/: :ゝ.. ヾ　　　 .:彡ｲ､ __　　　ノィ´: : : : : : : : :／　　　 /
　　　　　/: : :＼　　　 ＼': : : : : : 丁 i　´　　　　　 ￣ﾉ /: : : : : : : : :／　　　 ／
　　　　./: : : : : :.＼ 　 　 ＼: : : : :.}　|　　　　　　　　/ /ｫ: : : : : : ／　　　 ／: :ヽ

4398： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/14(土) 22:15:48 ID:aq/rhrIs0

　　　　　　　　　　　 ＿,..ィ　乂＿＿_,. イ￣///|
　　　　　　　 　 　 /: /　　_,.. -　_,. ┴'===〈///{__
　　　　　　　　　 　ー　 ´　 ,.＜: : : : : : : : : :ヽ/∧:＞､
　　　　　　　　　 　 　 　 ／: |: : |: |: : : : : : : : : ﾏﾑ: : : ヽ
　　　　　　　　 　 　 　 /: ,: : |: /|: |: : : : :.､: :､: : |/!: : : : : .
　　　 　 　 　 　 　 　 /: /: ｲ{/:7ｰr 、: : :.|: : ∨:|/: : : : : : .
　　　　　　　　　　　 /: /: !: |: / {｣ {:､: : : :|: : : ∨: : : : :.,: : :
　　　　　　 　 　 　 /イ {/|:V:.|ｨ≠ﾐ　＼: :|: : : : ∨: : : /: : ::　　　　　　ネクストを作ろうが作らまいが、人間は戦争するよぉ？
　　　　　　　　　　 　 　 ｢¨´　 　 　 /: : ＼}-､: : :∨: /: : : : :
　　　　　　　　　 　 　 　 　＿__ 　 /イ: : :/＼}: :＿＼: : : : : :.　　　　　 ネクストやコジマを取り上げたって同じことだよ。
　　　　　　　　　　　　　　Y{':.:.:.}　　 /: : /__イ:: : : :/: : : : : : :.:.
　　　　　　　　　　 　 　 　 ､ー'　 ／＿/: : : : : :／: : : : : : : : : .　　　　 主戦力がノーマルに逆戻り。それすらなくなったらMTで。
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ー r:-､　 /: : : :.／┴､ : : : : : : : : :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　/＿}　,' : : ／,..---､}: : : : : : : : : .　　　 それすらもなくなったら核の時代に逆戻り。
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /{ | {l∨: ／／　　 　 ヽ: : : : : : : : :.
　　　　　　　　　　　　　　　 /://!／: :/　{　　 　 　 　 ＼: : : : : : |　　　 それすらもなくなったら銃と大砲。
　　　　　　　　　 　 　 　 ,イ:/／ {: :ノ　,ｨ|　　　 ;　　　 ￣｀ヽ､: :.:|
　　　　　　　　　　 　＿ {:／´／/: |//ｲ/ 　 　 /　 　 　 　 　 }: :.|　　　　それも取り上げたら剣と弓。最終的には拳や棍棒。
　　　　　　　　　　　{＞／　〈　 l: :∧,／　　 ／　　　　　　　　|: :.|
　　　　　　　　　,ｨ＿_/＿_／__/: ﾉ　＼　　　　　　　　　 ＿＿|: :.|
　　　　　　　　/　　　　{//| |　{: :{----＼　 　 　 　 ,ィ/////∧:.|
　　　 　 　 　 {　　　 　 ＼j |　|: : ､　　 　 　､　　　/////|＼l/∧}
.　　　　　 　 八　　　　 　 | |　|:∧:}　　　　　｀ ー///__／　　 T´





　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿
　　　　　　　　　　　　　　 　 ,.ィ" ゞ-'-:、
　　　　　　　　　　　 　 , .ィ"　　　.／,ィﾑ
　　　　　　　　 ___ ,..ィ／ ゝ'__　／ｨ´:::::!::!
　　　 　 ,斗＜ァ:´f'´　 ／／{／　i::::::::i::i_
　　　／ ／／f:(: :｀ー':／／"￣:::｀:マﾆﾑ,:::｀:..＜
　.／ィ'r:ｧ´　　ゝミﾆ彡':´:::::::::::::::::::::::::::ヽ:ム:::::::::::｀ヽ
ｨ'／:／　　　 　,.:'::::/!:!,::{:::::::::::!:ヽ::::::::::::::::ヽム::::::::::::::ヽ
¨:／　 　　 　,.:':::::::':::!:!:',:':,::::::::!::::::':,::::::::::::::::::v::::::::::::::::::::.
´　　　　　　//::::::'{:::i::!::iヽ{::::::i、::::::!:::::::::::::::::::v::::::::::::::::::::!
　　　　　　//':!:::::!{':::',!riT',ﾏ::::'メ、:!:::::::::::::::::':::V::::::::::::V::i
　　　　　　'　!:i::!::ｆ{´,:::::{ ｀zr==ミ,､:j::::::::::::::::::}:::::V:::::::::::V:i
　　　　　　　.!:i::!::ﾊfr}‐‐ ´ jf:rタ ≫:::::!:::::::::::i、:::::V::::::::::V{　　　　　　　　人間は何かのせいにしたがるけどね。
　　　　　　　.!:i::ゝ:::jｿ　　　　　 　 ': : 八::::::::ハ:ヽ:_ヽ::::::::::V
　　　　　　　.!ﾊ',:::i´　　　　　　　/ノ:,':::::::::/:'　j:::::::::/:::::::::::::V　　　　　　　此処まで来たら、戦争は人の業ってやつだよ。
　　　　　　　´　ヽ:}　　　,　　　　' /ｲ::::::::/:/／:::::::/:::::::::::::::':;ヽ
　　　　　　　 　 　 ヽ｀ ´　　　　 /´/:::::/-'::::::::::::∧:、:::::::::::::.ヾ:.、　　　　　人間は道具がなければ素手でも戦争するよ。
　　　　　　　　　　 /ム　　　　 ,。ｒー‐'/:::::::／:/:::::VV::::::::::::', .ヾ:.、
　　　　　　　　　　,':,' !ﾊ._,...o≦. . . . ../:/／:::メ:::::::::V:V::::::::::::. 　ヾ:、
　　　　　　　　　　{:{ .i:j::}::::::::::ﾊ. . . .,:':／::::,ｲ ∨_:::::::V::V:::::::::::.　 .}::i
　　　　　　　　　　 ,:, i/:j::::::::::/j　,.ｲ::´::::;ｲィ'斗う'":':＜::::V::::::::::.　.!::i
　　　　　　　　　 　',:V:/:::::::ィ!´ /ｲ::::／〃ノ´＞: ´: : ｀: ﾒ:V:::::::::∨:,'
　　　　　　　　　　 ＞/:::::/ﾍ'　/::::／V´丿／: : : : : : : : : :}::V::::::::∨

4399： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/14(土) 22:19:42 ID:aq/rhrIs0

　　　　　　　　　　　　／|＼　　　 _, . :‐: : : : : : ＼＿＿_.ノ
　　　　　　　 　 　 .ｨ__〉｜:ト＼.／: : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
.　　　 　 　 　 　 /　　r::|:::|＼/: : : : : |: :i : : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　 　 　 　 /　o./::/:::ル': : : : : : :|: :{ : : : : i: : : : : : : : : : : ＼
.　　 　 　 　 　 |_　 /::/::://: : : : : : : λ: :､ : : : |: : : ﾄ: : ヽ: : : : : :ヽ
.　　 　 　 　 　 | し'／／/: :/ : : : : : {: ﾄ: : ゝ: : :!:.／|⌒i: :} : : : :| : ',
.　　　　　 　 　 し.';／　 {: :/: :/ {: : : |: |}从:〉 : : !ヽ: }ヽハ:!|: : : :|: : :',
　　　　　　　　　　　　　 |:/: : {: :|: : :／|:l {＼: : : i'´V-―z|:!: : : :!: : : ',.　 　 　 　 /ヽ _　　　　　　コジマだって同じ。色々言われてるけど、
　　　　　　　　　　　　　 |: : : :| : |: : :|:.:|.メ〉　＼__i '"￣￣|ｊﾉ: : :i! : : : ',　　　　　/ // /､
　　　　　　　　　 　 　 　|: {: :/!: :|: : :Ⅳ .ｨ:ﾁ　　　,. 　 '' "/:/: : /|: : : : ',　{ ヽ　/ // / /　　　　　　コジマ発電施設一つで、既存の発電方法の
　　　 　 　 　 　 　 　 　 V|: :{ |: : : : :|ｨ／　 　 　 ′　　 l:/: : /: |:＼: : 丶!　ﾚ　// / /　 __
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |: :| |: : :＼{ ､'' "　　 　 　 ノ　/: ／: : |: : :＼: :ﾉ　、 　 　 〈／／　　　　　何倍の電力が確保できるかってハナシ。
　　　　　　　　　　 　 　 　 Ｖ　ト　＿{.:_;>.._　　￣　　 ∠ィ: : l: : :|: : : : _/　　 ）　　　 ／
　　 　 　 　 　 　 　( ＼　　　丿: : : :: ヽ: : ｀i ーr---　　 |: : :|: : :|／い{　　 / 　 　 /　　　　　　　　　なくせば汚染は止まるけど、現代文明
　　　　　　　　　　 　＼ ＼(＼: : : : : : : 丶: | : : | 　 　 　 |: : :|: : :!ヽ ヽ)ヽ　　 　 ／===ｭ
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼ ＼ ＼: : : : ／λ|: : ﾉ　　　 　 | : V: : |　 ＼ うト=＝'"　i　 [_]　　　　　　　　維持できなくなるよ。停電祭りだよ。
　　　　 　 　 　 ＿＿＿＿〉　i 　 ヽ: /　 （ﾊ: : { |) ＿_　 /ヽ:_: : /＿／/〉|　 　 　 ｜　｜
　　　　　　　　}――――　　{　 　 V　　（| |: 丿|) 〉　｀　　 〈:ヽ:）--〜ヾ |　　　　　 ,..イ＼
　　　　 　 　 　(二二二 　 　 　 　 _}　　 (| |}:!:|_|)/　　　　　 ）:〈＼＿＿_ >r――イ､.丿: : ヽ
　　　　　　　　　　　　　/＼＿＿_.ノ∧ 　X (:.:ﾉ / 　 　 ヽ/　} : :）∧::::ヽ　｜ 　 　 |/}: : :＼





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｨ-- ､
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣￣￣￣￣￣￣ ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 {二二二二二二二二二ノ
　　　　　　　　　　　　 _. . . :|///|=-- ､|//|￣￣＼_＼
　　　　　　　　　 ,. ＜: : : : : ﾏ/＞': : : : :＞ ､　　 　＼ ＼
　　　　　　　　,.:': : : : : : : : : ://: : : : : : : : :ヽ:ヽ. 　 　 ｀ー'
　　 　 　 　 / : : : : : : : : : : //: : : : : : : : :.:|: : : : :.
　　　 　 　 ': : : : : : : : : : : // : : ,: : : /: : : |:{: ､: : : .
　　　　　 /: : : : : : : : : : : :{/: : :/: : :/: , : /}: ､: ＼: : .
　　　　　.': : : : ': : : : : : : :/: : :/: : :/: /: /:r-!:.:|: :|｀: ::.
　　　　　|: : : : |: : : : : ://: : :/: :／: ,:':./} ﾘ_,|: :|: :|: : : :.
　　　　　|: : : : {: : : : :/ｲ: : : ' , ´:／: ｲ/ィｫ､{イ:ｰ': :､ : |　　　　　　ま、文明の業を私たち科学者のせいにされるのは世の常だけどね。
　　　　　|: : : : :∨: : :{/|:;: : :|イ: : :イ: |{l tj 　 {: : :|: | ､:|
　　　　　|: : : : : :∨: :|: |: : :∧|: : :.:.|: :|　 　 　 ヽ:.|: |　ﾘ　　　　　　私たち科学者はあくまで技術、道具を作っているだけ。
　　　　　|: : : : |: :.∨: : |: :/､l∧: : :.|: :|　　　_ ,.ｲ: |: |
　　　　　;: : : :.:|: : : :､: :j:/: : }ー＼__〉｣　　 ｀/: |: :|_｣　　　　　　　　銃殺事件でガンスミスを責めてもどうしようもないでしょ？
　　　　 ,: : : : :,: : : : : :､/: : :ﾑ 　 　 ｰ,､＿__,': /｀¨
　　　　/: : : :/: : : : |: : :＼: : : }--.､　{:＼: : :, '
　　　 ,: : : :./: : : : : |: :/⌒＼: :≧=-､|-､:）:ｲ
　 　 /: : : /: : : : : /イ乂匸乂＼ー-:ﾑ､ ヽ: }､
　　,:': : : /: : : : : ,: {／￣￣＼乂＼_∨:ﾊ_}ゝ: ヽ
　, : : : :/: : : : : :/:/ 　 　 　 　 ＼　ー乂:_}＼＼:}
./: : : :/: : : : : :/:/　　　　　　　　 ＼　　{从　 ｀ヾ､

4400： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/14(土) 22:24:23 ID:aq/rhrIs0

　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　 　 ／　　　 　 ＼
　　　　 ／　　 _ノ　 ヽへ＼
　 　 ／　　　（ ―）　（―） ヽ　　　　　……ま、そういう考えもあるかお。
　　 .l　 .u 　 ⌒（__人__）⌒　|
　 　 ＼　　　　　｀ ⌒r'.二ヽ<　　　　　確かに、科学者いなくなれば戦争なくなるかって言われりゃ違うし。
　 　 ／　　　　 　 　ｉ＾Yﾞ r─ ゝ、
　　/　　　,　　　　　ヽ._Ｈﾞ ｆﾞﾆ、|
　　{　　　{　　 　 　 　 ＼｀7ｰ┘!





　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,.．-=ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ)
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 //////￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　 　 　 　 　 　 -―‐ //////
　　 　 　 　 　 　 　 ／: : : : : : :/≧=-: :｀ヽ
　　　　　　　 　 　 /: : : : : : : :/'´: : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　′: : : : : : : : : : : __/__|: : : : :.＼＿
.　　　　　　 　 　 i: : : : : : : : : : : : : /‐- |: :|: : : :｢￣
　　 　 　 　 　 　 |: : : : : :/.:ｲ: : : :.ｨ≠ﾐ/.:/ : : : |　　　　　　　　そういうこと。要は付き合い方なんだよ。
　　　　　 　 　 　 |: : : : :/:（_|: : :|:{ 　 /／　>: :.ｲ
　　　　　　　　 　 |: : : : |/.: :|: : :|: 〉　　、 , : : :|:|　　　　　　　　　……今の人類の、コジマやネクストの使い方が上手いかと
　　　　　　　　　　|: : : : }:､ :八: ﾙ _　 　 /: :/|:ﾚ
　　　　　　　　　 /: : : : :ヽ:｀^メXxメx￣ }イメXｘ　　　　　　　　　言われれば別問題だけどね？
　　　　 　 　 　 /: : :. : : : : : : : :｀ﾏメXxメx､ ｀^メXx
.　　　 　 　 　 /: : :. : : : : : : : : : :∧ / ｀＾|: :＼　　l: :＼
　　　　 　 　 /: : :. : : : : : : : : : : : :∧　　 ＼｢｀＼ |:/⌒
.　　　 　 　 /: : :/: : : : : : : : : : : : : :∧　　　　　　〉

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
今まで、アーキテクトや科学者集団の人間と面と向かって話したことはなかった。

彼女の言い方は凄まじく身勝手なものにも聞こえるが、
勝手ではあっても狂気じみたものでもなければ、悪意も感じられない。

「ふと、興味が湧いたんだけどさ」

「なーにー？」

「ネクストって、なんのために作られたんだと思う？」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4401： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/14(土) 22:27:19 ID:aq/rhrIs0

　　　　 　 　 　 　 　 　 r,―zzz-、
　　　　 　 　 　 　 　 　 |l 　　 　∧__　　　　　　　　 ＿
　　　　 　 　 　 　 　 　 |∧　　　 ∧: :＞ ､　　　,..ィ∨∧
　　　　 　 　 　 　 　 ／|/∧　　　 ∧: : : : : :＜////∨∧
　　　　　　　 　 　 . ':／イ: :| 　 　 　 |: |: : : : : : ヾ'　　∨∧
　　　　　　　　　　':.//: : : /乂＿＿ノ|: : ､:{: : : : : : :. 　 ∨∧
　　　　　　　 　 /: :{/: : : : : : :.:∧: :/ |: : :!:＼: : ',: : : :..　 ∨∧
　　 　 　 　 　 /: : :' : : : : ｲ´/￣|:7ヽ|: : :!: !: ＼:!: : : : : .　∨∧
　　　　　　 　 ': : :/: /:/:./:|:ｲｨr=ｫ､　{: :.:.|: |-､:.:.|: :.:.:.ﾄ､: .　 ＼_〉
　　　　　　　/: : /: ｲ:/:ｲ:.:.圦込り　 乂:_｣ __| |: :l: : : :|　｀＼
　　　 　 　 ,: : :/:´: :'∧ : : l 　 　 　 　 　 之ｵ|:./:.| ,:.:|
　 　 　 　 /: : : {: : : : :|＼: 〉　　　　　 '　　｀¨/': :.八: |
　　　　　/: : : : :,: : |: :.|: :| ､　　　r ―.､　　 /: :|:/　 リ　　　　　　　　……さあ。国家支配を終わらせるためとも言えるし。
　　　 ／: :/: : :∧: :, : |: ,　 ＼　 ゝ　ﾝ 　 .ｲ: :./'
　　 /: : :./: : :/: : :, : : |＼　　 ｀ 　._　 ＜:./:イ: .　　　　　　　　　　　　企業連体制を作るためとも言える。お偉方の利益のためとも。
　　,: : : ,.　 ´〈ﾑｰ.∨: | /∧　　 /＼|: : : ,: : :ト､:.
　 /: : /　　　 〈ﾑ }!∨{' //|　　 {　/l|: : : l: : :|　 ,:.　　　　　　　　　　　ま、少なからず理想や熱意もあったと思うけど。
　,: : :/　　＼:　〈ﾑl| }:ハ/}l|　　 ∨l∧: : :|⌒Y 　 : .
./: : :|　 　 　 ＼〈ﾑⅥ: :.}　|-､　 _∨ l〉,: :! 　 l,　 }: |　　　　　　　　　　そんなの皆忘れちゃったよ、絶対。
': : : ,'　　　　　　 〈l／{: : 〉l|　　　　∨〈: :ﾊ.　 :.　 l: |
: : :/　　　　　 　 　 |　〉: {/　　 ::.　　＼〉: :}　 |:.　l: |
: : {　 　 　 　 　 　 八': :ﾉ＼__　 :､　　　ヽ:ﾑ　ヽ ,: :|
: : :＼　＿＿__ 　 /´ 从{　ﾏ/ ＼ Y　　　/＼　 }' : |
: : : :////////∨　 /: :.| 　 }､}　 ＼＿／---∨:.∨
: : :///////// | 　 {: :从　 ||　　　　　 ￣{/ｲハ: :{
: : {///r―--､/::::::..¨´...　 /'　　　　 　 　 　 | | }: : .
: : :＼_j!　　　 |:::::､::::::::::::::/,'::::::::::_-- '　　　 ///: : : :.
: : : : : ,　　 　 {:::::::｀::..._／ｲ_,...＜＿::::::::....／／: : : : : : .
: : : : :,　 　 　 l　 　 　 { {　　　　 　 ｀7¨7 ´|: : : : ,: : : : : .
: : : : ,　 　 　 ,　　　　　ﾏ､　　　　　 / / 　 |: : : : : ,: : : : : : .

4402： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/14(土) 22:36:45 ID:aq/rhrIs0

　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,.-zz-､
　　　　 　 　 　 　 　 /￣ ¨∧,.--∧.　　∧
　　　　　　　　　　　/　　 //∧==/∧　0 ∧､
　　　　 　 　 　 　 /　　 //:,: :,.ｨ: : : : |　 　l∧: .
　　　　　　　　　　{　 　 ': :.|: :.l | : |:_:.乂　 　 }:.ﾑ
　　　　　　　　　　乂__ノ':ｨT7:{ | : | ､:|､:｀¨¨´: : ::.
　　　　　　　　　　　|: |: |:.| { 从{__｣　ﾘ Ⅵ: : ､ : : |
　　　　　　　　　　　|:ｲ: |:.lｨ≠ﾐ　 　ｨ≠ﾐ|: : |:＼:.|
　　　　　　　　　　　l八:.从　 　 '　 　 　/: :.:|: : :.:|　　　　　　　　まーそう難しいこと考えなくていいんじゃない？
　　　　　　　　　　　　 Ⅵ : 、　ﾏ　7　 /: : /:;: : : :.
　　　　　　　　　　　　/:八 : ＞　_　ィムイ /: : : : :　　　　　　　　ネクストがどんな存在であれ、今の君にマーシフルは絶対必要でしょ。
　　　　　　　　　　　 ,: /: :|: : :/-|　 　|: : :./: : : |: ::.
　　　 　 　 　 　 　 /:/￣l|: ://,ﾉ　　 {: : /|l〉￣｀ヽ: .　　　　　　　 最大限、最善の調整はするから。
　　　　　　　　　　 {:/　∨:.ｲ/｀ヽ　イ|: / ||i〉/　 　 '，
　　　 　 　 　 　_,イ 　 乂ﾉ/　　 　 乂ﾉ　||l〉'　 　 　 ｀ヽ､　　　　　私としても死ぬのは困るし。まだ仕上げてないプロットとかもあるしねー。
　　　　　　　　 {　　　/／/ 　 l:/　　{: :}､/ll〉、　　 　 　 _,}
　 　 　 　 　 　 〉　 ん/ｰ,＼.../_,...イ乂:}　　 }､　 　 ,'／/＼
　 　 　 　 　 ／// {　{{o/　 ￣　 TT|〉:{￣∨:{　 　////}､ｲ
　　　　　　　/＼/l人 ﾏ{　　 　 　 　 |!､:.〉 /: : ｀¨¨{//／　':.
　　　 　 　 /　__/∨:＞}|　　　　-- /ｲ从 ,: : : : : |: :|: 〉-　　 ,
.　　　　　 〈　　 ＼: : : |||　 　 　 　 ||　　 {: : : : : :|:.／　　 ／:.
　　　　　　 ＼　　 ＼:〈 }}　 _,....-　 ||　　 ヽ: : : :／　　 ／: : :.|

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無邪気に子供のような笑みを満面に浮かべる篠ノ之に、黙って頷いて見せる。

この女に関しては、好意こそ抱けそうにないが、
技術者としては信用していいだろう。

どの道、こうして追われる立場として同じ艦に乗る以上は一蓮托生だ。
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4403： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/14(土) 22:37:02 ID:aq/rhrIs0
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4404： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/14(土) 22:48:06 ID:aq/rhrIs0

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　　　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ＿
　 　 　 /　　､　　　　　､　　〆ヽﾞ￣ ｀i
　　　　/　　/　　　　　 ﾞ　　lヾ_ ,|ヽ─ヘ
　　　 /　　/l 　　　　　　　　`､´/　 　 　ヽ
　　　/　　/ ヽ　　,＿＿__　　　｀　　,ヽ　　ヽ
　-─ヽ　ｲ_　ヽ /　　　　￣￣￣￣`ヽ Ｙ 　 ゝ‐-､
( _i _i＿ﾄ､__)　 ヽ､＿＿_⊥＿＿＿＿ﾉ 「＿＿＿ﾉ

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簡素な配給食を平らげて胃に流し込み、シャワーを浴びてその日は眠りについた。

水は再生機関が搭載されているし、電気もコジマ発電のおかげで
特に不足はない。

食糧問題も前回の襲撃作戦で幾分かは先延ばしとなった。
最大の懸念は、UAVに対する返答だ。

返答の電波信号が飛んでくるか、何か物理的なメッセージが来るか。
はたまた沈黙か。UAVが無残にも撃墜されるのか、だ。
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4405： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/14(土) 22:49:08 ID:aq/rhrIs0

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UAVの発艦は夜明けと共に行われたそうだ。
目標座標にはまだ遠いものの、先んじてメッセンジャーとなる
小さな無人機は飛び立つこととなった。

潜水艦である以上、艦上部に開閉式カタパルトを展開するには
海面に浮上しなければならない。それを察知されるのを防ぐため、だそうだ。

艦内の誰もが、その一機のUAVに祈りを託したことだろう。
一縷の望みを背負って飛び立つUAVは、さながら青い鳥だ。
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4406：安価のやる夫だお：2021/08/14(土) 22:50:00 ID:4f7YHRG60
普通に考えれば受入れるよ！からよ騙して悪いがだと思うがなぁ

4407： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/14(土) 22:54:53 ID:aq/rhrIs0

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4408： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/14(土) 23:01:55 ID:aq/rhrIs0

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　　　　　　　　',:.:|',:.:.|:ヽ:',ヽ{::::j . 　 　 ヒzﾉ　 //:.:/ }｀ヽ/|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　　　　　ブリーフィングを開始します。
　　　　　　　　 !:.| ｉ:.:|:.:!ヽヽ.ﾋﾘ　 　 　｀¨´　 /:イ:.:.:.ｉ . //|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
　　　　　　　 　 }|　',:|ヽヽヾ、 ､　　　　　　 ./　 !:.:. }／/. !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　今朝発艦したUAVがメッセージを受信。
.　　　　　　　　　|　 ヽ ヾ人　　 r--,　　　 　 　 |:. /／　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　!:.:.ヽ、　　　　　 　 ∠//.|.　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　　　　　……皆さん既にご存じの通り、
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ',:.:. |　ヽ、　 ,　＜　_〃´!ヽ- ､ |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
　 __＿＿＿＿＿＿＿＿_ヽ:.:!　　 ｀ /7､ ´　/.　/ 　 .|:::｀ヽ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　　　　オルデンブルクからの受け入れ表明でした。
　 Ｖ三三三三三三三三ＶＡヽ . 　,/ /_ ｉ　　　/　 　 .|::::::::::::::｀::ヽ::、 : |
　　V　　　　　　　　　　　　VA,r::´/ |/≠ヽ　 /　　　 .ト､:::::::::::::::::::::::::｀ヽ
　　 V　　　　　　　　　　　　VA:::/.　|/∧ヽ∨　　 　 /.　ヽ:::::::::::::::::／::::::
　　　V　　　　　　　　　　　　VA.　　|-　 ∨ 　 　 ／　　　 ＼:::::／:::::::::::
　　　 V　　　　　　　　　　　　VA.　├‐‐/.　　 ／　　　　 |　　ヽ::::::::::::::＿
　　　　V　　　　　　　　　　 　 VA　.|:::::/ 　 ／　　　　　　|　/ .ｉ:::::::::::〃‐‐

4409： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/14(土) 23:02:05 ID:aq/rhrIs0

　 　 ／/ 　 ,ゝ-{≧ｓ。、　　Vﾑ　　 |　　{ .! 　 　,′.}／ヽ　　 　 　 　 ,。ｓ≦}ヽ ＞ 。
.　／　/　　!　,′　　 / ｀ﾄ. 　Vﾑ 　 |　　ﾏV　　,′V!　　 V/ 　 　 /¨{￣ ￣ }　＼　　｀ヽ、
, '　　/, ＜,'!　!　　 ／ 　 ! ヽ、Vﾑ.　|　 　.ﾏV .,′　.〉、 　 V/ 　 / 　.V　　 /　 /-＼.　 　＼
　 ／　　 {i !　i__／　　／＼　}　ヽﾑ,|　　　 ﾏV　　./　 V/ /　　　〉,　　V　/　 /i!　 　＼.　　 ＼
../　 　 　 V!　　　　／　　　ヽ{≧ｓ{　　　 　 　 　 /　　/ー‐‐, ＜　 V/　¨ﾟ　 / i{　　　 　｀ヽ.、　V/
i{,　　 　 　 '!__＿／､＿＿ 　 }!　　{!　　　　　 　 /　　/　 　,/　　　　.Vi/ 　 /　i{　　　 　 _,.　-ﾏ　V/
i{　≧s。., __＼　＼　＼　 ＼ }!　　{!　　　　　　/　　/　　 ,/ 　>ー‐＜ヽ--.'V/i{、 ＞ ﾟ´　　　　ヽ, V/
,}　　　　　　　 ヽ--ヽ-' ヽ--ヽ!　　{!.　　　 　 /　　/　　 ,/ ／ ＼＿_＼∧＿V/ V　 　 　 　 　 　 V}!
{　　　　　　 ／　 　 　 　 　 　 }!＞ﾟヽ----- ' ｀ヽ'　 　 /イ　　／　　　　　　　　　ヽ、　　　　　　　 }Ｖ/
.',　　　　 ／　　　　　　　 　 ／＼　　　　　　　　　＼ ./｀ヽ_／　　　　　　 　 　 　 　 ＼　　　　　　 }! ヽ、
　ヽ--- 〈　　　　　　 　 　 /　　ヾ＼　　　　　　　　　ヽ＼/　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀ヽ､　　　　}! 　 ＼
　 ,s≦ミy}!　　　 　 　 　 /.　　　　ヾ＼__　　　　　／　}!　＼　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ,　 　}!　　　 {＞ ､
　{三{ilililil}}! 　 　 　 　 　 V/　　　　 ￣ヾ＼ 　.／　　 }!　　i}　　　　　　　　　　　　　　　　　　r≦.､ }!　　　 {　 {_!＼
　｀ー― ' }!　　　　　 　 　 V/ 　 　 　 　 .＼／　　 ／ ＼__i}　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ilil三}.i{;　　　{　　 ＼ ＼
　　　　r-{,'　　　 　 　 　 　 V/　 　 　 　 ／ヾ＼／　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {ilil三} .i{;　　 {i　　 　 ＼ ＼
_　　　 i /　　　 　 　 　 　 　 V/. 　 　 ／　　 ／＿___.／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ー､'　 i{;　　{i　　　　　 ＼ ＼
. ヽ___ノ,'　　　　　　　　　　　　V/　 ／　　 ／＿__＞ﾟ´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ .i{;.　 {i　　 　 　 　 ＼ ＼
.　　　 ,′　　　　　　　　　　　　｀ヽ'._＿_／　 Vﾑ　 　 ',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{! .ヽ、{i　　　　　 　 　 ＼ ヽ, .∧￣￣
.　　　,′　　　　　　　　　　　　 r＜　＿＿　　.Vﾑ　 　 ',　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 V　　Y＼.　　　　　　　　 ﾏ i/　 V/
. 　　,′　　　　　　　　　　　　, { /／ 　 ／!　　.Vﾑ　　/ー‐ｧ　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 V　/　　＼　　　 　 　 　 i/　 　.V＿
　　/{　　　　　　　　　　 。＜　{,_'＿_.／　 |　 　 Vﾑ_./　　/ ∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Y.　 　 　 ＼　 　 　 　 ∧　　 /
＞ﾟ´.{　　　　　　　　,＜＿__　　|ヽ／|　 　 |　　　／　　　/ 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　! 　 　 　 　 ＼　　　 /　 V//
_ ＞ﾟ ',　　　　　　　,′　　/｀ヽ,|　|　.!　 　 !　.／＿＿__/ 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 V　 　 　 　 　 ＼　/　 　 V＿＿_
　　／≧､　 　 　 /＞。._/　 　.|._＿_!　　 .i／　 |　　　 |　 /＞-＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{≧ｓ､,　　　　　　　　 /　　　 /
＞'ﾆニ{__}　　　 /　/　/　＼／　 .／　　　|　 　 !＿＿_|_./　/il{　{ ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼:＼:.ヽ、　　 　 　 / 　 　 /
二}＞'｀ヽ }ヽ 　 V/__/　 .／　 .／　 　 　 .!　 ／ ',　　/　　 {ilil{　{　 }　　　　　　　　　　　　　　　＜二二＞:-:-:＼　　 　./ 　 　 /

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「オルデンブルクは合流地点として、
ここから南にある同社所有の海上コジマ発電施設、シースフィアを指定。
我々はこれよりそちらへ向かいます……が、その前に、先遣隊を遣わします。
現地における安全の確保と確認のため、マーシフルをフラッグACとし、
ディランディ隊と共にシースフィアへと向かってもらいます」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4410： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/14(土) 23:04:11 ID:aq/rhrIs0

　　　　__ ／: : : : : : : : : : : : : : : : : ､
　　 ／: : : : : :_: : : : : : : 丶: : : : : : : 丶
　 /: : : : : l:l: : : :ヾ: : :＼: : :丶 : : : : : : ヽ
／: : : : : /: l: l: : : l: : : : :＼: : :ヽ: : : : : : l
: : :/: : /l⌒l: :､: : :ll: : : : : : : : : :ヽ: : : : : l
7: : : :/: l　/:/ゞ: : :l＼: : : : : : : : :l: : : : : ヽ
: : : ｌ:l: l_ゞ ｌ:l　 ＼: :ゝ-＼ : : : : : l: : : : : : :
: : :/l: :l 辷ｌ:l　 ￣辷､:＼_): : : : :/: : : : : : :　　　　　　疑り深いこって……って言いたいとこだが、適切だな。
ゞ:乂 : l　/ヾ､　　　￣__ノ: : : : / ＼: : : : :
　　　):∨　　 丶　　　／: : :／ノ ／: : /　　　　　　　 自分たちからまな板の上に乗りあがりに行くんだ。
　　乂: ｨヽ　　　　　　ﾊ/ｌ:/ x-イ: : : : ゝ､_
　　　 _ノ:ヽ‐-　_ 　 　 　 ／　l: : : : l: : :ﾆ=　　　　　　 相手がキッチンナイフを持ってないことを確かめねえとな。
ゞ=ﾆ三: :_ﾊ 　　　 　,　　　 彡: : : : l : :ヽ
　 7:/,＜　 〉-　-　´　__ -=ﾆ- l: : : : :)
　 ゞ-l　l　 从l二二二f丶　　 /: : :／ゞ
---./　,l　 彡〉二二ﾆ.l　 l ゝﾆ: :／ 　 〉、
─,/ ／ ｌ ／二二二ﾆl　 l /: ／　　／ l
　 ／　ｌ l/二二二ﾆ／　 ゝ:/ 　 ／　 /
　　　　l/二二二ﾆl　　 ／ヽ ／





　　　　　　　 　 　 　 　 l:::::::::: !:::::::::::::::::: ,':::::/:::::: }::::::::::::';::､::::::ヽ::::::::＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 l::::::::::::|:::::::::::::::: ,':::::/::::::::::l!:::::::::::::';::';:::::::::';:::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　l ::::::::: |::::i ::::: i::|::!:/:::::,ｲ::/!::::::::: i!:|､:}､::::: i:::::::::::/
　　　　　　　　　　　 　 l::::::::::: |::::|:::l::::l::|'l/|‐-"|/､|:::::::::/ﾚ'_|!」:: i::|::::::::;'
　　 　 　 　 　 　 　 　 ,:::::::::::: |::::|:::|:: l::| rﾁてﾄ、 ,':::,ｲ/,二,_l |::::|:;' :::: i
　　　　　　　　　　 　 /:/:::::::::::|::i:|:::|::::';:l 乂ツ_　/／ " l'ｿﾘ`/::/!':::::::::|　　　　　　　　　「黛隊は艦の防衛のために待機を」
　　　　　　　　　　-="/::::/::::::;'::|:|:::|::::::';;､　　　 ´ 　 　 ¨"''/::ｲ::::::: i:i::l
　　　 　 　 　 　 　 ／_; ｲ:;ｨ'/,ｨ'::|:::|::::::::'ﾐ､　 　 　 　 ,　 　 /:::|::::::::从:!　　　　　　　　　もしもの時は救援部隊となる、と。
　　　　　　 　 　 　 　 　 " |´/／l:::|:::::::::::',`　　 　＿　 　 /!:::/::::::/,' ヾ、
　　　　　　　　　　　　　 　 l::´::::|: ｀i'=z､::::',　　　　　　 ／-|;/!::::://　　　　　　　　　　　 了解した。
　　　　　　　　　　　 　 　 /::::::::;':::: |:::::|､｀ﾞ'' ｀''　 __,...:"::{ニ}_ |／/
　　　　　　 　 　 　 　 　 /::::::::/:::,ｨ.|:::::|;;｀'z､_　　/ﾍ:::::/{ニﾄ,',
　　　　　　　　　　　 　 ,.::::::::::,ィ": :.|:::::|;;;;;;;;;;;;;>_<;;;;;',ﾞ.、{ニ} i ',　　　 　 ,.ﾍ
　　 　 |＼ 　 　 　 __／,,...-='| |: : : |:::::|;;;;;;;;;;/　　ヽ;;;',:.:.|:::::|', '.,'.,_　　／: : |!
　　　　l＼＼-=''" : : : : : : : :.| |: : : |:::::|;;;;;;;;/、　　 !､;;|: |:::::| ',　'.,{ ∠_: : : :||
　　　　|: : ＼＼ : : : : : : : : : :| |: : : |:::::|;;;;;;/;;;;;ヽ　 |;;.',!: l:::::|: :',／: : : :ヽ: : ||

4411： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/14(土) 23:10:04 ID:aq/rhrIs0

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　　 ｉ:.:.:/:.:. |:.:',:.:ゝ--＼:.:.|　,示气､.|:.:.}:ｌ_||:.:.:.:.:.:.: |
　　 .',:.:ｉ.{:.:.:|:.:.ヽ:〃沁､ ヾ､.　{:::::Ⅳ|:./:|ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　',:.| ',:.:.|＼:ヽ｀.',:::j　　 　 .ゞソ 〃:|/:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　　　　　　　先遣隊は現地にてオルデンブルク救援部隊と合流。
. 　 　 ﾘ　ヽ|　 ヽヽ._ゞ′,　　　　 /|:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　
　　　 　 　 |　　 |:.:ト、　　_　　　／:.:/|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　　　　問題がないことを確認。市民を載せた脱出ボートを
　　　　　　　　　 |ヽヽ＞ 　_ ∠　//| .!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　 　 　 　 r‐‐｀ヽ-.／|ヽ ／　/.| ､:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　　　　　　　黛隊が護送し、帰還、それを繰り返していきます。
　　　　　　　　 |:::::::::::<´　 .| /.|　 /　.ヽ::::｀::ヽ 、:.|
　　 　 　 　 　_|:::::,-- ＞.‐Ⅳ/.Ⅸ|　＞｀::::::::::::::::::｀ヽ　　　　　　　　本艦の受け入れは最後です。
　　　　 　 　 { |:::/　 |　　 |｀:ヽ/　ヽ- ｀ヽ、:::::::::::__./
　　　　_　　 .{ |::/!　　|　　|::::/　　 ／ .|　 /ｌ::::〃　 }　　　　　　　　　……本丸を晒すのは最後にします。
　　　 | |＞ ､7／　　　i!　.|:/　＞´　 　 |/　.|::{{　　 ,'
　　 　.|.|　　./　　　 　 .ヽ|／　　＝＝ .|　　 |::｀ - ′
　　　　|.| 　.{　　　　　　0ゝ　　　　　　 |／　 |::/:. |
　　　r､r､　 ', . 　 　 　 /　 　 　 　 　 |/　　 .|/: . |
　　　ゝ｀￣ヽヽ､＿＿ .ｉ　　 　 　 　 ./ 　 /　/:.: . |
　　　 }　 　 /｀ ヾ- __ ﾟ{- ､ ＿＿__ / ／　　,′:.:.:|
　　　ヽ、　,′　　//　｀　ヽ-- __ rﾆﾆ--　 /:.:.:.:.: |
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.　　　 /: : : : : : :|i　!::斗-V: :|ー|‐|:-|: ::|:|i: : : |i
　　　 ′l: : |i :|i |i_,.ｨﾃﾃﾐ : : |N|ｨテﾐN: |:|i: : : |i
　　　{　｜:::|i :|i |i　 r勿,　|:N　 r勿ﾉ !::|:|5!: : : .　　　　　　　　ECMなどのジャミングがあれば即座に撤退。
.　 　 　 从::|i: |i |i:　^¨¨　　i　　　 　 」::|:|,ﾉ: ;小:.
.　　　　　　〕: :|i |N」　　　 ,　　、　　.: /|:| : /: : :|i　　　　　　　 ステルスコーティングされたACがおらんとも限らへん。
　　　　　　　　|i ||:|:i＞　　　　 　 .ｨ :/::」:/〈: : : 八
　　　　　　　　|i ||:|:|///〕ﾆ=-　　 | l: : :/　 V⌒V:＼　　　　　　ディランディ隊各機にはレーダー装備を追加搭載。
　　　　　　　　|i7⌒V|　V寸ﾆﾆ才　!: /　　　＼_,V⌒ :、
. 　 　 　 _　--厶ヘ V　 V /⌒丶　| {　 　 -=ﾐ,V{　　,ハ　　　　　綿密な安全確保をお願いします。
　　　　 〈,　　 / 　 　 V　V^V__/^V　|/　/　 　 ＼　/
　　　　/∧　/　　　　 }.　 }i /　Vi{　 」　/　 ______　/　　 __
.　　　 {　　V　 　 　 ,リ,　　}i　　 i{　 }i,　 ／　 　 |ー━=ﾐ」
　 　 r」　　⌒ー‐―(￣￣〉ﾑ　 /| 　i|／　　　　｜　 　 _.」Ｌ
　 　 |⌒ー}　　　　 /　 　 ＼ V　　 /　　＼　 　_|　　ー=ミ__ )
　 　 |　　 ﾉ　　　 ,/　　 　 　 ＼　./　　 f/―‐┐＿__　　　}　＼
　　 ∧__(___　　_/　　　　　　　　＼　　 /　￣￣〉　乙...
　　　　/　　　/八　　　　　　　_ji斗〜'へ　￣￣| 　 」(
　/　 /　　　/￣,.. ．-‐　'''""~ 　 　 　 　 .V　 rﾉ.　　　＼

4412： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/14(土) 23:12:55 ID:aq/rhrIs0

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　　　　　ｉ:.:l l:.:.ヽ:ﾏヽ ﾏ:: ',ヽ:.}:.:.:.:.:.}:.:./:./:.|:.: /:.:.:.:.:/　　　　　　　　オルデンブルクの言葉を真実と信じたいところですが、
　　　　　l:.:l ヽ:.{::!ヾ､　乂ﾘ　}:!:.:.:.:.: !/ﾐ}/_:.|:./:.:.:.:.:/
　　　　　Ⅳ　 {:./　　　 ￣　}:!:.:.:.:.: l　 　 l.l./:.:.:.:.:/:|　　　　　　　　　念には念を押しての合流作戦となります。
　　　　　　 　 |:.:ﾍ　　　 ,　 〃}|:.:.:.:l　　　iｌ |:.:.:,′: |
　　　　　　 　 |:. : l＼￣　　/､ /:.:./　　／/|:.:.{:.:. : |　　　　　　　　　　上手くいけば、これが最後の逃避行です。
　　　　　　　　ﾏ:.:.l ＿_ヽ-,r´ヽ:.:/-‐ ´／　!:.:.!:.:.:.:.:ｌ
　　　　　　　　 ゝ:.{::::::: ／/／}／　 ／　　人:.l:.:.:.:.:.l　　　　　　　　　　……幸運を祈ります。
　　　　　　　　/::::ヽ::/　/／>〃 ／　　 ／:::::‘，:.:.:. l
　　　　　　　　l::::r==　/／/　l／ L＿_/:::::::::::::::ヽ:::::‘，
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4413： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/14(土) 23:15:45 ID:aq/rhrIs0
┌─────────────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│海上コジマ発電施設への合流作戦　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│　オルデンブルクから救援の申し出を受け取った。どの道、企業連相手に生き残る術はそれ以外ないも同然だ。　　　...│
│　誘いに乗る以外に道はない。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│【備考】　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│同伴戦力はディランディ隊のみ。各機レーダー強化装備。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
└─────────────────────────────────────────────────┘

4414： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/14(土) 23:16:01 ID:aq/rhrIs0

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4415： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/14(土) 23:19:19 ID:aq/rhrIs0


　　　　　　　　　　　 _ _ ___ __ _　 　＿＿
　　　　　　 　 　 　/ :::::::::::::::::: :i, 　 .ヽ::::::＼
　　　　　　　　　　 i:::::::::::::::::::::: i　 ／　＼ 　＼
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　　　　 　 　 　 /|::::|::::::::::::::::::|:::|　 ￣￣￣|::::::::|　　　　　　　今回はここまでだ。
　　　　　　　　/::::＼ヽ :::::::::::::i:::|　　　　　 ﾉ＿_ﾉ
　　　　 　 　 /::::::::::::＼＼::／|:::|　　　　　　　　　　　　　　　　次回は……いつになるかなぁ。いや、私の業種って本来スケジュールが
　　　 .　　　（_ _.)￣i __.＼＼ |:::|　　　 i i i
　　　　　　/::::::/|￣|ヽ:::::　し（ メ　　　 ﾉﾉﾉ　　　　　　　　　　 しっかり決まっているもんなんだ。ただ、今はなんというか……
　　 　 　 /::::::/ﾉ_ _ﾉ　>:::::） 　 　 ＼
　　　　／:::／　 　　/:::／　 　 　 　 ＼＿＿　　　　　　　　　　行き当たりばったりというか……とにかく次の休みが分からない。
　　　/:::::/ 　 　 　 （＿つ　　 　 　　 /:::::::::/
　　　し'　　　　　　　　 　 　 　　 　 ノノ・ ./∴:・:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　~~~~~~~





　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|　　　　　　　カレンダー通りでもないし、夜もあるし、なんかあったら呼ばれるし……
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,　　　　　　　とにかく不安定で先行き不透明な感じなのだ。とても心臓に悪い。
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|　　　　　　　投下できそうな目途、というか、休めそうな日が見繕えたら、
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,　　　　　　　こことTwitterで報告させてもらう。それじゃ、シーユーアゲイン。
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|　　　　　　　また逢う日まで、元気でねえ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´

4416：安価のやる夫だお：2021/08/14(土) 23:20:39 ID:4f7YHRG60
乙ー

4417：安価のやる夫だお：2021/08/14(土) 23:22:23 ID:21fbHR4c0
乙

4418：安価のやる夫だお：2021/08/16(月) 23:03:42 ID:9KmJtJsc0
乙でした

4419：安価のやる夫だお：2021/08/17(火) 22:31:25 ID:DMA43mOQ0
> 長年培われた人の感覚というのは如何ともしがたいものだ。
そうだなぁ、それがその人を作ってるもんだしなぁ

やる夫がストリート寄りなのも、モコイさんの育ちの影響なんかな

4420：安価のやる夫だお：2021/08/18(水) 23:18:57 ID:73r.Yn3s0
面白い漫画
ベルセルク、ＡＫＩＲＡ、カイジ、狂四郎2030、２０世紀少年、寄生獣、
3×3EYES、小類人、ドラゴンボール、幽遊白書、遊戯王、聖闘士星矢、
ワンパンマン、烈火の炎、トリコ、ナルト、YAIBA、マジカルたるルートくん、
アウターゾーン、ジョジョの奇妙な冒険、遊☆戯☆王、世紀末リーダー伝たけし、
ジャングルの王者ターちゃん、タッチ、無頼伝 涯、
ダイの大冒険、ロトの紋章、ニコラのおゆるり魔界紀行、つぐもも、
無職転生 〜異世界行ったら本気だす、
マッドキメラワールド、スピリットサークル、666〜サタン〜、マリーグレイブ、
クジラの子らは砂上に歌う、ハクメイとミコチ、赤ずきんチャチャ、コジコジ、
金田一少年の事件簿、忍空、銀河鉄道９９９、電影少女、ハチワンダイバー、
アゴなしゲンとオレ物語、D・N・A2、14歳、PSYCHO+、デッドマンワンダーランド、
ドッジ弾平、ボンボン坂高校演劇部、サイコメトラーEIJI、闇金ウシジマくん、
金と銀、嘘喰い、ハッピーピープル、Y氏の隣人、グラゼニ、
フランケン・ふらん、鬼畜島、多重人格探偵サイコ、パンプキンナイト、
後遺症ラジオ、不思議のたたりちゃん、座敷女、ハカイジュウ、食糧人類、
BASTARD!! -暗黒の破壊神、ホムンクルス、RAINBOW ―二舎六房の七人、
GANTZ、バーサスアース、ウルトラヘヴン、ジャガーン、ＢＬＡＭＥ！
バイオメガ、シドニアの騎士、夢使い、ディスコミュニケーション、
冒険王ビィト、B't X、Dr.スランプ、笑うセールスマン、、三つ目がとおる、
藤子・F・不二雄の異色短編集、ゴーマニズム宣言、新ゴーマニズム宣言、
温泉ガッパドンバ、珍遊記、デビルマン、蟻地獄、GetBackers-奪還屋、
陣内流柔術武闘伝 真島クンすっとばす!!、OUT-アウト、カメレオン、
BØY、チキン「ドロップ」前夜の物語、

4421： ◆x0SRSoJXe.：2021/08/25(水) 00:10:50 ID:A3gbtdPs0
ハロー。モコイさんだよ。

まだね、休みが分からないんだ。申し訳ない。なんか仕事がわんこそば方式みたいになってるんだ。

終わらせても終わらせても追加があって、たまに追加がなくなった時が休みって感じなんだ。

うん、さすがに退職を検討しているよ。他にもいろいろキツいことがあってね……

とりあえず、また生存報告するよ。シーユーアゲイン。

4422：安価のやる夫だお：2021/08/28(土) 21:32:40 ID:OoCKQgxQ0
乙
真面目に精魂尽き果てそうに見えて心配だったから、何とかなりそうな様子を見れてこっちも嬉しいです

4423： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/06(月) 05:41:27 ID:d/Cvw9LI0
ハロー。モコイさんだよ。

もしかしたらね、10日に休めるかもしれないんだ。

できるなら、その日に投下しようと思う。
よろしくね。

〉〉4422
いつも待っていてくれてありがとうねえ

良い感じの転職先も見つかって新生活！ なら良かったんだが……アテもなく、ただ退職を決意しただけというダメダメスタンスだ。

なんか、私みたいな人間はもう、まともな企業には相手してもらえないのかな、となってしまって……捨て鉢だよ。

多分ボンビーフリーターに逆戻りだ……

4424：安価のやる夫だお：2021/09/08(水) 20:35:02 ID:YNwoHZG60
乙
精神と肉体をただ摩耗する状況から損切りできたと考えるんだ
そういう正常な判断力がある限りなんとでも生きていける

4425： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/09(木) 20:32:34 ID:kpI07LXM0
ごめんよ。明日も仕事になってしまった。

もしかしたら早めに終われるかもしれない。もしかしたら。中止とは言わないでおく。

4426： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/10(金) 17:44:01 ID:kM.XDmWY0
ハロー。モコイさんだよ。

なんとか帰ってこれたからね、投下は予定通り行う。

ただ、モコイさん風邪っぴきでね……鼻水ビービーなんだ。少しスピードは落ちるが勘弁ね。

4427： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/10(金) 20:03:30 ID:kM.XDmWY0

　　　　／||ミ
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夜魔　モコイか゛　１たい　あらわれた！

どうしますか？
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4428：安価のやる夫だお：2021/09/10(金) 20:07:07 ID:bdj6GQrM0
ハロー

4429： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/10(金) 20:09:32 ID:kM.XDmWY0

　　　　　　　 ､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´　　　　　　　一か月ぶり……とまではいかないが、お久しぶりだね。
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i
　　　 　/ : : : : : : :┌─┐　　　　　　　連日連夜働きづめ、仮眠なしでぶっ通しで朝まで働くのを続けた結果、
　　　 　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ
　　　 　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿　　　　　　本日無事に体調を崩したモコイさんだよ。腹下してるし頭痛いし鼻水がすごい。
　　　 　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ
　　　　 と_ : : : : : : ノ : :ノ　　　　　　　　
　　　　　　￣￣￣　￣





　　　　　　　　　　　 _ _ ___ __ _　 　＿＿
　　　　　　 　 　 　/ :::::::::::::::::: :i, 　 .ヽ::::::＼
　　　　　　　　　　 i:::::::::::::::::::::: i　 ／　＼ 　＼
　　　　 　　　　　　i :::::::○::::○i／ 　 　　￣￣
　　　　　　 　 　　/ :::::::::,,- -_ｯi　　　　i i i
　　　　　　　　　 /::::::::::｀ー‐'´ヽ 　 ＿＿i i i--i　　　　　　　ワクチンも打ててないねえ。ちょっと会社と上手く話がつけられなくてね。
　　　　 　 　 　 /|::::|::::::::::::::::::|:::|　 ￣￣￣|::::::::|
　　　　　　　　/::::＼ヽ :::::::::::::i:::|　　　　　 ﾉ＿_ﾉ　　　　　　 副反応出て仕事できないなんて言ってみろ、って雷落とされちったよ。
　　　　 　 　 /::::::::::::＼＼::／|:::|
　　　 .　　　（_ _.)￣i __.＼＼ |:::|　　　 i i i　　　　　　　　　　 そんなこんなで死にかけだ。とってもデッドリィ。
　　　　　　/::::::/|￣|ヽ:::::　し（ メ　　　 ﾉﾉﾉ
　　 　 　 /::::::/ﾉ_ _ﾉ　>:::::） 　 　 ＼　　　　　　　　　　　　　　爺さんのリハビリ歩行を見守る気持ちで見ていてね。
　　　　／:::／　 　　/:::／　 　 　 　 ＼＿＿
　　　/:::::/ 　 　 　 （＿つ　　 　 　　 /:::::::::/
　　　し'　　　　　　　　 　 　 　　 　 ノノ・ ./∴:・:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　~~~~~~~

4430：安価のやる夫だお：2021/09/10(金) 20:10:20 ID:p9CaKfwg0
久々のリアルタイム投下
キツイ会社もあるものですね

4431：安価のやる夫だお：2021/09/10(金) 20:13:06 ID:tddImn2k0
そらまともな会社じゃないわ…お大事に

4432： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/10(金) 20:22:01 ID:kM.XDmWY0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ).:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:)
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　-　-二　二　＿-　-　　　　　─　　　　　　　　　　─　--　　ニニ　=---　==　＝　　　　　---

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
途方もなく広がる青空に、千切れ飛んだ大きな雲が漂っていた。
強めに照り付ける日差しの下、長閑な海は波も穏やかだった。

海鳥の代わりというわけでもないが、その海面に巨大な機影が落とし込まれる。

レーダーには味方を意味する緑のマーカーが十五機。
ニール・ディランディ率いる狙撃機たちが強化レーダーを背中に引っさげ、
自分の後方からついてきていた。

ネクストのオーバードブーストでは距離が離れすぎる。
いったんブースターを停止させ、海面を抉るように滑空した。
飛沫が視界を埋め尽くすものだから、レーダーを見るほかない。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4433： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/10(金) 20:29:18 ID:kM.XDmWY0

.　　 Ｖ∧　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 / 　 ′
. 　 　∨∧　　　　　 　 　 　 　 　 　 __　　 　 　 　 /　　′
　 　 　∨∧　　　　 _　 　 ｒ‐┬┐　 }　〉　　　 　 〈ミxy
.　 　 　 ゞﾆヽ　 　 〈人 　 j/￣｀: 　/ /　　 　 γ⌒V〉
.　　　 /　　rﾟ‐＼ 　 ＼＼{　 r┐∨ / 　 　 ,. /　　 / ｀ヽ
　 　 /{　　 {　　 },ゝ‐- .込＼_ｰ_/ ィ_|＞-y' /ゝ 'У
. 　 /　ゞ==' 　 〃 　 {/ {　ﾍ ゞ' f //　　〃 乂7ノ　x=ｸ　　　　　　　　　　よお、マーシフルのリンクス。
　 λ0 　　_xｸ {{ ,.＜: : 代　{Vnｿ: :｀: ＜{{　　　　 （◎） ＜
　　__＞　（◎） j/x: : : └┬一': : : :＞f 从 ◎　 　イ　　　　　　　　　　　　これでアンタともお別れか？　それとも同僚になるかな。
　 /　x｀ ¨¨¨ﾊ´ ＼ミﾏ :/ﾆﾊ: :r＜≦={ : :ゞ=≦=ｧ─z…
　 ＼ｲ /　 /　}- ､_｀{,ﾊ{ ‐'　|: ﾊ- ‥-r '　　　　′　r ｧ　　　　　　　　　　　「うーん……どうだろ」
　　｀>く 0 '.:/ :＞〈.:.:.{_j:!　l　|:,: :}　　/ｲr_､＿_　| ∧ ヾ
　　〉〉ゝ＼/γ７.:.:}:〈: :|:l__ｊ_//:/＝彡'斗rヒ: ∧| 　 〉＜
　　＞イ 　Уﾁ:/:/: :ﾐ/二二{: {: 匕: :(⌒ヾV : ∧／





　　　　　　　　 rﾍ　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /｀７
　　　　 　 　 　 v∧　　　　　　　　　　 　 　 　 /ド/
　　　　　　 　 　 v∧ 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　/
　　　　　　　　　　v∧　　{ ! ＿　　i }　　　　/　/
　　　 　 　 　 　 γヾヽ　∧'{　ｨ ∨/ 　 　 人./
　　　　 　 　 　 /{　'⌒∨ｰ∨: l-∨　γ´ x-く}　　　　　　　　おめー十八なんだってな？　酒が飲めねえのが残念だぜ。
　　　　　　　　ｲo｀´　r/: :/ : : :|≦:ﾏ　ゝ'　 　 ﾊ
　 　 　 　 ∠ 、＼O .j|: :/ : : :/: : : {o　 _O -‐ﾟﾉ、　　　　　　　ま、いいや。落ち着いたら良い飯奢ってくれよ。
　　 　 　 　 ／　￣ﾊ Y 0: : : {､--: ゝ-ｧ=‐- ､　∧
.　　　 　 ／ 〃　 　 |r|: : : : :∧　￣厂 / 　 　 ｀ ﾏ　　　　　　　ブライドル本部の三ツ星ホテルのビュッフェがいいな。
.　　　　（　 /　 　 　 圦_: （○: :〉ﾆ|:｀∨　　　　　　}
.　　　 　 ` ＜＿＿ノ:〈 ＼:γ´}辷j: : {　　 斗r≦´　　　　　　　　「や、やる夫が奢るのかお？」
　　　　　　 |　　 K: ／ ヽ 竺}:/: : : : : k ´∧ ゞく ∧
.　　　 　 　 7 =く!Y: : / /.: .:./r≦示乎ﾍ: :∧V　' ,∧　　　　　　　ったりめーだろ、いい稼ぎしてんだろ、リンクスは。
. 　 　 　 　 ゞ- ^|:l: :/ /: : : :| |ゞ ':＞´ 二: : :〉 v__Уﾍ
　　　　　　　　　 l:l:/r┤.:. .:.:| :＜ ＞ ´　　∨　　 ( ﾍ　〉
　　　　　　　　　 ﾚ_/ｹ|: : : : |_γ´　　 o　　 l　　　ゞ "
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随伴の狙撃機たちが好き放題に軽口をたたく。
ディランディの気風の影響か、若年から壮年男性で構成された彼らは、
あっさりとしていて、それでいて酷薄でもない、少し変わった人の好さがあった。

このあたりは黛隊との大きな違いだ。
黛隊は壮年男性兵士を中心としており、女性のAC乗りも三人ほどいるらしい。
みな堅気かつ質実剛健といったところで、あまり冗談も言わない。
その代わりといってはなんだが、自分のような相手にも礼を尽くしてくれるが。

しかし、皆、どうしてそこまで安心しきれるものなのだろうか。
そんなに企業を信じられるのか。自分にはどうしても分からない。

真壁の言葉が脳裏を過る。

皆、そうやって生きてきたから、なのだろうか。
だから、同じ生き方をしようとする。
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4434： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/10(金) 20:40:13 ID:kM.XDmWY0

　　　　　　　　　　 ／／　　　へ Y へ ＼　＼ ＼
　　　　　　　　　 /:　'　　 . :/:　,､∨ﾍ　ヽ ヽ　 ヽ. ヽ
　 　 　 　 　 　 /: /:　 . //': : ∧V l　l: . ヽ:l　　　Vﾊ
　　　　　　　　｜ l: : : : l/7: :　}＾`＾l　|: : :　l、　　 l　|
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.　　　　　 　 　 | : l : : l-|: :/l:|　　　l: | ＼: : :ｖ: | : |ｌ {
　　　　 　 、　ノ: :ｌ|: : :lｨl: ｬｯﾘﾐ.､　 l: |弐ｬヵ､:V: : |ｌ| ＼__，　　　　　　　　野郎ども！　シャッキリしな、お目当てが見えてきたぜ。
　　　　　　 ｀¨¨¨ツ | :「 !:l¨´ ｀　',　l: |　｀ ¨´ヽﾆ=-:ヽ¨¨´
　　　　　　　　 ｀丁: ヽヽ｀ヽ　 　 | 丶ヽ 　　 ノﾉ:ﾉ : : }　　　　　　　　　　　HQ！　合流地点、シースフィアを補足。各機、レーダーに注視！
　　　　　　　　　/: :＼ ≧ｚ，　　_|　　｀＼ 彡'／: :l／
　　　　　　　　　V {､: :｀下　　,　丶´　 ,　-彳: : : :{　　　　　　　　　　　　　マーシフルのリンクス、一番高い酒と肉を確保しとくんだな！
　　　　　　　　　 ゝ-）ﾊ :トヽ.　｀¨二.¨´　 .彳/ ∧:`ーｧ
　　　　　　 ＿__　｀7/ ﾉ:ﾍ　 ＼　　　　／　lｨ: / ﾍl丁　　　　　　　　　　　　「そいつはいい！　魚派とピザ派もいるからよろしくな！」
　　　.　　´　　/ ＼{ V　　}`ー‐`=== ´一"八{　∨∧／￣　　　､
　 ／　　　　〃　 /∧V V:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:V/　// l }　　l　 　 　 ＼

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ディランディの一声で、場の雰囲気が一気に締まる。

飛沫の向こう側には、確かにブリーフィングの立体映像で見た施設がある。
水平線の向こう、今は小さく見えるだけだが、巨大なドーム状の
コジマタンクを並べ、塀で囲った海上発電施設、シースフィアだ。

淡い水色の球体からは、今も発電が行われているらしく、
微かに緑色に光る粒子が空へと舞っているのが見える。

傍から見れば綺麗なものだが、あれがここら一体を死の海にしている。

オルデンブルク所有の巨大インフラにして最重要施設だ。
ここを合流地点とするあたり、信用に値すると言えなくもない。

こんなところで戦闘しようものなら、被害は計り知れない。
物理的にも、経済的にも、だ。
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4435： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/10(金) 20:46:20 ID:kM.XDmWY0

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　　　　 /:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:/:.:/:.:.:.:.:/:.:.:.:.:. |:.:. | : ｌ:.:.:.:.ｉ:.:.:.:ヽヽ:ヽ
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　　　　　ゝ:.:.＼:.:. |{´｀ｌ:.:|:.:.:|:.:.|:./ﾍ　{::ﾘ/ 〈/ ｌｲ:.:./l:./
　　　　　 |＼:.:.:＼:|＼ ゝl:.:.:|:.:.|/　　 ゝ'　　＼ |:./ ﾚ′
　　　　　 |:.:.:.:.ヽ、ヽ:|　｀!:ヽ:|、|　　　　　　 ／ ﾚ′　　　　　　　付近にECMが散布されているような反応もなし……
　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.＼/　 ‘， ＼＼ 　 　― ´
　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:. |　　　ﾍ:.:.:.ﾍ　　　　/　　　　　　　　　　　　　敵機も確認できず。伏兵はいない、かな。
　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.≠__　　　ﾍ:.:.:ﾍ ―‐´
　　　　　 |:.:.:.:.:. / ｀ヽ､≧ｭ､_ヽ :.{　　　　　　　　　　　　　　　　　でも……静かすぎる。
　　　　　 |:.:.:.:.:.:|::＼　　 ≧ｭ､｀ヽヽ
　　　　　 |:.:.:.:.:./::::::::＼ 　　　 ＼ｌ┤
　　　　　 |:.:.:.:/:::::::::::::::::＼　 　　ヘ{ ヽ、
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　　　　　 |:.:/:::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ｀￣ 7　 ﾍ´ヽ
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　　　　/:.:.:.:.: : |:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:. ﾟ，:.:.:.:.:.＼:.:.:.:}:.: |＼　　/:.}:.:.:.:.: : |
　　 　 :: :/:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.|ヽ:.:.:.:.:.:. : i:.:.:.:斗匕ヽ丁/|:./ヽ/＼:i:.:.:.:.: : |
　　　 {:.:.{:.:.:.: : |:.: : ----|廴ヽ:.:.:.:‐T ´,xzzzzz､ ||:.:|/　:/:.ヽ ゝ､:.:.:.:.|　　　　　　　せや、おかしいやろ。
　　　 i:.:.i:.:.:.:.:.:.|:.＼:.:.:.:.,ｲぅｭ､∨:.:.:.:|: / :{ぅ::: : ℡:. |　/:.:.:.:.:.}　 :}:.:.: |
　　　 |:.:.!:.:.:.:.:.:.!:.: : ＼《 ﾏ:::ﾍ :∨:.: |:　　Ⅷ::::::: Ⅸ !:/:.:.:.:.:.: i:　/:.:.:.:|　　　　　　　 オルデンブルクの救援部隊はどこやねん。
　　　 |:.:.|:.:.:.:. : ﾟ，:.: : {: 　Ⅵ（ 　∨:.!　　 Ⅵじ::ﾘ/ }j:.:.:.:.:.:.:.: | /:.:.:.:. |
　 　 人/∨:.:.:.:.:.:＼:.:.:＼　ﾏシ 　＼{　　　ゞ=='　/':.:.:.:.:.:.:.:. |´:.:.:.: : |　　　　　　　　話では第二北方方面艦隊が来るっちうてたやろ。
　 　 　 　 ∨:.:.:.:.:.:.:.＼＿＼　　 , 　 ＼ 　 　 　 /:}:.:.:.:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　 ∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.八　　　　　　　　　　　　　i:.:.:.:.:.:.:.: : |:/:.:.}:.:/　　　　　　　　　影も形もあらへんで？
　 　 　 　 　 ∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヘ　 　　∨　)　　　　　 }:.:.:.:.:.:.:.: // }/: ヽ
　　　　　　　　∨:.:.!∨:.:.:.:.:.:{:.:.:..　　　　　　　 　 /:.:.:.:.:.:.／／:./:.:／{
　　　　　　　　　＼{: ∨:.:.:.:.:i:.:＼:.:.:....＿ 　 ≦ /:.:.:.:. ／／: : :.／:.:.:.i
　　　　　　　　　　 ＼ ∨:.:.:.|　　 ＼:.:.:{|: |:ヽヽ:{:.:.:.:./／: : : ／:.:.:.: : |
　　　　　　　 　 　 　 　 ＼: |　　　　＼リ ＼/: i:.:.:/: : : : ／:.:.:.:.:.:.:.:.:|

4436： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/10(金) 20:50:46 ID:kM.XDmWY0

　　　　　　 　 ハr‐　　r‐ x-､ 　r ,　fﾊ
　　　　　　 　 |　{ ∧　l ｒ‐┴‐`､j |　|-|
　　　 　 　 　 j　l∨ Ⅵ |ﾊ 　 ＿ヽ! 〈__〉　　　　　　　　　　　　　　 「なんだぁ、遅れてやがんのか？ 生意気だな」
　　　　　　r(⌒N　V　　| ∧　Vﾊ　Y=､ ヽ
.　　　　 / 　 Vﾊ　ヽヽ　＼ ゝ　ﾆ　ﾉ 　 ﾏ_j､　　　　　　　　　　　　　「相変わらずオルデンブルクの奴らはお高く留まってやがる」
　　　,.ィ{ﾟ　　 }　}　　} ∧__ 弋ァ 7ﾉﾊ　 　 ﾟ　）
　　（　 弋　　ゞ'　　jﾊ:＼ ∧｀Vi{/ : V ＞_У　　　　　　　　　　　　　 おう、待機か？　隊長。
　　　`z､_＼＿_彡'斗:〉:ミ辷ゞ彳彡/[ﾆ三|(二二二二二二三{}
. 　 　 |　 〉--- ﾍ: : :ｨ O辷 :ﾍ_H:」: ∧ﾏ三}7 　　　　　　　`冖′
　　 　 `く 7　ﾏ ｀} ｀ ＜: : メ 辷: 7/:/ ヽ¨´
.　　　 　 〈 xミ し ｘ ─‐｀ < | ゞｲレ　､/ 〉
　 　 　 　 ｀ ¨´ 〈　x‐─ y 7 ｀ ￣￣￣
　　　　　　　　 　 ＼_二_ン





　　　　　　　　　　　 ／　　　　　／/ /　/ ﾚ1｜　lヽ
　　　　　　　　 　 ／　/　/　 ／ .ィ /　/ /　|　　　 ∧
　　　　 　 　 　 , ' /　'　/　 '　／７ ′ﾑﾑ. /　!　　　 |
.　　　　　　 　 / /　/　,　/ ∠､　|｜ / 　 ﾞ|　 |　　　∧
　　　　　　　　l/′｜ 　 l∠＿≧Ⅵ/　　　|　 l　　 　 ﾊ
　　　　　　　 / |　　|　　 | `ﾍ心ヽl |´　　-=Ｖ |　　　　 |
　　 　 　 　 /　|　　丶　 ゝ　　　　`し　 勹心 N　　　|｜
　　　　　　　ゝﾉ｜ 　 |丶≧=‐　　 　 {　　￣リﾞ|　 　 |｜
　　　　 　 ゝﾆ　ｨﾍ.　 ゝ 　　 　 　 ｒ 丿 ､__／ /// l　|｜　,}　　　　　　　……いや、索敵を続行。各機散開。
　　　　　　　/　ゝﾆﾍ ､ ﾆソ ､＿_　　　　　 `彡'/ /|　| `ﾆｿ
　　　 ゝー ',　　 | 个ｊﾉﾘ　 　 　 ‐-｀　，　ゝ=彳ィ彡 ﾍ. |　　　　　　　　　待機していても、コックピット内じゃ落ちつかねえだろ？
　　　　 ｀¨７　　 |　L..)､　　　　　　 　 　 ∠ﾝ｛　{　 ， ｊ/
　　　　　　{　　　|　__ﾉ　＼　　　　　　 ィ　 {　 ゝ.ﾆｿ　´　　　　　　　　　　 怠けようとしてないで、そら、散った散った。
　　 　 　 ，＼　　　＼　　 　 ､＿__／ /　　∨⌒)ヽ
.　　　　 /{　 ﾉ 　 　 ﾄ.ヽ　　　　　　 , ｛ 　 　 ｀¨´ ﾉ　　　　　　　　　　　　　IGIOの伏兵ってのも怖いしな。
　　　　 ゝニ' /　　　l | |　　　　 ﾉ　 ゝソ　 　 ‐＜
.　　　_／/　/　　　 .リﾉl　　　 ｒ　　　 |、　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　オルデンブルクのお迎えが来る前に――
　　　　　ゝ,　　　　 ／　'　　　　 　 　 | ＼　 　 　 　 ヽ　,}
　　　　　 / ,　　　/　　　 '.　　　　 /　　　 ヽ　 、　　ゝﾆｿｚ
.　　　　　| ｛　 ､　ゝ_ノ)　ハ　　　/　　　　 ﾉ'」＼ヽ　 ､ヽ く,_
　　　　　 V{＼｛ヽ　≦　￣＼　 ﾉ／￣￣／ |　 ｊハ　l| |　 ﾍ`ー‐
　　　　　　` =-i`　Vl　￣`"ー―--‐ﾆニ ｨ　∨ 　 l　l|/　　 ﾍ
　　　　　　　　｜､ﾝﾉ　　￣￣￣ 　 　 　 / 　 ∨ ノ'＾` =-　　 Z

4437： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/10(金) 21:00:48 ID:kM.XDmWY0

＼　　丿:::::ヽヽ込､ 　　　　　　　　/／　 ′/　 :|ｌ　　 |　　　(
　 ＼　　 乂__込、 　 　_　ｰ　　　　　 ./　 /　　 |ｌ　　 ﾄ､　　　　　　　　　――その必要はないわよ。
.　　　　（　 |:l ＼ ＼　　　　　　　　　./　 /:/...　八|: 　|:::＼
　　　　　＼|:l:: |:ﾊ　 ヽ　　　　　イ..::/　 /:/ 　 /|:: |: 　|:::::::::＼
　　　　　　 |:l:: |:: |: |: 个ヲ　厂 ハ/　 厶仏:::/＾|:: | . ├――=ミ
　　　　　　 |:l:: |:: |: |:　|　ﾉ/: 厂＼彡く／|..../: : |:: |: 　|
　　　　　　 |:l:: |:: |: |: ｜}/ 　厂￣　,ィ__八/: : : |:: |: 　|

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ディランディ隊の面々が軽く騒ぎ立てる中、不意にコックピット内に響く声があった。

冷え切った手で臓腑を撫でられるような、そんな感覚に陥らされる何かがある。
機械的な女の声が、その場にいた全員を凍り付かせた。
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4438： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/10(金) 21:00:58 ID:kM.XDmWY0

　　　　　　　　 ＝＝＝＝丶　　　　,,, ＝＝＝＝,,
　　　　　　 ／　　　 　 　 　 ヾ　 〃　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　「ごめんなさいね、希望を抱かせるような真似をして」
　　､-‐ 　./　 ⌒　　 ⌒　　》　彡　　　　⌒　　 ⌒ 　ヽ　　 ‐-､
､- !､,＿_/ （● ）　（● )　 }}. ∩ ||U　（ ●）　（ ●）　}}　 __＿,ノ-､　　　　　　長距離通信かお……！？
!､,＿__　 |　⌒（__人__）⌒ 　》 ∪ 《 　 ⌒（__人__）⌒∥|　　__＿,ノ
　　　　　＼ミ三|￣|三三彡　 彡　 ミ三三|￣|三彡／
　　　　　　卜 ＿兀　　 ＿　　　　　＿＿＿兀 ＿ イ





　　　 　 　 　 , - ‐‐‐-　、:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ、　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.ヽ、
　　　　　,イ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.ヽ:.:/く::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ｉ
　　　 ／:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:--‐ヽヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.: |
　　 /:.:／:.:.:.:／:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:./:.:.: 7|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
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　　　,':.:.:.:,':.:.:.:.{:.:.:.:.:.|:.:.ﾊ:.ｉ　ヽヽヽ:.:._メ:.´ヽヽ:.:.ｉ:.:.:.:|/:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
　 　 ｉ:.:.:/|:.:.:.:. ',:.:.:.:.:|-/_|_|　　ヽ／,イ圷≧ｉ:.ｉ:.:.|:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　　　　　……索敵範囲外から入ってきた、
　　　|:./ .|:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:!:.ｉｲうﾐ　　　 　 {::::::::ら |:}:.:|:.:.:.:!´.ヽ:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
　　　|/　 !:.:.:.!:.:.ヽ:.:.:.|〃{:::j　　　　　 辷シ　!:.:./:.:./| ヽ.} |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　高速で向かってきている反応を三つ確認。
.　　　|.　　',:. | ',:| .|ヽヽ｀.ﾋﾘ　 　 　 　 　 　 /:/／:.:.:!　/: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
.　　　　　　ヽ|　ﾘ　!:.:.ヽ＼ ヽ　　　　　　　.〃|:.:.:.:.:./_/／.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　　　 全機、二時の方向を見て。
.　　　　　　　ヽ　　ｉ:.:.:人　　　 -‐-　　 　/　 !:.:.:.:./／. 　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　 　 　 　 　 　 ',:.:.:.:.ﾍ　 　 　 　 　 　 　 |:.:.:.:/.　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　 ヽ:.:.{　ヽ、　　 　 　 .＜.|:.:./l　 　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　 ＼ｉ　　　＞.-t ´　　　|:/‐┤、.　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　＼　　　 r､| .-　￣/　／　ｉ、　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〃.ヽ　　　.／　　 |::｀ヽ.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |

4439：安価のやる夫だお：2021/09/10(金) 21:07:30 ID:tddImn2k0
そうかーお前が来るかー

4440： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/10(金) 21:09:13 ID:kM.XDmWY0
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ノ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 rく.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ノ⌒´ . j
　　　　　　　　 ＿　　 　 　 　 　 八.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:( ￣　　　　 ノ乂
　　　　　　 (__.:.:.:.:ヽ　　　　　　　　 ⌒).:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:)　　　.人 　 ｀Y´
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なのはが指し示した方角に一斉に向き直る。
空の彼方、雲の切れ端の隙間に、確かに強く輝く光が三つ。

見る見るうちに光は大きさと勢いを増していく。
間違いなく、こちらへと向かっていた。

やがて、レーダー上に三つの赤いマーカーが現れ、事実を宣告してきた。
敵対信号だ。背筋に嫌な痺れが走る。目の前が一瞬歪んだ。

こうなると思っていた。
けれど、心のどこかで希望を抱いていた。

もしかしたら、皆の言う通り、助けてもらえるのではないか、と。
そんな自分の甘さを、今この時になって、思い知らされた。
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4441： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/10(金) 21:15:22 ID:kM.XDmWY0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　j{[　　　　　　 |ﾆﾆ| 　iニ{　　　　　　　　　　 　 　 ′ニﾆﾆﾆﾆ}　　 　 .-,‐─＼‐/､-ﾉ/ 　　　　　　　　-,‐─
　　　　　　　　　　　　　　　 jI斗‐==ニj{[- .、＿＿__|ﾆﾆ|＿{ 从　　　 　 　 　 　 　 　 /ニﾆﾆﾆﾆﾆ=}　 ､-_─-/　､ / 　_|　ﾉ | ﾞｉ 　　　､-_─-/　､
　　　　　　　　　　　　　　／,　-==- .、j{[ニ/二ﾆﾆ=|ﾆﾆ|ニ{二 丶　　　　　　 　 　 ／ニﾆﾆﾆﾆﾆ= ′.／, __　／;; --/､/　　゛'､.|;;;;;;;;､／, __　／;;
　　　　　　　　　　　　 ／／　　　　 　 ,j{[ /、ニﾆﾆ∧=｜ﾆ{ﾆﾆﾆﾆ≧s｡., ＿ , ｡r≦ニﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=/ニフ／''''/-‐''''''ﾞｉ|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;､/　／''''/-‐''''
　　　　　　　　　　　:: ′　　　　　　　　}j{[＼＼ﾆニ| .| =|=从ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/￣ へ／　　　　　　　　　　　　 ／へ／
　　　　　　　　　 　 //　　　　　　　　　}.j{[二＼____,| .| =|____,丶ニﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/＼ﾆﾆ／ 　　|/　　　　　　　　　　　 ､-‐　/　|/
　　　　　　　　　 ｡r{ {　　　　　　 　 　 '=j{[ﾆﾆﾆ.} 　| .| =|　　 |ニ＞ ，ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=/　∨＼ .ｌ　　　　　（　　　　　　　､/゛ﾞ　　　ｌ　　　（
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　, ｡r≦　　　　 　.j{ﾆ 、　　　 　 　 /ﾆ二j.l〉,ﾆ=j{　.| .| =| 　 /二二.／ /ｉ|　　　　 /⌒i. 　 ∨　‘，　　へ￣｀　＜.,,　､/　　 ／　　　　　　　　＼ ゛'''‐,,
　￣￣￣￣￣￣.j{二 ｀ ｰ=ニ=‐ ´ニ〈 ,　|__〉-j{―| .| =|ﾆﾆﾆ=-／ニ/=ｉ|.　　 　〈ニﾆ＼{＼V　 .i,／　　 ＼ 　 　 ｀　＜　　　　　 　 　 　 　 ﾞｉ　/＼
　　　　　　 　 　 .从二ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆV, }二〉j{/| ∨=∧ﾆﾆ=/{ニ=/ﾆﾆ|.　　 　 ‘，二二ニ＼／.　　 　 　 ＼　　　　　＼　　　　　　 　 　 .ゝ　ﾉ 　）
　　　　　 　 　 　 　 ＼二ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆV,Vﾆ.j{　! 二j{ﾆ{ﾆﾆ ′`7 'ﾆﾆ./　__,.｡r≦/￣￣￣／　　　　 　 　 　 ＼　　　　　＼　 　 　 ;;;;;;;/ 　| ／
　　　　　　　　 　 　 　 ｀ ｰ,.，ﾏニ=-- ミ. V「＼ /!ﾆﾆj{ﾆ{二_{ 　 i| |'⌒ <´二二ﾆ/ニﾆﾆﾆ ′　　　　　　　　　　　＼　　　　　＼.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| |,,,,,,,
　　　　　　 　 　 　 　 .,，´ /ニＶ∧　　　〉从　 } .|ﾆﾆj{ﾆ{／_{　　i| |ﾆﾆﾆ}___＿___{二ﾆﾆ=/　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　 　 　 ＼;;;;;;;;;;;;;;;/ ﾞｉ;;;;;;;;
　　　　　　　　　　　／ ニ/二/ Ｖ∧ 　./__V＾､/‐'ﾆﾆj{、{／/＼_/,ﾉー┬'　r―､└ ､二ﾆ＼　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ‘，　　　　 　ヽ.;;／ ／;;;;;;;;;
　　　　　　　　　 ／ﾆ二./二/／ ＼.＼｣＿_VﾆＹ＾Y=j{/ 〉‐′ニ|ﾆﾆ|ニ!,｡7‘,＿}ﾆ〉 ,∨ﾆﾆ=＼　　　　　　 　 　 　 　 　 ‘，　　　　 　 〉
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　　　　　　 　 /／ﾆﾆﾆニ{_(_,ﾉ⌒ ′ 　 　 　 ∨∨ﾆ}_/.| ＿_j{￣j{／　 /!　i =|　　　∨ﾆ=γ_V∧　 __r――x __ 　 　 __r‐'＾ヽ￣｀ヽｰ ､ﾆ＼
　　 　 　 　 .／ﾆﾆﾆﾆﾆニ,ノ　　　　　　　　　　∨二ﾆﾆ从＿,j{　 j{＼_/=|　{ニ＼　　 ∨ニ{ {　＼∨ﾟ，',＿＿_', ‘，　∧ニ｀ヽﾆ￣￣ニ‘，
　 　 　 .__／ﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ/　　　　　　　 　 　 　 ∨ﾆﾆ/ |二= j{　 j{ﾆﾆﾆ∧,， ´￣Y⌒〈￣￣￣￣i|ﾆ|ﾆﾆﾆﾆニ二| ./ﾆi{ﾆﾆﾆ∧ﾆﾆﾆﾆﾆ∧
　　 　 /＾〉ﾆﾆニjI斗t≦´　　　　　　　　 　 　 　 ∨_/　j{ﾆﾆﾆ.＼/二二／／ﾆﾆﾆ{.　　∨二二ﾆﾆ|ﾆ|ﾆﾆﾆﾆニ二|/ニ込、ﾆﾆ∧ﾆﾆﾆﾆﾆ∧
　 　 ./／ﾆニ／　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∨__,　ｰ‐=ﾆ二 ￣／／ﾆﾆﾆ／ ｀¨¨´　ｰ‐――|ﾆ|ﾆﾆﾆﾆニ二|ﾆﾆ二∧ﾆ二∧ﾆﾆﾆﾆﾆ∧
　　 //ﾆﾆﾆ/　　　　　　　　_　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／／ﾆﾆﾆ／　　　　　　　　 　　|ﾆ|ﾆﾆﾆﾆニ二|ー一'　 ∨ﾆﾆ∧ﾆﾆﾆﾆﾆ∧
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【ネクスト：ロストワード　種別：重量二脚】
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ネクストが三機。

オーバードブーストの閃光を背に、遥かな距離を一気に詰めてきている。
そのうちの一機に、やけに目を惹かれ、奪われた。

刺々しい紫紺の装甲に、肥大化した異形の四肢。
あんなネクストは見たことがない。

しかもなんだ。タンク型のネクストを一機掴みながら飛行しているではないか。

それでいてあの速度ときた。どんな馬鹿げた出力をしているのだ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4442： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/10(金) 21:18:44 ID:kM.XDmWY0

　　　　　　　　　　　 }::::::::::::::广手ｴ广ｴ广ｴ广ｴ广心.: : :.　 　 ﾟ。
　　　　　　　　　　／((ニ){;ｲ攵ノ攵ノ攵ノ攵r癶､攵ノ}㍉.: : :. 　 ',
.　　　　　　　 　 /刄ヲ弍彡'´丁¨}!￣¨ゞ彡::::㍉}手ミ__}ﾉ.: : :. 　 ∧
.　　　　　　　 　 }ﾘｿ/.　　　　| |　 |　　　',　刄::::::::攵rﾐ{{≧====┐ :;
.　　　　　 　 　 /ｲ |　|.　　　 | |　 |　i.　　，: :',　攵rﾐ:::::::::≧=== ﾘ　∧
.　　 　 　 　 　 {ﾘ　|　|:　　　 | |　 |　||.　　，: ∨: : ≫[>::::::::}===ﾐ.:. .:.∧
　　　　　　　　/ 　 |　|:　　　 | |　 |　ﾘ;< 　∨.: : : :.',',ノ::/!::::::::＼__}!　　 ,
.　　　　 　 　 '.　　 |　|! 　 　 | |　 i／!　ヽ八}　',: : :ﾘ:::::{ﾉﾘﾊﾄ､＞┘＼　＼
　 　 　 　 　 {　　　|　|! 　 　 | |／　 ,斗芸､　: ∧: : ＼イ: : || ＼　＼: ＼　＼　　　　　　　　あなたもリンクスなら、分かるでしょ？
　　　　　　　 :　 　 |　|i!.:.. ｊ!.:.| |　γ{:;仞ﾟ}ﾂ∨ﾊ. |.: : : :.》: : :{{　　＼　＼　＼. ｀
　　　　　　　 ‘　　 |　|i!.:..ﾊ.:.:| | 　{! 乂;,ｲ　　ﾘ　}!ﾄ､　/': : :.乂_.　　}　　}ﾄ, 　＼　＼　　　　　仕事なの。
　　　　　　　 从.　 |!　i!.:斗Ⅵ八. 　 　 ′　/／! !ハ/: : :.　　 }}　　ヽﾄ､￣.　　 ＼　＼
　　　　　　 　 八.:.人. Ⅵ:ヽ ﾑ､　ヽ　　 　 ｲ::::::::! ! /{::＼.: :　 八　＼ ＼＼　　 ／＼　＼　　　……死んでもらうわよ。
　　　　　　 ／i . Ⅵ　ヽ　ｊ｀《刄　　　　　　ﾉ:::: /| | |::!＼::＼: : : }}; 　 }　 }　}≧ｲ:::::::::::≧='
　　　　　／ 　|! . ∨ヽ　＼:ﾊ'¨ヽ '　　__／:::::/　! ! ﾚ'＿:＼＿__乂:::::ﾊ　　,《:::::::::::::::::::::::::
　　　　ｲ　　　乂_ノ }ﾘ｀ ー}/:}＼　　'厂::::::彳　 ! !　}::::::::::::ヽ厂´::::::::::}　 　}!::::::::::::::::::::::::
.　　　　　 　 　 }X{　/　　 ｲ ,ﾍ}:::＞/::::::::::/　　 | |ｲj:::::::::::::::::::::::::::::::::/　:i　ｊ!:::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　 ／　}ﾘ{　　　 / /ル／:::::: . ヽ 　イ| |八:::::::::::::::::::::::::::. /　 ﾘ /:::::::::::::::::::::::::::
.　　　　　　 /　　 ﾚ:{　　／ / ,イ:::::::::::/　ﾉ 厂　! !彡':::::::::::::::::::::::／イ／':::::::::::::::::::::::::::::::
.　　　　　　 {!　　　八／　ｲ:::::::::::::::,イ ／ /　　 | |攵r癶:::-‐=≦　 / /:::::::::::::::::::::::::::::::::::
【ブライドルランク4　アリス・メルキュリー　スポンサー：オルデンブルク】
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その機体からは、酷く冷たく、それでいてあどけなさの残る声が聞こえてきた。
言っていること自体は酷薄だったが、少女のような語り口で、
死を告げてきていた。
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4443：安価のやる夫だお：2021/09/10(金) 21:19:40 ID:p9CaKfwg0
おうおうおう、1週目とは別人とはいえ...

4444： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/10(金) 21:23:32 ID:kM.XDmWY0

　　　　ｨｭ､
.　　　ﾑi三≧
　 ,,ｨｱ''ﾏ三ﾐ}≧ｭ､
l三ﾐ:::::::ﾉ三ﾘ三三lｭ､
{三ムｪ＞彡三三ﾘ三≧ｭ､　　 　 ＿
　`マll三≧寺三ｱ三三三≧ｭ､　ミｱiｭ､
　　 ﾏ三三＞ｲマ三三三三三三≧マ三≧､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿_ ＿
　　　 　 `´　　　　 `　マ三ム寺三三≧ｭマ三i＞　 　 　 　 ,ｨ　 Z／{|r‐=≦￣__,*'´ 　 ｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　 ` マ三三三三三三ミi:iヽ__＿__　/%ｰﾐ/.:'/ﾉl〈￣ll￣ /　　　　 ,─､ﾟ，
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `　マ三三三三i:if__r'´:.:ヽ廴i_ｨfz'〔__|　￣ ￣'　 　 　 〈:::::::::〉‐､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {ｨﾂ ` マ三三|:::|r─ｧ'r'､ノij,勹´_|　　　 /　　　　　 .〉‐〈::::::::〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 {{{{ヽ三l:::l:i:::迥‐｀´ﾟ_夕,':.:{≧zr‐/　　　　 　 〈::::::::〉‐〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`ﾆi:＿j__j__fΘ　 〉i‐､<(_)込r:rV　　　　　　　 〉‐〈::::::::〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 〈7: ﾉ::∧　 .,' ﾉo .::..._ﾉ:r‐' ,ﾟ　　　　　　　〈::::::::〉‐〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ﾍ'_ノﾉ. ﾞﾏ≧zr'＾ｰf__ノ　 :　　　　　　　　 〉‐〈:::::::〉　　　　　　　こういった品位に欠ける
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r‐ｧ‐┴=､_〉三〕rﾐn〕=fiミ,ﾟ　 __　　　　　 〈::::::::〉‐'!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 f´ｿ <＾　,,;:i／_ </ﾞY´ij　 ij〈ｉ　 / { 　 　 　 　 ﾞf^ヽ　|　　　　　　　　戦い方は趣味ではありません。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 {:l{ r‐‐‐rr/fj fj､ヽﾑ-‐､　　{　f　 |　　　　　　 l　 i.　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 r‐' _〕 l__　 : i:{----}‐:ﾟ，ro､ﾟ,　:l　ｉ　 |　　　　　　 |　 |　j＿＿
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,ｨとｸｸ´二≧￣￣￣￣ ェｉﾆﾆi!‐ｭ ─V 　 |　　　　　　 |　 | /ﾞ´　　|
　　　　　　　　 　 　 　 _．─≦=ｨ勹ﾉ~~￣ 　 ￣￣￣￣￣＿二>---≦ﾞ|　　i＼　　　　 ノ　 ﾚ'＿＿_i|
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　　　　　　　 　 　 　 　 l!圭圭 i!:::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i!圭圭圭i!ｉ.|,‐‐〈::::::::〉　,'~　〉､_シ'ﾞ_｣ｉ!
　　　 　 　 　 　 　 　 　 i!圭圭 ヾ､ ﾉ ＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿i!圭圭圭 〈:::::::::〉‐〈　.,'　 /...'｀Ｙ'ヾ ｉ!
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ヾ弐弐ヾ､､::::::::｀￢¨:::::::::::::::::::::::::::::::i｀-ヾ弐弐弐...〉‐〈::::::::〉　 r‐' | 0ｉ| 0i|ｉ!
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヾ弐弐ヾ_::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ,/'　　 ヾ弐弐.ﾞ〈::::::::〉‐〈　 /　_人_人_〃
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ¨´
【ネクスト：スタリオン　種別：タンク】




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　　　　　　　　　　 　 　 -―／　　 　 ｀ﾞ'く￣｀　 、
　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼
　　　　　　 　 　 ／　 ／　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼
.　　 　 　 　 　 /　　/　　　　　　　 　 〃　　 　 　 　 　 ヽ
　　　 　 　 　 /　　/　　 　 　 　 　 　 {{
.　　　　　 　 ,　　　{　　, 　 〃　　 /　ﾉ|　　　　 ｝}
　　　　　 　 {{ 　{　{ 　 i　　ｉ|＿　/／　|　　 　 /八 、　　　 ;
　　　　　 　 {{　 {　{ 　 l　　||( ／/｀ヽ八　 {　/　　} },/　 　 }
　　　　　 　 {{　 {　{ 　 l　　||/ｨ芹冬ﾐ､　＼}八''⌒犲　　/　}　　　　　　　……ですが、あなたには確実に堕ちてもらわねば。
. 　 　 　 　 八　 ＼＼八( 从弋ぅ丿 ^　 　 )ｲ芳ﾐ刈　 / i　'
　　　　　　　 /＼＼＼＼)小、　　　 　 　 　 Ｖﾘ　/i|／ /}/　　　　　　　　SIリンクス、ダージリン。あなたを駆逐しに参りました。
　 　 　 　 　 { 　 ｀⌒ヽハ八　　　　　　　　 ゝ　 /,八／ /
　 　 　 　 　 {｀ ｰ==彡ﾍﾉ'⌒＼　　　、 __　　　 '　　}}　　　　　　　　　　　　どうぞ、卑怯と罵りくださいませ。
　　　　　　　 ｀ ｰ===彡/ 　 ＼　　　　　　　／ｰ=彡′
　 　 　 　 　 　 　 ^ｰ=/{　　 　 ＼　 　 　イ㎜o,
　　　　 　 　 　 　 　 /:::＼　　　　 ﾘ爪㌘””””´＼
　　　　　　　　　　　人:::::::::｀ ー==だ以:＼. . . . .ヽ ;
　　　 　 　 　 　 ,,<㍑%＼::::::::::::::/＾‘，. ＼} .＼. . } }
　　　 　 　 　 ,,<㍑㌘^. . .＼:::::::{. . . ‘，o . . . . ｀弋.＼
　　　 　 　 ,,<○㌘＾... . . . . ..＼ﾉ. . . . ‘*， . . . . . . ｀¨`. .､
　　 　 　〃￣￣｀ヽ . . . . . . . . . . . . . . . .‘㍉， o . . . . . . .＼
　　　 　 {{ . . . . . . . ＼. . ..}}. . . . . . . . . . . . . ‘㍉.. . . . . . . . . ',
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【ブライドルランク18　ダージリン　スポンサー：SI】

4445： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/10(金) 21:23:47 ID:kM.XDmWY0

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【ネクスト：ヘルヴォル　種別：中量二脚】





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　　　　　　 　 　 　 　 , :´:,: : : : ,: :,: : : : : : ＼: ＼,. :⌒ヽ
　　　　　　　　　　　 /: : /: : : /: /: :/: :,: : : : : ､: :ヽ,.====r､
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　　　　　　　　　 　 , : : |: : : |: :|: :/: /: :/: :/: :}:| ﾏ: | ､､: : : :＼
　　　 　 　 　 　 　 .: :.:.:|: : : |: :|:/: /:_:/:,.ｲ : /:,　 |: }_ﾉ ＼: : : : :､
　　　　　　　 　 　 '　: /|: : : |: :|: :/}／}/､|: /:/ -､}/-- ､　＼: : : :＼
　　　　　　　 　 　 ,: :/: {: : : |: :Ⅳｨrtｫ､　}/:ｲ,.ｨｫ /:､ ｢⌒Y、 ＼: : : : .
　　　　　　　　　　,: /: :∧: : l从:{ ﾋﾉｿ　 　 　ﾋｿ ,::|: :､}--|: }　　 ､ : . . .　　　　　　ごめんね、やる夫。
　　　　　　　　 　 {/　/ :∧: :Ⅵﾘ　　　　　　､　 .: :|､: :＼ !: |　 　 }　　 |
　　　　　　　　　 /　/　/　} 　 ',　　 　 　 　 ´ , : / ,＼: :＼j　 　 ,　　 l|　　　　　　君を逃すわけにはいかないの。
　 　 　 　 　 　 /　/　/ ／:.　 ∧:.. 　 ´￣　／ : {Y : : }ヽ､ ＼　/　 　 '
　　　　　　　　/　/　 ／　　 ､ 　 :. ＞　_,..:: ￣＼乂: ' ￣Y}＼＼ 　 /
　 　 　 　 　 /　/　　 ￣_＼　ヽ　 '，　{､　 　 ／-､{__／´￣｀:. ｀＼'
　　　　　　 /　/ _,.ィ:.:.:.:.:.:／＼ }　 | 　 Ⅵ ,イ＼:::::/: : : : : : : :＼ /
　　　　　 ,:　 //:.{:.:.:_,...イ:::::::{(　|　 |＼＿}/::r=ﾐ::::∧: : : : : : :_: : :〉､
　　　 　 /　／⌒＼::＼::::::r､::::ﾉ|　 |:::＞十}､＼ﾉ:::::::} : ／￣　∨/ ∧
　　　　/　/:::::::::::::::::＼::＼::ｰ'／!　 !'/x| ＼＼＼x､::∨_ﾑ 　 　 ∨//}
　　　 , 　 {::::::::::::::::::::::::}:::/｀¨ ::: |　 |,'Xl|　　ヽﾉ､ ｀ヽヽ､:.､:.　　　 ∨/|
　 　 ,　　/::::::::::::::::::::::::|/::::::::: _/|　 |＜l|　 　 }　}　 :. ﾏﾑ::::::. 　 　 ∨'
.　　/　 /:::::::::::::::::::::::::ｲ::::::::::: |:: |　 |＞l|　 　 |　| 　 }　}X}::::::.　　　　 ､
　 /　 /:::::::::､:::::::::::::::::{::::::::::::::{:: |　 |＜l|　 　 |　| 　 ,　|X|:::::/: 　 　 　 ヽ

4446：安価のやる夫だお：2021/09/10(金) 21:23:51 ID:bdj6GQrM0
残念でもない当然の結果

4447： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/10(金) 21:25:50 ID:kM.XDmWY0


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,. . :‐､: : : : : : -. ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,. :´: : : : :|: : : : : : : : : Y､-- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /: : : |: : :{: |_,. - ､: : : : : {ﾑ､: : :∨ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ': :|: : :|: : ::Ⅵ　 　 ｀ヽ,: : :ﾏﾑ:＼: :.　}〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:': :|: : :{: : : :.:|　　 ＿　彡: :ﾏﾑ: :}〉∨'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.': |: :{: : ::∨: : :|,ィ ´　　　 彡'-､ﾑ/: : .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:|:{: : :,.-|､∨: :{　ｨ_ﾌ芹ｧ　 l! l l}ﾏﾑ: : :.＼､＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:{: ､: :{ｨtｫﾐ＼_〉 　Vｿ　　/:|_ﾉ/: ﾏﾑ: : ::. ＼///Σ　　　　　　　諦めて。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:从:＼〉Vｿ 　 　 　 　 　 |: {イ : : {ﾏﾑ: : :',　 ￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|: :､:＼:＞ 　､　　　　　 　{从: : : : :. ﾏﾑ: : : ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|: : :,: : 从　　 v:.､　　 　 /: : : :|: : : :. '，　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,　 ∧: : : :._:､　　 　 　 .ｲ |: : : :!: : : ::.　､　 　 　 ＼
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 r=====∧ : : ∨ ≧r-　´　　|￣＼　 　 :.　＼　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　,ィ:::￣｀ヽ＼:::::. : : :.　Ⅵ　i 　　　|　　　＼　　:.　　＼　　　　 ＼
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　　　　　　　　　　 　 　 　 /::::::::::::::::::::::::ﾏﾑ:::}ﾑ 　}:::::＼ヽ 　　　 l{/／⌒｀ |　　　 　 ＼　　　　 ＼
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　　　　　　　　　　　　　/:::l::::::::::::::::::,::::::::: :::ー=|　 |== ､＞--＼　/ ／:::::{///}:::ﾑ　 　 　 　 　 ｀　 ､
　　　　　　　　 　 　 　 {:::r-----､::::l::::::::::::|:::: /　/:::::＿｀ヽ､__{二二ヽ====ﾐ､:::::}lﾊ　　　 　 　 　 　 ＼
【ブライドルランク19　リエラ・マルセリス　スポンサー：IGIO】
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
異形のネクストに加え、漆黒の中量二脚、物騒なキャノンを担いだ
タンクまでもが、仲良く三機で飛翔している。

異様な光景だ。何よりも、その編成が。
自分でも分かる。あれはSIフレームのタンクと、オルデンブルクフレームの
中量二脚だ。

それが意味するところも。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4448： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/10(金) 21:30:01 ID:kM.XDmWY0

　　　 ,,, ＝＝＝＝,,
　 　〃　 ─　　─　＼
　/ 《 　 （●） 　（〇） ヽ　　　　　……リエラ。
　|∩||u. 　 （__人__）　　}}
　|∪《 　 　 ｀ ⌒´　　 ∥|
　＼　 ミ三三|￣|三彡／
　_,,, ト ＿＿　兀 ＿ イ,,＿
/　　 i　 　　 　| |　　 　 i　 i

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聞き覚えのある声に、思わず名前を呼ぶ。
届かないとは知っている。むしろ、届かないから呼んだのかもしれない。

ブライドルの運営する養成所で、孤立していた自分によく話しかけてくれていた。
女性にしては長身で、変わった色の赤毛が特徴的な、明るく穏やかな女性だった。

そんな記憶も、目の前の漆黒のネクストによって塗りつぶされていく。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4449： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/10(金) 21:36:18 ID:kM.XDmWY0

　　　　　　　　　　　　　　　／ ／: : : : : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　　　 ／￣／￣: : : ､: : : : : : : ､: : ＼
　　　　　　　　　 　 ／￣ｒ┴､＿: : : : :ヽ: : : : : : :＼: : ＼
　　　　　　　　　 ／: ／｀{: : : :＼:＼: :ヽ|: :V: : : : : : ＼: : ヽ
　　　　 　 　 　 / : /: : :､|: :ヽ: : : : : ヽ__l: : :V: |: : : : :ヽ: : ､l
.　　　　　　 　 /: : ': : : : :ﾄﾑ: lム: : l: ∧ V: : Ⅵ: : : : : : ヽ: ヽ
　　　　　　　　l : : |: : : : l:トﾍﾑ　ヽ ヽ: :ヽ V : `|: : : : l: : : V∧　　　　　　　　「お……オルデンブルクの女王だ」
　　　　　　　　|: |: |: : : : l:|　 ｖﾑ　 ＼:＼: :ヽ: : |: : : : |: : l: :V∧
　　　　　　　 /:/ / : : : |:ﾘ　 ｛: l　　　 >､二　＼＿＿､: :V: :＼ヽ　　　　　　　「奴ら、本気だ。本気で俺たちを」
　　 　 　 　 /: ｌ: :! : : |: |人 　Vﾑ〈ｒ≦ﾃ乏ｱ 丁丁￣:人: V ￣了´
　　　　　ー'‐彳: l: |: :|: l代会､Vﾑ　　￣　　 /: / : : /ｸ厂｀: : :/　　　　　　　　……狼狽えてんじゃねえぞ！
　　　　　　 　 |l: :l: |: :|: |￣　 ヽVﾑ　　 　 ／‐ｧ : ／_ﾝ : : : : ｲ
　　　　　　 　 lﾍ｜l､ ﾄ: ＼　　ﾉ 丶ヽ　　 ､_／‐ ´　| Ｖ: : : //　　　　　　　　　　来るぞ！　全機後退！　前衛はマーシフルに任せろ！
　　　　　　　　　`トl ｀ヽ: ≧‐ ヽ　 ､｀＼ 　 　　 　 ､_ノ: : : : :{　　、
　　　　　　　　　　　　　| | : ＼　｀　＿__　　 　 　 , ＞ｚ＿_: :＼ノ｝　　　　　　　　 戦おうと思うな！　生き残れ！　今はそれだけでいい！
　　　　　　　　　　　　　|∧: : : ＼´ ―　｀　 　 ／/　// ∧l: ヽ≦_
　　　　　　　　　　　　　l'　≧ｚィ: :ヽ　　　　 ／　/　// / _ﾊ: /　Ⅵ
　　　　　　　　　　　 　 ｒｆ⌒i　 | |: : `ｒ―‐彡￢7　// /　　ﾉ'_　 ´￣￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　VVム. ｊ∧: :{￣￣:.:.:.:.:.l　 l l　l　　／　　 　 　　 , 　 ―ヽ＿
　　　　　　　　　　　　―VV ム　ﾉﾉ 〉:.:.:.:.:.:.:.:ｌ:.|__// / ／　　　　　　 ／ 　 　 ／
　　　　　　　　　／　　／VV　ﾑｱ: /:.:l.:.:.:.:.:./:/ //_/ / /￣　　.　 ／　　 __／
　　　　　　　 ／＿　 /　　>ヘ ﾑⅣ:.:.:l:.:.:..:./:ﾉ厂＿_/ /　　　　 ｝/　　 ／/
　　　　　―/／　 / /　／　 〈〈〈―､:ﾉ.:,―‐l/／___/ /⌒ヽ　　//　 ／　 '
　　 ／　　/´　　 {__{／ヽ　 　 Vﾑ:.:.:.:.:.:.:.:／´／／Ｖ　　　 l　// ／＼　｜
　／　　　｛ 　 　 ﾉ　　 　 ＼　　Ⅵ:.:.:.:.／, ／／　　l 　 　　!//＼　 　 ＼ゝ

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なのはが解析した敵機のACネームを画面上に表示する。
オルデンブルクのロストワード、SIのスタリオン、IGIOのヘルヴォル。

そのロストワードが、抱えていたスタリオンを海面へと放り投げると、
両手を広げて更に加速した。襲い来るという表現しか思い浮かばない勢いで。

随伴するようにヘルヴォルもレーザーブレード片手に高度を下げ始める。

どよめく隊の面々の混乱に呑まれそうになっていると、
ディランディが彼らを短く一喝した。

恐慌状態にあった隊員たちの慌ただしい動きが止まり、
すぐさま冷静にバックブーストをふかし始めるのが見える。
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4450： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/10(金) 21:42:39 ID:kM.XDmWY0

　　　　　　　　　　　　　 -‐━━=ミ
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　　　　　　　_.-=ミ: : : : ＼: : : : : : : : :V: `.
　　 　 　 .ｨ: : : : 7:〉 :∧: : :V: : : : : : :〈/: /〉:.
　　　　 /: : : : : :|/ | : :|:V: : :i : :| : : : : V〉: : ﾊ
.　　　 /: : : : : : :|i　!::斗-V: :|ー|‐|:-|: ::|:|i: : : |i
　　　 ′l: : |i :|i |i_,.ｨﾃﾃﾐ : : |N|ｨテﾐN: |:|i: : : |i
　　　{　｜:::|i :|i |i　 r勿,::::|:N:::::.r勿ﾉ !::|:|5!: : : .　　　　　　　　　……無茶や。
.　 　 　 从::|i: |i |i:　^¨¨　　i　　　 　 」::|:|,ﾉ: ;小:.
.　　　　　　〕: :|i |N」　　　 ,　　、　u..: /|:| : /: : :|i　　　　　　　　　やる夫君、逃げて……はよ逃げぇ！
　　　　　　　　|i ||:|:i＞　　　　 　 .ｨ :/::」:/〈: : : 八
　　　　　　　　|i ||:|:|///〕ﾆ=-　　 | l: : :/　 V⌒V:＼　　　　　　　 相手はロストワードや、あのアリス・メルキュリーや！
　　　　　　　　|i7⌒V|　V寸ﾆﾆ才　!: /　　　＼_,V⌒ :、
. 　 　 　 _　--厶ヘ V　 V /⌒丶　| {　 　 -=ﾐ,V{　　,ハ　　　　　　おまけに随伴機ネクストが二機もおる！
　　　　 〈,　　 / 　 　 V　V^V__/^V　|/　/　 　 ＼　/
　　　　/∧　/　　　　 }.　 }i /　Vi{　 」　/　 ______　/　　 __　　　　　　勝てるわけあらへん！
.　　　 {　　V　 　 　 ,リ,　　}i　　 i{　 }i,　 ／　 　 |ー━=ﾐ」
　 　 r」　　⌒ー‐―(￣￣〉ﾑ　 /| 　i|／　　　　｜　 　 _.」Ｌ
　 　 |⌒ー}　　　　 /　 　 ＼ V　　 /　　＼　 　_|　　ー=ミ__ )
　 　 |　　 ﾉ　　　 ,/　　 　 　 ＼　./　　 f/―‐┐＿__　　　}　＼
　　 ∧__(___　　_/　　　　　　　　＼　　 /　￣￣〉　乙...
　　　　/　　　/八　　　　　　　_ji斗〜'へ　￣￣| 　 」(
　/　 /　　　/￣,.. ．-‐　'''""~ 　 　 　 　 .V　 rﾉ.　　　＼





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　 ,. -‐-､　　　　　　　　　　　　　／:/⌒
　　　.. ／: : : : : :ヽ　　 . . .-――-. . ､　l: :/-‐: ￣￣｀ヽ
　　.／: : : : : : : : : :／: : : : : : : : : : : : : ｀ヽ: : :-＝＝ﾆ￣｀＼
　　i: : : : : : : : : :／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :_: :＼
　　|: : : : : : : : /: : : : : : :＼: : : : : : : : : : : : : :i: : : : :＼ヽ: ヽ
　　| : : : : : : : !:{:{: : : : : : : : :＼: : : : : : : : : : :l: : :l: : ヽ:ヽ ヽl
　　| : : : : : : : l: l lヽ: : : : : : : : : :＼: : : : : : : l: : : l: : : i: :l　 }
　　|: : : : : : : : l: l:l: :＼: : : : : : : : : : : : : : : :/'´}: :l:/: : l: :l
　　|: : : : : : : : ﾍ: : : : : : : : : : : : : : : : : : r‐/〉': // : : ﾊ: l　　　　　　……。
　　|: : : :l: : : : : :|ヽ: : : : : : : : : : : : : : ／{ l .l'ｲl /|: : / .}/
　　|: : :/ : : : : : l　_ヽ: :⊥: _: : : : : ／　　〈ｲ: l/' l:／　　　　　　　　　「なのはちゃんっ！　なのはちゃんからも何とか言うたってや！」
　　|: :/: : : : : : /./'⌒l´　　　｀ー ´　　　　.l: :l　 '
　　|:/: : : : : : /　r-'＝＝＝=_-､ /　　 ／l: ,ﾘ
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4451： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/10(金) 21:47:39 ID:kM.XDmWY0


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│　　　 ∧jﾊ.:′.:.:.:.:.′〃xｆz左ｚ,;,X, .j:/ !:;|:.:.:l.:.:.:.l.:ﾍ.:.＼.:.::.':;.:.';　　　......│
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│　　 　'.:.:.:;:升∧::.:.|.:.:{ｲ ,伐::::::斥′　　ﾉクｻﾄxj:.:.li.:l.:.ﾊヽ.:.';.:.:;.!　　　　..│
│　　　　∨　 !′l:.:.:|:.:.! ､辷ｰクﾉ　　　 　ｹ云x.:ﾉﾒi.:/.:.:.:.:l.:.:.:.:.l:.!　　　......│
│.　　　　 ゞ､)l::.:.:ゝ:ﾍ､:!　｀¨¨ﾞ`　　　　　/.::ﾇﾘｹ;´.:;ﾘ..:.:.:.∧:l.:.:ﾊ!　　　　 .│　　　　　やる夫君。
│　　　　　 'iｰl;:.:.:.::.个｀　　　　　　　　　匕ﾞ.ノ_ノノ/!:.:.:.;/　ﾚノ　!　　　　 .│
│　 　 　 　 l.:人::.:.:.ﾞl　　　　　　 　 　 　 ¨`て.._｀V.ﾊ.:::/ 　 !′　　　　　...│
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│　　ｲ´.:::.ハﾍ　'､l?∧　　　　　　　 　 .,／: :.j　 ／}′　　　　　　　　　　 │
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│　 　ｊ::::::::.ﾍ　　＼　　＼ﾍf＞.ｰ イ. . . :＜.:.:.:.';.:.:.:|.:|　　　　　　　　　　　.│
│／¨ ﾍ:::::..∧ /＼｀ >ｰ<cﾊ. . . . . . .fヽ,¨ -ﾅﾍ.';.:.:|.|　　　　　　　　　　　 │
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│/V//,∧:::::..∧､/　 >介ｲー"´　／.:::.∧//zj.:.:.';.:.|　　　　　　　　　　......│
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　　　　　 　 /　/ｨ　　　　　　}i　　　　∧
　　　　 　 /ﾔ'7=ﾆ二二二≦_｣Ｌﾍ/　 ∧
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　　　　　:; 　}(●）　　（●　）　〉 人 /　/^}
　　　　　 '､ {（　ｨ'　　　　　　/／Ｌ {__/(__/
　　　　 ＿{へ≧＾ゝ､___ノ_z彡二弐≠ ＞／￣￣ミヽ　　　　　　　　　応戦しますお。
　　　　r{_ `ｰ=＜三＞'’ ）二二 ／　//　　　___　　　＼
　　／/ ｛＼　　｀￣　 /二二／/ 　/ｲ　　 Ｙiっ) -┐　 ＼　　　　　　「やる夫君っ！？」
　｛　　Ｖ 〉　　　　　　〈ﾆ二彡イ　 ｛ ｛　 　 }｣つ）二! -02 |ｌ
　｛　 　 i ＼ 　 　 　 /｝ト､　　 i　 /八ヘ　　￣´　　　　　 |ｌ
　　)〉=ﾆi　　＼＿∠_//ｚ/＼　i／　　＞　_　　　　　　 　 /ｌ
　　　汀 i　　　 〔_二//￣　　 ＼　　 /￣７ 　 ＞＝-≠〈/
　　 ！| iﾄ　　　　＼　　　　 　 　 ＼/　 /　　　　　　勹[_]
　　　　　｀v 　　　　＼　　　　　　　 ＼/　　 　 　 　　/
　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　 ＼　　　　 　 /

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
なのはの勤めて冷静な声に、同じように、粛々と返す。
はやての悲鳴染みた声が響いてくるが、心が軋むのを承知で敢えて無視した。

メインブースターが激しく唸り、機体を宙へと押し上げていく。
海上で逃げ回るよりは、空中で三次元的に動いた方が被弾も抑えられるはずだ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4452： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/10(金) 21:52:16 ID:kM.XDmWY0

　　 　　　,,, ＝＝＝＝,,
　　　 　〃　　　　　　　u.＼　　　　　　逃げようにも逃げられる相手じゃない。それで艦が撃沈されても終わり。
　　　/ 《　　 ─　 　 ─ 　 ヽ
　　　|∩||　 （●） 　（●）　 }}　　　　　 ここでマーシフルが撃墜されても終わり。つまり、勝つしかないってことだお。
　　　|∪《. u 　（__人__）　　∥|
　　／＼　 ミ三∩_ノ ⊃彡 ／ゞ　　　　 「……わかってるみたいだね。それなら、私からは何も」
　/　　乂 ゝ _／ ＿ ノ ＿イ,＿)
　(　, ′ヽ ／　 ,,;;; ｲ/　　 i　　i
　 ＼　　 " ` ､ ／￣￣i￣"　 )




　　　 　 　 　 , - ‐‐‐-　、:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ、　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.ヽ、
　　　　　,イ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.ヽ:.:/く::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ｉ
　　　 ／:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:--‐ヽヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.: |
　　 /:.:／:.:.:.:／:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:./:.:.: 7|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
.　 /／/:.:.:.:/:.:.:/:.:.:.:/:.:.l:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.!: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
.　/　 ,':.:.:.:/:.:.:.ｉ:.:.:.:.:.ｉ:.:.:|:. ∧:.:!､:.:.:.ヽ:.:.ヽ__:.:.:.:}:.:.:.: }:.:/　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |
　　　,':.:.:.:,':.:.:.:.{:.:.:.:.:.|:.:.ﾊ:.ｉ　ヽヽヽ:.:._メ:.´ヽヽ:.:.ｉ:.:.:.:|/:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　　　　　黛隊を全機そっちに回す！　ディランディ隊と
　 　 ｉ:.:.:/|:.:.:.:. ',:.:.:.:.:|-/_|_|　　ヽ／,イ圷≧ｉ:.ｉ:.:.|:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
　　　|:./ .|:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:!:.ｉｲうﾐ　　　 　 {::::::::ら |:}:.:|:.:.:.:!´.ヽ:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　　　　　 合わせれば下手なネクストよりも戦える！
　　　|/　 !:.:.:.!:.:.ヽ:.:.:.|〃{:::j　　　　　 辷シ　!:.:./:.:./| ヽ.} |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
.　　　|.　　',:. | ',:| .|ヽヽ｀.ﾋﾘ　 　 　 　 　 　 /:/／:.:.:!　/: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　「なっ、艦の位置がバレますお！？」
.　　　　　　ヽ|　ﾘ　!:.:.ヽ＼ ヽ　 ＿　　　　.〃|:.:.:.:.:./_/／.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :.:|
.　　　　　　　ヽ　　ｉ:.:.:人　　　∨　 ヽ　　/　 !:.:.:.:./／. 　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : :|　　　　　　　　先刻承知！　戦力の逐次投入ほど、
　　　 　 　 　 　 　 ',:.:.:.:.ﾍ　 　 `ー '　 　　　|:.:.:.:/.　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
　　　　　　　　　　　 ヽ:.:.{　ヽ、　　 　 　 .＜.|:.:./l　 　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　　この場面で馬鹿げてる選択肢はない！
　　　　　　　　　　　　 ＼ｉ　　　＞.-t ´　　　|:/‐┤、.　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　＼　　　 r､| .-　￣/　／　ｉ、　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〃.ヽ　　　.／　　 |::｀ヽ.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |

4453： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/10(金) 21:56:22 ID:kM.XDmWY0

　　　　　　　 　 　 　 　 　 , ---------- ､ 　 　 　 ／￣￣￣ ヽ、
　　　　　 　 　 　 ＿＿ ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ､　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　 , イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::く-┐:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i
　　　 　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.: /ヽ : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
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　/　　 {:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|:.:.:.┼廴/_.|:/　　ヽ:.!:. ⊥＿|_:.:.}:. i:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　i:.:./ |:.:.:|:.:.:|:.:.:. |,イう≧､ヽ 　 ヽ|芹う≦、:.!:.:.|/|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　全部、君にかかってる。
　　　　|:/.　!:.:.:!:.:.:!:.:.:.《 {::::::::ら　　　　´ {:::::刈 》/: /ヽ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　|j 　 ',:. |:.:. |＼ヽ. 辷シ　　　　 　 辷シ /:／:} /|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　 でも、君一人じゃない。味方だっている。
.　　　　|　　 i: |!:.:.|:.:.:.:ヾ､　　　　　j　　　　 　 /!:. : ｉ_,' |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　 ﾘ ヽ|!:.: : ﾍ.　　u　　　　　　　　　 }: : /　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　絶対に生き残って。
　　　　　　　　　　 ',:.:.:.:.{ヽ　　 　 ￣　　 　 ／/:.:,' 　　! :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　 　 ヽ :.:.ｉ　＞　 　 　 　 イ　/ :./　　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　＼ヽ ,rヽ. ＞＜　_／|/／　　 　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　　　　　　　　　 　 　, ヾ､{　　 ≠<´　　./｀ヽ、　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
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　 i .: .: .: .: ｉ.: .: .|.:i.: .: ! Ⅵ.:V.: .:V i:/i＼}.: .: .: .: .: .: .: .: .: }
　 |...: .: .: .: .: .: .:斗:-┼.ﾊ : }'，.: ∨＼i:ｉ}-､.: .: .: .: .: .: .: .:i
　 | .: .: .: : .:'，.: {八.:_.{/　Ⅵ Ⅵ.: }: .: .: |/ }.: .: .: .: .: .: .: .:
　 | .: .: .: ｉ.: .:Ⅵ:i爪r'ﾊ¨¨}} '， Ⅵ:|: .: .: |i　, .: .: .: i.: .: .: .::　　　　　　後生や……死なんでや……やる夫君……
　 | .: .: .: l .: .: Ⅵ:::::vﾘ　ﾉ'　}　 Ⅵ|: .: .: |//.: .: .: .:| .: .: .: :
　 |.:ｉ.: .: .:{ .: .:..八 　 　 　 　 　 Ⅵ: .: .: |/.: .: .: .: .ｉ .: .: .: :
　 |:.|八.: ﾊ.: .〈　　　　 　 　 u. 　 |: .: .: |､ .: .i : .: .: .: .: .: i
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4454： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/10(金) 22:06:16 ID:kM.XDmWY0

　.:/　　　　,.:':_:／.: : : : : :,{_　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 _}, : : : : : : : :＼i!::..　 　　',:.
.::/　　　　 ヽ; :i: : : : : : : ;': ,}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{, :i : : : : : : : ／!::..　 　 　 ',:.
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　|!　　　　　　 i!::..　　　 | : :.',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ : : i　　　　　　i!::.. 　 　 　 　 i!
　|! 　 　 　 　 i!:..　　　　i.: : :.',　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 / : : : !　　 　 　 .i!::.. 　 　 　 　 i}
　|!　　　　　　i!:..　 　 ／i: : : :.ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞': : : : :i＼　　　　.i!::..　　　　　　,i}　　　　　……了解。
　|!　 　 　 　 i!::..　　　＼', : : : : : .` ＜　　　　　　　　　　　　　＞. :´: : : : : : :/／　　 　 .i!::..　　　　　　,j}
　|!.　　 　 　 i!:..　　　　　 ', : : : : : : : : : :｀: .＜　　　　　＞. :´: : : : : : : : : : : /i　　　　　 .i!::..　　　　　　,j}　　　　　　生きて帰ります。
　|i　　　　　 i!::..　　 　 　 ∧ : : : : : : : : : : : : : : :｀¨¨´ : : : : : : : : : : : : : : : / .!　　 　 　 i!::..　　　　　　,j}
　|i　　 　 　 i!::..　　　　　,'　.', : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/　 i　　　 　 .i!::..　　　　　　,j}　　　　　　　
　|i,　　　 　 i!:..　　　 　 ,'　　 ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :,ｨ'ﾟ 　 .! 　 　 　 i!::..　　　　 　 ,j}　./
', |i, 　 　 　 i!:..　　　　 ,'　　 　 }＞ 。 ､ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ;。＜ｲ　　　|　　　　 .i!::...　　 　 　 ,j}　/
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╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
珍しく焦りを滲ませるなのはと、消え入りそうなはやての声を耳朶に残し、
目の前の空から襲い来る敵たちを見据える。

スタリオンは既に海面へと叩きつけられ、派手な飛沫を背にバズーカを構えていた。
その頭上をロストワードとヘルヴォルが高速で通過し、
ロストワードは怪物染みた両手を、ヘルヴォルはマシンガンの銃口を
それぞれこちらへと向けている。

どちらも、マーシフルを狙っていた。
奴らも理解しているのだ。マーシフルさえ墜とせば全てが終わる。
ネクストを失った桜花の残党に生きる道筋はないということを。

生き残り、なおかつ打ち勝つしかない。
それだけが、たった一つの希望のつなぎ目だ。

下↓1　どうしますか？
1．ロストワードから撃墜を狙う。一番厄介な相手を残しておきたくない
2．ヘルヴォルから撃墜を狙う。接近戦ならこちらの方が上な筈だ
3．スタリオンから撃墜を狙う。タンクならブレードの餌だし、速攻でカタが付く
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
【ヒント】
. ＿＿
_|。。::::|__　　　　スレ住民たちはシリーズ恒例1vs多数をやったことがあるかな？
ｉ::ﾞ==-/::ｉ
｀|:::::::::|´　　　　　その時の定石を思い出してみよう！
　{」{_」

4455：安価のやる夫だお：2021/09/10(金) 22:15:51 ID:bdj6GQrM0
3
シリーズの定石は知らんが1対多なら数減らすのが一番だろう、多分

4456： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/10(金) 22:23:39 ID:kM.XDmWY0
さて、選択肢安価も取れたことだし。今日はここまでとする。

短いとは言わずもがな、私も分かっている。ただちょっち限界。主に鼻と頭と腹。熱は出てないんだけどね……

次回だが、まあ、また未定だ。モコイさんはネットゴーストになりたいよ。日がなぼんやり掲示板を行き来して、週四くらいで投下したいね。

それじゃ、シーユーアゲイン。世の中も悪いニュースばっかだし、モコイさんもけちょんけちょんだし……なんか明るい知らせをチミたちに持ってこられればいいんだがね。

4457：安価のやる夫だお：2021/09/10(金) 22:24:46 ID:bdj6GQrM0
乙ー
無理しないでどうぞ

4458：安価のやる夫だお：2021/09/10(金) 22:31:06 ID:tddImn2k0
乙でした

4459：安価のやる夫だお：2021/09/11(土) 09:51:13 ID:5mui/DQs0
乙
無理だけはせんといて…

4460：安価のやる夫だお：2021/09/12(日) 18:49:33 ID:7vkgKa..0
乙でした。

4461： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/25(土) 00:47:08 ID:epfeY2Eo0
ハロー。モコイさんだよ。

散々待たせてすまないね。

ちょっとさっき連絡が入って、もしかしたら明日の仕事が休み……もとい、おじゃんになるかもしれない。

そうなったとして、投下ができそうであれば、午後八時からの開始としようと思う。

しかし、最初に投下を始めたのが2014年、もう七年だ。モコイさんも七つも歳を取った。最初から付き合ってくれてる人なんているのかね。

とにかく待っていてほしい。あと祈っておいてほしいな。

4462：安価のやる夫だお：2021/09/25(土) 00:48:11 ID:l4FJjjV20
了解

4463：安価のやる夫だお：2021/09/25(土) 12:37:59 ID:R/vyldkM0
了解
ここにいるぞ！

4464： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/25(土) 13:17:15 ID:epfeY2Eo0
ハローハロー。今日はなんとお家にいる。というわけで投下だ投下。

紳士諸君は首とケツを洗って待っていてくれたまえ。

4465：安価のやる夫だお：2021/09/25(土) 15:45:12 ID:Coq18ve.0
手洗いうがいをして待機

4466： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/25(土) 20:01:58 ID:epfeY2Eo0
　　　　／||ミ
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　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ　　　　　ハロー。
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4467：安価のやる夫だお：2021/09/25(土) 20:02:34 ID:7XikKHJg0
ハロー

4468： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/25(土) 20:07:51 ID:epfeY2Eo0

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',　　　　　　　　　みんなワクワクチンチンしたかな？　私はチンなしの身だ。
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ　　　　　 これから接種証明うんたらとかも出てくるんだろう？
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ　　　　モコイさん被差別対象になっちゃうよ……ま、黄色人種自体差別対象なんだけど。
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ





　　　　　　 　 ,- ‐‐ -　､
　　　 　　 ｒ‐ｲ: : : : : : : : :｀,
　　　　　　i /○　○: : : : /　　　/｀ ､　　　　　さて、1vs3の場面から再開だったね。
　　　　　 　i_ _ _ : : : : : : :{　 　 / : : /
　　　　　　 ｀,_　_｀=-: : : :| 　 ノ : : /　　　　　　モコイさんAC4の1vs4はクリアできたけど、ACFAの1vs5はどうにもクリアできなくてね。
　　　　　　　i: : : : :_: : : : :'y´ : : : /
　　　　　　　｀-‐､´: : : : : : : : : ／　　　　　　　　結局コジマスパークすることになったよ。皆はちゃんとクリアできたかな？
　　　 　 　 　 　 ﾉ : : : : : : : : i´
　　　　　 　 　 / : : : : : : : : : :|
　 　 　 　 　 　i: : : : : : : : : : : !
.　 　 　 　 　 （｀ー‐-　　-‐　_}

4469： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/25(土) 20:08:15 ID:epfeY2Eo0

　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.－' ￣￣ ' ｰ ､
　　　　　　　　　　 　 　 　 ,　'´ 丶. -――-　._　丶.
　　　 　 　 　 　 　 　 　 , '　,. :'´.: : : : : : :. :. :. :.ヽ, - .、
　　　　　　　　　　　 　 / ／.: : : : : : : : : : : : : :. :. :.＼ ﾍ
　　　 　 　 　 　 　 　 /､/.: : : : :._ :-: .:‐:. :-: _: : : : : :.ヽﾊ
　　　　　　　　　　 　 i　 l: : :_;.=＝､､:_:_:_:_:,:＝='-､: : : /　!　　　　　　　　　 マーシフル……やれるな。
　　　　 　 　 　 　 　 l 　 l: [i　u. ＼_.､,　､__／　ヽl}: : l 　 !
　　　 　 　 　 　 　 　 ト､ l; i}´　（●）　　 （●）　{j: :/ ／!　　　　　　　　　　
　　 　 　 　 　 　 _, - i'´lヽl: [ｌ、 　 （__人__）　　/j: //＿｣_＿＿__
　　 　 　 　 ,. :':´: : ￣ﾌｰｽﾍ:ヽ>､ 　 ｀⌒´　 ,ｨノ:.//´＼: : : : : : : ¨ヽ　　　　　
　　　　　　/-――-イ＿/: :i＼:ヽﾍ_,.ゝｰく∠／:./:.ﾍ.＿_｣-‐ '´￣¨ヽ:l、
　　　 　 ／ 　　　/个 　 ￣l 　＼: : : :＿_: : : ／ lー┘ 个＼ 　 　 　 ＼､
　 　 　 厶=x､.　 i　 |　 　　弋　　ヽ======イ　 /　　　｜　 i　 　 z=＝ ﾇ
　　　 ／　 　 ヾx|　 l　 　 　　丶、 |: : :|} 　 /_ノ　 　 　 l 　 /　／´　 　 　＼
　 .／＝=z､　　　l　 |　　　　　　三t!:_:_ｌ三ﾁ´　 　　　　l　 /! /　 　,r '二二¨」、





　.:/　　　　,.:':_:／.: : : : : :,{_　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 _}, : : : : : : : :＼i!::..　 　　',:.
.::/　　　　 ヽ; :i: : : : : : : ;': ,}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{, :i : : : : : : : ／!::..　 　 　 ',:.
.:'　　 　 　 　 ＼.: : : : : :i: {　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 } i : : : : : ／　i!:::.. 　 　 　 ',:.
　!　 　 　 　 　 i!＼ : : : !: ',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 / :i: : : :／　　.i!::..　　　　 　 ',:.
　|　　 　 　 　 .i!:..　＞ ;.i: :.',　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 / : :!, ＜.　　　 i!::..
　|!　　　　　　 i!::..　　　 | : :.',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ : : i　　　　　　i!::.. 　 　 　 　 i!
　|! 　 　 　 　 i!:..　　　　i.: : :.',　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 / : : : !　　 　 　 .i!::.. 　 　 　 　 i}
　|!　　　　　　i!:..　 　 ／i: : : :.ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞': : : : :i＼　　　　.i!::..　　　　　　,i}
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　|i　　　　　 i!::..　　 　 　 ∧ : : : : : : : : : : : : : : :｀¨¨´ : : : : : : : : : : : : : : : / .!　　 　 　 i!::..　　　　　　,j}
　|i　　 　 　 i!::..　　　　　,'　.', : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/　 i　　　 　 .i!::..　　　　　　,j}
　|i,　　　 　 i!:..　　　 　 ,'　　 ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :,ｨ'ﾟ 　 .! 　 　 　 i!::..　　　　 　 ,j}　./
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,'ililili∧i, 　 i!::.. 　 ,'　　 　 　 j}　i! ::::::::!　　　　　　　　　　 /::::::::::::::i!　i　　 　 .!　　 　 i!::..　　　 ,j} /

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迫りくる敵機を見つめ、呼び出したパラメータ画面に視線を一瞬走らせる。
正常を指し示す緑色の表示が並ぶのを見て、祈りを込めて呟いた。

「やる夫は……正直、役不足だと思う。
なのはさんと違って、やる夫は世界を救う英雄って器でもない。
本当なら……おまえに乗るには、もっと相応しい、凄くて強い人がいるんだと思う」

それでも、自分にはおまえに乗る理由がある。

「けど、おまえはネクスト、力だ。
この時代の中で、力こそがすべてだと言うのなら……」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4470： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/25(土) 20:12:00 ID:epfeY2Eo0

　 　 　 　 　 　 ,,.. ´　　　　　　　｀・ 、
　　　　　　　／　u.　　　　　　　　　　＼
　　　　　　/　　　　　　　　　 　 　 　 　 ',
　　 　 　 _l;;;;;;;;;,,,　　　　 　 ／　　 　 　 .l　　　　　　　バカな男の意地一つくらい、通せるだろ！
　 　 　 　 l;;;;;;;;;;;;;;; 　 ､_,.ｨtﾁ　） 　 u. 　 |
　　　　　　',.　　 /　i　　 ヽー‐ '　　　　/｀ヽ､　　　　　マーシフル、おまえなら！　おまえほどのネクストなら！
　　　　　　 ＼　乂人＿__ﾉ､　　　 ,. ＜
　　　　　 　 　 ＞-｀￣￣｀'　-　
　　　　 　 　 　 　 ｀ー―

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力こそが全てだというのなら。
たった一機で世界を変えられる力がネクストだというのなら。
文明を滅ぼそうとした黒いネクストすら斃したのがおまえだというのなら。

その力で、人の子一人の意地くらい通させてみせろ。

スタビライザーを起こし、オーバードブースターのスラスター部分を露出させる。
途端に緑色に淡く輝く粒子が周囲を舞い、白銀の装甲に反射する。

ジェネレーターの稼働率が一気に跳ね上がり、
駆動系にエネルギーが高速で循環する。

心臓が早鐘を打ち、血管を激流のように加速した血液が循環するように。
頭部を覆い隠すHMDから打ち込まれたAMS接続端子を通して、
この身の闘志が電気信号となり、機体へと流れ込んでいく。

かつて世界の危機を打ち破った機体が、自分の身体として猛り昂っていく。

おまえが搭乗者の命を欲するというのなら、好きにすればいい。
この際、自重していた無茶なマニューバも全て解禁だ。

一度世界を救ったんだ、今度は自分を勝たせてみせろ。
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4471： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/25(土) 20:19:43 ID:epfeY2Eo0

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　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 γ´　　　／　／　／ ／／
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　　　　_,,,　-‐''"　　　　　　　　　　　　 .／　　／　/　/　ノ /　 ヘ　　　　　　　 _..-'´　　　　　　,／゛　　.,／／
ー''''"゛　　　 　 　 　 　 ,,, -.'　　_,, -'"´ ´￣　　　γ´　　　／／　　　　　 ., ／　　　　　　 , ／ 　　 ,／ ／
　　　　　　　　　,,, -'''"　_,, -'''″　　　　　　 _..-'"　　 　 イ／　　　　 ,..-'" 　 　 　 　 ,..-'´　　　 ／　／

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
スタビライザーで重心を調整し、軽く上を向いた状態で、
全ブースターを展開、最大出力で火を噴かせる。

瞬間、それまでの海面の風景を消し飛ばし、一気に大空へと駆け上がる。
弾丸よりも速く、音すらも置き去りにして。

天高く舞い上がり、その勢いと落下を利用して、傾く視界の下方に移る
タンク型ネクストへと照準を絞る。まずはおまえからだと言わんばかりに、
二又に分かたれた刀身から殺意の電流を奔らせる。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4472： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/25(土) 20:28:11 ID:epfeY2Eo0

　　/ / 　 　 　 { 　 　 　 ヽ　　 ヽヽ
　 ,' /　　　　／{ 　 　 　 　 ',　 　 ',}
　 {/　　 / /　 .| 　 {､　　　　',
　 |l　　 'l /⌒｀寸　', ＼'⌒｀`}　 　 }
　 {l　 l　/ｨ芹斥 {＼{ｨ芹圷､Y l　}./　　　　　　っ……速い。
　 l从　 l{ヾ ﾋzﾘ ｀　 　 ﾋzﾘ ﾉノﾚi/
　　 人 ,小 u　　　 '　　 　 '7　 / )　　　　　　　が、愚の骨頂とはこのことですわね。
　　乂　 辷､　 　 - -　 　 /イ_ ィ_
　　ハ　　 )-､Y7´‐ﾆヲ イ　　_ノ⌒　　　　　　　自分で包囲されに来るなどと……
　　　 ｀Y　 __ﾉノ／_‐っ|ヽ__ノ
　　　 　 ￣_ｨ　 　 {/　/　V〕}h､
　　 ,ｨ/////}　　　|　/　　 V///〕iト





　　　　 ,ｲ　　　 .::　　　/　 i! .i!::_,,..-==- ､::`ヽ､　 __　　　　,'三三三ir'"
　　　.,ｲ　　　　ﾍ::.　　/　　,' .ir'　　　　　　 `ｭ彡'-='" ＼ /三:三:三i
　　 <､　　　　　,r'"ﾆﾗ　 ./フ､　　　　_,,.-='"　　 　 　 　 ＼三三_,,..i
　　ﾍﾐミヽ､___/ ., ﾀ'"'　./::/ 　 ＼,r=､　　　　　　　　　　　　ヾ='":/ i!
　　 　 `､`ﾐミr彡" .,' ,r'__'､　　　 .K..:|　　　　　　　　　　　 __,, ヾ/ﾆi!
　　　　　 ﾍ.ｲ /,,..-,'ｲ/　 ..:`i　　 .i　::|　　　　　　　_,,..-='"　　　,'三i!
　　　　　,ｲ　　　　 _.'イ,r-,:::,!　　.i　::i!　　 _,,. -='"　　　　　　/:,'三i!　　　　　　 ／　　　　　　後衛から墜とそうって魂胆。
　 　 　 .,　　　_,.イ::∠,,..ｲ,､ﾀi　　i　,r|r='"　　　　　　　　_,,,,,/::.'三:i!　　　　　／／
　　　　.,　, イ:_.r'`=r='" /"::ﾘｲ　i /ｲ　　　　　_,,.. -='"　_____Vﾆ三!　　　 ／／／　　　　　　　そうはさせない。
　　　　'-= ''" ,|,,,. -='""ﾍ／　　.i'"　　_,, -='"　　　　 //　 ,'三三i　　.／／／
　　　　　　 　 '､､　 　 　 .}　　　 },,.....<＼　　　　_,,... ﾗ,'　　,'ニ三:i! ／／／
　　　　　　　　 `ﾐ.､　　　 |　　　.|三三＼>=_,,'"='" //　　,'三三:i!' イ.／
　　　　　　　　　 .ﾍﾐi ､ ./!　　　i三三ン:::":::::::::::::://　　.,'ﾆ三三ﾍ／
　　　　　　　　　　　 |::,ｲﾐ､　　 i!三:ri"::::::::::::::::::://　　　.{三三三ヽ
　　　　　 　 　 　 　 ,!':::::::`ﾐ､　,':三::}|:::::::::::::::::://　 　 　.|ﾆ三三三 >､
　　　　　 　 　 　 　 {:::::::／|ﾆ`'ﾆ ./,ｲ` ､::::::::://　　　　　|三三, イ三 `､
　　　　　　　　　　　 i, ｲ　 .|ﾆ三://三`=､` ､i .',　　　　　|三／三三三ﾆ ､
　　　　　　　　　　　　　　　|ﾆ三i i__,,,... --='"i　,　　　 ./'''"ﾆ三三三三三.`､
　　　　　　　　　　　　 ._, r' |''""三三三三三.i　',　　 /　 ﾆ三三三三三 三 `､

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海上でホバリングするスタリオンへと突貫しようとするマーシフルに対し、
肩部にマウントされたグレネードキャノンの砲口が向けられる。

更にその進路をふさぐようにヘルヴォルがブレード発生装置を構えて
躍り出てくるや否や、頭上にふわりとした機動でロストワードが高度を下げてくる。

壁という訳か。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4473： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/25(土) 20:28:22 ID:epfeY2Eo0

　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　l
　 　 　 　 　 　 　 　 　　　　　　　',
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　　　|
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　_,!－' ￣￣ ' ｰ ､　 　 　 　　, - '´
　 　 　 　 　 　　　　　　　　　,　'´ 丶. -――-　._　丶.　 _,　'´
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　　, '　,. :'´: :|!; : : : : : : : : ヽ, - '、
　 　 　 　　　　　　　　　　/ ／: :, : : :ﾍ|: : : : : : : : /: :＼ ﾍ　ﾋﾞｷｯ
　 　 　 　 　 　 　 　 　　/､/: : : :i: : : :〉!､.ｲ_,､_; :イ: : : : ヽﾊ
　 　 　 　　　　　　　　　i　 l: : :_;└ ､｣ 　 　,:┘;.-'-､: : : /　!
　 　 　 　 　 　 　 　　　l 　 l: [i　 　＼-､, ､_ゝ／　ヽl}: : l 　 !
　 　 　 　 　 　 　 　 　　ト､ l; i}´　（●）::::::::::（●） ｛j: :/ ／!　　　　　　　　　　　　　　う、うぅっ……
　 　 　 　 　 　 　 　_, - i'´lヽl: [ｌ、u.　（__人__） 　 /j: //＿｣_＿＿__
　 　 　 　 　 　,. :':´: : ￣ﾌｰｽﾍ:ヽ>､ 　|r┬-|、u.,ｨノ:.//´＼: : : : : : : ¨ヽ　　　　　　　　この……
　 　　　　　　/-――-イ＿/: :i＼:ヽﾍ_,.ゝｰく∠／:./:.ﾍ.＿_｣-‐ '´￣¨ヽ:l、
　 　 　 　　／ 　　　/个 　 ￣l 　＼: : : :＿_: : : ／ lー┘ 个＼ 　 　 　 ＼､
　 　 　 　 厶=x､.　 i　 |　 　　弋　　ヽ======イ　 /　　　｜　 i　 　 z=＝ ﾇ
　 　 　　／　 　 ヾx|　 l　 　 　　丶、 |: : :|} 　 /_ノ　 　 　 l 　 /　／´　 　 　＼
　　　／＝=z､ 　 　 l　 |　 　 　 　 三t!:_:_ｌ三ﾁ´　 　　　　l　 /! /　 　,r '二二¨」、
　 ／　 　 　 　ヽ　 ｣l, 　!　　 　　　　´|: : :!´ ｷ　　　　　　l　 /ゝ　 　/ '´ 　 　 　 ヽ
／　 　 　 　 　 　l／ ﾍ　',　 　 　 　 　!: : |　｜　　　　　/　/´　＼ / 　 　　 　 　　ヽ
　 　 　 　 　 　／　 　 ヽ ヽ　 　 　 　 |: : j　 l! 　 　 　 /　/ 　　　 ﾞヽ、　 　　　　　　ヽ





　　　　　 　 　 ./　　　　　　　　 　 　 　 　
　　　　　　　　/ :　　　 　 　 　 　 　 　　　　　　:／
　 　 　 　 　 ×　　　　　　　　　 　　　　　 　.／
　　　　　　　,’｀＼　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　 λ　　 ｀ <　　　　　　　　　　 ＞ ´　　　　ヽi:i:ヽ
　　　　　　 ハ　 　 　 ヾ={ 　　　{、ｰｪイ　　　　　　　　i}i:i::; ; 　　　　　　　邪魔、すんじゃねえええええ！
　　　 　 　 i　ゝ､　　　ｲ　　　　　　　　ゝ､　　　　　　 /i:i:i:, ’
　　　 　 　 i　{:i:i:i:ｉ:７´　i　　　　　　　　　ヽー──'''"i:i:´
　　　　　 .ハ　}:ｉ:ｉ:/　　 i　　　　　　　　　　ヽ}i:i:{　 }i:i:i:i:{
　　　　　　 ∧ }i:i:{　　　.{ 　 　 　 　 　 　 　 }i:i:{　 }i:i:i:i:{　ﾄﾞﾛｯ……
　　　　　　 　 ヽi:i:｀･､__.入.＿　　　　　　　ノ}:ｉ:{　 }i:i:i:i:{
　　　　　　　　　 ヽ　 ヽ//////￣￣￣￣ ヽi:圦ﾉi:i:i:i:{
　　　　　　　　　　　ヽ.　ヾ///{　　　　　　 　 ヽi::i:i:i:i:i:{
　　　　　　　　　　　　　｀ヽゝ/{、　　　　　　 / .}i::i:i:i:i:
　　　　　　　　　　　　　　　｀ー　ﾆ二＿ ..イ　/i:i:i:i:i:i:ｌ

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視界が明滅する。脳味噌を串刺しにされて火のついた窯に放り込まれたみたいだ。
意識が半ば刈り取られ、それを強引に引き戻す。
無意識との狭間で悶えつつ、揺れる視界の中心にスタリオンを据える。

痛みと形容することすら生温い、神経を炙られるような感覚を無視し、
身体を、機体を動かすことだけに思考のリソースを配分する。
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4474： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/25(土) 20:34:28 ID:epfeY2Eo0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,..-'"　　　._,,,　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ ／ 　　 _,, ‐″/ﾞ./
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　　　　　　　　　　　　 ,／゛　　　　 ／ ./l~l, ヽ　　　　,/ /
　　　 　 　 　 　 　 ／　　　　　 ／　　ｌ !　 ｌ　ヽ　　,i' /
　　　　　　　　 ／ 　　　　　 ／ 　　　! !　　.!　.ヽ,/ /
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.／　　　　　　　 ／ 　　　　　　　　│ .ｌ./ ./ 　!　　　.ヽ
　　　　 　 　 .／ 　 　 　 　 　 　 　 l　 　/　　 .l　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_..-''
　　　　　　／　　　　　　 　 　 　 　 ゝ〃　　　　!　　　　.ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 _.. ‐'"
　　　　 ／ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 _,, -'"゛　　　　 ／
　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 !　　　　　 ヽ　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 _,, -'''″　　　　　 .,／
　 ,./　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ｝　　　　　　ヽ　　　 　 　 　 　 　 _,,　‐''"　　　　　　　　 ／
／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!　　　　　　 .ヽ　　　　 　_,, -‐'"　　　　　　　　　　_／゛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　ﾞ!_,,,　‐''"　　　　　　　　　　　　,..-'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!　　 　_,,　‐''"゛　　　　 　 　 　 　 　 　 _ ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,トｰ''"゛　　　　　　　　　　　　　　　_..-'″
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スタリオンを除き、敵味方共に遠距離射撃をするような機体ではない。
互いの射程範囲内、ロックオンアラートが鳴り響く距離に入った瞬間、
クイックブーストで無理やり進路を鋭角に変え、射線を外す。

一度、二度、三度と視界が急激に振り回されるが、狙うべき敵からは目を逸らさず、
確実に距離を詰めていく。

ヘルヴォルのマシンガンとロストワードの熱線の雨が降り注ぐ中、
弾丸とレーザーの隙間を掻い潜り、二機のネクストの壁をすり抜け、疾駆する。

スタリオンの砲塔が左右に振れ、結局火を噴くことなく虚空を衝く。
運動性能が追い付かないばかりに、マーシフルという的を捉えきれないまま。
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4475： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/25(土) 20:40:26 ID:epfeY2Eo0

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　　　 ｘ气77／＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀ﾏ＼ﾏﾄ、
　　　ｨシﾉ//≧s｡.＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀| ﾍ∨ﾄ、
＿　ゝイ//ﾉﾆﾆ二iト　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 : 　.弌 ト-、＼ __ _r;..-;..、
ニニﾆ ｀<ﾆﾆﾆﾆアニﾆ≧s｡　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,_ ゛''=;- .,.∨t.ﾍ イ /---z..;..;}
ニニニニ｀`'ー弌ニニニﾆﾆ〕iト.'　　　　　　　＼　　 　 　 '，　 　 　 　 　 　 　 　 ---__=___゛ .＿＿__∨ ∧＜ﾍ＿ｿ;..;ﾉ __　 .＼
ニニニニ..,　　,r' .｀`''＜ﾆﾆﾆﾉニﾆ≧s｡゛√,　　,r'｀w-''´ﾞｉ　　　　　　　／｀゛√,　　,r'｀w-''´ﾞ/　　　 　 〉ﾍ.∧　∧　 ￣＼≧ - 、
ニニニニ..￣ﾞｉ￣￣￣".｀`＜ニニﾆ/ニ〕iト　.ﾞｉ￣￣￣"´￣￣￣ ッo￣￣￣￣ﾞｉ￣0￣ . /γ⌒ヽ- ― ―t 、γヽ_, -_.〉三三≧ -
＼)............｡... 〈................................ `''＜ニニニﾆ〕iト .〈..............................〉.......o...........○__　; 　 . ｚ-ｿ｀´ヽ丿ト　　　 　.〉弋仆―――'´｀ー＝
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ニニ-_ . ￣ '' ッ　￣￣￣￣￣￣ﾞｉ,r'´￣￣ ﾟ￣''　_≧s｡,i_ii,ｨ　 Z／{|r‐=≦￣__,*'´ 　 ｀ヽ､.＼ヘ／|　 　 r< { } 〕tr'
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ニ=- _　　こ.／　　＼　　　　　　　　',＼.|__r─┬ﾐf__r'´:.:ヽ廴i_ｨfz'〔__|　￣ ￣'　 　 　 〈:::::::::〉‐､.、 .ﾍ , ＞/::〕.ﾄ:_:ヽ 　 /´丶、
ニニニニ- _　　　　　＼￣~"'' . ；"・．　|　`ー┴'ﾞ|:::|r─ｧ'r'､ノij,勹´_|　　　 /　　　　　 .〉‐〈::::::::〉　...∧　ｲﾞ´.iﾘ ＼＿_.{　r:::}　）ｔ
ニニニニニニ=- _　　　)　　　　　 　 　 .ｰ､_ (○)l:::l:i:::迥‐｀´ﾟ_夕,':.:{≧zr‐/　　　　 　 〈::::::::〉‐〈.ノ∨ ∧ ﾉ　　　　　　 ｀yゝ_ノイ..)ヽ
　　　　　　　　　-=ニニ=-￣~"__　＿＿＿__ﾞ､＿j__j__fΘ　 〉i‐､<(_)込r:rV　　　　　　　 〉‐〈::::::::〉　∨ ∧　　　　　　 　 ゝ__ ノ{r 、
-=ﾆニﾆ- _　　　　-=ニﾆ=-_　〉/∨//∧／i:i:]〈7: ﾉ::∧　 ,,' ﾉo .::..._ﾉ:r‐' ,ﾟ　　　　　　　〈::::::::〉‐〈 ム'.∨ ∧　　　　　　　　 ｀＞:::> ヽ
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　 ￣~"''＜ニ=- .,.ィ///////////＞'"∨　　 r‐ｧ‐┴=､_〉三〕rﾐn〕=fiミ,ﾟ　 __　　　　　 〈::::::::〉‐'!　　　 .∨ ∧ ヽ　　　ノ　　　／
　　　　　　 ..,.ィ升///}/////＞'"´f }∧/i} f´ｿ <＾　,,;:i／_ </ﾞY´ij　 ij〈ｉ　 / { 　 　 　 　 ﾞf^ヽ　|　　　　 .∨ ∧./　 ＿ ､ - ＜
　　　　　　〈/∧//／/////:/〈ニ/〉∧　　 {:l{ r‐‐‐rr/fj fj､ヽﾑ-‐､　　{　f　 |　　　　　　 l　 i.　|　　　　　.∨ ∧ ＜二-　　　 ＼
　　　　,.ィ升//77/＞'"/＞'"＼ゝ/／　r‐' _〕 l__　 : i:{----}‐:ﾟ，ro､ﾟ,　:l　ｉ　 |　　　　　　 |　 |　j＿＿　 　 .∨ ∧
　　,.ィ升///＞'"´////　　　　 ゝ,ｨとｸｸ´二≧￣￣￣￣ ェｉﾆﾆi!‐ｭ ─V 　 |　　　　　　 |　 | /ﾞ´　　| 　 　 _∨ ∧-ｔ
,ィ升／>＞´/＜　　{//{ ─≦=ｨ勹ﾉ~~￣ 　 ￣￣￣￣￣＿二>---≦ﾞ|　　i＼　　　　 ノ　 ﾚ'＿＿_i| 　 　 ＼　　　| .ニニ=-
‐= 〈//＞'"´　 　 ///,′＿〔il_f⌒.ﾞ￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼/＿＿＿.ﾞⅦ　i　｀ー─'´ ,'　 j))*､　|_｢ 　 　 　 　 　 "''-=ﾆ=-_
＿＿＿)ニニニﾆ..¨¨ ヾ/亙亙/i!、 ──────────∨亙亙亙ム､_i　,‐‐､ 　 ,' __/＼ヾ》..i! .=-_　　　　　　　　＼ニﾆ-_
＿＿＿＿＿-ニニニ .l!圭圭 i!:::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i!圭圭圭i!ｉ.|,‐‐〈::::::::〉　,'~　〉､_シ'ﾞ_｣ｉ! .ニ=_　　 ',ニﾆ=-_　 ＼ニ=-
＿＿＿＿-ニニ-----.i!圭圭 ヾ､ ﾉ ＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿i!圭圭圭 〈:::::::::〉‐〈　.,'　 /...'｀Ｙ'ヾ ｉ!...＼ﾆ-_　　.',ニニ=-_ 　 ＼ﾆ
＿＿＿-ニニニニ----.ヾ弐弐ヾ､､::::::::｀￢¨:::::::::::::::::::::::::::::::i｀-ヾ弐弐弐...〉‐〈::::::::〉　 r‐' | 0ｉ| 0i|ｉ!　　..',ニ-._ 　',ニニﾆ=-,,_　 ＼

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背後へと回り込み、海面を抉り飛ばして軽い大波を起こす。
ぶつかり合い霧散するPAの粒子と水飛沫を浴びながら、怒声を上げるでもなく、
ただ歯を食いしばってブレードを近接モードに切り替える。

取った。
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4476： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/25(土) 20:46:26 ID:epfeY2Eo0

　　　　　 ｲ ﾄ､ __〃　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ r,==r ( __ j }
　 　 　 /'_j |_ヽ＿　| 　 　 　 |　　　　 　|　 　|!　 ,.　ヽ_ノ∧!` ‐‐ '
　 　 　 `7!K<二) ) | !　 |! !　| 　　 　　 |!　|　l,　 |!ﾘ rr===､!ゝ､_
　　　　 /ｨ'ヾ,､￣　._j_j _|!|| ! ハ　 　 　 l 　|　j!_!_j ﾊ ` ＝ィK__ ) )ヽ
　　　　`´!　/ﾊi　　ヽヾヾ｀!`lﾄ､l! ヽ!.　　ﾘ!!丁|!l ﾘﾉ|!　., / /∧ー r"|
　　 　 　 |//　|^ヽヾヽ!ヽ== ､ ､ヾヽヽ,ノ "γ.='= ､,メ!/! ,.V　 l l　ﾚ'
　　 　 　 |Yﾊ　￣i　 |ﾄ !　fj　! 　　 　　 　 ' ! fj　! 1 ﾘ　/,　　 | l　　　　　　　　……。
　　　　　 ,ｨ' ||!|ハ,,　ヾ. ゝ‐ '　 　 　 　　　　ゝ- '　 / イliﾘ, 　 ヽ＼
　　　　　/ j ヾ!　|!ゝ､._＼ 　 　　 　､　　 　　 　　 ,イ ///　 　 | ＼` - ､
　　　　　V　 人　ヽ:::::ヽ｀　 　　 　 _ _　 　 　 　 ∧:ﾚ'//　　　│　 `ー'´
　　 　 　 | 　 |!ハ　ヾ,::::ヽ 　　 　　 ｀ 　　 　　,ｲ::!/　'/ 　 　 　|
　　 　 　 | 　 |ヾ　ヾ　＼ヾ`...､ 　 　 　 　 . イ |:!:/　 　,ﾊ 　 　 |
　　 　 　 | 　 |,　ハ　＼　ヽr-- ＞_-_ _イ､_ j__j/　　 ｲ|: ! 　 　|
　　 　 　 |　　||! ヾ.ヽ. 　ﾞゝ | !´::::フｲﾄ､ヽ:￣::フ　,／ ,|从 　　 |
　　 　 　 |　　ｨヽ　 　 `..､ 　ゝ=='〃|l| ::ヽヽ--/イ ,,　 |　 ヽハ|
　　 　 　 |　 ハ　'! 　 rー '´ゞ ::::::::: |l|:::::l !￣::::〃ヽ　rrァ ::⌒::ヽ





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　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,. :´:ﾊ: :,: : -: : : -: ｀:/: : ､: :＼
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　　　　 　 　 　 　 　 　 　 {: Ⅵ|,ｨ=ミ､　　｀¨´ 　 从{　},: |: :,: : : :|ﾑ
　　　　　　　　　　　　　 　 Ⅵ从{Vｿ,　　　 　 　 　 〈イ:|:ﾑ: :,: : : ﾏﾑ　　　　　　――なっ！？
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |:ﾑ　 ､　　　　　u.　,: ::l|:l|:　',　　　:.＼〉
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }:从　　 v-､ 　　 ..: |: :l|_j　　:.　　　:.　　　　　　　スタリオン、こちらへ回避を！
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: : : .､　 ｰ'　　ｲ∧￣ ∧　　＿　　:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 | | ＞-　´　/ /〉　{＿,.ィ::.:.:.:.r､　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　／ 　　 |　 / イ ／イ==､:::::://::::.　 .
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |l ＼＼　l/　,'{　／:::/ｨ^}//:::://:::::::::.　 :.
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /|　/::〉 ∨ ／ イ::::::::{イ_／::://::::::::::,.:｀ヽ :.
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,'/ /^):＼r==;=====ミ､＿＿//:::::::／::::::::::},.ィ.
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 イ:/ ｲ_==/_/__/､X＞､::/::():::::､::::,..::'::::::::::::::::://|--,
　　　　　　　 　 　 　 　 ｢::, 　,´ 　　/ /　 / ＼＞ﾑ:::ー::':::∨:::::::::::::::::／/∧/{
　　　　　　　　　　　　　／ ／　　 /^7　 /　 |　ﾏ:.:.ﾑ:::::}:::::::}:::::::::::::／/////Ⅵ 、
　　　　　　　　　 　 　 {...::/:.. 　　/､/　..::i:::::: !:::::}＞ |:::::|::::::,:::､:::／//////／〈　＼

4477： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/25(土) 20:46:38 ID:epfeY2Eo0


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／　　　／ ／　　｣　Λ　∨//|　 　 　 ＿|＿:::::::::::::::: | |　　　　　　　　　　 /::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／　 　 ／ ／　　 ／∨/Λ　∨/|　　.／￣／ ／⌒ ＼::| |　　　...::::::::::＞､、/::::::::::::
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形成された熱線の刃を、無防備に晒されたスタリオンの背部へ叩きつける。
PAが吹き飛び、装甲が赤熱し、溶解していく。
ブレードになぞられ、一文字に焼き切られた堅牢な装甲版から、
その裏側に敷き詰められていた内部機関がむき出しになる。

いくらネクストといえどタンク型、クイックブーストの飛距離もたかが知れている。
苦し紛れにブーストターンで機体の向きを反転させてくるが、
それに合わせてブーストして背後に回る。
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4478： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/25(土) 20:53:03 ID:epfeY2Eo0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　|＿
　　..._____,　____ ;￣''ー、　∧(　;　　　　　　 　 　 　 　 　 ＿＿__＼／ヽ＿＿/:ヽ.　　　 r‐.、＿＿
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　　　　　￣''ー、　　　　　　　　じ{'ｲ"'､.二二>三三三三}__:.:.:.:.:.:.／|V:.|:.:ヽ:／.ﾏﾑ__/ヽﾍ　　　／
一ー一━━≠≧z､､, 　 　 　 　 ﾚ!　　'ｲ"'' . 二二{三ﾆ==┴-r‐┐／ヽ::ソ＼..∧仆''ｱ､＿ ==,~ヽ
　゛￣―,,,＿　　　 　 　 　 　 ，　_,.. 　 　 　 . , <:.|二|≧===二フ〉ゝtﾑ.ヽ＼　} Y/`ー ≦/　 ７-/ﾑ、_
　　　　　　 ￣''ー、___＿　ﾉ!fj　j }'"　　　 .／　 ＼.:.:.:.:.:.:.:.:/／:／ ノ　 ／=->.:＼t!ﾍ''ﾀ.|＼.:.:／|.:.:.:.:.:.:.:>＿__　　　　　離れなさいっ……！
　　　　　　　　　　 二二´　 ゞ’{_ｼ　　　／　　　_r‐}.:.:.:.:.:.:.:＼~ヽ_>―<ヽ_／.:.:.:.:.:ヽ.t.:>-ﾄ　　 /ｿ.:.:.:.:.:/　　　|
　　　　,_　 -=￣￣￣￣ヾ r,　 ､ﾍ.._..-''　　 　 丿 　`"^'´￣　　　　　└.:./.:.:.:／/ﾌー>/ﾑ:ヽ/へゝ-､:ﾑ　　　ヽ
'一ー=ｧ　___＿＿＿,..--ｲ　t,O乂_ 　 .,,. ‐ ''´　　　　　　　　　　　　 __ /ﾏ/--ﾔ∧　ゝ<|//＼／ .＼--､￣|　　 ＼
　 “￣￣￣￣￣￣　ｲｧ　　　　j!∴.''´　　　　　　　　　　　　　 　 r/＿>/::::::::::::ﾄ､_フ-'￣　　 ＼／.:.:>-t＼¨ ‐ =-.＼
　　 　 ′　　　　　　　∧　　　;｣　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /.:.:.:.:.:.:>-i―ｧ':::::::|ﾌ_　　　　　|＼:<-=人　＼
　　　　　　　　　　 　 　7　ﾊj″　　　　　　　　　　　　　　　 ／.:.:.:.:.／|　|　 .||二|.|￣|ﾑ　 　 　＼￣ヽソ　　 ﾍ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＞ ´　　　 ヽ/i|　　| 　 ｲ 　 ﾉ:.:.:}　　　　　　 ＼　 　 　 ∨
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`丶､　　　　　 　 ] 　 V'///∧　 　 　 　 √ Ⅳ 　 　 ／‐=ニニニﾆア゛ :
ニﾆ=‐ _　　　　　]　　 V ///∧　∧　__,√iⅣ　　　/_‐=ニニﾆﾆア゛: : : :
ニニニ=‐_ 　 　 i] ii 　 V/////V‐=〉^^ｉ[ニi[　　　√‐=ニﾆﾆア: : : : : : :
ニニニﾆ=‐_　　 |]八　　V'////‐=/: : ::|[ニi[　　 √‐=ニﾆア: : : : : : :／
ニニニニ=‐_　　|]ニ　　 ∨//‐=/:: :: .::|[ﾆﾆⅥ　√‐=ﾆア: : : : : : :／: :
ニニニ〈＼=] 　 |]‐=＼　 .∨‐=/: : : : ::|[===[[　{‐=ﾆア: : : : : : : : : : : :
ニニニﾆ＼＼　 |]i‐=ニ＼/‐=/⌒ｱ:.:.::八ﾆﾆ[[　.＼ｉ]ｉ: : : : : : :/: : : : : :
ニニニニハ　＼7j７`マニ`マ(_／: : ::∧∧ √ . 　 _]|＼: : : :/: : : : : : :
ニニニニア`､ﾆ7７/＼ ＼ニ/7[／^７ ‐∨i√　　　_]|:. :.＼/ : : : : : : : :　　　　　　　　　　チッ……。
ニニ=‐ '゛　/∧７{' /＼｀　.Yﾆi_[‐=７ﾆﾆ√√　　　_ｱ､: : : :{: : : : : : : : :
ﾆ=‐ '゛ 　 ./∧ Vi{/　:　＼/ 〉],,[‐７ﾆニ√＼-‐…ｧ　 :＼: : ＼: : : : : : :　　　　　　　　　
＼　　　　 V/∧iV 　 :　　 Υ.]_‐７=ﾆﾆ√＼j〕iト/　 :/　/＼: : ＼: : : : :
‐= 〕iト _ __ V/∧i＼　:　　/|,ノ‐7{ニニ√＼i_＞'　 :/　/　　:＼: : ＼: : :　　　　　　　　
　＼ニニニ=V/∧ ‐}h､／=〉‐７: :〉=ﾆ√ ∨＼____/　/ 　 ／~~＼_‐=≦
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〕iト　　　 Vi〈ニﾆ ＼:}‐=ニ7‐i|: /ニ／iイi／　 ／
ニﾆﾆ〕iト,ﾉ　 `'＜ﾆﾆヽ==7‐=乂,,,ノﾆﾆ＼　　 i[
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　　　　　　　　　　〈i八ニ‐　‐=7ニィi{ニニニニ7v|
　　　　　　　　　　　`'＜=‐ ‐７ィi{ニニニニニ７ﾆV､
　　　　　　 　 　 　 　 　 `'＜ニニニニニﾆﾆ７‐‐‐V,＼

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無視された二機が襲い掛かってくるのが視界の端に映る。

ヘルヴォルが出鱈目にマシンガンを乱射しながら突撃してくる中、
片やロストワードは肩部から小出しにレーザーを撃ち込んでくるだけだった。

すぐさま、理屈ではなく感覚と直感で理解した。
あの機体の武装では、肉薄しているスタリオンも焼きかねないのだ。
ならば取る行動は決まっている。
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4479： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/25(土) 20:59:26 ID:epfeY2Eo0

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　　　　　　　 ,ｲ／! ﾚ .ﾚ　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : :i;|　'　　　　　　 　 　 　 | |　　　　 　 ,/ 　 ,/
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　　　/´　＞　,.イ　 　 　 ．　　　　　・゛　　 |.: : : : : :. :.|　　　,　　　 　 　 　 　 |┌一━┛
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　　　 ／／　　　　''，　　　、 　 　 |!　　 　 |!; : : : : : : |　; ’　 / !　　　　 ゛　　| |
　　　 |/　　　　　　　　　　 ヾ　　　 !V　; 　 |!.: : : :. :. :.|　　,　/　|　 　 　 　 　 V
　　　　　　　　　　　　　　 　 ，　、J　V､’　|!: :，.: : : :.|ｨｲ　/　　じ､，　’
　　　　　　　 　 　 　' 一━━　'"^″　｀ ' ┴　 一━' '"´ ゛　　　￣￣￣￣

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切り裂いた装甲の裂け目から、刀身を閉じたブレードによる平刺突を見舞う。
耐熱装甲としてはいささか脆いSI製のフレームは、
さっきのレーザーブレードによる一撃によってほとんど意味をなさなくなっていた。

容易く刀身がスタリオンの背部へと突き刺さり、ある程度埋まった辺りで止まる。
二機の位置関係がぴったりと重なる。

まさしく盾になるように。
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4480： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/25(土) 20:59:37 ID:epfeY2Eo0

　　　　　　 　 　 　 ／　　 　 　 　 　 　 　 　 ｀＼ 　 ＼
　　　　　　　　　　/ 　 　 ／　 　 　 　 　 　 　 　 ＼ 　 ∨
　　　 　 　 　 　 ,　　　／ 　　/　　 　 '　 ＼　　 　 ∧　 ∨
　　　　　　　 　 　 　 /　 , 　/　 　 　 |　　　∨　　　 ∧　 ∨
　 　 　 　 　 　 i　 　′　|　 {'　　　　 l　　 　 ∨　　　 ∧　 }
　 　 　 　 　 　 |　　{　　 |　 | ',　　 　.{､　　 　 ∨ 　　　 }　 }
　 　 　 　 　 　 |　　{　　 |　 |　', 　 　 ', ＼　　　∨　　},/　.,'
　 　 　 　 　 　 |　　{　　_|-‐- ､ヽﾄ､ ヽ} _,. -‐‐‐ }　　 }　 /-‐x
　 　 　 　 　 　 |∨ ﾑ　ヽ{示心:::::::::ヽ}:::,イ示ﾃi7|　　/／}⌒)ﾉ
　 　 　 　 　 　 |{ ＼ﾑ　 { 弋ﾋｿ:::::::::::::::::::弋ﾋｿ '/ /イﾉ　 }
　　　　　　　　　　{　ヽ',ヽゝ、　　　 　 　 　 　 厶ｲｰ_'__／　　　　　　　　　　あっ――
　　　　 　 　 　 　 ｀i‐-= .,ﾍ　.u　　 '　　 　 　 /ー‐‐'´
　　　　　 　 　 　 ＿二 ‐ゝ-＼　　ｰ 一　　／--'´
.　　　 　 　 　 /´ヽ(ニ)ﾆﾆヽ／〕ト　__ 　ィ〔}ﾆ＼ _,.=-‐‐-=.,_
　　　　 　 　 /: : : :}ニﾆﾆﾆ/ﾆﾆ／}　　　 ／ﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆ(ニ)/ヽ
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　　　　　　 {: : : : : :|: : : :/ﾆﾆﾆ＼　 ／ﾆﾆ==/: : : : : : ／: : : : : |
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更にサイドブーストを吹かすことで、自機ごとスタリオンを無理やり旋回させる。

そこへ今にもレーザーブレードを振りかぶり、
マーシフルに斬りかからんとしていたヘルヴォルの姿が、
スタリオンの巨体の向こうに隠れた。

勢いあまって衝突した二機のネクストが響かせる鈍い音を聞きながら、
ブレードを突き刺したまま展開する。分厚い装甲に亀裂が走る。

歯を食いしばり、引き金を絞る。
内部で炸裂した凄まじい熱量が装甲板を膨れ上がらせ、
それを見て咄嗟にスタリオンへと無造作な前蹴りを叩きつける。

機体の脚力とブーストで跳びあがり、一瞬のうちに距離を取る。
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4481： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/25(土) 21:07:54 ID:epfeY2Eo0

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　　　　　　　　 　 　 ─＝二て　人从#ヾ|＼/人从/　　／　＼ヾ　／/　#i∧ノ/《ヾノ！　　ノ/人从／

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巨像から炎が上がり、コジマを含んだ大爆発を巻き起こした。
火の玉となった装甲やパーツの破片が飛び散り、海面へと降り注ぐ。

その中から、炎から逃れるようにして横っ飛びでヘルヴォルが現れる。
スタリオンの爆発にもろに巻き込まれたのか、PAも消滅していた。
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4482： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/25(土) 21:08:15 ID:epfeY2Eo0

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..-‐''"　 　　　　　.l ﾆﾆ┐　　　　　　,,..-　　　 ,'ﾅｲ 　 }／　　 　 　 ｀´　　　　　　　　　 ｀ミト≦､i:i:i:∨ /
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　,／　　　 | │　　　　　　　　　　　　　ｌ ./ﾍ_　　　 　　　　/ ｌ　　　./ /　　　　 │ ll　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ　 ﾞﾞ'!!ﾝｰ
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　　　　-/＾／　　　　 ,,....---'ﾆﾌ''"　　　　　ｌ │　　　　ｌ　 ﾍ　　　　　-ﾚ　　　　 （　_/" 　　l　lﾅ　　　　　　　　　　　　　 ＼　　ｌ､
　　　　/　l　　　_-‐''ﾆ..-‐"´　　　　　　　　　l 〉　　　　 1　 '、　　 /／　　　　　　"　　　　　 1 ﾞ<....┐　　　　　　　　　　　　ｌ_　　':
　　　/／　　　　''、'l　　　　　　　　　　　　　／'ｌ　　　　 :!　 .|'　　　1ﾞ　　　　　　　　　　　　　 ﾞ　　　　l　　　　　　　　　　　　'ﾚ 、
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続けざまにヘルヴォルへ襲い掛かろうと距離を測っていると、
上空から援護射撃に徹していたロストワードが両の掌から紫電をまき散らし、
重量機とは思えぬ速度でこちらへと迫ってきていた。

なんだあれは、武器腕か。
腕部に多連装式のパルスキャノンでも仕込んでいるようだ。
人工物じみた紫電がロストワードを中心となって広がり、
やがてこちらへと襲い掛かってきた。

たまらず後退しつつ、ブレードを射撃モードにして応戦を試みる。
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4483：安価のやる夫だお：2021/09/25(土) 21:09:02 ID:l4FJjjV20
やったぜまず1人

4484： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/25(土) 21:12:55 ID:epfeY2Eo0

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i:i:i:i:i:i:i:i:>_´r≦　 　 ム　,'ﾍ'∨∧ニニﾆ∧= >､<,/ y'¨ Y}ニ≧ : : : :∨　　　　　　　 __ ｡r≦ﾆ}!
i_i_i_> ´＼　　　　　　 ム　 'ﾍ∨∧ニニﾆ∧ﾆ= >､=>､　!|ﾏニﾑ_:_:　-'　　　　　 ｡＜i:i:i:／}}ﾆﾆ}　　　下がっていなさい。
ニニ>'ﾆﾆ＼　　　　 　 ム　,'ﾍ___>¨´ '＼ﾆﾆ>､ﾆ ∧ニ>､_}ﾄ､ﾆ∧_　　　　, r:i:}i:i:i:i:i:i／i:i:i }}ニ′
ニ>'ニニﾆﾆム　　　　　 ム　　 ‐‐∨ /ニﾆﾆ∧/ﾆ∨､ニ>､＼/∧ ､　 ,:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/i:i:i:i:i:i:}!ﾆ′　　　火噴いてるわよ、あなたの機体。
>'ニニニニ>'ﾆム　　　　　}}!　　　　∨ /ニニﾆ:|ニﾆ>､ヽニ>､＼=-/＼i:i:,i_i_i:i:i:i<:i:i:i:i:i:i:i:ヽ′
ニニニﾆ>'ニニﾆム　　 　 }}!　　　　 ∨ /ニﾆﾆ{_ニニﾆ>,ヽﾆﾆ>､_/=- ∨ ,/ /∨i:i:i:i:i:i:i:i∥　　　　　邪魔が入らないようにしてくれればいいわ。
=ﾆﾆﾆ>'ニニニニﾆム　 　 }}!　　　　　∨ /ニﾆﾆ{≧ ､-={i:i:∨ﾆﾆ{=-＞､∨ /__}}i:i:i:i:i:i:i ∥
..}- >'ニニニニニﾆ>':ム　 :}}}　 　 ､　　∨ /ニニ{ニﾆ ＼ヽi:i∨ﾆ>､ﾆ=- ＼′ v!:i:i:i:i:i ∥　　　　　　「くっ……」
/>'ニニニニﾆﾆ／イ,'=/:><´ 　 　 <>　 '∨ /ﾆﾆ'∨ニﾆ _ヽ∨∨ﾆﾆ>､ﾆ=-∨／}i:i:i:i:iノ′
'ニニニニニイイ-/,'_,/ ∧ :>,　 　 　 <>　∨=-≦:∨,ニニ≧s｡}}ニﾆﾆ>､=- ∨≧=≦
ニニニ＞¨´ ,-=,/ニ/ / /∨} >　　　　 <>,／ニニ≧＼ニニニニニニニ>､(ﾆﾆ≧ﾑ
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　====っ'''''''''''''''''''''''',＝＝ユ,,,_ {:`<え≦)''ﾍ<::,r=ﾍヾ.､ﾊ
　　　　 `====----くrY彡"T"" )<,,ﾍ}r,､ﾐ`==ﾘ　　ﾍ:',ﾍ::}
　　　　　　　　　　　 `''""""""'='.{::::' r'､,r==.{　　　　 `' "　　　　　　了解、敵ノーマル隊の駆逐に移行する。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'.}/∠r=='` 'ﾍ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r彡､i'ン`∧::::::::::i　　　　　　　　　　　……頼むよ。
　　　　　　　　　　　　　_,. r='"-'_,,.{ /,/.}､`<>,､,,:::ﾍ
　　　　　　　　　　　　　ｱ >ﾖ＞.{､:::Y／| .}'",r ﾐ ､:::ﾍ
　　　　 　 　 　 　 　 　 Y､ <y'",} y'　|　 rN"|　ﾍヾ:::ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ/"`''　　{ t彡 Hi! ﾍ}　ヾ:::',
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ! |　! {.},! .ﾘ　　 ヾ',
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾍﾍ_N!､'!ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　T"ｲﾘ'"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 'Y''|::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`i!ﾘ

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敵機が二手に分かれ、ヘルヴォルが踵を返す。
その先には、後退していたディランディ隊に加え、今しがた参戦した黛隊、
更には艦載機発艦を行うために浮上し、
カタパルトを展開する潜水艦アマツの姿が見えた。

まずい。
さすがにこの速度と火力を併せ持つロストワードに食いつかれたまま、
支援に向かうわけにはいかない。

向こうの防衛戦力もノーマルACと艦載機群だけだ。
手負いとはいえ、ネクストに襲われたらひとたまりもない。
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4485： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/25(土) 21:17:45 ID:epfeY2Eo0

|.　　　　　　/　 　 　 //　/ 　　/　　　　 ＾ヽ　　　　　　　　　 ＼二 〉
|.　　 　 　 /　 　 　 //　/　　 /　　　 l/`ﾚi ヽ　　＼ヽ　 　 　 　| 〃
|　　　　　/　 　 　 //　/　　 ,.　　 　 /ー‐l　Ａ　 　 トl　　　ヽ.　|｜　/
l　　　　 /　　　　 //__/　　 /l　　　 /　　 ﾊ/ ｛　　 ヽl　　　　|　lィ　 !
l　　 　 /　　　　 //　′ 　 '_」　 ィ７　 　 | |　 ∨　　｛　　　　| / |　｜
|＿＿,/　　　　 //｜l　, |　|_」 ム| |.、　　| |　＿>、　 ヽ　　 // ｜　|
￣￣＼＼　　./////∨ |　|´| lャ丈､＼　| |´ｨ赱ｱ>､　 ＼_// ,./|　｜　　　　　　……見たなおまえら！　あの小僧、一機墜としたぞ！
　　　　 ＼＼//ﾆ ｨ(_// ゝ.ゝ| |￣　｀＼! ゝ!　　　　　＞　　ニソ∧　|
＿＿＿＿_ｙ /l＿_| ｀ ゝヽ＼ゝミ-　　　}　｀＼　 ゝ二ｨ　, /　　 'ｌ　ヽ|　　　　　　　てめえらも根性見せてみろ！　相手は手負いだ！
　 | | |　　 //　_____＞┐, ﾍ.､≧=‐　　 ,{ 　 　 ｀ 一／／｜　 /｜　｜
　 | | l 　 // ｙ　　　,(__ｊ/ | .≧‐　　　　ヽ ´　　ー ´イ　 /l　 / /|　　　　　　　　　　対ネクスト戦闘訓練を思い出せ！
　 | | | . // /　　　 ゝ- / V{__l＼　 ゝ＝＝＝ラ　／l/ / ｛　' /. |
　 | | レｌ l /￣　　 〈　/　 |ﾍ _＞ヽ　｀¨二¨´　∠.彡' /　∧| '　 |
　 | | ﾚ//,′　　 　 .ｙ′ ∧ ＼　　丶＿＿ ∠　/　 /　/　 |. 　 |
　 | |ﾆ ｲ.′　　　　｜　　|　V　｀ ￢　工　工　ｲ　 /　 |　　|. 　 |
　 | |　/｛　　ｒ　　、 lﾍ.　 l　 ∨　　 |　 |　　|　　〉　|　　|　　|. 　 |





　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　 ／:／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:::::}::::::::::::::::::',
　 　 　 　 -=彡イ::::::::;;::::::::::::::／::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::/:/:::::::::: /}::/}::::::::::::/:::::',
　　 　 　 　 ／::::-‐''":::::::::;:イ :::::::::::::::::: /:::/:::::::::::::::/:/:/:::＼::://:// ::::::: /:::::::: ',
―――‐:::'"::::::::::::::::;;:-''"::::::::::::::::: / :: /:::/:::::::::::::::/:/:/::::::彡＼://::::::::: / ::::::::::/
::::::::::::::::::::::_;;::-‐::''":::::::／:::::::::::::／ :: /:::/:::::::::::::::/:/:/_彡'了ゞﾐ'/::::::::／ ::::::::::/
＿:::-‐=''":::::::::::::::::;;ィ'" ::::::::: ／ ::::: /:::/:::::::::::::::/:/{:{＼　 　ん'/::＞":::::::::::/:/　　　　　　各機前へ！　一撃受ければこちらは墜ちる。
::::::::::::_. .-､--､::''":::::::::::::::::／ :::::::: ∥∥:/ :::::: /:/ .|:!>ﾐ';　　／'"! ::::::::::::: /:/
_,. ＜ : : : : ＞ 、｀　 、 :／:::::::::::::::::i!:;ｲ::/!:::::::: i{:{,ィ'|!＞'ﾞ　　　　 ',:::::::::::::/.!:!　　　　　　　 散開して一撃離脱を繰り返すんだ！
: : : : : : : : : : : :,＞　_ ｀ヽ、::::::::::／:ﾚ :|/::|::::::::::|i:|"´|　　　＿　 　 >::/!::/　l:|
-: : :_: : : ,,＞"´　　　｀　、＼:／: :＼ilililili|::::::::::|.|!　 　 ,r'"ヽ_＞'´ ::///　　ﾘ　　　　　　　　発煙弾頭、フラッシュミサイル用意！
＼: : :｀＞ 、　　　　　　　 ヽ ＼ : : : ＼ilil＼:::: |､!　　　ヾ／ |:::::::／／
ililil＼: : : : : ＞ 、　　　　　　 ＼.､: : : : ヽiｌiｌ,＼{ ＼　　 ,rﾞ　 |:／／　　　　　　　　　　　　　　まともに戦うな！
ilililililil＼: : : : : : ＼　 　 　 　 　 ヾ、: : .　ヾ　　 ＼ >'ヾ、　 ´／
ililililililililil＼: : : : : : ＼　　　　　　　|: : : :　　',　　　ヾ 　 }
ilililililililililililil＼: : : : : : ＼ 　 　 　 ｜: : : 　 /}　　 　 ｀¨´





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/
)ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　/__/
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　　　　 {　　　 /:::}￣｀`''＜//《////.＼　　　 〃　ゞヽ 込ソ/ ァ/ ｀´ o＿ (.＼ ＼ ＿　　 　 　 　 ｨ　lヽ　{ヽ 〃　 ／　　　 Vj　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 . , : :γ⌒ヽ
　　　　∧　　/＼{＿＿　　厂 /二`弌/.＼o　{γ:´: /. 代Hj （_/ ﾟ ≦===ミ 〈　> ｲ　 ⌒ヽ （ {　/: :二 ∧, //'　 /　　　　　oﾊ　　　　　　　　　　　　　 　 __. . ＜: : : { : : {{　　 }}
　　　　　 ＼/:::::::::::::/　￣￣`＜ﾉﾉ⌒＾^'.ﾄ､ ｰ〈ﾐx : ｰr-:' : : _/7´　　 　 ﾊ//..,′ ′　　　 ヽ＼､: :|ﾍ ヽy/ { {､ j 　 o　＞===ト ､　　　　　　　　　 . . ＜〃: : : : : : : 弋: : ゞ=="
　　　　　 /ー‐=彡ｲ: : : : : :::::{ |┴.r＜⌒ヽ ＞＿｀ }/7_ /／ へてヽ...＿＿＿{ 　{　 　 　 x=ミﾏ＼ﾄ∧__}!Y:i ｀ ´ 　 ／　 ．-──＞　　　. . ＜ : : : : : : {{: : : : : 斗　　´
　　　　　{─ァ‐‐ｰ=ミ≧s｡.,:.∠二 ヽ/_￣　¨　　 　‐-===｀ ｰ┐ __ｰ.ヽ　 　　 ∨人　　 〃 　 }}:|.:| ヾfY{l|人ゝ0_ 斗＜　￣ミ ＜ . . ＜: : : : : : : : : : : 斗 ﾞ　´
　　　　　| ／　　　/　/ .(二{ { (二二≦三三ミ辷ァｧz ､-- ､ （ (＿((´::::.＞､　 乂o ）　 l!ゞ=彳: Ⅶ:.圦刈 : : 7三} ヾｲ ヽ . ＜: : : : : : : : : 斗　　´
　　　　　く　　／￣`ヽ､　　 ｀ ｰ'＞ ー-＜_っ‐─ゞr┴‐ ､:弋フ､ ＼ .／ 　　` ＜ 　 o　} ' T: : : :ⅦLHУ:／ﾆ＞. : :´ : : :_:_ 斗 r≦_ ヽ
　　　　　　^У／￣ヽ　}　 /　 ｝: イ´￣￣＞￣ヽY´￣: 7 : ／ :... . ／　 　 ， 　 / (>ｰｲ＿_L_ミ=ｘ: :斗r≦: : : : : 斗r≦ (ヽヾ ' ＼ﾏヽ｀ }
　　　　　＿〈　＼::::::/　}／　　ﾚ _〈__xﾍ 　 　 ´　ﾉ|: : : :/: / : : : ', : :.-─=､ ｱ丈＞　/ / ＞ ヒ Y: : : : : :斗_ｧ､´＿　 V く xへ　　　>: : ｿ
　　　 ／　／＼　￣ ／　　　 ./ 〈　　.ｨﾍ 　　　/: ゝ-:ｲl: :| : : : : :',: : : : : :ﾉ.(/　＼ く r[]: : : : : : ゝ≦ｭ :|: : : :ﾘ: :_: ､ヽ ＼ ヽヽ ヾイ彡"
　　／　／　　 /￣　　 　 　 ,〈　{>=ﾐ ／r　　 ∧.: .: .:/ l: :| : : : : : ィ彡._r≦.:＼ 　 ＼弋ニ:_:（(＞＜LT:l､「: f:（＿）､＼}　 ￣｀¨´
..／　／癶　　,'　 　 　 　 ／ 　７ ＿ ）へ _／　 ∨.:/　.レl : :／／...rf_ z//_ - ＼　/! f ﾆ⊃ｰ //､_ヽ ──ﾄ､Y /:.:＼＼
　　/　/::/　　{　　　 　 イ > ／ 　 }　　　 　 　 　 ∨　　　|イr　}　 　_ _//　_/7＜` 弋i{三}: :Y:/ゞ-ｿ-──j´ }/: : : : :＼|
　　　　　　　　　　　 　 ／／　　　ハ　 　 　 　 　 　 　 　 ゞ ^ 〈__f´､/ /　/ /_'∠.:＞､__ﾍ: : .:∧: :{ : r──}: :〈 : : : : : : :j ＼
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　/　　`フ l　} ﾊ :}:/ 　 :|´l.:.:.:.l｀|　　 　 {ヾ〈 ` ミ〈＼r ｿ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／　 { ＿／ z弋＿ ゝ'　　　| :i.:.:.:.i: |　　　　∨l ヽ　｀_}Y´ﾍハ

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だが、聞こえてきた無線は絶望の悲鳴ではなかった。
スタリオンの撃破が彼らの中の流れとでも言うべきものを変えたのか。
襲い来るヘルヴォルに対し、彼らは粛々と隊列を組むと、
それぞれの得物を構えていた。

深緑の狙撃支援部隊を背に、赤い前衛機たちが散開して待ち構える。
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4486： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/25(土) 21:18:49 ID:epfeY2Eo0

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│　　　|:./ .|:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:!:.ｉｲうﾐ　　　 　 {::::::::ら |:}:.:|:.:.:.:!´.ヽ:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　......│
│　　　|/　 !:.:.:.!:.:.ヽ:.:.:.|〃{:::j　　　　　 辷シ　!:.:./:.:./| ヽ.} |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│　　　　繰り返す、敵ネクスト一機撃破！
│.　　　|.　　',:. | ',:| .|ヽヽ｀.ﾋﾘ　 　 　 　 　 　 /:/／:.:.:!　/: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│
│.　　　　　　ヽ|　ﾘ　!:.:.ヽ＼ ヽ　 ＿　　　　.〃|:.:.:.:.:./_/／.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :.:|　　　......│　　　　 各艦載機、残存勢力の迎撃に上がれ！
│.　　　　　　　ヽ　　ｉ:.:.:人　　　∨　 ヽ　　/　 !:.:.:.:./／. 　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : :|　　　......│
│　　　 　 　 　 　 　 ',:.:.:.:.ﾍ　 　 `ー '　 　　　|:.:.:.:/.　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　......│　　　　　
│　　　　　　　　　　　 ヽ:.:.{　ヽ、　　 　 　 .＜.|:.:./l　 　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│
│　　　　　　　　　　　　 ＼ｉ　　　＞.-t ´　　　|:/‐┤、.　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│
│　　　　　　　　　　　　　　＼　　　 r､| .-　￣/　／　ｉ、　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　......│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〃.ヽ　　　.／　　 |::｀ヽ.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　......│
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なのはがネクストが一機墜ちたことを強調するかのように通信を入れる。

スタリオンの撃墜が、絶望と閉塞感に満ちた戦場の風向きを大きく変えた。
微かに崩れた絶対的不利が、相対的に希望となって士気に火をつけたか。

誰一人恐慌状態に陥ったりもせず、ヘルヴォルを迎え撃とうとしていた。
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4487： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/25(土) 21:24:48 ID:epfeY2Eo0

〕iト　　　　　 ＼: : : : : :＼　　　'∧: : : ∨ / : : : : : :.j{　　j{: : :　　j{: : : : :′　　 　_ア: : : : : ,ｨi{　　　　 . : : : ィi〔
　　　 〕iト　　　　　: : : : : :＼ . / ∧: : : ∨ / : : : : : j{　　j{: :.:　　ji .: : :.′　 　 _ア : : : : ,ｨi{　　　 . : : : ィi〔
　　　　　　 〕iト　　 　 : : : : : ＼./ ∧: : : ∨ / :. : : :.j{　　j{ : : 　 j.: : : ′　　 _ア: : : : ,ｨi{　　　. : : :ィi〔
　　　　　　　　　 〕iト　　　: : : : :＼ ∧: : : ∨ / : : : :j{　　j{: :. 　 i: : : ′　 _ア: : : : ,ｨi{　　. : : ィi〔
　　　　　　　　　　　　 〕iト　 : :. :. :.＼　: : : ∨ /_ : : j{　　i{.:.:. 　j : : ′. _ア : : : ,ｨi{　　. :ィi〔
　　　　　　 　 　 　 ` 〜 ､…‐-　: :. :.＼　: :.∨,　 . :.j{　　 i: : 　j: : :′_ア: : : ,ｨi{　. :ィi〔
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ` 〜 ､: :〕iト.:＼: : : /,: : : j{　　 {:.: 　i: : ′ｧ: : : ,ｨi{: :ィi〔＿＿_____
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〕iト : : : : ＼: :'/,:_:_:j{　　 i:. :._j_:'ア: : . .: :.ィi〔　''　"　~´´´
　　　　　　　　　　　　　　　　　_ ｡o≦ニ〕iト:.:.ヽ(::_:_:_:)L　 _jL:_:_:_:_): :ィi〔=i〕iト
　　　　　　　　 　 　 　 --==〜〜' "~ィi{⌒ｱへ＜≧≦}人:j{≧=ァ'/寸⌒iト　 ⌒〕iト
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ィi{⌒´_ア⌒ヽ ＼}〕iトivU:viィi〔 ｲ{　 ﾟ寸(　⌒}iト 　 ⌒｀
　　　　　　　　　　　　　　　 ィi{⌒´　_ア⌒　　　７ y'{⌒(___)⌒}彡{(.__　 ﾟ寸(_　　⌒}iト
　　　　　　　　　 　 　 　 ´⌒r‐ｧ　_ア⌒　 -‐…{ﾐ( ﾉ＼_〉〈_／＼ﾉﾆﾆ}iト　ﾟ寸L __　 _,
　　　　　　　　　　　　　　　 r‐ｧ＼-‐===ｧﾆﾆﾆﾆｱ゛ .ィi{〉_〈〕iト ‐ `'＜ﾆﾆ(ﾆ(ニr‐==〔
　　　　　　　　　　　　　　　 ξｱｧ )ニ7ｲﾆ=-‐イ ７{ {ﾆ＼i／ﾆ }ﾊ≧=‐　⌒冖〈{≧=‐r′
　　　　　　　　　　　　　　　　 `冖⌒゛´　ィi{⌒r‐j{_j:ﾉ⌒}=={⌒j{ﾆ}ト､　　 〕iト　 ゝ- '゛
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　　　　　　　　／-‐‐￣　,／ﾆ____}　　　　　　　　　　／-‐￣__／___,,,　 |　　＼__ | ∨　 | j_／　　 //　,,／／
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　　　　　　　　　　 　‐=フ''　　　　　　　　　　　＿＿____‐‐―==---==-ｷ　　　　　　　　′　　/／´　 ／＿__ｚｧ
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ロストワードの肩部に搭載されたドラム状のレーザー発生装置が煌めき、
そこから無数の熱線の矢が嵐のように降りしきる。

たまらず左手を翳してPAシールドを形成、受け止めるが、
一撃貰っただけで制波機能がダウンしかけた。
馬鹿げた出力だ。ラケル博士の遺産は伊達ではないということか。

怯んでいる隙を突かれ、ロストワードの更なる接近を許す。
橙色の大型カメラアイは騎士の兜のようでもあり、猛禽の頭部にも似ていた。
微かにマーシフルと同じ面影を宿すそれが妖しく輝き、こちらを捉える。
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4488： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/25(土) 21:42:42 ID:epfeY2Eo0

　　　　　　　 　 仄いrく艾艾艾艾癶、
　　　　　 　 　r巛Uj〉j〉j〉::::::::::::::::::::辷う、　　　､
.　 　 　 　 ｎrｎrｎrｎrｎrｎrｎ:::::::::::::::::::辷う、　　 ＼
　　　　 ／乂乂乂乂乂乂乂ｎrｎ:::::::::::::::辷う、　　 ヽ
　　　／￣　　　　　　　　　　乂乂ｎrｎ::::::::::辷う、
　　　　　　　　 　 　 ＼　 　 　 　 乂乂ｎ::::::::::rう)、
/　　　　 　 　 　 　 　 :.＼ 　 ＼　　　 乂ｎ:::::::::rう)　　 　 ′
　　ｉ　　　　　　:　: 　 ::::::.　ヽ　 :.＼ 　 　 乂辷辷く　　　　 ′
　 ::|:.　　￤　　:...:|....: i :::|　　　_}L.:. 　　 　 艾艾艾＼　　　　　　　　　　　度し難いわね……なぜそうも足掻くのかしら。
　 ::|:: |:::::ｌ|:.. . .::::::|:: 斗r七'　　　　 |l　￤ 　 Y⌒Y^　 ＼ 　 |
　 ::|:: |:: 八:::::::::::::|ｌ::ｌ::|　〕斗ぅ弌7. |ｌ 　|:　　 V⌒ト､　＼＼ |　　　　　　　　ここで私たちを斃せたとしても、
: |:八:. ､:::: ヽ :::::::八乂{ｱ乂`ｰク　 |l　 ﾊ:. 　 | 　 |ｌ　＼　＼＼
: |::::: ＼＼⌒＼/　　　　　''¨゛´ 　 八Λ|::　| |:)　八. 　 ＼　|　　　　　　　　　あなたたちに希望などないのに。
八::::::::::|＼ 托笊!　　 　 　 　 　 ./ .:/ ..:|::　ﾊ! ,.:代＿＿___＼＿＿
:.　＼ : |＼＼`ｰ1　　　 　 　 　 /／〉..:/|. /　「 ::|ｌ　　 |.　　　 ) 　　 )
＼　　丿:::::ヽヽ込､ 　　　　　　　　/／　 ′/　 :|ｌ　　 |　　　(
　 ＼　　 乂__込、 　 　_　ｰ　　　　　 ./　 /　　 |ｌ　　 ﾄ､
.　　　　（　 |:l ＼ ＼　　　　　　　　　./　 /:/...　八|: 　|:::＼
　　　　　＼|:l:: |:ﾊ　 ヽ　　　　　イ..::/　 /:/ 　 /|:: |: 　|:::::::::＼
　　　　　　 |:l:: |:: |: |: 个ヲ　厂 ハ/　 厶仏:::/＾|:: | . ├――=ミ
　　　　　　 |:l:: |:: |: |:　|　ﾉ/: 厂＼彡く／|..../: : |:: |: 　|
　　　　　　 |:l:: |:: |: |: ｜}/ 　厂￣　,ィ__八/: : : |:: |: 　|





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　　　　　　　　　　　　　　　　　￣¨ ‐==≧s|==ﾑ__,,∥ ∥ }}i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/'ニニニﾆ=- ′
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＜,'ﾆ≧/<ニニ＞¨´＜ニニニ=-､　>､

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紫電を放出しながら握られた拳が、おもむろに振り上げられるのが見える。
禍々しい関節から漏れ出す雷が大気に伝わり、PAを帯電させる。

解析をかけてもらうまでもない。
あれほどの出力の電磁パルスを受ければ、
マーシフルの装甲などグズグズに鋳溶かされてしまうだろう。

あんな兵装は今まで見たことがない。
コジマ兵器でもないのに、あれほどの範囲と火力を併せ持つとなると、
ロストワードを置いて他にいないのではと思わされるほどだ。

こいつが潜水艦の方に行かないでくれて助かった。
そうでなければ、今頃みんな消し炭だ。

迫りくるロストワードに合わせ、刀身を展開し刃を形成する。
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4489： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/25(土) 21:50:25 ID:epfeY2Eo0

　　　　　　　　　　 __´￣￣二ﾆ=　、
　　　　　　　　／　　￣´ 　　　　　　ヽ
　　　　　 　 /　/ｨ　　　　　　}i　　　　∧
　　　　 　 /ﾔ'7=ﾆ二二二≦_｣Ｌﾍ/　 ∧
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　　　　　:; 　}(●）::::::（●　）　〉 人 /　/^}
　　　　　 '､ {（　ｨ'　　　　.u　/／Ｌ {__/(__/　　　　　　　　　　　（どうする、どうやってコイツとやりあう！？）
　　　　 ＿{へ≧＾ゝ､___ノ_z彡二弐≠ ＞／￣￣ミヽ
　　　　r{_ `ｰ=＜三＞'’ ）二二 ／　//　　　___　　　＼　　　　
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　｛　　Ｖ 〉　　　　　　〈ﾆ二彡イ　 ｛ ｛　 　 }｣つ）二! -02 |ｌ
　｛　 　 i ＼ 　 　 　 /｝ト､　　 i　 /八ヘ　　￣´　　　　　 |ｌ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.－' ￣￣ ' ｰ ､
　　　　　　　　　　 　 　 　 ,　'´ 丶. -――-　._　丶.
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　　　　　　　　　　　 　 / ／.: : : : : : : : : : : : : :. :. :.＼ ﾍ
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　　　　　　　　　　 　 i　 l: : :_;.=＝､､:_:_:_:_:,:＝='-､: : : /　!
　　　　 　 　 　 　 　 l 　 l: [i　　 ＼_.､,::::､__／　ヽl}: : l 　 !　　　　　　　　　　　　……いや、考えても仕方ないお。
　　　 　 　 　 　 　 　 ト､ l; i}´　（●）:::::::::（●）　{j: :/ ／!
　　 　 　 　 　 　 _, - i'´lヽl: [ｌ、 　 （__人__）　u/j: //＿｣_＿＿__
　　 　 　 　 ,. :':´: : ￣ﾌｰｽﾍ:ヽ>､ 　 ｀⌒´　 ,ｨノ:.//´＼: : : : : : : ¨ヽ
　　　　　　/-――-イ＿/: :i＼:ヽﾍ_,.ゝｰく∠／:./:.ﾍ.＿_｣-‐ '´￣¨ヽ:l、
　　　 　 ／ 　　　/个 　 ￣l 　＼: : : :＿_: : : ／ lー┘ 个＼ 　 　 　 ＼､
　 　 　 厶=x､.　 i　 |　 　　弋　　ヽ======イ　 /　　　｜　 i　 　 z=＝ ﾇ
　　　 ／　 　 ヾx|　 l　 　 　　丶、 |: : :|} 　 /_ノ　 　 　 l 　 /　／´　 　 　＼
　 .／＝=z､　　　l　 |　　　　　　三t!:_:_ｌ三ﾁ´　 　　　　l　 /! /　 　,r '二二¨」、

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瞬間的に思考を巡らせる。

情報が脳内を高速で行き来し、選び取るべき行動を浮かび上がらせては消す。
一手誤れば即死に繋がる。敵は、それほどまでに危険だ。

あのラズルシェニェにすら並ぶだろう。
そんな相手と、自分は今一人で対峙している。

そして、開き直った。小細工が通じる相手ではない。
自分がマーシフルから引き出せる最大限のスペックを以てぶつかる他ない。

機体は負けていないのだ。
こちらだってラケル博士の手で作られたもの、そしてなのはが駆った伝説の機体だ。

勝てるかどうかは、リンクス次第だ。
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4490： ◆x0SRSoJXe.：2021/09/25(土) 21:52:56 ID:epfeY2Eo0
さて、短いがここまでだ。

私の集中力って結構短くて弱いのかもね……仕事の連絡ラッシュとかされると全然書き溜めもできないし。

次回だが、まあ、未定だ。でも、現状だと中々休みの日にゆっくり投下ともいかない。

時間を見つけてゲリラ投下ってのも人が集まらない。悩んでいる。

とにかくシーユーアゲイン。小説も書いていくからね、応援よろしくね。

4491：安価のやる夫だお：2021/09/25(土) 21:53:54 ID:7XikKHJg0
乙

4492：安価のやる夫だお：2021/09/25(土) 22:15:58 ID:l4FJjjV20
乙ー

4493：安価のやる夫だお：2021/09/25(土) 22:40:59 ID:Coq18ve.0
乙でしたー

一週目と対比して、やる夫が能動的に戦ってたり、アリスさんが敵に回ってたり、
状況はいろいろ変わってますね

4494： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/13(水) 00:47:38 ID:W/XBM56o0
ハロー、モコイさんだよ。久々にちゃんと生存報告をしようと思うよ。

相も変わらず次の休みとかさっぱり分からない状況だよ。連勤数については考えるのをやめた。

仕事終わって定時で帰れても、家に着くころには8時くらいで翌朝五時起き。残業したら十時とか零時帰宅だったり。

事務所にデスクも用意してもらえてないし、現場にネットもないから、事務仕事は強制宿題状態なのだ。家でやってる分時間も奪われている。

片道二時間いかないくらいっていうのがデカいのもあるが、引っ越してまで続けたい仕事ではない的な状況……

体調も崩しがちだけど、ありふれた体調不良って感じだから大丈夫。お金はまあ、食うに困らないくらいは。

小説もあまり書けていない。電話とメールのプレッシャーがキツイ。

投下は……来週に一日「もしかしたら早く帰れる？」みたいな日がある。もう少し鮮明になったらちゃんと予告するよ。

シーユーアゲイン。

4495：安価のやる夫だお：2021/10/15(金) 00:28:46 ID:270Nqb4c0
乙
想像以上に悪条件揃ってて草も生えない
典型的なストレスからの体調不良になってそう
生き抜く術を探していけ

4496： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/17(日) 23:20:10 ID:U.vSfUgc0
ハロー。モコイさんだよ。

次の投下なんだけどね……明後日、10月19日の午後八時からとしようと思う。

その日は割と早めに帰れる……はずだ。

しかし、仕事の予定が来週から全部さっぱりで、明日の予定すら現場次第ってのはキツいね。

何がキツイって自分の予定が一切組めない。おちおち病院にも行けないよ。

それじゃ、明後日にシーユーアゲイン。よかったら見に来てね。モコイさんもウレシイ。

4497： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 20:01:26 ID:M1jcoGRQ0

　　　　／||ミ
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　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

4498： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 20:05:55 ID:M1jcoGRQ0


　　　　　　　　　　　　　　　　　　,- ‐‐ -　､
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｲ: : : : : : : : :｀,
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /○　○: : : : /
　　　　　　　　　　┌─┐　　i_ _ _ : : : : : : :{　　　　　「仕事なんて選ばなけりゃ幾らでもある」と言われる昨今、
　　　　　　　　　　┃茶┃　　 ｀,_　_｀=-: : : :|
　　　　　　　　　　├─┤　　 　i: : : : :_: : : :'　　　　　 選ばなかった結果ボロボロになってるモコイさんだよ。
　　　　　　　　　　￣￣￣ー‐'' ｀-‐´ : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　　　 ゝ __ ,..　ｲ : : : : : : : : l: : |　　　　そう宣う連中全員に一袋25キロのセメント材抱えさせて階段上らせてやりたいね。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 { : : : : : : : : :|: :.|
　　　　　　　　　　　　　　　 ,､ '" : : : : : : : : :ﾞ､:.ヽ　　　　それを×10、一人でだ。当時のモコイさんは無事に右の手首をやったよ。
　　　　　　　　　　　　　　 （ : : :‐ ､ : : : :__,. : : :Y"
　　　　　　　　　　　　　　　` ー‐┘￣‐〈＿ ,,ノ





　　　　　　　 ､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´　　　　　　　　さて、今回は騙して悪いが1vs3の続きだ。
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i
　　　 　/ : : : : : : :┌─┐　　　　　　　　スレ住民たちのチョイスによってガチタンをブレードで即落ちさせたね。
　　　 　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ
　　　 　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿　　　　　　　ゲームでも、多数対一で勝つときは大体このパターンだと記憶している。はじめていこう。
　　　 　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ
　　　　 と_ : : : : : : ノ : :ノ
　　　　　　￣￣￣　￣

4499： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 20:06:05 ID:M1jcoGRQ0

┌───────────────────────────┐
│　　　　　　　　　／.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＞､i.:.ｲ´.:‐..:.:.─ ､　　　　　　..│
│　　　　　　 ,､イ.:.／.:.:.:.:.:.:.:,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:...:::.:´.:.:.:.:.:.:.､.:.:.:.＼　　　 　 │
│　　　　　 nﾍ.:.:;.:'.::.::.:.:.:,ｲ.:.:..:.:,ｲ.:.:.:.:.:.:.:.:;l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_.:j¨｀ヽ.⌒ヾ:.､　　　.│
│　　　 　,ｲj､.:.v.:.:.:.:.:.::/:/.:.:,ｲ/.:.:.:ﾉ!.:.:i.:..:j.:.:.:.:.ヾ;,.:.:.:.:.:.:ヾ.:.:.ヽ　 ｀ﾍ　 　 .│
│　　　　/ll!ﾊ:.:′.:.:.:.:/./.／.:/.:／.,ﾉ.;/l:.:;!.::l.ﾍ;.:.:.ヽ,:.:.:.:.:.:.ヾ,:.:.'; 　　!　 　 │
│　　　 ∧jﾊ.:′.:.:.:.:.′〃xｆz左ｚ,;,X, .j:/ !:;|:.:.:l.:.:.:.l.:ﾍ.:.＼.:.::.':;.:.';　　　......│
│　　　 l.l.ヽ.:.:|.::::.:.:.:|{:.:.,仆乞芸て卞 >′l./ｊ.:,ﾘ.:./.:l.:.ﾍ.:.::.ヽ.:.:.';.'|　　　　..│　　　　　今、こちらからの援護はできない。
│　　 　'.:.:.:;:升∧::.:.|.:.:{ｲ ,伐::::::斥′　　ﾉクｻﾄxj:.:.li.:l.:.ﾊヽ.:.';.:.:;.!　　　　..│
│　　　　∨　 !′l:.:.:|:.:.! ､辷ｰクﾉ　　　 　ｹ云x.:ﾉﾒi.:/.:.:.:.:l.:.:.:.:.l:.!　　　......│　　　　　 残存戦力全てを投入してネクスト一機止められるか……
│.　　　　 ゞ､)l::.:.:ゝ:ﾍ､:!　｀¨¨ﾞ`　　　　　/.::ﾇﾘｹ;´.:;ﾘ..:.:.:.∧:l.:.:ﾊ!　　　　 .│
│　　　　　 'iｰl;:.:.:.::.个｀　　　　　　　　　匕ﾞ.ノ_ノノ/!:.:.:.;/　ﾚノ　!　　　　 .│　　　　　　ロストワードは任せるよ。
│　 　 　 　 l.:人::.:.:.ﾞl　　　　　　 　 　 　 ¨`て.._｀V.ﾊ.:::/ 　 !′　　　　　...│
│　 　 　_,､n<　 '.:.､∧　　　　　　　ｃ｡　　　人__,¨＼:l/　　　　　　　　　.....│
│　　ｲ´.:::.ハﾍ　'､l?∧　　　　　　　 　 .,／: :.j　 ／}′　　　　　　　　　　 │
│／　l:::::::., 　＼　´､?「＞､　　　　 , イ´. 　.:.イ´.:l.:.|　　　　　　　　　　　...│
│　 　ｊ::::::::.ﾍ　　＼　　＼ﾍf＞.ｰ イ. . . :＜.:.:.:.';.:.:.:|.:|　　　　　　　　　　　.│
│／¨ ﾍ:::::..∧ /＼｀ >ｰ<cﾊ. . . . . . .fヽ,¨ -ﾅﾍ.';.:.:|.|　　　　　　　　　　　 │
│////∧::::..∧＼/∧ Y∧:lｌ. . .,,..ｲ".ｿ ',////,j.:.';.:.||　　　　　　　　　　......│
│/V//,∧:::::..∧､/　 >介ｲー"´　／.:::.∧//zj.:.:.';.:.|　　　　　　　　　　......│
│j∧V//∧:::...∧　　ｊメﾍ＿_　-ｲ.::::::::::::.∧//j.:.:.:.';.|　　　　　　　　　　　..│
│j:iV∧//∧:::::::..＼　ヽ´.:::::::::::::::::::::::::::::::::人/j.:.:.:.:';|　　　　　　　　　　　 │
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　　 ／　　　 　 u. 　 ヾ
　 ./　⌒::::::::⌒　 　》　ヽ
　/ （●）::::::（〇 )　 }}. ∩|　　　　　　　　了解！　マーシフルを舐めんじゃねえお！
　|　⌒（__人__）⌒ 　》 ∪|
　＼ミ三|￣|三三彡　 ／ヽ　　　　　　　　
　　卜 ＿兀＿ ＿_ノ乂　 __ヽ
　　/　＿　ヽヽ ＿　　 /　　　|

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
非情だが正確ななのはの言葉に荒々しく返しつつ、眼前に意識を集中させる。

振り降ろさんと目いっぱい掲げた右腕を止め、
代わりに肩に下ろして刃を担ぐ姿勢となる。

反射的に左腕部を突き出し、PAを収束させシールドを形成する。
圧縮されたコジマ粒子が力場の壁となり、見えない盾となる。

そこへ突貫してきたロストワードが視界一杯に覆いかぶさってくると、
刺々しい右の掌を掌底さながらに叩きこんできた。

凄まじい運動エネルギーの衝突に電磁パルスが上乗せされた影響か。
視界ががくりと上下に揺れ、装甲の悲鳴に鼓膜がやられそうになる。
PAシールドは一撃の下霧散し、粒子の残滓が漂うばかりとなる。
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4500： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 20:06:51 ID:M1jcoGRQ0

　　　l|i
　　　l|iﾔ　　　 　 　 　 　 　 l|i
　　　l|i:ﾔ　　　　　　　　　　 l|iﾔ
　　　l|i:iﾔ　 　 　 　 　 　 　 l|i:ﾔ
　　　l|i:i:ﾔ　　　　　　　　 　 l|i:iﾔ. 　 　 　 　 /7/7
　　　l|i:i:iﾔ　　　　　　 　 　 .l|i:i:ﾔ 　 　 rく{　| |l| |: /7
　　　l|i:i:i:ﾔ　　　　　　 　 　 l|i:i:iﾔ　　　 Vﾑ | |l| |//7
　　　l|i:i:i:iﾔ　　　　 　 　 　 .l|i:i:i:ﾔ　　　　ヾ/´ ｀寸'ﾞ　　　　　　　　　　　　 　 j{　　　 　 　 ./'
　　　l|i:i:i:i:ﾔ　　　　 　 　 　 l|i:i:i:iﾔ　　　　/　　 /'}　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 j{|　 　 　 　 /,'
　　　l|i:i:i:i:iﾔ　　　 .l|i　　 　 l|i:i:i:i:ﾔ　　　 ﾞ　　./i,'.}　　　　　　　　 　 　 　 　 j{i|　　　　　/i,'
　　　l|i:i:i:i:i:ﾔ　　　 l|iﾔ　 　 l|i:i:i:i:iﾔ　 　 {　 ./i:,' ,'　　　__　　　　 　 　 　 　 j{i:|　 　 　./i:,'
　　　l|i:i:i:i:i:iﾔ_______l|i:ﾔ__＿,l|i:i:i:i:i:ﾔニ=‐ﾟ, /i:i,'./＼／(”~｀` ､　|i,　　 　 　 j{i:i|　　 　/ｉ:,'
　　　l|i:i:i:i:／￣￣~l|i:iﾔ‐=ﾆl|i:i:i:i:i/二ニﾆ/ｉ:ｉ,'´{iﾆﾆ}/爪 =‐／^|iﾔ　　　　 j{ｉ:ｉ|　 　./ｉ:,'
　　　 ￣Ｌ〉　　　　:l|i:i:ﾔ Ｌl　￣Llﾆr‐-=/ｉ:ｉ:,'ニ乂ノ､Lリ`'く./ /|i:ﾔ　　　　j{i:ｉ:| 　 /i:i,'
.　　 　 　{{　　 　 ./l|i:i:iﾔ {{　　　{{”l. . ./i:i:i:,'＼ﾆﾆﾉ､」≧s｡,,」/,_|i:iﾔ　　　 j{rv'　 /i:ｉ,'
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. 　 　 　 乂____,/　 l|i:i:i:iﾔ{{ 　　 }}　/i:i:i:ｉ:,'Ｌ _／ _〈＼_／〉＼二|i:i:iﾔs｡　　　　　 ／)
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　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 / /　　！ﾆﾉ......//lﾆl　　　　}从ﾆ{＾'*､ 　　 ／／
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　　　　　　　　　　　　　　　　〈_/　/ニ/　　 ~~´　　　　　　　　　　 }人
　　　　　　　　　　　 　 　 　　 　 人__j]　　　　　　　　　　　　　　　辷彡
　　　　　　　　　　　　　　　　r≦r≦ノ　　　　　　　　　　　　　　　〈 ＼､＼
　　　　　　　　　 　 　 　 　　 ~´ ~´　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼{「＼〉

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心臓が一瞬止まったような気がした。
冷汗が止まらず、パイロットシートから体が少し浮いているような感覚に襲われる。

殴り飛ばされた状態からブーストを吹かして受け身を取り、
その姿勢のまま急上昇する。

肉弾戦は危険だ。やるなら一撃離脱にするべきだ。

そんな思惑を読んでか、ロストワードは更なる打撃を加えてくるでもなく、
背部のレーザー発生装置から翼のように配置されていたアンカーユニットを
伸ばした。

鋼鉄のワイヤーが射出され、AMSにより指向性を持った投槍として、
高度を上げるマーシフルへと殺到する。

小型の物理ブレードと遜色のないそれらを掻い潜らんと小刻みにQBを吹かすが、
そのうちの一本がPAのない背部スタビライザーを掠めた。

ダメージアラートが鳴り響き、視界が赤く点滅する。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4501： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 20:07:27 ID:M1jcoGRQ0

　　　　　　 　 ＿＿＿_
　　　　　　 ／ノ 　 ヽ､_＼
　　　　　／（ ○）}liil{（○）＼
　　　 ／　　　 （__人__）　　　＼
　　　 |　　　ヽ　|!!il|!|!l|　/　　　|　　　　　　クソっ！　たかが姿勢制御補助だお！　まだ終わりじゃねえお！
　　　 ＼　　　　|ｪｪｪｪ| 　 　 ／
　　　 ／　　　　　`ｰ'　 　　＼ |i
　　／　　　　　　　　　　ヽ !l　ヽi
　 （　　 丶- 、　　　　　　 しＥ　|そ
　　　`ー､＿ﾉ 　 　 　 ∑　l､Ｅ ﾉ　<





　 く::ｬ1／i 　 　 _」 L!Ｌ_j_　　! | i　 / / _j＿」 Lハ
　　 ＼;ィ个:　　 | i |_┼十_｀ ｔﾊハ/}/丐弍孑}厂i
　　　/ //|i　　　l 丐夾禾r'` 　 　 　 　 ゞこ.ノ-' |
　　 　 {:{ j:{　 　 ヽ ヽこ:ノ '　　　　 　 　 　 　 　 ,
　　 i　j/ {:l　　　 ､＼　　　　　　　　　　　 　 　 厶'
　　 |　　 jﾉ　 　 ヾ厂丶　　　　　 `　　　 　 ／　,　　　　　　　　……動きが良いわね。英雄に仕込まれただけはあるってこと。
　　 |　　　八　　＼ ` ､　　　　　　-‐　 　 　 　 //
　　 |　′　　ヽ.　　ト　 ＼　　　　 　 　 　 　 イ爪　　　　　　　　けど、ナノハ・タカマチとは少し違う……
　　 |/ 　 　 　 ﾊ　　 '.＼ :j`jr ． _　　 _ .　´ _」{.| }
　　 i !　 　 　 ,小　　 {　 i !」≧ｧ⌒7不ミ く7/,ｲ|　　　　　　　　　この感じ……アヴィアコルのあの男？
. 　 从　, -=ニﾆ=ミ　 '.　川/《 (ノ ィ介ｘ. ヾ> 》ﾊ
　 厶イ/////////ﾊ　(才7//777//ｲ//7ｧ=/,{_j
／/////////////∧　(>v/////// !///////人
////////////////∧ ﾄ(>ｖ/////　}///////厂
/////////////////ﾊ　'.　`(>ｖ/　 ﾑｨノvﾌｰ'
/////////////////}Z 　ｒ‐ｚ_/{　 _rﾍＶ⌒L「{_r
/////////////////ヲ　/》 `7:j⌒7　}:i 　 '/　′

4502： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 20:07:54 ID:M1jcoGRQ0

　　|ﾑ7　 ﾏﾑ 　/　 　 　 .!　　　|i　　 　 /　i　　　　ヽ 　 　 　　ﾍ
　　ﾑ7　　 ﾏﾑ/　　 　 　 ! 　 　l l　 　 /!　} !　　　　 l 　　.' 　 　'ｌ
　,ｲ７　　　 川i　 　 　 　 ﾄ.、＿! !　　 | |　| i　　　　,ﾘ　　/　　./ i
/イ.!　　　　{',ﾘ　　 　 　　l __＼ 「 T丶! {　ﾊ}　　　// 　 '　　./　 }
'　l | 　 　 /y'　 　l 　 　　|ヾi´¨ 示ぃ､　ヽ{｜　　//i　ｲ 　 /'　　'
./　|　　　i!|{　　　|　　 　 | 　ゝ_弋zソ_　　　}　 ／.斗‐l　 //　 /
　　|　　　|||i　　　|　　　　| 　 ｀￣　 　　　　 y'　ｨ仍７i／./　 /
　　|　　 ﾉ,ﾘ　　　iﾄ. 　　　|　　　　　　　　　　　　弋ｿ /　ムイ
　　| 　└ Π　　.iハ　　　:.　　　　　　　　　　　 ／　/　/ |　　　　　　　　思っていたよりできるみたいね。
　　|　　　 | !.　　 |　ヽ　　 丶　　　　　　　　　 　 　,′/　|
　　|　　　 |｜　　 ! 　| ＼ 　 ＼.　 　 　 ─ -､　 メ_.ｲ 　 !　　　　　　　　……他企業のメンツなんて考えてる場合じゃなかった。
　　|　　　 |　　　　|　 ト . ヽ. ＿ ＞　 　 　 　 　／!　　　ﾘ　　
　　|　　　 |　 ﾊ　　!　.{ 　 　　　　　　　　　　／　.!|　 　/　　　　　　　　　最初から私一人にやらせるべきだったのよ。
　　|　　　 | ./　ヽ.　＼ﾍ. 　　 ＞　t 　 ─ .i　　　ﾘ　　/
　　|　　　 |/.／ 　＼　＼ﾏ≠＝ 　|　　　　|　　/　　/!　　　　　　　　　　 それなら――
　　|　 　 ├──―‐＼　 `マﾆ=＞ｭ. 　 　|　./　　/｜
　　|　 　　|二二二二ニ≧ｭ=≦=ﾆ二＞ｭ､| /　 ／i　!
　　|　 　　|ニニニニﾆﾆ二二ニニニ ∧ﾆﾕ_ .イ_＝≠＝=ｭ
　　|　 　　|ニニニニニﾆﾆ二二ニニ {　ﾏﾆニニ＞ｭニニニ＞ｭ
　　|　 　　|ニニニ＞───＞ ｀" ＜　 }ニニニニ＞"´ヽニニ＞
　　|　 　　|ニﾆ＜ニニニニニニ＞　　｀" ＜ ＞"ﾍ　ヽ 　.ヽ







　` 〜 ､…‐-
.　　　 　 ` 〜 ､　〕iト　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 __ ＿＿＿＿＿____
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　 ._,,,.. i..-　.._ ｡o≦ニニィi{ ＜: : : : )L　_..jL: : : : )〕iトﾆﾆ〕iト..‐‐-....l￢''''' .－―．
‘,ﾞv=.--==〜〜' "~ィi{⌒ｱへ＜≧≦}人:..j{≧=ァ'/寸⌒iト　 ⌒〕iト.'－
'"゛ . _..-...ﾞ´. ‐.ィi{⌒´_ア⌒ヽ ＼}〕iトivU:..viィi〔 ｲ{　 ﾟ寸(　⌒}iト 　 ⌒｀.;;;;｀...-､
.,./ ´;;;;;;:;: ィi{⌒´　_ア⌒　　　７ y'{⌒(___ )⌒}彡{(.__　 ﾟ寸(_　　⌒}iト.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;’
;;;;,,. シ.´⌒r‐ｧ　_ア⌒　 -‐…{ﾐ( ﾉ＼_〉〈 _／＼ﾉﾆﾆ}iト　ﾟ寸L __　 _,.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:
ヾ,i".;;;;;;;;;;.r‐ｧ＼-‐===ｧﾆﾆﾆﾆｱ゛ .ィi{〉_〈.〕iト ‐ `'＜ﾆﾆ(ﾆ(ニr‐==〔;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:
..---―;;;;.ξｱｧ )ニ7ｲﾆ=-‐イ ７{ {ﾆ＼i.j..／ﾆ }ﾊ≧=‐　⌒冖〈{≧=‐r′.iｨ==ﾆ∴
,,,_._./ ´- ､.,`冖⌒゛´　ィi{⌒r‐j{_j:ﾉ⌒}==..{⌒j{ﾆ}ト､　　 〕iト　 ゝ- '゛.／ .;;;;;;;;;;;;;;;
　　 .''-､.;;;ﾞ'-ﾐヽ........⌒ ｀ 　 {_ﾉヽ}{　　 冖.;;;;;; Ⅵ{レ{;.ヽ ヽ .;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,ン'ﾞ
　　　　　｀''ｰ､.,,ﾞﾞ''―-'''";;;./ ﾉy'ノ..|;:;!　 |;;;;;;;;; ..＼〉 ＼　 .｀ｰ. ､;;;;;;_,､.. -ｰ'"
　　　　　　　　　 ´ﾞ'''-- ./.ノ(／.ｌ　.|;;|　 l;;;;;;;;;;;. ﾞ,　.ヽ>‐)ﾄ､ .,　 ゝ 、
.．　''=ｯr ...　　　　　　./_j{__j{).,ﾆﾄ　ﾚﾞ　 l;;;;;;;;;;;;;; .ｌ　..ｌ.ヽ{i{_r〉.｀''､.　｀''-､''''';;";'";″
　...;;;´ﾞ'″;;;;;~''ｰ.． .／ .)7 )７,ﾞ;;'lﾞ　"　 /.i_---ー.ﾞ　　ｌ.ⅥⅣ,.‐ｰ_＼　　 .l:;:;;._,;．‐
.´ 　.-　..,,..,;:;;.,.. --ﾞ 　. '′7.;;;;;;;.!　　 ./ ﾆ........ --.|　 . ! 'Ⅴ Ⅴ.´.;;;;; !　　.ｌﾞ‐''
.｀~_｀ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ ／ 　　　　,i";.,,,,,,,,,,　/ 　　.．;;;;;;;;;;;;;;;;;;; |　　 |,;;;___,,,.. ―'　!　　 .ｌ
_.　 　´゛/　　　　　　ｌ..~"..丶.../　　　 .ヽ....;;;;;_,,,,..　!　　 .|　 ＿,,,,,....．.!　.、 .＼丶
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　／ . ,,/;; lﾞ./;;:.lﾞ　!;:;;;;;;;;;;;; !　 　./ 　　.i,　　 ヽ ;;;;;　ヽ　　 ﾞ'v ;;;;;;;;;;;;;;;;.l 　　.! ;;;;;ﾞ′
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..／.;;;;./ .lﾞ.;;;;;./ ,i";;;;;;;;;　/　 i". !/..｝　 .!;;;＼,　,!;;;;;;;;;;;;; .,!　　　ｌ ;;;;;;;;; !　,/;.!　 ｌ ;;;
";;;;;;. !　 !;;;;./ ./ ;;;;;;;;;.,r'″　:!;;;,｢|　l　 lﾞ;;;;;;;　! l ;;;;;;;;;;;;　l　　　 .ｌ ;:;;;;;lﾞ ./.;;;: !　 |,;:;
;;　,./ 　││,/.;;;;;;;;;　!　　　 lﾉ゛　!,;.!　!;;;;;;;;　l | ;;;;;;;;;;;;　!　　　 .ヽ ;;;.ｌ　.!;;;;; !　　ｌ
../ 　 .／;; ｌ .! ;;;;;;;;;;　/　　.／ヽ　 |彳 !;;;;;;;;　!.l ;;;;;;;;;;;;;;: !　　　 　 ﾞ'､;:.ｌ　!;:;│ 　 .!
　 ,／;;;;;;丿 ,!;;;;;;;;;;　/　 ./ ;;;;;; !　 |;.! .|;:;;;;;;　! ! ;;;;;;;;;;;;;; .ヽ　　　〔'､ .ｌ l　ﾞl;;;;.ｌ,　　 ′
-",,,,,,,／、./.;;;;;;;;　,/　 ./ ;;;;;;;│　,!│| ;;;;;;; .| | .;;;;;;;;;;;;;;;　ｌ　　　 ! ヽ.Ｔ　 !;;;;;..ｌ
../ 　/ ゛,!./.;;;;;;;　./ 　　.l ;:;;;;;; |　 .!;;:.! `j;;;;;;. l,.! .;;;;;;;;;;;;;;;;; .ｌ　　　｝:;..ｌ,　 .l.;;;;;;;...ｌ
" ./ ;;;;; ! ｌ ;;;;;;　./ 　、　 ! ;;;;;;;｝　 !;;　ｌ　| ;;;;;;..ｌ¨ﾞ| ;;;;;;;;;;;;;; .｝　　 .,!;;;;.′ !;:;;;;;;;; .!
./ .;;;;;;.// ;;;;;;　/ 　 ,!.!　　ｌ;:;;;;;|　 .!;;;;　ｌ │;;;;;;; !　ｌ .;;;;;;;;;　!　　　lﾞ ;; !　　ｌ,;;;;;;;;;; ｌ
゛;;;;;; / /.;;;;;　/ 　　.!.;.|　　 ｌ;;;;;!　 ! ;;;;　l　.! ;;;;;;;..ｌ .＼ ;;;;; lﾞ　　 │.;; !　il, . ｌ .;;;;;;; ｌ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
ロストワードが両手を合わせる。マニピュレーター同士をぶつけ、
金属同士の甲高い激突音を響き渡らせる。

瞬間、紫電が掌の間から漏れ出したと思った途端、
それが炸裂し、拡散した。

空から海へと雷の槍が降り注ぎ、四方八方の空間を引き裂く。

轟音と共に放たれた全方位攻撃が視界を埋め尽くし、
レーダーを沈黙させ、機体を撃った。

閃光に呑まれ、たまらず喉を震わせる。
痛みこそないが、ドラム缶に閉じ込められ、あちこちからバットで叩かれるような
衝撃に意識を持っていかれかける。骨が軋み脳が震えている。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4503： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 20:15:56 ID:M1jcoGRQ0

　　　　　　　　／￣￣￣ ＼
　　　　　　　ﾉし ﾞ＼, .,､,／"u＼　　　　　　　　うおおおおおっ……こいつ、単騎の方がヤバイじゃないかお！？
　　　　　／ ⌒ （◎）ヾ'（◎）u　＼
　　　 　 | u 　⌒ﾞ（__人__）"⌒ u　|　　　　　　　さっきまでは仲間がいたから出力を絞ってたのかお！
　　 　 　 ＼　u 　 `ヾ,┬､/`　,／
.　　 　 　 /⌒/＾ヽ､ ）__（ ,ィヽ、　　
　　　 　 /　 ,ゞ　,ノ　ﾞ⌒"　, 　ゝ､
　　　　　l ／　 /　　　　　　ト/.＼＼





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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｀}　'，｜ 〉 |　＼__>､__　 　}
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幸いにもシステムダウンは免れた。
視界内に復旧と損害報告の表示が躍り出る。
それらに手早く視線を流し、歯を軋ませた。

機体損傷50パーセント。既に半壊、普通なら撤退ものだ。
今の一撃で内部機関にも少なくないダメージが行っている。
さっきから視界の端々で装甲から燻る黒煙が嫌な感じだ。

だが、ブースターや制御系は無事ときている。武装も健在だ。

轟く雷鳴の中、ブレードを展開してレーザーを放つ。

電撃の合間を塗った一矢がロストワードのPAに突き刺さり、
粒子の壁を突き破るのが見える。紫紺の装甲が溶断されるが、浅い。

舌打ちを一つ鳴らし、踵を返してオーバードブーストで高度を上げる。
このままじゃ味方を巻き込みかねない。艦載機やノーマル隊が巻き添えを
喰らうようでは、自分がこの化け物を単騎で引き受けている意味もない。
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4504： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 20:22:10 ID:M1jcoGRQ0

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三三三三三三三三三三三三三三ニ=-　＿＿__／＿　　--　‐‐==ニ三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三

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耳を劈く轟音の中、衝撃波を巻き起こしつつ雲の海へと突っ込む。
途端、視界が白く濁る。カメラアイが凍結しているのか。
レーダーの座標表示も乱れつつあるが、ロストワードがまき散らすコジマ粒子量が
凄まじいおかげか、彼我の距離だけは把握できた。

重量二脚であるはずのロストワードが、最高速に近いマーシフルに追随している。
追いつかれることこそないものの、雲の中という視界の悪さの中、
ぴったりとついてきていた。
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4505： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 20:29:04 ID:M1jcoGRQ0

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　ヽ--- 〈　　　　　　 　 　 /　　ヾ＼　　　　　　　　　ヽ＼/　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　 }! ヽ、　 　 　 　 　 .｀ヾ`
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　{三{ilililil}}! 　 　 　 　 　 V/　　　　 ￣ヾ＼ 　.／　　 }!　　i}　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ,　 　}!　　　 {＞ ､
　｀ー― ' }!　　　　　 　 　 V/ 　 　 　 　 .＼／　　 ／ ＼__i}　　　　　　　　　　　　　　　　　r≦.､ }!　　　 {　 {_!＼
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. ヽ___ノ,'　　　　　　　　　　　　V/　 ／　　 ／＿__＞ﾟ´　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ｀ー､'　 i{;　　{i　　　　　 ＼ ＼
　　　 .,′　　　　　　　　　　　　｀ヽ'._＿_／　 Vﾑ　 　 ',　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼ .i{;.　 {i　　 　 　 　 ＼ ＼
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二}＞'｀ヽ }ヽ 　 V/__/　 .／　 .／　 　 　 .!　 ／ ',　　/　　 {ilil{　{　 }　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼:＼:.ヽ、　　 　 　 / 　 　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＜二二＞:-:-:＼　　 　./ 　 　 /

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最後にはほとんど同じタイミングで雲の上へと姿を現し、
ブレードの切っ先を向けると同時に掌を翳してくる。

ぎしぎしと重厚な駆動音を立てながら、掌に埋め込まれた多連装パルスキャノン
とでも形容すべき代物に電流が奔っていた。

さっきから心臓が破裂しそうになっている。
恐怖や焦りが血流を洪水へと変え、呼吸と鼓動のリズムを乱していた。
対汚染スーツの下から嫌な汗が流れ出るのが止まらない。
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4506： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 20:39:10 ID:M1jcoGRQ0

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　　　　　　　　　 　 ｒォ〜{≠ニー=7ｰｭ､　　｀　　､
　　　　　　　　　　ｒ'尤ィｙ´ニニニニニニｭ､　　　 ヽ
　　　　　　　　　 人_L_ノニニニニニニニニ､　　　　＼
　　　　　　　　　 }ﾆｫァｰ^⌒^⌒ヽ人_ニニニ人　　　　　.
　　　　　　　　　 ｊ/´　　　　　　　　　ゝニニニム　　　　 '.
　　　　　　　　　,'　　　　　　　　　　　 ｀Yﾏニニﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ　|',　､　（ニニニ{　　　　 }
　　 　 　 　 　 　 i　　 ∨　 　 斗┼|‐ﾊ 　 Y_介ｲ　　　　 ｲ
　　　　　　　　 i　|　　メヽ　　ハｚﾊzｔxｫ　　　ｊ] ﾏ{　　 } 　 !　　　　　　　　　足掻くわね。いい加減、楽になったら？
　　　　　　　　 ',　､ 　 ｚｭﾐ､ / ´~ﾏ_ツ´}　 　ﾑi　ﾏ{ 　 ｊ　{ l
　　　　　　　　　V八　　｀ﾏｊ 　　''~´ 　 ! /　 ﾏ]　}ハ ｲ　ハ　　　　　　　　　 私はここであなたたちを皆殺しにする。
　　　　　　　　　 Vヽ＼ '´¨′　 　 　 /ｲ　　/7　Y´　ｊ　 ', !
　　　　　　　　　　ヽ　｀ﾒ 人　 ｡､　　/　|　　 {]　 ﾘ　　　　',|　　　　　　　　　　仕事だから。
　　　　　　　　 　 　 　 {　i 个 ､　 　 　 ｊ　　　|　　ヽ＼_　 ヽ
　　　　　　　　　 　 　 　 ﾉ　V/　ー＝７　 　 八レニニニｭ､',
　　　　　　　　　　　　　/ 　从　　　ヾ7　　　　 ｊｲニニニニﾑ.',
　　　　　 　 　 　 　 　 ′　ﾄ　　　　ノ　 　 , 　 八ニニニニ八ヽ
　　　　　　　　　　　 　 {　八　　　イｧ　　 /　 /( }ニニニニニﾑ ＼　
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　　　　　　　　　　 ___　 __-=ﾆ羌ｘﾍ,_　　｀`丶､
　　　　　　　　　 rｋｸ ｱ7／　　 └f羌ｘﾍ,_　　 ｀丶、
　　　　　　　　／'ｰ=≦´__　　　　　　└f羌＿__　　 ＼
　　　　　　　厶f无_ラ^f无_ァｘ┐__　　　 7/⌒ヽ＼　　｀､
　　　　　　f无广　　　 　 ｀⌒└f无ｘ＿/く__}f羌〉/　 　 ｀
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　　　　　′　　,　　　 　 i　　＼　！|　　| |し'__]}＼＼　　　i
　　　　　　　　 i　　　 　 |i　i　　　 ＼ｰ彡ﾍ:ｘ介-彡'ﾞ　　　 |
　 　 　 | 　 　 |i　　　 　 |i　|　| i |!　　Ｙ|　 ; 川（　　　　　　|　　　 　
　 　 　 | 　 　 |i　　 　 _,」 r匕j､Ni　　 |:L/::ｲ'|:|、､　　　　　| 　 　 　
　　　　 　 　 i |i__i,　 ｀八斗ｬ竓抓　　 ￣7/| |:l｀ :｀:,　　　 ！　　　
　　　　八 　 i |｢_j、_,/　 `´乂nｿ|i 　 　 //l | |:,　 ＼＼　 　:,　　　　　　　　　　　　　そして、あなたたちを苦しめるつもりも、
　　　　 　 ＼Ｎkf灯ix 　 　 　 　 |ｉ　　 //　|:|八:､ 　 ＼〉　　 　 　 　
　　　　 　 　 ;:八,h у　　　　 　 |ｉ 　,〈/ 　 l:|　 ｀'＼　　 　 　 ｀、　　　　　　　　　　　辱めるつもりもない。仕事だから。
　　　　　　 /;' i　圦`　　 _,　　　 |　/　__　/|:|　　　ヾ＼　　　　 ｀、 _
　　　 　 　 :::|！ |　 ＼　 ´　 　 ﾉｲ ⌒＾Ｘﾆｊ｣　　　　 V　 　 　 　 Ｖ　　　　　　　　　　　……ダメかしら。
　　　　　　l:::|！∧　　个: .,__,.　イ　 ／ﾆニ、　　　　 　 　 　 　 　
　　　　 　 凵　j′ｉ　　 |＼　 　 ﾉ／ﾆﾆニニ､　　　　　　 　 　 　 　 亥
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　　　　　　　　　　 ;八　|　　 /::::::::::⌒ﾆ≠ﾆニ｀　　　　　　　 　 　 　 　 ｀、
　　　　　　　　　　　　 Ｎ __,/::::::::::::::::／:::￣_〕ﾆ|　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀､
　　　　　　　　　　　　　ノ:::::::::::::::::／:-‐=ﾆニニ|　　　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　（:::::::::::::::::_/ ::::::::勹ﾆニニ|i　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　 　 　 　 ＼_::ノ⌒＼ ::::::厶ﾆニニ|i　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　r:::7⌒@::::::::::＼::-'⌒ニニ|i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀、
　　　　　　　　　　　　|└'::イ::::::::::::::::::）::-=ニニ八　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀、

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空中で静止したまま、互いの得物を向け合うこと、数秒。
十秒にも満たない時間の感覚を、極度の緊張が数時間分にも引き延ばしていた。

ぽつり、とロストワードのリンクスがこぼすように話し始める。
冷たく淡々としていて、それでいて激情も感じられない。
言葉の端々に自分たちやアマツの人々を憐れむような感情を滲ませつつも、
決して容赦や慈悲は見えない。

死神というのが本当にいたら、こんな態度なのかもしれない。

歯を軋ませ、乱れた息を整える。

「死ねっていうのかお。受け入れろってのかお」

「人は社会を形成して生きる生き物よ。社会に寄り添えない人は、
社会の中では生きられない。そして、今の時代、社会でない場所はこの世にない。
自室の暗い布団の中ですら、社会の中に作られた一時の陰でしかないわ」
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4507： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 20:39:24 ID:M1jcoGRQ0

　　　　　 __＿＿
　　　　／　　　　 ＼
　　 ／　＼　 　／　＼　　　　　　じゃあ、社会から見捨てられた人間は……そういう奴は死んで当然だってのかお！？
　／ 　（●）i!i!（●）　 ＼
　| 　u ,　（__人__）　　　 |　　　　　人が作ったもののクセに、人を選別して間引きして、要らない奴は死んでいけってのかお！？
　＼　　　 .｀⌒´　　　　〆ヽ
　　/　　　　　　　　　　ヾ_ノ
　/rｰ､　　　　　　　　　　　|
/,ﾉヾ　,> 　　　　　　 　|　/
ヽヽ〆|　　　　　　　　 .|

4508： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 20:42:23 ID:M1jcoGRQ0

　○　　　　　ﾟ　　。　　゜　　　　　o　　　　　　　　　○　　　　　ﾟ　　。　　゜　　　　　o　　　　　　　　　　　　　　o　　　　　　　o
　　　　　　　　　　　o 　 　 　　　　　○　 　 　　。　　　.　　　　゜　　　o 　 　 　　　　　○　 　 　　。　　　.　　　　゜　　　　　　ﾟ

　　∠_:::::::::::::::ヽ､:::＿＿＿､＿:::::::::::::::〃__∠＿::::::::::::＼
　　_彡:::::::::::::::::/￣　　　　｀`　￣`'"´￣　　　｀ヽ!::〃´::ヽ
　 ヽ､:::::::::::::::::::l　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::ミ､::::rヽ
　　　',:::::::::::::::::::〉　 　 　 ＿＿_　　　　､＿＿__　 ヽ::ヽ::::|
　　　 |:::::::::::::::/　 ,,.-‐'"´￣￣´　　　　`ー‐‐'''`ヽ.l::::::::::l
　　　 !::::::::::::::|　　　　　＿‐‐､　　　　　,r‐-＿　 　 !:::::::::ヽ、
　 　 /::_:::::::::::|　 　 ｨ'´　fJ `　　 　 　 ´ fU ｀`; 　 |::::::::r‐'`ヽ
　　/'´/:::r‐ｧ::',　 　 ー‐''''"´　　　　　　｀￣￣　　 !:::lｌj´　　　　　　　「理由がなくちゃ生きてちゃいけないのかお！？
　　　/／l l j:::::',r‐''"´￣｀ヽ 　　 　 l　　　　ヽヽ｀ ,'::/l |
　　 '´ 　 !l{ヽ:::::l　　　　　 _」　　　　 〉　　　 　 　 l::lｽjﾘ　　　　　　　　価値を示さなきゃ生きる場所はもらえないのかお！？」
　　　　　 ヽｰl､:::l`ｰ-‐''"´　　　　　 '　　 　 　 　 l/ソ/
　　　　　　　＼ヽ!　　　　　　　　　　　　　　　　 /_／　　　　　　　　　　
　　　　　　　　/::::ﾄ､　　 　 ー----‐‐‐一'〃　/､|
　　　　　　　 /⌒ﾚ;lヽ、　　　　　　＿　　　　/
　　　　　　　　　 　 |,　＼　　 　 ´　　　　　/|
　　　　 　 　 　 　 /:l!　　 ＼　　 　 　 　 /　ﾄ､
　　　　　　　　 ／:::::|l　　　　｀ヽ､＿_,,.／　/l::::＼
　　　　　 　 ／::::::::::::l　　　　　　　　　　　　 |:::::::::＼
　○　　　　　ﾟ　　。　　゜　　　　　o　　　　　　　　　○　　　　　ﾟ　　。　　゜　　　　　o　　　　　　　　　　　　　　o　　　　　　　o
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4509： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 20:42:47 ID:M1jcoGRQ0

　　 　　　＿＿＿_
　　　　／:::::::::　 u＼　　　　　　　　　　　自分自身の平和だって、誰にも保障できない。今は安全地帯で胡坐かいてる奴らも、
　 　／ﾉ└ ＼,三_ノ＼　 　,∩__
　／:::::⌒（ ●）三（●）＼ fつuu　　　　 明日には汚染と飢餓と暴力の無法地帯に放り出されるかもしれない！
　|::::::::::::::::⌒（__人__）⌒　| | 　 |　
　＼:::::::::　　 ｀ ⌒´ 　 ,／_ | 　 |　　　 　 アマツの人々がいい例だお！　やる夫だって！　あんただって！
　　 ヽ　　　 　 　　 　 i　　　　丿
　 /(⌒)　　　　　 　　/￣￣´　　　　　　　自分が社会っていう枠の中にいられる幸運に、絶対なんてないんだお！
　/　／　　　　　　　/





　　　　　　/　　　　　　: : : : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
　　 　 　 /　　　　　　　__:_: : : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
　　　　 ∧ 　 　 　 ／--､ ｀: : : : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/　　　　どこかでひとつ歯車が狂えばどん底まで落ちていく……
　　 　 /　　 　 　 　 ├＝〉　: : : : : ::::::::::::::::::::::::::::／
　　　./　　 ＼　　 |i ├‐/　　　: : : : : : :::::::::::::::／　　　　　　 それは誰もが同じはずだお。
　　 / 　 　 　 ＼　il　|-｛　　　　　　　 　 　 ／
　 ./　　　　　 　 ＼ _,|i__ﾊ、　　　　　　　／　　　　　　　　　　なのに、それを他人事だ、不運だの一言で片づけるのかお！？
　/　　　　 　 　 　 ｀ｰ┴‐=ﾍ、＿／　／
　　　　　　　　　　　　　　　　 `ー一　　　　　　　　　　　　　　 受け入れて、大人しく死ねってのかお！

4510： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 20:43:02 ID:M1jcoGRQ0

　　　　　　　 　 仄いrく艾艾艾艾癶、
　　　　　 　 　r巛Uj〉j〉j〉::::::::::::::::::::辷う、　　　､
.　 　 　 　 ｎrｎrｎrｎrｎrｎrｎ:::::::::::::::::::辷う、　　 ＼
　　　　 ／乂乂乂乂乂乂乂ｎrｎ:::::::::::::::辷う、　　 ヽ
　　　／￣　　　　　　　　　　乂乂ｎrｎ::::::::::辷う、
　　　　　　　　 　 　 ＼　 　 　 　 乂乂ｎ::::::::::rう)、
/　　　　 　 　 　 　 　 :.＼ 　 ＼　　　 乂ｎ:::::::::rう)　　 　 ′
　　ｉ　　　　　　:　: 　 ::::::.　ヽ　 :.＼ 　 　 乂辷辷く　　　　 ′
　 ::|:.　　￤　　:...:|....: i :::|　　　_}L.:. 　　 　 艾艾艾＼　　　　　　　　　　それは不運としか言いようがないわ。
　 ::|:: |:::::ｌ|:.. . .::::::|:: 斗r七'　　　　 |l　￤ 　 Y⌒Y^　 ＼ 　 |
　 ::|:: |:: 八:::::::::::::|ｌ::ｌ::|　〕斗ぅ弌7. |ｌ 　|:　　 V⌒ト､　＼＼ |　　　　　 　もしくは、弱さも不運も、すべからく罪なのかもしれないわね。
: |:八:. ､:::: ヽ :::::::八乂{ｱ乂`ｰク　 |l　 ﾊ:. 　 | 　 |ｌ　＼　＼＼
: |::::: ＼＼⌒＼/　　　　　''¨゛´ 　 八Λ|::　| |:)　八. 　 ＼　|　　　　　　　あなたの優しい言葉に、現実は含まれていないわ。
八::::::::::|＼ 托笊!　　 　 　 　 　 ./ .:/ ..:|::　ﾊ! ,.:代＿＿___＼＿＿
:.　＼ : |＼＼`ｰ1　　　 　 　 　 /／〉..:/|. /　「 ::|ｌ　　 |.　　　 ) 　　 )
＼　　丿:::::ヽヽ込､ 　　　　　　　　/／　 ′/　 :|ｌ　　 |　　　(
　 ＼　　 乂__込、 　 　_　ｰ　　　　　 ./　 /　　 |ｌ　　 ﾄ､
.　　　　（　 |:l ＼ ＼　　　　　　　　　./　 /:/...　八|: 　|:::＼
　　　　　＼|:l:: |:ﾊ　 ヽ　　　　　イ..::/　 /:/ 　 /|:: |: 　|:::::::::＼
　　　　　　 |:l:: |:: |: |: 个ヲ　厂 ハ/　 厶仏:::/＾|:: | . ├――=ミ
　　　　　　 |:l:: |:: |: |:　|　ﾉ/: 厂＼彡く／|..../: : |:: |: 　|
　　　　　　 |:l:: |:: |: |: ｜}/ 　厂￣　,ィ__八/: : : |:: |: 　|





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾍ
　　 ＼ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ
　　 　 ＼ 　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ×
　　　,　- ＼　　　　　　　　　　　　　　　／´ ‘,
　 〃　 γ　｀ ＜ 　　　　　　　　　　> ´', 　　| i
　 {i 　　{ 　●　} ヽｪｰ ,.}　　 　 .}=ッ{● }　　 i |
　 ﾍ 　　!､.＿.ノ､ ﾉ　　 　 　 　 　 ﾄ !､_ソ__,／ .i　　　　　　　　そんな簡単に済ませられてたまるかお！
　　　゛'''──ー /　　　　　 　 　 i　｀ヽ　　　　 i　
　　　　　　　　／　　　　　　　　　i 　　ヽ 　 　 ハ　　　　　　　　あんたにとっては、消えてく無数の命の内の一つでも、
　　　　　　　 { 　 　 　 　 　 　 　 }.　　　}　　 /　
　　　　　　　　!､　　　　　　　＿.入.__／ 　／　　　　　　　　　　　消される奴らからしたら、それが全部なんだお！
　　　　　 　 ／　￣￣￣ ∨/////ｲ 　.／
　　　　　　/　　 　 　 　 　 }////ッ　 /
　　　　　　{ ヽ　　　　　 　 .}///／ ／
　　　　　　＼ ヽ､_＿二ﾆ　ー´_. イ

4511： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 20:43:22 ID:M1jcoGRQ0

　　　　　　　　　　_,, -=＝ｰ-､￣/　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 l
　　　　　　　／.〃　y ⌒ヽ.r､ ヽ{　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｌ
　　　ｕ　　/　./　　　　　　'　 ヽ ゝ　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /
　　　　 　 |　/　,　　　　　　 　ﾉ⌒ヽ　　　　　　　　 　 |　　　　　　　　 /
　　　　　　　|し'｜　./｀!　　　　　　　 ヽ　　　　　　　 /　　　　　　　　/　　　　　あんたは前のやる夫と同じだお……
　　　　　　　|　　｀ｰ'　 |　／|　　　　　　ヽ_　　　　_／　　　　　　 ヽ /
　　　　　　　|　　 　 　 ｀´　 ヽ　　 　 　 　 ￣￣Ｔ　　　　　　　　　 ｌ'　　　　　　 誰かに首輪を求めて、繋がれて。
　　　　　　　|　 　,、　　　　　 　 　 、　　　　　　 ヽ、　 　 　 　 　 ﾉ
　　ｕ　　　　＼ｰ' !　　　　　　　　　　ー - 、　　　　丶、__　　　／　　　　　　　　誰かに尽くして、見返りに大義や意味をねだって。
　 　 　 　 　 　.＼｀ｰ-‐1__　　　　　　　　　｀丶、　　　 ／,ィｰ'´
　　　　　　　　　　 ￣￣￣｀丶、　　　　　　　　 メ __ ﾉ' /　　　　　　　　　　　　　それは楽だお。安心できるお。けど、ここにいる人々は、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀丶、＿.　　　　　ヾ/ /
ヽ　　　　　　　　　　ｕ　　　　　　　　　　　｀丶、　　/ /　　　　　　　　　　　　　　　それすらも許されずに殺されようとしている！
　 ヽ　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀ヽ　 　ヽ_/ /
　　　＼　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /｀ヽ、





　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.－' ￣￣ ' ｰ ､
　　　　　　　　　　 　 　 　 ,　'´ 丶. -――-　._　丶.
　　　 　 　 　 　 　 　 　 , '　,. :'´.: : : : : : :. :. :. :.ヽ, - .、
　　　　　　　　　　　 　 / ／.: : : : : : : : : : : : : :. :. :.＼ ﾍ
　　　 　 　 　 　 　 　 /､/.: : : : :._ :-: .:‐:. :-: _: : : : : :.ヽﾊ　　　　　　　企業連のメンツも、節度ある再分配なんてお題目もクソくらえだお！
　　　　　　　　　　 　 i　 l: : :_;.=＝､､:_:_:_:_:,:＝='-､: : : /　!
　　　　 　 　 　 　 　 l 　 l: [i　　 ＼_.､,::::､__／　ヽl}: : l 　 !　　　　　　　そんなもんの為に使われる命なんて、あっちゃいけないんだ！
　　　 　 　 　 　 　 　 ト､ l; i}´　（●）:::::::::（●）　{j: :/ ／!
　　 　 　 　 　 　 _, - i'´lヽl: [ｌ、 u. （__人__）　　/j: //＿｣_＿＿__　　　　社会ってのは人のためのものなのに、元も子もないってもんだろ！
　　 　 　 　 ,. :':´: : ￣ﾌｰｽﾍ:ヽ>､ 　 ｀⌒´　 ,ｨノ:.//´＼: : : : : : : ¨ヽ
　　　　　　/-――-イ＿/: :i＼:ヽﾍ_,.ゝｰく∠／:./:.ﾍ.＿_｣-‐ '´￣¨ヽ:l、　　 冗談じゃねえお！　やる夫たちは生きる。生きのびてみせる！
　　　 　 ／ 　　　/个 　 ￣l 　＼: : : :＿_: : : ／ lー┘ 个＼ 　 　 　 ＼､
　 　 　 厶=x､.　 i　 |　 　　弋　　ヽ======イ　 /　　　｜　 i　 　 z=＝ ﾇ
　　　 ／　 　 ヾx|　 l　 　 　　丶、 |: : :|} 　 /_ノ　 　 　 l 　 /　／´　 　 　＼
　 .／＝=z､　　　l　 |　　　　　　三t!:_:_ｌ三ﾁ´　 　　　　l　 /! /　 　,r '二二¨」、





　 　 　 　 　 /　　　　　 / 　 ′　 /{. /　　{.　　 　 　 　 /　　}／　 ／　|　|　|＼
／￣￣￣´/　　　　　　|　 /　　 / .|/　　 .|　　　 　 　 /　　 .|＼__　＼│ |　|＼.＼
　 ＼　 　 /　　　　　　 .|. /{　　/　│　 　 |ｉ.　　　　　/＞　´￣￣}＼　＼」 」　 ｀＞
.､ 　 ＼　{.　 ｲ　 　 　 /|/ .|´￣￣ ｀＞､　八　　　　/芹云 示ミ　|　 ｀＞ イ
　＼　 　 |／ |　　　 ./ .|　│　r=芹云示ﾐ　 ∨　／´　ゞ　ツ　ノ厶イ 　 　 }
　　　>､　| 　 {　　　/　 |　人　ヽ　ゞ ツ　　　丿´　　　 　　　　　　ﾉ　　　　 |
＼／　　＿／∨　/　 　 /　 　 　 　 　 　 　 　 ｉ　　　　　　､＿／　　　　　 |
＼ ＼　 ／´　 ∨{　 　 /　{　　　　　　　　　　　}　　＼＿＿＿／　　／　　.|＼　　　　　　　　――なら、私を斃してごらんなさい。
　　ヽ／　　　　 　 　 ／{ .人　　　　　　　　　　　　　　　　　／＿ ／　　 　 |
　 ／　　　　 　 ＞／　　＼__ヽ　　　　　　　　´二｀>　　　　　　／　　 　 　 |ｉ　　　　　　　　　 この問答の答えは、死によってのみ決まるわ。
_/　　　　＞　´ ／∨　　 　 /｀＞　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／./　 　 　 　 八
{　　　／i:i:i:ｉ{i:i:i:i:i:i:i:∨　　 /　　　　＼＿　　　　　　　　　／´ /　　　 　 ／ 　 ＼
|　 ／i:i:i:i:i:i:i|─ヘi:i:ｉ:∨　/　　　　　　　}｀＞　　＿　 ＜´_ 　/　　　　／　　 　 　 ヽ
|　{／￣´￣{ 　 　 ＼i:i＼　　＿／￣´＿／￣´　 Y　　　 }/ 　 　 ／∨
| 人　　　　　　　　 　 ＼i:i＼{＿＿／{─────|.　　／　　 ／　　 ∨
　　　　　　　　　 　 　 　 ｀＞i:i:i:i:i:i:i:ｉ人.　　/´￣}　ヽ／＿　イ 　 　 　｀∨
　　　　　　　　　　　　／／⌒７ヘ／ 　 ヽ/　 　 |.　/ ＼　　　ヽ　　　　　∨ ＞ｉ:ｉ´
　　　　　　　 　 　 ／／　／/　　＼＿／＼　　人/　 　 ＼＿厂＼＿　=≦i:i:i:i:ｉ:ｉ:
　　　　　　　　　　ゝ'　　/　/　 　 　 　 　 　 ￣´　　　　　 　 　 　 　 ∨｀＞──＜
　　 　 　 　 　 　 　 　 /　/⌒７⌒７⌒７⌒７⌒７⌒７⌒７⌒７⌒ヽ　 ∨

4512： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 20:43:48 ID:M1jcoGRQ0


　.:/　　　　,.:':_:／.: : : : : :,{_　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 _}, : : : : : : : :＼i!::..　 　　',:.
.::/　　　　 ヽ; :i: : : : : : : ;': ,}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{, :i : : : : : : : ／!::..　 　 　 ',:.
.:'　　 　 　 　 ＼.: : : : : :i: {　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 } i : : : : : ／　i!:::.. 　 　 　 ',:.
　!　 　 　 　 　 i!＼ : : : !: ',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 / :i: : : :／　　.i!::..　　　　 　 ',:.
　|　　 　 　 　 .i!:..　＞ ;.i: :.',　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 / : :!, ＜.　　　 i!::..
　|!　　　　　　 i!::..　　　 | : :.',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ : : i　　　　　　i!::.. 　 　 　 　 i!
　|! 　 　 　 　 i!:..　　　　i.: : :.',　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 / : : : !　　 　 　 .i!::.. 　 　 　 　 i}
　|!　　　　　　i!:..　 　 ／i: : : :.ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞': : : : :i＼　　　　.i!::..　　　　　　,i}
　|!　 　 　 　 i!::..　　　＼', : : : : : .` ＜　　　　　　　　　　　　　＞. :´: : : : : : :/／　　 　 .i!::..　　　　　　,j}
　|!.　　 　 　 i!:..　　　　　 ', : : : : : : : : : :｀: .＜　　　　　＞. :´: : : : : : : : : : : /i　　　　　 .i!::..　　　　　　,j}
　|i　　　　　 i!::..　　 　 　 ∧ : : : : : : : : : : : : : : :｀¨¨´ : : : : : : : : : : : : : : : / .!　　 　 　 i!::..　　　　　　,j}
　|i　　 　 　 i!::..　　　　　,'　.', : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/　 i　　　 　 .i!::..　　　　　　,j}
　|i,　　　 　 i!:..　　　 　 ,'　　 ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :,ｨ'ﾟ 　 .! 　 　 　 i!::..　　　　 　 ,j}　./
', |i, 　 　 　 i!:..　　　　 ,'　　 　 }＞ 。 ､ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ;。＜ｲ　　　|　　　　 .i!::...　　 　 　 ,j}　/
:.',!|!,　　　　i!::..　　 　 ,'　　　　j}　|＼三>､: : : : : : : : : : : : :。ｓ≦／　 |　　　 .|　 　 　 .i!::..　　 　 　 ,j} ./
:::.',|i,　　 　 i!::.. 　 　 ,'　 　 　 j}.　!／＞ 。≧ｓ。, ___。ｓ≦三＞ﾟ　＼/! 　 　 .|　　　　 i!::..　　　　　,j}../
:::.∧i, 　 　 i!::..　 　 ,'　 　 　 .j}　i!::::::::|　　 ≧s。,三,。ｓ≦ﾟ´/::::::::::i!　|　　 　.|　 　 　 i!::..　　　　 ,j} /
::/il∧!,　　 i!::..　　 ,'　　　　　j}　i! :::::::|　　 　 　.｀¨¨´　 　 ./::::::::::::i!　i　　 　 |　　 　 .i!::..　　　　,j} /
,'ililili∧i, 　 i!::.. 　 ,'　　 　 　 j}　i! ::::::::!　　　　　　　　　　 /::::::::::::::i!　i　　 　 .!　　 　 i!::..　　　 ,j} /

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ロストワードのリンクスが低く冷たく言い放ったのを皮切りに、
静止していた二機の出力が再上昇していく。

大気が帯電し、震えだす。

もはや分かり合えない。これ以上の言葉に意味などない。

殺し合うしかない。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4513： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 20:55:03 ID:M1jcoGRQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｡ ‐=== ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __　　. . . . . . . .-.-.‐z
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／⌒}}ニ=-イ}}　　_　-‐‐ ､----､　　　　　 _ . .-‐=_: : ｡-‐====≦ニﾆ＞¨´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／　 　〃７´-/ :i} ／　 　 　ﾉニﾆ,∧ 　_ -‐. ._ ｡r≦ﾆﾆ＞≦￣ﾐ ﾄ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〃　 　ノ-/ゝ=ｲ　}}′　 _ ィi〔≦ニ/=r‐‐≧≦ニニニ∧_　ヽ‐ﾑ_ 〉＼-
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ___　　 /ゝ≧､　　　　　　　　　　　　　　　_　　　　　　　 __{{≧≦rﾁ,′: : }ﾄ､}{≧≦ニ/､-=ﾆ===/≧}====ｪｪ〔_　ヾ} ヽ ﾏ＼-＼==-
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 {-=＼ ' ７-=}!===-　　　_＿＿　__　｡r≦ﾆ＼,___　 ＜-=〈___／{{ri/ : : : ∥〉-‐=≦ﾆi{ノ=/=/ﾄ､_{ﾆ７: ＼.　/r‐'＼_＼ヽ-＼==-　'<=-
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 r‐ミ＼∨ヽ'r‐ｲ＼ ≧s｡_=-≧､====≦ﾆ/ﾆﾆ／ニ≧=-=≦:/ i_／}ﾊ_:_:_:ノ{__!ﾆﾆ/／-=＞‐='-／}〉‐'ヽ: : :∨ ∧＼､- '<==-　'<=-　 '<=-
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼-＼ y`　　　∨ ﾏニニヽﾆﾆ}!ニニﾆﾆ{ニ=ﾆニ(__)ニフ‐‐〈-r',／／}　}i}i⌒ヽ-={{-=7-/　　ヽ-=＞≦ ヽ: :∨　＼=--　'< =-　 '< -　 '<=-
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＞=‐　　　　 }ﾆﾉニニ７ﾆ／ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＼ﾆﾆﾆﾆ＞ ´　　 /,７ r/-〈′}∥＼　｀<>､-!-{　　　＜　)ﾆ=≧' : : }:　　 ＼ =-　 '<=-　 '< -　 '<=-
　　　　　　　　　　　　　　 　 ./ニﾆr‐ｧ, _____ ノ-ｲﾆﾆ,／／＞¨´　￣　｀¨＜＞ ´　　　　　{ /レ'-=/ﾑ≦∧　｀　､ ＼ヽ-i!　　r==r=====､: : :′ 　 　 '< =-　 .'< -　 '<,-　 '< -
　　　　　　　　　　　　　　 　 ｀¨¨¨´/ﾚ}７ ｀¨‐--== ´=´´　　　　　　　　　　　　　　　　　　} / -=/-/ヽ -ハ r ﾐ　｀　､>､ﾏ　ミ__‐-====r' : / 　 　 　 　 '<=- 　. '<- 　 '<-　 '<､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /-=/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/'-=／ ｀ヽイ / ∧/　≧s｡...ヽ >､ ＼〉ﾆ≧､ : : /　　 　 　 　 　 '<=-　　'<-　　'<-
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ ´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 '　¨´　 }∨-=/ /r'⌒≧s｡ 　 ≧s､-＼_≧‐': :イ　　　　　　　　　　 '< -　　 '< ､　 '<､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _　¨ﾞ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｨ i〔ﾆ∨,¨/イ{¨:¨:´: : :r={1｡___〉_〉 -=〉≦ ＼　　　　　　　　　 　 　 '<-　 　 '<､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 _ ﾞ　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ィ〔: |-==/ , /-=!ﾊ }} : : :/-=〔≧s´ 　 ￣ヽﾆ∨,'＼　　　　　　　　　　　　'< ､　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ ﾞ　　...∨　＼{＼　　　　　　 　 　 　 　 .〔: : { {ﾉ-=={_〔,'-=∧∧!: : ;' -= -ヽ　　≧s　　￣｀ <'-＼　　　　　　　　　　　　'<､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ ﾞ　 　 　 .∨.、 ＼: : 、　　　　　　　　 　 ノ､: :}-=ﾆニ/ ,' -∧ﾑ ∧:_:! -=ﾆﾆ〔=- ｡ 　_　≧s　　｀マ ＼　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ ﾞ　　　　　: : ∨､ 　 ＼:,,:、　　 　 　 　 .ト､ﾊム{{ -=ニ{! {-'/ ' ∨＼-ﾊゝ=イ〔ﾆﾆ!: :}-＼｀¨ ＜ ＼ 　 ヽ'＼
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 Λ/＼ﾍxﾍV¨"''ミ‐… ､___〉 _,,..,, _ 　 　 　 |-=＞､-〔__)〔_}! :y′　 ∨∧￣〉‐＜､ -=: :{ﾆ=-}　　　 ｀¨　　　 ｀
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 〈::::〉:::: ｢:/:〉／〉　 ﾉ　　ﾉし 寸＝―′　　 .ﾊ-=ニニ＞{-/ ｲ､　　　 '∨∧　｀‐=ミ〉-=ヽ{=- ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＜∨::／|/:Λ <:::＞｀¨¨〈__／　寸ト---､　　 ∧:＼-=ﾆﾆy /ﾆﾆ=-　　 '∨∧　 　 ∧-==}}=-{=-ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　､ _／⌒) 7￣]::::〉::〉::::/: :　 ∨/＼　 ＼しノ〉　 　 .＼_ヽ=≦r'ニニニﾆﾆ≧s､ ∧＿,/　ヽ-=＼-ヽ=-}}
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 _,､<　　　 / /ヽ　∨:::＞<　 　 r‐…へ＼　 ﾞ'yﾞ　 　 　 　 .￣￣´　　 ｀¨＜ﾆ＜_)ニ＞ ヽ〉　　　　｀ ＜}=-＼
　　　　　　　 　 　 ＿　-=ニ￣　　 　 //＼ﾉ＿]＞―　　　 {　 〈　　＼厂/　　　　　　　　　　　　 　 　 _ヽ=ニニ≧s｡'_　　 　 　 　 .｀ヽ=-＼____
　　　　 ＿　-=ニ￣　　　　　　　/　 /〈　　 >_ノ　　　　,､ ／ﾞ'〜ﾍ、　ﾉ-<　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ⌒ー＼ ( ヽニﾆ≧s｡　　　　　　＼=--=＼
..-=ニ￣　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｲニ厂￣　　　　 / ＼＼　　 |　ﾞく　 　`:、　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｀‐……‐=´　　　　　　　 ∧ゝ‐'=-}＼
　　　　　　　　　　　,....ニ-￣´"''〜: : :　 　 　 　 　 (◯)イﾞ'> >___|　　‘， ＿`、　　　　　　　 　 　 　 　 ___　　　　　 ,:'´　　　　　 　 　 　 　 ゝ==r　ヽ'＼
　　　　　　　　 ,ニ-￣::::::::;:::':::::::::: : :　　　　 　 .／ 　 ／しｨ／>　 　 　 〈´　__`、　　　　..___　　---　¨¨ﾞﾞﾞﾞﾞ　‐‐‐　⌒　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾏﾑ　　 ｀ヾ
　　 　 　 ニ-￣.::::::::::::::;:::';:::':::::: : :　　　　　　 /　　／､　／／　)　　　 　 Ｙ::::J:｝　　　..--___　　__　　　　‐‐‐　⌒__ア　　　　　　　　　　　　　　 ﾏﾑ
　　ニ-￣.:::::::::::::::::::::;::':;::':::::: : :　　　　　　 ／__ 〉'ﾞ　　└＜__／〉　　　　　 〈ミノ　 　 　 　 .￣¨¨¨´＿＿　　'´¨¨¨´　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ヾ}
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: :　　　　　　　　　〈 ／ 　 　 ／　／ﾆ〉￣
　　　　　　　　　〈ﾆ〉　 　 ／ ''"´
　　　　　　　　 /¨7へ(ニ)
　　　　　　　 ./　/　,//

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太陽を横目に、ロストワードへと突貫する。

同時にロストワードもオーバードブーストで猛然とこちらへ向かってきた。

一瞬のうちに距離を詰め、真正面から激突する。
左腕のPAシールド形成装置を前面に押し出して敵の左手を受け止め、
振り降ろしたレーザーブレードを右手で止められる。

互いのPAが消し跳び、火花が散った。
腕先ではなく、装甲の隙間から覗く機関部が血飛沫代わりに吹き出していた。

膝蹴りを見舞って無理やり僅かな距離を開け、
ブーストターンで機体を捻りながらブレードを横っ腹へと叩きこむ。

しかし、質量の差からか、ロストワードは怯む様子も見せずに
ブレードを発生装置の部分を鷲掴みにすることで受け止めると、紫電を迸らせた。

刀身の半ばから先が赤熱し、溶解していく。
内部機関までやられたら射撃すらできない。
呻き声で喉を震わせつつ、咄嗟に刀身を自らへし折った。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4514： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 21:06:11 ID:M1jcoGRQ0

　　　__,,　　　　　　　　　＾`ー-/ﾞ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 'ﾘ /　　　　 //　ｌ/
'‐''　,/<ﾍ　　　　　　　　　　　┤ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌﾞ,/　　　　　ﾉ _,l
　..-'　　 ﾞ<ﾏ　　　　　　　　　　 | l_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ^ﾕ‐　　　　l　l _
　 　　　　^!＼_______.....__--..,,　」|'´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞﾞ /'ﾋ l　　_ﾉ　ﾉ''　　　　　　　___　　　　　　　　　　　　　_,,.
　　　　　　　｀---ｲｌ!/｀　ﾞ''ｰ..ﾆ 1　　/_ﾞ 、　　　　　　　　　　　　　　　　　^'ﾍ 1 /　,../　　　　　　　:!　　^ｌ　　　　　　　　 ,-‐'ﾆ,,_ﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　　ｰﾐ／／ﾞ!_ﾍｌ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　'〃 ,ｌ‐　　　　　　　　/　,,／　　　　　,_,,-ﾉﾆ‐"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　_/ﾆ_../ﾆ‐/ﾇﾋｰ 、　　　　　　　　　　一１ｴﾆｰ／　　　　　　　　 / .ｌﾍ.＼___,,....-‐''ﾆﾆ‐
　　　　　　　　　　　　　　　　　 lﾚ!ﾆﾝ‐　　 ﾍ　ｰ!'ｷ!ﾑ 、　　　　　　_ _ '´　　　" 　　　　　　　,..-'ﾆ-'　　'-....-‐'‐''┘
　　　　　　　　　　_..-''l　 _/ﾅ'ﾆ-'" 　　　　　　゛''''''‐ｰ-＿　ﾝ､　n/ /⌒}　　　　　　 　 ../ ／ﾆ/'
　　　　　　　　_/''ﾝ│'ﾄ''ﾆﾝ‐　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ.ﾍ(|'zr'/_∧..._ﾆ‐'''ﾆ゛'､,.-''ﾆ‐'"
　　　_,,-　　-ﾆ／　ｌ-‐''´　　　　　　　　　　　　　　......._;:-....__r¨⌒y≦ﾆ', ...一"ﾆl　／
..-‐'''ﾞﾞﾆﾆﾆﾉ/'´　　　　　　　　　　　　　　　　　 _//''"　　 ﾞ┐ 　 . {ニ∧}}　　　　　　　　　　　　　 ,
..-‐''"　 　　　　　.l ﾆﾆ┐　　　　　　,,..-　　　 ,'ﾅｲ　　　 _ﾉ./＼ 　 }, ' /ﾏ　　　　　　　　　　　,.<／
　　　　　　　　　 _l　!　'/l　　　..---ﾆ＿」.　　,lｌl./　　　　</　,,,l　,.,' イ ∥　　＿　　_ ｡ r≦<i:／.ﾞll|
　　　　　　　　 / 　１　l＾ﾍ‐ﾆ‐''"　　　　 ﾞ‐┴‐　　　 /'ﾝ'´　　「.ノﾆ/,'ノr≦=‐　‐=≧ ､<i:i／　ﾍ_
　　　　　　_／ﾜ''ｰ''　　''''''''　　　　　　　　　　　　　　/ﾉ'' 　 . /-=ﾆ／／　　　　　　 ヽ- < 　 　 ﾍ　ﾞll-_
　　　　 ﾆ┘ /　　　　　　　　　　　　　　 /-－　　 .ヽ　　　　,-=ﾆ/=-{!　　　　　　　　 }=-:ヽ 　 　 ＼　'│
　　_...／　,│ｌ　　 　 　 　 　 　 ト､　　_zz ､　　　　　 >､ト､ノ＞ {{ﾆ=-＼　 　_　｡r≦¨´ =-:!　 　 　 .＼､`''ー-...._
‐''^ﾝ　　/ﾜ１│　　　　 　 　 　 }i_i}ﾄ､＜ニ/=>⌒ヽ__ ,'<>≦_､i_i_i!=_-｡r≦ﾆ=‐¨´ ≦ﾆﾆ=-′　　　　 　 .＾ｌ!ﾕ」....ﾆ''
,／ _／ 　ﾍｌ　|　　　　　　 　 　 ∨ /∧ y'／i:i:i:i:i〉__／ :}r≦ニニニ=-/´ニニニニﾆ=- >'　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾍ　＼
　,／　　　 | │　　　　　 　 　 　 ∨ /∧___＞≦____{_:_ノ=====＜i:i:i:/≧､ニニニ=-＞´　　　　　　　　　　　　　　 ﾍ　 ﾞﾞ'!!ﾝｰ
　　　　　　 〕 !　　　　　　　　　　　∨ 〈i:i:i{=＼(￣_≧=ト､ニニニニ============‐ア　　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾍ　　　^‐lｌ
　　　　　　│ｌ　　　　 　 　 　 　 　 ∨∧＞=-∨7ﾑ　 /i:i:i:／≧ ､ r≦ニニニ≧ ､.!　　,,..../^1　　　　　　　　　　　　 lﾍ　　ﾞ(''‐ﾆ
..__　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾏﾑ∧=-}ﾄ､¨¨＜i_i_{ﾆﾆ=≦ﾆ／　　　　　＼=- >.ﾆ‐';　'、　　　　　　　　　　　　1　 、　'< ./ﾞ'
｀¨＜≧s｡≧s｡ _　　　　　　　　　　　　∨∧≦=},ﾑr≧､i:i:i:i≧==‐-＜　　　　　　 ∨ /ム　 l　lﾅ　　　　　　　　　　　　　 ＼　　ｌ､
　　　｀¨＜_/ニニ≧s｡_　　　　　　　 　 ∨∧ニ／≧s:ﾘi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:＼≧､　　　'v=-ハ　 .1 ﾞ<....┐　　　　　　　　　　　　ｌ_　　':
　　　/／ ヽ≦ニニニニ≧s｡_　　　　　　∨¨¨,' -=/=/≧si:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∨ }　　　ﾑﾆ=-ﾊ　 ﾞ　　　　l　　　　　　　　　　　　'ﾚ 、
　 　 　 　 　 .｀¨＜ニニニニ〉≧＜≧s､　 〉-,/i:ヽ'=/∥ ∥i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i: ∨　　 /ニﾆ=-,
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　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ￣¨ ‐==≧s|==ﾑ__,,∥ ∥ }}i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/'ニニニﾆ=- ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧∨ 　 ,'７__∥ノi!_i_i_i_i_i_i_i_i_i/ニニﾆﾆ=-／
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼＜,'ﾆ≧/<ニニ＞¨´＜ニニニ=-､　>､

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
バックブーストで距離を稼ぎつつ引き撃ちでレーザーを連射するが、
ロストワードは臆することなく装甲で受けつつ、電磁パルスをまき散らす拳を
振るってきた。

電撃を放つ巨大な鉄塊がマーシフルの薄い装甲にめり込み、抉り飛ばす。

後方へと吹き飛ばされる衝撃にコックピット内で揉まれながら、
必死の思いでブーストによる受け身を取る。止まれば一瞬で勝負が決まる。
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4515： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 21:12:46 ID:M1jcoGRQ0

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そして、追撃の一撃を見舞おうと迫りくるロストワードに対し、
プライマルアーマーの復旧から間髪入れずにアサルトアーマーを起動した。

肉薄しつつあったロストワードを巻き込み、圧縮され、解放された
コジマ粒子が圧倒的な破壊の渦となって周囲へと広がっていく。

内部機関が露出していたためか、自身のアサルトアーマーに耐え切れず、
ブレードが遂に火を噴いて応答を停止した。操作を受け付けなくなった
刀身の柄を手放し、とうとう徒手空拳となって敵機と向き合う。

こちらは装甲のいたるところをひしゃげさせられてはいるが、
向こうも今のアサルトアーマーで火花と黒煙を上げていた。
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4516： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 21:18:28 ID:M1jcoGRQ0

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　　　 r≦ｿ¨´　＞ ´ {　　 ／　　　　　　　　　 rﾄ、ﾙ' /　 　 ﾊ!ヽ. 　../ .ｨ´／ ＜¨　　　/　　／ 　 丶、　／ ￣ ≧s。
　　　_ﾚ´ .＞’　　　 込=ィ'　　　　　　 　 　 　 N !./ /／丶.　j　i! .＞´ ／´ ＼　　　　 !　 /　　　　＿_Y,.イ∨　　　　ヽ
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.. ケ′　　　　ノ　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 i!i!L,!V 　　ﾉ/´ /　 　 　 　 　 ,..ｨ　　　_ﾉ ,.化≦＿＿　　　　／　　 .>、
.j/　｀ゝ＜ﾆｲ　　　　　　　　　　　　　　　　　 r'ｲ/,.ﾑ∨／/ ／　　 　 　 ＞t'二¨ ヽ、,ヒ＞’´　　　　　 ＞'- 、― .、
i!,/⌒ー≠ｲ　　　　　　　　　　　　　　　　　　j　 /　ﾑ｀,.ｲ／　　　　＞ //　　　 ｀ ｰ-{￣￣￣￣￣　≧ .。　 .>、　.ヽ
{ハ_ﾄ､〉ニ!′　　　　　　　　　　　　 　 　 　 j　ｲ　イ ´／　　　_∠≦ｨ /　　　　　　 /ﾄ,　　　　　 　 　 　 　 ＞。ヽ
.ヽX__}_}_}ﾉ　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 / .ﾑ ＞ ’ ／　 .イ　　／/ ∨　　　 　 / .j i　　 　 　 　 　 　 　 　 　 >。、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　.′ 　 イ　 ／　j　 /　 {. 　∨　_ .＞.’ .,' ﾄ-.。_　　　　　　　　 　 　 　 ヽ
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　　　　　　　　　　　　　　＞ ―――― -z=┴ 、　＿＿＿＿_.ヽ-'　　　 ＼＼≠*ソ// 　 　 ｀ヽ _.ﾉ ﾑ.三ム.　ﾏ
　　　　　　　　　　＞ ' ゜＿　　　　　　　　　ヾ⌒ヽ’_　　　　　 　 .〉、　　　　 ＼ヽｲノ./　　　　　 　.ｨ/、三三ﾑ　 ﾏ
　　 　 　 　 　 r'゜,z≦　＿__゜¨¨ ー―---イﾉ_____＞!　　　　　／ゝ.＼　　　　 〃.ｲ /　　　　　　.// (_ ＼三ﾆﾑ　 !
　　　　　　　　 ゜＜　 /::::::::::::￣:Y　　 　 /::::::　　　 i!　　　 .／j:::...　＼＼　　ノ /　 i　　　　　　//＞-｀、､Y三ﾆ! .i!
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 Y/ii}　　　{ {{ ,ﾋ7、　レ'::::　　　　　.〃::::ｲ　 ./　　　.／　　　　.ヽ.ｨ' ヽﾆﾏ./
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だが、それでも、止まることも退くこともしない。
右のマニピュレーターを折りたたんで人間のような握り拳を作り、
残量も少ないエネルギーを振り絞って突撃する。

今しかない。

虚を突かれたロストワードも、アサルトアーマーの衝撃によって電子系統や
カメラアイに障害を起こしているらしく、定まらぬ拳を振り回していた。

それでも、どうやら音と直感でこちらの大まかな位置を割り出しているのか、
次の瞬間には右の拳をこちらに向けて引いていた。

今仕掛けて、仕留めなければ、もう勝ち目はない。やるしかない。
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4517： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 21:25:36 ID:M1jcoGRQ0

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　 　 ﾍ「／¨＞ミﾒ∨ｲ　　　　　　　 ／ / /_...　-一 T¨￣　/　/
　　/／ 　 ´　ん㍉Ⅵｰ　　 ヽ _ ／斗rﾋ≦三z＿　｜　　/　/　　　／
　／｜　＼__弋_リﾉ|　 ,　　　´　 イ／￣　,.ﾆニ、ヾﾒﾐ､ /／　　 ／
　　ヽヽ　　 　 ￣　 |／　　　　　　 ＿　　 |　ｆj　｝ /／／　　 ／
　　 /|＼　　 　 　 　 　 　 　 　 ￣ 　 ￣”ミ＝彡ｲ∠　-－'
　　′l　 ＼　　　　　　ｊ　　　　　　　　　　　＞／　　　　　　　　　　／
　 ｌ 　 '.　　 　 　 　 　 |　　　　　　　　　 ／／　　　　　　　　　　／
　 |　　 ヽ　　　　　 　 ＿_　　　　　　　　／　　 　 　 ＿_ ／￣¨二二
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＼|　　、＜::..＼ 　 　 {　　　　〉　　　 /／　　／　　 /　/.::.::.::.::.::.::.:::
　／.::.:.ヽ　二二＼ 　 ｀ ー‐ '　　 　 　 　 ／　　　 /　/.::.::.::.::.::.::.::.::
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敵機の姿が、異形の鴉のようなロストワードの躯体が視界一杯に広がっていく。
雄叫びを上げ、敵機の下腹部にあたる部位へと狙いを定める。
コックピットの位置は最初から分かっていた。
この二機は兄弟。その基礎スペックも基本構造も共通している。

そして、それは相手にとっても同じだった。

マーシフルの拳が届く直前、視界が復旧したらしきロストワードが、
猛然とこちらのコックピットに向かって鉤爪じみたマニピュレーターを
振り上げようとしているのが視界の端に映り込む。
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4518： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 21:27:58 ID:M1jcoGRQ0

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　　　 「ﾆﾆ>､　　　　{-=ﾆ＼　　　r‐ヘ　'　 |ﾆ{ﾆニニ{　 'ﾆﾆニﾆニニニ=-／／-=ﾆニﾆУ　　 ／ﾆ/ 　 〈/　'　　 /-=ﾆニニﾆニ／／　 __ ／ ／
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　　 ｡ ＼＼-=ﾆニﾆ{-=ﾆﾆ/ﾆ＼ __＼＼ﾆ=-＼＼ﾆﾆ'-=ニニﾆ=-／-=ﾆニニニニニﾆ/-=ﾆ〉-／　 '’　 　 　 /-=ﾆニﾆﾆﾆ／-=ﾆニニ／／
　 　 　 , ＼-=ﾆニﾆ＼-=ﾆニニ=-＼丶＼ﾆ=-＼ﾆ/ﾆﾆニﾆ=-／〉-=ﾆニニニニニﾆ/-=ﾆ/／__／ ／〉　／/-=ﾆﾆﾆ=-／-=ﾆニニ／
　　　〈_]　　＼-=ﾆニﾆ＼-=ﾆニニ=-＼＼＼ﾆ=-/ﾆニﾆ=-／ﾆ/／-=ﾆニニニニﾆ/ﾆニ／ﾆ／ ／ﾆ/／／-=ﾆニニ／-=ﾆニニ／
　　　 　 　 <7 ＼-=ﾆニﾆ＼＼ﾆニニ=-＼＼＼/ﾆニ=-／ﾆﾆ／／-=ﾆニﾆ／=- /／／-=ニ／=-／／-=ﾆニニ／-=ﾆニニ／　　　'’ ／
＼　 　 ｀ _＼　　 ＼＼ﾆニﾆ＼＼ﾆニニ=-＼＼-=ニ／ﾆﾆ／／-=ﾆニﾆ／ﾆ=-／／-=ニ／=-／／-=ﾆニニ／-=ﾆニニ／　　 ／ ／
＼＼　　 L＼＼ 　 「＼＼＼ニ丶＼ﾆニニ=-＼＼-=ニ／／-=ﾆニﾆ／ﾆ=-／／-=ニ／=-／／-=ﾆニニ／-=ﾆニニ／　　 ／ ／
三=-＼＼ `┘　　　＼ 」' ＼＼ニ＼＼ﾆニニ=-＼＼ -／-=ﾆニﾆ／ﾆ=-／／-=ニ／=-／／-=ﾆニニ／-=ﾆニニ／　　 ／ ／

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そして、互いの拳が交差したと認識できた次の瞬間。

視界が暗闇に閉ざされ、意識の糸がぶつりと切れた。
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4519： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 21:28:12 ID:M1jcoGRQ0

　　　　　　　　　,,..､._,ii､ -,,..-'';,i'　　　|;;;;;;;;;;;;;.;v―ｰi;;,,v-ｰ'"　 　 　 　 　 ,,-- 、
　　　　　　　　 ヽ./ 　 ｀ﾞヽ,;;;;__ゝ,, ..,,lﾞ;;;;;;;;;;./ 　　　　　　　　　　 　 _,,iiiﾆｿ一'" : ii、
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..l;;;;ﾞゝy レ;;;;广'L;;_..ｺ　　　　l;;;;ン'ｯ;;;;;;;;;;.,,.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;./ 　｀''､_;;;;;;;;|　　　　　　　 .,,,　　　　 .　ｌ､;ﾞ￢．
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__/;ハ ヽ 斗―＼l-　＼＼.　　/イ/　| ／/,ｲ｜
ｰ'´　ﾍ＼＼ヽ二 ＼　　};;;{＼/ ＞┬ ｧ| 〃 |
　　　 ヽ 弋F千　卞､　 ;;;i!　 　 ^ー'彡/ 　 ∧ 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　……そう。
ﾄ　　 　 ＼ ｀ﾆ´￣" 　 　 　 　 };;;;{ 　 / 　 /　 '　 　 　 　 ／.:/
| l＼＼　　＼　　　u　 　 　 〉　 ;;;i! ／　イ　　　', 　 　 ／..:::/　　　　　　　　　なら、好きに、するといい、わ。
| |　 ＼＞ー一　　　 ＿_ __,,.　　　ｲ　　|、　 　 ′　/ /.:::/　 ／
| |　　　　 ＼　　　　　 　 -　　 ／｜　｜＼　　　У /.:::厶イ　　　　　　　　　　自分が、選んだ、地獄を……
二丶　　　 ト＞　　U　　 　 ／　　|　　|　　 ＼／／￣_,. -‐　ニ
::::::.ヽ＼ 　 |::7r―- ｀＝二´　　　 |　　|　　 ／　　　　￣　　　　　　　　　　　　　行けるとこまで、行けば……
::::::::::.ヽ ＼ |:| |::::::/r‐::共::ﾄ＼　　 | 　 |一'二二二、､＿,..　-―
:::::::::::::::..＼ヽトl:::::|:|::::|:|　|:|:.ヾＶ＜| 　 '::::::::::::::::::::::::.ヽ＼::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::ｌ |:ｌ ＼|:|::::|:|　|:|:::::}:}＼:ｌ　/ .:::::::::::::::::::::::::::.＼＼ー＜二
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4520： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 21:28:33 ID:M1jcoGRQ0






　　　　　　 /　￣　};;;i!i!i!{￣￣,
　 　 　 　 /i!i!　 　 |　}i!{　　　 |
　　　　　 { .:i!i!;'：　 ﾄ　}i!{ 　 　 |
　　　 　 人　i!　 　 | ｀ヽ}i!{　　 |
　　　 　｝i!i!ヽi　 　 |　 ',/　i!　　|
　　 　 /}i!!{　　 >,,.ハ　 ｉ　}i!　| |
　　　 ｉ　i!i!　/　　ヽ　 レ　!i! / !　　　　　　　　　……。
　 　 /´´i!ｉ/　　　{　/ 　i!i!／　）
　　 ｉ　　iﾉ　　　 /i´ﾞ　 　/　　 /
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　　　 　 　 (...,,,_...-'"i!i!!　 / ,′
　　 　 　 _...- '"´　i!i!_....ノ ,'
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　　　　　　（_...,,'-"ν　　ﾎ
　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　λ
　　　　　　　　　　（i!!）







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4521：安価のやる夫だお：2021/10/19(火) 21:29:10 ID:piH7WO/w0
ああ…

4522： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 21:29:13 ID:M1jcoGRQ0

　　　　＼.ヽ　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿,〈　/
.　　 　 　 ＼ ヽ　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 , ／　　_）く｀ヽ
　 　 　 　 　 ＼ ＼ ＿　　 　 　 　 ｨ　lヽ　{ヽ 〃　 ／　　　 Vj　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 . , : :γ⌒ヽ
.　　　　 　 　 　 > ｲ　 ⌒ヽ （ {　/: :二 ∧, //'　 /　　　　　oﾊ　　　　　　　　　　　　　 　 __. . ＜: : : { : : {{　　 }}
　　　　　 　 　 ,′ ′　　　 ヽ＼､: :|ﾍ ヽy/ { {､ j 　 o　＞===ト ､　　　　　　　　　 . . ＜〃: : : : : : : 弋: : ゞ=="
　　　　＿＿＿{ 　{　 　 　 x=ミﾏ＼ﾄ∧__}!Y:i ｀ ´ 　 ／　 ．-──＞　　　. . ＜ : : : : : : {{: : : : : 斗　　´
　　　 ヽ　 　　 ∨人　　 〃 　 }}:|.:| ヾfY{l|人ゝ0_ 斗＜　￣ミ ＜ . . ＜: : : : : : : : : : : 斗 ﾞ　´
　　　　　 ＞､　 乂o ）　 l!ゞ=彳: Ⅶ:.圦刈 : : 7三} ヾｲ ヽ . ＜: : : : : : : : : 斗　　´
　　 　 ／ 　　` ＜ 　 o　} ' T: : : :ⅦLHУ:／ﾆ＞. : :´ : : :_:_ 斗 r≦_ ヽ
　　 ／　 　 ， 　 / (>ｰｲ＿_L_ミ=ｘ: :斗r≦: : : : : 斗r≦ (ヽヾ ' ＼ﾏヽ｀ }　　　　　　　　　　ようし、どんどんブチこめ！
　　　-─=､ ｱ丈＞　/ / ＞ ヒ Y: : : : : :斗_ｧ､´＿　 V く xへ　　　>: : ｿ
　　　　　 　 (/　＼ く r[]: : : : : : ゝ≦ｭ :|: : : :ﾘ: :_: ､ヽ ＼ ヽヽ ヾイ彡"　　　　　　　　　　　 ネクストだろうと数の利は消えねえ！
　　　　 _r≦.:＼ 　 ＼弋ニ:_:（(＞＜LT:l､「: f:（＿）､＼}　 ￣｀¨´
　　　rf_ z//_ - ＼　/! f ﾆ⊃ｰ //､_ヽ ──ﾄ､Y /:.:＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 スモークとフラッシュを絶やすな！
　 　 　 _//　_/7＜` 弋i{三}: :Y:/ゞ-ｿ-──j´ }/: : : : :＼|
. 　 　 / /　/ /_'∠.:＞､__ﾍ: : .:∧: :{ : r──}: :〈 : : : : : : :j ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　 各機交互に撃ってリロードの隙を埋めろ！
　　　 {＿フｰ,.斗-r∨: : : : : : : /.:〉∧ ∨: : :ﾊ∧∨: : : : :/､＼ ヽ
　　　 　 　 /!　／／∨: : : : : /.:/|: : :＼∨/　' ∧∨: : :/　 Yへ ｿ
.　　 　 　 / {＿__ヽ／∨: : : /.:/ l|: : : : :`r' ＼　vﾍ∨: :l/ r／ ｲ
.　　　　 γ⌒ ､　＼:.､ ∨: /.:/　 |: :＿: : |　　 ヽlVﾍ∨:|!_」/ ､ ﾊ
　　　　 /　/　　`フ l　} ﾊ :}:/ 　 :|´l.:.:.:.l｀|　　 　 {ヾ〈 ` ミ〈＼r ｿ、
　　　／　 { ＿／ z弋＿ ゝ'　　　| :i.:.:.:.i: |　　　　∨l ヽ　｀_}Y´ﾍハ






|.　　　　　　/　 　 　 //　/ 　　/　　　　 ＾ヽ　　　　　　　　　 ＼二 〉
|.　　 　 　 /　 　 　 //　/　　 /　　　 l/`ﾚi ヽ　　＼ヽ　 　 　 　| 〃
|　　　　　/　 　 　 //　/　　 ,.　　 　 /ー‐l　Ａ　 　 トl　　　ヽ.　|｜　/
l　　　　 /　　　　 //__/　　 /l　　　 /　　 ﾊ/ ｛　　 ヽl　　　　|　lィ　 !
l　　 　 /　　　　 //　′ 　 '_」　 ィ７　 　 | |　 ∨　　｛　　　　| / |　｜
|＿＿,/　　　　 //｜l　, |　|_」 ム| |.、　　| |　＿>、　 ヽ　　 // ｜　|
￣￣＼＼　　./////∨ |　|´| lャ丈､＼　| |´ｨ赱ｱ>､　 ＼_// ,./|　｜　　　　　　　ざまあねえなネクストさんよ！
　　　　 ＼＼//ﾆ ｨ(_// ゝ.ゝ| |￣　｀＼! ゝ!　　　　　＞　　ニソ∧　|
＿＿＿＿_ｙ /l＿_| ｀ ゝヽ＼ゝミ-　　　}　｀＼　 ゝ二ｨ　, /　　 'ｌ　ヽ|　　　　　　　　最初の暴れっぷりはどうしたぁ！
　 | | |　　 //　_____＞┐, ﾍ.､≧=‐　　 ,{ 　 　 ｀ 一／／｜　 /｜　｜
　 | | l 　 // ｙ　　　,(__ｊ/ | .≧‐　　　　ヽ ´　　ー ´イ　 /l　 / /|
　 | | | . // /　　　 ゝ- / V{__l＼　 ゝ＝＝＝ラ　／l/ / ｛　' /. |
　 | | レｌ l /￣　　 〈　/　 |ﾍ _＞ヽ　｀¨二¨´　∠.彡' /　∧| '　 |
　 | | ﾚ//,′　　 　 .ｙ′ ∧ ＼　　丶＿＿ ∠　/　 /　/　 |. 　 |
　 | |ﾆ ｲ.′　　　　｜　　|　V　｀ ￢　工　工　ｲ　 /　 |　　|. 　 |
　 | |　/｛　　ｒ　　、 lﾍ.　 l　 ∨　　 |　 |　　|　　〉　|　　|　　|. 　 |

4523：安価のやる夫だお：2021/10/19(火) 21:30:33 ID:fwRBPpsw0
さらば一周目のヒロインよ

4524： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 21:30:41 ID:M1jcoGRQ0


　　　　　　　　　　　　_＿　　-===
　　　　　　　　　 .　　_　　　＿＿　　　　　 ＞--=ミ、
　　　　　　　　　　　　}　　　　　　　 ＞-==ミ:{　 　 　 ,＿
　　　　　,ｨ　　　　　 /-==ミ≦三 <　　　　./从 　 　　∨＼、
.　　　　　　　 　 　 /　　　　 ｀㍉　 ＼　　// |∧.　 　 ∧.//
.　　 /　　　　　　 /　　　　　　　∨´　.＼У| | .∧ 　 /　∨
　　/　　　　　　 / 　 ／　　　　　∨´二___ﾉ| |　　　　 　 ∧、_
.　　　　 　 | 　 l{　 x≦=-- ｧ　 　 ヽ　r‐‐‐.| |　　 ∨　./ 　｀ヾ}
　 {　 　 　 | 　 |／}k r'}:}　/　 　 　/ / 厂_,ﾑ.∨　　∨　 　∧　　　　　　　　この、うざったい……！
　　　　　≧、　|　　 弋ﾉ 　 　 　 　 / ク }　 ﾊ ∨　　∨　/
　　乂　 圦r}｀¨　　　　　　　　　　}/　　（　/　 ¨　　　 ∨　　 ∧　　　　　　　ロストワードはまだなの！？
　　 　 ヽ _ノ　　　　　　　　　　　　　　 厶ｲ　　　　　 　 ∨
　　　　 八　　　　　　　　　　　u.　　　/　 |　　|　 {　　　 ∨　　　　　　　　　　こんな有象無象、あの機体で薙ぎ払ってしまえば……
　　　　{_,厶　　_ --==　　　　　　　　.:. 　 |　　| 　 ＼　　 ∨
　　　 　　 ∧　{　/ r‐ 　 ヽ　　　 　 　 　 乂_ 　　 　 ＼
.　　　　　/　 　∨　}　　 　｝　　／　　__. :≦ `　_　　　　＼　＼
　　　　　　　/＼＼」_　 ／　　　　　厂　　　　　　＞　 　　 ＼
　　　　/ 　　　/ ＼　　　　イ　 　 /　　　　　＿_/＿__＼___
.　　　/　 / 　 {　　　　 ／ ∧ 　 /　　　　　{厂夂ク彳　 　 ＼
　　 /　 /　　八　　 ／　 / ∧_./　　　 　.イ





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,. . :‐､: : : : : : -. ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,. :´: : : : :|: : : : : : : : : Y､-- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /: : : |: : :{: |_,. - ､: : : : : {ﾑ､: : :∨ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ': :|: : :|: : ::Ⅵ　 　 ｀ヽ,: : :ﾏﾑ:＼: :.　}〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:': :|: : :{: : : :.:|　　 ＿　彡: :ﾏﾑ: :}〉∨'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.': |: :{: : ::∨: : :|,ィ ´　　　 彡'-､ﾑ/: : .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:|:{: : :,.-|､∨: :{　ｨ_ﾌ芹ｧ　 l! l l}ﾏﾑ: : :.＼､＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:{: ､: :{ｨtｫﾐ＼_〉 　Vｿ　　/:|_ﾉ/: ﾏﾑ: : ::. ＼///Σ　　　　　　　　――ウソ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:从:＼〉Vｿ 　 　 　 　 　 |: {イ : : {ﾏﾑ: : :',　 ￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|: :､:＼:＞ 　､　　　　u. 　{从: : : : :. ﾏﾑ: : : ､　　　　　　　　　　　　シグナルロストって。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|: : :,: : 从　　 v:.､　　 　 /: : : :|: : : :. '，　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,　 ∧: : : :._:､　　 　 　 .ｲ |: : : :!: : : ::.　､　 　 　 ＼
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 r=====∧ : : ∨ ≧r-　´　　|￣＼　 　 :.　＼　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　,ィ:::￣｀ヽ＼:::::. : : :.　Ⅵ　i 　　　|　　　＼　　:.　　＼　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::::::::::::::ﾏﾑ::::r､ 　∨､＼l　　　乂_､　＿＼　} 　 　 ＼　　　　 ＼
　　　　　　　　　　 　 　 　 /::::::::::::::::::::::::ﾏﾑ:::}ﾑ 　}:::::＼ヽ 　　　 l{/／⌒｀ |　　　 　 ＼　　　　 ＼
　　　　　　　　　 　 　 　 ,ｲ:::::::::::::::::l::::::::::lﾏﾑ::::|　 |::::::::/　＼-､　r! ＼::::::＞- ､ 　 　 　 ｀ 　 ､　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　/:::l::::::::::::::::::,::::::::: :::ー=|　 |== ､＞--＼　/ ／:::::{///}:::ﾑ　 　 　 　 　 ｀　 ､
　　　　　　　　 　 　 　 {:::r-----､::::l::::::::::::|:::: /　/:::::＿｀ヽ､__{二二ヽ====ﾐ､:::::}lﾊ　　　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　｢∨///////r==ﾐ､::/:::/　/／o:::::｣:::／:.:＼二二}:.:.､:::::::＼l|､:::.､

4525： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 21:31:00 ID:M1jcoGRQ0

　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　 ／:／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:::::}::::::::::::::::::',
　 　 　 　 -=彡イ::::::::;;::::::::::::::／::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::/:/:::::::::: /}::/}::::::::::::/:::::',
　　 　 　 　 ／::::-‐''":::::::::;:イ :::::::::::::::::: /:::/:::::::::::::::/:/:/:::＼::://:// ::::::: /:::::::: ',
―――‐:::'"::::::::::::::::;;:-''"::::::::::::::::: / :: /:::/:::::::::::::::/:/:/::::::彡＼://::::::::: / ::::::::::/
::::::::::::::::::::::_;;::-‐::''":::::::／:::::::::::::／ :: /:::/:::::::::::::::/:/:/_彡'了ゞﾐ'/::::::::／ ::::::::::/
＿:::-‐=''":::::::::::::::::;;ィ'" ::::::::: ／ ::::: /:::/:::::::::::::::/:/{:{＼　 　ん'/::＞":::::::::::/:/　　　　　　　――！　各機突撃！　敵が動きを止めた！
::::::::::::_. .-､--､::''":::::::::::::::::／ :::::::: ∥∥:/ :::::: /:/ .|:!>ﾐ';　　／'"! ::::::::::::: /:/
_,. ＜ : : : : ＞ 、｀　 、 :／:::::::::::::::::i!:;ｲ::/!:::::::: i{:{,ィ'|!＞'ﾞ　　　　 ',:::::::::::::/.!:!　　　　　　　　 PAの剥がれた今ならブレードが通る、斬り込め！
: : : : : : : : : : : :,＞　_ ｀ヽ、::::::::::／:ﾚ :|/::|::::::::::|i:|"´|　　　＿　 　 >::/!::/　l:|
-: : :_: : : ,,＞"´　　　｀　、＼:／: :＼ilililili|::::::::::|.|!　 　 ,r'"ヽ_＞'´ ::///　　ﾘ
＼: : :｀＞ 、　　　　　　　 ヽ ＼ : : : ＼ilil＼:::: |､!　　　ヾ／ |:::::::／／
ililil＼: : : : : ＞ 、　　　　　　 ＼.､: : : : ヽiｌiｌ,＼{ ＼　　 ,rﾞ　 |:／／
ilililililil＼: : : : : : ＼　 　 　 　 　 ヾ、: : .　ヾ　　 ＼ >'ヾ、　 ´／
ililililililililil＼: : : : : : ＼　　　　　　　|: : : :　　',　　　ヾ 　 }
ilililililililililililil＼: : : : : : ＼ 　 　 　 ｜: : : 　 /}　　 　 ｀¨´





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/
)ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　/__/
＼ ＼　　　　　　　　　　　　　　x＜＼＼----､
　 ＼ ＼　　　　　　 ＼＿「二V　　ヽ 〉　∨ ／
　　　＼_＼＿＿　　/{‐＼| ﾄ､ V､　　　　 }/／￣￣／＼
　　　　/／─=ミ｀ヽl二ﾄ､ ＼oｰ〉::Y　　 /二l　　　/─‐┴--､＿＿　　　..F-!
　　　／　　　　＼)　∨ﾍ ＼ ∨|::::弋__xﾍ￣￣￣ {　　　　　/_/┬─'　　 |　|
　　/　　　　　　　　　 }:::::＼}Vﾊ|::／}　　 ＼　　　　ヽー‐ｧ─'ノノ)_)　　　 |　|
　　{　　／⌒＼　　_ノ::r─‐┐{^|/７　　　　 ＼＿　 {::::／　　　　　　　 　 |__j　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／x>
　　〉／　　　,xｉ〔厂＼/＜￣:|::|_,|/{／＼　　　　　￣￣　　　　　　 　 .γ⌒Vハ 　 ＿　 r､　 　 　 　 　 ／ ／
　　{　｡oS「 ゝ‐'＼^≧s｡::＼ﾉ::∨::{＼ : : ＼　　　　　 　 　 　 　 .,　 -/　/⌒　{ V |γヽ. 〉j　　 　 ＿／ ／
　　￣　 /　　＼＿＞＜//≧s｡ヘ､: :〉＼ : :＼　　　　　　 　 　 .{　 o{__/　 　.∧ v| { 　j//ﾊ γ´　-‐ く　　　　　　　　「囲め！　囲め！」
　　　　 {　　　 /:::}￣｀`''＜//《////ミh｡.,ヽ: : |　　　　　 　 　 　 ＼　　　 〃　ゞヽ 込ソ/ ァ/ ｀´ o＿ (ﾊ
　　　　∧　　/＼{＿＿　　厂 /二`弌///≧s｡　　　　　 　 　 　 　 ＼o　{γ:´: /. 代Hj （_/ ﾟ ≦===ミ 〈　　　　　　　　「このまま押し潰せ！」
　　　　　 ＼/:::::::::::::/　￣￣`＜ﾉﾉ⌒＾^'弌////＞s｡　　　　　　　　 ﾄ､ ｰ〈ﾐx : ｰr-:' : : _/7´　　 　 ﾊ//｀ヽ
　　　　　 /ー‐=彡ｲ: : : : : :::::{ |┴-r--､: :/７⌒＾^'＜/≧s｡.,...r＜⌒ヽ ＞＿｀ }/7_ /／ へてヽ　　　l ＞ "
　　　　　{─ァ‐‐ｰ=ミ≧s｡.,: :| |　 /　　〈￣ {　　　　　⌒.∠二 ヽ/_￣　¨　　 　‐-===｀ ｰ┐ __ｰﾍ ,..⊥.......,,,,　　　＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　| ／　　　/　/⌒ヽ`'Ⅵ　 }　　　}ー{　　　　.(二{ { (二二≦三三ミ辷ァｧz ､-- ､ （ (＿((´::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:￣￣.:.:.:＿.:三二ﾆ=-
　　　　　く　　／￣`ヽ､　　＼〉〉　 ＼　〈／ﾍ　 　 　 　 ｀ ｰ'＞ ー-＜_っ‐─ゞr┴‐ ､:弋フ､ ＼ ≧ー r──‥…　　''''''' 　　"""　￣￣￣￣￣
　　　　　　^У／￣ヽ　}　 /　`　　　　＼＼xﾍ　　　 　 　 .｝: イ´￣￣＞￣ヽY´￣: 7 : ／ : ＼ `ｰ一リ
　　　　　＿〈　＼::::::/　}／　　　　　　　　＼＼〉　　　　　 .ﾚ _〈__xﾍ 　 　 ´　ﾉ|: : : :/: / : : : ', : : ￣￣l
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.. .Ｖ∧　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 / 　 ′ . ７ ＿ ）へ _／　 ∨.:/　.レl : :／／　∨　 〉
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..__＞　（◎） j/x: : : └┬一': : : :＞f 从 ◎　 　イ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼ヽイ　 |: |
/　x｀ ¨¨¨ﾊ´ ＼ミﾏ :/ﾆﾊ: :r＜≦={ : :ゞ=≦=ｧ─z…
＼ｲ /　 /　}- ､_｀{,ﾊ{ ‐'　|: ﾊ- ‥-r '　　　　′　r ｧ
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4526： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 21:33:18 ID:M1jcoGRQ0

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　j廴ﾊ　 笊ﾃﾐ:::::::::::::: 尓Tﾊ　}⌒i　＼ ヽ ≧=─一
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　'. '　　　　〈　 　 　 　 ムｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 ∧ ヽu. 　 -‐ ､　　 /　　 ＼　＼　　　＼　⌒＼ -‐=ニニ　 ､
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿_ｌ＿ /__ ＼＼　V_ ノ　 イ　 　 　 　 　 ＼　 　 丶　　 　 　 　 　 ⌒ヽ　　　　　こ、の……
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　　　　　　　　　　 　 　 {ニニニニニﾆ＞　7 ￣　 ＼＼7＿_} 　 　 ＼　　　　　　＼　 　 　 ヽ　　　＼　　　　　　　　ノーマル機風情に……！
　　　　　　　　　　ﾄ､「＼|ニニニﾆﾆ.´/＼_/　 /　 /　ヽ　ミﾒ､_]＿厂 ｀　‐-　　　　　＼　 　 　 ＼　 　 ヽ
　　　　　　　　　　|ﾆｌﾆﾆ＼ニニニ/,/＼_/ ｌ　i| 　ｌ 　 / ＼　 ヾ. }　-=ミ.　　 　 ｀　　 　 ＼　 　 　 ＼､
　 　 　 　 　 　 　 Ⅵニニﾆ＼ﾆﾆ. /＼_/　 　ｉ|　 |　/　　 /＼　＼　　　 ヽ　　　　　　　　 　､　　　　 ＼
　　　　　　　　　　/＾＼ニニﾆﾆV./＼_/ 　 l　i|　 |　　　 ,　　　＾ヾ.　 　 }　}　:.　　‐-　　　　　 ≧=───
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　　　　　　　　　　　 /ｿヾﾑ　　 ﾏii。　　　　　　　　　　　　　　　　iﾆ＼､､./＿_/__/,　　 /i/::::::::::＼三三三／
｀'＜≧s。,,,__　　　　.}ﾏ　i}_}.|i　　 　 　 /　　　　　　 　 　 　 　 　 .i三ﾆ＼＼_ヽ､　.∨彡.i{ｨ=.､:::::::::ヽ三／
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　　 　 　 　 　 ＼_)＼/ミ:::.:..　　.'" ;:.　　’三ミﾐ:､　 " .〈三＼ .//　i三三//////＼: : ヽi:}:､:::::{ ﾉi:::::::::::∨
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　　　　 　 　 _冫三::；イ .: .: 　#;. .:.''".: ,:,ilill''''"""ﾞﾞﾞ''';lliili; . イ_{ﾆ}三|ノﾆﾆi}ゞ''´。イ､ｰ-:.∨:乂＼ｲ: : i}:::::::::i
　　　　　　　 ）三:,ｨ' ' “,,,　-―-. .:.、:.illii'' ‘.'　　 ,.'　　 ''ill'../戈/./∧ﾆﾆ/{ .乂//ミ.／: : :ゝ==彡: : : :i}::::::::i
　　　 　 　 ⌒ヾrf' . :.'"　.: :　，　　　illii''　　.'　　　 　　''iilli;._i┤〈././ゝ=ヾﾑ　i}＞: : /i/i/ ﾏヽ∧: : ∧i}:::::::i
　　　　 ,,,,;;iiilliii;;;,,,.　　.: :.,イ: . ..　　 iilll;,　 　 　　 ・　　　,;iilli; .ﾆ/三i三三.＞'´: : : :ノ ヾ〉ﾆ, ﾏ　ﾏヽ.i .ﾏ:::::::i
　　　 ,ilill''''"""'''llili,i. . 　 ':;::!:. . .　.: .:illii ,　　.'　　　 　 ,,,;;,,,;.i]ヾ}ﾆ／ヾ＼＼/: : ／, ∨∧二, ﾏ　ﾏゝ=ｲ::::::/
　　 illii''　‘.'　　,.'　''iil'　 ::;;;' .. . . '_∠ iillil;,　　・,‘ .:;:;;''''"""''';;:;:.;..／.＼ヾ.ｲ／┐　￣乂＿彡ゞ''ﾞ　　 ゝ=ｲ　　　　　　あ――
　 ' illii'',　　.'　　　　''iill.; '’: . 　.∠三三'''iill;;,, 　, :;;::　‘.'　　,.'　: :;;'.　 , .／i{ﾆﾆﾑ
　　 iillil;; 　・,‘　　;;lilii　. . . ::. /三三＝―"ﾞ''''''il:;;:: ,　　.'　　　　 ::;;:.',＿.i}ﾆi{ﾆﾆﾆ}==/〈.∨
　　　 '''iill;;,’　, .',;;llii''''..:;:;;''''"""ﾞﾞﾞ''';;:;:.三｀:.: : ''";::;;:;　　・,‘　　 ;:;::: :..::三ニﾆ ＝=― -- . ｲ
　　　　 ''''llliiliillli''''.:＼:;;::　‘.'　　,.'　 、　､　　 ,:彡''''::;;..’　, .' .;;::'''' ==ゝ'´,。ｲ{＼　 ＼　＼ﾑ
　　　　　　 ﾉゞ'´ ....:.:;;:: ,　　.'　　　 　＼_)＼/ミ:::.:..　'''';;;::;::;;;:''''三ミﾐ:､　 "´／　＼　 .＼　}_i
　　　　＞´　＞´　.::;;;　　　　　｀ヽ.＿_ﾉーシ=二≡=､;::=-::.:..　’.:.::=､彡 ､ . ﾉ∨´　｀'＜　＼＼
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4527：安価のやる夫だお：2021/10/19(火) 21:33:25 ID:bxOO3pWE0
ネクスト3機がかりで負けるとは思わんかっただろうなぁ

4528： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 21:33:29 ID:M1jcoGRQ0

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　　　　　　　　　　　　　　　｀丶　　　　　》:;:;;#ﾉ彡三二三 」──　二=≡≡＝ヾ:;:;:．，ゝ　──　─　i!二二二｀７
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼丶　ヾ，:;'ﾞ´'人i从'※'iﾐ彡∠ﾞ´　　　　　　　｀ヾ:;:;　；:;:レ'　　　　　　　 　/７∠／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ヾ人'ﾞ´;:'´川彡／ｒ-三ﾞ´　　　　　　　　　　　｀ﾞヾ;:;　;:／　　　　　　　〈_/
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　川//｀　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ!|i!i|ヾゝi!二二二｀７
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　　　　　　　　 　 　 ─＝二て　人从#ヾ|＼/人从/　　／　＼ヾ　／/　#i∧ノ/《ヾノ！　　ノ/人从／

4529： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 21:33:40 ID:M1jcoGRQ0

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4530： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 21:35:16 ID:M1jcoGRQ0

〜Tips〜

　　　　　　　 　 仄いrく艾艾艾艾癶、
　　　　　 　 　r巛Uj〉j〉j〉::::::::::::::::::::辷う、　　　､
.　 　 　 　 ｎrｎrｎrｎrｎrｎrｎ:::::::::::::::::::辷う、　　 ＼
　　　　 ／乂乂乂乂乂乂乂ｎrｎ:::::::::::::::辷う、　　 ヽ
　　　／￣　　　　　　　　　　乂乂ｎrｎ::::::::::辷う、
　　　　　　　　 　 　 ＼　 　 　 　 乂乂ｎ::::::::::rう)、
/　　　　 　 　 　 　 　 :.＼ 　 ＼　　　 乂ｎ:::::::::rう)　　 　 ′
　　ｉ　　　　　　:　: 　 ::::::.　ヽ　 :.＼ 　 　 乂辷辷く　　　　 ′
　 ::|:.　　￤　　:...:|....: i :::|　　　_}L.:. 　　 　 艾艾艾＼
　 ::|:: |:::::ｌ|:.. . .::::::|:: 斗r七'　　　　 |l　￤ 　 Y⌒Y^　 ＼ 　 |
　 ::|:: |:: 八:::::::::::::|ｌ::ｌ::|　〕斗ぅ弌7. |ｌ 　|:　　 V⌒ト､　＼＼ |
: |:八:. ､:::: ヽ :::::::八乂{ｱ乂`ｰク　 |l　 ﾊ:. 　 | 　 |ｌ　＼　＼＼
: |::::: ＼＼⌒＼/　　　　　''¨゛´ 　 八Λ|::　| |:)　八. 　 ＼　|
八::::::::::|＼ 托笊!　　 　 　 　 　 ./ .:/ ..:|::　ﾊ! ,.:代＿＿___＼＿＿
:.　＼ : |＼＼`ｰ1　　　 　 　 　 /／〉..:/|. /　「 ::|ｌ　　 |.　　　 ) 　　 )
＼　　丿:::::ヽヽ込､ 　　　　　　　　/／　 ′/　 :|ｌ　　 |　　　(
　 ＼　　 乂__込、 　 　_　ｰ　　　　　 ./　 /　　 |ｌ　　 ﾄ､
.　　　　（　 |:l ＼ ＼　　　　　　　　　./　 /:/...　八|: 　|:::＼
　　　　　＼|:l:: |:ﾊ　 ヽ　　　　　イ..::/　 /:/ 　 /|:: |: 　|:::::::::＼
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　　　　　　 |:l:: |:: |: |: ｜}/ 　厂￣　,ィ__八/: : : |:: |: 　|

【Name】
アリス・メルキュリー(二週目)
【Status】
AMS適性：A
極めて高い適性の持ち主。
高負荷の機体であろうと問題なく搭乗できる。

戦闘技術：A
ネクスト操縦技術。
オルデンブルク最高ランクのリンクスとして恥じない実力。

【Note】
オルデンブルク所属の異質なリンクス。
ブライドルランク4。二十二歳。

二週目においてはやる夫と関わることもなく、粛々とリンクスとして任務を全うし続けていた。

桜花の粛清騒ぎ、そしてその残党狩りにおいて、オルデンブルク筆頭リンクスとして出撃することとなる。
任務の内容もあって、一週目での戦闘中における荒々しさすらない、冷淡な言動を見せる。

最後にはマーシフルと交戦。

コックピットを拳にて貫かれ、圧死。

4531： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 21:35:40 ID:M1jcoGRQ0

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　　　　　　　 /＼＼＼＼)小、　　　 　 　 　 Ｖﾘ　/i|／ /}/
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　　　　　　　 ｀ ｰ===彡/ 　 ＼　　　　　　　／ｰ=彡′
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　　　　 　 　 　 　 　 /:::＼　　　　 ﾘ爪㌘””””´＼
　　　　　　　　　　　人:::::::::｀ ー==だ以:＼. . . . .ヽ ;
　　　 　 　 　 　 ,,<㍑%＼::::::::::::::/＾‘，. ＼} .＼. . } }
　　　 　 　 　 ,,<㍑㌘^. . .＼:::::::{. . . ‘，o . . . . ｀弋.＼
　　　 　 　 ,,<○㌘＾... . . . . ..＼ﾉ. . . . ‘*， . . . . . . ｀¨`. .､
　　 　 　〃￣￣｀ヽ . . . . . . . . . . . . . . . .‘㍉， o . . . . . . .＼
　　　 　 {{ . . . . . . . ＼. . ..}}. . . . . . . . . . . . . ‘㍉.. . . . . . . . . ',
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　　　　　　}} . . . . . . . . . .У. . . . . . . . . . . . . . . . . ‘，.. . . . . ..′
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【Name】
ダージリン（二週目）
【Status】
AMS適性：C
ネクストに問題なく搭乗できる。

戦闘技術：C
ネクスト操縦技術。
主に装甲と火力を生かした戦いを好む。

【Note】
品行方正な金髪の美女。
なのだが、搭乗するネクストは装甲と火力のために全てを犠牲にしたガチガチのタンク。
ブライドルランク18。スポンサーはSI。
二週目では桜花重工の残党狩りという、汚れ仕事染みたミッションで登場。

戦闘技術がCランクであることから見て取れる通り、クーガーやなのはに散々揉まれ続けたやる夫には難敵足りえなかった。

機体のコジマ爆発に巻き込まれて死亡。

4532： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 21:36:10 ID:M1jcoGRQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　- ｧ――.-...､
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　　 　 　 　 　 　 　　 　 ／:.:.:.:.:.:.:.∧:.:―-:.:-:.:.:._､:.:＼r-‐.､
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　　　　　　　　　 　 ∧:ヽ:.:!ィ芹､:{　　 　 ｔ'炒 ' i:{ r　!i:.＼:＼:.!ヽ＼
　　　　　　　　　　　　｀ﾄ!∧　_ｔ':j　　　　　　, ,　!' t /'.:.|:|:.:＼＼ ＼＼
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　 　 r .､　 |ﾆ:|　:!ﾆ! 　 ヽｔ':.∧　 　, - ―ｧ　 　 / |:.|:.:.:!∧:.:.:.:.:.‘.　　 ´｀`
　 　∧∧　!ﾆ:|　|ﾆ! 　　　!:.:|:.:＼　ヽ　　'　　 , '　 |:.!:.:.:i:.:∧:.:.:.:.:.‘.
　　/ ∧∧ !ﾆ:! ,'ﾆ:! 　　　!:.:|:.:.:.:i ヽ. 　 　 ／ r- ┴―ァ､:∧:.:.:.. . ‘.
　　 / ∧∧|ﾆ:!,'ﾆ :! 　　　|: .!: : :.!／｀ヽイ　 /　　　／-=ﾆ＝､:.:.:.:.:.:‘.
　　　 /≧ ､三三∧ 　 　 i ,.'　／ ､　 　 |／　,ィ≦//三三三≧､ : : ‘.
　　　,'＞､ {､三三｀`､　　 i'　　｀,ヽ ヽ r'´　／三／'三三三三ﾆ i　 　‘.＼
　 　 !三:ﾄ-'/≧-='ﾆ !　　 ! 　 ,.' r} ／,ィ≦三／'三三三三三三i､.　　‘.　＼
　　　ヽ三ﾆ}{三三 ﾆ,　　 .' 　/ ≦'-＜三三//三三三三三三ィﾆi ヽ 　 ‘. ､ ＼
　　　　ヽ三/ﾆヽﾆ 〈　　/,ィ≦ィ三三＝＝-'{三三＞'´二二二三{ヽ. ＼　‘. ｀ヽ＼
　　　　　｀i三三三 .{, イ-ァ'／!!三ゝ'三｀ヽ〈三三三三三三三ﾆ∧ ヽ.　＼‘. 　 ＼＼
　　　　　,〈三三ﾆ／／／/＼/'｀¨｀ァ-―'三〉､三三三三三三三 { 　 ＼　ヽ＼ 　 ＼＼
　 　 　 /.三三／／／　,':.／:/三/三三三 ＼＞'´三∧-､ ,､三 .∧ 　　‘. 　‘.　`､ 　ヽ `.
　　　　,'ﾆ三r'　/: /　/　!､:.::.i!三r!三三三三「三三三 ∧ /三ヽ' 　＼　　‘.　 |､　i　　 ‘. :!
　　 　 i ﾆ三!　i!　i!　i　 i!:.ヽ:.ii三 i三三三ﾆ/:i三二ﾆ＝＝ﾆ三/､　 　 ＼　‘.　!　､!　　　i :!
　　　　`「 ¨ ∨i!　i!　i　 i!:.／ii三∧三三／三｀7　　　　　 /-'　　ヽ.　　　＼ ‘.} 　:i　　　| i
　　　　　!　　:∨　i!　i 　i'､:.:.:ii三三ヽ≦三三 /　　　　　 / !　　　　‘.　　　　ヽ|　　i　 　 i !
　　　 　 !　 　 ∨､i!　i　i!, - ､|三三 iﾆ三三 /　　　　　 /　‘. 　　　　‘ 　　　　i　　 !　　 | !
【Name】
リエラ・マルセリス（二週目）
【Status】
AMS適性：A
極めて高い適性の持ち主。
高負荷の機体であろうと問題なく搭乗できる。

戦闘技術：C
ネクスト操縦技術。
新兵でありながら光るものがある。

【Note】
ノービィ・ノビタリアと時期を同じくするニューフェイス。
ブライドルランク19。スポンサーはIGIO。
人当たりがよく、共同ミッションでは即製のコンビであろうと優れた連携を見せる。

IGIO管轄コロニーの一般家庭で生まれ育った町娘。
家庭的で温和、分け隔てない優しさと偏見の少なさから人から好かれやすく、養成所では文盲かつ無感情で不愛想なやる夫とすら仲良くしていた。

二週目においてはIGIOから桜花重工残党狩り部隊に参加させられることとなる。
ネームレスやスザクを出してこなかった辺り、IGIOの驕りが見て取れる。

最後には小破状態の機体でディランディ隊と黛隊、艦載機部隊の攪乱と集中攻撃に見舞われ撃墜され死亡。
ロストワードがマーシフルと単騎で激突、ヘルヴォルによるノーマル隊掃討という運びとなったが、これはマーシフルを相手どるには不足とアリスに判断されたため。

もしもIGIOが本腰を上げており、スザク・クルルギやネームレスあたりが出張ってきていた場合は詰んでいた。
（ロストワードによって桜花重工残党の潜水艦と通常戦力は壊滅、その後合流しマーシフルを撃墜）

4533： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 21:40:42 ID:M1jcoGRQ0

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　今回の本編はここまでだ。キリもいいしね。
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　一週目ではああだったが……一つ運命が違うだけで、こうも展開も変わるものだ。
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　　二週目のヒロインははやてだからね……まあ、はやてもはやてで、
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i　　　一週目では言及されるだけで退場だったし……
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

4534：安価のやる夫だお：2021/10/19(火) 21:43:14 ID:bxOO3pWE0
乙ー

4535： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 21:43:21 ID:M1jcoGRQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|　　　　　　さて、今本編はここまでだ、と言ったね。
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,　　　　　　言葉の通り、ここからは番外編をやろうと思う。
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|　　　　　　そんなもんやるなら本編進めんかい！　って思われるかもしれないが、
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,　　　　　　これ自体はやろうやろうと思ってタイミングを見失っていただけで、
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|　　　　　　いつか出すつもりだったし、必要なものだ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´





　　　　　　　　　_　_　_
　　　　　　　／: : : : : : ｀i
.　　　 　　　i: : : : : : : : : :!
　　　　　　　､: :○: : ○: :!
　　　　　　　 i: : : : : : : : : i
　　　　　　　 l: : :,, --_ｯ: :',　　　　　　　　まあ、>>1もこんな感じだしさ。今出しちゃおうと思って。是非もなしってやつ。
　　　　　　　 丶 ｀‐'´: : : :ﾉ
　　 　 　 　 / ´: : : : : : : : ｀ヽ　　　　　　 モコイさんの集中力を鑑みて、前後半に分けようと思う。今日は前半だ。
　 . 　　　　/: : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　 , -‐': : ,: : : : : : : : : : : : : :ヽ　　　　　ちょっとしたオマケ程度に見ていってくれたまへ。
　　／: : : ,-ｲ: : : : : : : : /｀丶: : : :､
　 ｒ⌒ ,／　/: : : : : : : : i　 　i: : : : i
　 ` ‐ '　　/: : : : : : : : : |　　 ! : : : |
　　　　 　 i: : : : , _ -‐ ´,) 　 ｀ ヽ _|
　 　 　 　 (_ _i￣(_　-‐'´i
　　　　　　|　:|`‐´i : : : : |
　　　　 　 |: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
　　　　 　 |: : : : : |: : : : : !

4536：安価のやる夫だお：2021/10/19(火) 21:44:24 ID:piH7WO/w0
はーい

4537： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 21:44:51 ID:M1jcoGRQ0

┌──────────────────────┐
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│　　　1週目エピローグ『敵意の大地に種を蒔く』　　　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
└──────────────────────┘

4538： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 21:48:16 ID:M1jcoGRQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 （　　　　　　　　　　　　　　　 .ノ
　　　　　　　　　　　　　　‐=====‐　_　　　　　　　　　　　　　　 ノ　　　　　　　　　　　　　 　ﾉ
　　　　　　　　　　＞ 　_ ‐: :^ヽ,　 ><　＜　　　　　　　　　　　（　　　　　　　　　　　　　　　(
　　　　　　　　> _‐　＿i＼: : : : ／: : ＼ 　寸　　　　　　　　 　 　 　 　 　　＿＿＿　　　　　)
　　　　　　　/ /　,.ｨ: : :＼}ｈ､_/: :___: ／^!ヽ∨　　　　　　　　　　 )> ゛　 　　￣￣　　 ＜
　　　　　　 j{　{ .<: : :: :／: : :ヽ/{_:_:_:_}:::::{　}! Y　　　　　　　　 ／　　　,....................,,_ 　　　　マ　　　　　　　　「臨時ニュースです」
　　　　　　 i{　ｖ＞.:::::<: : : :／.:};{ : : : : ￣:}j'　}!　　　　　　　〃／　-´::::::::::::::::::::::::::::ﾆ- _　 ＼ヽ
　　　　　　.∧　＼: :〉:::ヽ＜: :.＼}ｈ､: : _: :ﾉ　∧　　　　　　.　/／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　　　　　　「本日朝10時、オルデンブルクの――」
　　　　　　　 ヽ　　`＜{ : : : : : :.}{::::::＞` 　 /　　　　　 ＞.: ,'/.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ﾑ　 : V
.　　　　　　　　 ＼　　　｀~~~~~~ ＞‐‐＜ .ｲ　　　　 ／　 { .{!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾑ ｊ　}｀ヽ
　　　　　　　　　　≧s｡　 　 　／　__＿.　＼　　　〃　　...{　V::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}.:　:　　 寸
　　　　　　　　　　　　　　￣　{ (　　　　　.) }　 　/　　 　 j　 ﾏ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::j,'　ｊ　　　 ﾏ
　　　　　　　　　　　　　　　　 {　` ,..＿　ｲ　!　 /　　　　.∧ 　 ﾏ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〃　,'　　　　.ﾏ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　‐_　　　　 _‐　 .{ i　　　　　 ム　　　　`　-=======‐　゛ 　 　( 　　マ　　　　,　　〃............｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　`ｰ‐‐‐彡　 ...{.;{　　　　　 　 ゝ.　　　　　　　　　　　　　　 ｲ⌒ヽ　 ﾏ　 　 }!　ｲ.......................}!
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暖かい日差しが窓から差し込んできて、照明がいらないくらいに室内を照らしている。
モニターから流れるニュースと、対面のシグナムの息遣い、風に揺れるカーテン、
波と、手元のコーヒーカップの乾いた音。穏やかな音ばかりが存在している。

つい二年前までは、これが耳を劈く弾ける爆音と装甲の悲鳴だったというのに。
今、あの音を聞いたら、身体がすくんで動かなくなってしまうかもしれない。
それこそ、何も知らない幸せな人のように。

コロニー・リメリックの近海にわざわざ作られた人工島は、
増えすぎた人口の受け皿であると同時に、私たち夫婦への報酬だった。

このあたりはコジマ汚染の影響が特に少ない。
人々は与えられた土地で与えられた平和を享受し、
与えられた使命を全うしている。この島の役割は多岐にわたる。

海底資源の採掘基地であり、アームズフォートやACパイロットの養成所でもあり、
コジマ汚染の研究所でもある。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4539： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 21:51:34 ID:M1jcoGRQ0

　　　　,イ　二二: :ヽ　／: : : : : : : : : : : : : : : : : :｀ヽ、 : : : : : : : : : : : : : : |
　　　／　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : :/ヽ、: : : : : : : : } ヽ : : : : : : : : : : : : |
　　　 ／: ／/: : : : !: : : : : : : : : : : :/: : : :ヽ: : : : : : :r-: }ヽヽ: : : : : : : : : : |
　　 /: 〃: :/: : /: : |: : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ: : : /´: : |:ヽ: ヽヽ: : : : : : : : |
.　 /／/: :/: : / /|: ! : : : ! : : ヽ: : : :､: : : : : : ヽ-: : : }‐ : }: : :＼＼: : : : : :.|
　/　 ｉ: : :ｉ: : :ｉ: ｉ: |: :|: : : :|: : ＼ ＼: : ＼: : : : : ヽ／: : : :,'ヽ : : : ヽヽ: : : : :|　　　　　プロジェクト・クレイドル、か。
　　　{ : : !: : :| |: :!: :!ヽ: : ヽ: : : ヽ ゝ　斗‐‐: : : ‘，: : : ./| | ｉ: : : / / : : : : |
　　　i: : l| : : | |: :', ｀ヽヽ ヽ ,斗 ´ ＿z,≠､: : : : : :',: : /| .| |ヽヽ// : : : : : :|　　　　　 私にも招待状が届いたよ。
　　　|: :| !: : :|! | !| ｉ !圷､: : ', 　イ乏:::}/ヽ:ヽ : : |',: i:/ ||　| | ',／: : : : : : : :|
　　　 ! | ‘， |ﾘ ',ヽ:| .!ﾋﾘ ヽ ヽ　辷zｼ　　 | ‘， | ∧､ |.| .| |: : : : : : : : : : :.|　　　　　 まさか、人の主な生活圏が空に移る日が来るとはな。
　　　 ﾘ　　', ｌ　 ヽ: |. !　,　 ＼ヽ　　　　　 | | .!: :|:/ ヽ| |　| |: : : : : : : : : : :.|
.　　　　　　 ﾘ　 　ヽ|.ﾍ ヽ　　 ヾ､　　　　 | |　ヽ |、　 | |　|| |: : : : : : : : : : :|　　　　　 「コジマの恩恵とでも言うべきなのかしら。
　　　　　　　　 　 　 　 ＼ ヽゝ　　　　　 .| ! 　 ヾ､',　 ｀　 || |: : : : : : : : : : :|
　　　　　　　　　 　 　 　 |:＼　　　　,　　〃　＿ ----､　 | ｀ : : : : : : : : : : |　　　　　 アルテリア？　っていう施設で発電して、
　　　　　　　　　　　　　　| | .｀-　´　ヽ /:.:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ | : : : : : : : : : : : :|
　　　　　　　　 　 　 　 　 ﾘ　　　　 /:.:.:.:.,:::::´￣￣￣￣:::::|: : : : : : : : : : : : |　　　　　　そのエネルギーで運用するのでしょ？」
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::: |: : : : : : : : : : : : |
　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|: : : : : : : : : : : : |
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【ブライドルランク8　シグナム　スポンサー：オルデンブルク】
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若い黒人女性のニュースキャスターがクレイドル計画について語っている。
傾けていたカップを戻し、ほっと一息吐いたシグナムが呟いた。

彼女も二年の月日を経たわけだが、あまり老けたようには見えない。
すらりとした体つきに、凛とした顔立ちのすっきりした美人には変わりなかった。
トップランカーとなった疲弊も少し滲んでいるが、落ち着きも増している。

最近は専属の主治医に言い寄られているらしい。年下の青年だそうだ。
食事の一回くらい行ったらどうだと進言してはいるが、彼女は頑なだった。

いつ死ぬか分からない身の上なのだ、好きにすればいいのに。
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4540： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 21:56:13 ID:M1jcoGRQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,､rｍ__rｖ竺vﾍｭrﾍ- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　{辷彡'こ三三三三≧ﾍV,ﾆニヽ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／彡ｸー＾ー'＾ー^￢卞〈＼ヽ∨
　　　　　　　　　　　　　　　／ 乃了　　　｀ヽ　　ヽ∨∧ヽ ＼｀､
　　　　　 　 　 　 　 　 　 //_/7　′　　 　 ハ　｀､〈〈_ノ ﾉ 　 ヽヽ
　　　　　　　　　　　r,ニＹ/」　′〃　　　, ' l| ﾄ､　l　l￣ｌ｢｀､ 　 | ﾊ
　　　　　　　　　　 __〉イ〃 ,　　/, ｌ　　 /　,ｲ！} ｜ﾘ　八　ヽ ｜ハ
　　　　　　 　 　 〈 rク//　,′ ,'/ｌ∥　,'　/厶‐十ナ/}小､ヽ　∨/　 ､　　　　　　　　　　「アリスはどうするんだ？」
　　　　　　　　,　-ｧ7ｲ {　 l 　 |l ﾊ ﾄ､ {　l /ィ乏ｆ千ｧ l |ヽ}_ﾉ 　 、､　｀、
　　　 　 　 ／／　〃l ﾊ　 、　ﾚイ下丶､j′'ヾﾞジ　 // rﾍ川　￤ ヽ　ヽ　　　　　　　　　私はここに残るわ。
.　　　　 ／／　　 {l　{ い、､＼Ｖ,ｨｆ赤　　　　　　　//　 ,ｨ｜ｌ　｜　 ﾄ､　＼
　　　　 {_/　　　　ヾ　＼/ ヽ＼ヾ｀ｰ'′　　　　 　 { !　 仆//　 ,′　|　ヽ　 ヽ　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　 ノ{　{　 八_〉、　　 ｀ , - ｧ　 ゝ, ' V ハl /　　 ハ　}　　 ＼
　　 　 　 　 　 ,　-‐'´/ハ　、 {　｜ｌヽ､　　　　　　∠ニ-V　ﾘ　/　/　 ∨　　　　ヽ　　　　　
　 ,　-‐'´ ￣　　 -‐ﾆ|ｌ　7,ﾍヽ ＼ｌ＿　 「≧ァr＜::..::..::..::..∨　/,...┴､／ト、　　 　 l
／／　'′,　'´￣.:∧:.ヽ//　 ヽ＼j二　//／ ７j｢ヽ＼::..::／ , '´::..::..::..::ヽj　ヽ　　　 |
　, '´ , ／ ＿＿_ ,' ﾊ／　, ′ }ﾉ/　,..-ﾍ ＼_/∧V ／r┘／::..::..::..::..::..::..｀、∥　　　ｌ
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頭の中で話が脱線してしまった。クレイドルの話をしていたのだった。

無論、私と彼にも空への招待状は届いている。
だが、既に拒否の返答を送った。彼と一緒に決めたのだ。

シグナムが眉を顰める。困惑と悲しみが眉間に皺を刻ませていた。
視線は落ち、いつも真っ直ぐな瞳が微かに淀む。
彼女はいつも分かりやすい。だからこそ信頼できるのだが。

リンクス時代、荒れ狂っていた私を導き、リンクスとして再起不能となった今でも
気にかけてくれる彼女は、私というより、私たちの運命に思うところがあるようだった。

当の私は、あまり運命を恨んではいない。

オルデンブルクの女王と呼ばれ続けていたとしても、あんな私では、
きっとロストワードの冷たいコックピットの中で果てていただろう。

だから、この平和はきっと、少ない可能性の中から掬いだした、
奇跡のような時間なのだと思う。

それがどれだけ短いものであったとしても。
何も遺せない身の上であったとしても。
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4541： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 22:00:22 ID:M1jcoGRQ0

　　　　　　　　　　　／;;;;r'￣´　　　　　　｀￣ゝ､;;;;;;;;;;ﾊヽ
　　　　　　　　　 ／ソ´　　　　　　　　　　　　　 (ﾍ;;;;;;;ﾊ）ﾊ
　　　　　　　　 /／´　　　　　 /　　 　 　 　 　 　 (ﾍ;;;;;;;|） ﾊ
　　 　 　 　 　 ﾚ'　　 　 　 　 /|　　　ヽヽ　ヽ　　　 （ﾍ;;;;|）　ﾊ
　　　 　 　 　 /　 　 　 / 　 /│　　　 |＿＼|__|＿_　(ﾍ;|））　ﾊ
　　　 　 　 　 l　　　　/ 　l　|　|　　　r'|　　　|　ﾊ　　｀ ((!!)) 　 |
　　　 　 　 　 |　　 　 |　| 」-ﾄ､ﾄ､　　|　　　_x===|　　 }（（ﾄ､ヽ |
　　　 　 　 　 |　　　　レ|´|　|　| ヽ　|　 ｒテ´　　 | /　ハヽ__」〉|
　　　 　 　 ＿| |　　　 | |　|_==ヾ､ ∨　　　 　 　 |/　/　{{￣￣||　　　　　　　　　　――あと三年。静かに暮らすわよ、そのくらい。
　　　　　 〈l￣〉ﾊﾊ ＼＼xﾞ　　　　 , 　　　　　　 /／/ / llヾ〉　|||
　　　　　　ヾ_'-'∧. ヽ ＼＼　 　 　 _　 ノ 　 　 jﾉ ,ｲ /|　ll |ヾ_　|　　　 /　　　　　　ここが私と彼の家。ここで生きて、ここで死ぬの。
　　　　　　 /||ゞ´∧　＼_＼ゝ　　　　　　　　　 ／//　|　{{|　 |　|　 　 /;;;
　 　 　 　 /／´||　〉〉､_ ヽ￣ヽ､　　　　　　　　／ｲ‐,,/　 ﾞ|　 |　|∧／;;;;;;　　　　　　良い余生よ。変にもがいて疲れたくもないわ。
　　　　　//　　 ﾞ　|_|　/＼＼＿|｀　- -､-　＜￣;;;;;/l　　 } /｀│＿;;;;;;;;;;;
　 　 　 /＼ー─-､　/　 /￣/| 　 || 　 |;;;;;;;|;;;;;;;;;;;//|　　 |＿／;;;;;;;;| ;;;;;;;　　　　　　 ……子供でもいたなら、話は違ったけど。
　___＿/＿__〉;;;;;;;;;;;;>'　 /　 /l l/　||　　|;;;;;∧;;;;;;;;;/_ |　　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| ;;;;;;;
__ゝ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;//　/|　/-ﾄ─--'￣＼/　|ヽ;;;/　 | /ﾚ';;;;;;;;';;;;;;;;;;;;| ;;;;;;
＿;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ｲ　/;;;|/;;;;;;;;;;;;;;;/》／　　　 ＼　 《 ﾚ'/;;|;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;| ;;;;;;
＞;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;|　|;;;;;;;;;十､／ヽ-へへへ／￣《/;;;/;;;;;;;/;;;;;;;;;;＜´| ;;;;;;
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／/　 　 ／ ヽ/く;;;;;ヽ |;;;;|》 　 　 |/ 　 ／　 《/;;;;;;;;;;;／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
　 |　　 /　　 /　 ヽ;;;;;;;;;;;;;|》ヽ　　| 　 /　　 《/;;;;;;;;;;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;〈

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左手の薬指で鈍く輝く、白銀の指輪に視線を落とす。
人がなぜ指輪をするのか不思議に思うこともあったが、今なら意味が分かる。

思い出すためだ。これをくれた存在を思い出すためなのだ。
遠く離れていても存在を感じるために。思い出と約束を形にして。

そうやって、番となった人は互いに指輪を嵌める。
きっと彼も、指輪を見る度、思い出すのだ。

自分は一人じゃない、自分を待っている人がいる、自分を愛している人がいる。

こんなにも綺麗な意味を持ったものを身に着ける日が自分に来るなど、
思ってもみなかった。けれど今では、この指輪がない自分の手が想像できない。

一人じゃない。私には彼がいる。彼には私がいる。
小さな家の中で、帰りを待って、また送り出す。
ロストワードが彼を守る。

その日常だけが、今の私の全てであり、人生だった。
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4542： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 22:08:16 ID:M1jcoGRQ0

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第二次ネクスト戦役から二年。世界を巻き込んだ大規模企業間戦争は、
決して癒えない傷跡をそこかしこに刻み込んだ。

消し炭になった巨大コロニー。無秩序に拡大したコジマ汚染。
黒い雨、砂漠化、死の海、数えきれないほどに世界は傷つき、疲弊した。

企業連も主戦力たるネクストのほとんどを失った。
今やネクストとは力の象徴であり、イコールだ。
ネクストの強さと数が、企業の強さと勢力を決める。

一時休戦協定を結んだ企業たちは、幼き芽を育てることに注力しだした。
戦闘教導官の私の仕事も、その一端である。

IGIOとアヴィアコルは合併し、イオニア・アライアンスと改名。
今となってはオルデンブルクとSIに企業連宗主の座を取って代わられたものの、
なんとか健在である。

そんな手負いの企業たちが打ち出した肝いりのプロジェクト。
大規模コジマ発電施設アルテリアを基盤に、コジマ汚染の少ない空に
超大型航空居住艦クレイドルを打ち上げ、人類の生活圏を空に移すというものだ。
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4543： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 22:16:19 ID:M1jcoGRQ0

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　　　　 　 　 　 　 　 ／ ／　 　 ／V/{「＼=＼ ノ7 =-／￣{: : :.人-r'⌒寸"~　 /=-ﾟ, ∨/∨ ∧ ∨ ∧ ∨ ∧
　　　　　　　　　　／[／　　　／_,ノニr―┴‐く／ﾆ=/　　 ´L ｨ＞''~＼=-乂l⌒iニ=-}　}ﾟ,　` 　∧ ∨ ∧ ∨ ∧
　　　　　 　 　 ／ ／　　　／　 )/＾ヽ ＼ﾆ=-〈ﾆﾆ=-{ 　 /廴ﾉ｛　　　　 `寸ﾉ=-lニ=-}　}'ﾑ　` 　∧ ∨ ∧ ∨ ∧
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　　　 　 ／ ／　　　／ ／　__,xlﾚ'ﾆ／ Y´ {Ｌ ィi{i＾辷/∨∧ ∨∧　　　　 {`,ﾆ=`､ﾆ/ /∨ ∧　∨ ∧ ∨ ∧ ∨ ∧
　　　　lＬ／　　　／ ／ ／￣}[Ｌ／-= ﾉ　 ~厄≧=‐〈　 ∨∧ ∨∧　　　 ｛=iニ=-＼'ﾞ　 ∨ ∧　∨ ∧ ∨ ∧ ∨ ∧
　　　　　　 　 ／[／　, -= ／／-=-r'＾ 　_/ﾆﾆ=-＞ ｧ　 ∨∧ ∨∧ 　 　 ＼二ﾆ=-|l___　∨ ∧　∨ ∧ ∨ ∧ ∨
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　　　　　　　　 　 /-= ｉ-=ﾆ二/: :/ニl|ニ/=}／i}⌒l=〈 ＼_ﾉ＼=-∨　　 　 　 __]ﾆﾆ／: : : :ｌ　　∨ ∧　∨ ∧ ∨ ∧
　　　　　　　　 　 -=ﾆ」-=二=ｉ: : ､-=lＬ/ﾆ/ﾆ=ﾉ　 ｌﾆﾆ､: :＼　ヽ=-, 　　　　/ﾆﾆ=,. : : : : : ,　　　∨ ∧　∨ ∧ ∨
　　　　　　　　　]l-=/-=ﾆニi/l : : l-=l|ニ/ {／　　 ,ﾆ=-}: : : :＼」}=l　　 　 i{ﾆ=-/ : : : : : /　　 　 ∨ ∧　∨ ∧. ＼
　　　　　　　　　]lﾆj{-=ﾆ二ﾉ ﾑ : :l-=lＬ/ニ}　　　/ﾆ=-,: :_ イ＾､＼」　　　/l{ﾆ=/ : : : : : /　　 　 　 ∨ ∧.　＼ 」
　　　　　　　　　]ﾚ'⌒L／￣∨ﾑ.」-==|ニ=,ｰ-‐〈ﾆ=-/´ニﾆ=-} ∨　　　i-=-/ : : : : : /　　　　　　　＼ 」
　　　　　　　　　〈　l！i-=ﾆニ∨ﾑ-=./|ニ/ﾟ 　　 }＼二二ﾆ=‐∧ ∨　　 lニ/ : : : : : /
　　　 　 　 　 　 lLﾉ┘!-=ニ二∨ifr┴Ｌ/Vﾑｰ-‐＼ﾆﾆ=-厂￣}＼｝　　 j∨.: : : : :.,
　　　　　　　　　　　　 i-=ﾆニニ厂乂_,ﾉ　 Vﾑ 　 　 ＼.-/ﾆ=-7: : },　 /´｀{ : : : ／
　　　　 　 　 　 　 　 八-=二／-=ﾆﾆ}` 　　Vﾑ　　　　＾i{ﾆ=-〈: : / ∨ /｝ L ィ＾
　　　　　　　 　 　 　 ⌒ヽ／-=ニ二〈ニ〉　　Vﾑ　　　　j{ﾆ=-/:: '=-└' / /
　　　　　　　　　　　　　 〈-=ﾆニニ二∨　　　 V ＼_／ ∧=-L/ﾆﾆ=-}└'
　　　　　　　　　　　　　　}-=ニニニ／　　　　　＼＿／　 ＼｛＿＿_,∧
　 　 　 　 　 　 　 　 　 , '-=ニニ／　　　　　　　　　　　　　　｀`'≪¨ﾆ=-､
　　　　　　 　 　 　 　 /-==ニ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼ニ=-＼
　 　 　 　 　 　 　 　 ,'-=ニｱﾟ　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼ニ=-`､
　　　　　　　　　　／{＿__/ヽ　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 `､ﾆ=-`r┐
　　　　　　　　　/ ／-ニ廴ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 〈`､ﾆ=乂l
　　　　　　　 　iＬ{-=ニニ/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Vﾟ,ニ=-＼
　　　　　　　_Y⌒ヽ-ﾆﾆ/＼　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ~}二ニ=‐∨
.　　　　 ／ニ乂_,,ノ辷彡ｰ┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}ニニﾆ=-}_
　　　　 ｰ一''"　/-=∨　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人ニニ=-ﾉ＾{＼
.　　　　　　　 　 ＼_/　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ≧(⌒)k､ﾉﾆ=＼

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時代は大きく移り変わり、世界もまた変容していた。
企業たちは新たな経済戦争を始め、人々は空の暮らしを夢見る。

いずれ全てを忘れられる幸せな人々を抱いた揺り籠が空を飛び、
汚れた地上でアームズフォートが大地を抉り、
ネクストやノーマルが地を駆け火花と命を散らす。

だが、人間は変わらない。その本質は変わり様がない。
紀元前からずっと、やることは同じだった。

社会的な弱肉強食のやり取りの中で、今日も世界のどこかが戦場となる。

けれど、今の私にとっては、それも遠い世界の話だ。
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4544： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 22:24:09 ID:M1jcoGRQ0

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　|: : /　/: : : : : //: :|!: :/ : : /: : :ｉ: : :/ : : /: : / //: : :/ ｉ: : : : : }: /: / : : : : |: : : : ｉ: :
　|: : ',　{: : : : : ://: :| !: i: : /|: : : |￣/｀ -/‐-／_/: : / ./: : : : /: /! ,'|: : : :|: |: : : : |: :
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　|: : : : ∨.', : :|　|: : |　|: /　! ｉ: : | /ヽト′::::仍｀ヽ　 /: : : : /┼ /―┼-/:,'l |: : : :|: :
　| : : : :.:| ヽヽ.|　|: :.|　| i ヽ | | : | {　　辷zzシ 　 　/: : : : / ,≠乏ﾃｱ: :/:/ } |: : : |: :
　|: : : : :.| : : ヽヽ : : |　|/＼ !: :!: |ﾘ　　 　 　 　 　 / : : ／/ 仍:ソ／} // / | |: : : !|: : 　　　　　……彼とは、上手くいっているのか？
　|: : : : :.| : : : : : : : :.|　||: : |､:| ヾ､　　　　　　 　 /: :／　　　 ヾ-　// }: /　/ !: :/ }: :
　|: : : : :.| : : : : : : : :.|　.| : :.| | !: :!　 　　　　　　/／　　 　 　 　 ./: : /:/　.〃}: /　i /
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　|: : : : :.|: : : : : : : : :L___|: :|　|　': ヘ、　 　 　 ',￣ フ　 ´　　 ｲ　i /　　　 /／
　|: : : : :.|: : : : : : : : : : : : :,┴!|　 ヾ、ヘ、　　　 　 　 　 　 イ 　 〃　 　 ／
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　|: : : : :.|: : : : ,､r ´　 .!:.:.:.:.:.:ヽ　　　　｀ヽ、　 {/ !｀ ヽ 、
　|: : : : :,､r ´　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:＼　　　　　　/ヽ ヽ ヽ　｀ ヽ、

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シグナムは両手を組んで机に置くと、露骨に話題を変える。
とはいえ、興味もないことを適当に振ってきた様子でもない。
元から気になっていたことの一つなのだろう。

マニキュアの一つも塗られていない素朴な指が、落ち着きなく入れ替えられる。
教え子の夫婦生活が上手くいっているかどうか気がかりな様子だ。

「上手く……まあ、上手くは行ってる方だと思うわよ。
それに、お互いそうでないと困ってしまうもの」
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4545： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 22:24:33 ID:M1jcoGRQ0


　　　　　　　 　 仄いrく艾艾艾艾癶、
　　　　　 　 　r巛Uj〉j〉j〉::::::::::::::::::::辷う、　　　､
.　 　 　 　 ｎrｎrｎrｎrｎrｎrｎ:::::::::::::::::::辷う、　　 ＼
　　　　 ／乂乂乂乂乂乂乂ｎrｎ:::::::::::::::辷う、　　 ヽ
　　　／￣　　　　　　　　　　乂乂ｎrｎ::::::::::辷う、
　　　　　　　　 　 　 ＼　 　 　 　 乂乂ｎ::::::::::rう)、
/　　　　 　 　 　 　 　 :.＼ 　 ＼　　　 乂ｎ:::::::::rう)　　 　 ′
　　ｉ　　　　　　:　: 　 ::::::.　ヽ　 :.＼ 　 　 乂辷辷く　　　　 ′　　　　　　　「そう、なのか？」
　 ::|:.　　￤　　:...:|....: i :::|　　　_}L.:. 　　 　 艾艾艾＼
　 ::|:: |:::::ｌ|:.. . .::::::|:: 斗r七'　　　　 |l　￤ 　 Y⌒Y^　 ＼ 　 |　　　　　　　　ええ。だって、今更別の人と、なんて考えられないし。
　 ::|:: |:: 八:::::::::::::|ｌ::ｌ::|　〕斗ぅ弌7. |ｌ 　|:　　 V⌒ト､　＼＼ |　
: |:八:. ､:::: ヽ :::::::八乂{ｱ乂`ｰク　 |l　 ﾊ:. 　 | 　 |ｌ　＼　＼＼　　　　　　　 一人で生きていくには、希望がなさすぎるわ。
: |::::: ＼＼⌒＼/　　　　　''¨゛´ 　 八Λ|::　| |:)　八. 　 ＼　|
八::::::::::|＼ 托笊!　　 　 　 　 　 ./ .:/ ..:|::　ﾊ! ,.:代＿＿___＼＿＿　　　　　 まあ、結婚って、形も人それぞれだけど……
:.　＼ : |＼＼`ｰ1　　　 　 　 　 /／〉..:/|. /　「 ::|ｌ　　 |.　　　 ) 　　 )
＼　　丿:::::ヽヽ込､ 　　　　　　　　/／　 ′/　 :|ｌ　　 |　　　(　　　　　　　　　私たちの場合は、色々、含まれてるから。
　 ＼　　 乂__込、 　 　_　ｰ　　　　　 ./　 /　　 |ｌ　　 ﾄ､
.　　　　（　 |:l ＼ ＼　　　　　　　　　./　 /:/...　八|: 　|:::＼　　　　　　　　　　　
　　　　　＼|:l:: |:ﾊ　 ヽ　　　　　イ..::/　 /:/ 　 /|:: |: 　|:::::::::＼
　　　　　　 |:l:: |:: |: |: 个ヲ　厂 ハ/　 厶仏:::/＾|:: | . ├――=ミ
　　　　　　 |:l:: |:: |: |:　|　ﾉ/: 厂＼彡く／|..../: : |:: |: 　|
　　　　　　 |:l:: |:: |: |: ｜}/ 　厂￣　,ィ__八/: : : |:: |: 　|





　　　 　 /　　　　/ 　 |　　 |　　　　　　　　|　｜ | |　　 |　| | 〈:::〈　　　　|::::|
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　　 　/　　　　 ′　　|　　 |　|　　　　　 　 |　 |　| |　　 l　ｌ｜ |　 ヽニニイ
.　 　 ′ｌ　　　　　　　|　｜|　|　 　 　 　 / |　ﾉ 厶|－/　十| ┼-　、//　|
　　　l　l|　 　 l　　 　 |　 |｜｜　　　　 /　.|イ´　/　/ ― トL｜　　//　 l|
　 　 | ｌ |　　ｌ |　　 　 |　 |｜｜　　　 l ′ ﾉ/　 /／＿＿_l/l　|　　l:::| 　 ｌ|　　　　それに、やる夫は私がいないと、
　 　 | | |　　| |　　 　 |　 |｜ ＞、　　| | ／　 　 彡＝＝＝キ≦　|:::|　 '｜
　 　 | | |　　| |　　 　 |　 |／　へ＼　| l　　　　　　　　　 　 |ｌ｜　 |:::| /　|　　　　　きっとダメになってしまうから。
　 　 | l∧　 |｜　 |　 |､/| l／ 　 ＿_　　　　　　　　　　　　 ||｜　 ＼〉　 |
　　　ヽ　 ＼|｜　 |　 | ヽ〈 　 彡'"￣　　　　　　　　　　　　ｌ|｜　　/| 　 |　　　　　　私も同じ。きっと自棄な生き方しかできないわ。
　　　|::::|＼|::l├ﾍ、 、ｌ　 ＼ 〃　　　　　　　　　　　　　 　 ｜|　　'　|
　　　|::::|　 レ＼ | ＼＼ 　 ∧　　　　　ヽ　　　　　　　 　 　 ｌ | 　 |　|　/　　　　　　　自分ひとりの身じゃないから、大切にできるものもあるの。
　　　|::::|　　　|　|l ｜ ｀ ＼ トﾍ　　　　　　　　　　_,. ‐　 　 ノ八　 |　|./
　　　|::::|　　　|　| ｌ｜ 　 ｜ｌ|　＼　　　　　 －　´　　　　　　　　ヽ|　|′　　　　　　　　あの人を独りにはできないわ。
　　 └┘　　 |　|∧l　　 ｜||　 　 ト　　　　　　　　　　 　 　 　 　 二|
　　　　 　 　 八 |　ヽ　　｜|ｌ　 　 |　　|＞　　.　　　　 _　 ´ ／／..::.:|
　　　　　　　 　 ＼　 ＼ ｜ﾘ　 　 |　　|　　　　　｀Ｔ爪＿／／..::.::.::.:|
　　　　　　　　　　 　 　 ＼　　　　|　　|　　　　　　|＞〔]‐＜ ::.::.::.::.:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ　　| 　 　 　 ／イ/＾ｌ ト､＼::.::./

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人が結婚する目的というのも、その人次第だ。
社会的な体裁を保つため、という人もいる。生活のパートナーが欲しい人も。
経済的に支えてほしいという人もいれば、孤独な老後を嫌がって無理やりする人も。

私の場合は、そういったことよりも、精神的なものが大きかった。
私にとって、彼は傭兵時代からの相棒だ。ずっと前からのパートナーと言える。
それに弟のようなものでもあるし、結婚した今でも体力と時間の都合がつけば
二人で街中に繰り出すことだってある。辛いときは互いを頼りにする。

それらをすべてひっくるめての夫と言える。

別れるとか、相手を替えるであったりとか、そういった考えはない。
家族を替えようなどと言葉にできる人は、家族を持つべきではないだろう。

そして何よりも、彼を独りにさせたくはなかった。
こんな時間を過ごした後に味わう孤独というのは、想像を絶するだろうから。

きっと、彼を壊してしまうに余りある。私も同じだ。
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4546： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 22:29:17 ID:M1jcoGRQ0

　　　　　　　　　　　　　　_ヒゝiノﾉ-ｧ_
　　　　 　　　　 ,.．-‐_rく_..二ゝ'_フ√二` _
　　　 　　 　／_,.rイ:三三三三三三_三:_三ヽ_
　　　　　　.'　_j/三三三三∠二.ノ`´. 　　　 　｀ ､
　 ,. - .　/　_f/三三三∠_,.ノ　　　 　＼ 　、　　　＼二ヽ
／　　 Y　ft/三三::;∠j‐イ　　　　　　 　ヽ ヽ　　 　 ＼ノ
|!　　　 |::　ｨ三三∠_.ノ , 　　 i 　 :!: .　 　　i 　V　ヽ,:　 ヽ
|!　　　 |:: 〉l三三/,ノ　/　　　:| 　::|: i::.　　 .i |:: i:::.　 !:: ヾ i
|!　 　　|::ゝ|三:/,.ノ　 ' 　 　 .::|　 ::|: |:: 　　 i |:: iヽ 　l::　||!|
'ﾞヾ:. 　 |ﾆｨ::|ﾄく　|　　|　　　,.::ﾊ::::::ヽﾄ,:::::::　i l::_j_ |::: i:::: |!ﾘ
　 |::!　 |_/,ｲ!l　＼　 ,イ　 ::: |::| ヽ__|_! ヽ::: //|/_. |:::/:::://
　 l::: 　 ／| ||!　 j::)/: |　　::::|::ｨ ´ゝﾄ､　|::: / jｨｫjr!/:;|ノ
　 j::. ィ 　 | |ゝﾃイ;:::: lﾊ,　::イ |',ｨｫrヽ　|::/　　ゝ'ｲﾚｲﾄ.＼　　　　　　　　今日の朝ごはんだって彼が用意してくれたのよ？
／⌒l:::i 　 ::| |::| ,ｲ ::: 乂ゝ ::| ハt'ﾝ　　j/ 　 　 　 i::i:!∧　ﾞ!
　　　::::i　 j::| |::|　i:::::::::∧ トゝ　　　　　 　 　 ﾉ 　 i::i:!　',　|!　　　　　　　 出撃を控えてるっていうのにね。
　　　::::i／⌒!i::|　::::::::/　| l 　 　 　 　　 　__ 　　 /::i:|:　ﾊﾉl
:. 　　イ　　　||::|　!:::::::ト. | |　　　　　 _ く　ノ 　 .ｲ::: ﾉ::.ノ::ﾉ　　　　　　　　 「アリスは朝が少し弱いからな」
::／　│ 　　:|`Y !!:::::::|ｰﾉ人　　　　/三 `ｰ―'───'‐く
''　　　|:::　＿| _| ヾ :::::!//ゝ__ __ ｰ/三三三ヽ三三三三三＼　　　　　　　……まあ、それもあるけど。お夕飯は作るつもりよ？
i:　　　ﾚ´三 /ﾊ≡ミ＼/ヽ{::( ＞(::ハ 三三三＼三三三三三ﾄ､
　　 /::/三://三l:Y三三三三三|::|ヾヽ三三三: i ::三三三三:|　＼
:::∨三三://!|三|::| ::三三三三::|::|三ヽj三三三| 三三三三: ﾄ.､　 ヽ
／:三三//:::!ー‐' !三三三三三|::|ﾆﾆノ ::三三::| :三三三三 |::: ヽ　　',.
三三三l::|三!|三´::三三三三三|::| ::三三三三ﾉ 三三三三:::| ::::: ヾ　 l
三三三|::!三!!: 三三三三三三 |::|三ヾ三三 /三三三三三:ﾉ ::::: 　ﾄ　|

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暮らしにも不満はない。予定のない日は一通り思いつく家のことをこなし、
時折お出かけをしたりもする。教導官の仕事もほとんど非常勤のようなものだから、
使い物にならなくなった身体にも大した負担ではなかった。

新しい世代の訓練兵たちと接するのもいい刺激になる。
今となってはメディアへの露出もないのに、オルデンブルクの若き戦力たちは
私を見かけると、大抵は声をかけてくれる。

家事だって、完ぺきにこなす必要もない。
彼も、家にいる間は率先してやってくれる。むしろ体調を気遣われてか、
世間一般的な夫よりも領分が多いのでは、と思えるくらいにやってくれる。

お互いに甘える時は甘えるし、頼るときは頼るが、怠けることはないようにしていた。
少しは自堕落になってしまうだろうかと恐れていたが、先が短いことが
分かっているせいか、案外しゃっきりできていた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4547： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 22:35:49 ID:M1jcoGRQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,､rｍ__rｖ竺vﾍｭrﾍ- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　{辷彡'こ三三三三≧ﾍV,ﾆニヽ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／彡ｸー＾ー'＾ー^￢卞〈＼ヽ∨
　　　　　　　　　　　　　　　／ 乃了　　　｀ヽ　　ヽ∨∧ヽ ＼｀､
　　　　　 　 　 　 　 　 　 //_/7　′　　 　 ハ　｀､〈〈_ノ ﾉ 　 ヽヽ
　　　　　　　　　　　r,ニＹ/」　′〃　　　, ' l| ﾄ､　l　l￣ｌ｢｀､ 　 | ﾊ
　　　　　　　　　　 __〉イ〃 ,　　/, ｌ　　 /　,ｲ！} ｜ﾘ　八　ヽ ｜ハ
　　　　　　 　 　 〈 rク//　,′ ,'/ｌ∥　,'　/厶‐十ナ/}小､ヽ　∨/　 ､
　　　　　　　　,　-ｧ7ｲ {　 l 　 |l ﾊ ﾄ､ {　l /ィ乏ｆ千ｧ l |ヽ}_ﾉ 　 、､　｀、　　　　　　　　そんなに心配いらないわよ。
　　　 　 　 ／／　〃l ﾊ　 、　ﾚイ下丶､j′'ヾﾞジ　 // rﾍ川　￤ ヽ　ヽ
.　　　　 ／／　　 {l　{ い、､＼Ｖ,ｨｆ赤　　　　　　　//　 ,ｨ｜ｌ　｜　 ﾄ､　＼　　　　　　 私、ちゃんと幸せよ。
　　　　 {_/　　　　ヾ　＼/ ヽ＼ヾ｀ｰ'′　　　　 　 { !　 仆//　 ,′　|　ヽ　 ヽ
　　　　　　　　　　　　 ノ{　{　 八_〉、　　 ｀ , - ｧ　 ゝ, ' V ハl /　　 ハ　}　　 ＼　　　　独りじゃないってだけで、何もかもが満たされてる。
　　 　 　 　 　 ,　-‐'´/ハ　、 {　｜ｌヽ､　　　　　　∠ニ-V　ﾘ　/　/　 ∨　　　　ヽ
　 ,　-‐'´ ￣　　 -‐ﾆ|ｌ　7,ﾍヽ ＼ｌ＿　 「≧ァr＜::..::..::..::..∨　/,...┴､／ト、　　 　 l
／／　'′,　'´￣.:∧:.ヽ//　 ヽ＼j二　//／ ７j｢ヽ＼::..::／ , '´::..::..::..::ヽj　ヽ　　　 |
　, '´ , ／ ＿＿_ ,' ﾊ／　, ′ }ﾉ/　,..-ﾍ ＼_/∧V ／r┘／::..::..::..::..::..::..｀、∥　　　ｌ
/　, //／　　 __.::|｜|::.／　/ //／::..::＿＞ｰ'′∨厂 ／::.::.::..::..::..::..::..::..::..∨!　　　 |





　　　　 /: : : :r､: : : : : : : : : /ヽ´／{: : : : : : : : : ヽ: : :‘，
　　　 / / / ヽ ヽ : : : : /￣ r〃￣ !: : : : : : : : : : ヽ: : :
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　　 / ! / |: : : : : : |/｀: :ヽヽ: : : // /',: : : : : : : : : : : :',: : :',
　　　 | ｉ: : !: : : : : : !: : : : :＼ヽ／ /: : ',: : : : : : : : : : : :i: : :i
　　　 |:|: : |: :|: :|: |ヽヽ､: : : : : : :|　|: : : ',: : : : : : : : : : : :|: : |　　　　　　「な、なに、どうしたの？　そんな、足の小指をぶつけたみたいな
　　　 ||!: : !: |ヽ ! !| |}　}: : : : : : |　|: : : : ∨ : : : : : : : : : |: : |
　　　 | ヽ |ヽ| ',ヽ| ﾘ |/ ヽ: : : : |　|: : : : : :|ヽ: : : : : : : : : |: : |　　　　　　顔して泣き出して……」
　 　 　 　',ｌ ヽ| ! | |: |　　 ＼: : |　| : : : : /| |ヽ: : : : : : : : :|: : |
　　　　 　 ヽ ヽヽ. | |　　　　　ヽ7／ヽ./　 ｀　',: : : : : : : : :|: : |　　　　　い、いや……アリスから、そんな言葉が聞ける日が来るとは……
　　　　　　　　　　 | |、　､　　　　 　 ｜　　　　i: : : : : : : : :|: : |
　　　　　　　　　　 ﾘ　ヽ- }　 ,　二二二､　　　 |: : : : : : : : |: : |　　　　　あの頃は思いもよらなかった……
　　　　　　　　　　　　　 ∠:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ　 　 |: : : : : : : : |: : |
　　　　　　　　　 　　; /- ―／￣￣￣￣＼ 　 |: : : : : : : : |: : |　　　　　「やめてちょうだいよぉ、年寄みたいに」
　　ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ　　　　,､r´ ＞・:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　|: : : : : : : :|: : |
　　　　　　 ； ,､r .＞・:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ|: : : : : : : |: : |　　　　　本当に……生き残っていれば、良いこともあるものだな……
　　　　 　 /￣￣ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|: : : : : : : |: : |
　　　　 ； ｉ:::::::::::::::::::ｉ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|: : : : : : : |: : |
　　　　　 |::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: | : : : : : : | : :|
　　　 　； |::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| : : : : : : |: : |

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急にわなわなと肩を震わせ、苦悶しているかのように顔を歪めて涙を流す
シグナムに、思わず吹き出してしまう。

まあ、大袈裟と言って片づけることもできないのも確かだ。
私だって、こんな風に過ごすことになるなんて、予想だにしなかった。

物心ついた時からネクストに乗ることを周りの大人によって運命づけられて。
目に映るものの全てが敵か味方かで。
戦場に出る生き方しか知らないまま、ACやコロニーを数えきれないほどに焼き尽くし。

血塗れの生き方をしてきて、いつか血に塗れて死ぬとばかり思っていたのに。
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4548： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 22:36:00 ID:M1jcoGRQ0

　 　　　　　　　　 ,' j{ﾆ/　　　　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　ﾏiﾑ,
　 　　　　　　　　,'　i{./　　　　　　/　　　.,.′　　　　　　　 　 　 ﾏiﾑ,
　　　　　　　　　,'　 j,'　　 　 /　 /　 　 ./　/　 /　 　 ,'　 　 　 　.',ﾆi}
　 　　　　　　　,ｨf芹l.　　　 ,'　 ,/／i　 ｲ　　　/　　／i 　 　 　 　 }ﾆi}
　 　　 　 　 　 {i:i{　 i　　　 {／N'　 {　/i　　／　.／　,'　 　 ,'　 　 }ﾆi}
　 　 　 　 　 　 ﾏihxl　',　.ﾑｾﾁ芸外/ ｲ.／　,／ 　 / ./Ni/　　　.jﾆij
　　　　　　　　　i./i/i.　ﾍﾊミh､""´　 ／-＜´ ー／ , '　 /　　　 /／
　　　　　　　　　l.{i:} l　　{.　　　　　　 　 　 　 ｾﾁ芸ァ　./ 　 　 /
　　　　　　　　　i.{i:} i　 　',　　　　　　　 　 　 　 ｀"" 　/　 　 , '只ヽ　　　　　　で、今日はどうするの？　ゲストルームも一応あるわよ？
　　　　　　　　　l.{i:} l　 　 ',　 　 　 　 / 　 　 　 　 　 / 　 ,／ .i　 ﾏiﾑ
　 　　　　　　　 i.{i:} i 　 .ﾄ､'.,　　　　　　　　　　　　　-＜´ 　 .,.'ヾi:i:i:ﾂ　　　　　「いや、私も今日は夜間出撃だ。まったく……
　 　　　　 　 　 l.{i:} l 　 :i　 :i'.,　　｀　　 =-　　　　／　 　 　., ' l
　 　 　 　 　 　 i　　i 　 :l: rfl　＼　　　　　　　＜´　　　　／　 .!　　　　　　　　　そろそろ世代交代と行きたいのだがな」
　 　 　 　 　 　 l　　l 　 :i: {ﾆh､　 '　　 ='''"´-=''.／ﾆヽ　＿　　l
　 　　　　　　　j 　 :i 　 :l:ﾑニﾆY'"ﾆﾆﾆﾆﾆニ／ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＼:i　　　　　　　　　　分かったわ……シグナムも、無事でね。
　 　　 　 　 　 ,' 　 ;l　　 ',////只ヽﾆﾆ＞''／ﾆﾆﾆニニニニニ',
　 　　　　　　/　　,iN: V.　V./ｲ/l.//ヾ´／.ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニニニ}
　 　＞''"ﾆﾆﾆﾆh､ツ　 V　 V.//iV/ ／ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニi
　 ./ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ乂　　 ヾ､ V./.l V/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニニl
　 .{ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆツ　 　 /// i//i　/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニi

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
かつての自分が聞いたら腰を抜かしそうな程に穏やかな声が出る。
彼のせいだ。彼のせいで、私はすっかり弱く、やわらかくなってしまった。

けれど、今はそれでいい。
この家では、彼と暮らす時間の中では、弱さは罪にならないから。
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4549： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 22:36:12 ID:M1jcoGRQ0

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4550： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 22:44:12 ID:M1jcoGRQ0

〜ブライドル本部・管理委員会オフィスエリア〜
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　　　　　　　　　l　　 　 i: /: : : : :,': : : : /　 !|　　　　　 　 !|:　　 ∨: .',: : : : ﾊ: : :}　　　ﾊ
　　　　　　　 　 l　　 　 {/: : : :,': l: :-‐/─‐:l|　　　　　　　i|―‐ ‐',‐-: : : : : ﾊ: 八 　 　 !
　　　　 　 　 　 |　 　.//:,': : :.,': :.!: : :.{.　 　 i!　　　　　 　 i!　　 　 }: : i : : : : : :y　∨　　|
　 　 　 　 　 　 |　　//:.,': : : :i: :.:|:,ｨ行云示气　　　　　　ｨ芹示云≦.!: : : : : :.i　　∨　 |
　　　　　　　 　 }　/.,': ,'i: : : :.|: : l.ヽ 弋zz汐 　 　 　 　 　 弋zz汐 ｱ:i: : : : : |: l　　 ∨ ﾊ　　　　　　リンクス、入速やる夫。
　　　　　 　 　 /　　i: :i | : : : |: : :∨: :|　　　　　　　　　　　　　　　,': /: : : : : :!: l　　　 　ﾊ
.　 　 　 　 　 ,'　 　 |: :l | : : : |: : : :∨:!　　　　　　　　　　　　　　 ,':./: : : : : : :!: l　　　　　ﾊ　　　　　 貴方のブライドルランクを、
　　　　 　 　 i 　 　 |: :l | : : : |.: : : :.Ⅵ　　　　　　　　　 　 　 　 ,':/: : : : : : : ,': :　 　 　 　 ﾊ
.　　　　　　　i　 　　|: :l Ⅷ : ﾊ: : : : :∧　　　　　 　 　 　 　 　 /ｲ/: : : : : : :,':.,'　　　　　　 .ﾊ　　　　　3から10へと変更いたします。
　　 　 　 　 ,'　　 　 Ⅷ .Ⅷ: : ﾊ.: : : : :ﾊヽ　　　　 (__)　　　　　／i: : ,': : : : : ,'　　　 　 　 　 ﾊ
.　　　　 　 ,'　　　 　 !:i 　Ⅷ: :.ﾊ: : : : : ﾊ: :ヽ　　　　　 　 　 ィ: : ,': :,': : : : :./　　　　　　　 　 ﾊ　　　　――以上。
..　　　　　/　　　　　 i:| 　 Ⅷ: :.ﾊ: : : : : :}≧} ＞　　　　＜ {-‐'´.,': i: : : : ,ｲ　　　　　 　 　 　 ﾊ
　　　　　　ヽ　　　　　ヽ 　 ヽ: : :.}: : : : : if´≧=‐- v -‐=≦ ヽ ,': :.i　: :/　 　 　 r‐=ﾏ　　　 ＞
　　　　　　　 ≧ｭ､__/┐ヽ　　ヽ: }: : : : : |　 　 　 /Yﾏ　 　 　 |.{: : {: :, '　　　　　i　　 ﾏ＞
【企業連直轄ブライドル管理委員会書記　ムサシ・B・キサラギ】
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
大した歓迎もなく遮音ブースに連れ込まれると、
ブライドルの代弁者として顔も知られているムサシが、
極めて無感情に重大なことを淡々と告げてきた。

以上、と打ち切られると、どうも言い返しづらい。

最初こそ慣れなくて嫌っていたが、今となっては馴染んでしまった
ジャケットの襟元を引っ張って直し、椅子に深く腰掛けなおす。

意外にも、驚かない自分自身に驚いていた。
ブライドルランク3。第二次ネクスト戦役の英雄。色々持てはやされてきたが、
あまり興味も拘りもなかったのかもしれない。

決して悪い気分ではなかった地位だったが、その終わりは唐突だった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4551： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 22:49:21 ID:M1jcoGRQ0

　　 　 　 　 　 　 　 　 ,,..-――-..,,
　　　　　　 　 　 　 ／　 　 　 　 　 ＼
　　　 　 　 　 　 ／　　　　　　　 　 　 ヽ
　　　　　　　　 /　　　　　 ＿__) 　 ヽ-　l
　　　　　 　 ／l 　 　 　 '´ 　 　 　 r　　.l
　　　　　　/　..|.　U　　　=≡=　　 ==''　',
　　 　 /｀ヽ、__.',　　 　 　 　 　 　 ヽ　　 l　　　　　　……一応、聞くだけ聞かせていただきたい。
　 　 ./　　　＼ .ヽ.　　　　 （＿ノ--'　　ﾉ
　　 /　　 　 ／-‐| ＼､ ＿＿＿_ ,,..-＜　　　　　　　僕にゃ、前回のランクマッチで観客を引かせるほど惨敗した記憶もないし、
　 ./　　　 ./　　 l l　　＼　 　 |　r-ヽ　 ｀ヽ
　/　　　　l　　　 | ヽ　 　.>､ r'__..>＞　　　|　　　　　　企業連の機嫌を損ねるようなこともした覚えはないんですがね。
./　　　　 iヽ　　 .|＿ヽ.イ .〈Y´　i ｀''１ |　 |
'　　　 　 l　　、　 < ´　 .i　　|　　i　　| |　 |　　　　　　　なぜ、そういった判断を？
＼　　　/　_,,-ヽ　 ヽ　　.i　 .|　　.i　 .|.l　 |
　 .ヽ∠-''"ヽ　　　　ヽ　 i 　.|　　 i　 |l　..|　　　　　　　　「上の判断です。私からは何も――以上」
　　　　　　　 〉　　　　ヽ .l 　.|　　 .i　|｀ヽ|
　 　 　 　 ／　　　　 　 l/　 .|　　　ヽ|　 .l　　　　　　　　　ですよね。ああ、勘違いしてほしくないな。別に食い下がりはしませんよ。
　　 　 .／　　 　 　 　 ./　　 l 　 　 /.＼ ヽ
　　　　l 　 　 　 　 　 /　　　.l　　　〉　　＼l
　 　 　 ヽ　　　　　／＿_,..--'┬-イ　　　 |
　 　 　 　 ＼　 .／―‐┴''"´￣￣l　　 　 |
【ブライドルランク3→10　入速やる夫　20歳　スポンサー：オルデンブルク】





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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__　． ‐-　．,, へへ｀＞x
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　　　　　　　　　　　　　　　, イ イヽ｀´~~ ヽ::::::::::::::::::::::::::ヽゝ､＼
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　　　　　 　 　 　 　 i::{　i:::::::::}　以ｲ::;':::::::::::::::: ::|_}:::::::::::::|　　 |　　 |!
　　　　　 　 　 　 　 l::l　 l::::ノ　 　 :i:{ l::::::::::::::::::l:::::::::::::::::|　　　　　 |　　　　　　　想定外の反応です。
　　　　　　　　　　　 !:i　 .l:ヽ　　　 :i! l::::::::::::::::::l::::::: ::::::: |..　　　　　|
　　　　 　 　 　 　 　 i:!　 .l::::ゝ_　 　 ,'::::::::::::::::;'ゝ､::::::::::::|.　　 　 　 |　　　　　　　 “黒い鳥”としては、大変遺憾かと察していたのですが。
　 　 　 　 　 　 　 　 圦　 l::::::ヽ　　 i::::::::::: :::;'　　　Y´ :|　　　　 　 |　
　　　　　　　　 　 　 　 ヽ　l:::::::ﾊ_＞l:::::::::::::/-‐=＝ﾆ{ :|　 　 　┌‐　　　　　　　　「からかってますか？」
　　　　　　　　 　 　 　 　 ゝ|::::::::::}　}::::::::::/　　__,,,,,,....Y_ ﾆ -‐ ´:::|
　　　　　　　　　　　　　　　 |::::::::::} ,'::::::::/'¨ﾞﾞ´　　　　ﾑ ﾏ {::::::::::::|　　　　　　　　　いえ、まったく。
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |::::::::::/:::::::/　　　 __,,,,,,....　ﾑ ﾏ:::::::: ::|
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |::::::::;'::::::;ｲ /'¨ﾞﾞ´　　　　 ∨ﾑ{::::::::::::|
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　　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ ｲ;::::::,'　　　　　　 　 　 　 ﾊ .l:::: :: ::|
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　　　　　　 　 　 　 ん　　　　　!:::i!::ﾏ　　　 　 　 　 　 　 ,' .|:: ::::::::|
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　　　　　　　　　　　　　ゝ． ＿　ﾏ　　 /　　　　　　　ﾏ_/　　l::::::::::::|

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ムサシは眉ひとつ動かさない。まさしく鉄面皮とはこのことだ。可愛げのない。
流れるような艶のある黒髪と抜群のプロポーションに恵まれた美女だというのに、
溢れ出る冷たさと無機質さですべてが台無しだ。

そんな興味も関心もなさそうな瞳で、あだ名を出してくるのだから面食らってしまった。

黒い鳥というのは、まあ、自分のあだ名だ。
自分のネクストであるロストワードが、遠目に見ると鴉に見えるから、だそうだ。
レイヴン、というと古い傭兵の呼び名になってしまうので、
そういった言い方になったのだろう。

陰で呼ばれる分にはいいが、自分で名乗ったり、
面と向かって呼ばれると恥ずかしい。

「あと、ロストワードは黒じゃなくて、どちらかというと紫紺です」

「さようでございますか」

冗談らしきものに冗談で返しても、乾いた言葉が飛んでくるだけだった。
ため息を押し隠し、すっくと席を立つ。
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4552： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 22:53:25 ID:M1jcoGRQ0

　　　　　 　　　　　　　　　＿＿＿＿＿　
　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　 　　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　／ 　　　　　　　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　 ／ ､　　　　 　 　　　　　　　 　＼　　　　　　　　用はそれだけですか？
　　　　 　 　 　 /　 　`ー-　　　　　 　 　　　 　　　ヽ
　　　　 　 　 　 | 　､＿＿　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　「ええ」
　　　　　　 　　ﾉ 　　└┘ /　　　 　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　(､　　　　　　!_j　　　　 　 　　 　　　　|　　　　　　　なら、失礼させていただきます。不満を聞くために、
　　　　　　 　　 {`ー-'　　　　　　　　　　　 　 　 　 /
　　　　　　　 　　＼　　,, -===ﾆﾆﾆﾆ====-、＿／　　　　　　　　 わざわざこういった形をとってくださったのでしょうけれど……
　　　　　　　 　　　　ソ´:::;;;;;;;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼
　　　　　　　＿＿＿〉:／　　　　　　 |i 　　　　＼/＿　　　　　　　　では。
　　　　　 ／|　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::　　　　　　　|｀ヽ,
　　　　 /　 .|　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::　　　　　　　|:::::::|

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ムサシの仏頂面の向こう側にいる老人たちの集いは、
実質的に世界を支配し運用している集団だ。

彼らの逆鱗に触れる何かがあったのか。
自分のポストを明け渡したいお抱えのリンクスでもいるのか。

そんなことはどうでもいい。
権威の維持でも、利益の増大でも、政敵の排除でも、好きにやっていればいい。

自分はただ引き金を引くだけだ。銃口を向ける相手は勝手に決めてくれればいい。
そんなことよりも、今は待たせている妻のことが気になる。

世界の行く末、経済戦争の勝敗。どれをとっても、妻の機嫌に比べれば些末事だ。
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4553： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 23:03:00 ID:M1jcoGRQ0

.　　　　　 　 ／￣￣￣￣￣￣＼
.　　 　 　 ／:.　　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　 /: : :　　　　　　　　　　 　 　 ＼
. 　 　 / : : : 　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ
　　　 | : : : : 　 ,.,,,,ノ⌒" '' ``⌒＼,,,　　　l　　　　　　　　　　　「あの、もし」
　　　 |: : : ::;　　（　○ ）　　　（　○ ） .;::　|
　　　 |: : : : :　 　 ´"''"　 　 　 "''"´ 　 　 l　　　　　　　　　　　……うん？　僕ですか？
　 ,＿ ヽ___　　　　（　　　 j　　　 ）　u　／＿_
／::　r' |　r'￣二ﾕ:｀ｰ-‐'´｀ｰ-‐'′ ／ : :: :: :`:､＿_　　　　　　 「はい。ああ、失礼しました。私、こういうもので……」
: : : :::| .|　|　/ 　) ｀)　　 　　　 　 ／: :.ﾍ : :: :: :: :: :: :＼＿_
　: :　|.ﾉ. ﾉ /　　⌒ヽ＿ 　_　 ,　´　|: : : :ﾍ: :: :: : : : : : : : .ハ
　: :: ::＼　　　　　　　　　`ト､　　　/: :､ : : ＼: :: :: : .i i: :/: ::ﾍ
　: :: :: :l: ｀ー┬-､　 　 　 |ii入　／|:: :: :＼／: : : : {. ﾚ /: :: : ﾍ
　 : :┐|: :: :: :: :＼）　 ７ ./iiii〈　 　 |: :: :: :: :＼: :: :: :Ｖ /: :: :: :: :}
　: :イ .|__/ ,へ/⌒＼　./iiiiiiii｝ 　　| : : : : : ::/: :: :: : Ｖ: :: :,ｲ: : :!
　イノ: : / /: :: :＼＿ ￣＼iiii｝ 　　|: :: :: :: :/----: : .| ／ノ: :: :|

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廊下に出ると、突然後ろから声をかけられた。若い女性の声だった。
身体ごと向き直ると、落ち着いたツイードのベストを着こんだ、
事務員風の若い西洋人女性が立っている。まあ、事務員と見ていいだろう。
明るい色の髪には艶があり、生活的な余裕を感じさせた。
控えめな化粧の中で濃い目に引かれたアイラインに自信が滲んでいる。

上品な風貌の女性だ。年齢も自分と同年代に見える。

敢えて訝しむような視線をやると、女性は胸元の名札に人差し指を当てた。
にこりと微笑んでみせてくるが、訓練された笑顔だと感じる。

「いえ、怪しんでいるわけでは。何かご用で？」

こうなってしまっては、社交辞令と腹の探り合いの始まりだ。
うんざりする。胸の前で腕組みをして、指輪が見える構図にしてみせても、
女は一向に怯まない。

リンクス、トップランカー、男。
この戦争経済を中心とした社会の中で、自分は垂らされた蜘蛛の糸なのだろうか。

こんなことを何度繰り返しただろう。世の女性が皆そうであるはずもないが、
こういった女性も確かにいる。既婚であろうがお構いなしだ。
むしろ、そっちの方が都合がいいのかもしれない。
変に社会的な関係を持たずに恩恵に与れるから。

ランクのお世辞が始まったあたりで、訂正を入れてみた。

「実は先ほど、降格の通達を受けてしまいまして。
これからはランク10、二桁ランクの中堅リンクスといったところです」

ここにきて、ようやく女性の眉がひきつるのが見えた。
視線が微かにブレる。品定めと検討の目だ。腐っても鯉とでも言いたげに見える。
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4554： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 23:08:20 ID:M1jcoGRQ0

　　　　　　　　　　　　 r‐/　　　　 　 ＼
　　　　　　　 ／⌒＼/__ . - ＜￣￣ ヽ.＼
　　　　　　　_ゝ/⌒＼￣　｀、＜⌒ 、 　） }
　　 　 　 ／　/　　 　 ヽ　　 ＼ ＼　) ＜ _ヽ
　　　　 /　 , ´　　　｝　 }　　　　　　ヽゝrー｀
　　　 ノ .,　| i　　　/　 /　 }　 ,.} ヽ　丶爻　　}
　‐=彡 /{　|人　 / 　/　 /i==ﾉ= }　　｀爻　 /
　　　 {从｀. { =＼!　人　/y＝ﾐ、ﾉ　　 }ｒ 、人　　　　　　　　あ、いたいた。お疲れ様です、やる夫さん――
　　　　丶＼≧y=ﾐ（　ﾉノ 　{..ｲﾊ }　　i |.ｿ｝　 ｝
　　 　 　 乂 {.ゝ{ ,ﾊ　 　 　 ゞ- '/ ,　 }ﾘ. /　 /　　　　　　　　あら、お邪魔でしたか？
　　　　　{ 、ﾐ=_ ゞ '　　　　 　 ./ノ　./ ｀´　ノ
　　　　　 ｀ ミ=‐　　'､　　　　‐=彡ノ! ﾉ ／　　　　　　　　　　「その手の冗談は人前で言わないでくれるか……」
　　　 　 　 　 人　 　　-　 　　　ﾉ　{　ﾉ
　　 　 　 　 　 　 ＞　　　　　／　 _.У
　　　 　 　 　 　 （　ｿ ｀ ,ェ__,.　- " ／＼
　　 　 　 　 　 , ‐ヽ　ﾉ/./ヽ　　 ／　　　|ー ―--､
　　 　 　 　 r (　ｿ　ﾉ/ﾚ、_∧／　 　 　 .|―‐ ､=彡＼
　　　 　 ／ 　 }=ﾐ'´/ 　/.{　/ ＼＿＿___|　　　 ＼r―}





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿_
　　　　　　　　　　　　　＼､＿＿＿＿_ ｀ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　 ＞―　､　　　｀`ヽ. ヽ
　　　　　＼ 　 　　 ,　　 ´￣￣￣｀　 ＿__　 l　|
　　　　　　 ヽ二二　　´￣　　　　＼＼　　＼　'ﾆヽ
　　　　　　　　ア ／　　　　l／ / l l ヽ }　　　　　 ＼
.　　　 　 　 ／／　　 ,　 ／　 /// | //￣＼＼　ヽ　ヽ
.　　　　　 / ｨ　　　／／　　　l// ///／￣_ ＼＼ |　 l
　　　　　/´/　/／／ ／,　彡ﾚ'／l〃≦ッﾍi　 ヽ V"ヽ
　 　 　 　 / .ｲ/／ ／／ア／イ　 ﾘ ｒ代ﾂ ﾉ　　 Ⅵヘ 丶　　　　　　　おっ！　隅に置けないねぇ旦那ぁ。
.　　　 　 / //.ｨ ／／　/ー≦ﾘ、　 　 ¨¨´　　　　 〈 /ﾉﾉ
　　　　 / /// l/ / / /ﾊ.ｨ戈ｔｱﾞヽ　　　　　　　　　　／|　　　　　　　　ね、お姉ちゃん、よかったら俺なんかもどう？
　 　 ‐彡' / ／l / ∧'｜ ヽ 一'´〈　 _　 　 _,、　 　 「V {　　 ､
. 　 ￣￣￣ 　 |ﾍ/ ∧ﾑ　 ∧　ｌ　ヽ　 ｨ　＿ｊ　　　/　V ＼__ﾉ）　　　　 彼と違って独身男性、オルデンブルクの超新星、
　　　　　　　　 ∨ /　ⅥV ゝ ソ　　 く_ﾚ´　ﾉ　　 .′　Ⅵ ‐≦_
.　　　　　　　 　 Ⅵ　　ⅥV |ｨ　l＞ _　` ‐彡　　//　,　ﾚi　 }＼＼　　　 不死身のコーラサワーとは俺のこと――
　　　　　　　　　　`ー　Ⅵl 八ノノ //＞..　 __／/　/ ノ/　/l　 ヽ.l
　　　　　　　　　　 ｀¨´ ﾉ／　 ｱ　从{ ∧ 　 　 / ‐ 彡 イ/リ　 Ｖﾘ　　　「しっ、失礼します！」
　　　　　　　　　 　 ｀¨¨´　　 ｛ゝ｛＿`ン}　　ヽ /　´￣ l'　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　 　 `＝彡　丿　　 /　　,. -‐V ／　　　　　　あるぇー。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　／　　 ／　 ／　 ／´

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さて、もう一押しでこの女性も去ってくれそうだな、と内心ガッツポーズを取る。
袖に振ってもいいのだが、あまり失礼な真似はしたくなかった。
こういうのは女性から去ってもらうに限る。

すると、後ろから二つの聞き慣れた声が自分を呼んできた。
片や女性の方は落ち着いた様子でとんでもない冗談を叩きつけてきて、
片や男性の方は自分を見つけるや否や、隣の女性を口説き始めた。

堪えていたため息を吐くが、男の方に関してはファインプレーだった。
女性がもはやこれまでといった様子で足早に去っていき、
口を尖らせてそれを見送る男の肩に手を置き、首を縦に振る。

「コーラサワー、手あたり次第はやめなさいと……まあ、今回はよくやった」
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4555： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 23:15:09 ID:M1jcoGRQ0

　　　　　　　　　　　　　　　 / i／　　　　　　＼ ∨ l
　　　　　　　　　　　　 ,　ニ＾　 ,　　￣　　　　　:、 ム_
　　　　　　　　　 　 ／´/ 　 ／　.　　／:　　, : :ｉ |　 ヽ｀ヽ
　　　　　　 　 　 　 　 , :　: / : : . : : ´: :,　イ: :〃:|:　＼＼}
　　　　　　　 、　 　 ノ . : //: :/: :/: ／＼/／厶」: : :l: .ぃl
　　　　　　　　ヾ 二: : : ノｨ : /: :/: /=ミ /´ /z＿! : 小: | l
　　　　　 　 　 ー=彳: : : ;|: :': :/!:/　 　 　 （´⌒7://　l/　　　　 _ .. -‐―- .._
　　　　　　　　　　　ﾚ: : /{|: |: :ｌ l'　　　　 ,　/　ノｲム-‐ｭ…‘”´　　　　　　　　｀丶
　　　　　　　　　　　l : ∧ ヽ|: :l 　 　 ｒ==:: ､_ 　 /　　 /　　　　　　　　　　　　　　 ﾞ, 　　　　　しっかしホントモテますね旦那。
　　　　　　　　　　 ！/　}: : :ヽl、　　｛￣｀ V　 /!　　 {　　　　　　　　　　 　 　 　 丿
　　　　　　　 　 　 ､l/_,ノ: : : : :ﾄ＼　 ゝ＿丿 ｲ ﾑ　　 ヽ┬…‐x､　　　　　 　 　 / 　　　　　　いや、俺も負けちゃいませんけどね？
　　　　　　　　　　　'ﾌ:／: :l: :| |＿_＼　‐ ∠: :`彡ヘ0__ｌ⊥ｨ //　｀ ￢‐- 　 　 / 　
.　　　　　　 　 　　 /ｲ : : /l: :ト!　{「｀ｌ 厂[: : : トヽ￣　　　　!l l　　　　 ヽ　　 , 　　　　　　　　　むしろ俺の方がモテてますけどね？
　　　　　　　　 {､＿ノ: , ﾍ､!:/　　ｊｊ　{ {　 }:八 !　　　　　　　!l |　　　　　　　 ﾞ
　　　　 　 　 　 ＼__／ ＼ﾞl'､＿〃　{ {　 lへ ﾞ!　　　　 　 　 l |　　　　　／ 　　　　　　　　　　　奥さん泣かせちゃダメですぜー？
　　　　　　_ .. -‐ ''´　　　 厂￣　―ｊ ｊ‐　　　＼　ﾍ 　 　 l 　 ! 　 　 ／
　　 _　　'´　　　　　 　 　 '　　　　_ノノ　　　　　 7/∧　　 l　/　　／
　 ｆ　　､　　　　　　　 ／　,　 ,　´　´　　　　　　〃//ﾍ 、 ｛ 　 ／
　 l　 　 ＼　　　　　/　／／　　　　 　 　 　 　 l //ﾍ l　＼!／
　！　　　 丶　　　/ , ´ ´　　　　　　　　　　　　　　　ﾞl　　 !
　 ヽ　　　　　 ､　/ 〈　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　！
　 丿　　　　　 ∨ Vﾍ　　　　　　　　　　　　　　 　 　　 　 ,
【ブライドルランク15　パトリック・コーラサワー　スポンサー：オルデンブルク】





　　　　　　　　　　　　-─-こヽ＿＿
　　　　　　　　　／ 　‐=≦ﾆﾆ＞ミヽヽ─-､
　　　　　　　　 ´￣{ニニニ＞'~ア⌒⌒`ヽ､≧ _
　　　　　　 /　 　 　 >─／　 / 　 /　　　　丶　 丶
　　　　　　.'　 　　 '⌒ア　/ ./　　 ｌ　　　　　　ヽ　　＼
　　　　　　{　　　/ ( /　　'　 {　|　 {　　 　 　 　 }　　 ＼｀`〜､、
　 　 　 ／ ',　　/（ /　　 {　从 {､__{',　 {　　　　 } } 　 　 ヽ￣￣
　　　　'　　 ',　ﾊ（ '　　　 ∨　V¨¨⌒Ｖヽ　　 　 ｌ } 　 }　　 ､
　　　 {　　　　 |　)|　l,　 {　{　　　 ‐-､ 　 ',　 ﾉ'⌒}　　}　}　 |
　　　　　　　 　 （ |　ll　 {　{　　　 　 　 　 }／-‐^l　| ﾉ　 　 l
　　 　 ｝　　 / 　 l{　l{　 ゝ ', 'ｱ==‐~　　　 　 _　ﾉｨ ﾚ 　ﾉ　'
　　　 八　 /　　人 小　　{｀¨ 　 　 　 　 　 ､｀ｰ={ィ_／l／
　　　 }　　　　　　　＼__＼＿_　　　 　 _　 　′　{　 ',　　　　　　　はいはい、コーラサワーさんはそれくらいにしましょうね。
　　　 {　　 l　 　 　 ) ＼',ヽ　　　　 　 丶　ｿ　 _ノ 　ﾉ
　　　 　 　 　 　 ／、 　 |　 ､　　　　　 ｰ　　 ／}／　　　　　　　　 やる夫さん、お迎えに上がりましたよ。
　 　 　 }`ｰ 　 　 　 ヽ　 }　　＞　　　　　　／
　　　　 {　　 　 ､　　 }'＾''〜､、　　＞---'　　　　　　　　　　　　　　 「ああ、わざわざありがとう」
　　 　 　 ､　　　　　 '⌒ヽ　　 ｀丶、ﾄ､
　　　　　　 {｀`ｰ　＿_､ 　 } 　 　 　 _>寸　　　　　　　　　　　　　　　いいえ。　あなたって単純なんですから、
　　　　　_,ｨヘ　　　　　＞‐ミ ､　　<///}＼__
　　　,ｨニﾆア＾ゝ ＿＿{ﾆγ´￣｀`ヽ∨入　＼丶、　　　　　　　　　　企業連のお偉方に騙されていないか心配で。
　 r⌒￣￣＼　　　　 {{ 寸　　　 ヽ､）∨Λ 　 >=､丶、
　 { 　 　 　 　 `丶　　 ｰ厶ｨ　　 　 } ＼Ｖ Λ''*､Yソ ¨丶、　　　　　　
　　　　　　　 　　　＼ 　 　 {　　　 ﾉ　 　`寸Λ　 ''*､　　 ヽ
　 　 　 /　 　 　 　 　 ヽ /〈从 　 (_　 　 　 `寸',　 　 '''* 　}　　　　　　
　　　∨　＿＿＿＿､　} ~"''〜￣￣　〇　 　 　 ＼　 ∥ __}
　　　〈　/‘，ｰ- 、 }} ＼ /　 } 　 ~"''〜-- 　　＿〇ヽ/ ＼　〉　　　　　
　　　　Y三‘，ｨ´|'´}}　 ‘， /　　　 　　　~"''〜─=ミﾒ､',　 Y
　　　　　 (　‘，）|　}}　　 ∨　　　　　　　　　　　　 }} 　`}}　 }',
　　　　　 ‘，二 〕 ∥　　　丶　　　　　　　　　　　∥ 　∥ .ﾉ }
　　　　　　 ＼辷ア　 　 　 　 ヽ　 ＿＿ 　 　 　 ∥＿∥ ─┴､ -､
　　　 　 　 　 ､　　　　　　　 ／／　　　　￣￣￣　　 　 ヾ､ヾ､ヾ､ ＼
　　　　　　　　丶　　　 <二二 丶､　 　 　 　 　 　 　 　 　 }}　}}　}}　　}
　　　　　　　 (~"''〜--､、＿ヽ 　　ヽ　　　　 　 　 　 　 　 }}　}}　}}　　|
　　　　　　　　~"''〜-　　 ＿＿_　　 }　　　　　　　　 　 　 }}　}}　}}´　ﾉ
【オルデンブルク所属戦術オペレーター　テレサ・テスタロッサ】
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赤髪の偉丈夫と穏やかな雰囲気の少女が並んで自分の名前を呼ぶ。
男の名はパトリック・コーラサワー。女性はテレサ・テスタロッサだ。

鋭い目つきにすっとした輪郭のコーラサワーはおちゃらけてみせると、
無造作な髪をかき乱して口角を上げた。どうやら今のは計算でやったらしい。
何も考えていないようで誰よりも鋭いのが彼だ。
こう見えて自分よりも一回り年上でもある。

隣のテレサも得意げに腕を組んで胸を張っている。
自分の専属オペレーターとして勤めてくれている彼女には、
年若い女性相手ではあるが頼りっぱなしな部分も多い。ゆえに、頭も上がらない。

自惚れかもしれないが、彼女には先ほどの女性のようなきらいもないから良い。
曰く、「男から搾取しなくとも私は生きていけるので」とのことだった。
大人しそうな見た目によらず強気な女性なのである。

ちなみにコーラサワーは彼女を二回口説いて四回ビンタを貰っている。
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4556： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 23:20:27 ID:M1jcoGRQ0

　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 =ﾆ::=＝＝＝=:::::::__:::::::::::::::::::::::::::::｀メ､＿_｣
　　　　　　　　　　　　　　　　ー=彳　小{ ≧≠':￣ ミ＝==＝デ/ ｉ　 :V }､
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 l ! :N 〃/ハ : : : ／≫ﾃ;ﾐくイ　　 . : }ｿヽ＞;
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 jﾊ　:ﾄ、 ド'ﾂヽ／　　 んiIﾊ 》　′. : ﾊ.:.:.:／　　　　　　　　　さ、早く出ましょう。大声では言えませんが、
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾊ :t　｀￣　 　 　 　 ゞ==ｸ　'　 : ,ｲX／
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 __{: :`犬　　 〈　 　 　 　 ／,. ' . :, く.:'.:.:｀ヽ　　　　　　　　　　ここにはイオニア……旧IGIOのシンパも多いんですから。
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ´:{ ｀Y: :ﾊ＼ 　 r ､ 　 　 ｀Z -ｧ７　　＼_／　
　　　　　　　　　　　　　　／.:.:.:.:.:.ﾊ　∨ ;}　i＼ `┘　　　　／ /　 　 　 ヽ　　　　　　　　　　　さっきの女性だって、ハニトラかもしれないですし。
　　　　　　　　　　　　　∧ .:.:.:.:.:∧,ﾊ　V:j　 !　ヽ.__　-‐,ﾆ´　/　 　 　 　 ト､　　　　　　　
　　　　　　　　　 　 　 /.:.:.',:.:.:.:/　,ヒ1　〈 　 L、　>､‐'´　　/　　 　 　 ;　l.:.:.:＼　　　　　　　　「そーそー、早く帰ってあげなさいってハナシ。
　　　　　　　　　　　　′.:.:.:ヽ/　ｲ从j 　 V´ /　/:::::ヽ　　/　　　　　　ｉ　l.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　 　 　 　 |.:.:.:.:.i.:.:ヽr'´￣｀ヽ　!　ﾊ_∧::::::∧ / 　 　 ´"'' ､｣　l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..　　　　　　俺は一人寂しくお家に……テッサが付き合ってくれれば
　　　　 　 　 　 　 　 |.:.:.:.:.:l.:.:.;ﾉ　　＼.　リ　! .:.￣Ｙ´　〉⌒.:ｰ-.._　　　　|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i　
　 　 　 　 　 　 　 　 | .:.:.:.:.l.:.{　　＼　|　ﾄ､_｣＼.:.:.:|　./|.:.i.:.:.:.:.:.:.:.「.:.:ー ┘.:.:.:.:,:.--.:､|　　　　　　そうでもな」
　　　　　　　　　　　/.:.:.:.:.:.:l:∧｀ヽ　| ,!ノ　 ﾉ　 |.:.:.| /: |.:.ｌ.:.:.:.:.:.:.:.l.:.:.:.:.:.:.:.:.:／ .:.:.:.:.:.:|





　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ﾉ:}
　　　　　　 　 ー=ｰ--‐=＝ﾆ二 (: :.弋
　　　　　　　　　　ヽ: : : : :: : : : : ::ヾ: : :.ゝｰ-
　　　　　　　　　　　　＞ー: : : : : : : : : : : : : : : :＞. .､ 　　　}
　　　　　　　　　_zイ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ　/}
　　　　　　ー=ﾆ三／: : :.＞': : : : イ: : : : : : : : : : : : : : : :Y: |
　　　　　　　　　 /: : : :ノ-─ ''´　 |.: : : : : : : : : : : : : : : : : :.ﾄ､
　 　 　 　 　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾑ-ｰ''´　|:.:..: : : : : : : : : : : : : : : : : :.}
　　　　　　　　/:.:,ｲ:.:.:.:.:.:ﾉ ｨﾃ'　　 〉:.:.:..:..:....:. : : : : : : : : : : 代}
　　　　　　　ノイ /:.:.＞'　...:::　　　レ'⌒Y:.:.:.:. : : : : : : : : : '
　　　　　　　　　ｲ:.:ﾊ.　 /:::::　　　　 ｲ　)j:.:.:.:.:: : : : : : : : :/　　　　　　　オウッ！
　　　　　；∴ ｡　|:/ ﾋ=/::::::　　　　 r-イ:.:.::.:.:.:.:.:....: : : ／
　　　　 　 　 　 ﾉ　r-ｲ:::::　　　　　ﾉ |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.（ 　　ﾉ
　　　　　　　　　　　)│　　　　 ／ .八.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::弋彡く_
　　　 　ﾊﾟｯｼｨｱ 　 　 { 　 　 　 　 　 ノイ:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:::.:.:.:.:.:.:.:.:ミヽ､
　　　　　　　　　　　　￣￣ヽ　　　　|:.:.{ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:彡=ｰ-ミヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　}＼.　　l:.ﾉ　 ｀¨7ｰ=＝⌒ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ7ｰ ､
　　　　　　　　 　 ／辷ﾆﾆﾆ{:.イX　 ﾘ　　　/　　 |ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/
　　 　 　 　 　 ｨﾆﾆﾆﾆﾆ／　/ｲ.　',.　　　 /　　 .ﾉﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/
　　　　　　　　 |ﾆﾆrt一'ヽИ /㍉∧　 イ 　 ／¨||　　|ﾆﾆﾆﾆﾆ/
　　　　　　　　 |ﾆ/ /　 ／/ /: : :{　 У　ヽ<..　　||　　lﾆﾆﾆﾆ/





　　　　 　 　 .,..-――‐-.、
　　　　　　／　　　　　 　 ＼
　　　　　./　 ―‐　 　―‐　 ',
　　　　　l　　 ━ 　　 ━　　 l　　　　　　出ようか。
　　　 ＿l　　　　　　　 　 　 ,'＿
　　　 ＼.ヽ、　(＿人＿)　／／　　　　　
　 　 　 /＼.＞、---- ,＜.／、
　　　 .,'. 　 ＼ ヽ〉-〈/　／ 　 ',
　　　 l.　　 　 ＼ヽ /.／　　 　.l
　　　 |.　　　　　 ｀Y´　　 　 　 |

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
コーラサワーが手をわきわきさせる。
その視線が彼女の腰辺りに行っていたせいか、容赦ない、
それでいて是非もない平手打ちが彼を襲った。

訂正だ、三回口説いて五回ビンタとなった。

しかし、もっと真摯に言えば違うかもしれないのに。
コーラサワーだって決して冴えない男という訳でもない。
というのは言わないでおこう。彼に対しての誉め言葉は、さりげなく言うべきだ。

自然と頬が綻ぶのを感じながら、首を回し、息を吐く。
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4557： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 23:20:47 ID:M1jcoGRQ0

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4558： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 23:21:18 ID:M1jcoGRQ0

〜Tips〜
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　　　　　　　　　　　　　　 ／⌒＼/__ . - ＜￣￣ ヽ.＼
　　　　　　　　　　　　　　_ゝ/⌒＼￣　｀、＜⌒ 、 　） }
.　　　　　　　　　　 　 ／　/　　 　 ヽ　　 ＼ ＼　) ＜ _ヽ
　　　　　　　　　　　 /　 , ´　　　｝　 }　　　　　　ヽゝrー｀
　　　　　　　　　　 ノ .,　| i　　　/　 /　 }　 ,.} ヽ　丶爻　　}
　　　　　　　　‐=彡 /{　|人　 / 　/　 ,/i=ﾉﾉ- }　　｀爻　 /
　　　　　　　　　　 {从｀. { =＼!　人 "/y＝ﾐ、ﾉ　　 }ｒ 、人
　　　　　　　 　 　 .,η＼≧y=ﾐ（　ﾉノ 　{..ｲﾊ }　　i |.ｿ｝　 ｝
　　　 　 　 　 　κ// 乂 {.ゝ{ ,ﾊ　 　 　 ゞ- ﾟ/ ,　 }ﾘ. /　 /
　　　　　　　　 / //i .{ 、ﾐ=_ ゞ '　　　　 　 ./ノ　./ ｀´　ノ
　　　　　　　／ / 'r'.、｀ ミ=‐　　'､　　　　‐=彡ノ! ﾉ ／
.　　　　 　 /　 ｲ　.ゝ}　　　人　　 ｰ_ '　　　　ﾉ　{　ﾉ
　　　　　_/　　.{ i 　/　　　　　＞　　　　　／　 _.У
　 　 　 /iヽ,　ノ _.ノ　　　 　 .（　ｿ ｀ ,ェ__,.　- " ／＼
. 　 　 / ,{/｡＼/〉　　　 　　, ‐ヽ　ﾉ/./ヽ　　 ／　　　|ー ―--､
　 　 / 　 ＼_／|　　　　 r (　ｿ　ﾉ/ﾚ、_∧／　 　 　 .|―‐ ､=彡＼
. 　 /　　 　 　 /　　 -　_ 　}=ﾐ'´/ 　/.{　/ ＼＿＿___|　　　 ＼r―}
　 /　　 　 　 /, -'"　　{（_ノ从! { 　/　|/　　　＼　　　　　　 ／　　|
. /　　 　 　 /　　　　　 ｀/(_　(,人/　ノ　　　　　 ＼　　　 ／　　　 |
/　　　　 ,イ ヾ,　　　 　 (_、ゝﾐ=‐.Y´　　.　　　_,. -''　　 /　　　 　 .|
　 　 　 / ｜　　　　　　　＼　　　　＼_,.．-''"　　　　＼(/　　　 　 .|
　　　 /　　!　　　_,.．-''"{. 　＼　　　　＼　　　　　　 ヽ/　　　　　　|
、＿＿＿_,.．-''"　　　　.ヽ　　 ＞ ､　　　＼　　　　　 {　　　　　 　 |

【Name】
テレサ・テスタロッサ
【Status】
AMS適性：E
　ネクストへの接続自体は確立できるが、操縦は困難。

戦術オペレーター：C+
　オペレーターとしての技術。
　未だ新米オペレーター故、取り乱すことも多い。

【Note】
16歳女性。北欧やヨーロッパの血を引く。
オルデンブルク軍事士官養成学校を飛び級で卒業後、空席となっていたやる夫のオペレーターとして赴任した。

頭の回転も速く普段は冷静沈着と頼れる存在だが、実戦経験の少なさからイレギュラーやトラブルには弱い。
軍学校時代の優れた成績から、オルデンブルクのトップを張るやる夫のオペレーターとして任命される。
本人自身もAC操縦にはかなりの才覚を持っており、戦闘面での観察眼にはやる夫も助けられることが多い。

将来的には前線基地の指揮官というキャリアを期待されているほか、微弱ながらもAMS適性を持つことから、
SIの推し進める微弱AMS適性所持者用低負荷ネクストプロジェクトのモニター候補でもある。

4559： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 23:21:31 ID:M1jcoGRQ0

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　　　　　/´/　/／／ ／,　彡ﾚ'／l〃≦ッﾍi　 ヽ V"ヽ
　 　 　 　 / .ｲ/／ ／／ア／イ　 ﾘ ｒ代ﾂ ﾉ　　 Ⅵヘ 丶
.　　　 　 / //.ｨ ／／　/ー≦ﾘ、　 　 ¨¨´　　　　 〈 /ﾉﾉ
　　　　 / /// l/ / / /ﾊ.ｨ戈ｔｱﾞヽ　　　　　　　　　　／|
　 　 ‐彡' / ／l / ∧'｜ ヽ 一'´〈　 _　 　 _,、　 　 「V {　　 ､
. 　 ￣￣￣ 　 |ﾍ/ ∧ﾑ　 ∧　ｌ　ヽ　 ｨ　＿ｊ　　　/　V ＼__ﾉ）
　　　　　　　　 ∨ /　ⅥV ゝ ソ　　 く_ﾚ´　ﾉ　　 .′　Ⅵ ‐≦_
.　　　　　　　 　 Ⅵ　　ⅥV |ｨ　l＞ _　` ‐彡　　//　,　ﾚi　 }＼＼
　　　　　　　　　　`ー　Ⅵl 八ノノ //＞..　 __／/　/ ノ/　/l　 ヽ.l
　　　　　　　　　　 ｀¨´ ﾉ／　 ｱ　从{ ∧ 　 　 / ‐ 彡 イ/リ　 Ｖﾘ
　　　　　　　　　 　 ｀¨¨´　　 ｛ゝ｛＿`ン}　　ヽ /　´￣ l'　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　 　 `＝彡　丿　　 /　　,. -‐V ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　／　　 ／　 ／　 ／´
【Name】
パトリック・コーラサワー
【Status】
AMS適性：B
　そこそこの適性を持っており、ある程度の高負荷機体操縦にも耐えられる。
　新規のリンクス確保が急務だったオルデンブルクからすれば十二分。

戦闘技術：C+
　ネクスト操縦技術。
　粗削りではあるものの、持ち前の機転と天性のセンスが合わさり、時折獅子奮迅の活躍を見せつける。

【Note】
28歳フランス系男性。ブライドルランク15。年齢にそぐわないお調子者。
元ノーマルAC乗り。彼と馴染みのAC乗りやエンジニアは、口をそろえて「不死身のコーラサワー」という綽名を出す。

元はオルデンブルクのノーマル部隊エースとしてブイブイ言わせており、
ネクストに関しては「積み上げたものが活かせると思えない」と冷静な観点から、適性を持ちながらもリンクス登録を辞退していた。
上層部もその性格のクセを鑑みて容認していた模様。

が、世情が変わり、そうも言っていられなくなると、急遽この問題児をリンクスとして強制的に登用。
当時トップランカーだったやる夫に押し付ける形となった。

変わり者ではあるが下衆でもなければ卑怯者でもなく、バカはバカでも真っ直ぐなバカ。
戦闘でもなんだかんだいってかなりの腕前を披露しているため、やる夫は気苦労を背負いながらも信頼を抱いている。

やる夫のパートナーとして協働任務を行うことが多く、師弟のような関係に近い。




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　　　 i ! ｀'ﾏ　　　 .ﾏ:::::ﾏ/_,,, -ｰi｀＞ ､::::,イ≦ﾆﾆi　ﾏ, 　 　 　 i!
　　　,iﾘ,,,＿ﾏ　　　　ﾏ::::::〕,/ー７----iｲノﾆﾆﾆﾆﾆﾏ ﾏ, 　 　 　 i!
　　,ﾑ//:::,rzzﾄ≧==ーー'　 　 !.i:::::::::,'::ﾑﾆﾆﾆﾆﾆニﾏマ ､_,,--､/
AA：ガンダムUCジェガン
【Name】
デイウォーカー
【Type】
中量二脚
【Architect】
オルデンブルク開発部・SI開発部
【Status】
火力：B　機動力：B　耐久力：C　持続力：A　負荷：C
【Note】
SI製フレームACに長年搭乗していたコーラサワーを鑑みて二社共同でアセンブルされた中量二脚ネクスト。
EN負荷やパワーウェイトレシオ、重量バランス、どれをとっても高水準で纏まっている。

積載重量や腕部EN武器適性など豊富な武装への適性を示しており、重武装での出撃の時はカウンターウェイトとしてスタビライザーを追加することも。
通常武装ではSI製シールドとオルデンブルク製軽量仕様レーザーライフル、レーザーブレードを搭載。
重武装では背部マウント式のハイスピードミサイル、腕部保持式グレネードランチャー装備。任務によっては大型スナイパーキャノンも使用可。
FCSなどもその都度変えている。

大変芸達者な機体で、ACの運用思想を忠実に再現している。
これら全てに適応するあたり、コーラサワーの非凡さが窺える。

4560： ◆x0SRSoJXe.：2021/10/19(火) 23:26:00 ID:M1jcoGRQ0
さて、そろそろ限界が近づいてきたようだ。

いい時間にもなってきたことだしね……

さて、次回なんだが、これは安価もない番外編なので、時間を見て書き溜め、終わり次第投下しておこうと思う。

一週目のエピローグも、どこかでやると言及していたか定かではないが……

まあ、一週目の時も、ずっと戦闘ばかりで主人公とヒロインの穏やかな恋愛描写も薄くなってしまっていたからね。補完の要素もある。

それじゃ、シーユーアゲイン。モコイさん、必ず生きてこのスレに帰ってくるわ……

4561：安価のやる夫だお：2021/10/19(火) 23:38:56 ID:bxOO3pWE0
乙ー
無理しないようにね

4562：安価のやる夫だお：2021/10/20(水) 00:00:59 ID:4AKAbTe20
乙でした

4563：安価のやる夫だお：2021/10/20(水) 00:49:39 ID:3Xv/WKPY0
乙でしたー

熱い話だわぁ、「生きてるだけで価値がある」って
仕事でへこんだ時に読み返そうかしら

でも、生きてるだけで価値があるなら、戦わずに済む方法はないのかなぁなんて

4564：安価のやる夫だお：2021/10/20(水) 22:08:46 ID:xReQT0MI0
乙
待ってるぜ

4565： ◆x0SRSoJXe.：2021/11/21(日) 23:38:52 ID:3FsDRBqE0
ハロー。モコイさんだよ。

もう一月が経ってしまった。待たせてしまって申し訳ない。現状は端的に言うと死にそうだ。

あと一か月だけ頑張って辞めるから、もう少しだけ待っていてほしい。本当に申し訳ない。また何かあったら書くね。

4566：安価のやる夫だお：2021/11/21(日) 23:41:07 ID:Y4J4NQ2.0
了解
のんびり待ってます

4567：安価のやる夫だお：2021/11/22(月) 20:09:09 ID:WzyqCOpQ0
乙
お大事に

4568： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/05(日) 00:46:38 ID:FpnMRxKg0
ハロー。モコイさんだよ。

生存報告と、まあ、ちょっとした告知というかなんというか。

仕事は結局辞められなかった。代わりに週休が一日になった。木曜定休となる。

まあ、最初の木曜……9日は早速休日出勤なんだがね。

16くらいは投下しようと思うんだ。隔週木曜の午後九時から、くらいにしようかな、と。

あと、なんだかんだで消滅した年末年始の休暇が復活した。帰省とかもしないから、少し投下しようかなーとは。

小説の方もいくらか書き進めていきたい。

いつもいつも、本当にすまないね。もう少しだけ待たせてしまう。

なんとか続けるから、気が向いたら見に来てね。

4569：安価のやる夫だお：2021/12/05(日) 00:51:48 ID:fvDj1SqQ0
辞めれなかったのはともかく休みは増えて（？）良かった
のんびり待ってます

4570：安価のやる夫だお：2021/12/05(日) 14:59:41 ID:dosHpkho0
乙
休出しても代休取れないんじゃ変わってない様な
本当に辞めさせてくれないなら労基に駆け込むんやで…

4571： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/16(木) 21:03:19 ID:CH1SlHGU0

　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
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　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ
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　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

4572：安価のやる夫だお：2021/12/16(木) 21:07:27 ID:MESt2TI.0
ハロー

4573：安価のやる夫だお：2021/12/16(木) 21:07:55 ID:CgDTrwm.0
ハロー

4574： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/16(木) 21:09:00 ID:CH1SlHGU0
　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　　久々の休日の半分以上を寝て潰し、止まらぬ鼻水と頭痛に苦悶する男、
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　　スパイダーマッ……いや、モコイさんだよ。
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　　随分と久々の投下になってしまったね。
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i　　　富樫やヒラコーを笑えないよ。
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

4575： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/16(木) 21:13:49 ID:CH1SlHGU0
　　　　　　　 ､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|　　　　　　うんうん、思い出してきたぞ。一週目のエピローグを中断したところだったね。
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i　　　　　　　最近仕事のことばっか考えててね。というのも、社用携帯がもらえなくて、私物のスマホで
　　　 　/ : : : : : : :┌─┐
　　　 　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ　　　　　　仕事しててさ。仕事の連絡が割とマジで絶えないから脳味噌が金！　暴力！　仕事！　みたいな。
　　　 　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿
　　　 　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ　　　　　　　頭をスレ主に戻すのも久しぶりなんだ。ご勘弁。やってこっか。
　　　　 と_ : : : : : : ノ : :ノ
　　　　　　￣￣￣　￣

4576： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/16(木) 21:15:56 ID:CH1SlHGU0

　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　／　　　　　＼
　　 ／　　─　 　 ─＼
　／ 　　 （●）　（●）　＼　　　　　ただいまー。
　|　 　　 　 （__人__）　 　 |
　＼　　　　 ｀ ⌒´　　 ／　　　　　　灯り点いてる……起きてるみたいだお。
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノﾞ-､.
:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜

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自宅まではリメリックのステーションから出ているモノレールで移動する。
冬も明け、寒さを残す春を迎えたリメリックには、様々な人々でいっぱいだ。
輸送機、定期運航列車、専用モノレール、それらを目当てに入り乱れる群衆。
昼も夜もなく、まるで二十四時間巡り続ける血液の様に、人の動きは止まらない。

その中でも、モノレールの人の入りはまばらだ。
あまり人が行き来するものでもないからだろう。
仕事をしている人は人工島に住み込みであるのがほとんどだし、
物資も基本は空輸だ。

リメリックは研究開発の拠点として栄えているコロニーでもある。
トウキョウも近いものがあったが、こちらはより企業の管理が行き届いている。
桜花を失った今、その価値はさらに高まったと聞く。
今から向かう人工島も、半分は研究所だ。

日の沈んだ空の藍色に塗りつぶされた風景が流れていく。
民家や施設の窓から漏れる灯りが、人の営みを表していた。

モノレールを降り、街路樹で仕切られた道をぼんやりと歩く。
二十世紀のウェールズを模したという街並みは、
ガワだけを煉瓦風の建材で仕立てた住居が無数に建っていた。

居住区の端、海が見える立地に、自分の家はあった。
時刻としては夜に差し掛かっている。大抵は起きているが、
たまに寝ていることもあるので、その時はそっと家に入るのがお約束だった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4577： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/16(木) 21:21:31 ID:CH1SlHGU0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__＿ __
　　　　　　　　　　　　　 　 ,.:::::´::::::::::::rf'⌒刈'ト
　　 　 　 　 　 　 　 　 ／'::::::::::::::-‐::::込,__,乂::::::::＼
　 　 　 　 　 　 　 　 //:::／:::::::::::_ｧ=-‐…‐- ミ::::::::::＼
　　　　　　 　 　 　 /ﾉ:::/:::::;厶='′　　　　 　 　 `'ｰぅ:::{
　　　　 　 　 　 　 ,　｝:::::::::ﾉ　　　　　　i|　 　 　 　 、｀'ﾍ}
　　 　 　 　 　 　 .′}:::::_r'　　/　　′ 八　　l 　 　 }　　 ＼
　　　　　　　 　 /,_,_,}://}:}ｉ　 {　　l 　 |　 ＼｜ 　 l }　　、　Ｖ:}
　　　　　　　　くf⌒Y::::{ }:}ｉ　 |￣丁　'ト l　　+‐　7丁　　｝　!}:}
.　　　　　　 　 八,_//l::l// 　 l抖=-ミ∧ﾊ　/抖-r=ｧ　　/ /ﾚﾉ、　　　　　　　　　あら、おかえりなさい。
　　　　 　 　 / ｀７/ //¨l ＼ ﾍV^)ツ `　j/　V)ツ/　 ／}/／
　　　　 　 ／　 // //　 | 　 :　＼　　 　 ′　　 厶イ 　 l:し)　　　　　　　　　　　「あ、パスタゆでてる」
.　　　 　 　 　 〈/ 〈〈　 八　　`く⌒　　_　,′　.ｲｌ　｜ {,__／
　　　　　　　　　　　v /　∧ 　 ｛i`'ト ,, _ .．r升八　 ､　ﾏ:¨￣￣l　　　　　　　　　 最近麺類はご無沙汰だったから、たまにはって。
.　　　　 　 　 　 ／⌒:::`:'ｰﾍ 　 ＼l⌒Lf⌒Y}:l:::::::＼　　'.::::::::::::::|
.　　 　 r―ｖ'⌒′:::::::::::::::::::::::,　 、lし/＼V:/^Y)::::::::::.,　 ＼::::::::::ｰｆく⌒L7､　　　　そろそろできるけど、おなか空いてる？
.　　 　 |::::::{(;::::::::::::::::::::::::::::::::::::,　　|イl_　｀¨_⌒)}:::::::::::'.　　 ' ::::::::::辷 彡ヘ.＼
　 　 . 7:::::::い :::::::::::::::::::::::::::::::::l 　 | jﾉ＾fｰ'⌒く/})::::::::::}ﾊ, 　 '.:::::::::::::::::::::::::::｀⌒ヽ＼
　　　..{:::::::::::ﾉ:::::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ　 f{ 　 (k勿)　_(7::::`'ト- ﾍ,　|＼__:::::::::::::::::／{:::::::}ﾉ⌒´
　　...{f⌒>)::::::::::::::::::::::::::／:::::::::| j∧)_　 ｀¨´ _(/:::::::::ﾉ　 /∧.{ 　 }｢丁¨¨´ 　 {:::::::::＼_
　　...{{ｱ爪{:::::::::::::::::::::::/^i{::::::::::|/::::::＼)r_v;f仏:;_ :::::{／/_l___}しﾍ'⌒7ﾍ,_ノ ,　{:::::::::::::八

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
扉の前に立つと、複合式の生体認証で一人でに錠が回る。

慣れた所作で玄関に上がり靴を脱いで揃え、
ふらりと廊下の奥のリビングへと向かう。

その脇に設けられたキッチンで、アリスが鍋を火にかけていた。
何やらいつもより機嫌がよさそうだ。昼にシグナムが訪ねてきていたからだろう。
湯気を立ち昇らせる鍋の隣では、彼女の少し凝ったソース作りが行われていた。
摩り下ろした野菜のペーストをフライパンの上で転がしていた。
傍には料理用赤ワインの瓶やらトマト缶やらが置かれている。

その匂いが空きっ腹へのとどめの一撃となった。
こくこくと首を縦に振ると、「とりあえず手を洗って、着替えてきなさい」と
アリスは目を細めた。食い気に呆れているようにも、
自分の料理を心待ちにされているのを喜んでいるようにも見えた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4578： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/16(木) 21:30:55 ID:CH1SlHGU0

　　　　　　　　　＿＿＿
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　　　 　/ 、 　 ┌───┐ 　 、
　　　 　i　丶　ヽ{￣￣￣￣}ヽ　 ,
　　　 　i　　丶　ヽ￣￣￣￣}ヽ　i　　ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬ
　　　 　ｒ 　 　ヽ、__)￣￣￣￣(_丿

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さっさとシャワーを浴び、ありふれた綿のシャツとジーンズ、下はスリッパ姿となって
食卓に舞い戻ると、既にテーブルクロスが敷かれていた。

「ちゃんと身体洗った？」と軽く訝しむアリスに弁明しつつ、一緒になって食器を運ぶ。

向かい合う形で座り、アリスの軽やかな「召し上がれ」を合図に、
取り皿に目いっぱい盛っていく。

アリスも食が細いわけではないが、健啖家というわけでもない。
となると、食べる配分も自分の方が必然的に多くなる。

これでも、彼女はだいぶ食欲が増した方だ。
コジマ汚染による衰弱が激しく、ブライドル本部お抱えの大学病院のベッドに
磔にされていた頃に比べれば。

思いだしただけでもフォークが止まりそうになる。
自分の地位や名誉の危機より、過去の彼女の危機の方が余程堪える。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4579： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/16(木) 21:44:29 ID:CH1SlHGU0


　　　　　　　　　　　　 ＞ﾆ´￣ｒ芯＾Ｙ≧ｭ_
　　　　　　　　　　 ／/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/⌒´￣＼_
　　　　 　 　 　 ／　/ﾆﾆﾆﾆﾆ／ノ　　　/　} ヽ}
　　　　　　 　 /　　人ﾆﾆﾆ／ノ´ 　 　 /　 .|　}＼
.　　　　　 　 /　／ ./ ゝイ 　 /　　　　　　　　|ｉ　ヽ
　　　　　　 /　/　 /　/ .|「　/　　　　 / 　 　 八　 }
　　　 　 　 |. 〈＿/　/　 }ｊ　|　　　＿/　　　 /　 ∨|
　　　 　 　 |　 ∨_ ｲ.しｲﾉ　{　／／/}＼　 /　 | 　 }
　　　 　 　 |　　　 {　|￣´/{芹云ﾐ　/　　 /ヽ　} 　 |
　　　 　 　 |　　　 |　|　 　 | .ヒﾂ　厶イ}/イ　/　　 |
　　　 　 　 |　　　 |　|　 　 |　　　　　 芹ﾐ } /　　 /　　　　　　　――あら、ランク下がっちゃったの？
　　　 　 　 }　 　 　 ｉ　　 ﾄﾉ　　　　　　ﾋﾘУ　 ／
.　　 　 　 /　　/　　|　　 |{　　　 _　　　 ノ￣{ ｉ　　　　　　　　　　「一気に七つもだお。特にやらかした覚えはないんだけど」
　　　 　 /　　/　　/|　　 || ＼　　　　イ 　 /　|
　　 　 ./　　/　　/ .|　　 ||_∧｀二≦　}　　|　 |　　　　　　　　　　七つ……じゃあ、今はランク10、か。
　　　 /　　/＿イ　│_　 ||＜⌒ヽ ヽ　|　　ﾄ､│
　　　 {＜´￣＼　　 」､ヽヘ　ト､_ﾉ　}　| 　 |　}′　　　　　　　　　 あまり堪えてる感じではないけれど、不思議には思ってるみたいね。
　　　/　　　　　∧｀ＹＹ　}　 ｀Ｙ　　 .|　| 　 | 人
.　　/　　　　　　 ∧　 {　　 　 }⌒7⌒}′　ｊ. 　 ＼
　　{. /　　　 　 　 ∧　ヽ　　　､　｀￣￣｀＞─ ､_}__
　　|/　 　 　 　 　 　 ＼ ∨ 　 }､二二）　　　[ｉｉｉｉｉｉｉ]}
　　|　　　　　　　　　　 /⌒ヽ　| }r'＝テヽ　　　二ﾆ}
　　|　　 　 　 　 　 　 /⌒７⌒ヽ｀￣{二二＞─イ {
　　 ＼　　　　　　　 /⌒７⌒７＾Ｙ　人＿　　　　＼＾Y
　　　　＼イ⌒}´￣/{　⌒７⌒７⌒ヽ （＿　　 　 　 } ）､
　　 　 / 　}ｉ　　|　　/＼　⌒７⌒ソ 　 （_ ￣＼＿ノ（　}





　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　／　　 　 　 ＼
　　　　　 ／　　　―　　　―
　　　　／ 　 　　（ ー） 　（ー）'　　　　　　　　　　　　　ま、十中八九、政治的な思惑が絡んでるんだろうけど……。
　　　　|　 　 　 　 　（__ﾉ､_,x ,--､
　　　　＼.　　　　 　 ｀ー<　 ヾ zヽ ｽﾞｽﾞ…　　　　　　　正直、少し肩の荷が軽くなった気がするお。
＿＿__／　　　　　　　ー‐＼／| ｜
| |　　/　　/　 　 　 　 　 　 ＿＿ﾉ　　　　　　　　　　　　ランク3だお？　現役時代のアリスより上じゃないかお。
| |　 /　　/　　　　　 　 　　|
| |　（　　　￣￣￣⌒ヽ. 　 |
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|
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微かに湯気が立ち上るコーンスープを胃に流し込む。
温かさが内臓から伝わっていき、肩からどんどん力が抜けていく。

軽くランクダウンの話もしたが、明日のハリケーンの話題よりも軽い調子で終わった。

「まあ、ならいいのだけれど。お休みも増えるの？」

「うーん、数が少ない分出ずっぱり……とまでは言わないお。
相変わらずネクストは虎の子扱いだから、毎日引っ張りだこってわけでもないし。
今ではコーラサワーにルーク君、號君もいるから、もしかしたら減るかも」

期待に満ちたアリスの眼に押し負かされたわけでもなく、考察する。
ネクストは主戦力だが、とにかく補充が効かない。
基本的に企業の上層部はネクストの出撃に対して慎重になる。

だからこその独立傭兵なのだが、自分も今では首輪付きの身だ。
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4580： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/16(木) 21:44:39 ID:CH1SlHGU0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽゝ ､ ＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　_, -‐＝ ‐- = ､￣＞ 、
　　　　　　　　　　　　　__, -‐ﾆ‐ ￣::::::::::::::::::::::｀ヽ::::::｀ヽ
　　　　　　　　　　　 ￣￣フ:::::::::::::::::::::::::::::＞‐＝::::ｰ＝ﾍ
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　　　　　　　　　　　　　ｆｒ:::::::::::/::::::::::::/:::::::::::r:::::/｀7::::::::::::ﾍ
　　　　　　　　　　　　　ﾘ:::::::::/::::,.ｨ⌒ﾐ!:::::::::::|:::/、 f:::::::i::::::::ﾍ
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　　　　　　　　　　　　　 ヽ:::::{/::::::ﾍ ∨ﾍ::::::| {ﾄ,㌧`.ヽ:::j::::::::/
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　　　 　 　 　 　 　 , ＜::::::::;:::::::::;ｲ f:::::::::::| `　　　 丶　}:::/
　　　　　　　　-＝￢ｽ::Fヲ:::／ﾆﾆ{:::::::::::{ﾆフヽ., ′　 j/
　　　　　　 　 　 .／::::::」´イ　　　　∨::::|ﾘﾞ７/ f―ｯ
　 　 　 　 　 　 /:＞ ´　{　_＿__.　　 ゝ::|　ff ´ フ/
　　　　　 　 　 '´　　　　厶　　　_　　ヽ＼ jj　 //
　　　　　　　　　　　　 斤　　- ､_｀ヽ、　` 弋.//
　　　　　　　 　 　 　 /　　　＞ ´⌒｀`ヽ、　 1}
　　　　　　　　　 　 ./　　／　　　　　　　ハ jj ゝ､
　　　 　 　 　 　 　 j　　/　　　　 ｰ_- =.､_⊥!Lf∩
　　　　　　　　　　 f　　ｆ　　　　 ／＼＼'　 　 ﾄ∪!
　　　　 　 　 　 　 .|　　|　　　／　　　ヽ.ヽ.　　＼ ﾍ
【ブライドルランク18　ルーク　スポンサー：オルデンブルク】




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｒ'''''ヽ
　　　　　　　　　 　　　　./|／,,;''"" ｀ヾ、 ｒ　/ヽ
　　　　　　　　　　　　　ノ /;;;",_,,ノ　　　ヽ　/ヽ
　　　　　　　　/l　/´ .ﾉ/,;;;'"ヾノ;;　　　　　|　ト、
　　　　　、 　/　|/｀）ノ,,;;´ト、,,ノ　　　　 .　|　 〉/
,, .lヽ　ヽ ＼ｒヽ、ｒ´ ,,,_ノ;;;,__　'''´　　　　　　| .lｒ´ 　/
.|人｀ヽゝ｀"''ヾ,,、ゞ、｀"ヾ｀　　　　　　　　　　　　ノ
ヽj ヽ(　ヽ ゝ;;（;(ヾ　｀　　　　　　　　　　　 　　ｒ´
　　　　　　　ヽ｀ヾ |　　　　　　　　　　　　　　|´
　　　　　　　　ヽ　ﾉ
　　　　　　　 　 ヽゝ ''"　　_,-―　　　　　　/
　　　　　　　　　　ヽ　　''"　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　 ヽ、　ヾ::´　　　 　／
　　　　　　　　　　　　　ヽ、　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　 ヽ、_　_ ノ
【ブライドルランク15　號　スポンサー：オルデンブルク】
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ちなみに、ルークというのは、つい最近オルデンブルクの支援リンクスとなった
少年のことだ。赤毛が特徴的で、顔立ちも中々端正だと評判でもある。

號は今時珍しい純日本人らしく、
以前顔合わせした時は掴みどころのない青年といったところだった。

どこから掘り出してきたのやら。
上に言わせれば、実に平々凡々とした生い立ちらしいが。

しかし、新人であるにもかかわらず、その戦果には光るものがあった。
もしかしたら、自分のランク剥奪は彼らのような存在も関係あるのかもしれない。

まだ二十歳の身だが、すっかりロートル扱いという訳だ。
仕方のないことでもある。自分はオルデンブルクの子飼いではない。
たまたま当時の最高戦力のパートナーであり、
たまたま第二次ネクスト戦役を生き残った貴重な残存ネクスト戦力だったというだけ。

自分がもらった勲章も地位も名誉も、全ては「とりあえず」とされたものだ。
当時はシグナムも負傷が激しく、自分が旗頭を務めるしかなかった。
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4581： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/16(木) 21:47:12 ID:CH1SlHGU0

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　　　　　　　　　　　　　　　　【ブライドルランク11　ゾルタン・アッカネン　スポンサー：ノルドルム】
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　　　　 .|:.ﾄ､: :ヽi斗ﾄ､:ヽ:|:..| '"弋:ｿ /ヽ!:..ﾊ}: : : :..: :/　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /: : : : : : : : : : : :: : : : : ヽﾉ州ﾉ ﾉ: : : :/
　　　　 .ヾ:. ヽ:ﾄ､く弋:);ﾊj从　　　 /:/: :/ : : : : : : /　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,′: : : : : : : :: : : : : : : : : : : : ｀ﾞﾞ´: : : く
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　　 　 　 |　　 　 V////Ｙ　　　　　　　　　;　　:.　　　 ヽ厂　　　.／. : : : :: : : : : : : : : : ::｀ヽ　　　　　　　￣￣j「￣　 ,レ"´: : : : :: : :
【ブライドルランク14　綾波レイ　スポンサー：アヴィアコル】..: : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ:｀丶､　　「 ￣」　 j.!　 レ/: : : : : : : : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :i: : : : :.｀丶､　__ _ﾉﾉ_, イ: : : : : : : : : : : : :
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【ブライドルランク7　マリーダ・クルス　スポンサー：SI】

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時勢もだいぶ変わった。
リンクスの新しい芽もぽつぽつと出てきている。

ノルドルムからはゾルタン・アッカネンという謎の男。
SIからは凛々しい女性リンクスのマリーダ・クルス。
アヴィアコルからは綾波レイという齢十五の少女。

それぞれの企業が、それぞれお抱えのリンクスをどこかから引っ張ってきては、
ランクを与えてネクストに載せる。

しかし、AMS適性所持者は希少だというのに、よくもまあポンポン見つかるものだ。
それに加え、新参リンクスはどれも粒ぞろいときている。

自分のAMS適性はB判定、高機動型ネクストの操縦に支障がないくらいだが、
彼らは誰もかれもがA判定だという。トップランカーの卵というわけだ。
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4582：安価のやる夫だお：2021/12/16(木) 21:50:26 ID:CgDTrwm.0
こっちは無人機じゃなくてクローンの方に舵を切ったのか

4583： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/16(木) 21:54:06 ID:CH1SlHGU0


　　　　　　　　　　　／;;;;r'￣´　　　　　　｀￣ゝ､;;;;;;;;;;ﾊヽ
　　　　　　　　　 ／ソ´　　　　　　　　　　　　　 (ﾍ;;;;;;;ﾊ）ﾊ
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　　　 　 　 　 |　　　　レ|´|　|　| ヽ　|　 ｒテ´　　 | /　ハヽ__」〉|
　　　 　 　 ＿| |　　　 | |　|_==ヾ､ ∨　　　 　 　 |/　/　{{￣￣||
　　　　　 〈l￣〉ﾊﾊ ＼＼xﾞ　　　　 , 　　　　　　 /／/ / llヾ〉　|||　　　　　　　　いいじゃない。最近はオルデンブルク開発のＡＦ……
　　　　　　ヾ_'-'∧. ヽ ＼＼　 　 　 _　 ノ 　 　 jﾉ ,ｲ /|　ll |ヾ_　|　　　 /
　　　　　　 /||ゞ´∧　＼_＼ゝ　　　　　　　　　 ／//　|　{{|　 |　|　 　 /;;;　　　　おるとり？　だったかしら。
　 　 　 　 /／´||　〉〉､_ ヽ￣ヽ､　　　　　　　　／ｲ‐,,/　 ﾞ|　 |　|∧／;;;;;;
　　　　　//　　 ﾞ　|_|　/＼＼＿|｀　- -､-　＜￣;;;;;/l　　 } /｀│＿;;;;;;;;;;;　　　　　「航空戦艦型ＡＦオルトリンデだお」
　 　 　 /＼ー─-､　/　 /￣/| 　 || 　 |;;;;;;;|;;;;;;;;;;;//|　　 |＿／;;;;;;;;| ;;;;;;;
　___＿/＿__〉;;;;;;;;;;;;>'　 /　 /l l/　||　　|;;;;;∧;;;;;;;;;/_ |　　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| ;;;;;;;　　　　　そうそう、それそれ。それもあるんでしょ？
__ゝ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;//　/|　/-ﾄ─--'￣＼/　|ヽ;;;/　 | /ﾚ';;;;;;;;';;;;;;;;;;;;| ;;;;;;
＿;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ｲ　/;;;|/;;;;;;;;;;;;;;;/》／　　　 ＼　 《 ﾚ'/;;|;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;| ;;;;;;　　　　　楽になるのはいいことだわ。
＞;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;|　|;;;;;;;;;十､／ヽ-へへへ／￣《/;;;/;;;;;;;/;;;;;;;;;;＜´| ;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|　|;;;;;;;／|´　《ミＹ≡》）　　　 《/;;;/;;;;;∠;;;;;;;;;;;;;;;;;;〈￣￣
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／|;;;;;;;;;;;;ﾚ/;;／;;;/　　 ゞ===ﾞ´　　 　《/;;;;;ﾚ'´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼
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／/　 　 ／ ヽ/く;;;;;ヽ |;;;;|》 　 　 |/ 　 ／　 《/;;;;;;;;;;;／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
　 |　　 /　　 /　 ヽ;;;;;;;;;;;;;|》ヽ　　| 　 /　　 《/;;;;;;;;;;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;〈
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そんなことはつゆ知らずといった様子で、アリスは屈託なく笑う。

「確か、明日の出撃が終わったらメディカルチェックを挟んで、
そこから三日間くらいお休みなんでしょ？　ちょうどいいじゃない」

ランク10、役目を終えたロートル。それくらいが丁度いいのかもしれない。
目を細めて自分を見つめるアリスの姿に、胸の内を覆っていた暗雲の欠片が
脆くも消し飛ばされる。

自分たちは文字通りに命を燃やしてきた。今となっては灰も同然の身だ。
自分にはまだ燻ぶるような火が残っているが、それも時間の問題だ。

生き急ぐほどの命も残っていない。

「ごちそうさま。おいしかったお」

手を合わせ、食器を抱えて立ち上がる。
それをアリスは視線だけで送り、頬杖をついて物思いに耽るような仕草をした。
自分の休日のことでも考えているのだろうか。
そうであってくれたら嬉しい。

彼女が平和な時間に思いを馳せられる居場所。
企業に従属する限り、それは与えられる。
だから、戦う。明日も、これからも。

人の一生なんて、そんなものだろう。
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4584： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/16(木) 21:54:19 ID:CH1SlHGU0

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4585： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/16(木) 22:15:32 ID:CH1SlHGU0

〜コロニー・リメリック　AC格納庫　ネクスト格納ブロック〜
　　　|　 　 |∧　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　 　　 ＼＼＼＼/＼＼
≧s｡ |　　 |/∧　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　-─…… 　 ＼ ＼＼＼/＼＼
ニ 　 |　　.|∨∧　　　　　　　　　　　　　 (__)　　＼　　　　　　　　＼/￣＼＼/＼
ﾆﾆ　｜　｜.∨∧ 　 　 　 　 　　　　　　　　　　　　＼ -─……　　|| | |　 |＼＼/
ﾆニ_ .|　　|　 ∨∧　　　　　　　　　　　　　　　　　.-‐j{[ミ、　Χｱﾟ　　-‐=‐- ミ
'ﾆﾆﾆ |　　|　　∨∧　　　 　 　 　 .r　､　　 ..／　　　j{[　) Χｱﾟ／　　 　／ﾆﾆ=Y
..'ﾆﾆり⌒YY　　∨∧ 　＿＿＿ . ∧＼.≦ /乂____　j{[ｨｉΧｱﾟ,7≧=‐=≦ﾆﾆﾆニﾉ_
　'ﾆﾆ{|＿ﾉﾉ,　　 √｢∨⌒＜￣｡s .∧ ..＼{ﾆﾆﾆﾆﾆj{[Χｱﾟ__叭ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ才ﾟﾆﾆﾆ=
　 'ﾆﾆﾐh､　 ＼　￣ｰ= 　 ＿,＞─　∧.＼＼,ﾆﾆ/l{ｱ´iY´ Ｌニ≧=‐　‐=≦/"~ 〈ﾆ=〉
..　_　|ﾆ=-＼　 ＼　　 　 ＿_,┌─./i/ﾑ　 .Y＾寸Lﾉ､ﾆ从　　}／｛{´⌒`寸 ｌ　　 ,ﾉ=〈
　　　￣丁ニ＼　 ≧s｡_|｢＿｣L　./i/ﾆ .__/＼　/-=l}_／〉ｰくﾆﾆ∧｛「＼Lﾉ　　 |ﾆ={[.
=-　..,,＿|　　　|≧=‐　__￣　-=ﾆ{/ﾆ/=´{　　 7ﾆﾆハ／〉 　 ∨//Vﾑ　丶　　 .|ﾆ={[
/＜　　　￣¨7ｰヽ　 ／／¨ﾆ=- 〈／ﾆ .ﾆ}　　lL イニ}／〉　　 ∨//Vﾑ 　 ﾟ,　　|ﾆ={[.
二/三二ﾆ=-|　 :|∠／=- _　 　 .}=ﾆﾆ..ﾆ}　　 V,jＬ.ノ／{L l「＼∨//Vﾑ　 {　　|ﾆ={[
_,/三三三三L＿|_/／　　　￣　,'=ﾆﾆ .ニ, 　 　 V,ﾆ/ﾆ,ｱ⌒'＼ｉl`∨//Vﾑ ﾉ 　 |ﾆ={[.
/三三三三三∨／(　　　／　./=ﾆﾆ=//　　　/^V｛_,/ﾆ/^''ｰ､＼}∨/ﾆ=ﾑ 　　|ﾆ={[
三三三三三 〈二二〉　　 |/{i/=ﾆﾆ=/ .(__)7..〈＼ニ={=-|　　 」lＶﾑ.∨/ニﾑ　　|ﾆ={[.
_,//　　　　　　〈二二〉　　〈 ,'=ﾆﾆ=/./　Ｙ//.｛＼{ﾆ={=-|　／i{　ﾏﾑ ∨/ニL 　|= /
//　　　　　　　〈二二〉　..l　=ﾆﾆﾆ'.´〉　 j/// .､ﾆﾆ∧ﾆﾚ'=／}　 ﾏﾑ i}ﾆ7⌒Ｖ L/
/　　　　　　　　〈二二〉　.Li=ﾆﾆﾆ{.〈__／ .「≧s｡i}＼{　 V／＾i/{i 　 ﾏ 'l}i/　　 ∨
.　 　 　 　 　　　〈二二〉　]ｌ|ﾆﾆﾆﾆ〉　/7 人ﾆﾆﾆ=`寸　i{L／=ﾑ　　 Vjj`､
　　　　　　　　 ／＞─く_.]ｌ|ﾆ,xtt〈//7/7/.＼ﾆﾆﾆ=V　∨/二{{　　　i}}ﾆ}　　　i
　 ／￣＼ 　 <二ﾆ=-　　.从//⌒i{ 7/7/7//.＼r‐く, 　 ∨/ﾆi|　　　i}}ﾆ}　　　l
../::::::::::: ::: |　　＼￣　=ァ' ｛Liﾆﾆ='､=-　_,,/_,,/...〈　 ∧　　∨__j|　　　,ﾆ/　 　 ,
｜::::::::::::::: |　　　| ＼　/ /　 ]|ﾆﾆ＝⇒　=- /＿.∨/＾＼ 〈ﾆニ〉 　 /i/　　　/
⊥　　　　└─…￢冖| |ﾆ_.从乂r⇒'　　 　 ＼＼ .} /　　}　}￣乂_∧乂__,／
二二］］　r-=_宀冖 ¨　j j　　¨.`'┘　 _　　　 　 ＼.乂__ ノ{i〈=ﾆ=／ニ＼_,ﾉ ¨“''
─◎┘　|_　　¨　‐　,_//　　　 }}　 }}　　¨ﾆ=-　＿{_| i|=||=|　}ﾆ└ｧ' =ﾆﾉﾘ
　　　　　　⌒≧s｡＿//　¨　‐ }}.,_ }}　　　　　　　　| l|=||=|　}ﾆ|| ←=彡'ﾞ
＿┌丁￣￣＼──彡 ,＿　 }} ／¨　‐　,._　　　　|..l|=||=|　}ﾆ||ﾆl._‐_‐_─
￣└┴──‐┘ｘ=＝＝＝彡イ_　-=ﾆ二三≧s｡.| .lL八」　､,,||_ﾉ　　　 ._,.｡s≦
　　　　　　　　 //_,,..｡-=三￣｢｢¨ ‐=三三三三三|＿|_|／⌒丶､_,.｡s≦⌒::::::::::
　__,,.｡-=＝ '''ｱ/"´　　　　￣￣≧s｡.,_￣二二￣└Ｌ｣｣ _,.｡s≦⌒:::::::::::::::::::::::::::
''"ﾟ　　　　 ,ｨシﾞ　　　　　　　　　　　　　7/7/　　_,.｡s≦⌒:::::::::::::::::::::::::::::::::｡s≦
　　　　 ／／　　　　　　　　　　　　　　 _厶斗匕:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｡s≦⌒
　　　／／　　　　　　　　　　　　_　-　￣::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｡s≦⌒

4586： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/16(木) 22:22:30 ID:CH1SlHGU0

二i_ ｀'≦。,　　　　.＼.//ﾆ二},,,_
　i　｀'≦。, ｀''ヽｨﾌﾆﾆヾﾆﾆﾆ'...........ヽ,
i .i　　　　　　ヾ_i{　　　 ヾ二{................∨
i .i　　　　　　　ﾏi。　　　　.}ｿ...............　}　　　　　　　　　　　「ロックOK、HMD装備完了」
i､ ゝ,　　　　　　ヾii。　　　/=====.､.　ﾑ
.＼　 〉,　　　　　 .ヾii。　/≧s二≧ゝｨ==＜　　　　　　　　　「AMS接続開始」
ﾆﾆゞ　.|'＜　　　　　.ヾﾏ////iイ......//￣.ヾ,}i
ﾆ／|　 |　　.｀''＜　　　　i////i......//:}i　 ＿Y
ii|　 |　 |　　　　　 ｀'＜....i////i....//:::ｿ┐ﾆミ
ii|　 |　 |　　　　　　　　　i////iゞ'´::::::::∧....｀∨
ii|　 |　 |　　　　　　　　　i////i:::::::::∨:::∧..... ∨
ii|　 |　 |　　　　　　　　　i////i::::::::::::∨:::∧......∨　　　　　　　　　　　　　 ＿　　　　　 ,ｨ､
ii|　 |　 |　　　　　　　　　i////i:::::::::ヽ::ヽ::::∧....≧､　　　　　　　　　。s≦コ |.|＿,,,,,。ｲ　|.|
ii|　 |　 |　　　　　　　　　i////i:::::::::::::ヽ::ﾐi::::∧...　 ｀'＜　〉s≦＿　 　 　 コ |´　　　i|　　|.|
ii|　 |　 |　　　　　　　　　i////i::::::::::::::::::ヽ,∨:::≧s。　 .｀'＜／ﾆﾆ≧s。...コ |　　　. i|　 ﾉ

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対汚染スーツで全身を覆った状態で、体重をパイロットシートに預ける。
四肢がロックされ、血圧計のようなエアバッグが圧迫するように身体を固定した。
HMDが内蔵されたバイザーが目隠しの様に被さってくる。
最早慣れた光景だった。パイロットというよりは、機体の一パーツになった気分だ。

視界が閉ざされ、うなじの接続端子に衝撃が走る。
パンクしたタイヤを思わせる甲高い音が鳴ったと思うと、
脳髄を火炙りにされるような感覚に襲われた。
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4587： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/16(木) 22:26:21 ID:CH1SlHGU0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾌﾟﾂﾝ
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣`'`￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣





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瞬間、全ての感覚がブラックアウトする。

普段の、自身の感覚がネクストに移るそれとはまるで違う。
機体に流れ込むはずの自我が、行き場を失い消えたのが本能的に分かった。

息を呑むことすら許されず、問答無用で意識が掻っ攫われる。
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4588： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/16(木) 22:32:28 ID:CH1SlHGU0

　　　　　　　／／　／ 　 /　　　　 :|　 .:|.: 　 | 　 !　∨/／/ 〉.:.:ヽ V
　　 　ゝ__／イ　.／ 　 .::/　 　 　 .:.:|　 .:|.:: 　 , 　 ヽ　∨/⌒.:.:.:.:.:.:〈
　　　　　／　 , ' 　 　 .:/　 / 　 .:.:.:.:! 　 |.: 　　', 　 　 ,　',弌Yヽ.:.:.:　ヽ
　 　 　 / 　 .:i　 /　 .:/　 /　　.:.:.:.,　　　|.: 　　 ﾊ: : 　 ',　 , {乂}.:.:.:. 　 }
.　　 　/ / : : | : :!　 .:ｌ　 /　　.:.:.:./　 /: :|.:　　 　 i: : 　 l　 i { Y }.:.:.:　/
. 　 　 ﾚ' i : : :! .::|＝=ﾄ :ｉ　　.:.:.:./ i: /|: :ﾊ: : 　 !　!.:.: 　 l　 l {人}.:.:.: /
.　　　 　 | : :ﾊ .:,j ｨ=ミV!　 .:｀7＝|/=|ノ-ｉ.:.:.:./.: ,.::　 　 !　:| YX}.: ,ｲ
　　　 　八 .:i ∨:|　ん}八　 |/ 　ｰｧ＜　ﾉ , ｲ.: /i.::　 　 l　 !人ﾉ.:.:. |
.　 　 　 　 ヽ/　 ｉ 弌ｿ　 ヽ:j　　 んハ ヽ　 ﾑｲ :|: : ,.　/!∨iｲ.:.:.:.　:!
　　　 　 　 /　i .:|｀￣　 　 　 　 弋_ソ , 　 　 ﾊｲ／ﾑｲ i‐ｧﾉ.:.:.: ／　　　　　　　　　AED起動、3、2、1……うそ、ダメなの！？
.　　　　 　 ﾚｉ :| .:! 　 く　　 　 　 ￣￣ 　 　 /　　.:.:.:/i/,／.:.:.:.:.i
.　　　　　 　 ヽ!八　　､＿　　　　　u.　　 ／ 　 .:.:.: '=イ　　＼ノ　　　　　　　　　　　強心剤、1番から3番まで投与！
　　　　　　　　　　ヽ 　ヽー ｀ヽ　　 　 イ 　 / .:／/　 i　　　ｉ ﾄ､
　　　　　　　　 　 / ＼　ゝ ＿ﾉ　　　ｰ=彡ｲ／　/ 　 , 　 　 | | ｉ＼　　　　　　　　　　AED再起動！
　　　　　　　　　 i　〃 ＼ ー　　　　　 ／　　 ／　　/　　　 | | ｌ　 ＼
　　　　　　　　　 |　i 　 .:.:.ヽ ＿　　.イ　 　 ／　 　./　　　　:| |┴‐､　＼
　　　　　　　　　 |　ヽ _.:.:.:.:.:.ノ　 i 　_ヽ. ／　　　 /　　　　　| |(⌒)}＼
　　　　　　　　ゝ＝ｲ::::::::.７'´　　 | //∧　 　 　 /　 　 　 　 | | ｀´
　　　　　　　　　 ｉ /｀¨７´　　　　ｉ/ｉ//∧　　　/　　　 　 　 :| |

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一瞬なのか、何十時間と過ぎていたのか。
時間の感覚が曖昧としていて、ちょっとした夢でも見ていた気分だった。

焦燥しきったテレサの声が鼓膜を叩き、脳を揺さぶってくる。

明滅する視界の中には、無骨な鉛色に満ちた格納庫の光景と、
突き出た胸部装甲やマニピュレーターが映った。

手を握っては開き、握っては開きを繰り返す。
人のものとはかけ離れた、鉤爪染みたマニピュレーターが軋みを上げる。
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4589： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/16(木) 22:39:30 ID:CH1SlHGU0

　　　　　　　　　＿ ノ゛,, ;、､､ '⌒ゝ､ ',
　　　　　　　`┬;;;:::┬′　　　ｨ=＝=yｌ
　　　　　　　　⌒ﾞ''''''´"　　　　　　　　}　　　　　　　ふぅ……衰えたものだ。起動段階でやられかけるとは。
　　　 　ｌ! 　　　　　　　　　 　u　　　./
　　　ｉ!　|ｌ　 　　　/´　　　|　　　ゝ /　　　　　　　　　ありがとう、テレサ。もう大丈夫だから。
＼　 ｌ|　ｌ　　　 　 ゝ、____人_____ソ
　 ` .､　　ι　　　　　､::::::::::ノ／
　　　:ﾐ:ｰ.､._　　　　　　 ￣　　｀`'''ｰ-､





　|　　|　|　　 　　 /　 　 　' | |　 !|　／≧ヽヽ　ヽヽ　　｜
　|　　|　|　　　　 '　　　　/! | |　 !ﾚ彡 ⌒ヽﾔ ∨|｜　 . |　　 _　　　 ￣￣￣￣￣￣
　|　　|　|　　　 /　　　／ ﾉ//`=川　 (ｆｊ　ﾉl|　 } l/|＼ . |　／
_∧　 V |　　　｛　　≦＝'ｌ//　/l l､ ‐一彡ｿ　/ /｜　ヽ|´
∨ﾍ　 V| 　 　 !　/ｔｭ ヽ //　 Ｖ/　`　　　ー '彳　|　 〃ヽ
　＼ﾍ　ゝ　　　l /_`=彡〃 　 ﾉﾍ　　　　　　　 |　｜ /ﾑ　 V　　　　　　　　　　　　　　　オイオイ勘弁してくれよ旦那！？
　　 ヽヽ ∨ 　 l'´　　／　　 〃　 l､　　　　 　 l|　/ ///| 　 ∨　
　　　　＼ﾞ ､　｜ ￣ 　 　 ／　 ﾄ ｀`　　 　 　 l| ,' /,.l/　　 　 V　　　　　　　　　　　　　　これで通算三回目だぜ！？
､　　　　/＼＼ ＼　　 ﾉ （　　　,　 ニﾕヽ　　〃' //　　　　 　 ∨
　＞　 /　　 ` ､`　≧´　　 　 〃　 ,　ﾆソ　〃／//|　　　　　　 ∨　 　 〃⌒ヽ 　 ／　　　「すまん、コーラサワー。今は大声はよしてくれ」
　　　 ≧　　 _　`　 _｀　　_　　`ﾆ 彡'ﾆ -‐ｖ／／∧|　　　　　　　 V　　 || （__） !／／
　 　 ／　`　 _ 　　‐- ≧　二二￢´　　 彡／　∧//　　 　 ／　/∧ 　 ゝ＿_ノ／
― く　　　　　 ｀ ‐ ､＿ 三三三三三三 ／　／／/　　　　 　　｜ ∧　　 ／∠＿＿
　　∧　　　　　　　　＼＞ 　　　　＿＿＿／／／　　　　〃ヽ.　|　 ├‐;彡 ´
　. 　∧　　　　　　　 　 三≧.　 　 ＿＿__／／　　　　 　 ゝノ　 |　　|__」

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深く息を吐き、脱力する。

隣のコーラサワーが騒ぎ立てる。今ではその声すらも音の暴力になりえた。
激しい頭痛に全身から嫌な汗を噴出させ、対汚染スーツの下を濡らす。

ロストワードへの接続に、この身体が耐えられなくなりつつある。
いや、ロストワードだから、という話でもあるまい。
リンクスとしての自分の限界が、こういった形で表れつつある。

「最近、連戦が続いたからね。今日が終われば明日から休暇だ。
報酬もすでに貰ってしまっている。その分は働かないとね」
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4590： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/16(木) 22:46:41 ID:CH1SlHGU0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ-‐￢T ニヽ::T ニヽ｀ヽ､_::::::::｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ1 Ｎ | |:: | |:::| |:: | |::::::ｙ┐ヽ :::::::::i
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,　 ´:::::::::::::::::::::::::::::::｀::ｰ-::::辷┘:j::::::::::|
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　　　　　　　　　　　　　　　　ー=彳　小{ ≧≠':￣ ミ＝==＝デ/ ｉ　 :V }､
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 l ! :N 〃/ハ : : : ／≫ﾃ;ﾐくイ　　 . : }ｿヽ＞;
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 jﾊ　:ﾄ、 ド'ﾂヽ／　　 んiIﾊ 》　′. : ﾊ.:.:.:／　　　　　　ハァ……まったく、こっちの心臓が止まるとこでしたよ。
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾊ :t　｀￣　 　 　 　 ゞ==ｸ　'　 : ,ｲX／
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 __{: :`犬　　 〈　 　 　 　 ／,. ' . :, く.:'.:.:｀ヽ　　　　　　　　今は安定していますけど、また危なくなったら
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ´:{ ｀Y: :ﾊ＼ 　 r ､ 　 　 ｀Z -ｧ７　　＼_／
　　　　　　　　　　　　　　／.:.:.:.:.:.ﾊ　∨ ;}　i＼ `┘　　　　／ /　 　 　 ヽ　　　　　　　　　強制ベイルアウトですからね。
　　　　　　　　　　　　　∧ .:.:.:.:.:∧,ﾊ　V:j　 !　ヽ.__　-‐,ﾆ´　/　 　 　 　 ト､
　　　　　　　　　 　 　 /.:.:.',:.:.:.:/　,ヒ1　〈 　 L、　>､‐'´　　/　　 　 　 ;　l.:.:.:＼　　　　　　　「ああ、是非そうしてくれ」
　　　　　　　　　　　　′.:.:.:ヽ/　ｲ从j 　 V´ /　/:::::ヽ　　/　　　　　　ｉ　l.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　 　 　 　 |.:.:.:.:.i.:.:ヽr'´￣｀ヽ　!　ﾊ_∧::::::∧ / 　 　 ´"'' ､｣　l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..
　　　　 　 　 　 　 　 |.:.:.:.:.:l.:.:.;ﾉ　　＼.　リ　! .:.￣Ｙ´　〉⌒.:ｰ-.._　　　　|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i
　 　 　 　 　 　 　 　 | .:.:.:.:.l.:.{　　＼　|　ﾄ､_｣＼.:.:.:|　./|.:.i.:.:.:.:.:.:.:.「.:.:ー ┘.:.:.:.:,:.--.:､|
　　　　　　　　　　　/.:.:.:.:.:.:l:∧｀ヽ　| ,!ノ　 ﾉ　 |.:.:.| /: |.:.ｌ.:.:.:.:.:.:.:.l.:.:.:.:.:.:.:.:.:／ .:.:.:.:.:.:|





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 rｪｪｪｪrlエl≧ｪｭ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 lニ|――|〕/ 　r|-/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 rrr-ｒゝ―/‐lー〈 |/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　lﾆﾆl|￣￣|エl |／　　|三l--､
＿＿＿＿＿_　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 r‐'――‐r‐/: 　 　 :|三|=ﾆ､
:::::::::::|　　 |:::::|＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 r‐/￣￣￣///　　　 |工工l ・．＼
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:::::::::::l　 Ο!::::|・　　 　＼＿＿_ l＿―　￣ 　 　 　 rｪ､　ヽ ｰ､_ヽ ヽ ll＞r‐f　　 |__/__／‐''´|_|ゝ―--ｲ
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:::::::::::|　 ／ミ／　_-‐r――――＼　 　 .|___　l__　Ｌ　 |　 | 　'ｰﾞ._／￣　　:|7　} Λl〈_/ー '
:::::::::::|／　／ミ／　／〉 　 　 　 l＼＼＿　　.|　 !　 l　 |／　_r／　,ィ//7ﾚ' ＼/ 　_工!
::::::／ミ／　／　／／　　 　　／　 ＞-f | 　 l　 |／　　_ｪ／　　ィ///／|　　 __/´　 |
／　／　／　／／＿＿＿／　　r――| |,イ´　　_ェ―'　 　,ィ///∠_／／／〈　 :∠!
　／ミ／　／￣＿＿＿　-‐' ￣＿,..-‐| |　rr‐／　　 　 ィ///／ﾞ　:| 　|／ {-､ヽ/./
/　.／　　 |￣ミー――――　　 　 　 :| |／ 　 　 ＜　　＼／ 　 　:|_／｀¨´　{　Ｖ
,,／　　 　 |　　　　　　　　　 　 　 　 　 | |　 ＜　　　　　　 |　　　 ／　　　　　 ￣||
　　　　 　 |　　　　　　　　　　　　　　／´‐'"´ヽ＼　 　 　 :| 　 ／　　　　　　　　 ′

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「改めて、今回のミッションを確認していきますね。
現在、このコロニー・リメリック近海上空を航行中の航空戦艦型AF、
オルトリンデの襲撃と撃破を企てている勢力の情報が入りました」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4591： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/16(木) 22:51:50 ID:CH1SlHGU0

　　　　　　　　　　　　　　　/.|
　　　　　　　　　　　　　　./　1　　　　　　　　　　　　________,,,ｨ-.ｧ ,,,_
　　　　　　　　　　　　　/　　│　　　　　　,,, ‐'''''^￣　　　　￣ﾞｿ　　 ゛''ｰ ､
　　　　　　　　　　　　/　　　│　　　 .,ｨ."_}‐'´　　　　　　　　 /.,, ｰ‐‐ｧ__,,,, -''---.,,,_
　　　　　　　　　　 ./.　　　　│　　 .∧ｨ'"7　　　　　　　　 ／ ﾑ-ゝ'''"　　　　　　　　ﾌ
　　　　　　　　　 ,.ｲ　　　　　│　./ /　 ./　　　　　　　　,ム‐"　　　　　,.-=≡_.＜∠,,
　　　　　　　　 ,/ ﾍ　　　　　 |　/ /　.／　　　　 ._,,.‐ﾍ''" ﾍ　　　　　 /,ｨ'　　ﾍﾆﾆﾆ.､≧ .、
　　　　　　　 /　　　l　　　 　.| / .{.,,.ヘ　 _,,,. ‐''"　　 入 　.ﾍ　　　　 { !　　　　.i　　　│} 　 ﾞ''-,,　,,
　　　　　　 /　　　　1　　　　|'-.'''´_,,.－"　　　　 .／.ﾌ.ハ ､ 〉ｪｪｪｪ=|│　　　　1　　 .ﾉﾉ　　　　フ
　　　　　 /　　　　　 ｉ　　　　|＜"　　　　　　 ,,ィ" .／　　トﾞﾞ/　　　　11　　　　 |　　//　　　／
　　　　 /　　　　　　 ｉ　　 　.1　￣゛ﾔ‐‐ｬ.t'" ,,ｱ''"　　　/　/　　　　 １{　　　　 １ノノ　　.／
　　　 ./　　　　　　　 |　　　.1　　　　＼,,ﾍﾍ　i,,_ 　　　 /　.∟,,,,,,,,,,／ﾍ {　　　 ／／　／
ｰ ､　/　　　　　　　　 |　　　|　　　　　　| ,,ヾ‐-ｧﾔﾆﾆiｺ,,,,ﾉ　　　人　　ﾍﾍ　／／　／
`､ .ﾌ　　　　　　　　　 |　　 .!￣''ー ､_ /|´　　.〈-,,,　　.／　　　 ./　 ＼　〉''／　.／
　.>i　　　　　　　　　　|　　 l　　　　　/ !　　　 ,1 ‐.ﾂ'´　　　　／　　 }>ク''　 .／
ム1　　　　　　　　　　|　./　　　　　/ ll　　 .／ ／　　　　 ／　　 , .ク'"　　.／
　1ｌ　　　　　　　　　　.!/ ,,,,,,,,,,,,,,,,,,/ .ル‐''" ／　　　,, -''　　　 ｨ'イ　　　 ／
　.|!　　　　　　　　　　ｌ''"　　　　 /,,ム一''"l　　 ,, -ヘ _,,,,,, -‐/ /　,,, ‐／
　│　　　　　　　　　 |ｰ､ _,,, --/.| |　　　　.i ‐'"　　　 .ﾍ　　,,ﾑ‐'"　.／
　│　　　　　　　　　.|.ヘ,,　　 /　| !､_,, -‐‐'' 　　　　　 ,,.ゝ"　　　 ／
　 ｌ　　　　　　　　　 ﾄ　　 .''‐!ｲ　|　　　 _,,,,,,,､,,_ 　　.／ヽ　　　　／
　│　　　　　　　　 .ハ　　　ﾍ＞-''"￣　　ノ1　`ﾝ'´　　.＼,,-／
　│　　　　　　　　.〈 .ﾍ 　＞''　　　　.＞''　丿　ﾍ　　　　　.／
　 |　　　　　　　　　 ﾍ .ﾍ"　　　　＞''　 ／　　　.ﾍ　　　 ／

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「よって、お二人には基地より直接出撃。敵戦力の撃滅に当たってもらいます。
敵戦力規模は正確には把握できていないものの、
最低でもイオニア製ノーマルAC三十機以上が観測済みです。
その他戦闘ヘリなどの存在も予想されますが、これは大した脅威ではありません。
問題は……」

「伏兵、それもネクスト、か」

「はい。作戦本部はこれを陽動と仮定して動いています。
AFの護衛に出てきたネクスト機を狩り、戦力を削る……それが狙いかと」
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4592： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/16(木) 22:58:01 ID:CH1SlHGU0


　　　　　　　　　　 |::::|::::::::::::;:::．::-=＝＝＝＝=-::::．_:::::::::::|::::|
　　　　　　　　　　 |::::|;．＜:::::::::::::::::::;:::-＝-:::;::::::::::::::::::＞:::|::::|
　　　　　　　　　　,ｨ彡＼___,,ｨ=≦￣　　 　,'　 ￣≧=x,,__／ミメ
　　　　　　`ー=彡7　　　从,,ｨﾁ≠ﾐ ゛　　/　,"ｨ≠ミメ 从　　.}ハ
.　　　　　　　　　,'　　　 ｷ7必tじハ ＼　　／ ,Yじハ ｱi　　..从八　　　　　現在、オルトリンデは居住圏近辺を航行中のため、
　　　 　 　 　 　 !.::i:. :.　 ∧弋_zン　　 ヽ/　　弋_zン, .从　 ∧}＞ー'
　　　　　　　　　 l::ﾊ::.::.　.从 ¨￣¨　　　　　　　¨￣¨ //　..:::::ﾉﾘ　　　　 　 ブースターを低出力モードで運用、コジマ粒子を出さずに
　　 　　 　 　 　 ヽ八::::::....　≧　　　　　:i　　　　　　ｲ/ ...:,ｨ/チ
　　　　　 　　 　　 　 ＼ヽ::::＼　　　　　　　　　 　 -=チ彡／　　　　　　　　飛んでいます。ですが、コロニーから離れれば粒子を散布する。
　　　　　　　　　　 　〃 ＞ Xー　　　 ´￣ ｀　 　 　,./{ イ
　　　　　　　　　　　{　./　　　＼　　　　　　　　 　.ｨ／＼　　　　　　　　　　　それによってレーダー系が攪乱される隙が生まれます。
　　　 　 　 　 　 　,人　　..::r="¨!: :.､　　　　 , .イ|⌒ヽ /
　　　　　　　　　〃..::: Y　..:::) /＞．　｀ .ｰ ´　,,,斗=x　＼
　　　　　　　　　{{ Y　　　 ノ ∧　　＞z,,_,,,ｭ＜　　从　　 ＼
　　　　　　　　　 ヒﾆミ Y　　{,い　　　/::::::',　　 　ﾊ i!　　 　 ＼
　　　　　　　_ ノ＝=Y/　　　|!;,,∧　 /::::::::::',　　/　八　　　　　 ヽ





　　　　　　　　　　　　　　　　,.　.-―-､
　　　　　　　　　　　　　 ,　 ´∠　　――　ｘ‐＝.　､
　　 　 　 　 　 　 　 　 /　／　　　＼ー―- ､`ヽ＼＼
　　　　　　　　　 ／￣{　　　　　　　 ＞――　￣｀ヽ. ＼ヽ.
　　　　　　　　／／　　　　　　. 　 ´　　　　　　　　　ヽ　V }
.　　　　　 　 /／／ 　 ／ . イ　　,　　￣　　　　　　　 ､)　ﾉ
　　　　　　　ﾚ／ ／／ ／／　／　　　　　　　　＿　　ﾚ　＼
　　　､＿_／/ ／／ ／ア　／　　　　　　　　／ 　 , l ヽ ＼ l
　　　 ￣￣/　／ー ニ　ｧ　 ／　／ ／　 ／　 ／//　| ヽ､ヽ
.　　　　　 /／ 　 ／　／ ／／X._／ 　／　 ／ ィ//　,　｜Vl
　　　　　 ﾚ　　／／ｨ　 /／／ く　＞<＿ 彡 ／ｌイ　/|　,　 ﾘ
　　　　　 l　／／ ｲ/　/　ィ／, ﾍ心ｯミ､≦／／ノ∠ノ ｲ　丿　　　　　　仕掛けもせずにちょろっと顔出して、いかにも餌ってカンジだな。
　　　　　 |/／／| ｛　/　//／　 `^ー　｀`＼´ ｨiア/／/／
　　　　　 |｜/　ﾉ ,ﾍ/　///　　　 　 　 　 　 　 {￣「　/´　　　　　　　　　釣れなきゃ釣れないで、そのままAFを強襲、
　　　　　 Vﾄl／／　{　从ﾑ　　　　　　　　　　　ヽ丿
.　　　　　 ゝｱ´／　 Ⅵ {　　　　 　 　 　 　 -　.イ　　　　　　　　　　　　　俺たちみたいのが釣れたら袋叩き。
.　　　 　 　/／ｲ｜ lﾑ|｀＼ ＼　　 ‘¨¨　　￢ , '_
　　　　　　Ⅵ/ l　､｜(　 l　ヽ. ＼　　　　￣∠　)）　　　　　　　　　　　　　そんなオチじゃないか？
　　　　　　 V　 ヽ ＼__＼l　　＼　＞　. __ノ` 彡'
.　　　　　　 { /　 /＼＼｀`l　　　＼ ／　　　ﾄ ＼　　
　　　　　 　 ｿ ／　　 ヽ.l　 ､　　　 /　　 l　､|　 ｀ヽ
　　　　｀¨¨了　　　　　 ﾘ 　 ヽ　　｛＼　 ヽ　ヽ
　　　　　　　￣￣`ー-､　　 　 ＼ l＼ ＼　ヽ l

4593： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/16(木) 23:00:04 ID:CH1SlHGU0

　　　　　　　　　/　 て　　 ／/　　/　/{　　　　　　　| ＼　＼
　　　　 　 　 　/ 　　 /)／/:/　　/　 { | i　　　　　　 | :i　:. 　 ＼
.　　　　　　 　 {/　　　￣ヽ'/ 　 /(.　 | |人　　　　//　:|　 ),　　 ミ=‐
　 　 　 　 　 　 )／　爻　/　　 i-=ヽ〒!= ､　　　//　 ﾉ／ }　　 }
　 　 　 　 　 　〈　　 i爻 {　/　 | 斗斧ミ＼ ｀　　 /-≠-|､/　 ／
　　　　　 　　　　X　|爻_|　!　　! {ｲ): }　｀　＼　 /斧ﾐ　 }/ .Y )　　　　　よって、二機での護衛に当たっていただきます。
.　　　　　　　　　{　　　:{∧　 　|. ゞ _ｿ_.　　 　)ノ{ｲ):} /ノ　i :|/
　　　　　　　 　　i 　＼ ゝ._＼　ﾄゝ 　 　 　 　 　 ゞ '- /}　/, !　　　　　　デイウォーカーに援護されたロストワードであれば、
　 　 　 　 　　　　＼　 )　　 i ＼＼_ 　　　　　ﾉ　　-=彡'ノﾚ
　　 　　　　 　 　　　＼　　 八　 ￣ 　　　__,　　 　 /　　　　　　　　　　　闇討ちを企てねばならない程度のネクストなど、どうにでも。
　　　　　　 　 　　　　　＼/:　 ヽ　 　 　 　 '　 　 イ
　　　　　　　　 　 　 　　/＼　　　＞　　　 　＜　　　　　　　　　　　　　　 ですよね、やる夫さん？
.　　　　 　 　 　 　 　 ／＼. ＼　　 　 ｀ ´{ヾ　 〉







i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}ﾆ>､
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}ニﾆ>,- ｡ _　_ .r:i:i:}
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/∧ニﾆ∨ﾆﾆ≧＜＞＜=- - ｡ _
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i>ﾍ'∨∧ﾆﾆ ∨ニニニ＼　`＞＜=-ﾆ≧ ､
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i> ´　 'ﾍ'∨∧ニニﾆ∧>､ﾆﾆ∨ ≦≧ミ}ﾆ}}: : : ＼,
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i> ´}}へ 　 ,'ﾍ'∨∧ニニﾆ∧=>ニ'∨ /≧=iミ{′: : : : ∨　　　　　　　　　　　　　_
i:i:i:i:i:i:i:i:>_´r≦　 　 ム　,'ﾍ'∨∧ニニﾆ∧= >､<,/ y'¨ Y}ニ≧ : : : :∨　　　　　　　 __ ｡r≦ﾆ}!
i_i_i_> ´＼　　　　　　 ム　 'ﾍ∨∧ニニﾆ∧ﾆ= >､=>､　!|ﾏニﾑ_:_:　-'　　　　　 ｡＜i:i:i:／}}ﾆﾆ}
ニニ>'ﾆﾆ＼　　　　 　 ム　,'ﾍ___>¨´ '＼ﾆﾆ>､ﾆ ∧ニ>､_}ﾄ､ﾆ∧_　　　　, r:i:}i:i:i:i:i:i／i:i:i }}ニ′　　　　　買いかぶりだ。
ニ>'ニニﾆﾆム　　　　　 ム　　 ‐‐∨ /ニﾆﾆ∧/ﾆ∨､ニ>､＼/∧ ､　 ,:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/i:i:i:i:i:i:}!ﾆ′
>'ニニニニ>'ﾆム　　　　　}}!　　　　∨ /ニニﾆ:|ニﾆ>､ヽニ>､＼=-/＼i:i:,i_i_i:i:i:i<:i:i:i:i:i:i:i:ヽ′　　　　　　まあ、やるにはやるけど。
ニニニﾆ>'ニニﾆム　　 　 }}!　　　　 ∨ /ニﾆﾆ{_ニニﾆ>,ヽﾆﾆ>､_/=- ∨ ,/ /∨i:i:i:i:i:i:i:i∥
=ﾆﾆﾆ>'ニニニニﾆム　 　 }}!　　　　　∨ /ニﾆﾆ{≧ ､-={i:i:∨ﾆﾆ{=-＞､∨ /__}}i:i:i:i:i:i:i ∥
..}- >'ニニニニニﾆ>':ム　 :}}}　 　 ､　　∨ /ニニ{ニﾆ ＼ヽi:i∨ﾆ>､ﾆ=- ＼′ v!:i:i:i:i:i ∥
/>'ニニニニﾆﾆ／イ,'=/:><´ 　 　 <>　 '∨ /ﾆﾆ'∨ニﾆ _ヽ∨∨ﾆﾆ>､ﾆ=-∨／}i:i:i:i:iノ′
'ニニニニニイイ-/,'_,/ ∧ :>,　 　 　 <>　∨=-≦:∨,ニニ≧s｡}}ニﾆﾆ>､=- ∨≧=≦
ニニニ＞¨´ ,-=,/ニ/ / /∨} >　　　　 <>,／ニニ≧＼ニニニニニニニ>､(ﾆﾆ≧ﾑ
¨¨¨´　　　　,-=/ニ/ / /′'ヽ>, }!:　 , <,／ニニニニニ ＼ニニニニニニ∧∨ /､ﾆ＼
　　　　　　 -=/ニ/ / /′ 　 {ニ><ﾆ／ニニニニニニニﾆ＼ニニニニﾆﾆ∧∨ /＼ﾆ:＼
　　　　 　 ,-,/ニ/ / /′　　　'<≧{{ﾘ／>､ニニニニニニﾆ＞＼ニニニニﾆ∧∨ /ﾆ≧s｡>､
　　　　　 ,-/ニ/ / /′　　　　　'<ニ∨ /∧ニニニﾆ＞＜ニニ ＼ニニニニ∧∨ /＼ニニ}
.　　　　 ,-/ニ/ / /′　　　　　 　 '<ﾆ∨ﾆﾆ〉ニ＞＜ニニニニニ:>＼ニニﾆﾆ∧∨ /ﾆ＼ﾆﾊ
　　　　,-/ニ/ / ,:′　　　　　　　　 {≧＜ﾆ}＜ニニニニニニﾆ／　　 ＼ニニﾆ∧∨ /ﾆﾆ∨ﾊ
　　　 , /ニ/ / /　　　　　　　　　 ／¨＜ﾆ≧{{ニニニニニニ>'　　　　　　¨＜ﾆﾆ∧∨ /ニ'∨ﾑ
　　　,'/ニ/ /, ′　　　　　 　 　 /ニニニ＞＜＞｡ニニニ／　　　　　　　　 　 ｀¨＜,'∨ /ﾆﾆ＼ム

4594： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/16(木) 23:03:59 ID:CH1SlHGU0

　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.－' ￣￣ ' ｰ ､
　　　　　　　　　　 　 　 　 ,　'´ 丶. -――-　._　丶.
　　　 　 　 　 　 　 　 　 , '　,. :'´.: : : : : : :. :. :. :.ヽ, - .、
　　　　　　　　　　　 　 / ／.: : : : : : : : : : : : : :. :. :.＼ ﾍ
　　　 　 　 　 　 　 　 /､/.: : : : :._ :-: .:‐:. :-: _: : : : : :.ヽﾊ
　　　　　　　　　　 　 i　 l: : :_;.=＝､､:_:_:_:_:,:＝='-､: : : /　!　　　　　　　　どうあれ、貴重なAF戦力を傷物にされたらたまらない。
　　　　 　 　 　 　 　 l 　 l: [i　　 ＼_.､,::::､__／　ヽl}: : l 　 !
　　　 　 　 　 　 　 　 ト､ l; i}´　（●）　　 （●）　{j: :/ ／!　　　　　　　　　やるぞコーラサワー。僕は見ての通りだ。
　　 　 　 　 　 　 _, - i'´lヽl: [ｌ、 u. （__人__）　　/j: //＿｣_＿＿__
　　 　 　 　 ,. :':´: : ￣ﾌｰｽﾍ:ヽ>､ 　 ｀⌒´　 ,ｨノ:.//´＼: : : : : : : ¨ヽ　　　いざという時は君が決めろ。
　　　　　　/-――-イ＿/: :i＼:ヽﾍ_,.ゝｰく∠／:./:.ﾍ.＿_｣-‐ '´￣¨ヽ:l、
　　　 　 ／ 　　　/个 　 ￣l 　＼: : : :＿_: : : ／ lー┘ 个＼ 　 　 　 ＼､
　 　 　 厶=x､.　 i　 |　 　　弋　　ヽ======イ　 /　　　｜　 i　 　 z=＝ ﾇ
　　　 ／　 　 ヾx|　 l　 　 　　丶、 |: : :|} 　 /_ノ　 　 　 l 　 /　／´　 　 　＼
　 .／＝=z､　　　l　 |　　　　　　三t!:_:_ｌ三ﾁ´　 　　　　l　 /! /　 　,r '二二¨」、





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /〉　　　　　,/~7｀i
　　　　　　　　　　　　　__　_,, -､　　　　/::'　　　　　/::::/:::i!
　　　　　　　　　 _, -/´　'｡7'＜ﾑ　 　 /:,'　　　　　/:i!:/:::i!
　　　　　　　　　,'ﾟ｡　　 ｡ _,'　　｀ﾏ､__,i!:/　　　 　 /::::/::::i!
　　　　　　　　 〈－i_,,/:::::_≧ﾆﾆ７:::i:::ﾏ　　　　　/::::/::::i!　_,,,,,,
　　　　　　　　　￣ヽzzﾏ　_,, -'ﾏ::t::!::/　　　　_./＞'´ マｰ::ヽ＼＼
　　　__, - ,,,,,,__　　　 i!|ｰｲｱi´　 _,!::::i'　_,rｰ≦ｚｚi!!＜｡　＼::::::＼ i　i　　　　　　縁起でもないこと言いなさんなって！
　　/.= /:==i__}ﾆ==-ｚ.!{ﾑ _ﾚ!＜ﾃ'￣￣r =-''"　　　　　　　〉__ , i:|　|
　,/　　 　 !＞"＞ 'ーｰzイ, ＜ ._　／,.ｲ　　　　　　　　　 .//ﾏ./t!__j　　　　　　 黒い鳥伝説はまだまだこれからっしょ！
　|　　　r≦ーｰ,iﾁ´::::::::／_,,､="／／::::i　　　　　　　 ｡　.//ﾏ//ﾆﾆ'
.　i　　 ,i-----,'-:::::::／＿＿_./ /:::::::::::::!, ﾟ　　　　_,,,､ ＜　∨/ﾆﾆ/　　　　　　　「それは恥ずかしいからやめなさいと……」
　 !,_　 {-----'､/::::::ﾏーーーﾏ ﾏ::::::::::::ﾑ ト- ''"　　　　　 _,/ﾆﾆｲ
　　 ｀'ﾏﾏ　　　 ﾏ::::::::ﾏ　　// :ﾏ '､:::::::::::::ト, _　　 _,,, -≦　　 i!　　　　　　　　　　パトリック・コーラサワー、デイウォーカー！
　　　 ∧.ﾏ　　　 .ﾏ::::::ﾏ. //　　ﾏ...ト:::::::::::::|　〕´ﾏ ﾏ,　　　　　i!
　　　 i ! ｀'ﾏ　　　 .ﾏ:::::ﾏ/_,,, -ｰi｀＞ ､::::,イ≦ﾆﾆi　ﾏ, 　 　 　 i!　　　　　　　　　出るぜ！
　　　,iﾘ,,,＿ﾏ　　　　ﾏ::::::〕,/ー７----iｲノﾆﾆﾆﾆﾆﾏ ﾏ, 　 　 　 i!
　　,ﾑ//:::,rzzﾄ≧==ーー'　 　 !.i:::::::::,'::ﾑﾆﾆﾆﾆﾆニﾏマ ､_,,--､/

4595： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/16(木) 23:08:42 ID:CH1SlHGU0

　 　 　 　 ／
　　　　　/　　　　　 ／. : : : : : : : : : : : : l.: : : :. :.＼: : : : :.＼
　　　　/´￣￣｀ヽ〈 : _.:.: : : : : : : : : : :. :.l.: : : : : :. :.ヽ: : : : : .＼
　　　./　　　　　　 l: :|:|: : : : : : : : : : : : : l　／´ ￣￣ ｀丶､: : :.',
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　　 i　　　　 　 　 :l: : : : :.,．'´ .ﾆ二ﾆ二ﾆﾆ ー- ､､.: : : : : :. :. :.1
　　 |　 　 　 　 　 .l￣｀`7　／　 ､_ 　 　 .､､ ｀丶.　`ヽ : : : : : : l
　　 |　　　　　　　 |: : : :.!　{　　　　 ￣"´ '　　 　 ｀ヽ　ヽ: : : : /
　　 |: : : :　 　 　 /l: : :.:.|　i'　　 ヾΞ≡　　　　 ヾｰ- i　}.: : :./　　　　　　ああもう、足並みを合わせなさいって。
　　 L: : : : : :__ _/ :l: : :. l　{　　　　　 　 　 　 　 　 　 i_ノ__／
　　　｀ヽ三三ミﾐヽ. : : :.l　!　u.　　 /　 　 　 ヾ≡ｫ//　　　　　　　　　　　……入束やる夫、ロストワード、出る。
　　　,.ｲ　　　　 ｀`ヽ .: .:.ヽ、　　　 ヽ、　 　 　 }　//
　__/⌒ヾヽ　　　　　', .:. :. . ＼　　　　ゞ二冫‐' //　　　　　　　　　　　　　カタパルトを起動してくれ。
　 〈　.:. :.:.ヽ＼　　　！: : : : : . ＼　　　　　　　//
　　 ヽ､. :. :.:.ヽ＼　　 ＼.: :. :. :. :.｀ー'´￣｀` Yﾉ′
　　　　 ＼. :. :. ヽ＼　　 ＼.: : : : : :./.:.:.:.:.:.:/ 7
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　　　　　　　　　　　　　　_ゝ/⌒＼￣　｀、＜⌒ 、 　） }
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　　　　　　　　　　　 /　 , ´　　　｝　 }　　　　　　ヽゝrー｀
　　　　　　　　　　 ノ .,　| i　　　/　 /　 }　 ,.} ヽ　丶爻　　}
　　　　　　　　‐=彡 /{　|人　 / 　/　 ,/i=ﾉﾉ- }　　｀爻　 /
　　　　　　　　　　 {从｀. { =＼!　人 "/y＝ﾐ、ﾉ　　 }ｒ 、人
　　　　　　　 　 　 .,η＼≧y=ﾐ（　ﾉノ 　{..ｲﾊ }　　i |.ｿ｝　 ｝　　　　　　　　　　　了解、ハッチオープン。
　　　 　 　 　 　κ// 乂 {.ゝ{ ,ﾊ　 　 　 ゞ- ﾟ/ ,　 }ﾘ. /　 /
　　　　　　　　 / //i .{ 、ﾐ=_ ゞ '　　　　 　 ./ノ　./ ｀´　ノ　　　　　　　　　　　　　無事の帰還をお待ちしてますね、二人とも。
　　　　　　　／ / 'r'.、｀ ミ=‐　　'､　　　　‐=彡ノ! ﾉ ／
.　　　　 　 /　 ｲ　.ゝ}　　　人　　 ｰ_ '　　　　ﾉ　{　ﾉ
　　　　　_/　　.{ i 　/　　　　　＞　　　　　／　 _.У
　 　 　 /iヽ,　ノ _.ノ　　　 　 .（　ｿ ｀ ,ェ__,.　- " ／＼
. 　 　 / ,{/｡＼/〉　　　 　　, ‐ヽ　ﾉ/./ヽ　　 ／　　　|ー ―--､
　 　 / 　 ＼_／|　　　　 r (　ｿ　ﾉ/ﾚ、_∧／　 　 　 .|―‐ ､=彡＼
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/　　　　 ,イ ヾ,　　　 　 (_、ゝﾐ=‐.Y´　　.　　　_,. -''　　 /　　　 　 .|
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　　　 /　　!　　　_,.．-''"{. 　＼　　　　＼　　　　　　 ヽ/　　　　　　|
、＿＿＿_,.．-''"　　　　.ヽ　　 ＞ ､　　　＼　　　　　 {　　　　　 　 |

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コーラサワーの動じない軽口に、出かかった溜息を飲み込む。
軽い男だが、こういった場面では、そういった軽さにこそ救われる。
自分は少し背負いこみがちで、物事を重く受け止めすぎるきらいがある。

そういった点では、やはり彼がパートナーになってくれたことは幸運だった。

テレサのしっかり者然とした声に背中を押され、機体を起こす。

それでもやはり、この身体は使い古され軋みを上げている。
主役はコーラサワーに譲るとしよう。
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4596： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/16(木) 23:08:58 ID:CH1SlHGU0

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 □

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

4597： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/16(木) 23:14:04 ID:CH1SlHGU0



　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',　　　　　　　　　今回の投下はここまでだ。短いって？　うーん、ワイトもそう思います。
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ　　　　　 けどね、アレなんだ。……洗濯しないと。服がなくてさ。
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ　　　　最近夜に洗濯する気力もなくて、肌着だけ手洗いして干してて。
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'　　　　　部屋もゴミ屋敷寸前なんだ。布団もなんか獣臭い。ゆえにこの辺で勘弁してほしい。
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ





　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|　　　　　　　　さて、次回は12/30……大晦日前夜だったかな。モコイさんもお休みだ。
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,　　　　　　　　モコイさんはいつも年末年始は死ぬほど働いて、
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|　　　　　　　　働きながら年越した記憶ばっかだから、休みは新鮮だ。
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,　　　　　　　　少しはゆっくり投下できそうだよ。
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´

4598： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/16(木) 23:17:10 ID:CH1SlHGU0

　　　　　　　 ､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ　　　　　　正直ヤバいがね、まあ生きてはいるし、死にはしないだろうから。続けていくよ。
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´　　　　　　まー耳もだいぶ悪くなったし、白髪も増えたし、飯も全然食えなくなったし、胃腸は壊れっぱだし、
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i
　　　 　/ : : : : : : :┌─┐　　　　　　体重も50kg切ったし、iphoneで平均睡眠時間とか見られるんだけどね、あれが3時間半くらいだったり。
　　　 　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ
　　　 　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿　　　　　でもまあ、死にはしないだろうから。また見に来てやってね。シーユーアゲイン。
　　　 　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ
　　　　 と_ : : : : : : ノ : :ノ
　　　　　　￣￣￣　￣

4599：安価のやる夫だお：2021/12/16(木) 23:23:50 ID:CgDTrwm.0
乙でした

4600：安価のやる夫だお：2021/12/16(木) 23:51:15 ID:MESt2TI.0
乙ー

4601：安価のやる夫だお：2021/12/16(木) 23:55:21 ID:CuJSAA/w0
乙
睡眠時間はもう少し増やそうぜ…

4602：安価のやる夫だお：2021/12/17(金) 21:32:20 ID:ifo2pkUc0
お疲れ様でしたー
静かに、ふっと死んでしまいそう...

4603：安価のやる夫だお：2021/12/20(月) 23:54:25 ID:ZFK5Lp0Q0
乙
もう少し自分を大事にしたってや…

4604： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/30(木) 21:02:57 ID:B9gaYQZ20
　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

4605：安価のやる夫だお：2021/12/30(木) 21:05:24 ID:.44TGZEg0
ハロー

4606： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/30(木) 21:10:39 ID:B9gaYQZ20
　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′　　　　　　人生初コミケに生き損ねたモコイさんだよ。
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|　　　　　　　　みんなは年末をどうお過ごしだろうか。
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,　　　　　　　　ちなみにモコイさんは体調が幾分か良い。
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|　　　　　　　　昨日なんか午前中精神的にやられて布団の中で丸まってて、
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,　　　　　　　　午後から飛び出して温泉に入りに行ったからね。
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|　　　　　　　　はじめていこう。
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´

4607： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/30(木) 21:10:50 ID:B9gaYQZ20

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i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}ﾆ>､.:::;;;;;;;;:::::::::::::::::::..,;;;:::::::::;;:";;.　 　 　ヽ　　　　　　　　　.　　.　　　　　　.　　　　. ﾟ
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}ニﾆ>,- ｡ _　_ .r:i:i:}.:;;;:;:;;::;;:::::::.　　,.　　.　'.,　　　　　　　.　　　　　.　 　　　　　* .　　　　｡
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/∧ニﾆ∨ﾆﾆ≧＜＞＜=- - ｡ _::::,,.　.;;;;;;;,. ',　　　　　｡　　　　　　　ﾟ
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i>ﾍ'∨∧ﾆﾆ ∨ニニニ＼　`＞＜=-ﾆ≧ ､..;;;;;'　',　　　　　　　.　　　　　.　　　　｡　　　ﾟ
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i> ´　 'ﾍ'∨∧ニニﾆ∧>､ﾆﾆ∨ ≦≧ミ}ﾆ}}: : : ＼,.;;;. ;　　　　　　　　+　　　　　　.　　　　　｡.
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i> ´}}へ 　 ,'ﾍ'∨∧ニニﾆ∧=>ニ'∨ /≧=iミ{′: : : : ∨　　　　　　　　　　　　　_
i:i:i:i:i:i:i:i:>_´r≦　 　 ム　,'ﾍ'∨∧ニニﾆ∧= >､<,/ y'¨ Y}ニ≧ : : : :∨　　　　　　　 __ ｡r≦ﾆ}!　　 .+
i_i_i_> ´＼　　　　　　 ム　 'ﾍ∨∧ニニﾆ∧ﾆ= >､=>､　!|ﾏニﾑ_:_:　-'　　　　　 ｡＜i:i:i:／}}ﾆﾆ}　　　　　　　　 ﾟ
ニニ>'ﾆﾆ＼　　　　 　 ム　,'ﾍ___>¨´ '＼ﾆﾆ>､ﾆ ∧ニ>､_}ﾄ､ﾆ∧_　　　　, r:i:}i:i:i:i:i:i／i:i:i }}ニ′ 　 ｡
ニ>'ニニﾆﾆム　　　　　 ム　　 ‐‐∨ /ニﾆﾆ∧/ﾆ∨､ニ>､＼/∧ ､　 ,:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/i:i:i:i:i:i:}!ﾆ′
>'ニニニニ>'ﾆム　　　　　}}!　　　　∨ /ニニﾆ:|ニﾆ>､ヽニ>､＼=-/＼i:i:,i_i_i:i:i:i<:i:i:i:i:i:i:i:ヽ′　　　 　 　 　 .｡
ニニニﾆ>'ニニﾆム　　 　 }}!　　　　 ∨ /ニﾆﾆ{_ニニﾆ>,ヽﾆﾆ>､_/=- ∨ ,/ /∨i:i:i:i:i:i:i:i∥
=ﾆﾆﾆ>'ニニニニﾆム　 　 }}!　　　　　∨ /ニﾆﾆ{≧ ､-={i:i:∨ﾆﾆ{=-＞､∨ /__}}i:i:i:i:i:i:i ∥ 　 　 　 . +
..}- >'ニニニニニﾆ>':ム　 :}}}　 　 ､　　∨ /ニニ{ニﾆ ＼ヽi:i∨ﾆ>､ﾆ=- ＼′ v!:i:i:i:i:i ∥
/>'ニニニニﾆﾆ／イ,'=/:><´ 　 　 <>　 '∨ /ﾆﾆ'∨ニﾆ _ヽ∨∨ﾆﾆ>､ﾆ=-∨／}i:i:i:i:iノ′
'ニニニニニイイ-/,'_,/ ∧ :>,　 　 　 <>　∨=-≦:∨,ニニ≧s｡}}ニﾆﾆ>､=- ∨≧=≦
ニニニ＞¨´ ,-=,/ニ/ / /∨} >　　　　 <>,／ニニ≧＼ニニニニニニニ>､(ﾆﾆ≧ﾑ
¨¨¨´　　　　,-=/ニ/ / /′'ヽ>, }!:　 , <,／ニニニニニ ＼ニニニニニニ∧∨ /､ﾆ＼
　　　　　　 -=/ニ/ / /′ 　 {ニ><ﾆ／ニニニニニニニﾆ＼ニニニニﾆﾆ∧∨ /＼ﾆ:＼
　　　　 　 ,-,/ニ/ / /′　　　'<≧{{ﾘ／>､ニニニニニニﾆ＞＼ニニニニﾆ∧∨ /ﾆ≧s｡>､
　　　　　 ,-/ニ/ / /′　　　　　'<ニ∨ /∧ニニニﾆ＞＜ニニ ＼ニニニニ∧∨ /＼ニニ}
　　　　 .,-/ニ/ / /′　　　　　 　 '<ﾆ∨ﾆﾆ〉ニ＞＜ニニニニニ:>＼ニニﾆﾆ∧∨ /ﾆ＼ﾆﾊ
　　　　,-/ニ/ / ,:′　　　　　　　　 {≧＜ﾆ}＜ニニニニニニﾆ／　　 ＼ニニﾆ∧∨ /ﾆﾆ∨ﾊ
　　　 , /ニ/ / /　　　　　　　　　 ／¨＜ﾆ≧{{ニニニニニニ>'　　　　　　¨＜ﾆﾆ∧∨ /ニ'∨ﾑ
　　　,'/ニ/ /, ′　　　　　 　 　 /ニニニ＞＜＞｡ニニニ／　　　　　　　　 　 ｀¨＜,'∨ /ﾆﾆ＼ム

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
満月の綺麗な夜だった。
綺麗な円形を模った金色の月が、雲の裂け目から煌々と輝いている。
月の光に照らされた雲や海面は、人の戦争など知る由もない。

コロニー周辺のコジマ粒子散布禁止エリアを抜けると同時に、
機体内部のコジマタンクが稼働する。
ちょうど潜水するために息を止めていた者が、海面に顔を出し喘ぐように。

淡い緑の粒子が舞い踊り、すぐさま力場によって固定され、無色透明の薄膜となる。

海面に映るロストワードのカメラアイが妖しく輝いていた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4608： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/30(木) 21:16:29 ID:B9gaYQZ20

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　　　　　　 　 ._
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,-､_ﾍ_　 ∥
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　　　__/_/r　メ,｀∥η7i
　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　 　 !､__,二ｌ,-､..∥//〃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/,ﾆﾆ ヽ├イ　( ;;); ///　 ,.-‐─-､､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 V 　 ｀ , ´二^|]-‐i〃_７/,----＿＿_､
　　　　　　　　　　　 　 　 　　　　　　/∨｀Y´｀＞┴v´ ..　　　::::::::∥　 　 　 |
.　　　　　　　　＿＿__　 　 　 　 　 i -､　ﾄ-〈二〈─"//_ﾆ∧.::,// 　　 　　| |　　　　　　　おーおー、おいでなすったぜ。
　　　　 r =＝´─ ‐､ヾニコ-､______|__..iゞ,丶‐ ﾄ--i_,- . :::::::::::∧ ,ﾄ ﾄ─‐‐ｲ:|
　lニニﾆ}」￣￣￣ |　 |i =j--　ii　;:::￣`il''i　|_/"‐-_-'〔_::::::::∧.,'＼: : : : :／:|　　　　　　　けどま、さすがにネクスト2機相手じゃ
.　 　 ─┴───┼.┼f=l〕-‐‐ﾄ､;;;;;;;;;;;l|_j_,|/ﾆｴ"-‐.　￣∧､ﾞｉ／: : ┼: ＼|
.　　　　　　　　　　 /　/　　iﾐﾄ_j__-‐!,,==/_ﾚ// <i＝'''.厂 ∧､ﾞｉ:＼: : : V: ／:|　　　　　　　仕掛けてもこねえか。
　　　　　　　　　　/__/　　　　　　／／ _ !i￣i　!i||　　i | .∧､ﾞｉ:: ／: : : : :　＼|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／／ ／　 i___i　!!|.　　i . ∧､ﾞｉ::|: : : : : : : : :　|: !　　　　　　　奴さんたち、あっちでまごまごしてるぜ。
　　　　　　　　　　　　　　　/_７__/　_／｀--｀-''''|,,,,､-!<／,'＞r‐─‐ --;. .人_:|
　　　　　　　　　　　　　 　 (エ ( (0,-'⌒ヽ　　　 !|,,,,,､ . ｀|∪|'　　　　　　 　 Iノ:
　　　　　　　　　　　　　　　　<=<ヘｲ!　　　 |￣ヽi］λ' 　 |∪/　　　　 　 　Iﾉ/
　　　　　　　　　 　 　　　　　 ￣''-''､＼ __.ﾉ ￣''i∧　!､_ﾉ人ｌ∧　 　 　 　 〈/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒`＼､_＼／ |ヽλ　|::::!　　　　　　　 ’
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　/　／／ !　.　　 |:::|ｌ:　　 　 　 　’
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∠､'''＞'　　　＼.　　|::ｌ　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ￣￣　　　　　　|　!,,'-|::ｌ:　　　 　 /
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　　　　　　i____ゝ-||＿＿/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i___ヽ>= =i|





　　　　　　　　　　　 ,、　　　　　　　　　　 ,. ‐'7
　　　　　　　　 　　/　l　　　　　　　　　／,　'7
　　　　　　　　　　ハ　|　　　　　　　／／　/
　　 　 　 　 　 　 |　 ﾚ'|　,. - ､　 　 {/　　/
　　　　　　　　　 |　　!ﾉ,ｲｦﾉ,ｨ=ｧ､ /　　,ｲ-､　, -┐
　　　　　　　　lフ| 　 |ヾｲYｸﾍソ'/　 ,／ヽ{ﾞK 　 /
　　　　　　　 /´ﾚ!　｛ｰ〈L>-' 7/　／'i{ _ '{ ｌ　）/
　　　　　　　 lヽ{ |　〈Y　7ｨ-イ ／{　ヽ|__ヾ ヾ/
　　　　　　　　〉ﾆﾊ,/{L/_ｿ{_,イヽ　＼_フ}ｰ'T´ヽ
　 　 　 　 　 〈-〈＿ヽ､ゝr‐ﾍノノ ｀＞' ´ヾ‐r‐ヽ|
　　　　　 　 r'レiヽ7,ｲ‐ヾ〈 ,ｨ'{`＜　　　 /-‐'/i,ﾘ
　　　　　　 /ｱ/ !」 ヽ|　 〉ｲ い　　｀丶、|ｲ｣| L/
　　　　　　ﾉ L|　/＼ｨ!_/ヽV-ｧ＞ ､　　 ヾl ヽ/
　　　 　 f´ _/|./　　/ﾍ　　 l| {|　　　＼　 {＿_}、
　　　　/7Y´ /　　 /　|ヽ.　 l|`!　　 　 l＼}ｰtｲ ＼
　　　　iｲ〈　 l　 , へ　 ヽヽ　lﾄ ﾄ､　　 l´,{r{ !_ﾘ、　＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
背後に控えるコーラサワーが毒づく。
暗い海の水平線上に、確かに機影がいくつか見える。
テレサが解析結果を回してくれていた。
視界内に躍り出る文字が、彼らがイオニア製ノーマルであることを教えてくれる。

「ちょっと古い型式のフレームですね。IGIO時代のものです。
現行フレームより耐久性とかは落ちますけど、ウェポンラックの形状の関係から
ステルス性は幾分か優れている機体です」

テレサが軽く解説を挟んでくれる。
間違いなく自分たちを捉えているにも関わらず、微動だにしない彼らを見つめる。
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4609： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/30(木) 21:21:50 ID:B9gaYQZ20

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　　　　　　　　　　　　　｀¨＜ _.≧s｡ _　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 !{　　　　_　　　　　　　　　　　　　　　,＞: : ,:<／＼__>≧.､
　　　　　　　　　　　　／'r‐{　｀＜s｡_: : ≧s｡　　　_　 -‐‐ 　､　　 r, ./.　　 　 }{　 　 . ∥　　　　 ｡ -‐-　　_　　 イ: : , <=><＼-､｀ <≧=＼
　　　　　　　　　　 ／/／／／r／｀ ＜s｡: : : :≧'-=ﾆ／⌒｀ヽ>､ :∨ /　　　 { }　　　∥　　 ／¨￣￣ヽﾆ=-:Y : : ／=イ　/ζ<>ﾑ　｀マ=-'＼
　　　　　　　　　<｀ .-=／／_,ｲｧ　 ,_/ r/ヽ≧､: {-=ﾆ'　　 　 　 'ム ∨ /　　 :{=}　　 ∥　 ,ｲ'　　　　　　}ニ=-}≦=／ヽ ∨ , .＼≧ﾑ　　｀'マ='＼
　　　 　 　 　 .ハ-=>｀ , '.-=／　 //_/ｱ　 /｀ｧ={-=ﾆ　　　　　 　 ﾑ ∨ /...... }. {　　∥　/ ,'　　　　　／ﾆﾆ=-}√ ﾏ,　∨､〉∨ /ヽ=-ﾑ　　　｀'マ_＼
　　　　　 　 ｨ. -=>｀　/-=>｀　　/-=>｀　_∥∥ :!-=ﾆ>､　　　　　 ﾉ !:.∨ /　 }. {　..∥　 .!ム_　___ イニニ=-７〈ﾑ _!ﾊ　マ=-∨ / .ヽ ,'ﾑ　　　　 ｀'マ>､
　　　　　 ｨ -=>｀..　 / ->｀　　./ ->｀　　};'_∥ｧ ∨,-=ニ≧==≦ニ7　 ∨ / .}-{ . ∥　　{ニニニニニﾆﾆ=-'　 ∨, ∨ ,　 ﾏ'=∨ /　ヽ-ﾑ　　　　　　｀マ.､
　　　　ｨ-=>｀ 　. 　/->｀　　 ./.->｀　　 .}-=７　..{ ＼-=ﾆニ{≧＜ﾆﾄ､　 ∨ /}ﾆ{ .∥　_｡r≦:=:=:ｧ 7ニ＞¨}!　　 '∨､∨ ,　 ﾏ'= ｖ. /　 ＼ム　　　　　　　`丶
　　.／>¨` 　 　.　/->｀　　 ./->｀　　　 }-=7　　／>､＞＜ム=!: : :＼{____∨r}ﾆ{z/r' } r: ´: : : :/,７¨ヽ‐≦!　　　 '∨=∨, 　 ﾏ'=ﾔ'/ . 　 '＼ﾑ
. ／イ　　　　 　 / >｀　　　/ >｀　　　　:}-=′　　｀　　　　　 ∨: : : : : Yマ∧_人_∧ｲﾆ : : : : : ｧｲ　　 __ ｀　　　 　 ∨=ﾏ , 　 ﾏ' ﾔ / 　 　 .'＼､
` 　 　 　　　　　'>｀　　　 / >｀ 　 　 　 }-7　　　　　　＿＿__/ヽ:_:_｡＜､ ヤ./; ; ∨７ｧ　＼:_:_ノ彡≦ﾆﾆ≧s｡_, へ _ ∨=ﾔ,　.　ﾏ',ﾔ / 　 　 　 '＼､
　　　　　　　　/` 　 . 　 />｀　　　　　_,}＞==､__／≧=‐‐=≦＞=ｧ＼　-〈'∧; ; ;/ 7- '／　{=ヽr≦ニ>､ニニ＞＜ﾆ≧､_'ﾔ　.　 ﾏ'ﾔ,'
　　　　　　　　　　　　 ./>｀　　　　 _{r'ニ＞≦｡ニﾆ/ニニニ}!ニ7　　＼ 人∧_∧人, '　　 'ﾔﾆ{ニニﾆニ／ﾆ>¨＜ 〉≦ニﾑ　　　' ﾔ,
　　　　　　　　　　　　/'`　　　　 /ニニ(__ヽ､ニﾆヽ≧iニニｵﾆﾌ　　＿__＼ﾑ:∨:,イ{{　＿__　ﾏﾊ≦==/７ﾆマ　〈¨¨}≦ニ==ﾑ 　 　 ﾔ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /√ニﾆ7＞　ﾏニﾆ∨≦ニ7／　｡＜￣i}}　}∧∧ﾆ7ノ /⌒＼ﾏ}!ニﾆYニ７ﾄ､{ ¨ﾄ､ニニ≦: ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　': :ﾏ≧=‐ｧ‐ｧ._.:!ニニ}ニﾆフ' .／≦ ＼｀＜〈ﾆ∨ﾆ/ｲ /＼=-､_＼‐＜ﾊﾆﾆ!:!_∧≧=＼≦フ: : }
　　　　　　　　　　　　　　　　 :!: : :}≦ﾆ＞'〈 /,'ニニ'＞¨｀　i＞¨｀／,.へ-=≧}:¨:{=-/⌒}..＼　'¨¨　　｀'ﾏ≧∨∧ヽﾆﾆ〉 : : : : }
　　　　　　　　　　　　　　　　 :!: : : ≦／ニｲｲニニ/　　　　　　,ｲ-====i>＜}} : {{／>≦ﾆト.､>､　　　　 ﾏニ∨∧/｀¨: : : :｡＜
　　　　　　　　　　　　　　　　　＞｡: :｀＜ニﾆﾆ＞｀　　　　　　,ｲ: : :_マニ{ﾆﾆ>!Y!<ﾆ,'ﾆニ/: : : ＼:､　　 　 ｀¨＜==… ≦
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≧===＜　　　　　　　,.ｲ ﾑ: : <> >ﾆ∨｀ !={ ∨ﾆﾆ7:∧: : : ∥＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｲ .／ム: : ﾏニニ}z :!={ r'{ﾆﾆ,∨７: : ,ｲ>＼ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｲ , '　＼ム／ニニ:}ﾆ i={ ﾆ{ニニ７ ／/ニ≧ヾ､'＼
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╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「……いやに落ち着いている。何か謀ろうとしていると見た。
こちらから仕掛けるぞ、コーラサワー」

「いいんですかい、AFのお供は」

「企みというのは、有無を言わさず潰すに限るよ」

言うが早いか、ロストワードの四肢を広げ、空中で大の字の姿勢を取る。
鋼鉄の身体が駆動音を響かせ、背部のアンカーユニットが翼のように広がる。
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4610： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/30(木) 21:24:45 ID:B9gaYQZ20

〕iト　　　　　 ＼: : : : : :＼　　　'∧: : : ∨ / : : : : : :.j{　　j{: : :　　j{: : : : :′　　 　_ア: : : : : ,ｨi{　　　　 . : : : ィi〔
　　　 〕iト　　　　　: : : : : :＼ . / ∧: : : ∨ / : : : : : j{　　j{: :.:　　ji .: : :.′　 　 _ア : : : : ,ｨi{　　　 . : : : ィi〔
　　　　　　 〕iト　　 　 : : : : : ＼./ ∧: : : ∨ / :. : : :.j{　　j{ : : 　 j.: : : ′　　 _ア: : : : ,ｨi{　　　. : : :ィi〔
　　　　　　　　　 〕iト　　　: : : : :＼ ∧: : : ∨ / : : : :j{　　j{: :. 　 i: : : ′　 _ア: : : : ,ｨi{　　. : : ィi〔
　　　　　　　　　　　　 〕iト　 : :. :. :.＼　: : : ∨ /_ : : j{　　i{.:.:. 　j : : ′. _ア : : : ,ｨi{　　. :ィi〔
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背中から放たれた熱線の雨が、海面に突き立っていく。
海水を蒸発させ、雨に打たれたノーマル機たちの装甲を鋳溶かし貫き、
瞬く間に黒煙と爆炎を吐き出させた。

間髪入れずに、EN残量が底を突く限界までレーザーキャノンを乱射する。
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4611： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/30(木) 21:29:05 ID:B9gaYQZ20

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　ニ／　　　　　{　　　≧=‐　--　 -=≦/⌒lLﾆ7ﾞ＼＼{〈 　 }^寸,ﾑ/　　　　　　／=／　　 　 　 ／=／
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ひとしきり熱線を撃ち込み、ハンガーから佩くように格納していた
射出対応レーザーブレードを引き抜く。

装甲と同じく紫紺にペイントされた刀身を担ぎ、オーバードブースターを起動させる。
背部から爆発が起こったかのような推力で飛翔し、
展開され音叉のようになったブレードから発生した超々高熱の刃を
生き残りたち目掛けて叩きつけていく。

炎を巻き上げ四散するノーマル機たち。
その間を縫うように逃げ惑う機体を、デイウォーカーがさりげなく撃ち貫いていく。

これだけ場を荒らしているのは紛れもなく自分なので、なんとも言い難いが。
よく当てているものだと感心する。レーダーを頼りに位置を割り出しているのか。
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4612： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/30(木) 21:40:12 ID:B9gaYQZ20

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　 　 ＼-＼ y`　　　∨ ﾏニニヽﾆﾆ}!ニニﾆﾆ{ニ=ﾆニ(__)ニフ‐‐〈-r',／／}　}i}i⌒ヽ-={{-=7-/　　ヽ-=＞≦ ヽ: :∨::.＼=--　'< =-　 '< -　 '<=- ..'　　　　 ::;;:
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. 　 ./ニﾆr‐ｧ, _____ ノ-ｲﾆﾆ,／／＞¨´　￣　｀¨＜＞ ´.....::;;:: , { /レ'-=/ﾑ≦∧　｀　､ ＼ヽ-i!　　r==r=====､: : :′ /三::.　 .'< =-　 .'< -　 '<,-　 '< -'''llili,i
. 　 ｀¨¨¨´/ﾚ}７ ｀¨‐--== ´=´´ .｀ヽ.＿_ﾉーシ=二≡=､;::= ::;;:;.} / -=/-/ヽ -ハ r ﾐ　｀　､>､ﾏ　ミ__‐-====r' : /.:;:.ノ三|三:::::...'<=- 　. '<- 　 '<-　 '<､ .,.'　''iil'
.　　　 　 /-=/　　　　　　 　 _,,,,;;iiilliii;;;,,,:.／=≡:::..．..:.:/ミ:,ｨ''''::./'-=／ ｀ヽイ / ∧/　≧s｡...ヽ >､ ＼〉ﾆ≧､ : : /.: :;;'..ヾﾐ=-.::;　..'<=-　　'<-　　'<- ..'　　　　''iill
.　　　 　 ヽ ´　　　　　　　　 ,ilill''''"""'''llili,i三::；　 ..:.:::::::|ﾐ:rf' . '　¨´　 }∨-=/ /r'⌒≧s｡ 　 ≧s､-＼_≧‐': :イ　.::;;:∧ヘﾍ,ilill''''"" '< -　　 '< ､　 '<､ 　 .;;lilii
　　　　　　　　　　　　　　　illii''　‘.'　　,.'　''iil'　　’　 ..::::ﾞﾐ{' :.　　..ｨ i〔ﾆ∨,¨/イ{¨:¨:´: : :r={1｡___〉_〉 -=〉≦ ＼ ,　　　::;;::: ,illii''　‘.'　 ,.'<-　 　 '<､;,’　, .',;;llii''''
　　　　　　　　　　　　　　illii'',　　.'　　　　''iill　_／=::..． ..:..l!: .ィ〔: |-==/ , /-=!ﾊ }} : : :/-=〔≧s´ 　 ￣ヽﾆ∨,'＼　 ::;;:.:: illii''　　.'　　　 　　''iilli;─''''llliiliillli''''
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ネクストからすれば、ノーマルACは大きめの人形ほどのサイズ感だ。
大人と子供と言ってもいい。力の差も同様だ。それがロストワードともなれば。

異形の掌で敵機の胴体を鷲掴みにし、パルスキャノンを叩きこむ。
紫電に包まれて瞬く間に装甲が赤熱し、弾け飛ぶ寸前に近場の敵へと投げつけた。

浴びせかけられるレーザーライフルの熱線をPAで霧散させる。
回避行動をとるまでもなかった。

圧倒的なまでの暴力というのは、こういったことを言うのだろう。
気分がいいものではないが、さすがに慣れた。

オーバードブーストで敵機の群れを横切りつつ雷撃を振りまく。
派手な爆炎が視界のあちこちで巻き起こり、暗い海に閃光を放つ。
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4613： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/30(木) 21:49:22 ID:B9gaYQZ20

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　　　|∪《 　 　（__人__）　　∥|　　　　　　　おまえで最後だ。
　　／＼　 ミ三∩_ノ ⊃彡 ／ゞ
　/　　乂 ゝ _／ ＿ ノ ＿イ,＿)
　(　, ′ヽ ／　 ,,;;; ｲ/　　 i　　i
　 ＼　　 " ` ､ ／￣￣i￣"　 )





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ﾑ 　　　　　　　,.イ二二二二二二二ヽﾆﾆ>ﾍ ヽﾏﾆヽヽくﾑ:.:ﾑﾆ=-､,,__{.　 　 　 //、
ニ>､　　。s≦二二二二二二二二=─=＜ﾞ＜　',　'〈｀ヾﾆへﾍ',ﾆﾆﾆアヽ　　　//ﾆ
／　７ﾆ{二二二二二二二ﾆﾆア´　 　 ,'.　 }　', ｀ゝ-=ﾆヾ>ﾆミ/ﾆﾏ.／.　 〉___//ﾆﾆﾑ
≠ﾆﾆ/ {二二二二二二二ﾆ/　　　, ｲ 　,〃.　} 　　　　｀¨''‐=≪　ﾑﾆﾆﾆﾆﾆﾑ ¨Yﾆﾆ',　 ,,,,,zzzzzx
ﾆニ./ ﾑ{二二二二二二二,ゝ--''"　 ,,イ　　／　　　　　　　　　｀¨＜ﾆﾆﾆア　　 ゞﾆﾆﾑﾉﾆﾆﾆﾆﾆﾆヽヽ
ﾆア／ニ{二二二二二二ﾆ/ゝ___　＜　_　イ　　　　　　　　　　　　　　｀＜ﾆへ.　 　 ヾ=ﾏﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=ゝ',
ｱ／ﾆア ﾏ二二二二二ニﾑ‐---‐'''"　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ｀＜　　　Yﾆ{ニニニ＞ミニ}ﾆﾆﾍ─‐＜
ﾆニｱ′　　｀｀¨¨¨'-=ニ二ﾑ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　 ゞ‐',ニニニニニゝィへ.　　　　｀ヽ
ﾆｱ′　　　　　　　　　　∥くﾑ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ヽ 　 ',ニニニニニニﾆﾆ}.　　　　　‘，
ｲ　　　　　　　　　　　　　　　＼ﾍ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　ゞﾆﾆﾆﾆ/ニニﾆﾆ}.　　　　 　 ',
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 >ﾍ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　｀''-=く／ニニ,'　　　　　　　i
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　　　　　　　　　　　　　　／／イﾆニﾍ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽﾆﾆイ=ニニニニﾏ　｀ﾏﾆ
　　　　　　 　 　 　 　 ／／ﾆﾑ〉ﾆﾆﾆﾆ,'＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヾﾏニ,'＞─┬く__　　/ﾆ
　　　　　　　　　　　,ｲニニ／{ﾑニﾆﾆ,'__ﾑ.＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{二{二二二} 　 ｀''くﾆﾆ
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.　　　　　　　 ﾍ ﾏニニニﾆﾆｱニニﾆ,' {ﾆ{,, ───ﾉﾆ/|　 |,.ｲ　　　　 { . ＞､　　　　｀¨''〈ニニニﾆﾆl二二二ﾆlニア ﾉ￣ヽ
　　　　　　　　　ﾍﾏニニニｱニニニｲ. {ﾆﾍ　　　　ｲニ,' |　,'|　　　　 　 ﾏ.　　 ＞､　　　　　｀¨‐=ﾆﾆﾆ',二二二,'ニ/_.ｲ__/ニ
　　　　　　　　　,ﾑへﾆﾆアニニｱ,'=,'　{ﾊﾆ|　　　 ,'={},'　|'-i|.　　　　　 　ゝ､　 　 へ　　　,,イニ=-=≦ﾆゝ二ﾆ,'二/ゞ==ﾞ｀ヾﾆ
.　 　 　 　 　 _,ｲニﾑﾆﾆﾆ＞''"　,'=,'　　ﾏ={　　　 }ﾆ/　　|ﾆ|　　　　　　　　｀ヽ　　　　　/二二二二二/　　/＞_/　　　　　 ヾ

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最後の抵抗を見せようと躍り出たノーマル機が視界上方に現れる。
振り降ろされるレーザーブレードに対しQBを吹かせ、機体を右へとスライドさせた。
それと同時にブースターの角度調整を行い、独楽の様に回転しながら再接近する。

悪魔の鉤爪じみたマニピュレーターに敵機が引っかかるのを確認し、
合掌するかのように、火花を散らせて細い躯体を挟み込んだ。

甲高い駆動音が鳴り響き、抜け出そうと装甲を軋ませる音を呑み込む。
迸る紫電が機体を鋳溶かし、たちまち膨れ上がらせると爆散した。

砕け散った残骸が黒煙を上げながら海面へと落ちていく。
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4614： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/30(木) 21:54:41 ID:B9gaYQZ20

　　　 ＿,,―――,,_
　　／ 　 ========ﾆ＼
　/　 〃　　　　 　 　 　 ヽ
　|∩{{　　　─　　─　　 }}　　　　　（水葬って言うんだったか）
　|∪ ||　 （●） 　（●）　}}|
　＼　{{　　 （__人__） 　∥/　　　　　（こんな海じゃ、食べてくれる魚もいないだろうが）
　_,,, ﾄ ミ三三|￣|三彡 ｲ,,_
/　　ト　――.TT ― イ　i　"i

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掌を見下ろすと、爆発四散した機体装甲や内部機関の残骸の中に、
パイロットの炭化した肉片や焦げ付いた骨が僅かにこびりついていた。

握り潰すと同時に軽くパルスキャノンを唸らせ、粉々になったそれらを海へと放る。

彼らに恨みはない。信仰や正義、憎しみが敵を定める時代はとうに過ぎている。
肉食獣が草食獣を食い殺すとき、恨みなどあるだろうか。

ある意味では、この時代における人の戦争は獣の喰らい合いと同質になった。

だが、用があるのは彼らの命だけであり、遺体を弄ぶ必要も欲求もない。
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4615： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/30(木) 21:56:16 ID:B9gaYQZ20

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　　　　　　`ー=彡7　　　从,,ｨﾁ≠ﾐ ゛　　/　,"ｨ≠ミメ 从　　.}ハ
.　　　　　　　　　,'　　　 ｷ7必tじハ ＼　　／ ,Yじハ ｱi　　..从八
　　　 　 　 　 　 !.::i:. :.　 ∧弋_zン　　 ヽ/　　弋_zン, .从　 ∧}＞ー'　　　　　　周囲に敵影なし。敵戦力の完全沈黙を確認。
　　　　　　　　　 l::ﾊ::.::.　.从 ¨￣¨　　　　　　　¨￣¨ //　..:::::ﾉﾘ
　　 　　 　 　 　 ヽ八::::::....　≧　　　　　:i　　　　　　ｲ/ ...:,ｨ/チ　　　　　　　　　 ロストワード、デイウォーカー、二機とも上空にて待機。
　　　　　 　　 　　 　 ＼ヽ::::＼　　　　　　　　　 　 -=チ彡／
　　　　　　　　　　 　〃 ＞ Xー　　　 ´￣ ｀　 　 　,./{ イ　　　　　　　　　　　　　引き続き警戒態勢を維持。味方AFに……
　　　　　　　　　　　{　./　　　＼　　　　　　　　 　.ｨ／＼
　　　 　 　 　 　 　,人　　..::r="¨!: :.､　　　　 , .イ|⌒ヽ /
　　　　　　　　　〃..::: Y　..:::) /＞．　｀ .ｰ ´　,,,斗=x　＼
　　　　　　　　　{{ Y　　　 ノ ∧　　＞z,,_,,,ｭ＜　　从　　 ＼
　　　　　　　　　 ヒﾆミ Y　　{,い　　　/::::::',　　 　ﾊ i!　　 　 ＼
　　　　　　　_ ノ＝=Y/　　　|!;,,∧　 /::::::::::',　　/　八　　　　　 ヽ





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!.:::::／　|!.::::ﾍ{.:.:::|　ヽ　　　 ￣ 　 　 　 　 {｀¨¨ i ﾉ'　}/　　　　　　　　
!..:/　　 }:}.:::::ハ.:::!　　　　　　　_　　　　　　〉　 ,′　 ′　　　　　　　　　　　　　 いやー、この感じなら早めに帰投できそうだな！
V{＿ ノ:/.:::::{::::lﾊ{}　 　 　 　 ｲミ_ｰ-　_　 ′ /　　　　　　　　　 　 　
　｀＞‐':.::::::ハ::{ ハ.　　 　 　 ∨￣`ヽミｱ　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 旦那のメディカルチェックが終わったら奢りで――
彡.:.::ノ:::l::::{:/　｀＼ ヽ　　　　　ヽ. ＿_}/　/　　　　　　 ＿　　　　　　
/.／.:::::::|:::::{＿　 　 　 ＼　　　　 ‐-　　/　　　　　　 /i　　｀ ー- ､　　　　　　　　「未確認反応探知！　速度からしてOB中のネクストと推測！」
:/:.::::::::::::l:::::V　￣ 7=ｧx._ ＞　 ..　　　, ′　　 　 　 /　　　　　　　 ＼
:.:.::::::{:::::∧:::::＼　 |　|　　￣ミヽ/ミｰく＿ ノ　 ／⌒{　 _＞―‐　´　　
:.:.::::人::::::::ト､::::::＞　l　　　　　　 ＼:ﾄ::ヽｰ'′{　　　∨i　　　　　　 ,　 {
￣　＼＼::|　￣ /　/　 　 　 　 　 /ハヽ}　　 ヽ.　　 j　　_ ＞‐ ¨¨　　 〉

4616： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/30(木) 22:06:29 ID:B9gaYQZ20

　　　　　　　　　　 __´￣￣二ﾆ=　、
　　　　　　　　／　　￣´ 　　　　　　ヽ
　　　　　 　 /　/ｨ　　　　　　}i　　　　∧
　　　　 　 /ﾔ'7=ﾆ二二二≦_｣Ｌﾍ/　 ∧　　　　　　　　　　「はぁ！？　チクショウ、人の休み前日を邪魔しやがって！」
　　 　 　 ;　 /＼_　　､＿　￣Ｖ⌒{ 　 / }｝
　　　　　:; 　}(●）　　（●　）　〉 人 /　/^}　　　　　　　　　　落ち着きなさい、コーラサワー。テッサ、解析頼む。
　　　　　 '､ {（　ｨ'　　　　　　/／Ｌ {__/(__/
　　　　 ＿{へ≧＾ゝ､___ノ_z彡二弐≠ ＞／￣￣ミヽ
　　　　r{_ `ｰ=＜三＞'’ ）二二 ／　//　　　___　　　＼
　　／/ ｛＼　　｀￣　 /二二／/ 　/ｲ　　 Ｙiっ) -┐　 ＼
　｛　　Ｖ 〉　　　　　　〈ﾆ二彡イ　 ｛ ｛　 　 }｣つ）二! -02 |ｌ
　｛　 　 i ＼ 　 　 　 /｝ト､　　 i　 /八ヘ　　￣´　　　　　 |ｌ
　　)〉=ﾆi　　＼＿∠_//ｚ/＼　i／　　＞　_　　　　　　 　 /ｌ
　　　汀 i　　　 〔_二//￣　　 ＼　　 /￣７ 　 ＞＝-≠〈/
　　 ！| iﾄ　　　　＼　　　　 　 　 ＼/　 /　　　　　　勹[_]
　　　　　｀v 　　　　＼　　　　　　　 ＼/　　 　 　 　　/
　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　 ＼　　　　 　 /

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狼狽する素振りを通信越しに見せつつ、ちゃっかりレーザーライフルを
敵機が飛来してきている方向へと構えるコーラサワーを諫める。
感情が先走っているだけで行動は冷静そのものなので、正直あまり心配していない。

レーダーの範囲外、テレサがマーカーで指し示したその先に、
暗い海の上を駆ける光りが見えた。

みるみる内に大きくなっていくそれには見覚えがあった。
特定のどのACというわけではない。

ネクスト特有の、オーバードブーストの推力にものを言わせて、
戦闘エリア外から突如として現れる光景だ。
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4617： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/30(木) 22:21:10 ID:B9gaYQZ20

　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /｀ヽ
　　　　＼　　 ＼　　＼　　　　　 ｌ　 　 　 　 　 　 　 /.:.:.,.∧ 　 |　　　　　　　　 　 　 　 / 　.／　 　 　 　 　 　 　 ／
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　　　　　　　｀"＼. ヽ.　　 ＼　　　 ｌ　　　　 　 　 ./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼　　　　　　 　 　 　 ,iシ"　　 　 　 　 　 　 ,／
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　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,,,-'"　　　_..-二ｒ'"゛　.八 ＼.:.:.:.o　　　ﾟ ｡／ﾍ .＼
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　　　　　　 / 　　　　　 ._./ 　 　 　 　 　 ／　　./　∧.:.:.: .:. Vﾍ lヽl--/ 　 　 　 ｀'″　　　　 .＼　　 .｀''-..、
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　　 .／　._,,..　‐'″　 　 　 　 　 　 ／　　　 ./ 　　　 !∧　 　 | |　.ｌ　　 　 ヽ　　　　　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　｀ﾞ''
　／ ‐'″ 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　 /　 　 　 │.∧＿/　}　 .ｌ　　　　.ヽ　　　　　　　　　　　　　 ＼
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　　　　　　　　 　 　 　 　 ／　　　　　 ./　　 　 　 　 「　　 ￣　　　　.ｌ　　　　　ヽ　　　　　ﾞ.ｌ-,　　　　　　　　＼
　　　　　 　 　 　 　 　 ／ 　 　 　 　 /　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ｌ　　　　　 ヽ　　　　　ヽ.＼　　　　　　　　＼
　　　　　 　 　 　 　 ／　　　　　　 ./　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｌ　　　　　 .ヽ　　　　　ヽ　 ＼
　　 　 　 　 　 　 ／　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ｌ 　 　 　 　 ヽ　　　　　ヽ　　＼
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だが、遠視モードのカメラアイが捉えたのは、ネクストというにはあまりにも
不格好な物体だった。人型兵器というお題目をかなぐり捨てたとしか思えない。

まず、腕がない。両腕をもがれた人間のようでいて、
丸みを帯びた背部装甲が甲虫のように肥大化していた。

いや、間違いなくネクストなのだが、既存の機体と一線を画している。
得も言われぬ違和感を抱きつつも、デイウォーカーと轡を並べた。
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4618： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/30(木) 22:25:34 ID:B9gaYQZ20

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　　　　　￣￣　 |　　　l　|　　 　 　 ＿＿　　　　　　　 　 　 　 -ﾆ_　/　　,'
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　　　　|　　　　　＼__/ ￣ヽ　|　 　 丶　　　',／　　　　　／　|　　　 / 　/
　　 　∧ 　 　 　 ／　　　　∨ 　 　 　ヽ 　 　 　 　 　 イ　 　| ./7　/　ヽ
　 　 /ｉ∧　　　 /　　　　 　 l　 　 {＼ 　丶　　 　 ィ　　　 　 | //　/　　　＼　　　　　　　　――ハハァ、二機とも釣れたのか。
　　　ｉ:i:i∧　 　 | 　 　 　 　 ｌ　　.八　∨　ヽ_ ィ　 　__　　　 |彡／￣＼　 　 ＼
　 　 |i:i:i:/, 　 　l 　 　 ◯　 l　　　　＼|　　　　　 ／ ﾉ　 　｢|／　　　　 |　　　　　　　　　　 一匹は活きが良いが、もう片方は……
　 　 |i:i:i:ｉ∧ 　 l 　 　 　 　 .|　　|＼　 　 　 　 ∠ イ　　　/∧　　　　　 |
　 　 |i:i:i:i:i:∧　l　　　　　 　 |　　＼ ヽ　　　　　 __　　　 / 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　　　 死にかけのロートルか。
￣￣＼i:i:i:i:i:∨　　　　　　 ∧　　　ヽ|　　　　／ /　　 /　　　　 ◯　　/＿
　　O)　ヽi:i:i:∧　 　◯　　/ ∧　､　　 　　∠ イ　　／　　 　 　 　 　 /i:i:i:ﾍ ￣＼
　　　　　　i:i:i:i:i:ヽ　　 　 　/ /∧　ヽ 　　 　＿,　イ　　　　　　　　　 /i:i:i:i:i:i|
　　　　　　 i:i:i:ｉ:ｉ:圦　　　　 ◯　)ヽ　',　 ／　＿／　 　 　 ◯ 　 　 /i:i:i:i:i:i/　(O
　　　　　 　 ∨i:i:i:i:i:＼　　 　 　 /∧ ｀'´　／　 ◯ 　 　 　 　 　 ／i:i:i:i:／
　　　　 　 　 ∨i:i:i:i:i:i:i:＼　　　 　/∧__／ 　 　 　 　 　 　 _　イi:i:i:i:iア
　　　　　　　　∨i:i:i:i:i:i:i:i:i:＼　　　　　　 　 　 　 　 　 ｡s≦i:i:i:i:i:i:ア
　　　　 　 　 　 ＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:＼＿＿＿ 　_ ｡s≦i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:＞
　　　　　　　　　　　　＜i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:＞
【ネクスト：ラームジェルグ　種別：武器腕搭載型中量二脚】




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　　　　 　 　 ､丶｀::::::::::::´:::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;:::-┘､
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　　　　 {::/::/::::::::::::::::::::::_:::::::::::::::::::::::::::ｲ
　　　　 {::|:/::::::::::::::::::／:::::::::::::::::;:｡*'"::ﾊ
　　　　,へ':::::::::::::::／::::::::::;:｡*／::/:::::/　!
　　　 / ﾊ|::::::::::∠ ィぅヾヾ／／/::／/ /
　　　.|〈　,|::::/:/ ｰ-「￣＿ ィ／ﾆ_ｰ/､,′
　　　 ヽヾ∨!/　　 　 　 　 /　｀ゞぇ ノ　　　　　　　まぁいいさ。奴さん、まだ100パーセント生身の人間なんだろ？
　 　 　 |0 ,　{　 　 　 　 ^ '　 ／　 /ﾉ
　　　 　 「 !　　　`ｰ=-_､ 　 　 　 /ﾉ　　　　　　　　 つまり手の施せる部分はいくらでもあるってこった……
　　　 　 |　＼　　　　 　 ヽ　 　 ｲ
　　　 　 |　 ヽ＼　　　 　 　 イ
　　 　 ,-|　　 ',　ﾍ　　　／　/
　　　　〉-二_‐-　 ｀二´　-_'〉
　　　 √;i;i;r‐-=､;i;i;i l r≦-;{
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　 ／-＼i;i;i;i;ー- 二 | r≦イヽ
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4619： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/30(木) 22:31:06 ID:B9gaYQZ20


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　　　　　　　　　　　　　　　 　 ∨ ト /::::/:/　{ /:::/ィ/r，ヽ＼／!　 |￣l＼'，　　　　　　　マイホームまで御同行願おうかァお二人共！
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 Ⅵ./ｲ:/:,〜≦y/　 '7''7"^─l　l!　.|　 l 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 Ⅵl |:!/|_L沙7'￣´　/　　　√l|　.|　 |　　 .:|　　　　　　 我が社の最新技術、リンクスリサイクルプロジェクト！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉! |;ﾊ.|　//ヽ‐＿＿,-､ヽ./ ∥　|　/　 　 :|
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　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ∧ ∨＼ﾍ,　 ヽ∠-_ﾆ∠斗イ　 　 ＿￣_¨''l
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 丈! ´　　　　 　 　 　 |;;;;;| |　 _∠＿／　　　　　　　　　　　 ＿＿＿
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　 ／ニニニニニ=-　_/:::!　　　 ∨ ∧　　　 　 |l　.|　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ..:::::∧　　 ／ニニニニニニニニニニﾆ∧
【ブライドルランク11　ゾルタン・アッカネン　スポンサー：ノルドルム】

4620： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/30(木) 22:38:43 ID:B9gaYQZ20

　　　　　　　: : : : : . .　　　　　　 　 : : : : : |　　{: : : : .　　　　　　　　　　 　 　. : : : :＿＿　/: : : : : : .　　　　. : : : ｀`〜､、｀`〜､、: : : : : : .
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　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 : : : : : : 八　　 　＼)　ヽ: : : :
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　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 : : : : : : うぅ=-=彡: : : : : : :
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「出ました。機体名ラームジェルグ、ノルドルムのランク11です。
……兵装らしき兵装が見受けられませんね。新型でしょうか」

テレサが冷静に敵機の出所を告げる。
ノルドルムと言われると、あのアルトリア・ペンドラゴンを思い出すが。
彼女のリンドヴルムと同じく、重厚な装甲を馬鹿げた推力でかっ飛ばしている。

「この、気持ちワリィ見た目しやがって！　墜ちろよ！」

コーラサワーが罵声と共にレーザーを放ち、こちらも合わせてブレードを展開し構える。

だが、自分らのレーザーは敵機の装甲に突き刺さることなく掻き消えた。
膨れ上がった背部装甲のあたりから緑色の燐光が舞ったと視認した途端、
粒子の奔流を伴ってコジマの光が炸裂した。

コジマキャノンだ。それも滅茶苦茶に、振り回される鞭のように無軌道に放たれている。
条約違反だ。たとえ非汚染地域からこれだけの距離を取っていても、
コジマキャノンやコジマミサイルの使用は禁じられている。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4621： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/30(木) 22:43:21 ID:B9gaYQZ20

　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.－' ￣￣ ' ｰ ､
　　　　　　　　　　 　 　 　 ,　'´ 丶. -――-　._　丶.
　　　 　 　 　 　 　 　 　 , '　,. :'´.: : : : : : :. :. :. :.ヽ, - .、
　　　　　　　　　　　 　 / ／.: : : : : : : : : : : : : :. :. :.＼ ﾍ　　　　　　　　　　　　冗談じゃない！　オープン回線へ移行！
　　　 　 　 　 　 　 　 /､/.: : : : :._ :-: .:‐:. :-: _: : : : : :.ヽﾊ
　　　　　　　　　　 　 i　 l: : :_;.=＝､､:_:_:_:_:,:＝='-､: : : /　!　　　　　　　　　　　……聞こえてるな、ラームジェルグのリンクス！
　　　　 　 　 　 　 　 l 　 l: [i　　 ＼_.､,　､__／　ヽl}: : l 　 !
　　　 　 　 　 　 　 　 ト､ l; i}´　（●）　　 （●）　{j: :/ ／!　　　　　　　　　　　　この座標はコジマ兵器禁止条約準適用エリアだ！
　　 　 　 　 　 　 _, - i'´lヽl: [ｌ、 u. （__人__）　　/j: //＿｣_＿＿__
　　 　 　 　 ,. :':´: : ￣ﾌｰｽﾍ:ヽ>､ 　 ｀⌒´　 ,ｨノ:.//´＼: : : : : : : ¨ヽ　　　　　　今すぐその物騒なものを……
　　　　　　/-――-イ＿/: :i＼:ヽﾍ_,.ゝｰく∠／:./:.ﾍ.＿_｣-‐ '´￣¨ヽ:l、
　　　 　 ／ 　　　/个 　 ￣l 　＼: : : :＿_: : : ／ lー┘ 个＼ 　 　 　 ＼､　　　　　「撃っちゃうんだなぁ、これが！！」
　 　 　 厶=x､.　 i　 |　 　　弋　　ヽ======イ　 /　　　｜　 i　 　 z=＝ ﾇ
　　　 ／　 　 ヾx|　 l　 　 　　丶、 |: : :|} 　 /_ノ　 　 　 l 　 /　／´　 　 　＼　　　　この……！
　 .／＝=z､　　　l　 |　　　　　　三t!:_:_ｌ三ﾁ´　 　　　　l　 /! /　 　,r '二二¨」、





　　　　 _八　　　　　　　　　　　　　　　 　 -‐く　　　　　　　　　　 l　 　 !　 ヽ
　　　　ハ　’,　　　　　　　　　　_　　二 -‐　　l　　　　　　　　　　｜　　|　 　 ,
　　　 ｆ　　 ､_}　　　　　　,　　 <　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　 !　　　l
　　　 |　　　　　　 　 　 ´　　　 ヽ　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｜　｜　　　l
　　　 |　　　 　 ,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_| 　 l　　 　 |
　　　 ’　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　イ　>､/　　　　l
　　 　 |ヽ　 {　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_　　く 　 V　　!　　　　,　　　　＿＿
　　 　 |　｀､ ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｧｆぅﾊ　 ﾊ　 ‘　　 !　 　 /,　　"´　　　　　　　ノルドルムに脳味噌弄られたイカレポンチが！
　　　　l　　ヽ　｀､　　　　　　　　　　　　　　 _ イ　7/　ゝﾂ_ノ　i　　ｉ　　i　　 仏
　 　 　 !　　 丶　ヽ　　　　　　 ＿＿＿　＜　/／ 　 -‐彡　　 i　　i　 ［￣｀［ﾑ　　　　　　　　　　　叩き落とすしかありませんぜ！
　　　 　 !　　　 ＼ 「￣「￣　 l 7弋ツ乂　　 ﾍ 　 　 　 　 　 　 i　　i　/　　 ﾑ∧　 _　　-―
　　　　　 l　 　 　 ｀く　ﾍ　 　 l |ｰ=彡　　　　　 ,　　　　　　　　ﾊ 　 !/　ｆ i ｛　Vﾍ´
　　　　　　 ､　　　　 ヽ　ﾍ　　､l　　　　　　　　　,　　　　 　 　 l　! 　l　　ｖ /　　Vﾍ
　　　　　　　＼　　　　｀､ へ　 ヽ 　 　 　 　 　　{､ ,　 ,. 、　　 l　i　 |　　 ∧　　 Vﾍ
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　　 ,　 ´　　　　　 ＼＿/　 ＼　　　ヽ　　 　 「「￣　　　 Ⅵ　 厂i　ﾉ　 'i　　 l　 　 Vﾍ
　／　　　　　　　　　 い ＼ ｒ､ ヽ　　 ｀､　 　 代　 　 　 ノﾉ／　 ｊﾝ　 //　 　 l　　　Vﾍ
　　　　　　　　　　　 厶ﾍ　 ＼､)　＼ 　 ＼＿_辷二　彡　´ 　 ／　　i/　　　　l　　　l　l

4622： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/30(木) 23:02:06 ID:B9gaYQZ20


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　　 　ゝ__／イ　.／ 　 .::/　 　 　 .:.:|　 .:|.:: 　 , 　 ヽ　∨/⌒.:.:.:.:.:.:〈
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　　　　　　　　ゝ＝ｲ::::::::.７'´　　 | //∧　 　 　 /　 　 　 　 | | ｀´
　　　　　　　　　 ｉ /｀¨７´　　　　ｉ/ｉ//∧　　　/　　　 　 　 :| |





　　　　　　　　　　　　　∩＿
　　　　　　　　　　　　　〈〈〈　ヽ
　　　　 ＿＿＿_.　　　〈⊃　　}
　　　／　　 　 　＼　 　 |　　 |　　　　　　　　こんな場所でこんな奴に暴れさせられるか！
　 ／　ヽ、　 　_ノ　＼　 !　　 !
／ 　 （●） 　（●） 　 ＼|　　 l　　　　　　　　上空……もっと高度を上げたところで仕留める！
|　 U 　 （__人__）　　　　 .| 　／
＼　　　　|i||||||i|　　 　 ／／
　/　＿＿｀ ー' 　 　 　 /
　(＿＿＿）　　　　　　/

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
オーバードブースターを展開し、敵機目掛けて放たれた弾丸よろしく飛翔する。
一瞬の浮遊感を経て、急激に景色が流れ出し、視界が狭まる。

出鱈目に撃ち放たれるコジマキャノンを掻い潜り、そのまま機体を敵機へと
叩きつける形で衝突させた。オーバードブースターの出力を限界まで引き上げ、
互いのPAが干渉し合い散り散りになって消えゆくのも気に留めず、
敵機を上空の成層圏まで押し上げる。

コジマキャノンは汚染もさることながら、射程も驚異的だ。
そして背後にはコロニー・リメリックがあるときている。
こんなところでコジマ兵器など使わせてたまるか。
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4623： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/30(木) 23:14:38 ID:B9gaYQZ20

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 -‐-　ミ　　　　　　　　　　　 .｡s≦ﾆﾆ＞''~
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｉ　　　　　 /{　　　　 ´　　 ｀寸ﾆﾆ` ､　　　　　 .｡s≦二二＞''~
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |l　 　 　 /={　 ／　　　　　　 }ニニﾆ∨.｡s≦二二ﾆ＞''~Ⅵi:i:i:`,
　　　　　　　　　　　　 　 |i　　 　 　 / 　 　 　 -‐━‐-　ミ　　　 |ｌ　　　 /二{　　　　　　　　　ﾉニニﾆ=}ニニニ＞''~Ⅵi:i:i:ｉ:Ⅵi:i:ｉ:`,
　　　　　　 　 　 　 　 　 人＿　 　 /( . ／　　　　　｀寸ﾆ=` ､　 |l {＼ /=二{/{　　　 　 　 イニニニニ;ﾆ＞''~Ⅵi:i:i:i:iⅥi:i:i:ｉ:Ⅵi:ｉ:ｉ:`,
　　　 　 　 、　､　　 ,:彡'三 ≡ヾV　 て　　　　　 ／ . ｌニニ=ﾟ,　|l {　//{ﾆﾆ{'ﾆ≧ 七／}ニニニニﾆ／　Ⅵi:i:i:i:Ⅵi:i:i:ｉ:Ⅵi:i:i:ｉ:Ⅵi:i:i:i`,
　　　　-‐= .＼_)＼/ミ:::.:..　　.'" ;:.　　’三ミﾐ:､　 "　 .ﾉ二二ﾆi　|l ∨,':.:{ﾆﾆ,=ﾆニ／二,ニニニﾆ／＿__]ｉ|￣￣＼i:i:i:i:i:Ⅵi:i:i:ｉ:Ⅵi:i:i:i`,
　　　 ｀ヽ.＿_ﾉーシ=二,/　’　_,.∠　_　’.:.::=､彡 ､≦二二ﾆ{ﾑ　|l:/={:.:ﾉ= /`､.／{ニ=/ニﾆﾆ イ L三三]ｉ|: : : : : : ∨i:i:i:iⅥi:i:i:ｉ:Ⅵi:i:i:i:
　　　　　 ヾ:;:.／=≡., （-‐ ''" :. .:.: ｿ;..: ,,,,;;;iiilllliii;;;,,,, ''＜__／ ﾏﾑ「＼_／{l/ニ/: : :{二/‐'^'＜__/´= ／￣从: : : : : : :∨i:ｉ:ｉ:Ⅵi:i:i:ｉ:Ⅵｉ:ｉ:i{
　　　　 　 _冫三::；イ .: .: 　#;. .:.''".: ,:,ilill''''"""ﾞﾞﾞ''';lliili;: ﾊ≧s「∨ ＼lﾆ={Lr‐i: : : :{=/ ﾆ=-==/ﾆ／／ﾆ／ 〉'､__: : : : ,Ⅵi:i:ｉ:Ⅵi:i:i:ｉ:Ⅵｉ:i{
　　　　　　）三:,ｨ' ' “,,,　-―-. .:.、:.illii'' ‘.'　　 ,.'　　 ''ill'./~''＜ ∧__/ﾆﾆ//　乂___{/'´ 　 　 └└くﾆﾆＬ／=/=/､___/l Ⅵi:ｉ:ｉ:Ⅵi:i:i:{.Ⅵi{
　　　 　 ⌒ヾrf' . :.'"　.: :　，　　　illii''　　.'　　　 　　''iilli;　　　Vﾑ「lﾆ=//　　／ｉ:{l,　　　　　　　　　｀¨¨¨¨^lＬ/＼＼i:i{l Ⅵｉ:i:i{Ⅵｉ:ｉ{　Ⅵ
　　　,,,,;;iiilliii;;;,,,.　　.: :.,イ: . ..　　 iilll;,　 　 　　 ・　　　,;iilli;　~''〈ﾆ=l{l__/廴_／ Ⅵi:i{l,　　　　　　　　　　　　　　　　LﾉⅥ{l Ⅵi:i{. Ⅵi{
　　,ilill''''"""'''llili,i. . 　 ':;::!:. . .　.: .:illii ,　　.'　　　 　 ,,,;;,,,; .ﾌ　　＼j{l__／￣{ 　 Ⅵi:i{l,　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 Ⅵ　Ⅵi{　 Ⅵ
　illii''　‘.'　　,.'　''iil'　 ::;;;' .. . . '_∠ iillil;,　　・,‘ .:;:;;''''"""''';;:;:.;...___{lﾘ､______/　　r‐ ､:{l,　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 Ⅵ
' illii'',　　.'　　　　''iill.; '’: . 　.∠三三'''iill;;,, 　, :;;::　‘.'　　,.'　: :;;'.　 ,..｝ニﾆ〉　 ┤　 ＼
　iillil;; 　・,‘　　;;lilii　. . . ::. /三三＝―"ﾞ''''''il:;;:: ,　　.'　　　　 ::;;:.',＿ i￣ｉ／ =/r‐ ､　 ＼
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だが、黙って運ばれてくれる敵でもない。

ラームジェルグはブーストして抵抗するでもなく、逆にブースターを切った。
代わりに背部のコジマキャノンがフル稼働させ、
ロストワードを消し炭にしようと乱射を始めた。

敵機の装甲で視界が塞がれる中、ダメージアラートがけたたましく鳴り響く。
至近距離であるがためにコジマキャノンの砲口からは外れている。
こちらへ砲門を向けようにも、自機の機体を挟み込むばかりで向けられまい。

だがしかし、それでも巨大コロニーを一瞬で消滅させる兵器には相違ない。
余波だけで装甲が消し飛び、内部機関が露出し、爆炎に巻かれ始める。
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4624： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/30(木) 23:29:33 ID:B9gaYQZ20


　　 |　|　　　　　　　　　　　　　　　l ヽへヽ　　　　 |└┘｜
　　 |　|　　　　　　　　　　　　　　 ∧｜　Vﾍヽ　　｜　 　 |
　　 ∨ﾍ　　　 　 　 　 　 /　　　 / ｛ |　 ,≧ヤｌ　　|　 　 ∧
　　　∨ﾍ　　　 　 /　　 / 　 ｨ　/　｛ |ｨ分　l | |　　l　 　 ′
.　　　 ∨ﾍ　　 　/　　 /_／ / /　 // -‐ '´リ｜　 |　　∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　やらせっかよ！
　　　　 ∨ﾍ　　｜ 　 乍!`ｱ／＼//　￣　　_ノｨ　 ﾊ　ﾊ　∨
　　　　　 ＼＼　l　 /￣彡´　 ／ ﾍ　　　　 　 ﾑ∨　 ′　 ∨　　　　 ,. ─ 、 　 　 /　　　　　横っ面殴らせてもらうぜ！
＼　　　　　 l＼＼ ｛￣　　　〃　　　,　 　　　∧V　 /　　 　 ∨ 　 　 { ｆ⌒i }　　／
.￣＼　　　　＼＼｀ヽ　　　 /　　 ヽ {)　　　 ∧V　 ,　 　 　 　 ＼　　 ゝニﾝ　／
.　　　＼　　　　ヽ､ ヽ､≧=-　　,_　-‐_'ﾆ}　∧V　 / 　 　　　 ／∧ 　 　　 ／￣￣
　　　　/｀　 　　　 　ヽ､｀丶､　 {にﾆ彡´　/ V　 /　　　　 　 V　 ∧＿_,／｀　　 ＿
　　　　ヽ　　　＞　 _　　　 _ ＞　＿／￣ ／ ／|　　 　 　 　 ∨ 　 |　 |
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ﾆﾌゝく　V`辷...コ:/ r‐‐くレ.　＜: : : : : : : ＞　´／　 　 　 :∧
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧/.:::_.　＜ ￣￣...￣＞ ´∨: : : : : : : : : : : : : : : : ＞　´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／〈_.　＜　　　　　＞...´　　　 ∨: : : : : : : : : : : ＞　´

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そこへ追随してきていたコーラサワーのデイウォーカーが躍り出ると、
引き抜いたレーザーブレードを横薙ぎに敵機へ諸に叩きつけた。

熱線の刃が火花を散らせながらラームジェルグの装甲を引き裂いていく。
PAが弾け飛んでいるのはお互い様だ。敵機とて裸である。

しなる脚部が切り裂いた勢いのまま回し蹴りを叩き込み、
ロストワードから敵機を引き剥がすと、猛然とブレードとライフルを手に襲い掛かった。
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4625： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/30(木) 23:44:32 ID:B9gaYQZ20


　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |!. :／　　　　　 　 　 　 /. :/　　　 　　　　　}: ;}
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　　　　　〉.: :..　.ﾉ　 　＼　　ﾏ､　　　>｣_ ㍉ 7|ｌ|　/　　　/　ﾍ　　　　　　　 ィ´　⌒ヽV:l /　/_〃Lﾆ ﾕ／::::／l　　　　 /
　　　 　( : :　 : :＼ 　 　 ＼　', ＼_人＼ト-=彳／　　/ /　　　ﾏﾍ　　　 「 「｀ーく:::::(::::::)L/_ノ´|　l ／::::／:::::::＼　　 〃　　　　.　　.,　´´ ´
　　　　　＼: : 　 : .＼　　　 ￣　　〉ミゞ┘￣　　　 ／´ 　 　 　 ﾏﾍ　　...|_」 ﾚ'´ﾌﾉ入::: ｲ　　　 |／::::／::::::::::><::::＼//　,. ' ´　　　　´´ ¨
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回避行動に移りながらも砲門を目まぐるしく上下させ、触れるもの全てを
消し飛ばす光の槍を振り回すラームジェルグと、それに追いすがり、
ブーストで距離を詰めては斬りつけるデイウォーカー。

両者の技量は拮抗しているように見えた。
あの狂気じみた言動の男も、どうやら機体性能だけではないらしい。

無理に追い回すことはせず、背部のレーザーキャノンユニットを起動する。
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4626： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/30(木) 23:51:42 ID:B9gaYQZ20

　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.－' ￣￣ ' ｰ ､
　　　　　　　　　　 　 　 　 ,　'´ 丶. -――-　._　丶.
　　　 　 　 　 　 　 　 　 , '　,. :'´.: : : : : : :. :. :. :.ヽ, - .、
　　　　　　　　　　　 　 / ／.: : : : : : : : : : : : : :. :. :.＼ ﾍ
　　　 　 　 　 　 　 　 /､/.: : : : :._ :-: .:‐:. :-: _: : : : : :.ヽﾊ
　　　　　　　　　　 　 i　 l: : :_;.=＝､､:_:_:_:_:,:＝='-､: : : /　!　　　　　　　　レーザーキャノンで敵の動きを制限する！
　　　　 　 　 　 　 　 l 　 l: [i　　 ＼_.､,　､__／　ヽl}: : l 　 !
　　　 　 　 　 　 　 　 ト､ l; i}´　（●）　　 （●）　{j: :/ ／!　　　　　　　　　あわよくば仕留めろ、コーラサワー！
　　 　 　 　 　 　 _, - i'´lヽl: [ｌ、 　 （__人__）　　/j: //＿｣_＿＿__
　　 　 　 　 ,. :':´: : ￣ﾌｰｽﾍ:ヽ>､ 　 ｀⌒´　 ,ｨノ:.//´＼: : : : : : : ¨ヽ
　　　　　　/-――-イ＿/: :i＼:ヽﾍ_,.ゝｰく∠／:./:.ﾍ.＿_｣-‐ '´￣¨ヽ:l、
　　　 　 ／ 　　　/个 　 ￣l 　＼: : : :＿_: : : ／ lー┘ 个＼ 　 　 　 ＼､
　 　 　 厶=x､.　 i　 |　 　　弋　　ヽ======イ　 /　　　｜　 i　 　 z=＝ ﾇ
　　　 ／　 　 ヾx|　 l　 　 　　丶、 |: : :|} 　 /_ノ　 　 　 l 　 /　／´　 　 　＼
　 .／＝=z､　　　l　 |　　　　　　三t!:_:_ｌ三ﾁ´　 　　　　l　 /! /　 　,r '二二¨」、





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放たれたレーザーの軌跡が、空中で乱舞する二機を掠めるようにして描かれる。
直撃させるつもりは毛頭ない。それでデイウォーカーごと射貫いては元の木阿弥だ。

狙い通り、反射的にラームジェルグが急制動をかける動作が見えた。
未だ、と思った時には、デイウォーカーがブレードを下から振り抜いていた。
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4627： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/31(金) 00:00:17 ID:gsf5HtlE0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　 ,.｡*'"_￣　　　　　ヾ¨　-　_
　　　　　 　 　 　 ／ニニニニﾆ=-　 _ 　 '，　　　 ､
　　　　　　　　　〈ニニニニﾆ=-‐ : ¨:¨: -=|-　_　　 ＼
　　　　　　　　　　＼ニニ/´:＞〜ー〜＜ : ｀ヾﾆ- ._　＼　　　　　　　　　　　　　　　ああクソっ、やりやがる！
　 　 　 　 　 　 　 　 ＼_/: 7:|::::::::::l::::/,!-:::＼: : :|ﾆ|ヾ- ._∨
　　　　　　　　　　　　　 |ヽ{::::::::::::/::/莎ｱ::::::|:- |ﾆ|　| ＼!∨　　　　　　　　　　　　　　大人しくしておけばいいものを！
　　　　　　　　　　　　　 |　ヾ:::::::::／::/:::::::::::::|: : |ﾆ|　|＿_!│
　　　　　　　　　　　 　 　 　 }::l::;ゝ 　 　 u. ∠／ニニﾆ=┘　　　　　 -──‐-　
　　　　　　　　　　 　 　 ∧　ヾハ　,-=‐'／／ニ-　¨_　-‐/＼／　　　　　　_　-─｀: .､
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∧.　ｿ->=ﾆ斗≦､ニ|　／＿.／＼/　 　 　 -= ¨: . : . : . : . : ＼
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　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾍニニニニﾆﾆ才ヾ,.｡*'"　 　 /　　 / : . :_._:_._:_._:_. : . : . : . /
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　　　　　　　　 　 ／＿＿_　. : . :「_[l∨,└━ ',.｡*'"...........∧/:./､/　　　'， 　 　 :.:.:∨
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　　 !　| ｆ⌒;　　　　　l:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:／:.:.:.:.:ﾉ l:.:l､:.:.!/_ヽ:.:.:.:.:.:|: ＼:|　　　　 　 　 / ,
　　ム ｌ弋ノ　　　　　'ｌ:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:／　 !:.l !:〃⌒ﾊ|:.:.:.ｖ: : :ﾊl　　 　 　 　 / /
　 /　 ぃ　　　　 　 　 ｌ:.:.:.:,:.:.:.:.:.:./:.:__x≦、 ヽ///!| ﾋ:i　, l|:.:.:.:ｌ　/: :|　　　　　　/ /
‐く　　ﾊ V　　　　　　 'l:.:.:.:.:.:.:.:.:.厂 ﾋｊ ヽi ＼//| ﾉ'ー=彡ﾉ: ／∨: : |　　 　 　 / /
_　 ＼l　VV 　 　 　 　 l＿__:.:.:.∧＿__ ｨ彡'〃　V　　 ゞ彡ｲ: : 〉!: : ,'　　　　／,. ﾞ 　　　　　　もらったァ――
　｀ヽ｜　い 　　 　 　 /⌒ヽ｀ヽ、　　 　 ／　　 ヽ　　 　 ! |: : ｌ l: :/　 　 ／／
　　 Ⅵ　　弋 ＿____／　　　 ヽ　V 　 ／　　 _　ｒ'ﾞ 　 　 /: !: ://:∧　.／／
　　　ｌ|　　　　V:::ヽｒ､ヽ　　　　 V Vト ､＿＿＿＿_ ｒ'　/: : !ｲ/ //}「　∠
　　　ｌ|　　　　 ∨:::ヽl　}＼ 　 　 Vl Ⅵ＾ ー――く７　ｲ: : : /: / ｊ〃　// ヽ、
　　　弋　　　　 ヽ:::::`く　　＼　　K　弋　　　　 　 ｌ //: : : レ'i　 /　/´ >、 i＼
　　　　 ヽ　　　　 ＼::::::＼　　`く　 ＼ ＼＿＿_／//: : : :/ ｌ ￣ ／／::::::::>､　＼
　　　　　 ` 、　　　　丶､:::::ヽ、　＼　 丶､_／￣￣＼: : / 丿 ／イ::::::::／:::::::l ､　ヽ
　　　　　　　＼　　　　　 丶､:::丶、 丶､　 ヽ　　　　　 ｙ／l￣ゝ__ゝ:／::::::::／　 ｀ ､'､
　　　 , -- ､ 　 ＼　　　　　　｀ヽ､::丶､　｀''┴―― ／´／:::::::::ヽ　 ＼_;／　　　　　｀＼

4628： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/31(金) 00:05:36 ID:gsf5HtlE0

　　　 ,,, ＝＝＝＝,,
　 　〃　 ─　　─　＼
　/ 《 　 （●） 　（●） ヽ　　　　　　――光？
　|∩||　 　 （__人__）　　}}
　|∪《 　 　 ｀ ⌒´　　 ∥|
　＼　 ミ三三|￣|三彡／
　_,,, ト ＿＿　兀 ＿ イ,,＿
/　　 i　 　　 　| |　　 　 i　 i

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空の彼方に、一点の、けれど強烈な光が見えた気がした。
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4629： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/31(金) 00:13:04 ID:gsf5HtlE0

＿ 　-‐　´　 }　 　 　 　 ＜: : : : : /: : : : /: : : : l｝: .　　　　: : : : : : : : : : : : : : ∨ﾊ 　 　 　 //　 　 　 　 　 // 　 　 　 〉｝
≦三≧ー_彡'′ 　 　 　 　 ｀　 :/: : : : /: : : : : :l｝: : : : .　　　　: : : : : : : : : : : :｛ヾﾍ＞ .　//　 　 　 　 　 //　　　 　 ｛〈
￣　￣　　　　　　　　　　　　　 / ｀　: / : : : : : : ｌ｝: : : : : : : . . .　　　　 : : : : : : :＼ヾｘ: : : ＞...　　　　　 //　　　　　　Ⅵ
　　　　 ､　　　　　 　 　 　 　 ./　 　 /　｀ :＜: : :ｌト､: : : : : : : : : : : : . .　　　 : : : : : ヾlﾄ､: : : : : : ＞ . 　//　　　　　　　｝|
　　 　 __＼､ 　 　 　 　 　 　 ,'　 　 /　　　/　 ｀ l｝ |: : : : : : : : : : : : : : : : : . .　　 　 : V》ヽ: : : : : : : : ://: . 　 　 　 　 ｛〈
-====ァ≦:＼ ィ⌒ヽ　　　＿　　　　　　__　　　 ｛V｝｀　＜: : : : : : : : : : : : : : : : : . .　 ヾl:lト: ､ : : : : //: : : : ＞　　　　 ヾｘ
　 ‐ ¨´ ＞¨7{ﾆゝ-r≦ﾄﾁ{ ⌒ヽr≦-‐＜　　　　..'〉ﾘ　　　　/ト　: : : : : : : : : : : : : : : : . ｝l:|､: :｝ : : ://: : : : : : : : : : ＞ .　 }｝
　　　 ´__／====≦ﾌ∥{ﾆ≧≦/ﾄ＼ ＼､ ＞､ 　 .》廴＿ ノ´　　 ｀　＜: : : : : : : : : : : :｜l| ∨ . . //: : : : : : : : : : : : : : : : |{
　　 ／／¨¨¨´∨__},∥〉/==≦､ ＼ ヾ　ヾ　　　 く〈⌒ﾒ≠　　　　　　　 ｀ ／/: : : : : : : Ⅵ: :|: : ://: :　　 　 : : : : : : : : : : :》〉 : ＞
　 ノ／′　　　 r‐≦ノ＜‐'ﾏﾑ_}!　ヾ　 ` 　 　 　 . ｀~´　　　　　　 　 　 ｒﾁイ // ＜: : : :｝|: :|: ://: : : : : : . .　　　 : : : : : : }l｝ : : : : : : ＞
　{{〉ﾐ　　　　 __))ノ∨／ 〉 　ヾム 　 ` 　 　 　 　 　 　 　 　 　 _ ,..-ｖ‐彡'¨´//　　　 ｀　}ll∨l//: : : : : : : : : : : . .　　　　: ﾊl〉 : : : : : : : : : : ＞
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　　 ___＿ ,. ｘ_‐=≠―ラ彡 . ノ　 .ー≠´　　　　　　／　　　　　　　　　//　　　 　 　 　 //　 　 }州{　　　　　 ｀V＜: : : : : : : : : : : : : : : : . .　　 : : : :
＝‐ '' ＾~￣´　　 ｘ＜＞ ´　　　　　　　　　 　 　 ,ｲ{　　 　 　 　 　 　 //　　　 　 　 　 //　　　､ﾄXハ　 　 　 　 ヽ/ ｀　＜: : : : : : : : : : : : : : :
　　　　　 ＿ｘ＜三／　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,勹｝　 　 　 　 　 　 // 　 　 　 　 　 / ′　　　 いⅧ廴　　　　　《　　　　 ｀　＜: : : : : : : : : : : : : : :
　　 _ィフ''⌒}ﾆ≠´　　　 　 　 　 　 　 　 ＿ ∠チ'″　　　　　　 　 ' '　 　 　 　 　 , ', ′　　　　 ｀Vll{､ヾヽ、　　　ヾｘ　　　　　　 ｀　＜: : : : : : : : : :
≦　 ´　　 ノ/´　　　　　　　　　 　 　 ／＞ ´　　　　 　 　 　 　 　 {｛　　　　　　／ '　　　　　　 　 川 ｝ Ⅶﾇヽ　　　}ﾊ　　　　　　　　　 ｀　＜: : : : :

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瞬間、どこからともなく、それは起きた。

強烈な閃光が視界を覆いつくしたかと思うと、
今にも決着をつけようとしていたコーラサワーたちを呑み込むようにして、
巨大な光の柱が出現していた。

稲光をまき散らし、大気を帯電させながら、雲を引き裂いて。
地上の海にまで到達し、蒸発させて海面に大穴を穿っていた。

「コーラサワー！　おい、コーラサワー！　無事か！」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4630： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/31(金) 00:18:31 ID:gsf5HtlE0

　　　　　　　　　　　　 r‐/　　　　 　 ＼
　　　　　　　 ／⌒＼/__ . - ＜￣￣ ヽ.＼
　　　　　　　_ゝ/⌒＼￣　｀、＜⌒ 、 　） }
　　 　 　 ／　/　　 　 ヽ　　 ＼ ＼　) ＜ _ヽ
　　　　 /　 , ´　　　｝　 }　　　　　　ヽゝrー｀
　　　 ノ .,　| i　　　/　 /　 }　 ,.} ヽ　丶爻　　}
　‐=彡 /{　|人　 / 　/　 ,/i=ﾉﾉ- }　　｀爻　 /
　　　 {从｀. { =＼!　人 "/y＝ﾐ、ﾉ　　 }ｒ 、人　　　　　　　　　落ち着いてください、やる夫さん。
　　　　丶＼≧y=ﾐ（　ﾉノ 　{..ｲﾊ }　　i |.ｿ｝　 ｝
　　 　 　 乂 {.ゝ{ ,ﾊ　 　 　 ゞ- ﾟ/ ,　 }ﾘ. /　 /　　　　　　　　　閃光と轟音で意識を持ってかれたみたいですけど、
　　　　　{ 、ﾐ=_ ゞ '　　　　 　u/ノ　./ ｀´　ノ
　　　　　 ｀ ミ=‐　　'､　　　　‐=彡ノ! ﾉ ／　　　　　　　　　　　　機体は無事です。海面への落下を確認しました。
　　　 　 　 　 人　　 ⊂⊃　　　ﾉ　{　ﾉ
　　 　 　 　 　 　 ＞　　　　　／　 _.У　　　　　　　　　　　　　　　けど……
　　　 　 　 　 　 （　ｿ ｀ ,ェ__,.　- " ／＼
　　 　 　 　 　 , ‐ヽ　ﾉ/./ヽ　　 ／　　　|ー ―--､
　　 　 　 　 r (　ｿ　ﾉ/ﾚ、_∧／　 　 　 .|―‐ ､=彡＼
　　　 　 ／ 　 }=ﾐ'´/ 　/.{　/ ＼＿＿___|　　　 ＼r―}





　　　　 　 /　　 　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　/　　　　 /..､　　　ヾ　　〃　　　　　　　　　　　　　 i　
　　　　　i　　　　ノ{:;:;:;:}　　　 ｉｉ　　〃　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　新手のネクストかお！　次から次へと……
　　　　　i　　　ﾞ´ { ゞ'"　　　 ﾂ　　　／　　　　　　　　　　　　ｉ
　　　　/｀　　　　 ゝ　　　　´　　　 ／　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　今の時代、ポンポン投入していいもんでもないだろうに！
　　　　i　　　　　　　ヽ　　　　Ｕ　　／　　　　　　　　　　　/
　　　　i　　　　　　　　}　　　　　　 三　　　　　　　　　,..／
　 　 　 ＼＿＿＿_ノ　　　　　　　"＿＿＿＿　　　ｲへ

4631： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/31(金) 00:25:05 ID:gsf5HtlE0

　　　　　 　＿＿＿＿＿___/:/: : : : :_,,..､､..,,_ : : : V∧＼　　V : : ＼￣￣＼　,､丶`　 ,､丶`　　　　 ,､丶`: :
　　　　　　√　　　　　 　 /:/: : : : /ん　　 ﾊヽ::. ::.V∧: /,　/: : : : : |〕iト,､丶`　,､丶`　　　 　 ,､丶`: : : : : ::
.　　　　　 √　　　　　　 /:/: : : : ::{::ぃ　　　 ,.:}: : : ::V∧} |./: ／`〜､: :/斗r≦/　　　　 ,､丶`: : : : : : : : : : :
　　　　 　 |　　　 　 　 ./:/: : : : : : V乂＿_ノV: : : :: ::V∧/: /　　　 　/￣￣ ,　　　　.／: : : : : : :_:_:_:_:_: : : ::
　　　　 　 ∨　　　 　 /:/ : : : : : : : ＞---＜: : : : : : ::V∧ｨ　 ＿_　 /　　 ／　 　 ／: : :ji斗fｾﾁ: : : : /|: :: ::
. 　 　 　 　 ∨ 、　　/:/: : : : : : : :_,,..､､､､､､､..,,_ : : : : : V∧／_〉　_/　 ／　　　／,､丶`: : : : : : : : : .,.: :|: :／
　　　　 　 　 V. ＼./:/: : : : :､丶`＞''"~~~ﾟ"'＜`〜､: : : V∧:､丶`/ ／　　 　 /: : : : : : : : : : : : : :_‐: : /´//
　　　　　　　　`､ ./:/: : : _ ‐_ ‐: : : : : : : : : : :: :: ::‐ _‐_:: ::V∧___.,／　　　　／|: : : : : : : : : : : :_ ‐: : : /__//
　　　 　 　 　 　 /:/: : :_-:_- : : : ＞''"~~~~ﾟ"'＜:: :: ::/,:/,::..V∧|　|　　　 ／　｜: : : : : : : : ::／: : :: ::/＼./ |
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　　 　 　 　 　 {: { : : :|: :|: : : :.,.i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i., : : |::|: : :}::.}::|＿＿　　　八 : : ／: : :,､丶` ,　　 　 ,
　　　　　　　　 V/,:: ::|: :|: : :: ::ぃi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:7::. ::.|::|: ::/:/＿_　　 `〜､ __ ゝ---＜ ,､丶`　　　 /
　　　　　　　　　V/, : V:/,: : : ::Vi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉV: : ::/:/: /:/_　　 ﾆ=‐　／/: ＼ 　 r＜ニ/ﾆ=‐ミ／
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　　　　 　 ／: : : : V/,: : ＼＼: : : : : ￣￣￣: : : ::／／::./:/、　　.／: : : ://: : : : : : : ＼／ 二|ﾆ|ﾆ|
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　　　　i／　　　＼/::V/,: : : : ::＞----------＜: : :: :/:/ /,／: : : :／　　/,: : : :/, : : : : ∧|ﾆ二/|
　　 ／|＼ 　 ／　|:: ::V/,.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/:/ ／ﾆﾆﾆﾆ7　　 　 /,: : : ::/,: : : : :∧_／
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潜伏していたのか、超高速で接近してきていたのか。
白い装甲をベースに、金色のサブカラーを走らせたネクストが、頭上にいた。

鎧の板金を思わせる流麗な装甲とフォルムは、格式高い陶磁器のようにも、
中世に語られるような西洋甲冑にも見える。
先ほどの巨大レーザーを放ったであろう砲口はこちらへ向けられたままだ。
背部には二対の物理ブレードがマウントされている。

手負いの機体で構えつつ、引っかかるものを覚えた。

ぽっと出のネクストにしては、どうにも象徴性の強いデザインだ。
それこそ、オルデンブルクやイオニアが好みそうな。
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4632： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/31(金) 00:37:15 ID:gsf5HtlE0

.　　　　　＼ﾄ　{ |:i:i:i:ﾉ 　 　 　　　 　}:. :. :. :. :|　 ＼:i:i:i:i: : : |i: :. |
.　　　　　　　 　 |:i:i:i:ヽ　 　 　 　 　 ﾊ:. :. :. :.j|　 　 ﾄ:i:i:i:i:. :从 : |　　　　　　――警告します。速やかに戦闘行為を中止しなさい。
.　　　　　　　 　 |:i:i:i:i:ｉ:ぅ:.､　__　　　　}:. :. :.:从　 ／／＼:. :. :.＼
.　　　　　　　 　 |:i:i:i:i:i:i:i:i:込　'　 　 .ｲ:. :. :/､ ／／';';';';'; ＞―‐ ＼
.　　　　　 　 　 人:i:i:i:i:i＼:i:i:i:≧ -:/:.|: :. /__/ ,;';';';';';';'／';';';';';';';';';'; ＼
　 　 　 　 　 　 　 ＼:ｉ:|　 ＼:人／;';';|:. / ∨./';';';';'／';';';';';';';';';';';';';';';';'＼

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さっきまで殺し合いを繰り広げていた手負いのネクスト二機に新手。

あまり良い状況とは言えない。
漁夫の利を狙って駆け付けた他企業のネクストか。

勘ぐっていると、スピーカーモードでネクストの主が声を上げた。
それも戦場にはおよそ不釣り合いな少女の声で。
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4633： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/31(金) 00:40:54 ID:gsf5HtlE0


　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.－' ￣￣ ' ｰ ､
　　　　　　　　　　 　 　 　 ,　'´ 丶. -――-　._　丶.
　　　 　 　 　 　 　 　 　 , '　,. :'´.: : : : : : :. :. :. :.ヽ, - .、
　　　　　　　　　　　 　 / ／.: : : : : : : : : : : : : :. :. :.＼ ﾍ
　　　 　 　 　 　 　 　 /､/.: : : : :._ :-: .:‐:. :-: _: : : : : :.ヽﾊ
　　　　　　　　　　 　 i　 l: : :_;.=＝､､:_:_:_:_:,:＝='-､: : : /　!　　　　　　　　　　……！？
　　　　 　 　 　 　 　 l 　 l: [i　　 ＼_.､,　､__／　ヽl}: : l 　 !
　　　 　 　 　 　 　 　 ト､ l; i}´　（●）　　 （●）　{j: :/ ／!　　　　　　　　　　　この声は……
　　 　 　 　 　 　 _, - i'´lヽl: [ｌ、 u. （__人__）　　/j: //＿｣_＿＿__
　　 　 　 　 ,. :':´: : ￣ﾌｰｽﾍ:ヽ>､ 　 ｀⌒´　 ,ｨノ:.//´＼: : : : : : : ¨ヽ
　　　　　　/-――-イ＿/: :i＼:ヽﾍ_,.ゝｰく∠／:./:.ﾍ.＿_｣-‐ '´￣¨ヽ:l、
　　　 　 ／ 　　　/个 　 ￣l 　＼: : : :＿_: : : ／ lー┘ 个＼ 　 　 　 ＼､
　 　 　 厶=x､.　 i　 |　 　　弋　　ヽ======イ　 /　　　｜　 i　 　 z=＝ ﾇ
　　　 ／　 　 ヾx|　 l　 　 　　丶、 |: : :|} 　 /_ノ　 　 　 l 　 /　／´　 　 　＼
　 .／＝=z､　　　l　 |　　　　　　三t!:_:_ｌ三ﾁ´　 　　　　l　 /! /　 　,r '二二¨」、





　!.: : : :. :. :., ‐'´ヽ､.__..＞---┴---‐┴-＜..._｀ヽ: : : : :.i: : : : :/
　ヽ.: : : :.,.ﾍ　　_,.‐'　　　　　　　　　　　,,.-'"｀　｀､ヽ; ヽ_!＿_:/ ＿
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　　　　 :` ｰ-{ { へ＿__, 　　　"　ﾞ.ﾞ､;;;;::',ﾉ　　: 　{　│|.: : : :.||
　 　 　 :　　　 `r　i ﾞ:;;;;;,:〉　　　　　　　　 　　:　 .!_　|│: : : :||　　　　　　　なのはさん！？
　　　　 :　　 　 .|　}ﾞｰ-''"　　　　　 　 ヽ　u. :　　｢´│|.: : : :.||
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だが、その声はいやに耳に馴染んでいた。
冷淡な声色から感じられる年齢こそ妙に幼いものの、それは確かに、
二年前に自分を拾い上げ、鍛え上げ、共に第一次ネクスト戦役を生き残った、
自分の元オペレーターそのものだった。

「なのは？　高町なのは、のことですか？」

「ああ、そうだお。あの声はなのはさんだお。やる夫の元オペレーターで……
いや、でも」

そうだ。なのはがネクストに乗るなど、有り得ない。
彼女の身体はネクストが齎すコジマの負荷に耐えられない。
ゆえに、彼女は二年前、自分にマーシフルを託したのだ。
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4634： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/31(金) 00:48:45 ID:gsf5HtlE0

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:::::::|::::::|:::::/ィｚｚｚｚｚミ /::::::,ｲ:/:::::::|::::::::::::::|　　　　　　……？　何を言っているのか、分かりかねます。
::::从:::::|::::::《 ん::ｆj7　/::::／:ｊｲ:::::::::|:∧:::::: |
:::::::::ﾍ::|::::{　弋;;;ソ／イ　{::::::|::::::/ｊｲ　∨:ﾘ　　　　　　 ロストワードのリンクス、妄言は結構。ラームジェルグ共々、今すぐ撤退しなさい。
::::::::|:::::ヾ:|　　　　　　　　 〉::::!:::/|::/　　∨
::::::::{:::::::|ヾ　　　　　　　, '::::::/ｲ. |/　　　　　　　　　　　企業連は無益なリンクスの喪失を望んでいません。
:､::::::':,::::ﾄ ､　 　 -‐ _／|::::::/!::|
　＼::个ヾ　＞.､ィ/ 　) }:::/. ﾚ'　　　　　　　　　　　　　　いいですか、これは企業連の意思です。
ﾄ､__ ヽ!＼',/｀ 〈 〈 .イヽ＜_
//∧i:i:i:i匚〕 　/匕 | 　}:/::｀Y____
///∧i:i:i:i∧.}/く{:::::乂γ｀ヽ::∨O＼
/////＼∥::::}//〉､:::::∧.ｲヽ:∧　 　〉
/////// ＼:::}//　＼:::;; 乂ﾉ ∧ 　/

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
だが、返ってきた言葉はあまりにも無機質で、あまりにも自分が知る
なのはとはかけ離れていた。

なのはがこんな、企業連の手先然とした言葉を発するだろうか？
そんなことはしないはずだ。なのはが再び企業連に属するなど。

自分に黙って行方をくらまし、企業連に身柄を委ねるなど。

「なんだなんだ、でしゃばるもんじゃないぜ、お嬢さん！
どこぞの誰のお使いなのかは知らねえが引っ込んでなァ！」

ラームジェルグのリンクスが声を荒げ、いきり立ちコジマ粒子をばら撒き始める。
が、すかさず頭部を謎のネクストに撃ち抜かれ、姿勢を崩した。
黒煙を上げ、そのまま真っ逆さまに墜落していく。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4635： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/31(金) 00:55:29 ID:gsf5HtlE0


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾍ
　　 ＼ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ
　　 　 ＼ 　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ×
　　　,　- ＼　　　　　　　　　　　　　　　／´ ‘,
　 〃　 γ　｀ ＜ 　　　　　　　　　　> ´', 　　| i
　 {i 　　{ 　●　} ヽｪｰ ,.}　　 　 .}=ッ{● }　　 i |　　　　　　なのはさんとしか思えない……けど、なのはさんじゃない。
　 ﾍ 　　!､.＿.ノ､ ﾉ　　 　 　 　 　 ﾄ !､_ソ__,／ .i
　　　゛'''──ー /　　　　　 　 　 i　｀ヽ　　　　 i　　　　　　　おまえは、おまえは誰だ！　なぜなのはさんと同じ声なんだ！
　　　　　　　　／　　　　　　　　　i 　　ヽ 　 　 ハ
　　　　　　　 { 　 　 　 　 　 　 　 }.　　　}　　 /　　　　　　　　なのはさんに何をしたっ！？
　　　u.　　　　!､　　　　　　　＿.入.__／ 　／
　　　　　 　 ／　￣￣￣ ∨/////ｲ 　.／
　　　　　　/　　 　 　 　 　 }////ッ　 /
　　　　　　{ ヽ　　　　　 　 .}///／ ／
　　　　　　＼ ヽ､_＿二ﾆ　ー´_. イ





` 〜 ､…‐-
.　　　 　 ` 〜 ､　〕iト　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 __ ＿＿＿＿＿____
、:‐' 　 　 　 　 〕iト ニ｡o≧s､　 __ _.........;;;;;.__　_　,.ィi〔≧=-‐　''　"　~´´´.;...｀ﾞﾞ '''''
　 ._,,,.. i..-　.._ ｡o≦ニニィi{ ＜: : : : )L　_..jL: : : : )〕iトﾆﾆ〕iト..‐‐-....l￢''''' .－―．
‘,ﾞv=.--==〜〜' "~ィi{⌒ｱへ＜≧≦}人:..j{≧=ァ'/寸⌒iト　 ⌒〕iト.'－
'"゛ . _..-...ﾞ´. ‐.ィi{⌒´_ア⌒ヽ ＼}〕iトivU:..viィi〔 ｲ{　 ﾟ寸(　⌒}iト 　 ⌒｀.;;;;｀...-､
.,./ ´;;;;;;:;: ィi{⌒´　_ア⌒　　　７ y'{⌒(___ )⌒}彡{(.__　 ﾟ寸(_　　⌒}iト.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;’
;;;;,,. シ.´⌒r‐ｧ　_ア⌒　 -‐…{ﾐ( ﾉ＼_〉〈 _／＼ﾉﾆﾆ}iト　ﾟ寸L __　 _,.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:
ヾ,i".;;;;;;;;;;.r‐ｧ＼-‐===ｧﾆﾆﾆﾆｱ゛ .ィi{〉_〈.〕iト ‐ `'＜ﾆﾆ(ﾆ(ニr‐==〔;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:
..---―;;;;.ξｱｧ )ニ7ｲﾆ=-‐イ ７{ {ﾆ＼i.j..／ﾆ }ﾊ≧=‐　⌒冖〈{≧=‐r′.iｨ==ﾆ∴
,,,_._./ ´- ､.,`冖⌒゛´　ィi{⌒r‐j{_j:ﾉ⌒}==..{⌒j{ﾆ}ト､　　 〕iト　 ゝ- '゛.／ .;;;;;;;;;;;;;;;
　　 .''-､.;;;ﾞ'-ﾐヽ........⌒ ｀ 　 {_ﾉヽ}{　　 冖.;;;;;; Ⅵ{レ{;.ヽ ヽ .;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,ン'ﾞ
　　　　　｀''ｰ､.,,ﾞﾞ''―-'''";;;./ ﾉy'ノ..|;:;!　 |;;;;;;;;; ..＼〉 ＼　 .｀ｰ. ､;;;;;;_,､.. -ｰ'"
　　　　　　　　　 ´ﾞ'''-- ./.ノ(／.ｌ　.|;;|　 l;;;;;;;;;;;. ﾞ,　.ヽ>‐)ﾄ､ .,　 ゝ 、
.．　''=ｯr ...　　　　　　./_j{__j{).,ﾆﾄ　ﾚﾞ　 l;;;;;;;;;;;;;; .ｌ　..ｌ.ヽ{i{_r〉.｀''､.　｀''-､''''';;";'";″
　...;;;´ﾞ'″;;;;;~''ｰ.． .／ .)7 )７,ﾞ;;'lﾞ　"　 /.i_---ー.ﾞ　　ｌ.ⅥⅣ,.‐ｰ_＼　　 .l:;:;;._,;．‐
.´ 　.-　..,,..,;:;;.,.. --ﾞ 　. '′7.;;;;;;;.!　　 ./ ﾆ........ --.|　 . ! 'Ⅴ Ⅴ.´.;;;;; !　　.ｌﾞ‐''
.｀~_｀ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ ／ 　　　　,i";.,,,,,,,,,,　/ 　　.．;;;;;;;;;;;;;;;;;;; |　　 |,;;;___,,,.. ―'　!　　 .ｌ
_.　 　´゛/　　　　　　ｌ..~"..丶.../　　　 .ヽ....;;;;;_,,,,..　!　　 .|　 ＿,,,,,....．.!　.、 .＼丶
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;;;;;;;;;;. / 　...l　/ |　 l．;;;;;;;;;;;/　　 　　　　 ヽ;;;;;;;;;;;; |　　　l ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;..ｌ　 . ｌ＼
;;;;;;;;./ 　.,/.　ｌ.;; |　.lﾞ;;;;;;;;;;;;;|,　　　.|　　　　 .ヽ;;;;;;;;; .ｌ,　　 .ｌ　;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; !　　.l ;..ヽ
　／ . ,,/;; lﾞ./;;:.lﾞ　!;:;;;;;;;;;;;; !　 　./ 　　.i,　　 ヽ ;;;;;　ヽ　　 ﾞ'v ;;;;;;;;;;;;;;;;.l 　　.! ;;;;;ﾞ′
´　 ／ ;;,i'ﾞ,i";;: ｌ　/;:;;;;;;;;;;;./　 ノ/.,､　　「L　　.ﾞ'i;;;;;;;;;;. ヽ　　 .ｌ .;;;;;;;;;;;; !　.|l　 ! ;;;;;
..／.;;;;./ .lﾞ.;;;;;./ ,i";;;;;;;;;　/　 i". !/..｝　 .!;;;＼,　,!;;;;;;;;;;;;; .,!　　　ｌ ;;;;;;;;; !　,/;.!　 ｌ ;;;
";;;;;;. !　 !;;;;./ ./ ;;;;;;;;;.,r'″　:!;;;,｢|　l　 lﾞ;;;;;;;　! l ;;;;;;;;;;;;　l　　　 .ｌ ;:;;;;;lﾞ ./.;;;: !　 |,;:;
;;　,./ 　││,/.;;;;;;;;;　!　　　 lﾉ゛　!,;.!　!;;;;;;;;　l | ;;;;;;;;;;;;　!　　　 .ヽ ;;;.ｌ　.!;;;;; !　　ｌ
../ 　 .／;; ｌ .! ;;;;;;;;;;　/　　.／ヽ　 |彳 !;;;;;;;;　!.l ;;;;;;;;;;;;;;: !　　　 　 ﾞ'､;:.ｌ　!;:;│ 　 .!
　 ,／;;;;;;丿 ,!;;;;;;;;;;　/　 ./ ;;;;;; !　 |;.! .|;:;;;;;;　! ! ;;;;;;;;;;;;;; .ヽ　　　〔'､ .ｌ l　ﾞl;;;;.ｌ,　　 ′
-",,,,,,,／、./.;;;;;;;;　,/　 ./ ;;;;;;;│　,!│| ;;;;;;; .| | .;;;;;;;;;;;;;;;　ｌ　　　 ! ヽ.Ｔ　 !;;;;;..ｌ
../ 　/ ゛,!./.;;;;;;;　./ 　　.l ;:;;;;;; |　 .!;;:.! `j;;;;;;. l,.! .;;;;;;;;;;;;;;;;; .ｌ　　　｝:;..ｌ,　 .l.;;;;;;;...ｌ
" ./ ;;;;; ! ｌ ;;;;;;　./ 　、　 ! ;;;;;;;｝　 !;;　ｌ　| ;;;;;;..ｌ¨ﾞ| ;;;;;;;;;;;;;; .｝　　 .,!;;;;.′ !;:;;;;;;;; .!
./ .;;;;;;.// ;;;;;;　/ 　 ,!.!　　ｌ;:;;;;;|　 .!;;;;　ｌ │;;;;;;; !　ｌ .;;;;;;;;;　!　　　lﾞ ;; !　　ｌ,;;;;;;;;;; ｌ
゛;;;;;; / /.;;;;;　/ 　　.!.;.|　　 ｌ;;;;;!　 ! ;;;;　l　.! ;;;;;;;..ｌ .＼ ;;;;; lﾞ　　 │.;; !　il, . ｌ .;;;;;;; ｌ
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「答えろよっ！」

喉を震わせて怒号を飛ばし、両手から迸る紫電を四方八方に放出する。
周囲一帯に存在するものを呑み込まんと広がり、敵機へと迫る。

白いネクストは自分の逆上すらも見切っていたかのように、
至極冷静に、電撃が直撃する寸前でブーストして機体を逸らしてみせた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4636： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/31(金) 01:02:40 ID:gsf5HtlE0

　　　　　　　　／￣￣￣ ＼
　　　　　　　ﾉし ﾞ＼, .,､,／"u＼
　　　　　／ ⌒ （◎）ヾ'（◎）u　＼　　　　　これならどうだ……！
　　　 　 | u 　⌒ﾞ（__人__）"⌒ u　|
　　 　 　 ＼　u 　 `ヾ,┬､/`　,／　　　　　　アサルトアーマーに指向性を持たせたアサルトキャノンだ！
.　　 　 　 /⌒/＾ヽ､ ）__（ ,ィヽ、
　　　 　 /　 ,ゞ　,ノ　ﾞ⌒"　, 　ゝ､　　　　　　 避ける間もなく消滅しろ！
　　　　　l ／　 /　　　　　　ト/.＼＼





　　　　 マニニニニﾆ|　Yニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニﾆﾆ/　　　 fニム｀ヽ＞''
　　　　 　 ｀ ''＜ﾆﾆ／　 |ニニニﾆﾆ∧Ⅳ{ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ/Ⅳ}ニニニニ=-./　 　 　 |ニ＞''　 }
　　　　　　 　 　 ／　　 /ニニニﾆ=-.∧ヽ＼ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニソ./'' ﾉニニニﾆ=-/ 　 　 　 :|''´　　∧∨
　　　　　r―　''　　　　/｀ ''＜ニニニﾆム ､:::＼ニニニニニニニニニニニニニニニニニニ／::／/ニニニニf..::'　　　　　　}　　 　 ∧∨,,〜
　 ,,　 ''ﾞ´　　　　　　 ./　　　　 ｀` '' ＜ﾆ入 ＼:::｀:.マニニニニニニニニニニニニニニﾆア::::／ .ｨニニニ＞'':|　　　　　　／　　　 ,,〜
´　　　　　　　 　 　 /　　　　　　　　　　｀ `''　ー ､:::::｀`<:::::::::｀ヽニニニニγ::::::::::::>''ﾞ´:::::::::/イ=-　 ''ﾞ~´　　 /　　　　　　{,,〜''ﾞ~´,,〜''⌒ ∨
　　　　　　　 　 　 /　　　　　　　　　　　＜￢ -=ミ ::::::::::::::fニ｀ヽ∨¨∧¨∨／ニY:::::::::::::::イ =-≠￢＞　　 /　　　　　　 r''ﾞ~´　　　　　　∧
　　　　　　 　 　 :/　　　　　　　　　　　　　 ＞s｡zx_｀`＞s｡',:::::::ヽ<＼{::}／>:::::::::｡s＜::＜''ﾞ´ _z｡s＜´-''ﾞ~´　　　　　　　　{　　　　　　　　/ ∧
　　　　　　　 　 /　　　　　　　　　　　-=ﾆ_アi〔 ／／ /¨|::::/ーミアへ:::::..へγ⌒ヽ-x ＜-''ﾞ´ ,, 〜''ﾞ~´.:/
　　　　　／:./ /　　　　　　 　 -=ﾆ::　_ァ''i〔´／／ /:/　 i::;'　　　　r､{:::::}.ﾍ /,, 〜''ﾞ´　＜''ﾞ~´::＼寸｀::. /　　　　　　　　　,
　　　 ／　:/,:　　　　　 　 ￢¨￣ _ァ''i〔´ .／／　./:/ 　 :|/　 〜''ﾞ~´　,,　〜''ﾞ~´　 ﾔ⌒｀∨{i ＼: ＼寸'
　／¨　 　 ,　　　　　　　　 　 _ア''i〔´ . ／／..　.:/:/,,　〜''ﾞ´　,,　〜''´∨{:::} }ﾊ　　　　　　 ∨{i　＼／
, '　　 　://　　　　　　　 　 ￢¨´ 　 ／／　〜''ﾞ~´,,　〜''ﾞ~´ f i:::|ii:::: /||ヽ::::ii|:::ヽ　 　 　 　 .∨{i /
　　　　, :f　　　　　　　　　　,,　 〜''ﾞ~´　,,　〜''ﾞ~´　　　 　 　{i:::: O / :}{: ﾊ O:::::i}　　　　 　 { i∨　　　　　　　　　　　　 |
　　　　| {　　　　.,,　〜''ﾞ~　,,　〜''ﾞ~´　　　　/:/　　　　 　 　 {:::::::ィ∧::::::∧ﾏ:::::::}　　　　　　' ,/　　　　 　 　 　 　 　 　 |
　　　　 ,, ―ミ／r- ''ﾞ~´　 　 　 　 　 　 　 /:/　　　　　　　 /::／}/　 }::::{ ∧{＼::∨/　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　 入
〜''ﾞ~´.〜''⌒ー '　　　　　　　　　 　 　 　 ''´　　　　 　 　 /::ｲ　　 　 }::::{　　　 ﾊ::∨/〜''ﾞ´　　　　　　　　　　　　　　　　 Y
　　　　 {　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-=＞i〔:::{zｧ　　　∧::∧　　 .z}:／ ,,イ´｀:.,　　　　　　　　　　　　　　　　ト｀`
　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-=＞ア´ /:/　　　　 　 i::i 　 　 ／r''´　＼＼　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　ヽ｀`
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　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 _/　　〉　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　{
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　{　　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨

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神経が逆立ち、全身の血液が沸騰する。

直感が告げている。こいつは何か、良くないものだ。
それも、突如行方不明となったなのはに強く関係する。

ジェネレーターが唸りを上げ、機体が駆動音という名の咆哮を轟かす。
両腕部を天に掲げると、身に纏っていたプライマルアーマーを収束させていく。
大気が震え、帯電し、視界を明滅させる。

まともに受ければ大型ビル群だろうと跡形もなく消え去る代物だ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4637： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/31(金) 01:11:15 ID:gsf5HtlE0

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　　　　　 　 　 ‐　_ =‐ _　　　　　_／==〕iト..,∨,　V〈 ¨¨.／　 ,
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　　　　　　　　　　　 　 ‐ _　=‐ _| .|ﾆ/ ‐ _　　　／V＞ﾐ　 ,
　　　　　　　　　　 　 　 　 ‐ _＿〕iト=＼ 　‐ _./== (: :V＼i
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼＼=＼,､丶`乂)K ｬし'_
　　　　　　　　　　　　　　　jI斗ｬ==一ﾐ /／: /　√＼V/＼〉
　　　　　　　　　　 _.､-''"ji斗fｾﾁ冖宀〈/:: ::/　 √〉〉＜_}/,
　　　　　　　 　 ＞==/宀￢^⌒V 〈ﾆ] _7(^ ／=ア//⌒ヽ/
　　　 　 ji斗fｾﾁ癶こﾊ__ji斗fｾﾁ⌒／／ 〕iト,／冖≧=‐く　r＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／ 　 　 　 ／　'
　　　 　 ￣￣ /=‐⌒ヽ_〉　 　 　 .〈／{___　　): : ::/　　　 ‐_ V:√ヽ　　　 　 　 　 　 　 　 '’　　　　　／(／　 　 ／(／
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　 　 : :. , ィ//:. :. :. :. :.!::. :. :.:.:ﾄ､ :. :/ ,ｲ､　　　 |:. /:. :. :. :. :. :.}:. :. :. /三ﾆ(C:::)イ::::三三＼
　　/;ｲ　　{/:. :. :./:. :. :!:. :. :. :.|　Ⅵ　《らﾊ　 　 !ｲ:. :i:. :. :. :. :,':. :. :./ﾆ三ﾆ｀¨´::／／三三三
　 〃　 　 /:. :. :/:. :. :. {:. :. :. ∧　ヾ　乂ｚﾘ　　/ |:. :.!:. :. :. : /{:. :. :|三三三,{::://三三三三
　　　　　 .':. :. :/:. :. :. : i:. ﾄ､:. :.ﾍ｀ヽ　　　 　 　 八:. ﾄ､:. :. :ｲ. ∨　!三三ﾆ,'::://三ﾆイ三三三
　　 　 　 i:. :. /{:. :. :. :. ∨＼:. :. ﾍ ﾉ 　 　 　 　 　 ヾ　＼:. :|//＼i{三三/:::://ﾆﾆ/三三三三
　　 　 　 !:. :ｲ　',:. :. :. : ﾍ　/｀`:‐-ゝ　　　　　　　　　　　ヾ//::::::::{',ﾆﾆ/:::://三ﾆ{三三三三
　　　 　 八:. !　　',:. :. :Ⅳ:..ｲ:. :. :. ,'ﾘ　＼　 　-‐　　　 /ｰ//::::::::::|{マ/:::://三ﾆノ三三三三
　　　 　 　 ヾ　 　 '.,:. :.{ ヾ:.|:. :. :/三三7≧ｓ。　_ ＿,ｲﾆﾆゝ/￣7}三{::://ィ《三三三三三三
　　　　　　 　 　 　 .＼ﾍ 　 ',:. :/三三/ﾆﾆ∧:::∨三三三三ゝｰ'ｲ三乂 《彡三三三三三三

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荒れ狂うコジマの奔流を掲げたまま振りかぶり、敵機目掛けて放り投げる。
通常の弾丸にも劣らぬ弾速で、白いネクストを呑み込もうと飛翔する。

そして、その閃光の最中に。

「あなたがどうして取り乱しているのかは分かりませんが。
今は大人しく撃墜されておいた方が身の為ですよ」

酷く冷え切った声が聞こえた気がした。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4638： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/31(金) 01:15:20 ID:gsf5HtlE0


　　　　　　　／／　／ 　 /　　　　 :|　 .:|.: 　 | 　 !　∨/／/ 〉.:.:ヽ V
　　 　ゝ__／イ　.／ 　 .::/　 　 　 .:.:|　 .:|.:: 　 , 　 ヽ　∨/⌒.:.:.:.:.:.:〈
　　　　　／　 , ' 　 　 .:/　 / 　 .:.:.:.:! 　 |.: 　　', 　 　 ,　',弌Yヽ.:.:.:　ヽ
　 　 　 / 　 .:i　 /　 .:/　 /　　.:.:.:.,　　　|.: 　　 ﾊ: : 　 ',　 , {乂}.:.:.:. 　 }
.　　 　/ / : : | : :!　 .:ｌ　 /　　.:.:.:./　 /: :|.:　　 　 i: : 　 l　 i { Y }.:.:.:　/
. 　 　 ﾚ' i : : :! .::|＝=ﾄ :ｉ　　.:.:.:./ i: /|: :ﾊ: : 　 !　!.:.: 　 l　 l {人}.:.:.: /
.　　　 　 | : :ﾊ .:,j ｨ=ミV!　 .:｀7＝|/=|ノ-ｉ.:.:.:./.: ,.::　 　 !　:| YX}.: ,ｲ
　　　 　八 .:i ∨:|　ん}八　 |/ 　ｰｧ＜　ﾉ , ｲ.: /i.::　 　 l　 !人ﾉ.:.:. |
.　 　 　 　 ヽ/　 ｉ 弌ｿ　 ヽ:j　　 んハ ヽ　 ﾑｲ :|: : ,.　/!∨iｲ.:.:.:.　:!
　　　 　 　 /　i .:|｀￣　 　 　 　 弋_ソ , 　 　 ﾊｲ／ﾑｲ i‐ｧﾉ.:.:.: ／
.　　　　 　 ﾚｉ :| .:! 　 く　　 　 　 ￣￣ 　 　 /　　.:.:.:/i/,／.:.:.:.:.i
.　　　　　 　 ヽ!八　　､＿　　　　　　　　 ／ 　 .:.:.: '=イ　　＼ノ
　　　　　　　　　　ヽ 　ヽー ｀ヽ　　 　 イ 　 / .:／/　 i　　　ｉ ﾄ､
　　　　　　　　 　 / ＼　ゝ ＿ﾉ　　　ｰ=彡ｲ／　/ 　 , 　 　 | | ｉ＼
　　　　　　　　　 i　〃 ＼ ー　　　　　 ／　　 ／　　/　　　 | | ｌ　 ＼
　　　　　　　　　 |　i 　 .:.:.ヽ ＿　　.イ　 　 ／　 　./　　　　:| |┴‐､　＼
　　　　　　　　　 |　ヽ _.:.:.:.:.:.ノ　 i 　_ヽ. ／　　　 /　　　　　| |(⌒)}＼
　　　　　　　　ゝ＝ｲ::::::::.７'´　　 | //∧　 　 　 /　 　 　 　 | | ｀´
　　　　　　　　　 ｉ /｀¨７´　　　　ｉ/ｉ//∧　　　/　　　 　 　 :| |

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テレサの悲鳴が頭の中で反響する。

視界が閉ざされ、ただひたすらにロストワードの装甲が切り刻まれ、
どこかしらのブースターか何かが破壊され炸裂する音が聞こえる。

最早指一本動かすことすら叶わない。

薄れゆく意識と途絶えゆく感覚の中、ぼんやりと、過去の光景を再生する。
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4639： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/31(金) 01:17:41 ID:gsf5HtlE0

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| :,'|: : l : :.| ::_..-‐!:l''::￣/｀ ト　l|:: : : :/ /:/ 　 | : : ,!: :.!: : :./ : : : : : : : :l: : :l: : : : : :∧ |
|::l |: : :! : :l:´ :| l :l !: :::/　　!|　!ｌ : : :/:/:７￣｀ト: ./| : l: : :/: : : : : : :|: :.! : : ﾄ､: : : : :∧|
| ! |: : :| : ::!:::::! .|:! |: :,′　 | / ,! : :////　　 .,! :/｀ﾄ:,'|: :/!: : : :/ : : ｌ: :|: : :∧:＼: : : ∧
!l　l: : :| : : !: ||.　| .|/ －-.、　/:;／//'　　　/'l/　 l:/.!ヽ:,!: : :/ : : :/.: :l: : : :∧: :.＼: :.∧
l'　.l: : :|: : :| :||. _=土三ﾆ:::.、/ ' ／ 　 , ‐-/　 　 /' .|//: : :/ : : :/!: : ﾊ: : : :.∧: : : ヽ: :ﾊ
　　|: : |､: ::ﾄ:!、´　￣￣｀丶　　　　 　 ´ﾆ≡::.､./　 /./ : /: : : :/ .l: ::!: :∨ : :.ﾊ: : : : :|ヾ:}　　　　――ねえ、やる夫君。
　　 ﾞ! :| ﾞ､ :l.|＼　　　　　　　　　　　　 ￣｀ﾞ丶ﾐヽ、 /: :/: : : ::/　 !:/! : : ∨: : :!: : : : !　}'
　　　lﾞ:| : :ﾞ､l|　｀｀｀　　　　　　　　　　　　　　　　｀`/,.ｲ : : : :/　 //:|: : : : ∨: :|: : : : |　　　　　　もしもネクストから降りられたら、どうしたい？
　　　| : : : : :|、　　　　　　　 　 ,:　　　　　　　｀｀ ／ /／: :, ':!　//: |!: : : : :.∨:|: : : : |
　　　.!: : : : :.| ヽ　　　　　　 _　　　　　　　　　　　, ／/: ／:/ ./ .|: :l|: : : : : : }/: : : : .!
　　　.|: : : : ∧　 ＼　 　 　 ヽ｀＞　 　 　 　 　 , '￣/／: :./ ./　.|: :l|: : : : : :/': : : : : |
　　　.∨: !: :从　　 l＼　　　　　　　　 　 　 _／　／!: : : :/　　　 |: :!|: : : : : : : : : : : :.!
　　　　∨:ﾄ､{　 　 _|　 ＼　　　　　　_.. ‐ '"　　　 /: : : :/　　　　.|: |.|: : : : : : : : : : : :.!
　　　　　ヾ ｀＼ .∧　 　 丶... -‐ "´ .|_ 　 　　.／イ;ｲ/　　 　 　 !: ! !: : : : : : : : : : : :|
　　　　　　　　　/　ﾞ、　　　　　　　 ,/ .|　　　　　 /'　'　　　　　　|: | |: : : : : : : : : : : :.!
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╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
なのはさん。
なぜ、いなくなってしまったのか。
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4640： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/31(金) 01:18:10 ID:gsf5HtlE0
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4641： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/31(金) 01:24:39 ID:gsf5HtlE0
〜Tips〜
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　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .　＜:. :. :. :. :. :. ｀ヽ
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　 　 　 　 　 　 　 |:' i:./:. :. ',. : !斗云ヾ、 　 ゞｰ' ﾙ':. :. :. : 从ﾙ＿⊆＜7 　}:＼　　　　 　 　 ＼:. :. :. ＞ｓ。:::::::::::::::::::＞
　 　 　 　 　 　 　 '　Ⅵｉ:. : .从:圦ヾｖﾘ 　 　 　 　 '}:. /从ﾘ厂::::::::::::::::::/　 ﾉ::::::::::.　　　　　　 　 ＼:. :. :. :. :＼::::::::::::::::::::::::＞ 、
　　　　　　　　　　 　 '仆!', Ⅳ. : ハ 　 ′　_　 　ﾉ}:./仆 /::::::::::::::::::::::〈　〈::::::::::::::::',　　 　＿＿≠=＼:. :. :. :. ∨::::::::::::::＜ ／》　. ‐===≠ゝ孑‐‐‐‐ 、
　　　　　　　　　　　 　 |'　ヾ ', ﾉ:./介 、_´_ 　／ {:/ﾘ斥仆::::::::::::::::::::::::',　'.,::::::::::::::::圦≠:::::::::::::::::::::::::::ヽ:. :. :. |!:::::::::::::::::::〉〉:√二二ニニ斗 ＜￣｀´
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　　　　 　 　 　 　 　 ｆ＜::::::::::::::ｘ〈 ＞>::{ﾐ彡ミｿ ≠彡/:::::::::::::::::厂　`ー'ー‐‐ ´　　　　　　　　　　　　　　 　 ￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　 Fｰ‐- 、 ∨斥爪::::V　／:::〃〉斗孑ﾂ::::::::/
　　　　　　　　　　　 {:::::::::::::∧ /:::::',　V●《{へ∥/斥 ＜::::::::/}
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. 　 　 /:::{{　!　Ⅴ:::::::::弋::::::::ノ｀´i:::::::Ⅳ:::::::::::::∧＿二二彡´
　　　 {::::::{{　',　/::::::::::::乂厂 　〔＼:::::| |::::::::::::::::::斗匕〕

【Name】
シュテル・D・ハイランド
【Status】
AMS適性：A+
AMS接続を用いたネクストとの一体化、その精度。

戦闘技術：B＋
新兵にも拘らず冷静で的確な戦闘行動をとる。
登録されて以降、彼女の戦歴に黒星が刻まれることはなかったという。

【Note】
人種不明、肉体年齢十四歳、O型。
イオニア・アライアンス所属のリンクス。暫定ランクは3。栗色の髪の物静かな少女。

戦役終結後、IGIOグループとアヴィアコルグループは急激な事業縮小を余儀なくされ、
旧IGIOを当主とした合併企業イオニア・アライアンスとして再登録。
広がるユニオンとの利益差と戦力差に苦汁を嘗めさせられていたところへ、新戦力として登場した。

名前のDはドミナントの意。




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　/　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　,､　　　　　　　 ＿　　　／}　　　　　　　　,ィ/.　 /　　　　 /
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,､　　､-‐　'''　￣　　//､ヽ.　　　　　 /` _〉二< .ﾍ!　　　　　 ／ 　./.　 〈　 　 　 /
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼｀`　ｰ　､　　　_.= 〈　.ｉ､ヽ.　　　　 ゝ'´二 _ ｴrく ＿　_ ／　　 ./ 　 ∠_ゝ､　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ゝ.､　　　｀ ＜.　　ヽ / /＼　　　└i´￣/,　┴‐ ヽヽ/　　 .／　　/￣ヾ/＼　　 ／ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼ 　　　　｀ﾍ＿'_/ ﾍ　＼ _ ,/〈､∠冫-―‐＜ / / 三≡､　/- ､//　　 >／／/_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼＼　　　　 ＼　￣` ､￣＝ゝ｀`´ｉ'￣／´￣>ｌ│/｀ ｰ＝'＿＿｀　　 ／∠／　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼　　　　 ＼ 　 　 >/´ﾍ／￣￣, ― ' ;´|┌'/〈 ､〃＼＿＿＼ }　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　>'　　　　　　＼_　/ﾍ／　／￣∠￣〈弋ゝ|│冫〉|　　|　;'´ ｀＼.　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　　 ＿　　　　Ｙ　/ ／　　／　／'i ヽ　 |/`､!_.!´＼ |. ;　, ' ⌒ ､　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿　　　 　 　 　 ,ゝ ´ / ｀ヽ ＿_〕`〈　 　 ／　／　　冫､｀/ﾍ/ヽ. ＼. ＼ゝ;　(　 ) ）､./
　　　　　　　　　　　　 　 　 ／冫―‐〕　　　　　＿.＞‐/　　/　[||||〕｀ ｰ '´　／〈　　／.　 >|　!〕　　　| 　 | l　ゝ -< 　|ヽ
　　　／￣｀>　　　　　＿／⌒ｉ/　＿l　__／´ ￣｀＞ .〈__／　, ､ゝ!!l.､>､!.　/／ ヽＸ　　　 | ヽ'/､＿＿|　　| l＿＿＿_」 |
　 ∠／￣/　　　,　イ￣　　　/　〔.コ∠∠_／―ゝ　　　　／　　　　 {|ゝ < 　　 /　 ｀ー／｀<||.　´￣/ｰ-┤───―┤
　／,　^/´　　/￣　　　　　　｣　　__| ∠´￣＼彡ゝ∠ ／　　　　　　 ＼{少 ､ /∠´￣/　　（「ﾍ.　　/　　 //., ' ⌒ ､　| |
´　´　/　　 ／冫　,　 ' /´￣＿､＿〕ゝ-―　´ 〉壬卜_,〉　　　　　　　　∨尉冫⌒卞ゝ　　　 |{__＼/ 　　//. ;　(　 ) ）//
　　／＜｀´　　! ＿_ ＿ゝ⌒ /./　　　　　　 ∠＿_ ,／　　　　 　 　 _/冫＼ _,．´＼／∧　 └ヽ､∧＼//‐一ゝ - <//
・'´　　　　＞　 ,..―´￢ヽ､ / /　　　, ．-'´　　　　　　　　　　　 ／´ ∧　　ヽ　　／､/.　〉,　　　〉/^￣ 　 　 |
,　'´^￣/　/´> しｰ　-'´＼､ゝ`-／´　　　　　　　　　　　　　　/, ' （;'l.　〉　　 〉 /也/.　/ ﾍ,　　　　　　| |　　|
　,　　 ´　/｀´`ｰ<冫〉>,　/ｰ ' ´　　　　　　　　　　　 　 　 　 /,.{` （小/　　 / /久.ハ 〈　 ,ﾍ　　　　 　 | |　　|
　 _,.．-'''"⌒ ゝ- ､｀´/／　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /,.　　　(ハ　／ ∧双'　 !.､＼　 }　　　　　 | |　　|
ﾍ＿,. ．-'''"_／／ ,ゝ ＼､　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,'　　　　　 ｉ冫,　/　`{　/ｉ＼.　 ヽ.|　　　　　 | |　　|
''"　゛ｰ-‐'´ ￣￣´　　　 ゛　　　　　　　　　　　　　 /＼ 　 i　 　 　 　 | ｉ.　/.　　|　ｌ |　|　　　|　 　 　 　 | |　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　l　 |　　　　　　| |. ｌヽ.／ i. |. |　ｌ.　　 |　　　　　　| |　　|

AA：コードギアス　ランスロット
【Name】
マーシレス
【Type】
中量二脚
【Architect】
イオニア・アライアンス開発部
【Status】
火力：A　機動力：B　耐久力：C　持続力：B　負荷：E
【Note】
純白にペイントされたイオニア製パーツ中心にアセンブルされた中量二脚。
軽量ながらも実弾、耐熱に優れた装甲はさながら西洋騎士のようであり、どことなくマーシフルを彷彿とさせる。

武装はアヴィアコルの流れを組む超高出力レーザーキャノンと物理ブレード二本。
アヴィアコルとノルドルム、そしてイオニアという高出力高負荷の系統を地で行く、リンクスを極限まで選ぶ機体。
高機動近接戦闘と大火力による中距離からの撃滅というスタイルは、在りし日の高町なのはに近い。

4642： ◆x0SRSoJXe.：2021/12/31(金) 01:28:37 ID:gsf5HtlE0


　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i　　　　　　　今回の投下はここまでだ。
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ　　　　　　　 次回は……遅くとも1/6の午後9時、とする。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i　　　　　　　　まー安価もないし、できるときにやるよ。
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´





　　　　　　　　　_　_　_
　　　　　　　／: : : : : : ｀i
.　　　 　　　i: : : : : : : : : :!
　　　　　　　､: :○: : ○: :!
　　　　　　　 i: : : : : : : : : i　　　　　　　　　ゲームとかアニメとかって、主人公が世界を変えてハッピーエンドってのが多いけど。
　　　　　　　 l: : :,, --_ｯ: :',
　　　　　　　 丶 ｀‐'´: : : :ﾉ　　　　　　　　　フロムのストーリーは、クリアしても大して世界が変わらないのが常だよね。
　　 　 　 　 / ´: : : : : : : : ｀ヽ
　 . 　　　　/: : : : : : : : : : : : : ヽ　　　　　　　できることと言えば、現状を維持するか破壊するか程度のことだし。
　　　 , -‐': : ,: : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　／: : : ,-ｲ: : : : : : : : /｀丶: : : :､　　　　　　その点は今回のエピローグにも反映させているつもりだ。
　 ｒ⌒ ,／　/: : : : : : : : i　 　i: : : : i
　 ` ‐ '　　/: : : : : : : : : |　　 ! : : : |　　　　　　あのやるせなさが何とも言えず現実味を帯びてて好きだねボクは。
　　　　 　 i: : : : , _ -‐ ´,) 　 ｀ ヽ _|
　 　 　 　 (_ _i￣(_　-‐'´i　　　　　　　　　　　　それじゃ、シーユーアゲイン。また様子見に来てね。
　　　　　　|　:|`‐´i : : : : |
　　　　 　 |: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
　　　　 　 |: : : : : |: : : : : !

4643：安価のやる夫だお：2021/12/31(金) 01:30:52 ID:82DdDg4g0
乙ー

4644：安価のやる夫だお：2021/12/31(金) 05:46:40 ID:1rX64FIA0
乙

4645： ◆x0SRSoJXe.：2022/01/06(木) 21:00:55 ID:WODpeHrQ0

　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´　　　　　　あけましておめでとうだね。コトシモヨロシク。
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||　　　　　　　　みんなは良い年始を過ごせたかな？　モコイさんは一応初詣にはいった。
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||





　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',　　　　　　　　　　モコイさんの状況としては……今の仕事、辞めたいんだけどね。辞めさせてくれなくてね。
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ　　　　　　派遣元も暇なのか、年始でもお構いなしにline通話飛ばしてくるしね。あまり苦しめないでほしいよ。
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ　　　　中々ハードだけど、まあ、死にはしないから。ぼちぼち続けはするよ。
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'　　　　 それじゃあやっていこうか。
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

4646：安価のやる夫だお：2022/01/06(木) 21:05:04 ID:ttUPGa3M0
ハロー
あけおめことよろ

4647： ◆x0SRSoJXe.：2022/01/06(木) 21:07:53 ID:WODpeHrQ0

　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＿＿＿
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／　　　 　 　 ｀　､
　　　　　　　　　　 　 　 , '　　　 　 　 　 　 　 ＼
　　 　 　 　 　 　 　 　 / ヽ、　　　　　_,.． -- 　 ﾞ .
　　　　　　　　　　 　 /　 ＿｀__　　　　 ＿＿ 　 　 ,
　 　 　 　 　 　 　 　 ′　￣￣ 　 　 　 ￣￣　　　 ，　　　　　　アリス？　ジャケットもスーツも足りてるお？
　　 　 　 　 　 　 　 {　 "'　 　 　 　 　 　 　 ､､ ∪　}
.　　　　　　　　　　　　､　　 　 ゝ-‐ ｰ- '　　　　　 /　　　　　　　「いいのいいの。ほら、これなんて似合うんじゃない？」
　　　　　　　　　　　　＿> ､　　　 　 　 　 　 　 ／
　 　 　 　 　 　 　 　 ∨/r v'´ ヽ　_　　「/7,＜　　　　　　　　　　ええ……気取りすぎてないかお？
　　　　　　　　　　　／V,l / ＼　V　　 」/////〉
.　　　 　 　 　 　 ,.ｲ //Y〈_　　 ヽ.〉　く//////__　　　　　　　　　 なんか変なピンがついてる……
　 　 　 　 　 　 /.:.|///ゝ､ ｀ヽ.／ f⌒o 7¨´／//}
　 　 　 　 　 　 >､:ヽ／　` ｀Y ! 　_! [`__'7´////,j　　　　　　　　「あなたは気取らなさすぎなのよぉ」
.　　　　　　__ / 　 〉′j　.ｲ /} } / _/　∨//////,|
　　　　　/ f´ |　ト､｀　､ゞ / { {//　　　У//////|
.　　　　 {　l　 |　|　 ｀　ー'‐ =　Tl _　 〈/＞z/_∧,|
　　　　　ヽﾞ.､ |　|　　　　　 二　l | 　 ｀ﾞ｀　＜/_/_j
.　 　 　 　 　 ` ┘^ 　． 　 二 //　　　　　 /　￣
　　　　　　　 　 　 　 　 ｀　＜ {.{ ､　＿_　ノ
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ブライドル地下に建造された、旧イタリアの歴史ある街並みが再現されたエリア。
代わり映えのしないスクリーンに映された青空の下には、
律義に季節も再現されていた。

レトロなレンガ造りの建物が立ち並んでいるが、ほとんどはダミーだ。
ここは居住権ではない。中身があるのはショップエリアのものだけ。
中心部にはコロッセオのレプリカもある。

過去を模ったジオラマに入り込んだみたいだ。
人々は白い息を吐きながら、思い思いのことをしている。

自分もまた、その中の一員だった。

アリスに連れられ、アパレルショップが密集するフロアで着せ替え人形になっていた。
素材が良いわけでもなかろうに、アリスは普段見せないような活発さを発散させ、
四方八方の服屋へと自分を連れまわしては試着させを繰り返していた。

もう六軒目だ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4648： ◆x0SRSoJXe.：2022/01/06(木) 21:19:20 ID:WODpeHrQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. -ｰ' 二二二 ｰ- ､
　　　　　　　　　　　　　　 　 ／／:￣__::::::::::::::::￣｀:::ヽ
　　　　　　　　 　 　 　 　 ／〃'::::::/´ﾉ〉):_ノ_ﾉ::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　 //´::::::__,ｨ:ゝ-':__,:::-──- ､::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　 　 /ﾞ::::::::::／￣￣＼　ヽ＼　 ヽ ＼::::::::ﾊ__
　　　　　　　　　　　 　 !:::::::／　ｉ　　　　　ヽ　',　ヽ 　＼ ヽ>,仁》
　　　　　　　　　　　＿ |::::ハ　　', 　　　　　ｉ　｝ 　!　!　 ',<ノ||＼
　　　　　　　　　　 《ﾆﾊ_ゞ、 ＼　＼　　　　!　||　 |　|__ ||　l | ＼>
　　　　　　　　　　　 ｿ|| ＼＼　＼　＼　　 | .从,ｨ匕Lィ||　| |　〈´
　　 　 　 　 　 　 　 　 | '､　＼＼,＞≧ゝ,　|/ /,ｨﾇﾆﾐ、|i　| ｌ 　|　　　　　　　　　　　　　　　あなたの飾り気がないとこは、私は好きだけど……
　　　 　 　 　 　 　 　 ハ ＼　 `卞代ﾂﾐ ヾ′　　　'''　/ // 　 ﾄ､　　　　 ,　--─.::´
　　　　　 　 .｀ヽ、 　〈/|:} ヽ,＼　 ＼`¨´　　、　　 　 / // /　 ｌ　ヽ　 ／::::／:::￣　　　　　　夫が侮られるのは、いい気分じゃないの。
　　　　　／:::;:ｨ:::::＼　//|　 |＼＼, __＞　 　-　´　 ｲ!// / 　　! 　 ∨:::::::::':──-:::､
　　　 . .. ::／::::ハ::::∨ﾑ'〉　｢｀:::ゝ,＼_ ≧ｭ,fヽ_ .ィ─ﾍ,ィ　l　　 |l 　/::::__::::＼:::￣｀ヽ　　　　　手頃な男に見られるのも、ね。
　 　 . .. .:. ::::／／__;／:::::|　 |::::::::::ﾍ 　 !:::::::l　|::::ﾊ;:::::_:::::ヽｌ　　 ｌ| 〈::::::::::＼:::::＼::::ヽ
　　　　. ::／;::/／/::::::::::: !　/ :::::::::::::}　|::::::::l　!/ 　∨ ｝/::::/ /　ﾊ｀ゞ ､::::＼＼:::::ヾ
　　　　　　 ∨／!:::::::::::::::| /:::::::::::::::::|　|::::ノ|　ト-ｰく /_｣:::/ /　/::::ヽ:::ヽ＼:::ヽ ＼
　　　　　　 ／／|:::::::::::::::ﾚ ::::::::::::::::::|　|::_〉 }　 ─ｰ､ヾ才／}　/:::::::::::＼:＼＼〉＼
　　　　 ,／／ ／ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::::::::! /:::〉ﾍ! 　￣＼ヽ)=::､/ /::::::::::::::::::::::::::＼ 　 `
　　　 ./／ ／／ 人::::::::::::::::::::::::::::::::|/::{ ｀入_　　ゝ}_ソ/｀´}/::::::::::::::::::::::::::::::::::}
　　　/´／／ ／ /｜::::::::::::::::::::::::::::::::::（＼__　￣Z_r､_｢|　ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾄ､
　　　 /／ ／ 　// ヽ;__::::::::::／:::::::::::::::〔　ゝ,＞､　 _,ィ'７´}:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::! ゝ､
　　　.{′ /　　//　 / | | ￣｀斗､:::::::::::::::＼r ､　 Y　　厶ﾉ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ノ 　 ）

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
きっかけはブライドル本部での出来事を、彼女に白状したことだ。

アリスと一緒に過ごしていると、どうしても気が緩む。
出撃後のメディカルチェックを終えて帰宅し、
ふとベッドサイドで零した愚痴の中から、目敏くそのことを察知された。

何もやましいこともないので、一連の顛末を話して聞かせると、
彼女は少し機嫌が悪そうなそぶりを見せてきた。

曰く、「侮られてるのよ。あなたって純朴な人だから」と。

「明日、元気がありそうだったらお買い物に行きましょう？　着飾らせてあげる」とも。

これくらいの相手であれば自分でも落とせるのではないか。
そんな欲望と侮りの混じった気持ちをぶつけられるのは
女性特有のものと思っていたが、そうでもないらしかった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4649： ◆x0SRSoJXe.：2022/01/06(木) 21:24:25 ID:WODpeHrQ0

　 |　 |　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{;;i´√ﾏ　{ﾑ　 i! i!￣
　 |　 | 　　|　　　 　| 　　　　　　　　　|　　　　　　　 ﾑﾏ/i!　 {{　 }ﾊ　i! i!
　 |　 |　　 |　　　　 ｌ　　 　.|　　 　 　 |　|!　　|　　　|;;ﾑ　 |　 ﾏ　 |;ﾊ　ヾ
　 |　 i! 　　|　　　　 i　　　 |　　　　　}}ﾊ|　 斗´i!i! .|ヽ;;i　.|　　iﾑ. ﾏﾊ　　＼
　 | 　 i!　　 i　　　　 ∨　 .i!　　　　i!/ 斗´从＿_ﾘi.| ﾉ;;| /|　　.iﾑ　ヽi　　　 ＼　　　　ほら、ちょうどよくマスコミのカメラマンが見てる。
.　 i　　i!　　 i　　　 　 ∨　i! 　 　 /ｰ ´　_x≦笊　 |i;;;;;|/ .iヾ　 iﾑ　 ＼
　　i　　i!　　　i!从从　 ∨ i!　　 / 　 彡弌:::::ソ´　ｉ ﾏ;;|　 | i!　 i_ﾑ＼　＼　　　　　　 「何が丁度いいんだお……？」
.　　i　　i!　　　-‐―‐ヾ. ＼ヾ　/　　　　´¨￣　 　 }　 ﾏ}　i!∨ヾ ヽ}　＼　＼
　　 i　 ﾑ　 　 　i! ,xz笊仆､ヽ/　　　　　　　　　　/从{| | /､ ヽ,　xzzzzx　　　　　　　　私と一緒なら記事になるってこと。
　　　i　.ﾑ　　　 ﾍ ⌒弋_ソ　 　 　 　 　 　 　 　 // / | ﾚx≦//////////
.　　　}　iﾑ∨　　 ヾ､　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ /　.|∧/////////////　　　　　　 鼻にかけてるわけじゃないけど……
.　　　|　|ﾏ､.∨　　ﾑ ＼　　　 　ヽ　　　　　 　 　 / 　 |///////////////
.　　　|　! .ﾏ.　ヽ　　.! 　 ヽ　 　 　ｰ-‐ ´　　　 　/　／///////////////　　　　　　　箔付けになるくらいの女ではいるつもりよ。
.　　　| .|　 ヾ､　＼　}　　　｀＞x　　　　　　　　 /／/////////////////
.　　　ﾚ′　／/// 从≧x___ へ　 ｀≧-　　__ 　 ／/////////////////
　　　　　／/////////////// ＼_　 ／／￣////////////////////

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遠目にカメラを構えるカジュアルな服装の女性を見つけ、
アリスが目を細めて不敵に笑ってみせてくる。

昔は任務一辺倒で、そういったところでは無関心だった彼女だが、
最近は自分の容姿を自覚した言動を取ることもたまにあった。

見た目が全て、などという寂しいことは言わない。
が、優れたものというのは武器になる。容姿も例に漏れない。
美人にも得や苦労があるが、武器であることには違いない。

どうやら彼女が今日のデートに自分を連れ出したのは、
自分に貫禄を出させるという意図もあったようだ。

思えば、今日のアリスはいつも以上に周囲の視線を気にした装いをしていた。
落ち着いた白いブラウスにはアクセント程度にフリルが揺れている。
華奢な身体のラインがくっきりと出る白のジャケットを羽織り、
下半身はハイウェストの黒いスカートで脛の辺りまで覆っていた。
足元にはベージュのハイヒールに金の細いベルトが光っている。

モノトーンコーデだとか、スマカジであるとか、よく分からないことを言っていた。
まあ、可愛いからいいとは思う。事実、さっきから彼女は人の目を惹いて止まない。
マスコミからも遠目から見つけられるくらいだ。

元リンクスの妻というより、付き人を侍らせるモデルといった出で立ちだ。
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4650： ◆x0SRSoJXe.：2022/01/06(木) 21:37:05 ID:WODpeHrQ0

　　 ｛ilililililillilil/ﾉ　/　　 /　　　　　 ヽ ＼
　　 ｛Ⅶilililili/ﾉ　 il　　 i　　　　ヽ　　 ﾊ　',
　　　｛Ⅶil≦ｲ　　il　　.il　 ﾄ､　　 i　　　 V
　_,彡ｲ 水￣ﾐヾ=.il　　.il　 ハ　　 ﾍ　　i .il
ｲｲ　 //ハヽ　　//　　 il　 i　ﾄ　　 ﾊ　 il il
ヾ　.//　　Ⅶ_／　il　 .升　|　ﾘﾊ　il ﾘ ｲ 丿
　.Y /　　　 iliｲ.　 iﾄ　 ﾊﾄ>K彡' ｝/ ｲ.／/　　　　　　……どうしたの？　ぼうっとしちゃって。
　//　　　　川　　.il ヽK' ／ ｨ= /　i､ il
.//　　　　 ﾊi.l　　人｝　ィ匕r:j　　　 ｀ー,　　　　　　　ほら、もっと旦那面しなさい。腕、貸して。
Ⅵ　　　　 i　i.l　 .ハﾘ　　￣￣　　　　　/
illi｝　　　　il　il　 il　il　　　　　　　　_ _ｲ　　　　　　　　「う、うん」
ilil｝　　　　il　Ⅵ/　ﾉ　　　　　　 - ' ﾉilﾘ
人　　　　　ヾ≧　'　　　　　　　　 / /　　　　　　　　　なによ、もう。いつもよりぎこちなくなっちゃって。
ilililゝ,　- -　､ ＼＼　r､＿＿＿ /i./
ィ三三三三三ミ､ヽⅦﾐ=､_
三三三三三三三ﾐ､ ＼iミﾐ､

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本当に、綺麗だった。

リンクスという縁がなければ、絶対に触れ合うことのない人だった。
マーシフルに乗って、感謝も後悔も山ほど積み上げてはきたけれど、
アリスとの縁だけは感謝以外に抱くものはなかった。

手を繋ぐというのは、なんとなく気恥ずかしくて。
年相応に、腕を組むくらいで済ませる。

ぎこちない自分に苦笑しつつも、アリスはそっと身を寄せてくる。

彼女はいつも、自分を夫としていることを誇ってくれていた。
あまり自信のない自分としては、それこそが数少ない自信の源だった。
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4651： ◆x0SRSoJXe.：2022/01/06(木) 21:39:43 ID:WODpeHrQ0

..　　　　　＿＿＿_
　　　　／　―　　-＼
..　　／　 （●） 　（●）
　／　　　　 （__人__）　＼　　　　　（今は、あの時のことは忘れておこう）
　|　　　　 　　｀ ⌒´　　　|
.　＼　　　　　 　　　　 ／
.　　ノ　　　　　　　　　＼
／´　 　　　　　　　　　　ヽ

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頭の中で燻ぶっていた疑問や不安の渦に、そっと蓋をする。
今は目の前の光景と、アリスのことだけを考えていようと思った。

ずっと、ロストワードが撃墜され、目が覚めた時のことを考えていたから。
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4652： ◆x0SRSoJXe.：2022/01/06(木) 21:52:23 ID:WODpeHrQ0
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　　　　　　　　　／　　＿＿_ ヽ,. --　､
　　　　　　　　/　 ／:::::::::_, -r r ﾍ⌒ く＼
　　　　　　 ／　　{:::::::厂 /　|　|　 ヽ ヽ ＼ヽ、
　　　　　　{　　　く:: /　 / 　:|　|　　 ＼ ＼ ヽ.＼_,ノ
　　　　　　 V　　ｲ７　 /　　 |　|　; 　 　}　ヽ　ヽ〈
　　　　　　 ﾉ　 〈 7 　 {　l　/|　|　l　　 ﾊ_」_.} | l! |
　　　　　　{　　,ｲ7　　 ; ,l ィＴ 工ハ　 ﾑﾐ.ﾚ'.ﾉ lﾚ'
　 　　　　 |　　{ﾒ{　| ヽ ヽ.ィﾁﾊ　｀ },ノl入}.小ｲ　　　　　　　　　目を覚ましてくれて、本当に良かったです。
　　　　　　ヽ　 Yヽj＼.ゝゝ匕り_ 　 　 ﾋZ.　| ∧
　　　　　　　|:　 ＼ヽ.　　 ＼　　　　　〉 　 ﾊ!リ　　　　　　　　　「……コーラサワー、は？」
　　　　　　　l　　　 ヽゝ. ＿≦ﾆ　 r―ｧ　∧j
　　　　　　　＼　　ヽ　 ＼-― ､　 ` ´／　　　　　　　　　　　　　ピンピンしてますよ。今は健診を終えてグーグー寝てます。
　　　　　　　　 ヽ ー＜＿ヽ 　　ヽ‐ く
　　　　　　　　　 > ―‐ ､　 ヽ　＿ゝ　ヽ　　　　　　　　　　　　　「それなら、いいか」
　 　 　 　 　　／　７ ￣ `ー＜ ＿　ヽ.ﾉ7ｰ ､
　 　 　 　　／　　/　　　　　　　＼ ￣ヽ{　　}　ﾉ
　 　 　　／ 　 　/　 　 　 　 　 　　＼＿_＼ﾉく
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　　　　　　　　　　　　 r‐/　　　　 　 ＼
　　　　　　　 ／⌒＼/__ . - ＜￣￣ ヽ.＼
　　　　　　　_ゝ/⌒＼￣　｀、＜⌒ 、 　） }
　　 　 　 ／　/　　 　 ヽ　　 ＼ ＼　) ＜ _ヽ
　　　　 /　 , ´　　　｝　 }　　　　　　ヽゝrー｀
　　　 ノ .,　| i　　　/　 /　 }　 ,.} ヽ　丶爻　　}
　‐=彡 /{　|人　 / 　/　 /i==ﾉ= }　　｀爻　 /
　　　 {从｀. { =＼!　人　/y＝ﾐ、ﾉ　　 }ｒ 、人　　　　　　　　なにが、それなら、なんですか？
　　　　丶＼≧y=ﾐ（　ﾉノ 　{..ｲﾊ }　　i |.ｿ｝　 ｝
　　 　 　 乂 {.ゝ{ ,ﾊ　 　 　 ゞ- '/ ,　 }ﾘ. /　 /　　　　　　　　奥さんもいるのに……自分の身は自分が大切にしないと、ですよ。
　　　　　{ 、ﾐ=_ ゞ '　　　　 　 ./ノ　./ ｀´　ノ
　　　　　 ｀ ミ=‐　　'､　　　　‐=彡ノ! ﾉ ／　　　　　　　　　　 まったく。報告するの、私なんですからね？
　　　 　 　 　 人　 　　-　 　　　ﾉ　{　ﾉ
　　 　 　 　 　 　 ＞　　　　　／　 _.У　　　　　　　　　　　　　「す、すまない。そんなに怒らないでくれ」
　　　 　 　 　 　 （　ｿ ｀ ,ェ__,.　- " ／＼
　　 　 　 　 　 , ‐ヽ　ﾉ/./ヽ　　 ／　　　|ー ―--､
　　 　 　 　 r (　ｿ　ﾉ/ﾚ、_∧／　 　 　 .|―‐ ､=彡＼
　　　 　 ／ 　 }=ﾐ'´/ 　/.{　/ ＼＿＿___|　　　 ＼r―}

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医務室の白い天井を見上げながら、覗き込んでくるテレサに詫びを述べる。
患者用のガウンに着せ替えられ、ベッドに寝かされてはいたが、
外傷自体はなかった。

あの白いネクストに斬り刻まれた際に、その衝撃がAMSを通してフィードバックされ、
耐え切れずに意識が途絶えてしまったのだろう、という話だった。

コーラサワーの安否を確認し、胸をなでおろしていると怒られた。
むくれる彼女をなだめつつ、反省する。彼女の言う通りだったから。
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4653： ◆x0SRSoJXe.：2022/01/06(木) 22:07:43 ID:WODpeHrQ0

　　　　　　　　 　__　　＿＿＿__　　　　　　　　　　 __
　　　　　　　　 　| |／─　　─　＼..＝＝＝＝＝=| |
　　　　　　　　　 |/ （●）　（●） 　 ＼　　 　 　 　 | |
　　　　　　　　　/　　（__人__）　　　　 ヽ　　　　　　| |
　　　　　　　　　|＿__ ｀ ⌒´　　 　 　 /￣ヽ_＿＿_| |　　　　　経過観察で、夜までベッドに磔か……
　　　　　 ／￣JJJJ‐‐- ､_　　 ＿／＿_ノ　 　 ／| |
　　　_ ／　　　　　｀ ヽ__　 `-　⌒ヽ　　　 　 .／　 | |　　　　　アリスに連絡……は、テレサがしてくれたか……
　　／　　 　 ヽ　　 　 　 　 　 ｀ヽ、}　　　 .／　 ／| |
　ノ　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ__　 ｀ヽ／ 　／　 .|_|
／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ|　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　|／

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テレサも去った後、リンクスゆえの特別扱いか、個室の病室で
一人きりにされてしまった。計器の刻む音と、自分の呼吸くらいしか聞こえない。

清潔感のある白で統一された病室の風景は見慣れてしまったが、
それが退屈を余計に重いものとした。

そして時間が有り余ると、嫌でも物思いに耽らされてしまう。

あの奇怪なノルドルムのネクストをコーラサワーが撃墜しかけた際に、
横槍を入れてきた白いネクスト。

なのはによく似た、けれど妙に幼い声。

ボロボロの身体で、それでも全力を出し切ったにも関わらず、
手も足も出ずに撃墜されたという苦い事実。

今もドックで修復作業中のロストワード。

屈辱や後悔よりも、疑問が色濃く残る。
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4654： ◆x0SRSoJXe.：2022/01/06(木) 22:22:11 ID:WODpeHrQ0


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なぜ、どうして、その二つを繰り返す。
出もしない答えを出そうとぐるぐる思考を巡らしていると、
突如として開かれた病室のドアに飛び起きそうになった。

声の主は、見慣れた相手だった。
黒いジャケット姿の男は、もう三十路であるはずなのに、少年のようにも見える。
肩にかかるくらいに伸びた髪は中性的なシルエットを形作っていた。
トウキョウで散々世話になった、ルルーシュがそこにいた。

「ルルーシュさん。お久しぶりです」

「ああ、ちょうど近くを通ってな。手酷くやられたと聞いた。
見舞いの品などはないが……許せ」

「とんでもない。暇してたんです、助かりました」

近くにあったパイプ椅子を引き寄せると、ルルーシュはすっと腰を下ろした。
まるで親戚の幼子でも見るかのような視線を寄越してくるので、
気恥ずかしくて苦笑してしまう。
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4655： ◆x0SRSoJXe.：2022/01/06(木) 22:29:03 ID:WODpeHrQ0

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　　　　　　|! |!:.:l:.:.||:.:.:.} ノ　}／　 ,':.:.:.:.//　__ノ|:.:.:::.l:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ll:.|　　　　　　　　おまえは……変わったな。
　　　　　　　 |:.:|l:.{ヽ:./　　 ´　　 //:.:.//　　l　 |:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.l|:.|
　　　　　　　　ヾヽ／　　　　　　//／　　　 ｝　|:.:.:.l:.{:.:.:.:.:.:./:.:.|:.l|ｿ　　　　　　　　 四大企業の旗頭ともなれば、さもありなん、か。
　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　/　　　　　　　|:.:.l|:.:|:.:.:.:./|:.||:.l:.l
　　　　　　　　　　　　|ヽrｰ--　　　　　 _,　　　|:.l| l|:.|:.:.:./ l:.| |:|i|　　　　　　　　　　「元、旗頭です。ルルーシュさんは」
　　　　　　　　　　　　|/|ﾉ r 　　　　 ／　　　　}ﾉ__l|_|:.:./‐‐ﾘﾆｿ
　　　　　　　　　　　　l　'　 ﾍ 　 　<　　　_-ニニ─‐|/￣￣: : {　　　　　　　　　　　変わらんよ。気楽なご隠居というわけだ。
　　　　　　　　　　　　　　　　｀´　　,∨ニ‐´: : : : : : :': : : : : : : :l
　　　　　 ＿--‐-､＿　　　 　　　<∠: _: : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　 /　 ＿__､＿ ノ､　　　　　　∨((: : : : ／ : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　／　 /　／））─ｰ'　　　　　　 ∨乢-‐' : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　｛　　ﾍ ／ 　/￣｀l　　_-ｰ一ニ￣￣: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　 l　　 l/　　/　ヽ　|￣: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼

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彼らランペルージ夫婦の近況は、それほど変わってはいないようだった。

ブライドル本部への謎の呼び出しにより、テロリストによるトウキョウ強襲という
難を逃れた彼らは、今はオルデンブルクのネクスト開発部に所属しているという。

立場としてはアリスに近いが、彼女と違ってネクストへの搭乗に耐えられない、
というわけでもない。
にもかかわらず、彼らがネクストに乗って戦うということはない。

ちょっと不思議ではあるが、それこそが彼らの望みだというのなら、
企業も無碍にはできなかったのかもしれない。

戦争の報酬が平和というのも、いささか皮肉が過ぎるかもしれないが。
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4656： ◆x0SRSoJXe.：2022/01/06(木) 22:36:21 ID:WODpeHrQ0


　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼　　　　　C.Cさんも、ちょくちょくアリスとお茶してくれてるみたいで。
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |　　　　彼女にも頭が上がらな――
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼





.　　　　　＼ﾄ　{ |:i:i:i:ﾉ 　 　 　　　 　}:. :. :. :. :|　 ＼:i:i:i:i: : : |i: :. |
.　　　　　　　 　 |:i:i:i:ヽ　 　 　 　 　 ﾊ:. :. :. :.j|　 　 ﾄ:i:i:i:i:. :从 : |
.　　　　　　　 　 |:i:i:i:i:ｉ:ぅ:.､　__　　　　}:. :. :.:从　 ／／＼:. :. :.＼　　　　　　　――ご歓談のところ、すみません。
.　　　　　　　 　 |:i:i:i:i:i:i:i:i:込　'　 　 .ｲ:. :. :/､ ／／';';';';'; ＞―‐ ＼
.　　　　　 　 　 人:i:i:i:i:i＼:i:i:i:≧ -:/:.|: :. /__/ ,;';';';';';';'／';';';';';';';';';'; ＼　　　　　失礼します。
　 　 　 　 　 　 　 ＼:ｉ:|　 ＼:人／;';';|:. / ∨./';';';';'／';';';';';';';';';';';';';';';';'＼

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溢れだす懐かしさと、話したい事や聞いてもらいたいことで舌が忙しくなってきた
あたりで、ドアが開いた。

C.Cだろうか。二人は仲睦まじいというか、一緒に居る場面が多い。
遅れてやってきたのだろうと思って半身を起こすと、そこに立っていたのは、
年端もいかない少女だった。
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4657： ◆x0SRSoJXe.：2022/01/06(木) 22:43:19 ID:WODpeHrQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ――. . .
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 . :´: : : : : : : : : : : : : :｀: : .
　　　　　 　 　 　 　 ´￣￣ミY : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.＼
　　　　　　　 ／: : : : : : : : : : :. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　／⌒￣／￣: : : : : : : : /: :. : | : : : |! : ＼: : : : : ヽ: : : ﾍ
　　 　 　 　 　 　 /: : : : : ／: : : : /: : :.:.ｲ:i:.:.:.小:. :. :.ヽ: : : :. : : : : .:.
　　　　　　　　　/: : : : : : : : : : : /ｉ: : : /.|:|! : : |　､: : : : :. :. :.ｉ : : : : :i
　　　　　　　　　 : : : : : .': : :': : :ｉ/|＿/　|ﾊ: : :.| 　ヽ ＿ｉL: : |:. :.:ｉ: : :
　 　 　 　 　 　 |: : : :/.:|: : :|!:匕|「| :/　｀{　 ､:.ﾊ　´　＼{ヽ｀ |: : :|:.:.:ｉ
　 　 　 　 　 　 |: : :/|:.:|: : :|ｌ: : | ｘﾃ笊ミ　　 ヽ乂ィ笊伝ﾐy:ハ: :l: : ﾄ
　 　 　 　 　 　 |: :/ :|:.:|: : 八: :|《 {うｆ:j::}　　　　　 r':ｆ:j:::} 》': : : :.!: :.l　　　　　　　　狙った通り、と言ってしまえばそれまでですが。
　 　 　 　 　 　 {/　 :}:.ﾊ: ｉ:.小 :.　乂:::ソ　　 　 　 乂:::ソ ﾊ .i: : :|:.:.:ｉ:..
　 　 　 　 　 　 　 　 |:'..从: :|: ヾ:.　　　 　 　 '　 　 　 　 ﾑ. ハ: :l: : ﾄ､:..　　　　　　　大事ないようですね。
　　　　　　　　　　　　 八! ヾ : ｉハ　　　　 　 _　　　　　 : : :..: : :.!: :.l　｀＼
　　　　　　 　 　 　 　 　 'ｲ: :/!: : :ヽ　　　　　　　　　　ｲ: :/./: /）:.:.|
　　　　　　　　 　 　 　 　 ｌ ,ｲl:!:. : 从:＞　 　 　 　 ＜ /: :ｉ :/ｲ∧乂
　　　　　　　　　　　 　 　 !/ゞ'´..: :.| ヾ小　≧≦　小/: ﾍ{　ｲ ﾉ′
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　　　 　 　ﾍ.:.:ﾍ.:ﾍヽ＼　　　　　　　 　 |i　　　　　　　 /.:/.::./
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　　　 　 　 　 ﾍ.:.:.ﾍ.:.:.:.:＼_　　　　　＿＿_　　　　　 ｲ.ﾘ l/
　　　　 　 　 　 ﾍ.:.:.ヽ.:.:.:. ＼　 　-'――‐‐｀-　／.:l.:.l .ﾘ
　　　　　　　　　　ヽ:.:＼.__　 ＼　　　ー‐‐ 　／　l.:.i./ ﾘ
　　　　　　　　　　　 ＼ﾉ　｀ヽ_ ｀ヽ　　　　／　,=-'｀i入
　　　　　　　　　　 　 i´｀ｰ---ヽ＿ ｀ 　イ＿ノ_,,-‐'ヽ从
　　　 　 　 　 　 　 ﾉ´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| |;;;;;;;;;;;;;| |;;;;;;;;;|}入

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栗色の髪を肩の辺りで切りそろえた少女。
あどけない顔つきは能面の様で、感情のない視線をこちらへ向けていた。

ルルーシュ共々呆気にとられ、少女の出現に硬直する。
見知らぬ女性の名前で呼ばれて首をかしげるが、大して気にした様子もなく、
少女はつかつかと踵を鳴らしてベッドサイドまで歩み寄ってきた。

「せ、セキュリティはどうした。君はオルデンブルクのリンクスじゃないだろう」

「特別待遇というものです」

さらりと返されるが、大問題だ。
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4658： ◆x0SRSoJXe.：2022/01/06(木) 22:54:50 ID:WODpeHrQ0

　　　　　　　　　 　 ―=ミ..､　＿
　　　　　　　　_　-‐…‐`:. :. :ノ:. :. :. :. :. :`. .
　　　　　　　⌒フ:. :. :. :. :. :. :. :. :. ノ:. :. :. :. :.＼
　　　　　　 _／:. :.／:〜:. :. :.'⌒´:. :. :. :. :. :. :. :. .
　　　 　 ⌒７:. :. :. :. : ｉ :. ｉ:. :.:ｉ:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :.
　　　　　　/:. /:.j|:. :.:.:| :. |:. :.:|:､:. :. ヽ:. : ｉ:. : ｉ:. ｉ:. :.
　　　　　　ｉ:.:.:|:.八:.―|―|-:.:.|　＼―ｉ―|‐:. |:. |:. :ｉ
　　　　 　 j／|:. j|:＼:.|x==ミ:.| 　 x===ミ|i: : l ､|:. :|
.　　　　　 　 人从: :.圦 v_ﾘ ヽ　　　V_ﾘ八: :|ノ:. :.,　　　　　　　自己紹介が遅れましたね。
　　　　　　　　 　 ヽ: : i 　 　 ,　 　 　 ../:. :.:.:|i: :. /
　　　　　　　　　 r―:込 　 　 　　　⌒７:.／从:./　　　　　　　　シュテルと申します。この度、ランク3を拝命したイオニアのリンクスです。
　　　　　　　　　／-= ∨＞　＇` __彡イ-=ゝ―　_
　　　　　　　 ／-=ニニニ/|,,う爪┘／-=ﾆ／-==-_　　　　　　 今回は警告に来ました。
　　　　　　　ｉ=-　　＿＿/_i|⌒⌒y-=ニ,／-=/⌒V=_
　　　　　　　 -=ニニニ/ -l|^ ⌒/'-j|-/-=ニ乂_ノ-=-_
.　　　 　 　 　 -=ニニ/:.:|-l|-=／- 八{､｀ -=ﾆﾆニﾆ=-}
　　　　　 　 　 ＼-=７:. :.|-l|∨ヽ- | r=}≧=--------/
　　　　　　　　 　 ﾄ八 : : Ⅵ ∧:. :-| |=ﾊ＼-=ニニニｲ
　　　　　　　　 　 |-= ＼:. :./ﾊ ヽ彡' =|-= ＼___彡　人
　　　　　　　　　　-=ニﾆし': | i＼-= /'|-=ニニ/＿彡'' ＼- ､





　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_　 　 　 　 ,　-―-.､
　　　　　　 　 　 　 　 , . . . :.´　: : : : : : : : : :｀ヽ(: : : ∠⌒ヽゝ
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　　　　　　　　　 |: : : : : : : : : : /: /__|｣_:.|: :ﾊ:; :ヽ_: | : | : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　 |: : : : : |: : : :/イ´:.//|: ﾊ/　}ﾊ｢|:! | : |: : :|: :ヽ､: :}
　　　　　　　　　 |: : : : : |:.:.:|l |:/|／/ ﾅﾉ }　ﾉ　|ﾅ|:.| : |: : :ﾄ.:.:|ハ/
　　　　　　　　　 |: : : : : ﾚ'|儿爪芋ミヽ　′　 爪{从: :|: : :|.|: |　′　　　　　「警告……？」
　　　　　　　　　 |: : : : : : :|i: :刈::rし::|　　　　 |:r'| ムｲ|: : ｌ.ｌ| |
　　　　　　　　　 |: : : : : : 八: :弋こソ'　　　　 ゝｲ´|: :l.|: :ﾉ八|　　　　　　　 これは企業連、ひいてはオルデンブルクの意思でもあります。
.　　　　　　　 　 ;': : : : : : : :|＼: :|　 　 　 　 　 '　　|乂ﾙ′
.　　　　　 　 　 /: /: :}: : : /| : ﾄ､|　　 　 ＿ _　　 ｲ|　　　　　　　　　　　　　今、企業連は消耗した戦力の回復に追い立てられている最中。
　　　　　　　　/／レ'|:_:_:/..| : ﾄ､　　　　　　　／从|
　　　 　 　 　 ´　　ｘく＼＼.!八 ヾ＼　＿ .／}人|. ′　　　　　　　　　　　　 そんな中、あなたは少々ネクストを倒しすぎている。
　　　　　　　　　／::::::＼＼＼ヽ＿_/　ﾙ' }ノﾉ丿ヽ
.　 　 　 　 　 ／::::::::::::::::::ヽ`ー-匚0]ヽ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　……もう少し、虎の子らしくしなさいというお達しです。
　　　　　　／ :::::::::::::::::::::::::|＼＼彡ミ/＼ ＼
　　 　 　 / ::::::::::::::::::::::::::::::|:::::ヽ ＼./　./｀ヽ.ヽ
.　　　　　{ :::::::::::::::::::::::::::::: |:::::::::::＼爪/:::::::::::::}

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台本を読み上げるかのように淡々と語る少女、シュテルに対し、眉を顰めて見せる。

「ご老人たちの考えそうなことだけど……なんで君がそんなことを言う」

「企業連が私を代弁者として選んだだけのことです。
じきにオルデンブルクからも連絡が行くでしょう。出撃頻度も減るはずです」

機械的な応答に、身を乗り出す。

「いや、そんなことはどうだっていい。結局、君は何なんだ。
なのはさんとどう関係しているんだ」

軽く声を荒げて問い詰めるが、シュテルは微塵も動じない。

けれど、自分は冷静ではいられなかった。

声だけじゃない。眼も鼻筋も耳も、髪の色や質感も、何から何に至るまで、
なのはを思い起こさせたからだ。
まるで彼女をそのまま少女にしたかのような。
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4659： ◆x0SRSoJXe.：2022/01/06(木) 22:58:12 ID:WODpeHrQ0


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　 　 　 　 　 　 　 　 |:ij::::::i:::::::::::::///./　 __',iA:::7::::/::::::::::/ヽ ﾉ/::::::::::7:ﾊ.ﾍ
　 　 　 　 　 　 　 　 |:i !:::::i',::::::::7 i|　 ﾃ弋;;;ｿィ〉:::/:::::::::::/ノ::::/::::::::::::,'.i| ヽ `　　　　　　……やる夫、やめておけ。
　　　　　　　　　　　　ヾ',:::i|ﾍ:::::7　i!　　　￣　/:::/:::::::::::/ ,--'::::::::::::::::i ﾘ
　　　　　　 　 　 　 　 　ヾ:iヽ .､′　　　　　 /:::/:::::::::／ ./　j:::::::::::::::::|　　　　　　　　　　「ルルーシュさん！？」
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ　　　　　ｲ／/／/　　/　7::::::::::::::::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　j:ﾊ` ‐-､　　ｲ'"　,　イ　　ﾉ7:::::::::::::::::',　　　　　　　　　　考えてもみろ。
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ′ﾘi',　　　　, .＜　　　　 _7:/ i:iﾆi::::::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ- '::::ﾉ!　 __, ...-‐'ニ〃‐'i:iﾍ::::::::ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾘﾊ----=i i:::::::::::::::::::::::::::ﾍヾ､:ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿_　 __!::::::::::::i i::::::::::::::::::::::::::::::＞､ヾ､
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::i i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼





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　　　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
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　／/:::|:::l:::::;ﾍ/, '/:::/:::/　 |::::::l:::::::::::::::;'
　　/|:::l:::l/:/≠､/／／ﾆ￣ﾘ:::/::::::::::::::l
　　{ |:ﾊ::|:::l ゞ‐'' ／　'"てﾉﾝ/:::::::/｀i;':|
　　　l'　|l::::!　　!　　 　　ﾞ"/;::::::; '_..'´ﾊ{　　　　　　　こんなところにまで入ってこられる程の権限を持たされているんだ。
　　　　　|::ﾘヽ　_　　　　／/:／/::l::/
　　　　　l;'　 |:;ヽ　｀ 　_,. /'´ _/::::l:l　　　　　　　　　 それに、言っていることもおそらく事実だろう。
　　　　　　　 !'　｀ｰニ-‐_''"´/イ:l!'
　　　　　　　　　 _,|l￣|| _,=_: : :| `　　　　　　　　　　 既に企業同士、水面下で密約が結ばれていると見た。
　　　,.. -‐'''''""´　!l: : |l "}{｀: : :＼
　　 /:: : : : : : : : 〃: 〃: : : : : : : : :`- _　　　　　　　　いつもの手口だ。突っついてもいいことがない。
　　/:: : : : : : : :〃: 〃: : : : : : : : : : : : ::｀''
　　|: : : : : : : :〃:: 〃: : : : : : : : : : : : : : ,: :　　　　　　 それに……どうしようもない。
　　l: : i'p=､_〃: 〃: : : : : : : : : : : : : : ´: : :
　　l: :l::|l: : : : : : : ''＝=､､_: : : : : , ' : : : : : :
　　ヽ!::|l:: : : : : : : : : : :０||: : : : / : : : : : : :
　 　 |::|l: : : : : : : : : : : : ||: : : : : : : : : : : : :
　　 .|::|l: : : : : : : : : : : : ||: : : : : :ヽ: : : : : :
　　 |::|l: : : : : : : : : : : : ||: : : : : : : :＼: : : :
　　 l::ll: : : : : : : : : : : : ||: : : : : : : : : ::ヽ、:

4660： ◆x0SRSoJXe.：2022/01/06(木) 23:04:59 ID:WODpeHrQ0

　　　　　　　　　　　　　　l. :.:.:.:./:.:.:./: :.// :/:.:. :.:.:./:.///l:.:.:.:.| :.:.: .:.:.:.l
　　　　　　　　　　　　　　': .:.:.:/:.:.:./ .:.// :/|:.:. :.:./:.////|:.:.:.:.| :.: .|:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　 ﾉ:l:.l:./ :.:.:/: // :/| l:. :.:./:.////　|i:.:.:.| : .:.|:.:|:l
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.　　　　　　　　　　　　ノ´ l:|:.| :.:.:.|ｒ=ｒz|l､ﾘ､| ./:.////_,r=＝ﾐ} .:.:.ﾉ:.:.|:|
　　　　　　　　　　　　　　 |l|:.lri.:.:.',仆-´ｨ ﾐ.l:,':///_,イｼ-イ ﾌ:.:./.l:..:.:lヽ　　　　　今のおまえが、体制に盾突くというのが何を意味するか。
　　　　　　　　　　　　　　 i!|:.|',|.:.:.ヽ｀￢ '´ ﾘ i}/´　 ｀ ＝‐７:.:.//:|:.:.l|
　　　　　　　　　　　　　　　ヽl|{ヽヽヽ　　　　 i!　　　　　　/／l´|:.lヽl　　　　　　　分からんおまえでもないだろう。
　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　l:.l＼　　　 _｀＿　　　／ｲ:|:.l:l|:.l　｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }/|:.:.|＼　　─- ｀　,イ:.|:./l:.||l `ｰ　　　　　　　　……確かに行方不明になったなのはは心配だ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　l /_| ｀丶、　,　'　　|/|l| |:{ ｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/´ {ニニrﾆニﾆﾆ}ニニ}　`ｰ　　　　　　　　　　 だが、今騒いでもどうしようもない。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|∧: :| |: : : : | |: ∧:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__ノ）)(,-.| |: : : : | |,-)( |
　　　　　　　　　　　＿　-─＝￣. : : 孑劜.| |: : : : | |（卅)＼
　　　　　　＿-─´: : : : : : : : : : : : : : :卞: : :| |: : : : | |: 干: : : ￣: :｀:丶 、





　　　　 　 ＿＿＿_
　　　　 ／　　 　 　＼
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　 ／　　 _ノ ::::::: ゝ､　　＼　　　　　……。
.　|　　　（○） 　（○） 　u |
　 ＼　　　（__人__） 　　,／
　 ／　　　　｀⌒´　　　　＼

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どうしようもない、とルルーシュが繰り返す。
その言葉は、目を背けているだけで、自分の内にもくっきりと浮かび上がっていた。

そうだ、どうしようもないのだ。
いかにこの少女がなのはと関係していようと。
企業連の思惑がどうであろうと。

今の自分に、それらに反抗的な態度を取るという選択肢はない。
やったところでどうしようもない。できたところで、ロストワードで暴れるのが精々だ。
けれど、それでは何も変わらない。今や自分はランク10だ。
目の前の少女が駆るネクストに捻じ伏せられて終わりだろう。

言われて、首を垂れる。
布団の下の握り拳に視線を落としながら、口を噤んだ。

その時、自分は結局、何もせぬまま少女を見送った。
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4661： ◆x0SRSoJXe.：2022/01/06(木) 23:06:44 ID:WODpeHrQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／::.::.::.::.:/::.::.::.:／:/::.::.::.::.::.::.:/!::.::.::.::.::ヽ::.::.::.::.::.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/.::.::.::.::.::.:/::.::.::〃::./::.::.::.::.::.::./!::!::.::.::.::.::.::.:i::.::.::.::.::.:∧
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 i::.::/::.::.::./::.::.::/::.::/::.::.／::.:／ 八:ヽ::.::.::.::.: |::.::.::.::.::.::.∧
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |::/::.::.::./::.::.::/::.::/::.:〃:::∠-=≦壬ﾊ::.::.::.::/::.::.::.::.::.::.::.∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　 イ::.:i::. /::.::.::/／/::.:/::／/ﾃ‐_＿__　＼::.: /::.::.::.::.::.::.::.::.::∧
　　　　　　　　　　　　　　　　/::/i: : |:: i::.::.::/＞ {::./::/／ ,ｨ戈::::タ ＞　У::.::.::.::.::.::.::.::.::..: : 〉
　　　　　　　　　 　 　 　 　 /イ::.|::.::|:: |::.::/_＿,」:/{/　　´￣￣￣`　　/::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::. /
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　 !:/!::. |:: |::.:{代ツ/　　　　　　　　　　 ／::.::.::.::.::.::.::／ 〉::.:::｛　　　　　　……どうにもならんのさ。
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |　|::.:ﾊ: ﾄ从 ￣〈　　　　　　 　 　 ／/::.::.::.::.::.: ／　 ,'::.::. ｲ!
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 !.八::!.ﾊ::.::.ﾄ.､　 ｀　　　　 　 　 ／ ,ｲ:::／::.::.／　　./::. : /八　　　　　　こういうのは、な。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼∧:∧　　 ､__＿　　　 　 ／.／:／／　 __／::. ///　 ｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ/ .∧　　!::...........｀ヽ　ー=ﾆ彡 '´　 //::.::.::.::;′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　.ヽ　　　　　　　　　／　　 , ． /::.::.::.:: {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}ﾄ．　　　　　　　　_,,...＜　 ./::.::.::.i::.::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::ﾊ　　　 __ ．.＜　 　 　 .//.ｲ::.::|::.:ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|/ j:〉.≦!_＿＿__＿＿＿∠⊿!__ !:: 八
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　/　川┌──┐├─≠──|:|从
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |j/:::::::::::: ││ｨ=v:fj:::::::: |ハ
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4662： ◆x0SRSoJXe.：2022/01/06(木) 23:11:03 ID:WODpeHrQ0

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　　　　 　 　 .,..-――‐-.、
　　　　　　／　　　　　 　 ＼
　　　　　./　 ―‐　 　―‐　 ',
　　　　　l　　 ━ 　　 ━　　 l　　　　　　ご飯、どうしよっか。食べたいのあるかお？
　　　 ＿l　　　　　　　 　 　 ,'＿
　　　 ＼.ヽ、　(＿人＿)　／／　　　　　「そうねえ。とりあえず見て回りましょう」
　 　 　 /＼.＞、---- ,＜.／、
　　　 .,'. 　 ＼ ヽ〉-〈/　／ 　 ',　　　　　　わかったお。
　　　 l.　　 　 ＼ヽ /.／　　 　.l
　　　 |.　　　　　 ｀Y´　　 　 　 |

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だから、気にしてもしょうがない。
いや、気にはなるのだが、どうにかすることなどできはしない。

今この時はなおのこと、どうにもならない。
大人しく、アリスとお昼ご飯を食べる店を選びに行くことにしよう。
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4663： ◆x0SRSoJXe.：2022/01/06(木) 23:11:15 ID:WODpeHrQ0
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4664： ◆x0SRSoJXe.：2022/01/06(木) 23:12:40 ID:WODpeHrQ0
さて、今回はここまでだ。

次回は1/20の……21時からだと短いね。20時からにしよっか。

まあ、できたら13日にもやるよ。

今年もこの先生きのこれるといいなあ……きのこりたいよ。

シーユーアゲイン。

4665：安価のやる夫だお：2022/01/06(木) 23:24:33 ID:OSAO7keo0
乙です

4666：安価のやる夫だお：2022/01/06(木) 23:28:31 ID:ttUPGa3M0
乙

4667： ◆x0SRSoJXe.：2022/01/20(木) 11:59:07 ID:8k3KfWNE0
ハロー、モコイさんだよ。

たった今休みが潰れてね。呼ばれてしまったもので、今から仕事先に向かわねばならない。

投下できそうな時間帯に帰れそうだったら、また書き込むよ。

4668： ◆x0SRSoJXe.：2022/01/20(木) 19:10:16 ID:8k3KfWNE0
帰ってこれたよ。とりあえず予定通りに投下はしようと思う。

4669： ◆x0SRSoJXe.：2022/01/20(木) 20:00:44 ID:8k3KfWNE0

　　　　／||ミ
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　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ　　　　　
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ 　　　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´　　　　　　
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||　　　　　　　　
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
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　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

4670：安価のやる夫だお：2022/01/20(木) 20:02:28 ID:YjGVlkiI0
ハロー

4671： ◆x0SRSoJXe.：2022/01/20(木) 20:05:50 ID:8k3KfWNE0

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　　　　最近、世の中がしっちゃかめっちゃかだね。
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　　　　モコイさんはもう三回PCR検査を受けさせられた。おかげで懐がかなり寒いよ。
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　　　　保険適用なしってめちゃ高いよね……さて、ぼちぼちやっていこうか。
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

4672： ◆x0SRSoJXe.：2022/01/20(木) 20:29:37 ID:8k3KfWNE0


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天井に月が写され、それが煌々と藍色の中心で光っていた。
本物と見分けがつかないくらいに精巧なそれの周りには、微かに星さえ見える。

そこかしこに立つランタン風の街灯が点灯し、煉瓦造りの街並みを
柔らかく照らしていた。

時間もだいぶ遅くなってきたことを景色の移り変わりが教えてくれるが、
人の通りがまばらになったりはしない。むしろ密度が増えている。

この時間になれば、ブライドルで勤務する人々で溢れかえる。
そうでない人間も、ある程度の裕福さを持ち合わせている人間が来る。
そういった人間は、貧しい人間よりも数自体は少ない筈だが、集まるのだ。

ここは残された生存圏の中でも、随一の豊かさを蓄えた場所だ。

ほとんどの人は今日を生きるだけで精一杯で、明日のことなど目に映らない。
配給で回される食事の中のチョコレートの一欠け、
時々混ざっている薄いアルコール飲料に一喜一憂する。

それで世の中がどうこうなるわけではない。
冷たいコンクリートの上で眠る人々が、温かいベッドで眠る人々の事情など
知ったことないように。
温かいベッドで眠る人々の思考の枠に、飢えて凍える人々の存在などない。

みんな自分たちのことなど知ったことないのだ。
勝手に飢えるし、勝手に肥える。
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4673： ◆x0SRSoJXe.：2022/01/20(木) 20:35:26 ID:8k3KfWNE0




　　　　　　　　　　　　　　　　_, -===＝＝＝===ー-、
　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　 　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　／　　　　　 　　　　　ー--=、 　＼
　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　／┬-ヾ　　｀l
　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　 ∥　 i、:::::|　　 |
　　　　　　　　　　　 　| 　　　　　　　　　　　ヾー-ーナ　　 |
　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、
　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　 　　　　　（,,＿,,人）
　　　　　　　　　　　　 !、＿_,,,,,,＿＿　 　__　　　　 　　￣￣７
　　　　　　　　　　　　　 〉＿＿＿ __￣￣〈　　　　　 　 　／
　　　　　　　　　　　　　＞三三三三》:.::.:.:..＼　　　　／´/

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トウキョウのスラムでの暮らしも、今となっては大昔のことのようだ。
夢に見ることもあるし、ひょんなことで瞼の裏に焼きついた光景が蘇ったりもする。

冷たくて臭くて硬いものばかりの世界だった。
今となっては逆だ。冷たくて硬いものは戦場くらいにしかない。

放置されて荒れ果てたトウキョウの街並みをうっすらと思いだすが、
すぐに目の前の整った身なりの人の群れに掻き消される。

リンクスを辞めて、何かの不運で財産を失ったら、自分はあれと似たような
場所へと戻るのだろうか。

そうなるかもしれない。
眼前の豊かさと、そこかしこに転がる荒れ果てたコロニーとの壁は、案外薄いものだ。
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4674： ◆x0SRSoJXe.：2022/01/20(木) 21:04:18 ID:8k3KfWNE0

　　　　　　　　　　　　　./.:.／　／　　 ／　　　　　　　　 ゞヽ::::V）　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　 /;イ　.:./　　 ／　　　　　　　　i　　　Lﾊ:::Vヽ. 　 i. '.
　　　　　　　　　　　　 j// .:.:/　｀V} /　 .:　　　　　　 l　　　 （ﾊ:::K.　　｜｜
　　　　　　　　　　　　/ ,　.:.:L__/ },.ｲ　/{　 ..:.:.　 .:./}/＿j　　 ゝ!:|ﾉ　　 !　,
　　　　　　　　　　　　 ！ .:.:.| ヾミヽ| / |.:.:.:.:.＞ ´／　　/　　斗大｀ヽ/　 !心
　　　 　 　　 　 　 　 　 '　.:.:.K. L労|'　.|:.:／z=ﾐ＜/_.:./.　 〃　}ﾊ:}∠ﾉ .//７
　　　　　　　　　　　　　 '.　.:.| ＼ 　 　 .|/　　　.うか≫=　 |レｲ　 }Y　　.|//
　　　　　　　　　　　　　　ﾊ. :.'.＼　　´　 　 　 ｀"ｰ／　／ ./::/　.//／　|/
　　　　 　 　 　 　 　 　 / :.:＼>:.:丶　ｰ:-　　　 ／:.:／／ <_/ ／//　/　|　　　　　　私、ここ好きなのよね。
　　　　　　　　　　　 .／　.:./:|__r ､|｀ヽ＿_＿∠=-‐＜:.／　　￣./ .,ｲ　.: |
　　　　　　　　　　 ./　 .:／「　　　　　ﾍ＞ "￣:.／＞ ´　 /　 ／／/　.:.: !　　　　　　「川があるから、かお？」
　　　　　　　　　　/ .:.／　人_i　 r‐ァ＜:.:.:.; =-＜　　　／:.／;イ:.:/　.:.:.: .|
　　　　　　　　　 _L／ .／:.rべ_ノ=＝-‐ ´　　　　　 ／:.／:::::|:.:／ .:.:.:.:. /　　　　　　　ええ。水だけは本物だから。
　　　　　　　 ／.;.:-‐:,´-≠￣　　　　　 　 . :.:.:.,:.:.:.´; ＜::::＞ ´.:.:.:.:.:.:.:／
　　　　　　／／＞:.´:.:.:.　　　　　. :.:.:.:.:.:＞ '´:.:, ＜＞ ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.;　＜
　　　　　イ:.:／:.:.　　　 .　　:.:__:.:-‐イ ／.:.:.:／／⌒ー------イ
　　　　ム／　.:.:.:._:.:.-r=＝く　 ＼__／:.;.:イ::／:n＿__:::::＞--彡'
　 　 , ＜;　イ:.:.:.:.:.／ﾘ:::::::::::::＼ ／ ／ﾊ/:::::::::示アﾊヽ-=　´
　／,　 ´ ／:.:.:.／;イ:::::::::::::::::::::/ .:/＜::::::::::::::::/爪/L>_＞
/／　　/ .:.:.:.∠￣｀ヽ::::::::::::::::::| .:/::::::::::::::::::: / / | |

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川沿いの遊歩道に設置された柵に二人で寄りかかり、少し休んでいた。
白い息を吐き、アリスがぽつりと呟く。

今は寒いから乾ききった空気が充満しているが、
夏の時期には湿った風が水草の匂いを運んでくる場所だった。
緩やかに流れる川の中には魚の影がちらりと見える。

「ねえ、私たち、ちゃんと夫婦に見えるかしら」

「どうかな。結構、一言目じゃ信じてもらえなかったりするけど」

アリスの細い指が、並ぶ自分たち二人の姿が映る水面を指さす。
遠縁の姉弟のようと言われることもあるし、どこかの奥様と付き人に違いないと
勘違いされることも多い。初見で夫婦だと言ってくる人は少なかった。
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4675： ◆x0SRSoJXe.：2022/01/20(木) 21:16:45 ID:8k3KfWNE0

　　　　　　　　　　　　　　　　´　　 　 (_／:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i／)-′　 ｀
　　　　　　　　 　 　 ／　　　　　　 γ/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i／)｀　　　　　　　 ＼
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　　　　　　 　 '　　　　　　　　　　(ヽ:i:i:i:i:i:i/)　　 ;′　 　 ′:.　　　　 :',　　　　',
　　　　　　　　　　　　　　 _､‐'' ＞┐r‐ ﾐ=_　 　 | : 　 　 {: : : : 　　',　 i:.　　 　 }
　　　　　 　 ;′ 　 　 　 /ニ／　,イ{:{: : : ＼＼　|.: : 　 　{: : : : :. 　 ',:. }:ヽ: :　　}
　　　　　　 ;′　 /　　　＼､__／/　 '､: 　 　 > ヽ: {: :. 　 { i:i: : : : 　 }: :}: :i: : 　/
　　　　 　 ;′ : /　　　.:|　 ＞-/:　 ハ＼_／ ／ji :{!: :.　 {:从 : : i: : :}: :}: :}: : ./
　　 　 　 ;′. :/　　　 : l　　/ﾆ': 　 { : }＼彡': : ハ |＼: : |_j -＼ﾊ: /ﾆﾊ: i: :/
　　　 　 ;′: /　　　.: : j 　/ﾆ'{: :.　:i : }ﾆ}　.: :/ 　 ＼　' ´-‐‐ 　 j/rｫ　}/|/　　　　　　　――ねえ。
　　　　 ;′ /　 　. : : :;′/ﾆ':.{: :　 :{: :iﾆ}: .: /l 　 ／　,斗f坏､　　 {ﾘ!　　
　　 　 ;′:/　　. : : : :;′ ｉﾆ|: {: :　　:', ﾆ}: : ji｜　　イ　 辷ｿ　　　　＼　　　　　　　　　　「なんだお？」
　　　 ,′/　 . : : : : :;′. :|ﾆ|/{: :.　 : :,ﾆ}: : ハ|／)／ )　　 　 　 　 　 /
.　　 /: ,:′: : : : : : /　.: : レ': :,: :i:　 : ∨､ :|／ ／ ／ 　 　 　 　 　 ,　　　　　　　　　　　　リンクス、まだ辞めさせてもらえないの？
　　/／ . : : : : : : / . : : : :/ : : ', :l:　: f　rⅤ　/　,:´　,...　--､　　　/　_
　／　 . : : : : : : /. : : : : /: : :／! l: :. : ､.∨　/　 {　/　r‐―'　　 '´'"_　＼
　 　 . : : : : : :／: : : : :,.:': :／:i:i:i| :l: : : :}　　　 　 ｀~　 {　　　　//／｀`ヽ、ヽ
　　: :_____: ／_: : : :.／ ／(_＼:i:i:l :l: : : ', 　 　 　 　 　 '￣￣i　l{´ , --　,..　}
　 ／:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}h､ヽ )　 `(＼l :l: : : `､　　　　　　　∨: } |　ゝ'　 __　　　!
　:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:＼⌒)　｀（| :|: : /(`＼ 　 　 　 　 ∨j {　 } r'‐…' 　 ,
　:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i`､⌒)　 | :| : {　＼. `､　　　　　 }/,ﾊ.　Ｙ! ー‐
　:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ヽ⌒) | :| : {　　 ｀ヽ}　　　　 / 〉ゝ|　/｀¨´　 /

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
それ以上何を語るでもなく、ぼんやりと川の流れを見つめる。
気まずくなるでもなく、語るべき言葉が途絶えた訳でもない。
一緒に居るのが当たり前になると、こうした静寂が度々訪れる。

言葉には出さずとも、相手が隣にいることを感じる手段はある。
風の音の中に混ざり込む呼吸や、視界の端で揺れる髪。
傍に居ると微かに漂ってくる香木のような香り。
それだけでも十分だった。

しばらく二人で佇んでいると、アリスが唐突に切り出した。
声色も変えず、朝食の献立でも提案するかのように。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4676： ◆x0SRSoJXe.：2022/01/20(木) 21:23:38 ID:8k3KfWNE0

　　　　 　 ／ ￣￣ ＼
　 　 　 ／ノ　　ヽ__ 　 ＼　　　　　　……辞められないよ。戦うことで命が失われるかもしれない。
　 　 ／（―） 　（― ） 　 ＼
　 　 |.　　（_人＿）　　　u　|　　　　　けど、戦うことをやめたら、今の暮らし、全部が失われる。
　　　＼ 　 ｀⌒ ´　　 　 ,／
　　 　 / 　　　　　　　　ヽ　　　　　　　服もご飯も、こうしている時間や場所さえ、戦争の報酬だから。
.　 　 /　l　　　,/　 /　　 i
　 　 (＿) 　　(__ ノ 　 　 l





　|L__ ハ, ´///　　　　　　 　 　l
　　￣, ｲ /'／ﾊ　// / / 　　 　l
　　／ /／/'!ｲ! ./ハ! /　/ 　　′
　　　　メ/!|!|　!/　　 /　/　/ /
　 　 /!/|!!ﾄ､ /::/　,ｲ　 ,　,　/
　　 ﾊr=||､|!|/ヽ／/ ／ ｲ. '′
　　|! 　　/'"...ヾノイ '"／
　　| 　 　!::;／ '　 '!,イ´　　　　　　　　　　矛盾よね。
　　| 　　　　 　　 l//
　　! 　　　 　　　 V
　　　　　　　　, イ
　　　　_　_ ,´ﾚ i |
　　　 ｀フ ! /　 iﾘ
＿_ ／ 　 ﾚ

4677： ◆x0SRSoJXe.：2022/01/20(木) 21:26:16 ID:8k3KfWNE0


　　　／￣￣￣＼
..　／ ／ 　 　 ＼ ＼　　　　　　矛盾してないものの方が、世の中少ないお。
／　 （●） 　（●）　 ＼
|　　　　（__人__）　　　　|　　　　 みんな、命を繋ぐために、命を使ってる。
＼　　　 ｀ ⌒´　 　　／
／ 　 　 　　　　 　 　 ＼　　　　　やる夫も例に漏れないってだけだお。





　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＞ ´￣￣￣￣￣￣￣｀丶､
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　／ﾆﾆﾆ芯＾Yﾆヘ
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　／ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ≧、
　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　／ﾆﾆﾆﾆﾆ≧=────ヘ
　　　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　／ﾆﾆﾆ＞　´　　　　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　 /　　/　　 　 .／ﾆﾆ ／/　 /　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　 　 　 　 　 　 /　　/　　　　/ﾆﾆ ／　/　 /　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｉ
　　　　　　　　　/　　/　　　　/ﾆﾆ/´　 /　 /　　　　　　　　　 　 　 　 　 |
　　 　 　 　 　 /　　/　　　「￣/∧　　 {　　|.i{ 　 　 　 　 　 /　　　　　　 |　　　　　　　……ごめんなさい。
.　 　 　 　 　 /　　/　　 　 ∨'ｲ　」　　 | 　 |八　　　　　　 /　　　　　 　 .|
　　 　 　 　 /　　/　　　　　　/∨ /　　|　　─── ､　　/　　 ／　　　　}　　　　　　　　変なコト言っちゃった。
.　 　 　 　 /　　/　　　　　　/　 ∨　　 |　　芹云示ミヽイ　 ／ 　 　 　 .ﾉ
　　 　 　 /　　/　　　　　　/　 　 ∨　 .|　　　辷ツ　　 厶イ{　　　 　 ／　　　　　　　　　「やる夫もアリスと同じことは思うお。
.　 　 　 /　　/　　　　　　 {.　　　　∨　|＼　　　　　　 　 　 乂{人{／
　　 　 /　　/　　　　　 　 .|　　　 　 }　 |.　 ＼　　　　　　　ﾉ{／}　　　　　　　　　　　　　　けれど、今の暮らしを失うわけにはいかないから」
.　 　 /　　/　　　　　　 　 |　　 　 　 　 ﾄ､　　 ＼　 ー　／　　/
　　 /　　/　　　　　　　　　　　 　 　 ＼|　＼＿　　 イ´￣}　 /
.　 /　　 {　　 　 　 /´￣￣　＼　　　　｀￣＼　　　|│ {/ｊ／
　/　 　 .|.　 　 　 /　　　　　　　＼　　　　　　}ヽ　　 |　|
./　　 　 |　　 　 /　　　　　　 　 　 ＼　　　　 |　 ＼│ |
{　　　　 |.　　　/　　　　 　 　 　 　 　 ∨ 　 .人　　　､ .|

4678： ◆x0SRSoJXe.：2022/01/20(木) 21:31:35 ID:8k3KfWNE0

　: : : /: /.:.:.:.〆:.:.:.:.:.イr ゝ=ノ ゝ==ノゝ=.イ「 __ 》ーく＼＼:.ヽ
　: : / :/:.:. 〃:.:.∠))ﾆｲ : : : ′: : : : : : : : ::｀T: :Ｔ K 　V_） ）ゝｰ_‐ ､
　 :/: /:.:.:./:. イ ｢ ¨:.:: : : : :￤: : : :.￤: : : : : :|: : : : : ゝ,ニ､Y´1 （ ＼ヽ
: : : :/:.:.:.:.:./_ノノ: : |: : : : : . |: :|: : : :|:|:|: : : : :|: :￤: :| {: : : :} l |＼＼/ /
: : V:.:.:.:.:./|:「 : : : : |: : : : : : |: :|: : : :|:|:|!: : :i! |、:.|:..: L二二ァに二.ヽ/
: :/:.:.:.:.:/= ｲ : : :￤|: : : : :|:｜ |: : : :|:|:|!: : :l! | ! :ト､: :｜イ_ ｲ ＼　＼ヽ
:/:.:.:. イ ｌ: ￤: : : :! | : : : :.|:｜i:!: : : :!:!:!: : :.| :-|升 一└┬'丁 |ヽ＼__) ）
:.:.／:.￤:!: .:! : : : :! | : : : :.|:｜|: : : : !:|:|イ:丁:| !: | 　 V:.:￤:∥ |: : ト― '　　　
:/: : : ｲ:..!.: :!: : : : ! |: !: :..｜:|:.|!: : : 从川 : !:ｨニﾒ=z　|: : | /:| /.:. :|! i　　　　　
i!_／ ｲ: : : : : : : : ヾ! | : : :|:￤|!: : / /　 | 'イ芝少 　￤: / : ｲ:..:..: ﾄ､i　　　　　
一;/:人!ヽ: :、 : : ＞:.|-一ﾄ:!从 ,. 　 　　 　 ´　　　　/: :ｱ: :l |.: : :￤!: '.　　　　
:../://∧: :ヽ:＼: :ヽ　ﾚ: .:ニ ゞ　 　 　 　 　 　 　　 / イ｜:.リ.: : : | |: :ﾊ　 　
/ 二ｲ小: : : ＼:＼:ﾄ イ代少 　　　　 　 　 　 　　／　ﾚ′ : : : : :ﾙ' : : :i　　　
: : : : |:||: ﾍ: : : ::ゝ :＼　´ 　 　 　 　 ､　　　　 　 　 　 /: : : : : : : ﾄ､: : : :ヽ 　
: : : : |:||: :i∧: : : : : ゝ:ミ=-__ 　 　 　 　 　 7 　 　 　,.ｲ: : : : : : : ∧ ＼ : : :＼
: : : : |从::|: 人: : :V: : :| :へ 　　 　 　 ｀　_ 　 　 　 　 |.:｜: : : :人 _ゝ..＿: _ ...＞‐く .:.:.:
: : : : | : :|:!: : : :＞‐…　⌒Y＞　　　　　　　　　 ∠ノ::|:.｜ : : ′: : : : :.／:.:.:.:.:　　( : く
: : : : |!:.￤_ イ　　　　　 _ ム　⌒ヽァ ‐z - イ「冂￤:.|:.￤: ∧ミ_ __彡′:.:.:.:.:.:.:.:.::.:. :.:.
: : : : | V´　　ヽ　　　 ´　　　〉　　　＼／イ介1　|｜::|:ﾚ' : ﾍ　＼／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: .:.:.:.:Y:´.￣￣
: : ／Lj　　 　　 〉 　 　　 イ　　i　　　 ＼ij//∧l ! |:v.:/ :/ 　＞.´ . .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:. | :.:.::.|.:.:.:.:.:.:.::.:.:
ﾚ′　 　 　 　イ　　 　 ー（　 　ゝ ._　　　ヽ/|:.:.乢j://. イ´ :.:.:.:.＼ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.::　 | :.:.:.:|:.:.:.:.::.:.:.::.
　　　　　／　　V⌒ヽ　　　）　　Y⌒}　　　ﾄ.|丁|::.//／｜ .:.:.:.:.:.::. ＼:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:: 〃 :.:.: ! :.:.:.:.::.:.:.::
　　　　　　　／　 　　） イ ヽ　　ゝ ＿ ノ 　 }｜|'／　　 j .:.:.:.:.::.:.:.:.:.:. ＼:._:.:.:.:.:.　／ :.:.:.:.: 　:.:.:.:.:.:.::.:
　　　　　　　　　　イ＿　j　 |　　{__ 　 　 　 ） |￤　r‐ｰ |:r- ､く :.:.:.:.:.:.:　＼:. ￣:.:.:. 一-::人　:.:.:.:.:.::.
　 　 　　　_ .∠　　L 　 ）　 | 　 人 　　　 ノ‐z了丁_)　∧ .:.: ヽ＼:.:.:..:.:.:　 ＼ :.:.:.:.:.:. ／:.:.:.＞ー─
　　　 ￣　　　　　 　},イ_ 　 し'´　 厂 ￣ 　｀V 　 |:/　 　 ﾍ .:.:.:.:.:. ` :.:.:.:.:.:.::.:. ゝ:.: ／ :.:.／
　　　　　　-──┬'　　　） 　 　 /　　 　 　 /　　/　　　 　 ＼:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.:.:.:.::. 〆::.:.:.:（

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柵の上で頬杖を突きながら、アリスは腰を曲げてこちらを見上げてくる。
やれやれといった様子で、諦めたような笑みを口許に浮かべていた。

「なんだかんだ言っても男の子なのね」

「どういう意味だお」

「なのはも、C.Cも言ってたわ。『男はみんな身勝手だ。
愛してるなんて言っても、自分が勝手に想像した精一杯のものを与えるだけ与えて、
それで満足して死んで行ったりするのが男の愛なんだ』って。
女からすれば、一緒に居られるかどうかが全てなのに」

「それは……反論できないかもしれないお」
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4679： ◆x0SRSoJXe.：2022/01/20(木) 21:39:09 ID:8k3KfWNE0



　 |　 |　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{;;i´√ﾏ　{ﾑ　 i! i!￣
　 |　 | 　　|　　　 　| 　　　　　　　　　|　　　　　　　 ﾑﾏ/i!　 {{　 }ﾊ　i! i!
　 |　 |　　 |　　　　 ｌ　　 　.|　　 　 　 |　|!　　|　　　|;;ﾑ　 |　 ﾏ　 |;ﾊ　ヾ
　 |　 i! 　　|　　　　 i　　　 |　　　　　}}ﾊ|　 斗´i!i! .|ヽ;;i　.|　　iﾑ. ﾏﾊ　　＼
　 | 　 i!　　 i　　　　 ∨　 .i!　　　　i!/ 斗´从＿_ﾘi.| ﾉ;;| /|　　.iﾑ　ヽi　　　 ＼
.　 i　　i!　　 i　　　 　 ∨　i! 　 　 /ｰ ´　_x≦笊　 |i;;;;;|/ .iヾ　 iﾑ　 ＼　　　　　　　　　ねえ、私ね、こうしていられるだけで満足なの。
　　i　　i!　　　i!从从　 ∨ i!　　 / 　 彡弌:::::ソ´　ｉ ﾏ;;|　 | i!　 i_ﾑ＼　＼
.　　i　　i!　　　-‐―‐ヾ. ＼ヾ　/　　　　´¨￣　 　 }　 ﾏ}　i!∨ヾ ヽ}　＼　＼　　　　　　 場所もどこでもいい。どんな服を着ていても、
　　 i　 ﾑ　 　 　i! ,xz笊仆､ヽ/　　　　　　　　　　/从{| | /､ ヽ,　xzzzzx
　　　i　.ﾑ　　　 ﾍ ⌒弋_ソ　 　 　 　 　 　 　 　 // / | ﾚx≦//////////　　　　　　　　どんなご飯を食べるようになっても関係ない。
.　　　}　iﾑ∨　　 ヾ､　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ /　.|∧/////////////
.　　　|　|ﾏ､.∨　　ﾑ ＼　　　 　ヽ　　　　　 　 　 / 　 |///////////////　　　　　　　　こうしていられるだけでいいのよ。
.　　　|　! .ﾏ.　ヽ　　.! 　 ヽ　 　 　ｰ-‐ ´　　　 　/　／///////////////
.　　　| .|　 ヾ､　＼　}　　　｀＞x　　　　　　　　 /／/////////////////
.　　　ﾚ′　／/// 从≧x___ へ　 ｀≧-　　__ 　 ／/////////////////
　　　　　／/////////////// ＼_　 ／／￣////////////////////





　　 ｛ilililililillilil/ﾉ　/　　 /　　　　　 ヽ ＼
　　 ｛Ⅶilililili/ﾉ　 il　　 i　　　　ヽ　　 ﾊ　',
　　　｛Ⅶil≦ｲ　　il　　.il　 ﾄ､　　 i　　　 V
　_,彡ｲ 水￣ﾐヾ=.il　　.il　 ハ　　 ﾍ　　i .il
ｲｲ　 //ハヽ　　//　　 il　 i　ﾄ　　 ﾊ　 il il
ヾ　.//　　Ⅶ_／　il　 .升　|　ﾘﾊ　il ﾘ ｲ 丿　　　　　　私って、ほら、大人たちの都合で作られたじゃない。
　.Y /　　　 iliｲ.　 iﾄ　 ﾊﾄ>K彡' ｝/ ｲ.／/　
　//　　　　川　　.il ヽK' ／ ｨ= /　i､ il　　　　　　　　　殺しの為だけに作られた。私自身も、リンクス以外に生きる道なんてないと思ってた。
.//　　　　 ﾊi.l　　人｝　ィ匕r:j　　　 ｀ー,
Ⅵ　　　　 i　i.l　 .ハﾘ　　￣￣　　　　　/　　　　　　　　けど、それ以外の何かになれた。
illi｝　　　　il　il　 il　il　　　　　　　　_ _ｲ
ilil｝　　　　il　Ⅵ/　ﾉ　　　　　　 - ' ﾉilﾘ
人　　　　　ヾ≧　'　　　　　　　　 / /
ilililゝ,　- -　､ ＼＼　r､＿＿＿ /i./
ィ三三三三三ミ､ヽⅦﾐ=､_
三三三三三三三ﾐ､ ＼iミﾐ､

4680： ◆x0SRSoJXe.：2022/01/20(木) 21:46:33 ID:8k3KfWNE0

　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,､rｍ__rｖ竺vﾍｭrﾍ- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　{辷彡'こ三三三三≧ﾍV,ﾆニヽ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／彡ｸー＾ー'＾ー^￢卞〈＼ヽ∨
　　　　　　　　　　　　　　　／ 乃了　　　｀ヽ　　ヽ∨∧ヽ ＼｀､
　　　　　 　 　 　 　 　 　 //_/7　′　　 　 ハ　｀､〈〈_ノ ﾉ 　 ヽヽ
　　　　　　　　　　　r,ニＹ/」　′〃　　　, ' l| ﾄ､　l　l￣ｌ｢｀､ 　 | ﾊ
　　　　　　　　　　 __〉イ〃 ,　　/, ｌ　　 /　,ｲ！} ｜ﾘ　八　ヽ ｜ハ
　　　　　　 　 　 〈 rク//　,′ ,'/ｌ∥　,'　/厶‐十ナ/}小､ヽ　∨/　 ､　
　　　　　　　　,　-ｧ7ｲ {　 l 　 |l ﾊ ﾄ､ {　l /ィ乏ｆ千ｧ l |ヽ}_ﾉ 　 、､　｀、　　　　　　　　　　　あなたの妻になれた。
　　　 　 　 ／／　〃l ﾊ　 、　ﾚイ下丶､j′'ヾﾞジ　 // rﾍ川　￤ ヽ　ヽ　　　　　　　　　　
.　　　　 ／／　　 {l　{ い、､＼Ｖ,ｨｆ赤　　　　　　　//　 ,ｨ｜ｌ　｜　 ﾄ､　＼
　　　　 {_/　　　　ヾ　＼/ ヽ＼ヾ｀ｰ'′　　　　 　 { !　 仆//　 ,′　|　ヽ　 ヽ　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　 ノ{　{　 八_〉、　　 ｀ , - ｧ　 ゝ, ' V ハl /　　 ハ　}　　 ＼
　　 　 　 　 　 ,　-‐'´/ハ　、 {　｜ｌヽ､　　　　　　∠ニ-V　ﾘ　/　/　 ∨　　　　ヽ　　　　　
　 ,　-‐'´ ￣　　 -‐ﾆ|ｌ　7,ﾍヽ ＼ｌ＿　 「≧ァr＜::..::..::..::..∨　/,...┴､／ト、　　 　 l
／／　'′,　'´￣.:∧:.ヽ//　 ヽ＼j二　//／ ７j｢ヽ＼::..::／ , '´::..::..::..::ヽj　ヽ　　　 |
　, '´ , ／ ＿＿_ ,' ﾊ／　, ′ }ﾉ/　,..-ﾍ ＼_/∧V ／r┘／::..::..::..::..::..::..｀、∥　　　ｌ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
アリスは視線を落としたまま、水面に映る自分に語り掛ける。
顔にかかる髪をかきあげ、耳にかける仕草ですら、緩やかで優しい。

視線の先の、少し驚いた自分の顔を見つめては、目を細めている。

アリスが自分の方へと首を逸らして向き直り、小首を傾げた。
迷いのない深紅の瞳に、金縛りにあったかのように動けなくなる。
彼女の眼は、出会った頃から変わらない。
悲壮なほどにまっすぐで不器用な、人を射止めるような眼だった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4681： ◆x0SRSoJXe.：2022/01/20(木) 21:54:20 ID:8k3KfWNE0


　　　 　 /　　　　/ 　 |　　 |　　　　　　　　|　｜ | |　　 |　| | 〈:::〈　　　　|::::|
.　　 　 /　　　　/　　｜ 　 |　l　　　　　 　 |　 |　| |　　 |　| |　l＼＼____丿 ﾉ
　　 　/　　　　 ′　　|　　 |　|　　　　　 　 |　 |　| |　　 l　ｌ｜ |　 ヽニニイ
.　 　 ′ｌ　　　　　　　|　｜|　|　 　 　 　 / |　ﾉ 厶|－/　十| ┼-　、//　|
　　　l　l|　 　 l　　 　 |　 |｜｜　　　　 /　.|イ´　/　/ ― トL｜　　//　 l|
　 　 | ｌ |　　ｌ |　　 　 |　 |｜｜　　　 l ′ ﾉ/　 /／＿＿_l/l　|　　l:::| 　 ｌ|
　 　 | | |　　| |　　 　 |　 |｜ ＞、　　| | ／　 　 彡＝＝＝キ≦　|:::|　 '｜
　 　 | | |　　| |　　 　 |　 |／　へ＼　| l　　　　　　　　　 　 |ｌ｜　 |:::| /　|　　　　　私にも人を愛せるんだって、あなたが教えてくれたのよ。
　 　 | l∧　 |｜　 |　 |､/| l／ 　 ＿_　　　　　　　　　　　　 ||｜　 ＼〉　 |
　　　ヽ　 ＼|｜　 |　 | ヽ〈 　 彡'"￣　　　　　　　　　　　　ｌ|｜　　/| 　 |　　　　　 どんなに呪われた身の上でも、人を愛せる心は持てるって。
　　　|::::|＼|::l├ﾍ、 、ｌ　 ＼ 〃　　　　　　　　　　　　　 　 ｜|　　'　|
　　　|::::|　 レ＼ | ＼＼ 　 ∧　　　　　ヽ　　　　　　　 　 　 ｌ | 　 |　|　/　　　　　　 あなたの妻でいられる、この時間以上のものなんて、ないの。
　　　|::::|　　　|　|l ｜ ｀ ＼ トﾍ　　　　　　　　　　_,. ‐　 　 ノ八　 |　|./
　　　|::::|　　　|　| ｌ｜ 　 ｜ｌ|　＼　　　　　 －　´　　　　　　　　ヽ|　|′　　　　　　　……だから、あまり無理しないでいいのよ？
　　 └┘　　 |　|∧l　　 ｜||　 　 ト　　　　　　　　　　 　 　 　 　 二|
　　　　 　 　 八 |　ヽ　　｜|ｌ　 　 |　　|＞　　.　　　　 _　 ´ ／／..::.:|
　　　　　　　 　 ＼　 ＼ ｜ﾘ　 　 |　　|　　　　　｀Ｔ爪＿／／..::.::.::.:|
　　　　　　　　　　 　 　 ＼　　　　|　　|　　　　　　|＞〔]‐＜ ::.::.::.::.:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ　　| 　 　 　 ／イ/＾ｌ ト､＼::.::./





..　　　　　＿＿＿_
　　　　／　―　　-＼
..　　／　 （●） 　（●）
　／　　　　 （__人__）　＼　　　　　……。
　|　　　　 　　｀ ⌒´　　　|
.　＼　　　　　 　　　　 ／
.　　ノ　　　　　　　　　＼
／´　 　　　　　　　　　　ヽ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
決意表明じみた言葉に、たじろぐこともできず、呆然と聞き入っていた。

まったく同じ言葉を返せればよかったのに、舌が錆びついて上手く回らない。
気持ちで言えば、自分も彼女と一緒だったのに。

静かに頷き、軽く身を寄せるのが精一杯だった。

そして、それに続く言葉も、実際には口にできなかった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4682： ◆x0SRSoJXe.：2022/01/20(木) 22:01:00 ID:8k3KfWNE0

　　　　 　 　＿＿__
　 　 　 　／　　　　＼
.　　 　／　 　 　 　 　 ＼
.　　／　　　 ―　　 ー　 ＼　　　　　（君がそう言ってくれるから、やる夫は戦うんだお）
　　|　　　　（●） 　（●） 　|
.　　＼　　　　（__人__）　 ／
.　　　ノ　　　　｀ ⌒´ 　 ＼
　／´　 　　　　　　　　　 　ヽ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
今の言葉は、きっとロストワードの撃墜を受けての言葉だ。

残り短い時間を、わざわざ生き急ぐ必要もないではないか。
一秒でも長く、一緒に居られる時間を過ごしていたい。
遠くに行かないで。独りにしないで。

それに素直にうなずくことができない辺り、
やはり男という生き物は身勝手なのかもしれない。
あるいはただ愚かなだけなのか。

何も言葉にできず、身を寄せてくるアリスの肩をただ抱く。

分かってほしいだなんて、口が裂けても言えなかった。
それこそ、勇気を振り絞って止めてくれたアリスを泣かせてしまいそうだったから。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4683： ◆x0SRSoJXe.：2022/01/20(木) 22:01:10 ID:8k3KfWNE0
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ┌┐
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 □

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

4684： ◆x0SRSoJXe.：2022/01/20(木) 22:03:31 ID:8k3KfWNE0
最近、1回の投下で1シーンくらいしかやれていないね。最近だらしねぇな。

でも許してほしい気持ちもある。コロナで職場の人員が不足している分、私が色々身代わりになっているのだ。

正直休止してもいいレベルまであるが、一回辞めたら再開できなさそうで怖いというのもある。

とりあえず、次回の投下は2/3の20時からだ。

シーユーアゲイン。

4685：安価のやる夫だお：2022/01/20(木) 22:08:39 ID:8kjVYKBw0
乙

4686：安価のやる夫だお：2022/01/20(木) 22:14:39 ID:YjGVlkiI0
乙でした

4687：安価のやる夫だお：2022/01/21(金) 00:24:54 ID:DQ9K7VhM0
お疲れ様でしたー

アリスさんのいうことも分からんではないけど、お腹すいて寒くてろくに眠れないときにも同じことを言えるのかな？

4688： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/03(木) 20:01:05 ID:SPVs7s8c0
　　　　／||ミ
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　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ 　　　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´　　　　　　
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　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||　　　　　　　　
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

4689： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/03(木) 20:08:54 ID:SPVs7s8c0

　　　　　　　　　_　_　_
　　　　　　　／: : : : : : ｀i
.　　　 　　　i: : : : : : : : : :!
　　　　　　　､: :○: : ○: :!
　　　　　　　 i: : : : : : : : : i　　　　　　　割と身近なところでクラスターが発生したり、何度かPCR検査を受けさせられたものの、
　　　　　　　 l: : :,, --_ｯ: :',
　　　　　　　 丶 ｀‐'´: : : :ﾉ　　　　　　　ここまで一度たりとも陽性になってないモコイさんだよ。
　　 　 　 　 / ´: : : : : : : : ｀ヽ
　 . 　　　　/: : : : : : : : : : : : : ヽ　　　　　でも周りの人が陽性になったり濃厚接触者だったりで負担だけ増すモコイさんだよ。
　　　 , -‐': : ,: : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　／: : : ,-ｲ: : : : : : : : /｀丶: : : :､　　　　 「子供が熱出して……」とか言われると弱いよね。身代わりにならざるを得ない。
　 ｒ⌒ ,／　/: : : : : : : : i　 　i: : : : i
　 ` ‐ '　　/: : : : : : : : : |　　 ! : : : |　　　　　独り身の辛いとこだね。約束された休みもあったりなかったりだ。
　　　　 　 i: : : : , _ -‐ ´,) 　 ｀ ヽ _|
　 　 　 　 (_ _i￣(_　-‐'´i
　　　　　　|　:|`‐´i : : : : |
　　　　 　 |: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
　　　　 　 |: : : : : |: : : : : !





　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',　　　　　　　今回もそんなに長くはやれなさそうだ。
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ　　　 気持ち的には、今回の投下でエピローグ終わらせるつもりだったんだが……
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ　　ぼちぼちやってこう。
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

4690： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/03(木) 20:09:20 ID:SPVs7s8c0

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　　..:.:.. ..　. ...:.:.:..:... ..:.:.:... . .　　..　 .:.:.:.:....　　　....:.:.:.. ..:.::..:...　　....:..
...　　...　　　　　...:.:.　　　　　　　　　　　　　.　　　　...　　　....:.:.:.:.::..


　　　　　　.　´:. :. :.｀ヽ　. 　 -‐…─-　.
　　　　 ／　⌒ ＞:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :.｀ヽ
　　　　　　. :´. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :｀ヽ:. :. :. :. :.
　　　　 ／:. ／:. ／. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :.
　　 　.: 　イ. :. /:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :＼ :. :. :. :. :. : :.
.　 　/／/:. :. /:. :. :. i. :. :. :. |. :.ヽ :. :. :.ヽ:. ヽ. :. :. :.}
　　/′ .:. :. :ｉ :. :. :_/!_:. :. : :-:‐:‐:￢:丁ｉ|:. :. | :. :. :.: 　　　　　　　「幾つか、答えてくれないか。君が、本当に企業連の代弁者というのなら」
.　 　 　 |:. : :. :. :. :. {从:. :. :. !r乞云な刈. ﾄ､:. :. :. :.ｉ
.　 　 　 i:. :. ,仆.: :. 《≧ヾ:. :.|　 ｖ:し':ﾘ/:. .|　ｉ:. .:. :. !　　　　　　　　……私の役割に反しない範囲であれば、いいでしょう。
　　　 　 ::. / |', |:. ∧ゞｉj} ＼!　 ゞｰ '/:. :. レ' :. :. :. :
　　　　　!/　从:!', :. ｉ `´ 、 　 　 　 仆: /:. :. :. :. :ﾄ. ',
　　　　　′ 　ヾ 从.ゝ　　 。 　 　 ノ:. ∧:.ヾ !',:. :| ｀ヾ
　　　　　　　　 　 八:|:.:＞　_　＜ :从:/＞｀ヾｌ ＼!
　　　　　 　 　 　 　 ヾ, ィ＜7辷ｊニ／ニニ≧ 、
　　　 　 　 　 　 　 ∠7ニ/⌒ｰ／ニ:＞ ´二二＼
　　　　　　　　　∠ニ{- /^ ^／┌/´ニニニニニ∧
　　　　　　 　 〈ニニ圦/ ／ニノ/ニニニニニニニ＼
　　　　　　　　√:::::｀冂 ―＜=7=ニ二二二∩二ニニ',
.　　　 　 　 　 〉:::::::::只:::::::::::::〈≡≡≡ミ＼ ∪／≡== 〉
　　　　 　 ／/::::::／ニゝ::::::::::::〉二二二 ＼ 二／ニニ7
. 　 　 　 〈:::::ヽ／/ニ /::::＼::/弋:ニ二二二二二ニ／
　 　 　 　 ＼::::∠ニ/／ニ ｀'ニニＹｰ－==三イ〈＜





　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　／ 　 （●） 　（●）　 ＼　　　　　……アリスのことだ。オルデンブルクの女王と呼ばれていた、元ランク4のリンクス。
　　　|　 　 　 （__人__）　 　　 |
　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／　　　　　　彼女が、企業連上層部で、どういう扱いになっているのか。
　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ
　　 / 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |　　　　　　　　「たぶん、あなたが考えているとおりだと思いますよ」
　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
シュテルは少女らしからぬ表情で、眉ひとつ動かさず語った。
感情が一切滲み出ていない静かな瞳は、真っ直ぐにこちらを捉えているものの、
無機質さすら感じさせられた。

ネクストに乗っていると、命の奪い合いという極限の状況においても、
舞う血肉や、憤怒や苦悶の表情を見ることは少ない。
舞うのは火花と鉄片で、目に映るのは敵機のヘッドパーツやカメラアイの光だけだ。

彼女と話している時の感覚は、それに近かった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4691： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/03(木) 20:11:04 ID:SPVs7s8c0

　　　　　　　　　　　　　　　　　 -‐ ───-
　　　　　　　　　　　　　　 ´: : : : : : : : : : : : : : : ｀丶
　　　　 　　´￣￣ミY´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
　 ／⌒￣／￣: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼ : : : : : : : : ' .
　　　　　/: : : : : ／: ::/: : : :ｉ: : : : ::|: : : : : : : ::ヽ : : : : : : : :|
　 　 　 / : : : : : : : : : !: : : :ｉ|: : : : ::|: : : i : : : : : : : : : : : : : :|
　　 　 ,': : : : : : /: : : :|!: : ::八: : : : |＼-‐ヽ ヽ: : : : : : : : : ::|　　　　　　あなたへの報酬、ですよ。企業に尽くした報酬。企業に尽くす報酬。
　　 　 |: : : :/: /|: : : :ﾊト､ |｀　: : : :ｌ　 ｨ≠==ｧ}: : : : : : : : : !
　　 　 |: : :/|: :| |: : : : x==＝ﾐ｀ . : :ｌ 　 l::::::丁`ｉ:: : ::|､: : : : |　　　　　　　そこの彼とほとんど同じです。
　　 　 |: :/ :|: :|八: : : : f::::::云　 ＼| 　 辷Zｿ　|: : : | }: : : :i|
　　　　{/　 :}: ｉ|: ::＼: : :マｚツ　　　 　 　 　 　 |: : : |ﾉ: : : : {　　　　　　　 ……アリス・メルキュリーは本来、オルデンブルクが所有する
　　　　　　　Ⅵﾊ: : : ＼|　　　　 ′　　　 　 　 |: : : |: : : : :八
　　　 　 　 　 从i: : : : 小　　　 　 ＿__ 　 　 　ｲ: ::/: : : : ::| 　　　　　　　 兵器群に属するもの。戸籍などの話ではありません。
　　　　　　　　　 ＼: : :||: 个　　　　 　 　 　 ｲ::|: /|: : : /}/
　　　　　　　　　　　＼八ﾉ|: : :≧.､ _._　 ≦´__ |/-|┐/　　　　　　　　　　　統治機構によって、彼女の存在は、そう制定されているのです。
　　　　　　　　　　 , -‐‐ ､ ＼:{Ｖ}ﾊ} ::::::::::::::::::::::::::::: |　　 　＿＿_
　　　　　　　　　／::::::::::::::::＼＿_ノ:::┌──┐::::::::::ﾄ､__／:::::::::::::ヽ
　　　　 　 　 　 {:::::::::::::::::::::::::::::|.|:::::::└──┘::::::::::|.|:::::::::::::::::::::::::::}





　　　　　　　　 .　 ´. . . . . . ヽ: : : : : : : : : : : : : ｀丶＿
　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ::＼
　　　　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
. 　 　 /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .ヽ
　 　 /: ::／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼: : : : : : : : : :Ｙ
. 　 /: :ｲ: : : : : : :/: : ::/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ: : : : : : : : .'
　 /／/: : : : : ::/: : ::/: : : : : : : : : : : : !: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :|
. / 　 ′: : /: ::|: : : :|: : :/: : :|: : : : : : :|: : :|: : : : : : : : ﾊ: : : : : : : :|
　　　|: : : /: : ::!: : : :|_: :ﾊ: : i|: : : ::|: : :ﾄ､: |＼: : : : : : : !: : : : : : : :!　　　　　　　あなたがリンクスとして戦うことへの報酬。
　　　|: : ::|: : : :|: : : ｉ|: :≧ ､λ: : :∧: :|x-‐ヽ ＼: : : : ::|: : : : : : : :|
　　　|: : ::i: : : ｌ|: : : :x≠==ﾐx . : :ﾊ ヽ x==≠＝ﾊ: : : ::|: : : : : : : :|　　　　　　　 半永久的なレンタルと言ってもいいでしょう。
　　　|: : :i|: : : :|八: :{ｌ､f::Ｊ:抃. ＼∧　　 伝Ｊi:勿 }ｉ : : ト､: : : : : ::|
　　　∨::Ⅳ: : :ｉ|: ::＼ ∧こツ　　 ＼. 　 ∧こツ　|: : : |　}: : : : : .'　　　　　　　　二人で暮らせる家に、平和な人工島。
. 　 　 ∨　∨: i|: : : : ヾ　　　　,　　　　　 　 　 　 |: : : |ノ: : : : : : {
　　　　　　　＼|: : : : : |　　　　　　 　 　 　 　 　 /: : :/: : : : : : : 八　　　　　　　 そして本人に対する兵士、被検体としての義務の免除。
　　　　　　　　 }ﾊ: : : 个　 　 　 ｰ ‐ 　 　 　 　 ｨ: : :/: : i: : : : :/
.　　　　　 　 　 从: : : 丶: ｀. ､　　　　 　 　 イ./: :／: : /|: ∧/　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　＼{∨|: :! : : ｌ≧-‐ ≦.＿_./ ｲ'|: :/|/ :}/
　　　　　　　　　＿　 　 ∨＼/|_}　┃┃　　 　 {ﾄ､/__　　　 　 -─-､
　　　　　　 ....´ :::::::::｀Y´￣￣Ⅳ {二二二}: 　 /:::::::::::￣}｀Y´ :::::::::::::::｀ヽ
　　　　 ／ :::::::::::::::::: // ::::::::: |:　　┃┃:　 　/:::::::::::::::: //:::::::::::::::::::::::::::: ＼
　　-‐‐″::::::::::::::::::::// :::::::::::::|／＼／＼＿/:::::::::::::::: //:::::::::::::::::::::::::::::::::::::

4692： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/03(木) 20:17:40 ID:SPVs7s8c0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　 　 ,.　 :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. ｀`丶､
　　　　　　　　　　／:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. ＼
　　 　 ,,.. -― - ':. :. :. :. :. :. :. :. :. :. : ―:. :. :. :. :. :. :. :. :ヽ
　　／⌒＞'":. :. :. :. :. :. :. :. :. :. ―:. :. :. :. :. ＼: :. :. :. :. :. :.
　　　 ／:.:./ :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. : ＼:. :. :. :. `､:. :. :. :. :. :.
　　／7 : /:. :. :. :. :{:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. : ＼:. :. :. :.`､ :. :. :. :.:ｉ:
　 　 /:. /:. :. :. :. :. :.､:. :. :. ＼:. :. :. :. :. :. :. ＼:. :. :. `､:. :. :. :| .　　　　　　　コジマによって被曝しようが、余命いくばくであろうが、
　 　 . :. :. : |:. :|:. :. :. :＼:. :. :. ＼:. :. :. :. :. V:i:i＼:. :. :. :. :. :. |:. .
　　 ｉ :. :. |: |:. :|:. :. :. :.:|: ＼ :. 一＼:. :. :. :. V:i:_:i:＼:. :. :.､:. :. :. :.　　　　　　企業からすれば関係ありません。
　　 |: i :. | i|:. :.､:. :. :. :i ／ ＼:. :. :. ＼:. :. :. V^ ＼i: ー‐:. :. | :. :.
　　 |: l :. |八 : : ＼:. :. :､　　　＼ :. }:. :. :. :. :〈⌒　}:i:. :. :. :. :|:. :. :.　　　　　　リサイクルのしようはいくらでもありますから。
　　 |八:. |:. :.＼:. :.|＼:. :＼ _,,.　ｧ ､|:. :. :. :. :. 　ノ/:i:i:i:. :. :. :|:. :. : ､
　　 { 　 ､:. :. :. ｉ＼|:i:i:}＼:へｿ '　 　 :. :. :. :. : ｉ ノ:i:i:i:i:i:i:. :. :.|:. :. |　＼　　　　 脳髄だけ取り出して生体OSとして運用するでも、
.　　　　　＼ﾄ　{ |:i:i:i:ﾉ 　 　 　　　 　}:. :. :. :. :|　 ＼:i:i:i:i: : : |i: :. |
.　　　　　　　 　 |:i:i:i:ヽ　 　 　 　 　 ﾊ:. :. :. :.j|　 　 ﾄ:i:i:i:i:. :从 : |　　　　　　　 あちこちを機械化して無理やりネクストに乗せるでも。
.　　　　　　　 　 |:i:i:i:i:ｉ:ぅ:.､　__　　　　}:. :. :.:从　 ／／＼:. :. :.＼
.　　　　　　　 　 |:i:i:i:i:i:i:i:i:込　'　 　 .ｲ:. :. :/､ ／／';';';';'; ＞―‐ ＼
.　　　　　 　 　 人:i:i:i:i:i＼:i:i:i:≧ -:/:.|: :. /__/ ,;';';';';';';'／';';';';';';';';';'; ＼
　 　 　 　 　 　 　 ＼:ｉ:|　 ＼:人／;';';|:. / ∨./';';';';'／';';';';';';';';';';';';';';';';'＼





　　　　　　　　／.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∧
　　　 　 　 　 {.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:∧
.　　　　　　　 |.:.:.:.:.:/.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∧ .:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.｝
　　　　 　 　 ,'.:.:.:.:.:{.:.:.:.:.:.:イ／／.:.:.:/　ヽ.:.:.:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.ﾘ
　 　 　 　 　 !:.:.:.:.:.:|:.:.:／ﾉ' ／ ｊハ从 斗七爪}.::.:.:.:.:.:.:i
.　　　　　　 〃i.:.:.:.:∨ ￣廾ト､ ﾉﾙ' 　ィﾃ示ヽ!:.:.:.:.:.:.:.:|
.　　　　　　/ 八.:.:.:ハ〃「丕ﾗ　} 　　　`´￣ /.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　……。
.　　 　 　 /　 　ヽ:.:.:∧ ´ 　 　 :!　 　 　 　 /:.:.:.:从}八{
.　　　 　 　 　 　 }:.:.:.:∧　　　　`　　　　　/.:.:.:.:イ/ヽｊ
　　　　　　　　　 ∨ヽ.:介　　　 ´こ丶　 / 从:/ﾉ'
　　　　 　 　 　 　 　 }从.:.:＞　 　 　 　 ／}:.:/
　　　　　　　　　　　　ヽｊヾi:.:| ≧ ､　 イ　 :|/
　　　　　　　　　　　　　 　r‐＝＝＝＝＝＝7
　　　　　　　　　　　　　　 ||:::::://:::::::::::::| |:::::{
　　　　　　　　　　　　　　/′::| |:::::::::::::ｌ| |:::::|l

4693： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/03(木) 20:17:58 ID:SPVs7s8c0

　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_　 　 　 　 ,　-―-.､
　　　　　　 　 　 　 　 , . . . :.´　: : : : : : : : : :｀ヽ(: : : ∠⌒ヽゝ
　　　　　　 　 　 　 ／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ
　 　 　 　 　 　 　 ,′: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.
　　 　 　 　 　 　 .:.: : : : : : : : : : : : : : l : l : l: : : : :ヽ:.丶: :＼: ＼
　　　　　　　　　 |: : : : : : : : : : /: /__|｣_:.|: :ﾊ:; :ヽ_: | : | : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　 |: : : : : |: : : :/イ´:.//|: ﾊ/　}ﾊ｢|:! | : |: : :|: :ヽ､: :}
　　　　　　　　　 |: : : : : |:.:.:|l |:/|／/ ﾅﾉ }　ﾉ　|ﾅ|:.| : |: : :ﾄ.:.:|ハ/　　　　　　けれど、企業連はそれをしない。
　　　　　　　　　 |: : : : : ﾚ'|儿爪芋ミヽ　′　 爪{从: :|: : :|.|: |　′
　　　　　　　　　 |: : : : : : :|i: :刈::rし::|　　　　 |:r'| ムｲ|: : ｌ.ｌ| |　　　　　　　　 手塩にかけた人工の英雄、その余生をあなたに預けた。
　　　　　　　　　 |: : : : : : 八: :弋こソ'　　　　 ゝｲ´|: :l.|: :ﾉ八|
.　　　　　　　 　 ;': : : : : : : :|＼: :|　 　 　 　 　 '　　|乂ﾙ′　　　　　　　　　　明らかに破格のことです。恩寵とすら言ってもいい。
.　　　　　 　 　 /: /: :}: : : /| : ﾄ､|　　 　 ＿ _　　 ｲ|
　　　　　　　　/／レ'|:_:_:/..| : ﾄ､　　　　　　　／从|　　　　　　　　　　　　　　
　　　 　 　 　 ´　　ｘく＼＼.!八 ヾ＼　＿ .／}人|. ′
　　　　　　　　　／::::::＼＼＼ヽ＿_/　ﾙ' }ノﾉ丿ヽ
.　 　 　 　 　 ／::::::::::::::::::ヽ`ー-匚0]ヽ＼
　　　　　　／ :::::::::::::::::::::::::|＼＼彡ミ/＼ ＼
　　 　 　 / ::::::::::::::::::::::::::::::|:::::ヽ ＼./　./｀ヽ.ヽ
.　　　　　{ :::::::::::::::::::::::::::::: |:::::::::::＼爪/:::::::::::::}

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「あまり聞いていて気分のいい話じゃないな。
本当に、ただの兵器として扱っているのか」

「ええ。兵器ですから」

随分な話だ。リンクスだネクストだと言ったところで、
アリスにしろ目の前の少女にしろ、結局は人間だろうに。
そしてそれを道具扱いしているのも、同じ人間だ。

やっていることとしては、人間が同じ人間を兵器に貶めているだけなのに。
この子は何も思わないのだろうか？
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4694： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/03(木) 20:26:24 ID:SPVs7s8c0

　　　　 ＿＿＿＿
　　　／　　　　　　＼
　　/ ─　　　─　　　＼　　　　　　随分淡々と語るじゃないか。他人事でもないだろうに。
　/（ ●）　 （ ●）　　　 ＼
　|　　（__人__）　　　　　　 |　　　　　君自身、どう思っているんだ？
　 ＼　｀ ⌒´ 　　　　　 ／
　 　/　　ー‐　　　　　　ヽ
　　/　　　　　　　　　　　 ｀





　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／⌒´￣￣￣￣＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／.: : : : : : : : : : : : : : : :. :.＼
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /.: :. :./: /: : : : : : : : : : : : :ヽ: :.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 //.: .:./: / : : : : : : : : : ｉ: :|.:..:.|: : :.}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {:.|: : : |: :|: : : : : |.: : :.|: :|: :|.:..:.|: : :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |.i{: : : |: :|──-ﾄ: : :.|-──: |: : :.|　　　　　……命に意味も理由もありません。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |八.:..:.|: :|芹云ﾐ　∨:芹云ﾐ}从从{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼{: :|　ヒﾂ ｀　∨ ヒﾂ /: :}.: :.|　　　　　 けれど、私たちにはある。意味も理由も与えられている。
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |.i{: :.､　　 　 '　　 　 /:|: :|ヽ人
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |八.: :.＼ 　 -- 　 ィ:.八/}/　　　　　　 それだけのことです。使い道もなく作られた道具がないように。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 Y＼{｀＞＜´_二ﾕ　}/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　　」　 }　　||　{　　 人＿r─ ､　　　　　私たちには、命の使い道が与えられている。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 __／　{￣´　厂￣￣＼＿´　　 人＿　>､
　　　　　　　　　　　　　　　　　{　｀￣＼//　 ｀￣￣´　　 }　／　　／´￣）

4695： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/03(木) 20:26:41 ID:SPVs7s8c0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ――. . .
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 . :´: : : : : : : : : : : : : :｀: : .
　　　　　 　 　 　 　 ´￣￣ミY : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.＼
　　　　　　　 ／: : : : : : : : : : :. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　／⌒￣／￣: : : : : : : : /: :. : | : : : |! : ＼: : : : : ヽ: : : ﾍ
　　 　 　 　 　 　 /: : : : : ／: : : : /: : :.:.ｲ:i:.:.:.小:. :. :.ヽ: : : :. : : : : .:.
　　　　　　　　　/: : : : : : : : : : : /ｉ: : : /.|:|! : : |　､: : : : :. :. :.ｉ : : : : :i
　　　　　　　　　 : : : : : .': : :': : :ｉ/|＿/　|ﾊ: : :.| 　ヽ ＿ｉL: : |:. :.:ｉ: : :　　　　　　　……私たちも、広義で言えばロボットなのですよ。
　 　 　 　 　 　 |: : : :/.:|: : :|!:匕|「| :/　｀{　 ､:.ﾊ　´　＼{ヽ｀ |: : :|:.:.:ｉ
　 　 　 　 　 　 |: : :/|:.:|: : :|ｌ: : | ｘﾃ笊ミ　　 ヽ乂ィ笊伝ﾐy:ハ: :l: : ﾄ　　　　　　　肉のパーツに、神経の配線。脳細胞でできたCPU。
　 　 　 　 　 　 |: :/ :|:.:|: : 八: :|《 {うｆ:j::}　　　　　 r':ｆ:j:::} 》': : : :.!: :.l
　 　 　 　 　 　 {/　 :}:.ﾊ: ｉ:.小 :.　乂:::ソ　　 　 　 乂:::ソ ﾊ .i: : :|:.:.:ｉ:..　　　　　　　骨のフレームに、血の動力線。
　 　 　 　 　 　 　 　 |:'..从: :|: ヾ:.　　　 　 　 '　 　 　 　 ﾑ. ハ: :l: : ﾄ､:..
　　　　　　　　　　　　 八! ヾ : ｉハ　　　　 　 _　　　　　 : : :..: : :.!: :.l　｀＼　　　 　 機械のロボットと、何の違いがあるでしょうか。
　　　　　　 　 　 　 　 　 'ｲ: :/!: : :ヽ　　　　　　　　　　ｲ: :/./: /）:.:.|
　　　　　　　　 　 　 　 　 ｌ ,ｲl:!:. : 从:＞　 　 　 　 ＜ /: :ｉ :/ｲ∧乂　　　　　　　　そして、ロボットはプログラムに従って動くもの。
　　　　　　　　　　　 　 　 !/ゞ'´..: :.| ヾ小　≧≦　小/: ﾍ{　ｲ ﾉ′
　　　　　　　　 　 　 　 -─‐-　>乂:. :r'|::::{二二}:::::|ノｲ 　..-､-─‐- .　　　　　　　……遺伝子というプログラムに。
　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::|ｌ|:::::::::::::::|:::::::|:|:|:::::::::l:::::::::::::::|l|:::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　 ／:::::::::::::::::::::::::|l|:::::::::::::::|/＼／＼〃::::::::::::::|l|:::::::::::::::::::::::::::ヽ　　　　私も。本来なら、彼女も。
　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::/|l|:::::::::::::::＼:::::::::::／ ::::::::::::::::|l|,:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ





　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　／ 　 （●） 　（●）　 ＼　　　　　　なら、良いことを教えておいてあげよう。
　　　|　 　 　 （__人__）　 　　 |
　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／　　　　　　ロボットにも心は宿る。なら、人と変わらない。
　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ
　　 / 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |　　　　　　　アリスも……君もだ。
　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|

4696： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/03(木) 20:34:31 ID:SPVs7s8c0

￣￣:::::::::―　=-　.　　 　 　 　 ＿
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:::::::| :::::,:::::: /:::::::ﾉ::::／::|:::::::::/:/:::::!::::::::::::::!
:::::::|::::::|:::::/ィｚｚｚｚｚミ /::::::,ｲ:/:::::::|::::::::::::::|　　　　　　　　　……いずれにせよ。不憫とは思いますが、あなたはネクストを降りられない。
::::从:::::|::::::《 ん::ｆj7　/::::／:ｊｲ:::::::::|:∧:::::: |
:::::::::ﾍ::|::::{　弋;;;ソ／イ　{::::::|::::::/ｊｲ　∨:ﾘ　　　　　　　　　 あなたがネクストを降りた途端に、企業連は、奥様の身柄を
::::::::|:::::ヾ:|　　　　　　　　 〉::::!:::/|::/　　∨
::::::::{:::::::|ヾ　　　　　　　, '::::::/ｲ. |/　　　　　　　　　　　　　　あなたに預けておく理由がなくなる。
:､::::::':,::::ﾄ ､　 　 -‐ _／|::::::/!::|
　＼::个ヾ　＞.､ィ/ 　) }:::/. ﾚ'　　　　　　　　　　　　　　　　 私もあなたも、彼らの意に沿う範囲で、戦い続けるしかないのですよ。
ﾄ､__ ヽ!＼',/｀ 〈 〈 .イヽ＜_
//∧i:i:i:i匚〕 　/匕 | 　}:/::｀Y____
///∧i:i:i:i∧.}/く{:::::乂γ｀ヽ::∨O＼
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二年前、自分はネクストに乗った。
そして、アリスと出会い、いつしか夫婦となった。

それによって、あまりにも大きなものに関わることになった。
組織、体制、統治機構。社会というシステム。世界。

大袈裟な言葉を使う人が、よく世界が社会がと口にするのを耳にする。
その一部でいられる内は、まだいい。
けれど、それに深く関わった時、個人の人生など容易く飲み込まれ霧散する。

今の自分が、人生の使い道を自分で決められないように。

自分だけではない。

あの時、あの狭い病室に居合わせた三人の内誰一人として。
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4697： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/03(木) 20:35:13 ID:SPVs7s8c0

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4698： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/03(木) 21:06:12 ID:SPVs7s8c0
〜ブライドル地下　とあるシティホテルの一室〜
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　 ニニニニニ.／　　　 　 　 　 　 　 　 　 |　 |
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　ニニニ｀ヽニ.ﾊ　　 　 j.　　　　　　 　 　 i!　　　　 !　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i
　ニニニニﾆ＼ ﾍ　　 　 　 i.　　　　 　 　 jﾊ　i　　i　　　　　 　 　 　 　 i　　　 　 　 　 　 　 .|
　ニニニニニニ',ﾆ.､　　　　{　　　　 　 　 　 }　/从.ヽ　　　　　　　　 　 |　　　　　　　　　　　|
　ニニニニニニ ',ニヽ　　　',　　　　　　　　 j./.　　　　`'' ＜..＿＿＿ 从　　j!　　　　　　　　|
　ニニニニニニﾆ}ニﾆ≧..＿',　　　　　　　 /′　 　 　 　 __/ﾆｱﾆア__　`＜ｱ-､_　　　　　　 !
　ニニニニニニ≧ ､ニニニﾆﾍ　　　　　　　　　　　 　 ノﾆ/ﾆ/ﾆ/ｲﾆア　　 ＼ゝ_ヽ_
　ニニニニニニニニ＼ニニﾆﾆヽ　　　　　　　　 　 　 {ニニニニニﾑｰｧ　　　 ヽ ゝ く　　 i
　',ニニニニニニニニﾆヽニニニﾆ＼　　　　　 　 　 ノニニニニニ r ´　　　　　.',　　 ｀ヽ .!
　ﾊニニニニニニニニニ ',ニニニニ≧=- "´　 ..／ニニニニニ／　　　　 　 　 .i　 　 　 ',|
　　’ニニニニニニニニニ.',ニニ＞≦..,,＿,..ィ≦ニニニﾆ＞''"´ 　 　 　 　 　 　 } 　 　 　 ',
　 　 ヽニニニニニニニニ.＞＜ニニニニニニニニニ.／　　　　　　　　　　　　 .!
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　　　　　　　　}.＞ ､ニニニニニニニニニニﾆ／　　　　　　 　 　 i　 　 　 　 ／　　　　　 /
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　 /　　　　　　 ／ニニニニニニニニ≧=z-= ニ二 __　ニニニﾆ|: : :.| |:|ニニニ≧=,.z≦二二
　　　　　　　　/ニニニニニニニニニニニニニニニニ≧､ ニニ}: : : し !ニニ＞＜ﾆニニニニ

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ベッドライトが点灯しているだけの薄暗い室内で、湿った音が響く。
陶器のような白い肌に、血管が薄っすらと透けて見える乳房に、
玉のような汗が浮かんでは、自分の胸や腹へと流れ落ちていく。

頭の中がぼやけてはっきりしない。
柄にもなく、ホテルのレストランで出されたスパークリングワインを飲み干したせい
だろうか。アルコールが脳味噌に浸透し、脳細胞をふやけさせている。

睦言も、相手を悦ばそうとする工夫もなく、ひたすらに身体を寄せ合い、
腕を背中に回し、腰をくねらせ粘膜を擦り合わせていた。
さっきまでの大人びたデートが嘘みたいな、色を覚えたばかりの少年少女じみた
セックスだった。

部屋に入って、上着を脱いで荷物を置いて、一休みとベッドに二人で腰掛けて。
あとはもうなし崩しだ。

ベッドヘッドにもたれ掛かり、身を預けてくるアリスを受け止める姿勢のまま、
何も考えられずに瞼を閉じる。

性行為の時は、いつもこんな調子だった。
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4699： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/03(木) 21:12:24 ID:SPVs7s8c0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 jI斗---------　　.,
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ィ＾芯Ｙ 　 　_,≦三三三三三三三ﾆ≧s。
　　　　　　　　 　 　 ,-‐'¨ (i{ゞ=ﾂ}j)'¨'‐- 、二二二二二ニニニニニ`、
.　　　　　　 　 　 ／　　　 （{=ニ})　　　 　 ヽ三三三三三三三三三三'，
　　　　 　 　 　 /　　　　　 ゞﾆ乂 　 　 　 　 ﾞ､ﾆ三三三三三三三三三',
　　　　　　 　 ,/　　 　 　 　 ,小、　, 　 、　　い三三三三⌒',三三三ﾆﾆ|
　　　　　　 　 {　　　　 　 　 }介{ 　 ',　λ　　Ⅳ;三三三三三}三三三ニ;!
　　　　　　 　 |　　　,　　 　 j｢^|｣V-‐V　Ⅵﾊﾘ三三三三三=ﾉ三三三三|
　　　　　　　　{　　、i　、　　　 ｉ､,ｨ＝≦:/:/ゞ}二二ニニﾆﾆ/ / 　 Y⌒`-　、
.　　　　　　　　', 　 ﾍ!　＼ ､ 　＼:/:/:/: 　 　 〉二二二二ﾆ}　}　√} .}　.|_,,..＞- .、
　　　　 　 　 　 ',　　 ', 　 ﾞヘ;、　 ＼ 　 　 　 {二二二.＞-(__(_ノ　ゝ' ゝ'　　　 　 ∨
　　　　　　 　 　 ',　　 ',. 　 　 '， 　 .ゞu　ﾟ 　 ijニﾆ＞´　　　　　　　u.　　　___　　　ﾟ,
.　　　　　　　　　 ﾄ　　 ', 　 　 } ＼　＼ｧー…'.＞´　　　　　___＿＿_,,..ィi〔三込、
.　　　　　　 　 　 j　　　}　 　 /　　￣　{ .＞ ´　　　　　　/三三三三三三三三ﾊ　.}
　　　　 　 　 　 ./　　　:!　　 j　　　,I斗 ’　　ι　　　　 /二二二二二二二二ﾆ∧/
　　　　　 　 　 /　　 　 }　　/　　　　　　　　　 　 　 .,ィ√三三三三三三三三三∧
　　　　　　　 / 　 , 　 /　／　　　　 　 　 　 　 　 ／　√二二二二二二二二二ﾆ∧
　　　　　　　,{　 〃　/　/　　　　 　 } u　　 　 ／＞…{二二二二二二二二二二二'.
.　　　 　 　 /レ'′／　 ;　　　　　　　　 _、丶 ／　　 /三三三三／三三三三三三 }
　　　　　　/;ｲ　／　　/{　　　　　　　　/　　　　　　 /二二二二ﾆ}二二二二二二二|
.　 　 　 ／　 ／　　 ,:' :|　　　　　　　　　　　 　 　 /三三三三__∧三三三三三三ﾆ.!
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　　　/　 / :{　 !　 :{:　,'　|＼　 　 　 。　　　`、　.√二二二ニ/ /:.:.:.Y二二二二二ﾆ!
.　　 {　,/　 {　∧ ,∧/ 、{二ミx　　　　　　　八　√二二二ﾆ/　{:.:.:.:.:}:)三三三三ﾆ.ﾘ
.　　 レ′　 Ｖ 　Ｖ　 Yゝ∨二込＿__,.。s≦三≧s三三三_/　 乂_:ノ二二二二二.;{′
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∨二二二二二二二二二二ﾆ_/　　,.ィ´三三三三三ﾆ.;!
　　　　　　　 　 　 　 　 　 八三三三三三三三三三三_/ー<二二二二二二二ﾆ.{

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たまの休日にアリスとテレビを見ていると、よくネイチャービデオが流れる。
アリスがそういったチャンネルが好きだから、というのもある。
が、この時代においては、失われた自然の景色というのは一定の需要があるようで、
野を駆ける豹の親子や、雪山に佇む鹿の横顔といったものがよく映っていた。

その中のシーンの一つとして、子供のライオンが母親に飛びつき、
意味も理由もなく擦り寄り、満遍なく身体を擦り付けていた。

それに近いかもしれない。本質は全く別物だろうが。

鈍重な思考を塗りつぶすかのように、アリスが唇を合わせてきた。
舌が押し込まれ、口内を余さず蹂躙してくる。貪るという表現以外思いつかない。
押し付けられた乳房が弾み、肉を打ち付ける音が耳朶に響く。
吐息が混じり合う。

僅かに残った理性がぐずぐずに溶けてなくなり、
膣内の感触を少しでも味わおうと腰を押し付けるばかりになる。
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4700： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/03(木) 21:29:03 ID:SPVs7s8c0


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　u　 ＼　　lj 　　　　　 ＼//////////////////
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　　　　　　　 儿ノ/⌒　　　　　　こ　に、 __　　　 ヾ,=J, 　／;;;∨/////////////
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　　　　　　　　　　　　　　　　　｀`　）ヽ　　　　　U　) ヽ;;;_::＞''"⌒l　∨/////////
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ '⌒-⊃、　　　 l lヽ r―ヾヽ(　l J ∨/////////
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温かくて柔らかい肉の塊を掻き分けて、彼女の奥へと亀頭を押し付ける。
濡れそぼった互いの陰部がぶつかり合い、その音が響くたびに、
頭の中から理性やら思考やらが零れ落ちていく。

避妊はしていない。する意味がなかった。
子ができてしまう心配もなければ、子を成すためという目的意識もなかった。
セックスというのが、愛し合う男女の行為だから。
だから、こうして身体を重ね合わせている。

寒気にも似たものが背筋を走り、軽い痙攣と共に精液を膣内へと吐き出す。
途端に急激な脱力感に襲われ、たまらずアリスへともたれ掛かった。
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4701： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/03(木) 21:37:54 ID:SPVs7s8c0


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　___r―く弌(¨￣￣￣¨
　　　　　　　　　　　　　　　　 ___rf¨弌__　 ⌒寸ｘ　＾寸__ 、　　　　　、
　　　　　　　　　　　　　　　 人__＞===+ﾆｘヘ、 寸x　^寸_＼　 ＼　 ＼
　　　　　　　　　　　　　＿_ｊア¨´　　　　　 ¨⌒＼　寸x.　ﾏL. ＼　 ＼
　　　　　　　　( 　　　 _＞'" 　 　 　 ＼　　　　、 jk、 寸x^ﾏ[__　＼　　､　∨/
　　　　　　　　　　　⌒ア´, :/　　　　　 ＼　 　 ＼　jk､_寸く⌒]i　　＼　‘，∨/
　　　　　　　　　　　　　 / /　　　‘，､　　 ＼.　　 ∨ﾊ({__ﾉ小(._____　　＼.‘，V ＼　　　　　　　 　 -======-
　　　　　　　　　　 , 　 /　′　 、　‘, ＼.　　 )k､ 　Ⅵ|＾¨7 Ⅵ|＼/　＼　　､　＼　 丶、　　　　乂__　 　 　 　 　 ｀ヽ
　　　二二ﾆ=-　_/　 /　i|　| i|　＼＼､　＞ｘ ‘，＼jI斗 〈 ∨ 从(　､ 　 ＼　`、　＼　　　 ‐　 _　　　　　　　　 __ノ i|
　 Ｙ´　　　　　｀7　 .ｲ　 j|　| i| ｉ| 　＼＼／　ヾi. _,,ィ彡 i|＼_/!　ｊ〉　＼　　＼ `、、 `弌_　　　　　ｒﾍ　 厂>‐く __　ノ
　 乂_　　 　 　 |／/i|　　|　| i| ｉ| ､ u. ＼＼　/ｨ彡''ﾞﾞ´l　|　ｉ| j|　i|/　　 ＼　　＼　＼　　 "''-=ニ_|　∨　j|　 /　ｊ へ、
＞ｘ_　　 ‐==／ ／　!　从 ｉ| i| ｉ|＼＼　（＼(｀　 ////И!　从|　i|∨　＼　＼　 ‘，　＼ ､　　　　ﾉ　 しｲ└ (__く__　 }＼
(＿＿_＞'"　 イ　　八（/∧|iV从⌒｀ ＼ 、 ＼ 　 　 　 ﾉ ｲ　i|　i|: ∨、　＼　＼. Ⅵ 　 ＼_　　 i{　　｢￣　　 ／ 　 /⌒
　 ア´　_／　_ﾉ　 /|i小Ⅵ ∧　 ∧　x彡 ＼、 　 　　　/⌒!　i|　i|　 ∨＼　　 　 ＼Ⅵ!　　 寸¨7　　　　／　　　　/
／　'"⌒＞'"　 j圦j　! 从i{　∨i|　沁'´　 ､　　　 　 　 u. .八 i| 从 　 ∨　＼　 　 　 Ⅵ!､ 　　 〈　 　 ∨　　　　 .ｲ⌒弌
　　　 ／　　　 j从(　i|∧i八.　Ⅵ＼ ∨//　　 ｒ　　7　　/　 ﾘ 从小.　 ∨　　＼　　　|Ⅵ!＼　 ∧　__j{　　 　_／ ￣＼
　　／　　　　 八⌒ゞ'　＞――┐ ､｀ ＼_　　　ー´ 　 /　 / /i| |　∧.　　 、　　＼　 | Ⅵ!( ＼/∧　i「⌒　ア{ﾄx、
.,／　　　　　_jI斗ｆア¨´　　　 二二~i＼(个｡._　 　 　 ./　 / 厶ﾍ ﾏ⌒＼_　 ＼,_____＼|　|　 ＼　 圦__jＬ_／　 Ⅶ_≧=--
′　　 _　　 ＞'"´　　　　　 　 ＿__ ＼ ＼⌒ｊ≧=---j　 i{　厂⌒ ､寸ﾆﾆ厂ゞｆ"　　 ｀|　|　　　∨厂}.　　　　　 Ⅶ廴r==
　, ／　　.ｨ(＿　　　　　　　 イノし＾ヽ_j､.　＼　,rfく⌒{　 { ∧､ ∨ﾉ≧=-f⌒ 　、　 　 | ∧､　　 Ⅵｒﾍ　　　　　　Ⅶi∧
//　 ｨf_j///＾＼　　　　 イ{　/　Ⅵ　　⌒＞x 寸ニニ＼{ {　ﾏ＼(ニﾆ_ｊ^__jI+====-　j/　　＼∧i〈　 ∨^７　　 __Ⅶ{
ji| ／⌒]Ⅵ{＿___)x-=彡∧∨　_jI斗-== j厂￣ )¨¨ ＜圦{　⌒ﾏ_ア⌒¨¨　寸x、　__,　　　~" |Ⅵi∧　　 j廴_厂　[Ⅶ廴

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睾丸に激しい熱と軽い痛みすら覚える。
性器が脈打ち、絞り出すかのような射精を続けている。

行為が終わったことを察すると、獣じみて切迫した様子で求めてきていたアリスは
初めて微笑みを浮かべ、軽く頭を撫でてきた。
よい運動をしたと言わんばかりに爽やかな息を一つ吐くと、
鈴の音のような笑みを浮かべる。

「ふふ、まだ硬いままだけど」

「ああ……まあ……一応、これでも二十歳だから」

指摘の通り、アリスの胎の入り口に突き付けられたままの男根は、
一切萎える様子もなく反り返っていた。

「でも、起つだけ起ってるだけで、次は中々出ないと思う」

「それは……ちょっと、辛いかもね」

アリスが困ったように笑う。無理にやっても痛いだけなのは、男も女もだ。
頭を撫でられるまま、重力に引かれてできた乳房の隙間を枕代わりに、眼を閉じる。
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4702： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/03(木) 21:52:00 ID:SPVs7s8c0


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　　　ヽ　 ＼|｜　 |　 | ヽ〈 　 彡'"￣　　　　　　　　　　　　ｌ|｜　　/| 　 |　　　　　　　 今日のデート中の写真、後輩に自慢してもいいのよ？
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　　　|::::|　 レ＼ | ＼＼ 　 ∧　////　ヽ　　　　　　　 　 　 ｌ | 　 |　|　/　　　　　　　　「いや、さすがにそれは」
　　　|::::|　　　|　|l ｜ ｀ ＼ トﾍ　　　　　　　　　　_,. （　 　 ノ八　 |　|./
　　　|::::|　　　|　| ｌ｜ 　 ｜ｌ|　＼　　　　　 －　´　　　　　　　　ヽ|　|′　　　　　　　　　普段は謙虚なんだから、それくらいバチ当たらないわよ。
　　 └┘　　 |　|∧l　　 ｜||　 　 ト　　　　　　　　　　 　 　 　 　 二|
　　　　 　 　 八 |　ヽ　　｜|ｌ　 　 |　　|＞　　.　　　　 _　 ´ ／／..::.:|
　　　　　　　 　 ＼　 ＼ ｜ﾘ　 　 |　　|　　　　　｀Ｔ爪＿／／..::.::.::.:|
　　　　　　　　　　 　 　 ＼　　　　|　　|　　　　　　|＞〔]‐＜ ::.::.::.::.:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ　　| 　 　 　 ／イ/＾ｌ ト､＼::.::./





　 　　　　　　　　 ,' j{ﾆ/　　　　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　ﾏiﾑ,
　 　　　　　　　　,'　i{./　　　　　　/　　　.,.′　　　　　　　 　 　 ﾏiﾑ,
　　　　　　　　　,'　 j,'　　 　 /　 /　 　 ./　/　 /　 　 ,'　 　 　 　.',ﾆi}
　 　　　　　　　,ｨf芹l.　　　 ,'　 ,/／i　 ｲ　　　/　　／i 　 　 　 　 }ﾆi}
　 　　 　 　 　 {i:i{　 i　　　 {／N'　 {　/i　　／　.／　,'　 　 ,'　 　 }ﾆi}
　 　 　 　 　 　 ﾏihxl　',　.ﾑｾﾁ芸外/ ｲ.／　,／ 　 / ./Ni/　　　.jﾆij
　　　　　　　　　i./i/i.　ﾍﾊミh､""´　 ／-＜´ ー／ , '　 /　　　 /／
　　　　　　　　　l.{i:} l　　{.　　　　　　 　 　 　 ｾﾁ芸ァ　./ 　 　 /
　　　　　　　　　i.{i:} i　 　',　　　　　　　 　 　 　 ｀"" 　/　 　 , '只ヽ　　　　　　　それにね。あなたは自分が好きじゃないみたいだけど。
　　　　　　　　　l.{i:} l　 　 ',　 　 　 　 / 　 　 　 　 　 / 　 ,／ .i　 ﾏiﾑ
　 　　　　　　　 i.{i:} i 　 .ﾄ､'.,　　　　　　　　　　　　　-＜´ 　 .,.'ヾi:i:i:ﾂ　　　　　　現実問題、あなたは世界一の男じゃないかもしれないけど。
　 　　　　 　 　 l.{i:} l 　 :i　 :i'.,　　｀　　 =-　　　　／　 　 　., ' l
　 　 　 　 　 　 i　　i 　 :l: rfl　＼　　　　　　　＜´　　　　／　 .!　　　　　　　　　　あなたはね、私の一番の男なんだから。
　 　 　 　 　 　 l　　l 　 :i: {ﾆh､　 '　　 ='''"´-=''.／ﾆヽ　＿　　l
　 　　　　　　　j 　 :i 　 :l:ﾑニﾆY'"ﾆﾆﾆﾆﾆニ／ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＼:i
　 　　 　 　 　 ,' 　 ;l　　 ',////只ヽﾆﾆ＞''／ﾆﾆﾆニニニニニ',
　 　　　　　　/　　,iN: V.　V./ｲ/l.//ヾ´／.ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニニニ}
　 　＞''"ﾆﾆﾆﾆh､ツ　 V　 V.//iV/ ／ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニi
　 ./ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ乂　　 ヾ､ V./.l V/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニニl
　 .{ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆツ　 　 /// i//i　/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニi

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心なしか、背中に回された華奢な腕に力が籠った気がした。

体温と柔らかさ、規則正しい鼓動、鮮烈な命の感覚に不安が押し流されるのを
感じながら、それでも流しきれない言葉が脳裏を過る。

この時間すらも、企業連からの報酬だと。

だったら、戦い続けるしかないじゃないか。
アリスがどれだけネクストから降りることを望んできても。
たった一人の平和ではなく、二人で過ごせる平和を望んでも。

それが企業連から与えられるものである限り、戦うしかない。

胸の内を満たす温かさが黒く濁る前に、眠気に身を任せる。
今、この瞬間だけは、何も考えたくなかった。何もかもを忘れていたかった。
あと数回日が昇れば、自分はロストワードのコックピットの中だ。
それまでが、自分に許された、借りものの平和な時間。

その事実を忘れたくて、彼女の鼓動を聞きながら、あっさりと意識を手放した。
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4703： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/03(木) 21:52:13 ID:SPVs7s8c0
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4704： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/03(木) 21:57:06 ID:SPVs7s8c0
今回の投下はここまでだ。あと数シーンで終わりだが、ちゃんと書き溜めしてから終わらせようと思う。

あとはまあ、久々にまともに寝ようかと思ってね……今から寝れば7時間睡眠が叶う。

それじゃあ、シーユーアゲイン。次回は遅くとも2/17の20時からだ。

そういやバレンタインなんてものがあるね。モコイさんは恥ずかしげもなく自分用に比較的安めなゴディバを買ってやるよ……

4705：安価のやる夫だお：2022/02/03(木) 22:03:59 ID:sw.mcQVk0
乙でした

4706：安価のやる夫だお：2022/02/03(木) 22:21:31 ID:zcAlmhoo0
乙ー
たっぷり休んでくれ

4707：安価のやる夫だお：2022/02/03(木) 23:46:19 ID:vqAWRVHM0
お疲れ様でしたー

なんか退廃的

4708： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/17(木) 20:01:02 ID:Nh85XNQ20

　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

4709：安価のやる夫だお：2022/02/17(木) 20:02:12 ID:qZd8qHGM0
ハロー

4710： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/17(木) 20:04:07 ID:Nh85XNQ20

　　　　　　　　　　　 _ _ ___ __ _　 　＿＿
　　　　　　 　 　 　/ :::::::::::::::::: :i, 　 .ヽ::::::＼
　　　　　　　　　　 i:::::::::::::::::::::: i　 ／　＼ 　＼
　　　　 　　　　　　i :::::::○::::○i／ 　 　　￣￣
　　　　　　 　 　　/ :::::::::,,- -_ｯi　　　　i i i
　　　　　　　　　 /::::::::::｀ー‐'´ヽ 　 ＿＿i i i--i　　　　　　　夜勤明けのモコイさんだよ。本来夜勤をする人じゃないんだけど、
　　　　 　 　 　 /|::::|::::::::::::::::::|:::|　 ￣￣￣|::::::::|
　　　　　　　　/::::＼ヽ :::::::::::::i:::|　　　　　 ﾉ＿_ﾉ　　　　　　　別現場の夜勤が休むからってんで代打させられた身だよ。
　　　　 　 　 /::::::::::::＼＼::／|:::|
　　　 .　　　（_ _.)￣i __.＼＼ |:::|　　　 i i i　　　　　　　　　　　明日はまた別現場の代理だ。断り方が分からない、
　　　　　　/::::::/|￣|ヽ:::::　し（ メ　　　 ﾉﾉﾉ
　　 　 　 /::::::/ﾉ_ _ﾉ　>:::::） 　 　 ＼　　　　　　　　　　　　　　というか呑み込んでしまうのが身についてしまっている損な男だよ。
　　　　／:::／　 　　/:::／　 　 　 　 ＼＿＿
　　　/:::::/ 　 　 　 （＿つ　　 　 　　 /:::::::::/　　　　　　　　　　どうにかしなきゃね、こういうの。犠牲は得てして報われないものだから。
　　　し'　　　　　　　　 　 　 　　 　 ノノ・ ./∴:・:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　~~~~~~~





　　　　　　　 ､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|　　　　　　徹夜一日目になるわけだが、眼の奥がじりじりと熱を持っているような感じがするね。
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i　　　　　　　多分モコイさんは朝方人間なんだろうねえ……
　　　 　/ : : : : : : :┌─┐
　　　 　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ　　　　　　はじめていこうか。
　　　 　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿
　　　 　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ
　　　　 と_ : : : : : : ノ : :ノ
　　　　　　￣￣￣　￣

4711： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/17(木) 20:06:47 ID:Nh85XNQ20

〜IGIO本社　エグゼクティブフロア　ラウンジ〜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿彡≧=ﾆ三ﾆ=ｰ ﾐ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　 ／　　　⌒寸　＼).７
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｰ=彡 ｰ=≦⌒/￣厶≧//
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ⌒≧=ｰ=ﾆ三_|　/　 　 V/
　　　　　　　　　　　　　　　　＿　ｨ: :{≧=ﾆ三/　:| /　｀¨￣〉/　　　　　　　　　　 ＿＿
　　　　　　　　　　　　-=ニ三/(O ',:ﾑﾏ＞‐寸 И/ｰr｡ﾆ7^∨/　　　　　　　 ／￣＼ヽ 寸ﾆつ
ニ=‐ﾐ 　　　　　 ／-=ﾆ￣￣|＼/∧:∧＼(.∨|:|:|_ 　 ー' ＿∨/　　 　 ＿／　　 ＼ V∨ ＼
////∧ 　 　 ／　　　　　　　}　 V ∧:∧＼ｰl:|:|:|〈　ｰ=彡ﾃ//.　 ＿／／　　斗-＼)::)ｲ　＼〉
/////∧　／/　　　＿＿＿/＿_ ﾏ ∧:∧　 ∨ハ:＼　　__}//.／／| ´　　／　　　　Vﾑ
////// |/:.:/　　／　　　　　　　 ＼ﾏ: 〉::ハ: : ＼　　⌒Y￣∨　|　∧　　/ ||　　　　 <⌒>
///////: : |　／　　　　　　　　　　 ∨__/: : : : : /⌒　./　　/　.人 　 ＼/_.ﾉ　　　　　 ￣
//////: : : | /{　　　 　 　 　 　 　 　 V∧: : : : /　　 ./　　 |　　　 ＼＿/_/
/////: : : : |　 ＼|ﾑ　　　　　　　　 　 ∨:.＿／　　 ./　　 ｲ　　　　　　//
////: : : : : | 　 .八∧　　　　　　　　 ＼V:{＿￣<>.7　　　　　　　　 ／´
///: : : : : :/＼＿＿∧　　　　　　　　　 ￣　　 ＼/ 〉777777￣￣
＞─--:／: : : : : : : : ∧　　　　　　　　　　　　　　∨⌒V///
///////ハ: : : : : : : : :∧　　　　　　　　　　　　　　}///|://
////／￣￣＼: : : : : : :∧　　　　　　　　　　　 　 ﾉ///|:/
////////// ハ: : : : : : : :≧=‐-　　　 　 　 　 ／7777 壱 .h　　/l.　　　 　 冉
//////／V///|-=ﾆ二二二二二二ﾆ=‐-─く///// 且ii|.(::::)　{:::＼＿＿__{‐}
//|///|: : :∨//|ニニニ=-＜ ∧∧∧∧∧∧∨//／}::{iii).〉〈　 )::〈｀　　　 /∧
//|///|: : : l///|ニニニニニ∨∧∧∧∧∧∧}／＿.lﾆl　[ニ]　￣　　　　.[ニ]
//|///|: : : l///|ニニニニニﾆV.∧∧∧∧∧∧二＼二／二二二二二二二二二二二二二
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//|///|: : : l///|ニニニニニ＞‐∨∧∧∧∧∧∧＞──＜三三三三三三三
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彡'/// : : : l///|ﾆ＞ ´/////////.∨∧∧∧∧∧ ////.　 　 　 ＼＿＿|＿＿.|
一匕: : : : : l///|::|//////////////∨∧∧∧∧∧ //　　　　　　{ー────
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画面の向こう側。

高級ホテルと見紛うような内装に、靴底が沈む厚みのカーペットという空間で、
初老の男が優雅にチェス盤の駒を弄んでいた。

落ち着いた色で纏められた品の良いスーツ姿は、
リンクスでありながら、かつて企業連の首魁であったIGIOの重役に上り詰めた
男によく似合っていた。

整えられた白ひげを撫でながら、ぼんやりと向かいに座ったこちらを見てくる。
衰えこそしていないものの、その姿に二年前ほどの覇気はない。

頂点の座をオルデンブルクに奪われて以降。
あの時、四人がかりでオルデンブルク本社に襲撃をかけた時。

満足な修復もできていない状態での出撃、まさしく押取り刀といった様子だった
とはいえ、自分たち四機を相手どった男。

アリサ・イリーニチナ・アミエーラを残し、我々は彼の手で撃墜されるという
憂き目に遭った。

決着がついた四大企業による最大規模の経済戦争をひっくり返す一手が
潰されてからというもの、この老紳士はこういった様子だ。
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4712： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/17(木) 20:07:10 ID:Nh85XNQ20

　　　　　　　　　　　　l､　　　　　　, -‐─ー-､　､
　　　　　　　　　　　　ヽ`ｰー---´───--　＼ヽ
　　　　　　　　　 ,..:.':.:.､:.:.:.:.:.:.:.:.:.／￣:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ）
　　　　　　　　／／／ヽ｀ー-‐´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.）:.:.ニ＝-､
　　　　　　　　{! ／:.:.／:.:.了￣／ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.＼
　　　　　＿＿_ノ:.,..':.:　 .:.／.:／:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼ヽ
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　　　　　　　l:.:/}:.∠＿／厶|/|:.|:.,':.:.:.:.:.‐=ニ二ノl.:.i:.:.:. :./:.:.:.:.|l:|
　　　　　　　|/ |.:.|l:.l 才ﾃｆ-≧l:.|:..!.:.:.:／/／}:.:.ノ|:.:.{:.:.:./:. |.:.:.i ﾘ
　　　　　　　｀　ヽ|l|:.|ゝﾄ-ｲ`ﾐヽヽ:l:.:（=＝ノ≦≠l:.|:.',:.（:.:.:.i.:.:{　　　　　　　モリアーティ管理顧問。
　　　　　　　　　 ﾉノ|　｀￣￢´　｀ヽゝィｆ戈テ于ﾐ|ﾉ|::..:.ヽ:.|:i:.ヽ＿
　　　　　　　　　´　｀l　　　　　　,'　　　-K二‐ } 》/　ノ〉:.//ヽ--´　　　　　例のリンクス、シュテルが新たなランク3となる話……
　　　　　　　　　　 ﾉ.!　　　　　/　　　　　 ￣ｰ=ー'／.-‐'
　　　　　　　　　　´ri＼　　 　}　　　　　　　　 ノr'´:/　　　　　　　　　　　　　どうか再考の程を。
　　　　　　　　　　　}ヽ ヽ　 t￣｀ヽ　　　　,　':./ヽ:（
　　　　　　　　　　 / ヽヽ ＼　￣｀　 , イ:ノ）ｲ　　 ｀
　　　　　　　　 ／: : : : ヽヽ､｀‐ ' ´　r‐´イ､
　　, - ‐＝ ' ´: : : : : : : : ヽ//＝＝//¨ : : : ＼
￣: : : : : : : : : : : : 〈〉 : : : //: : : : //〈〉: : : : : : ｀: : ､
: : : : : : : : : : : : : ﾌ)}{(ﾄ : //: : : : // 卅`: : : : : : : : : : ｀: ヽ､_
: : : : : : : : : : : : : ヽΨ/:〈〈: : : : :〈〈: :爻 : : : : : : : : : : : : : : : : >､
: : : : : : : : : : : : : : 劜: : :| |: : : : : | |: : : : : : : : : : : : : : : : : : :/: :l

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「あー、そうか。あの男がランク3を降りた暁には君が、というのが、
当初の話だったね」

「そうです。なのに、なぜ」

「盟約だよ。それも水面下のね。今更ひっくり返せるものでもあるまい。
オルデンブルクの現経営層に反発する派閥……冷遇されているという元ラケル派か。
彼らは今、オルデンブルク東ヨーロッパ支部として独立しようとしている。
隔離ともいうが」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4713： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/17(木) 20:10:31 ID:Nh85XNQ20

　　　　 ヾ､ー､､-===-､｀ヽ、ヽ
　　　　 ＞''"´￣￣￣｀`ヽヽ｀ヽ.ヽ　 、
、ミｰ彡 ―=二￣￣｀`''＜＼'，∨}!　}!
　丶｀''――=　-=ﾆニ=ｧ…'⌒ヾ Ｖ V }
.　ヽヽ￣―＿二ﾆ=-_/ 　 /毛ﾐノ イ彡
. 　 ヽ ､`''〜､､,,_ ｱ´/ 　 /　　　｀` }ヾY
　　　 ',ヽ , -､ 彡' ,ｲ　／　　　　　 {川)!
　　 ヾヽV ハﾐ㍉ィ7ｲ､､,,__　 }!　 __}ｲ　　　　　　　我々イオニア・アライアンスはそれを経済面、軍事面で支援する。
　　　 ﾍ ﾊ〈 {.ﾐ'"｀`l{ミ===ﾃ'}l,,ｧ'::::/',
　　　　 }ｿﾍ-　 ヽ　ゝ……',ィ::::アl::::'，　　　　　　 対価は英雄、ナノハ・タカマチの遺伝子サンプルと、アリス・メルキュリーの運用データ。
.　　 　 / 　 `l　　',　　 　 /:::::ｱ| ハ,ィ:::)、
.　　 ／ﾍ　　卜、 l,,､､-ｧ'ﾞ:::::/,ィ:::::＞'´::::ヽ　　　　 そうして出来上がった少女……彼女は新時代の旗頭となるだろう。
_,Ｙ´{.　　ヽ　 ',　＼｀'-ｲ::;;;ィ::::: イ＿_.斗┐
.-∨∧　　 ＼::. 　 /::::::::,,､､‐''":::::::＿ イ:::　　　　　まあ、ガワだけの新時代だがね。
◯=∨/心､　 ＼,ｲ:::::::::／::::`''――‐ｧ::::ヽ
':.:.:.:.:.:.寸//心／:::::::::::::::::::::/¨¨¨¨¨´.:ヽ::::::
.:.:.:.:.:.:.:.:.寸//:::::::::::::::::::::::,ｲ',.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ::::
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.V⌒｀ヾ;;＞''/ﾍ }｢.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',ゝ
.:.:.:.:.:.:.:.:.:./　　　 //////ﾊ}!―､､,,.:.:. イ:.}





　　　　　 /:/: : : : /: : : : :{ : : : : : : ｰ=彡1:.／{: : : : :＼ : : : : : : : : : :
　　　-=彡1.: : : :/: :/: : ﾊ;刈: : : : : :/ _,./厶､_ⅥVヾ: :.＼ : : : : : : : :
.　 　 　 　 | : : : ｉ: : {.: .:.l_,.斗∨: : :/　`7√¨¨三弍_V: : :.|.: : : : : : : :
.　　　　 　 |: : : :| : ∧刈'´ _,三弍:{　　{　　　ｧ´ ぅｘ､ ヽ､:j: : : : :./:./
　　　 　 　 l: : : : :/ : 从 〃　ぅx､＼　　 　 '　r'::iJ:沁　∨: : :.／.:/　　　　　　　……管理顧問。
.　　　 　 　 Ⅵ:／: : : :＼{{　r'::iJ}　　　　　 　 乏._:_;厶./ : ／ }:./
　 　 　 　 　 ` 弋＼ : ∧　､斗‐' 　 j　　　　 　 　 　 ,厶イ　 ﾑ'　　　　　　　　　「なんだね、スザク君。君だって良いポジションじゃないか」
　　　　　　　　　　　 ＼:∧　　　　 :/　　　　　 　 　 　 　 '　∧
　　　　　　　　　　　　　 圦　　　　丶　　　 　 　 　 　 　 斥j:.j｀¨　　　　　　　　　私たちは、あの時、何のために戦ったのでしょうか。
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼ 　 　 rｧ‐ 　.､　　　　 ／./: /从
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼　　 ￣￣ ｀　　 ／　厶ｲ/
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ､　 　 　 　 　 　 　 ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,| ＼_ .イ＿__,.．-‐''ﾞ:| ',
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／:「｀ヽ ／,.．-‐=＝''ﾞ:::|　',

4714： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/17(木) 20:16:06 ID:Nh85XNQ20

: : : : : : : : ｉ: : : : : :￤: : : : : i: : |: : : : : :,小: : : : : i: : : : : : : : : |:
: : : : : : : : |: : : : : :｜: : : : : }: : }: : : : :/: ﾄ: ヽ､: : |: : : : : : : : : ﾄ､
: : : : : : : : |: : : : : :｜: : : : ,' : /| : : : /: : |:iヽ: :ヽ !: : : : : : : :ｉ:｜
ﾄi: :i: : : : : |ヽ : : : : | : : : /: :/　!: : :/l: : :从: :＼: :＼ : : : : : |:｜
l |:｜: : : :｜ l: : : : :| : : /|: 厶斗: /^1 :,ｲ: : ヽ : ＼: :`ー=≠≠ミ､　　　　　確かに秩序は……情勢は保たれています。
l |:｜: : : :｜ |: : : :/!: :/`}/　＿|:/＿|:/｜: : /:｀: : :｀:ｰｧ‐:ｒく: :｢｀
l |:｜: : : : :}斗: : 厶孑=≠fi勹r1￢ﾙ'　,: : /: : : : : : :/ : /　}: :}　　　　　　　けれど、保たれてはいるものの、そこから一歩も進んでいません。
N: :|: : : : :/^7: :ｲ{　,{{ ::::: }}｀￣}}　 /　/: :/: : : : : : ,:': : /　/: /
７: :!: : : /　/: / ゝく ｀¨¨´　_ノ′,/　/: :/ : : : : ／|: : /　/／　　　　　　　　今、四大企業間で行われている水面下のやり取りも、
i: : j: : :/　/／　｀￣￣￣ 三三彡' /. :/. : : :／　 j／　/´
|: / : /　/´　 　 　 　 　 　 　 　 ／.／. : ィ１}r┐/　　　　　　　　　　　　　　第一次、第二次ネクスト戦役と同じ轍ではないですか。
|ｲ: :/　　　　　　　 　 　 　 　 ／ィ : : ／ ////iﾉ′
/／　　　　　　 　 　 　 　 　 　 厶ィ 　 ///辷}　　　　　　　　　　　　　　　　また、同じことが始まるのですか。
´　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　 ///　/
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /　 ///　/





　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /{　 _
　　　　　　　　　＿ 　-''''"￣￣ヽV／ ハ
　　　ミ≧=‐'''"´　,､丶` ￣￣　＿/ア . /
＿,､丶`　＞''"´'´ 　_ 　‐'''"´　／ｱ　ｧく
￣＞''´　　　　 ィ''""　/　　 ／ ｱ　/　　ヽ
　／　　 　 ／/　　　 /　　〃 ./　/ ''"´__~ 丶　　　　　　　　　　　　始まるだろうねぇ。経済戦争によって成り立つ社会だ。
'".　　　 ／　/ 　 　 /　　〃. /　/　 ,ｨ'¨¨`＿〔,､
_.　　　 　 ／　　　 / /　/,ｲ ,'　/ ／　 ／ ＼ ヾ^'＜ ＿　　　　　　　別に誰が頂点に立とうといいわけなんだが……
彡''" ‐''´　　　　　／　/ /ｲ.l　,'/　 ／ ,,ｧ,ｲﾘ＼ﾉ　　 　 〉
　―＝二二＞''"´ 　 . : /ｨ |　| .／　 '''"¨¨´ /　　　 ｧｲ　　　　　　　誰が一番オイシイ思いをできるポジションにつけるか、
_　　　　　　　　／. :__: :,/: :lﾑ. |'"　 　 　 　 ./　　　,,ノヽ、
≧=- 　-‐'' ／　　.|　 ＼／´.',|＼　 -　　 　 　 ／　 _.ィ　　　　　　　　というパワーゲームには、誰もが執心する。
.　　　　 　 　 -=彡|〈⌒ ｀ミh､ ヽ､',　　｀ 　　／,,､≦´ Y
"''ー=､,,　　　, イ: :ﾍ　ｬー} ヾ. 　 ',}　　＿. /'´〈.　　　　',　　　　　　　　どんな組織も、頭の奥底にあるのはいつだって欲望さ。
　　／　　　　. : : : : : ＼`''―‐ ､,､＿_/ﾆﾆﾍ　　`　 　 　 '､
.／―===ミ　: : : : ／／/7≧／ﾆ＞'´ニニﾊ斗､　　　　　 Y
　　　　　　⌒''''=‐､､: : //: :/ﾆ／ニニニニニニﾍ. 　 　 ,ィ
　　　　　　　　　　''´⌒ヽ: /=/ニニニニニニニニﾑ¨¨´

4715： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/17(木) 20:20:03 ID:Nh85XNQ20

　　　　　　　　　　 _,,ゝー ､、
　　　　　　　 　 ／　''´￣V_∨
　　　　　　　 ﾌ'　／,ｨi毟ノｨ,-ヽ
　　　　　　　/／／-'l||ー＿,ミ､〉
.　　　　　 _ノィｲ''^¨¨}={´ 　 }ﾊ,(
　　　　　 彡ｧｲゝ─┘_¨¨¨´|ｲ}__,,､､､
. 　 　 　 　 ﾍ　',　∠二二ヽ.|ノ.:.:.:.／　　　　　　　　ま、私はもう、あまり興味がないよ。仕組まれた戦争に、人工の英雄が溢れかえる。
. 　 　 　 ､┘:.:.`', r┐/ヽ､／l.:.:.:.:/,､‐ｧ
　　　　 　 ヽ.:.:.:.ﾉ V////〉_./ 〉.:.:.:.∠　　　　　　　　今回のゲームには面白味がない。前回はまあまあだったが、負けたしね。
　　,､､､.　 ＜.:.:. 〕｀}/////}　/.:.:／.:.／　, -､
.　 l r‐ )＞￣.:.:〈;;; }////,〈㌢|ｲ.:.:／`'く_(_)　}　　　　……なに、君が心配せずとも、時代なんて勝手に変わっていくよ。
.　 ゝ_,,､､-=＼.:.:.:|>!///ｱノ . |.:.:/≧s｡　 ＿〈
　　/｣｣｣｣｣｣｣｣ﾊ.:∧`¨｣_〉;ｌ　/|.:/7｣｣｣｣ | | | |',　　　　　人は変わらんがね。滅ぶまで同じことの繰り返しさ。
　　 /ﾆﾆﾆﾆﾍ.:.:,';;;;;￣;;;|;;;;|/;;;;|.:.:|ニニl｣」l」」 ',
　　 Vﾆﾆﾆニ}__| ;;;;;;;;;;; |;;/;;;;;;;;|､:V二二ニﾆﾊ_',　　　　　我々知識人は、その繰り返しのハンドルを上手い具合に切る。それだけさ。
. 　 /ﾆﾆﾆニ/ ;;|/;;;;;;;;;; |;;;;;;;;;;;;;;/ヽ＜ニニ/
　 /ﾆﾆﾆニ/;;;;:/ ;;;;;;;;;;; |＿＿./;;;;;;;;;;;;;寸ニ>
. /ﾆﾆﾆニ/ﾆ＼;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ﾆﾆ＼





　　　　　　　　　　　　　　　　 , ィ＿
　　　　　　　　　　　　　 , -‐┘: : : : ｀丶_,.ｨ
　　　　　　　　　　　　　/. : : : : : : : : : : : :〈
　　　　　　　　　　　 ､_{: /.!: : : : : : : : /. : ﾊ
　　　　　　　　　　　　｀ｲ: 从!: : : :{:ノｲ^Vﾉl′
　　　　　　　　　　　　　ﾍ、: l: : : ハ:从小
　　　　　　　　　　　　　　厶从从イミﾊ｣　　　　　　　　　　　　……。
　　　　　　　　　　　　　 {´　　　　　 ｀Y
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4716： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/17(木) 20:29:31 ID:Nh85XNQ20

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: : : : : : : : : : : :/: :|: : : : : : : : :.ﾍ:::i､ji　|:| V:::::i∨:::::i:::::::::i:::::|!::::::::::::::::/:::}　　　　クレイドルだって、永遠に飛び続けられるわけじゃない。
: : : : : : : : : : : i: : :l: : : : : : : : : : : :<{芯ｚz､V､:! i::::/::::::メ|::::ﾄ!:::::::::::::///
: : : : : : : : : : :.i: : :.∨: : : : : : : : : : : ヽ￣　　 ヾ V:::;ｲzzｯ:/ j:::::::::::/:ｲ',　　　　　 コジマ汚染が大気をも覆いつくすのに、百年もいらない。
: : : : : : : : : : : : : : : ∨: : : : : : : , イ ｲ　 　 　 -彳::.　　.:／:::::::::／: : : ﾍ
: : : : : :_:_:_: : : : : : : : ∨: : r ' ´　 ｲ　　　 　 　 _j::::::.:-=彡i:ハ:i 7: : : : : :＼　　　 既に地上は生存圏の方が少ないくらいだ。
: : : -- ､　　 ヽ: : : : : : : : :.|　　,ｲ:::}＼ -===ﾆy .　＜//ｊ/|:!//iﾉ: : : : : : : : ヽ
: : : , ---ﾍ　　 ∨: : : : : : :|　/　ヽヽ　＼__　＜　 /////＞-'´,- ﾆテ`: : : : : 7　　そのうえ空まで。
／ 　 　 　 　 　 }: : : : : : :.| i'::::ﾉ　}:j i:::{ r::::/ 　 /イx＜: :.／ ／: : : : : : : : :./
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, ィﾆﾆﾆヽ,　　　7: : : : : : ﾉ.{i',::::::i il〃,.::,ｲ　　 l./ i: : :,ノ　 　 　 　 　 　 }:./
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　　ﾊ: : : : : : :}_」: : 'ﾆ! ./二!/ｨ| ｲ≦ｲ}:./ }: : : /: :/: :/: :＞┬┬ ´　　　　　　やがて全ての土地から草木や動物が姿を消す。
.r　　}: : : : : :ﾑ/: :ﾊ-}:.'千丐行 }/}　// /: : : /: /: :/: : //　}: :}
. ｀-ﾆ|: : : .:/ /:.:ハ_/'､竺竺xzｨ .イ// /: : : /: /: :/: : /ｲ　/:./　　　　　　　　 星はもう人の愚かさを受け止めきれなくなってきている。
　　　|: : :./ /.／` _｀_￣￣￣￣´ / ./: : .／:./／/／　 ／´
　　 ,': : / /./　 ｀ ─- ､　　　　　 ／: ／: ／}}ｽ´./　　　　　　　　　　　　　　　もう……この世界は……。
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　 ,':./　 /　　　　　　 　 　 　 ´　／_ィ 　///{ノ/
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通信が終了したのを確認した後、溜息を一つ漏らし、独り言ちた。
どうにもならないということは、分かっている。
これもある意味、人類全体が選んだ選択が形を成した結果なのだ。
人々が国家という傘から、企業連という傘の下へと入った結果だ。

だが、その先はどうなる。
コジマ汚染は人の手で制御できると嘯いておきながら、
クレイドルによるコジマ汚染散布の試算は深刻なものだ。

地上では今でもネクストやアームズフォート同士の戦闘が繰り広げられている。

これが、人類の答えだというのなら。
自分の苦悩や戦いはなんだったというのか。
逃げ出した親友の方が、まだ利口だったのではないか。

暗澹たる思いに沈みそうになりながら、携帯の呼び出し音ではっとなる。
出撃準備の命令が入った画面を見て、軽く目頭を押さえた。
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4717： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/17(木) 20:30:10 ID:Nh85XNQ20
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4718： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/17(木) 20:48:18 ID:Nh85XNQ20

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　　L/　　　　　　　　　　　　 / /ﾆニ,ﾉノ＾寸厂｛＿,／　　∧∨ﾑ/ﾆ,ﾊィ＾　　　　 ｀`寸}ニニニﾆﾆ＼
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　　　　　　　　　　　　　　　i l-/-ﾆﾆ二/　　　　　　厶ィ{⌒＼「~∨／〉ﾆﾆ`､　　 　 　 　 　 ｰ-=ミ､ニニﾆ-＼　＼
　　　　　　　　　　　　　　　Ｌ/-ﾆニ二'　　 　　_,／　 }ﾆ＼ﾆﾆ|l　ｌ|／〉ニﾆﾆ}　　　　　　　　 　 　 ｰ=ミ､ニニ-＼　`､
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　　　　　　　 　 　 　 　 　 '-ニニニニﾉ　　　 从_／､＿_〉　`,乂ノ=‐七I~ﾊ/ニ`､　　　　　　　　　　　　　ｰ=ミ､ニ-`､‘,
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　　　　　　　　　　　ｉ　　{-ﾆ'＾{iｌ/ﾆ/　 /ﾆ/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`'≪)h，　　　　　　　　　　　　　　　}ニlﾆ,ﾆ}
　　　　　　　　　　　|　　{ニニ乂ｨ'^　/ﾆ/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 }ﾆﾉｲﾚ'
　　　　　　　　　　 ∧　 {ニニﾆ/　　lL/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ﾉｲ

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廃棄されて久しい灰色のオフィス街をカメラアイ越しに見つめ、佇む。
ガラス張りの大きな窓は悉く割れており、年月を感じさせられた。
ひしゃげた街灯に、割れて隆起したアスファルトの道路。
人の営みの風景が残り香程度に漂う場所で一人。正確には一機。

テレサにも知らせず、コーラサワーも連れ添わず、
イオニアとオルデンブルク合同の単独任務だと告げられ出撃した自分は、
今にも黒い雨が降り出しそうな曇り空の下、廃墟の中に立っていた。
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4719： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/17(木) 20:54:28 ID:Nh85XNQ20

:.:.:.:/:.:./:/:.:.:.:.:.:/.',:.:.:./ 　.｀|:.:.:.:.|:|＼　｀ ‐‐ヽ.　　 　 　 ｀>/:.:/ ./:.:/
:.:.:/:.:/:.＿＿:./　 ヽ′　　 |:.:.:.:.:|ヽ. 　 　 　 　 　 　 , '/ /:./　,':./　
:.:/:.:/:.|-----ニニ‐‐‐- ___|:.:.:.:.|ヽ＼ .　 　 　 .- ､‐'/　//　 //　　　　　　　――今、語ってみせたのが、事の真相。
/:.:/:.:.:|　　　　　　￣￣ ‐‐-｀ニ- __　　　　 　 ／ ./　 /.　　/　
:./:.:.:.:.:|　　　　　　　　　 　 　 　｀ヽ./≠ _　　./　　　　　　　　　　　　　　　　　そして……その世界を動かす大きな取引の中に、
/:.:.:.:.:/　　　　　　　　 　 　 　 　 ///ヽ､　｀ ´　
:.:.:.:.:.:L＿　　　　　　　　　　　　 ///　｀ヽ｀ヽ_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　私の個人的な取引も入ってる。
｀ ヽ＜　　　 ＿_　　 　 　 　 　 //　　　 　 >/
　　　｀ヽ　　　ヽ、｀ ‐ - 、　　 //､　　　　//　　　　
　　　　　｀ヽ　　 ｀ヽ　　 　 　 //┐ヽ　 .//





　.:/　　　　,.:':_:／.: : : : : :,{_　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 _}, : : : : : : : :＼i!::..　 　　',:.
.::/　　　　 ヽ; :i: : : : : : : ;': ,}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{, :i : : : : : : : ／!::..　 　 　 ',:.
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「今から君には、私と全力で戦ってもらう。そして破壊されてもらう。
ロストワードは所属不明のイレギュラーネクストに撃墜され大破。
リンクスは死体未発見のままMIA……そういうシナリオなの」

向かい合う白いネクストから、通信越しに穏やかに告げられる。

「遺伝子サンプル提供の報酬ってわけですかお」

白いネクストのカメラアイが青白く輝きだし、こちらを捉える。
すらりとしたシルエットは華奢で、細身の西洋鎧のようでもあった。
何度も何度も見てきた、幾度となく乗ってきた機体が、そこにあった。
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4720： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/17(木) 21:00:46 ID:Nh85XNQ20

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ニニ_ --‐‐ ´　￣　‐‐/:././:.:.:./:.:./:/:.:.:.:.:.:.:/:./:.:|:.:./:|:.:.:.:ヽ:.:.:､:.:.:ヽ:',　　　　　 ｀ヽ
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　　　　　　　　　　 /:./:.:.:.:.',:|/∧｜',:.:.:.|ヽヽ_　 　 　 ,　　 　.／／|´.　 　 ∨:.:.ヽ:.:.:.:.∧　　　　　　　　　久しぶりだっていうのに、ごめんね。
　　　　　　　　　 /:./:.:.:.:.:.:/||/.　',:|　ヽ:.|:.∧.　　 　 ＿　　 ￣∧:.:|＿＿___∨:.:.:.:＼:.:.:∧
　 　 　 　 　 　 /:./:.:.:.／:.:/|　　_＞ ニニ､':,＼　　｀.‐´ 　 ／|:.:.:.||――, / ∨:.ヽ:.:.:ヽ:.:∧　　　　　　　　でも、私、時間がないの。
　　　　　　 　 /:./:.／:.:.:./:/　　.ヽ ´ 　 　 | .|',|-≧ ､ _ ,イ7_.//:./　 　 //､_ ∨:.:ヽ:.:.:.ヽ:∧
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　　　　　　 //:.:.:.:.:.:.:./:/‐ ￣ ｀ ‐｀、＿　　.| |ヽ::::::::::|_t-┐|/ |　　 ／/　　　　 ｀ ‐‐= ､:.:ヽ∧
.　　 　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.://　　　　　　　｀ヽ ｀ ‐ Lヽ＿::::ヽ-tヒ::|_　|_´,＜´＿_　　r==＝´ ´.|、:.:.∧
　　　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.//　　　　　　　　　　ヽ、　 ｀　‐-｀_ヽ､､ヽ､｀::|ニニ´--ヽ　|.| 　 　 　 |ヽ:.:.:.∧
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　 　　/:.:.:.:.:.:.:.:/ 　 　 　 / /￣ ヽ.ヽ 　 　 　 ｀ヽ . 　 | .|､　ヽヽ::::::ヽ、　　ヽ|.,'　　　　　.|:.:.:.:.ヽ:.:∧





!　　　　　, ‐'´ヽ､.__..＞---┴---‐┴-＜..._｀ヽ.　 i.　 　 　 /
　ヽ　　　,.ﾍ　　_,.‐'　　　　　　　　　　　,,.-'"｀　｀､ヽ, ヽ_!＿＿./ ＿
.　　`‐､ :　　｀,ｲ　　　::::::::::::::､＿_,,.-='､':'　　:　　{__│|　　　||　　　　　　　　「元はと言えば、私が蒔いた種。それは、目的を果たした今も、
　　　　 :` ｰ-{ { へ＿__,::::::::::::"　ﾞ.ﾞ､;;;;::',ﾉ　　: 　{　│|　　　||
　 　 　 :　　　 `r　i ﾞ:;;;;;,:〉　　　　　　　　 　　:　 .!_　|│　　 ||　　　　　　　　君をこの戦場に縛り続けている。だから、私が」
　　　　 :　　 　 .|　}ﾞｰ-''"　　　　　　　ヽ　u ..:　　｢´│|　　　||
.　　　　 :　　　 ││ 　 　　人　　　　 ノ　　:　 　{.._│|　　　||　　　　　　　　いいから！　早くそいつから降りてくださいお！
　　　　　:　　 　 |　}　　,_,,ノ　 `─-‐' ヽ　 :.　 ´.{ 　 | |　　　||
　　　　　 : 　 　 .|.　 l　　｀､　 _y──‐ l　 　: _,L.__ | |　　　||＿　　　　　　　 死にたいんですかお！？
　　　　 　 :　　　 | 　 i　　　ｉ_/　 / ＿ ' __;.r‐´ z-‐''"´　 　 .| r‐
　　　　　　,: ‐''"~´￣￣￣~｀`ヽ._.∠ﾆ-‐''"´　　　　　　　　| ゝ:'
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マーシフルが、そこにいた。

かつての第一次ネクスト戦役の姿そのままで、強烈なプライマルアーマーを展開し
周囲の大気を震わせて。

それが何を意味しているのか、分からない自分ではない。
彼女が何のために、ここにこうして立っているのかも。
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4721： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/17(木) 21:04:48 ID:Nh85XNQ20

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:.:.:.:.:.:.:.Ⅵ:.:./ ∨:.ｉ　 |:.:.∨:.ヾ《.ら::::::::|　　　 　 　 .ト′::::::}　》:.: /:.:.:.: //}　 }　　 |:.:.:.:.:.:.:.
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　　　.／::::xｧ:::一::::::::!:::ﾄ!ヾ∠ﾁヾlﾄ､::::i!::_＼　　 　 ＼::::::::＼
　　 /:::／./:/:::::::::i:::::ﾄ､!ﾞヽ仆zﾀ "ﾞi`l!::!::!ヾ! ヽ ＿____ ＼::::::::＼
　 ./／　/:/!:::::/:::l:::::irf〉｀　　　　 / .j/:::!/:!　　　　 ＼ヽﾍ:::::::::::ヽ　　　　　　　　　私は自分の蒔いた種を、掬いに来たの。
　　　 ｨ´!/ .!::/i:::::ﾄ.:::!V ､　 _　 　 ／／:i::/　　 ＿＿　＼ヾ::::::::::∧
　　 厶-ｆ¨´l::i .!::::{ ヾ!ヽ　 ｀ｰ` 　 !/__ ム!==/　＿ 　 ＼ ＼:::::::::::∧　　　　　　　　あるべきところへ。こんな戦場なんかじゃない。
　　　 　 　 ﾍ:! ﾍ:::!　l::ﾄ.＼　　　　 〈 ｒ一._´/ - ―‐ - ､二ｰ､ ､::::::::∧
　　　　 　 　 ﾞ　 ヾ　ヾ!　　｀ ｰ‐ ｧ./∧ヽi／　　 　 　 　 ｀￣ ヾ.＼:::::∧　　　　　　　平和な場所に植えなおしてあげなきゃいけない。
　　　　　　　 　 　 　 　 ｒｒ―一 ¨ .ｨ≦ラ!　/x── - ､　 　 　 i　 ＼::∧
　　　　　　　 　 　 　 　 l_!―ｫ　／i／x　∨／￣￣ヾ::::＼　　 /　　　Ｖ:∧　　　　　　……それが私の、最期の務め。
　　　　　　　　　　　　　 /二シ::::/／　　 ｊ/:::::::::::::::::::::＼:::ヽ. /　 　 　 V::∧
　　　　　　　　 　 　 　 ,ff:／_::::/.′　 　 {::／￣￣ヾ:::::::i:::::l/　　　　　 i::::::∧
　　　　　　　　　 　 　 /l./　　ヾ」　　　　 V　　 　 　 }::::::レ’ 　 　 　 　 !::::::::∧

4722： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/17(木) 21:09:11 ID:Nh85XNQ20

　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　　　　　 　 ／ 　 （〇） 　（●） 　＼　　　　　　っ……。
　 　 　 　 　 　 |　 u. 　 （__人__）　　 　 |
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
その言葉を聞いたとき、頭を殴られたような衝撃に襲われた。
思考能力が急激に曇り、ロストワードの膝を折り、ブレードを放りそうになる。
全身から力が抜け、頭の中が真っ白になり、嗚咽を漏らしかけた。

覚えたのは、安堵だった。

なのはの声には、純粋な慈愛とでも言うべきものがあった。
母が子に向けるものとすら言ってもいいかもしれない。
彼女は純粋に、自分を助けに来たのだ。

「イオニアは、君たちが生きられる場所を提供してくれた。
あとは私たちが一芝居打つだけ。死闘を演じて、機体を捨てて、
その場所に行くだけ」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4723： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/17(木) 21:12:23 ID:Nh85XNQ20

|: ::!: : l : ::| : : : : : | : : : ::l　|:l　.| : : : : / ://　.|: : : l : l: : : :,! : : : : : : : :l: : l : : : : ∧: :|
| :,'|: : l : :.| ::_..-‐!:l''::￣/｀ ト　l|:: : : :/ /:/ 　 | : : ,!: :.!: : :./ : : : : : : : :l: : :l: : : : : :∧ |
|::l |: : :! : :l:´ :| l :l !: :::/　　!|　!ｌ : : :/:/:７￣｀ト: ./| : l: : :/: : : : : : :|: :.! : : ﾄ､: : : : :∧|
| ! |: : :| : ::!:::::! .|:! |: :,′　 | / ,! : :////　　 .,! :/｀ﾄ:,'|: :/!: : : :/ : : ｌ: :|: : :∧:＼: : : ∧
!l　l: : :| : : !: ||.　| .|/ －-.、　/:;／//'　　　/'l/　 l:/.!ヽ:,!: : :/ : : :/.: :l: : : :∧: :.＼: :.∧
l'　.l: : :|: : :| :||. _=土三ﾆ:::.、/ ' ／ 　 , ‐-/　 　 /' .|//: : :/ : : :/!: : ﾊ: : : :.∧: : : ヽ: :ﾊ
　　|: : |､: ::ﾄ:!、´　￣￣｀丶　　　　 　 ´ﾆ≡::.､./　 /./ : /: : : :/ .l: ::!: :∨ : :.ﾊ: : : : :|ヾ:}　　　　　　　――ごめんね、待たせちゃって。
　　 ﾞ! :| ﾞ､ :l.|＼　　　　　　　　　　　　 ￣｀ﾞ丶ﾐヽ、 /: :/: : : ::/　 !:/! : : ∨: : :!: : : : !　}'
　　　lﾞ:| : :ﾞ､l|　｀｀｀　　　　　　　　　　　　　　　　｀`/,.ｲ : : : :/　 //:|: : : : ∨: :|: : : : |　　　　　　　　　もう、大丈夫だからね。
　　　| : : : : :|、　　　　　　　 　 ,:　　　　　　　｀｀ ／ /／: :, ':!　//: |!: : : : :.∨:|: : : : |
　　　.!: : : : :.| ヽ　　　　　　 _　　　　　　　　　　　, ／/: ／:/ ./ .|: :l|: : : : : : }/: : : : .!
　　　.|: : : : ∧　 ＼　 　 　 ヽ｀＞　 　 　 　 　 , '￣/／: :./ ./　.|: :l|: : : : : :/': : : : : |
　　　.∨: !: :从　　 l＼　　　　　　　　 　 　 _／　／!: : : :/　　　 |: :!|: : : : : : : : : : : :.!
　　　　∨:ﾄ､{　 　 _|　 ＼　　　　　　_.. ‐ '"　　　 /: : : :/　　　　.|: |.|: : : : : : : : : : : :.!
　　　　　ヾ ｀＼ .∧　 　 丶... -‐ "´ .|_ 　 　　.／イ;ｲ/　　 　 　 !: ! !: : : : : : : : : : : :|
　　　　　　　　　/　ﾞ、　　　　　　　 ,/ .|　　　　　 /'　'　　　　　　|: | |: : : : : : : : : : : :.!

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
眼を閉じると、瞼の裏にかつての笑顔が蘇る。
初めて人らしい暮らしを与えてくれた人の笑顔が、
脳裏に焼き付いて離れなかったなのはの姿が記憶の水面に鮮やかに写る。

助けに来たよと、なのはは優しく、マーシフルの中から笑いかけてきていた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4724： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/17(木) 21:15:07 ID:Nh85XNQ20

　　　　　　＿＿＿
　　　　 ／::::::::::::::: ＼
　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::＼　　　　　　……。
　 ／:::::::::::::::::::::::::::::: 　　＼
.　|:::::::::::::::::::::::::::（ー）　.　　|
　 ＼ 　　 （__人__）　.　　／





　 　 　 　 　 　 ,,.. ´　　　　　　　｀・ 、
　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　/　　　　　　　　　 　 　 　 　 ',
　　 　 　 _l;;;;;;;;;,,,　　　　 　 ／　　 　 　 .l　　　　　　　　ごめん、なのはさん。
　 　 　 　 l;;;;;;;;;;;;;;; 　 ､_,.ｨtﾁ　） 　 　 　 |
　　　　　　',.　　 /　i　　 ヽー‐ '　　　　/｀ヽ､　　　　　　その申し出、蹴らせてもらうお。
　　　　　　 ＼　乂人＿__ﾉ､　　　 ,. ＜
　　　　　 　 　 ＞-｀￣￣｀'　-
　　　　 　 　 　 　 ｀ー―


╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
そして、胸からこみ上げる温かいものを、靴底を叩きつけるように押し戻した。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4725： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/17(木) 21:19:05 ID:Nh85XNQ20

　　　　　　　　　　 __´￣￣二ﾆ=　、
　　　　　　　　／　　￣´ 　　　　　　ヽ
　　　　　 　 /　/ｨ　　　　　　}i　　　　∧
　　　　 　 /ﾔ'7=ﾆ二二二≦_｣Ｌﾍ/　 ∧
　　 　 　 ;　 /＼_:::::::､＿　￣Ｖ⌒{ 　 / }｝
　　　　　:; 　}(●）::::::（●　）　〉 人 /　/^}　　　　　　　　　　　　　「どうして……？」
　　　　　 '､ {（　ｨ'　　　　u.　/／Ｌ {__/(__/
　　　　 ＿{へ≧＾ゝ､___ノ_z彡二弐≠ ＞／￣￣ミヽ　　　　　　　それはつまり、オルデンブルクの庇護を失うってことだお。
　　　　r{_ `ｰ=＜三＞'’ ）二二 ／　//　　　___　　　＼
　　／/ ｛＼　　｀￣　 /二二／/ 　/ｲ　　 Ｙiっ) -┐　 ＼　　　　　ロストワードまで手放して……誰もアリスの安全を保障できなくなる。
　｛　　Ｖ 〉　　　　　　〈ﾆ二彡イ　 ｛ ｛　 　 }｣つ）二! -02 |ｌ
　｛　 　 i ＼ 　 　 　 /｝ト､　　 i　 /八ヘ　　￣´　　　　　 |ｌ　　　　　彼女は世界を滅ぼせる兵器の起動キーなんだお。
　　)〉=ﾆi　　＼＿∠_//ｚ/＼　i／　　＞　_　　　　　　 　 /ｌ
　　　汀 i　　　 〔_二//￣　　 ＼　　 /￣７ 　 ＞＝-≠〈/　　　　　　それもすこぶる優秀な。……他企業が狙わないわけがない。
　　 ！| iﾄ　　　　＼　　　　 　 　 ＼/　 /　　　　　　勹[_]
　　　　　｀v 　　　　＼　　　　　　　 ＼/　　 　 　 　　/
　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　 ＼　　　　 　 /





　　 　 　 　 　 　 　＿＿ 　 ヽヽ　　　 _
　　　　　　　　　￣――-- ｀ヽヽヽ ／:.',
　　　　　　　　　　_　 ￣￣￣:.ヽ／/:.:.:.:ｉ＿＿＿　　　　　　／:.＼
　　　　　　　　／ ---:.￣／:.:./:.:./:.:.:.:.:.}＿:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ､　／:.:.:.:.:.:.:ｉ
　　　　　　　 ／ ／　:.／:_ -/:.:./:.:.:.:.:.:.:ｉ＿_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.r{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
　　　　　　　　 /:.／／　 /:.:.／:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.{ヽ 、:.:.:.:.:.:.:.:.:ｉヽ､
　　　　　　　 .〃,イ　 　 /〃:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ヽ ',:.:.:.:.:.:.:.:. |　 ヽ
　　　　　　　/,ｲ　　　　//:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧ }:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　 /　　　 ,　/:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./、.|:.:.:.:.:.:.:.:.|､
　　　　　 /　 ＞´ 〃:.:.:.:.:.:. ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:./ / .|:.:.:.:.:.:.:.:.|　｀ヽ　　　　　　……そんなこと、言ってられるの？
　　　　　〃´　,ｲ／:.:.:.:.:.:／　　',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:/／　 |:.:.:.:.:.:.:.:|ヽ
　　　　 /　　/／:.:.:.:.:.／　　/====≠ __:.:.:.:人:.:.:.:.／/　　　!:.:.:.:.:.:.: |　ｉ　　　　　　　　君だって、いつ死ぬか分からない身体じゃない。
　　 　 　 　 ./:.:.:.:.:.／　, r//　　　　　　　ニニ-/／　 　　 ∧:.:.:.:.:.:.ｉ　|
　　　　 　 ./:.:.:.:.:.　　/　 /　　 ヽ､　　　　　　　　｀ヽ二}　.∧:.:.:.:.:.:.:.ヽ |　　　　　　　　　敵に殺される前に、ロストワードに殺されるよ。
　　　　 　/:.:.:.:./　　/　 /　　　　　　 ｀ヽ ､　＿　 　 〃　∧:.:.:.:.:.:.:.,' ヽ}
　　　 　/:.:.:.:.:/ ,イ/　./　　　　　　　　　　　　　　 ＼　 ∧:.:.:.:.:.:.:.:,'　　ヽ　　　　　　　　　「それでもなんですお！」
　　　 ./:.:.:.:./　{|:| ｉ　 ｉ　　　　　　　　　　　　　　　--ヽ∧:.:.:.:.:.:.∨
　 　 ∧:.:.∨　| |:|　　{　　　　　　　　　　　　 ／　　 　∧:.:.:.:.:.:.∨
　　 ∧:.:.∨ 　.!ヾ::､　|　　　　 　 　 　 　 　 ｉ　　　　 .∧:.:.:.:.:.:.∨
　　/:.:.:.:./　　 ヽ ヽヽ |　　　　　　　　　　　|　　　　 ∧:.:.:.:.:.: ∨ヽ
.　/:.:.:.:./　　　　.{＼｀ヽヽ　　　　　　　　　|　　　　 ∧:.:.:.:.:.:.:.∨　 ',
　ｉ:.:.:.:.:.ｉ　　　　　ｌ ｀ヽ　| ＼ 　　　　　　　|　　 　 ∧:.:.:.:.:.:.:.∨　　　＼

4726： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/17(木) 21:24:01 ID:Nh85XNQ20

　　　　　 __＿＿
　　　　／　　　　 ＼
　　 ／　＼　 　／　＼　　　　　　　どの道やる夫たちは、企業に恭順することでしか生きられないんだお！
　／ 　（〇）i!i!（●）　 ＼
　| 　u ,　（__人__）　　　 |　　　　　　 ……やる夫は死なないお。アリスを独りにするつもりもないお。
　＼　　　 .｀⌒´　　　　〆ヽ
　　/　　　　　　　　　　ヾ_ノ　　　　　戦って、戦って、生き残って……彼女の最期を看取って。
　/rｰ､　　　　　　　　　　　|
/,ﾉヾ　,> 　　　　　　 　|　/　　　　　　それでようやく、やる夫は自分の人生を終えられるんだお！
ヽヽ〆|　　　　　　　　 .|





　　　　　　　＿＿＿
　　　　　／＼:::::::::／＼.
　　　 ／:::<◎>:::<◎>:::＼　　　　　　　人間、生き方なんてままならないお。決められるのは死に方だけだお。
　　／::::::::⌒（__人__）⌒::::::＼
　　|　　　　　｀ ー'´　　u 　　|　　　　　 たとえなのはさんが相手でも、こればっかりは譲れないお！
　　＼　　u 　　:::::　　　　　／
　　／　　　::::::::::::::::::: 　：巛￣ヽ
　 /　　,　　　　　　　 ：〈⊃￣( .}：

4727： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/17(木) 21:30:16 ID:Nh85XNQ20

　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　_.....‐:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:‐.:..､, -‐　､
　　　　　　　　　 　 　 　,.　 ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヘ.:.:.:.:.ヽ
　　　　　 　 　 　 　 　 /イ:.:./:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.厂⌒¨＞　_
　　　　　　　　　　　　/' /:.:/:.:.:.:./.:/､:.:.:.:.:.:.:.ｉ:.:.:l:.:.:.:.:.}　　ヾ　　　　　＞　_
　 　 　 　 　 　 　 　 　 i.:./|::|.:.i:.|:,'ﾁx､:.|:.:.:.:.:i::.:.l:.:.:.:.∧　 　ﾏ ､　　　　　　 ≧=-
　　　　 　 　 　 　 　 　 V　l/ゝﾘﾚiJ心ゞ.:|:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾑ　 　 ﾏ:.:`ー-イ￣　　　　　　　　　　……もう、子供じゃないんだね。
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　`¨'/／i:.:.:|:.:.ﾘ:.:/.:.:.V:＼ 　 ﾏ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ー‐　　　/:.:.:.ﾊ/.:.:.:.:.／∨:.:＼　ﾏ:.:.:.:.:.::..:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 `i_　＿彡.:.:.,':.:.:＞''´　 　',:.:.:.:.:.ー'.::.:.:.:.:.:.:.::..:.:.:.:.:.＼
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.:::::/　　　　彡ﾍ　　　　　l:.:.:.:.:.:.:.:.:.l　　　｀''＜.:.:.:.:.:.:.::.::.＼
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 j}　 　 　 /　　　　　 f´　　 ,′
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 jI斗ｬ≦j} 　.___/ 　 /_／　　 ,.。＜　　　　　　 　 ＼＼
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　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾄ{:V: i :}: :／_:_}__／-､!- /-'´{／{_／i{ ./　 r ' 　 ー‐＜｀ヽ、　　 　 ＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　＜:jI斗＜:-:-:_'ノ/　　}､　　／　 }!　　}＿_／　 　 　 　 　 　 ｀ー―‐､_ ＼!
　　　　　　　　　　　　　　　　 _ -//ヽ　 }､:_:_/ /--､/:｝　´　　 〈 　 /　　}_　　　　　　　　　　　　　　 ＼_ ＼
　　　　　 　 　 　 　 　 　 _ -　 //__jI斗＜>､!〈　　/::/-/　{　　/　/　　//　≧s､　　　　　　　　　 　 　 ＼_ ＼
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　　　　　　　　　　　／＜＞ﾟ´￣￣￣≧､／ >､_}_／ ／　　,／ /､__/::{------ ､_　ヽ、　　／ /　　 　 　 　 .ヽ
　　　　　　　　 _ -´　　　　　　 　 。＜___r＜|!　,　　i　ｆ 　 , ヽ　V::::r--'＜_　 r'´　{__　ｰ／ / i{
　 　 　 　 _ -　　　　　 jI斗ｓ≦、＞--- ' 　 |! ,}, ／ /　 /､_/／_｀ヽ　　　　｀ヽ__ｒ_－'i/　 / 　 ヽ
　 　 _ -　　　　　 。＜＞ ﾟ ´　 　 　 　 　 　 |!.,}　 ／ ／__,／　　}r ,} 　 　 　 　 　 ヽ/　 /　　　 }!
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　　 　 。＜＞ﾟ´ 　 　 　 　 　 , ＜ {／＿,}　 ' ´__ノ､>､　 ＞-､ ／ }　}ヽ　　　　 人 　,/ 　 　 ／
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＞ﾟ´　　　　　　　　 　 　 rzz}_／　　　｛ヽ´---{　ヽ,ﾉ｀- ´/,.。ｓ＜___//､__　 /　　/ilililil/　//
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　　　　　　　　 　 　 {　　　　 　 }　　/　 　 　 　 　 ヽi 　 　 　 r≦二{ｒー--､/_　　　/　ヽ }、 ,ゝ-､
　　　　　　　　　 　 /　　　　 ／　／　　　　　　　　　　　　　　 /__＞r‐<　/ i／ヽ r'　／｀ヽ_/　　} ＼
　 　 　 　 　 　 　 /　　　 ／　／　　　　　　　　　　　　　　　　{ /　 {　r'ヽ　ｒー､}｀　 {　　　 }　　 }　　＼

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「いいよ、始めよう。私の命が尽きるのが先か、君のロストワードが堕ちるのが先か。
たとえ力づくでも、私は君をこれ以上戦わせるわけにはいかないの」

ブースターが唸りを上げ、ふわりと白銀の機体が浮遊する。
背部スタビライザーが火花を散らして角度を上げ、
オーバードブーストによる粒子が収束する光が炸裂した。

たとえ自分がどんな答えを示したとしても、彼女は引くつもりはない。
それだけの覚悟を携えてマーシフルに乗り込み、自分にブレードを向けている。
悲しい筈なのに、どこか満たされるような思いさえあった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4728： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/17(木) 21:36:28 ID:Nh85XNQ20

　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 「 ﾑ　　　{ﾑ　　 　 　 　 　 　 　 　 ／}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／二／
　　　　　　　　　　　 -‐‐-　　_　∨'ﾑ　　 Vﾑ　　-‐━‐-　　_　 ／.: :,'　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾉニ／
　 　 　 　 　 　 /ニニﾆY´　 　 `' ､/ﾑ　　 VﾑニニY´　 　 　 ` ､ : /　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／=／
　　　　　　　　 {二ﾆﾆ=∧　　　　　 ＼`,　　}l／￣{人　　　　　　 ∨　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／=／
　　: :~''＜　　　,ﾟ,ニニニ=＼　　　　　 ∨,／ニﾆﾆ{ﾆ=＼　　　　　ﾉﾊ　　 　 　 　 _ ,,..,, _　　 　 ／=／　　　 _,,...／
　 ≧s｡ : : ~''＜ﾔ'､ニニニニ＼　　　　,ﾊﾑ｀` ､／ﾑﾆﾆ=≧=‐=彡ニ} 　　.｡s≦ﾆ=.｡s≦ニ=／=／‐‐=七Iニ／=／
　　‐=ﾆニ≧s｡∧=＼二二ニニ≧==彡 } ﾑ: : :.＼ ﾑﾆﾆi}}lニﾆ／llﾆj＜ニﾆﾆr＜ニﾆﾆ=／=／ニニニニ／=／ﾆ
　　　／￣ﾉ''＜,沁,ﾆ=丶=ﾆニ二二二二}i}l⌒＼: :∨ﾑﾆj}}Ｌ／廴jL_r==≧七Iミ*､ヽ ／=／=ﾆﾆニ＞／=／‐=ニ
.　／ニ／　　　 /＾'＼ﾆﾆ~''＜ニニニニﾉj}lニニ}＼}ﾆ=//`寸_ ﾉ {iﾆ}ﾆ=-‐　''"~~^／=／ﾞｰ-=孑''~／=／
　ニ／　　　　　{　　　≧=‐　--　 -=≦/⌒lLﾆ7ﾞ＼＼{〈 　 }^寸,ﾑ/　　　　　　／=／　　 　 　 ／=／
. ／　　　　　 ／> -ｧ'ﾞ /`寸／＿ ノノ`寸ﾆ厂/: : :ﾉ＼ヾ＼ﾉ／¨¨´ 　 　 　 ／=／　　 　 　 ／=／
.　　　 　 　 く／ 　 ｉ: : {ニ/'⌒`寸´ニニ厂＼{_／＼{ﾆ＼「{ﾑ　　　 　 　 ／=／　　 　 　 ／=／　　　　　　　　　　なのはさん……。
　　　　　　 　 　 ／|: : {=/二ﾆﾆ∧'´￣　　　　 ＼__/＼ニ＼」!　　　　／=／　　 　 　 ／=／
.　　　　　　 __／= 人: :Vニニ=/ニＶ　　　　　　　 辷彡'＼ﾆﾆｉ　　 ／=／　　 　 　 ／=／
.　　　　　 /ニニ/￣ ヽ{ニニ='ニニﾟ　　　　____／{ニﾆﾆ/「＼ﾉ .／=／　　 　 　 ／=／
　　　　／ ／￣　　　　liニﾆ={ニ二ﾉ .／}　lＬr'＾ﾏs｡_ﾆ/ﾆ|　 ／=／　　　　　 ／=／
.　　／ ／　　　　　 　 :liニﾆﾆ'､r‐'ﾞ／∠／⌒辷､ﾏﾆ=≧s／=／　　　　　 ／=／
　　{l／　　　　　　　 /´}￣{___ ﾉ／／￣}=ﾆ二l⌒ヽ= ＞' =／`,　 　 　 .／=／
　　　　　 　 　 　 　 {_ ﾉ.: :: : :{[ﾑ ﾞ　　 ,'ニニﾆＬ＞''~=ﾆ／=ﾆ=} 　　 ／=／
　　　　　　　 　 　 　 il : : : : : Ｖ∧ 　 l{ニﾆﾆ／=ニﾆ／=ニニ7　 ／=／
　　　　　　　 　 　 　 il : : : : : : Ｖ∧___乂 ／ﾆ／￣X､二ニ=/ ／=／
　　　　　　　 　 　 　 il : : : : : : : Ｖニﾆﾑ{{二くニ／ニヾ､彡'／二/
.　　　　　 　 　 　 　 ∧: : : : : : : : .､ﾆ二}乂ィ＾寸ニ／ニ`く‘,ニ/=}
　　　　　　　　　　　 /∧: : : : : : : : :＼ ﾉ⌒lー‐‐ くニﾆﾆ／＼/=/
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　　　　　　　 　 　 　 __r‐‐＼: : : : : : : ll　　lー‐‐ ┘ 辷彡'＾ﾆ7
　　　　　　　　 　 　 厂{r‐‐ ､≧s｡　_ ﾉ　 ノー‐‐r┘　　}ニニ乂
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　　/　　 ヽ、__/＿＼_＿＿,ノ　　　　　　　　::: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ　　　　　　　　そこまでしてくれただけで、
　/　　　　　｀　´　 ｀　′ 　　　　　　　　　　　:: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ::|
　|　　　　 　　　　　　　　 　　　　　　　　　　..:: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.:|　　　　　　　　　やる夫はもう、充分幸せですお――
　l　　　　　　 　　　 　 　　　　　　　　　 　 .:: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :|
　ヽ　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 .:: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.:l
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　　　　　　　　　　｀`ｰ-　　　　　:: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .＼
　　　　　　　　　　／　　　　　　　:: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.＼.

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
こちらもブレードをハンガーに提げていたブレードを開放し、
振りかぶって展開する。

紫電を迸らせる二又の刀身を大上段に構え、ぼそりと呟いた。

それだけでいい。
自分の幸せを、そうまでして願ってくれる人がいた。
その事実だけで、よかったのに。
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4729： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/17(木) 21:44:56 ID:Nh85XNQ20

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　　　{ : : !: : :| |: :!: :!ヽ: : ヽ: : : ヽ ゝ　斗‐‐: : : ‘，: : : ./| | ｉ: : : / / : : : : |
　　　i: : l| : : | |: :', ｀ヽヽ ヽ ,斗 ´ ＿z,≠､: : : : : :',: : /| .| |ヽヽ// : : : : : :|　　　　　　　今頃、なのはが一芝居打ってやる夫君を
　　　|: :| !: : :|! | !| ｉ !圷､: : ', 　イ乏:::}/ヽ:ヽ : : |',: i:/ ||　| | ',／: : : : : : : :|
　　　 ! | ‘， |ﾘ ',ヽ:| .!ﾋﾘ ヽ ヽ　辷zｼ　　 | ‘， | ∧､ |.| .| |: : : : : : : : : : :.|　　　　　　　輸送機に載せている頃だろう。
　　　 ﾘ　　', ｌ　 ヽ: |. !　,　 ＼ヽ　　　　　 | | .!: :|:/ ヽ| |　| |: : : : : : : : : : :.|
.　　　　　　 ﾘ　 　ヽ|.ﾍ ヽ　　 ヾ､　　　　 | |　ヽ |、　 | |　|| |: : : : : : : : : : :|　　　　　　　私にもおまえを送るという役目が託されている。
　　　　　　　　 　 　 　 ＼ ヽゝ　　　　　 .| ! 　 ヾ､',　 ｀　 || |: : : : : : : : : : :|
　　　　　　　　　 　 　 　 |:＼　　　　,　　〃　＿ ----､　 | ｀ : : : : : : : : : : |　　　　　　　……待たせて、すまなかった。
　　　　　　　　　　　　　　| | .｀-　´　ヽ /:.:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ | : : : : : : : : : : : :|
　　　　　　　　 　 　 　 　 ﾘ　　　　 /:.:.:.:.,:::::´￣￣￣￣:::::|: : : : : : : : : : : : |　　　　　　　やっとおまえに、二人での平和を与えてやれる。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::: |: : : : : : : : : : : : |
　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|: : : : : : : : : : : : |
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |: : : : : : : : : : : : |

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気持ちの良い晴れ空が窓から覗くから、その日は窓を開けて風を入れていた。
紅茶の湯気が風に揺られ、漂う。
穏やかな午後の日差しの中、シグナムは出されたお茶には手を出さず、
真剣な眼差しを真っ直ぐに向けてきていた。

「……そう」

一言呟き、自分のカップを手繰り寄せる。
飲んでいる場合ではないぞ、とシグナムが怪訝そうに眉を顰めるのが見えたが、
意に介さず口をつけた。
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4730： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/17(木) 21:52:25 ID:Nh85XNQ20

　 |　 |　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{;;i´√ﾏ　{ﾑ　 i! i!￣
　 |　 | 　　|　　　 　| 　　　　　　　　　|　　　　　　　 ﾑﾏ/i!　 {{　 }ﾊ　i! i!
　 |　 |　　 |　　　　 ｌ　　 　.|　　 　 　 |　|!　　|　　　|;;ﾑ　 |　 ﾏ　 |;ﾊ　ヾ
　 |　 i! 　　|　　　　 i　　　 |　　　　　}}ﾊ|　 斗´i!i! .|ヽ;;i　.|　　iﾑ. ﾏﾊ　　＼
　 | 　 i!　　 i　　　　 ∨　 .i!　　　　i!/ 斗´从＿_ﾘi.| ﾉ;;| /|　　.iﾑ　ヽi　　　 ＼
.　 i　　i!　　 i　　　 　 ∨　i! 　 　 /ｰ ´　_x≦笊　 |i;;;;;|/ .iヾ　 iﾑ　 ＼
　　i　　i!　　　i!从从　 ∨ i!　　 / 　 彡弌:::::ソ´　ｉ ﾏ;;|　 | i!　 i_ﾑ＼　＼　　　　　　　――きっと彼、その申し出、断ってるわよ。
.　　i　　i!　　　-‐―‐ヾ. ＼ヾ　/　　　　´¨￣　 　 }　 ﾏ}　i!∨ヾ ヽ}　＼　＼
　　 i　 ﾑ　 　 　i! ,xz笊仆､ヽ/　　　　　　　　　　/从{| | /､ ヽ,　xzzzzx　　　　　　　　 今頃、本当の死闘が演じられてるわ。
　　　i　.ﾑ　　　 ﾍ ⌒弋_ソ　 　 　 　 　 　 　 　 // / | ﾚx≦//////////
.　　　}　iﾑ∨　　 ヾ､　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ /　.|∧/////////////　　　　　　　「バカな」
.　　　|　|ﾏ､.∨　　ﾑ ＼　　　 　ヽ　　　　　 　 　 / 　 |///////////////
.　　　|　! .ﾏ.　ヽ　　.! 　 ヽ　 　 　ｰ-‐ ´　　　 　/　／///////////////　　　　　　　　ホントよ。彼、そういう人だから。
.　　　| .|　 ヾ､　＼　}　　　｀＞x　　　　　　　　 /／/////////////////
.　　　ﾚ′　／/// 从≧x___ へ　 ｀≧-　　__ 　 ／/////////////////
　　　　　／/////////////// ＼_　 ／／￣////////////////////





　　　　　 　 　 　 　 l|　　 l　-─‐|- ___　 |　　　　　 　 　 /　　　/　/　　　　　 |
　　　　　　　　　 　 l l　 　 ',l＼　 |＼ 　 ‐|-　　　　　 ＿/＿＿///　　 /　　　l|
　　　　　　 　 　 　 l　l　　 　 l_ヽ_|__ ＼　 | ヽ.　　 　´／/ __,／//￣／ 　 　 l l
　　　　　　　　 　 /ｌ　ヽ　　 　l｀ヽi､＿_,＼!　＼　 ／／'_　　　/_,／./　　 　 ｌ l
　　　　　　　　　l´ l　　 ＼　　＼　￣￣｀　　　　　｀' /i_｀ー＝-´　/／　　 / .l
　　　　　　　 　 ヽ |　　 　 ＼_ 　＼　　 　 ,、　　　l_,.!ｬ',　　　　 ,ノ　　　 ／　l
　　　　　 　 　 　 ｀l　　　　　　|｀､‐｀　　　'､.ヽ-‐ '´,ノi__',_　_,-'´　 　 .／　　.l　　　　　　出発するのは、二人の答えが出てからにしましょう。
　　　 　 　 　 　 　 l.　l.　　　　|　 ＼　 　_,-｀‐｀‐´ｫ　l-‐ﾍ´　/＾i　,／　　　/
　　　　　　 　 　 　 ',　l　 　 　 ﾄ､,/　｀ｙ´　／l￣l´/　l 〉　}⊃　/'´　　　　/__　　　　　　　なのはが勝ったのなら、私はあなたについていくわ。
　　　　　　　　　　　 ', l',　　　　l ヽ ／　 / ∠l　∨　 l′/‐'　/　　　　　/　　ヽ
　　　　　　　　　　　　',.l ',　　 　｀ｙ´　　　　　/　　　　　 　 ／　　 ／／　　　　',　　　　　　けれど、その逆なら……
　　　　　　　　　 ,ｒ‐‐-',ｌ ',　＿／　　　 　　/　　　　　　／　　 ,／／　 　 _　　　ヽ
　　　　　　　　／　　　　　/l／　　　　 /　/　　　　 　 /　　 ,／〃--‐‐ ´　 ヽ、　 ヽ
　 　 　 　 　 /　 　 　 　 / l_　　　　　/　l 　 　 　 , -'‐､　／￣´　　　　　　 　 ｀ヽ　ヽ
　　　 　 　 /　　　　 　 /　i ｀i　　／　 _,.l　　,.-､_ﾉi　　 l´　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ　ヽ
　　　　　 /　,,.-‐ '"＾>'l 　 l　|　　　lT´,) ',／ 　 ヽ l　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　 ）
　　　　　 ／　　　 く　 l 　 ｌ. lヽ、 / l'´/ノ、　　　 ',|　___L_　　_,.-‐ '"´｀ヽ、　　 　 　 ／





　　 　 　 ／ ／: : :／ : /: : : : : : !: : : : : : : : : : : : : : : : : ',: ヽ､| ＼ ＼_
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　 　 　 　 !: : | !: : : :!| !: ヽヽ圷干示､ ∨!　 ,イ乏ら /　: | | | | |
　 　 　 　 ∨ | ',: : : | ',:ﾄ: :', {　辷zﾉ　　ヽ|　　辷zﾉ　　!: :| ', | | |　　　　　　　　　それで、いいのか？
　　　　　　 Ⅵ　∨: :{ ',ヽヽヽ　　　　　　 ｀　 　 　 　 ./ } !!. ﾘ | |
　　　　　　　　　 ∨ ｉ .ヽヽ ｀ヽ　　 　 　 j　　　　　　/! | | |　| | |　　　　　　　　　 今際の際まで、企業に手の内の中で。
　　　　　　　　　　 ヽ',　 |ヽ : !､.　　　　-‐-　 　 　 / |:/ﾘ: |　|:|:.|
　　　 　 　 　 　 　 　 　 |　!: | ＼　　　 　 　 　 ,イ: :〃 : : |　|:| |　　　　　　　　　　今なら、二人で逃れられるんだぞ？
　　　　　　　　　　　　　 L_| ', ',.　|＞ . 　 　 イ .|: : :/: | : : l／ |:|
　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ､ r.､ 　＞＜　 ノ!､: : : | : : : : : | |
　　　　　　　　　　　　　　　,､rイ !　　 ヽ-　´　　 !:ヽ､:| : : : : : | |
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4731： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/17(木) 22:04:29 ID:Nh85XNQ20

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　 　 | l∧　 |｜　 |　 |､/| l／ 　 ＿_　　　　　　　　　　　　 ||｜　 ＼〉　 |　　　　　　　私が信じる人の、信じた答えだもの。
　　　ヽ　 ＼|｜　 |　 | ヽ〈 　 彡'"￣　　　　　　　　　　　　ｌ|｜　　/| 　 |
　　　|::::|＼|::l├ﾍ、 、ｌ　 ＼ 〃　　　　　　　　　　　　　 　 ｜|　　'　|　　　　　　　　　 たとえそれが、企業が用意した檻の中でも。
　　　|::::|　 レ＼ | ＼＼ 　 ∧　　　　　ヽ　　　　　　　 　 　 ｌ | 　 |　|　/
　　　|::::|　　　|　|l ｜ ｀ ＼ トﾍ　　　　　　　　　　_,. ‐　 　 ノ八　 |　|./
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　　 └┘　　 |　|∧l　　 ｜||　 　 ト　　　　　　　　　　 　 　 　 　 二|
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:/..ィ::(_)＝'´　　 /　　　　　 ーﾄ=廴ヾﾐr)ヾﾐ;､ ::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｨ彡》o(ト=''´ i　　　　,′　　　　　　　　￣廴ヾﾐ;､ヾﾐ:Ⅶ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 巛/::ﾊ￣　　　1　　　 ,　　　　　　　　　　　　　廴入 }::} ||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　Y::/}::}　 　 　 |　　　 i　,′　 　 　 　 　 　 　 　 `Yﾊ⊥⊥
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /::/! }::!　 　 　 !　　|　| ,′　　　　　　　　　　　　　｀ｰﾑ>トﾄ､
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾑﾁ廾:::!　 　 　 |　　1 .|:l　　　　　　　　　　　　　　　　/:/!::八!
　　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾉ//:/i¨　　　 i 　ト､　|　!:!　　　　　　　 ,　 　 　 　 　 /:/.ﾉ::{=彳
　　　　　　　　　　　　　　　　j//　!:j　i　 　 |　从_ヽ!八|　　 　 　 　 /　 ,ｨ　　　　　{:ﾑ,':::ハ
　　　　　　　 　 　 　 　 　 〃,′.// : |　 　 ィ示圷ﾐﾄ,..ﾊ　　　　　／!　/ 1　　　　　¨7:://ム
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,′ Li　　!　　 1 弋ヾ ツﾐ　ヽ　　 ／￣ﾚム､! 　 　 　 ./::/ Li !　　　　　……ここまで命が残った。
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,′　 i　　 !　　 i　　￣`　　　 ヽ／　,,ｨﾁ示ﾐ､j 　　　　 {::/!::ｲ　!
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,′　　|　　 !　i､ |　　　　　　　　 　 　 弋ヾツ, /　,′ 　.L! L!　 |　　　　　 私はそれを使い切るわ。
　　　　　　　　　　　　　　,′　　.:|　　 i　|ﾊj　　　　　　 ,　　　　　　￣,ｲ/　/　　,′　　 　 1
　　　　　　　　　　　　　 ,′　　.:::|　　 l　|　ﾊ　　　､　 　 　 　 　 　 ./／／　　.,′　　　　 1　　　　　 あの人を迎えて、一緒に眠る為に。
　　　　　　　　　　　 　 ,′ 　..::::::|　　 l　|　 .ﾑ　　　｀　- -　　 　 .／,イ　　　 ,′　　　 　 .|
　　　　　　　　　 　 　 ,′　..:::::::: |　　 l　|　{::::::＼　　　　　　　　 ,／ .,′　　.,′　　　　　 .|　　　　　　あの人が、望む形で。
　　　　　　　 　 　 　 ,′ ..:::::::::::: |　　 l　| /:::::::::::::＼_　． -_.≦:::/　.,′　　.,′ 　 　 　 　 |
　　　　　 　 　 　 　 ,′ .::::::::::::::: |　　 l rﾁ::::::::::::::::::::}}-='''´::::::: /　 ,′　　.,′　　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　..ム,..----- .､ |　　 l l::::::::::::::::／/|ﾄ:::::::::::::::::｛　 ,′　　.,′　＿＿＿　　|
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檻の中では生きられない人もいれば、檻の中でしか生きられない人もいる。
今の自分は後者だ。企業が計算した運命という檻だ。
けど、それでもいいと思える。

席を立ち、俯くシグナムを慰めるようにして肩を置く。

なのはが彼を打ち負かしたなら、二人で刹那の平和を抱き締めて生きよう。
彼がロストワードに乗って帰ってくるのなら、この家で彼を迎えよう。

たとえ借りものの平和でも、自分の運命が計算しつくされたものでも。
その時間だけは、二人だけの真実だから。
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4732： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/17(木) 22:13:49 ID:Nh85XNQ20




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　　 　 　 lＬ ／　　 ,.=--ー　　　　　 　　　　　＼.._r く￣＼=-＼　　　　　　　Ｌ ィ＾ﾆﾆﾉ⌒i.　∨ ∧　∨ ∧ ∨ ∧
　　　　　 　 l´　　ッ-┬＼　　　　　　　　　　　　ﾞｉ..l=〈 ＼_ﾉ＼=-∨　　 　 　 __]ﾆﾆ／: : : :ｌ　　∨ ∧　∨ ∧ ∨ ∧
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　　　　　 　 | 　　ナー-ーッ　　　　　　　　　　　 |..,ﾆ=-}: : : :＼」}=l　　 　 i{ﾆ=-/ : : : : : /　　 　 ∨ ∧　∨ ∧. ＼
　　 　 　 ,.,r'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|..ﾆ=-,: :_ イ＾､＼」　　　/l{ﾆ=/ : : : : : /　　 　 　 ∨ ∧.　＼ 」
　　 　 　 （人,,＿,,）　　　　　 　　　　　　　　　　　| =-/´ニﾆ=-} ∨　　　i-=-/ : : : : : /　　　　　　　＼ 」
　　　 　 　 ７￣￣　　 　　　　__　 　＿＿,,,,,,_＿ ,.!　二二ﾆ=‐∧ ∨　　 lニ/ : : : : : /
　　　　　 　 ＼　 　 　　　　　〉￣￣__ ＿＿＿〈.‐＼ﾆﾆ=-厂￣}＼｝　　 j∨.: : : : :.,
　　　　　 　 　 ＼　　　　／..:.:.::.:《三三三三＜　 　 ＼.-/ﾆ=-7: : },　 /´｀{ : : : ／
　　　　　　 　 　 ＜ ﾍ _,,,ｘ≦三三三三三三≧ｘ　 　 .＾i{ﾆ=-〈: : / ∨ /｝ L ィ＾
　　　　　　　 　 _,,ｘ≦三三三三三三三三三三〉　　　 j{ﾆ=-/:: '=-└' / /
　　　　　　　 　 |三三三三三三三三三三三三!　 _／ ∧=-L/ﾆﾆ=-}└'
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　　　 .．＜三三／三三三三三三三三三三三三≧x､、　　｀`'≪¨ﾆ=-､
　.../三二ニ＝ニ二三三三三三三三三三三三三三ﾆﾍ　 　 　 .＼ニ=-＼
.　/三三三三三三三ヽ三三三三三三三三三三三三三＼　　　　 ＼ニ=-`､
../三三三三三三三三=V三三三三三三三三三三三三ﾆﾆ＼　 　 　 `､ﾆ=-`r┐
iニ三三三三三三三三∧三三三三三三三三三三三三∧=ハ　　　　.〈`､ﾆ=乂l
lニ三三三三三三三=∧∧三三三三三三三三三三三三∧ニﾍ　　　　.Vﾟ,ニ=-＼
.lニ三三三三三三==∧//∧三三三三三三三三∧三三三/ﾆニ〉　　　　~}二ニ=‐∨
.lニ三三三三三三=∧////∧三三三三三三三//∧三三/三=/　　　　　 }ニニﾆ=-}_
.lニ三三三三三三∧//////∧三三三三三ニ////∧三/三=/　　　　　 .人ニニ=-ﾉ＾{＼
..lニ三三三三三=∧////////∧三三三三ニ//////∧/三=/　　　 　 　 　 ≧(⌒)k､ﾉﾆ=＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〜一週目エピローグ　FIN〜

4733： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/17(木) 22:16:40 ID:Nh85XNQ20


　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　　　さて、どうだったろうか。一週目でアリスを選んだ人達が、
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　　　今もまだ見続けてくれているかは怪しいが……まあ見ていてくれてたら嬉しい。
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　　　本編中では、関係を持ってからは戦争に翻弄されてばかりだったからね。
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i　　　　　こういった描写も見せておきたかったのだ。
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ





　　　　　　 　 ,- ‐‐ -　､
　　　 　　 ｒ‐ｲ: : : : : : : : :｀,
　　　　　　i /○　○: : : : /　　　/｀ ､
　　　　　 　i_ _ _ : : : : : : :{　 　 / : : /　　　　　また、一週目と二週目のやる夫君の差異も楽しんでいただければ幸いだ。
　　　　　　 ｀,_　_｀=-: : : :| 　 ノ : : /
　　　　　　　i: : : : :_: : : : :'y´ : : : /　　　　　　　 根っこは同じだが、随分キャラや考え方も変わってるからね。
　　　　　　　｀-‐､´: : : : : : : : : ／
　　　 　 　 　 　 ﾉ : : : : : : : : i´　　　　　　　　　　一週目のやる夫君が大人ッちゃあ大人だね。
　　　　　 　 　 / : : : : : : : : : :|
　 　 　 　 　 　i: : : : : : : : : : : !
.　 　 　 　 　 （｀ー‐-　　-‐　_}

4734： ◆x0SRSoJXe.：2022/02/17(木) 22:18:38 ID:Nh85XNQ20

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',　　　　　　　　　　　さて、次回は3/3木曜日の20時から。
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ　　　　　　　二週目、ロストワードたちを撃破したところから再開だね。
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ　　　　　……間が開くことが多いし、どっかで裏筋……じゃなくてあらすじを挟むべきかな。
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'　　　　　　たまにモコイさんも忘れるし……それじゃ、シーユーアゲイン。
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

4735：安価のやる夫だお：2022/02/17(木) 22:24:56 ID:G1bwxU360
乙
一周目の二人はこうなったかあ

4736：安価のやる夫だお：2022/02/17(木) 22:30:16 ID:qZd8qHGM0
乙でした

4737： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/03(木) 20:01:42 ID:lhPEf3ZI0

　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ　　　　　　ハロー。　
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

4738：安価のやる夫だお：2022/03/03(木) 20:02:31 ID:/x9Ug1Uc0
ハロー

4739： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/03(木) 20:09:22 ID:lhPEf3ZI0

　　　　　　　　　_　_　_
　　　　　　　／: : : : : : ｀i
.　　　 　　　i: : : : : : : : : :!
　　　　　　　､: :○: : ○: :!
　　　　　　　 i: : : : : : : : : i 　　　　　　　　なんか話の進みが精神と時の部屋じみててビックリしてるモコイさんだよ。
　　　　　　　 l: : :,, --_ｯ: :',
　　　　　　　 丶 ｀‐'´: : : :ﾉ　　　　　　　　　さすがにちょっと……破綻してるよね。スレとして。
　　 　 　 　 / ´: : : : : : : : ｀ヽ
　 . 　　　　/: : : : : : : : : : : : : ヽ　　　　　　　モコイさんもどうかと思う。一人でもまだ見てくれているのは純粋に奇跡なのでは？
　　　 , -‐': : ,: : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　／: : : ,-ｲ: : : : : : : : /｀丶: : : :､
　 ｒ⌒ ,／　/: : : : : : : : i　 　i: : : : i
　 ` ‐ '　　/: : : : : : : : : |　　 ! : : : |
　　　　 　 i: : : : , _ -‐ ´,) 　 ｀ ヽ _|
　 　 　 　 (_ _i￣(_　-‐'´i
　　　　　　|　:|`‐´i : : : : |
　　　　 　 |: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
　　　　 　 |: : : : : |: : : : : !

4740： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/03(木) 20:14:00 ID:lhPEf3ZI0

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',　　　　　　　　　正直、だいぶ弱気にさせられているというか……
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ　　　　　このまま完結しないまま、変な病気にでもかかってコロっと死にそーな気すらしてきた。
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ　　　そうでなくても、五年後くらいには何かしらの生活習慣病になってそう。確信的。
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'　　　　小説もプロットすら弄れなくなってしまったしさ……
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ





　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i　　　　　　嘆いていても仕方ないね、やっていこうか。ざっくりあらすじもやっとこう。
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ　　　　　　 新しい巣としようとした桜花重工がアヴィアコルのネクストによって壊滅、
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i　　　　　　 コロニー下部を潜水艦にして隠れて、オルデンブルクに拾ってもらおうと
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |　　　　　　　したところを騙して悪いがされた。んで、返り討ちにした直後から、だ。
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘　　　　　　　仕事終わりの君も、学校帰りの君も、どこにも居場所がない君も、
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」　　　　　　　ながらついでに見ていってね。
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´

4741： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/03(木) 20:24:58 ID:lhPEf3ZI0

　　　 ,,, ＝＝＝＝,,
　 　〃　 ─　　─　＼　ﾊﾟﾁｯ
　/ 《 　 （ー） 　（●） ヽ
　|∩||　 　 （__人__）　　}}　　　　　む……。
　|∪《 　 　 ｀ ⌒´　　 ∥|
　＼　 ミ三三|￣|三彡／
　_,,, ト ＿＿　兀 ＿ イ,,＿
/　　 i　 　　 　| |　　 　 i　 i

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
意識がぼやける中、重い瞼をこじ開ける。
機能停止中のHMDが被さっているため、瞼を開けてなお暗闇が広がっていた。

すぐさま、自分がマーシフルのコックピットにいることを認識し、
はっとなってモニターを再起動させた。

気絶していたらしい。疲弊もあってか、目覚めるまでに時間がかかったようだ。
口の中はカラカラで、それを如実に表していた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4742： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/03(木) 20:35:25 ID:lhPEf3ZI0
〜潜水艦アマツ　格納庫ブロック〜
＼┌‐/:〈/ /〉:::/─┐　　 /匕」　　　　{::::::/／　　　　　　 ／　　　　_＼　 　 　 | 　 　 　 |:::| }　}　　　　}　 }／　　　:|　 |:|　　　／
＼└/:〈/ /〉:::/─‐┘　／/＼_|,､‐辷三ア´　　　　　　 ／　　 xく￣{::::::ヽ＿＿_|｀ヽ　　　|:::| }　}　　　　}　 }　　　　 :|　 |:|　 ／ /
＼　/:::/ /::::::/──┐ {::::{　 ／{￣/ｰ／　　　 　 ｡o≦　　 ／＼::＼{::::::::::{::::::::::::::::::}￣￣::::| }　}　　／/　/　　　　　|　 |:|／　 /
＼ /:::::厂:::::/──‐┘ ＼{／:V´￣／　　　 ｡o≦ / 　　 ／ﾞ∨__＼::乂::::::乂:_:_:_:_ノ::::::::::::::::|_}　} ／ ./　 ハ　　　　 j　 , '　　 /
＼〈{／￣77───┐ ／::: :: |　／　 ,.｡o≦::/　}/ 　 ／{ :{'，∨＿|＼||::::::::::|:::::::::::::::: :::::::::::::,}　圦　/　 /　.|　　　 ./ ./　　　/
.＼/:::/7://───‐／:::::::／::|'´｡o≦　 /::::/| ./　 ／￣{ :{∧ ∨,,,|　 ||::::::::::|::::::::::::::::: :::::l／ }　}∧ 厂7||＿|　　　/__/　　　/_　-　¨
ヽ/::://://￣￣＞r'´::::::／/:::/　＿＿ ./:::::/ ﾚ 　∠| :|￣{ :{_∧ ∨|　 ||::::::::::|:::::::::::::::::::: ::|ニ′广ﾆ′/.|ﾆﾆ|　 ／ﾆﾌ　　 ／＼
..〈¨7〈7rf^＾￣::::::_:|､:／/:/ヽ癶//　 //:::::/／ ／___,| :|￣{ :{＿乂乂／ヽ::::: :|:::::::::::::::::: ::::|ﾆ:|　|ﾆﾆ:|　ﾄ､|ﾆﾆ|／ﾆﾆ7　 ／　　　 ＼｡o≦
../７ｰ∧:::::::::::ィ´ ｰ┘ /:::{乂:::::广¨7:::::::::/_,ィ⌒〉＿,| :|￣{ :{＿___≧s｡／ ＼|::::::::::::::::::: :::|i:i:|　|i:i:i:ﾘ　ﾊi:i:i:i:i:i:≧s｡/／　　　　 ,.ィ升///
..∨::/ｰﾍ:_:_/:::|‐‐‐┐/:::::广广{　　{￣￣〉　|　 {＿__| :|￣{ 乂_____彡'´￣｀ヽ|＼::::::::_::::::: |‐j　j{-=/ /i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/　　　　,.イ///////
/⌒ヽ::::::::＼≧s｡.,==/:::::/::/:::ハ　 }ｰ}ｰ‐}￣|　∧＿,| :|￣乂______彡'´￣_ニ,|　　Y´:::｀Y::|/⌒〉　:|　l |丁l 十ー- {　　　 /　/////////
{x=ﾐｿ￣￣￣≧s｡.,`'＜￣}|::::{-ﾍ /::/::::/ｉ|￣|_ﾉﾉ〉　.| :|￣￣￣￣斗r≦ |／|＞'ヘ:::::::ﾉ:::|⌒Y　 .|　| | :| l　|:|　　 ∨　　{　///￣￣￣
`ー'─────‐∧ｰ=≦厂＞‐/_/,,,,/ﾆ|　 |_）V￣/,. '/￣￣￣|　｡o≦＞'":::::::::::xi〔::::::ﾘ　,ﾊ　 .{　{ | :| l　|:|──∨　 ∨ /
＼┌────(¨/∧广V(￣￣(__)ヽ_ﾉ__,|　 |＿〉＿ ∧∨￣￣￣|x＜:::::::::::::｡s1::::::::: : /　/|　　∧ ∨:| l　|:|￣￣　〉　　∨
＼└───｡o≦二二二二ﾌ二＞'"::::()_|＿|_) ∨__,¨∧∨￣￣...|:|:::｀ '＜　|　 |:::::::::::/　/ :l:　　 ∧ ∨　 :|:|　　　　{ 　 /
＼┌‐＞'":_:_:_:_:_:_:_:_:_x＜⌒Y)): :／＼／{二＞r'´　〉　∧∨￣￣|:|:::::::::::::≧s｡:|:::::::::/　/　:| 　 　 ∧ ∨　|:|　　　　＼/
＼└‐|:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_://:::::〉::::::|／/　 / 　 ∨　　＼/￣　∧∨￣¨::|≧s｡::::::::::::::≧s./　/ 　 |　　　　||ﾍ　､ |:|　　　　　/￣￣￣￣￣
＼┌──|_/＼:_:_:_//ｰ＜:_(入 〈^＼{　　 ﾊ　　　/_〉￣￣∧∨￣ |　　＿≧s｡x'´:｀|　 {＿;;;|　　　　|| :|ﾍ ＼￣￣￣/
＼└─────┘＿＿＿ r'ヽ／／＼//＾ r vﾞ_,f^Y＿＿__ヾ:､__;| 　 |＼: : : {Y^ヽ{　 {￣:::|　　　　|| :| | ＼＞─‐┴─────
＼┌─────┐　 ｡o≦ﾏ‐〈_(;;）__／￣,‐ゝｨ､/ゝ'ヽ-ｨ　(,,) ヾ:､| 　 | : |￣￣: : : {　 {￣ :|　　　　jI斗r≦＿＿＿＿＿＿＿,､-'ﾞ
＼└─────┘／＞:/¨{‐､_〉　ﾘ｀ヽ､ 〈 {___{{_}＿/＾´ﾊ_ﾉ^l　´"㍉ｎ : |: : : :: : : ::∨∧:::::|　　 ／＿＿＿＿＿＿＿＿＿　 ＼
───‐ ､───{::::::/:::/:::::{¨¨T^^}　　／`'|　 }::ﾉ　 }─‐Tーｲ─┘_| ￣|￣:/￣￣ ∨∧¨|｡o≦////////////////＞＜ヘ: : ヽ
　　　　　　＼　　　￣二二二「フ「{ 广二二 :| |ﾘﾆ{ { :{二二}ｰノ二二二二|::::/::::::::_､xｧァ７/////////////////＞＜三三三∧: ∧
　　　　　　　 ＼　　 ＼: : : : : } } ﾊ} {: : : : : : :| |:|: ::} }v，: : : { {l二二/7￣￣,＞＜////////////////////＞＜三三三三三,∧ : :
　　　　　　　　　＼　　　￣￣{_{_{ {:〕′￣￣j川¨７_j L〉￣¨りﾉ￣_,.｡ｧァ7ﾌ////////////////////＞＜三三三三三三三三∧

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
あれからどうなったのか。
最後の記憶を辿っても、上手く思いだせない。

ロストワードとの機動戦の末、凄まじい衝撃に襲われた。
敵機は墜とせたのか。みんなは生き残っているのか。
今頃、海の底にコックピットだけの状態で沈んでいるのかもしれない。

息を呑んでカメラアイとの接続復旧を待つ。
すると、急速に視界が開け、白い照明の光が網膜に焼き付いた。

そこに広がっていたのは、見慣れたトウキョウのものとは違えど、
確かに自分の拠点であるアマツのドックの光景だった。

帰ってこられたのだ。
深く息を吐き、肩の力を抜いて脱力した。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4743： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/03(木) 20:42:39 ID:lhPEf3ZI0

　　　 ＿,,―――,,_
　　／ 　 ========ﾆ＼　　　　　　
　/　 〃　　　　 　 　 　 ヽ
　|∩{{　　　─　　─　　 }}
　|∪ ||　 （●） 　（●）　}}|　　　　　（……右手に、人の血が。あのネクストのリンクスのものかお）
　＼　{{　　 （__人__） 　∥/
　_,,, ﾄ ミ三三|￣|三彡 ｲ,,_
/　　ト　――.TT ― イ　i　"i

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「おはよう、やる夫君。バイタルサインに異常はなかったから、
寝かせておいたんだけど」

なのはの軽やかな声が聞こえてくる。
その様子では、甚大な損害を受けたりはしなかったようだ。

「ロストワードと、ヘルヴォルは」

「全機撃墜だよ。君は本当によくやったよ。三機のネクストを撃墜して、
潜水艦を防衛して、その上五体満足で帰ってきた。
タダ働きなのが申し訳ないけれどね」

「今回は、仕事じゃないから仕方ないですお」

軽口を返しつつ、マーシフルの右腕部に視線を落とす。
鋼鉄の指先に、ほんの小さな、けれどそれは確かに人のものと思える、
血痕が見て取れた。

破裂した人体から出た飛沫のような形状の汚れ方だった。

皮肉なものだ。
これだけたくさん人を殺しておいて、血を見るのが久しぶり、というのも。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4744： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/03(木) 21:00:48 ID:lhPEf3ZI0
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
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　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└─┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ┌┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 └┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 □

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

4745： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/03(木) 21:04:50 ID:lhPEf3ZI0
あれ、なんか変なことになっている。

書き込みしたつもりが切り取りしただけになっている……


　　　　　　　　　　 __´￣￣二ﾆ=　、
　　　　　　　　／　　￣´ 　　　　　　ヽ
　　　　　 　 /　/ｨ　　　　　　}i　　　　∧
　　　　 　 /ﾔ'7=ﾆ二二二≦_｣Ｌﾍ/　 ∧
　　 　 　 ;　 /＼_　　､＿　￣Ｖ⌒{ 　 / }｝　　　　　　　　　　　……勝った、んだよな。
　　　　　:; 　}(ー）　　（●　）　〉 人 /　/^}
　　　　　 '､ {（　ｨ'　　　　.u　/／Ｌ {__/(__/　　　　　　　　　　　でも、だからといって……
　　　　 ＿{へ≧＾ゝ､___ノ_z彡二弐≠ ＞／￣￣ミヽ
　　　　r{_ `ｰ=＜三＞'’ ）二二 ／　//　　　___　　　＼　　　　これから、どうするんだお……？
　　／/ ｛＼　　｀￣　 /二二／/ 　/ｲ　　 Ｙiっ) -┐　 ＼
　｛　　Ｖ 〉　　　　　　〈ﾆ二彡イ　 ｛ ｛　 　 }｣つ）二! -02 |ｌ
　｛　 　 i ＼ 　 　 　 /｝ト､　　 i　 /八ヘ　　￣´　　　　　 |ｌ
　　)〉=ﾆi　　＼＿∠_//ｚ/＼　i／　　＞　_　　　　　　 　 /ｌ
　　　汀 i　　　 〔_二//￣　　 ＼　　 /￣７ 　 ＞＝-≠〈/
　　 ！| iﾄ　　　　＼　　　　 　 　 ＼/　 /　　　　　　勹[_]
　　　　　｀v 　　　　＼　　　　　　　 ＼/　　 　 　 　　/
　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　 ＼　　　　 　 /

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
ドック内を忙しなく右往左往する整備班の人々も、心なしか浮足立って見えた。
一時の勝利で、恐怖と不安に蓋をしていた。

企業連からの攻撃を凌ぎ、再び潜伏することに成功したとはいえ、
それが何を意味するのか、分からない人はいないだろう。

ただ、希望が潰えた。たったそれだけのことだ。

もっと言うなら、自分はロストワードを、ランク4のリンクスを撃墜したのだ。
企業連の威厳は大きく傷つき、これまで以上に追撃は激しさを増すだろう。

先行きの見えない状況に思いを馳せていると、重い眠気が襲ってきた。
こんな時でも身体はお構いなしに疲れるし、睡眠を欲する。

渡りに船とばかりに眼を閉じ、再び意識を手放そうとする。
考えたって、希望はないから。
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4746： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/03(木) 21:05:01 ID:lhPEf3ZI0
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4747： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/03(木) 21:14:26 ID:lhPEf3ZI0
すまない、どうにも頭がぼんやりしている。

今日はちょっとここまでにさせてほしい。

次回は……来週にしよう。やはり一か月に二回だけってのは少なさすぎる。話の進みも遅すぎる。

次回は3/10?の20時からだ。申し訳ない。

4748：安価のやる夫だお：2022/03/03(木) 21:17:14 ID:DiLZipYo0
乙
無理しないでね

4749：安価のやる夫だお：2022/03/03(木) 21:25:21 ID:/x9Ug1Uc0
乙でした

4750：安価のやる夫だお：2022/03/04(金) 21:46:12 ID:1nmLyZMA0
お疲れ様でしたー

これ、八方塞がり

4751：安価のやる夫だお：2022/03/07(月) 17:46:14 ID:AoJBIQQ20
乙
体力と相談しながらで行くんやで

4752： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/10(木) 20:01:57 ID:I.NYMt0.0
　　　　／||ミ
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　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ 　　　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´　　　　　　
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　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
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　　　　＼||

4753： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/10(木) 20:07:28 ID:I.NYMt0.0

　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',　　　　　　　　　前回はすまなかったね。
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ　　　　　やっていこうか。
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

4754： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/10(木) 20:09:43 ID:I.NYMt0.0


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.　 　　　　　|　.| ﾊ i:::::::::::::::::::ミ､　）‐'´　　　　　 /::::::::::::| / - ' ´三三
.　　　　　　 |　　| |.ﾚi::::::::::::::,､:ヽ＼　　　 　 　 ./:::_::::-:::'::´三三三三　　　　　　　随分と無茶をしたらしいな。
.　　 　　 　 ヽ　 | |　|:::::::::::/　｀ﾐ､_ ＼　　 _　- ' ´三三三三三三三
　　　　　 　 　Ⅶ　Ⅵ::::::::/_　　-　　　 Y´三三三三三三三三三三　　　　　　　　俺は外科医で、こういうのは下手の横好きなんだが……
　　　　　　　　 ヽ　 V:::ﾊ:::::::＞､　　＿ .＼三三三三三三三三三三
　　　　　　　　　　／ヾハ:::/三 >'￣　　　 ヽ三三三三三三三三三　　　　　　　　 そんな俺でもハッキリと分かる。
　　　　　 　 　 ／三三三/三三ﾆ｝￣　　　 V三三三三三三三三三
　　 　 　 　 ／三三三三三三三::i､　　　_ ィ ト三三三三三三三三
　　　　 　 <三三三三三三三三三三三三ﾆ.| ヽ三三三三三三三
　　　　　 　 ｀ -　､三三三三三三三三三≧／:::＼三三三三三三
　　　　　　　　　　 ｀ - ､三三三三三 ／／/）:::::::::人三三三三三三
　　　　　　　　　　　　　　＼三三ﾆ.／／/.//::::::::/ | |三三三三三三

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メディカルチェックを終えると、間はひと際長い溜息をわざとらしく吐いた。
静かな艦内医務室の中で、それはよく響いた。

牧瀬がいつも張り付いているデスクは無人で、空っぽの椅子が寂し気に置かれて
いる。艦内を練り歩いてはカウンセラーの真似事をしている、と間はぼやいた。

間も間で、表情から微かに疲れが滲んでいるように見える。
さっきまで黛隊の負傷者の治療に当たっていたというのだから、無理もない。
敵ネクストの攻撃でコックピットを潰され、辛うじて生きている状態のAC乗りも
いると聞かされた。

ネクストに乗る以上、そういったことになる可能性はノーマルよりも低い。
それとは別に、こうした代償もある。
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4755： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/10(木) 20:26:32 ID:I.NYMt0.0

　　　　　　　　　　　　　　　 _､
　　　　　　　　　　　＿､-､＿）＼
　　　　　　　　≦￣　　　　 ヽ　 ＞-､
　　　　　　＜￣　　　　　＿＿≦ヽ＜｀＼
　　　　 -≦　　　　　 　／:::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　 ／　　　　　　 ,'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　 　 ／ /　　　　　　､'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
　　'´ フ　　　　　　/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i　ﾉ/i /l
　　 / /　　　　　/:::::::::::::::::::ﾊ:::/|::::ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::://:/　/　　　　　　　聞いたぞ。現状のスペック以上の動きをしたせいで、
　　Ⅶ　/　　　 ﾉ:::::::::::::::::i:/ .|/ .i < ﾚ´|:::::r-､::::::::::::::::/／/
　　 / ｲ　　　 /ｲ::::::::::::::::ﾚ ニ三' ､￣ﾉ:::/ ｊ i::::::::::::::::::::::/／　　　　　　 リミッターが一部強制的に解除されてたってな。
　　 V |　/　 ,　 |:::::::::::::::|｀､´､ヱソ ./::::.i i} /::::::::::::::::::／ノ
　　　　|∧　 i　 |:::::::::::Ⅳ　 X　　　　{::::/　ノ:::::::::::::::::::彡　　　　　　　　　対汚染スーツが鼻血塗れだったと。
　　　　V∧ .ﾊ　i:::::::ﾊ:i/　　　Ｘ　　　 Ｖ ノ /r―- --＜
.　　　　　　Vハ ﾊ;:::|､Vヽ_＿ ,　X　　／／/::::::::::::::::::::::::::＼　　　　　　　　八神君が顔を真っ青にしていたぞ？
　　　　　 　 Xハ/ﾚ:::::::ヽ､　　　　 ＜／ゝ/::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　/:::::::::::::::::::::::::::::ト- イ/／ハ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::





::::::::ｨ　　　　　　　　　　　.-ゝ
:::::i´　　　　　　　　　　　　｀ヽ、
::::::ﾚｒ-、　　　　　　　　　｀ヽ、ヽ
:::::/ i　|　　　　 ,　　　　　　、ヽﾉ
:::::! i｣/　 i　　 i　　 i　　ヽ　i!.｜
:::::>ｨ'　 / / i .|　i　｜i　!｜ |ヽ!
i!　 ヽ-'ヽ'ｖ-'/ /　/ ｌ'　|　i! i　　　　　　　幸い、今のところ神経系に異常は見られないが……
;｀ヽ、キ　　//7　/'1　 i /|/
;;;;;;;;;;;;ﾞ;;;7　'´/ノ"i./ ノ! / i!　　　　　　　　やりすぎれば身体障碍に繋がると覚えておけ。
;;;;;;;;;;;;;;/　ヽ、　 ｨ'／ ﾚ'
;;;;;;;;;;;;{　　　,ｒ‐ ´　
;;;;;;;;;;;;|｀ヽ,;;'-、
;;;;;;;;;;;;`;;;;;ｒｭ;;;;L_
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;}

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AMS接続というのは、本来は義肢の操作系と神経接続し、動かすためのものだ。
義肢程度であるのなら、負荷はそれほど高くない。
実際に運用されている技術だし、AMS適性もあまり話題には上がらない。
だが、ネクストのような巨躯を動かすとなれば、話は別だ。

高いAMS適性の所持者であれば、何らダメージを負うことはないらしい。
そして、自分の適性はB判定相当。
リミッターをかけたマーシフルであれば問題なく動かせる程度のもの。
つまりは、それなり程度、ということだ。

AMSの負荷は、主に身体障害が挙げられる。
視力の減衰や喪失。半身不随。記憶障害。行くところまで行けば廃人化。
自分はその戸口に立っていた。
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4756： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/10(木) 20:31:18 ID:I.NYMt0.0

　　　/　　　　　/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　/　　　　 ,': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　/ /　　　|: ,: : /: : : :/: : : : : i: : : : //ﾊ: : : : : : : :
　　　 /　l　　　1: /!: : : / /: : : ://: : :/ノ ノｨ: : : : : : :
　　　,|　 |　|　 |':.:|≧: . |:/:／:/_仁ｨ:≦Zz／ｨ: . r‐､: :
　　　 |　|　|!　 |!:.|ゞｾl:.:ﾄ;イ／ﾗ人 ゞ仍;ｊ　 /ｨ::/ う l: :　　　　　　ただでさえ、おまえさんは無理をしがちだ。
　　　||　|l　|l　 |:.:|￣´|:l ／　　キ 　￣´､　 /: | 仆 |: :
　　　 |ヽﾄ　||,　|::|　　 ｿ　　　　　ｷ　　　 ／: : | .ﾚ /: :　　　　　　 俺の見立てでは……そうだな。あと二年も乗れればいい方だろう。
　　　　|: : ', |:',　'!　　/　　　　　　 キ r‐1: : :─ '"´: :
　　　　 |: : ヾ: ', ﾄ,　 ヽ-‐ ､　　　　 ヾ!: : : : : : : : : : : :　　　　　　　
　　　 '´: : : : : :.ヽ!＼ 　 ー─‐─　　 ﾊ: : : : : : : : : :.:
　　　: : : : : : : : : : : : ＼　´￣ ｀ ､, ＜|::|: : : : : : : : : :
　　　: : : : : : : : : : : : : <`ー　≦:::::＼: :.|: : : : : : : : : :
　　　: : : : : : : : : : : / ∨: :ﾊ: : |: : : : |: :|: : : : : : : : : :





　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼　　　　二年……。
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
あと二年。
長いようで短いような、人生におけるごく一部の期間が、
今となっては遠く重たいものに思えて仕方なかった。

二年や一年どころか、明日のことだって分からない。

企業連が形作った戦争経済というシステムの中で、
そのシステムに従って生きてきて。

不満や不安はあれど、それでも、生きられてきた。
数十年先を想うことだってできた。

今は、それすらも叶わない。
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4757： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/10(木) 20:39:28 ID:I.NYMt0.0


　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　 Vﾐ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､
　　　 　 　　　{　　　　　　　　　　　　　　　 ヾ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽﾍ
　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　 i　 　 V:::::::i::::::ヾ::::::::::::::::::::::::::::ﾊ:::∧i
　　　　_,ｨニニ|　　　　　　　　 　/　　ﾊ　　 }:::::::::ﾊ:::::::}}:::::::::::::::::::::::､::i |::|
　 _,ｨ壬ニニﾆ.Vi　　　　　 /　　|　　 / .| 　 }::::::/　i:::/ﾉ:::/i:::ｲ:::::::::::::ヾ|ﾚ-､
＜ニニニニニ|:v:i　　 |　 |　　. |　　|　 }　　|::/＿///∠/ノ::/::::::ﾊ:::::/二二二
二二二二二ﾆ|::::r ､|　|　 |　　. |　　|　 |　 /ｲ彡'ニ='´￣Уｲ:::::::|/:::ﾊ二二二
二二二ヾ＼ﾊ/::/　 |ヽ|　 |　　 ||　 .|　/　/ /＜弋ン＞　 /:::::::::/ i/二二二ﾆ
二二二＼:::::::::::i　　| ヽゝ | 　　||　 | /.／ ∧　 ￣￣　　/:ﾊ::::/ハ|二二二二　　　　　　……ま、せいぜい静養してくれ。
二二 ヾ＼:::::::::∧　 | |ヽ∨ヽ　.||　 | ﾚ |　 　 ＼　　　　イ/::::/二二二二二二
二二ﾆ≦ヾ:::::::::::::＼_ヾ　 V　　||　 |　 .|　　　　 ＼　　 /ﾊ::/二二二二二二ﾆ　　　　　　おまえはこの艦にとって……そうだな。
二二二≦=､＿:::::::::::≧､　ヽﾊ　ヽ .|　 |　　　　　　ヾ　ﾊ二二二二二二二二
二二二二ﾆフ/￣|´　 ＼　 　 ＼ﾊ.|　 ー'　 　　　　ﾚ'　|二二二二二二二二　　　　　　 猛獣の檻にブチこまれた人間が、たまたま持っていた
二二二二二ﾆ|　　|　　　∧　　　　￣｀ ´￣　　 　 /　　|二二二二二二二二
二二二二二ﾆ|　　|　　　 ＼＼　　　｀￣　　　　 < 　 　 |二二二二二二二二　　　　　　一丁の銃、ってところなんだからな。
＞､二二二二.|　　|　　　　　　 ＞　　　　　　／/ 　　　 |二二二二二二二二
二ﾆ＞､二二ﾆ|　　|　　　　　　　　＞──イ／　　　　 ∧二二二二二二＜
二二二 ＞､ニゝ　 |　　　　　　　　 ＞=-=＜　　　　　/ /二二二二 ＜二二





　 　 ,,.-:::"￣￣｀ﾞ'ｰ-､r=
　　./::::ｲ　 　i　 !､　　ヽ
　　|:::ｲ i|/__ﾚ|./lヾ　 ﾍi
　　|lr:l　l -ｰ ﾚ -､ vﾚﾍ!　　　　　　それで生き残れるかはいざ知らず。
　 ﾑl　ﾚi　　　　|ｷ N
　 彡`ｰ 　 　　 ' ｷ　　　　　　　　　 唯一残された、対抗手段だ。
　彡;;;;| `ｰ　￣ , '
　 ,,r「￣￣7｀ /￣７　　　　　　　　　……もしくは、最後の一発の弾丸と言った方が正しいかもな。
／::::::::::::::::/^<:::::::〈
::::::::::::::::::::<水>:::::::ヽ
::::::::::::::::::/:::ﾊ::::::::::::::ヽ

4758： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/10(木) 20:46:10 ID:I.NYMt0.0

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　　 　 　　＼
／ 　　　　　　　　　　＼　　　　　　　間さん。
|　 　　　＼　　 ,＿　　 |
/　　ｕ　 ∩ノ ⊃―）／　　　　　　　「なんだ」
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　 間さんは、この状況、どう見てるんですか。
　　＼ ／＿＿＿ ／





　　　　　　　　　ー=≦ミ:i:i:i:i:i:i:i:寸=─-
　　　　　　　 ／　≧＞:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i＼
　　　　 　 ／才∠:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:＼
　　　　　 ／　　艾:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ﾑ
　　　　 /　　イ/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i　　Y
　　　 ./　／//:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|ﾉ}/}　}
　　　 {ｲ　　　ハ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/ ￣寸:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/乂./}
　　　 ,　/　'/:i:i:i:i:i:i{ﾊ/＞ハ:ﾑ 圦} .l:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i／:ﾉ
　　　 |/|　.ﾊ:i:i:i:i:i从//苡　.}:iﾑ ::ﾉノ-=ﾆ二二二二二二二ﾆ=-　　　　　　　　　おまえがニュースでこの状況を蚊帳の外から見ていたとして、
　　　 | .|　!　V:i:八〈.ﾑｲ.＿ﾑ=ﾆ二二二二二二二二二二二二/
　　 　 八 | 　 Vﾑ乂　寸ﾆ二二二二二二二二二二二二二/　　　　　　　　　　どう思うかね。つまりは、そういうことさ。
　　　　　 ＼　　寸＼　　寸ﾆﾆ二二二二二二二二二二二/
　　　　　　　　 　 ￣｀く　　寸二二二二二二二二二二二/　　　　　　　　　　　　誰もが信じたがらないだけで、現実は現実だ。
　　　　　　　　　　　　 人 　 |二二二二二二二二二二二二ﾆ=-
　　　　　　　　　　　　 　 ｀´人二二二二二二二二二二二二二二二ﾆ=-　　　　　
　　　　　　　　　　　-=ﾆ二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆ=ｰ
　　　　　　　　-=ﾆ二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆ
　　　　　　 　 V二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆ|
　 　 　 　 　 　 V二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二j_
　　　　　　　　　 V二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二|
　　　　　　　　　　V二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆ|
　　　　　　　　　　 }二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆ|
　　　　　　　　　　八二二.二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二|
　　　　　　　 　 ./二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆﾆ|
　　　　　　　　 /二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆﾆﾆ
　　　　　　　 ./二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆﾆﾆﾆ

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普段の飄々とした態度の中に、どこか自暴自棄になっているような気配を感じた。
試しに聞いてみれば、彼は乾いた唇を重たそうに動かし、
淡々と酷なことを言い連ねた。

ぎろりと軽く睨みつけられ、反応に困り、うつむく。
分かり切ったことを聞くな、という意味なのか。
現実を思い出させるんじゃない、という意味なのか。

艦内は仮初の戦勝ムードに満たされている。
果たしてそれが、いつまで続いたものか。

少なくとも、自分の中では、勝利の余韻などとっくに失せていた。
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4759： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/10(木) 20:46:22 ID:I.NYMt0.0
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4760： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/10(木) 21:03:21 ID:I.NYMt0.0

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　　　　　　　 -─‐ ､,ｨi{: : : : : : : : : : : : : : : _: : : : : 丶､
　　　　､丶` ,. :´￣￣ヾ : :_: : : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ: :.､
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　　/　　 ' : : : : : : : : : : /: : : : : : : : :丶 : : : : : : : : :, : : ',_: :.
　 ,' 　 / : : / : : : : : : ﾊ: ハ : ',: : : : : : :ヽ : : : : : : : :',､: / } :.
　,′ /:/: :,' : : : / : :ｉ:|ノ'^＾}: : l: : : : : : : :} : : : : ',: : :人＼ﾉ: :.
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　　 {/ : : |l: : : :i: : : :|:|_, -‐ﾄ:､ハ: : : : : :'7T: 寸:ﾊィ:／}/＼}: |
　　　 |:l{: |ｌ : : : : : : :|'|´ 　 |:./　 l: : : : : '　| : : / r'__／}: : }: :.
　　　 {八:|乂: : :.r､: {ヾ _　ﾉ'__　 }: : /: /　从l/　 }: : : ;': : } : {
　　　　　ヾ }: ＼:| |:_‘，,ｨ=≠ミ 从/7ﾚ　ｨ=≠ミノ: : :/: : :}: : {　　　　　　――あ、やっと来た。
　　　　　　ﾉ: : : ﾉ ﾘ .}: ﾐ､､､､､､ 　{/　　 ､､､､､､/:_／}: }l:.}: : :{
　　　　　, : : : : :{ノ 丿ﾄ-ゝ　　　　 ′　　　　 ⌒/／: :八|: : : :.
　　　 ／7: :/: /　 〈:乂__,ィ　 　 ｧ 　 ￢　　　　/´: :／: : : : : :＼
　　／　 {: :ﾊ: 'ｰ ､　｀ー-ミｰ ､ 乂＿ 丿　 　ィ: /:´ : : : : : : : ‘，＼
　　　　　{:｛ ‘，: : :lヽ 　 　 }: }:} _　　　　 ＜-ﾐ:.∥:l: : : : : | : : : ‘，
　　 ／⌒丶¨¨¨ ヽ｀ｰ. ､　 }从＾ヽ＞＜　{｀ヽ　liヽ从}: : l:.|: : l|: : :}
　　' 　 ､ 　 ＼　 　V: }　＼ 　 　 }　　 　 ゝ　Ｖ{　 ∨: : }:.|: :/|: :从
　〈　　　＼　　＼　 }.:.|_l /＾ヽ 　,ﾉ　　　　　　　}　　}:_／り⌒ lＶ
　　} 　 　 　 　 ',　　l从./　　　 / 　 　 　 　 　 }　 ¨',　　　 　 }‘，
　 (ヽ　　　　　　}　 -rｧ′　　 〈_　　　　　　 _ノ　 　 }　 　 　 ﾉ 　‘，
　ﾉ　　　　　　　{／　 ＼　　 /　',｀ヽ　　　 '´ ﾉ　　　|　 ＼ l,/　/　‘，
〈- ､ 　　　　　r(　　　　 ＼_〈　 ＼＿　　 _／　　　 .'　 　 ∨／　　 ‘，
　　　 丶　___ 八､　　　　　 こ) 　 　 ,.-Y⌒ヽ　　　 {　｀丶､‘，　＼　‘，＿＿＿＿

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狭い通路で生き延びた歓びと不安の叫びが飛び交う中、自室へと戻ってきた。

鉛でも詰められたかのように重い身体を引きずり、
パイプフレームのベッドでもパイロットシートよりはマシだろうと自分に言い聞かせ、
ひとまずちゃんと眠りなおそうと思っていた。

ドアがスライドし、殺風景な風景が広がったと思った時。
無人だとばかり思っていた部屋の中に、はやてがいた。

二段ベッドの下段、つまりは自分が寝床にしている場所に腰を下ろし、
足を組んで、ドアが開いたと同時に高い声を出す。
待ちかねたとでも言いたげに笑みを作っているが、どこか妙だ。

けれど、我ながら単純なもので、はやてが視界に入った途端に気が緩んだ。
見慣れぬものに囲まれた中で、唯一見慣れた存在がいるというだけで、
限界まで引き絞られた神経の糸がほどけた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4761： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/10(木) 21:14:29 ID:I.NYMt0.0


　　　／￣￣￣＼
..　／ ／ 　 　 ＼ ＼　　　　　　　はやてさん？　どうして、こんなところに？
／　 （●） 　（●）　 ＼
|　　　　（__人__）　　　　|　　　　　 部屋、間違え……って感じでもなさそうだお。
＼　　　 ｀ ⌒´　 　　／
／ 　 　 　　　　 　 　 ＼





　　　　　　　　　　　　　. . . -――- . .
　　　　　　　 　 　 ／´ : : : : : : : : : : : : . .
　　　　 　 　 　 ／: : : : : /Λ:⌒＼ : : : : : ＼
　　　 　 　 　 : : : : :⌒:∨: : : : : : : :＼: : : : : :
.　　　　　　 : : : /: : : VΛ: :|: : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　 |: : /: : : ｜　 |: |: :|: :|: : : : :|/〉 : :｜
　　　　　　 |: / : : : :｜　 |: |: :|: :|Λ: : :|/〉Ｘ:.｜
　　　　　　 |/ : |: : |斗‐　|ﾉ|: ﾊ: |‐‐ミ: |/ |: :|:.|
　　　　　　 | : : |: :ｘｾ爪う　|/　 不 うｋ: : |: :|:.|　　　　　　　間違えるもなんもあらへんよ。待っててんで。
　　　　　　 | : : |: : | 乂'ソ　　 　 ∨ソ: |/┐:|:.|
　 　 　 　 八: : |＼| :::::::::::　 　　:::::::　|/　八. :|　　　　　　　 お疲れさん、やる夫君。よぅ頑張ったなぁ。
. 　 　 　 　 : ＼| :八　　　　｀ 　 、　 / イ:.l: : :|
　　　　　　|: : :|: : : : iト　　 V:::::ノ　　ｲ: : : l: : :|　　　　　　　　まさか勝つとは思わへんかったさかい。
　　　　　　|: : :|: : : : |: | :}ト　 　 イ:|: :l: : : :l: : :|
　　　　　　|小:|: : : : |: |Λ　　　 　 |Λ: : :..l: : :|
　　　　　 　 |八 : : : |从 Λ　　　　j　 V: : l: :八
　　 　 ／^￣　∨ハ| |　ｎΛ　　　　 ﾉ∨ ＼
　　　/＼　　　　　　　|　Ｌ,／⌒　 √　}⌒∨
.　　/　　　 　 　 　 　 | ／　　 }‐┐　/:|　　　〉
　 ノ　　　　}　　　｛　 　 　 　 /　/　/　|　V /　　　　
　|　　　　　∨　 　 ｀^''　　　 {　｛　/ ／ -=ミ､　　　　
　|　 　 　 　 ∨　　　 　 　 　 ＼∨'゛ 　 　 　 ＼ 　
　|　　　　　　 }　　　　　　　　⌒VΛ　　　　　　　　　
　|　　＼　　 7.　　　　　　　　　　}　∨　 　 　 　 }　　

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はやてはここ数日の暗い表情が嘘のようにからからと笑い、
身体を揺らしてベッドを軋ませた。

若干、上気したような顔になっている気がする。

「……まさか、酒でも飲んでたのかお？」

「正解。ちょいと隠し財産をつこうてな。大丈夫、前後不覚ってほどちゃうねんし」

安堵が驚きと不安に変わり、慌てて歩み寄る。
確かに意識が乱れているほどの酔いではなさそうだったが、それにしても異常だ。

自分の知るはやては、いつ何が起こるか分からない非常時なのに
酒を煽るような人間ではない。

自分の訝し気な視線に苦笑いを浮かべると、はやては手招きしてきた。

言動こそ酔っ払いのそれなのに、視点はしっかりと定まっていた。
真っ直ぐに自分を見つめている。
それでいて、笑顔なのに、眼の奥に光がなかった。
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4762： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/10(木) 21:21:33 ID:I.NYMt0.0

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　　　　　　|: |.: .:|.: 八　|.: ＼.: .: .:| .:| ィぅうミｘ.: .:|ﾉ.: .:/　　)＼イ
　　　　　　|: |.: .:|.: .: .:.､／⌒ ､.:.:.| .:|　乂少　|.: :|.: .:/　　⌒Y:|ﾉ　　　　　　　　　　　ね、覚えとる？　一昨日に私が言ったこと。
　　　　　　|: |.: .:|.: .: .:.:.＼.ｨぅミk.: :八　　' '　 |.: ∧/　　 　 人:＼
　　　　　　 八.:.:|.: .: ＼.:└ 乂ﾂ∨　　 　 　 八(_〈 　 　／ /∧.: )　　　　　　　　　　「あの、電話してきてくれた時のことかお？」
　　　　　　　　 人.: .: .: ＼.:.:.:＞　　` r　 ＾)　//|∨----〕//　 ＞‐┐
　　　　　　　　　　＼( : .: .＼.: )＞ 　., ＿___// :| 」＿__／::|　 /　/ ∧　　　　　　　　そうそう。
　　　　　　　　　　　ﾉ:＼￣..: .: ∧:.: :(／〈＿／ ||:::::::::: ／::|___|＿_/　|＼
　　　　　　　 　 _／.: .:./八.: .:.〈⌒∨ ＼〕ﾆ ／ ||:::::::::::::::::::〉__j 　 |　 | 　|
　　　　　　　　⌒7.: :__|＿∧.: .:∨〈,,／Y⌒Y＼,,〉T¨¨¨¨¨∧￣＼|　 |　 |
　　　　　　　　　 |.: :「￣￣込 : .:∨/|　L:i:i:ﾉ　 〉 ::|:::::::::::/::::|＿___＼_|,／＼
　　　　　　　　　 |／￣￣￣　＼:|: 八 /:ｉ:i|　 /＼:| ::::: /::::: |:::::::＼　＼
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一昨日。ネクスト、ヘビードーラを退けた後のこと。
徹底抗戦から一転、オルデンブルクにUAVを飛ばして救援を求めるとなった時、
自分が納得しきれず悶々としたままベッドに転がっていた時だ。

疲労でくたびれきった頭で何とか思いだす。確かに、あの時色々と話した。
不安を誤魔化すような彼女の笑い声がはっきりと思い起こされる。
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4763： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/10(木) 21:27:45 ID:I.NYMt0.0


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　,: : : : : : Y´: : : : : : : : : : : : :丶: : : : :＼
./: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ: : : ヾ:.、
: : : : : / : : : : : : : : : : : : : : : : : ; : : : ; : :ﾊ
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: : : ::{: : : : : : {´｀´｀∨: : : : : : : : ∨≪∨:{
: : : ::|: : : : : : | _,．--}:-:、 : : : :; -:∨≪Ⅵ
: l : {:!: : : : : : !´　　__l! ∨:|ﾍ : }从: }: : : |ﾘ
: |:l:从: {:-: : ::ﾄz====㍉,　　 }/__,ﾑ:| }: : |　　　　　　　　そん時は……せやなぁ。一緒に逃げる？
: |:|: : {｀ヽ ∨:!ゞ辷:ノ　　　 （ ´¨´八.!::从
: |:|: : ｀ヾ_- ., 　　　　　　　　,　　 .: : : ト 、　　　　　　　　二人で、顔も名前もなんもかも変えて、偽造IDでも用意して、
: |:|: : ∨: 〉く: 、　　　　 __ .,　　.ィヘ:_:_、｀ヽ
::介∧ ∨{　 Y: ＞、 　 ￣ ＜: :{ ゝ_ィ^ヽ.　　　　　　　　　テキトーなコロニーに転がり込んで……
:{ .l: :∧ ∨:＼）: }ヾ:、/￣_Y二ﾆrｆ´｀ ｀　　、
:| .|:∧　＼{~ ‐}:l:!　 >‐ミ {_|＿　{ﾉ^ヽ　　 　 、__　　　　　　口座とかは凍結されとるやろうし、ちびちび二人で稼がなあかんけど。
ゝ/　∧　　　　 |ﾊ./三三∨￣ ｀ヽ. ハ　　 　〉:::::Y
_/　/ ∧　　　 /　}!ゞ三三≧--=ﾆﾆﾆ{ト-::イ:::::::::!　　　　　　あは、駆け落ちやな。でもま、二人だけなら逃げ切れるんとちゃう？
.　　 /　 ＼.　/　 .!::::::＞:..寸二〉::::>:::::｀ヽ:::::::::::::::|
,-=ミ　　 　.У＿.」::::::::::::::::＞<::::::＼:::Y::::::::;::::::;ノ{　　　　　　　知らんけど。
　　　｀ヽ　 {　　　.|:::::::-＜::::::::}::::＞::Ⅵ:::::::::::Y:::::::l、
　　　　　　 l! 　　 !::::::{:::::::::::::└::―:-Y::o::::::::}::::::::|::＼
　　　　　　 l!　　 ム::∧::::::::::::::::::::::::::::｀::、::::::|:::_:::_::_:::::
　　　　　　 l!　イ::::::::::::::＼::_:_::::::::::::::,::-::‐'::´:::::::::::::::ト、
⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　о
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｡
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　　　　　　／　　　u　＼
　　　 　／　　＼　 　 ／＼　　　　　（……！？　あの時の話かお！？）
　　　／ 　し （○） 　（○） ＼
　 　 |　∪　 　 （__人__）　 J |
　　　＼　　u　　 ｀⌒´　 　／

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そして、その内容と言えば。
思い出されるのは一つだけだった。

心臓が途端に早鐘を打ちだすのが分かる。
自分をそういったことの相手に選んでくれたことに対する喜びが湧く一方で、
どこかで冷静な自分が「自棄はまずい、落ち着かせろ」と叫ぶ。

自分が今逃げたら、この艦は終わりだ。
逃げたとしても、逃げ切れる確証はどこにもないのだ。

カラカラに乾いた口で、喘ぐように言葉を吐こうとして。
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4764： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/10(木) 21:35:03 ID:I.NYMt0.0

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　　　　　　 __,.∠:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.⌒＼:.:.:.:＼
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　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:|斗ぅ＝ミ :|:.:.:.:.:|ｧう＝ミ: |:.:.:.:|:.:.:.:.: |　　　　　　あはは。駆け落ち、ともちょいと違うけど。
　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:{　)いﾊ　从:.:.:.:.|　)いﾊ Y:.:.: ﾉ:.:.:.:.: |
　　|:.:|:.:.:|:.:|ﾍ:.人:.:.:　乂;;ツ　　 ＼:.| 乂;;ツ 从:.Λ:.:. /:.|　　　　　　ま、ある意味、駆け落ちになるんかなぁ。
　　|八:.:.|:人:|:.＼＼ト''　　　　　　　　'''　　/:.:.:/　}:.:.:.:.:.|
　　 　 ＼ 　 |:.:.:.:.:.八　　　　 '　 　 _,　　 /彡/_,ノ:.:.:.:.:.:|　　　　　　……ほい、コレ。
　　　　　　　八:.:.:.:.:.个　　　｀　　　　　　 イ:.:.:.:| :.:.:.:. |:.|
　　　　　　 /:/:.＼／￣　　　　 　 　 ＜ |＼__:.:|:. /:.:八|
　　　　　／:/⌒∨ :. :. :. {＼＞r≦.　　ノ| : :. :. :. :.＼:.:.:|
　　　 ／:.:./ :.:.:.: ∨:. :. Λニ=‐‐=ﾆﾆﾆﾆ|:. :. :. :. :. :./:.八
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＞　.　　　 にl＿|￣ｆ　ｒf´　f　　.ﾆl　　　ノ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀ー―　L_ll＿ ノ-‐ ´

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鼓動がひと際高鳴り、少しの間止まった気がした。
出かかった言葉が喉の間で止まり、そのまま消え失せる。

彼女がおもむろにジャケットの懐から取り出し、無造作にベッドの上に放ったそれに
視線を奪われ、しばらく硬直した。

ぼやける視界の中心に、真っ黒なL字型の鉄塊が置かれている。
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4765： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/10(木) 21:47:31 ID:I.NYMt0.0


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　　　／　　 　 　 ＼
　 ／　　　　　　 ― ヽ
／ 　 　　　　 　（ 〇） '､　　　　　……はやてさん？
|　 　 u. 　　　　　　 （__ﾉ_）
＼　 　　 　　　　 　 ｀_⌒
／　　　　　　　　　　　＼





　　 　 　 　 　 　 ,　-　ー―　- 　 ..
　　　　　　,　 '": : : : : : : : : : : : : : : : : :＞ ..
　　 　 ,　': : :、: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :≧ ､
　　,. ' : : : : : ヾ,ィ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
　,.': : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ: : : : ､ ヽ、
./: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ: : : ヽ､:',
' : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ､: : : : :'､: ヽ:.',ヾ､
: : : : : : /: : : : : : : : ,: : : ', : : : : : : : : : : : : ヽ.: : : : ', : ',:.!　　
: : : : : :,': : : : : : : : /ミ彡ヽ: : : : : : : : : : : : : :',: : : ,ｨ',､ ',:!
: : : : : :i: : !: : : : : :i!　　　　',:',: : : :､ : : ', : : : : ',:／／!:',: !
: : : : :, i: : !: : : : : :i　　　＿ ,:i､: : : :!,: : :',: : !,: : ',ｲイ.ﾉ:/ﾘ
: : :!: :i: ! : i: : : : :', ',　´　　　ﾘ ヽ: : :!',: : i:.!: !',: : :!,イ: i　i!　　　　　　　反体制勢力と化した企業の残党にけしかけたネクスト3機。
: : :! : i: ',: :i: !: : : :ヾ､　　　 -―-'､: ! ': : !ﾘリ !: : !.!: : i
: : :!: : !: !,: !:!ヽ: : : !,,ィ示千キ''ヾ ヾ　',: !=＝''!:/! i: :,'i!　　　　　　　　 それもそこら辺の木っ端リンクスとちゃう。
: : :!: : ! i ヽ',). ', : : ',`＜Z汐　　　　　i i/　　　!'ヾ',!/ i!
: : :',: : ', ヽ､`- ヽ: : ', 　 　 　 　 　 　 ヽ　　　.,: : :ヽ、　　　　　　　　　 IGIOの若手に、数少ないSIの支援リンクス。
:.i!: :',: : ',: : : ヽ_ノ､ヾ'､　　　 　 　 　 　　　　,.ｲ: : : ',､ヽ
:.!i: : ',: : '､: : : :! ヽ:`　､ 　 　 　 -=＝'　 , イ!,､ヽ., -- ､',　　　　　　　　 そしてオルデンブルクの最高戦力であるランク4。
:i !', : '､: : ヽ: : ヽ　'､: ヽ',＞　　 ＿_　.イ : !i:!ゝイﾆ￣　.'､
:i i:.'､: : 〉､ : ',､: : ＼ ',: :',ヾ　/､｀ー-, ￣￣r‐'‐'　　　　　',　　　　　　　 それらが全滅して、やった奴らは生き延びとる。
',',',: i'､/,　ヾ: ', ｀ヾ､ヽ!:i:i`ヾ''!_ヽ　 i!i　　　 ヽﾉ丶 　 　 　 ',
ヾヾ./ ヾ、　ヾ､　　 `i:iﾘ　 /;;;;;;ヽ. ゞ==---、 　 ヽ. 　　　 ',ヽ､__　　　　　……次は問答無用でコジマ爆弾の雨が降るかもなぁ。
　　/　　 ヾ､　　 　 　 ﾘ,i! /;;;;;;;;;;;;;ヽ 、　　　ヾ、.　 ゝ､　　ノｲ／::!
＿/　　　/ ヾ、　　　// !i､`ー--〈;;;`ヽ､ー――--}`ー―‐''"::::::::}
. /　　　/　 　 ヾ,､. //　i !:::｀ヽ､　ヽ;;;;;;;;;;;ヽ::::::ヽ:::::＼::::::::::::::::::::::::i!
/　　　/　　　　　ヽ_/　, i !､:::::::::::＞ヽ;;;/::￣ヽ/..､::::::::＼::::::::::::::::::ﾉ､
イ ￣ ｀ヽ、　　　,ィ , イ　　!'､:::::::::::::,::-､＞､:::::ヽ::::｀i::::::::::ヽ--ー"ｲi
　　　　　　｀ヽ　 i !　　　　 i:',:ゝ''":::::::::::::',:::::::｀ヽヽ:::i:::::::::::::::',:￣:::イ!
　　　　　　　　　 i !　　　　 !::'､:::::::::::::::::::::ゝ-----ゝ'::::::::::::::::i::::::::::::::ヽ、
　　　　　　　　　i i !　 　 ／:::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',ﾟ:::::::::::::i!:::::::::::::::::::ヽ
ヽ　　　　　　　　i .',',. , ｲ::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::',:::::::,､:ﾉ＿＿__::::::::
　 ヽ､__　　　　　i　.!i' !　!:::::::::::::::::::ヽ__::::::::::::::::::::::::, --'."::i::i:::::::::::::::::::',ヽ、
｀ヽ、　　　　　　i/ /. ,'. ,'::::::::::::::::::::::::::::i--'￣:::￣::::::i !:::::::i::!::::::::::::::::::::!

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はやては普段とさほど変わらない口調で、つらつらと恐ろしいことを語る。
朗らかな笑顔のまま、眼だけを暗く濁らせていた。
その姿が、彼女の状態を如実に伝えてきた。

きっと、はやては混乱しているわけではない。至って冷静だ。
冷静に、絶望しているのだ。
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4766： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/10(木) 21:55:46 ID:I.NYMt0.0

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　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /:..:..:..:..:..:..:..:..::￣＼＼
　　　　　　　　　　　　　厂｀:..:..:..:..:..:..:..:..:＼:..:/Λ＼
　　　　　　　　　 　 　 /:..:: |ｖ､:..:..:..:..:|:..:..:..:∨ / |:..::|
.　　　　　 　 　 　 　 /:..:/:..|　`､ :..:..:.|斗‐|ミ|// l∨|:
　　　　　　 　 　 　 /:..:/:..:イ ⌒|:..::|::|:..|:: L::|/ : lΛ|:|
　　　 　 　 　 　 　 :..:..:..:..|::|ｆ竹うY:|::|::竹うﾞY:..:..|:..::|:|:
　　　　　　　　　　 ::|:..|:..::乂__ Ｖり |ﾉ:..ﾉ ﾋツ ||:..|:..::|:|:|　　　　　　　もとはと言えば、私がやる夫君を巻き込んだようなもんやさかい。
　　　　　　　 　 　 |:|l::|l::＼ ト- ''' 丶　 　 ''　八 :..:..|:|:|:
　　　　　　　 　 　 |八|＼:トミ人　 ゝ　 ′イ|:..|::|:..::|:|八　　　　　　 君からすれば、今の状況はとばっちり以外のなにもんでもあらへん。
　　　　　　 　 　 　 　 　 ﾉ八::厂 ＞　　-Λ:|:..|::|:..::|‐→
　　　　　　 　 　 　 　 　 ｲ|:::/Λ ィ｛___ /　 八|::|:..::|／ Λ　　　　　　けど、君だけ逃がすってのも無理やろ。どこに逃げるっちうねん。
　　　　　　　　　　　　　　l:|::′　} |__／ |　|　 ﾉ人:..|　 / Λ
　　　　　　 　 　 　 　 ＿八|　／へ＼　|　|　　 　 ＼　 / 人
　　　　　　　　　　 ／⌒７　 / |;;;;;ﾉ　／|　|　 　 /　　　　￣｀
　 　 　 　 　 　 　 {／＼__／| /:..:|／:＼＼＼　｜　／　＿_　 ＼
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　　　　　　　　　 人:: :: :: ＼::∨/:: ／:: :: :: :: :: Ｔ /Λ:: :..＼::::::::|/
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　　　　　　　　　　　　　 　 　 /.:.八:人 八∨ﾂ　 ＼|Vツ |.: .:.|.:.:|　　　　　　　これはせめてもの、落とし前や。
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　　　　　　　　　　　　　　　 | :/／　∧.: :个 　 `　 ´　. :/.: /.: 八　　　　　　　安心せえ、私も付き合ったるわ。
　　　　　　　　　　　　　　　 |/〈　　'⌒i : .:|　( ＞-＜|∨) /＼{.: .＼
　　　　　　　　　　　　　　　 厂 〕／　 |.: 八　＼￣／ |￣＼/|＼. ):)
　　　　　　　　　　　　　　　,:　 /　　　 .://::∨⌒^⌒V|　　　〉/'＾＼
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　　　　　　　　　　　　　 /／　八:::{／⌒＼:＼〈⌒〉／＼/_　 -=ﾆ~￣|　 l｀`〜､、
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4767： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/10(木) 22:02:12 ID:I.NYMt0.0

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舌が上手く回らない。目の前が真っ白になりそうだ。
一足早い走馬灯が脳裏を過る。
リンクスになって、はやてと出会ってからの、彼女との思い出が湧いては消える。

穏やかな眼差しをこちらに向けるはやては、そっと傍らの拳銃を拾い上げると、
優しい手つきでマガジンを取り出した。
スライドを引いたり、セーフティレバーを触ったりしている。

あたかも日常の一幕のように、あまりにも淡々としていて、
それが実際の行為から現実味を奪っていた。
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4768： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/10(木) 22:12:11 ID:I.NYMt0.0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 -‐-　ミ　　　　　　　　　　　 .｡s≦ﾆﾆ＞''~
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｉ　　　　　 /{　　　　 ´　　 ｀寸ﾆﾆ` ､　　　　　 .｡s≦二二＞''~
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -‐━‐-　ミ　　　 |ｌ　　　 /二{　　　　　　　　　ﾉニニﾆ=}ニニニ＞''~Ⅵi:i:i:ｉ:Ⅵi:i:ｉ:`,
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／　　　　　｀寸ﾆ=` ､　 |l {＼ /=二{/{　　　 　 　 イニニニニ;ﾆ＞''~Ⅵi:i:i:i:iⅥi:i:i:ｉ:Ⅵi:ｉ:ｉ:`,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／′　　　　　　　ｌニニ=ﾟ,　|l {　//{ﾆﾆ{'ﾆ≧ 七／}ニニニニﾆ／　Ⅵi:i:i:i:Ⅵi:i:i:ｉ:Ⅵi:i:i:ｉ:Ⅵi:i:i:i`,
　　　　-‐=＝＝＝＝＝=‐-　　　_,'ﾆ人　　　　　　　 ﾉ二二ﾆi　|l ∨,':.:{ﾆﾆ,=ﾆニ／二,ニニニﾆ／＿__]ｉ|￣￣＼i:i:i:i:i:Ⅵi:i:i:ｉ:Ⅵi:i:i:i`,
　　　　　~＾“　‐=ﾆﾆ＝=‐-　 　 __j二ﾆ=≧=‐　‐=≦二二ﾆ{ﾑ　|l:/={:.:ﾉ= /`､.／{ニ=/ニﾆﾆ イ L三三]ｉ|: : : : : : ∨i:i:i:iⅥi:i:i:ｉ:Ⅵi:i:i:i:
　　　　　　　　　　 」LlL　‐=ニ二∧ニﾆﾆ`､ﾆ（￣ ~''＜__／ ﾏﾑ「＼_／{l/ニ/: : :{二/‐'^'＜__/´= ／￣从: : : : : : :∨i:ｉ:ｉ:Ⅵi:i:i:ｉ:Ⅵｉ:ｉ:i{
　　　　　　　　　　l|i:i:ｉ:ｉ|l: Ⅵi:i{l, Ⅵｉ:＼ニﾆﾆ＼＼: : : : ﾊ≧s「∨ ＼lﾆ={Lr‐i: : : :{=/ ﾆ=-==/ﾆ／／ﾆ／ 〉'､__: : : : ,Ⅵi:i:ｉ:Ⅵi:i:i:ｉ:Ⅵｉ:i{
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　　　　　　　　　　l|i:ｉ:ｉ:|l:　　 Ⅵi:i{l, ﾟ,／＼ﾆ≧s｡}＼l}L___　~''〈ﾆ=l{l__/廴_／ Ⅵi:i{l,　　　　　　　　　　　　　　　　LﾉⅥ{l Ⅵi:i{. Ⅵi{
　　　　　　　　　　l|i:i:ｉ:|l 　 　 Ⅵi:／ニﾆﾆ`､ﾆニ{ﾆﾆ{ﾆ二ﾌ　　＼j{l__／￣{ 　 Ⅵi:i{l,　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 Ⅵ　Ⅵi{　 Ⅵ
　　　　　　　　　　l|i:i:i:|l　　 　 ／ニニニﾆﾆ∨ﾆ乂_ﾉ ／　　　___{lﾘ､______/　　r‐ ､:{l,　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 Ⅵ
　　　 (二)＞ _ ｣Zﾕﾆ=-‐七I~ニニニニニニｉiニ=/イ　　　　/ r ､　｝ニﾆ〉　 ┤　 ＼
　　　　＼丶´ニﾆﾆ≧s｡ﾆﾆ=｀Yニニニニﾆ=|lニ/　　　　__,/__∧ ＼i￣ｉ／ =/r‐ ､　 ＼
　r=⇒'-‐7´⌒ヽニニニ}二ニﾉニニニニﾆﾆ|ｌr'ﾞ　　　 ./{￣￣^∧= l　 |ﾆ=/{[{: :: :.ヽ 　 ＼
.　'ｰ‐七Ii{　　　 }ニニﾆﾉニ／／´￣￣￣￣　　　 　 /ﾆﾟ,二ﾆﾆ=〈ヽL _|／〉＾ﾏ､ : : ∧ｰ‐┘
　r=⇒'､彡､　 ノ二ﾆイ,,､　''~　　 　 　 　 　 　 　 　 /ニﾆ ､ニﾆﾆ∧lﾆ=ﾑ/　　i}ﾑ.:.:{lﾆ'､
.　'ｰ‐七Χ/=,‐-‐七I~　　　　　　　　　　　　　　 r‐'＾ ､ニニ＼__/l|i:`寸ﾆli　　 乂}: {l厂{＼
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はやての言いたいこと、伝えたいことは痛いほど分かる。
実際に戦ったからこそ分かる。

企業連は自分たちの生存を許さない。
曲がりなりにも秩序を保っている組織だ。秩序を乱すものの存在を許せば、
秩序は意味を失う。だからこそ、彼らは躍起になる。

間違いなく、次の一手は、あの三機の襲撃以上のものとなる。
ロストワード。ランク4のネクスト。あれと同等の化け物が三機。
それだけではない。企業連には他にも大勢のネクストがある。
アームズフォートだって。もしかしたら、はやての言う通りに、
コジマ兵器の雨が降り注ぐことになるかもしれない。

敵の兵站は世界の営みそのものだ。自分たちから見れば無尽蔵と言っていい。
この潜水艦を木っ端みじんにするまでやめないだろう。

対して、こちらは艦載機発艦用のカタパルトを備えているだけの潜水艦。
ノーマル機二部隊と幾らかの艦載機、そしてマーシフルを持っているが、
企業連と比べれば雲泥の差だ。

勝利どころか、生存ですら望むべくもなかった。
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4769： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/10(木) 22:17:25 ID:I.NYMt0.0


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補給線もない。そもそも補給地がない。何もかもが限られている。
なのはからも聞かされていたことだが、あと三回も戦闘を行えば、
この艦が抱えている弾薬や装甲材、燃料など、そのほとんどが簡単に底を突く。

人員面でもそうだ。ほとんどが戦争など気にすることなく生きてきた人々で、
数少ない整備班や医療班だって平和の中で生きてきた。
練度や緊急時の対応力については言うまでもない。

ノーマル隊ですら数少なく、ネクスト機に関しては一機だけだ。

冷静に考えれば、もう終わりだ。

自分がどこかのコロニーで、この状況がニュースで流れていたのを見たとして。
寝る前にテレビを眺めながら、ぼんやりと思うだろう。

「ああ、終わりだな」と。
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4770： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/10(木) 22:27:27 ID:I.NYMt0.0

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　　　　　　　　 .z≦三入
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はやての細い指が、厳めしい拳銃のグリップにマガジンを差し込む。
乾いた音が静かな部屋の中で響き渡る。

このまま止めなかったら、どうなるだろうか。
はやてのことだから、無理強いはしないだろう。
大人しく去って、明日から何事もなかったかのように接してくれるかもしれない。
もしくは、この場で自分のこめかみに銃口を押し付けるか。

疲れ切った笑いを浮かべながら、はやてが弾丸の装填を終えた。

それを承諾すれば、確かに楽にはなれる。怯えることも悩むこともなくなる。
人生で最後の痛みとなるだろう。それどころか、きちんと撃つべき場所を撃てば
痛みすらないかもしれない。

下↓1　どうしますか？
１．はやてを呼び止める
２．駆け寄って手を掴む
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4771：安価のやる夫だお：2022/03/10(木) 22:30:57 ID:QaqIZ4w60
2

4772： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/10(木) 22:39:25 ID:I.NYMt0.0

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　　　|:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:. : |:.:.:.:.:/ ＞泛¨〉/　!:.:.:.:.:.:.:|　　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.　　　　　　……どしたん、血相変えて。
　　　|:.:.:.:.:.: |＼:.:.:.:.:.:.:|:. : /::/えシ //　 |:.:.:.:.: : |_ イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　|:.:.:.:.:.: |ヽ::＼:.: : |:.:./:::::／ 　〈/　　|:.:.:.:.:.:.:!:　 ＼:.＼:.:.:.:}:.:.:.:.:.
　　　{:.:.:.:.:.: |: : ＼:＼ }:./:／ 　 　 　 　 :|:.:.:.:.:.: }　　　 ヽ:.ヽ:.:.i:.:.:.:.:.
.　　　ﾟ.:.:.:.:.: {:.:.: : ∧::ヽ}　　　　　　　　　|:.:.:.:.:.:/　　　／　≧o｡、:.:.:
　　 　 ，:.: : i:.:.:.:.:.:.:.ﾍ::::i　　　　　 　 /　:|:.:.:.: /　　／　　　　　/: :
　 　 　 。:.:.:.|:.:.:.:.:.: : 人ヽ　　､ _ イノ 　 |:. : /　／　　　　 　 /: : :
　　　 　 ，:.:.{:.:.:.:.＼:. ＼≧o｡、　　　 　 |:. /＞ヽ　 　 　 　 /: :
　　　　　ﾟ。:.:i:.:.:.:.: : ＼:. ＼ ＼ /≧o｡ ＜//:::::::::∨　　　 :/: : /:.:.:.
　　　　　　。:{:.:.:.:.:.:.:. : ＼:. ＼ ／ ／:.: : /　{::::::::: ∨　　 /: : /:.:.:.:.
　　　　　　 ヽi:.:.:.:.:.: {:.:.: : ＼ / ／:.:.:. : /　 :i:::::::::::/＼　/: : /:.:.:.:.:.

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
だが。
自分はバカなので、彼女を止めることにした。

駆け寄ってはやての手首をしっかりと掴むと、彼女は力を込めて抵抗したりもせず、
力なく口許を歪めながら見上げてくる。
乾いた笑い声からは、あらゆる精神力が枯渇しているのがありありと感じられた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4773： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/10(木) 22:42:02 ID:I.NYMt0.0

　　　　 　 　＿＿__
　 　 　 　／　　　　＼
.　　 　／　 　 　 　 　 ＼
.　　／　　　 ―　　 ー　 ＼　　　　　　はやてさん。どうせ死ぬときは死ぬんだお。遅いか早いかの違いだお。
　　|　　　　（●） 　（●） 　|
.　　＼　　　　（__人__）　 ／　　　　　　だったら……やる夫は戦うし、はやてさんにそれの引き金を引かせもしない。
.　　　ノ　　　　｀ ⌒´ 　 ＼
　／´　 　　　　　　　　　 　ヽ





/　.: .: .: .: .: .: .:..i.: : .: Ⅵ.: V/∧i:i/i:i:i∧.: .: .: .: .: .: .: .: .: :
　 i .: .: .: .: ｉ.: .: .|.:i.: .: ! Ⅵ.:V.: .:V i:/i＼}.: .: .: .: .: .: .: .: .: }
　 |...: .: .: .: .: .: .:斗:-┼.ﾊ : }'，.: ∨＼i:ｉ}-､.: .: .: .: .: .: .: .:i
　 | .: .: .: : .:'，.: {八.:_.{/　Ⅵ Ⅵ.: }: .: .: |/ }.: .: .: .: .: .: .: .:
　 | .: .: .: ｉ.: .:Ⅵ:i爪r'ﾊ¨¨}} '， Ⅵ:|: .: .: |i　, .: .: .: i.: .: .: .::　　　　　けど、こっちの方が苦しないで？
　 | .: .: .: l .: .: Ⅵ　 vﾘ　ﾉ'　}　 Ⅵ|: .: .: |//.: .: .: .:| .: .: .: :
　 |.:ｉ.: .: .:{ .: .:..八 　 　 　 　 　 Ⅵ: .: .: |/.: .: .: .: .ｉ .: .: .: :　　　　　それに一緒に逝けるで。君もそうしたいんとちゃうの？
　 |:.|八.: ﾊ.: .〈　　　　 　 　 　 　 |: .: .: |､ .: .i : .: .: .: .: .: i
　 |:.{⌒Ⅵ∧ .: ､ 　 　 　 　 　 　 |: .: .: | }.: .:|: .:..i.: .: .: .: {

4774： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/10(木) 22:47:13 ID:I.NYMt0.0

　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　　 　 ＼
　　　　　　　　　　 ／　　 ⌒　　 ⌒＼　　　　　　　他の人がどうかは知らないけど……苦しいのを理由に諦める気はないお。
　　　　　　　 　 ／　　　（ ●）　（ ●）ヽ
　 　 　 　 　 　 l　 　 　 ⌒（__人__）⌒　|　　　　　　無駄なのかもしれないけど、それを言ったら、全部そうだお。
　　　　　　　 　 ＼　　　　　｀ ⌒´ 　 ／
　　　　　　　 　 ／　　　　 　 　 　 　 ヽ





　　　　 ＿＿＿_
　　　／　　 　 　 ＼
　 ／　　　　　　 ― ヽ　　　　　　やる夫はマーシフルに乗るお。ここのみんなを死なせないために。自分が生き延びるために。
／ 　 　　　　 　（ ●） '､
|　 　 　 　　　　　　 （__ﾉ_）　　　　はやてさんを死なせないために。生きたいし、生きていてほしいから。
＼　 　　 　　　　 　 ｀_⌒
／　　　　　　　　　　　＼





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,. : ´: : : : : : : : : : : :｀_: . ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／: -: : : : : : : : : : : : : : _:＼:＼
　　　　　　　　　　　　　　　 , -＜: : : : : : : : : : :ヽ: : : : : ヽ: ヽ:＼:ヽ
　　　　　　　　　　　　　 　 /: ,: : : : : : : : : : : :､: : ∨: ､: : :∨: _ : ヽ::.
　　　　　　　　　　　　　　,:': /: :/: : /:| : lV∧: |: : : V: :V: : :V: ,x: ∧::.
　　　　　　　　　　　　　 /: /: :/: : :l|: |: :l| 　 |: }: : : :|: : | : |: |/_,}:〉:､|: l
　　　　　　　　　　　　　.': .': : : : : :|:|_:|: :l| 　 l: | : : ∧: :| : |: |: : |/ : |: .
　　　　　　　　　　　　　|: |: : : |: : :|:l: :＼|　 从|: ,: |　|:_／:|: |: : }_: : |: : 、
　　　　　　　　　　　　　|:∧: ,: V: 从ィ雫≧､　|∧:| ｨ≦雫ﾐ:|: /-ﾐ,|:|: :V＼
　　　　　　　　　　　　　|:{　V､: ∨:l∧ Vzり　　　}'　 Vzり ﾉ|/r､ ﾉ|:|: : |: ､:＼　　　　　　　……あんなぁ。
　　　　　　　　　　　　　ゞ　 }: ＼〉:∧　　　 　 　 　 　 　 　 ,､_／: |:|: : |: : ＼:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 |: :|: :| : ∧　　　　　'　　　　　 ∧: :|: : |:|: : |: : : : ＼: .　　　　　自分、現実見えとらんのとちゃうんか？
　　　　　　　　　 　 　 　 　 .': :|: :|: /:个 .　　 　- ､　 　 . 个:l: :|: : |:|: : |＼: : : :､ヽ}
　　　　　　　　　　　 　 　 /: : :|: :|:八: }: | ＞　. 　 　 ＜|＼: : : ,: : |: : ∧: |＼: : }
　　　　　　　　　 　 　 　 ,: : :/:|: :|: : :〉l从/.|＼::｀´-:／ |、 ＼- ､: V:/: :l :|　 ∨|
　　　　　　　　　 　 　 　 {: :/__|: √/　{' /...|　 ＞＜　　|..V　 ＼ ｀7'＞ ､:|__　}/
　　　　　　　　 　 　 / ｢￣´　 |:/ ＼　 ,'......|　////∧ /....∨ ／| /　　　｀Y⌒＼
　　　　　　　　　 　 '　 |´￣￣/ || 　 V....../|ｲ　〉-〈　 ,.........∨＼〉　 　 　 / 　 　 ヽ
　　　　　　　　　 / 　 ∧ 　 ／|/---/... /...|　////| ∧........∧￣￣＼　V　　 　 　 :.
　　　　 　 　 　 /＿_/＿／｢￣　　 ,.＼/.....l　|/// |/...∨./.....∨ /　　∨　　　　　　 ＼
　　　　　　　/´　　／ | 　 /　　　 /.￣.........∨///_/.........＼.......∨ /　　}、　　　　　　　 ＼
　　　　　／￣￣￣￣　／　　　 ∧................ ∨...../..................>.....∨　 ＼＿＞----- 　、　＼＿＿_
　 　 　 /　　 　 　 　 イ＿＿＿/.....＼...............∨.,...............／............＼＿＿　　　　　　　　　＞ ￣　 　＼
　　　／´￣￣￣￣￣￣.....{....................＼............V...........／.......................}､...............ー--　　＿＿_　　　　 　 ＼
　 ／............................................人.......................＼........∨..／..........................人 ＼.....................................＼｀ヽ､
／.......................................／´　　 ヽ:::::::::::::...........＼....∨................::::::::::イ 　 ＼ ＼.....................................ヽ　 ＼　　　　＼

4775： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/10(木) 23:00:38 ID:I.NYMt0.0


　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　 ／　─　 　 ─　＼　　　　　　　　状況は見えてるお。けど、それと膝を折ることは別だお。
　　　／ 　 （●） 　（●）　 ＼
　　　|　 　 　 （__人__）　 　　 |　　　　　　　それに……
　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／
　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ
　　 / 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |
　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|





　　　　 　　　　＿＿＿
　　　　　 　 ／　　　　　＼
　　　　　 ／　　　　　　 　 ＼
　　　　／　 　 　＼ ,　, ／　 ＼　　　　　　好きになった人に一緒に死のうって言われて、「はいそうですか」なんて言う奴はクズだお。
　　 　 |　 　 　 （ー）　 （ー）　 |
　　　　＼　 u. 　 （__人__）　,／　　　　　　 こういう時、男は死に物狂いにならなきゃいけないんだお。
　　　　　ノ　　　　 ｀ ⌒´　　＼
　　 ／´　　　 　 _i⌒i⌒i⌒i┐ ヽ　　　　　 ……はやてさんにこんなことされて、首を縦に振るようじゃ、やる夫は生きてきた甲斐がないお。
　　 |　　　　ｌ　 （ l　/　/　/　l
　 　 l　　　　l 　ヽ 　　　　　 /

4776： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/10(木) 23:08:21 ID:I.NYMt0.0

　　　　　　　　　　　　　 -‐━━=ミ
　　　　　　　　　 /⌒:^.: : : : : : : : : ::＞
　　　　　　　_.-=ミ: : : : ＼: : : : : : : : :V: `.
　　 　 　 .ｨ: : : : 7:〉 :∧: : :V: : : : : : :〈/: /〉:.
　　　　 /: : : : : :|/ | : :|:V: : :i : :| : : : : V〉: : ﾊ
.　　　 /: : : : : : :|i　!::斗-V: :|ー|‐|:-|: ::|:|i: : : |i
　　　 ′l: : |i :|i |i_,.ｨﾃﾃﾐ : : |N|ｨテﾐN: |:|i: : : |i
　　　{　｜:::|i :|i |i　 r勿,　|:N　 r勿ﾉ !::|:|5!: : : .　　　　　　　……私、そないな女とちゃう。
.　 　 　 从::|i: |i |i:　^¨¨　　i　　　 　 」::|:|,ﾉ: ;小:.
.　　　　　　〕: :|i |N」　　　 ,　　、　　.: /|:| : /: : :|i　　　　　　　君にそうまでされるような女とちゃうんやで、やる夫君。
　　　　　　　　|i ||:|:i＞　　　　 　 .ｨ :/::」:/〈: : : 八
　　　　　　　　|i ||:|:|///〕ﾆ=-　　 | l: : :/　 V⌒V:＼　　　　　 私、君に見せたことのない、とても聞かせられないようなこと、
　　　　　　　　|i7⌒V|　V寸ﾆﾆ才　!: /　　　＼_,V⌒ :、
. 　 　 　 _　--厶ヘ V　 V /⌒丶　| {　 　 -=ﾐ,V{　　,ハ　　　　たくさんあるんやで。年上だからとか、それ以上の問題や。
　　　　 〈,　　 / 　 　 V　V^V__/^V　|/　/　 　 ＼　/
　　　　/∧　/　　　　 }.　 }i /　Vi{　 」　/　 ______　/　　 __　　　　何にもない。ネクストすら失った。しょってるのは後悔だけや。
.　　　 {　　V　 　 　 ,リ,　　}i　　 i{　 }i,　 ／　 　 |ー━=ﾐ」
　 　 r」　　⌒ー‐―(￣￣〉ﾑ　 /| 　i|／　　　　｜　 　 _.」Ｌ　　　　今までずっと言い損なってきたけど、私はそういう女なんや。
　 　 |⌒ー}　　　　 /　 　 ＼ V　　 /　　＼　 　_|　　ー=ミ__ )
　 　 |　　 ﾉ　　　 ,/　　 　 　 ＼　./　　 f/―‐┐＿__　　　}　＼
　　 ∧__(___　　_/　　　　　　　　＼　　 /　￣￣〉　乙...
　　　　/　　　/八　　　　　　　_ji斗〜'へ　￣￣| 　 」(
　/　 /　　　/￣,.. ．-‐　'''""~ 　 　 　 　 .V　 rﾉ.　　　＼





　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼　　　　　　　やる夫だって、路上暮らしの残飯喰らいだったお。
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |　　　　　　 たった一人の友達を見殺しにして、のうのうと生きてきたお。
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼





　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼　　　　　　人に必要にされたいって半端な気持ちでリンクスになって。
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　　　自分が殺した人間の死体を見て心が折れて、全部投げ出して、マーシフルから降りて。
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　　けど、そうなっても、はやてさんがいてくれたお。それで、今があるお。
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

4777： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/10(木) 23:17:53 ID:I.NYMt0.0

　　　　　　　　 ＿＿＿
　　　　　 　 ／　　　　　＼
　　　　　 ／　　 ＼ ,　, ／＼　　　　　　　　はやてさんが教えてくれたんだお。何もかもを失っても、見つけられるものがあるって。
　　　　／　 　 （●）　 （●） ＼
　　 　 |　　 　 　 （__人__）　　　|　　　　　　　やる夫みたいな人間にも、大事なものが見つけられるんだって。
　　　　＼　 　 　 ` ⌒ ´　　,／
　　　　　ノ　　　　　　　　　　＼　　　　　　　 やる夫がその証明だお。だから……
　　 ／´　　　 　 _i⌒i⌒i⌒i┐ ヽ
　　 |　　　　ｌ　 （ l　/　/　/　l
　 　 l　　　　l 　ヽ 　　　　　 /





　 　 　 　 　 　 ,,.. ´　　　　　　　｀・ 、
　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　＼　　　　　だから、何があってもやる夫は生き延びるし、はやてさんを死なせはしないお。
　　　　　　/　　　　　　　　　 　 　 　 　 ',
　　 　 　 _l;;;;;;;;;,,,　　　　 　 ／　　 　 　 .l　　　　 たとえ現実がどうであっても、最後の瞬間までやるだけやってやるだけだお。
　 　 　 　 l;;;;;;;;;;;;;;; 　 ､_,.ｨtﾁ　） 　 　 　 |
　　　　　　',.　　 /　i　　 ヽー‐ '　　　　/｀ヽ､　　 はやてさんがどんな人でも関係ないお。
　　　　　　 ＼　乂人＿__ﾉ､　　　 ,. ＜
　　　　　 　 　 ＞-｀￣￣｀'　-
　　　　 　 　 　 　 ｀ー―

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
はやてが拳銃を改めているとき、その生気の抜けた表情を見て、
腹の奥底からふつふつと湧きあがってくるものがあった。

ここで首を縦に振って、めそめそ泣きながら銃口を咥える。
そんな情けないこと、あってたまるか。

そんな姿、カズキやクーガーに見せられるわけがない。
そんな顛末を聞かせられるわけがない。

自分は男だ。
本当に大事なものがあるのなら、なりふり構わず必死になって、意地を通すべきだ。
それができないのなら、生きていても死んでいても違わない。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4778： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/10(木) 23:30:41 ID:I.NYMt0.0

　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　⌒　 　 ⌒　＼　　　　　　諦めるのは、最後の最後に取っておいてほしいお。
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（＜） 　＼
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |　　　　　やる夫の為にそこまでしてくれるっていうのなら、
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　　　／_∩　 　ー‐　　　　＼　　　　　 やる夫の眼が黒いうちは、生きて、一緒にいてほしいんだお。
　　　　　　　　（＿__＿）　　　　　　　|、　＼
　　　　　　　　　 　|　　　　　　　　　 |/　 ／

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
今の状況に希望があるとは言わない。
けど、それを理由に諦める方向に行きたくなかった。

どうせ死ぬときは死ぬのだ。
だったら、最期の瞬間まで生を全うしたい。

ただ死にたくない。
はやてと一緒にいるために、最後まで生きていたかった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4779：安価のやる夫だお：2022/03/10(木) 23:39:28 ID:jL42maGs0
もう一個の選択肢だとどうなったんだろ
積極的に呼び止めなかったのかな

4780： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/10(木) 23:44:17 ID:I.NYMt0.0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_　　　-──-　　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　 , -'":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....､
　　　　　　　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　, -=ﾆﾆヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..
　　　　　　　　　 ／ ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::..
　　　　　　　　 /　 /:::::::::::::::::::::ヘ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',::::::::::::::::ヽ:::.
　　　　　　　　　　/:::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::v －_ｺ､::::l::ﾊ
　　　　　　　　　 /:::::::/::::::::::::::ハ_/=ﾍ::::::ｌ::::::::::::::l:::::::::::::::::vイ:::::l＼/　l
　　　　　　 　 　 ':::::::/:::::::::::l:::|　 　 　 ',::::l::::::::::::::l::::::::::l::::::l}ニﾆｺ>　 〈l
　　　　　　　　　|::::::/:::::::::::::l:::|　 　 　 ,l::::ﾊ:::､_l:::从:::::/:::::ﾊ:::::::::|／:＼〉　　　　　　　　アホなんとちゃうんか？
　　　　　　　　　|::::/::::::::::::::::ﾄｰ─　⌒ l::/ |::::/l:l:≧ー─--l::::::::lヽ:::li:::.
　　　　　　　　　l::::ｌl::::::::l:::::::::l::l ,ィ尤坏l/　|:/ 从'尤示沁、l:::::::'l　ｌ::|i::::.　　　　　　　　 ぜんっぜん、理屈にすらなってへんわ。
　　　　　　　　　l:::八::::∧::ヽ:ゞヾ lイﾟハ　 /'　　　lイﾟルｌ} Уｉ::/' /:::|i:::::::.
　　　　　　　　　∨　’::l}:{l::::::＼　乂こｿ　 　　　　乂こソ l/:::/／ ::::|i:::::::::.　　　　　　　「理屈だけで動ける程、こちとら大人じゃないってことだお」
　　　　　　　 　 　 　 _〉:lイ＼:ハ/////// ,　　　///////'7/:::::::::::::ﾄ､::::::::l
　　　　　　　　　　 _l//////Y::::::.､　　　　　　　　　　　しイ/:::::::::::::ｌ:| ///＞､　　　　　　……アホ。
　　　　 　 　 　 ／///////彳::::::::＞　　　⌒　　　 　＜//:/::::/:::::|:| /////厶
　　　　　　　__///////////|:|l:::::|､:l∧ ＞　＿ ＜　　 //;::::::/:::/::lヾ //////∧
　　 　 ／⌒ヽ /////l/////|ハ:::| ヾl∧〈〉／===､ 〈〉/ l:|l:::::l:::/l/ /////////厶
　　　/　　　// ////∧//＞⌒ｌ:::| 　　∧/ ＼__／＼/　lハ:::ll/"'''- _/////////∧
　　 '{　　　// //////∧l}　　　ヾ|　　　∧　 / |∧　/　　　ヾｌ　　　　ハ/////////⌒ヽ
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　 |...: .: .: .: .: .: .:斗:-┼.ﾊ : }'，.: ∨＼i:ｉ}-､.: .: .: .: .: .: .: .:i
　 | .: .: .: : .:'，.: {八.:_.{/　Ⅵ Ⅵ.: }: .: .: |/ }.: .: .: .: .: .: .: .:
　 | .: .: .: i.: .:Ⅵ:i爪r'ﾊ¨¨}} '， Ⅵ:|: .: .: |i　, .: .: .: i.: .: .: .::
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　 |.:ｉ.: .: .:{ .: .: 八 　 　 ﾟ.:.:.:.:.:.　Ⅵ: .: .: |/.: .: .: .: .ｉ .: .: .: :　　　　　　　ほんま、アホらし……
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　 |八　 Ⅵ.: :､.: .: .. 　ﾟ　　　　 . : |.:ｉ: .: jハ.:∧.: .}.: .: .:|.:八
　　　 )　八.: .: ＼.: .:＼　　 ィ　 /|.:|.: ., 　 }'　 ∨八.: .ﾄ(⌒
　　　 　 ⌒＼(⌒＼.: .: 「.: .: .Vｨ j/|.:/　　　 ∠⌒　ヽ{⌒
　　　　　　　　 　 　 ヽ{八{^rく/}　 j/　　 ／⌒＼　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　⌒}//ﾊ　　　／　　　　 ＼　　　＼
　　　　　　　　　　　　 　 　 {__/　}　／　　　　/ _　⌒〕iト　　V/
　　　　　　　　　　　　　　　//ﾊ　|/　　　__ ∠ﾆ=- 　 　⌒〕iトV/

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そこまで言ってのけると、銃を握って離さなかったはやての手が緩んだ。
鈍い音を立てて床に落ちた拳銃には見向きもせず、小刻みに肩を震わせはじめる。

目尻には大粒の涙が浮かんでいるのが見えた。
どうすればいいか分からず、ひとまず隣へと腰を下ろす。

震える手を掴んだまま。
嗚咽を漏らすはやての隣で、天井を見上げた。

眠って目が覚めたら、躍起になった企業連から追い回される日々が待っている。
血眼になって自分たちの潜水艦を探し回るだろう。
小脇に大量のコジマ兵器を抱えているかもしれない。
アームズフォートやネクストが群れを成して襲い掛かってくるかもしれない。

だが、それは予想でしかない。
今、この手の中にある感触より、重くて確かなものはなかった。
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4781： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/10(木) 23:44:37 ID:I.NYMt0.0

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4782： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/10(木) 23:53:49 ID:I.NYMt0.0



　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　　　今回はここまでだ。
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　　 もしかしたら最近、生意気にもスランプ気味なのかもしれないね。モコイさん。
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　　仕事のことと不安と悩みで頭が一杯で……マーラ様もスライムになるってものだ。
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i　　　 体調も崩し気味だし、この前病欠しちゃったし。エルデンリングも買って積んでるよ。
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ





　　　　　　　　　_　_　_
　　　　　　　／: : : : : : ｀i
.　　　 　　　i: : : : : : : : : :!
　　　　　　　､: :○: : ○: :!
　　　　　　　 i: : : : : : : : : i　　　　　　　　けれどね、覚えておくことだねチミたち。
　　　　　　　 l: : :,, --_ｯ: :',
　　　　　　　 丶 ｀‐'´: : : :ﾉ　　　　　　　　チミたちが>>1を求める限り、モコイさんは何度でも蘇るのだと……
　　 　 　 　 / ´: : : : : : : : ｀ヽ
　 . 　　　　/: : : : : : : : : : : : : ヽ　　　　　　次回は3/17の20時からだ。働きたくないね。明日にならないでほしいね。
　　　 , -‐': : ,: : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　／: : : ,-ｲ: : : : : : : : /｀丶: : : :､　　　　　ぶっちゃけ欲しいミリオンマネー。シーユーアゲイン。
　 ｒ⌒ ,／　/: : : : : : : : i　 　i: : : : i
　 ` ‐ '　　/: : : : : : : : : |　　 ! : : : |
　　　　 　 i: : : : , _ -‐ ´,) 　 ｀ ヽ _|
　 　 　 　 (_ _i￣(_　-‐'´i
　　　　　　|　:|`‐´i : : : : |
　　　　 　 |: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
　　　　 　 |: : : : : |: : : : : !

4783：安価のやる夫だお：2022/03/10(木) 23:57:09 ID:QaqIZ4w60
乙でした

4784：安価のやる夫だお：2022/03/11(金) 00:00:03 ID:ayUESRu20
乙やでー

4785：安価のやる夫だお：2022/03/11(金) 00:07:51 ID:MKfML03o0
乙

4786： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/17(木) 20:03:23 ID:QbZHZMq60
　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
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　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ　　　　　
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ 　　　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´　　　　　　
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||　　　　　　　　
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

4787：安価のやる夫だお：2022/03/17(木) 20:07:51 ID:dF23K0UI0
ハロー

4788： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/17(木) 20:12:34 ID:QbZHZMq60

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　　世の中暗いニュースまみれで、流行りはよく分からないだが、まーこのスレはガラパゴス。
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　　今日もぼんやりとみていってくれ。はじめていこう。十ッ時くらいまではやろうかな。・
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　　
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

4789： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/17(木) 20:26:25 ID:QbZHZMq60

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ベッドライトが照らすだけになった薄暗い部屋の中で、
壁にもたれかかりながら膝を抱えていた。

一応、今は夜だ。理由がない限りは大抵の人が眠るくらいに遅い時間ではある。
けれど、外の景色が一切見えない潜水艦の中では、その実感がなかった。
第一、外が見られたとして、映るのは深海の暗闇だろうけれど。

それでも、精神と肉体に蓄積した疲労が瞼を重くする。

それなのに、なぜ自分がベッドの上に横たわっていないのかというと。
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4790： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/17(木) 20:34:30 ID:QbZHZMq60

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╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
当のベッドの上には、はやてが寝転がっているからだった。
「落ち着いたらお腹が減った」と焼き菓子式の小型レーションを齧りながら、
腿の辺りを台替わりに、何やらPDAの画面をのぞき込んでいる。

髪型は崩れて無造作なものになり、ジャケットはベッドフレームにかけられ、
皺だらけのシャツ姿となっていた。

リラックスするのはいいが、切り替えが早いというか、相変わらず無防備すぎると
いうか、そもそもなぜ自分の部屋に戻らないのか。
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4791： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/17(木) 20:49:12 ID:QbZHZMq60

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(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

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拳銃はベッドの下に転がされている。
はやてが渡してきたから、とりあえずそうしたのだ。

しかし、今日はいくら何でも刺激が過ぎる。激動の一日だ。
オルデンブルクに騙され、SIとIGIOが一緒になって襲ってきた。
かつての養成所時代の同期であるリエラも、ノーマル隊によって撃墜。
ロストワードとスタリオンを退け、満身創痍で帰ってきたと思ったら、
好意を寄せる女性から心中の誘いである。

で、このベッドの占拠と来た。
健全な青少年として、本来なら喜ぶべきことなのだろうが、反応に困る。

クーガーならどうしただろう。クーガーがなのはと同じ状況になったら。
ベッドにダイブして蹴り飛ばされるまで見えたので、考えるのをやめた。

「ねー、やる夫君」

「は、はい？」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4792： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/17(木) 20:59:01 ID:QbZHZMq60

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　 　 　 　 　 　　 _,,......,,_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 .､-''".: .: 〉⌒:｀丶、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／.: .: .: へ／}.: .: .: .:.:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ .: /.: .:/.:|^⌒〉:|.: .:.:|.: .: .:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／.:/.: /.: .:.'￣|:＼ｉ.: |.: .:.:| : |_: .:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／.:.:./.: /.: : ィｔﾃミx. |.: |.: .:.:| =| ∨|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／ /.: /.: .: .: .: :|乂ツ　 |.: |.: ＼ =|_∧|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 . :' .: /:_/{: .: 八.: : | ' '　　 八xミ　|∨.: .: |　　　　　　　どないして、床座っとるん？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/.:.:| :/:/　乂_彡ﾍ 八　　 ,　〈'ツ 〉ﾉ: .:/ .: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /.: .:.| : :(.　 　　＼∧.: )　｡　　' ' __彡イ.: .:.:.|　　　　　　　「い、いや、当たり前だお」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /:八:人.: :〉　　　　 ＼V.〉---／⌒¨''∨.:/:.:八
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /|　 )/ (　　　 　　　￣ 〈 // / ／ ∨ :/ .: )　　　　　　 一緒に寝とった時期もあったやん。
　　　　　　　　　　. : '"ﾟ~￣￣￣~"''〜､、＿　　　＿__/八　　,ノ＼ 　 　 　 　 　〈/, ／ } ／ V .: :/　 　
　　　　　　　　／::::::::::::::::::::⌒＼:::￣￣::＼＼｀`〜､、　　 ＼ ／⌒＼　＼　 　 　 U　 〈　　 ∧.:/　　　　　　　　「それとこれは別だお」
　　　　　　　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::〕::::::＼::::::::ヽ::ヽ　| 　 ＼　　　　　　　 '，　＼　　　＼　〈￣//∧　 　 　
　　　　　　　.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::＼::::ﾊ:::::Ⅵ　　 八　　　　　　　 '，　　　　　,,ノ＞----- ＼＿＿/|::〉―┴┐
　　　　　 /::{::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|＼::::::::::::＼:}::::::}〔　＼. 个　　　 　 　 .∧　 　 　 ／ /　　 　 　 　 |　Y '"　 彡'7"
　　　　／:/:{::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| 　 ￣￣＼〉 :: }　 ＼ ＼　 ＞---=彡 '/＼　　　　/　 　 　 　 　　＼］＿__彡'´
　　　 .:::::::::::{::::::|::::::::::::::::::::::／￣　　　　　　 `､::::}　 　 　　／　＼　　　　 '//＞-------＜＿＿＿_／
.　　/::::::::::::八:: | :::/::::::::::::/　　　　　　　　　　 `､}　＿__／＿＿__ ＞--‐彡)///厂＼/////＼
　　;::::::::::::::::::::＼::/::::::::::::/　　　 　 　 　 　 　 　 '，＿___／　　　　　　　⌒冖彡'　　　 ￣￣￣
　　{:::::::::::::::::::::::::}:::::::::::::/　　　　　　　　　　　　　 '，
　 八:::::::::::::::::::: ﾉ::/:::／､　　　　　 　 　　 　 　 　　'，
　　　 ､:::::::::::／:::::／　　 ＼　　　 ''"ﾟ~￣~ﾟ"''　　_　 '，
　　　　＼:::´::::::::/　　 _.､-''" 　 　 　 　 　 　 　 　 　 '，
　　　　　 ＼::::: _.､-''"　　　　　　　　 　 　 　 　 　　　 .
　　　　　_.､-''"　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 }
.　_.､-''"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 }
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　 　 　　 ＿_,_,.､丶´
　　　　　　　　　　_　　　-‐=　 ''　""~~￣　　　　　}
　　　_　　-‐　 ~　　　　　　　　　　　　 　　　 　　ノ

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呼びかけられ、敢えて逸らしていた視線をはやてへと向ける。
自分が向き直ったことを確認すると、はやては姿勢を変えて横たわっていた。
頬杖を突き、力の抜けた目でこちらを見ている。
酒はとっくに抜けているのか、ほとんど素面のようでもあった。

ベッドの軋む音、衣擦れの音の一つ一つに至るまでもが生々しく、心臓に悪い。

しかし、心底不思議そうに問いかけられたところで、こう返す他ないだろう。
自分も同じベッドで寝るのも、こう、不自然というものだ。
付き合っているわけでもないのに。

「付き合ってもないっちうに、一緒に寝るんもおかしな話やー、ちう顔やねえ」

見抜かれているようだった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4793： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/17(木) 21:03:42 ID:QbZHZMq60

　　　　　　　　　　　　..　-‐‥…‥‐-　..
　　　　　 　 　 　 ／: :⌒: :⌒: : : : : : : : : : : : ,
.　　　　　　　　／: :／: : : : : ,ﾍr ､: : : : : : : : : ′
　　　　　　　 /: :／ 　 / 　 / '^i＾i }　　　　　　　. :
.　　　　　　 /: :/ ;　ｉ　ｉ {_,. {　　　l |: :}: :: : : : : : : : :.;
　　　　　　/: : ｉ　ｉ: :|: :|癶「乂　　| ｌ ﾉ: :/、/}: :ｉ: : : i
　　　　　　{ {: :|: :|: :{ｨ芹芋ﾐ　 ｊノイ／/: :/７／> : :!
　　　　　　{ {: :ﾄ､乂个ﾟ辷ﾉﾘ　　　芹芋ﾐゝ<／>: : :ｊ　　　　　　　　「だ、だいたい、なんでやる夫の部屋に居座ってるんだお」
　　 　 　 　 '.: :八 i:i　　¨´　　　 　 辷ﾉﾘﾊ>／∨〉/
　　　　　　　ｊ/: :: :从 """　　 '　　　 ¨´ 　ﾉ: : 〉〈　　　　　　　　　 ……だって。
　　　　°　　}: :: :ｉﾊ ＼　　 - ､　 ""ﾞ厶イ: : 〈∧〉
.　　ι 　 　 ｊ|: : ∧ ＼ ＼　　 　 　_,ｲ : :./: :,小、　　　　　　　　　　「だって？」
　　　　　　 _｣!」L.._〉、 ',_} `ｰ‐　'i／./ ／_／川 :
　　　　　／＼　　`ｰ＼ ヽ　 　 人_/ /　　⌒ヽ} :　　　　　　　　　　　帰る雰囲気とちゃうかったやん。
　　　　 ｉ　　　ヽ　 ＼　}　}　　/. // / 　　 　　｀ヽ
　　　　 |　　　　 '.　　 / /｀　´〉/￤　　 ／　　　　'.　　　　　　　　　　そうゆうとこは子供なままなんやなぁ。
.　　　　 〉　　　　　　 ／/　､,〈 {　乂　,ｆ　　　　　 /
　　　　/}　　　　 　 i 　 { 　 ｉ　〉　　　,ｆ　　 　 　 /､　　　　　　　　　　「う……」
　　　/∧: .、__　 　 |　　＼￤/　　 　｢　　 、_　 {: :}
　 　 { {: :＼　　　　│　 　.Υ　　　　i　　　　　 / ﾉ}

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
雰囲気。雰囲気というのは、どういうことなのだろうか。
大人だったら分かるものなのか？　自分にはよく分からない。

へそを曲げたような口ぶりのはやてに困惑していると、
はやては頬杖を外し、枕に頭を載せた。
含みたっぷりに溜息を吐き、視線を床に落としている。

長い睫毛が伏せられているのが見える。
本当によく分からない。
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4794： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/17(木) 21:13:09 ID:QbZHZMq60

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　　　　　　　　　　　　　　　＿＿／.: .: .: .:＼.: .: .: ＼
　　　　　　　　　　　　　 ／.: .: .: : ＼.:.:.＼.: .:＼.: .: .: ＼
　　　　　　　　　　　　／.: .: .: _.: : .:. :＼／＼.: .:＼.: .: .: ＼
　　　　　　　　　　 ／.: .: .: .:/:∧.:.:|.: :<／／|: .: .: |.: .: .: .: .:.
　　　 　 　 　 　 '⌒7.: .:|.:|.:.{＼ |.: |.:_|__< ／|.: .: : |.: .: .: .:.:.:|
　　　　　　　　　　 /. |.: |.:| :fﾊ　|.: |.:_|,,_:|＼:八_/7 : .: .: .: . |
　　　　　　　　　　 :( :|.:人V:じ　j.:〃ノ刈:. /／∨.: .: .: .: .:.:.|
　　　　　　　　　　 ／.: .: .:「　 　 　 V'少У.:.:.:/|.: .: .:.:|.: .: .:|　　　　　　　　　私も一応は女やさかい。で、相手は君や。
　　　　　 　 　 　 ⌒7.:/.:.ﾊ 　 　　 ' ' ／.: .:／ノ .: : .: |.: .: .:|
　　 　　　　　 _　 　 {:/＼八 _／)＞'.: .:.:／.: .:/.: .: .: .:|.: .: .:|　　　　　　　　　「死ぬ前にいい思いさせてくれー」くらい、
　 　 　 　 __/　) __　 　 　／ ￣ 7 : : ／￣:／ : .: /.: 八 : 八
　　　　　「{ {　し'　}　　r/ 　 　 /.: .: /＿／　⌒∨ .:/.: :)/⌒＼　　　　　　　 言われるの覚悟で部屋に来とったんやけど。
.　 　 　 { 　 　 　 ﾉ　　/／ 　 人.:.:/　 ＼￣￣Y￣/＼＿
.　 　 　人 　 　 / 　 ／　　　 　 ∨　　　 ＼　＼ /　　　　＼_　　　　　　　　……もしかして、自意識過剰やった？
　　　　　 }　 　 {　 /￣￣￣＼ 　 〉＿ 　 　 ＼　{　　　 ／　 ∧
　　　　　 } 　　 　 '　 ／　　　　 ／}　　　　　　 ＼　 ／ 　 ／　}
　　　　　　　　　}/.／　　　　 ／／　 　 　 　 ／　 ＼　 　 　　∧
　　　　　,'　　／{＿＿　　 ／イ　　　　　　／　　　 }　＼　／/ /
　　　　　;　　|　 |　　　　 /--≠-　　　　　＿　　　/　　 ∨ /／{
　　　　　{／ |　 |＼　 ／　　 /　　　　　 　 　 ＼./　　 　 }／＿_＼
　 　 　 八　 |　 ＼　/　＼＿{　／　　　　 　 　 /＼　　 ∧------{
　　　　　　＼＼__／　　　　　{ 〈 ／　　　￣￣〈. 　 ＼ 〈　＼　　　 〉
　　　　　　　 ￣ 　 　 　 　 　 〉 }　　　＿＿＿__〉＿＿＼＼　＼　 {
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　　　　　　　　　　　　　　　　＼,／::::::::::_::::-=ﾆ~￣￣￣:::＼＿＿＿_〕
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　　　　　　　　　　　　　　　　　L::＼::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::: ＼
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　Y::::〉:／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',:::::::::::::::／:::ﾊ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::/|::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}／::::::::::::::::::ﾊ
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とんでもないことを、なんでもないことのように言ってくる。

そういうものなのか？
大人の男女というのは、そういったことをするものなのだろうか。
いや、そうだとしても、すんなりと受け入れられるものでもない。

正直、今の言葉で下半身に相当量の血が行った気がする。

ここまで言われて、分からないほど自分も唐変木でもない。
要するに、今ベッドに行ったとて、はやては拒まないと。
つまりは、そういうことなのだろう。
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4795： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/17(木) 21:26:34 ID:QbZHZMq60

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　　 : |:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:┼―‐ -:.:.:.|:.:.:. ィ:.:￣:.:.:.:.:|:.:.:.:|:.:.:.:.: |　　　　　　　「お……大人は、そんな風に、その、するのかお？」
　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:|斗ぅ＝ミ :|:.:.:.:.:|ｧう＝ミ: |:.:.:.:|:.:.:.:.: |
　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:{　)いﾊ　从:.:.:.:.|　)いﾊ Y:.:.: ﾉ:.:.:.:.: |　　　　　　　人によるやろなぁ。そういう雰囲気になったらホイホイする子もおるし、
　　|:.:|:.:.:|:.:|ﾍ:.人:.:.:　乂;;ツ　　 ＼:.| 乂;;ツ 从:.Λ:.:. /:.|
　　|八:.:.|:人:|:.＼＼ト''　　　　　　　　'''　　/:.:.:/　}:.:.:.:.:.|　　　　　　　 独り寂しく寝るのが嫌で、適当に気に入った男連れ込む子もおる。
　　 　 ＼ 　 |:.:.:.:.:.八　　　　 '　 　 _,　　 /彡/_,ノ:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　八:.:.:.:.:.个　　　｀　　　　　　 イ:.:.:.:| :.:.:.:. |:.|　　　　　　　　私は、せやな。余程の状況で、余程の相手が近くに居れば、
　　　　　　 /:/:.＼／￣　　　　 　 　 ＜ |＼__:.:|:. /:.:八|
　　　　　／:/⌒∨ :. :. :. {＼＞r≦.　　ノ| : :. :. :. :.＼:.:.:|　　　　　　　　　まぁ、もしかしたら雰囲気次第でしてまうかもなぁ、ってな感じ？
　　　 ／:.:./ :.:.:.: ∨:. :. Λニ=‐‐=ﾆﾆﾆﾆ|:. :. :. :. :. :./:.八
　　　⌒ｱ/:.:.:.:.:.:.:.:∨ /　 ∨二二二.／｜:. :. :. :. :/:.:.:∨＼
　/￣￣/::::::::::::::::::::∨　　　Ｖニ＞''´　　|:: :: :: :: /::::::::::∨__
:: :: :: :: 厂￣￣＼:: /{＿_／{⌒｀}＼　　Λ::: :: ::/::::::::::::::::⌒＼
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　　　　　　／　　　u　＼
　　　 　／　　＼　 　 ／＼　　　　　（お、大人って感じだお……）
　　　／ 　し （○） 　（○） ＼
　 　 |　∪　 　 （__人__）　 J |
　　　＼　　u　　 ｀⌒´　 　／

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さらりと言ってのけるあたりが、ますますそういったものを醸し出していた。
アダルトというか、ドライというべきか。熟れ切った価値観に、少し気後れする。
状況が状況なら一夜を共にするくらいよくあること、というのも凄い世界だ。

いや、自分が幼すぎるのか？
相手は二十代中盤の女性で、自分は十代後半の半分子供だ。
手を握るだけでも精一杯の勇気を振り絞らねばならない自分からすれば、
彼女の年代の価値観は途方もない差があるものなのかもしれない。

面食らいつつも、頭の中で、ある考えにたどり着いた。
余程の状況、というのは分かる。今は間違いなくその、余程の状況だ。

問題は後半だ。
つまり、自分は、その、はやてにとって、余程の相手に値する、というのか。
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4796： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/17(木) 21:45:36 ID:QbZHZMq60

　　　　. . ＜: : : : : : : : : : ≧: : .
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　,: : : : : : Y´: : : : : : : : : : : : :丶: : : : :＼
./: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ: : : ヾ:.、
: : : : : / : : : : : : : : : : : : : : : : : ; : : : ; : :ﾊ
: : : : /: : : : : :/;_:_:;: : :/: : : : : : :∨: : ∨: :!
: : : ::{: : : : : : {´｀´｀∨: : : : : : : : ∨≪∨:{
: : : ::|: : : : : : | _,．--}:-:、 : : : :; -:∨≪Ⅵ
: l : {:!: : : : : : !´　　__l! ∨:|ﾍ : }从: }: : : |ﾘ
: |:l:从: {:-: : ::ﾄz====㍉,　　 }/__,ﾑ:| }: : |　　　　　　　　　　　
: |:|: : {｀ヽ ∨:!ゞ辷:ノ　　　 （ ´¨´八.!::从
: |:|: : ｀ヾ_- ., 　　　　　　　　,　　 .: : : ト 、　　　　　　　　　　 こんな状況や。
: |:|: : ∨: 〉く: 、　　　　 __ .,　　.ィヘ:_:_、｀ヽ
::介∧ ∨{　 Y: ＞、 　 ￣ ＜: :{ ゝ_ィ^ヽ.　　　　　　　　　　　……したいことを今のうちに、って言われたとして。
:{ .l: :∧ ∨:＼）: }ヾ:、/￣_Y二ﾆrｆ´｀ ｀　　、
:| .|:∧　＼{~ ‐}:l:!　 >‐ミ {_|＿　{ﾉ^ヽ　　 　 、__　　　　　　　　私はかまへんよ。やる夫君が相手だったら、まぁええかな、って。
ゝ/　∧　　　　 |ﾊ./三三∨￣ ｀ヽ. ハ　　 　〉:::::Y
_/　/ ∧　　　 /　}!ゞ三三≧--=ﾆﾆﾆ{ト-::イ:::::::::!
.　　 /　 ＼.　/　 .!::::::＞:..寸二〉::::>:::::｀ヽ:::::::::::::::|
,-=ミ　　 　.У＿.」::::::::::::::::＞<::::::＼:::Y::::::::;::::::;ノ{
　　　｀ヽ　 {　　　.|:::::::-＜::::::::}::::＞::Ⅵ:::::::::::Y:::::::l、
　　　　　　 l! 　　 !::::::{:::::::::::::└::―:-Y::o::::::::}::::::::|::＼
　　　　　　 l!　　 ム::∧::::::::::::::::::::::::::::｀::、::::::|:::_:::_::_:::::
　　　　　　 l!　イ::::::::::::::＼::_:_::::::::::::::,::-::‐'::´:::::::::::::::ト、

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正直、かなり揺らいでいた。
はやての言うように、そう考えれば、何らおかしなことでもないのかもしれない。

はやてはどうやら、自分が思っている以上に、自分を受け入れてくれているらしい。
恋愛感情とは違うのかもしれないが、それでも憎からずは思っているのだろう。
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4797： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/17(木) 21:51:19 ID:QbZHZMq60

　　　　　 ＿＿＿_
　　　　／　　　　　＼
　　 ／ _ノ　　ヽ__　　＼
　／　（● ）　（〇 ）　　＼　　　　　　……やめて、おくお。正直、めちゃくちゃ嬉しいし、揺れたけど。
　|　　　（__人__） 　u　　　|
　＼　　 ｀ ⌒´　　　　 ／　　　　　　　「なんや、年の割に紳士なんやねぇ」
　 /　 (__｀ヽ、　　　u　＼
　 ＼|　 ｀＼　＼＿__ﾉ　 |　　　　　　　そんなんじゃないお。
　　　|　　 　＼＿＿＿/ |
　　　|　　　　　　　　　　 {





.　 　 　 　 ＿＿__
　　　　 ／　　 　 ＼
　 　 ／　　　　　　　＼　　　　　　　ただ、なんというか。やる夫としては本気の相手だから、こういう感じなのは、ちょっと。
.　／　 ／）　ノ´　＼_　＼
　|　／ ,ｲ　(ー）　（ー）　u|　　　　　そういうのは、なんというか、こう……男の場合、どうでもいい相手にするような、というか。
　l /　二) 　 (__人__）　 ／
.　 |　二ﾉ　　｀ ⌒´　　＼　　　　　　だから……今は、やめておくお。
／＼　ヽ　　　 　 　 　 　 ヽ





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 _,,..､､､､..,,_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_.､-''".: .: .: .: .: .: .:｀丶、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／／.: .: .: .: .:⌒i／ .: .: .: ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　／ :/.: .: .: .: .:／{ﾊ.: .: .: .: .: . : .:＼_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,.､丶´.: :/.: .: .:./.: /⌒^/.:/.: .: .: .: .: :＼ : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　_,.　　''" . : .: .: / :/ : |.:.:＿_/　　/ :/ : .:/ .: .: /. .: .〉 .: |
　　　　　　　 　 　 　 .､-''" 　 　 ／ .: / :/ :/ : : |.:/.: /　＼.: / : : .: .: .: /.: .: / : .: |
　 　 　 　 　 　 　 ／ 　 　 　 ／.:/.:.:/ :/.: . .: .:.:.|ィうう㍉.:.:./.:／.: .:.:／.: .:.:/ : :/ :|
　　　　　　　　　　　 　 　　／⌒7.: / :/ ___|八:Ν 乂少　∨.: .: .:..∠ .: : .:/--/.:Ｘ|　　　　　……ぷっ。めんどくさっ。拗らせた女の子か。
　　　　　　　　　　 　 　 ／　　 /:／〉￣/| |.: .: |　' '　　 ／ .: .:.斗tﾐ.:.:＼/--/<／|
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　/ ／　| |.: .: |', 　 　 ⌒¨¨¨ く少　) .: :￣/.: .:∨　　　　　「そ、その言い方はなしだお」
　　　　　　　　　　　　＿_/⌒＼/＼　＿/｜: : |∧　 `　 _　'　' ' ＿彡ｲ..:.:/.: .: /
　　　　　　　　　　　/:::／|　　 /　　∨ //八 .: |::込　　　　　_ ⌒>:／ : .:/.: .: /
　　　　 　 　 　 　 /／　｜　./　　_　-=７⌒ .:.:|＼ うTﾆ二 　　:／.:.:／/.: .: /
　　　　　　 　 　 ／　 　 ﾉ／ -=ﾆ／::::/／ ∧ |ニニニ／|　 ／　イ.:.:/|.:.:.:/
　　　 　 　 　 ／　 /　 ／/--／〈::::::::7　|:::| ∧＞--彡 /〕 ∧　　.|.:/ :j.: /
.　　　　 　 ／　　./　 /／___/:::::::::＼/　 〕::〕／_ ⌒＼　 /,/　 ＼_,|＼.:.:/

4798： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/17(木) 21:53:45 ID:QbZHZMq60

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::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;／ 　　ヽ､　　 　 ヽ.:::::::::::::|
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;:::（ー） （ー ）　 　 　 .ヽ:::::::::::|
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| （__人__）'　　　　　　 i:::::::::::|　　　　　　　もう、なんでもいいお……早く寝てほしいお。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ＼_.　　　　 　 ⌒ゞ'´:::::::::::::|
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::~'/⌒/⌒/　/ 　|::::::::::::::|　　　　　　　「はいはい、おやすみなさーい」
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::（つ/＿/　/ ＼.|::::::::::::::|
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::（＿＿＿_/ 　 .ヽ::::::::::::::|　　　　　　　おやすみ。
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　 　 　 　 　 　 　　―‐　､
　　　　　　　　 ／　　　　.:ヽ
　　　　　　　／　　 　 　 .:.:.:.:,
　　　　　　　|　　　　　.:.:.:.:.:.:.:}　　　　　　　（……滅茶苦茶もったいないこと、した気がするお）
　　　　　　　＼　 .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ノ
　　　　　　　／　 .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　(＿　　.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　| i　!　　 　 .:.:.:.:.:.!
　　　　　 (__ゝ ＿＿＿_,＿ﾉ
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4799： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/17(木) 21:53:58 ID:QbZHZMq60

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4800： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/17(木) 22:01:53 ID:QbZHZMq60

〜明朝　潜水艦アマツ　CDC内部会議室〜
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:::::::::::::::::::::::::::: : ￣丁""""""""""""ﾟ丁丁""丁""""丁""":丁""丁丁丁""""~|￣::::::::::::::::::::::＿三二ﾆ=-
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:::::::::::::::|　　　 　 |::::|━━━━━ｰ┳╋━┛￣￣┣┻━━| ┏口:::::::::::::::::: ::: |::|:::::::::::::::|:::::┌─┘:::::::::::::
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-‐…__,,..二¨-‐__,,二ヽ::::::_ ┴──────────────‐┴ _::::::::::::_⊥..,,,_￣　　 ｰ-=ﾆ二_::::::::::
二¨-‐=''ﾆ⌒:::::::::::::::: |　｣ﾆﾆﾆiﾆﾆﾆﾆiﾆﾆﾆﾆiﾆﾆﾆﾆiﾆﾆﾆﾆiﾆﾆﾆﾆiﾆﾆﾆﾆL　　｢´"''ｰ|´~" '' ￢ｰ-　 __￣¨¨
斗-‐ '' "´´_＼:::::::__,..|┬──|￣|────────|￣|─|￣|──‐┬　　⌒ア_￣”¨"''　‐　　__「｣"''
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Ｔ｢ ｏ　ﾛ |-┘　|_◇__区]_匚]_＿i_匚]__|__匚]__i_i_i_区匚]__匚]_|_i_i___匚][]_i_i_匚]_|　　¨ﾆ=--ｒ-=ﾆ.,,_´"'' ‐-
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急ごしらえの会議室に集まった面々は、それぞれの苦労の色を表情に映していた。
血色のいい者など、この場にはどこにもいない。

周囲の端末に向かっているオペレーターたちも、情報処理に追われているのか、
目頭を押さえる者や嘆息する者が視界のあちこちに映る。

第一声を発したのは、目元に若干のくまを刻み込んだ間と牧瀬だった。
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4801： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/17(木) 22:07:09 ID:QbZHZMq60

　　　 　 　 /　　 　 /|　　　　/　 |::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::}::::::::::::::
　　　　　　{　　 　 / .|　　 　 { 　 |::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::/ｉ::::::::::::::::::::::／}::::::::::／∨:::::::::::
　　　　　　|　 　 ./　 |　　 　 | 　 |::::::::::::|:::::::::::::::::::::::/ .}::::::::::::::::／／/::::／.: : :.}::::::::::::
　　　　　　|　　 / 　 .|　　 　 | 　 |::::::::::::|::::::::::::::::::::/　/::::::::::／／: :/:／: : : : : :|::::::::::::
　　　　　　|　　{ 　 ｉ .|　　 　 | 　 |::::::::::::|:::::::::::::::::/　/:::::::／／: : :./´.: : : :. :. :./::::::::::::
　　　　　./|　　ﾄ､　|∧　　　 |　　|::::::::::::|::::::::::::::/　イ:::::/: :ィ´厂厂￣｀ヽ : : /:::::::::::::::　　　　　 　早速、脱落者だ。黛隊からな。
　　　 　 { .|　　|　＼ ∧.　　│　 |::::::::::::|:::::::::::/／: :{:::/芹云芯示　　 /: : :/::::／}::::::::
　　　 　 | .|　芹云≧ミﾍ　　.|　　|::::::::::::|::::::::/´: : : :|/　 辷 心ツ　 ／ : : /／: :/::::::::::　　　　　　まずノーマル乗りが二人。死には至らなかった。
　　　 　 |　＼ {辷心ツ　∨ .| 　 ∨∧:::|＼/: : : : : :{　｀￣￣￣￣´ : : ／´: : :/::／∨
　　　 　 |　　 ＼─── へ {.　　 ∨∧|　.{: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ／ ´: : /:.　　　　　　 だが、ACに乗ることは叶わないだろう。
　　　 　 |　　　　　　 　 　 　 ＼ヽ　　 ∧　　＼/.: : : : : : : : : : : : : : :. :. :.／: : : : :./.:.:.
＼　　　 |　　　　　　　　　　　　　| ＼　.∧　　/⌒＼/ : : : : : : : : : : : ／: : : : : : /.:. .:.　　　　　　　一人は衝撃により脊椎損傷。
　 .＼　 .|　　　　　　　　　　　　　|　　＼ ∧　　　　/⌒＼/.: : : : : : : : : : : :. :. :./.: :: ::.
　　　 ＼|　　　　　　　　　　　　　| 　 　 .＼{　　 　 　 　 /⌒＼/: : : : : : : : : : : : : : : :.　　　　　　　一人はあちこちの骨がバキバキに折れてやがった。
　　　　 ∧　　　　　　　　　 　 　 |　　 　 　 ＼　　 　 　 　 　 /⌒＼/.: : : : : : : : :. :. :.
　　　 　 .∧　 　 　 　 　 　 　 　 {　　　　　　　　　　　　　　　　　　/＼/: : : : : : : : : :　　　　　　　　





　　　　　／　／/::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　 /.／ イ::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ:::::::::/::::::ﾉ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
.　 　 　　 /./　//:::::::::::::::::::::::::::::/　|:::::/::::::/ i::::::::::::::::::::::::: _ _ :::::::::::::::
　　　　　 |/　//::::::/:::::::::::::::::ﾊ:::| ./:::/三≧/／/::::::::::::::/　_　ヾ:::::::::::
　　　　　 |　/ .i:::::/i::::::::::::::::::| 升彡イニ￣ 　 /／i::::::::::| /　 ） i:::::::::::
.　　 　　　　i　.l::/ ｨ::::::::::::::::::|　ヾﾃr j ／　　 　　./::::::::::| ） /　.|::,:::::-
.　 　　　　　|　.| ﾊ i:::::::::::::::::::ミ､　）‐'´　　　　　 /::::::::::::| / - ' ´三三　　　　　　　それから艦載機パイロットが五人。
.　　　　　　 |　　| |.ﾚi::::::::::::::,､:ヽ＼　　　 　 　 ./:::_::::-:::'::´三三三三
.　　 　　 　 ヽ　 | |　|:::::::::::/　｀ﾐ､_ ＼　　 _　- ' ´三三三三三三三　　　　　　　　二人は撃墜されて生死不明。
　　　　　 　 　Ⅶ　Ⅵ::::::::/_　　-　　　 Y´三三三三三三三三三三
　　　　　　　　 ヽ　 V:::ﾊ:::::::＞､　　＿ .＼三三三三三三三三三三　　　　　　　　もう三人はベイルアウトしたが、対汚染スーツの
　　　　　　　　　　／ヾハ:::/三 >'￣　　　 ヽ三三三三三三三三三
　　　　　 　 　 ／三三三/三三ﾆ｝￣　　　 V三三三三三三三三三　　　　　　　 破損のせいでコジマ汚染に晒されてしまった。
　　 　 　 　 ／三三三三三三三::i､　　　_ ィ ト三三三三三三三三
　　　　 　 <三三三三三三三三三三三三ﾆ.| ヽ三三三三三三三　　　　　　　　 現在は意識が混濁しており、ICU入りだ。
　　　　　 　 ｀ -　､三三三三三三三三三≧／:::＼三三三三三三
　　　　　　　　　　 ｀ - ､三三三三三 ／／/）:::::::::人三三三三三三
　　　　　　　　　　　　　　＼三三ﾆ.／／/.//::::::::/ | |三三三三三三

4802： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/17(木) 22:11:37 ID:QbZHZMq60

　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 . . .-━-. . .
　　　　　　　　　　　　　　　 . . : : : : : : : : : : : : : : : : .、
　　　　　　　　　　　　　 ／: : : : : : : : /: : : : : : : : : : : ＼
.　　　　　　　 　 　 　 . : : : : : : :/ : : /: : : : : : : : : : : : : : ヽ
.　　　　　　 　 　 　 /: : : /: : :./.: : : : : : : : : : :.|.: : : : : : : : ﾟ｡
　　　　　　　　　　 / : : : : : : /.: : : :.|.: :. :. .:l|: :.|: : : : : : : : : :ﾟ｡
.　　　　　 　 　 　 ′ : : |: : /ｌ|:: : : :.|.: :. :. .:l|: :.|: : : : : : : : : : :ﾟ.
.　　　 　 　 　 　 : : : : : :|: : |八 : : : |: : : : :.ﾘ: :八: : : :|: : : : : : :　　　　　　　艦内の民間人の心身の健康も著しく損なわれているわ。
　　　　　　　　　 |: : : : : |人|　 ＼ : |: : : : /:.:/　 ＼: :|: : : :|: : :|
　 　 　 　 　 　 /|: : : : : | 　￣￣ ヽ|: : :.:/7/￣￣ 　:|: : : :|: : :|　　　　　　　元から持病がある人も多く、体調を崩しはじめている。
　　　　　　　　//|.: :. :. :.斗r矛笊⌒ ＼/＾⌒笊ﾃ矛寸 : : :|: : :|
.　　　　　　　 :′|: : : : : 八乂rツ　　　　　 　 乂rツﾉ|.: :. :.ﾄ : :|　　　　　　　そもそも、この艦からすれば完全にキャパオーバーなのよ。
　 　 　 　 　 ｛　 |: : : : : :l　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |.: :. :.|ﾉ: :|
　　　　　　　￤　|.: : : :. :.|.　　　　　　　'　　　　 　 　 |.: :. :.|: : :|　　　　　　　医療に携わっている人間としては、今すぐにでも安静にできる
　　　　　　　￤　|.: : : :. :.|i　　　　　　　　　　　 　 　 ,|.: :. :.|: : :|
　 　 　 　 　 ｛ 　|.: : : :. :.込、　　　　r　 ヽ　　　　　仆: : : |/: :|　　　　　　　場所に移すべきとしか言えないけど……状況が、ね。
　　　　　　　 乂 ′.: : : :.|: : :ﾄ. 　 　 　 　 　 　 . : : :|:|: : : /: : :|
　　　　　 　 　 /: |: : : : : |: : :|l : ＞　　　　　イ.:. :. .:.|:|: : /: : : :|
　　　 　 　 ァ⌒ｰ|: : : : : |: : :|ｌ｛￣￣うT〔￣￣].: : :.|:|: /: : :Λ|￢、
.　　　　　 / 　 　 |: : : : : トＺ廴｝　　}}=={{　　 ｛廴.斗|/ : : /　｝ 　 ＼
. 　 　 　 /　　　　|人: : : |　.//　 　 }}=={{　　 　 } }　/ : : / 　｝　　　Λ





　　　　　　　　　　　　　　 _ ..． -‐‐---　．.
　　　　　　　　　　　 .｡: :´:／ : : : : : : : : : ヽ:｀丶、
　　　　　　　　　 ／ : : : /: : : : : : : : : : : : : :ﾟ.: : : ＼
　　　　　　　　, ': : : : : : : /: : : : : : : :|: : : : : : : : : : : ヽ
　 　 　 　 　 / : : : : : : : ,': : : : : : l: : |: : : :i : : : : : : : : ﾍ
　　　　　　 /: : : !: : : : : l: : |: : : : |: : |: : : :|: : : : : : : : ﾟ.:‘.
　 　 　 　 ,′: : :|: : : : : |: : |: : : : |: : |: : : :|: : : : : : : : :|: :i
　　　　　 . :|: : : :ﾟ, : : : : |: : ﾟ, : : : |: : |: : : :ﾄ: : : : ｉ : : : |: :ﾟ.
　　　　　: : |: : : : ﾟ,: : : : |.: : :ﾄ. : : |: :,': : : : :ﾄ､ : : i : : : |: : i.
　　　　　| i:{ﾍ: : : :‘,: : : l: : :ﾘ.ﾑ.　!: : : : : : :|ﾟ¨Ｙ: :i: : : :|: : :i
　　　　　| |:ﾍ:ヽ: : : ﾟ:: : :|: :/´_..ﾑｉ| : : : : : : |｝ｉ:|: : !: : : |: : :|　　　　　　　　このままじゃ、次の暴動は時間の問題よ。
　　　　　{:乂:} : ヽ: : :ﾟ, ::∨ '爪等| : : : : : : ト ﾉ : : : : : !: : :l
　　 　 　 ｀ヽﾍ.: : :ヽ.: : : :ﾄ、　 　 | : : : : : : |彳: : : : :.:.:.: : :‘.　　　　　　　　それも恐慌状態に陥った一部の人達じゃない。
　　　　　　 ゝ､ﾟ.|､､{ゝ､: : !　　　　|: : : : : : ::! |: :ｲ: : :l:.:.:.: : ハ
　 　 　 　 　 |ﾊﾘ l!`　 ヽﾘ＿　　｜: : : : : :,' //_j : : |:.:.:.|: ,' : ﾟ.　　　　　　　　艦内全体が滅茶苦茶になるわ。
　 　 　 　 　 |: ﾞﾄ、　　〃ﾞ＼　_ . |: : : ,' : ﾑｬ ﾄ､| : : |:.:.:.|:,': : :‘.
　　　　 　 　 |: :{. 〉.,　{ﾍ　 ﾊ:＞.､ﾟ.: :/ィ: | {{ ﾘ /: :,'.:|ヽ,'∧: : : ﾟ.　　　　　　　 私たち全員縊り殺されるんじゃないかしら。
　　　　　　　 |:|ヽ{{ |　＿　|:.:〉:ﾊ::f∨!:i.!: |. ゞ,:': : : : :!-{.:ﾄ､: : : :‘.
.　　　　 　 　 ﾘ　γ´.....．ミ〃、|,ヘ.∧从!／:／: : :,′｀ｰ‐＼: : :ﾟ．
　　　　　　　　　 √-‐━‐-ミ7ﾘ:::::::::入≠　.ｨ/: : /　　　 　 __ヽ: :ﾟ．
　　　　　　　　　/:　:　:　:　:　{.,L.::／／ﾏx:'// : / 　 . -‐ ¨　　 ∨‘.
　　　 　 　 　 Ｙ:　:　:　:　:　／::::/　　 　 `´/:.:./: ／.　　 　 　 　 i : ﾟ.
　　　　　　　　l:　:　:　:　:／:::::::/ﾉ　 　 　 /: :/／／　　＿＿＿　|: : i

4803： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/17(木) 22:15:55 ID:QbZHZMq60

　　　　　　 　 　 |.:.:.::.:.:.:.::.:::|:::::::j::::::::::l::::::::::::::.:.::::j::::l|:::|:::|:.:.:::.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:|
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　　　　　　　　　|.:.:.:::.:.:.:::::::::|/―l |:|‐l::ｲ:::::::::/'//―/‐リ::::::.:.:.:.:::::::|::::::|::l
　　　　　　　 　 |.:|::::::.:.:::::l:::ｲ<'Tｱﾘﾌ' /::::／ /´<'Tﾗﾜｱ::::::.:.:.:.::::::::l:::::::ﾄ､'､
　　　　　　　　 j.::l::::::::::::::::ﾄ::l　｀￣´　'´　　　　　｀￣´/:::::::::::::::::::ﾊ::ﾄ､::l　ヽ　　　　隊全体の士気もかなり落ちている。
　　　　　　　　/:ハ:|::l::::::::::|ﾄ､　　　　　}　　　　　　　 //:::::::::::::::::/|:|＼l｀`
　　　　　　　 /'　　lﾄ､l:::::::;:ﾘヽ　　　 　丶　 　 　 　 /ｲ::/:::::::/::/:|::|::::::ﾄ　　　　　　 一度抱いた希望が打ち砕かれたわけだからな。
　　　　　　 　 　 　 ヽヽ､::ヽl:|::＼　　 　　　　　　 　 /:/:::::::/:::ﾘ:::|:::|::::::|
　　　　　　　　　　 　 　 j＼ヽ:::::::｀:.､　 ￣￣｀　 　 /ｲ:::;ｲ⌒ ﾒ､::|:::|::::::|　　　　　　 最初の腹を括っていた時の方がまだよかったくらいだ。
　　, ﾍ　　　　　　　　　 j::::|j.:.::::::/:::;:ｨl丶　　　 . イ/　'´,::l⌒f　||::|:::|::::::|
　/l　|:l　　　　　　　　 /:::::ﾘ.:.:.::y.:'.:/:::l 　｀　´　 　 ／:::::j⌒j|　||:＼:l:::::::|　　　　　　
/.::|　|::.l　　　　　_, 　 -‐'./.:.:.::/.::.:/:::::::＼ _,,...-::'´::::::::::/⌒.||　||:::.::.｀::.:.､|
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　　　　__ ／: : : : : : : : : : : : : : : : : ､
　　 ／: : : : : :_: : : : : : : 丶: : : : : : : 丶
　 /: : : : : l:l: : : :ヾ: : :＼: : :丶 : : : : : : ヽ
／: : : : : /: l: l: : : l: : : : :＼: : :ヽ: : : : : : l
: : :/: : /l⌒l: :､: : :ll: : : : : : : : : :ヽ: : : : : l
7: : : :/: l　/:/ゞ: : :l＼: : : : : : : : :l: : : : : ヽ
: : : ｌ:l: l_ゞ ｌ:l　 ＼: :ゝ-＼ : : : : : l: : : : : : :　　　　　　俺の隊は……荒れてやがるな。早速朝から乱闘騒ぎだぜ。
: : :/l: :l 辷ｌ:l　 ￣辷､:＼_): : : : :/: : : : : : :
ゞ:乂 : l　/ヾ､　　　￣__ノ: : : : / ＼: : : : :　　　　　　　飼い主のSIから見事に見限られちまったからな。
　　　):∨　　 丶　　　／: : :／ノ ／: : /
　　乂: ｨヽ　　　　　　ﾊ/ｌ:/ x-イ: : : : ゝ､_　　　　　　　正直、俺もあまり奴らを抑えきれそうにねえ。
　　　 _ノ:ヽ‐-　_ 　 　 　 ／　l: : : : l: : :ﾆ=
ゞ=ﾆ三: :_ﾊ 　　　 　,　　　 彡: : : : l : :ヽ　　　　　　　　近いうちに脱走兵が出かねない勢いだ。
　 7:/,＜　 〉-　-　´　__ -=ﾆ- l: : : : :)
　 ゞ-l　l　 从l二二二f丶　　 /: : :／ゞ
---./　,l　 彡〉二二ﾆ.l　 l ゝﾆ: :／ 　 〉、
─,/ ／ ｌ ／二二二ﾆl　 l /: ／　　／ l
　 ／　ｌ l/二二二ﾆ／　 ゝ:/ 　 ／　 /
　　　　l/二二二ﾆl　　 ／ヽ ／

4804： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/17(木) 22:29:06 ID:QbZHZMq60

　　　　　　　　　　　　　 -‐━━=ミ
　　　　　　　　　 /⌒:^.: : : : : : : : : ::＞
　　　　　　　_.-=ミ: : : : ＼: : : : : : : : :V: `.
　　 　 　 .ｨ: : : : 7:〉 :∧: : :V: : : : : : :〈/: /〉:.
　　　　 /: : : : : :|/ | : :|:V: : :i : :| : : : : V〉: : ﾊ
.　　　 /: : : : : : :|i　!::斗-V: :|ー|‐|:-|: ::|:|i: : : |i
　　　 ′l: : |i :|i |i_,.ｨﾃﾃﾐ : : |N|ｨテﾐN: |:|i: : : |i
　　　{　｜:::|i :|i |i　 r勿,　|:N　 r勿ﾉ !::|:|5!: : : .　　　　　　　　　状況としては、度を越して最悪と言う他あらへんな。
.　 　 　 从::|i: |i |i:　^¨¨　　i　　　 　 」::|:|,ﾉ: ;小:.
.　　　　　　〕: :|i |N」　　　 ,　　、　　.: /|:| : /: : :|i　　　　　　　　 私たちの勝利条件ちうたら、生き残ること、ただそれだけや。
　　　　　　　　|i ||:|:i＞　　　　 　 .ｨ :/::」:/〈: : : 八
　　　　　　　　|i ||:|:|///〕ﾆ=-　　 | l: : :/　 V⌒V:＼　　　　　　　ただ、終わりが見えへんのが問題やな。
　　　　　　　　|i7⌒V|　V寸ﾆﾆ才　!: /　　　＼_,V⌒ :、
. 　 　 　 _　--厶ヘ V　 V /⌒丶　| {　 　 -=ﾐ,V{　　,ハ　　　　　降伏したところで受け入れてもらえへんやろ。
　　　　 〈,　　 / 　 　 V　V^V__/^V　|/　/　 　 ＼　/
　　　　/∧　/　　　　 }.　 }i /　Vi{　 」　/　 ______　/　　 __　　　　　
.　　　 {　　V　 　 　 ,リ,　　}i　　 i{　 }i,　 ／　 　 |ー━=ﾐ」
　 　 r」　　⌒ー‐―(￣￣〉ﾑ　 /| 　i|／　　　　｜　 　 _.」Ｌ
　 　 |⌒ー}　　　　 /　 　 ＼ V　　 /　　＼　 　_|　　ー=ミ__ )
　 　 |　　 ﾉ　　　 ,/　　 　 　 ＼　./　　 f/―‐┐＿__　　　}　＼
　　 ∧__(___　　_/　　　　　　　　＼　　 /　￣￣〉　乙...
　　　　/　　　/八　　　　　　　_ji斗〜'へ　￣￣| 　 」(
　/　 /　　　/￣,.. ．-‐　'''""~ 　 　 　 　 .V　 rﾉ.　　　＼





　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　---　ﾆ￣￣:/:.:.:./　-――　 、
　　　　　　　　　　　　　 　 ,イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ゝ:.:.:´:.＿_――‐- ＼
　　　　　　　　　　　　　／:.: ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:-:.:.:.::.≧ｭ､ 　 ｀
　　　　　　　　　　　　/‐‐／:.:.:.:.:.:.:./:l:.:.:.:/:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:ヽ、:.: ＼
　　　　　 　 　 　 　 /:.:.:/:.:.:.:.:/:.:.:/:.:.!:.:./:.:.|:.:.:ﾊ:.:|:ヽ:. |:＼:.:.:.＼:.:.:.:ﾍ
.　　　　 　 　 　 　 /、:/:.:.:.:.:/＿/__/L// /ｉ:./ .ｉ:.:!:. ｉ:. |:.:.:.ｉ:ﾍ:.:.:丶:.:.:.ｉ
　　　　　　　　　　 |:.:. ｉ |:.:.:.:i:.:.:/／/／／7 /　//_L|:.:.ｉ: l: l:.:.ﾍ:.:.:ｉ丶 |
　　　　　　　　　　 ｉ丶|:.|:.:.:.:|:./斥拆心　／ 　/,≠､|:./:.:.!:.|:.:.:.:ｉ:.: |　ｉ:|　　　　　　　いくら情報統制がなされているとはいえ、
　　　　 　 　 　 　 ﾍ:.:ゝﾊ:.:. |:|《 ら::::り　　　　 ﾊ:::} }l/l:.:/:.:|:.:.:..!:.:.:|　ﾘ
　 　 　 　 　 　 　 　 / 　ヽ:ﾍ 　 辷zｼ　 　 　 う:ﾂﾉ /://:.:.!:.:.:.|.|:/　　　　　　　　　 私たちの生存自体が、企業連の大義に対する傷。
　　　　　　　 　 　 　 ヽ{:.:.:.:トヽ　　 　 　 　 　 ゞ'　／ // / |:./ |′
　　　　　　　　　　　　　|:. : |　　　　　　　 　 ,　　 　ﾚ':./:/:.| }/　　　　　　　　　　　　さっさと死んで口なしの仏になってほしいってとこ。
　 　 　 　 　 　 　 　 　 !:.:.: ト、　　　　　 ―　 　 イ:.:.:}/:.:.:|/
　　　　　　　　　　 　 　ﾍ:.:.:| |　 　 　 　 　 　 イ:.:.:|:.:./:.:.:.:.|　　　　　　　　　　　　　　メンツってものがあるからね、組織には。
　　　　　　　　 　 　 　 　ﾍ { l　　 ＞ 　__ イ: : |:. /::.:.:.:.:.:.: |
　　　　　　　　　　　　　　　/ ﾍ=、― ￣7　＼:|:/:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　 　 　 　 　 　 　 ,x/ |/|／|　　／　　／≧ｭ､:.:.:.:.:.:. |
　 　 　 　 　 　 　 ,､r::´/　ﾚ/≠´!　/　　 　ｉ::::::::::::::::::::::::≧ｭ､--- 、__
　　　　 　 　 .,､r:´:::::::/　 |//.| |　>´　　　　|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＿:::ヽ
.　 　 　 ､r::´:::::::::::::::/　　|ゝ　|_| /　　　 　 :|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::ｉ

4805： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/17(木) 22:37:59 ID:QbZHZMq60

:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:l:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..: ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
:.:.:/:.:.:.:./:./:.:.:.:.:.:/:.:.:.:/:.|:.:/!:.:.:.:ﾊ:.:.:.:.:.:|:.|:.:.:.:.:.:.:.:ｌ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:. |
:./:.:.:.:.:.i:./:.:.:.:.:./:./:.:./:.:.!:.i .|:.:.:.:| .',:.:.:.:.:!:.ｉ:.:.:.:.:. : |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!:',.:.::.:.:.:.:.:. |
/:.:.:.::.:.!:.ｉ:.:.:.:.:/:.:ﾊ:.:./ｉ:L|_i_. |:.:.:.|　ｉ:.:.:.:.:i .!:.:.:.:.:.:.;|、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| }:.:.:.:.:.:.: : |
:.:.:.::.:.:.|:.|:.:.: : ｉ:孑ｉ´,'|| |:.| | ｀ﾄ:. |　 !:.:.:.丁弋:｀:ﾄ-|､ｉ:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:} ｉ:.:.:.:.:.:.:.:.:|
:.:.:.:.:|: |:.!:.: ´:,'|:|　!,'　.|　ｉ:ｉ　 ',:.:|　　＼:.:! . ヽ:.:.:.:.|　 !｀ヽ:!:.:.:..:i:.:!:.:.:.:.:.:.:.: |
:.: :.:.|:. !:.',:. : { ﾘ　|ｉ　　　ｉ|　　ヽ|　　 　＼', 　.＼ | 　 ﾏ:.,':.:.:.:/:.,':.:.:.:.:.:.:.:. |　　　　　　　「俺たちに味方してくれそうな勢力は？」
:.:.:.:.:!:.: ',:.i:.:.:.:! 　 |　　　 | ＿　.|　　　　＿ヽ 　 .ヽ　　ﾏ:.::.:.///:.:.:.:.:.:.:.:.: |
:.:.:.:.:.',:.:.:.',ヽ : ', ヽ,,,____,,,,,,=＝　　 　 　＝=,,,___,,__ ｲ. //:.:///:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　　　　　そこらじゅうに散らばってるテロリスト集団とか？
:.:.:.:.:| ',:.:.:.:トヽ:.',　￣´´´´　　　　　　　　　｀```￣ 〃//ﾚ〃:.:.:.:.:.::.::.:.: : |
:.:.:.:.:|　ヽ:.|:.:..:.＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／／: !:.:.:.:.:.:.::.:.:.: : |　　　　　　　 数年前……ストレイト・クーガーやカズキ・M・ウッドブリッジが
:.:.:.:.:| 　 ヽ:.: : ﾊ　　　　　　　　　 ｉ 　 　 　 　 　 ／/:. !:.:. : |:.:.::.::.:.::.:.:.:.:.:.|
、: : |　 　 !.:.:.:.:ｉﾍ　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /:. /|:.:.:.: |:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　　　　　台頭していた頃の反企業連勢力がいたならまだしも、
. ＼:| 　 　ヽ:.:.:.:! .＼　　　　　 ― ―　　 　　 イ/:.: / |:.:..:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　 |　　 　 .＼ :.ヽ、. ヽ　　　　 　　　 　 イ 　./::. / ｜:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　 今となっちゃ烏合の衆以外の何物でもないしね。
　　　　　　　　　＼ ヽ ./|　＞.、 　 , ＜　|, 　./:.:./.　｜:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　 　 ヾ≠＼.　 　｀´　 　／.ｉ､/:／ . 　 |:.::.:. |:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　　　　　　期待はしない方がいいと思う。
　 　 　 　 　 　 ,､r´　.|　 　 ヽ 、_　- ´　　.|/　ヽ . 　 !:.:. : |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　 　 ,､r:´/　 　 .|　　　 /、　,ヽ　　　.|　　∧｀ヽ.|:.:.:.: |:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　 ,､r::´:::::::::/.　　 　 |　　 /ゝ‐‐./ ｉ　　 .|　 　 ∧:::::｀ヽ:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―　　- 　 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　´　 　　 　　　　｀
　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　 /　　, 、　 　　　 　　ヽ　 ｀
　　　　　　　　　　　　　　´　 　!　ヽ 　 　 　 　 Ⅹ!　　∨　　　　　　　　　　テロリストゆうたところで、大半は元民間人。
　　　　　　　　　　　　　　| !　　! ヽ_|　i ヽ 、ヽ 　 |　 ＼＼
　　　　　　　　　　　　　　| !　　ﾄ近丶|＼|近八　 !　　、＼＼　　　　　　　　口減らしでコロニーを追放されて、それで武器を与えられて、
　　　　　　　　　　　　　 ∧.　 八　　　、　　　´_| |　 　ヽ　.＼ヽ
.　　　　　　　　　　　 　/　ヽﾙ ,_ 丶 　‐　　 ｲ、.! !ヽ　 　＼ 　＼＼　　　　　生きていきたければ敵対企業を攻撃しろ、
　　　　　　　　　　　　/./|　／　　 ,l:::::-::::::::::〉 ヽﾘ ;　i 　ﾄ、＼ 、i 　}
　　　　　　　　　　　 { ｲ .! _｀￣7 .//｀´￣i:::|　｀/ヽ―.、i.ﾊ 　ヽ　　　　　　　 なんて代理戦争をしているだけの人達や。
　　　　　　　　　　　 ヽ 　/:ﾊ￣__|:::＼ ／:::::い　.／::::::::.、 ﾚｿ/
　　　　　　　　　　　　 ／::::::::〉.|_|::::::::|||::::::/∧　八::::::::::::ヽ　　　　　　　　　　 練度が低いとか、規模が小さいとかもある。
　　　　　　　　　　　　ト===/..:::::::::::::≠ ´:::::::::∨　 i＝＝＝)　
　　　　　　　　　　　　 > 　 |{:::::::::::::||:::::::;::::::::::::i　　ﾄ 　 　 /　　　　　　　　　　……最悪、企業との繋がりが強ければ、売られるかもしらん。
　　　　　　　　　　　　 ｿ　.ｿ.、::::::::::!!::::::::::::::::::::!　　ヽ　　 〉
　　　　　　　　　　　　/ 　!　.{＝´:::≧::::::｀＝´!　 　 }|　　丶
　　　　　　　　 　 　 〈　　|　/|::::::::::::::!!:::::::::::::::|　　　||　　　i
　　　　　　　　　　 ノ　 　||/, |::::::::::::::||::::::::::::〈.!　　 /、　　.ﾄ、

4806： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/17(木) 22:41:23 ID:QbZHZMq60

　　　　 　 　 　 　 　 　 r,―zzz-、
　　　　 　 　 　 　 　 　 |l 　　 　∧__　　　　　　　　 ＿
　　　　 　 　 　 　 　 　 |∧　　　 ∧: :＞ ､　　　,..ィ∨∧
　　　　 　 　 　 　 　 ／|/∧　　　 ∧: : : : : :＜////∨∧
　　　　　　　 　 　 . ':／イ: :| 　 　 　 |: |: : : : : : ヾ'　　∨∧
　　　　　　　　　　':.//: : : /乂＿＿ノ|: : ､:{: : : : : : :. 　 ∨∧
　　　　　　　 　 /: :{/: : : : : : :.:∧: :/ |: : :!:＼: : ',: : : :..　 ∨∧
　　 　 　 　 　 /: : :' : : : : ｲ´/￣|:7ヽ|: : :!: !: ＼:!: : : : : .　∨∧
　　　　　　 　 ': : :/: /:/:./:|:ｲｨr=ｫ､　{: :.:.|: |-､:.:.|: :.:.:.ﾄ､: .　 ＼_〉
　　　　　　　/: : /: ｲ:/:ｲ:.:.圦込り　 乂:_｣ __| |: :l: : : :|　｀＼
　　　 　 　 ,: : :/:´: :'∧ : : l 　 　 　 　 　 之ｵ|:./:.| ,:.:|
　 　 　 　 /: : : {: : : : :|＼: 〉　　　　　 '　　｀¨/': :.八: |
　　　　　/: : : : :,: : |: :.|: :| ､　　　r ―.､　　 /: :|:/　 リ
　　　 ／: :/: : :∧: :, : |: ,　 ＼　 ゝ　ﾝ 　 .ｲ: :./'　　　　　　　　　　私からは良い報せ。マーシフルはなんとか応急処置終わり。
　　 /: : :./: : :/: : :, : : |＼　　 ｀ 　._　 ＜:./:イ: .
　　,: : : ,.　 ´〈ﾑｰ.∨: | /∧　　 /＼|: : : ,: : :ト､:.　　　　　　　　　　スタリオンは木っ端みじんになっちゃったけど、
　 /: : /　　　 〈ﾑ }!∨{' //|　　 {　/l|: : : l: : :|　 ,:.
　,: : :/　　＼:　〈ﾑl| }:ハ/}l|　　 ∨l∧: : :|⌒Y 　 : .　　　　　　　　　大破したヘルヴォルからパーツ取りできたからね。
./: : :|　 　 　 ＼〈ﾑⅥ: :.}　|-､　 _∨ l〉,: :! 　 l,　 }: |
': : : ,'　　　　　　 〈l／{: : 〉l|　　　　∨〈: :ﾊ.　 :.　 l: |　　　　　　　　　それを改造すれば、後々本格的な修理もできると思う。
: : :/　　　　　 　 　 |　〉: {/　　 ::.　　＼〉: :}　 |:.　l: |
: : {　 　 　 　 　 　 八': :ﾉ＼__　 :､　　　ヽ:ﾑ　ヽ ,: :|
: : :＼　＿＿__ 　 /´ 从{　ﾏ/ ＼ Y　　　/＼　 }' : |
: : : :////////∨　 /: :.| 　 }､}　 ＼＿／---∨:.∨
: : :///////// | 　 {: :从　 ||　　　　　 ￣{/ｲハ: :{
: : {///r―--､/::::::..¨´...　 /'　　　　 　 　 　 | | }: : .
: : :＼_j!　　　 |:::::､::::::::::::::/,'::::::::::_-- '　　　 ///: : : :.
: : : : : ,　　 　 {:::::::｀::..._／ｲ_,...＜＿::::::::....／／: : : : : : .
: : : : :,　 　 　 l　 　 　 { {　　　　 　 ｀7¨7 ´|: : : : ,: : : : : .
: : : : ,　 　 　 ,　　　　　ﾏ､　　　　　 / / 　 |: : : : : ,: : : : : : .

4807： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/17(木) 22:45:30 ID:QbZHZMq60

　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,.．-=ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ)
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 //////￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　 　 　 　 　 　 -―‐ //////
　　 　 　 　 　 　 　 ／: : : : : : :/≧=-: :｀ヽ
　　　　　　　 　 　 /: : : : : : : :/'´: : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　′: : : : : : : : : : : __/__|: : : : :.＼＿
.　　　　　　 　 　 i: : : : : : : : : : : : : /‐-_|: :|: : : :｢￣
　　 　 　 　 　 　 |: : : : : :/.:ｲ : : : ｬ芯｢/.:/ : : : |
　　　　　 　 　 　 |: : : : :/:（_|: : :|:{ 　 /／　>: :.ｲ
　　　　　　　　 　 |: : : : |/.: :|: : :|: 〉　　、 , : : :|:|　　　　　　　　　　一番の朗報としては、ロストワードの鹵獲かな。
　　　　　　　　　　|: : : : }:､ :八: ﾙ _　 　 /: :/|:ﾚ
　　　　　　　　　 /: : : : :ヽ:｀^メXxメx￣ }イメXｘ　　　　　　　　　　コックピットブロックがぺしゃんこになってるけど、
　　　　 　 　 　 /: : :. : : : : : : : :｀ﾏメXxメx､ ｀^メXx
.　　　 　 　 　 /: : :. : : : : : : : : : :∧ / ｀＾|: :＼　　l: :＼　　　　　　　機体全体としてはかなり状態は良い。
　　　　 　 　 /: : :. : : : : : : : : : : : :∧　　 ＼｢｀＼ |:/⌒
.　　　 　 　 /: : :/: : : : : : : : : : : : : :∧　　　　　　〉　　　　　　　　　 装甲やコックピットの交換さえできれば、すぐにでも運用できる。
　　　　 　 /: : :/: : : : : : : : : : : : : : : :∧＿＿_ ／|
.　　　 　 /: : :/: : : : : : : : : : : : : : : : : :∧三≧=イ　　　　　　　　　　今すぐは無理だけどね。
　　　　 /: : :/|: : : : :{ : : : : : : : : : : : : : : ﾊ｢　 　 |
.　　　 /: : :/ .|: : : : :|: : : : : : : : : :.､: : : : : :＼　　|
　　　/: : :/　 |: : : : :|: : : : : : : : : : : ＼: : : : : :＼.|
　 　 ｌ: : :.ｌ　　|: : : : :|: : : : : : : : : : : : : :＼: : : : : :＼
　 　 |: : :.|　　|: : : : :|: : : : : : : : : ､.: : : : : :＼: : : : : :＼
　　　＼: :＼_｣: : : : :|: : : : : : : : : : ＼: : : : : : ＼: : : : : :＼





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,. : ´: : : : : : : : : : : :｀_: . ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／: -: : : : : : : : : : : : : : _:＼:＼
　　　　　　　　　　　　　　　 , -＜: : : : : : : : : : :ヽ: : : : : ヽ: ヽ:＼:ヽ
　　　　　　　　　　　　　 　 /: ,: : : : : : : : : : : :､: : ∨: ､: : :∨: _ : ヽ::.
　　　　　　　　　　　　　　,:': /: :/: : /:| : lV∧: |: : : V: :V: : :V: ,x: ∧::.
　　　　　　　　　　　　　 /: /: :/: : :l|: |: :l| 　 |: }: : : :|: : | : |: |/_,}:〉:､|: l
　　　　　　　　　　　　　.': .': : : : : :|:|_:|: :l| 　 l: | : : ∧: :| : |: |: : |/ : |: .
　　　　　　　　　　　　　|: |: : : |: : :|:l: :＼|　 从|: ,: |　|:_／:|: |: : }_: : |: : 、
　　　　　　　　　　　　　|:∧: ,: V: 从ィ雫≧､　|∧:| ｨ≦雫ﾐ:|: /-ﾐ,|:|: :V＼　　　　　　　　修復が終わった後は、私が乗る予定になっとる。
　　　　　　　　　　　　　|:{　V､: ∨:l∧ Vzり　　　}'　 Vzり ﾉ|/r､ ﾉ|:|: : |: ､:＼
　　　　　　　　　　　　　ゞ　 }: ＼〉:∧　　　 　 　 　 　 　 　 ,､_／: |:|: : |: : ＼:ヽ　　　　　　扱いにくい機体っちう話やけど、最高クラスの
　　　　　　　　　　　　　　　 |: :|: :| : ∧　　　　　'　　　　　 ∧: :|: : |:|: : |: : : : ＼: .
　　　　　　　　　 　 　 　 　 .': :|: :|: /:个 .　　 　- ､　 　 . 个:l: :|: : |:|: : |＼: : : :､ヽ}　　　　　性能を持っとることには変わらん。
　　　　　　　　　　　 　 　 /: : :|: :|:八: }: | ＞　. 　 　 ＜|＼: : : ,: : |: : ∧: |＼: : }
　　　　　　　　　 　 　 　 ,: : :/:|: :|: : :〉l从/.|＼::｀´-:／ |、 ＼- ､: V:/: :l :|　 ∨|　　　　　　　ベストを尽くすつもりや。
　　　　　　　　　 　 　 　 {: :/__|: √/　{' /...|　 ＞＜　　|..V　 ＼ ｀7'＞ ､:|__　}/
　　　　　　　　 　 　 / ｢￣´　 |:/ ＼　 ,'......|　////∧ /....∨ ／| /　　　｀Y⌒＼
　　　　　　　　　 　 '　 |´￣￣/ || 　 V....../|ｲ　〉-〈　 ,.........∨＼〉　 　 　 / 　 　 ヽ
　　　　　　　　　 / 　 ∧ 　 ／|/---/... /...|　////| ∧........∧￣￣＼　V　　 　 　 :.
　　　　 　 　 　 /＿_/＿／｢￣　　 ,.＼/.....l　|/// |/...∨./.....∨ /　　∨　　　　　　 ＼

4808： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/17(木) 22:49:59 ID:QbZHZMq60

　　　/　　　　　/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　/　　　　 ,': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　/ /　　　|: ,: : /: : : :/: : : : : i: : : : //ﾊ: : : : : : : :
　　　 /　l　　　1: /!: : : / /: : : ://: : :/ノ ノｨ: : : : : : :
　　　,|　 |　|　 |':.:|≧: . |:/:／:/_仁ｨ:≦Zz／ｨ: . r‐､: :　　　　　　　そいつは結構。で、結局これからどうするんだ。
　　　 |　|　|!　 |!:.|ゞｾl:.:ﾄ;イ／ﾗ人 ゞ仍;ｊ　 /ｨ::/ う l: :
　　　||　|l　|l　 |:.:|￣´|:l ／　　キ 　￣´､　 /: | 仆 |: :　　　　　　　今すぐに次の拠点候補地を探すべきだ。
　　　 |ヽﾄ　||,　|::|　　 ｿ　　　　　ｷ　　　 ／: : | .ﾚ /: :
　　　　|: : ', |:',　'!　　/　　　　　　 キ r‐1: : :─ '"´: :　　　　　　　　この艦は戦闘拠点としてのみ運用し、
　　　　 |: : ヾ: ', ﾄ,　 ヽ-‐ ､　　　　 ヾ!: : : : : : : : : : : :
　　　 '´: : : : : :.ヽ!＼ 　 ー─‐─　　 ﾊ: : : : : : : : : :.:　　　　　　　　それとは別に生活拠点を確保するべきだと、医者として進言する。
　　　: : : : : : : : : : : : ＼　´￣ ｀ ､, ＜|::|: : : : : : : : : :
　　　: : : : : : : : : : : : : <`ー　≦:::::＼: :.|: : : : : : : : : :
　　　: : : : : : : : : : : / ∨: :ﾊ: : |: : : : |: :|: : : : : : : : : :





　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｘ‐＝ミ ＿＿＿
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ｘ‐＝ミ.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀::..
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:ヽ/ヽ┐.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　 　 　 　 /.:.:.:／⌒V{.:.:.:.:.:.＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.::.
　　　　　　　　　　　 　 .:.:.:.:.ｲ:.:.:.:.ヽ:.|!.:}.:.:.:.:.:∧.:.:.:.:.:.＼.:.:.:.:.:.:ハ
　　　　　　　　　　　　 |.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.}ｖｲ.:∨.:.:.ハ.:.:.:.:.:.:.:.:＼.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　 |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾉ　|.:.:.}.:.:.:.:八.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}.:.:.:.:!
　　　　　　　　　　　　 |!:}:./.:.:/.:./|　　|.:.{ ＼.:.:.:.:.＼ .:.:.:.:.:.:.|.:.:.:.:}　　　　　　　　限りなく難しいって点に目を瞑れば合意だ。
　　　 　 　 　 　 　 　 八ｲ.:.:.{.:.ハ| 　 .|.:.| 　_＼:.:.:.:.:＼.:.:.:八＼{＿ノ
　　　　　　　　 　 　 个.:.:|.{.:.:.:{えﾄxヽ |.:.| ´Ｚrたｱ‐=彡.:.:.:.:.} ーイ　　　　　　　 俺としては、なんとかどこかしらの企業と再交渉、
　　　　　　　　　　 　 |.:|!.:{.:＼{､　　 :} |.:.|　 　 　 　 丿.:./..:/.:.:.:.:.:}
　　　　　　　 　 　 　 乂.:/:乂_ 　 　 | 乂:､　 　ｰ=彡.:.:/／.:.:.:.:／　　　　　　　　拾ってもらうべきだと思うね。
　　　　　　　　　　　　　 {.::ハ∧　　〈　 _　＼　　ｰ=彡ｲ.:./. イ
　　　　　　　　　　　　　 乂 /.:.∧　　　　　 　 　 　 / |:|.:.:.:.:ノ　　　　　　　　　　 結局、それができなきゃ全滅だ。
　　　　　　　　　 　 　 　 　 {.:.:{.:∧　 ─‐-　　　／ｰ=彡 .:.|
　　　　　　　　　　　　　　　 乂.:{.ハ　 ⌒　　 ／　　 |.|.:.:.{八　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　{ : : ＼ 　ー─＜ ＿ .　イ}.:.:.:.ト　.
　　　　　　　　　　　　　　　|: : : : : ＞┐　　　 |::|　　|.:.:.:.ﾉ: : : :＼
　　　　　　　　　　　　 　 r┤: : : : : :Ol!　　 　 |::|　　|.:.:(: : : : : //
　　　　　　　　　.　‐＝　 ＿} ＼: : : Ol!　　 　 |::| 　 ﾊ:.:.:＞ : //
　　 　 .　‐＝　　＝‐　´: : : : :＼＼:＜ 　 ｰ＝|::|　/ ∧ﾉ: : ＜ ＝‐　.
　 ／　＝‐　´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼ ＼ {::{　　　 ∨: : : i|:｀　‐＝ ＼

4809： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/17(木) 23:00:21 ID:QbZHZMq60

　　　 　 　 　 , - ‐‐‐-　、:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ、　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.ヽ、
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　 　 ｉ:.:.:/|:.:.:.:. ',:.:.:.:.:|-/_|_|　　ヽ／,イ圷≧ｉ:.ｉ:.:.|:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　　　　　私たちは四大企業、その全てを敵に回してる。
　　　|:./ .|:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:!:.ｉｲうﾐ　　　 　 {::::::::ら |:}:.:|:.:.:.:!´.ヽ:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
　　　|/　 !:.:.:.!:.:.ヽ:.:.:.|〃{:::j　　　　　 辷シ　!:.:./:.:./| ヽ.} |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　 「ノルドルムは？　あそこは立ち位置が微妙だ」
.　　　|.　　',:. | ',:| .|ヽヽ｀.ﾋﾘ　 　 　 　 　 　 /:/／:.:.:!　/: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
.　　　　　　ヽ|　ﾘ　!:.:.ヽ＼ ヽ　　　　　　　.〃|:.:.:.:.:./_/／.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　　　IGIOと距離があるとはいえ、結局は傘下企業。
.　　　　　　　ヽ　　ｉ:.:.:人　　　 -‐-　　 　/　 !:.:.:.:./／. 　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　 　 　 　 　 　 ',:.:.:.:.ﾍ　 　 　 　 　 　 　 |:.:.:.:/.　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　IGIOに背いてまで私たちを迎え入れるとも思えない。
　　　　　　　　　　　 ヽ:.:.{　ヽ、　　 　 　 .＜.|:.:./l　 　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　 ＼ｉ　　　＞.-t ´　　　|:/‐┤、.　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
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　　　　i:.:./ |:.:.:|:.:.:|:.:.:. |,イう≧､ヽ 　 ヽ|芹う≦、:.!:.:.|/|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　……私は、企業連が把握していない、
　　　　|:/.　!:.:.:!:.:.:!:.:.:.《 {::::::::ら　　　　´ {:::::刈 》/: /ヽ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　|j 　 ',:. |:.:. |＼ヽ. 辷シ　　　　 　 辷シ /:／:} /|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　潜伏先にできる場所を探すべきだと思う。
.　　　　|　　 i: |!:.:.|:.:.:.:ヾ､　　　　　j　　　　 　 /!:. : ｉ_,' |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　 ﾘ ヽ|!:.: : ﾍ　　　　　　　　　　　　 }: : /　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　 通信衛星が死んでいる今の時代、可能性はある。
　　　　　　　　　　 ',:.:.:.:.{ヽ　　 　 ￣　　 　 ／/:.:,' 　　! :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　 　 ヽ :.:.ｉ　＞　 　 　 　 イ　/ :./　　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　 このまま戦うのも逃げ続けるのも非現実的すぎる。
　　　　　　　　　　　　＼ヽ ,rヽ. ＞＜　_／|/／　　 　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　　　　　　　　　 　 　, ヾ､{　　 ≠<´　　./｀ヽ、　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　 　 　 ,､r::´::/　　!　 /､　 ヽ　 /　　|::::｀ヽ、.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　 　 　 ,､r:::´:::::::::::::/　 　 {､/ゝ－/', 〃　 　.!::::::::::::｀ヽ、 :.:.:.:.:.:.:.:.|
　　,､r::´::::::::::::::::::::::::/　　　　',　 }≠/　/　　 　 ',:::::::::::::::::::::｀ヽ､ :.:.:.|
　/::::::::::::::::::::::::::::::::/　　　　　ヽ/ / ヽ/.　　　　　',:::::::::::::::::::::::::::::ヽ :|

4810： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/17(木) 23:07:08 ID:QbZHZMq60

　　　　　　＿＿＿
　　　　／　　 　 　 ＼
　　 ／　　　　　 　 　 ＼
　／　　　ノ　 ヽ､_　　　 ＼　　　　　　（見事に意見が分かれてるお……）
　|　　 （ ●）　（● ）. 　 　 |
　＼ ｌ^l^lｎ__人__)　 　　 ／
　 ／ヽ 　 L⌒ ´
　 　 　 ゝ 　ﾉ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
作戦指揮班、医療班、戦闘部隊の議論は、平行線になりつつあった。
正確には、作戦指揮班と医療班の意見は合致していると言える。
だが、戦闘部隊とは明らかに対立していた。

ディランディの意見に、黛も沈黙を以って同意している。
どんな方針を打ち出したとして、実際に前線に立つのは彼らだ。
ましてや黛隊からは死傷者が出ている。ほとんど降伏ムードと言ってもいい。

席に集まった面々の間に、幾らかの沈黙が横たわる。
それぞれの事情が重なり、それでいて噛み合わなくなってしまっていた。

そんな中、静かに聞き手に回り続けていた真壁が口を開いた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4811： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/17(木) 23:11:09 ID:QbZHZMq60

/∧　／: : : : : : : : ／: : : : : : : : : :彡: : : : : : }ミ: : )
//∧': : : : /: : : : /: : : : : /: : : : : :}: : : : : : : :{: : : 乂
///∧: : :/: : : : /: : : : : /: : : : : :/: : : : : : : : 乂: : : : ヽ
////∧: {: : : : /: : : : : : : : : : : :/{: : : : : : : : : : : ヽ: : : }
/////∧: : : :/: : : : : : :{: : : : :,/ 乂＿: : : : : : ヽ: :}: : /
//////∧: : {: : : : : :.:.人: : : :.{∠三三ヽ: : : : : :ソ: : 乂
///////∧: {: : : : : : : : :.＼:.人　 ＜以 ヽ: : ／: : : : :ハ
////////∧乂: : : : : : : : : :ト､_＼　　..::　}／　`''＜.从/　　　　　　　　　失礼、少しいいかね。
/////////∧　＼: : : :、: :人　⌒ 　　　　　　　　　/
//////////∧ 〈 　￣｀`ヾハ　　　　　　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　「真壁さん、どうぞ」
///////////∧ ゝ　　　　　　　　　　　　,,　 '' ''　)
////////////∧＿Y　　　　　　　　　　 r ／ 二)　　　　　 　　　　　　　　今しがた、よくない連絡が入った。
///////////// |: :{ !　　　　　　　　　　〈　　　　|
///////////// |:从 !　,,　　　　　　　　 　 　 　 |
///////////// |:〈 今s｡.., ,, ,, 　　 ,,　　　　　　 |
///////////// |　　　　　　　 ｀゛¨ '' ‐-　...,, __人＿＿
///////////// |_,,..　-‐　'' "´:::::::::::::::::::::::::::::::::＼:i:i＼i:i｀`〜､、
///////////// |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:i:i＼i:i:i:i:i:i:丶
//////////////:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∨:i:i∨i:i:i:i:i:∧

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
不穏な言葉を発する真壁に、全員の視線が集中する。
当の真壁は冷静そのものではあったものの、眉間には深い皺が刻まれていた。

だが、彼はあくまで民間人代表だ。戦闘に関わることはない。
彼が発するのも、基本的には艦内の民間人の内情だ。
今の状況以上に致命的なことは言わないだろう。

誰もが、ぼんやりとした油断を抱いたに違いない。
少なくとも、自分はそう踏んでいた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4812： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/17(木) 23:22:09 ID:QbZHZMq60


　　　　　　　　　_ノ: : : : 彡: : : : : :`ー-　、
　　　　　　　.／: : : : : : : : : : : : : /: : : : : :＼
　　　　　　 /: : : : : :.:/: : : : ／: :Y: : : : : : : : :ヽ
　　　　　　 ): : : __: :/: : :,／: : : :从: : : ヽ: : : : }
　　　　　 ./: , -'_ノ: : : :/: : : :／⌒ｱ: : : }: : : : }
　　　　　〈／／_〈: :／｛: : : :.}　　ハ: : : : : : : :,′
　　　　　.'　/　/: :V__ 〈: : : :/　 ＿_∨: : : : :/　　　　　　　　　　　　　　　避難民の中から、不審な動きをしている者を拘束した。
　　　　　| /　/-- ､茫ﾄ.〉: /=≦茫ﾃ }: : : :/(
　　　　　|,′´ ,へ_｝￣ {ﾊ{　`ｰ　　 ,八: ,ｲ}: }―､――――　 ､　　　　　 その者の持っていたPDAから、座標データが送信されている
　　　　　( 　 ノ ,_　〉　　..:; 　　　 　 },／_ノ:./::::::∧　　　　　 　 ∨
　　　　　 ヽ　　ゝｲ:,　　, ,ヽ , , ,　　　 /: ／:::::::::: ∧、　 　 　 |::::∨　　　　ログも発見されたという。送信先は――
　　　_､‐''゛ ヽ　　 ＼､{ - -- - ､}　 ｨ(},/::::::::::::::::::/::::.　　　　 |::::: ∨
_､‐''゛ ／: : :.∧　　　 ヽ ,ﾉ;,,　 , , メ:i:i:i:∧::::::::::::::/:::::::|　 　 　 !::::::|　,　
　 　 /＼__, --〉　　　　〉ー‐=≦:i:i:}:i:i:i}　,::::::::::/::::::::::| . 　 　 |:::::::| ｜
　 　 |::::::::/ー !　 　 　 |、: ＼:i:i:i:i:i:}:i:i:i}　∨:::::|::::::::::::|　　　　|:::::::|　乂
　 　 |:::::/: : :./｀丶、＿| ＼: :.∨i:i: }:i: ﾘ　｜:::/:::::::::::/　　　 /::::::/ 　　 ヽ
　 　 |: /: : :./　　　　　 ｱﾄ-＼:∨i:i:i: /　　|::/:::::::::::/　　　 /::::::/／::::::...　∨
　　 ／:::|／　　　 　 ／::::::::／　＼:i:/ . 　 |"::::::::::::|　　　 /::::::/:::::::::::::::::ヽ ∨




: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ,爪 : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :}|j{ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
-─━━─-ミ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .j{:|:j{.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
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ニニﾆ=.`ー─＜三三三≧＜二ﾆ=-　　　　　　　　　　　　　__{　人_,|
ニニニ ,　---- ､￣￣￣　　　｀　＜ニ≧s｡　　　　　　　　　{　'´'Y´ ﾄ､　　　 ｡o≦￣≧s｡　 　 　 　 　 .’ ,　　　　　　　　　 ＼
ニニ . ＼ー-　＿`ー────=彡'´⌒'＜ﾆ≧s｡　 　 　 ／ ゝ　.|　ﾉ　＼／:::::彡=-＝ミ:::｀ヽ　　　　 　 　 .＼　　　　　　　　‘,＼
ニニニニ.`ー─=ミ¨　=-　　　＿＿__　　　　`寸ニヘ､　 ‘，　　 ..|　　　./{　ゝ　(　　　　 )):::::',　　　　　 　 　 .'＼　　　　　　　.'，
＼)⌒＼)⌒｀..｡ﾟ　　｀ ＜　　　　　 {//　　　　_　｀寸､ニ>､　ﾏ77〈￣}ーｲ/＞s｡::::≧=-　-=彡::}　　　　　　　 　 '，＼　　　　　　 )
　 　 　 　 . ／/　　　　　＞≦≧s｡ム__＿／/＞/7ﾆヽニヘ､∨∧　}//{=ﾐ////≧=-　　-=彡ﾍ 　 　 　 　 _､-= '， . 「――ノルドルムだ」
　　　　　..ﾉ　(　　　　　,ｲ//＞‐‐‐ミ//｀ヽ//〈　〈〈ﾆﾆﾆ＞ミﾆﾆxく￣'，',　　寸/////////＞─〈　　　 　 .⌒)　　 '，　 ＼＿／　 )
..--､　　(　　 )　　　　////　/´￣ ヽ/ﾑ/ﾍ　ﾏ≧ﾏﾆﾆｱ´;;;;;｀ヽﾑ:::∨∧∨　 ∨/////／──､　ヽ　　　...／　　　 }　　　　　`ー"
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ニ=-.) ／'´　　　　　Ⅶ/ハ___{＼'´///ﾘ//ﾘ　{　　 {:::::ﾍ;;;;く`'´ﾉ|::|:::::}　　　,ィﾆく　`ー───--=ﾆ二＿≧s｡
ニ . ( (　　　 (￣ 二弌ﾆ{__}//ゝ'//＞く/,xﾍ　 ＼　ﾟ｡::::::＼二ﾆｿ |:::〈　　／/　　＼　　　　　　　γ⌒　　￣￣ 　 ＼　　’ '
ニ . ﾉﾉ　　　　) ノ　 Ⅳ　　＞rr''“////ｱ__　{≧s｡＼ﾍ:::r.､::::::::::::::|(|::｡o≦彡,　　　 メ､　　　　　(( . /　　　　ﾉ　　　 )＼　　　　　 )ヽ
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　..弋＿＿　／///／　弋＿_彡'　(∨　 __/／＼////////ﾘ//,　　|//￣'Y//////　{　{　 ／　　 .∧__／　 _､- ＜二-　　　 ＼
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　　　　..ム ィ´　　　　　　　　　　 /　 /　{￣:::::::::::::}￣/::::: ::|⌒Y＼_|￣＼二／　　oﾟ　(:_:／ _ ､- ＜＿＿＿､--　＿
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ニニニﾆ=- ''"~￣　　　　　　 _､-=ニニニニニ---_､-''"ニ-　_ニ/ _-ﾆ-}　',ﾆ-　 ,'ニﾆ-}　　 .',ニﾆ-_ 　.‘,ニ=-_　',ニニニニ-_
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4813： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/17(木) 23:22:30 ID:QbZHZMq60
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4814： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/17(木) 23:25:35 ID:QbZHZMq60

　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|　　　　　　　　今回はここまでだ。
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,　　　　　　　　次回は3/24の20時から、としておく。だが、雲行きが怪しい。
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|　　　　　　　　モコイさんまたしばらく休めなくなるかもしれない。
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,　　　　　　　　とりあえずシーユーアゲイン。というかアイルビーバック。
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´

4815：安価のやる夫だお：2022/03/17(木) 23:27:58 ID:6pfmcLug0
乙

4816：安価のやる夫だお：2022/03/17(木) 23:29:21 ID:dF23K0UI0
乙でした

4817：安価のやる夫だお：2022/03/19(土) 16:52:52 ID:aUMf/eXo0
乙

4818： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/24(木) 20:01:03 ID:BZifX/wU0
　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ　　　　　
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ 　　　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´　　　　　　
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||　　　　　　　　
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

4819： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/24(木) 20:11:17 ID:BZifX/wU0

　　　　　　　 ､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|　　　　　　　　三十分くらい前になんとか帰宅できたモコイさんだよ。
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i　　　　　　　　　とりあえず投下をするのだ。書き溜めもないけれど。
　　　 　/ : : : : : : :┌─┐
　　　 　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ　　　　　　　　頭がぼんやりするけれど。愛があればなんとかなるっていうし。
　　　 　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿
　　　 　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ　　　　　　　　　　やっていこうか。
　　　　 と_ : : : : : : ノ : :ノ
　　　　　　￣￣￣　￣

4820：安価のやる夫だお：2022/03/24(木) 20:22:25 ID:8SnnJaJU0
ハロー

4821： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/24(木) 20:28:21 ID:BZifX/wU0



　　　　　　＿＿＿_
　　　　 ／　　　 　 ＼
　　　／　 　 ―　　―＼
　 ／　　　（ ●）　 （●） ＼　　　　　　　　　どーしてこんなことに……
　 |　　　　　　（__人__）　　　|
　 ＼　　　 　 　｀⌒ ´　　／
　　　/´⌒｀￣ ￣　｀ 丶'
　 　 |　 　 　　＿ﾞ＿ ､　　＼
　　　ヽ　イ´￣ /　　ヽて 　 〉
　　 　 l 　　　 /　　ｒ 　ヽ彡'
　　　　ヽ 　　/　 　 ,ヽ　　ヽ　　 　 　　　 _-‐､
　　　 ,ィヽ 　　　　 /　 Ｙ 　 ゝ‐-､ ──´　 │
　r_-ィ__ﾉ_ヽ､＿＿ﾉ＿_「＿＿＿ﾉ__＿_＿＿」

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
温かみのない真っ白な照明が目に痛かった。
外気から完全に遮断されて、機械から排気された妙な臭いに包まれる中、
何十人という人間が狭いポンプ室にすし詰めになっていた。

深い理由があったわけではない。
自室へと帰ろうとしたところで、道に迷ったのだ。

あてもなくふらつき、辿り着いた場所がここだった。
重たい防火扉の先には、犇めき合う人々が硬い床の上に毛布を一枚だけ敷き、
その上に横になったり胡坐をかいたりしていた。

誰もが何日も同じ服を着ているようで、服はよれ、顔はやつれている。
老いも若いも、男も女も、みんな等しく、憔悴しきっていた。
自分がふらりと入り込んでも、視線一つ寄越しもしない。

真壁や間が生活拠点の確保を進言するわけである。
入り口脇のわずかなスペースを見つけ、そこに腰を下ろした。

とにもかくにも、脱力して壁に背を預けたかった。
歩き疲れたというより、精神的に疲弊しきっていた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4822： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/24(木) 20:37:23 ID:BZifX/wU0

　　　　　　 　　ヽ ､______＿＿ ヽヽ. ､
　　　　　　　_,, ..≧::::::::::::::::::::::::::ヽV::ヽl
　　　　　　 ,.イ::;ィ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`＝イ/
　　　　　　 /／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::<
　　　　　　〃::::::::::::;ｲ／/ﾘ|:/|:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　∠::::::::从（ 　 　　l/ !::::::::::::::::::::::::::::::: ヾヽ
　　　　　　/イ∧` ､,,ｨ≦=ｒヽl／ﾙ::::::::::::::::::::::::ヾ、
　　　　　　　 〈_≧ｒ=!:::::::ノ　　　　ﾘ:::/ヽ:::::::::::::ｌヽ　　　　　　　　　おまっ……やる夫じゃねーか。
　　　　　　　　!:::::/　 ￣　　　　 　 lん） !::::::::::ﾙ
　　　　　　　　`ｌ〈　_　　　　u.　 ,.. 　( ,.ｲ:::::::::::（　　　　　　　　　　 なにやってんだバカ、こんなところでよ。
　　　　　　　　 ヽｒ__　　　　　　/　　l´　!::::::::从ヽ
　　　　___ ,....,..._　ト-｀¨　　　　　　ノ　 ルﾘ人ヾヽ　　　　　　　　　「あれ、長谷川さん」
　　ｒ‐"＿ｌ＿辷〕_}illi、　　　,, -　　　,,..::::"::::..　|　＿_
　 ｆ,! └‐ｒ‐‐／ / ^vllllllｒ''"　 ,,...::''::::::::::::::::::::／´　 ／`!　　　　 　 自分がどういう立場かわかってんのかよ。
　 H__ﾉ__ﾉ__ﾉ　/　　　ｒ=`-''::::::::::::::::::::::::::::／　　／　　 ヽ
　{　　 ∨　　　ｌ　　 　ヽ:::::::::::::::::::::::::::::／　　／　,.　" 　　＼　　　 ほれ、とりあえず立て。出るぞ。
　l､　　 l　　 ／　　　 / l::::::::::::::::::::::／　　／　／
　/｀'ー― /　　 　 ／ /:::::::::::::::::／　　／　／
/　　　　 /　／￣/　 /:::::::::::::／　　　　　/

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破裂音と爆発音でだいぶ脳が麻痺したものとばかり思っていたが、
人の混乱や喧騒には慣れきっていないらしい。

疲労が眠気に変換されてきたあたりで、うつらうつらとする自分に、
声を潜めて呼び掛けてくる男がいた。

聞き覚えのあるしゃがれ声の主は、長谷川だった。
彼も彼で表情の随所に疲弊が滲んでいる。
が、それよりも、自分への怪訝さが勝っているようだった。
軽く叱られ、腕を引っ張られる。
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4823： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/24(木) 20:50:13 ID:BZifX/wU0

　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ､_,､_　,､_,__,_
　　　　　　　　　　　　　　_洲WW从W斥k
　　　　　　　 　 　 　 　 刈州州从从込iﾄ
　　　　　　　　　　　　　 仆W^__､_ ,＿_V[,
　　　　　　　　　 　 　 　 洲「{弐]刊卉｣ｉ{`
　　　　　　　　　　　　　　｛｣i｀￣〈|｀￣ り　　　　　 ..
　　　　　　　　　　　　　 　 }l､　 ‐_,‐'　/{　　　　 ...:..　　　　　「長谷川さん、なんでやる夫の部屋の位置知ってるんですかお？」
　　　　　　　　　　 　 　 　 ∧＼iWi{ﾚ'{ﾘ`　　 ....:..
　　　　　　 　 　 　 　 　 _/.::::',_r三く斗ﾍ、...:...　　　　　　　　そりゃオメー、俺はおまえの警護役を手伝ってんのよ。
　　　　　　　　　　　, -<:::::::::::::`r一＾㍉,.:､.｀`丶、
　　　　　　　　　 ／　　ヽ:::::::::::::｀マヽ、　 ヽ、 　｀ヽ.　　　　　こう見えて、元はオルデンブルクお抱えのレイヴンだったんだからなぁ。
.　　　　　 　 　 /　　　 　 `､::::::::::::::∨.＼_　 `､　　　',　　
　　　 　 　 　 /　 ＼　　 　 `､::::::::::/.:::::::::}　　 ',　 　 }　　　　　荒事の心得がある奴は、大抵何かしらの役割を言いつけられてんのよ。
　　　　　　　/　　　　ヽ　　　 `､::::/.:::::::::/l　 　 ﾄ、　 |
　　　 　 　 〈　　 ､　　　､　　　 ∨.:::::::::/ {　 　 |　V^廴　　　　　……で、なんであんなところにいた。あぶねえだろうがよ。
　　　　　　　}　　　 ､　　}　　　 /.:::::::::/　∧　　|　 }　　}
　　　　　　/　 　 _＿＼｣　 　 /.:::::::::/　 { ∧　 }　 | 　 |
.　　　　　/　 _／　　　　￣｀¨¨¨¨¨｀ヽ＿|　 ヽ/　　　　}
　　　　　{　　　　　　　　　　 　 　 　 { 　 l 　 /　　　　 ′
　　　　　 ',　　　　　　　　 　 　 　 　 L､ ｣_　{　 　 　 ,′
　　　　　　 ､　　　　　　　 　 　 　 　 }｣冂　　 　 　 /





　　　　 _＿＿＿
　　　／　 　 　　＼
　 ／　　 　 　　　　＼
／　　　 　　　　　　　 ＼　　　　　道に迷って……まあ、気が滅入ってたから判断力が鈍ったというか……
| 　 ＿, 　　／　 　 　 　 |
＼（ー⊂ヽ､∩ 　ｕ　 　 ﾉ　　　　　「ほーん。俺の方にも話は来てるけどな。中々キツイよなぁ」
　 | 　|　ゝ＿ ＼　／ 　)
　 | 　|＿＿＼　　”　／.　　　　　　ホントですお……。
　 ＼ ＿＿＿ ＼ ／

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なぜか自分を先導するように歩く長谷川の背中を追う。
するとどういうわけか、見覚えのある道に出た。
どこもかしこも同じような通路なので、見覚えがあるのは分岐の位置などだが。

聞けば、長谷川はこのような事態に際して警護役を担っているらしい。
甚平の懐には不自然な膨らみが見える。恐らくは拳銃だろう。
要は戦力の要であるリンクスのSPというわけだ。

立場としては何ら不思議ではないが、現実味がなかった。
戦術的にはそれだけ重要なのだが、自分が誰かに守ってもらうような人間であると
いう実感が湧かなかった。

時々ぼんやりと虚空を見つめながら歩いているのがバレたのか、
長谷川は「会議はそんなにキツかったのかよ」と聞いてきた。

気遣いの散りばめられた、大人らしい質問だった。
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4824： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/24(木) 20:55:38 ID:BZifX/wU0
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　　　　　　 　 }:.:.:.:./ 　 |:.|丶:.:.＼ ＼:.:.:} :.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.}⌒
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.　　　　　 ⌒|:.:.:{ハｔｯﾍ:|:.| ｔえﾃﾌ￣ /:.:.:.:.:.: ハ:.／|　　　　　　　　　　　　　　　　――身柄は抑えてるんだな。
.　　　　　 　 l:.:八:.:|　 八:、　 　 　 厶ｲ:.:.:.:/_丿:.:.ﾉ
.　　　　　 　 |( 　|八 /　　＼　 ＼ー‐':.:.／:.:.:.:.:.〔_ノ　　　　　　　　　　　　　　　　「あぁ。周囲の者が取り押さえている」
　　　　　　　　 　 　 l`、　 　 　 　 ｀¨¨7　}:.:.:.:.:.:.:.:.＼
.　　　　　 　 　 　 　 }ハこ ‐- 　 　 ／　ノイ:.:.:.:.:.:.:.:}｀＼　　　　　　　　　　　　　　俺の部隊の奴らを呼んでくる。
　　 　 　 　 　 　 　 -‐∧　　　　　´　　 /二二}.:.:.／￣￣
.　　　 　 　 　 ／　 　_{:.:.`ー＜ﾆ7ﾆﾆニ| | 　 /／　　　　 　 ／⌒ヽ　　　　　　　　回収してくる。
.　　 　 　 　 /_,.　　 ´ ∨|　| |:::::::|::::::::::: | | 　 /＾　‐-　　_／　／⌒|
.　　　　 　 ´|　　＿_　　{/ //::::::::|::::::::::: | |　./　＿　　　/　 /／￣￣
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真壁の知らせを聞き、一同が絶句した後。
最初に口を開いたのは、ディランディだった。

乱暴にスツールを引いて立ち上がり、それを蹴とばしかねない勢いで歩き出す。

鬼気迫る表情と抑揚のない感情を押し殺した声で、
その場を後にしようとするディランディを黛がすかさず呼び止めた。
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4825： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/24(木) 21:00:24 ID:BZifX/wU0

　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｘ‐＝ミ ＿＿＿
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ｘ‐＝ミ.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀::..
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:ヽ/ヽ┐.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　 　 　 　 /.:.:.:／⌒V{.:.:.:.:.:.＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.::.
　　　　　　　　　　　 　 .:.:.:.:.ｲ:.:.:.:.ヽ:.|!.:}.:.:.:.:.:∧.:.:.:.:.:.＼.:.:.:.:.:.:ハ
　　　　　　　　　　　　 |.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.}ｖｲ.:∨.:.:.ハ.:.:.:.:.:.:.:.:＼.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　 |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾉ　|.:.:.}.:.:.:.:八.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}.:.:.:.:!
　　　　　　　　　　　　 |!:}:./.:.:/.:./|　　|.:.{ ＼.:.:.:.:.＼ .:.:.:.:.:.:.|.:.:.:.:}
　　　 　 　 　 　 　 　 八ｲ.:.:.{.:.ハ| 　 .|.:.| 　_＼:.:.:.:.:＼.:.:.:八＼{＿ノ　　　　　　　殺すに決まってるだろ。死体は焼いて灰にする。
　　　　　　　　 　 　 个.:.:|.{.:.:.:{えﾄxヽ |.:.| ´Ｚrたｱ‐=彡.:.:.:.:.} ーイ
　　　　　　　　　　 　 |.:|!.:{.:＼{､　　 :} |.:.|　 　 　 　 丿.:./..:/.:.:.:.:.:}　　　　　　　　 ノルドルムの手先なんだろ？
　　　　　　　 　 　 　 乂.:/:乂_ 　 　 | 乂:､　 　ｰ=彡.:.:/／.:.:.:.:／
　　　　　　　　　　　　　 {.::ハ∧　　〈　 _　＼　　ｰ=彡ｲ.:./. イ　　　　　　　　　　　端末を奪ったところで、何を仕組まれてるか
　　　　　　　　　　　　　 乂 /.:.∧　　　　　 　 　 　 / |:|.:.:.:.:ノ
　　　　　　　　　 　 　 　 　 {.:.:{.:∧　 ─‐-　　　／ｰ=彡 .:.|　　　　　　　　　　　　　わかったもんじゃねえ。骨だけにしなきゃダメだ。
　　　　　　　　　　　　　　　 乂.:{.ハ　 ⌒　　 ／　　 |.|.:.:.{八
　　　　　　　　　　　　　　　{ : : ＼ 　ー─＜ ＿ .　イ}.:.:.:.ト　.
　　　　　　　　　　　　　　　|: : : : : ＞┐　　　 |::|　　|.:.:.:.ﾉ: : : :＼
　　　　　　　　　　　　 　 r┤: : : : : :Ol!　　 　 |::|　　|.:.:(: : : : : //
　　　　　　　　　.　‐＝　 ＿} ＼: : : Ol!　　 　 |::| 　 ﾊ:.:.:＞ : //
　　 　 .　‐＝　　＝‐　´: : : : :＼＼:＜ 　 ｰ＝|::|　/ ∧ﾉ: : ＜ ＝‐　.
　 ／　＝‐　´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼ ＼ {::{　　　 ∨: : : i|:｀　‐＝ ＼





　　ヾ: : : : : : {: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :{
　　　 }: : : /j从､: : : : : : : :{: : : : ﾍ: : : : : : : : : : : : : : : :ト、
　　　ﾉ: : /i! ゞ≧寸: : : : /|:人: :i'"ヾ: : : : : : : : : }､: : : : : ﾉ
　　人: : : : }　'､tッi : :ィ彡ﾉﾆ=-ヾi'"}: : : : : : : : :/ ヽ: : ノ
　/　 ﾉ: : : i!　　'"/ヾ:ﾄ、:::､:...,弋ツ　j,ｲ: : : : : : : i!　ﾉ: {、
　i!　i从: :∧. 　 /　 ,ﾉ:j　　 　 　 　 /: : : : : : : ノ , ':::::::::::}
. i!　.|　 ｀`.∧. /　　　　　　　　　　/j: : /j:イ 　 /: : : : : 人　　　　　　　　　待つんだ、ディランディ君。
┘　.!　　 /::: く　　　 　 　 　 　 　 /／　　 i~ ﾉ: : : イ:::i!　.ﾍ
　 　 i　　!::::::::i ｀　　　　　　　　　／　　　　i /'",.ｨ'´:::::ﾉ　　 .ﾍ　　　　　　　更なるパニックを引き起こすようなことはよせ。
　　　i　　i:::::::::.,　､　　　, , ,　　　　　　　　ノ,.ｨ'´::::::::::/
　　　 !　 .|:::::::::ﾍ　こ` ヽ　　i!　　　　｡s≦'":::::::::::::::/　　　　　　　　　　　　 今、私の知己がその内通者を取り押さえている。
　　 　 !　 |::::::::::::}, , ,　　´, , 　 ..::::::::|:::::::::::::::::::::::ノ
　　　　 !　|::::::／:ト､, ,, , ,_｡r≦ r:i:i:i:|::::::::::::::::::／　　　　　　　　　　　　　　　……そのあたりは既に混乱が巻き起こっている。
　　　　 .!　|::::ﾍ:::::::/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|::::::::::::／
　　　＿_!　|::::::∨::|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:!:::::::／　　　　　　　　　　　　　　　　　　 私刑が起こりかねん状況だ。
　　　／ .!　|::::::::〉::}:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|´::::／
　 ／　　 |　|:::::::|::::∨:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「だったら尚更、俺たちの手でやらねえとだろ！」
／　　　　|　.|::::::}::::::∨:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iｊ!
　　　　　 |　 |:::::::!:::::::∨:i:i:i:i:i:i／
　　 　 　 .|　 |::::::::i!:::::::∨:i:i:r′

4826： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/24(木) 21:06:09 ID:BZifX/wU0

　　　　__ ／: : : : : : : : : : : : : : : : : ､
　　 ／: : : : : :_: : : : : : : 丶: : : : : : : 丶
　 /: : : : : l:l: : : :ヾ: : :＼: : :丶 : : : : : : ヽ
／: : : : : /: l: l: : : l: : : : :＼: : :ヽ: : : : : : l
: : :/: : /l⌒l: :､: : :ll: : : : : : : : : :ヽ: : : : : l
7: : : :/: l　/:/ゞ: : :l＼: : : : : : : : :l: : : : : ヽ　　　　　　　　　こういうのは相場が決まってるんだよ。
: : : ｌ:l: l_ゞ ｌ:l　 ＼: :ゝ-＼ : : : : : l: : : : : : :
: : :/l: :l 辷ｌ:l　 ￣辷､:＼_): : : : :/: : : : : : :　　　　　　　　　そいつを殺そうとする奴が出てみろ。そいつもグルだ。口封じだよ。
ゞ:乂 : l　/ヾ､　　　￣__ノ: : : : / ＼: : : : :
　　　):∨　　 丶　　　／: : :／ノ ／: : /　　　　　　　　　　 ノルドルムの連中はIGIOの暗部……大昔のKGBやらMI6染みた
　　乂: ｨヽ　　　　　　ﾊ/ｌ:/ x-イ: : : : ゝ､_
　　　 _ノ:ヽ‐-　_ 　 　 　 ／　l: : : : l: : :ﾆ=　　　　　　　　　野郎どもがうようよいやがる。どうせ尋問したところで、大した情報は吐かねえ。
ゞ=ﾆ三: :_ﾊ 　　　 　,　　　 彡: : : : l : :ヽ
　 7:/,＜　 〉-　-　´　__ -=ﾆ- l: : : : :)　　　　　　　　　　　 ぶっ殺して見せしめにでもした方がよっぽどタメにならぁ。
　 ゞ-l　l　 从l二二二f丶　　 /: : :／ゞ
---./　,l　 彡〉二二ﾆ.l　 l ゝﾆ: :／ 　 〉、
─,/ ／ ｌ ／二二二ﾆl　 l /: ／　　／ l
　 ／　ｌ l/二二二ﾆ／　 ゝ:/ 　 ／　 /
　　　　l/二二二ﾆl　　 ／ヽ ／





　　　　　　　　　　　　　| :::::::::: |:::::/l::::/l:/! ::::;'|:|!:| |:| ';:!::::::::::: !
　　　　　　　　　　　　　| :::::::::: ト/__l:/ / ,'::::/ |:||:|_|:|__'|::::::::::: |
　　　　　　　　　　　　　| :::::::::l |/,z=ミr /／ =-彡=z、 !::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　 /:::::::::::l::|《 仍ﾘ` ´　 　´ 仍ﾘ 》 | l:::::::: ﾄ､
　 　 　 　 　 　 　 　 /ｲ:::::::::::l::|　 ￣　　　　　　￣ 　 ,':::l:::::::::|;;:＼　　　　　　　　どうしてそう、毎度毎度極端なんだ貴様は！？
　　　　　 　 　 　 　 　 ||::::::::::l::|　　　 　 i　　　 　 　 ,ｲ ::l:::::::::|　｀ﾞ
　　　　　 　 　 　 　 　 |!::::::::::l::|　　　　, ― ､　　　／ |::::l:::::::::|　　　　　　　　　　 内通者が他にもいる可能性があるのなら、
　　 　 　 　 　, ｨ/!　 　|ヾ, :::::l |ヽ、　　{/;;;;;;;}　　　／:|::::l::::／i.　 　　ﾄ､
　 　 　 　 　.///::|　　　　｀7=-ﾞ::::i＼ 　￣￣ 　 ィ:::::{ '-='"::从 　　　l |:'.,　　　　　尚更捕縛して尋問すべきだろう！？
　　　 　 　 /:.! !:: |　　　　/:;;;/:::::/:::个　＿　 '"　!:::::{三} ヽ:::iヾ,　 　 l | : '.,
.　　 　 　 / : | |::::|　　 ／" /:::::/_ ｨ<!　　　 　 ,ｨ个-{三}| ||:::|. 　　 　l |: : :.'.,
　 　　 　/ : : | |::::|　　　 _ /:::::/ : : !il＼ 　 _／ililil| : |::::::|| ||:::!　　　　| |: : : : '.,
.　　　　/:. : :..| |,斗‐=''": /:::::/: : : :|ilililili><ililililililil!: :|::::::||_|!｀ﾞ''' r - ､| |: : : : :.:'.,
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4827： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/24(木) 21:16:09 ID:BZifX/wU0


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　　　　　　　　 　 |: : : : |/.: :|: : :|: 〉　　、 , : : :|:|　　　　　　　　　　　自白剤なら幾らかあるよー？
　　　　　　　　　　|: : : : }:､ :八: ﾙ _　 　 /: :/|:ﾚ
　　　　　　　　　 /: : : : :ヽ:｀^メXxメx￣ }イメXｘ　　　　　　　　　　　あとはまぁ、そうだねぇ。色々あるでしょ。
　　　　 　 　 　 /: : :. : : : : : : : :｀ﾏメXxメx､ ｀^メXx
.　　　 　 　 　 /: : :. : : : : : : : : : :∧ / ｀＾|: :＼　　l: :＼　　　　　　　　爪切りでもカミソリでも、トースターでもフライパンでも、
　　　　 　 　 /: : :. : : : : : : : : : : : :∧　　 ＼｢｀＼ |:/⌒
.　　　 　 　 /: : :/: : : : : : : : : : : : : :∧　　　　　　〉　　　　　　　　　　　苦痛を与える道具にはなりえるし。
　　　　 　 /: : :/: : : : : : : : : : : : : : : :∧＿＿_ ／|
.　　　 　 /: : :/: : : : : : : : : : : : : : : : : :∧三≧=イ　　　　　　　　　　　　情報はどんな状況でも生命線だよ？
　　　　 /: : :/|: : : : :{ : : : : : : : : : : : : : : ﾊ｢　 　 |
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　 　 ｉ:.:.:/|:.:.:.:. ',:.:.:.:.:|-/_|_|　　ヽ／,イ圷≧ｉ:.ｉ:.:.|:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
　　　|:./ .|:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:!:.ｉｲうﾐ　　　 　 {::::::::ら |:}:.:|:.:.:.:!´.ヽ:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　　　ちょっと、とにかく落ち着いて……
　　　|/　 !:.:.:.!:.:.ヽ:.:.:.|〃{:::j　　　　　 辷シ　!:.:./:.:./| ヽ.} |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
.　　　|.　　',:. | ',:| .|ヽヽ｀.ﾋﾘ　 　 　 　 　 　 /:/／:.:.:!　/: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　「なぁに、なのはちゃん？
.　　　　　　ヽ|　ﾘ　!:.:.ヽ＼ ヽ　　　　　u.　.〃|:.:.:.:.:./_/／.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |
.　　　　　　　ヽ　　ｉ:.:.:人　　　 -‐-　　 　/　 !:.:.:.:./／. 　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　ジュネーブ条約なんて大昔になくなってるよ？」
　　　 　 　 　 　 　 ',:.:.:.:.ﾍ　 　 　 　 　 　 　 |:.:.:.:/.　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　 ヽ:.:.{　ヽ、　　 　 　 .＜.|:.:./l　 　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　
　　　　　　　　　　　　 ＼ｉ　　　＞.-t ´　　　|:/‐┤、.　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　＼　　　 r､| .-　￣/　／　ｉ、　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〃.ヽ　　　.／　　 |::｀ヽ.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |

4828： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/24(木) 21:25:31 ID:BZifX/wU0

　　　　　　　　　　　　　　＿__　　　　　　　　　{´￣｀ヽ、
　　　 　 　 　 　 　 　 　 {　　_＼ 　 　 　 　 　 ﾏ_ ｡ }_,||
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼} 　 ＼　　　　　　　ﾏ__ 　||
　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼　　ヽ　 ＿＿__ ///＼!!
　　　　　　　　　　　　　　　　　 }＞. :´: : : : : : : : :＞､/
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／: ,: |!: : :|: :＼:＼: : : ､｀ヽ
　　　　　　　　　　 　 　 　 , ': : :/: :||::､:.|､＿_:_:､＼: :.∨:ﾑ
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /:/: :.':ィ-|{从:| ＼{＼｀＼: ､:|: : : .
　　　　　　　　　　 　 　 /ｲ: |: :|:|从{ ＼{ｲ苡ｵヽ}: /＼､: : ;: .
　　　　　　　 　　　　　　 /: :|: :|:{泌ｿ　　　:.:.:.: /:ｲ: : : |:＼: : .　　　　　　　あのね、今の私たちに、社会的なルールだとか、
　　　　　　　　　　　　　 , : : |: 从 :.:.: ' ＿_ 　 　 /: : :./: /: : : .
　　　　　　　 　 　 　 　 |: :./|/:.从　　V:.:.:.}　　 ´√´:.:/: | : : :.　　　　　　 道徳とか、そういうの守る必要ないんだよ？
　　　　　　　 　 　 　 　 l／　　|:|:ム 　 ー'　 　 ｲ: : : /: : ! : : : .
　　　　　　　　　　　　　 　 　 /:,|: |: :｀: . __,... ´　|: : :,:,ィ⌒ヽ､: : : .　　　　　私たち、完全に法の外にいるんだもの。
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /:　|: |: : r=r-|　　|^|: :./|| 〉　 　 ＼: :.
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 {/ /-j: :/!| Lﾉ　　{l |: :{ jj|_〉　　＼＿､＼　　　　この艦内にいる人間は全員テロリスト。
　　　　　　　　　　　　　　　 ／ //: {l｣／ _ｨ―/ |: :|_/ｲ　　　 　 　 ｀ヽ
　　　　　　　 　 　 　_,.　　´　　{/イ／r-ゞ-｀¨ｰ'⌒ヽ l|　　　　　 　 　 }　　　　罪状が増えるだけだよ……ま、私たちの場合、
　　　 　 　 　 　 　 ｢　　　 /,{＞- ´ ,.と二＿〈_l ｰ'´￣∨ 　＿_　　　 '
　　　　　　 　 　 　 |　　,.イ-┴- ､:/／Toﾉ|　∨ ∧　　∨//// ＼,∧　　　　　裁かれる前に消し炭だろうけどね。
　　　　　　 　 　 　 Ⅳ/ / 　 　 　 '　　　　|| 　 ＼､_／⌒}＿/ |///: : :.
　　　　　　　　　　// {　{　　　　　,　 　......:||::......　乂{ 　　 ＼ 　 |/: : ,: :.
　 　 　 　 　 　 ／　､ ､.:::､:::::::::......{...:::::::::::::}}:::::::::::::::∧　　 　 ｀　!: :,: :,: :.:.
　　　　　　 　 〈　　　ヽ＼::＼:::...... 　 ､:::::::::||::::::,..::'::::::::.　　　　　j: : :,: :,: : :.
　　　　　　　　　､ 　 　 ∨｀¨T7´　　　｀ ー}}-::::::::::::::::/:＼　　 /: : :.|: :|ヽ: :.
　　 　 　 　 　 　 ＼　／⌒Yl〈　　 　 　 　 ||　　　　　{: : :.|｀¨´: : :.:.:|: :|　 ,: :.
　　　　　　　　　 　 ∨　　 人 ヽr==777{7}}//≧ ､　　｝: /-////＞､:.:|　 }: :|

4829： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/24(木) 21:29:12 ID:BZifX/wU0

::::::::ｨ　　　　　　　　　　　.-ゝ
:::::i´　　　　　　　　　　　　｀ヽ、
::::::ﾚｒ-、　　　　　　　　　｀ヽ、ヽ
:::::/ i　|　　　　 ,　　　　　　、ヽﾉ
:::::! i｣/　 i　　 i　　 i　　ヽ　i!.｜
:::::>ｨ'　 / / i .|　i　｜i　!｜ |ヽ!　　　　　　　そうだな。とにかく落ち着いた方がいい。
i!　 ヽ-'ヽ'ｖ-'/ /　/ ｌ'　|　i! i
;｀ヽ、キ　　//7　/'1　 i /|/　　　　　　　　　勢いに任せたところで、残るのは後悔だけだ。
;;;;;;;;;;;;ﾞ;;;7　'´/ノ"i./ ノ! / i!
;;;;;;;;;;;;;;/　ヽ、　 ｨ'／ ﾚ'　　　　　　　　　　　……ところで、ここに一人、とびっきり人体に詳しい男がいる。
;;;;;;;;;;;;{　　　,ｒ‐ ´
;;;;;;;;;;;;|｀ヽ,;;'-、　　　　　　　　　　　　　　　　やるなら声をかけてくれよ。
;;;;;;;;;;;;`;;;;;ｒｭ;;;;L_
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;}





　　　　　／　／/::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　 /.／ イ::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ:::::::::/::::::ﾉ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
.　 　 　　 /./　//:::::::::::::::::::::::::::::/　|:::::/::::::/ i::::::::::::::::::::::::: _ _ :::::::::::::::
　　　　　 |/　//::::::/:::::::::::::::::ﾊ:::| ./:::/三≧/／/::::::::::::::/　_　ヾ:::::::::::
　　　　　 |　/ .i:::::/i::::::::::::::::::| 升彡イニ￣ 　 /／i::::::::::| /　 ） i:::::::::::
.　　 　　　　i　.l::/ ｨ::::::::::::::::::|　ヾﾃr j ／　　 　　./::::::::::| ） /　.|::,:::::-
.　 　　　　　|　.| ﾊ i:::::::::::::::::::ミ､　）‐'´　　　　　 /::::::::::::| / - ' ´三三　　　　　　　　私たちは企業連の考えが一切読めていない。
.　　　　　　 |　　| |.ﾚi::::::::::::::,､:ヽ＼　　　 　 　 ./:::_::::-:::'::´三三三三
.　　 　　 　 ヽ　 | |　|:::::::::::/　｀ﾐ､_ ＼　　 _　- ' ´三三三三三三三　　　　　　　　　これはもしかしたら、蜘蛛の糸かもしれんぞ。
　　　　　 　 　Ⅶ　Ⅵ::::::::/_　　-　　　 Y´三三三三三三三三三三
　　　　　　　　 ヽ　 V:::ﾊ:::::::＞､　　＿ .＼三三三三三三三三三三　　　　　　　　　チャンスには手を伸ばすべきだ。
　　　　　　　　　　／ヾハ:::/三 >'￣　　　 ヽ三三三三三三三三三
　　　　　 　 　 ／三三三/三三ﾆ｝￣　　　 V三三三三三三三三三　　　　　　　　　……兵士連中に任せたら殺してしまいそうだしな。
　　 　 　 　 ／三三三三三三三::i､　　　_ ィ ト三三三三三三三三
　　　　 　 <三三三三三三三三三三三三ﾆ.| ヽ三三三三三三三
　　　　　 　 ｀ -　､三三三三三三三三三≧／:::＼三三三三三三
　　　　　　　　　　 ｀ - ､三三三三三 ／／/）:::::::::人三三三三三三
　　　　　　　　　　　　　　＼三三ﾆ.／／/.//::::::::/ | |三三三三三三

4830： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/24(木) 21:36:58 ID:BZifX/wU0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,. : ´: : : : : : : : : : : :｀_: . ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／: -: : : : : : : : : : : : : : _:＼:＼
　　　　　　　　　　　　　　　 , -＜: : : : : : : : : : :ヽ: : : : : ヽ: ヽ:＼:ヽ
　　　　　　　　　　　　　 　 /: ,: : : : : : : : : : : :､: : ∨: ､: : :∨: _ : ヽ::.
　　　　　　　　　　　　　　,:': /: :/: : /:| : lV∧: |: : : V: :V: : :V: ,x: ∧::.
　　　　　　　　　　　　　 /: /: :/: : :l|: |: :l| 　 |: }: : : :|: : | : |: |/_,}:〉:､|: l
　　　　　　　　　　　　　.': .': : : : : :|:|_:|: :l| 　 l: | : : ∧: :| : |: |: : |/ : |: .　　　　　　　　　「そんな悠長なこと言ってる場合かよ！？
　　　　　　　　　　　　　|: |: : : |: : :|:l: :＼|　 从|: ,: |　|:_／:|: |: : }_: : |: : 、
　　　　　　　　　　　　　|:∧: ,: V: 从ィ雫≧､　|∧:| ｨ≦雫ﾐ:|: /-ﾐ,|:|: :V＼　　　　　　　ンなことしてる間に、ノルドルムのリンドヴルムが
　　　　　　　　　　　　　|:{　V､: ∨:l∧ Vzり　　　}'　 Vzり ﾉ|/r､ ﾉ|:|: : |: ､:＼
　　　　　　　　　　　　　ゞ　 }: ＼〉:∧　　　 　 　 　 　 　 　 ,､_／: |:|: : |: : ＼:ヽ　　　　　俺たちを見つけるに決まってる！」
　　　　　　　　　　　　　　　 |: :|: :| : ∧　　　　　'　　　　　 ∧: :|: : |:|: : |: : : : ＼: .
　　　　　　　　　 　 　 　 　 .': :|: :|: /:个 .　　　V:::::)　　 . 个:l: :|: : |:|: : |＼: : : :､ヽ}　　　　やめーや！　なんでもええわ、けど殺すなや！
　　　　　　　　　　　 　 　 /: : :|: :|:八: }: | ＞　. 　 　 ＜|＼: : : ,: : |: : ∧: |＼: : }
　　　　　　　　　 　 　 　 ,: : :/:|: :|: : :〉l从/.|＼::｀´-:／ |、 ＼- ､: V:/: :l :|　 ∨|　　　　　　殺したらそこで終わりや。それは最後や。
　　　　　　　　　 　 　 　 {: :/__|: √/　{' /...|　 ＞＜　　|..V　 ＼ ｀7'＞ ､:|__　}/
　　　　　　　　 　 　 / ｢￣´　 |:/ ＼　 ,'......|　////∧ /....∨ ／| /　　　｀Y⌒＼　　　　　　それに、人前でそないなことしてみい！
　　　　　　　　　 　 '　 |´￣￣/ || 　 V....../|ｲ　〉-〈　 ,.........∨＼〉　 　 　 / 　 　 ヽ
　　　　　　　　　 / 　 ∧ 　 ／|/---/... /...|　////| ∧........∧￣￣＼　V　　 　 　 :.　　　　 避難民から恐れられるにきまっとる！
　　　　 　 　 　 /＿_/＿／｢￣　　 ,.＼/.....l　|/// |/...∨./.....∨ /　　∨　　　　　　 ＼
　　　　　　　/´　　／ | 　 /　　　 /.￣.........∨///_/.........＼.......∨ /　　}、　　　　　　　 ＼
　　　　　／￣￣￣￣　／　　　 ∧................ ∨...../..................>.....∨　 ＼＿＞----- 　、　＼＿＿_
　 　 　 /　　 　 　 　 イ＿＿＿/.....＼...............∨.,...............／............＼＿＿　　　　　　　　　＞ ￣　 　＼
　　　／´￣￣￣￣￣￣.....{....................＼............V...........／.......................}､...............ー--　　＿＿_　　　　 　 ＼
　 ／............................................人.......................＼........∨..／..........................人 ＼.....................................＼｀ヽ､
／.......................................／´　　 ヽ:::::::::::::...........＼....∨................::::::::::イ 　 ＼ ＼.....................................ヽ　 ＼　　　　＼

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構うものかと話を切り上げようとしたディランディを、はやてが声を荒げて制止した。
なのはですら場を収めきれなくなりかけていたところを、その一声で抑えた。

最後の一言に、誰も反論できなかったのだ。

平和な時間に生きてきた人々の前で、内通者を引きずっていき、
頭を吹き飛ばしたとして。

きっと、彼らの不安と恐怖は臨界を迎え、二度目の暴動が起きるだろう。

最初の暴動で既に死傷者が出ている。
一度はこの司令室の扉まで押し寄せてきたのだ。
今度こそ、この艦内の脆い秩序が音を立てて崩れ去るだろう。
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4831： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/24(木) 21:41:31 ID:BZifX/wU0

　　　　　　　　 ＿＿　　　　　　　　＿＿　　　　　　　,x≦ ヽ
　　　　 　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ 　 ,x≦:.:.:.:.:.:.:.≧ｭ､　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　　 　 /¨¨¨二ﾆ=‐--:.:.:.｀:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽr､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..
　　　　　 ／:.:.:.:.:.:,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽゝ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i
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　　 　 .::.:.:／/:.:.:/:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:‘，:.:.}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　 .:.／　/:.:.:/:.: : /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　{/　　:.:.:.:/:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.: |:.:.:. : |:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:}:.:l:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　　　……はやてちゃんの言う通り。
　　　′　 l:.:/i:.:.:.:. i:.:.:.:.:.:. |:. : |＿|:. |:.: : |＿|:.:.}:.:.:.:.:.i:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　　　 　 |: { |:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|斗: ´|:.:.:|:.:.|:.:.:´!:.:.:|｀ ヽ:.: : }|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　　　その内通者を営倉まで移送できますか、真壁さん。
　　　　　　Ⅳ {:.:.:.:.:.::.:.:.:.|:.:|:. : |:.:.:|:.:.|:.: : |: : |:.:.:}:.:.:.:/:|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　　　 .::.:.:.:.ヽ:.:.: ゝ===‐'| /|:／ゞ==７:.:.:.:ｲ　!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　　　　　「無論だ。既にその手筈を整えている」
　　　　　　　　　ﾏ:.:lヽト:.､ヽ　　　|′,　　 　 /:／:. |　|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　　　 　 ﾏ{　|:.:.:.:|ヽ、　　 r　ｭ　　 ／}:.:.: !　|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　　　お願いします。
　　　　　　　　 　 　ヽ ヽ:. !　　 ト　　　　 イ､　i:.:. / ｜:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　　　　　　＿__ゝ{-,/| ＼＞＜ ／} ヽ|／、 :|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　 　 r‐‐=ﾆ二::::::::::::::/　|　　 〉r〈　　 i　‘，:::::::::::≧ｭ､:.:.:.:.: |
　　　　　/::::::}:::::::::::::::::::::_/　　|　 /{≠{∨　|　　.::::::::::::::::::::::::: ７､:!
　 　 　 /:::::::::ｉ ‐=ﾆ　　 《　　 :|／ //l l ∨/l　　 }ﾆ=‐::::::::::::: /:: }|
　　　 /ヽヽ:: ∧　,　　　　ヽ__/ l　 ｀__Ll　 ′≪　　　　　｀　/:::::::i__
　　 .:　 //:: /　∨　　 　 〈　 　 l〃:::::::::ヽ,'　 　 7　　　　l　/ ',::::{{　ヽ
　　 {_ノノ:::/　 /　　 　 　 ∨ 　:l:::::::::::::::::,'　 　 /　　　　 l:/ 　 ',::ゝ',　',





　　　　　　　　　　　　　-― -
　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　 ∠　―― -　　　:::::::..　　　＿＿
　　　　　 ィ::i´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀::..､ l ／r――　＝‐､
　　　 ／::l::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`::'￣￣￣｀:..､
　　. /l::::::l::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::￣ ｀ヽ､:::ヽ
　　/::l:::::::l::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::ヾ:::::l
　. {:::::l:::::::l::::＼/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::ヽ::::::::lヽ::l　　　　　　　この艦内は今、秩序の残り香みたいなもので保たれてる。
　 l::::::ﾍ:::::::＼/::::::::::::::::::::::::::i::::::i::::l:::::l:::::::::::ヽ::::::::l::::::::l ヽl
　 l::::::::::ﾍ::::::/::::::/:::/::::/:::::::l::::l::l::::l:::::l:::l::l::::::l:::l::::::l::::::::l　|　　　　　　　一度失われたら、多分戻ることはない。
　. l::::::::::::ﾍ::l:::::::l::::::l:::::l:::::::/:::://::/l:_/l_｣_l､:::l:::l::::::l::::::::l
　　ヽ::::::r‐‐|::::::l::::::l:::_｣::-r‐:/7フ´｢/ .l/ｫﾐ:::l::::l::::::l:::::::l　　　　　　　　 誰もが自棄になって、敵に殺される前に、ここで殺し合いが起こる。
　　. ヽ::{　　l:::::::l:::::l:´::l:::/∠ ﾆ＝ﾐ　 ﾁﾟ://::/ /:::::ｲ::::/
　　　 ヽ＼ ヽ:::::l::::::l::::<´,イ　 ,ﾘ　　 .ﾑ//;ｲ:::/::::/.l:::/　　　　　　　　　 ……慎重にならないと。
　　　　 ヽ:>ｰl＼{ヽ{ヽ{　 辷z/　　　　 l'//::/l:::/ l::/
　　　　　V　 .l::::l` `　　　 　 　 　 　 v':/／ l:/　l/
　　　. r,/　　 .l::::l　 　 　 　 　 　 _ ／l:::l:::l /'
　　　/〈 ヽ､　　ヽ:ヾ ､ 　 　 　 ´／::::::l:/:::::l
　　./　 ＼　ヾヽ､ヽﾍ/` ┬-....´:::::::::/'::::::::::l

4832： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/24(木) 21:47:13 ID:BZifX/wU0

/∧　／: : : : : : : : ／: : : : : : : : : :彡: : : : : : }ミ: : )
//∧': : : : /: : : : /: : : : : /: : : : : :}: : : : : : : :{: : : 乂
///∧: : :/: : : : /: : : : : /: : : : : :/: : : : : : : : 乂: : : : ヽ
////∧: {: : : : /: : : : : : : : : : : :/{: : : : : : : : : : : ヽ: : : }
/////∧: : : :/: : : : : : :{: : : : :,/ 乂＿: : : : : : ヽ: :}: : /
//////∧: : {: : : : : :.:.人: : : :.{∠三三ヽ: : : : : :ソ: : 乂　　　　　　　送信されていたのは、おおよその位置情報だけだ。
///////∧: {: : : : : : : : :.＼:.人　 ＜以 ヽ: : ／: : : : :ハ
////////∧乂: : : : : : : : : :ト､_＼　　..::　}／　`''＜.从/　　　　　　 我々がこの海域にいることは知れているだろうが、それだけだ。
/////////∧　＼: : : :、: :人　⌒ 　　　　　　　　　/
//////////∧ 〈 　￣｀`ヾハ　　　　　　 　 　 　 /　　　　　　　　　 艦を最大出力で移動させよう。少しでも座標をずらすんだ。
///////////∧ ゝ　　　　　　　　　　　　,,　 '' ''　)
////////////∧＿Y　　　　　　　　　　 r ／ 二)　　　　　　　　　　 まだ、間に合うはずだ……
///////////// |: :{ !　　　　　　　　　　〈　　　　|
///////////// |:从 !　,,　　　　　　　　 　 　 　 |
///////////// |:〈 今s｡.., ,, ,, 　　 ,,　　　　　　 |
///////////// |　　　　　　　 ｀゛¨ '' ‐-　...,, __人＿＿
///////////// |_,,..　-‐　'' "´:::::::::::::::::::::::::::::::::＼:i:i＼i:i｀`〜､、
///////////// |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:i:i＼i:i:i:i:i:i:丶
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　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　 _r'´::::::::｀ｰ:､
　　　　　　　　　　f― ､::::::ﾉﾆｰヽ
　　　　　　 　 　 /　　,r':.´‐:､:.:.:.:t
　　　　　　　　 /　　/:/:.:.:.:i:.:.:.:ヽ:.ﾐﾂ
　　　　 　 　 /　　 /:.|:.H:li:.:ﾄ､:.:.:i:.:.)
　　　　　　ノ　　　 |:.ﾘ:.j || i:.:V:.:.:|:.i ＼_
　　　　　/ 　 　 　 |:l{rﾄit_´''ｰr-ﾉ､し　 ｀ ､　　　　　　　　　　……ああ、クソったれが。
　　　 　 i!　　　　　ﾄﾐｪ ___｀ 彡:.ﾉ:ﾉ　 　 　 ヽ
　　　　　}}! _j_　 ,ｲ }ﾂ:.l ｰ '´ｨ:.:{ゝ　　　　　 |　　　　　　　　　 どうしろってんだ、まったく。
　　　　./r//:::r‐｀ヽ{　｀ L/　‐''　|ノ　　　　ﾉ
　　　　 .〕jJノ-'´ヽ::ヽ　 　 　 　ﾉ　　　　　{　　　　　　　　　　　ちょっと前まで、普通に仕事してたってのによ……
　　　　./::.:.:.:.:.:.:.:.:iヽ::::)､　　　 |　　　　　　ヽ
　　　　j:::::.:.:.:.:.:.:.:.:.l:T´　ヽ　　 7￣｀' ｰr--ｯ)　　　　　　　　　　なんでこうなっちまってんだか……
　　　/::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.l　　 ｀ ｰ､_　　　 /- '´
　　 /::::.:.:::.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.|､　　　　 ヽ　 /!
　　l::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..|:.:.:l.ヽ　　 　 　 /ﾉ
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　 .|:::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/::.:.:.:|二.)-ﾞー:':.:.:.:ヽ__
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皆に一様に諭され、ディランディは肩を落としたかと思うと、
そのまま座り込んで片膝を抱え込んでしまった。

ぶつぶつとため込んでいたものを吐き出しながら、
現状を呪う彼の背中を見て、黛が何を思ったか駆け寄っていく。

誰もが、それ以上の言葉を発せなかった。
口を動かし舌を回す力すら、残っていなかったのだ。

重苦しい空気が簡易的に設けられた会議室を覆いつくし、
その場にいる人間が例外なく、視線を落としていた。
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4833： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/24(木) 21:55:03 ID:BZifX/wU0

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　　　　　　　　　　　　　洲W从从ﾘ{ィ＝≦壬r示≧＝代 :
　　　　　　　　　　　　　刈洲W{iﾚ'´ 込Z弐シ　{Z弐近{　:.　　　　　　　　あぁ、そいつな……今頃営倉にぶち込まれてるよ。
　　　　　　　　　　　　　 ｲ洲ｒ=i{|　　　　　 　 _ 冫　 　 }　:.
　　　　　　 　 　 　 　 　 }从{ V|i ､_　　　　　　 ′　　 .'　:.　　　　　　　　 つい最近移住してきた人間だったんだが。
　　　　　　　　　　 　 　 　 从 {_　　｀　 　 　.ィこ> 　 ,'　 :.
　　　　　　　　　　　　　　　　}ﾄ､_ 　 　 　 　 ｀二 　 /　　 ::.　　　　　　　　 まさか内通者がいたとはな。
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 从汽　　　　　,ｨi斥仆v　　　:.:
　　　　　　　　　　　　　　 　 洲　｀ ー‐-　{i｣从｣ｼ{　　　.:.　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ]}　　　　　 　 　　　|　　　.:
　　　　　　　　　　　　　　 ／.::i｣ 　 、　　 　 　 　 j＼_　: .
　　　　　　　　　　 _ 　-‐ {::::::::{、　　 、　　　　 / {ヽ::ヾヽ、
　　　　　　　　 _／　　　　|::::::::| ＼　　 、　　　{　　ハ::.:.:.. ｀丶、
　　 　_ 　-‐　´　 　 　 　 |::::::::|　　｀ヽ､__　　 　 ／　 ',:.:.:.. i　　 ｀`丶、
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　＼ ｌ^l^lｎ__人__)　 　　 ／
　 ／ヽ 　 L⌒ ´
　 　 　 ゝ 　ﾉ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「なぁ、おまえはどう思うよ」

電子タバコを吹かす長谷川がおもむろに問題を投げてくる。
内通者、つまりはノルドルムのスパイがどういった事情で紛れ込んでいたか、
という問題だろう。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4834： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/24(木) 22:01:47 ID:BZifX/wU0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　､_,ヽ＼汁|ヽヾ_,_,
　　　　　　　　　　　　　　　　｀久匕卅从W勹災七
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 乂从Ｗ仆幵卞从Wﾐ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 YヾlVlN从ﾏ大Ｗ从ﾀﾞﾐ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾉ　　 ∨r ､卞卅从从　　　　　　　俺はよ、偶然だったんじゃねえか、って思うんだ。
　　　　　　　　　　　　　　　　r}-―==ヽ）}从ｵﾐ仆匕
　　　　　　　　　　　　　　　　｀l　　　　|i/ 'W从卅冫　　　　　　　ノルドルムは企業連の中でも変わった立ち位置だ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　',　　　　 　 W从彡'
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',　　 　 ,　 ,r'´￣　　　　　　　　　IGIOにも、元は無理やり取り込まれたわけだしな。
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 """"ヾ／／´///
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 l/´//////　　　　　　　　 IGIO傘下じゃあるが、IGIOと確執がある。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/////////
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 //////////　　　　　　　　 どこの企業とも深い繋がりがあるわけじゃねえ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{/////,r'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ//,r'´　,r'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ）'´　,r'´





　　　　　　　　　　　　}ｉ|ハi从}ｉ｛{ｌ|W从川｛ {从i|{　 i　!　　 　 　　　｛_
　　　　　　　　　　　　V 　 ｝ハハ{V 　 Vハ{｛i｛ハ :{i｜! 　 　 　　{｛｀′
　　　　　　 　 　 　 　 }　　　　　　　　　　　　|Ｗ从小j！i !i|　 ,　 ､_≧ｧ
　　　　　　　　　　 　 ﾑ　　　　　　　 　 　 　 |/}ｲ小j｝}_} ｝!}W￤　｢广
　　　　　　　　　　　 ｣__＼､　　　　_　　-‐　 　　|/}/从从从ｉ｛ﾊ　｛
　　　　　　　　　　　{ f≧メ}､_,)≦二 __ 　 　 　 　 |/ﾑi7'⌒Ｖ小!|W
　　　　　　　　　　　‘斥沙′｀} ]三三ミF￢＝＝≠f/　　　}仆{ハ!
　　　　　　　　　　　　｛　/　　‘弐三三ｦ 　　　　　}小／ 　从｝Ⅵド　　　　　　　「どういうことですかお？」
　　　　　　　　　　　　 ∨　　　　　｀￣´　　　　 　 l/ﾉ__／/从Wバ
　　　　　　　　　　　　　}〉--､　　　　　　　　　　　　　　_ ｲ/}|V/　　　　　　　　　 多分、あちこちに送り込まれたノルドルムの産業スパイが、
　　　 　 　 　: 　 　 　 く_､__　　　　　 　 　 　 ／　 厂´}ｉ||Ｖ|ﾄ|{
　　　 　 　 　:　 　 　 ／∠}厶_　　　　　　　/　　 /　　|ﾊ|｣｛i　　　　　　　　　　　 たまたま生き残ってこの潜水艦まで避難したんだ。
　　　　　　 　:　 　／／　｝>r‐ ｀　　　　　　　 _／　　　　|从{了
　　　　 　 　 :. ／／　 　 }i|ｌ}ﾄ､_　　 　_　 -‐ 　 　 　 　 　／ ｛_　　　　　　　　　　……企業連が仕組んだ一連のコトとは無関係かもしれねえ。
　　　　　　　　`ﾞ´ 　 　 　 ﾞｰ≠≧=≠ 　 　 　 　 　 　 ／　　　{ﾍ._
　　　　　　　　　　　　　　_／　　　　l　　 　 　 　 　 ／　 　 　 ,′ ＼_　　　　　　 それなら、藪医者の言う通り、逆にチャンスかもしれねえぞ。
　　　　　　　　　　　　　´ ハ　 　 　 |　　　 　 　 ／　 　 　 　/　　 　 }＼
　　 　 　 　 　 　 ／　 　｛　‘.　　　 ｣ 　　　　／　　　　　 　/　　　　,′
.　　　　　　　　 / 　 　 　 !　 }i　 ／　　　　 ハ　　　　　　, '　 　 　 /
　　　　　　　　/　　　　　 |／∧/　　　　　 {　 ヽ. 　 　 ／　　　　 /
　 　 　 　 　 /　　　　　 /　/　｛＼　 　 ＿｣　 　 ＼／　　 　 　 / /

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
正直に「分からない」と返すと、長谷川は深く息を吸い、講釈を並べた。

河川敷で昼間から魚釣りと魚焼きに勤しんでいたとは思えない様子に、
しばし唖然とさせられる。彼はこんな男だっただろうか。
もっとちゃらんぽらんで、こう、典型的なダメな大人という印象だったが。

「俺はもともと実験部隊の出……兵士の中では企業の内情に近い立場だった
人間だったんだぜ。奴らの性質や関係も知ってる」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4835： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/24(木) 22:06:07 ID:BZifX/wU0

　　 　 　 　 　 　 -─―- ､
　　　　　 　 ／　　 　 　 　 ＼
.　　　 　 ／　　　　　　　　　　＼
.　　　　/ 　　　　　　＿／::::::＼_ヽ　　　　　……気にならないでもないけど、正直、そんなことより。
　　　　|　　　　　　　　　:::::::::::::::　 i
　　 　 | 　 u　　　 （　●)::::::::::( ●)　　　　　「うんざりしてんのは分かるっての」
.　　 　 ＼　　　 　 　 　 (__人_）　 /
　 　 　 　 ＼__ 　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　
　　　　　　／ 　 ｰ──―一'´＼





　　　　　　　　　 ､_／N从ﾏ大Ｗ从＼l　ﾍ卅从W勹災七災七
　　　　　　　　　　乂;从l勹|＼|　＼l　　　 ﾍＷ从ﾀﾞﾐ从ｵﾐ仆匕
　　　　　　　　　 ￣Y毛l＼l　 ヽ 　　　　　　＼W勹災七卅从
　　 　 　 　 　 　 　 ﾍl＼l　　　　　　　 　 　 , r '´
　　　　　　　　　　　　 　 ', ;;　 /　　 　, r ' ´
　　　　　　　　　　　 　 　 ',;;; /　, r ';;´''
　　　　　　　　　　　　　　 j ,ｲ､'´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　これが本当の戦争ってヤツなんだろうよ。
　　　　　 　 　 　 　 　 　 l //ハ
　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀lヽ//i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　暮らしてた家や町、保障されてた平和、
　　　　　　　　　　　　　　　｀| ｀ '
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 何もかもが滅茶苦茶になる。
　　　　　　　　　　　　　　　 l
　　　　　　　　　　　　 　 　 l_＿r‐　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　企業連お抱えのリンクスやレイヴンには分からねえ。
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀i
　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿ヽ==‐―'　　　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　勝っても負けても何も残らねえ。
　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣ l 　　　　　　　　　　／
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀ヽ　　　　　　　／　　　　　　　　　　　 生き残ったところで、待ってるのは戦後の壊れた世界だ。
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 弋ilililililililiツ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀'''''''''''´　.｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ',

4836： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/24(木) 22:11:26 ID:BZifX/wU0

　／////////// // ' }/　　`　ヽヽ　`　∨∨/|∨/////////////∧
　／///////{|/ ∨　　ｌ　　　　　　　　　　　 ヽ} }∨////////////∧`
　￣|///∧/!|　　　　　!.|　_,ｨ彳　　　_ｨ＜==ｭ､､_ }∨/// /⌒∨////＼
　　 |/ }.//|∨　 ､　　　 ｌ_〃´,ｨｪ≦三三三}　　¨`y'∨//!}／ヽヽ//∧￣
　　　 /／ |　 _ｨｪｪｭ、,ｨｪｪｪ≦三三三三三}　　　　　|//|ヽ}　　　ｌ//∧
　　　　　　{　　　＞≦　　　∨三三三沙¨´　　　　 　 ∨|　　　　.}//| `　　　　　　気楽なもんだよな、お偉方は。
　　　　　　＞≦三三:i}　　　 ∨沙 イ　　　　　　　　 /　ﾘ　 〉　 ///∧
　 :.　　　　∨三三三ﾉ　　　　　　　　　　　　　　 　 /　　 ｌ　　 //////＼　　　　　 幾らミサイルぶっぱなしたところで、
　　 :.　　　 ∨三沙´/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＿///////∧
　　　 :.　　　　 |　　〈　　　　　　　　　　　 　 _　　　　　　　|　 |/////∧　＼　　　　 てめえ自身は弾丸一発貰う気もねえで座ってやがる。
　　　　 :.　　　 ヽ　 　 ヽ　　　　　　　　　_,ｨ　'　＿＿＿__/＿|幺幺幺＼
　　　　　 :.　　　∧　　　　　__ , ｨニﾆ￣　　 |￣＿＿＿＿＿＿＿＿二二二　　　　 ……そんなだからこそ、戦争なんて始められるのかもな。
　　　　　 　:.　　　∧　_ >イ- イ　　　　　 　 ｌ　}:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　
　　　　　　　:　　 .＞´-‐ ´､ -‐‐''　　　　　　 ｌ　ｌ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　おら、着いたぞ。さっさと寝やがれ。
　　　　　　　　<ﾆ 彳_ >　　　　　　　　　　　　 ｌ　ｌ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　＿＿　-‐ ¨, ｨ　∧　　　:i:i:i:i:i:i　　　 　 ‐ｌ　ｌ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　 俺だって嫁さんとガキほっぽっておまえを送ってんだ。
　<￣　＿_　-‐　:::::::::::::::∧　..:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:／　ｌ　ｌ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　∨　<::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ヽ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i ＜　　　ｌ　ｌ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　　さっさと戻らせろや。
　　∨ ∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ｰ‐‐ 'ヽ　　　　 　 }　}::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

4837： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/24(木) 22:11:42 ID:BZifX/wU0
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

4838： ◆x0SRSoJXe.：2022/03/24(木) 22:24:26 ID:BZifX/wU0
短い……我ながら短いが今日はここまでだ。

次回は来週の木曜、4/7からとしよう。

許して……許して……

4839：安価のやる夫だお：2022/03/24(木) 22:29:50 ID:ACkNWSh60
乙
体は大事にね

4840：安価のやる夫だお：2022/03/24(木) 22:33:03 ID:aOwWFI1M0
乙でした

4841：安価のやる夫だお：2022/03/25(金) 20:49:40 ID:q22YJ8AE0
乙ゥ〜

4842： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/07(木) 20:01:12 ID:Xhr4HBQs0
　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ　　　　　
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ 　　　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´　　　　　　
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||　　　　　　　　
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

4843： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/07(木) 20:08:12 ID:Xhr4HBQs0

　　　　　　　　　_　_　_
　　　　　　　／: : : : : : ｀i
.　　　 　　　i: : : : : : : : : :!
　　　　　　　､: :○: : ○: :!
　　　　　　　 i: : : : : : : : : i　　　　　　　　　延々とワクチン3回目を撃ち損ね、ワクチンチン止まりのモコイさんだよ。
　　　　　　　 l: : :,, --_ｯ: :',
　　　　　　　 丶 ｀‐'´: : : :ﾉ　　　　　　　　　いつになったらワクチンチンチンになれるのやら。
　　 　 　 　 / ´: : : : : : : : ｀ヽ
　 . 　　　　/: : : : : : : : : : : : : ヽ　　　　　　　周りは濃厚接触者になって一週間自宅バケーションしてたり、
　　　 , -‐': : ,: : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　／: : : ,-ｲ: : : : : : : : /｀丶: : : :､　　　　　 しょーじき羨ましい。はじめてこっか。
　 ｒ⌒ ,／　/: : : : : : : : i　 　i: : : : i
　 ` ‐ '　　/: : : : : : : : : |　　 ! : : : |
　　　　 　 i: : : : , _ -‐ ´,) 　 ｀ ヽ _|
　 　 　 　 (_ _i￣(_　-‐'´i
　　　　　　|　:|`‐´i : : : : |
　　　　 　 |: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
　　　　 　 |: : : : : |: : : : : !

4844： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/07(木) 20:09:35 ID:Xhr4HBQs0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／⌒＞ _
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／／ト _　　 ＞　_
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／／　　　　＞　_　　 ＞ ､
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／／ 　 　 　 　 　 　 ＞ ,_　 )>､
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／／　　　　　　　　　　　　 ／,ｨ':::ｦ’
　　　　　　　　　　　　　 　 ／／　　　　　　　　　　　　 ／,ｨ':::ｦ’
　　　　　　　 　 　 　 　 ／／　　 　 　 　 　 　 　 　 ／,ｨ':::ｦ’
　　　　 　 　 　 　 　 ／／　　 　 　 　 　 　 　 　 ／,ｨ':::ｦ’
　 　 　 　 　 　 　 ／／　　 　 　 　 　 　 　 　 ／,ｨ':::ｦ’
　　　 　 　 　 　／ 　 ｀ ＜　　　　　　 　 　 ／,ｨ':::ｦ’
　　　　 　 　 　( 　 　 　 　_｀ ＜　　　 　 ／,ｨ':::ｦ’
.　　　　　　 　 　 ｀_＜　廴 )　　 ｀ ＜ ／,ｨ':::ｦ’
　　　 　 　 　 　 　 ＞ ｀_＜　　　　 　 ,ｨ':::ｦ’
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＞ ｀_＜__,,ｨ':::ｦ’
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＞::_::ｦ’

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明かりを落とした部屋の中、ベッドの上で膝を抱え、毛布をかぶる。
身体こそ横たえてはいるものの、眠る気など毛頭なく、PDAの画面を眺めていた。

眠れるわけもなかった。
あれだけのことがあったうえで眠れるほどの図太さもない。

海流も穏やかなのか、艦内の揺れも穏やかで、やけに静かだった。
余計なことを考えさせるには十分すぎるほどに。
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4845： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/07(木) 20:20:55 ID:Xhr4HBQs0


　　　　　　　　　 ＿＿
　　　　　　　　　 V, :::::::::::::￣”三二ニ＝…‐一
　　　　　　　　　　V, :::::::::::::::::::::::::::::ー=≦
　　　　　　　 _______V, :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::......
　　　　 　 　 V, :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::≧=ー
　　　　　　　　V, ::::::::::::::::::::::::::::::::::V, ::::::::::::::::::: く
　　　　　　　 / V, ::::::::::::::::::::::::::::::::::V, ::::::::::::::::::::::＼
　　　　　 　 i{::::: V, :::抖rｾ〔:::::::::|:::::::V, :::::::::::::::::::::::: ＼
　　　　　　 八|::::::V, ::芹テﾐx::::: |:::::::: V, ::::::::::::::::::::::::___＼
　　　　　　 　 |::∧;V,:| ﾋﾘ　 〉 :: |ヾ ::::: ｉ､:::::::::::: |:::::::{
　　　　　　 　 l/／　 :!　　　　V,:|　}ﾊ::::|ﾉ :::::::::: ﾄ､::::{
　　　　　　　 　 ヽ　　{ 　 　 　 vl　八V|::::::: | ::: |　ヾ{
　　　　　　　　　　ゝ‐－'　 　 　 }/: : |:ﾘ:::::::::ﾄ､:::|
　　　　　　　　　　　}　　　 . . : : : : : ::l∧:::::: |　ヾ
　　　　　　　　　　　ゝ=≦: : : : :｢三二ﾆﾊ从l］
　　　　　　　　　　　／ 　 ヽ: : .:|三二ﾆ=―　|_
　　　　　　　　　　 入_／ﾆｱ : : !三二ﾆ=―=ﾆﾊ___
　　　　　　　 r≦三三}ﾆア___ ノ 三三二ニ＝―=ﾆ二≧x
　　　　　　　 |三三／ﾆ7　　|三三二二ニﾆ＝―=ﾆ二二 ＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
無軌道に指を滑らせていると、アルバムが出てきた。
ストレージの中には、幾つか写真があった。

カズキが休業すると連絡してきた後、送ってきた写真だった。
妻だと名乗っていた女性とのツーショットに視線を持っていかれる。
病院の帰り道だと聞いていた。

並木道を背に、心の底から弾けるような満面の笑顔を湛えるカズキの隣で、
少し照れ臭そうに肩を抱かれる女性の姿が映っていた。

今頃、カズキはどうしているのだろう。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4846：安価のやる夫だお：2022/04/07(木) 20:22:04 ID:Rr3qMD.Y0
何か敵として出てきそうな悪寒が

4847： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/07(木) 20:24:47 ID:Xhr4HBQs0

＿_|│　＼＿＿
　　l└┐　ｌ 　 ＼ ＼
二二 ＼　 |　 ＼|　　＼
.､＼　＼＼|　 　 ＼ ┌､＼
　＼＼　ヽ ヽ＿＿ ￣＼> ＼
､　　＼＼}　 }////,＼　　＼　､　
　＼ ＿､ﾉ　///////∧__　　＼､
　　　＞─く/⌒ｌ///////ﾄ､.＿_＼
　／　|　　 |￣ｌ L//////,|　　　 ￣
/　＿_､　　| 　 ＼＼////|
／┌　 >⌒＼　　　/＼/,ｌ
　　|　 /　　 　＼　 {　　｀
. ／　/. 　 　　　 ＼|
＜　 {
　 ＼ｌ
＼　 ＼
　 | 　　 ヽ
　 |　　 　 }
　 |　　|　 |
　 |　　|　 ﾄ､＿＿　 -─‐-､
　 .＼　＼|　 　　 ｀r＜⌒ヽ ヽ　
　　　 ＼ .l 　　　 /7⌒＼　}　}
､　　　 ／lヽ　　 .l |　　　 ＼ノ
　＼／　 |　|　　 | |　　 　 　＼
　　 〉─○.ﾉ　　 LL.＿＿＿＿＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
今になって分かるのは、自分がどれだけ恵まれた環境にいたか、ということだけだ。

任務を受け、仕事を全うし、報酬を受け取って生活する。
銃口を向ける相手は企業が選ぶ。
ひとたび戦場に出れば弾丸の雨に晒されるが、それでも自分はリンクスだ。
他とは違う、ネクスト機の搭乗者という絶対的な優位性の下戦っていた。

仕事を終えてコロニーに戻れば、戦争経済の上層に居座る特等市民ID所持者。
食うにも寝るにも困らない生活が待っていた。

それが今ではどうだ。

かつて口減らしでコロニーを追われ、テロリストの汚名を着せられ、
企業から武器を持たされ代理戦争に駆り出されていたクーガーやカズキも、
こんな気持ちだったのか。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4848： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/07(木) 20:26:57 ID:Xhr4HBQs0

　　　　 　 　＿＿__
　 　 　 　／　　　　＼
.　　 　／　 　 　 　 　 ＼
.　　／　　　 ―:::::::::ー　 ＼　　　　……もう会えないのかな。
　　|　　　　（●）::::::（●） 　|
.　　＼　　　　（__人__）　 ／　　　　いや、次に会う時は……
.　　　ノ　　　　｀ ⌒´ 　 ＼
　／´　 　　　　　　　　　 　ヽ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
明日も知れないその日暮らしなど、慣れたものだと思っていた。
引きずり戻されるその時までは。

リンクスとしての暮らしに浸かりきった自分の心身は、
かつての路上暮らしのような不安定さに酷く参り切っていた。

明日にも、少し前まで友人として会っていた人物と戦場で出会うかもしれない。
敵として。

ディランディの気持ちが痛いほどわかった。
自分だって、こうなる前はただのリンクスだった。
企業連に体よく使われる独立傭兵。それでよかった。そのはずなのに。

後悔しているわけではない。
これははやてを、一時の平和を過ごさせてくれた場所や人々を守ろうとした結果だから。

けど、どうしても思わずにはいられなかった。
なぜ、こうなってしまったのか。
どうして今、こんなことになっているのか。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4849： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/07(木) 20:37:28 ID:Xhr4HBQs0


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　　　　 　 　＿＿__
　 　 　 　／　　　　＼
.　　 　／　 　 　 　 　 ＼　　　　　
.　　／　　　 ―　　 ー　 ＼
　　|　　　　（●） 　（●） 　|　　　　　　……
.　　＼　　　　（__人__）　 ／
.　　　ノ　　　　｀ ⌒´ 　 ＼　　　　　　　（どうやって持つんだっけ……）
　／´_＿＿＿　　　　　[｢「l＾＼
（　　　　　　　 ＼　　／`气⌒ '.　
　￣丁　￢=> ｝} 〉彳　 　 ｛　 ﾉ





　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,. . : :´: : : : : : :｀: : . ､　 __
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : ｀/∧　＿
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,:´ : : : : : ,: : : : :､: : : : : : : :|/ﾄ､-'-く__
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,:': : ,: : : : /: : : : : : Y: : : : : : |/|{!: : : Y: :
　　　　　　　　　　　　　　 　 /: ／: : :/: |: |: : : : |: ﾄ､_: : : : :|/| Y : : |: :|
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /: /: : :, : | : |: |: : : :,: /　　＼__,.≠r|: : : !: :!
　　　　　　　　　　　　　　　|: :|: : : | : |_:_{: i : : /:/,.-―-　 彡/ｲ: : : !: ::.
　　　　　　　　　　　　　　　|: :|: : : |イ{:Ⅳ:､ : /:/　 ,ｨrtｫ､ l: : ﾏﾑ: : :|: : |
　　　　　　　　　　　　　　　{: :{: : : {:,.ｨて斥∨ｲ 　 :._)刈 ' |:|i^ ﾏﾑ: :|: : |
　　　　　　　　　　　 　 　 八: :､: : 圦弋_:ｿ　i　　　｀ ¨¨　 {:|, /:|ﾏﾑ:|: : :.　　　　　　　　　　　ね、一緒に食べていい？
　　　　　　　　　　　　　　　　＼〉､: : ＼　 　 ､　　　　　　 |:|ｲ: :! }/| ,　 　､
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /: : ＼:ﾑ　　　　＿__　 　,.:':|:|: : :| ｀¨ | 　 　 :.　　
　　　　　　　　　　　　　　　　,: : :/: :|: : : : .､　 ｀ｰ '　　ｲ_:_|:|: : ::.　　 ､　　 　 ､
　　　　　　　　　 　 　 　 　 /: : ,': : :|: : ／ | ＞　- ´　 !　 ﾘ､: : :}　 　 :.　　 　 :.
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /: : /: : :/／　　l!　　　　　　|､|　　＼:| 　 　 |　 　 　 :.
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先の戦闘で、スタリオンの爆発に巻き込まれた後、
ディランディ隊と黛隊に討ち取られたリエラのことを思い出す。

自分が直接手にかけたわけではなかったから、
彼女の死は情報として聞かされたに過ぎない。

自分が死に物狂いでロストワードを相手どっている間にノーマル隊と戦闘。
ロストワードの撃墜に動揺したのか、動きが止まったところを飽和攻撃を受けて
撃墜された、とのことだった。

大破した機体は回収され、コックピットブロックは炎上して黒焦げになっていたらしい。
中には炭化した遺体が辛うじて残されていたそうだ。

少し前まで、想像できなかった。
フォークの扱い方も忘れて、周りから敬遠された中、ただ一人同じ席に座ってくれた。
リンクス養成施設の中で、唯一自分を友人として扱ってくれた女性。
そんな女性も、今では死体袋の中で、死体の山に埋もれている。

薄々覚悟はしていたはずなのに、実際に起こると、堪えた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4850： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/07(木) 20:43:35 ID:Xhr4HBQs0


　　　　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　　　　　 ／─　 　─　　 ＼
　　　　　　　／ （●）　（●） 　 　 ＼
　　　　　　　|　 　（__人__）　　　　　 |
　　　　　　　＼　　 ｀ ⌒´　　　　_／
　　　　　　　　/ l　　　　　　　 ヽ
.　　　　　　　/ /l　　　　　　 丶 .l
　　　　　　 / / l　　　　　　　 }　l
　　　　 ／ユ¨‐‐- ､_　　　　　l　!
　　_ ／　　　｀ ヽ__　 `-　　　{し|
　／　　　　　　　　　　｀ヽ　}／
　　　　　　　　　　　　／ ／/
　 ,,, ＿＿ __＿　_／ ／_/

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戦うべき敵も、与するべき勢力も、今となってはもういない。

企業連は桜花重工を潰したがった。
そして今、桜花の残党である自分たちを駆逐したがっている。
何かしらの不都合か、不利益があるのだろう。

不当な粛清の証拠を消したいのかもしれない。

本来、彼らは統治機構だ。戦闘要員はともかく、市民は守る義務がある。
コロニー・アマツへのコジマ爆弾投下は明らかな条約違反でもあった。
市民たちの生存自体が、企業連の汚点を証明しているわけだ。

企業連に抗することができる勢力や組織などありはしない。

自分たちは今、正真正銘、パブリックエネミー、世界の敵となったのだ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4851： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/07(木) 20:53:25 ID:Xhr4HBQs0

　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　 　 ／ 　　―　＼
.　　　　　／ 　　(● )　　ﾍ＼
　　　　　|　　　（⌒ 　 (● ) ｜　　　　　で、今はノルドルムに座標がバレて、逃げ回ってる。
　　　 　 ﾍ　　　 ￣｀､__）　　｜
　 　 　 　 ヽ　　　　 　 　 　 ｜　　　　　 コジマ爆弾の雨かお。こうなっちまったら冗談と笑えねえお。
　　　　　　, へ、　 　 　 ＿／
.　　　　　 |　 　 　 　 　 ＾ヽ　　　　　　　　……電話？
.　　　　　 |　　　　　　１ 　 |





　　 /　　　 /'　/　　　　　/　,:'くヽ／　＼　,、 ﾍ　 ／i
　,:'　/　　　,:　'　/　'　/　/　,:'／　 ／＼丶＼ゞ」 ﾉ 丿
'　 ,:　　　/'　　 ／￣￣　;;＼＼へ＼ 　|｜　　　|／
'　/　,:'/,:　　／（〇） 　（●）;＼　 Y´　|ノ
/,:　　　　 ／　（__人__） :::::::;;;;;;;;;＼　　,:'/,:　　　/'
/　,:'/,　　|;;;; ::::｀ ⌒´:::::;;;;;;∪;;;;;;;;;;| '　/　/　,:'/,:　　　　……なんで？
　/　　　　＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,／'　/
/　　/'　　／　　∪　:::::::::;;;;;;;;;;;;;＼'/　　/'
/　,:'/,:　｜::Ｙ　　　　::::∪;;;;;;;|;;;;;｜/　,:'/,:
　　　　　｜｜∪　:::::::;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;｜

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どうにもならない物思いに耽る中、PDAが震えだした。
通話の呼び出しがかかってきている。

CDCからの緊急連絡かと思い、飛び起きようとしたが、
画面に映し出された名前を見て凍り付いた。

見慣れた名前の下の応答ボタンを、震える指で触り、耳に端末を押し当てる。
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4852： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/07(木) 20:53:36 ID:Xhr4HBQs0

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　　　　　　　 　 _,.　-ｒ‐､
　　　 　 　 ,∠ ―　,ｒヽ)ﾉ　　 ‐　、
　　 　 　 / 7　‐-,. ( ）'ﾉ　　　　　　　 、
.　　　 　 i　; 　 ,‐!ノ'ノ　 ｀/　 　 ,. -
.　　　 　 '　:,_/〉-,ノ　　 ./　 　 /"　　　　ヽ
.　　　　　ｒ/_.'-‐' 　 ＼ .'　　　/　／　 　 !　､
　　 　 　 `! !.　　　 ､,.ヽ!　　_./／' ,. ｨ　 i　! }
　　　　　　', !　　　 /､ﾉ|　　 .た!ヽヽ/ ノ'　;.ﾉ
　　　　　　　、 、　,ﾍヽ.l 　 l l　　　´　,/,ｲ/
　　　　 　 　 V/＞/∧ l　　!l.　　 　 {.'　.l　　　　　　　　　　　――やはり生きていたようだな。
.　　 　 　 　 _l'/////∧l　　l|　- 、 ,.ゝ　l
　　　 　 ,ィﾆ二二ニ_＜,.――--＜!　　l.|
　　　　 /二二二二／::::::::::::::::::::::::::::＞､i|
　　　_,./＞''" -=／::::::::::::＿＿:::::::::::::::::/}
― /ﾆｉ.lニニﾆﾆ{::::::-:::￣::::::::::::::::ヽ:::::://
::::::i=ﾆ!.!二二ﾆ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::; '
:::::l=ﾆｌ ｌ二二/:::::::::::::::::::::::::::::::;::::::::::;:〉
::::lﾆﾆl ｌニﾆ〈::::::::;:ィ二ニ=_､,､::;:::::::jム
::::!ﾆﾆ!.ｌ-=二';:::://:::::::::::;::ﾆ//ヽ::::/ヽ!ﾑ
::::!/ ,イニ=-__ヽ/:::;ィ////////＼ニl.!ﾆ!
::::l'/ニニニニ＜/////////＞!/∧=!l=l
:::::ﾏﾆ二二ニニ!＞_､//／////＞,/｀マ
:::::::ﾏﾆ二二二ﾆﾑ＜///////＞'"////＼､
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紛れもないアルトリアの、抑揚のない無感情な声が、鼓膜越しに心臓を握った。
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4853： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/07(木) 21:01:21 ID:Xhr4HBQs0

　　　　　　＿＿＿_
..　　　　／　　　u　＼
　　　／　　／　 　 ＼＼　　　　　　どうして……
..　／ 　し （○） 　（○） ＼
　 |　∪　 　 （__人__）　 J |　　　　　「……大方、あなたの予想通りだ。私は今、リンドヴルムに乗っている」
..　＼　　u　　 ｀⌒´　 　／




┌───────────────────────┐
│　　　　　　　　 ┌─-, . ‐´￣￣　 ｀"'ｰ､　　　　　　　　　　...│
│　　　　　　_-‐┐'"~´ 　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　 　 .│
│　　　　　 ｌ::..／　　　　　 _-　　　　　　　　　｀ﾞ ､　　　　　　　.│
│　　　　／`/　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　:ヽ　　　　.....│
│　　　丶:::/、　　　　/　　　 　 l　　　 　 l　　ヽ　　 :ヽ　　　　 │
│　　　 /`/、ヽ /　 /　　　　　/　　　l.　 l　　　ヽ　　:::ヽ　　　 │　　　　　　私は今、あなたのいる潜水艦を撃滅せんと動いている。
│　 　 <:::/　ヽ/　 /　　　　/ /　　　/ 　 ﾊ　l　　l　::l::l:::ｌ　　　 │
│　　　 ﾍlヽ／　　l　　　　/ /　　　/ | 　l. l　ｌ 　:::ｌ:::::l::l::l　　　..│　　　　　　移動していたようだが、今しがた位置を特定した。
│　　 /::::l.:/　　　 l｀＞ト ､_/　　／　/ /　l　ﾊ　:::ｌ:::::l::lﾘ　　......│
│　　 ヽ／　　　　 l　/r-ﾃｪ.､ﾐﾄ ､　/ /　/　l,＞''7:::/l/　　　.....│　　　　　　……やろうと思えば、ここからアサルトキャノンを撃ち込める。
│　 　 /　　　　/　l/　', {. {}　l　ヽ_ﾞン　 /,ｨ,.r-, /レ'、　　　 　 │
│　　/　　 　／l ./ﾄ, 　 ヽ.. ノ,.　　　　 　 ｲi;ﾘ '/::::::::ﾊ　　　　....│
│　 //　 　/ヽ´/ .l 丶　｀￣　　　　　 　 ゝ'_ /ｌ:::::::::ｌ::l　　　　...│
│　 l::ｌ　　/ 　l .lヾl::::::::ゝ　　 　　　　　 l　　 ,　ｌ::::::::ﾊ::l　　　　..│
│　 ﾚl　 /　 　l l　| ヽ::ﾞｰ'´/　　　　_　　　ノ　 ｌ:::::::::ｌ ｌ:l　　　.....│
│　　 l　ｌ　 　rヽl――｀:ｰ┐:ﾍ 　´　｀ ／　 　 ｌ::::::::/ ｌ:ｌ　　　....│
│　　丶l　 　 |:::::::::::::::::::::::::|丶､ヽ　イ--「:|　 /:::::::/　,ﾘ　　　　.│
└───────────────────────┘

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
機械じみた調子で死の宣告をつらつらと並べるアルトリアに、通話越しに戦慄する。

とにかくまずい。
それが事実であるのなら、もはや間に合わない。

自分がマーシフルに搭乗する時間を待たずに、彼女は海面へ大量破壊兵器を
叩き込み、海を干上がらせ、この潜水艦を蒸発させるだろう。

が、そこで違和感に気付いた。
だとするなら、なぜそうしないのか。

「そうだ、取引だ。私はノルドルムより、あなたたちとの交渉を命じられている」
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4854： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/07(木) 21:08:05 ID:Xhr4HBQs0


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│　　　　　　　　　　　　　　　　　,. -―‐=- 　 _　ヽ　､　 　 ヽ 、　　　　.....│
│　　　　　　　　　　　　　　　／＿/ '´　　　 　 ￣｀ ､　ヽ　 ﾉ .）　　　　　.│
│　　　　　　　　　　　　 　 ,.' l´.／　-‐ ア'"　　　 　 ｰ-　　＜　　　　 　 .│
│　　　　　　　 　 　 　 　 ／./'" 　 ,∠　　 　 '"　　　 　 　 　 `　　　　　..│
│　　　　　　　　　　　　　V/　、　-‐　／　　 ,.　 ´　　　.　 ハ　 ヽ　　　...│
│　　　　　　　　　　　　 , '/ヾ 、,.'　／　　／ 　_,.　‐ ／　.' 　 ! 　 '　　　 .│
│　　　　 　 　 　 　 　 〈　!､ ヽ'　 , /　'／ .／ｰ-'"／ ,. ' 　 / !　ﾄ. '　　　.│
│　　　　　　　　　 　 　 ゝl.／　　 ｌ/, /／ハｆ:;ﾃ＜"／　 ／ /　 ! ｿ　 　 .│
│　　　　　　　　　 ,.　´ i／　　 / ／!（　´ 　 ｀ｰ　 / ／　,ｲ/ ｲ,ﾉ　　　　 .│
│　　　 　 　 　 　 {'　,.'／'　 ,.'/./.ヽ!二7　　 　 　 '"　　（ｿ!　 ﾄ､　　　 　 │　　　　　　無条件降伏だ。
│　　　　　　　　　　 （　/ ／_,'/ ､T ﾏ二二ア　 　 　 　 冫!　 .ｌ ヽ　　　　│
│　　　　　　　　　　 　 {./　　l'_ヽ_|＿ﾏﾆﾆ（_,.ｨ　　‐=　　 ｲ　　.!　）　　　 │　　　　　　その上で、桜花の開発部のデータ、その全ての譲渡。
│　　　　　　　　　　　　l' 　 /二二二二ﾆ=-､(　　 　 ／ .ﾉ　　,.!ノ　　　....│
│　 　 ,ｨ77777777777777＞マ二二二二二}＼　／　,.'./　.ノﾉ　　　 　 .│　　　　　　 付け加えて、マーシフルのリンクス以下戦闘要員の
│　　 ////////////////////,ハ‐マニﾆﾆl三ヽー-（ ' ／　　　　　　....│
│.　　{/////////////////////∧ニ="マ_!二二=-､!.l'　　　　　　　　...│　　　　　　　ノルドルムへの帰属。
│　　 !'/////////////////////,∧",.ィニ-＿ 二二l　　　　　　　　　...│
│　　 V//////////////////////,}二二二ニ=＝-ｰ､‐ ､　　　　　　　.│
│　 　 V//////////////////////ﾆ-''"_,. -=ニ二ﾆ=-</＼　　　　　..│
│.　　ｒイ/////////////////l///-'　,イニニニニニニニヾ/,ﾊ　　　　 │
│.　　ｌ'//////////////////l'" ,ィﾑ. ﾏニニニ二二二二二ﾑ/l　　　.....│
│　 ////////////////////ｌ'二二ﾑ. ﾏ二二二二二二二二ﾑ　　　　 │
│　 !///////////////////,!ニニ二ﾑ ヽ二二二二二二二二ﾑ　　......│
│　 V//////////////////,lニニ二二ヽ ヽニニニニ二二二二}　　.....│
│　　ｌ'//////////////////!ニニニニ二＼＼ﾆニニニニニ二/　　　 │
│. 　 !////////////////// ﾏ二二二二二ｉ　 ＼ニニニニ二/　　　....│
│.　　l'/////////////////ﾑ. ﾏニニニニニｌ　ト､ ＼ニニニ/!　　　......│
│　　 V,///////////////ニﾑ. ﾏニニニニﾆl　l二＼.｀ マ//,.l　　　 　 │
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　 　 　　　＿＿＿_
　 　　　／_ノ　 ヽ、＼
　　　／（ ●） 　（●）.＼
　 ／　　　（__人__）　　u. ＼　　　　　　　そ……それを呑めば、助けてくれるのかお？
　 |ｎi 7　　 ｀ ⌒´　　　　.　|ｎ
l^l | | ｌ ,/)　　　　　　U 　l^l.| | /）　　　　「ああ」
', U ! ﾚ' /　　　　　　.　.　| U ﾚ'/／)
{　　　 〈　　　　　　　　　ﾉ　　　 ／　　　　（……あれ、凄く良心的に聞こえてこないか？）
..i,　　 　."⊃　　　　ｒニ 　　　 /
　."'""⌒´　　　　　　　`''""''''

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アルトリアは短く肯定する。

それを受け、軽い沈黙を置いた。

今すぐに、なのはたちに連絡をすべきだ。

ここまで、企業連は自分たちの降伏すら許さなかった。
要求するのは死体のみと、ひたすら攻撃を加えてきた。
けれどノルドルムは、自分たちの降伏を許すと言っている。

「……だが、それはあなたたち、『マーシフル以下戦闘要員』のみだ。
その他は認められない。この艦と共に消し炭になってもらう。
加えて、あなたたちはノルドルムの正規の戦力には数えられない。
企業連に加わっている以上、公に迎え入れるのも不可能だからだ。
あなたたちには、非公式のプライベートフォースとして、ノルドルムに従ってもらう」
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4855：安価のやる夫だお：2022/04/07(木) 21:11:42 ID:wT1VcUTk0
すぐ死ぬかじわじわ死ぬかの違いでしかないな

4856： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/07(木) 21:13:22 ID:Xhr4HBQs0

　　 　 　 　 　 　 -─‐──‐-、
　　　　　　　 ／ 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　 　 ／ ;　　　　　　　　　　　 ヽ
　　 　 　 l　　U　　　 　 　 　 　 　 　 l
　　 　 　 |　　　　　,　、　　　　 ;　 　 |⌒´⌒｀ヽ、
　　　　　 !、　　_ノ"　"ヽ、__　　∪　　　　　　　　＼
　　　　　　 ヽ (（●）　 （●） )::　 /⌒゛`　　　　　　 l:
　　　　　　　 /ヽ~゜（__人___）~__ ,ノ|　　 　 ,　　　　　|
　　　　　 　 /　　　/` ⌒　´　　　 | 　 　 |　 　 ,　　 !
.　　　　　　/　　　/　　　　| `ー-,,,|"　　　|___,ノ　　 |
　　　　　 /　　　/　　　　　|　　　　|　　　　|　　　　 ,lー─- 、
　　 , --‐-ー、_/　　　　　 l　　 　 ,|　　　　|　　　,／　 ）　　 ）
　 く / /　ァ- ,ノ　　　　　　＼ノ＾ノ^／⌒ヽ.j＼　　／＾ー-‐'
　　 `ー' ー´￣　　　　　　 (_イ_,イ、_,ィ'´__/　　￣

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それは、つまり。

この要求を呑めば、彼女は自分たち戦闘要員のみを救出した後、
潜水艦を撃沈させるだろう。

そうして桜花の残党の全滅を装い、自分たちを迎え入れる。
非公式の戦力。企業連が大量生産してきたテロリストと何も変わらない。
ノルドルムのバックアップを受け、代理戦争に明け暮れる名前のない部隊となる。

自分やはやて、整備班の人々は生き残れるかもしれないが、
その他の人間は例外なく塵にされてしまうだろう。

要するに、困窮した自分たちに、他に選択肢がないことをいいことに、
こんな要求を叩きつけに来たのだ。

期待した自分がバカだった。結局、こうなるのだ。
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4857： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/07(木) 21:21:14 ID:Xhr4HBQs0

　　　　 　　　　＿＿＿
　　　　　 　 ／　　　　　＼
　　　　　 ／　　　　　　 　 ＼
　　　　／　 　 　＼ ,　, ／　 ＼　　　　　　……アルトリアさん。
　　 　 |　 　 　 （ー）　 （ー）　 |
　　　　＼　 u. 　 （__人__）　,／　　　　　　　「分かっている」
　　　　　ノ　　　　 ｀ ⌒´　　＼
　　 ／´　　　 　 _i⌒i⌒i⌒i┐ ヽ　　　　　　えっ？
　　 |　　　　ｌ　 （ l　/　/　/　l
　 　 l　　　　l 　ヽ 　　　　　 /





┌──────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　－＝＝　ｘ--,_　　　　　　　　　　　..│
│　　　　　　　　　　　　 　 ,　´　　　　　　　　ヽ＼ト,　　　　　　　　 　 .│
│　　　　　　　　　　　　 ,　　　　　　　＼　　　　 、＼ｙ　　　　　　　　　│
│　　　　　　　　　　 　 ,'　　　　　 ',　　　，　　　　、 .}ﾌ　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　 ,　　　　 ﾊ　 ',　　　j　　　　ヽ　}ﾌ　　　　　　　....│
│　　　　　　　　　　　.;　!　|　　', ヽ、ｘー ナ、　　｀ ∨）　　　　　　 　 .│
│　　　　　　　　　　　 ，.i　.ﾄ、　' ,　 》ﾁテ弌八　　乂　　　　　　　 　 .│
│　　　　　　　　　　　 } 人 从≧ …　 乂jﾉ<;;;|　＼ {　　　　　　　　......│
│　　　　　　　　　　　.|ﾉ .}　 "叭)　　　　´ /;;;;|　　 ヽ　　　　　　　　.....│
│.　　　　　　　　　　　′ |　∧´　 '　　　　〉;;;,ﾘ　　　}　　　　　　　　　 │　　　　 あなたがこの要求を飲まないのは、分かっている。
│.　　　　　　　　　　　　ノ　　ﾉ》x:.　´｀ /^:ﾈ !!|j　　 ,'　　　　　　　　　..│
│　　　　　　　　　／¨, ===ヽ<　（＼);;;;;;=¨”;;;;;|{　　ﾉ　　　　　　　　......│　　　　 飲むような男であれば、こんな状況に身を置いてはいない。
│　　　　　　　　./ ノ/;,;,;,;,;,;,;,;,;,＼＼＼r--===ﾉ .ノz　　　　　　　　　....│
│.　　　　　　　 ´　/;,;,;,;,;,;,;,;/＼;,;,;ヽ￣|　　　￣　　 |l　　　　　　　　　..│　　　　 ……上がってくるがいい、ネクストでな。
│　　　　　　　　 /;,;,;,;,;,;,;,;,;,l l;,;,,＼,;,}　.|　　《　　　 :　ﾍ＝＝´｀ヽ　　　.│
│　　　　　　　　};,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;l l;,;,;,;,;,;,;,ヽﾉ、，-＝ ⌒　ヽ,l;,;,;,;,;,;,;,;,;}　　.....│　　　　 私は上空で待っている。それまで、攻撃はしないと約束しよう。
│　　　　　　　 /;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,,ｿ,,,;,;,;,;,;,;,;/P´　　　　　　 :　 ＼;,;,;,;,;,;|　　.....│
│　　　　　　ノ,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;ﾉﾉ;,;,;,;,;,;,;,;,;ｿﾉ　　　-…　´￣:｀ -　',;,;,;,;}　　.....│
│　　　　　{;,;-===;,;,;,;,;ﾉ」;,;,;,;,;,;,;,;,;,;//- ´　　　　　　　 :　　 l,;,;,;,l　　......│
│　＿＿rナ77 ヽ ヽ;,;,;,;,;,;,;,;,;_....=".八　　　《　　　　　.:　　.,;,;,;,;,;〉　　....│
│（（＿ﾉ;,;,;,-=<__／＼＿__ノ　}=-"　　、　　.》 　　　 .: 　.ﾉ;,;,;,;,;,〉　　　.│
│　　/;,;,;,;,;,;,,;,／: :....: :＼∧　　' ,　　　 ＼《ﾞ《　　;;　.:　 ｲ;,;,;,;,;,ﾉ　　　　│
│　 ﾉ;,;,;,;,;,;／.....:.:.:.:〜／: :ヽ　　 i　《 　 ,　　ﾞﾞ … --"　;,;,;,;,;,ﾌ　　　　 │
│　 ＼_.／へ: : : :....／: : :..... ⅹ{　i　》　;;　　　巛　　ﾉﾉ.{二二;　　　......│
│　　＜: : : : : ＼／: 〜て／: : :ﾍ ',,《　;;　　;;　　》　 (　 i,;,;,;,;,;,}　　　　 │
└──────────────────────────┘

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言い終えると、アルトリアは一方的に通話を切ってきた。
それと同時に、まるで示し合わせたかのように艦内警報が鳴り響く。

端末をズボンのポケットに突っ込み、ベッドから飛び出す。
困惑と焦燥で汗をびっしりとかきながら、軽くため息を吐いた。

彼女が何を考えているのか、さっぱりわからない。
だが、彼女は何らかの意図があって、自分に猶予を与えている。

出ないわけには、いかない。
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4858： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/07(木) 21:21:35 ID:Xhr4HBQs0
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4859： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/07(木) 21:27:18 ID:Xhr4HBQs0


　　　 　 　 　 , - ‐‐‐-　、:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ、　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.ヽ、
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　 　 ｉ:.:.:/|:.:.:.:. ',:.:.:.:.:|-/_|_|　　ヽ／,イ圷≧ｉ:.ｉ:.:.|:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　　――落ち着いて聞いて、やる夫君。
　　　|:./ .|:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:!:.ｉｲうﾐ　　　 　 {::::::::ら |:}:.:|:.:.:.:!´.ヽ:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
　　　|/　 !:.:.:.!:.:.ヽ:.:.:.|〃{:::j　　　　　 辷シ　!:.:./:.:./| ヽ.} |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　ついさっき、艦上空に敵機を確認。
.　　　|.　　',:. | ',:| .|ヽヽ｀.ﾋﾘ　 　 　 　 　 　 /:/／:.:.:!　/: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
.　　　　　　ヽ|　ﾘ　!:.:.ヽ＼ ヽ　　　　　　　.〃|:.:.:.:.:./_/／.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　……ネクスト機だよ。
.　　　　　　　ヽ　　ｉ:.:.:人　　　 -‐-　　 　/　 !:.:.:.:./／. 　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　 　 　 　 　 　 ',:.:.:.:.ﾍ　 　 　 　 　 　 　 |:.:.:.:/.　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　 ヽ:.:.{　ヽ、　　 　 　 .＜.|:.:./l　 　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　 ＼ｉ　　　＞.-t ´　　　|:/‐┤、.　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　＼　　　 r､| .-　￣/　／　ｉ、　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〃.ヽ　　　.／　　 |::｀ヽ.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |





ｨ仁ニニｱ=＝tニﾆiニﾆ〉ヘ
=ア,:.:,:ｸ:.:.:.:.:.:.:}ｉﾆﾆi{ニ寸xﾍ}、
.:z=ﾆニ≫z=ﾆ＞<zﾘ二ﾆ寸xﾍ　　__　_zｭ
≫ｚ=ニ二アi７:.:./へﾆ/＼=寸x＜=Y/ﾆL、
=ﾆﾆニ＞仁7:.:.//〉/ﾍ{i○ ＼_寸xﾆアﾆニﾍ
ﾆ＞=ﾆﾆニ〈:.:////.　/}i　　○)ﾆ７/ﾆﾆﾆ〈ﾉ′
ニニニニﾆム〈//.　/={i○ ／={二ニニﾆi}ﾑﾆﾆへ、　　　　　　　　機体名はリンドヴルム。ノルドルムの試製パーツで組まれた重量二脚。
二二ニニニﾆ＞zz/ニﾆ=ﾆﾆニﾏニニニ7寸Vﾆﾆﾆﾍ
ニニニニニ＞=ﾆニアﾏ＞､=ﾆﾆﾏﾆﾆﾆｱＯ 寸ニﾆ寸ﾍ　　　　　　　武装はハイレーザーライフル二門と大出力コジマ兵器アサルトキャノン。
ニニニﾆ／=ニニアニニニム:.:マ=マ=7　　Ｏ}ニﾆﾆﾏ=i
ニﾆﾆ／=ニニアニニニニニﾑix:.:寸x〈:Ｏ ィ仁ニﾆﾆ7=i|　　　　　　 リンクスはアルトリア・ペンドラゴン……ごめん、言うまでもなかったね。
ニﾆ/=ﾆニアニニニニ/二ﾆﾏｉ}=ﾍ:.:.寸i}ニア＼ニニ{i:.=i|
ニ/=ニアﾆニニニニ/ニﾆﾆ i=i!ニヘ:.:i{ニへ、. ＼ニ|i:.zi|
=/ﾆアﾆニニニ二二|iニニﾆ !li|i|二二i|ニﾆﾆﾍ　,、＼=ﾍi!
/アニニニニニニニ|iニﾆﾆ７ｌi|ｌi|ﾆiニi|ニニﾆ=i〈　ﾍ 寸li|
仁ﾆﾆニニニニニニ|iニニ７=i|=i|ﾆｉﾆｉ|二二ﾆﾆi ＼/　 寸
二二ﾆ＞zt=￢ニ二|iニ=７=∥ﾆ∨ﾆｉ|ニニﾆﾆi.|ﾏx　　　ヽ
ニﾆ／ニ二二i|ニニ|ｉ二７ﾆ∥仁ﾆﾏ二ニニﾆ=i|i!ﾏz＼.　　ヽ
二/ニニ二二i|二二|iﾆ７∧'　{ニﾆﾆﾏニニニﾆi|i| ﾏﾆ=＼　　ヽ
=/=ニニニニi|ﾆニニニ∥∧　寸二ﾆ寸ニニﾆi|ｉ|　ﾏﾆﾆｉ|＼.　 ヽ
/ﾆ二二二二i|=ニニニ∥ニi}　　Τニニ寸ニ=i|ｉ|　 .ﾏニi|　ﾞ＼/

4860： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/07(木) 21:30:31 ID:Xhr4HBQs0

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨:.:.＼:::::＞.ｘーｖノー｀ヽ:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀　＜:::::::::::::::::〈￣::::::::::::::ヽYイ‐ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀　＜＼/ー〈:::::>Y´//- ､ヽ ヽ　　　　　　　　　　「今回の迎撃には君一人で出てもらう。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ラ／￣￣＼｛〈Y>ゞ>ｌ｝::｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.．-‐'''"／/:::::彳:.＿:.:.ヽゝトγー∨　　　　　　　　　相手が悪すぎる……ノーマル機や艦載機を
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 _,.．-‐'''"~:::::::::::／i イ:::::（／ ／:.:.:｝ーｙ ／＝＝＝ー,､
　　　　　　　　　　　　_,.．-‐'''"~:::::::::::::::::::／ ［ｌ　∴ヽ::::::ー:::::ﾉｖソ／＝＝＝＝ー´　　　　　出したところで叩き落とされて終わり。
　　　　　　　　　　　／::::〉￣￣￣￣￣／::ｌiｌ/__::::::::::∧:::::::／￣三三二二ﾆ>
　　　　　　　　　 　/:::／　　　　　　　/::::::::::ヾ:::::::＞ー─'´:丶￣=Y:.:.:｝　　　　　　　　　　　　ネクスト同士による一騎討ちしかない」
　　　　　　　　　　 ｌ::/ 　 　 　 　 　 /:::::::::へー/::::::::::／:.:.:.:.:.:｝:::::::|_ノ〉
　　　　　　　　　　 |:|　　　　　 　 　 ￣￣　　 /::::::少-7｀ヽ:::ﾉ ヽ'´
　　　　　　　　　　 |:|　　　 　 　 　 　 　 　 　 ラ:::ノ　/:::／ｿ
　　　　　　　　　　 |:|　　 　 　 　 　 　 　 　 /:::／:::::/／:ﾘ
　　　　　　　　　　 ﾄ＼　　　　　　　　　　　｛／:::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　 ＼.､　　　　　　　　　〈/／7::::::ｒ､/
　　　　　　　 　 　 　 　 ､＼　　　　　　　　ﾄ／/:::／/
　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼ ､　　　　　　　　ヽ〈_／






　　　　　　　　　　　　　-― -
　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　 ∠　―― -　　　:::::::..　　　＿＿
　　　　　 ィ::i´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀::..､ l ／r――　＝‐､
　　　 ／::l::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`::'￣￣￣｀:..､
　　. /l::::::l::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::￣ ｀ヽ､:::ヽ
　　/::l:::::::l::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::ヾ:::::l
　. {:::::l:::::::l::::＼/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::ヽ::::::::lヽ::l
　 l::::::ﾍ:::::::＼/::::::::::::::::::::::::::i::::::i::::l:::::l:::::::::::ヽ::::::::l::::::::l ヽl
　 l::::::::::ﾍ::::::/::::::/:::/::::/:::::::l::::l::l::::l:::::l:::l::l::::::l:::l::::::l::::::::l　|　　　　　　……正直、厳しいのは分かってる。
　. l::::::::::::ﾍ::l:::::::l::::::l:::::l:::::::/:::://::/l:_/l_｣_l､:::l:::l::::::l::::::::l
　　ヽ::::::r‐‐|::::::l::::::l:::_｣::-r‐:/7フ´｢/ .l/ｫﾐ:::l::::l::::::l:::::::l　　　　　　　　けど君は、助太刀こそあったものの、ネクスト三機を相手どって
　　. ヽ::{　　l:::::::l:::::l:´::l:::/∠ ﾆ＝ﾐ　 ﾁﾟ://::/ /:::::ｲ::::/
　　　 ヽ＼ ヽ:::::l::::::l::::<´,イ　 ,ﾘ　　 .ﾑ//;ｲ:::/::::/.l:::/　　　　　　　　　生き残ったリンクス。可能性はある。
　　　　 ヽ:>ｰl＼{ヽ{ヽ{　 辷z/　　　　 l'//::/l:::/ l::/
　　　　　V　 .l::::l` `　　　 　 　 　 　 v':/／ l:/　l/　　　　　　　　　　　私は、信じてるからね。
　　　. r,/　　 .l::::l　 　 　 　 　 　 _ ／l:::l:::l /'
　　　/〈 ヽ､　　ヽ:ヾ ､ 　 　 　 ´／::::::l:/:::::l
　　./　 ＼　ヾヽ､ヽﾍ/` ┬-....´:::::::::/'::::::::::l

4861： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/07(木) 21:32:21 ID:Xhr4HBQs0
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4862： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/07(木) 21:34:20 ID:Xhr4HBQs0
┌──────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　リンドヴルム撃退　依頼主：---　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　......│
│　　　艦上空にて敵機が待機している。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│　　　どういう意図かは分からないが、迎撃に上がらないわけにはいかない。　　　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　味方機：なし　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└──────────────────────────────────┘

4863： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/07(木) 21:45:10 ID:Xhr4HBQs0

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　 '　 '　ヾ　､　ヾ､　`､　．　'`、′。．・`；　'、．・．　'`、′。．、′。．・`；　'、．　`　　'　、　 　 ＿＿ノ
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'　、　′'、′' 　、`' ． 'ヾ `､ヾ ､`､,, 　',．　'`、′。．・`；　'、．`；　'、．・" 、 ′"　。　．　`
．　'`、′。．・`；　'、．、ヾ ､`　ヾ・、　',　:　　:　　:,'　,　',　,'　'`、′。．・`；　'、．・。　`　'、．
　 '、′' ．　'、′' ・．　'　､,, 　',`　　:　　　::　　:　　　:　　::　　:　/;′。．・"；　'、．・"　`　'、．
'、′' 　、`' ． 'ヾ `､ヾ ､`　:　　:　　　:　　　　　　:　　　:　　　:,　:　／．　'`、′。．・`；　'、．・
、′' ・．'、ヾ ､`　.＼ 　､　`　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,"　´,　′(　／:′。．・"；　'
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　　　 `ヾ＼'i,　　`　､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　',　,ｉ　'／,′",／／
　　 ＼.`ヾ＼ ,,)`　　　､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　'　,　',　 ´(　／　〃´,. '
　　　　 `ヾ＼'i,　　`　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　',　,ｉ　’／,′",／／
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　　　　　 `ヾ＼'i,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´／,. ',〃／
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カタパルトから打ち出され、深海の暗闇を突っ切り、
真夜中の海面へと飛沫を上げて躍り出る。

頭上には煌めく粒子を降らせながら浮遊するリンドヴルムの姿があった。
漆黒の分厚い装甲に身を包み、尋常ならざる量の粒子をまき散らすその姿は、
ネクストというより、ちょっとした規格外兵器じみた威圧感すらあった。

高度を上げるマーシフルを見据えたまま、亀裂のような赤いカメラアイが鈍く輝く。
ハイレーザーライフルを構えもせず、そのまま相対する形となった。

悪天候の中、月明かりすら見えず、ブースターのジェットとカメラアイだけが
黒い巨体を僅かに照らしている。
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4864： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/07(木) 21:58:24 ID:Xhr4HBQs0

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│　　　　　 nﾍ.:.:;.:'.::.::.:.:.:,ｲ.:.:..:.:,ｲ.:.:.:.:.:.:.:.:;l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_.:j¨｀ヽ.⌒ヾ:.､　　　.│
│　　　 　,ｲj､.:.v.:.:.:.:.:.::/:/.:.:,ｲ/.:.:.:ﾉ!.:.:i.:..:j.:.:.:.:.ヾ;,.:.:.:.:.:.:ヾ.:.:.ヽ　 ｀ﾍ　 　 .│
│　　　　/ll!ﾊ:.:′.:.:.:.:/./.／.:/.:／.,ﾉ.;/l:.:;!.::l.ﾍ;.:.:.ヽ,:.:.:.:.:.:.ヾ,:.:.'; 　　!　 　 │
│　　　 ∧jﾊ.:′.:.:.:.:.′〃xｆz左ｚ,;,X, .j:/ !:;|:.:.:l.:.:.:.l.:ﾍ.:.＼.:.::.':;.:.';　　　......│
│　　　 l.l.ヽ.:.:|.::::.:.:.:|{:.:.,仆乞芸て卞 >′l./ｊ.:,ﾘ.:./.:l.:.ﾍ.:.::.ヽ.:.:.';.'|　　　　..│
│　　 　'.:.:.:;:升∧::.:.|.:.:{ｲ ,伐::::::斥′　　ﾉクｻﾄxj:.:.li.:l.:.ﾊヽ.:.';.:.:;.!　　　　..│
│　　　　∨　 !′l:.:.:|:.:.! ､辷ｰクﾉ　　　 　ｹ云x.:ﾉﾒi.:/.:.:.:.:l.:.:.:.:.l:.!　　　......│　　　　　　様子が変だね……仕掛けてこない。
│.　　　　 ゞ､)l::.:.:ゝ:ﾍ､:!　｀¨¨ﾞ`　　　　　/.::ﾇﾘｹ;´.:;ﾘ..:.:.:.∧:l.:.:ﾊ!　　　　 .│
│　　　　　 'iｰl;:.:.:.::.个｀　　　　　　　　　匕ﾞ.ノ_ノノ/!:.:.:.;/　ﾚノ　!　　　　 .│　　　　　　 警戒して。
│　 　 　 　 l.:人::.:.:.ﾞl　　　　　　 　 　 　 ¨`て.._｀V.ﾊ.:::/ 　 !′　　　　　...│
│　 　 　_,､n<　 '.:.､∧　　　　　　　ｃ｡　　　人__,¨＼:l/　　　　　　　　　.....│
│　　ｲ´.:::.ハﾍ　'､l?∧　　　　　　　 　 .,／: :.j　 ／}′　　　　　　　　　　 │
│／　l:::::::., 　＼　´､?「＞､　　　　 , イ´. 　.:.イ´.:l.:.|　　　　　　　　　　　...│
│　 　ｊ::::::::.ﾍ　　＼　　＼ﾍf＞.ｰ イ. . . :＜.:.:.:.';.:.:.:|.:|　　　　　　　　　　　.│
│／¨ ﾍ:::::..∧ /＼｀ >ｰ<cﾊ. . . . . . .fヽ,¨ -ﾅﾍ.';.:.:|.|　　　　　　　　　　　 │
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│/V//,∧:::::..∧､/　 >介ｲー"´　／.:::.∧//zj.:.:.';.:.|　　　　　　　　　　......│
│j∧V//∧:::...∧　　ｊメﾍ＿_　-ｲ.::::::::::::.∧//j.:.:.:.';.|　　　　　　　　　　　..│
│j:iV∧//∧:::::::..＼　ヽ´.:::::::::::::::::::::::::::::::::人/j.:.:.:.:';|　　　　　　　　　　　 │
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ブレードを正眼で構え、切っ先をリンドヴルムへと向ける。
それでもなお、リンドヴルムに動きはなかった。

なのはたちに、事前にアルトリアから連絡があったことは伏せていた。
話したところでどうにもならないし、余計な混乱を招くのも嫌だったからだ。

いつでも斬りかかれる姿勢のまま、沈黙を貫くリンドヴルムと相対する。
明らかに様子がおかしい。彼女にしたって、戦わない理由はない筈だ。

彼女は自分たちを接収しようと、それが叶わぬなら灰にしようと、ここへ来た。
ノルドルムの、企業の使者である以上は、自分たちにとっては死神そのものだ。
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4865： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/07(木) 22:01:41 ID:Xhr4HBQs0


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しかし、戦って勝てるのか。あのアルトリアに。
かつて、なのはをして「勝てたか分からない」とまで言わしめたリンクスに。

やるしかないが、それでも望みが薄いことには変わらない。
呼吸が乱れ、視界が揺れ、突き付けた切っ先が微かに定まらなくなる。

今までたくさん、あの機体に助けられた。
あの黒い巨体がネクスト機を蹴散らし、叩き墜とすのを何度も見てきた。
その機体を、自分が葬るビジョンが、どうにも見えない。

極度の緊張に耐え兼ね、問答無用で斬りかかろうとした、その瞬間。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4866： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/07(木) 22:09:49 ID:Xhr4HBQs0


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│　　　　|: : : : : : :∨:､: : : : : {vﾍ!: : : :!v {チ抃.｀ ﾚ'|: / .ﾚ'　　　　　　....│
│　　　　|: : : : : : :八: :＼: : : ヽ ,'＼: ﾊ　弋ツ 　 / |/　　　　　　　　......│　　　　　　……データを受信。リンドヴルムから？
│　　　　|: : : : : : :|　＼: : ヽ: : : |: : |＼|.　　 　 　{　　　　　　　　　　　 .│
│　　　　|: : : : : i :|　　 ＼:.:., -‐|: : |　　　u. 　 　 〉　　　　　　　　　　　│　　　　　　機体構成データ？　でも、何のために……
│　　　　|: : : : : i :|　　 　./　　 ﾍ : |　 　 　 ‐-／　　　　　　　　　　　...│
│　　　　|: : : : : i :|　　.r―──‐ ､| ＼　＿／:|　　　　　　　　　　　......│
│　　　　|: : : : : i :|　 ./　　 　 　 　 ＼＿＿|ﾊ/__　　　　　　　　　　 　 │
│　　　　| : : : :,　-─'￣￣￣￣￣￣::::::::::::::::::::::::｀＞x　　　　　　　　 .│
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　　　　　　　l_: : : : : : : : ,': : : ｀ゝ.: : : ￣￣ﾞﾍ､＿ ／: ／: : :
　　　　　　　 ゝ- ．: : : : ゝ､_- "　｀ﾞ弋~l: : : :l"´: : ゝ, ': : : : :_
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　　　 ~　　 Cockpit block /.＼-': : l　 |: :/　 /　　∧: : : : : :
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　　ﾋﾟﾋﾟｯ　　 〈_/　　ﾍ　　_>ー―-'｀＼./　 /　　/: : : : : ＼: :
　　　　　　　　 ﾍ: : : / ／: : : : : : : : : :/　 /　　/: : : _: : : : : :
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　　　　　　　　　　　 〈ﾍ: : : : : : : : : : : :＼＼>" : : ゝ|: :/: :＼:
　　　　　　　　　　　　＼＼ : : : : : : : : : : :Τ: : : : : : |: l: : : : :
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視界に映るリンドヴルムの巨体、その胸部にターゲットマーカーが映し出される。
その表記を見た途端、目を見張り、全身が強張るのを感じた。

「やるがいい」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4867： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/07(木) 22:12:11 ID:Xhr4HBQs0

　　 /　　　 /'　/　　　　　/　,:'/,:' くヽ／　＼　,、 ﾍ　 ／i
　,:'　/　　　,:　'＝＝＝＝丶,:'/,　／　 ／＼丶＼ゞ」 ﾉ 丿
'　 ,:　　　/'／　　　　　　　 ヾ　　＼へ＼ 　|｜　　　|／
'　/　,'/,:/《　（○） 　（●）;;;;;》 ヽ　'　　Y´　|ノ　　　　　　　　　アルトリアさん……！？
/,:　　　 | || 　 （__人__）::;;;;;;;;}}.∩}　　,:'/,:　　　/'
/　,:'/,　| 《::::::: ｀ ⌒´;;;;;;;;;;;;;;;》∪| '　/　/　,:'/,:
　/　　　＼ﾐ三三|￣|三三彡／ '　/
/　　/' ,'⌒ﾄ ＿_　兀 　＿ イ⌒'','/　　/'
/　,:'/, {　　i　:::::::::| |:::::::::::;;;;;i　;;;;;}｜/　,:'/,:
　　　　.|￣{::＿::;;;''| |'',,.皿;;;;;;|￣;;|"





　　/　　　　　　　　　　　　i　　　　　　＼　　　　}　>
　 /　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　.|　／　ﾚﾍ、
　,　　　　　　　　 ヽ　　 i　 .|　　　　　　　|、　/　} ノ
　i　　　　　 .l　　　 i　　.ﾊ. ∧.i　　　　　 .| l /　　|' ﾞ;
　|　　　 .|　 i　　　 .| ／! }/　}ﾊ　　　　　.|,ﾉ　/ ./"　　　　　　　　　　　構わん。遅いか早いかの違いでしかないのだ。
　|　.i　　.|　 ﾄ　　　1. ,ﾑ斗:ｒ7 }　　　　　 |　 / ./:.:.:.:.:ヽ
.　i　l　　.|　 「＼　 .ﾊ/ Ｖツ　 ':/　　　　 .|　/ /|.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ　　　　　　　……追撃に遣わされたのが私であるという幸運を、
. 八ハ　 ト　|'芯＼{　　´　　　ハ |　　　 ﾊ　/:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:/
.　　{　`:.ハ .ﾄ.}７　　　 　 　　　 }/|　　　.j　ｙ:.:.:.|:.:.:.:.:.:./　　　　　　　　　あなたは利用すべきだ。
　　　　　 | ヾ. :,ヽ　　　　 　 　 /　}　　　ｊ ∩こ)ﾞ,:-イ~
　　　　　 ｌ　　　|＼　 _　-,　　　　ｲ 　.,v⌒／: :ヽ:.:.}　　　　 _____,,　　　　
　.　　　　 ｌ　　 .|.　　　､ ´　　　／ﾉ-ﾏ｀／: : : : : :’、_ . : : : : : : : :
　　　　　　丶　 i　　　　　`ｰ ' >r"f ﾞ／: : : : : : : : /: : : : : : : : : : :
　　　　　　　 丶 ，　　　　　　⊂ﾞ_／: : : : : : : : ／: : : : : : : : : : : :

4868： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/07(木) 22:17:37 ID:Xhr4HBQs0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ ....　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . 　 ´　　＿ 　 ｀　 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　,.ィ ＞―-｀>‐､- ＼
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　　 r'"／　／　'／ヽﾄ､　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ;　/　/´/　,/　　／､ヽ ',　〉　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, ./　,{　l＿＿_,／　　-‐ !/　;　!
　　　　　　　　　　　　 　 　 　　　ﾉ;　 〃ゝ{ 　 --―　　 彡! 〉 .i　!　　　　　　　　必死に生き延びようと藻掻く人々と、
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／　V /　廴ヽ、　　 ＝‐ ,.ｲ'"　.!,ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　,.　,.イ　ｒ ',　//　i、,.ィマヽ、-イ　l! ; i{　　　　　　　　　絶望的な状況にもかかわらず、
　　　　　　　　　　　　　　　／　,　 '. ヽ 〃／//ｲ'l!ヽ'/ヽ　}.,ﾊﾉ: !',
　　　　　　　　　　　　　,. '　　／ / .lヽ ＼マ////l.!'∧/∧/./i　: ヽ、　　　　　　　それを守り抜こうとするあなた。
　　　　　　　　　　　　,　　　　, 　 ,: :　 ﾏゝヽ.///,l !/∧／7'　!　、ゝ
　　　　　　　　　　　/,...::::::::..､ 　 ハ!　　ヾ‐=!'//,l=!//,l／ }　l　 ; ,ヽ、,...::::::::::..､
　　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::＼ ＿＿ｒ=＝ !'//,l=|'//,!ﾆ=-､＿＿ ／:::::::::::::::::::＼
.　　　 　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ二ﾆﾆ＼ﾆ|_//lﾆ|//,!二／ﾆﾆ二ｌ::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
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　　　　　　　　　 　 　 ゝl.／　　 ｌ/, /／ハｆ:;ﾃ＜"／　 ／ /　 ! ｿ
　　　　　　　　　 ,.　´ i／　　 / ／!（　´ 　 ｀ｰ　 / ／　,ｲ/ ｲ,ﾉ　　　　　　　私には、それを鏖殺してまで、生きる理由もないというだけだ。
　　　 　 　 　 　 {'　,.'／'　 ,.'/./.ヽ!二7　　 　 　 '"　　（ｿ!　 ﾄ､
　　　　　　　　　　 （　/ ／_,'/ ､T ﾏ二二ア　 　 　 　 冫!　 .ｌ ヽ　　　　　　 ……知らぬ仲でもない。
　　　　　　　　　　 　 {./　　l'_ヽ_|＿ﾏﾆﾆ（_,.ｨ　　‐=　　 ｲ　　.!　）
　　　　　　　　　　　　l' 　 /二二二二ﾆ=-､(　　 　 ／ .ﾉ　　,.!ノ　　　　　　　あなたは、私のような壊れた女の、一時の慰めに付き合ってくれた。
　 　 ,ｨ77777777777777＞マ二二二二二}＼　／　,.'./　.ノﾉ
　　 ////////////////////,ハ‐マニﾆﾆl三ヽー-（ ' ／
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　　 !'/////////////////////,∧",.ィニ-＿ 二二l
　　 V//////////////////////,}二二二ニ=＝-ｰ､‐ ､

4869：安価のやる夫だお：2022/04/07(木) 22:21:07 ID:Rr3qMD.Y0
こんなことされるとアルトリアルートも惜しく見えてしまうな

4870： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/07(木) 22:25:24 ID:Xhr4HBQs0

　　　　　　　　　　　　　　＿ r―ｧ-､―- ミ
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　　　　　　　　　　 　 }ﾍゞ｀''＜彡‰ソ　 !　!　 !＼ / ｌ| ﾄゝ
　　　 　 　 　 　 　 　 V乂三∠⌒)´ !∧|　|　.｣ﾉﾚ' | ﾘ |
　　　　　　　　　　　 　 廴乂＿)ノl l 八（l　ﾍ八ｿ｀ﾒ|/ /
　　　　　　　　　　　＞''⌒7^Y⌒ ヽ、,人| 　 ﾍ{｀¨乂ﾚ′
　　　　　　 　 　 ／===／｀nﾍ=====＼ilＮ　 |.、_　/　　　　　　　　　　　　　　　　私を退けることで、あなたの命がどれだけ延びるか。
　　　 　 　 　 　 ＼=／===l.l= ＼===／　|　 |　／
　　　 　 　 　 　 　 ´/====|.!==== <´≧〈从 |´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　それは分からんが、それでも、延びることには違いない。
　 　 　 　 　 　 　 ＿≧s､_ﾉﾊ_==== ﾏﾆﾆゝ-`‐…￢冖ニニアl
　　　　　　　_　＜ﾆ／ﾆ二二Y ￣￣ ニニﾆr'ニニニニ＞''´ =|　　　　　　　　　　　……これは餞別だ。ヤルオ。
　　　　 r＜ニニ／ニニニﾆ/二二二ニニﾆ|ニニニ／二二ニ|-｢ヽ∧
　　　　 ∨=ニニニニニ二/二二ニニニニニニニニニニﾆﾆ上′ﾆﾆ＼　　　　　　そら、ここだ。生憎、自爆機能などないものでな。
　　 　 　 Vニニニニニ／:⌒"''＜ニニニニニニニニニニニニ乂ニニﾆ
　 　 　 　 {／ニニﾆﾆ/　 :　　　　 ｀ マニニニミニニニニニニニﾆ＼ﾆﾆ　　　　　　
　　 　 　 <=／ﾆﾍ二/　　:　　　　　 　 ｀'マニニニミニニニニニニﾆﾆ＞
　　 　 　 〈´ﾆﾆ二∀　　　　　':, 　 　 　 　 ｀'マﾆﾆ／冫､ニニニニニニﾆ
　　　　　　}／二二{　　 ,'　　　 ':, 　　　　　　: :￣i　.ｲﾆ=}｀''＜ニニニﾆﾆ
　　 　 　 /ニニﾆﾆΚ　,'　　　 　 '　　　　　　 : : ／ﾆﾆ=/ 　 　 ｀''＜ニニ
.　 　 　 /ニニニﾆ∧＼　　 ',　　　　　　　　_ イ二二ア　　　　　　　 ｀''＜
　　 　 /二ニニﾆ/　∨_＼　 ',　　　　_　＜ニニニ／
.　 　 /ニニニﾆψ　　V二｀‐┴―≦ニニニニニﾘ
. 　 Yニニニ=／| 　 　 VニﾆГニニニニニﾆ彡〈
　　 {ニニニﾆﾆ/ヽ.　　 {ニニﾍ二二二ニニニﾆ/
　　 ∨二二ニニニ＼ /二二/二二ニニニニﾆ|

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
リンドヴルムがハイレーザーライフルを抱えた両腕部を広げ、
まるで迎え入れるかのような姿勢を取る。

というよりも、まるで胸部をこちらへ差し出しているかのようだ。
その装甲の奥、ターゲットマーカーが指し示すコックピットの場所を。

言葉が出てこない。声帯が凍り付いてしまったみたいに動かない。
頭の中がかき乱され、上手く理屈を捏ねられない。

なのはは押し黙っている。何かを感じ取ったのか、口を噤んだままだ。

どうすればいい。
これは願ってもない状況だ。
ターゲットマーカーが指し示す位置にブレードを突き立てれば、
リンドヴルムは無力化され、この状況を切り抜けることができる。

彼女だって、いくら自分たちを殺したくなくても、手ぶらでは帰れないだろう。
しかし……

下↓3　どうしますか？
1.リンドヴルムを攻撃する
2.攻撃しない
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4871：安価のやる夫だお：2022/04/07(木) 22:26:45 ID:BnvK2H860
2

4872：安価のやる夫だお：2022/04/07(木) 22:28:19 ID:Rr3qMD.Y0
2

4873：安価のやる夫だお：2022/04/07(木) 22:30:02 ID:tkAC1r.c0
2

4874： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/07(木) 22:36:43 ID:Xhr4HBQs0

　 　 ／/ 　 ,ゝ-{≧ｓ。、　　Vﾑ　　 |　　{ .! 　 　,′.}／ヽ　　 　 　 　 ,。ｓ≦}ヽ ＞ 。
.　／　/　　!　,′　　 / ｀ﾄ. 　Vﾑ 　 |　　ﾏV　　,′V!　　 V/ 　 　 /¨{￣ ￣ }　＼　　｀ヽ、
, '　　/, ＜,'!　!　　 ／ 　 ! ヽ、Vﾑ.　|　 　.ﾏV .,′　.〉、 　 V/ 　 / 　.V　　 /　 /-＼.　 　＼
　 ／　　 {i !　i__／　　／＼　}　ヽﾑ,|　　　 ﾏV　　./　 V/ /　　　〉,　　V　/　 /i!　 　＼.　　 ＼
../　 　 　 V!　　　　／　　　ヽ{≧ｓ{　　　 　 　 　 /　　/ー‐‐, ＜　 V/　¨ﾟ　 / i{　　　 　｀ヽ.、　V/
i{,　　 　 　 '!__＿／､＿＿ 　 }!　　{!　　　　　 　 /　　/　 　,/　　　　.Vi/ 　 /　i{　　　 　 _,.　-ﾏ　V/
i{　≧s。., __＼　＼　＼　 ＼ }!　　{!　　　　　　/　　/　　 ,/ 　>ー‐＜ヽ--.'V/i{、 ＞ ﾟ´　　　　ヽ, V/
,}　　　　　　　 ヽ--ヽ-' ヽ--ヽ!　　{!.　　　 　 /　　/　　 ,/ ／ ＼＿_＼∧＿V/ V　 　 　 　 　 　 V}!
{　　　　　　 ／　 　 　 　 　 　 }!＞ﾟヽ----- ' ｀ヽ'　 　 /イ　　／　　　　　　　　　ヽ、　　　　　　　 }Ｖ/
.',　　　　 ／　　　　　　　 　 ／＼　　　　　　　　　＼ ./｀ヽ_／　　　　　　 　 　 　 　 ＼　　　　　　 }! ヽ、
　ヽ--- 〈　　　　　　 　 　 /　　ヾ＼　　　　　　　　　ヽ＼/　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀ヽ､　　　　}! 　 ＼
　 ,s≦ミy}!　　　 　 　 　 /.　　　　ヾ＼__　　　　　／　}!　＼　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ,　 　}!　　　 {＞ ､
　{三{ilililil}}! 　 　 　 　 　 V/　　　　 ￣ヾ＼ 　.／　　 }!　　i}　　　　　　　　　　　　　　　　　　r≦.､ }!　　　 {　 {_!＼
　｀ー― ' }!　　　　　 　 　 V/ 　 　 　 　 .＼／　　 ／ ＼__i}　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ilil三}.i{;　　　{　　 ＼ ＼
　　　　r-{,'　　　 　 　 　 　 V/　 　 　 　 ／ヾ＼／　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {ilil三} .i{;　　 {i　　 　 ＼ ＼
_　　　 i /　　　 　 　 　 　 　 V/. 　 　 ／　　 ／＿___.／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ー､'　 i{;　　{i　　　　　 ＼ ＼
. ヽ___ノ,'　　　　　　　　　　　　V/　 ／　　 ／＿__＞ﾟ´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ .i{;.　 {i　　 　 　 　 ＼ ＼
.　　　 ,′　　　　　　　　　　　　｀ヽ'._＿_／　 Vﾑ　 　 ',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{! .ヽ、{i　　　　　 　 　 ＼ ヽ, .∧￣￣
.　　　,′　　　　　　　　　　　　 r＜　＿＿　　.Vﾑ　 　 ',　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 V　　Y＼.　　　　　　　　 ﾏ i/　 V/
. 　　,′　　　　　　　　　　　　, { /／ 　 ／!　　.Vﾑ　　/ー‐ｧ　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 V　/　　＼　　　 　 　 　 i/　 　.V＿
　　/{　　　　　　　　　　 。＜　{,_'＿_.／　 |　 　 Vﾑ_./　　/ ∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Y.　 　 　 ＼　 　 　 　 ∧　　 /
＞ﾟ´.{　　　　　　　　,＜＿__　　|ヽ／|　 　 |　　　／　　　/ 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　! 　 　 　 　 ＼　　　 /　 V//
_ ＞ﾟ ',　　　　　　　,′　　/｀ヽ,|　|　.!　 　 !　.／＿＿__/ 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 V　 　 　 　 　 ＼　/　 　 V＿＿_
　　／≧､　 　 　 /＞。._/　 　.|._＿_!　　 .i／　 |　　　 |　 /＞-＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{≧ｓ､,　　　　　　　　 /　　　 /
＞'ﾆニ{__}　　　 /　/　/　＼／　 .／　　　|　 　 !＿＿_|_./　/il{　{ ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼:＼:.ヽ、　　 　 　 / 　 　 /
二}＞'｀ヽ }ヽ 　 V/__/　 .／　 .／　 　 　 .!　 ／ ',　　/　　 {ilil{　{　 }　　　　　　　　　　　　　　　＜二二＞:-:-:＼　　 　./ 　 　 /

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
気づけば、ブレードの切っ先を下ろしていた。
刀身を海面へと向け、リンドヴルムへのロックオンを外す。

そうした途端に、不思議と全身から力が抜け、安堵感が駆け巡った。

「……血迷ったか？」

アルトリアから冷え切った声色の通信が入るが、それでも、良かった。
彼女から攻撃してこないばかりか、こんな状況になったのもある。

彼女は恩人だ。攻撃したくない。それが全部だった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4875： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/07(木) 22:37:04 ID:Xhr4HBQs0

　　　　　　　 　 _,.　-ｒ‐､
　　　 　 　 ,∠ ―　,ｒヽ)ﾉ　　 ‐　、
　　 　 　 / 7　‐-,. ( ）'ﾉ　　　　　　　 、
.　　　 　 i　; 　 ,‐!ノ'ノ　 ｀/　 　 ,. -
.　　　 　 '　:,_/〉-,ノ　　 ./　 　 /"　　　　ヽ
.　　　　　ｒ/_.'-‐' 　 ＼ .'　　　/　／　 　 !　､
　　 　 　 `! !.　　　 ､,.ヽ!　　_./／' ,. ｨ　 i　! }
　　　　　　', !　　　 /､ﾉ|　　 .た!ヽヽ/ ノ'　;.ﾉ
　　　　　　　、 、　,ﾍヽ.l 　 l l　　　´　,/,ｲ/
　　　　 　 　 V/＞/∧ l　　!l.　　 　 {.'　.l　　　　　　　　　私とて、このまま帰投するわけにもいかん。
.　　 　 　 　 _l'/////∧l　　l|　- 、 ,.ゝ　l
　　　 　 ,ィﾆ二二ニ_＜,.――--＜!　　l.|　　　　　　　　　生か死か、二つに一つなのだ。
　　　　 /二二二二／::::::::::::::::::::::::::::＞､i|
　　　_,./＞''" -=／::::::::::::＿＿:::::::::::::::::/}　　　　　　　　　　それはあなたも分かって――
― /ﾆｉ.lニニﾆﾆ{::::::-:::￣::::::::::::::::ヽ:::::://
::::::i=ﾆ!.!二二ﾆ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::; '
:::::l=ﾆｌ ｌ二二/:::::::::::::::::::::::::::::::;::::::::::;:〉
::::lﾆﾆl ｌニﾆ〈::::::::;:ィ二ニ=_､,､::;:::::::jム
::::!ﾆﾆ!.ｌ-=二';:::://:::::::::::;::ﾆ//ヽ::::/ヽ!ﾑ
::::!/ ,イニ=-__ヽ/:::;ィ////////＼ニl.!ﾆ!
::::l'/ニニニニ＜/////////＞!/∧=!l=l
:::::ﾏﾆ二二ニニ!＞_､//／////＞,/｀マ
:::::::ﾏﾆ二二二ﾆﾑ＜///////＞'"////＼､

4876： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/07(木) 22:44:01 ID:Xhr4HBQs0


　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 i _　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 7: : : : : : : : : : : : : : : : : :
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　　 .!　|　!ヽ.　,、　|＼_|｜　’　j　 i! i　　　 ,-､、　　　　　　　　　　　　　　 　 - 　 ､　//=/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
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　　　　　　 {ゞ.Yニ.j∨il!ｨ' ｛’　　　　　 へヾ;;イ　.￣￣ ¨Y |ニ○）　○） 〉ニニ./ニニニニニﾆ≫　 _´ r≦ニニニ≧ ､
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　　　　 Ⅳニニ≧..しﾞ:、 i,'　 ﾞ:、 ,,., 　 ′彳ﾚ／　　　　　　 /＝7: :r'': : : : : : :＼ lニニ ／ ／ニ.|ニ. : : : : : : : : :≪ニニ
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　　　　, ニニ...__　　 _,ゝ､;_　　　 ゛:|!　　ﾞ ,rｶ　￣ 　 　 .≪ニ 7: : |: : : :-=二: : : : : :＼ |__.ﾊニ=八ニニ≫.: : : : : :.:.:|ニニ
　　 　 {ニ .＿　￣｀ζ｣'(´ ヽ　　j!　゛　,ィ彡′_.. - .ニニﾆ≫ハ: :}-=二: : : : : : : : : : :∧≦ VニニＶニニニ≫ : :.:.:|ニニ
　　 　 |ニニ .r二 ﾆ ﾞて∠rιｸ_;.,､_,ｰ-'＾- =ﾆ_ .ニニ≫. : :./ﾆ. Ｖ=二: : : : : : : ≫ ―v∧三 ＶニニVニニニニニニニニ
　　　　 . ニ//　/ニニ彡: : : : : : : : /≫=== /ニニ／: : :／二 ∧: : :二=‐: : : :.:.≫-＝v∧=ミ ニニﾆ.､ニニニニニニニ
.　　　　 }ﾆ | {≦≫. :´: : ＼: : : : _ ｲニニニ/ニニ/: : ／/ニニ ∧: :/: :≫　　　　 　 　 .v∧ニ ＼ニニ＼ニニニニニニ
.　　　　 |ニ} ≫イ: : : : : : : :.v 仁ニ |≧≦ニニ／: :/= /ニニニ ∧∧' 　 　 　 　 　 　　.v∧ニニ＼ニニ＼ニニニニニ
.　　　　 |ﾆ≫'' : :＼: : : : :.／ニニニr=: : : :￣: : : :ｲ二 ニニニニ..∧∧　　　　 　 　 　 　 ｖ∧ニニﾆ＼ニニ＼ニニニニ
　　　 _／: : : : : : : ィ: r ７ニ===≪∧＿＿＿＿/ニﾆ, ニニニﾆｒ≦:.: ∧　 　 　 　 　 　　　v∧ニニニ ＼ニニ＼ニニニ
　　 イ: : : : : : : : :ィニ ./ニ/ニニハ=|ニニニニ|ニ=, ニニﾆ／.l|: |/∧:∧ 　　　　　 　 　 　 v∧ニニニニ＼ニニ＼ニニ
.／: : ゝ-=≦:／ニニニニ.!ニニニ=　ニニニニ|ニ=|ニニニニ.l|: l//∧:∧.　　　　　　　　　　v∧ニニニニﾆ＼ニニ＼ニ
: : : : : : : : ／ ニニニニニ|ニニニ=}ﾊニニニﾆ.|ニ=|ニニニニ.l|: |////:,:∧.　　　　　　　　　　v∧ニニニニニ ＼ニニ＼
: : : : :　r仁二ニニニニ イ ニニニ |　'/ニニ==|ニ=|ニニニニ:l|: {////∧∧　　　　 　 　 　 　 v∧ニニニニニニ＼ニニ
: : :.:／ |ニニニニニ／　.|ニニニﾆ.|.　'/ニニﾆ.|ニ=|ﾆr　イニ ∧:V////∧∧.　　　　　　　　 　 v∧ニニニニニニﾆ.＼ニ
.:／　　.|ニニニニ /　　...|ニニニﾆ.|.　 '/ニニ=|ニ=|=.l/≫-==ヽ　V'///,.∧∧.　　　　　　　　 　 ｖ∧ニニニニニニニﾆ＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
そう言い終える前に、眼前で炎が巻き起こった。
黒煙の混ざった、榴弾の爆発に違いなかった。

リンドヴルムがぐらりと揺らぎ、僅かに高度を下げる。
高出力のプライマルアーマーの層が乱れ、大気を微かに揺らした。

舞い散る火花の中、すぐさま榴弾が飛来した方向を睨みつける。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4877： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/07(木) 22:46:48 ID:Xhr4HBQs0

　////／＼|:::／ |:::/　 .|　　./ｲ　　　　　 　 ／',::::::/　V　　 ｿ
./////////|/≧x|/　/ .､　　 　 　 　 　 　 　 　 V
///////////////＼　∧　　　　　　 ___　　　,イ　　　　　　　　　まさか、アンタが情にほだされるとはな。
/////////////////＼ ∧　　　　　ヽ ヾ=-ｲ
.///////////////////＼　　　　　　_）　　　　　　　　　　　　　 思ってたよりも、冷たい女じゃなかったってワケだ。
==‐‐-､ ///////////////＼　　　／
///////＞x､///////////Y ＼__/　　　　　　　　　　　　　　　　……ノルドルムの連中も、薄々感づいてたのかもな。
////////////＞x､///////　/7
////////////////＼////／./　　　　　　　　　　　　　　　　　　俺がここでこうしてるってことは、さ。
////////////////////<　／ヽ





: :|: : : : : : : : : |: : : : :′: : : : : : /:　 : : : : : : : |: : : : : : : : '. : : :ﾊ
: :|: : : : : : : : : | : : : :! : : :.,′: /:.: 　: : : : : : : :|: : :i : : : : : :'. : : :‘.
: :|: : : : : : : : : |: : :　l: : :　!: : /: :　 : : : : : : : : |: : :| : : : : : : , : : :.‘.
: :|: : : : : : : : : |: :. 　l.: :.　l : / ! .!　: : : :　: : : ﾊ ::│: : : : : : ' : : : :.i
ミ|: : : : :　 __: :|:.:　,ｲ : 　 ! / │.!　: :　:　!: j: | | :: j :　:.: :.:!.: :' :.:. i |
｀.| : : : : 　 　｀ト　:,,l_!　./!.|　│jl　: : .:　:' /! ! |　ハ: :: :.: |　 :! :.:.ﾊ!
-:l　: : : 　　　 |　 | ﾘ|｀/''!:ト..,,|:' |│ / / / /　|,斗l'ﾞ!　:.　|　 ﾊ　ｉ│
　|　: :.:　 　 　､_,イ芋芯≧ｭ､.!｀ヽl　 / / /ｘ匕==ﾐﾘ| 　 /!. /│.′
　l　 : :.　　 　 |ヾ 　|::::ｌ{}::::|　 |　Vi ,/ / /ｲl:::ｌ{} ::|,/ |　/ |!/　jノ
　l　 :.: 　　 　 l∨ . ト::''’::ﾉ 　 　 }ノ　　 　 i::::’::ﾂ　 jノ　|　　　　　　　　　貴様……
ヽ!　 :: 　 　　│ 　 ｀¨¨＜.:.:.:.＞　　 　 　 .:ゝ‐'　　.′　 !
　| 　.:　　　　│ﾊ　　　　　　　　　　　 .::':,　　　　 ,: : :　│
ゞ| 　 :　 　 　 |::::[ ＿_　　　　　　　　　　/　　 　 / :.:　　|
　| 　 :　 　 　 |:::::::::／　　　　　　　　　　　 　 　 ′:.:　　|
　l　　 :　 　 　|:::::::::┐＿　　　　＿___　　　　／: : : : 　　|
　|　 　.:　　　│､:::::::::::::::ﾌ　　´ー ‐ ’　　 .ｲ: : !: : :|　　│
　’　　 :　　　 |:::::丶:::::::(　　　　　　 　 ／|: !: : ｉ:.:　|　　 l
　 ,　　 :　　　 |::::::::::::::｀:::.:......　　　　／　│ｉ: : :i:.:　|　　i.!
　 ′　.:　　　 ト--:::::::::,,＿__｀ т、´ 　　 !:.!:.: ,′/! j /ﾘ

4878：安価のやる夫だお：2022/04/07(木) 22:47:37 ID:Rr3qMD.Y0
やはりか…

4879： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/07(木) 22:51:48 ID:Xhr4HBQs0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:/
　　　　　　　　　　 /＼　　　　 　 　 　 /:/
　　　　　 　 　 　 /　　l　　　　　　　　/:7　　　　　　＿
.　　　　 　 　 　 /　 　 |　　　　　　　/:/　 　 　 　 ∧__ﾟ，
　　　　　　 _＿/.__　　 |　　　　　　 /:/　 　 　 　 /:/､::/
　　　　　　 〉､　　 ｀ヽ j　　　　　__/￣ﾑ　.r､　__/:/::::/
　 　 　 　 〈::/￣｀ヽ　 ＼　　　/ / /￣ﾞ}　|. V::__/::::/
　　　　　／`〉^ヽ＼ ＼　ﾑ 　〈 / /ﾆﾆ/　 }　V /≧s､
　　　　　Ⅶ〈　　 ＼＼ ＼ﾑr─寸} ,斗､　.|　 }/} 　 /
.　　 　 　 ￣Ⅶ,イ”}　 丶 ｱ⌒ヽ 〉､＼　ヽ'ｰ､∨≧/ r─‐ﾐ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　よぉ、やる夫。
　　　　　　 ,ｲ0 /_Ⅶ＿　〈　　　/_r─､込〉､ '´∨:.:} 廴＿_ﾑ＿＿__.,ｨ'￣} _,斗ｧ
　　　　　 ,ｲ彡'”／ｱ⌒ヽ､＼__/:::::〉‐‐〉ｎ)_ト､__〉_/_|/￣∨_＿＿∠＿_ﾑ'’__/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r─┐
　　　　／/　／:,イ_／¨ヽ>//:::::::/ fj /:::＼｀ 〔_:　}::::Ⅶ__/:/､_＿__,斗‐'”¨l:::}ヽ　　　　　　　　　 　 　 　 　 _＿_＿__／ rzz'斗‐=ミ
≧s｡,ｨ'⌒ヾﾐ>'”　＼__／　7￣≧s｡ /込＿≧‐'fj/:::::辷彡'‐､f⌒Y::::l::::l:::::{=}ノ_＿__,.斗‐──'”￣￣￣￣・{f´　 f´ff´f¨¨　　 Y^Y
“”ｱ､≧s｡　＼￣￣￣￣¨　　　 　 ≧s｡＿＿⊂ﾆﾆﾆ彡⊆ﾆ＞‐'”￣￣￣￣　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＿込__　廴廴込_＿_込ノ
　{＞､“*､≧s｡＼⊂ﾆ⊃ /￣￣￣￣ｱ⌒Y　　　(匸冂匸冂匸冂　　 r､_＿__＿＿＿＿＿_r─ｧ'”￣￣7/) ０ (￣｀¨¨´
　ﾞー-､丶 “*､≧s｡__　　{ 　 　 　 　 {　l|　}＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿{＿廴廴_＿＿＿＿__辷7＿＿＿込廴__〕}
　　　　ｱ──ｧ<≧‐'￣八_＿＿＿_込_彡'ﾞー─ｧ‐r‐ﾐⅦ__/＼_f⌒V廴ﾉ　 　 ﾞー‐'￣￣￣￣￣￣ﾞー┴──'’
.　　　/ﾆﾆﾆ/⌒¨寸＿/_⊃〉/ (‐┘＿＿＿＿__ﾑ__{___}/ﾑ
.　 _,ｲﾆﾆﾆ/ ,ｲ／:/ﾞｰ､__￣ 廴__>'” {ヽo}＼f´￣￣｀ﾞ寸ﾆﾆﾟ，
　 jﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/::::::{　 r云}_＿_／lﾑ ', Ⅵ:}　/ir==ｫ r==ｫ､ﾆニ',
≦ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾑ___ﾑ　廴__}_{＿_}_}:､} i　｀´i }:::廴__}_{＿_}_}=ﾆﾆ}
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/　./U´¨¨¨¨¨／Ⅷi:ﾑ ＼ｉ//::/､　 　 ﾞ寸ﾆﾆﾆ/
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/＿/　_＿__ ／　　}‐Ⅶ}　　/¨/　 ＼　　 ﾞ寸ﾆ/
ﾆﾆﾆﾆ/￣ /　/／─ｫ / 　 ／ 　 ',:} 　 |　Ⅵ　　l丶二込_∧
ﾆ>'”￣ﾞｱ,ｲ,イ／＼　} l__／　　　　i|　　|　 Ⅵ　 l: :l　,斗､ヽ∧
'’　　／:／⌒ヽ ／／´　　　　　 　 Ⅵ/　　 ﾞ寸_Ⅶ　＼　}込‐'
　　<:::::込､　　ﾉ〉'”　　　　　 　 　 　 ¨　　 　 　 /＼ 　r'” 　 〉ﾞー‐､
／,ｲ)￣＼辷'’/　　　　　　　　　　　　　　　　　{ﾆニ＼'＼__/￣｀ヽ　＼
. /'”　 ／ﾑ＿/　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨ﾆﾆﾆﾞ寸〈__　＼　ﾟ，　ﾟ，
/　 ／ ,斗'”　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ∨=ﾆﾆ{　ﾞ寸⊃ﾞ*､込　ｎﾟ，
─‐‐'”　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 Ⅶﾆﾆ＼　｀*､: : : ヽﾟ.,U ﾑ
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:::|:::::::{　≧ｘ}i∨::::::::{. 　＼ｘ≦:::::::::::::::',:::::::
::::Ⅵ:示苅≧ｘ∨::::::{　 ｘ≦芯示:::::::::::::',:::::
／{::::|　込ｚりヾ丶::::{ 〃 込ｚり　}}＼:::::::',::
∧∨{｀ ‐--　 　　i＼　　｀¨ -‐' 　　/＼::::　　　　　　　　敵として会うのは、初めてだな？
.､　;ヾ　　　　　 　 }　　　　 　 　 　 -' / 丶
　}:::. 　 　 　 　 　 {　　　　　u　 /-‐:.
./:::::丶 　 　 ､＿　　 　__,　　 　′::::::',
:::／}::::::.､　 　 　 　 　 　 　 ／＼:}＼::}
／ﾑ::／ }:＼　　 　 　 　 ／　{: : :}ﾆﾆ､
､ﾆﾆﾆ，/　　 　 ､＿　イ　　　丶/ﾆﾆﾑ
.‘，ﾆﾆ，　　　　　　　　　　　 ／ﾆﾆﾆ/ﾆ
ニﾏニﾆ,，　　　　　　　 　 ／ﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆ
ﾆﾆﾏニﾆ/　　　　　　　　くﾆﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆ
ﾆニﾏﾆ,/､ー‐､　　, -‐／ ∨ニ,／ﾆﾆﾆﾆ
ﾆﾆﾆﾆ＼　ー―――' ／　∨ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
ﾆﾆﾆﾆニ,＼￣}　/￣´ 　 ／ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
ﾆﾆﾆ〃ﾊﾆ{i　 }./　　　　/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
ﾆﾆﾆ弋ﾂﾆ/:　/　　　 　}ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
海面に広がる波紋、その中心に、その機体はいた。
夜闇に溶け込むような黒いペイントの装甲に、大ぶりなスナイパーキャノンを担ぎ、
硝煙を燻らせているのが見える。

リベリオンだ。
カズキのネクストが、こちらへと銃口を向け、そこにいた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4880： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/07(木) 22:54:11 ID:Xhr4HBQs0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i　　　　　　　　　今回はここまでだ。
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ　　　　　　　　　 >>1はこれから夕飯を食って風呂に入って、
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i　　　　　　　　　時間が余ったらエルデンリングをやるつもりだ。
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |　　　　　　　　　その資格はない、おぉその資格はない。
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘　　　　　　　　　次回は来週の木曜日、4/14の午後八時からとしよう。
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」　　　　　　　　　シーユーアゲイン。
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´

4881：安価のやる夫だお：2022/04/07(木) 22:55:35 ID:tkAC1r.c0
乙

4882：安価のやる夫だお：2022/04/07(木) 23:00:50 ID:Rr3qMD.Y0
乙でした

4883：安価のやる夫だお：2022/04/10(日) 21:45:41 ID:Q7OdAsoo0
乙〜

4884： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/14(木) 20:16:05 ID:SGTkt8qI0
　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ　　　　　
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ 　　　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´　　　　　　
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿 　　　　　　　　　遅れてごめんね。
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||　　　　　　　　
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

4885：安価のやる夫だお：2022/04/14(木) 20:19:04 ID:F2bTGYfc0
ハロー

4886： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/14(木) 20:32:18 ID:SGTkt8qI0

　　　　　　　 ､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|　　　　　　今日も今日とてスローペースになりそうだが、やっていこうか。
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i　　　　　　　
　　　 　/ : : : : : : :┌─┐
　　　 　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ
　　　 　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿
　　　 　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ
　　　　 と_ : : : : : : ノ : :ノ
　　　　　　￣￣￣　￣

4887： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/14(木) 20:44:19 ID:SGTkt8qI0


　　　　　　　　　　　　　　　_　-――‐=＜⌒_､
　　　　　　　　　　　　　 ´　　　 　 　 　 　 ＼__＼
　　　　　　　　 　 ／　　 　 　 　 　 　　＼　　ﾏ⌒}
　　　　　　　　　/　　 　|　　 　 　 /　　　　,　　Vハ
　　 　 　 　 　 /　　　/ ｌ　　　∧∧　　　　 ｌ　　 ， 〉
　　　　　　　 /　　　/v∧ 　,斗==ミ'，　 　 | 　 　v　
　 　 　 　 　 '　　　 {斗=ﾐ､/　　Vソ ∨　　 !)　　∧
　　　　　　　|　　　/',　Vｿ　　　　　「/　　　,　　厶ｨ　　　　　　　　　　　　　　カズキ・M・ウッドブリッジ……
　　　　　　　l　　 ,　∧_ `　　＿ 　_/　　　/_／＿__＼
　　　　　　　| 　/l 　 ∧{_ ´　　　{/　　　/ニニニニ}i:i＼　　　　　　　　　　　 悪くない戦士だ。貴様であれば、私に宛がわれたのも納得がいく。
　　　　　　　l　'　l 　 { 　 ､l　 　 /　　　/ニニニﾆﾆﾊi:i:i:ｉ:>
　　　　　　　l/　〈／V　／≧=7i{　　／ニニニﾆﾆ/_ノ⌒≧s｡　　　　　　　　　だが、私の首を取るには少々足りないな。
　　　　　　　　　　　　　{ニニニi{_／ニニニニ=‐／ニニニﾆﾆ≧s｡
　　　　　　　 　 　 　 　 ＼ニニニニニ=‐ニニ_∧ニニニニニニニ}
　　　　　　　-=ニニア“⌒^_､ニ=‐ニニニニﾆ/ニ＼ニニニニニ=/
　　　　　 　 {ニニ=/ニニニ/ニニニニニニ７二ニﾆ＼二二二ﾆ/
　　　　　 　 {ﾆﾆﾆ/／￣￣￣￣￣＼二ニﾆ{ニニニニ}二二二/
　　　　　 　 {ﾆﾆ7/ニニニニニニニﾆ＼二={ニニニニ}ニニニ{___
　　　　　 　 {ﾆﾆ{'ニニニニニニニニニ=＼=＼ニニニ}ニニニニ=}
　　　　　 　 {ﾆﾆ{ニニニニニニニニニニﾆ}＼=＼ニニ⌒＼ニﾆ=∧
　　　　　 　 {ﾆﾆ{ニニニニニニニニニﾆﾆ/ニ/⌒}ニニニニ}ニ／= 〉、
　　　　　 　/ﾆ_人二二ニニニニニニﾆ／二/ﾆﾆ∧ニニニ=／＼／ニ＼
　 　 　 　 ,ニニニ＼二ニニニニﾆﾆ／二ﾆ/ニ／ 　￣＼ﾆ/ニ／ニニﾆハ
　　　　　/ニニニニ}__､ニニニニ ィニニニ{ニ(　　　　　　/ニ/ニニﾆ／ニ＼





　　　　　　　　　　　≧s｡._|　　　　　 　 　 |　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　 　 ／, ･´ ≧s｡ ._　 　 　 |　　　　　　　　　　　＿＿＿　　　＼
　　　　　　　　　.／･´_｡s全s｡._　　≧s｡ ._|_　ニ＝-　''　¨￣　　　　　　￣¨≧sヽ
　_｡s≦¨≧s｡∠i≦三三,ﾆﾆ､三≧s｡_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.}
´　　　　　 ∨　 ∧三ﾆヘ　 　 ｀'＜三ﾆ≧z ────ｧ　　　　　　　　　. ｡s≦´
　　 　 　 　 ∨＿∧三三 ≧=zzzｲ三三三]＼_　｡s≦　　　　　　_. ｡s≦
　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣}:i三ﾆr '.´|｀ ＜≧s｡.＿＿. ｡s≦
　　　　　　　　　　　　　_ .｡s≦´_ﾉ三/　　.|　　 |==ｭ､　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿　　　　　　　　水底に沈むがいい。
　　　　　　　　_ .｡s≦　_ .｡s≦＞ '.´ 　 ／≧s｡|　 ,) )　　　　 .｡s≦　　＿＿＿＿＿＿
__　　　　　　　∨/∧´三三i´　　　　／　　 　 /／／　　　.／　　｡s≦≧s｡ _　　　　　　　　　　　　　　話はそれからとしよう。
∧　　　　　 　 .∨/∧三三＼　　　 Ⅷ≧s｡ /≧i´　 　 ／　　／　　　 　 ／三三三三
/∧　　　　　 　 .∨/∧三三∧　　　Ⅷ　　 .|　　| 　 ／　　／　　 　 　 ./三三三三三
//∧　　　　　 　 .∨ﾑﾊ.三三∧　　 .Ⅷ　　.|　　|s≦≧s｡'._　　　 　 　/三三三三三
/／,r､ 　 　 　 　 .／＼＼三ﾆ ∧　_ ｡s=s。.!　　| 　 |　　　　≧s｡ _　/三三三三三三
' ／/∧　　　　.／　 　 .＼＼_ ｡s≦ 　 ／/. ＼=-､ . !　 /¨ﾊ　　　　　≧s｡ 三三三三
/////∧　　／　　　　　／¨＼　　　／　/≧s .＼ ><／　//　　　　　　　　　 ≧s｡ 三
//////∧　 ＼ 　 　 ／ 　 　 .＼／ 　 /　　/￣7 　 　 .//　　　　　　　　　　　　　　｀

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
リベリオンの狙撃は、リンドヴルムのコックピット部分を正確に当ててきていた。
アルトリアの提案を受けて攻撃を加えていたら、確実にトドメになっていただろう。

乱れたプライマルアーマーが瞬く間に復元していき、
巻きあがる黒煙をリンドヴルムが振り払う。

ハイレーザーライフルの銃口を眼下のリベリオンに突き付け、
低く抑揚のない声で殺害宣告を行う。

もはや彼女に、企業連への忠誠心などないのだろうか。
もしくは、最初からなかったのだろうか。

本来は味方であるはずの、同じ企業連に属するカズキに対し、
何の躊躇いもなく淀みのない殺意を向けていた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4888： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/14(木) 20:50:18 ID:SGTkt8qI0


　　　　　　　　　　 __´￣￣二ﾆ=　、
　　　　　　　　／　　￣´ 　　　　　　ヽ
　　　　　 　 /　/ｨ　　　　　　}i　　　　∧
　　　　 　 /ﾔ'7=ﾆ二二二≦_｣Ｌﾍ/　 ∧
　　 　 　 ;　 /＼_　　､＿　￣Ｖ⌒{ 　 / }｝
　　　　　:; 　}(●）　　（●　）　〉 人 /　/^}　　　　　　　　　　　　　　待ってください、アルトリアさん。
　　　　　 '､ {（　ｨ'　　　　　u./／Ｌ {__/(__/
　　　　 ＿{へ≧＾ゝ､___ノ_z彡二弐≠ ＞／￣￣ミヽ　　　　　　　　 ……手を、出さないでほしいんです。
　　　　r{_ `ｰ=＜三＞'’ ）二二 ／　//　　　___　　　＼
　　／/ ｛＼　　｀￣　 /二二／/ 　/ｲ　　 Ｙiっ) -┐　 ＼
　｛　　Ｖ 〉　　　　　　〈ﾆ二彡イ　 ｛ ｛　 　 }｣つ）二! -02 |ｌ
　｛　 　 i ＼ 　 　 　 /｝ト､　　 i　 /八ヘ　　￣´　　　　　 |ｌ
　　)〉=ﾆi　　＼＿∠_//ｚ/＼　i／　　＞　_　　　　　　 　 /ｌ
　　　汀 i　　　 〔_二//￣　　 ＼　　 /￣７ 　 ＞＝-≠〈/
　　 ！| iﾄ　　　　＼　　　　 　 　 ＼/　 /　　　　　　勹[_]
　　　　　｀v 　　　　＼　　　　　　　 ＼/　　 　 　 　　/
　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　 ＼　　　　 　 /

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
考えるより先に、アルトリアを制止していた。
大きな反応こそなかったものの、リンドヴルムは得物を構えたままの姿勢で、
ぴたりと動きを止めた。

「……知り合いか？」

「友達です」

短い問答を挟みつつ、リベリオンに視線を移す。
スナイパーキャノンの銃口はそのまま、かといって撃ってくる様子もなく、
ただ静かに自分とアルトリアのやり取りを見つめていた。

お互いに、思うところがある。

確かに、アルトリアにかかれば、たとえカズキであろうと長くは持つまい。
だからこそ、手出しをしてほしくなかった。
彼との関係を、そんな形で終わらせたならば、自分はそれを永遠に後悔するだろう。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4889： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/14(木) 20:55:59 ID:SGTkt8qI0

: :|: : : : : : : : : |: : : : :′: : : : : : /:　 : : : : : : : |: : : : : : : : '. : : :ﾊ
: :|: : : : : : : : : | : : : :! : : :.,′: /:.: 　: : : : : : : :|: : :i : : : : : :'. : : :‘.
: :|: : : : : : : : : |: : :　l: : :　!: : /: :　 : : : : : : : : |: : :| : : : : : : , : : :.‘.
: :|: : : : : : : : : |: :. 　l.: :.　l : / ! .!　: : : :　: : : ﾊ ::│: : : : : : ' : : : :.i
ミ|: : : : :　 __: :|:.:　,ｲ : 　 ! / │.!　: :　:　!: j: | | :: j :　:.: :.:!.: :' :.:. i |
｀.| : : : : 　 　｀ト　:,,l_!　./!.|　│jl　: : .:　:' /! ! |　ハ: :: :.: |　 :! :.:.ﾊ!
-:l　: : : 　　　 |　 | ﾘ|｀/''!:ト..,,|:' |│ / / / /　|,斗l'ﾞ!　:.　|　 ﾊ　ｉ│
　|　: :.:　 　 　､_,イ芋芯≧ｭ､.!｀ヽl　 / / /ｘ匕==ﾐﾘ| 　 /!. /│.′
　l　 : :.　　 　 |ヾ 　|::::ｌ{}::::|　 |　Vi ,/ / /ｲl:::ｌ{} ::|,/ |　/ |!/　jノ　　　　　　　……いいだろう。
　l　 :.: 　　 　 l∨ . ト::''’::ﾉ 　 　 }ノ　　 　 i::::’::ﾂ　 jノ　|
ヽ!　 :: 　 　　│ 　 ｀¨¨＜.:.:.:.＞　　 　 　 .:ゝ‐'　　.′　 !　　　　　　　　　　 決着を他人の手に委ねたくないのであれば、
　| 　.:　　　　│ﾊ　　　　　　　　　　　 .::':,　　　　 ,: : :　│
ゞ| 　 :　 　 　 |::::[ ＿_　　　　　　　　　　/　　 　 / :.:　　|　　　　　　　　　　　好きにするがいい。
　| 　 :　 　 　 |:::::::::／　　　　　　　　　　　 　 　 ′:.:　　|
　l　　 :　 　 　|:::::::::┐＿　　　　＿___　　　　／: : : : 　　|
　|　 　.:　　　│､:::::::::::::::ﾌ　　´ー ‐ ’　　 .ｲ: : !: : :|　　│
　’　　 :　　　 |:::::丶:::::::(　　　　　　 　 ／|: !: : ｉ:.:　|　　 l
　 ,　　 :　　　 |::::::::::::::｀:::.:......　　　　／　│ｉ: : :i:.:　|　　i.!
　 ′　.:　　　 ト--:::::::::,,＿__｀ т、´ 　　 !:.!:.: ,′/! j /ﾘ





ｨ仁ニニｱ=＝tニﾆiニﾆ〉ヘ
=ア,:.:,:ｸ:.:.:.:.:.:.:}ｉﾆﾆi{ニ寸xﾍ}、
.:z=ﾆニ≫z=ﾆ＞<zﾘ二ﾆ寸xﾍ　　__　_zｭ
≫ｚ=ニ二アi７:.:./へﾆ/＼=寸x＜=Y/ﾆL、
=ﾆﾆニ＞仁7:.:.//〉/ﾍ{i○ ＼_寸xﾆアﾆニﾍ
ﾆ＞=ﾆﾆニ〈:.:////.　/}i　　○)ﾆ７/ﾆﾆﾆ〈ﾉ′
ニニニニﾆム〈//.　/={i○ ／={二ニニﾆi}ﾑﾆﾆへ、
二二ニニニﾆ＞zz/ニﾆ=ﾆﾆニﾏニニニ7寸Vﾆﾆﾆﾍ　　　　　　　　　「ありがとうございます」
ニニニニニ＞=ﾆニアﾏ＞､=ﾆﾆﾏﾆﾆﾆｱＯ 寸ニﾆ寸ﾍ
ニニニﾆ／=ニニアニニニム:.:マ=マ=7　　Ｏ}ニﾆﾆﾏ=i　　　　　　　 友情の終わらせ方に茶々を入れる程、
ニﾆﾆ／=ニニアニニニニニﾑix:.:寸x〈:Ｏ ィ仁ニﾆﾆ7=i|
ニﾆ/=ﾆニアニニニニ/二ﾆﾏｉ}=ﾍ:.:.寸i}ニア＼ニニ{i:.=i|　　　　　　　野暮でもなければ思い上がってもいないだけだ。
ニ/=ニアﾆニニニニ/ニﾆﾆ i=i!ニヘ:.:i{ニへ、. ＼ニ|i:.zi|
=/ﾆアﾆニニニ二二|iニニﾆ !li|i|二二i|ニﾆﾆﾍ　,、＼=ﾍi!　　　　　　　私は下がっている。存分にやれ。
/アニニニニニニニ|iニﾆﾆ７ｌi|ｌi|ﾆiニi|ニニﾆ=i〈　ﾍ 寸li|
仁ﾆﾆニニニニニニ|iニニ７=i|=i|ﾆｉﾆｉ|二二ﾆﾆi ＼/　 寸
二二ﾆ＞zt=￢ニ二|iニ=７=∥ﾆ∨ﾆｉ|ニニﾆﾆi.|ﾏx　　　ヽ
ニﾆ／ニ二二i|ニニ|ｉ二７ﾆ∥仁ﾆﾏ二ニニﾆ=i|i!ﾏz＼.　　ヽ
二/ニニ二二i|二二|iﾆ７∧'　{ニﾆﾆﾏニニニﾆi|i| ﾏﾆ=＼　　ヽ
=/=ニニニニi|ﾆニニニ∥∧　寸二ﾆ寸ニニﾆi|ｉ|　ﾏﾆﾆｉ|＼.　 ヽ
/ﾆ二二二二i|=ニニニ∥ニi}　　Τニニ寸ニ=i|ｉ|　 .ﾏニi|　ﾞ＼/

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
礼を述べると、リンドヴルムはバックブーストで大きく飛び退いていった。
意外とあっさりと退いてくれたことに拍子抜けする。

ここは戦場で、やっていることは戦争だ。
自分がやっていることは、兵士としてあるまじきことだ。

それでも、アルトリアは自分の個人的な情を尊重してくれた。

ネクストという、強力な個が戦場を支配するが故の、特殊な状況だった。
これが一兵卒のやることであったなら、そうはいかなかっただろう。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4890： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/14(木) 21:04:24 ID:SGTkt8qI0

　　　　　　　　　　　ﾄ､
　　　　　＿＿__　　 ヽヽ、
　　　　　￣＞::::::｀:...ｰゝ::＼
　　　_,....:'"::::::::::::::::::::::::ヽ::::::＼
　　　＞―:::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::〉__
　　　:::::::::::::::::／::::::::::::／:::::／:::
　 　 　:::___／::::::;::::＜::ィ:／:::::::
.　 　 　 ∠ィフ:::ィ'小冫7:::::イ::　　　　　　　　いいのかよ、ボディーガードを下げちまって。
　　　 　 ｰ┐￣　｀¨´,.イ::::/:ﾄ､
　　　 　 　 ｌ　　　　　　,|i::ハ:!　　　　　　　　　「カズキ、やる夫がこうするって分かってただろ。
　　　　　 　ヽ. 　｀　‐フl:/　 ｀
　　　　:::::::::＼＼_,. '´　　　　　　　　　　　　　　おまえがマーシフルとリンドヴルムを同時に相手どろうとするわけがない」
　　　::::::`::::、:/　 ＼
　　::::::::::::::::::＼ｴヽ/　　　　　　　　　　　　　　　……まあな。
　　::::::::::::::::::::::::＼ ￣l
　　　:::::::::::::::::::::::/ 　/
　　　　::::::::::::::::::ﾊ　ハ
　　　　　　::::::::/6l/:::::!





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｎ
　 　 　 　 r‐ミ　　　　　　　　　 　 　 {:ﾑ
　 　 　 　 Ⅶ/　　　　　　　　 　 　 　 Ⅶﾟ，
　 　 　 　 f¨}　　　　　　　　　　　　　　Ⅶ:ﾟ,　　　　　　r‐┐
　 　 　 　 {　}　　　　　　　　　　　　　　 Ⅶ:',　 　 　 r'’:::::|_
　　 　 　 _|__|__　　　　　　　　 　 　 　 　 Ⅶ}　 　 　.|:::l:::f´:}
　　　　 「 }|「 }l.|　　　　　　__　　　　　　　 Ⅶ　　　　|:::l:::{__j
　　　　 {__j {__j.|　 　 　 　 |　ヽ　　 　 　 r┴i　,イ ./7l´¨}､　　　　,斗
　　　　 〔_j 〔_j |　 　 　 　 |　　}　　　 　 {::::i::}/ /　}_}ﾑ‐':/__　　 /　}
　　　　　| | l| | l　　　　 __ﾉ斗='､_＿__　/:::／ /_∠ﾉ', ﾑ::!／}　./　 {
　　　　　| | l| | |　 　 ,イ〈‐‐‐/￣//::/_{::,ｲ､^>'’ /i_＿r'‐ｧ斗'”ｰ-､|_
　　　　　| | l| | |　　<,斗へ_　辷シ:::/i:/〈,斗辷ｱ /￣Ⅵ´──‐､_,斗}､
　　　　　|_| l|_| |　　　　　 /￣〉寸_/i:i{ｎ/,イ´/ｎl廴__//‐‐ｧ===ｧ廴l_}::〉　　　　　　　　　んじゃまあ……やるか。
　　　　　{_} l{_} l　　　　　 廴//¨}､i:i:{:|U´辷j_| U:{辷二_／:Ⅵ /}　　｀´_＿＿
　　　　　　| ｌ　.|　　　　　 〈〈´　/<込{　/　//　/::∧　Y}¨ﾞ寸´　}　　 /:i:i:i:i:i:i:i}　　　　　　恨んでくれよ。
　　　　　　| ｌﾛ |　　　 _,斗'ﾐヽ､.}　/込/　 ,':レ'r':∧ ﾞー'　　 Ⅶ_ﾑ__　}:i:i:i:i:i:i:N
　　　　　　| ｌ ﾛ| 　 ,イ　　　 Ⅶ'’ {,fj~辷寸r‐f´7Ⅶ___ ___　 ,ｲ:::::{　ﾚ’ｉ:ｉ:i:i:i:i:|
　　　　　　| ｌﾛ |ｧ'”　　　 _＿_〉／_____/⌒Y､〈込,ｨfj_ノ __ ﾞYⅥ､::}　〉:i:i:i:i:i:i:i:|
.　　　　,斗ｌ ｌ ﾛ|ｱ〕〉_＞'”　 ∠_＿_／{Y´/o Y´_____／___: :}ﾆﾟ.｡¨　ﾟ，ｉ:ｉ:i:i:i:i:i|
　　　＜⊂ｌ ｌﾛ l'”￣　　　　廴_}{＿}/:{｀´o ∠_＿__/:∧{ }_ﾉ､ニ}　　ﾑ､:i:i:i:i:i:|
　　　　 ⊆| ｌ ﾛ|　　　　　　　 ／{ 　 ﾞ:}　　/廴_}{＿}∧_}{_}　 {ニ辷z､_〉ﾞ寸i:i:l
　　　　,ｨ⌒i_同}.　　　 　 　 /_:,ｲ丶 :,'　 /: 〉　 {　　___　} 　 乂/___,ｲﾆ＼Ⅶ|
　　 　 l¨¨¨ﾑ￣}fi　　　 　 /／＼,': /　./_,ｲ　　Ⅶ/ ,‐-.{　　　.Uﾉﾉﾉ.ﾆﾆﾆⅦ
　　 　 |　 　 }　 〉〉　　 r､/'’_ノ　}/廴ノ:::::::}　　 ﾞ寸’＿ﾑ　　 　 ⅧﾆﾆﾆﾆⅤ
　　 　 |　　__|__〈〈　　 /ﾆ{　　 ⊂ヽ_／￣ﾟ,ﾉ　　 　 V’ 　.!､＿ 　.}ﾆﾆﾆニ/
　　 　 | 　.|n Ⅶjij.　　＼_ﾞ寸　　 /　　 . : :} 　 　 　 Ⅷ:､ﾉ ﾟ， ﾟ，{ニ_ノ}_/
　　 　 | 　.|ij j| |込　　　 ＼_寸 / ､_ . : ｡: }　　　　 / 寸:'.,　'， ﾟ.,{ﾆﾑi:i:}{
. 　 　 八__|_/ } ＼ﾑ　　　 〈/ Ⅵ　:{| : : :ノ　　　 　 Ⅵ　寸､ } ｎ }ニﾑⅧ}
　 　 /￣廴＿|∴ } }　 　 　 　 }　(~　／　　 　 　 　 寸ヽﾞ寸} U }Ⅷ_}
. 　 /　　 ,斗､.|∴ j |　　　 　 ./　　 /　　　　　　　　　 ﾞ寸> '.,　､j Ⅷ}

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
言い終えた途端に、狙撃銃とは名ばかりの大砲が火を噴いた。
強烈な破裂音と共に、ビル一つ木っ端みじんにできるような榴弾が飛来する。

すかさず左手を翳し、PA収束装置を起動させる。
掌に集中したコジマ粒子の層が盾となり、爆炎を機体の目前で巻きあがらせる。

お返しとばかりにブレードを展開し、リベリオン目掛けて撃ち込むが、
海面を割るだけで掠りもしなかった。

機体を翻らせつつ、飛沫の中で海面を滑るようにブーストしながら、
キャノンをパージしたリベリオンがアサルトライフルに持ち替えて突貫してくる。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4891： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/14(木) 21:13:53 ID:SGTkt8qI0


　　　　　　　　　　　　＿　.＿
　　　　　　　　　　　　｀ﾏ＼ﾏﾄ、
　　　　　　　　　　　　　｀| ﾍ∨ﾄ、
　　　　　　　　　　　　　 弌 ト-、＼ __ _r;..-;..、
　　　　　　　　　　　　　 　 ∨t.ﾍ イ /---z..;..;}
　　　　　　　　　　　　＿＿__∨ ∧＜ﾍ＿ｿ;..;ﾉ __
　　　　　　　　　　　/　　　 　 〉ﾍ.∧　∧　 ￣＼≧ - 、
　　　　 　 　 　 　 /γ⌒ヽ- ― ―t 、γヽ_, -_.〉三三≧ - - - 、＿
　　　　　　　　　ｚ-ｿ｀´ヽ丿ト　　　 　.〉弋仆―――'´｀ー＝＝=三三≧=――- - ．._
　　　　　　　　　{.;..;..;..;..;..;..;r'´ ｀ヽ三彡'　　ﾍ　　　　　　　　　　　　 ￣￣｀ー‐-＜三三≧ト - ．._
　　　　　　　／ ｿ..;..;..;..;..;..;..>　　　}´ヽｿ、_　ﾊ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣ ｀ー'´
　　　　　 ／／ ヾ..;.ﾚヽ-ｲヽ;}　　　｀〉z 　/ ゝ'
　　 　 ／／　 　 7.{＼ヘ／|　 　 r< { } 〕t
　　　ﾑｲ　　　　　 ﾍ／＼　.|　 γ:≧i i:≦＝- 、
　　　　　　　　　　　｀ー 、 .ﾍ , ＞/::〕.ﾄ:_:ヽ 　 /´丶、
　　　　　　　　　　　　 　 ∨ ∧　ｲﾞ´.iﾘ ＼＿_.{　r:::}　）ｔ
　　　　　　　　　　　　　 ノ∨ ∧ ﾉ　　　　　　 ｀yゝ_ノイ
　　　　　　　　　　　　 /　　∨ ∧　　　　　　 　 ゝ__ ノ{r 、
　　　　　　　　　　　／　 ム'.∨ ∧　　　　　　　　 ｀＞:::> ヽ
　　　　　　　　　　/　　ノ　　　∨ ∧　　　　　　　　　＼　_ノ
　　　　　　　 __r-'　 ／　　　　 ∨ ∧
　　　　　　　 ソ 　 /.　　　　　　 ∨ ∧
　　　　　　 /　r::::〈　　　　　　　　∨ ∧
　　　　__,..ヘ -＞'´　　　　　　　　 ∨ ∧
　　 ／/:::::／/　　　　　　　　　　　 _∨ ∧-ｔ
　 / 　 ￣ノ´　　　　　　　　　 　 　 ＼　　　|
　 ゝ-- ´　　　　　　　　　　　　　　　　＼ 　|
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼!






　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 f^Y
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 Ⅷ',　　　　　　r─┐
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ∧　　　　　Ⅷ',　　　　　/:::::::/}
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　}　　 　 　 Ⅷ　　　 　 |￣ﾚ'/
　　　　　　　　　　　　_＿＿＿＿＿ｧ─､_/　 l　　　　　__}::}_　　 　 _|:::/:/
　　　　　_＿／￣￣ﾑ＿＿＿_:::::::::::::＿{　＼j　　　　 /: :.7: }　　　{廴i/7}
　0二lﾆ7:::::::ﾞー──'’::::::::::::::::}::::::／Ⅵ ＼　ム 　 　 j:_j:_j;ｲ __　./: :/__j/　　　　　 _＿
(二二}7::＿__::_＿__:::_＿__::::::::::|─{_＿Ⅵ.　＼_ﾑ､＿/: : :/／ / /:77},ｨ'〉　　 　 　 〈ﾆﾆ≧s｡／〉
　　　 ￣|:ii:ii:|(⊃とｱ |:ii:ii:}¨ﾞ寸j‐ﾐi:i:i/¨|　ﾞrヘ､__>_:〈: : ／　 / /ｰ/: }:/}　 　 　 　 /ﾆﾆﾆﾆﾆ／
　　　　 └‐┘ {彡':ﾑ|:ii:ii:}──‐'￣廴ﾑ 〈＿/: :/ ,斗'’___∠_ﾑ: /{:/￣￣i＼ 　 ./__ﾆﾆﾆ／⌒ヽ .,､
　　　　　　　　　　｀¨”ﾞヽ/　　　　　　 /:ヽ＼_:／∠＿,斗'’＿_ｱ寸/￣￣/￣＼／　.〉ﾆﾆ¨ヽ:i:i:／丿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ_ノ'” 寸' ,ｨ'_r'ﾞ廴(::/　/:i:i:i7二＞──=ﾆミ〈=_r───､_ﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 r‐'”_}￣￣´‐'/_,ｲ:i:i:_/二＞､_＿⊂ﾆﾆｱ)._h:::::::::::::::::〈ﾆ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r'ﾆ／{　 7‐r‐ｧ U/{＞{ fj　}}≧s｡_＿＿_ノﾞ/<:::::::::::::::::ムj
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 __,斗'／＼乂/__/:/　 /ﾉ ,斗─=ミ＿＿＿__ｱ:i:i廴 ＼:::::::::::::::ﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 _＿,斗'”¨辷r､___/{ ﾛ,' ,',斗':>'’fj辷─'”}ﾆﾆﾆⅦ　|ﾌﾞ*､:⊃ ﾞ＞─ｧ､:ム
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 〈ﾆﾆﾆ,{￣〉¨〉ﾞー':.:廴_／{_／､__辷'／_ ノｧ__,斗廴_j　 　 ￣｀*､_／ヽ＼:＼
　　　　　　　　　　　　 　 .,r─､_二ｱ:廴/／　,斗'::{/¨ﾞ7ﾞ/_＿＿／,ｨ' }'　　　　　　　　　　　 　 (　n∧゜｡＼〉
　　　　　　　　　　　　　 /〈　　　　i廴_廴_彡'─-､Ⅶ/,廴_}{＿j>'{__j'’　　　　　　　　　　　　　 ヽ_)＼〉》
　　　　　　　　　　　　　廴込zzzzzz{　:,斗=ﾐ､: : : }__,斗=ﾐ{￣￣´　.}　　　　　　　　　　　　　　　　　　~
　　　　　　　　　　　　　　 ￣￣￣￣｀ー-､＿ヽ: {:i:ir‐､::〉Ⅶ'ﾞヽ　　{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀寸ノ¨ヽ>､{Ⅶ冂　　〉

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
サイドブーストで射線から逃れつつ、敵機に向かって互いに弾丸と熱線の
応酬を繰り広げる。

様子見を兼ねた射撃戦だった。
お互い、中距離からの削り合いで勝負を仕掛けるような機体ではない。

プライマルアーマーが弾丸の雨を受け止めきれなくなり、
装甲越しに甲高い音が響き始める。

「なぜここにいる！　どうしておまえが！」

「引きずりだされたのさ！　おまえのおかげでな！」
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4892： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/14(木) 21:18:22 ID:SGTkt8qI0

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::::::::::::::::::::::::::|￣ﾆ≧x＼::::::::::::::ﾍ　ミﾐ　..　 .;;;　.;;;; 　 |､:::弋=＼V ＼ : : . ＜　　　　　　　　　 テロリズムへの関与だとかいって桜花を潰して！
::::::::::::::::::|ｌ:::::|==ニﾆ彡　＼::::::::::ﾍ　　.;;;　　　　 　 　 | ＼::V|:::::|　　 l : : : : : : : : ＜
∧ :::::::::::|.',::::l　　,;;;,,　　 　 ＼:::::::ﾍ　　　,,;　　　　　　l　　　 |:::::|　　 | : : : : : : : : :　　　　　　　いつもの政治的駆け引きかと思いきや、
: ∧::::::::::|. ',:::l　,;;;;　　　　　　 ＼::::ﾍ　　　　　　　　 /　 　 ./::::/　　/ : : : : : : : : :
: : ∧:::::::|ヽ ',:|　　　　,,;;　　 .::l　 ＞､',　　　　　 　 / 　 　 /::::/　　/ : : : : : : : : : :　　　　　　　 残党が大暴れしだしたときた！
: : : ∧::::|:::ヽN　 　 　 　 　 .:::ﾄ　　　` __ 　 　 　 / 　　　/::::/　　/ : : : : : : : : : : :
: : : : ∧:|ヽ::::::ヽ､　　　　　　＿___ ≧ニ=＼　　./　　　 /::::/　　/ : : : : : : : : : : : :
: : : : :...N　 ＼::::::＼　　　 /￣￣　 　 ／／　 /　　　 /::::/　　/ : : : : : : : : : : : : :





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:::::/::::......／...::/:::／,ｨ斗示≧､　 　 /......／_,≦示ｧ､　〉::::::: ! :::::::|　　　　　　　　既にオルデンブルクは最高戦力を落とされてる。
: /::::::／　 {::/::" 　　　乂歹　 `ー/...／〃　弋歹 }　{∧:::: ﾄ､ ::::|
/:::／、 　 {/ 　　　 `ー─ '"´　 /／　　　　ｰ─ ´' i}:|　 ::::|　＼ﾄ､　　　　　　　 奴らはおまえたちから手を引くわけにはいかなくなった。
／. . ﾚ'＼_,'　 　 ~ﾞ,｀.ﾞ　　 　 　ノ'　　　i　　　　　　 ∧|　　::|: : 　}　＼
. . . . : : : }}::∧　　　　　　　　　　　　　　　 "''゛　　,: : :｝　　'{ . . )　　 ､＼　　　　 けど自社の戦力は極力出したくない。
. . . . . . . |ﾚ′＼　　ﾞﾞ゛　　　　　　　　__ 　　　　 /: : : . . . : : : /　 　_ﾉ. . .ヽ
. . . . . . . i　　 　 ＼　　 　 　 <三' 　 ｰヲ　 　／: : : : . . : : : 〈＿_／: . . . ∧　　　オルデンブルクの二の舞になりかねないからな……
. . . . . . . .＼　　　　＼　　　 　´　　 　｀　　 ´: : : :ﾉ : : :/: : : : : : : : : . .／ . ｝
. . . . . . . . . .｀ー──‐＼ 　 　'"'　 　 ／: : : : : : : : : :/ : : : : : : : . . . ´. . . .i
. . ＼. . . . . . . . . : : : : : : :丶　　　　／: : : : :／ : : : : : : : : : : : : . . : : : : : ∨
. . . . ＼. . . . . . . . . . : : : : : :｀ ￣ ´: : : : :／: : : : : : : : : : : :／: : : : : : . . :/

4893： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/14(木) 21:30:35 ID:SGTkt8qI0

　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ___
　　　　　　　　_＿　 _　　∧:::＼
　　　　　　 _　|､:::ﾑ {:≧/::::::〉¨/　　 　 　 ∧
.　 　 　 　 {≧|::ヽ斗廴/:::::/:::/　　 　 　 〈　ﾑ
　　　　　　 ＼}::::::l:::}‐､ｱ､/__ﾑ 　 　 　 　 Ⅷ ﾑ､＿
　　　　　___r‐ﾄ､__}:::}:::∧__ /¨ﾑ.　　　　 　 Ⅷ斗ﾉ,ｲ
　　　 　 {:､::Ⅶ〔_/￣ﾑ:::__7:/ヽﾑ　　　　 ／　,斗'‐'ヽ　 r‐-､
　　　　　ヽ:7::}:::/　l⌒ﾑ{. ﾞ寸〈_〈　 　 __/　／　／／ヽ/:::::::::Z_＿
　　　　　　{::::l::/　 | 〈_〈,'＼　＼iﾑ ／,へ'’ 　 / r'─‐廴_::::::::::::::::≧s｡._
　　　　　　 〕斗'-‐'､/ヽﾑ:.:.＼　＼}〉〈／￣ﾞY　/≧s｡__r‐'─-､::::::::::_＿≧s｡
　　　　,斗/:77ヽ__　ヽ:l:,イ`ｰ'､⌒込､::＼　 /,へ廴　 {:::二⊃　 ﾞー┴r─f´￣＞､＿＿_
　　 r'”＞廴}{＿}〈¨¨¨`⌒ヽ込_>､_＿＞ ﾞ*< ／¨ヽ｀￣{￣￣￣￣￣辷ﾆ辷ﾆ込_j＿＿jﾞﾆl二)
　　 ¨´　　Ⅷ:::::::Ⅵ＼‐- /:/＼r'､^込_{⌒´　＼__/　　 廴_,斗ｰr─‐ｎ_(⊃⊂ｱl_＿__＿ム(ﾆ(二)
　　　　　 /∧::::::::Ⅵ　}　 { {　 /:｀￣￣',　　__　　 　 　 　 　 ,斗廴＞' ﾑミﾉ￣廴＿}
　　　　　 {_{/{￣ﾞｰⅥj/ヽｱ￣__r──､ ﾟ，,斗＼ 　 ,斗─≦r‐､＿＿＿ﾑ___
　　　　　　　 }し'　 /:/　/7´￣{￣￣ヽ:>──‐､ﾞ∠斗─- /__/　　　 ＿＿ﾑ
　　　　　 　 〈　__ノ､廴/ノ:::::::::::::___:::::::::::::::::::::ﾑ(ﾆl二二0　__　 〉'´￣｀Y:i:i}
　　　　　　　 ﾚ':::::::ﾑ二二二¨ｱ＞'⌒Ⅶ＿＿}_込({{(￣￣℃)´ﾑ､_＿_/__ﾉ＿
　　　　　　 　 {￣￣ _＿__　 ﾞ寸　ﾑ彡Ⅶ:ii:ii::',:∨:i:i} ￣辷¨¨辷'’＿＿＿＿/
　　　　 ,斗─'”¨¨¨´::::::::::ﾞー‐┴‐┴ｧ__¨Ⅶ__ﾑ'ﾞｰ┴‐ｧ　　｀*､　　　　　　 |
.　　　　|:::::::::::::::_＿,斗─‐┬'¨¨7￣寸　.､　　 ﾟ，ｱ”¨´　　　　 ｀*､＿　 　 l
　　　　廴斗'ｱ’ `Y´ｉ　　 ,ｲ　　{　　　Ⅶ .lヽ─ ﾑ　　　　　　　　　　　ﾞー‐'
　 　 　 　 __/:＼__j　廴／n} 　 |. 　 　 ＼l　|_/ヽム　_＿
　　 ,斗‐'”　ﾞ寸:廴／ ﾑ∠{|　 .}　　 　 　 ＼__>'^ヽV 　 ﾑ
.　 /　　　　　 ｱ_　　〉‐ﾉ　八／　　　　　　　　>､_ノ:Ⅶ､　ﾑ
　/ _,斗‐'”￣ //7”,ｲ(`ｰ'　　　 　 　 　 　 　 {　＼:::／~',　ﾑ
　ﾞ´ 　 　 　 ,ｲ':ノ／_ノ　　　　　　　　 　 　 　 ＼　ﾞ寸＼ﾟ, V{_＿
.　　　　　　〈／~￣　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼<>ヽ.＼　寸､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ｀￣`寸:＼ヽ:>､〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ﾞ寸:ヽ_><＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ¨Ⅷ::::〉､ム
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈｀<~n ﾟ, ﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼込:寸 〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼}､V
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「だから俺が引きずり出されたってわけさ！　光栄なことに、
『現時点で最高戦力の独立傭兵』って言われてな！」

叫び声をあげつつも、狙いは一切ぶれていない。
EN消費を抑えようと一度高度を下げ、こちらも海面へと降り立つ。

「独立傭兵を差し向ければ、自社戦力を危険に晒さずに済む。
小遣い程度の金を出しておけば、責任も取らなくていい！
安く済ませられて、安全に事を運べる！　失敗しても知らない振りができる！
幸い、俺はまだオルデンブルクに帰属してなかったから、な！」

レーザーが機体の脇腹を掠め、PAを消し飛ばし、装甲を抉る。
それでも致命傷には至っていなかった。
僅かに胴体を捻り、着弾部分を最小限にとどめられていた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4894： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/14(木) 21:38:26 ID:SGTkt8qI0


　　　　 　　　＿＿＿_
　　　　　　／　　　u　＼
　　　 　／　　＼　 　 ／＼　　　　　　　このっ……だったら、分かるはずだお！　おまえのような過去を持つ男なら！
　　　／ 　し （○） 　（○） ＼
　 　 |　∪　 　 （__人__）　 J |　　　　　　今のやる夫は過去のおまえだお！　
　　　＼　　u　　 ｀⌒´　 　／





　　　　/::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::＼::ヽ　:丶、::＼＼:::::::::::::::::::::::::::::∧::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧
　　　/:::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::∧＼::ﾞ､:::::::::::>､ ＼へ、::::::::::::::::::::::::',::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
　　/:::::::,.ィ:::::::::::::i:::::::::lヽ. ＼::::::::::::::::::',　:＼::／,ィィ´ﾗi　　i ヽ.:::::::::::::::::::∧:::::＿:::::::::::::::､
　./::::／　ｉ:::::::::::::::l:::::::::l　:ﾞ､.',:＼:::::::::::::∧r ' ｨ´ヽヾ‐'ノ　 ﾉ 　　＼::::::::::::::::∨ -‐ヽ:::::::::::', ﾞ丶､
　.／　　 ｌ::::::::::::::::l:::::::::l‐-ヽ',- ､＼:::::::::::',　 ｌ _... 二 -‐ 　 　 　 　 ＼:::::::::::::〈　:ﾉ:!|:::::::::::::',
　　　　　l:::::::,、:::::::ﾞ､.　i-‐.てﾀTヽ､＼.:::::∧　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼:::::::',　:i　:l:::::::::::::::',
　.　　　 i:::::/　',:::::::::∨.',＼ヽ-'.ィ´l　　ヽ　 ',　　　　　 　 　 　 　 　 　 l/:＼ﾍ　　/.::::::::::::::::',　　　　　　……ああ、その通りだ。
　　　　　i /　　V:::::::::ヽ ',　 ¨´　　:!　　 　＼.',　　　　 　 　 　 　 　 　 ,_ﾑヽ i／.::::::::::::::::::::',
　　　　　l/　　　',:::::::ﾄ |＼　　　　　;!､　　　　 ヽ　　　　　　　 　 　 　 ´　 ／ヾ:::::::::l＼.:::::::::',　　　　　　俺がおまえの立場なら、俺もそうした。
　　　　　　　　　 ∨ .ｌヽ　',ヽ　　　 ＼ヽ　　　　　　　　　　 　 　 　 /丶":::::::::::::::::::::l　 ＼:::::i
　.　　　　　　　　　ヽ i　　 '､　　　　　 ｀　　　　　　　　　　　　　　/　 |::::::::::::::ﾄ、:::::i. 　　 ＼l
　.　　　　　　　　　　ヽ　　　＼　　　　　:_ .. -─　:‐-　　　　　　/ / .j/!　ｉ　l　＼::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　′__;;　 -ｧ　　　　　　／　　 :,'　　　l　ﾊ　ヽ!
　.　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼　　　　　　　　 　　　／　　　:.,'　　　 l/　', i
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　　:／　　　　:,'　　　　　　　:V､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　 　　 ／　　　　　:/　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ __,,.ィ　　　 　　　:/　　　　　　　　　　　　 ＼

4895： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/14(木) 21:43:00 ID:SGTkt8qI0


　　　　　　　　　　_＿＿＿┘(
　　　　　　　　 ／＼　 ／　⌒
　　　　　 　 ／（○）　（○.） ＼
　　　　　 ／ 　　（__人__） 　 　 ＼　　　　　　だったら攻撃をやめろ！
　　　　　 |　　　 　 |::::::|　　　 　　|
　　　　! |!l＼　　　 l;;;;;;l 　 　　,／　　　　　　 仲間になれとまでは言わないお！
　　　　　i| ／　　 　ｰ´　　　　＼
　　　　 i／　l!　　　　　　　　　　 ＼　　　　　 適当に一芝居打って……
　 　 そ|彡∪ 　 　 　 　 　 , --、 　）
　　 ∑ !彡,l　<　　　 　 　 ( 　 ＿／
　　　 ﾚY^Ｖ^ヽｌ.　　　　　　 ￣





　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::≧／::::::::::::::::/:::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::/
　　 ／:::::::::::::::::::::::::::::／／:::::::::::::::::::/:::::::::::::::::ｲ::::::/::::::::::／ﾊ
　／:::::::::::::::::::::::::::::::::|／::::::::::::::x≦/::::::::::／У::イ::::::::／:::::::ﾊ
ｲ:::::::::イヽ::::::::::::::::::／::::イ'"´l/　 /:::::::／ｲﾃ不､/::::::ｲ::::::::::::::ﾊ
　イ　　 /::::::::::::::／イ::ヽこ　　　/::::／ 　 i /y//::::/::::::::::::∧::ﾊ
.　 /≧/:::／l:::::::::ｲ:::::/　i　　　/:／　　 　 ヾ//:／:::::∧::/　 Vﾘ　　　　　けどな、やる夫。
　////／＼|:::／ |:::/　 .|　　./ｲ　　　　　 　 ／',::::::/　V　　 ｿ
./////////|/≧x|/　/ .､　　 　 　 　 　 　 　 　 V　　　　　　　　　　　　おまえが俺の立場だったとしても、
///////////////＼　∧　　　　　　 ___　　　,イ
/////////////////＼ ∧　　　　　ヽ ヾ=-ｲ　　　　　　　　　　　　　　 おまえは俺と同じことをしたはずだぜ。
.///////////////////＼　　　　　　_）
==‐‐-､ ///////////////＼　　　／
///////＞x､///////////Y ＼__/
////////////＞x､///////　/7
////////////////＼////／./
////////////////////<　／ヽ

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銃弾の雨が止み、考えるより先にブレードの切っ先を下ろす。
海上でホバリングする二機の間に荒波が立ち、波紋がぶつかり合う。

夜の暗闇の中、互いのカメラアイが灯台の光の様に、相手を照らしていた。

「おまえ、桜花のリンクスに惚れてたんだろ？　だからそこにいる。
俺も同じだ。俺も同じ理由で、ここにいる」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4896： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/14(木) 21:45:21 ID:SGTkt8qI0

　　　　　　　　　　　ﾄ､
　　　　　＿＿__　　 ヽヽ、
　　　　　￣＞::::::｀:...ｰゝ::＼
　　　_,....:'"::::::::::::::::::::::::ヽ::::::＼
　　　＞―:::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::〉__
　　　:::::::::::::::::／::::::::::::／:::::／:::
　 　 　:::___／::::::;::::＜::ィ:／:::::::
.　 　 　 ∠ィフ:::ィ'小冫7:::::イ::　　　　　　　……結局さ、抗ってたら生きていけねえんだ。
　　　 　 ｰ┐￣　｀¨´,.イ::::/:ﾄ､
　　　 　 　 ｌ　　　　　　,|i::ハ:!　　　　　　　　いや、違うな。生きてはいけるかもしれない。
　　　　　 　ヽ. 　｀　‐フl:/　 ｀
　　　　:::::::::＼＼_,. '´　　　　　　　　　　　　　けど、平和が欲しかったら、抗ってたら手に入らない。
　　　::::::`::::、:/　 ＼
　　::::::::::::::::::＼ｴヽ/
　　::::::::::::::::::::::::＼ ￣l
　　　:::::::::::::::::::::::/ 　/
　　　　::::::::::::::::::ﾊ　ハ
　　　　　　::::::::/6l/:::::!





::::::::,'::::::::::::::::::::::i:::::::::::::::/::::::::／l:::::::::::::::::/ ::::|
: ::::,':::::::::::::::::::::::|::::::::::::/:::::／　 |::::::::::::::/:::::::::l
:::::,' : ::::::::::::::::::::|:::::::::/l:／≧ミ､|:::::::::::/ :::::::::::|
::::,' :::::::::::::::::::::/|::::::/ 　 ｲ ∧y |::::::::/::::::lヽ:::::|
:::::::::::::::::::::::::/　|:::/　 　 ゝ ､ヾ |:::::/＼:::| ∧::|　　　　　　　　　企業連のやり方を、俺は肯定しない。
ｲ:::::::::::::::::::/ 　 |/　　　　 　 　 |::/　 　 　 7.ﾘ
.i:::::::::::::::::/　　 　 　 　 　 　 　 |/　　　　 /　　　　　　　　　　　けど、それはいつの時代も同じだったはずだ。
:|::::::::::::::∧i　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 l
:|:::::::::::/=ゝ　　　　　　　　　　　　　／￣´　　　　　　　　　　　　その時々のやり方で、幸せになる奴らもいれば、
:|::::::::/ヽ=-ヘ　　　　　　　　　　　　￣ヽ
:|:::::/::/三三ニﾆ=-ミ､　　　　 　 　 　 ｲ　　　　　　　　　　　　　 犠牲になる奴らもいた。
:|::/::/三三三三三三ﾐ､　　Y⌒ヽ　　 l-‐=ニ三ヽ
:|/ｲ三三三三三三三l|　　 |‐┘ ', 　 |　/　　　　ト-ﾐ
三三三三三三三三ﾆ|　ト=',　 　 ',__/ﾔ　　　　　　　ﾄ､
三三ニ=-ﾐ､三三ニニ|　|. ゝ',　　　∨　　　　　　 　 　 Y
三三三三三三ﾆミxニ|　|. 　 ｝　 　 ﾍ　　 　 　 　 　 　 |

4897： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/14(木) 21:53:33 ID:SGTkt8qI0

　　　　　　　　　 ＿＿
　　　　　　　　　 V, :::::::::::::￣”三二ニ＝…‐一
　　　　　　　　　　V, :::::::::::::::::::::::::::::ー=≦
　　　　　　　 _______V, :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::......
　　　　 　 　 V, :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::≧=ー
　　　　　　　　V, ::::::::::::::::::::::::::::::::::V, ::::::::::::::::::: く
　　　　　　　 / V, ::::::::::::::::::::::::::::::::::V, ::::::::::::::::::::::＼
　　　　　 　 i{::::: V, :::抖rｾ〔:::::::::|:::::::V, :::::::::::::::::::::::: ＼　　　　　　　　俺はさ、未来の家族に、犠牲になる側に回れとは言えない。
　　　　　　 八|::::::V, ::芹テﾐx::::: |:::::::: V, ::::::::::::::::::::::::___＼
　　　　　　 　 |::∧;V,:| ﾋﾘ　 〉 :: |ヾ ::::: ｉ､:::::::::::: |:::::::{　　　　　　　　　 ……残酷だけどさ、結局、世の中そういう風にできてるんだ。
　　　　　　 　 l/／　 :!　　　　V,:|　}ﾊ::::|ﾉ :::::::::: ﾄ､::::{
　　　　　　　 　 ヽ　　{ 　 　 　 vl　八V|::::::: | ::: |　ヾ{　　　　　　　　　 俺は、俺の家族に、奪われる側になってほしくない。
　　　　　　　　　　ゝ‐－'　 　 　 }/: : |:ﾘ:::::::::ﾄ､:::|
　　　　　　　　　　　}　　　 . . : : : : : ::l∧:::::: |　ヾ　　　　　　　　　　　　企業の庇護の中で……譲られる側でいてほしい。
　　　　　　　　　　　ゝ=≦: : : : :｢三二ﾆﾊ从l］
　　　　　　　　　　　／ 　 ヽ: : .:|三二ﾆ=―　|_　　　　　　　　　　　　　 奪ったものを、譲られる側で。
　　　　　　　　　　 入_／ﾆｱ : : !三二ﾆ=―=ﾆﾊ___
　　　　　　　 r≦三三}ﾆア___ ノ 三三二ニ＝―=ﾆ二≧x
　　　　　　　 |三三／ﾆ7　　|三三二二ニﾆ＝―=ﾆ二二 ＼





　　　　 ＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　ヽ、　 　_ノ　＼
／ 　 （●） 　（〇） 　 ＼　　　　　っ……
|　 U 　 （__人__）　　　　 .|
＼　　　　|i||||||i|　　 　 ／
　/　＿＿｀ ー'
　(＿＿＿）

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
怒りのままに言い換えそうとして、舌が凍り付き、喉が塞がった。
怒りという感情の出力先が消失して、思考の回路の上を滑っている。

「俺はおまえだ。おまえは俺だ。ああ、おまえの言う通りだ、やる夫。
こんな俺たちでも、愛せるものがある。そのために、戦ってる」

仮に今、カズキが企業連を裏切るような真似をしたなら。
カズキの家族に与えられている企業連の庇護が失われる。
保障されていた全てが失われる。

彼の妻の暮らしも崩壊する。
子供を身ごもっていると言っていた。

生まれてくる子供に、企業連に属するリンクスの子としての人生ではなく、
企業連に反旗を翻した男の子として追われる人生を歩ませることになる。

何一つ、言い返せなかった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4898： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/14(木) 21:59:54 ID:SGTkt8qI0

　 　 　 ',::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　＼::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　＼:::::::::::::::::::::::
. 　 　 　 　 ＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾄ､::＼￣ ./:/￣￣￣　ﾆ=‐- 丶　丶:::::::::::::::::
.　　 　 　 　 　＼ : :::::::::::::::::::::::::::|　＼::＼/:/ 　 ＿＿_　 　 　 　 　 　 ＼:::::::::::
　　 　 　 　 　 　 ＼:::::::::::::::::::::::::::.　　丶:::/x≦￣￣}/　　　　　　　 　 　 ＼::::::
　　　　　 　 　 　 　 ＼:::::::::::::::::::::::.　　 /〃（_　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼:　　　　　……おまえ、桜花のリンクスに惚れてんだろ？
　　　　　　　　 　 　 　 ＼::::::::::::::::::::. ｰ='　∨:}　／
　　　　　　　　　　　　　　 ＼:::::::::::::::::. 　 　 у´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 おまえだって背負ってるもんがあんだろ。
　　　　　　　　　　　　　　　　＼::::::::::::::.
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼:::::::::::.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　俺に負ければ、全部壊れるぜ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /＼:::::::.
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　　 ＼:::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　 .＼
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　′
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
そうだ。だからといって、カズキに同情して命を差し出したとして。
待っているのは、あの潜水艦の中で怯えている人々の死だ。

みんな殺されるだろう。
なのはも、世話になった人々も、全員。
はやての命も、奪われる。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4899： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/14(木) 22:08:17 ID:SGTkt8qI0

　　　　　　　　　　　/:::::/::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::ﾄ::::::::ﾄ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ::::::::::::
　　　　 　 　 　 　 /::::::,':::::::::::::::::::::::/ヽ::::::::::::::::::::lﾊ::::::|ハ:::::::::ﾄ､:::::::::::::::::::::ﾊ::::::::::
.　　　 　 　 　 　 /:::::イ:::::::::::::l::::::::/　 ﾊ::::::::::::::::::|　ﾊ::|　 >､::::|ﾆ≧x::::::::::::::::ﾊ::::::::
　　　　 　 　 　 /:イ　l:::::::::::::::|::::::≧x　 ﾊ:::::::::::::::|　 .N≦公､::l_　 　 ＼:::::::::::ﾊ:::::::
　　　　　　 　 イ　　 .l:::::::::::::/|:::::/ ,≧x､ ヽ::::::::::::l彡イ不示卞心 　 　 ＼:::::::ﾊ:::::
　　　　 　 　 　 　 　 |::::::::::/　l:::､ｲﾊ不示x　V:::::::l ｲ人升 シ　イ　　　 ﾘ. ＼:::ﾊ:::
　 　 　 　 　 　 　 　 |:::::::/　　l::lﾊ ヽゞ孑 }'"`V:::::l,,,,,　 ゝ==イ"　　　　　-‐/＼ﾊ::　　　　　　――来いよ、マーシフルのリンクス！
.　　　　　 　 　 　 　 |::::/　　　У:',　 ｀ﾞ"'´l　　ヽ:::|　　　　　　　　　　　　､__∧::::::::
　　　　　　　　　　　 |::/　　　/::::::::',　　　 l　　　 ヾ､　　　　　　　　　　　 l　　 ヾ//::　　　　　俺を斃した先に、おまえの道がある！
　　　　　　　　　　　 l/　　　/::::::::::::',　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾊl　　//::::
　　　　　　　　　　 　 　 　 /::::::::::::::::>､　　ゝ ___　=-‐=ﾆ､　　　　　　　　　|　.//::::::　　　　　　おまえを斃した先に、俺の道があるんだ！
　　　　　 　 　 　 　 　 　 /::::::::::::::::::::::::>､ 　 ヾ-‐ﾃ＜ : : ＼　　　　 ｲ 　 　 //:::::::::
　　　　　　　　　　　　　　l::::::::::::::::::::::::::::::::>､　 Y{{ : : : : : //　　　ｲ　　　/ //::::::::::::　　　　　　死んでもらうぜ！　何がどうあろうと！
　　　　　　　　　　　　　　|:::::::::::::::::::::::::::::::::/ ヽ 人ゝ--‐彡 　 ／　　　 / //:::::::::::::
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 l:::::::::::::::::::::::::::::://　　ヽ　ニﾆ=　 ／　 　 　 / //::::::::::::::::
　　　　　 　 　 　 　 　 　 l::::::::::::::::::::::::::::｛｛　　φ ゝ--- イ　 l　　　 /　ヽヽ:::::::::::::::

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
カズキの怒号が、リベリオンのスピーカーを通じて大気を震わす。
噛み締めた歯を軋ませ、リベリオンの影法師のような姿を睨む。

天を仰ぎたくなった。

よく、運命がどうこうという語り口を見かける気がする。
運命の相手だとか、こうなる運命だったとか、運命なんてないだとか。

けど、今、生まれて初めて、運命というものを感じた気がした。
運命というものは、結果なのだ。

カズキが企業連がもたらす秩序の中での、家族の平和を選んだ。
自分は企業連が捨て去ろうとしたものを守ろうとした。
二人の選択が、運命になった。
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4900： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/14(木) 22:17:33 ID:SGTkt8qI0

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ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ、　 ＜ニニニニニﾆ}　乂,_,)　　　 ∥　 ／＼└‐^)〉 )｣　)/
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もう、言葉や理屈ではどうしようもなかった。
そう理解できた途端に、身体を縛り付けていた罪悪感や迷いが露と消え、
無意識に外していたターゲットサイトが再び現れる。

ほとんど同時に、お互いに向かって駆け出す。
オーバードブースターを唸らせて、炎を噴射し、海面を引き裂きながら。
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4901： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/14(木) 22:22:27 ID:SGTkt8qI0

　 　 　 　 　 　 ,,.. ´　　　　　　　｀・ 、
　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　/　　　　　　　　　 　 　 　 　 ',
　　 　 　 _l;;;;;;;;;,,,　　　　 　 ／　　 　 　 .l　　　　　　――死ぬのは、おまえだ！
　 　 　 　 l;;;;;;;;;;;;;;; 　 ､_,.ｨtﾁ　） 　 　 　 |
　　　　　　',.　　 /　i　　 ヽー‐ '　　u.　/｀ヽ､　　　　 カズキ！！
　　　　　　 ＼　乂人＿__ﾉ､　　　 ,. ＜
　　　　　 　 　 ＞-｀￣￣｀'　-
　　　　 　 　 　 　 ｀ー―





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:::l:::::::::::::::::::',:::::::::::::::::::::::::::',､::::',ヽ､::::::',x≦::', : :',:::::|::::::::::::::::|:::::::l　ヽ､
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::::::',::::::::::::::::::i.',::::::､::::::::::::::::',;;;;;;;;; xイli:l:::():l::l|　ﾐxN､::::::::::::::ﾄ:::::::::',
::::::::',､:::::::::::::|;;;',::::i;;ヽ:::::::::::::', 彡イｲ人ゞ=ｲ:ﾉ　//:::::ヽ:::::::::| :ヽ:::::',
.､:::::::ﾊ:::::::::::|;;;;;;',::l;;;;;ヽ::::::::::::',ミ､ ≧x､ニﾆ==彳　　/∧:::::| : : ヽ:::',
∧::::',: :ヽ:::::| : : :',:| : : :ヽ::::::::::', ::. :::::::::::::::::::::::::... 　 ノ ∧:::|: : : : ヽﾘ　　　　　　　生き残るのは、俺だ！
､∧N ::::::ヽ:|::::::::::ﾘ　 ///lヽ:::::',　　　　　　　　　　∧/　ﾉN : : : : : :
ゝ∧:::. :::::::　 .::::: .:::.　V/∧ ヽ::',　　　　　　　　　∧　 / : : l : : : : :　　　　　　　　生きて……生きて帰らなきゃならねえ！
::::｀‐､:.　 :::.　　::　　　　V/　　ヽ',　　　　　　　　/､_／: : : : | : : : : :
∧::::::',　　　　　　　r‐-======､　　　　　　　 /;;;;;/ :/ : : : :l : : : : :
　 ',:::::ﾄ､　　　　 l|/ゝ‐-----‐-=､ ,　　　 　 ｲ;;;;;/;;/: : : : .:.l : : : : :
　　i::::i　>､　　　lﾄ {:::::::::::::::::::::::::} ）i!　　　／/;;;;/:/:. : .:. .: :.| : : : : :
　　レﾊ　　>､　　ヾ､ゝ=====≠ ﾉ'"　 ／　/;;;;/:/: : : : : : .:.l : : : : :
　　　 ハ　 　 >､　　 ￣￣￣￣　　／　　/;;;;/:/ : : : : : : : :|: : : : : :

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視界一杯に火花が弾け、暗闇の海を閃光で照らす。

レーザーブレードを振り降ろそうとしたところを、刀身を物理ブレードで抑え込まれた。
それを力づくで押し返そうと両手で柄を掴み、出力を上げる。

鍔迫り合いの形になりながら、
互いの脳天に刃を叩きこもうとジェネレーターが唸りを上げる。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4902： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/14(木) 22:31:47 ID:SGTkt8qI0

　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 {　＼,､
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　＼,､
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼　＼,､
　　　　　＿＿＞ ´〕ト｡　　　　　　　＼_ ＼,､
〕 ト ミ／i:ﾊ: : : :｀: : ::‐-=〕ト=‐ィ〔 ´￣ : ヽ ＼〕ﾄ､
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. ≧s｡ : : : : : : : : :: ::／ｨi〔:..:／　　:]i:ﾘﾄ :iﾑ_＼:>､ _>ィi〔 : :〕≧s｡
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ﾄ､　〃ｨ／::{_ii{. i{_/ : `¨¨}}:_:_:_:_:_:＞'`¨ゝ≧==r:'> ´ 〕ト. .　 ／¨　¨≧=‐‐ﾏ￣ `ヽ
: : ＼／:..:／:¨ヾ_ﾑ. 　 ／`..: :〃`　　　{{=====ハ　　　 >‐ '　 　 　 :}≧r':i_}!　｀≧s〕ト
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:＼:_:_:〕:／ヽ:〔:_:ノ: iイ〔: : : /}　　　　　/=‐-: :／ﾏﾑ　 /`　　　　　　 ⌒〕ﾄ､　 　 ､　: 〕ト､___ヽ,
ヽ/: : ヽ-､: /: : : :/⌒:７: イ/`＿______/_: : ::∥`　 ﾏﾑ/　　　　　　　　　　　 ≧=‐＜<_ノ　__r≦〕ﾄ､
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: : : }: : }:ヽノ : 〉_:_／⌒〔;';〕ﾄ､≦¨￣≧'〕ﾙ' /i:iﾘi:i:i}!　　　'∨ /
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i /≧': :}:〕ト〈:.:!;';';'＼＼;';／;ﾊ;';'ﾊ,' ﾊ 　 ∨､/　:≧==r'_:ソ　人: / -=ｧ
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マーシフルのレーザーブレードの発生装置に当たる部分は、
物理ブレードの刀身として扱えなくもない代物だ。

実際にノーマルの程度の装甲であれば容易く引き裂けるし、
敵機に突き刺してからレーザーを射出するという
疑似的なパイルバンカーのような運用もできる。

だが、剛性を突き詰めた巨大な鉄塊と言える物理ブレードには敵わない。

刀身から鉄の悲鳴が聞こえてくる。
あと数秒この姿勢のままでいたら、ひしゃげて折れるだろうと直感させられる。

刀身を斜めに逸らせ、敵の刃を滑らせて流す。
返す刃で打ち込んでくるのをバックブーストで間合いから外れて回避し、
更なる踏み込みを左手のPAシールドで受けとめる。

左腕に凄まじい衝撃が走るが、ギリギリのところで粒子の層の盾が保たれていた。
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4903： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/14(木) 22:50:30 ID:SGTkt8qI0

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　 /::::::::／. 　i:::::::::::::/!:::::::::i'""i!"''ヽ;;;;,,,　ヽ::::::ﾊ　,,;'''';;;''''"ヽ､ﾊ'iiヽ::::::::::::〉　 ＼::::::ﾊ　
　/::::／ 　 　.i::::::::::::/"!:::::::::!!、!. (,,) .i!;"ﾄ　_ヽ:::::!;ｬ"弋 (,,)　i!､ ii　ヽ;;:::::::::〉.　　＼::ﾊ
　!／　　　　 i:::::::::/　〈ﾄ､::::::ｉヽ.｀‐ ‐'　 ヽ｀ ｀ｌ ヽ::!"　__´ー ´_‐'ヽ;. i::ヽ::::::::〉　　　 ヘ!
　　　　　　　 !::::::/ヽ ヾ_!'､::::i　￣""￣. ` 　.|　 .ヽ　　　"" "　　 `.ﾄ´,ﾊヽ:::::〉　　　　　　　　　墜ちろよっ！　この野郎！
　　　　　　　 i::::/ .ｉ !ヽ､ .､'､:::i ;;;; 　 　 　 　 !　　　　　　 　 　 　 /ー ノ　ヽ::〉
　　　　 　 　 .i::!　 ｉ　!:::::/ﾍ ヽ:i :;;　　　＿__丶＿＿__　　　　#;;;; ﾄ-‐´::!　　 ヽ
　　　　　　　　!　　ｉ　!::/ ! ﾍ　`.､　　 ﾊーーーーー‐ﾊ　 　 　 ｲ　ヽ:::::::!
　　　　　　　　　　 !.　i!　ﾍ　ヘ 　　　i!　 　 　 　 　 　 i!　　　/ i　 ./ヽ;::!
　　　　　　　　　　 !　　　　ﾍ　 ヘ　　.i!　　 　 　 　 　 i!.　 ／　 !／. 　 '
　　　　　　　　　　 i　　　　　ﾍ　　へ　丶､_________ ,／　／　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾍ　　　へ、"'''''''''''''"　／　　／
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まずい。
どちらが劣っているという訳ではないが、押されている。
あまりにも肉迫しすぎているせいで、熱線の刃を形成できない。
特殊な複合兵器として、槍のような形を持たされているのが、ここにきて災いした。

敵機と自機の運動性能も互角、大型物理ブレードも厄介だ。
あの刃でまともに打ち据えられたら、マーシフルの装甲など紙切れ同然だ。
さっきから致命的な一撃こそいなせてはいるものの、攻めに出られていない。

大ぶりな横薙ぎを刀身の腹で受け、サイドブーストで力が加わる方向に吹っ飛び、
なんとか勢いを殺す。姿勢制御が一瞬イカレて、海面に横倒しになりかけた。

このままでは押し負ける。
せめて、この肉弾戦の状況をどうにかしなければ。

下↓1　どうしますか？
1．このままではジリ貧だ。アサルトアーマーで吹き飛ばす
2．格闘戦を続ける。大ぶりな大剣相手なら隙もある
3．後方に連続QBを吹かす。マーシフルの機動性なら逃げ切れるはずだ
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4904：安価のやる夫だお：2022/04/14(木) 22:52:03 ID:BZ6N3TfE0
1

4905： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/14(木) 23:05:07 ID:SGTkt8qI0

　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 イ´ _.r'　＞-、、〉　　　　 　 　 ./ /　　　　　 / / 　 　 　 ../　　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/＿∠＿ / ∧　ﾏ＼　　　　　　 ./ /　　 　 　 / / 　 　 　 ../　　.,.イ＞.。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞　　ﾉ 　ヽ/ /　／/＼ ヽ　 　 　 ./ / 　 　 ..＞/ / 　 　 　 ../　　./ /　　　　＞.。
　　　　　　　　　　　　　　　__ イ　　　 {　　../　ゝ' ／＼　＼!　　　 / /　＞､'゜　./ / 　 　 　 ../　 ／ ./＼　　　　 　 ＼
　　　　　 　 　 　 ＞ '' 孑ｲ／　　　　 乂.../ 　 ／,ｨ= - ＼/　　　,｡s≦　　　＞/ /　　　　　./ .／　 /、　 ＼
　　　　　　　　／＞'ｲ＞' .Yr⌒yr－―≦ﾏ.／..r.'｜　　 |´_　 　/　≧s．＜　/ /　　 .＞L./／　 ／ ノ 、　　＼
　　　　　　 ／／　　j ／　乂彡’　 　 　 　｀＞.|.　|　,.イ´ 　ヽ./　　　 /　 .ﾚ'ン　　_ノ　 i／　　メ、/　　.ヽ_　　 ＼
　　　 r≦ｿ¨´　＞ ´ {　　 ／　　　　　　　　　 rﾄ、ﾙ' /　 　 ﾊ!ヽ. 　../ .ｨ´／ ＜¨　　　/　　／ 　 丶、　／ ￣ ≧s。
　　　_ﾚ´ .＞’　　　 込=ィ'　　　　　　 　 　 　 N !./ /i . 丶.　j　i! .＞´ ／´ ＼　　　　 !　 /　　　　＿_Y,.イ∨　　　　ヽ
　　./　イ　　　　　　　 ノ´　　 　 　 　 　 　 　 i i!〈 f´.゛、 ハ/　ﾊ´　　 　 　 　 ヽ _　　{　/＜zr＜./.r.'　　　.∨
　　j /　　　　　 _ ＞ ’　　　　　　　　　　　　　| !.!.ﾄ!　..゛、 ._}.r' ／ 　 　 　 　 　 　 ＼.У　ｨr≠メ-┴――=≦ニ、.,_
.. ケ′　　　　ノ　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 i!i!L,!V　 l;}.ﾉ/´ /　 　 　 　 　 ,..ｨ　　　_ﾉ ,.化≦＿＿　　　　／　　 .>、
.j/　｀ゝ＜ﾆｲ　　　　　　　　　　　　　　　　　 r'ｲ/,.ﾑ∨＼　 〉> 　 　 　 .＞t'二¨ ヽ、,ヒ＞’´　　　　　 ＞'- 、― .、
i!,/⌒ー≠ｲ　　　　　　　　　　　　　　　　　　j　 /　ﾑ｀,.ｲ.;＼x、　...＞ //　　　 ｀ ｰ-{￣￣￣　 , 　 .≧ .。　 .>、　.ヽ
{ハ_ﾄ､〉ニ!′　　　　　　　　　　　　 　 　 　 j　ｲ　イ ´／　 、;>=、 . ｨ /　　　　　　 /ﾄ,　　　／　　 　 　 　 ＞。ヽ
.ヽX__}_}_}ﾉ　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 / .ﾑ ＞ ’ ／　..＼　;l|／/ ∨　　　 　 / .〃r-=／　　　　 　 　 　 　 >。、
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　　　　　　　　　　＞ ' ゜＿　　　　　　　　　ヾ⌒...¨゛L＿_　　＼__、 ξ`ヽ゛.v.>i__ _ ＼v--=＝¨¨　.ｨ/、三三ﾑ　 ﾏ
　　 　 　 　 　 r'゜,z≦　＿__゜¨¨ ー―---イﾉ_____　.¨゛゛¨゛=ヾ、＿>゛　 　 　 　 .¨c===/¨゛　　 ..// (_ ＼三ﾆﾑ　 !
　　　　　　　　 ゜＜　 /::::::::::::￣:Y　　 　 /::::::　　　 i!　　　 .／゛¨v-i　.＼　　ノ　ξ¨　 　 　 　 //＞-｀、､Y三ﾆ! .i!
　　　　　　　　　　　＞ ≧ー― '　　　　 L::::.....＿ ノ　　 ／_乂::: 　 .! >＿x .(..._/＼¨===-ー　　　__＞...ヽy三ﾆi! .i
　　　　　　　　　　　　　　¨'''' ー ------,イ¨¨＞-≦t┬'¨┌┐::　...//　 　;〉 =7　＼＼　＿_＞＜ 　 　 ..ﾘ三ﾆ7 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 Y/ii}　　　{ {{ ,ﾋ7、　レ'::::　 /y_＞-' ;{.:::ｲ　 ./.> ν ／´￣｀　.ヽ.ｨ' ヽﾆﾏ./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {iiii人　　 /¨´ノ /＞s。::.r='sﾞ￣￣゛l.|　　　　〆ﾆ--ﾆ、　　　　..人.、∀/
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追い打ちをかけようと飛び掛かってくるリベリオンを蹴り飛ばし、
強引に距離を開ける。それでも僅かな距離だ。

ブースターを器用に吹かして完璧に受け身を取る黒い機体が視界の端に映る。

これほどの接近戦を繰り広げたのは初めてかもしれない。
ロストワードの様に凄まじい機体性能や超高出力の兵装を持っている、
というわけではない。

純粋な剣戟の応酬の中で、これほどまでに追い詰められるのは初めてだった。
機体を通して滲み出る、鬼気迫るものが、彼を駆り立てているのか。

刀身を担ぐようにして、大上段にリベリオンが構える。
そこに合わせるようにして逆袈裟にブレードを振り抜くと、予想通り、
大剣が振り降ろされ白い刀身を打ち据えた。

だが、この瞬間、完全に相手に隙ができた。
がら空きになった胴体にすかさず左腕の掌を押し付ける。

左手周辺に収束したプライマルアーマーを形成し、
全身からパルス増幅装置を展開、露出させる。
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4906： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/14(木) 23:11:20 ID:SGTkt8qI0

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盾の形となったコジマ粒子が圧縮され、一瞬、大気が歪む。
次の瞬間には閃光が視界を覆いつくし、遅れて保護シャッターが下りた。
想定されていない使い方だ、挙動が狂うのも無理はない。

ただアサルトアーマーを起動するだけでは、察知されて回避行動をとられていた。
カズキほどの相手に叩きこむには、こうする他なかった。

だが、代償は伴った。そのことを、けたたましく響きわたるダメージアラートが
物語っていた。
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4907： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/14(木) 23:17:09 ID:SGTkt8qI0

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　 ヽ,<　＼≧､ ＼　　 　 / /　　　{　　＿/ rz,､}　i._ _,.,_,人⌒`'"~.､} '､
　　 {/＼　ヽ／　 } ,ゝ-､ヽ､＿≧s}｀ヽ{_/ヽili/>}　/_ .~^`"'ー- 'ﾍ.,_,.ｿ'ヽ(⌒"'
　　rヽ／｀´、 >ー 、　 .}　 ｀ヽ、/-/ ./} ヽili!> ヽ'＞'、 　 　 　 　 ｀{'.(.., ､ V/
　　 ＼／　 /　＼　＼ j!ヽ　／-{_/ ./_/ヽ| }-＜-､三}　　　　　　　ヽ、.ヾ,....ソ
　　　　｀¨¨´＼.　 ＼　＼／　　　｀¨ﾟ´｀ヽ,| }---V　　ヽ　　　　　　　| ヽ　　 }/
　　　 　 　 　｀{＼.　 ＼　＼　　...__,..,_ _,.;'"'⌒'`^~(⌒ヾ､_,, _　　　　 ヽ　V/ {!
　　　 　 　 　 j}　 ＼.　 ＼　＼　　...~"'^(.,_,.ノ'"~`ヾ.,_ソ' . {　　 　 　 {、　} r ､
　　　　　　　 /｀￣ ´＼.　 ＼　＼　　 　 | 〈 ili>､/　 Y , - ､V/ 　　　{_!　 } V
　　 　 　 　 /{ilililili} / . ＼.　 ＼　＼　　 !　{＿}/ヽ　 V､__ﾉ }/　　 　f｀ヽ、　!
　　　　　　　>ー－< .}! 　 ＼.　 ＼　＼　ヽ ＿,'　{　　 V___/_}　　ｒ≦ﾆ}　 ｰ'
　　　　　 ／　　　　 V　　　　＼.　 ＼　＼　　　　＼＿_/　　　　　{三ﾉ_／
　　　　　 V＿＿＿__}/　　　　　＼.　 ＼　＼　　　　　　　　　　　　｀￣

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全身の装甲のあちこちが弾け飛び、焼け焦げていた。
今の衝撃で左腕部の操作系が切断されて死んでしまっている。
本来、身に纏っているプライマルアーマーを全方位に向け爆発させるのが
アサルトアーマーだ。

それを左腕部に収束させて放ったのだから、当然自分にもダメージが及ぶ。
力の方向を制御する手段がない以上、爆発は無差別だ。

だが、それに見合う結果もまた、伴った。

至近距離でコジマ爆発を見舞われたリベリオンが、
黒煙を上げながら、海面で膝を震わせていた。

ひしゃげた装甲から覗く内部機関が、傷だらけの肉体を思わせる。
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4908： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/14(木) 23:24:53 ID:SGTkt8qI0

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　 　 　 　 　 　 ___　　 　 　 　 　 　 　 /　 !　_,斗'” ／　　／　 　 ／:＼　　 /:i:i:i:i:i:i:i:／｀　　　　 　 　 　 　 !'|
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　　　　　　　　　　　〉r‐=,!'|　　 `..___／ﾚ'__,斗≧___//　 ／≧s｡._／:i:ノ　 ｀ヽ　 　 ﾟ，　　 ｜ 、 ﾞﾘN: ;　!lij! |
　　　　　　　　　r‐'”’　j　 i! i　　　 ,　,斗'.ｎ___ﾉ} ﾞ寸 ／＼_,斗'”r':if´　　　',　＼　　ﾟ， . }'′　　　　i　 ;}|! |
　　　　　　　 　 j､ ‐{ Q.{　｜|./ ／,<ｱ’》/ {:i:|_j_＿∨　　　Ⅶ　ﾑ:iⅥ　　　 ',ヽ　＼.,:;:;:,!　　 　 ''′ ,. !、,!　´｀ ι
　　｀　　　　　　 ,Ｊ`:、,ｨl!　l! {′　　;.',斗'j_/:i:iム|　{::Ⅶ　Q　Ⅶ　ﾑ:iⅥ 　 　 ', . （''゛ j! ..:;;:=＝-:、　 ﾞ''"ｨi {ヘ!,l
.　　　　　 　 .，j｀　　Yl!|:　 | |'i,.:i:i:i:i:〉　／､:i:i:i:i:i:}　{:j Ⅶ　　 ﾉ─‐ﾉ:〈Ⅵ 　 　 ',: :; {`' ,ｨ゛ '′.　 ）　jj｣li|liY､⌒}
　　　　　　　〈.｜ 、 ﾞﾘN: ;　!lij! |.:i:/／:i:／⌒ヽ/　 ~ノ ＼／::::::／:i:i:i〉ⅥⅦs .j∨il!ｨ' ｛’　　　　　 へヾ;;イ
　　　　　　　 .}'′　　　　i　 ;}|! |　.~ 7”　　 ／　 ／　　　{≧='::::_,斗'Ⅶ¨ λ' ,j､l!　/ ､　　　　　., ,il{ ,ﾞ!j!;|
　　 , 　 　 ,:;:;:,!　　 　 ''′ ,. !、,!　´｀ 　 .／　　,.'　　　　　廴＞'’　　ﾉⅦ:i:i:iﾞハ！　;. ﾞ:、　　 　 j| 　 '/'}′
　　　　,　（''゛ j! ..:;;:=＝-:、　 ﾞ''"ｨi {ヘ!,/　　__/　　　 　 _＿_,斗'r‐'”　 ＼:しﾞ:、 i,'　 ﾞ:、 ,,., 　 ′彳ﾚ／
　　　〃’ :; {`' ,ｨ゛ '′.　 ）　jj｣li|liY､⌒}..,斗'”ｱ￣￣￣ｱイ }　 ∧ 　 .丶､v{　ﾋ!　　　i!||il.　　 , 八 Ｚ
.　　　　　　j∨il!ｨ' ｛’　　　　　 へヾ;;イ.i＼￣　　,斗'”´　/ j　/ニ.__　　 _,ゝ､;_　　　 ゛:|!　　ﾞ ,rｶ　￣
　　　’　λ' ,j､l!　/ ､　　　　　., ,il{ ,ﾞ!j　i　 ￣￣7 /　　 /r‐'.＿　￣｀ζ｣'(´ ヽ　　j!　゛　,ィ彡′_.. -
　　　　　　ﾞハ！　;. ﾞ:、　　 　 j| 　 '/　r=≦￣￣7´￣￣ﾟ，ﾆ 二 ﾆ ﾞて∠rιｸ_;.,､_,ｰ-'＾- =ﾆ_
　　　 　 　 しﾞ:、 i,'　 ﾞ:、 ,,., 　 ′彳 .≧=─ｧ─=ミ､／￣ム斗'¨|　i＞'¨¨¨　　 ∨　　',
　　　　　丶､v{　ﾋ!　　　i!||il.　　 , 　 .,斗'”:/:i:i:i:i:i:i:/　　　　　　　辷 ,斗'¨¨¨¨¨¨ ∨ 　 廴_
　　　　__　　 _,ゝ､;_　　　 ゛:|!　　ﾞ .／:::::::::/:i:i:i:i:i:iノ　　　　　　　　／　 __,斗┬'¨¨ム
　　＿　￣｀ζ｣'(´ ヽ　　j!　゛ . ／r‐┬─┬=ミ/　　　　　　　　/　　f´: :Ⅶ: :Ⅶ: :Ⅶヽ
　　　　二 ﾆ ﾞて∠rιｸ_;.,､_,ｰ-'＾-..:.:l:.:.:.:./ 　 /　　　　　　　　/　　/: : : :.Ⅶ: :Ⅶ: :∨::Ⅶ

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それでもなお、リベリオンは、爆破炎上する機体の中のカズキは、
戦意を失っていなかった。

致命的な軋みを上げ、炎に巻かれながら、今にも弾け飛びそうな腕部を動かし、
二挺のアサルトライフルをハンガーから引き抜くのが見える。

そして、容赦なくこちらへと引き金を引いた。

プライマルアーマーを失い、装甲のほとんどを破壊されたマーシフルに、
弾丸のシャワーが打ち付けられる。

視界にノイズが奔り、マズルフラッシュと砕け散る機体の破片が躍る。
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4909： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/14(木) 23:40:39 ID:SGTkt8qI0


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､　　 ヽ　ヽ.　　.＼ .ﾞ＼.　　　ﾉ　　｀'v　　 ｀'-､.　　　　 ｀''-..、　　 .｀''ｰ..,、　　　　　 　 　 　 　 　 ｀'''ｰ ..,,,
..ヽ　　 ヽ,　ヽ,　　 ＼.　＼　　　　　　｀'-..、　 .｀'-､.　　　　　｀''-..、　　　.｀''-､,、　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀ﾞ''ｰ　,,,
　 ヽ　　 .ヽ.　＼　　 .＼.　＼　　　　　　　 ''-..、　 ｀'-､.　　　　　 ｀''-､、　　　 ｀'''-..,、　　　　　　　　　　　　　　　｀"
　　.ヽ　　　ヽ.　.＼　　　＼　 .Y、　　　　　　　 ﾞﾞ'ｰ ．　｀'- ＿___,　　　 ﾞ''-､、　　　　｀'''-..,、
　　　.ヽ　　　.ヽ　 ＼　　　 ＼ L＼ 　　_,,、　　　　 ｀'-､　　　 ＿!　　　　　 .｀''‐､、　　　　 ｀''ｰ､、
　　　　ヽ　　　 .ヽ　 .ヽ.　　　 ＼￣―'"　 ｀'-､　　 　　　｀'' /´　 .''-､　 　 　 　 　 ｀'ｰ..、　　　　　｀'ｰ ,,,
　　　　　ヽ　　　 .ヽ　　ヽ,　　　 .＼.　　＼　　　｀!　　　　　　ｌ＼　　　｀'-､ 　 　 　 　 　 ｀''-､、　　　　　 ﾞﾞ'ｰ､、
　　　　　　ヽ　　　 .＼　　ヽ.　　　 ..＼　　 ＼ 　 ヽ　　　　　 ′ `'-､　　　｀'-､　　　　　　　　 ﾞ''-､、　　　　　 .｀''ｰ､.
.ｌ　　　　　　ヽ　　　　 ヽ　　.ヽ.　　　　.＼　　 ｀'-、　　　　　　　　　　｀'‐､、　　｀'-、　　　　　　　　 ｀'‐､、
　ｌ 　 　 　 　 ヽ　　　　 ヽ　　 ＼　　　　 ＼　　　.＼　　　　 　 　 　 　 　 ｀ﾞﾞ''_,, ‐''"'''-､　　　　　　　　　｀''-､、
　..ｌ　　　　　　 .ヽ　　　　 ＼　　 ヽ　　　　　＼　　　 ＼.　　　　　.ー----‐'″　 　ﾞ''‐.',ﾞ＼､　　 　 　 　 　 　 ｀''-､,
　 . ｌ　　　　　　　ヽ　　　　 .ヽ　　　ヽ　　　　　.＼　　　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ ｀'-､
l,　 . ｌ　 　 　 　 　 ヽ　　　　　ヽ,　　 .＼　　　　　.＼　　　 .＼　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀‐､、ﾞ''-､
..ｌ　　 ｌ　　　　　　　 ヽ　　　　　 ヽ　　　＼　　　　　 .＼　　　.＼　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀''-､,,ﾞ''-,,
　ｌ.　　.ｌ　　　　　　　　ヽ　　　　　 ヽ　　　.＼　　　　　 .＼　　　.ヽ　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀''ｰﾐヽ､
　..ｌ　　 .ｌ　　　　　　　　ヽ　　　　　 .＼　　　.ヽ 　 　 　 　 ＼ .,,丶.ヽ　　　　　　　　　　　　　　 ー-､　＿＿／￣￣
　　ｌ.　　 ｌ,　　 　 　 　 　 ヽ　　　　　　ヽ　　　 .ヽ　　　　　　 ` ! |　 .ヽ　　　　　　　　　　　　　　 :｀───∠￣
　　 .ｌ　　 .ｌ　 　 　 　 　 　 ヽ 　 　 　 　 ヽ　　　 .＼　　　　　 / l.､.　 ..ヽ
　　　ｌ　　　ｌ　　　　　　　　　ヽ　　　　　　 ヽ　　　　＼　　　 ./ /　｀-　 .ヽ　　　 ──､
　　　 .ｌ　　　ｌ　　　 　 　 　 　 ヽ　　　　　　 .ヽ　　　　＼　　i＿!----―　 ヽ　　　　　 .!
　　　　ｌ,　　　ｌ　　　　　　　　　 ヽ　　　　　　　ヽ　　　　.＼　　 .｀￣￣￢、 .ヽ　　　　 .ｌ
　　　　 .ｌ　　 . ｌ　　 　 　 　 　 　 ヽ　 　 　 　 　 ヽ　　　　 ヽ,　　　　　　 .!　　ヽ　　　　.ヽ,

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破壊された左腕部の爆発に巻き込まれる前にパージし、
肩部に切っ先を乗せ、強引に狙いを定める。

銃弾の雨に撃たれながら、ブレードを二又に展開し、紫電を奔らせた。
ここで撃たなければ。あと一撃入れなければ。

揺れる視界の中、火を噴くリベリオンに向け、朧げに引き金を引く。
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4910： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/14(木) 23:55:30 ID:SGTkt8qI0

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　　　　　　　　　　　　　　　　＼/≧s〈 ⊂ﾆ⊃辷〉_ﾄ､,ｲ´ ='ﾆｻﾔﾊ.___　　..ｙ. : : : : : :）:y'"~）
　　　　　　　　　　　　　　　　　{ｱ’〈::》ｰ､　　　 /￣ﾟ,_j7lfi≠攵辷ｹﾓｹ.: : : : : : : : : : :⌒ソ:::::::::::::::::::::ｒ
　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾑ:_／:i:i:i:i＞─〈:寸 〉〉:__ij{　　`Ⅶ}.='ﾆｻﾔﾊ.___
　　　　　　　　　　　　　　　　　|: :ﾞﾄ､:i:i:i:(　　}ヽ＼￣Ⅵ､_〉ﾟ， 　 ¨ ≠攵辷ｹﾓｹﾓﾅ
　　　　　　　　　　　　　　　　　l: :/　ﾞ寸´＼ﾉ　丶}::.　Ⅵ､ ﾛﾟ，　 .,.´ﾍ/ﾒ/幵f|^´ヽ
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 V　　　Ⅶ:_>Ⅷ　,ｲ￣￣≧=┴‐ｧ{ Q_ﾉミﾉ . 7
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,ｲ二二込_{_{,斗────‐┴≦三ｧ──‐'^Y
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ 廴/::::::::::::__＿＿__,斗─ｧ'¨ﾞ7¨7´=ﾆﾆﾆﾆニ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_Ⅵ'’￣Ⅶ{ {:`:ｧ─廴_}{二}ヽ_し'ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／,､¨ﾞi~:　　}_{ ｀´ﾉ /i:if´　　ﾞ廴/　乂ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ}
　　　　　　　　　　　　　　__　　 ,ｲ＼/／>'　 ﾉ .| ∨ /¨´{　 r､‐‐ ﾑ.　　Ⅵﾆﾆニノ
　　 　 　 　 　 　 　 ,斗'” ム,ｨ〈　 ﾉ>'’_,斗'”　 |　　{　　 ＼i:.l￣ｱ､ﾑ　　ﾞ寸ﾆﾆ〉
　　　　　　　　　　f´‐‐‐‐‐‐}:i:i:ﾞ¨´ｱ'”ﾆ/ 　 　 |　　}　　　　＼　<^>'＼r‐┴､ﾆ|
　　　　　　　　　　廴　 ⊂ﾆ廴斗'”ﾞYﾆ/　　　　Ⅶノ　　　　 　 ｀寸 　_ﾉヽ､　 ＼
　 　 　 　 　 　 　 　 Ⅷ／／　 . .i_/_/　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 {ﾞf´､　', ﾟ ，　 ﾟ，
　　　　　　　　　　　 ﾉ'´'”l〕 .: : ｡:ノ　　　　　　　　　　　　 　 　 　 乂.　＼',　ﾑ <>ﾟ．
　　　　 　 　 　 　 ,ｲ　　〔＿,斗'´　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ｀*､　､__ ﾑ 　 ﾞ*
　　　 　 　 　 __／　　,斗'ｱ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ー‐=ミヽ､　＼_＿
　　 　 　 　 <∴}　 ,斗'ﾑ”　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞト､＼ ﾞ寸〉
　 　 　 ,斗､/:辷'7’⊂ﾆ{　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〕ｺヽ､lｱ:ﾑ_
　 ,斗'”::ノ ,斗┐{＿＿/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 {_＿fj}r‐〈 〈ﾞヽ_
＜_,斗'”∠＿ノ￣ﾞー‐'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞー‐'廴　`込:::::＼
　　ﾞー‐'´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ー─'─'’

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
弾丸の内の何発かが、連続してコックピットを覆う装甲を叩く。
その衝撃で一瞬意識を刈り取られかけ、視界が明滅した。

この状況での気絶は死を意味する。
分かっているのだが、脳を揺さぶられるのには敵わず、数秒光景が飛んだ。

にもかかわらず、視界は回復した。
視界の先には、機体の上半身、その右半分を消し飛ばされたリベリオンが、
アサルトライフルを握った左手をだらりと下げ、佇んでいた。
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4911： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/14(木) 23:59:05 ID:SGTkt8qI0

　　　　　　　　　＿ ノ゛,, ;、､､ '⌒ゝ､ ',
　　　　　　　`┬;;;:::┬′　　　ｨ=＝=yｌ
　　　　　　　　⌒ﾞ''''''´"　　　　　　　　}　　　　　　　　　　カズ、キ……？
　　　 　ｌ! 　　　　　　　　　 　u　　　./
　　　ｉ!　|ｌ　 　　　/´　　　|　　　ゝ /
＼　 ｌ|　ｌ　　　 　 ゝ、____人_____ソ
　 ` .､　　ι　　　　　､::::::::::ノ／
　　　:ﾐ:ｰ.､._　　　　　　 ￣　　｀`'''ｰ-､





　////／＼|:::／ |:::/　 .|　　./ｲ　　　　　 　 ／',::::::/　V　
./////////|/≧x|/　/ .､　　 　 　 　 　 　 　 　 V
///////////////＼　∧　　　　　　 ___　　　,イ　　　　　　　　　　――薄々、分かっちゃいたんだ。
/////////////////＼ ∧　　　　　ヽ ヾ=-ｲ
.///////////////////＼　　　　　　_）　　　　　　　　　　　　　　　いつか、こうなる。
==‐‐-､ ///////////////＼　　　／
///////＞x､///////////Y ＼__/　　　　　　　　　　　　　　　　　　こういう時が来るんだ、って。
////////////＞x､///////　/7
////////////////＼////／./
////////////////////<　／ヽ

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戦闘中だということも忘れ、訳も分からず、カズキの名前を呼ぶ。
朦朧とする意識の中で、落ち着いた声が聞こえた。
独白のような、低くて穏やかな声だった。
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4912： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/15(金) 00:06:28 ID:HPKUuBO20

　　　　　　　　　 ＿＿
　　　　　　　　　 V, :::::::::::::￣”三二ニ＝…‐一
　　　　　　　　　　V, :::::::::::::::::::::::::::::ー=≦
　　　　　　　 _______V, :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::......
　　　　 　 　 V, :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::≧=ー
　　　　　　　　V, ::::::::::::::::::::::::::::::::::V, ::::::::::::::::::: く
　　　　　　　 / V, ::::::::::::::::::::::::::::::::::V, ::::::::::::::::::::::＼
　　　　　 　 i{::::: V, :::抖rｾ〔:::::::::|:::::::V, :::::::::::::::::::::::: ＼　　　　　　　　はは……そりゃそうだ。
　　　　　　 八|::::::V, ::芹テﾐx::::: |:::::::: V, ::::::::::::::::::::::::___＼
　　　　　　 　 |::∧;V,:| ﾋﾘ　 〉 :: |ヾ ::::: ｉ､:::::::::::: |:::::::{　　　　　　　　　 散々殺しておいて……殺されないわけがない。
　　　　　　 　 l/／　 :!　　　　V,:|　}ﾊ::::|ﾉ :::::::::: ﾄ､::::{
　　　　　　　 　 ヽ　　{ 　 　 　 vl　八V|::::::: | ::: |　ヾ{　　　　　　　　　 結局、旦那にも、親父にもなり損ねちまった。
　　　　　　　　　　ゝ‐－'　 　 　 }/: : |:ﾘ:::::::::ﾄ､:::|
　　　　　　　　　　　}　　　 . . : : : : : ::l∧:::::: |　ヾ　　　　　　　　　　　　 でも……こうなって当然、なんだよな。俺みたいな奴は。
　　　　　　　　　　　ゝ=≦: : : : :｢三二ﾆﾊ从l］
　　　　　　　　　　　／ 　 ヽ: : .:|三二ﾆ=―　|_
　　　　　　　　　　 入_／ﾆｱ : : !三二ﾆ=―=ﾆﾊ___
　　　　　　　 r≦三三}ﾆア___ ノ 三三二ニ＝―=ﾆ二≧x
　　　　　　　 |三三／ﾆ7　　|三三二二ニﾆ＝―=ﾆ二二 ＼





　　　　　　＿＿＿_
..　　　　／　　　u　＼
　　　／　　／　 　 ＼＼　　　　　　　……
..　／ 　し （○） 　（○） ＼
　 |　∪　 　 （__人__）　 J |
..　＼　　u　　 ｀⌒´　 　／

4913：安価のやる夫だお：2022/04/15(金) 00:11:41 ID:LyQ65t1Q0
カズキ…

4914： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/15(金) 00:14:18 ID:HPKUuBO20

　　 　,..::＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: V,:::::::::::::::
　　／:::::::::::＼::::::::::::::::::::V,ﾊﾄ､:::: {::::::::::V,::::::::::::::V,:::::::::::::
　ー……ｧ:::::: ＼::::::::::::::::V,ｉ|　斗-- ミ:::V,::::::::::::::V,:::::::::::
　　　　 /: |::::::::::斗- ミ::::::::,f´　斧示ミx: V＼:::::::: V,:::::::::
　　 　 , ::: l:::: |::::|斧ﾃミx:::::::,　　乂rリ　ﾊ{　 个x:::: V,:::::::　　　　　　　　じゃあな、やる夫。
　　　/::::::::l:::: |::::|{ 乂rﾘ　＼:::,　　　　　　　　 l 　 }､::V,:::::
　　　￣￣|: /|::::|ﾍ 　 　 }　 ＼　　　　　　　　r‐r'::::＼v,::　　　　　　　　 あんま気にすんなよ。
　　　　 　 |/　ﾊ:|:::ﾍ　 　 ヽ　　　　　　　　　 ﾊ: |::::::::|｢￣
　　　 　 　 　 　 '　　 　 　 　ｰ ― '　 　　　,: : 八从 !　　　　　　　　　　　だって俺は、おまえの――
　　　　　　　　　　　 　 ＼　　 ー　 　 　 .: : :　　 ヾｱﾊ,
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 . : : : :　　 ｡o≦三)
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 `ｰ ≦〔 :　 ｡o≦三＞'ﾞ´ﾆ＼
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾉ≦三＞'ﾞ´二二二二＼

4915： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/15(金) 00:29:21 ID:HPKUuBO20

　}:::. 　 　 　 　 　 {　　　　　　　 /-‐:.
./:::::丶 　 　 ､＿　　 　__,　　 　′::::::',
:::／}::::::.､　 　 　 　 　 　 　 ／＼:}＼::}
／ﾑ::／ }:＼　　 　 　 　 ／　{: : :}ﾆﾆ､
､ﾆﾆﾆ，/　　 　 ､＿　イ　　　丶/ﾆﾆﾑ
.‘，ﾆﾆ，　　　　　　　　　　　 ／ﾆﾆﾆ/ﾆ　　　　　　　　　　……
ニﾏニﾆ,，　　　　　　　 　 ／ﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆ
ﾆﾆﾏニﾆ/　　　　　　　　くﾆﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆ
ﾆニﾏﾆ,/､ー‐､　　, -‐／ ∨ニ,／ﾆﾆﾆﾆ
ﾆﾆﾆﾆ＼　ー―――' ／　∨ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
ﾆﾆﾆﾆニ,＼￣}　/￣´ 　 ／ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
ﾆﾆﾆ〃ﾊﾆ{i　 }./　　　　/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
ﾆﾆﾆ弋ﾂﾆ/:　/　　　 　}ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ





　　　　　　＿＿＿
　　　　 ／::::::::::::::: ＼
　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::＼
　 ／:::::::::::::::::::::::::::::: u.　＼　　　　　　　……カズキ。
.　|:::::::::::::::::::::::::::（ー）　.　　|
　 ＼ u.　 （__人__）　.　　／　　　　　　　やる夫は……

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まるで眠りに落ちるかのように言葉を途切れさせるカズキを前に、ただ目を伏せた。

今まで大勢、両手の指では足りないほどに、殺してきたのに。
胸の奥に巨大な洞が空き、そこから冷たい風が流れていた。
息が詰まり、言葉が口から出る前に霧散していく。
喉が渇き、体中から異様な量の汗が噴き出ていた。

炎に呑まれようとしているリベリオンに近づき、そのコックピットブロックを掴むと、
胴体から引き抜いた。大量のケーブルを引きちぎり、そっと抱える。

理由などなかったし、理屈じゃなかった。
ただ、その冷たい箱の中に、カズキがいるのだと思うと、身体が勝手に動いていた。

「……帰投して、やる夫君」

黙して語らなかったなのはが沈黙を破り、ようやく我に返る。
そして、先程まで戦いの余波で荒れ狂っていた海が静まり返り、
穏やかな波の音を立て始めたことで、ようやく悟った。

終わったのだ。
カズキと自分との間にかつて存在した、何もかもが。
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4916： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/15(金) 00:30:17 ID:HPKUuBO20
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4917： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/15(金) 00:33:23 ID:HPKUuBO20
今回はここまでだ。

毎度毎度、家に帰ってから死んでるばかりで、ろくに書き溜めできてないツケが回ってきてるね……

ちなみにゴールデンウィークは割と潰れた。4/29〜5/3まで夜勤が入った。

ギリギリ二連休できるかなーって感じだ……

それじゃ、シーユーアゲイン。次回は来週の木曜日、4/21の午後八時からとしよう。

4918：安価のやる夫だお：2022/04/15(金) 00:34:51 ID:LyQ65t1Q0
乙
男の闘いだった…

4919：安価のやる夫だお：2022/04/15(金) 00:37:13 ID:wyRnSbtA0
乙でした

4920：安価のやる夫だお：2022/04/15(金) 23:43:20 ID:8FEld2bU0
乙でした。
これを書いた人は性格が悪い。

4921： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/21(木) 20:09:09 ID:e/JUclo60
　　　　／||ミ
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　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ　　　　　
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ 　　　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´　　　　　　
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　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
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　　　　＼||

4922： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/21(木) 20:14:06 ID:e/JUclo60

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',　　　　　　　　　　　最近あったかいんだか寒いんだかよく分からないね。
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ　　　　　　　 とりあえず花粉が収まってくれないと如何ともしがたい。
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ　　　　　　やってこっか。
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

4923： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/21(木) 20:19:26 ID:e/JUclo60

　　/　　　　　　　　　　　　i　　　　　　＼　　　　}　>
　 /　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　.|　／　ﾚﾍ、
　,　　　　　　　　 ヽ　　 i　 .|　　　　　　　|、　/　} ノ
　i　　　　　 .l　　　 i　　.ﾊ. ∧.i　　　　　 .| l /　　|' ﾞ;
　|　　　 .|　 i　　　 .| ／! }/　}ﾊ　　　　　.|,ﾉ　/ ./"　
　|　.i　　.|　 ﾄ　　　1. ,ﾑ斗:ｒ7 }　　　　　 |　 / ./:.:.:.:.:ヽ　　　　　　　　　　よく生き残ったものだ。
.　i　l　　.|　 「＼　 .ﾊ/ Ｖツ　 ':/　　　　 .|　/ /|.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ
. 八ハ　 ト　|'芯＼{　　´　　　ハ |　　　 ﾊ　/:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:/　　　　　　　　　　さあ、しっかり捕まっていろ。
.　　{　`:.ハ .ﾄ.}７　　　 　 　　　 }/|　　　.j　ｙ:.:.:.|:.:.:.:.:.:./
　　　　　 | ヾ. :,ヽ　　　　 　 　 /　}　　　ｊ ∩こ)ﾞ,:-イ~
　　　　　 ｌ　　　|＼　 _　-,　　　　ｲ 　.,v⌒／: :ヽ:.:.}　　　　 _____,,
　.　　　　 ｌ　　 .|.　　　､ ´　　　／ﾉ-ﾏ｀／: : : : : :’、_ . : : : : : : : :
　　　　　　丶　 i　　　　　`ｰ ' >r"f ﾞ／: : : : : : : : /: : : : : : : : : : :
　　　　　　　 丶 ，　　　　　　⊂ﾞ_／: : : : : : : : ／: : : : : : : : : : : :





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　　　／　　 　 　＼
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/　　ｕ　 ∩ノ ⊃―）／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／
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満身創痍のマーシフルを抱え、リンドヴルムが海の底へと潜っていく。
ずっと後方で控えてくれていたアルトリアが、戦いが終わってすぐに駆けつけてきた。
このまま潜水艦までひっぱってくれるそうだ。

マーシフルの細い腕部をリンドヴルムの背部に回し、
鈍い水音を聞きながら眼を閉じた。

背中に回した腕の、掌の中には、まだリベリオンのコックピットがある。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4924： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/21(木) 20:26:10 ID:e/JUclo60

〜潜水艦アマツ　格納庫ブロック〜
＼┌‐/:〈/ /〉:::/─┐　　 /匕」　　　　{::::::/／　　　　　　 ／　　　　_＼　 　 　 | 　 　 　 |:::| }　}　　　　}　 }／　　　:|　 |:|　　　／
＼└/:〈/ /〉:::/─‐┘　／/＼_|,､‐辷三ア´　　　　　　 ／　　 xく￣{::::::ヽ＿＿_|｀ヽ　　　|:::| }　}　　　　}　 }　　　　 :|　 |:|　 ／ /
＼　/:::/ /::::::/──┐ {::::{　 ／{￣/ｰ／　　　 　 ｡o≦　　 ／＼::＼{::::::::::{::::::::::::::::::}￣￣::::| }　}　　／/　/　　　　　|　 |:|／　 /
＼ /:::::厂:::::/──‐┘ ＼{／:V´￣／　　　 ｡o≦ / 　　 ／ﾞ∨__＼::乂::::::乂:_:_:_:_ノ::::::::::::::::|_}　} ／ ./　 ハ　　　　 j　 , '　　 /
＼〈{／￣77───┐ ／::: :: |　／　 ,.｡o≦::/　}/ 　 ／{ :{'，∨＿|＼||::::::::::|:::::::::::::::: :::::::::::::,}　圦　/　 /　.|　　　 ./ ./　　　/
.＼/:::/7://───‐／:::::::／::|'´｡o≦　 /::::/| ./　 ／￣{ :{∧ ∨,,,|　 ||::::::::::|::::::::::::::::: :::::l／ }　}∧ 厂7||＿|　　　/__/　　　/_　-　¨
ヽ/::://://￣￣＞r'´::::::／/:::/　＿＿ ./:::::/ ﾚ 　∠| :|￣{ :{_∧ ∨|　 ||::::::::::|:::::::::::::::::::: ::|ニ′广ﾆ′/.|ﾆﾆ|　 ／ﾆﾌ　　 ／＼
..〈¨7〈7rf^＾￣::::::_:|､:／/:/ヽ癶//　 //:::::/／ ／___,| :|￣{ :{＿乂乂／ヽ::::: :|:::::::::::::::::: ::::|ﾆ:|　|ﾆﾆ:|　ﾄ､|ﾆﾆ|／ﾆﾆ7　 ／　　　 ＼｡o≦
../７ｰ∧:::::::::::ィ´ ｰ┘ /:::{乂:::::广¨7:::::::::/_,ィ⌒〉＿,| :|￣{ :{＿___≧s｡／ ＼|::::::::::::::::::: :::|i:i:|　|i:i:i:ﾘ　ﾊi:i:i:i:i:i:≧s｡/／　　　　 ,.ィ升///
..∨::/ｰﾍ:_:_/:::|‐‐‐┐/:::::广广{　　{￣￣〉　|　 {＿__| :|￣{ 乂_____彡'´￣｀ヽ|＼::::::::_::::::: |‐j　j{-=/ /i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/　　　　,.イ///////
/⌒ヽ::::::::＼≧s｡.,==/:::::/::/:::ハ　 }ｰ}ｰ‐}￣|　∧＿,| :|￣乂______彡'´￣_ニ,|　　Y´:::｀Y::|/⌒〉　:|　l |丁l 十ー- {　　　 /　/////////
{x=ﾐｿ￣￣￣≧s｡.,`'＜￣}|::::{-ﾍ /::/::::/ｉ|￣|_ﾉﾉ〉　.| :|￣￣￣￣斗r≦ |／|＞'ヘ:::::::ﾉ:::|⌒Y　 .|　| | :| l　|:|　　 ∨　　{　///￣￣￣
`ー'─────‐∧ｰ=≦厂＞‐/_/,,,,/ﾆ|　 |_）V￣/,. '/￣￣￣|　｡o≦＞'":::::::::::xi〔::::::ﾘ　,ﾊ　 .{　{ | :| l　|:|──∨　 ∨ /
＼┌────(¨/∧广V(￣￣(__)ヽ_ﾉ__,|　 |＿〉＿ ∧∨￣￣￣|x＜:::::::::::::｡s1::::::::: : /　/|　　∧ ∨:| l　|:|￣￣　〉　　∨
＼└───｡o≦二二二二ﾌ二＞'"::::()_|＿|_) ∨__,¨∧∨￣￣...|:|:::｀ '＜　|　 |:::::::::::/　/ :l:　　 ∧ ∨　 :|:|　　　　{ 　 /
＼┌‐＞'":_:_:_:_:_:_:_:_:_x＜⌒Y)): :／＼／{二＞r'´　〉　∧∨￣￣|:|:::::::::::::≧s｡:|:::::::::/　/　:| 　 　 ∧ ∨　|:|　　　　＼/
＼└‐|:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_://:::::〉::::::|／/　 / 　 ∨　　＼/￣　∧∨￣¨::|≧s｡::::::::::::::≧s./　/ 　 |　　　　||ﾍ　､ |:|　　　　　/￣￣￣￣￣
＼┌──|_/＼:_:_:_//ｰ＜:_(入 〈^＼{　　 ﾊ　　　/_〉￣￣∧∨￣ |　　＿≧s｡x'´:｀|　 {＿;;;|　　　　|| :|ﾍ ＼￣￣￣/
＼└─────┘＿＿＿ r'ヽ／／＼//＾ r vﾞ_,f^Y＿＿__ヾ:､__;| 　 |＼: : : {Y^ヽ{　 {￣:::|　　　　|| :| | ＼＞─‐┴─────
＼┌─────┐　 ｡o≦ﾏ‐〈_(;;）__／￣,‐ゝｨ､/ゝ'ヽ-ｨ　(,,) ヾ:､| 　 | : |￣￣: : : {　 {￣ :|　　　　jI斗r≦＿＿＿＿＿＿＿,､-'ﾞ
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リンドヴルム諸共機体の洗浄を済ませ、ようやく格納庫へと辿り着く。

メンテナンススペースに機体を磔にされると、
視界のあちこちから作業用アームが伸びてきた。
そのうちの一本が、マーシフルの右手の中をこじ開け、軽く硬直する。

人の死体など、今になって珍しいものでもない。
どうして敵のコックピットなど持ち帰ってきたのか、と面食らっているのだろう。

この艦の人々からすれば、彼は純粋な敵だ。
彼のことなど何も知らない。話しをしたことも、一緒に食事をしたこともない。

けど、自分からすれば、敵と言い切るには、
あまりにも多くの時間を共有しすぎた相手だった。
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4925： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/21(木) 20:31:07 ID:e/JUclo60

　　　　　　　 _-─―─- ､._
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　　　　` ､　　　　　　　 （__人_）　 /
　　　　　　`ｰ,､_　　　　　　 　　／
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手の中のコックピットのハッチが引き剥がされ、対汚染スーツに身を包んだ
カズキの身体が露になる。

当然ながら、ぴくりとも動かなかった。

言葉にならない感覚が腹の奥底から脳天まで突き抜ける。
視界がぐらりと揺れ、全身の毛が逆立ち、頭が真っ白になる。

右足がおかしな方向に、曲がってはいけない方向に曲がっている。
それだけじゃない。腰の半分くらいがしぼんだ風船のように潰れてもいた。
衝撃でコックピットが変形し、彼の半身を押し潰したのだろう。

その状態でなお、自分に銃口を向けてきた。
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4926： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/21(木) 20:38:58 ID:e/JUclo60

　　　　　　　 　 _,.　-ｒ‐､
　　　 　 　 ,∠ ―　,ｒヽ)ﾉ　　 ‐　、
　　 　 　 / 7　‐-,. ( ）'ﾉ　　　　　　　 、
.　　　 　 i　; 　 ,‐!ノ'ノ　 ｀/　 　 ,. -
.　　　 　 '　:,_/〉-,ノ　　 ./　 　 /"　　　　ヽ
.　　　　　ｒ/_.'-‐' 　 ＼ .'　　　/　／　 　 !　､
　　 　 　 `! !.　　　 ､,.ヽ!　　_./／' ,. ｨ　 i　! }
　　　　　　', !　　　 /､ﾉ|　　 .た!ヽヽ/ ノ'　;.ﾉ
　　　　　　　、 、　,ﾍヽ.l 　 l l　　　´　,/,ｲ/
　　　　 　 　 V/＞/∧ l　　!l.　　 　 {.'　.l　　　　　　　　　　「念のため、ある程度拘束はさせていただきます」
.　　 　 　 　 _l'/////∧l　　l|　- 、 ,.ゝ　l
　　　 　 ,ィﾆ二二ニ_＜,.――--＜!　　l.|　　　　　　　　　　当然のことだ、気にはせん。私はどこへ向かえばいい？
　　　　 /二二二二／::::::::::::::::::::::::::::＞､i|
　　　_,./＞''" -=／::::::::::::＿＿:::::::::::::::::/}　　　　　　　　　　 「ひとまずは医務室へ。その後は一度営倉へ。
― /ﾆｉ.lニニﾆﾆ{::::::-:::￣::::::::::::::::ヽ:::::://
::::::i=ﾆ!.!二二ﾆ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::; '　　　　　　　　　　　　 詳しい話は、その後に」
:::::l=ﾆｌ ｌ二二/:::::::::::::::::::::::::::::::;::::::::::;:〉
::::lﾆﾆl ｌニﾆ〈::::::::;:ィ二ニ=_､,､::;:::::::jム　　　　　　　　　　　　　構わん。
::::!ﾆﾆ!.ｌ-=二';:::://:::::::::::;::ﾆ//ヽ::::/ヽ!ﾑ
::::!/ ,イニ=-__ヽ/:::;ィ////////＼ニl.!ﾆ!
::::l'/ニニニニ＜/////////＞!/∧=!l=l
:::::ﾏﾆ二二ニニ!＞_､//／////＞,/｀マ
:::::::ﾏﾆ二二二ﾆﾑ＜///////＞'"////＼､

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眼下には、結束バンドによる簡易的な指錠を嵌められたアルトリアが見えた。
リンドヴルムのコックピットから軽々と飛び降りて着地すると、
すぐさま駆け寄ってきた完全武装の歩兵隊に囲まれる。

特に抵抗する素振りを見せることもなく、淡々と拘束を受け入れていた。

視線の先には、自分がいた。
相変わらず感情の読み取れない眼で、静かにこちらを見据えている。

きっと大丈夫だ。ギリギリのラインではあるが、この艦は社会性を保てている。
彼女を問答無用で射殺したりするようなことはしないはずだ。

自分を庇い、命を差し出そうとしたばかりか、マーシフルをここまで連れ帰った。
その事実を無視するほどの狂気的な雰囲気は、まだない。
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4927： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/21(木) 20:49:16 ID:e/JUclo60

　　　　　　　　　　　　　 -‐━━=ミ
　　　　　　　　　 /⌒:^.: : : : : : : : : ::＞
　　　　　　　_.-=ミ: : : : ＼: : : : : : : : :V: `.
　　 　 　 .ｨ: : : : 7:〉 :∧: : :V: : : : : : :〈/: /〉:.
　　　　 /: : : : : :|/ | : :|:V: : :i : :| : : : : V〉: : ﾊ
.　　　 /: : : : : : :|i　!::斗-V: :|ー|‐|:-|: ::|:|i: : : |i
　　　 ′l: : |i :|i |i_,.ｨﾃﾃﾐ : : |N|ｨテﾐN: |:|i: : : |i
　　　{　｜:::|i :|i |i　 r勿,　|:N　 r勿ﾉ !::|:|5!: : : .
.　 　 　 从::|i: |i |i:　^¨¨　　i　　　 　 」::|:|,ﾉ: ;小:.　　　　　　　　　　　……
.　　　　　　〕: :|i |N」　　　 ,　　、　　.: /|:| : /: : :|i
　　　　　　　　|i ||:|:i＞　　　　 　 .ｨ :/::」:/〈: : : 八
　　　　　　　　|i ||:|:|///〕ﾆ=-　　 | l: : :/　 V⌒V:＼
　　　　　　　　|i7⌒V|　V寸ﾆﾆ才　!: /　　　＼_,V⌒ :、
. 　 　 　 _　--厶ヘ V　 V /⌒丶　| {　 　 -=ﾐ,V{　　,ハ
　　　　 〈,　　 / 　 　 V　V^V__/^V　|/　/　 　 ＼　/
　　　　/∧　/　　　　 }.　 }i /　Vi{　 」　/　 ______　/　　 __
.　　　 {　　V　 　 　 ,リ,　　}i　　 i{　 }i,　 ／　 　 |ー━=ﾐ」
　 　 r」　　⌒ー‐―(￣￣〉ﾑ　 /| 　i|／　　　　｜　 　 _.」Ｌ
　 　 |⌒ー}　　　　 /　 　 ＼ V　　 /　　＼　 　_|　　ー=ミ__ )
　 　 |　　 ﾉ　　　 ,/　　 　 　 ＼　./　　 f/―‐┐＿__　　　}　＼
　　 ∧__(___　　_/　　　　　　　　＼　　 /　￣￣〉　乙...
　　　　/　　　/八　　　　　　　_ji斗〜'へ　￣￣| 　 」(
　/　 /　　　/￣,.. ．-‐　'''""~ 　 　 　 　 .V　 rﾉ.　　　＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
やがて、自分が引っ張り出される番が回ってきた。
AMSによる機体との接続が切断され、視界がカメラアイから生身の目玉へと
切り替わる。

ハッチが解放され、四人がかりで引きずり出されると、担架に載せられそうになる。
それをやんわりと断り、メンテナンス用の足場をふらふらと歩いていく。

やっとの思いで床にまでたどり着くと、リフトの前ではやてが立っていた。
服の袖をぎゅっと握り、こちらをじっと見つめたまま、動かなかった。
力ない眼差しに、反射的に口許を緩めて手を振る。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4928： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/21(木) 20:51:46 ID:e/JUclo60

　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　⌒　 　 ⌒　＼
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（＜） 　＼　　　　　　はやてさん、ただいま。
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／　　　　　　 なんとか勝てたお。
　　　　　　　　　／_∩　 　ー‐　　　　＼
　　　　　　　　（＿__＿）　　　　　　　|、　＼





　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　 ／⌒　　⌒＼
　　　　　／　（⌒）　（⌒）＼　　　　　　　　心配させちゃったみたいだお。こんなとこまで出迎えに来てくれて……
　　　 ／　 ::⌒（__人__）⌒::: ＼
　　 　|　 u. 　　　|::::::|　　　,---、　　　　　　でも、この通り、ケガ一つないお。
　　　 ＼ 　 　 　 `ｰ'　　　しＥ　|
　　 　／　　　　　　 　　　 l､Ｅ ﾉ　　　　　　　　マーシフルはボロボロになっちゃったけど……
　　／　　　　　　　　　　　 ｜　|
　 （　　 丶- 、　　　　　　 ヽ_／
　　　`ー､＿ﾉ

4929： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/21(木) 20:55:57 ID:e/JUclo60

　 ｉ .: .: .: .: i.: .: :|.: i .:_j_Ⅵ.:V.: .:V i:/i＼}.: .: .: .: .: .: .: .: .: }
　 | .: .: .:. ､j_,. 斗r匕.:i: ﾊ : }'，.: ∨＼i:ｉ}-､.: .: .: .: .: .: .: .:i
　 | .: .: .: : .:'，.: {八.: .{/　Ⅵ Ⅵ.: }: .: .: |/ }.: .: .: .: .: .: .: .:
　 | .: .: .: ｉ.: .:Ⅵ:i笊芋^ｱ　'， Ⅵ.:|: .: .: |i　, .: .: .: i.: .: .: .::　　　　　　　……
　 | .: .: .: | .: .: Ⅵ　Vﾘノ 　 }　 Ⅵ|: .: .: |//.: .: .: .:| .: .: .: :
　 |.:ｉ.: .: .:{ .: .:..八　 ´　　　　　 Ⅵ: .: .: |/.: .: .: .: .ｉ .: .: .: :
　 |:.|八.: ﾊ.: .〈　　　　　 　 　 　　|: .: .: |､ .: .i : .: .: .: .: .: i





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　　　　　　 ／⌒　　⌒＼
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　　　 ／　 ::⌒（__人__）⌒::: ＼　　　　　……
　　 　|　 　 　u　|::::::|　　　,---、
　　　 ＼ u. 　 　 `ｰ'　　　しＥ　|
　　 　／　　　　　　 　　　 l､Ｅ ﾉ
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　 （　　 丶- 、　　　　　　 ヽ_／
　　　`ー､＿ﾉ





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　 ＼ 　　 （__人__）　.　　／

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心配をかけまいと、必死の笑顔を顔に張り付けていたにもかかわらず、
相対するはやての表情に明るさが戻ることはなかった。

むしろ、こうしていること自体が、はやての表情を陰らせていた。
そうとしか、思えなかった。

強がるのがバカらしくなり、ガッツポーズを取っていた腕をだらりと下げ、
視線を足元へと落とす。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4930： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/21(木) 21:06:55 ID:e/JUclo60

　　　　. . ＜: : : : : : : : : : ≧: : .
.　 , : : :_:_: : : : : : : : : : : : : : : : : : ＞ 、
　,: : : : : : Y´: : : : : : : : : : : : :丶: : : : :＼
./: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ: : : ヾ:.、
: : : : : / : : : : : : : : : : : : : : : : : ; : : : ; : :ﾊ
: : : : /: : : : : :/;_:_:;: : :/: : : : : : :∨: : ∨: :!
: : : ::{: : : : : : {´｀´｀∨: : : : : : : : ∨≪∨:{
: : : ::|: : : : : : | _,．--}:-:、 : : : :; -:∨≪Ⅵ
: l : {:!: : : : : : !´　　__l! ∨:|ﾍ : }从: }: : : |ﾘ
: |:l:从: {:-: : ::ﾄz====㍉,　　 }/__,ﾑ:| }: : |　　　　　　　　　……ほんま堪忍な、やる夫君。
: |:|: : {｀ヽ ∨:!ゞ辷:ノ　　　 （ ´¨´八.!::从
: |:|: : ｀ヾ_- ., 　　　　　　　　,　　 .: : : ト 、　　　　　　　　 こないなところでまで、気ぃつかわせてしもて。
: |:|: : ∨: 〉く: 、　　　　 __ .,　　.ィヘ:_:_、｀ヽ
::介∧ ∨{　 Y: ＞、 　 ￣ ＜: :{ ゝ_ィ^ヽ.　　　　　　　　　でも、ええんよ。そうゆうのはええ。
:{ .l: :∧ ∨:＼）: }ヾ:、/￣_Y二ﾆrｆ´｀ ｀　　、
:| .|:∧　＼{~ ‐}:l:!　 >‐ミ {_|＿　{ﾉ^ヽ　　 　 、__　　　　　　こないなときくらい、強がらんといてや。
ゝ/　∧　　　　 |ﾊ./三三∨￣ ｀ヽ. ハ　　 　〉:::::Y
_/　/ ∧　　　 /　}!ゞ三三≧--=ﾆﾆﾆ{ト-::イ:::::::::!
.　　 /　 ＼.　/　 .!::::::＞:..寸二〉::::>:::::｀ヽ:::::::::::::::|
,-=ミ　　 　.У＿.」::::::::::::::::＞<::::::＼:::Y::::::::;::::::;ノ{
　　　｀ヽ　 {　　　.|:::::::-＜::::::::}::::＞::Ⅵ:::::::::::Y:::::::l、
　　　　　　 l! 　　 !::::::{:::::::::::::└::―:-Y::o::::::::}::::::::|::＼
　　　　　　 l!　　 ム::∧::::::::::::::::::::::::::::｀::、::::::|:::_:::_::_:::::
　　　　　　 l!　イ::::::::::::::＼::_:_::::::::::::::,::-::‐'::´:::::::::::::::ト、

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はやてがゆっくりと歩み寄ってくる。

顔を上げることもできないまま立っていると、肩と頭にぽんと手を置かれる。
身長差こそあったが、自分が項垂れているからか、簡単に手が届いたようだった。

穏やかな声色に張り詰めていた神経の糸がほつれ、全身から力が抜ける。
気が付いた時には、床に両膝を突いていた。

泣く力すらなくしてくずおれる自分に合わせて、はやても片膝をつく。

好きな人の存在ですら、覆い隠せないほどの事実がのしかかってくる。

自分は戦いに勝って、艦の人々を生き残らせて。
カズキを殺した。
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4931： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/21(木) 21:07:06 ID:e/JUclo60
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4932： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/21(木) 21:28:36 ID:e/JUclo60

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　　 .',:.:ｉ.{:.:.:|:.:.ヽ:〃沁､ ヾ､.　{:::::Ⅳ|:./:|ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　',:.| ',:.:.|＼:ヽ｀.',:::j　　 　 .ゞソ 〃:|/:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　　　　　　――それでは、デブリーフィングを開始します。
. 　 　 ﾘ　ヽ|　 ヽヽ._ゞ′,　　　　 /|:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　　 　 　 |　　 |:.:ト、　　_　　　／:.:/|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　　　 まずは被害報告から。
　　　　　　　　　 |ヽヽ＞ 　_ ∠　//| .!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　 　 　 　 r‐‐｀ヽ-.／|ヽ ／　/.| ､:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　　　　　　　とはいえ、今回戦闘に参加したのはマーシフルのみ。
　　　　　　　　 |:::::::::::<´　 .| /.|　 /　.ヽ::::｀::ヽ 、:.|
　　 　 　 　 　_|:::::,-- ＞.‐Ⅳ/.Ⅸ|　＞｀::::::::::::::::::｀ヽ　　　　　　　　篠ノ之さん、間さん、お願いします。
　　　　 　 　 { |:::/　 |　　 |｀:ヽ/　ヽ- ｀ヽ、:::::::::::__./
　　　　_　　 .{ |::/!　　|　　|::::/　　 ／ .|　 /ｌ::::〃　 }
　　　 | |＞ ､7／　　　i!　.|:/　＞´　 　 |/　.|::{{　　 ,'
　　 　.|.|　　./　　　 　 .ヽ|／　　＝＝ .|　　 |::｀ - ′
　　　　|.| 　.{　　　　　　0ゝ　　　　　　 |／　 |::/:. |
　　　r､r､　 ', . 　 　 　 /　 　 　 　 　 |/　　 .|/: . |
　　　ゝ｀￣ヽヽ､＿＿ .ｉ　　 　 　 　 ./ 　 /　/:.: . |
　　　 }　 　 /｀ ヾ- __ ﾟ{- ､ ＿＿__ / ／　　,′:.:.:|
　　　ヽ、　,′　　//　｀　ヽ-- __ rﾆﾆ--　 /:.:.:.:.: |
　　　.{ヽヽｉ　　　 ｉ.ｉ　　　　　　　　 ヽ＼　 /:.:.:.:.:.: |
　　　.rヽ-└t- _.|_|　　　　　　　　　　ヽ /:.:.:.:.:.:.:. |
　　　.ト､｀_コ/_| |‐‐￣-ニニ---　､　　/:.:.:.:.:.:.:.:. |
　　　 ｀ヽT/　 ｀ ヽ---┘--_| |--- ｀ヒ:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　 /､　　　　/::| . 　 　｀　 　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　　 　 /::::::＼　 /:::::|　　　　 __ -::´∧:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　　　./::::::::::::::::｀::::::::L::--::´:::::::::::::::::∧:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',:.:.:.:.:.:.:.!
　　　,'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｉ:.:.:.:.:.:.,′
.　　 ,'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}:.:.:.:./

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なのはが粛々とした様子でデブリーフィングを開始する。
デブリーフィング、要は報告会と状況確認を兼ねたものだ。

CDC内の様子は落ち着いたもので、前回の騒然とした状況とはかけ離れていた。
絶望的な状況ではあるものの、二度目の襲撃を退けたのだ。
連続した勝利が、希望の薄さをギリギリのところで相殺している。

他の面々も変わりはない。
あれだけ取り乱していたロックオンも、今回は静かに席についている。
今回の勝利で、若干の余裕を取り戻したのかもしれない。
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4933： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/21(木) 21:35:06 ID:e/JUclo60

〜潜水艦アマツ　第一医務室〜
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　||　ｉ　li　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 li　|||　ｉ　li　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 li　||
　||　ｉ　li　|　!　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 i　li　|||　ｉ　li　|　!　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 i　li　||
　||　ｉ　li　|　!　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 i　li　|||　ｉ　li　|　!　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 i　li　||
　||　ｉ　li　|　!　li　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 li　i　li　|||　ｉ　li　|　!　li　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 li　i　li　||
　||　ｉ　li　|　!　li　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 li　i　li　|||　ｉ　li　|　!　li　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 li　i　li　||
　||　ｉ　li　|　!　li　i　　　　　　　　　　 　 　 　 li　i　li　|||　ｉ　li　|　!　li　i　　　　　　　　　　 　 　 　 li　i　li　||
　||　ｉ　li　|　!　li　i　|　ii　　　　 　 　 　 i　 |　li　i　li　|||　ｉ　li　|　!　li　i　|　ii　　　　 　 　 　 i　 |　li　i　li　||
　||　ｉ　li.／￣]|i　i　|　ii　　　　 　 　 　 i　 |　li　i　li　|||　ｉ　li　|　!　li　i　|　ii　　　　 　 　 　 i　 |　li　i　li　||
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　ノ　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ__　 ｀ヽ／ 　／　 .|_|
／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ|　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　|／

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そんな厳粛な雰囲気のCDCを、自分は端末から映し出される立体映像で
見つめていた。

患者衣を着させられ、ベッドの上に横たわり、点滴の管を邪魔そうに避けながら、
なのはの声に耳を傾ける。

さすがにあれだけの激戦の後では、マーシフルのみならず、
自分の身体にもそれ相応のダメージがあった。

まあ、基本的にはAMSの負荷による憔悴なのだが。
機体を自らの身体として動かすのみならまだしも、
あれだけ撃たれたり吹き飛ばされたりすれば、それが感覚としてフィードバックする。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4934： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/21(木) 21:46:07 ID:e/JUclo60

::::::::ｨ　　　　　　　　　　　.-ゝ
:::::i´　　　　　　　　　　　　｀ヽ、
::::::ﾚｒ-、　　　　　　　　　｀ヽ、ヽ
:::::/ i　|　　　　 ,　　　　　　、ヽﾉ
:::::! i｣/　 i　　 i　　 i　　ヽ　i!.｜
:::::>ｨ'　 / / i .|　i　｜i　!｜ |ヽ!　　　　　　　ま、無理して喋る必要もないさ。
i!　 ヽ-'ヽ'ｖ-'/ /　/ ｌ'　|　i! i
;｀ヽ、キ　　//7　/'1　 i /|/　　　　　　　　　おまえは黙って聞くだけ聞いていろ。
;;;;;;;;;;;;ﾞ;;;7　'´/ノ"i./ ノ! / i!
;;;;;;;;;;;;;;/　ヽ、　 ｨ'／ ﾚ'　　　　　　　　　　　　……寝るなよ？
;;;;;;;;;;;;{　　　,ｒ‐ ´
;;;;;;;;;;;;|｀ヽ,;;'-、　　　　　　　　　　　　　　　　　「ど、努力します」
;;;;;;;;;;;;`;;;;;ｒｭ;;;;L_
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;}





　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:――
　　　　　　 __,.∠:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.⌒＼:.:.:.:＼
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　　 : |:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:┼―‐ -:.:.:.|:.:.:. ィ:.:￣:.:.:.:.:|:.:.:.:|:.:.:.:.: |
　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:|斗ぅ＝ミ :|:.:.:.:.:|ｧう＝ミ: |:.:.:.:|:.:.:.:.: |
　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:{　)いﾊ　从:.:.:.:.|　)いﾊ Y:.:.: ﾉ:.:.:.:.: |　　　　　　　　　安心せえ、寝てもうたら起こしたるわ。
　　|:.:|:.:.:|:.:|ﾍ:.人:.:.:　乂;;ツ　　 ＼:.| 乂;;ツ 从:.Λ:.:. /:.|
　　|八:.:.|:人:|:.＼＼ト''　　　　　　　　'''　　/:.:.:/　}:.:.:.:.:.|　　　　　　　　　　どーしても眠かったら寝てもええよ？
　　 　 ＼ 　 |:.:.:.:.:.八　　　　 '　 　 _,　　 /彡/_,ノ:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　八:.:.:.:.:.个　　　｀　　　　　　 イ:.:.:.:| :.:.:.:. |:.|　　　　　　　　　　　私が後で教えたる。
　　　　　　 /:/:.＼／￣　　　　 　 　 ＜ |＼__:.:|:. /:.:八|
　　　　　／:/⌒∨ :. :. :. {＼＞r≦.　　ノ| : :. :. :. :.＼:.:.:|　　　　　　　　　　　「おいおい、甘やかすなよ……」
　　　 ／:.:./ :.:.:.: ∨:. :. Λニ=‐‐=ﾆﾆﾆﾆ|:. :. :. :. :. :./:.八
　　　⌒ｱ/:.:.:.:.:.:.:.:∨ /　 ∨二二二.／｜:. :. :. :. :/:.:.:∨＼
　/￣￣/::::::::::::::::::::∨　　　Ｖニ＞''´　　|:: :: :: :: /::::::::::∨__
:: :: :: :: 厂￣￣＼:: /{＿_／{⌒｀}＼　　Λ::: :: ::/::::::::::::::::⌒＼
:: :: :: :/:: :: :: :: :: ::.:}::::{／　　{:::: /　　＼j:::::＼::/:::::::::::::::::::::::::::::

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
もう一つ言うと、はやてと間、牧瀬も欠席していた。
右隣から間の気だるげな声が、左からははやての涼し気な声がする。

間と牧瀬は自分の状態を鑑みて、というのもあるが、何か医務室から離れたくない
理由があるらしい。牧瀬はこの場にすらいなかった。

はやてに関しては、自分のことを心配してのことだろう。
あの場で自分はしばらく動けなくなってしまい、結局担架で運ばれた。
その時、はやても小走りでついてきてくれていた。

それからずっと、傍で何を話すでもなく佇んでいたのだ。

いつもネクストに乗った後に医務室で寝込んでいた時は一人ぼっちだったが、
なんだか新鮮だったし、少しだけ気分が晴れた。
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4935： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/21(木) 21:53:04 ID:e/JUclo60

.　　　,:::::::::::::::::::::::::::/::: /:::::::::::,:::::::::::::::::: l:: !::',::::::::',:::::::::::::',
　　　,::::::::::: /::::::::: ,' :::/:::::::::::/:::::/:::::::::::/:/|::: ',::::: ｌ::::::::::::::i
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　　 ,:::::::: /:::::::::::::: l/ー-"/／__/::::::,ｨ"/l:/　 l::l::::::|::::::::::::::|
. 　 ,::::::::::|::::::::::::::::::|,,ィ‐zz-､　/:::／//-/‐―lｲ::::::|::::::::::::::|　　　　　　　……？
　 /:::::::::::|:::::::::::::::::i:!´込刋 ／''" ／"　f"沁ヽ|:::: ,' ::::::::::: |
. /:::,ｨ::: /|:::::::::::::::::l.';, ｀ﾞ¨ﾞ´　　 　 　 　 込シ /:::/:::::::::::::ｌ::|　　　　　　　やる夫とドクターたちが欠席するのは分かる。
/／/:;;/:::!:! :::::::::::.il ヾ; ' ' '　 　 　 ､　　 , , , /,イ:::/ ::::::: |::|
´／'''/／|:|! :::::::::::i:| 　＼　 　　 　 ' 　 　 　 /:/,ｨ':::::::::::∧|　　　　　　　 だが、なぜはやてまで？
　 　 ´/:::ﾚヾ:::::::::::l.l!　　　　　　 　 　 　 　 /:/":,':::::::,ｨ/　ﾞ!
　　　/:::::::::|:::＼:::: ! ! ､　　 　 f 二ｱ　　 ｨ'i:::::::::,':/::://
.　　/:::::::::: |::::::: ＼|　　ﾞ　、　 　-　, .:'"::::::{ﾆﾆ/ｲ;;/
-==''''""fi´|::::::::::::|≧.､　　 ｀　- '"/＼:::::: {ニﾆ} "





　　　　　　　　　　　　　　　　　,.‐ｙ'⌒Y⌒''⌒ヽ⌒ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　 ／:.:/: : : :.ｙ: :_: : :ヽ:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ: :.:.': .: :. l､{:./ﾊ: :l: : ､: :.: : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　,' l: :.: : .: !:.: VWWl:.:|: :. :､: :. :ヽ: :',
　　　　　　　　　　 　 　 /: : : : : :.:ｊ|:l:.:{　 　 !:.lヽヽ:ヽ: :. :.',: l
　　　　　　　　　　　　　{: :.:.: : : 〃ｊ:A:'、　 ｒ!､!≦ｌ:.:.:!: :. :.{: '､
　　　　　　　　　　　　　ヽl:.:/:.: :||ｧ弐ﾐ､ヽ、ﾍﾅｆｊﾊヽ|:.:.:.:.:}:.:､`ーｯ'　　　　　　　そりゃおめえ……なんだよ、分かんねえのか？
　　　　　　　　　 　 　 　 l|:.l l:.|:.||, {ｆﾊ` }ヽ!　 ┴‐クｨ:.:.ﾙi::､ `≦__,
　　　　　　　　　　　　　 ﾉ!:.!:l:.|:.l「￣　ﾞi{‐ﾉ　　 ー ツ://ﾞ}:.:.:`:.┬'′　　　　　　　「な、なんだその言い方はっ」
　　　　　　　　　　　　 ノｲ:.:〉〉ゝ:ﾐ=‐　 ﾞ} 丶　 ー＝ｯィ ﾉ: :.:.:.i､i
　　　 　 　　　　 　 ー=彡ｿ7:,:.:ﾊ｀¨´ ,__,,..　-‐ｧ　 ´,.／:.: : :!:.! |　　　　　　　　　　かー、そんなんだからダメなんだぜ。
　　　　　　　　　　　　 　 ´ {:.{､:.:.:ゝ　 ｀ﾞ､二¨´　　〃:.ｌ: :.ﾉ ﾙ' ﾉ
　　　　　　　　　　　　 　 　 いﾊ:.l:.:.i ､　　　　　 , '　ﾚﾉ: :.V
　　　　　　　　　　　　　　 ､ｒ'｀ ｿ:|:.:.l　＼　　 ／ ‐彳:.: :.､:廴__,
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
何やら黛をディランディがからかっている。
仄かに顔を赤らめて何やら反論する黛に対し、なのはが苦笑交じりに窘めていた。

「気を取り直して。それじゃあ篠ノ之さん、整備チームから」
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4936： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/21(木) 21:58:27 ID:e/JUclo60

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, : 　 ￣￣￣￣ ¨ /　/　　 √/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. : : : : : : : :／ : : : : : : {　人 _ ,ノ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／ :／ : : : : /: : : : : : : : :人　　　　ハ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:/ l : / ｲ⌒/ﾚ| ＼:l: : |: : |ⅥV: : :| : : : : :}=　 =-　、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ≠l l : ﾚl Ⅳ　､ |: : :从⌒ヽ､:ⅥV : | : li : : |///γ⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,. ､　／　「「 |l￣ 代ﾐｭ_　L:/　_ ＼|＼l| :/V | : ll : : |///i/////}
　　　　　　　　　　　　　　　.／"　　l〔　 ヽ| lﾟ L_＿}　　　　　　 ｲ_)心､ l|// V| : ll : : |///l/////l
　　　　　　　　　　　　　　　「|／　　 ヽ　⌒`￣ -`{　　　 ´　　　 ¨´ " ノ : :/ | : ll : : |///l/////l
　　　　　　　　　　　　　　／ ヽ　　　　}=-　＜ /: ハ　　r　、　　　 ／ : : :/:ノ: : ll : : |///l/////l
　　　　　　 　 　 　 　 ／　　　 `,　 ／　 ／: :/ : : : :∧ 　 ノ 　 ＿ ノ_､¨∨ { : /l: : : |///l////ノ
　　　　　　　　　 ,　´　　　　　／`〔 {　／ : / /¨} ￣ /` - =　７　「ニニ　∨:/: :l: : : |-----＜
　　　　　　　 ,　　　　　　　／　　　￣ ¨ ＞ /　 ﾚ　´　 ＿＿/　 「 y￣　 　l'ヽ :ｌ: : : |///////ヽ
　　　　　 ／　　　　　　／__　　 　 　 (_γノ_／ ,.　 -=-　＜　／ﾚ : }　　　 l　 ＼: : :|///ヽ////}
　　　　 ,´　　　　　　／ﾊ//∧　＞ ´　￣￣　´¨ ￣ 　＞、 ( : : :／八　 　 ﾄ,　　 ＼l////ﾉ///ﾉ
　　　 Y　　　　_　ノ　　　}///r ´　　　　 ﾆ≠-　　　／　 　`( y ) l　 「 =- ´ l　　 　 ＼ //////
　　　　>　、　＿　　　,.ノ//ノ{　　　　　　 -=　　　,'　　　　　( y ) {　 「」|　　 l　　　　　 }/////
　　　　　　　　　　　　　　 V　',　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　( y ) }　 「」|_　 ｲ　　　 　 八///
　　　　　　　　　　　　　　　` 込　　　　　 　､　　 li　　　　　　Yｨ /　 　 |　　 '　　ヽ ／ :∨/
　　　　　　　　　　　　　　　　　个 、_ ,.　　　＼　 ',　　　　　ノ/} ゝ＿r-}　 　 ' ￣「 : : : : :,
　／　￣ =-　,　　　　　　　　　ﾉ　　　　　　　 　 ->=-　 ´　L 」 ﾉ : : |　l　　　 ,__」: : : : : : :,
/　　　　　　　　 =-　,　　　　 /　　　　　　　　　 /　　　　　　 ／ | : :└ l　　　 l　l: : l: : : : : :,
　　　　　　　　　　　　 =- .　((　＿＿＿＿＿　《__　　　ﾆ=-〈 : : l: : : : : l　　 　}　}: : l : : : : : :,
　　　　　　　　　　　　　　　　 `　 ＜ニ「¨ｌ|ニニニニﾆミヽ)　〉 : l : : : : :l　　　ﾉ　从: l: : : : : : :,
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 `＜ l|ニニニニニヽ{＜ : : l: : : : :人　　´　ﾉ: : : | : : : : : :i
　　　　　　　　　　　　`ヽ　　　　　　　　　 ＜ニニニﾆﾆミ{ : : : ﾉ: :γ ￣γ////ﾐ}: : :ｌ| : : : : : l
　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　 ` -⌒ヽ"'＜}: : : : : : :l////{//////l : : l:|: : : : : :l
　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　　　　　　　＼) >: : : : :人// 人/////l : : l |: : : : : '
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　　　　　　　　　　　　　　 ∨: : : : : : :¨ヽ￣///:l : : : l | : : : : '

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「はーい、とりあえずありのままを伝えておくね。
マーシフルの損傷度は四割。つまりは半壊寸前ってとこかな。
まー幸いパーツ丸ごと吹っ飛んだりしてないから、修理はできるけど。
どんなに早くても戦線復帰は4日後ってとこだね」

4日間、自分たちはネクスト戦力を出せない。
傍から聞いていれば絶望的だが、4日はだいぶ早い方だろう。
あれだけの兵器だ、数日単位では直せまい。
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4937： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/21(木) 22:06:25 ID:e/JUclo60

`丶､　　　　　 　 ] 　 V'///∧　 　 　 　 √ Ⅳ 　 　 ／‐=ニニニﾆア゛ :
ニﾆ=‐ _　　　　　]　　 V ///∧　∧　__,√iⅣ　　　/_‐=ニニﾆﾆア゛: : : :
ニニニ=‐_ 　 　 i] ii 　 V/////V‐=〉^^ｉ[ニi[　　　√‐=ニﾆﾆア: : : : : : :
ニニニﾆ=‐_　　 |]八　　V'////‐=/: : ::|[ニi[　　 √‐=ニﾆア: : : : : : :／
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ニニニ〈＼=] 　 |]‐=＼　 .∨‐=/: : : : ::|[===[[　{‐=ﾆア: : : : : : : : : : : :
ニニニﾆ＼＼　 |]i‐=ニ＼/‐=/⌒ｱ:.:.::八ﾆﾆ[[　.＼ｉ]ｉ: : : : : : :/: : : : : :
ニニニニハ　＼7j７`マニ`マ(_／: : ::∧∧ √ . 　 _]|＼: : : :/: : : : : : :
ニニニニア`､ﾆ7７/＼ ＼ニ/7[／^７ ‐∨i√　　　_]|:. :.＼/ : : : : : : : :
ニニ=‐ '゛　/∧７{' /＼｀　.Yﾆi_[‐=７ﾆﾆ√√　　　_ｱ､: : : :{: : : : : : : : :
ﾆ=‐ '゛ 　 ./∧ Vi{/　:　＼/ 〉],,[‐７ﾆニ√＼-‐…ｧ　 :＼: : ＼: : : : : : :
＼　　　　 V/∧iV 　 :　　 Υ.]_‐７=ﾆﾆ√＼j〕iト/　 :/　/＼: : ＼: : : : :
‐= 〕iト _ __ V/∧i＼　:　　/|,ノ‐7{ニニ√＼i_＞'　 :/　/　　:＼: : ＼: : :
　＼ニニニ=V/∧ ‐}h､／=〉‐７: :〉=ﾆ√ ∨＼____/　/ 　 ／~~＼_‐=≦
､ 　 ＼ニニ= V/∧‐j７⌒ヽ‐７: /=ニ∧i∨　/⌒^　/　／ニﾆﾆ=‐　_
　　　　｀¨´`ヽ八/∧八‐=ニ７ : ＼／ニV . /　　　/i／‐=ニニニニニニ=‐　_
　　　　＼　 ./ニV: :∨ ＼ﾆ7 ｉ: : /ニ=／i／／　 /'゛　　　 ￣　冖￢￢冖^^⌒
〕iト　　　 Vi〈ニﾆ ＼:}‐=ニ7‐i|: /ニ／iイi／　 ／
ニﾆﾆ〕iト,ﾉ　 `'＜ﾆﾆヽ==7‐=乂,,,ノﾆﾆ＼　　 i[
⌒⌒⌒⌒　〕iト　 ＼,ﾉ=‐' ‐=ﾆﾆ7ニニニ >､ノ[___
　　　　　　　 ⌒ ＼/{ニ‐　‐=ﾆ７ニニィi{ニニ}h､]|
　　　　　　　　　　〈i八ニ‐　‐=7ニィi{ニニニニ7v|
　　　　　　　　　　　`'＜=‐ ‐７ィi{ニニニニニ７ﾆV､
　　　　　　 　 　 　 　 　 `'＜ニニニニニﾆﾆ７‐‐‐V,＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「あとはロストワードだけど、まだコックピット周りの整備が終わらない……
というより、難しいっていうのが現状だね。
マーシフルの解析データで何とかしようとはしてるけど、
桜花のパーツとの親和性があんまなくて。
ひとまずはマーシフル用のパーツ取りに留めておくのが安牌じゃない？」

その言葉を聞いて、はやてが若干肩を落としたように見えた。
ロストワードの修復と調整が終われば、はやてが乗り込む予定だった。
だが、この様子ではそれも難しいだろう。

コックピットを手刀で打ち抜いたのだ。無理もない。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4938： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/21(木) 22:11:16 ID:e/JUclo60

/∧　／: : : : : : : : ／: : : : : : : : : :彡: : : : : : }ミ: : )
//∧': : : : /: : : : /: : : : : /: : : : : :}: : : : : : : :{: : : 乂
///∧: : :/: : : : /: : : : : /: : : : : :/: : : : : : : : 乂: : : : ヽ
////∧: {: : : : /: : : : : : : : : : : :/{: : : : : : : : : : : ヽ: : : }
/////∧: : : :/: : : : : : :{: : : : :,/ 乂＿: : : : : : ヽ: :}: : /
//////∧: : {: : : : : :.:.人: : : :.{∠三三ヽ: : : : : :ソ: : 乂
///////∧: {: : : : : : : : :.＼:.人　 ＜以 ヽ: : ／: : : : :ハ
////////∧乂: : : : : : : : : :ト､_＼　　..::　}／　`''＜.从/　　　　　　　　マーシフルの修理が終わるまでは身を潜めるべきだな。
/////////∧　＼: : : :、: :人　⌒ 　　　　　　　　　/
//////////∧ 〈 　￣｀`ヾハ　　　　　　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　……だが、我々も長くは持たん。
///////////∧ ゝ　　　　　　　　　　　　,,　 '' ''　)
////////////∧＿Y　　　　　　　　　　 r ／ 二)　　　　　　　　　　　　物資的にも、艦内の人々の心身を鑑みても、だ。
///////////// |: :{ !　　　　　　　　　　〈　　　　|
///////////// |:从 !　,,　　　　　　　　 　 　 　 |
///////////// |:〈 今s｡.., ,, ,, 　　 ,,　　　　　　 |
///////////// |　　　　　　　 ｀゛¨ '' ‐-　...,, __人＿＿
///////////// |_,,..　-‐　'' "´:::::::::::::::::::::::::::::::::＼:i:i＼i:i｀`〜､、
///////////// |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:i:i＼i:i:i:i:i:i:丶
//////////////:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∨:i:i∨i:i:i:i:i:∧





　　　　　　　　　　　　　　　　　　_...-:::::―:::..、
　　　　　　　　　　　　　　　 　,.:-:、:::::::::;;:-:､::｀ヽ、
　　　　　　　　　　 　 　 　 ／:::,、::::::::::::::::、::＼:::::'.,
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /::::::/:::::::::::::::::::::::':;:::::ヽ::::i
　　　　　　　　　　　　　 /::::::/::/::::::::::::::: i:::::|::::::::|::::',　　　　　　　どのみち、我々は定期的に企業連の基地や部隊から
　　　　　　　　　　 　 　 |:::::::|:::!:::/!:/!::::/|:::/!::::::::!:::i:',
　　　　　　　　　　 　 　 |:::::::|::l!/-ｿ/／-!/|:|:::::i::',::::',`　　　　　　 定期的に物資を略奪しなければ生き残れない。
　　　　　　　　　　 　 　 |:i:::::|/〈fzﾘ´　 'fzﾘ〉::::::ﾄ､',､::',
　　　　　　　　 　 　 　 //!l;::!l::', 　 ､　　　/ｲ:::::|:::ヾ｀ ‐　　　　　　補給線の構築など望めるわけもないしな。
　 　 　 　 　 　 　 　 ∧´ |!ヾ|::|ヽ、 ― 　 ｲ|;イ:::::',　　　 ,､
　　　　　　　　　　　/||:ﾍ 　　|::|_,,ｨ｀i - '／;〉ﾆ}､:::::',　　 /: ',　　　 ……さすがに、自衛能力のない潜水艦で逃げ回るのも、
　　　　 　 　 　 　 / || : ﾍ,,..-|::|: :.|;ｨゝ<;;;;/ |ﾆ} {､_::',　./.: : :',
　　　　　　　　　 /: :||: : _': : :.|::|／!;{　∧/: :|:::|{_!: :≧∥: : : :',　　　やはり無理がある。迎撃に適した拠点が欲しい。
　　　　 　 　 　 ,': : :||:f//777!::!: :.|/｀'!;/:ヽ_|:::|＿: : :∥ : : : : ',
　 　 　 　 　 　 i: :|￣.{!　 　 !￣￣|　_/: : : :|:::|／ : ∥: : : : : : i
　 　 　 　 　 　 l: :|　　',　 　 l　 　 |ヾ、___,ィ|:::|: : : ∥ : : : : : : |
　 　 　 　 　 　 l: :| /'≧z､_ /　 　 !: : ＼: :. l:::|: : : ｌｌ : : : : : : : |

4939： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/21(木) 22:19:50 ID:e/JUclo60

　　　　　　　 ／: : : : :／: : : : : : : : :／: Y: : : : ＼
　　　　 　 ／: : : : ／: : : : : : : : : : /: : : :l/:ヽ: : : :＼
　　　　　/: : : : : /: : : : /: : : : : : :/: : :/∨:l : lヽ: : : ヽ
　　　　 / : : : : /: : : : /: : : : : : :/7: : l─‐ﾞl: : l_l: : : : :l
　　　　 l: : : : : l: : : : /: : : : : : :/ l: : : l　　 l: : l l: : : : :l
　　　　/: : : : /: : : : l: : : : : :ノl　 l: : : l　　 l: :ｌ l : : : l: l　　　　　　　ネクストがマーシフルだけってのもキツイが、
　　ゝ-'/ : : /: :/: l: :l: : : ／ 弋‐-ヽ : l　　 l: ｌ l: : : : l: ﾞ､='ﾞ
　　 ゞ=: : ｰ:f''ﾞ l: :l: :l: : /ゝ辷廴ヽ　l:ﾘ　､zｬ二l: l: :l: l､: l　　　　　　今のスタイルじゃ、潜水艦を守りながら敵を殲滅、だからな。
　　　 T: : : :ｌ　 ヽ:l : lヾヽ　　　　　 ﾉ/ l　ヾ'-ヾ∧: l:ﾉ l:ﾘ
　　　　ヽ: : : ＼　ヾ: l　　　　　　 ／　 l　　　l: :l: lノ　 l/　　　　　　 潜伏先を見つけて、攻撃戦力と防衛戦力を分けた方がいい。
　　　　　ヾ: : : :ゝ- ゞﾞ=-'　　　　　　　 〉 ､__ﾉ: :l:/
　　　　,　ﾉ : : : : ハ　　　　　　　　　　　　 /: :(ゞ　　　　　　　　　　　……けど、それに関してはちょっとは解決か。
　　　　ゞ7: : : : :l　　　　　　　 　_ --､ 　 /ゞ=‐'ﾞ
　　　, - l: : : : l､ゝ__ノ ＼　 　 　 二 　 /　　　　　　　　　　　　　　　ノルドルムのリンクスさんが捕虜になってくれたからな。
　　 /　 ＼l: : :l‐-　_　　　＼　　　 　 /
　　/　　　　￣¨‐-､ ￣　‐-　｀　-┐'‐- ､
　 /　　　　　　　　/ヽ　　　　　￣ ∧　　　＞、





　　　/　　　　　/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　/　　　　 ,': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　/ /　　　|: ,: : /: : : :/: : : : : i: : : : //ﾊ: : : : : : : :
　　　 /　l　　　1: /!: : : / /: : : ://: : :/ノ ノｨ: : : : : : :
　　　,|　 |　|　 |':.:|≧: . |:/:／:/_仁ｨ:≦Zz／ｨ: . r‐､: :
　　　 |　|　|!　 |!:.|ゞｾl:.:ﾄ;イ／ﾗ人 ゞ仍;ｊ　 /ｨ::/ う l: :
　　　||　|l　|l　 |:.:|￣´|:l ／　　キ 　￣´､　 /: | 仆 |: :　　　　　　　あー、それについてなんだが。
　　　 |ヽﾄ　||,　|::|　　 ｿ　　　　　ｷ　　　 ／: : | .ﾚ /: :
　　　　|: : ', |:',　'!　　/　　　　　　 キ r‐1: : :─ '"´: :　　　　　　　　アルトリア・ペンドラゴンは戦闘には参加させられない。
　　　　 |: : ヾ: ', ﾄ,　 ヽ-‐ ､　　　　 ヾ!: : : : : : : : : : : :
　　　 '´: : : : : :.ヽ!＼ 　 ー─‐─　　 ﾊ: : : : : : : : : :.:　　　　　　　　「……なんだって？」
　　　: : : : : : : : : : : : ＼　´￣ ｀ ､, ＜|::|: : : : : : : : : :
　　　: : : : : : : : : : : : : <`ー　≦:::::＼: :.|: : : : : : : : : :　　　　　　　　　医者としての判断だ。覆らせられると思うな。
　　　: : : : : : : : : : : / ∨: :ﾊ: : |: : : : |: :|: : : : : : : : : :

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
そこで、間が強い語気で遮った。はやて共々、間へと振り向く。

今の発言は、戦術の素人である自分からしても悪手だ。
アルトリアほどの戦力を出し惜しみするなどと。
しかも、この状況で。

だが、間は至って冷静に、動じる様子もなく、続けた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4940： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/21(木) 22:24:54 ID:e/JUclo60

　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　 Vﾐ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､
　　　 　 　　　{　　　　　　　　　　　　　　　 ヾ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽﾍ
　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　 i　 　 V:::::::i::::::ヾ::::::::::::::::::::::::::::ﾊ:::∧i
　　　　_,ｨニニ|　　　　　　　　 　/　　ﾊ　　 }:::::::::ﾊ:::::::}}:::::::::::::::::::::::､::i |::|
　 _,ｨ壬ニニﾆ.Vi　　　　　 /　　|　　 / .| 　 }::::::/　i:::/ﾉ:::/i:::ｲ:::::::::::::ヾ|ﾚ-､
＜ニニニニニ|:v:i　　 |　 |　　. |　　|　 }　　|::/＿///∠/ノ::/::::::ﾊ:::::/二二二
二二二二二ﾆ|::::r ､|　|　 |　　. |　　|　 |　 /ｲ彡'ニ='´￣Уｲ:::::::|/:::ﾊ二二二　　　　　　彼女の状態を見た時、我が目を疑ったよ。
二二二ヾ＼ﾊ/::/　 |ヽ|　 |　　 ||　 .|　/　/ /＜弋ン＞　 /:::::::::/ i/二二二ﾆ
二二二＼:::::::::::i　　| ヽゝ | 　　||　 | /.／ ∧　 ￣￣　　/:ﾊ::::/ハ|二二二二　　　　　　 彼女には治療の痕跡がなさすぎる。
二二 ヾ＼:::::::::∧　 | |ヽ∨ヽ　.||　 | ﾚ |　 　 ＼　　　　イ/::::/二二二二二二
二二ﾆ≦ヾ:::::::::::::＼_ヾ　 V　　||　 |　 .|　　　　 ＼　　 /ﾊ::/二二二二二二ﾆ　　　　　　 あれだけ重度のコジマ汚染患者だというのに、だ。
二二二≦=､＿:::::::::::≧､　ヽﾊ　ヽ .|　 |　　　　　　ヾ　ﾊ二二二二二二二二
二二二二ﾆフ/￣|´　 ＼　 　 ＼ﾊ.|　 ー'　 　　　　ﾚ'　|二二二二二二二二　　　　　　 断言できる。彼女は『故意に』病状を放置されていた。
二二二二二ﾆ|　　|　　　∧　　　　￣｀ ´￣　　 　 /　　|二二二二二二二二
二二二二二ﾆ|　　|　　　 ＼＼　　　｀￣　　　　 < 　 　 |二二二二二二二二
＞､二二二二.|　　|　　　　　　 ＞　　　　　　／/ 　　　 |二二二二二二二二
二ﾆ＞､二二ﾆ|　　|　　　　　　　　＞──イ／　　　　 ∧二二二二二二＜
二二二 ＞､ニゝ　 |　　　　　　　　 ＞=-=＜　　　　　/ /二二二二 ＜二二





　　　　　　　　　　 　 　 　
.　　　 　 　 ＿､＿　　 　
　　　 　 ≦　ァ冖::ﾄ､　　　　　　　　　企業連のお偉方の思惑なんざ知ったこっちゃないがな、かなり胸糞は悪い。
.　 　 　 ／ 7:::::人:::::}　 　
.　 　 　 {//{::::/ｔ式ｆＹ　　　　　　　　　彼女は『企業連に死を望まれている』。それでいて、『ただ殺すには惜しかった』のだろう。
. 　 　 　 ｊ从V＿メ｢彡　
.　　 　 　 ／　￣￣＼　　　　　　　　 使えるだけ使って、あとはコジマ汚染で息絶えるのを待たれていたかのようだ。
.　　　　 /　　　　　 　 ゜
　　　　∧　　__,.　　　 i　　　　　　　　　……もう一度言う。アルトリア・ペンドラゴンは、戦闘には参加させられない。
　　　 /　｀Ｙ´　　　 　 |
　　　 }　　 {　 　 　 　 !

4941： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/21(木) 22:29:20 ID:e/JUclo60

　　　　　　　　　　　　　　　,. : : : : ￣￣￣￣＿:｀ヽ､
　　　　　　　 　 　 　 ＿／: : : : : : : : : : : : : : : : : :＼:＼
　　　　　　　　　 　 /: : : :｀: : : : : : : : : : : : : : ＼: : :∧: :＼
　 　 　 　 　 　 　 /: : : : : :_ : : : : : : : : : : |: : : : ∨//|: : : |
　　　　　　　　　 /: : : : : ∧ﾊ : : |: :|: : : : :|: : |: : :|// |: : /|:'.
　 　 　 　 　 　 /: : : /: : |⌒从: :|: :|: : : : :|--|--:|// |∨/|: '.
　　　　　　　　 ': : : /: : /| ´￣ ＼: |: : : : :|: : |: : :|/ : |/∧|: : '.
　　　　　　　 / : : / : : |: ,ｨ≠＝ミ从: : : : ｨ=≠ﾐ | : : |/＼|: :|: .　　　　　　……どういうこっちゃねん。
　　　　　　　 |: |: :|: : : :|:l:{　　{:::::(_　|: |: /　{:::::(_ Y: : |: : : |: :|: |
　　　　　　　 |: |: :|: : : 从ﾊ 　Vzり　|/|/ 　 Vzツ |:/^): : :.|: :|: |　　　　　　　どないして、アルトリアさんがそないなことに？
　　　　　　　 |: |: :|: : : : : :∧　　　 　 ,　　　　　　/}'ノ: : :.:.|: :|: |
　　　　　　　 |:∧:{＼: :|＼|圦　　　 　 　 　 　 　 ｲ: |:|: : : |: :|: |　　　　　　　　「さあな」
　　　　　　　 /　 ｀　 ＼ト＼个　　　 　｀　　　,ィ:|: : |:|: : : |: :|: |
　　　　　　　　　　 　 　 |: : : :|: : :.＞　 __　　　 |:.|: : |:|: : : |: :|: |
　　　　　　　　　　 　 　 |: : : :|: : :| : : |　　　 　 ト､ : |:|: : :/ : ,: |
　　　　　　　　　　 　 　 | : : /:_r-＿ノ　　　/　 　 }..Y|: :/-, -- ､
　　　　　　　　　 　 　 ／＼´ /../　　 . 　 /　　　/...| |:/／.........../ヽ
　　　　　　　　　　　 /...........∨../-､　　　, ---　/.....{_/´...........／　∧





　　　　　　　　　ー=≦ミ:i:i:i:i:i:i:i:寸=─-
　　　　　　　 ／　≧＞:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i＼
　　　　 　 ／才∠:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:＼
　　　　　 ／　　艾:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ﾑ
　　　　 /　　イ/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i　　Y
　　　 ./　／//:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|ﾉ}/}　}
　　　 {ｲ　　　ハ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/ ￣寸:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/乂./}
　　　 ,　/　'/:i:i:i:i:i:i{ﾊ/＞ハ:ﾑ 圦} .l:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i／:ﾉ
　　　 |/|　.ﾊ:i:i:i:i:i从//苡　.}:iﾑ ::ﾉノ-=ﾆ二二二二二二二ﾆ=-　　　　　　　　　何か、まずいものでも知ってしまったんじゃないか？
　　　 | .|　!　V:i:八〈.ﾑｲ.＿ﾑ=ﾆ二二二二二二二二二二二二/
　　 　 八 | 　 Vﾑ乂　寸ﾆ二二二二二二二二二二二二二/　　　　　　　　　　企業連から死を望まれるほどの情報とか、な。
　　　　　 ＼　　寸＼　　寸ﾆﾆ二二二二二二二二二二二/
　　　　　　　　 　 ￣｀く　　寸二二二二二二二二二二二/　　　　　　　　　　　　まあ、俺からすればそんなものはどうでもいい。
　　　　　　　　　　　　 人 　 |二二二二二二二二二二二二ﾆ=-
　　　　　　　　　　　　 　 ｀´人二二二二二二二二二二二二二二二ﾆ=-　　　　　彼女は絶対安静だ。紅莉栖にもついてもらっている。
　　　　　　　　　　　-=ﾆ二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆ=ｰ
　　　　　　　　-=ﾆ二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆ　　治療が最優先だ。
　　　　　　 　 V二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆ|
　 　 　 　 　 　 V二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二j_
　　　　　　　　　 V二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二|
　　　　　　　　　　V二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆ|
　　　　　　　　　　 }二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆ|
　　　　　　　　　　八二二.二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二|
　　　　　　　 　 ./二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆﾆ|
　　　　　　　　 /二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆﾆﾆ
　　　　　　　 ./二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆﾆﾆﾆ

4942： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/21(木) 22:36:44 ID:e/JUclo60

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　　　　　　／─　 　─　　＼
　　　　　　　　　　　　　 ／ （●）　（●）　　　＼
　　　　　　　　　　　__　 |　 　（__人__）　　 u.　　| 　　　　__　　　　　　　　　（……全然知らなかった）
　　　　　　　　　　　| |= ＼　　｀ ⌒´　 　 ＿／＝＝＝=| |
　　　　　　　　　　　| |　　 / l　　　　　　　 ヽ　　　　　　 | |　　　　　　　　　（アルトリアさん、どうして……）
　　　　　　　　　　　| |　　/ /l　　　　　　丶 .l　　　　　　.| |
　　　　　　　　　　　| |　 / / l　　　　　　　}　l￣ヽ＿＿_.| |
　　　　　　　　 ／￣ｰユ¨‐‐- ､_　　　　　l　!＿_ノ　　／| |
　 　　　　　 ／　　　　　｀ ヽ__　 `-　　　{し|　　　 .／.　 | |
＿＿＿　／　　　　ヽ　　　　　　　　｀ヽー、}　　／.　 ／| |＿＿＿＿＿
　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　 ヽ__　 ｀ヽ.／. 　／　 |_|
　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ|　 .／
／　　　　　　　　　　 　 　 　 　　　　　　／　|／
| 　　　　　.|　　　　　　　　 |　　　　　　 .|　|　|
|. 　　　　　|　　　　 .|　　　.|　　　　　　 |_　|／
| |　　　　　|　　　　 |へ　　|　　　|　　ﾉ| ||/
|_|＿＿＿ﾉ|＿＿＿|　　＼|＿＿|＿ﾉ |_|

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
間が断言し、CDC内が静まり返る。
実のところ、今回の主な議題は彼女であったはずだ。

元ランク3、企業連の最高戦力の一人に数えられた名リンクス。
彼女の説得に成功し、戦力に加えられたなら、状況は大きく変化する。
それが損なわれたというのだから、落胆は計り知れない。

しかし、それ以上に衝撃的だったのは。
そのような、まさしく死に瀕しているような状態の彼女と、
短くない時間を過ごした仲だというのに。
その過酷な実情を一切悟ることができなかった、自分の鈍さだった。

部屋に突然訪れてきたり、夜遊びに連れ出してもらった時の光景が脳裏を過る。

彼女は、自らの死期を悟っているかのようだった。
その心情を推し量る術を、自分は持っていない。

一体彼女は、自分に何を求めていたのだろう。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4943： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/21(木) 22:41:02 ID:e/JUclo60

　　　　　　　　 　__　　＿＿＿__　　　　　　　　　　 __
　　　　　　　　 　| |／─　　─　＼..＝＝＝＝＝=| |
　　　　　　　　　 |/ （●）　（●） 　 ＼　　 　 　 　 | |
　　　　　　　　　/　　（__人__）　　　　 ヽ　　　　　　| |
　　　　　　　　　|＿__ ｀ ⌒´　　 　 　 /￣ヽ_＿＿_| |　　　　　　　やる夫は、間先生に賛成だお。
　　　　　 ／￣JJJJ‐‐- ､_　　 ＿／＿_ノ　 　 ／| |
　　　_ ／　　　　　｀ ヽ__　 `-　⌒ヽ　　　 　 .／　 | |　　　　　　　 先生、アルトリアさんのこと、お願いしますお。
　　／　　 　 ヽ　　 　 　 　 　 ｀ヽ、}　　　 .／　 ／| |
　ノ　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ__　 ｀ヽ／ 　／　 .|_|
／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ|　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　|／





　｀ ､　　,:i　　　/i　　　　／　　　　/　/　　　　//　　 　 i　　;;;;;;;;;;;;;;;;;i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ト;;;
、 　,:　 ,:i　　 ./ i　　 　/ｹ　　　　/　/ 　 　 / / j　　 　,;i i ;;;;;;ii;;;;;;;;;;;i;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
冫 ,: 　 i i　　/　i　　　/ /　　　 /;;;;7　 　 /: :/ /　 　 ,; 　i ;;;;;;}i;;;;;;;;;;ｊ;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;i ;;;;;;;
　 ,:　　i .i　　i　 i　　 / /　　 　/ヾ/　　 ./: :/ /　　　,;,.,. i　;;;;/ﾐ;;;;;;;;/;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;i　;;;;;;;
t ,:　　.i　i　 i　　i　　匆i　　　/　 /　　 /: : / /　　　/三i 　;/=i;;;;;;/:;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;i　;;;;;;;　
.i,:　　 i　 ', .i　 　i 　 i　i　　ィ午/　　:/ : : :/ / 　　/　 /　i:/　ｊ;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i　;;;;;;;　
j ',　　i 　 ', i　 　', 　i　i　　 i　 ｛　　/　: :/ / 　 ／ﾐ㍉　 从彡;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/i;;;;;;i　;;;;
　＼　j　　',i　　　', ..i　i, 　　i　 i 　/ 　 / /　 ／i 　 ./　/ /:／ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/　｝;;i　;;;
"'''　　　　　　　　　',i　 ',　　i　 i　 i 　 .j/ ..／ 　ik　/　/ ／ ,;';';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/　;';;　,;'　　　　　　　　言われるまでもない。
~""'''　‐-..,,　　　　　　　', 　i　 i　i 　　/／: : 　 i ｷj／ 　 . / ;; ;;;;;;;; ;;;;;;;/ミ ;';;
三三ﾐﾐ　 j　　　　　　　　', ..i　 ', .i　: : : : : : :　　i　ｷ　 　 /;; ;; ;;;;;;; ;;;;;;/三;';;　　　　　　　　　　　　患者を診るのは俺の仕事だ。
三三ﾐﾐ　.'　　　　　　　　　', i　　',i　;,;,;,;,;,;,;,;,;　　i　キ　 /;;; ;;; ;;;;;; ;;;;;;/三,;';　　　` ､
三三ﾐ　 i　　　　　　　　　　　　　　'ﾐﾐ;:;:;:;:;:;';';';';''　 キ /;;;;　;;; ;;;;;;;;;／三三三　 　　` ､　　　　　　　俺は俺の仕事をするだけだ。
三三ﾘ　i'　　　　　　　 ,,　　　　　　　＿　　　　　　 , ;';;;;;　　　;;;／三三三三三
三三ﾘ　i'　　　　　　　　""'''　‐- ．..,,　___,.　　 　,;';';;;;／　　　　　　　　　三三　　　　　　　　　　　　 診療所でも、戦場でもな。
三三　 i' ＼　　　　　　　　　,,,,,,,,,,,,,,,,,,　　　 　 ｨ午　　　''
三三　.i'　　.＼ 　　　　　　　　　　　　 　 　 ｨ午三三三三三三
三三　 i　　　　＼　　　　　　.　　　　　 　ィ午三三三三三三
三三　 i"'''- ._　　　 ､　　　　　.　　　／ i三三三三三三　　　　　　三三㌣
三三 　i__,,...　　"'''　　　""'''‐-　.. ／ 　 i三三三三三三三　　　　三㌣''三
三三;　i　　　~""'''　"'''- ．._ , '"__,,.. 　'''""~　　"'　及ヱ三三三三㌣三三三三
三三;,　i_,.．-'''"'''- ．._ヾ　ｷ y三ﾘ　　__,,.. ．-‐　'''- ．._　`㌧三三㌣ 三三三三三三

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
だが、今ここに至って、治療が受けられる状況になったというのなら。
そのまま間の手で治療を施してもらっておいた方がいいだろう。

無理に戦って、リンドヴルムのコックピット内で冷たくなっているよりは。
病室のベッドで横になってもらっていた方が、百倍マシだ。

間もそのあたりの意思は固いらしく、静かにうなずいてみせた。
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4944： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/21(木) 22:42:55 ID:e/JUclo60

　　　　　　　　　_ノ: : : : 彡: : : : : :`ー-　、
　　　　　　　.／: : : : : : : : : : : : : /: : : : : :＼
　　　　　　 /: : : : : :.:/: : : : ／: :Y: : : : : : : : :ヽ
　　　　　　 ): : : __: :/: : :,／: : : :从: : : ヽ: : : : }
　　　　　 ./: , -'_ノ: : : :/: : : :／⌒ｱ: : : }: : : : }
　　　　　〈／／_〈: :／｛: : : :.}　　ハ: : : : : : : :,′
　　　　　.'　/　/: :V__ 〈: : : :/　 ＿_∨: : : : :/
　　　　　| /　/-- ､茫ﾄ.〉: /=≦茫ﾃ }: : : :/(　　　　　　　　　　　　　　　　ひとまずは四日間、各々できることをする他ないだろう。
　　　　　|,′´ ,へ_｝￣ {ﾊ{　`ｰ　　 ,八: ,ｲ}: }―､――――　 ､
　　　　　( 　 ノ ,_　〉　　..:; 　　　 　 },／_ノ:./::::::∧　　　　　 　 ∨　　　　 マーシフルの修復、やる夫君の回復、拠点の候補地探し、
　　　　　 ヽ　　ゝｲ:,　　, ,ヽ , , ,　　　 /: ／:::::::::: ∧、　 　 　 |::::∨
　　　_､‐''゛ ヽ　　 ＼､{ - -- - ､}　 ｨ(},/::::::::::::::::::/::::.　　　　 |::::: ∨　　　 やることはいくらでもある。
_､‐''゛ ／: : :.∧　　　 ヽ ,ﾉ;,,　 , , メ:i:i:i:∧::::::::::::::/:::::::|　 　 　 !::::::|　,
　 　 /＼__, --〉　　　　〉ー‐=≦:i:i:}:i:i:i}　,::::::::::/::::::::::| . 　 　 |:::::::| ｜　　　……それまでは、海底で息を潜める。
　 　 |::::::::/ー !　 　 　 |、: ＼:i:i:i:i:i:}:i:i:i}　∨:::::|::::::::::::|　　　　|:::::::|　乂
　 　 |:::::/: : :./｀丶、＿| ＼: :.∨i:i: }:i: ﾘ　｜:::/:::::::::::/　　　 /::::::/ 　　 ヽ
　 　 |: /: : :./　　　　　 ｱﾄ-＼:∨i:i:i: /　　|::/:::::::::::/　　　 /::::::/／::::::...　∨
　　 ／:::|／　　　 　 ／::::::::／　＼:i:/ . 　 |"::::::::::::|　　　 /::::::/:::::::::::::::::ヽ ∨

4945： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/21(木) 22:43:11 ID:e/JUclo60

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4946： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/21(木) 22:46:01 ID:e/JUclo60
本日はここまでだ。

次回は来週の木曜日、4/28の午後八時からとしよう。

シーユーアゲイン。モコイさんの生還を祈っていてクレメンス。

4947：安価のやる夫だお：2022/04/21(木) 22:47:51 ID:keypGe.U0
乙でした

4948：安価のやる夫だお：2022/04/21(木) 22:53:08 ID:8Xp1.gHU0
乙

4949：安価のやる夫だお：2022/04/23(土) 13:31:35 ID:mrkLIs8U0
乙〜

4950： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/28(木) 10:56:36 ID:/T0oN2s20
申し訳ない。仕事で呼ばれてしまった。j本来来るべき人が熱を出してしまったらしい。

代わりに明日休ませてもらえるらしいから、明日の午後八時からとさせていただきたい。

本当に申し訳ない。

4951： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/29(金) 20:03:31 ID:90YZqQ.Q0
　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ　　　　　
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ 　　　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´　　　　　　
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿　　　　　　　　　　昨日はごめんねみんな。
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||　　　　　　　　
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

4952：安価のやる夫だお：2022/04/29(金) 20:10:18 ID:d.Gu1IpA0
ハロー

4953： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/29(金) 20:10:32 ID:90YZqQ.Q0

　　　　　　　 ､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|　　　　　　　　　私のスレって、界隈の中ではどういったポジションになるんだろうね。
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i　　　　　　　　　　私自身はガラパゴス諸島だと思ってるけど。
　　　 　/ : : : : : : :┌─┐
　　　 　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ　　　　　　　　　私にとってもここは避難所だよ。現実逃避大いに結構。
　　　 　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿
　　　 　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ　　　　　　　　　　よかったら見て行ってね。ロボット好きのお友達も、エッチなお友達もね。
　　　　 と_ : : : : : : ノ : :ノ
　　　　　　￣￣￣　￣

4954： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/29(金) 20:10:45 ID:90YZqQ.Q0

　 　 　　　＿＿＿_
　 　　　／ノ　　ー_＼
　　　／（ ー） 　（●）＼ 　
　 ／　　　（__人__）　　　＼
　 |　　　　　ー-u'　　　　　|
　 ＼ 　　 　 　　　(^ヽ　 ／
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瞼を閉じたまま、戻った意識を自覚する。
夢か現か曖昧だが、寝汗による湿り気や、手のひらから伝わるシーツの感触、
そういった明瞭な体の感覚から現実だと判断した。

瞼の向こう側から光が見えることもない。
部屋の灯りが消えている。会議が終わってそのまま眠り、
それから大して時間も過ぎていないということだろう。

このまま再び眠りに落ちようと思い、ふと、静かな医務室の中に、
もう一人分の気配を感じた。
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4955： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/29(金) 20:13:05 ID:90YZqQ.Q0


　　　　　　　　　　　　　　　,. : : : : ￣￣￣￣＿:｀ヽ､
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　　　　　　　 |: |: :|: : : 从ﾊ 　Vzり　|/|/ 　 Vzツ |:/^): : :.|: :|: |　　　　　　　　　あ、起こしてもうた？
　　　　　　　 |: |: :|: : : : : :∧　　　 　 ,　　　　　　/}'ノ: : :.:.|: :|: |
　　　　　　　 |:∧:{＼: :|＼|圦　　　 　 　 　 　 　 ｲ: |:|: : : |: :|: |　　　　　　　　　「いや、勝手に目が覚めただけだお」
　　　　　　　 /　 ｀　 ＼ト＼个　　　 　｀　　　,ィ:|: : |:|: : : |: :|: |
　　　　　　　　　　 　 　 |: : : :|: : :.＞　 __　　　 |:.|: : |:|: : : |: :|: |　　　　　　　　　ほんならええねんけど……
　　　　　　　　　　 　 　 |: : : :|: : :| : : |　　　 　 ト､ : |:|: : :/ : ,: |
　　　　　　　　　　 　 　 | : : /:_r-＿ノ　　　/　 　 }..Y|: :/-, -- ､　　　　　　　　 お水でも飲む？
　　　　　　　　　 　 　 ／＼´ /../　　 . 　 /　　　/...| |:/／.........../ヽ
　　　　　　　　　　　 /...........∨../-､　　　, ---　/.....{_/´...........／　∧　　　　　　「ありがとう、はやてさん」
　　　　　　　 　 　 /＼........ /../ー---....-----/........|.......... ／　　/ ∧
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瞼を開けると、常夜灯の微かな明かりが朧げに見えた。
見慣れない天井だ。いつもそうだ。
見慣れた天井など、見慣れたころにはいつも木っ端みじんだ。

少しだけ自棄に近い気持ちになっていると、ひょっこりと視界の端から
はやてが顔を覗かせた。きょとんとした表情で見下ろす彼女の髪が、
くすぐるように自分の額にかかる。

距離の近さにたじろぐが、はやては大して動じていなかった。
もともと距離感の近い女性ではあったが、こういった反応は新鮮だった。

最初の頃のような、子ども扱いされているがゆえの近さもない。
かといって、告白して振られてからの微妙な距離感もなかった。

仄かなオレンジ色に照らされた薄暗い部屋の中で、
はやてがごそごそと水筒を引っ張り出す。
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4956： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/29(金) 20:26:10 ID:90YZqQ.Q0

　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼　　　　　……もしかして、ずっとそこにいてくれたのかお？
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　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |
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　 　 　 　 　 　 . ' : .: .: .: : |.:.:. .: .: .:`､.: .:.'，.:.〈⌒∨ : .: .:.
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　　　　　　　 |.:.:|.: |.:八.:.／　,,,,_.:.:.i| 　 乂ぅ少　j:/|ノ:|.: .: | ＿___　　　　　　　　　　へっ？
　　　　　　　 |.::.|.: | : .: 八 Y _)心ｊﾘ　　 　 , , ,　/ :|.: :|.: :／　 ／￣＼　
　　　　　　　 |.:.:|:八 .: .: : :人乂ぅｯ 　 　 　 　 u.　八.:／　　/ 　 　 　 ＼　　　　　　あ、あはは……せやな、まぁ、うん。
　　　　　　　 |.:.:|.: .:.＼ .: 〈:心　, ,　　` _　ノ　　 / :|.: |＼　 |
　　　　　　　 |.:.:| :(＼( ＼.:.:. 个　. 　　　 　 　 ｲ／|:/| / ＼〉　　　|　　　　　　　　　 そろそろ帰ろかなーと思うとったけど、まぁ。
　　　　　　　 |.:.(＼＼ ＼ ＼(＼ ::::/ ).‐--＜／ 〈:/.::|￣￣＼　 　|　 ／
　　　　　　　 |:/ ＼＼＼ ＼ ＼ ＼ //::::://-:＼ /:::八　　　　＼　| /　　　　　　　　 ぐっすり寝とったし……起きたけど。
　　　　　　　 / r‐ミ＼＼(｀`〜､＼ `'＜〈/|＿://--＜:＼ 　 　 　 〈
　　　　　　　 　 )＞　 .,　　 ﾆ=-　..,_　 　 　￣＼へ::::::/:::|＼　　　　〕
　　　　　　　　　　　　　＼　　　 r''　　　　　　　 〕:::::＼:::::|::::::＼　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　_/)＞　_ と _,,....,, ＿_　 /:::::::::::|＼::::::::/ ＼
　　　　　　　＿_／￣￣~"''〜､、---):::::|: :/|∨:::::::::::::|::::|＼/ ::::::: ＼
　　　　 ／　 ／　　　　　　　　　｀丶、::: |:/ :|/::::::::::::::/:::/::::::＼::::::::::/＼
　　　 /　　 /　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼:|:::::::＼:::::::::/:::/::::::::::::: ＼ /::::::: ＼

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身体を起こすと、ベッド脇にパイプ椅子を置き、そこに腰かける彼女の姿が
よく見えた。暗闇に慣れてきた眼に、疲れ切った姿が映る。

わざわざ水筒の蓋を回してくれている彼女に問いかけると、
素っ頓狂な声を出して、一瞬固まった。

今、彼女がこうしているのも、自分を心配してのことなのだろう。
置かれている状況を忘れられるわけではないが、無性に嬉しかったし、
根拠もないのに安心と希望を感じられた。

彼女が傍にいてくれる。そう思うと、なんだか、何とかなる気がしてしまう。
これが無二の友人であっても、恩人であるなのはであっても、
きっと同じ気持ちが沸き上がっただろう。

ただ、はやてが相手の場合は、ちょっと違うが。
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4957： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/29(金) 20:37:26 ID:90YZqQ.Q0

　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:――
　　　　　　 __,.∠:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.⌒＼:.:.:.:＼
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　　　　 /:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:. | :.:{:.:.:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.＼:.:.Λ:.:.:.:.:.:..
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　　　/:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:. |:|　　｜:.:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.|/ /|:〉 〈: |
.　　/ :.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:.:Ν.　　| :.:. |:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.| /: |._Λ〉|
　　 : |:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:┼―‐ -:.:.:.|:.:.:. ィ:.:￣:.:.:.:.:|:.:.:.:|:.:.:.:.: |　　　　　　　……なのはちゃんからな、聞いたんよ。
　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:|斗ぅ＝ミ :|:.:.:.:.:|ｧう＝ミ: |:.:.:.:|:.:.:.:.: |
　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:{　)いﾊ　从:.:.:.:.|　)いﾊ Y:.:.: ﾉ:.:.:.:.: |　　　　　　　 あのリベリオンのリンクスのこととかも。
　　|:.:|:.:.:|:.:|ﾍ:.人:.:.:　乂;;ツ　　 ＼:.| 乂;;ツ 从:.Λ:.:. /:.|
　　|八:.:.|:人:|:.＼＼ト''　　　　　　　　'''　　/:.:.:/　}:.:.:.:.:.|　　　　　　　 ヘルヴォルのリンクスのことも、聞いた。
　　 　 ＼ 　 |:.:.:.:.:.八　　　　 '　 　 _,　　 /彡/_,ノ:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　八:.:.:.:.:.个　　　｀　　　　　　 イ:.:.:.:| :.:.:.:. |:.|　　　　　　　　色々聞いて……君にばっか背負わせてなぁ。
　　　　　　 /:/:.＼／￣　　　　 　 　 ＜ |＼__:.:|:. /:.:八|
　　　　　／:/⌒∨ :. :. :. {＼＞r≦.　　ノ| : :. :. :. :.＼:.:.:|　　　　　　　　私もすっかりダメなお姉さんになってもうたなぁ。
　　　 ／:.:./ :.:.:.: ∨:. :. Λニ=‐‐=ﾆﾆﾆﾆ|:. :. :. :. :. :./:.八
　　　⌒ｱ/:.:.:.:.:.:.:.:∨ /　 ∨二二二.／｜:. :. :. :. :/:.:.:∨＼
　/￣￣/::::::::::::::::::::∨　　　Ｖニ＞''´　　|:: :: :: :: /::::::::::∨__
:: :: :: :: 厂￣￣＼:: /{＿_／{⌒｀}＼　　Λ::: :: ::/::::::::::::::::⌒＼
:: :: :: :/:: :: :: :: :: ::.:}::::{／　　{:::: /　　＼j:::::＼::/:::::::::::::::::::::::::::::

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口調こそ明るくて軽快だが、自責の念が隠しきれていなかった。
下がった眉尻は、心配半分、罪悪感半分といったところだろうか。

確かに、リエラもカズキも、自分にとっては大きな存在だった。
リンクスになってから、色んな人と関わりを持って、色んな経験をした。
リエラもカズキも、友達だった。

憎しみなんてこれっぽっちもなかった。
あるのは思い出だけで、憎む理由なんて一つもなかった。
属する勢力が違うというだけで、憎むことなんてできなかった。

それでも、リンクスである以上、戦場に身を置く立場にある以上、
何一つ文句を言えないのも事実だ。

だが、それはあくまで理屈だ。
理屈で全てを決められるのはプログラムで動くロボットだけだ。

自分は、ロボットの真似はできそうにない。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4958： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/29(金) 20:42:49 ID:90YZqQ.Q0

　　　　 　 　＿＿__
　 　 　 　／　　　　＼　　　　　　……正直。
.　　 　／　 　 　 　 　 ＼　
.　　／　　　 ―　　 ー　 ＼　　　　「うん」
　　|　　　　（●） 　（●） 　|　
.　　＼　　　　（__人__）　 ／　　　　気を抜くと、どうにかなりそうではあるお。
.　　　ノ　　　　｀ ⌒´ 　 ＼　　
　／´　 　　　　　　　　　 　ヽ　　　　「うん」





　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　 ／　─　 　 ─　＼　　　　　　リエラは……機体の爆発に巻き込まれて、粉々になって、海に撒かれた。
　　　／ 　 （●） 　（●）　 ＼
　　　|　 　 　 （__人__）　 　　 |　　　　　カズキも、まるで子供が乱暴に扱った後の人形みたいになって死んでた。
　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／
　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ　　　　　　　腰のあたりが半分くらい潰れてて、足が変な方向に曲がってた。
　　 / 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |
　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|

4959： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/29(金) 20:50:48 ID:90YZqQ.Q0

　　　　　　＿＿＿
　　　　 ／::::::::::::::: ＼
　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::＼
　 ／:::::::::::::::::::::::::::::: 　　＼　　　　　　　全部、やる夫がやったんだお。
.　|:::::::::::::::::::::::::::（ー）　.u.　|
　 ＼ 　　 （__人__）　.　　／

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
どんな理屈を掲げても、どんなに筋の通った正義があったとしても。
事実は純粋で、理屈や正義で塗りたくっても、根底は何一つ変わらない。
目を逸らすことしかできない。

でも、二人との思い出が、自分に目を逸らさせまいとしていた。
二人を殺して、そのことから目を逸らして生きるというのは、もっと嫌だった。

生き残るには、そうするしかなかった。
そうするしかなかったとはいえ、二度と戻らないものを、手にかけた。

もうリエラと一緒にご飯を食べることはできない。
死体袋の中のカズキは二度と喋らない。

叶うのならば、これが全部悪い夢で。
目を覚ましたら、誰かを傷つけたり、誰かから奪ったりせずとも、
満たされる暮らしがあって。

また二人と会える現実が待っていてほしい。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4960： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/29(金) 21:10:11 ID:90YZqQ.Q0

　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　 ／―　―　＼
　　　　　　／（ー） 　（ー） ＼
　　　　 ／　 　（__人__） 　 　 ＼　　　　　　　殺しに善悪はなし、みんな等しく地獄行き。
　 　 　 |　　　　｀ ⌒´　　 　　　|
　 　　 　＼　　　　 　 　　　　／　　　　　　　 なのはさんに前に言われたんだけど、ほんと、その通りだお。
　 　 　 　 ／　　　　　　　　　＼
　 　　 　 |　　　　 　　　　 　 　 ）　　　　　　　……やる夫もいつかきっと、酷い死に方をすると思う。
.　　　　　|　　|　 　 　 　　 /　 /
　　 　 　 | 　 |　　　　 　 /　 / |　　　　　　　　
　　 　 　 |　　|　　　 　 /　 / 　|
　 　 　 (YYYヾ　　Y　(YYYヽ　|
　　 　　（_＿＿ノ-'-（'＿＿_）_ﾉ





　　　　　　　　　　　　　 -‐━━=ミ
　　　　　　　　　 /⌒:^.: : : : : : : : : ::＞
　　　　　　　_.-=ミ: : : : ＼: : : : : : : : :V: `.
　　 　 　 .ｨ: : : : 7:〉 :∧: : :V: : : : : : :〈/: /〉:.
　　　　 /: : : : : :|/ | : :|:V: : :i : :| : : : : V〉: : ﾊ
.　　　 /: : : : : : :|i　!::斗-V: :|ー|‐|:-|: ::|:|i: : : |i
　　　 ′l: : |i :|i |i_,.ｨﾃﾃﾐ : : |N|ｨテﾐN: |:|i: : : |i
　　　{　｜:::|i :|i |i　 r勿,　|:N　 r勿ﾉ !::|:|5!: : : .　　　　　　　　　……私の、ためなん？
.　 　 　 从::|i: |i |i:　^¨¨　　i　　　 　 」::|:|,ﾉ: ;小:.
.　　　　　　〕: :|i |N」　　　 ,　　、　　.: /|:| : /: : :|i　　　　　　　　　「そんなんじゃないお。ただ、自分の気持ちに従ってるだけだお」
　　　　　　　　|i ||:|:i＞　　　　 　 .ｨ :/::」:/〈: : : 八
　　　　　　　　|i ||:|:|///〕ﾆ=-　　 | l: : :/　 V⌒V:＼　　　　　　　
　　　　　　　　|i7⌒V|　V寸ﾆﾆ才　!: /　　　＼_,V⌒ :、
. 　 　 　 _　--厶ヘ V　 V /⌒丶　| {　 　 -=ﾐ,V{　　,ハ
　　　　 〈,　　 / 　 　 V　V^V__/^V　|/　/　 　 ＼　/
　　　　/∧　/　　　　 }.　 }i /　Vi{　 」　/　 ______　/　　 __
.　　　 {　　V　 　 　 ,リ,　　}i　　 i{　 }i,　 ／　 　 |ー━=ﾐ」
　 　 r」　　⌒ー‐―(￣￣〉ﾑ　 /| 　i|／　　　　｜　 　 _.」Ｌ
　 　 |⌒ー}　　　　 /　 　 ＼ V　　 /　　＼　 　_|　　ー=ミ__ )
　 　 |　　 ﾉ　　　 ,/　　 　 　 ＼　./　　 f/―‐┐＿__　　　}　＼
　　 ∧__(___　　_/　　　　　　　　＼　　 /　￣￣〉　乙...
　　　　/　　　/八　　　　　　　_ji斗〜'へ　￣￣| 　 」(
　/　 /　　　/￣,.. ．-‐　'''""~ 　 　 　 　 .V　 rﾉ.　　　＼





　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　 ／⌒　　⌒＼
　　　　　／　（⌒）　（⌒）＼
　　　 ／　 ::⌒（__人__）⌒::: ＼　　　　　　　やる夫みたいな人間にも、はやてさんみたいな相手がいる。
　　 　|　 　 　　　|::::::|　　　,---、
　　　 ＼ 　 　 　 `ｰ'　　　しＥ　|　　　　　　 失いたくないものがあって、戦ってる。
　　 　／　　　　　　 　　　 l､Ｅ ﾉ
　　／　　　　　　　　　　　 ｜　|　　　　　　　きっと、生きる意味って、こういうことなんだお。
　 （　　 丶- 、　　　　　　 ヽ_／
　　　`ー､＿ﾉ

4961： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/29(金) 21:20:30 ID:90YZqQ.Q0

　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　 　 ／ 　　―　＼
.　　　　　／ 　　(● )　　ﾍ＼　　　　　　だから……だから、そんな顔はしないでほしいお。
　　　　　|　　　（⌒ 　 (● ) ｜
　　　 　 ﾍ　　　 ￣｀､__）　　｜　　　　　 はやてさんが悲しそうにしてたら、やる夫が戦う意味がなくなっちまうお。
　 　 　 　 ヽ　　　　 　 　 　 ｜
　　　　　　, へ、　 　 　 ＿／
.　　　　　 |　 　 　 　 　 ＾ヽ
.　　　　　 |　　　　　　１ 　 |





　　　　　　　　　　 　 　 　 ,　　-――‐-　...
　　　　　　　　　　 , ---く: : :,: -ー‐-:､: : : : : ≧. .､
　　　　　 　 　 ,.イ:, -: : : :`/: : : : : : : : `: : : : : : : : ､ヽ
　　 　 　 　 ／:／ ,.イ: :,､/: : : : : 、: : : : : : : : ',: : : : ',:ヽ
　　 　 　 ／イ : , ': : :,:/ー!:! i : : : ',: ',: : : : : i : ',: : : : !: :',
　 　 　 ./ｲ/: : :/: : ://　　!:i: ! : : : i!: !: : : : : !: : ',: : : :!: !:',
　　　　/' /: : :/: /: :!:!__　 i: : i : : : i!: !: : :/: :,' : : i: : : :!､!: !
　　　 /　i: : :/i: ,': : i､!__ヽ/!: :!: : : :!i: !: :/: :/,: : :/ : : //i :.!
　　　,′ ': :/: :',:i!: : !"i.ヾ/ i:/: : : /=､、/:.//: : /ﾆﾆ/,'ｲi: :!
　　　　　 ',:ﾊ: : i!i: : i　i:ｿi　ﾘ: : ／ /Jヾ,ｲ/: : :/ﾆﾆ/: : ,' : i
　　　　　　i! ', : : ヽﾘ 弋ﾘ /:／　 ん::ｿ::i!ｲ: : / : : /: : /: : :i　　　　　　　……はぁ。バカなひとやなぁ。
　　　　　　i.　', : : : i""　, '"　 　 弋武ｿ彡イ : : /､: :/: : : :i
　　　　　　　　'､: : ∧　 ､　　　　　'''''　　, ｲ: : ,.ｲ i: /: : : :i!:!　　　　　　　私みたいな女にそないに躍起になってもうてなぁ。
　　　　　　　 　 ヽ､: :ヽ、　ー‐　　　　／: : ／, イ:/: : : :i: !i:!
　　　　　　　　　　 ヽ:'､ ヽ　＿＿　イ: : :イ/: : :, ｲ: : : i: :!: !ヾ､　　　　　　
　　　　　　　　　　 //,ヾ､:_:_: ＞'": イ":::::/: : ,ｲ: : : : : i: :!-'--,
　　　　　　　　　　/'　 ! !::::::::::￣:::::::,＞:/: : /: : : : : : : !: !:::!　!
　　　　　　　　　　 ＿_ヽゝ-<ニヽヽ::::::/:/:/:i: : : : : : : i: :!:::!　!
　　　　　　　　　　i i-.､　＼:::::::::::ヽヽ' ,!:i: :!:::! i: : : : : i:!: i:::i. ∧
　　　　　　　　　　i.!::/　｀ヽ､｀ヽ::::::::ヽヽi: :!:::i: i: : : : : !: /::{ ,′ヽ
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　　　 　 　 　 　 　 !:::!　　　　　　!::::::::::::::::::::::ノイー::::::::::::r-ヽ, i　　　　　 !

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彼女は溜息を洩らすと、一度項垂れ、そして顔を上げた。
目尻に浮かんだ涙は隠せていなかったが、それでも、僅かに気力が戻っていた。

全てを失った自分を拾い、支え、寄り添ってくれた彼女の笑顔が。
何もかもを敵に回して絶望しかけた彼女に、欠片程ではあるものの、
確かに戻っていた。

それを見て、押し潰されそうな程の後悔の重みが、少し和らいだ。
後悔が軽くなったんじゃない。それを背負う自分が、持ち直したのだ。
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4962： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/29(金) 21:28:12 ID:90YZqQ.Q0

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　　　　　　　　　　. : '"ﾟ~￣￣￣~"''〜､、＿　　　＿__/八　　,ノ＼ 　 　 　 　 　〈/, ／ } ／ V .: :/　 　
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　　　_　　-‐　 ~　　　　　　　　　　　　 　　　 　　ノ

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「よっこらしょっと、お邪魔するで」

安堵して頬を緩めていると、意表を突くようにはやてが立ち上がり、
ベッドに手をかけて乗り上げてきた。

止める間もなく、いそいそと姿勢を整え、自分のすぐ脇で横たわる。

「な、なにしてんですかお？」

「べっつにぃ？　傍にいてくれーとか言うとったんは君やろ？
ネクストも乗れへんで、おんぶにだっこになってるお代替わりや。
また眠れるまで、こうしといたる。別にアマツでも一緒に寝てたやん」

「そ、それはそうだけど」

「ヘンなことしたらなのはちゃんにチクったるから安心せぇ」

それはそれでまずい。戦死する前に殺される。
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4963： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/29(金) 21:43:35 ID:90YZqQ.Q0

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　　　　　　　　　　 八..:＼:{　} ＾)＼ 　 　　　|/):／　　　　　　/.: ／ : .: .: |.: |
　　 　 　 　 　 　 /.: .: .: .: {,/　//⌒:/:/:/:. 　 〈i　　　 :/:/:/: イ　ﾉ.: .:/.: :| 八　　　　　　　　 君が生き残り続ける限り、私が君を独りにゃせん。
　　　　　　　　　/.: .: /.: ／　.:.∧　 　 　 　 ＿＿＿　　 　 　 八.: .: / : : |.: |.:＼
　　 　 　 　 　 /ｲ. .:/.:./　 〈 : : : ＼＿_ 　　|　　　　|　　　　 . : .: ／ .: .: .|.: |.: |⌒　　　　　　 きっといつか、アマツで暮らしてたみたいに。
　　　 　 　 　 　 |.::∧.: ｀丶、￣￣＼.: .＼　＼＿／　　　イ : .／:|.: .: .: .:|.: |:八
　　　 　 　 　 ＿|:〈_∧.: .: .:L＼　　　).:.:..八　　　　　イ ￣＼/.: : |.: .: .: .:|.: |.: : ＼　　　　　　二人で楽しくやってた頃に戻れる。
　　　　　　／　　＼￣￣＼.: ｀丶、 .:.／⌒＼＞＜　 |＼　 /＼.: |.: .: .: .:|.: |.: .: .: |
　　　　　/　　＼ 　 ＼　　 |.: .: .:|| ＼　　　　 〉::::/　　＼ ＼　　∨ : .: . 人八.: .:.:.|　　　　　　それまで、私も頑張るさかい。
　 　 　 〈　 　 ＼）　　 ＼__|.: .: :八_ /＼　　/　　　　　　 　 |.　 /.: .: ／￣￣＼.:/
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　　　　 〈￣￣＼. ＼　<　　　　　　 ＼ﾊ.　　 ＼＿　_／ 　 　 　 　|　　　 ∨./　　　　'，
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頬杖を突いたはやてが弾けるような笑顔をこちらに向けてくる。

誰かのために戦うだとか、人を守るだとか、立派なお題目はあるけれど。
正直、自分にとっては、彼女がこうして傍に居てくれることだけが全てだった。

自分が彼女のために戦っているわけではない。
いつだって救われてきたのは自分の方だ。
自分ははやてに守られて、救われてきた側なのだ。

だから戦う。この先、どんな酷いことをすることになっても。
自分を守り、救ってくれて、今なお傍にいてくれるこの人と一緒にいられるように。

だから、カズキ。もう少しだけ待っていてほしい。
生きられる内は、最期の瞬間までは、こうさせていてほしい。

きっと、おまえと同じ結末が待っている。だけど、今だけは。
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4964： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/29(金) 21:47:35 ID:90YZqQ.Q0

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4965： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/29(金) 22:08:36 ID:90YZqQ.Q0





〜ブライドル本部　会議用遮音ブースの一角にて〜
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狭苦しい箱の中には、やたら座り心地のいいシングルソファと、
前面にせり出したモニターがあるだけの空間があった。

立体映像が空中に表示されるものの、味気ない「SOUND　ONLY」の文字が
躍り出るだけで、他も無味乾燥な通信速度表示などばかり。
あとはそう、会話参加メンバーのリストだ。

ブライドルにおいて、トップランカーは各企業の表向きの代表と言っても
おかしくない権力と義務が生じる。
企業の代弁者として、こうして幾度となく会議に参加してきた。

今回はテレビ会議だ。
状況が混沌としている今、ブライドル本部に集まるのも無理になってきた。

その理由は、メンバーリストを見れば分かる。

ランク4、オルデンブルクの最高戦力であるアリス・メルキュリー。
彼女の名前が、除名されている。それがこの混乱の全てだ。
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4966： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/29(金) 22:17:52 ID:90YZqQ.Q0

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　　　　　　　　　　　　l八.l |: |: i/ うﾐt､　＼j　 イ{ｲz7 〉i}:. ﾉ:.:.i/ | |
　　　　　　　　　 　 　 　 乂l.i.人_」斗''゛　 　 　 `　¨¨´ノイ_ ノ}l人}　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　从｀ト`　　　　|　　　　　　　　/　 ﾉﾘ
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テロリストへの兵器供与、これが明るみとなった桜花重工への粛清騒動。
オルデンブルクの傘下企業が一晩で灰燼と化し、勢力図から消える。
たったそれだけのはずだった。

だが、事態は思わぬ方向へと急転直下だ。
ランク9八神はやての八咫烏は早々にラズルシェニェによって大破。
ランク26ながらも、最近目覚ましい戦果を挙げつつあった入速やる夫の
ネクストも撃墜。

全てはそれで終わったはずだったのに、彼らが生き残っていたこと、
そして追撃が失敗したことによって、あらゆる歯車が狂いだした。

企業連の水面下の思惑は、今頃何もかもが滅茶苦茶になっているに違いない。

その証拠と言わんばかりに、彼らは何よりも桜花の残党の殲滅を望んでいる。
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4967： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/29(金) 22:22:52 ID:90YZqQ.Q0

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　　　　　　　〕iト-=ﾆ〕iト .,／'　　　　　　　 }ﾆ>､_/_/　　 　 ／_／　　　　 }ﾆニ〕iト
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　　　　　/i/-=ﾆニ{　　　　 ／ﾆⅥニ7V/7　 Li:i:/ﾆニﾆ7　　　　 Ⅵﾆニﾆﾆ}_　 　 ⅥⅣ 　 　 　 　 　 ＼/
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追撃部隊に編成されたIGIOのリエラ・マルセリス。
SIの新参リンクスだったダージリン。
彼女らの戦死だけなら、まだ企業連はここまで躍起にならなかったかもしれない。

オルデンブルク製ハイエンドパーツでアセンブルされた超特化機、ロストワード。
これの喪失と、搭乗リンクスの戦死。

それは単純な戦力の大幅減少だけでなく、企業連の面子を大きく傷つけた。
管理者としての沽券にかかわるのだ。

更には来歴に問題があったとはいえ腕利きには違いなかったウッドブリッジ。
そして、かつては黒いネクストに比肩すると言われたアルトリア・ペンドラゴン。
彼らまでもが、出撃したきりMIAとなっている。
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4968： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/29(金) 22:32:04 ID:90YZqQ.Q0

: : : : : : : : ｉ: : : : : :￤: : : : : i: : |: : : : : :,小: : : : : i: : : : : : : : : |:
: : : : : : : : |: : : : : :｜: : : : : }: : }: : : : :/: ﾄ: ヽ､: : |: : : : : : : : : ﾄ､
: : : : : : : : |: : : : : :｜: : : : ,' : /| : : : /: : |:iヽ: :ヽ !: : : : : : : :ｉ:｜
ﾄi: :i: : : : : |ヽ : : : : | : : : /: :/　!: : :/l: : :从: :＼: :＼ : : : : : |:｜
l |:｜: : : :｜ l: : : : :| : : /|: 厶斗: /^1 :,ｲ: : ヽ : ＼: :`ー=≠≠ミ､
l |:｜: : : :｜ |: : : :/!: :/`}/　＿|:/＿|:/｜: : /:｀: : :｀:ｰｧ‐:ｒく: :｢｀　　　　　　（管理者は、イレギュラーを許しはしない。
l |:｜: : : : :}斗: : 厶孑=≠fi勹r1￢ﾙ'　,: : /: : : : : : :/ : /　}: :}
N: :|: : : : :/^7: :ｲ{　,{{ ::::: }}｀￣}}　 /　/: :/: : : : : : ,:': : /　/: /　　　　　　　 彼らは終わっている。じきに全てが終わるだろう。
７: :!: : : /　/: / ゝく ｀¨¨´　_ノ′,/　/: :/ : : : : ／|: : /　/／
i: : j: : :/　/／　｀￣￣￣ 三三彡' /. :/. : : :／　 j／　/´　　　　　　　　　　 ……しかし、なんだってこんなことに。
|: / : /　/´　 　 　 　 　 　 　 　 ／.／. : ィ１}r┐/
|ｲ: :/　　　　　　　 　 　 　 　 ／ィ : : ／ ////iﾉ′　　　　　　　　　　　　　　桜花の壊滅の裏で、誰が利益を得るはずだったのだ？）
/／　　　　　　 　 　 　 　 　 　 厶ィ 　 ///辷}
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　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /　 ///　/

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そう、企業連は総力を挙げ、各企業間の因縁すら捨て置き、
彼らの殲滅のために戦力を動かしている。

上層部の老人たちが糸を引いていた、企業連内の勢力図とヒエラルキーを
塗り替えるための大戦争。

第二次ネクスト戦役は、未だ引き起こされていない。

モリアーティに近しい自分だからこそ知っていることだが、
この事実は、このままでは闇に葬られるだろう。

だが、それと同じ規模の戦争が巻き起こるのも時間の問題だ。
彼らの駆逐が済めば、すぐにでも起きるだろう。

とはいえ、気にかかることもある。
この一連の騒動も、どうせ誰かが裏を引いていたものだ。
だとしたら、一体どうして、桜花の壊滅が誰かの得になったのか。

SIのスネークはいつも通り冷静で静かなものだ。
アヴィアコルのアリサ・イリーニチナ・アミエーラも余裕を保っている。

だが、今回の事態、あのモリアーティが躍起になっている。

崩れた陰謀の糸が見え隠れしているように思えてならないが、
それによって自分が行動を起こすわけでもない。

ただ、IGIOのもたらす規範と秩序を守り、それを脅かすものを排除する。
それしかできないし、それが全てだ。それこそが、人の営みを守る最善なのだ。
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4969： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/29(金) 22:32:16 ID:90YZqQ.Q0
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4970： ◆x0SRSoJXe.：2022/04/29(金) 22:36:14 ID:90YZqQ.Q0
今回はここまでだ。

次回は……ふふん、実はGW中、何日かは休めるのだよ。

というわけで、5/3の午後八時からだ。5/5の午後八時からもやりたい。久々に小説も書いていきたい。

二週目の後半だけあって、種明かしというか、1週目で明かされなかった事態の裏側とかも描写していくつもりだ。

どうかお付き合いいただきたい。

それでは、シーユーアゲイン。モコイさん頑張るからね、生暖かく見守っててね。

4971：安価のやる夫だお：2022/04/29(金) 22:38:26 ID:ufeCGo0Y0
乙

4972：安価のやる夫だお：2022/04/29(金) 22:42:20 ID:d.Gu1IpA0
乙でした

4973：安価のやる夫だお：2022/04/30(土) 18:16:47 ID:LgdDqGuY0
乙やでー

4974： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/03(火) 20:02:48 ID:Rw0U8MEo0
　　　　／||ミ
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　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ　　　　　
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ 　　　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´　　　　　　
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　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
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　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

4975：安価のやる夫だお：2022/05/03(火) 20:07:48 ID:0JDixhgc0
ハロー

4976： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/03(火) 20:11:42 ID:Rw0U8MEo0
　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　　最近、肩こりがなんか回復不可能なんじゃねレベルになってきたモコイさんだよ。
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　　冗談抜きで石みたいになってて草も生えないね。
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　　揉んでも暖めてもどうにもならない。腰も怖い。最近、身体の衰えが早い気がする。
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i　　　はじめてこっか。
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'　　
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

4977：安価のやる夫だお：2022/05/03(火) 20:24:01 ID:YqykbwpE0
ハロー

4978： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/03(火) 20:24:32 ID:Rw0U8MEo0

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　　　　　　　　　　 :( :|.:人V:じ　j.:〃ノ刈:. /／∨.: .: .: .: .:.:.|
　　　　　　　　　　 ／.: .: .:「　 　 　 V'少У.:.:.:/|.: .: .:.:|.: .: .:|　　　　　　　　　あ、起きたん？
　　　　　 　 　 　 ⌒7.:/.:.ﾊ 　 　　 ' ' ／.: .:／ノ .: : .: |.: .: .:|
　　 　　　　　 _　 　 {:/＼八 _／)＞'.: .:.:／.: .:/.: .: .: .:|.: .: .:|　　　　　　　　　おはようさん、もう朝やで。
　 　 　 　 __/　) __　 　 　／ ￣ 7 : : ／￣:／ : .: /.: 八 : 八
　　　　　「{ {　し'　}　　r/ 　 　 /.: .: /＿／　⌒∨ .:/.: :)/⌒＼
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.　 　 　人 　 　 / 　 ／　　　 　 ∨　　　 ＼　＼ /　　　　＼_
　　　　　 }　 　 {　 /￣￣￣＼ 　 〉＿ 　 　 ＼　{　　　 ／　 ∧
　　　　　 } 　　 　 '　 ／　　　　 ／}　　　　　　 ＼　 ／ 　 ／　}
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無機質な白い照明の光を瞼越しに感じ、目が覚める。
殺風景な部屋に似合う計器の音の中に、ごそごそと衣擦れの音が混じっていた。
人の出す音だ。アマツで暮らしてからというもの、はやてとの生活の中で、
よく聞いていた音だった。人の暮らしの音だ。

体を起こすと、はやてが寝台に腰掛けながらサイドテーブルを引き寄せ、
その後ろ姿の向こう側から湯気を立たせていた。
着崩されたシャツとタイトスカート姿を見ていると、
なんだかいけない姿を見ているような気がして、少し鼓動のリズムが早まった。

振り返り際に、白くて丸っこいマグカップをそっと差し出される。
湯気と共に煎茶の渋い匂いが立ち昇るのが分かった。
どうやら間のものを拝借してきたらしい。
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4979： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/03(火) 20:33:21 ID:Rw0U8MEo0

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　　　　|　 　 　 　 　（__人__）　| ∬　　　　　　　　ありがとう、はやてさん。
　　　　＼　 　　 　 　｀ ⌒´　 .|￣|
＿＿__／　　　　　　　ー‐　 '-|＿|）　　　　　　　　「どう、いける？」
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| |　（　　　￣￣￣⌒ヽ





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　　 　 　 　 　 　 　 　 ／.: .: .: .: .: .: .: .: .: ＼.:＼
　　　　　　　　　　　／.: .: .: .: .: .: .: ⌒＼.: .: :＼.:＼
　　　　　　　　　　.: .: .:.:へ.: .: .: .: : ＼.: .:.＼＿_| |__:ヽ
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　　　 　 　 : |.: .:|.: : i⌒|.: .: .: .: .: |／ |.: | |〈_/.: .:| } .: : 〉＼　|＼　　　　　　　　　ならええわ。
　　　　　　|: |.: .:|.: 八　|.: ＼.: .: .:| .:| ィぅうミｘ.: .:|ﾉ.: .:/　　)＼イ
　　　　　　|: |.: .:|.: .: .:.､／⌒ ､.:.:.| .:|　乂少　|.: :|.: .:/　　⌒Y:|ﾉ　　　　　　　　　 「先、起きてたのかお」
　　　　　　|: |.: .:|.: .: .:.:.＼.ｨぅミk.: :八　　' '　 |.: ∧/　　 　 人:＼
　　　　　　 八.:.:|.: .: ＼.:└ 乂ﾂ∨　　 　 　 八(_〈 　 　／ /∧.: )　　　　　　　　まぁ眠りも浅なるわ。枕もないし。
　　　　　　　　 人.: .: .: ＼.:.:.:＞　　` r　 ＾)　//|∨----〕//　 ＞‐┐
　　　　　　　　　　＼( : .: .＼.: )＞ 　., ＿___// :| 」＿__／::|　 /　/ ∧　　　　　　 ほれ、お茶飲んだら顔洗ってき。
　　　　　　　　　　　ﾉ:＼￣..: .: ∧:.: :(／〈＿／ ||:::::::::: ／::|___|＿_/　|＼
　　　　　　　 　 _／.: .:./八.: .:.〈⌒∨ ＼〕ﾆ ／ ||:::::::::::::::::::〉__j 　 |　 | 　|　　　　　「うん」
　　　　　　　　⌒7.: :__|＿∧.: .:∨〈,,／Y⌒Y＼,,〉T¨¨¨¨¨∧￣＼|　 |　 |
　　　　　　　　　 |.: :「￣￣込 : .:∨/|　L:i:i:ﾉ　 〉 ::|:::::::::::/::::|＿___＼_|,／＼
　　　　　　　　　 |／￣￣￣　＼:|: 八 /:ｉ:i|　 /＼:| ::::: /::::: |:::::::＼　＼
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　　 　 　 　 　 /　 八:::::::::::::::::::::::::ヽ:〈:i/:::／::::::: 八::::::::::::::: | : /　 .|
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　　　　　　　〈_／￣￣::::::ヽ}::::::＼:::::::::}::::---‐:::::::::::::::: 〈. 　 　　　 |

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意中の女性と同じベッドで寝た、というのであれば、一般的にはそういう風になる。
けれど、自分とはやての間に漂っていた雰囲気は、少し違っていた。

アマツで暮らしていた頃とも少し違う。
あの頃は完全に保護対象として見られていた。

今は、どうだろう。明瞭な言葉にするのは少し難しいかもしれない。

ただ、お互いに線引きをしているようにも思えた。
自分ははやてのことが好きだし、はやても自分のことを憎からず思ってくれている、
はずだ。きっとそうだ。でなければ、こうして一緒にはいない、はずだ。

ただ、まだお互いにちゃんと言葉にして、二人の間柄を定義していないから、
こういった距離感になっているのかもしれない。

あれからまだ、自分はしっかりと再度の告白を行ってもいないし、
彼女は受け入れもしていなければ拒否もしていない。
この状況でできるものでもない。
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4980： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/03(火) 20:38:00 ID:Rw0U8MEo0

　　　/　　　　　/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　/　　　　 ,': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
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　　　 /　l　　　1: /!: : : / /: : : ://: : :/ノ ノｨ: : : : : : :
　　　,|　 |　|　 |':.:|≧: . |:/:／:/_仁ｨ:≦Zz／ｨ: . r‐､: :
　　　 |　|　|!　 |!:.|ゞｾl:.:ﾄ;イ／ﾗ人 ゞ仍;ｊ　 /ｨ::/ う l: :　　　　　　　よぉ、よく眠れたかい、お二人とも。
　　　||　|l　|l　 |:.:|￣´|:l ／　　キ 　￣´､　 /: | 仆 |: :
　　　 |ヽﾄ　||,　|::|　　 ｿ　　　　　ｷ　　　 ／: : | .ﾚ /: :　　　　　　　 朝っぱらから呑気に乳繰り合ってるとはな。
　　　　|: : ', |:',　'!　　/　　　　　　 キ r‐1: : :─ '"´: :
　　　　 |: : ヾ: ', ﾄ,　 ヽ-‐ ､　　　　 ヾ!: : : : : : : : : : : :
　　　 '´: : : : : :.ヽ!＼ 　 ー─‐─　　 ﾊ: : : : : : : : : :.:
　　　: : : : : : : : : : : : ＼　´￣ ｀ ､, ＜|::|: : : : : : : : : :
　　　: : : : : : : : : : : : : <`ー　≦:::::＼: :.|: : : : : : : : : :
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　　　　　　　　//|.: :. :. :.斗r矛笊⌒ ＼/＾⌒笊ﾃ矛寸 : : :|: : :|　　　　　　　　先生ー、邪魔しちゃ悪いですって……
.　　　　　　　 :′|: : : : : 八乂rツ　　　　　 　 乂rツﾉ|.: :. :.ﾄ : :|
　 　 　 　 　 ｛　 |: : : : : :l　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |.: :. :.|ﾉ: :|　　　　　　　　ああ、えっと、おはよう二人とも。
　　　　　　　￤　|.: : : :. :.|.　　　　　　　'　　　　 　 　 |.: :. :.|: : :|
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　 　 　 　 　 ｛ 　|.: : : :. :.込、　　　　r　 ヽ　　　　　仆: : : |/: :|
　　　　　　　 乂 ′.: : : :.|: : :ﾄ. 　 　 　 　 　 　 . : : :|:|: : : /: : :|
　　　　　 　 　 /: |: : : : : |: : :|l : ＞　　　　　イ.:. :. .:.|:|: : /: : : :|
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ベッドに腰掛けるはやてと一緒に、しばしお茶を啜っていると、
間と牧瀬がカーテンをめくって入ってきた。
正確には間が乱暴にカーテンを引き、その後ろで牧瀬がおどおどしている。

どうやら牧瀬の方には完全に誤解されているようだった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4981： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/03(火) 20:45:54 ID:Rw0U8MEo0

　　 ､ー-- ､ヾ､ ^ヽ.＜
　　　｀＝=　　　　　 ',::::ヽ
　　　　　　,,.ィ'´;:::::::::｀:::::::｀ ､
　　　　　 ´¨.,ｨ:::::::::::::::::::::::::::::::;､
　　　　　 .／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　/::::::::::::::::ﾄ､:::i ヾﾄ;;::/}i::::::::∨
　　　　　l::/!::::::::::::|. }/｀,土=ミ､!/,::::::',
　　　 　 i/ ,';::/l:!｀｀X. "γ.ﾏﾞﾐ'´i:::::::::レ'ア
　　　　　'　.;i ｌ ゛　i 　｀ ﾞ､￣ ´ 从::::::::::::/ ./}
　　　　　　 |! !.　　!　　　 メ、　 .;:ｒ'ヽ:::<／/_
　　　　　i　,!　　　´｀　 ＿_,, ヽ ﾉ/´ｿ}:::::::::::ノ___　　　　　　　　いやいや、安心しろよ牧瀬君。
　　　　　|! l､ﾆt､ﾆﾆ二.,vvﾉ　 ｷｿ ／::::::::::::::::／
　　　|!　.|i .!.＞ー -- 一'　|::｀ヽ-':::::::::::::::::::≧　　　　　　　　　あの八神君はな、この状況において何もない、そんな女性なのさ。
　　　|i　.l ' {　　　 ￣　　　i:::::::::::｀ 、::::::::::;＞
　　　|.i　i, ',i＼ 　　　　　 ,l::::::::::::::::::ヽ:::::::＼　　　　　　　　　　　なあ坊主？　相も変わらず純情を弄ばれているようで何よりだ。
　 　 ,; ､ { ﾍ!　＞ -- ‐イ l:::::::::::::::::::::::＼￣｀
　　 ヽ',ﾍ.',}　　 ､　　 　,　{:::::::::::::::::::::::::::::＼
　　 　r-, ',　　　ヾ　　/ __;:::::::::::::::::::::::::::::::::::}
　　　/　`､l　　　　　,ィ´　i:::::::::::::::::::::::::::::::::,'__,､
　　　　　 才　 r､ ´ 　 　 l::::＼::::::::::::::::::::::ﾉ:::::::::ヽ
　　　　／　',　/　ヽ.　　　|:::::::::＼:::::::::::／::::::::::::::::｀ ､
　　 ／ﾐγ ｀V彡"´', 　　{:::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::` 、
　　　 　 {　.,　}ミ､　 ヽ／ ;::::::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ ＜
　　　　,,'ﾄ __ノ' , ﾞミﾐﾑ　　}::::::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ ＜
　　　彡"/! ,.ﾄ、＼　 ﾞミﾑ:::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ ＜
　　　　 / .|　{　＼ ＼ /＼＼::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
　　 　./　 i　 , 　　＼ ＼　ヾ ヽ:::::::::::::::／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∨
　　　/ ◯ {　{　　 　/ ｀ー ﾆ, _ノ:::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __　　　----　 __
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 _／: :⌒: : : "´: : : : : : : ､
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　　　　　　　　　　　 　 　 ／: : : : -ﾍ: ::/⌒＼ : : : : : ＼: : : :.
　　　　　　　　　　　　　　ｉ: : : : /: : /{:/⌒＼: :＼: :＼: : ＼: : '，
　　　　　　　　　　　　　　|: : : /: ::/: ﾊVﾊ: : : ､: : /,: ∧＼∧: :.
　　　　　　　　　　　　　　|: : / : / {/""ﾞﾞ}: {: : : ＼: V/∧//ﾊ: :.
　　　　　　　　　　　　　　{/::': : :': :{　 　 }: :､: : : : :＼V/ﾊ: : :}: :ｉ
　　　　　　　　　　　　　　{/:ｉ: : :i: 八⌒八 : {＼⌒: }⌒: : }: : }: :|
　　　 　 　 　 　 　 　 　 /: :{: : :{: iｨぅ灯^ ヽ{　灯うぅ: :} : }: : }: :|　　　　　　　　あ、あの、間先生？
　　　　　　　　　　　　　 ': : 八: :Ⅳ､Vツ　　　　乂ツⅥ: :,＾Ｙ : :|
　　　　　　　　　　　　　: : : i: ::＼乂:.:.　　,　　　 .:.:.:.ノ : /ノ: :∨　　　　　　　　 そないな冗談は……えぇーっと。ちょいと困るなぁ。
　　　　　　　　　　　　　ｉ: l: {: {: ::込 u　 　 　 　 　 ⌒7ｲ:/: ＼{
　　　　　　　　　　　　　|:八{: {:､: :.:}: ::.. 　 r__，　 ..: : :/V: :. : ::}　　　　　　　　　 私かて、そないに弄ぶ、なんてなぁ。ねぇ、やる夫君。
　　　　　　　　　　　　　|'　 {:八{＼}: : i :::.. __　イ　. :/　 }/: : 八__
　　　　　　　　　　　　　　 八／ﾆ7: : ﾉ: ／/ﾊ 　 . :' 　 /: : :'ニﾆ=- _
　　　　　　　　　　　　　　　r{ﾆﾆ,:.:: :/／　　/ 〉 rく　　 ': ::ﾊニニニﾆ=-_
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　　　　　　　　　　　 　 　 八ﾆﾆ／/ ／ У 　 　 〉 　 ∨.:.:.:.:Vニ'-=ﾆニﾆ}
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一方、間の方は完全に状況を理解しているようで、にやりと口の端を吊り上げ、
こちらをあからさまにからかってきた。

悲しいが、否定はできない。自分とはやての関係は、こと男女の関係としては、
いつもすれ違いの一方通行だったからだ。

反論もせずに唸っていると、はやてがたどたどしく口を挟んできた。
いつもなら笑い飛ばされるところなのだが。

表情も見慣れぬものだった。
困っているようではあるが、嫌悪の色は欠片も見えない。
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4982： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/03(火) 20:47:46 ID:Rw0U8MEo0


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　　　 　 　 |　　八{　|｜　@　　＼ jﾉ‐'′＼　_X＾　二ア　　 @　　 　 　 川　　　　　　　　――ッ！？
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~""'''　‐-..,,　　　　　　　', 　i　 i　i 　　/／: : 　 i ｷj／ 　 . / ;; ;;;;;;;; ;;;;;;;/ミ ;';;
三三ﾐﾐ　 j　　　　　　　　', ..i　 ', .i　: : : : : : :　　i　ｷ　 　 /;; ;; ;;;;;;; ;;;;;;/三;';;　　　　　　　　　　　　……
三三ﾐﾐ　.'　　　　　　　　　', i　　',i　;,;,;,;,;,;,;,;,;　　i　キ　 /;;; ;;; ;;;;;; ;;;;;;/三,;';　　　` ､
三三ﾐ　 i　　　　　　　　　　　　　　'ﾐﾐ;:;:;:;:;:;';';';';''　 キ /;;;;　;;; ;;;;;;;;;／三三三　 　　` ､
三三ﾘ　i'　　　　　　　 ,,　　　　　　　＿　　　　　　 , ;';;;;;　　　;;;／三三三三三
三三ﾘ　i'　　　　　　　　""'''　‐- ．..,,　___,.　　 　,;';';;;;／　　　　　　　　　三三　　ニコリ
三三　 i' ＼　　　　　　　　　,,,,,,,,,,,,,,,,,,　　　 　 ｨ午　　　''
三三　.i'　　.＼ 　　　　　　　　　　　　 　 　 ｨ午三三三三三三
三三　 i　　　　＼　　　　　　.　　　　　 　ィ午三三三三三三
三三　 i"'''- ._　　　 ､　　　　　.　　　／ i三三三三三三　　　　　　三三㌣
三三 　i__,,...　　"'''　　　""'''‐-　.. ／ 　 i三三三三三三三　　　　三㌣''三
三三;　i　　　~""'''　"'''- ．._ , '"__,,.. 　'''""~　　"'　及ヱ三三三三㌣三三三三
三三;,　i_,.．-'''"'''- ．._ヾ　ｷ y三ﾘ　　__,,.. ．-‐　'''- ．._　`㌧三三㌣ 三三三三三三

4983： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/03(火) 20:58:00 ID:Rw0U8MEo0

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　l　|　./　i　　 　.| .|::::i::::|::::::::::::::ハ::::::ゝ､,,　　　　　／ィ::::::i/ ﾉ /::::
　　 V |　 |　 i　　l　l:::|::::|:::::::::::::|　 ﾄ:::ミヾ＼-　　　　ノ:::/:::レ /::::::
　　　V 　 |　ﾊ　　　i::ﾊ::::ﾄ::::::i::::|　　} ＼ _　,ヽ´　　-イ/:::ヒ /:::::::::::....　　　ノ　　　　　行こうか、牧瀬君。
　　　 V　 i./i　　i　 ヾ V:::::::::ﾊ:::|　　i　　｀　　.,ヾ　　ノ イ レ::::::::::::::::::::::::::::／./
　　　　ヾ .ﾚ l　ヽヽ　 V入:::::|　ヾ　　l　　　　　　 ',　´　 ﾉイ:::::::ヾ::::::::::::::彡／　　　　　……いかんな、俺も少し、歳をとったということらしい。
　 ＿＿_.>､ヽハ　　ヽノ　 ヾ::ゞ　　　 ヽ　　 _ノ　　ヽ　./人:::::＼:::＼::::::::イ:::ﾉ
／::::::::::::::::::￣￣｀' ､＼＼.∧:ヾ､　ー - '' ´_　　　　 V i:::::::::＼::::＞::＿＿ノ　　　　　　邪魔したな、坊主。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､ヾ　＼ゝ≧　　ー''´　　　 　/ 斗:::i::::::::ミ≧ﾆ=-
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾハレミ　　　　　　　　／ イ::::::ﾊ:::廴:::::ニ＝-＼
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミ､＞､　　　　　 ／　　/:::::人　＼￣:::::::::::::::::::＼
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　　　　　　　　|:.:.:|:.:.|人:.:.､_:;:;　｀　　　　　 　 ／:/:.:.|　)ﾉ|:.:.:.:.:.: ＼　　　　　　　　あぁいや、ちゃうんやで、やる夫君。
　　　　　　　　|:.l:.|:.八|:.:.{⌒　　　　　　 　 ／:/:/:.|:.:|／八:.:.:.＼:.:.: ヽ
　　　　　　　　|人 :.:.: | 八 U　 　 '　 ヽ 　{( /:/: ﾉ:八:.:.:.:.:.＼:.:. ＼:.:.:｝　　　　　　 君のことを蔑ろにしてるわけとちゃうんよ。
　　　　　 　 　 |:.:.＼:.:|　|:.＼ 　 　 　 　 　 /:/／＞‐- ミ:.:.:.: ＼:.:. ＼
　　　　　 　 　 |:|:.:.: | 　 |:.:.:|:|:....　 　 　 __/:/ ／　　　 　 Υ:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　　　　　ただ、私たちって、そういう……
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　　　　　 　 　 |/　　 　__｣　||__/_-二二二二-_　　 　 　 　 ∨/:.: /
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　　　　　　　　/-=二二二=| |-=二二二二二二-_　　 　 ／＿＿　 ＼

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表情を二転三転させると、何かを悟った様子で、間はにこりと微笑んだ。
今まで見たことないような、安らかで優しい笑顔で、自分もはやても
二人して面食らった。

壮絶な勘違いをされてしまっているらしい。
隣の牧瀬ですら「あの女版天然ジゴロかつ朴念仁のはやてさんが……」と
卒倒しかねない勢いの驚愕の表情を浮かべていた。
クールな彼女があんぐりと口を開け、遅れて手でふさいだ辺り、
余程のことなのだろう。
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4984：安価のやる夫だお：2022/05/03(火) 21:03:55 ID:YqykbwpE0
昔とはいろいろ変わったもんなぁ
体張ったし

4985： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/03(火) 21:10:17 ID:Rw0U8MEo0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.. -‐::::::::::::::‐-:.、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.ｲ::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 .'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 !::::::::|､:,::::::::::!:::!;'ヾ:|::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 :::::::::i,.=-ｒヾ:ﾄﾂ'灯i`:::i}::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |::::从 `¨　 ｀ 　 　j!:::;':::::|　　　　　　　　あー、まー、ほんと悪かったわね。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::ﾍ　　 ＿, 　.ﾉ|::::/.::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l:::::::::::::＞．__. イ-;:::;'.:::::}　　　　　　　　 さ、業務を始めましょうか、先生。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,:::::::::::::::ﾉ´/Yヾ´ j/ .::::::|:､
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /:::::::>>7　∧.| 入 'i!｀|:::::;!:::.,　　　　　　　 「ベッド、汚すんじゃないぞー」
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 {:r"´ 　レ'´ヾ'-'､/ヾ　|:::::!｀ヾ,､
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 「｀ ､.　　　　 ‘r:r'　　　ヾ::{ /´　',　　　　　　あーもう、すぐそういうこと言う！
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 _」　　ヽ!　　　　l::l　「￣￣i::i 　　 {
　　　　　　　　　　　　　　　　{　　 ヽ i'　 　 　 l:::!　!　 　 j:i! 　 ｀ヾ
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 }^ｰ-､__j､　　 　 l:::|　 ｀　´ /　,..ィ彡､
　　　　　　　　　　　　　　　 / ｀¨¨"'i´ i　 . 　 l::::!　　 　 ﾊ彡'ﾞ´ 　{
　　　　　　　　　　　　　 　 ,'　 　 　 / :| 　___ .|::::| 　 ＿ {,ﾍ　　　　､
　　　　　　　　　　　　　　 ,　　　ー‐''"￣／ヽ|::::;!＜＼　`ｰ・､　　　'､
　　　　　　　　 　 　 　 　 |　　　　　　　/　／｀Y,｀ヽヾ |　　　 ｀- 　　 !
　　　　　　　　　　　　　　 !　　　　,. --'ヽ'ﾞヽ　{/}　.|,.以‐t､　 　 　 　 }
　　　　　　　　　　　　　　 ヽ ‐ｧ"´　/ﾉ　　圦､乂/ﾉ　　　!/｀iｰ-=.,__ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　/　　 / )-ｭ．...__`'¨`´ 　　　Ｖ/ﾊ 　　|
　　　　　　　　　　　　　　　 /　　 /::/:-L!..＿|￣￣|￣「!ー!/,ﾊ　　|

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牧瀬と間は顔を突き合わせると、タイミングよく頷き合い、
そそくさとカーテンを閉めて去って行ってしまった。

実際、最初とは違って忙しい身の上なのだろう。
戦闘での負傷者に加え、慣れない潜水艦の中での缶詰生活で体調を崩す
人もいれば、元からの病人もいる。
とはいっても、コロニー襲撃時に逃げてこられたのは
圧倒的に自力で生活できる人間がほとんどで、完全な病人は少ない。
多くは逃避行が始まってからの病人だ。
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4986： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/03(火) 21:21:36 ID:Rw0U8MEo0

　 　 　 　 　　　＿＿＿_
　 　 　 　　　／⌒　　⌒＼
　 　 　　　／（ ―） 　（―）＼　　　　　　　「……何嬉しそうにしとんねん」
　 　 　 ／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　いや、まあ、別に……
＿＿（　⌒-ｨ⌒ヽ、 　 /⌒` '⌒　）＿＿
　　　　 `ー-ゝィｿﾉー‐ヾy＿ﾉー"

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「あっちゃー」と呻きつつ頭を抑えるはやてに、恨めしそうに軽く睨まれる。
本当に、あれから彼女との関係も大きく変わった。
ここまできたら最早ただ意中の女性というだけでは語れない。

無意識に頬を緩めていた自分を見て、怒るのもバカらしくなったのか、
はやては溜息を吐くと肩を落とした。

「しっかし……やること、あらへんなぁ。ネクスト戦役の頃を思い出すわ。
いや、あん時より酷いかもしらんな。消耗させるわけにいかんから
シミュレーターで訓練もできへんし、なんか娯楽があるわけともちゃう」
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4987： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/03(火) 21:31:38 ID:Rw0U8MEo0

　　　　. . ＜: : : : : : : : : : ≧: : .
.　 , : : :_:_: : : : : : : : : : : : : : : : : : ＞ 、
　,: : : : : : Y´: : : : : : : : : : : : :丶: : : : :＼
./: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ: : : ヾ:.、
: : : : : / : : : : : : : : : : : : : : : : : ; : : : ; : :ﾊ
: : : : /: : : : : :/;_:_:;: : :/: : : : : : :∨: : ∨: :!
: : : ::{: : : : : : {´｀´｀∨: : : : : : : : ∨≪∨:{
: : : ::|: : : : : : | _,．--}:-:、 : : : :; -:∨≪Ⅵ　　　　　　　実を言うとなぁ、私、なのはちゃんにCDCからつまみ出されてもうたんや。
: l : {:!: : : : : : !´　　__l! ∨:|ﾍ : }从: }: : : |ﾘ
: |:l:从: {:-: : ::ﾄz====㍉,　　 }/__,ﾑ:| }: : |　　　　　　　　「やる夫君の傍にいてあげて」っちうてな。
: |:|: : {｀ヽ ∨:!ゞ辷:ノ　　　 （ ´¨´八.!::从
: |:|: : ｀ヾ_- ., 　　　　　　　　,　　 .: : : ト 、　　　　　　　 ……まぁ、自分の意思によるところが大きいで？
: |:|: : ∨: 〉く: 、　　　　 __ .,　　.ィヘ:_:_、｀ヽ
::介∧ ∨{　 Y: ＞、 　 ￣ ＜: :{ ゝ_ィ^ヽ.　　　　　　　　だからどうこう、ちうわけでもあらへんけどな。
:{ .l: :∧ ∨:＼）: }ヾ:、/￣_Y二ﾆrｆ´｀ ｀　　、
:| .|:∧　＼{~ ‐}:l:!　 >‐ミ {_|＿　{ﾉ^ヽ　　 　 、__　　　　　……ほんまやで？
ゝ/　∧　　　　 |ﾊ./三三∨￣ ｀ヽ. ハ　　 　〉:::::Y
_/　/ ∧　　　 /　}!ゞ三三≧--=ﾆﾆﾆ{ト-::イ:::::::::!
.　　 /　 ＼.　/　 .!::::::＞:..寸二〉::::>:::::｀ヽ:::::::::::::::|
,-=ミ　　 　.У＿.」::::::::::::::::＞<::::::＼:::Y::::::::;::::::;ノ{
　　　｀ヽ　 {　　　.|:::::::-＜::::::::}::::＞::Ⅵ:::::::::::Y:::::::l、
　　　　　　 l! 　　 !::::::{:::::::::::::└::―:-Y::o::::::::}::::::::|::＼
　　　　　　 l!　　 ム::∧::::::::::::::::::::::::::::｀::、::::::|:::_:::_::_:::::
　　　　　　 l!　イ::::::::::::::＼::_:_::::::::::::::,::-::‐'::´:::::::::::::::ト、

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はやてが必死に何かを否定しているが、うまく伝わってこない。
首をひねっていると、「分からへんならかまへんわ」と苦笑されてしまった。

しかし、彼女の言う通り、やれることが少ない。
強いて言うなら、今の自分の務めは、いたずらに消耗しないこと。
この一言に尽きる。

ネクストを動かすキーとして、いつでも万全の状態を保つことこそが最優先だ。
しかし、そのマーシフルも修復中で動かせない。
身体の方も、正直そこまで重要ではない。
ネクストを動かすのに必要なのは脳だからだ。

普段であれば訓練をするなり、何かしら息抜きをするものだが、
この状況ではそういったものも乏しい。

逆を言えば、今はとにかく自由だということだ。
気になるものがあるなら、見に行ってもいいだろう。

「どっか行くっちうんなら、私もついてくで？」

はやてがさも当たり前のことのように告げてくる。
一緒に居るのが当然とも聞こえてくるような口調が、素直に嬉しい。

下↓1　しかし、どうしようか？
1．ノーマル隊隊長の様子を見に行こう
2．間たちが忙しそうにしているのが気になる。何だったら手伝おう
3．アルトリアは大丈夫なのだろうか？　様子を見に行こう
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〜Tips〜
. ＿＿
_|。。::::|__　　　　1はほのぼの、2はシリアス時々ほのぼの、3はシリアスって感じだ。
ｉ::ﾞ==-/::ｉ
｀|:::::::::|´
　{」{_」

4988：安価のやる夫だお：2022/05/03(火) 21:33:40 ID:0JDixhgc0
３

4989：安価のやる夫だお：2022/05/03(火) 21:48:15 ID:YqykbwpE0
ほかの女のところに行きよった

4990： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/03(火) 21:49:20 ID:Rw0U8MEo0
さて、少し短いけれど、今回はここまでだ。

次回は安価の続きからといこう。

……アルトリアは今作のスレの中でも、なのはに並ぶキーパーソンの内の一人だ。

彼女から語られることは重要なものが多いし、集中力のある時にしっかりと描写したいのもある。

次の投下は明後日、5/5の午後八時からだ。

シーユーアゲイン。

4991：安価のやる夫だお：2022/05/03(火) 21:52:41 ID:em0bpSQc0
乙

4992：安価のやる夫だお：2022/05/03(火) 21:54:41 ID:0JDixhgc0
乙でした

4993： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/05(木) 20:00:46 ID:3qI7CNpo0

　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ　　　　　
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ 　　　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´　　　　　　
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿　　　　　　　　　　
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||　　　　　　　　
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||





　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′　　　　　　アルトリア関連になると安価が活性化するし、惜しむ声も聞こえるが。
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|　　　　　　　　まあ、逃がした魚は大きいっていうしね。
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,　　　　　　　　あの時アルトリアを選んだら選んだで、はやてを惜しむ声が聞こえただろう。
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|　　　　　　　　……うん？　なのはさんを惜しむ声が中々聞こえないね。ｵｶｼｲﾈ
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,　　　　　　　　チミたちリンクスの大好物である妙齢の美人オペレーターなのに……
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘　
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|　　　　　　　　はじめていこっか。
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´

4994：安価のやる夫だお：2022/05/05(木) 20:01:32 ID:CcrMPvGo0
ハロー

4995： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/05(木) 20:03:49 ID:3qI7CNpo0

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼　　　　　アルトリアさんの様子を見に行きたいお。
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　 色々気になるし……純粋に心配だお。
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
間の言葉を思い出し、アルトリアのことが気にかかった。
彼女は今、間の独断で医療区画の一室にいるらしい。

会議でも珍しく間が語気を強め、尋問や戦闘への動員、
そのための説得すら断固として拒否するという状況だった。

つまりは、それだけ危うい状態にあるということだ。

彼女との関係は、言葉にするには少し難しい。
戦友とも言えるだろう。彼女には何度も戦場で助けてもらった。
怪しい輩に騙されそうになっていたところを遮ってくれたことすらある。

そうでなくても、何度か同じ食卓を挟み、バイクの背に乗せてもらったこともある。

恩人の一人であることには変わりない。
状況がどうであれ、心配するのに理由はいらないはずだ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4996： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/05(木) 20:10:45 ID:3qI7CNpo0

　　　　　　　　　　　　　　　 ,........――――....、
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /:..:..:..:..:..:..:..:..::￣＼＼
　　　　　　　　　　　　　厂｀:..:..:..:..:..:..:..:..:＼:..:/Λ＼
　　　　　　　　　 　 　 /:..:: |ｖ､:..:..:..:..:|:..:..:..:∨ / |:..::|
.　　　　　 　 　 　 　 /:..:/:..|　`､ :..:..:.|斗‐|ミ|// l∨|:
　　　　　　 　 　 　 /:..:/:..:イ ⌒|:..::|::|:..|:: L::|/ : lΛ|:|
　　　 　 　 　 　 　 :..:..:..:..|::|ｆ竹うY:|::|::竹うﾞY:..:..|:..::|:|:
　　　　　　　　　　 ::|:..|:..::乂__ Ｖり |ﾉ:..ﾉ ﾋツ ||:..|:..::|:|:|
　　　　　　　 　 　 |:|l::|l::＼ ト- ''' 丶　 　 ''　八 :..:..|:|:|:　　　　　　　　　　おっとと、ちとフラフラしとんね。
　　　　　　　 　 　 |八|＼:トミ人　 ゝ　 ′イ|:..|::|:..::|:|八
　　　　　　 　 　 　 　 　 ﾉ八::厂 ＞　　-Λ:|:..|::|:..::|‐→　　　　　　　　　　「ご、ごめん」
　　　　　　 　 　 　 　 　 ｲ|:::/Λ ィ｛___ /　 八|::|:..::|／ Λ
　　　　　　　　　　　　　　l:|::′　} |__／ |　|　 ﾉ人:..|　 / Λ　　　　　　　　ええよ。コックピットに磔にされて、その後は寝たきりやったし。
　　　　　　 　 　 　 　 ＿八|　／へ＼　|　|　　 　 ＼　 / 人
　　　　　　　　　　 ／⌒７　 / |;;;;;ﾉ　／|　|　 　 /　　　　￣｀　　　　　　　　ほれ、しっかり捕まり？
　 　 　 　 　 　 　 {／＼__／| /:..:|／:＼＼＼　｜　／　＿_　 ＼
　 　 　 　 　 　 　 :: :: :: ::|:: : |'⌒7:: :: ／: : ＼＼Ｌ (＞'´|:::::::＼　|
　　　　　　　　　 人:: :: :: ＼::∨/:: ／:: :: :: :: :: Ｔ /Λ:: :..＼::::::::|/
　　 　 　 　 　 　 /::＼:..: ＞:⌒i:: ::⌒＼:..:..:..:..:ﾉ///Λ:: :: :: ￣＼
　　　　　　　　　/:: :: ::厂 :: : c::|:: :: :: :: :: :: :厂/////Λ／:: :: :: ::|
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╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
はやても首を縦に振って快諾してくれた。
そうと決まれば、間に病室の場所を聞いて足を運ぼう。

立ち上がろうとすると、身体に上手く力が入らずふらついてしまった。

咄嗟に倒れ込みそうになった方向にはやてが身体を滑り込ませ、
両手で受け止めてくれた。

少しだけ重たそうに顔を顰めたものの、自身を杖にするようにして立たせてくれる。

恥ずかしさと罪悪感で頭が一杯になり、
何とか足に力を込めて自分で立つと、安堵と喜びが入り交じった穏やかな笑顔を
向けてくる。

身体は鈍く重かったが、気持ちは軽かった。
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4997： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/05(木) 20:10:55 ID:3qI7CNpo0

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4998： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/05(木) 20:22:28 ID:3qI7CNpo0

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　　　　　　{　　 　 / .|　　 　 { 　 |::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::/ｉ::::::::::::::::::::::／}::::::::::／∨:::::::::::
　　　　　　|　 　 ./　 |　　 　 | 　 |::::::::::::|:::::::::::::::::::::::/ .}::::::::::::::::／／/::::／.: : :.}::::::::::::
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　　　　　　|　　{ 　 ｉ .|　　 　 | 　 |::::::::::::|:::::::::::::::::/　/:::::::／／: : :./´.: : : :. :. :./::::::::::::
　　　　　./|　　ﾄ､　|∧　　　 |　　|::::::::::::|::::::::::::::/　イ:::::/: :ィ´厂厂￣｀ヽ : : /:::::::::::::::
　　　 　 { .|　　|　＼ ∧.　　│　 |::::::::::::|:::::::::::/／: :{:::/芹云芯示　　 /: : :/::::／}::::::::　　　　　　まぁ、おまえには教えてもいいか。
　　　 　 | .|　芹云≧ミﾍ　　.|　　|::::::::::::|::::::::/´: : : :|/　 辷 心ツ　 ／ : : /／: :/::::::::::
　　　 　 |　＼ {辷心ツ　∨ .| 　 ∨∧:::|＼/: : : : : :{　｀￣￣￣￣´ : : ／´: : :/::／∨　　　　　　 だが、妙な真似をしたら次から面会謝絶だ。
　　　 　 |　　 ＼─── へ {.　　 ∨∧|　.{: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ／ ´: : /:.
　　　 　 |　　　　　　 　 　 　 ＼ヽ　　 ∧　　＼/.: : : : : : : : : : : : : : :. :. :.／: : : : :./.:.:.　　　　　　　八神君、しっかり見張っていてくれよ。
＼　　　 |　　　　　　　　　　　　　| ＼　.∧　　/⌒＼/ : : : : : : : : : : : ／: : : : : : /.:. .:.
　 .＼　 .|　　　　　　　　　　　　　|　　＼ ∧　　　　/⌒＼/.: : : : : : : : : : : :. :. :./.: :: ::.
　　　 ＼|　　　　　　　　　　　　　| 　 　 .＼{　　 　 　 　 /⌒＼/: : : : : : : : : : : : : : : :.
　　　　 ∧　　　　　　　　　 　 　 |　　 　 　 ＼　　 　 　 　 　 /⌒＼/.: : : : : : : : :. :. :.
　　　 　 .∧　 　 　 　 　 　 　 　 {　　　　　　　　　　　　　　　　　　/＼/: : : : : : : : : :

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
間から電話越しに手酷く釘を刺されつつ、教えてもらったその病室は、
存外に自分がいた病室からは離れていなかった。

いや、それほど意外でもないかもしれない。
唯一戦えるリンクスを入れている病室も重要な場所だろう。
大事なものは一点に集めておいた方が守りやすい。

実際、自分の病室の前にも、彼女の病室の前にも、警護のために
自動小銃を携え防弾チェストを着込んだ男が二人も仁王立ちしていた。

彼らに会釈し、事情を説明して中に入れてもらう。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

4999： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/05(木) 20:31:05 ID:3qI7CNpo0

　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　.|　　　　r==,、　　　∥∥_/_/_/_/_/_/　./
　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　　　　　　 .|　　　　｀＝´　　　∥∥_/_/_/_/_/_/ ./
　　　　　　　──────‐ヽ──────‐.|──────‐∥──────/───
　　　　　　　＼　　　　　　　　　ヽ　　 ＿＿＿＿_|＿＿＿＿＿＿.∥＿＿＿＿＿__/＿__
　　　　　　　　 ＼＿＿＿＿＿__ヽr'´￣￣￣￣''T￣￣￣￣￣'''∥￣￣￣￣￣'７￣￣｀ヾヽ
　　　　　　　￣//二二二二二二｀li─────|─────‐∥─────/───ｎi⌒l
　　　　　　　　ヾヽ ヽ￣￣￣￣｀ヽ il　　　　　　　|　　　　　　　φ　　　　　　　/　　　　n「i .|　 i
　　　　　　　──ヾ-ヽ────‐ヽil────‐|────‐∥────‐/──nl^| i!.| .|　.|
　　　　　　　、＿＿_ヽ ヽ＿＿＿＿.',i!＿＿＿＿_|＿＿＿＿.∥＿＿＿＿/＿＿__.|.| .| | | .|　.|
　　　　　　　ヽ,　　　 l^l^h、,,,,,,,,,,,,,,,,,,i^h　　　　　 .|　　　　　 ∥　　　　　 /,,,,,,,,,,,,_／|.| .| |.| .|　.|
　　　　　　　＿_ヽ＿∥i |.ト|:::|　　|::::| l|＿＿＿＿|＿＿＿_∥＿＿＿_/li三三三.|　.|| ..| || .|　.|
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　　　　　　　　　　　il　.l |l .l:::l　　i::::|　.|::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:: : : :: :　　 :.:.:.:.:.:.:.|::|l::::::::::::::::l　.|| ..| |l .|　 |
　　　　　　　三三ﾆij　l .|iﾆl:::l　　l:::i　 .|三三三三三三三三三三三三l::|i::::::::::::::::l　|i　.| |i .|　 |
　　　　　　　三三ﾆij　l .|ﾆl:::i　　.l:::l　. |三三三三三三三三三三三三l::|l::::::::::::::::i ..|l　.| |l　i　.|
　　　　　　　　　　 ij　.| .| ,l:::i　　.l:::l　　|::::::: : : : : :: : : :::: : :　　　::::: :: : ::l::|i::::::::::::::::l ..|i　.i |l　.|　|
　　　　　　　　 　 .il　.|　| |::::|　　l:::i　　|:::::::::::.:.:.:.:.:.:.:: : : :: :　　　: : : ::::::.|::|i:::::::::::::::::i .|l　.| |i　.|　|

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
病室内部の姿かたちは見慣れたもので、大差はなかった。
ただ、その奥に、大量の計器に繋がれた少女の姿が見えた時、
息が詰まる感覚がした。

厳密に言えば、彼女は少女という歳ではない。
コジマ汚染による染色体異常で、肉体の成長に異常をきたしているという話だ。

患者衣に着替えさせられ、静かに横たわるアルトリアの姿を見たとき、
今までの彼女の気丈な姿が消し飛んだ。
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5000： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/05(木) 20:35:56 ID:3qI7CNpo0

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　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ハ : : : : : :'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｉ: : : : :| :│: : : : : : : : : : / : : :|: : : : : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | : : i: :|: ∧:| : : : : :│: / :/: :│ : : |: :│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | : : i: :|/￣八 : : : : | /| ∧|: : : : : ﾘ: : ;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | : : ｉ:.:f匁亦ﾄ : : : :イ:／￣|: : : :|i/: : ,ﾞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | : : i: i|　 ¨ 　 }＼V/匁亦ｱｉ : : ｉ|Y: :′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | : : i: i:ゝ　　　　　　　　¨　|:ｉ : : ｉリ ;ﾞ　　　　　　　　あら、こっちに来たのね。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | i : ｉ 圦　　　丶　　 　 　 :|:ｉ.: .:ｉ|: : i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | i : i: |:: ＼　　 - 、 　 　 .:|:ｉ : ｉｉ|: : |　　　　　　　　 「牧瀬さん」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | i:ｉ:.i: | ::::::: >　　　 　. イ ::i ｉ : ﾘｊ: : |
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾘ i.|i:i: |:::::::/　 ｀ァ≦　 ∧//: : : j: : |　　　　　　　　　……ま、気になるわよね。
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,ﾞ : 八: : :::/　　 　 　》=1| i/: : /: :i: : |
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /: :/: : : :∨　 　 　 // O||/:/ /i: : i: : |
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /: :厶| : ∧|＼　　　 ∧￣||:/ : : i: : i: : |
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ∠二　八: :＼.　 ＼_/∧ ∨ 》ｲ| : :トミｉ :│
　　　　　　　　　　　　　　　 ／／　　　　＼: :＼　 ∨ ｀＼∨ 八.: :∨ ＼|
　　　　　　　 　 　 　 　 　 /⌒丶.　　 　 　 ＼｢　　　　-=〈⌒〉∧: : :. 　∧
　　　　　　　　　　　　　　/|　　　　　　　　　　　　　　 　 ___〉〈ｰ=ﾍ: : :∨　|
　　 　 　 　 　 　 　 　 rく:_|　　　　∨　　　　　　　　　 　 _;　 |　　 ＼ :∨ |_
　　　　　　　　 　 　 _,人 　＼ 　 　 ∨/　　　　　 　 　 　 |　 |　　　　＼:.∧＼
　　　　 　 　 　 　 〃　　＼　 ＼　　 ∨/,　 ／　　　　 　 |　 |　l二二二)∨ /｝
　　　　 　 　 　 　 {{　 　 　 　 　 ＼　　〉 ／　　　　　　　 |　 |　 　 　 /∧:∨〈
　　　　　　　　　　∧　　＼　　　　　＼［　　 　 　 　 　 　 |　 | ｝ 　 　 /　｝ |:　＼
　　　　　　　　　 /: ｛＼二ﾆ=--=ミ　　∨　　　　　　　　　|　 リ　　　　　人:|　　丿

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はやてと二人して、どう反応していいかも分からずに硬直していると、
遅れて入ってきた牧瀬に後ろから声をかけられた。

自分たちと違って、さすがに手馴れているのか、それとも感覚がマヒしているのか。
眉ひとつ動かさず、淡々とした様子で眠るアルトリアの傍に近づいていくと、
何やら計器の内の一つの操作盤をいじり始めた。

こちらには視線もくれず、彼女は話を続ける。
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5001： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/05(木) 20:46:18 ID:3qI7CNpo0

: : : : : : : : : : : : : : : : :|: : : : :ｲ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |: : : : : : : : : :l
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: : : : : : : : : : : : : : : : :ﾚ' /＿_ V∧: :ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : :! : : : : : : /: ′
: : : : : : : : : : : : : : : : :|:/　　-- V∧: :', V: : : : : : : : : : : : : : :/ : : : : :イ : ′
i: : : : : : : : : : : : : : : : kr─ テ示ﾍK不:', V: : : : : : : : : : : : :/ : : :／ : : : ′
|: : : : : : : : : : : : : : : : ﾄ,っら些zノヽ', ヽ:!　＼:＼: : : : : : : / : イ/ : : : : :′　　　　　酷いものよ。コジマ汚染患者に出る症状は網羅してる。
.';: : : : : : : : : : : : : : : :|　　´´　｀｀　　ヽﾘ 　　＼:i＼: : : :/' ´　/ : : : : : ′
∧ : : : : : : : : : : : : : : l　　　　　　　　　　 　 　 ヽ ハ: :/　　 /: : : : : : ハ　　　　　　本人のコジマ汚染耐性が高いせいか、死ぬに死ねない。
.ハ: : : : : : : : : : : : : : :l　　　　　　　　　　　　　　 ′ﾚ'　　　': : : : : : : ′ヽ
　 '; : : : : : : : : : : : : : :|　　　　　　　　　 　 　 　 j　 　 　 ｲ: : : : : : : :′　 |　　　　　 視覚障害、色素消失に片目の失明に……
　　: : : : : : : : : : : : : : |　　　　　　　　　　　　　 ´　　 ／: |: : : : : : : ′　 /
.　　;: : : : : : : : : : : : :|:|　　　　　　　　 　 _,　 　 　 ／: : : :!: : : : : : :′　/　　　　　　　数えればキリがないわ。
..　　; : : : : : : : : : : : :|:|､　　　　　　 ´￣　　　　イ |: : : : : !: : : : : :.′　′
...　　i : : : : : : : : : : : |:|　＞　　　　　　　　　 ´　　 ! : : : : |: : : : : ′ /
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　　　　　　　　　　　　　　 _ ..． -‐‐---　．.
　　　　　　　　　　　 .｡: :´:／ : : : : : : : : : ヽ:｀丶、
　　　　　　　　　 ／ : : : /: : : : : : : : : : : : : :ﾟ.: : : ＼
　　　　　　　　, ': : : : : : : /: : : : : : : :|: : : : : : : : : : : ヽ
　 　 　 　 　 / : : : : : : : ,': : : : : : l: : |: : : :i : : : : : : : : ﾍ
　　　　　　 /: : : !: : : : : l: : |: : : : |: : |: : : :|: : : : : : : : ﾟ.:‘.
　 　 　 　 ,′: : :|: : : : : |: : |: : : : |: : |: : : :|: : : : : : : : :|: :i
　　　　　 . :|: : : :ﾟ, : : : : |: : ﾟ, : : : |: : |: : : :ﾄ: : : : ｉ : : : |: :ﾟ.
　　　　　: : |: : : : ﾟ,: : : : |.: : :ﾄ. : : |: :,': : : : :ﾄ､ : : i : : : |: : i.
　　　　　| i:{ﾍ: : : :‘,: : : l: : :ﾘ.ﾑ.　!: : : : : : :|ﾟ¨Ｙ: :i: : : :|: : :i　　　　　　　　間先生も、珍しく怒りに怒り狂ってたわよ。
　　　　　| |:ﾍ:ヽ: : : ﾟ:: : :|: :/´_..ﾑｉ| : : : : : : |｝ｉ:|: : !: : : |: : :|
　　　　　{:乂:} : ヽ: : :ﾟ, ::∨ '爪等| : : : : : : ト ﾉ : : : : : !: : :l　　　　　　　　「こんな患者をここまで放置した医者はどこのどいつだ」って。
　　 　 　 ｀ヽﾍ.: : :ヽ.: : : :ﾄ、　 　 | : : : : : : |彳: : : : :.:.:.: : :‘.
　　　　　　 ゝ､ﾟ.|､､{ゝ､: : !　　　　|: : : : : : ::! |: :ｲ: : :l:.:.:.: : ハ　　　　　　　 ……もっともだわ。
　 　 　 　 　 |ﾊﾘ l!`　 ヽﾘ＿　　｜: : : : : :,' //_j : : |:.:.:.|: ,' : ﾟ.
　 　 　 　 　 |: ﾞﾄ、　　〃ﾞ＼　_ . |: : : ,' : ﾑｬ ﾄ､| : : |:.:.:.|:,': : :‘.
　　　　 　 　 |: :{. 〉.,　{ﾍ　 ﾊ:＞.､ﾟ.: :/ィ: | {{ ﾘ /: :,'.:|ヽ,'∧: : : ﾟ.
　　　　　　　 |:|ヽ{{ |　＿　|:.:〉:ﾊ::f∨!:i.!: |. ゞ,:': : : : :!-{.:ﾄ､: : : :‘.
.　　　　 　 　 ﾘ　γ´.....．ミ〃、|,ヘ.∧从!／:／: : :,′｀ｰ‐＼: : :ﾟ．
　　　　　　　　　 √-‐━‐-ミ7ﾘ:::::::::入≠　.ｨ/: : /　　　 　 __ヽ: :ﾟ．
　　　　　　　　　/:　:　:　:　:　{.,L.::／／ﾏx:'// : / 　 . -‐ ¨　　 ∨‘.
　　　 　 　 　 Ｙ:　:　:　:　:　／::::/　　 　 `´/:.:./: ／.　　 　 　 　 i : ﾟ.
　　　　　　　　l:　:　:　:　:／:::::::/ﾉ　 　 　 /: :/／／　　＿＿＿　|: : i

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牧瀬の声色は低く重く、暗かった。
それが暗にアルトリアの状況の重さを表してもいた。

医療には明るくないが、そんな人間でも分かる。

アルトリアは、そんな身体のまま、企業連によって戦場に駆り出されていた。
ネクストに載せられて。しかも、機体はコジマ技術の塊だ。

およそ、人道的な待遇とは言えない。
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5002： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/05(木) 20:59:57 ID:3qI7CNpo0

　　　　　　　　　　　　　　＿ r―ｧ-､―- ミ
　　　　　　　　　　　　　/＞''"~"''＜⌒l　　　｀　＜
　　　　　　　　 　 　 　 7／／ヽヽヽﾔ⌒〉　　　　　＼
　　 　 　 　 　 　 　 　ψ／／/ ソﾉ }-〈 　 　 .|　　ヽ ∨
　　　　　　　 　 　 　 r{ゞ、＞''´／ / Y′　　 .|｜　 ﾊ ∨
　　　　　　　　　　 　 }ﾍゞ｀''＜彡‰ソ　 !　!　 !＼ / ｌ| ﾄゝ　　　　　　　……それは誤解というものだ。私とて限界はある。
　　　 　 　 　 　 　 　 V乂三∠⌒)´ !∧|　|　.｣ﾉﾚ' | ﾘ |
　　　　　　　　　　　 　 廴乂＿)ノl l 八（l　ﾍ八ｿ｀ﾒ|/ /　　　　　　　　　そして、それは遠くない。
　　　　　　　　　　　＞''⌒7^Y⌒ ヽ、,人| 　 ﾍ{｀¨乂ﾚ′
　　　　　　 　 　 ／===／｀nﾍ=====＼ilＮ　 | __　/
　　　 　 　 　 　 ＼=／===l.l= ＼===／　|　 |　／
　　　 　 　 　 　 　 ´/====|.!==== <´≧〈从 |´
　 　 　 　 　 　 　 ＿≧s､_ﾉﾊ_==== ﾏﾆﾆゝ-`‐…￢冖ニニアl
　　　　　　　_　＜ﾆ／ﾆ二二Y ￣￣ ニニﾆr'ニニニニ＞''´ =|
　　　　 r＜ニニ／ニニニﾆ/二二二ニニﾆ|ニニニ／二二ニ|-｢ヽ∧
　　　　 ∨=ニニニニニ二/二二ニニニニニニニニニニﾆﾆ上′ﾆﾆ＼
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眠っているとばかり思っていたアルトリアが声を発し、視線を集める。

彼女は仰向けの姿勢で、天井を見つめながら呟いていた。
そのまま、横目で視線だけを寄越してくる。

患者衣で寝転がされていては、いつものような威圧感も覇気もない。
無感情な声色のまま、アルトリアは続ける。

「私としても、この状態は不本意なのだがな。大したこともできなかろうに。
あの医者の男……銃を突き付けてまで、『そこで寝ていろ』と叫ぶものでな」

激昂する間の姿が目に浮かぶ。
彼は医者としてはだいぶストイックな姿勢の持ち主であるようだった。
失礼かもしれないが、正直、やりかねない。
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5003： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/05(木) 21:11:38 ID:3qI7CNpo0

　　　　　　　　　　　　　　 　 　_　-――――-　_　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　∠　　　　　　　　　 　 `　､＿}_
　　　　　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　､　` ､⌒ヽ
　　　　 　 　 　 　 　 ／　　　 　 　 /　　 　 　 　 　 ＼ 　'， /
　　　　　　 　 　 　 /　 　/　　　 　'　　　　　　　　　　 | 　 '/＼
　　　　　　　　　　 '　　　′　　　/ 　 　 　 　 　 |　 　 |　 　､ノ}
　　　　　 　 　 　 ｌ{ 　 / 　{　　 /{　　　{ 　|　 　 |　 　 |￣ア}ノ＼
　　　　　　　　　 八 　|　　',　　ｌ 　、 　{ 　l　、　|　 　 |／　ﾊ___ノ
　　　　　　　　　 　 ＼|'， ∧|　|　　＼_{＼|＼＼|　 　 | 　/ /⌒}
　　　　　　　　　 　 　 | ∨ｬ竿ミ　　　 　 斗竿ミ|　 　 |／ /__ ノ　　　　　　　　　まあ、見ての通りだ。これでは幽閉と変わらん。
　　　　　　　　　 　 　 | ∧ 　Lソ　　　　　　Ｌソ |　 　 |ヽ/⌒＼
　　　　　　　　　 　 　 |　ﾊ　　　　　　　　　　　　|　 　 |ノi:i:i:i:i:i:i:＼　　　　　　　　ヤルオにハヤテ、あなたたちが来てくれてよかった。
　　　　　　　　　 　 　 l 　込、 　'　　　　　 　 　 |　 　 |＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:'，
　　　　　　　　　 　 　 |　 　| ＼　　 r_、　　　　 ,|　 　 |､ｉ:i＼i:i:i:i:i:i:i:}　　　　　　　 無聊の慰めにちょうどいい。
　　　　　　　　　 　 　 |　 　|　　 　、　　　　 　ｲｌ|　 　 '{i＼i:i:）_ｉ:i:／
　　　　　　　 　 　 　 人 　 |　　 　 l｀　‐ 　´ 　 ｌ|　　/i:V⌒i:￣{　　　　　　　　　　 しかし、私に何の用だ？
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ､| 　 　f≧======≦_| 　,'⌒i{i:i:i:i:i厂
　　　　　　　　　　_-=ﾆﾆ=-　__ﾉvﾆﾆﾆOニニﾆ=|／二⌒⌒^
　　　 　 　 　 　 _-=ﾆﾆﾆ／ニニ＼ﾆOﾆﾆﾆﾆﾆノﾆﾆﾆﾆ≧ｧ≦⌒＼
　　　　 　 　 　 _-==ﾆﾆ {ﾆﾆﾆﾆﾆ／＼ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆニ'，
　　　　　　　 　_-=ﾆﾆﾆﾆ〉二二ﾆ＼／二二二ニﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ'，
　　 　 　 　 　 _-=ﾆﾆニ/ﾆﾆﾆﾆニ/二二二ニﾆﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ'，

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アルトリアは不思議そうに訊ねてくるが、かなりの違和感があった。
この場面においては、ほとんどの人が自分を心配して見舞いに来てくれた、
と解釈してもよさそうなものだ。

なのに、彼女にはそういった発想がないらしい。
自分がアルトリアの下を訪れた理由が皆目見当もつかないという様子だ。

さて、どうしたものか。

下↓1　どんな話をしますか？
1．心配して来た経緯を話す
2．コロニー襲撃など、一連の騒動について聞いてみる
3．艦に収容された今、どうするつもりなのか。考えを聞く
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5004：安価のやる夫だお：2022/05/05(木) 21:14:37 ID:sInq6a9o0
1

5005： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/05(木) 21:27:46 ID:3qI7CNpo0

　　　／￣￣￣＼
..　／ ／ 　 　 ＼ ＼　　　　　間先生が、アルトリアさんの状態が良くないみたいなこと、言ってたから。
／　 （●） 　（●）　 ＼
|　　　　（__人__）　　　　|　　　 心配になって来たんだお。はやてさんも、ついてきてくれて。
＼　　　 ｀ ⌒´　 　　／
／ 　 　 　　　　 　 　 ＼





　　　　　　　　　　　　　 -‐━━=ミ
　　　　　　　　　 /⌒:^.: : : : : : : : : ::＞
　　　　　　　_.-=ミ: : : : ＼: : : : : : : : :V: `.
　　 　 　 .ｨ: : : : 7:〉 :∧: : :V: : : : : : :〈/: /〉:.
　　　　 /: : : : : :|/ | : :|:V: : :i : :| : : : : V〉: : ﾊ
.　　　 /: : : : : : :|i　!::斗-V: :|ー|‐|:-|: ::|:|i: : : |i
　　　 ′l: : |i :|i |i_,.ｨﾃﾃﾐ : : |N|ｨテﾐN: |:|i: : : |i
　　　{　｜:::|i :|i |i　 r勿,　|:N　 r勿ﾉ !::|:|5!: : : .　　　　　　　まあ、せやねんけど……私、外した方がええんとちゃうか、これ？
.　 　 　 从::|i: |i |i:　^¨¨　　i　　　 　 」::|:|,ﾉ: ;小:.
.　　　　　　〕: :|i |N」　　　 ,　　、　　.: /|:| : /: : :|i　　　　　　　「構わん、気を遣う必要はない」
　　　　　　　　|i ||:|:i＞　　　　 　 .ｨ :/::」:/〈: : : 八
　　　　　　　　|i ||:|:|///〕ﾆ=-　　 | l: : :/　 V⌒V:＼　　　　　　うーん、まあ、そう言うなら。
　　　　　　　　|i7⌒V|　V寸ﾆﾆ才　!: /　　　＼_,V⌒ :、
. 　 　 　 _　--厶ヘ V　 V /⌒丶　| {　 　 -=ﾐ,V{　　,ハ
　　　　 〈,　　 / 　 　 V　V^V__/^V　|/　/　 　 ＼　/
　　　　/∧　/　　　　 }.　 }i /　Vi{　 」　/　 ______　/　　 __
.　　　 {　　V　 　 　 ,リ,　　}i　　 i{　 }i,　 ／　 　 |ー━=ﾐ」
　 　 r」　　⌒ー‐―(￣￣〉ﾑ　 /| 　i|／　　　　｜　 　 _.」Ｌ
　 　 |⌒ー}　　　　 /　 　 ＼ V　　 /　　＼　 　_|　　ー=ミ__ )
　 　 |　　 ﾉ　　　 ,/　　 　 　 ＼　./　　 f/―‐┐＿__　　　}　＼
　　 ∧__(___　　_/　　　　　　　　＼　　 /　￣￣〉　乙...
　　　　/　　　/八　　　　　　　_ji斗〜'へ　￣￣| 　 」(
　/　 /　　　/￣,.. ．-‐　'''""~ 　 　 　 　 .V　 rﾉ.　　　＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
ここに来た理由など一つしかない。
大恩のある相手が病床に臥せっている時に訪れる理由など、他にないだろう。

正直に話すと、アルトリアは微かに目を見張った。
それからぱちぱちと瞬きを繰り返し、真っ直ぐにこちらを見つめてくる。

「あなたは、変わっているな」

「変わってなんかないですお。これが普通なんですお」

アルトリアがふっと息を漏らす。
硬く冷たい表情が僅かに綻びを見せ、こちらも少し安堵する。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5006： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/05(木) 21:34:21 ID:3qI7CNpo0

　　　　　　　 　 _,.　-ｒ‐､
　　　 　 　 ,∠ ―　,ｒヽ)ﾉ　　 ‐　、
　　 　 　 / 7　‐-,. ( ）'ﾉ　　　　　　　 、
.　　　 　 i　; 　 ,‐!ノ'ノ　 ｀/　 　 ,. -
.　　　 　 '　:,_/〉-,ノ　　 ./　 　 /"　　　　ヽ
.　　　　　ｒ/_.'-‐' 　 ＼ .'　　　/　／　 　 !　､
　　 　 　 `! !.　　　 ､,.ヽ!　　_./／' ,. ｨ　 i　! }
　　　　　　', !　　　 /､ﾉ|　　 .た!ヽヽ/ ノ'　;.ﾉ
　　　　　　　、 、　,ﾍヽ.l 　 l l　　　´　,/,ｲ/　　　　　　　思えばあなたには、随分と面倒をかけさせたな。
　　　　 　 　 V/＞/∧ l　　!l.　　 　 {.'　.l
.　　 　 　 　 _l'/////∧l　　l|　　､　,.ゝ　l　　　　　　　　 奇特な女だと思ったことだろう。
　　　 　 ,ィﾆ二二ニ_＜,.――--＜!　　l.|
　　　　 /二二二二／::::::::::::::::::::::::::::＞､i|　　　　　　　　 「いや、まあ……」
　　　_,./＞''" -=／::::::::::::＿＿:::::::::::::::::/}
― /ﾆｉ.lニニﾆﾆ{::::::-:::￣::::::::::::::::ヽ:::::://　　　　　　　　　だが、今となっては、私もあなたに何を求めることもせん。
::::::i=ﾆ!.!二二ﾆ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::; '
:::::l=ﾆｌ ｌ二二/:::::::::::::::::::::::::::::::;::::::::::;:〉　　　　　　　　　　　ハヤテからあなたを取るような真似をしては酷だからな。
::::lﾆﾆl ｌニﾆ〈::::::::;:ィ二ニ=_､,､::;:::::::jム
::::!ﾆﾆ!.ｌ-=二';:::://:::::::::::;::ﾆ//ヽ::::/ヽ!ﾑ
::::!/ ,イニ=-__ヽ/:::;ィ////////＼ニl.!ﾆ!
::::l'/ニニニニ＜/////////＞!/∧=!l=l
:::::ﾏﾆ二二ニニ!＞_､//／////＞,/｀マ
:::::::ﾏﾆ二二二ﾆﾑ＜///////＞'"////＼､





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　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 _／: :⌒: : : "´: : : : : : : ､
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　　　　　　　　　　　　　　{/::': : :': :{　 　 }: :､: : : : :＼V/ﾊ: : :}: :ｉ　
　　　　　　　　　　　　　　{/:ｉ: : :i: 八⌒八 : {＼⌒: }⌒: : }: : }: :|　　　　　　　　取る、って……
　　　 　 　 　 　 　 　 　 /: :{: : :{: iｨぅ灯^ ヽ{　灯うぅ: :} : }: : }: :|
　　　　　　　　　　　　　 ': : 八: :Ⅳ､Vツ　　　　乂ツⅥ: :,＾Ｙ : :|　　　　　　　　「勘違いしてくれるなよ」
　　　　　　　　　　　　　: : : i: ::＼乂:.:.　　,　　　 .:.:.:.ノ : /ノ: :∨
　　　　　　　　　　　　　ｉ: l: {: {: ::込 u　 　 　 　 　 ⌒7ｲ:/: ＼{
　　　　　　　　　　　　　|:八{: {:､: :.:}: ::.. 　 r__，　 ..: :／V: :. : ::}
　　　　　　　　　　　　　|'　 {:八{＼}: : i :::.. __　イ_／/　 }/: : 八__
　　　　　　　　　　　　　　 八／ﾆ7: : ﾉ: ／/ﾊﾆﾆﾆ/ 　 /: : 'ニﾆ=- _
　　　　　　　　　　　　　　　r{ﾆﾆ,: : :/／　　/〉ﾆrく　　 ': ::ﾊニニニﾆ=-_
　　　　　　　　　　　　　　　{∧ﾆ{乂:/___　 /､ﾆﾆ{⌒＼八(.:.Vニニ／-=∧

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はやてがぴくりと肩を震わせる。
自分とアルトリアを交互に見やり、軽くむくれた表情で詰め寄られる。
怪訝そうな目で説明を求められるが、その説明が難しい。

そもそも、彼女とは男女の関係として何かがあったわけではない。
異性として魅力的に感じていなかった、と言っては、嘘になるが。

名状しがたい罪悪感に苛まれていると、アルトリアが鋭く遮った。
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5007： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/05(木) 21:44:15 ID:3qI7CNpo0

　　/　　　　　　　　　　　　i　　　　　　＼　　　　}　>
　 /　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　.|　／　ﾚﾍ、
　,　　　　　　　　 ヽ　　 i　 .|　　　　　　　|、　/　} ノ
　i　　　　　 .l　　　 i　　.ﾊ. ∧.i　　　　　 .| l /　　|' ﾞ;　　　　　　　　私の時間は、あまり長くなかった。
　|　　　 .|　 i　　　 .| ／! }/　}ﾊ　　　　　.|,ﾉ　/ ./"
　|　.i　　.|　 ﾄ　　　1. ,ﾑ斗:ｒ7 }　　　　　 |　 / ./:.:.:.:.:ヽ　　　　　　　残された時間の中で、嫌気が差していたのだ。
.　i　l　　.|　 「＼　 .ﾊ/ Ｖツ　 ':/　　　　 .|　/ /|.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ
. 八ハ　 ト　|'芯＼{　　´　　　ハ |　　　 ﾊ　/:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:/　　　　　　……私の周りは、何もかもが企業によって仕組まれていた。
.　　{　`:.ハ .ﾄ.}７　　　 　 　　　 }/|　　　.j　ｙ:.:.:.|:.:.:.:.:.:./
　　　　　 | ヾ. :,ヽ　　　　 　 　 /　}　　　ｊ ∩こ)ﾞ,:-イ~　　　　　　　　信念も正義も……縋るべき過去ですらも。
　　　　　 ｌ　　　|＼　 _　-,　　　　ｲ 　.,v⌒／: :ヽ:.:.}　　　　 _____,,
　.　　　　 ｌ　　 .|.　　　､ ´　　　／ﾉ-ﾏ｀／: : : : : :’、_ . : : : : : : : :
　　　　　　丶　 i　　　　　`ｰ ' >r"f ﾞ／: : : : : : : : /: : : : : : : : : : :
　　　　　　　 丶 ，　　　　　　⊂ﾞ_／: : : : : : : : ／: : : : : : : : : : : :
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「あまり詳しく話しても、困らせるだけだろうからな」と言いつつ、
アルトリアはぽつぽつと自分の心情を語りだしてくれた。

だが、その内容はあまりにも複雑で、それでいて言葉が少なかった。
牧瀬も含め、アルトリアの言葉に意識を傾けるも、全容を理解できる気がしなかった。

仕組まれた過去というのは、どういうことなのか。
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5008： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/05(木) 21:49:06 ID:3qI7CNpo0

　　　　　　　　　　　　　　＿ r―ｧ-､―- ミ
　　　　　　　　　　　　　/＞''"~"''＜⌒l　　　｀　＜
　　　　　　　　 　 　 　 7／／ヽヽヽﾔ⌒〉　　　　　＼
　　 　 　 　 　 　 　 　ψ／／/ ソﾉ }-〈 　 　 .|　　ヽ ∨
　　　　　　　 　 　 　 r{ゞ、＞''´／ / Y′　　 .|｜　 ﾊ ∨
　　　　　　　　　　 　 }ﾍゞ｀''＜彡‰ソ　 !　!　 !＼ / ｌ| ﾄゝ
　　　 　 　 　 　 　 　 V乂三∠⌒)´ !∧|　|　.｣ﾉﾚ' | ﾘ |　　　　　　　　　　自分の最期くらいは、誰にも管理されたくなかった。
　　　　　　　　　　　 　 廴乂＿)ノl l 八（l　ﾍ八ｿ｀ﾒ|/ /
　　　　　　　　　　　＞''⌒7^Y⌒ ヽ、,人| 　 ﾍ{｀¨乂ﾚ′　　　　　　　　　　……だから、あなたが欲しかった。
　　　　　　 　 　 ／===／｀nﾍ=====＼ilＮ　 | __　/
　　　 　 　 　 　 ＼=／===l.l= ＼===／　|　 |　／　　　　　　　　　　　　　　あなたが企業に捨てられた者だったからだ。
　　　 　 　 　 　 　 ´/====|.!==== <´≧〈从 |´
　 　 　 　 　 　 　 ＿≧s､_ﾉﾊ_==== ﾏﾆﾆゝ-`‐…￢冖ニニアl　　　　　　　目を見て分かった。私と同じように捨てられ、
　　　　　　　_　＜ﾆ／ﾆ二二Y ￣￣ ニニﾆr'ニニニニ＞''´ =|
　　　　 r＜ニニ／ニニニﾆ/二二二ニニﾆ|ニニニ／二二ニ|-｢ヽ∧　　　他者の都合で死んでいく……そんな存在なのだと。
　　　　 ∨=ニニニニニ二/二二ニニニニニニニニニニﾆﾆ上′ﾆﾆ＼





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ ....　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . 　 ´　　＿ 　 ｀　 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　,.ィ ＞―-｀>‐､- ＼
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　　 r'"／　／　'／ヽﾄ､　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ;　/　/´/　,/　　／､ヽ ',　〉　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, ./　,{　l＿＿_,／　　-‐ !/　;　!
　　　　　　　　　　　　 　 　 　　　ﾉ;　 〃ゝ{ 　 --―　　 彡! 〉 .i　!
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／　V /　廴ヽ、　　 ＝‐ ,.ｲ'"　.!,ﾘ　　　　　　　　　　　……私の腹の中を見せて、ほんの少しでも、
　　　　　　　　　　　　　　　,.　,.イ　ｒ ',　//　i、,.ィマヽ、-イ　l! ; i{
　　　　　　　　　　　　　　　／　,　 '. ヽ 〃／//ｲ'l!ヽ'/ヽ　}.,ﾊﾉ: !',　　　　　　　　　　　理解してくれる人間が欲しかった。
　　　　　　　　　　　　　,. '　　／ / .lヽ ＼マ////l.!'∧/∧/./i　: ヽ、
　　　　　　　　　　　　,　　　　, 　 ,: :　 ﾏゝヽ.///,l !/∧／7'　!　、ゝ　　　　　　　　　　　ほんの少しでも、似たような苦しみを背負っている
　　　　　　　　　　　/,...::::::::..､ 　 ハ!　　ヾ‐=!'//,l=!//,l／ }　l　 ; ,ヽ、,...::::::::::..､
　　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::＼ ＿＿ｒ=＝ !'//,l=|'//,!ﾆ=-､＿＿ ／:::::::::::::::::::＼　　　　人間がよかった。
.　　　 　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ二ﾆﾆ＼ﾆ|_//lﾆ|//,!二／ﾆﾆ二ｌ::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　 　 '::::::::::::::､:::::::::::::::::::::l二ニニﾆ`マニ二ニ＞'ﾆニニニl:::::::::::::::::::::::::::::::::〉
　　　　　 　 　 ':::::::::::::::＼::::::::::::::::!ニニニニニ＞''''＜ニニニニニl:::::::::::::::::::::／::::::'
　　　　　　　　 ,ゝ::::::::::::::::ヽ::::::::::::!二ﾆﾆ＞‐'"二二ニ｀''-＜ﾆニニl::::::::::::::／::::::::::::i
　　　　　　　 　 ;:::::＼::::::::::::::::::::::::!ニ／ﾆニニ二二ニニニﾆ＼ﾆニ!:::::::／::::::::::::::::::;
.　　　　　　　 　 }::::::::::::::::ー-::::::::;'_/ニニニニ二二ニニニニニヽﾆ!::::::::::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　i:::::::::::::::::::::::::::::::;ﾆlニニニ二二二二二ニニニニ〉_!::::::::::::::::::::::::::::i
　 　 　 　 　 　 l::::::::::::::::::::-‐::::::;ニ!二二二二二二二二二二ニ/ﾆｌ:::::::::::ー-::::::::::}

5009： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/05(木) 21:53:38 ID:3qI7CNpo0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　－＝＝　ｘ--,_
　　　　　　　　　　　　 　 ,　´　　　　　　　　ヽ＼ト,
　　　　　　　　　　　　 ,　　　　　　　＼　　　　 、＼ｙ
　　　　　　　　　　 　 ,'　　　　　 ',　　　，　　　　、 .}ﾌ
　　　　　　　　　　　 ,　　　　 ﾊ　 ',　　　j　　　　ヽ　}ﾌ
　　　　　　　　　　　.;　!　|　　', ヽ、ｘー ナ、　　｀ ∨）
　　　　　　　　　　　 ，.i　.ﾄ、　' ,　 》ﾁテ弌八　　乂　　　　　　　私を看取った後は、好きにす生きればいいと思っていた。
　　　　　　　　　　　 } 人 从≧ …　 乂jﾉ<;;;|　＼ {
　　　　　　　　　　　.|ﾉ .}　 "叭)　　　　´ /;;;;|　　 ヽ　　　　　　　 長い時間ではない。少しの間、私の最期の時間に付き合って……
.　　　　　　　　　　　′ |　∧´　 '　　　　〉;;;,ﾘ　　　}
.　　　　　　　　　　　　ノ　　ﾉ》x:.　´｀ /^:ﾈ !!|j　　 ,'　　　　　　　　 私を覚えていてくれる人間でいてくれればよかった。
　　　　　　　　　／¨, ===ヽ<　（＼);;;;;;=¨”;;;;;|{　　ﾉ
　　　　　　　　./ ノ/;,;,;,;,;,;,;,;,;,＼＼＼r--===ﾉ .ノz
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　 　 　 　 　 　 　 　 ／'　 '　　　 /〔　　　.!　 　 !　i　　 ∨　　　　　　　　だが、今となっては望むべくもないだろう。
　　　　　　 　 　 　 /'　 / イ　　　! | 　 　 !　 !　〕　! 　 !､∨
　 　 　 　 　 　 　 ∥　 ' / ',　　{/ミ､　 iヽ!＼!､人//　/　',　　　　　　　　 今のあなたは、私が声を掛けたころとはかけ離れている。
　　　　 　 　 　 　 {i　　i/　∧i/ 乂ﾂ＼{　 代zタ　 ')/　　 !
　　　　　　　　　　 ヽ､ /　　 /ヽ　　　 ､　　　　　 / }/　 !　,⌒',　　　　　　　良い眼だ。昔の自分を思い出す。
　　　　　　　　　　　　/ｲ　 /(　 ＼　　　　　　　ノ}¨/　 /!　! ∧v
　　　　　　　　　　　　　i/　!　　)//＼｀　 ´　ィ({从'　 //} /　　ﾘ　　　　　　　……今のあなたは、私を憐れむことしかできまい。
　　　　　　　　　　　　　　＼､　)////〕､≦　 ｡ｲ､/ ／//ｲ!
　　　　　　　　　　　　　　　--‐　 ⌒ノﾆ==ﾆﾆﾆ/｀`〜､、ﾉ

5010： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/05(木) 21:55:09 ID:3qI7CNpo0
※誤字ってた。修正だ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　－＝＝　ｘ--,_
　　　　　　　　　　　　 　 ,　´　　　　　　　　ヽ＼ト,
　　　　　　　　　　　　 ,　　　　　　　＼　　　　 、＼ｙ
　　　　　　　　　　 　 ,'　　　　　 ',　　　，　　　　、 .}ﾌ
　　　　　　　　　　　 ,　　　　 ﾊ　 ',　　　j　　　　ヽ　}ﾌ
　　　　　　　　　　　.;　!　|　　', ヽ、ｘー ナ、　　｀ ∨）
　　　　　　　　　　　 ，.i　.ﾄ、　' ,　 》ﾁテ弌八　　乂　　　　　　　私を看取った後は、好きに生きればいいと思っていた。
　　　　　　　　　　　 } 人 从≧ …　 乂jﾉ<;;;|　＼ {
　　　　　　　　　　　.|ﾉ .}　 "叭)　　　　´ /;;;;|　　 ヽ　　　　　　　 長い時間ではない。少しの間、私の最期の時間に付き合って……
.　　　　　　　　　　　′ |　∧´　 '　　　　〉;;;,ﾘ　　　}
.　　　　　　　　　　　　ノ　　ﾉ》x:.　´｀ /^:ﾈ !!|j　　 ,'　　　　　　　　 私を覚えていてくれる人間でいてくれればよかった。
　　　　　　　　　／¨, ===ヽ<　（＼);;;;;;=¨”;;;;;|{　　ﾉ
　　　　　　　　./ ノ/;,;,;,;,;,;,;,;,;,＼＼＼r--===ﾉ .ノz
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　　　　　　　　　　 ヽ､ /　　 /ヽ　　　 ､　　　　　 / }/　 !　,⌒',　　　　　　　良い眼だ。昔の自分を思い出す。
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5011： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/05(木) 22:02:54 ID:3qI7CNpo0

　　　　 　 ＿＿＿_
　　　　 ／　　 　 　＼
　　　／ 　 　 　 　 　 ＼　　　　　
　 ／　　 _ノ ::::::: ゝ､　　＼
.　|　　　（○） 　（○） 　u |
　 ＼　　　（__人__） 　　,／
　 ／　　　　｀⌒´　　　　＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
アルトリアの状態が決して良くないことは知っていた。
彼女がコジマ汚染に晒され、長くない身であることは周知の事実だ。
だが、ここまで状態が悪いとは思っていなかった。
精々、常人よりも長生きはできないくらいだと。

そんな彼女に、自分は看取り役を求められていたのだという。

はやても牧瀬も押し黙り、自分も同様に言葉を失っていた。

アルトリアの言う通り、同情の言葉しか出せそうにない自分が恨めしい。
そして、アルトリアが同情を喜ぶような人でないのは明白だった。

何も言うことができなかった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5012： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/05(木) 22:28:49 ID:3qI7CNpo0

_＿　 ノ^7.: .: .: .: .: .:.ヽ: .: ∨/.: .: .:､.: .: .: .: .: .: .: .: .: .:V/
: : :_:/ .: ' .: .:/.: .: .: '，.: '，.:∧.: .: .: .:'，.: .: .: .: .: .: .: .: .: V/
ﾆ/ , .: .: .: .:.'.: .: .: .: .Ⅵ.: V/∧＼_:/∧.: .: .: .: .: .: .: .: .: ::.
/　.: .: .: .: .: .: .:..i.: : .: Ⅵ.: V/∧i:i/i:i:i∧.: .: .: .: .: .: .: .: .: :
　 ｉ .: .: .: .: i.: .: :|.: i .:_j_Ⅵ.:V.: .:V i:/i＼}.: .: .: .: .: .: .: .: .: }　　　　　　……やる夫君。
　 | .: .: .:. ､j_,. 斗r匕.:i: ﾊ : }'，.: ∨＼i:ｉ}-､.: .: .: .: .: .: .: .:i
　 | .: .: .: : .:'，.: {八.: .{/　Ⅵ Ⅵ.: }: .: .: |/ }.: .: .: .: .: .: .: .:　　　　　　　私、あまり踏み入ったことは言えんけど。
　 | .: .: .: ｉ.: .:Ⅵ:i笊芋^ｱ　'， Ⅵ.:|: .: .: |i　, .: .: .: i.: .: .: .::
　 | .: .: .: | .: .: Ⅵ　Vﾘノ 　 }　 Ⅵ|: .: .: |//.: .: .: .:| .: .: .: :　　　　　　　 気の利いたセリフとかは、出えへんと思うで。
　 |.:ｉ.: .: .:{ .: .:..八　 ´　　　　　 Ⅵ: .: .: |/.: .: .: .: .ｉ .: .: .: :

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
アルトリアは言うだけ言うと、これ以上語ることはないと沈黙してしまった。

隣のはやてが、低い声で耳元で呟いてくる。

こうしてネクストに乗ることすらやめて、ベッドで横になっているアルトリアを前にして、
思うところは大いにある。返したい恩だってある。

けれど、自分は彼女に対して、何もすることができなかった。

もしくは。
あの時、アルトリアに言い寄られたあの時、首を縦に振っていれば。
今とは違う言葉を、彼女から聞けたかもしれない。

だが、それは傲慢だ。
この場にいる誰もが、口を噤むしかできなかった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5013： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/05(木) 22:30:33 ID:3qI7CNpo0
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌───┐
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　┌─┐
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

5014： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/05(木) 22:36:51 ID:3qI7CNpo0
今回はここまでだ。

次回は……実はまだ少しお休みがあるんだなぁこれが。5/7の午後八時からだ。

あるというか、お休みになったというか。まあともかくめでたいありがたい。

それじゃ、シーユーアゲイン。

5015：安価のやる夫だお：2022/05/05(木) 22:40:04 ID:CcrMPvGo0
乙でした

5016：安価のやる夫だお：2022/05/05(木) 22:47:02 ID:NlLZxxg60
乙

5017：安価のやる夫だお：2022/05/05(木) 23:02:24 ID:Ulx2D81U0
乙でした

アニメや漫画だと、主人公が不思議な力で状況を改善したりするんだろうけど...無力だなぁ

5018：安価のやる夫だお：2022/05/07(土) 11:16:10 ID:qqnpaMNQ0
乙やで
目をつけられる=詰み　みたいな世界だからしゃーない

5019： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/07(土) 20:01:05 ID:UH5YuQoE0
　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ　　　　　
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ 　　　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´　　　　　　
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿　　　　　　　　　　
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||　　　　　　　　
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
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　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

5020：安価のやる夫だお：2022/05/07(土) 20:06:08 ID:dYWEUolc0
ハロー

5021： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/07(土) 20:07:59 ID:UH5YuQoE0

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　　最近、思ったことがあるんだがね。昨今のゲーム業界、
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　　ロボゲーの動きが少ない……少なくない？　ACの新作を一体いつまで待てばいいのか。
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ　　　
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　　ZOEの新作も待っている。フロムとコジプロのロボゲーがやりたいね。
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i　　　はじめてこっか。
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'　
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

5022： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/07(土) 20:08:11 ID:UH5YuQoE0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　,. .-‐: :´: : : : __: : ＼
　　　　　　　___r_--　　 __ ／ヽ: : : : :y: : : : : : : :＼:＼
　　 ｒ　´￣ 　　∧　　　 Ｙ: : : : : :; -　: : : ＼: : :_| |:ヽ: ヽ
　　 {　　　＿ ＿:∧ 　 /: : :/: : :/: : : : :＼ : :＼┐r-ﾊ: :ﾊ
　　 丶　　　ー--=ﾑ_:/: : : j!: : 从!: : : : :ヽ＼//＼: : :',: : '.
　　　　＼　　　´ 　 j!j: : : : {: : |　 ヽ: : : : :| ___＼//:ヽ: !: : :'､
　　　　　 ＼　　 　 j!ハ : : j!: : ', ‐-､: : : ´|x=＝､ヽj ﾉ | : : : :
　　　　　　　＼　　 !　 l',: : :l:. : :.',x=ミ､: : :| 乂ツ ',:.ｉ : :|: : : : ',
　　　　　　　　 ＼　　　l ＼|ヽ: : :､乂ｿ ＼|　　'''　,ﾚl!: :|＼: : :乂　　　　　　　　　　おはようさん、朝ごはん持ってきたったでー。
　　　　　　　　　　＼ヽ i!　 　 }｀ 一''' 　 '_　 ノ　/　 l : l-_-＼|｀ ＼
　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　　　 }: : : |:个ｪx　 _,　ｲ　 , |: :|＼:-_-＼　 ｀　　　　　　　　「ああ……なんだか悪いお、はやてさん」
　　　　 　 　 　 　 　 　 ヾ　 f |: : : 乂ノ/　/:::::　／　.: :|/ :ヽ-_-_＼
　　　　　　　　　　　　　　 ', j! j从: :＼/ -､!r‐ ´　 　 j/　 　ﾊ-_-_-_＼　　　　　　　ええのええの。それより、ええ暇つぶし見つけたんよ。
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 y::-　 ｀￣ﾚ /ーｧ＼　 ／　-‐… ヽ-_-､丶`
　　　　　　　　　 　 　 ,､丶`　　 　 ヽ ／-／__　｀´　　　　　＼ l!:/-_:)ﾐｈ､　　　　　 腐ってても気落ちするだけやし、付き合わへん？
　　　 　 　 　 　 　 ,. ´ .　　 　 　 　 /　 /'´ 　-=‐　　　　　､丶`!-_-ヽ_-:|
　　　　　　　　　　 j: : : : : : .　　 　 /　 /　　　　 　 　 ヾ､,/ 　 ! :|／): ||_￣_|
　　　　　 　 　 　 八: : : : : : : : .　 / 　/　　　　　　　　 j!′　 r ´／_-:|-_-_}_
　　　　　　　　　　　 ＼: : : : : : : /　 /: : : . . .　　　　. :/ 　 　 |　j_-_-:|_-_-_/
　　　　　　　　　　　　 〈`ー-.‐ /　 /: : : : : : : : : : : : ,:′　 　:{　j-_-_/_-_-/
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　　　　　　　　　　　 　 ｆヽ　　　　　　　　　　　　 /-|　　　／{!/-_-_-_-_-|_-',
　　　　　　　　　　　　 ﾉ ､　　 　 　 　 　 　 　 γ_-_|　　ｲ　 l/_-_-_-_-_-_!-_',

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
閉鎖的な空間の中での生活は、とにかく流れる時間が遅かった。

部屋に籠っているのが最善なのだが、どうにも落ち着かなかった。
幾ら静かな空間でも、数秒後には敵襲の警報が鳴るかもしれない。
安心感など欠片もない中でじっとしているのも、かなり堪える。

身体を動かして気を紛らわそうにも、どこもかしこも人でごった返している。
電機室やパイプの配管スペースにまで人がすし詰めになっているのだ。
そんなスペースはないと思った方がいいだろう。

鬱屈としていると、マーシフルの修理待ちが二日目となった朝に、
はやてに誘われるがままについていった。断る理由などなかった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5023： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/07(土) 20:10:53 ID:UH5YuQoE0

〜潜水艦アマツ　厨房区画〜
. ｜: |　　 |: :| 　 .|: : : :|丁¨ '　 ┼-　,＿|　　　　　|　　　 　 |　　　 　 |
. ｜: |　　 |: :|＿ ｣: : : :|｜　　　 |　　　　|￣¨　''' ┼--　 ＿|　　 　　 |
‐┘　￣￣: : : : : : : : ::|┼-　,＿|　　　　|　　　　　|　　 　　 |￣　 …┼-
: : : : : : : : : : : : : : : :.::_|⊥=-ｰ┐-　,_　｜　　　　 |　　 　　 |　　　 　 |
: : : : : : : : : : : :.: :_,.二|┌…￢ |　　　　丁 ''　 …┼- 　 ,＿|　　　 　 |
　_,,..　 -─ __二二.._└　　￣|_|_─-　 _|　　　　　| 　 　　　|￣　 …┼-
く　　＜￣　　: : : : : :￣7- ___|〉〈　　　　￣　─-　 __,､-=＝＝＝=-
　｀`〜､｀`〜､、: : : : : :.|: : : :￣ﾟl丁: Ｔ=-　__　　　〔〔{　　　　　　　　　 }〕〕
.｀`〜､、｀`〜､ ｀`' 　 _ |: : :.: : :.:| |: : |: : : : : ￣ '┐　|≧=‐-----‐=≦|
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..,,_ ｀`〜､、　　 ｀`〜､、｀`〜､、`ー‐‐ ''´　　 _.｡sＳﾟ乂三三三三三乂
γ⌒'　 ,,__｀`〜､、　　 ｀`〜､、｀`〜､_,.｡sＳ⌒　　　　　≧=‐--＞''~
乂＿__ノ>⌒　..,,_｀`〜､、　　　 ｀`〜､:|~"''=-　__　　　　　　　　Ｌ｀`〜
乂＿_ノ{乂___|:::|⌒=- .._｀`〜､、　　　:|｀`〜､、 ~"''=-　__　　　　　｀`
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〜､、　乂　　|:::|: : : :.::,， ´￣｀丶=┐,,|　　　　　　　　　 ｀`〜､、　~"''
　　｀`〜､｀ ｰ|:::|: : : _〈　　　　　　..〉|::::|　　　　　　　　　　　 ＿ |｀`〜､、
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╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
そして今、三日目。
時刻は十一時ごろといったところ。

喉が焼けそう、と言っては大袈裟だが、とにかく熱気に包まれた厨房の中で、
火にかけたフライパンをゆすり、たくさんのソーセージを転がしていた。
流れ落ちる汗がフライパンに落ちる前に手の甲で拭う。

はやてが言っていた場所は、艦の厨房だった。
以前の暴動で負傷していた料理長が復帰したのもあり、
本格的に再稼働しだしたのだという。

調理スタッフの面々も、鬱屈さを払拭しようとしているのか、
一心不乱に鍋やらまな板やら洗い場やらと睨めっこし、走り回っていた。

確かに理に適っている。身体も動かせるし、ここなら目立たない。
「絶対ケガしないでよ？」となのはに釘を刺されたが。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5024： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/07(土) 20:15:07 ID:UH5YuQoE0

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　　　　　　　 　 　 　 　 ／: : : : : : : ＼: : ＼: : :＼
　　　　　　　　　　　　 /: : : : : : : : : :､: ＼ : ‘，: : : .
　　　　　　　　　　　　.:.:/: /:, {: : : : : :＼: :‘，/ﾍ: : :
　　　　　　　　　　　　|:'::: ::::{^{: { : : ､: : :∨:∧: :}: : :
　　　　　　　　　　　　|{: : {: {‐＼::､: : ＼: ∨::} : }: |: }
　　　　　　　　　　　　ﾚ: :ｉ{从=z　＼ｨf伝ﾊ}: :} : }: |: }
　　　　　　　　　 　 　 }ﾍ ｉ个 vﾘ　　 夊ッ }: :} : }: |: }
　　　　　　　　　 　 　 }: ヾ∧　　,　　　　　}: :} : }: |: }　　　　　　　　　　ふー、一段落ついたなぁ。
　　　　　　　　　 　 　 } |: :l:: : ､　r‐　 ｧ　 ﾉｲ: :ﾊ: |: }
　　　　　　　　　 　 　 } |: :l: :l 个 `ｰ　 ／　ﾉ:/: }::|: }　　　　　　　　　　私たちも自分らの分貰って退散しよか。
　　　　　　　　　 　 　 }ﾊ:: l: :l: ヽ: :｀爪　　/:/`ｰ‐　､
　　　　　　　　　　　　ﾉ　ヽﾄ､lヽ(-＜´}　ノｲ/　　　　 .　　　　　　　　　 夕飯の時も来る？
　　　　　　　　　　　　　　　,'　 ／ｲ{　 ／//　　　　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　{　// 　`~゛　' '　　　　 / 　 ､　　　　　　　　 「う、うーん、その時の体力次第で」
　　　　　　　　　　　　　　　>ｲ=v-z_＿_{_{ 　　　　′　　＼
　　　　　　　　　　 　 　 ／:.:.:.:{/,′.:.:.:.:.:.:}　　{　　　　　 　 ＼　　　　　　なんや、根性ないなぁ。
　　　　　　 　 　 　 　 ..:.:.:.:.:.:.:ﾉｲ.:.:.:.:.:.:.:.:.:{　　{　　 　 　 　 　 　 ｧ
　　　　　　　　　　　 ,:.:.:.:.:.:.:.:,'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{　 ∧　　　　　　　　 /
　　　　　　　　 　 　 {.:.:.:.:.:.:.:{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{　　　＼　　　　　　人
　　　　　　　　　　　 :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{　　　　厶_　 　 ／　 ）
　　　　　　　 　 　 　 ､.:.:.:.:.:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∧　 　 〈　　/ 　 　 ／
　　　　　　　　　　　　 ＼.::.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼　　∨ｱ　　 ／
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しかし、家事としての料理であればともかく、厨房に立つというのが
どれだけハードなのか、身をもって思い知らされた気分だった。
すっかり汗だくになってしまったし、慣れない水仕事で大分手が荒れている。

ここで働けば運動不足での疲れなんてどこ吹く風だ。
午前中働いただけでも、今夜は快眠だと確信できる。

昼食の準備が一通り終わった後、はやてから軽快な笑みを向けられる。
とは言うものの、彼女も明るく振舞ってはいるものの、
若干声にハリがない気がしたし、時々肩で息をしている場面もあった。

それもあって、片づけの時は、なるべく重いものを率先して運搬するようにした。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5025： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/07(土) 20:24:47 ID:UH5YuQoE0

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　　　　　　八:.:}。゜　 　 　 　 '　　　　ﾟ ￣“"つ.::./:.:.:.i :.:.:.:.:.:..: : |　　　　　　　うーん……あれ、やる夫君とはやてちゃん？
　　　　　　}.:.::.i　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／:.:.:/i:.:.:.:.i :.:.:.:.:.:..: : |
　　　　　　i.:.:.∧　　　　　__　　 　 　 -=彡.:.:.:./.:.}:.:.:..i :.:.:.:.:.:..: : |　　　　　　　どうしてこんなとこに……？
　　　　 　 i:.:/ 　＼　　　　ー｀ヽ　　　　/:.:.:.:/:../i.:八i :.:.:.:.:.:..: : |
　　　　　　i/　　　　　､　　　 　 　 　 ／:.:.／''´　ﾚ　 i :.:.:.:.:.:..: : |　　　　　　　「いや、気づいたんはつい昨日」
　　　イ≧‐　　　　　 /≧=　‐　-=イ.:.:.／　　　　　　ｉ :.:.:.:.:.:..: : |　　
　／ﾆﾆﾆﾆﾆ≧――'　　 　 　 ／＿／＿＿.　 　 　 ｉ :.:.:.:.:.:..: : |　　　　　　　私の避難所も今日までかー……。
　ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/　　｀ヽ　　＿＿　　　 ﾑﾆﾆﾆﾆヽ 　 　ｉ :.:.:.:.:.:..: : |
　ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ廴　　　　　　　　 _　イﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ..､ 　ｉ :.:.:.:.:.:..: : |
　ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ廴＿＿＿＿ﾉﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾑ. ｉ :.:.:.:.:.:..: : |
　ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ}.ｉ :.:.:.:.:.:..: : |





　　　　 　 ／ ￣￣ ＼
　 　 　 ／ノ　　ヽ__ 　 ＼
　 　 ／（―） 　（― ） 　 ＼　　　　　　なのはさん、いったいどうしてこんなとこに？
　 　 |.　　（_人＿）　　　u　|
　　　＼ 　 ｀⌒ ´　　 　 ,／　　　　　　「だってぇ、私、指揮官でもなんでもないのに、すっかり指揮官扱いでさ……
　　 　 / 　　　　　　　　ヽ
.　 　 /　l　　　,/　 /　　 i　　　　　　　　部屋に居てもひっきりなしに人が来るし、休みたいときはここに逃げてきてたの……」
　 　 (＿) 　　(__ ノ 　 　 l
　 　 ／　　／　　　___ ,ノ　　　　　　　　　だからって、何も機関室のすみっこにいなくても。
　 　 !､＿__!､＿_＿＿_つ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
厨房の人達も人手が増える分には歓迎らしく、終わった後には優しかった。
目を細めるスタッフの一人から、いつものように自分たちの分の食事を受け取る。

料理と言っても、ある食材から配膳のしやすいものをとにかくたくさん、
といった具合であるため、献立もしっちゃかめっちゃかだ。
大体は片手で食べられるくらいのものだ。プレートに盛り付けたりしていたら、
プレートが足りない。

すると、はやてはなぜか三人分のホットドッグとコーンスープを抱えてきた。
首をかしげていると、厨房からは離れた艦の深部、機関室へと連れてこられる。

重たい防火扉を率先して開けると、鈍色の機材で埋め尽くされた空間の片隅に、
見慣れた姿がぐったりと機材にもたれかかっているのが見えた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5026： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/07(土) 20:38:16 ID:UH5YuQoE0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　-‐…‐-
　　　　　　　　　　　　　　　　　 _.､-''" .: .: .: .: .: .: .: .: .｀丶、
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／⌒: .:／.: .: .: .: .: .: .: .: .: .:＼.:＼
　　　　　　　　　　　　　 ／／⌒ヽ(.: .: .:.:＼.: .: .: .: .:.＼.: .:＼.:＼
　　 　 　 　 　 　 　 　 /.:/.: .: : /∨＼.: .: .:.:＼ .: .: :＼.:＼.: .:＼:.ヽ
.　　　　 　 　 　 　 　 / : .: .: : : | :i⌒ヽ : .:| : : |＼ .: .: :＼.:＼.: .: .: : .
　　　　　　　　 　 　 /.: .:.|.:.: .: .:| :|　　 |.:.:.|.:.:.／￣￣＼ :| .: 〈∨〉 : :.
.　　　　　　　 　 　 / .: | :|: : .: :／|⌒　|.:.:.| : : |　 |.:.: .: .:/|/〉〈∧〉.:.:.:|
　　　　　　　　 　 /.:|.: :| :|.:.:.: .:.:|八　　| .:j||.: .:|　_|__|_.:/ ///:|.:.|: .: .: |
　　　　　 　 　 　.:. .:|.: :| :|.:.:.: .:.:| xfて㍉.:ﾘ|.: .:|'⌒て（~"Y/.:.:|.:.|: .: .: |
　　　　　　　 ／.: .: :|.: :|八 : .: 八 　_):刈　|.:.八 　 _):狄ﾘ| .: 八| .: .: :|
　 　 　 　 ／⌒7.: : |.: :|.: .:＼.: .:.:ヽ乂少　j/　　　∨'少'.: .:/,ノ.: .: .: :|
　　　　　　　 　 |: .:八.: .: .:＼:＼.:〈⌒, ,　　､　　　　, ,　厶ｲ.: .: .: .: .: :|　　　　　　　　なのはちゃんって昔っからこうやねん。
　　　　　　　 　 | /　 ＼(＼: ＼:::込　　　　 _　　 　 　 ｲ.:.:.: .: .: .: /.: |
　　　　　　　 　 |:　　　　＼⌒＼ .: 个　 　 　　　　／/.: .:/.: .: .: /.: : |　　　　　　　　 抱え込むだけ抱え込んで、限界迎えたら
　　　　　　　　　　　　／.: .:./r＜＼.: .: .＼:＞-＜　 /￣/ .: /.:./､.: .:.|
　　　　　　　 　 　 ／:r＜＿_||"^＼＼.: .: .＼＿__／∧/／/.:./／＼:|　　　　　　　　　誰にも見えないところでうんうん唸っとる。
　 　 　 　 　 　 ／ : ／⌒＼八　　 ＼＼.: .:| ＼_／〈∧＼.:.://　／￣￣|
　　　　　　　 ⌒7 :〈 　　 　 ∨￣￣￣￣|.: |〉 /⌒＼　|:::::V/.／ 　 　　∧　　　　　　 ほれ、お昼。どうせまだやろ？
　　　　　　　 　 {.: 八 　　　/ ／　　　　.八∧∧:i:i:i:ｉ:|＼:::::: 〈　　　　　/⌒＼
　　　　　　　　 ／　　　　ｒ＜　　　　　 /:::::::::〈　＼:ｉ:ｉ|　 |＼::::〉　 　 　 ＼＼ |
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脱力しきった様子で、はやてから差し出された袋を何とか受け取っている。
化粧もしておらず、目の下にはくっきりとくまが刻み込まれていた。
失礼なので口には出さないが、枝毛に白髪にとてんこ盛りである。

CDCでの会議中ではあんなに凛とした様子なのに。いや、だからこそなのだろう。
なのはとも短くない時間を過ごしてきたので分かるが、彼女はイメージよりも
かなり庶民的で、普通の女性だ。

ご飯が美味しければにこにこしながら食べるし、腰が痛いと嘆いたりもする。
これまでの状況を考えれば、想像を絶するプレッシャーがかかっていたに違いない。
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5027： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/07(土) 20:51:19 ID:UH5YuQoE0

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「まぁ、しゃーない部分もあるやろ。なのはちゃんってホラ、
ネクスト戦役の英雄さんなわけやし？
象徴的なアレっちうか、名前出した時のぐわーってなインパクトっちうか。
頼りやすいし、なのはちゃんの言うことなら信じたくもなるんよ」

しょぼくれながらもホットドッグの包みを破いてちびちび齧るなのは相手に、
はやてが飄々と解説をかましていく。

確かに、この状況において、なのはは分かりやすいポジションにいる。
一戦を退いた伝説の英雄が作戦指揮を執るチームの中にいれば、
自然と祭り上げられていくのがセオリーというものなのだろう。
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5028： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/07(土) 21:02:14 ID:UH5YuQoE0

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　　　　 　 |: { |:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|斗: ´|:.:.:|:.:.|:.:.:´!:.:.:|｀ ヽ:.: : }|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　Ⅳ {:.:.:.:.:.::.:.:.:.|:.:|:. : |:.:.:|:.:.|:.: : |: : |:.:.:}:.:.:.:/:|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　ありがと、おなかにもの入れたら、ちょっと落ち着いた。
　　　　　　　　 .::.:.:.:.ヽ:.:.: ゝ===‐'| /|:／ゞ==７:.:.:.:ｲ　!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　　　ﾏ:.:lヽト:.､ヽ　　　|′,　　 　 /:／:. |　|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　……そういえば、こうして普通に話すのも久しぶりだね。
　　　　　　　　 　 ﾏ{　|:.:.:.:|ヽ、　　 r　ｭ　　 ／}:.:.: !　|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　　　 　 　ヽ ヽ:. !　　 ト　　　　 イ､　i:.:. / ｜:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　私もやる夫君も引っ張りだこだったしねー。
　　　　　　　　　　　＿__ゝ{-,/| ＼＞＜ ／} ヽ|／、 :|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　 　 r‐‐=ﾆ二::::::::::::::/　|　　 〉r〈　　 i　‘，:::::::::::≧ｭ､:.:.:.:.: |
　　　　　/::::::}:::::::::::::::::::::_/　　|　 /{≠{∨　|　　.::::::::::::::::::::::::: ７､:!
　 　 　 /:::::::::ｉ ‐=ﾆ　　 《　　 :|／ //l l ∨/l　　 }ﾆ=‐::::::::::::: /:: }|
　　　 /ヽヽ:: ∧　,　　　　ヽ__/ l　 ｀__Ll　 ′≪　　　　　｀　/:::::::i__
　　 .:　 //:: /　∨　　 　 〈　 　 l〃:::::::::ヽ,'　 　 7　　　　l　/ ',::::{{　ヽ
　　 {_ノノ:::/　 /　　 　 　 ∨ 　:l:::::::::::::::::,'　 　 /　　　　 l:/ 　 ',::ゝ',　',





　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼　　　　　　　確かに、それもそうですお。
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　　　 今となっては、なのはさんもやる夫だけのオペレーターじゃないし。
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　　 ……そういや、ここにいるってことは、色々落ち着いたんですかお？
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
それぞれ持っていたものを胃に納めて、改めて話をする。
なのはも自分も、だいぶくたびれてしまった気がする。

なのはに関しては、こうなる前からそういったところはあったが。
自分も人のことは言えないが、彼女も辛い気持ちを溜めるタイプだ。
即座に八つ当たりして発散したり、上手いこと切り替えられる人間ではない。

要するに、不器用なのだ。不器用な人間は、辛く感じることが多い。
辛いことを真正面から受け止めるし、目を背けたりもしないから、余計に辛い。

まあ、そんな彼女のことが好きだという人は大勢いるだろう。自分もその一人だ。

状況を聞いてみると、彼女はなんともいえない表情になった。
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5029： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/07(土) 21:13:37 ID:UH5YuQoE0

　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ/ ／: : : : ｀: .､
　　　　　　　　　　　　　　　　　, ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :― ､- : : :ヽ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 /: : : 〉': : :/: : : :／: : , : : : : : : : : : : :｀ : : ＼ ｀ :ﾍ
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /: : : / : : /: : :∠._:_／ｲ,イ , : : : : : : : : : ＼: :ヽ 　ヽ
　　　　　　　　　　　　 　 　 ′: : ' : : : l: : :/ /／｀メ、//| ﾊ: l: : : : : : : : :＼､ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　| : : :_l: : : : l: ,.ｨ 7´:てﾊ　 >　ﾘ. }ｲ.: : : : : : : : : : ヽﾘ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 V´う.l: : : : l: :{ ん::::::::ﾘ'　　 　 /｀ﾒ､ : 〉: : ﾊ:、 ﾄ.ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　 ∨　ﾙ: : : ﾊ:l 辷ヒ_ノ 　　　　,ｨう、 l/: : : : l |: l l: |　　　　　　　一応ね。結局、どこかで防衛戦するにも、
　　　　　　　　　　　　　 　 　 }､　| : : ﾍ ｀　　　　　　　　ん:/ﾉノ: : ﾊ: : | |｜| l
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |: :Y}: : :.ト:.､　 　 　 　 　 〈:ン´r- ､' : |: ;'　!:l .ﾚ　　　　　　　　このまま潜水艦で逃げ回るのも現実的じゃない、
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |_ノ '. : : :.　　　　　　　_　 ' 　 ムﾆ､}: :ﾚ 　 ﾘ
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 . イヾ:､ '.ﾍ: ﾍ　　　　　 ´ ´　 　'　l　ン : |　　　　　　　　　　　　　ってのは確定事項でさ。
　　　　　　 　 　 　 　 . : ´|.　i!　ヾ:､ヾ:､ﾄ｀: .　　　　 . : ´ 　_. :´: : : :|
　　　　　　　　 　 . : ´　 . :| 　i!　　ヾ:､＿_,.イl｀ ｰ ´　 r ≦.､: : : : : :!　　　　　　　　　　　　　隠れられそうな候補地を探してたの。
　　　　　　　 . : ´　 . : ´:.:.:|　　'. くヽ `ﾍ ‐く| !　　 　ノL:.｀ヽﾊ: : : : :|
　　　 　 ._:_´＿. : ´:.:.:.:.:.:.:.:!　　 ﾍ ´　∧X〈リ .．＜　 ﾊ:.:.:.:.:｜: : : :|
　　　／―― ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　 ヽ_/　〉 r ´　 .．＜　∧:.:.:. ! : : : :|
　　 {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i!.:.:.:.:.:|　　　　 ﾍ　 r┴　´ 　 　 　 ∧:.:.:|: : : : :!
　 　l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:l.:.:.:.:.:!　　　　　 ヽ∨　　　　　　　　 〉:.:|: : : : :!





　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　,――==―
　　　　 　 　 　 　 　 ,　-‐…‐-=-...ゝ/:.／__´_
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　　　　　　　 //:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.ｌ:.:|:.ヽヽヽヽ:.:ヽ＼:.:.ヽ＼ヽ
　　　　　　　ｉ./:.:.:.:.:.l:.:|:.:||:./|:.ﾊ:.:i、i、ｉ:.:ｉ:.:l:.ｉ:.:.ｉ:.:.:.:i　|:.ｉ
　　　　　　　||:.|:.:|:./圦斥=≦　.|≧云ﾄl:.:|:.|:|:.:.|丶:|　.|
　　　　　　 ﾍ|:.|:.:|:.|/r爪:个　　.´{:::｡:ﾒ,|/:.|:.:|:.:| .ｉ:.:|
　　　　　　　ヽヽ:.ヽゝう:::::}　　　 b_::7〃ｌ/:./|:.:| |/　　　　　　　　ただ、見つけたのがね、ちょっといわくつきの場所でさ。
　 　 　 　 　 　 小、ﾐゝ…´　　 ｀¨‐‐//;,l/|:.|/:|/
　　　　　　　　　 |:.:ゝ 　 　 　 ｀　　／/:.|:.:.:|/::.|　　　　　　　　　　……ノルドルムのコジマ技術研究施設があった場所なんだよね。
　　　　　　　　　 |:.:.|ヽ、　　-‐‐　 ,∠:.:.|:.:.::|:.:.:|　
　　 　 　 　 　 　 |:.:|.　|＞ 、 _　イ　 |:.:|:.:.:.:.!:.:.|　　　　　　　　　　 「なにがいわくつきなん？」
　　　　　　　　　　|:.|／|――, ― |、 |/:.:.:.:.:|:.:.:!
　　　　　　　　,､r´:|:::| ﾍ　　/><l　l ヽ|｀ヽ:.:.:|:.:.|
　　　　　,､r::´::::::::::::::|　ﾍ、/ 只ヽ|　 ヽ:::::::｀ヽ:.!
　 ,､r::´:::::::::::::::::::::::::::|　 .ﾍ　/||ヽ |　　ヽ:::::::::::::::::｀ヽ
　|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::r L＿_lヽ‐‐‐yヽ／　｀ヽ、:::::::／|
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　|rヽヽ:::::／　　　　　.<　　　丶:|　　 ./　　　　　|::::|}

5030： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/07(土) 21:21:41 ID:UH5YuQoE0

≧o｡,.二二/::| |/　/＼　,.ィ癶 |＼__＼＿|」「」xヘ＼「::/
　 　 _＞t/:|:::|/　/ |,.ｨi〔ニニﾆ＼　|＼＼rく_＞r'´|::|:/
-‐ﾞ"　　 |i: |/,|丁rくニニニニニﾆ＼＿|_|_／￣＼: :,′
. 　 　　　|i// |_,l_,|:::`'マニニ＞＜　|＼＿＼＿／|::′　,，
　_,.､-'"　|i/７|/l_,|:::::: :: ｀`r' |:|:|:|:|　|＼|＿,.イ「」／〉　 '’
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「その研究施設、過去に事故を起こして放棄された場所らしいんだ。
大規模なコジマ汚染が引き起こされて……ずっと放置されてたみたい。
それからSIが勝手に汚染除去の処置を一生懸命施して再利用しようとしてたら、
IGIOが権利を主張しだして、小競り合いの末に滅茶苦茶にあちこち壊して。
結局、汚染は緩和されたけど、大した修復もされずにほったらかし」

「うわぁ、なんや面倒そうな背景のある場所やねんな。
でも、割かし穴場なんとちゃう？」
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5031： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/07(土) 21:37:21 ID:UH5YuQoE0

.　　　　　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.、:.:.:.:.:.:＼
　　　　 /:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:/:.:/:.:.:.:.:/:.:.:.:.:. |:.:. | : ｌ:.:.:.:.ｉ:.:.:.:ヽヽ:ヽ
.　　　　ｉ＼:.:.:.:.:.:.:.:./:.:./:.:.:.:./:.:.:/:.:.: |:.:.:.|:.:.|:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:ｉ ヽ:.:',
　 　 　 |:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.ｉ:.:./:.:.:.:. ｉ:.:.:,':.:.:.:..|:.:./|:. |:.:.|: |:.: |: : |　 ヽ:ｉ
　　　　 |:.:.:.:.:.＼:.:.|:.:/|:.:.|:.: |:.: ｉ:.;:‐7|‐二|メ|:.:|:.:|:.:.||:.:.|　　 ヽ
.　　　　 、＼:.:.: ヽ|:/-|:. ! : |:.: |:.: /x 斥 |/ {:/|: !:.: ||:.:|　　　　　　　場所としてはかなり良いと思うよ。
　　　　　ゝ:.:.＼:.:. |{´｀ｌ:.:|:.:.:|:.:.|:./ﾍ　{::ﾘ/ 〈/ ｌｲ:.:./l:./
　　　　　 |＼:.:.:＼:|＼ ゝl:.:.:|:.:.|/　　 ゝ'　　＼ |:./ ﾚ′　　　　　　　なにせ、洋上の複合施設だからね。
　　　　　 |:.:.:.:.ヽ、ヽ:|　｀!:ヽ:|、|　　　　　　 ／ ﾚ′
　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.＼/　 ‘， ＼＼ 　 　― ´　　　　　　　　　　　　　コロニー・トウキョウに割と近いかも。
　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:. |　　　ﾍ:.:.:.ﾍ　　　　/
　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.≠__　　　ﾍ:.:.:ﾍ ―‐´
　　　　　 |:.:.:.:.:. / ｀ヽ､≧ｭ､_ヽ :.{
　　　　　 |:.:.:.:.:.:|::＼　　 ≧ｭ､｀ヽヽ
　　　　　 |:.:.:.:.:./::::::::＼ 　　　 ＼ｌ┤
　　　　　 |:.:.:.:/:::::::::::::::::＼　 　　ヘ{ ヽ、
　　　　　 |:.:.:/:::::::::::::::::::::::::＼　　　|＼ ゝ
　　　　　 |:.:/:::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ｀￣ 7　 ﾍ´ヽ
　　　　　 |: ｉ::::::::::＿＿＿＿__|　　,′ 　 ﾍ::::ｉ
　　　　　 |: |:::::l´::::::::::::::::::::::::::＼　＼　　　ﾍ:|

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なのはが言うには、そこは国家解体以前にノルウェー海の洋上に建設された
石油採掘プラントをノルドルムが再利用、同社の施設として利用していたらしい。

ノルドルムの保有する軍事拠点としての機能も保有していたらしく、
なんと海面の下に出撃ハッチやドックが存在している、とのことだった。

これなら潜水艦を使っての補給が目立たなくて済む。
潜水艦内の民間人を移すこともできるし、今の状況と噛み合っている。

心配なのは、そのコジマ汚染の除去の度合いだそうだ。

しかし、そこさえ確保できれば、今後の動きやすさは格段に違うだろう。
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5032： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/07(土) 21:44:25 ID:UH5YuQoE0

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　　　　 　 |: { |:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|斗: ´|:.:.:|:.:.|:.:.:´!:.:.:|｀ ヽ:.: : }|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　　まあ……場所を確保したところでってのが、
　　　　　　Ⅳ {:.:.:.:.:.::.:.:.:.|:.:|:. : |:.:.:|:.:.|:.: : |: : |:.:.:}:.:.:.:/:|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　　　 .::.:.:.:.ヽ:.:.: ゝ===‐'| /|:／ゞ==７:.:.:.:ｲ　!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　　　　 正直なところだけどね。
　　　　　　　　　ﾏ:.:lヽト:.､ヽ　　　|′,　　 　 /:／:. |　|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　　　 　 ﾏ{　|:.:.:.:|ヽ、　　 r　ｭ　　 ／}:.:.: !　|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　　　こんまま反体制ゲリラにでもなるのか？　って話だし。
　　　　　　　　 　 　ヽ ヽ:. !　　 ト　　　　 イ､　i:.:. / ｜:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　　　　　　＿__ゝ{-,/| ＼＞＜ ／} ヽ|／、 :|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　 　 r‐‐=ﾆ二::::::::::::::/　|　　 〉r〈　　 i　‘，:::::::::::≧ｭ､:.:.:.:.: |
　　　　　/::::::}:::::::::::::::::::::_/　　|　 /{≠{∨　|　　.::::::::::::::::::::::::: ７､:!
　 　 　 /:::::::::ｉ ‐=ﾆ　　 《　　 :|／ //l l ∨/l　　 }ﾆ=‐::::::::::::: /:: }|
　　　 /ヽヽ:: ∧　,　　　　ヽ__/ l　 ｀__Ll　 ′≪　　　　　｀　/:::::::i__
　　 .:　 //:: /　∨　　 　 〈　 　 l〃:::::::::ヽ,'　 　 7　　　　l　/ ',::::{{　ヽ
　　 {_ノノ:::/　 /　　 　 　 ∨ 　:l:::::::::::::::::,'　 　 /　　　　 l:/ 　 ',::ゝ',　',





　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　／ 　 （●） 　（●）　 ＼　　　　　　それでも、生き延びられるなら、生き延びたいお。
　　　|　 　 　 （__人__）　 　　 |
　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／　　　　　　 相手が勝機がないってなれば、交渉のテーブルを設けてくるかもしれないし。
　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ
　　 / 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |　　　　　　　　「相当なことがない限りは、それはないだろうね」
　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|

5033： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/07(土) 21:50:58 ID:UH5YuQoE0

　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　＿_⌒＞:.ミー‐､　＿＿
　　　 　 　 　 ⌒＞―:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀:....、　 ＿
　　　　　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.く⌒:.:.:.ミ ､
　 　 　 　 ／:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　/／/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ.:.:.:.:.:.:.:.ﾊ
. 　 　 　 　 /:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:ｲ:.:.:ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　 　 　 　 /:./:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:|:.:.|:./ |:.:/　 ｌ:.:.:.|:.|:.:.:|:.ｌ:.:|:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　 　 　 ,:.:/:.:.:.:.:j:.:.|:-|‐十十ト |/　　 |十|十‐|-､:|:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i
　　 　 　 |ｲ:.:./:.:.:|:.:.|:.ﾊ|　V 八　 　 　 |ﾊﾉ 八ﾊﾉ:.|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　|:.:.ｌ|:.:.:ﾊ:.:.:.-r竓芹坏　　 　 竓芹抃-|ﾉ:./.:.:j:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　|:.:.||:.:.:| |:.:.:[　 辷ｚリ　　　 　_辷ｚツ　/:/:./:ﾘ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |　　　　　　　……そういえば、さ。
　　　　　　ヽ八:. | |:.:.八　 　 　 　 ,　　　　　　 /:/:./:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |
　　　　　　　　 ヽ|八:.:.:.ゝ 　 　 　 ｀　　 　 　 /ノ:./:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　　　　　 どうして二人仲良くくっついて動いてるのかな。
　　　　　 ＿　　 　　＼:.:ト　　 　 ｰ一 　 　 ／:.:/イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　 /ニﾆ=-　__　　V＼:＞　　 　 　 イ /:.:./　 l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　　　　　 はやてちゃん、フったんじゃなかったの？
　　 　,ｲニ7　 ｰ=ニﾆ=　厂/ ￣ ７‐≦zノ/:.:./　　.| :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　／}}:ﾆ7　 ＼　　 辷7　〈　　 /天ヽ　 /:ノ 　 　 | :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　 ′ﾉ'ﾆ7　　　〉　 　 /　　 ヽ／/Ｙ]　∨　〕ﾆ､ 　 .| :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　 ﾚノﾆ7　 　 ∧　　　＼　.／| 〈_//　/　　|-ニニミx__:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　 /ニ7 　 　 /∧　　　 ／.　 |―-.、∧＿_|　　-ニニニヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:|
. /ﾆフ　　　 /::::::::.　 　 ＼ 　 |ニニ/　 ＼　　　　 　／ﾆ=i:.:.:.:.:.:.:.: |
/￣　　　　./:::::/辷､ 　 　 ＼:|ニ=/　　 ／　　　 ／　　 ﾆ|:.:.:.:.:.:.:.:.|





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　　　　　　　　　　　　　|: : i: : : : ﾊ: : : : : :.',: :､: :/∧: :.', : i
　　　　　　　　　　　　　|: : |: : : :|　';: : : : :-iヾ!ヽ'://!У!: :|
　　　　　　　　　　　　　|: : |: : -:|--iﾊ: : : : | ,.}==ヾ:|.イ|: ::!
　　　　　　　　　　　　　|: : |:.i: | :ｨ==ミ: :、: |″泛ﾘ》 : :.!: :.!
　　　　　　　　　　　　　|: : |: !: :.《 込ｿ　 ヾ;!　 , , ,.! : : ; : :!
　　　　　　　　　　　　　|: : ﾚﾍﾄ:{　, , ,　　　　　　　|: : /: : |　　　　　　　　なのはちゃん、ちょいこっち来よか。
　　　　　　　　　　　　　|: : |: : |: ヽ　　　　　　　　/|: /: :!ﾊ!
　　　　　　　　　　　　　|: ﾊ!: :.|: :i!:＞:. 　 `　　 .ｲ/!:': :/　　　　　　　　　　……あんなぁ、こないな状況やさかい。
　　　　　　　　　　　　　|/ ',.:.: |: ﾊﾊ从: ＞=　´ ノｲ!／
　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ:.:!'￣￣ ./　/!　　　　 〉ヽ.､　　　　　　　　　　ハッキリさせんのは、落ち着いてからにしようと思うとるんや。
　　　　　　　　　　　　　　/´　i　　　 /　 {__　　　__/ 　!. ＼
　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾊ　　i!.　　/ __ ハ ｀　´ /　　i!　　＼
　　　　　　　　　　　　　 i　　　!　　´　　　〈　　 ノ　-.､ |　　　 ＼
　　　　　　　　　　 　 　 ,　　　 ソ　　　　　}　 く　　　 ヾ 　 ／　 .〉
　　　　　　　　　　　 　 /　　 , '　　　　　 〈. , ノ　 　 　 　 /　　 〈
　　　 　 　 　 　 　 　 /　　 /　　　　　　　 ソ　　　　　　〈　　 　 !
　　　 　 　 　 　 　 　 i　 　.i: :.　　　　　. : :i: :.　　　　　　 i　　　,
　　　　　　　　　 　 　 |　　 |: : : : . . . : : : :.i!: : :.　　　　 .: :!　　/
　 　 　 　 　 　 　 　 ri 　 　': : : i : : : : : : :.|: : : : : . . . : : /　 /
　　　　 　 　 　 　 　 } !　 　 }: : :|: : : : : : : :!: : : : : : : :.／ 　 ,

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なのはは暗い話はこれまでと話題を切ると、はやてに意地悪気な視線を向けた。
なにやらはやてをからかおうとしていたようだが、
はやてに肩へ腕を回され、自分から遠ざかるように反対側へと連れていかれる。

さすがにこの距離で内緒話をされては聞き取れないので、
首を傾げながら話が終わるのを待つしかなかった。
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5034： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/07(土) 21:56:15 ID:UH5YuQoE0

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　　　　　　 ./--:. /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽヽ:.:ﾍ
　　　　 　 .,':.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:./:.:.:∧:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ ヽ:ﾍ
　　　　　　ｉヽ:. /:.:.:.:.:.:. : |:.:.:.:. /|:.:./　|:.:.:.|:.:.:.:.:|:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:ｉ 　ヾ､
　　　　　　|ヽ: |:.:.:.:.:.:.|:._⊥___/ .| /　 .|:.:.,'⊥__:||:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}:.:.:.:.:.}
　　　　　　',ヽ:.|:.:.:.:‐卞:.ム∠..｀|/　　.|:.7´＿ :|.リヽ:.:. !:. |:.:.:.:ｉヽ:.:.: |
　　　　　　 ',:.:.|:.!:.:.:. |.≠::てうﾐ/　　　|/ ｲてうヽ､|:.:.:.ｲ:.:.!:.:.: ,' |ヽ:. |　　　　　ええー……普通は逆じゃないのかな？
　　 　 　 　 ∨|:|:.:.:.:〃ら::::::::}　　　　/　 b:::刈 〃:.:ｲ:|:.:ｲ:.: /:.:|　.}:.|
　　　 　 　 　 {.|:|ヽ:.ヽ｀.辷z.ﾉ. 　 　 　 　 辷丿 ././:|:.|/:.}:./:.:. |　.|/　　　　　 こういう状況だからこそ、さっさと……
　 　 　 　 　 　 |ヽヽ:.ヽ　　　 　 　 　 ,　　　　.／/:.:.!/:.: |/|:.:.: |　/
　　　　　　　　　!:.:.:.:＼＼　.u　　　　　　　　 　 /:.:.:ｉ:.:.:.:/:.:|:.:.: |
　　　　　　　 　 .',:.:.:.:!ヽ、　　　　　r -,　　　　.ｲ:.:.:.:}:.:.:.:.:.:.:|:.:.: |
　　　　　　　　 　 ｉ:.:.:.|　 ト 　　　　　　　　／ . ｉ:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.|:.:.: |
　　　　　　　　　　 !:.: |　.|　 ＞　　　　.イ_　 　.|:./:.:.:.:.:.:.: : |:.:.: |
　　　　　　　　　　　ヽ:|/ヽ __　 　 ｀´　._/|　　 .},':.:.:.:.:.:.:.: : |:.:.: |
　　　　　　　　　 　 / ﾍ　　　 ｀ヽ -- ´　 i!ヽ､./:.:.:.:.:.:.:.:.: : |:.:.: |
　　　　　　　,､r::´::/ 　 ﾍ　　　　/　 ヽ 　 .|　ヽ｀ヽ、:.:.:.:.:.: |:.:.: |
　 　 ,､r::::´::::::::::::/　　　 ﾍ　　 / ヽ <.ヽ ./|　　＼::::｀:ヽ、: |:.:.: |





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __　　　----　 __
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 _／: :⌒: : : "´: : : : : : : ､
　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒: : ､／: : : : :‐‐: : ､: : : :＼
　　　　　　　　　　　 　 　 ／: : : : -ﾍ: ::/⌒＼ : : : : : ＼: : : :.
　　　　　　　　　　　　　　ｉ: : : : /: : /{:/⌒＼: :＼: :＼: : ＼: : '，
　　　　　　　　　　　　　　|: : : /: ::/: ﾊVﾊ: : : ､: : /,: ∧＼∧: :.
　　　　　　　　　　　　　　|: : / : / {/""ﾞﾞ}: {: : : ＼: V/∧//ﾊ: :.
　　　　　　　　　　　　　　{/::': : :': :{　 　 }: :､: : : : :＼V/ﾊ: : :}: :ｉ　　　　　　いや、ヘンに安心させたらコロっと逝きそうやねん。
　　　　　　　　　　　　　　{/:ｉ: : :i: 八⌒八 : {＼⌒: }⌒: : }: : }: :|
　　　 　 　 　 　 　 　 　 /: :{: : :{: iｨぅ灯^ ヽ{　灯うぅ: :} : }: : }: :|　　　　　　『もう悔いはないぜ』なんちって特攻かけられても嫌やし。
　　　　　　　　　　　　　 ': : 八: :Ⅳ､Vツ　　　　乂ツⅥ: :,＾Ｙ : :|
　　　　　　　　　　　　　: : : i: ::＼乂:.:.　　,　　　 .:.:.:.ノ : /ノ: :∨　　　　　　 「あー……彼、そういうとこあるかも」
　　　　　　　　　　　　　ｉ: l: {: {: ::込 u　 　 　 　 　 ⌒7ｲ:/: ＼{
　　　　　　　　　　　　　|:八{: {:､: :.:}: ::.. 　 r__，　 ..: :／V: :. : ::}　　　　　　　 せやろ？　もうちょい、男として責任感を湧かせてからなぁ……
　　　　　　　　　　　　　|'　 {:八{＼}: : i :::.. __　イ_／/　 }/: : 八__
　　　　　　　　　　　　　　 八／ﾆ7: : ﾉ: ／/ﾊﾆﾆﾆ/ 　 /: : 'ニﾆ=- _
　　　　　　　　　　　　　　　r{ﾆﾆ,: : :/／　　/〉ﾆrく　　 ': ::ﾊニニニﾆ=-_
　　　　　　　　　　　　　　　{∧ﾆ{乂:/___　 /､ﾆﾆ{⌒＼八(.:.Vニニ／-=∧
　　　　　　　　　　　　　　 八ﾆﾆ／/ ／ У-=ﾆﾆ〉 　 ∨.:.:.:.:Vニ'-=ﾆニﾆ}

5035： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/07(土) 22:01:49 ID:UH5YuQoE0

　　　　　 ＿＿＿_
　　　　／　　　　　＼
　　 ／ _ノ　　ヽ__　　＼
　／　（● ）　（● ）　　＼　　　　　ふ、二人とも、いったい何の話をしてるんだお？
　|　　　（__人__） 　u　　　|
　＼　　 ｀ ⌒´　　　　 ／　　　　　　まさか、女同士でしか言えないような話とか……
　 /　 (__｀ヽ、　　　u　＼
　 ＼|　 ｀＼　＼＿__ﾉ　 |
　　　|　　 　＼＿＿＿/ |
　　　|　　　　　　　　　　 {





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　　　_　. . :''"ﾟ~￣￣~~"''〜､、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／⌒＼.: .: .: :⌒＼／. .: : ＼｀丶、
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ -‐…: .:/.: .:./ ﾊ '.: .: .: .: .: .: .: : ＼ : : : .: |.:.::ヽ
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　　 ((＼./ ) 　 (　＼ 　 　　 　 　　　　　 　 　 .: ./ :/.: : ／ :.|　 |.: .: .: :| :/¨¨７ト､ |二二 |∧〉 : i
　　 　＼i 「 }.,_　＼__＼　　　　　　　　　　　　/.: ' : ; : .: .: { ,ｘ=ミ|.: .: .: :|/　__/ |.: /|＿＿_|.: |.: .: |
　　 　 　|_|　V ﾆ=-＼ﾆ-_　　　　　　　　 　　; : { .: | :|.: .: Y　ノ狄.: .: .: | ⌒7ミk､.: |/.: .: /.: :|.: .: |　　　　　いーやいや、なんでもあらへんよ！？
　　　 　 乂､,,)＼}ニニ＼ﾊ　 　 　　　　　 　 |.:八.: |八.: : 乂∨ﾂ ＼ .: |　ノ狄( ﾊ:/.: .: /.: .: |.: .: |
　　　　　　 ＼ﾆ}〕トミﾆﾆ 八 　 　 　 　 　 　 |　　〉:|.: .:＼:.(_' ' 〈ｉ　　＼　乂少' ノ : .: /'Y.: .八.: :|　　　　　ほんまほんま！　気にせんといて？
　　　　　　　　 :､ﾆニﾆ＼ﾆ.ﾊ　　　　 　 　 　 　 /.: | .: .: .: {⌒　r.　　_ 　 　 ' ' ／ : .:/ ノ.:.:/.: .: .:|
　　　　　　　　　 ＼ニニ Y /〉　　　　　　　　　.: .: :|.: .: | 八　　∨ ::::::)　　u.⌒7:.:.:/.: .: .:/.: .: .: :|　　　　　　
　　　　　　　　　　 〈-=ニニ人　　　　　　　　　| : /|.: .: |.:.:.心 　　‐-　　＿_ ／ : /.:.:／/.: :|.: .:.:.|
　　　　　　　　　　　 |ﾆﾆ=---=）　　　 　 　 　 | /八.:.:.:|.: :|:／＼__ 　 〈⌒∨:／/.: .: .:/.: .: |.: .:.:.|
　　　　　　　　　　　 |ニニニﾆ〈　　　　　　　　 :(　　＼.: .:几￣　_〕＿__＼ |:/／.: .: .:∧.:|.: | .: .八
　　　　　　　　　　　　|~''‐-=ﾆﾆ〕　　　　　　　　 ＿__.､-'' 〕 |＼　〕ニニﾆ〕.|:/.: .: .::.:/／ |.: |＼ .: .＼
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　　　　　　　　　　　　|　　　　，　　　　　＿_／ ´　　 |　____.j_|_/.人 {　　 厂|.: .:/ |＼_／|.: |　 |.: .: : |＼
　　　　　　　　　　　　|　 　 　 '， ____r＜￣￣￣＼　＼|.　　 /ニ＼T彡〈　 |.: , 　|　 |　人:八｜ : : 八
　　　　　　　　　　　　|　　　　　V／＼　 ｀`〜､、　＼　|　 _　-‐-ミ)|〕ﾆ∧八 (　 |　 |　 ＼　 ﾉ.: : /　 )

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しかし、ちょっとした内緒話にしては、少し長い気がする。
もしや自分のことなのだろうか。直接言えないようなことをなのは相手に
漏らしているのではなかろうか。そんな不安がよぎった。

たまらず遠目に声を掛けると、えらく慌ててはやてが振り返る。
勢いに押し切られ、つい首を縦に振る。こういうのは掘り返しても無駄だ。
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5036：安価のやる夫だお：2022/05/07(土) 22:03:17 ID:VLOoLdW20
草生える

5037： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/07(土) 22:09:18 ID:UH5YuQoE0

　　　　　　　 ＿＿
　　　　　　∠_: ＿: :＼
　　　　 ＿_ ／: : : ｀ヽ:ヽ_ . . .-―‐-. .､
　　. ／: ;／: : : : : : : :ﾍ: : : : :_: -‐: : : : : ＼
　　/／/l: : : : : : : : : : :ﾍ: : : : : : : : : : : : : : :ヽ
　 ´　/: :|: : : : : : : : : : :/〉: : : =ニニ: : : : : : : :ヽ
　　　l: /|: : : : : : : : : :l'/: : : :｀ヽ､: : : : : : : : : : : :i
　　　|/l |: : : : : : : : : l: :l: : ＼: : : : : : : : : : : : : : l
　　　　|: | : : : : : : : : l: : l: : : : :｀: : : : : : : : : : : : l　　　　　　　……ふぅん。
　　　　ﾍ:|: : : : : : : : :|: : : :ヽ: : ＼: : : : : : : : : : /
　　　　　|: : : : : : : : :|＼: : : ＼: : ヽ: : : : : : :／
　　　　　|: : : : : : : : :|　 ＼: : : : : : : : : : :／
　　　　　|: : : : : : : : :ﾄ､　　＼_　-‐-､:／
　　　　　|: : : : : : : : :| .｀ｰ=!,,≠＝==
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　　./ヾヽ:|: : : : : : : : :|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::lヽ
　　{　　} }|: : : : : : : : :|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_-‐/l:::::::l　}





　　　/:.:.//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｌ:.:.:.:.:.ｌ:.:.:.:.||:.:ﾊ:.ヽ:.:.:.ヽ、,-:.┼--___:|:.:.:.:.:.:.:.|:.:/:.:.|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　|:.:/.,':.:.:.:.:.:.:/:.:.:.|:.:.:.:.:.:|:.:.:.:| |:.:ｌヽ:.＼:.:´＼ヽ≧云､:.:.|｀:.:.:.:.:.:|＾､/:.!:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:!
　 　 |/　|:.:.:.:.:.〃:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|:|≦卞|｀ヽ ヽヽヽ 〃て::､ 弋o|:.:.:.:.:.:.|´ ヽ:.|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　|　 |:.:.:.:.:.:||:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:ｲ |≠云う丶　 ＼　　{:::::::ヽ-} 〃:.:/:./|　 ./:!:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:!
　　　　　{:.:.:.:.:.|{:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:メ ん:::::::}　　　　　　つ -:少 ｲ:.:/|:/:.:|／:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　　　.∨:.:.:|.∨:.:.:ｉ:.:.ヽ:.:.:.:.｀ つ-´j　　　　　　‐｀‐‐┴/:.///:.:.:|:.:.:.:.:!:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:!
　　　　　　∨:.:| .∨:.:ヽ、:.＼:.:.＼.ゝ´　　　　　　　　　　///〃:.:.:.:|:.:.:.:..!:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:!　　　　　　　そういうことなら、私もネガティブなこと
　　　　　　　ヽ:.|　 ヽ:.ヽヽ、:.｀ヽ__ヽ_　 　 ′　　　　　　//,ｲ:.:.:.:|:.|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　　　　 　 ヽ|　　ヽヽ　＼:.:.|:ﾍ 　 　 　 ‐ ‐ ´　　　　 / ,':.:.:./l.,':.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　言ってばかりじゃいられないかな。
　　　　　　　 　 ヽ　 　 .＼ 　 ﾏ:|:.:.ヽ、　　　　　　　　 ／　,':.:/:|/:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |∧:.:.:.:.|｀＞ .､　　　 イ　　/／ /ヽ、:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　　……そうだよね、生き延びないと。
　　　　　　　　　　　　　　　　　|| ヽ:.:.:.| 　 　 ._｀T´　　_ -/　　 ./ .|＼_:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |　 ＼:.|　,､r ´/ヽv＜´　　　　/　 |::::::::::￣｀― 、:.:!　　　　　　　　　 全部、なくなっちゃうもんね。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､r －ヽ:/　 ,'／l./ .ヽ　　　 / 　 .|:::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ 、
　　　　　　　　　　　　　 ,､r::"´:::::::::::::::/ 　 / ヽy‐ 7´ヽ　 /　　　|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ 、
　　　　　 　 　 　 　 　 ,'|:::::::::::::::::::::::/　　./　 l≠´.|　　>´　　　 .|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,::--－‐ヽ
　　　　　 　 　 　 　 　 | |::::::|＿-- <　　 / ./ /　ヽ | ./　　　　　ト- 、_::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::/
　　　　　 　 　 　 　 　 |:::|:::::|　　　　 ＼イ　ﾆ　　　.y |　 ,.＞＜´　　　 ＞-＜__／:::::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　/´,':::::/　　 ≠＜´　|´::::::::ヽ /　　｀｀ 、　　 Eニニコ　　 ./　|::::::::::::::::::::::::|
　 　 　 　 　 　 　 / //::./　　 　ヽ　　　.|::::::::::::／　　　　　 /　　　　　　 　./　　 |::::::::::::::::::::::::|

5038： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/07(土) 22:09:32 ID:UH5YuQoE0
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5039： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/07(土) 22:21:41 ID:UH5YuQoE0

〜翌日、CDCにて〜
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:::::::::::::::::::::::::::: : ￣丁""""""""""""ﾟ丁丁""丁""""丁""":丁""丁丁丁""""~|￣::::::::::::::::::::::＿三二ﾆ=-
:::::::::::::::|￣二' =┐::| :::::::::::::::::::::::::::::::: ┃┃┏┛::::::::: ┃:::::::::┃┏┻╋┛:::::::::::::|::ｉ￢冖ﾆ:i￣┌──┘::::::
:::::::::::::::|　　　 　 |::::|:::::口口口 ::::::::::: ┣┛┃＿＿＿┃:::::::::┣┻┳┛:::::::::::: ::: |::|:::::::::::::::|:::::└─┐:::::::::::
:::::::::::::::|　　　 　 |::::|━━━━━ｰ┳╋━┛￣￣┣┻━━| ┏口:::::::::::::::::: ::: |::|:::::::::::::::|:::::┌─┘:::::::::::::
:::::::::|￣|二二¨¨¨::::|::::::::::::: ：：：：::: ┗┻━┳━━┫:::┏━╋┛::┗┓:::::::::::::::::|::|::::::::::／::::::::|::::::::::::::::_|＼
:::::::::|　 |＿＿|::::::::: |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ┏┻━┳ﾛ━┫┏┻::┳━┛:::::::::::::::::|::|￣|:｢::::::::::::::＼:::::::::::|:::::::
:::::::::|　 ||二二二|::::|━━┓::::::::::::::::::::::: ┃::＿___||_||___┃┣┓::┃:::::::::::::::::::::::::: |::|￣└┐:::::::::::::|_::::Г::::::::
:::::::::|＿|二i:::::::::::: : |━━┻━━━ｕ━⇔┛￣ |「「￣┗┛┃__』::::::::::：：：:::::::::::|└--=ﾆ⊥.....,,,,,,二´＿_::::
::::::::::::::::::::::::::::__,,.ﾆ⊥==== ┌──────────────‐┐=======∟.、_::::::::::::::::::::::::::::::::::::￣
-‐…__,,..二¨-‐__,,二ヽ::::::_ ┴──────────────‐┴ _::::::::::::_⊥..,,,_￣　　 ｰ-=ﾆ二_::::::::::
二¨-‐=''ﾆ⌒:::::::::::::::: |　｣ﾆﾆﾆiﾆﾆﾆﾆiﾆﾆﾆﾆiﾆﾆﾆﾆiﾆﾆﾆﾆiﾆﾆﾆﾆiﾆﾆﾆﾆL　　｢´"''ｰ|´~" '' ￢ｰ-　 __￣¨¨
斗-‐ '' "´´_＼:::::::__,..|┬──|￣|────────|￣|─|￣|──‐┬　　⌒ア_￣”¨"''　‐　　__「｣"''
-‐__,二ﾞヽ´::|-‐∠二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二＼　´Ｔ''￢=‐-　 ,,__ ´~" ''
Ｔ｢ ｏ　ﾛ |-┘　|_◇__区]_匚]_＿i_匚]__|__匚]__i_i_i_区匚]__匚]_|_i_i___匚][]_i_i_匚]_|　　¨ﾆ=--ｒ-=ﾆ.,,_´"'' ‐-
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　　　　　　 〃 ｉ:.:.ｉ:.:ｉ:.:.:|:.:.|:.:|:.| ',:.:.ヽ斗‐下￣:. ｉ:.:.:.:.:ｉ:.:../|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
　　　 　 　 ,'　{:.:.:|:.:.|:|:.{┼廾- .ヽ´. 芹ﾒ气､､|:.:|:.:.:.:/: / :|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
.　　　　　 / 　ｉ:.::.!:.:.ﾘ!:.!: |.笊ヽ　 ヾ、ト::::::} .》!:/:.:.:.,'‐､: /!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　',:.:|',:.:.|:ヽ:',ヽ{::::j . 　 　 ヒzﾉ　 //:.:/ }｀ヽ/|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
　　　　　　　　 !:.| ｉ:.:|:.:!ヽヽ.ﾋﾘ　 　 　｀¨´　 /:イ:.:.:.ｉ . //|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　　　　　――それでは、最終確認を行います。
　　　　　　　 　 }|　',:|ヽヽヾ、 ､　　　　　　 ./　 !:.:. }／/. !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
.　　　　　　　　　|　 ヽ ヾ人　　 r--,　　　 　 　 |:. /／　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　我々はこれより、元ノルドルムの軍事拠点を占拠。
　　　　　　　　　　　　　　!:.:.ヽ、　　　　　 　 ∠//.|.　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ',:.:. |　ヽ、　 ,　＜　_〃´!ヽ- ､ |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　　　　　 今後の潜伏先、かつ民間人の保護施設、
　 __＿＿＿＿＿＿＿＿_ヽ:.:!　　 ｀ /7､ ´　/.　/ 　 .|:::｀ヽ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　 Ｖ三三三三三三三三ＶＡヽ . 　,/ /_ ｉ　　　/　 　 .|::::::::::::::｀::ヽ::、 : |　　　　　　　　補給基地として運用していきます。
　　V　　　　　　　　　　　　VA,r::´/ |/≠ヽ　 /　　　 .ト､:::::::::::::::::::::::::｀ヽ
　　 V　　　　　　　　　　　　VA:::/.　|/∧ヽ∨　　 　 /.　ヽ:::::::::::::::::／::::::
　　　V　　　　　　　　　　　　VA.　　|-　 ∨ 　 　 ／　　　 ＼:::::／:::::::::::
　　　 V　　　　　　　　　　　　VA.　├‐‐/.　　 ／　　　　 |　　ヽ::::::::::::::＿
　　　　V　　　　　　　　　　 　 VA　.|:::::/ 　 ／　　　　　　|　/ .ｉ:::::::::::〃‐‐

5040： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/07(土) 22:21:51 ID:UH5YuQoE0

　　　　　　　 　 　 ／|　|　 　 ! i　　　|　|＼
　 　 　 　 　 　 ／.／i　ﾄ､ 　 i .!　　/i　.!＼＼
.　　　　　 　 ／／　　! .i ∧　i .!　./ .!　i 　 ＼＼
　　　　　　　｀¨｀ ヽ、 i　! .∧ ! i ./　 !　i ,ゝ　´¨´
　　　　　　　　 　 　 〉.! .i　 / i_.! ∨ .!　i〈
　　　　　　　　 　 ／　i　i＞'´　｀ヽ､_!　i　＼
　　　　　　　　　 ヽ、　i,':::{ i　　　 i }::', .!　／
　　　　　　　　　　　∨_}､::{/:.､__,.:'ﾏ:ノ i_/
　　　　　　　　　　 , '´ 　゛´＼::::／｀゛ 　 ｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　 r-､-
､_　　　　　　 　 X 　　　　　 }ililili{　　　　　　X　　　　　 　 　 _/{二二}､_　＼　 ｀ヽ、
,} ヽ　　　　　　{、 ヽ、　　　Y ￣ Y/　　　／ .,}　　　　　　　/ {!　　　　 } ヽ　 V/ 　 ＼
　　〉　　　　　　 ｀ヽ､Ｖ/　　ヽ |! / 　 　./ ／　 　 　 　 　 /　 V/　 　./　 }!,-､V/　 　 ＼
　 /}_＿_　 ＿__　 ／ヽV/ i　　　　 i　 /'´ ヽ　 ＿__　 ＿_ﾏV/ V/___/ 　 /j}　 ﾏ∧　　　 ヽ
. /／　_ ｀ヽ 　 ∧｀ヽ､ .V/|　 　 　 | ./ ,。＜ /　　/ ´　_　ヽV/ V__/ 　 /､}　　 }/i}　　　　 V/
//　 {＿}　 V/　∧_.{､ ヽ,!i|　 　 　 | ／　, }_/　　/ 　 {＿}　.ﾏV/　　　./ ,j}　 　 }/}　　 　 　 }/
.{>､__＿_　　.V/　∧ ､{ヽ.V!　　i　　|,　/´i. /　　/　 　_＿＿_>‐V/　 ./-,j}　　　 }/　 　 　 　 }/
..｀ー‐―＜>､V/　∧　｀ Ｖヽ、.i._／ ./´　/　　/ ＞ﾟ´＞－― '　 ー‐'　 ヽー

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「事前のノーマル隊による偵察により、当該施設に防衛戦力は確認できず。
依然として放棄されている状態です。すぐにでも占拠できることでしょう。
しかし、目立つ軍事行動であることには変わりありません。
よって……ネクスト機による、陽動作戦を行います」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5041： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/07(土) 22:32:42 ID:UH5YuQoE0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 jI斗　　 ／　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.｡s≦　　　 ／　／
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　 八　　ｧ'ﾞ⌒　 .,　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 .｡s≦ 　 　 　 　 .．＜｣i｣iイ
　　　＼{i　　　 　 ”''＜　　　　　　　　　　 .．＜ 才ﾞ　　　　 . ┌─────────────┐
　　　　从　　　　 jI斗*≦ｰ==ミ､≧‐r＜　　/´　　　.｡s≦i｣i.│Arms fort Moskstraumen　　　 .│
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.　　　　　　 　 く　　}}｣　 ./　j≫=彡'jI斗匕]i／⌒　､　　 ヽ . └──────────┘
　　　　　 ／　　 ヽ i´i｀ヾ≦　　 i{ー''⌒7 7ｉ|　　　　 ヽ
　　 　 ／　　　　/´乂,ノ　　　　ﾉi　　 ./ /　|　　　　　 } 　 i}
　　　 乂_________j辷彡　 jI斗匕　ー‐‐r '　八.　 　 　 ﾉヾｰ'
　　　　　￣ ﾌ___,,.斗*≦L_　　　 　 　 |　　　}＼　 ／　 ﾉ､≧s、
　　　　　　　　 ｀ヽ　　 }i}⌒ヽ　　　　　辷r‐[{　 ｀´＼／､ノノ　 ヽ
　 　 　 　 　 　 　 ,辷彡'　　i}　　　　　 L.. 斗}　　　　　 {i´　　　 Ⅵ
　　　　 　 　 　 ∠　　　　　ﾉ'.　　 　 　 Ⅶ　∧.　 　 　 从　　,,.斗Ⅵ
.　　　　 　 　 ／⌒ヽ　 ,.イ　　　　　　　 ∨/　 ､ 　 　 　 个く　　　∨
　　　　　　／　　.．＜　　　　　　　　　　　 ､.　　＼　 　 　 　 ＼.　　V
　　　　　　}___／　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼_r'⌒ s｡..,, ___.　　ヽ　 ﾏ
　　　 /　　／　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ≧s｡..,, _j}____}　　　 〈 ∧
　　　ー‐ '　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ∨∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨」}

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「作戦目標は旧ノルウェーエリアの西端にて作戦行動中の
アームズフォート、モスクスラウメンの撃滅です。
アヴィアコル製の水陸両用アームズフォートであり、
潜水艦をメインの拠点とする我々にとっても脅威であると判断されました」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5042： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/07(土) 22:37:19 ID:UH5YuQoE0

　　　　　￣＞--｀:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ:/ヽ、:.:.:.:.:.ヽ、
　　 　 .／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:、:.:.:.:.ヽ/:|＼:.:.:.:.:.:ﾍ
　 　 /:.:.:〃:.:.:.:.:.:.:.:.l:.|ヽ:.:ヽヽヽ、:.:.:.:.:',:.:ｉ:.:',:＼:.:.:.:.ﾍ
　　 ,':.//:.:.:.:/:.:.:.:|:.:|:.|ヽ＼七云ヽ、:.:.:.ｉ,､:.∧:.:.＼:.:.:ﾍ
　　 ∨.ｉ:.:.:/:ｉ:|:.:.､メ云　ヽ .'ら い,.ｉ:.:.:|:|ヾ/　',:.:.ヽ＼:.:',　　　　　　　主力級アームズフォートへの奇襲を隠れ蓑に、
　　　　|:.:∧:.ｉヽ:.ヽんう　　　.辷ﾉ .}:.:.,':| /　　',:.:.:.ヽ ヽ:.ｉ
　 　 　 ',:.| {:.:',ヽヽ:ヾ､ゝ,　　　　　,':./:.:!/　　　ｉ:.:.:.:ｉ:.:.ヽ:|　　　　　　 我々は洋上施設へと雪崩込み、占拠。
　　　　　ヽ ヽヾ ＼ヽ、 ｀＿　　　〃|:./|　　 　 }:.:.:.:|:.:.:.:.|
　 　 　 　 　 ヽヽヽ、.ト 、　　　./／./ .|､　　　.ｉ:.:.:.:|:.:.:.: |　　　　　　 その後はマーシフルの援護にノーマル隊を向かわせます。
　　　　　　　　　＼ 　ヽ:.｀＞ .イ　.〃／/.>＜￣7‐‐ ､:. |
　　　　　　　　　　　　　ヾ 、.r/､./／ /　/:::::／::::::::::::::',:.|　　　　　　 成功すれば、驚異の排除と共に、今後の作戦行動に
　　　　　　　　　　　　,､r:::´// .ﾍ´　/　./-:/::::::::::::::::::::::}:|
　　　 　 　 　 　 　 /:|:::::::/ Ⅳ∧ヽ′ / / ヽ::::::::::::::::::::,':.|　　　　　　　大きくプラスに影響することでしょう。
　　　　　　　　 　_/::::| /ヽ／ヾ､/ヽ‐‐　.| ./ |::::, ≠ ､::/:.:|
　　　　　　　　 //::::〃　/ .|::／　／　.／ 　.|:/,'　　.}/|:.:.:|
　　　 　 　 　 //::〃∠‐ゝ∠ ／ 　 /.､ヽ　　!{ ､　.丿:|:.:.:|
　　　　 　 　 ゝ ｀/　　　/:／｀ ‐‐ぐ､ゝ′ 　 |｀-::´!:.:.|:.:.:|
　　　　　　 / ___ {　　 ./:/　　　　　 ヽ´＼　　‐‐／:.:.:|:.:.:|
　　　　　 .///　 ヽ 、 |:.|　　　　　　　ヽ　　 　 //:.:.:.:.|:.:.:|
　　　　　/ /　　　　　｀ヽ ､　　　　　　　　　 /./ |:.:.:.:.:|:.:.:|





　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:/＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |
.　 　,ｲ:.:.:.:.-.:.:￣￣:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼/:.:./ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |
　　/:.／／:.:.:.:.:.:.／:.|:.:.:.|:.:|:.:.:.:.: ｉ:.:.ヽ:.:.:.ヽ、:.:.:.:.:.:.ﾍ:/ : |:',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　 //　/:.:.:.:.:.:.:./:.:. : |:.:.: !:.{!ヽ:.:.:ヽゝ‐廾:.-- ､:.:.:.:.:‘，/ |:.ｉ:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　/　 /:.:.:.:.:.／ｉ:.:/:.:.:|:.:.A-|ヽ:ヽ:.:.:ﾍ＞斥≠、ヽ:.:.:.:.:.ｉ:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　　ｉ:.:.:.:.://:.|:.:!:.:.:.:.y´|｡≠､ヽ＼:.ﾍ んてﾒ.＼:.:.:.:.:. |:.:. : |:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　　∨:.:/ ｉ:.:.ｉ:.{!:.:.:.:.|〃んう　　　＼.う__/} ,ｲ|:ｌ:.:.: : ｌ＼:/|:.:.:.:.:.:.:. : |
.　　　人,′!:.:.:ﾘ!:.:.!:.:.ｉ ｀.うﾂ},　　　　 ゝ-┴　 }:l.:./:/　/:. |:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　　　――聞こえてるね、やる夫君？
　　　　　　 ',:.:.:. ﾄ:.:ヽ:.ﾍ. ゝ¨, 　 　 　 　 　 　 / /:. |／!:.:.:|::.:.:.:.:.:.: : |
.　　　 　 　 丶:.:.ｉ ＼:>､ﾍ　　　　　 　 　 　 　/}:.: : !　 |: : |:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　　　君が企業連のAFに一撃かましてる間に、
　　　 　 　 　 ＼|　 /l:人＼　 ﾏ￣ﾉ　 　 　 　 !:.:./ 　 |: : |:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　　　　　　|:.|{:. : r .　　　　　　　　イ　|:.,'　　 |: : |:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　　　 君の寝床は確保しとく。終わったら援軍も寄越す。
.　　　　　　 　 　 　 リヽ:.: |　 　. 　　　＜　　　/ｲ . 　 |: : |:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　　　　　　　　＼{ 　 　 ￣|　　　　 ／ ∧ﾍ　|: : |:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　　　　帰ってきたら、広い部屋で、なるべくおいしいものを食べよ。
　　　　　　　　　　 　 　 　＼ 　 r/{　　 , ＜ 　　　/ ヽL;; |:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　　　　　　　 　 　 ,､／/－＜、　　　 .／　./:::::::::｀ヽ:、:.:.: |　　　　　　　　　 ……行ってらっしゃい。
　　　 　 　 　 　 　 　 ,､r ´／　/>= /´ ＼　 ／　　/::::::::::::::::::::::::｀ヽ、
　　　　　 　 _,x ≦:::::::::::／　　/>≠<　 　 >　　 　/ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ、
.　 　 　 　/::|::::::::::::／ /　 　 ／/　＼＼ |:　　　 / 　 ＼::::::::::::::::::::::::::::::::/＼
　　　　　 |::::|::::::／　　＞　´ヽ ´　　　｀´ヽ　－＜　　　 ヽ::::::::::::::::::::::::::/::::::::|

5043： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/07(土) 22:38:00 ID:UH5YuQoE0
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　)ヽ　　　　（　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣　　　)　　　　　て
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 くノ

5044： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/07(土) 22:39:51 ID:UH5YuQoE0
┌────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│　　　アームズフォート・モスクスラウメン撃破　依頼主：---　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　　　プラントから離れた場所にて作戦活動中のアヴィアコル製水陸両用アームズフォート、　　　..│
│　　　モスクスラウメンを撃破せよ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
│　　　味方部隊：時間差でノーマル隊が駆け付ける予定　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
└────────────────────────────────────────┘

5045： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/07(土) 22:47:19 ID:UH5YuQoE0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|　　　　　　今回はここまでだ。
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,　　　　　　次回のミッションは二週目後半のターニングポイントになる。
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|　　　　　　よかったら見て行ってほしい。日時は……そうだね、5/12の午後八時からだ。
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,　　　　　　モコイさんのGWもおしまいだよ。短かったが、休めてよかった。
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´




ＨＡＬＦ　　 |ヽ 　 　 　
ＭＯＯＮ　..|ノ　 　 　 　 　 　 　 　
　　　　　　　　　　　 _ _ ___ __ _　 　＿＿
　　　　　　 　 　 　/ :::::::::::::::::: :i, 　 .ヽ::::::＼
　　　　　　　　　　 i:::::::::::::::::::::: i　 ／　＼ 　＼
　　　　 　　　　　　i :::::::○::::○i／ 　 　　￣￣
　　　　　　 　 　　/ :::::::::,,- -_ｯi　　　　i i i
　　　　　　　　　 /::::::::::｀ー‐'´ヽ 　 ＿＿i i i--i　　　　　　　そうそう、Twitterなんだけどね、もう弱音しか吐いてなかったから、
　　　　 　 　 　 /|::::|::::::::::::::::::|:::|　 ￣￣￣|::::::::|
　　　　　　　　/::::＼ヽ :::::::::::::i:::|　　　　　 ﾉ＿_ﾉ　　　　　　 さすがにちょっと創作垢らしいことをしようかと思ってね。
　　　　 　 　 /::::::::::::＼＼::／|:::|
　　　 .　　　（_ _.)￣i __.＼＼ |:::|　　　 i i i　　　　　　　　　　　作業報告としてこんな画像を張ることにした。
　　　　　　/::::::/|￣|ヽ:::::　し（ メ　　　 ﾉﾉﾉ
　　 　 　 /::::::/ﾉ_ _ﾉ　>:::::） 　 　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　よかったら生暖かく見守っていてほしい。
　　　　／:::／　 　　/:::／　 　 　 　 ＼＿＿
　　　/:::::/ 　 　 　 （＿つ　　 　 　　 /:::::::::/　　　　　　　　　　　　それじゃ、シーユーアゲイン。
　　　し'　　　　　　　　 　 　 　　 　 ノノ・ ./∴:・:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　~~~~~~~　　　　　　　　　　　　　　命ある限り、エターはしないのさ。
　　　　 ＿＿＿＿ ＿＿＿_ ＿＿＿＿ ＿＿＿__　
　 　 　 | ＦＩＧＨＴ || ＴＡＬＫ ||ESCAPE|| ＡＵＴＯ |
　　|￣￣|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀|￣￣|
　　|￣￣|　夜魔モコイが　1体現れた！ 　　...|￣￣|
　　| ..ﾔﾙ|　モコイは　さぎょうしている……　..|Ｙ　　|
　　|＿＿|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_,|＿＿|
　　|￣￣￣￣￣￣||￣￣￣￣￣￣||￣￣￣￣￣￣|
　　|.　ＥＭＰＴＹ　　.||.　ＥＭＰＴＹ　　.||.　ＥＭＰＴＹ　　.|
　　|＿＿＿＿＿＿||＿＿＿＿＿＿||＿＿＿＿＿＿|

5046：安価のやる夫だお：2022/05/07(土) 22:48:49 ID:x8z3IatI0
乙

5047：安価のやる夫だお：2022/05/07(土) 22:51:28 ID:dYWEUolc0
乙でした

5048：安価のやる夫だお：2022/05/10(火) 04:26:39 ID:DVjMxBLw0
乙ー

5049：安価のやる夫だお：2022/05/11(水) 23:07:35 ID:oxlg/mgY0
お疲れ様でしたー

拠点が見えて余裕が出てきた？

5050： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 20:00:52 ID:p2TKEHGQ0
ＨＡＬＦ　　 |ヽ 　 　 　
ＭＯＯＮ　..|ノ　 　 　 　 　 　 　 　
　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||
　　　　 ＿＿＿＿ ＿＿＿_ ＿＿＿＿ ＿＿＿__　
　 　 　 | ＦＩＧＨＴ || ＴＡＬＫ ||ESCAPE|| ＡＵＴＯ |
　　|￣￣|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀|￣￣|
　　|￣￣|　夜魔モコイが　1体現れた！ 　　...|￣￣|
　　| ..ﾔﾙ|　　　　モコイは　やるきだ！　　　　|Ｙ　　|
　　|＿＿|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_,|＿＿|
　　|￣￣￣￣￣￣||￣￣￣￣￣￣||￣￣￣￣￣￣|
　　|.　ＥＭＰＴＹ　　.||.　ＥＭＰＴＹ　　.||.　ＥＭＰＴＹ　　.|
　　|＿＿＿＿＿＿||＿＿＿＿＿＿||＿＿＿＿＿＿|

5051： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 20:03:00 ID:p2TKEHGQ0

　　　　　　 　 ,- ‐‐ -　､
　　　 　　 ｒ‐ｲ: : : : : : : : :｀,
　　　　　　i /○　○: : : : /　　　/｀ ､
　　　　　 　i_ _ _ : : : : : : :{　 　 / : : /　　　　　HMD、HUDとは言うが「なんのこっちゃねん」と思う方も多いだろう。
　　　　　　 ｀,_　_｀=-: : : :| 　 ノ : : /
　　　　　　　i: : : : :_: : : : :'y´ : : : /　　　　　　　モコイさんの設定ではネクストはHMD……ヘッドマウントディスプレイだ。
　　　　　　　｀-‐､´: : : : : : : : : ／
　　　 　 　 　 　 ﾉ : : : : : : : : i´　　　　　　　　　　HUDはヘッドアップディスプレイだね。
　　　　　 　 　 / : : : : : : : : : :|
　 　 　 　 　 　i: : : : : : : : : : : !　　　　　　　　　　　装着式、据え置き式と思うと分かりやすいだろう。
.　 　 　 　 　 （｀ー‐-　　-‐　_}





　　　　　　　　　_　_　_
　　　　　　　／: : : : : : ｀i
.　　　 　　　i: : : : : : : : : :!
　　　　　　　､: :○: : ○: :!
　　　　　　　 i: : : : : : : : : i　　　　　　　　　分かりやすいたとえをするなら、HUDはガンダム、ファフナー、エヴァ等。
　　　　　　　 l: : :,, --_ｯ: :',　
　　　　　　　 丶 ｀‐'´: : : :ﾉ　　　　　　　　　コックピット内のモニターに映し出された画面内を視界として操縦する。
　　 　 　 　 / ´: : : : : : : : ｀ヽ
　 . 　　　　/: : : : : : : : : : : : : ヽ　　　　　　　HMDはボトムズだ。意外とロボアニメでこのタイプは少ないんじゃないかな？
　　　 , -‐': : ,: : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　／: : : ,-ｲ: : : : : : : : /｀丶: : : :､　　　　　 ……単純に顔が隠れて絵が地味になってしまうからか。AAでは関係なしだね。
　 ｒ⌒ ,／　/: : : : : : : : i　 　i: : : : i
　 ` ‐ '　　/: : : : : : : : : |　　 ! : : : |　　　　　　　やっていこっか。
　　　　 　 i: : : : , _ -‐ ´,) 　 ｀ ヽ _|
　 　 　 　 (_ _i￣(_　-‐'´i
　　　　　　|　:|`‐´i : : : : |
　　　　 　 |: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
　　　　 　 |: : : : : |: : : : : !

5052：安価のやる夫だお：2022/05/12(木) 20:03:21 ID:5j1JtaME0
ハロー

5053： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 20:07:05 ID:p2TKEHGQ0

〜潜水艦アマツ　格納庫ブロック〜
＼┌‐/:〈/ /〉:::/─┐　　 /匕」　　　　{::::::/／　　　　　　 ／　　　　_＼　 　 　 | 　 　 　 |:::| }　}　　　　}　 }／　　　:|　 |:|　　　／
＼└/:〈/ /〉:::/─‐┘　／/＼_|,､‐辷三ア´　　　　　　 ／　　 xく￣{::::::ヽ＿＿_|｀ヽ　　　|:::| }　}　　　　}　 }　　　　 :|　 |:|　 ／ /
＼　/:::/ /::::::/──┐ {::::{　 ／{￣/ｰ／　　　 　 ｡o≦　　 ／＼::＼{::::::::::{::::::::::::::::::}￣￣::::| }　}　　／/　/　　　　　|　 |:|／　 /
＼ /:::::厂:::::/──‐┘ ＼{／:V´￣／　　　 ｡o≦ / 　　 ／ﾞ∨__＼::乂::::::乂:_:_:_:_ノ::::::::::::::::|_}　} ／ ./　 ハ　　　　 j　 , '　　 /
＼〈{／￣77───┐ ／::: :: |　／　 ,.｡o≦::/　}/ 　 ／{ :{'，∨＿|＼||::::::::::|:::::::::::::::: :::::::::::::,}　圦　/　 /　.|　　　 ./ ./　　　/
.＼/:::/7://───‐／:::::::／::|'´｡o≦　 /::::/| ./　 ／￣{ :{∧ ∨,,,|　 ||::::::::::|::::::::::::::::: :::::l／ }　}∧ 厂7||＿|　　　/__/　　　/_　-　¨
ヽ/::://://￣￣＞r'´::::::／/:::/　＿＿ ./:::::/ ﾚ 　∠| :|￣{ :{_∧ ∨|　 ||::::::::::|:::::::::::::::::::: ::|ニ′广ﾆ′/.|ﾆﾆ|　 ／ﾆﾌ　　 ／＼
..〈¨7〈7rf^＾￣::::::_:|､:／/:/ヽ癶//　 //:::::/／ ／___,| :|￣{ :{＿乂乂／ヽ::::: :|:::::::::::::::::: ::::|ﾆ:|　|ﾆﾆ:|　ﾄ､|ﾆﾆ|／ﾆﾆ7　 ／　　　 ＼｡o≦
../７ｰ∧:::::::::::ィ´ ｰ┘ /:::{乂:::::广¨7:::::::::/_,ィ⌒〉＿,| :|￣{ :{＿___≧s｡／ ＼|::::::::::::::::::: :::|i:i:|　|i:i:i:ﾘ　ﾊi:i:i:i:i:i:≧s｡/／　　　　 ,.ィ升///
..∨::/ｰﾍ:_:_/:::|‐‐‐┐/:::::广广{　　{￣￣〉　|　 {＿__| :|￣{ 乂_____彡'´￣｀ヽ|＼::::::::_::::::: |‐j　j{-=/ /i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/　　　　,.イ///////
/⌒ヽ::::::::＼≧s｡.,==/:::::/::/:::ハ　 }ｰ}ｰ‐}￣|　∧＿,| :|￣乂______彡'´￣_ニ,|　　Y´:::｀Y::|/⌒〉　:|　l |丁l 十ー- {　　　 /　/////////
{x=ﾐｿ￣￣￣≧s｡.,`'＜￣}|::::{-ﾍ /::/::::/ｉ|￣|_ﾉﾉ〉　.| :|￣￣￣￣斗r≦ |／|＞'ヘ:::::::ﾉ:::|⌒Y　 .|　| | :| l　|:|　　 ∨　　{　///￣￣￣
`ー'─────‐∧ｰ=≦厂＞‐/_/,,,,/ﾆ|　 |_）V￣/,. '/￣￣￣|　｡o≦＞'":::::::::::xi〔::::::ﾘ　,ﾊ　 .{　{ | :| l　|:|──∨　 ∨ /
＼┌────(¨/∧广V(￣￣(__)ヽ_ﾉ__,|　 |＿〉＿ ∧∨￣￣￣|x＜:::::::::::::｡s1::::::::: : /　/|　　∧ ∨:| l　|:|￣￣　〉　　∨
＼└───｡o≦二二二二ﾌ二＞'"::::()_|＿|_) ∨__,¨∧∨￣￣...|:|:::｀ '＜　|　 |:::::::::::/　/ :l:　　 ∧ ∨　 :|:|　　　　{ 　 /
＼┌‐＞'":_:_:_:_:_:_:_:_:_x＜⌒Y)): :／＼／{二＞r'´　〉　∧∨￣￣|:|:::::::::::::≧s｡:|:::::::::/　/　:| 　 　 ∧ ∨　|:|　　　　＼/
＼└‐|:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_://:::::〉::::::|／/　 / 　 ∨　　＼/￣　∧∨￣¨::|≧s｡::::::::::::::≧s./　/ 　 |　　　　||ﾍ　､ |:|　　　　　/￣￣￣￣￣
＼┌──|_/＼:_:_:_//ｰ＜:_(入 〈^＼{　　 ﾊ　　　/_〉￣￣∧∨￣ |　　＿≧s｡x'´:｀|　 {＿;;;|　　　　|| :|ﾍ ＼￣￣￣/
＼└─────┘＿＿＿ r'ヽ／／＼//＾ r vﾞ_,f^Y＿＿__ヾ:､__;| 　 |＼: : : {Y^ヽ{　 {￣:::|　　　　|| :| | ＼＞─‐┴─────
＼┌─────┐　 ｡o≦ﾏ‐〈_(;;）__／￣,‐ゝｨ､/ゝ'ヽ-ｨ　(,,) ヾ:､| 　 | : |￣￣: : : {　 {￣ :|　　　　jI斗r≦＿＿＿＿＿＿＿,､-'ﾞ
＼└─────┘／＞:/¨{‐､_〉　ﾘ｀ヽ､ 〈 {___{{_}＿/＾´ﾊ_ﾉ^l　´"㍉ｎ : |: : : :: : : ::∨∧:::::|　　 ／＿＿＿＿＿＿＿＿＿　 ＼
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毎度毎度、訪れるたびにお祭り騒ぎになっているドック内だったが、
それは今日も変わらない。

企業本社があるコロニー内の基地で実戦経験はほとんどなく、
最前線に位置する基地や付近のコロニーに比べると練度も低い。

だが、それも少しだけスムーズになっているような気がした。
眼下で小人サイズになった整備班の人々が忙しなく動き回っているが、
トラブルでつっかえたりしている様子も見受けられない。
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5054： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 20:14:01 ID:p2TKEHGQ0

　　　 ＿,,―――,,_
　　／ 　 ========ﾆ＼
　/　 〃　　　　 　 　 　 ヽ
　|∩{{　　　─　　─　　 }}
　|∪ ||　 （●） 　（●）　}}|　　　　　　　はやてさん……。
　＼　{{　　 （__人__） 　∥/
　_,,, ﾄ ミ三三|￣|三彡 ｲ,,_
/　　ト　――.TT ― イ　i　"i





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　　|八:.:.|:人:|:.＼＼ト''　　　　　　　　'''　　/:.:.:/　}:.:.:.:.:.|
　　 　 ＼ 　 |:.:.:.:.:.八　　　　 '　 　 _,　　 /彡/_,ノ:.:.:.:.:.:|
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整備用のブリッジに人影が見える。
慌てて収音マイクの感度を最大まで上昇させ、HMD越しに目を凝らした。

しっかりとジャケットを着こんだはやては、唇を一文字に結び、
真っ直ぐにマーシフルの横顔を見つめていた。

穏やかで、まるで悟り切ったかのような、揺らぎのない表情だった。
いつも自分を親類のように見つめていたあの眼が、自分を見上げている。
合金の装甲の、更にその下にいる自分を見つめるようにして。
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5055： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 20:23:01 ID:p2TKEHGQ0

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　　　　　　 ∥:/.: .:|.: .: |.: .:| .:　八.:.:＼.: .: .: : |／|.: .|.: .: |.: .: |:∨ : .: '，
　　　　　　∥.: .: .: |.: .: |.: .八:＼__＼:(_＼ : .: |　 |.: .|.: .: |.: .: |) |.: .: .: :'，
　　　　　　{　ｉ.: .: : | .: 人: .: .: ／￣ノハ　＼.:|　　x===ミ.: .:人八.: .: .:.:'，　　　　　　　　きばってき、やる夫君。
　　　　 　 　 |.: .: : |.: : : |:＼ : 乂 乂＾ツ　　 )　　　, ,　 ﾉ／イ.: :| : : .: .: '，
　 　 　 　 　 j八.:.:.|八.: |.: .:| .: .: :＞, ,　　 ､　　　　 　　 /|: j|.:.:.:|.:＼.: .: .:'，　　　　　　　私は待っとることしかできへんけど……
　　　　　　　　　＼| | :＼.:.:.| : .: 込　　　　_　　 '⌒) 　 .: :| :ﾘ.:.:.:|.: .:.:＼.:.:.:'，
　　　　　　　　　　　:|.: .: .: .:|.:|＼.: .:> ,. 　＇‐-‐　 ／ | ∨/.: .: :|.:＼.: .: .: : :　　　　　　　みんなで新しい家、用意して待っとるさかい。
　　　　　　　　　　/.:|.:|.: .:.:.:|.:|／(　　　 ＞　　 _／　/:|　| : .: | .:|＼￣＼.: .:i
　　　 　 　 　 　 /.: :|.:|.: .:.:.:|.:|//∧　 /:::|　|＼＿／../　:| .: : |.: |/∧　 ∧.:.|　　　　　　　せやから……ちゃんと帰ってきてな。
　　　　　　　　　. .: .:|.:|.: .:.:.:|.:|／⌒∨:::: |　＼ニﾆ／　 ∧ .: .|.: |＿_〉 /　∨
　　　　　　　　　| 八|八.: .:.:|.:|/＼_/ :::::: | /⌒> <⌒／:::∧.:.:| :八　∨ ＼ '，＼
　　　　　　　　　| ／　∧.: : 八　 /::::::::::::|　　〔:i:i:〕 /:／⌒ﾊ :|/　 ＼ ＼　＼ 　 ＼
　　　　　　　 　 /　　/　:).: .: .:∨⌒７⌒:〕　 /:i:i:| /:::::::::::::::〉八￣/￣ニニﾆ-_　　　.
　　 　 　 　 　 /　／ ／⌒＼.: {.ニ〈::::: 八_/:i:ｉ:ｉ:|::::::::::::::／-=ﾆ∨:::::∧ニニニ-_ 　 |
.　　　　 　 　 /／ _ -ニ／/ニ=- ⌒＼::::::〈⌒:::/:::::: ／〔_______〕L:::/::::::~ﾆﾆニニ-_ |
　　　　　　　/　く_ノ=／:::::{／:::::｀`〜､::＼:::ヽ_/::: ／:::::::::::::::::::::::::V::/ ::::: 'ニニニﾆ_|
　　　 　 　 /::::/___／::::::::: {::::::::::::::::::::::::｀`〜､、／::::::::::::::::::::::::::::::::}/:::::::::::::}ニニﾆﾆ.|
.　　　　　 /::::/:::::::::＼::::: 八:::::::::::::::::::::::::::::::::::: ＼::::::::::::::::::::::::::::::::八:::::::::::::＼ニニﾆ|
.　　　　／| :/:::＼:::::::::＼::/ ＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::}::::::::::::::::::::::::::: / / ::／:::::::::: ￣￣||
.　　 ／　 ∨::::::::: ＼::::::::::{　　 〕ﾆ=------‐=＜:〕⌒::::::::::ﾆ=-:::∨／::::::::::::::::::::::::::/:|
'⌒＼　　 〈:::::::::::::::::::::::::::::}　　 〈::::::::::::::::::::::::O)::::〕ト:::::::::::::::::::／:{:::::::::::::::::::::::::::::::/　|

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くしゃりと笑顔を作る彼女に対し、頭部を傾けて頷く動作を見せる。
それを見ると、はやては小柄な体で目いっぱい背伸びし、手を振ってきた。

視界が下へと下がっていく。
リフトが降り、ネクスト発進専用カタパルトへと固定される。
コジマ汚染を防ぐために必須の処置だった。

途端に周囲が暗闇と静寂に包まれる。
これから注水が始まり、それから海中へと弾丸の様に撃ち出される。

胸の中では多くのものが綯交ぜになっていた。
恐怖も興奮もあるし、不安や理不尽への怒りもある。

けど、その中に迷いはない。

自分には帰れる場所がある。そこに帰る為に、任務をこなし、生き残る。
以前までの自分との決定的な違いを感じた。

帰れる場所というのは、家や故郷ということではない。
自分がいるべき場所は、あの人のいる場所だ。
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5056： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 20:29:55 ID:p2TKEHGQ0

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　　 　 　 .: :|,/ /　}__////＼_,/ ／/〔　　　 ﾞ''＜二｢ : : : : : : ＼＼ 　,>　　　　 寸{　　　　　　　　　｀` ､、
　　 　 　 .: :/ /　　＼／　　_,／　/ 　 ´"''〜　.,　ﾞY: :　　　　 : :＼／ ＼　　　　　ﾞト .,　　　　　 　 　 　 ｀`
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　　　　 　 : :从　　 〈: :/^＼_,/　　　　 　 　 　 /: :　　　　　　　　 　 　 : :|　　　 　 '{ 　 　 　 　 `、
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　　　 : :/￣´"''ミ /　 /　 /,／'}|´"''〜　.,　 〕: :: .　　　　　　　　　　 　 　 　 : :＼　　∨　　　 　 　 `、
　　　:.:/　　　 　 /　 /　 ／　　}|　　　　　 ´"''〜　:,: :　　　　　　　　　　　　　　: :`、　∨　　　 　 　 `
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今回は二方面作戦となる。
防衛することも困難である拠点を秘匿するためにも、
敢えて戦力の要たるネクストによる陽動作戦を実行する。

自分が派手に暴れれば暴れる程、潜水艦の動きは目につきにくい。

ジェネレーター出力とコジマ粒子供給出力が上昇していき、
アイドリング状態へと移行する。マーシフルが目を覚ます。

自分たちの家を、手に入れるために。
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5057： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 20:30:05 ID:p2TKEHGQ0
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5058： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 20:39:52 ID:p2TKEHGQ0

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夜の空のような海中から、煌々と光る朝日に照らされた海面へと躍り出る。
冷たい北欧の海は静かなもので、それでいて穏やかだった。
綺麗な光景だった。きっと、こういったものは、昔から変わらないのだろう。

空や海だけは、人の争いなど気にも留めずに、いつもそこに佇んでいる。

目の前にマーカーが表示され、進行方向を指し示してくれる。
なのはが事前にオペレーティングシステムで仕込んでくれていたものだ。

赤いラインの先には、アヴィアコル製アームズフォート、モスクスラウメンがいる。
恐らくは自分たちの潜水艦の追撃部隊、そのうちの一つだろう。

彼らには、艦のみんなが無事に引っ越しを終えられるよう、
派手な花火になって視線を集めてもらわねばならない。
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5059：安価のやる夫だお：2022/05/12(木) 20:45:49 ID:NXa1wMTk0
メイルシュトロム

5060： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 20:46:54 ID:p2TKEHGQ0

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│　　 .',:.:ｉ.{:.:.:|:.:.ヽ:〃沁､ ヾ､.　{:::::Ⅳ|:./:|ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　 │　　　　　　　聞こえてるね？　やる夫君。
│　　　',:.| ',:.:.|＼:ヽ｀.',:::j　　 　 .ゞソ 〃:|/:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　　 │
│. 　 　 ﾘ　ヽ|　 ヽヽ._ゞ′,　　　　 /|:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　　 │　　　　　　　こっちは放棄された洋上基地に潜水して接近中。
│　　　 　 　 |　　 |:.:ト、　　_　　　／:.:/|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　 │
│　　　　　　　　　 |ヽヽ＞ 　_ ∠　//| .!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　 │　　　　　　　 君が暴れはじめたら侵入を開始する。
│　　　　 　 　 　 r‐‐｀ヽ-.／|ヽ ／　/.| ､:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　　 │
│　　　　　　　　 |:::::::::::<´　 .| /.|　 /　.ヽ::::｀::ヽ 、:.|　　　　 │　　　　　　　　単騎特攻みたいな絵面にはなってるけど――
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│　　　　 　 　 { |:::/　 |　　 |｀:ヽ/　ヽ- ｀ヽ、:::::::::::__./　　　 │
│　　　　_　　 .{ |::/!　　|　　|::::/　　 ／ .|　 /ｌ::::〃　 }　　　..│
│　　　 | |＞ ､7／　　　i!　.|:/　＞´　 　 |/　.|::{{　　 ,'　　　.│
│　　 　.|.|　　./　　　 　 .ヽ|／　　＝＝ .|　　 |::｀ - ′　　　│
│　　　　|.| 　.{　　　　　　0ゝ　　　　　　 |／　 |::/:. |　　　.....│
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　　　　　　　　　　 __´￣￣二ﾆ=　、
　　　　　　　　／　　￣´ 　　　　　　ヽ
　　　　　 　 /　/ｨ　　　　　　}i　　　　∧
　　　　 　 /ﾔ'7=ﾆ二二二≦_｣Ｌﾍ/　 ∧
　　 　 　 ;　 /＼_　　､＿　￣Ｖ⌒{ 　 / }｝
　　　　　:; 　}(●）　　（●　）　〉 人 /　/^}
　　　　　 '､ {（　ｨ'　　　　　　/／Ｌ {__/(__/　　　　　　　　　　　　　ネクストの単騎特攻なんて、むしろコンセプト通りだお。
　　　　 ＿{へ≧＾ゝ､___ノ_z彡二弐≠ ＞／￣￣ミヽ
　　　　r{_ `ｰ=＜三＞'’ ）二二 ／　//　　　___　　　＼　　　　　　任せてください、連中の頭から艦のことなんて吹き飛ばさせてやりますお。
　　／/ ｛＼　　｀￣　 /二二／/ 　/ｲ　　 Ｙiっ) -┐　 ＼
　｛　　Ｖ 〉　　　　　　〈ﾆ二彡イ　 ｛ ｛　 　 }｣つ）二! -02 |ｌ
　｛　 　 i ＼ 　 　 　 /｝ト､　　 i　 /八ヘ　　￣´　　　　　 |ｌ
　　)〉=ﾆi　　＼＿∠_//ｚ/＼　i／　　＞　_　　　　　　 　 /ｌ
　　　汀 i　　　 〔_二//￣　　 ＼　　 /￣７ 　 ＞＝-≠〈/
　　 ！| iﾄ　　　　＼　　　　 　 　 ＼/　 /　　　　　　勹[_]
　　　　　｀v 　　　　＼　　　　　　　 ＼/　　 　 　 　　/
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5061： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 20:51:45 ID:p2TKEHGQ0

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│　　　　　ヽﾍ:.|:.ヽ､ゝ‐´　　　　 ￣´ .|/:.:.:ｌ:./:|.|　　　　　　　　　　　　　　　.│　　　　　　　　派手にかまして、こっそり帰ってきなさい。
│　 　 　 　 ｀ヽｭ:.ヽ＼　 　 　 ｀　 　 ハ|:.:./:.:.:|　　　　　　fヽ　　　,-,　　　....│
│　　　　 　 　 .ヽ:.:.ヽ 　 　 r￣/　∠|:./ :.:.:.:.:.:!　　 　 ,_∠_ﾉ‐‐ ´,∠　　 　 .│　　　　　　　　「了解」
│　　　　　　　 　＼＼≧ 、｀　 ／ 　|:,' :.:.:.:.:.:.:!　　　/ ‐ ---＜´　　　　　....│
│　　　 〃二二‐:<　＼--二 ´|ヽ　 /|:.:.:.:.:.:.:.:.| __　/　 　ヽ､｀ヽ、　　　　　...│
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なのはがふっと笑うのが目に浮かぶ。

ネクストは絶対的な個体戦力だ。たった1機のネクストが全てを変え、
戦況をひっくり返し、大勢を左右する。

それはまるで、歴史上のストーリーの中に時折現れる、
英雄や名将、撃墜王、エースと呼ばれてきた人のように。

少しだけ心細いのは事実だが、これはネクストの適切な運用だった。
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5062： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 21:00:15 ID:p2TKEHGQ0

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　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 〈::::〉:::: ｢:/:〉／〉　 ﾉ　　ﾉし 寸＝―′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＜∨::／|/:Λ <:::＞｀¨¨〈__／　寸｢…- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_／⌒) 7￣]::::〉::〉::::/　　 ∨/＼　 ＼しノ〉
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 _,､<　　　 / /ヽ　∨:::＞<　 　 r‐…へ＼　 ﾞ'yﾞ
　　　　　　　 　 　 ＿　-=ニ￣　　 　 //＼ﾉ＿]＞―　　　 {　 〈　　＼厂/
　　　　 ＿　-=ニ￣　　　　　　　/　 /〈　　 >_ノ　　　　,､ ／ﾞ'〜ﾍ、　ﾉ-<
..-=ニ￣　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｲニ厂￣　　　　 / ＼＼　　 |　ﾞく　 　`:、
　　　 　 　 　 　 　 　 ニ-￣´"''〜　　　　　　　　　(◯)イﾞ'> >___|　　‘， ＿`、
.　　　　　　　　 ニ-￣　　　　　　　　　　　　 　 ／ 　 ／しｨ／>　 　 　 〈´　__`、
　　 　 　 ニ-￣　　　　　　　　　　　　　 　 　 /　　／､　／／　)　　　 　 Ｙ::::J:｝
　　ニ-￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　／__ 〉'ﾞ　　└＜__／〉　　　　　 〈ミノ
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　　　　　　　　　　〈 ／ 　 　 ／　／ﾆ〉￣
　　　　　　　　　〈ﾆ〉　 　 ／ ''"´
　　　　　　　　 /¨7へ(ニ)
.　　　　　　　 /　/　,//
　　　　　　　 ′｛しｲ/
　　　　　　　乂＿／

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海面すれすれの低空飛行で、オーバードブーストと通常ブーストを交互に繰り返す。
全力疾走とジョギングを繰り返すランナーのように。

これだけでもかなりの距離を飛行できる。

意味がないと分かってはいるが、クセでレーダーに視線をずらす。
マーシフルに搭載されているFCSは中、近距離戦向けのものだ。
IGIO傘下のヘルマ・エレクトロニクス製だが、IGIO系列製に違わず、
瞬間瞬間でのパフォーマンスが優先されている。遠いものは映らない。

それを除いても、AFモスクスラウメンは映りにくいだろう。
事前情報では、モスクスラウメンはステルスコーティングを施された
強襲型AFであるというのだ。目視による補足に限る。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5063： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 21:12:56 ID:p2TKEHGQ0

　　　　 ＝＝＝＝丶
　　 ／　　　 　 　 　 ヾ
　 ./　⌒　　 ⌒　 　》　ヽ
　/ （●） 　（● )　 }}. ∩|
　|　⌒（__人__）⌒ 　》 ∪|　　　　　　　　見えた。あのマンタだかサメだかに似たフォルム……
　＼ミ三|￣|三三彡　 ／ヽ
　　卜 ＿兀＿ ＿_ノ乂　 __ヽ　　　　　　アームズフォート・モスクスラウメンを補足。
　　/　＿　ヽヽ ＿　　 /　　　|
　　'、＿＿ヽ （　(￣￣ ヽ＿/　　　　　　 接近して戦闘行動に――
　　/　　　＼ | | /￣￣ヽ　 .|
　　| ￣　、}　}} { | ￣　　|==|
　　、　　　＼＿_ |　　　　|　/
　　　＼＿　 |　　| ＿ /〜´
　　　（＿＿/　 （＿＿）

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やがて視界の先、水平線の向こうに陸地が見えた。
海岸で、停泊しようとしている、と言うのが正しいのだろうか？

とにかく、まるで魚類のような、ステルス戦闘機にも似た趣のある形をした
アームズフォート・モスクスラウメンの姿が映る。
カメラアイをズームモードにしてみたが、間違いない。

しかし、そこで自分は息を呑む羽目になった。
ズームモードの視界を映したウィンドウに、違うものが映る。
モスクスラウメンのサメのような頭上に、人影のようなものが見えた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5064： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 21:19:05 ID:p2TKEHGQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　　へ　 　 　 　 　 　 !ー‐.j{:.:V{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ′__/｀ヽ{＼　 　 /{.!:.:.:.:.j{/},′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 {:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.、ヽ　// !.:.:.:.:j{{:.}/
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {i:i{:.:.:.〕::.:.:.:.:.｀ヽ.//　＿_　__V／／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ⅧⅧ:.:.:.:.:.:.:.:.//ｲノ.......へ!／／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ⅦⅦ:.:.:.:.://ｲ/........へ.／／
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鈍色にペイントされた隆線型のフォルム。
数多のACパーツの中でもかなり人体に近い体つき。
バイザー状のカメラアイに、特徴的なコックピットブロック。

そして、右腕に接続する形で装備されたフォールディングタイプのブレード。
背部から翼の様に生えたメインブースター。

鋼鉄の天使とでも言うべき姿のネクストが、モスクスラウメンの頭上で
仁王立ちをしていた。

ウィンドウ内のネクストの頭部がこちらを見たかのような挙動を見せ、
心臓が一瞬凍り付く。

モスクスラウメンに比べるべくもないスケール感にもかかわらず、
その殺気とでも言うべきプレッシャーは圧倒的にネクストの方が上だった。
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5065： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 21:23:27 ID:p2TKEHGQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,イ!|
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／:::::::N!
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　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::／ ／:::::::::ｲ
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　　　 /::::::::::::::::%7::_:::::／!/N::／　／:::::::::::::::::}
　　　 l::::::::::::::::::iN:'ﾞ":::::::: ／}　 ／::::::::::___::::::てz、　　　　　　　　　　　　　――速いじゃねえか。
　　　 ',::::::::::::::::::|!:::::::／´　　iｨf下／!::f　 }:::::､,{ハ
　　　-=＝≠=zr '´　　　 rz_　／　/:::|､ ﾉ:l1／　 l　　　　　　　　　　　　　あの速さは迷いのなさだ。良い速さだ。
　　　　　 ／::/、　　 　_≠ '´　　 /::::::jソ7 /　　　!、
　　　　 /::::::/｀ー─ ' ´　/ /! ／ !::::/l　／ 　 　 　 ｀　 ､　　　　　　　　　
　　 　 /:::／＼ i |!_　　　7_,.／ 　 Ⅵi／　　　　 　 　 　 ｀　 、
　　　./::/´￣/ ＼'l｀ー '´　 　、　 ／　 　 　 　 ノ　　　　　　＼
　　　l:::/:::::::/　　　l__ノ＿_ _／　 〈　　　　　　　　　　　 　 　 　 l＼
　　　l:/:::::::〈　　　 ､｀1 ー　　　 /　,　　　　　　　　　　　　　　　j::::::＼
　　/::|!:::::::::::＞、　　 , !　　　　/＿,ﾍ　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::＼
　　l::::!:::::／:.:.:.:.:.T　､　 ､＿ ／:::::::::ノ　　 　 　 　 　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::
　　|::::::::::',:.:.:.:.:.:.: !　　＼:::::::::::::,.　'7　　　　　　 　 　 ,.　 '´:::::::::::::::::::::::::::::
. 　 !:::::::::::l:.:.:.:.:.:.:.:.>､ 　 ＼,／　 /　　　　　　　_ ィ´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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あの人だ。

脳髄の奥から警鐘が鳴り響き、全身から嫌な汗がどっぷりと流れ出す。
この感覚を、自分は幾度か、戦場で経験したことがある。

戦慄だ。

ストレイト・クーガー。恩人であり、憧れの男であり。
自分の知る中で、最強のリンクスに位置する人が、そこにいた。
シュクヴァールのコクピットから、こちらを見据えている。そう、感じた。
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5066：安価のやる夫だお：2022/05/12(木) 21:28:48 ID:5j1JtaME0
まあカズキが来たならこっちも来るわな

5067： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 21:32:14 ID:p2TKEHGQ0

　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼ 　 　　, 　　　!　　 　 .│＼.／ 　 　 ,.. 　´
　　　　　　　　　　　 ｀　　　 　 ＼ 　　ﾞｉ. 　　!. 　　　,.│ │　 　 　`
　　　　　　　　　　　　　　 ｀　　, 　＼ 　ﾞｉ　　| 　 　,: .│ │ . `
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ 　、＼　,.　; 　 　,　,..＼/ 　∧
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　　　　　　　　　　　　　　 　 ,.. :`.　／. ,:　 /´´｀¨´ ＼＼　/.:.:.:│　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　　　＿
　　　　　　　　　　　＿＿＿.。────´＼　　　＼　 丶∨::.:ﾐヽ /〈〉　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::/　　　ノ￣／
　　　　　　,──＜　　　　　　　　　　　　/へ　 　　　ヘ　|::::::::.;::|　ﾍ/　　　　　　　　　　　　　 　　　　/.:.:.:.:/　　／　／
　∠￣￣＿＿＿────￣￣二フ￣/:::::Λ　　　　│:::::|:::::::| ﾍ/　　　　　　　　　　　　 　　 　　／.:.:／ 　/＿／
∠──´　　　　　　　　　　　　／へ／ │:::::Λ＿　─┴:::─:::::ﾍ/　　　　　　　 　　　∠〉 　 ／.:.:.:.:／
　　　　　　　　　 　 ／　　 　 .∟〆 / ミ │:::::::＼　　　　　　/::ﾍ/　　　　　　　 　　∠／　／.:.:.:.:.:／ ／￣/
　　　 　 　 　 　 ／　　　　　.ヽ巛ソ　ゝ ┤:::::::::::│＼∠∠／│＜￣ゝ丶、　 　∠／　／.:.:.:.:.:／　∠＿/
　　　　 　 　 .／　　　　　　　　,: 　 　 　 │:::::::::::││ミミ/　 |::::─│／─┐∠／　/.:.:.:.:.:.:／　∠ミ
　　　　　　／ 　 　　　　　　　,　　 　 　 │::::》:::::::::::│ミミ/　|:.:.:┘.::ゝへ::::ﾍ/　|　 / :::::::／　　　　 ｀ 　、
　　　　.／　　　　　　　　　　,:　　　　　　 .ﾐ:::::::》:::::::ﾉミ巛ﾍ .:ヘﾍ人-／.:.:ミ /　 |∠──￣── 、　　　｀ 　、
　　 .／　　　　　　　　　　　,　　 　 　 　 　 .ﾐ∟＿／:::::::／ﾍ∨.:.::.:.:ヽ＿.:.:/ 　/　＼| 　　　 　　　　＼　　　　 ｀ 　、
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,:　 　 　 　 　 　 ／:││＼/　/ | 丶－＜.∠/　／　 　 ,────＿－|￣ﾐ＼　　　　.｀ 　、
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,　　 　 　 　 　 .《:::::::││::::│/ /ヽ/ ＿ ／／ ￣ /　　 /　　　　　　　　　ﾉ　　 　）　　　　　 .｀ 　.,
　　　　　　　　　　　　　 ,　　 　 　 　 　 /＿／ |　│:;:│ヽ、 　´　／:::::::::::／／::::＼　＿／──、＿二,─ノ 　 　 　 　 　 　 ｀ 　.,
　　　　　　　　　　　 　 ,:　 　 　 　 　 ./:::::::::::::│　/::::::|　　 丶 ／::::＼　／/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ／　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀ 　.,
　　　　　　　　　 　 　 ,　　　 　 　 ＿| :::::::::::::∥ミ |::::::::| 　　／::::＿:／／へ─::::::::::::::::::::::::::──￣￣ミ
　 　 　 　 　 　 　 　 , 　 　 　 . ／:::/|::::::::::∥:::::::《:::::::丶、／　 ／　　／ノ.::::::::／ ￣￣￣￣へ＼ﾍ:::::::＼
　　　　　　　　　　　,:　　　　 ／::::/:::::/::::::∥::　:／´へ＿:::::::／　　／::::::::::::::::ミ　　　　　　　　　　　　ﾍ／へ
　　　　　　　　　　 ,:　　　　　ゝ::::/::::/:::::∥:::::／/∧ .　　 ￣＼／　／::::／::│　 　　　　　　　　　　　「.:.:∥]
　　　　　 　 　 　 ,　　　　 　 ﾐ::/::::::/::＝:::::／.;.;　|　´´ヽノ￣/／.／::::::::::::::./　　　　　　　　　　　　　巛 ノﾉ .＼
　　　　　　　　　,　　　　　　 .│─＼: /::::::::::::／|　ソ　.;／へ:::::／へ::::／　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｀
　　　　　　　　 '　 　 　 　 　 ││─::::＿∠:::/ ヽ。／ ＼.;.;／ 　 　 　 　 　 ﾞｉ 　 　 　 　 　 　　　　　　　　　　　　＼

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ふわりとシュクヴァールが機体を浮かばせる。
コジマ粒子の燐光が背部のスラスターから舞い上がるのが見えた。

軽く俯いて全身の関節部を折りたたんだかと思うと、次の瞬間、
爆発するかの勢いでこちらへと飛翔してくる。

レーダーの更新間隔を縫い、距離を測るまでもなく、ブレードを構える。
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5068： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 21:34:15 ID:p2TKEHGQ0

　　 　 　 　 {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨/ ∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼　｜、
　　　 　 x=ミ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨　八:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼ﾄiﾊ
　　　　〃⌒^Y:.:.:.:.:.:.:.:.:__＼　 ＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| i
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///／　／ /　 ｀Y八V{ ｲ:.:.:V: :＼＼ﾉ＼　｀ヽ、.:.:.:.:.:＿彡イ
/／　 /　 / 　 　 l|⌒ヾ, }:.:.八: : : :＼＼::ヽ　　　ｰ＜:.:.:.:.≪　　　　　　　それはそれとして――
　 　 / 　/　　　　ｌ|　 /　 Y{　 ＼: : : :＼}:::}　{　/　 /^ヽ、:.:.＼
　　　　　{　　　 　|l　 ! 　 　 ,ｨ 　 ＼: / /:≧=-仏斗　　 ＼:.:.:.:＼　　　　 俺より速く飛ぼうとしている！
_　　　　　　 　 　 || 　､　　∧(　　　 ＼／⌒7: : ／､　　　　＼:.:.:.:.
∧　　　　　 　 　八 　 ヽ　ﾄ､　＝=　_、　　/ア////〉 　 　 　 ヽ:.:.!　　　　どちらかと言えば、そっちの方が気に入らないッ！
/∧　　 　 　 　 　 ∧　 ﾊ ｀ー＝==≧＞-'//////廴__　　　　　|::|
//∧　　　　 ｉ　　　 /　/∧　　ー‐ ／/////////八//}_　　　　|::|
￣￣＼　 　 {　 　 /／＞-ﾍ　　　/｀丶、////／//////＼　　 ｌ::|
: : : : : : ＼ 　 ＼.ｲ斗　 ¨¨￣＞- ′: : : :＼／//////////{{≧x!:|
: : : : : : : : ＼／　ｌ　　　　　〈: : : : : : : : : ／: ｰ┐/////////＼　'|＼
: : : : : : : : ／　　 |　 　 　 　 ＼.: : : : :／: : : : : :＼//////////＼_／＼

5069： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 21:43:23 ID:p2TKEHGQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾄ､　　　　　　　 　 　 /l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 vﾍ　　　　　　　　　,ｲ l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 Viﾍ　　　　　　　 /｜l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 Vl.ﾍ　　　 　 　 .|　| l ／′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 Vi ﾍ　　　　　　|　| l／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Vi ﾍ　　　　　,|　| l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Vi ﾍ.|!　 ／, |　|ｿ　 ,.ｨｷＺ二ﾌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＿　　　　.vi　||l／∠､ﾏ7　／／　　 ﾑｰ-v‐ｭ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　V７¨Ｔ ‐- ﾏi ||l/´ , -ﾄ､∠／ -‐ Ｔｹー=≠ｾ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 V〉　 ｀　､. VYLｚ/　/ﾝヽ ヽ　　 -/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,ｨ<＞　、　　､｀l　　,ｨ〈/ﾍ人ﾉ!‐Ｔ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-‐＜フ7¨｀＾ヾﾐ＞　､L／ｿ､,Ｘ, イ　l￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.ｚr‐f´=≠　 ヽ才´￣｀ー一´Ｖ云¨ Ｖﾍ l　.l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.｀つﾉ^￣￣´ 　 　 　 　 　 　 ∨ム　V;〉l'^|､＿
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 {　＼,､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／`二ﾏ＝iｲl.」V　 二Ｚ=‐､
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　＼,､　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 Ｖﾑ/ｚｷ￣7Ｚl　＼＿ﾆ-‐'´
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼　＼,､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 f　l Lｨ⌒V / フ´r､ ｀Y
　　　　　＿＿＞ ´〕ト｡　　　　　　　＼_ ＼,､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ゝ У　　 .〉 /＼ ソ二|
〕 ト ミ／i:ﾊ: : : :｀: : ::‐-=〕ト=‐ィ〔 ´￣ : ヽ ＼〕ﾄ､　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 `'|　i　 〈 ,ｨ=､ ヾ.ﾉ　ﾍ
: : ::／_i_i_i_i_〕ト==-‐≦／.ィi〔 ア¨ }}:Y:¨:Y､>､〕≦｡　 　 _　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　i　 /ﾙ'⌒＼ｌﾍ.　∧
. ≧s｡ : : : : : : : : :: ::／ｨi〔:..:／　　:]i:ﾘﾄ :iﾑ_＼:>､ _>ィi〔 : :〕≧s｡　　　　　　　　　　 　 　 　 '.､i／/ |､　 　 |　Ｙ-〈
　　　　　 ≧s ｡ _:／ ´:: ::〃:　　　:,':i:i〕i: /¨｀‐-=ﾆィi〔＿__＞`´＿＿　　　　　　　　　　 　 　 '._／vﾍﾍ　　ﾉ　 |　.ﾍ
　　　　　　　　　 ≧==イ′ ≧=-ｲ:i:>､i/i:＼r====s｡.,_｀　'‐＜-==-　 ミ..､,　/　　　　　　　　　 　 　 ﾞｖﾞＴ´ 　 !　　ﾍ
　　　　　　 ,　-‐=ｧ/　∥　　_,／i{:i:|r={{､i:i:i:i}　}≦｡. .　 〕ト｡　　 ヾ〔}}　＼..∨ /　　　　　　　　　　　　 ｀､ 　 丿　　 ﾍ
　　　　　／:..:.__ｱ./　/}}r≦イ:: : ::⌒＼i:i:i>､i}!　‐=＜≧s｡　　_:_　　＼ヽ　ヽ∨ /　　　　 　 　 　 　 　 　 ｀¨´｀ヽ　　 ﾍ
　　　 ／　.ィ〔ｱ∥ ,:'ｨ〔 }):′: : :: :: ::__i__≧==! 　 ／>}! : : : 〕ト､ 〕ﾄ､ . ＼:､__＼′　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ヽ　 |
ﾄ､　〃ｨ／::{_ii{. i{_/ : `¨¨}}:_:_:_:_:_:＞'`¨ゝ≧==r:'> ´ 〕ト. .　 ／¨　¨≧=‐‐ﾏ￣ `ヽ　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ヽ|
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ヽ/: : ヽ-､: /: : : :/⌒:７: イ/`＿______/_: : ::∥`　 ﾏﾑ/　　　　　　　　　　　 ≧=‐＜<_ノ　__r≦〕ﾄ､
: ヽ:／}/ : ＼: :∨: : :_/:_!_//`＿＿___,'　〕ト〈　/i:}　ﾏ　　　　　　　　　　　　　　　　　'∧//i:i:i:<>≧=っ
: : :ゝ: }: : : ／! : 〉:_: :／:〉:ζ´,ｨi〔〕ﾄ､=〕ﾄ､　 Y:i:iﾙ=',　　　　　　　　　　　　　　　 　 /　 〕ト=っ}ﾙ'⌒ヾ
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驚異的な速度で肉薄してきたシュクヴァールのブレードが迫る。
火花を散らして展開された折り畳み式の刃の閃きを見て、
反射的に左腕を突き出した。

ブレードと収束し盾となったプライマルアーマーがぶつかり合う。
だが、それでは受けきれなかった。
磁場により空中に固定されたコジマ粒子の膜が儚く霧散し、消滅する。

咄嗟にサイドブースターを吹かし、機体を翻す。
シュクヴァールと交差するが、その際に前面装甲を抉り取られた。

「甘いぜやる夫！　俺が何べん言ったと思ってやがる！
速さとはすなわち威力だ！　これだけの質量がこれだけの速さでぶつかれば
防御なんてないのも同然つまり速さに対抗するなら速さ、速いものには
速いものでぶつかる！　それで初めて相殺が……」
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5070： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 21:46:44 ID:p2TKEHGQ0

　　　　　　　　　　!　,/／::::::::::::::::::::::::::::::::::::／　　／:::::::/:::ﾉ
　　　　　　　　 　 l|〃::::｀ヽ､　::::::::::::::::::::／　　／::::::::::く::/⌒
　　　　　　　　 　 l|∠＿::::::::＼:::,,. -‐''"´￣￣｀`ー-､:::::＞-､
　　　　,. ‐''"´￣＿＿＿￣＞''´　　　　　 ,. -‐＜￣:{rヽ::::::::ア
　,. ‐'´,.　-‐'''"´ヽ｀ヽ､ ／　　 r､　　　 ／,. -‐‐　ヽ:::lゝl|::::,.ﾍ
-‐''´　　　　 　 　 ＼／　　 　 |　ヽ､／／ _ｨｯ７　　l:::l_ﾉ／　 l　　　　　　　　……んあ？　そうすると両方ぶっ壊れるか。
　　　　　　　　　　　 | 　 　 ＿」　　　ﾉ ｨ ｰ- ' 　 　 |:／　　　 l
　　　　 　 　 　 　 　 lr‐､‐''二ﾆrﾃ　　　　　　　　 /　　　　　　|r‐‐-　　　　　まあいい。とにかくそういうことだやる夫ォ！
　　　　　　　 　 　 　 l　 lヽ ｀ ｰ'´ l　　　　 　 ､　/　　　　　 　 l
　　　　　　　 　 　 　 |　 l　 ＼　　 ､_ r‐　 _ノﾉ/　　　　 　 　 /
　　　　 　 　 　 　 　 |　 |　　　/ヽ.　､_,-‐'´'´〈　　　　　　　 /
　　　 ,.‐-､＿　,.--､ﾉ　｜　__/　__＼ ヽ‐=＝''＼　　　　　 /
　 　 〈　､　＼｀ヽ　 `|　 l'´／／　ﾉ　 ｀ヽ､　　　 ヽ　　　 /
　　　 ヽ　ヽしj　 l　 ﾉ　 ヽ‐'　 ／　　　　 l`ｰ-‐'´ ＼
　　　　|　　　 lr‐lヲ´　　 　 ／ヽ、　　　 ､l:::::::::::::::::::::〉　　　　　／
　　　　j　　　 `‐'　　　　　/::::::::::::`ｰ┬-､ ヽ::::::::::::::;/　　　　／::::::
　　　 / 　 　 　 ﾉ 　 　 ／::::::::::::::::::::/　　＼l:::::::／/　　　　 l::::::::::
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　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼ｰＶiﾍ:i::.:.:＿/ﾆ′　,.:.:.:.:.:O´}＿＜＞ ´
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｖﾆ{/;/廴}ｲ..{、.:.;ﾆﾆﾊ:.:.:.ヽｰ､:.＼ .ィ´:.:.:.:.:.:.:＞ 、
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　r ニニ..ィrっ:.:.:.;ハ------------=≦　　　 ≧=＜
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　　　　　 {i:.／ィ＞.:.:{イニニﾆ.／........../.:./../..}ーr-....、＼ﾆ/＼
　　　　 　 ｰヽｲ.:.:.:.:. {ニﾆﾆ=,........./`イ／.イ../...._;ﾊ:.:.:..ヽ　　￣.ィ:..、
　　　　　　　≧ｓ｡ ＿}イ{ヽ.ｲヽｰ.:＞ ´ 　 ヽｲ　{/}:.:.:.:.:.:.:..、　ヽ:.:.＼＼
　 　 　 　 　 ,{{.../／.:.:.:.>/.:.:.＞ ´　　　　　　　 {_＼.:.:.:.:.:.:.ゝ.:r'.＼:.:.:.ｰ}
　　　　　　　{ｰ＜:.:.:.:／.:.￣　　　　　　　　　　　　＼:.、:.:./⌒＼_/､￣
　　　　 　 　 ー―＜:._/　}　　　　　　　　　　　　　　｀Ｙヽ{.:.:.:.＼ト:.:.ヽ
　　　 　 　 　 　 　 V.:>／　　　　　　　　　　　　　　　 ＼:.≧=--ﾆﾊ.:.:.
　　　　　　　　　　　 ｰ′　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼:.:.:.:ー‐'.:」:.}

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やり過ごしたという一瞬の安堵を覚えるが、機体を襲う衝撃が、
それが油断でしかないことを伝えてきた。

即座にブーストターンで機体を切り返したクーガーが、
その勢いのまま回し蹴りをマーシフルの胴体へと叩きこんできたのだ。

一気に空中へと押し上げられ、歯を食いしばる。
コジマゲルによる耐Gコーティングがなされているが、揺れはする。
具体的に言うと、ドラム缶に閉じ込められて鉄パイプで殴られたくらいの。
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5071： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 21:52:32 ID:p2TKEHGQ0

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　　 ／　　　 　 　 u ヾ
　 ./　⌒　　 ⌒　 　》　ヽ　　　　　　ぐっは……
　/ （ー） 　（〇 )　 }}. ∩|
　|　⌒（__人__）⌒ 　》 ∪|
　＼ミ三|￣|三三彡　 ／
　ノ卜 ＿兀　　 ＿　 イヽ





;:::＼.　　l　　 ／::::;:へﾍｿ'"　　　　　 　 　 　 |／::::::::::::::::,::
ﾞ､:::::::ヽ､,〉 ／:::::／　　　　　　　　　　　　 _,,.　＼::::::::::::,:'::::
ヾ､::::::::::/./::::::;:'ﾞ　　　　　　　　　　　_,,.=＝ヽ､　 l:::::::;r‐､::
　＼::::::;ﾞ/:::::,:'ﾞ,,_　　　　　 /　　　,,.z''"´_,,,,.´￣　|::::::|'"ヽl:
　　'yヾ/::::;/''‐-ヽ､.,__ヽ　l､_,,. ‐',.-'''"´ ﾟ　/　 　 !::::l! 〉 /:
　　 l !/:::;/ヽ￣｀`・‐｀"　 ヽ.　 ´`'‐--‐‐'ﾞ　　　 |:::/!/,/:::　　　　　　　どうしたどうした！
.　　 Y::::/l　 ｀'‐-‐''"　 |　　　　　　　　　　　　　 |/' /ﾞ::::::
　 　,'::::/､ﾞ、　 　 　 　 ｜　　 　 　 　 　 　 　 　 !‐'ﾞヽ:-､　　　　　　　 俺を見た途端に縮み上がってションベンちびりか！？
.　　l:::/　k,ヽ,　　　　　　l　　　　　　　　　　　　 l　　ノ,.､‐
　　|::;'　〈ヽ,　ヽ　　　　　!　　　　　　　　　　　　|　 ／　　　　　　　　　　俺が相手になったら手前の覚悟は帳消しか！
　　|:l.　　ﾞ､ ＼.|'､　　　ヽ､,__,／　　　　,,./　　_,'.-'"
　　|!　　／! 　 ヽ,､　 ‐----‐‐''''''''''"´ 　 r''"　　　　　　　　　　　　　　　手前の覚悟は条件つきなのか！？
　　!-‐''ﾞ　 ',　　　l｀ヽ.　　｀''''''''""　　　　 |　　　　　　　 /
'"´　　　 　 ﾞ､　　.|.　 ﾞ､　　　　　　　　 ／!　　 　 　 　 /

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姿勢制御を戻す暇も与えられず、更に一撃、シュクヴァールが跳びあがってからの
ハイキックを浮かび上がったマーシフルへと容赦なく撃ち込んだ。
視界がめちゃくちゃに揺られる。空と海が幾度となく逆転する。

今度は衝撃と共に落下が始まった。
クイックブーストで吹っ飛ばされたマーシフルの先回りをし、
かかと落としを見舞われたらしい。
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5072： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 21:57:24 ID:p2TKEHGQ0

　　　　　　　　　　 __´￣￣二ﾆ=　、
　　　　　　　　／　　￣´ 　　　　　　ヽ
　　　　　 　 /　/ｨ　　　　　　}i　　　　∧
　　　　 　 /ﾔ'7=ﾆ二二二≦_｣Ｌﾍ/　 ∧
　　 　 　 ;　 /＼_　　､＿　￣Ｖ⌒{ 　 / }｝
　　　　　:; 　}(●）　　（●　）　〉 人 /　/^}　　　　　　　　　　　畜生、説教するか蹴るか、どっちかにしてほしいお！
　　　　　 '､ {（　ｨ'　　　　u.　/／Ｌ {__/(__/
　　　　 ＿{へ≧＾ゝ､___ノ_z彡二弐≠ ＞／￣￣ミヽ　　　　　　相変わらず器用なマネを！！
　　　　r{_ `ｰ=＜三＞'’ ）二二 ／　//　　　___　　　＼
　　／/ ｛＼　　｀￣　 /二二／/ 　/ｲ　　 Ｙiっ) -┐　 ＼
　｛　　Ｖ 〉　　　　　　〈ﾆ二彡イ　 ｛ ｛　 　 }｣つ）二! -02 |ｌ
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　　 ヽ＞―- ､　　　 /｀丶　 !　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 丶 ＿:.:.:.:.:.／
　 ／￣￣｀ヽ:.ヽ.　 /　　　 ｰ′　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣

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メインブースターを全開で吹かし、機体を横へと滑空させる。
その姿勢のままブレードの切っ先をシュクヴァールへと向け、
がきりと乾いた音を立てて変形展開させ、はっとした。

レーダーに無数の光点が映る。
ピンクの光点が軌跡を伴い、それがいくつもの筋となり、流星群のようになっている。

振り返れば、データ通りの無数のミサイル群が、視界を埋め尽くさんばかりに
こちらへと迫りつつあった。
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5073： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 22:00:42 ID:p2TKEHGQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ノ｀　､ 　＼　 ヽ 　 ﾑ,.　＜　 {i 　 　 　 　 　 　 　 ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 r‐'＼　　＼　 ヽ ,.　＜ {i　　{ｉ　 ‘,.　　　　　 　 　 ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 {i＼.　＼　　ヽ＜ 　 .{i　{i　　‘,.　 ‘,　　　　　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ ＼　ヽ {i {i　{i 　 {i　‘,.　　‘,　　 ､　　 　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／／｀7´ {i　.{i {i　‘,　 ‘,　　.,　　　､　　＼ ,／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 ／／ .'　' 　 {i　.{i圦.　‘.,.　　､　　､.　　＼　 ィ
　　　　　　　　,　ｧ≦三≧s　　　　　 Y ／　　{　{　 .从　 ､　＼　＼ 　＼　 ヽ.．＜　 ‘,
　　　　　　　く' /__,,.斗匕　ﾉ≦三≧ｧ'{ 　　　人　､　　 ､.　＼　丶　ヽ ,.．＜. ヽ.　‘,　　,
　　　　　　 ／＼__j{_＞''´{､＼　　 {i　.{　　　　　 ､ ＼　 ,＞　 ＞ .．＜‘,　‘,　 ‘,　 i}___j}
　　　　　 /⌒7´ヽ ﾏ,ヽノi}､　 ＼,从 .人　　　　　 ＞　≧ ,,.｡s≦､.　‘,.　ﾞ,　 ﾞ,　 i},,ノ´￣
　　　r ≦´{[ i{　　} }]}　　j　}　__j}　 ＼. ＼　　　 ,,.斗*≦ヽ　ヽ　‘,　 }　 } ___i}ｰ'
　　　i　 　 {[,,.斗 ｧ7⌒¨´ヽ廴厂　ﾉ＞≧===≦　　　　　　}___j}､__i},ノー'´￣
　　　 ー=≦　　 乂7⌒ ､　　/=彡ｰ≦´,丿,ﾉヽ}　　　　　 　￣
　　　　　　　,.ｘく,__/　　　＼/､ﾆンノッ≦／　 人　 /´￣￣｀　､
.　　　　 ,.ｘく ,／　{辷===≦　 ／≧==彡　／／ }]{i､　　‘,　 ‘,. ヽ
　　 ,.ｘく　 ／　　　　　 ,.　-- (　　　　 j}　 { {i Y´　{i. ＼　‘,　 ‘ ､_
　／　　　,乂_γ⌒Y7´　　　 ﾉー‐‐‐く　　乂ノr‐‐{i　　j}　j}　　　∧
Y ＼　　　　　{　　 ﾉ}　＞''´ヽ　　　　　｀¨¨¨「从　 ゞｰ{⌒i´＼　　_∧
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遥か遠く、海岸からこちらを仰ぎ見るモスクスラウメンの肩部装甲が展開され、
その中から大量のミサイルの弾頭が覗いている。
あの巨大な肩部が超大型のミサイルラッチとなっているのだ。

それも長距離からの攻撃を目的とした巡航ミサイルとは違う。
中距離での戦闘を想定したスピードミサイルと見た。速度が違う。
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5074： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 22:05:53 ID:p2TKEHGQ0

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「うおおおおおおっ！　クソっ、こんなんどうしろってんだお！
クーガーさんの相手しながらAFぶっ壊すってのは無茶すぎるお！！」

怒号を飛ばし、瞬間的なOBで機体を吹っ飛ばす。
更にメインブースターを稼働させ、機体を急上昇させてミサイルの雨をやり過ごす。
戦闘機でやったら中身がミンチになりそうな機動で回避するも、
今度は肩部の先をこちらへとおもむろに向けてきた。

マズルフラッシュが微かに見えたと思ったら、今度は弾丸の雨が飛来した。
大量のミサイルラッチに大口径ガトリングキャノンときた。大した火薬庫だ。

どうしますか？　下↓1
1.シュクヴァールとの肉弾戦に移行する。敵機と肉迫していれば援護もできまい
2.モスクスラウメンの撃破を優先する。2対1は無理だ
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5075：安価のやる夫だお：2022/05/12(木) 22:07:43 ID:5j1JtaME0
1

5076： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 22:27:38 ID:p2TKEHGQ0

　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　 /　/／/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /／/　/ .／
　　　　　　　　　　　　r;..'.´ゝ, - ィf壬}γヽ/＿,.--＜
　　　　　 　　 ＿＿_ｨ..;..;..;..八　　 Y .,弌_/ /:::ﾍ-、__｀y⌒ヽ
＿＿＿＿,.ィ:::::::::::::::!..;..;..;..;..;..{--―/　　＞、:::r'｀ー人　　ノ
::::::::::::::::::::::::::::ト--ｲ::}..;..;..;..;..;ｿ　　./_,ィ´ 　 ゝく 　 フﾉ化ﾘ　　　　　　　　　　　野郎は遠くからバカスカ撃つだけ……
￣￣￣￣｀ー―― 'ゝ..;..;..r'　　　　　 〉＜ 　 /　 ´.イ彡′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ゝ---t　　　　　　　　　　　　　　　　　　クーガーさん！　悪いけど、盾にさせてもらう！！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{≧!.}‐-≧}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　, イ Y::HY:::::::人、
　　　　　　　　　　　　　 ＿ ,ｨi ノ　　ﾚ´.!ﾘ｀＼ 　　＼
　　　　　　　　　　　　　 ト'´　丶r-'´.　 ｀　　 ｀ー 、 ＞トrt
　　　　　　　　　　 　 ／/ 　 ノ´　　　　　　　　　　 ｀ヽ::ﾚ´ ヽ、
　　　　　　　　　　__/　/　r'´　　　　　　　　　　　　　　 ＼-ﾍ ヽ_
　　　　　　　 r::/´　 r‐ '´　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ゝ＼_ ｀ヽ
　　　　　 　/　　二ノ　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　 　　 ＼｀ -＼._
　　　　_ ,ィ≧-z::ｿ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ,ィﾚ::ヽ _
　　 ／　ゝ:＜´｀´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ゝ＼丿｀ヽ、
.　 〈　　 　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀丶　 　.〉
　　 ｀ー ´　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ー'

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ある時のサーシェスの言葉が思い起こされ、シュクヴァールへと飛び掛かる。
大火力の支援砲撃というものは、敵機と肉迫すれば止められる。
味方ごと巻き込む危険を冒せはしまい。
あの男のことは今でも好きになれなかったが、言うことは的確だった。

アームズフォートとネクストの関係性は、戦艦と護衛艦に近い。
大火力を持つが図体が大きく小回りが利かないAFをネクストが守る。

シュクヴァールを失えば、モスクスラウメンは一気に不利になる。
いくらクーガーが出自から冷遇されているとはいえ、砲撃をやめるだろう。
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5077： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 22:30:36 ID:p2TKEHGQ0

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│　　　　/ll!ﾊ:.:′.:.:.:.:/./.／.:/.:／.,ﾉ.;/l:.:;!.::l.ﾍ;.:.:.ヽ,:.:.:.:.:.:.ヾ,:.:.'; 　　!　 　 │
│　　　 ∧jﾊ.:′.:.:.:.:.′〃xｆz左ｚ,;,X, .j:/ !:;|:.:.:l.:.:.:.l.:ﾍ.:.＼.:.::.':;.:.';　　　......│
│　　　 l.l.ヽ.:.:|.::::.:.:.:|{:.:.,仆乞芸て卞 >′l./ｊ.:,ﾘ.:./.:l.:.ﾍ.:.::.ヽ.:.:.';.'|　　　　..│
│　　 　'.:.:.:;:升∧::.:.|.:.:{ｲ ,伐::::::斥′　　ﾉクｻﾄxj:.:.li.:l.:.ﾊヽ.:.';.:.:;.!　　　　..│
│　　　　∨　 !′l:.:.:|:.:.! ､辷ｰクﾉ　　　 　ｹ云x.:ﾉﾒi.:/.:.:.:.:l.:.:.:.:.l:.!　　　......│　　　　　　　やる夫君、回避機動に専念して！
│.　　　　 ゞ､)l::.:.:ゝ:ﾍ､:!　｀¨¨ﾞ`　　　　　/.::ﾇﾘｹ;´.:;ﾘ..:.:.:.∧:l.:.:ﾊ!　　　　 .│
│　　　　　 'iｰl;:.:.:.::.个｀　　　　　　　　　匕ﾞ.ノ_ノノ/!:.:.:.;/　ﾚノ　!　　　　 .│　　　　　　　 撃破は考えちゃだめ！
│　 　 　 　 l.:人::.:.:.ﾞl　　　　　　 　 　 　 ¨`て.._｀V.ﾊ.:::/ 　 !′　　　　　...│
│　 　 　_,､n<　 '.:.､∧　　　　　　　ｃ｡　　　人__,¨＼:l/　　　　　　　　　.....│　　　　　　　　生き残ることだけを考えて！
│　　ｲ´.:::.ハﾍ　'､l?∧　　　　　　　 　 .,／: :.j　 ／}′　　　　　　　　　　 │
│／　l:::::::., 　＼　´､?「＞､　　　　 , イ´. 　.:.イ´.:l.:.|　　　　　　　　　　　...│
│　 　ｊ::::::::.ﾍ　　＼　　＼ﾍf＞.ｰ イ. . . :＜.:.:.:.';.:.:.:|.:|　　　　　　　　　　　.│
│／¨ ﾍ:::::..∧ /＼｀ >ｰ<cﾊ. . . . . . .fヽ,¨ -ﾅﾍ.';.:.:|.|　　　　　　　　　　　 │
│////∧::::..∧＼/∧ Y∧:lｌ. . .,,..ｲ".ｿ ',////,j.:.';.:.||　　　　　　　　　　......│
│/V//,∧:::::..∧､/　 >介ｲー"´　／.:::.∧//zj.:.:.';.:.|　　　　　　　　　　......│
│j∧V//∧:::...∧　　ｊメﾍ＿_　-ｲ.::::::::::::.∧//j.:.:.:.';.|　　　　　　　　　　　..│
│j:iV∧//∧:::::::..＼　ヽ´.:::::::::::::::::::::::::::::::::人/j.:.:.:.:';|　　　　　　　　　　　 │
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　　　　　　　 　／　　　 　 　 　 ヾ
　　　　　　　/《　　─　　　─　　》ヽ
　　　　　　　| ||u. （●） 　（●)　 }}. |　　　　　　　なのはさん……この人相手に、時間稼ぎなんて意味ないんだお。
　　　　　　　| 《　 　（__人__） 　 　》 |
　　　　　　　＼ミ三三|￣|三三彡／　　　　　　　だったら……
　r､　　　,'⌒r,卜 ＿　 兀　＿　 イヽ⌒ヽ
　ヽヾ　三　|:l1.　 　 　 | |　　　　　　 } 　 )
　　＼>ヽ/ |｀ }　　　　 | |　　　　　　　|￣|
　　　ﾍ　lノ `'ｿ　　　　 | |　　 　 匚]　 |　|
　　　　/´　 /"'',＿＿"| |"',,＿＿,, ,''"|.　|

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なのはの悲鳴じみた指示が聞こえてくるが、無視させてもらう。

クーガーを相手にそんなことをしたって意味がない。
あの人は必ず、逃げ惑うマーシフルのコックピットを貫くだろう。
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5078： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 22:31:32 ID:p2TKEHGQ0

　.:/　　　　,.:':_:／.: : : : : :,{_　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 _}, : : : : : : : :＼i!::..　 　　',:.
.::/　　　　 ヽ; :i: : : : : : : ;': ,}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{, :i : : : : : : : ／!::..　 　 　 ',:.
.:'　　 　 　 　 ＼.: : : : : :i: {　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 } i : : : : : ／　i!:::.. 　 　 　 ',:.
　!　 　 　 　 　 i!＼ : : : !: ',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 / :i: : : :／　　.i!::..　　　　 　 ',:.
　|　　 　 　 　 .i!:..　＞ ;.i: :.',　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 / : :!, ＜.　　　 i!::..
　|!　　　　　　 i!::..　　　 | : :.',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ : : i　　　　　　i!::.. 　 　 　 　 i!
　|! 　 　 　 　 i!:..　　　　i.: : :.',　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 / : : : !　　 　 　 .i!::.. 　 　 　 　 i}
　|!　　　　　　i!:..　 　 ／i: : : :.ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞': : : : :i＼　　　　.i!::..　　　　　　,i}　　　　　　　押し通る！
　|!　 　 　 　 i!::..　　　＼', : : : : : .` ＜　　　　　　　　　　　　　＞. :´: : : : : : :/／　　 　 .i!::..　　　　　　,j}
　|!.　　 　 　 i!:..　　　　　 ', : : : : : : : : : :｀: .＜　　　　　＞. :´: : : : : : : : : : : /i　　　　　 .i!::..　　　　　　,j}
　|i　　　　　 i!::..　　 　 　 ∧ : : : : : : : : : : : : : : :｀¨¨´ : : : : : : : : : : : : : : : / .!　　 　 　 i!::..　　　　　　,j}
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5079： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 22:40:28 ID:p2TKEHGQ0

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舞い上がり、シュクヴァールへとブレードを叩きつける。
敵機はそれを避けることもせず、真正面から自らの刃で受け止めた。
剣の形をした鋼の塊が火花を散らしてぶつかり合い、軋む。

軽量二脚同士、その機体出力は重量二脚や中量二脚には劣る。
格闘戦にしたって一撃離脱がセオリーだ。

だが、マーシフルとシュクヴァールという、規格を大きく逸脱した
性能を持った二機のぶつかり合いが、それを覆していた。

重なる刃を振り抜いて弾き、二合、三合と打ち合う。
クイックブーストによる後退と前進を繰り返し、幾度となく刃を交える。

やがてそれは鍔迫り合いの形へと移行し、互いの胸部装甲へと
ブレードを押し当て、一歩も引かぬまま頭部をぶつけ合った。

視界一杯にシュクヴァールの頭部が映し出され、
クーガーの叫び声が広い海に響き渡る。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5080： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 22:44:18 ID:p2TKEHGQ0

　　　　　　　　　　　　　　　ﾉｲヽ」＼　　〃/ /
　　　　　　　　　　　　　　　{）ﾄ､i　　 ヽ_,,.ｲ /
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,ｨ'Yiヽ‐＝==ｰ､ﾚ′
　　　　　　　　　　 　 　 ハ!/　 ｀ 个､_ ノ ヽ
　　　　　　　　　　　　∠ 　 ＼　r==ｮ ﾊ 　 i
　　　　 　 　 　 　 ,ｨ´　 ｀ヽ､　＼￣,ｲ/　　　　　　　　　　　　　　　カズキが逝った！！
　　　　　　 　 　 //　　　　　＼　ﾚ' /ｰ--､
　 　 　 　 　 　 // 　 　 　 　 　 Y 〈 　 ｀ヽ＼ /⌒!　　　　　　　　　「……ああ、そうだお！　やる夫が殺した！」
　　　　　　　　/〈　-=＝‐　 　 　 !./　 , -―y/　　ﾄ､
　　　　　　　 ,'　 }　　 　 　 ｀ヽ　 〉　/　　`￣´ 　 }　L　　　　　　　　聞かせろ、やる夫！！
　 　 　 　 　 |　/　　　　　 　 　 /　 |　　　　　　／　　〕
　　　　 　 　 V＿＿　 　 　 　 /o　,'　　　　　　　　　/|　　　　　　　　おまえのダチとしての俺に！
　　　　　 /￣　　 　 ｀ー----‐'フ/　　 　 　 　 　 　 /
　　　 　 /　　　　　　　　 　 　 /ノ　　　　　　　　　 ノ　　　　　　　　　あいつのダチだった俺に！！
　 　 　 /　　　　 　 　 　 　 　 l.}　　　　 　 　 　 ／
　　　　 ＼　　　　　 　 　 　 　 ＼ 　 　 　 　 ／
　　　　　　｀ヽ､　　　　　　 　 　 　 `ー--ィ'´
　　　　　 　 　 ｀ヽ､ 　 ,,　.　 ---─――┘





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ﾆ/ﾆ/　　　　　　　 _-=,／ﾆ=-￣
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /ﾆ/ﾆ/　　　　　　_-=ﾆ／=-￣
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /ﾆ/ﾆ/　　　　　_-=ﾆ,／=-￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ﾆ/ﾆ/＿-=ﾆ_-=ニ,／=-￣:.:..、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿-=ﾆﾆﾆﾆ,／=ミ_,／=-￣.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　　　　　　　＿-= ＿＿ﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ノ..、
　　　　　　　　　　　　 ＿-=ﾆィ´=≦⌒ﾆﾆニゝ＞ -―　　ニニニニヽ......ヽ
　　　　　　　　　　＿-=ﾆﾆﾆイﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ／,／　　　 ￣￣￣￣￣{............}ト
　　　　　　　　／-=｡ｓ≦ﾆﾆﾆﾆﾆ=-￣i:i／　/{＿＿　　　---――‐ }........./.......＼
　　　　　　 ／＜ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-￣i;ィクi:i:.、　ゝ　 ＿＿＿　　　-―――......ヽ.........ヽ　　　　　　　　　男には譲れない道がある！
　　　　　　　￣￣-=ﾆﾆﾆ<i:i:i:i:i:i:/´i:／ ヽ＼　　 r　　　　　　　　-――'.....................ノ.、
　　　　　　　　　　 　 　 　 Ⅷi:i:i:i:i:i/:.:.:.／.:.:」≧=---=≦i:ゝ ＿＿＿_.........／⌒..............、　　　　　　　あいつとおまえの道がぶつかり合い、
　　　　　　　　　　　　　　　ji:i:i:i:i／.:.:.:,′/...................//´＼i:i:i:i:i:i:i:i:i／__......|.............ヽ..........
　　　　　　　　　　　　　 　 {i:i／.:.:.:.:.:.:j:.:.′...............//...ヽ.......￣￣ ヽ.........ノ...................＿_ }、　　　　　　そしておまえが自分を貫き通した！
　　　　　　　　　　 　 　 　 ￣!:.:.:.:.:.／:.:.:{...................}!}.............j{......j{........ヽイ...............／.......、...
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 !:.:.:.:.｡ｓ≦⌒ヽ...＿ ノﾉ..............j{......j{........{..............r＜...................　　　　　　　 おまえの道はなんだ！
　　　　　　　r― 　 　 ￣ ＞ j_／＿　　　　　(ー＜.................j{......⌒ヽヽ....ー..j!........................
　　　　　　　|　　　 ｡ｓ≦.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:≧ｓ｡. ヽ.......................j{.............‘，ヽ_／................＜⌒　　　　　　　　おまえはその力で、何を守る！！
　　　　　　　|:.　／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽV...............〃.....i....i.....‘，{ ........／.......／.....
　　　　　　　|／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.{j{............j{......................‘，...／..............￣｀ヽ
　　　　　　　{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ィｆ´＿ヾ...........j{..........i....i.........‘，＿＿＿＿
　　　　 　 　.Ⅷ‘，:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／フ´...............｀ヽ..j{..............　＜.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／⌒＼
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5081： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 22:47:31 ID:p2TKEHGQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,_j!　　　　//:.:/／.:.:.｀ヽ}
　　　　　　　　　　 　 {_ ｡ｓ≦:.:＞ 　 　 　 ,_j! ......　 //／.:.:.:.:.:.:.:.:.:}
　　　　{ヽ　　　　　/　Ｖ:.:.＿:.oヽ:.:.｀ヽ　 /{//.:./.:/{_/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ
　　　 {ヽ!{ヽ　　　/　斗､.{￣ヽ￣_.、:.:ﾊ { /{___／,／{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ﾆ{r＜,￣＼
　　　__VV}_,}　　イ....―-..、イ.:＼ﾆ＼:.圦{ニﾆ// //:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ﾆﾆ,≦ﾆ=-__ｊ〉　　　__　　　　　　　カズキを斃し、俺を斃し、全てを敵に回し！
　 _//´.}_}_ヽ＼._/.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ.{＾ｰ'＼ﾆヽ}rVィr',ゝイ}/⌒ヽ:.:.:/ﾆﾆ/ﾆﾆj{ニﾆ=-＿_/,} }‐-､
　 ゝ{へﾑ{__i_＼ヽ:.:r―､_ イー＜...ノヽ/..../}／}!......{..ヽ......V/ヽ／￣-=ニニゝ--'ノゝ'ﾆｰ'　　　　　この世の全てにケンカを売り！
　　　｀ヽ｀ヽ_{_/{:.:斗ﾆ=-￣｀ヽ,ハ{_//.:.:.:. i＾＼ｨ⌒Ｙ:ﾊ......./　　　　　　 ￣　　　｀Ｙ{´ {/
　　　　　￣ヽイ　　　　　　　　　 ｀ヽｰへｰト:.rｫヽj_;ﾊi_ト...{　　　　　 　 　 　 　 　 ､〉　　　　　　　　おまえを突き動かしているのはなんだ！！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}....＼..、:.:.:ー＼.:.:.}.ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽへ..ヽ.Ｙ:.:.:.￣}!:.:.V_}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そこまでして貫きたいものはなんだ！？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{V￣.＼:.:.:.:.}!:.:.:}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{V/ニﾆﾆ￣￣、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿/ｲ-―-／{:.:.:.:___、
　　　　　　　　　　　　　　　　　＿-=ﾆﾆノ{r‐ /＿_}:.:／....V=-＿
　　　　　　　　　　　　　　　 ／／=-￣／{.／..>..<.}//.........ヽ:.:＜_ヽ
　　　　　　　　　　　　　　／／　　,.:.:.:)/.:.}ヽ....ヽ__.}!:.＼__........V:.:.｀ヽ





　　　 　 V ` ー-ﾉ _＿ 　 　 　 ヽ.　 |　 　 　　 /..-…イﾚ'
　　　　　 |　　　/∠.._ 　ヽ　 ヽ.　|　 |　,. -─ ､ヽ 　　　/
　　　　 　ﾄ､　　|　　,　二ヽ＼_ ,! | 　ﾚ ,.-_―_¨　|　　 /､
　　　 　 /ﾊ. 　 | 　 l　 　o`ヽ_ノ. |　 ﾚ' ´｡　　〉　| 　 ,ﾑ.|
　　　　　{ rﾊ　 | 　 `ー─_ .'イ'　|　 ﾄ_ー─ '　　, 　/7/　　　　　　　　答えてみせろ！
　　　　　 ＼ !　|　　　　　　!::::!　 |　/　　　　　　i　/ ﾝ
　 　　 　　 ∧ﾊ|. 　 　 　 　`　　 j/　　 　　　　 ,..ｲイ　　　　　　　　　　でなけりゃ俺は超えられねえ！
　　　　　　ﾊ:::`|　　 　　　　　`　　´　　　　　　ｲ::::ﾉ|
　　　 　 　|　Vハ　　 　 /_二二二二ヽ　　 　 /／ 7　　　　　　　　　　　おまえはその力で、何を壊し、何を守るっていうんだ！
　　　　　 ハ　＼ ＼.　　|::::::＿　＿::::`|　 　 ,. ' 　/!
　　　　／　 ヽ　 ＼.ﾊ　 |V　　　　　 V　 ／　　 /　＼
　　 ／　 　 　 !　　 ＼　| !　　　　　'/　/　　 　/'　　　＼
. ／　　　　　 　　　　　'i ヾ. -----'/　/　　　 ,　 　　 　　`　.
　　　　　　　　　　　　　|　 ｀ 二二´　' 　　　　　　 　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　| ゝ───'7　　　　　　 　 　 　　　　 　＼
　　　　　　　　　　　　　| 　　 　　 /　　　 　　 　　 　 　 　　 　　 　＼

5082： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 22:58:05 ID:p2TKEHGQ0

　 　 　 　 　 ,,.. ´　　　　　　　｀・ 、
　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　/　　　　　　　　　 　 　 　 　 ',　　　　　　そんな……そんなもんはなぁ……！
　　 　 　 _l;;;;;;;;;,,,　　　　 　 ／　　 　 　 .l
　 　 　 　 l;;;;;;;;;;;;;;; 　 ､_,.ｨtﾁ　） 　 　 　 |
　　　　　　',.　　 /　i　　 ヽー‐ '　u.　　/｀ヽ､
　　　　　　 ＼　乂人＿__ﾉ､　　　 ,. ＜
　　　　　 　 　 ＞-｀￣￣｀'　-
　　　　 　 　 　 　 ｀ー―






　　　　　　　　　＿＿＿＿＿
　　　　　　　 ／　　　　　　　 ＼
　　　　　　／　ヽ　 ､:　: ,　 / 　 ＼　　　　　　　　　はやてさんが泣くところを見たくないだけに決まってんだお！！！
　　　　 ／　　　 ゝ_ﾉ: : :ゝノ　　　　＼
　　　／　 　 ( ○　):.:.:.:.( ○　)　　　 ヽ　　　　　　　あの人が愛した全てを守る！　それを脅かす奴はぶっ壊す！
　 　 |　　　　　 /　　 !　　ヽ　　　 　 　 |
　 　 |　　　　　 ゝ _ノ ゝ _ノ　　　 l j　　|　　　　　　　それ以外あるわけねえお！　買い被るんじゃねえお！！！
　　　＼　　　　 |!ｉ!ｉ!ｉ!ｉ!ｉ!ｉ!ｉ!|　　　　　 ／
　　　／　　　　 l!ｉ!ｉ!ｉ!ｉ!ｉ!ｉ!ｉ!|　　　　　 ＼
　　/　　　　　　 ー――‐ '　　　　　　　ヽ

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クーガーの叫びに、喉を震わせて返す。

自分の根底を曝け出すつもりで舌に言葉を載せて吐き出す。

正義だとか大義だとか、理想だとか、そんなものは所詮、お題目でしかないのだ。
そんなものを持ち出す奴は、人間という種を買い被りすぎだ。

自分は自分の大事な人の、大事なものを守る。
それを脅かす全てを破壊する。

その相手が、たまたま企業連であっただけのこと。

大事なものを守り、それを脅かすものと戦う。
人の一生に、それ以上の要素なんてあるわけがない。

泣いている友達の涙を拭い、友達を泣かした相手を懲らしめる。
好きな人の好きなものを庇い、それを奪おうとする者から遠ざける。
それ以上に大事なものなんて、あるはずがないのだ。

それが人の全てだ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5083： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 23:04:14 ID:p2TKEHGQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 j}　 　 　 /　　　　　 f´　　 ,′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 j}　　 　 /　　　　　／　 　./_
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 j}　　　 / ｀ヽ 　 ／ 　 　 ./　　 ≧ー--､-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 jI斗ｬ≦j} 　.___/ 　 /_／　　 ,.。＜　　　　　　 　 ＼＼
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,ト､/ヽ/ __　　　j} ／-/　　/　 　 　 / 　 r‐､　　 　 ＿＿_ 　＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾄ{:V: i :}: :／_:_}__／-､!- /-'´{／{_／i{ ./　 r ' 　 ー‐＜｀ヽ、　　 　 ＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　＜:jI斗＜:-:-:_'ノ/　　}､　　／　 }!　　}＿_／　 　 　 　 　 　 ｀ー―‐､_ ＼!
　　　　　　　　　　　　　　　　 _ -//ヽ　 }､:_:_/ /--､/:｝　´　　 〈 　 /　　}_　　　　　　　　　　　　　　 ＼_ ＼
　　　　　 　 　 　 　 　 　 _ -　 //__jI斗＜>､!〈　　/::/-/　{　　/　/　　//　≧s､　　　　　　　　　 　 　 ＼_ ＼
　　 　 　 　 　 　 　 　 ／, ＜ ＞ﾟ´___　　 　 i　ヽ/ﾟﾞ´／ ／　 /／｀ヽ,//　　　　 ＼　　　 　 　ゝ/　　　 　 ＼_
　　　　　　　　　　　／＜＞ﾟ´￣￣￣≧､／ >､_}_／ ／　　,／ /､__/::{------ ､_　ヽ、　　／ /　　 　 　 　 .ヽ
　　　　　　　　 _ -´　　　　　　 　 。＜___r＜|!　,　　i　ｆ 　 , ヽ　V::::r--'＜_　 r'´　{__　ｰ／ / i{
　 　 　 　 _ -　　　　　 jI斗ｓ≦、＞--- ' 　 |! ,}, ／ /　 /､_/／_｀ヽ　　　　｀ヽ__ｒ_－'i/　 / 　 ヽ
　 　 _ -　　　　　 。＜＞ ﾟ ´　 　 　 　 　 　 |!.,}　 ／ ／__,／　　}r ,} 　 　 　 　 　 ヽ/　 /　　　 }!
_ -　　　　　 。＜＞ﾟ´　　　　　 　 ,。ｓ≦{　 i|/ ／ｨﾟ´￣､　　　　／ヽ　　　　　　 r＜　 /　　 　 /
　　 　 。＜＞ﾟ´ 　 　 　 　 　 , ＜ {／＿,}　 ' ´__ノ､>､　 ＞-､ ／ }　}ヽ　　　　 人 　,/ 　 　 ／
, 。＜＞ﾟ´　 　 　 　 　 　 　 /　 ／　　 /´_￣_{　{　Ｙ　i´ __,／　ノ／ /}ヽ-､　/　 }/ﾟililﾑ　 /}
＞ﾟ´　　　　　　　　 　 　 rzz}_／　　　｛ヽ´---{　ヽ,ﾉ｀- ´/,.。ｓ＜___//､__　 /　　/ilililil/　//
　　　　　　 　 　 　 　 　 {il{　　｀ヽ 　_/､_}＿{≧ｓ､{---／＿_,。＜＞ﾟ´ 　 }ノｒ‐‐/ilililil/_／/
　　　　　　　　　　　　　ノ }　 ,。z}t-{ノ{ー－--､ i {--/ /----＜_＞､__／- '　　ヽ- ' {、r'
　　　　　　 　 　 　 　 /　 ヽ'ﾟ　 　 }ヽノ 　 　 　 ﾟﾏ{-/ /＜　＿　　 　 /　　　　 / 　 　 }ﾉ、
　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　 ／　 〉 　 　 　 　 i_}_/-､fﾟ´　　｀ヽｰ/　　　　 /　　　 /--ヽ
　　　　　　　　 　 　 {　　　　 　 }　　/　 　 　 　 　 ヽi 　 　 　 r≦二{ｒー--､/_　　　/　ヽ }、 ,ゝ-､
　　　　　　　　　 　 /　　　　 ／　／　　　　　　　　　　　　　　 /__＞r‐<　/ i／ヽ r'　／｀ヽ_/　　} ＼
　 　 　 　 　 　 　 /　　　 ／　／　　　　　　　　　　　　　　　　{ /　 {　r'ヽ　ｒー､}｀　 {　　　 }　　 }　　＼

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「やる夫の邪魔をするんだったら……クーガーさん、アンタだって同じだお。
アンタはやる夫の友達で、兄貴分みたいな人で、憧れの男だお。
けど……ぶつかるだけだお」

だが、自分とクーガーの道は今、違えている。
男が大事なものを抱えるようになって、それが他の男の大事なものと
相容れぬこともある。

そうなった時は、ぶつかり合うしかない。
たとえ恩人であろうと、友達であろうと、ぶつかり合うしかない。

二人が選んだ運命がぶつかり合うのならば、残る運命は一つだけ。
戦場であるのなら、なおさら。
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5084： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 23:19:02 ID:p2TKEHGQ0


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三三三三三三三三三三三三三三三三三ー‐ｭ､二二　,ﾉソr .二二二二二ニニニニニﾆﾆ　 　≧:::::::::::::
三三三｀ヽ三三三三三三三三三三三三三三三ﾄ､　.,,ﾉ./ ,i′　.二二二二二二二ミxニﾆ＝＝＝==(⌒ー
三三三三 }三三三三三三三三三三三三三三三 .,,‐ﾝ'/./三三二二二 ., ﾉ⌒二二ニニﾆﾆﾆ＝＝＝＝＝==ミｰ ､
三三三三 ｀ｰ-､ へ三三三三ミx三三三三三三 ,ﾉ／./ /　三三三三｀　|!　 二ヽー-､ニﾆﾆﾆﾆﾆ＝＝＝＝＝===ミx
三三三三三三三三｀⌒ヽ三三三｀ヽ三三三　,ﾉ / . / /　三三三三...､ :!l.二二二二二ミxﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＝＝＝＝＝===　⌒ｰ ､
三三三三三三三三三三三ー-三三三三 . ,r'./ 　./ / 三三三三三三 !.ｌ| ｌ.三三二二二ニヽﾆﾆﾆﾆﾆ＝＝＝＝＝（
三三三三三三三三三三三三三三ヽ、 .'=./ .ゝ.... -------―――　‐′ .巛　三三三三三三三三二二二二ﾆﾆﾆ　｀ー　　　｀ー＝＝===
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三三三三三三三三三｀ミ三三三三三三三三三ヽ三三三三三三三三三ノ三三 ｌ.　　　　　　　　　.｀ﾞﾞ'￢-　..,
三三三三三三三三三三三ー､三三三三三三三三三｀ヽ三三⌒ー-､γ三三三 . ヽ　　　　　　　　　　 ｀､,　　　 .｀ﾞﾞ''''―

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鍔迫り合いの状態のままオーバードブースターを起動する。
二機とも同時に。まるで示し合わされたダンスでも踊るかのように。

空中へと舞い上がり、どんどん高度を上げていき、幾度となく交差して、
その都度に自らの得物を相手へと叩きつけては弾かれ。

何度も何度もぶつかり合い、やがて分厚い雲の中に突っ込み、
それでもなお剣戟だけは止めないまま飛行する。
火花が散って、雲の中の暗闇を一瞬だけ照らす。
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5085： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 23:23:57 ID:p2TKEHGQ0

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ｨクﾆ/ム斗七ノ　　 |:.:.:／
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　　 　 　 //ヽ{_iトvi{´／　　　／／,.:.:.:.:./{__l.........,.:/.|.......ゝi:Ⅷ>ﾊ:.>{:.:.:.:.;ﾊ＾　　　　 ヽV:.:.:.:.:}
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記憶すらも飛ぶ無我夢中の戦いの末に。

気づけば、自分は海面に浮かんでいた。
姿勢制御すらも失い、まさしく尻餅を突く姿勢になっていた。

眼前には、自分を見下ろし、ブレードの切っ先を向けてくる
シュクヴァールの立ち姿が聳え立っている。

ぼんやりとした意識で考えた。どうやら、自分は負けたらしい。
あのクーガーが相手だったのだ。そういうことも大いにあり得るだろう。

シュクヴァールは動かない。そう見えるだけで、実際にはブレードを
振りかぶっているのかもしれない。死の間際は視界がゆっくりと動く。
何度か経験してきたから分かる。
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5086： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 23:27:36 ID:p2TKEHGQ0

　　　　　　　　　　　／　　　　　　 ／　　　　_,. ‐''"　　　　　　..:::::::
　　　 　 　 　 　 ／ 　 　 　 　 ／　　 ,.-‐''´　　　 .:　　　 ....:::::::::::::
　　　　　 ,ﾍ　|!/　　　　 ,. -､/　　 ／　　　　　..::::::::　...:::::::::::::::::::::::
　　 　 　 |　:ﾄK　　　 ／＿_l＿_∠＿＿_／｀ヽ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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　　　　 |〈　 l l　　 _ ｨ'´／　　　　 |　　 .::|ﾋ ヽ　l::::::::::::::::::::::::::::::::〈
　 　 　 !　＼l_レ'´|　l:::lr'''7　　　　l .l:..:::lﾘ7 ゝ/l､::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
　　　　|　　.l´　　 lj_/'ｲﾚ′　　　　l!| ﾚ/ ヽ‐' 丿ヽ､::::::::::::::::::::::::ミヘ
　　　　|　 ::l　 　 　 l'´　　　　　　 　 ﾙ′　　〈　　ﾉlWヽ､:::,. -‐''ﾍ　　　　　　　　――おまえの道がどんなもんなのか。
　　　　|　:::|　　　　 |　　　　　　 ,/ヽ　　 　 　 l 　 　 　 ／　　　　ヽ
　　　　l :::::!　 　 　 l　　　 　 ／/　　　　　　 /　　　／　　　　　　　　　　　　　　伝わってきたぜ。
　 　 　 !::::l　 　 　 '､_／-､ノr／　　　　　 ／　　／
　　　　 l ::!　　　　 　 　 　 〈　　　　　　 / 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　俺とおまえはぶつかり合い、おまえが折れた。
.　 　 　 |::|　　　　　　　　 　 |　　　　　/　／
　　　 　 !:!　　　　　　　　　　| 　 　 ／／
　　　　　|l　　　　　　　　　　 '-‐／　〈
　　　　　l!　　　　　　　　　　　　＼　　＼
　　　　　|　　　　　　 　 　 　 　 　 ＞-､　＼　　　　　 ,. -‐''´
　　　　　　　　,.-‐''"´￣｀`ｰｧ‐''´ 　 　 ヽ　/_,,. -‐'"´　　　　　 ／
　　　　　　 ／:::::::::::::::::::::::::::::＼　 　 　 　 Y´　 　 　 　 　 　 ／::::::





　　　 ＼　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l
　　　　　＼　　l｀ ヽ､z 、　　　　　　　　　　　　　｀ソ
　　　　　　＿、j　＿＿　｀` 、z 、　　　　 ＿　　 ７
.　　　　　 l　　　Z＿::::::ヽ、　　　 ｀`ー ｘ´ ＜┐´
　／ヽ.―┴―――→―‐←――--- 、>、 ヽ
K.　→l￣＼:.:.:.:.弋ー　ｬｯ- 、`ｰ':.:.:.:.:.:.:.＿_ヽ　ヽ　　　　　　　　　　　　　　けどな……俺はおまえを斃さない。
　ヽ.´/!.　ﾘ ＼:.:.:.:.｀ー――:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.､tｯノ.l ヽ　',
.　　ヽ l 　l.　　｀ ヽ 、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./⌒i.:.:.:.:.:.:.:.:! 　ヽ ',　　　　　　　　 __　　　 本当の強さは力じゃねえ。
　 　　',^ヽ!.　　　　　｀`ヽ、:.:.:.:./.　　l:.:.:.:＞'´　　　ヾ　　　　　　　./
.　　　　ト　　　　　　　　　 ￣　 　 　ﾄｰ´/　　　　　　ヽ　 　　 ,ｲ/　　　　　　おまえは……俺よりも強い。
　 　　　l　　　　 , 、　　　　　　ｰ　 ノ　/ 　　　　　　　 　　　 / l/
　　　　〈　　　　　ヾ ー――‐┬‐ィ　/　　　　　　　　 　　 　l.　lノ!／　　　　 俺には……貫くべき道が、もうない。
　　　　 ヽ-- 、.　　ヽ、＿＿＿ソ´ /｀ ､　　　　　　　　　　　!
　　　　　 ',　　 l. 　　　　　　　　　/　　　｀ヽ　　　_ィﾆ￣￣`'　　　　　　　　　 なら、道を譲るのが道理だ。
　　　　　　〉.　 ト、.　　　　　　　/　　　　　 〉　　　　 ＞ー――　、
　　　　　　j.　　',　｀ 、　　　　 / 　　　　／＿＿　,r'´　´　　　　　 `
　 　　　　 ヽ.　　',　　ー――'´　　　／　　　ヽ／　　　―――-- 、
　　　　　　　j　　 ヽ　　〈　　〉　　／ 　　　　 /　　　 　　　　　　　　ヽ

5087： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 23:32:32 ID:p2TKEHGQ0

　　　　　 　　　＿＿＿_
　　　　.　　 ／　　　　　＼
　　　　 　／　　u　　 ノ　　＼
　　　　／ 　　　　 u （●）　　＼　　　　クーガー、さん……？
　　　　|　 　　　　　　　（__人__）|
　 　　 ＼　　　　u　　　.｀ ⌒／
　　　　ノ　　　　　　　　　　　＼
　 ／´　　　　　　　　　　　　 　　ヽ





ヽ､　　　　　 ,' !　ﾞ､　　 /　/／　　 　 　 　 _ ｀'r‐､ヽ|
　　｀''ｰ‐--/　|＿_'､　/　 |〈　　　　　　 r'´ﾉ､__ﾉ　)　ﾞ,　：
　　　　　 /　　| Ｏ｀〉/　　|:::|　　 　 　 ： l ´　　rヽ　 /　　　　　　……俺はカズキとは違ってなァ。
　　　　 〈　 　 |　／/　 　 ﾞl:|　　 　 　 　 |　　/　　　|
　　　　　 ＼　|'´／　　 |　 l|　　　　　　　ヽ､（　　　/　　　　　　　おまえを斃した先に、俺の道はねえのさ。
　　　　 　 ／/ ´|　　　 ヽ　|　　　　　　 /´{ ｀ヾ.　/
‐-､　　Ｏ/::/　　|　　　　 ヽ|､　　　　 ／　 ﾞ､　　/､　　　　　　　　まぁ……色々、生き急いじまったからな……
　　 _Ｏ /::/　 　 |　　　　　 `､　　 ／　　　　＼/　ﾞ､
''"´ 　 〈::〈　　　｜　　　　　 /-‐'´　　　　　　　｀　_,〉
　　　Ｏ |::|　　　｜　　　　／　　　　　　　　　　 /´
　　　 　 !:l　　 　 ヽ、　／　　　　　　　　　　 ／
,,. -‐'' ´ ﾞ､ﾞ､　　　　| ./　　　　　　　　　　 ／

5088： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 23:33:39 ID:p2TKEHGQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨ, -──-　､＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.ｲ::.､::.::.:.＿＿::.::.::.::.::.::｀ｰ＝ｧ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　, .:::´.::_二」'"´＿,ｨ/￣￣｀ー─イ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∠　'"´ f=く､ｰ' rｯ ｧヾ￣￣￣｀::フ
　　　　　　　　　　　　　 　 ／ 　 　 　 |広ﾉ 　 ￣ 　7::.:::r ､::.::.(
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 l　ヽ　　　 、/:.::.ｲﾆl}::(⌒　　　　　　　　　　　　　そんな俺が、おまえに……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ - 　 ￣　￣r=イ:::.:彡´　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _'.　￣　　　 ﾉ彡/￣｀ヽ、　　　　　　　　　　　 惚れた女の為に世界にケンカを吹っ掛けた
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 ヽ＿　　 ´ r /　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　 ﾊ、l　　 / /　　 　 {　　　　　　　　　　　　　男にできることっつったらよ……
　　　　　　　　　　　　　　 -──--､＿_rﾍ　 ﾍ ヽ　{　ﾉ　　　　 Ｌ　＿_
　　　　　 　 　 　 　 ／:::::,　 -──‐ヽ、　 ＼　ヾ─ｧ′　　 ／　　　　 ＞　　 、　　　　　背中を押してやることくらいだ。
　　 　 　 　 　 　 ／::::／:: :: :: :: :: :: :: :: ＼　　＼ ｀「 r　　　　　　　　∠__::::::::::::::
　 　 　 　 　 　 /::::／:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :>､＿_,ノ　}　　　　　_. :: ´ :: :: :: ｀丶、
　　　　　　　　 l::::〈:: :: :: l :: :: :: :: :: :: :: :: :/　　／ 　 l　　　 ＜ :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::
　 　 　 　 　 　 ＼:ヽ:: :: |:: :: :: :: :: :: ::r‐'´　／ 　 　 | 　 　 　 ｀丶、 :: :: :: :: :: :: ::
　　　　　　　 　 　 ＼＼:ヽ:: :: :: :: :／　 　/　　　　　|　　　　　　　　丶、:: :: :: :: ::
　　　　　　　 　 　 　 l::〈:: :＼:: ::Y── ｧ′　　　　｜─────‐‐┤:: :: :: ::/
　　　　　　　　　　 　 ヽ:ヽ:: :: ＼{○　 /　 _　　 ´￣　　　　　　　 　 ○l:: :: :: ::/::

5089： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 23:38:24 ID:p2TKEHGQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.-''"::::::::::::::::::::::::::::::::｀`'''‐--､
　　　　　　　　　､　　　　　 _,.／ 　 ,.､-‐‐‐‐‐--､ _,,.､-‐‐''"´｀`'‐-ｧ､.__
　　　　　　　　　 ヾ:‐-､/!''"/_,､-''"　　　　　　　　`ヽ､__,.､-‐''''''''''''‐--､｀ﾞ'''-;'"
　　　　　 　 　 　 ,.-､`ヾ`ヽ<-,　　　 _,.､-‐'ﾆﾆﾆ,ヾ'､‐､＼:::::::::::....　`ヽ､ ￣｀ヾ､
　　　　　　　　 ,.-''"￣￣｀`　 ﾞ,　,.-ﾞ/ ／ ,,.-‐-ｧ｀　＼ヽ､ヽ::::::::::::::.....　　　　　｀`''7
　　　　　 ,..-''"　　 _,.､-‐‐r''''''''ﾞ"／, ' ｨ'" _Ｏ／　　　 ﾞ）:::`ヾ､.,__:::::::::::::....　　 　 /
　 　 ,-／　_,. -‐､'"/!. ,.ｧ‐ﾞ､.l　ヾ‐'ﾞ　　'''"　　　　 　 ,ｨﾞ;:::::::::,'´r-,ヽ,::::::::::::　　　/　　
r-､.／,..-''ヽ,　 　 l/ |/l l/´ ノ　　　　　　　　　　　　 ´/::::::::;:ﾞ/ヽ 　 }::::::::　　　<ﾞ
,／‐'"ヽ　　|ﾞl　　 l　ヽ,.>-､ |　　　　　　　　　　､　　 /:::::::::/ r'　|　 |:::::::　　　 ,.,ﾞヽ,　　　　　　あのサメモドキをぶっ潰すぞ。
'"､　　 |.　　ﾞ,! ,,..,/.,ｨ'ﾞ　　 l ヽ　　　　　　 _,,..,,_／' 　ｲ:::::／　ヽ､',ノ !:::::::　　／　｀`ヽ
　,.!　　.l_　 r7l　 j/ ﾞ 　 ,r'ﾞ!　　　 _,,.-'''"´_,,l／　　　 |／　　　 r-‐'ﾞl:::::　　 {　　　　　　　　　　――立ちな！　ハルオ！！
　l `_,ｨ"rｯ'ﾞ ﾉ`'''ﾞi　 　 /　 ヽ.　-<,.-‐''"´　　　　 　 　 　 　 　 l　　j､_r-､:::::〉
　`'''''ﾞ`‐'ﾞ／　 　 ' 　 .j　　　 ＼ 'ﾞ　‐ ''' ""´　　　　　　　　 _,.､'-―――'-'ﾞ､
.　　　 　 |　　　 　 ,.-'ﾞ　　　　　ヽ　　 :::::::　　　　__,.､-‐'''"´　　　　　　　　　|
　　　,,.-'ﾞ　　　_,.r'ﾞ　　　　　　　　|　　　　　　　　l
　　　　　,.-''Tﾞ´　　　　　　　　　 {　　　　　　　 　|
＼.,__,,.／　　!　　　　　　 　 　 　 ﾞヽ､.,＿_,,,..ｨ''"　|
　 `ヽ-‐'''ﾞ　ﾉ　　　　　　　　　　　r‐----‐''"'､　 |
　　　　　／　　　　　　　　　　　　 l l　　　　　 ヽ |　　　　　　　　　　,.､-''"
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　!.: : : :. :. :., ‐'´ヽ､.__..＞---┴---‐┴-＜..._｀ヽ: : : : :.i: : : : :/
　ヽ.: : : :.,.ﾍ　　_,.‐'　　　　　　　　　　　,,.-'"｀　｀､ヽ; ヽ_!＿_:/ ＿
.　　`‐､ :　　｀,ｲ　　　　　　　､＿_,,.-='､':'　　:　　{__│|.: : : :.||
　　　　 :` ｰ-{ { へ＿__, 　　　"　ﾞ.ﾞ､;;;;::',ﾉ　　: 　{　│|.: : : :.||
　 　 　 :　　　 `r　i ﾞ:;;;;;,:〉　　　　　　　　 　　:　 .!_　|│: : : :||　　　　　　　――！
　　　　 :　　 　 .|　}ﾞｰ-''"　　　　　 　 ヽ　　 :　　｢´│|.: : : :.||
.　　　　 :　　　 ││i 　 　 !、　 　 　 .ノ 　 .:　　{. _│|.: : : :.||　　　　　　　やる夫だお！！　こんな肝心な時に間違えないでほしいお！
　　　　　 : 　 　 .|　l　' ,_,,ノ＿,ﾆ≠'"´　　 .:　 _,L.__ | |.: : : :.||＿
　　　　 　 :　　　 |　.i　　 (___,,.　- ‐ 　 __;.r‐´ z-‐''"´: : : : :| r‐
　　　　　　,: ‐''"~´￣￣￣~｀`ヽ._.∠ﾆ-‐''"´: : : : : : : : : : : | ゝ:'
.　　　　　 |: : : :r-──┐: : : : :.:|:::.: : : : : : : : : : : :. :. :. :.-‐7￣
　　　　　　|: : : :￣￣￣.: : : :. :. :.|::

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シュクヴァールがブレードを折りたたんで格納したかと思うと、
そのまま掌を天に向けて差し出してくる。

その姿勢は、倒れたものへと手を差し出す時のそれにしか見えず、
クーガーの姿がシュクヴァールの巨体に重なって映った。

説明もなく、ただ直感だけでクーガーの意思を感じ取り、手を取って起き上がる。
こういう場面で名前を間違われたのは何とも言えない気分だが、
それでも闘志が湧いてきた。

嬉しかった。勇気が湧いてきて、胸の奥が熱くなった。
自分とクーガーの道は、完全には分かたれていなかったということらしい。

今の戦いで、自分の何かが彼を認めさせたのだ。
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5090： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 23:43:24 ID:p2TKEHGQ0


　| 　.:　　　　│ﾊ　　　　　　　　　　　 .::':,　　　　 ,: : :　│
ゞ| 　 :　 　 　 |::::[ ＿_　　　　　　　　　　/　　 　 / :.:　　|
　| 　 :　 　 　 |:::::::::／　　　　　　　　　　　 　 　 ′:.:　　|
　l　　 :　 　 　|:::::::::┐＿　　　　＿___　　　　／: : : : 　　|　　　　　　――ふむ。状況が少々変わっているようだが。
　|　 　.:　　　│､:::::::::::::::ﾌ　　´ー ‐ ’　　 .ｲ: : !: : :|　　│
　’　　 :　　　 |:::::丶:::::::(　　　　　　 　 ／|: !: : ｉ:.:　|　　 l
　 ,　　 :　　　 |::::::::::::::｀:::.:......　　　　／　│ｉ: : :i:.:　|　　i.!
　 ′　.:　　　 ト--:::::::::,,＿__｀ т、´ 　　 !:.!:.: ,′/! j /ﾘ





　　　　　　　/: : : : : : : : : ,'∠/＿＿: : : : : : ,': : : : : :/- '　. -
　　　　　　　l_: : : : : : : : ,': : : ｀ゝ.: : : ￣￣ﾞﾍ､＿ ／: ／: : :
　　　　　　　 ゝ- ．: : : : ゝ､_- "　｀ﾞ弋~l: : : :l"´: : ゝ, ': : : : :_
　　　 　 ,　- ‐-, -ゝl|: : /￣ﾞﾍ. 　 　 ゝ"ｲ／ ／ ,: : : :: ∠＿
　　　／: : : ,　' " : ／￣: : :＿ ×´　／": : :/i: : : x: : : : : : :
　　/〉: : : / : : : : /: : : ．'´．／　　, ': ': :／/: ゝ'´_/: : : : : : :
　　l" ゝ｀' : : : : / : ／: ／ /^ヽ.: / /: :/: : l: : : l　l: : : : : : :
　　l＼/: : : : ／',: /: : / ．- ､: : .〉リ: : ′∧: : ゝ ゝ．＿＿_
　　＼l: : : :' ｉ: : /ﾞ': : ／ﾍ　　〉: / , へl: : l　l＼: : ヽ-――'´
　　　 ', : : l |､: :| : : 〈　　ﾉ　ﾒ ﾇ: :i: : : : : |　l　 ` ､: : : : : : : :
　　　　'　　ﾍ ＼: : : :ﾞﾋﾆｽｲ／: : l: : : : : l　ﾍ.　　|: : : : : : : : :
　　　　 ＼: : '．lヽ／￣￣´: : : :/: : : : ,.へ／l 　 |: : : : : : : :　　　　　　　アームズフォートが相手なら、ネクスト3機でも過分ではあるまい。
　　　　　　＼_〉,ｲ: : : : : ィﾅ: : : l: : : ／ ○ l　| 　.|: : : : : : : :
　　　　　　　　/: : : : : : : : : : : : : : : 〉 ○○|/^ヽ-＼: []: : : :　　　　　
　　　 　 　 　 ｾﾆ=-‐　⌒ー　-―<フ"７￣ : : /ﾍ.　＼: : : :
　　　　　　／∠＼: : : : : : : : : : : ／〉'⌒/"￣/　 　　/ ＼: :
　　　　 ／　ﾞ／　/` ‐ー‐┬―": ／l: : :' ／l´>ー/／＼/: :
　 　 ／　'／　　 l /: : : : : :l: : :／ ／l＿l/: : /　 / ﾞ＼／: : : :
　　ヽ>'／　　　　/: : : : : : :ﾍ-'　 l: : :|　 l: : /　 /　　/: : : : : :
　　　 ~ 　 　 　 /: : : ,: ⌒ , : ＼-': : l　 |: :/　 /　　∧: : : : : :
　　 　 　 　 　 / : : : l, -‐､l: : : : ＼: 〉　l /　 / 　 /: : ＼: : : :
　　　　　　　 〈_/　　ﾍ　　_>ー―-'｀＼./　 /　　/: : : : : ＼: :
　　　　　　　　 ﾍ: : : / ／: : : : : : : : : :/　 /　　/: : : _: : : : : :
　　　　　　　　　 ＼/ /: : : : : : : : : : :〈⌒＼　./: : i´ l ｀ヽ.: : :
　　　　　　　　　　　 〈ﾍ: : : : : : : : : : : :＼＼>" : : ゝ|: :/: :＼:
　　　　　　　　　　　　＼＼ : : : : : : : : : : :Τ: : : : : : |: l: : : : :

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通信が入る。なのはかと思って即座に応答すると、予想外の声が聞こえた。
レーダーを見れば、声の主の言う通り、超高速で接近してくる光点があった。
緑の光点。IFFで味方機としての信号を発している。増援を意味する光景だった。

振り返れば、水平線の向こうからジェット音を轟かせ、
海面を引き裂きながら飛来する影が見える。
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5091： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 23:47:36 ID:p2TKEHGQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 -―f=ミ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´ ―　 ､f辷彡' ￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ‐ャ－ 、 f辷彡'　　 　 　 　 ｀　､
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ′ ハ　　f辷_彡^ー ｧ　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |　/ 　 ,f辷__彡　　　/　　 　 /／ 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ∨　,f辷__彡く　　　/　　　　/　　 　 　 　 丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　rｔf辷__彡'　ｉ　＼　　　　　 /　 ／/　　　 ｉ　‘,
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀Ｙﾍ　　　　 ､　-､|　 　 ｀ﾊ　/　/　ｲ　 　 　 ｉ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |,ハ　 　 　 〉い |　　 圻ミ、＼　 /　 ｲ　i .ｉ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ‘,　ﾊ　　　〈　r( |　 　 弋rハ　 ノ イ ,′ﾊ:ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ∨　 、　 ﾊ ヽ.:|　 　 i　　　　　　　厶ｲ ﾉ'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ∨//vﾍ{介f:::|　　 ｉ|　　　　　 fｹ 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |///////ハ:|　　 ｉ|　　　　　 〈 　 .ｉ|　　　　　　　　　待たせたな、ヤルオ。
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　＿ 」/」/」/」」/ﾊ|　　 ｉ|　 ‐ ､　 イ　　 ｌ|
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　＞‐……―＜　 |ｉ 　 从　　　　　　　　　リンドヴルム、アルトリア・ペンドラゴン。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ′　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::＞...　i| |
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 」　　斗 ―－ァ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ !　　　　　　　　　　これより、あなたの敵を討つ剣となる。
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿_「￣ 丁　　　　 〃::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ｲ
　　　　　 　 　 　 　 　 ....＜::::::::::::::: ′　,　 　 　 　 {!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/i|　　　　　　　　　　　 ……あの医者を説き伏せるのには、
　　　　　 　 　 　 　 ｆ ::::::::::::::::::::::: /　　/　　　　　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_/　}
　　　　　 　 　 　 　 | ::::::::::::::::::::::::′　 |　　　　　.':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〉　　　　　　　　　　　　　　難儀したぞ。
　　　　　 　 　 　 　 |::::::::::::::::::::::::|　　　|　　　　/:::::::::::::::＿＿＿::::::::::::::::::::::::「＼
　　　　　 　 　 　 　 |::::::::::::::::::::::::|　　　| 　 　 〈:::::::::::／　――　＼::::::::::::::::::| 　 ＼
　　　 　 　 　 　 　 / :::::::::::::::::::::::|　　 ∧_　　　‘,:::::// ::::::::::::::::::::＼ヽ:::: ＿/　　 　 ､
.　　　　　　　 　 ／ ::::::::::::::::::::::::::| 　 / 　 　 ‐-　∨/:::::::::　　 　 ￣￣∨　　　 　 　 〉
.　 　 　 　 　 ／ ::::::::::::::::::::::::::::::::|　 ′　　　 　 　 「:::::／　　　　　　　　＼ 　 　 　 /
　　　　 　 ／ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∨　　 　 　 　 　 |:::/　　　　　＞　　 ￣￣＼ 　 /
. 　 　 　 / ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ‘.　　　　　　 　 人{　　 丶／　 　 　 　 　 　 ＼′

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威圧的な漆黒の巨体が、今までで一番心強く映った。
アルトリアの名を呼ぶと、そよ風のような笑みが聞こえてくる。

間に無茶を言って、助けに駆け付けてくれたのだ。

彼女の身体のことを考えれば、手放しには喜べない。
けれど、それでも、嬉しかった。
彼女がこの戦場で、味方としていてくれることが。

敵として戦うしかないと思っていた友や恩人と、
こうして肩を並べられることが。

カズキやリエラの時のような顛末ばかりではないのだと。
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5092：安価のやる夫だお：2022/05/12(木) 23:49:01 ID:yuQdfX/E0
救いはあった！

5093： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 23:50:55 ID:p2TKEHGQ0

　　　　　　　　　　　 Ⅵ／　　oo ヽ　＼　　　　Ⅵ､______ﾞ,
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 oo　{　　 ＼　 　 Ⅵ￣￣‘,
　　　　　　　　　　　　　 ､_______oo {　　　　＼　　Ⅵ　　　 ,
　　　　　　　　　　　　　　＼￣＼　＼.　　　　＼　Ⅵ　　　}
　　　　　　　　　　　　　　 ,,.斗*七て三三二ﾆ=‐-　　..,, __}　　 _____
　　　　　　　　　　　,,. ＜､__,ノ__　　　　｀(　　　 ｀ヽ _____ヽ_＼´￣￣
　　　　　　　　　 ／／⌒ヾｰ(___)―i__,,　.r ≦￣ﾌー‐‐‐‐‐'__j} ￣｀
　　　　　　　　 _ﾌ'´　　 ／　,,.斗*≦]}__,ﾉー‐＜,,.斗--,／⌒ﾌﾏ=‐
　　　　　　　 /___r,,.斗*≦　_r≦7ノ´￣　.:r ≦　　　　j}）＞‐く　　　　　　　ス……ストレイト・クーガー！！！
　　　　　　　 ≧ｰ-ｧ=‐ ≦__,,.斗 ' ,.斗---,ｉ⌒ヾ´i}⌒i7./　　　ﾏ
　　　　　　 　 ＞''´　 人＞‐/''“　　　,,.才]|__ ,ﾉ ,ﾉ　｜′　　　}}==　　　　　貴様！　なんのつもりだ！　一体誰の味方なんだ！？
　　　　　　　 {i　　 ／　 Y´└‐‐=≦{{　／⌒ ／　　.:|[{　　　　;.i
　　　　　　　 {i　／　　　j}　　　 ／＼　「ヽ／／Y　 ,ﾉﾑ　　 ,.ｲﾉ
　　　　　　　 乂_,,.斗*≦'　 ,.ｘく　　　ヽ|　i}　{　 i}／ 乂辷彡'､_____
　　　　　　　　　　　　 __,.イL 　 ＼__,ノ.|　i}　{　 i}辷彡'/　　 i}「￣
　　 　 　 　 　 　 　 /⌒ .､⌒＼{ｉ}　r≦|　i}　{／､　　　乂__,ノ乂／
　　　　　　　　　　 /　　　 ﾏ　 .．＜＞''Lノ／＼　＼　　　　　 /
　　 　 　 　 　 　 /＿__,,.斗匕＞''”　　 ￣　　　 ヾ,ノ)≧┳====≦
　　　　　　　　　 ′____,,.斗匕　　　　　　　　　　　Ⅵ､____j}__________
　　　　　　　　　 ￣￣　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 Ⅵ￣Τ￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 Ⅵ___j}__________
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 Ⅵ Τ￣￣￣





　　　　　　　　　　 |::ﾊ　　 入:::::::::::..ヽ＼: : : : : : : :／／　∨　　　　／: : : : : ﾄ､
　　　　　　 _,.x＜´ﾍ:::∧　　ﾘ｀ヽ､:::::::::::...ヽ: : : :／-'´　　　∨_,.x＜: : : : : :∧|　＼
　　　 　 ／ .. :: :: :: :∨.:ﾍ　/　r=≠'￣￣,.ヾ／　 　 　 　 　 ＼: : : : : : : ::/　 　 　 ＼
.　　　／ .. :: :: :: :: :: ∧::::::ｿ　/. : : :: ::／　　　　　　　　,.x≦三､ヽ: : : : :_/_
　　 / .. :: :: :: :: :: :: /　ﾑ:r'=,/.. : : :／ ､　　 　 /　　 ／,.=====ﾐ､ V. : :/￢｀i　　
　　ﾊ:: :: :: :: :: :: :: /　 { ニｱ. : : Xﾞ_　　 ヽ　　/／／／＿＿_　 　 .|:: :/⌒;::ｿ
　 .ﾊ:: :: :: :: :: :: ::ハ　 ﾍ, /. : :ｿ¨ヽtｯ=≠}　V ,≠'´ｨ´ rｯ　　 ヽ 　 |::ﾘ'⌒.丿　　
　 {:: :: :: :: :: :: :: ::::ﾊ 　 ./. : ;ｲ ヽ､_＿ ノ　　　　　　ヽ＿＿ ノ　　　ﾚ′-ｲ |
　 |:: :: :: :: :: :: :: :: ::ﾊ　/.::/ヽ_　　　　　　　:i　　　　　　　　　　　　　r='´/! |　　　　　　　　　愚問ですなぁ……俺は俺の味方です！
　 |:: :: :: :: :: :: :: :: :: ::V.::/　　ﾊ　　　 　 　 :|　　　　　 　 　 　 　 　 片ｿ　 ／＼
　 ∨.: :: :: :: :: :: :: :: :/:X　　　.ﾊ　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /／　 / 　 　 ＼　　　　　 おさらばですな、現場指揮官殿？
　　∨.: :: :: :: :: :: :: /'′ﾍ　　 八 　 　 　 ヽ＝ 　 　 　 ,ｨ　　　／´　 .／　 　 　 　 ＼
　 　 ＼:: :: :: :: :: :: :: :: :: ::＼　　 ＼　 ﾏ二二二二二´ｿ　　,ｲ
　　　　 ＼::: ::: ::: ::: ::: ::: ::: :::＼　　 ヽ　寸´: : : : : :: ::::ﾘ　 /　　 ／
　　　　　　 ｀ーi:: :: :: :: :: :: :: :: ::＼　 ハ　寸 : : : : : : :/　/　　 /
　　　　　　　　 {:: :: :: :: :: :: :: :: ::／＼　.ﾊ　丶── '´　/ 　 ／　　　　　　　　　　,.x＜
　 　 　 　 　 　 ｀ｰ､:: :: :: :: :::／　 　 ＞xﾊ　｀￣　 　 ,ｲ　／　　　　 　 　 　 ,.x＜::::::::::
　　　　　　　　　　　＼:: :::／　　　　 　 　 ｀ｰ､＿__ ノ}　　　　　　　　　,.x＜:: :: :: :: :: :::
　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼!　　　　　　　　　　　　　＞' 　 　 　 　 ,.x＜:: :: :: ::: ::: ::: ::: :::
　　　　　　　　　　　　　　 寸　　　　　　　　　　／　　　　 　 　 　 ＞x:: :: :: :: :: :: ::::::::::

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
一部始終を見ていたモスクスラウメンがスピーカーで吠える。
どうやら内部で操縦しているスタッフたちの指揮官のようだ。

クーガーの飄々とした返しに、まるで怒りを表現するかのように
モスクスラウメンの口腔部に位置する関節部を唸らせ、
咆哮するかのような轟音を響き渡らせる。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5094： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 23:54:48 ID:p2TKEHGQ0

┌───────────────────────────────┐
│　　　 　 　 　 , - ‐‐‐-　、:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ、　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.ヽ、　　　....│
│　　　　　,イ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.ヽ:.:/く::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ｉ　　　......│
│　　　 ／:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:--‐ヽヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.: |　　　......│
│　　 /:.:／:.:.:.:／:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:./:.:.: 7|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　......│
│.　 /／/:.:.:.:/:.:.:/:.:.:.:/:.:.l:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.!: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　......│
│.　/　 ,':.:.:.:/:.:.:.ｉ:.:.:.:.:.ｉ:.:.:|:. ∧:.:!､:.:.:.ヽ:.:.ヽ__:.:.:.:}:.:.:.: }:.:/　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |　　　......│
│　　　,':.:.:.:,':.:.:.:.{:.:.:.:.:.|:.:.ﾊ:.ｉ　ヽヽヽ:.:._メ:.´ヽヽ:.:.ｉ:.:.:.:|/:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　......│
│　 　 ｉ:.:.:/|:.:.:.:. ',:.:.:.:.:|-/_|_|　　ヽ／,イ圷≧ｉ:.ｉ:.:.|:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　......│　　　　　アルトリア・ペンドラゴン、
│　　　|:./ .|:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:!:.ｉｲうﾐ　　　 　 {::::::::ら |:}:.:|:.:.:.:!´.ヽ:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　......│
│　　　|/　 !:.:.:.!:.:.ヽ:.:.:.|〃{:::j　　　　　 辷シ　!:.:./:.:./| ヽ.} |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│　　　　　　ストレイト・クーガー……
│.　　　|.　　',:. | ',:| .|ヽヽ｀.ﾋﾘ　 　 　 　 　 　 /:/／:.:.:!　/: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│
│.　　　　　　ヽ|　ﾘ　!:.:.ヽ＼ ヽ　　　　　　　.〃|:.:.:.:.:./_/／.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　......│　　　　　　 企業連の最高戦力とされた人と、
│.　　　　　　　ヽ　　ｉ:.:.:人　　　 -‐-　　 　/　 !:.:.:.:./／. 　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│
│　　　 　 　 　 　 　 ',:.:.:.:.ﾍ　 　 　 　 　 　 　 |:.:.:.:/.　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│　　　　　　　史上最強のイレギュラーが、
│　　　　　　　　　　　 ヽ:.:.{　ヽ、　　 　 　 .＜.|:.:./l　 　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│
│　　　　　　　　　　　　 ＼ｉ　　　＞.-t ´　　　|:/‐┤、.　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│　　　　　　　揃った……
│　　　　　　　　　　　　　　＼　　　 r､| .-　￣/　／　ｉ、　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　......│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〃.ヽ　　　.／　　 |::｀ヽ.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　......│
└───────────────────────────────┘

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
ネクストが三機。お互いが抱える理由も答えもバラバラではあるけれど、
同じ敵を睨みつけ、銃口を向けている。

レーダー上に自機と友軍機の三つの光点があることが、
絶望的な状況に密かに折れかけていた心を奮起させた。

この敵を潰す。そして、この味方たちと共に帰還する。
今は、ただそれだけを考えよう。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5095： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 23:55:28 ID:p2TKEHGQ0

　　　　　/ 　 /　　　　V∧
-､_＿ 　i　　 i　　　_ 　 V i
､　　　ヽ! r＜!　　/　ヽ　V!
　V/--､V　 j}　./　 　 i　}.!
、 .ﾏﾑ-ﾑV/　./　　_　 ! i i
. ヽ-'! 〉,___V//　／ r｀-､/　　　　　　　　 ,ゝ--- ､
--＜　 〉___〉 ! i'　／!. 　 ＼　　　　　　／ 　 　 　 ＼
　　　V/ ,__}､.| i 〈　 .!　　i´ ｀` - ､　 ./　　 　 　 ,＞-＼
＼, '´ ヽ/　__ヽ--V/ヽ-､ヽ　　　　＼!　　 　_＿/　___i´ ＼
___.＼ 　 ＼{! 　 ＼　 i.:.:.:.:..､_　　, 'ﾟ´ ＼r＜＞--< 　 ヽ、. ヽ
{　 ｀ヽ､ー‐}!、　　 ＼ヽ;.:.:.:.:.:.:.ヽ、　 ,　 ＼ilililililil/　 /　 V/ }!　　　　　　　　敵は潰す。
{　　　　　　＿V/／´｀ ､＞ 。:.:.:.:.:..､___ 　　Vililill{　 / }、 i}／
ヽ_jI斗ｬ≦￣￣￣｀ヽ／＞{ili{≧s､_:.:.:.:.:.､　 Vililiヽ__/{　} i　V/　　　　　　　　仲間は……絶対に死なせない。
ililil{_　　　_＿／ 　 　 ＼il＞-､ililij!ililヽ;.:.:.:.＼_!ilililili}_　 '　ヽ, V/
ili{´ヽ、／　　　　　　　 __＼ililil_}ilil>‐<､ヽ、:.:.:.}ilililili} V/　　 ヽV/
iliﾄ､　 ＼　　　　　　／　　 ｀ヽililil＞-<ilヽ/≧'ilililil〈　 〉　 　 　 }!
ililili} 　　 Ｖ/　　　./　　　　　　｀ ＜ilililililil＼　｀ヽ＞ー＜　　　 }!
ililili}　　　 V/　 　 V/　　　　　　＿　｀¨¨｀Y-＜ﾟ　　　 / 　＞ ､}!
ililili}　　　　V/　　　V/　　　　　{f¨｀ヽ　　　　　　｀ﾟ ＜} 　 　 　 ＼
ililili}.　 　 　 V/　　　V/　　　　 {!　　　　　　　　　　　 　｀＞ー - -ヽー ､
ilili/　　　　　_V/　　　}!　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　ヽ　　　　＼
il/ 　 　 　 /　.V/　　 .V/　　　　　　　　　　　　　　　/　　　 　 　 　 　 　 　 ＼
´＼　　　/　 　 }!　　　 V/　　　　　　　　　　　 　 　 {　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼

5096： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/12(木) 23:58:00 ID:p2TKEHGQ0

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',　　　　　　　　　今回はここまでだ。
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ　　　　　状況が大きく変わってきたね。これだけ絶望的な状況でも、
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ　　　アルトリアとクーガーが味方になると全然変わって見えるだろう？
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'　　　　お話もここから起承転結の転結あたりにくる。
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ





　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 _ _____＿
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ´.: : : : : : : : : : :｀
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 l: : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i: : :○ : : : ○: :.|
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : |　　　　　　　さて、次回は5/19……としたいが、最近、現場が地獄になってるんだ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 j: : : -=＝=- : :.i
　　 　 　 　 　 　 　 r―--┐　　 　 i: : : : : : : : : : : :l　　　　　　　　やれるかどうか分からない。一応は5/19午後八時予定だ。
　　　　　 　 　 　 　 i: : : : : ',　 　 　 ゝ : : : : : : : : :t´
　 　 　 　 　 　 　 　 ',: : : : : i　 , f: : : : : : : : : : : : : :ヽ　　　　　　　　それじゃ、シーユーアゲイン。しかし、1週目じゃボス敵みたいな
　　　 　 　 　 　 　 　 ＼: : : :y: : : :Υ: : : : : : : : : : :y: : '..,
　　　　　　　　　 　 　 　 ',_: :: :／　 i: : : : : : : : : : : :l丶 : : :ヽ　　　　　扱いだった二人も、二週目じゃ随分と立ち回りが変わったねえ……しみじみ。
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ￣　　　l: : : : : : : : : : : .i　　＼ : : :丶

5097：安価のやる夫だお：2022/05/13(金) 00:00:36 ID:GzO/GiI.0
乙でした

5098：安価のやる夫だお：2022/05/13(金) 00:02:25 ID:GpoPVOZY0
乙
前のボスが味方になる展開いいよね…

5099：安価のやる夫だお：2022/05/13(金) 19:49:20 ID:3mslcYNk0
乙やで

5100： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/19(木) 20:02:50 ID:1rjp3saU0
ＨＡＬＦ　　 |ヽ 　 　 　
ＭＯＯＮ　..|ノ　 　 　 　 　 　 　 　
　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||
　　　　 ＿＿＿＿ ＿＿＿_ ＿＿＿＿ ＿＿＿__　
　 　 　 | ＦＩＧＨＴ || ＴＡＬＫ ||ESCAPE|| ＡＵＴＯ |
　　|￣￣|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀|￣￣|
　　|￣￣|　夜魔モコイが　1体現れた！ 　　...|￣￣|
　　| ..ﾔﾙ|　　　　モコイは　やるきだ！　　　　|Ｙ　　|
　　|＿＿|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_,|＿＿|
　　|￣￣￣￣￣￣||￣￣￣￣￣￣||￣￣￣￣￣￣|
　　|.　ＥＭＰＴＹ　　.||.　ＥＭＰＴＹ　　.||.　ＥＭＰＴＹ　　.|
　　|＿＿＿＿＿＿||＿＿＿＿＿＿||＿＿＿＿＿＿|

5101： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/19(木) 20:12:44 ID:1rjp3saU0

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　休日の17時間を寝て潰したモコイさんだよ。前回は20時間寝て潰した。
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　休みの日こそ元気に動きたいものだけどね。なんともね。
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　ぼちぼちとやっていこう。
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

5102： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/19(木) 20:27:56 ID:1rjp3saU0


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　Ｙ´ .ｯi . ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,, ｰ''''ｰ､　　　　　　　 　 　 __　　　　　.＼　　 _／./　　 ..}　　　　　 　 ＿　　 ／
　　　　　　　　　　　　　_..　--　,,.　/　　　　 .ﾞl,　　　　　　..-'"゛　　.｀''-、 .┌〈 ヽ|　 ./　　..../　　　　　γ 　　 ｀Ｙ′
　　 　 　 ｒ-=-, 　　 ／　　　　　 .｀′　　　　 }　　　 　 / 　 　 　 　 .‐=＝≡｝ｌiｌ少〈_〈〉__.'″　　　　　 .!
　　　　　l　　　!　 ./ 　　　　　　　　　,,_.　._,／　　　　　!　　　　　　　　　　!./¨＼彡‐､､__〈　　　　　　　 ＼,,__,..-i
　　　　　`-=-´　 .l　　　　 　 　 　 　 |　´　　　,..-―-..!　　　　　 　 　 　 ./　 /| i ∧　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ
　　　　　　　　　　 !　　 　 　 　 　 　 ,!　　　 ./　　　　　　　　　　　　　　 ..〉 ././ﾉｌ .∧...､.　　　 　 ,-'"￣｀'-、　　 ｀‐
　　ｒ'"￣｀''､　　　 .ヽ　　　　　　　　/ 　　　 .!　　　　　　 i ､　　　 　 　 　 i./　　　｀¨´　 ＼　 　 lﾞ　　　　　　ｌ
　 .!　　　　 .!　　　　 `-..__　　 __.／　　　　　.ｌ.　　　　　./ 　ﾞｰ-==-‐/　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ　 .!　　　　　　}　　　＿
¨''''′　 . _./ 　 _..-ｰ￢-.., ￣　　　　Ｙ´¨ヽ　 ｀'-　、　　 ｀''､　　　 .l゛　　　　　 　 　 　 　 　 ｝　 ヽ.　　　 ..,ﾉ゛ ,／
　　　　.'.ｌ　　 ,i″　　　　　ヽ　　 　　 廴__ﾉ 　　　 ｌ　　　　　 .!　　　! 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　｀¨¨¨″　/
　　　　　 ｌ　 ｌ　　 　 　 　 　 !　　　　　　　　　　　 ｌ　　　　　/　　　.!　　　　　　　　　　　　　 l　　　　　　　　l
　　　　　 .|　.!　　 　 　 　 　 ﾞ‐'ｰ-、　　　　　　　　｀' -==-'゛　　　 .ヽ　　　　　　　　　　　　/ 　　　　 　　　 |
　　　　　./　 ヽ　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 __/ 　　　　　 　　　　 ／ 　 　 　 　 　 　 ヽ
　　　　 / 　　 .｀'ｰ .＿ イ　　　　 　　| 　 　 　 γ￣｀''､　　　 　 ／　 　 　 　 ＿_,,,,,..-'"　　　　　　　__　　　 　 ＼
＿　-'"　　　 　 , --、　ヽ　　　　　 / 　　　　 .ｌ　　　 .廴.,,_　　/　　　　　　　 Ｙ　　　　　.,..-￢¨ｰイ 　ヽ　　　　 　￣
　 　 　 　 　 　 !　　 .!　　｀'ｰ- --'"　　　　　　 ﾞ>　　　　　 ｀'-′　　　　　　　 !　　　　/ 　 　 　 　 　 ノ
　 　 　 　 　 　 ゝ--'ﾞ　_ -''''¨¨¨'ｰ､　　　　　　/　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 / 　　　│　　　　　　 　 !　 　γ¨￣¨
￣¨''-、　　　　　　　 ,i′　　　　　 ヽ　　　　　!　　　　　　　　　　ト ,,＿__,, ,ノ　 　 　 │　　　　　　　 /　　　!
　　　 . ｌ　　　　　　　,!　　 　 　 　 　 !　　　　│　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　　 / 　　　｀'-=-‐
　　　　.|　　　　　　　|　　 　 　 　 　 l　　　　　ヽ　　 　 　 　 　 / 　　　　　　　　　　　　 ｀'ｰ-==-‐"
　　 　ノ 　　　　　　　ヽ　　　　　 　/　　　　　　 ＼、　　　　,.ノ
￢'''´　　　　　　　　　　 ﾞ''ｰ---‐″ 　 　 　 　 　 　 ｀ﾞﾞ¨¨ﾞ´

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モスクスラウメンの肩部装甲が一斉に展開され、スピードミサイルのバーナーが
巻きあがる煙を赤く照らすのが見える。

レーダー上を埋め尽くさん物量のミサイルの嵐が射出されるが、
それをリンドヴルムがハイレーザーキャノンで一薙ぎした。

甲高い音と共に青白い光の帯が空を薙ぎ、一瞬遅れて爆発が起きる。
黒い爆炎が誘爆を巻き起こし、空中を黒煙が覆いつくす。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5103：安価のやる夫だお：2022/05/19(木) 20:37:08 ID:9Qv9Pd0M0
遅れた
ハロー

5104： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/19(木) 20:37:57 ID:1rjp3saU0

　　　　　　　　 ┌─-, . ‐´￣￣　 ｀"'ｰ､
　　　　　　_-‐┐'"~´ 　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　 ｌ::..／　　　　　 _-　　　　　　　　　｀ﾞ ､
　　　　／`/　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　:ヽ
　　　丶:::/、　　　　/　　　 　 l　　　 　 l　　ヽ　　 :ヽ
　　　 /`/、ヽ /　 /　　　　　/　　　l.　 l　　　ヽ　　:::ヽ
　 　 <:::/　ヽ/　 /　　　　/ /　　　/ 　 ﾊ　l　　l　::l::l:::ｌ
　　　 ﾍlヽ／　　l　　　　/ /　　　/ | 　l. l　ｌ 　:::ｌ:::::l::l::l
　　 /::::l.:/　　　 l｀＞ト ､_/　　／　/ /　l　ﾊ　:::ｌ:::::l::lﾘ　　　　　　　　的役と迎撃は引き受けた。
　　 ヽ／　　　　 l　/r-ﾃｪ.､ﾐﾄ ､　/ /　/　l,＞''7:::/l/
　 　 /　　　　/　l/　', {. {}　l　ヽ_ﾞン　 /,ｨ,.r-, /レ'、　　　　　　　　　 斬り込むのは任せよう。
　　/　　 　／l ./ﾄ, 　 ヽ.. ノ,.　　　　 　 ｲi;ﾘ '/::::::::ﾊ
　 //　 　/ヽ´/ .l 丶　｀￣　　　　　 　 ゝ'_ /ｌ:::::::::ｌ::l
　 l::ｌ　　/ 　l .lヾl::::::::ゝ　　 　　　　　 l　　 ,　ｌ::::::::ﾊ::l
　 ﾚl　 /　 　l l　| ヽ::ﾞｰ'´/　　　　_　　　ノ　 ｌ:::::::::ｌ ｌ:l
　　 l　ｌ　 　rヽl――｀:ｰ┐:ﾍ 　´　｀ ／　 　 ｌ::::::::/ ｌ:ｌ
　　丶l　 　 |:::::::::::::::::::::::::|丶､ヽ　イ--「:|　 /:::::::/　,ﾘ





　　　　　　　　　」::ヽ　ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ､
　　　　　　　　　|:::::::ヽ　ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :: ::::::ｉ
　　　　　　　　　|:::::::::::ヽ　 ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :::: :: ::::ﾚL
　　　　　　　　　ｉ:::::::::::::::ヽ　　丶:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :::::|
　　　　　　　　　ヽ::::::::::::::::＼　　｀　､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: : ::|
　　　　　　　 　 ＿＼::::::::::::::::::ヽ　　　　ヽ__:::::::::::::::::::::::::::::::::::: ::ﾉ
　　　　　　　　　Z::￣:::::::::::::::::::::::´ ‐　,　|　｀~´｀ﾞ'‐- ､.::::::/:l:イ　/.￣l
　　　　　　　　　　＼:::::::::::::::::::::::::::::,-ー┘,＿_　 　 　 ｀ヽ::::ヽ| /__ / |
　　　　　　　　　　　 ｀>::::/二ﾆ‐ト-|＿ ∠-ーヾ､､　 　　　>::::｀しノ.　|
　　　　　　　　　　　　Z::::l　(￣ :|＼　￣ГＴ‐--二ヽ､＿∠'´ヽ:ｉ　､　ヽ,　　　　　　　　　さらりと抜かしちゃいるが、相変わらず大したもんだ。
　　　　　　　　　　　　 ヽ人　く　|:::::|＼. 」　|　　 　 ￣￣_Il￣ハ:l／　　 レ､
　　　　　　　　　　　　　|　 Fヽﾆ|:::::l　 　｀ヽl､　　　 　 ／ |　/v/ｉl　／　　　|　　　　　　　ハルオ、ついてこい！　
　　　　　　　　　　　　　| 　ヽ　　＼」 　 　 　 ｀ ‐- ／ 　 :|ｙ´/　ｉ|'　　　 ,　 {_
　　　　　　 　　　　　 　|. 　　＼.　| 　 　 　 　 　 　 　､　_:l | し/.|ｉ 　 ／　　Vヽ　　　　　　「やる夫だお！」
　　　　　　　　　　＿_ ﾉ　　　　 ＼＼　　　「｀ー=＝三7人」 　｀‐|__l´　　,､　ヽ| ＼
　　　　　　_　ィ￣　　　　　　　　　 ＼ヽ　　｀￣￣_, 　 lヽ::::｀ヽ　 （　ヽ-'´　　/.　　＼
　　_...-‐´:::::::/　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　 　|　ヽ:::::::Yヽ ヽ. 　 　 / 　 　 　 ＼
´::::::::::::::::::::::/　　　　　　　　　 　 　 　　 |　入 _. ＿＿」　　 ヽ::::＼〉､_＿／ 　 　 　 　　 ＼
::::::::::::::::::::::/　　　　　　　　　　　　　　　 |/......./　　　　　　　/::::::::::＼ 　 　 　 　　 　 　　　 ＼
:::::::::::::::::::/　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |......./　　　　　　　/::::::::::::::::::＼

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二人の声に応じ、高度を上げる。
一瞬のうちに、三人が自機の戦術的役割を理解していた。

リンドヴルムの大火力については言うまでもないが、連射が効くものではない。
あまりにこちらが手間取るようでは彼女の身が危ない。決着を急ぐべきだ。

この二人は、今の状況において、もっとも被害が少ない勝ち方をしようとしている。
リンドヴルムが超高出力PAと装甲にものを言わせて攻撃を受け、
被弾すれば大きな損害を受けるシュクヴァールとマーシフルを純粋な攻撃役とする。
この先の戦いを見越しているのだ。戦いの年季の違いを感じずにはいられない。
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5105： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/19(木) 20:51:25 ID:1rjp3saU0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}:.:.:.:.、:.:..、　　　　{........ゝ斗 '　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／ ./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{.:.:.:.:.:..、:.:..、　　　ヽ..r=ミ、　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼:.:.:.:.ヽ:.:ﾊ　　　　 }_.:.ヽ.＼　　　　　　＿　　　　　　　　　　　 　 /
　　　　　　　＿　　 -― ／≧ｓ｡　　　　　　　　　ヽ:.:.:.:}￣ヽ　　　 {ハ:.:{:.:.:.ヽ__　　イヽ /　　　　　　　　　 ‘ 　 /
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ー//ﾆヽ　//＾}ﾆ/rへ{　　　　 ヽ-_＼r__≧ｓ｡_j!:.:./　　j_V_/{_/ /　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j/{二,ハ{ {　.ゝ-{ハ-ヽ　 　 ,.r―　、-__r≠ﾑV/　　 {:.:.:.:.:.:ヽ/　　 _/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ﾆ∨ﾊﾆ}/　　／{二}ﾆﾊ__／＿ ｀ヽ V{_＼ﾆﾆﾘ　　　ﾉr≠､ア＿　　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j{_!iﾆ∨/⌒＼/ 　 Ⅶ／⌒.:／　}≧=入:.ゝ-「　　　 ヽｲ:.:.:.:.:}/{_八／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | |!｀寸入二二ヽ　　{:.:./.:.:.;ﾊ ／ﾊニ7＿〕ト.′　　 ／⌒ヽノﾆ}!ﾆﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ヽ　 i: } ＼二二ゝｲ:.:.i_／／.:.:.／ヽ.:.:.:.:.＼　　 ／.:.:.:.:.:.:./i:／i:i:ヽ}
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ∧ }i　　,　　 ＼二ﾆ:j!:.j!:／:／⌒Vﾉ.:}:.:.:.:.:.:.:.ヽイヽ.:.:.:.:.／イi:i:i:r‐ '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ j{　 :,　　　　 ￣圦:.:>:.:./ニ／ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:ー{.........ヽ./ｲ⌒ヽ.ノ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 乂__/＿　 斗=ミ　　{ﾆ￣{ｰ⌒ヽ....＼＼.:.＜:.:￣:}　 　 ￣
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シュクヴァールがふわりとした挙動で高度を上げ、背部スラスターを展開させる。
一拍遅れてこちらもオーバードブースターを展開させ、二機で突貫する。

シュクヴァールの青い軌跡をなぞるように海上を疾駆し、
リンドヴルムに降り注ぐミサイルの雨を掻い潜る。

モスクスラウメンもそれを察知したらしく、脚部にオマケ程度に装備された
ミサイルポッドから速度の遅い小型ミサイルをばら撒いた。
挙動からしてASミサイル、ロックオンを必要とせずミサイル自体に索敵機能を
持たせた代物だ。射出されてから弾頭がこちらに向いたのが確認できた。

シュクヴァールが急加速したかと思うと、直撃する寸前でブーストして軌道を変え
高速ですれ違うのが見える。

それを左腕のPAシールドで受けながら、視界を覆う爆炎と破片を振り切った。
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5106： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/19(木) 21:03:26 ID:1rjp3saU0

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　个ー‐从　 :.,乂／{i　　　　./､[(´￣￣｀V^ヽ　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　人　　　个=‐‐┘　Ⅵ　　./∨公､　 　メ、 ,ﾉ´
　　 　 　 　 　 　 jI斗 ‐…‐ ミ　 　 ＼　　　　　Ⅵi＿Ⅵ ./　 }　　i} ｰくi⌒'く
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接近してみると、モスクスラウメンはアームズフォートとしてはかなり小柄である
ことが実感できた。巨大兵器であることに変わりはないが、
ちょっとした高層建築物程度の大きさでしかない。

「シュクヴァールからデータを受信、そっちに回すよ。
敵機は内蔵型武装が多い分、それらの破壊が内部に伝播しやすい」

なのはが視界に映るモスクスラウメンの巨体にデータを貼り付ける。
アヴィアコルの機体らしい弱点だった。

さっそくさっきから好き放題ミサイルをばら撒いている、
肩部の巨大なミサイルハッチにブレードを捻じ込もうと飛び掛かる。

だが、その肩部を振り回してモスクスラウメンが暴れはじめた。
これだけの質量だ、ぶつけるだけでも巨大な物理兵器になる。
AFとしては驚異的な機動力だ。ACに近い逆関節というのもあるかもしれない。
このアームズフォートには白兵戦能力がある。
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5107： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/19(木) 21:14:26 ID:1rjp3saU0

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/／　 /　 / 　 　 l|⌒ヾ, }:.:.八: : : :＼＼::ヽ　　　ｰ＜:.:.:.:.≪　　　　　　　　　　こいつぁ、一旦大人しくさせる必要がありそうだな！
　 　 / 　/　　　　ｌ|　 /　 Y{　 ＼: : : :＼}:::}　{　/　 /^ヽ、:.:.＼
　　　　　{　　　 　|l　 ! 　 　 ,ｨ 　 ＼: / /:≧=-仏斗　　 ＼:.:.:.:＼　　　　　　　
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ASミサイルに背後を追われつつ、振り回される肩部や脚部から逃れる。
視界一杯に迫りくる巨体の蹴りは、単調ではあるもの迫力があった。

飛沫と爆風が視界を圧迫する中、敵機の股下を潜り抜ける。
するとどうだ。モスクスラウメンは腹の底を震わすような軋みを響かせると、
人間の様に屈んでみせ、そのまま跳躍した。

自分の巨体の何倍もの高さに跳びあがったかと思うと、
上空から何やらレーザーのようなものを吐き出してきた。
海面が引き裂かれて飛沫が舞い上がり、反射的にブーストして
回避したものの背部の大型スタビライザーが端部を切断されていた。

いや、熱線ではない。水だった。
組み上げた海水を高出力で撃ち出し、水圧カッターとしているのだ。
水であるからアラートも鳴らない。耐熱装甲も意味がない。
まるでアームズフォート用の暗器だ
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5108： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/19(木) 21:26:00 ID:1rjp3saU0

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　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾄ{:V: i :}: :／_:_}__／-､!- /-'´{／{_／i{ ./　 r ' 　 ー‐＜｀ヽ、　　 　 ＼＼
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　　　　　　　　　　　　　　　　 _ -//ヽ　 }､:_:_/ /--､/:｝　´　　 〈 　 /　　}_　　　　　　　　　　　　　　 ＼_ ＼
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　　 　 　 　 　 　 　 　 ／, ＜ ＞ﾟ´___　　 　 i　ヽ/ﾟﾞ´／ ／　 /／｀ヽ,//　　　　 ＼　　　 　 　ゝ/　　　 　 ＼_
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　 　 　 　 _ -　　　　　 jI斗ｓ≦、＞--- ' 　 |! ,}, ／ /　 /､_/／_｀ヽ　　　　｀ヽ__ｒ_－'i/　 / 　 ヽ
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　　 　 。＜＞ﾟ´ 　 　 　 　 　 , ＜ {／＿,}　 ' ´__ノ､>､　 ＞-､ ／ }　}ヽ　　　　 人 　,/ 　 　 ／
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クーガーが意気揚々と叫ぶ。

「俺にタイミングを合わせろ、ハルオ！
囮と攻撃役をそん時のタイミングで互いにスイッチしろ！」

「分かった、仕掛け時は任せるお！」

言うが早いか、シュクヴァールがモスクスラウメンの眼前へと跳びあがった。
咄嗟にモスクスラウメンが頭突きを繰り出してくるのを、
あろうことかシールドで受け止めて見せた。
OBの推力で敵の質量を無理やり相殺しようとしているが、幾らなんでも無茶だ。

だが、それでも一瞬の隙が生まれた。この瞬間、自分は自由に動ける。
ブレードを構えて敵機の肩部に一直線に飛翔し、その勢いのまま突き刺さる。
刀身を二又に展開させて装甲を引き裂き、紫電を迸らせた。

撃ち込まれたレーザーが内部機関を貫通し、海面へと突き刺さって煙を上げる。
遅れて爆発が巻き起こり、モスクスラウメンの巨体を揺らした。
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5109： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/19(木) 21:34:52 ID:1rjp3saU0

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それでも敵AFは姿勢を崩した程度に踏みとどまった。
爆破の衝撃を踏ん張って堪えると、今度はこちらに向かって
その大顎を広げて飛び掛かってきたのだ。

予想外の攻撃に反応しきれず、そのまま喰らいつかれる形となる。
コアパーツ、胴体に位置する部分が捉えられてしまった。
視界が左右に揺さぶられ、装甲が押し潰される音がする。

慌ててアサルトアーマーを起動しようとするが、物理的に抑え込まれているせいか、
装甲が展開できずパルス発生装置が出せない。更には嫌な駆動音まで響いてきた。
こいつ、このまま水圧カッターを放つつもりではないか。

どっと冷汗が出てきて全身を濡らす中、シュクヴァールが眼前に躍り出る。
モスクスラウメンの横顔を大上段の兜割りで引き裂くと、
ブーストによる反転で機体を翻し、回し蹴りを叩きこんだ。

砕け散る装甲板と共に吐き出され、空中でシュクヴァールに拾われる。
片手で背部スタビライザーを鷲掴みにされ、OBで吹っ飛ぶ。
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5110： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/19(木) 21:49:49 ID:1rjp3saU0

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　　　　　　　　　　　　　. }| : : : : : : : : : : : : : : : :ﾞｉﾞｉ . . ∨ |l｜: : : : : : : : : : : :＞　´ 　　｀!､ ＿廴《 　　　　 ′　　　ﾞｉ
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　　. ＜ : : : : : : : : : : 〈lﾊ :　　　　. . : : : : : : : : : : :ﾞｉﾞｉl∨ll{　´ 　　　ﾞｉﾞｉ｀¨'ミ_‐ｖ-.、_
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: : : : :＞　´ 　　　　　　　　　ﾊ{　　　,r'ﾇⅦ ｛ 川 　 　　　　　　' ＼　　　　　　｝} 　 　 　 　 　 　　　　｀ ＜＼ 　 　 　　　　　　　　　｀ﾞｉ!､ 　　｀ 　≧

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クーガーに連れられて離脱する中、アルトリアの冷淡な呟きが聞こえた。

それと同時に、閃光が空を引き裂き、大気を震わせる。
対空射撃が止んでフリーになったリンドヴルムが、上空からアサルトキャノンを
撃ち放ったのだ。

巨大な熱量が酸素を根こそぎ奪い、空気を歪めて海面を滅茶苦茶にかき混ぜる。

光の奔流の先にいたモスクスラウメンの影が見える。
圧縮解放されたコジマ粒子の生み出す巨大な熱線の中で、
膝を折り、くずおれていく姿が影絵のようになって見えた。

装甲を剥がれた状態での、この一撃だ。
シュクヴァールのブレードで水圧カッター発射装置も露になっていた。
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5111： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/19(木) 21:54:15 ID:1rjp3saU0

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　　　　　　　　　　　　　　　　¨ ‐-=ﾆﾆﾆﾆﾆ . , ク'´.;>‐ ､.;.;,'⌒ヾ ､: : : : : lﾍ=ﾆ｀ヽ'-'､　　 _.．-―ﾆ≡､- <　　　 ＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/...∠＿.;.;.;l　　 l.;.;ゝ-< ﾉﾉ: : : ∠＿/: : : : : :ヽ<´: : : : : ﾞｰ`: :＼ l=ﾆ￣ヽ､: ｀ ヽ.
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　ｌ ｌ | | ｌ ／´. 'l/´: : :／　 〈二ﾆ>‐'｀i: : : / /: :|: : : : l￣i|: : : :/: : : ＼: :｀ヽ､〉: : : l |
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　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　 　 　 　 ／: : : : : : : ／　　　 ,/ -―-<￣`､ﾍﾆ ､>￣ヽ.＼ : : l　 | 　 ｀ ｰ ､/.;.;.;.;.;.;:＼:､
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光が収束する頃には、大まかな形を残しつつも、抜け殻のように動かなくなっていた。
装甲が破損していた頭部と右肩部は弾け飛んでなくなっており、
黒煙を立ち上げながら跪いていた。

浮遊するリンドヴルムの漆黒の機体が陽光を受けて鈍く煌めく。
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5112： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/19(木) 22:04:53 ID:1rjp3saU0

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│　 　 　 　 /:./:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:|:.:.|:./ |:.:/　 ｌ:.:.:.|:.|:.:.:|:.ｌ:.:|:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.　　　....│
│　　 　 　 ,:.:/:.:.:.:.:j:.:.|:-|‐十十ト |/　　 |十|十‐|-､:|:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i　　 　 │　　　　　凄いもんだね……いやはや、言葉にならないよ。
│　　 　 　 |ｲ:.:./:.:.:|:.:.|:.ﾊ|　V 八　 　 　 |ﾊﾉ 八ﾊﾉ:.|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　...│
│　　　　　　|:.:.ｌ|:.:.:ﾊ:.:.:.-r竓芹坏　　 　 竓芹抃-|ﾉ:./.:.:j:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　...│　　　　　 敵機の撃滅を確認、ミッション完了。
│　　　　　　|:.:.||:.:.:| |:.:.:[　 辷ｚリ　　　 　_辷ｚツ　/:/:./:ﾘ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |　　　...│
│　　　　　　ヽ八:. | |:.:.八　 　 　 　 ,　　　　　　 /:/:./:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |　　　...│　　　　　　こっちも既に基地の制圧を終えてる。
│　　　　　　　　 ヽ|八:.:.:.ゝ u. 　 　 ｀　　 　 　 /ノ:./:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　...│
│　　　　　 ＿　　 　　＼:.:ト　　 　 ｰ一 　 　 ／:.:/イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　...│　　　　　　　帰投して、やる夫君。新しい基地に……
│　　　　 /ニﾆ=-　__　　V＼:＞　　 　 　 イ /:.:./　 l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　...│
│　　 　,ｲニ7　 ｰ=ニﾆ=　厂/ ￣ ７‐≦zノ/:.:./　　.| :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　...│　　　　　　　三機でね。
│　　／}}:ﾆ7　 ＼　　 辷7　〈　　 /天ヽ　 /:ノ 　 　 | :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　...│
│　 ′ﾉ'ﾆ7　　　〉　 　 /　　 ヽ／/Ｙ]　∨　〕ﾆ､ 　 .| :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　...│
│　 ﾚノﾆ7　 　 ∧　　　＼　.／| 〈_//　/　　|-ニニミx__:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　...│
│　 /ニ7 　 　 /∧　　　 ／.　 |―-.、∧＿_|　　-ニニニヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　...│
│. /ﾆフ　　　 /::::::::.　 　 ＼ 　 |ニニ/　 ＼　　　　 　／ﾆ=i:.:.:.:.:.:.:.: |　　　...│
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　＿-=ニニニニニニニニニニ7′ﾆﾆ/｡ｓ≦i:　　　.′＿_:::::::::::::／.::::::::::::::::::::::::::::::==::::/ 、
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　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,′　　　　イ............./>､Yヽ≧ｓ｡:::::::::::::::::::::＞＼ニ＼｡ｓ≦:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
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なのはが乾いた笑いを漏らしつつ、任務終了を告げる。

圧倒的としか言いようのない結果だった。
ネクストが力の象徴であるのなら、アームズフォートは企業の力の象徴だ。
ネクストへの戦力的依存を減らそうと生み出された、質量によってネクストを凌駕
せんとする試みの産物。

それが今、たった3機のネクストによって、完膚なきまでに粉砕された。
大した手傷を負わせることもできないまま、力によって捻じ伏せられたのだ。

企業連に駆逐される運命にあった自分たちが、
その最高戦力に位置するアームズフォートを力で以て捻じ伏せた。

それが何を意味するところであるか、分からない者はいなかった。
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5113： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/19(木) 22:05:24 ID:1rjp3saU0
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5114： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/19(木) 22:09:11 ID:1rjp3saU0
すまない、とっても短いが今回はここまでだ。

ここらで切り上げて洗濯やら何やらしたい。この寝すぎて時間が消える現象をどうにかしたい。
20時間とか17時間睡眠とか、生活的にも創作的にも致命的過ぎる……

それじゃ、シーユーアゲイン。次回は5/26午後八時からとしよう。

5115：安価のやる夫だお：2022/05/19(木) 22:35:11 ID:9Qv9Pd0M0
乙でした

5116：安価のやる夫だお：2022/05/19(木) 23:43:38 ID:e1O/FEWM0
乙ー

5117：安価のやる夫だお：2022/05/20(金) 20:30:30 ID:lQh/ApqE0
乙
普段から体に負担かけてるとね…

5118： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/20(金) 23:28:37 ID:iZtjnBQg0
投下終わりに載せようと思って忘れていた情報を置いておくよ。

こういうのって、字が多いから読むのが疲れるって人と、逆に読むのが楽しくて好きって人で別れるよね。

>>1は後者なんだが……そうである人が多いことを祈る。まあ、ここまで読んでくれているのだから、多少は私と趣味も同じと考えていいのかな……





〜Tips〜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 jI斗　　 ／　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.｡s≦　　　 ／　／
. 　 r‐‐==ミ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .｡s≦　　　　 　 イ｣}／
　 八　　ｧ'ﾞ⌒　 .,　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 .｡s≦ 　 　 　 　 .．＜｣i｣iイ
　　　＼{i　　　 　 ”''＜　　　　　　　　　　 .．＜ 才ﾞ　　　　 .｡s≦｣i｣.．＜
　　　　从　　　　 jI斗*≦ｰ==ミ､≧‐r＜　　/´　　　.｡s≦i｣i｣i.．＜
　　　 　 个: .　　j{__　　　　　 ,才'ヽ .乂_____j{ー‐≦　　.｡s≦
　　　　　　　　　八7　 ,.斗＜ i}'⌒i父s｡..,_____,,.斗*≦
　　　　　　　 r '　 }iY升 　 r' / ｀7､_　　｀ヽ　　　 -- ､
　　　　　　　 L才' Ⅶｉ.．＜ﾚ' =彡'i}]}ﾌ 7i　j ／__　　　＼
.　　　　　　 　 く　　}}｣　 ./　j≫=彡'jI斗匕]i／⌒　､　　 ヽ
　　　　　 ／　　 ヽ i´i｀ヾ≦　　 i{ー''⌒7 7ｉ|　　　　 ヽ
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【Name】
AF・モスクスラウメン
【Architect】
アヴィアコルとIGIOの共同開発
【Note】
四大企業の二社が水面下で技術提携を行って生まれた、鮫のようなフォルムのアームズフォート。
水陸両用型の強襲兵器としての運用を想定されている。
全高は200メートル。ネクストACがおよそ10メートルなので、20倍の差がある。AFとしてはかなり小柄な部類。

両肩部端部に30㎜ガトリングキャノン。肩部に対戦車ミサイルハッチ、両膝にASミサイルポッド。背部に対艦魚雷コンテナ。
主兵装として頭部内蔵型超高水圧カッターを搭載。

アヴィアコルの知見を活かした逆関節型が採用されており、突進や脚部の振り回しによる白兵戦にも対応。
電子系や内部機関にはIGIOの技術が多く盛り込まれており、海上で無限に発射できる超高水圧カッターの乱射という脅威を持っている。

コジマ技術の応用によるステルスコーティングが施されており、レーダーにも補足されにくい。
海岸からの奇襲、海上での敵艦隊撃滅などが主な任務とされており、桜花の残党狩りにも駆り出されていた。

5119： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 20:02:19 ID:qbtouVQs0
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5120： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 20:12:41 ID:qbtouVQs0

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　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,　　　　　　　　　建材にも使われる調湿用の炭ってやつを買って部屋に置いてるんだが、
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i　　
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|　　　　　　　　　どうにも湿気が取れてる実感も湧かない。素直に除湿器買うべきだったか。
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,　　　　　　　　　はじめていこっか。
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　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
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5121： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 20:12:55 ID:qbtouVQs0

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三三三三三三三三三三三三三三ニ=-　＿＿__／＿　　--　‐‐==ニ三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三

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なのはが表示してくれたガイドマーカーに従い、
編隊を組んでいるわけでもないが、三機で雲の上を駆けた。
シュクヴァールを先頭に、リンドヴルムに横目で見守られながら。

阻むものはなにもなく、海鳥の姿すら見えない。
雲を消し飛ばしながら、三条の軌跡を描く。

それでも、気持ちは急いていた。
前へ前へ、一刻でも早く。待っている人たちがいるから。
ジェット音を轟かせて、それすらも置き去りにして、ひたすらに飛び続けた。

帰り道を。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5122： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 20:17:47 ID:qbtouVQs0
〜潜水艦アマツ　格納庫ブロック〜
＼┌‐/:〈/ /〉:::/─┐　　 /匕」　　　　{::::::/／　　　　　　 ／　　　　_＼　 　 　 | 　 　 　 |:::| }　}　　　　}　 }／　　　:|　 |:|　　　／
＼└/:〈/ /〉:::/─‐┘　／/＼_|,､‐辷三ア´　　　　　　 ／　　 xく￣{::::::ヽ＿＿_|｀ヽ　　　|:::| }　}　　　　}　 }　　　　 :|　 |:|　 ／ /
＼　/:::/ /::::::/──┐ {::::{　 ／{￣/ｰ／　　　 　 ｡o≦　　 ／＼::＼{::::::::::{::::::::::::::::::}￣￣::::| }　}　　／/　/　　　　　|　 |:|／　 /
＼ /:::::厂:::::/──‐┘ ＼{／:V´￣／　　　 ｡o≦ / 　　 ／ﾞ∨__＼::乂::::::乂:_:_:_:_ノ::::::::::::::::|_}　} ／ ./　 ハ　　　　 j　 , '　　 /
＼〈{／￣77───┐ ／::: :: |　／　 ,.｡o≦::/　}/ 　 ／{ :{'，∨＿|＼||::::::::::|:::::::::::::::: :::::::::::::,}　圦　/　 /　.|　　　 ./ ./　　　/
.＼/:::/7://───‐／:::::::／::|'´｡o≦　 /::::/| ./　 ／￣{ :{∧ ∨,,,|　 ||::::::::::|::::::::::::::::: :::::l／ }　}∧ 厂7||＿|　　　/__/　　　/_　-　¨
ヽ/::://://￣￣＞r'´::::::／/:::/　＿＿ ./:::::/ ﾚ 　∠| :|￣{ :{_∧ ∨|　 ||::::::::::|:::::::::::::::::::: ::|ニ′广ﾆ′/.|ﾆﾆ|　 ／ﾆﾌ　　 ／＼
..〈¨7〈7rf^＾￣::::::_:|､:／/:/ヽ癶//　 //:::::/／ ／___,| :|￣{ :{＿乂乂／ヽ::::: :|:::::::::::::::::: ::::|ﾆ:|　|ﾆﾆ:|　ﾄ､|ﾆﾆ|／ﾆﾆ7　 ／　　　 ＼｡o≦
../７ｰ∧:::::::::::ィ´ ｰ┘ /:::{乂:::::广¨7:::::::::/_,ィ⌒〉＿,| :|￣{ :{＿___≧s｡／ ＼|::::::::::::::::::: :::|i:i:|　|i:i:i:ﾘ　ﾊi:i:i:i:i:i:≧s｡/／　　　　 ,.ィ升///
..∨::/ｰﾍ:_:_/:::|‐‐‐┐/:::::广广{　　{￣￣〉　|　 {＿__| :|￣{ 乂_____彡'´￣｀ヽ|＼::::::::_::::::: |‐j　j{-=/ /i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/　　　　,.イ///////
/⌒ヽ::::::::＼≧s｡.,==/:::::/::/:::ハ　 }ｰ}ｰ‐}￣|　∧＿,| :|￣乂______彡'´￣_ニ,|　　Y´:::｀Y::|/⌒〉　:|　l |丁l 十ー- {　　　 /　/////////
{x=ﾐｿ￣￣￣≧s｡.,`'＜￣}|::::{-ﾍ /::/::::/ｉ|￣|_ﾉﾉ〉　.| :|￣￣￣￣斗r≦ |／|＞'ヘ:::::::ﾉ:::|⌒Y　 .|　| | :| l　|:|　　 ∨　　{　///￣￣￣
`ー'─────‐∧ｰ=≦厂＞‐/_/,,,,/ﾆ|　 |_）V￣/,. '/￣￣￣|　｡o≦＞'":::::::::::xi〔::::::ﾘ　,ﾊ　 .{　{ | :| l　|:|──∨　 ∨ /
＼┌────(¨/∧广V(￣￣(__)ヽ_ﾉ__,|　 |＿〉＿ ∧∨￣￣￣|x＜:::::::::::::｡s1::::::::: : /　/|　　∧ ∨:| l　|:|￣￣　〉　　∨
＼└───｡o≦二二二二ﾌ二＞'"::::()_|＿|_) ∨__,¨∧∨￣￣...|:|:::｀ '＜　|　 |:::::::::::/　/ :l:　　 ∧ ∨　 :|:|　　　　{ 　 /
＼┌‐＞'":_:_:_:_:_:_:_:_:_x＜⌒Y)): :／＼／{二＞r'´　〉　∧∨￣￣|:|:::::::::::::≧s｡:|:::::::::/　/　:| 　 　 ∧ ∨　|:|　　　　＼/
＼└‐|:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_://:::::〉::::::|／/　 / 　 ∨　　＼/￣　∧∨￣¨::|≧s｡::::::::::::::≧s./　/ 　 |　　　　||ﾍ　､ |:|　　　　　/￣￣￣￣￣
＼┌──|_/＼:_:_:_//ｰ＜:_(入 〈^＼{　　 ﾊ　　　/_〉￣￣∧∨￣ |　　＿≧s｡x'´:｀|　 {＿;;;|　　　　|| :|ﾍ ＼￣￣￣/
＼└─────┘＿＿＿ r'ヽ／／＼//＾ r vﾞ_,f^Y＿＿__ヾ:､__;| 　 |＼: : : {Y^ヽ{　 {￣:::|　　　　|| :| | ＼＞─‐┴─────
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＼└─────┘／＞:/¨{‐､_〉　ﾘ｀ヽ､ 〈 {___{{_}＿/＾´ﾊ_ﾉ^l　´"㍉ｎ : |: : : :: : : ::∨∧:::::|　　 ／＿＿＿＿＿＿＿＿＿　 ＼
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あれだけ広々としていたネクスト用スペースも、リンドヴルムとシュクヴァールを
納めた時点で、かなり余裕がなくなっていた。

死蔵されているロストワードの隣に格納されたマーシフル、そのコックピットから
解放され、リフトで床面へと降りていく。

整備班の人々も、勝利と新たな家を手に入れたことによる安堵によるものか、
幾らかその眼を活気で色づかせてはいた。
だが、その眼差しの向こうにあるシュクヴァールとリンドヴルムに対しては、
さすがに疑念と恐怖が残るようだった。

感謝と畏怖の念が入り交じる中、三人で顔を突き合わせる。
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5123： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 20:21:50 ID:qbtouVQs0

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　　　／　　⌒　　＾＼
　 ／　　（ ●） 　（●）　　　　　　　アルトリアさん、クーガーさん……改めて、礼を言わせてほしいお。
／　　::::::⌒（＿人__）⌒ヽ
|　　　　　　　|r┬-|　　　|　　　　　　みんな、まだ怖がってるかもしれないけど。この状況は、二人がいてこそのものだお。
＼ 　　 　 　　`ー'´　 ／





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 -―f=ミ､
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ‐ャ－ 、 f辷彡'　　 　 　 　 ｀　､
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ′ ハ　　f辷_彡^ー ｧ　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |　/ 　 ,f辷__彡　　　/　　 　 /／ 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ∨　,f辷__彡く　　　/　　　　/　　 　 　 　 丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　rｔf辷__彡'　ｉ　＼　　　　　 /　 ／/　　　 ｉ　‘,
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀Ｙﾍ　　　　 ､　-､|　 　 ｀ﾊ　/　/　ｲ　 　 　 ｉ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |,ハ　 　 　 〉い |　　 圻ミ、＼　 /　 ｲ　i .ｉ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ‘,　ﾊ　　　〈　r( |　 　 弋rハ　 ノ イ ,′ﾊ:ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ∨　 、　 ﾊ ヽ.:|　 　 i　　　　　　　厶ｲ ﾉ'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ∨//vﾍ{介f:::|　　 ｉ|　　　　　 fｹ 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |///////ハ:|　　 ｉ|　　　　　 〈 　 .ｉ|　　　　　　　　あの程度の敵、造作もない。
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　＿ 」/」/」/」」/ﾊ|　　 ｉ|　 ‐ ､　 イ　　 ｌ|
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　＞‐……―＜　 |ｉ 　 从　　　　　　　　ましてや三機でかかったからな。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ′　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::＞...　i| |
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 」　　斗 ―－ァ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ !　　　　　　　　　無傷の帰還も妥当というものだ。
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿_「￣ 丁　　　　 〃::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ｲ
　　　　　 　 　 　 　 　 ....＜::::::::::::::: ′　,　 　 　 　 {!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/i|
　　　　　 　 　 　 　 ｆ ::::::::::::::::::::::: /　　/　　　　　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_/　}
　　　　　 　 　 　 　 | ::::::::::::::::::::::::′　 |　　　　　.':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〉
　　　　　 　 　 　 　 |::::::::::::::::::::::::|　　　|　　　　/:::::::::::::::＿＿＿::::::::::::::::::::::::「＼
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　　　 　 　 　 　 　 / :::::::::::::::::::::::|　　 ∧_　　　‘,:::::// ::::::::::::::::::::＼ヽ:::: ＿/　　 　 ､





　　　　　　　　　　　　　　　　,v´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|八
　　　　　　　　　　　　　　　　l l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ丿l
　　　　　　　　　　　　　　　　|　､:::::::::::::::＿_l:Nｉ/／::::::::ノ /:::::l‐-､
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ〃￣_二l　　 ￣|ヽ､'ﾞ´　ノ::::::::ヒ￣
　　　　　　　　 　　 　　　　　／::／__,　└─-､__　| ヽ:::::::::::::::::::`､
　　　　　　　　　　　　　　 ／／}トﾆt_　`＝ﾆ二ヽ￣１､ヽ::::::::し｀V
　　　　　　　　　　　　 　 /／ .ﾉ丶-ﾟｉ　　　こ ﾟｱ ｀　 !::::ヽゝ､::ヽ
　　　　　　　　　　　 　　//　　l　 　' .:::::　　　　　 　 |::丿ﾆﾉ::l「　　　　　　　　　　　そういうこった。
　　　　　　　　　　　　　/　　 　ヽ　`　　　　　　　　　l/_／:.ヽ|
　　　　　　　　　　　　　　　 　 「lヽ`､ー‐-y'　　＿-─-､|´｀ヽ　　　　　　　　　　　　世界を敵に回したんだからな、
　　　　　　　　　　　　　　　　　| | }　￣￣　「￣　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　l|､　　　,/　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　あの程度でやられるようじゃあ、この先話にならねえ。
　　　　　　　　　　　　＿＿ ／|　 |,｀l‐'´/　　　　　　/､__
　　　　　, -‐..´.￣￣.......／　　　 | 八　ｉ　　　 　　　　　　｀丶､ ＿＿＿_＿__
　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::＼　　　　ヽ　｜　 　　　 　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　 l´::::::::::;:::;:;:;::-‐ーーーー＼　　　 L_ﾉ　　　　　　　　,　'´　‐--;:;:;:;::;:;:;:;:;:::::::::::::ヽ
　 |;:;:;:;:／　　　　　　　　　　　 >　／ /　　　　　　　く´　　　　　　　　　　　　ヽ;:;:;:;l
　 ｉ::::::l　 　 　　 　 　 　　　／　／　/　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　|;:;:;:|
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対汚染スーツのヘルメットを乱暴に外す。
後ろ髪を編み込んでいるアルトリアだったが、前髪が頬に張り付いており、
それを邪魔そうに振り乱していた。

アルトリアとクーガーは堂々としたもので、戦闘の疲れも感じさせなかった。
アルトリアに関しては言うまでもなく、クーガーもAMS適性は決して高くはない。
もっと言うなら、覚えている限りでは自分よりも低い。
自分はBランク相当だが、クーガーはCランク相当。その負荷は決して軽くはない。

だが、この様子なら、今のところは杞憂と思ってよさそうだ。
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5124： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 20:25:08 ID:qbtouVQs0
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　　　 　 　 .: /.: : 八.:.:.／　)ﾊ:.| : }　乂少'　 :|.: :|ﾉ 人/∧.: .: .: : '，.: .: .: .: ｀丶、
　　　　　　|:/|.: .: .: .:＼:. ｨうぅk|:V 　　　' ' 　 |.: :|イ___//∧.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: ＼　　　　　　　　　やる夫くーん！　おかえりー！
　　　　　　|　|.: .: |.: .: .: : ､乂ﾂ r 　 　 　 　/ |.:八厂|　＼∧ .: .: .: |.: .: : .: .: .: ＼.: ＼
　　　　 　 　 |八.:|.: .: ＼.: .:＞　 　　　 ﾌ 　 ／_彡 /　／ ＼. .: .: .:|.: ＼.: .: .: .: : ＼.: ＼　　　　　　ほれ、なのはちゃん！
　　　　　　　　　＼(⌒¨¨「 込　 ＇　　　　　／/／／　　　∧ .: .: |.: .: .:＼.: .: .: |: .:＼.: ＼
　　　　　　　　　　　　 　 |.:| .:个 .　　　　 ／..:/,,／　　　　/￣.: .:.:八.:／⌒＼.: 八.: .: ).: .: ＼　　　 やる夫君、帰ってきよったで！
　　　　　　　　　 　 　 　 .: |.: .:|.: |　＞‐く: ＼「￣＼ 　　 /　　 j／　 ＼　　　 ￣三二ﾆ=---
　　　　　　　　　　　　 /.: 八 .: .: | .: r＜　／ |i⌒＼＼_,/　　　　　 　　 ＼　　　　　　　　　　　　　　「ちょ、分かってるから、ひっぱらないで」
　　　　　　　　　　　　⌒7{.: .: .: .:|＼|／⌒几〕!／⌒＼〔｀`〜､、　　　　　 ＼　''"ﾟ~￣~ﾟ"''
　　　　　　　　　　　　　 :人 : : .: |__/＿__/:i:i:八　 　 　 |　　　　 ｀`〜､、
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼／／＞'":i:iイ　 |:、 　 　|　　　_.､-''"￣￣￣| |￣~"''〜､、
　　　　　　　　　　　 　 　 　 /／ r――ミノ 　 |　＼＿.|/⌒ ／＼ ＼＿＿_リニニ|
　　　　　　　　　　　　　　　/／　.|　　 ／　　 人. 　 ＼　 ／ニニ ＼＿＿／ニニ |
　　　　　　　　　　　　　　／.._　　|__／ _ -=~:::::::＼　 　 ∧ﾆ=---=ニニニニニﾆノ
　　　　　　　　　　　　　/::::::::::＼〈-=~:::::::::::::::::::::::::::＼／:::::＼::::::::::::::＼ニニニ／＼
　　　　　　　　　　　 　 {:::::::::::::::: ＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ＼ :::::::::::::￣￣ ::::::::::: ＼
　　　　　　　　　　　　　 .::::::::::::::::＼＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　 　 　 　 '，:::::::::::::::::::::〕::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /　 ＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　 　 　 　 ∧:::::::::::::::::::人::::::::::::::::::＿＿_::::::::::::::/( 　 　 ＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　 　 　 　 　 　 　 /:::::'，::::::: ／::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::{::::＼ 　 　 ＼:::::::::::::_.､-''"::::::::|

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人ごみの向こう側から、慣れ親しんだ声で、自分を呼ぶ声がした。
声を聞いただけで、身体から抜けきってなかった戦闘の興奮と緊張が
嘘のように引いていくが分かる。

はやてが片手でなのはを引っ張りつつ、凄い勢いで駆け寄ってきていた。
なのはよりも一回り小柄な体躯で、騒然とするドックの中に大きな声を響かせている。

手をぶんぶん振ってみせる彼女に対し、こちらも手を挙げて応える。

自然に全身から無駄な力が抜け、余計な感情や鬱屈とした考えが抜け落ちていく。
帰ってこられたのだと、精神と肉体の両方で実感していた。

はやてが待ってくれている場所に。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5125： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 20:27:47 ID:qbtouVQs0
　　　 　 　 　 　 　 ／　　　　　 ヽ
　　　　　　　　/レ′　 　 　 　 　 ヽﾊ
　　　　　　 |V　　　　　　　　　　i 　 /|
　　　 　 　 ﾐヾヽ　　　　　　　ﾉノ ／ ,'
　　　　　　 ﾄ､ヽヽ　　　i!〃　　ｨ′ /し!
　　　　　　 ﾄ､l|＼ __∧」Ｌ　 '´ |　 /　/
　　　　　　rV/　　 / 7´　　 　 レ' //
　　　　　　ﾚﾍー-､l /　　_,,. -一メｲlj
　　　　　　{ﾋゝ￣`| |ー=＝ｒ ィ'´ /ｌﾝ　　　　　　　　　　……んー？　どこに行こうってんだ。
　　　　　 　 ﾍl＼. | |_ハ___」斗イﾚ′
　　　　　　 　 |　 ｀ll|　|, 　 　 　 lﾊ
　 　 　 　 　 〈ﾄ　　ﾘヽ‐'　　　　,'ﾚ|
　　 　 　 　 . ｲ ＼　￣￣` 　 /　 ト､
＿　,　ｨ'　´　 | 　 ヽ　 　 　／ 　 / 　 ｀ヾ　ｰ- ､_
:::::::::::::/　　　　　　　ト--ィ′　　　　　　　 ヽ::::::::::::￣
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:::::::::::::／＼　　　　　〉y/　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::





　　　　　　　　　　　　　　＿ r―ｧ-､―- ミ
　　　　　　　　　　　　　/＞''"~"''＜⌒l　　　｀　＜
　　　　　　　　 　 　 　 7／／ヽヽヽﾔ⌒〉　　　　　＼
　　 　 　 　 　 　 　 　ψ／／/ ソﾉ }-〈 　 　 .|　　ヽ ∨
　　　　　　　 　 　 　 r{ゞ、＞''´／ / Y′　　 .|｜　 ﾊ ∨
　　　　　　　　　　 　 }ﾍゞ｀''＜彡‰ソ　 !　!　 !＼ / ｌ| ﾄゝ
　　　 　 　 　 　 　 　 V乂三∠⌒)´ !∧|　|　.｣ﾉﾚ' | ﾘ |
　　　　　　　　　　　 　 廴乂＿)ノl l 八（l　ﾍ八ｿ｀ﾒ|/ /
　　　　　　　　　　　＞''⌒7^Y⌒ ヽ、,人| 　 ﾍ{｀¨乂ﾚ′
　　　　　　 　 　 ／===／｀nﾍ=====＼ilＮ　 |.、_　/　　　　　　　　　　　　　　ストレイト・クーガーともあろう者が、
　　　 　 　 　 　 ＼=／===l.l= ＼===／　|　 |　／
　　　 　 　 　 　 　 ´/====|.!==== <´≧〈从 |´　　　　　　　　　　　　　　　　　野暮なことを聞くものだな。
　 　 　 　 　 　 　 ＿≧s､_ﾉﾊ_==== ﾏﾆﾆゝ-`‐…￢冖ニニアl
　　　　　　　_　＜ﾆ／ﾆ二二Y ￣￣ ニニﾆr'ニニニニ＞''´ =|　　　　　　　　　相応しくない者は身を引くのが、この場では筋というものだ。
　　　　 r＜ニニ／ニニニﾆ/二二二ニニﾆ|ニニニ／二二ニ|-｢ヽ∧
　　　　 ∨=ニニニニニ二/二二ニニニニニニニニニニﾆﾆ上′ﾆﾆ＼　　　　あの医者からも逃げたい。あの剣幕は並みの兵士以上だ。
　　 　 　 Vニニニニニ／:⌒"''＜ニニニニニニニニニニニニ乂ニニﾆ
　 　 　 　 {／ニニﾆﾆ/　 :　　　　 ｀ マニニニミニニニニニニニﾆ＼ﾆﾆ
　　 　 　 <=／ﾆﾍ二/　　:　　　　　 　 ｀'マニニニミニニニニニニﾆﾆ＞
　　 　 　 〈´ﾆﾆ二∀　　　　　':, 　 　 　 　 ｀'マﾆﾆ／冫､ニニニニニニﾆ
　　　　　　}／二二{　　 ,'　　　 ':, 　　　　　　: :￣i　.ｲﾆ=}｀''＜ニニニﾆﾆ
　　 　 　 /ニニﾆﾆΚ　,'　　　 　 '　　　　　　 : : ／ﾆﾆ=/ 　 　 ｀''＜ニニ
.　 　 　 /ニニニﾆ∧＼　　 ',　　　　　　　　_ イ二二ア　　　　　　　 ｀''＜
　　 　 /二ニニﾆ/　∨_＼　 ',　　　　_　＜ニニニ／
.　 　 /ニニニﾆψ　　V二｀‐┴―≦ニニニニニﾘ
. 　 Yニニニ=／| 　 　 VニﾆГニニニニニﾆ彡〈
　　 {ニニニﾆﾆ/ヽ.　　 {ニニﾍ二二二ニニニﾆ/
　　 ∨二二ニニニ＼ /二二/二二ニニニニﾆ|





　　　　　　　　　　　　　 NI`ヽ､__
　　　　　　　　　　　　　 ヽ､ヽヽ　 ~ﾞ`'‐--､
　　　　　　　　　　　　　　　ゝ ヽヽ　　＼ヾ 〉
　　　　　　　　　＿＿＿／ヽ､　ヽヽ┌─くヽ､
　　　　　　　　/:::::::::::::::<　　　ゝ､,ＣヾﾆⅡｋl`ヽ
　　　　　　 ノ::::＼:::::::::::::＼　　　Y l　　 ､__ゝ　　　　　　　　ほーん。そういうことなら、俺もお供すっかなぁ。
　　__､..'ﾞ´:::::::::::／￣￣￣ ﾞＬ　　＼tヽ､__ {
　l＼:::::::::::::::／　__／￣＿＿_>_┌丶二l ´　　　　　　　　　 なおはさんの顔を見たいっていうのもあるが、
　|　 ＼-‐ﾞ´　イ　　　「。　　／|＿ゝy´l|
　|　　　＼／　|　　 　|　__ノ　ノ　 。/ l::|　　　　　　　　　　　この場じゃ俺もお邪魔虫ってやつだ。
　`､　　　丶.　 l　　　|＜＿ノ　　。/＿l::|
　　|　 　 　| 　〕　　丿゜　　　　。/|￣ ￣l　　　　　　　　　　　「好きにするがいい」
　　|　　 　 {　了　　}。　　　　。/. |　　　|
　　|　　 　 l　/　　　|。　　　。人＿l＿　|
　　L　　　 V＿__ 　人　　　　　　__／￣二ﾆヽ
　　　￣T￣　　ヲ |　　＼　　､'~´__/￣:::::::|　　}
　　　　 └─┬´　|　　　　く￣￣::::::::::::::::::l＿_〕

5126： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 20:29:43 ID:qbtouVQs0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　－＝＝　ｘ--,_
　　　　　　　　　　　　 　 ,　´　　　　　　　　ヽ＼ト,
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　　　　　　　　　　　 ，.i　.ﾄ、　' ,　 》ﾁテ弌八　　乂
　　　　　　　　　　　 } 人 从≧ …　 乂jﾉ<;;;|　＼ {　　　　　　　　　　　――ふむ、私の方はまだ動けそうだ。
　　　　　　　　　　　.|ﾉ .}　 "叭)　　　　´ /;;;;|　　 ヽ
.　　　　　　　　　　　′ |　∧´　 '　　　　〉;;;,ﾘ　　　}　　　　　　　　　　　貴様の方はどうだ？　医者の世話になれぬ分、
.　　　　　　　　　　　　ノ　　ﾉ》x:.　´｀ /^:ﾈ !!|j　　 ,'
　　　　　　　　　／¨, ===ヽ<　（＼);;;;;;=¨”;;;;;|{　　ﾉ　　　　　　　　　　　　自分の限界は自分で見極めねばなるまい。
　　　　　　　　./ ノ/;,;,;,;,;,;,;,;,;,＼＼＼r--===ﾉ .ノz
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　＿＿rナ77 ヽ ヽ;,;,;,;,;,;,;,;,;_....=".八　　　《　　　　　.:　　.,;,;,;,;,;〉
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　 ＼_.／へ: : : :....／: : :..... ⅹ{　i　》　;;　　　巛　　ﾉﾉ.{二二;
　　＜: : : : : ＼／: 〜て／: : :ﾍ ',,《　;;　　;;　　》　 (　 i,;,;,;,;,;,}





　　　　　　　　　　　　　_,,∠-‐'''´￣-一::::::::::::｀`ヽ、
　　　　　　　　　‐-､/￣￣￣｀`'''ー-､＝二:::::::::::::::::｀ヽ､
　　　　　　 ,.‐''"￣`ヽ　　 　 /　//　　｀ヽ､／￣｀` ｰ- ､_ヽ､
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　 　 /::::::::／　　　 　 〈､L〃r・ア　　　　/::::::::/⌒ヽ::::::::::::::::::::::::::::::
　　/:::::／　　　 　 　 　 7　　´　　　 　 /::::::::/ヽ､ﾊj:::::::::::::::::::::::::::／　　　　　　　おー？　はて、何のことやら……
　/:::::/　　　　 　 　 　 /　　　　　　　 /!:::::::/　/ノ/:::::::::::::::::::::r､ｲ
　l:::/　　　　　　　　　　`'┬-　　　　　 ﾚ/'´　 lｰ〈::::::::::､__;r､/　ヾ　　　　　　　　 俺は常に文化的生活を心がけてる男だぜ？
　|::l　　　 　 　 　 　 　 　 `=ｧ､ ､　 　 　 　 　 V　｀ーﾚヾl　_,. -‐､
　|:|　 　 　 　 　 　 　 　 /￣｀`ヽ　　　　　　 ノ/　 _,,. -‐''´　　　 |　　　　　　　　 運動食事睡眠どれ一つとっても健康優良児よ。
　|:!　 　 　 　 　 　 　 　 ｀〉ｰ､　　　　　　_,,. -‐''"´　　　　　　　　|
　||　　　　　　　　　　　　/　　　 r‐''"´￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 そう、俺はこう思うんだよ、健康でなくては何も始まらないと！
　|!　　　　　　　　 _＿＿ヽ--‐‐'､
　l　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　体調を崩していると――
　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　,. '-一
　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　 ヽ　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　「私は」
　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　ヽ　　　　　　／

5127： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 20:30:07 ID:qbtouVQs0
失礼、一コマ抜けてた。


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　 　 　 |　|　 　 　 |　|　 　 |　| | | 　／　　　 　 ｜　　　　 ＼ .| | 　 |　| |　|　　　..|　|
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　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　 ヽ　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　「私は」
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5128： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 20:30:58 ID:qbtouVQs0


　　　　　　　　　　　　　　 　 　_　-――――-　_　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　∠　　　　　　　　　 　 `　､＿}_
　　　　　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　､　` ､⌒ヽ
　　　　 　 　 　 　 　 ／　　　 　 　 /　　 　 　 　 　 ＼ 　'， /
　　　　　　 　 　 　 /　 　/　　　 　'　　　　　　　　　　 | 　 '/＼
　　　　　　　　　　 '　　　′　　　/ 　 　 　 　 　 |　 　 |　 　､ノ}
　　　　　 　 　 　 ｌ{ 　 / 　{　　 /{　　　{ 　|　 　 |　 　 |￣ア}ノ＼
　　　　　　　　　 八 　|　　',　　ｌ 　、 　{ 　l　、　|　 　 |／　ﾊ___ノ　　　　　　私はノルドルムの人間だった。
　　　　　　　　　 　 ＼|'， ∧|　|　　＼_{＼|＼＼|　 　 | 　/ /⌒}
　　　　　　　　　 　 　 | ∨ｬ竿ミ　　　 　 斗竿ミ|　 　 |／ /__ ノ　　　　　　　ノルドルムは大勢の人間を食い潰してきた。
　　　　　　　　　 　 　 | ∧ 　Lソ　　　　　　Ｌソ |　 　 |ヽ/⌒＼
　　　　　　　　　 　 　 |　ﾊ　　　　　　　　　　　　|　 　 |ノi:i:i:i:i:i:i:＼　　　　　　行き場のない人々を、AMS技術やコジマ技術の発展のために。
　　　　　　　　　 　 　 l 　込、 　'　　　　　 　 　 |　 　 |＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:'，
　　　　　　　　　 　 　 |　 　| ＼　　 r_、　　　　 ,|　 　 |､ｉ:i＼i:i:i:i:i:i:i:}　　　　　 そんな人間を、私もいくらかは見てきた。
　　　　　　　　　 　 　 |　 　|　　 　、　　　　 　ｲｌ|　 　 '{i＼i:i:）_ｉ:i:／
　　　　　　　 　 　 　 人 　 |　　 　 l｀　‐ 　´ 　 ｌ|　　/i:V⌒i:￣{
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ､| 　 　f≧======≦_| 　,'⌒i{i:i:i:i:i厂
　　　　　　　　　　_-=ﾆﾆ=-　__ﾉvﾆﾆﾆOニニﾆ=|／二⌒⌒^
　　　 　 　 　 　 _-=ﾆﾆﾆ／ニニ＼ﾆOﾆﾆﾆﾆﾆノﾆﾆﾆﾆ≧ｧ≦⌒＼
　　　　 　 　 　 _-==ﾆﾆ {ﾆﾆﾆﾆﾆ／＼ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆニ'，
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　　 　 　 　 　 _-=ﾆﾆニ/ﾆﾆﾆﾆニ/二二二ニﾆﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ'，





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　　　　　　　　　　　　　　　　　 __,.r'' _≧´--｀≦｀ヽ
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　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 ／　　　　　　　　 .、 ヽ
　　　　　　　　　　　 __..　-‐　　/　 /　 i　　　　i　　　ヽ　 ,
　 　 　 　 　 　 　 　 ￣ ７ 　 / 　 ,: 　 ﾊ.　　　 |　 ヽ　 ＼!
　　　　　　　　　　　　　/　　.,　　/ ,: 　i　',　　　i!　　 ＼.　＼
　　 　 　 　 　 　 　 　 ,　 　 i ,　/!.ﾊ.　|　 ',　 　 !､　 ､　 ',　　 ,
　　　　　　　　　　　　 i　,　 j/ /ｰi'- ', !　　ヽ　　{ ヽ　ヽ　',　　',　　　　　　　　　　……貴様も、私と同じ立場だと見た。
　　　　　　　　　　　　 ﾚ'　 / /r=芋ミヾ 　 　 ｀ィr弍=ｧヽ　:,　　i
　　　　　　　　　　 　 /　　' ∧ ﾞ　ゞソ ﾞ　　　"　ゞン " ハヾミｰ- ..＿　　　　　　　　どの程度だ？
　　　　　 　 　 　 　 /　　　ハ._,　　　　　　,　　　　　　ﾑ/::::i　｀丁
　　　　　　　　　　 / ｨ　　 {ヽ:::ﾊ　　　　　　　　　　　 ハ:::::::!　.　',
　　 　 　 　 　 　 〃　i :　 |　ヾ彡:.、　 　 - -　　 　.ｲ}}:::／ | .ﾄ､ ヽ
　　　　　　　　　/　　 | i　 | /::::::::::::＞　　　　　　＜::::::::::::}　!/　ヽ　、
　　　　　　　 __　　　　', !　| {:::::::::::::::ハ､＞.=.＜ _ハ::::::／　/　　　 ＼
　　　　　　 /::::ヽ::::｀:::::ヾﾄ､!ー--.=彡{::::::::::::::::::::::::::}ｰ-..__
　　　　 　 ,:::::::::::::',:::::::::::::::::::::::::::::::::ﾑﾊ::::::::::::::::::::::ノ',::::::::::::ﾞ:.ｰ- .._
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5129： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 20:39:06 ID:qbtouVQs0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -─z＿＿＿＿＿_ .イ _,ノ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　ヽ、　　　　　　イノｲ､ｿ::.::ト､　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r､{─- ､ ,　__ 斗≦(从人　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 Y )　　　　/　 　 　 ｀7　　
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　　　　　　　　 {、　 　 　 /　　　 ｀ ー'──--──　 　￣￣く:: :: :: :/:::::::::::|
　　　 　 　 　 　 {_　　 　 {　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼_ノ::::::::::::/｀丶、





　　　　　　　　　　　 　 　 |､/!　l､l､j,:/:l　,　.::　'"　"´..::　 '"´　　　　.......:::::_,,
　　　　　　　　　　　　　　 l '::|　ヽヽ/::／:::::::-‐''":::::::::::::::::::::::::::::::_,,. -‐''"´ _
　　　　　　　　　　　　　　 |:::::',／〃,.､---――''''''''ｰ‐‐-‐ｧ‐'''"　　　 ,,.-'"::
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　　　　　　 　 　 　 　 　 ／.:／ｰ- ､＿　　　 _,,,..-ﾆﾐ､ 〈ｰ‐'''"::::::::::;;〃‐''"::
　　　　　　 　 　 　 　 ／.:／|　　 r-､　￣`''ｰ┬r-,- ､,_ヾ::::｀ヽ:::彡´::::''"::::::
　　　　　　　　 　 　 /.:／ 　 l＼./　 ', 　 　 　 | |　ll　　￣二r‐-､::､ヽ::::::＿､
　　　　　　　　　　 /.:/　 ＿_j　/　　 l＿＿＿_|_l-┴‐''7´::i r ､ ｀|::ミ､:::≦､＿　　　　　　ちょいちょい目に映るものが白黒に見えたり？
　　　　　 　 __,,. -/:/ ￣／　V　　　　　　　　　　　　 /〃/ ) /, /::;:'"､ｰ‐'"´
　　　　 r'"´:::::::://:::::／　__／',`ｰ''''‐　　　　　　　　 '´l/'ヽ‐'／!､:::／!`　　　　　　　　　　ガキの頃のことが思いだせなかったり？
　　　　|::::::::::::::/'::::::/ 　 〈　 　 l`ｰ‐-､,＿　　,､　　　 　 r‐''´　ﾉ／　,'`ｰ‐--
.　　　 |::::::::::::/:::::::::|　　　 l＿_,j　｀ヽ､　　 ￣´　 　 　 /　　 ／　 　 |　　　　　　　　　　　　本当の名前を忘れちまってたり？
　　　 l::::::::::::::::::::::::;l　/￣　 　 ｀ヽ、　　　　　　　_,,.‐''ﾞ,,.　'´ 　 　 　 !　　　/
　　　ﾉ:::::::::r―'''"´／ 　 ,-‐'''7‐-‐'　　　 _,,.ィ-‐''"￣　　　　　 　 /　　　 |::　　　　　　　　　ネクストに乗るとちと興奮しちまったり？
　 ／:::::::::::|　　 ／ 　 ／'"´＼`''--r-‐＜　 l　　　　　　　　 　 ／　 　 　 l:::
　 !::::::::::::ノ　　.| r''"´　　　,､ 入.フ｜　　 ､/　　　　　　　　 ／　　　　　 /:::　　　　　　　　　　……まぁ、その程度さ。
　 〉:::::::〈　　　 |　　　-‐''´￣　 ﾍ　｜　　 /　　　　　　　　　　　 　 　 ／::::::
. /::::::::::/ 　 　 |　　　　　 _,.-‐'⌒ヽ, |　　/　　,,.　-‐''"´　　　　　　／::::::::::::
/::::::::::/　　　　|　　　　　　　 　 ／/｜ /　／　　　　　　　　 ,. -‐'´￣｀ヽ､:::

5130： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 20:45:44 ID:qbtouVQs0

　　　　　　　　　　　　　　　　　,. -―‐=- 　 _　ヽ　､　 　 ヽ 、
　　　　　　　　　　　　　　　／＿/ '´　　　 　 ￣｀ ､　ヽ　 ﾉ .）
　　　　　　　　　　　　 　 ,.' l´.／　-‐ ア'"　　　 　 ｰ-　　＜
　　　　　　　 　 　 　 　 ／./'" 　 ,∠　　 　 '"　　　 　 　 　 `
　　　　　　　　　　　　　V/　、　-‐　／　　 ,.　 ´　　　.　 ハ　 ヽ
　　　　　　　　　　　　 , '/ヾ 、,.'　／　　／ 　_,.　‐ ／　.' 　 ! 　 '
　　　　 　 　 　 　 　 〈　!､ ヽ'　 , /　'／ .／ｰ-'"／ ,. ' 　 / !　ﾄ. '
　　　　　　　　　 　 　 ゝl.／　　 ｌ/, /／ハｆ:;ﾃ＜"／　 ／ /　 ! ｿ　　　　　　なるほど。AMS適性が低くとも、尋常ならざるパフォーマンスを
　　　　　　　　　 ,.　´ i／　　 / ／!（　´ 　 ｀ｰ　 / ／　,ｲ/ ｲ,ﾉ
　　　 　 　 　 　 {'　,.'／'　 ,.'/./.ヽ!二7　　 　 　 '"　　（ｿ!　 ﾄ､　　　　　　　　発揮する人間が稀にいると聞いたことがある。
　　　　　　　　　　 （　/ ／_,'/ ､T ﾏ二二ア　 　 　 　 冫!　 .ｌ ヽ
　　　　　　　　　　 　 {./　　l'_ヽ_|＿ﾏﾆﾆ（_,.ｨ　　‐=　　 ｲ　　.!　）　　　　　　　敢えてその負荷を受け入れつつ、発狂に耐え……
　　　　　　　　　　　　l' 　 /二二二二ﾆ=-､(　　 　 ／ .ﾉ　　,.!ノ
　 　 ,ｨ77777777777777＞マ二二二二二}＼　／　,.'./　.ノﾉ　　　　　　　　　無理やりネクストを思いのまま動かす兵士。
　　 ////////////////////,ハ‐マニﾆﾆl三ヽー-（ ' ／
.　　{/////////////////////∧ニ="マ_!二二=-､!.l'　　　　　　　　　　　　　サングラスもそのためか？
　　 !'/////////////////////,∧",.ィニ-＿ 二二l





　　　 　 |　ﾍ:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: : j !
　　　 　 |　 ∧:: :: ﾄ､:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :／ }
　　　　　＼ 　 ＼::ゝﾍト､:: :: :: /:: :: ｨ7ﾉ:: :／　 ﾉ
　　　 　 　ﾊ ゝ、 「 ー＜:: :: :: :: 7::＿ ,.ｨ´　 ,ｨ7
　　　　　　}:: ｀＜_}　　 　 ｀⌒Y::「　　　{__／::ｲ,
　　　　　　Y:: ::√　　　　　　　l:: }　　　 ヽ:: ::/
　　　　　 _」､:: l ≧三≧､　 　 |::| x≦≠7::∠
　　 　 　 { ﾐ}:: ﾊ ヽ,-tｯ ､ヽ }　|::|_, ｬ-ｧ }::/iｿ
　　　　 　 ヽヽ ::!　 ｀ー '´　l | }/ ー ´ // ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　半分はオシャレだ。
　　　　　　　ゝﾍ}　　 　 　 　 | |　　　　ﾚォ
　　　　　　 { く｀ﾊ 　 　 　 、　_l　　　　j´ﾉ}　　　　　　　　　　　　　　　　　ま、そうでもしなけりゃ戦場で死んでた身なもんでね。
　　　　　　__」 ＼ﾍ、 r,､＿｀＿＿, 　ノ´ /､
-ｧ　　´￣　｜　　｀＼｀ ￣￣￣　／　　l　　 ＞ -- ､ ＿　　　　　　　　　　あの時死ぬか、ネクスト乗り回して白目剥いてぶっ倒れるか……
/　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　 ￣　 / 　 　 |　　　　　　　＼::＞......､
　　　　　　　　　　　　　　}､＿ イ　　　　　　　　　　　　　l:::::::::::::::｀:::::::..､　　　違いとしちゃ、そのくらいだ。
　　　　　　　　　　　　 　 l　 　 ﾉ　　　　　 　 　 　 　 　 /::::::::::::::::::::::::::::::｀'::
＼　　 　 　 　 　 　 　 　 '､＿/　　　　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::ゝ、　　　　　　　　　　　Y/　　　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:／:: :: ＼　　　　 　 　 　 ／r　　　　　　　　 ,. :: ´::｀丶、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::

5131： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 20:56:49 ID:qbtouVQs0

;:::＼.　　l　　 ／::::;:へﾍｿ'"　　　　　 　 　 　 |／::::::::::::::::,::
ﾞ､:::::::ヽ､,〉 ／:::::／　　　　　　　　　　　　 _,,.　＼::::::::::::,:'::::
ヾ､::::::::::/./::::::;:'ﾞ　　　　　　　　　　　_,,.=＝ヽ､　 l:::::::;r‐､::
　＼::::::;ﾞ/:::::,:'ﾞ,,_　　　　　 /　　　,,.z''"´_,,,,.´￣　|::::::|'"ヽl:
　　'yヾ/::::;/''‐-ヽ､.,__ヽ　l､_,,. ‐',.-'''"´ ﾟ　/　 　 !::::l! 〉 /:
　　 l !/:::;/ヽ￣｀`・‐｀"　 ヽ.　 ´`'‐--‐‐'ﾞ　　　 |:::/!/,/:::　　　　　　　　なに、できることはたんまりとある。
.　　 Y::::/l　 ｀'‐-‐''"　 |　　　　　　　　　　　　　 |/' /ﾞ::::::
　 　,'::::/､ﾞ、　 　 　 　 ｜　　 　 　 　 　 　 　 　 !‐'ﾞヽ:-､　　　　　　　　 俺たちのような死にぞこないにしかできない、たった一つのことだ。
.　　l:::/　k,ヽ,　　　　　　l　　　　　　　　　　　　 l　　ノ,.､‐
　　|::;'　〈ヽ,　ヽ　　　　　!　　　　　　　　　　　　|　 ／　　　　　　　　　　 これ以上なく有意義な、な。
　　|:l.　　ﾞ､ ＼.|'､　　　ヽ､,__,／　　　　,,./　　_,'.-'"
　　|!　　／! 　 ヽ,､　 ‐----‐‐''''''''''"´ 　 r''"
　　!-‐''ﾞ　 ',　　　l｀ヽ.　　｀''''''''""　　　　 |　　　　　　　 /
'"´　　　 　 ﾞ､　　.|.　 ﾞ､　　　　　　　　 ／!　　 　 　 　 /





　　　　　　　　　　　／　　　　　　 ／　　　　_,. ‐''"　　　　　　..:::::::
　　　 　 　 　 　 ／ 　 　 　 　 ／　　 ,.-‐''´　　　 .:　　　 ....:::::::::::::
　　　　　 ,ﾍ　|!/　　　　 ,. -､/　　 ／　　　　　..::::::::　...:::::::::::::::::::::::
　　 　 　 |　:ﾄK　　　 ／＿_l＿_∠＿＿_／｀ヽ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　 _」__,,j.=＝''"´￣_,,. -‐'''"´l! 　 　:|/⌒ヽl::::::::::::::::::::::::::::::::::/
　　　　 |〈　 l l　　 _ ｨ'´／　　　　 |　　 .::|ﾋ ヽ　l::::::::::::::::::::::::::::::::〈
　 　 　 !　＼l_レ'´|　l:::lr'''7　　　　l .l:..:::lﾘ7 ゝ/l､::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
　　　　|　　.l´　　 lj_/'ｲﾚ′　　　　l!| ﾚ/ ヽ‐' 丿ヽ､::::::::::::::::::::::::ミヘ
　　　　|　 ::l　 　 　 l'´　　　　　　 　 ﾙ′　　〈　　ﾉlWヽ､:::,. -‐''ﾍ　　　　　　　　　　明日のない身だからこそ、誰かの明日のために死ぬ。
　　　　|　:::|　　　　 |　　　　　　 ,/ヽ　　 　 　 l 　 　 　 ／　　　　ヽ
　　　　l :::::!　 　 　 l　　　 　 ／/　　　　　　 /　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　 自分の道を歩めないのなら、誰かの道の礎になる。
　 　 　 !::::l　 　 　 '､_／-､ノr／　　　　　 ／　　／
　　　　 l ::!　　　　 　 　 　 〈　　　　　　 / 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 自分が心の底から信じられるような、そんな奴のために。
.　 　 　 |::|　　　　　　　　 　 |　　　　　/　／
　　　 　 !:!　　　　　　　　　　| 　 　 ／／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ……アイツは底なしのバカで、世間知らずで、一途だ。
　　　　　|l　　　　　　　　　　 '-‐／　〈
　　　　　l!　　　　　　　　　　　　＼　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　俺はアイツになら賭けてもいいと思った。
　　　　　|　　　　　　 　 　 　 　 　 ＞-､　＼　　　　　 ,. -‐''´
　　　　　　　　,.-‐''"´￣｀`ｰｧ‐''´ 　 　 ヽ　/_,,. -‐'"´　　　　　 ／
　　　　　　 ／:::::::::::::::::::::::::::::＼　 　 　 　 Y´　 　 　 　 　 　 ／::::::

5132： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 21:03:02 ID:qbtouVQs0

　　　　|　ヽ　ヽ　 ＼ヽ､　 　 ヽ　　ヽ　　 　 l　　　｀ヽ、
　　　　l　　ヽ　 ヽ　　＼｀ヽ､　　ヽ　　　l　 /　　|　　　 V|
　　　　ヽ 　 ヽ　　＼ 　 ｀ヽ､｀ヽ､　ﾉ　ノ／´ 　 ﾉイ j 　 /
　　ヽ､_ ヽ　　＼　　 ＼　ミ´￣￣｀`ヽ､　ヽ､ ﾊ从〃ノ∠
　　　 ＼＼､　　　ミ ヾ　ヽ､　　　　　　　｀ヽ､　＼彡ノ´
　　　 　 〉､ハ＼三ミ　ﾐ／　　　　　　　　　　ヽ､ ＼
　　　　/〃 ゝr‐､＼　ミ　 ,.zrニ≡ー--‐'　 ,z-‐＼ヽ
　　　 /／ｲYl|しjﾄ､ヽ､l　　 　 ,.rｯ-､ 　 　 r ｨ｡‐､ /＼ヽ
　　　'´＿ﾉミﾍ! l ヽヽヾ.　　　 `ー-' 　　 　 l ｰ ' |　　 ヽﾞ､　　　　　……サラリーマンやりながら文化的に暮らして死ぬつもりだったんだがな。
　　　 ｀ヽ､__ゝ＼ｰゝ､ヽ　　　　　　　　　 　 l　　.l　 　 　 ＼
　　　　　　７／ﾆ`r‐,｀＼　　　　　　　　　　ﾉ　, '　　　　　　　　　　 気が変わっちまったよ。あんな、昔の俺みたいな奴を見てるとよ。
　　　　　／l　l'⌒|　 ､　　　 　 ､ 　　　　　_ ｨ/
　　　　　　 |　＼ !　　ヽ､　　 　 ｀ヾニﾆ二ｿ/､　　　　　　　　　　　 応援したくもなるし、見てみたくもなる。
　　　　　　 l　　　＼_　　 ｀ヽ､　　 　 　 　 /　 ｀ヽ､
　　　　　／　　　　　　｀`ヽ､_ ＼　　　 　 ,' 　 　 　 ヽ､　　　　　　　 自分が過去に折れなかったら、どうなっていたのか、ってな。
_,,..､-‐''´　　　　　 　 　 　 　 〉　＼_　　_ﾉ　　　　　 　 ｀ヽ、
　　　　　　　　　 ｀ヽ､　　　 /　　　/￣ヽ、　　　　　　　　/ー‐-､
　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　　　 '　　　 lヽ　　　　　　 /





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/V　l/:::::::::::::::::::::::::::::`::::‐-　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::ヽ､:::::::::/:/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::￣::::フ
　　　　　　　　　　　　　　 ／´￣::｀:ヽJl:::::::_, --‐ーフー‐--::::＿__::::-‐￣ア
　　　　　　　　　　　　　／::::_:,::::┬┬-‐ゝ´　 _-‐< く＿＿___　　　,＿　ノｉ´
　　　　　　　　　　　 ／ ／´　 　Fﾆl､　　<=ﾆ´__'ﾟ´ヽ＼:::::::::::::::￣:::::::::::::/_
　　　　　　　 　　 ／／ 　　 　 く'¨｀｀`＼ .../ィﾟ　 フ　　|::::::::::::::::::::::::::::::::´/
　　　　　　　　　／　　　　　　　　〉ィ´ﾟソ.::::: 　￣　　　 ﾚ:::::::::lへ:::::::::::::::/　　　　　　　それによ、死ぬ瞬間なんてのは、寝てたって来るもんだ。
　　　　　　　 ／　　　　　　　 　　{　￣ヽ　　　　　　　　ﾉ::::::::ﾉ=ｉ/::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　｀､　　　 __　--‐‐'｀　ﾙ_:ノ> ﾉ/:::::::/ﾞ｀ヾ　　　　　　　だったら俺は動くし走る。少しでも何かを良くするために。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　'ﾞ´__　　　　　　 ´　f=ソ:::::::::::フ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 丶　　　　　 　 　 　 |　 ノ|￣｀ヽ､　　　　　　　　　そうして残ったモンが……生きた証ってやつになる。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　へヽ 　 　 　 　 　_.ノ　　ﾆ|　　　　 ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　＼､ 　 　_ ／　　　l 　 |　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〈　　　　`┬ '´ 　 　 　 /　　|　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　 ヽ|　　{　 　　/　　 |　　　　　 　|
　　　　　　　_　,､　＿　＿　　　 , イ入　　　 ヽ 　丶　　l　　　|　 　　 　 　 L
　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ'´　　ヽ､｀丶　　 ＼＿＿＿_／　　　　　　,　　　｀ 丶､
　　　／:::::::::::::::,-‐ー─-----＼　　　 ＼　　　　 ＼:::::::::/　　　　　　／　　　　　　　ヽ､__＿
　 ／:::::::::::::::／　　　　　　　　　　＼　　　 ＼　　　　 7￣　　　　　 ／　　　　　　　　／:::::::::::::::｀' ､
／:::::::::::::::／　　　　　　　　　　　　　＼　　　 ヽ　　 ノ　　「　　　　　　　　　　　　 ／､::::::::::::::::::::::::::

5133： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 21:08:49 ID:qbtouVQs0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 -―f=ミ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´ ―　 ､f辷彡' ￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ‐ャ－ 、 f辷彡'　　 　 　 　 ｀　､
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ′ ハ　　f辷_彡^ー ｧ　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |　/ 　 ,f辷__彡　　　/　　 　 /／ 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ∨　,f辷__彡く　　　/　　　　/　　 　 　 　 丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　rｔf辷__彡'　ｉ　＼　　　　　 /　 ／/　　　 ｉ　‘,
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀Ｙﾍ　　　　 ､　-､|　 　 ｀ﾊ　/　/　ｲ　 　 　 ｉ
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |,ハ　 　 　 〉い |　　 圻ミ、＼　 /　 ｲ　i .ｉ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ‘,　ﾊ　　　〈　r( |　 　 弋rハ　 ノ イ ,′ﾊ:ﾘ　　　　……そうだな。
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ∨　 、　 ﾊ ヽ.:|　 　 i　　　　　　　厶ｲ ﾉ'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ∨//vﾍ{介f:::|　　 ｉ|　　　　　 fｹ 　 |　　　　　　 未来なき者にしかできないことがある。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |///////ハ:|　　 ｉ|　　　　　 〈 　 .ｉ|
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　＿ 」/」/」/」」/ﾊ|　　 ｉ|　 ‐ ､　 イ　　 ｌ|　　　　　　 私としても乗りかかった舟だ。
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　＞‐……―＜　 |ｉ 　 从
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ′　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::＞...　i| |　　　　　　　世界に一際大きな傷をつける、刃となってやろう。
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 」　　斗 ―－ァ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ !
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿_「￣ 丁　　　　 〃::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ｲ　
　　　 　 　 　 　 　 ....＜::::::::::::::: ′　,　 　 　 　 {!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/i|
　　　 　 　 　 　 ｆ ::::::::::::::::::::::: /　　/　　　　　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_/　}
　　　 　 　 　 　 | ::::::::::::::::::::::::′　 |　　　　　.':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〉





　　/　　　　　　　　　　　　i　　　　　　＼　　　　}　>
　 /　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　.|　／　ﾚﾍ、
　,　　　　　　　　 ヽ　　 i　 .|　　　　　　　|、　/　} ノ
　i　　　　　 .l　　　 i　　.ﾊ. ∧.i　　　　　 .| l /　　|' ﾞ;
　|　　　 .|　 i　　　 .| ／! }/　}ﾊ　　　　　.|,ﾉ　/ ./"　　　　　　　　　　ここにきて、私も死に方を選ぶことができる身になった。
　|　.i　　.|　 ﾄ　　　1. ,ﾑ斗:ｒ7 }　　　　　 |　 / ./:.:.:.:.:ヽ
.　i　l　　.|　 「＼　 .ﾊ/ Ｖツ　 ':/　　　　 .|　/ /|.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ　　　　　　自分の生もままならんのなら、死は思うがままにしたい。
. 八ハ　 ト　|'芯＼{　　´　　　ハ |　　　 ﾊ　/:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:/
.　　{　`:.ハ .ﾄ.}７　　　 　 　　　 }/|　　　.j　ｙ:.:.:.|:.:.:.:.:.:./　　　　　　　　最期くらいは、誰かの道具ではなく、自分の意思で何かを成したい。
　　　　　 | ヾ. :,ヽ　　　　 　 　 /　}　　　ｊ ∩こ)ﾞ,:-イ~
　　　　　 ｌ　　　|＼　 _　-,　　　　ｲ 　.,v⌒／: :ヽ:.:.}　　　　 _____,,　　　……できることと言ったら、ネクストでの破壊だけだが。
　.　　　　 ｌ　　 .|.　　　､ ´　　　／ﾉ-ﾏ｀／: : : : : :’、_ . : : : : : : : :
　　　　　　丶　 i　　　　　`ｰ ' >r"f ﾞ／: : : : : : : : /: : : : : : : : : : :　　　　それでも、あの人の糧にはなるだろう。
　　　　　　　 丶 ，　　　　　　⊂ﾞ_／: : : : : : : : ／: : : : : : : : : : : :

5134： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 21:09:09 ID:qbtouVQs0
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5135： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 21:26:19 ID:qbtouVQs0

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ニニニニニニニニニニ==‐‐‐　　　　 ‐‐――━━━━＝＝ﾆﾆ二二＿　　　　　　　＿二二ﾆﾆ＝＝━━━━──‐‐　‐=ニニニニニ
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企業連がかつて放り出した、自分たちの新たな家は、
思っていたよりずっと良い状態で残されていた。

汚染の除去処理も終わっていたおかげで、二十四時間ヘルメットを被って
暮らさなければいけないという制約も受けずに済んだ。

既存の施設も壊れているものも多かったが、それは主に海面より下の
軍事施設が主で、海上の居住区や通信棟、医療棟は形を残していた。

整備すれば十分使えるだろう、と真壁も声を明るくして言っていた。

少し外に出れば、冷たい潮風が海の匂いを運んでくる。
潜水艦と違って、空を眺めて、太陽が自分たちの頭上を通り過ぎるのを
感じられる。

かつて暮らしていたアマツに比べれば、洋上に浮かぶ無骨な鉄の島でしかない。
けれど、鈍色の潜水艦の中に押し込められていた人々は、
大半が安堵の表情を浮かべて、その鉄の島へと移り住んだ。
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5136： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 21:35:05 ID:qbtouVQs0

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　　　　　　　　　　　　＿　　　　 ,ｨfﾆｱf三ノ/_,イ「ﾏ=x＜´
　　　　　　　　　　　/　＿i＿ ∠｡ｨ升',｡＜f´ jI 斗 r=xヽ ﾞ" ＜
　　　　 　 　 　 　 /　 jｧﾆ(=ﾑf/彡＜>jｲ7,x/-r 〉 `ｰｲf^ｘ　 i　ﾞi ＜
　　　　　　　　　　l{　/〈ﾏy⌒7i´Οｨｱｲ./ ,.ﾑ / /{＼ ij ﾄ, ﾊ _l 　l　　}l
　　　　　　　　　　 Y-┼(。｡s＜彡'〈'､/fｨf／')"l{"!"}"i　i´ ﾏ! !｀"'｡＜
　　　　　　 　 　 　 i ,ﾉ　j' `"jｰ-=-‐ｨfゞ三X ﾏ"ヽV　乂彡l!├＜
　　　　　　　　　　,ｨf{,仍ﾊ　!Yヽ ＞'◇`ｰ‐ ｧ　iｰf ∧<ｨ'ゝ、l! V
　　　　　　　 　　/「i i弋ソ　`‐"7＜,∠ﾆ／　　　 /ｲ7 ヽ x- l{ V
　 　 　 　 　 　 /　 ).ｘ,_,ノ r'三j!＿ Y,ｨ‐示'i‐┐ l{f　 　 ∧　Y　V
　　　　　　　　/　 / _　　}l >zｭ`iｺ,i ゝ,ｘr┴ｫゝ!　l{、　 　 ∧　乂}l
　　　　 　 　 fﾘ　/ //　 ｲ7 !ﾉﾐi"i`i %彡ﾏ ',乂ｿ　! ＼　　　〉｡s｡,j!
　　　　　　　ゝ' /　` 　　i,'　 ﾄ､Lﾈ l　乂,ｫ　',　l!　 ヽ　＼　乂ﾐｔツ
　　　　　　　 i l{　ｨ ,. -=〈!　∧　i　 i ri　/乂 `┤　 ﾉ　　ヽ　 `´ }l
　　　　　　　　l{ 彡ｨﾁ"i"'if ，＼j___ i,!」j /⌒' X　　j,　　　}l　　 ∧
　　　　　　　　ﾏ'　i'`f ｘ""fヽ　　〉┴￣ i　,==xj! ,ノゝ込、l!　　,ｲ V
　　　　　　　　 弋 Y/7＿/　i ,ｨゝ　　 　 Yi　　iヽi ／ﾏ ´ノ_,. ｧiIiIi V
　　　　　　　　　　`ｰi´　 l　 l!乂 )　　　 ri├=┤',寸/ ∠,. イ . iIiIi V
　　　　　　　　　　　 l、／　 ヽ`j´　　 　 Y i　　i　ﾏ) ￣　　　　 ｉIiIi V

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充分なスペースと機能を持った新しい家。
そこに眠っていた資材や備蓄食糧。
そして自分たちを守る三機のネクスト。

疲弊と諦観こそ拭いきれないものの、それは確実に薄まりつつあった。
かつての自分たちの庇護者であった企業連から突如として爆撃機を差し向けられ、
ある人にとっては故郷であり、仕事場であり、安息の地だったコロニーを
消し飛ばされた、あの時に比べれば。

潜水艦アマツの司令室に対する暴動の影は、最早消え失せていた。

誰もが新たな生活を形作ろうと、自分ができることを始めた。
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5137： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 21:44:27 ID:qbtouVQs0

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　 　 　 　 　 　 ／.／i　ﾄ､ 　 i .!　　/i　.!＼＼
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　　　　　　　｀¨｀ ヽ、 i　! .∧ ! i ./　 !　i ,ゝ　´¨´
　　　　　　　　 　 　 〉.! .i　 / i_.! ∨ .!　i〈
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　　　　　　　　　 ヽ、　i,':::{ i　　　 i }::', .!　／
　　　　　　　　　　　∨_}､::{/:.､__,.:'ﾏ:ノ i_/
　　　　　　　　　　 , '´ 　゛´＼::::／｀゛ 　 ｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　 r-､-
､_　　　　　　 　 X 　　　　　 }ililili{　　　　　　X　　　　　 　 　 _/{二二}､_　＼　 ｀ヽ、
,} ヽ　　　　　　{、 ヽ、　　　Y ￣ Y/　　　／ .,}　　　　　　　/ {!　　　　 } ヽ　 V/ 　 ＼
　　〉　　　　　　 ｀ヽ､Ｖ/　　ヽ |! / 　 　./ ／　 　 　 　 　 /　 V/　 　./　 }!,-､V/　 　 ＼
　 /}_＿_　 ＿__　 ／ヽV/ i　　　　 i　 /'´ ヽ　 ＿__　 ＿_ﾏV/ V/___/ 　 /j}　 ﾏ∧　　　 ヽ
. /／　_ ｀ヽ 　 ∧｀ヽ､ .V/|　 　 　 | ./ ,。＜ /　　/ ´　_　ヽV/ V__/ 　 /､}　　 }/i}　　　　 V/
//　 {＿}　 V/　∧_.{､ ヽ,!i|　 　 　 | ／　, }_/　　/ 　 {＿}　.ﾏV/　　　./ ,j}　 　 }/}　　 　 　 }/
.{>､__＿_　　.V/　∧ ､{ヽ.V!　　i　　|,　/´i. /　　/　 　_＿＿_>‐V/　 ./-,j}　　　 }/　 　 　 　 }/
..｀ー‐―＜>､V/　∧　｀ Ｖヽ、.i._／ ./´　/　　/ ＞ﾟ´＞－― '　 ー‐'　 ヽー

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だが、事態はこれで解決ではなかった。
この鉄の島に居座った自分たちは、企業連から全滅を望まれている。
市民IDは既に消されているだろう。口座もとっくに凍結されているはずだ。

この状況をどうにかしない限り、社会に与さない自分たちは、社会に押し潰される。

道は、たった一つだった。
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5138： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 21:47:18 ID:qbtouVQs0
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5139： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 21:57:01 ID:qbtouVQs0

〜その夜　潜水艦アマツ　CDC内部会議室〜
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いつものようにメディカルチェックを終え、患者衣から普段着に着替えると、
CDCへと重い身体を引きずって向かった。

潜水艦内は静まり返り、あちこちに毛布を敷いて転がっていた誰かもいない。
みんな、新しい家へと引っ越していったのだ。
潜水艦が身を寄せている洋上基地内では、今でも騒がしく入居作業が行われている。

残っているのは一部の作戦班と整備班だけだ。

だが、やがて自分たちも移り住むことになる。
整備さえ終われば、潜水艦内よりも遥かに利便性が上だからだ。

CDCへと辿り着くと、資材や機材の移動計画をあちこちに伝えつつ、
神妙な表情で顔を突き合わせるなのはたちがいた。
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5140： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 22:04:19 ID:qbtouVQs0

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　　 　 　 `! !.　　　 ､,.ヽ!　　_./／' ,. ｨ　 i　! }
　　　　　　', !　　　 /､ﾉ|　　 .た!ヽヽ/ ノ'　;.ﾉ
　　　　　　　、 、　,ﾍヽ.l 　 l l　　　´　,/,ｲ/
　　　　 　 　 V/＞/∧ l　　!l.　　 　 {.'　.l
.　　 　 　 　 _l'/////∧l　　l|　　､　,.ゝ　l　　　　　　　　　邪魔をするぞ。
　　　 　 ,ィﾆ二二ニ_＜,.――--＜!　　l.|
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　　　　　 ／::/、　　 　_≠ '´　　 /::::::jソ7 /　　　!、　　　　　　　　　　　　　ほぉ、大したもんだ。作戦指揮、医療班、
　　　　 /::::::/｀ー─ ' ´　/ /! ／ !::::/l　／ 　 　 　 ｀　 ､
　　 　 /:::／＼ i |!_　　　7_,.／ 　 Ⅵi／　　　　 　 　 　 ｀　 、　　　　　　　　整備班に戦闘部隊長、きっちり揃ってやがるな。
　　　./::/´￣/ ＼'l｀ー '´　 　、　 ／　 　 　 　 ノ　　　　　　＼
　　　l:::/:::::::/　　　l__ノ＿_ _／　 〈　　　　　　　　　　　 　 　 　 l＼　　　　　　いや、企業の残党なんだから当然か？
　　　l:/:::::::〈　　　 ､｀1 ー　　　 /　,　　　　　　　　　　　　　　　j::::::＼
　　/::|!:::::::::::＞、　　 , !　　　　/＿,ﾍ　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::＼　　　　なんにせよ、テロリスト集団としちゃ破格だな。
　　l::::!:::::／:.:.:.:.:.T　､　 ､＿ ／:::::::::ノ　　 　 　 　 　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::
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遅れてアルトリアとクーガーが入ってくる。
堂々と気後れする様子もなく空いた席にそれぞれ腰を下ろす二人に対し、
周囲の人間が一斉に息を呑むのが分かった。
吸い込む空気がやけに重くなる。

この場において、二人がいるのは道理なのだ。
それは分かっているが、受け入れられるかどうかは別だ。
自分はともかく、他の面々はそれぞれ別の形で緊張を滲ませていた。

間は恨めしそうにアルトリアを睨んでいるが、それは別の問題だろう。
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5141： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 22:11:57 ID:qbtouVQs0


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　　　　　　　　　　　　　　／ ヽ　　　　}=-　＜ /: ハ　　r　、　　　 ／ : : :/:ノ: : ll : : |///l/////l
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「とりあえず、現状報告からといこっか。
今回は良い知らせが山盛りだねえ。状況は最悪だけどね」

篠ノ之束が背もたれに体重をかけ、足を組み替えながら口を開く。
皆それぞれ疲弊しているが、彼女はその中でもタフな部類の人間らしかった。
目の下に隈ができており、血色も悪いが、その飄々とした態度だけは崩れていない。

気の抜けそうな甘ったるい声で、淡々と軍事的な報告を述べるのには、
相も変わらずギャップを感じる。

「潜水艦内で整備や修理を行うよりも、基地内の格納庫を整理して使った方が
いいくらいだねぇ。第一、第二、第三格納庫ってあるんだけど、
第三格納庫が綺麗に残ってたんだな、これが。
残念ながら実験棟は割と消し炭だったけど」

その「残念ながら」のフレーズの部分で、ひどく気落ちした様子になる。
トーンもあからさまに落とされていた。個人的な感情が多分に含まれていた。

「外装、内部機関含め、ネクストのパーツも結構見つかったよ。
旧式のものばかりだけど、色んな企業のパーツが転がってた」
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5142： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 22:19:22 ID:qbtouVQs0

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　　　　 　 　 .//: : : | : 八|　ﾚ　　.∨人　 ヾ:_:_{＿ ｨ.|: : :. :.ﾘY: 八　　　　　　　　　　　　一機くらいは組めるよ？
　　　　 　 　 .〈 : : : :| : : : '《芹芯ﾐxV:_:{　　ｲ芹しｒﾘ ﾘ: : : /./: : :∧
　　　 　 　 　 /＼: :八: : :∧　乂ツ　 　 　 　 ゞ- ' ./ : : /ｲ:}: : / ∧　　　　　　　　　　　ちょうど今、機体のないリンクスもいることだし。
　　 　 　 　 ./: :, -ヽ:{r＼: : ヽ　　　　,　　　　　 　ｲ/}.イ: : :/: : : / ∧
　　　 　 　 /: :/　 　.ｒｸ　{≧=＼　　 _＿_ 　 ,　 　 ／ l| : :/｀ーｚ､ : 人
　　 　 　 ./: r'-､,､　.》 　l|: : : 个　. 　ﾏ　　 ﾉ　 ／ ／} : /　 　 〈￣ ｀ヽヽ
　　　 　 /: : 〉イl{　ー ､　.V: : / ト､＞　こ　. イ ｲ/　/ : { 　 　 ハ　　　.V∧
　　 　 ./:f￣ ノ//ゞ-､. V.ﾉ: : {　{　 ｀　､｀´　. -{./　/{ : ﾉ　　　《´　 　 　 V: ヽ
　　　 /: :｀ヽf￣￣.フ∧ }.Y : ﾊ .!　　　 　 ｒ ､. ｀|　.ﾊﾊY 　 　 .ﾉ　　　　　 |: : : ＼
　　 ./: : : / .}-=≦ノ./∧∨: :}　｀}　　　　 {　|　 |　{ {: ﾉ　　　 {{　　　　 　 |: : : : : :＼
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　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:|斗ぅ＝ミ :|:.:.:.:.:|ｧう＝ミ: |:.:.:.:|:.:.:.:.: |
　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:{　)いﾊ　从:.:.:.:.|　)いﾊ Y:.:.: ﾉ:.:.:.:.: |　　　　　　　　そう言われるんを、ずーっと待っとったわ。
　　|:.:|:.:.:|:.:|ﾍ:.人:.:.:　乂;;ツ　　 ＼:.| 乂;;ツ 从:.Λ:.:. /:.|
　　|八:.:.|:人:|:.＼＼ト''　　　　　　　　'''　　/:.:.:/　}:.:.:.:.:.|　　　　　　　　 私かてリンクスや。ネクストさえあれば、力になれる。
　　 　 ＼ 　 |:.:.:.:.:.八　　　　 '　 　 _,　　 /彡/_,ノ:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　八:.:.:.:.:.个　　　｀　　　　　　 イ:.:.:.:| :.:.:.:. |:.|　　　　　　　　 ……待たせてもうたなぁ、やる夫君。ずっと一人で戦わせてしもて。
　　　　　　 /:/:.＼／￣　　　　 　 　 ＜ |＼__:.:|:. /:.:八|
　　　　　／:/⌒∨ :. :. :. {＼＞r≦.　　ノ| : :. :. :. :.＼:.:.:|　　　　　　　　 今更になってまうけど、これで私も肩を並べられるっちうわけやねんな。
　　　 ／:.:./ :.:.:.: ∨:. :. Λニ=‐‐=ﾆﾆﾆﾆ|:. :. :. :. :. :./:.八
　　　⌒ｱ/:.:.:.:.:.:.:.:∨ /　 ∨二二二.／｜:. :. :. :. :/:.:.:∨＼
　/￣￣/::::::::::::::::::::∨　　　Ｖニ＞''´　　|:: :: :: :: /::::::::::∨__
:: :: :: :: 厂￣￣＼:: /{＿_／{⌒｀}＼　　Λ::: :: ::/::::::::::::::::⌒＼
:: :: :: :/:: :: :: :: :: ::.:}::::{／　　{:::: /　　＼j:::::＼::/:::::::::::::::::::::::::::::

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
その一言を受けて、はやてがぱっと表情を明るくした。
目を見開き、こちらに向けて口の端をにっと上げて見せてくる。

正直、複雑だった。
彼女が戦場に出ないことに、安堵している自分がいたからだ。
ネクストがない限り、彼女は戦場に出られない。
安全な場所で自分の帰りを待っていてくれる。

けど、そうも言っていられないのも現実だし、それを押し通すのは傲慢だ。
男の傲慢だ。

はやてが一緒に戦ってくれる。形が変わるだけだ。
彼女の下に帰るのではなく、一緒に帰るようになるだけだ。

そういった形に考えを切り替えれば、胸の内も少し軽くなる。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5143： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 22:27:54 ID:qbtouVQs0

　　　　　　　 ／: : : : :／: : : : : : : : :／: Y: : : : ＼
　　　　 　 ／: : : : ／: : : : : : : : : : /: : : :l/:ヽ: : : :＼
　　　　　/: : : : : /: : : : /: : : : : : :/: : :/∨:l : lヽ: : : ヽ
　　　　 / : : : : /: : : : /: : : : : : :/7: : l─‐ﾞl: : l_l: : : : :l
　　　　 l: : : : : l: : : : /: : : : : : :/ l: : : l　　 l: : l l: : : : :l
　　　　/: : : : /: : : : l: : : : : :ノl　 l: : : l　　 l: :ｌ l : : : l: l
　　ゝ-'/ : : /: :/: l: :l: : : ／ 弋‐-ヽ : l　　 l: ｌ l: : : : l: ﾞ､='ﾞ
　　 ゞ=: : ｰ:f''ﾞ l: :l: :l: : /ゝ辷廴ヽ　l:ﾘ　､zｬ二l: l: :l: l､: l　　　　　現状、ノーマル隊の損失も少ない。
　　　 T: : : :ｌ　 ヽ:l : lヾヽ　　　　　 ﾉ/ l　ヾ'-ヾ∧: l:ﾉ l:ﾘ
　　　　ヽ: : : ＼　ヾ: l　　　　　　 ／　 l　　　l: :l: lノ　 l/　　　　　 ここまでよく、こんだけ生き残ってこられたもんだ。
　　　　　ヾ: : : :ゝ- ゞﾞ=-'　　　　　　　 〉 ､__ﾉ: :l:/
　　　　,　ﾉ : : : : ハ　　　　　　　　　　　　 /: :(ゞ　　　　　　　　　　戦闘行動には一切問題はないぜ。
　　　　ゞ7: : : : :l　　　　　　　 　_ --､ 　 /ゞ=‐'ﾞ
　　　, - l: : : : l､ゝ__ノ ＼　 　 　 二 　 /
　　 /　 ＼l: : :l‐-　_　　　＼　　　 　 /
　　/　　　　￣¨‐-､ ￣　‐-　｀　-┐'‐- ､
　 /　　　　　　　　/ヽ　　　　　￣ ∧　　　＞、





　　　　　　　 　 　 　 　 l:::::::::: !:::::::::::::::::: ,':::::/:::::: }::::::::::::';::､::::::ヽ::::::::＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 l::::::::::::|:::::::::::::::: ,':::::/::::::::::l!:::::::::::::';::';:::::::::';:::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　l ::::::::: |::::i ::::: i::|::!:/:::::,ｲ::/!::::::::: i!:|､:}､::::: i:::::::::::/
　　　　　　　　　　　 　 l::::::::::: |::::|:::l::::l::|'l/|‐-"|/､|:::::::::/ﾚ'_|!」:: i::|::::::::;'
　　 　 　 　 　 　 　 　 ,:::::::::::: |::::|:::|:: l::| rﾁてﾄ、 ,':::,ｲ/,二,_l |::::|:;' :::: i
　　　　　　　　　　 　 /:/:::::::::::|::i:|:::|::::';:l 乂ツ_　/／ " l'ｿﾘ`/::/!':::::::::|
　　　　　　　　　　-="/::::/::::::;'::|:|:::|::::::';;､　　　 ´ 　 　 ¨"''/::ｲ::::::: i:i::l　　　　　　　　基地内部の防衛設備もいくらか生きていた。
　　　 　 　 　 　 　 ／_; ｲ:;ｨ'/,ｨ'::|:::|::::::::'ﾐ､　 　 　 　 ,　 　 /:::|::::::::从:!
　　　　　　 　 　 　 　 　 " |´/／l:::|:::::::::::',`　　 　＿　 　 /!:::/::::::/,' ヾ、　　　　　　　まだ動くミサイル砲台やCIWSも見つかっている。
　　　　　　　　　　　　　 　 l::´::::|: ｀i'=z､::::',　　　　　　 ／-|;/!::::://
　　　　　　　　　　　 　 　 /::::::::;':::: |:::::|､｀ﾞ'' ｀''　 __,...:"::{ニ}_ |／/　　　　　　　　　　　まあ、稼働させないのが一番だが、
　　　　　　 　 　 　 　 　 /::::::::/:::,ｨ.|:::::|;;｀'z､_　　/ﾍ:::::/{ニﾄ,',
　　　　　　　　　　　 　 ,.::::::::::,ィ": :.|:::::|;;;;;;;;;;;;;>_<;;;;;',ﾞ.、{ニ} i ',　　　 　 ,.ﾍ　　　　　　　もしもの時の防衛戦も可能だ。
　　 　 |＼ 　 　 　 __／,,...-='| |: : : |:::::|;;;;;;;;;;/　　ヽ;;;',:.:.|:::::|', '.,'.,_　　／: : |!
　　　　l＼＼-=''" : : : : : : : :.| |: : : |:::::|;;;;;;;;/、　　 !､;;|: |:::::| ',　'.,{ ∠_: : : :||
　　　　|: : ＼＼ : : : : : : : : : :| |: : : |:::::|;;;;;;/;;;;;ヽ　 |;;.',!: l:::::|: :',／: : : :ヽ: : ||

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
ディランディと黛が冷静に状況を述べていく。
この基地は基本的に潜伏先として使う方針だった。

誰にも知られず、海中から出撃し、海中から帰投する。
潜水艦を戦闘時の水中母艦とし、ノーマル機を護衛機として、
ネクストによる長距離移動からの強襲による作戦遂行を主とする。

あくまで海上の基地は、息を潜める場所だった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5144： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 22:31:59 ID:qbtouVQs0

　　　　　／　／/::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　 /.／ イ::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ:::::::::/::::::ﾉ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
.　 　 　　 /./　//:::::::::::::::::::::::::::::/　|:::::/::::::/ i::::::::::::::::::::::::: _ _ :::::::::::::::
　　　　　 |/　//::::::/:::::::::::::::::ﾊ:::| ./:::/三≧/／/::::::::::::::/　_　ヾ:::::::::::
　　　　　 |　/ .i:::::/i::::::::::::::::::| 升彡イニ￣ 　 /／i::::::::::| /　 ） i:::::::::::
.　　 　　　　i　.l::/ ｨ::::::::::::::::::|　ヾﾃr j ／　　 　　./::::::::::| ） /　.|::,:::::-
.　 　　　　　|　.| ﾊ i:::::::::::::::::::ミ､　）‐'´　　　　　 /::::::::::::| / - ' ´三三
.　　　　　　 |　　| |.ﾚi::::::::::::::,､:ヽ＼　　　 　 　 ./:::_::::-:::'::´三三三三　　　　　医療棟の存在は、俺たちとしてはかなりデカいな。
.　　 　　 　 ヽ　 | |　|:::::::::::/　｀ﾐ､_ ＼　　 _　- ' ´三三三三三三三
　　　　　 　 　Ⅶ　Ⅵ::::::::/_　　-　　　 Y´三三三三三三三三三三　　　　　 単純にベッドが増えるってだけでもデカい。
　　　　　　　　 ヽ　 V:::ﾊ:::::::＞､　　＿ .＼三三三三三三三三三三
　　　　　　　　　　／ヾハ:::/三 >'￣　　　 ヽ三三三三三三三三三　　　　　　だが、如何せん人手が足りん。
　　　　　 　 　 ／三三三/三三ﾆ｝￣　　　 V三三三三三三三三三
　　 　 　 　 ／三三三三三三三::i､　　　_ ィ ト三三三三三三三三　　　　　　 素人でもいい。人体を丁重に扱える奴なら構わん。
　　　　 　 <三三三三三三三三三三三三ﾆ.| ヽ三三三三三三三
　　　　　 　 ｀ -　､三三三三三三三三三≧／:::＼三三三三三三　　　　　　　医療班の増員を希望する。
　　　　　　　　　　 ｀ - ､三三三三三 ／／/）:::::::::人三三三三三三
　　　　　　　　　　　　　　＼三三ﾆ.／／/.//::::::::/ | |三三三三三三





/∧　／: : : : : : : : ／: : : : : : : : : :彡: : : : : : }ミ: : )
//∧': : : : /: : : : /: : : : : /: : : : : :}: : : : : : : :{: : : 乂
///∧: : :/: : : : /: : : : : /: : : : : :/: : : : : : : : 乂: : : : ヽ
////∧: {: : : : /: : : : : : : : : : : :/{: : : : : : : : : : : ヽ: : : }
/////∧: : : :/: : : : : : :{: : : : :,/ 乂＿: : : : : : ヽ: :}: : /
//////∧: : {: : : : : :.:.人: : : :.{∠三三ヽ: : : : : :ソ: : 乂
///////∧: {: : : : : : : : :.＼:.人　 ＜以 ヽ: : ／: : : : :ハ　　　　　　　戸籍データの中から医療福祉職を洗い出し、声を掛けよう。
////////∧乂: : : : : : : : : :ト､_＼　　..::　}／　`''＜.从/
/////////∧　＼: : : :、: :人　⌒ 　　　　　　　　　/　　　　　　　　　長い缶詰生活のせいで体調を崩している者も多い。
//////////∧ 〈 　￣｀`ヾハ　　　　　　 　 　 　 /
///////////∧ ゝ　　　　　　　　　　　　,,　 '' ''　)　　　　　　　　　　 最大限のサポートを約束する。
////////////∧＿Y　　　　　　　　　　 r ／ 二)
///////////// |: :{ !　　　　　　　　　　〈　　　　|
///////////// |:从 !　,,　　　　　　　　 　 　 　 |
///////////// |:〈 今s｡.., ,, ,, 　　 ,,　　　　　　 |
///////////// |　　　　　　　 ｀゛¨ '' ‐-　...,, __人＿＿
///////////// |_,,..　-‐　'' "´:::::::::::::::::::::::::::::::::＼:i:i＼i:i｀`〜､、
///////////// |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:i:i＼i:i:i:i:i:i:丶
//////////////:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∨:i:i∨i:i:i:i:i:∧

5145： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 22:36:03 ID:qbtouVQs0

　　　　　　　　　_ノ: : : : 彡: : : : : :`ー-　、
　　　　　　　.／: : : : : : : : : : : : : /: : : : : :＼
　　　　　　 /: : : : : :.:/: : : : ／: :Y: : : : : : : : :ヽ
　　　　　　 ): : : __: :/: : :,／: : : :从: : : ヽ: : : : }
　　　　　 ./: , -'_ノ: : : :/: : : :／⌒ｱ: : : }: : : : }
　　　　　〈／／_〈: :／｛: : : :.}　　ハ: : : : : : : :,′
　　　　　.'　/　/: :V__ 〈: : : :/　 ＿_∨: : : : :/　　　　　　　　　　　　　　　さて。それでは、ずっと避けてきた話題に触れようか。
　　　　　| /　/-- ､茫ﾄ.〉: /=≦茫ﾃ }: : : :/(
　　　　　|,′´ ,へ_｝￣ {ﾊ{　`ｰ　　 ,八: ,ｲ}: }―､――――　 ､　　　　　　……我々は今後、どうするのか。
　　　　　( 　 ノ ,_　〉　　..:; 　　　 　 },／_ノ:./::::::∧　　　　　 　 ∨
　　　　　 ヽ　　ゝｲ:,　　, ,ヽ , , ,　　　 /: ／:::::::::: ∧、　 　 　 |::::∨　　　　この洋上基地で老衰するまで暮らしていくなど不可能だからな。
　　　_､‐''゛ ヽ　　 ＼､{ - -- - ､}　 ｨ(},/::::::::::::::::::/::::.　　　　 |::::: ∨
_､‐''゛ ／: : :.∧　　　 ヽ ,ﾉ;,,　 , , メ:i:i:i:∧::::::::::::::/:::::::|　 　 　 !::::::|　,
　 　 /＼__, --〉　　　　〉ー‐=≦:i:i:}:i:i:i}　,::::::::::/::::::::::| . 　 　 |:::::::| ｜
　 　 |::::::::/ー !　 　 　 |、: ＼:i:i:i:i:i:}:i:i:i}　∨:::::|::::::::::::|　　　　|:::::::|　乂
　 　 |:::::/: : :./｀丶、＿| ＼: :.∨i:i: }:i: ﾘ　｜:::/:::::::::::/　　　 /::::::/ 　　 ヽ
　 　 |: /: : :./　　　　　 ｱﾄ-＼:∨i:i:i: /　　|::/:::::::::::/　　　 /::::::/／::::::...　∨
　　 ／:::|／　　　 　 ／::::::::／　＼:i:/ . 　 |"::::::::::::|　　　 /::::::/:::::::::::::::::ヽ ∨

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
一通りの報告と方針や日程が決まったあたりで、真壁が重々しい口調で切り出す。

それは誰もが心の中に常に抱えつつ、口にしなかったことだった。
場が一気に静まり返り、どんな言葉を発すればいいか分からず、
誰もが口を噤んでしまった。

拠点を手に入れて腰を落ち着けた今、ひとまずの目標は達せられた。
状況は次の段階に移っている。
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5146： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 22:42:56 ID:qbtouVQs0

　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 , -----　、
　　 　 　 , -‐‐‐ ､, ＜´￣￣:.｀:.ヽく:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ、
　　　 ／--=:.ァ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ、＼:.:＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ｉ
　　 ／／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.ヽ:.:.ヽ:.:|',:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　 　 /:.:.:.:.:.:.:l:.:.|:.|:.|:!:.:.:.:ヽ:.:.ヽ:.:.:.ヽ:.:ヽ|:.ｉ:.:.:.:.:.:.: : |
　　 ,':.:.:.:/:.:|:|:.:.|:.|:.|:.',:.:.:.:',ヽ斗---ｉ､:.:ｉ:./:}:.:.:.:.:.:.:.:|
　　 ｉ:.:.:/:.:. |:.:',:.:ゝ--＼:.:.|　,示气､.|:.:.}:ｌ_||:.:.:.:.:.:.: |
　　 .',:.:ｉ.{:.:.:|:.:.ヽ:〃沁､ ヾ､.　{:::::Ⅳ|:./:|ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　',:.| ',:.:.|＼:ヽ｀.',:::j　　 　 .ゞソ 〃:|/:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　　　　　ネクストを四機、そのどれもがトップランカー相当。
. 　 　 ﾘ　ヽ|　 ヽヽ._ゞ′,　　　　 /|:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　　 　 　 |　　 |:.:ト、　　_　　　／:.:/|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　　これだけの戦力を揃えていれば、ただのテロリスト集団とは言えない。
　　　　　　　　　 |ヽヽ＞ 　_ ∠　//| .!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　 　 　 　 r‐‐｀ヽ-.／|ヽ ／　/.| ､:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　　　　　 企業連に対抗できる、新しい勢力として成立してしまう。
　　　　　　　　 |:::::::::::<´　 .| /.|　 /　.ヽ::::｀::ヽ 、:.|
　　 　 　 　 　_|:::::,-- ＞.‐Ⅳ/.Ⅸ|　＞｀::::::::::::::::::｀ヽ　　　　　　……企業連からの攻撃も熾烈になるだろうね。
　　　　 　 　 { |:::/　 |　　 |｀:ヽ/　ヽ- ｀ヽ、:::::::::::__./
　　　　_　　 .{ |::/!　　|　　|::::/　　 ／ .|　 /ｌ::::〃　 }　　　　　　 けれど同時に……企業連に抵抗できる可能性すら出てきた。
　　　 | |＞ ､7／　　　i!　.|:/　＞´　 　 |/　.|::{{　　 ,'
　　 　.|.|　　./　　　 　 .ヽ|／　　＝＝ .|　　 |::｀ - ′
　　　　|.| 　.{　　　　　　0ゝ　　　　　　 |／　 |::/:. |
　　　r､r､　 ', . 　 　 　 /　 　 　 　 　 |/　　 .|/: . |
　　　ゝ｀￣ヽヽ､＿＿ .ｉ　　 　 　 　 ./ 　 /　/:.: . |
　　　 }　 　 /｀ ヾ- __ ﾟ{- ､ ＿＿__ / ／　　,′:.:.:|
　　　ヽ、　,′　　//　｀　ヽ-- __ rﾆﾆ--　 /:.:.:.:.: |
　　　.{ヽヽｉ　　　 ｉ.ｉ　　　　　　　　 ヽ＼　 /:.:.:.:.:.: |

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なのはの言うことは理解できる。オルデンブルクですら、
あのロストワードを擁していたとはいえ、たった二機のネクストで
四大企業としての地位を確立してこられたのだ。

そしてこの基地には今、四機のネクストとそのリンクスがいる。
自分のマーシフルに、ネクスト戦役の生き残りであるはやて。
企業連相手に抗戦したクーガーのシュクヴァール。
かつての企業連最高戦力とされたアルトリアのリンドヴルム。

それらが意味するところは、誰もが分かっていた。
分かっていたが、嬉々としてそれを口にすることもなかった。

それはこの時代における禁忌だったからだ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5147： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 22:49:34 ID:qbtouVQs0

　　　　　　　　　　　　　　＿ r―ｧ-､―- ミ
　　　　　　　　　　　　　/＞''"~"''＜⌒l　　　｀　＜
　　　　　　　　 　 　 　 7／／ヽヽヽﾔ⌒〉　　　　　＼
　　 　 　 　 　 　 　 　ψ／／/ ソﾉ }-〈 　 　 .|　　ヽ ∨
　　　　　　　 　 　 　 r{ゞ、＞''´／ / Y′　　 .|｜　 ﾊ ∨
　　　　　　　　　　 　 }ﾍゞ｀''＜彡‰ソ　 !　!　 !＼ / ｌ| ﾄゝ
　　　 　 　 　 　 　 　 V乂三∠⌒)´ !∧|　|　.｣ﾉﾚ' | ﾘ |
　　　　　　　　　　　 　 廴乂＿)ノl l 八（l　ﾍ八ｿ｀ﾒ|/ /
　　　　　　　　　　　＞''⌒7^Y⌒ ヽ、,人| 　 ﾍ{｀¨乂ﾚ′　　　　　　　　　　　　　分かり切ったことを。
　　　　　　 　 　 ／===／｀nﾍ=====＼ilＮ　 | __　/
　　　 　 　 　 　 ＼=／===l.l= ＼===／　|　 |　／　　　　　　　　　　　　　　　　 生き残る道など万に一つしかなかろう。
　　　 　 　 　 　 　 ´/====|.!==== <´≧〈从 |´
　 　 　 　 　 　 　 ＿≧s､_ﾉﾊ_==== ﾏﾆﾆゝ-`‐…￢冖ニニアl　　　　　　　　　 企業連を力でもって屈服させる。
　　　　　　　_　＜ﾆ／ﾆ二二Y ￣￣ ニニﾆr'ニニニニ＞''´ =|
　　　　 r＜ニニ／ニニニﾆ/二二二ニニﾆ|ニニニ／二二ニ|-｢ヽ∧　　　　　　それしかない。
　　　　 ∨=ニニニニニ二/二二ニニニニニニニニニニﾆﾆ上′ﾆﾆ＼
　　 　 　 Vニニニニニ／:⌒"''＜ニニニニニニニニニニニニ乂ニニﾆ　　　　　「どうやって？」
　 　 　 　 {／ニニﾆﾆ/　 :　　　　 ｀ マニニニミニニニニニニニﾆ＼ﾆﾆ
　　 　 　 <=／ﾆﾍ二/　　:　　　　　 　 ｀'マニニニミニニニニニニﾆﾆ＞　　　　　　できないと思うか？
　　 　 　 〈´ﾆﾆ二∀　　　　　':, 　 　 　 　 ｀'マﾆﾆ／冫､ニニニニニニﾆ
　　　　　　}／二二{　　 ,'　　　 ':, 　　　　　　: :￣i　.ｲﾆ=}｀''＜ニニニﾆﾆ
　　 　 　 /ニニﾆﾆΚ　,'　　　 　 '　　　　　　 : : ／ﾆﾆ=/ 　 　 ｀''＜ニニ
.　 　 　 /ニニニﾆ∧＼　　 ',　　　　　　　　_ イ二二ア　　　　　　　 ｀''＜
　　 　 /二ニニﾆ/　∨_＼　 ',　　　　_　＜ニニニ／
.　 　 /ニニニﾆψ　　V二｀‐┴―≦ニニニニニﾘ
. 　 Yニニニ=／| 　 　 VニﾆГニニニニニﾆ彡〈
　　 {ニニニﾆﾆ/ヽ.　　 {ニニﾍ二二二ニニニﾆ/
　　 ∨二二ニニニ＼ /二二/二二ニニニニﾆ|





　　　　　　　　　　　　　　 　 　_　-――――-　_　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　∠　　　　　　　　　 　 `　､＿}_
　　　　　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　､　` ､⌒ヽ
　　　　 　 　 　 　 　 ／　　　 　 　 /　　 　 　 　 　 ＼ 　'， /
　　　　　　 　 　 　 /　 　/　　　 　'　　　　　　　　　　 | 　 '/＼
　　　　　　　　　　 '　　　′　　　/ 　 　 　 　 　 |　 　 |　 　､ノ}
　　　　　 　 　 　 ｌ{ 　 / 　{　　 /{　　　{ 　|　 　 |　 　 |￣ア}ノ＼
　　　　　　　　　 八 　|　　',　　ｌ 　、 　{ 　l　、　|　 　 |／　ﾊ___ノ　　　　　　企業連がなぜネクストを使いつつも恐れたのか。
　　　　　　　　　 　 ＼|'， ∧|　|　　＼_{＼|＼＼|　 　 | 　/ /⌒}
　　　　　　　　　 　 　 | ∨ｬ竿ミ　　　 　 斗竿ミ|　 　 |／ /__ ノ　　　　　　　簡単だ。奴らは「この状況を恐れていた」のだ。
　　　　　　　　　 　 　 | ∧ 　Lソ　　　　　　Ｌソ |　 　 |ヽ/⌒＼
　　　　　　　　　 　 　 |　ﾊ　　　　　　　　　　　　|　 　 |ノi:i:i:i:i:i:i:＼　　　　　　ネクストは絶対的な戦力でありつつ、個人の意思で動く。
　　　　　　　　　 　 　 l 　込、 　'　　　　　 　 　 |　 　 |＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:'，
　　　　　　　　　 　 　 |　 　| ＼　　 r_、　　　　 ,|　 　 |､ｉ:i＼i:i:i:i:i:i:i:}　　　　　 時代の支配権が、個人の意思でのみ動くのだ。
　　　　　　　　　 　 　 |　 　|　　 　、　　　　 　ｲｌ|　 　 '{i＼i:i:）_ｉ:i:／
　　　　　　　 　 　 　 人 　 |　　 　 l｀　‐ 　´ 　 ｌ|　　/i:V⌒i:￣{　　　　　　　　大衆はともかく、個人の意思を制御できた試しなどない。
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ､| 　 　f≧======≦_| 　,'⌒i{i:i:i:i:i厂
　　　　　　　　　　_-=ﾆﾆ=-　__ﾉvﾆﾆﾆOニニﾆ=|／二⌒⌒^
　　　 　 　 　 　 _-=ﾆﾆﾆ／ニニ＼ﾆOﾆﾆﾆﾆﾆノﾆﾆﾆﾆ≧ｧ≦⌒＼
　　　　 　 　 　 _-==ﾆﾆ {ﾆﾆﾆﾆﾆ／＼ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆニ'，
　　　　　　　 　_-=ﾆﾆﾆﾆ〉二二ﾆ＼／二二二ニﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ'，
　　 　 　 　 　 _-=ﾆﾆニ/ﾆﾆﾆﾆニ/二二二ニﾆﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ'，

5148： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 22:54:14 ID:qbtouVQs0

　　/　　　　　　　　　　　　i　　　　　　＼　　　　}　>
　 /　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　.|　／　ﾚﾍ、
　,　　　　　　　　 ヽ　　 i　 .|　　　　　　　|、　/　} ノ
　i　　　　　 .l　　　 i　　.ﾊ. ∧.i　　　　　 .| l /　　|' ﾞ;
　|　　　 .|　 i　　　 .| ／! }/　}ﾊ　　　　　.|,ﾉ　/ ./"
　|　.i　　.|　 ﾄ　　　1. ,ﾑ斗:ｒ7 }　　　　　 |　 / ./:.:.:.:.:ヽ　　　　　　　　　ナノハよ、考えてみるがいい。
.　i　l　　.|　 「＼　 .ﾊ/ Ｖツ　 ':/　　　　 .|　/ /|.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ
. 八ハ　 ト　|'芯＼{　　´　　　ハ |　　　 ﾊ　/:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:/　　　　　　　　まだ国家があった頃、核の時代を思い出してみろ。
.　　{　`:.ハ .ﾄ.}７　　　 　 　　　 }/|　　　.j　ｙ:.:.:.|:.:.:.:.:.:./
　　　　　 | ヾ. :,ヽ　　　　 　 　 /　}　　　ｊ ∩こ)ﾞ,:-イ~　　　　　　　　　　その時代に……一つの勢力が核を独占したとしたなら、どうなった？
　　　　　 ｌ　　　|＼　 _　-,　　　　ｲ 　.,v⌒／: :ヽ:.:.}　　　　 _____,,
　.　　　　 ｌ　　 .|.　　　､ ´　　　／ﾉ-ﾏ｀／: : : : : :’、_ . : : : : : : : :
　　　　　　丶　 i　　　　　`ｰ ' >r"f ﾞ／: : : : : : : : /: : : : : : : : : : :
　　　　　　　 丶 ，　　　　　　⊂ﾞ_／: : : : : : : : ／: : : : : : : : : : : :





　　　　　　　　　　　　　　　 ,　------- - 、　/:.:.∠ -‐‐‐- 、
　　　 　 　 　 　 　 　 　,イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ´___＿＿ ___ ｀ヽ、
　　　　　　　　　　　 ／:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:、:.:.:.:.:｀ヽ、｀ヽ ｉ
　　　　　　　　　　 /ヽ:.:.:.:/:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:./:.:!:.:!:.:|:.:ヽ:.:､:｀ヽ:.:ヽ、 ヽ
　　　　　 　 　 　 ,'､:.:.:ヽ,':.:.:.:.,:.:/:.:.:./:.:.:/:.:/:.:7:.:}:.､:.:ヽ:＼:､ヽ､:.ヽ
　　 　 　 　 　 　 {:.ヽ:.:.:ｉ:.:|:.:.:ｉ:丁:.厂:.云:廾／|:.,':.|:.:ｉ:.:ｉ:.:.:}:.:ヽ ヽ:.:ｉ
　　 　 　 　 　 　 ',:.:.:＼|:.:|:.:.:{:|:.yイてう｀´　 /A|,':.:,'|:.ｉ:.:.:.ｉ:.:.:.:ｉ　}:.|
　　　　 　 　 　 　 ',:.:.:.:/､ヽ:.:ヽ.ヽ ら.ﾂ} 　 　ｲﾊ 〃:|/:.:.:.:||:.:.:.}　',:|　　　　　　え……それは……
　　　　　　　　　 　 ',:.:<,' |ヾ ヽヽ. ゞ-ﾒ 　 　 ﾋﾘ/:.://}:.:.:.:}.|:.:.,' 　ﾘ
　　　　　　　　　　　 ＼ヽ|:.:ヽ　｀　　　　　　 ｀´,':./:/ |:.:.:/ |:/　　　　　　　　　「当時、核は絶対的な力だった。だからこそ、
　　　　　　　　　　　　　＼|:.:|＼　　　　　 　 '　!:.//　}:.:/　.ﾘ
　　　　　　　　　　 　 　 　 ',:ヽ　 　 　 　 ｀　 ｲ|/:.|　//　　　　　　　　　　　　　多くの国家が寄ってたかって核を欲し、時には隠し持った。
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |ヽ ＞ 、　　 ∠´:,':.|:.:| ./
　　　　　　　　　　　　　　, r|　ヽ___　≧ ´:／:.:. |:.:|　　　　　　　　　　　　　　　　なぜか？」
　　　　 　 　 　 　 　 　r/ | / ヽ　　 /　 | :｀ヽ､:|:.:|
　　　　　　　　　　,.r´:/　 |/只 ',　 /　　.|:::::::::::::｀::ヽ..、

5149： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 22:57:06 ID:qbtouVQs0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __　　__
　　　　　　　　　　　　　　　　　 __,.r'' _≧´--｀≦｀ヽ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾉ＞ ´　　　　　　　｀ ＜}
　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 ／　　　　　　　　 .、 ヽ
　　　　　　　　　　　 __..　-‐　　/　 /　 i　　　　i　　　ヽ　 ,
　 　 　 　 　 　 　 　 ￣ ７ 　 / 　 ,: 　 ﾊ.　　　 |　 ヽ　 ＼!
　　　　　　　　　　　　　/　　.,　　/ ,: 　i　',　　　i!　　 ＼.　＼
　　 　 　 　 　 　 　 　 ,　 　 i ,　/!.ﾊ.　|　 ',　 　 !､　 ､　 ',　　 ,
　　　　　　　　　　　　 i　,　 j/ /ｰi'- ', !　　ヽ　　{ ヽ　ヽ　',　　',
　　　　　　　　　　　　 ﾚ'　 / /r=芋ミヾ 　 　 ｀ィr弍=ｧヽ　:,　　i
　　　　　　　　　　 　 /　　' ∧ ﾞ　ゞソ ﾞ　　　"　ゞン " ハヾミｰ- ..＿　　　　　　核でなければ核に対抗できなかったからだ。
　　　　　 　 　 　 　 /　　　ハ._,　　　　　　,　　　　　　ﾑ/::::i　｀丁
　　　　　　　　　　 / ｨ　　 {ヽ:::ﾊ　　　　　　　　　　　 ハ:::::::!　.　',　　　　　　　　 仮に核がたった一つの勢力に独占されていた場合、
　　 　 　 　 　 　 〃　i :　 |　ヾ彡:.、　 　 - -　　 　.ｲ}}:::／ | .ﾄ､ ヽ
　　　　　　　　　/　　 | i　 | /::::::::::::＞　　　　　　＜::::::::::::}　!/　ヽ　、　　　　　　 その勢力に対抗できるものはいなくなる。
　　　　　　　 __　　　　', !　| {:::::::::::::::ハ､＞.=.＜ _ハ::::::／　/　　　 ＼
　　　　　　 /::::ヽ::::｀:::::ヾﾄ､!ー--.=彡{::::::::::::::::::::::::::}ｰ-..__　　　　　　　　　　　　　　報復核を恐れぬ核は世界の支配権となる。
　　　　 　 ,:::::::::::::',:::::::::::::::::::::::::::::::::ﾑﾊ::::::::::::::::::::::ノ',::::::::::::ﾞ:.ｰ- .._
　　　　 　.i::::::::::::::::,:::::::::::::;:::::::::::::::ﾑ'　 ＞ｰ==＜. 　 ﾏ､::::::::::::::::::::::｀:ｰ- .._　　　　　　全ての国家、組織が、その勢力にひれ伏す。
　　　　　 ,::::::::::::::::::',:::::::::::i::::::::::::ﾑ' ／　　　　　　ヽ. 　ﾏ､:::::::::/:::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　r''::､::::::::::::::::::',:::::::::|:::::::ノ=.く　　　　　　　　　＼ _}:::::::::i::::::／:::::::::::::::::i　　　　　最もシンプルな、力による構造だ。
　　 ／::::::::::ヽ::::::::::::::';::::::j:::／::::::::::::､　　　 ,　　　　　.ｲヽ:＼:::／:::::::::::::::::::::::|
　　 :::::::::::::::::::::::ｰ:::::::::';:::::/::/:::::::::::::::',.　　 ,　　 　 ／:::::::::',:::::',:::::::::::::::::::::::::::i
　　 ::::::::::::::::::::::::::::::::＞:::,::::;'::::::::::弐;:::', 　 ;:　 　／:::r'乙:::::'::::::',:::::::::／::::::::::;
　　 :::::::::::::::::::::＞ ´　　 i::::i:::::::::::::::刈:::',.　i:　／夊_ﾉ:::::::::::::!::::::;:::::::::::::::::::::::;
　　 :::::::::::::＞"　　 　 　 ';:::';:::::::::::::::::::::::ヽ:／::::::::::::::::::::::::::;::::::/:::::::::::::::::::::::{
　　 ::::＞"　　 　 　 　 　 ';:::ヾ:::::::::::::::::::::ハ::､:::::::::::::::::::::::/::::;'　'::::::::::::::::::::::〉
　　　 　 　 　 　 　 　 　 〈:::ミ=-:::::::::´::/　 ';:::≧=-:::::::::/:::r'　　 ';::::::::::::::::::i
　　　　　　　　　　　　　　 i::::::i::::::::::::::::::',.　/:::::::::::::::::/´:::::;'　　　 ';::::::::::::::::::,
　　　　　　　　　　　　　　 |::::::}:::::::::::::::::::∨:::::::::::::::::;::::::::::;　　　　 i::::::::::::::::::i
　　　　　　　　　　　　　　 |::::::!:::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::i:::::::::i　　　 　 }::::::::::::::::::i

5150： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 23:00:18 ID:qbtouVQs0

　　　 　 　 　 , - ‐‐‐-　、:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ、　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.ヽ、
　　　　　,イ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.ヽ:.:/く::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ｉ
　　　 ／:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:--‐ヽヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.: |
　　 /:.:／:.:.:.:／:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:./:.:.: 7|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
.　 /／/:.:.:.:/:.:.:/:.:.:.:/:.:.l:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.!: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
.　/　 ,':.:.:.:/:.:.:.ｉ:.:.:.:.:.ｉ:.:.:|:. ∧:.:!､:.:.:.ヽ:.:.ヽ__:.:.:.:}:.:.:.: }:.:/　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |
　　　,':.:.:.:,':.:.:.:.{:.:.:.:.:.|:.:.ﾊ:.ｉ　ヽヽヽ:.:._メ:.´ヽヽ:.:.ｉ:.:.:.:|/:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
　 　 ｉ:.:.:/|:.:.:.:. ',:.:.:.:.:|-/_|_|　　ヽ／,イ圷≧ｉ:.ｉ:.:.|:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
　　　|:./ .|:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:!:.ｉｲうﾐ　　　 　 {::::::::ら |:}:.:|:.:.:.:!´.ヽ:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　　　　　……まさか。
　　　|/　 !:.:.:.!:.:.ヽ:.:.:.|〃{:::j　　　　　 辷シ　!:.:./:.:./| ヽ.} |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
.　　　|.　　',:. | ',:| .|ヽヽ｀.ﾋﾘ　 　 　 　 　 　 /:/／:.:.:!　/: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　 そういうことですか、アルトリアさん。
.　　　　　　ヽ|　ﾘ　!:.:.ヽ＼ ヽ　　　　　u.　.〃|:.:.:.:.:./_/／.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |　
.　　　　　　　ヽ　　ｉ:.:.:人　　　 -‐-　　 　/　 !:.:.:.:./／. 　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　 　 　 　 　 　 ',:.:.:.:.ﾍ　 　 　 　 　 　 　 |:.:.:.:/.　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　 ヽ:.:.{　ヽ、　　 　 　 .＜.|:.:./l　 　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　 ＼ｉ　　　＞.-t ´　　　|:/‐┤、.　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　＼　　　 r､| .-　￣/　／　ｉ、　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〃.ヽ　　　.／　　 |::｀ヽ.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 -―f=ミ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´ ―　 ､f辷彡' ￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ‐ャ－ 、 f辷彡'　　 　 　 　 ｀　､
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ′ ハ　　f辷_彡^ー ｧ　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |　/ 　 ,f辷__彡　　　/　　 　 /／ 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ∨　,f辷__彡く　　　/　　　　/　　 　 　 　 丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　rｔf辷__彡'　ｉ　＼　　　　　 /　 ／/　　　 ｉ　‘,
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀Ｙﾍ　　　　 ､　-､|　 　 ｀ﾊ　/　/　ｲ　 　 　 ｉ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |,ハ　 　 　 〉い |　　 圻ミ、＼　 /　 ｲ　i .ｉ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ‘,　ﾊ　　　〈　r( |　 　 弋rハ　 ノ イ ,′ﾊ:ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ∨　 、　 ﾊ ヽ.:|　 　 i　　　　　　　厶ｲ ﾉ'　　　　　　そうだ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ∨//vﾍ{介f:::|　　 ｉ|　　　　　 fｹ 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |///////ハ:|　　 ｉ|　　　　　 〈 　 .ｉ|　　　　　　　　全てのネクスト戦力や、それに準ずるもの。
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　＿ 」/」/」/」」/ﾊ|　　 ｉ|　 ‐ ､　 イ　　 ｌ|
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　＞‐……―＜　 |ｉ 　 从　　　　　　　　それらを我々の手で破壊し尽くす。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ′　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::＞...　i| |　　
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 」　　斗 ―－ァ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ !　　　　　　　　　我々が世界で唯一の、
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿_「￣ 丁　　　　 〃::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ｲ
　　　　　 　 　 　 　 　 ....＜::::::::::::::: ′　,　 　 　 　 {!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/i|　　　　　　　　　　　ネクストを所有する勢力になる。
　　　　　 　 　 　 　 ｆ ::::::::::::::::::::::: /　　/　　　　　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_/　}
　　　　　 　 　 　 　 | ::::::::::::::::::::::::′　 |　　　　　.':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〉
　　　　　 　 　 　 　 |::::::::::::::::::::::::|　　　|　　　　/:::::::::::::::＿＿＿::::::::::::::::::::::::「＼
　　　　　 　 　 　 　 |::::::::::::::::::::::::|　　　| 　 　 〈:::::::::::／　――　＼::::::::::::::::::| 　 ＼
　　　 　 　 　 　 　 / :::::::::::::::::::::::|　　 ∧_　　　‘,:::::// ::::::::::::::::::::＼ヽ:::: ＿/　　 　 ､
.　　　　　　　 　 ／ ::::::::::::::::::::::::::| 　 / 　 　 ‐-　∨/:::::::::　　 　 ￣￣∨　　　 　 　 〉
.　 　 　 　 　 ／ ::::::::::::::::::::::::::::::::|　 ′　　　 　 　 「:::::／　　　　　　　　＼ 　 　 　 /

5151： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 23:04:24 ID:qbtouVQs0

　　　　　　　　　　　 　 　 |､/!　l､l､j,:/:l　,　.::　'"　"´..::　 '"´　　　　.......:::::_,,
　　　　　　　　　　　　　　 l '::|　ヽヽ/::／:::::::-‐''":::::::::::::::::::::::::::::::_,,. -‐''"´ _
　　　　　　　　　　　　　　 |:::::',／〃,.､---――''''''''ｰ‐‐-‐ｧ‐'''"　　　 ,,.-'"::
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |:／.::／　　　　　　　　　　 　 /　　 _,,. -''"::::::::::::::
　　　　　　 　 　 　 　 　 ／.:／ｰ- ､＿　　　 _,,,..-ﾆﾐ､ 〈ｰ‐'''"::::::::::;;〃‐''"::
　　　　　　 　 　 　 　 ／.:／|　　 r-､　￣`''ｰ┬r-,- ､,_ヾ::::｀ヽ:::彡´::::''"::::::　　　　　　　フゥン、ネクスト狩りってワケか。
　　　　　　　　 　 　 /.:／ 　 l＼./　 ', 　 　 　 | |　ll　　￣二r‐-､::､ヽ::::::＿､
　　　　　　　　　　 /.:/　 ＿_j　/　　 l＿＿＿_|_l-┴‐''7´::i r ､ ｀|::ミ､:::≦､＿　　　　　　やってやれないことはないでしょうなぁ。
　　　　　 　 __,,. -/:/ ￣／　V　　　　　　　　　　　　 /〃/ ) /, /::;:'"､ｰ‐'"´
　　　　 r'"´:::::::://:::::／　__／',`ｰ''''‐　　　　　　　　 '´l/'ヽ‐'／!､:::／!`　　　　　　　　　　今この場に揃っているのは、いずれも
　　　　|::::::::::::::/'::::::/ 　 〈　 　 l`ｰ‐-､,＿　　,､　　　 　 r‐''´　ﾉ／　,'`ｰ‐--
.　　　 |::::::::::::/:::::::::|　　　 l＿_,j　｀ヽ､　　 ￣´　 　 　 /　　 ／　 　 |　　　　　　　　　　　　企業のカンバン張れるようなネクストだ。
　　　 l::::::::::::::::::::::::;l　/￣　 　 ｀ヽ、　　　　　　　_,,.‐''ﾞ,,.　'´ 　 　 　 !　　　/
　　　ﾉ:::::::::r―'''"´／ 　 ,-‐'''7‐-‐'　　　 _,,.ィ-‐''"￣　　　　　 　 /　　　 |::　　　　　　　　
　 ／:::::::::::|　　 ／ 　 ／'"´＼`''--r-‐＜　 l　　　　　　　　 　 ／　 　 　 l:::
　 !::::::::::::ノ　　.| r''"´　　　,､ 入.フ｜　　 ､/　　　　　　　　 ／　　　　　 /:::
　 〉:::::::〈　　　 |　　　-‐''´￣　 ﾍ　｜　　 /　　　　　　　　　　　 　 　 ／::::::
. /::::::::::/ 　 　 |　　　　　 _,.-‐'⌒ヽ, |　　/　　,,.　-‐''"´　　　　　　／::::::::::::
/::::::::::/　　　　|　　　　　　　 　 ／/｜ /　／　　　　　　　　 ,. -‐'´￣｀ヽ､:::





　　　　　　　　　　　 ,' ::::::::::::::::::::::::::::!:::::::::::::::::::::::::::::|　::v/
　　　　　　　　　　 ,､i　:::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::i　|:/
　　　　　　　　　　 {:::　:::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::,　.:{ ,､
　　　　　　　　　 ﾄ､i::.　:::::::::::::::::::::＼|::::::::::::::::::::::::::::,' ,':::v/
　　　　　　　　　 |:::::::::. ':::::::::::::::::::::::::_:::::::::::::::::::::::::/ /:::/
　　　　　　　　　 '::::::::::::.',´~"''‐-＞´::,ｨ__,,.. ．-‐'７/::::_',
　　　　　　　　　　'::::::::::::ゝ, ､ ／::::／　　　 ＿_,､<::::::'-,
　　　　　　　　　　 ヽ､:::/ ｣:::::>::／､　 ,　,x,'::::::::＞i::_i'ヽ
　　　　　　　　　　　　ﾄ､∨ﾆ//ニニ勹ニニニニｼ'　}
　　　　　　 　 　 -=ﾆ∧'::ゝ//ニ=/ / ＼ニﾆ＞､::| /ﾆ=-　、
　　　　　 , イ／　　　 　'ﾍ//　　/ /}　　.／　／/ﾝ:i:} }　　 　＼__　　　　　　　　　　　　ネクストやアームズフォート、
　 , イ/////　 　 　 　 ,､i|ﾚﾍ　/ / < .／　／　/>‐//．　　　　 ﾏ≧x､
///////<′ 　 　 　 / ｉ ＼:／ /ｰ／　／ ＞'", ＜｛ ! 　　　　　 ﾏ///≧x､　　　　　　 その生産工場やら諸々を根絶やしにする。
///////∧　　 　 　 }　|　 /　 ﾚ '　f__, イ , イ　　　/　　　　　　　｀マ////≧x､
/////////＼　　　　i　 ､/　　'　r 　 　／　　　_ ／_　　　　　　　　 >///////ム､　　　実際そうなったら、企業連はお手上げ。
///////////＼　 　 ､ ./　　　　　　　 ｀ー‐''" _,,.. ｲ　　　　　　 ／//////////ｱ
＼///／:ｉ:ｉ:i:i:i:ｉ:ｉ:＼　 V　　　　　　　　 ／　´　　　　 　 　 　 , <//////////:／　　　　 立場は逆転、言うことなんでも聞くだろうぜ。
／//ゝ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i＼ }　　　　　 　 ／|　　　　　　　　　, イ:i:i:iﾍ////////／
/////:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧　　　　　／　 |　　　　　　, イ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iﾑ//////i
///:∧:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/　 ＼　 　 /　 　 |　　　　　　ﾏ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iム////{
∨//:∧:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:i/　　　　＼<..､　 　 |　　 　 　 　 ﾏ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i／/////}
　ヽ//:∧:i:i:i:i:i:i:i:／　　　　 　 冫´　 　 !　　　　　　　 ﾏ:i:i:i:i:i:i:i:i:iﾑ///r'　,ｲ
　　∨/:∧:i:i:i:／ 　 　 　 　 ／ 　 　 　 !　　　　　　　　ﾏ:i:i:i:i:i:i:i:i:i/// |／
　　 ﾏ///}:i:i/　　　　　　　/--x__ 　 　 !　 　 　 　 　 　 ﾏ:i:i:i:i:i:i/////
　　　ﾏ/:∧/　　　　　 　 /　　 　 `'ｰ‐┴‐-----------匕:i:i:i/////

5152： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 23:09:08 ID:qbtouVQs0

　　ヾ: : : : : : {: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :{
　　　 }: : : /j从､: : : : : : : :{: : : : ﾍ: : : : : : : : : : : : : : : :ト、
　　　ﾉ: : /i! ゞ≧寸: : : : /|:人: :i'"ヾ: : : : : : : : : }､: : : : : ﾉ
　　人: : : : }　'､tッi : :ィ彡ﾉﾆ=-ヾi'"}: : : : : : : : :/ ヽ: : ノ
　/　 ﾉ: : : i!　　'"/ヾ:ﾄ、:::､:...,弋ツ　j,ｲ: : : : : : : i!　ﾉ: {、
　i!　i从: :∧. 　 /　 ,ﾉ:j　　 　 　 　 /: : : : : : : ノ , ':::::::::::}
. i!　.|　 ｀`.∧. /　　　　　　　　　　/j: : /j:イ 　 /: : : : : 人　　　　　　　　……。
┘　.!　　 /::: く　　　 　 　 　 u. 　 /／　　 i~ ﾉ: : : イ:::i!　.ﾍ
　 　 i　　!::::::::i ｀　　　　　　　　　／　　　　i /'",.ｨ'´:::::ﾉ　　 .ﾍ
　　　i　　i:::::::::.,　､　　　, , ,　　　　　　　　ノ,.ｨ'´::::::::::/
　　　 !　 .|:::::::::ﾍ　こ` ヽ　　i!　　　　｡s≦'":::::::::::::::/
　　 　 !　 |::::::::::::}, , ,　　´, , 　 ..::::::::|:::::::::::::::::::::::ノ
　　　　 !　|::::::／:ト､, ,, , ,_｡r≦ r:i:i:i:|::::::::::::::::::／
　　　　 .!　|::::ﾍ:::::::/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|::::::::::::／
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　　　　　./|　　ﾄ､　|∧　　　 |　　|::::::::::::|::::::::::::::/　イ:::::/: :ィ´厂厂￣｀ヽ : : /:::::::::::::::
　　　 　 { .|　　|　＼ ∧.　　│　 |::::::::::::|:::::::::::/／: :{:::/芹云芯示　　 /: : :/::::／}::::::::
　　　 　 | .|　芹云≧ミﾍ　　.|　　|::::::::::::|::::::::/´: : : :|/　 辷 心ツ　 ／ : : /／: :/::::::::::　　　　　　やれやれ……俺は医者をやってられれば、
　　　 　 |　＼ {辷心ツ　∨ .| 　 ∨∧:::|＼/: : : : : :{　｀￣￣￣￣´ : : ／´: : :/::／∨　　
　　　 　 |　　 ＼─── へ {.　　 ∨∧|　.{: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ／ ´: : /:.　　　　　　　人生それだけでよかったんだが。
　　　 　 |　　　　　　 　 　 　 ＼ヽ　　 ∧　　＼/.: : : : : : : : : : : : : : :. :. :.／: : : : :./.:.:.　
＼　　　 |　　　　　　　　　　　　　| ＼　.∧　　/⌒＼/ : : : : : : : : : : : ／: : : : : : /.:. .:.　　　　　　　 まさか、企業連体制転覆の目論見を、
　 .＼　 .|　　　　　　　　　　　　　|　　＼ ∧　　　　/⌒＼/.: : : : : : : : : : : :. :. :./.: :: ::.
　　　 ＼|　　　　　　　　　　　　　| 　 　 .＼{　　 　 　 　 /⌒＼/: : : : : : : : : : : : : : : :.　　　　　　　　目の前で聞かされる日が来るとはな。
　　　　 ∧　　　　　　　　　 　 　 |　　 　 　 ＼　　 　 　 　 　 /⌒＼/.: : : : : : : : :. :. :.
　　　 　 .∧　 　 　 　 　 　 　 　 {　　　　　　　　　　　　　　　　　　/＼/: : : : : : : : : :

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
あまりにもスケールが大きく、それでいて嫌に現実味がある提案に、
皆面食らっていた。

真壁は沈黙を貫きつつも額に汗を滲ませているのが見える。
間も軽口を叩いているが、企業連転覆のシナリオを聞かされて
視線が僅かに揺らいでいた。

これはタブーだ。
企業連を打倒するということは、この世の仕組みを破壊するということだ。
社会の流れ、人の営み、そういった、俗にいう「世の中」というものを
破壊することに他ならない。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5153： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 23:14:04 ID:qbtouVQs0

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,. : ´: : : : : : : : : : : :｀_: . ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／: -: : : : : : : : : : : : : : _:＼:＼
　　　　　　　　　　　　　　　 , -＜: : : : : : : : : : :ヽ: : : : : ヽ: ヽ:＼:ヽ
　　　　　　　　　　　　　 　 /: ,: : : : : : : : : : : :､: : ∨: ､: : :∨: _ : ヽ::.
　　　　　　　　　　　　　　,:': /: :/: : /:| : lV∧: |: : : V: :V: : :V: ,x: ∧::.
　　　　　　　　　　　　　 /: /: :/: : :l|: |: :l| 　 |: }: : : :|: : | : |: |/_,}:〉:､|: l
　　　　　　　　　　　　　.': .': : : : : :|:|_:|: :l| 　 l: | : : ∧: :| : |: |: : |/ : |: .
　　　　　　　　　　　　　|: |: : : |: : :|:l: :＼|　 从|: ,: |　|:_／:|: |: : }_: : |: : 、
　　　　　　　　　　　　　|:∧: ,: V: 从ィ雫≧､　|∧:| ｨ≦雫ﾐ:|: /-ﾐ,|:|: :V＼　　　　　　　　なんも、企業連を跡形もなく消すわけとちゃうやろ。
　　　　　　　　　　　　　|:{　V､: ∨:l∧ Vzり　　　}'　 Vzり ﾉ|/r､ ﾉ|:|: : |: ､:＼
　　　　　　　　　　　　　ゞ　 }: ＼〉:∧　　　 　 　 　 　 　 　 ,､_／: |:|: : |: : ＼:ヽ　　　　 　そないなことしたら、世の中はホンマに滅茶苦茶や。
　　　　　　　　　　　　　　　 |: :|: :| : ∧　　　　　'　　　　　 ∧: :|: : |:|: : |: : : : ＼: .
　　　　　　　　　 　 　 　 　 .': :|: :|: /:个 .　　 　- ､　 　 . 个:l: :|: : |:|: : |＼: : : :､ヽ}　　　　経済も医療もなんもかんもワヤになる。
　　　　　　　　　　　 　 　 /: : :|: :|:八: }: | ＞　. 　 　 ＜|＼: : : ,: : |: : ∧: |＼: : }
　　　　　　　　　 　 　 　 ,: : :/:|: :|: : :〉l从/.|＼::｀´-:／ |、 ＼- ､: V:/: :l :|　 ∨|
　　　　　　　　　 　 　 　 {: :/__|: √/　{' /...|　 ＞＜　　|..V　 ＼ ｀7'＞ ､:|__　}/
　　　　　　　　 　 　 / ｢￣´　 |:/ ＼　 ,'......|　////∧ /....∨ ／| /　　　｀Y⌒＼
　　　　　　　　　 　 '　 |´￣￣/ || 　 V....../|ｲ　〉-〈　 ,.........∨＼〉　 　 　 / 　 　 ヽ
　　　　　　　　　 / 　 ∧ 　 ／|/---/... /...|　////| ∧........∧￣￣＼　V　　 　 　 :.
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　　　丶:::/、　　　　/　　　 　 l　　　 　 l　　ヽ　　 :ヽ
　　　 /`/、ヽ /　 /　　　　　/　　　l.　 l　　　ヽ　　:::ヽ
　 　 <:::/　ヽ/　 /　　　　/ /　　　/ 　 ﾊ　l　　l　::l::l:::ｌ
　　　 ﾍlヽ／　　l　　　　/ /　　　/ | 　l. l　ｌ 　:::ｌ:::::l::l::l　　　　　　　　その通りだ。倒すのではなく、屈服させねばならん。
　　 /::::l.:/　　　 l｀＞ト ､_/　　／　/ /　l　ﾊ　:::ｌ:::::l::lﾘ
　　 ヽ／　　　　 l　/r-ﾃｪ.､ﾐﾄ ､　/ /　/　l,＞''7:::/l/　　　　　　　　　これにより企業連の時代は終わるだろう。
　 　 /　　　　/　l/　', {. {}　l　ヽ_ﾞン　 /,ｨ,.r-, /レ'、
　　/　　 　／l ./ﾄ, 　 ヽ.. ノ,.　　　　 　 ｲi;ﾘ '/::::::::ﾊ　　　　　　　　　　節度ある再分配とやらもお釈迦だ。
　 //　 　/ヽ´/ .l 丶　｀￣　　　　　 　 ゝ'_ /ｌ:::::::::ｌ::l
　 l::ｌ　　/ 　l .lヾl::::::::ゝ　　 　　　　　 l　　 ,　ｌ::::::::ﾊ::l　
　 ﾚl　 /　 　l l　| ヽ::ﾞｰ'´/　　　　_　　　ノ　 ｌ:::::::::ｌ ｌ:l
　　 l　ｌ　 　rヽl――｀:ｰ┐:ﾍ 　´　｀ ／　 　 ｌ::::::::/ ｌ:ｌ
　　丶l　 　 |:::::::::::::::::::::::::|丶､ヽ　イ--「:|　 /:::::::/　,ﾘ

5154： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 23:21:21 ID:qbtouVQs0

　　　　　　　　　　　 ＿_,-―――― 、
　　　　　　　　 　 ,-':: :: :: : : :: :: :: :: ::ヽ:: ::ヽ
　　　　　　　　／:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ヽ
　　　　　　　/:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::　: ::: :: :: :: ::!
　　　　　　 /:: :: :: :: :: :: :: :: ::: :: :: :: ::: :: :: :: :: :: : :!
　　　　　　/:: :: :l:: :: :: :: :l:: :: ::l:: :l:: ::l::l:: :: :l :: :: :l :l
　　　　　 .i::: :: :: :: :: :: :: :: :l :: :l:: :l:: :: :l､:: :: l:: :: :l:: l
　　　　　 l::::l:: :: ::l::::l :l:: ::人::::l:: l:: :: :l::l:,、:::l:: :: l::l::l
　　　　　 i:::l:: :: :: :i:::l::.l:::ﾉ,-ゝ:l::l:::: :: l::l,^};::ﾉl:: ::l::l:::l
　　　　　 ):ｰl:: :l::ヽ:ヽ::lﾉ ｭt赱l:l:: :: :l:: lｰﾉ:l::l:: ::l::l:: l
　　　　　 ｀ゝｎl:: ::,､::､::l､　　｀l:: :: ::l:: l: 'l:: :: :l:: l:::l:: :l
　　　　　　 ヽ､l:l､l(｀､::::l ｀　　l:: :l:: ::/l　l::,､:::l:ﾉ:::l:: λ
　　　　　　　l::l､l l　　ﾉ '-　　,l:: l::ﾉ:l:l ./:l-l::ﾉ:l::::l::/::l l　　　　　　　　　　とんでもない話になってきたわね……。
　　　　　　　l:: :lヽ　 人 )ヽ¨　l::l/::l::l .lll ゝ:/::l､::l/l::l:l ヽ
　　　　　　　 i:l l:: l' .'　 .l:::::::l｀l>'::l.l::.l ｀､ﾉ::/::l= l:l､l: :: ::i　　　　　　　　　でも、そんなことした後、世の中をどうするの？
　　　　　　　 il　 ,-⌒＝=､__l,-､:l .ll::l／／l:::l'＿,-､ヽ､::l:l
　　　　　　　　ヽ〉ー―ﾌ―(/:: :ﾉ ゝ' .／l:: ::l　　　　ゝヽ ::i　　　　　　　　私たちの存在を認めさせて終わりっていく？
　　　　　　　　/T⌒ /　　ゝ'７'　 '　Ｖ /:: /　,-―'￣　　i:: l
　　　　　　　　l/　　　 /／ / '　　　 ./:::/／　　　　　　　i:: i
　　　　　　　 .l　　　 ／::: /　 /　　./;;/ _／-―⌒ー――-ゝ、
　　　　　　　 i　　 ／::::　/ ,二,､ﾆ/: //,__,　　　　　　　　　　 ｀ヽ､
　　　　　　 ./　 .l:::::::::　/ i　　　 /::./-,　7｀ー,-､　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　./　 /::::::: ／l　l　　　l:: ll /:::､l '／ ー-ヽ　　　　 .l　　　ﾉ
　　　　　ノ　　ヽ ,- ' （（　l　 　 l:::l ll:::::::;::::　　　　　ヽ　　　 l　 ／
　　　,-く　 ｀ヽーl　　 .(l　 ヽ　 l::::l/ l:::l　　　　　　:::::::ヽ　　l/
　　,┘／⌒ー-、::ヽ　 llー､_ ,-ヽ:l､ レ　　　　　 :::::::::/ヽ::::l
　 >／　　　　 l .｀ー-、l ､　　　,-＝⌒ー'　　　:::::::::/-―‐'
　ll:: :: ::::..　　　　　　　　ー⌒l<　 .ヽl　 ヽ　　　::::::/::::/
　 ..ﾊ:: ::::::::.....　　　　＼　　　l　￣　'　::::::l　　 ::::/::::/l
　　ヽ:::::::＼::::::.......　　　＼::　　　　v l　ｰ:::l　/／:::: l l





　　　　__ ／: : : : : : : : : : : : : : : : : ､
　　 ／: : : : : :_: : : : : : : 丶: : : : : : : 丶
　 /: : : : : l:l: : : :ヾ: : :＼: : :丶 : : : : : : ヽ
／: : : : : /: l: l: : : l: : : : :＼: : :ヽ: : : : : : l
: : :/: : /l⌒l: :､: : :ll: : : : : : : : : :ヽ: : : : : l
7: : : :/: l　/:/ゞ: : :l＼: : : : : : : : :l: : : : : ヽ
: : : ｌ:l: l_ゞ ｌ:l　 ＼: :ゝ-＼ : : : : : l: : : : : : :
: : :/l: :l 辷ｌ:l　 ￣辷､:＼_): : : : :/: : : : : : :　　　　　　いや、いかねえだろうよ。
ゞ:乂 : l　/ヾ､　　　￣__ノ: : : : / ＼: : : : :
　　　):∨　　 丶　　　／: : :／ノ ／: : /　　　　　　　 パワーバランスが崩れる以上、世の中は大混乱だ。
　　乂: ｨヽ　　　　　　ﾊ/ｌ:/ x-イ: : : : ゝ､_　
　　　 _ノ:ヽ‐-　_ 　 　 　 ／　l: : : : l: : :ﾆ=　　　　　　企業連が力を失えば、離れて牙を剥く奴らも出てくる。
ゞ=ﾆ三: :_ﾊ 　　　 　,　　　 彡: : : : l : :ヽ
　 7:/,＜　 〉-　-　´　__ -=ﾆ- l: : : : :)　　　　　　　　 各地で軍閥が群雄割拠しても不思議じゃねえ。
　 ゞ-l　l　 从l二二二f丶　　 /: : :／ゞ
---./　,l　 彡〉二二ﾆ.l　 l ゝﾆ: :／ 　 〉、　　　　　　　俺たちが手を加えなけりゃ、世界は西武開拓期レベルに逆行する。
─,/ ／ ｌ ／二二二ﾆl　 l /: ／　　／ l
　 ／　ｌ l/二二二ﾆ／　 ゝ:/ 　 ／　 /
　　　　l/二二二ﾆl　　 ／ヽ ／

5155： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 23:29:39 ID:qbtouVQs0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　－＝＝　ｘ--,_
　　　　　　　　　　　　 　 ,　´　　　　　　　　ヽ＼ト,
　　　　　　　　　　　　 ,　　　　　　　＼　　　　 、＼ｙ
　　　　　　　　　　 　 ,'　　　　　 ',　　　，　　　　、 .}ﾌ
　　　　　　　　　　　 ,　　　　 ﾊ　 ',　　　j　　　　ヽ　}ﾌ
　　　　　　　　　　　.;　!　|　　', ヽ、ｘー ナ、　　｀ ∨）
　　　　　　　　　　　 ，.i　.ﾄ、　' ,　 》ﾁテ弌八　　乂
　　　　　　　　　　　 } 人 从≧ …　 乂jﾉ<;;;|　＼ {　　　　　　　　そうだ。管理者を引きずり降ろして終わりという訳にはいかない。
　　　　　　　　　　　.|ﾉ .}　 "叭)　　　　´ /;;;;|　　 ヽ
.　　　　　　　　　　　′ |　∧´　 '　　　　〉;;;,ﾘ　　　}　　　　　　　　時代を終わらせるのであれば、新たな時代を作る責任が伴う。
.　　　　　　　　　　　　ノ　　ﾉ》x:.　´｀ /^:ﾈ !!|j　　 ,'
　　　　　　　　　／¨, ===ヽ<　（＼);;;;;;=¨”;;;;;|{　　ﾉ　　　　　　　　 で、あるからして、だ。
　　　　　　　　./ ノ/;,;,;,;,;,;,;,;,;,＼＼＼r--===ﾉ .ノz
.　　　　　　　 ´　/;,;,;,;,;,;,;,;/＼;,;,;ヽ￣|　　　￣　　 |l　　　　　　　　　私の話を聞いてから、今後をどうするのか。
　　　　　　　　 /;,;,;,;,;,;,;,;,;,l l;,;,,＼,;,}　.|　　《　　　 :　ﾍ＝＝´｀ヽ
　　　　　　　　};,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;l l;,;,;,;,;,;,;,ヽﾉ、，-＝ ⌒　ヽ,l;,;,;,;,;,;,;,;,;}　　　 企業連なき世界に何を望むのか、決めるがいい。
　　　　　　　 /;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,,ｿ,,,;,;,;,;,;,;,;/P´　　　　　　 :　 ＼;,;,;,;,;,;|
　　　　　　ノ,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;ﾉﾉ;,;,;,;,;,;,;,;,;ｿﾉ　　　-…　´￣:｀ -　',;,;,;,;}
　　　　　{;,;-===;,;,;,;,;ﾉ」;,;,;,;,;,;,;,;,;,;//- ´　　　　　　　 :　　 l,;,;,;,l
　＿＿rナ77 ヽ ヽ;,;,;,;,;,;,;,;,;_....=".八　　　《　　　　　.:　　.,;,;,;,;,;〉
（（＿ﾉ;,;,;,-=<__／＼＿__ノ　}=-"　　、　　.》 　　　 .: 　.ﾉ;,;,;,;,;,〉
　　/;,;,;,;,;,;,,;,／: :....: :＼∧　　' ,　　　 ＼《ﾞ《　　;;　.:　 ｲ;,;,;,;,;,ﾉ
　 ﾉ;,;,;,;,;,;／.....:.:.:.:〜／: :ヽ　　 i　《 　 ,　　ﾞﾞ … --"　;,;,;,;,;,ﾌ
　 ＼_.／へ: : : :....／: : :..... ⅹ{　i　》　;;　　　巛　　ﾉﾉ.{二二;
　　＜: : : : : ＼／: 〜て／: : :ﾍ ',,《　;;　　;;　　》　 (　 i,;,;,;,;,;,}





　　　　　　　　　　　　　　　　　,. -―‐=- 　 _　ヽ　､　 　 ヽ 、
　　　　　　　　　　　　　　　／＿/ '´　　　 　 ￣｀ ､　ヽ　 ﾉ .）
　　　　　　　　　　　　 　 ,.' l´.／　-‐ ア'"　　　 　 ｰ-　　＜
　　　　　　　 　 　 　 　 ／./'" 　 ,∠　　 　 '"　　　 　 　 　 `
　　　　　　　　　　　　　V/　、　-‐　／　　 ,.　 ´　　　.　 ハ　 ヽ
　　　　　　　　　　　　 , '/ヾ 、,.'　／　　／ 　_,.　‐ ／　.' 　 ! 　 '
　　　　 　 　 　 　 　 〈　!､ ヽ'　 , /　'／ .／ｰ-'"／ ,. ' 　 / !　ﾄ. '　　　　　　私の知る、この世の構造……
　　　　　　　　　 　 　 ゝl.／　　 ｌ/, /／ハｆ:;ﾃ＜"／　 ／ /　 ! ｿ
　　　　　　　　　 ,.　´ i／　　 / ／!（　´ 　 ｀ｰ　 / ／　,ｲ/ ｲ,ﾉ　　　　　　　　いや、企業連の罪、と呼ぶべきか。
　　　 　 　 　 　 {'　,.'／'　 ,.'/./.ヽ!二7　　 　 　 '"　　（ｿ!　 ﾄ､
　　　　　　　　　　 （　/ ／_,'/ ､T ﾏ二二ア　 　 　 　 冫!　 .ｌ ヽ　　　　　　　　それをこの場で語ろう。ここにいる誰もが、知る権利がある。
　　　　　　　　　　 　 {./　　l'_ヽ_|＿ﾏﾆﾆ（_,.ｨ　　‐=　　 ｲ　　.!　）
　　　　　　　　　　　　l' 　 /二二二二ﾆ=-､(　　 　 ／ .ﾉ　　,.!ノ
　 　 ,ｨ77777777777777＞マ二二二二二}＼　／　,.'./　.ノﾉ
　　 ////////////////////,ハ‐マニﾆﾆl三ヽー-（ ' ／


╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
アルトリアは淡々と世界を滅茶苦茶にするプランを語ると、
一度深く息を吸って話を区切った。

この場にいる誰もがアルトリアに視線を注いでいた。

そもそもなぜ、一介のリンクスに過ぎないアルトリアが、こんな話をできるのか。
彼女は企業から依頼を受けて任務を遂行するだけの傭兵として
生きてきた人間であるはずだ。

本来なら、すらすらと思いつくようなものでもあるまい。

まるで、企業連という概念そのものを熟知しているかのようにも見えてくる。
一体どこでそんなことを知り、そんな考えを身に着けたのか。

アルトリアはそれを、企業連の罪と呼び、ゆっくりと語り始めた。

「少し、長くなる。楽にして聞いてくれ」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5156： ◆x0SRSoJXe.：2022/05/26(木) 23:34:30 ID:qbtouVQs0

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　　　今回はここまでだ。次回はアルトリアの語りとなる。
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　　　本当はそこまでやるつもりだったんだけどね……つらあじ。
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　　　いやホント、テンポの悪さはどうにかしたいとずっと思っている。
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i　　　　　こんなんじゃスレ住民も離れる一方だ……
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ





　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i　　　　　　　それじゃ、シーユーアゲイン。次回は6/2の20時からだ。
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ　　　　　　　 もうずっとお話書いて生活してたいくらいだよ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i　　　　　　　ただ、世の中がモコイさんをそこまで求めてないというのがね。
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |　　　　　　　ギャップだね。つらあじ。
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´

5157：安価のやる夫だお：2022/05/26(木) 23:37:05 ID:eLsREz8E0
乙でした

5158：安価のやる夫だお：2022/05/26(木) 23:41:52 ID:nQkqCKYA0
乙

5159：安価のやる夫だお：2022/05/27(金) 00:10:42 ID:JLWWvvzk0
乙
前周はロウルートで今周はカオスルートって感じかな？

5160：安価のやる夫だお：2022/05/28(土) 11:59:22 ID:osum.PTc0
乙〜

5161：安価のやる夫だお：2022/05/28(土) 13:08:25 ID:8DWKMxRY0
お疲れ様でしたー
専守防衛とはならんのですか

5162： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/02(木) 18:33:10 ID:GgkQfkOE0
ハロー、モコイさんだよ。

今日の投下なんだが、午後八時からではなく午後九時からとさせていただきたい。

二度寝がまた長引いてしまってね、買い物にいかないと食べ物がないのだ。洗濯しないと着るものもない。少し時間をもらいたい。

5163： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/02(木) 21:00:54 ID:GgkQfkOE0
　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

5164：安価のやる夫だお：2022/06/02(木) 21:03:10 ID:otPVeDOI0
ハロー

5165： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/02(木) 21:07:00 ID:GgkQfkOE0

　　　　　　 　 ,- ‐‐ -　､
　　　 　　 ｒ‐ｲ: : : : : : : : :｀,
　　　　　　i /○　○: : : : /　　　/｀ ､　　　　　　昨日の仕事終わりに、ATMで万札を引き出したんだがね。
　　　　　 　i_ _ _ : : : : : : :{　 　 / : : /
　　　　　　 ｀,_　_｀=-: : : :| 　 ノ : : /　　　　　　　財布に入れたつもりでスカって札を虚空に放ったらしく、
　　　　　　　i: : : : :_: : : : :'y´ : : : /
　　　　　　　｀-‐､´: : : : : : : : : ／　　　　　　　　　空っぽの財布を抱えて帰って来たモコイさんだよ。
　　　 　 　 　 　 ﾉ : : : : : : : : i´
　　　　　 　 　 / : : : : : : : : : :|　　　　　　　　　　　やはり労働は悪……！　疲労はこの世全ての悪……！
　 　 　 　 　 　i: : : : : : : : : : : !
.　 　 　 　 　 （｀ー‐-　　-‐　_}





　　　　　　　　　_　_　_
　　　　　　　／: : : : : : ｀i
.　　　 　　　i: : : : : : : : : :!
　　　　　　　､: :○: : ○: :!
　　　　　　　 i: : : : : : : : : i　　　　　　　　　一万円あったらねぇ、ザギンの三越とかで暴飲暴食できちゃうよねぇ……
　　　　　　　 l: : :,, --_ｯ: :',
　　　　　　　 丶 ｀‐'´: : : :ﾉ　　　　　　　　　悲しいねバナナージ。切り替えてやってこっか。
　　 　 　 　 / ´: : : : : : : : ｀ヽ
　 . 　　　　/: : : : : : : : : : : : : ヽ　　　　　　　
　　　 , -‐': : ,: : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　／: : : ,-ｲ: : : : : : : : /｀丶: : : :､
　 ｒ⌒ ,／　/: : : : : : : : i　 　i: : : : i
　 ` ‐ '　　/: : : : : : : : : |　　 ! : : : |
　　　　 　 i: : : : , _ -‐ ´,) 　 ｀ ヽ _|
　 　 　 　 (_ _i￣(_　-‐'´i
　　　　　　|　:|`‐´i : : : : |
　　　　 　 |: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
　　　　 　 |: : : : : |: : : : : !

5166： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/02(木) 21:24:22 ID:GgkQfkOE0

　　　　　　　　　　　　　　　 　　 .. :''"ﾟ~￣~"''〜､、
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／:/ .: /:|.: /.: .: .: V⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　/.: /.:|.:.:|.:.|:/ |.: .: .: :|.: |.: :',
　　　　　　　　 　 　 　 　 / .: .: .:|.:.:|.:.|-.:八|.: .: |.: |ｸ|: ,
　 　 　 　 　 　　 　 　 　 ;.:.: .:| : |.:.:|斗tミx:|.: .: |.: |ｸ|Xi
　　　　　　　　　　　　　　|.: .:.:| : |.:八乂ﾂ　|ﾊ:xミ.:|.:.l.: |
　　　　　　　 　 　 　 　 /|.: .:.:|.: :〈:(⌒ '' 　 　,ゞ'_彡ｲ: |　　　　　　　　　企業連の……罪ぃ？
　　　　 　 　 　 　 　 ／.:.|.: .:.:|.: .: : ＼　 　 _　 ''八 :| .:|
　　　　　　　　　　 ⌒7.:.:.| .: 八.: .:〈.＞　　_　.イ.: .:.:.| .:|　　　　　　　　　そないなもん、いつの時代もあるもんやろ。
　　　　　　　　 　 　 /_　 -=ﾆﾆ.: .:.:|⌒Y|￣＼:| .: / |.:/
　　　　　　　　　　 /⌒ニニニ|∧.:.| / 八／⌒V/___/__　　　　　　　　　 後ろ暗いことのない組織や社会なんてあらへんて。
　　 　 　 　 　 　 /／⌒ 二二|ニ＼(＼:::{⌒＼:}ニニニ＼
　　　　　　　　　 {:{ニ| /ﾆ'ニ.八ニﾆ|::::::＼::::::::::＼=======‐┐
　　　　　　 　 　 八ﾆ/ニﾆ∨ニ＼ﾆ|:__〈^〉＼:::::／`'＜.ニニ八
　　　　　　　　　 　 /ニニﾆ〕／⌒ﾆ〕::::::〕L:::::＼ :::: :o/⌒＼ニ＼
　　　　　　 　 　 　 { ニニ／ニニﾆﾉ :::: 〕 〔::::::}:::V::::/:::::::::::::ヽ.ニ|
　　　　　　　　　　　] ﾆ／ニニﾆ／::::::::::〕　〔::: }::::}::::{::::::::::::::}::::V八





　　　　　　　　　　　　　　 ＿__　　_　-＝ミ
　　　　　　　　　　　　 .／: : : : ｀´: : : : : : : :＼_
　　　　　　　　　　　 ./: : : : : : : : : : : : : :: : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　 _丿: : : : : : : : : : : :ﾐif' : : : : : 弋
　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : :ミiL_: : : : : : : :＼
　　　　　　　　 .': : : : : : : : :／: : : : :ミj⌒`: : : : : : : :: }
　　　　　　　　/: : : : : : : :/: : : : : :r=jL_, : : : : : : : : :.(
　　　　　　　　∨: : : : : :〈: : : : : : {　　　V: : : : : : j_: : Y
　　　　　　　 　 V: : : i /∧: : : : :.|　　　 从: : : : Y }: : |　　　　　　　　　そうだな。組織の規模と腐敗の度合いは比例する。
　　　　　　　　　.}: : : 从厶__､: :j丿＿彡⌒∨: : //:_:ノ
　　　　　　　　　{: : : : :| ー='从{　　ー一 '_彡イ丿.i　　　　　　　　　　　どんなに理想と情熱を始まりとしていたとしても、
　　　　　　 　 　 `＼:/乂　　　ﾘ　　　　　 　 j{¨ ∥|
　　　　　　　　　　　 j}/ハ　　 ,}　　　　　　　j{／　.|:､　　　　　　　　　　時や巨大化と共に忘れ去られ腐敗し、利益しか頭になくなるものだ。
　　　　　　　　　　　 ///∧.,'　ﾏ>　 ヽ　　.／　　　|:::::＼
　　　　　　　　　 ／ ∨///ヽ´￣_￣`　／ {{　　　.'::::::::::::＼
　　　　　　 　 ／　 　.∨//,:人＿＿ ノ /_.丿　　/::::::::::::::::::::＼_
　　　　　　.／　　　　　}}////}/////}/ {f¨　　 /:::::::::::::::::::／⌒`ｉト .,
　　　　. ／　　　　　　 ∨//,//////,//}}　 ／::::::::::::::::::::/　　　　　　 `ｉト .,
　　　／　　　　　　　　　∨/{//////{/ }}／:::::::::::::::::::::::/　　　　　　　　　　 ＼
｡s≦＼　　　　　　　　　　＼}∨///'::{／::::::::::::::::::::::::／
. . . . . . ＼　　　　　　　　 　 }:::∨/:::::{::::::::::::::::::::::::::/

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
その言葉を聞いて、食いつく者はこの場に居なかった。
はやてが怪訝そうに眉を顰めて呆れたような声を出し、
それに真壁が同調して肩を落とす。

これまでの歴史の中で、人間が生み出した文明の中で、
後ろ暗いもののない時代があっただろうか。

もしかしたら、小さな小さな集落であったなら、あるかもしれない。
小さな世界ならひずみも少ない。管理の手も行き届く。
奪い合いも少ないだろう。

けど、それが大きな組織や国家となっていけば、話は別だ。
ひずみは大きく、管理が及ばなくなっていく。

やがてそれは、人が人のために生み出したものであるにもかかわらず、
人を顧みぬものとなっていく。人の血と苦しみと死を動力とする巨大な生き物になる。

そんなことはよくある話だ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5167： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/02(木) 21:32:23 ID:GgkQfkOE0

　　/　　　　　　　　　　　　i　　　　　　＼　　　　}　>
　 /　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　.|　／　ﾚﾍ、
　,　　　　　　　　 ヽ　　 i　 .|　　　　　　　|、　/　} ノ
　i　　　　　 .l　　　 i　　.ﾊ. ∧.i　　　　　 .| l /　　|' ﾞ;
　|　　　 .|　 i　　　 .| ／! }/　}ﾊ　　　　　.|,ﾉ　/ ./"
　|　.i　　.|　 ﾄ　　　1. ,ﾑ斗:ｒ7 }　　　　　 |　 / ./:.:.:.:.:ヽ　　　　　　　　そうだな、どこの土地でも、いつの時代でもある、よくあることだ。
.　i　l　　.|　 「＼　 .ﾊ/ Ｖツ　 ':/　　　　 .|　/ /|.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ
. 八ハ　 ト　|'芯＼{　　´　　　ハ |　　　 ﾊ　/:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:/　　　　　　　　だが、企業連のそれは規模が違う。
.　　{　`:.ハ .ﾄ.}７　　　 　 　　　 }/|　　　.j　ｙ:.:.:.|:.:.:.:.:.:./
　　　　　 | ヾ. :,ヽ　　　　 　 　 /　}　　　ｊ ∩こ)ﾞ,:-イ~　　　　　　　　　　それこそ、人の歴史が終わりかねない規模の罪だ。
　　　　　 ｌ　　　|＼　 _　-,　　　　ｲ 　.,v⌒／: :ヽ:.:.}　　　　 _____,,
　.　　　　 ｌ　　 .|.　　　､ ´　　　／ﾉ-ﾏ｀／: : : : : :’、_ . : : : : : : : :
　　　　　　丶　 i　　　　　`ｰ ' >r"f ﾞ／: : : : : : : : /: : : : : : : : : : :
　　　　　　　 丶 ，　　　　　　⊂ﾞ_／: : : : : : : : ／: : : : : : : : : : : :





　　　　　　　　　　　　　　＿ r―ｧ-､―- ミ
　　　　　　　　　　　　　/＞''"~"''＜⌒l　　　｀　＜
　　　　　　　　 　 　 　 7／／ヽヽヽﾔ⌒〉　　　　　＼
　　 　 　 　 　 　 　 　ψ／／/ ソﾉ }-〈 　 　 .|　　ヽ ∨
　　　　　　　 　 　 　 r{ゞ、＞''´／ / Y′　　 .|｜　 ﾊ ∨
　　　　　　　　　　 　 }ﾍゞ｀''＜彡‰ソ　 !　!　 !＼ / ｌ| ﾄゝ
　　　 　 　 　 　 　 　 V乂三∠⌒)´ !∧|　|　.｣ﾉﾚ' | ﾘ |
　　　　　　　　　　　 　 廴乂＿)ノl l 八（l　ﾍ八ｿ｀ﾒ|/ /
　　　　　　　　　　　＞''⌒7^Y⌒ ヽ、,人| 　 ﾍ{｀¨乂ﾚ′　　　　　　　　　　　　……濁しても仕方がない。
　　　　　　 　 　 ／===／｀nﾍ=====＼ilＮ　 | __　/
　　　 　 　 　 　 ＼=／===l.l= ＼===／　|　 |　／　　　　　　　　　　　　　　　まずは事の始まりから話そう。
　　　 　 　 　 　 　 ´/====|.!==== <´≧〈从 |´
　 　 　 　 　 　 　 ＿≧s､_ﾉﾊ_==== ﾏﾆﾆゝ-`‐…￢冖ニニアl　　　　　　　　 企業連の起こりを。この時代の始まりを。
　　　　　　　_　＜ﾆ／ﾆ二二Y ￣￣ ニニﾆr'ニニニニ＞''´ =|
　　　　 r＜ニニ／ニニニﾆ/二二二ニニﾆ|ニニニ／二二ニ|-｢ヽ∧
　　　　 ∨=ニニニニニ二/二二ニニニニニニニニニニﾆﾆ上′ﾆﾆ＼
　　 　 　 Vニニニニニ／:⌒"''＜ニニニニニニニニニニニニ乂ニニﾆ
　 　 　 　 {／ニニﾆﾆ/　 :　　　　 ｀ マニニニミニニニニニニニﾆ＼ﾆﾆ
　　 　 　 <=／ﾆﾍ二/　　:　　　　　 　 ｀'マニニニミニニニニニニﾆﾆ＞
　　 　 　 〈´ﾆﾆ二∀　　　　　':, 　 　 　 　 ｀'マﾆﾆ／冫､ニニニニニニﾆ
　　　　　　}／二二{　　 ,'　　　 ':, 　　　　　　: :￣i　.ｲﾆ=}｀''＜ニニニﾆﾆ
　　 　 　 /ニニﾆﾆΚ　,'　　　 　 '　　　　　　 : : ／ﾆﾆ=/ 　 　 ｀''＜ニニ
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　　 　 /二ニニﾆ/　∨_＼　 ',　　　　_　＜ニニニ／
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. 　 Yニニニ=／| 　 　 VニﾆГニニニニニﾆ彡〈
　　 {ニニニﾆﾆ/ヽ.　　 {ニニﾍ二二二ニニニﾆ/
　　 ∨二二ニニニ＼ /二二/二二ニニニニﾆ|

5168： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/02(木) 21:41:11 ID:GgkQfkOE0

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「国家がまだ存在していた頃。彼らは人口爆発、もしくは人口減少であったり、
資源の枯渇やエネルギー問題から統治能力を大きく低下させていた。
荒れ果てていく環境の中、人々が弱り切った国家に縋り付く中、
国家は企業への依存を強めていた」
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5169： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/02(木) 21:41:36 ID:GgkQfkOE0

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「ありとあらゆるモノへの依存だ。生産と供給、管理、人員の調達や教育、
代理戦争、治安維持代行……それらを金で企業に頼んだ。
既にこの時点で、企業と国家のパワーバランスは崩れていた」
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5170： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/02(木) 21:45:55 ID:GgkQfkOE0

　　　　　　　　　　　　　　 　 　_　-――――-　_　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　∠　　　　　　　　　 　 `　､＿}_
　　　　　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　､　` ､⌒ヽ
　　　　 　 　 　 　 　 ／　　　 　 　 /　　 　 　 　 　 ＼ 　'， /
　　　　　　 　 　 　 /　 　/　　　 　'　　　　　　　　　　 | 　 '/＼
　　　　　　　　　　 '　　　′　　　/ 　 　 　 　 　 |　 　 |　 　､ノ}
　　　　　 　 　 　 ｌ{ 　 / 　{　　 /{　　　{ 　|　 　 |　 　 |￣ア}ノ＼
　　　　　　　　　 八 　|　　',　　ｌ 　、 　{ 　l　、　|　 　 |／　ﾊ___ノ
　　　　　　　　　 　 ＼|'， ∧|　|　　＼_{＼|＼＼|　 　 | 　/ /⌒}　　　　　　　　だがな。この時点では、企業は企業連を立ち上げ、
　　　　　　　　　 　 　 | ∨ｬ竿ミ　　　 　 斗竿ミ|　 　 |／ /__ ノ
　　　　　　　　　 　 　 | ∧ 　Lソ　　　　　　Ｌソ |　 　 |ヽ/⌒＼　　　　　　　　　国家解体戦争を起こす理由がなかった。
　　　　　　　　　 　 　 |　ﾊ　　　　　　　　　　　　|　 　 |ノi:i:i:i:i:i:i:＼
　　　　　　　　　 　 　 l 　込、 　'　　　　　 　 　 |　 　 |＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:'，　　　　　　 彼らはただ金を動かしていたかっただけだ。
　　　　　　　　　 　 　 |　 　| ＼　　 r_、　　　　 ,|　 　 |､ｉ:i＼i:i:i:i:i:i:i:}
　　　　　　　　　 　 　 |　 　|　　 　、　　　　 　ｲｌ|　 　 '{i＼i:i:）_ｉ:i:／　　　　　　　 市民の管理など国家にやらせておけばいい。
　　　　　　　 　 　 　 人 　 |　　 　 l｀　‐ 　´ 　 ｌ|　　/i:V⌒i:￣{
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ､| 　 　f≧======≦_| 　,'⌒i{i:i:i:i:i厂　　　　　　　　　　わざわざ国家から奪うほどのメリットもなかった。
　　　　　　　　　　_-=ﾆﾆ=-　__ﾉvﾆﾆﾆOニニﾆ=|／二⌒⌒^
　　　 　 　 　 　 _-=ﾆﾆﾆ／ニニ＼ﾆOﾆﾆﾆﾆﾆノﾆﾆﾆﾆ≧ｧ≦⌒＼
　　　　 　 　 　 _-==ﾆﾆ {ﾆﾆﾆﾆﾆ／＼ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆニ'，
　　　　　　　 　_-=ﾆﾆﾆﾆ〉二二ﾆ＼／二二二ニﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ'，
　　 　 　 　 　 _-=ﾆﾆニ/ﾆﾆﾆﾆニ/二二二ニﾆﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ'，





　　　　　　　　　　　　　　　 r-　､
　　　　　　　　　　 　 _∠＿＿＿:.:｀ヽ, イ´￣￣ニニ＝―
　　　　　　　　, .:.:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.--´--- ､
　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:､:.:.｀ヽ、
　 　 　 .ｲ:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ、:.:ヽ、
　　　 /＼:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.',:.:.:.:＼、:ﾍ
　 　./ヽ:.:.ヽ:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:./:.:.:/:.:.:|:.:.:.:.|:.:.: ',:.:.:.:.:ヽヽ:ﾍ
　　 ,'ヽ:.ヽ:.: ,':.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:/:.:.:.:.:〃:.:.∧:.: }:.: : |:}:.:.:.}:.:.､:.:.:ヽ ヾ、
　　 ｉ:.:.:＼ヽｉ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:./|:.:.:.:././:.:/　ｉ:.:/|:.:.: |:ｉ:.:.:.ｉ:.:.:ヽ:.:.:ｉ　　　　　　　　
　　 ',:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.||-/丁:.云ﾒ-/　 .}:.ｉ ┼:/:.|:.:.:,':|:.:.|.､:.:.|
　　　',:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.{|:/ ≠´てト/　　 /ｲ7､/:./:.:/:.|:.: | }:.:.!　　　　　　　　
　　　 ∨:.:./!:.:.:.:.:!:.:.:.:.| 〃 ら::::::|　 　 　 b:} !:|/:.:/:.:/|:.:.! |:.,'
　　　　ヽ:.:{ ∨:.:.:ﾍ:.:.:.{　.｀ .辷シ　　　　 ﾋﾘ,':.|:./|:.:/ }:/　|/　　　　　　　　　それは……
　　　　　ヽヽ .!:.:.:.:.ヽ:.ヽ　　　　　　　　 ヽ　ｉ:./　.}/　ｉ/　./
　　　　　　.＼ヽ:.:.:.:.|ヾヽ　　　　　 　 　 　 ﾉ:.|　./ . /　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　 .ヽヽ:.:.:|.　　　　　　 　 ‐　　ｲ:.:.!
　　　　　　　　　 ヽ:.:.| ヽ　　　　　　　 ｲ |:.:.:,'　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　 　 　 　 　 _| ヽ:|　　 ＞　 、∠:. |:.:|:.:/
　　　 　 　 　 .r/ ｀ヽ ＼＿_　_ /lヽ:.:.:.|:. |/
　　　　　　 r.´　ﾍ　　　　　 / |　 i!ヽ .:|:./|
　　,､ r:::´::::|　　　ﾍ　　 　 /≠|　 i!　ヽ:::｀ヽ 、

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そう言われると、確かに、と思うほかなかった。

企業と国家が対等であったなら、口出しされるのが嫌でクーデターを起こす
というのもありえただろう。

だが、当時は既に国家は企業の言いなりに近い状態であって、
経済活動を制限するような真似はしなかったと、なのはの授業で教わった。
そんなことをすれば、当時の彼らからすれば自らの首を絞めるも同然だっただろう。

けど、実際に国家解体戦争は起きている。
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5171： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/02(木) 21:51:55 ID:GgkQfkOE0

: :|: : : : : : : : : |: : : : :′: : : : : : /:　 : : : : : : : |: : : : : : : : '. : : :ﾊ
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: :|: : : : : : : : : |: : :　l: : :　!: : /: :　 : : : : : : : : |: : :| : : : : : : , : : :.‘.
: :|: : : : : : : : : |: :. 　l.: :.　l : / ! .!　: : : :　: : : ﾊ ::│: : : : : : ' : : : :.i
ミ|: : : : :　 __: :|:.:　,ｲ : 　 ! / │.!　: :　:　!: j: | | :: j :　:.: :.:!.: :' :.:. i |
｀.| : : : : 　 　｀ト　:,,l_!　./!.|　│jl　: : .:　:' /! ! |　ハ: :: :.: |　 :! :.:.ﾊ!
-:l　: : : 　　　 |　 | ﾘ|｀/''!:ト..,,|:' |│ / / / /　|,斗l'ﾞ!　:.　|　 ﾊ　ｉ│
　|　: :.:　 　 　､_,イ芋芯≧ｭ､.!｀ヽl　 / / /ｘ匕==ﾐﾘ| 　 /!. /│.′
　l　 : :.　　 　 |ヾ 　|::::ｌ{}::::|　 |　Vi ,/ / /ｲl:::ｌ{} ::|,/ |　/ |!/　jノ　　　　 切っ掛けは、宇宙だ。
　l　 :.: 　　 　 l∨ . ト::''’::ﾉ 　 　 }ノ　　 　 i::::’::ﾂ　 jノ　|
ヽ!　 :: 　 　　│ 　 ｀¨¨＜.:.:.:.＞　　 　 　 .:ゝ‐'　　.′　 !　　　　　　　　宇宙開発事業をほとんどの国家が企業たちに丸投げしだしたのが、
　| 　.:　　　　│ﾊ　　　　　　　　　　　 .::':,　　　　 ,: : :　│
ゞ| 　 :　 　 　 |::::[ ＿_　　　　　　　　　　/　　 　 / :.:　　|　　　　　　　　 事の始まりだった。
　| 　 :　 　 　 |:::::::::／　　　　　　　　　　　 　 　 ′:.:　　|
　l　　 :　 　 　|:::::::::┐＿　　　　＿___　　　　／: : : : 　　|
　|　 　.:　　　│､:::::::::::::::ﾌ　　´ー ‐ ’　　 .ｲ: : !: : :|　　│
　’　　 :　　　 |:::::丶:::::::(　　　　　　 　 ／|: !: : ｉ:.:　|　　 l
　 ,　　 :　　　 |::::::::::::::｀:::.:......　　　　／　│ｉ: : :i:.:　|　　i.!
　 ′　.:　　　 ト--:::::::::,,＿__｀ т、´ 　　 !:.!:.: ,′/! j /ﾘ






三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三::::ヾ/////////////////////ヽ::::::三三三三三三
三三三::::＼////////////////////＼::::三三三三三三
三三三三三三三三三三｀ヽ､_,_ゝ‐ｱ≦'/ｌ:::::::三三三三三三
三三三三三三三三三::::::::ｒ' ヾﾊ.-ｲヾ_/lｊ｀'ヾ::::::::::三三三三
三三三三三三三三三::::::/｀ヽ:::::｀ゝ.__ｊ/＿__ﾉヽﾉ:::::三三三三三
三三三三三三三三:::::::::/Oﾉヽ/＼/＝＝ｧ=-ｭ}::::三三三三三三三三
三三三三三三三三:::::::/,ｲ⌒ヽﾍ!/彡/='＼三/＼::::::::::::__,,::-´＼::::三三
三三三三三三三::::::::::::>ｿ､.ｊヽ}__/イ/７_7/_＼_,_-ゝ≦////////＼::::::三三三三
三三三三三三三三三::｀':Yヽ__ｊ＞‐≦//////////////////////＼::::三
三三三三三三三三三三::::ヾソヘ////////////////////////_＞''´:::三三三三
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三三三三三三三三三三三三::::::::::::::＼////////＞''´::::::::::三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三:::::::::＼＞''´:::::::三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三

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「宇宙はまだ見ぬフロンティア以外の何物でもなく、
その道を切り拓くことは、大きな利益を生むと共に、支配権でもあった。
誰もが宇宙開発のリーディングカンパニーになろうと躍起になった」
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5172： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/02(木) 21:56:18 ID:GgkQfkOE0

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「やがて、企業間の開発競争は、戦争に発展していった。
当時の企業はそれが行えるだけの力を持っていた。
国家規模の軍事を全て担っていたのだからな。
最初はACを主戦力とした、通常戦力のぶつけ合いだった。
だが、結局は遅々として着く様子もなく、泥沼の様相を呈していた」
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5173： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/02(木) 21:59:47 ID:GgkQfkOE0


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　　　　　　　　　　 '　　　′　　　/ 　 　 　 　 　 |　 　 |　 　､ノ}
　　　　　 　 　 　 ｌ{ 　 / 　{　　 /{　　　{ 　|　 　 |　 　 |￣ア}ノ＼
　　　　　　　　　 八 　|　　',　　ｌ 　、 　{ 　l　、　|　 　 |／　ﾊ___ノ　　　　　　　そうして困り果てていた企業たちは、あるものを見つけた。
　　　　　　　　　 　 ＼|'， ∧|　|　　＼_{＼|＼＼|　 　 | 　/ /⌒}
　　　　　　　　　 　 　 | ∨ｬ竿ミ　　　 　 斗竿ミ|　 　 |／ /__ ノ　　　　　　　　当時は原子力を遥かに凌駕するエネルギーとして、
　　　　　　　　　 　 　 | ∧ 　Lソ　　　　　　Ｌソ |　 　 |ヽ/⌒＼
　　　　　　　　　 　 　 |　ﾊ　　　　　　　　　　　　|　 　 |ノi:i:i:i:i:i:i:＼　　　　　　　魔法の力のように扱われたもの。
　　　　　　　　　 　 　 l 　込、 　'　　　　　 　 　 |　 　 |＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:'，
　　　　　　　　　 　 　 |　 　| ＼　　 r_、　　　　 ,|　 　 |､ｉ:i＼i:i:i:i:i:i:i:}　　　　　　 幾つかの企業がそれを見つけ、秘匿し、
　　　　　　　　　 　 　 |　 　|　　 　、　　　　 　ｲｌ|　 　 '{i＼i:i:）_ｉ:i:／
　　　　　　　 　 　 　 人 　 |　　 　 l｀　‐ 　´ 　 ｌ|　　/i:V⌒i:￣{　　　　　　　　　自分たちだけのものにした。
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ､| 　 　f≧======≦_| 　,'⌒i{i:i:i:i:i厂
　　　　　　　　　　_-=ﾆﾆ=-　__ﾉvﾆﾆﾆOニニﾆ=|／二⌒⌒^
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　　　　　　　　 　 |: : : : |/.: :|: : :|: 〉　　、 , : : :|:|　　　　　　　　　その幾つかの企業が、四大企業ってこと？
　　　　　　　　　　|: : : : }:､ :八: ﾙ _　 　 /: :/|:ﾚ
　　　　　　　　　 /: : : : :ヽ:｀^メXxメx￣ }イメXｘ　　　　　　　　　「そういうことだ」
　　　　 　 　 　 /: : :. : : : : : : : :｀ﾏメXxメx､ ｀^メXx
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　　　　　　　　　　　　　　　.／"　　l〔　 ヽ| lﾟ L_＿}　　　　　　 ｲ_)心､ l|// V| : ll : : |///l/////l　　　　コジマ粒子の発見、コジマ技術の萌芽。
　　　　　　　　　　　　　　　「|／　　 ヽ　⌒`￣ -`{　　　 ´　　　 ¨´ " ノ : :/ | : ll : : |///l/////l
　　　　　　　　　　　　　　／ ヽ　　　　}=-　＜ /: ハ　　r　、　　　 ／ : : :/:ノ: : ll : : |///l/////l　　　　 コジマの歴史の始まり、だね。
　　　　　　 　 　 　 　 ／　　　 `,　 ／　 ／: :/ : : : :∧ 　 ノ 　 ＿ ノ_､¨∨ { : /l: : : |///l////ノ
　　　　　　　　　 ,　´　　　　　／`〔 {　／ : / /¨} ￣ /` - =　７　「ニニ　∨:/: :l: : : |-----＜　　　　　　企業はコジマ発電施設を作り、
　　　　　　　 ,　　　　　　　／　　　￣ ¨ ＞ /　 ﾚ　´　 ＿＿/　 「 y￣　 　l'ヽ :ｌ: : : |///////ヽ
　　　　　 ／　　　　　　／__　　 　 　 (_γノ_／ ,.　 -=-　＜　／ﾚ : }　　　 l　 ＼: : :|///ヽ////}　　　　　AMS接続の技術の確立も相まって、
　　　　 ,´　　　　　　／ﾊ//∧　＞ ´　￣￣　´¨ ￣ 　＞、 ( : : :／八　 　 ﾄ,　　 ＼l////ﾉ///ﾉ
　　　 Y　　　　_　ノ　　　}///r ´　　　　 ﾆ≠-　　　／　 　`( y ) l　 「 =- ´ l　　 　 ＼ //////　　　　　　ネクストが作られることに――
　　　　>　、　＿　　　,.ノ//ノ{　　　　　　 -=　　　,'　　　　　( y ) {　 「」|　　 l　　　　　 }/////
　　　　　　　　　　　　　　 V　',　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　( y ) }　 「」|_　 ｲ　　　 　 八///
　　　　　　　　　　　　　　　` 込　　　　　 　､　　 li　　　　　　Yｨ /　 　 |　　 '　　ヽ ／ :∨/
　　　　　　　　　　　　　　　　　个 、_ ,.　　　＼　 ',　　　　　ノ/} ゝ＿r-}　 　 ' ￣「 : : : : :,
　／　￣ =-　,　　　　　　　　　ﾉ　　　　　　　 　 ->=-　 ´　L 」 ﾉ : : |　l　　　 ,__」: : : : : : :,
/　　　　　　　　 =-　,　　　　 /　　　　　　　　　 /　　　　　　 ／ | : :└ l　　　 l　l: : l: : : : : :,
　　　　　　　　　　　　 =- .　((　＿＿＿＿＿　《__　　　ﾆ=-〈 : : l: : : : : l　　 　}　}: : l : : : : : :,
　　　　　　　　　　　　　　　　 `　 ＜ニ「¨ｌ|ニニニニﾆミヽ)　〉 : l : : : : :l　　　ﾉ　从: l: : : : : : :,
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 `＜ l|ニニニニニヽ{＜ : : l: : : : :人　　´　ﾉ: : : | : : : : : :i
　　　　　　　　　　　　`ヽ　　　　　　　　　 ＜ニニニﾆﾆミ{ : : : ﾉ: :γ ￣γ////ﾐ}: : :ｌ| : : : : : l
　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　 ` -⌒ヽ"'＜}: : : : : : :l////{//////l : : l:|: : : : : :l
　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　　　　　　　＼) >: : : : :人// 人/////l : : l |: : : : : '
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　　　　　　　　　　　　　　 ∨: : : : : : :¨ヽ￣///:l : : : l | : : : : '





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ ....　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . 　 ´　　＿ 　 ｀　 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　,.ィ ＞―-｀>‐､- ＼
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　　 r'"／　／　'／ヽﾄ､　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ;　/　/´/　,/　　／､ヽ ',　〉　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, ./　,{　l＿＿_,／　　-‐ !/　;　!
　　　　　　　　　　　　 　 　 　　　ﾉ;　 〃ゝ{ 　 --―　　 彡! 〉 .i　!　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／　V /　廴ヽ、　　 ＝‐ ,.ｲ'"　.!,ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　,.　,.イ　ｒ ',　//　i、,.ィマヽ、-イ　l! ; i{　　　　　　　　　　　　　デタラメだ。企業連が用意したカバーストーリーだ。
　　　　　　　　　　　　　　　／　,　 '. ヽ 〃／//ｲ'l!ヽ'/ヽ　}.,ﾊﾉ: !',
　　　　　　　　　　　　　,. '　　／ / .lヽ ＼マ////l.!'∧/∧/./i　: ヽ、　　　　　　　　　　　「え〜？　私相手にそれを言う？」
　　　　　　　　　　　　,　　　　, 　 ,: :　 ﾏゝヽ.///,l !/∧／7'　!　、ゝ
　　　　　　　　　　　/,...::::::::..､ 　 ハ!　　ヾ‐=!'//,l=!//,l／ }　l　 ; ,ヽ、,...::::::::::..､
　　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::＼ ＿＿ｒ=＝ !'//,l=|'//,!ﾆ=-､＿＿ ／:::::::::::::::::::＼
.　　　 　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ二ﾆﾆ＼ﾆ|_//lﾆ|//,!二／ﾆﾆ二ｌ::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　 　 '::::::::::::::､:::::::::::::::::::::l二ニニﾆ`マニ二ニ＞'ﾆニニニl:::::::::::::::::::::::::::::::::〉
　　　　　 　 　 ':::::::::::::::＼::::::::::::::::!ニニニニニ＞''''＜ニニニニニl:::::::::::::::::::::／::::::'
　　　　　　　　 ,ゝ::::::::::::::::ヽ::::::::::::!二ﾆﾆ＞‐'"二二ニ｀''-＜ﾆニニl::::::::::::::／::::::::::::i
　　　　　　　 　 ;:::::＼::::::::::::::::::::::::!ニ／ﾆニニ二二ニニニﾆ＼ﾆニ!:::::::／::::::::::::::::::;
.　　　　　　　 　 }::::::::::::::::ー-::::::::;'_/ニニニニ二二ニニニニニヽﾆ!::::::::::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　i:::::::::::::::::::::::::::::::;ﾆlニニニ二二二二二ニニニニ〉_!::::::::::::::::::::::::::::i
　 　 　 　 　 　 l::::::::::::::::::::-‐::::::;ニ!二二二二二二二二二二ニ/ﾆｌ:::::::::::ー-::::::::::}

5175： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/02(木) 22:16:10 ID:GgkQfkOE0

　　　　　　　 　 _,.　-ｒ‐､
　　　 　 　 ,∠ ―　,ｒヽ)ﾉ　　 ‐　、
　　 　 　 / 7　‐-,. ( ）'ﾉ　　　　　　　 、
.　　　 　 i　; 　 ,‐!ノ'ノ　 ｀/　 　 ,. -
.　　　 　 '　:,_/〉-,ノ　　 ./　 　 /"　　　　ヽ
.　　　　　ｒ/_.'-‐' 　 ＼ .'　　　/　／　 　 !　､
　　 　 　 `! !.　　　 ､,.ヽ!　　_./／' ,. ｨ　 i　! }
　　　　　　', !　　　 /､ﾉ|　　 .た!ヽヽ/ ノ'　;.ﾉ
　　　　　　　、 、　,ﾍヽ.l 　 l l　　　´　,/,ｲ/
　　　　 　 　 V/＞/∧ l　　!l.　　 　 {.'　.l　　　　　　　　企業がコジマ技術を用いて真っ先に生み出し利用したのは、
.　　 　 　 　 _l'/////∧l　　l|　　､　,.ゝ　l
　　　 　 ,ィﾆ二二ニ_＜,.――--＜!　　l.|　　　　　　　　発電施設でもなければネクストACでもない。
　　　　 /二二二二／::::::::::::::::::::::::::::＞､i|
　　　_,./＞''" -=／::::::::::::＿＿:::::::::::::::::/}　　　　　　　　 ……それは、アサルト・セルという。
― /ﾆｉ.lニニﾆﾆ{::::::-:::￣::::::::::::::::ヽ:::::://
::::::i=ﾆ!.!二二ﾆ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::; '　　　　　　　　　　その時に作られ配備された、自律型コジマ砲台の総称だ。
:::::l=ﾆｌ ｌ二二/:::::::::::::::::::::::::::::::;::::::::::;:〉
::::lﾆﾆl ｌニﾆ〈::::::::;:ィ二ニ=_､,､::;:::::::jム　　　　　　　　　　範囲内に細くした物体を無差別に攻撃し、消し炭にする。
::::!ﾆﾆ!.ｌ-=二';:::://:::::::::::;::ﾆ//ヽ::::/ヽ!ﾑ
::::!/ ,イニ=-__ヽ/:::;ィ////////＼ニl.!ﾆ!　　　　　　　　　動力もコジマ発電だから半永久的といってもいい。
::::l'/ニニニニ＜/////////＞!/∧=!l=l
:::::ﾏﾆ二二ニニ!＞_､//／////＞,/｀マ
:::::::ﾏﾆ二二二ﾆﾑ＜///////＞'"////＼､





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . -―- ､
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／: : : : : :_: :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,,| : : : : : //: : : :.',
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { |: : : : : :".: : : : : }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 Ｙ´￣｀ヽ: : : : : :/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 γ:⌒:ヽ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /＼; : : : : : }.: : :.／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 {|: : / : :｝
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /ｰ:､: ∠ｰｧ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /7⌒Y彡′
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /: : ／ 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 〈｡／´′
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 O／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 //
　　　　　　　　　　　　　　　　　　//　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 //　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 「それが今、衛星軌道上を埋め尽くすかのごとく配備されている。
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 //　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 この星を、アサルト・セルの網が覆っているのだ」
　　　　　　　　　 　 　 　 　 //　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//
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　　　　　　　 　 //　　　　　　　　//　　　　　　　　　/＼、レ´　　｀ヽ: : : : : : : :／　　　　 .//　　　　　　　　　　　　/ｰ:､: ∠ｰｧ
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5176： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/02(木) 22:16:42 ID:GgkQfkOE0
失礼、誤字ってたね。

　　　　　　　 　 _,.　-ｒ‐､
　　　 　 　 ,∠ ―　,ｒヽ)ﾉ　　 ‐　、
　　 　 　 / 7　‐-,. ( ）'ﾉ　　　　　　　 、
.　　　 　 i　; 　 ,‐!ノ'ノ　 ｀/　 　 ,. -
.　　　 　 '　:,_/〉-,ノ　　 ./　 　 /"　　　　ヽ
.　　　　　ｒ/_.'-‐' 　 ＼ .'　　　/　／　 　 !　､
　　 　 　 `! !.　　　 ､,.ヽ!　　_./／' ,. ｨ　 i　! }
　　　　　　', !　　　 /､ﾉ|　　 .た!ヽヽ/ ノ'　;.ﾉ
　　　　　　　、 、　,ﾍヽ.l 　 l l　　　´　,/,ｲ/
　　　　 　 　 V/＞/∧ l　　!l.　　 　 {.'　.l　　　　　　　　企業がコジマ技術を用いて真っ先に生み出し利用したのは、
.　　 　 　 　 _l'/////∧l　　l|　　､　,.ゝ　l
　　　 　 ,ィﾆ二二ニ_＜,.――--＜!　　l.|　　　　　　　　発電施設でもなければネクストACでもない。
　　　　 /二二二二／::::::::::::::::::::::::::::＞､i|
　　　_,./＞''" -=／::::::::::::＿＿:::::::::::::::::/}　　　　　　　　 ……それは、アサルト・セルという。
― /ﾆｉ.lニニﾆﾆ{::::::-:::￣::::::::::::::::ヽ:::::://
::::::i=ﾆ!.!二二ﾆ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::; '　　　　　　　　　　その時に作られ配備された、自律型コジマ砲台の総称だ。
:::::l=ﾆｌ ｌ二二/:::::::::::::::::::::::::::::::;::::::::::;:〉
::::lﾆﾆl ｌニﾆ〈::::::::;:ィ二ニ=_､,､::;:::::::jム　　　　　　　　　　範囲内に補足した物体を無差別に攻撃し、消し炭にする。
::::!ﾆﾆ!.ｌ-=二';:::://:::::::::::;::ﾆ//ヽ::::/ヽ!ﾑ
::::!/ ,イニ=-__ヽ/:::;ィ////////＼ニl.!ﾆ!　　　　　　　　　動力もコジマ発電だから半永久的といってもいい。
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:::::ﾏﾆ二二ニニ!＞_､//／////＞,/｀マ
:::::::ﾏﾆ二二二ﾆﾑ＜///////＞'"////＼､





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . -―- ､
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,,| : : : : : //: : : :.',
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { |: : : : : :".: : : : : }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 Ｙ´￣｀ヽ: : : : : :/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 γ:⌒:ヽ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /＼; : : : : : }.: : :.／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 {|: : / : :｝
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　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 O／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 //
　　　　　　　　　　　　　　　　　　//　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 //　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 「それが今、衛星軌道上を埋め尽くすかのごとく配備されている。
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 //　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 この星を、アサルト・セルの網が覆っているのだ」
　　　　　　　　　 　 　 　 　 //　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//
　　　　　　　　　　　 　 　 //　　　　　γ:⌒:ヽ　　　　　　　 　 .．´￣￣ :｀ : .､ 　 　 　 　 　 　 　 　 // 　 　 　 　 　 　 . -―- ､
　　　　　　　　　　　　　 //　　　　 　 {|: : / : :｝　　　 　 　 ／ : : : : : : : : : : : : ＼　　　 　 　 　 　 .//　　 　 　 　 　 ／: : : : : :_: :＼
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　　　 　 　 　 　 　 //　　　　　　　　// 　 　 　 　 　 　 |:.:| : : : : : : : （ /: : : : : : : :}　　 　 　 .//　　　　 　 　 　 　 Ｙ´￣｀ヽ: : : : : :/
　　　　　 　 　 　 //　　　　　　　　//　 　 　 　 　 　 　 ヽ| : : :___: : : : : : : : : : : : ;′　　 　 //　　　　　　 　 　 /＼; : : : : : }.: : :.／
　　　　　　　 　 //　　　　　　　　//　　　　　　　　　/＼、レ´　　｀ヽ: : : : : : : :／　　　　 .//　　　　　　　　　　　　/ｰ:､: ∠ｰｧ
　　　　　　　　//　　　　　　　　// 　 　 　 　 　 　 /　 　 7: : : : : : : :}: : _:_:_:イ　　　　　 //　　　　　　 　 　 　 　 /: : ／ 　 /
.　　 　 　 　 //　　　　　　　　//　　　　　　　　　　 　 　 ; : : : : : : : /く彡'"　　　 　 　 //　　　　　　　　 　 　 　 O／
.　　　　 　 //　　　　　　　　//　　　 　 　 　 　 　 　 　 /: ⌒ヽ: :／｀＼> 　 　 　 　 .//　　　　　 　 　 　 　 　 //
.　　　　　//　　　　　　　　//　　　　　　　　　 　 　 　 /: : : : :／　　　 /　　　　 　 .//　　　　　 　 　 　 　 　 //
　 　 　 //　　　　　　　　//　　　　 　 　 　 　 　 　 　 (Ｏ):／　 　 　 /　　　　　　//　　　　　 　 　 　 　 　 //
.. 　 　//　　　　　　　　//　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　/　　　　　　　　　 　 　 //　　　　　 　 　 　 　 　 //
..　　//　　　　　　　　//　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　/　　　　　　　　　 　 　 //　　　　　 　 　 　 　 　 //

5177： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/02(木) 22:29:53 ID:GgkQfkOE0

　/ /l l　',　lヽ　　　　 ヽ＼　　　　　　 ＼ヽ
　l　l l l　.l　l_l　l　　　　　　　　　　　　　　　',
　l　 .l l　　 l l　l　　　i　　　　　　　　　　　　 i
　',　 l ﾄ､　 .l ', .l i　　!　　　　　　　　　　　　 l
　 ' , l l ﾄ=､ ', ' ,l l　　　　　　　　　　　　　　　l
　　 y',',l〉ｨﾃヾｰl l　　.i ',　　､　　　　　　 i　 i l
-=ﾆ彡､ヽ¨　　/ｲ　 ./ヽ､ヾ､| ､　i　　　　l　//
　　　く ｀ヾ　　彡　/ノﾉ　｀　ヽl　l　　　 ,' /.lﾞ　　　　　　　　　　与太話もそこまで来るとおもしれえな？
　　　　〉｀　　／イ´(,ｲi　　　i　l /　　　// /
　　　　ヽﾆ=ｧ 　 　 i　',l　　 / .l/　　　/' /　　　　　　　　　　　「では、国家解体戦争後に所有権争いがこじれて
　　　　　<ﾞ'"　　　 .l　/　,.ｲ,.　　　 /　　 {　 　 ,}i
　　　　　 |¨　　　 ノイ-'"〆　　 ／　 ,　 ヽー' /　　　　　　　　破壊された分の通信衛星群が、なぜ未だに打ち上げられていない？
　　　　　 ヽ＝‐ﾆi　　　/　／イi　　 /i ヽ-､-'"
　　　　　 ,.-'"r'／￣￣|　／¨ﾞ|l　　/‐l lヽ l　　　　　　　　　　　なぜホグニメカニカの通信中継UAVなどに頼り切っている？」
　　　　／_ ／|| |￣￣¨|/￣二'-‐'"-'-'-､}!
　　　/￣//　,|| |　　　,.-'"´　　　　　　　　｀ヽ、　　　　　　　　　あー……ん？　そりゃぁ……
　　 _i　 トト-/jj ',___／　　　　　__　--　　-　､ ヽ、
　 / .L=' l___l/ヾﾆ/ﾆi　　　,.-'"　　 ＿　　＿　｀ヽ!
. /　　　∧三小／　 〉 .／　　_,.-'"　　　　　 ｀ ヽ1
.j ＼　 ///　 /　　 /／　　／　　　　　　　　　　　ヽ





　　　　　　 　 　 　 |::::::::::::|:::::::::::/::::::::::: /::/l::::::::::;':::}:::::l:::::::::!:::::::!:::::|
　　　　　　 　 　 　 |::::::::::: !::::::::/ :::::::::;ｲ:::/.,':::::::;ｲ:::ﾊ::: !:::::: |:::::::|:::: !
　　　　　　 　 　 　 |:::::::::::::l:::: /＿::／/::/ ,'::::::,:' //　.',:|';::::::|:::::::|:::: !
　　　　　　 　 　 　 l::::::::::::::lイ´::／ ／'" /:::／ // ￣ ﾘ｀ﾄ::;'::::::::!:::::|
　　　　　　　　　 　 l::i:::::::,:::',l _ィi乏圷、 '／ ／" ,r行ｻz､/:::/::::|:::: !
　　　　　　　　　　 //!:::i:::',:::',´　Vzソ ／　　　　" Vzソ ./｀/::::: !::i::|
　　　　　 　 　 　 /ｲ:l:::::',::::'.,:',　　 　 　 　 　 i　　 　 　 /::/:::::::::l:::l::|
　　　　　 　 　 ／ /;'|i::::::',:::::ヾ:､　　　　　　　'　　　　／'"l::::i:::::/:i:l!:!
　　 　 　 　 ／　.// ||';:::: ',::::::',＼ 　 　 　 ＿__ 　 　"´　/::/:::/:::|l|';',
　　　　 　 　 　 //　 | ヾ::::',､::::', 、　　 　 ー―'　　 　 .ｲ::/:::/::::/ ! ';',　　　　　　　　　　　……待っていただきたい。
　　　　 　 　 ／´　 　 　 ＼',.､: ',::＼　　　　　　　　／:/:/:::/l／',　　ヾ、
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,'｀:::ヾ:',:::::l｀　 　 　 　 ィ .|:/:/／t､:::::::',　　　　　　　　　　　　　それはつまり、宇宙に出られないと。
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,'::::|:::::|ヾ!:::|.　　｀ ‐ ´ _.,,-/:／_/!.l |::::::: '.,
　　　　　　　　　　　　　 /::::::l:::::|:::::__|　 __ -≦´ilili/'":::::/ | | !-. ＿:'.,　　　　　　　　　　　 人類は地球に閉じ込められてしまったのだと……
　　　　　　　　 　 　 　 /:::::::,'::::,'／il/´｀ヽililililililil , ':::::::/./| | 〉: : : : ｀＞=z、 _　-　''!
.　　　　 　 　 　 , 、　./:::::::/::::/ililiｨﾞ　　　〉ililililil, ' :::::::/./ ,ﾚ'｀ : : : ／;;; ィ "´_. .-z　|　　　そう言いたいのですか？
　　　　　　　　　|.',.＼:::::::;/::::/／ili!　　_,/ili＼, '::::::::::/./ /: : : : :／ィ", - ": : : : : :l　|
　 　 　 　 　 　 ,|, ',　 ゝ'/::::/ilililil/｀ ´ |ililililil/:::::::::::/./_/ : : : :/", イ: : : : : : : : : : l .,
　　　　　　_,,.イ::|:', ','":./::::/ilililil/　 　 .!ilili,ｲ::::::::::::,'二､___: : :/.'": : : : : : : : : : : : : l/
ﾐﾆ=ー::::´:::::: ／|: ', ', /::::/lililiｌ/　　 　 l／/::::::::::::,' : ／／ : i! : : : : : : : : : : : : : : /
. ｀ﾞ''''ー---ｧ'::|￣￣￣￣￣￣￣￣￣|: ,'::::::::::::::i／／: : i: i!: : : : : : : : : : : : : : /
　　　　 　 /:::::|　 　 　 　 　 　 　 　 　 |:,' :::::::::::: l／: : : : l:.i!:..: : : : : : : : : : : : :/:::'.,
.　　 　 　/:::::: |　 　 　 　 　 　 　 　 　 |:!::::::::::::::::|: : : : : : l:i!..: : : : : : : : : : : : /:',ヾ::'.,
　 　 　 /::::::::rー‐ ､　 　 　 　 　 　 　 .|:!::::::::::::::::|: : : : : : :i!: : : : : : : : : : : :../::::::', ヾ::'.,
. 　 　 /:::::::::::〉ー‐､'　　　　　 　 　 　　|:!::::::::::::::::|: : : : : : i!: : : : : : : : : : : :/:::::::::::', 　ヾ'.,

5178： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/02(木) 22:38:35 ID:GgkQfkOE0

: :|: : : : : : : : : |: : : : :′: : : : : : /:　 : : : : : : : |: : : : : : : : '. : : :ﾊ
: :|: : : : : : : : : | : : : :! : : :.,′: /:.: 　: : : : : : : :|: : :i : : : : : :'. : : :‘.
: :|: : : : : : : : : |: : :　l: : :　!: : /: :　 : : : : : : : : |: : :| : : : : : : , : : :.‘.
: :|: : : : : : : : : |: :. 　l.: :.　l : / ! .!　: : : :　: : : ﾊ ::│: : : : : : ' : : : :.i
ミ|: : : : :　 __: :|:.:　,ｲ : 　 ! / │.!　: :　:　!: j: | | :: j :　:.: :.:!.: :' :.:. i |
｀.| : : : : 　 　｀ト　:,,l_!　./!.|　│jl　: : .:　:' /! ! |　ハ: :: :.: |　 :! :.:.ﾊ!
-:l　: : : 　　　 |　 | ﾘ|｀/''!:ト..,,|:' |│ / / / /　|,斗l'ﾞ!　:.　|　 ﾊ　ｉ│
　|　: :.:　 　 　､_,イ芋芯≧ｭ､.!｀ヽl　 / / /ｘ匕==ﾐﾘ| 　 /!. /│.′　　　　　　その通りだ。企業たちは他社の妨害に躍起になり、
　l　 : :.　　 　 |ヾ 　|::::ｌ{}::::|　 |　Vi ,/ / /ｲl:::ｌ{} ::|,/ |　/ |!/　jノ
　l　 :.: 　　 　 l∨ . ト::''’::ﾉ 　 　 }ノ　　 　 i::::’::ﾂ　 jノ　|　　　　　　　　　　　 それをやりすぎて……宇宙に手出しできなくなった。
ヽ!　 :: 　 　　│ 　 ｀¨¨＜.:.:.:.＞　　 　 　 .:ゝ‐'　　.′　 !
　| 　.:　　　　│ﾊ　　　　　　　　　　　 .::':,　　　　 ,: : :　│　　　　　　　　　　　 これが企業連の時代の始まりであると同時に、
ゞ| 　 :　 　 　 |::::[ ＿_　　　　　　　　　　/　　 　 / :.:　　|
　| 　 :　 　 　 |:::::::::／　　　　　　　　　　　 　 　 ′:.:　　|　　　　　　　　　　　　罪の始まりと言えよう。
　l　　 :　 　 　|:::::::::┐＿　　　　＿___　　　　／: : : : 　　|
　|　 　.:　　　│､:::::::::::::::ﾌ　　´ー ‐ ’　　 .ｲ: : !: : :|　　│
　’　　 :　　　 |:::::丶:::::::(　　　　　　 　 ／|: !: : ｉ:.:　|　　 l
　 ,　　 :　　　 |::::::::::::::｀:::.:......　　　　／　│ｉ: : :i:.:　|　　i.!
　 ′　.:　　　 ト--:::::::::,,＿__｀ т、´ 　　 !:.!:.: ,′/! j /ﾘ





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__ ＿ _ _
　　　　　　　　　　　　　　　　,.. :´.:.::::::::::::::.:.:.｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　 ／.:.::`:､.::::::::::i.:::ﾉ:i.:.::.｀ヽ
　　　　　　　　　　 　 　 /.:.:.:,r‐ ､ﾐヽ.:::ﾉ.:::/⌒`ヽ.:::',
　　　　　　　　 　 　　 /.:.:.::/　.: 　｀`ｰ-‐'　　　　 '::::',　　　　　　「当時の企業たちは焦りに焦ったそうだ。
　　　　　　　　　　　 /.:.:.:./　 .:. u 　 　 　　　　　 j.:::.ヽ
　　　　　　　　　　 ノ.´ﾐ:.ヽ　.:.: 　 　 　 　　　__　〈.:.:.,.ｲ:〉　　　　　自分たちの利権を自ら潰したというだけではない。
　　　　　　　 　 　｀ヾ.:::ミ:j 　::--.､::::::::::::,∠´　｀　V.:.:/
　　　　　　　　　　　 Vハ:!　.:. ,r‐ｧヽ::::::ぐ-_ｪｯ,　　i V　　　　　 　 そんなことをしたと知られれば、企業は正当性を失う」
　　　　　　　　　　　　ヽJ:!　. :´￣ ,:':i　　　　　　 ｲ ﾉ　
　　　　　　　　　　　　　Y´　: : : ..:く.::l_ ,..,　 ､　　 Y´!　　　　　　　　
　　　　　　　 　　 　 　 i;|　. :.:.r　ｰr --ｧ‐' '　 u. ,' ::l
　　　　　 　 　　　 　／ﾄﾄ､　　.:.:.､_｀二´_,　　　 /　ﾊ
　　　　　　　　__,. イ　 .i.:ヽ＼.::(::: . 　 　　 　.／　 /　ヽ
　　　　　　　　　　/　　l.:::::.＼＼ヽ:._ ＿,. ィ´　 ,..ｲ,!　　ﾄ､
　　　 　 　 　 　 /　　 l.::::::::::::.＼＼ ｀Y"´ ,..:::´.://　　 l　＼
　　　　　　　　 /　　　l.:.::.:ヽ.:.:_.:.:ヽ{　 レ'´.::::::://　　　 l　　 ＼





　　　　　　　∨:.:.:.:.:.:.:.∧:.∨　　　　　　＿＿__
　　　 　 　 　 〉:.:.:.:.:.:.:.:.:.}:.:.}＿_　　 ｘi(__))7~}ヽ)＿_
　　　　　　　/:.:._:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:./　 ((ゝ======ミ　 ∥､　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣
　　　　　 ＞''~　 ∨___:.:.￣￣Y　,ｲ　　　'　◯ '　 ∥　 ＼　　　　 ,ｲ｀ " ''　‐-　｡,／─＜/
　　　　　:i|_,,..　-‐ .'/∥:.::.:.:.:.:.:./　　　 /　　/　　∥　　　 ＼　　//　　　　　　　.}!/__7／
　　　　　:i|　 　 　 '/∥:.:.:.＿＿＿＿ /　　∧ﾆﾆ〔　　　　　　}　/∧　　　　　　 /!──ヽﾌ
　　　　　:i|　　　　'/∥:.:.:/ん~Y.!￣￣{　, ':.:.:.＼　＼　　　　∥∥:∧<二二> ,ｲ:i|二二]　|
　　　　　λ　　　|//i-─{＿=ｲ_}＿＿{/ ｀`〜､,,＼　＼　　∥从:.:.:.:.>====イ .∥≠≠≠}
　　　　　　}! ＞''|＿/_,,..　-‐　i|===i‐┐__　 / ヽ/:.＼　＼∥ {弋＼､((__))ノ-ノ{￣￣￣￣
　　　　　_〕}i_￣￣|!‐┐ 　 　 .i|((_))!　}〕iト＼　/:.:.:.／＼__7~~＼〕:. 〕!-/／/ヾ}＿＿＿　　
　　　　/~~~~∨＼|! .└─i┐ ﾘ◎ﾉ＿7　 }!　ｿ￣＼{￣＿＿＿/)h､}!_i／辷ｺﾉ￣//}￣}　
　　　　､{＿_ﾉ}:.:.:.:.〉〉　　 / コ〔二ﾆ=-､Υ}!//／ヽノ￣￣/ヽ-==} }_}!´　⊂ﾆ００＿＿─　　　　　「ACを駆る傭兵たち……レイヴンにしても、
　　　　 ｀~~´´￣//! ┌≠≠}!　　 }}─|]!∥〈:.:.:.:.ヽ}　　 ./　 |i　`''＜┌─＼》==､─--==
　 　 　 　 弋＿// | /￣￣./　　 ∥__ﾉヽh:.:.:＼:.:.:|!　　 i　　|i　　　　'/,　＿_乂__}＿__　　'　　　　 彼らの心が企業から離れ、
　　　　　　/~~~Ｙヽ!'--─ /　 /__//~∨/ }:.:.:.:.:.:~''＜　 |─==~''＜　 '/, ｀~~~´　 ｀~~´　　
　 　 　 　 乂__.ﾉ ノ二ニニ===イ /　.//~~`''＜､＿＿／ノﾄ　/　　 ＼'/,　　　　　　　　 　　　　　　企業を糾弾する国家に寄るようになれば、
　　　　　　　 ￣ ＼＿＿／　　 ./　.// /~~~''＜＿＿／｀`〜{　　　/~}'/, -==-　 -==-　
　　　　　　　　　　/￣￣￣￣, '　 .//,ｲニニﾆ=-}｀ " ''　‐-　}!　　/　i二ニ======､　　　　　　　　企業優位の情勢は終わりを迎えると」
　　　　　　　　 　 ∨:.:.:.:.:.:.:.:.,　　　7ｲニニニﾆ=-｀`〜､、　　 ＼./　ﾉ| /＼〕_/　/~~Y　 　
　　　　 　 　 　 　 .∨:.:.:.:.:／　　 / /ﾆニﾆ=-／￣＼　　｀`〜､､∨ {/ヾ /)~《　 {__ﾉﾉ　　　
　　　　　　　　 　 　 ｀`〜､、＿, ' .ヽﾆﾆ=-／＼/////｀`〜､、　 ｀`〜､、　　＼__フ　}＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀~~´　　　.ヽ//////////≧=‐──≧zzz]＿ノ-==
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　>＜　 r-､//////////////////}==ミ//////
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／､＿}イ{　　~''＜//////////////{__{_()/////／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／＼　／　　~''＜　　~''＜/////〈~~{//-=====ﾆミイ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧　　 }'　　　　　　　　､　　 }//＼＿)ヾz ゝ───ノ　
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ∧　/　　　　　　　　　 ＼∧￣￣￣ヽ　/　　　 ／

5179： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/02(木) 22:41:16 ID:GgkQfkOE0

　.:/　　　　,.:':_:／.: : : : : :,{_　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 _}, : : : : : : : :＼i!::..　 　　',:.
.::/　　　　 ヽ; :i: : : : : : : ;': ,}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{, :i : : : : : : : ／!::..　 　 　 ',:.
.:'　　 　 　 　 ＼.: : : : : :i: {　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 } i : : : : : ／　i!:::.. 　 　 　 ',:.
　!　 　 　 　 　 i!＼ : : : !: ',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 / :i: : : :／　　.i!::..　　　　 　 ',:.
　|　　 　 　 　 .i!:..　＞ ;.i: :.',　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 / : :!, ＜.　　　 i!::..
　|!　　　　　　 i!::..　　　 | : :.',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ : : i　　　　　　i!::.. 　 　 　 　 i!
　|! 　 　 　 　 i!:..　　　　i.: : :.',　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 / : : : !　　 　 　 .i!::.. 　 　 　 　 i}
　|!　　　　　　i!:..　 　 ／i: : : :.ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞': : : : :i＼　　　　.i!::..　　　　　　,i}　　　　　「そうして生み出されたもの。
　|!　 　 　 　 i!::..　　　＼', : : : : : .` ＜　　　　　　　　　　　　　＞. :´: : : : : : :/／　　 　 .i!::..　　　　　　,j}
　|!.　　 　 　 i!:..　　　　　 ', : : : : : : : : : :｀: .＜　　　　　＞. :´: : : : : : : : : : : /i　　　　　 .i!::..　　　　　　,j}　　　　　 それがネクストとリンクスだ」
　|i　　　　　 i!::..　　 　 　 ∧ : : : : : : : : : : : : : : :｀¨¨´ : : : : : : : : : : : : : : : / .!　　 　 　 i!::..　　　　　　,j}
　|i　　 　 　 i!::..　　　　　,'　.', : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/　 i　　　 　 .i!::..　　　　　　,j}　　　　　　
　|i,　　　 　 i!:..　　　 　 ,'　　 ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :,ｨ'ﾟ 　 .! 　 　 　 i!::..　　　　 　 ,j}　./
', |i, 　 　 　 i!:..　　　　 ,'　　 　 }＞ 。 ､ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ;。＜ｲ　　　|　　　　 .i!::...　　 　 　 ,j}　/　　　　　
:.',!|!,　　　　i!::..　　 　 ,'　　　　j}　|＼三>､: : : : : : : : : : : : :。ｓ≦／　 |　　　 .|　 　 　 .i!::..　　 　 　 ,j} ./
:::.',|i,　　 　 i!::.. 　 　 ,'　 　 　 j}.　!／＞ 。≧ｓ。, ___。ｓ≦三＞ﾟ　＼/! 　 　 .|　　　　 i!::..　　　　　,j}../
:::.∧i, 　 　 i!::..　 　 ,'　 　 　 .j}　i!::::::::|　　 ≧s。,三,。ｓ≦ﾟ´/::::::::::i!　|　　 　.|　 　 　 i!::..　　　　 ,j} /
::/il∧!,　　 i!::..　　 ,'　　　　　j}　i! :::::::|　　 　 　.｀¨¨´　 　 ./::::::::::::i!　i　　 　 |　　 　 .i!::..　　　　,j} /
,'ililili∧i, 　 i!::.. 　 ,'　　 　 　 j}　i! ::::::::!　　　　　　　　　　 /::::::::::::::i!　i　　 　 .!　　 　 i!::..　　　 ,j} /

5180： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/02(木) 22:53:44 ID:GgkQfkOE0

　　　　　　　　　f⌒i　　　　　　　　　　　 _____　　　　　　 r‐､
　　　　　　　　　 ﾏ_ﾑ　　　　　　　　＼ <.　 ヽ｀ヽ､　　,./ﾑ_ﾏ
　　　　　　　　　　ﾏ_ﾑ　　　　　　　,イ ＼＼.　/¨}}　.//ﾑ_ﾏ
　　　　　　　　　　 ﾏ ﾑ　 　 　 　 /(( <>o＼＼rr‐v' /ﾑ ﾏ
　　　　　　　　　　　ﾏ ﾑ　　　　 /　ヽ_>､ゝ__＼∧::j/ﾑ ﾏ
　　　　　　　　　　　 ﾏ ﾑ　　 　 i　 〈={　〔rr-､_＼/}ﾑ ﾏ　　　_＿___
　　　 ,ｲ￣￣￣￣￣＼ﾑ___r=､{_ 　 |ﾖ　 〉厂´=ﾞ7ｲ _≦＿＿{三i三≧f^i
.　 　〈 ／￣￣￣￣￣ ＼___,ｨ冖ミ､_lﾖ　//､_r‐ｉ//f ＞=､　　 ｀ ＜三∧ヽ､　　　　　「企業たちは自らの不祥事の露見と、
　　　 ﾟ,〈ﾌ ﾑ厂　　　　　　Y: :.＼ﾞｰ‐-､￣ii:::::≧"＼‐- ､_＞r―――ﾐﾆ} f〔〕
　　　　',ﾟ,￣￣￣￣＼　　 |＿＿＼ 　 ＼辷ﾆﾆﾆｺi.ヽ_＿_ﾏ ____r‐‐‐/ﾆl |:::l　　　　　責任の追及を恐れ、絶対的な戦力を生み出した。
　　　　 〉　　　WB102 ｰ‐ |',　　i　 ﾟ＼ 　 V二二二ｉ 〉　 ｉ ﾏ RX　 /ﾆﾆ| |::::l
　　　　{∧ iｉ　　　　　　　　|:.',　　ｉ　　 ＞､ V二二ﾆi/ヽ　i　',78-2/三三}_l__|_　　　　 国家解体戦争が始まり、ごく短期間で終わった。
　　　　ゝ込､　〔__〕　　　ﾛ |.: :',　　i ／　fj ｀￣￣￣　fj ｀ｰ_j-‐≦三三ﾆ|ﾟi__ｉ_〕
　　　　/｀ｰｧ｀ｰ‐-ｧ､ 　 _ノ.: : :',._／＿＿＿r―===―､-‐ｧ/＿ /三三三}_i::::l　　　　　国家は消滅。企業連体制が確立され、
　　　 / ,' /　　/ /　 ￣{: : : : : :〉r======ｧ/:.',　　　　 |三/fiﾐfi{三三三ﾆ| |::::l
　　　,ﾟ ,' / ‐‐/ /　　　　廴: : ://三三三7'ヽ: :',　　 　 l￣i三ﾐ}¨}r―ﾐ三ﾆ} i::::l　　　　　人々はコロニーに収容されるようになっていった」
　　__{ ,'/7―n /　　　　　 〉｀ｰr―――ｲ: : : o: ', _＿__}　 i 辷j　|::::::::::Y三| l::::|
　,ｲ　Y//:::://^7　 　 ,zz､{::::::::{:::::::::::::::/: : : : : ／{::::／|　 i　　　 |:::::::::::|三| |::::|
　{i 　 i三三/ /　 　 /＼::＼:::::i＿_::-‐{: : : :／￣／}-､＼ i 　 　 |:::::::::::|三| |::::|





　　　　　　　　　　　　　　 　 　_　-――――-　_　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　∠　　　　　　　　　 　 `　､＿}_
　　　　　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　､　` ､⌒ヽ
　　　　 　 　 　 　 　 ／　　　 　 　 /　　 　 　 　 　 ＼ 　'， /
　　　　　　 　 　 　 /　 　/　　　 　'　　　　　　　　　　 | 　 '/＼
　　　　　　　　　　 '　　　′　　　/ 　 　 　 　 　 |　 　 |　 　､ノ}
　　　　　 　 　 　 ｌ{ 　 / 　{　　 /{　　　{ 　|　 　 |　 　 |￣ア}ノ＼
　　　　　　　　　 八 　|　　',　　ｌ 　、 　{ 　l　、　|　 　 |／　ﾊ___ノ
　　　　　　　　　 　 ＼|'， ∧|　|　　＼_{＼|＼＼|　 　 | 　/ /⌒}　　　　　　これで分かったか？　私たちが生きている時代が、
　　　　　　　　　 　 　 | ∨ｬ竿ミ　　　 　 斗竿ミ|　 　 |／ /__ ノ
　　　　　　　　　 　 　 | ∧ 　Lソ　　　　　　Ｌソ |　 　 |ヽ/⌒＼　　　　　　　どういった成り立ちの上にできあがったのか。
　　　　　　　　　 　 　 |　ﾊ　　　　　　　　　　　　|　 　 |ノi:i:i:i:i:i:i:＼
　　　　　　　　　 　 　 l 　込、 　'　　　　　 　 　 |　 　 |＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:'，　　　　
　　　　　　　　　 　 　 |　 　| ＼　　 r_、　　　　 ,|　 　 |､ｉ:i＼i:i:i:i:i:i:i:}
　　　　　　　　　 　 　 |　 　|　　 　、　　　　 　ｲｌ|　 　 '{i＼i:i:）_ｉ:i:／
　　　　　　　 　 　 　 人 　 |　　 　 l｀　‐ 　´ 　 ｌ|　　/i:V⌒i:￣{
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ､| 　 　f≧======≦_| 　,'⌒i{i:i:i:i:i厂
　　　　　　　　　　_-=ﾆﾆ=-　__ﾉvﾆﾆﾆOニニﾆ=|／二⌒⌒^
　　　 　 　 　 　 _-=ﾆﾆﾆ／ニニ＼ﾆOﾆﾆﾆﾆﾆノﾆﾆﾆﾆ≧ｧ≦⌒＼
　　　　 　 　 　 _-==ﾆﾆ {ﾆﾆﾆﾆﾆ／＼ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆニ'，
　　　　　　　 　_-=ﾆﾆﾆﾆ〉二二ﾆ＼／二二二ニﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ'，
　　 　 　 　 　 _-=ﾆﾆニ/ﾆﾆﾆﾆニ/二二二ニﾆﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ'，





　　　　 　 ／ ￣￣ ＼
　 　 　 ／ノ　　ヽ__ 　 ＼
　 　 ／（―） 　（― ） 　 ＼ 　　　　　……えっと。企業のお偉い連中って、もしかして頭悪いのかお？
　 　 |.　　（_人＿）　　　u　|
　　　＼ 　 ｀⌒ ´　　 　 ,／　　　　　　「地位や権力を持つ者は得てしてそうなる。そうでなければ、世の中は今頃ユートピアだ」
　　 　 / 　　　　　　　　ヽ
.　 　 /　l　　　,/　 /　　 i　　　　　　　 ええ……
　 　 (＿) 　　(__ ノ 　 　 l
　 　 ／　　／　　　___ ,ノ
　 　 !､＿__!､＿_＿＿_つ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
淡々と述べるアルトリアだが、話している内容は一から十まで衝撃的だった。
子供たちが受けている教育など真っ赤なウソではないか。

要するに、企業連は統治能力が低下し社会の維持ができなくなりつつあった
国家に愛想を尽かしたわけではなく。

ただ、自分たちの罪を糾弾されて、自分たちの経済的な優位性が
ひっくり返るのが嫌で、国家解体戦争を起こしたということになってしまう。

まるで子供の隠し事のように。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5181： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/02(木) 23:16:16 ID:GgkQfkOE0

　　/　　　　　　　　　　　　i　　　　　　＼　　　　}　>
　 /　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　.|　／　ﾚﾍ、
　,　　　　　　　　 ヽ　　 i　 .|　　　　　　　|、　/　} ノ
　i　　　　　 .l　　　 i　　.ﾊ. ∧.i　　　　　 .| l /　　|' ﾞ;
　|　　　 .|　 i　　　 .| ／! }/　}ﾊ　　　　　.|,ﾉ　/ ./"
　|　.i　　.|　 ﾄ　　　1. ,ﾑ斗:ｒ7 }　　　　　 |　 / ./:.:.:.:.:ヽ　　　　　　　　　まあ、こうして企業連は地上の支配者になると同時に、
.　i　l　　.|　 「＼　 .ﾊ/ Ｖツ　 ':/　　　　 .|　/ /|.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ
. 八ハ　 ト　|'芯＼{　　´　　　ハ |　　　 ﾊ　/:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:/　　　　　　　　 人類全体諸共に地上に縛り付けられることになった。
.　　{　`:.ハ .ﾄ.}７　　　 　 　　　 }/|　　　.j　ｙ:.:.:.|:.:.:.:.:.:./
　　　　　 | ヾ. :,ヽ　　　　 　 　 /　}　　　ｊ ∩こ)ﾞ,:-イ~　　　　　　　　　　　そうして次に、新たな考えを巡らせだした。
　　　　　 ｌ　　　|＼　 _　-,　　　　ｲ 　.,v⌒／: :ヽ:.:.}　　　　 _____,,
　.　　　　 ｌ　　 .|.　　　､ ´　　　／ﾉ-ﾏ｀／: : : : : :’、_ . : : : : : : : :
　　　　　　丶　 i　　　　　`ｰ ' >r"f ﾞ／: : : : : : : : /: : : : : : : : : : :
　　　　　　　 丶 ，　　　　　　⊂ﾞ_／: : : : : : : : ／: : : : : : : : : : : :





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __　　__
　　　　　　　　　　　　　　　　　 __,.r'' _≧´--｀≦｀ヽ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾉ＞ ´　　　　　　　｀ ＜}
　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 ／　　　　　　　　 .、 ヽ
　　　　　　　　　　　 __..　-‐　　/　 /　 i　　　　i　　　ヽ　 ,
　 　 　 　 　 　 　 　 ￣ ７ 　 / 　 ,: 　 ﾊ.　　　 |　 ヽ　 ＼!
　　　　　　　　　　　　　/　　.,　　/ ,: 　i　',　　　i!　　 ＼.　＼
　　 　 　 　 　 　 　 　 ,　 　 i ,　/!.ﾊ.　|　 ',　 　 !､　 ､　 ',　　 ,
　　　　　　　　　　　　 i　,　 j/ /ｰi'- ', !　　ヽ　　{ ヽ　ヽ　',　　',
　　　　　　　　　　　　 ﾚ'　 / /r=芋ミヾ 　 　 ｀ィr弍=ｧヽ　:,　　i
　　　　　　　　　　 　 /　　' ∧ ﾞ　ゞソ ﾞ　　　"　ゞン " ハヾミｰ- ..＿
　　　　　 　 　 　 　 /　　　ハ._,　　　　　　,　　　　　　ﾑ/::::i　｀丁　　　　　　　　　　戦場の支配者たるネクストは、依然として個の意思で動く。
　　　　　　　　　　 / ｨ　　 {ヽ:::ﾊ　　　　　　　　　　　 ハ:::::::!　.　',
　　 　 　 　 　 　 〃　i :　 |　ヾ彡:.、　 　 - -　　 　.ｲ}}:::／ | .ﾄ､ ヽ　　　　　　　　　 国家の概念を消滅させた力だ。
　　　　　　　　　/　　 | i　 | /::::::::::::＞　　　　　　＜::::::::::::}　!/　ヽ　、
　　　　　　　 __　　　　', !　| {:::::::::::::::ハ､＞.=.＜ _ハ::::::／　/　　　 ＼　　　　　　　　それが自分たちに向かうことがあってはならない。
　　　　　　 /::::ヽ::::｀:::::ヾﾄ､!ー--.=彡{::::::::::::::::::::::::::}ｰ-..__
　　　　 　 ,:::::::::::::',:::::::::::::::::::::::::::::::::ﾑﾊ::::::::::::::::::::::ノ',::::::::::::ﾞ:.ｰ- .._　　　　　　　　　　　恐れを抱いた企業連は、次なる計画を打ち出した。
　　　　 　.i::::::::::::::::,:::::::::::::;:::::::::::::::ﾑ'　 ＞ｰ==＜. 　 ﾏ､::::::::::::::::::::::｀:ｰ- .._
　　　　　 ,::::::::::::::::::',:::::::::::i::::::::::::ﾑ' ／　　　　　　ヽ. 　ﾏ､:::::::::/:::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　r''::､::::::::::::::::::',:::::::::|:::::::ノ=.く　　　　　　　　　＼ _}:::::::::i::::::／:::::::::::::::::i
　　 ／::::::::::ヽ::::::::::::::';::::::j:::／::::::::::::､　　　 ,　　　　　.ｲヽ:＼:::／:::::::::::::::::::::::|
　　 :::::::::::::::::::::::ｰ:::::::::';:::::/::/:::::::::::::::',.　　 ,　　 　 ／:::::::::',:::::',:::::::::::::::::::::::::::i
　　 ::::::::::::::::::::::::::::::::＞:::,::::;'::::::::::弐;:::', 　 ;:　 　／:::r'乙:::::'::::::',:::::::::／::::::::::;
　　 :::::::::::::::::::::＞ ´　　 i::::i:::::::::::::::刈:::',.　i:　／夊_ﾉ:::::::::::::!::::::;:::::::::::::::::::::::;
　　 :::::::::::::＞"　　 　 　 ';:::';:::::::::::::::::::::::ヽ:／::::::::::::::::::::::::::;::::::/:::::::::::::::::::::::{
　　 ::::＞"　　 　 　 　 　 ';:::ヾ:::::::::::::::::::::ハ::､:::::::::::::::::::::::/::::;'　'::::::::::::::::::::::〉
　　　 　 　 　 　 　 　 　 〈:::ミ=-:::::::::´::/　 ';:::≧=-:::::::::/:::r'　　 ';::::::::::::::::::i
　　　　　　　　　　　　　　 i::::::i::::::::::::::::::',.　/:::::::::::::::::/´:::::;'　　　 ';::::::::::::::::::,
　　　　　　　　　　　　　　 |::::::}:::::::::::::::::::∨:::::::::::::::::;::::::::::;　　　　 i::::::::::::::::::i
　　　　　　　　　　　　　　 |::::::!:::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::i:::::::::i　　　 　 }::::::::::::::::::i

5182： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/02(木) 23:22:02 ID:GgkQfkOE0

　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／　 　 /　　 　 　 　 　 　 ｢::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　ヽ､/　　　　　　　　　　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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　　　　　 　 　 　 　 　 　 ヽ:／　　 　 　 　 　 ＞ ＞==ﾍ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　‐- ､／:::::::::/　 　 　 /1///////:|:::::::::::::::
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　　　　 　 　 　 　 　 /　　　　 　 く::::::::::::::::｢＼、 　 _/_::j|///////_|::::::::;
　　　　　　　　　　　/　 　 　 　／ /:::::/7:::::＼:＼ ／'　/´￣￣｀77:::::::/　　　　　　　「ネクストを完全に制御できる戦力とするための計画。
　　　　　　　　　　 ,　　　 　 ／ ／::／_/:::｢:/7 ｰ //　/　　　　 //::::::/
　　　 　　　 　　　 i　　　 ／ ／::／／l}:::::i//‐､ //　/　　　　 //::::::/　　　　　　　　　地上の支配権の確実化」
　　　　　 　　 　　 |　 .／ ／::／／ｲ:/`ｰ'ヾ7=,//　/　　　　 //::::::/
　　　　　　　　　　 |／､／::／／:/／》三二ヾ//　/　　　　 /１:::::/　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　 |::／／:::://》'((k､ﾆ＝//　/　 　 　 /　|::::/
　　　　　　　　　　　　　￣ヽ::_//_ヾ＼､＝ //　/　　　　 /　./::/
　　　　　　　　　　　　 　 ／ｰ_'/: /二二二7　/＞‐-　､´　./::::}
　　　　 　 　 　 　 　 　 /: :／/／　 　 　 ,/／＼　　　 〉／::::::ﾍ
　　　　　　　　　　　　　|／ /´　　 　 　 /´　　　 ヽ　 /´::::::::/､:::＼
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　　　　 　 　 　 　 　 / 　 ' 　 　 　 　 '　　 　 　 / ／:::::::::::/､::::::::






　　　　　　　　　　 ll　　　ll　　　l! l!」」__∠＿　　}}
　　　　　　　　　　　｀ヽ､_ｊｊ,.-;;‐'''''-__,.－‐ ､ｒ'⌒＞ｒ‐_ ､,.‐＝＝＝=;､
　　　　　　　　　　　 __／ ii‐ ､｀´ ‐ ､｀ﾞ ｒ‐'⌒_ ＞<´｀ヽ `ｒ-､　　　　ﾞヽ
　　　　　　　　　　／　　　ヽ_ ｙ－ｧ‐''⌒ ー　''` )ヽヽ　{　 ヽ ヽ　　 　 }}
　　　 　 　 　 　,∠⌒ ー‐　､ﾞ ヽ,－-　､｀ヽーく　 （　ヽ.｀　 ｊへヽ　　〃
　　　　　　　　/ {　　`－､＿ﾉ, -―-､　 ヽ __ヽ ヽ　ヽ　 } ｒ'｀ヽ } }　〃
　　　　　..＿_,ﾍ　－ｒ ､　 {　 ,ゝ- ､　 ゝー ､__丶､ ＼_　 `{　}　}　Y´
　　　　 {{　./　ｒ'　　{　 ー' _(__　　 ｀ - ､＿_　　ヽ ‐ ､　ヽ ｊ｜ ﾊ　!
　　　　　`'''1　 ｊ　 , ゝ __ /　　　ヽ　　　 ヽ＿　 ﾉ　　,-ｒノ´ノ　} ｌ. lヽ　　　　　　「――プロジェクト名は、ファンタズマという」
　　　　　　/Y´　｛　　　ゝ-― ､ ｒ ⌒　　　　 ｀ｙ－'' ／　　}ィ´ }/:ﾉ::}
　　　　　 /､{　{　 ヽ{_ /　 ｒ　ーﾍｒ　 〈, －- へ __ノ　 , ｒ'´　}､/::／7
　　 　 　 {　ヽ ヽ　　 ,－く＿　,.-'―　 }　 ﾞヽ　 }＼_ ｒ　ﾉ、 //_;::::::/
　　　　　 '､ ､_て `　ｒ ､　　 ー　　,. - '　　 ﾉ￣ __ノ`ヾ__　}く-:::::イ
　　　　　　 ヽ_l　ー ﾍ　丶､＿,　 (　　,　 /　ｒ ｲ　 / /　//7＞イ´　/
　　　　　　　 `, - _ { `７ _　ノ　　　てー（ _ ﾉ　_,ィ　 ゞｒ''"´　 ノ　,ｲ
　　　　　　　　 ヽ､　ヽ（　　⌒ｒ－- フ　/　　　 ﾉ_,.-'´ ﾞ＝ ≠=‐''/
　　　　　　　　　　｀ 丶ヽ￣　 ー -- ィ _∠-‐''´　　　　 ／　 ,／
　　　　　　　　　　　　　｀ﾞ''ー‐ｆー;‐'''"~　　　　　　　　/　_／

5183： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/02(木) 23:23:15 ID:GgkQfkOE0
今回はここまでだ。

次回は来週の木曜日、6/9の午後八時からとする。

シーユーアゲイン。ちょっとずつでも、なんとか続けていくから、生暖かく見ていてほしい。

5184：安価のやる夫だお：2022/06/02(木) 23:24:31 ID:yfe7NK8k0
乙

5185：安価のやる夫だお：2022/06/02(木) 23:27:06 ID:otPVeDOI0
乙でした

5186： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/09(木) 20:01:52 ID:DVetNGsY0
　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

5187： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/09(木) 20:09:33 ID:DVetNGsY0

　　　　　　　 ､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´　　　　　　　エルデンリング、最近はすっかり流行りが落ち着いた気がするね。
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i
　　　 　/ : : : : : : :┌─┐　　　　　　　モコイさんも発売日当日に買ったが、ストームヴィルで止まってるよ。
　　　 　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ
　　　 　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿　　　　　　胸の大きい良いかぼたんもいないしね。
　　　 　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ
　　　　 と_ : : : : : : ノ : :ノ　　　　　　　　さて、ぼちぼちやってこっか。
　　　　　　￣￣￣　￣

5188：安価のやる夫だお：2022/06/09(木) 20:11:58 ID:.GCz7RLE0
ハロー

5189： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/09(木) 20:26:07 ID:DVetNGsY0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,
　　　　　　　　　,. -─ '"￣￣￣ﾞ''-' '　､_　,.
　　　　　　　 ,. =- .: : : : : : : : : : : : : : : : : : : ￣､
　　　　 ,. -'". : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ、
　　　,_',. - . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ,
　　　,.イ . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ、
　　／,. . :::::: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
　 ' "ｲ:::::::: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
　 /´:::::::: : : : : : : :i : : : : : ,' : : ,.: : : : :,.: : : :/: ; : : : : : : : : ヽ
　/.::ｨ:::::::! : : :i : : :l : : : : :,' : :/: : :,.-'": : :.ノ: :,ｲ: : : : : : : : : :!
　',"::::;::::::', : : .!: : :li : : : :,' :, ', : ,'" ./;,.-'",.-'" ヽ, : : : : i : : : l
　 i.:::ｲ::::::ヽ, : :',', : ',' , : : :/ .!:/　　'"　　'　　　　ヽ : : : l : _: :{
　 l:/l:::::;.::::::lヽ､',ヽ､', ' ,: :i　 !'　　　　_,. - '". '=- ｀',::::::j'´　｀ ,
　 !! l:::::ll::::::l　　ﾞ'　　　 ヽ;　　　_,.- '",..≦､=---　 .l::::j　/｀ﾞ　'
　 '　 !::l !:::::l　,.ニ三ミミヽ　　 ｀ー イ'､'-',,ノ,. '　　 l::::! {⌒ヽ l
　　　 ヽ ヽ:::' , .弋~ﾞｷｬ_ｧ^'.,　　　　　 ー　'　　　　 l:::!　）　j　l
　　　　 ﾞ'　｀ヽ'.,　｀　ー '" .i　　　 ﾞ　､　　　　　　　 !:! .r' ,/ ,ｲ
　　　　　　 .i ,､'' ,　　　　　 ,　　　　　　　　　　　　　'　 "'　,'::l
　　　　　　　 ', ヽ',　　　　 .;　　　　　　　　　　　　　　 !　,ｲ: :l
　　　　　　　　' ,' ,'.,　　　　ヽ, .-'"　　　　　　　　　　　ﾞ''j:i : :l
　　　　　　　　　' .,',',　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　i　　!!i: :l
　　　　　　　　　　 ヽ' ,　　　　 ,. -─- ､　　　　　　 l　　　!人__
　　　　　　　　　　　　 ' ,　　　　　　　　　　　　　　 ,'　　　　 ',　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　 ' ,　　　　 ￣　　　　　　 , '　　　　　 ,) 　 {
　　　　　　　　　　　　　　 ' ,　　　　　　　　　　, '　　　　　,. '". , '　{
　　　　　　　　　　　　　　　 ', ,　　　　　　　,. ｲ　　　　,.-'"　／　 ﾉヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾍヽ､＿__,. -'"　　　,. -'"　 ,.-'"　,／　　　' ─-,. -─
　　　　　　　　　　　　　　 /　 ',　　'　,　　　,. -'"　　,.-'"　 ,／　　 ,. - '"￣
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　　　　　　　　　　　　　,'　　 .',,,.',. -'"　　　,.-'"　　 ,.-'"'"　／
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「企業の子飼いで、絶対的な忠誠心を持ち、なおかつ高いAMS適性を備え、
何があっても企業に反逆の意思を抱くことのない人間……
そんな都合のいい存在が自然発生しうるはずもなかった。
ましてやネクストを動かせるほどのAMS適性所持者は稀有なものだ。
当時は元軍属に限らず、反社会勢力出身者や懲役囚まで、
お構いなしに徴兵してはネクストに載せていたほどにな」

確かに、ネクストに乗るリンクスは、良くも悪くも皆バラバラで似通っていない。
兵士という一単位であるにもかかわらず、同じ企業がスポンサーでも統一性はゼロだ。

企業への忠誠心も高い者もいれば皆無な者もいる。
自分だって、忠誠心があるかと言われれば、ほとんどなかった。

元はと言えば、自分は企業連に見捨てられた男なのだ。
そんな者でも、たとえ企業連に恨みを抱いていても、
AMS適性さえあればリンクスとして取り立ててもらえる。
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5190： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/09(木) 20:35:26 ID:DVetNGsY0

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　　　　　　　　　　 ヽ､:::/ ｣:::::>::／､　 ,　,x,'::::::::＞i::_i'ヽ
　　　　　　　　　　　　ﾄ､∨ﾆ//ニニ勹ニニニニｼ'　}
　　　　　　 　 　 -=ﾆ∧'::ゝ//ニ=/ / ＼ニﾆ＞､::| /ﾆ=-　、　　　　　　　　　　　　　「そして……なんの偶然か、強力なリンクスというのは、
　　　　　 , イ／　　　 　'ﾍ//　　/ /}　　.／　／/ﾝ:i:} }　　 　＼__
　 , イ/////　 　 　 　 ,､i|ﾚﾍ　/ / < .／　／　/>‐//．　　　　 ﾏ≧x､　　　　　　　　企業に完全な恭順の姿勢を見せない者が多かった。
///////<′ 　 　 　 / ｉ ＼:／ /ｰ／　／ ＞'", ＜｛ ! 　　　　　 ﾏ///≧x､
///////∧　　 　 　 }　|　 /　 ﾚ '　f__, イ , イ　　　/　　　　　　　｀マ////≧x､　　　そこのストレイト・クーガーも同じこと。
/////////＼　　　　i　 ､/　　'　r 　 　／　　　_ ／_　　　　　　　　 >///////ム､
///////////＼　 　 ､ ./　　　　　　　 ｀ー‐''" _,,.. ｲ　　　　　　 ／//////////ｱ　　こやつが企業連の子飼いであったなら、
＼///／:ｉ:ｉ:i:i:i:ｉ:ｉ:＼　 V　　　　　　　　 ／　´　　　　 　 　 　 , <//////////:／
／//ゝ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i＼ }　　　　　 　 ／|　　　　　　　　　, イ:i:i:iﾍ////////／　　　　　今頃はトップランカーだったであろう」
/////:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧　　　　　／　 |　　　　　　, イ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iﾑ//////i
///:∧:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/　 ＼　 　 /　 　 |　　　　　　ﾏ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iム////{　　　　　　　 フン。そんなのは俺じゃないがね。
∨//:∧:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:i/　　　　＼<..､　 　 |　　 　 　 　 ﾏ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i／/////}
　ヽ//:∧:i:i:i:i:i:i:i:／　　　　 　 冫´　 　 !　　　　　　　 ﾏ:i:i:i:i:i:i:i:i:iﾑ///r'　,ｲ
　　∨/:∧:i:i:i:／ 　 　 　 　 ／ 　 　 　 !　　　　　　　　ﾏ:i:i:i:i:i:i:i:i:i/// |／
　　 ﾏ///}:i:i/　　　　　　　/--x__ 　 　 !　 　 　 　 　 　 ﾏ:i:i:i:i:i:i/////
　　　ﾏ/:∧/　　　　　 　 /　　 　 `'ｰ‐┴‐-----------匕:i:i:i/////
.





.　　　　　＿＿＿_
　　　　／　―　　-＼
..　　／　 （●） 　（●）　　　　　　　確かに、ブライドルランクって仕組まれてる感じがするお。
　／　　　　 （__人__）　＼
　|　　　　 　　｀ ⌒´　　　|　　　　　　クーガーさんはそこらのリンクスよりよっぽど強いのに、なぜか10だし。
.　＼　　　　　 　　　　 ／
.　　ノ　　　　　　　　　＼
／´　 　　　　　　　　　　ヽ

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それは企業連のスタンスを示すものでもあったのだろう。

クーガーはランク10、カズキにいたっては自分と大差がない、ほぼ最下位だ。
それでもカズキは下手なランカーリンクスを独力で追い詰められる程の
実力があった。クーガーにしても、もしかしたら最強のリンクスかもしれない、
とさえ言われている男だ。全盛期のなのはとやり合って生き残ってもいる。

なのに、彼らよりも上のランカーとして居座っている中には、
ディエゴ・ブランドーという底意地の汚い男であったり、
モリアーティとかいうIGIOの政治屋もいたりした。

ランクというのは、強さを示すというよりも、企業連からの重用度合いを
表すものと言った方が正しいのかもしれない。
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5191： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/09(木) 20:50:48 ID:DVetNGsY0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ ....　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . 　 ´　　＿ 　 ｀　 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　,.ィ ＞―-｀>‐､- ＼
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　　 r'"／　／　'／ヽﾄ､　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ;　/　/´/　,/　　／､ヽ ',　〉　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, ./　,{　l＿＿_,／　　-‐ !/　;　!
　　　　　　　　　　　　 　 　 　　　ﾉ;　 〃ゝ{ 　 --―　　 彡! 〉 .i　!
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／　V /　廴ヽ、　　 ＝‐ ,.ｲ'"　.!,ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　,.　,.イ　ｒ ',　//　i、,.ィマヽ、-イ　l! ; i{　　　　　　　　　　　　企業連はそれこそを嫌い、それでもネクストを
　　　　　　　　　　　　　　　／　,　 '. ヽ 〃／//ｲ'l!ヽ'/ヽ　}.,ﾊﾉ: !',
　　　　　　　　　　　　　,. '　　／ / .lヽ ＼マ////l.!'∧/∧/./i　: ヽ、　　　　　　　　　　手放せなかったからこそ、ファンタズマを打ち出した。
　　　　　　　　　　　　,　　　　, 　 ,: :　 ﾏゝヽ.///,l !/∧／7'　!　、ゝ
　　　　　　　　　　　/,...::::::::..､ 　 ハ!　　ヾ‐=!'//,l=!//,l／ }　l　 ; ,ヽ、,...::::::::::..､　　　　　その第一段階は、機械工学的なアプローチ。
　　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::＼ ＿＿ｒ=＝ !'//,l=|'//,!ﾆ=-､＿＿ ／:::::::::::::::::::＼
.　　　 　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ二ﾆﾆ＼ﾆ|_//lﾆ|//,!二／ﾆﾆ二ｌ::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　　　デザインドという。
　　　　　　 　 '::::::::::::::､:::::::::::::::::::::l二ニニﾆ`マニ二ニ＞'ﾆニニニl:::::::::::::::::::::::::::::::::〉
　　　　　 　 　 ':::::::::::::::＼::::::::::::::::!ニニニニニ＞''''＜ニニニニニl:::::::::::::::::::::／::::::'
　　　　　　　　 ,ゝ::::::::::::::::ヽ::::::::::::!二ﾆﾆ＞‐'"二二ニ｀''-＜ﾆニニl::::::::::::::／::::::::::::i
　　　　　　　 　 ;:::::＼::::::::::::::::::::::::!ニ／ﾆニニ二二ニニニﾆ＼ﾆニ!:::::::／::::::::::::::::::;
.　　　　　　　 　 }::::::::::::::::ー-::::::::;'_/ニニニニ二二ニニニニニヽﾆ!::::::::::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　i:::::::::::::::::::::::::::::::;ﾆlニニニ二二二二二ニニニニ〉_!::::::::::::::::::::::::::::i
　 　 　 　 　 　 l::::::::::::::::::::-‐::::::;ニ!二二二二二二二二二二ニ/ﾆｌ:::::::::::ー-::::::::::}

5192： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/09(木) 20:59:20 ID:DVetNGsY0

　 ｝} 　//　　}∥　// / /^〉　　 ﾉｿ　）｝ ん/　／)　　　　　　 ｝｝ {n}　　　　 lrj 　 い　　/｝　　 / /　　} 〉　 ∥
. /ｿ　/Y 　 /7　 // / / /　／ 〉　メソ /ｿ　/／　　　　　　　lｦ /^}　　 {^Y r{　　j__|　//　　 / /∧ ノｿ　 ∥　/｝
//　〈 / 　 〈/　 ∥∥〃　汽／／ ／／>　∥ 　 　 　 　 　 ∥｜｜　　l　l |｜　 .ll｜l l　　 ｛__l//ん"　 /^Y //
　　　「l 　 {{||　 ∥∥∥　//　汽／く_／　/Y　　　　　　 　 「 l　l＿l　　弋ﾘ ﾚ　　 lLl　ll　　　 ll∨ い　 /　/〈〈
　 　 j {　　!止 ∥∥∥ .//　//　//　 　 / /　　　 　 　 　 ｜|　 寸　　　||　 ll　　jl |　 ll　　__ll∥　V　 ∥　　}Y
ﾍ　 ｛^Y　 / | / Y l ｜/^ 〉 F} /⌒〉 　 ／　　　　　　　　　 しﾍ　　ﾍ　　 !l　 ll.　l⌒ﾄ、 V^i l　Y　　}}　∥　　〈ﾉ
⌒､｜｜　|__|{　/l |　l/　/ ///　 /　／　　　　　　　　　　　　 ＼　 ｛￣l {Y　「 l l＿jl l ｜ | L j }　/l　l⌒!　〃
ヽ　い-l　|jr┴ﾐ {{ レj-､////＿/ ／｝　　　　　　　　　　　　　　 ∧ 廴 | } }　lメ　「lﾉY　ﾍﾍ上jｿ　| |　L_j ん
　Yr〜┐r| {::　 lﾍ/⌒〜 {/⌒乂く／　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ ｝　}{ ん　 シ{⌒l〜 √｛　∧　 ヽ ∥ 〈/
　　{　　l| l::＿　 /　　　//　　　　｝　　　　　 イ　 ∧　　　　　_　　　＞⌒〜､ |　　＿　l｛　＿　 } 斤/⌒V/
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　　`|＿|　r‐-j　 ん_/　У⌒）)/　　 　 ／　　∥ 　 　 r ∨　}{　　　∨/⌒Y　　 /⌒ヽ　 lノ⌒Y ∨ Y)ｿ
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　l j!　　　　 　 　 　 　 　 　 / (0 o　}}ﾉ厂￣　　　　　　　　　　/〜く^ヽ　ヽ　　　　　　　　　　　　l:j!::　/
　!j!　　　　　 　 　 　 　..:::;;/^( 0)ソY／　　　　　 　 　 　 　 　 {　　　l　l　い　 　 　 　 　 ＿　 　 l:l!:: /
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V {r-冖ヽ`ー-:::....　.::/　／／　　 ﾉ　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼　 l　l／( {　..::::x＜「ol＿　Y「| }V
┴"⌒V　￣「〜ミl／　f /　　　／　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼l　乂_込／　r＼／　　`〜-く
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「それぞれ敵対関係にある四大企業が、水面下で手を組み、
そのプロジェクトは始動した。
第一段階のデザインドは、既存の人体を理想的なリンクス……
ネクストの制御パーツとするために加工するというのがコンセプトだった」

人体の機械化。それはさほど珍しい話でもない。
かつては夢物語としてのサイボーグが、大昔の著名人から生み出されたこともあった、
となのはの授業で教わったことがある。

だが、今となっては夢物語というわけでもない。

自分のうなじにはAMS接続に用いられる端子が埋め込まれている。
手術で埋め込まれ、自分の神経系と直結している。
正真正銘、機械化された自分の肉体だ。

そういった観点で言えば、自分も広義のサイボーグにあたる。

しかし、それの萌芽と、デザインドというのは違うもののように思わされた。
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5193： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/09(木) 21:11:18 ID:DVetNGsY0

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それはあらゆる機械工学、薬学、心理学、遺伝子治療などを用いて行われた。
内蔵や四肢を機械と入れ替え、麻薬漬けにして無理やり延命し、
遺伝子を弄りまわし、拷問じみた洗脳処置まで行われたらしい。

かなり人道に背いた行為ではあったが、そういった実験に使用された材料は、
主に行き場のない浮浪者同然の市民であったり、犯罪者であったりしたため、
大きな問題にはなってこなかったそうだ。

要するに、自分のような人間である。

もう少し前の時代に産まれていたなら、自分もまた、同じことになっていたかも
しれないと思うと、少し複雑な気分にさせられた。

感謝するべきか、嫌悪するべきか。
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5194： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/09(木) 21:14:02 ID:DVetNGsY0

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　　　　　　　　ヽノ l-- lﾍ:i:i:i:i:i:iヽ､__丿,.- ﾉ .／/　 /　 ﾉl　 l 　 l l
　　　　　　　　　l　 l　 l　ヽｌ｀` ----'"ﾉ　ﾉ' ／ゝ'"　 /l　.l　.l　 .l/
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　　　　　　　　　　ﾏﾑ　ﾑ　　ﾍ￣ヽ¨¨´,.-'" ／ヽ､/　 .l　l¨¨l￣l　　l
　　　　　　　　　　 ﾏﾑ　 ﾑ__/.ヽ`-r¨¨,--,/./　　 `-- __.l　 l　 l　　l
　　　　　　　　　　　ﾏ-'"　　 　 ,` ､r-.l ／./､ヽ´､￣`-.､ ｀¨''''- __/
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　　　　　　　　　　　 ,' .l .l.ヽ　　 .l.　,' ,'　　　　　　 ,-／／ /
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　　　　　　　　　　　 l　l､　l　　　l¨ lノ` ----<.／--l___.ﾉ/ ﾑ
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　　　　　　　　　　　 ﾍ lヽ l .l　 l　 l__l______,　　　 ヽj　　.l　 l　l
　　　　　　　　　　　　　l. `l .l　,'　 l　.l　　　　　　　r.､　 l　 l- l
　　　　　　　　　　　　　l` .l .l .l　　l___l___　　　　　弋ｿ　l　 l　.l
　　　　　　　　　　　　　l｀/ .l　l 　.l　 l　 `　　　　.Y´`.､.l　 l　.l
　　　　　　　　　　　　/ /　ﾉ　l　 .l　 l　　　　 _. (¨ ヽ　ヽ　l　.l
　　　　　　　　　　　　7--'"¨.lゝ-.l` ､l　　　　l.､` .､　ヽ　.ヽ.ノ
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結局、デザインドのほとんどは極端に寿命の短い、
開発者や運用者としての言葉を借りるのであれば、
すぐに壊れてしまう欠陥品しか出来上がらなかった。

大抵は精神を破壊され廃人同然になってしまうのもあり、
一部を除いてパフォーマンスが大きく低下する例も多かったという。

所属という垣根を越えて集まった四大企業の研究者たちは頭を抱え、
第一段階「デザインド」を一時凍結。次の段階に移行した。
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5195： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/09(木) 21:33:57 ID:DVetNGsY0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　－＝＝　ｘ--,_
　　　　　　　　　　　　 　 ,　´　　　　　　　　ヽ＼ト,
　　　　　　　　　　　　 ,　　　　　　　＼　　　　 、＼ｙ
　　　　　　　　　　 　 ,'　　　　　 ',　　　，　　　　、 .}ﾌ
　　　　　　　　　　　 ,　　　　 ﾊ　 ',　　　j　　　　ヽ　}ﾌ
　　　　　　　　　　　.;　!　|　　', ヽ、ｘー ナ、　　｀ ∨）
　　　　　　　　　　　 ，.i　.ﾄ、　' ,　 》ﾁテ弌八　　乂
　　　　　　　　　　　 } 人 从≧ …　 乂jﾉ<;;;|　＼ {　　　　　　　　　　　第二段階のプラン名はカルティベイタ―。
　　　　　　　　　　　.|ﾉ .}　 "叭)　　　　´ /;;;;|　　 ヽ
.　　　　　　　　　　　′ |　∧´　 '　　　　〉;;;,ﾘ　　　}　　　　　　　　　　　かつて名を挙げたレイヴンたち、
.　　　　　　　　　　　　ノ　　ﾉ》x:.　´｀ /^:ﾈ !!|j　　 ,'
　　　　　　　　　／¨, ===ヽ<　（＼);;;;;;=¨”;;;;;|{　　ﾉ　　　　　　　　　　　 それらの遺伝子データからクローニング技術によって
　　　　　　　　./ ノ/;,;,;,;,;,;,;,;,;,＼＼＼r--===ﾉ .ノz
.　　　　　　　 ´　/;,;,;,;,;,;,;,;/＼;,;,;ヽ￣|　　　￣　　 |l　　　　　　　　　　　　生み出された人造の天才たち。
　　　　　　　　 /;,;,;,;,;,;,;,;,;,l l;,;,,＼,;,}　.|　　《　　　 :　ﾍ＝＝´｀ヽ
　　　　　　　　};,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;l l;,;,;,;,;,;,;,ヽﾉ、，-＝ ⌒　ヽ,l;,;,;,;,;,;,;,;,;}　　　　　　それらの運用による体制の運営の安定化。
　　　　　　　 /;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,,ｿ,,,;,;,;,;,;,;,;/P´　　　　　　 :　 ＼;,;,;,;,;,;|
　　　　　　ノ,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;ﾉﾉ;,;,;,;,;,;,;,;,;ｿﾉ　　　-…　´￣:｀ -　',;,;,;,;}
　　　　　{;,;-===;,;,;,;,;ﾉ」;,;,;,;,;,;,;,;,;,;//- ´　　　　　　　 :　　 l,;,;,;,l
　＿＿rナ77 ヽ ヽ;,;,;,;,;,;,;,;,;_....=".八　　　《　　　　　.:　　.,;,;,;,;,;〉
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「既存の肉体を使うのではなく、新造の肉体によるネクストの制御。
……クローニング技術による人間の創造は、難しい話ではなかった。
過去に禁じられていたというだけで、十分に可能ではあったからだ。
だが、いくらクローンと言えど、完全にオリジナルを再現できるわけでもない。
個体差があったり、AMS適性を持っていたオリジナルから生み出された
クローンがそれを喪失していたりもした」

間が嫌な話を聞いたと言わんばかりに眉を顰める。
医者を生業とする者として、あまり気分のいい話ではないのだろう。

自分とて、何も思わないわけではない。
命や心といったものを科学で腑分けし、壊したり増やしたりするのは、
理屈では咀嚼しきれないような嫌悪感があった。

だが、企業の時代において、そんな禁忌は存在しない。
あったとしても関係はない。水面下でやればいいだけだ。

ここまではまだ、素直に受け入れることができていた。
他の面々も神妙な面持ちで聞いてはいるが、狼狽する様子もない。

いかにも企業がやりそうなことではある。

だが、次の言葉で、この場にいる誰もが表情をひきつらせた。

5196： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/09(木) 21:36:24 ID:DVetNGsY0

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　 /　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　.|　／　ﾚﾍ、
　,　　　　　　　　 ヽ　　 i　 .|　　　　　　　|、　/　} ノ
　i　　　　　 .l　　　 i　　.ﾊ. ∧.i　　　　　 .| l /　　|' ﾞ;
　|　　　 .|　 i　　　 .| ／! }/　}ﾊ　　　　　.|,ﾉ　/ ./"　　　　　　　　　　　結局、ただクローンを作るだけでは上手くいかず、
　|　.i　　.|　 ﾄ　　　1. ,ﾑ斗:ｒ7 }　　　　　 |　 / ./:.:.:.:.:ヽ
.　i　l　　.|　 「＼　 .ﾊ/ Ｖツ　 ':/　　　　 .|　/ /|.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ　　　　　　　数多の「調整」が施された。
. 八ハ　 ト　|'芯＼{　　´　　　ハ |　　　 ﾊ　/:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:/
.　　{　`:.ハ .ﾄ.}７　　　 　 　　　 }/|　　　.j　ｙ:.:.:.|:.:.:.:.:.:./　　　　　　　　　多くのクローンが失敗作として破棄されていく中、
　　　　　 | ヾ. :,ヽ　　　　 　 　 /　}　　　ｊ ∩こ)ﾞ,:-イ~
　　　　　 ｌ　　　|＼　 _　-,　　　　ｲ 　.,v⌒／: :ヽ:.:.}　　　　 _____,,　　　　ようやく実戦に投入し得る性能を持った個体ができあがった。
　.　　　　 ｌ　　 .|.　　　､ ´　　　／ﾉ-ﾏ｀／: : : : : :’、_ . : : : : : : : :
　　　　　　丶　 i　　　　　`ｰ ' >r"f ﾞ／: : : : : : : : /: : : : : : : : : : :
　　　　　　　 丶 ，　　　　　　⊂ﾞ_／: : : : : : : : ／: : : : : : : : : : : :





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __　　__
　　　　　　　　　　　　　　　　　 __,.r'' _≧´--｀≦｀ヽ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾉ＞ ´　　　　　　　｀ ＜}
　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 ／　　　　　　　　 .、 ヽ
　　　　　　　　　　　 __..　-‐　　/　 /　 i　　　　i　　　ヽ　 ,
　 　 　 　 　 　 　 　 ￣ ７ 　 / 　 ,: 　 ﾊ.　　　 |　 ヽ　 ＼!
　　　　　　　　　　　　　/　　.,　　/ ,: 　i　',　　　i!　　 ＼.　＼
　　 　 　 　 　 　 　 　 ,　 　 i ,　/!.ﾊ.　|　 ',　 　 !､　 ､　 ',　　 ,
　　　　　　　　　　　　 i　,　 j/ /ｰi'- ', !　　ヽ　　{ ヽ　ヽ　',　　',
　　　　　　　　　　　　 ﾚ'　 / /r=芋ミヾ 　 　 ｀ィr弍=ｧヽ　:,　　i
　　　　　　　　　　 　 /　　' ∧ ﾞ　ゞソ ﾞ　　　"　ゞン " ハヾミｰ- ..＿
　　　　　 　 　 　 　 /　　　ハ._,　　　　　　,　　　　　　ﾑ/::::i　｀丁　　　　　　　　　　――私だ。
　　　　　　　　　　 / ｨ　　 {ヽ:::ﾊ　　　　　　　　　　　 ハ:::::::!　.　',
　　 　 　 　 　 　 〃　i :　 |　ヾ彡:.、　 　 - -　　 　.ｲ}}:::／ | .ﾄ､ ヽ
　　　　　　　　　/　　 | i　 | /::::::::::::＞　　　　　　＜::::::::::::}　!/　ヽ　、
　　　　　　　 __　　　　', !　| {:::::::::::::::ハ､＞.=.＜ _ハ::::::／　/　　　 ＼
　　　　　　 /::::ヽ::::｀:::::ヾﾄ､!ー--.=彡{::::::::::::::::::::::::::}ｰ-..__
　　　　 　 ,:::::::::::::',:::::::::::::::::::::::::::::::::ﾑﾊ::::::::::::::::::::::ノ',::::::::::::ﾞ:.ｰ- .._
　　　　 　.i::::::::::::::::,:::::::::::::;:::::::::::::::ﾑ'　 ＞ｰ==＜. 　 ﾏ､::::::::::::::::::::::｀:ｰ- .._
　　　　　 ,::::::::::::::::::',:::::::::::i::::::::::::ﾑ' ／　　　　　　ヽ. 　ﾏ､:::::::::/:::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　r''::､::::::::::::::::::',:::::::::|:::::::ノ=.く　　　　　　　　　＼ _}:::::::::i::::::／:::::::::::::::::i
　　 ／::::::::::ヽ::::::::::::::';::::::j:::／::::::::::::､　　　 ,　　　　　.ｲヽ:＼:::／:::::::::::::::::::::::|
　　 :::::::::::::::::::::::ｰ:::::::::';:::::/::/:::::::::::::::',.　　 ,　　 　 ／:::::::::',:::::',:::::::::::::::::::::::::::i
　　 ::::::::::::::::::::::::::::::::＞:::,::::;'::::::::::弐;:::', 　 ;:　 　／:::r'乙:::::'::::::',:::::::::／::::::::::;
　　 :::::::::::::::::::::＞ ´　　 i::::i:::::::::::::::刈:::',.　i:　／夊_ﾉ:::::::::::::!::::::;:::::::::::::::::::::::;
　　 :::::::::::::＞"　　 　 　 ';:::';:::::::::::::::::::::::ヽ:／::::::::::::::::::::::::::;::::::/:::::::::::::::::::::::{
　　 ::::＞"　　 　 　 　 　 ';:::ヾ:::::::::::::::::::::ハ::､:::::::::::::::::::::::/::::;'　'::::::::::::::::::::::〉
　　　 　 　 　 　 　 　 　 〈:::ミ=-:::::::::´::/　 ';:::≧=-:::::::::/:::r'　　 ';::::::::::::::::::i
　　　　　　　　　　　　　　 i::::::i::::::::::::::::::',.　/:::::::::::::::::/´:::::;'　　　 ';::::::::::::::::::,
　　　　　　　　　　　　　　 |::::::}:::::::::::::::::::∨:::::::::::::::::;::::::::::;　　　　 i::::::::::::::::::i
　　　　　　　　　　　　　　 |::::::!:::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::i:::::::::i　　　 　 }::::::::::::::::::i

5197： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/09(木) 21:47:24 ID:DVetNGsY0

　　　　　　　　　　　　　 -‐━━=ミ
　　　　　　　　　 /⌒:^.: : : : : : : : : ::＞
　　　　　　　_.-=ミ: : : : ＼: : : : : : : : :V: `.
　　 　 　 .ｨ: : : : 7:〉 :∧: : :V: : : : : : :〈/: /〉:.
　　　　 /: : : : : :|/ | : :|:V: : :i : :| : : : : V〉: : ﾊ
.　　　 /: : : : : : :|i　!::斗-V: :|ー|‐|:-|: ::|:|i: : : |i
　　　 ′l: : |i :|i |i_,.ｨﾃﾃﾐ : : |N|ｨテﾐN: |:|i: : : |i
　　　{　｜:::|i :|i |i　 r勿,　|:N　 r勿ﾉ !::|:|5!: : : .　　　　　　　　　　はい……？
.　 　 　 从::|i: |i |i:　^¨¨　　i　　　 　 」::|:|,ﾉ: ;小:.
.　　　　　　〕: :|i |N」　u.　 ,　　、　　.: /|:| : /: : :|i　　　　　　　　　　「既に私の素体の情報は、あらゆるデータベースから抹消されている。
　　　　　　　　|i ||:|:i＞　　　　 　 .ｨ :/::」:/〈: : : 八
　　　　　　　　|i ||:|:|///〕ﾆ=-　　 | l: : :/　 V⌒V:＼　　　　　　　　 ある程度しか知らんが、ACが本格運用され始めた頃、
　　　　　　　　|i7⌒V|　V寸ﾆﾆ才　!: /　　　＼_,V⌒ :、
. 　 　 　 _　--厶ヘ V　 V /⌒丶　| {　 　 -=ﾐ,V{　　,ハ　　　　　　 イギリス陸軍のSASにて先行配備されたACに乗っていた
　　　　 〈,　　 / 　 　 V　V^V__/^V　|/　/　 　 ＼　/
　　　　/∧　/　　　　 }.　 }i /　Vi{　 」　/　 ______　/　　 __　　　　　　最初期の女性レイヴンだと聞かされた。それが私のオリジナルだ」
.　　　 {　　V　 　 　 ,リ,　　}i　　 i{　 }i,　 ／　 　 |ー━=ﾐ」
　 　 r」　　⌒ー‐―(￣￣〉ﾑ　 /| 　i|／　　　　｜　 　 _.」Ｌ　　　　　いや、ちょっと待ちぃや。おかしない？
　 　 |⌒ー}　　　　 /　 　 ＼ V　　 /　　＼　 　_|　　ー=ミ__ )
　 　 |　　 ﾉ　　　 ,/　　 　 　 ＼　./　　 f/―‐┐＿__　　　}　＼　　　
　　 ∧__(___　　_/　　　　　　　　＼　　 /　￣￣〉　乙...
　　　　/　　　/八　　　　　　　_ji斗〜'へ　￣￣| 　 」(
　/　 /　　　/￣,.. ．-‐　'''""~ 　 　 　 　 .V　 rﾉ.　　　＼





　　　　　　　　　　　　　　 　 　_　-――――-　_　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　∠　　　　　　　　　 　 `　､＿}_
　　　　　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　､　` ､⌒ヽ
　　　　 　 　 　 　 　 ／　　　 　 　 /　　 　 　 　 　 ＼ 　'， /
　　　　　　 　 　 　 /　 　/　　　 　'　　　　　　　　　　 | 　 '/＼
　　　　　　　　　　 '　　　′　　　/ 　 　 　 　 　 |　 　 |　 　､ノ}
　　　　　 　 　 　 ｌ{ 　 / 　{　　 /{　　　{ 　|　 　 |　 　 |￣ア}ノ＼　　　　　　　現に私はここにいる。過去の英雄の再現として。
　　　　　　　　　 八 　|　　',　　ｌ 　、 　{ 　l　、　|　 　 |／　ﾊ___ノ
　　　　　　　　　 　 ＼|'， ∧|　|　　＼_{＼|＼＼|　 　 | 　/ /⌒}　　　　　　　 私という成功例を最初に生み出したノルドルムは
　　　　　　　　　 　 　 | ∨ｬ竿ミ　　　 　 斗竿ミ|　 　 |／ /__ ノ　
　　　　　　　　　 　 　 | ∧ 　Lソ　　　　　　Ｌソ |　 　 |ヽ/⌒＼　　　　　　　　 企業連の勢力図の中で存在を拡大させた。
　　　　　　　　　 　 　 |　ﾊ　　　　　　　　　　　　|　 　 |ノi:i:i:i:i:i:i:＼
　　　　　　　　　 　 　 l 　込、 　'　　　　　 　 　 |　 　 |＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:'，　　　　　　上位企業であるIGIOすら差し置いて、な。
　　　　　　　　　 　 　 |　 　| ＼　　 r_、　　　　 ,|　 　 |､ｉ:i＼i:i:i:i:i:i:i:}
　　　　　　　　　 　 　 |　 　|　　 　、　　　　 　ｲｌ|　 　 '{i＼i:i:）_ｉ:i:／　　　　　　　私が示した有用性により、一時企業たちは
　　　　　　　 　 　 　 人 　 |　　 　 l｀　‐ 　´ 　 ｌ|　　/i:V⌒i:￣{
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ､| 　 　f≧======≦_| 　,'⌒i{i:i:i:i:i厂　　　　　　　　　　カルティベイターの確保に躍起になった。
　　　　　　　　　　_-=ﾆﾆ=-　__ﾉvﾆﾆﾆOニニﾆ=|／二⌒⌒^
　　　 　 　 　 　 _-=ﾆﾆﾆ／ニニ＼ﾆOﾆﾆﾆﾆﾆノﾆﾆﾆﾆ≧ｧ≦⌒＼
　　　　 　 　 　 _-==ﾆﾆ {ﾆﾆﾆﾆﾆ／＼ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆニ'，
　　　　　　　 　_-=ﾆﾆﾆﾆ〉二二ﾆ＼／二二二ニﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ'，
　　 　 　 　 　 _-=ﾆﾆニ/ﾆﾆﾆﾆニ/二二二ニﾆﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ'，

5198： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/09(木) 21:56:54 ID:DVetNGsY0


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　＿＿＿　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 __,、__,､__,､ｨ‐r=;､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ィi〔╋┼╋ 土≧s。　　　　　　　　　　　　　 ,　 __f〆.::::::::::::::::::いゞｿﾒ､
　　　　　　　　　　　　　　　 .ィi〔╋┼╋。s≦::::::::::::::::::｀:...､ 　 　 　 　 　 　 ／ _ｆ〆.::::::::::::::::::::::::::ゞ＝'´:..＼
　　　　　　　　　　　　　　 /╋┼╋ ／_:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　　　 　 　 ／　_f7.::::::::::〆^ー'^ー'⌒'⌒'⌒ｰヘ、
　　　　　　　　　　　 　 　 ﾏ╋┼╋┼╋}二王≧s。::::::::::::::::::', 　 　 　 .'ｨ=={f7==､〆　 '　　　 /　　　　　　ヽ　＼
　　　　　 　 　　 　 　 　 　ヽ╋┼╋／ _＼ ＼　≧s。ヽ::::::::::::',　 　 ./〈:{_,ィ|:ﾄ､ヾヽ　　|　　　 |　　　　　｜　 '　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　／ｨ≦7¨´,ィ＼ 　 ≧=≧s。 ',｀≧::::::::} 　 /　　7:/|:ﾄ::ｰ':/　 ;/|　|　　|　|　 　 　 |　　 l 　 　 ,
　　　　　　　　　　　　　 ｀´ }　 zz´ 　 x笊ﾐ ､ 　　　｀ヽ {　ﾏ::／　./　　/:/　|:| 丁 　 /　l　l　　|　l 　 　 　 |　　 | 　 　 l
　　　　　　　　　　　　　　　/　,f笊 　 　 ¨´　)¨ ≧s。　＼ {'　　../ 　 /:/.　 |:|　|　　|ト､ l　'、 ｜ ヽ　　,　 ｌ　　｜　 　 |
　　　　　　　　　　　 　 　 /,イ＿!¨ ､　　 　 /ｲ　イ､　 ｀ヽ ',＼ ./　　/:/l　　|:|　|　　ﾄ､_｀ﾄ､ ＼ ヽ　ﾞ,　 　/　 / /　　 　|
　　　　　　　　　　　 　 _,:'　(_-_八　　,_　　　/／ {_ ＼　ハ{　 ./　　〈:::{ |　　|:|　|　　|弋＞ ミﾒ､＼　|　 /　 / / /　,　/
　　　　　　　　　　 　／::ゝs。 ｀ヽ|＼ 　 。s/'≦:::::::::∨｀　 ､ /　　 　ヾ ｜　ﾚ　.|ヽ　l　ﾐヽゞ'ノ'ヾ 　 |/ ∠厶　/　/ /
　　　　 　_r-r。s≦ヽ::::::::::::} ＞s。＼二ハ::r ;::::::::::::::_∨＿./　　　　　　 |　　　 |　＼　　　　　　　　 斗.,ﾃﾐ､/ ／ 〈
　　　　 「_;|:i:|_:i:i:i:i:i:i:≧=＜　 }Y　/) }ﾊＹﾏﾑ。ｓ≦ｱ/　...／ﾄ､　　　ｲ　 /|　　　 |　　　　　　　　 　 　 `ｰ'イ／イ　|:|
　　 　 ｒ'≦:i:|:i:-￣-¨≧s。i! /' ＞-//　〈ヽイ:::::///　　　　ヾ:..、 ｌ::{　// l 　 　 ﾄ　　　　　 、　　　'　 　 / ／|:l　 |:|
　　　　＜:i:r＝r―＜:i:＜｀「 ／　 /イ' ヽ.〉イ㍉Ⅶ'　　　.＼ﾄ､}::ヽ|:::∨/　 | 　　 |　＼　　　　｀`;'　　　／　|　 ｀　 |:|
　　　　 　 ≧s; 　 　 |_-:i:i),:' 　 ／:::::};';{::/神喰}!}i{　ィ=､.::::::::::::::::::::::::〈.　　 l　 　 |＿__＼　　　　　 ＜|　　 |　　 　 ｀
　　　 　 　 　j!　　　 | 　,.:'　 ＞::´:;ｲ;/::::＼＞::´::}i{´　　 .::::::＿＿＿_:::＼　∧　　|::::;;==≧ｰ＜　　　｜　 /
　　　　　　　j!　　 　 !／ ,／::::::::::/;'/::::::::::::::::::::::::}i{ヽ 　 .／,　――― 、く::::::〉、　l｛:{.::.::/;小｀l:l　 　 |　 /
　　 　 　 　 j!　　　　|　Y::::::::::::::;:'/;{::::::::::::::::::::::::::}i{:::::`´::.／.::.::.::.::.::.::.::.::＼＼ ｀＼ lヾ＝'ｲ |:ﾄ=''　　/l　/
　　 　 　 　 j!　　　　|　 !:::::::::::::;';ﾊ;'{:::::::::::::::::::::::ｨ}i{::::::::::::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::＼ l:::.｀ヽ､ー'|:| |:|＼___/ l /
　　　　 　 　|　 　 　 ｌ　 }:､::::::::j;{ノﾏ≧::::::::::::::::::::}i{::::::::::::..::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::|::.::.::.:..＼ﾉ:|⌒Y＾y'ヽく:.＼
　　　　　 　　 　　　 ﾊ, x}ﾐh､:::j;{ 　 ﾏ';::::::::::::::＿}i{:＿::::_:.二.,,＿　―-　::.::.::.::.:|::.::.::.::.::.:..＼　 | く({廻}>::.:.＼
　　　　 　 　∧　　　／　` ＜_j;{　　 ﾏ。s＞≦//-ｧ ― .::.::.::.::.::￣ ''ｰ- ＞::.::.|::.::.::.::.::.::.::.:..＼　 `￢くヽ::.::.:.;＼
　　　 　 　 / ∧_ ／　　 　 　 !^　　　´　　　 //　/　　,i...::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::|::.::.::.::.::.::.::.::.::.:. 丶　 ハ| ｌ;＼ ､::.:.ヽ
　　　　　 　 /　　　　　　　　 /　　　 　 　　 /i;' 　 !　,.i/ .::.::._::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.ﾉ‐'´,　 -‐'"￣.::.::.　 　　ｌ｜　|｜::.:..|
　　　　　　　　　　　　 　 　 /　　　　 　 　 /-{＿　!/i/　 .::/／::.＜" 'ｰ､::.:／　／..:.::.::.::.::.::.::.::.::.:::.　　 ｌ　 /..::}::.::.:〉
　　　　　　 　 　 　 　 ,r-ｧ/､＿ ,/　　 　 ／ィ-､ )≧'s。 /.::.::.::.::.::.::.＞ ／　／..:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:.　　 /.::/.::.::/
　　　　　　　　 　 ｡s≦イ_/_┼╋ ≧=ｧ‐≧_¨_￣_)h。:::::.::.::.::.::.::.::.::.::〉∧　〈.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.,,＝ヱ=ﾐ<::/´

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「だが、成功例はその後は二体ほどしかできなかった。
二人目の成功例をアヴィアコルが生み出し、三人目はオルデンブルクが生み出し、
自分たちの手元に置いた。
三人の人造の天才たちは、例外なくブライドルのランカーとなった」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5199： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/09(木) 22:05:29 ID:DVetNGsY0

　　|!|!i　　 ||　　　　　　　 　 ´　/／|!{
　　{!i |!　　||　　　　　　　　　　　　　￤ }
　　｀､{　　 |i　　＿_　　　　 　 　 　 ,ｲ　ﾘ
　　　　｀,i_,卅≠￣ヾ>、　　 ､　　　{i,! /
　　　,+"T´　　　　　　ﾍ　 　 　 _.イ"!
　　〃　　　　　　　　　　 :,　 　 　 　 　 ,ｲ
　　　　　　　　 　 　 　 　 }　　 　 i|　xｲ}|i
　　　 |!　　 　 　 　 　 _≠　　　　 |X'　/ii
　　　 |! l|l　　　i|_,≠"　　|!i 　 ,／,'　 ,'　}
　　　 |! l|l　_≠j|　　　i!　」≠"j|!/　 / 　;
　　　,+j,l|i´　　.l|　_,ｪ=彳i|!i/　i|!　 / 　/
　　　 |! i|l　 -+j|'"/i|　|i!li|ｲ　 j|!|j/　i|!'ｲ!
　　|! 　 :|i≠　! |i/　|　|i!li|{　　ｲj.'　 li|!,' |
　　|!+彳|i　　 ! |l　 i|　|i!li|'i|!.　/|!|i /i|!　|

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「私というプロトタイプに関しては、まともに生み出すだけでも精一杯だったゆえ、
大きな調整は施されていなかった。精々が再現性を高めるためのものだ。
だが、二人目と三人目の姉妹は違った。データがあったからな。
二人目には徹底的な洗脳処置が施され、三人目に至っては遺伝子調整の
段階から大きく調整が入ったらしい。
……結果としては、戦果こそ挙げれど、従来の強力なリンクスと大差は
ないというものに終わってしまったがな。
私はろくに調整していないために、ほとんど普通の人間と変わらん。
二人目はサイコセラピーの影響で酷く精神的に不安定だ。
三人目はもっと酷い。幼少期は強烈な錯乱や反抗を見せ、手に負えなかったそうだ。
安定性に欠ける兵器はすべからく失敗作だ。カルティベイターは
繋ぎのプランとされ、次なるプランが模索されるようになった」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5200： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/09(木) 22:13:57 ID:DVetNGsY0

　　　　 ヾ､ー､､-===-､｀ヽ、ヽ
　　　　 ＞''"´￣￣￣｀`ヽヽ｀ヽ.ヽ　 、
、ミｰ彡 ―=二￣￣｀`''＜＼'，∨}!　}!
　丶｀''――=　-=ﾆニ=ｧ…'⌒ヾ Ｖ V }
.　ヽヽ￣―＿二ﾆ=-_/ 　 /毛ﾐノ イ彡
. 　 ヽ ､`''〜､､,,_ ｱ´/ 　 /　　　｀` }ヾY
　　　 ',ヽ , -､ 彡' ,ｲ　／　　　　　 {川)!
　　 ヾヽV ハﾐ㍉ィ7ｲ､､,,__　 }!　 __}ｲ
　　　 ﾍ ﾊ〈 {.ﾐ'"｀`l{ｧ妥'''‐ﾐ}l,,ｧ'::::/',　　　　　　　　　「そして当時、IGIOはカルティベイターの確保に難航していた。
　　　　 }ｿﾍ-　 ヽ　ゝ……',ィ::::アl::::'，
.　　 　 / 　 `l　　',　　 　 /:::::ｱ| ハ,ィ:::)、　　　　　　 その時のトップランカーこそ擁していたものの、他企業所属のカルティベイターが
.　　 ／ﾍ　　卜、 l,,､､-ｧ'ﾞ:::::/,ィ:::::＞'´::::ヽ
_,Ｙ´{.　　ヽ　 ',　＼｀'-ｲ::;;;ィ::::: イ＿_.斗┐　　　　　　 増えれば、その分の差が埋まっていくということだ。
.-∨∧　　 ＼::. 　 /::::::::,,､､‐''":::::::＿ イ:::
◯=∨/心､　 ＼,ｲ:::::::::／::::`''――‐ｧ::::ヽ　　　　　　　そこで、彼らはある偶然に遭遇する」
':.:.:.:.:.:.寸//心／:::::::::::::::::::::/¨¨¨¨¨´.:ヽ::::::
.:.:.:.:.:.:.:.:.寸//:::::::::::::::::::::::,ｲ',.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ::::
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.V⌒｀ヾ;;＞''/ﾍ }｢.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',ゝ
.:.:.:.:.:.:.:.:.:./　　　 //////ﾊ}!―､､,,.:.:. イ:.}





:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i〕iト ． ///////＞===ミ:i:i:i:i:i:i:ヽ:i:i/:i:i:i:i:i:i:i: |
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:｀寸:i:ィi〔:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i＼:i:i:i:i:ｉV:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|
､:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i＼:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ヽ:i:i:i:|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/
∧:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ヾ:i:i:i:i:i::i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:寸|:i:i:i:i:i:i:iｨ:ﾊ
/∧:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i厶:i:i:/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:V:i:i:i:i:/:i:i:i:i|
/: ∧:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:∨:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|:i:i:ｉ:/:i:i:i:i: ト､
:i:/:i:i:ヽ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:{:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|:i: /:i:i:i:i:i:i八 ＼￣￣｀ヽ
i:{!:i:i:i:i:i:〕iト．:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i==ミ:i:i:`:i＜i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|:iｲ:i:i:i:i:i:i/　　 　 　 　 　 `ー
i:iﾟ，:i:i:i:i:ｉ:|　 ＼:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iト､:i:i:i:i`:i＜:i:i:i/:|:i:i:i:i:i:i:/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「……当時のランク1。黒いネクストのリンクス。
:i:i:iヽ:i:i: 八　　　ｰ──ﾍ:i:i:i:i＼乂ト､:i:i:i:i:i7:i:|:i:i:i:i:ｉ/　　　　　　´￣￣ ￣
:i:i:i:i:i:＼:i:i:iヽ.　　　 　 /∧:i:i:i:i:i:〕iト-=彡ｲ:i:ｉ:|:i:i:i ｲ　　　　　　　　　　＿＿　　　　　　　　最早どこにも名前の残っていない男。
:i:i:i:i:i:i:i:i:〕iド:i:i＼　　　{ {　}/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/:i:i:i:i:iレ´　　　　　　　-─＜
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:〕iト ．　} }i圦:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:/:i:i:i:i:i:∧＼/＿_　ィ´　　　　　　　　　　　　　　　　　彼が、カルティベイターの素体として
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i〕iド:i:i:i:≧ド:i--ｲ:i:i:i:i:i:i:i:i:iヽ 　 　 ＼　　--─==＝＝
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iγ⌒ヽ:i:i:i:i:i:i:i:i:i刈:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i.､　　　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　極めて優秀な数値を出したのだ」
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:乂__ノ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ﾟ，　　 　 `ト ．
====ミ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ヽ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:／:i:i∧　　　　　 　 ＼
:i:i:i:i:i:i:i:i〕iト:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:／:i:i:i:i:i: ∧　　　 　 　 　 ＼

5201： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/09(木) 22:25:31 ID:DVetNGsY0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　＿_／ 　 ＿＿ ー----ｨ
　　　　　　　　　 　 　 ／⌒/　　/　　　 ＿￣　　 ＼＿＿,
　　　　　　　　　　　ｒ/, 　 ⌒＼ {::/　／⌒　　　　　　　 ＜＿＿,
　　　　　　　　　　　У　　/⌒ 丶|_./　／￣￣￣＿＿＿　　／
　　　　　　　　　　　'　　 /二 ＼_｣　／＿__　　　 ＼　　　　￣|
　　　　　 　 ＿_／ 　, ィ⌒--- ―￣￣￣〈 ＼　 　 ヽ　　　／
　 　 　 　 　 ／／ ./ 〈 ー-- ／　,　ー ､　廴＼　＼ー―ｲ　　　　　　　「数値だけ出しているだけで、その時の私たちは
　　　　　 　 ' /　i{ i|　 }＼､ ｢ __／__　　　 '　 ヽ ／⌒､　 /
　　　　　　 ∨　 i{ i| 　 }≧' ＝､ '⌒ヽ　＿　／ﾐ∧∨ﾉ　'　　　　　　　　　実戦に投入される段階にはなかった。
　　　　　　　　　八｣　　∨.　　　＼　　　　 /　　∨／/
　　　　　　　　　　　　　/＿＿＿, -―ｨ､　' 　 ∧r'　/　　　　　　　　　　　IGIOはこれを好機と見て、黒いネクストのリンクスから
　　　　　　　　　　　　　　＜＿＿＿／/　|　 /　.∨{
　　　 　 　 　 　 .__　　　　 | |::::/ /⌒/　　　'　　 ﾉ .ﾄ､　　　　　　　　　　　遺伝子データを採取、カルティベイターを製造した」
　　　　　　　 ／ 　 〉=-　__|└―― ' _､rf〔 　 ／　 | i{
　　　　　　　　　　/ニニﾆ=＼＿_.ｘf〔　　　　'　　　/}∧
　　　 　 　 　 　 /ﾆニニニニ人≧＝ ＜　,､- '"　 /ﾆﾆ=- _
　　　　　　　　　'ﾆニﾆ=／￣￣￣＼rー '　　　 ／/ﾆニニﾆﾆ=-　 __
　　　　　　　　 .=ﾆニ／　　　　　　　丶　　　.／／ﾆニニニニニニﾆ/





三三三三| |!:::::::::::::::: : : : : :: ｡.　　　　　:::: : :　: : : : :::::::::::::::i| |三三三三
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三三三三| |!::: : Yｿ　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 : O::::::::::::i| |三三三三
三三三三| |!::: : : o 　 　 　 . ,　-‐‐ーー-, ､.　　.: :ﾟ0::::::::::::i| |三三三三　　　　　　「更に彼らは独自の改良を施した。
三三三三| |!::: : :　　　 　 .／､ゝ_{´　{´{ﾞ´ｿ-､>､.:｡: :ﾟ:::::::::::::i| |三三三三
三三三三| |!:: : 　　　　o/ﾍﾞ‐'´)､ {ヽノ＿<´丿/ヽ. .: : :::::::::i| |三三三三　　　　　　細胞操作により肉体を成長させ、
三三三三| |!::: :　　　　 {ヾヽヽy-‐イ´,　　｀ﾞﾞノ｀丿i..: :::::::::::i| |三三三三
三三三三| |!::: :　 0　　 .マ{_(ソ､-ｰｰヶ-ー{ ノ､ヾｿi.: :::::::::::i| |三三三三　　　　　　 外科手術により脳髄を摘出。
三三三三| |!::::: : :　　　　 　 .ヾ､ｰ､-ｰ'´｀イ｀ｰ<ノ､ﾉ ::::::::::::i| |三三三三
三三三三| |!::::: : : :　　　　　　　 ｀￣ヾy､ﾏ三三ア´.:::::::::::::i| |三三三三　　　　　　 機械化施術を施し、生体CPUとして運用しようとした」
三三三三| |!:::::::: : : : :　　　　 　 　 　 (.ヾ､｀￣ ´.:::::::::::::::::::i| |三三三三
三三三三| |!:::::::: ::: : :　　　　　　　　　 ｀Yﾉ　　: : : ::::::::::::::::i| |三三三三
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三三三三| |!::::::_;;ィ´彡''´￣￣　　　　　　　￣￣｀ ヾミ三ﾐi| |三三三三
三三三三| |!≦彡　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ヾミi| |三三三三
三三三三| |!　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 i| |三三三三

5202： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/09(木) 22:32:22 ID:DVetNGsY0

　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿　　　　ﾉ(
　　　　　　　　　　　　　　__, ｲ　┌―￣￣ ＜__
　　　　　　　　　　　　__/　rー ､ ∨　／／　＿＿ ＞-__
　　　　　　　　　　　/ /　 ｢　　 丶　ﾉ /＿＿＿　　＼／
　　　　　　　　 　 /￣　　 }__　=- ￣　""" ゞ廴　＿＿＞ｲ
　　　　　　　　　 '　　　 ／_／(　　＿＿　{{ ＼ 　 　 　 .／
　　　　　　　 .／　　, ｲ　　　　ゝ 　　＿ 丶　 ﾐ　__　　,ｲ
　　 　 　 　 /／}　/ ﾉ　＿__,　〉　,/ rｯ　ヽ　 .ﾐ/ ﾍ'.　/
　　　　　　 {/　 | i|　＼ ｒr e /　　≧＝ '　 〃 ∧ / '　　　　　　　　　「だが、彼らは致命的なミスを犯すことになる。
　　　　　　　　　|/　./∧ー /　__　　 ＼ u./　 У/./
　　　　　　　　　　　　/∧　 ゝ＿,　=- ､　'　 ./_^　'　　　　　　　　　　 潜入していたSIの産業スパイにより情報が流出。
　　　　　 　 　 　 　 　 /∧ /r―――‐ )　　'　))/
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼ ￣￣￣　　／　 Y　　　　　　　　　　　　その情報を持って、IGIOからの離反を素体である
　　　　　　　　＿　　　　　　 |.　　　　 .／ 　 　 |
　　　　　　　/ﾆ＝-　_　　　｢ヽ ＿_.／ _／ ￣ i|､　　　　　　　　　　　　リンクスに交渉しに行ったらしい」
　　 　 　 ／ﾆニニニﾆ＝ﾆi|　　＼__／　＿＿_.| 〉__
　　　 .／ﾆニニニニニニ八 ＼　 ||　／　＿＿/ﾆ=- _
　　　/ﾆニニニニニニﾆ, 　 ＞ ' ￣ ＼＿___／ |ﾆﾆﾆ=- _
　 　.'ﾆニニニニニニﾆ/ ／ /　　 |i　 | ＼　　　|ﾆニニﾆ=-
　　 |ﾆニニニニニニﾆ| .{　/　{__ / 　 |　　〉 　 .|ﾆニニニﾆ/





.　　　　　　　_,.,.;:;:;:;:;:;:;:;:;:,.,.,.,､
　　　　　,.:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:,、
. 　 　 ,:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:,
.　　 ,:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:,
　　,:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;､
　　;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ｿ
.　 ';:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ﾊ:;:;:;:;:;:;､;:;:;:;:;:'
.　 j:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ﾉｿ:;:乂:;:ﾉ '(;_／´　';ﾊ;'　　　　　　　　　　　　　　　「企業連からその名前を消された男。私も知らない。
　　'､:;:;:;:;く"ゝ､,,,,,,,,,､ ｿ ;'" ｰｔｯ　 ;:ｿ'
　　　ヽト:;:}　‐'"ｔｯ ,..　 {ヽ ￣ 　 .!'　　　　　　　　　　　　　　　　　だが、彼は間違いなく、英雄だったという。
　　　　 ゝ:;:;.　　 ´　　　'. ﾉ　　　 ,
　　　 　 　 ヾ、　 　 　 ｰ'　　 　 ,l､　　　　　　　　　　　　　　　　　驚異的な戦闘能力から、存命中は一度もトップランカーを譲らなかった。
　　　　　 　 　 ､ 　 　 ‐ 　 ´　 /ﾍヽ
　　 　 __r―==,.ﾍ　､　　　　　ｲ　,.'::::＼_　　　　　　　　　　　　　　 無断で遺伝子データを盗まれ、自分のクローンを利用されようとしていた、
　, -=ﾆ＿｀,.:':::::::ﾊ.　 ＞ー '　 ,.::::::::::::::ﾄ二ニ＝-＿
ｉニニニ／:::::::::::::',￣　　　　／::::::::::::::::'＿ ￣―-=ﾆﾆ=-_　　　　　黒いネクストのリンクス。それを知った彼は、企業連に反感を抱いた」
ﾆﾆｰ＝厂ヽ:::::::::::;､　　　 ／::::::::::::::::::/ニニﾆ=-､ ／ニﾆﾆヽ
ﾆﾆl i　ﾉ／ ヽ:::::/.廴 -‐/―-､:::::::::::/二二二ﾆ／ニニニニ}
ﾆﾆ! }　´　.／::::i　ー　,.'ニ／ﾆ＼::::/-――''',ヾニニニニニ!
ﾆ/　l.　　〈:::::::::l　　　 }ﾆ/ニ/　　ヽ'　　 　 ,　 jﾆﾆト-==／ｲ
'"　 ,　　　ヽ::::::!　　　j二ﾆ/　　　　 　 　 / ／`ー-=ニﾆイ
　　 {　　　　':::::|　　 /ニ／　　　　　　　/,　　 　 　 　 　 /
【当時ブライドルランク1　Unknown　IGIO専属リンクス】

5203： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/09(木) 22:38:54 ID:DVetNGsY0

　　 /　 /　 ﾉ /　　　, ー,=､　｀ii`ー ､　　, 　 ＼
　∨　/　ノ　/ 　　　1　 fィ.jヽ　ll 　 ノゝ´　　 , ＼
　　 /　ﾉ　 /　"｀ﾞ"　' 、弋r_.ﾊ　lj、´/'´ゝ,　'´　　ヽ
　 /　 ｿ　/　　　 　 　 ｀ヽ.. - '　!ゞ　|l　 ∧　　　　 ',
　〈　ヽ, '´　　　　　　 　 　､　　　ヾ ゝ`　|　lヽ、,　　 l
　 ヽ '´ヽ、　　　　　　　　　｀ﾞ"　丶　　,rヽ（ 人 ´ 　 l　　　　　　　　　「元々彼は一般市民の出だったらしく、企業連への忠誠心も
　　＼　｀i　　　　　　　　　　　　　 　 ｆ≦=-､l　l '´ 　 l
　 　 ＼ ｜　　　　　　　　　　　　 　 〈ひ)i　 l　〉､ _　l　 　 /　　　　　　高くはない……それどころか、内部改革を求めていたらしい。
　　 丶ヽヽ、　_, , ........ _　　　 ｀_ヽ、_ ）'.ノ ノﾉl ー , ｲ　　/
　　　　| | ｀ <´　`´'ｰ ､ ｀丶、 　, ｧ '´｀, '´, 'ノゝ／/　／　　　　　　　　強力なリンクスの量産と、それによるパワーバランスの固定化。
　　　　| |　　 ﾄ､　　 　 ｀ヽ　ヽ　　　　/ '´　_ >'-‐ｧ '´
　　　　| |　　人ヽ､、　　,-ゝ /　　 　/ ｀Y ´　　 /　　　　　　　　　　　　それを疎んだ男は、実力行使に出た」
＼　　 | |　/ 　 ｀丶ヽ、 `ァ'´　　 ／､_ / 　　　/
　＼　 | |/　　　　　　 ｀ く　　　／　ﾉ'´　　　 /





　　/:i:i:i:i:i:i:i:／　　 　 ／|
≧:':i:i:i:i:i:i:iｲ　　　　　　　{
//{:i:i:i:／、ヽ　　　/ 　 .ハ _＿ _＿__
/∧:i:ｲ//}＼　　 /　 　 ／i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ﾊ __
///７//八　 　 .′　 ｨバ:i:i:i:i:i:i:く￣ヾ:i:i:i≧
///////ハ、　　　 /　 /{ﾄi:i／ヾ:i:i:7':i:i:i:i／
////// ′:i:〕iト-‐=≦:i:i:i|:iﾄ:i:i:i:i:i≧ミ:イ　 ＿___　　　　　　　　　　「自身のクローン検体が保存されているとされた基地を、
ヾ/////{:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i |:i:i:i:i:≧===彡イ:i:i:iヾ:i:＼
　 ＼/／ヾ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:イj:i:i:i/:i:i:i:i:i:i:i:{ ＼ }:i:i:i:i:＼:i＼　　　　　　　片っ端から襲撃しだしたのだ。
　　 /〕iト:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iノ!:i:i:/:i:i:i:i:i:i:i:i:i≧≦i:i:i:i:ｨ:i:|:iﾏ:i:》
　 ./////{≧===== ≦:i:i:i:i仆:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:／:i:i:i:|:i:i:i:l′　　　　　 焦ったIGIOはランク1の乱心を喧伝、検体の保存先を分散させる。
　////// ヾ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i／:i:i:i:i:i＼:i:i:i:i:i:i:i:／:i:i:i:i:i:i:|:i:i:i:|
./////////}≧==== 彳:i:i:i:i:i:i:i:i:i:〕iト-彡i:i:i:i:i:i:i:i:i:ﾄi:i:i:|　　　　　　　だが、ランク1の暴れぶりは凄まじく、大勢のネクストが撃墜された。
'////////厶:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iヾ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i／:i:i:У ＿_
//厶斗匕///ヾ777777777ヾ:i:i:i:i:i:i}}＼:i:i:i:ｉ／:i:i:i:／ｲｨ爪ﾒ}　　　　 当て馬にされ続けていたテロリスト集団がこれを好機と見て、
/////////////∨//／´￣￣￣￣ヾ:i:iヽｲ:i:i:ｉ／:i:i廴.ｨ:i:i7
//////////////ヾ.ｲ-‐=≦ ⌒ヽ　ｰヘ:i:i}:i:i:iｲ:i:i:i:i:i:i:i:i／　　　　　　一台攻勢に出るほどに」
//////////ィ1ー─‐ヘ、　 ｰ==ミー　　｀７:i:i:i:i:i:i:i: イ
///////／:i:i:iﾊ:i:i:i:i/:i:i:i:i:ト =====ﾍー===≧￣￣

5204：安価のやる夫だお：2022/06/09(木) 22:40:09 ID:jr/NWd860
納得の最強AA

5205： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/09(木) 22:43:27 ID:DVetNGsY0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 -―f=ミ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´ ―　 ､f辷彡' ￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ‐ャ－ 、 f辷彡'　　 　 　 　 ｀　､
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ′ ハ　　f辷_彡^ー ｧ　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |　/ 　 ,f辷__彡　　　/　　 　 /／ 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ∨　,f辷__彡く　　　/　　　　/　　 　 　 　 丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　rｔf辷__彡'　ｉ　＼　　　　　 /　 ／/　　　 ｉ　‘,
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀Ｙﾍ　　　　 ､　-､|　 　 ｀ﾊ　/　/　ｲ　 　 　 ｉ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |,ハ　 　 　 〉い |　　 圻ミ、＼　 /　 ｲ　i .ｉ|　　　　　起こったのは、10年ほど前。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ‘,　ﾊ　　　〈　r( |　 　 弋rハ　 ノ イ ,′ﾊ:ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ∨　 、　 ﾊ ヽ.:|　 　 i　　　　　　　厶ｲ ﾉ'　　　　　　……後にネクスト戦役と呼ばれたそれは、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ∨//vﾍ{介f:::|　　 ｉ|　　　　　 fｹ 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |///////ハ:|　　 ｉ|　　　　　 〈 　 .ｉ|　　　　　　　　ランク1と、それに便乗したテロリスト集団の
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　＿ 」/」/」/」」/ﾊ|　　 ｉ|　 ‐ ､　 イ　　 ｌ|
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　＞‐……―＜　 |ｉ 　 从　　　　　　　　支援により長期化。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ′　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::＞...　i| |
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 」　　斗 ―－ァ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ !
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿_「￣ 丁　　　　 〃::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ｲ
　　　　　 　 　 　 　 　 ....＜::::::::::::::: ′　,　 　 　 　 {!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/i|
　　　　　 　 　 　 　 ｆ ::::::::::::::::::::::: /　　/　　　　　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_/　}
　　　　　 　 　 　 　 | ::::::::::::::::::::::::′　 |　　　　　.':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〉
　　　　　 　 　 　 　 |::::::::::::::::::::::::|　　　|　　　　/:::::::::::::::＿＿＿::::::::::::::::::::::::「＼





　　　　　　　　　　　　　　　　　斗ｬー-‐ー ﾐ､ _ _
　　　　　　　　　　　　　　 ＞':::::::::::::::::::::::::::::::::　＜
　　　 　 　 　 　 　 　 　 , ﾞ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::)
　　　　　　　　　　　　　/:::::::::::::::::::,ｨﾚ´ｿ´}:::::〉::::::::',
　　　　　　　　　　　　　〉::::_ｧ､:::／　ヽ沙 ヾ〈::::::_:,/
　　　　　　 　 　 　 　 ∧:::::}　ヾ　　　　 ｀　〈 tﾊ:::}
　　　　　　　　　　　　　 ヽ;込_ 　 　 　 ＿ _´　'｀´
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 '､/　　　　/　∨　/
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　::.　　　ー '　 /　/
　　　　　　 　 　 　 ｡s＜¨i´ﾄ- s｡＞｡ 　 _／::∨./　　　　　　　　　　　　　　だが、それでも終わりはきた。
　　　　　　　　＞,´:::::::::::::j{　　　　　 ｀~"''ｿ :::::∨ /
.　　 　 　 ,...../ / ｀≧sｧ:{｀~¨二 ー-ﾐ　_/´:｀ミ ∨　　　　　　　　　　　　　　最後の検体が保存されていたコロニーに強襲を
　　　 　 〃: ⌒: : : : :/:::::{:::/　ー　´ 　./::::::::/ ｀´≧s｡　_
.　　 　 /: : : : : : : : :/:::::::∨:/:　　　　./:::: ／: : : : : : : : : ハ　　　　　　　　　 かけた男は、その防衛戦力で会ったネクストに撃墜された。
　　　　{.: : : : : : : : : ＼::::::∨ /　　　/: ／: : : : : : : : : : : : : ∨
　　 _ｧ': : : ',: : : : : : : : :＼:::∨ /.　 ,'／: : : : : : : : : : : : : : : : :〉　　　　　　　　コックピットをブレードで刺し貫かれ、即死だったそうだ。
　　 {: : : : : {: : : ／: : : : : ヽ::∨ 　 ｨ':::: : : : : : : : : : i : : : : : : {
　　/ : : : : :{: ／: : : : : : : : :｀ﾐゝ /: : : : : : : :＼ : : : { : : : : : : ∨
　 i|: : : : : : {: : : : : : : : : : : : : :∨: : : : : : : : : : :＼: i{: : : ／: : : ＼
　 ,': : : : : : ',: : : : : : : : : : : : : : }: : : : : : : : : : : : : : :∨ __: : : : : : : ヽ
. 〈: : : : : : : ;i: : : : : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : :/ ヽ　＼: : : : ＞'´¨ｧ
／ﾆﾐ､: : : : ｫ:.:.::／.:.:.: : : : : : ,': : : : : : : : : : : : : : :/　　 ｀ﾐ､｀ ¨¨´ ／_ｧ,
: : : : : : : : i{ }／: : : : : : : : : : }.:.:.:.:.:. : : : : : : : : : /　　　∧::)i.　 ／ _ｧ } ヽ
: : : : : : _ア 〈 : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : :/. 　 　 　 ヽ:＼ ｀/ ／_ア_
: : : : _ア　　/: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::〉.:.:.:.:.:.:.:..: : : : : :〈　　 　 　 　 ＞､｀ ゞ ´＜_ｧ
: : _ア　　　 ヽ　,｡z≦「￣￣￣　∨s｡. _: : : : ::/　　　　　　　　　¨¨¨´
_ア　 　 　 　 {::::::::::::::| 　 　 　 　 }:::::::::::｀~"''‐{

5206： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/09(木) 22:49:36 ID:DVetNGsY0

　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ／ -‐ / 　 /　　　　V∧
　　/:.:.:.:-/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.:..-､_＿ 　i　　 i　　　_ 　 V i
　 /／ ./:. /:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.ヽ:.:.:.:＼:.:..:.:.:.:.:.:.:',:.:.:...､　　　ヽ! r＜!　　/　ヽ　V!
　/ 　 /:.:.:{:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!､:.:.:.:.ｉ:.:.:.:.:.ヽ｀ヽ、:.:.:.:ヽ/:.:..V/--､V　 j}　./　 　 i　}.!
　 　 /:.:.:. ｉ:.:.:.:ヽ:.:.:.:! :.:.＼:.:.:.:.:.}＼:.:.:|ヽ:.:.:.:ｉ_:.-:.:＼:.:.:.:ｉ:.、 .ﾏﾑ-ﾑV/　./　　_　 ! i i
　　 .ｉ:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:.ヽ､:|ヽ:.:.ヽヽ:.:.: ｉ　ヽ:.|斗≦､ヽ:.|:.:.:.:＼:.|/ヽ-'! 〉,___V//　／ r｀-､/　　　　　　　　 ,ゝ--- ､
　　 .|:.:.:/ ',:.:.:.:ヽ:.ヽ≧､:.:.ヽ ヽ:.:|　,イ´ 7 .う 斗:!:.:.:./:! ..--＜　 〉___〉 ! i'　／!. 　 ＼　　　　　　／ 　 　 　 ＼
　 　.|:.:/　 .ｉ:.:.:ヽヽ〃{メ＼＼ }:.|.〃.ト´じ 孑/ /:.:./:.:.ゝ´:.:.:.:.:.V/ ,__}､.| i 〈　 .!　　i´ ｀` - ､　 ./　　 　 　 ,＞-＼
　 　.|/　 　 .＼:.:.＼｀夊ら　　.|/　　弋zzツ　/:／:.:.´:.:.:.＼, '´ ヽ/　__ヽ--V/ヽ-､ヽ　　　　＼!　　 　_＿/　___i´ ＼
　 　 |　　　　／ヽ:._:｀_｀¨´ 　 /　　　　　　 /／ !:.:.:.:.:.:.:_.___.＼ 　 ＼{! 　 ＼　 i.:.:.:.:..､_　　, 'ﾟ´ ＼r＜＞--< 　 ヽ、. ヽ
　　　　　　 /:.:.:.:.｀ヽヽ＿　ヽ　　　　　 ___ /--ニヽ:.／　{　 ｀ヽ､ー‐}!、　　 ＼ヽ;.:.:.:.:.:.:.ヽ、　 ,　 ＼ilililililil/　 /　 V/ }!
　　　 　 　 ヽ------､-￣　 --　r ´_::-- ￣　　　　｀　.{　　　　　　＿V/／´｀ ､＞ 。:.:.:.:.:..､___ 　　Vililill{　 / }、 i}／
.　　　　　　　 　 　 　 　 ＞ ,　 　 |::::|　　　　　　 ／　 _ ヽ_jI斗ｬ≦￣￣￣｀ヽ／＞{ili{≧s､_:.:.:.:.:.､　 Vililiヽ__/{　} i　V/
　　　　　　　　　　　　　　_/　 ヽ-.|::::|　　　　　,ｲ , ＜:::::ililil{_　　　_＿／ 　 　 ＼il＞-､ililij!ililヽ;.:.:.:.＼_!ilililili}_　 '　ヽ, V/
　　　　　　　　 　 　 ┌ ´ 　 　 　 |::::L_ -- ､/::´::::::_::- .ili{´ヽ、／　　　　　　　 __＼ililil_}ilil>‐<､ヽ、:.:.:.}ilililili} V/　　 ヽV/
　　　　　　　　　　　　∨　　　　　 ヽ_:-‐´＞´:::／　　　.iliﾄ､　 ＼　　　　　　／　　 ｀ヽililil＞-<ilヽ/≧'ilililil〈　 〉　 　 　 }!
　　　　　　　　　　　 　 ヽ _ --.ﾃ.　__∠ニ__| ´　　　 　 .ililili} 　　 Ｖ/　　　./　　　　　　｀ ＜ilililililil＼　｀ヽ＞ー＜　　　 }!
　　　　　　　　　　　　　 　 __／　./------.|　　　 　 　 ililili}　　　 V/　 　 V/　　　　　　＿　｀¨¨｀Y-＜ﾟ　　　 / 　＞ ､}!
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ∨ 　./　　　　　 {　　　　 　 .ililili}　　　　V/　　　V/　　　　　{f¨｀ヽ　　　　　　｀ﾟ ＜} 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　 ∨ / 　 　 　 　 ',　　　　　 .ililili}.　 　 　 V/　　　V/　　　　 {!　　　　　　　　　　　 　｀＞ー - -ヽー ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ilili/　　　　　_V/　　　}!　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　ヽ　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 il/ 　 　 　 /　.V/　　 .V/　　　　　　　　　　　　　　　/　　　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ´＼　　　/　 　 }!　　　 V/　　　　　　　　　　　 　 　 {　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「コロニーの名はティルピッツ。防衛に当たっていたのは、
オルデンブルクのハイエンドパーツで構成されたネクスト、マーシフル。
……あなただ、ナノハ。あなたが当時のランク1を殺し、
そして図らずも、最後のクローン検体を守り抜いた」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5207： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/09(木) 22:52:16 ID:DVetNGsY0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　 　 }===================} }
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＿ 　 　 　 　 {:　　 } ================== } }
　　　　　　　　　　 　 _　 　 -= 　￣¨　＼ﾄ　　{:ｌ　　} = ＞ｧミ　 == == ===== } }
　　　　　　　　　　　　＼__　　　＼- ､ 　 i}:}　､{:l　　}／／　　 　>､ = == = == } }
　　　　　　 　 　 　_　 　 ﾌ¨<　 （~＼ ､　 }:}＼_>／>‐'_￣＼／　　∨===== = } }
　　　　　　　　　　}升=/　＼ ＼/＼ ＼＼:}／､}／=‐／＞､ヽ　　　i}========} }
__　　　　　　　 　 〈___,′＼_〉　_〉､　＼}>.:丶{､ｉ}=‐／／　　> } ___　i} ==== == } }
､‐‐　、　　　　 　 丁∧　　{　/_　　_>､__　＼}_/／／､　／　V////ｉ}========} }
_＞=-　 　__　　／‐〈___＼_{　{__　i「　/7=ｱ-ｲ'´＼ｌ＼ }'iﾄ､/　}////i} = = = == } }
¨ﾆ=‐　‐=ﾆ气ト､≦==‐　　¨¨＼､/ /ｲ／〉}__＼＼} 　ｉ} {/＼∧ｉ//ｉ∧ = == == } }　　　　　　「あなたが守り抜いた検体は、
‐- ､‐=斗=‐- 　_>､-----＼} - ＼ｰ'｀ｰ'　＼----＼ }　　 /{　＼/========= } }
　 　} {　{､　　>‐‐　 ＼----->:､--＼__　　イ＼----＼､_/{∧_/ == === ==== } }　　　　　　今はネームレスを名乗り、
　 　}_{　{　Y　　　　　 ｉ} ､------⌒＼>}=‐ﾄ､＼＼‐‐‐‐＼__/}}============//
_　　‐= ､　 }　　　　　 ｉ}l}ﾘ＞=‐ 　 =≦「¨＼＼>_」」-＼-／} }ｲ‐　_ ======= //　　　　　　　ノーバディというネクストを駆り、
/i/i/ｉ//ｉ}.__}　　　　　 ｉ}/ ､‐‐＼‐‐‐‐‐‐＼-＼-------＼ｲ_} }⌒ヽ＼=====,' '
/////i_∧ ､＼　　　／i7ヽ＼‐‐＼‐‐‐‐‐‐＼-＼- _ 　‐=ｲ/ﾍ乍=‐V-}===={ {　　　　　　　　IGIOのランク1として戦場に君臨している」
丶///「｀ヽ≧}ｉl＞イ=‐ｲ‐‐＼_>ｲ/≧=====イ}‐‐‐/7‐‐‐‐}__ｿ }=‐/__/===={ {
＼〉=ｲ､　 /¨}-l}l}={==-}ﾄ --/-/√￣￣￣//‐‐ //-‐=／¨ }{ ｉ}=ｲ__/==== { ｌ　　　　　　　　
__　　」　Y___/＼」､_､__/{--〉'-/､‐‐‐‐‐‐‐//____,乍=-イ{ l　_i}{ ｉ}/i}__{ ==== { i
: : / 　 　 /　　　〕iト．__＞=_.,乍=‐‐‐‐ イ/--/ 　 // 　{ l　 ｉ}{ ｉ}/l}__{=====i
: /　___　/　　　　　　｝〕iト．_}　}乂}____}}__, - /￣ /}ﾄ､　i{ ｌ　 i}{ ｉ}/l}__{=====
,乍=‐イｉ}　　　　 　 _}　　ｉ}　}〕i=-ｲ　 V_/--′__/／＾＼{ l　_ｉ」､ｉ}_ｌ}__{==== { ｌ
/--}-}-ｉ}　　 ／__／}:､　 }　}〕i　}∧　　i}-=ｲ‐=≦､ ／¨ ∨__」／}/}__{==== { {
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: :|: : : : : : : : : |: : : : :′: : : : : : /:　 : : : : : : : |: : : : : : : : '. : : :ﾊ
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ミ|: : : : :　 __: :|:.:　,ｲ : 　 ! / │.!　: :　:　!: j: | | :: j :　:.: :.:!.: :' :.:. i |
｀.| : : : : 　 　｀ト　:,,l_!　./!.|　│jl　: : .:　:' /! ! |　ハ: :: :.: |　 :! :.:.ﾊ!
-:l　: : : 　　　 |　 | ﾘ|｀/''!:ト..,,|:' |│ / / / /　|,斗l'ﾞ!　:.　|　 ﾊ　ｉ│
　|　: :.:　 　 　､_,イ芋芯≧ｭ､.!｀ヽl　 / / /ｘ匕==ﾐﾘ| 　 /!. /│.′
　l　 : :.　　 　 |ヾ 　|::::ｌ{}::::|　 |　Vi ,/ / /ｲl:::ｌ{} ::|,/ |　/ |!/　jノ　　　　　　　――これが、今に至るまで爪痕を残している、
　l　 :.: 　　 　 l∨ . ト::''’::ﾉ 　 　 }ノ　　 　 i::::’::ﾂ　 jノ　|
ヽ!　 :: 　 　　│ 　 ｀¨¨＜.:.:.:.＞　　 　 　 .:ゝ‐'　　.′　 !　　　　　　　　　　　ネクスト戦役の顛末だ。
　| 　.:　　　　│ﾊ　　　　　　　　　　　 .::':,　　　　 ,: : :　│
ゞ| 　 :　 　 　 |::::[ ＿_　　　　　　　　　　/　　 　 / :.:　　|　　　　　　　　　　　まあ、ここまで聞けば、薄々は感じられるだろう。
　| 　 :　 　 　 |:::::::::／　　　　　　　　　　　 　 　 ′:.:　　|
　l　　 :　 　 　|:::::::::┐＿　　　　＿___　　　　／: : : : 　　|
　|　 　.:　　　│､:::::::::::::::ﾌ　　´ー ‐ ’　　 .ｲ: : !: : :|　　│
　’　　 :　　　 |:::::丶:::::::(　　　　　　 　 ／|: !: : ｉ:.:　|　　 l
　 ,　　 :　　　 |::::::::::::::｀:::.:......　　　　／　│ｉ: : :i:.:　|　　i.!
　 ′　.:　　　 ト--:::::::::,,＿__｀ т、´ 　　 !:.!:.: ,′/! j /ﾘ

5208： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/09(木) 22:59:18 ID:DVetNGsY0

/: : : : : : : : :,: : : : : : : : : :＼: : : : : : ミメ、
: : : : : : : : : {::＼: : : : : : : : : ＼: : : : : : :.:|
: /: : : : : : :/~^^ヾ; : }: : : : : : :.:.':, : : : : :.:|
/: : : : : : 从　　　 ）人: : :ヽ: : : :.|: :.､: : :.乂
: : : : : : : : : }.　　　´　 ＼: :!: : :,人: :}: : : : : ミ
: : : : : : : : : }三≧＝=ァ/ヽ}: :/三从: : : : : :.〉
}: : : : : : :,人{ _,ｚrﾋ岱＾　　人｛ 赱　ヽ: : ハ/　　　　　　　　　頭が、頭が悪すぎる……
: : : : : : : {　　` "´ ,..:'´　　　 ^∨~"　.ﾏ{
: : : : : : : 乂_　　 　 　 　 　 　 / 　 　 从　　　　　　　　　　　 ということは、何かね？　宇宙開発を閉ざしたアサルトセルも、
乂: : : : : : : :.ヽ、　　　　　　　　　; ,　 {: :.',
:|　＼: : : : : : : :}　　　 ; ; ;　 , r‐ ｧ ;,　∨^　　　　　　　　　　　国家解体戦争も、ネクスト戦役も、何もかも全て……
:≧s｡.⌒ヾ:从:.:!　u.　　　／' ´こ　 .｝　∨
ヾ: : :.:＼__　 .}/　　　 {:.　　　　　＿＿_/＿＿_　　　　　　　　 全て企業連の失敗と、それの隠蔽や後始末だったと？
　ヾ: : : : :{:',　　　　　 ゝ 　 　 　 |::::::::::::::::::::::::∧
　　{: : : 从 廴_　　　　　; ; ,　　 .∨::::::::::::::::::::::∧　　　　　　　　
　　乂: : : :}　:::::::::≧=‐-.........＿,..入:::::::::::::::::::::::∧
　　　 }: : /! . 　 　 　 ＿＿__ 〈::::::::∨::::::::::::::::＞''"￣￣￣￣
￣￣￣　∧　 　,.ィi〔:;:;:;/;:/;:;∧::::::::|::::＞''"
　　　　　γ:;￣/:;:;:{;:;:;:/;:;:;:;:;:;: ∧＞''"
　　　　 ./;:;:;:;:/;:;:;:;:{;:;:;从;:;:;:;:;:;:;:/





　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 . . .-━-. . .
　　　　　　　　　　　　　　　 . . : : : : : : : : : : : : : : : : .、
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.　　　　　　　 　 　 　 . : : : : : : :/ : : /: : : : : : : : : : : : : : ヽ
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　　　　　　　　　　 / : : : : : : /.: : : :.|.: :. :. .:l|: :.|: : : : : : : : : :ﾟ｡
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.　　　 　 　 　 　 : : : : : :|: : |八 : : : |: : : : :.ﾘ: :八: : : :|: : : : : : :
　　　　　　　　　 |: : : : : |人|　 ＼ : |: : : : /:.:/　 ＼: :|: : : :|: : :|
　 　 　 　 　 　 /|: : : : : | 　￣￣ ヽ|: : :.:/7/￣￣ 　:|: : : :|: : :|　　　　　　　　　いやー……私だって、そんな政治とかには詳しくないけど。
　　　　　　　　//|.: :. :. :.斗r矛笊⌒ ＼/＾⌒笊ﾃ矛寸 : : :|: : :|
.　　　　　　　 :′|: : : : : 八乂rツ　　　　　 　 乂rツﾉ|.: :. :.ﾄ : :|　　　　　　　　　基本的には私欲の暴走と、それで失敗して起こった
　 　 　 　 　 ｛　 |: : : : : :l　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |.: :. :.|ﾉ: :|
　　　　　　　￤　|.: : : :. :.|.　　　　　　　'　　　　 　 　 |.: :. :.|: : :|　　　　　　　　　 大惨事を誤魔化すために大戦争してたってことでしょ。
　　　　　　　￤　|.: : : :. :.|i　　　　　　　　　　　 　 　 ,|.: :. :.|: : :|
　 　 　 　 　 ｛ 　|.: : : :. :.込、　　　　r　 ヽ　　　　　仆: : : |/: :|　　　　　　　　　　中々……中々ね。
　　　　　　　 乂 ′.: : : :.|: : :ﾄ. 　 　 　 　 　 　 . : : :|:|: : : /: : :|
　　　　　 　 　 /: |: : : : : |: : :|l : ＞　　　　　イ.:. :. .:.|:|: : /: : : :|
　　　 　 　 ァ⌒ｰ|: : : : : |: : :|ｌ｛￣￣うT〔￣￣].: : :.|:|: /: : :Λ|￢、
.　　　　　 / 　 　 |: : : : : トＺ廴｝　　}}=={{　　 ｛廴.斗|/ : : /　｝ 　 ＼
. 　 　 　 /　　　　|人: : : |　.//　 　 }}=={{　　 　 } }　/ : : / 　｝　　　Λ

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アルトリアの言うことは内容こそ荒唐無稽だったが、笑い飛ばす者はいなかった。
むしろ自然に受け止めつつある。辻褄が綺麗に合うのだ。
全てにおいて説明がついてしまう。恐ろしいことに、だが。

この場にいる誰もが言葉を失い、一拍遅れて感想を思い思いに述べる。

聡明な管理者たる企業、というのが、この時代の前提だ。

その企業が、私欲を暴走させて世界を滅茶苦茶にしてきた。
それを何度も、だ。

こんなことはよくある話なのだろうが、コジマ技術という強大すぎる力が、
その規模を致命的なものとしてしまった。
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5209： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/09(木) 23:04:44 ID:DVetNGsY0

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　　　　　.∨:.:.:|.∨:.:.:ｉ:.:.ヽ:.:.:.:.｀ つ-´j　　　　　　‐｀‐‐┴/:.///:.:.:|:.:.:.:.:!:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:!
　　　　　　∨:.:| .∨:.:ヽ、:.＼:.:.＼.ゝ´　　　　　　　　　　///〃:.:.:.:|:.:.:.:..!:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:!　　　　　　　　私の戦い……
　　　　　　　ヽ:.|　 ヽ:.ヽヽ、:.｀ヽ__ヽ_　 　 ′　　　　　　//,ｲ:.:.:.:|:.|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　　　　 　 ヽ|　　ヽヽ　＼:.:.|:ﾍ 　 　 　 ‐ ‐ ´　　　　 / ,':.:.:./l.,':.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　　あの時、ちゃんと終わってたんだ……
　　　　　　　 　 ヽ　 　 .＼ 　 ﾏ:|:.:.ヽ、　　　　　　　　 ／　,':.:/:|/:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |∧:.:.:.:.|｀＞ .､　　　 イ　　/／ /ヽ、:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　|| ヽ:.:.:.| 　 　 ._｀T´　　_ -/　　 ./ .|＼_:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |　 ＼:.|　,､r ´/ヽv＜´　　　　/　 |::::::::::￣｀― 、:.:!
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､r －ヽ:/　 ,'／l./ .ヽ　　　 / 　 .|:::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ 、
　　　　　　　　　　　　　 ,､r::"´:::::::::::::::/ 　 / ヽy‐ 7´ヽ　 /　　　|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ 、
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　　　　　　　　　　　/´,':::::/　　 ≠＜´　|´::::::::ヽ /　　｀｀ 、　　 Eニニコ　　 ./　|::::::::::::::::::::::::|
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だが、一番の当事者と言えるなのははと言うと。
まるで憑き物が落ちたような穏やかな表情で、ぽつりと呟いていた。

心底安心しきった様子で、両手を腹部の前で祈るように組みながら。

全てをやり遂げた、安堵に満ちた眼をしていた。
頬を綻ばせ、眼には微かに涙が溜まりつつあるようにすら見える。
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5210： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/09(木) 23:11:31 ID:DVetNGsY0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　-‐…‐-
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　　　　　 　 　 　.:. .:|.: :| :|.:.:.: .:.:| xfて㍉.:ﾘ|.: .:|'⌒て（~"Y/.:.:|.:.|: .: .: |
　　　　　　　 ／.: .: :|.: :|八 : .: 八 　_):刈　|.:.八 　 _):狄ﾘ| .: 八| .: .: :|　　　　　　　　　なのはちゃん……
　 　 　 　 ／⌒7.: : |.: :|.: .:＼.: .:.:ヽ乂少　j/　　　∨'少'.: .:/,ノ.: .: .: :|
　　　　　　　 　 |: .:八.: .: .:＼:＼.:〈⌒, ,　　､　　　　, ,　厶ｲ.: .: .: .: .: :|
　　　　　　　 　 | /　 ＼(＼: ＼:::込　　　　 _　　 　 　 ｲ.:.:.: .: .: .: /.: |
　　　　　　　 　 |:　　　　＼⌒＼ .: 个　 　 　　　　／/.: .:/.: .: .: /.: : |
　　　　　　　　　　　　／.: .:./r＜＼.: .: .＼:＞-＜　 /￣/ .: /.:./､.: .:.|
　　　　　　　 　 　 ／:r＜＿_||"^＼＼.: .: .＼＿__／∧/／/.:./／＼:|
　 　 　 　 　 　 ／ : ／⌒＼八　　 ＼＼.: .:| ＼_／〈∧＼.:.://　／￣￣|
　　　　　　　 ⌒7 :〈 　　 　 ∨￣￣￣￣|.: |〉 /⌒＼　|:::::V/.／ 　 　　∧
　　　　　　　 　 {.: 八 　　　/ ／　　　　.八∧∧:i:i:i:ｉ:|＼:::::: 〈　　　　　/⌒＼
　　　　　　　　 ／　　　　ｒ＜　　　　　 /:::::::::〈　＼:ｉ:ｉ|　 |＼::::〉　 　 　 ＼＼ |
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　　　　　／￣￣￣ ＼
.　　　／　　　 ( ●)　　＼
　　　|　( ●)　　　⌒）　　|　　　　　（なのはさんにとっては、良かった、のかな……）
　　　|　　　 （__.ノ￣　　 /
　　　|　　　　　　　　　 /
.　　　＼＿　　　　　　　＼
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ネクスト戦役の最中、駆り出される友人たちの大半が無情にも撃墜され、
殺されていったという。

ネームレスについて語る時、なのはは亡霊のような陰りを見せていた。
十年前の戦場に心を置いてきてしまったかのように、いつも遠くを見ていた。

人生の清算をしようと、ネームレスの命を自分に要求してきた。

だが、既にそれは果たされていたことになる。
彼女の戦いは無為ではなかった、ということになる、はずだ。

少しだけ、荒れていた心の底の水面が落ち着いていくのを感じた。
恩人が長年抱えていた無念と憎しみが濯ぎ落されたと思えば、そうもなる。
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5211： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/09(木) 23:17:41 ID:DVetNGsY0


　　　 　 　 　 　 　 ／　　　　　 ヽ
　　　　　　　　/レ′　 　 　 　 　 ヽﾊ
　　　　　　 |V　　　　　　　　　　i 　 /|
　　　 　 　 ﾐヾヽ　　　　　　　ﾉノ ／ ,'
　　　　　　 ﾄ､ヽヽ　　　i!〃　　ｨ′ /し!
　　　　　　 ﾄ､l|＼ __∧」Ｌ　 '´ |　 /　/
　　　　　　rV/　　 / 7´　　 　 レ' //　　　　　　　　「まだあるぞ。これで最後だがな」
　　　　　　ﾚﾍー-､l /　　_,,. -一メｲlj
　　　　　　{ﾋゝ￣`| |ー=＝ｒ ィ'´ /ｌﾝ　　　　　　　　　マジかよ。もう腹一杯だぜ？
　　　　　 　 ﾍl＼. | |_ハ___」斗イﾚ′
　　　　　　 　 |　 ｀ll|　|, 　 　 　 lﾊ
　 　 　 　 　 〈ﾄ　　ﾘヽ‐'　　　　,'ﾚ|
　　 　 　 　 . ｲ ＼　￣￣` 　 /　 ト､
＿　,　ｨ'　´　 | 　 ヽ　 　 　／ 　 / 　 ｀ヾ　ｰ- ､_
:::::::::::::/　　　　　　　ト--ィ′　　　　　　　 ヽ::::::::::::￣
:::::::::::::＼ 　 　 　 　 | 　 /　　　　　　　 　 /:::::::::::::::::::
:::::::::::::／＼　　　　　〉y/　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::





　　　　　　　 　 _,.　-ｒ‐､
　　　 　 　 ,∠ ―　,ｒヽ)ﾉ　　 ‐　、
　　 　 　 / 7　‐-,. ( ）'ﾉ　　　　　　　 、
.　　　 　 i　; 　 ,‐!ノ'ノ　 ｀/　 　 ,. -
.　　　 　 '　:,_/〉-,ノ　　 ./　 　 /"　　　　ヽ
.　　　　　ｒ/_.'-‐' 　 ＼ .'　　　/　／　 　 !　､
　　 　 　 `! !.　　　 ､,.ヽ!　　_./／' ,. ｨ　 i　! }
　　　　　　', !　　　 /､ﾉ|　　 .た!ヽヽ/ ノ'　;.ﾉ
　　　　　　　、 、　,ﾍヽ.l 　 l l　　　´　,/,ｲ/
　　　　 　 　 V/＞/∧ l　　!l.　　 　 {.'　.l　　　　　　　いや、聞いておけ。これはここにいる全員が当事者だ。
.　　 　 　 　 _l'/////∧l　　l|　　､　,.ゝ　l
　　　 　 ,ィﾆ二二ニ_＜,.――--＜!　　l.|　　　　　　　ここからは、私の推察も交えてのことだが。
　　　　 /二二二二／::::::::::::::::::::::::::::＞､i|
　　　_,./＞''" -=／::::::::::::＿＿:::::::::::::::::/}　　　　　　　 ……桜花が潰された理由だ。
― /ﾆｉ.lニニﾆﾆ{::::::-:::￣::::::::::::::::ヽ:::::://
::::::i=ﾆ!.!二二ﾆ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::; '
:::::l=ﾆｌ ｌ二二/:::::::::::::::::::::::::::::::;::::::::::;:〉
::::lﾆﾆl ｌニﾆ〈::::::::;:ィ二ニ=_､,､::;:::::::jム
::::!ﾆﾆ!.ｌ-=二';:::://:::::::::::;::ﾆ//ヽ::::/ヽ!ﾑ
::::!/ ,イニ=-__ヽ/:::;ィ////////＼ニl.!ﾆ!
::::l'/ニニニニ＜/////////＞!/∧=!l=l
:::::ﾏﾆ二二ニニ!＞_､//／////＞,/｀マ
:::::::ﾏﾆ二二二ﾆﾑ＜///////＞'"////＼､

5212： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/09(木) 23:26:00 ID:DVetNGsY0

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　　今回はここまでだ。ネタバラシ……長いね。我ながら色々温めすぎだね。
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　　さて、次回についてなんだが……暫定で、6/30の午後八時からとさせていただきたい。
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　　やる気がないわけじゃないんだ。たくさんゲームをする予定があるわけでもないんだ。
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i　　　　いや、たくさんゲームしたいけどね？
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ





　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i　　　　　　　職場の方が、今大変でさ……主に人手不足のせいで……
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ　　　　　　　 上司に「こっから二週間ほど人生捨ててくれ」みたいなこと言われたレベル。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i　　　　　　　逆シャアの「すまんが、皆の命をくれ」って言われた一兵卒のきもち。
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |　　　　　　　でもね、モコイさんは戻ってくるのだよ。私を望む声が一つでもある限り、
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘　　　　　　　モコイさんは何度でも蘇るのだ……
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´





　　　　　　　　　_　_　_
　　　　　　　／: : : : : : ｀i
.　　　 　　　i: : : : : : : : : :!
　　　　　　　､: :○: : ○: :!
　　　　　　　 i: : : : : : : : : i　　　　　　　　　それじゃ、シーユーアゲイン。
　　　　　　　 l: : :,, --_ｯ: :',
　　　　　　　 丶 ｀‐'´: : : :ﾉ　　　　　　　　　……いや、モコイさんも悩んでいるんだよ？
　　 　 　 　 / ´: : : : : : : : ｀ヽ
　 . 　　　　/: : : : : : : : : : : : : ヽ　　　　　　　お話書けないし身体おかしいし辞められないし会社バックレちゃおうかなあ、とか。
　　　 , -‐': : ,: : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　／: : : ,-ｲ: : : : : : : : /｀丶: : : :､　　　　　 でもどこも雇ってくれないし貧乏フリーターに逆戻りで、どの道書けないんじゃないか、とか。
　 ｒ⌒ ,／　/: : : : : : : : i　 　i: : : : i
　 ` ‐ '　　/: : : : : : : : : |　　 ! : : : |　　　　　 ……>>1にお話で食っていけるだけの才があれば、話は早かったんだが。
　　　　 　 i: : : : , _ -‐ ´,) 　 ｀ ヽ _|
　 　 　 　 (_ _i￣(_　-‐'´i　　　　　　　　　　　 ないものねだりしてもしょうがない。シーユーアゲイン。またここで会おう。
　　　　　　|　:|`‐´i : : : : |
　　　　 　 |: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|　　　　　　　　　　　　私もそれだけが楽しみだし、人生の張り合いってやつだからね。
　　　　 　 |: : : : : |: : : : : !

5213：安価のやる夫だお：2022/06/09(木) 23:28:39 ID:.GCz7RLE0
乙でした

5214：安価のやる夫だお：2022/06/09(木) 23:32:04 ID:jr/NWd860
乙ー
身体は大事にしてね

5215： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/09(木) 23:32:33 ID:DVetNGsY0

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　　　ヽト:;:}　‐'"ｔｯ ,..　 {ヽ ￣ 　 .!'
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AA：機動戦士ガンダム　逆襲のシャア　アムロ・レイ
【Name】
Unknown（既にどのデータベースからも抹消されている）
【Status】
AMS適性：A
　彼はネクスト戦闘の始まりから数えて最高レベルの適性の持ち主であった。
　だが、次世代の才能の体現者である高町なのはに討たれることとなる。

戦闘技術：A++
　ネクスト操縦技術。天性の勘と戦闘センスを持ち合わせ、幾多もの死線を潜り抜けた歴戦の猛者。
　彼の戦闘経歴は企業連統治時代の中期差し掛かりと共に記録されている。

【Note】
プロジェクト・ファンタズマの最終段階、ファンタズマ・ビーイングの前身。

IGIO統治下コロニーにて一般市民、技術部の子であった彼の町は、オルデンブルクとの戦闘で破壊される。
その後、撃墜された半壊したIGIOネクストに搭乗し、オルデンブルクネクストを撃退。
それを切っ掛けに軍属となるも、コロニーへの被害を鑑みなかった企業連への疑念を抱いていたらしい。

それでも軍属となったのは、リンクスたる強力な個の概念を以て、企業連体制の内部改革を夢見ていたからだ、とも。

彼が二十代後半にもなろうとき、IGIO内部にて不審な動きを知る。
自身のクローニング計画を知った彼は、体制の絶対的な支配によるディストピア化と人類の可能性が摘まれることを望ましく思わず、
検体が保管されていた基地を次々に襲撃しだした。これが第一次ネクスト戦役の始まりである。

最後の検体が保管されていたコロニー・ティルピッツにて、同所を防衛していた高町なのはのマーシフルによって撃破される。

なのははネームレスを名乗って生きていると確信していたが、
実際はなのはとの戦闘で既に死亡していた。

三三三三三三＼ヾ.三三三三三三三三三三三三三ﾊ 三三三三三
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【Name】
オーディン
【Type】
中量二脚
【Architect】
IGIO開発部
【Status】
火力：B　機動力：A　耐久力：C　持続力：C　負荷：D
【Note】
当時における最高の技術を用いて開発、建造されたIGIO気鋭の機体。
漆黒にペイントされた先鋭的なフォルムに追加スラスターを携えている。
武装はIGIO製近距離特化ショットガン、レーザーブレード。

機体名は北欧神話が由来。その呼び名の中には、鴉の神とされるものもある。

5216： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/09(木) 23:33:07 ID:DVetNGsY0
なんか抜けてるね。

【Tips】
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AA：機動戦士ガンダム　逆襲のシャア　アムロ・レイ
【Name】
Unknown（既にどのデータベースからも抹消されている）
【Status】
AMS適性：A
　彼はネクスト戦闘の始まりから数えて最高レベルの適性の持ち主であった。
　だが、次世代の才能の体現者である高町なのはに討たれることとなる。

戦闘技術：A++
　ネクスト操縦技術。天性の勘と戦闘センスを持ち合わせ、幾多もの死線を潜り抜けた歴戦の猛者。
　彼の戦闘経歴は企業連統治時代の中期差し掛かりと共に記録されている。

【Note】
プロジェクト・ファンタズマの最終段階、ファンタズマ・ビーイングの前身。

IGIO統治下コロニーにて一般市民、技術部の子であった彼の町は、オルデンブルクとの戦闘で破壊される。
その後、撃墜された半壊したIGIOネクストに搭乗し、オルデンブルクネクストを撃退。
それを切っ掛けに軍属となるも、コロニーへの被害を鑑みなかった企業連への疑念を抱いていたらしい。

それでも軍属となったのは、リンクスたる強力な個の概念を以て、企業連体制の内部改革を夢見ていたからだ、とも。

彼が二十代後半にもなろうとき、IGIO内部にて不審な動きを知る。
自身のクローニング計画を知った彼は、体制の絶対的な支配によるディストピア化と人類の可能性が摘まれることを望ましく思わず、
検体が保管されていた基地を次々に襲撃しだした。これが第一次ネクスト戦役の始まりである。

最後の検体が保管されていたコロニー・ティルピッツにて、同所を防衛していた高町なのはのマーシフルによって撃破される。

なのははネームレスを名乗って生きていると確信していたが、
実際はなのはとの戦闘で既に死亡していた。

三三三三三三＼ヾ.三三三三三三三三三三三三三ﾊ 三三三三三
三三三三三三三＼:三三三三三三三三三三三}三三} 三三三三三
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【Name】
オーディン
【Type】
中量二脚
【Architect】
IGIO開発部
【Status】
火力：B　機動力：A　耐久力：C　持続力：C　負荷：D
【Note】
当時における最高の技術を用いて開発、建造されたIGIO気鋭の機体。
漆黒にペイントされた先鋭的なフォルムに追加スラスターを携えている。
武装はIGIO製近距離特化ショットガン、レーザーブレード。

機体名は北欧神話が由来。その呼び名の中には、鴉の神とされるものもある。

5217： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/09(木) 23:33:30 ID:DVetNGsY0
【プロジェクト・ファンタズマ】
かつて企業は最強の個体戦力としてネクストを生み出した。

ネクストを人であるリンクスに委ねざるを得ない限り、
ネクストは制御できない意志持つ猛威たりえるという不安を抱き続けることとなる。
統治者たちはこれを恐れ、プロジェクト・ファンタズマを始動させた。

ネクストとリンクスの完全なる制御を目的とした当プロジェクトは三段階に分けられる。
生体工学、薬学、機械工学からなるリンクスの機械化によるデザインド。
クローニングと洗脳による優秀なリンクスのコントロールを目標としたカルディベーター。
そして最終段階である、カルディベイターを完全に機械化して電子上のAIへと変貌させ、
完全に制御可能なネクストのCPUとして用いるファンタズマ・ビーイングである。

デザインドは早い段階で頓挫。ある程度の成果は得られたものの、
機械化はリンクスの寿命を著しく縮めてしまい、コジマ汚染やAMS負荷への耐久性に難があった。

カルディベイターは優秀なリンクスの量産と遺伝子制御や洗脳によるコントロールと
一見理想的なプランに見えたが、再現性の低下と洗脳の不安定さが第三験体アリス・メルキュリーのデータから証明され頓挫。

プロトタイプであるアルトリア・ペンドラゴン、精神の安定性に欠けるものの高パフォーマンスなアリサ・イリーニチナ・アミエーラという遺産を残し、
最終段階への繋ぎとして企業に利用されていった。最高クラスの性能を持つアルトリアはプロジェクトの主導者たるノルドルムに、
盟友であるアヴィアコルにはアリサが、そしてオルデンブルクはパワーバランスを保つ意味でアリスを受領する。

IGIOは、彼の遺伝子情報から生体コンピュータを製造し、ネクスト用自律制御AIとした。

結果、計画は最終段階であるファンタズマ・ビーイングに移行。
彼をベースにクローニングし、それらの脳髄だけを摘出。
生体コンピューターとして運用する真のファンタズマ・ビーイングへの繋ぎが生まれた。

それこそが、ブライドルランク1、ネームレスの正体である。
だが、クローニングによる再現性の低下と感情消去によるポテンシャル低下は解消できず、
ランク1に居座り続けたのも機密保持と実験運用、そしてブライドルの頂点に企業支配の傀儡を据えるという目的だった。

5218： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/09(木) 23:35:18 ID:DVetNGsY0
うん、なんかおかしいね……矛盾しているね。

元レイヴンなのか生粋のリンクスなのか分からないね……修正しておこうね……グダグダだね……


【Tips】
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【Name】
Unknown（既にどのデータベースからも抹消されている）
【Status】
AMS適性：A
　彼はネクスト戦闘の始まりから数えて最高レベルの適性の持ち主であった。
　だが、次世代の才能の体現者である高町なのはに討たれることとなる。

戦闘技術：A++
　ネクスト操縦技術。天性の勘と戦闘センスを持ち合わせ、幾多もの死線を潜り抜けた歴戦の猛者。

【Note】
プロジェクト・ファンタズマの最終段階、ファンタズマ・ビーイングの前身。

IGIO統治下コロニーにて一般市民、技術部の子であった彼の町は、オルデンブルクとの戦闘で破壊される。
その後、撃墜された半壊したIGIOネクストに搭乗し、オルデンブルクネクストを撃退。
それを切っ掛けに軍属となるも、コロニーへの被害を鑑みなかった企業連への疑念を抱いていたらしい。

それでも軍属となったのは、リンクスたる強力な個の概念を以て、企業連体制の内部改革を夢見ていたからだ、とも。

彼が二十代後半にもなろうとき、IGIO内部にて不審な動きを知る。
自身のクローニング計画を知った彼は、体制の絶対的な支配によるディストピア化と人類の可能性が摘まれることを望ましく思わず、
検体が保管されていた基地を次々に襲撃しだした。これが第一次ネクスト戦役の始まりである。

最後の検体が保管されていたコロニー・ティルピッツにて、同所を防衛していた高町なのはのマーシフルによって撃破される。

なのははネームレスを名乗って生きていると確信していたが、
実際はなのはとの戦闘で既に死亡していた。

5219：安価のやる夫だお：2022/06/10(金) 01:03:45 ID:LqBvoYBU0
>>5198
あれ、左の人も1週目に出てきてたっけ

5220： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/30(木) 20:18:50 ID:GOf3XeHE0
　　　　／||ミ
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5221：安価のやる夫だお：2022/06/30(木) 20:28:05 ID:lytPacE60
ハロー

5222： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/30(木) 20:31:18 ID:GOf3XeHE0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|　　　　　　遅れて申し訳ない。投下を開始しようと思う。
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,　　　　　　……謝罪とか、言わなきゃいけないこととかあるんだけど、
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|　　　　　　上手く言葉にできない。頭があまり働いていないようなんだ。
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,　　　　　　ぼちぼちとやっていこう。
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
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5223： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/30(木) 20:39:04 ID:GOf3XeHE0

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7||-||T´　　　　 　 | 　 　 |　ゝ-||--' . | 　 　 |
￣￣￣|二二二二二二二二二二二二二二二二二二二

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「企業連は宇宙への道を閉ざしたが、諦めたわけではなかった。
どのみち、コジマに頼り続ける限り、この星にとどまり続けていては身の破滅だ。
コジマを手放すわけにもいかんだろう。今のレベルの文明が維持できなくなる
どころか、自分たちの支配権を手放すも同義だからだ。
企業たちは、宇宙への道を切り開く手段を模索しはじめた」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5224： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/30(木) 20:50:46 ID:GOf3XeHE0

┌───────────────────────┐
│Orbital strafing overed Kojima cannon　Ehrenberg　 　 .│
└───────────────────────┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／-|｜|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／／ // /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 _／／ _ -/ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌┐＿＿＿＿┌―‐┬┌―‐┬-､＿＿_ -=≦　-=≦‐// /
.　　　　 　 　 　 ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_０ﾆﾆ）||卦挂挂卦挂挂卦挂|| : : : :}|　　∀}∀三」￣└‐┬ ┐┴‐-､ _
　　　 　 　 　 Ο＿＿）））＿＿＿＿＿))＿＿＿）||＿＿）;_;_;)＿）;_;_;;）_二二二エニニｺ|ｪｪ|ｪｪｭ┐　 |　｜￣￣｜|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　０二二）||卦挂挂卦挂挂卦挂|| : : : :}|　　Α}｜_ |　　 :|　　|　/――‐┴'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└┘￣￣￣￣└―‐┴└―ｧ┴‐ '/ = |＿|二二二/_/￣￣￣´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /￣￣￣ /｀丶、 　 ＿|_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 〈―――‐ 、 　 /｀丶}‐┼|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｀/ ￣ /丶｀丶､　 　 TＴ |、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　　 /　 　 /　l｀丶、| |i┤丶、
＿＿＿＿＿＿＿＿_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /￣￣ /￣}　/ 　 |　　　| l　|　　 ｀丶、
　　　　　　　 　 　 　 ｌ|{￣￣￣＼＿＿_　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /＿＿_/ ＿_}/|￣　|￣　 | |　|｀丶、　　｀丶- ､
　　　　　　 　 　 　 　 ｌ|{ 　 　 　 　 ￣∨/∧　 　 　 　 _　　 -‐,．- '‐┬‐ /＿＿_}└_ｰ└_ー_LＬ⊥ ￣ ｀丶　⊥二l‐-　　 _
　　 　 　 　 　 　 　 　 l|{　　 　 　 　 　 ∨/∧ 　 　 　 ｀　 ￢┴――┴‐' ----------------------――――‐￢冖　´
----――￢￢冖冖　 　 　¨¨¨¨¨￣￣￣￣

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「IGIOとアヴィアコルは、自分たちの得意分野であるエネルギー兵器を利用した
プランを提唱。水面下で開発をスタートさせた。

惑星衛星軌道掃射砲エーレンベルク。その名の通り、
衛星軌道を埋め尽くすアサルトセルの網を払いのけるための、
天を衝く超巨大コジマキャノンだ。

だが、その計画は頓挫とまではいかずとも、難航していた。
現存のコジマ発電技術……スフィアが生み出すエネルギーをもってしても、
アサルトセルを一掃できるほどのエネルギーの確保にまでは届かなかったのだ。

これに関しては、次世代のエネルギー生産技術が待たれることになった」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5225： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/30(木) 20:57:36 ID:GOf3XeHE0

┌─────────────┐
│Vanguard Overed Boost　　　　.│
└─────────────┘
　　　　　　　　　　　　　__
　　　　　　　　　　__ =´_/
　　　　　　 　__-_;=ﾆ~｣、
　 　 　　　ﾞ'''"´;iﾆ_／ /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,:-::,:.:.　　　　　　　　　　　　　　 _＿
　　　 　 　 　 　＼Xノ′_＿_,　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,___／(.:.ﾞ;　):.　　　　　　　　　　　.: :.::.´.:.:_ ｀,ｰ‐､
　　　　　　 　 　 ∧三Y´＼/　　　　　　 　 　 　 　 :_＿ｒ‐l／ :､. `‐ｙ' 　 　 　 　_＿ _,.､,;:-:;"´ﾞ;`:.三iﾐヽ＿., >
　　　　 　 　 　 　　lｰ<{迥|_!､　＿　　 　 ∧.__.;r;;‐:く_.:)／!._　_　／ __,r‐､ ,r-ｭ_|‐´　　.i!　ゝ;_.:;..' 三i `ｼ´
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　　 ,ﾉヾﾆﾆ〉`＜弍ﾑｨIiｘ　　 ,／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Yｰ＜　/ l! l) ﾚ ﾘﾑヽ寸　 込､_ 　}'ｰ}‐=" {ﾆl三}l‐=〈
　 (I／／⌒寸◯ﾊI}lﾏ=ﾑ ｡＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r' ＞｡ `}l　l!jI　　∧ﾑ ’}lY　 ＞'ﾊ ヾノ　　 乂ｌﾆﾆ}l三i!
　 (Ir!Ii/　　　`ｰ=ﾆ=ゝﾆI}　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /＞s` fIﾊ　l!,lｺ` j! ∧ﾑ l '5イx　　`ﾄ-x　　　 |笊iYﾆjﾉ
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「対になるプランとして、オルデンブルクグループとSIグループが打ち出したもの。
それは超巨大追加ブースターを搭載させたプロトタイプネクストを
衛星軌道まで打ち上げ、アサルトセルを殲滅させるというものだった。

プロトタイプネクストは、パイロットの命を割れた砂時計のごとく消費する。
だが、その戦闘能力は通常のネクストとは比べ物にならない。
アサルトセルすらも一機残らず殲滅できるという演算結果も出ていた。

だが、衛星軌道まで到達するまでにアサルトセルの砲火に貫かれては意味がない。

そこでオルデンブルクとSIは水面下で技術提携を行い、
VOB……ヴァンガード・オーバード・ブースターの開発を行った。

超巨大追加ブースターと、プロトタイプネクストの尋常ならざる出力。
これを組み合わせた超高速のオーバードブーストにより、
アサルトセルの攻撃を掻い潜りつつ宇宙へ躍り出るというプランだ」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5226： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/30(木) 21:05:01 ID:GOf3XeHE0

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　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＜ニニニニニニニニニヽ
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　　　　　　　　　　　　,::::::::!//////,'/////////, ./:::::::::::::::::/　 /.ﾉ　　 ,　　　ﾏ　ヽ/! ＼//}
　 　 　 　 　 　 　 　 ,:::::::::l//////ｲ////////,{ /::::::::::/::::/　ノｲ　　 　 , 　 　 ヽ. },l　　 Vﾉ
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.　　　 　 /:::::::::::::::::::::::;:' ,ィ/／::::::::::::::::::::::::::::::!::;ｲ'////ﾊ/ /　 .i 　 ｆｒ　.＼人 ﾉ　.}.ﾉ
　　　 ,..:::::::::::::::::::_f⌒ヽｰ--､:::::::::::::::::::::::::::::::;:ｲ//／///!__{.＿_l__.ノﾉ＼　 ＼ ,ノ〃
　　 ｒ‐､_jヽ｀ヽ:/.ヽ'"´（ r‐､ヽ:::::::::::::::::::::::::::::'-＝ー-//,ゝｰ---―ｲ!.ト.　ヽ. 　＼'

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「これに関しては、オルデンブルクに一日の長があった。
ネクスト開発の最初期から関わっていたクラウディウス博士の娘にして、
本人も極めて優秀なネクスト開発の技術者にして研究者。
オーバードブーストの機構にも明るかった彼女の手により、
そのプランは急速に現実味を帯びつつあった」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5227： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/30(木) 21:09:06 ID:GOf3XeHE0

　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿
　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　 ＼
　　　　　 　 　 .／　　 ─　　─＼　　　　　　ラケル博士が、そんなプロジェクトに。
　　　　 　 　 ／　　　（●）　 （●）＼
　　　　　　　|　　　 u　　（__人__）　　|　　　　　凄い人だとは聞いていたけど、聞いていた以上だお。
　　　　 　 　 ＼＿　　　 ｀ー´　∩／⊃
　　　　　　 　 　 (　　　　　　 ／ ＿ノ
　　　　　　 　 　 |＼　＼　／　／
　　　　　　 　 　 |　 ＼　”　 ／|

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
だが、今となってはそれもお釈迦になってしまっただろう。
ラケル博士の知見と技術力は永遠に失われた。
コロニー・トウキョウと共に炎に巻かれて何もかも灰だ。

本人はおろか、その成果物も。
彼女の取り扱うものは、やけに機密性が高く、クラウドでの保存やバックアップも
存在していないらしかった。

まあ、その理由が、今聞かされているようなものなのだろうが。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5228： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/30(木) 21:12:55 ID:GOf3XeHE0


　　　　　　　　　　.,,ｨ≦ﾆﾆ≧.､
　　　　　　　　　//´￣￣ ＼ ヽヽ　　 ＿_　　 ., ｨﾆﾆﾆヽ
　　　　　　　.,.ｲ/　　　 ／＼. ヽヽ}≦ｱ― ヽく／ ￣　ヽ ヽヽ ＿＿
　　　　 ＿./i { {　　／　　//}ｱ≦ミ'':::::::::::::::::ﾑﾏ　　　 ,,ｨ≦ア':::::::::::ヽ
≦￣￣ ./ .l .{ { ／　　　//./川川:::::::::::::::::::::::ﾑi　 ,ｨ＜川ア:::::::::::::::::ﾑ
　　　　/　 .ﾑﾏﾏ　　　　 }　}} l l l {::::::::::::::::::::::::::j} ｨ{　 {l l l l{::::::::::::::::::::}}
　　　/　　 　.ﾑ.ﾏﾏ　　　　ﾏ ﾏ ヽ.ﾑ:::::::::::::::::::::::ﾉ＼__ﾑﾏﾏﾑ:::::::::::::::::::ｱ
　　 /　 　 　 　 ﾏﾏ　　　　ヽヽヽヽヽ::::::::::::::／ﾏ＿__ママヽヽ::::::::::::ノ
　　/　　　　　　l　　 ＼＼／,.イ＞―`―‐彡≦ア:::::::::::ヽ― `―‐"
　 .l　 　 　 　 　l　　i　　　　く　ﾑ　ﾏｲ>イ /////:::::::::::::::::ﾑ
　 .l　　 　 　 　.l　　l　　　　　.Y　 ﾏマУ{/ l l l'::::::::::::::::::::::::}
　 .l　　　　　　ﾑ　　.l　　　　　ﾏ∨ﾏ`―ﾏﾏl l l{::::::::::::::::::::::::j
　　ﾏ　　　　　 ﾑ　 ﾑ　　　　　　　　　　　ﾏﾏﾏヽ::::::::::::::::::/　　 ＿_
　　 ﾏ　　　　　, ﾑ,ｨi／ヘヽ-, ｨｪｪ､＿＿_//}＞-マｪｪｪｪイ≦ア:::::::::ヽ
＿＿ﾏ　　　 / //　　　　 /イア´ ア:::::::::::::ヽ `-'￣ T/////:::::::::::::::::ﾑ
　　` ＜　　 { .i i　　 　.イ //////::::::::::::::::::::::Y　 ﾑ {.{l l l l{::::::::::::::::::::::}
　　　　 ＼__l .l.l＼　　　ﾏ { { l l l{:::::::::::::::::::::::::::l　　　{.{l l l l{::::::::::::::::::::.j
　　　　　　　ﾏ.i.i　 ＼　　`マl l l.{::::::::::::::::::::::::::j　　　　マﾏﾏ､::::::::::::::::/
　　　　　　　 .ﾏ.ﾏ　　＼＞ ´＼ ﾑ:::::::::::::::::::::λマ＿＞´／＜ｭｪｪｯ''
　　　　　　　　　ﾏﾏ､＿＿＞ ´ﾌヘ＼:::::::::ノ　　`＜＿／
　　　　　　　　　　`マｪｪｪｪｪｯ."

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「そして……ある時、VOBが一定の現実性を帯びることとなった。
オルデンブルクとSIの協力関係が密になりつつあったことも関係している。

ジェットエンジンの開発を得意とするSIグループの企業と、
オルデンブルク傘下のネクスト内部機構や装甲材などを手がける
企業により、VOBはもう少しで日の目を浴びるところまできていた」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5229： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/30(木) 21:16:57 ID:GOf3XeHE0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 -―f=ミ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´ ―　 ､f辷彡' ￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ‐ャ－ 、 f辷彡'　　 　 　 　 ｀　､
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ′ ハ　　f辷_彡^ー ｧ　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |　/ 　 ,f辷__彡　　　/　　 　 /／ 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ∨　,f辷__彡く　　　/　　　　/　　 　 　 　 丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　rｔf辷__彡'　ｉ　＼　　　　　 /　 ／/　　　 ｉ　‘,
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀Ｙﾍ　　　　 ､　-､|　 　 ｀ﾊ　/　/　ｲ　 　 　 ｉ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |,ハ　 　 　 〉い |　　 圻ミ、＼　 /　 ｲ　i .ｉ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ‘,　ﾊ　　　〈　r( |　 　 弋rハ　 ノ イ ,′ﾊ:ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ∨　 、　 ﾊ ヽ.:|　 　 i　　　　　　　厶ｲ ﾉ'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ∨//vﾍ{介f:::|　　 ｉ|　　　　　 fｹ 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |///////ハ:|　　 ｉ|　　　　　 〈 　 .ｉ|　　　　　　　そのオルデンブルクの傘下企業。
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　＿ 」/」/」/」」/ﾊ|　　 ｉ|　 ‐ ､　 イ　　 ｌ|
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　＞‐……―＜　 |ｉ 　 从　　　　　　　それこそが、桜花重工だ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ′　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::＞...　i| |
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 」　　斗 ―－ァ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ !　　　　　　　　
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿_「￣ 丁　　　　 〃::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ｲ
　　　　　 　 　 　 　 　 ....＜::::::::::::::: ′　,　 　 　 　 {!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/i|　　　　　　　　　
　　　　　 　 　 　 　 ｆ ::::::::::::::::::::::: /　　/　　　　　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_/　}
　　　　　 　 　 　 　 | ::::::::::::::::::::::::′　 |　　　　　.':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〉
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今はなき、自分たちの帰属先の名前が彼女の口から語られる。

最早驚きが重なりすぎて、皆反応が薄くなりつつあったものの、
それでも馴染みの深い名前を出されては無反応でもいられなくなっていた。

とどのつまり。
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5230： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/30(木) 21:18:32 ID:GOf3XeHE0

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コロニー・トウキョウが焼き払われたのも。
ラケル・クラウディウス博士がその命を落としたのも。
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5231： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/30(木) 21:21:59 ID:GOf3XeHE0

≧o｡,.二二/::| |/　/＼　,.ィ癶 |＼__＼＿|」「」xヘ＼「::/
　 　 _＞t/:|:::|/　/ |,.ｨi〔ニニﾆ＼　|＼＼rく_＞r'´|::|:/
-‐ﾞ"　　 |i: |/,|丁rくニニニニニﾆ＼＿|_|_／￣＼: :,′
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　_,.､-'"　|i/７|/l_,|:::::: :: ｀`r' |:|:|:|:|　|＼|＿,.イ「」／〉　 '’
" 　 　 　 |i/~,Ｋ^'|::::::::::::::::|　|:|:|:|:|　|／／|　| レヽ_彡'′
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桜花の本社であるコロニー・アマツが消し炭になったのも。

自分がはやてと過ごしたあの家も。
湿った土の匂いと、肌を焼く陽の光も、立ち並ぶ古い町並みも。

何もかもが消し飛んだのも、自分たちが今こうしているのも。

企業連の粛清対象として、世界の片隅の物陰で震えているのも。

全部、企業連の経済競争の弊害だということになる。
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5232： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/30(木) 21:27:52 ID:GOf3XeHE0

　＾　 ，　‘　___`　 》,　|　i|¨i|_,i|-i|‐i|¨i|_,i|-i|‐i|=i|¨i|_,i|-i|‐i|¨i|_,i|-i|‐i|¨i|_,i|-i| i| i|i:i:i:i:i:ｉ:ｉ〕iト|　　 |〕iト.:.:.:.:. :.: j|
⌒ヾ　`　)ィﾉﾉ 〉イ〈j, |　i|¨i|_,i|-i|‐i|¨i|_,i|-i|‐i|=i|¨i|_,i|-i|‐i|¨i|_,i|-i|‐i|¨i|_,i|-i| i| i|〕iトi:i:i:i:i:ｉ:ｉ|　　 |.:.:.:.:.:.:.:.〕ｉトj|
_　 ` ^　_彡ｲ ∧_彡㌍ミノ　／　‐i|¨i|_,i|-i|‐i|=i|¨i|_,i|-i|-i|¨i|_,i|-i|‐i|¨i|_,i|-i| i| i|:i:i:i:i:ｉ:ｉ:〕iト|＿　|〕iト.:.:.:.:.: .: j|二二二
》　__ﾟ　__ ノ/ / /// / //)イノ⌒て ,ｉ|_,i|-i|‐i|=i|¨i|j＼　 i|¨i|_,i|-i|‐i|¨i|_,i|-i| i| i|〕iトi:i:i:i:i:ｉ:ｉ|　　 |.:.:.:.: .:.: 〕iトj|.:.:.:.| |
jＩイ_,7´/// / /// / //(,,／＼ノ⌒7　ｉ|-i|‐i|=i|¨i|_,i|　>⌒^^ヽ i|-i|¨i|_,i|-i| i| i|i:i:i:川i:i:i:i:ｉ|　　 |〕iト.:.:.:.:.:. : j|.:.:.: | |
／ ,/ /// / /// / /////(_/⌒　　乂⌒∨　ノ⌒⌒´　　 　 ＜__i|」i|_,i|-i| i| i|i:i:i:i:丿i:i:i:ｉ|　,.ノ|.:.:.:.:.:.:.:.〕iトj|_____| |__
／/ /// / /// / /////　/( /ノ(⌒ヽ ，ﾉノ⌒　､　　 ＼ノｲ_从 _,ﾆ=-＜| i| i|⌒'くｉ:ｉ／ｉ:| 　 ^|〕ｉト.:.:.:.:. :.:.j|iTiTi| |Ｔ
. / /// / /// / /////　///( ｨ )　 乂　　　)＼ )＼　　 }}i}｝‐il‐＼i|_,i|-i| i| i|从ｨ ＾'<i:i:i| ￣~|.:.:.:.:.:.:.:.〕ｉトj|ＴTT| |Ｔ
/ /// / /// / /////　///　/乂_彡' )＼^＾＼　ｉ|-i|i　　川|-i|‐i|¨i|＼..ｉ| i| i|i:i:i:i:乢_⌒ヽ＿_|.:/.:.:.:／. :. j|ＴＴＴ| |Ｔ
../// / /// / /////　///　/(　ノ´ <⌒　＼　.j_i|-州　ﾉﾉ |-i|‐i|¨i|_,il ＼i| i|〕iトi:i:i:i:i:シｘ ＼|/!:／(.:.:. :. j|ＴTTｉ| |T
/// / /// / /////　///　///≫=从＼　　 し'ﾞi|-i|‐iしi|_,i|-i|‐i|¨i|_,i|-i| i| i|i:i:i:i:i:ｉ:ｉ〕iト|ﾍ＼ `'<.:.:.:.:.:.:.: :j|ＴＴＴｉ| |Ｔ
// / /77 / /7777　/γ⌒㌍彡イ 　 〉 冫　.i}　i|-i|‐i|¨i|_,i|-i|‐i|¨i|_,i|-i| i| i|〕iトi:i:i:i:i:ｉ:ｉ|　),j|　　＞─.:.:.:j|TTTT| |Ｔ
/ / /// / /////　/ノ　 ///∨　}}／　 ﾉﾘ　ノ__i|-i|‐i|¨i|_,i|-i|‐i|¨i|_,i|-i| i| i|i:i:i:i:i:i:ｉ〕iト|⌒'j|　⌒　ﾉ 〕iトj|ＴＴTT| |T
../ /77 / /7777　/(__彡'//〉 ,，〈　　／　 て,i|_,i|-i|‐i|¨i|」i|‐i|-i|¨i|_,i|-i| i| i|〕iトi:i:i:i:i:ｉ:ｉ|＼,j|乂_彡'.:.:. :. j|ＴＴＴＴ| |Ｔ
/./// / /////　///　////,ｲ　　)／ヽ　ノイ⌒i|-i|‐i|¨i|_,i|-i|‐i|¨i|_,i|-i| i| i|i:i:i:i:i:ｉ:ｉ〕iト|'⌒j|.:.:.:.:.:.:.:. 〕iトj|.TＴＴＴ| |Ｔ
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' /////　///　///　/∨ / ∥i|ｯi|｀i|‐i|=i|¨i|_,i|-i|‐i|¨i|_,i|-i|‐し'i|_,i|-i| i| i|iトミi:ｉ:i〕ｉト|￣,jト.:.:.:.:.:.:.〕iト j|j｜TＴＴ | |Ｔ
//777　/77　/77　/〉/ /(;;j|-i|_,i|-i|‐i|=i|¨i|_,i|-i|‐i|¨i|_,i|-i|‐i|¨i|ｉ〈〉,i| i| iトﾐi:i:〕ｉトミｉ|　_,j|:::::〕ト .:.:.:.:.:.j|:| |ＴＴＴＴ| |Ｔ
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宇宙を切り開く栄誉と利益を求めて、宇宙への道を閉ざし。

それに反感を抱いたレイヴンたちが国家について、弓引かれることを恐れ、
国家解体戦争を引き起こし。

支配が揺らぐのを恐れたがためにプロジェクト・ファンタズマを始め、
結果としてネクスト戦役を引き起こし。

自分の生みの親も、過ごすはずだった少年時代も。
なのはに連れてこられた自分の居場所も。
はやてがくれた平和な時間と場所も。

何もかも、金と名誉と保身のために踏み潰されたわけだ。

顔も名前も知らない、ただ頭が良くて境遇と幸運に恵まれて、
他の誰かよりも優れていただけの人間の集団に。
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5233： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/30(木) 21:35:26 ID:GOf3XeHE0

　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 , ´￣｀ヽ
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　　　　　　　　　　　　　／/: : :/': : : |: : :| ＝＝　ﾑイ　}'ﾏ: |:|: ∧
　　　　　　　　　　　 ／／': :/: |: : : :l＼:.| u　 　 　、 ==/l:/,:!,: : |　　　　　　　　　……ま、科学者の運命ってやつだね。
　　　　　　　　 　 ／: '　/: :,: : : ,: : : |､_ 　 　 ＿_ 　 　 ,: /:.lﾘ ＼}
　　　　　　　　 ／ ´　 ,: : /: : : : ,: :.:.|　:､　　乂:.:.:.ｿ　 八:_:｣　　 ｀　　　　　　　　　　こればっかりはねー……
　　　　　　　 / '　　,.-‐-､＿/___|: :.∧　　 ､　 　 　 イ: :.|　　　　　　　　　　　　　
　　 　 　 　 / 　 ／　　 〈l |::|　 l|: :{/∧ 　 /｀ ｰ ´: /: : :|　　　　　　　　　　　　　　　私たちは技術を生み出して、発展させる。
　　　　　　/,. イ　　　　 〈l |::|　　,: |/ /　 //:/|: : : :{-､: :|
　　 　 　 ,:/ 　 　 　 　 Ⅵ |::|　　|:j!　{_　 ' ∨ !: : :/l〉 ∨　 　 　 　 ,.-――---ァ　　 でも、それだけ。その後は為政者の手に渡る。
　　　　 /:{　　　　　　 　 ヽ|::,...イ: ﾉ　| ｀　 r|　 ,: :{ l〉 　｀ヽ,　　　rく　　 ＿二≧ｱ
　　 　 ,: : |　 ､　　　　　 　 }'　 {:.:ﾉ　 |　　 　 ,　Ⅵ/' 　　　 }　　/ 　 ｰ=rｰ '　　　　　　　いつの時代も、自分たちの生み出したものを、
　　 　 {／!＼_}　　 　 　 ／　 ｢:.ﾉ 　 |　　l 　 ∨∨:､　 ＿/　 〈　　 　/ ｢/　
　　　 /: //}//＞- ､_,.イ､＿_/:｢　 ＜　　 :.　　＼∨}ィ//∧ , ' ＼__,/--'　　　　　　　　　政治屋のエゴのためのオモチャにされる……
　 　 ,: :/'´ |//////　 :.　 　 {: |￣T≧=--ﾞー--'-ﾊ'////,／　　　'
　　,: : ' 　　｀ 7ｰ ':.|　　 ,　　从|　 ||　　　　　　　　||ﾑ￣,:'　　 　 /
　 /: /　　　 /--､:/ 　 ::.,:::. 　 　 /'　　 　 　 　 　 || l}　　　　　,:'
　':. /　　　 ///,Ⅵ、　　 ＼::::...../............::::::.....　　 /'人＼　　／
/: /　　　 ///'´¨//＼　　 ｀7ー---― ¨ r―--イ : |: : |｀ ´
: /　　　 /／　　 ＼//＼　 {l　　　　　 {l /: : : : :.:|: : |: : |





　　　　　　　　　　　 ＿ノ￣￣`ー-. ､
　　　 　 　 　 　 　 /: : : : : : : : : : : : : ヽ-､
　　　　　　　　 　 /: : : : : : : : : : : : : : : : : :}
　　　 　 　 　 　 人: : : : : : : : : : : : : : : : : :〉
　　　　　　　　　　 }: : : : : : : : : : : : : : : : :ハ
　　　　　 　 　 　 /: : : : :}: : : : : : : : : : : : :/
　　　　　　　　　人: : : :/: : : : : 、: : : : : :./　　　　　　　　　　　社会というのものはこういうもの、とは思うが。
　　　　　　　　　　 〉:Ｗ: : : : : : :Ｖヽ}ヽ: /
　　　　 　 　 　 　 {:ノ:ィ!ハ: : : : : : : : :/　　　　　　　　　　　　　 いざ、自分が犠牲になる側に回ると、応えるね。
　　　　　　　　　　　|V从: :}从从从／＼
　　　　　　　　　　　|:_｣Lﾕ: : : ﾕL｣_: : : ├┐　　　　　　　　　　　 こんなものは、有史以来続いてきたものだろうが。
　　　　　　　　　,．'´:::::::::::::::|　　　　｀゛¨ '' ‐-　_
　　　　　 ､丶`　 ,::::::::::::::::::::|　　　　　　　　　　　｀`〜､、　　　　　　それでも、惨いことには変わらん。
　　 ､丶`　　　　 !:::::::::::::::::: |　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　{　　　　　　　|::::::::::::::::::: |　　　　　　　 　 　 　 　 ／',　∨
　　{::::',　　 　 　 |::::::::::::::::::::|　　　　　　　　　　 　 ／:::::::}　 ∨
　　{ﾏ:ﾑ　　　 　 ∨:::::::::::::: |　 　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::/ 　 /
　　{ ﾏ:ﾑ　　　　　∨ :::::::::: |　　　　　　　　 ／:::::::::::::::/ 　 /
　　 ｝|:::∧　　　 　 ∨::::::::::|　　　　　　　／:|:::::/::::::::∧　 〈
　 .//:::＼:',　　　　　|::::::::::::|　　 　 　 ／:::::::|::/:::::::::::::::}　　}
　 { ∨:::::::::| 　 　 　 |::::::::::::|　　　 ／:::::::::::: {:::::::/::::::::/　 /
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5234： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/30(木) 21:51:56 ID:GOf3XeHE0

　　　　　　　　　　　　　; ; ;　　 　,: : : : : : : : : :/　.,: : : : /　,': :/ ,': :/
　　　　　　　　　　　　 ; ; ;　　　 ,: : : : : : : : : :/　,: : : : /　,': :/ ,': :/
　　　　　　　　　　　　; ;　　　　,: : : : : : : : : /　,: : : : /　,ｲメ,,,ｨ圭匆ﾐﾐ
　　　　　　　　　　　　; 　　　　,: : : : : : : : : :i　,: : :／ 　 ,,,ｨ圭夛㌢'''
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,: : : : : : : :/i: :i.,:,:／ ,,,ｨ圭㌣二ｪ=ｭ
　　　　　　　　　　　　　　　　,: : : : : : : / .l: :i　ﾘｨ圭㌘'",,.ｪ=ｪ,,　　ヾ
　　　　　　　　　　　　　　 　 ;: : : : : : /　 l: :i '''　／k　　斧靈ﾘ 　 /
　　　　　 .ﾄ、　　　　　　　　;: : : : .'.'./　　l: :i;::::::ヽ 　`､. 弋,,歹　／　　
　 |　　　　| ',　　　　　　 ;r　i ;: : : : /　　　i i'::::::: :キ　　""''''''""
　 |　　　　|　',　　　　　　iﾘ i: : ;: :i:.i　　　　ﾘ;:::::: : :　㍉　　　　　　　　　　　　　……分かっちゃいるが気に入らん。
　 |、　　　|　 ',　　 　|　　|　i ;:i　 ﾘ　　 　　i;:::::: : :. 　 キ
　 | ',　　　|　　',　 　 i　　|　i,'　　　　　 　　i;:::::: : : :. 　　㍉　　　　　　　　　　　　　　そんな奴らがチェスの駒を動かす感覚で
ﾄ...|　'.　　 |　　 ＼　..|＼ i　　　　　　　　　 i;:::::: : : : :.　 　キ
..ヽ{　 ＼　i　　　　＼i　 ヾ　　　　　　　　　.i;::::: : : : : :　　　㍉　　　　　　　　　　　　 バラバラにした人間を、誰が治すと思っている。
.',. ゛　　 ヽi　　　　　　　　　　　　　 , , , , ,ノ,:;,;,::,:,: :　　　　 　キ
. '. 　　 .／i　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::::::':''　　　　　　　 ㍉　　　　　　　　　　
＼',　／,;;;i　　　　　　　 　　__　　　　　　::::::　　　__,,.. 　　　　　　キ
　 ヾ　,;;;;;;i＼　　　　　 　 '"　 ""'''　‐ ――　''""　 　"
／　,;;;;;;/ i　 ＼　　　　　　　　　, , ,.　　, , , , , ,　 , . , .,　　　　　／
　 ,;;;;;;;;;i　 ﾄ、 　＼　　　　　　　　 ':':'; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ':':'　　　　 ／　　　丶
. ;;;;;;;;;;;;{　　 ＼　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　/　　＼
;;;;;;;;;;;;;;;j　　 　 ＼　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　/　　　　＼





　　　　　　　 　 |_,.. 个ト .　|::::|　|:| |:ｉ:::::::::::::| ＼::〔＼::|　　　 　 　 __ -ﾆ- _ 　 /::/:::::::　
　　　 　 　 i　　i|￣| |├-ミト::|　|:| |:|'､:::::::才^　＼　 　 　 __-=≦三￣￣｀　/::厶イ/
　　　 　 　 |　　］,. jイ ｢￣｀`Ｎ ミト|:|__＼::::{_X＾　 ｛ー=ﾆア´　　　　　｀ヽYi　　　ノ′　　　　　　命をなんだと思っているんだ。
　　　 　 　 |　　八{　|｜　@　　＼ jﾉ‐'′＼　_X＾　二ア　　 @　　 　 　 川
　　　 　 　 |　,/　 ＼| |　　　　　 ﾉ)　＼ :::｝ ＼ _,Ｘ^' /__　　　　　　　 ／//　　　　　　　　　 　　医者をなんだと思っている！
　　　 　 　 | / 　 ＼ |｛ー--＝彡'^⌒7::::/　 　＼ _,Ｘ^⌒　　　　ｰ=彡　 '⌒
　　 　 　 　 ′　　　〕 二ﾆ-‐　　　　/::::/　　　 　 　 _,Ｘ^　　　　　　　　　　　　　　　　　　　





　　　　　／　／/::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　 /.／ イ::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ:::::::::/::::::ﾉ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
.　 　 　　 /./　//:::::::::::::::::::::::::::::/　|:::::/::::::/ i::::::::::::::::::::::::: _ _ :::::::::::::::
　　　　　 |/　//::::::/:::::::::::::::::ﾊ:::| ./:::/三≧/／/::::::::::::::/　_　ヾ:::::::::::
　　　　　 |　/ .i:::::/i::::::::::::::::::| 升彡イニ￣ 　 /／i::::::::::| /　 ） i:::::::::::
.　　 　　　　i　.l::/ ｨ::::::::::::::::::|　ヾﾃr j ／　　 　　./::::::::::| ） /　.|::,:::::-
.　 　　　　　|　.| ﾊ i:::::::::::::::::::ミ､　）‐'´　　　　　 /::::::::::::| / - ' ´三三
.　　　　　　 |　　| |.ﾚi::::::::::::::,､:ヽ＼　　　 　 　 ./:::_::::-:::'::´三三三三　　　　　　　……命は、消費されるものだ。
.　　 　　 　 ヽ　 | |　|:::::::::::/　｀ﾐ､_ ＼　　 _　- ' ´三三三三三三三
　　　　　 　 　Ⅶ　Ⅵ::::::::/_　　-　　　 Y´三三三三三三三三三三　　　　　　　　けれど、消費されるためにあるものじゃない。
　　　　　　　　 ヽ　 V:::ﾊ:::::::＞､　　＿ .＼三三三三三三三三三三
　　　　　　　　　　／ヾハ:::/三 >'￣　　　 ヽ三三三三三三三三三　　　　　　　　名前も知らん爺さんたちの、旨いメシの種じゃない。
　　　　　 　 　 ／三三三/三三ﾆ｝￣　　　 V三三三三三三三三三
　　 　 　 　 ／三三三三三三三::i､　　　_ ィ ト三三三三三三三三　　　　　　　　そいつの命はそいつだけのものだ。
　　　　 　 <三三三三三三三三三三三三ﾆ.| ヽ三三三三三三三
　　　　　 　 ｀ -　､三三三三三三三三三≧／:::＼三三三三三三　　　　　　　　　俺たちの命もな。
　　　　　　　　　　 ｀ - ､三三三三三 ／／/）:::::::::人三三三三三三
　　　　　　　　　　　　　　＼三三ﾆ.／／/.//::::::::/ | |三三三三三三

5235： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/30(木) 21:52:43 ID:GOf3XeHE0

　　　　__ ／: : : : : : : : : : : : : : : : : ､
　　 ／: : : : : :_: : : : : : : 丶: : : : : : : 丶
　 /: : : : : l:l: : : :ヾ: : :＼: : :丶 : : : : : : ヽ
／: : : : : /: l: l: : : l: : : : :＼: : :ヽ: : : : : : l
: : :/: : /l⌒l: :､: : :ll: : : : : : : : : :ヽ: : : : : l
7: : : :/: l　/:/ゞ: : :l＼: : : : : : : : :l: : : : : ヽ
: : : ｌ:l: l_ゞ ｌ:l　 ＼: :ゝ-＼ : : : : : l: : : : : : :
: : :/l: :l 辷ｌ:l　 ￣辷､:＼_): : : : :/: : : : : : :　　　　　　　　　所詮は戦争屋だ、何も言えねえよ。
ゞ:乂 : l　/ヾ､　　　￣__ノ: : : : / ＼: : : : :　
　　　):∨　　 丶　　　／: : :／ノ ／: : /　　　　　　　　　　 そういう腐り切った奴らが、力のない人間を食い散らかす。
　　乂: ｨヽ　　　　　　ﾊ/ｌ:/ x-イ: : : : ゝ､_
　　　 _ノ:ヽ‐-　_ 　 　 　 ／　l: : : : l: : :ﾆ=　　　　　　　　　それと同時に、そういった人間を守れるのも、そういう腐り切った奴らだ。
ゞ=ﾆ三: :_ﾊ 　　　 　,　　　 彡: : : : l : :ヽ
　 7:/,＜　 〉-　-　´　__ -=ﾆ- l: : : : :)　　　　　　　　　　　 そいつらが決めた方向に、俺らは銃口を向けてきた。
　 ゞ-l　l　 从l二二二f丶　　 /: : :／ゞ
---./　,l　 彡〉二二ﾆ.l　 l ゝﾆ: :／ 　 〉、　　　　　　　　　　……だが、俺らは今、ただACが扱えるだけの人間だ。
─,/ ／ ｌ ／二二二ﾆl　 l /: ／　　／ l
　 ／　ｌ l/二二二ﾆ／　 ゝ:/ 　 ／　 /
　　　　l/二二二ﾆl　　 ／ヽ ／





　　　　　　　 　 　 　 　 l:::::::::: !:::::::::::::::::: ,':::::/:::::: }::::::::::::';::､::::::ヽ::::::::＼
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　　　　　　　　　　　　　l ::::::::: |::::i ::::: i::|::!:/:::::,ｲ::/!::::::::: i!:|､:}､::::: i:::::::::::/
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　　 　 　 　 　 　 　 　 ,:::::::::::: |::::|:::|:: l::| rﾁてﾄ、 ,':::,ｲ/,二,_l |::::|:;' :::: i
　　　　　　　　　　 　 /:/:::::::::::|::i:|:::|::::';:l 乂ツ_　/／ " l'ｿﾘ`/::/!':::::::::|
　　　　　　　　　　-="/::::/::::::;'::|:|:::|::::::';;､　　　 ´ 　 　 ¨"''/::ｲ::::::: i:i::l
　　　 　 　 　 　 　 ／_; ｲ:;ｨ'/,ｨ'::|:::|::::::::'ﾐ､　 　 　 　 ,　 　 /:::|::::::::从:!　　　　　　武器を握ることでしか、自らの価値を証明できない。
　　　　　　 　 　 　 　 　 " |´/／l:::|:::::::::::',`　　 　＿　 　 /!:::/::::::/,' ヾ、
　　　　　　　　　　　　　 　 l::´::::|: ｀i'=z､::::',　　　　　　 ／-|;/!::::://　　　　　　　　 私たちはそういう人種だ。
　　　　　　　　　　　 　 　 /::::::::;':::: |:::::|､｀ﾞ'' ｀''　 __,...:"::{ニ}_ |／/
　　　　　　 　 　 　 　 　 /::::::::/:::,ｨ.|:::::|;;｀'z､_　　/ﾍ:::::/{ニﾄ,',　　　　　　　　　　　　けれど……私たちは、企業連のご老公たちの犬ではない。
　　　　　　　　　　　 　 ,.::::::::::,ィ": :.|:::::|;;;;;;;;;;;;;>_<;;;;;',ﾞ.、{ニ} i ',　　　 　 ,.ﾍ
　　 　 |＼ 　 　 　 __／,,...-='| |: : : |:::::|;;;;;;;;;;/　　ヽ;;;',:.:.|:::::|', '.,'.,_　　／: : |!　　　　　いつでも、自分たちが生きるために戦ってきた。
　　　　l＼＼-=''" : : : : : : : :.| |: : : |:::::|;;;;;;;;/、　　 !､;;|: |:::::| ',　'.,{ ∠_: : : :||
　　　　|: : ＼＼ : : : : : : : : : :| |: : : |:::::|;;;;;;/;;;;;ヽ　 |;;.',!: l:::::|: :',／: : : :ヽ: : ||

5236： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/30(木) 21:56:34 ID:GOf3XeHE0

: :|: : : : : : : : : |: : : : :′: : : : : : /:　 : : : : : : : |: : : : : : : : '. : : :ﾊ
: :|: : : : : : : : : | : : : :! : : :.,′: /:.: 　: : : : : : : :|: : :i : : : : : :'. : : :‘.
: :|: : : : : : : : : |: : :　l: : :　!: : /: :　 : : : : : : : : |: : :| : : : : : : , : : :.‘.
: :|: : : : : : : : : |: :. 　l.: :.　l : / ! .!　: : : :　: : : ﾊ ::│: : : : : : ' : : : :.i
ミ|: : : : :　 __: :|:.:　,ｲ : 　 ! / │.!　: :　:　!: j: | | :: j :　:.: :.:!.: :' :.:. i |
｀.| : : : : 　 　｀ト　:,,l_!　./!.|　│jl　: : .:　:' /! ! |　ハ: :: :.: |　 :! :.:.ﾊ!
-:l　: : : 　　　 |　 | ﾘ|｀/''!:ト..,,|:' |│ / / / /　|,斗l'ﾞ!　:.　|　 ﾊ　ｉ│
　|　: :.:　 　 　､_,イ芋芯≧ｭ､.!｀ヽl　 / / /ｘ匕==ﾐﾘ| 　 /!. /│.′
　l　 : :.　　 　 |ヾ 　|::::ｌ{}::::|　 |　Vi ,/ / /ｲl:::ｌ{} ::|,/ |　/ |!/　jノ　　　　　　　さぁ、どうする？　ヤルオよ。
　l　 :.: 　　 　 l∨ . ト::''’::ﾉ 　 　 }ノ　　 　 i::::’::ﾂ　 jノ　|
ヽ!　 :: 　 　　│ 　 ｀¨¨＜.:.:.:.＞　　 　 　 .:ゝ‐'　　.′　 !　　　　　　　　　　　「えっ……」
　| 　.:　　　　│ﾊ　　　　　　　　　　　 .::':,　　　　 ,: : :　│
ゞ| 　 :　 　 　 |::::[ ＿_　　　　　　　　　　/　　 　 / :.:　　|　　　　　　　　　　　分からぬか。この状況を左右できるのは私たちリンクスのみ。
　| 　 :　 　 　 |:::::::::／　　　　　　　　　　　 　 　 ′:.:　　|
　l　　 :　 　 　|:::::::::┐＿　　　　＿___　　　　／: : : : 　　|　　　　　　　　　　　 そして、この場にいるリンクスの誰もが、ここにいる理由。
　|　 　.:　　　│､:::::::::::::::ﾌ　　´ー ‐ ’　　 .ｲ: : !: : :|　　│
　’　　 :　　　 |:::::丶:::::::(　　　　　　 　 ／|: !: : ｉ:.:　|　　 l　　　　　　　　　　　　それは、あなただ。
　 ,　　 :　　　 |::::::::::::::｀:::.:......　　　　／　│ｉ: : :i:.:　|　　i.!
　 ′　.:　　　 ト--:::::::::,,＿__｀ т、´ 　　 !:.!:.: ,′/! j /ﾘ





　　　　　　　　　　　／　　　　　　 ／　　　　_,. ‐''"　　　　　　..:::::::
　　　 　 　 　 　 ／ 　 　 　 　 ／　　 ,.-‐''´　　　 .:　　　 ....:::::::::::::
　　　　　 ,ﾍ　|!/　　　　 ,. -､/　　 ／　　　　　..::::::::　...:::::::::::::::::::::::
　　 　 　 |　:ﾄK　　　 ／＿_l＿_∠＿＿_／｀ヽ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　 _」__,,j.=＝''"´￣_,,. -‐'''"´l! 　 　:|/⌒ヽl::::::::::::::::::::::::::::::::::/
　　　　 |〈　 l l　　 _ ｨ'´／　　　　 |　　 .::|ﾋ ヽ　l::::::::::::::::::::::::::::::::〈
　 　 　 !　＼l_レ'´|　l:::lr'''7　　　　l .l:..:::lﾘ7 ゝ/l､::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
　　　　|　　.l´　　 lj_/'ｲﾚ′　　　　l!| ﾚ/ ヽ‐' 丿ヽ､::::::::::::::::::::::::ミヘ
　　　　|　 ::l　 　 　 l'´　　　　　　 　 ﾙ′　　〈　　ﾉlWヽ､:::,. -‐''ﾍ　　　　　　　　ま、半分正解で半分外れだがな。
　　　　|　:::|　　　　 |　　　　　　 ,/ヽ　　 　 　 l 　 　 　 ／　　　　ヽ
　　　　l :::::!　 　 　 l　　　 　 ／/　　　　　　 /　　　／　　　　　　　　　　　　　　 ハルオ。俺はおまえがいるからこそ、
　 　 　 !::::l　 　 　 '､_／-､ノr／　　　　　 ／　　／
　　　　 l ::!　　　　 　 　 　 〈　　　　　　 / 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　 この馬鹿げた博打に名乗り出たんだぜ。
.　 　 　 |::|　　　　　　　　 　 |　　　　　/　／
　　　 　 !:!　　　　　　　　　　| 　 　 ／／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 おまえはバカだ。とびっきりのな。
　　　　　|l　　　　　　　　　　 '-‐／　〈
　　　　　l!　　　　　　　　　　　　＼　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　……それほどのバカになら、俺は賭けてもいいと思った。
　　　　　|　　　　　　 　 　 　 　 　 ＞-､　＼　　　　　 ,. -‐''´
　　　　　　　　,.-‐''"´￣｀`ｰｧ‐''´ 　 　 ヽ　/_,,. -‐'"´　　　　　 ／　　　　　　　　　 負けたって、悔いはねえさ。
　　　　　　 ／:::::::::::::::::::::::::::::＼　 　 　 　 Y´　 　 　 　 　 　 ／::::::

5237： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/30(木) 22:01:33 ID:GOf3XeHE0


　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:――
　　　　　　 __,.∠:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.⌒＼:.:.:.:＼
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　　　　 /:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:. | :.:{:.:.:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.＼:.:.Λ:.:.:.:.:.:..
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　　 : |:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:┼―‐ -:.:.:.|:.:.:. ィ:.:￣:.:.:.:.:|:.:.:.:|:.:.:.:.: |
　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:|斗ぅ＝ミ :|:.:.:.:.:|ｧう＝ミ: |:.:.:.:|:.:.:.:.: |
　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:{　)いﾊ　从:.:.:.:.|　)いﾊ Y:.:.: ﾉ:.:.:.:.: |　　　　　　　　まあ、私なんかは、君が助けにこんかったらおっちんどった身や。
　　|:.:|:.:.:|:.:|ﾍ:.人:.:.:　乂;;ツ　　 ＼:.| 乂;;ツ 从:.Λ:.:. /:.|
　　|八:.:.|:人:|:.＼＼ト''　　　　　　　　'''　　/:.:.:/　}:.:.:.:.:.|　　　　　　　　 それとは別に……君が出した答えなら、私も信じられる。
　　 　 ＼ 　 |:.:.:.:.:.八　　　　 '　 　 _,　　 /彡/_,ノ:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　八:.:.:.:.:.个　　　｀　　　　　　 イ:.:.:.:| :.:.:.:. |:.|　　　　　　　　　あ、悩みそうなら、一緒に考えよ？
　　　　　　 /:/:.＼／￣　　　　 　 　 ＜ |＼__:.:|:. /:.:八|
　　　　　／:/⌒∨ :. :. :. {＼＞r≦.　　ノ| : :. :. :. :.＼:.:.:|　　　　　　　　　　
　　　 ／:.:./ :.:.:.: ∨:. :. Λニ=‐‐=ﾆﾆﾆﾆ|:. :. :. :. :. :./:.八
　　　⌒ｱ/:.:.:.:.:.:.:.:∨ /　 ∨二二二.／｜:. :. :. :. :/:.:.:∨＼
　/￣￣/::::::::::::::::::::∨　　　Ｖニ＞''´　　|:: :: :: :: /::::::::::∨__
:: :: :: :: 厂￣￣＼:: /{＿_／{⌒｀}＼　　Λ::: :: ::/::::::::::::::::⌒＼
:: :: :: :/:: :: :: :: :: ::.:}::::{／　　{:::: /　　＼j:::::＼::/:::::::::::::::::::::::::::::





　　　　　　　　　　　　　　　　　　－＝＝　ｘ--,_
　　　　　　　　　　　　 　 ,　´　　　　　　　　ヽ＼ト,
　　　　　　　　　　　　 ,　　　　　　　＼　　　　 、＼ｙ
　　　　　　　　　　 　 ,'　　　　　 ',　　　，　　　　、 .}ﾌ
　　　　　　　　　　　 ,　　　　 ﾊ　 ',　　　j　　　　ヽ　}ﾌ
　　　　　　　　　　　.;　!　|　　', ヽ、ｘー ナ、　　｀ ∨）
　　　　　　　　　　　 ，.i　.ﾄ、　' ,　 》ﾁテ弌八　　乂
　　　　　　　　　　　 } 人 从≧ …　 乂jﾉ<;;;|　＼ {
　　　　　　　　　　　.|ﾉ .}　 "叭)　　　　´ /;;;;|　　 ヽ
.　　　　　　　　　　　′ |　∧´　 '　　　　〉;;;,ﾘ　　　}　　　　　　　　　　そういうことだ。
.　　　　　　　　　　　　ノ　　ﾉ》x:.　´｀ /^:ﾈ !!|j　　 ,'
　　　　　　　　　／¨, ===ヽ<　（＼);;;;;;=¨”;;;;;|{　　ﾉ　　　　　　　　　　 我らリンクスは、ヤルオの答えに従おう。
　　　　　　　　./ ノ/;,;,;,;,;,;,;,;,;,＼＼＼r--===ﾉ .ノz
.　　　　　　　 ´　/;,;,;,;,;,;,;,;/＼;,;,;ヽ￣|　　　￣　　 |l　　　　　　　　　　 ……なに、あなたひとりに全てを投げるわけではない。
　　　　　　　　 /;,;,;,;,;,;,;,;,;,l l;,;,,＼,;,}　.|　　《　　　 :　ﾍ＝＝´｀ヽ
　　　　　　　　};,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;l l;,;,;,;,;,;,;,ヽﾉ、，-＝ ⌒　ヽ,l;,;,;,;,;,;,;,;,;}　　　　 私たちは、あなたの望みに応えたいだけだ。
　　　　　　　 /;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,,ｿ,,,;,;,;,;,;,;,;/P´　　　　　　 :　 ＼;,;,;,;,;,;|
　　　　　　ノ,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;ﾉﾉ;,;,;,;,;,;,;,;,;ｿﾉ　　　-…　´￣:｀ -　',;,;,;,;}　　　　 あなたの望む結末のために、戦おう。
　　　　　{;,;-===;,;,;,;,;ﾉ」;,;,;,;,;,;,;,;,;,;//- ´　　　　　　　 :　　 l,;,;,;,l
　＿＿rナ77 ヽ ヽ;,;,;,;,;,;,;,;,;_....=".八　　　《　　　　　.:　　.,;,;,;,;,;〉
（（＿ﾉ;,;,;,-=<__／＼＿__ノ　}=-"　　、　　.》 　　　 .: 　.ﾉ;,;,;,;,;,〉
　　/;,;,;,;,;,;,,;,／: :....: :＼∧　　' ,　　　 ＼《ﾞ《　　;;　.:　 ｲ;,;,;,;,;,ﾉ
　 ﾉ;,;,;,;,;,;／.....:.:.:.:〜／: :ヽ　　 i　《 　 ,　　ﾞﾞ … --"　;,;,;,;,;,ﾌ
　 ＼_.／へ: : : :....／: : :..... ⅹ{　i　》　;;　　　巛　　ﾉﾉ.{二二;
　　＜: : : : : ＼／: 〜て／: : :ﾍ ',,《　;;　　;;　　》　 (　 i,;,;,;,;,;,}

5238： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/30(木) 22:04:56 ID:GOf3XeHE0

　　　　　　　　　　　 ＿_,-―――― 、
　　　　　　　　 　 ,-':: :: :: : : :: :: :: :: ::ヽ:: ::ヽ
　　　　　　　　／:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ヽ
　　　　　　　/:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::　: ::: :: :: :: ::!
　　　　　　 /:: :: :: :: :: :: :: :: ::: :: :: :: ::: :: :: :: :: :: : :!
　　　　　　/:: :: :l:: :: :: :: :l:: :: ::l:: :l:: ::l::l:: :: :l :: :: :l :l
　　　　　 .i::: :: :: :: :: :: :: :: :l :: :l:: :l:: :: :l､:: :: l:: :: :l:: l
　　　　　 l::::l:: :: ::l::::l :l:: ::人::::l:: l:: :: :l::l:,、:::l:: :: l::l::l
　　　　　 i:::l:: :: :: :i:::l::.l:::ﾉ,-ゝ:l::l:::: :: l::l,^};::ﾉl:: ::l::l:::l　　　　　　　　そんな……企業連の連中をボコって、分からせて、
　　　　　 ):ｰl:: :l::ヽ:ヽ::lﾉ ｭt赱l:l:: :: :l:: lｰﾉ:l::l:: ::l::l:: l
　　　　　 ｀ゝｎl:: ::,､::､::l､　　｀l:: :: ::l:: l: 'l:: :: :l:: l:::l:: :l　　　　　　　　テキトーに私たちの居場所を作らせて、
　　　　　　 ヽ､l:l､l(｀､::::l ｀　　l:: :l:: ::/l　l::,､:::l:ﾉ:::l:: λ
　　　　　　　l::l､l l　　ﾉ '-　　,l:: l::ﾉ:l:l ./:l-l::ﾉ:l::::l::/::l l　　　　　　　　二度と私たちに手を出すな、じゃダメなの？
　　　　　　　l:: :lヽ　 人 )ヽ¨　l::l/::l::l .lll ゝ:/::l､::l/l::l:l ヽ
　　　　　　　 i:l l:: l' .'　 .l:::::::l｀l>'::l.l::.l ｀､ﾉ::/::l= l:l､l: :: ::i　　　　　　　　「急に雑にならないでくれよ、牧瀬君」
　　　　　　　 il　 ,-⌒＝=､__l,-､:l .ll::l／／l:::l'＿,-､ヽ､::l:l
　　　　　　　　ヽ〉ー―ﾌ―(/:: :ﾉ ゝ' .／l:: ::l　　　　ゝヽ ::i　　　　　　　だってえ……
　　　　　　　　/T⌒ /　　ゝ'７'　 '　Ｖ /:: /　,-―'￣　　i:: l
　　　　　　　　l/　　　 /／ / '　　　 ./:::/／　　　　　　　i:: i
　　　　　　　 .l　　　 ／::: /　 /　　./;;/ _／-―⌒ー――-ゝ、





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿　　 　　　　　 〃:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ、
　　 　 , イ￣￣￣ ヽ　 ,　..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ヽ 　 　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ｉ
.　 ／　--　,ァ:.:.:.:.｀ヽ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ｀ヽ､　ｉ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |
. 〃´ 　 ／:.::／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ｀ヽ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
./　　 /:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.､:.:／:/||ヽ:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
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　 ｉ:.:/ｉ:.:.,':.:.:.:.{:.{:.:.ｉ:.:.|:.:|:.:.| !:.:!:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.',:.:ヽ:.}/: ,'|:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　 |/　|:/!:.:.:.:.!:.!:.:.:!:.:.!:.:!:.,|　',:‐廴---- ､:ｉ:.:.:.:ｉ:ｉ:.:.:.!!:.:.:.:. : |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　 | 　 !ｉ ',:.:.:.:|:.:',:.:',斥云､|　ヾ､〃笊㍉ヽ:}:.:.:j:.j-/ |:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　気持ちは分かるけど、たぶん、無理だよ。
.　　 　ﾘ. ',:.:.:{',:.{ヽ:.', ,' {心　　　　 ',:::::::Ⅵ }:./ｲ　}. |:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　 ヽ:.| ヾ、ヽ ヽ弋ﾘ　　　　.乂シ´〃:. }／　!:.:.:.:. : |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　ネクストはともかく、リンクスは生モノだし。
　　　　　　 ヾ､.＼:.{ ＼ - ´　　 　　 ￣ /　|:.:.:!　　|:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　 　 　 　 ヽ',人 　 ヽ　 　 　 　 　 ｲ: /.　　|:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　 一時的にそれができても、やる夫君たちが
　　　　　　　　　 　 ｀ {:.へ、 ‐‐ 　 　　イ }: /≠､　!:.:.:.:. : |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　 　 　 　 　 　 　 ヽ:.:.:! ＞ 、 イ, -　 / /　 /＼:.:.:.: : |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　限界を迎えた途端に、皆殺しにされるのがオチだよ。
　　　　　　　　　　　　　＼|　　／! /∨　　/　 /:::::::::＼: : |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　 ヽ/::/ |./只∨./　　ｉ::::::::::::::::::｀:ヽ ､:.:.:.:.:. : |
　　　　　　　　　　　　,､r´:::::::/　|〃||　/　　　|:::::::::::::::::／｀::ヽ:ヽ:.:.:.: |
　　　　　　　　　　 /､:::::::::::/,'　 .|＿_./ |　　 ノ',/:::::::／::::::::::::::::::}:.:.:.: |
　　　　　　　　　　 ｉ::::', イ ｉ　ゝ‐|::::::/　ヽ＜ 　 {ヽ/:.:.:.:.:.:.:.:＿//:.:.: : |
　　　　　　 　 　 /||:::::∨/ !´　 .|::::/　　　 >　 .|//-:::::::::〃 ‐ ヽ:.:.:.:.:.|
　　　 　 　 　 　 {､|::::r　ｉ　 ',　　|::/　　 ／　 　 !/　|:::::::{ {　 　 }:.:.:.:.:.|
　　　　　　　 　 　 |::::| .{　　 ｉ　 |/　 ／　 　 　 /　 |::::::::ヽヽ-／:.:.:.:. |

5239： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/30(木) 22:12:10 ID:GOf3XeHE0

/∧　／: : : : : : : : ／: : : : : : : : : :彡: : : : : : }ミ: : )
//∧': : : : /: : : : /: : : : : /: : : : : :}: : : : : : : :{: : : 乂
///∧: : :/: : : : /: : : : : /: : : : : :/: : : : : : : : 乂: : : : ヽ　　　　　　　
////∧: {: : : : /: : : : : : : : : : : :/{: : : : : : : : : : : ヽ: : : }
/////∧: : : :/: : : : : : :{: : : : :,/ 乂＿: : : : : : ヽ: :}: : /　　　　　　　 それだけじゃない。混沌とした世界を放置した場合、
//////∧: : {: : : : : :.:.人: : : :.{∠三三ヽ: : : : : :ソ: : 乂
///////∧: {: : : : : : : : :.＼:.人　 ＜以 ヽ: : ／: : : : :ハ　　　　　　　我々は確実に恨みを買うだろう。文明を崩壊させた集団として。
////////∧乂: : : : : : : : : :ト､_＼　　..::　}／　`''＜.从/
/////////∧　＼: : : :、: :人　⌒ 　　　　　　　　　/　　　　　　　　　 世界中から付け狙われることになる。
//////////∧ 〈 　￣｀`ヾハ　　　　　　 　 　 　 /
///////////∧ ゝ　　　　　　　　　　　　,,　 '' ''　)　　　　　　　　　　 ネクストを動かせるものがただ一人としていなくなった時が、
////////////∧＿Y　　　　　　　　　　 r ／ 二)
///////////// |: :{ !　　　　　　　　　　〈　　　　|　　　　　　　　　　　我々の運命の終わりとなる。
///////////// |:从 !　,,　　　　　　　　 　 　 　 |
///////////// |:〈 今s｡.., ,, ,, 　　 ,,　　　　　　 |
///////////// |　　　　　　　 ｀゛¨ '' ‐-　...,, __人＿＿
///////////// |_,,..　-‐　'' "´:::::::::::::::::::::::::::::::::＼:i:i＼i:i｀`〜､、
///////////// |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:i:i＼i:i:i:i:i:i:丶
//////////////:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∨:i:i∨i:i:i:i:i:∧





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　_, -‐'´└ー─ー--───‐-'´/／ｉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　/l／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::冫l
　　　　　　　　　　　　　　　　　|V::::､,::/::::::::::::::::::,´::::,::::::::::::::::::::::::::::::::::::／／::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　|l::::ヽ:::::::::::＿_:::::::::::/::::／:::::::__　　-‐'´／:::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　| yﾆ二二ｉ　 　￣￣〃ヽ￣　　　　,　'´:::::::::ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／::::,:::::::'´ L＿＿__//　　＼　,　'´::::::::::::::::::く_
　　　　　　　　　　　　　　　／::::, 个ヾ　 /　　　　,-､ヽ､　　ヽ::::::::::::::::::::::＜´ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 /::::／　ｉヾ=　　エﾆﾆ二＿ヽ ｀ヽ 　ﾞ､:::::::::::::::l´`)ﾞ　　　　　……この中でも一番息が長いのは、ハルオだろうよ。
　　　　　　　　　　　　　　/／　　 {, ﾉ　　　　´ヽ=＝ ￣　|::::＼」:::::::::::::::し,
　　　　　　　　　　 　　　//　　　 ノ　.:::::　　　　　　　　　ﾉ:::::/二ﾉ:::::::::::く　　　　　　　「やる夫ですってば……」
　　　　　　　　　　　　　/　　　　 ヽ　　　　　　　　　　　1::::lﾉつノ::::::::::::::::〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }ー‐‐-､　　　　　　 lノ ー´:::::::::::_く´ヽ　　　　　　　スマンスマン。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　「l　}｀‐-- ゝ｀　 ／￣￣￣｀`‐┐ヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　| |ﾉ｀｀　　　　　l 　 　 　　 　 　 l　　　　　　　　　　　　とにかく、ネクストが地上の支配権として機能する
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|│､_　_　 　ノ l 　 　 　 　 　 　|
　　　　　　　　　　　　　　 　_ - ┤ l　入　　　　l　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　　　　　有効期限は、コイツの寿命と同じだ。
　　　　　　,　　 - ‐----'´　　　 |　 l　　〉　　　l　　　　　　　　 人
　　　,　'ﾞ´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＿_＼　　　l 　 l　´　　　l　　　　　　　　　　　ヽ､ __＿＿　　　　　　それまでに地上を平定しなけりゃ一巻の終わりだぜ。
　／.:.:.:.:.:.:.:.:.:'´￣￣　　　　＼　　　 l　　　／　　　　　　　　　　　　／.:.:.:.:.:.:.:.:￣｀ヽ､
/.:.:.:.:.:.:.:／　　　　　　　　　　　＼　　ゝ' ´　　　　　　　　　　　　／　＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼

5240： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/30(木) 22:19:07 ID:GOf3XeHE0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-――…＜:./:.:.:.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.-―…:.:.､
　　　　　　　　　　　 　 　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　 　 　 　 　 　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ミ:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.
　　　　　　　　　　　　ﾊ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.:.＼|
　　　　　　　　　　 　 |∧:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ト:.|:.:.|:.|:.:.:.:.ﾊ:.:.:ヽ.:ﾊ
　　　　　　　　　　 　 |:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:|.:.:.:l:.:| 十┼|-:.:.|.:.:i:.:.:.ﾊ:.:i
　　　　　　　　　　　　:.:.′:.:.:.:.:.:|:.:.厶斗ヒ7ノ　|,芹圷:.八:ﾊ:.:.:.:|:.:|
　　　　　　　　　　　　Ｖ|:.:|:.:.:.:.:.匕 x芹圷　　 　 )j刈Ｙ:.|/:.:|:.:.:.ﾊﾉ
　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ:.|:.l:.:.:.:l,〃 )z刈　 　 　 之ﾘ }:ﾉ:.:ﾉ|:.:/
　　　　　　　　　　　　　 Νﾊ:.:八 ヽ之ツ　　　 ､´＾`イ／:.:.|ｲ　　　　　　　あ、私は、はやてちゃんたちと同じ気持ち。
　　　　　　 　 　 　 　 　 廴」:＼:.＼´＾　　 　 __′　 八:.:. |:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.:|〕 ⌒　 　 ＜　ﾉ 　,ｲ:.:l:.:.:.:|:.:|　　　　　　　　君の望むものと、君の答えを信じるよ。
　　　　　　　 　 　 　 　 　 八:.:.|　 〕ト。 　 　 　／:.:|:.:|:.:.:.:|:.:|
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ|　 ト-=彡〕￢７Ｙト:|ノ:.:.:.:.|:.:|　　　　　　　　　……真っ直ぐな男の子になってくれた。
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 _ -r＜| 厂＼ 　 /　|ニニ=- 〔:.:|
　　　　　　　 　 　 　　_ -=ニﾆ7　 |∧Ⅴ∧./　 l|ニニニﾆﾆ=- _　　　　　　　今更、疑ったりなんてしないよ。
　　 　 　 　 　 　 _ -=ニニニ７　　| .〈∧〉./　　 | ニニニニニニ＞､
　　　　　　　　　∧ニニﾆﾆ／、　 l|- ‐ -∧＿／⌒ -=ニニﾆ／ﾆニi
　　　　　　　　　lニﾏﾆﾆ／ 　 У　|ニﾆ/ 　 へ　　　　〉､ﾆﾆ/ニニrzL
　　　　　　　　　|ﾆﾆ｝=/ 　 ／　　 |ﾆニ　 / /⌒L 　 /　〕Уニﾆﾆ{{　 ｝
　　　　 r ｛ ヽ　.|ニ7｢　 　 ∧　 　 |ﾆﾆ　｢しし厂Y　〈　 l|　 |ニﾆﾆｌ廴ﾉ
　　　 r |　し]r┐ﾆ7/　　　　∧　　 |ニ ∧　　しﾚ| 　 ∨l|　 Lニニ廴|
　　　 しし 　}　| |7 {　　 　 　 ∧ 　 V/　 |　　　　|＿　＼　　　ヽニﾆ|
　　 　 l 　 Ｙ　 | | .∧ 　 　 　 　 ＼　｝　八　　　　〉 〉 ＼〉　　　└‐┤





　　　　　　　　　_ノ: : : : 彡: : : : : :`ー-　、
　　　　　　　.／: : : : : : : : : : : : : /: : : : : :＼
　　　　　　 /: : : : : :.:/: : : : ／: :Y: : : : : : : : :ヽ
　　　　　　 ): : : __: :/: : :,／: : : :从: : : ヽ: : : : }
　　　　　 ./: , -'_ノ: : : :/: : : :／⌒ｱ: : : }: : : : }
　　　　　〈／／_〈: :／｛: : : :.}　　ハ: : : : : : : :,′
　　　　　.'　/　/: :V__ 〈: : : :/　 ＿_∨: : : : :/　　　　　　　　　　　　　　　　――よし、いいだろう。
　　　　　| /　/-- ､茫ﾄ.〉: /=≦茫ﾃ }: : : :/(
　　　　　|,′´ ,へ_｝￣ {ﾊ{　`ｰ　　 ,八: ,ｲ}: }―､――――　 ､　　　　　　私の方で市民を集め、こちらで議論の場を設ける。
　　　　　( 　 ノ ,_　〉　　..:; 　　　 　 },／_ノ:./::::::∧　　　　　 　 ∨
　　　　　 ヽ　　ゝｲ:,　　, ,ヽ , , ,　　　 /: ／:::::::::: ∧、　 　 　 |::::∨　　　　 やる夫君。君はリンクスたちの代表として、
　　　_､‐''゛ ヽ　　 ＼､{ - -- - ､}　 ｨ(},/::::::::::::::::::/::::.　　　　 |::::: ∨
_､‐''゛ ／: : :.∧　　　 ヽ ,ﾉ;,,　 , , メ:i:i:i:∧::::::::::::::/:::::::|　 　 　 !::::::|　,　　　　そうだな、明朝までに答えを用意しておいてほしい。
　 　 /＼__, --〉　　　　〉ー‐=≦:i:i:}:i:i:i}　,::::::::::/::::::::::| . 　 　 |:::::::| ｜
　 　 |::::::::/ー !　 　 　 |、: ＼:i:i:i:i:i:}:i:i:i}　∨:::::|::::::::::::|　　　　|:::::::|　乂　　　　生き残った皆の総意と、君の答えを交えて、今後を決めよう。
　 　 |:::::/: : :./｀丶、＿| ＼: :.∨i:i: }:i: ﾘ　｜:::/:::::::::::/　　　 /::::::/ 　　 ヽ
　 　 |: /: : :./　　　　　 ｱﾄ-＼:∨i:i:i: /　　|::/:::::::::::/　　　 /::::::/／::::::...　∨
　　 ／:::|／　　　 　 ／::::::::／　＼:i:/ . 　 |"::::::::::::|　　　 /::::::/:::::::::::::::::ヽ ∨

5241： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/30(木) 22:28:32 ID:GOf3XeHE0

　　　　 　　　＿＿＿_
　　　　　　／　　　u　＼
　　　 　／　　＼　 　 ／＼
　　　／ 　し （●） 　（○） ＼　　　……た、大役を任されてしまったお。
　 　 |　∪　 　 （__人__）　 J |
　　　＼　　u　　 ｀⌒´　 　／
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真壁の言葉を閉廷の合図として、皆がばらばらに席を立って去っていく。

理不尽への怒りに鼻息を荒くする者もいれば、疲れから肩を落とす者、
自分に優しく一瞥をくれてから背を向ける者もいた。

自分がリンクスたちの代表ということは、つまるところ、
それは意思決定を任されたにも近い。

実行部隊であるリンクスの答えを、彼らは無視できないだろう。
やる気はないが、生存者たちの意見を突っぱねて好きに振舞うこともできる。

どういうわけか、アルトリアとクーガーは自分に意思を委ねてきた。

アルトリアは微かに目を細めてこちらを見つめた後、
踵を返して去って行ってしまった。

クーガーは自分の肩を叩いて景気の良い音を鳴らしたかと思うと、
「こっからはおまえの時代だ。手前の時代をどうするかは、手前で決めな」と
穏やかな声音で呟いた。

なのはも多くは語らず、はやてに軽く目配せをして、CDCを後にした。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5242： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/30(木) 22:48:40 ID:GOf3XeHE0

　　　　　　　　　　　 　 　 　 　　 ''"ﾟ~~ﾟ~"''〜､、
　　　　　　 　 　 　　　　 . :''"ﾟ/ :／⌒＼.: .: .: .:.＼
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　　　　　　　　　　.: .: .: .: .: ＼.: .: ＼＿__:∨ /〉＿|　|￣ ＼
　　　　　　 　 /⌒.:＿ : : : .: .:.＼:／ .: .: .: ∨/ .: ＼ |￣.: .: ＼
　 　 　 　 　 /.: .: .:|_:/＼ : : .: ／＼:斗tｰミk.: .: |.: .:＼.: .: .: .: :＼
.　　　 　 　 / :/.: : |〈"⌒ヽ.: .:.:|.:／　ノＬﾊ　小:.:|⌒Y. :'，.: .: : .:'，~"''〜､、
　　　 　 　 .: /.: : 八.:.:.／　)ﾊ:.| : }　乂少'　 :|.: :|ﾉ 人/∧.: .: .: : '，.: .: .: .: ｀丶、　　　　　　　……ほな、一緒に考えよか。
　　　　　　|:/|.: .: .: .:＼:. ｨうぅk|:V 　　　' ' 　 |.: :|イ___//∧.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: ＼
　　　　　　|　|.: .: |.: .: .: : ､乂ﾂ r 　 　 　 　/ |.:八厂|　＼∧ .: .: .: |.: .: : .: .: .: ＼.: ＼　　　　　ちうて、軽ーく出せる答えでもあらへんけど。
　　　　 　 　 |八.:|.: .: ＼.: .:＞　 　　　 ﾌ 　 ／_彡 /　／ ＼. .: .: .:|.: ＼.: .: .: .: : ＼.: ＼
　　　　　　　　　＼(⌒¨¨「 込　 ＇　　　　　／/／／　　　∧ .: .: |.: .: .:＼.: .: .: |: .:＼.: ＼　　　
　　　　　　　　　　　　 　 |.:| .:个 .　　　　 ／..:/,,／　　　　/￣.: .:.:八.:／⌒＼.: 八.: .: ).: .: ＼
　　　　　　　　　 　 　 　 .: |.: .:|.: |　＞‐く: ＼「￣＼ 　　 /　　 j／　 ＼　　　 ￣三二ﾆ=---
　　　　　　　　　　　　 /.: 八 .: .: | .: r＜　／ |i⌒＼＼_,/　　　　　 　　 ＼
　　　　　　　　　　　　⌒7{.: .: .: .:|＼|／⌒几〕!／⌒＼〔｀`〜､、　　　　　 ＼　''"ﾟ~￣~ﾟ"''
　　　　　　　　　　　　　 :人 : : .: |__/＿__/:i:i:八　 　 　 |　　　　 ｀`〜､、
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼／／＞'":i:iイ　 |:、 　 　|　　　_.､-''"￣￣￣| |￣~"''〜､、
　　　　　　　　　　　 　 　 　 /／ r――ミノ 　 |　＼＿.|/⌒ ／＼ ＼＿＿_リニニ|
　　　　　　　　　　　　　　　/／　.|　　 ／　　 人. 　 ＼　 ／ニニ ＼＿＿／ニニ |
　　　　　　　　　　　　　　／.._　　|__／ _ -=~:::::::＼　 　 ∧ﾆ=---=ニニニニニﾆノ
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そして、はやてだけが、座って固まっていた自分の隣まで小走りで駆け寄ってきた。
膝を折って机に突っ伏したかと思うと、こちらをじっと見つめてくる。

彼女も決して疲れていないわけではないだろうに、見張られた眼には
活気が溢れんばかりに感じられた。

「私は、あの二人んことはよう知らんけど……せやけど、きっと、こう思うねん。
二人とも君んこと信じとるさかい、ああ言ったんよ。
ほれ、こないなとこで二人でうんうん言っとったってしゃーないやろ。
折角の洋上基地や、潮風でも浴びいこ？」

世界をどうするか、なんて答えを迫られるなんて、
かつての時代では一国の長ですらなかっただろう。

ネクストを手にしただけの、残飯喰らいの青二才が背負えるはずもない。

なのに、なぜか自分の胸の中には、恐れはなかった。
きっと、目の前のこの人が、一緒に背負ってくれるから。

だから、難しくはあったけど、怖くはなかった。
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5243： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/30(木) 22:49:54 ID:GOf3XeHE0

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5244：安価のやる夫だお：2022/06/30(木) 22:58:37 ID:CzEv21r.0
え、桜花のコロニーが落とされたのは、新兵器が完成しそうだったから足を引っ張りたかったってこと

5245： ◆x0SRSoJXe.：2022/06/30(木) 22:59:23 ID:GOf3XeHE0
今回はここまでだ。次回は……正直分からない。来週の木曜日……と言っても、休めるかどうか分からない。

もう凄いことになってるんだ。今月の労働時間も、270時間とかいってたし。もうぶっ倒れて入院してしまいたいくらいだ。

できるだけ努力はする。ひとまず、暫定で7/7の午後八時からとさせていただく。

生き甲斐だからね、やめたくはないから、頑張ってはみるよ。シーユーアゲイン。

5246：安価のやる夫だお：2022/06/30(木) 23:01:53 ID:CzEv21r.0
ゆっくり待ってる

5247：安価のやる夫だお：2022/06/30(木) 23:02:22 ID:lytPacE60
乙
無理しないで…

5248：安価のやる夫だお：2022/06/30(木) 23:09:05 ID:JlYnuIOo0
乙
普通に過労死ライン越えてるな
死ぬ前に辞めた方がいいし辞める前に上司から休みもぎ取った方がいいね

5249： ◆x0SRSoJXe.：2022/07/01(金) 00:51:47 ID:gcdFrGwU0
>>5244
説明が抜けてしまっているね……その通りだ。結局はIGIOとアヴィアコル陣営の利権のためってことだ

>>5246.>>5247
死なない限りはエターもしないさ……

>>5248
もしかしたら人の増員があって何とかなるとかならないとか……もう少し頑張ってみるつもり……頑張りたい……

人を裏切るのが怖いんだ……

5250：安価のやる夫だお：2022/07/01(金) 21:13:59 ID:6E4Dcz0o0
乙
そこを乗り越えた先に休暇や報酬や成果物が確約されてない限り、頑張り切った後には何も残らんから、物を考える余裕がある内に休むか辞める事を推奨するで

5251： ◆x0SRSoJXe.：2022/07/07(木) 19:34:33 ID:F3hxgnZQ0
ハロー、モコイさんだよ。

一応今日は休めてはいる。いるんだけど、六時くらいに布団出たもんだから、着るものとか食べるものとか諸々ない。

少し時間をいただきたい。午後九時からの投下に変更とする。いつもいつも、すまないね。

5252： ◆x0SRSoJXe.：2022/07/07(木) 21:01:38 ID:F3hxgnZQ0
　　　　／||ミ
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　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

5253：安価のやる夫だお：2022/07/07(木) 21:04:46 ID:NHa2CNUs0
ハロー

5254： ◆x0SRSoJXe.：2022/07/07(木) 21:09:50 ID:F3hxgnZQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i　　　　　　　つい最近、職場で朝にぶっ倒れ→早退→十何時間睡眠というコンボを
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ　　　　　　　　キメこんだモコイさんだよ。おかげさまでチンポもジジイのそれみたいに萎びてやがる。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i　　　　　　　　　でも逃げたところで行き場もない。
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |　　　　　　　　　　　ぼちぼちやっていこうか。私の投下を楽しみにしてくれている人が
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘　　　　　　　　　　　一人でもいるなら、死に損なった甲斐もある。
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´

5255：安価のやる夫だお：2022/07/07(木) 21:12:24 ID:TaEKMi4w0
上司も肝を冷したろうな
まじで体は大切にしよう

5256： ◆x0SRSoJXe.：2022/07/07(木) 21:29:24 ID:F3hxgnZQ0

_:_: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :／:i:i:i:i:i:i:i:i:i:＼: : : : ＼
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:i:i:i:i:i:i:i:i>､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : (＿__　)(⌒⌒⌒　¨冖＜:i:i:i:i:i:i:i:i)
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ニニニニニニニニニニ==‐‐‐　　　　 ‐‐――━━━━＝＝ﾆﾆ二二＿　　　　　　　＿二二ﾆﾆ＝＝━━━━──‐‐　‐=ニニニニニ
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決して軽くはない足取りで、二人で広々とした貨物用エレベーターに乗り込んだ。

他に人はいない。ここまで来るのに、人っ子一人通りすがることもなかった。
皆、潜水艦からの移住を済ませたばかりで、既に疲労困憊なのだ。
今頃はようやく寝支度を整え、さっさとベッドに入っていることだろう。

CDCに詰めているなのはたちも、今日はこれ以上仕事をすることはないはずだ。

本来、一晩で出せるような答えではない。
大国のエリート中のエリートが顔を突き合わせて、何か月と唸り続けて、
ようやく出すような答えだ。何せ、世界の行く末を決める答えなのだから。

エレベーターの物々しい扉が開かれると、潮風が一気に流れ込んできた。
アームズフォート狩りから帰還し、アルトリアの話に耳を傾け続け、
こんなに時間が経っていたのかとはやてと一緒に深く息を吐いた。

洋上プラントの頂上、ヘリポート群から見える水平線には、
とうに夕日が半身まで浸かっていた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5257： ◆x0SRSoJXe.：2022/07/07(木) 21:37:19 ID:F3hxgnZQ0

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　　　　　　　　　 ＼ニニ Y /〉　　　　　　　　　.: .: :|.: .: | 八　　∨ ::::::)　　　⌒7:.:.:/.: .: .:/.: .: .: :|
　　　　　　　　　　 〈-=ニニ人　　　　　　　　　| : /|.: .: |.:.:.心 　　‐-　　＿_ ／ : /.:.:／/.: :|.: .:.:.|
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　　　　　　　　　　　 |ニニニﾆ〈　　　　　　　　 :(　　＼.: .:几￣　_〕＿__＼ |:/／.: .: .:∧.:|.: | .: .八
　　　　　　　　　　　　|~''‐-=ﾆﾆ〕　　　　　　　　 ＿__.､-'' 〕 |＼　〕ニニﾆ〕.|:/.: .: .::.:/／ |.: |＼ .: .＼
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　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 | |　　 八　　　 　 　 　 　　∧〔￣　 /　　　　　　/----:::＼　＼
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　　　　　　　　　　　　　　 　 　 | |　　　　　 ＼　　　 　 　 ￣￣Y::/　　　　　　/~ﾆ=-:::::::::::::_::: ＼　＼

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「さっすが、SIが必死こいて除染作業してくれただけあるっちうわけやなぁ。
見てみい、海鳥が飛んどる……きっと海流の関係で、この辺りまで
汚染された海水が流れてこおへんようになっとるんやろな。
私たちも、こうして生身で外に出られるちう寸法やね」

「確かに。ちょっとだけ、アマツを思い出すお」

湿った空気に載った潮の香りを肺一杯に吸い込む。

自分に懐かしさというものが去来することは、あまりなかった。
最も古い記憶といったら、血の匂いや砂の味ばかりだった。
それらに懐かしさを覚えるような人間ではない。
けれど、アマツの潮風を思い出させるこの匂いだけは、懐かしく思えた。

故郷という概念を、物理的ではなく、感情的に表現することが許されるのなら。
自分の故郷は間違いなくアマツであり、はやてと過ごしたあの家だった。

湿った土の匂い、町ゆく人々の他愛もない話し声、鈴虫が響かせるあの音が
あれば完ぺきだったのだが。
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5258： ◆x0SRSoJXe.：2022/07/07(木) 21:50:26 ID:F3hxgnZQ0

　　　　　　　　　　　　　　　 　　 .. :''"ﾟ~￣~"''〜､、
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／:/ .: /:|.: /.: .: .: V⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　/.: /.:|.:.:|.:.|:/ |.: .: .: :|.: |.: :',
　　　　　　　　 　 　 　 　 / .: .: .:|.:.:|.:.|-.:八|.: .: |.: |ｸ|: ,
　 　 　 　 　 　　 　 　 　 ;.:.: .:| : |.:.:|斗tミx:|.: .: |.: |ｸ|Xi
　　　　　　　　　　　　　　|.: .:.:| : |.:八乂ﾂ　|ﾊ:xミ.:|.:.l.: |　　　　　　　　　……不思議なもんやなぁ。私たち、まだ生きとる。
　　　　　　　 　 　 　 　 /|.: .:.:|.: :〈:(⌒ '' 　 　,ゞ'_彡ｲ: |
　　　　 　 　 　 　 　 ／.:.|.: .:.:|.: .: : ＼　 　 _　 ''八 :| .:|　　　　　　　　　案外、企業……社会とか世界っちうのも、大したもんとちゃうんかも。
　　　　　　　　　　 ⌒7.:.:.| .: 八.: .:〈.＞　　_　.イ.: .:.:.| .:|
　　　　　　　　 　 　 /_　 -=ﾆﾆ.: .:.:|⌒Y|￣＼:| .: / |.:/　　　　　　　　　私たちくらい潰しきれへんで、反撃の機会を与えてもうてなぁ。
　　　　　　　　　　 /⌒ニニニ|∧.:.| / 八／⌒V/___/__
　　 　 　 　 　 　 /／⌒ 二二|ニ＼(＼:::{⌒＼:}ニニニ＼
　　　　　　　　　 {:{ニ| /ﾆ'ニ.八ニﾆ|::::::＼::::::::::＼=======‐┐
　　　　　　 　 　 八ﾆ/ニﾆ∨ニ＼ﾆ|:__〈^〉＼:::::／`'＜.ニニ八
　　　　　　　　　 　 /ニニﾆ〕／⌒ﾆ〕::::::〕L:::::＼ :::: :o/⌒＼ニ＼
　　　　　　 　 　 　 { ニニ／ニニﾆﾉ :::: 〕 〔::::::}:::V::::/:::::::::::::ヽ.ニ|
　　　　　　　　　　　] ﾆ／ニニﾆ／::::::::::〕　〔::: }::::}::::{::::::::::::::}::::V





　　　　　／￣￣￣ ＼
.　　　／　　　 ( ●)　　＼　　　　　　　たまたまって言ったら、それまでだけど。
　　　|　( ●)　　　⌒）　　|
　　　|　　　 （__.ノ￣　　 /　　　　　　　まあ、絶対なんてないってことだお。企業連にしたって。
　　　|　　　　　　　　　 /
.　　　＼＿　　　　　　　＼　　　　　　　「そういうもんなんかなぁ」

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はやてがしみじみと呟くものだから、似たような調子で返してしまう。
呑気なものだ。お互いに世界中から命を狙われている立場だというのに。
それでも、多くを敵に回せば敗れるというのも、絶対というわけでもないのだと思えば、
少しは気も楽になる。

しかし、人の歴史の中で、世の中や社会に反逆し、生き延びて幸せになった人間など、
いるのだろうか。

いや、いないというわけはないだろう。
どんな大国だって、古い体制や既得権益を塗り替えて生まれてきた。
今も続く企業連の秩序だって、国家解体戦争の末に築かれたものだ。

世界や社会に反旗を翻し、勝利を収めれば、その者たちが新たな社会となる。
敗北すれば、ただの逆賊として裁かれる。
勝てば官軍負ければ賊軍というやつだ。

自分たちは、その瀬戸際にいる。

この水平線の景色を眺めている時間は、分水嶺だ。

ネクストという強大すぎる力を持ち、それを行使する立場にある以上、
自分たちには責任が伴う。

何のために戦うか。どんな壊し方で社会を壊すのか。
そして、それには責任が生じる。
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5259： ◆x0SRSoJXe.：2022/07/07(木) 22:01:51 ID:F3hxgnZQ0

　　 　 　 　 　 　 ,　-　ー―　- 　 ..
　　　　　　,　 '": : : : : : : : : : : : : : : : : :＞ ..
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　　,. ' : : : : : ヾ,ィ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
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' : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ､: : : : :'､: ヽ:.',ヾ､
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: : : : : :,': : : : : : : : /ミ彡ヽ: : : : : : : : : : : : : :',: : : ,ｨ',､ ',:!
: : : : : :i: : !: : : : : :i!　　　　',:',: : : :､ : : ', : : : : ',:／／!:',: !
: : : : :, i: : !: : : : : :i　　　＿ ,:i､: : : :!,: : :',: : !,: : ',ｲイ.ﾉ:/ﾘ
: : :!: :i: ! : i: : : : :', ',　´　　　ﾘ ヽ: : :!',: : i:.!: !',: : :!,イ: i　i!　　　　　　　　　　しっかし、えらい話になってきよったなぁ？
: : :! : i: ',: :i: !: : : :ヾ､　　　 -―-'､: ! ': : !ﾘリ !: : !.!: : i
: : :!: : !: !,: !:!ヽ: : : !,,ィ示千キ''ヾ ヾ　',: !=＝''!:/! i: :,'i!　　　　　　　　　　　　世界をどうするのか、やって。
: : :!: : ! i ヽ',). ', : : ',`＜Z汐　　　　　i i/　　　!'ヾ',!/ i!
: : :',: : ', ヽ､`- ヽ: : ', 　 　 　 　 　 　 ヽ　　　.,: : :ヽ、　　　　　　　　　　　　　私たち、企業連をキャン言わせて……
:.i!: :',: : ',: : : ヽ_ノ､ヾ'､　　　 　 　 　 　　　　,.ｲ: : : ',､ヽ
:.!i: : ',: : '､: : : :! ヽ:`　､ 　 　 　 -=＝'　 , イ!,､ヽ., -- ､',　　　　　　　　　　　　その後の時代をどうするか、と。
:i !', : '､: : ヽ: : ヽ　'､: ヽ',＞　　 ＿_　.イ : !i:!ゝイﾆ￣　.'､
:i i:.'､: : 〉､ : ',､: : ＼ ',: :',ヾ　/､｀ー-, ￣￣r‐'‐'　　　　　',　　　　　　　　　　　　正直、知ったこっちゃないわ。
',',',: i'､/,　ヾ: ', ｀ヾ､ヽ!:i:i`ヾ''!_ヽ　 i!i　　　 ヽﾉ丶 　 　 　 ',
ヾヾ./ ヾ、　ヾ､　　 `i:iﾘ　 /;;;;;;ヽ. ゞ==---、 　 ヽ. 　　　 ',ヽ､__　　　　　　　　　
　　/　　 ヾ､　　 　 　 ﾘ,i! /;;;;;;;;;;;;;ヽ 、　　　ヾ、.　 ゝ､　　ノｲ／::!
＿/　　　/ ヾ、　　　// !i､`ー--〈;;;`ヽ､ー――--}`ー―‐''"::::::::}
. /　　　/　 　 ヾ,､. //　i !:::｀ヽ､　ヽ;;;;;;;;;;;ヽ::::::ヽ:::::＼::::::::::::::::::::::::i!
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イ ￣ ｀ヽ、　　　,ィ , イ　　!'､:::::::::::::,::-､＞､:::::ヽ::::｀i::::::::::ヽ--ー"ｲi
　　　　　　｀ヽ　 i !　　　　 i:',:ゝ''":::::::::::::',:::::::｀ヽヽ:::i:::::::::::::::',:￣:::イ!
　　　　　　　　　 i !　　　　 !::'､:::::::::::::::::::::ゝ-----ゝ'::::::::::::::::i::::::::::::::ヽ、
　　　　　　　　　i i !　 　 ／:::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',ﾟ:::::::::::::i!:::::::::::::::::::ヽ
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　　　　　　./: /: : i: : : :!ヽ: : : : : : : :ヽ､:ヽ'　/: :/ .!',: ! .i : : : : : : : ヽ: '､
　　 　 　 .,': /: : : ',: : : !　＼, 斗:.'"、: :ヽ:ヾ､: / /: :'､/ :ヽ、: : : : : : ヽ:ヽ
　　　　　 i: :i : : : : ',: : :',才´ ヽ、: : ヽ: : : ヽ:ヾ /: : : :', : : : ＼: : : : : : :',: ヽ
　　　　　 i: :!: : : : : :',: : :', イ示＝､: : ',ヽ: : ',: :ヽ: : : : :',: : : : : ＼: : : : : ヽ: :｀ヽ
　　　　　 ',: i: : :､: : : ヽ : '、 i刈　ﾉ.ヽ: ', ヾ: i､: : :ヽ: : : :!: : : : : : :＼ : : : : ヽ: : :｀ヽ　　　　　　　　こちとら、そないなこと考えてられるほど、
　　　　　　',:!'､: :ヽ : : : ヾ､ヽizﾘ　　　 ヾ　 ヾ ヽ: :! ヽ: : !: : : : : : : : :ヽ､: :: : :ヽ: : : :ヽ
　　　　　　 ヽ ヽ: ',ヽ r'　　ヾ'､　　　　　　　　　',: ! ｲ.',: i : : : : : : : : : : !ヽ: : : : ',: : : : ',　　　　　　 余裕なんてあらへんかったし。
　　　　　　　 ｀ 　 　 ∧　　　　　　　　　　　　　 !:! : : ',:i: : : : : : : : : : : !: :ヽ: : : ヾ.: : :.',
　　　　　　　　　　 　 　廴＿__　　　　　　　　　,ｲ:!: : : :i!: : : : :',: : : : : : !: : i ',: !: !　',: : !　　　　　　私かて、一部の天才なんかともちゃう。
　　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ、 　 　 　 　 　 　 　 ﾘ: : : : !: : : : : ',: : : : : :!: : :! .!:i: :!　 ',: i
　　　　　　　　 　 　 　 　 /.ヽ、＿_ ,　　　　　　ｲi!: : : :i:､ : : : : !'､: : : ハ: :i　i:!i: !　　i:i　　　　　　　生き残って、たまにアマツに帰って、
　　　　　　 　 　 　 　 　 / i : : : : : ∧　　 , イ;;;;＞'" /:!　ヽ : : i　',: :,'　 i: i　ﾘ ﾘ　　 i:!
　　　　　　 　 　 　 　 　 i: ﾊ: :i､: : : /二彡イ.　　　／::i　　 ヽ: i　 i:/ 　 i: !　　　　　 i!　　　　　　　 「あー私が戦えば、こののほほんした
　　　　　　　　　　　　 　_r―ヾ',‐/ .!, イ.　　　　／::::::::!　　 　 ヽ .i'　 　 !:i　　　　 　 !
　　　　　　　　 　 　　イ .i　　　〃r―‐,ヽ,　　／::::::::::::i　　　,ィヽ ', 　 　 ﾘ　　　　　　　　　　　　　　場所も長続きするんやなー、がんばろ」
　　　　　　　　　　　 i_＿.!　／/　i:::_／　 ',／:::::::::::::::::i 　 /＿　 ＼￣≧　 、
　　　　　　　　　 i￣　　／, 7/　/::::!　　／::::::_::_::_::_::_i　,ｲ　　 ＞､ ＼　　　 ヽ、　　　　　　　　　　　くらいにしか思うてこうへんかった。
　　　　　　　　　∧　／,イ:::::,' ./::::::i　／:::￣::＞::､::::::i7 ,　イ"ー―ゝ､ヽ　／/　',
　　　　　　　､-ムイ ､/i::::::::,' /::::::::i／:::::::::::::::, イ:::::::i!イ　　　　　　　　 //／　　i
　　　　　　　ヽ,　　／:::::',:::::iー---/:::::::::,:::イ::::::::::::::::レ､　　　 　 　 　 / / 　 、　!
　　　　　　　 ∧ ,.':::::::::::::∨!:::::::::/:::,::イ::::::::::::::::::::::::::::::::::i＞ ､.　　　　 i i!　　　ヽ､!
　　　 　 　 ./.　/::::::::::::::::::',:!:::::,ｲイ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!::!:::::ヾ､、　　`ー-ニﾆﾐ　ヽ、
　　　　　 , '　　i::::::::::::::::::::::',!/イ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!::i:::::::::::ヽ ｀ヽ、　　　　　`ー-ゝ､
　　　　／　 ／.',:::::::::::::::::::::〈:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,':::!:::::::::::::::＼　 ｀　　　　　　　　　 ヽ、
　　　./　 ／　 i::',:::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::',::::::::::::::::::::＼　　　　　　　　　　　 !、
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5260： ◆x0SRSoJXe.：2022/07/07(木) 22:04:59 ID:F3hxgnZQ0


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. |:.:.:.:|: : |:.: : ﾏ:.: : ﾍ: /斥ｭ､!:.:.: : |/ /: : ヽヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
　::. : |: : |:.:.:.:.:.＼: : ﾟ， {刈 /:.:.:.:.:| /:.:.:.:.:.:|　ﾟ，:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　　　　　　――せやから、アマツがなくなったなら、
　ﾏ:.:.|: : |ﾏ:.:.:.:.:.:.:ト､ﾍ　ﾏﾘ　}:.:.:.:j/:.:.:.:.:.:.:|　 }:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　 ﾏ: !: : ! ﾏ:.:.:.:.:.:|　∧{: ﾚ′i:.:.:/:.:.:.:.:.:. : |　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　そういうんにも目ぇ向けんとあかんのかもしらんね。
.　八:{: : |　ﾟ，:.:.:. | / 　 　 　:}:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|〃:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　＼ ! 　 ， : ｨ　　　　 　 i/ }:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　　　　　　 ちうか、仮にもネクストに乗っとる身や。
　　　 　 ＼　ﾏ: : ｀ヽ　　　　 　 i:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./
　　　　　　 　 ﾏ:.:.:.:.:.:ゝ --　　 :|:.:.:.:.:.:.:/}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:/　　　　　　　　　 世界を変えられる身やさかい、自分のことばっか
　　　　　　　　 ﾟ，:.:. { 　 ヽ　 　 !:.:.:.:.:./ :ｉ:.:|:.:.:.:＼:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:. : |:./:. /
.　　　　　　　 　 ﾟ。:.:.ﾟ。:.:.:ﾍ　　:|:.:.:.:./ ﾍ Ⅳ＼:.:| ヽ:.:.: : |:.:.}:.:.:.://／　　　　　　　　　　　っちうわけにもいかんちうことやろな。
　　　　　　　　　　ﾟ。:.:.ﾟ。:.:.:ゝ‐=!:.:.:/　　ヽ　　ヽ!　 ＼:.:.:! /:.／／






　　　　　 ＿＿＿_
　　　　／　　　　　＼
　　　‐　　 ─ 　　　　＼　　　　　　　やる夫にも、難しいことは分からないお。
　 　（　　（ ●）　　　　　＼
　　（人__）　　　　　　　　　|　　　　　　けど……
　 　｀⌒´　　　　　　　　 ／
　　　｀ｌ　　　　　　　　　 ＼
　　　　ｌ　　　　　　　　　　 ＼

5261： ◆x0SRSoJXe.：2022/07/07(木) 22:11:48 ID:F3hxgnZQ0

..　　　　　＿＿＿_
　　　　／　―　　-＼
..　　／　 （●） 　（●）　　　　　　　　やる夫たちは、本来死んでいるべき者たち……幽霊みたいなもんだお。
　／　　　　 （__人__）　＼
　|　　　　 　　｀ ⌒´　　　|　　　　　　 やる夫たちは、世の中を動かしてきたような人たちの、思惑の範疇の外にいる。
.　＼　　　　　 　　　　 ／
.　　ノ　　　　　　　　　＼　　　　　　　　犠牲にされるような人間が今、世界をどうこうできる立場に居る。
／´　 　　　　　　　　　　ヽ





　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　／　　 　 　＼　　　　　　　世の中はいつだって、一握りの……頭でも、血でも、運でも、何かしらに
　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　／ 　 （●） 　（●）　 ＼　　　　　極端に恵まれた人間が土台を作って、その上で他の人達が生きてきた。
　　　|　 　 　 （__人__）　 　　 |
　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／　　　　　　やる夫たちが、極端な私欲を捨てて、土台を作るのであるのなら……
　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ
　　 / 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |　　　　　　　　一部の誰かのためだけの時代にはならないはずだお。
　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|

5262： ◆x0SRSoJXe.：2022/07/07(木) 22:25:25 ID:F3hxgnZQ0

　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　 　 ／ 　　―　＼　　　　　　　　やる夫だって、目に映るものが全てって生き方しかできないお。
.　　　　　／ 　　(● )　　ﾍ＼
　　　　　|　　　（⌒ 　 (● ) ｜　　　　　　世界だ社会だ時代だとか、見たこともない誰かや土地のために頑張れるほど、
　　　 　 ﾍ　　　 ￣｀､__）　　｜
　 　 　 　 ヽ　　　　 　 　 　 ｜　　　　　　酔狂でもないお。けど、そうするしかないななら、そうするだけだし……
　　　　　　, へ、　 　 　 ＿／　
.　　　　　 |　 　 　 　 　 ＾ヽ　　　　　　　　 どうせなら、少しでも、自分が後悔しなさそうなやり方がしたいお。
.　　　　　 |　　　　　　１ 　 |

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
歩幅を合わせてヘリポートの縁まで歩いていき、何を言うでもなく、
お互いに座り込んだ。

まるで世界に二人だけ取り残されたような、そんな時間だった。
穏やかな波の音と、海鳥の甲高い鳴き声が響く中。
少し冷たい潮風を浴びながら、沈みゆく夕日を見つめている。

これだけでも奇跡のようなものだ。
自分たちはいつ何時、二度と朝日を見れなくなるかという身だった。

今は、企業連相手に攻勢を仕掛け、屈服させ、交渉のテーブルに叩きつけ、
どういう要求を呑ませるか、などという舌なめずりにも似た考えを巡らせている。

他の皆が、自分の答えを信じると告げた。
なのはたちも、責任逃れでそう言うような人たちじゃない。
それぞれに生きてきた過去があり、それにより形作られた考え方がある。

それでも、自分の答えを信じると、そう言ってきた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5263： ◆x0SRSoJXe.：2022/07/07(木) 22:42:09 ID:F3hxgnZQ0

　　　　　/ 　 /　　　　V∧
-､_＿ 　i　　 i　　　_ 　 V i
､　　　ヽ! r＜!　　/　ヽ　V!
　V/--､V　 j}　./　 　 i　}.!
、 .ﾏﾑ-ﾑV/　./　　_　 ! i i
. ヽ-'! 〉,___V//　／ r｀-､/　　　　　　　　 ,ゝ--- ､
--＜　 〉___〉 ! i'　／!. 　 ＼　　　　　　／ 　 　 　 ＼
　　　V/ ,__}､.| i 〈　 .!　　i´ ｀` - ､　 ./　　 　 　 ,＞-＼
＼, '´ ヽ/　__ヽ--V/ヽ-､ヽ　　　　＼!　　 　_＿/　___i´ ＼
___.＼ 　 ＼{! 　 ＼　 i.:.:.:.:..､_　　, 'ﾟ´ ＼r＜＞--< 　 ヽ、. ヽ
{　 ｀ヽ､ー‐}!、　　 ＼ヽ;.:.:.:.:.:.:.ヽ、　 ,　 ＼ilililililil/　 /　 V/ }!
{　　　　　　＿V/／´｀ ､＞ 。:.:.:.:.:..､___ 　　Vililill{　 / }、 i}／
ヽ_jI斗ｬ≦￣￣￣｀ヽ／＞{ili{≧s､_:.:.:.:.:.､　 Vililiヽ__/{　} i　V/
ililil{_　　　_＿／ 　 　 ＼il＞-､ililij!ililヽ;.:.:.:.＼_!ilililili}_　 '　ヽ, V/
ili{´ヽ、／　　　　　　　 __＼ililil_}ilil>‐<､ヽ、:.:.:.}ilililili} V/　　 ヽV/
iliﾄ､　 ＼　　　　　　／　　 ｀ヽililil＞-<ilヽ/≧'ilililil〈　 〉　 　 　 }!
ililili} 　　 Ｖ/　　　./　　　　　　｀ ＜ilililililil＼　｀ヽ＞ー＜　　　 }!
ililili}　　　 V/　 　 V/　　　　　　＿　｀¨¨｀Y-＜ﾟ　　　 / 　＞ ､}!
ililili}　　　　V/　　　V/　　　　　{f¨｀ヽ　　　　　　｀ﾟ ＜} 　 　 　 ＼
ililili}.　 　 　 V/　　　V/　　　　 {!　　　　　　　　　　　 　｀＞ー - -ヽー ､
ilili/　　　　　_V/　　　}!　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　ヽ　　　　＼
il/ 　 　 　 /　.V/　　 .V/　　　　　　　　　　　　　　　/　　　 　 　 　 　 　 　 ＼
´＼　　　/　 　 }!　　　 V/　　　　　　　　　　　 　 　 {　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「トウキョウで路上暮らしをしていた頃……よくゴミを漁りに行く場所に、
街頭ビジョンがあったんだお。そこには、オルデンブルクのネクストが、
見たこともないような場所で、見たこともないものを吹き飛ばして……
豪華なテロップが躍り出て、そのリンクスを持ち上げていたもんだお」

悪しきテロリストを倒す正義のヒーロー。
そんな単純な構図に、幼さしかなかった自分は思った。

「自分も、ああなれたら、って。
あれだけの力を持てたなら、きっと、誰かに必要としてもらえる。
居場所も作ってもらえる。温かいご飯も、ベッドだって。何にも困らない。
リンクスにさえなれたなら、自分だって、って」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5264： ◆x0SRSoJXe.：2022/07/07(木) 22:46:08 ID:F3hxgnZQ0

　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　 　 ／ 　　―　＼
.　　　　　／ 　　(● )　　ﾍ＼
　　　　　|　　　（⌒ 　 (● ) ｜　　　　　　黒いネクストのリンクスを、憎しみだけで見てたわけじゃなかった。
　　　 　 ﾍ　　　 ￣｀､__）　　｜
　 　 　 　 ヽ　　　　 　 　 　 ｜　　　　　　本当は、憧れてたんだお。やる夫もああなりたいって。あれだけのことができたなら。
　　　　　　, へ、　 　 　 ＿／
.　　　　　 |　 　 　 　 　 ＾ヽ　　　　　　　　 誰かに必要とされて、大事にしてもらえるんじゃないかって。
.　　　　　 |　　　　　　１ 　 |





　　 ／￣￣￣＼
　／　　　　　　　 ＼　　　　　　本当にリンクスになって……ネクストだけが全てになったお。
/　　　 ─　　　─　ヽ
|　　　 （●） 　（●）　|　　　　　 実際、なのはさんに拾ってもらえて、はやてさんや、いろんな人にも出会えた。
＼　　∩（__人/777／
／　　（丶＿//// ＼　　　　　　 衣食住、全て揃った。身体も頑丈になって、色んなものが身についた。





　　　　 　 　＿＿__
　 　 　 　／　　　　＼
.　　 　／　 　 　 　 　 ＼
.　　／　　　 ―　　 ー　 ＼　　　　　　そうやって……大勢の人間を殺した。
　　|　　　　（●） 　（●） 　|
.　　＼　　　　（__人__）　 ／　　　　　　 そうやって、友達まで殺した。
.　　　ノ　　　　｀ ⌒´ 　 ＼
　／´　 　　　　　　　　　 　ヽ

5265： ◆x0SRSoJXe.：2022/07/07(木) 23:00:54 ID:F3hxgnZQ0

　　　　　　　　　　　　＞:::::::{:::::::::::::::::::::::::丶:::::::::::::::::::::::::.... .___　　　 _｣L二L｣_
　　　　　　　　　　 ／:::::::::::::∨::::::::::::',:::::::::::::＼:::::::::::＼⌒´.:::｀vﾞ ＜::::__ _::::rｰ,.:~,ﾞ-、
　　　　 　 　 　 ／::::::/:::::::::::::∨::::::::::::',::::::::::::::::＼::::::::::::..~¨ ￣ｷ　　｝　｝　｀"〈 /,へ7＼
　　　　　　　　 '⌒^ /::::::::::::::::::∨:::::::::ⅰ::::::::::::::::: ＼::::::::. .::::::::ﾉ　　ﾉ　ﾉ　　⌒ ｰっ 〉:::::ヽ
　　　　　　　 　 　 ./:::::::::::::::/}:/∨:::::::::ﾄ､:ﾊ::::{:::::::::::::ヽ:::::. ."―‐'v"ｰ'。..　 __.ｨ"..ィ:::::-:.、y-┐
　　　　　　　　 　 /:／}:::::::/ x＝ミ､:::::::{ ,ﾆﾆ､{ヽ:::::::::::::',ヽ{.:::::i:::::rzzx i'::::::::,´‐- 、',::‐:‐〈ﾑ::: :}　 　 　 　 .,､ ___ノ!,､
　　　　　　　　　 　 　 |::::/:} : : : : .　＼:{ ⌒^^　 ＼::::{ ﾘ...{::::八{《 (::rj {ﾉﾙ'rzzzzミ }::::::'/::ﾘ::::::}　　　　　 ﾉ::::::::::::::::::丶、
　　　　　　　　　 　 　 |:/::､ 　 　 　 ｛!　　. : : : :.ﾑ/Ⅵ.、 从{::: {　 ~¨ ,　　´　伐ｒ:) 》/:/::::'::::::/、..__,.． '´:::::::::::::::::::::::::::::｀ー- 7,
　　　　　　　　　 　 　 |Ⅵ::圦　　ｖ===- ､　　 /:::::',/ﾆ ＼{｀¨叭 　 　ｌ　　　 　¨~,δ)/:::/::::://　 .7::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
　　　　　　 　 　 　 　 　 }::::::::::. 　V 　 　ﾉ　 ｲ::{＼:.ニニﾆ〉、　.:h、`　.. __　　 .,r-//:::::':::::/i:} . イ::::::::::::::::::::, - ､:::::::::::::::::::::::::::::::' ､
　　　　　　 　 　 　 　 　 }/ｒ==ミ>､　　 　 <ﾆヽ " ﾆﾆﾆﾆ/:_:_〉::::::,' h、　　,.、彳.,／:::::::::::/..ｌ:} _ノ:::::::::::::::::::ノ _　 ＼,.､:::::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　 　 　 　 |ニﾆ≫ｘ　¨´r'ニニ|　ニニノ : } ::γ/:..　｀ｰ／.:} ヽ: :"': : :/:/| //..｀):, -=::::/´　___`ヾ、　 ｀ｰz:,_::::::::／
.　,　___　 　 -‐-　　＿__／ニニニﾆ{ 　 |ニニ | _ｰ=彡,:_:_L_/ .'__＿／γ~　/ /.: : : :'./∨/　.Z::!=う!,/ 　 く_rｯ｀　'´　_,. - ､!::::::!
　{　　　　　　　　　＼.ニニニニニﾆ| 　 |ニニニﾆ=- ＜＞＜＞.γ‐‐'-―/: :( :、: :./ i:Yﾞ ／ !7弋　　　　 　 ｀　 　 , ‐､　ノ:γ
　 ≧=-‐　 }　 　 　 , ＼ ニニニニ |== |ニニニニﾆﾆ=-.｀‐"　, -───────r '´７!,　｜ヾ7!　　　　　　 　 ! ｀㌧'/r-'´
　　　　 　 /　 ー‐‐′　　｀ヽニニﾆ|　　∨ニニニニニﾆﾆ=-.､　　　　　　　 　 　 　 ／'7´　｜/ ' ､　 　,f= ､　 r '　　 /
　　　　　　　　　　　　　　 　 ｝ ニニ|　　 .∨ニニニニニニニ｛.ｌ ＼}ﾆﾆ＼ﾆﾆﾆ,,≠ﾆﾆ /　 　 !ﾞ　　 ヽ 　!::::::≧=r　 ／
　　　 ／　　__ 　 　＼. 　　　｝ ニニ|　　　 ∨ニニニニニ7ﾆﾆ }／ ｌﾆﾆﾆ ヾ／ﾆﾆﾆﾆ./　　　 |　　! 　 '.　'マ_,〆 ィく
　 .／　　 ／ ｝　　 __　　　 丶　ﾆニ|　　　　|ニニニニニ/ニニ.ｌ＼ }ﾆﾆﾆ／ ,ﾆ ﾆﾆ ./　 　 　,| 　 i　　　､__, イ´　| 　＼
／　　 　 |ﾆﾆ｝　　/∧　　ｒ､　＼.ﾆ/.　　 　 |ニニニニニﾆニニ| . /ﾆﾆ〃／ﾆﾆﾆﾆ i!　　　　 |　　!　 　 ／ ,｜ 　'.　 　 ＼
　　 ／　 |ニ　　 ∧ニ　　{ﾆヽ　 ＼,.　　　　|ニニニニニﾆニニ|../r --==ﾆ7ﾆﾆﾆ ,ｲ 　 　 　 ト ､ !　　 !, 　 ｜ 　 '.　　 　 ＼
｀¨´ 　 　 ∨ 　 /ニニ}　　ニﾆ＼　 }　　 　 |ニニニニニﾆ{￣￣|...{ﾆﾆﾆﾆ/ヽ／ / '!　　　　　|､　　｀' 　 -‐　|　 　 '.　　　 　 ＼
.　　　 　 ./ 　 /ニニﾆ}　　ニニﾆ｀¨.　 　　│ニニニニﾆﾆ: 　 　|.ﾆ{ﾆﾆﾆ/／.:.／　/'　　 　 　|:::＼　　　　／:|　　　 '.　　　　　　!
.　　　　　{___ /ゞ====‐　　} ニニ|　　　　　 |ニニニニニﾆ|　 　 |./.:⌒｀ヽ..／ 　 /　 　 　 　 |:: : : ＼_,. ´ : : |　　　　'.　　　 　 /
　　　　 　 　 { : : :.|ニニー'ニﾆﾆ |　　　　　 |ニニニニﾆﾆ∧＿__', 　 　 ／　　　 L _ 　 　 　 |: :: :: :: :: :: :: ::/|　　　,／７　　　/

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
最初の友達は、自分の力がなかったばっかりに、殺された。
どうにもならなかった。その後に見かけた女の子だって死んだ。
自分の力じゃどうにもならなかった。

力を手に入れたら、今度はその責任を問われることになった。

立場を違え、戦場で相対し、そして殺した。

リエラは黒焦げになってから海に撒かれた。
カズキは幼児に壊された人形みたいな姿で、コックピットの中で冷たくなっていた。

全部、自分に起因するものだった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5266： ◆x0SRSoJXe.：2022/07/07(木) 23:10:37 ID:F3hxgnZQ0


　 　 ／/ 　 ,ゝ-{≧ｓ。、　　Vﾑ　　 |　　{ .! 　 　,′.}／ヽ　　 　 　 　 ,。ｓ≦}ヽ ＞ 。
.　／　/　　!　,′　　 / ｀ﾄ. 　Vﾑ 　 |　　ﾏV　　,′V!　　 V/ 　 　 /¨{￣ ￣ }　＼　　｀ヽ、
, '　　/, ＜,'!　!　　 ／ 　 ! ヽ、Vﾑ.　|　 　.ﾏV .,′　.〉、 　 V/ 　 / 　.V　　 /　 /-＼.　 　＼
　 ／　　 {i !　i__／　　／＼　}　ヽﾑ,|　　　 ﾏV　　./　 V/ /　　　〉,　　V　/　 /i!　 　＼.　　 ＼
../　 　 　 V!　　　　／　　　ヽ{≧ｓ{　　　 　 　 　 /　　/ー‐‐, ＜　 V/　¨ﾟ　 / i{　　　 　｀ヽ.、　V/
i{,　　 　 　 '!__＿／､＿＿ 　 }!　　{!　　　　　 　 /　　/　 　,/　　　　.Vi/ 　 /　i{　　　 　 _,.　-ﾏ　V/
i{　≧s。., __＼　＼　＼　 ＼ }!　　{!　　　　　　/　　/　　 ,/ 　>ー‐＜ヽ--.'V/i{、 ＞ ﾟ´　　　　ヽ, V/
,}　　　　　　　 ヽ--ヽ-' ヽ--ヽ!　　{!.　　　 　 /　　/　　 ,/ ／ ＼＿_＼∧＿V/ V　 　 　 　 　 　 V}!
{　　　　　　 ／　 　 　 　 　 　 }!＞ﾟヽ----- ' ｀ヽ'　 　 /イ　　／　　　　　　　　　ヽ、　　　　　　　 }Ｖ/
.',　　　　 ／　　　　　　　 　 ／＼　　　　　　　　　＼ ./｀ヽ_／　　　　　　 　 　 　 　 ＼　　　　　　 }! ヽ、
　ヽ--- 〈　　　　　　 　 　 /　　ヾ＼　　　　　　　　　ヽ＼/　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀ヽ､　　　　}! 　 ＼
　 ,s≦ミy}!　　　 　 　 　 /.　　　　ヾ＼__　　　　　／　}!　＼　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ,　 　}!　　　 {＞ ､
　{三{ilililil}}! 　 　 　 　 　 V/　　　　 ￣ヾ＼ 　.／　　 }!　　i}　　　　　　　　　　　　　　　　　　r≦.､ }!　　　 {　 {_!＼
　｀ー― ' }!　　　　　 　 　 V/ 　 　 　 　 .＼／　　 ／ ＼__i}　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ilil三}.i{;　　　{　　 ＼ ＼
　　　　r-{,'　　　 　 　 　 　 V/　 　 　 　 ／ヾ＼／　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {ilil三} .i{;　　 {i　　 　 ＼ ＼
_　　　 i /　　　 　 　 　 　 　 V/. 　 　 ／　　 ／＿___.／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ー､'　 i{;　　{i　　　　　 ＼ ＼
. ヽ___ノ,'　　　　　　　　　　　　V/　 ／　　 ／＿__＞ﾟ´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ .i{;.　 {i　　 　 　 　 ＼ ＼
.　　　 ,′　　　　　　　　　　　　｀ヽ'._＿_／　 Vﾑ　 　 ',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{! .ヽ、{i　　　　　 　 　 ＼ ヽ, .∧￣￣
.　　　,′　　　　　　　　　　　　 r＜　＿＿　　.Vﾑ　 　 ',　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 V　　Y＼.　　　　　　　　 ﾏ i/　 V/
. 　　,′　　　　　　　　　　　　, { /／ 　 ／!　　.Vﾑ　　/ー‐ｧ　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 V　/　　＼　　　 　 　 　 i/　 　.V＿
　　/{　　　　　　　　　　 。＜　{,_'＿_.／　 |　 　 Vﾑ_./　　/ ∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Y.　 　 　 ＼　 　 　 　 ∧　　 /
＞ﾟ´.{　　　　　　　　,＜＿__　　|ヽ／|　 　 |　　　／　　　/ 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　! 　 　 　 　 ＼　　　 /　 V//
_ ＞ﾟ ',　　　　　　　,′　　/｀ヽ,|　|　.!　 　 !　.／＿＿__/ 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 V　 　 　 　 　 ＼　/　 　 V＿＿_
　　／≧､　 　 　 /＞。._/　 　.|._＿_!　　 .i／　 |　　　 |　 /＞-＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{≧ｓ､,　　　　　　　　 /　　　 /
＞'ﾆニ{__}　　　 /　/　/　＼／　 .／　　　|　 　 !＿＿_|_./　/il{　{ ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼:＼:.ヽ、　　 　 　 / 　 　 /
二}＞'｀ヽ }ヽ 　 V/__/　 .／　 .／　 　 　 .!　 ／ ',　　/　　 {ilil{　{　 }　　　　　　　　　　　　　　　＜二二＞:-:-:＼　　 　./ 　 　 /

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
自分の行いを何かのせいにするのは簡単だし楽だ。
環境や時代のせいだと言って終わりにしてしまえばいい。
実際、それもあるのだから。

けれど、それでも、やったのは自分だ。

一度は耐えられなくなり、全てを投げ捨てて、目と耳をふさいだ。
はやてがアマツまで連れて行ってくれていなければ、今頃どうなっていたか。

ネクストによって自分は救われ、多くを手に入れ、人殺しとなり、全てを手放した。

自分の空っぽの人生には、ネクストの存在があまりにも大きかった。
だからこそ、言えることがある。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5267： ◆x0SRSoJXe.：2022/07/07(木) 23:26:17 ID:F3hxgnZQ0

　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　 ／　─　 　 ─　＼　　　　　　ずっと、考えてきたんだお。
　　　／ 　 （●） 　（●）　 ＼
　　　|　 　 　 （__人__）　 　　 |　　　　　ネクストは、大きな力だお。世界の行く末に、個人の意思を反映できるほどの。
　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／
　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ　　　　　　　巨大化して、欲望に支配された集団が手に入れれば、そいつらの時代を作れるほどの。
　　 / 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |
　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|





　　　　　　＿＿＿
　　　　 ／::::::::::::::: ＼　　　　　　　　……けど。
　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::＼
　 ／:::::::::::::::::::::::::::::: 　　＼　　　　　人間は、そんなものがなくても、生きていけるはずだお。
.　|:::::::::::::::::::::::::::（ー）　.　　|
　 ＼ 　　 （__人__）　.　　／　　　　　人が幸せになるのに……そんな特別なものは、いらないはずなんだお。

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
ネクストは、自分にとってきっかけに過ぎなかった。

ネクストがあったところで、はやてに出会ってなければ。
彼女に救われて、彼女に恋をして、こうして隣に居なければ。

あのままトウキョウの路上で果てるか、戦場で果てるか、二つに一つだったろう。

はやてに限らず、はやてのような誰かが、自分に寄り添ってくれていなければ。
自分は、今日この日まで生きてすらいられなかっただろう。

自分にとって、ネクストが全てだったわけじゃない。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5268： ◆x0SRSoJXe.：2022/07/07(木) 23:40:17 ID:F3hxgnZQ0

　　　　　　　　　　　　　 -‐━━=ミ
　　　　　　　　　 /⌒:^.: : : : : : : : : ::＞
　　　　　　　_.-=ミ: : : : ＼: : : : : : : : :V: `.
　　 　 　 .ｨ: : : : 7:〉 :∧: : :V: : : : : : :〈/: /〉:.
　　　　 /: : : : : :|/ | : :|:V: : :i : :| : : : : V〉: : ﾊ
.　　　 /: : : : : : :|i　!::斗-V: :|ー|‐|:-|: ::|:|i: : : |i
　　　 ′l: : |i :|i |i_,.ｨﾃﾃﾐ : : |N|ｨテﾐN: |:|i: : : |i
　　　{　｜:::|i :|i |i　 r勿,　|:N　 r勿ﾉ !::|:|5!: : : .　　　　　　　　　　……ネクストを、なくそうっちうんか？
.　 　 　 从::|i: |i |i:　^¨¨　　i　　　 　 」::|:|,ﾉ: ;小:.
.　　　　　　〕: :|i |N」　　　 ,　　、　　.: /|:| : /: : :|i　　　　　　　　　　「ネクスト……というより、コジマを戦争に使うのを。
　　　　　　　　|i ||:|:i＞　　　　 　 .ｨ :/::」:/〈: : : 八
　　　　　　　　|i ||:|:|///〕ﾆ=-　　 | l: : :/　 V⌒V:＼　　　　　　　 　どのみち、このままコジマに頼り切ってたら、
　　　　　　　　|i7⌒V|　V寸ﾆﾆ才　!: /　　　＼_,V⌒ :、
. 　 　 　 _　--厶ヘ V　 V /⌒丶　| {　 　 -=ﾐ,V{　　,ハ　　　　　　 汚染が広がって生きていける場所もなくなるお。
　　　　 〈,　　 / 　 　 V　V^V__/^V　|/　/　 　 ＼　/
　　　　/∧　/　　　　 }.　 }i /　Vi{　 」　/　 ______　/　　 __　　　　　　きっと……人が手にしちゃ、いけなかったんだお」
.　　　 {　　V　 　 　 ,リ,　　}i　　 i{　 }i,　 ／　 　 |ー━=ﾐ」
　 　 r」　　⌒ー‐―(￣￣〉ﾑ　 /| 　i|／　　　　｜　 　 _.」Ｌ
　 　 |⌒ー}　　　　 /　 　 ＼ V　　 /　　＼　 　_|　　ー=ミ__ )
　 　 |　　 ﾉ　　　 ,/　　 　 　 ＼　./　　 f/―‐┐＿__　　　}　＼
　　 ∧__(___　　_/　　　　　　　　＼　　 /　￣￣〉　乙...
　　　　/　　　/八　　　　　　　_ji斗〜'へ　￣￣| 　 」(
　/　 /　　　/￣,.. ．-‐　'''""~ 　 　 　 　 .V　 rﾉ.　　　＼





..　　　　　＿＿＿_
　　　　／　―　　-＼
..　　／　 （●） 　（●）　　　　　　　　こんなことを今更言ったって、もう手遅れなのかもしれない。
　／　　　　 （__人__）　＼
　|　　　　 　　｀ ⌒´　　　|　　　　　　 けど、だからこそ、今すぐに始めるべきなんだとも思うんだお。
.　＼　　　　　 　　　　 ／
.　　ノ　　　　　　　　　＼　　　　　　　 刻まれる傷が癒えるのを、一日でも早めるために。
／´　 　　　　　　　　　　ヽ





　　　　 　 　＿＿__
　 　 　 　／　　　　＼
.　　 　／　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　そうやって、特別な何かに縋って生きていくのはやめて……
.　　／　　　 ―　　 ー　 ＼
　　|　　　　（●） 　（●） 　|　　　　　　誰かから奪ってズルして楽するっていうのもやめにして。
.　　＼　　　　（__人__）　 ／
.　　　ノ　　　　｀ ⌒´ 　 ＼　　　　　　　ちょっとずつ、痛みを減らしていければいい。
　／´　 　　　　　　　　　 　ヽ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
コジマを扱うには、人はあまりにも愚かすぎた。

人が賢明な生き物であった試しなど、ありはしない。
いつだって愚かで切ない歴史を積み重ねては、何の反省もなく、
同じことを繰り返し、本当に滅ぶ瞬間まで続ける。

石で人を殺す時代から、鉄の剣で人を殺す時代へ。
それから銃で人を殺す時代になり、ACで人を殺す時代に移っていったように。

人は繰り返す。人は変わらない。いくら技術が発展しても、人の本質は変わらない。

忘れっぽくて、すぐに欲望に負けて変なことをし、争いはじめる。
そうやってすべてを滅茶苦茶にした後に、ようやく反省し、また忘れるのだ。

コジマを手放せば、企業連の支配はかなり弱体化するだろう。
企業の優位性はなくなり、世界はまた、混沌の時代へと回帰する。

歪んではいても安定していた企業連の時代が終わる。
コロニーから解放された人々の中から、企業なき時代の社会的強者に
成り替わろうと銃を取る人々が出てくるのも想像に難くない。

それでも。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5269： ◆x0SRSoJXe.：2022/07/07(木) 23:49:48 ID:F3hxgnZQ0

　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼　　　　　　　人は……自分のために、大切に思えるために生きて、戦うべきなんだお。
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼　　　　　これから先、企業が自分たちのエゴのために、自分たち以外の命を
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／　　　　　　湯水のように使う未来を思えば……そっちの方がいい。
　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼





..　　　　　＿＿＿_
　　　　／　―　　-＼
..　　／　 （●） 　（●）　　　　　　……そうだお、全てが終わっても、やる夫が少し長くネクストに乗り続ければいい。
　／　　　　 （__人__）　＼
　|　　　　 　　｀ ⌒´　　　|　　　　 やる夫が最後のリンクスになる。世界が少しでも安定するまで、やる夫が。
.　＼　　　　　 　　　　 ／
.　　ノ　　　　　　　　　＼　　　　　　企業連を反省させて、本来の触れ込み通りの、聡明な管理者になるまで。
／´　 　　　　　　　　　　ヽ

5270： ◆x0SRSoJXe.：2022/07/08(金) 00:03:54 ID:A6jlHncU0

　　　　 　　　　＿＿＿
　　　　　 　 ／　　　　　＼
　　　　　 ／　　　 　 　 　 ＼　　　　　　　　やる夫が、マーシフルに少しでも長く乗り続ける。
　　　　／　 ＼ ,　, ／　　 　 ＼
　　 　 |　 （ー）　 （ー）　　　　 |　　　　　　　そうして……企業連と、人の愚かさに銃口を向け続けるお。
　　　　＼ 　（__人__）　 　 　 ,／
　　　　　ノ　 ` ⌒ ´ 　 　 　 ＼　　　　　　　　
　 ._i⌒i⌒i⌒i┐　　　　　 　 　 ヽ
　（ l　 l　 l　 l　l
　 ヽ 　　　　　/

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
そうだ、そうすればいい。

自分が最後のリンクスになる。
そして、企業連の反省を見届け、新たな“企業”と成りえるものに睨みを利かせる。

どのみち、それらを放置したところで、安住の地など得られないのだ。
AMS適性を持っている限り、自分もはやてもリンクスだ。
新たな騒乱が起き、自分たちも狙われる。

コジマを条約で封印したところで、水面下で作られて運用されるだけだ。
そんなものは歴史が証明している。

だからこそ、自分がネクストに乗り続ければいい。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5271： ◆x0SRSoJXe.：2022/07/08(金) 00:13:33 ID:A6jlHncU0

ﾆ/ , .: .: .: .:.'.: .: .: .: .Ⅵ.: V/∧＼_:/∧.: .: .: .: .: .: .: .: .: ::.
/　.: .: .: .: .: .: .:..i.: : .: Ⅵ.: V/∧i:i/i:i:i∧.: .: .: .: .: .: .: .: .: :
　 i .: .: .: .: ｉ.: .: .|.:i.: .: ! Ⅵ.:V.: .:V i:/i＼}.: .: .: .: .: .: .: .: .: }
　 |...: .: .: .: .: .: .:斗:-┼.ﾊ : }'，.: ∨＼i:ｉ}-､.: .: .: .: .: .: .: .:i
　 | .: .: .: : .:'，.: {八.:_.{/　Ⅵ Ⅵ.: }: .: .: |/ }.: .: .: .: .: .: .: .:
　 | .: .: .: ｉ.: .:Ⅵ:i爪r'ﾊ¨¨}} '， Ⅵ:|: .: .: |i　, .: .: .: i.: .: .: .::　　　　　　　それには、ちと、意見を挟ませてほしいわ……
　 | .: .: .: l .: .: Ⅵ　 vﾘ　ﾉ'　}　 Ⅵ|: .: .: |//.: .: .: .:| .: .: .: :
　 |.:ｉ.: .: .:{ .: .:..八 　 　 　 　 　 Ⅵ: .: .: |/.: .: .: .: .ｉ .: .: .: :　　　　　　　 やる夫君が言うとることも分かるで。
　 |:.|八.: ﾊ.: .〈　　　　 　 　 　 　 |: .: .: |､ .: .i : .: .: .: .: .: i
　 |:.{⌒Ⅵ∧ .: ､ 　 　 　 　 　 　 |: .: .: | }.: .:|: .:..i.: .: .: .: {　　　　　　　　でも……あまりにも、博打が過ぎひんか。
　 |八　 Ⅵ.: :､.: .: .. 　ﾟ　　　　 . : |.:ｉ: .: jハ.:∧.: .}.: .: .:|.:八
　　　 )　八.: .: ＼.: .:＼　　 ィ　 /|.:|.: ., 　 }'　 ∨八.: .ﾄ(⌒　　　　　　　　マーシフル以外のコジマ兵器をなくす、なんて。
　　　 　 ⌒＼(⌒＼.: .: 「.: .: .Vｨ j/|.:/　　　 ∠⌒　ヽ{⌒
　　　　　　　　 　 　 ヽ{八{^rく/}　 j/　　 ／⌒＼　 　 ＼　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　⌒}//ﾊ　　　／　　　　 ＼　　　＼
　　　　　　　　　　　　 　 　 {__/　}　／　　　　/ _　⌒〕iト　　V/
　　　　　　　　　　　　　　　//ﾊ　|/　　　__ ∠ﾆ=- 　 　⌒〕iトV/





　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿
　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　 ＼
　　　　　 　 　 .／　　 ─　　─＼　
　　　　 　 　 ／　　　（●）　 （●）＼　　　　　……？
　　　　　　　|　　　 u　　（__人__）　　|
　　　　 　 　 ＼＿　　　 ｀ー´　∩／⊃　　　　はやてさん？
　　　　　　 　 　 (　　　　　　 ／ ＿ノ
　　　　　　 　 　 |＼　＼　／　／
　　　　　　 　 　 |　 ＼　”　 ／|

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
すると、はやての表情が途端に曇るのが見て取れた。
さっきまで穏やかだった眼が、明らかに色を失い、虚空を見つめはじめている。

「ネクストが確かに、この世界をここまで滅茶苦茶にしたんも確かや。
でも、ネクストがあったから、企業連はここまで世界を安定させられたんや。
それに……」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5272： ◆x0SRSoJXe.：2022/07/08(金) 00:22:10 ID:A6jlHncU0

.　　　　　　〕: :|i |N」　　　 ,　　、　　.: /|:| : /: : :|i
　　　　　　　　|i ||:|:i＞　　　　 　 .ｨ :/::」:/〈: : : 八
　　　　　　　　|i ||:|:|///〕ﾆ=-　　 | l: : :/　 V⌒V:＼
　　　　　　　　|i7⌒V|　V寸ﾆﾆ才　!: /　　　＼_,V⌒ :、
. 　 　 　 _　--厶ヘ V　 V /⌒丶　| {　 　 -=ﾐ,V{　　,ハ　　　　　　　ネクストから降りたら、なんも残らへん……
　　　　 〈,　　 / 　 　 V　V^V__/^V　|/　/　 　 ＼　/
　　　　/∧　/　　　　 }.　 }i /　Vi{　 」　/　 ______　/　　 __　　　　　　 そないな人は、どないなってしまうんや？
.　　　 {　　V　 　 　 ,リ,　　}i　　 i{　 }i,　 ／　 　 |ー━=ﾐ」
　 　 r」　　⌒ー‐―(￣￣〉ﾑ　 /| 　i|／　　　　｜　 　 _.」Ｌ
　 　 |⌒ー}　　　　 /　 　 ＼ V　　 /　　＼　 　_|　　ー=ミ__ )
　 　 |　　 ﾉ　　　 ,/　　 　 　 ＼　./　　 f/―‐┐＿__　　　}　＼
　　 ∧__(___　　_/　　　　　　　　＼　　 /　￣￣〉　乙...
　　　　/　　　/八　　　　　　　_ji斗〜'へ　￣￣| 　 」(
　/　 /　　　/￣,.. ．-‐　'''""~ 　 　 　 　 .V　 rﾉ.　　　＼

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その言葉に、かつての自分を思い出さずにはいられなかった。

言ったきり、はやては握り拳を作って俯いてしまい、その表情を隠してしまった。
どういうことなのか、と問い詰めることもできなかった。
こんな彼女は初めてで、どう声を掛ければいいかもわからなかった。

まるでそれは、はやてが自分のことを語っているかのようでもあったから。

だが、考えてみれば、矛盾してもいなかった。
下を向き、小柄な体躯がさらに縮こまって見える彼女を見つめながら、
彼女にかけてもらった言葉の数々を思い出す。

しかし、彼女の今の姿を「はやてさんに限って、そんなことはない」と
断じようにも、そう言える記憶が一つも見当たらなかった。

彼女は、自分の過去や思いを語ってみせたことは、一度もなかった。
自分はおろか、なのはにすら、語っているところを見たことがなかった。
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5273： ◆x0SRSoJXe.：2022/07/08(金) 00:27:56 ID:A6jlHncU0
今日はここまでだ。

カフェインも滋養強壮系のアレコレも効かないならば、ならばとアルコールを入れてみたんだが……

最初だけ書けたけど、すぐに失速してしまったね。まあ、いつものことか……一番いいのは日々の書き溜めなんだって分からされるね。

モコイさんも、この状況がいつまで続くのか、正直分からない。まあ、逃げたところで逃げる場所がないから……

置かれた場所で裂きなさいというか……咲けなければ死ねということか……

まあ、なんとか続けてはいくよ。次回は暫定で、7/15の午後九時からとしよう。

休めたとしても、大体夕方まで起きられないパターンが多いし。

それじゃ、シーユーアゲイン。

5274：安価のやる夫だお：2022/07/08(金) 00:30:00 ID:YiuuoOH.0
乙です

5275：安価のやる夫だお：2022/07/08(金) 00:32:22 ID:I3lNTpXs0
乙

5276：安価のやる夫だお：2022/07/08(金) 06:00:49 ID:ZHUlF/rw0
乙

5277： ◆x0SRSoJXe.：2022/07/14(木) 18:48:18 ID:5Fwoce7o0
申し訳ありません、本日の投下は延期とさせてください。

5278：安価のやる夫だお：2022/07/14(木) 19:31:10 ID:kGCwTE9s0
明日の投下を延期かな？

5279：安価のやる夫だお：2022/07/16(土) 00:29:02 ID:3Y92ZGFk0
待ってる

5280： ◆x0SRSoJXe.：2022/07/24(日) 23:57:07 ID:xyoGje/E0
申し訳ない、最近本格的に死んでいた。

再開については、もう少し待っていただきたい。

Twitterは再開したから、そっちの方もぼちぼち見ていていただけるとうれしい。

5281：安価のやる夫だお：2022/07/27(水) 21:14:57 ID:WeMtmvhY0
甦れ甦れ…

5282：安価のやる夫だお：2022/09/10(土) 19:28:36 ID:UwP5SmT.0
数の暴力で世界を制す。
新シリーズ生放送。

Steam/PS4/XBOXone
架空戦争略奪サバイバルゲーム
「RUST(ラスト)」シーズン9 第1話
『RUSTで加藤純一帝国を築く。(天地創造)』
(18:32〜放送開始)

ttps://www.twitch.tv/kato_junichi0817

5283： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/07(金) 19:31:19 ID:mjr0lQEg0
ハロー。モコイさんだよ。

三か月ぶりのお知らせとなってしまい、申し訳ない。

職場の方でね、休職者が出てしまってね。その人の分の仕事が全部私に来てしまっているんだ。

おかげで泊まり込みの頻度も増えてしまって、体調は崩しっぱなしだし、休みも減った。

この三か月間、一切と言っていいほど創作活動を行っていない。

とはいえ、休止状態だと本当に休止したままだからね……

10/13の午後八時から、とにかく投下再開とさせていただく。

すまないね、本当に。モコイさんも辛い。

5284：安価のやる夫だお：2022/10/11(火) 22:10:51 ID:jFm6i5Nw0
生きてた！
てっきりストレスと過労でやられたのかなと思ってた

5285： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/13(木) 20:02:19 ID:0hsWGY0U0
　　　　／||ミ
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5286： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/13(木) 20:12:13 ID:0hsWGY0U0

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　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　　　　　随分なお久しぶりとなってしまったね。
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　　　　　ただでさえ少なかったファンがゼロになってしまっててもおかしくないレベルだ。
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　　　　　色々とあったさ。死んでてもおかしくないくらいにはいろいろあった。
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i　　　　　　　命の危険は感じてるけど脱出の算段が中々つかないね。
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ





　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|　　　　　　　　　とりあえず……ここでお話を垂れ流さないと、
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,　　　　　　　　　モコイさんは生きてても死んでても変らないのでね。
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|　　　　　　　　　ちょっとした暇つぶしに見て行ってくれ。
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,　　　　　　　　　この先どうするか、はやてとお話し中のところから、だね。
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
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5287： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/13(木) 20:13:17 ID:0hsWGY0U0

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少し昔話をしていいかと、控えめに切り出され、頷いた。
身の上話などほとんどしてこなかったはやてが、このタイミングで切り出して
きたということは、それが必要だということだろうから。

それに、聞いておきたい。はやてのことなら、なおさら。

彼女の暗い眼が、心ここにあらずといった具合に虚空を見つめ始める。

「ほんまに……小さい頃な。物心ついた、少ーしの間、車いすに乗っとったんよ、私。
生まれつきのもんやったらしくてな……けど、ほんま少しの間やった。
AMS適性がA判定やったんもあって、さくっと手術して、すぐに歩けるようになったんや。
AMSで神経系の電気信号を中継させてうんたらかんたら……
そん時はえろう感動したのを覚えとるわ。うんともすんとも言わへんかった
足をジタバタさせて、しばらくは毎日の様に駆けまわっとった」
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5288： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/13(木) 20:19:34 ID:0hsWGY0U0

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今でも少女の面影を残しているはやてだが、それ以上に少女然とした
彼女の姿が脳裏に描かれる。ブライドル地下で見かけるような裕福な少女と
似たような恰好をして、ゴミ一つない綺麗な通学路を駆けていたのだろうか。

なのはから聞いた二人の故郷、コロニー・ティルピッツは、
亡国ドイツの街並みを再現した場所だったそうだ。
中でも二人が暮らしていたのは緑豊かな牧歌的ともいえるエリアで、
犯罪率も低く治安もいい場所だったらしい。トウキョウとは比べるべくもない。

「お父さん、オルデンブルクの研究職でな。詳しくはよう知らんのやけど、
ネクスト開発に携わっとったらしいんよ。
弟とお父さんの三人で暮らしてて……お父さんは、私と弟のヒーローやった」
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5289： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/13(木) 20:36:09 ID:0hsWGY0U0

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　 .ｲミ::::::::,ｨ'´//////////,ｲiiｼ´＞≦ミ三三三ミ/ヾ　｀ヾ三ﾐi::|　 ﾉ:.:.:.:.:.:.｀''＜,,_＞＜三ii､
　　　　 /////////////ｲiiｼ´./三三三三三ﾐi｀ヾ ＞≦シﾏミi:|／:.:.,。==イゝ=ｲ､:.:.:.:.:.＼ミii､
　　　　i{.///////////ｲｼ´,,イ三三三三三三i≦ﾐ＞''´　　ヾ,ｲ:.＞´三i}ミiｯｪ､:.:.:.i}i､,,:.:.:.:.:ﾏ二ﾐii､
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　　 .／三三三三三三ﾐﾏ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .///////三三三ミ|i;;;;;;;;;;|i::::::::::

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「自分の足が治ったんもあるし、親がその技術を使ったロボットを作っとった
ちうのも大きいなぁ。私の中では、ネクストはアニメに出てくるスーパーロボットで、
コロニーの外で暴れとるテロリストは悪の組織……そんな認識やった。
実際、テレビでもそないな感じで吹聴しとったしなぁ」

それについては共感できた。
自分もオルデンブルク管轄下のコロニー出身者だが、
経済戦争関係のものを宣伝するときはいつもそんな具合だった。

ネクストは選ばれた英雄が操る超次元兵器。
テロリストは企業連体制と市民の安全を脅かす無法者だ。
まあ、まったくの出鱈目というわけでもないが。
古い言い方をするのなら、偏向報道、というものだ。
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5290： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/13(木) 20:43:18 ID:0hsWGY0U0

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「そないな環境で育ったもんやし、AMS適性も奥に一人だとかって、
ちょいとした騒ぎんなって、持て囃されてなぁ。
『大きくなったらリンクスになって、ネクストに乗って、コロニーやプラントを襲ったり
してるテロリストをぎったぎたにしてやるわ』って、本気で思っとったんよ」
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5291： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/13(木) 20:43:28 ID:0hsWGY0U0


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　　　　　　　　 -,. : :´￣:｀: : : : : : : : : :く: : : : ｀ : .､　　 　 ／|
　　　　　 , : ´／,. : :´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼　 /,　/
　　　　／: , -／ : : : : : ／ : : : : : : : : : : : : : : : ､ : : : ∨/ /
　　 ／: ／／ : : : ／: /: : /: : : : ｲ: : : : : : : : : : :∨: : rくノ----　 、
　　': ／　/ｲ: : : :/: : /: -/!-: : :,' |: : |: : |: : :V: : : ∨: {'_{_, --- ､: : ＼
　/:,:'　　/　| : : /: : /|:|:/ 从: :/　{: -|--|､: : |: : : |:|-': |　､ヽ　　 ＼: : '.　　　　　　　リンクス養成所？　うーん……わたしは、どうでもいいかなぁ。
　|:ﾊ　　　　|: :./|: /: :|:!:|ｨ≠ミ| 　 ＼|: :∧: : |: : : |:| : 人　l |　　　　∨: '.
　{: :'.　　 　 VI! |: : : 从{ ん j　　　　ィ≠ﾐ| : |: : : |:|: /: :ﾊ　|　　　 　 '. : |　　　　　　それより料理人さんになりたいの。
　'.: : '.　　　　|　|∧: ﾊ 　 vﾂ　　　　 ん刈:/:|: : :/ﾘ: : /　∨　　 　 　 |: :|
　　,: : ＼＿　　　　V:ﾊ　　　'　　　　 Vzﾂ'l:/|: :/: : :,:'　　　　　　　 　 |: ﾘ　　　　　　 お父さんにご飯のお礼を言われてるお母さんを見てると、
　　 ＼: :＜´　　 　 {: 人　　 ､ _　　　　　 /: |:ｲ: :／　　　　　　　　　 ,':/
　　　　＼｢⌒ 　　　|: : | ＼　　　　　　　ｨ{: : {: イ　　　　　　　　 　 ィ:/　　　　　　　　そういうのもいいなぁって……
　　　　　 ｀ 　 　 　 |从| 　 ｀ -- r‐=≦-'从:j　　　　　　　---: : ´: :/
　　　　　　　　　　 /　 　 　 , -｢::ー:::::::::::::トﾘ 　　　　　　＿_＞: :／
　　　　　　　　　　 　 　 　_//:::／￣￣￣´〈 　 　 　 　 　 ￣￣´
　　　　　　　　　　　　　／　{／　　　　　　　ヽ

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「ちょうど小学校で友達になって、ずーっと一緒に遊んどったなのはちゃんにも、
ようそういう風に吹かしてたもんや。まぁ、なのはちゃんは興味なさそうやったけど。

……ともかく、平和に暮らしとったわ。
そのまま大きくなって、リンクスになって、ネクスト乗り回すもんやと思っとった」
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5292： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/13(木) 20:55:13 ID:0hsWGY0U0


∨　 　 l　 `'Λ　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |　ｌ　　　　　　　　　│　　│　　　　　　　　 i′
　　　　.l　　　ﾞ'レ　　　 |.ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘ l　　 　 　 　 　 　 lr'ﾞ｝ ._.!　　　　　　　　.il|
　　　　 !　　　 ｀　　　　从　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ,!　　　　　　　　　　　 ! .|ﾘ 　 　 　 /!　 ./ |
＿＿__..!　　　　　　　　 l　ｌ　　　　　　　　　　　　　　　 　 ﾘ　　　　　　　　　　　,ﾄ　|　　　　　l |しｲ　{
/////ﾍ.,　　 |.ｌ　　　　 .!　.ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／　 |　　 　 　 !　　 ／
////　!ﾍ　　ﾞl　ｌ　　 .、│ . ｌ　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　l　　 　 　 l　　/
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　 | ┌┐　| ;.;　i　ﾍ＼_BOX　|| 　ヽ　　　　　　　　　　　! .,!　　　　　 　 ﾘ / 　,/　　　　　/　 し' {
,.,.,|　|!+!|.　|;.;.;.;＿　',　＼￣￣|｀i　　　　__　　　＿__　 　|　.ｌ,〃　　　　....i´|￣￣i＿＿＿.｀Y　 　 ｌ
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￣｀i`i￣￣￣i｀i￣￣i''/i.,ﾉ）i|￣ii￣i￣|.|　　 人 TTTTTTTTTTTTTTTTTTTTT|￣ii￣i￣｀i
_二.|..|..二..　,..|..|二　｀Y´（ i/￣'.　￣'l.,/　 　　く、　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|￣￣￣￣
￣￣￣￣￣.ヽ､　　/i_|　　） ､.：：： ／　　　　 　 }.￣￣￣...丿）　 ￣￣￣￣｀--i：：：：：..、..
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：：：：：：：：.（.　 (＿,／　　 　 （＿＿）　　　 ::::::::::::::::::::::ゝ／　　,）..　_-.|　＼.= 　＼..｀Y´（
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「けどな、大きな戦争が起きてしもうた。
中等部に入ってしばらく経ったあたりで、そらもう大きな戦争や。
……ネクスト戦役。君も覚えとると思うけど、当時は酷い騒ぎやった。
当時のランク1が獅子奮迅の勢いで、他のネクストを蹴散らしていった。
力を削がれた企業を見て、これはチャンスと反企業連勢力も続々参戦。
世界はしっちゃかめっちゃかになって……オルデンブルクも、
ぎょうさんリンクスを殺されたっちう話や」
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5293： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/13(木) 21:02:50 ID:0hsWGY0U0

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「そのぎょうさん殺されたリンクスの中に、なのはちゃんのお父さんもおった。
……程なくして、全市民対象のAMS適性の一斉検査や。
私はともかく、アホみたいに高い適性の保持者て判明したなのはちゃんは、
あれよあれよという間にオルデンブルクの最高戦力扱い。
マーシフルを与えられて、ランク1を仕留める役目を担わされた」
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5294： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/13(木) 21:03:18 ID:0hsWGY0U0


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「……私はな、後方支援やった。
マーシフルのパイロット候補な、私となのはちゃんやったんよ。
けど、企業はなのはちゃんを選んで……私は支援機を宛がわれた。
ミセリコルデっちうネクストなんやけど……聞いたことある？」

素直に首を振ると、はやては疲れたような笑みを浮かべた。
力なく唇の端を歪め、両手の人差し指を立ててみせる。

「こんくらーいの大昔の騎士様が懐に提げてたちっこい針みたいな剣や。
戦の時は長い剣が使われる。ちっこい針はとどめの一撃の時に。
要するに、わき役っちうことやったんやなぁって。名前からしてなぁ。
そんで、当時のオルデンブルクでバリバリに戦ってたルルーシュさんの
支援機として、後ろの割と安全なところからバカスカ撃っとった」
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5295： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/13(木) 21:05:03 ID:0hsWGY0U0

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　　　弋￣￣￣￣　二 ﾆ = ‐ ‐ - - ｡ 。 ／　　 }l　/　 ﾚ i 　 , '　/}lﾏヽ /　/</ j!　7 /´
　　　 　 ＞ ﾆ 二 　ﾏ" ' ｰ - = ﾆ , _ }l　　⌒"'　ｰ'/⌒ / l!”, '　， l!ﾑﾏ " ,/ ヽ j!　7　 jI斗
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　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧　　　　⌒" ｰ/　 ｲ,ｲ　ﾌ" 7ﾏY⌒' ﾑゝﾏ込ノ‐'　　 *'
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　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｰ'　　　　＞升ﾊ 　 　 ,xｲ　 //／`x' /x/'7 ヽ',ｨ≧s-l{
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　　　　　　　　　　　　　 l{　　　ﾏﾑ(　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　＞'1‐'´
　　　　　　　　　　　　　八　　　 `’ヽ　　　　　/　　　　　　　　　　　　 ノ＞｡, ﾊ
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　　　　　　　　　　　　　　　 `ｰｧ=Y'i　 ﾌ'＜　 l{ ￣￣￣　 ＞'1´　ゝY=sﾏ　寸ﾆIi>
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「ルルーシュさんたちも凄かったんやねんけど、
やっぱなのはちゃんは群を抜いとった。
マーシフル一機でネクスト五機に匹敵する、なんて言われとってな。

当時は反体制武装集団の武装も潤沢……ちうか、企業がバリバリに供給しとった。
ストレイト・クーガーがおったくらいの頃や。
それでも、なのはちゃんは全部退けおった。

終戦時、なのはちゃんの撃墜スコアはネクスト機が八機。
私は……一機だけ、墜とした。」
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5296： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/13(木) 21:19:30 ID:0hsWGY0U0

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「たった一機……ネクスト戦役の中で、二度撃墜された機体がおったんよ。
名前も知らん。旧式のIGIO製フレームの軽量二脚。

武装もそんなたいそうなもんを引っさげとったわけでもあらへん。

その機体は、マーシフルと戦闘になって、撃墜された。
左腕を消し飛ばされ、頭部を切り落とされ、アサルトアーマーで叩き落とされた。
それで終わりて、誰もが思っとった。

けれど、その機体はもう一度、コロニー・ティルピッツ近海に現れよった。
たった一機で……復讐のつもりだったんか、破れかぶれだったんか、
個人的なケジメだったんか……今となっては、よう分からん」
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5297： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/13(木) 21:27:17 ID:0hsWGY0U0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r-､ ／　　　　_　─―‐ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＝ニイ-ﾔﾘ ./ ./;:;:〈;:;:;:;:;:;:;:;:;:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ｌ :o:r､ 〈7ｌ /イ〈;:;:;:;:ヽ;:;:;:;:;:;:;:;:｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｌ､ゞゝヘﾑ/ 〈ﾄ､;:;:;:;:｀―;:;:;ー<;:;:;:}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r‐､---ｧ=ィｆ」 / / ≦ ヽ ｉ__r;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:〉､:;｀''ー―=-、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾏ　￣ ./=＝ゝ_ゝ─/ヽ/7,r'´;:ノ;:;:;:;:;:r';:;:;:;:ヽ;:;:;:;:;:;:;:;:;＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼　 ヽ rイ//ヽノ　./r-‐､::|‐' <:;:;:;:;,/;:;:;:;:;:;:;:;:;:;-;:;:;:;:;:｀>
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　 /`ーﾔヽ.| |　ヽ／:/::::::::ィ:;:;:;/:;:;:;;:;:;:｀―ー<;:;ゞ、;:;:;:;:;:;:ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　／イ{ヽ/ ./＼ ｌ ｌ　/:／-rヽ::∠ヽ,ヾヘ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:rヽ;:;:;:;:;:;:｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　/　／〈::ｆヽ>三/　　/〉‐ｲ｀ヽ ─ｆく　　};:;:;:;:;:;:;:;:,r'´;:;:;:r＜;:;:;:- ､:;:;:l}
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾏ,　　 ム=ミ }　／>/　ﾚｘ r ﾏﾑ'，　ﾏ,　　 　 ﾑ　　　　 　 二ﾆ=-‐ 　 ￣
　　　　　　　_　- ─ - =ﾆ=-─ ＜ﾏ,ｨi(,弌>　　⌒ f-r‐=＜∧<`〜､、,ﾏ,斗匕´　　　√￣
　　　　　 ｨi{　＼ 　　　　ミﾒ､　　 ／､＿＿,,..。｡sｘ弋 ､弌i ﾉ ∧ヽ'＜　 ＞x　 　 　 　 ﾑ
　 　 　 ∥ｨi{ﾆ=xヽ　 　 　 　 　 /／ゝ,　 {:::::::＼:::i 7i＞ ='　i!rf升::Y´~''＜ハ -x　　 　.ﾑ
　　⊂ミtsｨi{/::≧ﾏIﾑｰ─x- ､_ ﾚx-‐i 」 弋＞升x:7 }T//0/＞寸::::i{　-‐=_⌒。, ⌒x 　 ﾑ
　　　 ⌒'〈:弋:::/s＜≧=-ﾐ込、¨　　 　 　 　 YY<:::i 　 / ./::::::::::ヽ斗〉f升　 i　　 ヽ　ヽ 　ﾑ
　　　　　弋::( 〉=ﾆ二三ミ二ﾆ=- ≧=‐ s｡ _　∨　 i{　/〉/寸(二,. ィf{　　 　 {＿＿i i 　 ＼ ,ﾑ
　　　　　　　 ⌒'ｰ-＜　 　 ~"''*+s｡二ニニ=-≧=‐ s'｡/ て斗/r-i-h,　　　ﾊ　 　 jﾉ 　 　 ＼ﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　~"''*+s｡三二ニ=- ≧=‐　U厶ｰ-==斗＜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人~"''*+s｡三二ニ=- ≧=‐ s｡。 _

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「マーシフルはランク1との戦闘で半壊状態。
ルルーシュさんとC.Cさんは連戦に次ぐ連戦でパイロットのコンディション的に
出撃不可能と判断された。

……五体満足の私はミセリコルデに乗って空に上がった。
よう覚えとる。曇り空の下の、月の光もない、暗い夜やった。

汚染に巻き込まないためなんか、その機体の周りには友軍機はおらへんかった。
あからさまに急ごしらえで付けましたって感じの赤いカメラアイが、
夜闇の中でいやに光って見えとった」
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5298： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/13(木) 21:34:38 ID:0hsWGY0U0

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　　　|　 ヽ　　 ＼,rﾆ.￣/∧　　 　 　 　 ＼ｆ´ ＼ｌ. ＼　＼,　イゝ"／ヽ,r'´;:ノ;:;:;:;:;:r';:;:;:;:ヽ;:;:;:;:;:;:;:;:;＼
￣＞ 、二二二`ー── ､ ∨　　　　　　　ﾍｆﾍ　|ヽ○＼　　　／/　　 ＼;:;:;:;,/;:;:;:;:;:;:;:;:;:;-;:;:;:;:;:｀>―‐l}
　　　　　＞ ､　　｀ヽ　　　 ﾍ ＼　　　　　　　ﾍ ﾏ|`ﾆ＝=ヽ／/ヽ}〉＼　r､|:;:;:;/:;:;:;;:;:;:｀―ー<;:;:;:;:ゞ;:;:;:;:;:ゝ
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「……結論から言うて、そのリンクスは強かった。
伊達にマーシフルと交戦して生き残ってへんかった。
きっと、企業側についとったら今頃ランカーになってたくらいや。

お釈迦になった左腕部を大型テントの残骸みたいなもんで隠して、
右腕に握りしめた大型物理ブレードは真ん中からへし折れとった。

……そないな機体に、私は殺されかけた。
相手が万全な状態やったら、確実に生きておらへんかったやろな。

慣れないブレードを振り回して、敵機のコックピットに突き刺す頃には、
私のミセリコルデも停止寸前やった。
お供のノーマル機たちも軒並み真っ二つ。

普通の戦争だったら、向こうの戦術的勝利や」
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5299： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/13(木) 21:49:30 ID:0hsWGY0U0


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「私の……ミセリコルデの背後には、黒い煙を吐き出すティルピッツの町があった。
散々、流れ弾が飛んだやさかいに……酷いもんやった。

ふらふら飛びながら、空から見下ろすティルピッツは、
さっきまで普通の町やったもんが、ところどころ立派な廃墟になっとった」
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5300： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/13(木) 21:52:19 ID:0hsWGY0U0


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「その廃墟の中には、私の家もあった」
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5301：安価のやる夫だお：2022/10/13(木) 21:55:17 ID:WiOdo/Dw0
悲しいなあ…

5302： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/13(木) 22:00:57 ID:0hsWGY0U0

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　　 　 ，:.: : i:.:.:.:.:.:.:.ﾍ::::i　　　　　 　 /　:|:.:.:.: /　　／　　　　　/: :　　　　　　 守るのがなのはちゃんから私になった途端に、アレや。
　 　 　 。:.:.:.|:.:.:.:.:.: : 人ヽ　　､ _ イノ 　 |:. : /　／　　　　 　 /: : :
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見たこともないような昏い眼で揺れる海面を見つめる彼女に、
なんと声をかけていいかも分からず、ただ口を噤んで佇んでいた。

こういう時、かける言葉が分からない、というのは誤りかもしれない。

一定のラインを超えた痛みや悲しみを抱えた人間に対して、
かけるべき正解の言葉など、きっとないのだろう。

傍から聞いていただけの人間が、ただの言葉の一つや二つで救えるほど、
人の悲しみは安くない。

どんな言葉も、事実の前では、ただの言葉に過ぎないのだ。
今、それを痛いほどに分からされている気がした。

口が渇き、上手く声も出ない。
所在なさげに握り拳を作り、耳を傾けるのが精一杯だ。
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5303： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/13(木) 22:30:32 ID:0hsWGY0U0

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　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:|斗ぅ＝ミ :|:.:.:.:.:|ｧう＝ミ: |:.:.:.:|:.:.:.:.: |　　　　　　　そっからは、まぁがむしゃらやったわ。
　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:{　)いﾊ　从:.:.:.:.|　)いﾊ Y:.:.: ﾉ:.:.:.:.: |
　　|:.:|:.:.:|:.:|ﾍ:.人:.:.:　乂;;ツ　　 ＼:.| 乂;;ツ 从:.Λ:.:. /:.|　　　　　　　 オルデンブルクにおっても、シグナムとあの子……
　　|八:.:.|:人:|:.＼＼ト''　　　　　　　　'''　　/:.:.:/　}:.:.:.:.:.|
　　 　 ＼ 　 |:.:.:.:.:.八　　　　 '　 　 _,　　 /彡/_,ノ:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　アリスちゃんの控えとしてくらいにしか
　　　　　　　八:.:.:.:.:.个　　　｀　　　　　　 イ:.:.:.:| :.:.:.:. |:.|
　　　　　　 /:/:.＼／￣　　　　 　 　 ＜ |＼__:.:|:. /:.:八|　　　　　　　　　使ってもらえへんて思うて、桜花に行った。
　　　　　／:/⌒∨ :. :. :. {＼＞r≦.　　ノ| : :. :. :. :.＼:.:.:|
　　　 ／:.:./ :.:.:.: ∨:. :. Λニ=‐‐=ﾆﾆﾆﾆ|:. :. :. :. :. :./:.八
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　ﾏ圭斧､ヽij::ij:.: : : :f　｀ヽ､　　 ＼ヽ::ﾑr―､::} o}/:/　 ＿＿
　 ﾏ圭＞ヽ:ヽ:.:, -'´:{　　　　ヽ o-‐Y〉/ゞｰ―L__i77∠::＿/￣￣i　　　　　　　　　　「八咫烏は、私の希望に沿ったアセンブルやった。
　　ﾏ'´::::::/＼:＼:.:.:ﾑ　　　　　 j　　}､::辷=ｰ‐tｯ-tｯ〉::::::／fj:,-―ミ､
　／::::::／:ij:.:.:＼:＼::ﾑ　 　 　 /　　j:::/fjfj:ﾉ_|fj|w}}ﾆﾆﾐヽ:fj:f _　　 ヽ＼　　　　　　　物理ブレード二刀流にシールド。
/__,-‐〈:.:.:.:.: : : :.:入:＼ﾑ.　　 /　　 ﾉ:ﾑ-‐'斧:Y:,-､厓斧ヾヽ{　 ｀ヽ､｡.Y/
〉‐='7¨ijｰ―､__//ミ＼:＼｀ｰ-=-‐'厂f¨{￣￣ヽifj::＼圭ﾐﾑ::{　　　　ｉ }{　　　　　　　　中量二脚にしては重装甲。
:::::::/:::::::::::::::::7¨´圭圭＼:｀ｰ/￣´: :/ﾆ{ﾐｰ-､＿_＼＿＞⌒i:ﾍ.　 　 i ﾉ〉
＿＿＿＿__/::i:fj:fj::＼圭ヽ/: : :＼ﾟ{､_/7-､_/{０二::[::/:::::ﾟ:/ﾑﾍ　　,'/〈　　　　　　　　　ネクスト戦役んときとは真反対やねんな」
{:::::i::ij::::::/:〇::i:.:.:.:.i:.(ヽY彡'ミr､: : ｡:〉‐､／ijﾞijﾞij‐ｧ'´¨:::::::/}}::::}::ゝ‐´,ｲ_〉
|::::j＿／{:::::fi::fi:｀:ｰ:r:¨´}圭ﾐ/　ゞ､/:入::＼:::__／ヽ､ﾟ:::::7:::}}:ノ＼／＜j
¨´　　　 ﾏ‐―r――-､/厓/　　　 ＼__::::::/ヽﾐi彡'}三ｦ{}::::〉､ヽ/〉::::::::｀ヽ､
　　　 　 /〇::::',: : : :fjfj:7_/　　　　　　 ｀¨ｰ､_,‐-､ミ(　_厂i￣ヽ/ﾐr'´〇Y::::｀ヽ､
　 　 　 〈::::::::::::::＿＿__/　　　く¨｀ｰ-､／｀<~´〇_jヽf´::',彡〉:.:.:}￣ヽ二>､r‐-､::＼_r‐-､
　　　　　{ヽ/:厂fi }ヽ､　　 　 .__}入/: :~/7´:＼:::fj::＼}::::::',:/:.⌒{:.fj:.{}::/::/ﾆﾆﾆﾐr､〈:::f´::＞､

5304： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/13(木) 22:34:39 ID:0hsWGY0U0

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. |:.:.:.:|: : |:.: : ﾏ:.: : ﾍ: /斥ｭ､!:.:.: : |/ /: : ヽヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
　::. : |: : |:.:.:.:.:.＼: : ﾟ， {刈 /:.:.:.:.:| /:.:.:.:.:.:|　ﾟ，:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　　　　けど……私に残されてたんは、ネクストだけやった。
　ﾏ:.:.|: : |ﾏ:.:.:.:.:.:.:ト､ﾍ　ﾏﾘ　}:.:.:.:j/:.:.:.:.:.:.:|　 }:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　 ﾏ: !: : ! ﾏ:.:.:.:.:.:|　∧{: ﾚ′i:.:.:/:.:.:.:.:.:. : |　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　 ネクストがなかったら、私はただの負け犬や。
.　八:{: : |　ﾟ，:.:.:. | / 　 　 　:}:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|〃:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
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　　　　　　　　　ノ＼{　/　　ﾉ:r，:Y{:::::rO::｀Y::::::::/:::ヽイ::::::::::::〉::::‘，　　　　　　　「ネクストに乗れれば……私にしか守れへんもんがある。
　　　　　　　　く:::::::〈::`ｰ=彡:::::ｨ::::}::::::{::::::/ ﾊ::::/:}:::::::} 辷:=彡ﾍ｀:〈
　　　　　　　／::＼::人::::::::ｲ 〃{:::ﾊ::::::}:::::{ {:::∨::ﾊ:::ｲ::ヽ |:::::::::::}::::::}　　　　　　　 アマツの町もせやった……君だって、そう。
　　　　　　〈::::::::::::У_ ヽ/::}//　V　｀ヽ≦廴ﾆﾆ彡く:ヘ:_:⊥.._::彡ｰ '
　 　 　 　 /:＼／!/｀ヾ==彡　 　 　 　 }ﾖﾖﾖ八　　＼:/、::::::::}　　　　　　　　　　　 あの時、君が逃げ出す選択肢を取ったとしても、
　　　　　 {＿_j＿j{:＿/__:ム=ミ　　　〈Vﾖﾖﾖﾖﾖ〉､ r ､ Y:::::::::弋
　　　 ／:i:i:i:i:i:i:o:〔:::::::::::/:i:i:i:i/:iヽ ィ≧=ミｰ=彡r:へ:}　ゝ::::::::::::､　　　　　　　　　　私に八咫烏がある限り、君を守ってあげられた」
.　　,.i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:_Y::{{:ヽV:i:i:i:i/:i:i／/:´:::::::::::ﾐY:ﾍ∧:::::〉-{{ 〉::::::__:}
　 /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:(:(:|:::}}:::}}:i:i:i/: ,〈::::/´i i i:::::::::: |:::ﾊ:::V´∧ゞz≦:::o`!
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5305： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/13(木) 22:51:31 ID:0hsWGY0U0

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　|! 　 　 　 　 i!:..　　　　i.: : :.',　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 / : : : !　　 　 　 .i!::.. 　 　 　 　 i}　　　　「確かに、ネクストが時代の
　|!　　　　　　i!:..　 　 ／i: : : :.ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞': : : : :i＼　　　　.i!::..　　　　　　,i}
　|!　 　 　 　 i!::..　　　＼', : : : : : .` ＜　　　　　　　　　　　　　＞. :´: : : : : : :/／　　 　 .i!::..　　　　　　,j}　　　　 あり方を歪めとるっちうのも、
　|!.　　 　 　 i!:..　　　　　 ', : : : : : : : : : :｀: .＜　　　　　＞. :´: : : : : : : : : : : /i　　　　　 .i!::..　　　　　　,j}
　|i　　　　　 i!::..　　 　 　 ∧ : : : : : : : : : : : : : : :｀¨¨´ : : : : : : : : : : : : : : : / .!　　 　 　 i!::..　　　　　　,j}　　　　　分かるんよ。けど……」
　|i　　 　 　 i!::..　　　　　,'　.', : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/　 i　　　 　 .i!::..　　　　　　,j}
　|i,　　　 　 i!:..　　　 　 ,'　　 ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :,ｨ'ﾟ 　 .! 　 　 　 i!::..　　　　 　 ,j}　./　　
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ニニニ=‐_ 　 　 i] ii 　 V/////V‐=〉^^ｉ[ニi[　　　√‐=ニﾆﾆア: : : : : : :
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ニニニニハ　＼7j７`マニ`マ(_／: : ::∧∧ √ . 　 _]|＼: : : :/: : : : : : :
ニニニニア`､ﾆ7７/＼ ＼ニ/7[／^７ ‐∨i√　　　_]|:. :.＼/ : : : : : : : :
ニニ=‐ '゛　/∧７{' /＼｀　.Yﾆi_[‐=７ﾆﾆ√√　　　_ｱ､: : : :{: : : : : : : : :
ﾆ=‐ '゛ 　 ./∧ Vi{/　:　＼/ 〉],,[‐７ﾆニ√＼-‐…ｧ　 :＼: : ＼: : : : : : :　　　　　　　　　　「ネクストは戦場に秩序をもたらした。
＼　　　　 V/∧iV 　 :　　 Υ.]_‐７=ﾆﾆ√＼j〕iト/　 :/　/＼: : ＼: : : : :
‐= 〕iト _ __ V/∧i＼　:　　/|,ノ‐7{ニニ√＼i_＞'　 :/　/　　:＼: : ＼: : :　　　　　　　　　　無秩序な紛争は過去のもんになった。
　＼ニニニ=V/∧ ‐}h､／=〉‐７: :〉=ﾆ√ ∨＼____/　/ 　 ／~~＼_‐=≦
､ 　 ＼ニニ= V/∧‐j７⌒ヽ‐７: /=ニ∧i∨　/⌒^　/　／ニﾆﾆ=‐　_　　　　　　　　　　　　　　　　今の時代の戦争はいつだって統制されとる。
　　　　｀¨´`ヽ八/∧八‐=ニ７ : ＼／ニV . /　　　/i／‐=ニニニニニニ=‐　_
　　　　＼　 ./ニV: :∨ ＼ﾆ7 ｉ: : /ニ=／i／／　 /'゛　　　 ￣　冖￢￢冖^^⌒　　 それによって守られるものも、確かにある。
〕iト　　　 Vi〈ニﾆ ＼:}‐=ニ7‐i|: /ニ／iイi／　 ／
ニﾆﾆ〕iト,ﾉ　 `'＜ﾆﾆヽ==7‐=乂,,,ノﾆﾆ＼　　 i[　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　どんなに歪んどっても、秩序は秩序やねんな」
⌒⌒⌒⌒　〕iト　 ＼,ﾉ=‐' ‐=ﾆﾆ7ニニニ >､ノ[___
　　　　　　　 ⌒ ＼/{ニ‐　‐=ﾆ７ニニィi{ニニ}h､]|
　　　　　　　　　　〈i八ニ‐　‐=7ニィi{ニニニニ7v|
　　　　　　　　　　　`'＜=‐ ‐７ィi{ニニニニニ７ﾆV､
　　　　　　 　 　 　 　 　 `'＜ニニニニニﾆﾆ７‐‐‐V,＼

5306： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/13(木) 22:56:52 ID:0hsWGY0U0

　　　　 __ ／.: .: .: .: .: .: .:､ .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .:'，
_＿　 ノ^7.: .: .: .: .: .:.ヽ: .: ∨/.: .: .:､.: .: .: .: .: .: .: .: .: .:V/
: : :_:/ .: ' .: .:/.: .: .: '，.: '，.:∧.: .: .: .:'，.: .: .: .: .: .: .: .: .: V/
ﾆ/ , .: .: .: .:.'.: .: .: .: .Ⅵ.: V/∧＼_:/∧.: .: .: .: .: .: .: .: .: ::.
/　.: .: .: .: .: .: .:..i.: : .: Ⅵ.: V/∧i:i/i:i:i∧.: .: .: .: .: .: .: .: .: :
　 i .: .: .: .: ｉ.: .: .|.:i.: .: ! Ⅵ.:V.: .:V i:/i＼}.: .: .: .: .: .: .: .: .: }
　 |...: .: .: .: .: .: .:斗:-┼.ﾊ : }'，.: ∨＼i:ｉ}-､.: .: .: .: .: .: .: .:i
　 | .: .: .: : .:'，.: {八.:_.{/　Ⅵ Ⅵ.: }: .: .: |/ }.: .: .: .: .: .: .: .:　　　　　　　　ネクストは絶対的な力や……それも個人の意思で動く。
　 | .: .: .: ｉ.: .:Ⅵ:i爪r'ﾊ¨¨}} '， Ⅵ:|: .: .: |i　, .: .: .: i.: .: .: .::
　 | .: .: .: l .: .: Ⅵ　 vﾘ　ﾉ'　}　 Ⅵ|: .: .: |//.: .: .: .:| .: .: .: :　　　　　　　　たった一人の人間の意思を、世界を変えられる程の力にする
　 |.:ｉ.: .: .:{ .: .:..八 　 　 　 　 　 Ⅵ: .: .: |/.: .: .: .: .ｉ .: .: .: :
　 |:.|八.: ﾊ.: .〈　　　　 　 　 　 　 |: .: .: |､ .: .i : .: .: .: .: .: i　　　　　　　　　マシーンが、ネクストや。
　 |:.{⌒Ⅵ∧ .: ､ 　 　 　 　 　 　 |: .: .: | }.: .:|: .:..i.: .: .: .: {
　 |八　 Ⅵ.: :､.: .: .. 　ﾟ　　　　 . : |.:ｉ: .: jハ.:∧.: .}.: .: .:|.:八　　　　　　　　　私にはそれがあったから……まだ、生きられてる。
　　　 )　八.: .: ＼.: .:＼　　 ィ　 /|.:|.: ., 　 }'　 ∨八.: .ﾄ(⌒
　　　 　 ⌒＼(⌒＼.: .: 「.: .: .Vｨ j/|.:/　　　 ∠⌒　ヽ{⌒　　　　　　　　　　生きててもええかって、思えた。
　　　　　　　　 　 　 ヽ{八{^rく/}　 j/　　 ／⌒＼　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　⌒}//ﾊ　　　／　　　　 ＼　　　＼
　　　　　　　　　　　　 　 　 {__/　}　／　　　　/ _　⌒〕iト　　V/
　　　　　　　　　　　　　　　//ﾊ　|/　　　__ ∠ﾆ=- 　 　⌒〕iトV/





　　　　　　　　　　　　　 -‐━━=ミ
　　　　　　　　　 /⌒:^.: : : : : : : : : ::＞
　　　　　　　_.-=ミ: : : : ＼: : : : : : : : :V: `.
　　 　 　 .ｨ: : : : 7:〉 :∧: : :V: : : : : : :〈/: /〉:.
　　　　 /: : : : : :|/ | : :|:V: : :i : :| : : : : V〉: : ﾊ
.　　　 /: : : : : : :|i　!::斗-V: :|ー|‐|:-|: ::|:|i: : : |i
　　　 ′l: : |i :|i |i_,.ｨﾃﾃﾐ : : |N|ｨテﾐN: |:|i: : : |i
　　　{　｜:::|i :|i |i　 r勿,　|:N　 r勿ﾉ !::|:|5!: : : .　　　　　　　　　　何一つ守れへんかった私を、
.　 　 　 从::|i: |i |i:　^¨¨　　i　　　 　 」::|:|,ﾉ: ;小:.
.　　　　　　〕: :|i |N」　　　 ,　　、　　.: /|:| : /: : :|i　　　　　　　　　　何かを守れる人間にしてくれるのが、ネクスト……八咫烏やった。
　　　　　　　　|i ||:|:i＞　　　　 　 .ｨ :/::」:/〈: : : 八
　　　　　　　　|i ||:|:|///〕ﾆ=-　　 | l: : :/　 V⌒V:＼　　　　　　　　　今更捨てられるもんでもあらへん。
　　　　　　　　|i7⌒V|　V寸ﾆﾆ才　!: /　　　＼_,V⌒ :、
. 　 　 　 _　--厶ヘ V　 V /⌒丶　| {　 　 -=ﾐ,V{　　,ハ　　　　　　　……取り繕ってもしゃあないわ。はっきり言うで。
　　　　 〈,　　 / 　 　 V　V^V__/^V　|/　/　 　 ＼　/
　　　　/∧　/　　　　 }.　 }i /　Vi{　 」　/　 ______　/　　 __　　　　　　　怖いんよ。ネクストを捨てて……生きていける気がせえへんのや。
.　　　 {　　V　 　 　 ,リ,　　}i　　 i{　 }i,　 ／　 　 |ー━=ﾐ」
　 　 r」　　⌒ー‐―(￣￣〉ﾑ　 /| 　i|／　　　　｜　 　 _.」Ｌ
　 　 |⌒ー}　　　　 /　 　 ＼ V　　 /　　＼　 　_|　　ー=ミ__ )
　 　 |　　 ﾉ　　　 ,/　　 　 　 ＼　./　　 f/―‐┐＿__　　　}　＼
　　 ∧__(___　　_/　　　　　　　　＼　　 /　￣￣〉　乙...
　　　　/　　　/八　　　　　　　_ji斗〜'へ　￣￣| 　 」(
　/　 /　　　/￣,.. ．-‐　'''""~ 　 　 　 　 .V　 rﾉ.　　　＼

5307： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/13(木) 23:08:36 ID:0hsWGY0U0

　　　　　　＿＿＿
　　　　 ／::::::::::::::: ＼
　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::＼
　 ／:::::::::::::::::::::::::::::: 　　＼
.　|:::::::::::::::::::::::::::（ー）　.u.　|
　 ＼ 　　 （__人__）　.　　／

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
自分の中の明るくて朗らかで、どこか別世界の人間だったような
はやての影が、音もなく消えていく。

彼女の言葉の意味するところを理解できないほど、
自分の鈍感ではなかった。

とどのつまり。
彼女も、自分も、大して変わらなかったのだ。

何もかもを失って、分かりやすい価値に縋っていたのだ。

そうやって生きてきた。
その価値が失われない限り、死ぬまでそうして生きるだろう。

無理もない。自分もそうだったから分かる。
弱い人は分かりやすいものに縋り付く。
自信がなくて、何もかもが不確かで、不安だから、分かりやすいものを求める。

ネクストは、その究極形だ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5308： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/13(木) 23:16:17 ID:0hsWGY0U0

　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　／ 　 （●） 　（●）　 ＼　　　　……でも、はやてさんがリンクスじゃなかったとしても。
　　　|　 　 　 （__人__）　 　　 |
　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／　　　　　やる夫ははやてさんに救われただろうし、はやてさんを好きになってたと思うお。
　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ
　　 / 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |
　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
でも、そうじゃない。
今の自分なら分かる。

確かにネクストは強大な力で、ちっぽけな個人を絶対的な存在にしてくれる。

けれど、それだけだ。
それがなくては生きていけないなんてことはないはずだ。

今でも、自分にとってマーシフルは必要なものではある。
必要で、大事なものだけれど、大切なものではない。
価値のあるものと、意味のあるものは違う。

簡単に言い切れるような事柄じゃないけど、それでも言える。
それを教えてくれたのも、目の前にいる、この人だから。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5309： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/13(木) 23:37:42 ID:0hsWGY0U0

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼　　　　　　　ネクストを封印しないって選択肢を選んだところで、やる夫たちが死んだあと、
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　　　　また同じことが起きるだけだお。ネクストを手にする支配者の入れ替わりで、繰り返しだお。
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　　　……それなら、やる夫は全てをゼロに返したい。
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／　　　　　　　　　分かり切った停滞や繰り返しより……まっさらで、未知数な世界に賭けてみたい。





..　　　　　＿＿＿_
　　　　／　―　　-＼
..　　／　 （●） 　（●）　　　　　　　それで人間が反省するなんて思っちゃいないお。人間っていうのは愚かで哀れなもんなんだお。
　／　　　　 （__人__）　＼
　|　　　　 　　｀ ⌒´　　　|　　　　　 足元が崩れ始めても、心臓が止まる寸前まで気づきやしない生き物なんだお。
.　＼　　　　　 　　　　 ／
.　　ノ　　　　　　　　　＼　　　　　　　この先、何度だって世界を滅ぼしかけるだろうなって思う。
／´　 　　　　　　　　　　ヽ





　　　　　　　 　 　　＿＿＿_
　　　　　　　　　 ／　　 　 　＼
　　　　　　 　 ／　─　 　 ─　＼
　　　　　　 ／ 　 （●） 　（●）　 ＼　　　　　　　それでも……いつの時代だって、それに気付ける人もいる。
　　　　　　 |　 　 　 （__人__）　 　　 |　
　　　　　　 ＼　 　　 ｀ ⌒´ 　　 ,／　　　　　　　　きっとやる夫達が、それなんだお。
r､　　　 　r､／　　　　　　　　　　ヘ
ヽヾ　三　|:l1　　　　　　　　 　　　　ヽ　　　　　　　　生きていればやり直せるものもある。それは、世の中も同じなはずだお。
　＼>ヽ/ |｀ ｝　　　　　　　　　 　　|　|
　　ﾍ　lノ `'ｿ 　　　　　　　 　　　　|　|　　　　　　　　終わらない限りは、何度だってやり直せる。
　　　/´　 /　　　　　　　　　　　　 |.　|
　　　＼. ｨ 　　　　　　 　 　 　 　　|　 |　　　
　　 　 　 |　　　　　　　 　 　 　 　 | 　|
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
ネクストを封印しなければ、自分たちが消えた後、新たな覇権争いが起こるだろう。

新たなる時代。けれど、やっていることは変わらない。
使っているものが木の棒でもライフルでも、使っているものが変わっただけだ。

ネクストやコジマを封印すれば、この星が死の星になるのを防ぐことはできるだろう。
絶対的な強者による一方的な統治も不可能になる。
アマツの悲劇が日常の様に起こる世界は遠いものとなってくれるはずだ。

けれど、またコジマのような物質が見つかれば、同じことの繰り返しだ。
数十年もすれば、しれっとコジマを再び持ち出すこともあるかもしれない。

きっと、世界は永遠に平和にはならない。
人間は永遠に反省しないし、滅亡する瞬間まで戦争をやめない。
誰もが幸せになれる世界なんて絶対に来ないと思う。

それでも、何とかしようとしなくてはならない。
今、自分たちが世界をやり直させてやらなかったら。

この星はこのまま、企業連のエゴに押し潰され、汚染に覆われ、
結局秩序も崩壊して、荒廃が訪れるだろう。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5310： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/13(木) 23:54:51 ID:0hsWGY0U0


　　　　 　　　　＿＿＿
　　　　　 　 ／　　　　　＼
　　　　　 ／　　　　　　 　 ＼
　　　　／　 　 　＼ ,　, ／　 ＼　　　　　　それに、ネクストがあるかないかなんて、ちっぽけなもんだお。
　　 　 |　 　 　 （ー）　 （ー）　 |
　　　　＼　 u. 　 （__人__）　,／　　　　　　 その……はやてさんが、一緒にいてくれるんなら。
　　　　　ノ　　　　 ｀ ⌒´　　＼
　　 ／´　　　 　 _i⌒i⌒i⌒i┐ ヽ　　　　　　ええと、はやてさんも、同じであってくれると、嬉しいんだけど。
　　 |　　　　ｌ　 （ l　/　/　/　l
　 　 l　　　　l 　ヽ 　　　　　 /





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ﾆ/ , .: .: .: .:.'.: .: .: .: .Ⅵ.: V/∧＼_:/∧.: .: .: .: .: .: .: .: .: ::.
/　.: .: .: .: .: .: .:..i.: : .: Ⅵ.: V/∧i:i/i:i:i∧.: .: .: .: .: .: .: .: .: :
　 i .: .: .: .: ｉ.: .: .|.:i.: .: ! Ⅵ.:V.: .:V i:/i＼}.: .: .: .: .: .: .: .: .: }
　 |...: .: .: .: .: .: .:斗:-┼.ﾊ : }'，.: ∨＼i:ｉ}-､.: .: .: .: .: .: .: .:i
　 | .: .: .: : .:'，.: {八.:_.{/　Ⅵ Ⅵ.: }: .: .: |/ }.: .: .: .: .: .: .: .:
　 | .: .: .: ｉ.: .:Ⅵ:i爪r'ﾊ¨¨}} '， Ⅵ:|: .: .: |i　, .: .: .: i.: .: .: .::　　　　　　　　　……怖くないん？
　 | .: .: .: l .: .: Ⅵ　 vﾘ　ﾉ'　}　 Ⅵ|: .: .: |//.: .: .: .:| .: .: .: :
　 |.:ｉ.: .: .:{ .: .:..八 　 　 　 　 　 Ⅵ: .: .: |/.: .: .: .: .ｉ .: .: .: :　　　　　　　　　「そりゃ、怖いお。けど、大丈夫だお」
　 |:.|八.: ﾊ.: .〈　　　　 　 　 　 　 |: .: .: |､ .: .i : .: .: .: .: .: i
　 |:.{⌒Ⅵ∧ .: ､ 　 　 　 　 　 　 |: .: .: | }.: .:|: .:..i.: .: .: .: {　　　　　　　　　……私、ネクスト降りたら、何も特別なもん、なくなんねんで。
　 |八　 Ⅵ.: :､.: .: .. 　ﾟ　　　　 . : |.:ｉ: .: jハ.:∧.: .}.: .: .:|.:八
　　　 )　八.: .: ＼.: .:＼　　 ィ　 /|.:|.: ., 　 }'　 ∨八.: .ﾄ(⌒　　　　　　　　 「構やしないお。その程度でどうこうしやしないお」
　　　 　 ⌒＼(⌒＼.: .: 「.: .: .Vｨ j/|.:/　　　 ∠⌒　ヽ{⌒
　　　　　　　　 　 　 ヽ{八{^rく/}　 j/　　 ／⌒＼　 　 ＼　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　⌒}//ﾊ　　　／　　　　 ＼　　　＼
　　　　　　　　　　　　 　 　 {__/　}　／　　　　/ _　⌒〕iト　　V/
　　　　　　　　　　　　　　　//ﾊ　|/　　　__ ∠ﾆ=- 　 　⌒〕iトV/

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
はやてがたどたどしく訊ねてくる。
きょとんとした目をしながら、それでも視線の先には自分がいた。
真っ直ぐな眼差しを感じながら、力強く頷く。

今、目の前にいる彼女こそが、最も信じられるものだ。
ネクストなんかより、よほど信じられる。
彼女がいてくれるのなら、不確かな未来だって信じられる。

その思いを込めて彼女を見つめ返す。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5311： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/14(金) 00:06:27 ID:vpB9Kkx.0

　　　　　　　　　　　　　 -‐━━=ミ
　　　　　　　　　 /⌒:^.: : : : : : : : : ::＞
　　　　　　　_.-=ミ: : : : ＼: : : : : : : : :V: `.
　　 　 　 .ｨ: : : : 7:〉 :∧: : :V: : : : : : :〈/: /〉:.
　　　　 /: : : : : :|/ | : :|:V: : :i : :| : : : : V〉: : ﾊ
.　　　 /: : : : : : :|i　!::斗-V: :|ー|‐|:-|: ::|:|i: : : |i
　　　 ′l: : |i :|i |i_,.ｨﾃﾃﾐ : : |N|ｨテﾐN: |:|i: : : |i
　　　{　｜:::|i :|i |i　 r勿,　|:N　 r勿ﾉ !::|:|5!: : : .
.　 　 　 从::|i: |i |i:　^¨¨　　i　　　 　 」::|:|,ﾉ: ;小:.　　　　　　　……信じても、ええの？
.　　　　　　〕: :|i |N」　　　 ,　　、　　.: /|:| : /: : :|i
　　　　　　　　|i ||:|:i＞　　　　 　 .ｨ :/::」:/〈: : : 八
　　　　　　　　|i ||:|:|///〕ﾆ=-　　 | l: : :/　 V⌒V:＼
　　　　　　　　|i7⌒V|　V寸ﾆﾆ才　!: /　　　＼_,V⌒ :、
. 　 　 　 _　--厶ヘ V　 V /⌒丶　| {　 　 -=ﾐ,V{　　,ハ
　　　　 〈,　　 / 　 　 V　V^V__/^V　|/　/　 　 ＼　/
　　　　/∧　/　　　　 }.　 }i /　Vi{　 」　/　 ______　/　　 __
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少しだけはやてが身を寄せてきたかと思うと、俯きながら袖を掴んできた。
不安そうに、けれどその姿は、自分の言葉を信じようと、
信じたがっているものにも見えた。

「うん。人生、幾ら信じたってどうにもならないものばっかりだけどさ。
信じることで生まれるものだって、あるはずだお」

はやてを信じたから、ここにいるわけで。
自分を信じてなかったら、ここまで戦えていなかったわけで。

だからきっと、信じることから始めるべきなんだと思う。
自分も、はやても。この世界の行く末に対しても。
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5312： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/14(金) 00:23:10 ID:vpB9Kkx.0

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　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:{　)いﾊ　从:.:.:.:.|　)いﾊ Y:.:.: ﾉ:.:.:.:.: |
　　|:.:|:.:.:|:.:|ﾍ:.人:.:.:　乂;;ツ　　 ＼:.| 乂;;ツ 从:.Λ:.:. /:.|　　　　　　　……分かった、降参やで。私の負けや。
　　|八:.:.|:人:|:.＼＼ト''　　　　　　　　'''　　/:.:.:/　}:.:.:.:.:.|
　　 　 ＼ 　 |:.:.:.:.:.八　　　　 '　 　 _,　　 /彡/_,ノ:.:.:.:.:.:|　　　　　　　君の信じるものを、私も信じる。
　　　　　　　八:.:.:.:.:.个　　　｀　　　　　　 イ:.:.:.:| :.:.:.:. |:.|
　　　　　　 /:/:.＼／￣　　　　 　 　 ＜ |＼__:.:|:. /:.:八|　　　　　　　
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　　　　　　　　　　　　　　　/／　.|　　 ／　　 人. 　 ＼　 ／ニニ ＼＿＿／ニニ |
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袖を握っていた手が、自分の手を取る。
潮風で微かに冷たくなった柔らかさが伝わってくる。

けど、それでも、これ以上なく胸の中に温かいものが流れ込んでくる気がした。

ネクストのコックピットの中で、戦場の支配者として駆け巡る感覚など、
これに比べればくだらないものだった。

自分が何よりも信じている彼女が、自分を信じてくれている。
今、自分が生きているこの世界の中で、何よりも確かなものがあった。

そうだ。
自分はこれがあれば、幸せだ。
ちっぽけで小市民的な、全てを賭けられるものが、手の中で確かに脈打っていた。
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5313： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/14(金) 00:23:34 ID:vpB9Kkx.0

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

5314： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/14(金) 00:31:45 ID:vpB9Kkx.0

〜Tips〜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾏﾑ ﾏ 圦　　 　 　 　 　 　 l　　i　　　7 l!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾏﾑ 〉 ﾏiﾄ,　 　 　 　 　 　 i　　frｘ　7　l
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 l!＼　　　　　　ﾏ〈∧ ¨_%　　　　　 　 　 ﾚ　ﾉJ‐v　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　l!　ヽ　　　　 　 ﾏ ヾ r┘% 　 　 　 　 ∩ﾏｲｨゝ={　l　 i圦
　　　　　　　　　　　　　 　 　 l!　　ー ､　　　　〉x `ｰ zｺ,　　 　 　 l　l }　j!ﾑ¨∨ 　 l　ヽ
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 l!　　　　＼＿｡x　 寸　it　V　　 　 l　i! V i!　〈 'l　　r'　　ヽ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 l!Ε∃　　　　　ヽ　寸 l 匕!　　　 l!　l! l　i!l　 !_」‐‘　　 Εヽ
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 」　 　 　 　 　 　 X　寸i! ヽY　 　l!　i! !　i!l　∧}､　　　　　 廴＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　＿ ,. 。｡ - ‐ = ＝ ﾆ 二 ￣!　　　　　　　　　　X　寸f　ゝ, 　 l　iY气i!v f‐〈 ヽ　　　　　　 `ｰ─ ＝ ﾆ ￣　　　　　＼
／　 　 T'￣￣￣￣￣￣￣￣　　　　　　　　　　　ヽ　从r‐ﾏヽ iｘzi/x-､,xﾏ　i!　Y　　　　┌─ =＝ﾆ "￣ ,.。｡-‐=´￣
　　　　 .i ┌──────────‐┐　　　　　ヽ　 ヾ　 ﾏVﾑ /7几f }ﾏ　l　 l＿ ＿ 　l 　 ,.。｡-‐='"´
＝＝= ┴└─-=ﾆニ二, ＿＿　　　　　 i　　　　,.zr=ゝ＝'ヾ　ﾏ〉:){fYU jﾉ! ﾏ　l7⌒ ﾏ　 ７￣
￣￣￣￣｀⌒ " ' ﾆ = ｰ ‐ -､￣ｘfゝ三三三＼´　 V 寸　) ヾrt}'i弋i ,//ﾉ　.ﾏ」!乂ｿ ﾏ_,ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ゝミ zｮ　　　　　人､__」､　〉<ゝ ヽｰヾ ｀iII」'i!　 l　 l　 /､　ﾉ }
　　　　　　　　　　　　　　　　　 〈ﾄ､'＜,.｡s=‐<´　`ｰ-=ゝ::Y/7ﾑヽ　ヽ :同.i!ﾑ .l　l,//寸＼ﾉ
　　　　　　　　　 　 ｘ-‐=ニ=ｘ,＿f〈ヽ´　　 　 )　　　　＞=イ >ﾑ ヽ　Ｙ'Vl l　ﾑi! 」‐' ＼寸＼fs｡,
＿ ,. 。｡ s -‐=　ﾆ´::::::::::::::::::::::ﾏIiIiIjノｰ= ＜´　　 　,ｨfﾊ ,｡sゝ＼`tzｧｲ T i!_　￣　　 j-‐`( ＼￣ TT'x
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: : ＞s1´`´ 7iI}　　　　　　 Y ｲ,7´乂ｲ )､〈f‐ｫﾏl l i!　`＜｡s-(,. f,　),　 ＼　! !　＼
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:::::::::::::::::::::::::: : ＞s1´　　　　　 　 7乂〉　　 　 / <:ヽ乂ｰ／　　 .l l￣7 　 寸ｰ=､ )ノ´ヽｰヽ, ＼`＜＼ヽヽ 　＼
::::::::::::::::::＞s1´　　　　　　　　　　7　　　　　　(ゝ､_彡'　　　　 　 l`ｰ/　　　 ´( Y｡s≦　 )::::::ヽ　＼ `'x＼´　　　＼
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AA：蒼穹のファフナー　マークゼクス改アマテラス
【Name】
ミセリコルデ（二週目限定）
【Type】
軽量二脚
【Architect】
ラケル・クラウディウス、篠ノ之束
【Status】
火力：B　機動力：A　耐久力：D　持続力：C　負荷：D
【Note】
八神はやて専用機として、現地にて急遽アセンブルされた純白のネクスト。

オルデンブルクの旧式フレームに追加スラスターを携えた軽量機。
空中戦を主軸にアセンブルされた機体であり、支援射撃や攪乱、強行偵察などを想定している。
瞬間出力よりも継続出力を重視したブースター、徹底されたEN効率の最適化から息切れしにくい。

ネクスト戦役当時のデータを再現したうえで、現在の彼女に合わせて独自にチューンされている。

武装はオルデンブルク製射出対応型レーザーブレードの軽量仕様を二刀流と、八咫烏の武装構成を踏襲。
更に予備兵装としてハンガーに単発威力が高く装弾数の少ないIGIO製ハンドガンを搭載。

対ネクスト戦闘から集団戦までこなせる構成。

フレーム自体はハイエンド機にコンバージョンされる前のマーシフルと然程変わらない。

かつてはやてが参加したネクスト戦役末期では戦力減少が深刻であり、高町なのはという優秀な白兵戦要員が既にいたことから、
もしもの際になのはの代役となれるよう、生存率の高い支援機としての役割を求められたという。

5315： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/14(金) 00:35:06 ID:vpB9Kkx.0
今日はここまでだ。

久々にまともに投下したね。これまでの内容を覚えてくれている人が幾らいるか。

そもそも、見てくれている人が幾らいることやら。

まあ、ひとりでも居てくれるのであれば、それでいいんだけれど。

次回はひとまず10/21の20時からとする。

できるかどうかは分からない。今日朝から起きられてたのも、正直気合の産物だった。

もののついでくらいに待っていてほしい。

シーユーアゲイン。私が生きていたら、また書くよ。

5316：安価のやる夫だお：2022/10/14(金) 00:59:37 ID:Oz92MnNQ0
乙

5317：安価のやる夫だお：2022/10/14(金) 02:58:02 ID:QhqXfK/A0
乙でした

5318：安価のやる夫だお：2022/10/17(月) 00:10:57 ID:rVIEZKSg0
1週目は手を引かれて、2週目は手を引いて、3週目まで待ってる。

5319： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/20(木) 20:01:15 ID:VQGLJGkE0
　　　　／||ミ
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5320： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/20(木) 20:16:56 ID:VQGLJGkE0

　　　　　　　　　_　_　_
　　　　　　　／: : : : : : ｀i
.　　　 　　　i: : : : : : : : : :!
　　　　　　　､: :○: : ○: :!
　　　　　　　 i: : : : : : : : : i
　　　　　　　 l: : :,, --_ｯ: :', 　　　　　　　　　風邪をこじらせたモコイさんだよ。
　　　　　　　 丶 ｀‐'´: : : :ﾉ
　　 　 　 　 / ´: : : : : : : : ｀ヽ　　　　　　　　検査を受けたが陰性だったがために熱出して咳しながら出勤の日々だ。
　 . 　　　　/: : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　 , -‐': : ,: : : : : : : : : : : : : :ヽ　　　　　　投下も中止しようかと思ったが……やめちゃうとね。
　　／: : : ,-ｲ: : : : : : : : /｀丶: : : :､　
　 ｒ⌒ ,／　/: : : : : : : : i　 　i: : : : i　　　　　ただでさえ鳴いている閑古鳥がシャウトしちゃいそうでね。
　 ` ‐ '　　/: : : : : : : : : |　　 ! : : : |
　　　　 　 i: : : : , _ -‐ ´,) 　 ｀ ヽ _|　　　　　ゆっくりでもいいから、やっていこうと思う。リハビリみたいなもんだよね。
　 　 　 　 (_ _i￣(_　-‐'´i
　　　　　　|　:|`‐´i : : : : |
　　　　 　 |: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
　　　　 　 |: : : : : |: : : : : !

5321： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/20(木) 20:25:32 ID:VQGLJGkE0
おや、予告が21日になっていたね……こういう時はどうすればいいのだろうか。

5322： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/20(木) 20:26:15 ID:VQGLJGkE0
いや、普通にやろう……仕事終わりだと、そもそも家に帰れるか分からないし……

5323： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/20(木) 20:47:29 ID:VQGLJGkE0
申し訳ない、頑張ろうと思ったのだけれど、ちょっと厳しそうだ。

次回は来週の木曜日、10/27の午後八時からとさせていただきたい。

5324：安価のやる夫だお：2022/10/20(木) 21:17:18 ID:YCwOJgok0
乙
無理しないでね

5325： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/27(木) 20:03:28 ID:tR/0X8cM0
　　　　／||ミ
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5326：安価のやる夫だお：2022/10/27(木) 20:13:00 ID:J03eAcvU0
ハロー

5327： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/27(木) 20:17:33 ID:tR/0X8cM0

　　丶::::::::::::::::::::/　　　ｶﾀｶﾀｶﾀ
　　　|:::::::::○::○　　＿＿＿＿＿_　　　　　　　明日絶対に電話に出てメールを確認することを対価に、
　　　|::::::::::ｰ=‐::i　｜　 |￣￣＼　＼
　　　.>::::::::::::::::く＿.|　　|　　　　|￣￣|　　　　　労働の悪魔から休みをもらったモコイさんだよ。
　　 /:::::::＼＿:::::::::::|　　|　　　　|＿＿|
　　 |::::＼::::::::::::つ　|＿_|＿＿／　／　　　　　　チェンソーマンに出てくる女の子みんな好き。ただしゲロキスだけは勘弁な。
　　　:::::::::￣|￣￣￣￣|　　〔￣￣〕





　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i　　　　　　　　　やる夫スレを始めてはや七年。モコイさんも二十代後半に突入だ。
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ　　　　　　　　　 もうちょっと年を取ることを楽しみたかったんだがネ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i　　　　　　　　　このまま苦しいまま二十代が終わると思うと切ないよ。
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|　　　
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |　　　　　　　　　 十代の終わりもぶっ倒れるまで働いてたし。
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,　
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘　　　　　　　　　はじめていこっか。
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´

5328： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/27(木) 20:39:10 ID:tR/0X8cM0

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ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ.|　|王三王三王三王三|　　.|　//ニニニﾆ|
三／／──────────────────＼＼￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ゝ.乂━━━━━━━.乂_.｜ `-=￣￣￣|
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居住ブロックの中で宛がわれた部屋には、窓があった。
ただの窓といえばそれだけだが、久しぶりに見る。
地上の光景を見る時は、最近はネクストのカメラアイ越しだったから。

深海魚の真似事は、自分の体感以上に辛いものがあったらしい。

窓越しに見える夜空がやけに感慨深い。
赤く光る非常灯がぼんやりとヘリポートや各ブロックの屋上を照らしている。

小さな部屋には変わりないが、人一人用のスペースとしては広い。
白い照明に照らされた部屋には、ベッドとテーブルが置かれており、
他には何もなかった。

軽く掃除はしたが、最初に入った時はやはり埃塗れで難儀した。

寝泊りするのに苦痛を感じるようなものはないが、
殺風景であることには変わりなく、どうしても大きめの牢屋のようでもある。
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5329： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/27(木) 21:02:43 ID:tR/0X8cM0


　　　　　　　　　　　　　　　 ,........――――....、
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /:..:..:..:..:..:..:..:..::￣＼＼
　　　　　　　　　　　　　厂｀:..:..:..:..:..:..:..:..:＼:..:/Λ＼
　　　　　　　　　 　 　 /:..:: |ｖ､:..:..:..:..:|:..:..:..:∨ / |:..::|
.　　　　　 　 　 　 　 /:..:/:..|　`､ :..:..:.|斗‐|ミ|// l∨|:
　　　　　　 　 　 　 /:..:/:..:イ ⌒|:..::|::|:..|:: L::|/ : lΛ|:|
　　　 　 　 　 　 　 :..:..:..:..|::|ｆ竹うY:|::|::竹うﾞY:..:..|:..::|:|:　　　　　　　ほーん、割と広めのお部屋やねんな。
　　　　　　　　　　 ::|:..|:..::乂__ Ｖり |ﾉ:..ﾉ ﾋツ ||:..|:..::|:|:|
　　　　　　　 　 　 |:|l::|l::＼ ト- ''' 丶　 　 ''　八 :..:..|:|:|:　　　　　　 せやかて士官用の部屋にしては簡素っちうか、
　　　　　　　 　 　 |八|＼:トミ人　 ゝ　 ′イ|:..|::|:..::|:|八
　　　　　　 　 　 　 　 　 ﾉ八::厂 ＞　　-Λ:|:..|::|:..::|‐→　　　　　　客間的なアレだったんかもしらんね。
　　　　　　 　 　 　 　 　 ｲ|:::/Λ ィ｛___ /　 八|::|:..::|／ Λ
　　　　　　　　　　　　　　l:|::′　} |__／ |　|　 ﾉ人:..|　 / Λ
　　　　　　 　 　 　 　 ＿八|　／へ＼　|　|　　 　 ＼　 / 人
　　　　　　　　　　 ／⌒７　 / |;;;;;ﾉ　／|　|　 　 /　　　　￣｀
　 　 　 　 　 　 　 {／＼__／| /:..:|／:＼＼＼　｜　／　＿_　 ＼





　　　　 ＿＿＿_
　　　／_ノ　 ヽ､_＼
　 ／（ ─）　　(─）＼　　　　　　なんにせよ、地上で寝られるってだけでやる夫は満足だお。
／::::::⌒／)／） ⌒::::: ＼
|　　 ／／ ／　　　　　　|　　　　　窓から海も見られるし……
＼　|　/　 二二)　 　 ／
／　ｉ　　　r‐一' 　 　 ＼

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お手頃なビジネスホテルのような装いだったが、小さめのシステムキッチンに
シャワールームと個室トイレも備わっていた。小柄なランドリーまである。

貯水施設や水道配管、発電設備などが活きていてよかった。
温かいシャワーと柔らかくて寝がえりが打てるベッドがあれば、
最低限の安らぎは得られよう。

はやては我先にと部屋の奥まで進み、ベッドの柔らかさを確かめるように
身を投げ出して腰を静めていた。
さっきまでのしおらしさはどこへやら、すっかりいつものはやてに戻っていた。

初めての空間で、しかも自分の部屋でもないのに、この寛ぎ様である。
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5330： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/27(木) 21:17:14 ID:tR/0X8cM0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　　　_　. . :''"ﾟ~￣￣~~"''〜､、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／⌒＼.: .: .: :⌒＼／. .: : ＼｀丶、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿／.: .: .: .: .: .:/.: .: .: .: .: .: .: .: ￣￣＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ -‐…: .:/.: .:./ ﾊ '.: .: .: .: .: .: .: : ＼ : : : .: |.:.::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／　 　 /.: .: /.: .:./:/ﾟ^|: .: .: .:|.: :| : .: |: .: |.: .: .:.:.| .: .: :.
　　　 　 　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ( 　　　 /.: .: /.: .:./|.:|＿|.: .: .: :|.: :| : .: |: .: |￣￣ |∨〉 : .
　　 ((＼./ ) 　 (　＼ 　 　　 　 　　　　　 　 　 .: ./ :/.: : ／ :.|　 |.: .: .: :| :/¨¨７ト､ |二二 |∧〉 : i
　　 　＼i 「 }.,_　＼__＼　　　　　　　　　　　　/.: ' : ; : .: .: { ,ｘ=ミ|.: .: .: :|/　__/ |.: /|＿＿_|.: |.: .: |
　　 　 　|_|　V ﾆ=-＼ﾆ-_　　　　　　　　 　　; : { .: | :|.: .: Y　ノ狄.: .: .: | ⌒7ミk､.: |/.: .: /.: :|.: .: |
　　　 　 乂､,,)＼}ニニ＼ﾊ　 　 　　　　　 　 |.:八.: |八.: : 乂∨ﾂ ＼ .: |　ノ狄( ﾊ:/.: .: /.: .: |.: .: |
　　　　　　 ＼ﾆ}〕トミﾆﾆ 八 　 　 　 　 　 　 |　　〉:|.: .:＼:.(_' ' 〈ｉ　　＼　乂少' ノ : .: /'Y.: .八.: :|
　　　　　　　　 :､ﾆニﾆ＼ﾆ.ﾊ　　　　 　 　 　 　 /.: | .: .: .: {⌒　r.　　_ 　 　 ' ' ／ : .:/ ノ.:.:/.: .: .:|
　　　　　　　　　 ＼ニニ Y /〉　　　　　　　　　.: .: :|.: .: | 八　　∨ ::::::)　　　⌒7:.:.:/.: .: .:/.: .: .: :|
　　　　　　　　　　 〈-=ニニ人　　　　　　　　　| : /|.: .: |.:.:.心 　　‐-　　＿_ ／ : /.:.:／/.: :|.: .:.:.|
　　　　　　　　　　　 |ﾆﾆ=---=）　　　 　 　 　 | /八.:.:.:|.: :|:／＼__ 　 〈⌒∨:／/.: .: .:/.: .: |.: .:.:.|
　　　　　　　　　　　 |ニニニﾆ〈　　　　　　　　 :(　　＼.: .:几￣　_〕＿__＼ |:/／.: .: .:∧.:|.: | .: .八
　　　　　　　　　　　　|~''‐-=ﾆﾆ〕　　　　　　　　 ＿__.､-'' 〕 |＼　〕ニニﾆ〕.|:/.: .: .::.:/／ |.: |＼ .: .＼
　　　　　　　　　　　　|　　　　|　　　　　　　　　/ ／　|＿,,〕 |／_>|o __,／〕 .: .: .: ／　　 .|.: |⌒|.: .: : |
　　　　　　　　　　　　|　　　　，　　　　　＿_／ ´　　 |　____.j_|_/.人 {　　 厂|.: .:/ |＼_／|.: |　 |.: .: : |＼
　　　　　　　　　　　　|　 　 　 '， ____r＜￣￣￣＼　＼|.　　 /ニ＼T彡〈　 |.: , 　|　 |　人:八｜ : : 八
　　　　　　　　　　　　|　　　　　V／＼　 ｀`〜､、　＼　|　 _　-‐-ミ)|〕ﾆ∧八 (　 |　 |　 ＼　 ﾉ.: : /　 )
　　　　　　　　　　　　:.　　　　　 :　　　＼　　　　　　　_.-ﾆ <＼-　_ -=＼∧.:＼　|　 |　　　 ⌒T彡
　　　　　　　　　　　　 '_　　　 　 }　 　 　 ＼-----／-=ﾆ／＼,)-=ﾆ=- 〈＿， 　 |　 | 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　'_　　　 ノ　　　　 _　 -=ﾆ７-=ﾆﾆ〔／-ニニニﾆ=- | 〕. 　 |　 ＼　　 　 　 ＼
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　　　　　　　　　　　　　　 　 　 | |　　　　　 ＼　　　 　 　 ￣￣Y::/　　　　　　/~ﾆ=-:::::::::::::_::: ＼　＼

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あの後、しばらく二人でぼうっと夕陽が沈む様を眺めていた。
何をするでもなく、身を寄せ合って潮風に当たっていた。

特段、肩を抱いたり、そういったことはしなかったが。
ずっと手を繋いだまま、波の音を聞いていた。

すっかり夜になって、そろそろ部屋に戻ろうと言ったが、
はやては当然のように自分の部屋まで着いてきた。

内心どぎまぎしていたが、彼女はそんな自分に目もくれず、
まるで自宅への帰路に着くような様子だった。

「ちょいとシャワー借りるわ。やっぱ海辺におると髪がパリパリなるわぁ。
あ、やる夫君、先浴びてくる？」

「いや、掃除が終わった後、一回浴びたから大丈夫だお」

「さよかぁ。ほな、お借りするで」

ひらひらと手を振り、シャワールームへと消えていくはやての背中を見送る。
至って自然で、緊張している素振りを見せている自分が変にさえ思えてくる。
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5331： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/27(木) 21:27:32 ID:tR/0X8cM0

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　　／:::::::::　　　　　＼　　　　　……まぁ、いつも通りと言えば、いつも通りかお。
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正直、いい加減慣れた。
会って間もない頃からすっかり子ども扱いで、平気な顔で添い寝してきたり、
自分の部屋で酔い潰れたときはシャツ一枚で眠っていたこともある。

アマツに来てからも変わっていないし、潜水艦の中で生活していた頃も、
何度か同じベッドで眠ったことがあるくらいだが、何もなかった。

自分はかなり忍耐強いのだろうと謎の自信さえ身に着く始末だ。
他の男性であれば辛抱たまらず襲い掛かって御縄に付いていたであろう。
信頼されている証左なのだろうが、それにしても無防備だ。

しかし、今回ばかりは分からなくなってきた。
彼女の中で、自分はどんな存在なのだろうか。
告白してフラれてから、嫌われたり避けられたりはしていない。
今となっては一蓮托生だ。だが、何一つ明確にはされてこなかった。

一男児への扱いとしてはあまりにも酷な気がする。
薄いスライドドアの向こう側に響く水音を聞きながら、控えめに溜息を吐いた。
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5332： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/27(木) 21:42:56 ID:tR/0X8cM0

　　　　　　　　　　　　　　　　''"ﾟ~￣~~"''〜､、
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　 　 　 　 　 /⌒.:.:.:|.:.:.|.: .: : .:＼.: .: .: .: .:〈_/.: .:|_|.:∧.: (＼
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　　　 　 　 : |.: .:|.: : i⌒|.: .: .: .: .: |／ |.: | |〈_/.: .:| } .: : 〉＼　|＼　　　　　　　　　おまちどー。もう寝るん？
　　　　　　|: |.: .:|.: 八　|.: ＼.: .: .:| .:| ィぅうミｘ.: .:|ﾉ.: .:/　　)＼イ
　　　　　　|: |.: .:|.: .: .:.､／⌒ ､.:.:.| .:|　乂少　|.: :|.: .:/　　⌒Y:|ﾉ　　　　　　　　　 「へ？　あー……うん。明日からまた、色々始まるだろうし。
　　　　　　|: |.: .:|.: .: .:.:.＼.ｨぅミk.: :八　　' '　 |.: ∧/　　 　 人:＼
　　　　　　 八.:.:|.: .: ＼.:└ 乂ﾂ∨　　 　 　 八(_〈 　 　／ /∧.: )　　　　　　　　　早めに寝といた方がいい気がするお」
　　　　　　　　 人.: .: .: ＼.:.:.:＞　　` r　 ＾)　//|∨----〕//　 ＞‐┐
　　　　　　　　　　＼( : .: .＼.: )＞ 　., ＿___// :| 」＿__／::|　 /　/ ∧　　　　　　　ほな、明かり消そ……いや、ベッドライトだけつけとこか。
　　　　　　　　　　　ﾉ:＼￣..: .: ∧:.: :(／〈＿／ ||:::::::::: ／::|___|＿_/　|＼
　　　　　　　 　 _／.: .:./八.: .:.〈⌒∨ ＼〕ﾆ ／ ||:::::::::::::::::::〉__j 　 |　 | 　|　　　　　　真っ暗でもアレやしなぁ。
　　　　　　　　⌒7.: :__|＿∧.: .:∨〈,,／Y⌒Y＼,,〉T¨¨¨¨¨∧￣＼|　 |　 |
　　　　　　　　　 |.: :「￣￣込 : .:∨/|　L:i:i:ﾉ　 〉 ::|:::::::::::/::::|＿___＼_|,／＼
　　　　　　　　　 |／￣￣￣　＼:|: 八 /:ｉ:i|　 /＼:| ::::: /::::: |:::::::＼　＼
　　　　　　　　　 |　 /:￣￣￣￣`､::|V:i:ｉ:ｉ:|_,/ ::／|:::: / :::::: | :::::: ∧ 　 ＼
　　　　　　　　　/　 {::::::::::::::::::: ＼::: |:i:i:i:／:::／::::::|:::::::::::::::: |:::::::/　|　＼
　　 　 　 　 　 /　 八:::::::::::::::::::::::::ヽ:〈:i/:::／::::::: 八::::::::::::::: | : /　 .|
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　　　　　　　〈_／￣￣::::::ヽ}::::::＼:::::::::}::::---‐:::::::::::::::: 〈. 　 　　　 |

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モヤモヤしていても、時間は過ぎていく。
やがてシャワールームの中から水音が止み、衣擦れの音がしたと思うと、
ドライヤーが唸り始めた。

アマツの家で、散々聞いた音のはずだったのだが、
今となっては心臓に悪いことこの上ない。

さっぱりした様子ではやては朗らかに声を上げると、
もう寝ようかと提案してきた。これまた当然のごとく、ベッドに腰かけた
自分の隣へと座ってくる。

穏やかに目を細めながら、ぎこちない自分の後ろに身を乗り出し、
照明のスイッチをいじりはじめた。

ぱちんと音を立てて部屋の照明が落ち、ベッドライトの柔らかい色の灯りだけが
室内を朧気に照らすだけになる。
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5333： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/27(木) 21:51:39 ID:tR/0X8cM0

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　　　　　　　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : _:＼_
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　　　　　 　 /: : :|: :|: :| ⌒人|: : ´: |｀|: |/|∧|: :|
　　　 　 　 / Y: :|: :|: :| ∩　 l:／∩从V: |:_: |: :|　　　　　　いやー、熱いシャワー浴びてベッドに飛び込むだけでも、
　　　　　　 　 |:/{:从: | ∪　　　 ∪　 }: /r, }|: :|
　　 　 　 　 　 　 |圦｀ ' '　　　　　 ' ' |/　イ:|: :|　　　　　　なんちうか、文化的って感じやなー。
　　 　 　 　 　 　 |: : ト 　 　 V ﾌ　 　 イ:|: :.j : |
　　 　 　 　 　 　 |: : |: : |: / T 　 T´从: :|: /|: :|　　　　　　 戦地っちゃあ戦地やねんけど、全然違うわぁ。
　　　　 　 　 　 と^＼:,..＜{..|'､　r ｀｢.}＞､/,.-^つ
　　　　　　　　 (＿, 　 V....|..ト､＿_,.|..|..／/乂⌒ヽ
　　　　　　 　 　 　 '. 　 ｰ'....|.........../...V /　 /｀ー'
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　　　_　　-‐　 ~　　　　　　　　　　　　 　　　 　　ノ

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はやては率先してベッドに横たわると、毛布に潜り込み、
端を掴んで自分の肩へとかけてくれた。

されるがままになりながらも、一つしかない枕の端っこに頭を乗せ、
ひと心地着いたと言わんばかりに目を瞑り「ふー」と息を吐くはやてを見つめる。
唖然としているのが半分、こうして傍に居てくれるのが嬉しいのが半分だ。

「……どしたん？　はよ自分も寝っ転がりいな。
毛布が持ち上がってもうて寒いやないの」

固まっていると、はやては頬杖をついて半身を起こし、きょとんとした表情で
こちらを見つめてきた。心底不思議そうな表情に、今更恥ずかしがっていた
自分がバカらしくなり、大人しく横になる。
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5334： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/27(木) 22:06:39 ID:tR/0X8cM0

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　　　 　 　 　 　 '⌒7.: .:|.:|.:.{＼ |.: |.:_|__< ／|.: .: : |.: .: .: .:.:.:|
　　　　　　　　　　 /. |.: |.:| :fﾊ　|.: |.:_|,,_:|＼:八_/7 : .: .: .: . |
　　　　　　　　　　 :( :|.:人V:じ　j.:〃ノ刈:. /／∨.: .: .: .: .:.:.|　　　　　　……ね、やる夫君。
　　　　　　　　　　 ／.: .: .:「　 　 　 V'少У.:.:.:/|.: .: .:.:|.: .: .:|
　　　　　 　 　 　 ⌒7.:/.:.ﾊ 　 　　 ' ' ／.: .:／ノ .: : .: |.: .: .:|　　　　　　全部終わって……企業連からネクストを取り上げて、
　　 　　　　　 _　 　 {:/＼八 _／)＞'.: .:.:／.: .:/.: .: .: .:|.: .: .:|
　 　 　 　 __/　) __　 　 　／ ￣ 7 : : ／￣:／ : .: /.: 八 : 八　　　　　　それからどないするん？
　　　　　「{ {　し'　}　　r/ 　 　 /.: .: /＿／　⌒∨ .:/.: :)/⌒＼
.　 　 　 { 　 　 　 ﾉ　　/／ 　 人.:.:/　 ＼￣￣Y￣/＼＿　　　　　　　　　やりたいこととかあるん？
.　 　 　人 　 　 / 　 ／　　　 　 ∨　　　 ＼　＼ /　　　　＼_
　　　　　 }　 　 {　 /￣￣￣＼ 　 〉＿ 　 　 ＼　{　　　 ／　 ∧
　　　　　 } 　　 　 '　 ／　　　　 ／}　　　　　　 ＼　 ／ 　 ／　}
　　　　　　　　　}/.／　　　　 ／／　 　 　 　 ／　 ＼　 　 　　∧
　　　　　,'　　／{＿＿　　 ／イ　　　　　　／　　　 }　＼　／/ /
　　　　　;　　|　 |　　　　 /--≠-　　　　　＿　　　/　　 ∨ /／{
　　　　　{／ |　 |＼　 ／　　 /　　　　　 　 　 ＼./　　 　 }／＿_＼
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襲う訳にもいかないし、直視していると色々と苦しくなってくる。
目に毒だし心臓に悪い状況ではあるが、それでも安心できる状況ではある。
どんな要塞の中で眠るより、はやての隣で眠れることほど安心できるものはなかった。

それを今までの経験で分かっているので、眠れるには眠れるだろう。
不思議と、目を瞑ると眠気がするりと訪れた。
背中越しに伝わってくる体温とか、穏やかな呼吸の音、
上下する胸に伴って微かに動く毛布、その全てが乱れた精神を落ち付かせてくれた。

もう少しで眠りに落ちるというところで、はやてが天井を見上げたまま囁く。
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5335： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/27(木) 22:35:10 ID:tR/0X8cM0

　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼／￣＼　　　　　……あんま、考えてないお。
　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣￣｀.　 ＼ 　　 ＼
　　　　　　 　 　 　 /　　　　　　　　　　 、　 　　、　　企業連を叩きのめした後、変なコトするバカが出ないように、
　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　i　　　　 l
　　　 　 　 ＿／ 、　　,ｲ　　　　　　　　　　　　/　　　 しばらくはネクストに乗るつもりだし……
　　 　 　 （ 　 　 ）_／＿＿＿＿＿＿ノ＿＿ノ
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　　　　　　　　　　 　 　 　 .､-''".: .: /.: .: .: .:＼｀丶、
　　　　　　　　　 　　.､-'".: .: .: .: .: .:.⌒＼.: .: : '，.:〉＼
　　　　　　　　　　／.: .: .: .: .: .: :＼.: .:＼ :＼:⌒∨ ∧.:.
　 　 　 　 　 　 . ' : .: .: .: : |.:.:. .: .: .:`､.: .:.'，.:.〈⌒∨ : .: .:.
　　　 　 　 　 / /.: .: .:/:| .:|.: .: .: '， :: '，.: .'，:.:〈⌒i : .: .: .:.
　　　　　　 　. : |.: .: .: .: |'＾| : : .: : '，_:ﾆ=-‐….: .:.:.|＾ヽ.: .:.|
　　　　　　　 |.:.:|.: .: .:|.:.:|　|.: .: .: .:.:|.: :＞==ミx..: .: |＾　}.: .:|　　　　　　　　　いうて、死ぬまで乗り続ける気はあらへんのやろ？
　　　　　　　 |.:.:|.: .: .:|.:.:| 八.: .: .: .:|〃　_)ぃハ Y.:.| 〉/.: : |
　　　　　　　 |.:.:|.: |.:八.:.／　,,,,_.:.:.i| 　 乂ぅ少　j:/|ノ:|.: .: | ＿___　　　　　　せやったらはったおすで。
　　　　　　　 |.::.|.: | : .: 八 Y _)心ｊﾘ　　 　 , , ,　/ :|.: :|.: :／　 ／￣＼
　　　　　　　 |.:.:|:八 .: .: : :人乂ぅｯ 　 　 　 　 　　八.:／　　/ 　 　 　 ＼　　「ええー……」
　　　　　　　 |.:.:|.: .:.＼ .: 〈:心　, ,　　` _　ノ　　 / :|.: |＼　 |
　　　　　　　 |.:.:| :(＼( ＼.:.:. 个　. 　　　 　 　 ｲ／|:/| / ＼〉　　　|　　　　　　当ったり前やろ。自分ひとりの身とちゃうんやで。
　　　　　　　 |.:.(＼＼ ＼ ＼(＼ ::::/ ).‐--＜／ 〈:/.::|￣￣＼　 　|　 ／
　　　　　　　 |:/ ＼＼＼ ＼ ＼ ＼ //::::://-:＼ /:::八　　　　＼　| /　　　　　スポーツ選手になりたいーとかないんか？
　　　　　　　 / r‐ミ＼＼(｀`〜､＼ `'＜〈/|＿://--＜:＼ 　 　 　 〈
　　　　　　　 　 )＞　 .,　　 ﾆ=-　..,_　 　 　￣＼へ::::::/:::|＼　　　　〕
　　　　　　　　　　　　　＼　　　 r''　　　　　　　 〕:::::＼:::::|::::::＼　　 ＼

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寝物語にしては、ちょっと深く考えなければいけない話題だった。

ネクストに乗る必要がなくなった時、何になりたいか、なんて考えたことない。
やるべきことはたくさんあるが、やりたいことはほとんどなかった。
はやてとは一緒に過ごしたいが、それくらいだ。
スポーツ選手なんて興味もないし、やりたいとも思わない。

「そしたら、興味のあること探し、せんとなぁ。まずはそっからやなぁ。
やっぱ学校とか行ったらええんとちゃう？
興味のあること、性に合うこと、探さんと始まらんやろ」

「うーん……」
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5336： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/27(木) 22:41:45 ID:tR/0X8cM0

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　　　　　　　　　　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : :＿ : :＼
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　　　　 　 　 　 　 　 　 ,: : ; : : : :.;: : : : : :、 : : : :ヽ: : :',: : ',
　　　　　　　　　　　　　|: : i: : : : ﾊ: : : : : :.',: :､: :/∧: :.', : i
　　　　　　　　　　　　　|: : |: : : :|　';: : : : :-iヾ!ヽ'://!У!: :|
　　　　　　　　　　　　　|: : |: : -:|--iﾊ: : : : | ,.}==ヾ:|.イ|: ::!　　　　　　　　言うとくけど、私、ヒモとか嫌やねんな。
　　　　　　　　　　　　　|: : |:.i: | :ｨ==ミ: :、: |″泛ﾘ》 : :.!: :.!
　　　　　　　　　　　　　|: : |: !: :.《 込ｿ　 ヾ;!　 , , ,.! : : ; : :!　　　　　　　　……一緒に生きてくんなら、将来的には、その、
　　　　　　　　　　　　　|: : ﾚﾍﾄ:{　, , ,　　　　　　　|: : /: : |
　　　　　　　　　　　　　|: : |: : |: ヽ　　　　　　　　/|: /: :!ﾊ!　　　　　　　　結婚してうんぬんかんぬん、やろ？
　　　　　　　　　　　　　|: ﾊ!: :.|: :i!:＞:. 　 `　　 .ｲ/!:': :/
　　　　　　　　　　　　　|/ ',.:.: |: ﾊﾊ从: ＞=　´ ノｲ!／　　　　　　　　　　 どんなんでもええから、せめてちゃんとした職に就きい。
　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ:.:!'￣￣ ./　/!　　　　 〉ヽ.､
　　　　　　　　　　　　　　/´　i　　　 /　 {__　　　__/ 　!. ＼　　　　　　　　
　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾊ　　i!.　　/ __ ハ ｀　´ /　　i!　　＼
　　　　　　　　　　　　　 i　　　!　　´　　　〈　　 ノ　-.､ |　　　 ＼
　　　　　　　　　　 　 　 ,　　　 ソ　　　　　}　 く　　　 ヾ 　 ／　 .〉
　　　　　　　　　　　 　 /　　 , '　　　　　 〈. , ノ　 　 　 　 /　　 〈
　　　 　 　 　 　 　 　 /　　 /　　　　　　　 ソ　　　　　　〈　　 　 !
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　　　　　　　　　 　 　 |　　 |: : : : . . . : : : :.i!: : :.　　　　 .: :!　　/
　 　 　 　 　 　 　 　 ri 　 　': : : i : : : : : : :.|: : : : : . . . : : /　 /
　　　　 　 　 　 　 　 } !　 　 }: : :|: : : : : : : :!: : : : : : : :.／ 　 ,





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　　　　　　　　　　 ／⌒　　⌒＼ /　　。○ ｝
　　　　　　　　　／　（ー）　（ー.ノ　　 　 　 ﾘ　　　　　いや……さすがにヒモにはならな……
　 　 　 　　　　 |　　　（__人___く __　　　 _ ノ
　　　　　　　　　＼　　　　　　 　 /￣￣
　　　　　　　　　 /　　 　 　　　　＼





　　　　　　　　　　　　＿＿＿　 　 人__／
　　　　　　　　　　 ／::‐三三‐＼　 　⌒ヽ(
　　　　　　　　　／::::（ ○ 三○）ヽ　　　　)て　　　　　ハッ！？
　 　 　 　　　　 |::::::::::::::（__人__）::: | 　.__ノ(｀
　　　　　　　　　＼:::::: 　 |r┬| 　./　 ｀Y^＼
　　　　　　　　　 /:::::::::::　`ー'　　＼

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心臓に平手打ちを食らった気分だった。
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5337： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/27(木) 22:50:42 ID:tR/0X8cM0

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　　　　　　　　|:.:.:|:.:.:|:| ｀i|ｌ　 　 |／ ｀i|l　　 Ⅵ : 厂↓:.:.:|　　　　　　　　あら、結婚はしない派なん？
.　　　 　 　 　 V八:八 　l|ｌ　　　　 　 l|l　 　 |:|:./k6｜:.:.:|
　　　　　　　　　|:.:;′, , ,　　 　 　 　 　 , , 　|八　　ﾉ:.:.:.:|　　　　　　　　 それならそれでしゃーないんかなぁ……
　　　　　　　　　|八　　　　　　 　 ＿　　　　　　 イ:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　|:.:个:..,　　　　 Ｖ　 ﾉ　　　　 イ|:.:|:.:.:.:.|八　　　　　　　　　私はどっちでもええねんけど……
　　　 　 　 　 　 八|:.:.|:.:.:i:.:‥┬　　　￢≦∨八 |:.: Ν
.　　　　　　　 　 　 乂{＼|:.//￣＼／￣V　 | ￣ |八|　　　　　　　　　　　　子供も、まー、いないなら気楽でええやろし、
　　　　　　　⊂⌒＼　 /￣　|＼ｨ只ﾄ ／|⌒　　　 |/-ｧ冖つ
　　　　　　　(＿　ィﾆV 　 　 |ニ|/Λ |ニ|.　 　 　 /ﾆ(　 ⌒＼　　　　　　　　作ったら作ったで楽しいやろなぁ。
.　　　　 　 　 　 |ニニ＼＿ノﾆﾆ∨//- 人＿＿ /ニﾆ＼＿_ ﾉ
　　　 　 　 　 　 ＼二二＼ニニﾆ∨二二二二/ニニ /
　　　　　　　 　 　 )＼ニニニニニ|ニニニニ＼二二/＼
　　　　　　　 　 ／　　＼／::|二二|ニニニニ/: ￣| 　 　 ヽ
　　　　　　　　/　　　　　|:::::::ェェ⊂⊃ェェェ｛::::::::::|　　　　|
　　　　　　 　 {　　　　　 |::::::｢ニニニニニﾆﾆ｝:::::: |　　　　|





　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　／　　 　 　＼
　　　 　／三＿',!｀zx二 ＼　　　　　　「なんちう顔してんねん自分。人がマジメな話しとんのに。
　　　／ ´ー¨‐｀　´ｰ¨‐''　＼
　　　|　 　 　 （__人__）　 　　 |　　　　　シバかれたいんか」
　　　 ＼　 　　´ﾆﾆ｀ 　　 ,／
　 　 /⌒ヽ　 　 ー‐　 　ｨヽ

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あまりにも想定外の話をつらつらと並べるはやてに、毛布の中で総毛立つ。
現実離れしていると言ってもいい。

まさかあのはやてがそんな話をするとは。
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5338： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/27(木) 23:02:17 ID:tR/0X8cM0

　　　　　　　　　　　　　　　　_......-―- ‐::::::::::::::::::::ｰ .|　 l│└ ┐
　　　　　　　　　　　　　　 --､:::::::::::::::::::::::ィi〔⌒.┌‐┘ ﾉ./ｰ─┘
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「え、やる夫たちって付き合ってましたっけ」

呆然としながら確認すると、はやては気だるげに起きて、
ぺしんと自分の頭を引っ叩いた。

良い音が鳴ったが、大して痛くはない加減されたビンタだった。

むくれながら腕を組むはやてを見上げながら、記憶の棚をひっくり返していく。
どうやら、今日の内の一場面の中に、数週間越しの承諾があったらしい。

「あんなぁ……私かて、何の気もなしに、『一緒に生きよう』なんて言わへんわ。
あんなん、フツーに考えたら『不束者ですがよろしくお願いします』的な
意味やわーって思うやろ」

た、たしかに。
延々と弄ばれ続けて麻痺していたが、捉えようによっては逆プロポーズだ。
自分としては、この曖昧な関係のまま、ずっと一緒にやっていくものと思っていた。

流石にそこまでするほどのはやてでもなかったらしい。
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5339： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/27(木) 23:14:07 ID:tR/0X8cM0

　　　　 　 ＿＿＿_
　　　　 ／　　 　 　＼
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　 ／　　 _ノ ::::::: ゝ､　　＼　　　　　……
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　 ＼　　　（__人__） 　　,／
　 ／　　　　｀⌒´　　　　＼





　　　　 ＿＿＿_
　　　／⌒　　⌒＼
　 ／（ ●） 　（●）＼　　　　　　……うん、流石に、何かしら働きはするお。
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼
|　　　　　|r┬-|　　　　 |　　　　　だらだらしてても腐るだけだし。
＼ 　　 　 `ー'´ 　 　 ／

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困惑するのもつかの間、靄のかかった頭の中が晴れていく気がした。

そうか、戦いが終わったら、はやてが恋人として傍に居てくれるのか。
それなら、簡単には死ねない。ネクストからも、見切りをつけて足を洗わねば。

自分ははやての恋人となるのだ。
それなら、あまりみっともない生き様を晒すわけにもいかないだろう。
彼女に味わう必要のない苦労や恥を押し付けるようなら、一緒になる甲斐がない。

心のどこかで、戦いが終わった後も、AMSの負荷で廃人になる限界まで、
少しでも長くネクストに乗り続けるつもりだった。

時代が逆戻りしないように、抑止力としての役目を果たして、
それで死んだとしても仕方がないとも思っていた。
それでも生き残れたなら、はやての傍で余生を過ごせばいい。

けど、彼女が、自分を恋人として傍に置いてくれるのであれば、
簡単に身を投げ出すようなことはできなかった。
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5340： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/27(木) 23:31:40 ID:tR/0X8cM0

　　　　. . ＜: : : : : : : : : : ≧: : .
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　,: : : : : : Y´: : : : : : : : : : : : :丶: : : : :＼
./: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ: : : ヾ:.、
: : : : : / : : : : : : : : : : : : : : : : : ; : : : ; : :ﾊ
: : : : /: : : : : :/;_:_:;: : :/: : : : : : :∨: : ∨: :!
: : : ::{: : : : : : {´｀´｀∨: : : : : : : : ∨≪∨:{
: : : ::|: : : : : : | _,．--}:-:、 : : : :; -:∨≪Ⅵ
: l : {:!: : : : : : !´　　__l! ∨:|ﾍ : }从: }: : : |ﾘ　　　　　　　　　　　なら、ええわ。
: |:l:从: {:-: : ::ﾄz====㍉,　　 }/__,ﾑ:| }: : |
: |:|: : {｀ヽ ∨:!ゞ辷:ノ　　　 （ ´¨´八.!::从　　　　　　　　　　　　……せやな、今までずっとはぐらかしてきたんも悪いわ。
: |:|: : ｀ヾ_- ., 　　　　　　　　,　　 .: : : ト 、
: |:|: : ∨: 〉く: 、　　　　 __ .,　　.ィヘ:_:_、｀ヽ　　　　　　　　　　　人の彼氏っちう自覚、持たせたるさかい。
::介∧ ∨{　 Y: ＞、 　 ￣ ＜: :{ ゝ_ィ^ヽ.
:{ .l: :∧ ∨:＼）: }ヾ:、/￣_Y二ﾆrｆ´｀ ｀　　、
:| .|:∧　＼{~ ‐}:l:!　 >‐ミ {_|＿　{ﾉ^ヽ　　 　 、__
ゝ/　∧　　　　 |ﾊ./三三∨￣ ｀ヽ. ハ　　 　〉:::::Y
_/　/ ∧　　　 /　}!ゞ三三≧--=ﾆﾆﾆ{ト-::イ:::::::::!
.　　 /　 ＼.　/　 .!::::::＞:..寸二〉::::>:::::｀ヽ:::::::::::::::|
,-=ミ　　 　.У＿.」::::::::::::::::＞<::::::＼:::Y::::::::;::::::;ノ{
　　　｀ヽ　 {　　　.|:::::::-＜::::::::}::::＞::Ⅵ:::::::::::Y:::::::l、
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　　　　　　 l!　　 ム::∧::::::::::::::::::::::::::::｀::、::::::|:::_:::_::_:::::
　　　　　　 l!　イ::::::::::::::＼::_:_::::::::::::::,::-::‐'::´:::::::::::::::ト、

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ため息交じりにはやては呟くと、大きく息を吸った。
呼吸を整え、何やら覚悟を決めたかのようにこちらを見据えてくる。
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5341： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/27(木) 23:40:51 ID:tR/0X8cM0

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　　　　　　ヽ　 { { ﾊ　　　　　U　　i!　 　 　 　 | : : ; : :./}/　　　　　　　 /　r┴　 ｀ ＜}_
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¨ ヽ　',_}ノ し　　　　ー､ 　 　 　 　 i!--=≦　/:／　 |　　　＼　　_ノ　　　　≧ ､　￣ﾊ　　 ,
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戸惑っていると、はやてが背に腕を回してきて抱きあげてきた。
だが、腕力の都合で中途半端にしか自分の身体を持ち上げられていなかった。

それでも強引に身を寄せると、目を瞑って唇を押し付けてきた。
瞼が見えない力でこじ開けられ、言葉を失い、思考が吹き飛ぶ。

微かにできた眉間の皺に、はやての余裕のなさが見て取れた。

息をするのも忘れて、唇と胸板に押し付けられる感触と体温に意識を奪われて
いると、やがてゆっくりと離れていった。
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5342： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/27(木) 23:43:20 ID:tR/0X8cM0

　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : ､: : : : : : :＼: : : : : ､
　　　　　.: : :／ : : : : : : : : : : : : : : ＼: : : : : : : :.､: : : :＼
　　　　/: : /: :/: : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ: : : : : : :.∨.: : : : :.
　　　 /: :./: : ': : : :i : : : : : : : : : : : : : : ﾊ ､: : : :./ ﾊ: : : : : ∨
　　　,: : /: : : : : : : i: : : : : : :',: : : ',: : :./∧､＼:/ /:.∨ : : : : ∨
　　　i : ; : : :.i: : : : :|: : : : : : : ',: : ::＼//: ∧ヽ/ /ヽ: V : : : : :.∨
　　　|: :|: : : :{: : : : :ﾄ､ : : : : : : ',＼ 斗:-:ト､}:/ /＼ヽ:| : : : : : : ∨
　　　|: :|: : : :.',: : : :.{　ヽ: : : : : : ',´＼!＼!　 ∨: : : :ヽ| : : : : : : : }
　　　|: :|: : : : :',: : : :',　　＼: : : : :',　.ｨf弐ハ~ｱ: : : : : !: : : : : : :ﾊ!
　　　|: :|: : : : : :',:.:斗', ―　＼: : : '〃　v_沙 |: :! : : : :|: : : : : : :!　　　　　　　　　　　　　　　――好きやで、やる夫君。
　　　|: : , : : : ／',＼: ',　　　　＼: :i　:/:/:/:/:レ!: : : : :! : : : : : ;
　　　|:.:∧ : : : : : ',　,.ｨ弍=,,　 　 ヽ!:/:/:/:/:/:/|: : : : :!: : :.:.|: /　　　　　　　　　　　　　　　　彼女持ちの身分やさかい、
　　　',: : : ＼: : : : :',{{　v沙　/:/: j　　　　　 　 |: : : : :! : : /}/ ｀ ＜__
　　　i∨: : :{: ≧=-_:＼/:/:/:/:　　　　　　　 　 |: : : : ﾊ: :/ ∧　　　＼ ー-　　_　　　　　　　　おっ死なんよう気張ってみ。
　　　|: .＼: |: : :|: ::从「ヽ　　　 　 　 　 　 ﾉ　　| : : : ;　}∧　∧　　　　＼_　 　 ｀ヽ
　　　|: { : : : {: :{: : : :{ト - .。　　 　 ー　　 　 .ｲ!: : :/　　　∨　＼　　／⌒　　　 ハ
　　　iハ: : : :',: :',: : : |　　/ ｀ ﾆﾆ=--　-=≦　 |: :/　　　　 .i! ＼　Y　　　　　　 .′
　　　　　 ､: : ',､: : : ト!　/　　　　　/｀''ｰ-　 .__ }/　 ,.-一 ´ i!　 }ヽ}　　　　　　/　　 ',
　　　　　　＼:.', i＼{　 /　　　　　/　　　　　　 丶　′　　　 i!　.!　!ヽ　　　　　 　 　 }
　　　　　　　 ＼{　　 ､´￣￣　ヽ{　　　　　　　　　　　　　　 i!　,　 |　＼　　 .′　　 ,
　　　　　　　　　',　　　＼　　　 , 丶　　　　　　 　 　 　 　 　 V　　|　　　　 　 　 　 ′
　　　　　　　　　 ',　　 ',　＼..У　.}i!　　　　　　　　　　　　　　}　　i!　　　 V 　 /　/
　　　　　　　　 　 ヽ　　',　　.′　 }ﾊ　　 　 　 　 　 　 　 　 ´ | 　 ,　 　 　 ',　/ 　 i

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耳まで緋色に染めたはやてが、どこかバツが悪そうに髪を弄びながら、
囁くように告げる。

何よりも確かな彼女の息遣いが、自分にも未来があるのだと語っていた。
はやてと二人で生きられる未来がある。
この先の戦いに、それがかかっている。

ぶんぶんと首を縦に振ってみせると、はやては満足げに口許を綻ばせた。

こうなってしまっては、おいそれと死ねない。
はやてを未亡人にするわけにもいかない。

不意に、カズキの姿が脳裏を過った。

どんどん、彼と境遇が重なっていく。
本当に、彼と自分は鏡合わせの存在だったのだと思わされていく。
同時に、カズキの気持ちが理解できた気がした。

死ねない理由がある。
守るべきものがあって、支えてくれる人がいて、生きる理由がある。

他人のそれを奪った以上、中途半端に投げ出すことは、許されなかった。
とうにそんな選択肢は失われていた。
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5343： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/27(木) 23:43:31 ID:tR/0X8cM0
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5344： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/27(木) 23:58:42 ID:tR/0X8cM0

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明朝、その声明は突如として世界中に響いた。

たった一分間だけだが、企業連の管理する地上波放送をジャックし、
テレビを見られる身分の人間たちの朝の団欒を引き裂いた。

五十年近い企業連統治の中、それが世迷言だとも、何かの悪戯だとも、
楽観視する声も多々あった。

けれど、他ならぬ企業連の上層部、その椅子に座る老人たちには、
到底看過できない声明文だった。
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5345： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/28(金) 00:02:37 ID:IvUBkucU0

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/／,r､ 　 　 　 　 .／＼＼三ﾆ ∧　_ ｡s=s。.!　　| 　 |　　　　≧s｡ _　/三三三三三三
' ／/∧　　　　.／　 　 .＼＼_ ｡s≦ 　 ／/. ＼=-､ . !　 /¨ﾊ　　　　　≧s｡ 三三三三
/////∧　　／　　　　　／¨＼　　　／　/≧s .＼ ><／　//　　　　　　　　　 ≧s｡ 三
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「我々はこれより、マーシフル、ミセリコルデ、リンドヴルム、シュクヴァール、
この四機を以て、企業連のネクストを一機残らず掃討する」

並べられたビッグネームの後に、即席のロゴが表示される。
Organization　collard、企業連につける首輪。

それはつまり、これからおまえたちを支配者の座から引きずり下ろすぞ、
という宣戦布告に他ならなかった。
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5346： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/28(金) 00:04:09 ID:IvUBkucU0

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　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＿ 　 　 　 　 {:　　 } ================== } }
　　　　　　　　　　 　 _　 　 -= 　￣¨　＼ﾄ　　{:ｌ　　} = ＞ｧミ　 == == ===== } }
　　　　　　　　　　　　＼__　　　＼- ､ 　 i}:}　､{:l　　}／／　　 　>､ = == = == } }
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　　　　　　　　　　}升=/　＼ ＼/＼ ＼＼:}／､}／=‐／＞､ヽ　　　i}========} }
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_＞=-　 　__　　／‐〈___＼_{　{__　i「　/7=ｱ-ｲ'´＼ｌ＼ }'iﾄ､/　}////i} = = = == } }
¨ﾆ=‐　‐=ﾆ气ト､≦==‐　　¨¨＼､/ /ｲ／〉}__＼＼} 　ｉ} {/＼∧ｉ//ｉ∧ = == == } }
‐- ､‐=斗=‐- 　_>､-----＼} - ＼ｰ'｀ｰ'　＼----＼ }　　 /{　＼/========= } }
　 　} {　{､　　>‐‐　 ＼----->:､--＼__　　イ＼----＼､_/{∧_/ == === ==== } }
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これを受けた企業連は、一反体制テロリストの声明に過ぎないと
一蹴するようなコメントを公表した後、動じていない様子を装いつつ、
急ぎ討伐部隊を編成する。

ネクストに相対するにはネクストを出すしかない。
高級な酒に浸かった老人たちの頭でも、その声明が撒き餌であることくらいは
分かってはいたが、それでもネクストを出さざるを得なかった。

下手をすれば企業連統治の、時代の終わりとなりかねない。
相手はマーシフルを始めとしたトップランカーに匹敵するネクスト部隊。

強力な個が群を圧倒するネクスト戦の概念がある以上、
企業の幹部達は十年前の反乱を思い出さずにはいられなかった。
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5347： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/28(金) 00:09:11 ID:IvUBkucU0

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かくして、かつての第一次ネクスト戦役をも超える、最悪の反乱運動が起きる。

第二次ネクスト戦役。
もしくは、Organization　collardの母音から取って、ORCA事変とも。
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5348： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/28(金) 00:09:25 ID:IvUBkucU0
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5349： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/28(金) 00:15:30 ID:IvUBkucU0

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　　 　 　 　 　 　 　 　 〃/:.:./:{:.才￣｀{ヽヽ ヽ}ヽ:}:} ｉ:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
　　　　　　 　 　 　 　 /　{:.:.ｉ:.:.!:.:.{ f⌒ｉヽ　,ｲ⌒i|///|:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　　　　――改めて、ミッションを説明するよ。
　　　　　　　　　　 　 　 　',:.!!:.ヾ､'.,辷ﾉ 　　.辷ﾉ〃　!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　 　 　 _.　　　　　　 　 　 ヽヾ､!ヽ　　 ｀　 　//:.}　|:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　　　　作戦目標は旧北アメリカエリア、
　　 _fゝx|.| 　 　 　 　 　 　 　 　 |:.!＞　｀ ´　イ〃　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　 _ﾄヽゝ|._!　　　　　　　　　　　　_ヽ-/,'≧≦ }!./、　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　マンハッタンのビル群跡地。
　ヽヾ / l ﾉ　　　　　 　 　r-::´:::::::::::/ !/只', ./ ',:::｀ヽ､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　
　　 ｀{　 /　　　　　　　　ｉ:ヽ::::::〃/　/ 〃|. /　 ｉヽ::::::::::ヽ、:.:.:.:.:|　　　　　　 声明を発信した位置に集結しつつある、
　　 {　イ､　　　　　　 __/::::::|´　　 ＞ ',:￣:/＼　　 ＼:::/::::|:.:.:.:.:|
　　,イ ／＼　　　　 / /:::::/ /　 ヽ 　 ｉ:::::/　 ／　 　.l/}::::::|:.:.: : |　　　　　　　敵ネクスト群の掃討。
　　|／　　　ヽ　　　ゝ/::::/　ｉ　　　＼　ヽ ／　===ｭ .}　!::: ||ヽ:.:.|
　く　　　　／ヽ__ ／ /￣ 　 |: : : : . . ＼ゝ. . : : : :..　/　 |:::::|_ﾉ:. |
　　∨. ／　　　　|　　　　　∧: : : :. 　　 ヽ　. : : : : ,′　 ヽ::|:.:.:.:|
　　　｀ ヽ　　　　　}　　 .／　 }　　　 　 ﾟ |　　　 　./|　　　 L|:. : |
　 　 　 　 ＼　　　　 ／　　　ｉ　　　　　 |　　　　 /　ｉ　　 　 |:. : |
　　　　　　　　＜__／　　　 /　　　　　｡}　　　　 ヽ　|　　 　 |:. : |
　　　　　　　　　　　　　　　 ゝ---- ┌‐┐-----ｉ　|　　 　 |:. : |
　　　　　　　　　　　　　　 ／――‐ └‐┘‐‐‐‐┘ |　　　　|:.:.:.|

5350： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/28(金) 00:19:28 ID:IvUBkucU0

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　/　　 {:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|:.:.:.┼廴/_.|:/　　ヽ:.!:. ⊥＿|_:.:.}:. i:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　一機ずつ潰していく消耗戦じゃ勝ち目がない。
　　　　i:.:./ |:.:.:|:.:.:|:.:.:. |,イう≧､ヽ 　 ヽ|芹う≦、:.!:.:.|/|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　|:/.　!:.:.:!:.:.:!:.:.:.《 {::::::::ら　　　　´ {:::::刈 》/: /ヽ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　 危険は承知で、ネクスト同士の総力戦を挑む。
　　　　|j 　 ',:. |:.:. |＼ヽ. 辷シ　　　　 　 辷シ /:／:} /|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
.　　　　|　　 i: |!:.:.|:.:.:.:ヾ､　　　　　j　　　　 　 /!:. : ｉ_,' |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　……確認されてるネクスト群は正直、有象無象の類。
　　　　　　　 ﾘ ヽ|!:.: : ﾍ　　　　　　　　　　　　 }: : /　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　 ',:.:.:.:.{ヽ　　 　 ￣　　 　 ／/:.:,' 　　! :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　油断はできないけど、この四機なら十分に撃破可能。
　　　　　　　　　 　 ヽ :.:.ｉ　＞　 　 　 　 イ　/ :./　　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　＼ヽ ,rヽ. ＞＜　_／|/／　　 　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　　　　　　　　　 　 　, ヾ､{　　 ≠<´　　./｀ヽ、　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　 　 　 ,､r::´::/　　!　 /､　 ヽ　 /　　|::::｀ヽ、.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　 　 　 ,､r:::´:::::::::::::/　 　 {､/ゝ－/', 〃　 　.!::::::::::::｀ヽ、 :.:.:.:.:.:.:.:.|
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　　　　　　　l_: : : : : : : : ,': : : ｀ゝ.: : 丶　r---､＿ 　 　 r---､　〈〉　　　 　 ||
　　　　　　　 ゝ- ．: : : : ゝ､_- "　｀ﾞ弋.＼＞辷_　 ￣＼ ＼　 ＼〈〉　＿　 |l|
　　　 　 ,　- ‐-, -ゝl|: : /￣ﾞﾍ.　 .＿＿＿＼　 ∨　　 ∧　∨　　>ﾍく￣ミv
　　　／: : : ,　' " : ／￣: : :＿ ×.｀,二ﾆ＝‐くxr┴─‐-=ミｚ〉　/vﾍｒ_､ヽｰﾘ─┐
　　/〉: : : / : : : : /: : : ．'´．／　　.｀￣￣ア / ﾊ ＿_　　 　 ＼ハVfﾍﾐヽ､/ 　 /
　　l" ゝ｀' : : : : / : ／: ／ /^ヽ.: / /: :.／　// ∧ 　 ｀　‐- ､　V冖l仁>ｲ｀　／ヽ
　　l＼/: : : : ／',: /: : / ．- ､: : .〉リ／　　// /　　7丁二ニ=z〈　 厶ﾆ＞≦廴_ﾉ
　　＼l: : : :' ｉ: : /ﾞ': : ／ﾍ　　〉: / , へl: : .厶='　　 /　>─z─rイ￣ ,二ニﾐ辷__＼　　　　　　　「リンドヴルム、シュクヴァールは
　　　 ', : : l |､: :| : : 〈　　ﾉ　ﾒ ﾇ: :i: : : : : |　l　 `.. /　厶 _/￣　 ∨/ィヘ、　,ﾆ7l￣
　　　　'　　ﾍ ＼: : : :ﾞﾋﾆｽｲ／: : l: : : : : l　ﾍ. . r込ｘﾝ'´　　 　 　 ヽ ∨　ﾄ┘/ ﾚr─‐ ､　　　　　正面からの突撃を敢行。
　　　　 ＼: : '．lヽ／￣￣´: : : :/: : : : ,.へ／ノ>ィア　　 　 　 ,∠V〉 }　 ∨〈_ノ＞ミ /∧
　　　　　　＼_〉,ｲ: : : : : ィﾅ: : : l: : : ／ ○ ./〉 / ｿ　　　　 ／　　 ﾘVミ>､_ﾝ冖V＜ヽ＼_〉　　　　直接戦闘を担当してもらいます」
　　　　　　　　/: : : : : : : : : : : : : : : 〉 ○ //イ／　　 　 ∠ィ>　／　Vﾊ　 >K⌒＼ ＼' ＼
　　　 　 　 　 ｾﾆ=-‐　⌒ー　-―<フ".〃^Y´　　 　 ／xく幺イ⌒}　ﾄﾍイ　　 ヽ　 Vハ ヽ＼
　　　　　　／∠＼: : : : : : : : : : : ／〉'./ｲｸﾘ　　　 ／／／　　ﾄ､ノ　 Ｌ V>､　　 ヽ　Vハヘkﾐ＼
　　　　 ／　ﾞ／　/` ‐ー‐┬―": ／.厶|l7/　　　 ｀￣　　　　 | 　 　 _」 厂 ＼ヽ、ヽ ∨ﾊ　　 ｀′
　 　 ／　'／　　 l /: : : : : :l: : :／ . / /|l　　　　　　　　　　　 |　 　 |　/ 　 　 ｀ヽﾐx.　V＾＼--､
　　ヽ>'／　　　　/: : : : : : :ﾍ-'　 l: ./ /　　　　　　　　　　＿_　〉　x气/　　　　　,二≧┘　　Vハ
　　　 ~ 　 　 　 /: : : ,: ⌒ , : ＼-'./ /　　　　　　　　　／^ヽ V／　/|　　　　 ／イl　 ｀ﾏ冖r┘ ﾉ
　　 　 　 　 　 / : : : l, -‐､l: : : : ./'/　　　　　　　　 イ　　 ﾉ　ﾊ、 / 」 　 　 / ∧　ヽ 　 Vく彡'
　　　　　　　 〈_/　　ﾍ　　_>ー..//　　　　　　　　　| l　 ／　人ノ７K　　 　 |　l ∧　ヽ　　Y
　　　　　　　　 ﾍ: : : / ／: : : :.〃　　　　　　　　　 ｔz≦彡く　　`くj |　　 　 |　|　/＼_ ＞'´
　　　　　　　　　 ＼/ /: : : : : /　 　 　 　 　 　 　 　 〈ハ　　＼　　/　　　　|　l /　 ／
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5351： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/28(金) 00:24:28 ID:IvUBkucU0

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 {　　　　 　 }　　/　 　 　 　 　 ヽi 　 　 　 r≦二{ｒー--､/_　　　/　ヽ }、 ,ゝ-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　　　　 ／　／　　　　　　　　　　　　　　 /__＞r‐<　/ i／ヽ r'　／｀ヽ_/　　} ＼
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　 ／　／　　　　　　　　　　　　　　　　{ /　 {　r'ヽ　ｒー､}｀　 {　　　 }　　 }　　＼

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「マーシフルとミセリコルデは遊撃手として、二機一組で動いてもらいます。
シュクヴァールとリンドヴルムの援護や、射撃支援機の撃破、
ノーマル隊の救援などを担当してもらうこととなります。

ノーマル隊各機は作戦地点に来る敵ノーマルやMTの増援部隊の迎撃と
周囲警戒に専念……つまりは後詰です。

ネクスト戦に巻き込まれたら、どんな手練れでもひとたまりもありません」
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5352： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/28(金) 00:30:21 ID:IvUBkucU0

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　　　　　 　 ／: : :｀ヽ　 　 　 ＿＿＿　　　　　　 　 __
　　　　　 ／: : : : : : : ＼,　´: : : : : : : : : : :‐-､　 ,ｨ彡'´
.　　　　 /:／⌒＼ : : ／: : : : : : : : : : : : : : : : :Ｙ:ノ＿＿
　 　 　 ′: : : : : : 〉'ミz: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :｀ヽ
　　　　i: : : : : : : / z‐- : : : : ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :‘，
　　　　|: : : : : : :′:.: : : :.‐-/: : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : :|
　　　　|: : : : : : i: : i: ＼: : : |: : /: : : / : /: : /| : : : ,: : :|: |ヽ: :|
　　　　|: : : : : : i: : i: : : ヽ:.:.|: /|: : : :|: :/卞/､|,ｨ|: / : /|: |　∨
　　　　|: : : : : : :∨:､: : : : : {vﾍ!: : : :!v {チ抃.｀ ﾚ'|: / .ﾚ'　　　　　　　敵機の掃討もそうだけど……こっちはネクストが一機でも
　　　　|: : : : : : :八: :＼: : : ヽ ,'＼: ﾊ　弋ツ 　 / |/
　　　　|: : : : : : :|　＼: : ヽ: : : |: : |＼|.　　 　 　{　　　　　　　　　　　　撃墜されれば、勝ちの目はなくなる。
　　　　|: : : : : i :|　　 ＼:.:., -‐|: : |　　　　 　 　 〉
　　　　|: : : : : i :|　　 　./　　 ﾍ : |　 　 　 ‐-／　　　　　　　　　　　　　厳しい戦いだけど、完全勝利以外は戦術的敗北。
　　　　|: : : : : i :|　　.r―──‐ ､| ＼　＿／:|
　　　　|: : : : : i :|　 ./　　 　 　 　 ＼＿＿|ﾊ/__　　　　　　　　　　　　　　……各員、無事の帰還を。
　　　　| : : : :,　-─'￣￣￣￣￣￣::::::::::::::::::::::::｀＞x
　　　　|: i : ｔ' :::::::::: ,'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::, -‐:::::::::::::i　　　　　　　　　　　私たち、企業連の時代で生きられない全ての人々の生存のために。
　　　　|: i : |:::::::::::::,':::::::::::::::::::::::::::::::::: ヽ::: i:::::::::::::::::::: |
　　　　|: i : |::::::::::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∨| :::::::::::::::::: |
　　　　|: i : |::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾍ|::::::::::::::::Ｙ⌒Ｙ

5353： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/28(金) 00:30:55 ID:IvUBkucU0
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └‐ｫ |UU　 `
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 くノ　　　　　＼ ,,_人､ノヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　)ヽ　　　　（　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ -　＜　　　　　　 ＞━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣　　　)　　　　　て
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／^⌒`Y´^＼　　　　 ._ _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＵＵ/7
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 くノ

5354： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/28(金) 00:32:59 ID:IvUBkucU0
┌────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│　　　企業連ネクスト部隊掃討　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│　　　備考：高層ビル群跡地に集結しつつある、企業連ネクスト部隊を一機残らず撃破せよ　　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│　　　僚機：ミセリコルデ、リンドヴルム、シュクヴァール　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
└────────────────────────────────────────┘

5355： ◆x0SRSoJXe.：2022/10/28(金) 00:42:33 ID:IvUBkucU0
今回はここまでだ。

相変わらずのスローペースだが許してほしい。

さて、次回は来週の木曜日、11/4の20時からだ。

二週目もじきにエンディングになる。

三週目をやったら、モコイさんもスレ主としての今後を考えねばならないが……

まあ、なんとか三週目まではやり通したいね。

アルトリアとのIFルートも望まれていることだしね……もっとも、その安価を取った人がまだ見てくれているかも定かじゃないが。

それじゃ、シーユーアゲイン。生きていればまた会おう。

5356：安価のやる夫だお：2022/10/28(金) 00:48:03 ID:YNqmgjoQ0
乙でした

5357：安価のやる夫だお：2022/10/29(土) 02:29:05 ID:KFADHWII0
乙

5358： ◆x0SRSoJXe.：2022/11/03(木) 19:56:57 ID:r8SSBVGI0
申し訳ない、今日の投下は延期とさせていただきたい。

次の投下は11/10の20時からとする。

すまない……

5359： ◆x0SRSoJXe.：2022/11/10(木) 19:12:03 ID:5tqCJRP60
申し訳ない、今日も体調が悪い。

来週木曜の午後8時からとさせていただきたい。

5360：安価のやる夫だお：2022/11/10(木) 20:42:31 ID:X9yKllDA0
乙
お大事に

5361：安価のやる夫だお：2022/11/10(木) 23:27:08 ID:2zpPvxMo0
気長に待ってる

5362： ◆x0SRSoJXe.：2022/11/17(木) 16:37:57 ID:4rilyWwY0
申し訳ない、今から出勤しなくてはならなくなった。

そのまま泊まり込んで明日の勤務に移行すると思うので、多分帰ってこられない。

次回は来週の木曜日、11/24　午後八時からとする。

5363： ◆x0SRSoJXe.：2022/11/24(木) 20:00:27 ID:4KuZyxyI0
　　　　／||ミ
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　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

5364： ◆x0SRSoJXe.：2022/11/24(木) 20:12:16 ID:4KuZyxyI0

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　ガンダムの新しいアニメが出来がいいね。
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　モコイさんも学生時代にアーマードコアが好きだと言ったら、
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　　「アーマードコアってどんなガンダム？」って言われたくらいだ。
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i　　　　ぼちぼち始めて行こうか。ペースは期待しないでくれ。
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

5365： ◆x0SRSoJXe.：2022/11/24(木) 20:24:35 ID:4KuZyxyI0
〜潜水艦アマツ　格納庫ブロック〜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 / / i{:.:.:.:.:. :.| : : : : :√|　|
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　　　r‐‐＜乂=ｿ＞‐‐┬‐＜乂=ｿ_＞‐┐　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::: :::|: : : : : : : i{:.:.¨¨¨¨ア_ソ､／
　　 八＿_「ﾆ「ﾆ「ﾊ___,人＿ﾊﾆ}二lﾆl＿ハ　　　　　　　　　　 　 　 ＿　|:::::: :::| : :ｨニﾐ､ ￣￣ ｱ　/ /
　　 |::{__∧ﾉ‐ﾉﾆﾅ'{___〉:::∨jﾘ‐ﾉﾆﾉ,ﾊ__j::::::,　　　　　　　　()二二二ﾉﾉ()二二う-ﾊ' '(_ﾉ=====′/ /
　　 |「　厂厂「「「 丁 ヽ::::「7厂「「√〈__∨:|　　　　　　　　　　　　　 ￣〕iト　厂＼｀厂ヽ : : : ::{ノヽ_{ヽ
　　 |YY乂廴ﾚｧ'＿ﾊ___}:::}l_{{＿ﾘﾅ‐ｧﾚｨﾊ::|　　　　　　　　　　　　 　 　 |::::::::::７ｰ厂＼/ : : : ::{「」」LL」　 ///
　　 |/::〉 jﾘ__ﾊ{ { ハUｱ:::j { { /_/ 〉ﾊ::ｰ'"::j　　　　,ｨｭ　　 　 　 　 　 　 |:::::::::::{‐ﾉ‐‐､_ﾉ : : : : j¨j¨/ 〉　　 ￣／
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.　 /::/ {　し j　「　}　}:_:/〈 {__/ } {__/∧:_/ ＿∠_「:|ﾉ_ﾉ,}　　　　　 　 　 |:::::::::::ﾘ..{...└r'＿__/_/‐'ｧ─､　　　{‐
　/_/　 ∨　ハ ｀Y{ /_/　}　} ハ　}　{　 　 |: |: : : ﾊLｨﾉ |　＼ Ο　　 　 |::::::::: :|....',......{　| /__/__/　　　|ｉー‐'
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鈍色の空間に怒号じみた指示や掛け声が木霊する。
小人大の整備員や誘導員が慌ただしく足元を駆けまわる光景にも、
どこか慣れてきている自分がいた。

ノーマルたちが続々と自分の足でカタパルトへと向かう中、
足元のリフトが機動し、潜水艦底部のネクスト用カタパルトへと降下していく。

真っ暗な中に赤い誘導灯が揺れるトンネルにたどり着くと、
すぐさま注水が開始され、けたたましい激流の音で何も聞こえなくなる。

今までは何とも思わなかったが、なんだか放流される魚の気分になった。
それだけの余裕が、今はあるということなのだと、自分でも思う。

前までは、ネクストはマーシフルだけという決死の出撃だった。
今は四機だ。それも、ブライドルでも最強の部類の四機だ。
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5366： ◆x0SRSoJXe.：2022/11/24(木) 20:33:00 ID:4KuZyxyI0

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　　　　　　　　　　　　 ∨Vﾊ　　　　　　　{:::i{:::::::__／
　　　　　　　　　　　　ﾊ{＿Ｖ_　 　 ,ｨ　　　 ーr==-___、
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　　　　　　　　　　　j{ニ!＿_ ／-,/　　　　　　 }斗- :::::/⌒ヽ
　　　　　　 　　　　,／_,／>/=-ノ-　　　　　＜{_　　}＿ 　i{　 、
　　　　　　　　＿,/ﾆﾆ=イ/´_ ィ　 }、　／.:.:／.:.:.:￣}ﾆｿ{ 、＼　、
　　＜/´.:.:.:.:.:.:.:.:.{ﾆィ´,ｒ'.:{ 乂_...イ...ゝ_{:.:._/.:.:.:.__.:.イ ｀ヽ　＼＿_}
　　ヽ':.＼___:.:.:.:.:.:.:.:.:Ｔ:.／.￣..{冖v/´/}.:{:.:.:.ｸ'ニﾆ/ー ｸ:.＼
　　　 ≧ｓ｡i{__:.:.:.:.:.:.:.7′...{,ﾊ..ヽ...′{.:{:.{:.:.:./ﾆﾆ/⌒i{:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　＼ニ≧ｓ｡＿}ー}..へV....(_′人ゝ7:/ニﾆi{ハ:.:.￣ヽ:.:.:.:.:.>_　　　　 _／
　　　　　 ￣-={ﾆﾆ/、 Ｖo＿ゝ-{＿..O.....}｀ヽ_／ ￣-=ー_､__,／⌒ヽ＜⌒}}斗
　　　　　　　 γ⌒ヾﾊ. ‘ｰi{:.{'⌒{:.:i:.ヽｒ...j......./　　　　　　　 {..／i}:.:.:.{ヽ{....}}
　　　　　　　　ゝ==彡i}　‘...V{ー'|__!:.:.|....i..／!　　　　　　　　ｲi:i:i:i}:.:.:.{:.:.}ー'、-
　　　　　　　　 ヽニニ|　　ゝ{:.V:.i:}:.〉:.|__i/:i:,ﾊ__＿　　　　　 {i:i:i:i:{_:.:.:.:ﾊ}
　　　　　　　　　　Ｖニ!　 　 .|:.{__/.:′_/i:i:i:／{ﾆ＼-_、　　　∨i:i:i:i〉:/_/
　　　　　　　　　　 Ⅶ_ト､　　ト:.!:.:/:./´i:i:ノ:〉.:.ヽ_,ハ=-_、　 　Ⅷ:i/.:.:./
　　　　　　　　　　　}ー{ぅ}／ニヽ.イ!:.:}!:.{_／￣i:i:i＿_、_{ヽ 　 j:i:/:..:./
　　　　　　　　　　,ノｰv／ニニﾆ/⌒ｰｧ:./......./::::{＼:.:＼　ヽ_(i:i:iヽ./
　　　　　　　　　　ヽ.／ニニﾆﾆ/....../⌒:{....../{乂_V:.ヽ...イ⌒.:.:./V
　　　　　　　　　 ／⌒ヽニ=-,/........{＼.:.:}-へ.V/ ィ⌒＞ｰj!:.:./::{_!
　　　　　　＿ ／.:.＼:.:.:j!::::／′__ノ.:.:.}ヽ'　　　 /У＾／／...)ｰ､::::}
　　　　／⌒/ゝ------.イ /.....i{:./.:／　 　 　 /イ,／／/＾/__ノヽｊ__rｰ...､
　 　 〃:::／′／／￣￣ /ー_／ｲヽ　　　　　　　￣　/／＼ヽイ-{{:.:.:.{::.ヽ
　　　{{:::::{..{!../....{￣≧=-.′/イ}! ＼}　　　　　　　　　　{:::.＼:￣{!..{{:.:.:.{::

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シュクヴァール、リンドヴルム、ミセリコルデの間に回線が開かれる。
この回線の間に割って入れるのはなのはだけだ。

ノーマル隊も上がるが、それでも周囲警戒、要するに露払いだ。
群がってくるMTやノーマル戦力の相手を任せる分にはいいだろうが、
ネクスト戦に巻き込まれればひとたまりもない。

必然的に、連携を取って戦うのは自分たち四機のみとなる。

「さて、初戦はどんなネクストが出てくることやら。
とはいっても、大分限られちゃいるがな。
お抱えのトップランカーを初手からぶち込んでくるか、
様子見の木っ端傭兵ってとこだろうよ」

クーガーが冷静に予想を立てる。

今、旧北米エリアにて、自分たちの討伐隊が集結しつつある。
声明の位置情報におびき寄せられた敵部隊の大軍だ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5367： ◆x0SRSoJXe.：2022/11/24(木) 20:42:54 ID:4KuZyxyI0

　　　　　　　 　 _,.　-ｒ‐､
　　　 　 　 ,∠ ―　,ｒヽ)ﾉ　　 ‐　、
　　 　 　 / 7　‐-,. ( ）'ﾉ　　　　　　　 、
.　　　 　 i　; 　 ,‐!ノ'ノ　 ｀/　 　 ,. -
.　　　 　 '　:,_/〉-,ノ　　 ./　 　 /"　　　　ヽ
.　　　　　ｒ/_.'-‐' 　 ＼ .'　　　/　／　 　 !　､
　　 　 　 `! !.　　　 ､,.ヽ!　　_./／' ,. ｨ　 i　! }
　　　　　　', !　　　 /､ﾉ|　　 .た!ヽヽ/ ノ'　;.ﾉ
　　　　　　　、 、　,ﾍヽ.l 　 l l　　　´　,/,ｲ/　　　　　　　　　なんであれ構わん。
　　　　 　 　 V/＞/∧ l　　!l.　　 　 {.'　.l
.　　 　 　 　 _l'/////∧l　　l|　　､　,.ゝ　l　　　　　　　　　　 弱い敵なら蹴散らす。強かろうと墜とす。
　　　 　 ,ィﾆ二二ニ_＜,.――--＜!　　l.|
　　　　 /二二二二／::::::::::::::::::::::::::::＞､i|　　　　　　　　　　 最強のイレギュラーネクストであるシュクヴァールに、
　　　_,./＞''" -=／::::::::::::＿＿:::::::::::::::::/}
― /ﾆｉ.lニニﾆﾆ{::::::-:::￣::::::::::::::::ヽ:::::://　　　　　　　　　　　ネクスト戦役の生き残りにマーシフル、そして私だ。
::::::i=ﾆ!.!二二ﾆ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::; '
:::::l=ﾆｌ ｌ二二/:::::::::::::::::::::::::::::::;::::::::::;:〉　　　　　　　　　　　　　　この面子で勝目のない敵というのもそうはいまい。
::::lﾆﾆl ｌニﾆ〈::::::::;:ィ二ニ=_､,､::;:::::::jム
::::!ﾆﾆ!.ｌ-=二';:::://:::::::::::;::ﾆ//ヽ::::/ヽ!ﾑ
::::!/ ,イニ=-__ヽ/:::;ィ////////＼ニl.!ﾆ!
::::l'/ニニニニ＜/////////＞!/∧=!l=l
:::::ﾏﾆ二二ニニ!＞_､//／////＞,/｀マ
:::::::ﾏﾆ二二二ﾆﾑ＜///////＞'"////＼､





;:::＼.　　l　　 ／::::;:へﾍｿ'"　　　　　 　 　 　 |／::::::::::::::::,::
ﾞ､:::::::ヽ､,〉 ／:::::／　　　　　　　　　　　　 _,,.　＼::::::::::::,:'::::
ヾ､::::::::::/./::::::;:'ﾞ　　　　　　　　　　　_,,.=＝ヽ､　 l:::::::;r‐､::
　＼::::::;ﾞ/:::::,:'ﾞ,,_　　　　　 /　　　,,.z''"´_,,,,.´￣　|::::::|'"ヽl:
　　'yヾ/::::;/''‐-ヽ､.,__ヽ　l､_,,. ‐',.-'''"´ ﾟ　/　 　 !::::l! 〉 /:
　　 l !/:::;/ヽ￣｀`・‐｀"　 ヽ.　 ´`'‐--‐‐'ﾞ　　　 |:::/!/,/:::　　　　　　　　言うねえ、元ランク3は言うことがちげえ。
.　　 Y::::/l　 ｀'‐-‐''"　 |　　　　　　　　　　　　　 |/' /ﾞ::::::
　 　,'::::/､ﾞ、　 　 　 　 ｜　　 　 　 　 　 　 　 　 !‐'ﾞヽ:-､　　　　　　　　　けどな、同意だ。今の俺らを止められる奴なんざ、
.　　l:::/　k,ヽ,　　　　　　l　　　　　　　　　　　　 l　　ノ,.､‐
　　|::;'　〈ヽ,　ヽ　　　　　!　　　　　　　　　　　　|　 ／　　　　　　　　　　　　そうそういねえだろうよ。
　　|:l.　　ﾞ､ ＼.|'､　　　ヽ､,__,／　　　　,,./　　_,'.-'"
　　|!　　／! 　 ヽ,､　 ‐----‐‐''''''''''"´ 　 r''"
　　!-‐''ﾞ　 ',　　　l｀ヽ.　　｀''''''''""　　　　 |　　　　　　　 /
'"´　　　 　 ﾞ､　　.|.　 ﾞ､　　　　　　　　 ／!　　 　 　 　 /

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アルトリアとクーガーが不敵に言ってのける。
無謀さなどとは程遠い、確かな実力と実績からくる気勢だった。

確かに、この二人はとんでもない強さを誇るリンクスだ。
政治的配慮を抜きにすれば、この世において最も強力なリンクスの部類に入る。

今までの歴史を紐解けば、こんな戦いはすぐさま鎮圧されていただろう。

けれど、圧倒的な個によって大勢をひっくり返すネクストがいる現代において、
この状況は無謀でもなんでもなかった。

国家解体戦争がいい例だ。
百どころか五十にも満たないネクストACによって世界がひっくり返ったように、
たった四機のネクストでも体制をひっくり返せる。
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5368： ◆x0SRSoJXe.：2022/11/24(木) 21:06:55 ID:4KuZyxyI0

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　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:|斗ぅ＝ミ :|:.:.:.:.:|ｧう＝ミ: |:.:.:.:|:.:.:.:.: |　　　　　　　　……不安？
　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:{　)いﾊ　从:.:.:.:.|　)いﾊ Y:.:.: ﾉ:.:.:.:.: |
　　|:.:|:.:.:|:.:|ﾍ:.人:.:.:　乂;;ツ　　 ＼:.| 乂;;ツ 从:.Λ:.:. /:.|　　　　　　　　「まあ……少しだけ」
　　|八:.:.|:人:|:.＼＼ト''　　　　　　　　'''　　/:.:.:/　}:.:.:.:.:.|
　　 　 ＼ 　 |:.:.:.:.:.八　　　　 '　 　 _,　　 /彡/_,ノ:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　八:.:.:.:.:.个　　　｀　　　　　　 イ:.:.:.:| :.:.:.:. |:.|
　　　　　　 /:/:.＼／￣　　　　 　 　 ＜ |＼__:.:|:. /:.:八|
　　　　　／:/⌒∨ :. :. :. {＼＞r≦.　　ノ| : :. :. :. :.＼:.:.:|
　　　 ／:.:./ :.:.:.: ∨:. :. Λニ=‐‐=ﾆﾆﾆﾆ|:. :. :. :. :. :./:.八
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　/￣￣/::::::::::::::::::::∨　　　Ｖニ＞''´　　|:: :: :: :: /::::::::::∨__
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: : : : : / : : : : : : : : : : : : : : : : : ; : : : ; : :ﾊ
: : : : /: : : : : :/;_:_:;: : :/: : : : : : :∨: : ∨: :!
: : : ::{: : : : : : {´｀´｀∨: : : : : : : : ∨≪∨:{
: : : ::|: : : : : : | _,．--}:-:、 : : : :; -:∨≪Ⅵ
: l : {:!: : : : : : !´　　__l! ∨:|ﾍ : }从: }: : : |ﾘ
: |:l:从: {:-: : ::ﾄz====㍉,　　 }/__,ﾑ:| }: : |
: |:|: : {｀ヽ ∨:!ゞ辷:ノ　　　 （ ´¨´八.!::从　　　　　　　　贅沢なやっちゃなぁ。シュクヴァールとリンドヴルムを侍らせといて、
: |:|: : ｀ヾ_- ., 　　　　　　　　,　　 .: : : ト 、
: |:|: : ∨: 〉く: 、　　　　 __ .,　　.ィヘ:_:_、｀ヽ　　　　　　　それでもまだ不安ちうんかいな。
::介∧ ∨{　 Y: ＞、 　 ￣ ＜: :{ ゝ_ィ^ヽ.
:{ .l: :∧ ∨:＼）: }ヾ:、/￣_Y二ﾆrｆ´｀ ｀　　、　　　　　　　……いけるて。根拠とかは、あらへんけど。
:| .|:∧　＼{~ ‐}:l:!　 >‐ミ {_|＿　{ﾉ^ヽ　　 　 、__
ゝ/　∧　　　　 |ﾊ./三三∨￣ ｀ヽ. ハ　　 　〉:::::Y
_/　/ ∧　　　 /　}!ゞ三三≧--=ﾆﾆﾆ{ト-::イ:::::::::!
.　　 /　 ＼.　/　 .!::::::＞:..寸二〉::::>:::::｀ヽ:::::::::::::::|
,-=ミ　　 　.У＿.」::::::::::::::::＞<::::::＼:::Y::::::::;::::::;ノ{
　　　｀ヽ　 {　　　.|:::::::-＜::::::::}::::＞::Ⅵ:::::::::::Y:::::::l、
　　　　　　 l! 　　 !::::::{:::::::::::::└::―:-Y::o::::::::}::::::::|::＼
　　　　　　 l!　　 ム::∧::::::::::::::::::::::::::::｀::、::::::|:::_:::_::_:::::
　　　　　　 l!　イ::::::::::::::＼::_:_::::::::::::::,::-::‐'::´:::::::::::::::ト、

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同じように、ミセリコルデに乗って射出レーンへと降りてきた
はやての声が聞こえてくる。

強がるべきかどうか迷っている間に、口からぽろりと弱音が転がり出た。
張り詰めていた神経の糸が緩むのが感じられる。

はやては柔らかい声音で、自分に言い聞かせるように、断言してみせた。
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5369： ◆x0SRSoJXe.：2022/11/24(木) 21:12:18 ID:4KuZyxyI0


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　　 　 　|_|　V ﾆ=-＼ﾆ-_　　　　　　　　 　　; : { .: | :|.: .: Y　ノ狄.: .: .: | ⌒7ミk､.: |/.: .: /.: :|.: .: |
　　　 　 乂､,,)＼}ニニ＼ﾊ　 　 　　　　　 　 |.:八.: |八.: : 乂∨ﾂ ＼ .: |　ノ狄( ﾊ:/.: .: /.: .: |.: .: |　　　　　　　　心配いらへんよ。
　　　　　　 ＼ﾆ}〕トミﾆﾆ 八 　 　 　 　 　 　 |　　〉:|.: .:＼:.(_' ' 〈ｉ　　＼　乂少' ノ : .: /'Y.: .八.: :|
　　　　　　　　 :､ﾆニﾆ＼ﾆ.ﾊ　　　　 　 　 　 　 /.: | .: .: .: {⌒　r.　　_ 　 　 ' ' ／ : .:/ ノ.:.:/.: .: .:|　　　　　　　　今度は私も一緒に飛ぶ。
　　　　　　　　　 ＼ニニ Y /〉　　　　　　　　　.: .: :|.: .: | 八　　∨ ::::::)　　　⌒7:.:.:/.: .: .:/.: .: .: :|　
　　　　　　　　　　 〈-=ニニ人　　　　　　　　　| : /|.: .: |.:.:.心 　　‐-　　＿_ ／ : /.:.:／/.: :|.: .:.:.|　　　　　　　　　それに、帰ったらやりたいこと、
　　　　　　　　　　　 |ﾆﾆ=---=）　　　 　 　 　 | /八.:.:.:|.: :|:／＼__ 　 〈⌒∨:／/.: .: .:/.: .: |.: .:.:.|
　　　　　　　　　　　 |ニニニﾆ〈　　　　　　　　 :(　　＼.: .:几￣　_〕＿__＼ |:/／.: .: .:∧.:|.: | .: .八　　　　　　　　　色々あんねやろ？
　　　　　　　　　　　　|~''‐-=ﾆﾆ〕　　　　　　　　 ＿__.､-'' 〕 |＼　〕ニニﾆ〕.|:/.: .: .::.:/／ |.: |＼ .: .＼
　　　　　　　　　　　　|　　　　|　　　　　　　　　/ ／　|＿,,〕 |／_>|o __,／〕 .: .: .: ／　　 .|.: |⌒|.: .: : |　　　　　　　　付き合ったるさかい、
　　　　　　　　　　　　|　　　　，　　　　　＿_／ ´　　 |　____.j_|_/.人 {　　 厂|.: .:/ |＼_／|.: |　 |.: .: : |＼
　　　　　　　　　　　　|　 　 　 '， ____r＜￣￣￣＼　＼|.　　 /ニ＼T彡〈　 |.: , 　|　 |　人:八｜ : : 八　　　　　　　　ちゃんと生きて帰るで。
　　　　　　　　　　　　|　　　　　V／＼　 ｀`〜､、　＼　|　 _　-‐-ミ)|〕ﾆ∧八 (　 |　 |　 ＼　 ﾉ.: : /　 )
　　　　　　　　　　　　:.　　　　　 :　　　＼　　　　　　　_.-ﾆ <＼-　_ -=＼∧.:＼　|　 |　　　 ⌒T彡
　　　　　　　　　　　　 '_　　　 　 }　 　 　 ＼-----／-=ﾆ／＼,)-=ﾆ=- 〈＿， 　 |　 | 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　'_　　　 ノ　　　　 _　 -=ﾆ７-=ﾆﾆ〔／-ニニニﾆ=- | 〕. 　 |　 ＼　　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　 '_＿　　 --=ﾆ~　 　 　　〔-=ニ= {-=ニニニﾆ=- _　 〕 　 |　　　＼　　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　| |　　　　　　　八-=ﾆ=- _ -=ニニニ=-_　 〈_____|＼______ ＼
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はやてには見えないだろうが、力強く頷いてみせる。

前までは、死にたくないという理由だけで、生き残っていた。
今は違う。死ねない理由がある。守るべきものがあって、欲しいものがある。
自分には、生きる意味がある。

死ぬ気もないし、味方を死なせる気もない。
はやてと、アルトリアとクーガーも一緒に、全員で生還する。
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5370： ◆x0SRSoJXe.：2022/11/24(木) 21:20:06 ID:4KuZyxyI0

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　|!　 　 　 　 i!::..　　　＼', : : : : : .` ＜　　　　　　　　　　　　　＞. :´: : : : : : :/／　　 　 .i!::..　　　　　　,j　　　　　　ハッチ開放を要請。
　|!.　　 　 　 i!:..　　　　　 ', : : : : : : : : : :｀: .＜　　　　　＞. :´: : : : : : : : : : : /i　　　　　 .i!::..　　　　　　,j}
　|i　　　　　 i!::..　　 　 　 ∧ : : : : : : : : : : : : : : :｀¨¨´ : : : : : : : : : : : : : : : / .!　　 　 　 i!::..　　　　　　,j}　　　　　　 ネクスト隊、出撃する。
　|i　　 　 　 i!::..　　　　　,'　.', : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/　 i　　　 　 .i!::..　　　　　　,j}
　|i,　　　 　 i!:..　　　 　 ,'　　 ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :,ｨ'ﾟ 　 .! 　 　 　 i!::..　　　　 　 ,j}　./　　
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:.',!|!,　　　　i!::..　　 　 ,'　　　　j}　|＼三>､: : : : : : : : : : : : :。ｓ≦／　 |　　　 .|　 　 　 .i!::..　　 　 　 ,j} ./
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::/il∧!,　　 i!::..　　 ,'　　　　　j}　i! :::::::|　　 　 　.｀¨¨´　 　 ./::::::::::::i!　i　　 　 |　　 　 .i!::..　　　　,j} /
,'ililili∧i, 　 i!::.. 　 ,'　　 　 　 j}　i! ::::::::!　　　　　　　　　　 /::::::::::::::i!　i　　 　 .!　　 　 i!::..　　　 ,j} /

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「了解、ハッチ開放！　海上から出たら沿岸部を目指して！
敵狙撃機からの遠距離攻撃も懸念される、オーバードブーストで飛んで！
誰一人欠けることなく帰ってくること！」

なのはのはきはきした指示に背筋を引き延ばされる。

この戦いは、一国の主に捧げたり、何らかの思想に殉じて命を投げ出すものでも
なければ、因縁や憎しみを清算するために敵を皆殺しにするためのものでもない。

生きるために、戦うのだ。
生き残らなければ、意味がない。

それを、この場にいる誰もが理解していた。
捨て鉢になっている者など、一人としていはしなかった。
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5371： ◆x0SRSoJXe.：2022/11/24(木) 21:20:20 ID:4KuZyxyI0
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5372： ◆x0SRSoJXe.：2022/11/24(木) 21:25:39 ID:4KuZyxyI0

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三三三三三三三三三三三三三三ニ=-　＿＿__／＿　　--　‐‐==ニ三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三

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入道雲を切り裂いて、ネクスト四機による編隊を組みながら飛翔する。
本来、ネクストでの飛行に編隊も何もないのだが、
足並みを揃える意味での編隊飛行だった。

PAがオーバードブーストの空気抵抗で拡散し、雲がカメラアイに直撃する。
微かに視界に霜が奔る。かなりの高度での飛行だ、無理もない。

このまま雲を突っ切りながら飛び、少しでも狙撃の危険を減らす。
スナイパーライフル程度の狙撃であればまだ耐えられるかもしれないが、
コジマキャノンでも向けられた日にはたまったものではない。
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5373： ◆x0SRSoJXe.：2022/11/24(木) 21:50:48 ID:4KuZyxyI0

　　　　　　　　　　　　　 ゝ ミメ＼　　ゝ┤jI斗＼ rfx ＼ヽ＿＿＿|￣ ¨ ' ─ --　=　ｧ
　　　　　　　　　　 _､rf〔 ＞x_,.｡`､辷!:|:::i 〉-{{} i::!:YヽY　＼---x　r─‐/￣￣￣￣￣
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　　　　　　 ー─ ｾｱ　　　　　 x＿` ∨ L// /j八ﾉ二二 ○ ｨ┤　} )¨ ヽ
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　　　　　　　　　　　　　　　 { フ　ﾊｰ''~¨7 iI i .i¨7　7　　　　　　　　 ヽ ＜ 　 }
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　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ⌒ｰ-’　　ﾊ i ./ミ」 7-ゝﾉ　/　　　　 ゝ-弌／
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ただ、その中でも、ミセリコルデが他の三機に遜色のない速度で
飛行しているのは意外だった。

オーバードブースト中、推力の差で置いてけぼりになるのでは、
と内心では心配していたのだが、どうやら杞憂だったようだ。

白い隆線的なフォルムの装甲はマーシフルとよく似ているが、
背部の追加スラスターユニットが決定的な差異となっていた。
戦闘機を背負ったネクスト機、といった風貌にも映る。
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5374： ◆x0SRSoJXe.：2022/11/24(木) 22:04:15 ID:4KuZyxyI0


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　　　　　　　　　　　/: : : : |: : : : ､: : : : : :', : : : :ヽ : : i: :',
　　　　　　　　　　 /: : :.:rｬ!: : : : : ヽ:_:_:_: :i: : ',: : :', V ',: :､
　　　　　 　 　 　 ,: :.i: : :!　 '; : : : : :´',ヾト､ﾄ:;ハ: : ',〉 〈!: : ',　　　　　　　　意外や……旧式のパーツの寄せ集めやさかい、
　　 　 　 　 　 　 !: :.|: : | -‐.';: ヽ: : : :Vf＝ミ､. |／|/ヽ{: : :',
　　　　　　　　　 |: : |: : :!　,r= ミ ＼: : !.ん心 》|／!: : :.|: : :.i　　　　　　　　出力は期待できへんやろ思うてんけど……
　　　　　　　　　 |: : |: : :! 《 .ｨ心　　｀¨ ゞ..ソ　 !／| : : !: : :.|
　　　　　　　　　 |: : :',: : ',.　 ゞソ ､　　 　, , ,　 ,: : :! : : |: : :.!　　　　　　　　他の三機にも追いつけとる。
　　　　　　　　　 |: : : ヾト-　, , ,.　 　 　 　 　 /: : /|: : :.!: : ;
　　 　 　 　 　 　 '; {: : :| ハ　　　　, - .､　　 /: : /: i : : |: :/
　　　　　　　　　　.ヾ:i:.:|　|:.ヽ　　　　　　　 /イ＞== ミ:､/
　　　　　　　　　　 |:.ﾊ.:!　|: : :＞.　　　　　　／　　　 　 V
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: : : ::|: : : : : : | _,．--}:-:、 : : : :; -:∨≪Ⅵ　　　　　　　　　よーし……やる夫君、援護は任せとき。
: l : {:!: : : : : : !´　　__l! ∨:|ﾍ : }从: }: : : |ﾘ
: |:l:从: {:-: : ::ﾄz====㍉,　　 }/__,ﾑ:| }: : |　　　　　　　　　　私は君の支援機や。
: |:|: : {｀ヽ ∨:!ゞ辷:ノ　　　 （ ´¨´八.!::从
: |:|: : ｀ヾ_- ., 　　　　　　　　,　　 .: : : ト 、　　　　　　　　　 上手くつこうてな。
: |:|: : ∨: 〉く: 、　　　　 __ .,　　.ィヘ:_:_、｀ヽ
::介∧ ∨{　 Y: ＞、 　 ￣ ＜: :{ ゝ_ィ^ヽ.
:{ .l: :∧ ∨:＼）: }ヾ:、/￣_Y二ﾆrｆ´｀ ｀　　、
:| .|:∧　＼{~ ‐}:l:!　 >‐ミ {_|＿　{ﾉ^ヽ　　 　 、__
ゝ/　∧　　　　 |ﾊ./三三∨￣ ｀ヽ. ハ　　 　〉:::::Y
_/　/ ∧　　　 /　}!ゞ三三≧--=ﾆﾆﾆ{ト-::イ:::::::::!

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心なしか、はやての声も張りのあるものとなっていた。

かつてはなのはの影に隠れてばかりだったそうだが、
何度か協働した中で、それが全てではないことは身をもって理解している。

彼女のミセリコルデは、かつてのそれとは違うだろう。
この三機と比べても遜色のない、ランカーネクストと同等と見ていい。

「前方に敵機多数、交戦開始！
シュクヴァールとリンドヴルムはブリーフィング通りに直進、降下！
マーシフルとミセリコルデは火力支援！
随時、遅れてノーマル隊と艦載機部隊も上がって加勢する！
今のうちに敵戦力を削って、ネクスト機を炙りだして！」

なのはの号令と共に、レーダーの前方部分に大量の赤い光点が表示される。
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5375： ◆x0SRSoJXe.：2022/11/24(木) 22:13:26 ID:4KuZyxyI0

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分厚い雲の層を突き抜けると、眼下には無数に聳え立つ高層ビル群の
残骸が広がっていた。

汚染に晒され、人の手が入ることもなければ
自然に侵食されることすらなく放置され続けた摩天楼は、
かつての面影を残すばかりの廃墟となり果てていた。

その隙間を縫うように、蟻の群れほどの大きさのノーマルやMTたちが闊歩している。
部隊単位ではまとまっているようだが、SI製フレーム、IGIO製フレームなどまちまちだ。

ビルの屋上やヘリポートにもノーマル隊が展開されており、
ネクスト規格と見間違うほどのスナイパーキャノンを膝を突きながら構えている。

即席で展開した戦力としては、かなりの気合の入りようだ。
企業連体制に泥をかけた結果としては妥当なのかもしれない。
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5376： ◆x0SRSoJXe.：2022/11/24(木) 22:37:14 ID:4KuZyxyI0
　　　　　　　　 ┌─-, . ‐´￣￣　 ｀"'ｰ､
　　　　　　_-‐┐'"~´ 　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　 ｌ::..／　　　　　 _-　　　　　　　　　｀ﾞ ､
　　　　／`/　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　:ヽ
　　　丶:::/、　　　　/　　　 　 l　　　 　 l　　ヽ　　 :ヽ
　　　 /`/、ヽ /　 /　　　　　/　　　l.　 l　　　ヽ　　:::ヽ
　 　 <:::/　ヽ/　 /　　　　/ /　　　/ 　 ﾊ　l　　l　::l::l:::ｌ
　　　 ﾍlヽ／　　l　　　　/ /　　　/ | 　l. l　ｌ 　:::ｌ:::::l::l::l
　　 /::::l.:/　　　 l｀＞ト ､_/　　／　/ /　l　ﾊ　:::ｌ:::::l::lﾘ
　　 ヽ／　　　　 l　/r-ﾃｪ.､ﾐﾄ ､　/ /　/　l,＞''7:::/l/　　　　　敵戦力、目視で確認した。
　 　 /　　　　/　l/　', {. {}　l　ヽ_ﾞン　 /,ｨ,.r-, /レ'、　
　　/　　 　／l ./ﾄ, 　 ヽ.. ノ,.　　　　 　 ｲi;ﾘ '/::::::::ﾊ　　　　　　アサルトキャノンを起動する。
　 //　 　/ヽ´/ .l 丶　｀￣　　　　　 　 ゝ'_ /ｌ:::::::::ｌ::l
　 l::ｌ　　/ 　l .lヾl::::::::ゝ　　 　　　　　 l　　 ,　ｌ::::::::ﾊ::l　　　　　　巻き込まれるなよ、シュクヴァール。
　 ﾚl　 /　 　l l　| ヽ::ﾞｰ'´/　　　　_　　　ノ　 ｌ:::::::::ｌ ｌ:l
　　 l　ｌ　 　rヽl――｀:ｰ┐:ﾍ 　´　｀ ／　 　 ｌ::::::::/ ｌ:ｌ
　　丶l　 　 |:::::::::::::::::::::::::|丶､ヽ　イ--「:|　 /:::::::/　,ﾘ





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_,,.ゞ､::::::::::, イー::、:::::::::::::__,,.. ．-‐
: : : : ｀:／:::::::::／: '~" "'´　　　　 /
: : : :／／:::／　　　　　　　 ,ｲ{ .く
≧ｘ／::::／::」　　　　 　, イ:::::く_　}
ー/:::,／=＿,．､＿,x≦:::::＞――ア　　　　　　　　　はて、誰にモノ言ってんだ？
=/::/ニニニ｝　}ニニニニニニｱ::|
/::/ニニニｱ　ハニニニニﾆ,-く:: !　　　　　　　　　　俺がそんなノロいもんに当たるわけねえだろ。
::/￣￣ ﾗ′./　　｀¨¨¨ , イ　.ィ:,' !
/｀ : : :./　 ./ j　　　, イ　 ／　}:r_'ノ:::　　　　　　　　　好きにぶっ放しな。
_ゞ: : :/　 ./ 〈　 .／ 　 ／　　 .,ｲヽ: /
: :∧/　 ./: : :.／　　／　　 , ｲ　,ｲ : :
. ｒ-'　　ゝ､／　　／　 , イ　, イ: : : : {
. ｊ　　 r　 　 , イ_＞ '　 , イ: : : : : : :/
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5377： ◆x0SRSoJXe.：2022/11/24(木) 22:37:24 ID:4KuZyxyI0

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「俺も好きにやらせてもらうからよぉ！
散々っぱら武装やら何やら縛りつけられてここまでやってきたんだ、
気が済むまで暴れさせてもらうぜ！」

クーガーが堰を切ったように叫ぶと、シュクヴァールの両手、
正確にはマニピュレーターの爪にあたる部分が帯電しはじめた。

それを薙ぐような動作を行った瞬間、両手から青白いレーザーが一斉に放たれると、
地上に隕石群のように降り注いでいくのが見える。

途端に圧巻だった眼下の兵器群が熱線の雨に撃たれ、赤熱し、
爆炎を上げて弾け飛んで行った。
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5378： ◆x0SRSoJXe.：2022/11/24(木) 22:42:34 ID:4KuZyxyI0

　　　　　　 　　　　〉{　 ///〉　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Ⅵ{_ 　 　 　 ｝l:｛　　 ＿_
　　　　　　 　 　 ノ};j　/ ル'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ヾlヘ 　 　〈〈リ　／ ⌒ 丶
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　　　　　　　 　 ⅱﾟ｛｢　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 Vl ヾl　,以.　　　 　 //
　　　 　 　 　 　 ﾍヽ}｝、　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　／ 　}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l｛　l｝'ｲ ヾ〉 　 　 //
　　　　　　　　　　｀｝Ⅹ　　　　　　　　　　　　　 , ´ l　　′ 　 ′　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 XVl｝ l{　　　 　 //
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　 　 　 　 　 ,ｘ　＼　　 _／./　 　 　 ｒベヾ　 /　　 ; ′ 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 //　 ll|　ｊ:ｌ:〉|ヽ //
　　 　　 　 / : :.┌〈 ヽ|　 ./ :ハ＜￣:＞ .ﾐ》/　　 /　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 //　　 l|　lﾉ　Ｌ://
　 　 　 　 ‐=＝≡｝ｌiｌ少〈_〈〉__.:. :. :. :. : : :}ﾒ＞ . /　　　 / 　 　 　 ｒ=ァキﾍ　　　　　　　　 　 　 　 //　　　《 ﾉ|　　//ヾ辷ヽ
　 　 　 　 {:. : : : /¨＼彡‐､､__〈.}.:.:.:.:.:.:.:. /ll: : : /:＞ .　/　　　　　 ﾚ´　　ヾ{､　　 　 　 　 　 　 　 //　　　　ヾ｛_　//ｌ|　 　 ｝|
　　　　　　Ⅶ　 /　 /| i ∧ :;:;:;:;' :.:.:.:.:.:.:/. :}{: :/ : : : : : ＞ .　　　 / 　 　 　 Vト､　 　 　 　 　 　 //　　　　　 ｀ヾ//ノ{　　　V|
　　　　　 ノ´ / 〉 ././ﾉｌ .∧;:;:;:':.:.:.. 　 /　:ヾ{/: : : : : : : : : : : :＞ li　 　 　 　 廴》 　 　 　 　 　 //　 　 　 　 　 // ヾ｛ 　 　 ｝〉
　 　 　 ,//　｢l｀.i./　　　｀¨´.':.:.:.:.:.:.:.:./.: 　 :∧: : : : : : : : : : : : : : : : ＞ .　　　Ⅵ　　　　　　　 //　 　 　 　 　 //　　 }廴　ノ´
__　≠ ラ'　ｿｲ　　　　　 !: : : : : : : : /: : : : /: :ヽ.　 　 : : : : : : : : : : : : : : : ＞ .｝ﾊ 　 　 　 　 //　 　 　 　 　 //　　　 Υ￣
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＝‐ '' ＾~￣´　　 ｘ＜＞ ´　　　　　　　　　 　 　 ,ｲ{　　 　 　 　 　 　 //　　　 　 　 　 //　　　､ﾄXハ　 　 　 　 ヽ/ ｀　＜: : : : : : : : : : : : : : :
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≦　 ´　　 ノ/´　　　　　　　　　 　 　 ／＞ ´　　　　 　 　 　 　 　 {｛　　　　　　／ '　　　　　　 　 川 ｝ Ⅶﾇヽ　　　}ﾊ　　　　　　　　　 ｀　＜: : : : :

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更ダメ押しと言わんばかりに、その頭上からリンドヴルムがアサルトキャノンを放つ。

プライマルアーマーが圧縮され、大気を歪めたと同時に、
コジマ粒子の奔流が光の柱となって地上に突き立つ。

余波で姿勢制御が持って行かれかけ、視界も奪われる中、
凄まじい勢いで減っていく赤い光点が結果を語っていた。
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5379： ◆x0SRSoJXe.：2022/11/24(木) 22:51:30 ID:4KuZyxyI0

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　　ヽ　　 　 　 / ////＼//// //¨7‐/-=二三　　　⌒ヽノ,＼)　ﾉ⌒V⌒ｿ⌒ヽ(::　'　　乂⌒ヽﾉ :|┌┐ ＿　　￣ └:く＼　 |,,_|
　　　 　 　 　 / /＼////＼/ //¨7‐/-/,_ΞΞ　ﾉ　　ﾚ　　そ｀'<: : : )<⌒X二二-_ 　 ∧　_,　}　:|└┘ ∟]　 冂 ┌┐＼＼
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　　 ノ＼ノ（'////＼//// //¨7‐/-/,_//_,/^7ｰ/　　′　 　 （＼(＼（ /廴ノ＼>/ﾆ7　}ｨ㌍==〈/'|┌┐ ___　／丶,凵　 |,,_|,/:::/
)｀¨)＼　　 )'＼////＼/ //¨7‐/-////_,/¨7＜_　°　　⌒ ,二ﾆ=-//し<＼ // |// ./-//〉二/:|└┘ Ｌ／:::／　‐　　＿〈_,/　／
　Ｙ　　　　　V/＼//// //¨7く三彡//_,/¨7‐/-∧ノ　<＼　 )'/////‐く＼＼/川/{_/^7//,＼∧|┌┐／: ／ ┘ 凵　 |,,_|　 ／／
　 しﾍ　　　　)_ノ/＼/ //¨7‐/-/_,//_,/¨7‐/ﾆ7(__>(_　(＼>(＼///__)　＼＼>(八〉Ｌ∧/7'〉 ＼|└┘[:／ ┌┐　-　 ___,　<／└
　　　廴　　 　 (,ノ7/ //¨7‐/-/=//_,/¨7‐/-/ｒう7ﾗﾗｧｰ 从ﾉ< ＼)　　＼):＼)　＼ノ(ノ∨/ ＼.:|　/^＼,　 └┘ 凵　 |,,_|　/ 〉┌
　　　　⌒ヽ　 　 // //¨7‐/-/_:// へ /‐/-Ξ==㌍ミ　 (ノ(//＼ ＼　　)＼:::)　　　 　 〈/　＼)| 〈///∧, ┌┐ ＿　/＼　∨ └／
: : ,;'´ 　 　 ;　 (/:/ //¨7‐/-/_://く／/‐/ :/=V¨7‐/ /　_＞〜ｧｧく⌒　　'⌒´　　　 |￣|　　　　|┌V//'∧└┘ 凵 /　 /┏‐ ／／
: :(　　　　_ﾉ　　:/ //¨7‐/-/ ://_,/¨7‐/- ＼/ :ﾉ｀¨´(　ﾉ　 γ(　　}　　　'　 　 ／＼|　 |く＼　.:|└∧// ∧口　ト../　 /ノ(　く／
: : : :. 　 /∧　　∨/_ノ'^Ｙ⌒ヽ/ :/ :/ :/ )＼ﾉ｀''^＾'〜'´￣(_ノ　　 ノ　　° 　 　 ＼　＼ |/＼＼|┌┐:V//∧人ﾉ /＿/　　｀¨⌒7
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／￣>. . : : /__>'ﾞ .／〉　　　　　　＼＼　　　　　　　<／　　　iｌ　　　　　く＿／　　/／　 　 )＼:::::::::::: ＼) ／　　／|: : | |ﾉ　　`
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轟音を立てて、北米大陸の栄華の残骸が崩壊していく中、
ミセリコルデと共に高度を保ったまま飛翔する。

今ので既に展開していた部隊の大半が消し飛んだが、
それでもまだレーダーに映る赤い光点は増え続ける。

近くに母艦となる輸送機でもいるのだろう。

「前方から敵航空機部隊、及びノーマル部隊の増援を確認！
各機殲滅に当たって！」

なのはの言葉が示す通り、これだけの破壊の後でも怯むことなく、
地上にも空にも敵機の群れが躍り出てくる。

今の一撃で、突かれた蜂の巣のような騒ぎになりつつあった。
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5380： ◆x0SRSoJXe.：2022/11/24(木) 23:03:01 ID:4KuZyxyI0

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　　　　　　　　 ./ .j/　 ヽ!

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張り詰めていた空気に、更なる緊迫が奔った。
ネクストが六機も待ち構えているなど、通常の事態ではありえないことだからだ。

そして何よりも、これでネクスト機での数的有利は向こうにあると分かった。
幾ら個体戦力が高くても、数の差は大きい。

シュクヴァールとリンドヴルムが衝撃波を巻き起こしながらOBで突貫していく。

「手筈通りに俺たちで突っ込むぜ！　細けえことは空の二人に任せる！」
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5381： ◆x0SRSoJXe.：2022/11/24(木) 23:13:16 ID:4KuZyxyI0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／:::::::￣￣｀丶､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／⌒:::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::/::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::::.
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /::::/:::/ﾊ|:::|::::::|::::::::::|:::::::::::::.
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 :::::::::::＼　|:::|::::::|: |:::: |:l〉〈|::::::.
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ::|:::|::: |__＼八:::｣斗-::|:lΛ|:::::::＼　　　　　　　　こっからは乱戦や。
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |::|:::|:::Τﾋツ　 ＼ﾋツ |:ｌ:::::|:::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |:从|::从　 　 ､　　 u. 从::::||:::::::::＼:::＼　　　　　味方に気を配れるのは私たちだけやで。
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |::|::|＼:仝　　 　 　 イ＼::::||:::::::::::::)＼:::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八:|::|∠__ 　 ＞-＜::|　(:::|:::||::::::::::::::::::::::::::::::.　　　
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /Λ:|厂 ｢　 /l　 　 c〕|　 Ｖ:::ﾉﾆヽ:::＼::::::::八:::.
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 {(　／ 二| 　|:::＼_／::::| 　 イ!ﾆﾆ人::::::) ::/　 )ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／二二Λ　|:::::::| |::::::::|　/ /|ニニﾆ＼:::/
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 {＼二二/:::::::::::://:::::::: V /　|ニニニノ〉
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼____ / ::::::::::: | |::::::::::::::||　├―― 彡





　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.－' ￣￣ ' ｰ ､
　　　　　　　　　　 　 　 　 ,　'´ 丶. -――-　._　丶.
　　　 　 　 　 　 　 　 　 , '　,. :'´.: : : : : : :. :. :. :.ヽ, - .、
　　　　　　　　　　　 　 / ／.: : : : : : : : : : : : : :. :. :.＼ ﾍ
　　　 　 　 　 　 　 　 /､/.: : : : :._ :-: .:‐:. :-: _: : : : : :.ヽﾊ
　　　　　　　　　　 　 i　 l: : :_;.=＝､､:_:_:_:_:,:＝='-､: : : /　!
　　　　 　 　 　 　 　 l 　 l: [i　　 ＼_.､,　､__／　ヽl}: : l 　 !　　　　　　　　　後方に味方艦載機部隊、及びノーマル隊を確認。
　　　 　 　 　 　 　 　 ト､ l; i}´　（●）　　 （●）　{j: :/ ／!
　　 　 　 　 　 　 _, - i'´lヽl: [ｌ、 u. （__人__）　　/j: //＿｣_＿＿__　　　　　　やってやれないことはないお。
　　 　 　 　 ,. :':´: : ￣ﾌｰｽﾍ:ヽ>､ 　 ｀⌒´　 ,ｨノ:.//´＼: : : : : : : ¨ヽ
　　　　　　/-――-イ＿/: :i＼:ヽﾍ_,.ゝｰく∠／:./:.ﾍ.＿_｣-‐ '´￣¨ヽ:l、　　　まずはあの二人の火力支援だお！
　　　 　 ／ 　　　/个 　 ￣l 　＼: : : :＿_: : : ／ lー┘ 个＼ 　 　 　 ＼､
　 　 　 厶=x､.　 i　 |　 　　弋　　ヽ======イ　 /　　　｜　 i　 　 z=＝ ﾇ
　　　 ／　 　 ヾx|　 l　 　 　　丶、 |: : :|} 　 /_ノ　 　 　 l 　 /　／´　 　 　＼
　 .／＝=z､　　　l　 |　　　　　　三t!:_:_ｌ三ﾁ´　 　　　　l　 /! /　 　,r '二二¨」、

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
崩れゆく摩天楼の下を掻い潜る二機を見送りながら、
その周囲に殺到する敵ノーマル機の群れをターゲットサイトに納める。

ブレードの出力レベルを最大まで上げ、一機でも多く巻き込める位置へと
レーザーをエネルギーの限り連射する。
ミセリコルデの武装もマーシフルの装備している射出対応型レーザーブレードの
軽量版仕様ではあるが、一撃でノーマル機を消し飛ばすだけの威力はある。

後方からは潜水艦から上がってきた艦載機部隊と、
ディランディたちのノーマル隊が援護のために殺到してきていた。

赤と緑の大量の光点がレーダー上で躍り始める。

ここからはもう滅茶苦茶になるという確信が、
嫌でも湧きあがってきて抑えられなかった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5382： ◆x0SRSoJXe.：2022/11/24(木) 23:14:00 ID:4KuZyxyI0
今回はここまでだ。

次回は来週の木曜日、12/1の午後八時からとする。

シーユーアゲイン。

5383：安価のやる夫だお：2022/11/25(金) 01:34:37 ID:VqMt5Vic0
乙でした

5384： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/01(木) 20:06:04 ID:4mq/M2JA0
　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _l　　　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

5385： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/01(木) 20:10:49 ID:4mq/M2JA0

　　　　　　　　　_　_　_
　　　　　　　／: : : : : : ｀i
.　　　 　　　i: : : : : : : : : :!
　　　　　　　､: :○: : ○: :!
　　　　　　　 i: : : : : : : : : i　　　　　　　　　最近仕事の日は２〜３時間だけ眠って、
　　　　　　　 l: : :,, --_ｯ: :',
　　　　　　　 丶 ｀‐'´: : : :ﾉ　　　　　　　　　休みの日は目覚めては眠り目覚めては眠りを夕方まで繰り返してるモコイさんだよ。
　　 　 　 　 / ´: : : : : : : : ｀ヽ
　 . 　　　　/: : : : : : : : : : : : : ヽ　　　　　　　今日も今日とて驚異の六度寝ほど、合計睡眠時間は16時間弱と見た。
　　　 , -‐': : ,: : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　／: : : ,-ｲ: : : : : : : : /｀丶: : : :､　　　　　　でも体力は寝た分回復するわけでもないんだよね。人体って不便。
　 ｒ⌒ ,／　/: : : : : : : : i　 　i: : : : i
　 ` ‐ '　　/: : : : : : : : : |　　 ! : : : |　　　　　　
　　　　 　 i: : : : , _ -‐ ´,) 　 ｀ ヽ _|
　 　 　 　 (_ _i￣(_　-‐'´i
　　　　　　|　:|`‐´i : : : : |
　　　　 　 |: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
　　　　 　 |: : : : : |: : : : : !





　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　　　どっかしらでご飯休憩を挟むかもしれないが、そこはこの>>1。
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　　　いつも通りジジイの小便みたいなペースだから大差はなし。
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　　　初めていこうか。
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

5386： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/01(木) 20:42:02 ID:4mq/M2JA0
ごめん、ちょっと頭痛くてフリーズしてた。

5387： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/01(木) 20:48:11 ID:4mq/M2JA0

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│　　　|:./ .|:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:!:.ｉｲうﾐ　　　 　 {::::::::ら |:}:.:|:.:.:.:!´.ヽ:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　......│
│　　　|/　 !:.:.:.!:.:.ヽ:.:.:.|〃{:::j　　　　　 辷シ　!:.:./:.:./| ヽ.} |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│　　　　してたみたいだね。
│.　　　|.　　',:. | ',:| .|ヽヽ｀.ﾋﾘ　 　 　 　 　 　 /:/／:.:.:!　/: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│
│.　　　　　　ヽ|　ﾘ　!:.:.ヽ＼ ヽ　　　　　　　.〃|:.:.:.:.:./_/／.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　......│
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崩れゆく摩天楼の瓦礫が雨となって降り注ぐ中、
地上にプライマルアーマーによる大気の歪みが発生するのが見えた。

巻きあがる砂煙を円状に抉り、消失させている。

やがてそれらは、各々滅茶苦茶に動き始めた。
砂塵の中からおもむろにレーザーライフルらしき熱線兵器を放つ機体。
ひと先ず身を隠しながら移動を始める機体。
すなけむりを吹き飛ばして堂々と上空へと舞い上がる機体。

統率の取れた部隊とは言い難い光景だった。
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5388： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/01(木) 21:02:09 ID:4mq/M2JA0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _　　　　　　　 ,ｲ ,.:个．
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 __　　　台　　 　 　 ___i／／ﾟ｡‘．
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､　 　 　 　 } ﾄn 　 {_}　　 ,.s≦ ／／=i=ﾑ　ﾟ．
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|', ﾞv‐＝ミ､ ,|」芸､　{_}　／　 ／／二=iﾆ=ﾑ　ﾟ．　【ネクスト：マキシマムベット　種別：重量二脚】
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ'´｀ヽ､ __.f　　　,ｨヽ!_|/ 　 ｡' ｡‘二二iニニﾑ　ﾟ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　 八　　　/:,-{fi_fioｿ､/:.:∧　/ /二二ニi イ￣l.ﾑ　ﾟ,
　　　　　　　　　　　 　 　 ｎ､　 　 ﾟ．　 {::{:.l八_,_,jノ:／:.<z/ /ニr‐-ﾐ_」_.l_l〈|￣＼　　　　　　＿
　　　　　 　 　 n＿＿＿_.＼ ,-||.jつ≧xj:{､!/____j／,:´: :.｡' /ﾆﾆ辷＝..／　∨ ､:::::＼　　 ／//ll＼
ﾏ二⊃===≦＞。 ∨ヽ.　/｀ノ¨ｌ｝　　　。≦ヽ.:.:.:',:.:ｉ:_:_:/ /二二　..／　.／／＼＼:::::丶l　//ﾞ ll　/　　./!
　　　　　　|ﾟ＜　　｀∨｛.｛　ﾄｧ=ｬ　 //-‐ー　.〉　.r‐≦'　'二二 .／__ ／／ ＼　 〉､＼:::::::〈〈　 ll/　　 //
　　　　　　ゝ　＞　∧ー-ヽ|i Ai|__人　＞＜く {三}「i ,' .,'二二/二＿／　　　 〉〈　l:::::ヽ／＼ У二 l//　　　　　,ｨ
　　　　　/／ヽ　　 ヽ｝ﾍ:.:.:.:.〈ヽ__ヽ:.ヽ　 丿＼>　￣il　l二二二二i二二二 . ll　ll 丶／:::::::::/ ｉ 　 _//_,ｨ^>─／＿_／
　　　　　　　/ ＼／:.:.:.:.:〉三 /圭/三| ー､........ヽ:.:.:.:l　l二二二二i二二二二.ll　ゞ､ ＼:::::::/─‐f///　／ ／/ ￣ ヽ¨l
　　　　　 ,へ//∧/ｌ|:.:.:.:.ー‐|.圭.|--' ﾄ､ﾍ∧≧ i｝.:.:.l　l二二ニニi二二二ﾆ .ゞ､〈　＼ ￣_l::::::://ｉ/__/ ／イ__／l:::::l　l
　　　 　 ｌ.|___∧/　.Yヽー-､|.|圭:|_ノ､　∨　ﾑﾝ.....ﾑ l　l＼二二=i二二ニﾆﾆ/ .＼l　r､＼Zl〉‐ﾄ､l/ミ/ィ_/_/7l ｌ /::::::l='
　　　　 |:.:.:./∨/　 ﾚ-/￣回Y廿｝回ヽ ∨　ﾑ........ﾑ.l　lﾆ}二ﾆ=i二二二.___/　,､〈／ｲ |ｌl/ ｌ:::::::::〉ﾐ>¨／／ l l l/〉彡l
　　　　 ｌ:.:/∨ｲﾉ　/ ./　　　 ｌ |___|　　 ', .∨/｝...........ｌl　lﾆ}二ﾆi二二ﾆ/ﾆ, ゜ ,./ Y￣||/＞/ll ￣ Ｙ三〉fIl ￣l l l/ ／l
　　　　 ｀∧//　　ｌ ./＼　　 ｌ│　|　　 /　 <ﾏ」..........ｌ　ﾟ｡_}ﾆﾆi二ニ／ﾆ/　x./　l 　 ｌl〈YY　〉─‐､─〈＞‐‐l ゝY/ /
　　　　 //／　　 .ゝ>＼＼. /.∨.ｌ　 .∧..........................ｌ Ⅶ/ﾆ=iﾆﾆf´ﾆ／／../　 ｌ＿_ｌｌ　 ll､/>ﾆﾆ 乍了､／ﾆﾆ彳 /
　　　 ///　　　　　/ /　〉､/　 ∨ｌ／,', ｌ∨....................ｌ . Ⅶ二iﾆﾆ=／,イr _/∩ 　l l:ｌ ＼ll/Y〉‐─┴‐'__rr7/>ｌ　/
　　 .///　　　　　/ヘ］/､|　|／.ﾚ', ､__|　＼...................ｌ　 .Ⅶ=i_＞ﾟx‘　 ﾟ,._I〈 ∪／_ ＼　/ィlミ／＿／つゞ彡/／
　　.ｲｔ/　　　　／ヽ/ﾆ｝　　　　　 ｛））ヽ　　ｌ.................ｌ　　 Ⅶ斗‘　 ..／　　∨ ／l ＼УU ／　／lミ/イ〉
　 ［//　　　／ /　/　ｌ　 　 　 　 /　　　',　 .ｌﾚ　- ‐､|　　　　八　../　 　 ／〉'￣ ｽ./_ | /＼／／ーV／〉
　/／　　／　./　/　 ｌ　　　　　　ｌ　　　　',　 ﾑ　　　　　　　　　 ..〈 ＼／　 |li‐-//l-〉 |／)　〉'　 ／＼／〉
　ﾟ　　 /　　 /､ /　　ｌ　　　 　 　 ｌ　　　 /.',〈ヽ｝　　　 　 　 　 .,ｨ〈＼/ll_,-ィ└f‐〈／／.／ /l__／ 　／-/＼
　　　/A　 /　/　Y /　　 　 　 　 ト､　 /　 ',∨ヽ　　　 　 　 .〈　〉─／_／ 　 ／､＼／ ／　ll　　／　　＼　ﾄ､
　　 /　／ヽ､　 　 /　　　　　　　　　∨　　 /　　',　 　 　 　 .<三‐'T／　　 /l､／／ ／　 　 ll_／＼　　／ミﾍヽ、
　 ./／/　/　ｌ 　 /　　　　　　　　　　|〉‐-　|､　　 ',　　　...／ ＞‐'"　　　／〈/／ ／　　　　　　　　 ` <　 入7　 l＼
　　　./　/　ﾊ　./　　　　　　　　　　 〈ヽﾖ､/＼　ー〉､　　..￣　　　　　／　 ／ ／　　　　　　　　　　　　〉'　 ||＼ l　 ヽ
　　 /　/／|.i／　　　　　　　　　　　　∨_∧:.:.:.ヽ　_　＼　　　　　　／＼／ ／　　　　　　　　　　　　　 ＼／＼ ＼　 l
　 / ｀¨　./:.:/|　　　　　　　　　　　　　 ￣　 ー＝＝＝ノ　　 　 .／／ 　)／　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼ 　 ＼l l l
.../___.。≦∨¨　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／／ 　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`ｰ＜＞
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／／ 　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／ 　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／
【ネクスト：フラッドファルス　種別：中量二脚】　　　　　　　　【ネクスト：カスパール　種別：重量二脚】

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空に上がらず地上に残っていたのは、なんとなく見覚えのある機体たちだった。

そのいずれもがきっちりと都市迷彩仕様にリペイントされており、
内二機がIGIOパーツを主体に構成されていることから、
一応の部隊にも見えなくはなかった。

大きめの物理シールドを携えた重量二脚に、狙撃機、
バランスの良さそうな中量二脚と役割も揃っているように見える。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5389： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/01(木) 21:11:31 ID:4mq/M2JA0

　　　　　 ／.:.:.:.::::::::::::::::::::::::.:::.:.:.＼
　　　　　／,.:::::.:.:::∧::ﾄ:::::::::::::::::::::.:.ヽ
　　　 　´ /.:..:;ｲ::/:　ｌ::!ﾊ:∧:::::::::::::::::|
　　　 　 /::ｲく`く 　 ,斗匕xヘ:::::::::::::|　　　　　　　　お、おいっ、本当に大丈夫なんだろうなっ……！？
. 　 　 　 ´/|==`eｉ ｉ!===e==:::|:rx::::::|
.　　　　　　 |`ｰｧ'::::　`ー '　u:|:|n|:::::l　　　　　　　　 俺たちは上位ランクのサポートで済むんだろうなっ……
　　　　　 　！/.::::__,　u 　 .:::::|:|り::::::l
　　　　　　　└'に二..つ .::::,.:ｲ: :::::::::::l　　　　　　　　捨て駒なんて死んでもやらされてたまるかよっ……
　　　　　　 　 ', 　━　 .:::／.:/::::::::::::::::l
.　　　　　　　 ∧　　.:::／　.:/:::::::::/＼:::l
.　　 　 　 　 /.:.::ヽ.:ィﾞ_,, ィ/:::::::／／　>l
.　　　　　　イ.:.::::ｘｆ='´　 /::::／／　／::｀
　　　　　　/.:::／/|　_,.=7:／／　／::::::::
【ブライドルランク22　カイジ　独立傭兵】





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　　　　　　　　　　　　　　 {　　　　　　　}　　
　　　　　　　　　　　　　　 }　　　　　　　}　　　
　　　　　　　　　＿＿＿_ノ(＿)ニニニ人＿＿_
　　　　　　　　　_ｎ}＞　､　　　　　　　,xｒ＜:::／
　　　　　　　　 ( |-}_} {| く｀¨¨¨７ /ﾘ}ミ ヽ:／　　　　　　　　俺たちは蚊帳の外からチクチクぶっ放して、
　　　　　　　　　 N:)=={ 　}=､ / /イﾊ　 ﾐﾄ､
　 　 　 　 ⊂ニ{{三}H_}　(_.／_/　　 }　 人 ＼　　　　　　　　後は適当にノーマルの相手でもしてりゃいい。
　　　　　　⊂ﾆﾆ　(__) ) ／　　　　　｛　| l| ﾄ､ }
　　　　　　　⊂ニ..ｨ＜´{ 　　＿＿_ノ}　l l| | }ﾘ　　　　　　　　　元からそういう契約だ。報酬以上のことはしねえよ。
　　　　　　　　 ／　　　l{／´　 　 　.ﾉノ} l} }ﾉ }
　　　　　 ／´￣￣￣￣｀ヽ　　　 　 　 }ノﾉ　 ＼
【ブライドルランク21　ホル・ホース　独立傭兵】





　　　　　　　　　　　　ノ.:ノ.:::::::::::::::⌒ヽY.::::::::::::.｀ヽ::.ヽ
　　　 　 　 　 　 　 〃〃.::::::〃〃⌒ヾVｘ≦､::.｀ヽ:::::::ﾊ
　　　　　 　 　 　 〃〃:〃.::::::{::{　　　　　　　}:::::ﾉ:}:::::::::}
　　　　　 　 　 　 {{={{::::{{:::{:::八{二二二ﾆﾆミ／:ﾉ}.:::::::ﾊ
　　 　 　 　 　 　 {{:::{{ 〃八(__,ﾉ＿_ ,　 　 〃:::X/.::ﾉ:} } }
　 ― -- =ミ　　 八八{:::{.::::::て ｡ユﾉ八≧=‐-ｖ'.::〃ﾉﾉﾉ
.　 　 　 　 　 ｀Y::　ﾊﾊ:Ｙ:::::::厂￣￣{　{｀ﾆﾟﾆ:::::::::::〃/
.　　　　　　 　 ﾉ.:　} :}:从::::/　　.:::::ｒ_､_}〉::..　 ｀Y::::八{　　　　　　　　　　　　　　　　ちょうど盾になるビル群もたんまりあるしなぁ……
　　　　　　 ／.:::　ﾉ ﾉ.::::}}::{　 ､＿__ヽノ___,　　,::::::{ { ﾊ-,‐―――
　　　　　 〃.:::　〃〃.:::八{　　トｰｰｰ-一'　 /.:::::}} }::::} l　　　　　　　　　　　　　　　　今日の俺様はECMメーカー搭載だ。
｀ヽ. 　 　 {{::〃〃.::::::::/.:::ﾊ　　K´　　　}/　/.::::::ﾉﾉﾉ:::{ l
　　i　　 〃::{{:::{::::::::::i:{八{∧　 `=‐--=′/{:::::〃〃.:ﾉ l　　　　　　　　　　　　　　　　　チャンスがあればトドメくらい刺してもいいかもな？
　　li　 _从::从八{:::::从　{　 ヽ.::::(￣ 　 .ｲ　}::::}　}　八／⌒ヽ／⌒ヽ. _
　⌒Y´ '　}ﾊ　|i　ヽ(ヽ ヽ!　　 ヽ=--=彳　 ﾉ从八ﾉ'　|_ 　.イ　　／　　 ＼
　､_丿　 　 　 |i　　　　＼＼＿＿＿＿＿_／　/　 　 し' ﾉ |し'丿／ 　 　 ｀ヽ
　､__|　　　 　 |i　　 　 　 {＼　ー-　　　　　 ／|　 　 |￣　 ｀T　 |_　 ／
　　 ﾊ、　　 　|i_　　　　　{　 ｢厂￣｢厂￣｢{ 　ﾉ　　__|_　　　ﾉヽ. し_ﾉ／
　　　　＼　／　}ト ..　 　 {i__|{＿＿l{＿＿|{／　　 (　　 ｀Y 　 　 　 / ､／
【ブライドルランク23　アミバ　独立傭兵】

5390： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/01(木) 21:19:43 ID:4mq/M2JA0


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ヽ l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l /／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　 　　　 　　　 　　　 　　　 　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　二　　　　最悪、こいつ等置いて俺だけ逃げるか……　　　 二
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/　　　　　　　　　　 　　　 　　　 　　　 　　　 　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 // l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l ヽ＼

;;..;;;; /;:;;;./;;;;/;;;;;mヾヾl|//;;:;:;:;､;;;:;;ヾ;;;ヽ.､;; :ヽ
;;;;;;;/;; ;;;/;;;;///,'　　　　　　　　ヾ;;;;;ヾ;;;;l.|;; .;;ﾊ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /´￣￣｀＼
:::::/;;; ;; i;;;;;.i;|l.|;l　　　　　 　 　 　 `i;;l;;;;l::l;;;i､;;;l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 __／　　　'⌒＼ ＼
;;; l;;;_,,ｪｮ;;;;;;l,l|'l:l--―――― ---ﾉﾉ!;;;ﾘ;l::::j､ ﾄ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 -==ニニニﾆ=- .　　　}　 }
;;;;lﾆ-ーf;;;;;;l|l･ﾘ"´￣￣￣￣｀゛''/〃〃;l,,l::::ヾ;l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＿＿ﾉ￣￣厂＼＼＿}／
;;;;l;;; ;;;;. j;;;;;j;,' /　　　 ..:　 .　　　 l|{;;〃!: ﾄ､!.:.ヾ!　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／⌒　　二{｛｛//＼＼{)
;;;.j;; ;;;. j';;;;//' .....-.....;;;;.　　::::-　.{l 巛.{;; i| .::: :: `i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒　＿ノ{_.// }{_({＼＼
.;;;};;;;;;;;:::::::,r・こ―、;;;;;;ゞ　{.,r・こー､:::::l;;; : :.;;;; ; j 　 . ／　　／ /＼/　／＼＼＼　　　　　　　　 　 　 　 　 /⌒　 /}{rr　__{=ﾆ＼＼
;;ﾉ;;;; :::::/;;;;――‐;;;;:;;,.. i;　l:;;;;;;―‐::::::::l;;;;;.; ,:;' ;:;'　　　|／/／| /＼l|　|l／　　＼|＼　　　　　　　 　 　 　 　 {/ 　 〈. }{ ＼[￣＼ニ＼＼
.;.;';;;;;;;;ﾉ"""""´´　 ::..　　 l　　　　　 :::l;;;;.;;.;;.; ;;'　　　　　 　 |＝== |　 ==＝＝　||⌒|　　　　　　　　　 　 　 }/ 　 ∧}{__)「＼ 　 ￣￣￣＼
;; ;;;;;;f　　　　　　　　　 ,i､　i､　　　　　:l;;;;;;.;.;..　l　　　　　 　 |ゝ ﾟ／／ ゝ ﾟ　ノ 　||.６|　　 　 　 　 　 ./ ///　　　　　}{.　　　 ＼ 　 　 ／￣￣＼
; ;:;;;;;l ...　　　...　　 ゝ 〃/´､,　　　 　 l;;;;;, .;;;. .ﾊ 　 　 　 　 .| ／／　u　 ￣／ 　||　|　 　 　 　 　 .__／ ／⌒＼____八＿　　　　＿__{ 　 フ　　 }
;;;;;; ;;;l:::::'　 ",,　　　　'';;.;;;;:''　　　　　 ,';;;; ,'':.: ; ; ;! 　 　 　 　 .(　__っ　　　／ u 　||_ノ＼　　　　 　 .⌒⌒⌒＼＿＿⌒＼_}_　　 　 ⌒{　　ッ　　 }
;;;;;; ;;;l;;;'　　　ゝ､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ｯ　　 .j;;;;;;;.;.:::;:. ; l　　　　　　 ｜―――――　　 ||　　 |＼　　　　　　 .／　／⌒　　　　二ニ=-- 　人_　　　　ﾉ
;;;; ;;;;;;l;　　　　　 ￣￣｀´￣￣　　　/;;;;;;;; ;;; ; ;./ 　 　 　 . ／ヽ　　二　　　　　／|　　/ヽ ＼　 　 　 　 　 　 ／￣￣￣￣＼ニニ}　　 ＼___,ノ
;;..;;;;;;;ﾉ　:.　　　...::::::"ﾘ"''""":.....　 /;;;;;;; ;; ; ;;;/　　..／|二二 / ヽ　　　 　 　／　 ｜ /　 |二二二＼　　　.../　 -／￣￣￣　}___ﾆ}
;;:;;;;;;;;l ﾍ ::...　　 :.:.: .:　　　　　:.:　,';;;;;;;;;.: : ;;;ｲ　 .／ 　| 　　 /　 ヽ　　　 ／　　　　| / 　 |　　　　 　 　 .{ 　{　-/　　　 　 　 ,ﾉ＼}r}┐
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見るからに金で寄せ集められた、即席の独立傭兵集団といったところだった。

こちらに向かって銃口を向け、好き放題に撃ってきてはいるものの、
ただそれだけだ。それ以上のことをしてくる様子もない。

このまま的になってやる義理もないので、お返しのレーザーを撃ち込むと、
蜘蛛の子を散らすように慌ただしく散開し、ビルの影へと逃げ込んでいく。

大きな障害ではないにしても、これはこれで厄介だった。
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5391： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/01(木) 21:30:13 ID:4mq/M2JA0


＜iiiiiiｉﾄ ＜三三＼　{　　 　 7`ｫ｡.,,＞s｡,　　　　　　　　 　 　 　 　 /Y　　./ 斗%＞ ﾏ=l!≧s=‐‐-｡弌s｡l!三三ニ
｡,ii`ｰ'｡,　　　`　＜ヽゝ＜　7　,'　　＞s｡,　 ＞s｡_,.､., _　_　_　　　 / l!　　/＼Y'　　　ﾉ寸三三三三ﾆ≧l!三三ニ
iiiii`(iiノゝ＞s｡　　//　　　` ' ＜　　 　 　 弋,'´:::ξ`ｰ¨-¨。¨,>=/ﾆi!　／乂, ＼彡'”＼ `┐ゝ──＝＝l三三ﾆ
`ｰ'iiﾉ-‐ ’三ノ三＞s｡, 　 　 ,'　　` ' ＜　 φ ｀う斗斥ｰ =ﾆ彡/三l!ｲ　／／ｨﾁ ＼　　.＼j‐’ﾏ ﾑ三ニ=从三三
⌒'’ｰ-=､ニニニ/　　　 /　＞s｡, 　 　 /⌒' ｰ ｫ-､｡sf升ニﾆ/ﾆﾆl! 　 ／ 　 ＼　　>＞'´　 　 ﾏ ﾑ三ニ/ﾏ三ニ
　　　　　 寸ﾆﾆ〈　　　 /　,'　　　　 ＞s｡, , ィ升=ニニ,.｡s≦/三ﾆl! .／／' ＼／／　　　　 　 　 寸ムﾆl　‘,寸ﾆ
　　　　　　　寸ム､,　　`'弌s｡.,　　 　 , ィ升,.。｡s≦彡≦ﾆ/三三i! ' ｨ＼　／／　　　　　　　　　　 寸ム乂‘，寸
　　　　　　　　 ﾏ三ﾆ≧s ｡,　　　　 <｡s≦三ﾆ/三三ﾆ竓/ i ｨ 7 i!／ｨ ヽ ／iiﾑ＜　　　　　　　　　　 寸ム弌ｰ-
　　　　　　　　　 Yニニニﾆl’，｀ ' ‐-ミ' ＜三≧ｰ=ﾆ彡'¨¨¨ﾌ'κs｡,ヽ ／xixix/　　＞s｡,　　 　 　 　 　 寸ﾑ三=
　　　　　　　　　 l!三三三ﾆl三^ヽ　　　iｘl, ┬`ー‐ア三ﾆﾆ/三ﾆ=)ﾆ≧s｡xｉx/＞ ｡,　　　　＞s｡,　　　　　 ﾏﾑ三
　　　　　　　　　 l三三三三l三,ノヽｫイﾆ/　i! ,. ﾏ/三三ﾆ/三ﾆﾆ/≧s｡弌气s｡,　　　 ＞ ｡, _ ,z､,　＞s｡, 　 ﾏﾑ=
　　　　　　 　 　 l!三三ﾆﾆ斗f'´ ／三ﾑ/ｸ┤彡Y三三ﾆ/三ﾆﾆ/ﾆ三三三≧　　 ＞s｡,　　　　　⌒＞ ｡　 ＞ﾏﾑ
　　 　 　 　 　 　 i!┬=ﾆT三ﾆﾆ(三三ﾆヽ　j!/　l!三ﾆﾙ'三三ﾆ/ﾆﾆ三三三/　　　　　　　 ＞s｡, 　 　 　 　 ＞ ﾏ
　　 　 　 　 　 　 从三三三f乂三三ﾆ,｡♂"ｰ-=ﾏ三i!ニニニ/ﾆﾆ三三三∧　　　　　　　　　 　 　 ＞s｡,
　　　　　　　　　　 寸三「￣　 `i三ﾆj′　　　　 　 冫=‐┐ﾆ/ﾆﾆ三三三/ﾆﾑ　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＞
　　　　 　 　 　 　 　 `ｰﾄ-‐==‐7ｰ '　　　　　　　　 l!ﾆﾆﾆlﾆl≧s｡`'弌ニ/三ﾆﾑ
　　　　　　　　　　　　　 ゝ‐-‐ ’　　　　　　　　　　l!三ﾆﾆlﾆl三三三≧s｡≧s弌ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 l!Ij斗}!/χ"ﾏ≧s｡'弌三三ﾆﾏ∧
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,｡s≦ﾆﾆ」ｵ"三ノ三ﾆﾆ≧s｡弌三ﾏ込、
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,.｡s≦三三三Y三ﾆ／三三≧s｡弌ﾆﾑﾏ=ﾏ 込
【ネクスト：キャバルリィ　種別：中量二脚】





: :＼_／／,: : :／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :! : : : : : : : : : : : : :ヽ
: : ／／: :{ ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :|: : : : : : : : : : : : : : : ＼
／／: : }:/: 〃: : : : : :/: : : : : : : : : : :!: : : : : !: |: : : : : : : : : : :ヽ: : : :ヽ
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: : :.| : // /: : : : :/:/: : : //: : /}: : :./|!: : : : :!: :! : : |}: ｉ: : :! : : : : |',: : ｉ
: : :.|: :/ ! i: : : : /-i､: : / /: :/　i: :/ / } : : : | : |}: : | | |＿ }: : : : :} ｉ : |
: : :.|: :-､ |: : : /: : |: ／｀ ヽ、 / ／/　 | : : !: : ! | 才 __ : : !: : : : :! | /
イ´　　　 !: : / : : |≦=≠===､ヽ､　 　|: : /!: :,≠坏〃: : /!: : : : } |/
　　　　　 |: /: : : :ヽ ヽ　{::::::::::らヽ｀ヽ !: / }:ｲ::::::::// }: :/ |: : : :/ /
.　　　 　 ゝ| |: : : : ヽ　　ヾ､zzｼ　　　 |/　}/弋zノ　/! /　|: : :/
　　　／ ／ヽ! : : : :|ヽ 　｀ ￣　　 　 /　 /　　　 　,'//| 　|: :/　　　　　　　　　　　　　　　　……マーシフルとミセリコルデは、空か。
　 ／ ／　　　＼: : :!　　　　　 　 　 　 　 ヽ 　 　 ,'/ : |　 |:/
　 ∨ ',　　　　　 ',: : ',　　　　　　　　　 　 ´　　, ｲ　}: : |‐≠―――――――――　　　　私の相手は、どうやら別らしいな。
　　 ∨.',　　　 ／∨:∧ヽ　　　　　 - ‐　　　イ| |／|: : |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　∨ ヽ ／:./:.:/ヽ ヽ.__≧　　　　　　∠ ‐ ／ : :|: :/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　　 ヽ/:.:.:/:.:.:.|:::::::ヾ、::::―::::＞ ＜二　　 /ヽ: :|/￣￣￣＼: : : : : : :,　 ´￣￣
__ --‐ -┘:.:.:.:.:.:.:.|::::::::::::::::::::::::::::::///　　　　/　 ／|　　　　　　　ヽ: :.／
. -:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|::::::::::::::::::::::::::/://　　 ／/.／　　　　　　　　　　　＼
:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:::::::::::::::::::／:.:i .i　 ／　/　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.L＿___／:.:.:.:/ /　　　　!　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
【ブライドルランク13　シグナム　スポンサー：オルデンブルク】
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そして最後に、こちらに飛び道具を放つこともなく、
半ば崩壊した道路の真ん中に仁王立ちする機体があった。

他の機体がコンクリートの破片と見紛う色をする中で、
一機だけ真っ赤にペイントされた装甲が一際目立つ。

そしてそのフォルムもまた、見覚えがあった。
ラケル博士がアーキテクトを担当した、オルデンブルク機と
共通する点がいくつも見受けられたからだ。

一方で、地上の赤いネクストを見て、ミセリコルデが一瞬だけ
動きを止めたように見えた。
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5392： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/01(木) 21:38:13 ID:4mq/M2JA0

　　　 ,,, ＝＝＝＝,,
　 　〃　 ─　　─　＼
　/ 《 　 （●） 　（●） ヽ
　|∩||　 u. （__人__）　　}}　　　　　　　はやてさん？　あの赤いネクストがどうかした――
　|∪《 　 　 ｀ ⌒´　　 ∥|
　＼　 ミ三三|￣|三彡／
　_,,, ト ＿＿　兀 ＿ イ,,＿
/　　 i　 　　 　| |　　 　 i　 i






　　　　　　　　　 　（:::｀¨´/ 　::::ｲrｲﾂ小ヘヽ　　 　 /彡ｲ:::::::::::::::::{ﾊ.　}::::::::::::::::::::::弋__ノj
　　　　　　　　　　　｀ーｧ 　 :::从ｲ　/ ヾ　　　　　　{:::{　{:::::::::::::::i| 弋　j:::::::::::::::::::::::::::::::く
　　　　　　　　　　　　ノ:/ 　::::::ノ　/　 　 　 　 　 　 ヾ　ヽ::::::::::::l|l:::ヽ彡:::::::::::::::::::::::::::ﾄ､:〉
　　　　　　　　　　　（::,ｲ　:::::::::::::.　＼　｀　　　 　 　 　 　 ヾ::::::::...　小:::::::::::::::::::::::::::::小ﾉ
　　　　　　　 　 　 　 ｿ{　 ::::::::::::∧　 ,,''　'''''''''''''''''''''小､_ノ:::::::::::　　ﾙ小:::::::::::::::::::::::::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　ヽ､ ::::::::::/ﾊ　''ｨﾆ二ﾆ=＝一 ｀ーｲ:::::::::::　　j ﾉ　ﾄ::::::::::::::::::::::::::ヽ､　　　　　　　――聞こえてるかァ？
　　　　　　　　　　　　　　 ヽ ::::::://∧　　,,,,,,,　　　 　 　 ﾊ:::::::::::　ノ　 　{::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 丿 ::::::ｨ//∧　　　　　　　　　{::::::::::::l　八＞'''¨ヽ､::::::::::::::::::::::::ノ　　　　　　　よぉ、久しぶりじゃねぇか。
　　　　　　　　　　　　ﾄー'　::::人{　ヾ/ﾊ　　　　　　....::::::::ｿ:::::::::ﾄｲ 　 　 　 　 ｀Tミ==‐彡ﾆヽ
　　　　　　　　　　　　 ｀ ー＜　 ヽ　}:::::ﾄ､　--‐''::::::::::::::::{:::::::::ﾊ　　　　　　　　 i::::::::::::::::::::::　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　､＿ ﾉ:::::ｨ:::::{￣ｱT rイ　 弋､::{　　　　　　 _＞''´￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ー‐´ ヾ::{''´　 { |　　　　　ヾ､　　 ＞''´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　 ｀|　　　　　　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　z ─--- _==ｧ彡|　　　|　　　　 　 ／

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
そういった反応に縁遠かったわけでもない。
自分もこうして企業連に狙われる立場になって、幾度か経験した。

あれは戸惑いによる停止だ。
おおよそ、あの赤いネクストに知己が乗っているといったところだろう。

幸い、自分の場合は、どれだけ縁が深くとも、精々が友人だった。
もしもそれが家族や恋人だった場合、自分は戦えたかと思うと、分からない。

あの赤いネクストにはやての縁深い相手が乗っているのなら、
せめて自分が相手を。

そう思った矢先、オープン回線で男の声が響き渡った。
耳にこびりついて離れない、荒々しい嗄れ声だった。
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5393： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/01(木) 21:42:19 ID:4mq/M2JA0

　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ∨∨∧　l|　.|　　　　　|　l　∨ 　 ∨ー―'’ 　 　 l 　 |
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　　　　　　　　　　　　　　　　　∨∨∧| 　l　　　 r-=ﾐ ヽ　∨　　∨　　　　　 .ｌ　　!　　　　　　　　 _ 　-
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　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 | 　Ⅵ　 | ､〈ﾍY 八 Yﾉ〉} 　 V,ｲ 　〉　　 ,r＜　　　 　//　　　_ﾆ‐
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　 　V＞ﾍ〉〈ﾑ{.ｌ＾l.}У l} 　／/ '/　　 /　　　　　　弋廴 -=ｌ 　|
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 _r勺　/ ﾄ､:::::ⅤV ｀-'ヌ㌻.／　/_,.⊥.:-={! 　 　 　 　 　 ＼l::::::ｌ＿|
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 r气´_　-ﾍ ﾏl|:::;ヾﾞ^Vミト=彳 /　　/.:::::_;;__:.::::.ヽ.　 　 　 　 _､r≦／.:／
　　　　 　 　 　 　 _　-=ﾆつ､ｨ^⌒￣ ＞ ´　／ 　／　lノ 　ｨ'￣￣/　〉::.::;┴＜__､r≦:::´rヘ￣＼
　　　　　　 _　-=ﾆﾆ＞ ^⌒′　　　　ﾄ､ 　〈_　ィ　 　　／´　　　 /　/へ´　　　　　　￣＼ 　＼.　＼
　 　_　-=ﾆiﾆ＞ ´ 　 　 　 　 　 　 　 ∨/　L　　 　／_ 　、 -= 〈　/ﾑ: :ヽ　 　 　 　 　 　 ＼ 　＼__｣､
-=ﾆﾆﾆ＞ ´　　　　　　　 　 　 　 　 　 〉　　　　　　 八三Ξﾆ.≡VIン : : l}　　　　　　　　　　`＜_／L ＼
iﾆ＞ ´　　　　　　　　　　　　　　　 　 / 　 　 　 / 　 　 ゝ=-‐=ﾆ_,ｲ : ;＞'’　　　　 　＞气｀`〜､┘´ | ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　ﾑ､ _,.､<　ﾆ=- ＜＞_´ ﾍ、　　　　 /ヽr‐ｧ　)｀丶､>､'^
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 L_____＿,.　ｨ';´ . : .;Y ＜＞_ソ: :｢￣ﾞr=‐-　_ / r'~`{-ｲｰ.ﾊ　!ヽ丶／
　　　　　　　　　 　 　 　 　 _ 　-=ﾆ ￣￣) ＿人_. ,.､＜＞_´- ┐__｣. 　 l　 　 　 し'　 ｲ　|l　|l{　l ﾊ　!　／
―――――――v_　-=　　　　 　 ﾉ 　,ｲ´　　 〉ゝ=≠''"／　　|: : /, 　 ',　　　　 ／　L..八_j |　} ﾉノイ
　　　　 　 　 _ -　´　　　　 _ =‐　´　 _､八 　　/　 　}!／ 　 　 /: : '/　 　', 　 　 (_ ｨ⌒　　 　 し′
ヽ　　　　 ､ `　　 　 _.=‐　´　　　_. ‐ ／: .:ﾍ　〈_／ '/l 　 　 ／: : : .:'/　 　'，　　　　　　　 丶＼＿__
　 ＼,_／　　_, =‐ ´　 　 ,.ｨ寸. ‐　／.:_: : : : V`ｰ‐メ　l 　／l: : : : : : '/　 　 '.、　　　　　　　　＼　　　￣￣
　　／　=‐ ´　 　 　 　 '/ /　∨イ: : : : : ;―〈　／ 　l　K_／| : : : : : : '/ 　 　 ' ,　　　　　　　　　＼
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~　　 　 _　-　　　　　/　: 　 /: :ゝ、: : , : : : : l|　　　/　　　　|: : : : : : : : '/　　　　　　　　 　丶　 　 　 ＼
‐_　-　　　　　　　　 l{　　　/ : : : : 〉=ﾐ : : : : l|:　　/ 　 　 　 |: : : : /￣￣`弋､＿　　　　　 　 ＼
【ネクスト：カタストロフィ　種別：中量二脚】





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜｀ｰ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ｰ､ ｀ｰ ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　＜
　ﾏ`ｰ､ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｌ` ､:::::｀ｰ ､　　　　　　　　　　　 ,　＜´:::::::::＞ ´
　　ﾏ:::::｀ｰ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ､　 　 　 　 .|| 　｀ｰ ､:::::::｀::ｰ 二二l`::-'´｀ｌ::´:::::::＞　´
　　　 ＜:::::::::＞ ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　.||　 ./ｌ 　 > ､:::::::::｀ヽ､.|丶:::::::::丶´
　　　　　 ｀ ＜:::::::::＞ ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ヽ_, r─ｌ´.|　/ .|-‐ｌ,ィ::::｀ｰ､::::::::/ゝヽ-─‐`
　　　　　　　　 ｀ ＜::::::::＞ ､　　　　　　　　　　　　 r ' ´　 ﾏヽ-‐'::/l //:::ｌ´::::::::/￣　｀ｰ/: : :/￣｀ｰ､
　　　　　　　　　　　 ｀ ＜::::::::＞ ､　　 　 　 　 　 　 l 二ﾆ ｌ l`ｰ- ' r'ｌ∧:::ｌ､::,ィ´:::::::::/`ｰ､: :/-､::::::::::::｀ｰ､
　　　　　　　　　　　　　　　｀く｀ ｰ ､＞､ニﾍ,──'/´:::::::::::,ｌ ヽ-,‐'ｌ:::ｌ´::::::l::::::::/｀ｰ./:::,r─､:::ﾍ　｀ｰ ､::::::::::｀-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ::::::＞｀ヽ､/::,─- ､｀ｰ‐´|:::::::|:::::::|:::|:::／_:::::_,ｌ::::|::｀ゝ'､::r'´ﾍ─ｌヽ､　 ｀ｰ ､:::::::｀ｰ ､
　　　　　　　　　　　　　,....-:::':::´::｀＞､｀ヽ､ 　ｏ｀ｰ､:::｀:ｰ-,ヽ::::|::::::|:::ｌ/-´ｰ'　 ﾆィ　　　 〉─--＝ニｌ　　　　 ｀ ｰ､::::::ﾊ
　　　　　　　 ,....‐:::'::::´,:::: - '　´　 　 ｌミ　|ヽ＼＼､ｰ-＜ﾆ フ｀ｰ´::::::::TT￣ｌ´　　　　 / ｌ:::|_|::::|/::｀/　　　　　 　　 ｀ヽｌ
　　　　 , ィ::´::, -　' ´　　　　　 　 　 .ｌ/::/:::::/::二::::::::::::::ヽ´ ｌ　|:::::::::::::| |::::::ｌ　 　 　 /ノｌ_/. ｀´'-'‐'
　　　　 ￣￣ 　　　　　　　　　　 　　 'ｰ'￣　｀ｰ ､:::::::::::::::::::::ｌ　ｌ:::::::::::::| |:::::ｌ　＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　-＝ニニニニニﾆｌ｀ｰ二//-, 　,'=──=,ｌ ｌ::ノ/::::::::::::,::-::':::::/＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　_＿＿ｌ:::::::::::::::::::::￣ｌ:::::::::::::/::::￣:::://ｰ--／/´::::::／二二二ニニ＞
　　　　　　　　　　　　　　　 ,r'´｀, -::':::´::／::::::::｀ｰ─､:::::::::::::ｌ::::::::／:::::::::::::::::::::::::::/／フ￣
　　　　　　　　　　　 ＿＿/:::/´: : ﾍ:::／::::::::::::::::::::::::::::::￣￣｀ｰ´　｀ｰ----‐'￣￣　´
　　　　　　　　　　／ﾍ: : : : : ﾍ: : :_, ﾍ_:::::::::::::::::::::::::: , - ' ´　「::|::::::::/::::,‐-､/
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　　　　　　　　 ￣　 フ｀ｰ─‐/:::／::::/　　　　　　　　　　　　｀ｌｌ:::/::::/: ://:::ｌ
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　　　　　　　　　　　 ￣￣￣
【ネクスト：フラップアッパー　種別：軽量二脚】

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自分の耳を疑うが、あの口調と声音は間違いないと脳が首を横に振ってくれない。

言葉通り亡霊の声でも聴いたような気分になりながらレーダーを見ると、
砂煙の中から飛び出してきた二機のIGIOフレームネクストが、
急激に高度を上げてくるのが表示されていた。

やがて、レーダーから意識を引き剥がされる。

その二機は自分たちと同じ高度へと飛翔し、
クイックブーストによる急制動でホバリングへと移行した。

深紅と黒の装甲が陽の光を反射し、鋭く煌めいていた。
無機質なカメラアイの向こう側から、舐めるようなぎらついた視線を感じる。
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5394： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/01(木) 21:56:56 ID:4mq/M2JA0


　　 /: : : : : : :/: : : : : /: : : : {: : : : : : : : : :/ //／´　　　　 ﾌ//　./∧　　∧
. 　/: : : : : : :/: : : : : / |: :∧ﾍ: : : : : : : : / // ﾄ　 ∩　　／//　./: : ∧　　∧
　/: : : : : : :/: : : : : /⌒!∧､ ∧: : : : : : :{ /ｲ　{　　 ｚ＜´ 　 　 /: : : : ∧　　∧
　{: : : : : : :.|: : : : : :|　/厶云　∧: : : : :イ　 　 レイ　 　 　 　 /: : : : : : ∧　＿」
　|: : : : : : :.|: : : : : :| イ　　　 ＼､＼: : :.:{　二￣￣￣´　　　/: ／￣´/: :.∨　 ∧
　ﾄ､: : : : :..:|: : : : : :|　{　　∩　　冫　ヘミ≧=ｰ'　　 　 　 　 |/　　 　 {／´　　　 ∧
　|　＼: : : :|: : : : : :|　　　　　／//　　　　　　＼　　　　　　 {　　 ／⌒　　　　　　　＼
　{ｉ　　ゝ─ﾄ: : : : :∧　ゝ-＜　ｲ/　　　　　　　　　　　／⌒ヽ　 /　　　　　　　　　　　　　　会いたかったぜぇ、マーシフルのパイロットさんよォ！
＼|　　　　　∨: : : :ゝミ三彡　/　　　　‐-　　　　　　 ィ⌒ﾍ　 /　　 ∨
. 　＼　 　 　 ∨ﾄ: : : :≧=ｰ' /　　　　　　　　　_　 　 ／　 ｊ ∨　　 　 ∨　　　　　　　　　　 てめえの死体が拝みたくって拝みたくって、
　　　∨　　　　＼＼∧　　　ゝ　　　 ‐　　　　、｀ ／／＾.ノ /　　　　　 ∨
.　　　 ∨　　　　　 ≧=ｰ　　　　＼　　　､　｀､ ／／　　　 /　　　　　 　 .}　　　　　　　　　　　死に損なっちまったよォ！
　 　　　∨　　　　　　　∧　　　　ﾉ ｊ　｀ィ彡-￢´　　　　 /　　　 　 　 　 |
.　　 　 　∨ 　 　 　 　 　 ヽ　　　 r彡ィユ´　　　　　　／ } 　 　 　 　 　 |
　　　 　 　 ＼　　　　　　　　＼　　＼⌒´　　　　＞‐´　 /　{　　　　Y⌒Y
　　　　　　　　＼　　　　　　　　＼　　∨　　　／　 　 　 |　 ﾄ､　　　 ゝ ノ
　　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　　ヽ　 ∨　イ　 　 　 　 |　 　 ＼
　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　　､　∨ /　　　　　　|　 　　　＼
【ブライドルランク15　アリー・アル・サーシェス　独立傭兵】





　　　　￣/￣/￣厂: : /: : / : ハ: : l: : l : : : : ､: ヽ: :ﾄ ﾆ＝-: :ヽ: : : :　＼　　/
.　　　　 /　 /　 /:/: :/l: : :':／、 ヽ: :､: :､: : : : :ヽ: ｌ! レ＼: : : : : !: : 、　| 丶/
　､＿__/＿/＿/ :ﾚ彡ﾍ : {＝ﾐ ＼　ヽi ､:ヽ: : : : }!:Aﾅ＝ミT: : : :|:､: :ヽ｜
　 ｌ　　|　　|　 |: : |ﾍ{　 ヽ:lｳh　＼＼　　ヽｌ : : : ||ﾅiｳh　 ｊﾊ: : : ﾊ:ヽ-　|
　 ｌ　　|　　|　 |: : ｌ　 i､　 弋ﾂ　　 ﾄヽﾝ＾ｿ,|: : : :ﾊ 弋ﾂ ｨｯ ,' : /: :}T 　 |
　 ｌ　　|　　|　 |: : 丶 ゞ=‐----‐彡／ｒ' - i: :／＼二¨¨´ ﾉｨ: :ヽ/ |　　|　　　　　　　　会いたかったぞマーシフル！
　 ｌ　　ヽ　 ､　|_: ＼＼　　　 "´　´　　　 / ﾍ　　　　　／´∧ ト:≧　　|
　 ｌ　　　 ＼ ` ､｀ ､:`≦＿_,　　　　　　　　　丶　　　　 　 ﾊ　`Ｔ　ｌ 　 !　　　　　　　　 ランク4を破ったその実力……
　 ｌ　　　　　｀　､` ､｀　､‐ ´　　　 　 　 　 　 　 , 　 　 　 ハ　　l　 !　｜
　/　／￣＼　　 `!　`!　ﾞｌ　　　　　　　　,.　　ノｊ　　　　/___l＿_l　 !、/　　　　　　　　　ナノハ・タカマチを思い出す！　興奮させてくれる！
./ 〃｀ ｘ ､　 ヽ､ ｜　ｊ　｜　　　,. ＿　　　　　 ,　　　 /　　ｊ 　 l　　∧
､　{（） 丶ヽ丶　 ￣＼＼ ＼　 〃‐-- ｀ 二二i{　 　 ｲ― /―/　 /Lｌ|　　　　　　　　　
　ヾ　　　 丶へ　　　　l　l　 l　 {　 　 　　 　 ∨　　//　 /　 /　 /　　|
＼ 丶 　 　　 - ヽ　　<　ヽ　｀ ゝ _　　 　 　 /　　//´／￣へ .ｲ 　 /
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【ブライドルランク11　グラハム・エーカー　スポンサー：IGIO】
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黒い軽量二脚は置いておいて、死んだはずの男が、そこにいた。

全身が総毛立ち、喉元が凍り付くのを感じる。
視界が微かに揺れた。姿勢制御が乱れたからではない。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5395： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/01(木) 22:09:11 ID:4mq/M2JA0

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│　/　　 {:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|:.:.:.┼廴/_.|:/　　ヽ:.!:. ⊥＿|_:.:.}:. i:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　.....│
│　　　　i:.:./ |:.:.:|:.:.:|:.:.:. |,イう≧､ヽ 　 ヽ|芹う≦、:.!:.:.|/|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　.....│　　　　　レーダー上に紫で表示。
│　　　　|:/.　!:.:.:!:.:.:!:.:.:.《 {::::::::ら　　　　´ {:::::刈 》/: /ヽ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　.....│
│　　　　|j 　 ',:. |:.:. |＼ヽ. 辷シ　　　　 　 辷シ /:／:} /|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　.....│　　　　　カタストロフィにフラップアッパー……
│.　　　　|　　 i: |!:.:.|:.:.:.:ヾ､　　　　　j　　　　 　 /!:. : ｉ_,' |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　.....│
│　　　　　　　 ﾘ ヽ|!:.: : ﾍ　　　　　　　　　　　　 }: : /　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　.....│　　　　　　キャバルリィには特に注意を。
│　　　　　　　　　　 ',:.:.:.:.{ヽ　　 　 ￣　　 　 ／/:.:,' 　　! :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　.....│
│　　　　　　　　　 　 ヽ :.:.ｉ　＞　 　 　 　 イ　/ :./　　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　.....│　　　　　　どの機体もトップランカー並みの実力はある。
│　　　　　　　　　　　　＼ヽ ,rヽ. ＞＜　_／|/／　　 　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　.....│
│　　　　　　　　　　 　 　, ヾ､{　　 ≠<´　　./｀ヽ、　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　.....│
│　　　　　　 　 　 ,､r::´::/　　!　 /､　 ヽ　 /　　|::::｀ヽ、.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　.....│
│　　 　 　 ,､r:::´:::::::::::::/　 　 {､/ゝ－/', 〃　 　.!::::::::::::｀ヽ、 :.:.:.:.:.:.:.:.|　　.....│
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│　/::::::::::::::::::::::::::::::::/　　　　　ヽ/ / ヽ/.　　　　　',:::::::::::::::::::::::::::::ヽ :|　　.....│
└────────────────────────────┘

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レーダーに六つの紫が大きく表示される。

4対6のネクスト戦ともなると、ネクスト戦役以降初めてのことだろう。
なのはが名前を挙げた三機を除けば賑やかし程度のものだろうが、
どれだけの粗製でも、ネクスト機には変わりない。

一瞬の油断で撃墜される状況だ。
そしてこちらは、一機堕ちれば全てが終わる。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5396： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/01(木) 22:22:03 ID:4mq/M2JA0

　　　　　　　　　　 　 　 　 ／.:.:.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:、.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ'.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:V.:.:.:.:.､
　　　　　 　 　 　 　 　 /'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:、.:V.:.:.:.vV
　　　　　　　　　　　　,'/.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:./!.:.:.:.:.:.:.:.i|.:.:.',:ヽ.:.v:V
　　　　　　　　　　 　 j'.:.:.:.:.:.:j'.:.:.:.// |.:.:.:.:.:.:..:j{.:.|.:}》《Ｖ}:.:V
　　　　　　　　　　　 ,'|.:.:.:.:.:/:!.:.__j_{　!.:.:.:}.:./:ハ:|.:}.:.:.:.:v.:.:.
　　　　　　　　　 　 ,'.:|.:.:.:.:ム|.:.:斗芋ミxﾉノ/,.斗r:!‐.:.:.:ｖ.:.:.:,
　　　　　　　　　　 ,' ':|{.:.:.:.{〔(!.:|ヾＶrﾀ｀'´ ´ f芳ｱ}.:.:.:.:.:}.:}.:.}
　　　　　　　　　　 ' !八.:.:.:{ヽi.:.!.:{、　 　 　 , `'’ ﾉﾊ.:.:.j'.:.}',:}
　　　　　　　 　 　 { !.:.:.:、.:{:从.|个ｰu.　　 　 　 八.:}.:.:'.:./ﾉ'　　　　　　どないしよか、やる夫君……
　　　　　　　 　 　 {八.:{ ＼.{:!.:'|.:|:ヽ　 ｀　 ’ ,..ｲ.:,'.ﾉ!:/:/Vﾉ
　　　　　　　　　　 ヽ ヽ　从!:ＹV|:{| ≧=-r≦_,＞/ j'ノ:::::!　　　　　　　あの二機、君に夢中みたいやねんけど。
　　　　　　　　　　　　　　　 ｀'|'i {ｖｊﾆ}ﾌﾆニ{| ｆ'^ |ノ !:::}::::|
　　　　　　　　　　　　,ｨf'⌒メｊ､! !' ｀j'´　Vﾆｊ_|　 |-八:{:::::|　　　　　　　それと、フラップアッパー。
　　　　　　　　　　 ／ニﾆﾆｱ　/ﾊ_,ﾉ__／ア　　　 Vr≧=r'ﾆﾆ!
　　　　　　　　　／Ｖニﾆア　,.:/ﾆｊ/{ニニ|:|　 　 　 {ニﾆﾆﾆﾆ!　　　　　 アイツ、強いで。なのはちゃんとやり合って生き残った男や。
　　　　　　　　　!､　￣／! ,.:／ｒく' ﾉニニｊ::!　 ,　　 {ニニニﾆ!Ｙ
　　　　　　　　　', ￣,　　,.:/ﾆ'"ヽ_〉ﾆﾆﾆﾚ::!'" 　 　 Ｖニニニﾚ　　　　　 アホな動きすると死ぬで。
　　　　　　　　　 ） ,　　 ,:/ﾆ' {/ニニニﾆﾆ!|　　　　 {　 ｀~^'V'!
　　　　　　　　　 Vｒ ァ ,::'ニ{ !{ニニニニﾆ!:!　　く ヽ!　　　 ﾉj|
　　　　　　　　　 ,　　　,::!ﾆ八',Vニニﾆﾆﾆ|:|　　　　 }、　　, !｀
　　　　　　　　　 {::.、　!::!ﾆニヾヽﾆ、ﾆﾆﾆi::|____ ,...ィ!　　　'’!、
　　　　　　　　　 ｀ト､:^:::|ニﾆくｨヽ＼ニニL::::::斗'^~|　　　　 ､!
　　　　 　 　 　 　 | (__ｰｊニニニﾆ}　}ニニﾆ{ｒ七!　 |　　　　　|
　　　　 　 　 　 　 |　ー'ニニニニ}　}ニニニﾆ{ 　 人　　　　´

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
この状況でどう動くべきか。

前方には強力なネクスト機が二機。
地上にはネクスト四機に今にもぶつかろうとするリンドヴルムとシュクヴァール。
背後には援護に駆け付けようとする艦載機部隊とノーマル隊。

後退はない。
敵ネクストを斃せるのも、味方の救援に駆け付けられるのも、
自分たちを置いて他にはいない。

はやてが念押ししてくる。
あの黒い軽量二脚に関しては未知数だったが、なのはを相手どって
生き残ったというだけでも十分脅威だと認識できた。

つまり、クーガーと同類ということだからだ。

下↓1　どうしますか？
1.前方二機を単騎で抑え、はやてにクーガーたちの援護を頼む
2.とにかく前方の二機を撃墜する。地上戦力はクーガーたちに任せていい
3.クーガーとアルトリア、どちらか一方に援護を要請する。
　彼らなら1対4でも大丈夫なはずだ
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5397：安価のやる夫だお：2022/12/01(木) 22:28:05 ID:ucjlLrz20
2

5398： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/01(木) 22:33:42 ID:4mq/M2JA0
安価を取って人がいないことを危惧していたが、まだ大丈夫なようだね……

今回はここまでだ。次回は来週の木曜日、12/8の午後八時からとする。

中々書き溜めとかできてなくてね……気長に待っていてほしい。

シーユーアゲイン。

5399：安価のやる夫だお：2022/12/01(木) 22:34:33 ID:ucjlLrz20
乙

5400：安価のやる夫だお：2022/12/01(木) 22:49:08 ID:oWeq8Co.0
乙でした
シグナムはどういう気持ちなんだろうな

5401：安価のやる夫だお：2022/12/01(木) 23:06:12 ID:8XK6KoD.0
1

5402： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/08(木) 20:07:06 ID:.IweUGxk0
　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
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　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
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　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ　　　　　　ハロー。
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　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

5403： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/08(木) 20:22:37 ID:.IweUGxk0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.| 　　　　　　　もはや前置きも思いつかない。
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,　　　　　　　　はじめていこうか。
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´

5404：安価のやる夫だお：2022/12/08(木) 20:23:50 ID:O6qAz6Kk0
ハロー

5405： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/08(木) 20:30:55 ID:.IweUGxk0


　　　　　　　　　　 __´￣￣二ﾆ=　、
　　　　　　　　／　　￣´ 　　　　　　ヽ
　　　　　 　 /　/ｨ　　　　　　}i　　　　∧
　　　　 　 /ﾔ'7=ﾆ二二二≦_｣Ｌﾍ/　 ∧
　　 　 　 ;　 /＼_　　､＿　￣Ｖ⌒{ 　 / }｝
　　　　　:; 　}(●）　　（●　）　〉 人 /　/^}　　　　　　　　　　　　　　どのみちこいつらを抑える役が必要だお……
　　　　　 '､ {（　ｨ'　　　　　　/／Ｌ {__/(__/
　　　　 ＿{へ≧＾ゝ､___ノ_z彡二弐≠ ＞／￣￣ミヽ　　　　　　　　地上はクーガーさんたちに任せていい。
　　　　r{_ `ｰ=＜三＞'’ ）二二 ／　//　　　___　　　＼
　　／/ ｛＼　　｀￣　 /二二／/ 　/ｲ　　 Ｙiっ) -┐　 ＼　　　　　　とにかくネクスト戦力を墜とすお。
　｛　　Ｖ 〉　　　　　　〈ﾆ二彡イ　 ｛ ｛　 　 }｣つ）二! -02 |ｌ
　｛　 　 i ＼ 　 　 　 /｝ト､　　 i　 /八ヘ　　￣´　　　　　 |ｌ
　　)〉=ﾆi　　＼＿∠_//ｚ/＼　i／　　＞　_　　　　　　 　 /ｌ
　　　汀 i　　　 〔_二//￣　　 ＼　　 /￣７ 　 ＞＝-≠〈/
　　 ！| iﾄ　　　　＼　　　　 　 　 ＼/　 /　　　　　　勹[_]
　　　　　｀v 　　　　＼　　　　　　　 ＼/　　 　 　 　　/
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／:::::::￣￣｀丶､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／⌒:::::::::::::::::::::::::::::::＼
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　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ::|:::|::: |__＼八:::｣斗-::|:lΛ|:::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |::|:::|:::Τﾋツ　 ＼ﾋツ |:ｌ:::::|:::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |:从|::从　 　 ､　　 　 从::::||:::::::::＼:::＼　　　　　　　　オッケー、ほな援護するさかい。
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |::|::|＼:仝　　 　 　 イ＼::::||:::::::::::::)＼:::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八:|::|∠__ 　 ＞-＜::|　(:::|:::||::::::::::::::::::::::::::::::.　　　　　　君の好きなようにやり。
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /Λ:|厂 ｢　 /l　 　 c〕|　 Ｖ:::ﾉﾆヽ:::＼::::::::八:::.
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 {(　／ 二| 　|:::＼_／::::| 　 イ!ﾆﾆ人::::::) ::/　 )ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／二二Λ　|:::::::| |::::::::|　/ /|ニニﾆ＼:::/
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　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 〈　　/:::::::::::::::::| |::::::::::::::||　 ∨　　 く
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　/人,,__ ::::::::::/〉乂;;:::||　　 ＼　　 ｝
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ネクストを抑えられるのはネクストだけだ。
敵も丁度二手に分かれている。今の状況がベストと言えなくもない。

地上の方は4対２と数的有利を取られているが、あの二人だったら
持ちこたえられるはずだ。

それに、この二機がフリーになったら、戦況は確実に滅茶苦茶になる。

ブレードを構えて射撃モードへと移行すると、それを始まりの合図としたのか、
赤と黒の敵機が猛然とオーバードブースターを唸らせた。
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5406： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/08(木) 20:37:47 ID:.IweUGxk0

　　　　　`マ三ﾐi､ ヾマミｭ､　 　.ﾏ　ﾑ　　 　 ／イ´ /　　j　l､　　　　　/ l
　　　　　　 `マ三ﾐi､　　`マﾐ､ 　 ﾏ　.ﾑ　　　 ￣ `)　＼,ｲ ,j､i　　　　 /.liｪ
　　　　　　　　`マ三ﾐ､　　　　＼　ﾏ　.ﾑ　　　　 /　　/　 i .l　　　　 i　 iミ /i
　　　　　　　　　 `マ三ミ､　　　　 ＼,.-､ヽ　　　/　 /　　..i .l　　　　i　 iミ7 i
　　　　　　　　　　　`マ三ミ､　　　　　　 ＞､　 /　./　　jミi l　　　.}i　 jﾐ./ j三≧iｭ､
　　　　　　　　　　　　　ﾏ三三､　　 ,, 　 　 　 ヽ　/　|'､ﾉミ､.l .ﾑ ./i　 .iﾉ　 j　　 ｀` マﾐｭ
　　　　　　　　　　　　　 ﾏ三三ミ ､ `ヾｭ､　　　∨ 　 i ﾏﾐ､ﾏ―.V ━　,'　/￣｀` ―-ﾏﾑ/ｭ､
　　　　　　　　　　　　　　.i三三ミl i　　　`ヾｪｭ､}ｭ､ノ.i　ﾏi i､ヽ　 ﾚ/ｭ ､ /　　　　　　　ﾏ }ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　 寺三三､＼　　　　 ＞寺≧､. ﾏ､.ﾑ/　j彡ミ　}
　　　　　　　　　　　　　　　　 ` 寺ア､ ＼＿,ｲ三ア`'' ヽ　ﾏ､}ﾑ/ ）'''l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　 i　Y,イ ∨ {　 ',　 ヽ ヾ｀ﾍ_/」 .l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　i　　l l　 l | ﾏ､　',　 .ヽ《ヽ　　i j
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 iｲミiｱ ´ ￣￣￣ マ ヽ､　ヽヽ＼ j/　　　　　　　　　　　_ｲ三三三三
　　　　　　　　　　　　　　 ＿_,,ｨﾏ彡'　　　　　　　　　`―`‐`‐｀――――'￣￣￣｀ｧ ＜　 }==ｭ
　　　　　　　　　　　 　 ., ＜ﾏ､　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿＿＿＿　　　　　.lﾐ　　　 ﾏコ
　　　　　　　　　 .,　＜　　／ﾏ　＼＿＿＿＿＿＿＞´＿＿＿＿＿＿＿≧ﾆﾆﾆﾆｺﾐ―――――‐
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　　　　　　　　　　　　　　ﾏ三ヽ＿＿＿ﾏ三ﾑ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿,,,,,,,　-‐
　　　　　　　　　　　　　　 ヽ―-ﾏ三三三､　 ヽ＿＿＿､＿ ,,,,,,,,,,,,,,,,ｪｪｪｪ≦三三三ｺ＿　　 --―
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　　　　　　　　　　,,ｨ彡三三三､＿ﾑ　　　　 ヽ―｀　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿ ,,,
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　　　　　　　　　ﾏ'　　　　　　　　　 　 ＞ ´　ヽ --‐/ ￣ ヽ￣i　　　＼≦≧/三{- ､_
　　　　　　　　　,,ﾑ　　　　　　＞　 ´　　　 ／　　/　　　　 i　.l　` ――マ三三ア　/ ヽ
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￣￣ /　　　　　　　ﾏ　　　　　　 ,＞ ´￣/　＞､　　　　　　ﾏl　　　　　　　　　 ￣￣
　　 /　　　　　　　　　ﾏ　 　 , イ/　　 ／　　　　}　　　　　　 `
　 ./　　　　　 　 　 　 ム,＜＿/ 　 ／　　　　.／
　./　　　　　　　　 ／　　　　　　 ／　　　　／
　i　　　　　 　 ＞´　　　　　　 ／　　　　.／

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「てめえのおかげで機体はおじゃん、肉体もガワばっかり健康体で、
中身はほとんど機械になっちまってなぁ！
お高くついたぜぇ！？　てめえの命だけじゃ払いきれねぇくらいになぁ！
まぁでも、とりあえず死んで詫びろや！　マーシフルのリンクス！」

罵詈雑言をオープン回線で喚きたて、カタストロフィが飛び掛かってくる。
その脇を縫うようにして、フラップアッパーが躍り出てきた。

その手には大型の物理ブレードが、フラップアッパーは細身の長剣を
思わせるレーザーブレード発生装置を後ろ手に構えている。

射撃戦で削り合いなどという悠長な真似は許してもらえそうにない。

カタストロフィの大ぶりな兜割りを咄嗟にPAシールドで受け止め、
側面からのレーザーブレードにミセリコルデが刃を合わせる。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5407： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/08(木) 20:41:15 ID:.IweUGxk0

　 　 　 　 　 ﾄ〈//ヽ 丶三三三三三三三三三二ニﾆ=‐＿,ｘ≦三三三三三
　　　　　　　ﾊ/,ヽ///＞- 　-r―――=ﾆ二二三三三三三三'//////////／
　　　　　 　 |::.Y´|l　へ'/三三|三三三三三三三三三三三三////,-/////.:::
　　　　　 　 ｌ::::|'/!| l::::::|l､_＜/|三三三三三三二ニ=__=ァ＝i////.::://///.::::
　　　　　 　 ∨ｌ'/ｌ| |:::: l:{　｀示ﾐ::::::::::／.//　　 _,,,ィ"¨´ Y}'/,ﾘ///ゝ/////.::.::.
　　　　　　　 .';:}'/! .';:::::l.ヽ.._ゞ'_,}::::::/　ｨ/==≦¨示＝ミ ;人/Ｌ'/‐ｧ'´7.::⌒ヽ::::;　　　　　　大層な御託を並べやがってよォ！
―――― -- ﾐl:::l　.ｌ:从　　二人::〈　.::|!{!:从_　じ'　.ノ./.:::/.:::/.:/　/::.::.::.::.::.}/
二二二二二二.';::',　';::ﾄﾐｚ=‐'　::::ト､〉　　ヽ　:::::￣彡./.:::/.:::/:./　/::.::.::.::.::.:/　　　　　　　冗談じゃねぇぞ！
二二二二二二/':::',　’;:.　　 　 :::;!　　　　　　　　　.,.:'::／!:::;'_.〈__;′ー／:; ′
二二/二二二二:';:‘;　 ヽ〉　　 ::/　　　　 　 ヽ __／..:/ ,ﾉ::＞―‐ｌｰ::.::.:／　　　　　　　　　ネクストをなくすだぁ！？
二ﾆ/二二二二ニ',∧　ハ　　::;′　　　　　　　/.:;:::::／／.::.::.::.:::{ｌ:_,:イ
二'/二二二二二ﾆ';:∧ . ∧ 　 ヽ　‐ 　 　 　 .;':::/／／..::.::.::.::.::.::ﾘ::::人　　　　　　　　　　　てめぇら何も考えちゃいねえだろ！
/::,'二二二二二ニ::〉_ハ　:::', ヽ、＿_　　　　 _{／:／.::.::.::.::.::.::.:::/:／//＼
::/ニニニニニニニ}/.::/{　　i　､.｀ー　二二ア.:／.::.::./.::.::.::.::.::./ｲ'//////＼
;'二二二二二二二l!:::/.:|l . ∧.　/.:::::::　　iヽ／..::.::.::/.::.::.::.::.:／//////////,＼





ノ : : :__ ﾉ : : /: : : : : : : : : : ,′: : : : : : | : : : :|: : :|/ｲ:／⌒ヾ.: :ヽ : : ヽ : : ヽヽ::',
_; ィ´／／ｲ/: :/ ,ｨ: :/: : : :/: : : : :／: : !: |: : :|: : :|　´　 　 　 ヽ: :',: : : :',: : : |　',:|
::: ／イ:::::::/: ,ｲ://:,ｲ: :/: ,' : : :;ィ´:ｨ : : |: !: : :|､ : |　　　　　 　 |ヽ:i: : : :|: : : |　 !|
:'´:::,::::::::: ,'／//;' /,' :/ﾚ/ : : //'´:ﾉ: :ノi: |、:｜',: :',　　　　　＿|:::i:|: : : :!: : : |　 ﾘ
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'/::::::::::::::::::::｜:::::::::|/::/ /／:::/／:／,':::;ﾊ::::::::::,' : |､:', _ノ,ィ''7´! ﾉ' : : : ヽ: : :|ーく::::::
′ :::::::::::::::::::|:::::::::::レ',ノ'::／/::;:ｨ‐-/∠__|:| : /.: :ﾉ ,Xz'ﾆ´''´　|:|: : : : : : :ヽ: ',::::::::＼
::::::::::::::::::::ヽ､',___／／:::::/ ,ｲ::/ぇ‐ｧ弋ｧァ/::/.: :,'　{　|｀　　　 ﾉﾉ : : :;〈: |､: i ､ヽ、__,:　　　　　企業連体制ほど完成された秩序は
::::::::::::::: / :::::｀ーｧ'― ‐1:/::ﾚ'　／￣￣'´{:::{.: :/　 レ'　　ー'イ: : : :/}::| |,|: |´｀ー‐'::
::::::::::::::/ ::::::::::: /::::::::::::::|'::::::ヽ、 　 ,|　 　 Ⅵ.:,'　 ´ヽ　 　　　′ : ,',ｲ´!ﾉ:|: |::::::::::::::::　　　　　　歴史を紐解いてもそうはねぇ……
:::::::::: ,′/::::::::,'::::::::::|:::: ヽ::: ::､:｀ー'ﾉ　　　　V　　 　冫　　 / : : : {'　V:::::|:/::::::::::::::::
:::::::::/ヘ{ :l::::::i::::::::::::!:::::::::::: : ､ヾ¨´　,.ｲ　　　＼-､ r' 　 　 '} 、 : : ﾞXﾞヽノ':::::::::::::::::::　　　　　　 確かに裏も恥部も暗部もあらぁな。
r''¨￣｀¨ヽV´{:::|::::|::|::::::: ::: :::: ヽ.｀二ノ ｨ' ,､_＿＿,．- '　/,'　| : : :ヽ ヽ{_, ｲ:::::::::::::::
￣ ｀ 丶､　＼Ⅵ::::|::ヽ:::: : : :_;＞‐｀＝‐ ､_｀¨¨￣＿,, 　 ,{/　｜ : : : ヽ-r‐':::::::::::::ノ　　　　　　　けどなぁ、んなもん当たり前だろうがよ！
　　　　　_＞ 、 ＼!＞' ´￣ .: .: .: .: .: .￣ヽ｀ヽ､　}::::ヽv':::ヽ /|、 : : : : ＼::::}、／:::::
　 　, ィ´　　 , ゝ'´ .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: . ＼ﾉ|'″::::::::＼ヽ`く ヽ: : : : ヽ Yイ:::::::::::　　　　　　　100％クリーンな政治なんてあるわけねぇだろ！
　／　　 , イ .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .:｀ヽ.:::::::::ヽ::ﾍ::ヽ:}　!ヽ: : : : }:', |::::::::::::
'´　　 ／ヽ、__ .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: /:／ .: . ヽ.::::::::ヽﾍ::｜｜:.}:}､ : ﾊj､|::::::::::::
.　 　 ヽ、.: .: .: ｀.: ｬ‐ ､ .: .: .: .: .: .: __, .:ノﾞ´〉｀ｧ-= :/::::::::::::',:}',:|　ﾊ:,'ﾉ.:i:｜.:.j'__:::/::::
　　　　,ﾊ .: .:ヽ、 .:ヽ::::ヽ、＿_, ィ.: , イﾙ:'´: / .: .:./::::::::::::::::ij i:!/ 7ﾞ.:.:.:|: |:ノ.:.:.{ '::::::

5408： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/08(木) 20:47:32 ID:.IweUGxk0

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　　　 ヽ/　　　　　　　　|　|　|: : ',　 　‐ ｰ＾´ ソ､ｌ､: / ィ‐ ､｀|: : : : : ｌ
　　　　 |　　　　　　　　 ｌ　|__|＿: :ゝ‐ィ　　　　　　 　　ヾｰ　ｌ: : : ／ｌ
　　　　 | 　 　 　 　 　 ｌ´　　　 　 ＼　　　　　　　　,　　/　_ﾉ: /､　 ｌ　　　　　　　　企業連からネクストを取り上げてみろよ……
　　　　 |ヽ　　　　　　 ｌ　　　　　　　 ＼　　　　　 　 　 ′ヽィ-‐´　ｌ
.　 　 　 |　',　　　　　/　　　　　　　　　 ヽ´ニニ二 ｰ-､　 /　　　 /　　　　　　　　 全部滅茶苦茶になるぜぇ！？
　　　 　 ',　＼　　／　　　　　　　　　　　 ヽ::::::::::::::::｀ /　/　　　 /
　　　　　 ',　　￣　　　　　　　　　 r ､　　　 ＼ｰ-､::::/　/ 　 　 /　　　　　　　　　　 数百年後の滅亡が数年後の滅亡に早変わりだ！
　 　 　 　 ∨　　　　　　　　　　　 ゝ '　　　　　＼ ∨　/　　　./
　　　　　　 ∨　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ヽ　/　　　./ヽ　　　　　　　　　　　ネクストがこれだけの秩序の維持を可能にしてきたんだ。
.　　 　 　 　 ∨　　　　　　　　　　　　　　　　 　／ ｀　ｰ -　＿| |
　　　　　　　　ゝ───────- ､ 　 　 ／　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　当たり前だよなぁ！？
──- ､　　　　|　　　　　　　　　　　　　丶　､　 　 　 　 　 　 /
　　　　　＞ ､　.|　　　　　　　　　r───--- ､￣ ` ┬--- '
　　　　　　　　＼　 　 　 　 　 　 ｌ　　　　　 О |　　　 |





　　　　　　　∠ へ＿＿＿＿＿
　　　　　 ／_|＿＿|＿＿＿＿＿
.　 　 　 // ﾉ　　　｀'‐-　　　|
　　 　 //（○） 　 （○ ） 　 .|　　　　　　　　　うるせぇお！　アンタは戦争がしたいだけだろ！？
　　 　 | | 　 　 　 　 　 　 　 |
　　 　 { {　　 （__人__）　u　 .|　　　　　　　　　 ネクストがなくなったら派手な戦争ができなくなるだけだろ！　
　　　　ヽヽ　　 {＿_}　　　　 }
　　　　 ヽ ヽ―┬‐┬――┘　　　　　　　　　少なくともアンタは！
　　　　　／ヽ＿{＿_|＿＿＿
.　　　 　 /　　 /　/
　／　　/.　 　 |　|
　　　　{　　　　|　|

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PAが消失する寸前で受け流し、サイドブーストで回転しながら膝蹴りを見舞う。
互いのPAが明滅し、なんとかカタストロフィを引き剥がすものの、
ダメージにはなっていなさそうだった。軽量機の蹴りなど大したものではない。

カタストロフィが離れたことを察知したフラップアッパーが
ミセリコルデに前蹴りを叩き込み、その勢いで飛び退く。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5409： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/08(木) 20:55:58 ID:.IweUGxk0

　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀Y　／ﾊ :{　　:::::::::::::{＞''¨ ＝=　 /::::::::::::::::::从::＞.ミヽ＼　 }
　　　　　　　　　　　　　　 Y　　　人ｲ:::::::ﾊ从ｲ 　f::()ｱ　/::::::::::::::::::::ﾊ:::::::::::::::::ヽ.　ヽ〉
　　　　　　　　　　　,ｲ 　 丿　:::ﾄ￣ﾑ::::ｲ:::（　　　　　 ／::::::::::::::::::::/ .ﾊ::::::::::::::::::::＼ｿ
　　　　　　　　　 　（:::｀¨´/ 　::::ｲrｲﾂ小ヘヽ　　 　 /彡ｲ:::::::::::::::::{ﾊ.　}::::::::::::::::::::::弋__ノj
　　　　　　　　　　　｀ーｧ 　 :::从ｲ　/ ヾ　　　　　　{:::{　{:::::::::::::::i| 弋　j:::::::::::::::::::::::::::::::く
　　　　　　　　　　　　ノ:/ 　::::::ノ　/　 　 　 　 　 　 ヾ　ヽ::::::::::::l|l:::ヽ彡:::::::::::::::::::::::::::ﾄ､:〉　　　　　　――よく分かってんじゃねぇか。
　　　　　　　　　　　（::,ｲ　:::::::::::::.　＼　｀　　　 　 　 　 　 ヾ::::::::...　小:::::::::::::::::::::::::::::小ﾉ
　　　　　　　 　 　 　 ｿ{　 ::::::::::::∧　 ,,''　'''''''''''''''''''''小､_ノ:::::::::::　　ﾙ小:::::::::::::::::::::::::ﾊ　　　　　　　　でもよぉ、俺の言ってることは現実的だぜ？
　　　　　　　　　　　　　ヽ､ ::::::::::/ﾊ　''ｨﾆ二ﾆ=＝一 ｀ーｲ:::::::::::　　j ﾉ　ﾄ::::::::::::::::::::::::::ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　 ヽ ::::::://∧　　,,,,,,,　　　 　 　 ﾊ:::::::::::　ノ　 　{::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ　　　　　　大人しく殺されとくんだな。
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 丿 ::::::ｨ//∧　　　　　　　　　{::::::::::::l　八＞'''¨ヽ､::::::::::::::::::::::::ノ
　　　　　　　　　　　　ﾄー'　::::人{　ヾ/ﾊ　　　　　　....::::::::ｿ:::::::::ﾄｲ 　 　 　 　 ｀Tミ==‐彡ﾆヽ　　　　　 迷惑だぜ、てめえら。
　　　　　　　　　　　　 ｀ ー＜　 ヽ　}:::::ﾄ､　--‐''::::::::::::::::{:::::::::ﾊ　　　　　　　　 i::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　､＿ ﾉ:::::ｨ:::::{￣ｱT rイ　 弋､::{　　　　　　 _＞''´￣￣￣￣　　　　　　　パブリック・エネミーったぁてめえらのことだぜ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ー‐´ ヾ::{''´　 { |　　　　　ヾ､　　 ＞''´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　 ｀|　　　　　　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　z ─--- _==ｧ彡|　　　|　　　　 　 ／





　　　　　　｀ー'´　　 ／　　　　　　ヽ　　　ヽ
　　　　　　／　　　 i　　　　　　　　　＼　ヽﾊ
　 　 　 　 |　　　 i　|　　　　 |　|､　　　 ｀　 i ヽ
　 　 　 　 |　　 ..::V:i　　　　 |　ﾘヽ　,::..　　 |　ﾊ
.　　　　 　|　　..:::::/ﾉ:i　　 i!　　i　 ' ＞､::.　､ヽ　ゞ､
　　 　 _ ｨ_,､　..:::/ｲ::ﾊ　　 |_ _.ﾉ　／_,,_ヽ　人てー´
　　　　　 iﾘ　.::ｲ::ハ-､ヽ　（　= 彳てﾘ　i /i　ﾉ　　　　　　　　　　　　　　……。
　　　　　 ヾﾊ::::ｨ:ヽ -=､ ｧ､ ＼　　'￣　 ﾊ/ /
　　　　　　｀ー ─-ヽ｀┴'　i￣　 　　 　 ﾊiﾘ
　　　　　　　　 　 　 ヽ　　　|　　　　　　 i　|＿＿_
　　　　　　　　 　 　 　 ＼　 ｀ -─　　 ./_,,|＿ ／|
　　　　　　　　　　　　＿ .＞､　￣ ┌''￣￣　 　 .|
　　　　　　　　　　　 ﾊ　　 　∧ーイ|　|　 　　　　.|
　　　　 　 　 　 　 　 V　　 ./ ﾉ-／ |　|　　 　 　 : ＼
　　　　　　　　　　　　 V　. ﾄｲ:::::ヽ.::|　|　　　　　 :／￣￣＞-..､＿＿＿
　　　　　　　　　　_..:-:;;ﾊ　 i!::::::／V　 ＼＿＿／　　　／::::::::／　　　　 ＼
　　　　　_.....-.:::':´:::／　ﾉ／::::::i　 /／￣￣￣　　　.／::::::::／　　　　　　　　ヽ
　 　 ﾊ'´/　 /::::::::/ 　.//::::::::::::|／　　　 .＼＿＿／￣￣/　　　　　　　　　　 i
　　/　ヽ＿/:::::／￣　|.|:::::::::／　　　／　 /　　 　 　 　 /　　　　　 　 　 　 　 |
　　|　　　￣￣　　　　|.|::::::/　　　／　 ／　　　　　　 ノ　　　 　 　 　 　 　 　 |

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距離が開けたのを見て、すかさずブレードを展開し熱線を放つ。
青白いレーザーが敵機を貫かんと飛ぶが、易々と回避された。
掠る寸前でのクイックブーストには余裕と煽りが滲み出ている。

一方、フラップアッパーは打って変わって物静かになっていた。
まるでこちらを値踏みするかのように、マーシフルに向けてカメラアイが発光する。

押されるほどではないが、楽に勝てる相手でもなさそうだ。
このままの状況で交戦を始めたのは正解かもしれない。

これなら、自分とはやての二人でもなんとかできる。
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5410： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/08(木) 21:05:24 ID:.IweUGxk0


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一方で、地上では轟音が止む様子もなく、絶え間なく爆発が巻き起こっていた。

コジマ粒子が圧縮解放される時特有の高音が鳴り響く度、
巨大な爆発と共にビル群が吹き飛ばされ、道路が抉られ、アスファルトの雨が降る。

爆発の中心には、リンドヴルムとシュクヴァールがいた。
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5411： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/08(木) 21:14:50 ID:.IweUGxk0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　　 ./≧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿|.＼ﾑ　/:::/,_|_､ ／≧､
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,___　　　　　∠二　ﾑ　ヽﾄ/::/iｭｲ／､/::::::/i
　　　　　　　　　　　　　　 ＿/ /ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ）｝=i了ﾑ　ノ::｛iV_/｝ｲ:.:.:./i　＿＿
　　　　　　　　　　　　　/ ヽーｲ────‐// .∨ミゞ卞:::|ｌY´ｲ.丿:::＞´　　 ＞ゝ
　　　　　　　　 .,---‐‐‐､/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.//:.:./＿/ヽ∨¨｀ヽ´/:.:.〈＿___-≦￣|｝
　　 　 　 　 　 ｀￣￣￣//￣￣￣￣ﾌ￣石￣ノ　　 ｌｲ｝＼.:.:..∧ーイ　|圭::::|.ｌ／
　　　　　　　　　　　　　 ¨　　　　　　|ミ/／　　　　／ :.,:.:.:.:. ヽー＼ﾄ-‐ー ￣|ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／／Y>､|H|ー- イ-､　　　　　　　　　　　　　うおおおっ！？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 i／　　　/□ｌ‐日ﾑ＼ ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／|　　　 /ﾑﾏｌ　　　 ﾏ ヽ/　　　　　　　　　　　　こっちに来るな！　来るなぁ！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ 　≦ﾄ.、ｌ　　./ ﾑﾏ ｌ　　　　ﾏﾄ､　＿＿
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 _ 　 ＜ ￣　く＞ｲ／ヽ／ ..ﾑﾏ ｌ　 　／ ＼ Y　ー　ヽ
　　　　　　　　　　　　　≦　　　　　　　　　 /　　　　　ﾑ/　ヽ／ ＼.≦ヾ｝　　　　＼
　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　∠　　　　　　 ∨　　　　　　 Y　＼　＼　　 ﾑ
　　　　　　　　　 ／　＞‐ヽ　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　∨　 ＼　　　　i｝
　　　　　　　　　| ／　　　 ｌ　　　.／　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　／ ∧
　　　　　　　 ／|　　_ _ ／　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　ーイ　　　ﾏ
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　　　 　 　 ./＜} |三∨/'ｱ:::::::i{///////｡o＜/;;/:::〃:::::::// ,.ｲ{//∧///////ｱ　｀`.-=.､.　　 　 　 　 ￣'''―--z＿＿
　　　 　 　 .{三三三「|//:::::::／{////／／::::,.-/::::〃:::::://,.ｲ/∧'∧//////／＿＿　　　　　 　 　 　 　 .r────────
　　　 　 　 .ﾊ/∧三リ/|:::／/::∧,.イ彡ｲ／;;;;／⌒ヽ,.ｲ〈;;;ヽヽ//∧////,／//三三≧s｡., 　 　 　 　 ,,,,、 ＼
.　 　 ＼￣〈::ﾏﾑ_∨/ﾉﾘ///::://,ｲ:::};;;;;;{;;;;／ー＝ミム/|;;;;,ﾍ〈,∨////,'ｱ///三三三三三≧s｡　　　.＼¨''ｰﾆ;;､、
　 　 　 .＼__〉:∨=∨∨/八:::{//,{::::};;;;;;У〈,ィ≠ﾐ､//ﾘ/ﾚ'ﾞ::::/厂￣:::,.ｲ///三三三三三三三ム.ﾞ!l>､.　 ＼
.　　　　　 　 ＼〉//ﾑﾉ//{＾＾ゝ{__l∨;;;;/;;;;;//__/〉::f;Y＾Y´:::::/::〉::::ｱY/,{//从三三三三三三三;ﾊ　l　｀'-､. ｀'-,
　　　　　 　 　 .￣￣ﾞ{//∧(_)///,{;;;;;;{;;;;///;;ﾉﾘ;;/;;}::::}::::::::ﾚ'ﾞ .∨::{∨{//{三三三三三三ﾆｱﾆﾆ}　l　　.　 ｀'-､＼
　　　 　 　 　 　 　 　 `ｰ'´/::＾ｰ=弌;;;;};;/;;}ﾞY´/;/;;;;{:::/＿(;;;;;／〈_//{/{//(二＞三三三ア´ ﾆﾆﾉ　 .|　　　　　｀'''ゝ
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　　 　 　 　 　 　 　 　 ／　 ／;;{;;;;|爪;;∩;/;;;〉;;;／_/77 |Τ |::::::}[[圦/ゝ寸ゝ三三三三三三二ﾆ=-
　　　　　　　　　　　　 　 ／￣｀ヽﾉ//};|ﾉ/;;;/ﾉ/;;/∧//,| 乂|::::/=○///寸//≧s｡／／三三三三三≧s｡
　　　　　　　 　 　 ./　／　　　　 {//ﾑ弋__/イ,ノ乂ﾏ//,N⌒Y´,.＿__rく弌＞-----─=彡
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どうやら二人は一直線にシグナムに向かうのではなく、
雑魚散らしから始めたようだった。

敵機の内の4機、内3機を、それぞれ追い立てているのが見える。
ビル群をなぎ倒しながら敵ネクストに迫るリンドヴルムとシュクヴァールは、
さながら狩りをする大型動物の様でもあった。

フラッドファルスのレーザーライフルを避けるまでもなくPAで受け止め、
リンドヴルムがOBの爆炎を背に肉迫していく。
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5412： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/08(木) 21:22:43 ID:.IweUGxk0

,,　ii､　　　i;;　 |;'　　 ;;;','','|i　 ;;;;　　/ヽ":ヽ/;;;;・,’・,’／・,’
ii　 'ii､　　';;,’',;|;'・','　|;;','''|i　;;;;　',';',';ﾘ|:::::/;;;,・,・,’／/,､-'
ii､',''・ヽ,.’';;;,’, |;;',.’',''|i','',|i ;;;;;'・,’',';/','/;;;;ヽｰ）ヽ―'"
,'iii､'・,’ヽ',';;;',,’|;;,.'・,’i|.'・,|i ;;;ii~'ｰ､/',/;;;;;;;;､）
　 iii､'・,.’ヽ;;;;t.|;;',';',';'|.|.'・,|i;;;丸ミ"ヽ/;"','・ヽ　　　　う
ヽ　;ヽ'・,､i,,从ii|;;ヽr-| |;','〉;;;;井ミﾐイ/ ,､-'"ﾉ
;iiiヽ　ヽ };;;t(();;;;）ﾉ　| |;≧iiii;ヽ从||-从从ヽ　　　　 わ
' iiiヽ;;　''（;;;;;;)~）从⌒~'ｰ､~'ｰ､;;;_,､-'"~~'ﾂ )
　'iiii i〉~'-､;;;;tﾋ从从~''ｰ ､~';;;;;ノ;;;,,ヽﾞ~~'''〈　　　　　ら
､ﾐ､シ　;;;;;;;ﾒ彡-､ﾚ ﾌ ,r",､-'"''ヽﾟ､)彡ﾘｿ;;;;）
ミ','て iii､;､''iiｧ-､r､";;;;;r",,､-ｰｰ､　ヽ彡'",,ﾉ　　　　 ば
・'了"i､i人;;V''ﾟ'"t)t';;;;;､-ｰ''彡彡~''ｰ ''"/,､z-､
,':,'(（ii|ii|ii､;;;"'t､,,/,r''"彡彡'彡"､',､-'":/'"ノ彡）_
,':,':;了ﾘ|;;;;''';;;;;;ヽ" 't;r'~'ｰ-'"彡''"彡::/:　j川ｿ/'i　　　　　　＿,,,
,':'"（ Yit､ii､;;ii;;;;;ヽ'､ ミ三ii彡";;;;"::::::iq,　|;;;;;;,/. i|　＿＿,／　 ／i
／　 ﾘ;;;;iﾚ|i､;;ii;;;;;;;;;;ｪ;､~"'､~,､-'"/ノﾉﾉ　|;;;j　　|ji"ﾂ,､-'/／|r" ﾘ
,':’r"､r-;;､;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ ｀~'ﾐ";;;;rｰ''ノ-ir-ﾉ~;;|　　|､-'"　,/:|　 ||　/
／"ヽ'"~'-､;;)､;;;;rii;;;;ﾉ￣::'"''-ii､~,､'"r":::::;;|　　 ,,､- '"ﾆ|　r' |/";;;;
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ｰｰ-､､,,::::::::::　　　　　　　　:::'''"~',r'"　,､-'|.　 ﾉ ;;|　　|;;;;;;;;i ;|.　|"
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''",ﾉii;"::iiiiii'・',;;"ii','::,':~'i,r､　i~iiii;;;;;;;;|. /;;;;;;;;|i:::,,､'／::>z'/~ﾘ/ ,,､-'"
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トミ|　　　|= .＜三＞､　　／／| ｌ　　　∧＼ ｝ｯ　　 -‐-､.〈」:iｉ||| |　　　　　　 　 　　 　 　 　 /　 (/　 ＿_　＿__　/＼|/|===|　 　 ┌┐　_
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ト .＜巛:.:.:.:.:.:.:.ゝ:.:.:.:.:.:.ｿ〉Yii｝V　 /:.:.:.:.ゝ:.:.／:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:》＞ｘ . )´　　　　　　　　 ／( 　 〈I　　　//=i|_|/|//|_|//||/|===|_i|//|Ti|__|/|__|
トミ|　.¨＜:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／/:.: ﾚ７┐/:.:.:.:.:.:.i｛｝ﾄ､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／　＞ー｀　　 　 　 　 　 .r,　<(　/(/ 　 // /:i| /|竺竺| /||/|===|/|//|Ti|__|/|__|
トミ|　 .／｀＜≧=彡７:.:.:.ﾚ´:.:.Y:.:.:.:.:.:.:.:.:.Y|iﾄ　ゝ-=-‐≦＞＜　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 / /　 /'　 /__i| /|三三| /||::-=＝ﾆ|//|Ti|__|/|__|
ト|￣./二二｝:.:.:.:.:./〈:.:.:.:.:.:.:./Y圭｀Y/､ノV:.:.:｛≧ｘ三ﾆ/:.:.:.:.:.:.＼　　　　　　　　　　 ,　，　　 　 //　〈　/:!ﾞ/|三三|-‐|ＺＺＺＺZ|//|Ti|__|/|__|
ト|　/三:.:彡:.:.:.／　 ｛＼:.:.:.｛Yﾄ=ノ|｝ゝi:.:.:.:.:.:.:ト／｛:.:.:.ｌ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ 　 　 　 　 　 　 　 　 ))　　　,,　 ﾟ //..,,,, '⌒ヽ|-‐|LiLi|zzz|ZZﾄﾐ|__|/|__|
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. . . . . . . ト...／ ／ ゝ:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨∧∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ　　¨乍=-　_ｘ　 ＼ﾍ..:: :::｀ ノ( ;; ,,,<_〉 ::/ ::: ..;; ,,／／／;;;; ,,,,,,;K|======izzz||TT7/爻爻〉
二二(⌒.　/ ／　　　｀Y:.:.:.:.:.:.:.:VV/ｌ Y:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:〉　　　　　　　　　　'ﾍ ; , ;; . :: : ,; ;, ;, ;; , ;;, ;,; ⌒／／ , ;; ; ; ; ; ;;;;;;,iLiLiLi||i|ili||TT爻爻爻
lllllllllllllヽ. . . . . . . . . ...//ー∪ー.W/　ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.＞:.:.:.｀｝ , , , ,,, , . :: : 〜〜. . . . . . . . . .. , , ,, ; ; ; ;, ;;, ,; ;, ;; , ;〜; ,,;;⌒ヽLiLiLi||i|ili|| 爻爻爻爻
lllll(⌒; ,; , ;, ; ,;, ,, , , ;.７　/圭|　|〉|ﾘ　　　¨ヽ:.:.:.（）:.:.＼:.｝; ; ; ; ; , ,, , ,; .. :: :: .::.. :: .. . . . .. .: , ;; , ;; ; ; , ; ; ,; ;; ; ; ; ;;; ,; ; ;;;;; )iLiLi||i|ili||爻爻爻爻
lllllll), ;;; ,;; ,;; ,;〜〜;, ,;;.¨　　 .i_i　 ¨　　　　　〉ヽノ:.:.:.:.:.＼..... .:: :. :: : :: : :: ... '' ,,; ;, ;; ;,,;; ;,, '' ,,; ;;; ,, ,, ; ; ; ; ;; ; ; ;; 〜〜: :: .:: ⌒; ;; ,;; ;⌒;; ;;,, ,〜へ
l／;, ;, ;, ;, ;,,, ;;;; ;;;, ;, ;, ;, ;, ;, ;,;/~ ￣;|〈〈~~ . i｝:.:.:.＼>＼＼>.;; , ;, , ; ; ; ;'" ; ; , , , ; ; , ; ; ;; , ;: :: . .: :. :.. : 〜〜; ,; ;, ;, : :. : .: : .: : . :--: .: . :. :. : . :. :.:
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フラッドファルスは勢いのまま突っ込んできたリンドヴルムに押し倒されると、
レーザーライフルの銃口を突き立てられ、そのまま引きずられていった。

その背中で道路を砕きながら、何度もレーザーライフルをゼロ距離で撃ち込まれて
その機体を震わせていた。
最後には放り投げられ、落下した時点で周囲の廃墟を巻き込み爆散していった。

リンクスの消え入るような悲鳴が微かに回線に混じった気がする。
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5413： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/08(木) 21:39:29 ID:.IweUGxk0

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ'´｀ヽ､ __.f　　　,ｨヽ!_|/ 　 ｡' ｡‘二二iニニﾑ　ﾟ,　｀≡´/ ハ‐-弋｀´ﾉ／´ト
　　　　　　　　　　　　　　　　　 八　　　/:,-{fi_fioｿ､/:.:∧　/ /二二ニi二ニ=ﾑ　ﾟ,.＜＞----ﾍヾ｀|┤ヽ　 /
　　　　　　　　　　　 　 　 ｎ､　 　 ﾟ．　 {::{:.l八_,_,jノ:／:.<z/ /ニr‐-ﾐ_」__,z=ﾐニ}　 i...─∨ﾍ　Zﾍlミi||　 l　/　　　　　　う……
　　　　　 　 　 n＿＿＿__Uﾉfj¨fjつ≧xj:{､!/____j／,:´: :.｡' /ﾆﾆ辷＝=-､＿//ﾆl　 : i　 iハ ﾍ　　〉 H- ‐ ´
ﾏ二⊃===ﾆ二|圦ニ斗匕zzzzzﾑ＿＿〕ﾑ|:.:.:.:.:.:',:.:ｉ:_:_:/ /二二二ﾆi二二二ﾆ=l　 iヽ_/　∨ 　 /ヽ
　　　　　　　[l二二ljljljljl_((っ}⊂〉￣￣｀ﾏﾑ‐､─r‐≦'　'二二二二ｉ二二二ﾆﾆl　 l　　　...＼／　∧
　　　　　　　　　　　　　　　ﾐ三ｿ｀￣￣´ ￣,ｲ{三}「i ,' .,'二二二二i二二二二=l　 l 　 　 　 .∨ .　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,ｲ∧i￣￣il　l二二二二i二二二二ﾆ!　 !　　　　　　ﾏ‐‐‐.|ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,ｲ:./:.:.ﾟ．:.:.:.:l　l二二二二i二二二二=,゜　′　　　　　 l .ヽ》》》|li
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 〈__/:.:.:.:込､:.:.l　l二二ニニi二二二ﾆﾆ/　/　　　　　 　 ヽ　ヽ''''''ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r<ﾑ￣￣ _＞l　l＼二二=i二二ニﾆﾆ/　/　　　　　 　 　 .ヽ　￣ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ∧　ﾏzzｧ'⌒ヽ.l　lﾆ}二ﾆ=i二二二.___/　/
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ∨￣ア'´: : : : :.l　lﾆ}二ﾆi二二ﾆ/ﾆ, ゜ , ゜
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 | f´ ｡　　　: : :.% ﾟ｡_}ﾆﾆi二ニ／ﾆ/　x゜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ込､＼　　　 : :/ Ⅶ/ﾆ=iﾆﾆf´ﾆ／／　 ＼
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 〈＼____＞､ー 彡'　　Ⅶ二iﾆﾆ=／,イr‐-､_＿ﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞー─‐'´￣´　　　　 Ⅶ=i_＞ﾟx‘　 ﾟ,　 　 　 　 ﾞヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 Ⅶ斗‘　 ヽ＿>─r─rミ＿〉
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾏﾑ ﾞー´ 　 ﾉ:}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾏ:ト─‐≦:ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞーーー'´





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＿,,..　-‐ ''"~　　　　 　 三三三三三＝￣　　 　 　 　 　 　 ,.＞''′
　　　　　　　 し　　　_-三三＝￣　 　 　 　 　 　 　 　 ,.ィ''′
　　　　　＿,,..　-‐ ''"￣　　　　　　　　　　　　　,.斗 '"~〉|
　 ￣￣　　　　　 U　　　　　　　　　　　 _,.＞_彡‐'"~Υ｜ 　 　
　 {_j　　　U　　　　　{ｊ　 　 　 _,..斗 ''"~| 厶ｲ=-‐￢　| ｜　　　
　　　　　　　　　 _,.. =-‐=≦ }ヘ_人＿,ﾉ/＿（・) __/ /|　|　　　　
　　　 ＿,.斗＜　　(・) __／ /　 ｊ ｕﾍ Uﾄ､＼ ￣ 　 ∥|　|　　　　　　　　　　　　ううっ……クソッ、アミバの野郎、今度こそ逝きやがった。
丁￣!　　　　　 ￣￣ 　 ／　| /∪　∨|uヽ　　 　 ∥ |　|　　　　
. !　｜　 　 　 ｌ _j　　　　　　 l | ｕ　　} ﾍ　}　　Ｕ　ｌ　 |　|　　　　　　　　　　　　 こっちにゃランク10が向かってくる……！
. |　 j　 Ｕ　　 l |　 ﾉ 　 　 　 Ｕ u　　|　 ∨ 　 　 /ｌ　 |　|　　　　
. ヽ l　　 　 　 Ｕ　{j　　|　 ｌ u　 -― ^ー１　　　｜|　 |　|　　　　　　　　　　　　　
　 | |　　/　　　　 　 　 l__,ﾉ u　u＼＿_／　(ｊ　}　!/　｜ |
　 l_j　　l　　　 Ｕ　 ＿,,,.....,,,＿_　　 ＿_,.rく 　 l ∥ 　 |　|
　　　　 {　　 '"~￣　　　　　　　 ￣　　＼　＼ｌ∥　　 |　|





　　　　　 　 　 ,.　-‐-　､r'´ ￣　~Ｚ.__
　　　　 　 ∠　　　　 　 　 　 　 ´　　 ,.＞
.　　　　 ／　　　　　　　　　　　 　 　 ￣｀＞
　　 　 /　　　　　　　　　　 ,、　　　　　 ｀＼
.　　　 !　　　　 　 　 　 　 /　＼　　　 ＼. トゝ
　　　│　　　　 　 ,　,.ｲ /､._,　uヽ |ゝ､　 Ｎ
.　　　 |　　　　　 /ﾚ'　ﾚ＼,/　　/V '´ l＼!
　　 　 |.　r;=､ .ノ＝a＝== ,,　,/a==＝!
　　　　|　|.ト､| | u` ｰ--‐ "　u＼ｰｧ"!　　　　　　　　お……俺たちは、最初からこうなる運命だったんだ……
　　　　|　l ヒ |:|.　　　 u　　r __ 　 ＼l
　　 　 |　 `ｰ 1|、 ヾﾆ二二二二フ 7′　　　　　　　　「あ！？　てめー、何言ってんだよ！」
　　　 ﾉ　　　　 | ＼ 　 　 ＿＿_　 /
.　　 / 　 ,ﾍ、　 ﾄ､　＼ u ￣￣　/l　　　　　　　　　　　俺たちゃ所詮、金で集められた寄せ集めの傭兵だ……
　　/　 ./＼.ヽ.　ヽヽ､　＼　　 , ' ,'
　 ,' , ./　　 ＼ヽ、ヽ　＼./`ｉイ　/
. /l/l/　　　　 |＼＼ヽ　 ヽ. Wﾚ'
/　　　　　 _..⊥._ ＼｀`　　|

5414： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/08(木) 21:45:28 ID:.IweUGxk0

　　　　　　　　　＿　　　　,､-‐'' "ﾆ=_-
　　　　　 -=ﾆ.._　　 ＼／　　　　　　　＼
　　　　　　 ,､- '´　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ
　　　　 ／　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 l
　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |
.　　/　 ｨ　　　 　 /| ∧ i､　lヽ 　 　 　 　 　 |
　 /／/　　　 　 〈 .ﾚ　ヽｌ > ´　　　　　　　　|
　 　 /　／/　/＼＼　 iｌ´ ,､へN＼ 　 　 　 |
　　 ﾚ　/ /| /|＝=`｡! 　´==＝｡‐ﾗ | |⌒ｉ　 |　　　　　　　　あくまで主戦力はランク十代ってことだろうよっ……！
.　　　　ﾚ　ﾚ　lゝ -／　　 ゝ -‐ ´　| |う |　 |
.　　　　　　　　|／　　　　　　　 ／ | |ｦﾉ　 .|　　　　　　　　 俺たちは良くて弾除け……もしくは的だ。敵を消耗させるためのな。
　　　　　　　 ( __　　 - `　--‐'´ |j |.|"　　　|
.　　　　　 　 　 l ---------一　／|　　　　|　　　　　　　　 いや、下手すりゃランク十代の奴らですらもそうかもしれねぇ。
　　　　　　　　　ｌ　　≡≡　　 ／　 l　　∧　',
　　　　　　　　　|l　　　　　 ／　　 ｨ　 /"´ヽ ヽ　　　　　　　　これは前哨戦なんだ……企業連からとってみればっ……！
　　　　　　　　　| ',　　　 .ｲ　　／ ｌ　/　,.､-ヽ ヽ
　　　　　　　　 │ ヽ_／ │／　　ﾘ/／　　　 ヽ.ヽ
.　　　　　　　 　 ﾘﾘ　　　／　　　 l/　　　　　　 ヽヽ





　l　　　　 ＿＿__　　　　　　　　　|
　.!..::-‐:::´::::::::::::::::＞.､　　　　　　l
　 l‐-　..,,_:::::::::::::::::::::::::::丶、　 　 l
　 .!ﾌファｧｰ-　二　─--- ;:＞‐---.､　　　　　　
　　!´／/ / ｒ‐ラ‐_三ﾐ､￣ΤT: ─--:＞.､　　　　　
.　　l ／ ｲ　l ｆ/二_ ｒｫ 〉ヽくﾙﾌ: : : : : : : : : ＼
　　 l／ノ!　 u　 　 ￣´ /＾ヽ ＼: : : : : : : : : : :丶 　
　 　 !彡'l ＼　　Ｊ　 　 {　　 _＼ > : : : : : : : : ／　　　　　　　　　　要はビンボークジ引かされたって言いてえのかぁ！？
.　 　 l彡ﾍ.　｀' 　 　 　 U｀ 〈::::::::/ : : : : : : ／　　　　
　　　 l_彡' 　U j 　 　 ＿__　｀二}: : :＿／　　　　　　　　　　　　　　……まぁ、この布陣を見ると納得もいかねえこたぁねえ。
.　　　 l　 　 　 :{　 ,ィ"-ｰ　二三{￣　　　　　　　　　　
　　　　l　　　　 l.　Ｌ,ィ´￣ ,.---､）　　　　　　　 　 　 　　　　　　　　よし逃げるぞ！　適当に撃ち込んで足を止めて、その隙に！
.　　　　l＼　　　＼　　ー'" ｕ　　{ 　 　 __ｒ‐､　　　　　
.　　　　 !: :丶　　　ヽ　Ｕ ＿＿__} ） 　.ｆ　ヽ‐ヘ、　　　
　　　 　 l ＼: :｀: -一': ´: : : : :ｆ´＼　　{｀ー＼ ,.ヘ、　　　　　　
.　　　 　 l　　丶、: : : : : : :＞' ヽ ｰ'＼ ＼　 '´＼.　＼ 　 ,.ｨ'＾i　　
　　　　　 l　　 　 ＼Ｕ｀￣＼.　　＼./´＼ヽ.　　 ヽ-‐ﾍ.　| L__!　　
　 　 　 　 !　　　　　ヽ　　　 | ｆ´＼ ＼ _ノ＼　 -=ﾍ.　 ',. ｌ.__　|
　　　　　　l　　　　　　　　　 l　ヽ¨´＞＼.　　＼　　 ',　Ｖ　　´}

5415： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/08(木) 22:03:03 ID:.IweUGxk0

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |i/.:.:ヽ_:′ 〃/.:./ﾆﾆﾆﾆ=-_、:.:.:.:.:.:ｰ.:Ⅶ{＜⌒≧ｓ｡／
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　　　　　　　　　　　　　　 ィ{ﾆ{{__/＿＿乂/.:.:j{/.:〃,/.∥ﾆﾆﾆﾆ／￣￣｀ヽｰﾆﾆﾆﾆ〃￣=-￣
　　　　　　　　　　　　 .イr'_//＿_　　　 {_ノ.イ/.:∥〃∥ﾆﾆr＜_／⌒＞‐ ￣｀¨¨ゝ==--
　　　　　　　　　　 ィ´_.イﾆ廴ー‐　｡ｓ≦/__.:{′ヾﾆ}!ﾆﾆﾆﾆ{{ﾆj{ニ／　
　　　　　　　　 ／ﾆﾆﾆ_／ﾆｱ￣ﾆﾆ＜..)....../＾　、j|/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ{
　　　　　　　　　￣￣ {__/´,_/ﾆﾆニ{......｀ヽﾍ.　　＼ ＿_ ノｰｒ‐ 「
　　　　　　　　　　　　　 }／ﾆﾆﾆニj＼__ ／{0)　／ﾆﾆﾆ__／}ニ〉
　　　　　　　　　　　　.′ ｸﾉ.::::/ﾆ/...＞/.:.:.:.:>　⌒＞ 、ﾆﾆﾉニ′
　　　　　　　　　　　　{>:.:.ゝ=.:.:{ニ／ /i}!.:／　〃⌒ヽ ﾉ￣ﾆニ|
　　　　　　　　　　　　乂:.:.:.{ {__{:/{__/／ｲ　＜⌒ヽイニﾆニ}ヽ」
　　　　　　　　　　　　 {ﾆ≧ｓ｡ノ /,／/イﾆﾆﾆﾆﾆﾆニｒ　Ｙﾆｰ{
　　　　　　　　　　　　 {ﾆﾆﾆ／,／.:.:ノ⌒ﾆﾆﾆ=-￣ニゝr'ﾆ/_,)
　　　　　　　　 　 　 　 Ｖﾆﾆ／{／ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆヽﾆゝニ{{ﾆl{__{、__
　　　　　　　　　　　　　 ゝﾆ{／ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ》 lﾆﾆヾﾆ{_V⌒)＼
　　　　　　　　　　　　／ゝｲﾆ=-￣　 ー ⌒__〉_{{ﾆﾆ{{ﾆﾆＹゝ_)ｰ＜ー=≠=-　、
　　　　　　　　　　　/､之ﾆニ}´　　　　／.:.:.:.:.／＼ﾆ》ﾆﾆ|!ﾆﾆ{￣{:.:.:.:.:.:.:.:.:/ーヽ　　　＿
　　　　　　　 　 ／/_/ニ/ jｱ　　　　_j{:＿｀ヽ .:.:.:.:.:.＼rｭ___{ﾆﾆ⌒ヽー‐ ＜ヽ　　ー-　 ＿ ≧ｓ｡
　 　 　 　 　 　 { /{/／{ {　　　...:.:.:.／.......,ハ:.Ｖ.:.:./￣:.:.:.〕ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ￣￣　ｰ-　　　＿
　　　　　　　　 ./ .j/　 ヽ!


╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
リンドヴルムにフラッドファルスが解体される一方で、
シュクヴァールが二人組の敵機へと飛び掛かっていく。

ビルの壁を蹴って、俊敏な獣の様に距離を詰めていくと、
出鱈目に乱射する二機の前に降り立ってブレードを振り下ろした。

小柄な刀身が装甲を薄紙のように引き裂き、炎を上げさせる。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5416： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/08(木) 22:08:17 ID:.IweUGxk0

　　　　　　　 /　／|　　　　　　　　/| 　 |ヽ　　　 　 ヽ,ヽ,　　 |
.　　　　　　 /／　.|　　　 　 　 <l./u |　 レ'　　　　　　ヽ,ヽ,　 |
　　　　　　〃　　 | 　/　/　,.へ |!　　>　 _､へ |＼ 　 　 ヽ,ヽ,|
.　　　　　　　　　 |　/| ./!イ＝=`､　 iレ´=＝＝= ヽ　　　 ヽ,ヽ,
.　　　　　　 　 　 | / ﾚ　　ﾄ､＿｡_)　 (　　　　　 ,､　| |⌒i　　iヽ,＼
､_　　　　　 　 　 ﾚ　　　 /| ￣／.|j~　`.=°＝´ 　 | |つ.|　　ゝ.＼.＼
､_｀'-､_　　　　　　　　　/ .レ´　　　 u　u _ ,､-'´　 .| |ノ/　　　ヽ　＼ ＼
　｀' -､,｀' -､／｀7―-/ r'__　　　__ `　￣　　　 |j~　||ノ.　　　 　 ＼　＼ ＼　　　　　　ひいいっ……！
　　　　 ｀'ｧ､＼/―- ､ ＿_| f＝======＝ニ`i　　 /| 　 　 　 |＼　＼　＼ .＼
　　　　 /　 ＼ ＼ 　 　 　 | |　　　　　　　　　 }　 / |　　 　 　 | /￣ "'' ‐-＼ .＼
　　　　i.　　 / ＼.＼　　 / ||- ―‐-r――‐-/ ／　ﾚ　　　　 Ｎ￣ "'' ―‐ --＼
.　　　 |　　 /　　 ＼.＼〃! |` ――' -----'／　　　 |　 　 　 |
　　　 |　　　　　　　 ＼.＼| .|　u＝=　 ,､- '´　　ｕ　./|　　　　 |
　　　 |　　　　 　 　 　 ＼ ＼l_ ,.､- ' ´　　 　 　 　 /| |.　　　 Ｎ
　　　 |　　　 　 　 　 　 | |＼ ＼　 　 　 　 |j〜　 / |　ﾚ　　　|
　　　 |　　　　　　　　　| ﾚ　|＼ ＼　　　　　　　/　| 　 |　　　|
　　　 |.　　　　　　　　 |　|　|　 ＼ ＼　　ｕ　　/　 |　　 |　　　|





　　　　　　　　　　　　　　「ｌ￣!i|　　|!　i!　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 へ　 　 　 　 　 　 !ー‐.j{:.:V{
　　　　　　　　　　_ ＿＿i!|　　|!＿ L__!i__i|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ′__/｀ヽ{＼　 　 /{.!:.:.:.:.j{/},′
　　　　　　　　　i!|　＿　　　　　＿ _＿|i|!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿i|￣|i＿ 　 |!´i!ﾞ｀| 　 　 　 .{:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.、ヽ　// !.:.:.:.:j{{:.}/
　　　　　　　　　　￣￣｀ﾞ!|i　　i!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i!|￣￣　　　＿￣L__!i__i|　　　　__{{___:.:.:.:.:〔:.:.:ヽ.i://　{_____j:.{ﾊ. ／{
　　　　　　　　　　／｀ﾞ≫|i!　　!|＜´＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣｀ﾞi!|　　|i￣i!　　!|i! 　 　 　 .{i:i{:.:.:.〕::.:.:.:.:.｀ヽ.//　＿_　__V／／
　　　　　　　　　<　／　　|i!＿i|　　ヾ__≫　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　　　　　￣￣　　|i!　　i|　　　　 　 ⅧⅧ:.:.:.:.:.:.:.:.//ｲノ.......へ!／／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!　　　　　　　　　|i!　|　　　　　　　　　　　　　　　￣ 　 　 　 　 　 ⅦⅦ:.:.:.:.://ｲ/........へ.／／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'　　　　　　　　　|::i　i!|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ∨∨ヽ./i{jﾆ≧=ﾆﾆ/{〃ｲ{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　iヽ　　　＿　＿ノ从ﾒ#ヾ'人ヾ:;:ー-　．..、　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∨∨/ﾆ{ﾆﾆrｨｸイ_〃{.:/ｸ/..j.,.:.:.:.:.＿＿
　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　ヽ　　__ﾉ;;;ヾ=二三　:;:;:　:;：;:;；・　　，｀ﾞヾ:;:;:;:;::;:;:ヾ　　　　　 　 　 　 　 　 　 __∨ゝニl イ＾.:ｨ／.乂_／/..//__///￣
　　　　　　　　　　　　　　　｀丶　　　　　》:;:;;#ﾉ彡三二三 」──　二=≡≡＝ヾ:;:;:．，ゝ　──　─　i!二二 ／／/＼ﾆ{.......j´ｨ′う}ト-rｰ.'./{￣:.{ {
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼丶　ヾ，:;'ﾞ´'人i从'※'iﾐ彡∠ﾞ´　　　　　　　｀ヾ:;:;　；:;:レ'　　　　　　　 　/イﾆﾆイニr'.:>ト/￣=ミ、/.ir‐'j:／/:〉￣r
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ヾ人'ﾞ´;:'´川彡／ｒ-三ﾞ´　　　　　　　　　　　｀ﾞヾ;:;　;:／　　　　　　.イ／／／＾ r＜:/...}〃〃⌒′ ヽ/　o {ー‐'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　>:;:　:;　:;:#i!彡／´ﾞ　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ：;川;;;;;;;;／' ｨケ> /.::::::r＜/_/￣/　//ト ゝ/r:::l{::/＾ヽ : /.:≧=---
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　．:i!|'ﾞ´　　，イ'ﾞ´　　　:　　　　．;:　::.　　　　　　　　　i|!i《:;:;:...///ｲｰﾍ>＜ﾉ ,/´　　 ′///.:.:.://.:.:/..../.......}ーf´-==-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i|#i/／／｀ﾞ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|《 . ／/ｲﾍ_／ﾉ￣　/　　　　ト//:{＿,/.:.:.:/..../(⌒)′ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　川//｀　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／／{/ｲ,/ノ＾=-￣　　　__／′.:〃/.:.:,./_／／＾_ｒ‐'i{≧ｓ｡
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　　　　　　　　　　　　　　　　　！iﾞ´i!|　　　　　　　　　　　　　　　　　＼'　　　　人ﾞ-　／　／￣　　　 　 　 ／.:.:.:.:.:／iⅧ′:.:.:i/i:iゝ,r!| !:.:/r={::.:.:.:
　　　　　　　　　＼　　　　　　`i!ﾞ´　　　　　.，人-ｰﾉ:；i|!ヾ　　　　　　>ヾ'ﾞ´　::::::::::::／　／　　.,　　￣≧ ／.:.／￣　／'､{.:.＜⌒__i∥i:| !:〔ｲ....{:.、:.:.:.:
　　　　　　　　　　　ヾ、　　　　　ゞ'ﾞ´　｀ﾞ　::;:;´　ヾ》::　::;:;ヾ　　　.ｒ'ﾞ´;;;;;;《'ミﾞ´i　.／　／　 　 /　 〃´　／￣}ﾆﾆニ∥ニ=-/.:.:.:.:.:/ヽ__jﾉ.:.:}_/圦:.:.、:.:
　 　 　 　 　 　 　 　 ＼＼　　,:;'ﾞ´:;:;:.、`・／;;;;;;彡三三三ヾ　丶i|!#　i!iﾞ´　　 ／　／　　　　 {　 !{{　／／　/ﾆニニ》ﾆ=-.:{/⌒ヽ{_r'.:(O:.:/__/ノ }:.:.ヾ}!
　　　　　　　 　 　 　 　 ＼ヾﾐミi!#ﾞ─＜#i!`|ﾞ´三二＝─-.，.、＼　;:;!ii　...／　／　　　　　 圦　 V!{／ 　 .′__=-￣.:.:.:.:.:/.............>ｰ､_／　　　　＼.:.
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ヾ:;i!iﾞ´'ﾞ´:::;;;:》i|!iﾞ`　　　　　　　ヾ;:そi|:;：;．，.／　／　　　　　　　　　 、 {:ー―'ー-／.:.:.:.:.:.:.: /......./￣〃V 　 　 　 　 　 ＞
　　　　　　　　 　 　 ─＝二て　人从#ヾ|＼/人从/　　／　＼ヾ　..／　／　　　　　　　　 　 　 ヽ{:.{／.:.:.:／'.:.:.:.:.:.:.:.:./..........ヽ/´.:./

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まるで戦闘になっていなかった。
一方的な蹂躙の余波で、周囲のノーマルやMTが巻き添えで吹き飛ばされていく。
もはや通常戦力が賑やかし程度にしかなっていない。

爆炎に巻かれるマキシマムベットを背に、シュクヴァールがカスパールへと
手をかけようとしたその時、キャバルリィがOBで間に割って入った。

横薙ぎの一刀にブレードの腹を押し付ける形で受け止め、
そのまま鍔迫り合いの姿勢になる。
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5417： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/08(木) 22:11:37 ID:.IweUGxk0

寸三三三三ﾆ‰＞├──‐┤　 乂三三三彡'=)
s｡ 寸三三三三三‰＼,─ ‐┤n　　寸=ﾆ斥=ゝ∧x^ゝ＜‐-=､' ＜
s｡,≧｡寸三三ﾆ=弌}=‰＼　 _l l l　　　`Y=‐-' ｘ`ﾏ'＜　／ ＼,｡sゝ､ ⌒' ｰ ､
弍ﾆ≧s｡≧｡´ 《　　 ＞s｡ヽ／,ｨ‐‐ミ ｘ　　　ｨ(ﾏ／// ＜ヽ　　 ＼ ／ク　　　
⌒' ｰ-= , ≧s｡,≧｡＜　　)〈三7:::::::::::ヽ`,ヽ (ﾏ<=ｲ/　　　7＼　　 >-< 　 　 　
////// / ⌒' ｰｘ`s｡`⌒i　}从ﾑヽ:::::::::ヽﾑ)/>イ/ 乂　　(　 >ヽ ’＜　｀ ＜ 　
s｡,////////////込、三ﾆ=ｰ寸､`x｡;:::ﾉ’/竓斗ヽ　 ｀ ゝ／ソ ＜　　｀'＜　 　　　　　　　退け！　早く！
s｡,弍≧s｡=ﾆ///＞升三三三}i斧' 　 i込､Y三三ﾆ込、　` ´　　　　` ＜　 ｀'
三三三≧ts｡弍三三三三ﾆﾆ}!刈ﾄ ､乂三)寸三三三<＼　　_,,o≠' ´⌒` ＜　　　　　　　ここは私が抑える！
ﾖ=-=ﾆ弍三三三三≧ts｡-==ﾘiﾉ/ ／＼弍三寸jIｧ"升{ヽ >､　　　　　　　　　
　　　　　 　 `ｰ=7=ニﾆ=‐'"”／ ／　／ 〉=',`ﾏ-升=ﾆヽ',　　　` ＜　　　　　
　　　　　　 　　// //;.;.;.;.;.;.＼／　／　/=}=)ﾆ}i三ﾏ,三ﾆ}i　　　　　　` ＜　　
　　　　　 /ヽ // //;.;.;.;.;.;.;.;＞` x′　/,ノ=/ﾉ /＞’〉三=j　　　　　　　　　`
　　　 　 /　 }'/ //;.;.;.;.;.;.;.;/三/イ`ｘ 寸,／=乂=i!´三三ﾘ　　　　　　　　　　　





　　　　　　　　　　イ￣l
　　　　　　　　　　l_l〈|￣＼　　　　　　＿
　　　　　　　 　 ／　∨ ､:::::＼　　 ／//ll＼
　　　　　 　 .／　.／／＼＼:::::丶l　//ﾞ ll　/　　./!
　　　　　 ／__ ／／ ＼　 〉､＼:::::::〈〈　 ll/　　 //
　　　　 /二＿／　　　 〉〈　l:::::ヽ／＼ У二 l//　　　　　,ｨ
　　　　　　　　 　 　 　 ll　ll 丶／:::::::::/ ｉ 　 _//_,ｨ^>─／＿_／
　　　　　　　　 　 　 　 ll　ゞ､ ＼:::::::/─‐f///　／ ／/ ￣ ヽ¨l
　　　　　　　　 　 　 　 ゞ､〈　＼ ￣_l::::::://ｉ/__/ ／イ__／l:::::l　l
　　　　　　　　　 　 　 　 ＼l　r､＼Zl〉‐ﾄ､l/ミ/ィ_/_/7l ｌ /::::::l='　　　　　　お、おお……！
　　　　　　　　　　　　　 ,､〈／ｲ |ｌl/ ｌ:::::::::〉ﾐ>¨／／ l l l/〉彡l
　　　　　　　　　　　 　 / Y￣||/＞/ll ￣ Ｙ三〉fIl ￣l l l/ ／l　　　　　　　　さすがは騎士様って呼ばれるだけあるぜッ！
　　　　　　　　　　　　 /　l 　 ｌl〈YY　〉─‐､─〈＞‐‐l ゝY/ /
　　　　　　　　　　 　 /　 ｌ＿_ｌｌ　 ll､/>ﾆﾆ 乍了､／ﾆﾆ彳 /　　　　　　　　　
　　　　　 　 　 　 　_/∩ 　l l:ｌ ＼ll/Y〉‐─┴‐'__rr7/>ｌ　/
　　　　　　　　　　_I〈 ∪／_ ＼　/ィlミ／＿／つゞ彡/／
　　　　　　　　／　　∨ ／l ＼УU ／　／lミ/イ〉
　　　　　　　/　 　 ／〉'￣ ｽ./_ | /＼／／ーV／〉

5418： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/08(木) 22:14:25 ID:.IweUGxk0

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_,,.ゞ､::::::::::, イー::、:::::::::::::__,,.. ．-‐
: : : : ｀:／:::::::::／: '~" "'´　　　　 /
: : : :／／:::／　　　　　　　 ,ｲ{ .く
≧ｘ／::::／::」　　　　 　, イ:::::く_　}
ー/:::,／=＿,．､＿,x≦:::::＞――ア　　　　　　　　　優しいこったな。アイツぁアンタを見捨てて逃げるつもりだったのによ……
=/::/ニニニ｝　}ニニニニニニｱ::|
/::/ニニニｱ　ハニニニニﾆ,-く:: !　　　　　　　　　 「それでも、彼はリンクスだ」
::/￣￣ ﾗ′./　　｀¨¨¨ , イ　.ィ:,' !
/｀ : : :./　 ./ j　　　, イ　 ／　}:r_'ノ:::　　　　　　　　あん？
_ゞ: : :/　 ./ 〈　 .／ 　 ／　　 .,ｲヽ: /
: :∧/　 ./: : :.／　　／　　 , ｲ　,ｲ : :
. ｒ-'　　ゝ､／　　／　 , イ　, イ: : : : {
. ｊ　　 r　 　 , イ_＞ '　 , イ: : : : : : :/
/　　/　　　_　　　　 ／: : : : : : : : :/
　　　 　 ,f´　　　　〈.{　＿＿, --=≦
　　　　　 　 　 　 　 ｀￣￣　＿＿
　　　　　　　　　　　_　-=≦￣





　　　　　　 　 , -‐- ､　　　　　、_-―――-　、　ヽヽ
　　　　　　　/::::::::::::::::ヽ、 ／´:::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾍヽｌ／ヽ
　　　　　　/::::::::::::::::::::::::y:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l:::l::::::::::ヽ
　　　　　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ:::ｌヽヽ:::::ヽ
　　　　/:::::::::::::::::::::／l爪ｌ:::::::::::ｌ::::::/::::::::::ｌ::ｌ::::ｌ:::::::ｌ:ｌｌ:::ヽ:ヽ:ヽ:::ヽ
　　　/:::::::::::::::::／ /:::ｌヽtﾐ「Y:/::::::ｌ::::::ｌ::::ｌ::ｌ::::::ｌ::::::ｌ:ｌ ｌ:::ｌ:::ヽ:::ヽヽヽ、
　.　/:::::::::::::::::/　/;;//ｌ:::ヽ:::::/:::/::ｌ::::::ｌ:::ｌ::ｌ:::::/ ｌ::::ｌ:ｌ´ｌ::::ｌ::::ｌ:::::::ｌ ヽｌヽ
　 /:::::::::::::::::::|　ｌ::::// l::::::::::/:::::ｌ:::::ｌ:::::ｌ::l::l l:/　ｌ::/ｌｲjｌ::::ｌヽヽヽ::ｌ　｀
. /::::::::::::::::::::::| ｌ_/ /ｌ l::ﾍ:::::ｌ:::::/ｌ:::::ｌ:::ｌ<ｌｌ 近ｌﾊ/ｌ/　、:/::ｌﾍｌヽﾍｌ_
/::::::::::::::::::::::::ｌ　 ／ｌ ｌ/　ｌヽｌ::/ｌd::::ｌ∨　ｌ　　　　　　/::ｌ::::ｌ)｀ｌ　｀｀｀ 、
::::::::::::::::::::::::::ｌ／::::::l l　　ｌ ｌｌ/>ヽｌ::::ｌ:::ｌ　u　　　　　/ｌ:::ｌ ｌ ｌ.ｌ ヽ　　　 ｌ　　　　　　　　……この戦いで、多くのリンクスが喪われた。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l l　　ｌ/ /　　ｌ::::ﾊ:ｌヽ _　　'"／　l:::l l/〈　　＿　　ｌ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ｌ ｌ　　／＼＿ヽ::ｌﾍ:┐┐￣　 　 ｌ/　　ヽ_/::::::＼_l　　　　　　　　リンクスが減れば、企業連は体制を維持する力が弱まる。
:::::::::::::::::::::::::::::::::/. ヽl ／　　　／＼ヽ ヽ只;ヽ―-┐　　 　 l:::::::::::::::::ヽ
::::::::::::::::::::::::::::::/　　 /;;ヽ、_／;;;;;;;;;;;ヽ / ヽヽヽヽ-/;ｌ　　　 ｌ:／＼:::::::::l　　　　　　　　あんなのでも、無為に散らす訳にはいかん。
:::::::::::::::::::::::::::/　　　l;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽヽ‐ヽ~｀ｌ::ｌ;;;;;ヽ、　 ｌ/:::::ヽヽ:::::::ｌ
::::::::::::::::::::::::/　　　　ｌ;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ::::ヽヽｌ::ｌ:::`‐- 、ｌ::::::::::::ヽヽ:/
::::::::::::::::::::::/　　　　 ヽ;;;;;;;、;;＿＿＿＿／::::::ヽ::::::ヽ::::::::::/::::::::::::::::::〉 ｌ
:::::::::::::::::::/　　　　　　 ヽ／::＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ﾞ゛ヽ/:::::::::::::::::/-┘

5419： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/08(木) 22:17:24 ID:.IweUGxk0

　　　　　　　　　　　　　　　／, へ＼＼: : : : : : i!: } 　　 ―-､、
　　　　　　 　 　 　 　 　 ／∠/__ ＼＼ト､　 ｒ-､〈　　　　　　ヾ ､
　　　　　　　　　　　　　〈＿＿＿ 二フ:xく´￣￣｀: ヽ 　　　　 }: }
　　　　　　　　　　　 , -―　＿_ ,ィ:xく｀ヽ.: : : : : : ::　　＼　 ／: '
　　　　　　　　　 .　´　／: : : : : : /ゞヽ :／: :, へ: : :　　　∨:く
　　　　 　 　 　 /　 ／: : : : : : ,イ:ヾヾ:/ : ／: : : : : : : :　　　: :｀: .、
　　 　 　 　 ／/　 /: : : : : ' ´　{三二/: :/:/: : : : : :/ :/: :　: ヾヽ._:＼ _ ノ
　　　　　 ／: :ゝ- ': : :／　　　 {!ミ// : /:/: /: : : :/: //: :/ : : : : :＼￣
　　　　／: : : : : : : ／　　　　　ゝ:〃: :/:/z.､ヽ : /: 〃 : /: : /: :ﾄ､ : ,　　　　　　　おまえたちは、体制の中では生きられない。
　　 ／: : : : : : : ／　　　　 　 　 〉/ : Ⅳ ト::心メィ/: : :/: : /:!: :|　} 八
　／: : : : : : : ／　　 　 　　 　 ノ ハ: :!　｀￣　 　/ ｲﾃﾌ.イ ﾊ: :i　ノ　　　　　　　　だから体制を壊そうとしている。
: : : : : : : : :／　　　　　　　　　 ＿_入::丶._,　　／´ ヾハ八:{　/
: : : : : : :／　　　 　 ＿＿＿,ｘく ヽ￣￣}! 　ー -　　ﾉ ノ'　 ﾘ ′　　　　　　　　　　だが……私の背の向こうにいるのは、
: : : :彡'　　　　　　/　　　 　 　 　 　 　 }ト　_ .　＜´　_＿__
￣　　　　　　　　/　　　　 　 　 　 ＼　ゝ､＼__:::::７Ｙ ￣　{!　　　　　　　　　　　　　体制の中でしか生きられない人々だ。
　　　　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　∨　　//::::::::{ﾄ､　　 |!
　　　　　　＿ ノ　 　　　　　　　　　　　〉.　//:::::::::::＼ ､　∧
　　　　＿｛＿,ィ::￣￣￣三＼　　　　/　.//´ ￣￣｀ヽYヽ:厶
　　,ィ´:.:.:.:}!:.:.:.:._, へ: : : : : ￣:＼　／　 //: : : : : : : : : :} |!: : :ヽ.
{￣i!:.::.:.:.:.:|!￣￣: : : ＼: :_＿,.ィiｘく　　 //: : : : : : : : : :ﾉ |!: : : : :}





: :＼_／／,: : :／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :! : : : : : : : : : : : : :ヽ
: : ／／: :{ ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :|: : : : : : : : : : : : : : : ＼
／／: : }:/: 〃: : : : : :/: : : : : : : : : : :!: : : : : !: |: : : : : : : : : : :ヽ: : : :ヽ
／ |: : ゝ //: : : : : : /: : : :/: : : /: : : } : : : : |: :|: : : |:ヽ: : : : : : :ヽ: : : }
: : :.| : // /: : : : :/:/: : : //: : /}: : :./|!: : : : :!: :! : : |}: ｉ: : :! : : : : |',: : ｉ
: : :.|: :/ ! i: : : : /-i､: : / /: :/　i: :/ / } : : : | : |}: : | | |＿ }: : : : :} ｉ : |
: : :.|: :-､ |: : : /: : |: ／｀ ヽ、 / ／/　 | : : !: : ! | 才 __ : : !: : : : :! | /
イ´　　　 !: : / : : |≦=≠===､ヽ､　 　|: : /!: :,≠坏〃: : /!: : : : } |/　　　　　　　　　　　オルデンブルクは旗頭を失った。
　　　　　 |: /: : : :ヽ ヽ　{::::::::::らヽ｀ヽ !: / }:ｲ::::::::// }: :/ |: : : :/ /
.　　　 　 ゝ| |: : : : ヽ　　ヾ､zzｼ　　　 |/　}/弋zノ　/! /　|: : :/　　　　　　　　　　　　　　生命線たるラケル博士ももういない。
　　　／ ／ヽ! : : : :|ヽ 　｀ ￣　　 　 /　 /　　　 　,'//| 　|: :/
　 ／ ／　　　＼: : :!　　　　　 　 　 　 　 ヽ 　 　 ,'/ : |　 |:/　　　　　　　　　　　　　　　　これからオルデンブルクは腑分けされ、
　 ∨ ',　　　　　 ',: : ',　　　　　　　　　 　 ´　　, ｲ　}: : |‐≠―――――――――
　　 ∨.',　　　 ／∨:∧ヽ　　　　　 - ‐　　　イ| |／|: : |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :　　　　生き残った企業に分配されるだろう……
　　　∨ ヽ ／:./:.:/ヽ ヽ.__≧　　　　　　∠ ‐ ／ : :|: :/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　　 ヽ/:.:.:/:.:.:.|:::::::ヾ、::::―::::＞ ＜二　　 /ヽ: :|/￣￣￣＼: : : : : : :,　 ´￣￣　　　　　無論、管理下のコロニーもだ。
__ --‐ -┘:.:.:.:.:.:.:.|::::::::::::::::::::::::::::::///　　　　/　 ／|　　　　　　　ヽ: :.／
. -:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|::::::::::::::::::::::::::/://　　 ／/.／　　　　　　　　　　　＼
:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:::::::::::::::::::／:.:i .i　 ／　/　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.L＿___／:.:.:.:/ /　　　　!　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ

5420： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/08(木) 22:20:16 ID:.IweUGxk0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -─z＿＿＿＿＿_ .イ _,ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 イ／::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:￣:彳
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:_ イｲ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾄ、::＿＿＿::.::.::.:＿＿::.::斗´／::ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{∠--:ﾊ　　 ｀ ＜ 　 　 　 ／::∠
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::ｨ≧´ ,.ー‐-　､　＼-::.:::´::.::.:::.ミ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /／ }ｰ｀ ｰ=≦ニ､ ヽ、ﾊ::.::.::.::(⌒Y
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /′　{ノ　　 ｀ー‐'　　}::＼}_::.::.人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　ヽ、　　　　　　イノｲ､ｿ::.::ト､　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r､{─- ､ ,　__ 斗≦(从人　　　　　　　　　　　面白くねぇ話だな。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 Y )　　　　/　 　 　 ｀7　　
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |ヾ＿_.. イ　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　 察するに、ここで俺たちの首を手土産にして、
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿ 　-} |,.ﾍ　 ｜ 　 　 　 ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　_...:::::´::::::＿＿ヽ　　｜|　 }　/　　　　　　　｀ーｧ…-　、　　　　　　 　そいつらの待遇をちょっとでも良くしてもらう……
　　　　　　 　 　 　 　 　 r'´:::::,.　 ´:: :: :: :: ｀丶、　ヽ_／　　　　　　 ,.　＜::::::::::::::::::丶、
　　　　　　　　　　　　　/:::::／:: :: :: :: :: :: :: :: :: ::＞／/　　 　 , .. :: ´:: :: :: ::｀丶、::::::::::::＼　　　　　そんなところか？
　　　　　　　　 　 　 　 |:::::l:: :: :: :: :: :/:: ::,　　´ ／　/　/　 　 ＼:: :: :: :: :: :: :: :: ::＼:::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　 　 ヽ::|:: :: :: :: ::/: ∠ ＿／ 　 /　/　　　　　＼:: :|:: :/:: :: :: :: :/:: :: :: :: :}
　　　　　　　　　　　　 　 }:|:: ::l:: :: ::{::/○ ／　 　/￣￣￣￣￣￣ }:｜/:: :: :: :: :/:: :: :: :: :/
　　　　　　　 　 　 　 　 /::|:: ::|:: :: /::|　／　　　 l　　　　　　　　○/:: l/:: :: :: :: :/::/￣ ヽ/
　　 　 　 　 　 　 　 　 /::/:: :: ､:: :l:: :|/＿＿＿_」　　　　 　 　 　 /:: ::|:: :: :: :: :/::/ 　 ／
　　　　　　　　　　　　/::::{:: :: :: :ヽ;:: :|○　　　　 　 　 　 　 　 　 {:: :: :j:: :: :: ::/:::::∨ /
　　　　　　　　　　 　 |::::::l:: :: :: :: ::ヽ:{　 　 　 　 　 　 　 　 　 ○l: :: /:: :: :: :/::::::::::∨
　　　　　　　　　　 　 |::::::|:: :: :: :: :: :ハ　　　　　　　　　　　　　　|:: /:: :: :: :/::::::::::::/
　　　　　 　 　 　 　 /:::::::|:: :: :: :: :: :|:: l ○　　　　　 　 　 　 　 /::/:: :: :: :/::::::::::::/
　　　　　　　　　　 /::::::::::|:: :: :: :: :: :|:: |　　　　　　　　　　　 ○l:: l:: :: :: :/::::::::::::/
　　　　　　＿＿__r─- ､:|:: :: :: :: :: :|:: |　　　　　　　　　　　　　}ノ :: :: :/::::::::::::/
　　　　　　｀ー--､￣　　ヽ:: :: :: :: ::ﾉ: {　　　　　　　　　　 　 　 ヽ :: :: ::〉:::::::::/
　　　　　　　　(￣　　　　　>､＿_ノ{:: :l ○ 　 　 　 　 　 　 ○　/:: :: :: l:::::::::::l
　　　　　　　　 {、　 　 　 /　　　 ｀ ー'──--──　 　￣￣く:: :: :: :/:::::::::::|
　　　 　 　 　 　 {_　　 　 {　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼_ノ::::::::::::/｀丶、





　　 　 　 ／ ／: : :／ : /: : : : : : !: : : : : : : : : : : : : : : : : ',: ヽ､| ＼ ＼_
　　　　 /／ /: : :/: : : / /: :/: :!: :|: : : :l: : l: : ! : : : : : : : : ', / ゝ 　 ヽ /
　　　 〃　 /: : :/ : : : i: :i: : i: : |: : !: : : :!: : !: ヽ: :ヽ: : : : : : ｉ´: |:|　 / /
　　　/　　,' : : /: : : : { : !: : !: : !: : |!: : : ', : |ヽ: ヽ: ヽ : : : |: :|ﾉ: |　/ /
　　　　　 ｉ: : : ｉ: : : : : !: :|: : |: : | !: | ∨: :ｉ: :{　',: : ＼:ヽ-: |: |/＼　./
　　　　　 {: : :| |: : : :/|: : !｀ 二┼廴__∨ |ヽヽ 斗´云__ : |､: | ヽ／
　 　 　 　 !: : | !: : : :!| !: ヽヽ圷干示､ ∨!　 ,イ乏ら /　: | | | | |
　 　 　 　 ∨ | ',: : : | ',:ﾄ: :', {　辷zﾉ　　ヽ|　　辷zﾉ　　!: :| ', | | |　　　　　　　　　おまえの言う通りだ。
　　　　　　 Ⅵ　∨: :{ ',ヽヽヽ　　　　　　 ｀　 　 　 　 ./ } !!. ﾘ | |
　　　　　　　　　 ∨ ｉ .ヽヽ ｀ヽ　　 　 　 j　　　　　　/! | | |　| | |　　　　　　　　　「そんなことするんだったらよ、俺たちと来いよ」
　　　　　　　　　　 ヽ',　 |ヽ : !､.　　　　-‐-　 　 　 / |:/ﾘ: |　|:|:.|
　　　 　 　 　 　 　 　 　 |　!: | ＼　　　 　 　 　 ,イ: :〃 : : |　|:| |
　　　　　　　　　　　　　 L_| ', ',.　|＞ . 　 　 イ .|: : :/: | : : l／ |:|
　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ､ r.､ 　＞＜　 ノ!､: : : | : : : : : | |
　　　　　　　　　　　　　　　,､rイ !　　 ヽ-　´　　 !:ヽ､:| : : : : : | |
　　　　　　　　　　　　 ．＜　/:.:.:|　　 /:::::ヽ　　 .|:.:.:|　｀＞．: :| |
　　　　　　　 　．＜　　＞・:/:.:.:.:.!　 /!:::::::::/!　　|:.:.:.|::｀:::・＜　｀＞．
　　＿ ．＜　 ＞・::::´:::::::::::/:.:.:.:.:.|! /　!＿/ .∨ ,!:.:.:.:.|::::::::::::::::::｀:::・＜　｀＞．___
　 /|__　・::´::::::::::::::::::::::::::::/:.:.:.:.:.:.:Ⅳ　 /:::::|　 Ⅵ|:.:.:.:.:|:::::::::::::::::::::::::::::::::::｀::・---:|
　 ｉ::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:.:.:.:.:.:.:.:.|　　ｉ::::::::ｉ　　 |:.:.:.:.:.:|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::|

5421： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/08(木) 22:24:13 ID:.IweUGxk0

＼|:: l　　∨}:: :: :: :: :: ::　, 　-─────-　､_:: :: :: /! /:|　　
ﾍ: ｀∧　　＼ :: ,．　 ´　　　　　　　　 r- ､　´　＼:: / 1'::/
__ゝ:: :: ＼　　>　　　　　　　　　　 　 / 　 ゝ、　　 Y　/ /
:: :: :: :: :: ::∨　　　　　　　　　　　　 ,′ﾍ :: ::.＼＿」Y: /
＞:: :: :: :／　 r　T ￣￣￣￣￣￣ `'ﾞ´ ∨:: :: :1 |7: /
:: :: :: r-'-r ´:: ＼|　　　　　　　　　　　 　 ∨:: ::.ﾍ}／　　　　　　　　　　　　　あのマーシフルのリンクス……ありゃバカだ。
{⌒!:::| 7ﾍ!:: :: ::/_ ,. ＞=z ､　　　　　 　 　 ∨:: :::1}
_／∨Y　1:: :: ::!　 　t─-- ｡z_ ,ノ　 ､,ム斗,:: :: ::ト ､　　　　　　　　　　　　　けどな、そんじょそこらに転がって燻ぶってるバカとは訳が違う。
　　 |ﾍ　､l:: :: :::!　　　｀ー─‐'`　"　　ﾉ く_ﾟ_∨:: :| 　 '.
、　 |　＼'∨:: :ﾍ、　　　　　　　 　 　 |　　　　l:: ::|　　 '.　　　　　　　　　　　　とびっきりのバカだ。世の中ひっくり返せるほどにな。
ﾉ　　∨´ ＼ゝ､:::1　　　　　　　　　　 |　　　　l:: ::|ﾍ　　'.、
ﾍ　　 ＼　　 |　トﾍ　　/ 　　　　､,　　　　　　∧: | 1　　l ＼　　　　　　　　　　俺らが勝てば、他の四大企業が横暴働く前に潰すことになる。
　!　　 　＼　 '､　　｀　ﾄ､＿＿＿＿ _'´__,ﾉ　,′| ! j　　,′　｀丶、　　
　l　　　　　＼　＼　　 ､　　　　　　　1:::/　/　 ,':1/　 /　　　　 　＼　　　　　　……アイツになら、賭けてもいいと思うぜ？
,N }　 　 　 　 ＼　＼　 ＼＿＿＿＿lｿ　ノ　　メl!, ／　　　　　　 　 ＼｀　､
　 ＼　　　　　　 ＼　＼　 ￣￣￣￣　 ,′ ／　|/　　　　　 　 　 　 　 ＼:::＼
　　　＼　　　 　 　 ＼　＼　　￣￣ 　 ,' ／　／1　　　　　　　　　　 　 　 ＼:::＼
　　　　 ＼　　　　　　 ＼　＼　　　　 //　,／　/　　　　　　　　　　　　　　　 ＼:::＼
　　　　　　＼　　　　　　 |　　｀ー─ '７　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼:::＼





　　　　／: : : __ -: : : : : /: ヽ: : : : : : : : : : : ＼: : : : : : : : :ヽ ヽ　、: :ヽ
　　　/: :／／: : : : : : : :{: : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ: : : : : : : : :ヽヽ:ヽ ヽ:‘，
　　 /／／: : : : :/: : : : :ｉ: : : : : : : : :ヽ: : : : : !: : : ヽ: : : : : r´: /: : : :＼＼
　　/　/: : : :/: :{: : : : :!: !: : : : : : : : : : ヽ : : : }: : : : :',: :__/｀ ／}: : : : : :＼＼
　　　/: : : /: : :i : : : : |: :',: : : : : : ＼: : : ヽ : : |: : : : : ｉ´: :/´: : i: : : : : : :/　/
　　　ｉ: : :/!: : : ｉ : : : : !: : !: : :ヽ: : : : ＼: : ヽ 斗 : : : : }rヽ: : : /: : : : : ／／:i
　　　!: :/ |: : : :| : : : : |: : :|: : : : ＼: : :才´: :i: :||: : : : : ｉ　 ',: :/､ : : ／／: : : |
　　　',: {　!: : : :!: :|: : ┼-- 、: : : : ヽ´: ＼ 　 ,〃: : : : }　 /:/ヽ＿_／: : : : : :|　　　　　　　……それも悪くはないのかもしれんな。
　　　 Ⅵ |: : : ||',: :!、: : i ', | ヽ: : : ヽ　ー‐≠´　| : : / | /:/: |　|: : : : : : : : : :|
　　　　　 ! : : | !:i: :i＼ ヾ≠" ＼: : : ＼　　　 　 }: :/ /: : /!: |　|: : : : : : : : : :|　　　　　　　だが、丁重に断らせてもらおう。
　　　　　 ∨: :| ',ヽヽ! ＼ヽ　　,　 ￣￣　　 　　 i / / ／ | : |　|: : : : : : : : : :|
.　 　 　 　 ∨ | ヽヽヽ: :| ｀ヽ　ヽ　 ＿　　　　　 |/ / |　　 |: |　| : : : : : : : : : |
　　　　　　　ヾ､　＼｀ヽ| : ヘ、　　ヽ　ﾉ　　　　ｲ: /　|　　 |: |　| : : : : : : : : : |
　　 　 　 　 　 　 　 ヽ! !: : :{　＞　　　　　　イ //　　|､ 　 | |　|: : : : : : : : : : |
　　　　 　 　 　 　 　 　 ',: : i　　　 ＞　＜　　〃　 ／ ヽヽ.| |__|: : : : : : : : : : |
　　　　　　　　　　　　　 ∨ {　　　　　 /　　 / - ´　　 /:.:.:.| ヽ、 : : : : : : : : :|
　　　　　　　　　　　　　　∨|　　　／/ |／　　　　　 /:.:.:.:.:.:!ヽ　　｀￣ ---__ｌ＿
　　　　　　　　　　　　　　 ヾ､r ／:./／:::/ヽ　 　 ／:.:.:.:.:.:./:::::::::::｀::::ヽ‐　＿　　　｀ ヽ、
　　　　　　　　　　 ,､r　´-‐　/:.:.:./ /::::/　　ヽ／:.:.:.:.:.:.:.:./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀　ヽ::´::::ヽ
　　 　 　 　 　 ／|::::´::::::::::::/:.:.:./ /::::::|　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::＼

5422： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/08(木) 22:29:44 ID:.IweUGxk0

: :＼_／／,: : :／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :! : : : : : : : : : : : : :ヽ
: : ／／: :{ ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :|: : : : : : : : : : : : : : : ＼
／／: : }:/: 〃: : : : : :/: : : : : : : : : : :!: : : : : !: |: : : : : : : : : : :ヽ: : : :ヽ
／ |: : ゝ //: : : : : : /: : : :/: : : /: : : } : : : : |: :|: : : |:ヽ: : : : : : :ヽ: : : }
: : :.| : // /: : : : :/:/: : : //: : /}: : :./|!: : : : :!: :! : : |}: ｉ: : :! : : : : |',: : ｉ
: : :.|: :/ ! i: : : : /-i､: : / /: :/　i: :/ / } : : : | : |}: : | | |＿ }: : : : :} ｉ : |
: : :.|: :-､ |: : : /: : |: ／｀ ヽ、 / ／/　 | : : !: : ! | 才 __ : : !: : : : :! | /
イ´　　　 !: : / : : |≦=≠===､ヽ､　 　|: : /!: :,≠坏〃: : /!: : : : } |/
　　　　　 |: /: : : :ヽ ヽ　{::::::::::らヽ｀ヽ !: / }:ｲ::::::::// }: :/ |: : : :/ /　　　　　　　　　　　　教え子の弔い合戦でもあるのでな……
.　　　 　 ゝ| |: : : : ヽ　　ヾ､zzｼ　　　 |/　}/弋zノ　/! /　|: : :/
　　　／ ／ヽ! : : : :|ヽ 　｀ ￣　　 　 /　 /　　　 　,'//| 　|: :/　　　　　　　　　　　　　　　貴様らには死んでもらう他ない。
　 ／ ／　　　＼: : :!　　　　　 　 　 　 　 ヽ 　 　 ,'/ : |　 |:/
　 ∨ ',　　　　　 ',: : ',　　　　　　　　　 　 ´　　, ｲ　}: : |‐≠―――――――――
　　 ∨.',　　　 ／∨:∧ヽ　　　　　 - ‐　　　イ| |／|: : |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　∨ ヽ ／:./:.:/ヽ ヽ.__≧　　　　　　∠ ‐ ／ : :|: :/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　　 ヽ/:.:.:/:.:.:.|:::::::ヾ、::::―::::＞ ＜二　　 /ヽ: :|/￣￣￣＼: : : : : : :,　 ´￣￣
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＜iiiiiiｉﾄ ＜三三＼　{　　 　 7`ｫ｡.,,＞s｡,　　　　　　　　 　 　 　 　 /Y　　./ 斗
｡,ii`ｰ'｡,　　　`　＜ヽゝ＜　7　,'　　＞s｡,　 ＞s｡_,.､., _　_　_　　　 / l!　　/＼Y'
iiiii`(iiノゝ＞s｡　　//　　　` ' ＜　　 　 　 弋,'´:::ξ`ｰ¨-¨。¨,>=/ﾆi!　／乂, ＼
`ｰ'iiﾉ-‐ ’三ノ三＞s｡, 　 　 ,'　　` ' ＜　 φ ｀う斗斥ｰ =ﾆ彡/三l!ｲ　／／ｨ
⌒'’ｰ-=､ニニニ/　　　 /　＞s｡, 　 　 /⌒' ｰ ｫ-､｡sf升ニﾆ/ﾆﾆl! 　 ／ 　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　そっ首、手向けの花として頂く。
　　　　　 寸ﾆﾆ〈　　　 /　,'　　　　 ＞s｡, , ィ升=ニニ,.｡s≦/三ﾆl! .／／' ＼
　　　　　　　寸ム､,　　`'弌s｡.,　　 　 , ィ升,.。｡s≦彡≦ﾆ/三三i! ' ｨ＼　／／　　　　 　　　　　　　　　　　覚悟してもらおうか。
　　　　　　　　 ﾏ三ﾆ≧s ｡,　　　　 <｡s≦三ﾆ/三三ﾆ竓/ i ｨ 7 i!／ｨ ヽ ／iiﾑ＜　　　　　　　　　
　　　　　　　　　 Yニニニﾆl’，｀ ' ‐-ミ' ＜三≧ｰ=ﾆ彡'¨¨¨ﾌ'κs｡,ヽ ／xixix/　　＞s｡,　　 　 　
　　　　　　　　　 l!三三三ﾆl三^ヽ　　　iｘl, ┬`ー‐ア三ﾆﾆ/三ﾆ=)ﾆ≧s｡xｉx/＞ ｡,　　　　＞s｡,　
　　　　　　　　　 l三三三三l三,ノヽｫイﾆ/　i! ,. ﾏ/三三ﾆ/三ﾆﾆ/≧s｡弌气s｡,　　　 ＞ ｡, _ ,z､,　＞s｡, 　
　　　　　　 　 　 l!三三ﾆﾆ斗f'´ ／三ﾑ/ｸ┤彡Y三三ﾆ/三ﾆﾆ/ﾆ三三三≧　　 ＞s｡,　　　　　⌒＞ ｡　
　　 　 　 　 　 　 i!┬=ﾆT三ﾆﾆ(三三ﾆヽ　j!/　l!三ﾆﾙ'三三ﾆ/ﾆﾆ三三三/　　　　　　　 ＞s｡, 　 　 　 　 ＞ ﾏ
　　 　 　 　 　 　 从三三三f乂三三ﾆ,｡♂"ｰ-=ﾏ三i!ニニニ/ﾆﾆ三三三∧　　　　　　　　　 　 　 ＞s｡,
　　　　　　　　　　 寸三「￣　 `i三ﾆj′　　　　 　 冫=‐┐ﾆ/ﾆﾆ三三三/ﾆﾑ　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＞
　　　　 　 　 　 　 　 `ｰﾄ-‐==‐7ｰ '　　　　　　　　 l!ﾆﾆﾆlﾆl≧s｡`'弌ニ/三ﾆﾑ
　　　　　　　　　　　　　 ゝ‐-‐ ’　　　　　　　　　　l!三ﾆﾆlﾆl三三三≧s｡≧s弌ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 l!Ij斗}!/χ"ﾏ≧s｡'弌三三ﾆﾏ∧
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,｡s≦ﾆﾆ」ｵ"三ノ三ﾆﾆ≧s｡弌三ﾏ込、
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,.｡s≦三三三Y三ﾆ／三三≧s｡弌ﾆﾑﾏ=ﾏ 込

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赤い騎士甲冑のようなフレームのネクストが、
シュクヴァールとリンドヴルムに挟まれる形となる。

生き残った狙撃機は早々にキャバルリィを見捨てたようで、
そそくさとOBで戦闘エリアから離れていくのが視認できた。

アルトリアとクーガーを同時に単騎で相手どることになる。
あのネクストもそう長くはないだろう。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5423： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/08(木) 22:51:32 ID:.IweUGxk0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜｀ｰ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ｰ､ ｀ｰ ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　＜
　ﾏ`ｰ､ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｌ` ､:::::｀ｰ ､　　　　　　　　　　　 ,　＜´:::::::::＞ ´
　　ﾏ:::::｀ｰ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ､　 　 　 　 .|| 　｀ｰ ､:::::::｀::ｰ 二二l`::-'´｀ｌ::´:::::::＞　´
　　　 ＜:::::::::＞ ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　.||　 ./ｌ 　 > ､:::::::::｀ヽ､.|丶:::::::::丶´
　　　　　 ｀ ＜:::::::::＞ ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ヽ_, r─ｌ´.|　/ .|-‐ｌ,ィ::::｀ｰ､::::::::/ゝヽ-─‐`
　　　　　　　　 ｀ ＜::::::::＞ ､　　　　　　　　　　　　 r ' ´　 ﾏヽ-‐'::/l //:::ｌ´::::::::/￣　｀ｰ/: : :/￣｀ｰ､
　　　　　　　　　　　 ｀ ＜::::::::＞ ､　　 　 　 　 　 　 l 二ﾆ ｌ l`ｰ- ' r'ｌ∧:::ｌ､::,ィ´:::::::::/`ｰ､: :/-､::::::::::::｀ｰ､
　　　　　　　　　　　　　　　｀く｀ ｰ ､＞､ニﾍ,──'/´:::::::::::,ｌ ヽ-,‐'ｌ:::ｌ´::::::l::::::::/｀ｰ./:::,r─､:::ﾍ　｀ｰ ､::::::::::｀-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ::::::＞｀ヽ､/::,─- ､｀ｰ‐´|:::::::|:::::::|:::|:::／_:::::_,ｌ::::|::｀ゝ'､::r'´ﾍ─ｌヽ､　 ｀ｰ ､:::::::｀ｰ ､
　　　　　　　　　　　　　,....-:::':::´::｀＞､｀ヽ､ 　ｏ｀ｰ､:::｀:ｰ-,ヽ::::|::::::|:::ｌ/-´ｰ'　 ﾆィ　　　 〉─--＝ニｌ　　　　 ｀ ｰ､::::::ﾊ
　　　　　　　 ,....‐:::'::::´,:::: - '　´　 　 ｌミ　|ヽ＼＼､ｰ-＜ﾆ フ｀ｰ´::::::::TT￣ｌ´　　　　 / ｌ:::|_|::::|/::｀/　　　　　 　　 ｀ヽｌ
　　　　 , ィ::´::, -　' ´　　　　　 　 　 .ｌ/::/:::::/::二::::::::::::::ヽ´ ｌ　|:::::::::::::| |::::::ｌ　 　 　 /ノｌ_/. ｀´'-'‐'
　　　　 ￣￣ 　　　　　　　　　　 　　 'ｰ'￣　｀ｰ ､:::::::::::::::::::::ｌ　ｌ:::::::::::::| |:::::ｌ　＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　-＝ニニニニニﾆｌ｀ｰ二//-, 　,'=──=,ｌ ｌ::ノ/::::::::::::,::-::':::::/＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　_＿＿ｌ:::::::::::::::::::::￣ｌ:::::::::::::/::::￣:::://ｰ--／/´::::::／二二二ニニ＞
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　　　　　　　　　　　 ￣￣￣

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視線を眼前の敵へと戻す。

回避行動をとりつつの射撃戦へと移行していたが、互いに削れる様子もない。
互いに機動力のある機体だからか、牽制程度にしかなっていなかった。

決着を着けるなら近接戦闘になるだろう。
こちらのレーザーも当たれば決定打になりえるが、動きを止めなければ
当たる気配が微塵もない。

接近戦になったとして、カタストロフィ相手であれば不利にはならないだろう。
さっきも軽く打ち合ったが、あれなら対応できそうだ。

一方でフラップアッパーは未知数だった。
なのはのマーシフルと戦って生き残っただけあり、実力派には違いない。

だが機体構成的にコジマ兵装やパイルバンカーといった虎の子を持っている
様子もないので、放置しておいても問題ないようにも思える。

下↓1どうしますか？
1.二機がかりでカタストロフィを先に撃墜する
2.二機がかりでフラップアッパーを先に撃墜する
3.はやてと二手に分かれ、一対一の戦闘に移行する
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5424：安価のやる夫だお：2022/12/08(木) 22:54:19 ID:FDaS2mp60
3

5425： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/08(木) 23:02:44 ID:.IweUGxk0
安価も取れたことだし、今回はここまでだ。

次回は来週の木曜日、12/15からとするが……

流石の忘年会シーズン、モコイさんも職業柄立て込んでしまっている。どうなるか分からない。

いやね、ちょっと断れないのよ……立場的に……いや、木っ端には変わらないんだけどさ……古い気質の業界だから……

ちなみにみんなはクリスマスはどんな感じだろうか。

モコイさんは上司の行きつけのバーの女店員に連絡先を渡して、一切連絡がこないまま一週間が経過したところだ。悲しいなぁ……

それじゃ、シーユーアゲイン。よい年の瀬をね。

5426：安価のやる夫だお：2022/12/08(木) 23:03:55 ID:FDaS2mp60
乙
クリスマス？知らない単語ですね…

5427：安価のやる夫だお：2022/12/09(金) 00:38:01 ID:Q8XhYPq60
乙

5428：安価のやる夫だお：2022/12/09(金) 06:25:33 ID:qyT0lgN20
乙でした

5429： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/15(木) 20:07:07 ID:UHE.9OME0

　　　　　　　　　　　　　　！？
　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿__
　　　　　　　　　　　ヽ:::::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　|::○::::::::○:|
　　　　　　　　　　　　|:::::::‐=‐:::::::|　　　　　　　　　“待”ってたぜェ！？
　　　　　　　　　　　 　>::::::::::::::::::く
　　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::＼　　　　　　　　この“瞬間”をよォ！？
　　　　　　　　　 （=m/ ＼＿／ヽ､m=）
　　　　　　　　 　 　/ ヽ、　　　　ﾉ ヽ,
　　　　　　　　　　 ヽ､ ＼ 651○/　/
―――＝＝＝　（:::::） i｀――´i （:::）　＝＝＝――――
　　　　 　 　 　 　 ヽ,| | |γ⌒ヽ| | |/
　　　　　　　　　　 （_| | | |　|　| | | |_）
　　　　　　　　 　 　 ヽ|_| |　|　| |_|ﾉ
　　　　　 　 ／ 　 　 ｀'ｰ |　|　| ｰ´　　　　　＼
　　　　　／　　　　　　　 ヽ_i_ノ　　　　　　　　　＼
【祝　ACVI 発売】

5430：安価のやる夫だお：2022/12/15(木) 20:09:26 ID:87ZDyHGM0
いやーまさか出るとはね

5431： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/15(木) 20:15:22 ID:UHE.9OME0

　 　　　*＿＿＿　　　　*　　　　　いやーめでたいね。もう新作は出さずに、キングスフィールドの系統一辺倒で逝くものと……
　　＊ 丶::::::::::::::::::/　　＋
　 　　n |::○:::::○:| n　　　　　　　　気分はファンタズマされた直後のマギーだ。なんだかとってもここたまって感じ。
　＋(::ﾖ |:::::ｰ=‐:::::i E::)
　 　 ヽ::ヽ::::::::::::::::く:::ノ　　＊　　　　ちなみに便乗してこのスレを宣伝してみたがダメだった。悲しいねバナナージ。





　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′　　　　　新作は……マルチも大事だが、ミッションを充実させてほしいね……
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|　　　　　　 対戦重視すぎたACVDは地獄絵図だったからね……
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,　　　　　　 というか対人ゲーになるとやはり人の醜さが出る。
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|　　　　　　　モコイさんは知っている。ACVやACVDで散々好き放題してた連中は、
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,　　　　　　　ACVDが廃れた途端にさっさとボダブレやガンダムに移行し、
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|　　　　　　　そこでまた暴れていたことを……
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´

5432： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/15(木) 20:23:38 ID:UHE.9OME0

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',　　　　　　　　　モコイさんも「ACが好きでVDやってる人」より「ゲームで人をボコるのが好きでVDやってる人」
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',　　　　　　　　の方が遭遇率高くてね……とても疲れた記憶がある。対人は疲れる。
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ　　　　　彼らが好きなのはACじゃなくてリモート暴力だったから……話も合わないし……
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ　　　モコイさんはデモンズやブラボでも対人勢だったが、今では完全青霊プレイヤーだ。
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'　　　　対人はほどほどが一番だよ。やってもチャット拒否の傭兵だ。
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ





　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|　　　　　　　　これ以上はやめておこう。
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,　　　　　　　　それは私が語るべき物語ではない……
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|　　　　　　　　 本編の続きといこう。
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,　　　　　　　　ぎっちょんとハム相手に二手に分かれるとこだね。
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´

5433： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/15(木) 20:42:01 ID:UHE.9OME0

　　 　　　,,, ＝＝＝＝,,
　　　 　〃　　　　　　　　＼
　　　/ 《　　 ─　 　 ─ 　 ヽ
　　　|∩||　 （●） 　（●）　 }}　　　　　　　一対一なら、カタストロフィを墜とせるお。
　　　|∪《 　 　（__人__）　　∥|
　　／＼　 ミ三∩_ノ ⊃彡 ／ゞ　　　　　　はやてさん、フラップアッパーを抑えといてくれるかお？
　/　　乂 ゝ _／ ＿ ノ ＿イ,＿)
　(　, ′ヽ ／　 ,,;;; ｲ/　　 i　　i　　　　　　　その間に仕留める。
　 ＼　　 " ` ､ ／￣￣i￣"　 )





　　　　　　　　　　 　 　 　 ／.:.:.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:、.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ'.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:V.:.:.:.:.､
　　　　　 　 　 　 　 　 /'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:、.:V.:.:.:.vV
　　　　　　　　　　　　,'/.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:./!.:.:.:.:.:.:.:.i|.:.:.',:ヽ.:.v:V
　　　　　　　　　　 　 j'.:.:.:.:.:.:j'.:.:.:.// |.:.:.:.:.:.:..:j{.:.|.:}》《Ｖ}:.:V
　　　　　　　　　　　 ,'|.:.:.:.:.:/:!.:.__j_{　!.:.:.:}.:./:ハ:|.:}.:.:.:.:v.:.:.
　　　　　　　　　 　 ,'.:|.:.:.:.:ム|.:.:斗芋ミxﾉノ/,.斗r:!‐.:.:.:ｖ.:.:.:,
　　　　　　　　　　 ,' ':|{.:.:.:.{〔(!.:|ヾＶrﾀ｀'´ ´ f芳ｱ}.:.:.:.:.:}.:}.:.}
　　　　　　　　　　 ' !八.:.:.:{ヽi.:.!.:{、　 　 　 , `'’ ﾉﾊ.:.:.j'.:.}',:}　　　　　　　　オッケー、時間稼ぎやな。
　　　　　　　 　 　 { !.:.:.:、.:{:从.|个ｰ　　　 　 　 八.:}.:.:'.:./ﾉ'
　　　　　　　 　 　 {八.:{ ＼.{:!.:'|.:|:ヽ　 ｀　 ’ ,..ｲ.:,'.ﾉ!:/:/Vﾉ　　　　　　　　　適当にあしらっとくさかい、ちゃちゃっと仕留めて助けにきてな？
　　　　　　　　　　 ヽ ヽ　从!:ＹV|:{| ≧=-r≦_,＞/ j'ノ:::::!
　　　　　　　　　　　　　　　 ｀'|'i {ｖｊﾆ}ﾌﾆニ{| ｆ'^ |ノ !:::}::::|
　　　　　　　　　　　　,ｨf'⌒メｊ､! !' ｀j'´　Vﾆｊ_|　 |-八:{:::::|
　　　　　　　　　　 ／ニﾆﾆｱ　/ﾊ_,ﾉ__／ア　　　 Vr≧=r'ﾆﾆ!
　　　　　　　　　／Ｖニﾆア　,.:/ﾆｊ/{ニニ|:|　 　 　 {ニﾆﾆﾆﾆ!
　　　　　　　　　!､　￣／! ,.:／ｒく' ﾉニニｊ::!　 ,　　 {ニニニﾆ!Ｙ
　　　　　　　　　', ￣,　　,.:/ﾆ'"ヽ_〉ﾆﾆﾆﾚ::!'" 　 　 Ｖニニニﾚ
　　　　　　　　　 ） ,　　 ,:/ﾆ' {/ニニニﾆﾆ!|　　　　 {　 ｀~^'V'!
　　　　　　　　　 Vｒ ァ ,::'ニ{ !{ニニニニﾆ!:!　　く ヽ!　　　 ﾉj|
　　　　　　　　　 ,　　　,::!ﾆ八',Vニニﾆﾆﾆ|:|　　　　 }、　　, !｀
　　　　　　　　　 {::.、　!::!ﾆニヾヽﾆ、ﾆﾆﾆi::|____ ,...ィ!　　　'’!、
　　　　　　　　　 ｀ト､:^:::|ニﾆくｨヽ＼ニニL::::::斗'^~|　　　　 ､!

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自分の申し出に、通信越しにはやてが快諾する。
知らない間柄であれば、自信過剰と却下されるところだが、このペアでは違った。

しかし、どうやらはやての方でフラップアッパーを仕留め切る自信はないらしい。
さっきの発言は大袈裟ではないということだろう。

仕留められずとも、ミセリコルデは高機動型の射撃支援機だ。
引き撃ちしながら時間を稼ぐ分には申し分ない。ここは彼女に任せよう。
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5434： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/15(木) 20:51:23 ID:UHE.9OME0

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そうと決まれば話は早い。
フラップアッパーを意識の枠から外し、カタストロフィに集中する。

こちらの武装はどれも当たれば必殺の威力がある。
決着は早ければ早いほどいい。それだけはやての生存率が上がる。

牽制にレーザーを撃ち込み、カタストロフィが二連でサイドブーストを吹かした
瞬間を狙ってオーバードブースターを起動する。

少しでもEN残量での差を着けたかった。近接戦闘での息切れは死を意味する。
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5435： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/15(木) 20:54:26 ID:UHE.9OME0

_))　 / /　　 / /　,.<　　　l 　 |　　 ヽ　　　　　 ＼ ＼　 　 /
彳　|　|　l　 l　|／　 ＼ ､ ゝ　l　　 　 V　|　　　　､＼ ＼ /_
｜　|　|　ｌ　 Vｒｆ＝＝ミ.ヽ＼` ＼　 　 l V　　l　　 ｝ /＼/　 ＼
｜　|　|　　､ l ﾘ　　ィ心＼ヽ＼__, 　　 l/　　 '　／∨　　|
｜　|　|　　 ﾄl　 ､__廴ｆｿ　ﾊ i ￣　　　/　 ／／＝/　/ /＼
∧　|　|ーゝ.＼　　￣｀`　　　　　　∠. ィｧ≦Ｚｚ.ノ　ィ /　 /＼　　　　　　　ぬう……やはり良い動きをする！
　∧＼＼　　 ｀＼　　　　　　　 　 ,　　´心ﾊ｝　´iｱ //　 /　//
＿_∧　ヽヽ 　　　　 　 　 　 　 　 {　　 弋_ｆｿ_／　//　 /ヽｘ/　　　　　　　　高町なのはには及ばないが……迫るものを感じさせられるな！
　　 |∧ ∧∧　　　　　　　　 　 　 〉 　 　 ｀ ー=彡 　 /　 / ∨
ﾍ　｜｜　|　|　　 ,_　　　 　⌒　∠ノ　　　　　, ' 　　 /　 /　/　　　　　　　　　思い出させてくれるじゃないか、あの日を！
〈∧ﾍ.｜　|　|　　｛ﾆﾆ_ ､_　　　　　　　　　 ／　　 ／ .／　 ' ／
　Ｖ〉 ヽ　｜_|　 　ゝ　　｀ ｀ﾐ _ ､_　　　　／　_　 ´_　 ´ ／／　　　　　　　　　　
　 =＼　＼＼＼　　 丶､ 　　　｀ﾝ`　 ／　／　／ 　.∠／






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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　t ==‐＜　　 　 　 　 _　　l .ﾑ　　　　　 .//　　　　　　　　　　　 ＿＿
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＞ ミ、 >　 `ｰj　 / // fｨi `ヽ＜/＞ '升=ﾆ jI斗＜´￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`Lゝ＞ｲ　,ｨ==x j!'､j　 ｨf´　jI斗＜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / r' ＞_ (/jI炒 / ヽ` ゝr＜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾚ ゝ-/:::Y￣/ｨﾑ,.jI」＼ ∨　　
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　 ｲｲIi/　 <≧s＜>　　　ヽ⌒&　　　　　　　　　おっと……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ‘ ／ｲ イ　　　7＜_Ｙ　　　　l{　 ',i!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Y'レ'_,jIｲj　　/＼＞sｲ〉　　　 lﾄ 、 'i!　　　　　　　　 月並みな言葉でアレなんやねんけどな。
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 レ:/ｲ〃　 (]ﾏ:ﾉ{,/i＜/iｮ,　 　 {　ヽ i!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　％'彡〃　　 ﾏ l{ l　ﾚ'7　)’　　 ゝ　 Yﾊ　　　　　　　　アンタの相手は私。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／／ /´　　 　 」=i!lﾆl / ノ　 　 　 「i 、}lj
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5436： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/15(木) 21:09:28 ID:UHE.9OME0

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　　　　 Vﾆﾆ＼ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
　　　　 个、ﾆﾆ` ､ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ≦ﾆﾆﾆﾆﾆ
　　　　,;':!ﾆ＼ﾆﾆﾆ｀　、ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ≦ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
　　　　i:;:!Lﾆ」　＞ﾆﾆﾆ｀ヽﾆ|ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
　　　　|:;:;:;:|ﾆ!　i:::::::::へ_ﾆﾆ |ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/リﾆﾆ
　　　　',:;:;:;:!ﾆ!　,::::::::lイ｀ｰﾐﾐﾄ┬―――――""""" _ィ≦≧:::ﾆﾆﾆ｝ﾆﾆﾆし'ﾆﾆﾆ
　　　　 V:;:;!ﾆ!　 ,::::::| 乂　｛i｝ﾍ:::::::::::/　/:/＿_z≦二＿＿　j::Lﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆ≧≦
　　　　　V:;!ﾆ! 　 〉:::!　　｀ー 人::::И　'《:,"￣ｲ￣｛i ｝　　 〉,::::::/三7　 /　 /:;:;:;:;:;
三三三三弍:;',　 |:ヽヽ、　　,　　乂! ｀　 |　　　ゝ ＿＿x　 ,::::::/:::::/　 /　 /:;:;:;:;:;:;　　　　　　クソガキが……確かに腕ぇ上げたようだなぁ！
三三三三三:;:;,　 ',:::l> ≧≦　　 ﾉ ｀　　　　　　　　　　　 ,::::::/:::::/　 /　 /:;:;:;:;:;:;:;
三三三三三V:;:　 ヽﾄ、　　　　 ,　　　　　　　　ヽ、　_　イ::::/ ::::/　 〈　 /:;:;:;:;:;:;:;:;　　　　　　　体制をひっくり返そうってのも、
三三三三三 V:;:　　ヽ＼｝　　 ,　　　　　　　　　　￣／:::::V/"":;:;:;:;＜ﾌ:;:;:;:;:;:;:;／
三三三三三ﾆV:;:;　　 ヽ　 　 〈　　　　　　　　　　 ,´::::::／:;:;／:;:;:;:;:;:;:;:|:;:;:;:;:;イ三　　　　　　　　あながちトチ狂っただけってわけでもねぇらしい……
三三三三三三V:;:;　　　V '、,,,,ヽ　　　　　　　　 ,:／／:;:;／:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:｀￣:;く三三
三三三三三三 V:;:;　　　 ,　ヽrx＿＿＿＿＿＿(／:;:;／:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;, '三三
三三三三三三 ７:;:;:;:;｝　　,　 乂二二二二二／:;:;:／:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;／三三三
三三三三三三/:;:;:;:;:;｛　 　 、　、｀ー――r ´:;:;:／:;:;:;:;:/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;／三三三三
三三三三三三!:;:;:;:;:;:;:ﾑ　　 ヽ　j//////　!:;:;／:;:;:;:;:;:;/:;:;:;:;:;:;:;:;:／三三三三三

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激突し、鍔迫り合いの体勢となる。
視界一杯に猛禽のようなヘッドパーツが映し出され、火花が散る。

その状態も長くは続かず、サーシェスは咄嗟にQBで距離を取りつつ
ライフルで牽制を行ってきた。アサルトアーマーを警戒してのことか。

だが、その程度なら左腕のPAシールドで打ち消せる。
敵機のEN残量が底を突きかけ、動きが緩慢になる一瞬に、
反射的に熱線の槍を撃ち放った。

PAを貫通し、カタストロフィのリアスカートを焼くのが見える。
だが、さすがにPAで減衰させられたのか、致命傷には至ってなかった。

サーシェスが憎まれ口を叩きつつ、背部に搭載したPMミサイルを放ってくる。
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5437： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/15(木) 21:19:50 ID:UHE.9OME0

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　　"　...|||　　.｀　　.　　､　´　,　　′　.　、 "　　...`'､(_j‐-≧j(j{｀｀ヽ___ .、.　.｀　　゛.　 　i　,　 .　． "　. ､. |||　． "
､　　　...||| ,　、 　　" . 　　 i　　　　´　　 .　　 ii　 　 ヽ}／ヽ⌒ヾj{⌒⌒)　 i　i　 　､　´ ii　 ..　 " .li　　 　 .|||　.li
　　. 　 ||| .|!　　､　　 !　'　||　　!!　　　!!　｜ !!lll||!!　| _}{))＞=j ´ヽ ⌒゛ . ...|ｌｌ !!!　!　　　! l|l. |l!　　 l!||l !　 |!||　　l!||l !
　　　　.||| ,　、 　..　" . 　　 !　　　　､　　 .　　 !! 　 . ﾉ_{ (:i:}r‐'＜. ∨ /　　..!　!　 　´　､ !!　 ..　 " .l!　 　 |||　" .l!
､　　　...|||　　.,.　　.　　´　､　,　　′　.　、 " 　 ._　/　７ゝ〕iト､　 ＼∨ 、.　.,.　　゛.　 　!　,　 .　． "　.´ . |||　 ． "　.´
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さっきからマーシフルを消耗させようとする動きばかりだ。
向こうも向こうで、こちらの息切れを狙っていると見える。

マーシフルもPA出力は高い部類だが、集中砲火を受ければ一瞬で丸裸だ。
レーザーもEN兵器である以上、撃ちすぎればクイックブーストもできなくなる。

サーシェスの意図が滲み出るミサイル群を見据え、アサルトアーマーを起動した。
保護シャッターがカメラアイを覆う中、レーダーを頼りにブースターを唸らせる。
ミサイルを消し飛ばし、敵機の視界を奪いつつ、一気に決着を着ける。

レーダー上のミサイルを表す光点が一斉に消えていく中、
保護シャッターが格納された瞬間にブレードを袈裟に振り下ろした。

狙った通り、アサルトアーマーの余波で装甲があちこち弾け飛んだ
カタストロフィが、済んでのところでブレードの腹を掲げていた。
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5438： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/15(木) 21:23:30 ID:UHE.9OME0

　　　　　　　　　　　　　　{ｿ／　　　　__..-‐::¨¨7￣￣¨¨''ﾇZミ､ミ､　 ミヽ.　　　ヽ　＼l
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,ｲ 　 　_ ｨT´::::::::::::::::::ﾉ　ｨ彡ミヽ､ヽ:::::::::::::＞､　ヾ､　　 　＼ >
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀Y　／ﾊ :{　　:::::::::::::{＞''¨ ＝=　 /::::::::::::::::::从::＞.ミヽ＼　 }
　　　　　　　　　　　　　　 Y　　　人ｲ:::::::ﾊ从ｲ 　f::()ｱ　/::::::::::::::::::::ﾊ:::::::::::::::::ヽ.　ヽ〉
　　　　　　　　　　　,ｲ 　 丿　:::ﾄ￣ﾑ::::ｲ:::（　　　　　 ／::::::::::::::::::::/ .ﾊ::::::::::::::::::::＼ｿ
　　　　　　　　　 　（:::｀¨´/ 　::::ｲrｲﾂ小ヘヽ　　 　 /彡ｲ:::::::::::::::::{ﾊ.　}::::::::::::::::::::::弋__ノj
　　　　　　　　　　　｀ーｧ 　 :::从ｲ　/ ヾ　　　　　　{:::{　{:::::::::::::::i| 弋　j:::::::::::::::::::::::::::::::く　　　　　　　クソったれがァ！！！
　　　　　　　　　　　　ノ:/ 　::::::ノ　/　 　 　 　 .u　 ヾ　ヽ::::::::::::l|l:::ヽ彡:::::::::::::::::::::::::::ﾄ､:〉
　　　　　　　　　　　（::,ｲ　:::::::::::::.　＼　｀　　　 　 　 　 　 ヾ::::::::...　小:::::::::::::::::::::::::::::小ﾉ
　　　　　　　 　 　 　 ｿ{　 ::::::::::::∧　 ,,''　'''''''''''''''''''''小､_ノ:::::::::::　　ﾙ小:::::::::::::::::::::::::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　ヽ､ ::::::::::/ﾊ　''ｨﾆ二ﾆ=＝一 ｀ーｲ:::::::::::　　j ﾉ　ﾄ::::::::::::::::::::::::::ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　 ヽ ::::::://∧　　,,,,,,,　　　 　 　 ﾊ:::::::::::　ノ　 　{::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 丿 ::::::ｨ//∧　　　　　　　　　{::::::::::::l　八＞'''¨ヽ､::::::::::::::::::::::::ノ
　　　　　　　　　　　　ﾄー'　::::人{　ヾ/ﾊ　　　　　　....::::::::ｿ:::::::::ﾄｲ 　 　 　 　 ｀Tミ==‐彡ﾆヽ
　　　　　　　　　　　　 ｀ ー＜　 ヽ　}:::::ﾄ､　--‐''::::::::::::::::{:::::::::ﾊ　　　　　　　　 i::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　､＿ ﾉ:::::ｨ:::::{￣ｱT rイ　 弋､::{　　　　　　 _＞''´￣￣￣￣
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;;;;;;;;:;:;:;:;:;:|':"´￣:　 |:::::|::.1 |::j　　`ヽ_ ●｀)､ﾉ;:.:.:;:;ﾞ,／ヽ.:/
;;:;:;:;:;:;:;:;:;:|:::::.:.:.:. :_;」:::::|::.:.| |:j!.:.`､　　 ￣｀`'';:;:●:!- ｰ|/　　　　　　　　　今度はコックピットを消し飛ばしてやるお！
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|' "´￣　 !:::::|:.:::ヾ!j:::.:./　　　　　:;:;/ >ｲ　　 !
;:;:;:;:;::::::::::|, -‐''"´/::::::::!::::.:.:.:.＼′　（＿__）＿）.:;j　　,′　　　　　　　　　二度とやる夫の邪魔をできないようにな！
;:;:::::::::::::::::＼;;;;;;;;;;＼:::/:::::::::::.:.:.:.＼. `'' ｀ ⌒´ :;;,′ /
::::::::::::::::.:.:.:.:.:｀ｺィ仁「ﾆ''rｰ ､:::::::.:.:.＼ｰ-｀二´ /　 /
::::::::::::::::.:.:.:.:.://;:;:;:;:;:;:;:;/::::::ヽﾄ､:::::::::.:.:.ゝー‐‐< _,ｲ
二ﾆﾆ''ｰ ､_//;:;:;:;:;:;:;:;/.:::::::::::::::ヽ:::::.:.:/::::::::::::::::.:.:.:!
￣｀`ー-/7,ﾄ;:;:;:;:;:;:;:/.:.:.:.::::::::::::::::＼/:::::::::::::::::.:.:./
: : : : . . ..「V^ｰ- ､ /..:.:.::::/＼.:.:.::::::::ﾄ､:::::::::::::::.:/
:.:.:.:.:.:.: : :| ﾉ.:.:.:.:. . ＼_.:.::::＼/.:.:::::::::::::`7tfﾆ厂
:::.:.:.:.:.:.:./:::::::::::::.:.:.:.:.　 i＼:.:.::::::::::::::::::::/ j' /L
::::::::::.:./::::::::::::::::::.:.:.:.:.:. .＼j＼.:.:::::::::::/ j' / / ｀ヽ

5439： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/15(木) 21:32:25 ID:UHE.9OME0


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　　|　//　|_／　　　　／　　　　 　　 |　　| ≦二二)=∧ ´ 　　／　　 __　　 　 　 　 　 /|　　 　 　 ／　 /
　　Ⅳ　 _ﾌ´　　　 ／　　　　　　 ||| ｜　 || / ┘　ゝ=≦　 ／´　　　　守､　　　 　　　/ |　　　　／　　/
　　　　　　　　　 //　＿,,,,,‐‐彡´| ∨　　 ∨　／´　　 ,／´＿___=='''　{|　＼_　　ﾄ､_ /　|　　 ／　　 /　　　_,,／
　　　　　　　　／-‐‐￣　,／ﾆ____}　　　　　　　　　　／-‐￣__／___,,,　 |　　＼__ | ∨　 | j_／　　 //　,,／／
　　　　　　　　　　　　,／´　　　　　　　　　　　　　　　　 =三三=¨´　　 ||　　　 ＼　　　Ⅳ/　　 //,／／／
　　　　　　　　　　 　‐=フ''　　　　　　　　　　　＿＿____‐‐―==---==-ｷ　　　　　　　　′　　/／´　 ／＿__ｚｧ
　　　　　　　　　　　 ------===-__ｚｚｧ-‐￣￣　　　　　　　　　　　｀孑ﾁ　　　　　　　　　　 /　　　 ｀¨￣_,三===‐
-----------＿＿　　＿,,,==---¨￣　　　　　　　　　　　　　 ＝====ミ　　　　　　　　　　　　　　　＿___二三===‐‐
　　　　　　　　　　￣¨-＜三三===___::　　　　　　　　　　　　　＿_二ュ　　　　　　　＿___‐-----¨￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　｀¨-==二::＿＿＿　　-====‐‐￣￣　　　＿__-‐-‐￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣-三三三三=‐‐￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　---¨¨￣￣

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
カタストロフィのコックピットブロック目掛けてブレードを突き立て、
熱線の刃を形成させるが、寸前で刀身をライフルの銃床で殴打される。
装甲を抉りながら照準をずらされ、脇腹に当たる部分にレーザーが刺さった。

機体を貫通し、派手に黒煙を上げる中、そのまま振り抜いてコア部分を
両断しようと出力を上げる。

そんな中、視界の端で閃光が連続して炸裂した。
ミセリコルデがフラップアッパーと射撃戦を繰り広げている。
傍から見た限りでは、フラップアッパーが逃げの一手を打っているようだった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋


　　　　　　 .ﾊ　/{　　 ＿　　　　　　 ＿＿__ 　 　 　 　 　 　 　 　 ／／
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.　ィi〔＞''” 〈二|二/^二{二二ニﾆ}　　　　　　　 　 ／ ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／／
/ﾊア　　 　 入,|=/ニ二|ヽ‐=≦⌒　　　　　　　 ／　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／
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. 　 ＿{二二/二ゝ二二ニ/∧=‐　__　　　／　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／´／
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. _..斗≦ゝ(二二二ニニﾆⅥﾆ∧二ﾏ=‐_ .／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_／´　／
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　　Ⅳ　 _ﾌ´　　　 ／　　　　　　 ||| ｜　 || / ┘　ゝ=≦　 ／´　　　　守､　　　 　　　/ |　　　　／　　/
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カタストロフィのコックピットブロック目掛けてブレードを突き立て、
熱線の刃を形成させるが、寸前で刀身をライフルの銃床で殴打される。
装甲を抉りながら照準をずらされ、脇腹に当たる部分にレーザーが刺さった。

機体を貫通し、派手に黒煙を上げる中、そのまま振り抜いてコア部分を
両断しようと出力を上げる。

そんな中、視界の端で閃光が連続して炸裂した。
ミセリコルデがフラップアッパーと射撃戦を繰り広げている。
傍から見た限りでは、フラップアッパーが逃げの一手を打っているようだった。
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5440： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/15(木) 21:32:39 ID:UHE.9OME0
ごめん、なんか連続しちゃった……



　　　　　　 .ﾊ　/{　　 ＿　　　　　　 ＿＿__ 　 　 　 　 　 　 　 　 ／／
　　　 ., .ィi{√}/ﾆ〉__/ﾆ〈_　　／^＼(　　 　 ｀`〜､、　　　　 　 ／／
　　　 .∨ﾆ√〈ﾆ/ﾆ/ﾆ/ﾆｱ∠　　 [二二二]＿＿__〕iト.,　　..／／
　 　 　 ∨√ Lr‐ァ=ﾆア／二二二]二二/二二二二ア二二]ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=‐　　　　　　　　　　　　　 ／／
.　 　 ／入＿_/ゝ=ﾆｧ／ニニﾆ,∧二ﾆﾆ=‐ ⌒　　　...／ ／　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／／
.　ィi〔＞''” 〈二|二/^二{二二ニﾆ}　　　　　　　 　 ／ ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／／
/ﾊア　　 　 入,|=/ニ二|ヽ‐=≦⌒　　　　　　　 ／　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／
.⌒　　　　　乂_Ⅵ辷辷ﾉ二/=〉_　　　 　 　 .／　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 _／／
. 　 ＿{二二/二ゝ二二ニ/∧=‐　__　　　／　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／´／
　 ≧=‐アﾆ圦=／二(==∨ﾆ∧ﾆﾆ=‐_ ／　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,／´_／
. _..斗≦ゝ(二二二ニニﾆⅥﾆ∧二ﾏ=‐_ .／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_／´　／
. {二＞''”⌒　　　 〈=＞''” ＼ﾆ＼二寸=‐_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／´　／　　　　　　　　　　　　　／
　　 　 　 　 　 　 　 ~　　　 　＼ﾆ＼ﾆ＼==‐_　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,／´　,／　　　　　　　　　　　　　　／/
　　　　　　　　　　　　　　　／　 .⌒^＼ﾆ＼ﾆ〉　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／´ 　／　 　　　　　　　　　　　　　 ／ /
　/|　　　　　　　　　　　／　　　／　　 .＼ﾆ＼ 　 　 　 . ,/　　　　　　／　 　／　　　　　　　　　　　　　　　 ／ /
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　｜　　　　　　　 ／　　　 ／　　　　 /　| 　 ＼ﾆ＼___ /　　　／´　　／　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 /
　｜　　 /|　　／　　　　／　　　　　 /　｜　 .._..斗≦〈 　 ／　　 ／　 　　　　　　　　 . |　　　　　　 ／　 /
　　|　//　|_／　　　　／　　　　 　　 |　　| ≦二二)=∧ ´ 　　／　　 __　　 　 　 　 　 /|　　 　 　 ／　 /
　　Ⅳ　 _ﾌ´　　　 ／　　　　　　 ||| ｜　 || / ┘　ゝ=≦　 ／´　　　　守､　　　 　　　/ |　　　　／　　/
　　　　　　　　　 //　＿,,,,,‐‐彡´| ∨　　 ∨　／´　　 ,／´＿___=='''　{|　＼_　　ﾄ､_ /　|　　 ／　　 /　　　_,,／
　　　　　　　　／-‐‐￣　,／ﾆ____}　　　　　　　　　　／-‐￣__／___,,,　 |　　＼__ | ∨　 | j_／　　 //　,,／／
　　　　　　　　　　　　,／´　　　　　　　　　　　　　　　　 =三三=¨´　　 ||　　　 ＼　　　Ⅳ/　　 //,／／／
　　　　　　　　　　 　‐=フ''　　　　　　　　　　　＿＿____‐‐―==---==-ｷ　　　　　　　　′　　/／´　 ／＿__ｚｧ
　　　　　　　　　　　 ------===-__ｚｚｧ-‐￣￣　　　　　　　　　　　｀孑ﾁ　　　　　　　　　　 /　　　 ｀¨￣_,三===‐
-----------＿＿　　＿,,,==---¨￣　　　　　　　　　　　　　 ＝====ミ　　　　　　　　　　　　　　　＿___二三===‐‐
　　　　　　　　　　￣¨-＜三三===___::　　　　　　　　　　　　　＿_二ュ　　　　　　　＿___‐-----¨￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　｀¨-==二::＿＿＿　　-====‐‐￣￣　　　＿__-‐-‐￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣-三三三三=‐‐￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　---¨¨￣￣

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カタストロフィのコックピットブロック目掛けてブレードを突き立て、
熱線の刃を形成させるが、寸前で刀身をライフルの銃床で殴打される。
装甲を抉りながら照準をずらされ、脇腹に当たる部分にレーザーが刺さった。

機体を貫通し、派手に黒煙を上げる中、そのまま振り抜いてコア部分を
両断しようと出力を上げる。

そんな中、視界の端で閃光が連続して炸裂した。
ミセリコルデがフラップアッパーと射撃戦を繰り広げている。
傍から見た限りでは、フラップアッパーが逃げの一手を打っているようだった。
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5441： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/15(木) 21:39:09 ID:UHE.9OME0

　　　　　　　 　 　 　 ,ｨ　　　　　　　_　　　　　　　　　　　 ､__
　　　　　　　　　　　 八＿＿_　　 ´　　　　　 ､_　　　　　　ヽ ＼
　　　　　 　 　 　 　 ゝ　　／　　　´￣　　　　　 ＼　　 ＼　　 ､ヽ
　　　　　　　　　　　　 ア　 ,　／　　　　｜　、　 　 ヽ　 ヽ＼　 ヽ＼
　　　　　　　　　　 　 /　／ /　　　 　 l　| l　|　 |　　 l　　 丶ヽ　 ヽ ヽ
　　 　 　 　 　 　 　 /　/　 ,　　　　　,　 ﾑハ|｜|　　　　　 ヽi　　　 l　 ',
　　　　　　　　　　　l　/　 /　　　　 /　/　　 l/l/　　　　 ､、　＼ 　 l 　 !
　　　　　　　　 ｒ　　レ 　/ ,/　　 ! ' ／,. ≦￣＼_　　　＼＼ ―丶 ＿_,ﾚ　　　　　　　ミセリコルデ……ネクスト戦役での裏方か。
　　　　　　　　 |ー '/ ／／|､l　　l 「／ｒ公ﾃ〒　ﾘ　/ / ﾑ｀　ニ＝-　 ､_ヽ
　　　　　　　　 ゝ__｛´厂　､|Aゝ　ﾄl〃　ﾞ='_ノ　 丿ｲノl ハ )｜｜| l　｜| ｀`　　　　　　しかし、いやに張り切っているな？
　　　　　　　　　　　Ⅵ |　 ｛ｨ汚i､!　　　´　　　　　´ /'　〈　/ 丿 / 　,!/
　　　　　　　　　　　 `トlゝ _ゝ７　｀　　　　　　　　　　　　ｒ'_／　/　　'l′　　　　　　　　君の相手も、それはそれで悪くないが……
　　　　　　　　　　　　　　　 ﾝ　　　　　　　　　　　　　　　|　| ｌ　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　 ゝ _　^　　　　　　　 　 　 　 ﾉ　Ⅵ|　 l |
　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　 _,,.. -;;ッ'ﾞ　　　　 　 　　　川 |　､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 `､｀¨二　　　　　　　　　＿＿_jﾑ＿l≧ｚ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 丶 　 　　　┌ｆ‘”￣　　　　　　　　　　￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ',　　　　 _| |　　　　　　　　　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　┌ｒ―……ゝ-　＜　| |　　　　　　　　　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　｜|　　　　　　　　∧ | |　　　　　　　　　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　｜|　　　　　　　　 _」_| |　　　　　　　　　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　｜|　　 　 　 　 ／ノ　| |　　　　　　　　　　　　　　 ／｀"ー- ,,,__





　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧　 ＼　　　　＼二二＼　 　 ∨二ニ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　__, ∧　　 ＼　　 　 ＼二二＼===＜二ﾆ,∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　|∧ ∧、　　 　　　　 /＼二二＼二ﾆ寸=ﾆ∧
　　　　　　　　　　 　 ＿＿＿_,|=∧　 寸 ,　　　＼,/二=＼二ﾆ∧＜ﾆ,(ﾆ=!∧
　　　　　　　　　　ィi〔二ニニﾆ{二∧_,　∨`､　　　`寸ニﾆ,＼二r＜ﾆﾆ,∧ﾆ∧＿
　　　　　　　　／二二二二ニ∧ﾆﾆⅥ=, Ⅵ=‐　　 　 寸ニニﾆ∧　`〜､ }ﾆ=∧ﾆ〕iト,
　　　　　　 ／ニニニニﾆ二二∧ﾆﾆⅥ=},∨ﾆ=‐ﾊ,　 　Ⅵﾆﾆノﾆ} 　 　アﾆﾆア)ﾆﾆﾆi
　　　　　 /`〜､ニニニニニニﾆ∧二Ⅵ!}}iト,ﾆﾆﾆ,i　　　 寸くﾆ=!}　 ／二ﾆア/ニﾆﾆ|〕iト,
　　　　　 Ⅵ}iト, `〜､二ニニニﾆ,∧ニⅥ,}ﾆ(ニニ,{　 　 　 Ⅵ=アゝ〈二ニア ,二ニﾆ,|二ﾆ〉
　　　　　　Ⅵ二}iト,　 `〜､二ニニ,∧ﾆ}ﾆ,}二〕iト,ﾆ`､　　 　 ﾏ／二二∧/　/二ニニ|ﾆ=/　　　　　　君とのダンスはここまでだ。
. 　 　 　 　 Ⅵ二二｀`〜､ `〜､ニニニニニニニ}ﾆ=!}iト‐=≦ﾆﾆ`､二二`､/二ニﾆﾆ=‐/
.　　 　 　 　 Ⅵ二ニニﾆﾆ`〜､ `〜､ニニニニﾆ,}二二二ﾆ`､二ニ`､二二`､ニニﾆ=‐/　　　　　　　 美女の誘い……このグラハム・エーカー、
　　ト,　　　　 ｀`〜､、ニニニニ`〜､ `〜／r‐=≦二二二ﾆﾆ`､二二`､ﾆﾆﾆ`､二ﾆ=,/　　　　　　
　　Ⅵ`〜､　 　 　 　 ⌒ｱ二二ニﾆﾆ≧=≦)二ﾆﾆ＼二二二二`､二二`､ﾆﾆﾆ`､ﾆ=,′　　　　　　　　謹んで辞退させていただくとしよう！
　　 Ⅵ　　 ヽ 　　　　　/二＼二ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/〕iトニニ{⌒~"''〜､、=`､ﾆﾆﾆ`､二=,∨,′
　　　Ⅵ　　　 ｉ　 ＿__,/ニﾆﾆ,〕iト.,二ニﾆ/　 /二二 ゝ　　　　 　~"''＜ﾆニ,`､二=〉
　　　 Ⅵニニ,| /ニﾆ√二二二ﾆア￣￣　　{ニニニニ｀`〜､、 ／二二ア≧=≦'
　　　　Ⅵ二=,|,′二√二二二／＿＿______,{二二ニニニﾆ}二}≧=‐=≦}i:ｉ:ｉ:}
　　　　 Ⅵﾆ=!|二ﾆﾆ乂ニ二／二二ニニニ八二ニニニニ八,八二二二}i:ｉ:ｉ:ﾊ
　　　　　Ⅵ二|二二/ニニﾆ,}ニニニニニニニゝ二二ニﾆ/ﾆ/二二二ﾆ∧i:i:ｉ:ｉ:}
　　　　　 Ⅵ=,|二ﾆ/ニニﾆ/{二ニニニﾆﾆ{二(=≧=‐‐=≦,ノ二二ニﾆ,/=∧i:i:ｉ{
　　　　　　‐= |二ニニﾆﾆ/　‐=ﾆ∧ニニﾆ,＼ }二ニﾆﾆ〈ﾆニ〈二ニﾆ,〈ﾆﾆ,∧i:ｉﾊ
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　　ﾟ，　　 　 //:.:.: |:.:.:.:.:.:.: |〃んノ::::ﾘ　 　ﾏ:.:.:./:んﾉﾊ㍉/:.:.:. }/7　　　　　　　　　アホ抜かしてへんと、はよう往生せんかい！
.　　 ﾟ。　 　 {/{:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.: 《　に:::::刈　　　ﾟ，/: に:::: } / }:.:.:.:i/}:}
　　　 ﾟ。　　 i/i:.:.:.:.ﾟ，:.:.:. : { 　 込zzｼ　　　 :i/　 込Zﾉ　:/:.:.:/:.:. i　　　　　　　　　　なのはちゃんに言い寄る様子といい、気色悪いわ！
　　　　 ＼　}/,|:.:.:.:.:.ﾟ，:.:.:.:.:i　　　　　　　　 / ヽ　 　 　 /:.／:.:. : |
　　　　　　/,//: :|:.:. : ﾟ。:.:.:.:ﾟ。　 u. 　 　 　 　 　 　 　 /,イ:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　 ///:.:.:.:!:.:.:.:.:.:ﾟ。:.:.:.ﾍ　　　　　（　　 ﾉ　　　 /∧|:.:.:.:.:.:.:.|
.　　　　 ///:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.: ＼＿_＼　　　 　 　 　 　 　 人 :!:.:.:.:.:.:. |
　　　　 {.//|:.:.: : |∨:.:.:.:.:. : |:　ヘ　　　　　　　　　...:.:.:.:./ |:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　 i// !:.:.:.:.:|: ∨:.:.:.:.:. |--　　＞　　 __　..:.:.:,:.:.: : /- !:.:.:.:.:.:./
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5442： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/15(木) 21:47:18 ID:UHE.9OME0

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　　　　　　　　　　　　　(`〜､　＿＿＿_r冖ｱ} /,ｉ二二〈r‐=ﾆ二二ノ〈〕iト. ,
　　　　　　　　　　　　　 ≧=―――=＝{/　/〈　|二∨={⌒√⌒ 　　 ^ ‐=ﾆ〕iト. ,
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 〈`〜､ 　 八　／ｉ　|二=Ⅵ|　{}　　　　　　　　 ^ ‐=ﾆ〕iト. , . ＿　　　 ＿
　　　　 　 　 　 　 ＿_,　　　　∧二∧`〜､,|ﾆ,|　|　 ＿　　　　　　　　 　 　 　 　 __　　　/　ﾊ　　　ﾏ ﾑ
.　　　　 　 　 　 　 ＼｀`〜､、{,∧二∧二ﾆ|ﾆ,|　|ﾆ ＼　￣⌒ " ' ─ - = ﾆ ＿/　ヽ　　iミi　},rf升〉ﾏ ﾑ　　　　r=ｘ
　　　　　　 　 r‐=≦=＼　＼=‐ﾏ寸ﾆ〈ニ=,|ﾆ,|　}ニﾆﾆ.ゝ｡。　　￣⌒ " ' = ‐-　 ∧弋_,i　l　}i- }　}　ﾏ ﾑ廴,jI斗i＼`ー────────────ｧ
　　　　 　 　 /ニ〕iト.,ニ,＼　＼=,＞〈`〜,/}ﾆ!| /二二彡ﾆ　.￣　‐-=ﾆ　　　 i　　　 ┐ {ミl　/ //7　Λ彡，　ﾏ_,i　 ￣￣￣￣￣￣￣￣| 　 　 ! 　 ／
　 　 　 　 　 {二二二〕iトﾆ,＼　＼＼,＼_／寸/=‐　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾏ,　　 ム=ミ }　／>/　ﾚｘ r ﾏﾑ'，　ﾏ,　　 　 ﾑ　　　　 　 二ﾆ=-‐ 　 ￣
　 　 　 　 　 {辷辷辷辷辷辷入＿＿ﾏ〈二ﾆ,∨=‐〉..._　- ─ - =ﾆ=-─ ＜ﾏ,ｨi(,弌>　　⌒ f-r‐=＜∧<`〜､、,ﾏ,斗匕´　　　√￣
　　　　　　　 Ⅵﾆﾆﾆﾆﾆ,{　　ﾊ二二二ﾆ`､ﾆ=!∨, .ｨi{　＼ 　　　　ミﾒ､　　 ／､＿＿,,..。｡sｘ弋 ､弌i ﾉ ∧ヽ'＜　 ＞x　 　 　 　 ﾑ
{｀`〜､r二アア二＞''”_　⌒^　`寸二二ニ`､ﾆ= ∥ｨi{ﾆ=xヽ　 　 　 　 　 /／ゝ,　 {:::::::＼:::i 7i＞ ='　i!rf升::Y´~''＜ハ -x　　 　.ﾑ
`､ ∨二)ニニニ/二)彡　 r‐=ﾆ二＜　　 / .⊂ミtsｨi{/::≧ﾏIﾑｰ─x- ､_ ﾚx-‐i 」 弋＞升x:7 }T//0/＞寸::::i{　-‐=_⌒。, ⌒x 　 ﾑ
　⌒　 `寸{ }入/=(___　 　 ∨ニﾆﾆ,∨二二ハ ⌒'〈:弋:::/s＜≧=-ﾐ込、¨　　 　 　 　 YY<:::i 　 / ./::::::::::ヽ斗〉f升　 i　　 ヽ　ヽ 　ﾑ
　　　　　　V二＞〕iト,)　　　∨ニﾆﾆ,∨＼ﾆﾆ{二..弋::( 〉=ﾆ二三ミ二ﾆ=- ≧=‐ s｡ _　∨　 i{　/〉/寸(二,. ィf{　　 　 {＿＿i i 　 ＼ ,ﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　 ^Ⅵ二二ヽ=＼∧二ﾆ=, ⌒'ｰ-＜　 　 ~"''*+s｡二ニニ=-≧=‐ s'｡/ て斗/r-i-h,　　　ﾊ　 　 jﾉ 　 　 ＼ﾑ
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 Ⅵ二ﾆ=‐ ゝ´　‐=ﾆ二ア(二=∧　　　　 　 　 　 .~"''*+s｡三二ニ=- ≧=‐　U厶ｰ-==斗＜
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 Ⅵニﾆﾆ,}‐ﾐ　　⌒ア二∧二=∧　　　　　　　　　　 　 　 人~"''*+s｡三二ニ=- ≧=‐ s｡。 _
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ア`､二(〈_　　　 ∨二=,`､⌒ﾏ`､　　　 　 　 　 　 　 　 ﾏ ＼fTIi／ヽ ~"''*+s｡｡三二ニ=- ≧=‐ s｡。 _
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /二ア二ﾆ(__　　　∨ニニﾊ　 ＼＼　　　　　　 　 .ｨi:)7=x(＼iｰ‐／} 寸)　　　　　~"''*+s｡｡三二ニ=-　≧=‐ s｡。_　r- ､、
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 {=√　〕iト=},∧　 　 Ⅵ二=∧, 　 ＼＼　 　 　 　 ∥=＜/≧i! ﾞ,　ﾞ,Iij　 ヽ　　　 　 　 　 　 　 ~"''*+s｡｡三二ニ=-　 /s｡　　〕iト
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 {/　　　`寸二ﾊ　　　 `〜､ﾆ=‐　 　 ⌒ .__　　__ ノ ｲ　 ｲ＞ｲ　i'ｰ'i ト､ 　 i!　　　　　　　　　　　　　　　~"''*+s｡｡二/////≧s｡　　〕iト
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　 寸==‐　　　　　 `寸ハ　　　/　ヽ {=T i乂/ 7　　ﾄ､i　 l,,,| ﾉ ＼l,ｫ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒弋‐-=ﾆ二////≧s｡ 〕iト，
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 `寸ノ　　　　　 　 寸=‐ . /　　У='　.lゝｨi(　 　 l　ト l　l　ｘf〔　{　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　　　￣　¨ ''''' "´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 r, 寸= / 　 〃　ｲｔs｡<　　 　_八 l .l　< ifﾆjx ,}x
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 `寸} . 乂 〃　寸Ii/ 〃　 /　/=〉i,」 __乂- '" i彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 )　 ｨi/　＼　 ¨／　　└ィiI」　// 〉 }八＿ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 `>'’ムイ/￣　　 　 xﾔ乂　 ! !-〈 `ｰ-ヽ }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 λ ｲ'",ｨソ 　 　 　 // /ニi⌒ ゝ=ﾆ二I／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,ｨf{=x-=/　ﾉ 　 　 　 { !　弌Iｿ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／寸Ii／x-ゝ ’　　 　 　 ! ｀ﾞ'ｰ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 {＼　¨イ／　　　　　　　　｀ｰ- ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 寸⌒ シ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ￣

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業を煮やしたはやてのミセリコルデが、左腕部のブレードで射撃しつつ、
右腕部のブレードを展開して刃を発生させるのが見えた。

だが、その動作の隙に、フラップアッパーが白い機体の背後へと回った。
跳躍したかと思うと、五連続クイックブーストで急制動をかけつつ肉迫したのだ。

ブースターの閃光だけを残した、曲芸じみた機動だった。

目で追いきれない速度で回り込んだフラップアッパーが、
無防備なミセリコルデの背部へとブレードの一撃を叩きこんだ。

PAごと装甲が引き裂かれ、追加スラスターが火を噴く中、
更に蹴りを見舞うのが見える。

目前のカタストロフィを差し置いて、心臓が凍り付きそうになる。
視界が明滅し、血流が一気に加速するのが分かった。
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5443： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/15(木) 21:51:59 ID:UHE.9OME0

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　 　 　 　 　 　　　　　　　　　,　'´ 丶. -――-　._　丶.　 _,　'´
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　　, '　,. :'´: :|!; : : : : : : : : ヽ, - '、
　 　 　 　　　　　　　　　　/ ／: :, : : :ﾍ|: : : : : : : : /: :＼ ﾍ
　 　 　 　 　 　 　 　 　　/､/: : : :i: : : :〉!､.ｲ_,､_; :イ: : : : ヽﾊ
　 　 　 　　　　　　　　　i　 l: : :_;└ ､｣ 　 　,:┘;.-'-､: : : /　!
　 　 　 　 　 　 　 　　　l 　 l: [i　 　＼-､, ､_ゝ／　ヽl}: : l 　 !　　　　　　　　　　　　　はやてさんっ！
　 　 　 　 　 　 　 　 　　ト､ l; i}´　（●） 　　（●） ｛j: :/ ／!
　 　 　 　 　 　 　 　_, - i'´lヽl: [ｌ、u.　（__人__） 　 /j: //＿｣_＿＿__
　 　 　 　 　 　,. :':´: : ￣ﾌｰｽﾍ:ヽ>､ 　|r┬-|、　,ｨノ:.//´＼: : : : : : : ¨ヽ
　 　　　　　　/-――-イ＿/: :i＼:ヽﾍ_,.ゝｰく∠／:./:.ﾍ.＿_｣-‐ '´￣¨ヽ:l、
　 　 　 　　／ 　　　/个 　 ￣l 　＼: : : :＿_: : : ／ lー┘ 个＼ 　 　 　 ＼､
　 　 　 　 厶=x､.　 i　 |　 　　弋　　ヽ======イ　 /　　　｜　 i　 　 z=＝ ﾇ
　 　 　　／　 　 ヾx|　 l　 　 　　丶、 |: : :|} 　 /_ノ　 　 　 l 　 /　／´　 　 　＼
　　　／＝=z､ 　 　 l　 |　 　 　 　 三t!:_:_ｌ三ﾁ´　 　　　　l　 /! /　 　,r '二二¨」、
　 ／　 　 　 　ヽ　 ｣l, 　!　　 　　　　´|: : :!´ ｷ　　　　　　l　 /ゝ　 　/ '´ 　 　 　 ヽ
／　 　 　 　 　 　l／ ﾍ　',　 　 　 　 　!: : |　｜　　　　　/　/´　＼ / 　 　　 　 　　ヽ
　 　 　 　 　 　／　 　 ヽ ヽ　 　 　 　 |: : j　 l! 　 　 　 /　/ 　　　 ﾞヽ、　 　　　　　　ヽ





　　　　　　／ ／　／ ヽ : ､: : : : : ヽヽ/＼　　　　　 i　　　　　　　　　　　　　　　∧
　　　　 ／ ／　／: : : . l: : l>､ ､: : : ヽ丶　＼　　 　 i　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∧
　 　 ／ ／　／: : : :ヽ: ｊﾊ: !　 ｀ヽ: :|: :＼＼,/　　　　i　　　　　　　　　　　　　　　　∧
　　/ ／　／: : : : :　: l://ｊ/'_￣ﾘ,ｊ /: : : :ﾚ'/　　 　 　 、　　　　　　　　　 　 　 　　　∧
　　 /　／: : : : : : 　Vl' lｨi ｛;} ｨ彡:': : ／／　　　　　　　､　　　　　　　　　　　　　　 　 |
.　 /　/: : l ､: : : . : : ',　|ｊ'　／ゝ＿__///　　　　 　 　 　 ヽ　　　　　　　　　　　　　　　|
.　　 ム: : :l: ヽ､ : : ＼V 　 　 　 　 ///　　　　　　 　 　 　 ＼　　　　　　　 　 　 　 　 |　　　　　　　馬に蹴られて果てるがいい！
　　 ｌ:::l: : : l＼l　トｒｔ;ｧ｀ﾆ=- 　 　 /// 　 　 ,.　 ､──- 、　　＼　　　　　 　 　 　 　 /
　　 |:::l: : : :＼`､ゝン　　　　 　 _ヽヽ＼　／　／　　, -､　ヽ　　 へ　　　 　 　 　 　 ∧　　　　　　　 この私の道を阻むとはそういうことだ！
　　 ∨;l: :l､:ヽ:｀ く　　‐　　 ／,二7ヽ`／ ､／　　　 ゝ_ﾉ 　 ! 　 !　　 丶､　　　　　　　 ＼
　　､ﾉｲゝ:!ヘ ＼‐｀￢　 ／／　　 ,／-- ､　　　　　　　　 /l　　ﾄ､　　　　　　―
　　 ヽ`￢ 、 ￣｀￢└く∠　　　〃!　　　 !　　　　　　 ／ ﾉ　　|:::::丶､＿＿__／＼
　　　 ＼　` ＝　　_ヽヽ ＼､　 ｲ{　ゝ＿_ノ　　 _　　　´　´_　-‐':::::::::::::::::::::::::::::::::::__＞─
　　　　　＼　　　　￣＼>ｧ'ン　l ゝ ＿＿　 -　_　-_´- ´::::::::::::::::::::::::::::::::::::_ -‐ ´_　-─
　　､　　 　 ＼　　　 　 {{／　　 ＼＿＿__,　 ,´　 ´::::::::::::::::::::::::::::::::::::_ -‐'´_ -‐'´
.　　 ＼　　　　＼　　 ｒく　　　　　　　　／／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_ -'´ _ -'´
.　　　　＼　　　　＼,/　 ＼ 　 　 　 ／／:::::::::::::::::::::::::::::::::::_ -'´_ - '´





　　　　￣/￣/￣厂: : /: : / : ハ: : l: : l : : : : ､: ヽ: :ﾄ ﾆ＝-: :ヽ: : : :　＼　　/
.　　　　 /　 /　 /:/: :/l: : :':／、 ヽ: :､: :､: : : : :ヽ: ｌ! レ＼: : : : : !: : 、　| 丶/
　､＿__/＿/＿/ :ﾚ彡ﾍ : {＝ﾐ ＼　ヽi ､:ヽ: : : : }!:Aﾅ＝ミT: : : :|:､: :ヽ｜
　 ｌ　　|　　|　 |: : |ﾍ{　 ヽ:lｳh　＼＼　　ヽｌ : : : ||ﾅiｳh　 ｊﾊ: : : ﾊ:ヽ-　|
　 ｌ　　|　　|　 |: : ｌ　 i､　 弋ﾂ　　 ﾄヽﾝ＾ｿ,|: : : :ﾊ 弋ﾂ ｨｯ ,' : /: :}T 　 |
　 ｌ　　|　　|　 |: : 丶 ゞ=‐----‐彡／ｒ' - i: :／＼二¨¨´ ﾉｨ: :ヽ/ |　　|
　 ｌ　　ヽ　 ､　|_: ＼＼　　　 "´　´　　　 / ﾍ　　　　　／´∧ ト:≧　　|　　　　　　そして……会いたかったぞ、マーシフル！
　 ｌ　　　 ＼ ` ､｀ ､:`≦＿_,　　　　　　　　　丶　　　　 　 ﾊ　`Ｔ　ｌ 　 !
　 ｌ　　　　　｀　､` ､｀　､‐ ´　　　 　 　 　 　 　 , 　 　 　 ハ　　l　 !　｜　　　　　　やはり私の見込み通り！
　/　／￣＼　　 `!　`!　ﾞｌ　　　　　　　　,.　　ノｊ　　　　/___l＿_l　 !、/
./ 〃｀ ｘ ､　 ヽ､ ｜　ｊ　｜　　　,. ＿　　　　　 ,　　　 /　　ｊ 　 l　　∧　　　　　　　　その姿はネクスト戦役の時と見劣りせん！
､　{（） 丶ヽ丶　 ￣＼＼ ＼　 〃‐-- ｀ 二二i{　 　 ｲ― /―/　 /Lｌ|
　ヾ　　　 丶へ　　　　l　l　 l　 {　 　 　　 　 ∨　　//　 /　 /　 /　　|　　　　　　　　　
＼ 丶 　 　　 - ヽ　　<　ヽ　｀ ゝ _　　 　 　 /　　//´／￣へ .ｲ 　 /
､　＼丶　　 {　 } l　　 「＼　丶､　　｀¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨´　＜　／/　 ∧

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
いや、それだけじゃない。
あの男、ミセリコルデを踏み台にしたのだ。

勢いのままオーバードブースターを起動する光が見えたかと思うと、
こちらの方へと一心不乱にカッ飛んできた。

横っ腹に不意打ちの一刀が入り、ダメージアラートが鳴り響く。
思わず呻き声が漏れ出る。今のでPAの半分が消し飛ぶ羽目になった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5444： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/15(木) 21:58:47 ID:UHE.9OME0

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　　　　　　　　　　 　 √/(/ﾆ)二ﾆﾆ,/ ｉ|二=,ｉ
　　　　　 　 　 　 　 /ﾊ { {乂,∨ﾆﾆ/　 |二=,|≧=‐=≦ ∠====ミ　　　 　 ィｱ
.　　　　　　 　 　 　 ^　V　　　 Ⅵ , 　　|二ﾆ√二二二＼=_..斗≦ア 　／ /
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　　/|二ﾆ{二二ニニニ/二ﾆﾆ/　／　 /
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　　　　　 ／: : : :.:／　　　　/7∧　∨={ﾆﾆ入ﾆ=ゝ‐=≦ニ／二二ニニニﾆ＼ ＼　　｀`〜､
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　　　辷ｱ^^　　　　　{=〕iト,ニニニニニ／　 ／`〜､二/　　　　　　　　} i}
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　　　　　　　　　　　　　　　　　／ 〕iト..,／／/^⌒＼　 ＼　　　　　 ／ノ
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「さぁ見せてもらおうか！　ネクスト戦役の折、私の部隊を全滅させたあの力を！
あの時の力をもう一度私に振るってみるがいい！

そうでなければ、君を討つ意味がないというもの！」

たまらずカタストロフィから離れ、縦横無尽に動き回る黒い機体へと
ターゲットサイトを移すが、上手く補足しきれない。

「十年恋焦がれた……！　高町なのはのリンクス生命の終わりを知り、
私は終ぞ、マーシフルと雌雄を決することはないのだと絶望さえした！
だが君が現れてくれた！　ロストワードを下したその実力、カタストロフィを
ものともせぬ戦闘能力！　本物とお見受けした！」

だが、攻撃してくる瞬間はどう足掻いても視界に収まってくる。
死角からQBで躍り出てきたところにブーストターンを合わせ、黒い刃を斬り払う。
火花が散り、バイザーのようなカメラアイをぎらぎらと照らす。
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5445： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/15(木) 22:03:20 ID:UHE.9OME0

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ミセリコルデが眼下からレーザーを乱射する。
器用にマーシフルを掠めないよう、手動で照準しているようだった。

だが、それもフラップアッパーを引き剥がすには至らない。

信じられない。この男、自分のブレードとはやての射撃を同時に避けつつ、
その隙間を掻い潜るようにしてレーザーブレードを叩きつけてきている。

アサルトアーマーで強引に距離を開けようにも、
さっきの一刀でPAはしばらくお釈迦だ。

そこへ追い打ちをかけるようにして、背部装甲に爆発が起きた。
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5446： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/15(木) 22:12:58 ID:UHE.9OME0

　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　ノﾚ　 　 　 　 　 　 　 　 　 。 　 　 ､
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 _＿ノ´ 　し､　　　　　　　　　 　．　　 　 　)＼　　　 　 　 　 　 ,.　'´
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... 　-‐　'' "´　 　 ∴;．｀:'： ,　 ＿） 〈<;> て＿__.>く斗ｙ′　　 ゝ'’､　Yヽ､ ‘''+:;｀`弋′ .-=ニ_::. ・ く　　_＿＿＿＿＿_＿＿＿＿＿　-　――・
　　　　　　　　　 　_ ,,...　-‐ ''"´　⌒ヽ(⌒"´.／ ／　　　　　　 丶 　弋ﾉ| 　 　 ‘''+.,|.――　 ⌒Y⌒′‐――　　　￣￣ 二 ニ == - - --　　_＿
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　　,.　'´,.　'´　,.　'´,.: :'´.・:゛.:.,.　'　 　 　 　 　 ∵　　　　,′/　　 : . 　 ‘, 　 .込!.、.．゛''.; ..　゛''　..,,　　,.　;｀: :゛; 　゛''　..,,
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「へへへ……やっぱり来たなァ！
奴さん、てめえの機体をお釈迦にすることばっか考えてたからなァ……
こうなると思ってたぜェ！」

サーシェスの舌なめずりのような声が回線に乗って聞こえてくる。
こちらがフラップアッパーに抑え込まれているのをいいことに、
ここぞとばかりにPMミサイルを雨あられのように降らせていた。

僚機を巻き込まんばかりの爆撃だが、フラップアッパーは気にも留めない。
相も変わらぬ変態的な機動だ。四方八方から刃が飛んでくる。
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5447： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/15(木) 22:17:06 ID:UHE.9OME0

　　 /　　　 /'　/　　　　　/　,:'/,:' くヽ／　＼　,、 ﾍ　 ／i
　,:'　/　　　,:　'＝＝＝＝丶,:'/,　／　 ／＼丶＼ゞ」 ﾉ 丿
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'　/　,'/,:/《　（○） 　（●）;;;;;》 ヽ　'　　Y´　|ノ　　　　　　　　　 こ、これはまずいお……！
/,:　　　 | || u. （__人__）::;;;;;;;;}}.∩}　　,:'/,:　　　/'
/　,:'/,　| 《::::::: ｀ ⌒´;;;;;;;;;;;;;;;》∪| '　/　/　,:'/,:　　　　　　　　　このままじゃ……
　/　　　＼ﾐ三三|￣|三三彡／ '　/
/　　/' ,'⌒ﾄ ＿_　兀 　＿ イ⌒'','/　　/'
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　　　　.|￣{::＿::;;;''| |'',,.皿;;;;;;|￣;;|"





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　/: : : : : : :/: : : : : /⌒!∧､ ∧: : : : : : :{ /ｲ　{　　 ｚ＜´ 　 　 /: : : : ∧　　∧
　{: : : : : : :.|: : : : : :|　/厶云　∧: : : : :イ　 　 レイ　 　 　 　 /: : : : : : ∧　＿」
　|: : : : : : :.|: : : : : :| イ　　　 ＼､＼: : :.:{　二￣￣￣´　　　/: ／￣´/: :.∨　 ∧
　ﾄ､: : : : :..:|: : : : : :|　{　　∩　　冫　ヘミ≧=ｰ'　　 　 　 　 |/　　 　 {／´　　　 ∧
　|　＼: : : :|: : : : : :|　　　　　／//　　　　　　＼　　　　　　 {　　 ／⌒　　　　　　　＼　　　　　　　逝っちまいなァァァ！！！！
　{ｉ　　ゝ─ﾄ: : : : :∧　ゝ-＜　ｲ/　　　　　　　　　　　／⌒ヽ　 /　　　　　　　　　　　 ＼
＼|　　　　　∨: : : :ゝミ三彡　/　　　　‐-　　　　　　 ィ⌒ﾍ　 /　　 ∨
. 　＼　 　 　 ∨ﾄ: : : :≧=ｰ' /　　　　　　　　　_　 　 ／　 ｊ ∨　　 　 ∨
　　　∨　　　　＼＼∧　　　ゝ　　　 ‐　　　　、｀ ／／＾.ノ /　　　　　 ∨
.　　　 ∨　　　　　 ≧=ｰ　　　　＼　　　､　｀､ ／／　　　 /　　　　　 　 .}
　 　　　∨　　　　　　　∧　　　　ﾉ ｊ　｀ィ彡-￢´　　　　 /　　　 　 　 　 |
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　　　 　 　 ＼　　　　　　　　＼　　＼⌒´　　　　＞‐´　 /　{　　　　Y⌒Y
　　　　　　　　＼　　　　　　　　＼　　∨　　　／　 　 　 |　 ﾄ､　　　 ゝ ノ
　　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　　ヽ　 ∨　イ　 　 　 　 |　 　 ＼
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　　　 　 /　　/　 /　 / /　人＿＿＿＿　　　　　　　　　　　　　　　丶､ //
　　　　 /　　/　 /　 /　'　/ 〃≧ﾐ　Ｖ / ｀!　､　　　　　 　 　 　 　 　 　 ヽ､/
.　　　 /　　/　 /　 /　∧ l　ｌ　〃心､l/ 　 |　　｀丶､ 　 　 　 　 　 　 　 　 /
　　　/　　/　　l　　|　 l　`l　＼弋ｔｧﾍﾑ.　｜　　　　 ｀丶､　　　　　　　　 //
　 ／　　∧　　ｊ＿ム ∧　　　 ｀ ‐､　ﾄｌ ヽ/　　　　　/　. へヽ､　　　　　//
　　　　　　∨ ∧ ∧ ＼ ヽ.　　　 `ー 、 /　,　　　／ ∠.＿| 　 ヽ、＼ //　　　　　　　　抱き締めたいな……！
　　＿__　　 V　 V ﾑ　 ｀ ‐ヽ　　　＿ｚ彡 ´　　∠ ィｆ(テｱｿ ／　 /lヽ V 　 ／
　/＼　＼　 ﾑ　 ∨∧　＿　 　 　 ` ー─┬≦ヽ辷´z彡／　　/　|　| |_／
.　　　ヽ　 ヽ　/　 |‐　l/ｒｔ┐ｃ〜＝＝う　 /　　　＿_≧彡'　　/ 　 !_／
. 　 　 <l＼ ∨　 /　 /´{　ヽ丶、　　＾ ＿_l　　　､＞―　　＿/　　/
　　　　 ヽﾍ　＼ﾍ―ﾍ　ゝ　　 ｀　ﾆ ､　　　　　ｃ‐〜う 厂／,　 ／
　､　　　― ､　 丶ヽ　＼　｀ ‐-､_　 /ア　　 ｒぅ＜＿／／／／
　∧　ｆ　　　lヽ　 ヽ､＼　＼｀ ‐､_｀¨´　ｃ‐≦　　 ／／／／
　/∧ ゝ　 ノ /　 /　＼＼　 ＼　　ｒ＜ 　 　 ヽ/　/／／

5448： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/15(木) 22:21:38 ID:UHE.9OME0

　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 爪孑^＼ 　 　 　 　 　 　 　 ／i:i:ｉ:ｉ/
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 〉冖宀从辷)　　 　 　 　 ／i:i:i:i:／
　　　　　　　　　　　　　　　　 　)二/二二=／〉＿_,､丶`(i:i:i:i:／
　　　　　　　　　　　　　　　　　/／／}iト／i:ｉ:(丶`i:i:i:i:i:i:i:i:i／＜
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 (／　 ／i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i／i:i:ｉ／二`〜､、
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨ー‐'^'＜/ 　 　 　 　 　 ￣
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フラップアッパーのレーザーブレードが振り下ろされる瞬間、
好奇と見てカタストロフィが大剣の切っ先を向けたまま突貫してくるのが
視界の端に映った。

回避せねばと反射的にバックブースターに鞭打つが、動かない。

一瞬が引き延ばされて感じる。全身の毛穴から汗が噴出し、
じっとりと対汚染スーツを湿らせているのが分かる。

EN切れだ――
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5449： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/15(木) 22:29:31 ID:UHE.9OME0

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　　　　　　　　　<　／　　|i!＿i|　　ヾ__≫　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　　　　　￣￣　　|i!　　i|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!　　　　　　　　　|i!　|　　　　　　　　　　　　　　　￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'　　　　　　　　　|::i　i!|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　iヽ　　　＿　＿ノ从ﾒ#ヾ'人ヾ:;:ー-　．..、
　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　ヽ　　__ﾉ;;;ヾ=二三　:;:;:　:;：;:;；・　　，｀ﾞヾ:;:;:;:;::;:;:ヾ
　　　　　　　　　　　　　　　｀丶　　　　　》:;:;;#ﾉ彡三二三 」──　二=≡≡＝ヾ:;:;:．，ゝ　──　─　i!二二二｀７
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼丶　ヾ，:;'ﾞ´'人i从'※'iﾐ彡∠ﾞ´　　　 　 　 .／／.;　；:;:レ'　　　　　　　 　/７∠／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ヾ人'ﾞ´;:'´川彡／ｒ-三ﾞ´　　　　　 　 .／／　｀ﾞヾ;:;　;:／　　　　　　　〈_/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　>:;:　:;　:;:#i! . ,. -───‐┐　 　 ／／　　　　 .ﾞ：;川;;;;;;;;／'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　．:i!|'ﾞ´　　，.／::／:::::::／:::／　　／／　　　　　　 　 i|!i《:;:;:／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i|#i/／／／::／:::::::／:::／　　／／　　　　　 　 　 　 .|《巛＜´　ﾞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　川//｀／::／:::::::／:::∠二}}ヘ／　　　　　　　　　　　 　 ﾞ!|i!i|ヾゝi!二二二｀７
　　　　　　　　　　─　=　二　　て: l＼　|:／:::::::／::::::く二二｣〕´　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |i:;:#i!`i'|!i　/７∠／
　　　　　　　　　　　　　　　　　！iﾞ..|::::::＼::::::／:::::／::/　/￣　 　 　 ＼'　　　　人ﾞ-─∠　ﾞ｀　　　　〈_/
　　　　　　　　　＼　　　　　　`i!ﾞ´...|::::::::::::＼:厂く:::::::{　/　　　　　　 .>ヾ'ﾞ´　::::::::::::;;;:#i|!　i|ヾ
　　　　　　　　　　　ヾ、　　　　　.,.斗-─┐::::>'´￣｢ﾄ､′　　　....ｒ'ﾞ´;;;;;;《'ミﾞ´i三二＝ヾ　ﾞヾ
　 　 　 　 　 　 　 　 ＼＼　　,:./::::::::::::／}::::/::::::::::::{｣::}　　　　　　 　＿＿＿　　　 　 ｀ﾞヾ:;　:;て
　　　　　 　 　 　 　 ＿＿＿__/:::::::::／／ {ﾄ､::::::::::::/}:ﾉ　 　 　 　 ／:::::::::::／.ﾞ｀　　　ﾞ::.、　i|!ﾐ　　／
　　　　　　 　 　 　 {＼:::::::::::::::＼／／ 　 {|::::V＼/:/_　＿＿ __ /:::::::::::／　　　　 .:　　　　ヾ:;．、て
　　 　 　 　 　 　 __く＼＼ :::::::::::::＼　{＼八:::{__丿:ﾊ::::＼::::::::|::ﾊ:::::::／　 #i∧ノ/《ヾノ！　　ノ/人从／
　　　　　　＿_／:::::::::＼＼＼:::::::::::::::>|＼＼{＼／}:::}::::::::|:::::::|:{:::}／
　 　 　 ／／ :::::::::::::::::::::＼}::::＼:::／￣￣＼＼／/く＼:/::::::::|:∨
　　 .／／:::::::: ／￣／￣ ＼ ::::::}{二二二二ヽ}／:＼:::::＼二}_ﾉ
　／／:::::::: ／::::::／　 　 　 　 ￣ ￣厂￣＼/<二二}＼_ノ＿∠ア
/／::::::::::／::::::／　 　 　 　 　 　 　 /ｘ＝ミ ∧:::::::::::::/}:::/::／ﾏニlニｺ:､
::::::::::::／::::::／ 　 　 　 　 　 　 ｢￣:::廴__ソ二二二二二{:::{:::::::}ニlニｺ::}＼
::::::／::::::／　　　　　　 　 　 　 |＿＿＿;|:::::::::::::::::::::::::::::八::＼ﾉﾆlニｺ::/ :::::＼
￣￣￣ 　 　 　 　 　 　 　 　 く／:::::／::}￣￣￣￣￣　　 ￣ ＼｝く￣￣＼::::＼
　　　　　　　　　　　　　 　 　 /＼／::／　　　　　　　　　 　 　 　 ＼}＿ノ､　＼::::＼
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /::::／￣　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　＼::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　 {／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼　＼::::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾏニ}＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ∨:::/:::V∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /:::/::::::::V∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ￣　＼ノ＿ﾉ





　　　　　　　　　　　 , ─´──-＜::::::::::::::::` ｰ────-- ､
　　　　　　　　　,　´　　, - ─ ´￣,　-　─　´　￣￣￣￣￣　｀丶
　　　　　　　 ／　／, ´　　＞　´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　／　／/ ＞　´　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∧
　　　　　/　／, ＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |
　　　　　|／　＼　　　　　　　　 　 　 　 ,　-──────-- ､　　 　 |
　　　　 /　 　＿ヽ　　О　　　r　 ´ ￣: : :／|: :/:ｌ´: : : : : : :|: : : : ヽ　　/
.　　　 /　 , ´　　 |　　　　　＿ｌ: : : :/: :／ヽ/／､:ｌ: : : : : :／､: : : : : ｌ　/
　　　 |　 /　　　　｀ｰ─ ´ |　|: : //／く￣ィ､ヽ ｌ:ヽ: : ／/__ ｌ: : : : : ｌ/
　　　 ヽ/　　　　　　　　|　|　|: : ',　 　‐ ｰ＾´ ソ､ｌ､: / ィ‐ ､｀|: : : : : ｌ
　　　　 |　　　　　　　　 ｌ　|__|＿: :ゝ‐ィ　　　　　　 　　ヾｰ　ｌ: : : ／ｌ
　　　　 | 　 　 　 　 　 ｌ´　　　 　 ＼　　　　　　　　,　　/　_ﾉ: /､　 ｌ　　　　　　　死んだ……死んだか！？
　　　　 |ヽ　　　　　　 ｌ　　　　　　　 ＼　　　　　 　 　 ′ヽィ-‐´　ｌ
.　 　 　 |　',　　　　　/　　　　　　　　　 ヽ´ニニ二 ｰ-､　 /　　　 /　　　　　　　 ヒャッハハハ……やっとくたばりやがったか！
　　　 　 ',　＼　　／　　　　　　　　　　　 ヽ::::::::::::::::｀ /　/　　　 /
　　　　　 ',　　￣　　　　　　　　　 r ､　　　 ＼ｰ-､::::/　/ 　 　 /　　　　　　　　　御託並べやがって、所詮はガキだな！
　 　 　 　 ∨　　　　　　　　　　　 ゝ '　　　　　＼ ∨　/　　　./
　　　　　　 ∨　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ヽ　/　　　./ヽ
.　　 　 　 　 ∨　　　　　　　　　　　　　　　　 　／ ｀　ｰ -　＿| |
　　　　　　　　ゝ───────- ､ 　 　 ／　　　　　　　　 /
──- ､　　　　|　　　　　　　　　　　　　丶　､　 　 　 　 　 　 /
　　　　　＞ ､　.|　　　　　　　　　r───--- ､￣ ` ┬--- '
　　　　　　　　＼　 　 　 　 　 　 ｌ　　　　　 О |　　　 |





　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 弋､__
　　　　　 　 　 　 　 　 ｲ:::::::::::: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽﾆﾆノ
　　　　　　　　　　　 　 j::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::＞': : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　 　 　 　 　 /:::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::´: : : ｲ: : : : : : : {:::::::: : : ',
　　　 　 　 　 ﾄ､_____ノ::::::::::::::::j:::::::::::::::::::::::::::::::::::::／ .|: : : : : : : ﾊ:::::::ヽ::::::|
　　　　　　　　ヽ､::::::::::::::::::::::::ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::-─ ､ノｲ: : : : : 丿j:::::::::ﾉ}:::ﾘ
　　　　　　　　　 Z::::::::::::::::::::::ﾘ::::::::::::::::::::::::::ｲ　弋ﾗミ从::::j::::ﾉｲ小:::／.ﾉノ　　　　　　ハッハッハ……ふぅ。
　　　　 　 　 　 ｲ::::::::::::::::::::::ﾉ:::ｲ::::::::::::::::::::::弋___　　　　ｿ' | ¨}:::::::/
　　　　　　 　 　 >::::::::::::::::::´:::::ﾊ::::::::::::::::::弋ー´　 　 　 　 ∨从小､__　　　　　　　　　俺ぁここらで抜けさせてもらうぜ。
　　　　　　　　　{:::::::::::::::::::::,ｲ/　',::::::::::::::ﾂ¨¨´　　　　　､.＿ 〉′　¨´
　　　　　　　　　ヽ:::::::::::::::::::ﾄ　　 }:::::::::ﾒ　　　 弋==＝ｲ/::::{　　　　　　　　　　　　　　　野郎の死に顔が拝めりゃ満足だ。
　　　　　　　　r‐‐ﾐ､（::::::::::人.　 八::::{|　＼ 　　　 ￣´/::::小､__
　　　　　　　 /:::::::::::jｱ￣　ヽ､｀¨'' 从{　 　 ＞ ､ 　 　j:::::::jj　　　　　　　　　　　　　　　　あの二人の相手はしたかねえしな……。
　 　 　 小､ノ:::::::::::ｱ弋　　　　＞- ､_ 　¨¨¨く__. ｀¨¨ |::::ﾉ
　　　　　Y:::::::::::::ｲ　　 ＼　　　　　　　｀＞､_ ヽ＼ ヽ ﾚ′
　　　　 /ｲ::::::::::::ﾘ　　　　 ｀¨ー-- ､ 　 　 　 ｀＞､j　ﾊ

5450： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/15(木) 22:29:43 ID:UHE.9OME0

　　　　　 ::.:.:.!ﾏ:.:.:.:.:./ 　＼ 　 /　:!:.:/:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./
　 　 　 　 ＼{ ﾏ:.:.:.:.ゝ ､　 　 　 　}:/}:.:.:.:.:/|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ハ/
　　　　　　　 ヽﾏ:.:.:.:.:.:.:ヽ￣)　 　/　i:.:.:.:/ :!:∨:.{ ＼:.:.}}:/　ﾉ
.　　　　 　 　 　 ﾏ:.:.:.:.:.:. : ¨､　　　　:}:.:./　 ヽ ＼i 　ヽi乂　　　　　　　　　　　　　　……。
　　　　　 　 　 　 ﾏ:.:.:.:.:.:.:.:.{:ゝ‐=≦ i:./　　 　 ‐=≦／＼
　　　　　　　　　　 ＼:.:.:.:. : iヽハ{　 }//{ ／ 　,ｨｉ｢: : : :/:.:.ﾟ，
　　　　　　　　　　　　＼:.:.:.:{　　 ＼//}　　／: : : : :.／ ∧:‘，
.　　　　　　　 　 　 　 　 ＼:.i 　 　 ノ:::i,ｨｉ｢: : : : : ／　　 :∧:.:ﾟ。
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ　 /::::／: : : : : :／∨ 　 ＿__i＿:ﾟ，
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／／: :ﾆ=‐:.´:.:.:.:.:.:.∨´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　　　　　　　　　　　　　　　 /{ / ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ﾟ。
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /:./／:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾟ，
　　　　　　　　　 　 　 　 /:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾟ，





　　　　　　｀ー'´　　 ／　　　　　　ヽ　　　ヽ
　　　　　　／　　　 i　　　　　　　　　＼　ヽﾊ
　 　 　 　 |　　　 i　|　　　　 |　|､　　　 ｀　 i ヽ
　 　 　 　 |　　 ..::V:i　　　　 |　ﾘヽ　,::..　　 |　ﾊ
.　　　　 　|　　..:::::/ﾉ:i　　 i!　　i　 ' ＞､::.　､ヽ　ゞ､
　　 　 _ ｨ_,､　..:::/ｲ::ﾊ　　 |_ _.ﾉ　／_,,_ヽ　人てー´
　　　　　 iﾘ　.::ｲ::ハ-､ヽ　（　= 彳てﾘ　i /i　ﾉ
　　　　　 ヾﾊ::::ｨ:ヽ -=､ ｧ､ ＼　　'￣　 ﾊ/ /　　　　　　　　　　　　　　……見込み違いだったか。
　　　　　　｀ー ─-ヽ｀┴'　i￣　 　　 　 ﾊiﾘ
　　　　　　　　 　 　 ヽ　　　|　　　　　　 i　|＿＿_　　　　　　　　　　　　さて、ここからは軍人に戻るとしよう。
　　　　　　　　 　 　 　 ＼　 ｀ -─　　 ./_,,|＿ ／|
　　　　　　　　　　　　＿ .＞､　￣ ┌''￣￣　 　 .|　　　　　　　　　　　　　さらばだ、マーシフル。我が因縁の君よ――
　　　　　　　　　　　 ﾊ　　 　∧ーイ|　|　 　　　　.|
　　　　 　 　 　 　 　 V　　 ./ ﾉ-／ |　|　　 　 　 : ＼
　　　　　　　　　　　　 V　. ﾄｲ:::::ヽ.::|　|　　　　　 :／￣￣＞-..､＿＿＿
　　　　　　　　　　_..:-:;;ﾊ　 i!::::::／V　 ＼＿＿／　　　／::::::::／　　　　 ＼
　　　　　_.....-.:::':´:::／　ﾉ／::::::i　 /／￣￣￣　　　.／::::::::／　　　　　　　　ヽ
　 　 ﾊ'´/　 /::::::::/ 　.//::::::::::::|／　　　 .＼＿＿／￣￣/　　　　　　　　　　 i
　　/　ヽ＿/:::::／￣　|.|:::::::::／　　　／　 /　　 　 　 　 /　　　　　 　 　 　 　 |
　　|　　　￣￣　　　　|.|::::::/　　　／　 ／　　　　　　 ノ　　　 　 　 　 　 　 　 |

5451： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/15(木) 22:32:41 ID:UHE.9OME0

　　　　　　　　　　　　　┌────────────┐
　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　│　　　MISSION　FAILED　　　.│
　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　└────────────┘
　　　　　　　　　　 　 　 ＿___　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＿___
　　　　　　　　　　 　 ／　 ／::´:::::` 、　　　　 　 　 ／　 　 ＼
　　　　　　　　　　 ／─ /:::　 　 　 :::ヽ　　　　　　/ ─　　 　 ＼
　　　　　　　 　 ／（●）/:::　　　　 　 :::|　　　　　/ （● ）　　 　 ヽ
　 　 　 　 　 　 |　　 （__|:::　　　　　　 :::|　　　 　 |__）　　　　 　 　 |
　　　　　　　　　＼ 　 ｀ ＼:::　　 　 :::／　　　　　＼´　 　 　 　 ／
　　 　 　 　 　 　 /　　　　/:::　　　　:::＼　　　　　 /　　 　 　 　 ＼

5452：安価のやる夫だお：2022/12/15(木) 22:37:17 ID:qnXVBWZQ0
負けたかー

5453： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/15(木) 22:39:54 ID:UHE.9OME0

　　　　　　　　　　 　 　 ＿___　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＿___
　　　　　　　　　　 　 ／　 ／::´:::::` 、　　　　 　 　 ／　 　 ＼
　　　　　　　　　　 ／─ /:::　 　 　 :::ヽ　　　　　　/ ─　　 　 ＼　　　　　　デビルサマナーのペルセポネみたいになっちまったお……
　　　　　　　 　 ／（●）/:::　　　　 　 :::|　　　　　/ （● ）　　 　 ヽ
　 　 　 　 　 　 |　　 （__|:::　　　　　　 :::|　　　 　 |__）　　　　 　 　 |　　　　　まだ童貞も捨ててないのに……
　　　　　　　　　＼ 　 ｀ ＼:::　　 　 :::／　　　　　＼´　 　 　 　 ／
　　 　 　 　 　 　 /　　　　/:::　　　　:::＼　　　　　 /　　 　 　 　 ＼





　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i　　　　　　　　うん、これに関してはちょっとモコイさんもヒントを出し足りなかった。
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ　　　　　　　　　軽く読み返して反省している。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i　　　　　　　　 1．カタストロフィは墜とせる
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |　　　　　　　　　2．フラップアッパーは未知数
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘　　　　　　　　　3．はやては八咫烏というブレオン機体から、ヴェーロノーク的な
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|　　　　　　　　　　　支援機に乗り換えている
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」　　　　
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／　　　　　　　　　　　　　　このへんがヒント……ヒントかこれ？　反省している。
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´

5454： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/15(木) 22:46:28 ID:UHE.9OME0

　　　　　　　　　　 　 　 ＿___　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＿___
　　　　　　　　　　 　 ／　 ／::´:::::` 、　　　　 　 　 ／　 　 ＼
　　　　　　　　　　 ／─ /:::　 　 　 :::ヽ　　　　　　/ ─　　 　 ＼　　　　しかし、負けるとは思わなかったお……
　　　　　　　 　 ／（●）/:::　　　　 　 :::|　　　　　/ （● ）　　 　 ヽ
　 　 　 　 　 　 |　　 （__|:::　　　　　　 :::|　　　 　 |__）　　　　 　 　 |　　　二週目やる夫はイケイケのはず……
　　　　　　　　　＼ 　 ｀ ＼:::　　 　 :::／　　　　　＼´　 　 　 　 ／
　　 　 　 　 　 　 /　　　　/:::　　　　:::＼　　　　　 /　　 　 　 　 ＼





　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',　　　　　　　　確かに二週目やる夫君はクーガーとアルトリアに可愛がられまくった影響で、
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ　　　　一週目やる夫よりもほんのり戦闘力が高いぞ。
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ　　　だけど作中におけるクーガーやアルトリアみたいな化け物クラスではない。
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'　　　　
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ





　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 _ _____＿
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ´.: : : : : : : : : : :｀
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 l: : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i: : :○ : : : ○: :.|
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : |　　　　　　　アリスレベルの実力者相手に死闘の果てにギリギリ勝てるかどうか。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 j: : : -=＝=- : :.i
　　 　 　 　 　 　 　 r―--┐　　 　 i: : : : : : : : : : : :l　　　　　　　 そこそこの実力者相手に束になられると死ねる……
　　　　　 　 　 　 　 i: : : : : ',　 　 　 ゝ : : : : : : : : :t´
　 　 　 　 　 　 　 　 ',: : : : : i　 , f: : : : : : : : : : : : : :ヽ　　　　　　　という感覚だ。これでも大分強キャラだと思うがね？
　　　 　 　 　 　 　 　 ＼: : : :y: : : :Υ: : : : : : : : : : :y: : '..,
　　　　　　　　　 　 　 　 ',_: :: :／　 i: : : : : : : : : : : :l丶 : : :ヽ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ￣　　　l: : : : : : : : : : : .i　　＼ : : :丶





　　　　　　　　　　 　 　 ＿___　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＿___
　　　　　　　　　　 　 ／　 ／::´:::::` 、　　　　 　 　 ／　 　 ＼　　　　　　　要するに？
　　　　　　　　　　 ／─ /:::　 　 　 :::ヽ　　　　　　/ ─　　 　 ＼
　　　　　　　 　 ／（●）/:::　　　　 　 :::|　　　　　/ （● ）　　 　 ヽ　　　 　 「ホワグリ撃破はできるけどカーパルス占拠とかその辺は無理」
　 　 　 　 　 　 |　　 （__|:::　　　　　　 :::|　　　 　 |__）　　　　 　 　 |
　　　　　　　　　＼ 　 ｀ ＼:::　　 　 :::／　　　　　＼´　 　 　 　 ／　　　　　あー……
　　 　 　 　 　 　 /　　　　/:::　　　　:::＼　　　　　 /　　 　 　 　 ＼

5455： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/15(木) 22:51:33 ID:UHE.9OME0

　　　　　　　　　_　_　_
　　　　　　　／: : : : : : ｀i
.　　　 　　　i: : : : : : : : : :!
　　　　　　　､: :○: : ○: :!
　　　　　　　 i: : : : : : : : : i　　　　　　　　　　それじゃ、タイムベントといこうか。ご存じの通り、このスレはデスぺナなしだ。
　　　　　　　 l: : :,, --_ｯ: :',
　　　　　　　 丶 ｀‐'´: : : :ﾉ　　　　　　　　　　死んだら死んだでやる夫君の様々な死に様が見られて、それはそれでお得と考えてほしい。
　　 　 　 　 / ´: : : : : : : : ｀ヽ
　 . 　　　　/: : : : : : : : : : : : : ヽ　　　　　　　　今回は正解の安価をしたところから再開としよう。
　　　 , -‐': : ,: : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　／: : : ,-ｲ: : : : : : : : /｀丶: : : :､　　　　　　　……いい時間だし、再開は12/29木曜日20：00時からとする。
　 ｒ⌒ ,／　/: : : : : : : : i　 　i: : : : i
　 ` ‐ '　　/: : : : : : : : : |　　 ! : : : |　　　　　　　今月飲み会多すぎて……モコイさん死にそう。来週木曜日も辛い。
　　　　 　 i: : : : , _ -‐ ´,) 　 ｀ ヽ _|
　 　 　 　 (_ _i￣(_　-‐'´i　　　　　　　　　　　　　というか現時点でも二日酔いで辛い。シーユーアゲイン。
　　　　　　|　:|`‐´i : : : : |
　　　　 　 |: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
　　　　 　 |: : : : : |: : : : : !

5456：安価のやる夫だお：2022/12/15(木) 22:54:04 ID:qnXVBWZQ0
乙でした

5457：安価のやる夫だお：2022/12/15(木) 23:58:41 ID:fgliDYNs0
乙

5458：安価のやる夫だお：2022/12/17(土) 14:59:46 ID:mJyYB/J.0
乙
タイムベントサンキュー

5459： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/29(木) 20:00:28 ID:mrCfJXUc0
　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _l　　　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

5460：安価のやる夫だお：2022/12/29(木) 20:04:50 ID:bs/FbbYI0
ハロー

5461： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/29(木) 20:08:33 ID:mrCfJXUc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i 　　　　　　　　みんな良い年末を過ごせているかな？
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ　　　　　　　　　モコイさんは死んでいる。疑似引きこもり状態だ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i　　　　　　　　　ゴミを出し損ねて早二週間、年末年始はGとの共同生活確定の予感だよ……
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |　　　　　　　　　　それじゃあぼちぼちやっていこう。
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´

5462： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/29(木) 20:20:41 ID:mrCfJXUc0

　　 　　　,,, ＝＝＝＝,,
　　　 　〃　　　　　　　　＼
　　　/ 《　　 ─　 　 ─ 　 ヽ
　　　|∩||　 （●） 　（●）　 }}　　　　　　　（ここまでやり合って分かったけど……サーシェスは何とかなる。
　　　|∪《 　 　（__人__）　　∥|
　　／＼　 ミ三∩_ノ ⊃彡 ／ゞ　　　　　　フラップアッパーはどうだろう……でも、厄介そうだお。
　/　　乂 ゝ _／ ＿ ノ ＿イ,＿)
　(　, ′ヽ ／　 ,,;;; ｲ/　　 i　　i　　　　　　　それなら……）
　 ＼　　 " ` ､ ／￣￣i￣"　 )





　　　　　　　　　　 __´￣￣二ﾆ=　、
　　　　　　　　／　　￣´ 　　　　　　ヽ
　　　　　 　 /　/ｨ　　　　　　}i　　　　∧
　　　　 　 /ﾔ'7=ﾆ二二二≦_｣Ｌﾍ/　 ∧
　　 　 　 ;　 /＼_　　､＿　￣Ｖ⌒{ 　 / }｝
　　　　　:; 　}(●）　　（●　）　〉 人 /　/^}
　　　　　 '､ {（　ｨ'　　　　　　/／Ｌ {__/(__/　　　　　　　　　　　　　　　はやてさん、援護頼むお。
　　　　 ＿{へ≧＾ゝ､___ノ_z彡二弐≠ ＞／￣￣ミヽ
　　　　r{_ `ｰ=＜三＞'’ ）二二 ／　//　　　___　　　＼　　　　　　　　サーシェス……カタストロフィを先に墜とす。
　　／/ ｛＼　　｀￣　 /二二／/ 　/ｲ　　 Ｙiっ) -┐　 ＼
　｛　　Ｖ 〉　　　　　　〈ﾆ二彡イ　 ｛ ｛　 　 }｣つ）二! -02 |ｌ　　　　　　
　｛　 　 i ＼ 　 　 　 /｝ト､　　 i　 /八ヘ　　￣´　　　　　 |ｌ
　　)〉=ﾆi　　＼＿∠_//ｚ/＼　i／　　＞　_　　　　　　 　 /ｌ
　　　汀 i　　　 〔_二//￣　　 ＼　　 /￣７ 　 ＞＝-≠〈/
　　 ！| iﾄ　　　　＼　　　　 　 　 ＼/　 /　　　　　　勹[_]
　　　　　｀v 　　　　＼　　　　　　　 ＼/　　 　 　 　　/
　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　 ＼　　　　 　 /

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フラップアッパーの痩躯をちらりと見やる。
黒い機体は戦闘機を人型に改造したような趣がある。
武装も細身のライフルとブレードと標準的なものだ。

仕込み武器の類も、あの細身では隠しようがないだろう。
横槍も近接攻撃さえ防げれば、後はたかが知れている。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5463： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/29(木) 20:38:55 ID:mrCfJXUc0

　　　　　　　　　　 　 　 　 ／.:.:.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:、.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ'.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:V.:.:.:.:.､
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　　　　　　　　　　　 ,'|.:.:.:.:.:/:!.:.__j_{　!.:.:.:}.:./:ハ:|.:}.:.:.:.:v.:.:.
　　　　　　　　　 　 ,'.:|.:.:.:.:ム|.:.:斗芋ミxﾉノ/,.斗r:!‐.:.:.:ｖ.:.:.:,
　　　　　　　　　　 ,' ':|{.:.:.:.{〔(!.:|ヾＶrﾀ｀'´ ´ f芳ｱ}.:.:.:.:.:}.:}.:.}
　　　　　　　　　　 ' !八.:.:.:{ヽi.:.!.:{、　 　 　 , `'’ ﾉﾊ.:.:.j'.:.}',:}　　　　　　　　　よし来た、任せとき。
　　　　　　　 　 　 { !.:.:.:、.:{:从.|个ｰ　　　 　 　 八.:}.:.:'.:./ﾉ'
　　　　　　　 　 　 {八.:{ ＼.{:!.:'|.:|:ヽ　 ｀　 ’ ,..ｲ.:,'.ﾉ!:/:/Vﾉ　　　　　　　　　 ……君に色々言いよったんやろ？
　　　　　　　　　　 ヽ ヽ　从!:ＹV|:{| ≧=-r≦_,＞/ j'ノ:::::!
　　　　　　　　　　　　　　　 ｀'|'i {ｖｊﾆ}ﾌﾆニ{| ｆ'^ |ノ !:::}::::|　　　　　　　　　　人の男にケチつけたケジメ、着けてもらおか。
　　　　　　　　　　　　,ｨf'⌒メｊ､! !' ｀j'´　Vﾆｊ_|　 |-八:{:::::|
　　　　　　　　　　 ／ニﾆﾆｱ　/ﾊ_,ﾉ__／ア　　　 Vr≧=r'ﾆﾆ!
　　　　　　　　　／Ｖニﾆア　,.:/ﾆｊ/{ニニ|:|　 　 　 {ニﾆﾆﾆﾆ!
　　　　　　　　　!､　￣／! ,.:／ｒく' ﾉニニｊ::!　 ,　　 {ニニニﾆ!Ｙ
　　　　　　　　　', ￣,　　,.:/ﾆ'"ヽ_〉ﾆﾆﾆﾚ::!'" 　 　 Ｖニニニﾚ
　　　　　　　　　 ） ,　　 ,:/ﾆ' {/ニニニﾆﾆ!|　　　　 {　 ｀~^'V'!
　　　　　　　　　 Vｒ ァ ,::'ニ{ !{ニニニニﾆ!:!　　く ヽ!　　　 ﾉj|
　　　　　　　　　 ,　　　,::!ﾆ八',Vニニﾆﾆﾆ|:|　　　　 }、　　, !｀
　　　　　　　　　 {::.、　!::!ﾆニヾヽﾆ、ﾆﾆﾆi::|____ ,...ィ!　　　'’!、
　　　　　　　　　 ｀ト､:^:::|ニﾆくｨヽ＼ニニL::::::斗'^~|　　　　 ､!
　　　　 　 　 　 　 | (__ｰｊニニニﾆ}　}ニニﾆ{ｒ七!　 |　　　　　|
　　　　 　 　 　 　 |　ー'ニニニニ}　}ニニニﾆ{ 　 人　　　　,





　　　　　　　∠ へ＿＿＿＿＿
　　　　　 ／_|＿＿|＿＿＿＿＿
.　 　 　 // ﾉ　　　｀'‐-　　　|
　　 　 //（○） 　 （○ ） 　 .|
　　 　 | | 　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　　　なんかその言い方、恥ずかしいな……
　　 　 { {　　 （__人__）　u　 .|
　　　　ヽヽ　　 {＿_}　　　　 }　　　　　　　　　　　「えー？」
　　　　 ヽ ヽ―┬‐┬――┘
　　　　　／ヽ＿{＿_|＿＿＿　　　　　　　　　　　やる夫が情けない奴みたいだお……！
.　　　 　 /　　 /　/
　／　　/.　 　 |　|
　　　　{　　　　|　|

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通信越しにはやてが快諾する。
彼女も彼女なりに、サーシェスに対して思うところがあるらしい。

だが、その言い方はどうにも腑に落ちなかった。

「はいはい、ええから仕掛けるで。
フラップアッパーがちょっかい出して来たら適当にあしらっとくさかい、
君は思い切りカタストロフィに殴り掛かりゃええ」

受け流すような口調ではやてに諭される。
ともかく、それなら問題なく戦闘できそうだ。
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5464： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/29(木) 20:49:13 ID:mrCfJXUc0

　　　　　/　 ∨/_,.．-'''":.:.:./|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.i::　　　　　＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.Ｖ　　　,ィ
　　　　〃　　/゛:.:.:.:.:.:./:.:.:./ i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.│　　__,,.. 　＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ...ノ 丿
　　　　ゝ-‐'':.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:./ //i:.:.:.:.|:.:.:.:./|:.|_,.-´ _,.__,,"~i:.:.:.:.:../i:.:.:.:.:＿ノ
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　　　　 |:.| |:.:.:.＼:.:.ヽ:.ヽ ,.ｲ　　　 :::|　　　　　　　/:∧:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.）　l:./　　　　　　　　吐き気がするなぁ、えぇ？
　　　　 ヽl　|:.:.:.:.:.:..＼:.:.:.／　　　　:::　　　　　　　ヽl {:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:./ヽ
　　　　　 `‐ ＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ　　　　　:ヽ丶　　　　　`‐ヽ:.:.:.:.:..丿:.:.ヽヽ　　　　　　　　　　女連れで粋がりやがって……シャバ僧が。
　　　　　　　　 {:.:..ｲ:.:.:.:.:.:.:.:＼　_, .'''"　~""'''‐__,　(__,,}:.:.:.:.:.:.ﾊ:.:.:.:.:.） ヽ
　　　　　　｛､ノ:.:.ノ|:.:.|＼:.:.:.:..小　　ー─‐'''"　　　ヽ:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:./　　|＼　　　　　　　　　やっぱてめぇはぶっ殺しとかねえとな。
　　　　　　　￣　　ヽ ヽ ヽ:.:.::..|::＼　　￣￣　　　:/　|:.:./:./|:.:.:.く＿　　ヽ　＼
　　　　　　　　　　　　￣∧:.:.:.:|::::::::＼　　　　　:／　 |:.∧| ＞:.:.:.:.:.:.:.＼＿　　=-　　　　　　あれから酒が不味くて仕方ねえんだ。
　　　　　　　　　　　　/ ノ:.:.:.ノ|::::::::::::.."'‐‐-‐''"__,,..-‐ヾヾ''""~|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..＿ノ＼
　　　　　　　　　　　／　￣　|￣￣￣ヽ　/￣￣　　　　` -　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　　/　　　/　│　　　　ヽ /　　　　　　　　　　　│:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　∨∨∧| 　l　　　 r-=ﾐ ヽ　∨　　∨　　　　　 .ｌ　　!　　　　　　　　 _ 　-
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　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 | 　Ⅵ　 | ､〈ﾍY 八 Yﾉ〉} 　 V,ｲ 　〉　　 ,r＜　　　 　//　　　_ﾆ‐
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　　　　　　　　　　　　　　 　 　 _r勺　/ ﾄ､:::::ⅤV ｀-'ヌ㌻.／　/_,.⊥.:-={! 　 　 　 　 　 ＼l::::::ｌ＿|
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 r气´_　-ﾍ ﾏl|:::;ヾﾞ^Vミト=彳 /　　/.:::::_;;__:.::::.ヽ.　 　 　 　 _､r≦／.:／
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　　　　　　 _　-=ﾆﾆ＞ ^⌒′　　　　ﾄ､ 　〈_　ィ　 　　／´　　　 /　/へ´　　　　　　￣＼ 　＼.　＼
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-=ﾆﾆﾆ＞ ´　　　　　　　 　 　 　 　 　 〉　　　　　　 八三Ξﾆ.≡VIン : : l}　　　　　　　　　　`＜_／L ＼
iﾆ＞ ´　　　　　　　　　　　　　　　 　 / 　 　 　 / 　 　 ゝ=-‐=ﾆ_,ｲ : ;＞'’　　　　 　＞气｀`〜､┘´ | ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　ﾑ､ _,.､<　ﾆ=- ＜＞_´ ﾍ、　　　　 /ヽr‐ｧ　)｀丶､>､'^
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示し合わせた訳でもなく、ほとんど同じタイミングでオーバードブースターを起動する。
はやての方が自分に合わせてきているのだ。

断続的に放たれる赤い熱線を掻い潜りつつ、二機でカタストロフィに肉薄する。
OBの勢いを殺さずに斬りかかろうとする最中、回り込んで小ぶりな二挺の
銃剣を振りかざすミセリコルデの姿が見えた。

振り下ろされたブレードを弾きつつ、蟷螂のような四肢をしならせると、
カタストロフィは後ろ回し蹴りで背後の斬撃を払ってみせた。
少しでもリーチを稼ぐためか、ランディング用のスタビライザーが展開されている。
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5465： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/29(木) 20:54:50 ID:mrCfJXUc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜｀ｰ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ｰ､ ｀ｰ ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　＜
　ﾏ`ｰ､ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｌ` ､:::::｀ｰ ､　　　　　　　　　　　 ,　＜´:::::::::＞ ´
　　ﾏ:::::｀ｰ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ､　 　 　 　 .|| 　｀ｰ ､:::::::｀::ｰ 二二l`::-'´｀ｌ::´:::::::＞　´
　　　 ＜:::::::::＞ ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　.||　 ./ｌ 　 > ､:::::::::｀ヽ､.|丶:::::::::丶´
　　　　　 ｀ ＜:::::::::＞ ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ヽ_, r─ｌ´.|　/ .|-‐ｌ,ィ::::｀ｰ､::::::::/ゝヽ-─‐`
　　　　　　　　 ｀ ＜::::::::＞ ､　　　　　　　　　　　　 r ' ´　 ﾏヽ-‐'::/l //:::ｌ´::::::::/￣　｀ｰ/: : :/￣｀ｰ､
　　　　　　　　　　　 ｀ ＜::::::::＞ ､　　 　 　 　 　 　 l 二ﾆ ｌ l`ｰ- ' r'ｌ∧:::ｌ､::,ィ´:::::::::/`ｰ､: :/-､::::::::::::｀ｰ､
　　　　　　　　　　　　　　　｀く｀ ｰ ､＞､ニﾍ,──'/´:::::::::::,ｌ ヽ-,‐'ｌ:::ｌ´::::::l::::::::/｀ｰ./:::,r─､:::ﾍ　｀ｰ ､::::::::::｀-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ::::::＞｀ヽ､/::,─- ､｀ｰ‐´|:::::::|:::::::|:::|:::／_:::::_,ｌ::::|::｀ゝ'､::r'´ﾍ─ｌヽ､　 ｀ｰ ､:::::::｀ｰ ､
　　　　　　　　　　　　　,....-:::':::´::｀＞､｀ヽ､ 　ｏ｀ｰ､:::｀:ｰ-,ヽ::::|::::::|:::ｌ/-´ｰ'　 ﾆィ　　　 〉─--＝ニｌ　　　　 ｀ ｰ､::::::ﾊ
　　　　　　　 ,....‐:::'::::´,:::: - '　´　 　 ｌミ　|ヽ＼＼､ｰ-＜ﾆ フ｀ｰ´::::::::TT￣ｌ´　　　　 / ｌ:::|_|::::|/::｀/　　　　　 　　 ｀ヽｌ
　　　　 , ィ::´::, -　' ´　　　　　 　 　 .ｌ/::/:::::/::二::::::::::::::ヽ´ ｌ　|:::::::::::::| |::::::ｌ　 　 　 /ノｌ_/. ｀´'-'‐'
　　　　 ￣￣ 　　　　　　　　　　 　　 'ｰ'￣　｀ｰ ､:::::::::::::::::::::ｌ　ｌ:::::::::::::| |:::::ｌ　＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　-＝ニニニニニﾆｌ｀ｰ二//-, 　,'=──=,ｌ ｌ::ノ/::::::::::::,::-::':::::/＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　_＿＿ｌ:::::::::::::::::::::￣ｌ:::::::::::::/::::￣:::://ｰ--／/´::::::／二二二ニニ＞
　　　　　　　　　　　　　　　 ,r'´｀, -::':::´::／::::::::｀ｰ─､:::::::::::::ｌ::::::::／:::::::::::::::::::::::::::/／フ￣
　　　　　　　　　　　 ＿＿/:::/´: : ﾍ:::／::::::::::::::::::::::::::::::￣￣｀ｰ´　｀ｰ----‐'￣￣　´
　　　　　　　　　　／ﾍ: : : : : ﾍ: : :_, ﾍ_:::::::::::::::::::::::::: , - ' ´　「::|::::::::/::::,‐-､/
　　　　　　　　 ／＿／￣￣￣/::::::::__ｌ￣￣￣￣￣　　　　 |:::|::::::/::::/: ://l
　　　　　　　　 ￣　 フ｀ｰ─‐/:::／::::/　　　　　　　　　　　　｀ｌｌ:::/::::/: ://:::ｌ
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　　　　　　　　　　　,ィ´＼｀ｰ─'＼ 　　　　　　　　　　　　　 r‐ﾆﾍ //:::::／
　　　　　　　　　/｀ｰ､　／:::::::::::::／　　　　　　　　　　　　　 ｌ:::::::ｌ: : : : ｌ::ヽ
　　　　　　　　　｀ｰ､／::::::::::::＞´　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｌ:::::::ｌ: : : : :ｌ:::::ｌ
　　　　　　　　　　　 ￣￣￣

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すかさずフラップアッパーの銃口が火を噴くのが見えた。
視界に連続したマズルフラッシュが焼き付く。

それもお構いなしに、二人がかりでカタストロフィを攻め立てる。
こっちには高出力のPAがある。小口径の銃弾なら無視してもいい。
速攻でカタストロフィを片付けて二対一に持っていければお釣りがくる。
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5466： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/29(木) 20:58:41 ID:mrCfJXUc0

　　　　　　｀ー'´　　 ／　　　　　　ヽ　　　ヽ
　　　　　　／　　　 i　　　　　　　　　＼　ヽﾊ
　 　 　 　 |　　　 i　|　　　　 |　|､　　　 ｀　 i ヽ
　 　 　 　 |　　 ..::V:i　　　　 |　ﾘヽ　,::..　　 |　ﾊ
.　　　　 　|　　..:::::/ﾉ:i　　 i!　　i　 ' ＞､::.　､ヽ　ゞ､
　　 　 _ ｨ_,､　..:::/ｲ::ﾊ　　 |_ _.ﾉ　／_,,_ヽ　人てー´
　　　　　 iﾘ　.::ｲ::ハ-､ヽ　（　= 彳てﾘ　i /i　ﾉ　　　　　　　　　　　　　　ふむ……そう来たか。
　　　　　 ヾﾊ::::ｨ:ヽ -=､ ｧ､ ＼　　'￣　 ﾊ/ /
　　　　　　｀ー ─-ヽ｀┴'　i￣　 　　 　 ﾊiﾘ　　　　　　　　　　　　　　　　まあ、合理的と言えばそうだな。
　　　　　　　　 　 　 ヽ　　　|　　　　　　 i　|＿＿_
　　　　　　　　 　 　 　 ＼　 ｀ -─　　 ./_,,|＿ ／|
　　　　　　　　　　　　＿ .＞､　￣ ┌''￣￣　 　 .|
　　　　　　　　　　　 ﾊ　　 　∧ーイ|　|　 　　　　.|
　　　　 　 　 　 　 　 V　　 ./ ﾉ-／ |　|　　 　 　 : ＼
　　　　　　　　　　　　 V　. ﾄｲ:::::ヽ.::|　|　　　　　 :／￣￣＞-..､＿＿＿
　　　　　　　　　　_..:-:;;ﾊ　 i!::::::／V　 ＼＿＿／　　　／::::::::／　　　　 ＼
　　　　　_.....-.:::':´:::／　ﾉ／::::::i　 /／￣￣￣　　　.／::::::::／　　　　　　　　ヽ
　 　 ﾊ'´/　 /::::::::/ 　.//::::::::::::|／　　　 .＼＿＿／￣￣/　　　　　　　　　　 i
　　/　ヽ＿/:::::／￣　|.|:::::::::／　　　／　 /　　 　 　 　 /　　　　　 　 　 　 　 |
　　|　　　￣￣　　　　|.|::::::/　　　／　 ／　　　　　　 ノ　　　 　 　 　 　 　 　 |






　　 　 　 　 　　 　 ／　　　> ､l＞――………‐-　 _　　 /V　∧
　　　　　　　　　　〈＼　 ／V ∧　　　　　　　　　　　 ｀　く ム/ ∧
　　　　　　 　 　 　 ﾏ ∨　　V　ﾍ　　　　　　　　　　　　　 / /＼ /
　　　　　　　　　　 /lﾑﾑ　　｜　 |＿＿＿__　　　　　　 　 !｜　∧
　　　　 　 　 　 　 |　　VＶ／　／ｲ/ |/｜!　 ￣｀ ￢､-､_/-| ∨｜
　　　　 　 　 　 　 |　　 ﾞﾆｴｴｺ lﾑl'≧l､_l∧ヽ 　 l//__ｊ、 l＼>┤ |
　　　　 　 　 　 　 |　　 ｜|｜| ｛ｆ弋ｔッﾑﾄ ヽ}　lｲ在ャk∨::::Hxl　l
　　　　　　　 　 　 V　　 |｜|_|_､≧￣　　　ノイ ´`ﾆ".ｨ/:::::/ /,'V　　　　　　　　　　いいだろう、私を無視するというのなら……
　　　　　　　　　　　V　 ｜＼ヽヽー　　　　　 |　　 -=/:::::/ ///
　 　 　 　 　 　 　 　 ＼ / へ ｌ_|_| 　 　 　 ､ 丿　 　 /:／／//　　　　　　　　　　　　私を見ざるを得ない状況にするまでのこと！
　　　　　　　　　　　　 /「「 Y_)＼.＼ 　ｔ―---ｯ　　/::|∠ ､ｊ/
　　　　　　　 　 　 　 //_ｊ＼ ｆヽ. ヽ　≧｀三三 ==彡ク ｒpｸ　　　　　　　　　　　　　　卑怯とは言ってくれるなよ！
　　　　 　 　 　 　 　 V　ｊ　 丶ｿ　ﾉ　　　￣￣￣￣{∠i／
　　　　　　　　　　　__ｒｆム　　　|「 ＞　 ＿＿＿　 ィ「　　　　　　　　　　　　　　　　　　私の相手をしない君が悪いのだ！
　　　　 _,,.. -‐　'"´　　∧ ＼　 ||　　　 |　　　　　 ムY^ヽ _
　　 ‐<　　　　　　　　　 ∧　 ≧i､　　　|　　　　／ ||∧∧　 ｀"''－,,_
／　　 ＼　　　　　　　　　 V　　　`'　 ┴―　'´　__||__」　!　　　　 　 ｀i‐-,,_
　　　　　 ヽ　＿ｒ=＝　　￣∨　　　 　 　　 　 ／　||｝ | ┼＝＝=　　｜　　＼

5467： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/29(木) 21:01:03 ID:mrCfJXUc0

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│　　　　/ll!ﾊ:.:′.:.:.:.:/./.／.:/.:／.,ﾉ.;/l:.:;!.::l.ﾍ;.:.:.ヽ,:.:.:.:.:.:.ヾ,:.:.'; 　　!　 　 │
│　　　 ∧jﾊ.:′.:.:.:.:.′〃xｆz左ｚ,;,X, .j:/ !:;|:.:.:l.:.:.:.l.:ﾍ.:.＼.:.::.':;.:.';　　　......│
│　　　 l.l.ヽ.:.:|.::::.:.:.:|{:.:.,仆乞芸て卞 >′l./ｊ.:,ﾘ.:./.:l.:.ﾍ.:.::.ヽ.:.:.';.'|　　　　..│　　　　　　敵ネクスト二機の完全沈黙を確認……
│　　 　'.:.:.:;:升∧::.:.|.:.:{ｲ ,伐::::::斥′　　ﾉクｻﾄxj:.:.li.:l.:.ﾊヽ.:.';.:.:;.!　　　　..│
│　　　　∨　 !′l:.:.:|:.:.! ､辷ｰクﾉ　　　 　ｹ云x.:ﾉﾒi.:/.:.:.:.:l.:.:.:.:.l:.!　　　......│　　　　　　待って、フラップアッパーが味方後衛部隊に
│.　　　　 ゞ､)l::.:.:ゝ:ﾍ､:!　｀¨¨ﾞ`　　　　　/.::ﾇﾘｹ;´.:;ﾘ..:.:.:.∧:l.:.:ﾊ!　　　　 .│
│　　　　　 'iｰl;:.:.:.::.个｀　　　　　　　　　匕ﾞ.ノ_ノノ/!:.:.:.;/　ﾚノ　!　　　　 .│　　　　　　 急速接近中！
│　 　 　 　 l.:人::.:.:.ﾞl　　　　　　 　 　 　 ¨`て.._｀V.ﾊ.:::/ 　 !′　　　　　...│
│　 　 　_,､n<　 '.:.､∧　　　　　　　ｃ｡　　　人__,¨＼:l/　　　　　　　　　.....│　　　　　　　
│　　ｲ´.:::.ハﾍ　'､l?∧　　　　　　　 　 .,／: :.j　 ／}′　　　　　　　　　　 │
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5468： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/29(木) 21:08:47 ID:mrCfJXUc0

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│.　　　　　　ヽ|　ﾘ　!:.:.ヽ＼ ヽ　　　　　　　.〃|:.:.:.:.:./_/／.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　......│
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　　!　　　　　　/／{:.:.:.:.:.:.: ｉ:.:.:. /　≧ｭ､__:.:.:.:.:. : 斗匕|´/:.:.:.:.: |}　/
　　l:　　 　 　 //:.:.i:.:.:.:.:.: : |:.:,x斧笊ﾊﾐ ＼:.:.:.:.:. /,ｨぅ气′}:.: : ﾄl/　　　　　　　　　　　　あかんで、有象無象ならともかく、
　　ﾟ，　　 　 //:.:.: |:.:.:.:.:.:.: |〃んノ::::ﾘ　 　ﾏ:.:.:./:んﾉﾊ㍉/:.:.:. }/7
.　　 ﾟ。　 　 {/{:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.: 《　に:::::刈　　　ﾟ，/: に:::: } / }:.:.:.:i/}:}　　　　　　　　　　　　あのレベルのネクストが相手じゃ防げへん！
　　　 ﾟ。　　 i/i:.:.:.:.ﾟ，:.:.:. : { 　 込zzｼ　　　 :i/　 込Zﾉ　:/:.:.:/:.:. i
　　　　 ＼　}/,|:.:.:.:.:.ﾟ，:.:.:.:.:i　　　　　　　　 / ヽ　 　 　 /:.／:.:. : |　　　　　　　　　　　　援護に行かな――
　　　　　　/,//: :|:.:. : ﾟ。:.:.:.:ﾟ。　 　 　 　 　 　 　 　 　 /,イ:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　 ///:.:.:.:!:.:.:.:.:.:ﾟ。:.:.:.ﾍ　　　　　（　　 ﾉ　　　 /∧|:.:.:.:.:.:.:.|　　　　　　　　　　　　「あー、こちらノーマル中隊二番隊……
.　　　　 ///:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.: ＼＿_＼　　　 　 　 　 　 　 人 :!:.:.:.:.:.:. |
　　　　 {.//|:.:.: : |∨:.:.:.:.:. : |:　ヘ　　　　　　　　　...:.:.:.:./ |:.:.:.:.:.:.:.|　　　　　　　　　　　　 つか、その他諸々の混成部隊だ。
　　　　 i// !:.:.:.:.:|: ∨:.:.:.:.:. |--　　＞　　 __　..:.:.:,:.:.: : /- !:.:.:.:.:.:./
　　　　/ {{　＼:.:.|-‐∨:.:.:.:.:|//Z7ｧｧｧｧｧ---}}_:./:.:.:／=‐:|:.:.:.:.:./　　　　　　　　　　　　　　聞こえてるか？　リンクスのお二人」
　　　　　　　{‐:ヽ!---∨:. : |／＿__二ﾆ=‐‐イ ヽ￣ 　 ‐=!:.:.:.:/
　　　　　　　i　　＼ﾆ=‐＼: !＿＿＿|　　　 |　　 ヽ {ﾆ=‐ |:.: /
　　　　　　　|　　　　　　　 ＼　　　 :|　　　 |　　 //i　 　.:|:./}

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はやてとなのはが明らかに焦った声色になる。
幾ら自分たちが擁するノーマル隊が腕利きだと言えど、
ネクストに相対したノーマル戦力は悉く壊滅するのが基本だ。

今この場で、彼らを失うわけにはいかない。
自分かはやてのどちらかがフラップアッパーを止めなければ。

そう思った矢先、自分たちの考えを遮るかのように通信が入った。
ディランディ少尉の、いかにも「やってられない」といった様子の声だった。
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5469： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/29(木) 21:20:29 ID:mrCfJXUc0

　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＿＿_　＿＿
　　　　　　　　　　　　 ／:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.｀丶
　 　 　 　 　 　 　 ∠⌒／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　 ／⌒:v─＜.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
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.　　 　 　 　 {:.:.:.:.:.:.:.:〈＼:.:.:.:.:.:|ﾊ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨/.:.:.
.　　　　 　 　 :.:.:.:.:.:.:}/ﾊ:.:',:.:.:.:.|　',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|/:.:.:.:＼
　　　　　　 　 }:.:.:.:./ 　 |:.|丶:.:.＼ ＼:.:.:} :.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.}⌒　　　　　　　　　　状況は理解してる。
.　　　 　 　 _ノ:.:.:./l_ 　 |:.| 　 ＼:.:＼ ∨:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:./
.　　　　　 ⌒|:.:.:{ハｔｯﾍ:|:.| ｔえﾃﾌ￣ /:.:.:.:.:.: ハ:.／|　　　　　　　　　　　　 大丈夫だ、対ネクスト戦も初めてじゃねえ。
.　　　　　 　 l:.:八:.:|　 八:、　 　 　 厶ｲ:.:.:.:/_丿:.:.ﾉ
.　　　　　 　 |( 　|八 /　　＼　 ＼ー‐':.:.／:.:.:.:.:.〔_ノ　　　　　　　　　　　　 ……犠牲は避けられねえだろうがな。
　　　　　　　　 　 　 l`、　 　 　 　 ｀¨¨7　}:.:.:.:.:.:.:.:.＼
.　　　　　 　 　 　 　 }ハこ ‐- 　 　 ／　ノイ:.:.:.:.:.:.:.:}｀＼　　　　　　　　　　たっぷりのECMとスモーク、フラッシュで遅滞戦闘といくぜ。
　　 　 　 　 　 　 　 -‐∧　　　　　´　　 /二二}.:.:.／￣￣
.　　　 　 　 　 ／　 　_{:.:.`ー＜ﾆ7ﾆﾆニ| | 　 /／　　　　 　 ／⌒ヽ
.　　 　 　 　 /_,.　　 ´ ∨|　| |:::::::|::::::::::: | | 　 /＾　‐-　　_／　／⌒|
.　　　　 　 ´|　　＿_　　{/ //::::::::|::::::::::: | |　./　＿　　　/　 /／￣￣
　　／　 　 ｜/　 / |＿｣_}＼:::::::::|:::::::::::: >‐ {_/　 ∧　./　 //　　　　 　 　 ＼
.　 | 　 　 　 l_{￣| ./　 　 ＼ ＼:::|:::::: ／　　　|￣| ./_/＿//　　　　　　　　　｜





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　,...-‐..､...--....＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　,,ィ／:::: /＝-`:::::::::::::::''::...､-､
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　／::／:::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::｀ヾ:::｀:..、
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　/:::::/::::::::::::/::::::::／::::::;:!::::: i:::i::::::＼:: ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:::::/::::::::::::;'::::::::/::::::: ,ｲ:|:::::::|: |';:::::::::ヾ:':;::',
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　/:::::::i:::::::::::: i::::::,ｲ::::::／/ｲ:::: /;ｲ:|l::|!::::::ﾄ､:'.;:',
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　|:::::::::|:::::::::::::{／｀|''メ、/ /:::;ｨ:/ |:|.|:||::::::|::|:::|::|
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　|:|::::: |::::::::::::::', -rう芥z､.:／ /＿ﾘ_ｿ|::::::|::|:::|l:|
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |:|::::/|::::::::::::::::', 乂zｼ_　　　　ィ''芥､,'::::/:/:/.ﾘ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 //::::{. ':;:::::::::::::::＼〉　　　　　　乂ｼ /ィ"/'"::',　　　　　　　　　あなたたちのサポートが我々の仕事だ。
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /ｲ/!:::＼|i､ :::::::::::::',＼　　　　,　　∠7 ﾄ､:::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 / | :::::: |!:ヾ:::::::::::::'.,｀ヽ　　 　 　 }　}-| |:::::::::::: ',　　　　　　　　フラップアッパーは任せてもらおう。
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /::::::::::|::::{`'i'''''i' -ゝ 　 ￣　　 /／! | |ﾞ　､::::::ﾄ',
　　　　　　　　　　 　 　 ,　-===-　__:::::＿＿|__|:::::| ＼ 　 　 　 ／´|　|::| |　　 ヾj ﾘ　　　　　　　 ……少しは役立たせてくれ。
　　 　 　 　 　 ,. -－= '､　　　　 　 　 =- _　 　|:::::|＼. ｿヾ｀}''":::::::::|　|::|_|
.　 　 　 　 　 / 　 ＿.: 　＼--- 、　　　　　',=‐|:::::|- _ ヽ/_/-､:::::::::|　|::|
　　　　　　,ｨ_''"´--　＼ 　 ＼: : :＼　　　 　',　! :::|　 　￣　‐-!_ ::: |　|::|
　 　 　 　 l 　 　 　 :.　　ヽ- ､|:｀＼ :＼　　 　', ! :::|　／＼ ,へ ,､ヽ l　|::|

5470： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/29(木) 21:27:28 ID:mrCfJXUc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/
)ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　/__/
＼ ＼　　　　　　　　　　　　　　x＜＼＼----､
　 ＼ ＼　　　　　　 ＼＿「二V　　ヽ 〉　∨ ／
　　　＼_＼＿＿　　/{‐＼| ﾄ､ V､　　　　 }/／￣￣／＼
　　　　/／─=ミ｀ヽl二ﾄ､ ＼oｰ〉::Y　　 /二l　　　/─‐┴--､＿＿　　　..F-!
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　　/　　　　　　　　　 }:::::＼}Vﾊ|::／}　　 ＼　　　　ヽー‐ｧ─'ノノ)_)　　　 |　|
　　{　　／⌒＼　　_ノ::r─‐┐{^|/７　　　　 ＼＿　 {::::／　　　　　　　 　 |__j　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／x>
　　〉／　　　,xｉ〔厂＼/＜￣:|::|_,|/{／＼　　　　　￣￣　　　　　　 　 .γ⌒Vハ 　 ＿　 r､　 　 　 　 　 ／ ／
　　{　｡oS「 ゝ‐'＼^≧s｡::＼ﾉ::∨::{＼ : : ＼　　　　　 　 　 　 　 .,　 -/　/⌒　{ V |γヽ. 〉j　　 　 ＿／ ／
　　￣　 /　　＼＿＞＜//≧s｡ヘ､: :〉＼ : :＼　　　　　　 　 　 .{　 o{__/　 　.∧ v| { 　j//ﾊ γ´　-‐ く　　　　　　　　
　　　　 {　　　 /:::}￣｀`''＜//《////ミh｡.,ヽ: : |　　　　　 　 　 　 ＼　　　 〃　ゞヽ 込ソ/ ァ/ ｀´ o＿ (ﾊ
　　　　∧　　/＼{＿＿　　厂 /二`弌///≧s｡　　　　　 　 　 　 　 ＼o　{γ:´: /. 代Hj （_/ ﾟ ≦===ミ 〈　　　　　　　
　　　　　 ＼/:::::::::::::/　￣￣`＜ﾉﾉ⌒＾^'弌////＞s｡　　　　　　　　 ﾄ､ ｰ〈ﾐx : ｰr-:' : : _/7´　　 　 ﾊ//｀ヽ
　　　　　 /ー‐=彡ｲ: : : : : :::::{ |┴-r--､: :/７⌒＾^'＜/≧s｡.,...r＜⌒ヽ ＞＿｀ }/7_ /／ へてヽ　　　l ＞ "
　　　　　{─ァ‐‐ｰ=ミ≧s｡.,: :| |　 /　　〈￣ {　　　　　⌒.∠二 ヽ/_￣　¨　　 　‐-===｀ ｰ┐ __ｰﾍ ,..⊥.......,,,,　　　＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　| ／　　　/　/⌒ヽ`'Ⅵ　 }　　　}ー{　　　　.(二{ { (二二≦三三ミ辷ァｧz ､-- ､ （ (＿((´::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:￣￣.:.:.:＿.:三二ﾆ=-
　　　　　く　　／￣`ヽ､　　＼〉〉　 ＼　〈／ﾍ　 　 　 　 ｀ ｰ'＞ ー-＜_っ‐─ゞr┴‐ ､:弋フ､ ＼ ≧ー r──‥…　　''''''' 　　"""　￣￣￣￣￣
　　　　　　^У／￣ヽ　}　 /　`　　　　＼＼xﾍ　　　 　 　 .｝: イ´￣￣＞￣ヽY´￣: 7 : ／ : ＼ `ｰ一リ
　　　　　＿〈　＼::::::/　}／　　　　　　　　＼＼〉　　　　　 .ﾚ _〈__xﾍ 　 　 ´　ﾉ|: : : :/: / : : : ', : : ￣￣l
　　　 ／　／＼　￣ ／　　　　　　　　　　　￣　　　 　 　 ./ 〈　　.ｨﾍ 　　　/: ゝ-:ｲl: :| : : : : :',: : : : : :ﾉ.｡
　　／　／　　 /￣　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,〈　{>=ﾐ ／r　　 ∧.: .: .:/ l: :| : : : : : ィ彡 ´､¨´
.. .Ｖ∧　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 / 　 ′ . ７ ＿ ）へ _／　 ∨.:/　.レl : :／／　∨　 〉
　 .∨∧　　　　　 　 　 　 　 　 　 __　　 　 　 　 /　　′ ／ 　 }　　　 　 　 　 ∨　　　|イr　}　 　_∨〈
　　 ∨∧　　　　 _　 　 ｒ‐┬┐　 }　〉　　　 　 〈ミxy...／　　　ハ　 　 　 　 　 　 　 　 ゞ ^ 〈__f´､　｀¨＼
.　 　 ゞﾆヽ　 　 〈人 　 j/￣｀: 　/ /　　 　 γ⌒V〉　 　 　 ./　ﾉ　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∨　 　 ｀ヽ
.　　/　　rﾟ‐＼ 　 ＼＼{　 r┐∨ / 　 　 ,. /　　 / ｀ヽ　...／／　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ∨〈｀ヽ 　 ＼
　 /{　　 {　　 },ゝ‐- .込＼_ｰ_/ ィ_|＞-y' /ゝ 'У　　.￣彡'　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 {　∨∧　　 ヽ
. /　ゞ==' 　 〃 　 {/ {　ﾍ ゞ' f //　　〃 乂7ノ　x=ｸ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ ゝｲx ‐ ､　}
λ0 　　_xｸ {{ ,.＜: : 代　{Vnｿ: :｀: ＜{{　　　　 （◎） ＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 Ⅵ　　　 jvﾄ
..__＞　（◎） j/x: : : └┬一': : : :＞f 从 ◎　 　イ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼ヽイ　 |: |
/　x｀ ¨¨¨ﾊ´ ＼ミﾏ :/ﾆﾊ: :r＜≦={ : :ゞ=≦=ｧ─z…
＼ｲ /　 /　}- ､_｀{,ﾊ{ ‐'　|: ﾊ- ‥-r '　　　　′　r ｧ
..｀>く 0 '.:/ :＞〈.:.:.{_j:!　l　|:,: :}　　/ｲr_､＿_　| ∧ ヾ
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..＞イ 　Уﾁ:/:/: :ﾐ/二二{: {: 匕: :(⌒ヾV : ∧／
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「野郎ども、構えろ！　ノーマル機規格のスナイパーライフルでも、
当たればネクストだって動きが止まる！

第一、第二分隊は射撃戦はじめ！
第三分隊は各種妨害兵器を装備してスタンバイ！

黛の部隊はパイルバンカーに換装！　隙があったらぶち込め！
ケツの穴を二つにでも三つにでも増やしてやんな！」

遥か彼方で、ノーマル隊が粛々と展開するのが見える。
ネクスト機が向かってきているにもかかわらず、一機たりとも逃げ出さず、
己の役割を全うしていた。

それだけ、自分たちの働きに賭けているのだ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5471： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/29(木) 21:33:14 ID:mrCfJXUc0

　 　 　 　 　 　 ,,.. ´　　　　　　　｀・ 、
　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　/　　　　　　　　　 　 　 　 　 ',　　　　　　　……一人でも多く生き残らせる。
　　 　 　 _l;;;;;;;;;,,,　　　　 　 ／　　 　 　 .l
　 　 　 　 l;;;;;;;;;;;;;;; 　 ､_,.ｨtﾁ　） 　 　 　 |　　　　　　　アンタにはなるべく早めに死んでもらう。
　　　　　　',.　　 /　i　　 ヽー‐ '　　　　/｀ヽ､
　　　　　　 ＼　乂人＿__ﾉ､　　　 ,. ＜
　　　　　 　 　 ＞-｀￣￣｀'　-
　　　　 　 　 　 　 ｀ー―





　　 　 　 　　｜ V /　 ィ＿ノ: / : /. : . 　 /:　 . :{从ｨｿ.
　　　　　　　　Ｖ/ ,'　　廴＿ ィ　: l: : :　 . ｌ　. :／　　 ＼: . .
　　　　　　　　｛{　|　　　 .　. : : : : |: :　　: l : :/　　＿＿ Ｖ:　:
　　　　　 　 　 ｀　|　 . . :　. : : ｲ : | | : : : : ､_廴／≦　　 Ｖ:
　　　　　 　 ,　 　 | . : : :　: : : lﾉ∠l∧: | : /ｒ≦ｨ矛了 　 //　　　 :　　　.
　　　　　　 ｛､＿ノ /. : : : : : : l´ｒ弋仗 ゝ:|　　二￣　　 /ｲ:　　　. : 　 　 : .　　　　　　　おめぇよぉ、自分がやってること、分かってんのか？
　　　　　　　ﾞー‐ ｲ: |: : : : : : :ゝ ￣　 ヽトゝ　　　　　　｛　V　　. : :　　　　:
　 　 　 　 　 　 　 l: :|ヽ : : : : : 三ｿｨ　 ′　　　　 　 　 　 ﾉ　　: : :　 :　　 :　　　　　　　　「何の話だお」
　　　　　　　　　　ゝ:{　 ＼: : : : 彡'　　 l　　　　　　　　　 ゝ　　 : : 　: . . : :
＼　　　　　　　　　 ｀＼　 ヽ: : : :ヽ　　 ヽ,,`,,, ; ; ;_,;z;; ;,　 ､）　: . :　　 : : : :　　　　　　　　
　 ｀ヽ￣￣￣｀　 ､　　　　 ﾉ: : : : : ＼ ､;;='''ﾞﾞ"~´　　　　∠ゝィ: :　　　: : : :
　　　　 :.　　　　　 ＼＿__{ : : : : : 厂∧　イ￣ヽ　　　／ヽ.／{: : : .　　: : : :
　　　　　::..　　　　　　＼　 ＼ｒｚく　 ｊ : ＼ｊ: : : : ＼／: : : : ｝　Ⅵ |: .　　: : :
　　　　　 :::i::..　　　　　　ヽ　 丶ヽヽ.V: : : : : : : : : : : : : : :/　／ヽlヽ　　: : :

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
カタストロフィに向き直る。
一秒でも早く叩き落とし、フラップアッパーを止めに行く。
この二機なら、それが可能なはずだ。

クイックブーストでカタストロフィが距離を開けようとし、
それに喰らいつきながらブレードを何度も叩きつける。
少しずつ散るのが火花だけではなくなっていき、深紅の装甲に亀裂が走り始める。

剣戟の最中、思っていたよりも冷静なサーシェスの声が水を差してくる。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5472： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/29(木) 21:36:28 ID:mrCfJXUc0

ノ : : :__ ﾉ : : /: : : : : : : : : : ,′: : : : : : | : : : :|: : :|/ｲ:／⌒ヾ.: :ヽ : : ヽ : : ヽヽ::',
_; ィ´／／ｲ/: :/ ,ｨ: :/: : : :/: : : : :／: : !: |: : :|: : :|　´　 　 　 ヽ: :',: : : :',: : : |　',:|
::: ／イ:::::::/: ,ｲ://:,ｲ: :/: ,' : : :;ィ´:ｨ : : |: !: : :|､ : |　　　　　 　 |ヽ:i: : : :|: : : |　 !|
:'´:::,::::::::: ,'／//;' /,' :/ﾚ/ : : //'´:ﾉ: :ノi: |、:｜',: :',　　　　　＿|:::i:|: : : :!: : : |　 ﾘ
::／:::::::::::′::i/::ﾚ':::! :':::,' : : :,'::::／／:;ｨ::V::ヽﾉ:::| : ﾍ.　　 ／／j:: |:!: : :｜ : : ! ノ　.ィ
'/::::::::::::::::::::｜:::::::::|/::/ /／:::/／:／,':::;ﾊ::::::::::,' : |､:', _ノ,ィ''7´! ﾉ' : : : ヽ: : :|ーく::::::
′ :::::::::::::::::::|:::::::::::レ',ノ'::／/::;:ｨ‐-/∠__|:| : /.: :ﾉ ,Xz'ﾆ´''´　|:|: : : : : : :ヽ: ',::::::::＼
::::::::::::::::::::ヽ､',___／／:::::/ ,ｲ::/ぇ‐ｧ弋ｧァ/::/.: :,'　{　|｀　　　 ﾉﾉ : : :;〈: |､: i ､ヽ、__,:
::::::::::::::: / :::::｀ーｧ'― ‐1:/::ﾚ'　／￣￣'´{:::{.: :/　 レ'　　ー'イ: : : :/}::| |,|: |´｀ー‐'::　　　　　だっておめぇ……ネクストをなくしたいんだろぉ？
::::::::::::::/ ::::::::::: /::::::::::::::|'::::::ヽ、 　 ,|　 　 Ⅵ.:,'　 ´ヽ　 　　　′ : ,',ｲ´!ﾉ:|: |::::::::::::::::
:::::::::: ,′/::::::::,'::::::::::|:::: ヽ::: ::､:｀ー'ﾉ　　　　V　　 　冫　　 / : : : {'　V:::::|:/::::::::::::::::　　　　　 笑わせんじゃねえよ。ネクストがなくなったらよぉ、
:::::::::/ヘ{ :l::::::i::::::::::::!:::::::::::: : ､ヾ¨´　,.ｲ　　　＼-､ r' 　 　 '} 、 : : ﾞXﾞヽノ':::::::::::::::::::
r''¨￣｀¨ヽV´{:::|::::|::|::::::: ::: :::: ヽ.｀二ノ ｨ' ,､_＿＿,．- '　/,'　| : : :ヽ ヽ{_, ｲ:::::::::::::::　　　　　　おまえにゃ何も残らねえ！
￣ ｀ 丶､　＼Ⅵ::::|::ヽ:::: : : :_;＞‐｀＝‐ ､_｀¨¨￣＿,, 　 ,{/　｜ : : : ヽ-r‐':::::::::::::ノ
　　　　　_＞ 、 ＼!＞' ´￣ .: .: .: .: .: .￣ヽ｀ヽ､　}::::ヽv':::ヽ /|、 : : : : ＼::::}、／:::::　　　　　　　何ができるってんだよ、おまえに！
　 　, ィ´　　 , ゝ'´ .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: . ＼ﾉ|'″::::::::＼ヽ`く ヽ: : : : ヽ Yイ:::::::::::
　／　　 , イ .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .:｀ヽ.:::::::::ヽ::ﾍ::ヽ:}　!ヽ: : : : }:', |::::::::::::　　　
'´　　 ／ヽ、__ .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: /:／ .: . ヽ.::::::::ヽﾍ::｜｜:.}:}､ : ﾊj､|::::::::::::
.　 　 ヽ、.: .: .: ｀.: ｬ‐ ､ .: .: .: .: .: .: __, .:ノﾞ´〉｀ｧ-= :/::::::::::::',:}',:|　ﾊ:,'ﾉ.:i:｜.:.j'__:::/::::
　　　　,ﾊ .: .:ヽ、 .:ヽ::::ヽ、＿_, ィ.: , イﾙ:'´: / .: .:./::::::::::::::::ij i:!/ 7ﾞ.:.:.:|: |:ノ.:.:.{ '::::::






　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾑ./　／　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　 　 ＼　　　　ヽ
　　　　　　　　 　 　 　 　 j /　/　__　--‐‐　￣￣｀¨¨ ‐　　 　 　 ' ､　　　 ヽ､　ヽ　 ',
　　　　　　　　　　　　　　{ｿ／　　　　__..-‐::¨¨7￣￣¨¨''ﾇZミ､ミ､　 ミヽ.　　　ヽ　＼l
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,ｲ 　 　_ ｨT´::::::::::::::::::ﾉ　ｨ彡ミヽ､ヽ:::::::::::::＞､　ヾ､　　 　＼ >
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀Y　／ﾊ :{　　:::::::::::::{＞''¨ ＝=　 /::::::::::::::::::从::＞.ミヽ＼　 }
　　　　　　　　　　　　　　 Y　　　人ｲ:::::::ﾊ从ｲ 　f::()ｱ　/::::::::::::::::::::ﾊ:::::::::::::::::ヽ.　ヽ〉　　　　　　　　「そんなこと！」
　　　　　　　　　　　,ｲ 　 丿　:::ﾄ￣ﾑ::::ｲ:::（　　　　　 ／::::::::::::::::::::/ .ﾊ::::::::::::::::::::＼ｿ
　　　　　　　　　 　（:::｀¨´/ 　::::ｲrｲﾂ小ヘヽ　　 　 /彡ｲ:::::::::::::::::{ﾊ.　}::::::::::::::::::::::弋__ノj　　　　　　分かるんだよ、薄々な。
　　　　　　　　　　　｀ーｧ 　 :::从ｲ　/ ヾ　　　　　　{:::{　{:::::::::::::::i| 弋　j:::::::::::::::::::::::::::::::く
　　　　　　　　　　　　ノ:/ 　::::::ノ　/　 　 　 　 　 　 ヾ　ヽ::::::::::::l|l:::ヽ彡:::::::::::::::::::::::::::ﾄ､:〉　　　　　　おまえ……俺と同類だよ。
　　　　　　　　　　　（::,ｲ　:::::::::::::.　＼　｀　　　 　 　 　 　 ヾ::::::::...　小:::::::::::::::::::::::::::::小ﾉ
　　　　　　　 　 　 　 ｿ{　 ::::::::::::∧　 ,,''　'''''''''''''''''''''小､_ノ:::::::::::　　ﾙ小:::::::::::::::::::::::::ﾊ　　　　　　　　ネクストがなくなったら無価値だ。
　　　　　　　　　　　　　ヽ､ ::::::::::/ﾊ　''ｨﾆ二ﾆ=＝一 ｀ーｲ:::::::::::　　j ﾉ　ﾄ::::::::::::::::::::::::::ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　 ヽ ::::::://∧　　,,,,,,,　　　 　 　 ﾊ:::::::::::　ノ　 　{::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ　　　　　　人殺ししかできねえ戦争屋だ！
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 丿 ::::::ｨ//∧　　　　　　　　　{::::::::::::l　八＞'''¨ヽ､::::::::::::::::::::::::ノ
　　　　　　　　　　　　ﾄー'　::::人{　ヾ/ﾊ　　　　　　....::::::::ｿ:::::::::ﾄｲ 　 　 　 　 ｀Tミ==‐彡ﾆヽ　　　　　 ネクストに乗れなくなったら
　　　　　　　　　　　　 ｀ ー＜　 ヽ　}:::::ﾄ､　--‐''::::::::::::::::{:::::::::ﾊ　　　　　　　　 i::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　､＿ ﾉ:::::ｨ:::::{￣ｱT rイ　 弋､::{　　　　　　 _＞''´￣￣￣￣　　　　　　　一気に殺される側だろうがなぁ！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ー‐´ ヾ::{''´　 { |　　　　　ヾ､　　 ＞''´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　 ｀|　　　　　　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　z ─--- _==ｧ彡|　　　|　　　　 　 ／

5473： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/29(木) 21:40:58 ID:mrCfJXUc0

　 　 　 　 　 ﾄ〈//ヽ 丶三三三三三三三三三二ニﾆ=‐＿,ｘ≦三三三三三
　　　　　　　ﾊ/,ヽ///＞- 　-r―――=ﾆ二二三三三三三三'//////////／
　　　　　 　 |::.Y´|l　へ'/三三|三三三三三三三三三三三三////,-/////.:::
　　　　　 　 ｌ::::|'/!| l::::::|l､_＜/|三三三三三三二ニ=__=ァ＝i////.::://///.::::
　　　　　 　 ∨ｌ'/ｌ| |:::: l:{　｀示ﾐ::::::::::／.//　　 _,,,ィ"¨´ Y}'/,ﾘ///ゝ/////.::.::.
　　　　　　　 .';:}'/! .';:::::l.ヽ.._ゞ'_,}::::::/　ｨ/==≦¨示＝ミ ;人/Ｌ'/‐ｧ'´7.::⌒ヽ::::;
―――― -- ﾐl:::l　.ｌ:从　　二人::〈　.::|!{!:从_　じ'　.ノ./.:::/.:::/.:/　/::.::.::.::.::.}/　　　　　　　早々にヤられた低ランクのクズども……
二二二二二二.';::',　';::ﾄﾐｚ=‐'　::::ト､〉　　ヽ　:::::￣彡./.:::/.:::/:./　/::.::.::.::.::.:/
二二二二二二/':::',　’;:.　　 　 :::;!　　　　　　　　　.,.:'::／!:::;'_.〈__;′ー／:; ′　　　　　　　 アイツらもおまえと同じだ。
二二/二二二二:';:‘;　 ヽ〉　　 ::/　　　　 　 ヽ __／..:/ ,ﾉ::＞―‐ｌｰ::.::.:／
二ﾆ/二二二二ニ',∧　ハ　　::;′　　　　　　　/.:;:::::／／.::.::.::.:::{ｌ:_,:イ　　　　　　　　　　　　いいとこチンピラのアイツらでも、
二'/二二二二二ﾆ';:∧ . ∧ 　 ヽ　‐ 　 　 　 .;':::/／／..::.::.::.::.::.::ﾘ::::人
/::,'二二二二二ニ::〉_ハ　:::', ヽ、＿_　　　　 _{／:／.::.::.::.::.::.::.:::/:／//＼　　　　　　　　　　　ネクストに乗れれば社会の英雄……
::/ニニニニニニニ}/.::/{　　i　､.｀ー　二二ア.:／.::.::./.::.::.::.::.::./ｲ'//////＼
;'二二二二二二二l!:::/.:|l . ∧.　/.:::::::　　iヽ／..::.::.::/.::.::.::.::.:／//////////,＼





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.　　　 /　 , ´　　 |　　　　　＿ｌ: : : :/: :／ヽ/／､:ｌ: : : : : :／､: : : : : ｌ　/
　　　 |　 /　　　　｀ｰ─ ´ |　|: : //／く￣ィ､ヽ ｌ:ヽ: : ／/__ ｌ: : : : : ｌ/
　　　 ヽ/　　　　　　　　|　|　|: : ',　 　‐ ｰ＾´ ソ､ｌ､: / ィ‐ ､｀|: : : : : ｌ　　　　　　　てめえの行いはなぁ、てめえの首を絞めてんだよ！
　　　　 |　　　　　　　　 ｌ　|__|＿: :ゝ‐ィ　　　　　　 　　ヾｰ　ｌ: : : ／ｌ
　　　　 | 　 　 　 　 　 ｌ´　　　 　 ＼　　　　　　　　,　　/　_ﾉ: /､　 ｌ　　　　　　　 企業連体制の時代でネクストに乗る、
　　　　 |ヽ　　　　　　 ｌ　　　　　　　 ＼　　　　　 　 　 ′ヽィ-‐´　ｌ
.　 　 　 |　',　　　　　/　　　　　　　　　 ヽ´ニニ二 ｰ-､　 /　　　 /　　　　　　　　それ以上の生き方が俺たちみてえなのに
　　　 　 ',　＼　　／　　　　　　　　　　　 ヽ::::::::::::::::｀ /　/　　　 /
　　　　　 ',　　￣　　　　　　　　　 r ､　　　 ＼ｰ-､::::/　/ 　 　 /　　　　　　　　　 あると思ってんのか！？　あぁ！？
　 　 　 　 ∨　　　　　　　　　　　 ゝ '　　　　　＼ ∨　/　　　./
　　　　　　 ∨　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ヽ　/　　　./ヽ　　　　　　　　　　ちょっとは現実見やがれよ！
.　　 　 　 　 ∨　　　　　　　　　　　　　　　　 　／ ｀　ｰ -　＿| |
　　　　　　　　ゝ───────- ､ 　 　 ／　　　　　　　　 /
──- ､　　　　|　　　　　　　　　　　　　丶　､　 　 　 　 　 　 /
　　　　　＞ ､　.|　　　　　　　　　r───--- ､￣ ` ┬--- '
　　　　　　　　＼　 　 　 　 　 　 ｌ　　　　　 О |　　　 |

5474： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/29(木) 21:50:20 ID:mrCfJXUc0

　　　　　　＿＿＿
　　　　 ／::::::::::::::: ＼
　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::＼　　　　　　　……言いたいことはそれだけかお？
　 ／:::::::::::::::::::::::::::::: 　　＼
.　|:::::::::::::::::::::::::::（ー）　.　　|　　　　　やる夫はアンタとは違うし、アンタみたいにもならないお。
　 ＼ 　　 （__人__）　.　　／





　　　 ,,, ＝＝＝＝,,
　 　〃　 ─　　─　＼
　/ 《 　 （●） 　（●） ヽ　　　　　　アンタ……たぶん、誰もいないだろ。家族とか、友達とか、仲間とか。
　|∩||　 　 （__人__）　　}}
　|∪《 　 　 ｀ ⌒´　　 ∥|　　　　　それだけじゃない。何もないだろ。好きなコトは暴力と闘争ばっかで、
　＼　 ミ三三|￣|三彡／
　_,,, ト ＿＿　兀 ＿ イ,,＿　　　　　あとは美味い飯と酒と女って感じだお？
/　　 i　 　　 　| |　　 　 i　 i





　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.－' ￣￣ ' ｰ ､
　　　　　　　　　　 　 　 　 ,　'´ 丶. -――-　._　丶.
　　　 　 　 　 　 　 　 　 , '　,. :'´.: : : : : : :. :. :. :.ヽ, - .、
　　　　　　　　　　　 　 / ／.: : : : : : : : : : : : : :. :. :.＼ ﾍ
　　　 　 　 　 　 　 　 /､/.: : : : :._ :-: .:‐:. :-: _: : : : : :.ヽﾊ　　　　　　　　　　　今のやる夫は、アンタとは違うよ。
　　　　　　　　　　 　 i　 l: : :_;.=＝､､:_:_:_:_:,:＝='-､: : : /　!
　　　　 　 　 　 　 　 l 　 l: [i　　 ＼_.､,　､__／　ヽl}: : l 　 !　　　　　　　　　　　前までのやる夫だったら、アンタみたいになったかもしれない。
　　　 　 　 　 　 　 　 ト､ l; i}´　（●）　　 （●）　{j: :/ ／!
　　 　 　 　 　 　 _, - i'´lヽl: [ｌ、 　 （__人__）　　/j: //＿｣_＿＿__　　　　　　　 けど、今は……見ての通り、自分だけの身じゃないんでね。
　　 　 　 　 ,. :':´: : ￣ﾌｰｽﾍ:ヽ>､ 　 ｀⌒´　 ,ｨノ:.//´＼: : : : : : : ¨ヽ
　　　　　　/-――-イ＿/: :i＼:ヽﾍ_,.ゝｰく∠／:./:.ﾍ.＿_｣-‐ '´￣¨ヽ:l、
　　　 　 ／ 　　　/个 　 ￣l 　＼: : : :＿_: : : ／ lー┘ 个＼ 　 　 　 ＼､
　 　 　 厶=x､.　 i　 |　 　　弋　　ヽ======イ　 /　　　｜　 i　 　 z=＝ ﾇ
　　　 ／　 　 ヾx|　 l　 　 　　丶、 |: : :|} 　 /_ノ　 　 　 l 　 /　／´　 　 　＼
　 .／＝=z､　　　l　 |　　　　　　三t!:_:_ｌ三ﾁ´　 　　　　l　 /! /　 　,r '二二¨」、

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
サーシェスのまくし立てるような嗄れ声が止む。
聞いていられないといった、不快さと苛立ちが滲み出ていた。

きっと、今自分が言ったことのほとんどに、サーシェスは共感できない。
けれど、それが自分とサーシェスを違う存在だという良い証拠だ。

自分にははやてがいる。
彼女が居てくれる限り、自分はサーシェスのようにはならない。なる必要がない。

力でも金でも手に入らないものを、自分は持っている。
サーシェスには一生をかけても手に入らぬであろうものが。

そして、その一生もここで終わる。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5475： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/29(木) 21:54:01 ID:mrCfJXUc0

　　　　　　　ﾞー‐ ｲ: |: : : : : : :ゝ ￣　 ヽトゝ　　　　　　｛　V　　. : :　　　　:
　 　 　 　 　 　 　 l: :|ヽ : : : : : 三ｿｨ　 ′　　　　 　 　 　 ﾉ　　: : :　 :　　 :
　　　　　　　　　　ゝ:{　 ＼: : : : 彡'　　 l　　　　　　　　　 ゝ　　 : : 　: . . : :　　　　　　　　ふ……
＼　　　　　　　　　 ｀＼　 ヽ: : : :ヽ　　 ヽ,,`,,, ; ; ;_,;z;; ;,　 ､）　: . :　　 : : : :
　 ｀ヽ￣￣￣｀　 ､　　　　 ﾉ: : : : : ＼ ､;;='''ﾞﾞ"~´　　　　∠ゝィ: :　　　: : : :
　　　　 :.　　　　　 ＼＿__{ : : : : : 厂∧　イ￣ヽ　　　／ヽ.／{: : : .　　: : : :
　　　　　::..　　　　　　＼　 ＼ｒｚく　 ｊ : ＼ｊ: : : : ＼／: : : : ｝　Ⅵ |: .　　: : :
　　　　　 :::i::..　　　　　　ヽ　 丶ヽヽ.V: : : : : : : : : : : : : : :/　／ヽlヽ　　: : :





　　 /: : : : : : :/: : : : : /: : : : {: : : : : : : : : :/ //／´　　　　 ﾌ//　./∧　　∧
. 　/: : : : : : :/: : : : : / |: :∧ﾍ: : : : : : : : / // ﾄ　 ∩　　／//　./: : ∧　　∧
　/: : : : : : :/: : : : : /⌒!∧､ ∧: : : : : : :{ /ｲ　{　　 ｚ＜´ 　 　 /: : : : ∧　　∧
　{: : : : : : :.|: : : : : :|　/厶云　∧: : : : :イ　 　 レイ　 　 　 　 /: : : : : : ∧　＿」　　　　　　　　　 ふざけんじゃねぇぞドチンピラが！
　|: : : : : : :.|: : : : : :| イ　　　 ＼､＼: : :.:{　二￣￣￣´　　　/: ／￣´/: :.∨　 ∧
　ﾄ､: : : : :..:|: : : : : :|　{　　∩　　冫　ヘミ≧=ｰ'　　 　 　 　 |/　　 　 {／´　　　 ∧　　　　　　　　脳味噌腐りそうなセリフ並べやがって！
　|　＼: : : :|: : : : : :|　　　　　／//　　　　　　＼　　　　　　 {　　 ／⌒　　　　　　　＼
　{ｉ　　ゝ─ﾄ: : : : :∧　ゝ-＜　ｲ/　　　　　　　　　　　／⌒ヽ　 /　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　人殺ししか能のねえ残飯喰らいのガキが！
＼|　　　　　∨: : : :ゝミ三彡　/　　　　‐-　　　　　　 ィ⌒ﾍ　 /　　 ∨
. 　＼　 　 　 ∨ﾄ: : : :≧=ｰ' /　　　　　　　　　_　 　 ／　 ｊ ∨　　 　 ∨　　　　　　　　　　　　　　そのクセェ口で言えたことかよ！
　　　∨　　　　＼＼∧　　　ゝ　　　 ‐　　　　、｀ ／／＾.ノ /　　　　　 ∨
.　　　 ∨　　　　　 ≧=ｰ　　　　＼　　　､　｀､ ／／　　　 /　　　　　 　 .}　　　　　　　　　　　　　　続きは地獄で垂れてろや！
　 　　　∨　　　　　　　∧　　　　ﾉ ｊ　｀ィ彡-￢´　　　　 /　　　 　 　 　 |
.　　 　 　∨ 　 　 　 　 　 ヽ　　　 r彡ィユ´　　　　　　／ } 　 　 　 　 　 |
　　　 　 　 ＼　　　　　　　　＼　　＼⌒´　　　　＞‐´　 /　{　　　　Y⌒Y
　　　　　　　　＼　　　　　　　　＼　　∨　　　／　 　 　 |　 ﾄ､　　　 ゝ ノ
　　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　　ヽ　 ∨　イ　 　 　 　 |　 　 ＼
　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　　､　∨ /　　　　　　|　 　　　＼

5476： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/29(木) 22:01:09 ID:mrCfJXUc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 j}　 　 　 /　　　　　 f´　　 ,′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 j}　　 　 /　　　　　／　 　./_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 jI斗ｬ≦j} 　.___/ 　 /_／　　 ,.。＜　　　　　　 　 ＼＼
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,ト､/ヽ/ __　　　j} ／-/　　/　 　 　 / 　 r‐､　　 　 ＿＿_ 　＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾄ{:V: i :}: :／_:_}__／-､!- /-'´{／{_／i{ ./　 r ' 　 ー‐＜｀ヽ、　　 　 ＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　＜:jI斗＜:-:-:_'ノ/　　}､　　／　 }!　　}＿_／　 　 　 　 　 　 ｀ー―‐､_ ＼!
　　　　　　　　　　　　　　　　 _ -//ヽ　 }､:_:_/ /--､/:｝　´　　 〈 　 /　　}_　　　　　　　　　　　　　　 ＼_ ＼
　　　　　 　 　 　 　 　 　 _ -　 //__jI斗＜>､!〈　　/::/-/　{　　/　/　　//　≧s､　　　　　　　　　 　 　 ＼_ ＼
　　 　 　 　 　 　 　 　 ／, ＜ ＞ﾟ´___　　 　 i　ヽ/ﾟﾞ´／ ／　 /／｀ヽ,//　　　　 ＼　　　 　 　ゝ/　　　 　 ＼_
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　 　 　 　 _ -　　　　　 jI斗ｓ≦、＞--- ' 　 |! ,}, ／ /　 /､_/／_｀ヽ　　　　｀ヽ__ｒ_－'i/　 / 　 ヽ
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　　 　 。＜＞ﾟ´ 　 　 　 　 　 , ＜ {／＿,}　 ' ´__ノ､>､　 ＞-､ ／ }　}ヽ　　　　 人 　,/ 　 　 ／





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾏﾑ ﾏ 圦　　 　 　 　 　 　 l　　i　　　7 l!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾏﾑ 〉 ﾏiﾄ,　 　 　 　 　 　 i　　frｘ　7　l
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 l!＼　　　　　　ﾏ〈∧ ¨_%　　　　　 　 　 ﾚ　ﾉJ‐v　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　l!　ヽ　　　　 　 ﾏ ヾ r┘% 　 　 　 　 ∩ﾏｲｨゝ={　l　 i圦
　　　　　　　　　　　　　 　 　 l!　　ー ､　　　　〉x `ｰ zｺ,　　 　 　 l　l }　j!ﾑ¨∨ 　 l　ヽ
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 l!　　　　＼＿｡x　 寸　it　V　　 　 l　i! V i!　〈 'l　　r'　　ヽ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 l!Ε∃　　　　　ヽ　寸 l 匕!　　　 l!　l! l　i!l　 !_」‐‘　　 Εヽ
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 」　 　 　 　 　 　 X　寸i! ヽY　 　l!　i! !　i!l　∧}､　　　　　 廴＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　＿ ,. 。｡ - ‐ = ＝ ﾆ 二 ￣!　　　　　　　　　　X　寸f　ゝ, 　 l　iY气i!v f‐〈 ヽ　　　　　　 `ｰ─ ＝ ﾆ ￣　　　　　＼
／　 　 T'￣￣￣￣￣￣￣￣　　　　　　　　　　　ヽ　从r‐ﾏヽ iｘzi/x-､,xﾏ　i!　Y　　　　┌─ =＝ﾆ "￣ ,.。｡-‐=´￣
　　　　 .i ┌──────────‐┐　　　　　ヽ　 ヾ　 ﾏVﾑ /7几f }ﾏ　l　 l＿ ＿ 　l 　 ,.。｡-‐='"´
＝＝= ┴└─-=ﾆニ二, ＿＿　　　　　 i　　　　,.zr=ゝ＝'ヾ　ﾏ〉:){fYU jﾉ! ﾏ　l7⌒ ﾏ　 ７￣
￣￣￣￣｀⌒ " ' ﾆ = ｰ ‐ -､￣ｘfゝ三三三＼´　 V 寸　) ヾrt}'i弋i ,//ﾉ　.ﾏ」!乂ｿ ﾏ_,ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ゝミ zｮ　　　　　人､__」､　〉<ゝ ヽｰヾ ｀iII」'i!　 l　 l　 /､　ﾉ }
　　　　　　　　　　　　　　　　　 〈ﾄ､'＜,.｡s=‐<´　`ｰ-=ゝ::Y/7ﾑヽ　ヽ :同.i!ﾑ .l　l,//寸＼ﾉ
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＿ ,. 。｡ s -‐=　ﾆ´::::::::::::::::::::::ﾏIiIiIjノｰ= ＜´　　 　,ｨfﾊ ,｡sゝ＼`tzｧｲ T i!_　￣　　 j-‐`( ＼￣ TT'x
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:::::::::::::::::::::::::: : ＞s1´　　　　　 　 7乂〉　　 　 / <:ヽ乂ｰ／　　 .l l￣7 　 寸ｰ=､ )ノ´ヽｰヽ, ＼`＜＼ヽヽ 　＼
::::::::::::::::::＞s1´　　　　　　　　　　7　　　　　　(ゝ､_彡'　　　　 　 l`ｰ/　　　 ´( Y｡s≦　 )::::::ヽ　＼ `'x＼´　　　＼
:: ＞s1´　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　`ｰ'　　 　 　 　 　 lｰ/　　　　　ﾏ‐彡T　ノ､;: イ　　 .＼ .`x＼ 　 　 .＼
´　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｰ'　　　　　　 ` ｰ=' ´　　　　　　　　＼ `'x＼ 　 　 .＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
サーシェスの怒号が響く中、滅茶苦茶に振り回されるブレードを
バックブーストで躱し、飛び退きながらレーザーを撃ち込む。

まともに射貫かれた肩部が赤熱し、一呼吸おいて爆発した瞬間、
ミセリコルデの追撃が入った。

爆破の衝撃で硬直した一瞬の隙を突かれ、突き立った白い二刀は、
カタストロフィのメインブースターに当たる部位を刺し貫いていた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5477： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/29(木) 22:08:23 ID:mrCfJXUc0

　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　l
　 　 　 　 　 　 　 　 　　　　　　　',
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　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　_,!－' ￣￣ ' ｰ ､　 　 　 　　, - '´
　 　 　 　 　 　　　　　　　　　,　'´ 丶. -――-　._　丶.　 _,　'´
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　　, '　,. :'´: :|!; : : : : : : : : ヽ, - '、
　 　 　 　　　　　　　　　　/ ／: :, : : :ﾍ|: : : : : : : : /: :＼ ﾍ
　 　 　 　 　 　 　 　 　　/､/: : : :i: : : :〉!､.ｲ_,､_; :イ: : : : ヽﾊ
　 　 　 　　　　　　　　　i　 l: : :_;└ ､｣ 　 　,:┘;.-'-､: : : /　!
　 　 　 　 　 　 　 　　　l 　 l: [i　 　＼-､, ､_ゝ／　ヽl}: : l 　 !　　　　　　　　　　　　おまえはその腑抜けた理屈を翳す奴に負けるんだお！
　 　 　 　 　 　 　 　 　　ト､ l; i}´　（●） 　　（●） ｛j: :/ ／!
　 　 　 　 　 　 　 　_, - i'´lヽl: [ｌ、　　（__人__） 　 /j: //＿｣_＿＿__　　　　　　　　 おまえの好きな戦いでな！
　 　 　 　 　 　,. :':´: : ￣ﾌｰｽﾍ:ヽ>､ 　|r┬-|、　,ｨノ:.//´＼: : : : : : : ¨ヽ
　 　　　　　　/-――-イ＿/: :i＼:ヽﾍ_,.ゝｰく∠／:./:.ﾍ.＿_｣-‐ '´￣¨ヽ:l、　　　　　大人しくくたばっとけお！
　 　 　 　　／ 　　　/个 　 ￣l 　＼: : : :＿_: : : ／ lー┘ 个＼ 　 　 　 ＼､
　 　 　 　 厶=x､.　 i　 |　 　　弋　　ヽ======イ　 /　　　｜　 i　 　 z=＝ ﾇ
　 　 　　／　 　 ヾx|　 l　 　 　　丶、 |: : :|} 　 /_ノ　 　 　 l 　 /　／´　 　 　＼
　　　／＝=z､ 　 　 l　 |　 　 　 　 三t!:_:_ｌ三ﾁ´　 　　　　l　 /! /　 　,r '二二¨」、
　 ／　 　 　 　ヽ　 ｣l, 　!　　 　　　　´|: : :!´ ｷ　　　　　　l　 /ゝ　 　/ '´ 　 　 　 ヽ
／　 　 　 　 　 　l／ ﾍ　',　 　 　 　 　!: : |　｜　　　　　/　/´　＼ / 　 　　 　 　　ヽ
　 　 　 　 　 　／　 　 ヽ ヽ　 　 　 　 |: : j　 l! 　 　 　 /　/ 　　　 ﾞヽ、　 　　　　　　ヽ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
藻掻くような挙動を見せるカタストロフィに対し、頭上から吸収する。
一直線にブレードを突き出しながらブーストし、その切っ先を敵機の胸部に
打ち付けた。

コックピットに当たる部分の装甲が割れ、刀身を受け入れたと同時に展開させる。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5478： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/29(木) 22:12:34 ID:mrCfJXUc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ｌ￣!i|　　|!　i!　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ ＿＿i!|　　|!＿ L__!i__i|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i!|　＿　　　　　＿ _＿|i|!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿i|￣|i＿ 　 |!´i!ﾞ｀|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣｀ﾞ!|i　　i!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i!|￣￣　　　＿￣L__!i__i|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／｀ﾞ≫|i!　　!|＜´＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣｀ﾞi!|　　|i￣i!　　!|i!
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!　　　　　　　　　|i!　|　　　　　　　　　　　　　　　￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'　　　　　　　　　|::i　i!|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　iヽ　　　＿　＿ノ从ﾒ#ヾ'人ヾ:;:ー-　．..、
　 　 ／/ 　 ,ゝ-{≧ｓ。、　　Vﾑ　　 |　　{ .! 　 　,′.}／ヽ　　　　　.＼　　　　　ヽ　　__ﾉ;;;ヾ=二三　:;:;:　:;：;:;；・　　，｀ﾞヾ:;:;:;:;::;:;:ヾ
.　／　/　　!　,′　　 / ｀ﾄ. 　Vﾑ 　 |　　ﾏV　　,′V!　　 V/ 　 　 /¨{.丶　　　　　》:;:;;#ﾉ彡三二三 」──　二=≡≡＝ヾ:;:;:．，ゝ　──　─　i!二二二｀７
, '　　/, ＜,'!　!　　 ／ 　 ! ヽ、Vﾑ.　|　 　.ﾏV .,′　.〉、 　 V/ 　 / 　 　 ＼丶　ヾ，:;'ﾞ´'人i从'※'iﾐ彡∠ﾞ´　　　　　　　｀ヾ:;:;　；:;:レ'　　　　　　　 　/７∠／
　 ／　　 {i !　i__／　　／＼　}　ヽﾑ,|　　　 ﾏV　　./　 V/ /　　　〉,　...,。ｓ≦}ヽ ＞ 。´川彡／ｒ-三ﾞ´　　　　　　　　　　　｀ﾞヾ;:;　;:／　　　　　　　〈_/
../　 　 　 V!　　　　／　　　ヽ{≧ｓ{　　　 　 　 　 /　　/ー‐‐, ＜　 V/￣ ￣ }　＼　　｀ヽ、 ／´ﾞ　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ：;川;;;;;;;;／'
i{,　　 　 　 '!__＿／､＿＿ 　 }!　　{!　　　　　 　 /　　/　 　,/　　　　.V.V　　 /　 /-＼.　 　＼ 　 . :　　　　．;:　::.　　　　　　　　　i|!i《:;:;:／
i{　≧s。., __＼　＼　＼　 ＼ }!　　{!　　　　　　/　　/　　 ,/ 　>ー‐＜ V　/　 /i!　 　＼.　　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |《巛＜´　ﾞ
,}　　　　　　　 ヽ--ヽ-' ヽ--ヽ!　　{!.　　　 　 /　　/　　 ,/ ／ ＼＿_＼ .¨ﾟ　 / i{　　　 　｀ヽ.、　V/　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾞ!|i!i|ヾゝi!二二二｀７
{　　　　　　 ／　 　 　 　 　 　 }!＞ﾟヽ----- ' ｀ヽ'　 　 /イ　　／　 二.i/ 　 /　i{　　　 　 _,.　-ﾏ　V/　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |i:;:#i!`i'|!i　/７∠／
.',　　　　 ／　　　　　　　 　 ／＼　　　　　　　　　＼ ./｀ヽ_／　 　 　 .ヽ--.'V/i{、 ＞ ﾟ´　　　　ヽ, V/　　　　 .＼'　　　　人ﾞ-─∠　ﾞ｀　　　　〈_/
　ヽ--- 〈　　　　　　 　 　 /　　ヾ＼　　　　　　　　　ヽ＼/　　　　　　 ∧＿V/ V　 　 　 　 　 　 V}!　　　　 　 >ヾ'ﾞ´　::::::::::::;;;:#i|!　i|ヾ
　 ,s≦ミy}!　　　 　 　 　 /.　　　　ヾ＼__　　　　　／　}!　＼...ヾ、　　　　　ゞ'ﾞ´　 ヽ、　　　　　　　 }Ｖ/ 　 .ｒ'ﾞ´;;;;;;《'ミﾞ´i三二＝ヾ　ﾞヾ
　{三{ilililil}}! 　 　 　 　 　 V/　　　　 ￣ヾ＼ 　.／　　 }!　　i}　 ＼＼　　,:;'ﾞ´:;:;:.、`・　.＼　　　　　　 }! ヽ、i|!#　i!iﾞ´　　　　　　　｀ﾞヾ:;　:;て
　｀ー― ' }!　　　　　 　 　 V/ 　 　 　 　 .＼／　　 ／ ＼__i}　　　＼ヾﾐミi!#ﾞ─＜#i!`|ﾞ´｀ヽ､　　　　}! 　 ＼　;:;!ii　　.::'ﾞ｀　　　ﾞ::.、　i|!ﾐ　　／
　　　　r-{,'　　　 　 　 　 　 V/　 　 　 　 ／ヾ＼／　　　／ 　 　 　 ヾ:;i!iﾞ´'ﾞ´:::;;;:》i|!iﾞ`　　 　 ヽ,　 　}!　　　 {＞ ､ :　　　　　:　　　　ヾ:;．、て
_　　　 i /　　　 　 　 　 　 　 V/. 　 　 ／　　 ／＿___.／　 　 .─＝二て　人从#ヾ|＼/人从..r≦.､ }!　　　 {　 {_!＼.i∧ノ/《ヾノ！　　ノ/人从／
. ヽ___ノ,'　　　　　　　　　　　　V/　 ／　　 ／＿__＞ﾟ´　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 {ilil三}.i{;　　　{　　 ＼ ＼
　　　 .,′　　　　　　　　　　　　｀ヽ'._＿_／　 Vﾑ　 　 ',　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 {ilil三} .i{;　　 {i　　 　 ＼ ＼
.　　　,′　　　　　　　　　　　　 r＜　＿＿　　.Vﾑ　 　 ',　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｀ー､'　 i{;　　{i　　　　　 ＼ ＼
　　 .,′　　　　　　　　　　　　, { /／ 　 ／!　　.Vﾑ　　/ー‐ｧ　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼ .i{;.　 {i　　 　 　 　 ＼ ＼
　　/{　　　　　　　　　　 。＜　{,_'＿_.／　 |　 　 Vﾑ_./　　/ ∧　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 {! .ヽ、{i　　　　　 　 　 ＼ ヽ, .∧￣￣
＞ﾟ´.{　　　　　　　　,＜＿__　　|ヽ／|　 　 |　　　／　　　/ 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 V　　Y＼.　　　　　　　　 ﾏ i/　 V/
_ ＞ﾟ ',　　　　　　　,′　　/｀ヽ,|　|　.!　 　 !　.／＿＿__/ 　 /　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 V　/　　＼　　　 　 　 　 i/　 　.V＿
　　／≧､　 　 　 /＞。._/　 　.|._＿_!　　 .i／　 |　　　 |　 /＞-＜　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 Y.　 　 　 ＼　 　 　 　 ∧　　 /
＞'ﾆニ{__}　　　 /　/　/　＼／　 .／　　　|　 　 !＿＿_|_./　/il{　{ ヽ　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ! 　 　 　 　 ＼　　　 /　 V//
二}＞'｀ヽ }ヽ 　 V/__/　 .／　 .／　 　 　 .!　 ／ ',　　/　　 {ilil{　{　 }
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
ミセリコルデがすぐさま離脱するのを確認した後、レーザーを撃ち込んだ。

展開された刀身でコックピットブロックが押し潰された挙句、
コアパーツの装甲が弾け飛んで火を噴いたと思うと、
数える間もなくそれは視界を覆うほどの爆炎と化した。

もはや生きてはいられまい。これ以上構う必要もないだろう。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5479： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/29(木) 22:18:00 ID:mrCfJXUc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　-　―　-　..
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,. . '" : : : : : : : : : : : : ≧　、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : :､: :ヽヽ、
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,ｲ: : : : : : : : : : : : : : :'､: :', : : ', : : ',: ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉイ: :, : !:.,､,ィ: : : : : ､: : ',: :', : : ',､: : !､: :',
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 , ' : : : : !: :!:.!ﾞ" ',:,: : : : :',: : :',: :',: : :',､ヾ.ﾉ: : ',
　　　　　　　　　　　　　 　 /: : : : : : !: :!: ! 　 ',',: : : : i!: : :!',: ',: : :!'／ヾ: : :',
　　　　　 　 　 　 　 　 　 /:.!: : i: : : :! : i',!- ､ ',',',: : :i:!',: : !.!: i!: : !_: :ヽ!: : : ',
　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,':,:.i!: : i: : : !:.,､:',,,＿_ i!',',: : !,,=f＝=､: : :! ヽ: :! : : : ヽ　　　　　　　　　　　　「カタストロフィ、沈黙を確認」
　　　　 　 　 　 　 　 　 ,':,'!:!i: : :!,: : :!: ',ヾ､i:::示 i:!',: !　 !っ刈.i: : !　! : ',: : : : : ＼
　　　　 　 　 　 　 　 　 i:i ',:',', : ',ヽ: :!',:.'､ 弋Zﾘ ﾘ ヾ　 ゞ､汐 !: :i.イ: : :', : : : ヽ: : ヽ、　　　　　　　　よっし、大してかからへんかったな。
　　　　　　　　　　　　　 i!　',i ヽ: ', ヾ! ヽ.'、 　 　 ,　 　 　 　 ,'!: :!: : ',: :.:',: : :ヽ: ヽ:`ヾ､、
　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　ヽ',　ヽ!: : .丶、　 ー―'　 ／,':./ !､ :'､: : '､ : : ＼: ＼: ヽ,　　　　　　さーて、やる夫君の胸のつかえも
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,',-ー―.≧　 _　 イイ:,':/　　! :!,ヽ: :ヽ : : : ＼ヾヽ: ',
　　　　　　　　　　　　　　　　 , ィ　￣,' ヽ　　 , ィ./ニﾆイ　/ｲ ,　　!ヾ,',:',＼:ヽヽ,: : :ヽ:',ヽ:i　　　　　 取れたやろし、ノーマル隊の救援いこか。
　　　　　　　　　　　　　　　　i　i!　ィー- ゝイiヾ::i　/　　　/ ／ ヽ .!　 ＞ ､ ヽ:i ヽ: : : ',i　i!
　　　　　　　　　　　　　　　 /　i!//　 ／,::ヽヽ',::::ヽ!　, イ !/,　--ヽ!　　 　　_ヽ!　 ',:iヽ: ',　　　　　　 ぱぱっと終わらせたるで、な？
　　　　　　　　　　　　　 , イ　ノｲ__／イ:::::::::ゝ',.イゝ::::::::::ノ､　　　!　　, イ"､　＼
　　　　　　　 　 　 　 ／ィ ￣￣ .／:::::::::､､イ.イ:::::::::::::::::ヾ;;;'､　　i ／　　　　ヽ _ヽ
　　　　　　　　　　 , '.／　　　 　 !::::::::::::::i.iヾ;;/::::::::::::::::::::::::::::::',　ゝ'　、　　　　　　 `ヽ、
　　　　　　　　　　／　　　　　　, ',:::::::::::::',',';:::!::::::::::::::::::::::::::::::::::`,ー--､ニニﾆ￣￣￣￣＞.､
　　　　　　　　 ／　　　　　　／　 '､:::::::::::',',',::',:::::::::::::::::::::::::::::::::/'/｀ヽ　 ｀　　、 ｀ヽ　　　　　 ＞.､
　 　 　 　 　 , '　＿_　 　 ／　　 　 {ヽ::_::_:'､.'､:'､::::::::::::::::::::::::::,ｲ,iイ.　∧　　　　｀ヽ、＼
　　 　 　 　 i　　　　 ヽ'"　　　　　 r 三i::::fﾆニｿ丶::::＿::::::イ::/. 　 　 　'.,　　 　 ∨ ヽ、ヽ、
　　　　　　　'､　　　 　 ヽ 　 　 ,、 〉":,､:／／::::::::::::::|三三＞〈　　　　 　 ',　　　　∨　 ＼ヽヽ、
　　　　　　　　ヽ　　　　　ヽ ／, !/:::::::ヽヽ':::::::::::::::::::::::::::::::＞ｿ,、　　 　 　 ',　　　　∨　　　ヾ、 ヽ、
　　　　　　　 ./ .＼　　　　 ヽ',.:',.',､::::::i.!i`':::::::::::::::/ ニニニﾆイ　　 　 　 　 ',.　　 　 ∨　　　　ヽ

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はやての涼し気な声かけに応じ、踵を返す。
こんなことで一喜一憂していられない。

サーシェスに対しては因縁浅からぬ関係ではあったが、
感傷に浸るのは後から幾らでもできる。

ノーマル隊に襲い掛かっているフラップアッパーを食い止めねば。
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5480： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/29(木) 22:22:10 ID:mrCfJXUc0


　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|　　　　　　　　さて、今回はここまでだ。
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,　　　　　　　　ちょっと眠くてね……でも許してほしい。普段モコイさんは3〜5時間睡眠。
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|　　　　　　　　こういう時に生活リズムを少しでも整えていきたい。
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´





　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',　　　　　　　　　　……今年が終わってしまうね。色々あった。
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ　　　　　　モコイさんは満足に創作活動ができていない影響で自己肯定感がボロボロだ。
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ　　　　けど貧乏フリーターに戻っても、それはそれで辛いだろう。
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'　　　　　割と八方塞がりだ。えっちで金持ちな女のヒモになりたいね。
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ





　　　　　　 　 ,- ‐‐ -　､
　　　 　　 ｒ‐ｲ: : : : : : : : :｀,
　　　　　　i /○　○: : : : /　　　/｀ ､
　　　　　 　i_ _ _ : : : : : : :{　 　 / : : /
　　　　　　 ｀,_　_｀=-: : : :| 　 ノ : : /　　　　　　こんな状態の>>1についてきてくれたスレ住民には感謝しかない。
　　　　　　　i: : : : :_: : : : :'y´ : : : /
　　　　　　　｀-‐､´: : : : : : : : : ／　　　　　　　　そろそろちゃんと終わらせないと、その内したらばが終わったら強制エターだし……
　　　 　 　 　 　 ﾉ : : : : : : : : i´
　　　　　 　 　 / : : : : : : : : : :|　　　　　　　　　　　モコイさんも頑張っていきたいと思っている。
　 　 　 　 　 　i: : : : : : : : : : : !
.　 　 　 　 　 （｀ー‐-　　-‐　_}

5481： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/29(木) 22:28:06 ID:mrCfJXUc0

　　 ＿＿＿＿__
　　丶::::::::::::::::::::/　　　ｶﾀｶﾀｶﾀ
　　　|:::::::::○::○　　＿＿＿＿＿_　　　　　　　　今は……実はモコイさん、職場で専門的なPC作業をしている。
　　　|::::::::::ｰ=‐::i　｜　 |￣￣＼　＼
　　　.>::::::::::::::::く＿.|　　|　　　　|￣￣|　　　　　　そこから繋げていけば、いつかリモートワーク可な仕事に就けるかも……
　　 /:::::::＼＿:::::::::::|　　|　　　　|＿＿|
　　 |::::＼::::::::::::つ　|＿_|＿＿／　／　　　　　　　 そしたら創作時間も確保できそうだよね。いや、超楽観的で安直だね。
　　　:::::::::￣|￣￣￣￣|　　〔￣￣〕





　　　　　　　　　　　 _ _ ___ __ _　 　＿＿
　　　　　　 　 　 　/ :::::::::::::::::: :i, 　 .ヽ::::::＼
　　　　　　　　　　 i:::::::::::::::::::::: i　 ／　＼ 　＼
　　　　 　　　　　　i :::::::○::::○i／ 　 　　￣￣
　　　　　　 　 　　/ :::::::::,,- -_ｯi　　　　i i i　　　　　　　　　　今の仕事はタイミングを見て辞めるか、死にかけたら逃げるつもりだ。
　　　　　　　　　 /::::::::::｀ー‐'´ヽ 　 ＿＿i i i--i
　　　　 　 　 　 /|::::|::::::::::::::::::|:::|　 ￣￣￣|::::::::|　　　　　　　どのみちどこかで死ぬと思うし、今の状況はモコイさんの本意ではない。
　　　　　　　　/::::＼ヽ :::::::::::::i:::|　　　　　 ﾉ＿_ﾉ
　　　　 　 　 /::::::::::::＼＼::／|:::|　　　　　　　　　　　　　　　　未だにエルデンリングは発売当日に買って未だにストームヴィルだし。
　　　 .　　　（_ _.)￣i __.＼＼ |:::|　　　 i i i
　　　　　　/::::::/|￣|ヽ:::::　し（ メ　　　 ﾉﾉﾉ　　　　　　　　　　　ペルソナ5Rはまだ二学期だし、モンハンライズはMRひとケタだ。
　　 　 　 /::::::/ﾉ_ _ﾉ　>:::::） 　 　 ＼
　　　　／:::／　 　　/:::／　 　 　 　 ＼＿＿　　　　　　　　　　　……そりゃ病むわな。ゲーム好きの書きもの好きがこんな生活してりゃ。
　　　/:::::/ 　 　 　 （＿つ　　 　 　　 /:::::::::/
　　　し'　　　　　　　　 　 　 　　 　 ノノ・ ./∴:・:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　~~~~~~~

5482： ◆x0SRSoJXe.：2022/12/29(木) 22:33:45 ID:mrCfJXUc0

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　　幸いモコイさんは帰省の予定もないし、最近は友人とも疎遠、女にも相手にされてない。
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　　年末年始も投下だ。そうだね、1/2の……午後八時だとちょっと早いなやっぱ。九時にしよう。
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　　それじゃ、良いお年をね。今このスレを見ている人たちの無病息災を願うよ。
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i　　　　一人減ったら、それこそ誰も見てくれなくなるレベルのスレだからね……シーユーアゲイン。
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

5483：安価のやる夫だお：2022/12/29(木) 22:41:52 ID:9qnrIkcI0
乙

5484：安価のやる夫だお：2022/12/29(木) 22:51:20 ID:7LpdYKrQ0
乙でした

5485：安価のやる夫だお：2022/12/31(土) 14:28:48 ID:XyXxfM7E0
乙

5486：安価のやる夫だお：2022/12/31(土) 16:36:50 ID:qkfDCBVI0
乙

5487： ◆x0SRSoJXe.：2023/01/02(月) 21:03:38 ID:hIox4oY60
　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _l　　　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

5488： ◆x0SRSoJXe.：2023/01/02(月) 21:09:21 ID:hIox4oY60
　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',　　　　　　　　　　あけおめだねぇ。チミたちは良き年始を過ごしているかい？
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ　　　　　　モコイさんはケツ穴から血が出た。ケツ穴確定だ。止まらねえぜ。
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ　　　　　はじめていこうか。
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

5489：安価のやる夫だお：2023/01/02(月) 21:15:09 ID:/xmu2.pQ0
ハロー
病院行きなされ

5490： ◆x0SRSoJXe.：2023/01/02(月) 21:24:18 ID:hIox4oY60

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 iV　i|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |　　ﾚ'}　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |i　 　 |　 /(_ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 }　 　 |iV 　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 　 　 　 　 　 i}　　　　　　　　　　　　 　 |i　 　 i/　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　|ﾄ､　　　　　　|　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |i　 　 l　/　/　　 ／　　/　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　iﾉ|　 ＼|　　　　|i　　｀　、　　　　　　　 　 l､ノ　　　　（__/ﾚ'i／/　　|/（／i　　 　／
　　　　　　　　　　　　　　　　| 　　　 |ﾄ､i　　 |i　　　　ヾ　　　　,'　　　　|i 　 　 　 　 /　　／　　/ｉ　　　ﾚ'　／(___／ ／
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼ﾉ　　 　 l 　|､　 i|ﾄ､　　　　　　　　　 　 　i |i　 　i|　 　 　i／ 　 ﾄiノ 　 　 /(／ 　 ／レ' ／
　　　　　　　　 　 　 　 　 ､ﾉ＼ 　 　 　 |　∨　{/i　　　　　　､ 　 i　　i|/　　iﾉ|i　 　 /|　 i／|　　　　　　　　　　 /／{
　　　　　　　　　　　　　 　 }　　　　‘，　 　 　 　 |　‘， 　 　 i＼ﾉ|＼/l 　 ﾉ| i|　　 /|（／|　　。゜　　・　　　　　　 ／
　　　　　　 　 　 　 　 　 / }　　　　　 　 　 　 　 i|　　　　＼ﾉ　　ｉ|　 ＼　　　　 　/i／　　　　 　 　 　 　 　 　 ／
　　　　　　　　　　　　　/(　｝　　　　　゛　 /}　　ｉi|/　,/(　　}＼　　　　　　　　‘　　　　、 　 　 　 　 　 　 　 ／
　　　　　　　i　/　 i　 / /{　}ﾄ､　 |　　　　}/　　　ﾚ'i/　i/i ､i　　　　i　　,′　 　 　 　 　`　　　　 　 　 　 ／(／ ／
　　　　　　　|/{　　|iﾚ' 　 i＼i　＼|iﾉ 　 　　 ＼ 　 ､　 / iﾚ'＼　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿　　　　　　　｛／（_／／
| 　 | 　 /　 ,|　iルﾉ　　　＼ﾉ　　　　　　　　＼）＼ﾉ＼　　＼ﾉ 　 ¨　　 　 　 |i　　　　　　　　　i|　　 ゛　　 ／　／ﾚ'
|ﾄ､ル'{/(__/ |　：　　ヾ　＼ﾉ　　　　　　　　＿ﾉ＼　　　＼iﾚ' ＼　 　 　 　 　 |i　　　　　　　　　i|　　;　　　　　　　／__
　　　　_　　-‐=≦}=‐　__　　　　　　 　＿＿）＿　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |i　　　　　　　　　i|　　　　 ／　　イ￣
　 r''´　　＿＿＿ﾉ､_　　¨＼　_,ｒi|ﾄ､　　　￣）￣￣　‘，　　　　　　　　 　 　 |i　　　　　　　　　i|　‘，／　　,ｒi|
　 {=={／/////////≧==ｱ'/:i:i:ｉ|i　＼_　＿}__　　　　　　。゜　　_　　　 　 　 |i　　　　　　　　　i|　　　r‐i/} |
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視界の先、荒廃したビルが森の木々のように立ち並ぶ中で、
交戦による喧騒が見えた。

絶えない銃声とマズルフラッシュが目と耳に焼き付く中で、
断続的に爆発が見える。

ネクスト機が撃破されたとき程の規模ではない。
あれはコジマタンクの破損によるコジマ爆発だからだ。
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5491： ◆x0SRSoJXe.：2023/01/02(月) 21:34:10 ID:hIox4oY60

　　　　　　　 　 　 　 　 　 ﾄ、
　　　　　　　 　 　 　 　 ＿| |
　　　　 　 　 　 　 　 　 {ﾆ,| |　ﾄ、　　 ,ィi〔}　　,/〉
　　　　　　　 　 　 　 　 {ﾆﾆ込|=i 　 ,/二/　ア,/ｱ　＿＿
　　　　　　　　　　 ィi〔ﾆ∨二=|=|二/二/　√/ /ミｔ､　　 }
　　　　　　　　　　＼＼＼二,/乂=,イｱ〈 ／ﾆ／ﾆ=,/≧=/ /^ｉ　　 ≧=――=≦
　　　　　　　　　　　 ＼＼二ゝ__,)示/ア )ィi〔＞''”/二=/　'　i|ィi〔＞''” ⌒⌒`〜､`､
　　　 　 　 　 　 　 　 入ﾆﾆﾆ,/ﾆ=!／〈＿_..斗≦二二/ﾐﾆ|　i|⌒　　　　　　　　　　ヾ ,
　　　　　　　　 　 　 /ﾆ∧ﾆ=/ﾆ／二ﾆｉ二二二ﾆ=‐＜r==|　i| 　　　　　　　　　　　　寸}
　　　　　　　　　　 ‐=／　　 ゝｲ＜〕iト |二／＿`〜､ﾆ,{二二ﾉ,_　　　　　　 　 　 　 　 } }
　　　　　　 　 　 /ﾆ/　 　 　 {ﾆ{乂ﾆﾆ{ﾆｱ/二ﾆ/　　`寸二二∧　　　　　　　 　 　 ／ノ
　　　　 　 　 　 〈二)　 　 　 i{ﾆ{二二二アニﾆ/＜　　　＼二ﾆ∧　　 ＿＿＿ィi〔＞''”
　　　　　 __　　　⌒　 ＞ミィ=ヽ|二二ﾆ/ﾆﾆ／寸/　　　　 ＼ﾆ==‐／〈r‐=≦ ⌒
　　　　 /ニ}iト　,､丶`ﾆ／ニニ,)二ﾆ／‐=≦=∨`､　 　 　 　 ヽ二ハ /
　　 　 〈-彡ﾆﾆ}iト,＜ /二二／ゝ=く ィi〔／∨=∨∧__　　　　　^)ﾆﾆ,＼
　_..斗≦`〜､二ﾆﾆ＞‐‐=≦　　 　 〈,=〈二=∨=∨二∧　　　　乂ﾊ二/
　 ⌒^⌒　　　`〜､/(　)二(　　　　　 ＼,＼ニ∨=∨ﾆ==‐ 　 　 ,/∨〈^
　　　　　　　　　 　 }二{二∧　　　　　　 `〜､=∨二∧ﾆ=‐　　 /=‐
　　　　　　　　　　　 ‐=〈‐‐ｱ　　　　　　　　　}ﾆﾆ∧ィ=`､ﾆ込 /==‐
　　　　　　　　　　　 }二〈二ﾐ　　　　　　　　　}ニﾆ∧＼二ニ,/ﾆ=‐
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　　　　　　　/二ﾆ=‐∨ﾆ〉⌒^　　　　　　　　　　∨ニ∧　アﾆ=‐
　　　　　　　ゝ――‐ ゝ〈　　　　　　　　　　　　　 ∨ﾆﾆ／ﾆ=‐/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾏ／ﾆﾆ=‐/
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／ﾆﾆﾆ=‐
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／二二ﾆ=‐(
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／二二ﾆ=‐ィi{∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／二二ﾆﾆ=‐/}　V,ﾊ＿
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／二二ﾆﾆ=‐　　 Ⅵ彡ハ}
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／二二ﾆﾆ=‐　 　 　 Ⅵﾆ乂ア}
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／二二二ﾆ=‐　　　　 　 Ⅵ=／=‐
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／二二ﾆﾆ=‐／　　 　 　 　 乂{二=,}
　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／二ﾆﾆ=‐,＞''”　　　　　　　　／/込ア
　　　　　　　　 　 　 　 　 ／ﾆﾆﾆ,､丶`　　　　　 　 　 　 　 ∨Ⅵ/
　　　　　　　　　　　　　 　 ￣￣　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼},′

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ビル群が更地へと姿を変えつつある中、その中心にはフラップアッパーがいた。
黒い影が炎の中を飛び交い、刃を振るっている。
振るわれるたびに、装甲が切り裂かれ黒煙を上げる音がする。

その姿を視認すると同時に、オーバードブースターを展開した。

こうなって当然の光景だと、頭では理解していた。
ノーマル機でネクスト機を止められるわけがない。

それでも、自分の中の冷静さを蒸発させるには十分な光景だった。
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5492： ◆x0SRSoJXe.：2023/01/02(月) 21:48:25 ID:hIox4oY60

_))　 / /　　 / /　,.<　　　l 　 |　　 ヽ　　　　　 ＼ ＼　 　 /
彳　|　|　l　 l　|／　 ＼ ､ ゝ　l　　 　 V　|　　　　､＼ ＼ /_
｜　|　|　ｌ　 Vｒｆ＝＝ミ.ヽ＼` ＼　 　 l V　　l　　 ｝ /＼/　 ＼
｜　|　|　　､ l ﾘ　　ィ心＼ヽ＼__, 　　 l/　　 '　／∨　　|
｜　|　|　　 ﾄl　 ､__廴ｆｿ　ﾊ i ￣　　　/　 ／／＝/　/ /＼
∧　|　|ーゝ.＼　　￣｀`　　　　　　∠. ィｧ≦Ｚｚ.ノ　ィ /　 /＼　　　　　　　　ほお、やっと私に振り向いてくれたというわけか……
　∧＼＼　　 ｀＼　　　　　　　 　 ,　　´心ﾊ｝　´iｱ //　 /　//
＿_∧　ヽヽ 　　　　 　 　 　 　 　 {　　 弋_ｆｿ_／　//　 /ヽｘ/　　　　　　　　 しかし、二機がかりとはいえ、かなりの速さでカタストロフィを
　　 |∧ ∧∧　　　　　　　　 　 　 〉 　 　 ｀ ー=彡 　 /　 / ∨
ﾍ　｜｜　|　|　　 ,_　　　 　⌒　∠ノ　　　　　, ' 　　 /　 /　/　　　　　　　　　片づけたものだな。大したものだ。
〈∧ﾍ.｜　|　|　　｛ﾆﾆ_ ､_　　　　　　　　　 ／　　 ／ .／　 ' ／
　Ｖ〉 ヽ　｜_|　 　ゝ　　｀ ｀ﾐ _ ､_　　　　／　_　 ´_　 ´ ／／
　 =＼　＼＼＼　　 丶､ 　　　｀ﾝ`　 ／　／　／ 　.∠／





　　　　＼.ヽ　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿,〈　/
.　　 　 　 ＼ ヽ　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 , ／　　_）く｀ヽ
　 　 　 　 　 ＼ ＼ ＿　　 　 　 　 ｨ　lヽ　{ヽ 〃　 ／　　　 Vj　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 . , : :γ⌒ヽ
.　　　　 　 　 　 > ｲ　 ⌒ヽ （ {　/: :二 ∧, //'　 /　　　　　oﾊ　　　　　　　　　　　　　 　 __. . ＜: : : { : : {{　　 }}
　　　　　 　 　 ,′ ′　　　 ヽ＼､: :|ﾍ ヽy/ { {､ j 　 o　＞===ト ､　　　　　　　　　 . . ＜〃: : : : : : : 弋: : ゞ=="
　　　　＿＿＿{ 　{　 　 　 x=ミﾏ＼ﾄ∧__}!Y:i ｀ ´ 　 ／　 ．-──＞　　　. . ＜ : : : : : : {{: : : : : 斗　　´
　　　 ヽ　 　　 ∨人　　 〃 　 }}:|.:| ヾfY{l|人ゝ0_ 斗＜　￣ミ ＜ . . ＜: : : : : : : : : : : 斗 ﾞ　´
　　　　　 ＞､　 乂o ）　 l!ゞ=彳: Ⅶ:.圦刈 : : 7三} ヾｲ ヽ . ＜: : : : : : : : : 斗　　´
　　 　 ／ 　　` ＜ 　 o　} ' T: : : :ⅦLHУ:／ﾆ＞. : :´ : : :_:_ 斗 r≦_ ヽ
　　 ／　 　 ， 　 / (>ｰｲ＿_L_ミ=ｘ: :斗r≦: : : : : 斗r≦ (ヽヾ ' ＼ﾏヽ｀ }　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　クソっ、遅えぞおまえら！
　　　-─=､ ｱ丈＞　/ / ＞ ヒ Y: : : : : :斗_ｧ､´＿　 V く xへ　　　>: : ｿ
　　　　　 　 (/　＼ く r[]: : : : : : ゝ≦ｭ :|: : : :ﾘ: :_: ､ヽ ＼ ヽヽ ヾイ彡"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 もう少しで死ぬとこだったぜ！
　　　　 _r≦.:＼ 　 ＼弋ニ:_:（(＞＜LT:l､「: f:（＿）､＼}　 ￣｀¨´
　　　rf_ z//_ - ＼　/! f ﾆ⊃ｰ //､_ヽ ──ﾄ､Y /:.:＼＼
　 　 　 _//　_/7＜` 弋i{三}: :Y:/ゞ-ｿ-──j´ }/: : : : :＼|
. 　 　 / /　/ /_'∠.:＞､__ﾍ: : .:∧: :{ : r──}: :〈 : : : : : : :j ＼
　　　 {＿フｰ,.斗-r∨: : : : : : : /.:〉∧ ∨: : :ﾊ∧∨: : : : :/､＼ ヽ
　　　 　 　 /!　／／∨: : : : : /.:/|: : :＼∨/　' ∧∨: : :/　 Yへ ｿ
.　　 　 　 / {＿__ヽ／∨: : : /.:/ l|: : : : :`r' ＼　vﾍ∨: :l/ r／ ｲ
.　　　　 γ⌒ ､　＼:.､ ∨: /.:/　 |: :＿: : |　　 ヽlVﾍ∨:|!_」/ ､ ﾊ
　　　　 /　/　　`フ l　} ﾊ :}:/ 　 :|´l.:.:.:.l｀|　　 　 {ヾ〈 ` ミ〈＼r ｿ、
　　　／　 { ＿／ z弋＿ ゝ'　　　| :i.:.:.:.i: |　　　　∨l ヽ　｀_}Y´ﾍハ

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ディランディの悪態が聞こえるあたり、隊長機は何とか生き残っているらしい。

辺りにはノーマル機の残骸がごろごろ転がっており、血の代わりに重油の
河を作っていた。
脱出して逃げ惑う兵の姿も見えない。
それもそのはずだ、そんなことをすればコジマ汚染でやられてしまう。
機体の爆破炎上に巻き込まれるか、コジマ粒子に晒されて死ぬかの二択だ。

レーザーを撃ち込むと、フラップアッパーは軽やかに跳びあがった。
IGIOフレームらしい身のこなしだ。
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5493： ◆x0SRSoJXe.：2023/01/02(月) 21:54:51 ID:hIox4oY60

　　　　　　　 　 　 　 ,ｨ　　　　　　　_　　　　　　　　　　　 ､__
　　　　　　　　　　　 八＿＿_　　 ´　　　　　 ､_　　　　　　ヽ ＼
　　　　　 　 　 　 　 ゝ　　／　　　´￣　　　　　 ＼　　 ＼　　 ､ヽ
　　　　　　　　　　　　 ア　 ,　／　　　　｜　、　 　 ヽ　 ヽ＼　 ヽ＼
　　　　　　　　　　 　 /　／ /　　　 　 l　| l　|　 |　　 l　　 丶ヽ　 ヽ ヽ
　　 　 　 　 　 　 　 /　/　 ,　　　　　,　 ﾑハ|｜|　　　　　 ヽi　　　 l　 ',
　　　　　　　　　　　l　/　 /　　　　 /　/　　 l/l/　　　　 ､、　＼ 　 l 　 !
　　　　　　　　 ｒ　　レ 　/ ,/　　 ! ' ／,. ≦￣＼_　　　＼＼ ―丶 ＿_,ﾚ　　　　　　　　　　　かつて、私は部隊を率いていた。
　　　　　　　　 |ー '/ ／／|､l　　l 「／ｒ公ﾃ〒　ﾘ　/ / ﾑ｀　ニ＝-　 ､_ヽ
　　　　　　　　 ゝ__｛´厂　､|Aゝ　ﾄl〃　ﾞ='_ノ　 丿ｲノl ハ )｜｜| l　｜| ｀`　　　　　　　　　　IGIOのノーマル隊だ。
　　　　　　　　　　　Ⅵ |　 ｛ｨ汚i､!　　　´　　　　　´ /'　〈　/ 丿 / 　,!/
　　　　　　　　　　　 `トlゝ _ゝ７　｀　　　　　　　　　　　　ｒ'_／　/　　'l′　　　　　　　　　　　　ネクスト戦役にも参戦したが、
　　　　　　　　　　　　　　　 ﾝ　　　　　　　　　　　　　　　|　| ｌ　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　 ゝ _　^　　　　　　　 　 　 　 ﾉ　Ⅵ|　 l |　　　　　　　　　　　　　　　その八割は生還させられた……
　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　 _,,.. -;;ッ'ﾞ　　　　 　 　　　川 |　､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 `､｀¨二　　　　　　　　　＿＿_jﾑ＿l≧ｚ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 丶 　 　　　┌ｆ‘”￣　　　　　　　　　　￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ',　　　　 _| |　　　　　　　　　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　┌ｒ―……ゝ-　＜　| |　　　　　　　　　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　｜|　　　　　　　　∧ | |　　　　　　　　　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　｜|　　　　　　　　 _」_| |　　　　　　　　　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　｜|　　 　 　 　 ／ノ　| |　　　　　　　　　　　　　　 ／｀"ー- ,,,__





　　　　　　　　　　　　　　　　-ー＝=‐-､_､_
　　　　　　　　 　 　 . ≠　＿　､　 　 　　 ｀､ヽ
　　　　　　 _　　　／´ ／　　　　　 　 ‐- 、 ヽ＼
　　　　　　ｆ(＿／ 　 /　　 　 　 |　　 ､　　＼　 ` ﾐ､
　　　　　　廴／　　 '　　　 　 l　|、　　ヽ　　､ヽ　　＼
　　　　　　 / 　 　 / /　　　　ｊ　|､＼､　| 、　ヽi　 、　ヽ
　　　　 　 ,'　　ーナ7　　　　/ 丿 ￣｝ ハヽ 　丶　ヽ　l
　 　 　 　 |　| 　 ｛　{,　　 　 ／　　 ノ',. -‐弋 　　ヽ　Ｖ
　　　　{､_ﾉ /　　 !　ハ　 　 |　　　 ／x===ﾐ､ヽ ｌ　}､＿≧ｿ　　　　　　　だが、IGIOと敵対関係にあったオルデンブルクのネクスト……
　　　　` ￢　 　 ﾍ┼‐ゝi､　{　ー彳〃!勾i　`_ﾉル' ハ｜
.　　　　 　 |　|　　{｀ﾏ丁心ミ≧-　　　ｊ斗”´￣　ｌ个　l ト　　　　　　　　　高町なのはのマーシフルと任務で相対した時は、
　　　　　　ヽ ﾄ､ ､ヽ　_)_少'　 }　　　　　　　　　　 (ｒ' ﾉ/
　　　　　　　｀ー〒个　　　　〈　　　　　　　　　　 _／/　　　　　　　　　　　私を除いて全滅したものだ。
.　　　　　　　 　 弋ム　 　 　 ﾍ　＾ 　 　 　 　 　 }1　{
　　　　　　　　　　 `　ﾍ　　　 　 _,. -―ｧ　　　　/ !l ド､　　　　　　　　　　　私としては、黒いネクストを相手するよりも恐ろしかったよ。
　　　　　　　 　 　 　 　 ＼　 ‘≪_ _　´　　　　 ′ｌｊ |
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､　　¨¨´　　　／　 /'i/
　　　　　　　　　　　　　　　　'､＼　　　　／　　/　｛
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ　 ー‐ ´　　 , '　　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　_}　　ヽ 　 　 /　 　 ゝ





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│　　　　　　　　 ＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
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│　　　　　 ／: : : : : : : ＼,　´: : : : : : : : : : :‐-､　 ,ｨ彡'´　　　　　　 　 │
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│　 　 　 ′: : : : : : 〉'ミz: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :｀ヽ　　　　　 │
│　　　　i: : : : : : : / z‐- : : : : ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :‘，　　　...│
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5494： ◆x0SRSoJXe.：2023/01/02(月) 22:02:51 ID:hIox4oY60


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.. ... .. ..／　　　　　　　　　 }　　 l　 　 ＼　　　　　 　 ...:∨:l 　/::::::::::|　/　　j:::::::..　　　＼ 　 　 ＼　/ ./:::::::∨:::::::/　　 ∨ {
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　　　　　 ....:::::::　　　　　　　　　　　　 /　　　　 　 　 　 　 　 ＼/ 　 　 　 ＼　　　　 ＼　　　　　＼　 　 　 　 |

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「復讐ってワケかお」

ミセリコルデと十字砲火になる形で左右から乱射するが、
変則的な動きでその全てを避けられる。
QBの推力もそうだが、そもそもの出力が高い。
今のマーシフルやシュクヴァールと同等の速度が出ているようだ。

「いいや、そんなことは考えてはいないさ。
戦争だ、殺し殺されの世界だ。私も、人を恨めるような立場ではない」

息一つ乱す様子もない。
こちらも出鱈目に撃っているわけではないのに、恐ろしい冷静さと反射速度だ。
会話しながらも、動きが鈍ることはない。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5495： ◆x0SRSoJXe.：2023/01/02(月) 22:08:44 ID:hIox4oY60

　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 _　-───-､_
　　　　　　　　　　　　　 ﾄ､＿,　´＿_　　　　　　ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　 ゞﾆ　／　　 ｀　　￣＼　 :.└ ､
　　　　　　　　　　　　,. ´　 /／　 . :.:.|:.:.:.　 :.:　ヽ　　　 ヽ
　　　　　 　 　 　 　 /:/　 〃　　.:.:.:.:.:|:.l:.|:.:.　:.:. :i　:.　ヽ　',
　　　　　　　　　 　 ｊV:ー彳.:　.:.:.:./:.:ハい､:.:.:}:.:.:.:.:l:.:.:. l:.:.:l
　　　　　　　　　　彡':/:.:.:ﾊl:.!:.:.:ノiイ≦=ｚ‐|:〃:.{:.:.:＼:.:ヽ:.|
　　　　 　 　 　 　 .｛:.{:.:.:.{弐{:.:.{ﾞ了代zﾘ 》ﾉ'/:.:∧l､＿≧≠‐　　　　　　　　　それでも……恨み辛みはさておき、雪辱戦はしたかったがね。
　　　　　　　 　 　 　 i:.i:ぃ_似:.:l　　　￣　 ノ彡'（　)　}:.:.:､{
　　　　　　　 　 　 　 ` ミﾄﾝ´ ￣　　　　　　　　〈 ノ /:.:.:.:「　　　　　　　　　　　だが悲しいかな、彼女は汚染により機体を降りた。
　　　　　　　　　　　　　　l ＼ ､　　　　　　　　　_,.ｨ´:.:.:／
　　　　　　　　　　　　　　'、　,.........._　　　　　 丿, ｊ/:.l:.|　　　　　　　　　　　　　高町なのははガラスのエースだったというわけだ。
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ‘,二￣　　　　　　 //{:ｌ:.ト!
　　　　　　　　　　　　　 　　丶　　　　　 　 　 /　 いﾊ　　　　　　　　　　　　　　絶望したよ。あれ以来、私は生ける死体と同じ。
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ゝ＿　 ィ　「「￣￣￣￣￣｀丶
　　　　　　　　 　 　 　 　 ＿＿＿_｝　 　 l::!　　　　　　　 　 |　　　　　　　　　　　一生、部下の死と部隊の敗北の雪辱を雪げずに
　　　　　　　　　　　 　　 |::l　　　　ｊ　　　」:{　　　　　　　　　|
　　　 　 　 　 　 　 　　　.l::|　　　ノｴ´￣ l::|　　　　　 　 ─┴z‐- 、　　　　　　　　生きていかねばならない、とね……
　　　　　　　　　 　 　 　 .l::l　　 //:::ヽ　 ｛::!　　　／　　　 ／:::::::／￣＞ｚ‐-､
　　　　　　　　　　　 　 　 !:|　_//::::／ヽ　!::!＿＿＿＿_／:::::::／　 ／／
　　　　　 　 　 　 　 　 ィ＾!:| //::::Y　　 ﾚ ^ヽ――- ､:::::::::::::－-ｖ:::／
　　　　　　　 　 __ .ィ::::::レ^{ﾞ/::::::::l　／　　　 ＼　　 /:/￣￣￣厂
　　　　　　　　/ l└i_／ 　 l !:::::::::ﾚ　　 　 　 ／ 　 /:/　　 !　 /
　　　　　　　./　「￣{　　　 l !::::／　　　　 ／　 　 /:/　　 ｜ ,





_))　 / /　　 / /　,.<　　　l 　 |　　 ヽ　　　　　 ＼ ＼　 　 /
彳　|　|　l　 l　|／　 ＼ ､ ゝ　l　　 　 V　|　　　　､＼ ＼ /_
｜　|　|　ｌ　 Vｒｆ＝＝ミ.ヽ＼` ＼　 　 l V　　l　　 ｝ /＼/　 ＼
｜　|　|　　､ l ﾘ　　ィ心＼ヽ＼__, 　　 l/　　 '　／∨　　|
｜　|　|　　 ﾄl　 ､__廴ｆｿ　ﾊ i ￣　　　/　 ／／＝/　/ /＼
∧　|　|ーゝ.＼　　￣｀`　　　　　　∠. ィｧ≦Ｚｚ.ノ　ィ /　 /＼　　　　　　　　だが……どうだ、その仕上がり具合……！
　∧＼＼　　 ｀＼　　　　　　　 　 ,　　´心ﾊ｝　´iｱ //　 /　//
＿_∧　ヽヽ 　　　　 　 　 　 　 　 {　　 弋_ｆｿ_／　//　 /ヽｘ/　　　　　　　　 かつてのマーシフルとはちょっと違うが、
　　 |∧ ∧∧　　　　　　　　 　 　 〉 　 　 ｀ ー=彡 　 /　 / ∨
ﾍ　｜｜　|　|　　 ,_　　　 　⌒　∠ノ　　　　　, ' 　　 /　 /　/　　　　　　　　　その強さ、昔を思い出させてくれる。
〈∧ﾍ.｜　|　|　　｛ﾆﾆ_ ､_　　　　　　　　　 ／　　 ／ .／　 ' ／
　Ｖ〉 ヽ　｜_|　 　ゝ　　｀ ｀ﾐ _ ､_　　　　／　_　 ´_　 ´ ／／
　 =＼　＼＼＼　　 丶､ 　　　｀ﾝ`　 ／　／　／ 　.∠／

5496： ◆x0SRSoJXe.：2023/01/02(月) 22:12:38 ID:hIox4oY60

　 　 　 |　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／二/　　　　　　　　　　_..斗≦‐=ﾆﾆニニ二二／
＿　 　 |　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／‐=ﾆ/　　　　　　　　　／‐=ﾆﾆニニニニニニ／
ニ`〜､,|　　　　　　 　 　 　 　 　 ／‐=ﾆﾆ/　 ＿__ _..斗≦ア‐=ﾆﾆニニニニ二二／
二二二|　　　　　　　　 　 　 　 _ ‐=ﾆ二＞''”二／‐=二／‐=ﾆニニニニニニニ/
二二二|i　　　　　 　 　 　 _　 √‐=ﾆﾆニニニ/‐==ﾆ／‐=ニニニニニ二二二/
二二二|　　　　　　　　 ／ |　√‐=ニニニニニﾆ=‐/ﾆﾆア二}iト二二ニﾆﾆ=‐
二二二|　　　　　 　 ／　　|　{二ﾆ=‐癶i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:_..斗}=ﾆｱ‐=ニ=‐寸ﾆﾆﾆﾆ,／　　　,､丶`　　　　　　　　この際、君でもいい……！
二二二|　　　　　 ／　　　 |　 ∧＿ゝ=r‐=≦⌒:.:.:.:|,‐={‐=二==‐,ﾊ_..斗≦　,､丶`
二二二|　　　　／　　　 　 |　　ﾊ:.:.:.:Y:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|,‐={‐=ﾆ二ﾆ=‐}　 ,､丶`　　　　　_ ‐=ﾆ　　　　　　 私を満足させてくれ！
二二二|＿　／　　　　　／|　　{圦:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |,ﾆ圦‐=二=‐､丶`　　　　　　_ ‐=ﾆ二二
二二ニニ／　　 　 　, ‐=ﾆ| ≧=‐/,: |:.:.:.:.:.:.:/‐=ﾆﾆ|‐=二ゝ､丶`　　　　　　　_ ‐=ﾆ二二二　　　　　　　ネクスト戦役の亡霊と化した私を、
ニﾆﾆﾆ／　　　　　／‐==ﾆ|/ﾆﾆ=‐_:ｉ|:.:.:.:.: /,ﾆﾆﾆﾆ|=､丶`　　　　　　　 _ ‐=ﾆ二二二二二
二ﾆﾆ/　　　　　／‐=二二/‐==ニ∧|:.:.:.:./‐=ﾆﾆ丶`　　　　　　　　 ィi〔ニニ=‐｀`〜､、ﾆﾆ　　　　　　　 討ち果たしてみせるがいい！
二ﾆ={ 　 　 　 /‐=ﾆﾆﾆﾆ〈‐=ﾆﾆニニニニニニニ|⌒´_ 　 　 　 　 √二二二二ﾆﾆ=‐｀`〜､、
二ﾆ=| 　 　 　 Ⅵ,‐=ニニ∧ﾆﾆﾆ=‐ ‐=ﾆﾆニニニ|　　´_　　 　 　 √二二二二二二二二二
二ﾆ=|　 　 ＞‐=ﾆニニニニ二二二／`寸ニニニ|　 　 ´_　　　　√二二二二二二二二ﾆﾆ
二ﾆ=|　 ／‐=ﾆニニニニニ二二／ニニ,∨ﾆﾆ二|　　　 ´_　　　√二二二二二二二二二二





　　 　　　,,, ＝＝＝＝,,
　　　 　〃　　　　　　　　＼　　　　　　（ん？　ちょっとおかしいお。こいつ……IGIOのノーマル隊だったのかお？
　　　/ 《　　 ─　 　 ─ 　 ヽ
　　　|∩||　 （●） 　（●）　 }}　　　　　　ってことは、ノーマルACでなのはさんのマーシフル相手に生き延びたのかお？
　　　|∪《 u. 　（__人__）　　∥|
　　／＼　 ミ三∩_ノ ⊃彡 ／ゞ　　　　　ブライドルランク11って話だったけど）
　/　　乂 ゝ _／ ＿ ノ ＿イ,＿)
　(　, ′ヽ ／　 ,,;;; ｲ/　　 i　　i
　 ＼　　 " ` ､ ／￣￣i￣"　 )

5497： ◆x0SRSoJXe.：2023/01/02(月) 22:25:58 ID:hIox4oY60

　　　　　　　　　 　 　 　 　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |
　　　　　　 　 　 　 　 　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: : |__
　　　　　　　　　　　 　/:∧::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |
　　　　　　　　　　　　 ∨∧:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: : ／ }
　　　　　　　　　　　　　∨∧:::::::::::::::::::::::::::::::::::: :／::: : i
　　　　　　 　 　 　 　 　 ∨∧＿＿＿::::::::::: :／::: : ／}―― ､　 ＞――――
　　　　　　　　　　　　　　 ∨＿＿＿＿＼／::: : ／:: /::::::::::::: ／::::::::::::::::::::::: : ―――┐　　　　　+.:　｡+　.:　*ﾟ+　+.:
　　　　　　　　　　　　　　　 ＼＿_∨:: ￣ r ⌒ }:::::::::}:::::::::::／: : ‐=≦:::::::二ﾆ=‐‐=ﾆ二}:: 　｡+　.:　*ﾟ+　+.:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/^ ＼＿_::::::::::: ,ｲ}/ : : ／: : ﾆ=‐‐=ﾆ:::::::::::::::::::::::: ≧s。+　 ﾟ　ﾟ　+　。*　｡ﾟ.:
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /:::::::::::::: : ^ヘ :/　/ ＜/::: : r¨¨¨¨¨}:::::::::::::::::::::::::::::::::}　 ! ＼｡　.:　*　　　　+　　 +
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 i::::::::::: {///}＼.｡＜::: : /::::::::::::::::::::::: i::::::::::::::::::::::‐=:: /　 } ／ 　:.*。 .: *
: : :...　　　　　　　　　　　　　　　〉――┐ ィi〔:: r‐=≦ ＞＜ ≧‐≦ゝ‐=≦::: : /:: /‐=≦　　｡　.:　　　+　　 +
: : : : :....　　　　　　　　　　　 　 f:::::::::／:}:::::::::::/:::::::::::/:::::::::}::::::::::::::::::|::::::::::::::::::/⌒
. : : : : : : : :....　　　　　＿_　　　乂／: : :i‐=≦:::::::::::/::::::::::: i￣}::::::::: :|＿＿_／
　. : : : : : : : : :.＿＿r:::::::::/＿＿≧=‐＜＿＿＿／:::::::::::: : }__/::::::::::::::::} }
　　　: : : : /:: ／:::::::::::::::: {::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: : /: : ＞｡:: : //
　　　　　　 ⌒{::::::::::: : ＿ｉ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: : /::: : /::::::::::/〈
　　　　　　　　i:::::::: : /::: : ＼≧s。＿＿＿＿＿:::::::::::: : /::: : /:: ＼/ /: ＼
　　　　　　　　 ￣￣≧‐=≦　≧s。: : ＜::::::::::::: ¨¨¨¨¨7: : /:: ｡＜／＼: : ＼
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /:::::::::≧s。:::::::::::≧=‐‐=≦: : ＞''´::::::::: ヽ: : }

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
語り終えるや否や、フラップアッパーは急制動をかけたかと思うと、
前触れなしの連続QBで瞬きの間に肉迫してきた。

赤い熱線の刃が右手の発生装置から形成され、振り降ろされる。
済んでのところでバックブーストを吹かすものの、その長い刀身に
プライマルアーマーの膜が引き裂かれた。

制波装置が瞬間的にダウンし、警告音が鳴り響く。
侮っていた。この機体のレーザーブレードは、市場に普段降ろされているものとは
少し違うようだ。

出力もさることながら、刀身も長い。
発生時のプラズマが未だに大気を帯電させている。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5498： ◆x0SRSoJXe.：2023/01/02(月) 23:00:32 ID:hIox4oY60
申し訳ない、新年早々あまり体調がよくない。

今回はいったん中止だ。

次回は……木曜日が色々と立て込んでてね。

1/12木曜日の午後九時からとさせていただく。ごめんよ。

5499：安価のやる夫だお：2023/01/02(月) 23:03:58 ID:Ml4mivNY0
乙
体は大事にね

5500：安価のやる夫だお：2023/01/04(水) 20:33:02 ID:iCKWRY1w0
乙でした

5501： ◆x0SRSoJXe.：2023/01/12(木) 21:00:50 ID:5TVa8Suc0
　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _l　　　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

5502： ◆x0SRSoJXe.：2023/01/12(木) 21:13:33 ID:5TVa8Suc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /　　　　　　　　　前回は中断してすまなかった。男の病弱なんて誰得だってね。
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i　　　　　　　　　　トライガンのリブート……でいいのかね？　アニメが始まったね。
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ　　　　　　　　　　 みんなは見ているかな？
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i　　　　　　　　　　モコイさんも通勤中にアマプラで見たが……
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |　　　　　　　　　　トライガンしてたね、ちゃんとね。
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘　　　　　　　　　　ただ、絵が内藤康弘さんの絵じゃないのがつらあじだね。
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」　　　　　　　　　　声も違うしね……思い出を塗り替えるレベルではないね。
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´





　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　　　予算の関係なのか、スケジュールの関係なのか、はたまた別の思惑があるのか。
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　　　個人的にはこれで金が集まって、アニメ版トライガンマキシマムが
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　　　世に出てくれることを夢見ているよ。
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i　　　　　はじめていこうか。
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

5503： ◆x0SRSoJXe.：2023/01/12(木) 21:31:48 ID:5TVa8Suc0

┌──────────────────┐
│　　　　　　　　　＿_　__ - ―‐ -. .､　　　　　　 .│
│　　　　 　 　 ／: ;／: : :ﾍ: : : : :_: : : :ヽ　　　　....│
│　　　　　　 /／/l: : : : : :ﾍ: : : : : :.:.: : :ヽ　　 　 .│
│.　　　　　　´ ./: :|: : : : : :/〉: : ::::::..: : : : i　　 　 .│
│　 　 　 　 　 l: /|:|: : : : :l/: : : ::::.::::.:.:.: .:.|　　　....│　　　　　　グラハム・エーカー……
│　 　 　 　 　 |/八| : : : :l:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.::.i:.:.:.|　　　　│
│　　　　　 　 　 　 |: : : : :|ヽ::: : :: : : :::j:/ﾘ　　　　│　　　　　　 何の後ろ盾もなく、ランク11にまで登り詰めた男。
│　　　　　 　 　 　 |: : : : :乂_ -‐-､:／′　　　　 │
│　　　　　 　 　 　 |: : : : :! , ,≠＝==　　　　　......│　　　　　　　純粋な実力だけで言えば最高クラスと言ってもいい。
│　　　　　 　 　 　 |: : : : :|/ 　　　　 丶　　　　.....│
│　　　　 　 　 　 r |: : : : :|￣￣￣￣:::｀::.､　　......│　　　　　　　やる夫君、油断だけはしないで。
│　　　　　　　　　l::|: : : : :|:::::::::::::::::::::::::::::/:}　 　 .│
│　　　　　　　　　l::|: : : : :|::::::::::::::::::::::::::/:::l　　　..│
│　　　　　　　 　 |::|: : : : :|::::::::::::::::::::::::/:::」　　......│
└──────────────────┘





　　　　　　　　　　 __´￣￣二ﾆ=　、
　　　　　　　　／　　￣´ 　　　　　　ヽ
　　　　　 　 /　/ｨ　　　　　　}i　　　　∧
　　　　 　 /ﾔ'7=ﾆ二二二≦_｣Ｌﾍ/　 ∧
　　 　 　 ;　 /＼_　　､＿　￣Ｖ⌒{ 　 / }｝
　　　　　:; 　}(●）　　（●　）　〉 人 /　/^}　　　　　　　　　　　　　　　了解。ちなみになのはさんが以前戦った時は、
　　　　　 '､ {（　ｨ'　　　　u.　/／Ｌ {__/(__/
　　　　 ＿{へ≧＾ゝ､___ノ_z彡二弐≠ ＞／￣￣ミヽ　　　　　　　　　　どうやったんですかお？
　　　　r{_ `ｰ=＜三＞'’ ）二二 ／　//　　　___　　　＼
　　／/ ｛＼　　｀￣　 /二二／/ 　/ｲ　　 Ｙiっ) -┐　 ＼　　　　　　　　「えっと、結構純粋な斬り合いになったかな……
　｛　　Ｖ 〉　　　　　　〈ﾆ二彡イ　 ｛ ｛　 　 }｣つ）二! -02 |ｌ
　｛　 　 i ＼ 　 　 　 /｝ト､　　 i　 /八ヘ　　￣´　　　　　 |ｌ　　　　　　　　射撃戦じゃケリが着かなくて、結局斬り倒した」
　　)〉=ﾆi　　＼＿∠_//ｚ/＼　i／　　＞　_　　　　　　 　 /ｌ
　　　汀 i　　　 〔_二//￣　　 ＼　　 /￣７ 　 ＞＝-≠〈/　　　　　　　　　あまり参考にならないな……！
　　 ！| iﾄ　　　　＼　　　　 　 　 ＼/　 /　　　　　　勹[_]
　　　　　｀v 　　　　＼　　　　　　　 ＼/　　 　 　 　　/　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　 ＼　　　　 　 /

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ブライドル、つまりは企業連の有力者たちの寄り合いが決めた
ブライドルランクにも、様々な要素が絡んでくる。

実力もそうだが、企業への忠誠心や貢献度、裏での癒着、
四大企業に擁立された出自の持ち主と、実に様々だ。

強さだけでトップランカーになるのは、ほぼ不可能だろう。
そんなことが可能だったなら、アルトリアやクーガーはランク１かそのあたりだ。

つまり、純粋な力だけで、政治色が強いブライドルランク上位に食い込んで
いたこの男は、それだけのリンクスだということになる。
政治の場ならともかく、戦場では最高位だろう。
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5504： ◆x0SRSoJXe.：2023/01/12(木) 21:40:00 ID:5TVa8Suc0

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　　　　　　　　　　 __..斗 ‐=ﾆ√ﾆニ√ﾆ=/ニニﾆﾆ／　　 ,_..斗≦⌒ 　 /
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　　　　　　　　　　／‐=ﾆニ二二|ﾆﾆニ,乂=‐ 〉ィi〔　　　　 　 　 　 ＼二／二二ﾆⅥ
　　　　　 　 　 ／‐=ﾆ二癶ニニ,|＞''”　　　　　　　　　　　　　　　　　＼‐=ﾆ二/二
　　　　　　　　ゝ‐==≦　　 ＼二|　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼‐=/ﾆﾆ

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互いに敵機を攪乱せんとクイックブーストで軌道を滅茶苦茶に変えるが、
どちらかが付いていけなくなるということもなく、互いに食らいつく形となる。
いわばドッグファイトの形になっていた。

度々接近してはブレードを叩きつけようと振り抜くが、
直前で軌道をずらされ躱されるか、細身の刀身の腹で受けられた。
目まぐるしく視界が回転し、地上と上空が入れ替わる中、
散るのは火花ばかりだった。

当たれば真っ二つだろうに、隙が全く見当たらない。
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5505： ◆x0SRSoJXe.：2023/01/12(木) 21:45:01 ID:5TVa8Suc0


　　／:::.:::.:::.: ／ ／::／.:. ﾄ、.:.:.:.:.:.:.ヽ:ヽ ヽ
.　/:::.:::.:::.: ／ ／::／.:.:.:.:.:| | :ト､:.:､.:.:.:ヽ:ヽ ヽ、
　':::.:::.:: ／ ／::／.:.:.:.:.:.ﾄ. !ﾊ.:| -｀¨ヽ:.:!:丶:Y /
/:::.:::.:::/　,:'::／.:.:.:.:.:.:.:.|| |:i!|ﾚ'¨￣},, !:ﾉ .:. 〉 '
!:::.:::.::/　/:::'.:.:.:.:..:.:.:{.:.:.i| ﾚ|||{ {j,∠.ノ'.:.:.:.／
|:::.:: /　,'::/.:.:.:.|:.、.:.:.＼ﾍ ,j| ｀ '＾ー -‐ｧ'　　　　　　　　　　　ええい、その程度か！　
|:::.:::i　 ':∧.:.:.:.ﾄ､ヽ、 :. ヽY_＿,　 　／/
|:::.:::|　|::|:::||.:.:.ヽ:＼:ﾏ''{ﾌー‐'´ 　 〈ヽ.ヽ、 　／　　　　　　　 見込みはあるようだが、やはり彼女には至らぬようだな！
ヽ::: |　|::∨!.:.|､:､ヽ ,＞′　 　 , --=、ヽ ><ﾞ　／
　 ＼　､:ﾉ∧:| ヽ＼ヘ、 ＾　　/／¨¨＾y'´　 ｀´　　　　　　　　隙がなければこじ開けてみるがいい！
　　　｀Y-'=､ヽ￣＼ー､ヽ_ ,ノ/、::::::; ' ｨ'¨ ｀ヽ
　　　　ヽ.　 ＼＼___｀__Vヽヾ､‐′,ｲ 弋　　 ﾉ　　　　　　　　 動いて当たらぬのなら止めてみせろ！
　　 　 　 ヽ.　 ｀ー----∨ﾍ:::｀>'´!ヽ、 ｀¨´_,．
　　 　 　 　 ＼ 　　　　　∨j／ 　 ヽ、｀¨ ´__,．　　　　　　　　
　　　　　　　　 ｀ヽ、　　 /'´　　　　　｀ア¨.ィ ´
　　　　　　 　 　 　 ＼／　　　　　　／／::::
　　　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　／／::::::／
　　　　　　　 　 　 {　　　　 　 ／／::::::／
　　　 　 　 　 　 　 ＼　 　 ／／:::::::::/





　　　 　 /　　/　 /　 / /　人＿＿＿＿　　　　　　　　　　　　　　　丶､ //
　　　　 /　　/　 /　 /　'　/ 〃≧ﾐ　Ｖ / ｀!　､　　　　　 　 　 　 　 　 　 ヽ､/
.　　　 /　　/　 /　 /　∧ l　ｌ　〃心､l/ 　 |　　｀丶､ 　 　 　 　 　 　 　 　 /
　　　/　　/　　l　　|　 l　`l　＼弋ｔｧﾍﾑ.　｜　　　　 ｀丶､　　　　　　　　 //
　 ／　　∧　　ｊ＿ム ∧　　　 ｀ ‐､　ﾄｌ ヽ/　　　　　/　. へヽ､　　　　　//
　　　　　　∨ ∧ ∧ ＼ ヽ.　　　 `ー 、 /　,　　　／ ∠.＿| 　 ヽ、＼ //
　　＿__　　 V　 V ﾑ　 ｀ ‐ヽ　　　＿ｚ彡 ´　　∠ ィｆ(テｱｿ ／　 /lヽ V 　 ／　　　　　手ぬるい戦いは、我が命への侮辱に他ならん！
　/＼　＼　 ﾑ　 ∨∧　＿　 　 　 ` ー─┬≦ヽ辷´z彡／　　/　|　| |_／
.　　　ヽ　 ヽ　/　 |‐　l/ｒｔ┐ｃ〜＝＝う　 /　　　＿_≧彡'　　/ 　 !_／　　　　　　　　　即刻その首刎ねられたいか！？
. 　 　 <l＼ ∨　 /　 /´{　ヽ丶、　　＾ ＿_l　　　､＞―　　＿/　　/
　　　　 ヽﾍ　＼ﾍ―ﾍ　ゝ　　 ｀　ﾆ ､　　　　　ｃ‐〜う 厂／,　 ／
　､　　　― ､　 丶ヽ　＼　｀ ‐-､_　 /ア　　 ｒぅ＜＿／／／／
　∧　ｆ　　　lヽ　 ヽ､＼　＼｀ ‐､_｀¨´　ｃ‐≦　　 ／／／／
　/∧ ゝ　 ノ /　 /　＼＼　 ＼　　ｒ＜ 　 　 ヽ/　/／／

5506： ◆x0SRSoJXe.：2023/01/12(木) 21:56:06 ID:5TVa8Suc0

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　 　 |!　　 i:.:.:.:.:. {:.:.:.:.:.:.:.:.:/: /　　　　　　　　　/／ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}i　　　　　　　　 捌けるもんなら捌いてみいや！
　　　 　 　 ﾟ，:.:.: i:.:.:.:.:.:.:./　〈　　　　　　　　　/,ｨｉ｢:.／:.:.:.:.:.:.: /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,′
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　 　 　 　 　 　 　 　　　l 　 l: [i　 　＼-､, ､_ゝ／　ヽl}: : l 　 !　　　　　　　　　　　　　ブレードの一撃、レーザーの一発でも入れば……！
　 　 　 　 　 　 　 　 　　ト､ l; i}´　（●） 　　（●） ｛j: :/ ／!
　 　 　 　 　 　 　 　_, - i'´lヽl: [ｌ、　　（__人__） 　 /j: //＿｣_＿＿__　　　　　　　　　　
　 　 　 　 　 　,. :':´: : ￣ﾌｰｽﾍ:ヽ>､ 　|r┬-|、　,ｨノ:.//´＼: : : : : : : ¨ヽ
　 　　　　　　/-――-イ＿/: :i＼:ヽﾍ_,.ゝｰく∠／:./:.ﾍ.＿_｣-‐ '´￣¨ヽ:l、
　 　 　 　　／ 　　　/个 　 ￣l 　＼: : : :＿_: : : ／ lー┘ 个＼ 　 　 　 ＼､
　 　 　 　 厶=x､.　 i　 |　 　　弋　　ヽ======イ　 /　　　｜　 i　 　 z=＝ ﾇ
　 　 　　／　 　 ヾx|　 l　 　 　　丶、 |: : :|} 　 /_ノ　 　 　 l 　 /　／´　 　 　＼
　　　／＝=z､ 　 　 l　 |　 　 　 　 三t!:_:_ｌ三ﾁ´　 　　　　l　 /! /　 　,r '二二¨」、
　 ／　 　 　 　ヽ　 ｣l, 　!　　 　　　　´|: : :!´ ｷ　　　　　　l　 /ゝ　 　/ '´ 　 　 　 ヽ
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　 　 　 　 　 　／　 　 ヽ ヽ　 　 　 　 |: : j　 l! 　 　 　 /　/ 　　　 ﾞヽ、　 　　　　　　ヽ

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示し合わせたわけでもなく、ミセリコルデと斬りかかるタイミングを被せる。
二機がかりなら、フラップアッパーが回避するのに必要な動作も消費ENも、
単純に考えて二倍になる。

斬り伏せるよりも抑え込む目的で、前方へのQBで一瞬だけ敵機を追い抜くと、
そのままブーストターンで機体を振り回しつつ刀身をぶち当てた。

遠心力を乗せた横薙ぎの一撃を、縦に構えられたブレードが受け止める。
だが、力の方向を逃がせる受け方ではない。

急に動きが鈍ったところに、背面からミセリコルデが突っ込む。
ブレードを抱えるように構え、突撃槍の要領で突進してくる。

一秒もかからずに、細身の機体を貫くだろうと、そう確信できた。
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5507： ◆x0SRSoJXe.：2023/01/12(木) 22:04:24 ID:5TVa8Suc0

　　　　　　　　　,ｲ.|￣i| |i￣￣|i＞｡.
　　　　　　　 ／ i|!|i才| |斗-=ミs､i| |＞｡.
　 　 　 　 ／|i,x ≦´ .i| |i　＿　　 i| |i　　|i ｡
　　　　　/斗´　 i||i-‐ |!|i￣￣｀ヽ |ij{’ヽ.|i 　`'守
　　　　./´ .|　,.　i||i 　 |i|i-ニ三｀ヽi!ヽ　 .i!ヽ　|ii|`'守　／￣ﾍ
　 　 　.|i＞i!　,　´i!x≦i!|i　　　　＼{　 ｀ヽ!.　..ヽ|i　 ／ﾍ　　　　｀ヽ/|
　　 　 .|i　 i|_　‐ |i　　 |i|i斗-ミ　　|iﾔ　　 ﾍ.　.|i|*'”　　　　　　　 　 |_　　　 ＿　　　,ｲ
　 　 　.|i*'”i}　　.j{--=.|i|i　　　.＞｡i! ﾔ　　 i|｀ヽ'　/￣　ﾍ　　　　　　 ｀ヽ / /￣｀ヽﾍヽ
　　 　 .|i　 .j{_ ‐ |i|　　.|i|斗-=ミ　 |i　｀_　　i|＞’./　　　　　　　　　　　　/ /´￣￣ﾉ'ﾍﾍ
　　　　.|i　 |i_ ‐ .|i|‐=ﾆ.!!＿≠ミ､’|i　―　/　　 j{　　　　　　　　　　　　,'　　　,.　 ´　 ﾉ'
　　　　.|i　*'”￣.|i|-=ァ|i￣￣ﾐxミ.j{　ﾍ　{　　　 ヾ≧s､＞''´　　　 j{ヽ-　　 ./　　　　　　　　　　
　　　　.|i　 |i,x≦|i|.　　.|i　　　　　ﾍ{ミ､ﾍj{　　　　ﾍ　　　　　j{＿__/　　　　 /i|_　　＿　　　　
　　　　.|i*'”{　　.{.i!　　 i!-斗-=ミ　|i　＜ ’＜　　　斗-===ミ　　　　　　　　　　　__,,..＞,x≦´
　　　　.|i　 |i _,≪ii!-=ﾆi|　　　-=ﾆ二￣　　　 ＼　　　 /|　　　　　　　|ﾍ　　　／,x 　´　　 　
　　　　.|i-‐|i￣　|i　＿.|i￣二ミヽ三ニ―　　　　ﾍ　　ﾍ,'　　Tヽ　　　.|i/　　　￣　　　　　　　
　　　　.|i　 |i　-=|i￣　.|i＿ニミi､　|i＞ー｡._　　　人　　　 　 |　ﾍ　　　'　　　　　　　　　　　,.　 ´
　　　　.|i_.‐|i￣._.|i,x ≦|i￣￣　i!ヽ|i　｀ヽi| .,ｲﾍ´　　 _　　　　ﾍ　|i　　　　　　　＿ -=ァﾆ^¨
　　　　.|i .._|i　　 |i　　 !|i　　　　　.!|i｀ ､ﾟ.i!|/　　　　 j{ ﾍ　　　　ﾍ,'　　　　　,'; -ニ＿
　　　　.|iﾆ..|i　　 |i _ニ..|irぉiひ''*x!|i. 　.／　,イ　ﾍY　　｀ヽ　　　　　　　　 ´　　　＿ニ-
　　　　.|i_　|i_.ニ!|i　　...|i　＿_　　 .|i ／-=ﾆ￣!　　i´　　　　　　　　　　　　ヽﾍ￣
　　　　.|i　 |i　　 |i_三ﾆ|i￣￣｀ヽi!.|i　　｀i|*。..|　　{　　　　　　｀ヽ　　　　　　}､` ト ､
　　　　.|i　 |i-三.|i ＿ﾆ|i―ニミヽ .|i`ト､..i|　｀.i|　 人__　　　　　　}　　　Tヽイ　≧=-
　　　　.|i　 |i_.=-.|i￣　!|i　　 　 ｀ヽ|i｀ ､...i|i､　 |　 |i /i|`ト､　_,.　´　　 ／ ﾍ ﾍ
　　　　.|i=-|i　　 |i　　 !|i＿＿　　 !|i＞...!i|　｀i!|　 |i' |iﾍ　　Y￣｀ヽ￣　　　ﾍ^丶
　　　　.|i　 |i_-ﾆ!|i-ニ .|i￣￣＞　!|i　 　 |`'守|　/` |i 　ー'ﾄ　　i| ﾍ　　　　 j
　　　　.|i..,x|i　　 |i　　 !|i＿＿　　 !|ト　　.|　　!|./`ト.|i＞｡　|　＞i｡. ヽ　　 _/
　　　　.|i. . |i_ - .i! ≦´i|￣￣ミ＞｡|i 　 .¨ト　 i|'　.＞iﾄ｀　　ﾄ.､　i|　　|｀ー', ,i
　　　　.|i-. |i　　 |i_ﾆ 　|＿ニミ 　 .|i＞｡ !|　　iト _　 |i　＞｡トi､ .i|　　|
　　　　.|i　 |i-=ﾆi}￣￣|i　　　 ｀ヽ |i。 　 ト ､.!|　 =-|i ､　　|＞｡!|､　!|
　　　　.|i-=|i　　 |i　　 !|i　　　　　 .|トﾟ' * |i　　|=-　 |i　｀ヽi|　　 |　　|

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「ほう、悪くはない！　だが、それだけだ！」

グラハムから感嘆の声が漏れたと思った瞬間、衝撃に意識が断絶した。
視界が明滅する中、響き渡るダメージアラートに頭の奥が揺さぶられる。

周りで瓦礫や粉砕されたガラス片が零れるように落ちてきていた。
どうやらフラップアッパーに、何らかの形で吹き飛ばされたらしい。

意識が戻ってくると共に、意識が持っていかれたときの光景が蘇ってくる。

急に視界から敵機の機体が消えたかと思うと、衝撃があった。
その時、確か下にするりと敵機がスライドしていったように思える。
ブーストを切って落下しつつ、マーシフルを受け流し、
その勢いのまま蹴りか何かを入れて吹き飛ばしたのだ。

咄嗟の動きとしては人間離れしている。曲芸の類だ。
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5508： ◆x0SRSoJXe.：2023/01/12(木) 22:10:06 ID:5TVa8Suc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾏﾑ ﾏ 圦　　 　 　 　 　 　 l　　i　　　7 l!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾏﾑ 〉 ﾏiﾄ,　 　 　 　 　 　 i　　frｘ　7　l
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 l!＼　　　　　　ﾏ〈∧ ¨_%　　　　　 　 　 ﾚ　ﾉJ‐v　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　l!　ヽ　　　　 　 ﾏ ヾ r┘% 　 　 　 　 ∩ﾏｲｨゝ={　l　 i圦
　　　　　　　　　　　　　 　 　 l!　　ー ､　　　　〉x `ｰ zｺ,　　 　 　 l　l }　j!ﾑ¨∨ 　 l　ヽ
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 l!　　　　＼＿｡x　 寸　it　V　　 　 l　i! V i!　〈 'l　　r'　　ヽ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 l!Ε∃　　　　　ヽ　寸 l 匕!　　　 l!　l! l　i!l　 !_」‐‘　　 Εヽ
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 」　 　 　 　 　 　 X　寸i! ヽY　 　l!　i! !　i!l　∧}､　　　　　 廴＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　＿ ,. 。｡ - ‐ = ＝ ﾆ 二 ￣!　　　　　　　　　　X　寸f　ゝ, 　 l　iY气i!v f‐〈 ヽ　　　　　　 `ｰ─ ＝ ﾆ ￣　　　　　＼
／　 　 T'￣￣￣￣￣￣￣￣　　　　　　　　　　　ヽ　从r‐ﾏヽ iｘzi/x-､,xﾏ　i!　Y　　　　┌─ =＝ﾆ "￣ ,.。｡-‐=´￣
　　　　 .i ┌──────────‐┐　　　　　ヽ　 ヾ　 ﾏVﾑ /7几f }ﾏ　l　 l＿ ＿ 　l 　 ,.。｡-‐='"´
＝＝= ┴└─-=ﾆニ二, ＿＿　　　　　 i　　　　,.zr=ゝ＝'ヾ　ﾏ〉:){fYU jﾉ! ﾏ　l7⌒ ﾏ　 ７￣
￣￣￣￣｀⌒ " ' ﾆ = ｰ ‐ -､￣ｘfゝ三三三＼´　 V 寸　) ヾrt}'i弋i ,//ﾉ　.ﾏ」!乂ｿ ﾏ_,ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ゝミ zｮ　　　　　人､__」､　〉<ゝ ヽｰヾ ｀iII」'i!　 l　 l　 /､　ﾉ }
　　　　　　　　　　　　　　　　　 〈ﾄ､'＜,.｡s=‐<´　`ｰ-=ゝ::Y/7ﾑヽ　ヽ :同.i!ﾑ .l　l,//寸＼ﾉ
　　　　　　　　　 　 ｘ-‐=ニ=ｘ,＿f〈ヽ´　　 　 )　　　　＞=イ >ﾑ ヽ　Ｙ'Vl l　ﾑi! 」‐' ＼寸＼fs｡,
＿ ,. 。｡ s -‐=　ﾆ´::::::::::::::::::::::ﾏIiIiIjノｰ= ＜´　　 　,ｨfﾊ ,｡sゝ＼`tzｧｲ T i!_　￣　　 j-‐`( ＼￣ TT'x
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: : ＞s1´`´ 7iI}　　　　　　 Y ｲ,7´乂ｲ )､〈f‐ｫﾏl l i!　`＜｡s-(,. f,　),　 ＼　! !　＼
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/´　 　 　 　 7ﾑ'　　　　　,.イ=Yf〉,　 ,イｰ-l 廴j´乂　 rｫｭ ヽ }::) j ∨ ﾏ,　',＼ヽヽ　.＼
:::::::::::::::::::::::::: : ＞s1´　　　　　 　 7乂〉　　 　 / <:ヽ乂ｰ／　　 .l l￣7 　 寸ｰ=､ )ノ´ヽｰヽ, ＼`＜＼ヽヽ 　＼
::::::::::::::::::＞s1´　　　　　　　　　　7　　　　　　(ゝ､_彡'　　　　 　 l`ｰ/　　　 ´( Y｡s≦　 )::::::ヽ　＼ `'x＼´　　　＼
:: ＞s1´　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　`ｰ'　　 　 　 　 　 lｰ/　　　　　ﾏ‐彡T　ノ､;: イ　　 .＼ .`x＼ 　 　 .＼
´　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｰ'　　　　　　 ` ｰ=' ´　　　　　　　　＼ `'x＼ 　 　 .＼

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近場のビルに叩きこまれたマーシフルを尻目に、
フラップアッパーはミセリコルデと斬り結んでいた。

ブレードによる格闘戦で、はやてが特段不利になる事情もないはずだった。
八咫烏とは打って変わった高機動の支援機だが、彼女は長年近接特化機を
乗り回していた経歴の持ち主でもあり、実体刃にも慣れていた。

なのに、ビルに開けられた大穴から見るその戦いは一方的だった。

ミセリコルデは完全に回避に徹しており、時折二刀を振るってはいたが、
それもあくまで牽制目的に見えた。
追い立てられながらフラップアッパーから打ち付けられるブレードを
紙一重のところでいなしている。

空中に特大の火花が散り、空を一瞬だけ照らす。
PAが乱れている様子も見えない。既に消失しているのだ。
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5509： ◆x0SRSoJXe.：2023/01/12(木) 22:21:43 ID:5TVa8Suc0

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　　　　　　　　　　　　　　　　　＜:jI斗＜:-:-:_'ノ/　　}､　　／　 }!　　}＿_／　 　 　 　 　 　 ｀ー―‐､_ ＼!
　　　　　　　　　　　　　　　　 _ -//ヽ　 }､:_:_/ /--､/:｝　´　　 〈 　 /　　}_　　　　　　　　　　　　　　 ＼_ ＼
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あのままでは長くは持たない。
自分の中の直感と、フラップアッパーの動きがそう告げていた。
ミセリコルデが息切れした瞬間に、白い装甲を赤いレーザーブレードが貫くだろう。

耳鳴りと頭痛で視界が揺らぐ。なのはの切迫した声もするが、
聞こえてくるだけで言葉として認識できない。

だが、意識だけは明瞭だった。
膝を立て、脇を閉めてブレードを引き、駆け出す代わりにオーバードブースターを
起動させる。

がちりがちりと瓦礫を押しのけて装甲が展開し、次に瞬きをした時には、
ビルの残骸にバックファイアでとどめを刺しながら飛び出していた。

ミセリコルデに当たらぬよう、敵機を掠めるようにしてレーザーを放つ。
意識をこちらに向けさせられれば十分だ。
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5510： ◆x0SRSoJXe.：2023/01/12(木) 22:35:09 ID:5TVa8Suc0

　 　 　 　 　 　 ,,.. ´　　　　　　　｀・ 、
　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　
　　　　　　/　　　　　　　　　 　 　 　 　 ',　　　　　　　そんなに引導が欲しいならくれてやるお！
　　 　 　 _l;;;;;;;;;,,,　　　　 　 ／　　 　 　 .l
　 　 　 　 l;;;;;;;;;;;;;;; 　 ､_,.ｨtﾁ　） 　 u. 　 |　　　　　　　 そんでもって……一人で逝きやがれ！
　　　　　　',.　　 /　i　　 ヽー‐ '　　　　/｀ヽ､　
　　　　　　 ＼　乂人＿__ﾉ､　　　 ,. ＜　　　　　　　　　ここにいるのは、死ねない理由がある人ばっかりだ！　アンタとは違うんだお！
　　　　　 　 　 ＞-｀￣￣｀'　-
　　　　 　 　 　 　 ｀ー―





　　　　　　／ ／　／ ヽ : ､: : : : : ヽヽ/＼　　　　　 i　　　　　　　　　　　　　　　∧
　　　　 ／ ／　／: : : . l: : l>､ ､: : : ヽ丶　＼　　 　 i　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∧
　 　 ／ ／　／: : : :ヽ: ｊﾊ: !　 ｀ヽ: :|: :＼＼,/　　　　i　　　　　　　　　　　　　　　　∧
　　/ ／　／: : : : :　: l://ｊ/'_￣ﾘ,ｊ /: : : :ﾚ'/　　 　 　 、　　　　　　　　　 　 　 　　　∧
　　 /　／: : : : : : 　Vl' lｨi ｛;} ｨ彡:': : ／／　　　　　　　､　　　　　　　　　　　　　　 　 |
.　 /　/: : l ､: : : . : : ',　|ｊ'　／ゝ＿__///　　　　 　 　 　 ヽ　　　　　　　　　　　　　　　|
.　　 ム: : :l: ヽ､ : : ＼V 　 　 　 　 ///　　　　　　 　 　 　 ＼　　　　　　　 　 　 　 　 |　　　　　　　　上等っ！
　　 ｌ:::l: : : l＼l　トｒｔ;ｧ｀ﾆ=- 　 　 /// 　 　 ,.　 ､──- 、　　＼　　　　　 　 　 　 　 /
　　 |:::l: : : :＼`､ゝン　　　　 　 _ヽヽ＼　／　／　　, -､　ヽ　　 へ　　　 　 　 　 　 ∧
　　 ∨;l: :l､:ヽ:｀ く　　‐　　 ／,二7ヽ`／ ､／　　　 ゝ_ﾉ 　 ! 　 !　　 丶､　　　　　　　 ＼
　　､ﾉｲゝ:!ヘ ＼‐｀￢　 ／／　　 ,／-- ､　　　　　　　　 /l　　ﾄ､　　　　　　―
　　 ヽ`￢ 、 ￣｀￢└く∠　　　〃!　　　 !　　　　　　 ／ ﾉ　　|:::::丶､＿＿__／＼
　　　 ＼　` ＝　　_ヽヽ ＼､　 ｲ{　ゝ＿_ノ　　 _　　　´　´_　-‐':::::::::::::::::::::::::::::::::::__＞─
　　　　　＼　　　　￣＼>ｧ'ン　l ゝ ＿＿　 -　_　-_´- ´::::::::::::::::::::::::::::::::::::_ -‐ ´_　-─
　　､　　 　 ＼　　　 　 {{／　　 ＼＿＿__,　 ,´　 ´::::::::::::::::::::::::::::::::::::_ -‐'´_ -‐'´
.　　 ＼　　　　＼　　 ｒく　　　　　　　　／／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_ -'´ _ -'´
.　　　　＼　　　　＼,/　 ＼ 　 　 　 ／／:::::::::::::::::::::::::::::::::::_ -'´_ - '´

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こちらの接近に気が逸れたフラップアッパーの剣戟が、一瞬だけ緩みを見せる。
その隙にミセリコルデが右腕を引いたかと思うと、ゼロ距離でレーザーを撃ち込んだ。

咄嗟に細身の機体を捻って回避されるが、攻撃の機会とするには十分すぎる。

そのままブーストしながらフラップアッパーに激突し、派手に火花を散らす。
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5511： ◆x0SRSoJXe.：2023/01/12(木) 22:49:54 ID:5TVa8Suc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＿　　　 ＿
　　　　　　＿　　　　　　　　 　 　 　 　 __　　　/　ﾊ　　　ﾏ ﾑ
　　　　　　＼　￣⌒ " ' ─ - = ﾆ ＿/　ヽ　　iミi　},rf升〉ﾏ ﾑ　　　　r=ｘ
　　　　　　　　ゝ｡。　　￣⌒ " ' = ‐-　 ∧弋_,i　l　}i- }　}　ﾏ ﾑ廴,jI斗i＼`ー────────────ｧ
　　　　　　　　　　　￣　‐-=ﾆ　　　 i　　　 ┐ {ミl　/ //7　Λ彡，　ﾏ_,i　 ￣￣￣￣￣￣￣￣| 　 　 ! 　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾏ,　　 ム=ミ }　／>/　ﾚｘ r ﾏﾑ'，　ﾏ,　　 　 ﾑ　　　　 　 二ﾆ=-‐ 　 ￣
　　　　　　　_　- ─ - =ﾆ=-─ ＜ﾏ,ｨi(,弌>　　⌒ f-r‐=＜∧<`〜､、,ﾏ,斗匕´　　　√￣
　　　　　 ｨi{　＼ 　　　　ミﾒ､　　 ／､＿＿,,..。｡sｘ弋 ､弌i ﾉ ∧ヽ'＜　 ＞x　 　 　 　 ﾑ
　 　 　 ∥ｨi{ﾆ=xヽ　 　 　 　 　 /／ゝ,　 {:::::::＼:::i 7i＞ ='　i!rf升::Y´~''＜ハ -x　　 　.ﾑ
　　⊂ミtsｨi{/::≧ﾏIﾑｰ─x- ､_ ﾚx-‐i 」 弋＞升x:7 }T//0/＞寸::::i{　-‐=_⌒。, ⌒x 　 ﾑ
　　　 ⌒'〈:弋:::/s＜≧=-ﾐ込、¨　　 　 　 　 YY<:::i 　 / ./::::::::::ヽ斗〉f升　 i　　 ヽ　ヽ 　ﾑ
　　　　　弋::( 〉=ﾆ二三ミ二ﾆ=- ≧=‐ s｡ _　∨　 i{　/〉/寸(二,. ィf{　　 　 {＿＿i i 　 ＼ ,ﾑ
　　　　　　　 ⌒'ｰ-＜　 　 ~"''*+s｡二ニニ=-≧=‐ s'｡/ て斗/r-i-h,　　　ﾊ　 　 jﾉ 　 　 ＼ﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　~"''*+s｡三二ニ=- ≧=‐　U厶ｰ-==斗＜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人~"''*+s｡三二ニ=- ≧=‐ s｡。 _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾏ ＼fTIi／ヽ ~"''*+s｡｡三二ニ=- ≧=‐ s｡。 _

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けれど、このまま叩き斬れるとも思わない。
躱され、最悪反撃を貰うのがオチだ。

無理に押し込まず、一度払われるのを受け入れ、
返す刃で真一文字に振り下ろされたブレードを刀身の腹で受け止める。

受けとめ、そのまま純粋な機体出力にものを言わせて敵機を下方へ押し込んだ。

瞬間、フラップアッパーの痩躯に熱線の槍が二本同時に突き立った。
こっちが本命だ。自分が斬り伏せるのではなく、
はやての援護射撃を当てにしていけば、話は楽だった。

幸い敵機は軽量機、それもかなりの軽装甲だ。
その分速度は凄まじいが、軽量フレームである分出力も低い。

細身の人間と恵まれた体格の人間では、筋肉の質量も密度も違うのと同じだ。
フレームが細く薄い分強度も落ちるし、搭載できるジェネレーターも
ブースターも軽量仕様であればあるほど出力も落ちる。

つまり、純粋な出力勝負であればマーシフルで振り回せる。
あとは振り回したところを、ミセリコルデに射貫いてもらえばいい。
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5512： ◆x0SRSoJXe.：2023/01/12(木) 22:58:08 ID:5TVa8Suc0

　　　　　　　　　　 __´￣￣二ﾆ=　、
　　　　　　　　／　　￣´ 　　　　　　ヽ
　　　　　 　 /　/ｨ　　　　　　}i　　　　∧
　　　　 　 /ﾔ'7=ﾆ二二二≦_｣Ｌﾍ/　 ∧
　　 　 　 ;　 /＼_　　､＿　￣Ｖ⌒{ 　 / }｝
　　　　　:; 　}(●）　　（●　）　〉 人 /　/^}　　　　　　　　　　　　じゃあな。強かったよ、アンタ。
　　　　　 '､ {（　ｨ'　　　　　　/／Ｌ {__/(__/
　　　　 ＿{へ≧＾ゝ､___ノ_z彡二弐≠ ＞／￣￣ミヽ　　　　　　 なのはさんでなくて悪かったけど……
　　　　r{_ `ｰ=＜三＞'’ ）二二 ／　//　　　___　　　＼
　　／/ ｛＼　　｀￣　 /二二／/ 　/ｲ　　 Ｙiっ) -┐　 ＼　　　　こいつで我慢してくれ。
　｛　　Ｖ 〉　　　　　　〈ﾆ二彡イ　 ｛ ｛　 　 }｣つ）二! -02 |ｌ
　｛　 　 i ＼ 　 　 　 /｝ト､　　 i　 /八ヘ　　￣´　　　　　 |ｌ
　　)〉=ﾆi　　＼＿∠_//ｚ/＼　i／　　＞　_　　　　　　 　 /ｌ
　　　汀 i　　　 〔_二//￣　　 ＼　　 /￣７ 　 ＞＝-≠〈/
　　 ！| iﾄ　　　　＼　　　　 　 　 ＼/　 /　　　　　　勹[_]
　　　　　｀v 　　　　＼　　　　　　　 ＼/　　 　 　 　　/
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿　　　　　　　|　 ||　 |　 |
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ﾆ―＿＿＿＿＿＿::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＿＞――へ,＿　｀＞／ニニﾆ／/　_,.ノく └＜´ノ　 　 ＼{　 r　＼j
ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニﾆ/｀''＜ﾆ／ニニニニイ Τ＼　 ＼/　|｢　　　　　乂 し (ﾍ＼
ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ、　 ＜ニニニニニﾆ}　乂,_,)　　　 ∥　 ／＼└‐^)〉 )｣　)/
ﾆ／￣￣￣´´´´´´~~~~"""""''''''''冖冖＝＝ニニニ＞､ /:｀`＜/''＜ニく ／＼＼　　∥:><::＼::::::>
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::j>''Λ:::::Υ:::/ /　圦＼:::／＼_ノ l::|　|
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頭部と腹部を消し飛ばされ、黒煙を上げるものの、
フラップアッパーは一切動きを止めずにブーストターンで反転した。

メインのカメラアイが潰され、補助カメラしか残っていないだろうに。
身体に染み付いた感覚と直感だけで動いているのだろう。

追撃を防ごうと、上から振り下ろされてくるであろう刃に合わせて
細身のブレードが構えられる。

それを左腕で掴みとった。
マニピュレーターの表面に収束させられた盾状のプライマルアーマーを押し付け、
噴出するレーザーごと刀身を押さえつける。

敵機にこちらを押しのけられるほどの出力はない。
既にとどめの一撃を入れる段階だった。

呟き、横薙ぎに一閃する。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5513： ◆x0SRSoJXe.：2023/01/12(木) 23:01:58 ID:5TVa8Suc0


　　　　　 　 　 　 　 iハ､ﾞ:,　 i:::::::::/ 　　 　 ｜＼　　　　　　　〃／￣｀
　　　　　　　　　　　　　{｀ﾍ　l::|:::/　　　　､　|〉　　 　 　 　 　 ｹ´
　　　　 　 　 　 　 　 　 !　八|八{　　　　　　′　　　　　　　//
　　　　　　　　　　　　　ｊノ!　へ ｊ}　　　 ,ｒ ﾆﾆﾆ ｭ　　　 　 ｲ {　　　　　　……いや。
　　　　　　 　 　 　 　 ´　｛ ｊ{　{ ＼　　　 -―-　　　　／ 八 ､_
　　　　　　　　　　　　　　 !八 ‘､　丶　　　　　　　 ／　 / / ￣　　　　　最後の戦いとしては上々だ。
　　　　　　　　　　 　 　　 ′ ｀ドヽ 　 ＼　　　　／　　 ル'
　　　　　　　　　　　　　　　　　}!　　 　 　 ￣￣　　　　 ｛　　　　　　　　　感謝するぞ、少年――
　　　　　　　　　　　　　　 _,. イ:ﾞ､　　　　　　ｆ　　　　　　ﾄ ､_
　　　　　　　　　　　 _,.ｒ '´{ 　 ＼:ﾞｰ　　　　 ′　　　　　　 　 丶、

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
レーザーブレードがバターに切り込みを入れるように、
フラップアッパーの装甲を焼き切る刹那に。

なぜか、感謝の声が聞こえた。
そんな気がした。
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5514：安価のやる夫だお：2023/01/12(木) 23:04:15 ID:MI98ZlzI0
さらば

5515： ◆x0SRSoJXe.：2023/01/12(木) 23:08:34 ID:5TVa8Suc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ｌ￣!i|　　|!　i!　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ ＿＿i!|　　|!＿ L__!i__i|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i!|　＿　　　　　＿ _＿|i|!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿i|￣|i＿ 　 |!´i!ﾞ｀|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣｀ﾞ!|i　　i!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i!|￣￣　　　＿￣L__!i__i|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／｀ﾞ≫|i!　　!|＜´＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣｀ﾞi!|　　|i￣i!　　!|i!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　<　／　　|i!＿i|　　ヾ__≫　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　　　　　￣￣　　|i!　　i|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!　　　　　　　　　|i!　|　　　　　　　　　　　　　　　￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'　　　　　　　　　|::i　i!|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　iヽ　　　＿　＿ノ从ﾒ#ヾ'人ヾ:;:ー-　．..、
　 　 ／/ 　 ,ゝ-{≧ｓ。、　　Vﾑ　　 |　　{ .! 　 　,′.}／ヽ　　　　　.＼　　　　　ヽ　　__ﾉ;;;ヾ=二三　:;:;:　:;：;:;；・　　，｀ﾞヾ:;:;:;:;::;:;:ヾ
.　／　/　　!　,′　　 / ｀ﾄ. 　Vﾑ 　 |　　ﾏV　　,′V!　　 V/ 　 　 /¨{.丶　　　　　》:;:;;#ﾉ彡三二三 」──　二=≡≡＝ヾ:;:;:．，ゝ　──　─　i!二二二｀７
, '　　/, ＜,'!　!　　 ／ 　 ! ヽ、Vﾑ.　|　 　.ﾏV .,′　.〉、 　 V/ 　 / 　 　 ＼丶　ヾ，:;'ﾞ´'人i从'※'iﾐ彡∠ﾞ´　　　　　　　｀ヾ:;:;　；:;:レ'　　　　　　　 　/７∠／
　 ／　　 {i !　i__／　　／＼　}　ヽﾑ,|　　　 ﾏV　　./　 V/ /　　　〉,　...,。ｓ≦}ヽ ＞ 。´川彡／ｒ-三ﾞ´　　　　　　　　　　　｀ﾞヾ;:;　;:／　　　　　　　〈_/
../　 　 　 V!　　　　／　　　ヽ{≧ｓ{　　　 　 　 　 /　　/ー‐‐, ＜　 V/￣ ￣ }　＼　　｀ヽ、 ／´ﾞ　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ：;川;;;;;;;;／'
i{,　　 　 　 '!__＿／､＿＿ 　 }!　　{!　　　　　 　 /　　/　 　,/　　　　.V.V　　 /　 /-＼.　 　＼ 　 . :　　　　．;:　::.　　　　　　　　　i|!i《:;:;:／
i{　≧s。., __＼　＼　＼　 ＼ }!　　{!　　　　　　/　　/　　 ,/ 　>ー‐＜ V　/　 /i!　 　＼.　　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |《巛＜´　ﾞ
,}　　　　　　　 ヽ--ヽ-' ヽ--ヽ!　　{!.　　　 　 /　　/　　 ,/ ／ ＼＿_＼ .¨ﾟ　 / i{　　　 　｀ヽ.、　V/　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾞ!|i!i|ヾゝi!二二二｀７
{　　　　　　 ／　 　 　 　 　 　 }!＞ﾟヽ----- ' ｀ヽ'　 　 /イ　　／　 二.i/ 　 /　i{　　　 　 _,.　-ﾏ　V/　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |i:;:#i!`i'|!i　/７∠／
.',　　　　 ／　　　　　　　 　 ／＼　　　　　　　　　＼ ./｀ヽ_／　 　 　 .ヽ--.'V/i{、 ＞ ﾟ´　　　　ヽ, V/　　　　 .＼'　　　　人ﾞ-─∠　ﾞ｀　　　　〈_/
　ヽ--- 〈　　　　　　 　 　 /　　ヾ＼　　　　　　　　　ヽ＼/　　　　　　 ∧＿V/ V　 　 　 　 　 　 V}!　　　　 　 >ヾ'ﾞ´　::::::::::::;;;:#i|!　i|ヾ
　 ,s≦ミy}!　　　 　 　 　 /.　　　　ヾ＼__　　　　　／　}!　＼...ヾ、　　　　　ゞ'ﾞ´　 ヽ、　　　　　　　 }Ｖ/ 　 .ｒ'ﾞ´;;;;;;《'ミﾞ´i三二＝ヾ　ﾞヾ
　{三{ilililil}}! 　 　 　 　 　 V/　　　　 ￣ヾ＼ 　.／　　 }!　　i}　 ＼＼　　,:;'ﾞ´:;:;:.、`・　.＼　　　　　　 }! ヽ、i|!#　i!iﾞ´　　　　　　　｀ﾞヾ:;　:;て
　｀ー― ' }!　　　　　 　 　 V/ 　 　 　 　 .＼／　　 ／ ＼__i}　　　＼ヾﾐミi!#ﾞ─＜#i!`|ﾞ´｀ヽ､　　　　}! 　 ＼　;:;!ii　　.::'ﾞ｀　　　ﾞ::.、　i|!ﾐ　　／
　　　　r-{,'　　　 　 　 　 　 V/　 　 　 　 ／ヾ＼／　　　／ 　 　 　 ヾ:;i!iﾞ´'ﾞ´:::;;;:》i|!iﾞ`　　 　 ヽ,　 　}!　　　 {＞ ､ :　　　　　:　　　　ヾ:;．、て
_　　　 i /　　　 　 　 　 　 　 V/. 　 　 ／　　 ／＿___.／　 　 .─＝二て　人从#ヾ|＼/人从..r≦.､ }!　　　 {　 {_!＼.i∧ノ/《ヾノ！　　ノ/人从／
. ヽ___ノ,'　　　　　　　　　　　　V/　 ／　　 ／＿__＞ﾟ´　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 {ilil三}.i{;　　　{　　 ＼ ＼
　　　 .,′　　　　　　　　　　　　｀ヽ'._＿_／　 Vﾑ　 　 ',　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 {ilil三} .i{;　　 {i　　 　 ＼ ＼
.　　　,′　　　　　　　　　　　　 r＜　＿＿　　.Vﾑ　 　 ',　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｀ー､'　 i{;　　{i　　　　　 ＼ ＼
　　 .,′　　　　　　　　　　　　, { /／ 　 ／!　　.Vﾑ　　/ー‐ｧ　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼ .i{;.　 {i　　 　 　 　 ＼ ＼
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＞'ﾆニ{__}　　　 /　/　/　＼／　 .／　　　|　 　 !＿＿_|_./　/il{　{ ヽ　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ! 　 　 　 　 ＼　　　 /　 V//
二}＞'｀ヽ }ヽ 　 V/__/　 .／　 .／　 　 　 .!　 ／ ',　　/　　 {ilil{　{　 }
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その真意を問うことも叶わないまま、機体が膨れ上がる。

バックブーストを一度吹かして距離を開け、
漆黒の機体が赤熱し、コジマ粒子をまき散らしながら爆炎に呑まれる様を見届ける。

炎が間近で燃え上がり、空を赤く染め上げるが、熱さは当然感じない。
それでも、なんともいえない後味が残った。

今まで多くの敵を屠ってきたが、彼はその中の、どのタイプとも違った。
殺すことが最善なんてことは、絶対にない。
けれど、これで良かったのだと、どこか穏やかさを感じさせつつ立ち昇る火の粉が、
不思議とそう思わせてきた。
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5516： ◆x0SRSoJXe.：2023/01/12(木) 23:18:34 ID:5TVa8Suc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }.＜｀ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　 `　　　　　 　＼　、 从
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 }l寸.ヽ.: メ{　　　　　　　 　 　 }l＼　　　　　”　　　　　　ヽ Ｖ⌒`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,. イ 　} .: .:て.ｘ　　　　　　　　　}lﾆlヽ　　 　 ，　 　 ヽ、 　　} |　　　,；
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 （: . {　/ .:7⌒ヽ.ヽ　　　　　　　　}lﾆl=lﾄ.＼、 　　　　　 )`ー' ,ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼.V .: .{ .込､ﾆ',ﾑ　 　 　 　 　 }lﾆl=jIIﾑ .}ヽ　 ,　　　（ . .:.:r'　　　　”
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　＞.` :..、ヽ　　` .)ﾑ　 　 }lヽ　　ゝzｲjIIﾆ.ノ .: ソゝ； . 　ヽ,.ソ　 从
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞f1} 从　　 　 ）.ﾉ　”)ﾟｉIiIiI}ヽ　＿ﾏﾑ　 r‐〉‐!三}l .:　　　,; .:　., / 　⌒ヽ`－ｧ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞升=／ ⌒ヽ、 　（ '　　. .: . `”iﾞﾐﾑ=iIfｨ>ｆﾆ《 ﾏ /...: , " 　 　 　 ／　　　　　}／
,, ＿　　　　　　　　　　　　　　　／三＞'1ﾆヽ三ﾆ,}て　＼ 　。　: . ∧ﾏIヽ!=)J:::::iI}lゝ｡s..ノし': .: ," （　　　 　　／
　　　￣ ⌒" ' = ‐ - s ｡ 。 ,　/!iIiY三ﾆ/⌒'‐x.ｒ人 {　　　`　、 "　 .ヽIﾏﾆﾑ}l乂ﾉV　ﾏI.:.., 　 从 　　ヽ 　 　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿ ￣}-"= ..}. :. ﾉ　 , 　,;:.　） 人 ノﾏ ﾏ三込イﾊ　. ., ,,,　.:. `,;"　　 〉　 '
” " ' ' ‐ ‐＜　　　　＿　 　, . ＞'⌒'ｰ━ .从,,ノ.:／　　 ,;.:　　' ﾆ〈ﾑ彡ｆ´`Y三ﾆ≧sゝ .ﾏ.:　,;　"　　　/　　,, ;　”
　 　 　 　 　 　￣ 　 　 ＿　, .　斗 ｧｪiI ⌒ヽ .;/　 .: ,,;　从 .,g*ﾟ’ ﾌ＜乂 ノﾆ≧=‐‐ｧ’.∴.:　 ,; 　　 .:"
　　　　　　　, ,.jI斗 ＜IiIi/三＞'´,ノIiIjﾉ　￣ }/　　`,;.: ",, ;.:て　, ,..ﾆ,%ﾟ込、＞’　　 　 　 ﾏ}l
-‐ ' " ⌒ ￣ 　　　ゝ＜`ｰ'"´ (彡'"´　　ｨ.ノ{　　ﾞ　　、　,”,; ,.i寸=込寸＜りｘ　　 　 　 　 ﾏ)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｨﾁ　⌒ヽ　　　ノ{　 .: ."..≧s寸=Y j`ﾘ／示s｡､
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｨﾁ竓Ii／三　＼”. :. ,し'／; 　,;； .Ii)/=ﾉ j/三三)､ﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　　YIiIiIiIiIi/三三.`　. ,.　.:　　（ 　　.: ﾆ}lｘ/人弍ﾆﾆl{　 ヾ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　l{IiIiIiIiIゝ＞'iIiI*＞'ﾆ=,g*ﾟ’　 　 /ﾆ/　　　 {/ioﾆﾑ　　 ﾄ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ=-‐ ' "´　 )三三/　　　 　 ノ孑'　　　　j/j!三ﾆ≧s/ }l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／ﾆﾆﾆ〈　　jI斗彡'´　　　　　　　 ゝ弍三三ﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　　,.。.,　jI斗缶三三≧=ﾆ彡'´　　　　　　　　　　　　 ＞ミﾆ込、=‐-、
　　　　　　　　　　　　　　 ＞升三≧ｲ三三ﾆ＞=-‐ '´　　　　　　　　　　　　　　　　　 Y三三i⌒ヾ
　　　　　　　　　　　　 ＞升三ﾆﾆ=ｧ个≦〆´　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 i!三三js｡, }ﾄ、
　　　　　　　　　　　　l{三ｿIiIi=／　 ヽ三}l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 乂)三三三=从
　　　　 　 　 　 　 　 l彡ｲj孑/l{　　　 ｵﾊ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉ﾆ弍廴三r┤
　 　 　 　 　 　 　 　 レ'´　 /ﾆﾑ　　/三ﾑ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }l三≧s´￣`”ｘ
　　　　　　　　　　　　　　　Y/=/≧fﾆﾆﾆﾘ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `"⌒'"!=zｘ,　　ヽ
　　　　　　　　　 　 　 　 　 iﾆ/ﾆl}三ﾆﾆｲ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!ミｓ｡≧s}ﾆﾑ
　　　　　　　　　　　　　　 /=寸>弍=シﾑ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞ミｓ｡三ﾆﾑ
　　　　　　　　　　　　　　l{i!　 `Y示　　ﾏ!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞ミﾆ}ＩＩ∨
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　　　　　　　　　　　　　　　　　`ｰ‐‐ '

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一方で、地上の方でも、戦いが終わったことを告げる静けさが訪れていた。

見下ろすと、眼下にはなぎ倒されて半ば更地となったビル群の中で、
爆破炎上するキャバルリィの姿が小さく映った。

ターゲットサイトが自動的に捉えるものの、撃つ気は起きなかった。
瓦礫の中で仁王立ちするキャバルリィは、武器こそ下ろしては
いなかったものの、炎と黒煙を吹き出し、今にも弾け飛びそうだったからだ。

すぐそばには、今まで交戦していただろうシュクヴァールとリンドヴルムが
地に足を着けている。
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5517： ◆x0SRSoJXe.：2023/01/12(木) 23:22:14 ID:5TVa8Suc0

　　　 　 　 　 　 　 ／　　　　　 ヽ
　　　　　　　　/レ′　 　 　 　 　 ヽﾊ
　　　　　　 |V　　　　　　　　　　i 　 /|
　　　 　 　 ﾐヾヽ　　　　　　　ﾉノ ／ ,'
　　　　　　 ﾄ､ヽヽ　　　i!〃　　ｨ′ /し!
　　　　　　 ﾄ､l|＼ __∧」Ｌ　 '´ |　 /　/
　　　　　　rV/　　 / 7´　　 　 レ' //
　　　　　　ﾚﾍー-､l /　　_,,. -一メｲlj　　　　　　　　　　まさか、俺たち二人を相手に、ここまでやるとはな……
　　　　　　{ﾋゝ￣`| |ー=＝ｒ ィ'´ /ｌﾝ
　　　　　 　 ﾍl＼. | |_ハ___」斗イﾚ′　　　　　　　　　　 恐れ入ったぜ。手負いの獣ほど、とは言うがな。
　　　　　　 　 |　 ｀ll|　|, 　 　 　 lﾊ
　 　 　 　 　 〈ﾄ　　ﾘヽ‐'　　　　,'ﾚ|
　　 　 　 　 . ｲ ＼　￣￣` 　 /　 ト､
＿　,　ｨ'　´　 | 　 ヽ　 　 　／ 　 / 　 ｀ヾ　ｰ- ､_
:::::::::::::/　　　　　　　ト--ィ′　　　　　　　 ヽ::::::::::::￣
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　　　　　　　　　　　　　　　　　,. -―‐=- 　 _　ヽ　､　 　 ヽ 、
　　　　　　　　　　　　　　　／＿/ '´　　　 　 ￣｀ ､　ヽ　 ﾉ .）
　　　　　　　　　　　　 　 ,.' l´.／　-‐ ア'"　　　 　 ｰ-　　＜
　　　　　　　 　 　 　 　 ／./'" 　 ,∠　　 　 '"　　　 　 　 　 `
　　　　　　　　　　　　　V/　、　-‐　／　　 ,.　 ´　　　.　 ハ　 ヽ
　　　　　　　　　　　　 , '/ヾ 、,.'　／　　／ 　_,.　‐ ／　.' 　 ! 　 '
　　　　 　 　 　 　 　 〈　!､ ヽ'　 , /　'／ .／ｰ-'"／ ,. ' 　 / !　ﾄ. '
　　　　　　　　　 　 　 ゝl.／　　 ｌ/, /／ハｆ:;ﾃ＜"／　 ／ /　 ! ｿ
　　　　　　　　　 ,.　´ i／　　 / ／!（　´ 　 ｀ｰ　 / ／　,ｲ/ ｲ,ﾉ
　　　 　 　 　 　 {'　,.'／'　 ,.'/./.ヽ!二7　　 　 　 '"　　（ｿ!　 ﾄ､　　　　　　　　見たところ、ベイルアウト機能が死んでいるわけでもあるまい。
　　　　　　　　　　 （　/ ／_,'/ ､T ﾏ二二ア　 　 　 　 冫!　 .ｌ ヽ
　　　　　　　　　　 　 {./　　l'_ヽ_|＿ﾏﾆﾆ（_,.ｨ　　‐=　　 ｲ　　.!　）　　　　　　　命が惜しくば脱出するがいい。追いはせん。
　　　　　　　　　　　　l' 　 /二二二二ﾆ=-､(　　 　 ／ .ﾉ　　,.!ノ
　 　 ,ｨ77777777777777＞マ二二二二二}＼　／　,.'./　.ノﾉ
　　 ////////////////////,ハ‐マニﾆﾆl三ヽー-（ ' ／
.　　{/////////////////////∧ニ="マ_!二二=-､!.l'
　　 !'/////////////////////,∧",.ィニ-＿ 二二l
　　 V//////////////////////,}二二二ニ=＝-ｰ､‐ ､
　 　 V//////////////////////ﾆ-''"_,. -=ニ二ﾆ=-</＼
.　　ｒイ/////////////////l///-'　,イニニニニニニニヾ/,ﾊ
.　　ｌ'//////////////////l'" ,ィﾑ. ﾏニニニ二二二二二ﾑ/l
　 ////////////////////ｌ'二二ﾑ. ﾏ二二二二二二二二ﾑ
　 !///////////////////,!ニニ二ﾑ ヽ二二二二二二二二ﾑ
　 V//////////////////,lニニ二二ヽ ヽニニニニ二二二二}
　　ｌ'//////////////////!ニニニニ二＼＼ﾆニニニニニ二/
. 　 !////////////////// ﾏ二二二二二ｉ　 ＼ニニニニ二/
.　　l'/////////////////ﾑ. ﾏニニニニニｌ　ト､ ＼ニニニ/!
　　 V,///////////////ニﾑ. ﾏニニニニﾆl　l二＼.｀ マ//,.l

5518： ◆x0SRSoJXe.：2023/01/12(木) 23:30:34 ID:5TVa8Suc0
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 !;|
　 ／ ／　　　＼: : :! 　 　 　 |;.!　　　 　 .ヽ 　 　 ,'/ : |　 |:/
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　　　 　 　 ,∠ ―　,ｒヽ)ﾉ　　 ‐　、
　　 　 　 / 7　‐-,. ( ）'ﾉ　　　　　　　 、
.　　　 　 i　; 　 ,‐!ノ'ノ　 ｀/　 　 ,. -
.　　　 　 '　:,_/〉-,ノ　　 ./　 　 /"　　　　ヽ
.　　　　　ｒ/_.'-‐' 　 ＼ .'　　　/　／　 　 !　､
　　 　 　 `! !.　　　 ､,.ヽ!　　_./／' ,. ｨ　 i　! }
　　　　　　', !　　　 /､ﾉ|　　 .た!ヽヽ/ ノ'　;.ﾉ
　　　　　　　、 、　,ﾍヽ.l 　 l l　　　´　,/,ｲ/　　　　　　　……既に事切れていたか。
　　　　 　 　 V/＞/∧ l　　!l.　　 　 {.'　.l
.　　 　 　 　 _l'/////∧l　　l|　- 、 ,.ゝ　l　　　　　　　　 愚直な女よ。見事なまでにな。
　　　 　 ,ィﾆ二二ニ_＜,.――--＜!　　l.|
　　　　 /二二二二／::::::::::::::::::::::::::::＞､i|　　　　　　　　
　　　_,./＞''" -=／::::::::::::＿＿:::::::::::::::::/}
― /ﾆｉ.lニニﾆﾆ{::::::-:::￣::::::::::::::::ヽ:::::://
::::::i=ﾆ!.!二二ﾆ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::; '
:::::l=ﾆｌ ｌ二二/:::::::::::::::::::::::::::::::;::::::::::;:〉
::::lﾆﾆl ｌニﾆ〈::::::::;:ィ二ニ=_､,､::;:::::::jム
::::!ﾆﾆ!.ｌ-=二';:::://:::::::::::;::ﾆ//ヽ::::/ヽ!ﾑ
::::!/ ,イニ=-__ヽ/:::;ィ////////＼ニl.!ﾆ!
::::l'/ニニニニ＜/////////＞!/∧=!l=l
:::::ﾏﾆ二二ニニ!＞_､//／////＞,/｀マ
:::::::ﾏﾆ二二二ﾆﾑ＜///////＞'"////＼､

5519： ◆x0SRSoJXe.：2023/01/12(木) 23:34:41 ID:5TVa8Suc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　－＝＝　ｘ--,_
　　　　　　　　　　　　 　 ,　´　　　　　　　　ヽ＼ト,
　　　　　　　　　　　　 ,　　　　　　　＼　　　　 、＼ｙ
　　　　　　　　　　 　 ,'　　　　　 ',　　　，　　　　、 .}ﾌ
　　　　　　　　　　　 ,　　　　 ﾊ　 ',　　　j　　　　ヽ　}ﾌ
　　　　　　　　　　　.;　!　|　　', ヽ、ｘー ナ、　　｀ ∨）
　　　　　　　　　　　 ，.i　.ﾄ、　' ,　 》ﾁテ弌八　　乂
　　　　　　　　　　　 } 人 从≧ …　 乂jﾉ<;;;|　＼ {　　　　　　　　　　これ以上は野暮というものだ。
　　　　　　　　　　　.|ﾉ .}　 "叭)　　　　´ /;;;;|　　 ヽ
.　　　　　　　　　　　′ |　∧´　 '　　　　〉;;;,ﾘ　　　}　　　　　　　　　　引き上げるぞ、ストレイト・クーガー。
.　　　　　　　　　　　　ノ　　ﾉ》x:.　´｀ /^:ﾈ !!|j　　 ,'
　　　　　　　　　／¨, ===ヽ<　（＼);;;;;;=¨”;;;;;|{　　ﾉ　　　　　　　　　　 「おう」
　　　　　　　　./ ノ/;,;,;,;,;,;,;,;,;,＼＼＼r--===ﾉ .ノz
.　　　　　　　 ´　/;,;,;,;,;,;,;,;/＼;,;,;ヽ￣|　　　￣　　 |l
　　　　　　　　 /;,;,;,;,;,;,;,;,;,l l;,;,,＼,;,}　.|　　《　　　 :　ﾍ＝＝´｀ヽ
　　　　　　　　};,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;l l;,;,;,;,;,;,;,ヽﾉ、，-＝ ⌒　ヽ,l;,;,;,;,;,;,;,;,;}
　　　　　　　 /;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,,ｿ,,,;,;,;,;,;,;,;/P´　　　　　　 :　 ＼;,;,;,;,;,;|
　　　　　　ノ,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;ﾉﾉ;,;,;,;,;,;,;,;,;ｿﾉ　　　-…　´￣:｀ -　',;,;,;,;}
　　　　　{;,;-===;,;,;,;,;ﾉ」;,;,;,;,;,;,;,;,;,;//- ´　　　　　　　 :　　 l,;,;,;,l
　＿＿rナ77 ヽ ヽ;,;,;,;,;,;,;,;,;_....=".八　　　《　　　　　.:　　.,;,;,;,;,;〉
（（＿ﾉ;,;,;,-=<__／＼＿__ノ　}=-"　　、　　.》 　　　 .: 　.ﾉ;,;,;,;,;,〉
　　/;,;,;,;,;,;,,;,／: :....: :＼∧　　' ,　　　 ＼《ﾞ《　　;;　.:　 ｲ;,;,;,;,;,ﾉ
　 ﾉ;,;,;,;,;,;／.....:.:.:.:〜／: :ヽ　　 i　《 　 ,　　ﾞﾞ … --"　;,;,;,;,;,ﾌ
　 ＼_.／へ: : : :....／: : :..... ⅹ{　i　》　;;　　　巛　　ﾉﾉ.{二二;
　　＜: : : : : ＼／: 〜て／: : :ﾍ ',,《　;;　　;;　　》　 (　 i,;,;,;,;,;,}





　　　　　　　　　　　　　　　　　 　,､ﾊ,
　　　　　　　　　　　　　　　 　　 ﾉ .::::v!
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　　　　　　　　　　　　　　　　　r ‐- ‐'7
　　　　　　　　　　　　　　r 　´ ￣　￣ ヽ　　　　　　　　　　わりぃが、先に逝っててくれ。
　 　 　 　 　 　 　　　 　/　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　 　　/:::　　　ト ._＿ イ ⌒j　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　 7⌒ T´￣ :::::::::/::::::|'
　　　　 　　 　 　　 　/ 　イ:::::::::::::::::::::ﾚ':::::|
　　　　　　　　　　　　ヽ.:::::|::::::::::::::::::::::|:::::::|
　　　　　　　　 　 　　　 `ｰ!:::::::::::::::::::::ヽ ::ﾉ
　　　　　　　　　　　　　 　 !ハ　∧　 　ノ＼
　　　　　　　　　　　 　 　　!　　　　　　　　　ヽ

5520： ◆x0SRSoJXe.：2023/01/12(木) 23:35:52 ID:5TVa8Suc0

　　　 　 |　ﾍ:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: : j !
　　　 　 |　 ∧:: :: ﾄ､:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :／ }
　　　　　＼ 　 ＼::ゝﾍト､:: :: :: /:: :: ｨ7ﾉ:: :／　 ﾉ
　　　 　 　ﾊ ゝ、 「 ー＜:: :: :: :: 7::＿ ,.ｨ´　 ,ｨ7
　　　　　　}:: ｀＜_}　　 　 ｀⌒Y::「　　　{__／::ｲ,
　　　　　　Y:: ::√　　　　　　　l:: }　　　 ヽ:: ::/
　　　　　 _」､:: l ≧三≧､　 　 |::| x≦≠7::∠
　　 　 　 { ﾐ}:: ﾊ ヽ,-tｯ ､ヽ }　|::|_, ｬ-ｧ }::/iｿ
　　　　 　 ヽヽ ::!　 ｀ー '´　l | }/ ー ´ // ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　そう待たせることにも、ならねえからよ……
　　　　　　　ゝﾍ}　　 　 　 　 | |　　　　ﾚォ
　　　　　　 { く｀ﾊ 　 　 　 、　_l　　　　j´ﾉ}
　　　　　　__」 ＼ﾍ、 r,､＿｀＿＿, 　ノ´ /､
-ｧ　　´￣　｜　　｀＼｀ ￣￣￣　／　　l　　 ＞ -- ､ ＿　　
/　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　 ￣　 / 　 　 |　　　　　　　＼::＞......､
　　　　　　　　　　　　　　}､＿ イ　　　　　　　　　　　　　l:::::::::::::::｀:::::::..､
　　　　　　　　　　　　 　 l　 　 ﾉ　　　　　 　 　 　 　 　 /::::::::::::::::::::::::::::::｀'::
＼　　 　 　 　 　 　 　 　 '､＿/　　　　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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:／:: :: ＼　　　　 　 　 　 ／r　　　　　　　　 ,. :: ´::｀丶、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::

5521： ◆x0SRSoJXe.：2023/01/12(木) 23:40:32 ID:5TVa8Suc0

　　　　　　　　　　　　　 -‐━━=ミ
　　　　　　　　　 /⌒:^.: : : : : : : : : ::＞
　　　　　　　_.-=ミ: : : : ＼: : : : : : : : :V: `.
　　 　 　 .ｨ: : : : 7:〉 :∧: : :V: : : : : : :〈/: /〉:.
　　　　 /: : : : : :|/ | : :|:V: : :i : :| : : : : V〉: : ﾊ
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　　　 ′l: : |i :|i |i_,.ｨﾃﾃﾐ : : |N|ｨテﾐN: |:|i: : : |i
　　　{　｜:::|i :|i |i　 r勿,　|:N　 r勿ﾉ !::|:|5!: : : .　　　　　　　　　　シグナム……
.　 　 　 从::|i: |i |i:　^¨¨　　i　　　 　 」::|:|,ﾉ: ;小:.
.　　　　　　〕: :|i |N」　　　 ,　　、　　.: /|:| : /: : :|i
　　　　　　　　|i ||:|:i＞　　　　 　 .ｨ :/::」:/〈: : : 八
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　　　　　　　　|i7⌒V|　V寸ﾆﾆ才　!: /　　　＼_,V⌒ :、
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　　　　 〈,　　 / 　 　 V　V^V__/^V　|/　/　 　 ＼　/
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　　　　/　　　/八　　　　　　　_ji斗〜'へ　￣￣| 　 」(
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│.　　　　 、＼:.:.: ヽ|:/-|:. ! : |:.: |:.: /x 斥 |/ {:/|: !:.: ||:.:|　　　　　　 .│
│　　　　　ゝ:.:.＼:.:. |{´｀ｌ:.:|:.:.:|:.:.|:./ﾍ　{::ﾘ/ 〈/ ｌｲ:.:./l:./　　　　　　...│　　　　　　――マキシマムベットは大破撃墜。
│　　　　　 |＼:.:.:＼:|＼ ゝl:.:.:|:.:.|/　　 ゝ'　　＼ |:./ ﾚ′　　　　　.....│
│　　　　　 |:.:.:.:.ヽ、ヽ:|　｀!:ヽ:|、|　　　　　　 ／ ﾚ′　　　　　　　　 │　　　　　　カスパールは逃亡。
│　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.＼/　 ‘， ＼＼ 　 　― ´　　　　　　　　　　　　 │　　
│　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:. |　　　ﾍ:.:.:.ﾍ　　　　/　　　　　　　　　　　　 　 .│　　　　　　 カタストロフィ、フラップアッパー……
│　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.≠__　　　ﾍ:.:.:ﾍ ―‐´　　　　　　　　　　　　　　...│
│　　　　　 |:.:.:.:.:. / ｀ヽ､≧ｭ､_ヽ :.{　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　キャバルリィの沈黙を確認。
│　　　　　 |:.:.:.:.:.:|::＼　　 ≧ｭ､｀ヽヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　　　　 |:.:.:.:.:./::::::::＼ 　　　 ＼ｌ┤　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　　　　　 |:.:.:.:/:::::::::::::::::＼　 　　ヘ{ ヽ、　　　　　　　　　　　　　....│
│　　　　　 |:.:.:/:::::::::::::::::::::::::＼　　　|＼ ゝ　　　　　　　　　　　　　...│
│　　　　　 |:.:/:::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ｀￣ 7　 ﾍ´ヽ　　　　　　　　　　　....│
│　　　　　 |: ｉ::::::::::＿＿＿＿__|　　,′ 　 ﾍ::::ｉ　　　　　　　　　　......│
│　　　　　 |: |:::::l´::::::::::::::::::::::::::＼　＼　　　ﾍ:|　　　　　　　　　　　..│
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5522： ◆x0SRSoJXe.：2023/01/12(木) 23:49:44 ID:5TVa8Suc0

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│　　　.. ／: : : : : :ヽ　　 . . .-――-. . ､　l: :/-‐: ￣￣｀ヽ　　　　.....│
│　　.／: : : : : : : : : :／: : : : : : : : : : : : : ｀ヽ: : :-＝＝ﾆ￣｀＼　 　 .│
│　　i: : : : : : : : : :／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :_: :＼　　　 　 .│
│　　|: : : : : : : : /: : : : : : :＼: : : : : : : : : : : : : :i: : : : :＼ヽ: ヽ　　　...│
│　　| : : : : : : : !:{:{: : : : : : : : :＼: : : : : : : : : : :l: : :l: : ヽ:ヽ ヽl　　　 .│
│　　| : : : : : : : l: l lヽ: : : : : : : : : :＼: : : : : : : l: : : l: : : i: :l　 }　　　 .│
│　　|: : : : : : : : l: l:l: :＼: : : : : : : : : : : : : : : :/'´}: :l:/: : l: :l　　　　.....│
│　　|: : : : : : : : ﾍ: : : : : : : : : : : : : : : : : : r‐/〉': // : : ﾊ: l　　　 　 .│　　　　　　　　敵主要ネクストの撃墜に伴い、
│　　|: : : :l: : : : : :|ヽ: : : : : : : : : : : : : : ／{ l .l'ｲl /|: : / .}/　　　　　.│
│　　|: : :/ : : : : : l　_ヽ: :⊥: _: : : : : ／　　〈ｲ: l/' l:／　　　　　　 　 │　　　　　　　　通常戦力の撤退開始を確認。
│　　|: :/: : : : : : /./'⌒l´　　　｀ー ´　　　　.l: :l　 '　　　　　　　　......│
│　　|:/: : : : : : /　r-'＝＝＝=_-､ /　　 ／l: ,ﾘ　　　　　　　　　　.....│　　　　　　　　ここからは追撃戦に移行。
│　　|': : : : : : :/ ./＿＿＿　　　 ｀､ｭ_／　 l:/　　　　　　　　　　　.....│
│　 /: : : : : : :/'´:::::::::::::::::::::￣:::::::ー`-...　/'　　　　　　　　　　　 　 .│　　　　　　　　レーダーに敵機位置を再表示するね――
│　i: : : : : : : :l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀::.....､　　　　　　　　　 　 .│
│　l: : : : : : : l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::⌒i　　　　　　　　　　 │
│　!: : : : : : :l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::r=､　　　　　　　　　　│
│. l: : : : : : :l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::{{　 ヽ　　　　　　　　 .│
│. |: : : : : : l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::ヾ､ /　　　　　　　　　│
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はやてが敵リンクスの名前を呟き、それを聞いたなのはが感情を噛み殺した声で
状況伝達と指示を淡々と告げる。

幾度となく聞いてきた声だったので、嫌でも分かってしまった。
それに、シグナムという名は何度かなのはから聞いたことがある。
決して悪い感情ではなく、懐かしさを滲ませた声音で教えてくれた記憶がある。

下手に慰めの言葉をかけることもせず、撤退を始めた地上戦力に目を向ける。

最早、自分には敵となる友達はもういない。
全員、既に殺したからだ。

だからこそ、分かりたくもないが、分かることがある。
こんな時に必要なのは、静寂か、もしくは体温だ。

今自分に用意してやれるのは、静かな時間くらいのものだ。

ブレードが乾いた駆動音を立てて展開し、紫電が奔る。
早く終わらせよう。
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5523： ◆x0SRSoJXe.：2023/01/12(木) 23:50:32 ID:5TVa8Suc0
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5524： ◆x0SRSoJXe.：2023/01/12(木) 23:54:44 ID:5TVa8Suc0
　　　　　　　　　_　_　_
　　　　　　　／: : : : : : ｀i
.　　　 　　　i: : : : : : : : : :!
　　　　　　　､: :○: : ○: :!
　　　　　　　 i: : : : : : : : : i　　　　　　　　　今回はここまでだ。
　　　　　　　 l: : :,, --_ｯ: :',
　　　　　　　 丶 ｀‐'´: : : :ﾉ　　　　　　　　　次回なんだが……ちょっと、しばらく延期だ。
　　 　 　 　 / ´: : : : : : : : ｀ヽ
　 . 　　　　/: : : : : : : : : : : : : ヽ　　　　　　　というのも、近々引っ越しを控えていてね……色々段取る必要があるんだ。
　　　 , -‐': : ,: : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　／: : : ,-ｲ: : : : : : : : /｀丶: : : :､　　　　　 さすがに通勤1時間40分はね……人間らしい暮らしができない……
　 ｒ⌒ ,／　/: : : : : : : : i　 　i: : : : i
　 ` ‐ '　　/: : : : : : : : : |　　 ! : : : |　　　　　 5時起き22時くらい帰りを二年間続けた結果がボドボドボディだ。
　　　　 　 i: : : : , _ -‐ ´,) 　 ｀ ヽ _|
　 　 　 　 (_ _i￣(_　-‐'´i　　　　　　　　　　　ケツの穴から血も出るわな。
　　　　　　|　:|`‐´i : : : : |
　　　　 　 |: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
　　　　 　 |: : : : : |: : : : : !






　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　　まあ引っ越しが終わって、諸々落ち着いてくれれば、
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　　モコイさんも少し時間に余裕ができると思う。通勤一時間圏内になるからね。
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　　週400分、およそ半日分の時間が浮くからね。
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

5525： ◆x0SRSoJXe.：2023/01/12(木) 23:57:59 ID:5TVa8Suc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i　　　　　　　実はモコイさん、ちょいちょい寝坊していてね……
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ　　　　　　　二時間、三時間睡眠での活動ができなくなってきているんだ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i　　　　　　　おかげで毎月タクシー代で4万以上は溶かしていた。（職場まで\15000ほど）
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |　　　　　　　　これでそれもなくなると信じたいね。
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
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　　　　　　　　　　 i:::::::::::::::::::::: i　 ／　＼ 　＼
　　　　 　　　　　　i :::::::○::::○i／ 　 　　￣￣
　　　　　　 　 　　/ :::::::::,,- -_ｯi　　　　i i i
　　　　　　　　　 /::::::::::｀ー‐'´ヽ 　 ＿＿i i i--i　　　　　　　　それじゃ、シーユーアゲイン。
　　　　 　 　 　 /|::::|::::::::::::::::::|:::|　 ￣￣￣|::::::::|
　　　　　　　　/::::＼ヽ :::::::::::::i:::|　　　　　 ﾉ＿_ﾉ　　　　　　　　思ったよりもスムーズに行ったりして投下できそうなら、また言うよ。
　　　　 　 　 /::::::::::::＼＼::／|:::|　
　　　 .　　　（_ _.)￣i __.＼＼ |:::|　　　 i i i　　　　　　　　　　　　遅くとも二月下旬くらいには再開だ。
　　　　　　/::::::/|￣|ヽ:::::　し（ メ　　　 ﾉﾉﾉ
　　 　 　 /::::::/ﾉ_ _ﾉ　>:::::） 　 　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　元気でね。モコイさんのこと忘れないでね。
　　　　／:::／　 　　/:::／　 　 　 　 ＼＿＿
　　　/:::::/ 　 　 　 （＿つ　　 　 　　 /:::::::::/
　　　し'　　　　　　　　 　 　 　　 　 ノノ・ ./∴:・:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　~~~~~~~

5526：安価のやる夫だお：2023/01/12(木) 23:58:32 ID:MI98ZlzI0
乙
了解です

5527：安価のやる夫だお：2023/01/13(金) 00:20:30 ID:z8n1JMCw0
乙でした

5528：安価のやる夫だお：2023/01/19(木) 22:08:33 ID:U49bM5O.0
乙

5529：安価のやる夫だお：2023/02/02(木) 00:06:37 ID:n/KYuPMs0
乙でした

やる夫たちは、企業のバックアップなしでどこまでやれるのかしら？

5530： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/12(日) 23:21:14 ID:m4LviNE20
ハロー、モコイさんだよ。

少しずつ落ち着いてきてね……次の休みを費やして、諸々の手続きを済ませれば一段落って感じだ。

次回だが、2/23(木)の午後九時からとしようと思う。

それまで時間を見つけてちょこちょこ書き溜めしていくよ。

シーユーアゲイン。

5531： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/23(木) 21:00:22 ID:aQYpD0Wo0
　　　　／||ミ
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　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
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　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _l　　　　　　　　ハロー。
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　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

5532：安価のやる夫だお：2023/02/23(木) 21:11:48 ID:zhXy7epw0
ハロー

5533： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/23(木) 21:13:47 ID:aQYpD0Wo0

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :', 　　　　　　　　　もはや誰かが見てくれているのか、それすらも定かではないね。
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ　　　　　 自業自得なのだが……まぁ数割は状況が原因なのだが、残りは自業自得だ。
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ　　　更新頻度が低けりゃ誰も見なくなるわな。ヒラコーや富樫先生じゃあるまいし。
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ





　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i　　　　　　　ぼちぼちやってりゃ人も戻ってくるかもしれないし、やっていこっか。
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ　　　　　　　　……なのだが、今日はさわりだけだ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i　　　　　　　　休日出勤してて書き溜めができなかったのだ……
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |　　　　　　　　代わりに日曜日が休みになったから、週二投下でカバーしたい。
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘　　　　　　　　それじゃ、改めてよろしくね。
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´

5534： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/23(木) 21:23:29 ID:aQYpD0Wo0

　　　　　　　　　　 ｨ
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/´ィ て_　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　」　 ,イ.ﾞ　　　 　{_, イ　　　　ィ　　　　　　　　７,,,,｝ｨｲ
ﾞ ′　　　　　　　　　　　　, イてｨ′　　　　　　　　　ﾚイ.　　　　　 ,　ｨ　　　　　　 ′　　　 　 　 　 ﾑ. ,ｲ　/
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ﾐh、　　　　　 /l!　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／::ﾉj!　　　　　　　　　　　　　　　jI斗=‐-ｘ　　　　　 　 .弋彡
}::::::ﾐh､ }h､　/ j}l　　 　 　 ＿_　　　 　 　 　 ／ x¨ｲ、　　　＞=ﾆ三ﾆﾆ==-=ﾆ三--ｧ=ﾆ￢ｘヽ.,,,___
`i ミ::::::ﾐh､'/＿}l　　 jI斗ｲ｡s幺 　 　 ＞ｨ=f'l ／/ﾆ= ,ｨf≦sf´乂 ”,｡‐-　 ⌒ゝ`x　fxf=x／}l r=ｧ- ‐ = ﾆ 二ミメ、
`iｘh、　`r‐=‐-｡`,ｘｆｰｧx‐'s＜っ　 /r',ｨfつ／ ,/=ﾆxヾ、 Y心'x-‐=r-‐=ﾆfﾆニ二lYiヽ　二ﾆIiIiIiI廴 j I 斗 ' " ´
/ 人 ＞ 乂＿∋ﾑヽっﾆﾊｰ` ｘ＿〈{　/￣ｘ ／l{　　,) }lx‐ｘﾆﾆ{三I}jI斗‐ = ﾆ ´￣弋I＞／,ｨ'iIiIIirfｘ
レ彡 〉、　　　 ＼ /＜ﾆﾆﾆ＞οﾊ　 >i! j! ｧ=＝ "´　　　　　￣⌒　　　　　　　　　　　　　l{三三l{H}
...　 ./ｘ ノ,_x'^ 、l!f ＜　＞ ,｡sf≦´ｧイ}ノiﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ=-‐＜
f ヽ > ヽ／/ﾆﾐ>｡, ﾏ `rf≦ﾏ＞s >　　　　i　　弋､i..　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　,ｲ　　　ｒ'(　　,.ィ
jI ﾑ　jIﾉ　/ﾆﾆ7　　＞ ﾏ 　 x,／ヾ〉　 ィ'ｒﾞ　　 　 `　　　　　 弋ュ、　　　　 　　 ,ｨ/　　　ヾ、｀¨´
.　 .ﾑ r' ./ﾆ=-7　　　　 ﾉx─ｧxヾ/...／'. i 　 　 ,　 ﾄ、　　　　　　￣~゛'ー－ェ彡'´ , ィｧ'　 廴.　 　 ,ィ
ｨ　 ...}lxノｰ-=┘　,ｨftｘ' Y ヽ' r‐λ .'´. ﾄﾞ!.　　　iﾊ i　｀ヽ、　＿　　　　 ｒ'´｀´_,.．-‐'.ｱ　 ,ィ',.ィ''ゞ'＾´
'　 .〃 l　　lll　　 l{jIｲｿ /　/弓 ﾑ ヽ.ィ ,!　　　　｀ ゞ|ｋ=ﾞ￢'´ｚ_＞　　　｀ ー'´　　　ゞ彡ゞ´
', 〃　ﾉ　,ｨノ　　 / ¨´/ 从 l!7 ﾏﾑ 圦 .ﾏ　　　　　 ﾏ｀ヽ、　　　　｀ゞ=＝Z.　　 　 　 ｲｪｪｪｧ

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その晩、オルデンブルクの経営に携わる首脳陣は、揃って目を覆った。

彼らが擁する最後のリンクス、シグナムが駆るキャバルリィは、
炎に巻かれて残骸と化した。

固唾を飲んで戦果を待っていた彼らとしてはたまったものではない。
せめて相討ち、あわよくばテロリストたちの首の一つでも持って帰ってきてくれれば、
今後の企業連内部における彼らの身の振り方もあっただろうが。

当然、メディアで公表などするはずもない。
彼らは手馴れた流れで、シグナムの出撃をひとまず秘匿した。
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5535： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/23(木) 21:28:34 ID:aQYpD0Wo0

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ネクストは力である。
ネクストの保有数こそが、企業が振るえる力の規模そのものなのだ。

アームズフォート開発も未だ黎明期に過ぎない中で、全てのリンクスを失った
オルデンブルクの未来は完全に確定した。

オルデンブルクは解体される。それは免れないだろう。
他の四大企業が群がる猛禽のように、オルデンブルクを生きたまま啄み、腑分けする。

領土、プラント、インフラ、人員、兵器、何もかも跡形もなくなるだろう。
シグナムが死に際に予見していたとおりだ。

だが、それ以上に、オルデンブルクの崩壊には大きな意味があった。

短い企業連統治の歴史上、初めてテロリズムによって企業が崩壊したのだ。
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5536： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/23(木) 21:43:40 ID:aQYpD0Wo0

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　　　　　　ゞヾ　　　　/　∥　　　　　　　　　　　　　　　　_／､　ゝ｀ヽ
　　　　　　　ー＼　 /ｉ!ｉ　ｉ!　　　　　　　　　　　　　_,r辷ﾉ´ｰ´ ヽ＼ー
　　　　　　　　　　∨刈Ⅳ　　　　　　　　　 孑介ー―｀ﾞ　　　　ｉ　　 !＼
　　　　　 　 　 　 ,r∨　　　　＿,斗≠三ト､　ﾞ刈≧_　 　 　 　./　ﾉ / ＼
　　　　　　　　　/　 ﾞｉ三三三≧三三彡´ﾞ　　 ヽ　　｀ー 　 _ノ |´　ｉ　≧ｰ-
　　　　　　　　ノ　　/ｉ三三ﾐﾒ　 ≧≦　　　ﾞｉ　　　　　　　｀ヾ ミ|　/　　＼ゝ
　　　　r=≠≦　 ／/ヾ三三≧ｰ´　　 　 　;|　　　> 　 　 ､/,､ミ|ｰ∧　 ＼ゞ
　　　 /　　　　／／∨ !三三三ﾐ 　 　 メヾ≧z彡ﾞ三ミメ､ヾヾﾐj　 /∨ Ⅳ
　 　./　　 　 /／　／｀ミマ三三ミ斥彡ノ´　,r=＝彡￣ 　 ｀ﾞﾞﾐ/／　 ∨ｉ!
　　/　　　　∥　 ｉ´　　|三三三三刈｀ﾉ 孑´　　r≦≧=≦ ､ﾐ/　 　 　 ∨





　　　　 ヾ､ー､､-===-､｀ヽ、ヽ
　　　　 ＞''"´￣￣￣｀`ヽヽ｀ヽ.ヽ　 、
、ミｰ彡 ―=二￣￣｀`''＜＼'，∨}!　}!
　丶｀''――=　-=ﾆニ=ｧ…'⌒ヾ Ｖ V }
.　ヽヽ￣―＿二ﾆ=-_/ 　 /毛ﾐノ イ彡
. 　 ヽ ､`''〜､､,,_ ｱ´/ 　 /　　　｀` }ヾY
　　　 ',ヽ , -､ 彡' ,ｲ　／　　　　　 {川)!
　　 ヾヽV ハﾐ㍉ィ7ｲ､､,,__　 }!　 __}ｲ
　　　 ﾍ ﾊ〈 {.ﾐ'"｀`l{ミ===ﾃ'}l,,ｧ'::::/',
　　　　 }ｿﾍ-　 ヽ　ゝ……',ィ::::アl::::'，
.　　 　 / 　 `l　　',　　 　 /:::::ｱ| ハ,ィ:::)、
.　　 ／ﾍ　　卜、 l,,､､-ｧ'ﾞ:::::/,ィ:::::＞'´::::ヽ
_,Ｙ´{.　　ヽ　 ',　＼｀'-ｲ::;;;ィ::::: イ＿_.斗┐
.-∨∧　　 ＼::. 　 /::::::::,,､､‐''":::::::＿ イ:::
◯=∨/心､　 ＼,ｲ:::::::::／::::`''――‐ｧ::::ヽ
':.:.:.:.:.:.寸//心／:::::::::::::::::::::/¨¨¨¨¨´.:ヽ::::::
.:.:.:.:.:.:.:.:.寸//:::::::::::::::::::::::,ｲ',.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ::::
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.V⌒｀ヾ;;＞''/ﾍ }｢.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',ゝ
.:.:.:.:.:.:.:.:.:./　　　 //////ﾊ}!―､､,,.:.:. イ:.}
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残された四大企業も、相応に頭を抱えた。

これまで散々潰し合いをしてきた仲ではあるが、彼らは互いを完全に
消し去ってしまいたいとは思っていなかったのだ。

四つの大きな勢力が睨み合って成り立つパワーバランスがあった。
今や、それが崩壊したのだ。この先、だれがどうなるか分からない。

アヴィアコルは各企業合同で、コジマ兵器の大規模運用を声高に提案した。
直接戦うのがリスクなら、薙ぎ払ってしまえばいい、と。

SIは消耗戦の構えを見せていた。
敵は桜花重工の亡霊に過ぎず、貯えもたかが知れているのだから、と。

企業連の長たるIGIOは、これだと選択することもできず、
かといって打開策が思いつくわけでもなく、煩悶としていた。

コジマ兵器で全てを薙ぎ払うのは最後の手段だ。
裏を返せば、最後の手段としてなら十分に選択肢に入る。
地上の生存圏を全て潰せば、企業連の栄華も潰れることになるからだ。

消耗戦もあまり賢明な策とは言えないだろう。
相手は数あるリンクスの中でも、実力だけなら最上位の布陣だ。
たとえネームレスをぶつけたとて、敗北の可能性は消えない。
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5537： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/23(木) 21:51:02 ID:aQYpD0Wo0


　　　　　　　　　　 _,,ゝー ､、
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　　　　　　　 ﾌ'　／,ｨi毟ノｨ,-ヽ
　　　　　　　/／／-'l||ー＿,ミ､〉
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　　　　　 彡ｧｲゝ─┘_¨¨¨´|ｲ}__,,､､､
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　　　　 　 ヽ.:.:.:.ﾉ V////〉_./ 〉.:.:.:.∠
　　,､､､.　 ＜.:.:. 〕｀}/////}　/.:.:／.:.／　, -､
.　 l r‐ )＞￣.:.:〈;;; }////,〈㌢|ｲ.:.:／`'く_(_)　}
.　 ゝ_,,､､-=＼.:.:.:|>!///ｱノ . |.:.:/≧s｡　 ＿〈
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　　 /ﾆﾆﾆﾆﾍ.:.:,';;;;;￣;;;|;;;;|/;;;;|.:.:|ニニl｣」l」」 ',
　　 Vﾆﾆﾆニ}__| ;;;;;;;;;;; |;;/;;;;;;;;|､:V二二ニﾆﾊ_',
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　 /ﾆﾆﾆニ/;;;;:/ ;;;;;;;;;;; |＿＿./;;;;;;;;;;;;;寸ニ>
. /ﾆﾆﾆニ/ﾆ＼;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ﾆﾆ＼

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ブライドル本部の上層階、いわゆるエグゼクティブフロアだが。

そこから天上人のように地上の戦火を見つめる企業連首脳陣は、
配下や傘下組織に圧力をかけるばかりで、何をするわけでもなかった。

数多の犠牲の末に築いた玉座が揺らいでいるのだ。無理もない。
幸福が選別され振り分けられるこの時代で、幸福が集中するポジションで、
幸せで平穏な生涯を送るのだと信じていたのだ。老人たちも騒ぐだろう。

モリアーティは思案する。

権謀術策を巡らせIGIOを支えてきた初老の男は、忙しなく口髭を撫でながら、
こう考えた。
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5538： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/23(木) 22:00:32 ID:aQYpD0Wo0

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次の戦いで、企業連は最高戦力を出すだろう。
SIのラスト、アヴィアコルのラズルシェニェ、そしてIGIOのノーバディ。
最高ランカーが群れを成して、桜花の亡霊を粛清する。

だが、もしも、万が一に敗北する未来があったなら。

勝利者たる彼らが地上の支配権を得る。
彼らの言う通り、コジマ技術の兵器運用は封印され、世界は後退するだろう。
待っているのは混沌だ。ネクストを手放せば、安定した文明の管理はもう無理だ。

だが、そうなるのだとしたら、いっそのこと。
必死に肥えさせた土地を奪われ、別のものが繁殖し栄えるくらいなら。
一度何もかもを荒野に戻し、それから種を植えなおした方が賢明なのでは。
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5539： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/23(木) 22:04:10 ID:aQYpD0Wo0
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5540： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/23(木) 22:10:24 ID:aQYpD0Wo0

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沈みゆく夕日に照らされる海上基地の中は、活気に満ち溢れていた。
戦える者は戦いに備えて体を休め、戦えない者は戦いの備えに奔走し、
何もできない弱い者はその様子を眺めて期待に沸き立っていた。

オルデンブルクはじきに倒れる。
時代を支える四つの巨大な柱が一つ折れたのだ。

今まで神の如き存在でもあった企業が滅びゆく現実が、
世界の片隅に追いやられた彼らに希望を抱かせていた。
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5541： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/23(木) 22:18:56 ID:aQYpD0Wo0

〜潜水艦アマツ　CDC内部会議室〜
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二¨-‐=''ﾆ⌒:::::::::::::::: |　｣ﾆﾆﾆiﾆﾆﾆﾆiﾆﾆﾆﾆiﾆﾆﾆﾆiﾆﾆﾆﾆiﾆﾆﾆﾆiﾆﾆﾆﾆL　　｢´"''ｰ|´~" '' ￢ｰ-　 __￣¨¨
斗-‐ '' "´´_＼:::::::__,..|┬──|￣|────────|￣|─|￣|──‐┬　　⌒ア_￣”¨"''　‐　　__「｣"''
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Ｔ｢ ｏ　ﾛ |-┘　|_◇__区]_匚]_＿i_匚]__|__匚]__i_i_i_区匚]__匚]_|_i_i___匚][]_i_i_匚]_|　　¨ﾆ=--ｒ-=ﾆ.,,_´"'' ‐-
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　　　 　 　 　 　 　 　 八ｲ.:.:.{.:.ハ| 　 .|.:.| 　_＼:.:.:.:.:＼.:.:.:八＼{＿ノ　　　　　　――よくもまぁ、ここまで生き残ったもんだ。
　　　　　　　　 　 　 个.:.:|.{.:.:.:{えﾄxヽ |.:.| ´Ｚrたｱ‐=彡.:.:.:.:.} ーイ
　　　　　　　　　　 　 |.:|!.:{.:＼{､　　 :} |.:.|　 　 　 　 丿.:./..:/.:.:.:.:.:}　　　　　　　 最初はもう、『どう死ぬか？』って感じだったのによ。
　　　　　　　 　 　 　 乂.:/:乂_ 　 　 | 乂:､　 　ｰ=彡.:.:/／.:.:.:.:／
　　　　　　　　　　　　　 {.::ハ∧　　〈　 _　＼　　ｰ=彡ｲ.:./. イ　　　　　　　　　　今じゃあ皆『戦いが終わったらどうしよう？』だもんな。
　　　　　　　　　　　　　 乂 /.:.∧　　　　　 　 　 　 / |:|.:.:.:.:ノ
　　　　　　　　　 　 　 　 　 {.:.:{.:∧　 ─‐-　　　／ｰ=彡 .:.|　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　 乂.:{.ハ　 ⌒　　 ／　　 |.|.:.:.{八
　　　　　　　　　　　　　　　{ : : ＼ 　ー─＜ ＿ .　イ}.:.:.:.ト　.　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　|: : : : : ＞┐　　　 |::|　　|.:.:.:.ﾉ: : : :＼
　　　　　　　　　　　　 　 r┤: : : : : :Ol!　　 　 |::|　　|.:.:(: : : : : //
　　　　　　　　　.　‐＝　 ＿} ＼: : : Ol!　　 　 |::| 　 ﾊ:.:.:＞ : //
　　 　 .　‐＝　　＝‐　´: : : : :＼＼:＜ 　 ｰ＝|::|　/ ∧ﾉ: : ＜ ＝‐　.
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　　　　　　　　　　′: : : : : : : : : : : __/__|: : : : :.＼＿
.　　　　　　 　 　 i: : : : : : : : : : : : : /‐- |: :|: : : :｢￣　　　　　　　　アマツからの避難民を捨てていれば、
　　 　 　 　 　 　 |: : : : : :/.:ｲ: : : :.ｨ≠ﾐ/.:/ : : : |
　　　　　 　 　 　 |: : : : :/:（_|: : :|:{ 　 /／　>: :.ｲ　　　　　　　　　　もっと早くこの展開まで持っていけた可能性もあるけどねぇ？
　　　　　　　　 　 |: : : : |/.: :|: : :|: 〉　　、 , : : :|:|
　　　　　　　　　　|: : : : }:､ :八: ﾙ _　 　 /: :/|:ﾚ
　　　　　　　　　 /: : : : :ヽ:｀^メXxメx￣ }イメXｘ
　　　　 　 　 　 /: : :. : : : : : : : :｀ﾏメXxメx､ ｀^メXx
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無骨で落ち着く要素など欠片もなかったCDCも、
この面子で集まると若干の安堵を覚えるようになった。

慣れた様子で各々の席につき、それぞれが互いの領分の報告を終えると、
ディランディや篠ノ之がぽつりぽつりと思いの丈を口にする。

今までで一番、声に張りがある気がした。
それだけ、状況は好転しつつあるということだ。

篠ノ之の相も変らぬ心無い台詞に、真壁がわざとらしく咳き込む。
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5542： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/23(木) 22:28:28 ID:aQYpD0Wo0

　　　　　　　　　　　　　　 ＿__　　_　-＝ミ
　　　　　　　　　　　　 .／: : : : ｀´: : : : : : : :＼_
　　　　　　　　　　　 ./: : : : : : : : : : : : : :: : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　 _丿: : : : : : : : : : : :ﾐif' : : : : : 弋
　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : :ミiL_: : : : : : : :＼
　　　　　　　　 .': : : : : : : : :／: : : : :ミj⌒`: : : : : : : :: }
　　　　　　　　/: : : : : : : :/: : : : : :r=jL_, : : : : : : : : :.(
　　　　　　　　∨: : : : : :〈: : : : : : {　　　V: : : : : : j_: : Y　　　　　　　　　　　彼らは生き証人だ。我々の行いの善悪はともかく、
　　　　　　　 　 V: : : i /∧: : : : :.|　　　 从: : : : Y }: : |
　　　　　　　　　.}: : : 从厶__､: :j丿＿彡⌒∨: : //:_:ノ　　　　　　　　　　　　彼らという人々を守る為の戦いを行ったという、ね。
　　　　　　　　　{: : : : :| ー='从{　　ー一 '_彡イ丿.i
　　　　　　 　 　 `＼:/乂　　　ﾘ　　　　　 　 j{¨ ∥|　　　　　　　　　　　　　　それを蔑ろにすれば、待ち受けるのは絞首台だ。
　　　　　　　　　　　 j}/ハ　　 ,}　　　　　　　j{／　.|:､
　　　　　　　　　　　 ///∧.,'　ﾏ>　 ヽ　　.／　　　|:::::＼　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　 ／ ∨///ヽ´￣_￣`　／ {{　　　.'::::::::::::＼
　　　　　　 　 ／　 　.∨//,:人＿＿ ノ /_.丿　　/::::::::::::::::::::＼_
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.　　　 　 '　:,_/〉-,ノ　　 ./　 　 /"　　　　ヽ
.　　　　　ｒ/_.'-‐' 　 ＼ .'　　　/　／　 　 !　､
　　 　 　 `! !.　　　 ､,.ヽ!　　_./／' ,. ｨ　 i　! }
　　　　　　', !　　　 /､ﾉ|　　 .た!ヽヽ/ ノ'　;.ﾉ
　　　　　　　、 、　,ﾍヽ.l 　 l l　　　´　,/,ｲ/
　　　　 　 　 V/＞/∧ l　　!l.　　 　 {.'　.l　　　　　　　　　　道理だな。形振り構わず市民を切り捨てていたならば、
.　　 　 　 　 _l'/////∧l　　l|　- 、 ,.ゝ　l
　　　 　 ,ィﾆ二二ニ_＜,.――--＜!　　l.|　　　　　　　　　　勝利したところで、近い将来縊り殺されていただろう。
　　　　 /二二二二／::::::::::::::::::::::::::::＞､i|
　　　_,./＞''" -=／::::::::::::＿＿:::::::::::::::::/}　　　　　　　　　　　彼らは我々の行動を肯定する社会の土台となる人々だ。
― /ﾆｉ.lニニﾆﾆ{::::::-:::￣::::::::::::::::ヽ:::::://
::::::i=ﾆ!.!二二ﾆ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::; '　　　　　　　　　　　　　 守った意味はある。
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::::lﾆﾆl ｌニﾆ〈::::::::;:ィ二ニ=_､,､::;:::::::jム
::::!ﾆﾆ!.ｌ-=二';:::://:::::::::::;::ﾆ//ヽ::::/ヽ!ﾑ
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真壁が訂正し、アルトリアが追撃をかけると、さしもの篠ノ之も口を噤んだ。
バツが悪そうに視線を落とし、「思っただけだし」とへそを曲げている。

まあ、仮に篠ノ之の言うように方針転換していたとしても、
状況が好転していたとはあまり思えなかった。
戦えない者たちのバックアップがなかったら、とっくに自分たちは限界だったろう。

生き残ったとして、悪逆非道の、ただ力が強いだけの少数派になる。
その時は良いが、いつかの未来で、負債を払わされることになるだろう。
たとえば、力を失った途端、周りの人々が首に手をかけてくるような。

善性や信頼といったものから何も生まれないが、それがモノを言う場面もある。
この二人は、そういうことを言いたいのだろうと、何となく伝わった。
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5543： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/23(木) 22:32:37 ID:aQYpD0Wo0

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　　　　　　 /.／ イ::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ:::::::::/::::::ﾉ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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　　　　　 |/　//::::::/:::::::::::::::::ﾊ:::| ./:::/三≧/／/::::::::::::::/　_　ヾ:::::::::::
　　　　　 |　/ .i:::::/i::::::::::::::::::| 升彡イニ￣ 　 /／i::::::::::| /　 ） i:::::::::::
.　　 　　　　i　.l::/ ｨ::::::::::::::::::|　ヾﾃr j ／　　 　　./::::::::::| ） /　.|::,:::::-
.　 　　　　　|　.| ﾊ i:::::::::::::::::::ミ､　）‐'´　　　　　 /::::::::::::| / - ' ´三三　　　　　　　で、だ。そろそろ具体的な話をしてもいいんじゃないか？
.　　　　　　 |　　| |.ﾚi::::::::::::::,､:ヽ＼　　　 　 　 ./:::_::::-:::'::´三三三三
.　　 　　 　 ヽ　 | |　|:::::::::::/　｀ﾐ､_ ＼　　 _　- ' ´三三三三三三三　　　　　　　　俺は医者で、政治家じゃあないが。
　　　　　 　 　Ⅶ　Ⅵ::::::::/_　　-　　　 Y´三三三三三三三三三三
　　　　　　　　 ヽ　 V:::ﾊ:::::::＞､　　＿ .＼三三三三三三三三三三　　　　　　　　この後の方針を決めてもいい時期だとはわかるぜ。
　　　　　　　　　　／ヾハ:::/三 >'￣　　　 ヽ三三三三三三三三三
　　　　　 　 　 ／三三三/三三ﾆ｝￣　　　 V三三三三三三三三三
　　 　 　 　 ／三三三三三三三::i､　　　_ ィ ト三三三三三三三三
　　　　 　 <三三三三三三三三三三三三ﾆ.| ヽ三三三三三三三
　　　　　 　 ｀ -　､三三三三三三三三三≧／:::＼三三三三三三
　　　　　　　　　　 ｀ - ､三三三三三 ／／/）:::::::::人三三三三三三
　　　　　　　　　　　　　　＼三三ﾆ.／／/.//::::::::/ | |三三三三三三





　　　　　　　　　　　　　　 _ ..． -‐‐---　．.
　　　　　　　　　　　 .｡: :´:／ : : : : : : : : : ヽ:｀丶、
　　　　　　　　　 ／ : : : /: : : : : : : : : : : : : :ﾟ.: : : ＼
　　　　　　　　, ': : : : : : : /: : : : : : : :|: : : : : : : : : : : ヽ
　 　 　 　 　 / : : : : : : : ,': : : : : : l: : |: : : :i : : : : : : : : ﾍ
　　　　　　 /: : : !: : : : : l: : |: : : : |: : |: : : :|: : : : : : : : ﾟ.:‘.
　 　 　 　 ,′: : :|: : : : : |: : |: : : : |: : |: : : :|: : : : : : : : :|: :i
　　　　　 . :|: : : :ﾟ, : : : : |: : ﾟ, : : : |: : |: : : :ﾄ: : : : ｉ : : : |: :ﾟ.
　　　　　: : |: : : : ﾟ,: : : : |.: : :ﾄ. : : |: :,': : : : :ﾄ､ : : i : : : |: : i.
　　　　　| i:{ﾍ: : : :‘,: : : l: : :ﾘ.ﾑ.　!: : : : : : :|ﾟ¨Ｙ: :i: : : :|: : :i
　　　　　| |:ﾍ:ヽ: : : ﾟ:: : :|: :/´_..ﾑｉ| : : : : : : |｝ｉ:|: : !: : : |: : :|　　　　　　　　このままいくと、まさかまさかの天下獲りだものね。
　　　　　{:乂:} : ヽ: : :ﾟ, ::∨ '爪等| : : : : : : ト ﾉ : : : : : !: : :l
　　 　 　 ｀ヽﾍ.: : :ヽ.: : : :ﾄ、　 　 | : : : : : : |彳: : : : :.:.:.: : :‘.　　　　　　　　やる夫君が言ってた、コジマ兵器取り上げて終わり、
　　　　　　 ゝ､ﾟ.|､､{ゝ､: : !　　　　|: : : : : : ::! |: :ｲ: : :l:.:.:.: : ハ
　 　 　 　 　 |ﾊﾘ l!`　 ヽﾘ＿　　｜: : : : : :,' //_j : : |:.:.:.|: ,' : ﾟ.　　　　　　　　ていうわけにもいかないでしょ。
　 　 　 　 　 |: ﾞﾄ、　　〃ﾞ＼　_ . |: : : ,' : ﾑｬ ﾄ､| : : |:.:.:.|:,': : :‘.
　　　　 　 　 |: :{. 〉.,　{ﾍ　 ﾊ:＞.､ﾟ.: :/ィ: | {{ ﾘ /: :,'.:|ヽ,'∧: : : ﾟ.
　　　　　　　 |:|ヽ{{ |　＿　|:.:〉:ﾊ::f∨!:i.!: |. ゞ,:': : : : :!-{.:ﾄ､: : : :‘.
.　　　　 　 　 ﾘ　γ´.....．ミ〃、|,ヘ.∧从!／:／: : :,′｀ｰ‐＼: : :ﾟ．
　　　　　　　　　 √-‐━‐-ミ7ﾘ:::::::::入≠　.ｨ/: : /　　　 　 __ヽ: :ﾟ．
　　　　　　　　　/:　:　:　:　:　{.,L.::／／ﾏx:'// : / 　 . -‐ ¨　　 ∨‘.
　　　 　 　 　 Ｙ:　:　:　:　:　／::::/　　 　 `´/:.:./: ／.　　 　 　 　 i : ﾟ.
　　　　　　　　l:　:　:　:　:／:::::::/ﾉ　 　 　 /: :/／／　　＿＿＿　|: : i

5544： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/23(木) 22:34:41 ID:aQYpD0Wo0

　　　　　　　 　 　 　 　 l:::::::::: !:::::::::::::::::: ,':::::/:::::: }::::::::::::';::､::::::ヽ::::::::＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 l::::::::::::|:::::::::::::::: ,':::::/::::::::::l!:::::::::::::';::';:::::::::';:::::::::::ヽ
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　　 　 　 　 　 　 　 　 ,:::::::::::: |::::|:::|:: l::| rﾁてﾄ、 ,':::,ｲ/,二,_l |::::|:;' :::: i
　　　　　　　　　　 　 /:/:::::::::::|::i:|:::|::::';:l 乂ツ_　/／ " l'ｿﾘ`/::/!':::::::::|　　　　　　　それに関しては、私も同意だ。
　　　　　　　　　　-="/::::/::::::;'::|:|:::|::::::';;､　　　 ´ 　 　 ¨"''/::ｲ::::::: i:i::l
　　　 　 　 　 　 　 ／_; ｲ:;ｨ'/,ｨ'::|:::|::::::::'ﾐ､　 　 　 　 ,　 　 /:::|::::::::从:!　　　　　　　 いい機会だし、ここで話し合いをしても……
　　　　　　 　 　 　 　 　 " |´/／l:::|:::::::::::',`　　 　＿　 　 /!:::/::::::/,' ヾ、
　　　　　　　　　　　　　 　 l::´::::|: ｀i'=z､::::',　　　　　　 ／-|;/!::::://
　　　　　　　　　　　 　 　 /::::::::;':::: |:::::|､｀ﾞ'' ｀''　 __,...:"::{ニ}_ |／/
　　　　　　 　 　 　 　 　 /::::::::/:::,ｨ.|:::::|;;｀'z､_　　/ﾍ:::::/{ニﾄ,',
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　　 　 |＼ 　 　 　 __／,,...-='| |: : : |:::::|;;;;;;;;;;/　　ヽ;;;',:.:.|:::::|', '.,'.,_　　／: : |!
　　　　l＼＼-=''" : : : : : : : :.| |: : : |:::::|;;;;;;;;/、　　 !､;;|: |:::::| ',　'.,{ ∠_: : : :||
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　　　/:.:.//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｌ:.:.:.:.:.ｌ:.:.:.:.||:.:ﾊ:.ヽ:.:.:.ヽ、,-:.┼--___:|:.:.:.:.:.:.:.|:.:/:.:.|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
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　 　 |/　|:.:.:.:.:.〃:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|:|≦卞|｀ヽ ヽヽヽ 〃て::､ 弋o|:.:.:.:.:.:.|´ ヽ:.|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　|　 |:.:.:.:.:.:||:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:ｲ |≠云う丶　 ＼　　{:::::::ヽ-} 〃:.:/:./|　 ./:!:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:!
　　　　　{:.:.:.:.:.|{:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:メ ん:::::::}　　　　　　つ -:少 ｲ:.:/|:/:.:|／:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　　　.∨:.:.:|.∨:.:.:ｉ:.:.ヽ:.:.:.:.｀ つ-´j　　　　　　‐｀‐‐┴/:.///:.:.:|:.:.:.:.:!:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:!
　　　　　　∨:.:| .∨:.:ヽ、:.＼:.:.＼.ゝ´　　　　　　　　　　///〃:.:.:.:|:.:.:.:..!:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:!　　　　　　それに関しては、私と真壁さんで、
　　　　　　　ヽ:.|　 ヽ:.ヽヽ、:.｀ヽ__ヽ_　 　 ′　　　　　　//,ｲ:.:.:.:|:.|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　　　　 　 ヽ|　　ヽヽ　＼:.:.|:ﾍ 　 　 　 ‐ ‐ ´　　　　 / ,':.:.:./l.,':.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|　　　　　　　少し考えてました。
　　　　　　　 　 ヽ　 　 .＼ 　 ﾏ:|:.:.ヽ、　　　　　　　　 ／　,':.:/:|/:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |∧:.:.:.:.|｀＞ .､　　　 イ　　/／ /ヽ、:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　状況的にも、それが一番現実的かと。
　　　　　　　　　　　　　　　　　|| ヽ:.:.:.| 　 　 ._｀T´　　_ -/　　 ./ .|＼_:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |　 ＼:.|　,､r ´/ヽv＜´　　　　/　 |::::::::::￣｀― 、:.:!
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､r －ヽ:/　 ,'／l./ .ヽ　　　 / 　 .|:::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ 、
　　　　　　　　　　　　　 ,､r::"´:::::::::::::::/ 　 / ヽy‐ 7´ヽ　 /　　　|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ 、
　　　　　 　 　 　 　 　 ,'|:::::::::::::::::::::::/　　./　 l≠´.|　　>´　　　 .|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,::--－‐ヽ
　　　　　 　 　 　 　 　 | |::::::|＿-- <　　 / ./ /　ヽ | ./　　　　　ト- 、_::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::/
　　　　　 　 　 　 　 　 |:::|:::::|　　　　 ＼イ　ﾆ　　　.y |　 ,.＞＜´　　　 ＞-＜__／:::::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　/´,':::::/　　 ≠＜´　|´::::::::ヽ /　　｀｀ 、　　 Eニニコ　　 ./　|::::::::::::::::::::::::|
　 　 　 　 　 　 　 / //::./　　 　ヽ　　　.|::::::::::::／　　　　　 /　　　　　　 　./　　 |::::::::::::::::::::::::|

5545： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/23(木) 22:38:50 ID:aQYpD0Wo0

　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ､
　　　 f: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.|
　　　 {: : : : : : : : : : : : :ヽ､: : : :ヽ: : ﾍ: : : t
　　　 }: : : : : : : : : : :{'"`ヽ}: : : : :ヽ: :.}: : ノ
　　　 }: : /: : : : : : i!: :）　 !: : : : : :ﾉ:,ｲ: :ヽ
　　　ﾉ: : !,.{: : : : : :!: ムｚｚ込: : :.ムｸ: : ノ
　　く: : : :i ヽ､: : : ﾉ`´,.ztｯ-　}j､:.}~ .}: :{、
　　 ヽ: : :ヽ　 }: ﾍﾄ､　 ::　''"　　'" ,/: { |}　　　　　　　　　……オルデンブルクを我々の庇護下に置く。
　　　{: : : : ヽ !ト: :.}　　　　　　　 〉! '"
　　　i:::≧s｡|ヽ i　ｿ　　　, ,　__　 j､　　　　　　　　　　　　今や彼らは軍を失った国に過ぎない。
　 ,.ｨ'!::::::::::::＞ｘヽ、,　 <　t'"_ ﾉ.ｲ::::ヽ
ｨ'´::::::＞:::::::::::::::::`i __ヽ、, , , ,_,.人:::::::/　　　　　　　　　　　解体され消える運命だ。
::::::::::::::::::＞::::::::::::::|':i:i:i:i:i:i~i~:i:i:i:i/:i:i:〈｀ヽ､
ヾ:::::::::::::::::::::＞:::::::| 〉:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:）::::::》　　｀ヽ､　　　　　　　だが、その社会を切り盛りするノウハウは捨てがたい。
　ヾ::::::::::::::::::::::::＞:/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:!:::|'"
　　ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::ヾ､:i:i:i:i:i:i:i:i:i/i!:|　　　　　　　　　　　　　　我々には必要なものだ。
　　　ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::/:i:i:i:i:i:i:i:/　.i:|
　　　　!:::::::::::::::::::::::::::|}h，:i:i:i/　　.i|
　　　　 !:::::::::::::::::::::::::|　　}hく　 　 .|
　　　　 !:::::::::::::::::::::::::|　　　　 `i　 .|





　　　　__ ／: : : : : : : : : : : : : : : : : ､
　　 ／: : : : : :_: : : : : : : 丶: : : : : : : 丶
　 /: : : : : l:l: : : :ヾ: : :＼: : :丶 : : : : : : ヽ
／: : : : : /: l: l: : : l: : : : :＼: : :ヽ: : : : : : l
: : :/: : /l⌒l: :､: : :ll: : : : : : : : : :ヽ: : : : : l
7: : : :/: l　/:/ゞ: : :l＼: : : : : : : : :l: : : : : ヽ
: : : ｌ:l: l_ゞ ｌ:l　 ＼: :ゝ-＼ : : : : : l: : : : : : :　　　　　　　　なんだよ、結局企業に頼るのか。
: : :/l: :l 辷ｌ:l　 ￣辷､:＼_): : : : :/: : : : : : :
ゞ:乂 : l　/ヾ､　　　￣__ノ: : : : / ＼: : : : :　　　　　　　　　「それしかない。ORCAがやったところで、ORCAが新たな企業になるだけだ。
　　　):∨　　 丶　　　／: : :／ノ ／: : /
　　乂: ｨヽ　　　　　　ﾊ/ｌ:/ x-イ: : : : ゝ､_　　　　　　　　　 コジマ兵器を封印させた上で、オルデンブルクをネクストなき時代の
　　　 _ノ:ヽ‐-　_ 　 　 　 ／　l: : : : l: : :ﾆ=
ゞ=ﾆ三: :_ﾊ 　　　 　,　　　 彡: : : : l : :ヽ　　　　　　　　　　　音頭取りにする」
　 7:/,＜　 〉-　-　´　__ -=ﾆ- l: : : : :)
　 ゞ-l　l　 从l二二二f丶　　 /: : :／ゞ
---./　,l　 彡〉二二ﾆ.l　 l ゝﾆ: :／ 　 〉、
─,/ ／ ｌ ／二二二ﾆl　 l /: ／　　／ l
　 ／　ｌ l/二二二ﾆ／　 ゝ:/ 　 ／　 /
　　　　l/二二二ﾆl　　 ／ヽ ／

5546： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/23(木) 22:44:55 ID:aQYpD0Wo0

: : : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : :|　　　　　|: : : : : : : |: : : : : : ＼: : : :
: : : : : : : : : : :.|: : : : : :| : : :.:.:.:|　　　　　|: : : : : : : ∨: : : : : : :.＼: :
、: : }: : : : |: : :|: : : : : :∨: : : ∧　　　　 ∨: : : : : : :∨: : : : : : : ∧:
_〉: :.}: : : : |: : 乂: : : : : ∨: : : : }　　　_＿}ハ: : : : : : : : : : : : : : : :|:
: : :/: : : :./!: : : | ＼: : : : : : : :./_.｡s≦ﾆﾆﾆﾆ∨.:.: : :.:}: : : : : : : :.:.|:
: : {: : : :/ﾆ∨:.:.|ﾆﾆ＼: : : : :./ﾆ＞,.ｨﾁｆ芯ミ､ }: : : : : }: : : : : : :: }/:　　　　　　我々が勝利したとて、社会構造を壊すつもりはない。
∨: : : :.|＼. ＼_!芯ァ 〉: : :./　::...　ー ゞﾟ'’　 ,}: :/: : : : : : : : : : /: :
　､: : V:!: : } ゝ-''"　.::|: :／　　　　＼ 　　　 ⌒7: : : : : /: : : : /^!: :　　　　　　今あるシステムを再利用した方が犠牲も少なくて済む。
　 ＼: ＼: :}　　 　 　 {/　　　　　　　 　 　 　 /ﾊ: :: : : : : : : :/　.|: :
　　/: : : :.人　　　　　|ゝ　　　　　　　　 　 　 　 |: : : : :／⌒　 /: :　　　　　　　企業連は力を失い、今よりも混沌とした時代にはなるだろう。
　　!: : : : : :ハ　　 　 ,　　　　　　　　 　 　 　 　 |: : ／ ＿　　/: : : :
　　＼: : : : : |^　 　 〈 　　　　　　　　　　　　　　}／　　＿_／: : : :/　　　　　　　だが、コジマによって世界が閉ざされることはなくなる。
　　　 ＼__: :.|　　　　 ＼　　　　　　　　,,　　　　　　　　|　{: : : : :./
　　　　 　 j从 　　　　, ,　　　　　" , '　, ,　　　　　　　｜ ∨: : :〈　　　　　　　　　
　　　　　　　∧　　　　　r―――-　　、ヽ　　　　　 ／ 　 ∨: : :〉
　　 　 　 　 　 ＼　　{　 ゝ―――― 　　} } , , 　／＿＿＿}:_:_:|＿
　　　　　 　 　 　 ＼ 　　　ー―一　　　　 /￣￣￣::::::::::::::::::::::::::::::
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　　　　　　/:::::::::::::::::::::::＼ , ,　 ヾ;:;ヽ,／/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ､
　　　 f: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.|
　　　 {: : : : : : : : : : : : :ヽ､: : : :ヽ: : ﾍ: : : t
　　　 }: : : : : : : : : : :{'"`ヽ}: : : : :ヽ: :.}: : ノ
　　　 }: : /: : : : : : i!: :）　 !: : : : : :ﾉ:,ｲ: :ヽ
　　　ﾉ: : !,.{: : : : : :!: ムｚｚ込: : :.ムｸ: : ノ
　　く: : : :i ヽ､: : : ﾉ`´,.ztｯ-　}j､:.}~ .}: :{、　　　　　　　　それに……我々が勝利し、企業連の罪を追求し……
　　 ヽ: : :ヽ　 }: ﾍﾄ､　 ::　''"　　'" ,/: { |}
　　　{: : : : ヽ !ト: :.}　　　　　　　 〉! '"　　　　　　　　　　 閉ざされた宇宙への道を開くという可能性も出てくる。
　　　i:::≧s｡|ヽ i　ｿ　　　, ,　__　 j､
　 ,.ｨ'!::::::::::::＞ｘヽ、,　 <　t'"_ ﾉ.ｲ::::ヽ　　　　　　　　　　　今までアサルトセルが残り続けていたのは、
ｨ'´::::::＞:::::::::::::::::`i __ヽ、, , , ,_,.人:::::::/
::::::::::::::::::＞::::::::::::::|':i:i:i:i:i:i~i~:i:i:i:i/:i:i:〈｀ヽ､　　　　　　　　　四大企業が足を引っ張り合っていたからだ。
ヾ:::::::::::::::::::::＞:::::::| 〉:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:）::::::》　　｀ヽ､
　ヾ::::::::::::::::::::::::＞:/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:!:::|'"　　　　　　　　　　　　力を合わせれば、そう時間はかからないさ。
　　ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::ヾ､:i:i:i:i:i:i:i:i:i/i!:|
　　　ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::/:i:i:i:i:i:i:i:/　.i:|
　　　　!:::::::::::::::::::::::::::|}h，:i:i:i/　　.i|
　　　　 !:::::::::::::::::::::::::|　　}hく　 　 .|
　　　　 !:::::::::::::::::::::::::|　　　　 `i　 .|

5547： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/23(木) 22:56:37 ID:aQYpD0Wo0

　　　　. . ＜: : : : : : : : : : ≧: : .
.　 , : : :_:_: : : : : : : : : : : : : : : : : : ＞ 、
　,: : : : : : Y´: : : : : : : : : : : : :丶: : : : :＼
./: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ: : : ヾ:.、
: : : : : / : : : : : : : : : : : : : : : : : ; : : : ; : :ﾊ
: : : : /: : : : : :/;_:_:;: : :/: : : : : : :∨: : ∨: :!
: : : ::{: : : : : : {´｀´｀∨: : : : : : : : ∨≪∨:{
: : : ::|: : : : : : | _,．--}:-:、 : : : :; -:∨≪Ⅵ
: l : {:!: : : : : : !´　　__l! ∨:|ﾍ : }从: }: : : |ﾘ　　　　　　（はえー……宇宙開発やって、やる夫君。
: |:l:从: {:-: : ::ﾄz====㍉,　　 }/__,ﾑ:| }: : |
: |:|: : {｀ヽ ∨:!ゞ辷:ノ　　　 （ ´¨´八.!::从　　　　　　　なんやえらい話になってきよったなぁ？
: |:|: : ｀ヾ_- ., 　　　　　　　　,　　 .: : : ト 、
: |:|: : ∨: 〉く: 、　　　　 __ .,　　.ィヘ:_:_、｀ヽ　　　　　　　でもま、希望が持ててええんとちゃうのって感じやな）
::介∧ ∨{　 Y: ＞、 　 ￣ ＜: :{ ゝ_ィ^ヽ.　　　ｺｼｮｺｼｮ
:{ .l: :∧ ∨:＼）: }ヾ:、/￣_Y二ﾆrｆ´｀ ｀　　、
:| .|:∧　＼{~ ‐}:l:!　 >‐ミ {_|＿　{ﾉ^ヽ　　 　 、__
ゝ/　∧　　　　 |ﾊ./三三∨￣ ｀ヽ. ハ　　 　〉:::::Y
_/　/ ∧　　　 /　}!ゞ三三≧--=ﾆﾆﾆ{ト-::イ:::::::::!
.　　 /　 ＼.　/　 .!::::::＞:..寸二〉::::>:::::｀ヽ:::::::::::::::|
,-=ミ　　 　.У＿.」::::::::::::::::＞<::::::＼:::Y::::::::;::::::;ノ{
　　　｀ヽ　 {　　　.|:::::::-＜::::::::}::::＞::Ⅵ:::::::::::Y:::::::l、
　　　　　　 l! 　　 !::::::{:::::::::::::└::―:-Y::o::::::::}::::::::|::＼
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　　　　　　 l!　イ::::::::::::::＼::_:_::::::::::::::,::-::‐'::´:::::::::::::::ト、





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　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　　　─＼　　　　　　きっと、良いことだお。
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　　　企業連のお偉方の為に、世界がコジマまみれになって、
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　　息を吸っただけで死ぬ時代を待つよりかは、ずっと。
.＼　“　　／＿＿|　 |
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世界が大きく変わることはない。
誰もが幸せになれるような社会構造など存在しないし、
自分たちがそれを成せるとも、この場の誰一人として思ってはいない。

けれど、人類の可能性が閉ざされるのは避けられる。

企業の選ばれた人々にのみ平和が齎される時代も終わってしまう。
だがそれは、誰もが平和な明日を夢見ることができるということでもある。

企業連上層部の老人が美味い飯を食べるために、
世界を汚染で覆いつくす未来も来なくなる。

真壁が言うように、やがて宇宙へ希望を託す日だって来るかもしれない。

停滞していた全てが、動き出していくのだろう。

時代の分水嶺に立っているという実感が改めて湧いてきて、
なんだか胸がざわめく自分がいた。

もっと良くなるかもしれないし、もっと悪くなるかもしれない。
けれど、可能性は生まれる。摘まれていた実が、地に落ちるようになる。

きっとそれは、悪いことばかりではないはずだ。
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5548： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/23(木) 22:57:20 ID:aQYpD0Wo0
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5549： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/23(木) 22:59:40 ID:aQYpD0Wo0
今回はここまでだ。

鬱屈としていたモコイさんのAC世界にも、少し明かりが差し込んだ感じがするね。

誰かにとってのユートピアは誰かにとってのディストピアってそれ一番言われてるから。

なんだかんだでしっちゃかめっちゃかなのが良いのかもね。

さて、次回は2/26(日)午後九時からだ。

シーユーアゲイン。また見てやってね。

5550：安価のやる夫だお：2023/02/23(木) 23:01:55 ID:N8StH5pA0
乙でした

5551：安価のやる夫だお：2023/02/23(木) 23:16:38 ID:zhXy7epw0
乙

5552： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/26(日) 21:00:33 ID:FFl1EXu60
　　　　／||ミ
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5553：安価のやる夫だお：2023/02/26(日) 21:06:51 ID:xnSXGO3w0
ハロー

5554： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/26(日) 21:10:06 ID:FFl1EXu60

　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i　　　　　　　　　　人生で初めてマトモな引っ越しをしたら、
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ　　　　　　　　　　色々想定外の出費が重なり残高がほぼゼロになったモコイさんだよ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i　　　　　　　　　　まあ最初の転居が夜逃げ、次の転居は勘当だったからねぇ……
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |　　　　　　　　　　社会経験が足りなさ過ぎたってそれ一。
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´





　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',　　　　　　　　　　　　fanboxの支援金には手をつけるまいと悪あがきして、売れるもの売ったりしているが、
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ　　　　　　　　ショージキ明後日の引き落とし日がエックスデーだ。
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ　　　　　　ぼやいていてもしょうがない。はじめていこっか。
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

5555： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/26(日) 21:16:37 ID:FFl1EXu60

〜海上プラント内　医務棟の一室にて〜
　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　.|　　　　r==,、　　　∥∥_/_/_/_/_/_/　./
　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　　　　　　 .|　　　　｀＝´　　　∥∥_/_/_/_/_/_/ ./
　　　　　　　──────‐ヽ──────‐.|──────‐∥──────/───
　　　　　　　＼　　　　　　　　　ヽ　　 ＿＿＿＿_|＿＿＿＿＿＿.∥＿＿＿＿＿__/＿__
　　　　　　　　 ＼＿＿＿＿＿__ヽr'´￣￣￣￣''T￣￣￣￣￣'''∥￣￣￣￣￣'７￣￣｀ヾヽ
　　　　　　　￣//二二二二二二｀li─────|─────‐∥─────/───ｎi⌒l
　　　　　　　　ヾヽ ヽ￣￣￣￣｀ヽ il　　　　　　　|　　　　　　　φ　　　　　　　/　　　　n「i .|　 i
　　　　　　　──ヾ-ヽ────‐ヽil────‐|────‐∥────‐/──nl^| i!.| .|　.|
　　　　　　　、＿＿_ヽ ヽ＿＿＿＿.',i!＿＿＿＿_|＿＿＿＿.∥＿＿＿＿/＿＿__.|.| .| | | .|　.|
　　　　　　　ヽ,　　　 l^l^h、,,,,,,,,,,,,,,,,,,i^h　　　　　 .|　　　　　 ∥　　　　　 /,,,,,,,,,,,,_／|.| .| |.| .|　.|
　　　　　　　＿_ヽ＿∥i |.ト|:::|　　|::::| l|＿＿＿＿|＿＿＿_∥＿＿＿_/li三三三.|　.|| ..| || .|　.|
　　　　　　　　　　　∥.l |.l .l:::i　　l::::i　.|:::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.: : :　　　　:.:.:.:.:.:.:.|::|i::::::::::::::::|　.|i ..| |i .|　 |
　　　　　　　　　　　il　.l |l .l:::l　　i::::|　.|::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:: : : :: :　　 :.:.:.:.:.:.:.|::|l::::::::::::::::l　.|| ..| |l .|　 |
　　　　　　　三三ﾆij　l .|iﾆl:::l　　l:::i　 .|三三三三三三三三三三三三l::|i::::::::::::::::l　|i　.| |i .|　 |
　　　　　　　三三ﾆij　l .|ﾆl:::i　　.l:::l　. |三三三三三三三三三三三三l::|l::::::::::::::::i ..|l　.| |l　i　.|
　　　　　　　　　　 ij　.| .| ,l:::i　　.l:::l　　|::::::: : : : : :: : : :::: : :　　　::::: :: : ::l::|i::::::::::::::::l ..|i　.i |l　.|　|
　　　　　　　　 　 .il　.|　| |::::|　　l:::i　　|:::::::::::.:.:.:.:.:.:.:: : : :: :　　　: : : ::::::.|::|i:::::::::::::::::i .|l　.| |i　.|　|





　　　　　　　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　　　 　 　 　 / : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
　　　　　　　　　　 ' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.',
　　　　　　　　　　': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.
　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',
　　　　　　　　　 {: : : : : :|: : : : : : : : :/: : : : : : : : : : :ヽ: :} : : : 八
　　　　　　　　　 |: : : : : :|: : : : : : : : ｉ : : ;ｲ:|;ﾊ.: : : : :.:.}: ﾊ_ : : : ﾐ＼
　　　　　　　　　 ', : : ｉ : :|: : : : : : : : | : / j:.|_,.}: : : : :.:.j/´｣_:|: :i: :ｉ　 ヽ
　　　　　　　　　　; : :i: :._|; : : : : : : : |:/￣|ﾉ_,,ﾘﾍ: : : :圻ﾘﾉ}:|: :|ﾊ|
　　　　　　　　　　i : j: :{　i: : : : : : : :代圻~ｿヽ　 ＼/`"　小:.:.|　!
　　　　　　　　　　}: ﾉ:八　i: : : : : : : |　｀¨´　　　　　 　 /:ﾉ: : :|　　　　　　　　会議終わりましたよ、クーガーさん。
　　　　　　　　　　|/: : ::::ヽi::. : : : : : |　　　　　　　　,　/:::::: : : |
.　　　　　　 　 　 /: : : .::::::::::::. : : : :.:.ｉ　　 　 　 　 　 /: ::::::: :.八　　　　　　　　色々決まっちゃいましたけど、よかったんですか？
　　　　　　　　　/: : : .::::::::::::::::. : : : : :ｉ､　 　 　 ´’／ : : |:: : : : :.'，
　　　　　　　　 ,: : : : ::::::::::::::::::::. : : : 八.＞　,_ .ィ:::::::: : : |､: : : : : ::.　　　　　　　……まぁ、状況的に仕方ないけれど。
　　　　　　　　,: {: : :.:::::::::::::::::::::::. : : : :iﾍﾞ¨7气!}:::::::::: : |.:{ﾊ : : : : : ，
　　　　　　　　{: |: : :::::::::::::::::::ハ::. : : : i. ∨=斗|::::::::::. :.| :i人: : : : : '
　　　 　 　 　 -┴──…''"＼∧:::. : :.ｉ,/｝　 j!ﾄ､:::::::. :.|: :i.　＼ : : :}
　 　 　 　 /　-─-ミ　　　　 　 ＼:,::::. :.i　　 ﾉ圦::＼:: 人┴-ミﾍ: : |
　　　　　 j＿＿＿　　　　　　　　 ∧:::. :.!＼,j_j＼）::::＼: :＼　∧‘:.:|
　　　　 〃///////｀ヽ　＼　 :. 　 ∧:::. |＼ﾉ ヽ　　　　＼:: ＼∧ i:|
　　　　 {,////////////＼　 ::　.::: ∧:: |　 ＼人　　　:..:/＼:: ＼ﾉ′

5556： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/26(日) 21:16:58 ID:FFl1EXu60
残高がゼロになったというのは語弊があるね……

これから残高がゼロになるんだよね……

5557： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/26(日) 21:26:14 ID:FFl1EXu60

　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　ﾚｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　.ｲ　　　　　　　　　　　　　ﾉ|
　　　　　　　　　　　　　　　　!.|　ヽヽｌ　　　ｿ/　/　 ／ ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　! ｀ﾌ､　｀ ﾍ　　r―､／ 　/l!
　　　　　　　　　　　　　　　　ト､|／⌒ﾌｰ‐'　　 ｡ ）__ノ　|
　　　　　　　　　　　　　　　　ｌﾉ/　メ、　 /＿__ｙァﾟL　__」
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ ／-ｔｒゝ ｀　ﾗ‐ｔr-　| /　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　/イl　｀ｰ'　　　　､ー‐'　ﾚ　/　　　　　　　　　　　　　　　　仕方ねえのは分かるけどよぉ、
　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ヽ　　　ﾉ　　　　　　　r'）
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾊ　 　ヽ　　　　 　 l　/L　　　　　　　　　　　　　　　　別に宿舎でもいいんじゃねえのか？
　　　　　　　　　　　 -――＞―ﾍ　 r-- ､　　　 厂　 ﾉ｀ーﾍﾆフ―- ､
　　　　　　　 　／　　　 ／　　　　 ヽ ー‐‐'　　/　　　　　　　　＼　　　＼　　　　　　　こんなトコいたって何ができるわけでもないんだろ？
　　　　　　　／　　　 ／　　　　　　　ヽ　　　／ｿ　　　　　　　　　 〉　　　　丶
　　　　　 ／　　　　（　　　　　　　　　 ｀ －' ／　　　　　　　　　／　　　　　　＼
　　　　　|　　　　　　 ＼　　　　　　　　＼／　　　　　　　　　／　　　　　　　　　ヽ
　　　　　ｌ　　　　　　　　|　　　　　　　　 /　　　　　　　　　メ、　　　　　　　　　　　ｌ
　　　　　ヽ　　／￣｀ヽ、＼　　　　　　/　　, 　´￣ﾌ＼／ 　｀ー――┐　　　　　 !
　　　　　 | ＞ ト-､　　　｀ヽト､　　　＿レ'´　　　 r'　　|　　　　　 　　　|　　　　 ／
　　　　　 | ﾚﾍ」　　｀　 ､ ＿__＞ﾍｿ_＿＿_ r　'´　　 　|　　　　　 　　　|　　　 r'
　　　　　/ ト､ ＼　　　　　　　| 　 |　 　　　　　　　　　レ-､ 　　 　　　 |　　　 |
　　　　　| .ト､｀ｰ<　罪と罰　 .! 　 |　 　　　　　　　　／　 〈 　　 　　　 |　　　 |
　　　 ／　 〉､ゝ-'､　 　　　　 .| 　 |　 　　　　　　　　ヽ／　〉 　 　　　　|　　　 !
　　／　　 ﾍ、ーｒｊ..　　　　　　| 　 |　 　　　　　　　　r' 　ノ　 　 　　　　|　　　 !





　　　　　／　／/::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　 /.／ イ::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ:::::::::/::::::ﾉ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
.　 　 　　 /./　//:::::::::::::::::::::::::::::/　|:::::/::::::/ i::::::::::::::::::::::::: _ _ :::::::::::::::
　　　　　 |/　//::::::/:::::::::::::::::ﾊ:::| ./:::/三≧/／/::::::::::::::/　_　ヾ:::::::::::
　　　　　 |　/ .i:::::/i::::::::::::::::::| 升彡イニ￣ 　 /／i::::::::::| /　 ） i:::::::::::
.　　 　　　　i　.l::/ ｨ::::::::::::::::::|　ヾﾃr j ／　　 　　./::::::::::| ） /　.|::,:::::-
.　 　　　　　|　.| ﾊ i:::::::::::::::::::ミ､　）‐'´　　　　　 /::::::::::::| / - ' ´三三
.　　　　　　 |　　| |.ﾚi::::::::::::::,､:ヽ＼　　　 　 　 ./:::_::::-:::'::´三三三三　　　　　　ダメだ。アンタはもう、なにがどうなってもおかしくない。
.　　 　　 　 ヽ　 | |　|:::::::::::/　｀ﾐ､_ ＼　　 _　- ' ´三三三三三三三
　　　　　 　 　Ⅶ　Ⅵ::::::::/_　　-　　　 Y´三三三三三三三三三三　　　　　　　次ネクストに乗ってみろ。
　　　　　　　　 ヽ　 V:::ﾊ:::::::＞､　　＿ .＼三三三三三三三三三三
　　　　　　　　　　／ヾハ:::/三 >'￣　　　 ヽ三三三三三三三三三　　　　　　　脳神経が軒並みダメになるかもしれん。
　　　　　 　 　 ／三三三/三三ﾆ｝￣　　　 V三三三三三三三三三
　　 　 　 　 ／三三三三三三三::i､　　　_ ィ ト三三三三三三三三
　　　　 　 <三三三三三三三三三三三三ﾆ.| ヽ三三三三三三三
　　　　　 　 ｀ -　､三三三三三三三三三≧／:::＼三三三三三三
　　　　　　　　　　 ｀ - ､三三三三三 ／／/）:::::::::人三三三三三三
　　　　　　　　　　　　　　＼三三ﾆ.／／/.//::::::::/ | |三三三三三三

5558： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/26(日) 21:32:19 ID:FFl1EXu60

　　　　　　　　　　　 ＿_,-―――― 、
　　　　　　　　 　 ,-':: :: :: : : :: :: :: :: ::ヽ:: ::ヽ
　　　　　　　　／:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ヽ
　　　　　　　/:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::　: ::: :: :: :: ::!
　　　　　　 /:: :: :: :: :: :: :: :: ::: :: :: :: ::: :: :: :: :: :: : :!
　　　　　　/:: :: :l:: :: :: :: :l:: :: ::l:: :l:: ::l::l:: :: :l :: :: :l :l
　　　　　 .i::: :: :: :: :: :: :: :: :l :: :l:: :l:: :: :l､:: :: l:: :: :l:: l
　　　　　 l::::l:: :: ::l::::l :l:: ::人::::l:: l:: :: :l::l:,、:::l:: :: l::l::l
　　　　　 i:::l:: :: :: :i:::l::.l:::ﾉ,-ゝ:l::l:::: :: l::l,^};::ﾉl:: ::l::l:::l
　　　　　 ):ｰl:: :l::ヽ:ヽ::lﾉ ｭt赱l:l:: :: :l:: lｰﾉ:l::l:: ::l::l:: l　　　　　　　　色覚異常、味覚異常、記憶の混濁……
　　　　　 ｀ゝｎl:: ::,､::､::l､　　｀l:: :: ::l:: l: 'l:: :: :l:: l:::l:: :l
　　　　　　 ヽ､l:l､l(｀､::::l ｀　　l:: :l:: ::/l　l::,､:::l:ﾉ:::l:: λ　　　　　　　　通常生活での意識の断絶。
　　　　　　　l::l､l l　　ﾉ '-　　,l:: l::ﾉ:l:l ./:l-l::ﾉ:l::::l::/::l l
　　　　　　　l:: :lヽ　 人 )ヽ¨　l::l/::l::l .lll ゝ:/::l､::l/l::l:l ヽ　　　　　　　いつ廃人になってもおかしくないんだもの。
　　　　　　　 i:l l:: l' .'　 .l:::::::l｀l>'::l.l::.l ｀､ﾉ::/::l= l:l､l: :: ::i
　　　　　　　 il　 ,-⌒＝=､__l,-､:l .ll::l／／l:::l'＿,-､ヽ､::l:l　　　　　　　医療班としては、せめて病室に居てほしいわ。
　　　　　　　　ヽ〉ー―ﾌ―(/:: :ﾉ ゝ' .／l:: ::l　　　　ゝヽ ::i
　　　　　　　　/T⌒ /　　ゝ'７'　 '　Ｖ /:: /　,-―'￣　　i:: l　　
　　　　　　　　l/　　　 /／ / '　　　 ./:::/／　　　　　　　i:: i
　　　　　　　 .l　　　 ／::: /　 /　　./;;/ _／-―⌒ー――-ゝ、
　　　　　　　 i　　 ／::::　/ ,二,､ﾆ/: //,__,　　　　　　　　　　 ｀ヽ､
　　　　　　 ./　 .l:::::::::　/ i　　　 /::./-,　7｀ー,-､　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　./　 /::::::: ／l　l　　　l:: ll /:::､l '／ ー-ヽ　　　　 .l　　　ﾉ
　　　　　ノ　　ヽ ,- ' （（　l　 　 l:::l ll:::::::;::::　　　　　ヽ　　　 l　 ／
　　　,-く　 ｀ヽーl　　 .(l　 ヽ　 l::::l/ l:::l　　　　　　:::::::ヽ　　l/
　　,┘／⌒ー-、::ヽ　 llー､_ ,-ヽ:l､ レ　　　　　 :::::::::/ヽ::::l
　 >／　　　　 l .｀ー-、l ､　　　,-＝⌒ー'　　　:::::::::/-―‐'
　ll:: :: ::::..　　　　　　　　ー⌒l<　 .ヽl　 ヽ　　　::::::/::::/
　 ..ﾊ:: ::::::::.....　　　　＼　　　l　￣　'　::::::l　　 ::::/::::/l
　　ヽ:::::::＼::::::.......　　　＼::　　　　v l　ｰ:::l　/／:::: l l





　　　　　　　　　　　　/ ／:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ／　 　 ／:: :: :: :: l
　　 　 　 　 　 　 　 /ﾚ':: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ／　　　／:: :: :: :: :: /
　　　　　 　 　 　 Ⅳ:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :／}イ 　 　 ／ :: :: :: :: :: :/
　　 　 　 　 　 　 ﾍ:: :: :: :: :: :: :: :: :: :／　　｜, 彳´:: :: :: :: :: :: :: :L __
　　 　 　 　 　 ＼　∨:: :: :: :: :: ＞ ´　　　　j／/ｲ:: ::r=-､:: :: :: :: :: ミ
　　　　　 　 　 　 ＼}::ﾄゝ '´:／　　　　z=≦=　　|:: :ん ､ }:: :: :: ::{Y´
　　　　　　　　 　 　 ゞ´:: ／ 　 　 ／￣ ｡ィ　 　ﾉ::ｲ Z ソ:: :: ::＜　　　　
　　　　　　　　　　 /7:: :/=- ､　　　 ィ´__ノ　 　 Ⅵ|　ノ、:: :: ::(⌒　　　　　　　　こちとら今に始まったことじゃないんだがな……
　　　 　 　 　 　 　 /:: f＼ r‐g　　　　　　　　　　　　 '､ ＼:: :: ﾊ
　　　　　　　　　　/:: /　　 ､￣､　　　　 　 　 　 　 　 /　 ﾉ人:{_ﾉ　　　　　　　　今更病人扱いされても困っちまうぜ。
　　　　　　 　 　 /::ノ　　 　 ＼ l　　　-　　　　　　 ／　　 ＞ ´ |
　 　 　 　 　 　 /´　　　　　　　ヾ､_/==-‐ 、 　 ／　 ,　 ´　　　{　　　　　　　　　おかげでなおはさんの顔を見に行けなくなっちまった。
　　　　　　　　/　　　　　　　　　　＼Y{ 　ﾉ| 　 ′ ／　　　　 　 ＼
　　　　 　 　 / 　 　 　 　 　 　 　 　 '. ｰ- '　/ ／　　　　　　 　 　 l_
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿__l＿__／、|　　　　　　 ＿＿_//
　　　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::::＼　　　ｿ　　 ,　　 ´:::::::::::＼::＼
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5559： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/26(日) 21:39:58 ID:FFl1EXu60

　　　　　　　　　　　　　　＿ r―ｧ-､―- ミ
　　　　　　　　　　　　　/＞''"~"''＜⌒l　　　｀　＜
　　　　　　　　 　 　 　 7／／ヽヽヽﾔ⌒〉　　　　　＼
　　 　 　 　 　 　 　 　ψ／／/ ソﾉ }-〈 　 　 .|　　ヽ ∨
　　　　　　　 　 　 　 r{ゞ、＞''´／ / Y′　　 .|｜　 ﾊ ∨
　　　　　　　　　　 　 }ﾍゞ｀''＜彡‰ソ　 !　!　 !＼ / ｌ| ﾄゝ
　　　 　 　 　 　 　 　 V乂三∠⌒)´ !∧|　|　.｣ﾉﾚ' | ﾘ |
　　　　　　　　　　　 　 廴乂＿)ノl l 八（l　ﾍ八ｿ｀ﾒ|/ /
　　　　　　　　　　　＞''⌒7^Y⌒ ヽ、,人| 　 ﾍ{｀¨乂ﾚ′　　　　　　　　　　　　　――それについては、杞憂で済んだな？
　　　　　　 　 　 ／===／｀nﾍ=====＼ilＮ　 | __　/
　　　 　 　 　 　 ＼=／===l.l= ＼===／　|　 |　／　　　　　　　　　　　　　　　　　ストレイト・クーガー。
　　　 　 　 　 　 　 ´/====|.!==== <´≧〈从 |´
　 　 　 　 　 　 　 ＿≧s､_ﾉﾊ_==== ﾏﾆﾆゝ-`‐…￢冖ニニアl　　　　　　　　　　もっとも、貴様の顔を拝みに来たわけではないが。
　　　　　　　_　＜ﾆ／ﾆ二二Y ￣￣ ニニﾆr'ニニニニ＞''´ =|
　　　　 r＜ニニ／ニニニﾆ/二二二ニニﾆ|ニニニ／二二ニ|-｢ヽ∧
　　　　 ∨=ニニニニニ二/二二ニニニニニニニニニニﾆﾆ上′ﾆﾆ＼
　　 　 　 Vニニニニニ／:⌒"''＜ニニニニニニニニニニニニ乂ニニﾆ
　 　 　 　 {／ニニﾆﾆ/　 :　　　　 ｀ マニニニミニニニニニニニﾆ＼ﾆﾆ
　　 　 　 <=／ﾆﾍ二/　　:　　　　　 　 ｀'マニニニミニニニニニニﾆﾆ＞
　　 　 　 〈´ﾆﾆ二∀　　　　　':, 　 　 　 　 ｀'マﾆﾆ／冫､ニニニニニニﾆ
　　　　　　}／二二{　　 ,'　　　 ':, 　　　　　　: :￣i　.ｲﾆ=}｀''＜ニニニﾆﾆ
　　 　 　 /ニニﾆﾆΚ　,'　　　 　 '　　　　　　 : : ／ﾆﾆ=/ 　 　 ｀''＜ニニ
.　 　 　 /ニニニﾆ∧＼　　 ',　　　　　　　　_ イ二二ア　　　　　　　 ｀''＜
　　 　 /二ニニﾆ/　∨_＼　 ',　　　　_　＜ニニニ／
.　 　 /ニニニﾆψ　　V二｀‐┴―≦ニニニニニﾘ
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　　 {ニニニﾆﾆ/ヽ.　　 {ニニﾍ二二二ニニニﾆ/
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　　　　　　　ヽ:.|　 ヽ:.ヽヽ、:.｀ヽ__ヽ_　 　 ′　　　　u.　//,ｲ:.:.:.:|:.|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　　　　 　 ヽ|　　ヽヽ　＼:.:.|:ﾍ 　 　 　 ‐ ‐ ´　　　　 / ,':.:.:./l.,':.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　　
　　　　　　　 　 ヽ　 　 .＼ 　 ﾏ:|:.:.ヽ、　　　　　　　　 ／　,':.:/:|/:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |∧:.:.:.:.|｀＞ .､　　　 イ　　/／ /ヽ、:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　|| ヽ:.:.:.| 　 　 ._｀T´　　_ -/　　 ./ .|＼_:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
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　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､r －ヽ:/　 ,'／l./ .ヽ　　　 / 　 .|:::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ 、
　　　　　　　　　　　　　 ,､r::"´:::::::::::::::/ 　 / ヽy‐ 7´ヽ　 /　　　|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ 、
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会議が終わり、次のブリーフィングまで暫しの休息といったところで、
アルトリアに声を掛けられた。

感情の読めない声色で告げられた行先は、医務棟だった。
なんでも、クーガーとアルトリア、そして自分に関わる重大な話があるらしかった。

その三人という面子が集められたというだけで、何となく察しはついた。

間と牧瀬が管理する真っ白な空間に足を踏み入れる。
彼らは診察室ではなく、病室の一室にいた。

簡素なスツールに腰かける医療班の二人と、
うんざりした様子のクーガーが顰め面を作りながら横たわっている。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5560： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/26(日) 21:46:22 ID:FFl1EXu60


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‐-､__::::::::....　::...　ヽ､:::::::::｀'‐／/__,／::::::::::::::::::＿__,,,,,,....二ﾆ
　　 く￣､￣｀`''ヽ､..__:::::...::::l:::/:／:,.､-‐''"´￣
‐‐-yゝ､l:`ｰ―---､,,,二ヽ_」」/／::ヽ、
::／　 ｀'''ｰ---―‐''''''''''`ヽ　￣ヽ、::::l
ﾐ`　　　　 /´⌒ヽ、　　　　　　-､ l_,ノ
ﾞ､＝＝==-'､0＿　 !　　　　　　　ヽ＼
:::ﾞ､　　　　　 　 |￣!＝=‐､　 r‐､　ヾ:::|　　　　　　　おーやおやおやなおはさん！
::::::ﾞ､‐-､ _　　　|　 |!　 　 ｀＼0_j　 ├'　
::::ミﾍ､,,＿｀ヽ、|　 |!　　 ／⌒ﾉ＼／　　　　　　　　 こいつは奇遇ですねぇ！
/ヽ　|'ｰ‐-ﾆ＝､｀`ヽ､／　　'´|　| |＼
　　｜::::::::::::::::::::￣｀''＝=､＿ l.__| |　 }　　　　　　　　なおはさん、俺はこう思うんです！　偶然の出会いは大切にすべきだと！
　　 |:::::::::::::::::::::::::::::::::￣`‐７'　｀7ｰ‐'ﾞ
　　j‐-､＿:::::::::::::::::::::::::::／　 ／:/　　　　　　　　　　　意図して会うのはいつだってできますましてや今の時代は通信が発達している
　　l　　ヽ　＼::::::::::::::::/ 　 ／Ｗ
　　|　　　　　 ヽ:::::::::/　／　　　　　　　　　　　　　　　　あの子は今頃ナニしてんのカナーなんて思ったらメッセージ一つで事が済みます
　　|　　　　　　 |:::::/　/
　　l　　　　　　ﾉ:::/　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　しかし偶然の出会いというのはサプライズ感も相まって普段では聞けないような
-､　｀ヽ､＿,,／:::/　/
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　　 　 ,､r::´´:::::::::::::::::::::::::::::::::::|　　　ﾍ　　　 / | |ゝ.| ヽ::ヽ:/:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.|
　 /´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|　　 　.ﾍ 　 / ゝ≠| |　ヽ::::::＼:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:|:.|

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ちなみに、この男は私に気がある、らしい。
面白いとか気に入ったとか云々で、会う度に口説かれる。
こんな時でもそうだ。

グラハム・エーカーといい、なぜこうも変な男に言い寄られるのか。
やる夫と親密になったはやてとは違い、あまり男運には恵まれていない気がする。

それはさておき、本題に入ってもらおうと間に向き直る。
クーガーには空返事だったが、それでも彼は満足そうに鼻を鳴らした。
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5561： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/26(日) 21:55:07 ID:FFl1EXu60

::Vi /| /　　　　　＿　　　　　　　　　 /　/　 ﾊ　　　　　　　　　　ヽ　＼ヽ＼
::∧ﾊ./| //i/ｨ／　　V　　　　/　 /　{　/　 {　|　 |　　　　　　　　　 ＼ ',ﾍ ハ
::::::::::V::::/:::::/ /￣ヽ / 　 / / 　 |　 |　ﾊ　 |　ヽ　{　 l　　　　　　　 ∧ ヽ
::::::::::::::::::::::::|　 {　　 /　　∧||　　|　 |　|弋 ミﾐ､|　|　 |　　　　　　　　　}ハ
:::::::::::::::::::::::::i　　　{ |　　 |　|ﾊ　 ﾊ　ﾄ .|　ｨｔ､-､ V/　/　 |　　　　 　 　 |
:::::::::::::::::::::::::ヽ　　　|　　 |　ヽﾊ | .ﾚ ＼　 ヾソﾍ ﾉ .//　ﾉ 　 ｨ　　　ﾊ　|
:::::::::::::::::::::::::::::廴　 |　　 |　　 ＼ハ ゝ 　　 ゞノ/ /ﾌ　/　　/　　　 | |　|
:::::::::::::::::::::::::::::/ﾊイ|　　 |　　　　　 ＼　　　　 ／　イ/　　/　　i 　.| | .ﾉ　　　　　　その顔からして、大体察しがついているようだな。
::::::::::::::::::::::ノ/.// | ｀ー'´　　　　　　　　　　　　　　 ﾚ　／　　/　　ハ/
:::::::::::::::::／／ 　　| +　　　　　　　　　　　　　　-＝イ:::／ / / 　 / ./　　　　　　　 だが、敢えて言おう。
:::::::::::＜　 ´ 　 　 | ｷ　　　　　　　　　　　　　_　　　 V ／ / 　 /
≦=､＿＿　　 　 ∧ｷ　　　　　　　　　　　　　 ｀ 　　 Y ／　／　　　　　　　　　　　……この場に集められたアンタらは、
:::::::::::::::::::::￣≧=､　>｀ﾒ､　 　　　　　 ￣｀ - _/｀ー ' ´/ .／
:::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:＞､､　　　　　　　　- ､ノ　　／ ／　　　　　　　　　　　　　　　　次にネクストに乗れば死ぬかもしれない人間だ。
:::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.::.＼　　　　　　　/
:::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＞､　　　　/
:::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.≧ー＜
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.￣｀ー - ､
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:￣ ｀ ー ─ - ､ ＿
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.＼





　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　 Vﾐ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､
　　　 　 　　　{　　　　　　　　　　　　　　　 ヾ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽﾍ
　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　 i　 　 V:::::::i::::::ヾ::::::::::::::::::::::::::::ﾊ:::∧i
　　　　_,ｨニニ|　　　　　　　　 　/　　ﾊ　　 }:::::::::ﾊ:::::::}}:::::::::::::::::::::::､::i |::|
　 _,ｨ壬ニニﾆ.Vi　　　　　 /　　|　　 / .| 　 }::::::/　i:::/ﾉ:::/i:::ｲ:::::::::::::ヾ|ﾚ-､
＜ニニニニニ|:v:i　　 |　 |　　. |　　|　 }　　|::/＿///∠/ノ::/::::::ﾊ:::::/二二二
二二二二二ﾆ|::::r ､|　|　 |　　. |　　|　 |　 /ｲ彡'ニ='´￣Уｲ:::::::|/:::ﾊ二二二
二二二ヾ＼ﾊ/::/　 |ヽ|　 |　　 ||　 .|　/　/ /＜弋ン＞　 /:::::::::/ i/二二二ﾆ　　　　　　　試算では、ストレイト・クーガーは未知数だ。
二二二＼:::::::::::i　　| ヽゝ | 　　||　 | /.／ ∧　 ￣￣　　/:ﾊ::::/ハ|二二二二
二二 ヾ＼:::::::::∧　 | |ヽ∨ヽ　.||　 | ﾚ |　 　 ＼　　　　イ/::::/二二二二二二　　　　　　　今まで、いつ何時廃人になってもおかしくない
二二ﾆ≦ヾ:::::::::::::＼_ヾ　 V　　||　 |　 .|　　　　 ＼　　 /ﾊ::/二二二二二二ﾆ
二二二≦=､＿:::::::::::≧､　ヽﾊ　ヽ .|　 |　　　　　　ヾ　ﾊ二二二二二二二二　　　　　　　　状態で、ずっと戦ってきた。
二二二二ﾆフ/￣|´　 ＼　 　 ＼ﾊ.|　 ー'　 　　　　ﾚ'　|二二二二二二二二
二二二二二ﾆ|　　|　　　∧　　　　￣｀ ´￣　　 　 /　　|二二二二二二二二　　　　　　　　正直に言って奇跡の類だろう。
二二二二二ﾆ|　　|　　　 ＼＼　　　｀￣　　　　 < 　 　 |二二二二二二二二
＞､二二二二.|　　|　　　　　　 ＞　　　　　　／/ 　　　 |二二二二二二二二　　　　　　　　 弁慶の立ち往生みたいなもんだ。
二ﾆ＞､二二ﾆ|　　|　　　　　　　　＞──イ／　　　　 ∧二二二二二二＜
二二二 ＞､ニゝ　 |　　　　　　　　 ＞=-=＜　　　　　/ /二二二二 ＜二二





;:::＼.　　l　　 ／::::;:へﾍｿ'"　　　　　 　 　 　 |／::::::::::::::::,::
ﾞ､:::::::ヽ､,〉 ／:::::／　　　　　　　　　　　　 _,,.　＼::::::::::::,:'::::
ヾ､::::::::::/./::::::;:'ﾞ　　　　　　　　　　　_,,.=＝ヽ､　 l:::::::;r‐､::
　＼::::::;ﾞ/:::::,:'ﾞ,,_　　　　　 /　　　,,.z''"´_,,,,.´￣　|::::::|'"ヽl:
　　'yヾ/::::;/''‐-ヽ､.,__ヽ　l､_,,. ‐',.-'''"´ ﾟ　/　 　 !::::l! 〉 /:
　　 l !/:::;/ヽ￣｀`・‐｀"　 ヽ.　 ´`'‐--‐‐'ﾞ　　　 |:::/!/,/:::　　　　　　　　　……俺は死なねぇよ。
.　　 Y::::/l　 ｀'‐-‐''"　 |　　　　　　　　　　　　　 |/' /ﾞ::::::
　 　,'::::/､ﾞ、　 　 　 　 ｜　　 　 　 　 　 　 　 　 !‐'ﾞヽ:-､　　　　　　　　　 俺はな、最後の花道を行ってんだ。
.　　l:::/　k,ヽ,　　　　　　l　　　　　　　　　　　　 l　　ノ,.､‐
　　|::;'　〈ヽ,　ヽ　　　　　!　　　　　　　　　　　　|　 ／　　　　　　　　　　　　やることやるまで死にはしねえよ。
　　|:l.　　ﾞ､ ＼.|'､　　　ヽ､,__,／　　　　,,./　　_,'.-'"
　　|!　　／! 　 ヽ,､　 ‐----‐‐''''''''''"´ 　 r''"
　　!-‐''ﾞ　 ',　　　l｀ヽ.　　｀''''''''""　　　　 |　　　　　　　 /
'"´　　　 　 ﾞ､　　.|.　 ﾞ､　　　　　　　　 ／!　　 　 　 　 /

5562： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/26(日) 22:01:08 ID:FFl1EXu60

　　　　　　　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
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　　　　　　　　　　 ' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.',
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　　　　　　　　　 {: : : : : :|: : : : : : : : :/: : : : : : : : : : :ヽ: :} : : : 八
　　　　　　　　　 |: : : : : :|: : : : : : : : ｉ : : ;ｲ:|;ﾊ.: : : : :.:.}: ﾊ_ : : : ﾐ＼
　　　　　　　　　 ', : : ｉ : :|: : : : : : : : | : / j:.|_,.}: : : : :.:.j/´｣_:|: :i: :ｉ　 ヽ
　　　　　　　　　　; : :i: :._|; : : : : : : : |:/￣|ﾉ_,,ﾘﾍ: : : :圻ﾘﾉ}:|: :|ﾊ|
　　　　　　　　　　i : j: :{　i: : : : : : : :代圻~ｿヽ　 ＼/`"　小:.:.|　!　　　　　　　　　　その奇跡的に持ちこたえられている内に、
　　　　　　　　　　}: ﾉ:八　i: : : : : : : |　｀¨´　　　　　 　 /:ﾉ: : :|
　　　　　　　　　　|/: : ::::ヽi::. : : : : : |　　　　　　　　,　/:::::: : : |　　　　　　　　　　　　ネクストを降りれば助かるって言ってんの、先生は。
.　　　　　　 　 　 /: : : .::::::::::::. : : : :.:.ｉ　　 　 　 　 　 /: ::::::: :.八
　　　　　　　　　/: : : .::::::::::::::::. : : : : :ｉ､　 　 　 ´’／ : : |:: : : : :.'，　　　　　　　　　　　……まあ、それが許される状況じゃないのは、
　　　　　　　　 ,: : : : ::::::::::::::::::::. : : : 八.＞　,_ .ィ:::::::: : : |､: : : : : ::.
　　　　　　　　,: {: : :.:::::::::::::::::::::::. : : : :iﾍﾞ¨7气!}:::::::::: : |.:{ﾊ : : : : : ，　　　　　　　　　　分かってるんだけど。
　　　　　　　　{: |: : :::::::::::::::::::ハ::. : : : i. ∨=斗|::::::::::. :.| :i人: : : : : '
　　　 　 　 　 -┴──…''"＼∧:::. : :.ｉ,/｝　 j!ﾄ､:::::::. :.|: :i.　＼ : : :}
　 　 　 　 /　-─-ミ　　　　 　 ＼:,::::. :.i　　 ﾉ圦::＼:: 人┴-ミﾍ: : |
　　　　　 j＿＿＿　　　　　　　　 ∧:::. :.!＼,j_j＼）::::＼: :＼　∧‘:.:|
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 {/ i　ﾊ /′ ,:::::::::::::::z≦＝=x,,::::::::::::::::::::::::::::::::／./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＿{　Ｎi　　 .:ﾊ::::::::;' 弋ﾞで× ｀ヽ /::ｧ‐ ､::::::::::::／　　　　　医者としちゃ唾棄すべき状況だがな。
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 _..xz≦三从. {ﾆ{　 i ::{∧:::::{ X　￣ ´　　 ..::/ 　 j:::::::::::／
　　 　 　 　 　 　 　 　 ｘz≦三三三三三ﾍ{ﾆ{ 　{::〈　ヾ::j　　X　　　 ..::::/ 　 .ﾉ:::,,,ィ　　　　　　　　戦争というのは、いつの時代も
　　 　 ＼　､ 　 　 　 ´ ￣￣ ｀ '' ‐＜ﾆ三三∧ ilヾ{｀.. _　　　　X　 ｲ:::/_ ,,イ≦三!
　　 　 　 ヽ　｀ 　 .　 　 _＿＿＿＿＿｀''＜三_ﾍj ∧',　 ｀ヽ_.z≦二三三三三三/　　　　　　　　　政治屋や金持ちの爺さん方しか
　　　 　 　 }　　 　 ｀ 　 .}三三三三三三／￣｀丶､乂＿__＼三三三三三三ﾆｲ､
　　　 　 　 乂 　 　 　 　 ｀''＜三三三../⌒/｀丶、 ∨_ヽ__　 ヾ三三三三彡'ﾞ三ﾘ:.、　　　　　　　　得しないもんだが……
　　　 　 　 　 ｀　　 .. _　 　 　 ｀''＜三人｀ｰ───（／＿ ｀ヽ.∨三..＞''三三三三＼
　　　 　 　 ＿＿＿_ 　 ﾌ≧zｘ.. _＿＿＿ヽ... ＿ .... ｨ{　{／　 ノ_j＞''三三三三三三三＼　　　　　　こいつは生存を賭けた戦争だ。
　　　　＜.　　　 　 　 ￣￣　￣￣￣￣￣´ ＿...∠.j_ゝ-‐=≦三三三三三三三三三三
　　　　 　 ｀ヽ. ＿_ ....　 --==＝≦二三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
　　　　　∠三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
　 　 　 /三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三

5563： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/26(日) 22:04:43 ID:FFl1EXu60

　　/　　　　　　　　　　　　i　　　　　　＼　　　　}　>
　 /　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　.|　／　ﾚﾍ、
　,　　　　　　　　 ヽ　　 i　 .|　　　　　　　|、　/　} ノ
　i　　　　　 .l　　　 i　　.ﾊ. ∧.i　　　　　 .| l /　　|' ﾞ;
　|　　　 .|　 i　　　 .| ／! }/　}ﾊ　　　　　.|,ﾉ　/ ./"　　　　　　　　　　　　　　私は。
　|　.i　　.|　 ﾄ　　　1. ,ﾑ斗:ｒ7 }　　　　　 |　 / ./:.:.:.:.:ヽ
.　i　l　　.|　 「＼　 .ﾊ/ Ｖツ　 ':/　　　　 .|　/ /|.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ　　　　　　　　　　私は、あと何度、ネクストに乗れる。
. 八ハ　 ト　|'芯＼{　　´　　　ハ |　　　 ﾊ　/:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:/
.　　{　`:.ハ .ﾄ.}７　　　 　 　　　 }/|　　　.j　ｙ:.:.:.|:.:.:.:.:.:./
　　　　　 | ヾ. :,ヽ　　　　 　 　 /　}　　　ｊ ∩こ)ﾞ,:-イ~
　　　　　 ｌ　　　|＼　 _　-,　　　　ｲ 　.,v⌒／: :ヽ:.:.}　　　　 _____,,
　.　　　　 ｌ　　 .|.　　　､ ´　　　／ﾉ-ﾏ｀／: : : : : :’、_ . : : : : : : : :
　　　　　　丶　 i　　　　　`ｰ ' >r"f ﾞ／: : : : : : : : /: : : : : : : : : : :
　　　　　　　 丶 ，　　　　　　⊂ﾞ_／: : : : : : : : ／: : : : : : : : : : : :





　　　　　　 / ｲ　　　　　　　　　　 ／／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　 　 　 　 /ﾊ/　　／　 ,　　　　　 ／／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧
　　　　　 ﾚV　　/　　ｨ　　　　　 / 彡:::::::::::::::::::::::ｨ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　 | {　 ./　／　　/　　　　　/:::::/::::::::::／/:::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　 |　ﾊ .ｲ　　 /　　　　/ /::／:::::::／ ノ::::／/:::::/::::::／:::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　 | i .| /　　/i　　　　/ /:/i::::::∠-=彡-=ニﾆK::::イ≦::::::::::::::::::::::::::/
　　　　　　 ﾚ　|ﾊ　　i∧　 　 /i/:/::::ﾊ/ ＼　≧ィtjヽ､_￣＞イ::::::::::::::::::::::::/　 i
　　　　　　　　 | |ﾊ ./ l　　　 | |:::|::/　　 　 ＼　ヾン＿＞　≦彡::::r -､::::::レ彡/　　　　　　　持って二回だ。
　　　　　　　 >ハ ;;ヾ:::|　 |　 ﾊﾚ:://　　　　　 ヾ　￣　　　　　/::::/ r ､}:::::::::イ／ /
　　　　　　/..:::::::::＼:::::ヾ ﾊ　|　 ／　　　　　　　＼　　　　　 /::::∧　 /:::::::::::／／ﾉ　　　　　　無茶をすれば、次の一回で死ぬ。
　　 　 　 /.:::::::::::::::::::::::::ﾚ:::ヽ|　　ヽ_､　　　　　　　 }　　　　./::::/　ｙ./:::::::::::::::::::／/
　 　　　./::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧　　＿　　　　　　　　{　　 　廴:/　 ノ:::::::::::::::::イ=≦､　　　　　　
　　　／::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::∧　　 ｀￣ ー-　　 　 }　　　　/ー'´:::::::::::::::::/／::::::::::＼
　　/::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::{i:::/　ヽ　　￣　　　　　 　 {　　／ |:::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::::::::
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∧::::::::::::::::∧::::::::::::::::::::::::::::ヽ　　　　　　＜´　　　　　　...:::　|} ヾ:::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::
./::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::}　　　　　　　 ＞ - ､　　..::.:.: ノ＿ X≧=-::::::::::::::::::/:::::::::

5564： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/26(日) 22:15:09 ID:FFl1EXu60

　　　　　　　 　 _,.　-ｒ‐､
　　　 　 　 ,∠ ―　,ｒヽ)ﾉ　　 ‐　、
　　 　 　 / 7　‐-,. ( ）'ﾉ　　　　　　　 、
.　　　 　 i　; 　 ,‐!ノ'ノ　 ｀/　 　 ,. -
.　　　 　 '　:,_/〉-,ノ　　 ./　 　 /"　　　　ヽ
.　　　　　ｒ/_.'-‐' 　 ＼ .'　　　/　／　 　 !　､　　　　　　「どの道、アンタはもう手の施しようがない。
　　 　 　 `! !.　　　 ､,.ヽ!　　_./／' ,. ｨ　 i　! }
　　　　　　', !　　　 /､ﾉ|　　 .た!ヽヽ/ ノ'　;.ﾉ　　　　　　　もっと早期の段階から治療ができてりゃ、望みもあったが……
　　　　　　　、 、　,ﾍヽ.l 　 l l　　　´　,/,ｲ/
　　　　 　 　 V/＞/∧ l　　!l.　　 　 {.'　.l　　　　　　　　　 コクピットの中で死ぬか、数週間後にベッドで息を引き取るか、だ。
.　　 　 　 　 _l'/////∧l　　l|　- 、 ,.ゝ　l
　　　 　 ,ィﾆ二二ニ_＜,.――--＜!　　l.|　　　　　　　　　　身体機能の衰えがひどすぎる。多臓器不全寸前だ」
　　　　 /二二二二／::::::::::::::::::::::::::::＞､i|
　　　_,./＞''" -=／::::::::::::＿＿:::::::::::::::::/}　　　　　　　　　　それ以上はいい。二回乗れると分かったならば十分だ。
― /ﾆｉ.lニニﾆﾆ{::::::-:::￣::::::::::::::::ヽ:::::://
::::::i=ﾆ!.!二二ﾆ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::; '　　　　　　　　　　　　　私は乗る。元より、リンクスが死に場所を選べるものでもなかろう。
:::::l=ﾆｌ ｌ二二/:::::::::::::::::::::::::::::::;::::::::::;:〉
::::lﾆﾆl ｌニﾆ〈::::::::;:ィ二ニ=_､,､::;:::::::jム
::::!ﾆﾆ!.ｌ-=二';:::://:::::::::::;::ﾆ//ヽ::::/ヽ!ﾑ
::::!/ ,イニ=-__ヽ/:::;ィ////////＼ニl.!ﾆ!
::::l'/ニニニニ＜/////////＞!/∧=!l=l
:::::ﾏﾆ二二ニニ!＞_､//／////＞,/｀マ
:::::::ﾏﾆ二二二ﾆﾑ＜///////＞'"////＼､

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
間の口から語られるアルトリアの病状を前に、クーガーですら口を噤んだ。
いや、クーガーも大概なのだが、彼女のそれも壮絶だった。

表情は鋼鉄のように固く動かないが、その向こう側には身体の内側を
破壊し尽くされてきた苦痛が渦巻いているに違いなかった。

一時期の自分も、コジマ汚染の影響で酷く苦しみ、病室に缶詰めになった。
白いシーツを血塗れにし、口の中を鉄の味でいっぱいにする日々が続いた。

彼女は症状を薬で無理やり抑え込んでいるのだろうが、
裏ではそれで済んでいない場面があったはずだ。

一体何が、彼女にそこまでさせるのだろう。
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5565： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/26(日) 22:19:29 ID:FFl1EXu60

　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　---　ﾆ￣￣:/:.:.:./　-――　 、
　　　　　　　　　　　　　 　 ,イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ゝ:.:.:´:.＿_――‐- ＼
　　　　　　　　　　　　　／:.: ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:-:.:.:.::.≧ｭ､ 　 ｀
　　　　　　　　　　　　/‐‐／:.:.:.:.:.:.:./:l:.:.:.:/:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:ヽ、:.: ＼
　　　　　 　 　 　 　 /:.:.:/:.:.:.:.:/:.:.:/:.:.!:.:./:.:.|:.:.:ﾊ:.:|:ヽ:. |:＼:.:.:.＼:.:.:.:ﾍ
.　　　　 　 　 　 　 /、:/:.:.:.:.:/＿/__/L// /ｉ:./ .ｉ:.:!:. ｉ:. |:.:.:.ｉ:ﾍ:.:.:丶:.:.:.ｉ
　　　　　　　　　　 |:.:. ｉ |:.:.:.:i:.:.:/／/／／7 /　//_L|:.:.ｉ: l: l:.:.ﾍ:.:.:ｉ丶 |
　　　　　　　　　　 ｉ丶|:.|:.:.:.:|:./斥拆心　／ 　/,≠､|:./:.:.!:.|:.:.:.:ｉ:.: |　ｉ:|
　　　　 　 　 　 　 ﾍ:.:ゝﾊ:.:. |:|《 ら::::り　　　　 ﾊ:::} }l/l:.:/:.:|:.:.:..!:.:.:|　ﾘ　　　　　　あの、もしかして。
　 　 　 　 　 　 　 　 / 　ヽ:ﾍ 　 辷zｼ　 　 　 う:ﾂﾉ /://:.:.!:.:.:.|.|:/
　　　　　　　 　 　 　 ヽ{:.:.:.:トヽ　　 　 　 　 　 ゞ'　／ // / |:./ |′　　　　　　　　やる夫君のことが好きだから、そこまで……
　　　　　　　　　　　　　|:. : |　　　　　　　 　 ,　　 　ﾚ':./:/:.| }/
　 　 　 　 　 　 　 　 　 !:.:.: ト、　　　　　 ―　 　 イ:.:.:}/:.:.:|/　　　　　　　　　　　　「私がそんな女に見えるか？」
　　　　　　　　　　 　 　ﾍ:.:.:| |　 　 　 　 　 　 イ:.:.:|:.:./:.:.:.:.|
　　　　　　　　 　 　 　 　ﾍ { l　　 ＞ 　__ イ: : |:. /::.:.:.:.:.:.: |
　　　　　　　　　　　　　　　/ ﾍ=、― ￣7　＼:|:/:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　 　 　 　 　 　 　 ,x/ |/|／|　　／　　／≧ｭ､:.:.:.:.:.:. |
　 　 　 　 　 　 　 ,､r::´/　ﾚ/≠´!　/　　 　ｉ::::::::::::::::::::::::≧ｭ､--- 、__
　　　　 　 　 .,､r:´:::::::/　 |//.| |　>´　　　　|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＿:::ヽ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　－＝＝　ｘ--,_
　　　　　　　　　　　　 　 ,　´　　　　　　　　ヽ＼ト,
　　　　　　　　　　　　 ,　　　　　　　＼　　　　 、＼ｙ
　　　　　　　　　　 　 ,'　　　　　 ',　　　，　　　　、 .}ﾌ
　　　　　　　　　　　 ,　　　　 ﾊ　 ',　　　j　　　　ヽ　}ﾌ
　　　　　　　　　　　.;　!　|　　', ヽ、ｘー ナ、　　｀ ∨）
　　　　　　　　　　　 ，.i　.ﾄ、　' ,　 》ﾁテ弌八　　乂
　　　　　　　　　　　 } 人 从≧ …　 乂jﾉ<;;;|　＼ {　　　　　　　　そこのクーガーと同じことだ。
　　　　　　　　　　　.|ﾉ .}　 "叭)　　　　´ /;;;;|　　 ヽ
.　　　　　　　　　　　′ |　∧´　 '　　　　〉;;;,ﾘ　　　}　　　　　　　　　私たちは死にゆく者だ。だが、この状況によって、
.　　　　　　　　　　　　ノ　　ﾉ》x:.　´｀ /^:ﾈ !!|j　　 ,'
　　　　　　　　　／¨, ===ヽ<　（＼);;;;;;=¨”;;;;;|{　　ﾉ　　　　　　　　　最期の時間に使い道ができた。
　　　　　　　　./ ノ/;,;,;,;,;,;,;,;,;,＼＼＼r--===ﾉ .ノz
.　　　　　　　 ´　/;,;,;,;,;,;,;,;/＼;,;,;ヽ￣|　　　￣　　 |l　　　　　　　　　 ……正直、コジマの根絶や企業連体制の再構築など、
　　　　　　　　 /;,;,;,;,;,;,;,;,;,l l;,;,,＼,;,}　.|　　《　　　 :　ﾍ＝＝´｀ヽ
　　　　　　　　};,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;l l;,;,;,;,;,;,;,ヽﾉ、，-＝ ⌒　ヽ,l;,;,;,;,;,;,;,;,;}　　　　私はどうでもいいと思っている。
　　　　　　　 /;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,,ｿ,,,;,;,;,;,;,;,;/P´　　　　　　 :　 ＼;,;,;,;,;,;|
　　　　　　ノ,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;ﾉﾉ;,;,;,;,;,;,;,;,;ｿﾉ　　　-…　´￣:｀ -　',;,;,;,;}　　　　　何せ、その未来に私はいないからな。
　　　　　{;,;-===;,;,;,;,;ﾉ」;,;,;,;,;,;,;,;,;,;//- ´　　　　　　　 :　　 l,;,;,;,l
　＿＿rナ77 ヽ ヽ;,;,;,;,;,;,;,;,;_....=".八　　　《　　　　　.:　　.,;,;,;,;,;〉
（（＿ﾉ;,;,;,-=<__／＼＿__ノ　}=-"　　、　　.》 　　　 .: 　.ﾉ;,;,;,;,;,〉
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5566： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/26(日) 22:27:38 ID:FFl1EXu60

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　　　　　　　　　　　 __..　-‐　　/　 /　 i　　　　i　　　ヽ　 ,
　 　 　 　 　 　 　 　 ￣ ７ 　 / 　 ,: 　 ﾊ.　　　 |　 ヽ　 ＼!
　　　　　　　　　　　　　/　　.,　　/ ,: 　i　',　　　i!　　 ＼.　＼
　　 　 　 　 　 　 　 　 ,　 　 i ,　/!.ﾊ.　|　 ',　 　 !､　 ､　 ',　　 ,
　　　　　　　　　　　　 i　,　 j/ /ｰi'- ', !　　ヽ　　{ ヽ　ヽ　',　　',
　　　　　　　　　　　　 ﾚ'　 / /r=芋ミヾ 　 　 ｀ィr弍=ｧヽ　:,　　i
　　　　　　　　　　 　 /　　' ∧ ﾞ　ゞソ ﾞ　　　"　ゞン " ハヾミｰ- ..＿　　　　　
　　　　　 　 　 　 　 /　　　ハ._,　　　　　　,　　　　　　ﾑ/::::i　｀丁
　　　　　　　　　　 / ｨ　　 {ヽ:::ﾊ　　　　　　　　　　　 ハ:::::::!　.　',　　　　　　　 所詮、この身は企業連が作り出した傀儡だ。
　　 　 　 　 　 　 〃　i :　 |　ヾ彡:.、　 　 - -　　 　.ｲ}}:::／ | .ﾄ､ ヽ
　　　　　　　　　/　　 | i　 | /::::::::::::＞　　　　　　＜::::::::::::}　!/　ヽ　、　　　　　　大した意味もない。
　　　　　　　 __　　　　', !　| {:::::::::::::::ハ､＞.=.＜ _ハ::::::／　/　　　 ＼
　　　　　　 /::::ヽ::::｀:::::ヾﾄ､!ー--.=彡{::::::::::::::::::::::::::}ｰ-..__　　　　　　　　　　　　　 このまま無為に使い潰されて死ぬくらいなら、
　　　　 　 ,:::::::::::::',:::::::::::::::::::::::::::::::::ﾑﾊ::::::::::::::::::::::ノ',::::::::::::ﾞ:.ｰ- .._
　　　　 　.i::::::::::::::::,:::::::::::::;:::::::::::::::ﾑ'　 ＞ｰ==＜. 　 ﾏ､::::::::::::::::::::::｀:ｰ- .._　　　　　私は彼の剣となって死のう。
　　　　　 ,::::::::::::::::::',:::::::::::i::::::::::::ﾑ' ／　　　　　　ヽ. 　ﾏ､:::::::::/:::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　r''::､::::::::::::::::::',:::::::::|:::::::ノ=.く　　　　　　　　　＼ _}:::::::::i::::::／:::::::::::::::::i
　　 ／::::::::::ヽ::::::::::::::';::::::j:::／::::::::::::､　　　 ,　　　　　.ｲヽ:＼:::／:::::::::::::::::::::::|
　　 :::::::::::::::::::::::ｰ:::::::::';:::::/::/:::::::::::::::',.　　 ,　　 　 ／:::::::::',:::::',:::::::::::::::::::::::::::i
　　 ::::::::::::::::::::::::::::::::＞:::,::::;'::::::::::弐;:::', 　 ;:　 　／:::r'乙:::::'::::::',:::::::::／::::::::::;
　　 :::::::::::::::::::::＞ ´　　 i::::i:::::::::::::::刈:::',.　i:　／夊_ﾉ:::::::::::::!::::::;:::::::::::::::::::::::;
　　 :::::::::::::＞"　　 　 　 ';:::';:::::::::::::::::::::::ヽ:／::::::::::::::::::::::::::;::::::/:::::::::::::::::::::::{
　　 ::::＞"　　 　 　 　 　 ';:::ヾ:::::::::::::::::::::ハ::､:::::::::::::::::::::::/::::;'　'::::::::::::::::::::::〉
　　　 　 　 　 　 　 　 　 〈:::ミ=-:::::::::´::/　 ';:::≧=-:::::::::/:::r'　　 ';::::::::::::::::::i
　　　　　　　　　　　　　　 i::::::i::::::::::::::::::',.　/:::::::::::::::::/´:::::;'　　　 ';::::::::::::::::::,
　　　　　　　　　　　　　　 |::::::}:::::::::::::::::::∨:::::::::::::::::;::::::::::;　　　　 i::::::::::::::::::i
　　　　　　　　　　　　　　 |::::::!:::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::i:::::::::i　　　 　 }::::::::::::::::::i






　　　　　　　　　　　　　　＿ r―ｧ-､―- ミ
　　　　　　　　　　　　　/＞''"~"''＜⌒l　　　｀　＜
　　　　　　　　 　 　 　 7／／ヽヽヽﾔ⌒〉　　　　　＼
　　 　 　 　 　 　 　 　ψ／／/ ソﾉ }-〈 　 　 .|　　ヽ ∨
　　　　　　　 　 　 　 r{ゞ、＞''´／ / Y′　　 .|｜　 ﾊ ∨
　　　　　　　　　　 　 }ﾍゞ｀''＜彡‰ソ　 !　!　 !＼ / ｌ| ﾄゝ
　　　 　 　 　 　 　 　 V乂三∠⌒)´ !∧|　|　.｣ﾉﾚ' | ﾘ |
　　　　　　　　　　　 　 廴乂＿)ノl l 八（l　ﾍ八ｿ｀ﾒ|/ /
　　　　　　　　　　　＞''⌒7^Y⌒ ヽ、,人| 　 ﾍ{｀¨乂ﾚ′
　　　　　　 　 　 ／===／｀nﾍ=====＼ilＮ　 |.、_　/　　　　　　　　　　　　　　……応援したくなったのさ。
　　　 　 　 　 　 ＼=／===l.l= ＼===／　|　 |　／
　　　 　 　 　 　 　 ´/====|.!==== <´≧〈从 |´　　　　　　　　　　　　　　　　　未来ある者への贐というやつだ。
　 　 　 　 　 　 　 ＿≧s､_ﾉﾊ_==== ﾏﾆﾆゝ-`‐…￢冖ニニアl
　　　　　　　_　＜ﾆ／ﾆ二二Y ￣￣ ニニﾆr'ニニニニ＞''´ =|　　　　　　　　　
　　　　 r＜ニニ／ニニニﾆ/二二二ニニﾆ|ニニニ／二二ニ|-｢ヽ∧
　　　　 ∨=ニニニニニ二/二二ニニニニニニニニニニﾆﾆ上′ﾆﾆ＼　　　　
　　 　 　 Vニニニニニ／:⌒"''＜ニニニニニニニニニニニニ乂ニニﾆ
　 　 　 　 {／ニニﾆﾆ/　 :　　　　 ｀ マニニニミニニニニニニニﾆ＼ﾆﾆ
　　 　 　 <=／ﾆﾍ二/　　:　　　　　 　 ｀'マニニニミニニニニニニﾆﾆ＞
　　 　 　 〈´ﾆﾆ二∀　　　　　':, 　 　 　 　 ｀'マﾆﾆ／冫､ニニニニニニﾆ
　　　　　　}／二二{　　 ,'　　　 ':, 　　　　　　: :￣i　.ｲﾆ=}｀''＜ニニニﾆﾆ
　　 　 　 /ニニﾆﾆΚ　,'　　　 　 '　　　　　　 : : ／ﾆﾆ=/ 　 　 ｀''＜ニニ
.　 　 　 /ニニニﾆ∧＼　　 ',　　　　　　　　_ イ二二ア　　　　　　　 ｀''＜
　　 　 /二ニニﾆ/　∨_＼　 ',　　　　_　＜ニニニ／
.　 　 /ニニニﾆψ　　V二｀‐┴―≦ニニニニニﾘ
. 　 Yニニニ=／| 　 　 VニﾆГニニニニニﾆ彡〈
　　 {ニニニﾆﾆ/ヽ.　　 {ニニﾍ二二二ニニニﾆ/
　　 ∨二二ニニニ＼ /二二/二二ニニニニﾆ|

5567： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/26(日) 22:34:16 ID:FFl1EXu60

　　　　|　ヽ　ヽ　 ＼ヽ､　 　 ヽ　　ヽ　　 　 l　　　｀ヽ、
　　　　l　　ヽ　 ヽ　　＼｀ヽ､　　ヽ　　　l　 /　　|　　　 V|
　　　　ヽ 　 ヽ　　＼ 　 ｀ヽ､｀ヽ､　ﾉ　ノ／´ 　 ﾉイ j 　 /
　　ヽ､_ ヽ　　＼　　 ＼　ミ´￣￣｀`ヽ､　ヽ､ ﾊ从〃ノ∠
　　　 ＼＼､　　　ミ ヾ　ヽ､　　　　　　　｀ヽ､　＼彡ノ´
　　　 　 〉､ハ＼三ミ　ﾐ／　　　　　　　　　　ヽ､ ＼
　　　　/〃 ゝr‐､＼　ミ　 ,.zrニ≡ー--‐'　 ,z-‐＼ヽ　　　　　　　　今までの時代っつーのは、力や金を持った奴が作ってきた。
　　　 /／ｲYl|しjﾄ､ヽ､l　　 　 ,.rｯ-､ 　 　 r ｨ｡‐､ /＼ヽ
　　　'´＿ﾉミﾍ! l ヽヽヾ.　　　 `ー-' 　　 　 l ｰ ' |　　 ヽﾞ､　　　　　　けど、それをバカな小僧が作ろうとしている。
　　　 ｀ヽ､__ゝ＼ｰゝ､ヽ　　　　　　　　　 　 l　　.l　 　 　 ＼
　　　　　　７／ﾆ`r‐,｀＼　　　　　　　　　　ﾉ　, '　　　　　　　　　　　　惚れた女一人のために世の中ひっくり返そうとして、
　　　　　／l　l'⌒|　 ､　　　 　 ､ 　　　　　_ ｨ/
　　　　　　 |　＼ !　　ヽ､　　 　 ｀ヾニﾆ二ｿ/､　　　　　　　　　　　　　これからその仕上げと来てる。面白いじゃねえか。
　　　　　　 l　　　＼_　　 ｀ヽ､　　 　 　 　 /　 ｀ヽ､　
　　　　　／　　　　　　｀`ヽ､_ ＼　　　 　 ,' 　 　 　 ヽ､　　　　　　　　　……残りの人生使ってもいいくらいにはな。
_,,..､-‐''´　　　　　 　 　 　 　 〉　＼_　　_ﾉ　　　　　 　 ｀ヽ、
　　　　　　　　　 ｀ヽ､　　　 /　　　/￣ヽ、　　　　　　　　/ー‐-､
　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　　　 '　　　 lヽ　　　　　　 /





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　 ,. -‐-､　　　　　　　　　　　　　／:/⌒
　　　.. ／: : : : : :ヽ　　 . . .-――-. . ､　l: :/-‐: ￣￣｀ヽ
　　.／: : : : : : : : : :／: : : : : : : : : : : : : ｀ヽ: : :-＝＝ﾆ￣｀＼
　　i: : : : : : : : : :／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :_: :＼
　　|: : : : : : : : /: : : : : : :＼: : : : : : : : : : : : : :i: : : : :＼ヽ: ヽ
　　| : : : : : : : !:{:{: : : : : : : : :＼: : : : : : : : : : :l: : :l: : ヽ:ヽ ヽl
　　| : : : : : : : l: l lヽ: : : : : : : : : :＼: : : : : : : l: : : l: : : i: :l　 }
　　|: : : : : : : : l: l:l: :＼: : : : : : : : : : : : : : : :/'´}: :l:/: : l: :l
　　|: : : : : : : : ﾍ: : : : : : : : : : : : : : : : : : r‐/〉': // : : ﾊ: l
　　|: : : :l: : : : : :|ヽ: : : : : : : : : : : : : : ／{ l .l'ｲl /|: : / .}/
　　|: : :/ : : : : : l　_ヽ: :⊥: _: : : : : ／　　〈ｲ: l/' l:／
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二人とも、どこか清々しさすら感じさせる目をしていた。
あと何回、朝日を見られるか分からない身だというのに。

アルトリアもクーガーも、自らの運命を受け入れきっている。
最早彼等にとっては、何のために生きるのかではなく、何を遺せるか、なのだろう。

彼らは、やる夫君に託したがっているようにも見えた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5568： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/26(日) 22:38:21 ID:FFl1EXu60

　　 ~￣ ー-　　　　　　　　　　厂
　　　　　　　　`,つ　　　ｰ=一
　　　　　　　　( 　 　 r―一　　　　　　　　　 ､_＿
　　　　　　　　　￣） |　　　　　　　　　　　　　,＞　二ﾆﾒﾄﾍ、
　　　　　　　　　　{._ l　　　　_　　　　　　 ｰイ　　　`Z:::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　}l.＿｣｣ﾉ}　　　　　　　 〃ｨrﾍﾊ気ﾒ;:::::::::::::::
.　　　　　　　　　 　 ~￣77/＿　　　　　　　　l _　　ｷ　〉::::::::::::!
　　　　　　　　 　 　 　 f′ ,＝'　　　　　　　〈_　｀　ｷ　ﾚ‐;::::::ﾉ
　　.　　　　　　　　 　 /　ノ　　　　　　　　　　/　　　　 Σ::::く_,
　　　　　　　　　　　 /　f　　　　　　　_ -r一/　rﾍ.￣〉-―-<
.　　　　　　　　　　 / 　 !__　 　 　_／/ ,ﾑﾉ´/´　 |／　　　　 ＼, v‐y―z'⌒ヽ
　　　　　　　　　　/　　 |　 ﾒ^'￣l　 /　　{／　　　　　　　　　〆　 　　＞'´￣`<
　　　　　　　　　　|　 　 ﾄ　　〉　　　　　 i′　　　　　　　　　　　 　 ／　　　　 /
　　　　　　　　　　L_＿ﾉムノ一ｰ-f　　/o　　　　　　　　　, -一>'　　　　-=ニ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;　 /　　　　　　　　 イ´　 ／　 -=ニ
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　 {　　　　　　　　　/　　/　 ﾉ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　ﾉo　　　　　　　 /　　 lf　/
　　　　　　　　　　　　　　　 　 〈 　 /＿＿__　　　, ィ′　　|巛
　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__ノィ7///////＞､ 　 |
.//////////////////////./////////////∧ノ
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|//////////////////////|/////////|/////ﾊ
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|////////√｀^ ￣￣￣￣｀ !/////////｢￣
|////////ｆ 　 　 　 　 　 　　|/////////|
|////////|　　　 　 　 　 　　|/////////|

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「余命宣告も無駄ときたか。まあ半分は予想が付いていたがな」

間が面白くなさそうにボヤくと、おもむろに胸ポケットに突っ込んでいた
紙煙草の箱を取り出した。

中からガスライターと一本の煙草を取り出すが、牧瀬は止めなかった。
二度、三度とライターを鳴らし、ようやく火が付く。

「俺も分かっちゃいる。アンタら二人なくして勝てやしないさ」

間の手にある煙草は、握り潰されて若干ねじ曲がっていた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5569： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/26(日) 22:40:39 ID:FFl1EXu60

　　　　　　 / ｲ　　　　　　　　　　 ／／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　 　 　 　 /ﾊ/　　／　 ,　　　　　 ／／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧
　　　　　 ﾚV　　/　　ｨ　　　　　 / 彡:::::::::::::::::::::::ｨ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　 | {　 ./　／　　/　　　　　/:::::/::::::::::／/:::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　 |　ﾊ .ｲ　　 /　　　　/ /::／:::::::／ ノ::::／/:::::/::::::／:::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　 | i .| /　　/i　　　　/ /:/i::::::∠-=彡-=ニﾆK::::イ≦::::::::::::::::::::::::::/
　　　　　　 ﾚ　|ﾊ　　i∧　 　 /i/:/::::ﾊ/ ＼　≧ィtjヽ､_￣＞イ::::::::::::::::::::::::/　 i　　　　　　　じゃあ、最後に一つだけ。
　　　　　　　　 | |ﾊ ./ l　　　 | |:::|::/　　 　 ＼　ヾン＿＞　≦彡::::r -､::::::レ彡/
　　　　　　　 >ハ ;;ヾ:::|　 |　 ﾊﾚ:://　　　　　 ヾ　￣　　　　　/::::/ r ､}:::::::::イ／ /　　　　　……高町君。
　　　　　　/..:::::::::＼:::::ヾ ﾊ　|　 ／　　　　　　　＼　　　　　 /::::∧　 /:::::::::::／／ﾉ
　　 　 　 /.:::::::::::::::::::::::::ﾚ:::ヽ|　　ヽ_､　　　　　　　 }　　　　./::::/　ｙ./:::::::::::::::::::／/
　 　　　./::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧　　＿　　　　　　　　{　　 　廴:/　 ノ:::::::::::::::::イ=≦､
　　　／::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::∧　　 ｀￣ ー-　　 　 }　　　　/ー'´:::::::::::::::::/／::::::::::＼
　　/::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::{i:::/　ヽ　　￣　　　　　 　 {　　／ |:::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::::::::
　./::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::{i}/　　∧　　　　　 　 　 　 レ'´ 　 |≧三ニ＝:::::::::::::::::::::::::::::
../::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::|　　 　 L＿＿　　 - ＜´　　 /:: ∧:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::
∧::::::::::::::::∧::::::::::::::::::::::::::::ヽ　　　　　　＜´　　　　　　...:::　|} ヾ:::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::
./::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::}　　　　　　　 ＞ - ､　　..::.:.: ノ＿ X≧=-::::::::::::::::::/:::::::::





　｀ ､　　,:i　　　/i　　　　／　　　　/　/　　　　//　　 　 i　　;;;;;;;;;;;;;;;;;i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ト;;;
、 　,:　 ,:i　　 ./ i　　 　/ｹ　　　　/　/ 　 　 / / j　　 　,;i i ;;;;;;ii;;;;;;;;;;;i;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
冫 ,: 　 i i　　/　i　　　/ /　　　 /;;;;7　 　 /: :/ /　 　 ,; 　i ;;;;;;}i;;;;;;;;;;ｊ;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;i ;;;;;;;
　 ,:　　i .i　　i　 i　　 / /　　 　/ヾ/　　 ./: :/ /　　　,;,.,. i　;;;;/ﾐ;;;;;;;;/;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;i　;;;;;;;
t ,:　　.i　i　 i　　i　　匆i　　　/　 /　　 /: : / /　　　/三i 　;/=i;;;;;;/:;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;i　;;;;;;;　
.i,:　　 i　 ', .i　 　i 　 i　i　　ィ午/　　:/ : : :/ / 　　/　 /　i:/　ｊ;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i　;;;;;;;　　　　　　　篠ノ之からの伝言だ。
j ',　　i 　 ', i　 　', 　i　i　　 i　 ｛　　/　: :/ / 　 ／ﾐ㍉　 从彡;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/i;;;;;;i　;;;;
　＼　j　　',i　　　', ..i　i, 　　i　 i 　/ 　 / /　 ／i 　 ./　/ /:／ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/　｝;;i　;;;　　　　　　　　 俺から君に伝えておこう――
"'''　　　　　　　　　',i　 ',　　i　 i　 i 　 .j/ ..／ 　ik　/　/ ／ ,;';';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/　;';;　,;'
~""'''　‐-..,,　　　　　　　', 　i　 i　i 　　/／: : 　 i ｷj／ 　 . / ;; ;;;;;;;; ;;;;;;;/ミ ;';;
三三ﾐﾐ　 j　　　　　　　　', ..i　 ', .i　: : : : : : :　　i　ｷ　 　 /;; ;; ;;;;;;; ;;;;;;/三;';;
三三ﾐﾐ　.'　　　　　　　　　', i　　',i　;,;,;,;,;,;,;,;,;　　i　キ　 /;;; ;;; ;;;;;; ;;;;;;/三,;';　　　` ､
三三ﾐ　 i　　　　　　　　　　　　　　'ﾐﾐ;:;:;:;:;:;';';';';''　 キ /;;;;　;;; ;;;;;;;;;／三三三　 　　` ､

5570： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/26(日) 22:41:15 ID:FFl1EXu60
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

5571： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/26(日) 22:56:32 ID:FFl1EXu60

　　　　　　　　　_　_　_
　　　　　　　／: : : : : : ｀i
.　　　 　　　i: : : : : : : : : :!
　　　　　　　､: :○: : ○: :!
　　　　　　　 i: : : : : : : : : i
　　　　　　　 l: : :,, --_ｯ: :',　　　　　　　　　　今回はここまでだ。
　　　　　　　 丶 ｀‐'´: : : :ﾉ
　　 　 　 　 / ´: : : : : : : : ｀ヽ　　　　　　　　　原作ACFAでもそうだったが、ORCA旅団には一定数、
　 . 　　　　/: : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　 , -‐': : ,: : : : : : : : : : : : : :ヽ　　　　　　　　「もう長くない身だから、世の変革に力を貸す」キャラがいたね。
　　／: : : ,-ｲ: : : : : : : : /｀丶: : : :､
　 ｒ⌒ ,／　/: : : : : : : : i　 　i: : : : i　　　　　　　　アルトリアとクーガーの二人もそのたちだ。
　 ` ‐ '　　/: : : : : : : : : |　　 ! : : : |
　　　　 　 i: : : : , _ -‐ ´,) 　 ｀ ヽ _|
　 　 　 　 (_ _i￣(_　-‐'´i
　　　　　　|　:|`‐´i : : : : |
　　　　 　 |: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
　　　　 　 |: : : : : |: : : : : !





　　　　　　 　 ,- ‐‐ -　､
　　　 　　 ｒ‐ｲ: : : : : : : : :｀,
　　　　　　i /○　○: : : : /　　　/｀ ､
　　　　　 　i_ _ _ : : : : : : :{　 　 / : : /　　　　　　ちなみに、ちょっとした小ネタとして……
　　　　　　 ｀,_　_｀=-: : : :| 　 ノ : : /
　　　　　　　i: : : : :_: : : : :'y´ : : : /　　　　　　　　この二週目では細々した分岐がある。
　　　　　　　｀-‐､´: : : : : : : : : ／
　　　 　 　 　 　 ﾉ : : : : : : : : i´　　　　　　　　　　チミたちはなのは、はやて、アルトリアの三ヒロインの好感度を満遍なく上げ、
　　　　　 　 　 / : : : : : : : : : :|
　 　 　 　 　 　i: : : : : : : : : : : !　　　　　　　　　　　最後まで全員メインヒロイン候補という状況だったね。
.　 　 　 　 　 （｀ー‐-　　-‐　_}

5572：安価のやる夫だお：2023/02/26(日) 22:59:18 ID:Q2Dlh6Z.0
せやね

5573： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/26(日) 23:01:51 ID:FFl1EXu60

　　　　　　　　　_　_　_
　　　　　　　／: : : : : : ｀i
.　　　 　　　i: : : : : : : : : :!
　　　　　　　､: :○: : ○: :!
　　　　　　　 i: : : : : : : : : i　　　　　　　　　アルトリアの好感度が髙かったため、リベリオン戦前のアルトリア戦がカットされ、
　　　　　　　 l: : :,, --_ｯ: :',
　　　　　　　 丶 ｀‐'´: : : :ﾉ　　　　　　　　　仲間に加える選択肢が追加されている。
　　 　 　 　 / ´: : : : : : : : ｀ヽ
　 . 　　　　/: : : : : : : : : : : : : ヽ　　　　　　　また、言動もやる夫君に対してかなり好意的だ。
　　　 , -‐': : ,: : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　／: : : ,-ｲ: : : : : : : : /｀丶: : : :､　　　　　　アルトリアと普通に戦うor命を差し出してきたアルトリアを撃った場合、
　 ｒ⌒ ,／　/: : : : : : : : i　 　i: : : : i
　 ` ‐ '　　/: : : : : : : : : |　　 ! : : : |　　　　　　実は別キャラが仲間になる予定だった。クーガー無双はAMS負荷で寿命がマッハだからね。
　　　　 　 i: : : : , _ -‐ ´,) 　 ｀ ヽ _|
　 　 　 　 (_ _i￣(_　-‐'´i　　　　　　　　　　　　そのキャラというのは……
　　　　　　|　:|`‐´i : : : : |
　　　　 　 |: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
　　　　 　 |: : : : : |: : : : : !





　　　　￣/￣/￣厂: : /: : / : ハ: : l: : l : : : : ､: ヽ: :ﾄ ﾆ＝-: :ヽ: : : :　＼　　/
.　　　　 /　 /　 /:/: :/l: : :':／、 ヽ: :､: :､: : : : :ヽ: ｌ! レ＼: : : : : !: : 、　| 丶/
　､＿__/＿/＿/ :ﾚ彡ﾍ : {＝ﾐ ＼　ヽi ､:ヽ: : : : }!:Aﾅ＝ミT: : : :|:､: :ヽ｜
　 ｌ　　|　　|　 |: : |ﾍ{　 ヽ:lｳh　＼＼　　ヽｌ : : : ||ﾅiｳh　 ｊﾊ: : : ﾊ:ヽ-　|
　 ｌ　　|　　|　 |: : ｌ　 i､　 弋ﾂ　　 ﾄヽﾝ＾ｿ,|: : : :ﾊ 弋ﾂ ｨｯ ,' : /: :}T 　 |
　 ｌ　　|　　|　 |: : 丶 ゞ=‐----‐彡／ｒ' - i: :／＼二¨¨´ ﾉｨ: :ヽ/ |　　|
　 ｌ　　ヽ　 ､　|_: ＼＼　　　 "´　´　　　 / ﾍ　　　　　／´∧ ト:≧　　|
　 ｌ　　　 ＼ ` ､｀ ､:`≦＿_,　　　　　　　　　丶　　　　 　 ﾊ　`Ｔ　ｌ 　 !
　 ｌ　　　　　｀　､` ､｀　､‐ ´　　　 　 　 　 　 　 , 　 　 　 ハ　　l　 !　｜
　/　／￣＼　　 `!　`!　ﾞｌ　　　　　　　　,.　　ノｊ　　　　/___l＿_l　 !、/
./ 〃｀ ｘ ､　 ヽ､ ｜　ｊ　｜　　　,. ＿　　　　　 ,　　　 /　　ｊ 　 l　　∧
､　{（） 丶ヽ丶　 ￣＼＼ ＼　 〃‐-- ｀ 二二i{　 　 ｲ― /―/　 /Lｌ|
　ヾ　　　 丶へ　　　　l　l　 l　 {　 　 　　 　 ∨　　//　 /　 /　 /　　|
＼ 丶 　 　　 - ヽ　　<　ヽ　｀ ゝ _　　 　 　 /　　//´／￣へ .ｲ 　 /
､　＼丶　　 {　 } l　　 「＼　丶､　　｀¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨´　＜　／/　 ∧
【なのはの好感度が髙かった場合：グラハム・エーカー】




　　　　　　　　　 　 　 , -─……===ミ
　　　　　　 　 　 　 　 } : : 厂: : : : : : : :ﾟ,
　　　　 　 　 　 　 　 /: : /: : : : : : : : : ∧
　 　 　 　 　 　 　 　 }ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾊ、__
　　　　　　　　　r一くﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆイ: : : ノ
　　　　　　　　 　 ー‐rﾍ─r:::::ｬ─…　¨「
　　　　　　　　　　 　 「_,　､ﾆﾞV　　　　_.ﾉ
　　　　　　　　　　　 人,　 ､¨i}　　　 イ__
　　　　　　　　　　　　 /≧=--==彡:|:ヽ}:}
　　　　　　　　　　　　 〉:{　　　/: :_:_:|: : 〈
　　　　　　　 　 　 　 ハ:＼.／: : 〉 : : : ハ
　　　　　　　 　 　 　 |:|: ヽﾑ: :イ: : : : ､: : :
　　　　　　　 　 　 　 |:|:o: : : : o: : : : : |: : |
　　　　　　　 　 　 　 |:|:o: : : : o: : : : : |: : |
　　　　　　　　　　　　〉､:_:_:_:_:_:_:_:_彡:ﾍ:ノ
　　　　　　　 　 　 　 |: : : : : : : : :|:|:|: : :│
　　　　　　　 　 　 　 |: : : : : : : : :l/: : : : |
　　　　　　 　 　 　 　 ¨|:::「￣￣￣¨|:::「
　　　　　　　　　　　　　|::ﾉ　　 　 　 |::ﾉ
【なのはの好感度が規定値に満たなかった場合：ロールシャッハ】

5574： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/26(日) 23:07:31 ID:FFl1EXu60

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　　　想いを暴走させたグラハムがリベリオン戦後に単騎で襲来、
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　　　撃墜された後吹っ切れて味方になる……
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　　　もしくは途中で遭遇したロールシャッハに気に入られて仲間になられる
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i　　　　　展開がプロットにあった。……だいぶ前の記憶だが、>>1はそうするつもりだったらしい。
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ





　　 　 　 　 　　 　 ／　　　> ､l＞――………‐-　 _　　 /V　∧
　　　　　　　　　　〈＼　 ／V ∧　　　　　　　　　　　 ｀　く ム/ ∧
　　　　　　 　 　 　 ﾏ ∨　　V　ﾍ　　　　　　　　　　　　　 / /＼ /
　　　　　　　　　　 /lﾑﾑ　　｜　 |＿＿＿__　　　　　　 　 !｜　∧
　　　　 　 　 　 　 |　　VＶ／　／ｲ/ |/｜!　 ￣｀ ￢､-､_/-| ∨｜
　　　　 　 　 　 　 |　　 ﾞﾆｴｴｺ lﾑl'≧l､_l∧ヽ 　 l//__ｊ、 l＼>┤ |
　　　　 　 　 　 　 |　　 ｜|｜| ｛ｆ弋ｔッﾑﾄ ヽ}　lｲ在ャk∨::::Hxl　l　　　　　　　　【志望動機】
　　　　　　　 　 　 V　　 |｜|_|_､≧￣　　　ノイ ´`ﾆ".ｨ/:::::/ /,'V
　　　　　　　　　　　V　 ｜＼ヽヽー　　　　　 |　　 -=/:::::/ ///　　　　　　　　　 折角生き残ったのでミセス・タカマチとネンゴロになりたい。
　 　 　 　 　 　 　 　 ＼ / へ ｌ_|_| 　 　 　 ､ 丿　 　 /:／／//
　　　　　　　　　　　　 /「「 Y_)＼.＼ 　ｔ―---ｯ　　/::|∠ ､ｊ/　　　　　　　　　　　うむ、前々から異性として気になっていたので是非もないな。
　　　　　　　 　 　 　 //_ｊ＼ ｆヽ. ヽ　≧｀三三 ==彡ク ｒpｸ
　　　　 　 　 　 　 　 V　ｊ　 丶ｿ　ﾉ　　　￣￣￣￣{∠i／
　　　　　　　　　　　__ｒｆム　　　|「 ＞　 ＿＿＿　 ィ「
　　　　 _,,.. -‐　'"´　　∧ ＼　 ||　　　 |　　　　　 ムY^ヽ _
　　 ‐<　　　　　　　　　 ∧　 ≧i､　　　|　　　　／ ||∧∧　 ｀"''－,,_
／　　 ＼　　　　　　　　　 V　　　`'　 ┴―　'´　__||__」　!　　　　 　 ｀i‐-,,_
　　　　　 ヽ　＿ｒ=＝　　￣∨　　　 　 　　 　 ／　||｝ | ┼＝＝=　　｜　　＼





　　　　　　　　　 　 　 , -─……===ミ
　　　　　　 　 　 　 　 } : : 厂: : : : : : : :ﾟ,
　　　　 　 　 　 　 　 /: : /: : : : : : : : : ∧
　 　 　 　 　 　 　 　 }ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾊ、__
　　　　　　　　　r一くﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆイ: : : ノ　　　　【志望動機】
　　　　　　　　 　 ー‐rﾍ─r:::::ｬ─…　¨「
　　　　　　　　　　 　 「_,　､ﾆﾞV　　　　_.ﾉ　　　　　　　ネクスト乗ってイキってる奴をぶっ殺したい。
　　　　　　　　　　　 人,　 ､¨i}　　　 イ__
　　　　　　　　　　　　 /≧=--==彡:|:ヽ}:}　　　　　　　おまえらについていけば九割方皆殺しにできるのでは？
　　　　　　　　　　　　 〉:{　　　/: :_:_:|: : 〈
　　　　　　　 　 　 　 ハ:＼.／: : 〉 : : : ハ
　　　　　　　 　 　 　 |:|: ヽﾑ: :イ: : : : ､: : :
　　　　　　　 　 　 　 |:|:o: : : : o: : : : : |: : |
　　　　　　　 　 　 　 |:|:o: : : : o: : : : : |: : |
　　　　　　　　　　　　〉､:_:_:_:_:_:_:_:_彡:ﾍ:ノ
　　　　　　　 　 　 　 |: : : : : : : : :|:|:|: : :│
　　　　　　　 　 　 　 |: : : : : : : : :l/: : : : |
　　　　　　 　 　 　 　 ¨|:::「￣￣￣¨|:::「
　　　　　　　　　　　　　|::ﾉ　　 　 　 |::ﾉ

5575：安価のやる夫だお：2023/02/26(日) 23:11:26 ID:Q2Dlh6Z.0
グラハムw

5576： ◆x0SRSoJXe.：2023/02/26(日) 23:12:47 ID:FFl1EXu60

　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i　　　　　　　うーん……なんだかんだアルトリアが仲間になるルートが
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ　　　　　　　　一番華があってよかったかもしれないね。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,　
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i　　　　　　　　ロールシャッハが仲間になった日にはサツバツ要素しかないし
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |　　　　　　　　臭いしだからね。
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´





　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 _ _____＿
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ´.: : : : : : : : : : :｀
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 l: : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i: : :○ : : : ○: :.|
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : |　　　　　　　　　まあ、スレ住民たちがなのは、はやて、アルトリア派で
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 j: : : -=＝=- : :.i
　　 　 　 　 　 　 　 r―--┐　　 　 i: : : : : : : : : : : :l　　　　　　　　　　綺麗に三つに別れてたのは見てて面白かったし嬉しかったよ。
　　　　　 　 　 　 　 i: : : : : ',　 　 　 ゝ : : : : : : : : :t´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　 　 　 　 　 　 　 　 ',: : : : : i　 , f: : : : : : : : : : : : : :ヽ　　　　　　　　　　モコイさんはどの娘もいっぱいちゅきだがね。
　　　 　 　 　 　 　 　 ＼: : : :y: : : :Υ: : : : : : : : : : :y: : '..,
　　　　　　　　　 　 　 　 ',_: :: :／　 i: : : : : : : : : : : :l丶 : : :ヽ　　　　　　　それじゃ、3/2(木)午後九時にシーユーアゲイン。
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ￣　　　l: : : : : : : : : : : .i　　＼ : : :丶

5577：安価のやる夫だお：2023/02/26(日) 23:18:05 ID:Q2Dlh6Z.0
乙

5578：安価のやる夫だお：2023/02/26(日) 23:46:30 ID:xnSXGO3w0
乙

5579： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/02(木) 21:04:00 ID:tALVMRk20
　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _l　　　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

5580： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/02(木) 21:11:52 ID:tALVMRk20

　　　　　　　　　_　_　_
　　　　　　　／: : : : : : ｀i
.　　　 　　　i: : : : : : : : : :!
　　　　　　　､: :○: : ○: :!
　　　　　　　 i: : : : : : : : : i　　　　　　　　　花粉症のファーストインパクトを迎えたモコイさんだよ。
　　　　　　　 l: : :,, --_ｯ: :',
　　　　　　　 丶 ｀‐'´: : : :ﾉ　　　　　　　　　春のファーストインパクト、夏のセカンドインパクト、秋のサード、とどめに冬のアディショナルだ。
　　 　 　 　 / ´: : : : : : : : ｀ヽ
　 . 　　　　/: : : : : : : : : : : : : ヽ　　　　　　　ヒスタミン、おおヒスタミン。
　　　 , -‐': : ,: : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　／: : : ,-ｲ: : : : : : : : /｀丶: : : :､　　　　　　割かし重傷で頭も痛いし薬も効かない。
　 ｒ⌒ ,／　/: : : : : : : : i　 　i: : : : i
　 ` ‐ '　　/: : : : : : : : : |　　 ! : : : |　　　　　　鼻がずるずるしているがやっていこう。
　　　　 　 i: : : : , _ -‐ ´,) 　 ｀ ヽ _|
　 　 　 　 (_ _i￣(_　-‐'´i
　　　　　　|　:|`‐´i : : : : |
　　　　 　 |: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
　　　　 　 |: : : : : |: : : : : !

5581：安価のやる夫だお：2023/03/02(木) 21:13:35 ID:nMiaaisk0
ハロー

5582： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/02(木) 21:28:51 ID:tALVMRk20

　　　　　　　　　　　　　　､＿刈从WWWW从从≦二ィ_,_
　　　　　　　　　　　 　 ､_x≧W从从从WWi{从从从i从ア
　　　　　　　 　 　 　 　 ィW洲从从}i州从ハ从从}Wkく :.
　　　　　　　　　　　　 ､_j从WWW{i从{　　 　 , ､_　 `}从 :.
　　　　　　　　　　　　　洲W从从ﾘ{ィ＝≦壬r示≧＝代 :
　　　　　　　　　　　　　刈洲W{iﾚ'´ 込Z弐シ　{Z弐近{　:.　　　　　　　　　　　　　おっ、お疲れさん。
　　　　　　　　　　　　　 ｲ洲ｒ=i{|　　　　　 　 _ 冫　 　 }　:.
　　　　　　 　 　 　 　 　 }从{ V|i ､_　　　　　　 ′　　 .'　:.　　　　　　　　　　　　　今日ははやてちゃんと一緒なんだな？
　　　　　　　　　　 　 　 　 从 {_　　｀　 　 　.ィこ> 　 ,'　 :.
　　　　　　　　　　　　　　　　}ﾄ､_ 　 　 　 　 ｀二 　 /　　 ::.　　　　　　　　　　　　　「こんばんはー」
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 从汽　　　　　,ｨi斥仆v　　　:.:　
　　　　　　　　　　　　　　 　 洲　｀ ー‐-　{i｣从｣ｼ{　　　.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ]}　　　　　 　 　　　|　　　.:
　　　　　　　　　　　　　　 ／.::i｣ 　 、　　 　 　 　 j＼_　: .
　　　　　　　　　　 _ 　-‐ {::::::::{、　　 、　　　　 / {ヽ::ヾヽ、
　　　　　　　　 _／　　　　|::::::::| ＼　　 、　　　{　　ハ::.:.:.. ｀丶、
　　 　_ 　-‐　´　 　 　 　 |::::::::|　　｀ヽ､__　　 　 ／　 ',:.:.:.. i　　 ｀`丶、
　　／　　　　　　　　 　 　|::::::::|　　　　　 ｀ヽ.　 {_ 　 　',:.:.:. i　　　　　　ヽ、
　/　　 　 　 　 　 　 　 　 |::::::::|　　　　 　 l　|　 ||!　　　}:.:.:.::!　　　　　　　 ＼
./　　　　　　＼　　　　 　 |::::::::|　　　　 　 l　|　 |{　　　 ｌ::.:.:::l　　　 　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　 　 ヽ　 　 　 |::::::::|　　　　 ／,ア￣￣｀ヽ　l:.:::::::l　　　　　　　i　　　`､
　　　　　　　　　　 ＼　　 |::::::::|　　　／／　 ／＞≦二;;}:::::::l　　　　　 　 |　　　　`､

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
会議からの帰り道、排気ダクト下で紫煙をくゆらせるハセガワと遭遇した。
壁を見つめながらぼんやりと煙草を吹かす姿は、普段と変わらない。
緩い着こなしの和装といい、この男は極限状態の潜水艦生活でも安定感があった。

自分とはやてが歩いてきたのを見つけると、にやりと口の端を持ち上げていた。

「なんだよ、すっかりオシドリ夫婦って感じじゃねえの。
吊り橋効果ってやつかぁ？　あと数年は弄ぶと思ってたんだけどなー」

ハセガワが揶揄うと、はやては若干ムキになって否定していた。
親しい人は知っているが、彼女はあれで素面なのだ。
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5583： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/02(木) 21:37:34 ID:tALVMRk20

　　　　　　　　＿＿＿
　　　　 ／）／ノ '　ヽ､＼
　 　 ／ .ｲ '（●） 　.（●）＼　　　　　相変わらず、やる夫の護衛をしてくれているのかお？
. 　 /,'才.ﾐ).　 （__人__）　　　＼
. 　 |　≧ｼ'　　 ´ ⌒｀　　　　　|　　　　なんだか申し訳ないお……
.　　＼　ヽ 　　　　　　　　　 ／





　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ､_,､_　,､_,__,_
　　　　　　　　　　　　　　_洲WW从W斥k
　　　　　　　 　 　 　 　 刈州州从从込iﾄ
　　　　　　　　　　　　　 仆W^__､_ ,＿_V[,
　　　　　　　　　 　 　 　 洲「{弐]刊卉｣ｉ{`
　　　　　　　　　　　　　　｛｣i｀￣〈|｀￣ り　　　　　 ..　　　　　　　　いんやぁ？　最近はみんな落ち着いてきてるからなぁ。
　　　　　　　　　　　　　 　 }l､　 ‐_,‐'　/{　　　　 ...:..
　　　　　　　　　　 　 　 　 ∧＼iWi{ﾚ'{ﾘ`　　 ....:..　　　　　　　　　　食糧難とかも脱したし、今では四大企業の一角を下して、
　　　　　　 　 　 　 　 　 _/.::::',_r三く斗ﾍ、...:...
　　　　　　　　　　　, -<:::::::::::::`r一＾㍉,.:､.｀`丶、　　　　　　　　　　そいつを取り込もうときてら。暴動の兆しなんぞナイナイ。
　　　　　　　　　 ／　　ヽ:::::::::::::｀マヽ、　 ヽ、 　｀ヽ.
.　　　　　 　 　 /　　　 　 `､::::::::::::::∨.＼_　 `､　　　',　　　　　　　　　おかげで俺は楽させてもらってるぜ。
　　　 　 　 　 /　 ＼　　 　 `､::::::::::/.:::::::::}　　 ',　 　 }
　　　　　　　/　　　　ヽ　　　 `､::::/.:::::::::/l　 　 ﾄ、　 |　　　　　　　　　テキトーにおまえの近くで煙草をチビチビ吹かしてるだけよ。
　　　 　 　 〈　　 ､　　　､　　　 ∨.:::::::::/ {　 　 |　V^廴
　　　　　　　}　　　 ､　　}　　　 /.:::::::::/　∧　　|　 }　　}　　　　　　　　「なんや窓際族みたいやなぁ」
　　　　　　/　 　 _＿＼｣　 　 /.:::::::::/　 { ∧　 }　 | 　 |
.　　　　　/　 _／　　　　￣｀¨¨¨¨¨｀ヽ＿|　 ヽ/　　　　}　　　　　　　　言い方ぁ。
　　　　　{　　　　　　　　　　 　 　 　 { 　 l 　 /　　　　 ′
　　　　　 ',　　　　　　　　 　 　 　 　 L､ ｣_　{　 　 　 ,′
　　　　　　 ､　　　　　　　 　 　 　 　 }｣冂　　 　 　 /
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必要なこととはわかっているが、彼に護衛役をさせるのには後ろめたさがあった。

自分はリンクスで、それでいて護身の心得があるわけでもない。
路上暮らしで荒事には慣れているが、プロの暗殺者が送り込まれて日には
何もできずに縊り殺される程度の男だ。

だからこそハセガワのような人間に守ってもらわなければいけないわけだが、
彼とて自分の家族を放って役目を全うしているのである。

そう思って目を伏せるが、当のハセガワは呑気そうだった。
はやての一言に間延びした言い方で反論してくる。
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5584： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/02(木) 21:47:25 ID:tALVMRk20

　　　　　　 　　ヽ ､______＿＿ ヽヽ. ､
　　　　　　　_,, ..≧::::::::::::::::::::::::::ヽV::ヽl
　　　　　　 ,.イ::;ィ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`＝イ/
　　　　　　 /／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::<
　　　　　　〃::::::::::::;ｲ／/ﾘ|:/|:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　∠::::::::从（ 　 　　l/ !::::::::::::::::::::::::::::::: ヾヽ
　　　　　　/イ∧` ､,,ｨ≦=ｒヽl／ﾙ::::::::::::::::::::::::ヾ、
　　　　　　　 〈_≧ｒ=!:::::::ノ　　　　ﾘ:::/ヽ:::::::::::::ｌヽ　　　　　　　　……俺ぁよ、元レイヴンだから知ってんだ。
　　　　　　　　!:::::/　 ￣　　　　 　 lん） !::::::::::ﾙ
　　　　　　　　`ｌ〈　_　　　　　　 ,.. 　( ,.ｲ:::::::::::（　　　　　　　　　この感じをよ。時代が変わる空気ってのか？
　　　　　　　　 ヽｒ__　　　　　　/　　l´　!::::::::从ヽ
　　　　___ ,....,..._　ト-｀¨　　　　　　ノ　 ルﾘ人ヾヽ　　　　　　　　国家解体戦争の時もそうだった。
　　ｒ‐"＿ｌ＿辷〕_}illi、　　　,, -　　　,,..::::"::::..　|　＿_
　 ｆ,! └‐ｒ‐‐／ / ^vllllllｒ''"　 ,,...::''::::::::::::::::::::／´　 ／`!
　 H__ﾉ__ﾉ__ﾉ　/　　　ｒ=`-''::::::::::::::::::::::::::::／　　／　　 ヽ
　{　　 ∨　　　ｌ　　 　ヽ:::::::::::::::::::::::::::::／　　／　,.　" 　　＼
　l､　　 l　　 ／　　　 / l::::::::::::::::::::::／　　／　／
　/｀'ー― /　　 　 ／ /:::::::::::::::::／　　／　／
/　　　　 /　／￣/　 /:::::::::::::／　　　　　/

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
しばらく他愛もない話をしていると、ハセガワが避難民たちの様子を話してくれた。
コロニー・アマツ撤退戦後の絶望感は薄れ、今では活気に溢れているらしい。
この基地を接収できたのも大きいが、一番は物資の充実と連日の勝利だろう。

現金なものだとも思うが、民衆とは得てしてそういうものなのだと、
記憶の片隅で真壁の言葉が反響してくる。

アルトリアも言っていたが、彼らは次の社会に、自分たちの居場所を作る
礎となる人々だ。無碍にはできない。

「企業連の時代が来る時はよ……重苦しくて、閉塞感があったけど、
安心感もあった。世界はコジマ汚染でジリ貧になっていくのは目に見えてたが、
そんな赤裸々な事情は当初お偉方しか知らなかったワケだしな。
史上最強の兵器であるネクストに守られたコロニーで、
企業の言われた通りに生きてりゃ飯にありつけるって、安心感があった」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5585： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/02(木) 21:59:53 ID:tALVMRk20

　　　　　　　　　　　　}ｉ|ハi从}ｉ｛{ｌ|W从川｛ {从i|{　 i　!　　 　 　　　｛_
　　　　　　　　　　　　V 　 ｝ハハ{V 　 Vハ{｛i｛ハ :{i｜! 　 　 　　{｛｀′
　　　　　　 　 　 　 　 }　　　　　　　　　　　　|Ｗ从小j！i !i|　 ,　 ､_≧ｧ
　　　　　　　　　　 　 ﾑ　　　　　　　 　 　 　 |/}ｲ小j｝}_} ｝!}W￤　｢广
　　　　　　　　　　　 ｣__＼､　　　　_　　-‐　 　　|/}/从从从ｉ｛ﾊ　｛
　　　　　　　　　　　{ f≧メ}､_,)≦二 __ 　 　 　 　 |/ﾑi7'⌒Ｖ小!|W
　　　　　　　　　　　‘斥沙′｀} ]三三ミF￢＝＝≠f/　　　}仆{ハ!
　　　　　　　　　　　　｛　/　　‘弐三三ｦ 　　　　　}小／ 　从｝Ⅵド　　　　　今度は逆だ。
　　　　　　　　　　　　 ∨　　　　　｀￣´　　　　 　 l/ﾉ__／/从Wバ
　　　　　　　　　　　　　}〉--､　　　　　　　　　　　　　　_ ｲ/}|V/　　　　　　　　期待感はあるが、不安感もある。
　　　 　 　 　: 　 　 　 く_､__　　　　　 　 　 　 ／　 厂´}ｉ||Ｖ|ﾄ|{
　　　 　 　 　:　 　 　 ／∠}厶_　　　　　　　/　　 /　　|ﾊ|｣｛i　　　　　　　　　　絶対的な力がなくなりゃ、抑えつけられてたものも出てくる。
　　　　　　 　:　 　／／　｝>r‐ ｀　　　　　　　 _／　　　　|从{了
　　　　 　 　 :. ／／　 　 }i|ｌ}ﾄ､_　　 　_　 -‐ 　 　 　 　 　／ ｛_　　　　　　　　　それは良いものも悪いものも、だ。
　　　　　　　　`ﾞ´ 　 　 　 ﾞｰ≠≧=≠ 　 　 　 　 　 　 ／　　　{ﾍ._
　　　　　　　　　　　　　　_／　　　　l　　 　 　 　 　 ／　 　 　 ,′ ＼_　　　　　　世の中は確実にメチャクチャになる。犠牲も伴うだろうさ。
　　　　　　　　　　　　　´ ハ　 　 　 |　　　 　 　 ／　 　 　 　/　　 　 }＼
　　 　 　 　 　 　 ／　 　｛　‘.　　　 ｣ 　　　　／　　　　　 　/　　　　,′
.　　　　　　　　 / 　 　 　 !　 }i　 ／　　　　 ハ　　　　　　, '　 　 　 /
　　　　　　　　/　　　　　 |／∧/　　　　　 {　 ヽ. 　 　 ／　　　　 /
　 　 　 　 　 /　　　　　 /　/　｛＼　 　 ＿｣　 　 ＼／　　 　 　 / /





　　　　 　 　＿＿__
　 　 　 　／　　　　＼
.　　 　／　 　 　 　 　 ＼
.　　／　　　 ―　　 ー　 ＼　　　　　……まあ、そうだお。
　　|　　　　（●） 　（●） 　|
.　　＼　　　　（__人__）　 ／
.　　　ノ　　　　｀ ⌒´ 　 ＼
　／´　 　　　　　　　　　 　ヽ
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
企業連体制の時代が潰してきたものは多い。
自分の人生もそのうちの一つだ。

だが、この時代が守ってきたものも多い。
アマツに暮していた人々もそうだし、もっと辿れば、はやてやなのはだって
中級市民以上のIDの持ち主として生きてきた。

企業連体制が終われば、自分たちは生きる場所が得られる。
コジマ兵器を封印して、パワーバランスをゼロに戻す。
そうなれば、企業連の絶対的な統治は失われる。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5586： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/02(木) 22:04:29 ID:tALVMRk20


＿／／.//　　　 ＼　./　/　/　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿__
　⌒＼/＼　　　　 /!/　/　/　　 〈∨　　　　　　　　　/￣二ﾆﾆ==ミ/.　∨ ∧
/　　 ノヽ　≧==‐//≧≠≠≠ミ∧∨　　　　　　　 /二二　ヽ./ヽ　＼.　∨ ∧
..　／ヽ　 )h､＿ノヽ/　＼　 ＼　 ヽ> -===rv　　 ∥＿/___.＼ ∨￢￢!　 ∨ ∧
／　　　〕ｈ､＿/　＼¨¨¨¨＼ﾆ=--' ＼⌒ヽ￣＼ ∥　　　 ∧∧ ∨ﾆﾆ/　　 〉=='
. /⌒〕ｈ､＿／＼ヽ 〕二ﾆ=-/　 / γ Ｙ¨¨⌒＿¨∨〕ｈ､　　∧∧ ∨＿∨!,'　 /ヽ
/＿＿ ￣＼/　　ヽﾉヽ／⌒ヽ　＼ ｀¨´ 弋＿((_)¨｀／¨ !　　 !　!　!　　 !/　 /　/
＿＿＿＼__'　　　　! /　√￣ ＼￣＼≧=‐　}圦＿　　 |　　 |　|　|　　 |! ／ ／
＿＿-==У:.:.:.＼⌒フ　 ＼ヽ　　 ｀`〜､、 ＼‐--ヽ ヽ　|　　 |　|　|　　 |!._／
＿_　 ヽ/＿＿:.:.:.＼ 　 　 __＼ヽ／⌒〕ｈ､＼ .＼￣ ＼＼￣｀ヽ.!__| 　 .八
　　 ¨¨¨¨⌒>//〕ｈ､＼ /ニニニニﾆ=-　　／⌒)h､　__∨＼￣ ＼ヽ／
　　　　　　 {//////ヽ./￣≧s｡ニニニニニﾆ=-　　〕ｈ､ﾉ⌒〕　7¨¨´
　　　　 -===ミ｀`〜､/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.≧s｡ニニニニニニﾆ=- イ}＼'
￣￣＼:.:.:.:.:.:.:.:＼　　￣￣ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.≧s｡ニニニニニ|!　〕iト√Υ
　　　　 ≧=‐　──､　　/__〕＿＜:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.≧s｡ニニﾆ乂///{⌒'＜
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　 　 　 /-=ﾆﾆ/ﾆ'ニニニニニ≧s｡＼〉Υ:::∥:.:.:.:./⌒＼＿＿＿__≧s｡ニニニ≧s｡
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　　　 〔-=ﾆﾆ'ﾆ/ニニニニニニ￣￣二二ﾆ=-:.:/￣　─--　＿＿:.:.:.:.:.:.|ニニニニﾆ/〉
　　　　 ~''＜ﾆ/ニニニニニニニニニニニニニニ￣二ﾆ=-　＿＿＿彡二二二二'/

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口減らしのためのコロニー追放や、追放した市民に武器を持たせテロリストと呼び
代理戦争を行わせ、企業同士の足の引っ張り合いに人の命と星の寿命を
湯水のごとく消費することもなくなる。

一定以上のグレードの市民IDを持ってさえいれば、飢えることもなく
安穏と平和を享受することができる時代も終わる。

やがて世界はバラバラになるだろう。
企業連を失った各地のコミュニティは独自にノーマルACとMTと核兵器で武装し、
いつしか群雄割拠の西武時代に逆戻りだ。

自分たちが今、手を加えることで、ある程度は止められるかもしれない。
けれど、いつかはそうなる。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5587： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/02(木) 22:19:44 ID:tALVMRk20

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　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:|斗ぅ＝ミ :|:.:.:.:.:|ｧう＝ミ: |:.:.:.:|:.:.:.:.: |　　　　　　　　　どしたん、暗い顔んなってんで？
　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:{　)いﾊ　从:.:.:.:.|　)いﾊ Y:.:.: ﾉ:.:.:.:.: |
　　|:.:|:.:.:|:.:|ﾍ:.人:.:.:　乂;;ツ　　 ＼:.| 乂;;ツ 从:.Λ:.:. /:.|　　　　　　　　　私は、そない悲観してへんで。
　　|八:.:.|:人:|:.＼＼ト''　　　　　　　　'''　　/:.:.:/　}:.:.:.:.:.|
　　 　 ＼ 　 |:.:.:.:.:.八　　　　 '　 　 _,　　 /彡/_,ノ:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　　
　　　　　　　八:.:.:.:.:.个　　　｀　　　　　　 イ:.:.:.:| :.:.:.:. |:.|
　　　　　　 /:/:.＼／￣　　　　 　 　 ＜ |＼__:.:|:. /:.:八|
　　　　　／:/⌒∨ :. :. :. {＼＞r≦.　　ノ| : :. :. :. :.＼:.:.:|
　　　 ／:.:./ :.:.:.: ∨:. :. Λニ=‐‐=ﾆﾆﾆﾆ|:. :. :. :. :. :./:.八
　　　⌒ｱ/:.:.:.:.:.:.:.:∨ /　 ∨二二二.／｜:. :. :. :. :/:.:.:∨＼
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:: :: :: :: 厂￣￣＼:: /{＿_／{⌒｀}＼　　Λ::: :: ::/::::::::::::::::⌒＼
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　　　　　　　　　　　　　　　 ,........――――....、
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /:..:..:..:..:..:..:..:..::￣＼＼
　　　　　　　　　　　　　厂｀:..:..:..:..:..:..:..:..:＼:..:/Λ＼
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.　　　　　 　 　 　 　 /:..:/:..|　`､ :..:..:.|斗‐|ミ|// l∨|:　　
　　　　　　 　 　 　 /:..:/:..:イ ⌒|:..::|::|:..|:: L::|/ : lΛ|:|
　　　 　 　 　 　 　 :..:..:..:..|::|ｆ竹うY:|::|::竹うﾞY:..:..|:..::|:|:　　　　　　　　　　どの道、このまま行ってたら世の中コジマまみれ。
　　　　　　　　　　 ::|:..|:..::乂__ Ｖり |ﾉ:..ﾉ ﾋツ ||:..|:..::|:|:|
　　　　　　　 　 　 |:|l::|l::＼ ト- ''' 丶　 　 ''　八 :..:..|:|:|:　　　　　　　　　　人間の生きられる場所なんてどこにもなくなって、
　　　　　　　 　 　 |八|＼:トミ人　 ゝ　 ′イ|:..|::|:..::|:|八
　　　　　　 　 　 　 　 　 ﾉ八::厂 ＞　　-Λ:|:..|::|:..::|‐→　　　　　　　　　　偉い人だけ逃げて他は全滅、ちうのがオチだったんとちゃうん？
　　　　　　 　 　 　 　 　 ｲ|:::/Λ ィ｛___ /　 八|::|:..::|／ Λ
　　　　　　　　　　　　　　l:|::′　} |__／ |　|　 ﾉ人:..|　 / Λ　　　　　　　　
　　　　　　 　 　 　 　 ＿八|　／へ＼　|　|　　 　 ＼　 / 人
　　　　　　　　　　 ／⌒７　 / |;;;;;ﾉ　／|　|　 　 /　　　　￣｀
　 　 　 　 　 　 　 {／＼__／| /:..:|／:＼＼＼　｜　／　＿_　 ＼

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はやてが朗らかに言ってのける。
確かに彼女の言う通りでもある。このまま企業連体制が続いたところで、
待ち受けているのは確実な破滅であることもまた事実だ。

尻に火がついた四大企業が足の引っ張り合いをやめ、
協力してアサルトセルを打ち落とし宇宙開発を再開させるだろうか。

もしくは、四大企業の幹部が一堂に会し、このままでは人類の生存圏が
なくなってしまうと互いに合意し、コジマ兵器を自ら手放すか。

どちらも考えにくい。

「いずれ来るもんが早まっただけやって。
むしろ、早くなっただけええと思うで。その分残っとるもんもあるし」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5588： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/02(木) 22:23:15 ID:tALVMRk20

　　　　　　　　　　　　　　　　　　､_,ヽ＼汁|ヽヾ_,_,
　　　　　　　　　　　　　　　　｀久匕卅从W勹災七
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 乂从Ｗ仆幵卞从Wﾐ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 YヾlVlN从ﾏ大Ｗ从ﾀﾞﾐ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾉ　　 ∨r ､卞卅从从　　　　　　はやてちゃんの言う通りだぜ。
　　　　　　　　　　　　　　　　r}-―==ヽ）}从ｵﾐ仆匕
　　　　　　　　　　　　　　　　｀l　　　　|i/ 'W从卅冫　　　　　　俺たちの曾孫かもっと先の子供が背負っていたツケが、
　　　　　　　　　　　　　　　　　',　　　　 　 W从彡'
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',　　 　 ,　 ,r'´￣　　　　　　　　もっと早い段階で回ってくるってだけだ。
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 """"ヾ／／´///
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 l/´//////　　　　　　　 しかしよぉ、そうなったらどうすっかねえ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/////////
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 //////////　　　　　　　　俺も食い扶持探さねえと……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{/////,r'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ//,r'´　,r'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ）'´　,r'´





　　　　　　　　　　　　､ｨ:´:::´"',､
　　　　 　 　 　 　 　 i':::ィ近t.zN　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ハセガワさんは支給で食べていけるんじゃ」
　　　　　　　　　　　　}(ﾐT:;;;ﾊ;;7
　　　　　　　　　 　　 ﾊﾑ.　,..,'/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　その支給も桜花重工からのモンだったからな。
　　　　　　 　 　 ,.､イ:l::|　｀'ﾔ､
　　　　　　 　/´::､::::::::l::|‐､ ‐l:|＼_　　　　　　　　　　　　　　　　　　もう隠居の身でもなんでもなくなっちまった。
　　　　　　　f::::::::::ヽ:::::l::|　　 l::!::::ﾊ
　　　　　　　|::::::::::::､';::::l::|　　 !:|:::::::l　　　 ＿　　　　　　　　　　　　 今の俺は立派なプー太郎よ。
　　　　　　　}::::::::::::::::}:::l::|　　 !:|::::::{ 　 　//‐'￣￣￣"７７
　　　　　　 〈: ::::::::::::::|:::l::|　　 !:!:::::::} 　 /￣ 　 ／ヽ 　 ７　　　　　　
　　　　　　　|::::::::＞二≧-─┴￢､|　/　　　 ヽ／　　/
　　　 　 　　|::::::〈:::::〈　　 　_,. -､ﾍ〉〉/　　 　 　　　　/
　　|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|
　　|　　　全　身　　無 職 に　　　　　　　　　　　　　　　|
　　|　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　　　　|
　　|　　　改　造　さ　れ　て　い　た　・ ・ ・　　　　　　│
　　|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|

5589： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/02(木) 22:37:39 ID:tALVMRk20

　　　　　　 　　ヽ ､______＿＿ ヽヽ. ､
　　　　　　　_,, ..≧::::::::::::::::::::::::::ヽV::ヽl
　　　　　　 ,.イ::;ィ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`＝イ/
　　　　　　 /／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::<
　　　　　　〃::::::::::::;ｲ／/ﾘ|:/|:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　∠::::::::从（ 　 　　l/ !::::::::::::::::::::::::::::::: ヾヽ
　　　　　　/イ∧` ､,,ｨ≦=ｒヽl／ﾙ::::::::::::::::::::::::ヾ、　　　　　　　おまえらも、飯のタネのアテつけとけよ？
　　　　　　　 〈_≧ｒ=!:::::::ノ　　　　ﾘ:::/ヽ:::::::::::::ｌヽ
　　　　　　　　!:::::/　 ￣　　　　 　 lん） !::::::::::ﾙ　　　　　　　　 ネクスト降りるんだろ？
　　　　　　　　`ｌ〈　_　　　　　　 ,.. 　( ,.ｲ:::::::::::（
　　　　　　　　 ヽｒ__　　　　　　/　　l´　!::::::::从ヽ　　　　　　　　まだ若ぇんだからよ……幾らでもやり直し効くだろ。
　　　　___ ,....,..._　ト-｀¨　　　　　　ノ　 ルﾘ人ヾヽ
　　ｒ‐"＿ｌ＿辷〕_}illi、　　　,, -　　　,,..::::"::::..　|　＿_
　 ｆ,! └‐ｒ‐‐／ / ^vllllllｒ''"　 ,,...::''::::::::::::::::::::／´　 ／`!
　 H__ﾉ__ﾉ__ﾉ　/　　　ｒ=`-''::::::::::::::::::::::::::::／　　／　　 ヽ
　{　　 ∨　　　ｌ　　 　ヽ:::::::::::::::::::::::::::::／　　／　,.　" 　　＼
　l､　　 l　　 ／　　　 / l::::::::::::::::::::::／　　／　／
　/｀'ー― /　　 　 ／ /:::::::::::::::::／　　／　／
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　　／　／）　ノ ' 　ヽ､　＼
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　　 /,'才.ﾐ).　（__人__）　 ／
　　 |　≧ｼ'　　｀ ⌒´ 　 ＼
. ／＼　ヽ 　　　　　　　　　ヽ
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ハセガワの言うことももっともだ。
これから生きていく中で、リンクス以外の生き方を見つけなくてはならない。

しかし、自分に何ができるだろう。
学校らしき学校も行ったこともない自分に。
自分の人生における教育なんてものは、なのはの教育が全てだ。
その程度の教養ということでもある。

少し困ってしまって、隣のはやてを盗み見る。
するとどういうわけか、後ろで手を組んでもじもじしながら、
こちらをじっと見つめてきていた。

自分の答えが気になるらしいはやては、それを隠す様子もなく、
真っ直ぐな視線として自分の横顔にぶつけてきている。

下↓1　なんと答えようか？　はやての反応が気になる……

1.まだわからない。とりあえず教養を身に着けたい
2.実は幾つか気になっている仕事がある
3.ACに乗り続けたい。ノーマル乗りになるだろう
4.はやてと一緒に何か始めたい。お店とか孤児院とか
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5590：安価のやる夫だお：2023/03/02(木) 22:47:33 ID:1St6GRco0
4

5591： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/02(木) 23:03:11 ID:tALVMRk20

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿--――- ＿
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 jニニニニニニニ＞､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＜ニニニニニニニニニヽ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／': :.`＜ニニニニニニニﾆ{
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／:/: :': : : ': :｀:,＜二二二二＞'"、
　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ/: /: : :/: : ,ｲ:l: : :￣i､￣:!: : : :.': ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 〉:.': : :.': : /＿:l: : : : l: V: :i : : : : ': :{
　　　　　　　　　　　　　　　　,'l: :!: : :.!: :/‐-､: !: : : :l: :.V: l: : : : : ; :.＼
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /ヽ:l: : :.ｌ: ;代ツ`: !: : : l:_; :V:.!: : : : : ; : .ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　/ .! l＼: l: ｌ: : : : : : :l: : :.!､ツl: l: : : :.ｌ: :／
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 , l .l .!.　 Tｰ､: : : : : :,:l: : l: : : l: !: : : ／ '　　　　　　　　　　　　愛です。
　　　　　 　 　 　 　 　 　 , .l　| l　　.|ﾄ .＼ヽ: : _: !: :!: :ｲ: :l :/ i !　　,
　　　　　　　　　　　　 　 , ,　 .! !, 　 l!　＼ヽ: :＿:ヽ:.! :.!: イ　,! !,　　　　　　　　　　　　　　愛ですよ、やる夫さん。
　　　　　　 　 　 　 　 　 '/.　l !.l l 　 ｌ .l　　 　 ´;　 '.,l j　 / ハ.l ,　　 ,
　　　　　　　　　　　　　 ' .l　 l ',ハ　 l.ﾉ,へ__ｊ⌒ｰ｀ィヽ! ,　/　 'l　,
　　　　 　 　 　 　 　 　 ;　_ ...-,:ィﾊ　.!::::::::::::::::l:::::///:;　 /:::ヽ　!　,　　 '
　　　　　　　　　　　 　 ,./:::::::///::::,　!:::::::::::::::::::///:/ .,:':::::::::l　 l,　,　 　 ,
　　　　　　　　　　　　　,::::::::///＿_l .!＿＿＿///{/ ./:::::::::::::!　 ｌ',　　　　,ｰ､
　　　　　　　　 　 　 　 ::::::::j／､乂 .! !{ }./ ／ﾉ//./ /:::::::::::::::l 　 } !　,　 　 ﾏヽ　 ,.‐- ._
　　　　　　　　　　　　 ,:::::::////＼ } l　,. イ///// /:::::::::::::::::;　　, j 　 ,　 　 ﾏヘl　 ._//＼
　　　　　　　　　　　　,::::::::!//////,'/////////, ./:::::::::::::::::/　 /.ﾉ　　 ,　　　ﾏ　ヽ/! ＼//}
　 　 　 　 　 　 　 　 ,:::::::::l//////ｲ////////,{ /::::::::::/::::/　ノｲ　　 　 , 　 　 ヽ. },l　　 Vﾉ
.　　　　　 　 　 　 　 ;::::::::::ｌ/////'//////////:::::::::／:::::/　　　 l　　 　 l.　　 　 V l
　　　　　　　　　　　/:::::::::::!//////////////!:::::／:::::::::;'　　　　 l　　 　 l　 　 　 V!
　 　 　 　 　 　 　 ノ::::::::::::::!'/////////////::イ::::::::::::::;:　　　 　 l!　　l　 !　ｉ　　　'
.　　　 　 　 　 　 j:::::ヽ:::::::::;l'////////////:::::::::::::::::::::/.l 　 　 　 ｌ! 　 !　 !　!　　　l
　　　　　　　 　 /:::::::::::::::::/.}/////////／::::::::::::::ヽ:::::}　l　　　　 .|!　 .!.!　l　!',　 　:
　　　　　　　　/::::::::::::::::::::;､.ｌ'//////,／:::::::::::::::/:::::::::/　 .!　　 　 .!|　.l .i.　! ｌ　, 　 .i
　　　　　　　,.::::::::::::::::::::::::;　j'////／:::::::::::::::::::;:::::::::;ｲ､　　.!　　 　 !! ﾘ　ﾄ､l ﾊ .l、　.|
　　　　　　,.:::::::::::::::::::::::::;ｲ .l'//／::::::::::::::::::::::::;::::::;:'//∧　,.-／￣⌒` ､.!　!'　',ｌ ヽ .l
.　　　 　 /:::::::::::::::::::::::;:' ,ィ/／::::::::::::::::::::::::::::::!::;ｲ'////ﾊ/ /　 .i 　 ｆｒ　.＼人 ﾉ　.}.ﾉ
　　　 ,..:::::::::::::::::::_f⌒ヽｰ--､:::::::::::::::::::::::::::::::;:ｲ//／///!__{.＿_l__.ノﾉ＼　 ＼ ,ノ〃
　　 ｒ‐､_jヽ｀ヽ:/.ヽ'"´（ r‐､ヽ:::::::::::::::::::::::::::::'-＝ー-//,ゝｰ---―ｲ!.ト.　ヽ. 　＼'
⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ
　　　　　　　　　　　　　○
　　　　　　　　　　　о　ﾎﾜﾝﾎﾜﾝ
　　　　　　　　　　｡
　　　　　　 ＿_辷三/二＼
　　　　　／　─　⊂三乂　ヽ　　　　　　　なんか、こう……はやてさんと何か始めたいお。
　　　 ／　 （●） 　（●）. 'i　 ヽ
　　／　　　　 （__人__）　 ＼ 　 ヽ　　　　　お店とかでもいいし……そうだ、孤児院とかもいいかもしれないお。
　　|　　　　 　　｀ ⌒´　　　|/ 　 /
　　＼　　　　　 ､＿,　　／/ 　 /　　　　　　孤児、増えそうだから……
　 　 ノ　　　　　　　　　 ￣ 　 /
　／´ 　 　 　 　 　 　 ／　　 /

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色々と考えていると、在りし日のコロニー・トウキョウを思い出した。
企業内での第一線を退いたラケルが孤児院を設立、経営していたことが
脳裏を過り、ぼんやりとしたビジョンを口にした。

自分たちが企業連体制の時代を終らせることで、少なからぬ犠牲が出る。
その中には孤児も出てくるだろう。

その責任を少しでも負いたいと思うのであれば、そういった道もいいかもしれない、
そう思ったのだ。

それに、個人経営であれば、はやてと一緒に切り盛りしていける。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5592： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/02(木) 23:15:47 ID:tALVMRk20

　　　／￣￣￣＼
..　／ ／ 　 　 ＼ ＼　　　　間の先生も言ってたんだけど……リンクスは簡単に人を何億と殺すけど、その逆は大変だって。
／　 （●） 　（●）　 ＼
|　　　　（__人__）　　　　|　　 やる夫も、散々殺してきたから……何かしら逆のことがしたいって気持ちはあるお。
＼　　　 ｀ ⌒´　 　　／
／ 　 　 　　　　 　 　 ＼　　　殺し以外にもできることがあるって思いたいというか。





　　　　　　　　　　　　　　､＿刈从WWWW从从≦二ィ_,_
　　　　　　　　　　　 　 ､_x≧W从从从WWi{从从从i从ア
　　　　　　　 　 　 　 　 ィW洲从从}i州从ハ从从}Wkく :.
　　　　　　　　　　　　 ､_j从WWW{i从{　　 　 , ､_　 `}从 :.
　　　　　　　　　　　　　洲W从从ﾘ{ィ＝≦壬r示≧＝代 :
　　　　　　　　　　　　　刈洲W{iﾚ'´ 込Z弐シ　{Z弐近{　:.
　　　　　　　　　　　　　 ｲ洲ｒ=i{|　　　　　 　 _ 冫　 　 }　:.
　　　　　　 　 　 　 　 　 }从{ V|i ､_　　　　　　 ′　　 .'　:.　　　　　　　　　　　　うーん、その気持ちは分かるぜ。
　　　　　　　　　　 　 　 　 从 {_　　｀　 　 　.ィこ> 　 ,'　 :.
　　　　　　　　　　　　　　　　}ﾄ､_ 　 　 　 　 ｀二 　 /　　 ::.　　　　　　　　　　　　けどよぉ、飯のタネにはならないんじゃねえか？
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 从汽　　　　　,ｨi斥仆v　　　:.:
　　　　　　　　　　　　　　 　 洲　｀ ー‐-　{i｣从｣ｼ{　　　.:.　　　　　　　　　　　　　そういうのは金の使い道であって、
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ]}　　　　　 　 　　　|　　　.:
　　　　　　　　　　　　　　 ／.::i｣ 　 、　　 　 　 　 j＼_　: .　　　　　　　　　　　　　　金の稼ぎ方じゃねえだろ。
　　　　　　　　　　 _ 　-‐ {::::::::{、　　 、　　　　 / {ヽ::ヾヽ、
　　　　　　　　 _／　　　　|::::::::| ＼　　 、　　　{　　ハ::.:.:.. ｀丶、　　　　　　　　　　　「うっ……」
　　 　_ 　-‐　´　 　 　 　 |::::::::|　　｀ヽ､__　　 　 ／　 ',:.:.:.. i　　 ｀`丶、
　　／　　　　　　　　 　 　|::::::::|　　　　　 ｀ヽ.　 {_ 　 　',:.:.:. i　　　　　　ヽ、
　/　　 　 　 　 　 　 　 　 |::::::::|　　　　 　 l　|　 ||!　　　}:.:.:.::!　　　　　　　 ＼
./　　　　　　＼　　　　 　 |::::::::|　　　　 　 l　|　 |{　　　 ｌ::.:.:::l　　　 　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　 　 ヽ　 　 　 |::::::::|　　　　 ／,ア￣￣｀ヽ　l:.:::::::l　　　　　　　i　　　`､
　　　　　　　　　　 ＼　　 |::::::::|　　　／／　 ／＞≦二;;}:::::::l　　　　　 　 |　　　　`､

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
ハセガワに突っ込まれ、思わず呻く。

ラケルは自ら築いた資産と、ルルーシュたちの協力で孤児院を設立した。
言われた通り、それは金の使い道であり、稼ぎ方ではない。

オマケに自分たちの口座は既に凍結されている。
寄付を募るにしたって、激動の時代で慈悲の心など期待できるだろうか。
みんな自分のことで精一杯に決まっている。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5593： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/02(木) 23:31:05 ID:tALVMRk20

　　　　　　　　　　　　　　　　''"ﾟ~￣~~"''〜､、
　　 　 　 　 　 　 　 　 ／.: .: .: .: .: .: .: .: .: ＼.:＼
　　　　　　　　　　　／.: .: .: .: .: .: .: ⌒＼.: .: :＼.:＼
　　　　　　　　　　.: .: .:.:へ.: .: .: .: : ＼.: .:.＼＿_| |__:ヽ
　　　　　　　　 _/ : .: .: |.: : ＼.: .: ＼.: ＼.: / 〉-| |-:|:.: :.
　 　 　 　 　 /⌒.:.:.:|.:.:.|.: .: : .:＼.: .: .: .: .:〈_/.: .:|_|.:∧.: (＼
　　　　　　 /.: .:.| : .:|.:.:.|.: .: .: .: .: :. .: .|_.:|_|_:/ 〉.:.|Y.:.(＼.:Y ﾄ､
　　　 　 　 : |.: .:|.: : i⌒|.: .: .: .: .: |／ |.: | |〈_/.: .:| } .: : 〉＼　|＼
　　　　　　|: |.: .:|.: 八　|.: ＼.: .: .:| .:| ィぅうミｘ.: .:|ﾉ.: .:/　　)＼イ
　　　　　　|: |.: .:|.: .: .:.､／⌒ ､.:.:.| .:|　乂少　|.: :|.: .:/　　⌒Y:|ﾉ　　　　　　　　　――いや、ええと思うで？
　　　　　　|: |.: .:|.: .: .:.:.＼.ｨぅミk.: :八　　' '　 |.: ∧/　　 　 人:＼
　　　　　　 八.:.:|.: .: ＼.:└ 乂ﾂ∨　　 　 　 八(_〈 　 　／ /∧.: )　　　　　　　　いきなり孤児院ちうんも厳しい思うけど。
　　　　　　　　 人.: .: .: ＼.:.:.:＞　　` r　 ＾)　//|∨----〕//　 ＞‐┐
　　　　　　　　　　＼( : .: .＼.: )＞ 　., ＿___// :| 」＿__／::|　 /　/ ∧　　　　　　でも、自分で商売始めて、軌道に乗せて、
　　　　　　　　　　　ﾉ:＼￣..: .: ∧:.: :(／〈＿／ ||:::::::::: ／::|___|＿_/　|＼
　　　　　　　 　 _／.: .:./八.: .:.〈⌒∨ ＼〕ﾆ ／ ||:::::::::::::::::::〉__j 　 |　 | 　|　　　　 ゆくゆくは身寄りのない子供引き取ってくっちうのも
　　　　　　　　⌒7.: :__|＿∧.: .:∨〈,,／Y⌒Y＼,,〉T¨¨¨¨¨∧￣＼|　 |　 |
　　　　　　　　　 |.: :「￣￣込 : .:∨/|　L:i:i:ﾉ　 〉 ::|:::::::::::/::::|＿___＼_|,／＼　　　 悪くないと思うで。
　　　　　　　　　 |／￣￣￣　＼:|: 八 /:ｉ:i|　 /＼:| ::::: /::::: |:::::::＼　＼
　　　　　　　　　 |　 /:￣￣￣￣`､::|V:i:ｉ:ｉ:|_,/ ::／|:::: / :::::: | :::::: ∧ 　 ＼
　　　　　　　　　/　 {::::::::::::::::::: ＼::: |:i:i:i:／:::／::::::|:::::::::::::::: |:::::::/　|　＼
　　 　 　 　 　 /　 八:::::::::::::::::::::::::ヽ:〈:i/:::／::::::: 八::::::::::::::: | : /　 .|
　　 　 　 　 　 〕／ /:: ､:::::::::::::::::::::::ﾉ八:::::::::::::::::::::::::::､::::::::::::::/　　 |＼
　　　　　　　 /　　/＼:::＞‐--‐＜:::::::{:::::､:::::::::::::::::::::: ＼_:／ 　 　 |
　　　　 　 　 |　 .〈:::::::::＼::::{｀`〜､、::::}:::::::＞‐---‐＜::::/　　　　　|
　　　　　　　〈_／￣￣::::::ヽ}::::::＼:::::::::}::::---‐:::::::::::::::: 〈. 　 　　　 |





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　　　　　　 　 /⌒.:＿ : : : .: .:.＼:／ .: .: .: ∨/ .: ＼ |￣.: .: ＼
　 　 　 　 　 /.: .: .:|_:/＼ : : .: ／＼:斗tｰミk.: .: |.: .:＼.: .: .: .: :＼
.　　　 　 　 / :/.: : |〈"⌒ヽ.: .:.:|.:／　ノＬﾊ　小:.:|⌒Y. :'，.: .: : .:'，~"''〜､、
　　　 　 　 .: /.: : 八.:.:.／　)ﾊ:.| : }　乂少'　 :|.: :|ﾉ 人/∧.: .: .: : '，.: .: .: .: ｀丶、
　　　　　　|:/|.: .: .: .:＼:. ｨうぅk|:V 　　　' ' 　 |.: :|イ___//∧.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: ＼　　　　　　　　　ええと思うよ。
　　　　　　|　|.: .: |.: .: .: : ､乂ﾂ r 　 　 　 　/ |.:八厂|　＼∧ .: .: .: |.: .: : .: .: .: ＼.: ＼
　　　　 　 　 |八.:|.: .: ＼.: .:＞　 　　　 ﾌ 　 ／_彡 /　／ ＼. .: .: .:|.: ＼.: .: .: .: : ＼.: ＼　　　　　　　……戦争屋続けるより、ずっと。
　　　　　　　　　＼(⌒¨¨「 込　 ＇　　　　　／/／／　　　∧ .: .: |.: .: .:＼.: .: .: |: .:＼.: ＼
　　　　　　　　　　　　 　 |.:| .:个 .　　　　 ／..:/,,／　　　　/￣.: .:.:八.:／⌒＼.: 八.: .: ).: .: ＼
　　　　　　　　　 　 　 　 .: |.: .:|.: |　＞‐く: ＼「￣＼ 　　 /　　 j／　 ＼　　　 ￣三二ﾆ=---
　　　　　　　　　　　　 /.: 八 .: .: | .: r＜　／ |i⌒＼＼_,/　　　　　 　　 ＼
　　　　　　　　　　　　⌒7{.: .: .: .:|＼|／⌒几〕!／⌒＼〔｀`〜､、　　　　　 ＼　''"ﾟ~￣~ﾟ"''
　　　　　　　　　　　　　 :人 : : .: |__/＿__/:i:i:八　 　 　 |　　　　 ｀`〜､、
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼／／＞'":i:iイ　 |:、 　 　|　　　_.､-''"￣￣￣| |￣~"''〜､、
　　　　　　　　　　　 　 　 　 /／ r――ミノ 　 |　＼＿.|/⌒ ／＼ ＼＿＿_リニニ|
　　　　　　　　　　　　　　　/／　.|　　 ／　　 人. 　 ＼　 ／ニニ ＼＿＿／ニニ |
　　　　　　　　　　　　　　／.._　　|__／ _ -=~:::::::＼　 　 ∧ﾆ=---=ニニニニニﾆノ
　　　　　　　　　　　　　/::::::::::＼〈-=~:::::::::::::::::::::::::::＼／:::::＼::::::::::::::＼ニニニ／＼
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╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
が、隣のはやてから返って来た反応は、予想していたものより明るかった。

一応、彼女は自分との将来を考えてくれている。
そんな男の展望だ。気にもなるし、おかしなものなら文句の一つも言っていい。
けれど、彼女は明るく、自分の不確かで朧げな理想を肯定してくれた。

というよりも。
彼女は、「リンクス以外考えられない」という答えさえ出てこなければ、
それでよかったのかもしれない。
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5594： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/02(木) 23:31:20 ID:tALVMRk20
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5595： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/02(木) 23:32:06 ID:tALVMRk20
今日はここまでだ。

次回は来週の木曜日、3/9の午後九時からとする。

シーユーアゲイン。

二週目の終わりも近いよ。

5596：安価のやる夫だお：2023/03/02(木) 23:35:08 ID:1St6GRco0
乙ー

5597：安価のやる夫だお：2023/03/03(金) 00:58:55 ID:iArD23oY0
乙でした

5598：安価のやる夫だお：2023/03/04(土) 11:06:45 ID:MtcXok9Q0
乙でしたー
将来を考えるなんて...前向きになったな

5599： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/09(木) 21:05:42 ID:8DPuQ0fU0
　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _l　　　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

5600： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/09(木) 21:17:22 ID:8DPuQ0fU0

　　　　　　　　　_　_　_
　　　　　　　／: : : : : : ｀i
.　　　 　　　i: : : : : : : : : :!
　　　　　　　､: :○: : ○: :!
　　　　　　　 i: : : : : : : : : i　　　　　　　　　すまない、あまり頭が働いていない。
　　　　　　　 l: : :,, --_ｯ: :',
　　　　　　　 丶 ｀‐'´: : : :ﾉ　　　　　　　　　前書きはほどほどにしてやっていこう。
　　 　 　 　 / ´: : : : : : : : ｀ヽ
　 . 　　　　/: : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　 , -‐': : ,: : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　／: : : ,-ｲ: : : : : : : : /｀丶: : : :､
　 ｒ⌒ ,／　/: : : : : : : : i　 　i: : : : i
　 ` ‐ '　　/: : : : : : : : : |　　 ! : : : |
　　　　 　 i: : : : , _ -‐ ´,) 　 ｀ ヽ _|
　 　 　 　 (_ _i￣(_　-‐'´i
　　　　　　|　:|`‐´i : : : : |
　　　　 　 |: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
　　　　 　 |: : : : : |: : : : : !

5601：安価のやる夫だお：2023/03/09(木) 21:18:07 ID:Ngd4U5Vg0
ハロー

5602： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/09(木) 21:32:57 ID:8DPuQ0fU0

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ハセガワと別れた後。

無骨な白い照明に照らされた狭い部屋で、はやてと二人で何をするでもなく
過ごしていた。
なのはからも待機命令が出ている。
自分はデスクチェアに、はやてはベッドに寝転び、壁を背にもたれかかっていた。

現在、艦載機部隊とステルスコーティングされたUAV部隊で、
各地の偵察を行っていると聞かされていた。

次に企業の討伐部隊をおびき寄せる場所の選定だそうだ。

自分たちは企業からネクストやコジマ兵器を取り上げたいのであって、
企業を潰したいわけではない。闇雲に軍事拠点を襲ってもしょうがない。

次は、恐らく企業連でも最強格のネクストたちが出張ってくるだろう。
下手に動いて消耗していたら元も子もない。
限られた戦力だからこそ、ピンポイントで動かさなければいけないのだ。
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5603： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/09(木) 21:55:22 ID:8DPuQ0fU0

　　　　　＿＿＿
　　　／ノ　 ヽ､_ ＼
　 ／（●）　（●.）　＼
／　　（__人＿,）　　　 ＼
| 　ｌ^l^lｎ ⌒ ´ 　　 　 　 |
＼ヽ 　 L　　 　 　 　 ,／
　　 ゝ 　ﾉ
　／ 　 /

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何もしないのも、と思い、基地内に旧式のAMS接続式シミュレーターがあったと
聞いた時には飛んで行ったのだが、居合わせた間に鬼の形相で止められた。

自分は他の者たちと違ってAMS適性が高いわけではない。
本来であればマーシフルのような高負荷構成は向いていないとさえ言われる程度だ。
武器腕の使用を勧められる程ではないが、それでも高くはない。

いざという時にシミュレーターでの負荷で参っていたらどうする、と
ぐうの音も出ない言葉にやられ、とぼとぼと自室に戻ってくる始末だった。
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5604： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/09(木) 22:07:41 ID:8DPuQ0fU0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　 　 　 　 　 　　 _,,......,,_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 .､-''".: .: 〉⌒:｀丶、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／.: .: .: へ／}.: .: .: .:.:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ .: /.: .:/.:|^⌒〉:|.: .:.:|.: .: .:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／.:/.: /.: .:.'￣|:＼ｉ.: |.: .:.:| : |_: .:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／.:.:./.: /.: : ィｔﾃミx. |.: |.: .:.:| =| ∨|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／ /.: /.: .: .: .: :|乂ツ　 |.: |.: ＼ =|_∧|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 . :' .: /:_/{: .: 八.: : | ' '　　 八xミ　|∨.: .: |　　　　　　　　ねえ、やる夫君。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/.:.:| :/:/　乂_彡ﾍ 八　　 ,　〈'ツ 〉ﾉ: .:/ .: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /.: .:.| : :(.　 　　＼∧.: )　｡　　' ' __彡イ.: .:.:.|　　　　　　　　さっき言うとったことって……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /:八:人.: :〉　　　　 ＼V.〉---／⌒¨''∨.:/:.:八
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /|　 )/ (　　　 　　　￣ 〈 // / ／ ∨ :/ .: )
　　　　　　　　　　. : '"ﾟ~￣￣￣~"''〜､、＿　　　＿__/八　　,ノ＼ 　 　 　 　 　〈/, ／ } ／ V .: :/　 　 　＿＿_
　　　　　　　　／::::::::::::::::::::⌒＼:::￣￣::＼＼｀`〜､、　　 ＼ ／⌒＼　＼　 　 　 U　 〈　　 ∧.:/　　　　 〕_三_〔
　　　　　　　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::〕::::::＼::::::::ヽ::ヽ　| 　 ＼　　　　　　　 '，　＼　　　＼　〈￣//∧　 　 　　|__人__|
　　　　　　　.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::＼::::ﾊ:::::Ⅵ　　 八　　　　　　　 '，　　　　　,,ノ＞----- ＼＿＿/|::〉―┴┐
　　　　　 /::{::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|＼::::::::::::＼:}::::::}〔　＼. 个　　　 　 　 .∧　 　 　 ／ /　　 　 　 　 |　Y '"　 彡'7"
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　　{:::::::::::::::::::::::::}:::::::::::::/　　　　　　　　　　　　　 '，
　 八:::::::::::::::::::: ﾉ::/:::／､　　　　　 　 　　 　 　 　　'，
　　　 ､:::::::::::／:::::／　　 ＼　　　 ''"ﾟ~￣~ﾟ"''　　_　 '，
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　　　　　_.､-''"　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 }
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　　　　　　　　　　_　　　-‐=　 ''　""~~￣　　　　　}
　　　_　　-‐　 ~　　　　　　　　　　　　 　　　 　　ノ

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はやてが姿勢を変える。
絹擦れの音がやけに生々しく聞こえた。
ブラウスの皺や寄れたスカートが視界に映るが、邪念が頭を出す前に飲み下す。

最初の頃であれば、一々心臓が止まりかけていただろうが、流石に慣れた。

性欲が消えた訳ではない。今だって腹の奥底が熱を持っているような感覚がある。
ただ、それを表に出さないように努めているだけだ。それならできる。

一応はアマツの家で、同じ部屋で眠っていた仲なのだ。

そんな自分の努力はつゆ知らずといった様子で、はやてが呼び掛けてくる。
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5605： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/09(木) 22:29:23 ID:8DPuQ0fU0

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　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼　　　　　　　「とりあえず、その場しのぎで言うとったん？」
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　　　　いや、割と本気だったお。まあ、思いつきでもあったけど……
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　　　ラケル博士が孤児院やってて、ルルーシュさんとかも出資してたのを思い出して。
.＼　“　　／＿＿|　 |
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　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞.:´ : : : : : : : : :｀:. ＜
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　　　　　　　　　 　 　 　 /: : : : : : : : : : : : : : : :､: : : ',: :.ヽ
　　　　 　 　 　 　 　 　 ,: : ; : : : :.;: : : : : :、 : : : :ヽ: : :',: : ',
　　　　　　　　　　　　　|: : i: : : : ﾊ: : : : : :.',: :､: :/∧: :.', : i
　　　　　　　　　　　　　|: : |: : : :|　';: : : : :-iヾ!ヽ'://!У!: :|
　　　　　　　　　　　　　|: : |: : -:|--iﾊ: : : : | ,.}==ヾ:|.イ|: ::!
　　　　　　　　　　　　　|: : |:.i: | :ｨ==ミ: :、: |″泛ﾘ》 : :.!: :.!
　　　　　　　　　　　　　|: : |: !: :.《 込ｿ　 ヾ;!　 , , ,.! : : ; : :!　　　　　　　　　ふぅん……
　　　　　　　　　　　　　|: : ﾚﾍﾄ:{　, , ,　　　　　　　|: : /: : |
　　　　　　　　　　　　　|: : |: : |: ヽ　　　　　　　　/|: /: :!ﾊ!　　　　　　　　　「へ、変だったかお？」
　　　　　　　　　　　　　|: ﾊ!: :.|: :i!:＞:. 　 `　　 .ｲ/!:': :/
　　　　　　　　　　　　　|/ ',.:.: |: ﾊﾊ从: ＞=　´ ノｲ!／　　　　　　　　　　　 や、ちゃうねんて。
　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ:.:!'￣￣ ./　/!　　　　 〉ヽ.､
　　　　　　　　　　　　　　/´　i　　　 /　 {__　　　__/ 　!. ＼　　　　　　　　　 なんや感慨深いなーって。
　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾊ　　i!.　　/ __ ハ ｀　´ /　　i!　　＼
　　　　　　　　　　　　　 i　　　!　　´　　　〈　　 ノ　-.､ |　　　 ＼　　　　　　　ノーマルでもええからAC乗ってたい、とか言わんでよかったわ。
　　　　　　　　　　 　 　 ,　　　 ソ　　　　　}　 く　　　 ヾ 　 ／　 .〉
　　　　　　　　　　　 　 /　　 , '　　　　　 〈. , ノ　 　 　 　 /　　 〈
　　　 　 　 　 　 　 　 /　　 /　　　　　　　 ソ　　　　　　〈　　 　 !
　　　 　 　 　 　 　 　 i　 　.i: :.　　　　　. : :i: :.　　　　　　 i　　　,
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　　　　　　　　　　/　 　i　 く　　　　　　　{　　　　 　 〉　 　 ',
　　　　　　　　　 ,　 　ノ　　 }ミﾐｰ--::.. ＿___　　 ＿/　　　 /
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5606： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/09(木) 22:55:29 ID:8DPuQ0fU0

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.　　 　 　 　 V|:.:.:|:.:.:|:| 　 　 人:|:.:.:.八:.:| 八:.:| :. | :. |:.:.:.:|　　　　　　　「もしかしてはやてさん、やる夫が学校に通うの断った時のこと、
　　　　　　　　|:.:.:|:.:.:|:| ｀i|ｌ　 　 |／ ｀i|l　　 Ⅵ : 厂↓:.:.:|
.　　　 　 　 　 V八:八 　l|ｌ　　　　 　 l|l　 　 |:|:./k6｜:.:.:|　　　　　　　気にしてたのかお？」
　　　　　　　　　|:.:;′, , ,　　 　 　 　 　 , , 　|八　　ﾉ:.:.:.:|
　　　　　　　　　|八　　　　　　 　 ＿　　　　　　 イ:.:.:.:.:.:|　　　　　　　 そりゃ、まあ。
　　　　　　　　　|:.:个:..,　　　　 Ｖ　 ﾉ　　　　 イ|:.:|:.:.:.:.|八
　　　 　 　 　 　 八|:.:.|:.:.:i:.:‥┬　　　￢≦∨八 |:.: Ν　　　　　　　　 私も結局、同じ穴の狢やったさかい。
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　　　　　　　⊂⌒＼　 /￣　|＼ｨ只ﾄ ／|⌒　　　 |/-ｧ冖つ　　　　　　気持ちは多少分かっとったんよ。
　　　　　　　(＿　ィﾆV 　 　 |ニ|/Λ |ニ|.　 　 　 /ﾆ(　 ⌒＼
.　　　　 　 　 　 |ニニ＼＿ノﾆﾆ∨//- 人＿＿ /ニﾆ＼＿_ ﾉ　　　　　ずーっと、ネクストに乗ること以外、なんもできへん思っとたし。
　　　 　 　 　 　 ＼二二＼ニニﾆ∨二二二二/ニニ /
　　　　　　　 　 　 )＼ニニニニニ|ニニニニ＼二二/＼
　　　　　　　 　 ／　　＼／::|二二|ニニニニ/: ￣| 　 　 ヽ
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　　 : |:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:┼―‐ -:.:.:.|:.:.:. ィ:.:￣:.:.:.:.:|:.:.:.:|:.:.:.:.: |　　　　　　まぁでも、流石にネクスト取り上げられたら廃業や。
　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:|斗ぅ＝ミ :|:.:.:.:.:|ｧう＝ミ: |:.:.:.:|:.:.:.:.: |
　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:{　)いﾊ　从:.:.:.:.|　)いﾊ Y:.:.: ﾉ:.:.:.:.: |　　　　　　 私も身の振り方考えなアカンねんな。
　　|:.:|:.:.:|:.:|ﾍ:.人:.:.:　乂;;ツ　　 ＼:.| 乂;;ツ 从:.Λ:.:. /:.|
　　|八:.:.|:人:|:.＼＼ト''　　　　　　　　'''　　/:.:.:/　}:.:.:.:.:.|
　　 　 ＼ 　 |:.:.:.:.:.八　　　　 '　 　 _,　　 /彡/_,ノ:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　八:.:.:.:.:.个　　　｀　　　　　　 イ:.:.:.:| :.:.:.:. |:.|
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5607： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/09(木) 23:10:12 ID:8DPuQ0fU0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　___/⌒＼
　　　　　　　　　　 　 　 　 .､-''".: .: /.: .: .: .:＼｀丶、
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　　　　　　　　　　／.: .: .: .: .: .: :＼.: .:＼ :＼:⌒∨ ∧.:.
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　　　　　　 　. : |.: .: .: .: |'＾| : : .: : '，_:ﾆ=-‐….: .:.:.|＾ヽ.: .:.|
　　　　　　　 |.:.:|.: .: .:|.:.:|　|.: .: .: .:.:|.: :＞==ミx..: .: |＾　}.: .:|　　　　　　　　　　　　　……前回の戦いで、キャバルリィってネクストがおったやろ。
　　　　　　　 |.:.:|.: .: .:|.:.:| 八.: .: .: .:|〃　_)ぃハ Y.:.| 〉/.: : |
　　　　　　　 |.:.:|.: |.:八.:.／　,,,,_.:.:.i| 　 乂ぅ少　j:/|ノ:|.: .: | ＿___　　　　　　　　　　あのネクストに乗ってたリンクス……私の同期なんよ。
　　　　　　　 |.::.|.: | : .: 八 Y _)心ｊﾘ　　 　 , , ,　/ :|.: :|.: :／　 ／￣＼
　　　　　　　 |.:.:|:八 .: .: : :人乂ぅｯ 　 　 　 　 　　八.:／　　/ 　 　 　 ＼　　　　　　……もう生きてはおらんやろうけど。
　　　　　　　 |.:.:|.: .:.＼ .: 〈:心　, ,　　` _　ノ　　 / :|.: |＼　 |
　　　　　　　 |.:.:| :(＼( ＼.:.:. 个　. 　　　 　 　 ｲ／|:/| / ＼〉　　　|　　　　　　　　　　でも、できることなら、やっぱリンクスなんてならんで、
　　　　　　　 |.:.(＼＼ ＼ ＼(＼ ::::/ ).‐--＜／ 〈:/.::|￣￣＼　 　|　 ／
　　　　　　　 |:/ ＼＼＼ ＼ ＼ ＼ //::::://-:＼ /:::八　　　　＼　| /　　　　　　　　　違う生き方してほしかったなって、そう思うねん。
　　　　　　　 / r‐ミ＼＼(｀`〜､＼ `'＜〈/|＿://--＜:＼ 　 　 　 〈
　　　　　　　 　 )＞　 .,　　 ﾆ=-　..,_　 　 　￣＼へ::::::/:::|＼　　　　〕
　　　　　　　　　　　　　＼　　　 r''　　　　　　　 〕:::::＼:::::|::::::＼　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　_/)＞　_ と _,,....,, ＿_　 /:::::::::::|＼::::::::/ ＼
　　　　　　　＿_／￣￣~"''〜､、---):::::|: :/|∨:::::::::::::|::::|＼/ ::::::: ＼
　　　　 ／　 ／　　　　　　　　　｀丶、::: |:/ :|/::::::::::::::/:::/::::::＼::::::::::/＼
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　　　　　　／: : - : : : /: : : : : : : : ＼: : : : ＼
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　　 /'　|: ,': : :|: :|:|⌒ |: |: : : ﾊ : /: /: :}==|∧|:.|
　　　　 |: | : : |: :{下ﾐ |/: :／=ﾐV: ｲ :/==/: :/: |　　　　　　　なのはちゃんもそうや。元々あの子、調理師志望やったのに。
　　　　 |:ハ: :从:| Vﾘ/:／　ん 圷, :/: : /: :/: : |
　　　　 |'　∧: : :} '' , ´ 　 　Vzﾂ/ｲ: : :ﾊ:./: : : |　　　　　　　　……正直エゴやねんけどな。世の中戦争がなくなるなんてあらへんやろし、
　　　　　　　 '.: 人　､ 　 　 　 '' ／ : ｲ'ﾉ/: : :l :|
　　　　　　　　 ＼:＼　￣　　／: :／: : / : : : : |　　　　　　　　誰かがAC乗って戦わなあかん。けど、大事な人には乗られとうない。
　　　　　　 　 　 /＼ : ￣}／: :,イ/: : /: : : : :|: :､
　　　 　 　 　 　 ／⌒＼/:イ､,.-/: : /: : : : : :|: :|ﾊ　　　　　　　
　　　　　　　　 /　　　 　 V... } /: : ｲ: : : : :l: :|: :|.∧
　　　 　 　 　 /　　　 　 　 V.V: ／| : |: : : l: :|: :|　∧
　　　　　　　/　　　　　　　 }./イ : 从: : : : l:/|:/| / ∧
　　　　　 　,　　　　　　　　 |......|∨＿＼ : / /...V／.....>
　 　 　 　 /＼＿＿＿＿__/....∧＿__≧∨- |......}.....／'.
　　　　 　 ＼...........................}.../..∧　 <,介､> ,......|イ　　 .
　　　　　　　　T　 ----r-'......./..∧　 　 　 /..... |'.　　　 '.

5608： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/09(木) 23:11:46 ID:8DPuQ0fU0
すまない、今回はここまでだ。もはや中断と言って差し支えないレベルだ。申し訳ない。

次回は来週の木曜、16日20時からとする。

5609：安価のやる夫だお：2023/03/09(木) 23:13:08 ID:k8lpl8Oc0
乙ー

5610：安価のやる夫だお：2023/03/09(木) 23:39:57 ID:DZiwuIn60
乙

5611：安価のやる夫だお：2023/03/10(金) 06:20:46 ID:fL5Rlj1w0
乙

5612： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/16(木) 21:08:02 ID:0c6WT26w0
　　　　／||ミ
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　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

5613： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/16(木) 21:18:41 ID:0c6WT26w0

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　　　　この前はすまなかったね。
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　　　　やっていこっか。
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

5614： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/16(木) 21:18:51 ID:0c6WT26w0

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　　　　　　　!: i!: i: :i : : : ',: : : !　　 ',: 、: : : : i!: ', :_:_:_:',: ',イ／! : : : !: :i
　　　　　　　i: !i: :i : !: : : :.',: ,ィ示≧､:ヽ: : : : i:',彳ん示気: !: :i: : : : ! : :!　　　　　　　感じやったけど、今はちゃうしなぁ。
　　　　 　 　 ',i !: ',: :',: : : : ',`　iし::心ヾ!ヽ: : :!i:!　iっ::::刈 i!: :,': : : :,': : : ',
　　　　　　　　', ',: ヽ:ヽ: : : ヽ 弋Zツ　　　ヽ:.!i!　弋Z:汐 /:./: : : /: : : : :'､　　　　　　そらACも降りたくなるし、相手にも降りてほしうなるわ。
　　　　　　　　 ヽヽ!ヾ､:,.-､ : ヽ､　　　　､　 ヾ　　　　　/ : /: : : /､:.!: : : : :',
　　　　　　　　 　 /:./ /　／ﾘヾィヽ、　、 　　 ,　　　 ,ｲ : /: : : /　 ヽ､: : :ヽヽ、　　　　……ほんま、ええと思うで、なんか二人で商売すんの。
　　　　　　　　 ／イ /　/　 ／　 ,.　ヽ　￣￣　 　 彡/: /: : : /　　 ／ヽ : : ヽ
　　　､ 　 　 ／ｲ　 i　　 　 '　　　､i!_ ﾉ　　　　　, イ .,': /: : : /ヽ　/　　　ヽ: : : ',
　　　 ヾ､彡: ,'　 　 ゝ､　　　　　　　　ﾘ＞ -- "　　 ,': /: : : /　　',　　　　　ヽ: : ',
　　　　　　 i: !　　　、　　＞ ､　　　　 i!i:.!ヽ　　　　 i: i!: : : /　　　',　 　 　 　 ', : ',
　　　　　　/ヾ',　　　 ＼　 ',　 ＼　　　 ﾘ　!　　　　 .!:i: : : ,′　　　',　 　 　 　 ', : !
　　　　　 ,': : i"　　　　　ヽ､i!　　 ）　　 　 ∧　　　　ﾚ!: : :,'　､----.ゝ　　 　 　 !: :!
　　 　 　 ,: : ,'　　￣ ｀ヽ、　!　　/　　　　,'.　',　　　　 i!: : i　　ヽ、　　　　　　　 !: :i
　　 　 　 i: :.!　　　　　　 ヽ､!.　/　　　　 ,: ヾ,i!　　　　 ヾ: :!, イ´ヽ、　　　　　　.!: :i
　　　　　 i : ',　　　　　 ＼　ヾ/.　　　　 ,'､: : :ヽ　　　　/ヾ:'､　　　 ヽ　 　 　 　 !: :ヽ





　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　　 　 ＼
　　　　　　　　　　 ／　　 ⌒　　 ⌒＼
　　　　　　　 　 ／　　　（ ●）　（ ●）ヽ　　　　　　はやてさん……
　 　 　 　 　 　 l　 　 　 ⌒（__人__）⌒　|
　　　　　　　 　 ＼　　　　　｀ ⌒´ 　 ／
　　　　　　　 　 ／　　　　 　 　 　 　 ヽ

5615： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/16(木) 21:19:02 ID:0c6WT26w0

　　　　 　 　＿＿__
　 　 　 　／　　　　＼
.　　 　／　 　 　 　 　 ＼
.　　／　　　 ―　　 ー　 ＼　　　　　　……その、一つだけ、頼んでいいかお？
　　|　　　　（●） 　（●） 　|
.　　＼　　　　（__人__）　 ／　　　　　　「んー？　なんやねん改まって、言うてみ」
.　　　ノ　　　　｀ ⌒´ 　 ＼
　／´　 　　　　　　　　　 　ヽ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
はやてがベッドの端ににじりにじりと移動し、床に足を着けて身を乗り出す。
かかとのあたりを支えに頬杖を突くその姿には、アマツで見てきた物以上の
穏やかさを感じた。

自分だけじゃなく、彼女も、自分と二人でいる時間に安らぎを覚えているのだ。
心の中は読めないが、脳裏に焼き付いているはやての面影が、そう伝えてきた。
記憶をどこまで深く辿っても、ここまで安らかな目をした彼女はいない。

今、自分たちは希望を語っている。

彼女は住む家を奪われ、属していたコミュニティを敵に回し、
旧友を死に追いやる側へと立っている。
それでも彼女がこんな顔ができるのは、自分がいるからだと、思いたい。

だとするなら、これから自分が死んだらどうなる？

ここからは激戦だ。敵も味方も大勢死ぬだろう。
勝敗にかかわらず犠牲は出る。
二人とも生き残るかもしれないし、二人とも死ぬかもしれない。

最悪なのは片割れだけが生き残ることだ。
自分が彼女を喪ったなら、生きていても仕方ない。
自分が死んだ後で、はやてが健やかに生きていけるかも分からない。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5616： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/16(木) 21:31:19 ID:0c6WT26w0

　　　　. . ＜: : : : : : : : : : ≧: : .
.　 , : : :_:_: : : : : : : : : : : : : : : : : : ＞ 、
　,: : : : : : Y´: : : : : : : : : : : : :丶: : : : :＼
./: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ: : : ヾ:.、
: : : : : / : : : : : : : : : : : : : : : : : ; : : : ; : :ﾊ
: : : : /: : : : : :/;_:_:;: : :/: : : : : : :∨: : ∨: :!
: : : ::{: : : : : : {´｀´｀∨: : : : : : : : ∨≪∨:{
: : : ::|: : : : : : | _,．--}:-:、 : : : :; -:∨≪Ⅵ
: l : {:!: : : : : : !´　　__l! ∨:|ﾍ : }从: }: : : |ﾘ
: |:l:从: {:-: : ::ﾄz====㍉,　　 }/__,ﾑ:| }: : |
: |:|: : {｀ヽ ∨:!ゞ辷:ノ　　　 （ ´¨´八.!::从　　　　　　　　　「その、今から抱かせてほしい」
: |:|: : ｀ヾ_- ., 　　　　　　　　,　　 .: : : ト 、
: |:|: : ∨: 〉く: 、　　　　 __ .,　　.ィヘ:_:_、｀ヽ　　　　　　　　あー、はいはい……
::介∧ ∨{　 Y: ＞、 　 ￣ ＜: :{ ゝ_ィ^ヽ.
:{ .l: :∧ ∨:＼）: }ヾ:、/￣_Y二ﾆrｆ´｀ ｀　　、
:| .|:∧　＼{~ ‐}:l:!　 >‐ミ {_|＿　{ﾉ^ヽ　　 　 、__
ゝ/　∧　　　　 |ﾊ./三三∨￣ ｀ヽ. ハ　　 　〉:::::Y
_/　/ ∧　　　 /　}!ゞ三三≧--=ﾆﾆﾆ{ト-::イ:::::::::!
.　　 /　 ＼.　/　 .!::::::＞:..寸二〉::::>:::::｀ヽ:::::::::::::::|
,-=ミ　　 　.У＿.」::::::::::::::::＞<::::::＼:::Y::::::::;::::::;ノ{
　　　｀ヽ　 {　　　.|:::::::-＜::::::::}::::＞::Ⅵ:::::::::::Y:::::::l、
　　　　　　 l! 　　 !::::::{:::::::::::::└::―:-Y::o::::::::}::::::::|::＼
　　　　　　 l!　　 ム::∧::::::::::::::::::::::::::::｀::、::::::|:::_:::_::_:::::
　　　　　　 l!　イ::::::::::::::＼::_:_::::::::::::::,::-::‐'::´:::::::::::::::ト、

5617： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/16(木) 21:31:30 ID:0c6WT26w0


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　　　　　　　　　　 八　　　　　 ﾉﾉ＼／⌒＼　 八.八:|:/ ＿斗r＜￣　　＼――-- ＜　　　／
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.　　 　 　 　 从 　　　　　　　　　　 ／￣￣￣　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼／⌒つこ＼＼＼}
　　　　　　　 | ＼＿＞――　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　＿／／⌒ﾍ　|　 |__｣ノ
　　　　　　　 |　　Ｌノ‐┬＜＿　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＿／　>ｨi{└へ　}　}　ﾉ
　　　　　　　 |＼　　　ノ　＼　￣―＿＿　　　　　　　＿- ￣<　,.ｨi{:i:i:jｱ┬――
　　　　　　　｛　　/／　　　　＼　　∨厶云ニ=- =ﾆ入___ノΛ　 ∨ji:〔　　}
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　　　　　　　　|　　　　　　 　 　 　 ＼∨/／　　　 　 /=ﾔﾞ 　 　 ＼ ＿／
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　 ＼　ヽ_ゞj､　｀ー ハ｀ ヾ　
　　〈　　ー‐　　 ／　 ヽ 　）
　 　 ヽ　　　　　　　　 　ヽ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
瞬間、目の前が真っ暗になった。

どこからともなく古典的なハリセンを取り出したはやてによって、
顔面目掛けて鋭い一撃が振るわれたのだった。

痛みは大してないが、やけにいい音が部屋に響き渡る。

視界はすぐに戻るが、目の前の光景に声が裏返り、肩が縮こまる。

はやてがにっこりと笑っている。が、腕を組んでの仁王立ちだった。
肩を震わせ、口の端をひくつかせるはやての姿に、
全身の神経が委縮していくのが分かった。

椅子の上で膝を折りたたみ、腕を情けなく折りたたむ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5618： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/16(木) 21:35:34 ID:0c6WT26w0

　　　　　　　　　　,.　'"´￣　　｀､
　　　　　　　　 ／　　 　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　 /　 　 　 ノ, :::::: (○) Ｙ　　　　　　　　「なんか言うことあるんとちゃうんか？」
　　　　　　　i　　　　　 （○) 　 ､__ ) ヽ　
　　　　　　　|　　　u.　　　'､__／ 　　　!　　　　　　　あ、えと……すみません、やっぱいいです。
　　　　　　　|　 　 　 　 　 　 　 　 　 /
　　　　　　　|　　　　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　「あー！？　クーガーに散々女の扱いなんて偉そうなもん
　　　　　 　 |　　　　　　　_,,.. -‐'"´
　　　　　 　 |　　　　, .'"´　　　　　　　　　　　　　　　聞かされとったんやろ自分！？」
　　　　　　　 i　　　.!
　　　 　 　 　 ﾞ､　　ﾞ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　ひいん。
　　　　　　　 　 ＼　 ヽ
　　　　　　　 　 　 ヽ　 !
　 　 　 　 　 　 　 ノ／
　　　　　　　　　i'／
　　　 　 　 　 　 !





　　　　　　　　　　　　　　　 _　　----　　 _
　　　　　　　　　　　　　,. :´: : : : : : : : : : : : : ｀: : . _
　　　　　　　 -─‐ ､,ｨi{: : : : : : : : : : : : : : : _: : : : : 丶､
　　　　､丶` ,. :´￣￣ヾ : :_: : : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ: :.､
　　　 ´　 ／: : : : : : : : : :/ : : : : : ＼: : : : : : : : :ヽ: : : ', : :.
　　/　　 ' : : : : : : : : : : /: : : : : : : : :丶 : : : : : : : : :, : : ',_: :.
　 ,' 　 / : : / : : : : : : ﾊ: ハ : ',: : : : : : :ヽ : : : : : : : :',､: / } :.
　,′ /:/: :,' : : : / : :ｉ:|ノ'^＾}: : l: : : : : : : :} : : : : ',: : :人＼ﾉ: :.
　　 /:/: : l: : : : : : : :|:|´ 　 |: : }l: : ｌ: : : : :}l : : : : }／／}　 ヽ: |
　　 {/ : : |l: : : :i: : : :|:|_, -‐ﾄ:､ハ: : : : : :'7T: 寸:ﾊィ:／}/＼}: |
　　　 |:l{: |ｌ : : : : : : :|'|´ 　 |:./　 l: : : : : '　| : : / r'__／}: : }: :.
　　　 {八:|乂: : :.r､: {ヾ _　ﾉ'__　 }: : /: /　从l/　 }: : : ;': : } : {　　　　　　　もうちっとなぁ、言い方っちうもんをなぁ……
　　　　　ヾ }: ＼:| |:_‘，,ｨ=≠ミ 从/7ﾚ　ｨ=≠ミノ: : :/: : :}: : {
　　　　　　ﾉ: : : ﾉ ﾘ .}: ﾐ､､､､､､ 　{/　　 ､､､､､､/:_／}: }l:.}: : :{　　　　　　　 そないでハイヨロコンデーなんて股開く女なんておらへんわ。
　　　　　, : : : : :{ノ 丿ﾄ-ゝ　　　　 ′　　　　 ⌒/／: :八|: : : :.
　　　 ／7: :/: /　 〈:乂__,ィ　 　 ｧ 　 ￢　　　　/´: :／: : : : : :＼　　　　　　　彼氏やなかったら拳でどつときまわしとったわ。
　　／　 {: :ﾊ: 'ｰ ､　｀ー-ミｰ ､ 乂＿ 丿　 　ィ: /:´ : : : : : : : ‘，＼
　　　　　{:｛ ‘，: : :lヽ 　 　 }: }:} _　　　　 ＜-ﾐ:.∥:l: : : : : | : : : ‘，　　　　　　　……なんやねんその顔。もっぱついっとこか？
　　 ／⌒丶¨¨¨ ヽ｀ｰ. ､　 }从＾ヽ＞＜　{｀ヽ　liヽ从}: : l:.|: : l|: : :}　
　　' 　 ､ 　 ＼　 　V: }　＼ 　 　 }　　 　 ゝ　Ｖ{　 ∨: : }:.|: :/|: :从　　　　　　　「ごめんなさい！　デリカシーがなかったですお！」
　〈　　　＼　　＼　 }.:.|_l /＾ヽ 　,ﾉ　　　　　　　}　　}:_／り⌒ lＶ
　　} 　 　 　 　 ',　　l从./　　　 / 　 　 　 　 　 }　 ¨',　　　 　 }‘，
　 (ヽ　　　　　　}　 -rｧ′　　 〈_　　　　　　 _ノ　 　 }　 　 　 ﾉ 　‘，
　ﾉ　　　　　　　{／　 ＼　　 /　',｀ヽ　　　 '´ ﾉ　　　|　 ＼ l,/　/　‘，
〈- ､ 　　　　　r(　　　　 ＼_〈　 ＼＿　　 _／　　　 .'　 　 ∨／　　 ‘，
　　　 丶　___ 八､　　　　　 こ) 　 　 ,.-Y⌒ヽ　　　 {　｀丶､‘，　＼　‘

5619： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/16(木) 21:40:26 ID:0c6WT26w0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　
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　　　　　　　　　　　　　|: : i: : : : ﾊ: : : : : :.',: :､: :/∧: :.', : i
　　　　　　　　　　　　　|: : |: : : :|　';: : : : :-iヾ!ヽ'://!У!: :|
　　　　　　　　　　　　　|: : |: : -:|--iﾊ: : : : | ,.}==ヾ:|.イ|: ::!　　　　　　あんな？　こーゆうんはなぁ、流れでなるもんやさかい。
　　　　　　　　　　　　　|: : |:.i: | :ｨ==ミ: :、: |″泛ﾘ》 : :.!: :.!
　　　　　　　　　　　　　|: : |: !: :.《 込ｿ　 ヾ;! 　　　.! : : ; : :!　　　　　　こう……一緒にぐだぐだしたりしとるときに、流れで……
　　　　　　　　　　　　　|: : ﾚﾍﾄ:{　　 　 　 　 /i/i/ |: : /: : |
　　　　　　　　　　　　　|: : |: : |: ヽ/i/i/　　 　　u./|: /: :!ﾊ!　　　　　　　ああもう、口で言わせるかいな、フツー。
　　　　　　　　　　　　　|: ﾊ!: :.|: :i!:＞:. 　 `　　 .ｲ/!:': :/
　　　　　　　　　　　　　|/ ',.:.: |: ﾊﾊ从: ＞=　´ ノｲ!／　　　
　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ:.:!'￣￣ ./　/!　　　　 〉ヽ.､
　　　　　　　　　　　　　　/´　i　　　 /　 {__　　　__/ 　!. ＼
　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾊ　　i!.　　/ __ ﾊ　｀　´ /　　i!　　＼
　　　　　　　　　　　　　 i　　　!　　´　　/　　　 ノ　-.､ |　　　 ＼
　　　　　　　　　　 　 　 ,　　　 ソ　　　{　　　 く　　　 ヾ 　 ／　 .〉
　　　　　　　　　　　 　 /　　 , '　 　 　 !. 　ｙ　/　 　 　 　 /　　 〈
　　　 　 　 　 　 　 　 /　　 /　　　　　 |　/ /　　　　　　〈　　 　 !
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　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　　 　 　　＼　　　　　　「つか、急にどしたん。いきなりおサルさんになりよってからに」
／ U　　_ノ 　　 ヽ_ 　＼
|　 　　 （一）|lil|（ー）　 |　　　　　それは、その……下心オンリーだったわけじゃないというか……
/　　　　 ∩ノ ⊃_）　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　　ちょっと魔が差したというか……
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／





　　　　　　　　　　　　　 -‐━━=ミ
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　　　　　　　_.-=ミ: : : : ＼: : : : : : : : :V: `.
　　 　 　 .ｨ: : : : 7:〉 :∧: : :V: : : : : : :〈/: /〉:.
　　　　 /: : : : : :|/ | : :|:V: : :i : :| : : : : V〉: : ﾊ
.　　　 /: : : : : : :|i　!::斗-V: :|ー|‐|:-|: ::|:|i: : : |i
　　　 ′l: : |i :|i |i_,.ｨﾃﾃﾐ : : |N|ｨテﾐN: |:|i: : : |i
　　　{　｜:::|i :|i |i　 r勿,　|:N　 r勿ﾉ !::|:|5!: : : .
.　 　 　 从::|i: |i |i:　^¨¨　　i　　　 　 」::|:|,ﾉ: ;小:.　　　　　　　　　　……もしかして、これから死ぬかもしれへんから、
.　　　　　　〕: :|i |N」　　　 ,　　、　　.: /|:| : /: : :|i
　　　　　　　　|i ||:|:i＞　　　　 　 .ｨ :/::」:/〈: : : 八　　　　　　　　　済ますもん済ませてまおうっちう魂胆やったんか？
　　　　　　　　|i ||:|:|///〕ﾆ=-　　 | l: : :/　 V⌒V:＼
　　　　　　　　|i7⌒V|　V寸ﾆﾆ才　!: /　　　＼_,V⌒ :、　　　　　　「う」
. 　 　 　 _　--厶ヘ V　 V /⌒丶　| {　 　 -=ﾐ,V{　　,ハ
　　　　 〈,　　 / 　 　 V　V^V__/^V　|/　/　 　 ＼　/　　　　　　　　はぁ……まったく。極端なんよ。
　　　　/∧　/　　　　 }.　 }i /　Vi{　 」　/　 ______　/　　 __
.　　　 {　　V　 　 　 ,リ,　　}i　　 i{　 }i,　 ／　 　 |ー━=ﾐ」
　 　 r」　　⌒ー‐―(￣￣〉ﾑ　 /| 　i|／　　　　｜　 　 _.」Ｌ
　 　 |⌒ー}　　　　 /　 　 ＼ V　　 /　　＼　 　_|　　ー=ミ__ )
　 　 |　　 ﾉ　　　 ,/　　 　 　 ＼　./　　 f/―‐┐＿__　　　}　＼
　　 ∧__(___　　_/　　　　　　　　＼　　 /　￣￣〉　乙...
　　　　/　　　/八　　　　　　　_ji斗〜'へ　￣￣| 　 」(
　/　 /　　　/￣,.. ．-‐　'''""~ 　 　 　 　 .V　 rﾉ.　　　＼

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はやてが眉尻を下げて、困った表情を作る。
完全に図星だった。

なのはに拾われてから、年相応の人間となるべく教育を行われた一か月。
その中で情操教育がてら一緒に見た、古い映画のせいかもしれない。

大抵、決死行の前の男女がいると、場面はベッドシーンに移り変わる。
お互い服を脱ぎ捨て、一心不乱に貪り合い、布団の中に隠れて蠢く。

その時の男の気持ちが、少し分かったのだ。
生き物としての本能もあるのかもしれない。

それが今、はやてに対して湧きあがってきたものだった。

はやてが呆れたように溜息を吐くと、縮こまっていた自分の手を掴んで
立ち上がらせると、少し乱暴に抱き寄せてきた。

身長差があるせいで、少し前かがみになりつつ、はやてに寄りかかる形になる。
背中に腕を回されて、掌でとんとんと軽く叩かれていると、
胸の内側を掻き毟っていた不安が消え失せていくのがわかった。
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5620： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/16(木) 21:47:39 ID:0c6WT26w0

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　　　　　　∥.: .: .: |.: .: |.: .八:＼__＼:(_＼ : .: |　 |.: .|.: .: |.: .: |) |.: .: .: :'，　　　　　　　　　死なへんよ。私も君も。
　　　　　　{　ｉ.: .: : | .: 人: .: .: ／￣ノハ　＼.:|　　x===ミ.: .:人八.: .: .:.:'，
　　　　 　 　 |.: .: : |.: : : |:＼ : 乂 乂＾ツ　　 )　　　, ,　 ﾉ／イ.: :| : : .: .: '，　　　　　　　　私が君を守るし、君も私を守ってくれるやんか。
　 　 　 　 　 j八.:.:.|八.: |.: .:| .: .: :＞, ,　　 ､　　　　 　　 /|: j|.:.:.:|.:＼.: .: .:'，
　　　　　　　　　＼| | :＼.:.:.| : .: 込　　　　_　　 '⌒) 　 .: :| :ﾘ.:.:.:|.: .:.:＼.:.:.:'，　　　　　　　そう思わんと生き残れるもんも生き残れへんで。
　　　　　　　　　　　:|.: .: .: .:|.:|＼.: .:> ,. 　＇‐-‐　 ／ | ∨/.: .: :|.:＼.: .: .: : :
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　　 　 　|_|　V ﾆ=-＼ﾆ-_　　　　　　　　 　　; : { .: | :|.: .: Y　ノ狄.: .: .: | ⌒7ミk､.: |/.: .: /.: :|.: .: |
　　　 　 乂､,,)＼}ニニ＼ﾊ　 　 　　　　　 　 |.:八.: |八.: : 乂∨ﾂ ＼ .: |　ノ狄( ﾊ:/.: .: /.: .: |.: .: |　　　　……私な、色々考えとるんよ。
　　　　　　 ＼ﾆ}〕トミﾆﾆ 八 　 　 　 　 　 　 |　　〉:|.: .:＼:.(_' ' 〈ｉ　　＼　乂少' ノ : .: /'Y.: .八.: :|
　　　　　　　　 :､ﾆニﾆ＼ﾆ.ﾊ　　　　 　 　 　 　 /.: | .: .: .: {⌒　r.　　_ 　 　 ' ' ／ : .:/ ノ.:.:/.: .: .:|　　　　 とりあえず、二年くらいは
　　　　　　　　　 ＼ニニ Y /〉　　　　　　　　　.: .: :|.: .: | 八　　∨ ::::::)　　　⌒7:.:.:/.: .: .:/.: .: .: :|
　　　　　　　　　　 〈-=ニニ人　　　　　　　　　| : /|.: .: |.:.:.心 　　‐-　　＿_ ／ : /.:.:／/.: :|.: .:.:.|　　　　 恋人でいたいねん。
　　　　　　　　　　　 |ﾆﾆ=---=）　　　 　 　 　 | /八.:.:.:|.: :|:／＼__ 　 〈⌒∨:／/.: .: .:/.: .: |.: .:.:.|
　　　　　　　　　　　 |ニニニﾆ〈　　　　　　　　 :(　　＼.: .:几￣　_〕＿__＼ |:/／.: .: .:∧.:|.: | .: .八　　　　「……うん」
　　　　　　　　　　　　|~''‐-=ﾆﾆ〕　　　　　　　　 ＿__.､-'' 〕 |＼　〕ニニﾆ〕.|:/.: .: .::.:/／ |.: |＼ .: .＼
　　　　　　　　　　　　|　　　　|　　　　　　　　　/ ／　|＿,,〕 |／_>|o __,／〕 .: .: .: ／　　 .|.: |⌒|.: .: : |　　　もっとたくさんデートして。
　　　　　　　　　　　　|　　　　，　　　　　＿_／ ´　　 |　____.j_|_/.人 {　　 厂|.: .:/ |＼_／|.: |　 |.: .: : |＼
　　　　　　　　　　　　|　 　 　 '， ____r＜￣￣￣＼　＼|.　　 /ニ＼T彡〈　 |.: , 　|　 |　人:八｜ : : 八　　「うん」
　　　　　　　　　　　　|　　　　　V／＼　 ｀`〜､、　＼　|　 _　-‐-ミ)|〕ﾆ∧八 (　 |　 |　 ＼　 ﾉ.: : /　 )
　　　　　　　　　　　　:.　　　　　 :　　　＼　　　　　　　_.-ﾆ <＼-　_ -=＼∧.:＼　|　 |　　　 ⌒T彡
　　　　　　　　　　　　 '_　　　 　 }　 　 　 ＼-----／-=ﾆ／＼,)-=ﾆ=- 〈＿， 　 |　 | 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　'_　　　 ノ　　　　 _　 -=ﾆ７-=ﾆﾆ〔／-ニニニﾆ=- | 〕. 　 |　 ＼　　 　 　 ＼
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　| |　　　　　　　八-=ﾆ=- _ -=ニニニ=-_　 〈_____|＼______ ＼
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　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 | |　　 八　　　 　 　 　 　　∧〔￣　 /　　　　　　/----:::＼　＼
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5621： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/16(木) 21:51:56 ID:0c6WT26w0


　　　　　　　　　　＿. . ―＜: : : : : : : : : : : : : ｀丶、
.　　　　　　　 ／´: : : : : : : : : ／￣＼: : : : : : : : : : ＼
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　 　 　 　| : |: : |: |: :テ旅㍉|:|:.: ￢|￣ ｢＞⊥[／／|:..::..|:.::.:|
　 　 　 　| : |: : |八:..:　r(:;;ﾊ|八 : :.デ笊㍉:..|::|／ : /:..::..|:.::.:|
　　 　 　 | : |人.: : :＼|乂:ソ 　 ＼|　）/(::::狄:|:.:.::.Λ:..::..|:.::.:|　‐┐　　　　　　そっから籍入れて、式上げて……
　　　　 　＼|:. :.＼|: ト "'''　ﾉ　　　 ∨ヒジ ::| :.::./） }::..: |／　　 ﾉ
　　　　 　/.:. .:../ :.|八　　　　　　　　　''' イリ:.:./　イ :: ' 　　 ／　　　　　　　　あ、そっから二年も夫婦二人で。
.　　　 　/.:. .:../ .:.:.:/::::＼　｀　 　 -　 　 ／: ／　/:..:/　　　/
　　　　,.: :. :../ ..::.:.: _jﾆ=‐＼　　　　　／ :／ 　 /:..:/　　　/|　　　　　　　　　　色々したいこともあるし。
　　 　 |.: : :.从: : :/´　 　 　 〕=≦ ／7／　｢"'<::: /　　　/: |
　 　 　 、: :|　 ∨Λ　　　 /　Λ＿／/＾＼|　　∨ 　 　 {￣￣＼　　　　　　　「うん」
　　　 　 ＼|　 // : :.　　 /　 |::::::::::／: : : :｜　　|　 　 ／⌒Y´　 ＼
　　　　　 ／￣/: :: : :.　/　／⌒Κ＿＿__｜　 ｜　 /　　　 |　　　 |　　　　　 そんくらい経ったら……子供、欲しいなぁ。
.　　 　 　 ＼{￣￣￣∨／{::::::::丿 ＼　 　 |　　 ∨./　　／⌒'ｉ　　 |
　　　　　　　{　 　 　 /　 ／:::: | 　／ |　　｜　 　 ｜　/　　　 |　　 |　　　　　　別に、ずっと前から産みたかったわけとちゃうんやけど。
　 　 　 r―‐辷...＿Λ／:::::::::: |／ニ｜　 人　　　 |__/　／⌒ 　 　
　 　 　 | {／-=二|二|＼_:::__／-ニニ|　 　 ｢＼　　 └彳 　 ノ　　　　　　　　　君との子やったら、欲しいなぁて思う。
　 　 　 |/ｰ=ニ|￣二|ﾆﾆ／ﾆ二二二|＼　 |ﾆ{　 　 　 └＜ﾆ＼　　　　
　 　 　 {-=ﾆニ|二二|ﾆ/ﾆﾆ＞''^｀￣ﾆニ＼ﾆ乂＿＿_ ノニニﾆ|　　　　　　　　「やる夫も、はやてさんとの子供だったら、欲しい」
.　　　 八 -=二＼ﾆﾆ∨ ／-=ニニニﾆﾆ=‐ﾉ人ニニニニニニΛ
　　　 {　 ＼ｰ=ﾆﾆ＼-|/-=二二二二=ｰ／ニΛニニニニﾆ／二＼　　　　　　うんうん。
　　厂{　 ／ ＞-=ﾆﾆ＼-=二二二=‐＜ニニニ〈 Τ￣￣ニニニニ|:..:.
_／ 　.／ニニﾆΤ|ニC|二二二二二二二二二 〉 ＼ニニニニニﾆ|: : : :
　　／|ニニニニ|Λﾆﾆ|二二二二二二二二 ／＼: : ＼ニニニニ｜: : : :
　/ ::: |ニニニ＼〉:｛ﾆﾆ|二二二二二二二.／　　 ├┐: :￣￣￣￣: : : :
　{:::::: |二二二二ｖ｣ﾆC|二二二二=- ''' ^´　　 　 /ニ| : : : : : : : : : : : :





　　　　. . ＜: : : : : : : : : : ≧: : .
.　 , : : :_:_: : : : : : : : : : : : : : : : : : ＞ 、
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: : : : : / : : : : : : : : : : : : : : : : : ; : : : ; : :ﾊ
: : : : /: : : : : :/;_:_:;: : :/: : : : : : :∨: : ∨: :!
: : : ::{: : : : : : {´｀´｀∨: : : : : : : : ∨≪∨:{
: : : ::|: : : : : : | _,．--}:-:、 : : : :; -:∨≪Ⅵ
: l : {:!: : : : : : !´　　__l! ∨:|ﾍ : }从: }: : : |ﾘ
: |:l:从: {:-: : ::ﾄz====㍉,　　 }/__,ﾑ:| }: : |
: |:|: : {｀ヽ ∨:!ゞ辷:ノ　　　 （ ´¨´八.!::从　　　　　　　　　　　ほーら、やりたいこと一杯やろ？
: |:|: : ｀ヾ_- ., 　　　　　　　　,　　 .: : : ト 、
: |:|: : ∨: 〉く: 、　　　　 __ .,　　.ィヘ:_:_、｀ヽ　　　　　　　　　　そんで君は、子種仕込んでいざって時は特攻キメるんか？
::介∧ ∨{　 Y: ＞、 　 ￣ ＜: :{ ゝ_ィ^ヽ.
:{ .l: :∧ ∨:＼）: }ヾ:、/￣_Y二ﾆrｆ´｀ ｀　　、　　　　　　　　　　薄情やなー。そないな男やとは思わへんかったわー。
:| .|:∧　＼{~ ‐}:l:!　 >‐ミ {_|＿　{ﾉ^ヽ　　 　 、__
ゝ/　∧　　　　 |ﾊ./三三∨￣ ｀ヽ. ハ　　 　〉:::::Y　　　　　　
_/　/ ∧　　　 /　}!ゞ三三≧--=ﾆﾆﾆ{ト-::イ:::::::::!
.　　 /　 ＼.　/　 .!::::::＞:..寸二〉::::>:::::｀ヽ:::::::::::::::|
,-=ミ　　 　.У＿.」::::::::::::::::＞<::::::＼:::Y::::::::;::::::;ノ{
　　　｀ヽ　 {　　　.|:::::::-＜::::::::}::::＞::Ⅵ:::::::::::Y:::::::l、
　　　　　　 l! 　　 !::::::{:::::::::::::└::―:-Y::o::::::::}::::::::|::＼
　　　　　　 l!　　 ム::∧::::::::::::::::::::::::::::｀::、::::::|:::_:::_::_:::::
　　　　　　 l!　イ::::::::::::::＼::_:_::::::::::::::,::-::‐'::´:::::::::::::::ト、

5622： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/16(木) 22:06:54 ID:0c6WT26w0


　　　　 ＿＿＿_
　　　／:::　 　 　＼
..　／::::::::::　　　　　＼　　　　　　　　……分かった、分かりましたお。
／:::::::::: 　　　　　　　 ＼
|:::::::::::::::　　　　　　　　　|　　　　　　　「なん、泣いとるん？」
＼::::::::::::::　　　　　　　／ヽ
　/::::::::: 　　　　　　　くゝ 　）　　　　　ちょっと、感極まっちゃって。
；|::::::::::::　　　　　　 　 　／ ；
；|::::::::::::::　　　　　　　イ ；

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
はやての言葉を聞いていると、いつの間にか頬が濡れていた。
嗚咽こそしていないものの、ぽろりぽろりと大粒の涙が筋を作っていた。

「いつか君自身が言うとったことやで。こういう時は死に物狂いになるもんや」

ちょっと重いだろうに、はやてはお構いなしに自分を抱きしめたまま、力を込めた。
体温と鼓動と息遣いが全身で伝えられてくる。
頬をくすぐる柔らかい髪がこそばゆい。

精神的にも、感覚的にも、何もかもがはやての存在で上書きされていく。
まだ死ねない。はやてを残してなんていけないし、残されても生きていけない。
生きる意味も守るものもある。死ねるわけがなかった。

「まぁ、それはそれとして……」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5623： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/16(木) 22:21:17 ID:0c6WT26w0


　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／: : :／: : :／: : : ／: : :／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :|: : : : : : : : :,-ヽ: : : : : : : : : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: : :／: : :／: : : ／: : :／/: : : : : : : : :／: : : : : : : : : : : : : :}: : : : : : :／／:|: : : : : : : : : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／, -､:/: : :／: : : ／: : :／: :/: : : : : : : :／/: : : : : : : : : : : : : :/ : : : : ／／: : ,' : : : : : : : : : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 / 　 ＼／: : : ／: : :／: : :/: : : : : : ／　/: : : : :/: : : /: : : : /＼: :／／: : : :/: : : : : : : : : : : :
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　｀ ＜＿__:／--|: /: : : : : ／ 　 /: : : : :/: : : /: : : : /＼／／: : : : : ,: : : : : : : : : : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　 　 |/: : : : ／　 　 ,': : : : :/: : : /: : : : /: ／／＼: : : : /: : : : : : : : : : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　 　 　 /: : : ／､_､　　/: : : : /: : : /二二/／／: : ＼＼: /: : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /⌒´　　　　　 　 　 　 　 　 　 /: : ／　ヾ-ミ､/: : : ／: : : /二二/ ／: : : : : : :＼/: : : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |　　　　　　　　　　　　/:/:/:　/: ／　　 　 　 /: :／､/: : :/: : : : :/´: : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 {　　　　　　　　　　　　　/:/:/:／:/:/　 　 　 /／　 ＼: :/: : : : :/: : : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :.　　　　　　　　　　　　　　　:/:/:/:/:/:/:　　　　　　| : /: : : : :/: : : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : :
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　　　　　　　　　　　　／､__,..イ　　　 　 　 　 　 　 　 　 　し　　　 /乂＿＿ノ 　|　　　 /: : : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : :
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　 　 　 　 　 　 　 　 ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 　 　 　 　 /　 　 /: : : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : :
＼　　　　 　 　 　 イ{　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／　　 　 　 　 　 /　 　 /: : : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :

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それはそれとして、なんだろう。
そう思っていると、はやては背中に回していた手で自分の手を取ると、
微かに上気した頬に持って行った。

身体が少し離れ、寂しさを覚える。けれど、それもすぐ吹き飛んだ。
目を瞑ったはやてが、おもむろに唇を塞いできたからだ。

あまりの出来事に凍り付くが、慌てて瞼を閉じる。
自分の唇が震えているのを感じ取ったはやてが、
宥めるように、握った手に軽く力を込めてきた。
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5624： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/16(木) 22:40:33 ID:0c6WT26w0

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　　　　　　　　　　　　　　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :⌒＼: : : : : :＼ヽ
　　　　　 　 　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼: : : : : ﾊ:'.
　　　　　　　 　 　 　 /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :∨ : : : : : : : ∨: : :/∧:'.
　　 　 　 　 　 　 　 /: : : : /: : : ハ_,ﾊ: : : : : :.V : : : |:| : | : : : ∨:.|＼//: :|: :'.
　　　　　　　　　 　 ': : : : /: : : /　 　 |: : : : : : |: : : |:|:| : |: : |: : |: :|∨/: : :|: : '
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　　　　　　　　　 ' : : : : |: : :|: :.|_, -'''"´: : : :| : |: : : |从: :|: : |: : |: :|: : : : : :|: : :|
　　　　　　　　 /: :/: : : |: : :|´ｨ^ヽ　　 ＼: : : ∧: : :| ,ィ≠≠ミ､l:/|: : : : : :|: : :|
　　　 　 　 　 /: :ｲ: |: :|:|、: |:{乂_ﾊｨ≠ミ ヽ: :{　＼ |　Vzこツ　'/ |: : : : : :|: : :|
　　　 　 　 　 ／ |: :|: 从 ∨:|　_　}vこツ 　∨/:/:/＼:/:/:/:/:/ 　|: : : : : :|: : :|　　　　　　……ま、まぁ、今まで散々我慢させてきたっぽいしなぁ。
　　 　 　 　 　 　 |: :|∧　　V|　^　'./:/:/:/:/:/:/:　　　　　　 　 　 |: : : : : :|: : :|
　　 　 　 　 　 　 |: /　 ヽ　 ヽ　　 ∨､　 　 　 ' ｀　 　 　 　 　 　 |: : : : : :|: : :|　　　　　　 私もやぶさかではあらへんっちうか、なんというか。
　　 　 　 　 　 　 |〈､　 　 　 ﾉ　　　 Vｰ　　　　 　 　　　　u.　　　|: : : : : :|: : :|
　　　　　 　 　 　 ｛　　　　　　　　　　ヽ　　　v　 　 ヽ　　　 　 　 |: : : : : :|: : :|　　　　　　　かまへんよ。
　　　　　　　　 　 {　　　　　 　 　 　 　 }　 　 　 ー　 　 　 　 　 ｲ|: : : : : :|: : :|
　　　　　　　　　　}　　　　　　 　 　 　 ﾉ　　 　 　 　 　 　 　 イ: : |: : : : : :|: : :|
　　　　 　 　 　 　 '.　　 　 　 　 　 　 /　＞　　　　　　＜　　/|: : |: : : : : :|: : :|
　　　　　　　　　　　,　　/　　　　 　 //　　　　　ｰ 　　　 ,　, : |: : | : : : : / : : |
　　　　　,　--　　_　}　 '　　　　　　//　 ::.　 　 　 　 　 /　ﾊ: :|: : | : : : / : : : |
　　　 ／　 　 　 　 /　　　　　　　/ｲ　 　::. 　 　 　 　 /　｛ }:从 : | : : /: :| : 从





　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　　 　 ＼
　　　　　　　　　　 ／　　 ⌒　　 ⌒＼　　　　　　　「やっぱやめる？」
　　　　　　　 　 ／　　　（ 〇）　（ 〇）ヽ
　 　 　 　 　 　 l　 　 　 ⌒（__人__）⌒　|　　　　　　このままお願いします
　　　　　　　 　 ＼　　　　　｀ ⌒´ 　 ／
　　　　　　　 　 ／　　　　 　 　 　 　 ヽ　　　　　　　「ん。ほな、ベッド座ろか？」


╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
言葉が喉奥で詰まる。
変な汗がびっしりと身体の表面に浮き出て、肌着を濡らしている。
興奮と緊張が心臓を発狂させ、明らかに許容範囲外の勢いで血を送り出している。
何もしていないのに酸欠気味になり頭がチカチカした。

ずっと夢見てきた光景を目の前にして、ただ硬直するしかなかった。

自分から言いだしたことだが、何をどうすればいいのか、分からなかった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5625： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/16(木) 22:52:13 ID:0c6WT26w0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __　　　----　 __
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 _／: :⌒: : : "´: : : : : : : ､
　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒: : ､／: : : : :‐‐: : ､: : : :＼
　　　　　　　　　　　 　 　 ／: : : : -ﾍ: ::/⌒＼ : : : : : ＼: : : :.
　　　　　　　　　　　　　　ｉ: : : : /: : /{:/⌒＼: :＼: :＼: : ＼: : '，
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　　　　　　　　　　　　　　|: : / : / {/""ﾞﾞ}: {: : : ＼: V/∧//ﾊ: :.
　　　　　　　　　　　　　　{/::': : :': :{　 　 }: :､: : : : :＼V/ﾊ: : :}: :ｉ
　　　　　　　　　　　　　　{/:ｉ: : :i: 八⌒八 : {＼⌒: }⌒: : }: : }: :|
　　　 　 　 　 　 　 　 　 /: :{: : :{: iｨぅ灯^ ヽ{　灯うぅ: :} : }: : }: :|
　　　　　　　　　　　　　 ': : 八: :Ⅳ､Vツ　　　　乂ツⅥ: :,＾Ｙ : :|　　　　　　　　　あー、ちうても、私もかなりご無沙汰やさかい。
　　　　　　　　　　　　　: : : i: ::＼乂:.:.　　,　　　 .:.:.:.ノ : /ノ: :∨
　　　　　　　　　　　　　ｉ: l: {: {: ::込 u　 　 　 　 　 ⌒7ｲ:/: ＼{　　　　　　　　　　ちとぎこちないかもしれへんけど、堪忍な。
　　　　　　　　　　　　　|:八{: {:､: :.:}: ::.. 　 r__，　 ..: : :/V: :. : ::}
　　　　　　　　　　　　　|'　 {:八{＼}: : i :::.. __　イ　. :/　 }/: : 八__　　　　　　　　　……なんや、胸、気になるん？
　　　　　　　　　　　　　　 八／ﾆ7: : ﾉ: ／/ﾊ 　 . :' 　 /: : :'ニﾆ=- _
　　　　　　　　　　　　　　　r{ﾆﾆ,:.:: :/／　　/ 〉 rく　　 ': ::ﾊニニニﾆ=-_　　　　　 ほい。これでええ？
　　　　　　　　　　　　　　　{∧ﾆ{乂:/___　 /、　 {⌒＼八(.:.Vニニ／-=∧
　　　　　　　　　　　 　 　 八ﾆﾆ／/ ／ У 　 　 〉 　 ∨.:.:.:.:Vニ'-=ﾆニﾆ}
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ベッドに腰かけさせられると、はやては跪いた。

言葉通り、彼女の動きはお世辞にも滑らかとは言い難かった。
一つ一つの動作を確かめるように、いかにも思いだしつつやっているように見える。
それがまた、浮遊感に包まれていた意識に冷水を浴びせてきた。
これはモニター越しの情事ではなく、現実なのだと、そう訴えかけてくるようだった。

いつも遠慮して視線を外していた胸元に、否応なく釘付けになる。
ジャケットの生地を押し上げていたそれは、いつも存在感があって、
目に毒な皺をブラウスに形作っていた。

さすがに気取られたか、はやては自分の視線を追うと、
躊躇いなくブラウスのボタンを片手で幾つか外して見せてくる。
理性を支える細い柱が、一本、また一本と瓦解していく。
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5626： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/16(木) 23:09:22 ID:0c6WT26w0

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　　　　　　　　　　 /: : :.:rｬ!: : : : : ヽ:_:_:_: :i: : ',: : :', V ',: :､
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　　 　 　 　 　 　 !: :.|: : | -‐.';: ヽ: : : :Vf＝ミ､. |: : :|/ヽ{: : :',　　　　　　　　（あー、先にシャワーやったかなぁ。
　　　　　　　　　 |: : |: : :!　,r= ミ ＼: : !.ん心 》|: : :!: : : ',: : i
　　　　　　　　　 |: : |: : :! 《 .ｨ心　　｀¨ ゞ..ソ　 !: : :ﾊ: : : :',: |　　　　　　　　ちうか、私ってやる夫君の生まれて初めての彼女なわけやし、
　　　　　　　　　 |: : :',: : ',.　 ゞソ ､　　///　　,: : :!rヽ: : : : :!
　　　　　　　　　 |: : : ヾト-　///　 　 　 　 　 /: : ムｲ: ',: :{: :',　　　　　　　 女の人の裸とか、エッチとかも当然初めてやろし。
　　 　 　 　 　 　 '; {: : :| ハ　　　　, - .､　　 /: : /: :i : : :',: ';: :ヽ
　　　　　　　　　　.ヾ: : |　|:.ヽ　　　　　　　 /: :＞== ミ:､: ', ',: : :',　　　　　　 責任重大やんけ。こっちの方が緊張してくるわ……）
　　　　　　　　　　 |: i: :!　|: : :＞.　　　　　/:／　　　 　 V: }:|: : : !
　　　　　　　　　　 |: |: :!　'; : i : :|:.＞=≦三{{　　 　 　 　 ,: !|: : : ',
　　　　　　　　　　 |:.ﾊ: !.　ヾ ヽ: !: : :_:_}::}}::::}}　　 　 　 　 ',:ﾘ: ; : :|
　　　　　　　　　　 |'　ヾ!　 .rｰ７７/ !＞.:''√Y:', .､　　　 　 !: :/: : :!
　　　　 　 　 　 　 .!　　　　ﾊ::ﾉ::::／:::::::::乂丿::::',. ',　　　　 ∨ !: /

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こういう時、ちゃんと経験のある大人の男であるのなら、
何か気の利いたセリフの一つや二つ言えただろう。

だが、悲しいかな、自分はろくにそんな経験などしてこなかった男だ。
ブライドル地下に娼館があるという話も聞いたことがないわけではなかった。
けれど、行く気にはなれなかった。はやてがいたからだ。

自分の中で女性と言って連想されるのは、いつでもはやてだった。
きっと金で娼婦と寝ようとしたところで、はやてのことが頭を過るだろう。
そう思うと、そんな店に行く気も起きなかった。
はやてのような相手がいなかったら、分からなかったが。

覚束ない手つきで、はやてが自分のズボンのジッパーを降ろす。
耳の端に緋色が差しているように見えるし、心なしか呼吸が乱れている。
彼女も緊張しているのだろうか。そう思うと、少し安堵感があった。
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5627： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/16(木) 23:19:22 ID:0c6WT26w0

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下着の中から性器を引きずり出される。
急に空気に触れたことでびくりと反応し、はやても肩を震わせた。
否応なしに血が集まり膨張していた。

喉を鳴らし、まじまじと見つめられる。
表情から嫌悪の色こそ見えなかったが、どう思われてるのか不安だった。
交際するに至ったとはいえ、少し前まで片想いの相手だった女性相手に
陰部を曝け出しているのだ。落ち付けるわけもない。

「軽く、軽くな？　噛んだりせんようにするわ……」

自分に言い聞かせるようにも聞こえる言い方で囁くと、
はやてはおずおずと亀頭へ舌を這わせてきた。

生暖かくて柔らかいものに撫でまわされ、足先に力が入る。
出したこともないような情けない声が出た。
あまりに跳ねるものだから、左手が陰茎に添えられる。
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5628： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/16(木) 23:30:02 ID:0c6WT26w0

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|:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　__　　 ＼:.:.|:　　マzzシ　　　　:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
|:.:.:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:.:.:. |んう心}　 ＼!　 　 /／/／　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/　　　　　　　どないなん？　きもちい？
|:.:.:.:.:. : 。:.:.:.:.:.:.:.癶　マｼ　　　　　　　　　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: /
|:.:.:.:.:.:. : ﾟ。:.:.:.:.: {: 八//}　　　 　 　 　 　 　 　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ,'　　　　　　　　　「うん、すごく」
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上目使いで聞かれて、面食らってしまい、素っ頓狂な声が出た。
ずっと変な声を出すまいと歯を食いしばっていたのだが、反動が出てしまった。

はやてが初めて余裕のある笑い声を漏らす。
吐息が濡れた亀頭にかかり、くすぐったさと、それとは別のものが背筋を駆け巡る。

「ゴム、着けたこと……あらへんよな、そら」

「習ってはいるけど」

「ええわ、着けたる。ちょい待っててな」
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5629： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/16(木) 23:41:17 ID:0c6WT26w0

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　　　　　　　　　　 /. |.: |.:| :fﾊ　|.: |.:_|,,_:|＼:八_/7 : .: .: .: . |
　　　　　　　　　　 :( :|.:人V:じ　j.:〃ノ刈:. /／∨.: .: .: .: .:.:.|
　　　　　　　　　　 ／.: .: .:「　 　 　 V'少У.:.:.:/|.: .: .:.:|.: .: .:|　　　　　　　　よ、余計なこと詮索しとらんと、大人しくしとき。
　　　　　 　 　 　 ⌒7.:/.:.ﾊ 　 　　 ' ' ／.: .:／ノ .: : .: |.: .: .:|
　　 　　　　　 _　 　 {:/＼八 _／)＞'.: .:.:／.: .:/.: .: .: .:|.: .: .:|　　　　　　　　 雑な着け方したら意味あらへんさかい。
　 　 　 　 __/　) __　 　 　／ ￣ 7 : : ／￣:／ : .: /.: 八 : 八
　　　　　「{ {　し'　}　　r/ 　 　 /.: .: /＿／　⌒∨ .:/.: :)/⌒＼　　　　　　　ちゃんと着けんと……あ、痛ない？
.　 　 　 { 　 　 　 ﾉ　　/／ 　 人.:.:/　 ＼￣￣Y￣/＼＿
.　 　 　人 　 　 / 　 ／　　　 　 ∨　　　 ＼　＼ /　　　　＼_　　　　　　　　　「うん、大丈夫。ありがとう」
　　　　　 }　 　 {　 /￣￣￣＼ 　 〉＿ 　 　 ＼　{　　　 ／　 ∧
　　　　　 } 　　 　 '　 ／　　　　 ／}　　　　　　 ＼　 ／ 　 ／　}　　　　　　　　ん。
　　　　　　　　　}/.／　　　　 ／／　 　 　 　 ／　 ＼　 　 　　∧
　　　　　,'　　／{＿＿　　 ／イ　　　　　　／　　　 }　＼　／/ /
　　　　　;　　|　 |　　　　 /--≠-　　　　　＿　　　/　　 ∨ /／{
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ふと疑問に思うが、はぐらかされてしまった。
どこかの資材にあったものを貰って来たのだろうか。
はたまた、元から持っていたのだろうか。

彼女がそういったものを常日頃から持っていたとは考えにくい。
もしかしたら、彼女自身、こうなることを想定していたのかもしれない。

亀頭から陰茎の根元へと薄いゴムの膜で覆われていく。
実際に着けるのは初めてだったか、不思議な感触だった。
締め付けられている感触はあるが、痛みはない。

若干感覚が鈍くなった気がしたが、それでも暖かさや感触は伝わって来た。
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5630： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/16(木) 23:51:54 ID:0c6WT26w0

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　　　　　　 ヽ　　 u　 ∨　　 ﾉV／　　 　 　 　 ∨: /: //j'
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着け終わるや否や、はやてが面を上げ、しなだれかかってくる。
それを抱き留めながら、迫ってくる唇を受け入れた。
押し付けられる乳房はじっとりと汗ばんでいて、暖かかった。

重ねた唇から舌先を出し入れされる。
捻じ込まれるような荒々しさはなく、戯れてきている感覚だった。
口許で粘質の音が鳴り、脳味噌がふやかされていく。

「一応、教えとこか。最初にしたのは普通のキス。
好きな人同士の特別な挨拶やったり……まぁ、愛情表現やな」

「こ、これは？」

「……えっちなキス。フツーはせえへんからね。TPOやで、TPO」
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5631： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/17(金) 00:09:55 ID:g3X8i3W60

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「入れたい？　入れたいやんな？　こないなっとるしな」

余裕が出てきたのか、はやては笑みの混じった声で、耳元で囁きかけてきた。
片手で屹立した陰茎をそっと握られ、軽く上下に擦られる。
ゴムの下ではやての唾液とカウパーが混ざったものがぐちゃぐちゃと音を経てる。

最早理性など残っていなかった。
ぶんぶんと首を縦に振ると、はやてはくすりと笑い、身体を離して横たわった。

抱き合って夢中で舌を絡めていた時に乱れたのか、
ブラジャーが下にずれて乳房が露になっていた。
顔をほんのりと上気させつつ、するりと黒いシンプルなショーツがずらされ、
赤く充血した女性器が露出する。

本能的に先端を宛がい、はやてに覆いかぶさる。

「あ……あんま乱暴にはせんといてな……？」

その言葉で、辛うじて無我夢中で性器を突き刺すことだけは踏み止まった。
両手で太ももを持って、受け入れる姿勢を取っているものの、
震える声からは不安が感じ取れたからだ。

おずおずと宛がった亀頭を上下に揺らし、擦りつけてみる。
すると、徐々にではあるが、湿り気を帯びてきた。
続けてみると、やがてそれは水音を経てはじめ、滑りもよくなってきた。
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5632： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/17(金) 00:28:42 ID:g3X8i3W60

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少しずつ、その気はなくても、亀頭が陰唇に埋まるようになってくる。
心なしか、はやての腰が切なそうに持ち上がってきている気がした。

「やる夫君……多分、そろそろ大丈夫やさかい。だから……ね？」

その一言で、先程取り戻した冷静さが一瞬で蒸発した。
引き気味だった腰を思い切り押し付け、はやての股間へと擦りつける。
濡れそぼったはやての膣肉を掻き分ける度、息が荒くなり、何も考えられなくなった。
性器が疼いてたまらない。腕を支えに覆いかぶさり、唇を貪るように塞ぐ。

茹だった脳味噌で、ぼんやりと考える。
暖かい。ずっとこうしていたい。ずっと憧れていたはやてを抱いている。
はやてから受け入れられている。嬉しい。
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5633： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/17(金) 00:53:43 ID:g3X8i3W60

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　　　　　　　　　　 .l 　ﾚ<ﾅヽ　 　 　 つ　 | 　 . .|八{　}/}: ∧ ＼_ ..､＜⌒:,ﾞ:|/}:. ::./}/}ﾉ　　　　　 .′‐=ﾆニニニヽ
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　　　　　　　　　　 .|　　　 あ　 　 |　 ..._､‐''~ ､: :~''＜／ : /-／-=ニ＼__／ ‐=ﾆ…‐-ミ_/ /　　　 '/∧　ﾉ⌒''ｰ ､}-‘,:[
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「あ、やる夫君……その、小刻みにされるの、好き……」

夢中で腰を押し付けていて、図らずもそうした動きになっていたのが、
どうやらはやてとしては好みだったらしい。

蕩けきった声で呟いたはやては、切なげな吐息を漏らしていた。
血管が透けて見える肌に、玉のような汗を全身に浮かべている。
膣内が不規則に収縮し、別の生き物のようにうねるのが分かる。

その姿に見惚れていると、不意に全身が強張った。
発狂したかのように出鱈目な鼓動を刻んでいた心臓が止まりかけた気がする。
性器全体が強烈に脈打ち、精液をこれでもかと吐き出した。

それを感じ取っているのか、はやての吐息が甲高くなり、腰が跳ねる。

射精後の興奮が収まらず、奥深くまで突き入れたまま、しばらく互いに放心していた。
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5634： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/17(金) 01:08:50 ID:g3X8i3W60

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　　　　　　　　　/: /: : :|: : |: _|: :|:! : : |:{ィﾁ笊_ﾐ : :|/: :｀|: : : |
　　　　　　　　　|: :|: : : |: :ｨ´∧:从: : :|ﾘ　Vzツ |: :, : : : |: : : |　　　　　　　……好きやで、やる夫君。めっちゃ好き。
　　　　　　　　　|: :|: : : |: :从ｲ笊 ﾐ＼|　　:.:.:.:.:.:|:ｲ: : : :/: : : |
　　　　　　　　　|:/|: : :∧: : :＼Vツ　　　　　u.　/: : : /: l: :从　　　　　　　　さっきはああ言うたけど、やっぱ、こうなれてうれしいわ。
　　　　　　　 　 / 从: :|: :＼:∧:.:.:.:.:. '　 _,　 　 /: : : /: : |: : ハ
　　　　　　　　 　 　 V从: :/: :込、　　｀ 　 　 /: : ／: |: :|: /　　　　　　　　　
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狭い室内に、二人の荒い吐息ばかりが響いていた。
少しずつ落ち付いてくると、目が合った。

汗で髪が頬や額に張り付いた様はやけに色っぽく、鎮静化しようとしていた
男根が不意に鎌首をもたげかける。

力なく微笑むはやてに、「同じ気持ちだお。ずっとこうしたかった」と答え、
その首元に顔をうずめる。

生きていれば、生きていればこそ、またこんな時間を過ごすこともできる。
これはまだ、一回目だ。二回目も三回目もある。

そのために、生きないと。死ぬかもしれないなんて言っていられない。
自分はまんまと、はやての口車に載せられていた。

上下する胸に、穏やかな呼吸。暖かな体温。

何もかも不確かだし、これからどうなるか分からないけれど。
腕の中にある、はやての存在だけ確かめられるなら、平気だ。
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5635： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/17(金) 01:09:09 ID:g3X8i3W60

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5636： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/17(金) 01:11:27 ID:g3X8i3W60

　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i　　　　　　今回の投下はここまでだ。
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ　　　　　　　エロシーンなんざ酒でも飲まないとやってらんないね。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,　　　　　　　（既にワインボトルを半分まで減らした）
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i　　　　　　
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|　　　　　　　モコイさん、純愛シーンとか素面で書くと涙が止まらなくなる持病持ちだから……
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,　　　　　　　次回は来週の木曜日、3/23の午後九時からだ。
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|　　　　　　　軽くイベントシーンやって、それから戦争パートかな……
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／　　　　　　　　　　　　それじゃ、シーユーアゲイン。
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´

5637：安価のやる夫だお：2023/03/17(金) 06:03:17 ID:VUCiSlhk0
乙

5638：安価のやる夫だお：2023/03/17(金) 12:47:10 ID:1o5AfqTQ0
乙でした

5639： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/23(木) 21:00:44 ID:UXm7SGYc0

　　　　／||ミ
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　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ
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　＼:::::::::::||￣￣￣￣
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　　　　＼||

5640：安価のやる夫だお：2023/03/23(木) 21:02:24 ID:ycZ8WkvM0
ハロー

5641： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/23(木) 21:11:31 ID:UXm7SGYc0

　　　　　　　 ､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|　　　　　　　　もうすぐお給料日の>>1だよ。なんとかファンボックスのお金には手を着けずに済んだ。
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i　　　　　　　　　そろそろ小説も書きたいのだが、体力的に厳しいものもちょっとある。
　　　 　/ : : : : : : :┌─┐
　　　 　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ　　　　　　　　養命酒とかって効くのかね？……やっていこっか。
　　　 　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿
　　　 　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ
　　　　 と_ : : : : : : ノ : :ノ
　　　　　　￣￣￣　￣

5642： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/23(木) 21:19:55 ID:UXm7SGYc0

　　　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　／　　　 　 ＼
　　　　　　　 ／　　 ⌒　　 ⌒＼　　　　　　
　　　　　　／　　　（ ●）　（ ●）ヽ
　 　 　 　 l　 　 　 　 （__人__）　 　|
＿__________＼　　　　　｀ ⌒´ 　 ／_________
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ7´　 　 　 　 　 　 ｀ヽﾆﾆﾆﾆﾆ}
　　　　　 　 ヽ　　 ｀~~⌒γ⌒´ ﾉ　 　 　 |
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その晩、夢を見ることはなかった。
深く眠りに入っていたようだ。

布団の重みが心地いい。意識は戻ったが、瞼を閉じたまま横たわり続ける。

隣からははやての息遣いが感じられた。
密閉された布団の下で、彼女の体温が伝わってくる。

理屈では説明できない安心感があった。
やはり、人間というものは群れで生きるものなのだろう。
傍に親しい人の体温があるだけでも、落ち付き方が違った。

このまま二度寝してしまおうか。どうせ待機命令の身だ。
何かあったら否応なくPDAからの緊急連絡で叩き起こされる。

そう高を括り、意識を再度闇に放る直前、違和感に気付いた。
布団が若干持ち上がっている。はやての呼吸の音も、少し高い位置から聞こえた。

どうやらはやては起きているらしい。ここは一緒に起きておこう。
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5643： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/23(木) 21:31:38 ID:UXm7SGYc0

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　　　_　　-‐　 ~　　　　　　　　　　　　 　　　 　　ノ

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重く閉じられた瞼を必死の思いで持ち上げ、布団を押しのけ起き上がる。

それを見ていたはやてが、「わ」と小さく声を上げた。
寝ているものと思って見ていたのだろう。

首をひねると、目と鼻の先ではやてが横になっていた。
頬杖を突きつつ、こちらへと身体を向けている。

正直、衝撃的な光景だった。
服も髪も滅茶苦茶だ。元々薄めの化粧もすっかり崩れている。
ブラウスもスカートも皺だらけで見る影もない。
まるで襲われた後のようですらある。

いや、ある意味、間違ってはいないのだが。
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5644： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/23(木) 21:50:16 ID:UXm7SGYc0

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　　　 ｲ:.:.:./´｀/.∧iⅥ从:.:.从､__　‐' イ彡./://　　 丿　　　　　　　　　　はぁ……そないにぎょうさん出したっちうに、
　　 ./:.:.:.:.}-ｰ.{{､ヾ}i从i|､∨}i:i:iヽ,＜i:.:.:.i.／イ _,,,,_
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　　iﾉ:.:.:./i　　.||　i .{ゞ´　 .iﾉヽゞミﾉ　iﾉﾉ./ ､　　　　　 .∨/
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　ノ:.:.:.ﾊ./　.//./ i.| i!.}is。　　　　ゝ≦　　　　　　　　　　　 ､｀ヽ
　　 .､ﾊ/／./ / .,'.i! i!　οis。　　　　　._,,。s≦´￣｀'＜＿､ヽヾ
　　　ﾊｲ //　　.ﾉ:.i!. i!　.ノ　..＼__,,。≦: : : : ',: : :　　　 ＞''´ﾆﾆヽ
　　ノ'　.//　　 /i､ ',　',:.ヽ,: : : : ノ::/　　　: :.∧u　　　　｀´ｨﾆﾆ､ ∨
..／　　ﾉﾉ)　 ./ .i ヽヽ∧u./´:::::::::/　　　　 : :∧: : :　　　ゝ´,。彡/〉
　　.／ノ , .／ ｀''＜　 .∧/:::::::::::/　　　　　 u: : i'.: : :　　　ゝ≦ノ'´
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}is。: : : : 　　　.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ≧s。: : : : 　 .＼

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あの後、結局一回だけでは終わらなかった。

射精を終え、彼女の中へとすっぽり収まっていた男根を引き抜き、
使用済みの避妊具をせっせと結んで捨てるところまではした。

だが、いつまで経っても股間に集まった血が抜けきらない。
男根は熱を持ったまま疼くばかりで、息も荒いままだった。

それを見かねたように、はやてが熱に浮かされた声でこう言ってきた。
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5645： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/23(木) 21:50:26 ID:UXm7SGYc0

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　　　|: :|: : : :.',: : : :.{　ヽ: : : : : : ',´＼!＼!　 ∨: : : :ヽ| : : : : : : : }
　　　|: :|: : : : :',: : : :',　　＼: : : : :',　.ｨf弐ハ~ｱ: : : : : !: : : : : : :ﾊ
　　　|: :|: : : : : :',:.:斗', ―　＼: : : '〃　v_沙 |: :! : : : :|: : : : : : :!
　　　|: : , : : : ／',＼: ',　　　　＼: :i　:/:/:/:/:レ!: : : : :! : : : : : ;!　　　　　　　　　　　　　……ええよ。ゴム、まだあんねんし。
　　　|:.:∧ : : : : : ',　,.ｨ弍=,,　 　 ヽ!:/:/:/:/:/:/|: : : : :!: : :.:.|: /
　　　',: : : ＼: : : : :',{{　v沙　/:/: j　　　　　 　 |: : : : :! : : /}/ ｀ ＜__　　　　　　　　　　　一回も二回も変わらへんやろ。
　　　i∨: : :{: ≧=-_:＼/:/:/:/:　　　　　　　 　 |: : : : ﾊ: :/ ∧　　　＼ ー-　　_
　　　|: .＼: |: : :|: ::从「ヽ　　　　 　 v　　 ７ 　 | : : : ;　}∧　∧　　　　＼_　 　 ｀ヽ
　　　|: { : : : {: :{: : : :{ト - .。　　　　 ｀　¨´　 .ｲ!: : :/　　　∨　＼　　／⌒　　　 ハ
　　　iハ: : : :',: :',: : : |　　/ ｀ ﾆﾆ=--　-=≦　 |: :/　　　　 .i! ＼　Y　　　　　　 .′
　　　　　 ､: : ',､: : : ト!　/　　　　　/｀''ｰ-　 .__ }/　 ,.-一 ´ i!　 }ヽ}　　　　　　/　　 ',
　　　　　　＼:.', i＼{　 /　　　　　/　　　　　　 丶　′　　　 i!　.!　!ヽ　　　　　 　 　 }
　　　　　　　 ＼{　　 ､´￣￣　ヽ{　　　　　　　　　　　　　　 i!　,　 |　＼　　 .′　　 ,
　　　　　　　　　',　　　＼　　　 , 丶　　　　　　 　 　 　 　 　 V　　|　　　　 　 　 　 ′
　　　　　　　　　 ',　　 ',　＼..У　.}i!　　　　　　　　　　　　　　}　　i!　　　 V 　 /　/
　　　　　　　　 　 ヽ　　',　　.′　 }ﾊ　　 　 　 　 　 　 　 　 ´ | 　 ,　 　 　 ',　/ 　 i
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5646： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/23(木) 21:57:48 ID:UXm7SGYc0

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.　　八{ ',: : | ＼: :-ｬ…''"＼∨: :} 〉 : ｧ'　　　 ｀''､　　　　　 V-=ﾆﾆ=-|　u ,　　/　　　､__.　　　 　 　 寸三三三三三三三三
　　　　ゞ.: : ', .ハ＼',==彡っl : : 从ゝ:{ 　 u 　 　 ﾍ.　　　　 }-=:二=-ﾍ_／　　　　　 ν⌒ 　　　　　　 ヽ三三三三三三三三
　Y⌒⌒ヽ＼＼〈:/:/:/: , -､/: : }　　八　　　　　　　｀''〜､､_/-=ﾆ二=-ﾍ　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ三三三三三三
（´ 　　　　)　｀｀ ｀ヽ _ﾏ: :.ノ{ : : { u'　　', 　　　　 {'　　　　　i{-=ﾆ二二=-}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼三三三三三
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　　ゝ_ ...ノ　　 (　　　/　 ﾟ｡ ヽ／　　　　|　　　　 |　　 　 　 　 V-=ﾆﾆﾆ-}　　　　　し　　　　　　　　　 　 |j　　　　　 `'＜三三
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　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,ｲ､､､,,,＿. 　 /¨´ 　　　　　/ﾆ7-=:ニ:=-ﾊ　　　　　　　／／／

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正直、そこから先はあまり覚えていない。

ほとんど無我夢中ではやてを抱きしめ、覆いかぶさった。
さながら生肉をちらつかされた飢えた犬のようでもあった。

荒い呼吸を整えることすらせず、ひたすらに腰を打ち付け、
性器全体を彼女の膣内に擦りつけることだけを考えるようになっていった。

首筋を伝う大粒の汗を舐めとったり、うなじに顔をうずめてみたりと、
とにもかくにもやりたい放題、欲望の限りを尽くした。
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5647： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/23(木) 22:09:28 ID:UXm7SGYc0

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-=ニニニニﾆﾆ=-＼ :ヽ: ＼: : :＼: : :`　､〜''^^^´.　　　　￣|.ｧ 　 　 ＼／|　┼ ＼
-=ニニニニニ二=-ﾊ: : ',: : :ヽ : : :∨/: : ヽ　　　　　 ／ 　 ./　|　┼　　　 ﾚ<ﾅヽ　!
-=ニニニニニニﾆ=-} ､_:',イ: :|',: : :'∧: : : :∨.-=≦/　　 u..l 　ﾚ<ﾅヽ　 　 　 つ　 |
-=ニニﾆﾆ二二二=-ﾄ､: : ',',芯っ: : :.}｀Y: : : ∨ 　 /　 　 　 |　 　あ　 　 　 　： 　 .|
-=ニﾆﾆ二二二二=-ﾍ ヾﾉ:/:/:/}: :从り: : : : :∨ /　　　　　| 　 ‐匕_ 　 　 　 ：　　'
-=ニニニﾆﾆ二二二=-)' 　　 u/:ｲ: : ｢: : : : : : :'/.　　　　　 |　　（乂 ） 　 　 ＿__ノ
'＜ニﾆﾆ二二二二=-ｱ ｧ⌒Y. 　 |: : :|ヽ: : : : : /.　　　　 　 |　　　 あ　 　 |
　　 ｀''＜ニニニニ=-{⊃u_ノっ　 |: : :|　∨: : :/　　　　　　 .|　　 　 ：　　　|
　}{　　　　 ｀''＜ニ=-ノﾄ､) ( 　 ,ィ.|: :.,'　　∨: '　 　 　 　 u: ..＼　　 ：　　　|
　U　　　　　　　 ￣￣｀''＜JT　 .ﾉイ　　　 ∨　　　　　　: :,'　...＼ つ &hearts;／
＼　　　　　　　　　　　　　　ヽ_＞'''"~´￣￣｀"'＜.　　 : : ,'　　　...＼／
ﾆﾆ＞｡ 　　　　　　ヽ　　　　´ 　　　　　　　　,､､､　ヽ￣￣＾＾ ''〜､､,,
ニニﾆﾆ＞。_　　　　.ﾍ　　　 u　　　　　__,zzzz::ｭ::）　∨　 　 　 　 　 ｀'＜　　　　ｏ
ニニニニニニ心　 : : ﾍ 　　　　　 ／ﾆﾆﾆﾆﾆア＿　　V　　　　　　　　　 ヽ、_,､__
-＼ニニニニニニヽ : : ﾍ　　　_／-=ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ} 　 从 　　ι　　　　　ｉ::::::::ﾂ⌒)!
ﾆ=-＼ニニニニニﾆ.ヽ: : : :,,ィ-=ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＞､_ノ:　　　　　　　　　　 ゝ::::::!　 ｡
ニﾆ=-.＼ニニニニニ＞''´-=ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆｱ　): .　　　　　　　　 　 　｀´ |
ニニニ=->――'''´-=ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ〈￣u.　.ｲ: :八　　　　　　　　 　 　 八
ニﾆﾆ／ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=->''´: : : :｀''―――く: : : : : :ゝ.　　　　 　 u. 　 ,ｲ；
ﾆﾆ／ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-.／　　　　　　　　　　　　　　　: : : :`ト。.＿__　.ィ；
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-／ﾆﾍ　　　}{　　　　　　　　　 　 ヽ: : :.八-=ﾆ-∨　　　｡
＼-=ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ==-／ニニ从　　 {j　　　　　　　 　 　 　 　 /-=ﾆﾆニ-∨
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ニニニニ=／　　　　　 　 　 　 　 　 `､ 　 　 7／./-=ﾆﾆﾆﾆﾆ=-}　　　∨；
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最早、何度彼女に向かって精を吐き出したか分からなかった。

前からでも後ろからでも、性器を挿入して膣壁を擦り上げている最中、
射精が近くなると、彼女は毎回それを察してくれた。
自分のそれが分かりやすかったのかもしれない。

息がひと際荒くなり、震える背中に腕を回して抱き締めてくるのだ。
それをされるたびに、最後の堰が容易く決壊した。

結局、自分はあの後、気絶するように眠りに就いたのだ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5648： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/23(木) 22:19:10 ID:UXm7SGYc0

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　　　| ..: |.:..:| .:.:.:.:.:.: ｜　　　‘,.:| |.:.:.:.: ｣二二.:;;:ﾉ｜.:.:.:ﾊ.:.:.:.:.:.:.:‘,　　　　　　　　　いやー、十代の体力を舐め切っとったわ。
　　　|..:И : | .:.:.:.:.:'^~|￣ニ'　‘,| |.:.:.:^⌒狩でFﾟＹ:|.:..:/＾|.:.:.:.:.:.:.: ‘,
　　　|..:|｜..:|.:.:.:.:.:.:.:|イ＾狩心　　|.:.:.: /　い,,ヅ ﾉ:ﾉ.:/｜|.:.:.:.:.:.:.:.: ‘,　　　　　　　　流石にその歳やと性欲おばけやねんな。
　　　|..:|八 .:.:.:.:.:.:..: |ヽ　乂,,ツ　 |ノ}/　　^""__彡.:/ ノ丿 .:.:. |:.:.:.:.:.:
.　　八 | |..:＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼　 　 , 　 　 　 ⌒¨ア"⌒ﾞ'く＼.:.:.:.:.| .:.:.:..:|　　　　　　　　　……まさか、出し終わって抱き着いてきて、
　　　　　|.:.:.:..:＼{＼{＼.:.:..:＼　　　 　 　 .u /　　　　　＼＼ノ :.:.:.:. |　
　　　　　|.:.:.:.:..:| |.:.:.:.:..: ＼{⌒　丶　 　 ´　/　　　　 　 　 ＼＼__ﾉ..:|　　　　　　　　　 そのまんま寝られるとは思うてへんかったけど。
　　　　　|八.:.: | |.:.:.:.:..: |.:个:.... 　　　　　 /　　 　 　 　 　 　 ＼＿ノ:
　　　　　 　 ＼| |.:.:.:.:..: |"~￣~ﾟ"''　､__,／|　 　 　 　 　 　 　 　 ∨.: |
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　　　　　　　／<●>三 <○>＼　　　　　　　　正直、ごめんだお。
　　　　　 ／ u 　 （__人__） 　　 ＼　
　　　　　 |　　　　　`⌒'　　　　　　|　　　　　　　「ま、ええよ。なんやかんや痛くせんかったあたり、そこは紳士的やったし」
　　　　　 ＼　　　 　 　 　 　 　 ／
　　　　　 ／ 　 　 　　　　 　 　 ＼

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はやてが困ったような笑顔を見せてくる。
その表情には明らかに疲弊の色が濃く滲み出ていた。

最後の理性で、乱暴な動きになったりしないよう自制はできていたのが救いだ。

しかし、対する自分も全身におかしな疲労と痛みを感じる。
普段の生活ですることのない動きを全力で行ったのだ。
変な引き攣り方もすれば、疲労の仕方もする。

今後は少し自制しなければならないだろう。
二人で苦笑しながら、密かに反省した。
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5649： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/23(木) 22:30:45 ID:UXm7SGYc0

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　　　　　　　　　　　　　 　 i: : : : :.|: : :. :.斗-　 ';.: : :| : |ヽ: : :|:.:.l:ヽノ|∨|: : |
　　　　　　　　　　　　　 　 |: : : :ｌ:.l:.:l／: |:l　 　 i : : ﾄ､:|　|从|ヽ|: : :.:|∧|: : |
　　　　　　　　　　　　　 　 |: : : :|:.|: |: : :.ｘ ==ミ从: :l .i:| ｘ ==ミ､: : :/:. :.|: : |
　　　　　　　　　　　 　 　　|从: :|:.|: |:. :.{l ん::ﾊ　 l:/　ﾘ　ん:::ﾊ }i: /: : : |: : |　　　　　　　……どう、なんかこう、ええ感じになった？
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 i:∧ｌ从ﾍ圦Ｖzソ　ﾉ　　 　 Vｚソﾉ从ヽi: /:. :.|
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ|: : :|: : ＼.:.:.:.:. 　 ,　 　 .:.:.:.:.:.l:/ノ　//: : :/　　　　　　　 男になったぞー、みたいな？
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : :|: : : :.　　　　　　　 　 　 ﾉ. .イ: /: : :/
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : :|: : : :i＼ 　　｀　 ´　　　ｲ:. : :l从.:.:./　　　　　　　　　「うん、はやてさんの男になれたんだなーって」
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /:. :_:|: : : :|: r.＞　　　　.｡o ﾟ｜: :/: :/:./
　　　　　　　　　　　　　 　 　 /／　从.:.:.:|´　 ＼__ ¨´　　　/: :/: :/:./　　　　　　　　　　　ふふ、そんなら体張った甲斐もあったわ。
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ;:'　　 　 ｉ: : ﾄ　　　　　≧　　/ l:/≧:.:/
　　　　　　　　　　　　 　 　 /　　　 　从: !　'，　 /　 /　　{ヽ' / .{/　　　　　　　　　　　　
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　 i/　　'，/　　{　, -- ｉ i　 {
　　　　　　　　　　　　　　 i-　､　　　　　　　　 '　　　 ヽ　　 | |￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　〈　　 ＼　　:.　　　　　　　　 /　　 | .〉
　　　　　　　 　 　 　 　 　 〉 　 　 ＼　:. {/ 　 　 　 ／ 　 　 V　 　 　}
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 {　＼　　　＼ }　　 　 ／　　 　 　 i!
　　　　　　　　　　 　 　 　 Y 　 ＼ 　　./　　 　 i ヽ　　　　 /{ r≦　/
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　　|. 　 　 ＼　{　　　　 |　　　　　　ヽヽ　 /
　　　　　　　　　　　 　 　 /| 　 　 　 　 }　　　　.|　 i　　　　　i　ｉ ｲ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 / .| 　 　 　 　 }　　　　.|　 |　　　 　 l　|/i

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ただ、今までどこか夢でも見ているような心地だったものが、
急激に現実として輪郭を帯びたような気がした。

愛し合う男女はセックスをするもの、とぼんやりとした概念は頭の中にあった。
けど、実際にはやてを抱いてみて、それの意味が分かった気がする。
要は相手と気持ちを伝えあい、確かめ合うための行為なのだろう。
手を繋ぐのも、抱き締め合うのも、唇を重ねるのも、性交も全部。

それらを行い、反応が返ってくるたびに、はやてが自分を好きでいてくれて
いるのだと感じられた。
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5650： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/23(木) 22:38:08 ID:UXm7SGYc0

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　 ＼ 　　 （__人__）　.　　／

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少し大袈裟な表現の仕方かもしれないが、やっと自分から子供という名のラベルが
剥がれたような、そんな気がした。

いや、ずっと前から、そんなものは剥がれていたのかもしれない。
はやてが学校に行かないか、何もかも忘れて暮さないかと誘ってきて、
それを断った日から。彼女一人を戦場に立たせて逃げられないと思った日から。

成人すれば大人になれるものでもないだろう。
異性をセックスをすれば大人になるというものでもない。

きっと、大人はやるものであり、子供は辞めるものなのだ。

今の自分には、はやてがいる。
背中には大勢の市民の命がある。責任がある。
なのはたちに報いるべき恩もある。はやてとの将来を守らなければいけない。
そのためにネクストに乗る。

そして、それは全部、自分の意思で決断したことだ。
もう子供のままでいる気はない。生き方を他人に委ねるつもりはない。

事ここに至って、ようやく自分で自分の生き方を決められた、そんな気がした。
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5651： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/23(木) 22:43:37 ID:UXm7SGYc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　
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　　　　　　　　　　　　　|: : i: : : : ﾊ: : : : : :.',: :､: :/∧: :.', : i
　　　　　　　　　　　　　|: : |: : : :|　';: : : : :-iヾ!ヽ'://!У!: :|
　　　　　　　　　　　　　|: : |: : -:|--iﾊ: : : : | ,.}==ヾ:|.イ|: ::!
　　　　　　　　　　　　　|: : |:.i: | :ｨ==ミ: :、: |″泛ﾘ》 : :.!: :.!　　　　　　……とりあえず、お互いシャワー浴びよか。
　　　　　　　　　　　　　|: : |: !: :.《 込ｿ　 ヾ;! 　　　.! : : ; : :!
　　　　　　　　　　　　　|: : ﾚﾍﾄ:{　　 　 　 　 /i/i/ |: : /: : |　　　　　　 とてもじゃあらへんけど、人前に出られへん姿やで。
　　　　　　　　　　　　　|: : |: : |: ヽ/i/i/　　 　　　/|: /: :!ﾊ!
　　　　　　　　　　　　　|: ﾊ!: :.|: :i!:＞:. 　 `　　 .ｲ/!:': :/
　　　　　　　　　　　　　|/ ',.:.: |: ﾊﾊ从: ＞=　´ ノｲ!／
　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ:.:!'￣￣ ./　/!　　　　 〉ヽ.､
　　　　　　　　　　　　　　/´　i　　　 /　 {__　　　__/ 　!. ＼
　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾊ　　i!.　　/ __ ﾊ　｀　´ /　　i!　　＼
　　　　　　　　　　　　　 i　　　!　　´　　/　　　 ノ　-.､ |　　　 ＼
　　　　　　　　　　 　 　 ,　　　 ソ　　　{　　　 く　　　 ヾ 　 ／　 .〉
　　　　　　　　　　　 　 /　　 , '　 　 　 !. 　ｙ　/　 　 　 　 /　　 〈
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　　　 　 　 　 　 　 　 i　 　.i: :.　　　 　 ', i! .i:..　　　　　　 i　　　,
　　　　　　　　　 　 　 |　　 |: : : : . . . : : ヾ_ﾉ: : .　　　　 .: :!　　/
　 　 　 　 　 　 　 　 ri 　 　': : : i : : : : : : :.|: : : : : . . . : : /　 /
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　　　　　　　　 　 　 ,　!　　　i: : :!: : : : : : : : : : : : : : :〈





　　　　 　 ／ ￣￣ ＼
　 　 　 ／ノ　　ヽ__ 　 ＼
　 　 ／（―） 　（― ） 　 ＼　　　　　　う。おっしゃるとおりで。
　 　 |.　　（_人＿）　　　u　|
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　　 　 / 　　　　　　　　ヽ
.　 　 /　l　　　,/　 /　　 i
　 　 (＿) 　　(__ ノ 　 　 l
　 　 ／　　／　　　___ ,ノ
　 　 !､＿__!､＿_＿＿_つ

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ただ、その前にシャワーを浴びよう。
まずは清潔さだ。
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5652： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/23(木) 22:43:49 ID:UXm7SGYc0
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5653： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/23(木) 22:54:21 ID:UXm7SGYc0

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　　　　　　　　',:.:|',:.:.|:ヽ:',ヽ{::::j . 　 　 ヒzﾉ　 //:.:/ }｀ヽ/|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　　　――あれ、なんだか晴れやかな顔してる？
　　　　　　　　 !:.| ｉ:.:|:.:!ヽヽ.ﾋﾘ　 　 　｀¨´　 /:イ:.:.:.ｉ . //|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
　　　　　　　 　 }|　',:|ヽヽヾ、 ､　　　　　　 ./　 !:.:. }／/. !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　まぁいっか。元気そうなのはいいこと。
.　　　　　　　　　|　 ヽ ヾ人　　 r--,　　　 　 　 |:. /／　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　!:.:.ヽ、　　　　　 　 ∠//.|.　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　　　 作戦の内容を説明するよ。
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ',:.:. |　ヽ、　 ,　＜　_〃´!ヽ- ､ |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
　 __＿＿＿＿＿＿＿＿_ヽ:.:!　　 ｀ /7､ ´　/.　/ 　 .|:::｀ヽ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　 Ｖ三三三三三三三三ＶＡヽ . 　,/ /_ ｉ　　　/　 　 .|::::::::::::::｀::ヽ::、 : |
　　V　　　　　　　　　　　　VA,r::´/ |/≠ヽ　 /　　　 .ト､:::::::::::::::::::::::::｀ヽ
　　 V　　　　　　　　　　　　VA:::/.　|/∧ヽ∨　　 　 /.　ヽ:::::::::::::::::／::::::
　　　V　　　　　　　　　　　　VA.　　|-　 ∨ 　 　 ／　　　 ＼:::::／:::::::::::
　　　 V　　　　　　　　　　　　VA.　├‐‐/.　　 ／　　　　 |　　ヽ::::::::::::::＿
　　　　V　　　　　　　　　　 　 VA　.|:::::/ 　 ／　　　　　　|　/ .ｉ:::::::::::〃‐‐





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　　　,':.:.:.:,':.:.:.:.{:.:.:.:.:.|:.:.ﾊ:.ｉ　ヽヽヽ:.:._メ:.´ヽヽ:.:.ｉ:.:.:.:|/:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
　 　 ｉ:.:.:/|:.:.:.:. ',:.:.:.:.:|-/_|_|　　ヽ／,イ圷≧ｉ:.ｉ:.:.|:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　　　　　　今回の作戦内容は至って単純。
　　　|:./ .|:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:!:.ｉｲうﾐ　　　 　 {::::::::ら |:}:.:|:.:.:.:!´.ヽ:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
　　　|/　 !:.:.:.!:.:.ヽ:.:.:.|〃{:::j　　　　　 辷シ　!:.:./:.:./| ヽ.} |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　……旧トルコエリア沿岸部に位置する、
.　　　|.　　',:. | ',:| .|ヽヽ｀.ﾋﾘ　 　 　 　 　 　 /:/／:.:.:!　/: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
.　　　　　　ヽ|　ﾘ　!:.:.ヽ＼ ヽ　　　　　　　.〃|:.:.:.:.:./_/／.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　　　IGIO本社に急襲をかける。
.　　　　　　　ヽ　　ｉ:.:.:人　　　 -‐-　　 　/　 !:.:.:.:./／. 　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　 　 　 　 　 　 ',:.:.:.:.ﾍ　 　 　 　 　 　 　 |:.:.:.:/.　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　 ヽ:.:.{　ヽ、　　 　 　 .＜.|:.:./l　 　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　 ＼ｉ　　　＞.-t ´　　　|:/‐┤、.　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　＼　　　 r､| .-　￣/　／　ｉ、　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〃.ヽ　　　.／　　 |::｀ヽ.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |

5654： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/23(木) 23:01:01 ID:UXm7SGYc0

　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 , -----　、
　　 　 　 , -‐‐‐ ､, ＜´￣￣:.｀:.ヽく:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ、
　　　 ／--=:.ァ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ、＼:.:＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ｉ
　　 ／／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.ヽ:.:.ヽ:.:|',:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　 　 /:.:.:.:.:.:.:l:.:.|:.|:.|:!:.:.:.:ヽ:.:.ヽ:.:.:.ヽ:.:ヽ|:.ｉ:.:.:.:.:.:.: : |
　　 ,':.:.:.:/:.:|:|:.:.|:.|:.|:.',:.:.:.:',ヽ斗---ｉ､:.:ｉ:./:}:.:.:.:.:.:.:.:|
　　 ｉ:.:.:/:.:. |:.:',:.:ゝ--＼:.:.|　,示气､.|:.:.}:ｌ_||:.:.:.:.:.:.: |
　　 .',:.:ｉ.{:.:.:|:.:.ヽ:〃沁､ ヾ､.　{:::::Ⅳ|:./:|ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　',:.| ',:.:.|＼:ヽ｀.',:::j　　 　 .ゞソ 〃:|/:.:.:.:.:.:.:.:.: |
. 　 　 ﾘ　ヽ|　 ヽヽ._ゞ′,　　　　 /|:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　　　　　　でも、私たちの目的はあくまで敵ネクスト戦力の撃滅。
　　　 　 　 |　　 |:.:ト、　　_　　　／:.:/|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　　　　 |ヽヽ＞ 　_ ∠　//| .!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　　　　　 IGIO本社を本当に墜とす必要はない。
　　　　 　 　 　 r‐‐｀ヽ-.／|ヽ ／　/.| ､:.:.:.:.:.:.:.: : |
　　　　　　　　 |:::::::::::<´　 .| /.|　 /　.ヽ::::｀::ヽ 、:.|　　　　　　　　　……まずはリンドヴルム単騎で防衛機構を破壊。
　　 　 　 　 　_|:::::,-- ＞.‐Ⅳ/.Ⅸ|　＞｀::::::::::::::::::｀ヽ
　　　　 　 　 { |:::/　 |　　 |｀:ヽ/　ヽ- ｀ヽ、:::::::::::__./　　　　　　　　他三機は戦闘エリア外にて待機。
　　　　_　　 .{ |::/!　　|　　|::::/　　 ／ .|　 /ｌ::::〃　 }
　　　 | |＞ ､7／　　　i!　.|:/　＞´　 　 |/　.|::{{　　 ,'　　　　　　　　その後、救援に駆け付けた敵ネクスト群を迎撃する。
　　 　.|.|　　./　　　 　 .ヽ|／　　＝＝ .|　　 |::｀ - ′
　　　　|.| 　.{　　　　　　0ゝ　　　　　　 |／　 |::/:. |
　　　r､r､　 ', . 　 　 　 /　 　 　 　 　 |/　　 .|/: . |
　　　ゝ｀￣ヽヽ､＿＿ .ｉ　　 　 　 　 ./ 　 /　/:.: . |
　　　 }　 　 /｀ ヾ- __ ﾟ{- ､ ＿＿__ / ／　　,′:.:.:|
　　　ヽ、　,′　　//　｀　ヽ-- __ rﾆﾆ--　 /:.:.:.:.: |
　　　.{ヽヽｉ　　　 ｉ.ｉ　　　　　　　　 ヽ＼　 /:.:.:.:.:.: |





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　 　 }===================} }
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＿ 　 　 　 　 {:　　 } ================== } }
　　　　　　　　　　 　 _　 　 -= 　￣¨　＼ﾄ　　{:ｌ　　} = ＞ｧミ　 == == ===== } }
　　　　　　　　　　　　＼__　　　＼- ､ 　 i}:}　､{:l　　}／／　　 　>､ = == = == } }
　　　　　　 　 　 　_　 　 ﾌ¨<　 （~＼ ､　 }:}＼_>／>‐'_￣＼／　　∨===== = } }
　　　　　　　　　　}升=/　＼ ＼/＼ ＼＼:}／､}／=‐／＞､ヽ　　　i}========} }
__　　　　　　　 　 〈___,′＼_〉　_〉､　＼}>.:丶{､ｉ}=‐／／　　> } ___　i} ==== == } }
､‐‐　、　　　　 　 丁∧　　{　/_　　_>､__　＼}_/／／､　／　V////ｉ}========} }
_＞=-　 　__　　／‐〈___＼_{　{__　i「　/7=ｱ-ｲ'´＼ｌ＼ }'iﾄ､/　}////i} = = = == } }　　　　　　　「十中八九、企業連は最高戦力を投入する。
¨ﾆ=‐　‐=ﾆ气ト､≦==‐　　¨¨＼､/ /ｲ／〉}__＼＼} 　ｉ} {/＼∧ｉ//ｉ∧ = == == } }
‐- ､‐=斗=‐- 　_>､-----＼} - ＼ｰ'｀ｰ'　＼----＼ }　　 /{　＼/========= } }　　　　　　　ネームレスを始めとした、トップランカーが
　 　} {　{､　　>‐‐　 ＼----->:､--＼__　　イ＼----＼､_/{∧_/ == === ==== } }
　 　}_{　{　Y　　　　　 ｉ} ､------⌒＼>}=‐ﾄ､＼＼‐‐‐‐＼__/}}============//　　　　　　　 勢ぞろいすること請負だね。
_　　‐= ､　 }　　　　　 ｉ}l}ﾘ＞=‐ 　 =≦「¨＼＼>_」」-＼-／} }ｲ‐　_ ======= //
/i/i/ｉ//ｉ}.__}　　　　　 ｉ}/ ､‐‐＼‐‐‐‐‐‐＼-＼-------＼ｲ_} }⌒ヽ＼=====,' '　　　　　　　　　IGIO本社を墜とされれば、企業連は
/////i_∧ ､＼　　　／i7ヽ＼‐‐＼‐‐‐‐‐‐＼-＼- _ 　‐=ｲ/ﾍ乍=‐V-}===={ {
丶///「｀ヽ≧}ｉl＞イ=‐ｲ‐‐＼_>ｲ/≧=====イ}‐‐‐/7‐‐‐‐}__ｿ }=‐/__/===={ {　　　　　　　　　　竜骨を折られた舟も同然。
＼〉=ｲ､　 /¨}-l}l}={==-}ﾄ --/-/√￣￣￣//‐‐ //-‐=／¨ }{ ｉ}=ｲ__/==== { ｌ
__　　」　Y___/＼」､_､__/{--〉'-/､‐‐‐‐‐‐‐//____,乍=-イ{ l　_i}{ ｉ}/i}__{ ==== { i　　　　　　　　　　 ORCAを殲滅できたとしても、体制は崩れる。
: : / 　 　 /　　　〕iト．__＞=_.,乍=‐‐‐‐ イ/--/ 　 // 　{ l　 ｉ}{ ｉ}/l}__{=====i
: /　___　/　　　　　　｝〕iト．_}　}乂}____}}__, - /￣ /}ﾄ､　i{ ｌ　 i}{ ｉ}/l}__{=====　　　　　　　　　　　　全力で食い止めにくるはずだよ」
,乍=‐イｉ}　　　　 　 _}　　ｉ}　}〕i=-ｲ　 V_/--′__/／＾＼{ l　_ｉ」､ｉ}_ｌ}__{==== { ｌ
/--}-}-ｉ}　　 ／__／}:､　 }　}〕i　}∧　　i}-=ｲ‐=≦､ ／¨ ∨__」／}/}__{==== { {
､__/_/ｲ¨}　 /　 /〕iト．＼}__}〕i　}=‐＼__}r ､　__　 イ　　 /__/‐|¨}=-}__{==== { {

5655： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/23(木) 23:06:43 ID:UXm7SGYc0

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　　　　i:.:./ |:.:.:|:.:.:|:.:.:. |,イう≧､ヽ 　 ヽ|芹う≦、:.!:.:.|/|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　
　　　　|:/.　!:.:.:!:.:.:!:.:.:.《 {::::::::ら　　　　´ {:::::刈 》/: /ヽ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　状況は一気にこちら側へと傾く。
　　　　|j 　 ',:. |:.:. |＼ヽ. 辷シ　　　　 　 辷シ /:／:} /|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
.　　　　|　　 i: |!:.:.|:.:.:.:ヾ､　　　　　j　　　　 　 /!:. : ｉ_,' |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　 企業連は最高戦力を悉く失い、
　　　　　　　 ﾘ ヽ|!:.: : ﾍ　　　　　　　　　　　　 }: : /　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　 ',:.:.:.:.{ヽ　　 　 ￣　　 　 ／/:.:,' 　　! :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　私たちはそれらに匹敵するネクスト機を保有する、
　　　　　　　　　 　 ヽ :.:.ｉ　＞　 　 　 　 イ　/ :./　　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　＼ヽ ,rヽ. ＞＜　_／|/／　　 　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　　　　　唯一の集団となる。
　　　　　　　　　　 　 　, ヾ､{　　 ≠<´　　./｀ヽ、　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　 　 　 ,､r::´::/　　!　 /､　 ヽ　 /　　|::::｀ヽ、.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　 ……地上の支配権が手に入るってこと。
　　 　 　 ,､r:::´:::::::::::::/　 　 {､/ゝ－/', 〃　 　.!::::::::::::｀ヽ、 :.:.:.:.:.:.:.:.|
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　　　　　　 ,､イ.:.／.:.:.:.:.:.:.:,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:...:::.:´.:.:.:.:.:.:.､.:.:.:.＼
　　　　　 nﾍ.:.:;.:'.::.::.:.:.:,ｲ.:.:..:.:,ｲ.:.:.:.:.:.:.:.:;l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_.:j¨｀ヽ.⌒ヾ:.､
　　　 　,ｲj､.:.v.:.:.:.:.:.::/:/.:.:,ｲ/.:.:.:ﾉ!.:.:i.:..:j.:.:.:.:.ヾ;,.:.:.:.:.:.:ヾ.:.:.ヽ　 ｀ﾍ
　　　　/ll!ﾊ:.:′.:.:.:.:/./.／.:/.:／.,ﾉ.;/l:.:;!.::l.ﾍ;.:.:.ヽ,:.:.:.:.:.:.ヾ,:.:.'; 　　!
　　　 ∧jﾊ.:′.:.:.:.:.′〃xｆz左ｚ,;,X, .j:/ !:;|:.:.:l.:.:.:.l.:ﾍ.:.＼.:.::.':;.:.';
　　　 l.l.ヽ.:.:|.::::.:.:.:|{:.:.,仆乞芸て卞 >′l./ｊ.:,ﾘ.:./.:l.:.ﾍ.:.::.ヽ.:.:.';.'|
　　 　'.:.:.:;:升∧::.:.|.:.:{ｲ ,伐::::::斥′　　ﾉクｻﾄxj:.:.li.:l.:.ﾊヽ.:.';.:.:;.!　　　　　時間をかけたところで、いつか私たちの居場所がバレるだけ。
　　　　∨　 !′l:.:.:|:.:.! ､辷ｰクﾉ　　　 　ｹ云x.:ﾉﾒi.:/.:.:.:.:l.:.:.:.:.l:.!
.　　　　 ゞ､)l::.:.:ゝ:ﾍ､:!　｀¨¨ﾞ`　　　　　/.::ﾇﾘｹ;´.:;ﾘ..:.:.:.∧:l.:.:ﾊ!　　　　　 勢力の差から、防衛戦、消耗戦になったら敗北は確定する。
　　　　　 'iｰl;:.:.:.::.个｀　　　　　　　　　匕ﾞ.ノ_ノノ/!:.:.:.;/　ﾚノ　!
　 　 　 　 l.:人::.:.:.ﾞl　　　　　　 　 　 　 ¨`て.._｀V.ﾊ.:::/ 　 !′　　　　　　　ゲリラ戦ができている今が華ってわけ。
　 　 　_,､n<　 '.:.､∧　　　　　　　ｃ｡　　　人__,¨＼:l/
　　ｲ´.:::.ハﾍ　'､l?∧　　　　　　　 　 .,／: :.j　 ／}′　　　　　　　　　　　　……正直、博打の域を出ないけど。
／　l:::::::., 　＼　´､?「＞､　　　　 , イ´. 　.:.イ´.:l.:.|
　 　ｊ::::::::.ﾍ　　＼　　＼ﾍf＞.ｰ イ. . . :＜.:.:.:.';.:.:.:|.:|　　　　　　　　　　　　　博打が打てるだけでもマシって思わないとね。
／¨ ﾍ:::::..∧ /＼｀ >ｰ<cﾊ. . . . . . .fヽ,¨ -ﾅﾍ.';.:.:|.|
////∧::::..∧＼/∧ Y∧:lｌ. . .,,..ｲ".ｿ ',////,j.:.';.:.||
/V//,∧:::::..∧､/　 >介ｲー"´　／.:::.∧//zj.:.:.';.:.|
j∧V//∧:::...∧　　ｊメﾍ＿_　-ｲ.::::::::::::.∧//j.:.:.:.';.|
j:iV∧//∧:::::::..＼　ヽ´.:::::::::::::::::::::::::::::::::人/j.:.:.:.:';|

5656： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/23(木) 23:14:13 ID:UXm7SGYc0

.　　 　 　 /:.:.:.:ァ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼ ／ ￣￣ ヽ
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　　 　 　 ,':.:.:/:.:.:.:.:.:./:.:.:. l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}
　　　　　: : /:.:.:.:.:.:.:,':.:.:. : |:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:. : /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　　　　　l:/{:.:.:.:.l:.:. i:. l:.:.:┼＜:.:.:.:.:.:.:.:.:.}:.:.:.:.i:.:.:.:.:.: /:./:.:.:. : /:.:.:.:.:.:.:.:.:./
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　　　　　ﾘ　',:.:. |:.:.:ﾏ ﾏ:.:|: ´沁}:.:.|:.:.:.:/:.:.:.:/_／:.: , ':.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.: : /
　　　　　　　ﾏ:.lﾏ:.:|∧ﾏ::{　 )じﾘ/:.: /:.:.:.:/　 }:.:.／:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: /　　　　　　　決行は翌日明朝。
　　　 　 　 　Ⅳ ﾏ,':,　´N　ゞノ〃:.:/／:.ｲ　　／: ／:.:.:.:.:.:. ／:. : /
　　　　　 　 　　 / : ＼　　 　/:.／ /:.:.:/__／:.:／:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:/　　　　　　　　 ……これで最後。
.　　　　　　 　　 {:.:.:/　ゝ┐ /ノ　 /:.: /, ':.: ／:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:..　
　　　　　 　 　　 i: /　　　ヽ/　　./:.:.／:.:／:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.／　　　　　　　　　　　ゆっくり休んで備えてね。
　　　　　 　 　　 |/ 　 　 　 ヽ-- ／:.:.／:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.／
　　　　　 　 　　 |!　　　　　　 ／:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:／:.:.:.:.:.／、
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　　　　　 　 　 　,　´:::::::::./:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:／:.:.:.:.:.／::::::::::::::::::::::::::::≧ｭ､
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5657： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/23(木) 23:15:33 ID:UXm7SGYc0
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └‐ｫ |UU　 `
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 くノ　　　　　＼ ,,_人､ノヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　)ヽ　　　　（　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ -　＜　　　　　　 ＞━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣　　　)　　　　　て
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／^⌒`Y´^＼　　　　 ._ _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＵＵ/7
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 くノ

5658： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/23(木) 23:20:38 ID:UXm7SGYc0

┌────────────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...│
│　　　IGIO本社を強襲、救援部隊を迎撃せよ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　　　味方勢力：リンドヴルム、シュクヴァール、ミセリコルデ、ノーマル二個中隊、艦載機部隊　　　　　　　　　　　　　....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...│
│　　　備考：リンドヴルム単騎で本社防衛設備を破壊した後、潜伏していた三機が合流し救援部隊を撃滅する。　　　..│
│　　　　　　 総力戦が予想されるが、敵ネクストを殲滅すればひとまずの目標は達せられる。　　　　　　　　　　　　　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...│
└────────────────────────────────────────────────┘

5659： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/23(木) 23:29:07 ID:UXm7SGYc0
今回はここまでだ。

次回なんだが……来週は夜勤がちょこちょこあってね。生活が不規則になる。

とりあえず、再来週の木曜日、4/6の21時からとさせていただく。

シーユーアゲイン。頑張れやる夫君、生き残ってはやてさんとゴムなしックスをキメるんだ。

5660：安価のやる夫だお：2023/03/23(木) 23:47:07 ID:ycZ8WkvM0
乙

5661：安価のやる夫だお：2023/03/24(金) 05:33:29 ID:qQKYyeeQ0
乙ー

5662： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/27(月) 12:42:00 ID:APdGD7Ss0
ハロー、モコイさんだよ。

今週の木曜なのだが、夜勤がなくなった。
よって、やはり3/30の21時から投下だ。

ただ、4月の第一週と第二週が、仕事で日勤と夜勤が入り乱れる形となってしまった。
正直投下できる自信がない。

よって、次の次は4/21くらいになってしまうかもしれない。

本当に申し訳ない。

5663： ◆x0SRSoJXe.：2023/03/30(木) 22:37:48 ID:0IoD6x4s0
すみません、寝過ごしてしまいました。

本日の投下は中止でお願いします。申し訳ありません。

5664：安価のやる夫だお：2023/03/30(木) 22:40:28 ID:gQHyrdI60
了解
体を大切にね

5665： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/13(木) 21:00:17 ID:XDpSd4QU0

　　　　　　　　 _　_
　　　　　　　 ,/ :: ::::`‐-､
　 　 　 　 　 {:::::::::::::::=::/
　　　　　　　 ',:o:::::o:::::.!　　　　　　　　　ハロー。前回はごめんなさい。
　　　　　　　　!_:::::::::::ｿ
　 　 　 　 　 　 ｀>:::::｀ヽ　　　　　　　　　もうちょっとで終わりだというのにね。
　　　　　　　　　 !:l_::::ﾍ:::＼
　　　 　　　　　　l::| ::::::lﾄ::::_〉
　　　 　 　　 　 /:::ir-iitr`::丶＿_ _
　　　　　　　　 `‐´r::::| !!丶::::::::::::::}
　 　 　 　 　 　 　 ,:::::::!ｰ´　｀￣￣
　　　　　　　 　　 l;;;;;;;;!





. ＿＿
_|。。::::|__　　　　　　　モコイさんも夜勤生活から昼の生活に無事帰還だ。
ｉ::ﾞ==-/::ｉ
｀|:::::::::|´　　　　　　　　これからは普段通りに投下できるはず。はじめていこう。
　{」{_」

5666： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/13(木) 21:04:51 ID:XDpSd4QU0

＿＿＿＿＿
　 /.// ＼　　≧s。
. /.//　　 .＼　　.ゞ ≧s。
/.//　　　　　＼　　　 ◎}i〉/7
./_i{_　　　　　　 ＼　　 ,ｨ〈|ﾆ{
二i_ ｀'≦。,　　　　.＼.//ﾆ二},,,_
　i　｀'≦。, ｀''ヽｨﾌﾆﾆヾﾆﾆﾆ'...........ヽ,
i .i　　　　　　ヾ_i{　　　 ヾ二{................∨
i .i　　　　　　　ﾏi。　　　　.}ｿ...............　}
i､ ゝ,　　　　　　ヾii。　　　/=====.､.　ﾑ
.＼　 〉,　　　　　 .ヾii。　/≧s二≧ゝｨ==＜
ﾆﾆゞ　.|'＜　　　　　.ヾﾏ////iイ......//￣.ヾ,}i
ﾆ／|　 |　　.｀''＜　　　　i////i......//:}i　 ＿Y
ii|　 |　 |　　　　　 ｀'＜....i////i....//:::ｿ┐ﾆミ
ii|　 |　 |　　　　　　　　　i////iゞ'´::::::::∧....｀∨
ii|　 |　 |　　　　　　　　　i////i:::::::::∨:::∧..... ∨
ii|　 |　 |　　　　　　　　　i////i::::::::::::∨:::∧......∨　　　　　　　　　　　　　 ＿　　　　　 ,ｨ､
ii|　 |　 |　　　　　　　　　i////i:::::::::ヽ::ヽ::::∧....≧､　　　　　　　　　。s≦コ |.|＿,,,,,。ｲ　|.|
ii|　 |　 |　　　　　　　　　i////i:::::::::::::ヽ::ﾐi::::∧...　 ｀'＜　〉s≦＿　 　 　 コ |´　　　i|　　|.|
ii|　 |　 |　　　　　　　　　i////i::::::::::::::::::ヽ,∨:::≧s。　 .｀'＜／ﾆﾆ≧s。...コ |　　　. i|　 ﾉﾉ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
決戦前日は、機体と身体の調整とチェックに費やされた。

ここまでの戦いで、その全てが後のないものだった。
けれど、次の戦いはその比ではない。

土壇場でのマシントラブルや体調不良の芽は摘んでおくべし、という
篠ノ之博士の指揮の下、自分たちは駆り出された。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5667： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/13(木) 21:07:42 ID:XDpSd4QU0

　　　　　　　　　　　　　　＿__　　　　　　　　　{´￣｀ヽ、
　　　 　 　 　 　 　 　 　 {　　_＼ 　 　 　 　 　 ﾏ_ ｡ }_,||
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼} 　 ＼　　　　　　　ﾏ__ 　||
　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼　　ヽ　 ＿＿__ ///＼!!
　　　　　　　　　　　　　　　　　 }＞. :´: : : : : : : : :＞､/
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／: ,: |!: : :|: :＼:＼: : : ､｀ヽ
　　　　　　　　　　 　 　 　 , ': : :/: :||::､:.|､＿_:_:､＼: :.∨:ﾑ
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /:/: :.':ィ-|{从:| ＼{＼｀＼: ､:|: : : .
　　　　　　　　　　 　 　 /ｲ: |: :|:|从{ ＼{ｲ苡ｵヽ}: /＼､: : ;: .
　　　　　　　 　　　　　　 /: :|: :|:{泌ｿ　　　:.:.:.: /:ｲ: : : |:＼: : .　　　　　　　　　はーいオッケー！　調整おわりっ！
　　　　　　　　　　　　　 , : : |: 从 :.:.: ' ＿_ 　 　 /: : :./: /: : : .
　　　　　　　 　 　 　 　 |: :./|/:.从　　V:.:.:.}　　 ´√´:.:/: | : : :.　　　　　　　　　後は爆弾でも仕掛けられてない限りは動くよー。
　　　　　　　 　 　 　 　 l／　　|:|:ム 　 ー'　 　 ｲ: : : /: : ! : : : .
　　　　　　　　　　　　　 　 　 /:,|: |: :｀: . __,... ´　|: : :,:,ィ⌒ヽ､: : : .　　　　　　　　明日は安心してドンパチできるね？
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /:　|: |: : r=r-|　　|^|: :./|| 〉　 　 ＼: :.
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 {/ /-j: :/!| Lﾉ　　{l |: :{ jj|_〉　　＼＿､＼
　　　　　　　　　　　　　　　 ／ //: {l｣／ _ｨ―/ |: :|_/ｲ　　　 　 　 ｀ヽ
　　　　　　　 　 　 　_,.　　´　　{/イ／r-ゞ-｀¨ｰ'⌒ヽ l|　　　　　 　 　 }
　　　 　 　 　 　 　 ｢　　　 /,{＞- ´ ,.と二＿〈_l ｰ'´￣∨ 　＿_　　　 '
　　　　　　 　 　 　 |　　,.イ-┴- ､:/／Toﾉ|　∨ ∧　　∨//// ＼,∧
　　　　　　 　 　 　 Ⅳ/ / 　 　 　 '　　　　|| 　 ＼､_／⌒}＿/ |///: : :.
　　　　　　　　　　// {　{　　　　　,　 　......:||::......　乂{ 　　 ＼ 　 |/: : ,: :.
　 　 　 　 　 　 ／　､ ､.:::､:::::::::......{...:::::::::::::}}:::::::::::::::∧　　 　 ｀　!: :,: :,: :.:.
　　　　　　 　 〈　　　ヽ＼::＼:::...... 　 ､:::::::::||::::::,..::'::::::::.　　　　　j: : :,: :,: : :.
　　　　　　　　　､ 　 　 ∨｀¨T7´　　　｀ ー}}-::::::::::::::::/:＼　　 /: : :.|: :|ヽ: :.
　　 　 　 　 　 　 ＼　／⌒Yl〈　　 　 　 　 ||　　　　　{: : :.|｀¨´: : :.:.:|: :|　 ,: :.
　　　　　　　　　 　 ∨　　 人 ヽr==777{7}}//≧ ､　　｝: /-////＞､:.:|　 }: :|

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
一通りのチェックが終わった後、篠ノ之が快哉を叫ぶ声で締めくくられた。
普段は結構ダウナーな彼女の高い声を聞くのは珍しい。

周囲の整備チームスタッフたちも、見るからに力が抜けていた。
これで何か問題が出たら、という怯えが、マーシフルのカメラアイ越しにも感じられた。
自分も同じ立場だったら、同じ気持ちだろう。

結局、頼りの綱はネクストなのだ。

「なに言うとんねん。降りたら間先生のところに直行や。
ちょっとでもAMSつこたら来いちうて釘刺されとんねや。
実際、機体だけいけてても、人間があかんかったらおしまいやねんで」

はやてが通信越しに水を差す。
自分も同様、口酸っぱく言い含められていた。
眉間に深く皺を刻み込んだ間のぶっきらぼうな声が、記憶の中で反響する。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5668： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/13(木) 21:14:47 ID:XDpSd4QU0

　　　　 　　　　＝＝＝＝丶
　　　　　 　／ ─　　─　 　ヾ
　　　　　/《　（●） 　（●）　 》 ヽ　　　　　　　　不思議なもんだお。ずっとネクストに乗りたかったのに、
　　　　　| || 　 （__人__）　 　 }}.∩}
　　　　　| 《　　 ｀ ⌒´　 　　 》∪|　　　　　　　　今じゃあネクストから降りるために必死こいてるんだから。
　　　　　＼ﾐ三三|￣|三三彡／
　　　　 ,'⌒ﾄ ＿_　兀 　＿ イ⌒'',　　　　　　　　……なんだかんだでアンタにも世話になったお。篠ノ之さん。
　　　　 {　　)　　　| |　 　 　(　 　/
　　　　　|￣ |＿,,''| |'',,.皿 /￣/"
　　 　 　 | 　 |　　 | |　　./　 /　|
　　 　 　 |　　|==<二>=/　 /==|
　 　 　 (YYYヾ　　Y　(YYYヽ　 |
　　 　　（_＿＿ノ-'-（'＿＿_）__ﾉ





　　　　　　　　　　　　／|＼　　　 _, . :‐: : : : : : ＼＿＿_.ノ
　　　　　　　 　 　 .ｨ__〉｜:ト＼.／: : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
.　　　 　 　 　 　 /　　r::|:::|＼/: : : : : |: :i : : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　 　 　 　 /　o./::/:::ル': : : : : : :|: :{ : : : : i: : : : : : : : : : : ＼
.　　 　 　 　 　 |_　 /::/::://: : : : : : : λ: :､ : : : |: : : ﾄ: : ヽ: : : : : :ヽ
.　　 　 　 　 　 | し'／／/: :/ : : : : : {: ﾄ: : ゝ: : :!:.／|⌒i: :} : : : :| : ',
.　　　　　 　 　 し.';／　 {: :/: :/ {: : : |: |}从:〉 : : !ヽ: }ヽハ:!|: : : :|: : :',
　　　　　　　　　　　　　 |:/: : {: :|: : :／|:l {＼: : : i'´V-―z|:!: : : :!: : : ',.　 　 　 　 /ヽ _　　　　　　　　　まぁねぇ。感謝される筋合いはあるかな。
　　　　　　　　　　　　　 |: : : :| : |: : :|:.:|.メ〉　＼__i '"￣￣|ｊﾉ: : :i! : : : ',　　　　　/ // /､
　　　　　　　　　 　 　 　|: {: :/!: :|: : :Ⅳ .ｨ:ﾁ　　　,. 　 '' "/:/: : /|: : : : ',　{ ヽ　/ // / /　　　　　　　　 「……アンタはこの先、どうするんだお？」
　　　 　 　 　 　 　 　 　 V|: :{ |: : : : :|ｨ／　 　 　 ′　　 l:/: : /: |:＼: : 丶!　ﾚ　// / /　 __
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |: :| |: : :＼{ ､'' "　　 　 　 ノ　/: ／: : |: : :＼: :ﾉ　、 　 　 〈／／　　　　　　　んー、私？　コジマの兵器運用禁止
　　　　　　　　　　 　 　 　 Ｖ　ト　＿{.:_;>.._　　￣　　 ∠ィ: : l: : :|: : : : _/　　 ）　　　 ／
　　 　 　 　 　 　 　( ＼　　　丿: : : :: ヽ: : ｀i ーr---　　 |: : :|: : :|／い{　　 / 　 　 /　　　　　　　　　　　が成立した後ってことかな。
　　　　　　　　　　 　＼ ＼(＼: : : : : : : 丶: | : : | 　 　 　 |: : :|: : :!ヽ ヽ)ヽ　　 　 ／===ｭ
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼ ＼ ＼: : : : ／λ|: : ﾉ　　　 　 | : V: : |　 ＼ うト=＝'"　i　 [_]
　　　　 　 　 　 ＿＿＿＿〉　i 　 ヽ: /　 （ﾊ: : { |) ＿_　 /ヽ:_: : /＿／/〉|　 　 　 ｜　｜
　　　　　　　　}――――　　{　 　 V　　（| |: 丿|) 〉　｀　　 〈:ヽ:）--〜ヾ |　　　　　 ,..イ＼
　　　　 　 　 　(二二二 　 　 　 　 _}　　 (| |}:!:|_|)/　　　　　 ）:〈＼＿＿_ >r――イ､.丿: : ヽ
　　　　　　　　　　　　　/＼＿＿_.ノ∧ 　X (:.:ﾉ / 　 　 ヽ/　} : :）∧::::ヽ　｜ 　 　 |/}: : :＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
マーシフルに意識を移したまま頭を下げると、前方のブリッジに頭突きをする
形になってしまうため、心の中で一礼した。

最初の印象こそ最悪だったが、彼女は間違いなく、誠実な技術者だった。
手抜きもせず、限られた資材と人員と時間の中で、
ここまでマーシフルをマシントラブルで墜とさせたりせずに維持し続けた。

気持ちとしては、やはりあまり好きではない。
だが、義理はあるだろう。頭を下げるくらいの義理は、あるはずだ。

ふと気になった疑問をそのまま投げると、篠ノ之は間延びした声で答えてきた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5669： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/13(木) 21:29:31 ID:XDpSd4QU0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｨ-- ､
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣￣￣￣￣￣￣ ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 {二二二二二二二二二ノ
　　　　　　　　　　　　 _. . . :|///|=-- ､|//|￣￣＼_＼
　　　　　　　　　 ,. ＜: : : : : ﾏ/＞': : : : :＞ ､　　 　＼ ＼
　　　　　　　　,.:': : : : : : : : : ://: : : : : : : : :ヽ:ヽ. 　 　 ｀ー'
　　 　 　 　 / : : : : : : : : : : //: : : : : : : : :.:|: : : : :.
　　　 　 　 ': : : : : : : : : : : // : : ,: : : /: : : |:{: ､: : : .
　　　　　 /: : : : : : : : : : : :{/: : :/: : :/: , : /}: ､: ＼: : .
　　　　　.': : : : ': : : : : : : :/: : :/: : :/: /: /:r-!:.:|: :|｀: ::.　　　　　　　　言ったでしょ？　人は最後の一人になるまで戦争し続けるって。
　　　　　|: : : : |: : : : : ://: : :/: :／: ,:':./} ﾘ_,|: :|: :|: : : :.
　　　　　|: : : : {: : : : :/ｲ: : : ' , ´:／: ｲ/ィｫ､{イ:ｰ': :､ : |　　　　　　　ネクストがなくなればノーマル、ノーマルがなくなれば戦車と戦闘機、
　　　　　|: : : : :∨: : :{/|:;: : :|イ: : :イ: |{l tj 　 {: : :|: | ､:|
　　　　　|: : : : : :∨: :|: |: : :∧|: : :.:.|: :|　 　 　 ヽ:.|: |　ﾘ　　　　　　　 それもなくなれば銃、それもなくなれば剣と槍……ってね。
　　　　　|: : : : |: :.∨: : |: :/､l∧: : :.|: :|　　　_ ,.ｲ: |: |
　　　　　;: : : :.:|: : : :､: :j:/: : }ー＼__〉｣　　 ｀/: |: :|_｣　　　　　　　　　 私たち科学者は、時代が求めるそれを作るだけ。
　　　　 ,: : : : :,: : : : : :､/: : :ﾑ 　 　 ｰ,､＿__,': /｀¨
　　　　/: : : :/: : : : |: : :＼: : : }--.､　{:＼: : :, '　　　　　　　　　　　　　ノーマルでも、戦車でも戦闘機でも。
　　　 ,: : : :./: : : : : |: :/⌒＼: :≧=-､|-､:）:ｲ
　 　 /: : : /: : : : : /イ乂匸乂＼ー-:ﾑ､ ヽ: }､
　　,:': : : /: : : : : ,: {／￣￣＼乂＼_∨:ﾊ_}ゝ: ヽ
　, : : : :/: : : : : :/:/ 　 　 　 　 ＼　ー乂:_}＼＼:}
./: : : :/: : : : : :/:/　　　　　　　　 ＼　　{从　 ｀ヾ､





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒｚｚｚｚｚｚｚ ､　　　　　　xｚｚｚｚｚｚｚ.､
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∨ﾊ　 　.Ｖﾊ＿＿＿ / ＼＼ 　 ＼＼
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 . /∨ﾊ　 　 l/!: : : : : :/ : ､　＼＼ 　 ＼＼
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／ /:/Vﾊ＿_ノ/}: : : : : : : : : :＼. ＼＼___ﾉ ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　 　 / : /:/: : ＼_____.ノ: :ヽ: : : : : : : : :‘.　 ≧=≦
　　　　　　　　　　　　 　 　 /: : :}/ : : : : : /:./|: :V人 : '. : : ' : : ∧
　　　　　　　 　 　 　 　 　 /: : :/: : :{斗//}:/¨|: : ヾ{:.＼{: : : |: :/人
　　　　　　　　　　　　　　/: : :/: : : :|:./}'xz!_　Ⅵ: :|V{=ミ､ : :!: : : }ヾ
　　　　　　 　 　 　 　 .／: :／:／} 八{ 《 込ﾘ｀.人:{　ｚｘ:ﾄ､Y:|: :|: :|　　　　　　別に君たち、世界を救いにいく訳じゃないんだし。
　　　　　　　　　　　／ /／:イ: : :|ヾ:{ヽ　　　　 　 ｀弋ｿ》'}:从: |､人
　　　　　　　　　 ／:／/: : :{: : : :弋_＼　 　 　 　 ' 　 .〃 : /}/　ヾ:{　　　　　　大して世の中は変わらないよ。
　　　 　 　 　 ／:／　/: : :八: : /: : {:}ヽ　　｀　 -　　イ: : :/ /
　　　　　　.／:／ 　 /: : :/: : ∨: : : |＼ ＼　 　 . ＜ﾉ／ﾊ　　　　　　　　　　　　私も、ちょっと面白味がなくなるってだけ。
　　　　　 /: :/　　 ./:_:_:/:r_､:_:∨: : |　 ﾊ　＞.ｆヽ_: /: : /{
　　　 　./: :/　　〃´　　＼弋　∨: :∨ﾉ |　　{　ﾊ》{ : /八　　　　　　　　　　　　　
　　　　/: :/　　/,′　　 　 ∨ﾊ. ∨: :{/　! 　 |､,' |〉|: :|_:_:_:}
　　　./: :/　　/:,′　　 　 　.V〈.　ヾ:人　|ヽ　 .{ヽ〉､:人　　ヽ
　　 /: :/ 　 ./ ,′　　　　　　ヾ{ー '}: : :ヾ　　　∨　＼ﾊ　　} '.
　　.{ : { 　 ./:./　　　　　　　　　＼　＼:.人　　　 ＼　.{: :ヽ ﾊ |

5670： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/13(木) 21:33:45 ID:XDpSd4QU0

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　　 　 　 　 　 　 　 |:.|:|:.:.:|:.:.|:.:.:|｀:.ﾒ､|:.:.:.:|:ﾅ:.´:.ｉ:ｌ:.:.|,へ.|:.:.:.:.:.|
　　　　　 　 　 　 　 |:.|:.|:.:.',:.:.|:.:.:|:.:.:|:.|:.:.:.:.!.||ヽ:.:ヽ:.:.|:.:.:.:|:.:.:.:.:.!　　　　　　　　　はえー、意外やな……。
　　　　　 　 　 　 　 |:.|:.|:.:.:.',:.ｲ伐≠ﾐｌヽ:.:.:.|.芹万サｲ:.:.:|:.:.:.:.:,'
　　　　　　　　　　　 |:.|:.|:.:.:.:',｀.弋z_ｿ｀　＼:| 弋zｼ./|:.:.:.:|:.:.:.:,'　　　　　　　　　　てっきり「コジマ以上のヤバイの見つけてやるー」
　　　　 　 　 　 　 　 ',:.|:|:.:.:.:lﾍ＼/l/l　　　 ヽ/l/l /:|:.:.:./:.:.:./
　　　　　　 　 　 　 　 Nヽ:.:.:.:|:ヽ、 　 　 ′　　　//|:.:./:| :./　　　　　　　　　　　　くらい言うかと思うとったで。
　　　　　　　　　　　　 ＿ヽ:.:.!､ヽ:＞ 、 .っ 　 ,イ/:.:|:./:/:./
.　　　　　　　 　 　 ／::::::::::ヽヽヽヽ_ヽ|＞..＜┬┤/://／
.　　 　 　 　 　 　 /::::::::::::::::::::ヽ | |:::::::|:::::::::::::||.|/｀/_/＿＿＿_
　　　　　　　　　 / 、::::::::::::::::::ヽヽヽ:::::::::::＼ Ⅶ:::::::::::::::川:::::::::｀ヽ、
　　　　　　　　　/へ ､＞＜:::::::::ヽヽゝ:::::::::ヽヾ }{:::::::::::://.|::::::::::::::::ヽ、
　　　　　　　　 //;;;∨　｀ヽ､｀ヽ、｀:´:::::::::::::ヽ<≠,':/:::く__/::::::::::::::::::/ ゝ
　　　　　　　　 ∧ヽ;∨　　　｀ヽ､/:::::::::::::::::::ヾ≠/:::::::::::::::::ヽ:::::::::::/ /
.　　　 　 　 　 　 ヽヽ;∨　 　 　 ,':::::::::::::::::::::::::ヾ､/:::::::::::::::::::::ヽ:::/ /
.　　　　　　　 　 　 ｀ヽ∨　　　　',::::::::::::::::::::::::::::}ヾ ﾍ::::::::::::::::::::ヽ/.!
　　　　 　 　 　 　 　 　 ',　　　　.ヽ::::::::::::::::::::::::::ヾ､ヽヽ::::::::::::::::::::}. ',
　　　　　　 　 　 　 　 　 ',　　　　 .ヽ::::::::::::::::::::::::/:〃,'::::::::::::::::::::::ｉ　',
　　　　　　　　 　 　 　 　 ',　　　 　 ',.、:::::::::::::／::///:::::::::::::::::::::,'.　 ',
　　　　　　　　　　 　 　 　 ', 　 　 　 ',｀:::::::::::::::::::/ｲ.ヽヽ:::::__::イ　　　',
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ',　＿＿　',::::::::::ヽ､::// ヽヽ_::-:::::::| .　　　',





　　 　 　 ／／　o　／　／: : :|:.|: :| : : : : : : : : ＼: : :ヽ
　　　　　{ /ｲ　　／ 　 /: : ': : {∧:.{: : : ､: ､: : : : ､＼: : : .
　　　　　乂＿／　 　 ': : : |: ::/{: :､|T＼{￣＼:､: :.＼＼:.ﾑ
　　 　 　 　 　 　 　 /: :.| : |:,ｨ　∨: :| ｨ芯芹　|｀＼＿_:_＼:.
　　　　　　　　　　 /ｲ : | : |: | ,.tｫﾐ:_}　ゞ-ﾟ'　/: : : :| }: : ;: : : :.　　　　　　　　　　　　見つけるのが私かは分からないけど、
　　　　　　　　　　　 |:.:.:|': :Ⅵ{泌'　　　　　 /ｲ : : /ｲ: :/: : : : :.　
　　　　　　　　　　　 |:.:∧: : ム　　' 　 　 ,　 ムイ: : : :,: : ＿: : : :　　　　　　　　　　　いつかは似たようなのが見つかると思うよ？.
　　　　　　　　　　　 |/　 ＼＿ﾑ　　ー　　　 ／,': /:./'´　 __＞､_:＼
　　　　　　　　　　　 '　 　 　 |: : :＞　　　 ／　/:.,: :/　　 ´　　　　 ￣｀ヽ　　　　　　 そうやって歴史は繰り返すってワケ。
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |:|: : |: : : :｀¨} ／,':./:ｲ　　　　　　　＿＿_　 }
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |:|: : |: :/ {ヽ.|{l∨:/イ|　　/　　 ,ィ//ﾑ ､/＼'　　　　　　　夢のない話だけどね、繰り返しだよ。滅亡の瞬間までね。
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |:|: :.:∨: :{! /ｲ/:/-､ j ／　　 /// //　 ｀ ＜_
　　　　　　　　　　　　　　 　 从: :./: /イ　｢{: ｲ　/　　　　 {// //　　　　　　｀ヽ　　　　
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5671： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/13(木) 21:50:07 ID:XDpSd4QU0

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　　　　　　　　　 　 「¨/)¨¨¨l|　　　　　　　 ／|:从{　　　 ´　　　 　 　 ノ : : /:| : ll : : |///l/////l
　　　　　　　　　　　|/ /　　 l|　　　　　 ／／人　ハ　､ 　　　　 　 ／ : : :/:ノ: : ll : : |///l/////l　　　　　私たち科学者は時代の奴隷。
　　　　　　　　　　　l' γ￣__ﾌ　　　 ／´ ／:/: : : : :∧　　- ´　＿ ノ_､¨∨ { : /ｌ: : : |///l////ノ
　　　　　　　　　　 / ´ r⌒ヽ|　　　( ( ／ : / /¨l ￣/ ` - =　７　「ニニ　∨:/: :ｌ: : : |-----＜　　　　　　 どんな技術を生み出しても、
　　　　　　　　　　{　、　r⌒ )　　　 ＞- 、l /　 ﾚ ´　　＿＿/　 「 y￣　 　l ヽ :l: : : |///////ヽ
　　　　　　　　　　}　 `　ィと」　　／　(_γノ_／ ,.　 -=-　＜　／ﾚ : }　　　 l　 ＼: : :|///ヽ////}　　　　　　使うのは時の為政者。
　　　　　　　　　　l　　　}　　 ／ ＞ ´　￣￣ ´¨ ￣ 　 ＞、 ( : : ／八　 　 ﾄ,　　 ＼|////ﾉ///ﾉ
　　　　　　　　　　l　　ィ　, ´ r ´　　　　 ﾆ≠-　　　／　 　 `( y ) l　 「=- ´ l　　 　 ＼ //////　　　　　　　 ま、テキトーにやってくよ。
　　　　　　　　　 「￣ 「「]　　{　　　　　　 -=　　　,'　　　　　 ( y ) {　 「」|　　l　　　　　 }/////
　　　　　　　　　 |　　 l l |　　',　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ( y ) }　 「」|_　ｲ　　　 　 八///
　　　　　　　　　 ¨l¨¨¨「 乂r込　　　　　 　､　　 li　　　　　　 Yｨ /　 　 |　　'　　ヽ ／ :∨/
　　　　　　　 　 　 l　　',　　l//个 、_ ,.　　　＼　',　　　　　ノ/ } ゝ＿r.-}　　 ' ￣「 : : : : :,
　／　￣ =-　,　　 l　　　,　7￣ﾉ　　　　　　　 　 ->=-　 ´　L 」 ﾉ : : l　l　　　',__」: : : : : : :,
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篠ノ之はやけにあっけらかんとしていた。
自分の掲げた目標は、彼女の研究の多くを否定するものだったはずだ。
だが、方針が決まった時も、彼女は大して反対の声を上げることはなかった。

「しばらくはまた、面白いなーって思えるもの探し。
その間は為政者たちに良いように使われてるよ。
……ま、とりあえずは代替エネルギー問題で引っ張りだこじゃないかな。
世界はひとまず再生へと動く。その間は、私も世の中復興委員会の一員だね」

篠ノ之は淡々と告げる。
そういう風に聞かされると、科学者というのも如何ともしがたい立場なのだと
思わされた。

彼等は技術を生み出す。その技術で人が救われることを望む者もいれば、
憎き民族を一人でも多く殺したい一心で研究に励む者も中にはいるだろう。

ここにいる技術スタッフたちの知識が、平和を形作るために使われるよう祈る他
ない。
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5672： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/13(木) 21:50:21 ID:XDpSd4QU0

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5673： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/13(木) 22:08:08 ID:XDpSd4QU0

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　待　ま　食　　　　　┌─≧.　　　　　　|---∩　 Y⊇ﾉ__ハ　　ヽ .!　　　　 ∨/
　た　で　 う　　　　　 j　　　　　　　　　｛￣￣　)　 └｛__厂　 　　　 　　　　　| /
　せ　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　|　　　/　ヽ、＿/　　＼ ﾌ　　　　　　 ∨/
　ろ　　　　　　　／　　　　　　　　　　　 乂＿_j　　　　 !　　　　 ﾉ　　　　　　　 | /
──────┘　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　/　　　　　 〆　j
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｡s≦三三三三三三≧sﾙzzzzzﾙ≦| ￣ - - - - -
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|三三三三三三三三三三三三三ヨj ラ= = = = =
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|三三三三三三三三三三三三三ヲ　∠__＝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|三三三ｦ￣￣￣￣￣￣￣￣￣　＝＝＝＝＝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|三三三j! / //／　≡≡≡≡≡≡　　─　-

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医務室の引き戸を開けると、そこには見知った顔がごった返していた。

診察台に無遠慮に尻を置き、一心不乱にカップラーメンを啜る間を、
みんな一堂に会して見守っていた。

隣で立ったままの牧瀬が、バツが悪そうに苦笑いしている。
この上なく奇妙な光景だった。

なんと声を掛けたらいいか決めあぐねていると、間が咀嚼していた麺を嚥下し、
うっとうしそうに口を開く。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5674： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/13(木) 22:20:42 ID:XDpSd4QU0

　　 ~￣ ー-　　　　　　　　　　厂
　　　　　　　　`,つ　　　ｰ=一
　　　　　　　　( 　 　 r―一　　　　　　　　　 ､_＿
　　　　　　　　　￣） |　　　　　　　　　　　　　,＞　二ﾆﾒﾄﾍ、
　　　　　　　　　　{._ l　　　　_　　　　　　 ｰイ　　　`Z:::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　}l.＿｣｣ﾉ}　　　　　　　 〃ｨrﾍﾊ気ﾒ;:::::::::::::::　　　　　　　　　　　　　――ふー。
.　　　　　　　　　 　 ~￣77/＿　　　　　　　　l _　　ｷ　〉::::::::::::!
　　　　　　　　 　 　 　 f′ ,＝'　　　　　　　〈_　｀　ｷ　ﾚ‐;::::::ﾉ　　　　　　　　　　　　　真壁氏の薬はそこ。
　　.　　　　　　　　 　 /　ノ　　　　　　　　　　/　　　　 Σ::::く_,
　　　　　　　　　　　 /　f　　　　　　　_ -r一/　rﾍ.￣〉-―-<　　　　　　　　　　　　　　長谷川サンの分はそっち。
.　　　　　　　　　　 / 　 !__　 　 　_／/ ,ﾑﾉ´/´　 |／　　　　 ＼, v‐y―z'⌒ヽ
　　　　　　　　　　/　　 |　 ﾒ^'￣l　 /　　{／　　　　　　　　　〆　 　　＞'´￣`<　　　　ディランディ少尉用の薬はコレ。
　　　　　　　　　　|　 　 ﾄ　　〉　　　　　 i′　　　　　　　　　　　 　 ／　　　　 /
　　　　　　　　　　L_＿ﾉムノ一ｰ-f　　/o　　　　　　　　　, -一>'　　　　-=ニ　　　　　黛君、持ってってやってくれ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;　 /　　　　　　　　 イ´　 ／　 -=ニ
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　 {　　　　　　　　　/　　/　 ﾉ´　　　　　　　　　　　　……衛生器具もいるか？　生憎切らしてるが。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　ﾉo　　　　　　　 /　　 lf　/
　　　　　　　　　　　　　　　 　 〈 　 /＿＿__　　　, ィ′　　|巛
　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__ノィ7///////＞､ 　 |
.//////////////////////./////////////∧ノ
ｌ//////////////////////|/////////ﾚ'///ハ
|//////////////////////|/////////|/////ﾊ
|///////////ム/////////|/////////|////ﾑ'
|////////√｀^ ￣￣￣￣｀ !/////////｢￣
|////////ｆ 　 　 　 　 　 　　|/////////|
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　　　　　　 　 　 |.:.:.::.:.:.:.::.:::|:::::::j::::::::::l::::::::::::::.:.::::j::::l|:::|:::|:.:.:::.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:|
　　　 　 　 　 　 |.:.:::.:.:.:.::.::::|:::::/|:l:::::::j::::::::::::::::::::/::::ﾊ::|:::|:.:.:::.:.:.:.::.::.:|.:.::.:|
　　　　　　　　　|.:.:.::.:.:.:::::::::|:::/ .|l::::/j:::::/::::::::::/l:::/ |::j:::|:.:::::.:.:.:.:::.::.|::.:.:.:|
　　　　　　　　　|.:.:.:::.:.:.:::::::::|/―l |:|‐l::ｲ:::::::::/'//―/‐リ::::::.:.:.:.:::::::|::::::|::l
　　　　　　　 　 |.:|::::::.:.:::::l:::ｲ<'Tｱﾘﾌ' /::::／ /´<'Tﾗﾜｱ::::::.:.:.:.::::::::l:::::::ﾄ､'､
　　　　　　　　 j.::l::::::::::::::::ﾄ::l　｀￣´　'´　　　　　｀￣´/:::::::::::::::::::ﾊ::ﾄ､::l　ヽ
　　　　　　　　/:ハ:|::l::::::::::|ﾄ､　.:::::::　　}　　　　.:::::::: //:::::::::::::::::/|:|＼l｀`　　　　　　　　　　いりません。
　　　　　　　 /'　　lﾄ､l:::::::;:ﾘヽ　　u. 　丶　 　 　 　 /ｲ::/:::::::/::/:|::|::::::ﾄ　　　　　　　　
　　　　　　 　 　 　 ヽヽ､::ヽl:|::＼　　 　　　　　　 　 /:/:::::::/:::ﾘ:::|:::|::::::|　　　　　　　　　　　「そうか？」
　　　　　　　　　　 　 　 j＼ヽ:::::::｀:.､　 ￣￣｀　 　 /ｲ:::;ｲ⌒ ﾒ､::|:::|::::::|
　　, ﾍ　　　　　　　　　 j::::|j.:.::::::/:::;:ｨl丶　　　 . イ/　'´,::l⌒f　||::|:::|::::::|
　/l　|:l　　　　　　　　 /:::::ﾘ.:.:.::y.:'.:/:::l 　｀　´　 　 ／:::::j⌒j|　||:＼:l:::::::|　　　　　　　　　　　……いりませんったら。
/.::|　|::.l　　　　　_, 　 -‐'./.:.:.::/.::.:/:::::::＼ _,,...-::'´::::::::::/⌒.||　||:::.::.｀::.:.､|
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　　　　　　 ／: : : : : : : ;｀ヽ.､
　　　　　 ,: : : : : : : : : : :: : : :＼
　　　　 ./.: : : : : : : ; : : :: : : : : ::ヽ
　　　　│: . : : : : l＼ : : ∧:l､ : ::,l
　　　　│: :: :: l､:ﾒ､,,_ヽ/／.!ｌヽ;::i　　っ　　　　　　　　だーもう、先生っ！　何回禁煙だって言わせるんですか！？
　　　　│ : : : ﾚ　　　　　 ,＝l:;::::!　　 っ
　　　　│: :　;: l. =＝=　　　　ｌ;;::l　　　　　　　　　　　あとそれセクハラですよ！　言い訳不可能レベルの！
　　　　 l: :;: ;: : :!　 (⌒ ﾞ⌒}／:::::!　　　　　
　　　　 !､: ::::: : i_　ー-‐＜: ::::::::::!
　　　　.i:::::／ｌ:::::! ＼}lo|l/ i:::::::l＼ｌ　　　　
　　　　／ｌ　 ｌ:::.! 　　.[] !､ !::::!　 /＼
　　　/:::::::＼ ｌ::.!　 　ﾉl　　ｌ:::!／:::::::::ｌ　　　　　　

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麺を啜る音が落ち着いたかと思いきや、一気に姦しくなった。

ディランディ少尉と真壁が困ったような笑みを浮かべ、
ハセガワが腹を抱えて悶えている。

牧瀬から背中に張り手を食らい、呻きつつも、やっとこちらに気付いたようだった。
軽く手を挙げて挨拶してくるので、はやてと一緒に頭を下げる。

どうやら皆、各々の薬を取りに来たようだった。
ディランディは最初の暴動から黛を庇った時の銃創の薬。
真壁は持病の薬。ハセガワは何やら生活習慣病らしい。
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5675： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/13(木) 22:33:54 ID:XDpSd4QU0

　/ /l l　',　lヽ　　　　 ヽ＼　　　　　　 ＼ヽ
　l　l l l　.l　l_l　l　　　　　　　　　　　　　　　',
　l　 .l l　　 l l　l　　　i　　　　　　　　　　　　 i
　',　 l ﾄ､　 .l ', .l i　　!　　　　　　　　　　　　 l
　 ' , l l ﾄ=､ ', ' ,l l　　　　　　　　　　　　　　　l
　　 y',',l〉ｨﾃヾｰl l　　.i ',　　､　　　　　　 i　 i l
-=ﾆ彡､ヽ¨　　/ｲ　 ./ヽ､ヾ､| ､　i　　　　l　//
　　　く ｀ヾ　　彡　/ノﾉ　｀　ヽl　l　　　 ,' /.lﾞ　　　　　　　　　よお、我らがエースのご帰還だな。メディカルチェックか？
　　　　〉｀　　／イ´(,ｲi　　　i　l /　　　// /
　　　　ヽﾆ=ｧ 　 　 i　',l　　 / .l/　　　/' /　　　　　　　　　　　「はい。明日に備えに来ましたお」
　　　　　<ﾞ'"　　　 .l　/　,.ｲ,.　　　 /　　 {　 　 ,}i
　　　　　 |¨　　　 ノイ-'"〆　　 ／　 ,　 ヽー' /　　　　　　　　リンクスってのも大変だねぇ。戦場出る度検査検査だ。
　　　　　 ヽ＝‐ﾆi　　　/　／イi　　 /i ヽ-､-'"
　　　　　 ,.-'"r'／￣￣|　／¨ﾞ|l　　/‐l lヽ l　　　　　　　　　　　
　　　　／_ ／|| |￣￣¨|/￣二'-‐'"-'-'-､}!
　　　/￣//　,|| |　　　,.-'"´　　　　　　　　｀ヽ、
　　 _i　 トト-/jj ',___／　　　　　__　--　　-　､ ヽ、
　 / .L=' l___l/ヾﾆ/ﾆi　　　,.-'"　　 ＿　　＿　｀ヽ!
. /　　　∧三小／　 〉 .／　　_,.-'"　　　　　 ｀ ヽ1
.j ＼　 ///　 /　　 /／　　／　　　　　　　　　　　ヽ





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||||ｲ|ﾊ||||ﾘ　 '　　 '　　｀　"}/ !||||||||||＜
|ｲ　ﾘ　|/　　　、　　　　　　　 |/||||￣´
||　 '　　　　 ＿_≧ｭ、　 ＼　　　|||}
||||,,=＝≡冖三三三三> ノ ＿__|ﾘ
||; ;　　 　 　 {三三（　ﾉ||冖{三__ｲ
||: :　　　　　 ∨三三//} 　 !三__}　　　　　　　おう、俺も昔、実験部隊にいた後遺症でな？
||: :　　 　 ＼ヽ｀￣￣´　 　 ヾ三!
||;;;;;;;,;　　　　　ヽ＼＼＼　　 ヾ-'　　　　　　　　お互いキツイよなぁ、うんうん。
||;;;;;;;;; , ,　　　　　　　　　 　 　 ＼
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||;;;;;;;;; ; ; ; ;　　　　　　　　´　 T
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後で聞かされたが、ハセガワは血圧が高すぎるのと、他にも色々あるらしかった。

この辺りは自分にはまだ分からないが、大人の悲哀、のようなものを感じた。
こんな世の中だ。煙草も酒も、やりたくなる気持ちは分からないでもない。
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5676： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/13(木) 22:45:31 ID:XDpSd4QU0

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　　　　　　　　　　　 　 　　／⌒7.: / :/ ___|八:Ν 乂少　∨.: .: .:..∠ .: : .:/--/.:Ｘ|　　　　　　そうは言わはっても、酒の飲みすぎやろ？
　　　　　　　　　　 　 　 ／　　 /:／〉￣/| |.: .: |　' '　　 ／ .: .:.斗tﾐ.:.:＼/--/<／|
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　/ ／　| |.: .: |', 　 　 ⌒¨¨¨ く少　) .: :￣/.: .:∨　　　　　　 「う、はやてちゃんだって人のこと言えねえだろ」
　　　　　　　　　　　　＿_/⌒＼/＼　＿/｜: : |∧　 `　 _　'　' ' ＿彡ｲ..:.:/.: .: /
　　　　　　　　　　　/:::／|　　 /　　∨ //八 .: |::込　　　　　_ ⌒>:／ : .:/.: .: /　　　　　　　　 ざんねーん、私はちゃんと休肝日儲けとんねん。
　　　　 　 　 　 　 /／　｜　./　　_　-=７⌒ .:.:|＼ うTﾆ二 　　:／.:.:／/.: .: /
　　　　　　 　 　 ／　 　 ﾉ／ -=ﾆ／::::/／ ∧ |ニニニ／|　 ／　イ.:.:/|.:.:.:/
　　　 　 　 　 ／　 /　 ／/--／〈::::::::7　|:::| ∧＞--彡 /〕 ∧　　.|.:/ :j.: /
.　　　　 　 ／　　./　 /／___/:::::::::＼/　 〕::〕／_ ⌒＼　 /,/　 ＼_,|＼.:.:/
.　 　 　 ／　　　/／{／ )二{::::::::: ＿|　 /⌒＞'"￣／∨ﾟ￣￣￣/￣￣|
　　 　 〈　 ＼__/　 (_／ __).人::::::|::::人,/_>"　　 ／::::::: |.＼　　 〈（|.　　 |
　　　 　 ＼　　　　 |(／／ ).个::_|::::{　/　_____／＿＿/:〉ニ＼ 　 ＼____,|__
　　　　　∧　 　 　 |└(_／::::￣￣￣＼／:::::::>:::::::::::::: }:: ＼ﾆ＼　/＼＿__〕





　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ､
　　　 f: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.|
　　　 {: : : : : : : : : : : : :ヽ､: : : :ヽ: : ﾍ: : : t
　　　 }: : : : : : : : : : :{'"`ヽ}: : : : :ヽ: :.}: : ノ
　　　 }: : /: : : : : : i!: :）　 !: : : : : :ﾉ:,ｲ: :ヽ
　　　ﾉ: : !,.{: : : : : :!: ムｚｚ込: : :.ムｸ: : ノ
　　く: : : :i ヽ､: : : ﾉ`´,.ztｯ-　}j､:.}~ .}: :{、
　　 ヽ: : :ヽ　 }: ﾍﾄ､　 ::　''"　　'" ,/: { |}　　　　　　　　　　……すまないね、やる夫君。
　　　{: : : : ヽ !ト: :.}　　　　　　　 〉! '"
　　　i:::≧s｡|ヽ i　ｿ　　　, ,　__　 j､　　　　　　　　　　　　　我々の命運をかけて君が調整に勤しんでいるのに、
　 ,.ｨ'!::::::::::::＞ｘヽ、,　 <　t'"_ ﾉ.ｲ::::ヽ
ｨ'´::::::＞:::::::::::::::::`i __ヽ、, , , ,_,.人:::::::/　　　　　　　　　　　 こう、緩んだ雰囲気に飲み込んでしまって。
::::::::::::::::::＞::::::::::::::|':i:i:i:i:i:i~i~:i:i:i:i/:i:i:〈｀ヽ､
ヾ:::::::::::::::::::::＞:::::::| 〉:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:）::::::》　　｀ヽ､　　　　　　　「いや、気にしないでくださいお。嫌だとは思ってないし」
　ヾ::::::::::::::::::::::::＞:/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:!:::|'"
　　ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::ヾ､:i:i:i:i:i:i:i:i:i/i!:|
　　　ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::/:i:i:i:i:i:i:i:/　.i:|
　　　　!:::::::::::::::::::::::::::|}h，:i:i:i/　　.i|
　　　　 !:::::::::::::::::::::::::|　　}hく　 　 .|
　　　　 !:::::::::::::::::::::::::|　　　　 `i　 .|

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「ええやん、殺伐としとるよりずっとええわ。
みんなちゃんとお薬貰ったりできてて、ええことやないの。
最初の頃なんか酷かったさかいな」

はやてが感慨深そうにうんうんと頷く。

潜水艦で逃げ延びる日々の始まりに、自分は立ち会っていなかった。
ラズルシェニェに海面に叩きつけられて気絶し、目を覚ました頃には、
嵐は過ぎ去った後だった。

あまり想像したくもない光景だった。
それを思えば、この部屋の様子は状況の改善の証左とも言えるだろう。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5677： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/13(木) 23:01:12 ID:XDpSd4QU0

　　　　　　　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　　　 　 　 　 / : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
　　　　　　　　　　 ' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.',
　　　　　　　　　　': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.
　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',
　　　　　　　　　 {: : : : : :|: : : : : : : : :/: : : : : : : : : : :ヽ: :} : : : 八
　　　　　　　　　 |: : : : : :|: : : : : : : : ｉ : : ;ｲ:|;ﾊ.: : : : :.:.}: ﾊ_ : : : ﾐ＼
　　　　　　　　　 ', : : ｉ : :|: : : : : : : : | : / j:.|_,.}: : : : :.:.j/´｣_:|: :i: :ｉ　 ヽ
　　　　　　　　　　; : :i: :._|; : : : : : : : |:/￣|ﾉ_,,ﾘﾍ: : : :圻ﾘﾉ}:|: :|ﾊ|
　　　　　　　　　　i : j: :{　i: : : : : : : :代圻~ｿヽ　 ＼/`"　小:.:.|　!　　　　　　　まったく……ほら、二人とも。
　　　　　　　　　　}: ﾉ:八　i: : : : : : : |　｀¨´　　　　　 　 /:ﾉ: : :|
　　　　　　　　　　|/: : ::::ヽi::. : : : : : |　　　　　　　　,　/:::::: : : |　　　　　　　　　メディカルチェック始めるわよ。
.　　　　　　 　 　 /: : : .::::::::::::. : : : :.:.ｉ　　 　 　 　 　 /: ::::::: :.八
　　　　　　　　　/: : : .::::::::::::::::. : : : : :ｉ､　 　 　 ´’／ : : |:: : : : :.'，　　　　　　　　さっさと帰って寝たいでしょ？
　　　　　　　　 ,: : : : ::::::::::::::::::::. : : : 八.＞　,_ .ィ:::::::: : : |､: : : : : ::.
　　　　　　　　,: {: : :.:::::::::::::::::::::::. : : : :iﾍﾞ¨7气!}:::::::::: : |.:{ﾊ : : : : : ，
　　　　　　　　{: |: : :::::::::::::::::::ハ::. : : : i. ∨=斗|::::::::::. :.| :i人: : : : : '
　　　 　 　 　 -┴──…''"＼∧:::. : :.ｉ,/｝　 j!ﾄ､:::::::. :.|: :i.　＼ : : :}
　 　 　 　 /　-─-ミ　　　　 　 ＼:,::::. :.i　　 ﾉ圦::＼:: 人┴-ミﾍ: : |
　　　　　 j＿＿＿　　　　　　　　 ∧:::. :.!＼,j_j＼）::::＼: :＼　∧‘:.:|
　　　　 〃///////｀ヽ　＼　 :. 　 ∧:::. |＼ﾉ ヽ　　　　＼:: ＼∧ i:|
　　　　 {,////////////＼　 ::　.::: ∧:: |　 ＼人　　　:..:/＼:: ＼ﾉ′





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　　　　　　　　　　|::::::::::::l:::i:::::::l:::i::|.!__:::l.!:::::::/:;' .l::|rてﾞﾘ沁,｀ヾ!::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::',:::::::::::: ﾄ､::.',
　　　　　　　　　　|::::::::::::l:: l!::::::',:|二',::/ |::::/ /　.l/'　ﾏ泛刋　 |::::/:::::::::::::::::::::::::i::::::::',:::::::::::::', ヾ:',
　　　　　　　　　　|:::::::::::::',: ll:::::::',!.fて沁 ''"　 　 　 　 ゞ=''"´　,::/:::::::::::::::::::::::::::l:::::ii:::',:::::::::::::',　 ﾞ
　　　　　　　　　　|:::::::::::::::',::',､:::::',ﾑ マ込　　　 　 　 　 　 　 //i::::::::::::::::::::::::::i::ﾄ､::l:',::',:::::::::::::',
　　　　　　　　　　|:::::::::::::::::'.,:',:＼:', 　 ゞ'"　　 　 　 　 　 　 /''　|:::::::::::::::::::::::::ll:l::::';:l::ヾ;､:::::::::::',
　　　　　　　　　　|::::::i:::::::::::::ヾ:::::lヾ、　　　|　　　　　　　　 " 　 |::::i:::::::::::::::::::l.l:!:::: ';',.:::ヾ;,::::::::::',　　　　　ほら、ディランディ。
　　　　　　　　　　|::::::l!::::i::::::::::::::::l:::::.、　　 `　　　 　 　 　 　 　 |:: l!:::::::::::::::::l |l::::::::.';,.:::::::ヽ:::::::::',
　　　　　　　　　　!::::/';::::l!:::::::::::::::l:::::::ヽ　　 　 ､-‐　フ 　 　 　 .|:::ll:::::::::::::::://':::::::::::.';.::::::::::::::::::::'　　　　　顔が見られて嬉しいのは分かるが、
　　　　　　　　 　 l::/　.';:::ll:::::::::::::::',::::::::::＼　　　｀ﾞ¨´　　　　 　 .!:∥::::::::::::/|　|-､::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　 　 　 //　　 ';::ll ::::::::::::::',::::::::::::::::>.、　　　　　 　 ,,ィ///:::_,, イ´ |　|;;;;;〉＼::::::::::::::::::::::　　　　　 検査の邪魔はよくないぞ。
　 　 　 　 　 　 /"　　　 .';:!',::::::::::::i::',::::::::／!: 个..､ 　　 ,,ィ"　/' /:／|二|,l　l　|;;;/: : : ＼::::::::::::::::
　　　 　 　 　 　 　 ∧　　.'; ヾ:::::::::',､'､''" 　|:::::|:::::::i｀¨´'.,　　/　"´_,ｨ|二|;l ├‐'/: : :..:..| |＼:::::::::::
　　　　　　　　　　/i!: ',　　 ';　＼:::::',｀ヽ、　|:::::|:::::::l:::::::,ｨ.',　_,,ィ''";;;;; !:::::|;|__|.／: : : : : | |: : ＼::::::
　　　 　 　 　 　 /:i!: : :',　　　　　＼:', 　 　 |:::::|:::::::l: _/;;;;;｀´;;;;;;;;;;;;;;;;;.!:::::|;;／: : : : : :..:..| |: : : : ＼
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　　　　　　　　　　　　　　　　　,.‐ｙ'⌒Y⌒''⌒ヽ⌒ヽ､
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　　　　　　　　　　　　　{: :.:.: : : 〃ｊ:A:'、　 ｒ!､!≦ｌ:.:.:!: :. :.{: '､
　　　　　　　　　　　　　ヽl:.:/:.: :||ｧ弐ﾐ､ヽ、ﾍﾅｆｊﾊヽ|:.:.:.:.:}:.:､`ーｯ'
　　　　　　　　　 　 　 　 l|:.l l:.|:.||, {ｆﾊ` }ヽ!　 ┴‐クｨ:.:.ﾙi::､ `≦__,　　　　　　　　　バーカ、誰が野郎の顔見てはしゃぐかよ。
　　　　　　　　　　　　　 ﾉ!:.!:l:.|:.l「￣　ﾞi{‐ﾉ　　 ー ツ://ﾞ}:.:.:`:.┬'′
　　　　　　　　　　　　 ノｲ:.:〉〉ゝ:ﾐ=‐　 ﾞ} 丶　 ー＝ｯィ ﾉ: :.:.:.i､i　　　　　　　　　　　また後でな、坊主。
　　　 　 　　　　 　 ー=彡ｿ7:,:.:ﾊ｀¨´ ,__,,..　-‐ｧ　 ´,.／:.: : :!:.! |
　　　　　　　　　　　　 　 ´ {:.{､:.:.:ゝ　 ｀ﾞ､二¨´　　〃:.ｌ: :.ﾉ ﾙ' ﾉ　　　　　　　　　　　色々終わったらメシ奢れよ？
　　　　　　　　　　　　 　 　 いﾊ:.l:.:.i ､　　　　　 , '　ﾚﾉ: :.V
　　　　　　　　　　　　　　 ､ｒ'｀ ｿ:|:.:.l　＼　　 ／ ‐彳:.: :.､:廴__,　　　　　　　　　　　　隊の奴ら、全員おまえの財布を当てにしてるぜ。
　　　　　　 , -―-　､　　　_)ﾞ¨¨´l:.ド=-､ ￣　　　　l:.:.l:.:. i､:.≦
.　　　　　　ゝ::.::.::.::.::.:＼　ｆ　　　 ゝﾞ=- 丶　　　　 〃:.l:.l: ヽ｀''ｚ_
　　　　　　　 `'￢::.::.::.::.i‐'､　　　　　Z　 丶　　ーナくｊ/}:.:ﾉ　　 `ｚ,
　　　　　　　　／:ヽ::.::.::.::.::.ヽ　　　 　 Z　 丶　　｛　 ´ﾝィ　　　　　`ｚ,
　　　　　 　 〃::.:､::.｀::.::.::.::.::.:'､　　　　　L　　　　　　　　ヽ　　　　　　Z_
　　　　　　 ハ::.:､_ゝ-:､::.::.::.::.::.｀`ヽ　　　 {,￣｀ヽ　'´￣￣ 丶　　　　　Z,＼
　 　 　 　 ,' /ﾑ::.::.::.::.:ﾉ::.::.::.::.:＿_:_ｊ__,,..,　　辷ー'´￣￣`ー个　 _ｒ'^ﾞ"「　　丶
.　　 　 　 {/l !　｀Ｔ::´::ー一'´::.::ノ::.ノ:.ﾉｒ一ーﾍ　　　　　ｒ　/ハｆ 　 　､!　　　 ',
.　　 　 　 ｌ. | ､　　` ┬::.::.::‐::.'´:／／ (_）二i　ヽヽ　 　 ｛　/　l､ i二 ヽヽ　　‐へ
　　　　　 丶', 丶　　 `'ーー一个"￣｀Y 　　i　　l ｌ　　　|　 　 l l丶 ＼ｏﾞヽﾆニ　＼

5678： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/13(木) 23:06:50 ID:XDpSd4QU0

　ノ＿,､＿ノﾉ,,孑 / ノ
彡从毛乂乍ﾘｿミヾ壬ミ
从彳川少匕从彳ﾐ川少＜
毛仆卅从ﾐ从毛仆卅从彡
Ｗ从匕ﾐ弋幵Ｗ从匕弋乂
从乂lヽlﾐ＼卅从乂lヽl＼Wﾐ
从W毛彡厂''V'＼ '　 　 .∨
Ｗ从匕乂　　　　　　　　　',
从卞弋V'　　　 　 ',　 　 , -',
災什人.　　　 　 　 ', ii／少ﾐ}　　　　　　　　　さて、中年も下がりますかねぇ。
升入　　　 ｀ﾞｰ-=_ノ_,t壬昨ﾉ
ミﾐ______　_, -壬少ﾉ rxﾞ".rxl　　　　　　　　　　　またな、やる夫。色々終わってしばらくしたら、酒の味を教えてやるよ。
W　 　 .｀弋匕ﾐ少'　{　.', { .∨
/'　　　　　｀￣´　　_.',　.',.',　',　　　　　　　　　　「いや、はやてさんに教えてもらうから大丈夫だお」
∧　　　 　 　 rｘ　　.｀',　.',.',　',
. ∧.　　　 　 rﾞx X--‐'',　.',l　 ',　　　　　　　　　おまえなぁ……まぁいいわ、付き合えよ。
　　｀ｰ- ,_. 　 ＼＼ ＼/',　.',　 lヽ
　　　　　 ｀ｰ- .._ヽ ヽ ｀ｰ'　　　l ﾊ　　　　　　　　じゃあな。
　　　 　 　 　 Y´ ヽ　ヽ　　　　 l　＼





/: : : : : : : : :,: : : : : : : : : :＼: : : : : : ミメ、
: : : : : : : : : {::＼: : : : : : : : : ＼: : : : : : :.:|
: /: : : : : : :/~^^ヾ; : }: : : : : : :.:.':, : : : : :.:|
/: : : : : : 从　　　 ）人: : :ヽ: : : :.|: :.､: : :.乂
: : : : : : : : : }.　　　´　 ＼: :!: : :,人: :}: : : : : ミ
: : : : : : : : : }三≧＝=ァ/ヽ}: :/三从: : : : : :.〉
}: : : : : : :,人{ _,ｚrﾋ岱＾　　人｛ 赱　ヽ: : ハ/
: : : : : : : {　　` "´ ,..:'´　　　 ^∨~"　.ﾏ{　　　　　　　　　　　　　……すまないな、やる夫君。
: : : : : : : 乂_　　 　 　 　 　 　 / 　 　 从
乂: : : : : : : :.ヽ、　　　　　　　　　; ,　 {: :.',　　　　　　　　　　　　　自分の息子の世代に全てを背負わせるような、
:|　＼: : : : : : : :}　　　 ; ; ;　 , r‐ ｧ ;,　∨^
:≧s｡.⌒ヾ:从:.:!　　　　　／' ´こ　 .｝　∨　　　　　　　　　　　　　 我々大人を、どうか恨んでほしい。
ヾ: : :.:＼__　 .}/　　　 {:.　　　　　＿＿_/＿＿_
　ヾ: : : : :{:',　　　　　 ゝ 　 　 　 |::::::::::::::::::::::::∧　　　　　　　　　　「大丈夫ですって。それに、もう子供はやめましたから」
　　{: : : 从 廴_　　　　　; ; ,　　 .∨::::::::::::::::::::::∧
　　乂: : : :}　:::::::::≧=‐-.........＿,..入:::::::::::::::::::::::∧　　　　　　　　　　……そうだな。下手な大人より、今の君は大人だよ。
　　　 }: : /! . 　 　 　 ＿＿__ 〈::::::::∨::::::::::::::::＞''"￣￣￣￣
￣￣￣　∧　 　,.ィi〔:;:;:;/;:/;:;∧::::::::|::::＞''"
　　　　　γ:;￣/:;:;:{;:;:;:/;:;:;:;:;:;: ∧＞''"
　　　　 ./;:;:;:;:/;:;:;:;:{;:;:;从;:;:;:;:;:;:;:/

5679： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/13(木) 23:13:43 ID:XDpSd4QU0

　　　　　　　　　　　　　　　 _､
　　　　　　　　　　　＿､-､＿）＼
　　　　　　　　≦￣　　　　 ヽ　 ＞-､
　　　　　　＜￣　　　　　＿＿≦ヽ＜｀＼
　　　　 -≦　　　　　 　／:::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　 ／　　　　　　 ,'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　 　 ／ /　　　　　　､'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',　
　　'´ フ　　　　　　/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i　ﾉ/i /l　　　　　　　　さて、いい加減本題に入るとするかね。
　　 / /　　　　　/:::::::::::::::::::ﾊ:::/|::::ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::://:/　/
　　Ⅶ　/　　　 ﾉ:::::::::::::::::i:/ .|/ .i < ﾚ´|:::::r-､::::::::::::::::/／/　　　　　　　牧瀬君、準備頼む。
　　 / ｲ　　　 /ｲ::::::::::::::::ﾚ ニ三' ､￣ﾉ:::/ ｊ i::::::::::::::::::::::/／
　　 V |　/　 ,　 |:::::::::::::::|｀､´､ヱソ ./::::.i i} /::::::::::::::::::／ノ　　　　　　　　……時に、小僧。
　　　　|∧　 i　 |:::::::::::Ⅳ　 X　　　　{::::/　ノ:::::::::::::::::::彡
　　　　V∧ .ﾊ　i:::::::ﾊ:i/　　　Ｘ　　　 Ｖ ノ /r―- --＜
.　　　　　　Vハ ﾊ;:::|､Vヽ_＿ ,　X　　／／/::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　 　 Xハ/ﾚ:::::::ヽ､　　　　 ＜／ゝ/::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　/:::::::::::::::::::::::::::::ト- イ/／ハ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::





　　　　 ＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼　　　　　　　　なんですかお、改まって。
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
＼　　 ⊂ ヽ∩　　　　 <
　 |　 |　 '､＿ ＼　／　 )
　 |　 |＿＿＼　 “　 ／
　　＼ ＿＿＿＼_／





　｀ ､　　,:i　　　/i　　　　／　　　　/　/　　　　//　　 　 i　　;;;;;;;;;;;;;;;;;i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ト;;;
、 　,:　 ,:i　　 ./ i　　 　/ｹ　　　　/　/ 　 　 / / j　　 　,;i i ;;;;;;ii;;;;;;;;;;;i;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
冫 ,: 　 i i　　/　i　　　/ /　　　 /;;;;7　 　 /: :/ /　 　 ,; 　i ;;;;;;}i;;;;;;;;;;ｊ;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;i ;;;;;;;
　 ,:　　i .i　　i　 i　　 / /　　 　/ヾ/　　 ./: :/ /　　　,;,.,. i　;;;;/ﾐ;;;;;;;;/;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;i　;;;;;;;
t ,:　　.i　i　 i　　i　　匆i　　　/　 /　　 /: : / /　　　/三i 　;/=i;;;;;;/:;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;i　;;;;;;;
.i,:　　 i　 ', .i　 　i 　 i　i　　ィ午/　　:/ : : :/ / 　　/　 /　i:/　ｊ;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i　;;;;;;;　　
j ',　　i 　 ', i　 　', 　i　i　　 i　 ｛　　/　: :/ / 　 ／ﾐ㍉　 从彡;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/i;;;;;;i　;;;;
　＼　j　　',i　　　', ..i　i, 　　i　 i 　/ 　 / /　 ／i 　 ./　/ /:／ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/　｝;;i　;;;
"'''　　　　　　　　　',i　 ',　　i　 i　 i 　 .j/ ..／ 　ik　/　/ ／ ,;';';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/　;';;　,;'
~""'''　‐-..,,　　　　　　　', 　i　 i　i 　　/／: : 　 i ｷj／ 　 . / ;; ;;;;;;;; ;;;;;;;/ミ ;';;　　　　　　　　　――良い目をするようになったな。
三三ﾐﾐ　 j　　　　　　　　', ..i　 ', .i　: : : : : : :　　i　ｷ　 　 /;; ;; ;;;;;;; ;;;;;;/三;';;
三三ﾐﾐ　.'　　　　　　　　　', i　　',i　;,;,;,;,;,;,;,;,;　　i　キ　 /;;; ;;; ;;;;;; ;;;;;;/三,;';　　　` ､　　　　　　今のおまえみたいなタイプは嫌いじゃない。
三三ﾐ　 i　　　　　　　　　　　　　　'ﾐﾐ;:;:;:;:;:;';';';';''　 キ /;;;;　;;; ;;;;;;;;;／三三三　 　　` ､
三三ﾘ　i'　　　　　　　 ,,　　　　　　　＿　　　　　　 , ;';;;;;　　　;;;／三三三三三　　　　　　　　 座れ。明日は最高のコンディションで出撃させる。
三三ﾘ　i'　　　　　　　　""'''　‐- ．..,,　___,.　　 　,;';';;;;／　　　　　　　　　三三
三三　 i' ＼　　　　　　　　　,,,,,,,,,,,,,,,,,,　　　 　 ｨ午　　　''　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 医者の端くれとして、しっかり診てやるよ。
三三　.i'　　.＼ 　　　　　　　　　　　　 　 　 ｨ午三三三三三三
三三　 i　　　　＼　　　　　　.　　　　　 　ィ午三三三三三三
三三　 i"'''- ._　　　 ､　　　　　.　　　／ i三三三三三三　　　　　　三三㌣
三三 　i__,,...　　"'''　　　""'''‐-　.. ／ 　 i三三三三三三三　　　　三㌣''三
三三;　i　　　~""'''　"'''- ．._ , '"__,,.. 　'''""~　　"'　及ヱ三三三三㌣三三三三
三三;,　i_,.．-'''"'''- ．._ヾ　ｷ y三ﾘ　　__,,.. ．-‐　'''- ．._　`㌧三三㌣ 三三三三三三

5680： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/13(木) 23:13:59 ID:XDpSd4QU0
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5681： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/13(木) 23:16:03 ID:XDpSd4QU0
今回はここまでだ。

次回は来週の木曜日……にしたいんだが、ちょっと病院に行きたい。具合が悪いところがあってね。

とりあえず、暫定で水曜日、4/19午後九時からとする。

残業で遅れる場合は、こことTwitterでお知らせするよ。

シーユーアゲイン。ちょっとずつでも進めていこうと思っている。ラストまで少しだからね。

5682：安価のやる夫だお：2023/04/14(金) 00:09:55 ID:50zLOVOw0
乙でした

5683：安価のやる夫だお：2023/04/14(金) 05:46:55 ID:ExuEY97k0
乙

5684： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/14(金) 16:11:12 ID:GbmDVG6M0
ハロー。モコイさんだよ。

水曜日と言った早々、ちょっと投下できなくなってしまった。
やはり木曜の夜からとする。よろしくね。

5685： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/20(木) 21:01:06 ID:M6/aWOks0

　　　　／||ミ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|　　　　　　　　　スレを始めたころはギリ十代くらいだった気がするが、
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,　　　　　　　　　モコイさんももう二十代後半だ。肩とか首とか腰とか痛いね。
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|　　　　　　　　　 病院の世話になる機会も増えた気がする。
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,　　　　　　　　　 こんなになってまで生きてる理由ないんだけどねえ。
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|　　　　　　　　　やっていこっか……
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´

5686：安価のやる夫だお：2023/04/20(木) 21:02:39 ID:fC5w/q/w0
ハロー

5687： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/20(木) 21:19:50 ID:M6/aWOks0

　|　　　　　　　　 .|　 |　　||　　　　　　　　　　|　　 ／　　　　／
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　　　　 |: | : : |: :{下ﾐ |/: :／=ﾐV: ｲ :/==/: :/: |
　　　　 |:ハ: :从:| Vﾘ/:／　ん 圷, :/: : /: :/: : | 　　　　　　　　――お互い、丈夫な体で何より。
　　　　 |'　∧: : :} '' , ´ 　 　Vzﾂ/ｲ: : :ﾊ:./: : : |
　　　　　　　 '.: 人　､ 　 　 　 '' ／ : ｲ'ﾉ/: : :l :|　　　　　　　　 きみのコジマ汚染耐性が人より高いんは知らされとったけど、
　　　　　　　　 ＼:＼　￣　　／: :／: : / : : : : |
　　　　　　 　 　 /＼ : ￣}／: :,イ/: : /: : : : :|: :､　　　　　　　　 そないに頑丈とは思わへんかったわ。
　　　 　 　 　 　 ／⌒＼/:イ､,.-/: : /: : : : : :|: :|ﾊ
　　　　　　　　 /　　　 　 V... } /: : ｲ: : : : :l: :|: :|.∧
　　　 　 　 　 /　　　 　 　 V.V: ／| : |: : : l: :|: :|　∧
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　　　　 　 ＼...........................}.../..∧　 <,介､> ,......|イ　　 .
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　　　／_ノ 　 ヽ_＼
　 ／（ ●）　（ ●）＼　　　　　　いや、はやてさんは幾らかC判定出てたじゃないかお……
／ ::::::⌒（__人__）⌒::::＼
|　　　　　　 ￣　　　　　 |　　　　 次が最後の戦いでちょうどいいくらいだお。
＼ 　 　 　 　　 　　 　 ／

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人気もまばらになってきた廊下を並んで歩く。

AMS接続の負荷の測定やコジマ汚染の影響の検査、
その他諸々も含めてみっちりと検査されていた結果、
気づけば時計の針が夕方の時間帯まで回っていた。

最後の戦いを前に、間なりに気合を入れたのだろう。
ちょっとした人間ドックを受けてきたような気分だった。

結果として、自分はほとんど問題なかった。
中途半端なAMS適性で無理やりマーシフルを動かしてきたツケがあるもの、
と覚悟はしていたのだが、実際はそれほどでもなかった。

「マーシフルの駆動と意識のリンクがこなれてきたのかもしれない」と、
AMSを専攻していた牧瀬は語っていた。

メインフレームを変えずに乗り回していった結果、
意識的に負荷の少ない動かし方が出来上がっていったのかもしれない、と。

ACというのはアセンブルが自由というのが売りの兵器だ。
武装はもちろん、フレームや内臓パーツを任務や環境に合わせて
頻繁に変えるのが常である。

それを大して行ってこなかったのが、恩恵として出たのかもしれないのだとか。

本当の意味で、マーシフルは自分のネクストになってくれていたのだ。
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5688： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/20(木) 21:34:35 ID:M6/aWOks0

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　　　　+　。　／ ＼　　／＼　ｷﾘｯ
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　 l　　ACFAのローディー枠 　/
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コジマ汚染に関しても、前々から聞かされていた通り、持ち前の頑丈さが
発揮されていた。

将来的な健康リスクは大いに考えられるが、現状で健康を害してはいないらしい。
近年稀に見る耐性の高さだそうだ。
アサルトアーマーを多用する割には、影響はかなり小さいと間も言っていた。

AMS適性のハンデもかなり解消され、コジマ汚染の影響も少ない。
まさしく万全としか言いようがない状態だと二人とも自分のことのように喜んでいた。

アマツが破壊され、ずっと逃避行を続ける中で、マーシフルのリミッターを外すという
提案がないわけではなかった。もちろん、それは今回のブリーフィングでも
持ち上がった。

だが、結局は却下された。

「リミッターのかかったマーシフルに搭乗した入束やる夫」が、
戦力的に十分なものであると判断されたためである。

下手にリミッターを外して、早々に廃人になられては、そっちの方がリスクが高い。
あの非人道的な意見をぽんぽん出す篠ノ之すらそう言ったほどだ。

この辺りは、鍛え上げてくれたなのはたちに感謝するほかない。
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5689： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/20(木) 21:46:14 ID:M6/aWOks0

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　　　　　　　　　　　　 /: : : /: : :ｨﾊ: ,': : : : : : :V : |: : /|'.
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　　　　　　 　 　 ／: :/ :/: : : |ィ＝ﾐ |∧: :/|:/|:|／|/: : |: |
　　　　　　　　／⌒Y: : : : | : |　　　 　 }:/ ｨ=ﾐ'|: : |: : : |: |　　　　　　コレステロール値とかは下がってたなぁー。
　　　　　　　　 　 　 |/|: |: |:从　　　　,　　　　 j: :ﾊ: : : |: |
　　　　　　　　　　　　 |: |: |:圦　　　__ 　 　 　 |/ソ: : : |: |　　　　　　「お酒の在庫なくって強制禁酒だったからだお」
　　　　　　　　　　　　 |: |: |: : : :､ 　V::::ソ　　 人: |: : : |: |
　　　　　　　　　　　　 |: |: : : : : : ﾄ 　　　　＜: : : ,': : :/: :|　　　　　　 たはは。あー、シャバが恋しいなぁ。
　　　　　　　　　　　　 |: |: : : : : : |　 ｀´　 |: | : : /: : /: : :|
　　　　　　　　　　　　/:.从: : : : :ﾉ　 　 　 乂- /: : /: : : :|　　　　　　 仕事帰りのお酒選びを夢に見るくらいやで。
　　　　　　　　　　／＼|...| ＼: : {　　 　 　 　 /: : /}-＜:.|
　　　　　　　　　,'＼.......|.∧　 ＼|- ､　　 r- /: :イ...|/...../ ＼
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はやての方は、相応に身体への害が認められた。

AMS適性こそ常人の数倍はある彼女だが、コジマ汚染耐性はそうでもない。
著しく低かったなのはに比べれば断然良い方だが、それでも影響は避けられない。

現状では、若干身体の抵抗力が弱まっているに留まっている。
けれど、ずっと乗り続ける様であれば、遅かれ早かれ病床に臥せるだろう。
間はそう告げたが、足を組んで「ま、そこまで乗らんだろう」とそこで話を投げた。

自分以外の誰かの健康が気になるというのも、新鮮だった。
ずっと自分の身だけが全てだったからだ。

戦いが終わった後、健やかに過ごせる見込みがある。
これ以上の救いはない。
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5690： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/20(木) 21:54:46 ID:M6/aWOks0

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　　　　　 　 /: : :|: :|: :| ⌒人|: : ´: |｀|: |/|∧|: :|
　　　 　 　 / Y: :|: :|: :| ∩　 l:／∩从V: |:_: |: :|　　　　　っとと、やっぱ食堂閉まっとったねー。
　　　　　　 　 |:/{:从: | ∪　　　 ∪　 }: /r, }|: :|
　　 　 　 　 　 　 |圦｀ ' '　　　　　 ' ' |/　イ:|: :|　　　　　　しゃーない、適当に戦闘糧食かっ込んで寝よ……
　　 　 　 　 　 　 |: : ト 　 　 V ﾌ　 　 イ:|: :.j : |
　　 　 　 　 　 　 |: : |: : |: / T 　 T´从: :|: /|: :|　　　　　　お？　なんかあそこだけ灯りついてへん？
　　　　 　 　 　 と^＼:,..＜{..|'､　r ｀｢.}＞､/,.-^つ
　　　　　　　　 (＿, 　 V....|..ト､＿_,.|..|..／/乂⌒ヽ　　　　　「ホントだ。ついてるお」
　　　　　　 　 　 　 '. 　 ｰ'....|.........../...V /　 /｀ー'
　　　　　　　　　　　乂__ﾉ...∧￣ /.......V 　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　∨.......ー'........../｀´

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二人で向かっていたのは、基地に存在する食堂だった。

基地を確保した際に冷凍保存されていた食材も発見されたので、
調理スタッフがありものの料理を時間を決めて振舞っているのだ。

既に開いている時間は過ぎているが、駆け込みで夕食にありつけるかもしれない。

そう思って寄ってみたのだが、料理を受け取るカウンターの向こうには
誰もいなかった。照明もほとんど消えており、人の気配も感じられない。

仕方がないと気を取り直して帰ろうとしたとき、はやてが声を上げた。
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5691： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/20(木) 22:06:39 ID:M6/aWOks0

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　　　　 |::! ｀ヽ=ﾐ‐ rﾆﾟ;.'´　 !ﾍ_ﾘ^ヽ ___
.　　　　 !|　　 }~'i　　　　 、　 .!Y-‐´ ｲ　　　　　　　おっと……見つかっちまったようだな。
　　　　　!!　　 ヽﾄ-　__.ノ_!　ｲ'´／　　i
　　　　　　　　　 ヽ,~￣ ´/ r''´　　　 .!　　　　　　　 俺となおはさんの秘密のランデブー現場がぁ！
　　　　　　　　　 ｒ'::!__,.イ:::: |　　.::::　_!
　　 ,-､　　__,.--‐''_,イ　ヽ　.!　,.__,／／　　　　　　　「ちょっと！　変な既成事実作らないでくださいっ！」
　　ﾉ_,..ゝ'"::::::.∠;-ゝ__　 y‐!∠ ,._／___
　 ヽ,___i''!ヽ／　　　〈　V´　 ／:::::￣:/　　　　　　　　んー、恐ろしく速いツッコミ。今回ばかりは俺もヘコむぜ。
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　ヽ__ノ::::_!,!ヽ　!0/　／´::::　　　!:::::::::::
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無造作に並べられた丸テーブルの中で、すみっこの方に人が座っていた。
照明もその辺りを照らすものだけが不自然に点灯している。

間仕切りの向こう側をのぞき込んでみると、そこにはなのはの背中があった。
自分の姿を見ると、何やら気まずそうに肩をすくめていた。

その向かいにはクーガーが座っていた。
こちらは対照的に堂々としたもので、足を組みなおし、
いつものよく通る声で奇天烈なことをまくしたててくる。

二人で密会だとか、男女の逢瀬、といった雰囲気でもなかった。

いや、鈍い自分でも分かるが、クーガーがなのはを見つめる視線こそ違ったが、
当のなのははそういった目をしていなかった。

悲しいかな、いつもの一方通行だろう。
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5692： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/20(木) 22:17:34 ID:M6/aWOks0

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　　　 　 . ´: : :＞'": : : : : : : :ﾞく: : : :`:.
.　 　 　 |: : :.:'": : : : : : : : : : : :: ＼ : : |
　 ♪ 　 〉:/: : : : : : : : : : : : : : : : : ヽく
　　　　/ 7: : : /:/ヽ: : : : : : : :､: : :_: _: ﾞ
　　 　 ﾞ　 : : : |_;|,斗! 八:_:_:_:_,|〓 〉〈: :}
　　 　j　|: : : .:|八 从{　 )八|ﾊ: : /⌒: :'　♪　
　　　 　 }: : : :x≠ミ　 　 x≠ミ: .'/: : : ﾞ　　　　　　　お、ラッキー。なーんや、お酒あったんやーん。
　　　　 　: : : :| ,:,:,: r-- ､ ,:,:,:｜;ﾞﾂ/: :{
　　　 　 八| : |ﾞ:....　Ｖ__丿　..:j|;ﾞ｢/: /:,　　　　　　　　なのはちゃん、ご相伴に預からせてやー。
.　 　 　 　 八:. ::-‐≧==≦-ミ:::/: /| ′
　　　　　　(｀j_..　-‐}ﾆ{V7ﾆ､.._｀`ァ_　　　　　　　　　「だ……ダメ」
　　　　　　　＾／/　{ﾆ=｡=ﾆく　｢⌒＼)
　　 　 　 　 /　 {　〈ﾆ=.｡-=ﾆ〉 ＼＿__〉　　　　　　　　ええ……なんでやのん……
. 　 　 　 　 ′./{　 |ﾆ二二ﾆ辷--ﾞ⌒ヽ
　　　 　 　 }＿{ { .八ﾆ二二｢⌒辷　_ノ
　　　　　　　　　「]＿ﾞ.　　｢ﾊ`:...　 V
　　　　　　　　　　　　} 　 |　　　￣
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　 　 　 　 　 // ん'⌒´＿_:.｀ヽ..　';',
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　　　　　　　　ﾏﾐ ､ :.:.__:.:__ ,　彳 /:::::::::::::;
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　　　　　　　　　ヽ､_.　 .ll 　 _ イ::::::::::;;;;:''
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二人の手元に視線を落とすと、片手に分厚いグラスが握られている。
琥珀色の液体の上で、かち割られた氷が静かに揺れていた。

まず間違いなく酒の類だろう。詳しい種類は分からないが。

ああやって成人した人々が酒を煽っている姿を見ると、
さぞ美味しいのだろうとは思うが、はやてが飲ませてくれないので、
実際のところは分からない。

しかし、どういった状況なのだろう。
数少ない酒を大人二人で隠れ飲んでいたという構図に見えるが、
なのはがクーガーと一緒に晩酌するというのも不思議だった。

酒を見つけたはやてがひょいと躍り出ると、テーブルまで上機嫌そうな
ステップを踏みながら近づいていったが、敢え無くなのはに掌で制止される。

見るからに悲しそうだ。尻尾があれば地に垂れているだろう。
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5693： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/20(木) 22:23:11 ID:M6/aWOks0

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　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒: : ､／: : : : :‐‐: : ､: : : :＼
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　　　　　　　　　　　　　　{/::': : :': :{　 　 }: :､: : : : :＼V/ﾊ: : :}: :ｉ
　　　　　　　　　　　　　　{/:ｉ: : :i: 八⌒八 : {＼⌒: }⌒: : }: : }: :|　　　　　　　　　へ？　待って、なのはちゃん。ホンマにそういう感じなん？
　　　 　 　 　 　 　 　 　 /: :{: : :{: iｨぅ灯^ ヽ{　灯うぅ: :} : }: : }: :|
　　　　　　　　　　　　　 ': : 八: :Ⅳ､Vツ　　　　乂ツⅥ: :,＾Ｙ : :|　　　　　　　　　「いや違うから。そういうのじゃないから」
　　　　　　　　　　　　　: : : i: ::＼乂:.:.　　,　　　 .:.:.:.ノ : /ノ: :∨
　　　　　　　　　　　　　ｉ: l: {: {: ::込 u　 　 　 　 　 ⌒7ｲ:/: ＼{　　　　　　　　　　……ちゃうっぽいな。なんやねん、まったく。
　　　　　　　　　　　　　|:八{: {:､: :.:}: ::.. 　 r__，　 ..: :／V: :. : ::}
　　　　　　　　　　　　　|'　 {:八{＼}: : i :::.. __　イ_／/　 }/: : 八__
　　　　　　　　　　　　　　 八／ﾆ7: : ﾉ: ／/ﾊﾆﾆﾆ/ 　 /: : 'ニﾆ=- _
　　　　　　　　　　　　　　　r{ﾆﾆ,: : :/／　　/〉ﾆrく　　 ': ::ﾊニニニﾆ=-_
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　　　　　　　　　　　　　　 八ﾆﾆ／/ ／ У-=ﾆﾆ〉 　 ∨.:.:.:.:Vニ'-=ﾆニﾆ}






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　　　　　　　　　ヽ,　　　 　 　 　 　 　／,ィＴ　￣ヽ;;ヽ,　 7｀/ 　　　　 ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　まぁなんでもいいじゃねえか。
　　　　　　　　　 　＞　　 　　 　/￣ ヽ'　i |　　-＝=､` /∠ﾊ、　　　　ﾉ　　　
　　　　　　　　　 /　　　　 　　 〈　　　i l|　||　　　　　　::`マ　　　￣`…　　―　　　　__＿＿　　　　　 ハルオ、分かってんだろうな？
　　　 　　 　 　 /7/´i　　 　　 　ゝ、　Nﾄ、|　 　　　　.::::. 　>　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀
　　　　 　 　 　　/ 　 〉 ﾊ　 　　|　　7　　　　　　　　　　　∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　あんま野暮言うなよ。
　　　　　　　 　 　　　|/ ﾉ/|　ﾄ､|　　 ＼　　　　　´ｆ===┐i　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　
　　　　　　　　　 　 　　　　jﾉﾘ￣￣￣￣￣￣￣ヽ`ﾆﾆ'　|￣ `ー―　　―　　、　　　　　　　　　　　　　「やる夫ですお」
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　|　　　 　 　　　　　　|　　　 {＼　　＿＿＿＿　　　 ヽ　
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5694： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/20(木) 22:29:51 ID:M6/aWOks0

　　　　　　　　　　　　　　　　,v´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|八
　　　　　　　　　　　　　　　　l l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ丿l
　　　　　　　　　　　　　　　　|　､:::::::::::::::＿_l:Nｉ/／::::::::ノ /:::::l‐-､
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ〃￣_二l　　 ￣|ヽ､'ﾞ´　ノ::::::::ヒ￣
　　　　　　　　 　　 　　　　　／::／__,　└─-､__　| ヽ:::::::::::::::::::`､
　　　　　　　　　　　　　　 ／／}トﾆt_　`＝ﾆ二ヽ￣１､ヽ::::::::し｀V
　　　　　　　　　　　　 　 /／ .ﾉ丶-ﾟｉ　　　こ ﾟｱ ｀　 !::::ヽゝ､::ヽ
　　　　　　　　　　　 　　//　　l　 　' .:::::　　　　　 　 |::丿ﾆﾉ::l「　　　　　　　　　　　……けどよ、なおはさん。
　　　　　　　　　　　　　/　　 　ヽ　`　　　　　　　　　l/_／:.ヽ|
　　　　　　　　　　　　　　　 　 「lヽ`､ー‐-y'　　＿-─-､|´｀ヽ　　　　　　　　　　　　話しくらいしといてもいいんじゃねえか？
　　　　　　　　　　　　　　　　　| | }　￣￣　「￣　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　l|､　　　,/　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　上手く言えねえかもしれねえけどよ。
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　　　　ヽ:.:{ ∨:.:.:ﾍ:.:.:.{　.｀ .辷シ　　　　 ﾋﾘ,':.|:./|:.:/ }:/　|/
　　　　　ヽヽ .!:.:.:.:.ヽ:.ヽ　　　　　　　　 ヽ　ｉ:./　.}/　ｉ/　./　　　　　　　あと、なのはです。最後まで直りませんでしたね。
　　　　　　.＼ヽ:.:.:.:.|ヾヽ　　　　　 　 　 　 ﾉ:.|　./ . /
　　　　　　　 .ヽヽ:.:.:|.　　　u.　　 　 ‐　　ｲ:.:.!　　　　　　　　　　　　　　「ハハ、こりゃ失礼」
　　　　　　　　　 ヽ:.:.| ヽ　　　　　　　 ｲ |:.:.:,'
　　　 　 　 　 　 _| ヽ:|　　 ＞　 、∠:. |:.:|:.:/
　　　 　 　 　 .r/ ｀ヽ ＼＿_　_ /lヽ:.:.:.|:. |/
　　　　　　 r.´　ﾍ　　　　　 / |　 i!ヽ .:|:./|
　　,､ r:::´::::|　　　ﾍ　　 　 /≠|　 i!　ヽ:::｀ヽ 、

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すると、二人の間で妙な空気が一瞬漂った気がした。
今まで感じたことのないような雰囲気だったので、少し戸惑う。

クーガーが「お構いなく」とでも言いたげに目を瞑ってみせると、
なのはは軽く深呼吸をし、椅子をずらして自分たちへと向き直った。

少しだけ緊張しているようにも見える。
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5695： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/20(木) 22:35:58 ID:M6/aWOks0


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　　　　　　　　　　　　　　　　　 r fニニﾆ／'　 | //| l 　 /　　　　|　　 　 ＼ニニﾆ／ニニニ
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　　　　　　　　　　 ﾍ|:i:::::::::::::l_:-:/´/' /:／　/'　　　　|/　 __|_/___l::ll｀|､::::::::li:l::::::::i:::::::::::::l::::ヽ::::::l
　　　　　　　　　　　 l:l::::::::::´l::::/ r　ニニニﾄﾐ　　　　　彡i――-､ヽl:l::::::::/|:|::i::::::l::::::::::::|:::::::}:::::l
　　　　　　　　　　　 l::l::::::::::::li'／イo:::::｀ゝJ　　　　　　　 b::::::ゝJ｀i 〉::::::/:::ﾘ:::l::::::li:::::::::::l:::::/l:::::l
　　　　　　　　　　　 ﾍ{ﾍ:::::::::l.`ヽ 辷__zz刈　　　　　　　 辷zzン_ ' /:::;ｲ:::::::::/::::::l:l::::::::::l::::i　l::::l
　　　　　　　　　　　　 i´lﾍ::::::ﾄヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /イ:l l:::::::/|::::::l::l::::::::l:::::l　 l:/　　　ふ、夫婦仲はどう？
　　　　　　　　　　　　 ﾏ|:::ﾍ:::ﾍ`＼　　 　 　 　 　 　 i　　 　 　 　 　 l::::l':::::/:::|:::/:::l::::::/:::::l　 '
　　　　　　　　　　　　　 |:::::::＼_ゝ　　　　　　　　　_＿　 　 　 　 　 /:::::|:::/:::::l:/::::::l:::/::::::l　　　　　　　「なんでやねん。まだ籍入れてへんわ。
　　　　　　　　　　　　　 l:::::::::::|‐ﾍ　 　 　 　 　 <　　 /　　　　　　ｲ::::::::lｲ::::::/':::::::::l/:::::::::l
　　　　　　　　　　　　　. l:::::::::::l.　 ＼　　 　 　 　 ｰ_'　　 　 　 ／ |::::::::l |::::/::::::::::::':::::::::::l　　　　　　　　ちょい気早すぎるんとちゃうか」
　　　　　　　　　　　　　　l:::::::::::l　　　i｀ ､　　 　 　 　 　 　 ／　　 l::::::::l |::::::::::::::::::::::::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　ﾍ:::i::::::l　 　_l　　｀　､　　 　 　 イ　　　　l::::i::/ l::::::::::::::::::::::::::::::l　　　　　　　　　あ、あはは……
　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ:l::::::l　　ﾄ=ﾆ_ｰ-　__｀ー_´__.｣ヽ　 　 l::::l:/　|:::::::::::::::::::::::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　 ﾍ:l::::::l-‐l　　　｀ ｰ-　_::::_ -‐´ ﾄ､　 /::/ﾘ.　 l::::::::::::::::::::::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　,>ﾍ:::ﾍ'　　　　　　 /　i .〉､　　 l ｀/::/　　　 l:::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　 _ ...-‐:::/　　＼ﾍ　　　　　/､_ヽ∠ﾍ　　 l/／ヽ｀:::....､l_::::::::::::::::::::::::|
　　　　_　......-‐:::::´:::::::::::::::/　　　　|｀i　　　　/　 L___ﾉ .ﾍ　　ll　　　ヽ::::::::::::::｀::::.......､_::|
　 rﾍ´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/　　　　　li l　　　/　 /　i　ヽ　 ﾍ　ll　　　　ﾍ::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ

5696： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/20(木) 22:39:41 ID:M6/aWOks0

　　　/:.:.//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｌ:.:.:.:.:.ｌ:.:.:.:.||:.:ﾊ:.ヽ:.:.:.ヽ、,-:.┼--___:|:.:.:.:.:.:.:.|:.:/:.:.|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　|:.:/.,':.:.:.:.:.:.:/:.:.:.|:.:.:.:.:.:|:.:.:.:| |:.:ｌヽ:.＼:.:´＼ヽ≧云､:.:.|｀:.:.:.:.:.:|＾､/:.!:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:!
　 　 |/　|:.:.:.:.:.〃:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|:|≦卞|｀ヽ ヽヽヽ 〃て::､ 弋o|:.:.:.:.:.:.|´ ヽ:.|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　|　 |:.:.:.:.:.:||:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:ｲ |≠云う丶　 ＼　　{:::::::ヽ-} 〃:.:/:./|　 ./:!:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:!
　　　　　{:.:.:.:.:.|{:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:メ ん:::::::}　　　　　　つ -:少 ｲ:.:/|:/:.:|／:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　　　.∨:.:.:|.∨:.:.:ｉ:.:.ヽ:.:.:.:.｀ つ-´j　　　　　　‐｀‐‐┴/:.///:.:.:|:.:.:.:.:!:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:!
　　　　　　∨:.:| .∨:.:ヽ、:.＼:.:.＼.ゝ´　　　　　　　　　　///〃:.:.:.:|:.:.:.:..!:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:!　　　　　　　でも、仲良さそうだね、二人とも。
　　　　　　　ヽ:.|　 ヽ:.ヽヽ、:.｀ヽ__ヽ_　 　 ′　　　　　　//,ｲ:.:.:.:|:.|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　　　　 　 ヽ|　　ヽヽ　＼:.:.|:ﾍ 　 　 　 ‐ ‐ ´　　　　 / ,':.:.:./l.,':.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　……はやてちゃんにやる夫君のことで
　　　　　　　 　 ヽ　 　 .＼ 　 ﾏ:|:.:.ヽ、　　　　　　　　 ／　,':.:/:|/:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |∧:.:.:.:.|｀＞ .､　　　 イ　　/／ /ヽ、:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　 相談して、よかった。
　　　　　　　　　　　　　　　　　|| ヽ:.:.:.| 　 　 ._｀T´　　_ -/　　 ./ .|＼_:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |　 ＼:.|　,､r ´/ヽv＜´　　　　/　 |::::::::::￣｀― 、:.:!　　　　　　　　　合うものがあったんだろうね。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､r －ヽ:/　 ,'／l./ .ヽ　　　 / 　 .|:::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ 、
　　　　　　　　　　　　　 ,､r::"´:::::::::::::::/ 　 / ヽy‐ 7´ヽ　 /　　　|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ 、
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　　　　　ｉ:.:l l:.:.ヽ:ﾏヽ ﾏ:: ',ヽ:.}:.:.:.:.:.}:.:./:./:.|:.: /:.:.:.:.:/
　　　　　l:.:l ヽ:.{::!ヾ､　乂ﾘ　}:!:.:.:.:.: !/ﾐ}/_:.|:./:.:.:.:.:/　　　　　　　　やる夫君も随分変わったよね。
　　　　　Ⅳ　 {:./　　　 ￣　}:!:.:.:.:.: l　 　 l.l./:.:.:.:.:/:|
　　　　　　 　 |:.:ﾍ　　　 ,　 〃}|:.:.:.:l　　　iｌ |:.:.:,′: |　　　　　　　　最初は全然笑いも泣きもしないし、
　　　　　　 　 |:. : l＼￣　　/､ /:.:./　　／/|:.:.{:.:. : |
　　　　　　　　ﾏ:.:.l ＿_ヽ-,r´ヽ:.:/-‐ ´／　!:.:.!:.:.:.:.:ｌ　　　　　　　　フォークで自分の頬っぺた突き刺したり、
　　　　　　　　 ゝ:.{::::::: ／/／}／　 ／　　人:.l:.:.:.:.:.l
　　　　　　　　/::::ヽ::/　/／>〃 ／　　 ／:::::‘，:.:.:. l　　　　　　　　石鹸食べようとしてたりしたこともあったけど……
　　　　　　　　l::::r==　/／/　l／ L＿_/:::::::::::::::ヽ:::::‘，
　　　　　　　, l::::ll　　/ヽ/,ｲ´　　<　　 ＼:::::::::::::::::‘，::',　　　　　　　うん、今じゃ立派な男の子だもん。
　　　　　　 ／　lｉ　 /::／　 　 ≧´　　　 /::-―::￣:‘，:.ヽ
　　　　　〃　　 |　〃 ≧ ´　　　　l li　/:::::::::::::::::::::::::::}:.:.:.‘，　　　　　
　　　　/　　　　 l イ　　　　　　　　li /::::::::::::::::::::::::::::::::}:.:.:.:.
　　 　 {　　　　 // 　 　 　 　 　 　 /:::::::::::x≦ ヽ､:::::/:.:.:.:.
　　　　 ヽ_　　{　{　　　　　　　 　 /:::::::::://　 　ヽ}::/:.:.:.:.:.
　　　　　 i　　 | ‘，　　　　　　　　i::::::::::::i ',　　　 }〃}:.:.:.:.
　　　　　 |　　 |　 ヽ　　　　　 /　 /:::::::::《 r===／　 i:.:.:.:
　　　　　 l　　/　　　　　ー‐/　　<:::::::::::::｀:r 〃　 　 l:.:.:.:
　　　　　 l　 /　　　　　　　/　　 　＼:::::／／　　　　l:.:.:.:.

5697： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/20(木) 22:45:23 ID:M6/aWOks0

　　　　 　 　 　 ＿＿＿_
　　　　 　 　 ／　　 　 u.＼
　　　　 　 ／ー‐-:::::::::::-‐' ＼　　　　　そ、そういうことは大っぴらに言わないでくださいお。
　 　 　 ／ 　 t　 j:::::::ｨ　 ｯ 　 ＼
.　　 　 |. u 　 ｀¨､__,､__,¨´　　　 |　　　　おかげさまでその辺はもう完全に克服したお。
.　　　　＼　 　 　 ｀こ´　　 　 ／
　 　 　 ／　　　 　　　　　u　.＼　　　　　「あはは、ホント、大変だったんだから」





　　　　　　 ／:.:.:.／:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.､:.:.ヽヽ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　／:.:.:〃:.:.:.:／:.:/:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ/ヽ} : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　 　 　 /:.／/:.:.:.:／:.:.:./:/:./:.:.:/:.:.:/:.:.:/:.:.!:.:.:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.',/:} : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　〃 ./:.:.:.:/:.:.:/:.,':.i:.:.:i:.:.:.i:.:.:/|:.:.:.i:. /{:.:.:!:.:.:.:i:.ヽ:.:.ヽ:.:.',:.:.:.ｉ:.! :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　 / 　.i:.:.: /!:.:.:ｉ:.:.:i:.!: : |:.:.:.|_⊥----:!　',:.┼---､ヽ:.:ヽ:.:}:.:. |,' : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　|:.:/ |:.:, |:.:. | |: : |:.´{ヽ|　 |:| ヽ|　 ヽヽ ＼ヽ:.｀:.┼:|:.:. | : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　|:.,'　|: |.|:.:.|:{:.!:.:.:ﾄ、,斥干芋ﾐﾘ.　　　,イ芋冬､ヽ} .!:.:.:! : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　　子供がいたら、こんな気持ちだったのかも。
　　　　　　|/　 |:.| !:.:|:.ﾘ:.',:.:! 《 .{:::::::::ら　　　 　 .{::::::::う .》:./:.: /| : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　 　 .|　　!:.| ',:.:{ヽ:.{ヽヽ　 辷zシ　　　　　 辷zシ　// :./| !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　　 ま、君はいいとこ弟だけどね。
　　　　　　　 　 }j　ヽ', ヽ{ |:.ヾ、　　　　　　　　　　　　 ／:./|./｜ : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　 　 　 ' 　 ヾ、ヾ{:.:.:.',　　　　 　 '　　　　　／イ| : :|　 | : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　　　ただ、本当に……君がそうやって……
　　　　　　　　　　　　　 　 !:.:.!人　　 　 ー ―　　　　/　| : :|　 | : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　∨:{　 ＞　　　　　　　 ,＜　　| :.,'.　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　　　　なんて言えばいいか……
　　　　　　　　　　　　　　　　',:.', ,ｲ|ヽ. ≧ .- .≦‐ |、. 　 |:/. 　 | : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　__ ‐ヽ .|　　　 /‐ ､　　 | ｀ヽ､/　　　| : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　　　　 気持ちに素直に振舞えるようになってよかったよ。
　　　　　　　　　　 ,､r::::´::::::: /　　|　　 / ∨ ,',　　 | 　 ヽ::｀ヽ　| : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　,､r:::´:::::::::::::::::::::::/　　 .| 　 /　/ ゝ ∨　.|　　　＼::::::::｀ヽ､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|

5698： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/20(木) 22:50:32 ID:M6/aWOks0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-:.＜
　　　　　　　　 　　　　_＿　　 　 　　　-.:―:.:.s。　　 ／ィ.:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　　 　 　 　 　　'⌒_＞s。ィi〔.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.≧/:./-:.―.:.､.:.:.∨
　　　　　　　　　　　 ィi〔.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/{.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ}!/⌒ヽ.:.:.:.:.ヽ.:.∨
　　　　　　　　　 ／.:.:.:.:.:.:.:.:／／.:.:.:.:/.:.:.:.:.:..＼:.ヽ.:.:Ⅶ｀ヽ.:.:.'.,.:.:.:.:.:..|
　　　　 　 　 　 .:.:.:／.:./:..:,:.:./:./.:.:/:ﾊ.:.l.:.:.:.:|.:.:.':.:.:';.:.∨.:.:::',.:.:.:∨.:.:.:|
　　　　　　　　/／|:..:.,:...:./.:.:.{:.:l.:.:/;'　 !:!.:＿l.:.:.:.l.:.:.!.:.:∨.:.:.l.:.:.:.:∨.:.:l　　　　　　　……私は、さ。もう充分。
　 　 　 　 　 /' 　 |.:.:.l.:.:.:!.:.:.:.|⌒:{:{ 　 |ハ.:./｀ヽ'.:./.:.:.:ﾊ:.:.:.|.:.:.:.:.:|.:.:.:|
　 　 　 　 　 　 　 |:.:∧.:.:ヽ:.:.ィf笊{　 　 笊ぅｘ:.:イ.:.:.:/.:.:| : |.:.:.:.:.:|.:.:.:|　　　　　　　君にもお釣りが出るくらい、義理を果たしてもらった。
　 　 　 　 　 　 　 |ﾊ.:{ ヽ{､:.:ゝ乂ﾂ　 　　t':::ツ〉/:.／Y:/|.:.:|.:.:.:.:.:|.:.:.:.!
　　　　　　　　 　 　 ';{ 　　}:.:.:l　 　､ 　 　 　 ／ィ:.l_ノ:'　|.:.:|.:.:.:.:.:|:.:.:.:l　　　　　　　 仇なんかとっくに死んでたって知ることができたしね。
　　　　　　　　　　 　 　 　 }.:.人　 　 ､　_　 　 ｲ.:.:.ﾘ' 　 /.:.; :.:.:.:.;.:.:.:.:.|
　　　　　　　 　 　 　　　_ ,-､:.:介s。 　 　 ィi〔/.:./。s≦≧:､.:.:./.:.:.l.:.:|　　　　　　　　感謝してる。あとはもう、自分のために生きてほしい。
　　　　　　　　　　 /^ｧ/ / /＞ｧ}＿｀≦!_ イ。sｧ´ﾆ;'ﾆﾆﾆﾆ_∨.:.:.:, :. |
　　　　　　　 　 　(_,ｲ ! ,'ィ/　,ｲﾆ／ /r:ァ､ ／/ﾆﾆ,ﾆﾆﾆﾆｨ≧､.:./.:.:.;　　　　　　　　 その為に、私もできることをしてあげる。
　　　　　　　 　　　ハ_Y／　/ﾆ「_ イ/Y´／　,:ィ｀/Ⅶﾆﾆ_{ ! ⌒Y.:.:./
　　　　 　 　 　 　 !　 ,.:　　/ィ´　/_ﾆ／ ｀ ＜　 ､l　Ⅶﾆﾆﾏ, 　 ﾉ:./
　　　　 　 　 　, ⌒}　 　 イ{/|　/_／ 　_。s≦｀ヽ|　 Ⅶﾆﾆゝｒｲ:.:/
　　　　 　 　 　}｀ ー≦ 　／ |イ_,,ィ≦- ―'　　　|　　Ⅶﾆﾆ└'Y
　　　　 　 　　 }　 　＞　´ 　 ／　　 　　　　　 /^ヽ 　 ｀ヽﾆﾆﾆ{

5699： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/20(木) 22:53:57 ID:M6/aWOks0

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　　　　　　　　　　　　　　 　 ﾍ:.ｌ:||:.:.:.:.|:./r≠=て7=、 /／　 |:.丁ﾒ-||:.:/:.:.|:.:.:.|:.:.:.:.:..|:.:.:.:.| 　 　 |
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 >|:.|:.:.:|:.||ヾら:::::ﾟ::::} 　 /　 　./∠=z//下:.:/:.:/|:.:.:.:.:/|:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　||ヽ:.|:|ヽ. 辷zzメ_　　　 ／./::::o::7ヽ/:.:./:.:/:/:.:.:.:/ |:.:.:.:.!　　　　　　はやてちゃん。
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ |:.ヽヽ.　　　　 　 　 　 　 〈⊃::/.〃／//:.//:.:.:./　|:.:.:/
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |:.:.:.|:.|＼　　 　 　 　 　 　 ｀¨≠/／:/／/:/:.:./　 .|:.:/　　　　　　　 やる夫君をよろしくね。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.:.|:|　　　　　　　　　´　　　　./:.:.／／:|/:./　　/:/
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |:.:.;||ヽ　　　　　 ` ー　　　　./:.／/|:.:.:/:イ 　 ／　　　　　　　　　　極端で単純でさ、危なっかしくて、
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 rゝ:.:.|　 ＼　　　　 　 　 　, イ|:.:.:./:.:!:／|:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　,､..イ´ﾍ ヽ:.| 、　 ＼　　　,　＜´:.:/:.:.:/:.:.:|:!:.:.:.|:.:|　　　　　　　　　　　　　　見てらんない部分もあるかもだけど……
　　　　　　　　　　　 ,､r::´´:::::::| 　 ﾍ　＼ ＼　　｀ﾌｌ　 　.|:.:.::/:.:/:.:.:.:.:!:.:.:.:.!:.:!
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　　　　　　|:/|.: .: .: .:＼:. ｨうぅk|:V 　　　' ' 　 |.: :|イ___//∧.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: ＼　　　　　　　　　なんやのん、急に改まって。
　　　　　　|　|.: .: |.: .: .: : ､乂ﾂ r 　 　 　 　/ |.:八厂|　＼∧ .: .: .: |.: .: : .: .: .: ＼.: ＼
　　　　 　 　 |八.:|.: .: ＼.: .:＞　 　　　 ﾌ 　 ／_彡 /　／ ＼. .: .: .:|.: ＼.: .: .: .: : ＼.: ＼　　　　　　心配せんでも、捨てたりせえへんよ。
　　　　　　　　　＼(⌒¨¨「 込　 ＇　　　　　／/／／　　　∧ .: .: |.: .: .:＼.: .: .: |: .:＼.: ＼
　　　　　　　　　　　　 　 |.:| .:个 .　　　　 ／..:/,,／　　　　/￣.: .:.:八.:／⌒＼.: 八.: .: ).: .: ＼　　　 「うん、お願い」
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　　　　　　　　　　　　 /.: 八 .: .: | .: r＜　／ |i⌒＼＼_,/　　　　　 　　 ＼
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　　　　　　　　　　　　　　／.._　　|__／ _ -=~:::::::＼　 　 ∧ﾆ=---=ニニニニニﾆノ
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5700： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/20(木) 22:55:39 ID:M6/aWOks0

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　 　 　 　 　 　 |′ 八:.:.Ｎ　=ミx　ヽ: |:.:.:ハ:.|Ｙ:.:.:.:.:∧//.:. |:.:.:.:|:.:.:.:.′　　　　　　　　やる夫君。
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　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ_ ＿　　　/ﾉｲ:.:厶イ:.:.:.:.:.:.∧//.:.:|:.:.:.:|:.:.:.:|
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 Χ"　／／ｌ|ﾆ＼　V//:|:.:.:.八
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／′／|ﾆ|――「 ＼ニニﾍ/:.:.:.:.:.:.|
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　　　　　　　 　 ／　　　（ ●）　（ ●）ヽ　　　　　……はい、なのはさん。
　 　 　 　 　 　 l　 　 　 ⌒（__人__）⌒　|
　　　　　　　 　 ＼　　　　　｀ ⌒´ 　 ／
　　　　　　　 　 ／　　　　 　 　 　 　 ヽ

5701： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/20(木) 23:02:29 ID:M6/aWOks0

|: ::!: : l : ::| : : : : : | : : : ::l　|:l　.| : : : : / ://　.|: : : l : l: : : :,! : : : : : : : :l: : l : : : : ∧: :|
| :,'|: : l : :.| ::_..-‐!:l''::￣/｀ ト　l|:: : : :/ /:/ 　 | : : ,!: :.!: : :./ : : : : : : : :l: : :l: : : : : :∧ |
|::l |: : :! : :l:´ :| l :l !: :::/　　!|　!ｌ : : :/:/:７￣｀ト: ./| : l: : :/: : : : : : :|: :.! : : ﾄ､: : : : :∧|
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!l　l: : :| : : !: ||.　| .|/ －-.、　/:;／//'　　　/'l/　 l:/.!ヽ:,!: : :/ : : :/.: :l: : : :∧: :.＼: :.∧
l'　.l: : :|: : :| :||. _=土三ﾆ:::.、/ ' ／ 　 , ‐-/　 　 /' .|//: : :/ : : :/!: : ﾊ: : : :.∧: : : ヽ: :ﾊ
　　|: : |､: ::ﾄ:!、´　￣￣｀丶　　　　 　 ´ﾆ≡::.､./　 /./ : /: : : :/ .l: ::!: :∨ : :.ﾊ: : : : :|ヾ:}　　　　　　幸せになるんだよ。
　　 ﾞ! :| ﾞ､ :l.|＼　　　　　　　　　　　　 ￣｀ﾞ丶ﾐヽ、 /: :/: : : ::/　 !:/! : : ∨: : :!: : : : !　}'
　　　lﾞ:| : :ﾞ､l|　｀｀｀　　　　　　　　　　　　　　　　｀`/,.ｲ : : : :/　 //:|: : : : ∨: :|: : : : |　　　　　　　　それが今、私が君に望む、
　　　| : : : : :|、　　　　　　　 　 ,:　　　　　　　｀｀ ／ /／: :, ':!　//: |!: : : : :.∨:|: : : : |
　　　.!: : : : :.| ヽ　　　　　　 _　　　　　　　　　　　, ／/: ／:/ ./ .|: :l|: : : : : : }/: : : : .!　　　　　　　　　唯一のことだからね。
　　　.|: : : : ∧　 ＼　 　 　 ヽ｀＞　 　 　 　 　 , '￣/／: :./ ./　.|: :l|: : : : : :/': : : : : |
　　　.∨: !: :从　　 l＼　　　　　　　　 　 　 _／　／!: : : :/　　　 |: :!|: : : : : : : : : : : :.!
　　　　∨:ﾄ､{　 　 _|　 ＼　　　　　　_.. ‐ '"　　　 /: : : :/　　　　.|: |.|: : : : : : : : : : : :.!
　　　　　ヾ ｀＼ .∧　 　 丶... -‐ "´ .|_ 　 　　.／イ;ｲ/　　 　 　 !: ! !: : : : : : : : : : : :|
　　　　　　　　　/　ﾞ、　　　　　　　 ,/ .|　　　　　 /'　'　　　　　　|: | |: : : : : : : : : : : :.!

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そう言うと、なのはは目を細め、真っ直ぐに自分を見据えて微笑んだ。

こんな笑顔は初めて見たかもしれない。
どこか満たされた様子の表情だった。

なのははいつも寂しそうな眼をしていた。
仕事をしたり、食事をしたり、何かに集中していないときは、いつもそうだった。
ここにはない何かを見つめている眼をしていた。

それが今、自分をただ見つめて、心の底から笑っている。そんな気がした。

手塩にかけた自分が、はやてというパートナーと一緒に目の前にいることが、
それほどまでに感慨深いということなのだろう。

自分も手から離れ、敵討ちという使命からも解放され、
企業連を屈服させ平穏な暮らしを取り戻すまであと僅かというところまで来ている。

もう少しで、なのはもやっと、自分の人生を歩みだせる。
そう思うと、自分も俄然やる気になった。
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5702： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/20(木) 23:11:44 ID:M6/aWOks0

　　　　　　　　　　　／　　　　　　 ／　　　　_,. ‐''"　　　　　　..:::::::
　　　 　 　 　 　 ／ 　 　 　 　 ／　　 ,.-‐''´　　　 .:　　　 ....:::::::::::::
　　　　　 ,ﾍ　|!/　　　　 ,. -､/　　 ／　　　　　..::::::::　...:::::::::::::::::::::::
　　 　 　 |　:ﾄK　　　 ／＿_l＿_∠＿＿_／｀ヽ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　 _」__,,j.=＝''"´￣_,,. -‐'''"´l! 　 　:|/⌒ヽl::::::::::::::::::::::::::::::::::/
　　　　 |〈　 l l　　 _ ｨ'´／　　　　 |　　 .::|ﾋ ヽ　l::::::::::::::::::::::::::::::::〈
　 　 　 !　＼l_レ'´|　l:::lr'''7　　　　l .l:..:::lﾘ7 ゝ/l､::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、　　　　　　……ま、俺からすれば、まだまだだけどよ。
　　　　|　　.l´　　 lj_/'ｲﾚ′　　　　l!| ﾚ/ ヽ‐' 丿ヽ､::::::::::::::::::::::::ミヘ
　　　　|　 ::l　 　 　 l'´　　　　　　 　 ﾙ′　　〈　　ﾉlWヽ､:::,. -‐''ﾍ　　　　　　　　中々イイ線いってると思うぜ、今のおまえは。
　　　　|　:::|　　　　 |　　　　　　 ,/ヽ　　 　 　 l 　 　 　 ／　　　　ヽ
　　　　l :::::!　 　 　 l　　　 　 ／/　　　　　　 /　　　／　　　　　　　　　　　　　　 ……男は空っぽじゃあダメになっちまうもんだ。
　 　 　 !::::l　 　 　 '､_／-､ノr／　　　　　 ／　　／
　　　　 l ::!　　　　 　 　 　 〈　　　　　　 / 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　どんな下らねえもんでもいいから、中身がねえといけねえ。
.　 　 　 |::|　　　　　　　　 　 |　　　　　/　／
　　　 　 !:!　　　　　　　　　　| 　 　 ／／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　いつだって、話はそれからだからな。
　　　　　|l　　　　　　　　　　 '-‐／　〈
　　　　　l!　　　　　　　　　　　　＼　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そのまま真っ直ぐやっていけ。
　　　　　|　　　　　　 　 　 　 　 　 ＞-､　＼　　　　　 ,. -‐''´
　　　　　　　　,.-‐''"´￣｀`ｰｧ‐''´ 　 　 ヽ　/_,,. -‐'"´　　　　　 ／　　　　　　　　ヒネたり拗ねたりせずに、バカみてえにな。
　　　　　　 ／:::::::::::::::::::::::::::::＼　 　 　 　 Y´　 　 　 　 　 　 ／::::::





　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.-''"::::::::::::::::::::::::::::::::｀`'''‐--､
　　　　　　　　　､　　　　　 _,.／ 　 ,.､-‐‐‐‐‐--､ _,,.､-‐‐''"´｀`'‐-ｧ､.__
　　　　　　　　　 ヾ:‐-､/!''"/_,､-''"　　　　　　　　`ヽ､__,.､-‐''''''''''''‐--､｀ﾞ'''-;'"
　　　　　 　 　 　 ,.-､`ヾ`ヽ<-,　　　 _,.､-‐'ﾆﾆﾆ,ヾ'､‐､＼:::::::::::....　`ヽ､ ￣｀ヾ､
　　　　　　　　 ,.-''"￣￣｀`　 ﾞ,　,.-ﾞ/ ／ ,,.-‐-ｧ｀　＼ヽ､ヽ::::::::::::::.....　　　　　｀`''7
　　　　　 ,..-''"　　 _,.､-‐‐r''''''''ﾞ"／, ' ｨ'" _Ｏ／　　　 ﾞ）:::`ヾ､.,__:::::::::::::....　　 　 /
　 　 ,-／　_,. -‐､'"/!. ,.ｧ‐ﾞ､.l　ヾ‐'ﾞ　　'''"　　　　 　 ,ｨﾞ;:::::::::,'´r-,ヽ,::::::::::::　　　/
r-､.／,..-''ヽ,　 　 l/ |/l l/´ ノ　　　　　　　　　　　　 ´/::::::::;:ﾞ/ヽ 　 }::::::::　　　<ﾞ　　　　　　　　　 これからクソみてえなことも
,／‐'"ヽ　　|ﾞl　　 l　ヽ,.>-､ |　　　　　　　　　　､　　 /:::::::::/ r'　|　 |:::::::　　　 ,.,ﾞヽ,　
'"､　　 |.　　ﾞ,! ,,..,/.,ｨ'ﾞ　　 l ヽ　　　　　　 _,,..,,_／' 　ｲ:::::／　ヽ､',ノ !:::::::　　／　｀`ヽ　　　　　　　 たくさん起こるだろうけどよ。
　,.!　　.l_　 r7l　 j/ ﾞ 　 ,r'ﾞ!　　　 _,,.-'''"´_,,l／　　　 |／　　　 r-‐'ﾞl:::::　　 {　　
　l `_,ｨ"rｯ'ﾞ ﾉ`'''ﾞi　 　 /　 ヽ.　-<,.-‐''"´　　　　 　 　 　 　 　 l　　j､_r-､:::::〉　　　　　　　　　　　　惚れた女の為に命を懸ける、
　`'''''ﾞ`‐'ﾞ／　 　 ' 　 .j　　　 ＼ 'ﾞ　‐ ''' ""´　　　　　　　　 _,.､'-―――'-'ﾞ､　　
.　　　 　 |　　　 　 ,.-'ﾞ　　　　　ヽ　　 :::::::　　　　__,.､-‐'''"´　　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　その為なら企業連とも喧嘩おっぱじめる……
　　　,,.-'ﾞ　　　_,.r'ﾞ　　　　　　　　|　　　　　　　　l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　,.-''Tﾞ´　　　　　　　　　 {　　　　　　　 　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　その心意気がありゃ、おまえはいつまでも、
＼.,__,,.／　　!　　　　　　 　 　 　 ﾞヽ､.,＿_,,,..ｨ''"　|　　　　　　　　　　　　　　　　　
　 `ヽ-‐'''ﾞ　ﾉ　　　　　　　　　　　r‐----‐''"'､　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 一級品の男さ。
　　　　　／　　　　　　　　　　　　 l l　　　　　 ヽ |　　　　　　　　　　,.､-''"　　　　　　　　
　　　 ／　　　　　　　 ＿,,,,,,,,,,＿_,,,>､' ､.　　　　ﾞl!　　　　　 　 ,,.-''"´::::::
　　／　　　　　 ,r''':''''"::::::::::::::::::;.､-‐''ヽ､ﾞ'-､　／!　　　　,､-''"::::::::::::::

5703： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/20(木) 23:22:20 ID:M6/aWOks0

;:::＼.　　l　　 ／::::;:へﾍｿ'"　　　　　 　 　 　 |／::::::::::::::::,::
ﾞ､:::::::ヽ､,〉 ／:::::／　　　　　　　　　　　　 _,,.　＼::::::::::::,:'::::
ヾ､::::::::::/./::::::;:'ﾞ　　　　　　　　　　　_,,.=＝ヽ､　 l:::::::;r‐､::
　＼::::::;ﾞ/:::::,:'ﾞ,,_　　　　　 /　　　,,.z''"´_,,,,.´￣　|::::::|'"ヽl:
　　'yヾ/::::;/''‐-ヽ､.,__ヽ　l､_,,. ‐',.-'''"´ ﾟ　/　 　 !::::l! 〉 /:
　　 l !/:::;/ヽ￣｀`・‐｀"　 ヽ.　 ´`'‐--‐‐'ﾞ　　　 |:::/!/,/:::　　　　　　　楽しかったぜ、ハルオ。
.　　 Y::::/l　 ｀'‐-‐''"　 |　　　　　　　　　　　　　 |/' /ﾞ::::::
　 　,'::::/､ﾞ、　 　 　 　 ｜　　 　 　 　 　 　 　 　 !‐'ﾞヽ:-､　　　　　　　 これが最後の戦いで、俺はツイていた。
.　　l:::/　k,ヽ,　　　　　　l　　　　　　　　　　　　 l　　ノ,.､‐
　　|::;'　〈ヽ,　ヽ　　　　　!　　　　　　　　　　　　|　 ／　　　　　　　　　　……餞だ。しっかりとケリつけさせてやるよ。
　　|:l.　　ﾞ､ ＼.|'､　　　ヽ､,__,／　　　　,,./　　_,'.-'"
　　|!　　／! 　 ヽ,､　 ‐----‐‐''''''''''"´ 　 r''"　　　　　　　　　　　　　　　明日、デカい花火にしてやろうぜ。
　　!-‐''ﾞ　 ',　　　l｀ヽ.　　｀''''''''""　　　　 |　　　　　　　 /
'"´　　　 　 ﾞ､　　.|.　 ﾞ､　　　　　　　　 ／!　　 　 　 　 /
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
クーガーがにやりと口角を上げる。
かっと開かれた眼はぎらついてさえ見えた。

その視線に、力強く頷いて応える。

自分はまだ、クーガー程の男には届いてはいない。
けど、彼の愚直なほどに真っ直ぐな姿勢には、多くのものを学ばされたと思う。

彼の存在がなかったら、自分は今でも心が折れたままだったかもしれない。
はやてがこんな状況になっても立ち上がれず、逃げ出していたかもしれない。
いつだって自分が意地を張る時は、クーガーの存在があった。
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5704： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/20(木) 23:29:25 ID:M6/aWOks0

　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　⌒　 　 ⌒　＼
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（＜） 　＼　　　　　　――なのはさん、クーガーさん。
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／　　　　　　本当に、お世話になりました。礼は結果で返させてもらうお。
　　　　　　　　　／_∩　 　ー‐　　　　＼
　　　　　　　　（＿__＿）　　　　　　　|、　＼　　　　　二人には楽隠居してもらわないと割に合わないってもんだお。
　　　　　　　　　 　|　　　　　　　　　 |/　 ／
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　⊂　／

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胸を張り、親指を立ててみせる。

二人には返しきれない恩義がある。
自分たちの生存権を勝ち取った暁には、それを謳歌してもらわねば。

その為にも、明日の決戦で、決着を着けねばならない。

世の中をひっくり返す戦いになる。
だが、揃っているこちらのメンツも、それが十分可能な面々だ。

不思議と不安はなかった。ベストを尽くせば十分に勝利はあり得る。
普段通り、確実に任務を達成するだけだ。
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5705： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/20(木) 23:31:26 ID:M6/aWOks0

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

5706： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/20(木) 23:35:34 ID:M6/aWOks0
今回はここまでだ。

あとワンシーンだけイベントシーンを予定していたのでやり通したかったが、時間がアレでね……

次回は来週の木曜日、4/27の午後九時からだ。

ちなみに、このルートではなのはの好感度を上げるだけ上げて他ヒロインに行くと、ごらんの通り母親チックになる想定だった。

今回は三人とも最大まで行かずとも高いという形だったので、こういう感じになってるが、最大値だと感極まって泣かれたりしていた。

完全に婿入りを見送る母親である。やはりなのはさんは恩人枠になる運命なのか……

それじゃ、シーユーアゲイン。

5707：安価のやる夫だお：2023/04/20(木) 23:46:58 ID:WG7VvTU.0
乙

5708：安価のやる夫だお：2023/04/21(金) 00:25:34 ID:OFqFp/RU0
乙でした

5709： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/27(木) 21:01:00 ID:rq3UHC/g0

　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
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　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ　　　　　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
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　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

5710： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/27(木) 21:08:57 ID:rq3UHC/g0

　　　　　　　　　_　_　_
　　　　　　　／: : : : : : ｀i
.　　　 　　　i: : : : : : : : : :!
　　　　　　　､: :○: : ○: :!
　　　　　　　 i: : : : : : : : : i　　　　　　申し訳ない、今日は短めの投下とさせていただいきたい。
　　　　　　　 l: : :,, --_ｯ: :',
　　　　　　　 丶 ｀‐'´: : : :ﾉ　　　　　　今日、まだ一食も食べてなくてね。
　　 　 　 　 / ´: : : : : : : : ｀ヽ
　 . 　　　　/: : : : : : : : : : : : : ヽ　　　　あれｙぱあれｙとという間にこんな時間になってしまった。
　　　 , -‐': : ,: : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　／: : : ,-ｲ: : : : : : : : /｀丶: : : :､　　　……まあ、そんなにたくさんの人が見てくれているわけでもなし。
　 ｒ⌒ ,／　/: : : : : : : : i　 　i: : : : i
　 ` ‐ '　　/: : : : : : : : : |　　 ! : : : |　　　　そんなに気にする必要もないのかもしれないが……
　　　　 　 i: : : : , _ -‐ ´,) 　 ｀ ヽ _|　
　 　 　 　 (_ _i￣(_　-‐'´i　　　　　　　　　　やっていこっか。
　　　　　　|　:|`‐´i : : : : |
　　　　 　 |: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
　　　　 　 |: : : : : |: : : : : !

5711：安価のやる夫だお：2023/04/27(木) 21:17:34 ID:ZybPa6jQ0
体壊す方が余計に時間を消費するからご飯はしっかり食べないと

5712： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/27(木) 21:34:46 ID:rq3UHC/g0

　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　 ／　　─　 　 ─＼
　　　／ 　　 （●）　（●）　＼　　　　　　　　今日はなんだか、みんな浮足立ってる気がしたお。
　　　|　 　　 　 （__人__）　 　 |
　 　 ＼　　 　　 ｀ ⌒´ 　 ,／　　　　　　　　　まあ、無理もない話だとは思うけど。
　　　 /　　　　　　　　　::::i　＼
　　　/　　/　　　　　　　::::|＿/　　　　　　　　　やる夫もちょっとソワソワしてきたし。
　　　＼／　　　　 　 　 　::|
　　　　　 |　　　　　　　　::::|　 ｷｭﾑ
　　　　　 i　　　　　＼　::::/　ｷｭﾑ
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　 　 　 　 ／⌒7.: : |.: :|.: .:＼.: .:.:ヽ乂少　j/　　　∨'少'.: .:/,ノ.: .: .: :|　　　　　　　　　せやねぇ……誰でもそうなんやろ。
　　　　　　　 　 |: .:八.: .: .:＼:＼.:〈⌒, ,　　､　　　　, ,　厶ｲ.: .: .: .: .: :|
　　　　　　　 　 | /　 ＼(＼: ＼:::込　　　　 _　　 　 　 ｲ.:.:.: .: .: .: /.: |　　　　　　　　　 ま、半分はワクワクしとるんやと思うで。
　　　　　　　 　 |:　　　　＼⌒＼ .: 个　 　 　　　　／/.: .:/.: .: .: /.: : |
　　　　　　　　　　　　／.: .:./r＜＼.: .: .＼:＞-＜　 /￣/ .: /.:./､.: .:.|　　　　　　　　　 オルデンブルクとの交渉も順調や聞いたし、
　　　　　　　 　 　 ／:r＜＿_||"^＼＼.: .: .＼＿__／∧/／/.:./／＼:|
　 　 　 　 　 　 ／ : ／⌒＼八　　 ＼＼.: .:| ＼_／〈∧＼.:.://　／￣￣|　　　　　　　 戦力的にも状況的にも申し分なし。
　　　　　　　 ⌒7 :〈 　　 　 ∨￣￣￣￣|.: |〉 /⌒＼　|:::::V/.／ 　 　　∧
　　　　　　　 　 {.: 八 　　　/ ／　　　　.八∧∧:i:i:i:ｉ:|＼:::::: 〈　　　　　/⌒＼　　　　　　明日にゃ全滅するかどうかのテロリスト集団から、
　　　　　　　　 ／　　　　ｒ＜　　　　　 /:::::::::〈　＼:ｉ:ｉ|　 |＼::::〉　 　 　 ＼＼ |
　　　　　　　 /　　　　 ／＿＿＿＿／::::::::::/ :＼ |⌒ヽ |::::::＼~"''〜､、　＼＼　　　　　もしかしたらもっかい普通の暮らしに戻れるっちうんや。
.　　　　　　 /　　_.､-''":::::::::::::＼::::/＿＿__/::::::::::::|:|:i:i:ｉ:ｉ|::::::::::::￣|:::::＼:＼　＼＼
　　　　　　_.､-''"　/:::::::::::::::::::::::::V:::::::::::／::::＼::::::＼:i:i:i:|:::::::::::::::::厂〕:::::Y: ＼__|.　＼
　　　　 ／　　　 ./:::::::::::::::::::::::::::::}:/: ／:::::::::::::::::::::::::::〈⌒〕:::::::::::/￣:::::::::}::::::|　＼　　＼
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自分たちへの部屋へと戻る途中。
すっかり人気のなくなった廊下で、はやてと一緒にビニール袋片手に歩いていた。

食堂で配給食を貰っていこうと思ったら、なのはが酒の席を中断して
用意してくれたのだ。

どうやらテーブルのみならず食材も好きに使っていいと許可を得ていたらしく、
「明日は大事な日なのに、そんなので済ませてたら気持ち的にやられちゃうよ」と
なのはは自分たちを引き留めると、厨房でさっと食事を拵えてくれた。

袋はじんわりと暖かい。
中身はフライドオニオンがたっぷり振りかけられたホットドッグだ。

冷たく味気ない配給食を嚥下して終わりにするつもりだった自分たちにとって、
これほど嬉しいこともなかった。足取りも軽くなる。
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5713： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/27(木) 21:46:20 ID:rq3UHC/g0

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　　　　　　　　　　　　　　　_,.　　''" . : .: .: / :/ : |.:.:＿_/　　/ :/ : .:/ .: .: /. .: .〉 .: |
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　 　 　 　 　 　 　 ／ 　 　 　 ／.:/.:.:/ :/.: . .: .:.:.|ィうう㍉.:.:./.:／.: .:.:／.: .:.:/ : :/ :|
　　　　　　　　　　　 　 　　／⌒7.: / :/ ___|八:Ν 乂少　∨.: .: .:..∠ .: : .:/--/.:Ｘ|　　　　　　一時期の絶望もあったねんけど、
　　　　　　　　　　 　 　 ／　　 /:／〉￣/| |.: .: |　' '　　 ／ .: .:.斗tﾐ.:.:＼/--/<／|
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　/ ／　| |.: .: |', 　 　 ⌒¨¨¨ く少　) .: :￣/.: .:∨　　　　　　　こんだけ状況が好転したんや。
　　　　　　　　　　　　＿_/⌒＼/＼　＿/｜: : |∧　 `　 _　'　' ' ＿彡ｲ..:.:/.: .: /
　　　　　　　　　　　/:::／|　　 /　　∨ //八 .: |::込　　　　　_ ⌒>:／ : .:/.: .: /　　　　　　　　　浮足も立つってもんやろ。
　　　　 　 　 　 　 /／　｜　./　　_　-=７⌒ .:.:|＼ うTﾆ二 　　:／.:.:／/.: .: /
　　　　　　 　 　 ／　 　 ﾉ／ -=ﾆ／::::/／ ∧ |ニニニ／|　 ／　イ.:.:/|.:.:.:/　　　　　　　　　　　そうでもあらへんと、私かてやる夫君と
　　　 　 　 　 ／　 /　 ／/--／〈::::::::7　|:::| ∧＞--彡 /〕 ∧　　.|.:/ :j.: /
.　　　　 　 ／　　./　 /／___/:::::::::＼/　 〕::〕／_ ⌒＼　 /,/　 ＼_,|＼.:.:/　　　　　　　　　　　　　呑気にイチャついたりせえへんわ。
.　 　 　 ／　　　/／{／ )二{::::::::: ＿|　 /⌒＞'"￣／∨ﾟ￣￣￣/￣￣|
　　 　 〈　 ＼__/　 (_／ __).人::::::|::::人,/_>"　　 ／::::::: |.＼　　 〈（|.　　 |
　　　 　 ＼　　　　 |(／／ ).个::_|::::{　/　_____／＿＿/:〉ニ＼ 　 ＼____,|__
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　　　　　　　　　　 ／　　 ⌒　　 ⌒＼　　　　　　そういうものかお……
　　　　　　　 　 ／　　　（ ●）　（ ●）ヽ
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　　　　　　　 　 ＼　　　　　｀ ⌒´ 　 ／
　　　　　　　 　 ／　　　　 　 　 　 　 ヽ

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今日一日を過ごしてみて感じたが、桜花重工の残党としての暮らしが
始まって以来、今までで一番活気に満ちていた日だった。

企業連所属として戦っていた時も、ここまでの活気は感じたことがない。
トウキョウの整備員の人々も、「仕事だから」とどこか淡々としていた。

ここでは皆、明日の戦いのために各々ができることをしている。
企業連の上層部が決めた戦争ではない。
自分たちの生存を賭けた戦争だ。それも勝機が十分にある戦いだ。

誰かのための戦いではない。みんな、自分が生きるための戦いなのだ。
だからこその活気だったのだろう。
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5714： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/27(木) 21:57:41 ID:rq3UHC/g0


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　　 　 　 　 　 /　／ ／⌒＼.: {.ニ〈::::: 八_/:i:ｉ:ｉ:|::::::::::::::／-=ﾆ∨:::::∧ニニニ-_ 　 |　　　　　……先、部屋で待っとるわ。
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立ち止まり、こんな時間に一人でどうしたのだろうと考え込む。

すると、はやても一緒に立ち止まり、背中を掌でぽんぽんと叩いてきた。
こちらを軽く見上げ、片目を瞑ってみせてくる。

はやてのこともある。この基地内で危険もそうないだろう。
そう考えて、見なかったことにしようかとも考えを巡らせていたが、やめた。

「ありがとう、はやてさん。すぐ戻るお」

「はーい。あ、お夕飯預かっとくわ。戻ってきたら一緒に食べよ？」

頷き、ビニール袋を手渡す。

こうしたやり取りをしていると、彼女がパートナーになってくれて本当に
良かったと思えた。
依存させてくれるだけではなく、背中を押してくれる彼女の人柄には、
アマツでふさぎ込んでいた頃も救われてきた。

さて、消えていった人影を追いかけよう。
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5715： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/27(木) 21:57:54 ID:rq3UHC/g0
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5716： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/27(木) 21:58:20 ID:rq3UHC/g0
あれ、一コマ抜けてる。

ちょっと待ってね……

5717： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/27(木) 21:58:51 ID:rq3UHC/g0
本当はこうだ……ごめんね。

　　　　 ＿＿＿_
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　 ／　　　　　　 ― ヽ
／ 　 　　　　 　（ ●） '､　　　　　　……あれ。
|　 　 　 　　　　　　 （__ﾉ_）
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／　　　　　　　　　　　＼

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しかし、その中では、なのはやクーガーは少し雰囲気が違った。
他の皆やはやてのような、生気に満ちた感じでもない。
不思議な穏やかさがあった。

そんなことを考えていると、廊下の先、曲がり角の暗がりに、
見覚えのある横顔が消えていくのが見えた。

確かあの先にあるのは、ヘリポートに繋がるエレベーターだ。
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立ち止まり、こんな時間に一人でどうしたのだろうと考え込む。

すると、はやても一緒に立ち止まり、背中を掌でぽんぽんと叩いてきた。
こちらを軽く見上げ、片目を瞑ってみせてくる。

はやてのこともある。この基地内で危険もそうないだろう。
そう考えて、見なかったことにしようかとも考えを巡らせていたが、やめた。

「ありがとう、はやてさん。すぐ戻るお」

「はーい。あ、お夕飯預かっとくわ。戻ってきたら一緒に食べよ？」

頷き、ビニール袋を手渡す。

こうしたやり取りをしていると、彼女がパートナーになってくれて本当に
良かったと思えた。
依存させてくれるだけではなく、背中を押してくれる彼女の人柄には、
アマツでふさぎ込んでいた頃も救われてきた。

さて、消えていった人影を追いかけよう。
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5718： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/27(木) 22:07:04 ID:rq3UHC/g0
ごめんね、今日はちょっとこれくらいにさせていただく。凡ミスが激しい……

次回なのだが、モコイさんもGWは休め……ちゃうんだなぁコレが。

折角なんで土日に投下しようか。

4/29?の午後九時からにしよう。

幸いモコイさんは金もそんなになければ体力もない。家族とも仲悪いし友達とも疎遠だし女にも相手にされない。

GWは無事引きこもりだ……やることはまああるが。ちょこちょこ投下していくよ。

シーユーアゲイン。

5719：安価のやる夫だお：2023/04/27(木) 22:09:41 ID:ZybPa6jQ0
乙でした

5720：安価のやる夫だお：2023/04/27(木) 22:29:27 ID:WvktDnHQ0
乙

5721： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/29(土) 21:05:20 ID:x.xukXqA0
　　　　／||ミ
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　　　　＼||

5722：安価のやる夫だお：2023/04/29(土) 21:11:23 ID:ysQpAIUU0
ハロー

5723： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/29(土) 21:14:06 ID:x.xukXqA0

　　　　　　 　 ,- ‐‐ -　､
　　　 　　 ｒ‐ｲ: : : : : : : : :｀,
　　　　　　i /○　○: : : : /　　　/｀ ､
　　　　　 　i_ _ _ : : : : : : :{　 　 / : : /
　　　　　　 ｀,_　_｀=-: : : :| 　 ノ : : /　　　　　　AC6の新情報が色々出てきたね。ドバーっと出てきたね。
　　　　　　　i: : : : :_: : : : :'y´ : : : /
　　　　　　　｀-‐､´: : : : : : : : : ／　　　　　　　　みんなは予約できたかな？　モコイさんはまだだ。
　　　 　 　 　 　 ﾉ : : : : : : : : i´
　　　　　 　 　 / : : : : : : : : : :|　　　　　　　　　　　最近、病院代が結構高くついててね……お金がちょっとね。
　 　 　 　 　 　i: : : : : : : : : : : !
.　 　 　 　 　 （｀ー‐-　　-‐　_}　　　　　　　　　　　私のおじいちゃんPS4だとキツそうだし、PS5でやりたいんだが……うーん。





　　　　　　　　　_　_　_
　　　　　　　／: : : : : : ｀i
.　　　 　　　i: : : : : : : : : :!
　　　　　　　､: :○: : ○: :!
　　　　　　　 i: : : : : : : : : i
　　　　　　　 l: : :,, --_ｯ: :',　　　　　　　　　モコイさん的には企業の概念があるといいなと思っている。
　　　　　　　 丶 ｀‐'´: : : :ﾉ
　　 　 　 　 / ´: : : : : : : : ｀ヽ　　　　　　　　あの群雄割拠感が好きだったんだ。
　 . 　　　　/: : : : : : : : : : : : : ヽ　
　　　 , -‐': : ,: : : : : : : : : : : : : :ヽ　　　　　　パーツのメーカーとかって考え方も好きだった。
　　／: : : ,-ｲ: : : : : : : : /｀丶: : : :､
　 ｒ⌒ ,／　/: : : : : : : : i　 　i: : : : i　　　　　　BFFとレイレナードのパーツが好きだったね……
　 ` ‐ '　　/: : : : : : : : : |　　 ! : : : |
　　　　 　 i: : : : , _ -‐ ´,) 　 ｀ ヽ _|　　　　　　　やっていこっか。
　 　 　 　 (_ _i￣(_　-‐'´i
　　　　　　|　:|`‐´i : : : : |
　　　　 　 |: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
　　　　 　 |: : : : : |: : : : : !

5724： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/29(土) 21:23:32 ID:x.xukXqA0

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　　　　　 　 　 　 '.'/　 ' 　 ._'.....ﾞ:　!
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軽々とした足取りで自室へと向かう二人の背中を見送りながら、
何ともなしに溜息を吐いた。

言いたいことは言えただろうか。
クーガーに促されずとも、やる夫には挨拶しなくてはと思ってはいた。

自分が彼をリンクスにした。
放っておけばノルドルムの実験材料、良くてストリートチルドレンに逆戻りという
身の上だったとはいえ、戦場に駆り出したことには違いない。
他ならぬ自分が、ネクストを彼に与えたのだ。

ならば責任があるというものだろう。
その半分くらいは、結果的にはやてが担うことになってしまったが。
もう半分くらいは残っている。
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5725： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/29(土) 21:36:24 ID:x.xukXqA0

　　　　　　　　　　　　　　　　,v´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|八
　　　　　　　　　　　　　　　　l l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ丿l
　　　　　　　　　　　　　　　　|　､:::::::::::::::＿_l:Nｉ/／::::::::ノ /:::::l‐-､
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ〃￣_二l　　 ￣|ヽ､'ﾞ´　ノ::::::::ヒ￣
　　　　　　　　 　　 　　　　　／::／__,　└─-､__　| ヽ:::::::::::::::::::`､
　　　　　　　　　　　　　　 ／／}トﾆt_　`＝ﾆ二ヽ￣１､ヽ::::::::し｀V
　　　　　　　　　　　　 　 /／ .ﾉ丶-ﾟｉ　　　こ ﾟｱ ｀　 !::::ヽゝ､::ヽ
　　　　　　　　　　　 　　//　　l　 　' .:::::　　　　　 　 |::丿ﾆﾉ::l「　　　　　　　　　　　そう身構える必要もないかもしれませんがね。
　　　　　　　　　　　　　/　　 　ヽ　`　　　　　　　　　l/_／:.ヽ|
　　　　　　　　　　　　　　　 　 「lヽ`､ー‐-y'　　＿-─-､|´｀ヽ　　　　　　　　　　　　あくまでも最終手段だ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　| | }　￣￣　「￣　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　l|､　　　,/　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　現存戦力で十分となれば、出番はない。
　　　　　　　　　　　　＿＿ ／|　 |,｀l‐'´/　　　　　　/､__
　　　　　, -‐..´.￣￣.......／　　　 | 八　ｉ　　　 　　　　　　｀丶､ ＿＿＿_＿__
　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::＼　　　　ヽ　｜　 　　　 　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　 l´::::::::::;:::;:;:;::-‐ーーーー＼　　　 L_ﾉ　　　　　　　　,　'´　‐--;:;:;:;::;:;:;:;:;:::::::::::::ヽ
　 |;:;:;:;:／　　　　　　　　　　　 >　／ /　　　　　　　く´　　　　　　　　　　　　ヽ;:;:;:;l
　 ｉ::::::l　 　 　　 　 　 　　　／　／　/　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　|;:;:;:|
　ﾉ:::::/　 　 l　　　 　 　 ／＿／ 　 /＿＿＿＿＿＿＿_＼　　　　 　　 　 　 　l;:;:;:|
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　　　　　　|ヽ: |:.:.:.:.:.:.|:._⊥___/ .| /　 .|:.:.,'⊥__:||:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}:.:.:.:.:.}
　　　　　　',ヽ:.|:.:.:.:‐卞:.ム∠..｀|/　　.|:.7´＿ :|.リヽ:.:. !:. |:.:.:.:ｉヽ:.:.: |　　　　　　　　何が起きるか分からないものです。
　　　　　　 ',:.:.|:.!:.:.:. |.≠::てうﾐ/　　　|/ ｲてうヽ､|:.:.:.ｲ:.:.!:.:.: ,' |ヽ:. |
　　 　 　 　 ∨|:|:.:.:.:〃ら::::::::}　　　　/　 b:::刈 〃:.:ｲ:|:.:ｲ:.: /:.:|　.}:.|　　　　　　　　できることは、今のうちにしておきたかったので……
　　　 　 　 　 {.|:|ヽ:.ヽ｀.辷z.ﾉ. 　 　 　 　 辷丿 ././:|:.|/:.}:./:.:. |　.|/
　 　 　 　 　 　 |ヽヽ:.ヽ　　　 　 　 　 ,　　　　.／/:.:.!/:.: |/|:.:.: |　/
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　　　　　　　 　 .',:.:.:.:!ヽ、　　　　　r -,　　　　.ｲ:.:.:.:}:.:.:.:.:.:.:|:.:.: |
　　　　　　　　 　 ｉ:.:.:.|　 ト 　　　　　　　　／ . ｉ:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.|:.:.: |
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　　　　　　　　　　　ヽ:|/ヽ __　 　 ｀´　._/|　　 .},':.:.:.:.:.:.:.: : |:.:.: |
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╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
対面のクーガーがおどけてみせてくる。

顔を合わせるたびに怒涛の口説き文句を浴びせかけてくるこの男は、
正直苦手だった。グラハム・エーカーといい、自分は変な男を引き寄せるらしい。

だが、今のクーガーはやる夫の恩人だ。
アマツから帰って来た後、彼の再起に大きく貢献してくれたと聞く。

彼の恩人なら、私の恩人と言ってもいい、かもしれない。

間と話した後、二人で酒でもどうかと誘われたときはかなり迷ったが、頷いた。
やる夫のこともあったし、性格はどうあれ、信頼できる男だ。

妙齢の男女が二人で酒を飲み交わすことに、どんな意味があるのか、
知らぬわけでもない。けれど、そんなことにはならないだろう。
なっても、拒めば向こうは退く。そういう人だ。
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5726： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/29(土) 21:40:31 ID:x.xukXqA0

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　　　　　Ⅳ　 {:./　　　 ￣　}:!:.:.:.:.: l　 　 l.l./:.:.:.:.:/:|　　　　　　　　　見違えるようになりました。
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　　　　　　 　 |:. : l＼￣　　/､ /:.:./　　／/|:.:.{:.:. : |　　　　　　　　　今の彼なら、一人でも大丈夫でしょう。
　　　　　　　　ﾏ:.:.l ＿_ヽ-,r´ヽ:.:/-‐ ´／　!:.:.!:.:.:.:.:ｌ
　　　　　　　　 ゝ:.{::::::: ／/／}／　 ／　　人:.l:.:.:.:.:.l　　　　　　　　　……それに、はやてちゃんがついてくれてるし。
　　　　　　　　/::::ヽ::/　/／>〃 ／　　 ／:::::‘，:.:.:. l
　　　　　　　　l::::r==　/／/　l／ L＿_/:::::::::::::::ヽ:::::‘，　　　　　　　　もう、心配いらないかな。
　　　　　　　, l::::ll　　/ヽ/,ｲ´　　<　　 ＼:::::::::::::::::‘，::',
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ - 　 ￣　￣r=イ:::.:彡´　　　　　　　　　　　　んー……悟るのもいいですがねぇ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _'.　￣　　　 ﾉ彡/￣｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 ヽ＿　　 ´ r /　　　 /　　　　　　　　　　　　あなたはあなたで、自分の幸せを考えてもいいと
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　 ﾊ、l　　 / /　　 　 {
　　　　　　　　　　　　　　 -──--､＿_rﾍ　 ﾍ ヽ　{　ﾉ　　　　 Ｌ　＿_　　　　　　　　　思ってるんだぜ、俺は。
　　　　　 　 　 　 　 ／:::::,　 -──‐ヽ、　 ＼　ヾ─ｧ′　　 ／　　　　 ＞　　 、
　　 　 　 　 　 　 ／::::／:: :: :: :: :: :: :: :: ＼　　＼ ｀「 r　　　　　　　　∠__::::::::::::::
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5727： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/29(土) 21:46:37 ID:x.xukXqA0

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　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ_ ＿　　　/ﾉｲ:.:厶イ:.:.:.:.:.:.∧//.:.:|:.:.:.:|:.:.:.:|　　　　　　　それに、あなたも長くないでしょう。
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｰ'　　u.　/:./　　ﾞζ:.／　 V//:|:.:.:.:|:.:.:.:|
　　　　　　　　　 　 　 　 　八 ＿＿ /:./　　　　＞┐　 ∨//:.:.:.|:.:.:.:|　　　　　　　 ちょっと無責任じゃないですか？
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /′/へ　　 x彡"／二〕　V//:.:.|:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 Χ"　／／ｌ|ﾆ＼　V//:|:.:.:.八
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／′／|ﾆ|――「 ＼ニニﾍ/:.:.:.:.:.:.|
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　　　 　 |　ﾍ:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: : j !
　　　 　 |　 ∧:: :: ﾄ､:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :／ }
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　　　 　 　ﾊ ゝ、 「 ー＜:: :: :: :: 7::＿ ,.ｨ´　 ,ｨ7
　　　　　　}:: ｀＜_}　　 　 ｀⌒Y::「　　　{__／::ｲ,
　　　　　　Y:: ::√　　　　　　　l:: }　　　 ヽ:: ::/
　　　　　 _」､:: l ≧三≧､　 　 |::| x≦≠7::∠
　　 　 　 { ﾐ}:: ﾊ ヽ,-tｯ ､ヽ }　|::|_, ｬ-ｧ }::/iｿ
　　　　 　 ヽヽ ::!　 ｀ー '´　l | }/ ー ´ // ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　さあな？　俺は生きられるだけ生きるぜ。
　　　　　　　ゝﾍ}　　 　 　 　 | |　　　　ﾚォ
　　　　　　 { く｀ﾊ 　 　 　 、　_l　　　　j´ﾉ}　　　　　　　　　　　　　　　　いつだって死ぬ気なんかサラサラねえよ。
　　　　　　__」 ＼ﾍ、 r,､＿｀＿＿, 　ノ´ /､
-ｧ　　´￣　｜　　｀＼｀ ￣￣￣　／　　l　　 ＞ -- ､ ＿　　　　　　　　　次の戦いの後もピンピンしているつもりで行くぜ。
/　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　 ￣　 / 　 　 |　　　　　　　＼::＞......､
　　　　　　　　　　　　　　}､＿ イ　　　　　　　　　　　　　l:::::::::::::::｀:::::::..､
　　　　　　　　　　　　 　 l　 　 ﾉ　　　　　 　 　 　 　 　 /::::::::::::::::::::::::::::::｀'::
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話題を逸らす意図で、クーガーの肉体について話を振ってみる。
彼は決して高くはないAMS適性で、シュクヴァールという超高負荷の機体を
乗り回した負債が、その肉体の内側を蝕んでいる。

本来であれば死に至っているような状況においても、
奇跡的に持ちこたえたり、あまつさえ回復する例も少ないがないわけではない。
その例の一つがストレイト・クーガーだと、間はそう告げていた。

彼の経験してきた戦いは、常人であればとっくに死んでいるのだと。

それなのに、クーガーは平然と言ってのけた。
さも当たり前のことを聞くなと言わんばかりに鼻を鳴らして見せる。
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5728： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/29(土) 21:53:23 ID:x.xukXqA0

　　　　　　　　　　 |　 l ｀ヽミﾍ　ヽ､　　　　, 〃　　　 　 /　 !　|　,/
　　　　　　 　 　 |､ﾄ､　＼　ヽ､ へヽ､　　/ 　'"´　　　 /　 /　 ﾚ/
　　　　　　　　　 l　 ＼　ヽ､_　　｀/　.:ゝ､　ﾉノ_,,,.､-‐ｧ'　 /　　 /
　　　　　　 　 　 ヽ　　ヽ､|　　￣/　.:/､／''"´　　　 / ／　 　 /
　　　　　　　　　　＼ヽ､ /　　　/ .:::/ 　 　 　 　 　 〈'´ イ　　/
　　　　　　　　 　 　 V,イゝｰ-,/ ::::/　　　　　　_,,.=ミ､ヽ〃　/´
　　　　　　　　　　　 |fｌ:|￣ __/ ::::/ヽ/　l＿_,.zr=ﾆ´￣ !:lr‐､l　　
　　　　　　　　　　　 l ﾘ|!　 ､/ ::/u､〈　 `''´ ィ'´￣ﾟｱ　|ﾉ|ﾃ/
　　　　　　　　　　　 ヽjl:､　/ :/￣　 ,　　　 ｀ ￣´　　 !::l /､　　　　　　　　　　　　……物心ついた頃にゃ荒れ地を彷徨う群れの一人でよ。
　　　　　　　　　　　　 | ﾄl /::/　　　 |　　　　　　　 　 lﾘノl　l　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　 l lr//　　　　､　　　　　　　　　/ | ｿ ,'　　　　　　　　　　　　計器の警報と汚染の影響にビクビクしながら暮して……
　　　　　　　　　_,. -一| /'､　 　 ､＿ヽ__∠＿,,.ｨ 　 /_／　l-､
　 ＿＿_,,.､‐''"´　　　　l　　ヽ、　ヽ､二二__フ´ _,,ノ'´　　 l 　｀ー- ､_　　　　　　　　ある時シュクヴァールを見つけて、俺が乗れるって
￣:::::::::::／　　　　　　　 l　 　 ﾄ　　　-‐‐-　　./　　　　　/　　　 　 　 ｀ヽｰ--
:::::::::::::く　　　 　 　 　 　 ',　　 | ヽ　　　　　　/l 　 　 　 /　　　　　　　　　ヽ:::::　　　　なった時、俺の人生ってやつが始まったんだ。
:::::::::::::::::＼　　　　　　　　'　 　l　 ＼　　　／ ,'　　　　/　　　　　　　　　　/::::::
::::::::::::::::::::::＞､　　　　　　　 　 ＼ 　 `ｰ''´　/　　　／　　　　　　 　 　 ／::::::::





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::!ﾍ 、
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　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 !::::::::::::::＼＼::::｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 N::::::::::::::::::::＼＼::::::::ﾍ ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ::::::::::::::,.ｨ::::::＼7 ､:::::::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ７:::::::::::!i l::::/´ 　 ,_＼7
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒ス _,≧N 　 　 fｯ!∧ヽ、
　　　　　　　　　　　　 , -──-　 _ ,.／　 ＼ l　　 ､　 　j　 ' .::!　　
　　　　　　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::!　　　 　 下、　 > '´　 　 |:!
　　　　　　 　 　 　 /:::::::::::::::::::::::::::::!　　　　 ／ ィ ､_!　　　 　 i|　　　　　　操縦者の命を蝕むクソったれな兵器だが、絶対的な力になる。
　　　　　　　　　 ／::::::::::::::::::, -─ へ、 　 /∠_」　
　　　　　　　　 ノ:::::::::::::::::::/ : : : : : : ノ＼∧　!　　　　　　　　　　　　　　　 自分の意思を好きなように突き通せる。
　　 　 　 　 ／:::::::::::::::::／,. -': : : : j　　　!　i　ﾄ､
　　　　　.／:::::::::::::::::／／: : : : : : / 0 ／　 ! 「!:::'.　　　　　　　　　　　　　　それだったら、悪くねえ。
　　　 ／:::::::::::::::::／／: : : : : : : :/-＜　 　 ﾊ !: !:::!
　 r ＜:::::::::::::::／／: : : : : : : : :/ ０　 ｀ヽ/ oY: j::::!　　　　　　　　　　　　　　戦うのも、命が削れるのも、悪くねえ。
　 !　 　 ｀　 ､l／!: : : : : : : : , ０　　 　 　o ／ノ:／
　 ,　 　 　 　 1　!: : : : : : : : !　　　　 　 ／: r'::ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　そう思ってたんだよ。若造の頃の俺はな。
　　,　 　 　 　 Ⅵ: : : : : : : f０　　　　ﾟ /: : : :!:::!
　 　 ､　　　 　 ﾍ: : : : : : :ノ　　　　o /! : : :.:|:::i
　　　　、　　　 　 ,: : : : : ! o　　　　ｲ: ! : : :.:|:::!
　　　　　 ､　　　　 '. : : : } 　 　 　 oi: :!: : : :.l:::!
　　　　　　'　､　　 　＼ : 7＼　　　 |: j: : : : l:ｿ、
　 　 　 　 　 ∧　　　人: :!　 !　　　 Vー‐ '´　 !

5729： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/29(土) 21:59:53 ID:x.xukXqA0

　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ヽﾄ,
　　　　　　 ｀'ｰ-､..::::...:':､..､.　　　　　ﾚ1　 ______
　　 ^''ｰ-､　　　　｀'ｰ|`''ｰ-､;_`ヽ:.. -‐''",. -‐''"｀
　　　　　　｀'''ｰ-､,_:::::{　　　　 ｀ﾞ''ーr､￣＼
　　　　 i　　　:::::::;;;＞′_,.へ. 　 　　{ ＼　 ｀､　　　　　　　散々暴れまわった。黒いネクストが暴れるのに便乗して、
　　r'⌒'|　　 ::i"´　　　￣｀''ｰヽ､j ﾚ'′　＼　｀､
　　| i´ヽ|　　::|　　　　 `､￣ﾟ`　　(ｿ 　 　　.＼. `､　　　　　一時期は防衛戦力を蹴散らしてコロニー一つまるまる乗っ取ったけなぁ。
　　ヽヽ^'l.　　::|　　　　　 ￣ 　 　 ｀i　　　　　 ＼ ',　　
ｰ-＜｀ﾌ''ヽ.　 :|　　　　　　　　　　　l　 　 　 　 　ヽi　　　　　……でも、それまでだ。俺以外全員ぶっ殺されちまった。
　　　￣｀''''ヽ､:;|　　　　　　　　　ｰ-′　　　　　　　l
　　　　　　　　　￣｀7 　 　,.. ‐''"j＼　　　　　　　　　　　　　 取っ捕まって……ブライドルのランク10になった。
　　　　　　　　　　 /､　　　　　　{: 　ヽ
　　　　　　　　　　/　｀＞､ 　 　 {　／　　　　　　　　　
　 　 　 　 　　　 /　／l 　 ｀''ｰ‐'／





　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／!
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／i:i/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／,／/　　　　　 へ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／,／_,/　　　 ィ:i{:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 . . . : :,／,／_,／ へ、　}i:i:i}!.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　. . : : ＿: :／ﾆ∥//{＞ 、__ヽ{i:i:i:i}!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、
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　　　　　　　　,_-=,／ノﾉﾆ=-￣i:i:i{　.:|-= ￣ ／／／.:.:.＞---r'.{:.:.:.:.:.:.:.:/
　 　 　 　 　 /ﾆ／ｰ＜-￣i:i:i:i:i:i:i;{　 乂＞./.:,ﾉ／.:.＿:.:.:./.:.:.:.}:.ﾊ:.:.:.:.:.:.:{
　　　　　　 /／ニニ／i:i:i:i:i:i:i:i:i:/:{ゝ　__　/.:.j{.:.;／_,／i}'.:.:.:.:.:.://ｰ､.:.:.:.:.:.　　　　　　　　俺にとっちゃぁ正しく首輪だった。
　　　　　　 ー‐　'⌒Vi:i:i:i:i:／ア./´,ィ⌒7.:{／／/／ニ/ー--r'/　.< ヽｰ､.:.
　　　　 　 　 　 　 　 ゝi:／.:.:.:.／.:.:.:.:.://.::::Vニ{{_ニニ{:{{!:.:.:.ﾉ__＼　＼∨:.ﾊ　　　　　　　「殺さず飼ってやるから従え」ってな。
　　　　　　　　　　　　　 Ⅷ}／__ﾉ.:.:.:／／::::|ﾆ/∥ﾆﾆ/.:.:}l.イ＿j{＼ 、　.∨/
　　　　　　　　　 　 　 　 ∨イ⌒.:／イ:::::::::::ト　 ＿／／.:／.:.:.:.｀ヽ:.ヽ￣　　　　　　　　　 ……それもいいかとも思ったんだ。
　　　　　　　　　　　　 イ.:.::／:.r'.::::::／ ￣うー＜/i:/:{:.:.!{:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾊ:.:.:.
　　　　　　　　　　　　|: !:.:j{.:.:.:.:ヽ｡ｓ≦__／i:i:i:i:i:i:_/{:.:.r:.:.{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,ﾊ:.:.}　　　　　　　　　　一張羅を着て、優雅に飯を食って、
　　　　　　　　　　　　|: !:.j{.:./-=≦:::::/i:i:i:i:i:i:,／i:ji:i:i}:.{.:.:.:.＜:.:.:.:.:.:.／ ,
　　　　　　　　　　　　 ￣ ＿ ,＼::::::.｡ｓ≦:.:〃 ィﾍ_r':.:.ゝ＜:.:.:.:トイ.:／　　　　　　　　　　　　文化的な暮らしができてよ。
　　　　　　　　　　ィ/￣:.｀ヽ:.:.:.:.ヽ＿:.:.:.:/ｰ{i:ｰ ケ:.{:.／_},/ヽi:＜／i|i
　 　 　 　 　 　 ノ_/.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.;／.／⌒＞　.V／ﾉｰr,／) ゝ.._Ⅷi|i|i|i|i|　　　　　　　　　　　　　先も長くねえし、抗うほどの理由もなかった。
　　　__　__-‐-=≦､‐ .､.:.:.:.:.:/.: :/.:.:.:.:.ゝ’:.ﾊ￣/イノ´.V　　　|i|i|i|i、i|i|i
　　 {ヽ{ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼/＼:.:.{:. :.{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.， ､{　　 ﾉゝ.　　|寸i〈 ﾏ|i|i
　　 ヽﾊヽV.:.:.:.:.:.:＿___.:.:.:.ヽ.Ⅷ:.V.:.:.:｡ｓ≦ｰ':ト、＼　 Vハ　 |　寸〉 ＼}
　　　 丶Lﾘ￣__　　　　　￣__∨__､ノ.:.:.:.:.ィ笊ｰ ー ＼__、 ＼!
　　　　　｀ヽゝ._ヾ＿＿ー'_r‐...∨__､r笊ソﾞ

5730： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/29(土) 22:04:01 ID:x.xukXqA0

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..l!::::::ヽ、ヽ、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i!:::::::::::::::::::::::::::::::::::l 　　　 ヽ、
ヽ、::::::::ヽ　｀ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::、:::::::::::::::::i:::N::::::::::::::::l|::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
　ヽ｀::::::::::＼　　｀‐-、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::､::,､ iヽﾞ,:::ヽ::::::l:::M!^!l:::::::::::::l l::::::::::::::::::::::::::::::,-､! /
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　　 ﾞ;,:::::::::::::::::::::::｀ヽ、　　　｀'‐- .,_::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾉ ./ ﾍ::::::::::::,.／i! l:. :.j
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　　 　 ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀'‐- _　　　　 ﾞ,｀''''‐-''- ─-　 .,＿_::::::::::ヽ　l:::::::｀´::::: / :. :. l :1:./
　　　　　＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀'‐- .,_ ﾍ 　 　 　 　 　 　 　 ヽ、::::::ヽゝ、::::,.-1':. :. :. l . l/
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　　　 　 　 　 　 |ﾍヽ、:::::::::::l　r⌒' ,l｀ヽ、　 ｀' 一─￣ -　‐ '"´ ,-‐､ ﾍ:::::ﾍ:. :l:. :. :.j´　　　ヽ、　　　　　　 やる夫を見てみろよ。
　　　　　　　 　 _| ヽ'＾ヽ:::::::::ﾞ, ヽ　 八:::::｀へ　　i! j　l　　　　　　 l .にl ノﾍ: ﾍ:.j:. ／　　　　 　 ｀'- 、
　　　　　 　 ,‐´ .l　 ヽ、j::_,. -ヽ、　ゝﾍ::::::::l　｀'‐-.,_ l　　　　　　/!/r‐ l:. :. ﾞ,::ﾞ,i /　　　　　　　　　　 ｀'　　　 ありゃあ世間知らずのガキだ。
　　　　　　/　　 l　　　｀く　　　　ヽ＿　ヽ::::!　　　　｀ﾞ'‐-　.,＿,/ .l!　ｰ l､:. :.iﾍ Y
　　　　／/ 　 /j　　　 　.｀ヽ、　　　 l　　 ｀i　　　　　　　　　　　　l　 　.lヽ‐- i,_!　　　　　　　　　　　　　　　 ガキがワケも知らずに、
　　 ,.ｨ´　　　 l '　 　 　 　 　 ｀'‐ .,_　l　　　　　　　　　　　 　｀' ‐-l　 　 l　ヽﾍ　l　　
_,.-'::::|　　　　　　　　　　　　　　　　｀'ー ,_　　　　　　　γ＾ヽ-‐''"l　 　 l　　l .l　l　　　　　　　　　　　　　　　好き放題喚いてるだけだ。
:::::::::::|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　~｀ﾞ''-.、　 　l'ヽ　 l　イ.j　　　l 　 l　l　ﾞ,
:::::::::::|　　　　　　　、　　　　　　　　　 　 　 　 　 l、　　j｀"　 l　 j! 　 　 l　　|　ﾞ,　 〉　　　　　　　　　　　　　　
:::::::::::|　　　　　　　 ヽ、　　　　　　　　　　　　　 l ｀ヽ_,j　　　l　/　　　 l　 　 l　.〉/
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　　　 ＼　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l
　　　　　＼　　l｀ ヽ､z 、　　　　　　　　　　　　　｀ソ
　　　　　　＿、j　＿＿　｀` 、z 、　　　　 ＿　　 ７
.　　　　　 l　　　Z＿::::::ヽ、　　　 ｀`ー ｘ´ ＜┐´
　／ヽ.―┴―――→―‐←――--- 、>、 ヽ
K.　→l￣＼:.:.:.:.弋ー　ｬｯ- 、`ｰ':.:.:.:.:.:.:.＿_ヽ　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　けどよ、俺はそれが好きなんだ。
　ヽ.´/!.　ﾘ ＼:.:.:.:.｀ー――:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.､tｯノ.l ヽ　',
.　　ヽ l 　l.　　｀ ヽ 、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./⌒i.:.:.:.:.:.:.:.:! 　ヽ ',　　　　　　　　 __　　　　　 ああいうのほど、通させてやりてえじゃねえか。
　 　　',^ヽ!.　　　　　｀`ヽ、:.:.:.:./.　　l:.:.:.:＞'´　　　ヾ　　　　　　　./　　
.　　　　ト　　　　　　　　　 ￣　 　 　ﾄｰ´/　　　　　　ヽ　 　　 ,ｲ/　　　　　　　　懐かしい気持ちになんだ……
　 　　　l　　　　 , 、　　　　　　ｰ　 ノ　/ 　　　　　　　 　　　 / l/
　　　　〈　　　　　ヾ ー――‐┬‐ィ　/　　　　　　　　 　　 　l.　lノ!／　　　　　　 同時に、もっと見ていたいって気持ちになる。
　　　　 ヽ-- 、.　　ヽ、＿＿＿ソ´ /｀ ､　　　　　　　　　　　!
　　　　　 ',　　 l. 　　　　　　　　　/　　　｀ヽ　　　_ィﾆ￣￣`'　　　　　　　　　　　死んじゃいられねえってな。
　　　　　　〉.　 ト、.　　　　　　　/　　　　　 〉　　　　 ＞ー――　、
　　　　　　j.　　',　｀ 、　　　　 / 　　　　／＿＿　,r'´　´　　　　　 `
　 　　　　 ヽ.　　',　　ー――'´　　　／　　　ヽ／　　　―――-- 、
　　　　　　　j　　 ヽ　　〈　　〉　　／ 　　　　 /　　　 　　　　　　　　ヽ

5731： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/29(土) 22:08:14 ID:x.xukXqA0

　　　　 　 　 　 　 ﾄ､ヽ　　　`ー　-　　　＿　　　
　　 　 　 　　 　 　|　', ＼ 　 　 　 　 　 　 　 　｀ヽ,　 ﾄ 、　
　　　　　　　 　 iヽ| 　＼　＼ 　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ|　 l
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　　　　　　　　　ヽ,　　　 　 　 　 　 　／,ィＴ　￣ヽ;;ヽ,　 7｀/ 　　　　 ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　……で、話は変わるんですがね。
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　　　　　　　　　 /　　　　 　　 〈　　　i l|　||　　　　　　::`マ　　　￣`…　　―　　　　__＿＿　　　　　　俺は強い女が好きなんですよ。
　　　 　　 　 　 /7/´i　　 　　 　ゝ、　Nﾄ、|　 　　　　.::::. 　>　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀
　　　　 　 　 　　/ 　 〉 ﾊ　 　　|　　7　　　　　　　　　　　∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　物理的にじゃぁありませんよ？
　　　　　　　 　 　　　|/ ﾉ/|　ﾄ､|　　 ＼　　　　　´ｆ===┐i　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　
　　　　　　　　　 　 　　　　jﾉﾘ￣￣￣￣￣￣￣ヽ`ﾆﾆ'　|￣ `ー―　　―　　、　　　　　　　　　　　　　　精神的に強い女です。
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　|　　　 　 　　　　　　|　　　 {＼　　＿＿＿＿　　　 ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　 　j　　　　　　　　　　　ト　＿ﾉ　/´:::::::::::::::::::::.......、　　　＼
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　　　　ヽ 　 ヽ　　＼ 　 ｀ヽ､｀ヽ､　ﾉ　ノ／´ 　 ﾉイ j 　 /
　　ヽ､_ ヽ　　＼　　 ＼　ミ´￣￣｀`ヽ､　ヽ､ ﾊ从〃ノ∠
　　　 ＼＼､　　　ミ ヾ　ヽ､　　　　　　　｀ヽ､　＼彡ノ´
　　　 　 〉､ハ＼三ミ　ﾐ／　　　　　　　　　　ヽ､ ＼
　　　　/〃 ゝr‐､＼　ミ　 ,.zrニ≡ー--‐'　 ,z-‐＼ヽ
　　　 /／ｲYl|しjﾄ､ヽ､l　　 　 ,.rｯ-､ 　 　 r ｨ｡‐､ /＼ヽ
　　　'´＿ﾉミﾍ! l ヽヽヾ.　　　 `ー-' 　　 　 l ｰ ' |　　 ヽﾞ､　　　　　　　　……何もかもをやり遂げた後、
　　　 ｀ヽ､__ゝ＼ｰゝ､ヽ　　　　　　　　　 　 l　　.l　 　 　 ＼
　　　　　　７／ﾆ`r‐,｀＼　　　　　　　　　　ﾉ　, '　　　　　　　　　　　　　　そん時、隣にあなたがいてくれたらなァ。
　　　　　／l　l'⌒|　 ､　　　 　 ､ 　　　　　_ ｨ/
　　　　　　 |　＼ !　　ヽ､　　 　 ｀ヾニﾆ二ｿ/､　　　　　　　　　　　　　　　そうも思うんですよ……今はね。
　　　　　　 l　　　＼_　　 ｀ヽ､　　 　 　 　 /　 ｀ヽ､
　　　　　／　　　　　　｀`ヽ､_ ＼　　　 　 ,' 　 　 　 ヽ､
_,,..､-‐''´　　　　　 　 　 　 　 〉　＼_　　_ﾉ　　　　　 　 ｀ヽ、
　　　　　　　　　 ｀ヽ､　　　 /　　　/￣ヽ、　　　　　　　　/ー‐-､
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5732： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/29(土) 22:27:51 ID:x.xukXqA0

　　　　　　―=ﾆ ヽ､　　　　　＿＿
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　　　 〃― ァ:.:.:.:.:.:.｀:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:‘，i､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i
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　 　 　 l:.:i:. |:|:!:.:.:.!:.{,===､|　　ヽヽ,====､:.ﾄ:.:|:/:.:./:.:.:.:.:.:.: |
　　　　 ﾏﾄ:.:ﾄ{‘，:/ γ⌒',| 　 　 ヽγ⌒', }l}:.!:.!:./:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　｀ヽ{ ゝ-､{､弋　ソ　　　　 弋　ソ l:./_r--|:.:.:.:.:.:.:. |　　　　　　　お、おぉ……
　　　　　　　 /|/　', //////　　　//////|:.|　,ヽ|.|:.:.:.:.:.:.:. |
　　　　　　　i:.:|'　ゝヽ　　　　　｀　　　　　/|ゝ' 　l |:.:.:.:.:.:.:. |　　　　　　　えーっと、そのぉ……
　　　　　　　|:.{　　ヽ:i　　 　 　 　 　 　 /〃　　 /.|:.:.:.:.:.:.:. |
　　　　　 ＿|:.∧　　 ゝ 　⊂ﾆﾆﾆ⊃　, ｲ　　 ∠__|:.:.:.:.:.:.:. |　　　　　　　や、やめときます。
　　　　∧:::::ﾚ'::::ヽ　　　 }ヽ　　　　＜| ,'　　 /---､:::::ゝ､:. |
　　　　i::::i:::::::::::r､::/　　 i ヽ ≧≦ ／/i ＿== ´　‘，/:::::i: l
　　　　|:::::l:::::::/　　｀ヽ､l__　r≠ l　 l￣　　　　　　 ﾉ::::::::::|ヽ
　　 rﾊｌ::::::::<r＼　　　 　 // ゝ /l　 l　　　　　　／ |ｌ::::::::| | }
　　{ { |:::::::: |/　　ヽ　　　/､i /| .| } //､　＞　´　 　 l､::::::| | !
　　! l l:::::::::/　　　　 ＼/　l/ /l .l ' / ヽヽ　　　　　　l　l:: |ノ
　　ゝ┐::-/　　　　　　/　 lゝ--= /　 ／ヽ　　　　　 |　|::|





　　　　　　　　　　　　　_,,∠-‐'''´￣-一::::::::::::｀`ヽ、
　　　　　　　　　‐-､/￣￣￣｀`'''ー-､＝二:::::::::::::::::｀ヽ､
　　　　　　 ,.‐''"￣`ヽ　　 　 /　//　　｀ヽ､／￣｀` ｰ- ､_ヽ､
　　　 　 ／:::::::::::::::_,r'　＿,∠-――-､＿　＼￣￣｀`ｰ--､二ニ=一
　　　　/:::::::::,. ‐''"　￣lj　　,,z''"￣｀`　＼｀ヽ､＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　 　 /::::::::／　　　 　 〈､L〃r・ア　　　　/::::::::/⌒ヽ::::::::::::::::::::::::::::::
　　/:::::／　　　 　 　 　 7　　´　　　 　 /::::::::/ヽ､ﾊj:::::::::::::::::::::::::::／　　　　　　　　　う〜ん、この流れだとイケると思ったんだがなァ〜
　/:::::/　　　　 　 　 　 /　　　　　　　 /!:::::::/　/ノ/:::::::::::::::::::::r､ｲ
　l:::/　　　　　　　　　　`'┬-　　　　　 ﾚ/'´　 lｰ〈::::::::::､__;r､/　ヾ　　　　　　　　　　　いやね、なおはさん？　俺はこう思うんですよ。
　|::l　　　 　 　 　 　 　 　 `=ｧ､ ､　 　 　 　 　 V　｀ーﾚヾl　_,. -‐､
　|:|　 　 　 　 　 　 　 　 /￣｀`ヽ　　　　　　 ノ/　 _,,. -‐''´　　　 |　　　　　　　　　　　旅は道連れ世は情けだと！
　|:!　 　 　 　 　 　 　 　 ｀〉ｰ､　　　　　　_,,. -‐''"´　　　　　　　　|
　||　　　　　　　　　　　　/　　　 r‐''"´￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　まぁ今の時代金さえあれば人は独りでも生きてはいけます
　|!　　　　　　　　 _＿＿ヽ--‐‐'､
　l　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　仕事に趣味に人生を豊かにする手段なんて何万通り
　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　,. '-一
　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　 ヽ　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　けど相手がいるに越したことはない孤独にはいつでもなれる、そう！
　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　ヽ　　　　　　／

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今のセリフには、正直、少し戸惑った。
普段だったら即答でお断りしているところなのだが。
存外にも揺らいでしまった自分がいて、そのことに戸惑った。

しかし、タフな男だ。これが先の短い身を医者から宣告された男の言動かと。
この男は、死が目前にあるにも関わらず、どう生きるかを考えている。

その有様が、きっとやる夫にいい影響を与えてくれたのだろう。

持論を語るクーガーをよそ目に、テーブルに一度置いたグラスを手に取り、
口に付けて傾ける。

私も、色々とあった。
オルデンブルクのコロニーに生まれ、普通の暮らしをして、両親を失い。
あれよあれよという間にネクストに乗って英雄扱いだ。
加えてこの逃避行である。酒の一つ、バチも当たらないはずだ。

やる夫はこれから先、どうなっていくのだろう。
ともあれ、はやてが一緒に居てくれるのだから、ずっとマシだろう。
きっと幸せになれるはずだ。そうでなくては。

ぼんやりと、恐らく見ることのない未来に思いを馳せながら、
黄金色の液体を喉へと流し込んだ。
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5733： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/29(土) 22:28:10 ID:x.xukXqA0

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5734： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/29(土) 22:35:22 ID:x.xukXqA0


::;　　 　　)　:　　:　　:　　.　:　　　:　　　:　　　　:　、 ‘　　　　　　　｀　　, .. . 　　　+　　　　’‘ 　　　　:: . ..
:::..,　　　人　　:　　:、　:　　　: .　　　　:　　　:.　　　　.　　　　　　　　　， 　　，:‘.。　+　　 ，..　　: .
:..:...　　　　 )　　:　　:　　:　　:　.　:　　:　.　　:　　　.，　　　　　　　　　　　　　　’‘ +　　 ，..　. ..; '， 　　，:‘
:..　　　　.::ふ 　　:　　　.　　.　　:＿　ノ⌒ゞ ｧ:　:　　.　　.　　. .; : ’　　 '　，:‘.　 　 　 　 .　　　:　　　:　　　　　　　　　　　　　.　　:
　　　　 　 ノ　:　　:　 　 ノ⌒て ...　.:(⌒__:ノ :　，:‘. 　　　　　+　　　　　 ，..　　　　　　　 ，..　. ..; '， 　　，:‘　　　　　　　　　　.
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:.:. .人　　　　　　　:　 :　ゞ⌒ :Y⌒⌒　.、　:　　: .　　　　　。　　，:‘. 。　　　　　 ，..　. 　　　.; '， 　　，:　　‘　　　　　　　　　　.　　:
　　)　⌒ヾ　　　　　　　(　　 ノ　. 　:　　 :　　　　　　　　　，　　　　　.. '　　　　　　　　　　　　，:‘.　　　　　，　；　　　｀　　　　　　:
　　 ）　　 )　　　.　　:　 :)⌒　　.　:　　　:　 :: . .. 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.. '　，:‘.　　　　 　 　 　 .
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γ⌒⌒)　(.　:.　　.　　:　　，　　　　　　　　　　　　　　’‘ +　　 ，..　. ..; '， 　　，:‘　’‘ ’‘.;　。:　　　.
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.:　）⌒　　　 ）)　:　:: . .. 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.. '　，:‘.　　　　　　　:　　　:　　　　.　　　　　　.::_
Y⌒:.　　　__.彡　　　　， 　　，:‘. 　　　　　　　 ..; 　　　　　　　　　　　　　　'， 　　，:‘　　’‘ 　　,

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無人のエレベーターに乗り込み、暫しの間揺られる。
蒸気が噴き出すような音と共に重々しい扉が開かれると、
潮風が一気に流れ込んできた。

夜の空は晴れ渡っており、千切れ飛んだ雲が月に照らされていた。
辺りにまともな建造物もない影響もあるが、一番は汚染が軽度であることだろう。

綺麗な夜空だった。
どうせだったら、はやてとこれを眺めながら夕飯を食べてもよかったかもしれない。
そんな長閑な考えさえ頭を過るほどに。
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5735： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/29(土) 22:39:33 ID:x.xukXqA0

　　　　　　　　　　　　　　＿ r―ｧ-､―- ミ
　　　　　　　　　　　　　/＞''"~"''＜⌒l　　　｀　＜
　　　　　　　　 　 　 　 7／／ヽヽヽﾔ⌒〉　　　　　＼
　　 　 　 　 　 　 　 　ψ／／/ ソﾉ }-〈 　 　 .|　　ヽ ∨
　　　　　　　 　 　 　 r{ゞ、＞''´／ / Y′　　 .|｜　 ﾊ ∨
　　　　　　　　　　 　 }ﾍゞ｀''＜彡‰ソ　 !　!　 !＼ / ｌ| ﾄゝ
　　　 　 　 　 　 　 　 V乂三∠⌒)´ !∧|　|　.｣ﾉﾚ' | ﾘ |
　　　　　　　　　　　 　 廴乂＿)ノl l 八（l　ﾍ八ｿ｀ﾒ|/ /
　　　　　　　　　　　＞''⌒7^Y⌒ ヽ、,人| 　 ﾍ{｀¨乂ﾚ′　　　　　　　　　　　　――酔狂な人だな、あなたも。
　　　　　　 　 　 ／===／｀nﾍ=====＼ilＮ　 | __　/
　　　 　 　 　 　 ＼=／===l.l= ＼===／　|　 |　／　　　　　　　　　　　　　　　　自分のパートナーを置いてまで、
　　　 　 　 　 　 　 ´/====|.!==== <´≧〈从 |´　
　 　 　 　 　 　 　 ＿≧s､_ﾉﾊ_==== ﾏﾆﾆゝ-`‐…￢冖ニニアl　　　　　　　　　私を追いかけてくるとはな。
　　　　　　　_　＜ﾆ／ﾆ二二Y ￣￣ ニニﾆr'ニニニニ＞''´ =|
　　　　 r＜ニニ／ニニニﾆ/二二二ニニﾆ|ニニニ／二二ニ|-｢ヽ∧
　　　　 ∨=ニニニニニ二/二二ニニニニニニニニニニﾆﾆ上′ﾆﾆ＼
　　 　 　 Vニニニニニ／:⌒"''＜ニニニニニニニニニニニニ乂ニニﾆ
　 　 　 　 {／ニニﾆﾆ/　 :　　　　 ｀ マニニニミニニニニニニニﾆ＼ﾆﾆ
　　 　 　 <=／ﾆﾍ二/　　:　　　　　 　 ｀'マニニニミニニニニニニﾆﾆ＞
　　 　 　 〈´ﾆﾆ二∀　　　　　':, 　 　 　 　 ｀'マﾆﾆ／冫､ニニニニニニﾆ
　　　　　　}／二二{　　 ,'　　　 ':, 　　　　　　: :￣i　.ｲﾆ=}｀''＜ニニニﾆﾆ
　　 　 　 /ニニﾆﾆΚ　,'　　　 　 '　　　　　　 : : ／ﾆﾆ=/ 　 　 ｀''＜ニニ
.　 　 　 /ニニニﾆ∧＼　　 ',　　　　　　　　_ イ二二ア　　　　　　　 ｀''＜
　　 　 /二ニニﾆ/　∨_＼　 ',　　　　_　＜ニニニ／
.　 　 /ニニニﾆψ　　V二｀‐┴―≦ニニニニニﾘ
. 　 Yニニニ=／| 　 　 VニﾆГニニニニニﾆ彡〈
　　 {ニニニﾆﾆ/ヽ.　　 {ニニﾍ二二二ニニニﾆ/
　　 ∨二二ニニニ＼ /二二/二二ニニニニﾆ|

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
そんな夜空の下に、アルトリアが佇んでいた。
こちらに背を向け、軽く振り返ってはいるものの、それ以上は動かない。
黒いスカートが風に揺れるが、夜闇に溶け込んでいるせいか、輪郭がぼやける。

その姿は、いつも以上に生気が感じられなかった。
肌の色は陶磁器よりも白くて、青ざめた血管がありありと浮かんで見えそうだ。
歩み寄っていくと、色素の薄い金色の瞳が微かに揺れる。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5736： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/29(土) 22:45:16 ID:x.xukXqA0

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　　　─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼　　　　　　顔、出しとこうと思ったんだお。明日が最後の戦いになりそうだし。
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　日頃の礼とか、色々あったから。
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／





　　　　　　　　　　　　　　 　 　_　-――――-　_　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　∠　　　　　　　　　 　 `　､＿}_
　　　　　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　､　` ､⌒ヽ
　　　　 　 　 　 　 　 ／　　　 　 　 /　　 　 　 　 　 ＼ 　'， /
　　　　　　 　 　 　 /　 　/　　　 　'　　　　　　　　　　 | 　 '/＼
　　　　　　　　　　 '　　　′　　　/ 　 　 　 　 　 |　 　 |　 　､ノ}
　　　　　 　 　 　 ｌ{ 　 / 　{　　 /{　　　{ 　|　 　 |　 　 |￣ア}ノ＼
　　　　　　　　　 八 　|　　',　　ｌ 　、 　{ 　l　、　|　 　 |／　ﾊ___ノ
　　　　　　　　　 　 ＼|'， ∧|　|　　＼_{＼|＼＼|　 　 | 　/ /⌒}
　　　　　　　　　 　 　 | ∨ｬ竿ミ　　　 　 斗竿ミ|　 　 |／ /__ ノ　　　　　　　……そうか。
　　　　　　　　　 　 　 | ∧ 　Lソ　　　　　　Ｌソ |　 　 |ヽ/⌒＼
　　　　　　　　　 　 　 |　ﾊ　　　　　　　　　　　　|　 　 |ノi:i:i:i:i:i:i:＼　　　　　　私からは……取り立てて言うこともない。
　　　　　　　　　 　 　 l 　込、 　'　　　　　 　 　 |　 　 |＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:'，
　　　　　　　　　 　 　 |　 　| ＼　　 r_、　　　　 ,|　 　 |､ｉ:i＼i:i:i:i:i:i:i:}　　　　　明日は早い。部屋に戻ったらどうだ。
　　　　　　　　　 　 　 |　 　|　　 　、　　　　 　ｲｌ|　 　 '{i＼i:i:）_ｉ:i:／
　　　　　　　 　 　 　 人 　 |　　 　 l｀　‐ 　´ 　 ｌ|　　/i:V⌒i:￣{　　　　　　　　
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ､| 　 　f≧======≦_| 　,'⌒i{i:i:i:i:i厂
　　　　　　　　　　_-=ﾆﾆ=-　__ﾉvﾆﾆﾆOニニﾆ=|／二⌒⌒^
　　　 　 　 　 　 _-=ﾆﾆﾆ／ニニ＼ﾆOﾆﾆﾆﾆﾆノﾆﾆﾆﾆ≧ｧ≦⌒＼
　　　　 　 　 　 _-==ﾆﾆ {ﾆﾆﾆﾆﾆ／＼ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆニ'，
　　　　　　　 　_-=ﾆﾆﾆﾆ〉二二ﾆ＼／二二二ニﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ'，
　　 　 　 　 　 _-=ﾆﾆニ/ﾆﾆﾆﾆニ/二二二ニﾆﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ'，

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
表情は硬く、目線もやはり虚ろだ。
相変わらず、なにを考えているのかよく分からなかった。

ただ、今までの付き合いから、これだけは分かる。
彼女は生真面目な女性だ。誠実で義理堅く、情に厚い。
そうでなければ、今ここにはいない。

彼女の助けがなければ、自分たちはこの基地に辿り着くことなく、
海底に没していたかもしれないのだ。

それなのに、ちょっとつれない態度を取られたくらいで引き下がるのも薄情だろう。

そう思い、彼女の意に反して、留まることにした。
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5737： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/29(土) 22:52:49 ID:x.xukXqA0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ ....　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . 　 ´　　＿ 　 ｀　 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　,.ィ ＞―-｀>‐､- ＼
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　　 r'"／　／　'／ヽﾄ､　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ;　/　/´/　,/　　／､ヽ ',　〉　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, ./　,{　l＿＿_,／　　-‐ !/　;　!
　　　　　　　　　　　　 　 　 　　　ﾉ;　 〃ゝ{ 　 --―　　 彡! 〉 .i　!
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／　V /　廴ヽ、　　 ＝‐ ,.ｲ'"　.!,ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　,.　,.イ　ｒ ',　//　i、,.ィマヽ、-イ　l! ; i{　　　　　　　　　　　　　行かないのか？
　　　　　　　　　　　　　　　／　,　 '. ヽ 〃／//ｲ'l!ヽ'/ヽ　}.,ﾊﾉ: !',
　　　　　　　　　　　　　,. '　　／ / .lヽ ＼マ////l.!'∧/∧/./i　: ヽ、　　　　　　　　　　　「どうしてアルトリアさんがここに来たのか、気になって」
　　　　　　　　　　　　,　　　　, 　 ,: :　 ﾏゝヽ.///,l !/∧／7'　!　、ゝ
　　　　　　　　　　　/,...::::::::..､ 　 ハ!　　ヾ‐=!'//,l=!//,l／ }　l　 ; ,ヽ、,...::::::::::..､　　　　　　……あまり、私のような女と関わるなと、
　　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::＼ ＿＿ｒ=＝ !'//,l=|'//,!ﾆ=-､＿＿ ／:::::::::::::::::::＼
.　　　 　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ二ﾆﾆ＼ﾆ|_//lﾆ|//,!二／ﾆﾆ二ｌ::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　　　　言った筈なのだがな。
　　　　　　 　 '::::::::::::::､:::::::::::::::::::::l二ニニﾆ`マニ二ニ＞'ﾆニニニl:::::::::::::::::::::::::::::::::〉
　　　　　 　 　 ':::::::::::::::＼::::::::::::::::!ニニニニニ＞''''＜ニニニニニl:::::::::::::::::::::／::::::'
　　　　　　　　 ,ゝ::::::::::::::::ヽ::::::::::::!二ﾆﾆ＞‐'"二二ニ｀''-＜ﾆニニl::::::::::::::／::::::::::::i
　　　　　　　 　 ;:::::＼::::::::::::::::::::::::!ニ／ﾆニニ二二ニニニﾆ＼ﾆニ!:::::::／::::::::::::::::::;
.　　　　　　　 　 }::::::::::::::::ー-::::::::;'_/ニニニニ二二ニニニニニヽﾆ!::::::::::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　i:::::::::::::::::::::::::::::::;ﾆlニニニ二二二二二ニニニニ〉_!::::::::::::::::::::::::::::i
　 　 　 　 　 　 l::::::::::::::::::::-‐::::::;ニ!二二二二二二二二二二ニ/ﾆｌ:::::::::::ー-::::::::::}





　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　 ／　─　 　 ─　＼　　
　　　／ 　 （●） 　（●）　 ＼　　　　　　　そうは言われても、アルトリアさんをいない者みたいに扱うのも筋が違うお。
　　　|　 　 　 （__人__）　 　　 |
　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／　　　　　　　アルトリアさんには、返せない借りがたくさんある。
　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ
　　 / 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |　　　　　　　　
　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
手を伸ばせば触れられる距離まで近づくと、アルトリアは視線を海に
戻してしまった。

後ろ髪を纏めている黒いリボンが潮風に揺られてはためく。

「……あなたたちを見かけたからだ」

「え」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5738： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/29(土) 22:54:50 ID:x.xukXqA0

　　/　　　　　　　　　　　　i　　　　　　＼　　　　}　>
　 /　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　.|　／　ﾚﾍ、
　,　　　　　　　　 ヽ　　 i　 .|　　　　　　　|、　/　} ノ
　i　　　　　 .l　　　 i　　.ﾊ. ∧.i　　　　　 .| l /　　|' ﾞ;
　|　　　 .|　 i　　　 .| ／! }/　}ﾊ　　　　　.|,ﾉ　/ ./"
　|　.i　　.|　 ﾄ　　　1. ,ﾑ斗:ｒ7 }　　　　　 |　 / ./:.:.:.:.:ヽ
.　i　l　　.|　 「＼　 .ﾊ/ Ｖツ　 ':/　　　　 .|　/ /|.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ　　　　　　　私を見かけても、気を遣うだろう。
. 八ハ　 ト　|'芯＼{　　´　　　ハ |　　　 ﾊ　/:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:/
.　　{　`:.ハ .ﾄ.}７　　　 　 　　　 }/|　　　.j　ｙ:.:.:.|:.:.:.:.:.:./　　　　　　　　　団欒を壊す必要もないと思ってな。
　　　　　 | ヾ. :,ヽ　　　　 　 　 /　}　　　ｊ ∩こ)ﾞ,:-イ~
　　　　　 ｌ　　　|＼　 _　-,　　　　ｲ 　.,v⌒／: :ヽ:.:.}　　　　 _____,,
　.　　　　 ｌ　　 .|.　　　､ ´　　　／ﾉ-ﾏ｀／: : : : : :’、_ . : : : : : : : :
　　　　　　丶　 i　　　　　`ｰ ' >r"f ﾞ／: : : : : : : : /: : : : : : : : : : :
　　　　　　　 丶 ，　　　　　　⊂ﾞ_／: : : : : : : : ／: : : : : : : : : : : :





　　　　　　＿＿＿_
..　　　　／　　　u　＼
　　　／　　／　 　 ＼＼　　　　　　　　　　そ、そんなこと……
..　／ 　し （○） 　（○） ＼
　 |　∪　 　 （__人__）　 J |
..　＼　　u　　 ｀⌒´　 　／

5739： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/29(土) 23:00:37 ID:x.xukXqA0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __　　__
　　　　　　　　　　　　　　　　　 __,.r'' _≧´--｀≦｀ヽ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾉ＞ ´　　　　　　　｀ ＜}
　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 ／　　　　　　　　 .、 ヽ
　　　　　　　　　　　 __..　-‐　　/　 /　 i　　　　i　　　ヽ　 ,
　 　 　 　 　 　 　 　 ￣ ７ 　 / 　 ,: 　 ﾊ.　　　 |　 ヽ　 ＼!
　　　　　　　　　　　　　/　　.,　　/ ,: 　i　',　　　i!　　 ＼.　＼
　　 　 　 　 　 　 　 　 ,　 　 i ,　/!.ﾊ.　|　 ',　 　 !､　 ､　 ',　　 ,
　　　　　　　　　　　　 i　,　 j/ /ｰi'- ', !　　ヽ　　{ ヽ　ヽ　',　　',
　　　　　　　　　　　　 ﾚ'　 / /r=芋ミヾ 　 　 ｀ィr弍=ｧヽ　:,　　i
　　　　　　　　　　 　 /　　' ∧ ﾞ　ゞソ ﾞ　　　"　ゞン " ハヾミｰ- ..＿
　　　　　 　 　 　 　 /　　　ハ._,　　　　　　,　　　　　　ﾑ/::::i　｀丁
　　　　　　　　　　 / ｨ　　 {ヽ:::ﾊ　　　　　　　　　　　 ハ:::::::!　.　',
　　 　 　 　 　 　 〃　i :　 |　ヾ彡:.、　 　 - -　　 　.ｲ}}:::／ | .ﾄ､ ヽ
　　　　　　　　　/　　 | i　 | /::::::::::::＞　　　　　　＜::::::::::::}　!/　ヽ　、
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　　　　　　 /::::ヽ::::｀:::::ヾﾄ､!ー--.=彡{::::::::::::::::::::::::::}ｰ-..__
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　　 ／::::::::::ヽ::::::::::::::';::::::j:::／::::::::::::､　　　 ,　　　　　.ｲヽ:＼:::／:::::::::::::::::::::::|
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すると、アルトリアは不意に振り返ったかと思うと、おもむろに手を伸ばしてきた。
伸びてきた手が頬を覆い、一瞬肩を震わせてしまう。
ひんやりとした感触だった。潮風に当たっていたからとは思えない冷たさだ。

「良い眼をするようになった。本当に。
今のあなたには、私を憐れむことしかできまい」

その言葉は、喜ばしく思っているようにも、悲しんでいるようにも聞こえた。
相変わらず抑揚のない、冷淡で機械的な声色だった。
だけど、なぜか、そういう風に感じられた。
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5740： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/29(土) 23:07:52 ID:x.xukXqA0

　　　　　　　　 ┌─-, . ‐´￣￣　 ｀"'ｰ､
　　　　　　_-‐┐'"~´ 　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　 ｌ::..／　　　　　 _-　　　　　　　　　｀ﾞ ､
　　　　／`/　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　:ヽ
　　　丶:::/、　　　　/　　　 　 l　　　 　 l　　ヽ　　 :ヽ
　　　 /`/、ヽ /　 /　　　　　/　　　l.　 l　　　ヽ　　:::ヽ
　 　 <:::/　ヽ/　 /　　　　/ /　　　/ 　 ﾊ　l　　l　::l::l:::ｌ
　　　 ﾍlヽ／　　l　　　　/ /　　　/ | 　l. l　ｌ 　:::ｌ:::::l::l::l
　　 /::::l.:/　　　 l｀＞ト ､_/　　／　/ /　l　ﾊ　:::ｌ:::::l::lﾘ　　　　　　　……案ずるな。今の私はあなたの剣。私自身がそう決めた。
　　 ヽ／　　　　 l　/r-ﾃｪ.､ﾐﾄ ､　/ /　/　l,＞''7:::/l/
　 　 /　　　　/　l/　', {. {}　l　ヽ_ﾞン　 /,ｨ,.r-, /レ'、　　　　　　　　我が身をこのように貶めた企業連を敵とする
　　/　　 　／l ./ﾄ, 　 ヽ.. ノ,.　　　　 　 ｲi;ﾘ '/::::::::ﾊ
　 //　 　/ヽ´/ .l 丶　｀￣　　　　　 　 ゝ'_ /ｌ:::::::::ｌ::l　　　　　　　　 あなたのための、ひと振りの剣だ。
　 l::ｌ　　/ 　l .lヾl::::::::ゝ　　 　　　　　 l　　 ,　ｌ::::::::ﾊ::l
　 ﾚl　 /　 　l l　| ヽ::ﾞｰ'´/　　　　_　　　ノ　 ｌ:::::::::ｌ ｌ:l　　　　　　　　　
　　 l　ｌ　 　rヽl――｀:ｰ┐:ﾍ 　´　｀ ／　 　 ｌ::::::::/ ｌ:ｌ
　　丶l　 　 |:::::::::::::::::::::::::|丶､ヽ　イ--「:|　 /:::::::/　,ﾘ





　　　　　　　　　　　　　　＿ r―ｧ-､―- ミ
　　　　　　　　　　　　　/＞''"~"''＜⌒l　　　｀　＜
　　　　　　　　 　 　 　 7／／ヽヽヽﾔ⌒〉　　　　　＼
　　 　 　 　 　 　 　 　ψ／／/ ソﾉ }-〈 　 　 .|　　ヽ ∨
　　　　　　　 　 　 　 r{ゞ、＞''´／ / Y′　　 .|｜　 ﾊ ∨
　　　　　　　　　　 　 }ﾍゞ｀''＜彡‰ソ　 !　!　 !＼ / ｌ| ﾄゝ
　　　 　 　 　 　 　 　 V乂三∠⌒)´ !∧|　|　.｣ﾉﾚ' | ﾘ |
　　　　　　　　　　　 　 廴乂＿)ノl l 八（l　ﾍ八ｿ｀ﾒ|/ /
　　　　　　　　　　　＞''⌒7^Y⌒ ヽ、,人| 　 ﾍ{｀¨乂ﾚ′
　　　　　　 　 　 ／===／｀nﾍ=====＼ilＮ　 | __　/　　　　　　　　　　　　　　　　あなたはあなたの道を行くがいい。
　　　 　 　 　 　 ＼=／===l.l= ＼===／　|　 |　／
　　　 　 　 　 　 　 ´/====|.!==== <´≧〈从 |´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　コジマ技術の封印、大いに結構。
　 　 　 　 　 　 　 ＿≧s､_ﾉﾊ_==== ﾏﾆﾆゝ-`‐…￢冖ニニアl
　　　　　　　_　＜ﾆ／ﾆ二二Y ￣￣ ニニﾆr'ニニニニ＞''´ =|　　　　　　　　　　　世界は安定を手放し、代わりに滅亡から遠ざかるだろう。
　　　　 r＜ニニ／ニニニﾆ/二二二ニニﾆ|ニニニ／二二ニ|-｢ヽ∧
　　　　 ∨=ニニニニニ二/二二ニニニニニニニニニニﾆﾆ上′ﾆﾆ＼　　　　　　そのために私を使うがいい。
　　 　 　 Vニニニニニ／:⌒"''＜ニニニニニニニニニニニニ乂ニニﾆ
　 　 　 　 {／ニニﾆﾆ/　 :　　　　 ｀ マニニニミニニニニニニニﾆ＼ﾆﾆ　　　　　　　……私はかつて、奴らにとっての人形だった。
　　 　 　 <=／ﾆﾍ二/　　:　　　　　 　 ｀'マニニニミニニニニニニﾆﾆ＞
　　 　 　 〈´ﾆﾆ二∀　　　　　':, 　 　 　 　 ｀'マﾆﾆ／冫､ニニニニニニﾆ　　　　　　　それが今では、体制転覆のための武器だ。
　　　　　　}／二二{　　 ,'　　　 ':, 　　　　　　: :￣i　.ｲﾆ=}｀''＜ニニニﾆﾆ
　　 　 　 /ニニﾆﾆΚ　,'　　　 　 '　　　　　　 : : ／ﾆﾆ=/ 　 　 ｀''＜ニニ　　　　　　　　……それで良しとするさ。
.　 　 　 /ニニニﾆ∧＼　　 ',　　　　　　　　_ イ二二ア　　　　　　　 ｀''＜
　　 　 /二ニニﾆ/　∨_＼　 ',　　　　_　＜ニニニ／
.　 　 /ニニニﾆψ　　V二｀‐┴―≦ニニニニニﾘ
. 　 Yニニニ=／| 　 　 VニﾆГニニニニニﾆ彡〈
　　 {ニニニﾆﾆ/ヽ.　　 {ニニﾍ二二二ニニニﾆ/
　　 ∨二二ニニニ＼ /二二/二二ニニニニﾆ|

5741： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/29(土) 23:17:47 ID:x.xukXqA0

　　　　　　　|　|　|

　　　　 ／￣￣￣ ＼　　ペコッ
　　　／　　　　　　 .　＼
　 ／　 　＼　　　／　　 ＼　　　　　　……本当に、ありがとうございます。
　.|　u.　（ー） 　（ー）　.　　|
　 ＼ 　　 （__人__）　.　　／　　　　　　何もかもが終わっても……この恩は忘れないお。
　　 /　　　 ｀⌒´　　　　ヽ





　　　　　　　　　　　　　　 ｡r≦ ￣￣　　　　　 ｀ヽ　 ＼
　　　　　　　　　　　｡r≦＿ ／　 ／　,　　　　　} 　 :,　　ヾ:ｭ､
　　　 　 　 　 　 ／.ｨ'´ 7　 　 x､λ／　　　　　　　　:,　　　〕 ﾄ､
　　　　　 　 　 〃'´　／　 　./ｨぅ､/　／　　　　　　l　:,　　　 〈 .〉
　 　 　 　 　 　 　 , '′ 　.／ 弋ﾘ ! /　 .ｨ!　　 ,! 　 !　　　　　 V､
　　　　　　　　　 /　　　 ｲ　- ' 　 ﾚ1／! i!　,　}　　.!　 i　　 　 ﾄ､〉
　　　　　　　　　,　　 ／ :| 　 　 　 　 .メ､ﾉ /　,!　　l　 　 　 　j!ﾚ!
　　　　 　 　 　 ﾚ1 〃: : :!　､　　　　弋_iｯ '|　/　　 !　 l　　 ノ ﾉ´　　　　　　　ああ、それでいい。
　　　　　　　　 　 !/ ! : : :! 　 ヽ 　 　 　 　 ﾚ1　　 /　 ;! ＜_,/
　　　　　 　 　 　 i!　!: : : ゝ. _　　　　　　　ノ_l 　 /　　 　 ﾄ≪二 :,　　　　　　　……私があなたから受けとれる、唯一の手向けだ。
　　　　　　　　　　　 i, : : :} 　 丁　ｰ─､ _zニ!　　 i　　　 i!:i:i:｀vi7
　　　　　　　　　　　　:,: : i!　 r'======={r'´ ﾘ　　 i! 　 　.iﾄ､:i:i:iﾘ
　　　　　　　　　　　　 }: :ﾉ　 ;! : : : : : : : :{　/l　i!　i!　　　 !:i:i{￣
　　　 　 　 　 　 　 　 ゝ'＿,ｬ=─ｬ‐ｭ､=={!′!　!　i!　 λ..ﾄ､i:i:､
　　　　　　 　 　 　 　 ｨ〔 ｨ7ix ＿＿ ≫､∧ ﾉ　ｌ　i!　/i:i} i! ㍉i:i:s｡＿
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今のアルトリアの孤独や苦しみが一切分からない訳ではない。
彼女は今、たった一人で死に向かっている。
これまでもこれからも、彼女がリンドヴルムに乗るというのは、そういうことだ。

それを少しでも楽にできたらと思うが、上手く言葉が出てこない。
アルトリアの言う通りだ。今の時分には、慰めの言葉しか口にできなかった。

気高い彼女にとっては、それは辱めでしかないだろう。

だから、ただ頭を下げて、感謝を口にした。
今の時分では、彼女の心を救うことはできない。

ただ、その献身を無駄にしないようにするしかないのだ。
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5742： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/29(土) 23:18:20 ID:x.xukXqA0
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5743： ◆x0SRSoJXe.：2023/04/29(土) 23:24:41 ID:x.xukXqA0
今回はここまでだ。

次回は、そうだね……5/2の午後九時からでどうだろう。

ようやく次回から戦争パートだ。

ノリとしてはAC4のレイレナード本社カチコミって感じだね。

それじゃ、シーユーアゲイン。

AC6の戦場で会ったらよろしくね。モコイさんは恐らくチームではやらないだろう……流れの傭兵だ。雇ってクレメンシー……

5744：安価のやる夫だお：2023/04/29(土) 23:49:13 ID:wBigY7gA0
乙

5745：安価のやる夫だお：2023/04/30(日) 08:40:09 ID:TTE1v.3A0
乙でした

5746： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/02(火) 21:01:57 ID:lHX2L5Zk0
　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
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　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ　　　　　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
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　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

5747： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/02(火) 21:10:32 ID:lHX2L5Zk0

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　　　　みんなは花粉症とか平気かい？
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　　　　モコイさんは中々苦しんでるよ。錠剤も点鼻薬も目薬も何も効かない。
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　　　　今も涙と鼻水が大洪水だ。なんなのだこれは、どうすればいいのだ。
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ





　　　　　　 　 ,- ‐‐ -　､
　　　 　　 ｒ‐ｲ: : : : : : : : :｀,
　　　　　　i /○　○: : : : /　　　/｀ ､
　　　　　 　i_ _ _ : : : : : : :{　 　 / : : /
　　　　　　 ｀,_　_｀=-: : : :| 　 ノ : : /　　　　　　　まあ身体の抵抗力が弱ってるのもあるんだろうねぇ……
　　　　　　　i: : : : :_: : : : :'y´ : : : /
　　　　　　　｀-‐､´: : : : : : : : : ／　　　　　　　　　モコイさんの中のリンパ球はボロボロなのだろう。
　　　 　 　 　 　 ﾉ : : : : : : : : i´
　　　　　 　 　 / : : : : : : : : : :|　　　　　　　　　　　やっていこっか。
　 　 　 　 　 　i: : : : : : : : : : : !
.　 　 　 　 　 （｀ー‐-　　-‐　_}

5748：安価のやる夫だお：2023/05/02(火) 21:11:16 ID:ihl6G7ek0
ハロー

5749： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/02(火) 21:22:59 ID:lHX2L5Zk0

〜翌朝〜
＿＿＿＿＿
　 /.// ＼　　≧s。
. /.//　　 .＼　　.ゞ ≧s。
/.//　　　　　＼　　　 ◎}i〉/7
./_i{_　　　　　　 ＼　　 ,ｨ〈|ﾆ{
二i_ ｀'≦。,　　　　.＼.//ﾆ二},,,_
　i　｀'≦。, ｀''ヽｨﾌﾆﾆヾﾆﾆﾆ'...........ヽ,
i .i　　　　　　ヾ_i{　　　 ヾ二{................∨
i .i　　　　　　　ﾏi。　　　　.}ｿ...............　}
i､ ゝ,　　　　　　ヾii。　　　/=====.､.　ﾑ
.＼　 〉,　　　　　 .ヾii。　/≧s二≧ゝｨ==＜
ﾆﾆゞ　.|'＜　　　　　.ヾﾏ////iイ......//￣.ヾ,}i
ﾆ／|　 |　　.｀''＜　　　　i////i......//:}i　 ＿Y
ii|　 |　 |　　　　　 ｀'＜....i////i....//:::ｿ┐ﾆミ
ii|　 |　 |　　　　　　　　　i////iゞ'´::::::::∧....｀∨
ii|　 |　 |　　　　　　　　　i////i:::::::::∨:::∧..... ∨
ii|　 |　 |　　　　　　　　　i////i::::::::::::∨:::∧......∨　　　　　　　　　　　　　 ＿　　　　　 ,ｨ､
ii|　 |　 |　　　　　　　　　i////i:::::::::ヽ::ヽ::::∧....≧､　　　　　　　　　。s≦コ |.|＿,,,,,。ｲ　|.|
ii|　 |　 |　　　　　　　　　i////i:::::::::::::ヽ::ﾐi::::∧...　 ｀'＜　〉s≦＿　 　 　 コ |´　　　i|　　|.|
ii|　 |　 |　　　　　　　　　i////i::::::::::::::::::ヽ,∨:::≧s。　 .｀'＜／ﾆﾆ≧s。...コ |　　　. i|　 ﾉﾉ

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AMSを通じて、視界が自分自身の目から、マーシフルのカメラアイのものへと
移り変わる。

ブラックアウトしていた視界が開けていくと、抜けるような青空が目前に広がった。
頭上の日差しが白い装甲に反射し、網膜に焼き付く。

眼下で小人のように忙しなく整備スタッフたちが動き回っているのは
いつもと同じ光景だったが、今回は少し事情が違った。
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5750： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/02(火) 21:47:12 ID:lHX2L5Zk0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .／ .∧∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 j}　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　./ .〈／.i .',===､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　v 。,,,,__　　　 .j}　　 　 /　　　　　　　 　 　 　 ＿_i∧ ()　.| .|__ﾉ　 コﾆﾆﾆ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾆ=-　　　　　　　　　ｰ j}　　　 / ｀ヽ 　 ／　　　 .＞''´,ｨｰｰ|))ﾑ　 .,' ,'ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-=ﾆ二　 　 .jI斗ｬ≦j} 　.___/ 　 /_／.===彡}≧===}ﾉﾉ＿.ii/ヾ〉/ /ﾆﾆ=‐''''''""'''＜}is。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,ト､/ヽ/ __　　　j} ／-/　　/　　...∥∥∥∥ﾆﾆﾆﾆ// .乂.ノノﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆヽ_ ＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ{:V: i :}: :／_:_}__／-､!- /-'´{／{_／i{ ./...∥∥/　〈〈/ ヽヽ彡〉 _}　}　∥ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ､ﾆ}
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＜:jI斗＜:-:-:_'ノ/　　}､　　／　 }!　　}＿　..-=イiコ＜ﾆﾆﾆ／ ))､´.∥∥　　　　　-=ﾆﾆﾆﾆﾆ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ -//ヽ　 }､:_:_/ /--､/:｝　´　　 〈 　 /　..〉ｨイ|　　 ヾ彡'_)｀"´イ＼＼/〉ﾆ=-　　　ﾉﾉ ﾉﾉ.}}.}ア
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 _ -　 //__jI斗＜>､!〈　　/::/-/　{　　/　/　 _ソ圦ｲ　　　i}ゞ'､／ﾆﾆﾆﾆﾆ≧s。､｀"''ｰ=='｀ヾ'''´ﾉ´
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／, ＜ ＞ﾟ´___　　 　 i　ヽ/ﾟﾞ´／ ／　 /／｀ヽ,//　　ゝ､-彡ｲ======┐ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ}｀"''‐= 。,　｀ヾﾐ
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／＜＞ﾟ´￣￣￣≧､／ >､_}_／ ／　　,／ /､__/::{-.==ヲ}i｀ヽｰ┬''"´,。イ〉ﾆ＼''´￣　　ii　　　i}
　　　　　　　　　　　　　_ -´　　　　　　 　 。＜___r＜|!　,　　i　ｆ 　 , ヽ　V::::r--' .￣|　}　.|　 }///ﾆﾆ}i.､､ﾆ二〉｀"''‐= v。,,_/
　　　　　　　 　 　 _ -　　　　　 jI斗ｓ≦、＞--- ' 　 |! ,}, ／ /　 /､_/／_｀ヽ =====､/　/ゝ≦ﾆﾆﾆﾆﾆ≧s。　　　∥　　.i}
　　　　　　　 _ -　　　　　 。＜＞ ﾟ ´　 　 　 　 　 　 |!.,}　 ／ ／__,／　　}r ,} """""ゝ=''ｰ───────＞''＜''‐=イ
　　　　.._ -　　　　　 。＜＞ﾟ´　　　　　 　 ,。ｓ≦{　 i|/ ／ｨﾟ´￣､　　　　／ヽ 　 .／ ./　〉'　/ﾆﾆ＼／ ／､_/　　　　 . ｀''＜
　　　　　　　　 。＜＞ﾟ´ 　 　 　 　 　 , ＜ {／＿,}　 ' ´__ノ､>､　 ＞-､ ／ }　}ヽ.ﾆﾆ./ .// ./.＼ﾆﾆ.ヽｲﾆﾆ≧.､｀''＜　　　　　 }.i''＜
　　　　.., 。＜＞ﾟ´　 　 　 　 　 　 　 /　 ／　　 /´_￣_{　{　Ｙ　i´ __,／　ノ／ / .ヾ./ .// ./_＞ﾆ､ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ}is。　｀''＜,,_ノﾉ　　 .i}
　　　　..＞ﾟ´　　　　　　　　 　 　 rzz}_／　　　｛ヽ´---{　ヽ,ﾉ｀- ´/,.。ｓ＜___//　 / .// ./＿､ノﾆ∨､ﾆﾆﾆﾆ＼ヾｲ　　　　　 ｀''＜__ノ
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 {il{　　｀ヽ 　_/､_}＿{≧ｓ､{---／＿_,。＜＞ﾟ´ . / .// ./　　{;;;;ヾﾆ∨::::::ソ＜//
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ノ }　 ,。z}t-{ノ{ー－--､ i {--/ /----＜_＞､__/ .// ./　　　￣´ﾏ ム"´´´　｀
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　 ヽ'ﾟ　 　 }ヽノ 　 　 　 ﾟﾏ{-/ /＜　＿　　 　 / ./ ､ノ　　　　　　 .ﾏ ム､
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　 ／　 〉 　 　 　 　 i_}_/-､fﾟ´　　｀ヽｰ/._ノ　　　　　　　　　　　｀"ミi)

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それは背部に搭載された、見たこともない鉄塊によるものだった。
姿勢制御が今にも持っていかれそうだ。
現状、前傾姿勢を保つことで、なんとか転倒を防いでいる。

VOB、ヴァンガード・オーバード・ブースト。
かつてオルデンブルクグループとSIグループが水面下で手を組んで開発し、
桜花重工の下で産声を上げる寸前だった代物だった。

既存のOSに対応させることが難しかったため、制御はオペレーター側に預けてある。

見た目は本当にロケットの下半身といったところだ。
それを無理やりネクストの背部へとドッキングさせている。
即席のマウントラッチで何とか接続している形だ。
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5751： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/02(火) 21:50:19 ID:lHX2L5Zk0

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│　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |: :| |: : :＼{ ､'' "　　 　 　 ノ　/: ／: : |: : :＼: :ﾉ　、 　 　 〈／／　　　.....│
│　　　　　　　　　　 　 　 　 Ｖ　ト　＿{.:_;>.._　　￣　　 ∠ィ: : l: : :|: : : : _/　　 ）　　　 ／　　　　　　│
│　　 　 　 　 　 　 　( ＼　　　丿: : : :: ヽ: : ｀i ーr---　　 |: : :|: : :|／い{　　 / 　 　 /　　　　　　　..│
│　　　　　　　　　　 　＼ ＼(＼: : : : : : : 丶: | : : | 　 　 　 |: : :|: : :!ヽ ヽ)ヽ　　 　 ／===ｭ　　　　.....│
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「いやー、潜水艦の倉庫内で腐らせてた試作品なんだけど……
日の目を浴びせてあげられてよかったよー。捨てなくてよかったー」

通信越しに篠ノ之が間延びした声で、感慨深そうに述べる。
これは他でもない、篠ノ之の案だった。

「これなら通常のオーバードブーストの十倍近い巡航速度が出るからね。
その分、先行部隊の損耗も抑えられるし、それに」

それに、なんだろう。
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5752： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/02(火) 22:00:44 ID:lHX2L5Zk0

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　　　　　　　　 ／ ￣￣￣∧　　 　 　 　 　 |　　　　　 　 |
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　　　　　　　 |人___ .ｲ　./: : : : : : : : :.|: : : : :. :.＼　＿　イ:ﾊ: : : .
　　 　 　 　 人　　 　.／|: : :|: i: : : : : |: : : : :|: : : : : : |: : :. :.l|: : : .
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　　　 　 ./／　 }:/: :| : : |: ' .|: | ∨: : :!. ∨:ハ ＼.: : :| : : : : |: : : |
　　 　 .／　 　〃: : :! : : l:{¨ l个.､V: : |　 ∨_∧,. ﾍ : !: : :. :.l|: : : |
　　　　 　 　 .//: : : | : 八|　ﾚ　　.∨人　 ヾ:_:_{＿ ｨ.|: : :. :.ﾘY: 八　　　　　　　このVOBは、閉ざされた宇宙を拓くための
　　　　 　 　 .〈 : : : :| : : : '《芹芯ﾐxV:_:{　　ｲ芹しｒﾘ ﾘ: : : /./: : :∧
　　　 　 　 　 /＼: :八: : :∧　乂ツ　 　 　 　 ゞ- ' ./ : : /ｲ:}: : / ∧　　　　　　切り札になり得たもの。そして、IGIO陣営が潰したがったもの。
　　 　 　 　 ./: :, -ヽ:{r＼: : ヽ　　　　,　　　　　 　ｲ/}.イ: : :/: : : / ∧
　　　 　 　 /: :/　 　.ｒｸ　{≧=＼　　 _＿_ 　 ,　 　 ／ l| : :/｀ーｚ､ : 人　　　　　これを私たちが保有していること、それ自体が、
　　 　 　 ./: r'-､,､　.》 　l|: : : 个　. 　ﾏ　　 ﾉ　 ／ ／} : /　 　 〈￣ ｀ヽヽ
　　　 　 /: : 〉イl{　ー ､　.V: : / ト､＞　こ　. イ ｲ/　/ : { 　 　 ハ　　　.V∧　　　企業連の罪を決定づけるものの一つになる。
　　 　 ./:f￣ ノ//ゞ-､. V.ﾉ: : {　{　 ｀　､｀´　. -{./　/{ : ﾉ　　　《´　 　 　 V: ヽ
　　　 /: :｀ヽf￣￣.フ∧ }.Y : ﾊ .!　　　 　 ｒ ､. ｀|　.ﾊﾊY 　 　 .ﾉ　　　　　 |: : : ＼
　　 ./: : : / .}-=≦ノ./∧∨: :}　｀}　　　　 {　|　 |　{ {: ﾉ　　　 {{　　　　 　 |: : : : : :＼
　　/: : :.八 .乂　´〉 ´}/∧}: ｲ　 ﾉ 　 .､ 　 〉-｀≠　 Yﾉ⌒ヽY＾　　　 　 　 |: : : : : : : :ヽ
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　　　　　　　 /ｲ: ':|: : : |イ:|　{:l ∨: :∧＼}＼:.|:|: : ': :!: : :.',
　　 　 　 　 /' ':/: |: : : |: |:{　 ｀　＼＿{　r＝=､|: / : |: : : : .　　　　　　　　いつの世も、大義名分っていうのは大事なものさ。
　　　　 　　　/:;: : {: : : :Ⅵ,ィニﾁ　　　　 　 ⊂⊃: : :.|: : : : :.
　　　　　　　,: :{ : ∧: : : :､⊂⊃　　　　 　 　 /:ｲ: : :/: : ,ｨ : l　　　　　　　　勝者として歴史に刻まれるには、ある程度筋の通った
　　　　　 　 {: :|: /: : ､: : : ＼　　　 ,. -―v　'　ムイ: : / j!: ﾑ_,.
　　　　　 　 |:./ｲ:r､: : : ｢ヽ : ミ　　乂:.:.:.:.ﾉ　　,ｨ:r ､: :/ /:／, ' 〉　　　　　　　大義がないとね。
　　　　　 　 | /:〈＼＼:.∧ Y^}:＞　　 こ　 イ: : :|　}:/　{,'　/ /
　　　　　　　/: : :＼＼　ｰ'　, ∨￣| ｀ ¨´　 !: :./|　'　　 ｀ヽ/:_,.. -ｧ　　　　　　これが公になるだけでも、企業連を悪者扱いできるよ。
　　　 　 　 /: : :__r-ヽ/　／ 　ヽ | '　　　　/: ノ {　　 ､＼　 _,..イ´
　　　　 　 ,: : : :ー-- ､　'　{　　 |l|--､ 　 /:イ=､|　　 ﾉ　　/ ∧: .
　　 　 　 /: : : /　 　　＼　 　　j ﾄ､　　 /: ノ　l∧　　　 イ〉,'　 ヽ: .
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　　 　　　,,, ＝＝＝＝,,
　　　 　〃　　　　　　　　＼
　　　/ 《　　 ─　 　 ─ 　 ヽ　　　　　　要はプロパガンダかお。
　　　|∩||　 （●） 　（●）　 }}
　　　|∪《 　 　（__人__）　　∥|　　　　　　「後々のクーデターとかも抑制できるよぉ？」
　　／＼　 ミ三∩_ノ ⊃彡 ／ゞ
　/　　乂 ゝ _／ ＿ ノ ＿イ,＿)　　　　　　そこらへんで青臭いことを言うつもりはないお。
　(　, ′ヽ ／　 ,,;;; ｲ/　　 i　　i
　 ＼　　 " ` ､ ／￣￣i￣"　 )

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饒舌な語りだが、自分にはどうにも、この女が自分の作った技術を
企業連相手にひけらかしたいようにも思えた。

意匠返しの意図もあるかもしれない。

とはいえ、作戦に大いに役立つことは間違いないだろう。

「途中で火ぃ噴くようなら、さっさとパージすりゃいいだけだお」

「ひっどーい、その辺はテスト済みでーす。
IGIO本社に辿り着くあたりまでは持ちまーす」
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5753： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/02(火) 22:09:06 ID:lHX2L5Zk0

　　　　　　　　　　 　 　 　 ／.:.:.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:、.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ'.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:V.:.:.:.:.､
　　　　　 　 　 　 　 　 /'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:、.:V.:.:.:.vV
　　　　　　　　　　　　,'/.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:./!.:.:.:.:.:.:.:.i|.:.:.',:ヽ.:.v:V
　　　　　　　　　　 　 j'.:.:.:.:.:.:j'.:.:.:.// |.:.:.:.:.:.:..:j{.:.|.:}》《Ｖ}:.:V
　　　　　　　　　　　 ,'|.:.:.:.:.:/:!.:.__j_{　!.:.:.:}.:./:ハ:|.:}.:.:.:.:v.:.:.
　　　　　　　　　 　 ,'.:|.:.:.:.:ム|.:.:斗芋ミxﾉノ/,.斗r:!‐.:.:.:ｖ.:.:.:,
　　　　　　　　　　 ,' ':|{.:.:.:.{〔(!.:|ヾＶrﾀ｀'´ ´ f芳ｱ}.:.:.:.:.:}.:}.:.}　　　　　　　　　途中で爆散したとしても大した事あらへんやろ。
　　　　　　　　　　 ' !八.:.:.:{ヽi.:.!.:{、　 　 　 , `'’ ﾉﾊ.:.:.j'.:.}',:}
　　　　　　　 　 　 { !.:.:.:、.:{:从.|个ｰ　　　 　 　 八.:}.:.:'.:./ﾉ'　　　　　　　　　　私ら二機とも高速機動機やしな？
　　　　　　　 　 　 {八.:{ ＼.{:!.:'|.:|:ヽ　 ｀　 ’ ,..ｲ.:,'.ﾉ!:/:/Vﾉ
　　　　　　　　　　 ヽ ヽ　从!:ＹV|:{| ≧=-r≦_,＞/ j'ノ:::::!　　　　　　　　　　　……さぁて、待たしとる人もおるさかい。
　　　　　　　　　　　　　　　 ｀'|'i {ｖｊﾆ}ﾌﾆニ{| ｆ'^ |ノ !:::}::::|
　　　　　　　　　　　　,ｨf'⌒メｊ､! !' ｀j'´　Vﾆｊ_|　 |-八:{:::::|　　　　　　　　　　　バーっと行って、サクッと絞めたろやないの。
　　　　　　　　　　 ／ニﾆﾆｱ　/ﾊ_,ﾉ__／ア　　　 Vr≧=r'ﾆﾆ!
　　　　　　　　　／Ｖニﾆア　,.:/ﾆｊ/{ニニ|:|　 　 　 {ニﾆﾆﾆﾆ!
　　　　　　　　　!､　￣／! ,.:／ｒく' ﾉニニｊ::!　 ,　　 {ニニニﾆ!Ｙ
　　　　　　　　　', ￣,　　,.:/ﾆ'"ヽ_〉ﾆﾆﾆﾚ::!'" 　 　 Ｖニニニﾚ
　　　　　　　　　 ） ,　　 ,:/ﾆ' {/ニニニﾆﾆ!|　　　　 {　 ｀~^'V'!
　　　　　　　　　 Vｒ ァ ,::'ニ{ !{ニニニニﾆ!:!　　く ヽ!　　　 ﾉj|
　　　　　　　　　 ,　　　,::!ﾆ八',Vニニﾆﾆﾆ|:|　　　　 }、　　, !｀
　　　　　　　　　 {::.、　!::!ﾆニヾヽﾆ、ﾆﾆﾆi::|____ ,...ィ!　　　'’!、
　　　　　　　　　 ｀ト､:^:::|ニﾆくｨヽ＼ニニL::::::斗'^~|　　　　 ､!





　　　　　　　　　　 __´￣￣二ﾆ=　、
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　　　　　 　 /　/ｨ　　　　　　}i　　　　∧
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　　　　　 '､ {（　ｨ'　　　　　　/／Ｌ {__/(__/　　　　　　　　　　　　　　　うん。
　　　　 ＿{へ≧＾ゝ､___ノ_z彡二弐≠ ＞／￣￣ミヽ
　　　　r{_ `ｰ=＜三＞'’ ）二二 ／　//　　　___　　　＼　　　　　　　　四機揃えば、どんな相手でもなんとかなるはずだお。
　　／/ ｛＼　　｀￣　 /二二／/ 　/ｲ　　 Ｙiっ) -┐　 ＼
　｛　　Ｖ 〉　　　　　　〈ﾆ二彡イ　 ｛ ｛　 　 }｣つ）二! -02 |ｌ　　　　　　
　｛　 　 i ＼ 　 　 　 /｝ト､　　 i　 /八ヘ　　￣´　　　　　 |ｌ
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　　　汀 i　　　 〔_二//￣　　 ＼　　 /￣７ 　 ＞＝-≠〈/
　　 ！| iﾄ　　　　＼　　　　 　 　 ＼/　 /　　　　　　勹[_]
　　　　　｀v 　　　　＼　　　　　　　 ＼/　　 　 　 　　/
　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　 ＼　　　　 　 /

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ヘリが二機がかりで運んできたブレードの柄をそっと掴みながら、
はやてに同意する。

アルトリアとクーガーが味方にいれば、勝てない戦いなどない。
この世で最も強いリンクスたちの内の二人だ。

あとは自分の問題だ。
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5754： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/02(火) 22:19:39 ID:lHX2L5Zk0

　!.: : : :. :. :., ‐'´ヽ､.__..＞---┴---‐┴-＜..._｀ヽ: : : : :.i: : : : :/
　ヽ.: : : :.,.ﾍ　　_,.‐'　　　　　　　　　　　,,.-'"｀　｀､ヽ; ヽ_!＿_:/ ＿
.　　`‐､ :　　｀,ｲ　　　　　　　､＿_,,.-='､':'　　:　　{__│|.: : : :.||
　　　　 :` ｰ-{ { へ＿__, 　　　"　ﾞ.ﾞ､;;;;::',ﾉ　　: 　{　│|.: : : :.||
　 　 　 :　　　 `r　i ﾞ:;;;;;,:〉　　　　　　　　 　　:　 .!_　|│: : : :||　　　　　　　　　これで最後だお。
　　　　 :　　 　 .|　}ﾞｰ-''"　　　　　 　 ヽ　　 :　　｢´│|.: : : :.||
.　　　　 :　　　 ││i 　 　 !、　 　 　 .ノ 　 .:　　{. _│|.: : : :.||　　　　　　　　　 確実にケリつけてやるだけだお。
　　　　　 : 　 　 .|　l　' ,_,,ノ＿,ﾆ≠'"´　　 .:　 _,L.__ | |.: : : :.||＿
　　　　 　 :　　　 |　.i　　 (___,,.　- ‐ 　 __;.r‐´ z-‐''"´: : : : :| r‐
　　　　　　,: ‐''"~´￣￣￣~｀`ヽ._.∠ﾆ-‐''"´: : : : : : : : : : : | ゝ:'
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　　　　　　|: : : :￣￣￣.: : : :. :. :.|::

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この瞬間に辿り着くまで、本当に、色んなことがあった。

巨大ビルをも超す身の丈のロボットに乗って、
廃墟の町を消し飛ばし、敵の兵器を撃ち抜き、人を殺して。
経験したこともないようないい生活をして。
色んな人と関わって、女の人を好きになって。
大事な場所を焼き払われて、友達を殺して、逃げ回って。

それらの全てを、無駄にするかどうかが、この戦いで決まる。
ここで死ぬようなら、ここまでの人生は無意味に終わるだろう。

深く息を吸い、目を瞑る。

戦って、勝つだけだ。
こんな血塗れの自分にも、守るべきものがある。
自分が死んで涙を流してくれる人がいる。

そして、その人が泣いているのを見たくないから、
こうして世の中を敵に回したのだから。

それらにとどめを刺して、生きて帰ってくるくらい、当たり前にできなくては。
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5755： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/02(火) 22:26:28 ID:lHX2L5Zk0

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│　 　 ｉ:.:.:/|:.:.:.:. ',:.:.:.:.:|-/_|_|　　ヽ／,イ圷≧ｉ:.ｉ:.:.|:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　......│　　　　　先行部隊は既に戦闘を開始。
│　　　|:./ .|:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:!:.ｉｲうﾐ　　　 　 {::::::::ら |:}:.:|:.:.:.:!´.ヽ:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　......│
│　　　|/　 !:.:.:.!:.:.ヽ:.:.:.|〃{:::j　　　　　 辷シ　!:.:./:.:./| ヽ.} |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│　　　　　マーシフル、ミセリコルデの両機は、
│.　　　|.　　',:. | ',:| .|ヽヽ｀.ﾋﾘ　 　 　 　 　 　 /:/／:.:.:!　/: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│
│.　　　　　　ヽ|　ﾘ　!:.:.ヽ＼ ヽ　　　　　　　.〃|:.:.:.:.:./_/／.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　......│　　　　　VOBにてIGIO本社へ急行。
│.　　　　　　　ヽ　　ｉ:.:.:人　　　 -‐-　　 　/　 !:.:.:.:./／. 　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│
│　　　 　 　 　 　 　 ',:.:.:.:.ﾍ　 　 　 　 　 　 　 |:.:.:.:/.　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│　　　　　 敵増援部隊を叩く。
│　　　　　　　　　　　 ヽ:.:.{　ヽ、　　 　 　 .＜.|:.:./l　 　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│
│　　　　　　　　　　　　 ＼ｉ　　　＞.-t ´　　　|:/‐┤、.　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│
│　　　　　　　　　　　　　　＼　　　 r､| .-　￣/　／　ｉ、　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　......│
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│　　　　　　 　 !:.:.:._|:.:.|:.:.:i:./ ,イ示ミ/〃　 ,二7,':.:.!:.:.:.}:.l 　 ',:l　　　　 　 │
│　　　　　　　　',:./ i!:.:.l:.:.l. 《 ん::::}　 / 　 /う}:/://:.:.:.!}:.ｉ　　′　　　　　.│　　　　　　……私も、自分が蒔いた種が、
│　　　　 　 　 　 {　 ﾄ:.:ﾍ:{　　辷シ　　 　 ら,'/:.//l:.:.:/l/　　　　　　　 　 .│
│　　　　　　　　　＼ lﾍヽヽ　　　　　　　 ｀¨ イ:.//:.:.//　　　　　　　　 　 │　　　　　　企業連体制を転覆させることになるなんて、
│　　　　　　　　　　　l:.:.l＼　 　 　 　 __ ´　人/|/／　　　　　　　　　　　..│
│　　　　　　　　　　　ヽ:{ 　 　 　 　 ゝ ﾉ, イ:.:.／　　　　　　　　　　　　　..│　　　　　　思ってもみなかったよ。
│　　　　　　 　 　 　 r/ヽ ､ 　 　 ,　_ イ:.:/:.:.:.:. |　　　　　　　　　　　　　 .│
│　　　　　　　　__／､ ヽ　　 ｀ヽ/ l　　|:./:.:.:.:.:.:.|　　　　　　　　　　　　　 .│　　　　　　「後悔してますか？」
│　　　　 〃ヽ:::::::::::::: l　 ヽ　　/ヽ lヽ､|':.:.:.:.:.: : |　　　　　　　　　　　　　 .│
│　　　/:::::::::::::::＼:::::::::',　　ヽ/　≠ｉ ヽ::::::ヽ:.: : |　　　　　　　　　　　　　 .│　　　　　　 まさか。君の選択を今更疑ったりしない。
│　 　 {::::::::::::::::::::::ヽ:::::::',　　　ヽ|_|',ゝ ‘，:::::lヽ::|　　　　　　　　　　　　　 .│
│　　　∨::::::＿:::::::::::＼::::ヽ､　　ヽ￣ l　 》::::l ヽ|　　　　　　　　　　　　　 .│　　　　　　 ……行ってらっしゃい。生きて帰ってくるんだよ。
│　　　 ',::〃　　ヽ:::::::::r----ﾆﾆ /ﾍ::::l＼ ≦',ヽ:}　　　　　　　　　　　　.....│
│.　　　 ヽ{　　　}}:::::::/､　　　＜　　 ヘ}　 /　ヽヽ､　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　 ヽヽ __/:::::::{ 　 l　　　　｀＜　 ヽ/　　‘，‘，　　　　　　　　　 　 .│
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│　　　　　　',ﾍ ／　　　　∧＿　　　l_l ≦ヽ　　　ヽヽ ヽ　　　　　　　　　.│
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│　　　　　　　ヽ ヽ　　　　　　} i　　　　　 　 i i　　/　　　 ヽ　　　　　　.....│
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5756： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/02(火) 22:37:39 ID:lHX2L5Zk0

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　|!　　　　　　 i!::..　　　 | : :.',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ : : i　　　　　　i!::.. 　 　 　 　 i!
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基地の周り、その水面に、小さな影がちらりと見える。
周囲警戒に出ているノーマル隊の面々だ。
今回の作戦では、ネクストによる制圧戦が主となる。
小回りの利くノーマル隊を無理に連れて行って、犠牲を増やす必要もなかった。

飛沫を上げながら動く彼等は、黒点程度にしか見えない。
だが、目を凝らして見てみると、ちょっとした編隊機動のようなものを
行っているように見えた。

遠視モードで拡大してみると、黛隊とディランディ隊のノーマル機たちが
輪形に陣取り、器用にこちらへ向かって敬礼してきていた。

ノーマル機のマニピュレーターでは面倒だろうに。
わざわざ精密動作モードに切り替えて行っているのだ。

頬が緩むのを感じながら、視線を前方に戻す。
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5757： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/02(火) 22:53:56 ID:lHX2L5Zk0


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│　 　 ｉ:.:.:/|:.:.:.:. ',:.:.:.:.:|-/_|_|　　ヽ／,イ圷≧ｉ:.ｉ:.:.|:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　......│
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│　　　|/　 !:.:.:.!:.:.ヽ:.:.:.|〃{:::j　　　　　 辷シ　!:.:./:.:./| ヽ.} |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│
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│.　　　　　　ヽ|　ﾘ　!:.:.ヽ＼ ヽ　 ＿　　　　.〃|:.:.:.:.:./_/／.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :.:|　　　......│
│.　　　　　　　ヽ　　ｉ:.:.:人　　　∨　 ヽ　　/　 !:.:.:.:./／. 　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : :|　　　......│　　　　　　 ――VOB、点火！
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│　　　　　　　　　　　 ヽ:.:.{　ヽ、　　 　 　 .＜.|:.:./l　 　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│
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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〃.ヽ　　　.／　　 |::｀ヽ.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　......│
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その時、初めてネクストでオーバードブーストを使用した時を思い出した。
背中のブースターが展開したと思った、次の瞬間の衝撃。
高速で後ろへと流れていく風景と、感じたこともない恐怖と、
胸の底に湧きあがる未知の感覚への新鮮さ。

久しく忘れていた感覚が、記憶の底から無理やり引きずり出された。

最初に白煙が巻き起こった。
カタパルトから火花が散り、推力を得て基地から押し出されると、
そのまま一直線に水平線向かって躍り出た。

案外穏やかなのだな、と思った途端に、視界が歪む。
爆発音にも近いジェット音を海原へと轟かせ、さっきまで彼方だったあたりまで
電光石化で飛翔する。

行こう。
あの水平線の先に、最後の敵が待っている。
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5758： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/02(火) 22:54:12 ID:lHX2L5Zk0
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5759： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/02(火) 22:57:30 ID:lHX2L5Zk0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ　　　　　　　申し訳ない。大変短いが今回はここまでとしておく。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i　　　　　　　今回は特に短いが、その理由がね……
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |　　　　　　　>>1のガバなんだ……
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´




〜さっきの>>1〜
　　 ＿＿＿＿__
　　丶::::::::::::::::::::/　　　ｶﾀｶﾀｶﾀ
　　　|:::::::::○::○　　＿＿＿＿＿_　　　　　　　さーて、ホワイトグリントのAAからVOBを切り取って渡世AA人で雑コラして……
　　　|::::::::::ｰ=‐::i　｜　 |￣￣＼　＼
　　　.>::::::::::::::::く＿.|　　|　　　　|￣￣|　　　　　ﾜｯｻﾞ！？　AAないじゃん！？　どうしよ、VOBっぽいAA……
　　 /:::::::＼＿:::::::::::|　　|　　　　|＿＿|
　　 |::::＼::::::::::::つ　|＿_|＿＿／　／　　　　　　（数十分探し回った後）Ex-sガンダムの巡航形態でいっか……
　　　:::::::::￣|￣￣￣￣|　　〔￣￣〕

5760： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/02(火) 22:59:05 ID:lHX2L5Zk0

　　　　　　　 ､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|　　　　　　サイコザクの背中とか、R戦闘機を雑コラしようとか色々考えたんだけどね……
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i　　　　　　　どれもVOBに見えなくてね……
　　　 　/ : : : : : : :┌─┐
　　　 　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ　　　　　　本当に申し訳ない。
　　　 　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿
　　　 　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ　　　　　　　次回は……5/4木曜日の午後九時からとしよう。シーユーアゲイン。
　　　　 と_ : : : : : : ノ : :ノ
　　　　　　￣￣￣　￣

5761：安価のやる夫だお：2023/05/02(火) 23:00:08 ID:ihl6G7ek0
乙でした

5762： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/04(木) 21:02:56 ID:TwqrIURM0
　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ　　　　　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

5763：安価のやる夫だお：2023/05/04(木) 21:06:32 ID:YAO94Mek0
ハロー

5764： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/04(木) 21:11:27 ID:TwqrIURM0

　　　　　　 　 ,- ‐‐ -　､
　　　 　　 ｒ‐ｲ: : : : : : : : :｀,
　　　　　　i /○　○: : : : /　　　/｀ ､
　　　　　 　i_ _ _ : : : : : : :{　 　 / : : /　　　　　さて、続きといこうか。
　　　　　　 ｀,_　_｀=-: : : :| 　 ノ : : /
　　　　　　　i: : : : :_: : : : :'y´ : : : /　　　　　　　今回はIGIO本社へのカチコミだね。
　　　　　　　｀-‐､´: : : : : : : : : ／
　　　 　 　 　 　 ﾉ : : : : : : : : i´　　　　　　　　　AC4のレイレナード本社襲撃は皆記憶にあるだろうか。
　　　　　 　 　 / : : : : : : : : : :|
　 　 　 　 　 　i: : : : : : : : : : : !　　　　　　　　　　AC世界の建築物は大抵ダメコンがなっていない。
.　 　 　 　 　 （｀ー‐-　　-‐　_}

5765： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/04(木) 21:16:44 ID:TwqrIURM0


〜旧トルコエリア湾岸部　IGIO本社〜

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 iV　i|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |　　ﾚ'}　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |i　 　 |　 /(_ｲ　　　　　　　　　　　　 ｯi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 }　 　 |iV 　/　　　　　　　＼　　 _／./
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 　 　 　 　 　 i}　　　　　　　　　　　　 　 |i　 　 i/　/　 　 　 　 　 ┌〈 ヽ|　 ./
　　　　　　　　　　　　　　　　　|ﾄ､　　　　　　|　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |i　 　 l　/　/　　 ...‐=＝≡｝ｌiｌ少〈_〈〉__
　　　　　　　　　　　　　　　　iﾉ|　 ＼|　　　　|i　　｀　、　　　　　　　 　 l､ノ　　　　（__/ﾚ'i／/　　|/（./¨＼彡‐､､__〈
　　　　　　　　　　　　　　　　| 　　　 |ﾄ､i　　 |i　　　　ヾ　　　　,'　　　　|i 　 　 　 　 /　　／　　/ｉ . /　 /| i ∧ __／ ／
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼ﾉ　　 　 l 　|､　 i|ﾄ､　　　　　　　　　 　 　i |i　 　i|　 　 　i／ 　 ﾄiノ 　 .〉 ././ﾉｌ .∧ .レ' ／
　　　　　　　　 　 　 　 　 ､ﾉ＼ 　 　 　 |　∨　{/i　　　　　　､ 　 i　　i|/　　iﾉ|i　 　 /|　 i／|　　　 .i./　　　｀¨´./／{
　　　　　　　　　　　　　 　 }　　　　‘，　 　 　 　 |　‘， 　 　 i＼ﾉ|＼/l 　 ﾉ| i|　　 /|（／|　　。゜　　・　　　　　　 ／
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　　　　　　　i　/　 i　 / /{　}ﾄ､　 |　　　　}/　　　ﾚ'i/　i/i ､i　　　　i　　,′　 　 　 　 　`　　　　 　 　 　 ／(／ ／
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　　　　_　　-‐=≦}=‐　__　　　　　　 　＿＿）＿　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |i　　　　　　　　　i|　　　　 ／　　イ￣
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5766： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/04(木) 21:32:51 ID:TwqrIURM0


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　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＿＿＿＿ﾄ､　＿ 　 　 　 　 　 　 　 　 i　　　././ /
　　　　─‐＝ﾆニニニニニ二二r──｢l─ﾄ､',∨弋ﾆ l｀ヽ／/ ,r‐ｧ./!　 |　　.,/　　　　 '‘
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼ 　 |.l　 |./＼＼ ＼|　 | /／／.//￣.|　 //， ／二ニニ＝＝＝＝＝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　 　 　 .〉､＼ ト=イ ／　/′　 .| .// .／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 辷｢￣ヽ Y二二＞‐＝ニ二二二...|//／/　;.．
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 〉､＿| 廴二／　　　〃´　０.､_,ﾉ　　　て　　　　　　　　　HQ、HQ！
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /ﾊ {￣ >ヘr‐｀ﾞ ＜＿弋＿　.ﾉ　　　　 　ゝ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 乂 ./￣{ ソ:|三 }ｿ=ヘ／　　 /ヽ /＾＼ヾ⌒　`　　　　　　　こちら防衛部隊、撤退の許可を求む……！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_廴_,.イ　//:::::::::///＼ . / 　|i| 　 ｀＼.¨∧
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 !　　.{⌒＼ｰ─‐イ/　 / ， 　 |i|　　 　 丶..ハ　　　　　　　やっぱり無理だったんだ、
　　　　　　　　　　　　 　 ＝＝ニニ二二|＿ /＼ 　.〉｢￣l./　 /l　 / / |!　　 　 　 .＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　 ヽ{.ﾊヽ_/ーｲ__! / / . |!　　　　　　　 ､　　　　　　　ノーマルとMTだけじゃ時間稼ぎにも――
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨　　 |　:| / 　 /　 〈 / 　 |
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |　 　 |　:l′　/
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |　　 ∧/｢ ／ >
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｢ヽ_/ ./ 〉|_／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 乂ﾉ｢￣ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |　 ＼／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 廴/




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 へ　　 　 〈:.:r'{:.:＿} へ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿_人＿人从＿人＿人从／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ﾄ　,/ーﾍｲ}　　_}.:.／　.イヽヽ＼　　　　斗.:.―.:.､＿　　　　　　 ＿）　　　　　　　　　 　 　 　 （＿＿
　　　　　　　　　　　　　　 　 |. 　 　 /　　 　 　 　 .|_V.:./{:.i!ﾊ イr,／ｰ／.:.:{⌒＼＿＿,/.:.⌒ヽ:.:.:.:.:.:.斗-―__　　　-.）　　　 あああっ……！　　 （:　//
　　 　 　 　 丶　　　　　　 ｉ| |:i　　 / 　 　 　 　 　 |ﾆ,／.:.j{i{ニ／.:/.<.:ィ／}ﾍ、{　 j{　　＞..、:.:.:＿／￣　　　r'...￣￣）　　　　　　　　　　　　　　(￣￣
　　　　　　　　 ＼　　　　 |ｉ| |:i　//　 .＿ -=＝ 斥{i/.:.:.:ｨ／/r' __/.://ィニ}.....}} ヽｲ｀ヽ_／　ヽ　 {⌒ヽ　　　r―､＿.／⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼　.―
　　　 　 |.　　　　 ＼　＼ |ｉ:i:|.-=＝　￣　　　　　 /{ｰ/ﾆ{i //{:.i{:.:.//-ニ,/ｰ-.....{｡ｓ≦:.:.:.:.ヽィ　 <V}!　，　　￣￣￣ 　 . /　 　 / 　 ／　　　／　 ＼
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　　　　) |ｉＶ |　 //　 　 ＼:::::::::. 　 　 ／. : :　/ 　 ∨ｲ,ノ,/i{o,ﾊヽj/ニ,/_ゝニﾆゝＶニニニニ{:.:＼　ヽ　　，　 ￣ ＼、　　 　 ./／　 ／　⌒/　　　　 ＼
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　　＼＼|Ｖ| |// ／.　　／⌒/:::::::::＼＼:: :: :: :: :: ∠ ／{.ィ.:.:.:V.......){r≦}{ﾘ､武r'ﾆ)=-　　　　 _／､_jゝ.Vヽ＼ 　 .／:..|＼(　　 ／ |┼―　／⌒〉　／ :/＼
　|:ｉ: /＼　　　　　 --==　　//::::::::::ン＼＼:: :: :: 　.,/／!｡ｓ≦.....｀Y{__,ィ/　　 ￣　　　　　　　{ア＜ーヽ}ノ,}T＾.／/⌒|　　　　―＝＝　 　 　 /／::/:/::..
Ｖ|:ｉ/　／　:. :;::’　--＝二＿＇|　ﾟ　。　｀:: ::　.＜.:.:￣.:.:イ-...._..ヽ..}У′　　　　　　　　　　　 ｀　ーヽ　 レﾚ　　　...::...　　　...::　 ﾉﾉ 　　 /　／ 　 　 /ハ
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　　　二＝― ＼＼　 /　 //　 |　　　／/ |.∥.:.:｡ｓ≦ﾆj{∥,/_,/_V ＼　:::.　　 ..::( ⌒):::....　...:二＝―　　彡　　 ―＝二/　　　‐=＼:::::::　　／
::.,.　ソ-==　 |｜　　 /.　　 / |　　-===ニニ￣...:＜ﾆﾆ/∥/_,/{_V .|　 ＼　:::::<⌒／:/⌒　＼　 ....:.:/|:ｉ:| 　 :::::ン、　　 /(￣.　　 //|::::::::::::::::::<―
|ん:|＼＼ 　 |　　　　/|　 /　 　／ /　　..斗.:<:.:.:.:.:.:}＼イ_j{__ﾊ_V . | 　 ｉ|.＼ 　 ＼ :/ん: |::...　＼　//|:ｉ:|. 　 　 　 ＼　 ＼＼　//⌒|　　＼＼　＼.:|i
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5767： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/04(木) 21:37:26 ID:TwqrIURM0

＼|:: l　　∨}:: :: :: :: :: ::　, 　-─────-　､_:: :: :: /! /:|　　
ﾍ: ｀∧　　＼ :: ,．　 ´　　　　　　　　 r- ､　´　＼:: / 1'::/
__ゝ:: :: ＼　　>　　　　　　　　　　 　 / 　 ゝ、　　 Y　/ /
:: :: :: :: :: ::∨　　　　　　　　　　　　 ,′ﾍ :: ::.＼＿」Y: /
＞:: :: :: :／　 r　T ￣￣￣￣￣￣ `'ﾞ´ ∨:: :: :1 |7: /
:: :: :: r-'-r ´:: ＼|　　　　　　　　　　　 　 ∨:: ::.ﾍ}／
{⌒!:::| 7ﾍ!:: :: ::/_ ,. ＞=z ､　　　　　 　 　 ∨:: :::1}
_／∨Y　1:: :: ::!　 　t─-- ｡z_ ,ノ　 ､,ム斗,:: :: ::ト ､　　
　　 |ﾍ　､l:: :: :::!　　　｀ー─‐'`　"　　ﾉ く_ﾟ_∨:: :| 　 '.　　　　　　　　　　　　　　そらどうしたァ！　仮にも四大企業の頭目、
、　 |　＼'∨:: :ﾍ、　　　　　　　 　 　 |　　　　l:: ::|　　 '.
ﾉ　　∨´ ＼ゝ､:::1　　　　　　　　　　 |　　　　l:: ::|ﾍ　　'.、　　　　　　　　　　　　　そいつのお膝元を守ってんだろうが！
ﾍ　　 ＼　　 |　トﾍ　　/ 　　　　､,　　　　　　∧: | 1　　l ＼
　!　　 　＼　 '､　　｀　ﾄ､＿＿＿＿ _'´__,ﾉ　,′| ! j　　,′　｀丶、　　　　　　　　　気合い入れてかかってこい！
　l　　　　　＼　＼　　 ､　　　　　　　1:::/　/　 ,':1/　 /　　　　 　＼
,N }　 　 　 　 ＼　＼　 ＼＿＿＿＿lｿ　ノ　　メl!, ／　　　　　　 　 ＼｀　､
　 ＼　　　　　　 ＼　＼　 ￣￣￣￣　 ,′ ／　|/　　　　　 　 　 　 　 ＼:::＼
　　　＼　　　 　 　 ＼　＼　　￣￣ 　 ,' ／　／1　　　　　　　　　　 　 　 ＼:::＼
　　　　 ＼　　　　　　 ＼　＼　　　　 //　,／　/　　　　　　　　　　　　　　　 ＼:::＼
　　　　　　＼　　　　　　 |　　｀ー─ '７　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼:::＼





　　　　　　　　 ┌─-, . ‐´￣￣　 ｀"'ｰ､
　　　　　　_-‐┐'"~´ 　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　 ｌ::..／　　　　　 _-　　　　　　　　　｀ﾞ ､
　　　　／`/　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　:ヽ
　　　丶:::/、　　　　/　　　 　 l　　　 　 l　　ヽ　　 :ヽ
　　　 /`/、ヽ /　 /　　　　　/　　　l.　 l　　　ヽ　　:::ヽ
　 　 <:::/　ヽ/　 /　　　　/ /　　　/ 　 ﾊ　l　　l　::l::l:::ｌ
　　　 ﾍlヽ／　　l　　　　/ /　　　/ | 　l. l　ｌ 　:::ｌ:::::l::l::l
　　 /::::l.:/　　　 l｀＞ト ､_/　　／　/ /　l　ﾊ　:::ｌ:::::l::lﾘ　　　　　　　　　やりすぎだ、ストレイト・クーガー。
　　 ヽ／　　　　 l　/r-ﾃｪ.､ﾐﾄ ､　/ /　/　l,＞''7:::/l/
　 　 /　　　　/　l/　', {. {}　l　ヽ_ﾞン　 /,ｨ,.r-, /レ'、　　　　　　　　　　　このままでは増援が来る前に建物が崩壊する。
　　/　　 　／l ./ﾄ, 　 ヽ.. ノ,.　　　　 　 ｲi;ﾘ '/::::::::ﾊ
　 //　 　/ヽ´/ .l 丶　｀￣　　　　　 　 ゝ'_ /ｌ:::::::::ｌ::l　　　　　　　　　　　 少しペースを落とせ。
　 l::ｌ　　/ 　l .lヾl::::::::ゝ　　 　　　　　 l　　 ,　ｌ::::::::ﾊ::l
　 ﾚl　 /　 　l l　| ヽ::ﾞｰ'´/　　　　_　　　ノ　 ｌ:::::::::ｌ ｌ:l　　　　　
　　 l　ｌ　 　rヽl――｀:ｰ┐:ﾍ 　´　｀ ／　 　 ｌ::::::::/ ｌ:ｌ
　　丶l　 　 |:::::::::::::::::::::::::|丶､ヽ　イ--「:|　 /:::::::/　,ﾘ

5768： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/04(木) 21:43:13 ID:TwqrIURM0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　－＝＝　ｘ--,_
　　　　　　　　　　　　 　 ,　´　　　　　　　　ヽ＼ト,
　　　　　　　　　　　　 ,　　　　　　　＼　　　　 、＼ｙ
　　　　　　　　　　 　 ,'　　　　　 ',　　　，　　　　、 .}ﾌ
　　　　　　　　　　　 ,　　　　 ﾊ　 ',　　　j　　　　ヽ　}ﾌ
　　　　　　　　　　　.;　!　|　　', ヽ、ｘー ナ、　　｀ ∨）
　　　　　　　　　　　 ，.i　.ﾄ、　' ,　 》ﾁテ弌八　　乂
　　　　　　　　　　　 } 人 从≧ …　 乂jﾉ<;;;|　＼ {
　　　　　　　　　　　.|ﾉ .}　 "叭)　　　　´ /;;;;|　　 ヽ　　　　　　　　　企業連のご老人たちのことだ。とっくに避難は済んでいるだろう。
.　　　　　　　　　　　′ |　∧´　 '　　　　〉;;;,ﾘ　　　}
.　　　　　　　　　　　　ノ　　ﾉ》x:.　´｀ /^:ﾈ !!|j　　 ,'　　　　　　　　　 もぬけの殻の本社に、殿とは名ばかりのノーマルAC。
　　　　　　　　　／¨, ===ヽ<　（＼);;;;;;=¨”;;;;;|{　　ﾉ
　　　　　　　　./ ノ/;,;,;,;,;,;,;,;,;,＼＼＼r--===ﾉ .ノz　　　　　　　　　　 全力を出す必要もない。
.　　　　　　　 ´　/;,;,;,;,;,;,;,;/＼;,;,;ヽ￣|　　　￣　　 |l
　　　　　　　　 /;,;,;,;,;,;,;,;,;,l l;,;,,＼,;,}　.|　　《　　　 :　ﾍ＝＝´｀ヽ　　　　……そもそも、私たちの全力は限られている。
　　　　　　　　};,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;l l;,;,;,;,;,;,;,ヽﾉ、，-＝ ⌒　ヽ,l;,;,;,;,;,;,;,;,;}
　　　　　　　 /;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,,ｿ,,,;,;,;,;,;,;,;/P´　　　　　　 :　 ＼;,;,;,;,;,;|　　　　　使いどころを見誤るな。
　　　　　　ノ,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;ﾉﾉ;,;,;,;,;,;,;,;,;ｿﾉ　　　-…　´￣:｀ -　',;,;,;,;}
　　　　　{;,;-===;,;,;,;,;ﾉ」;,;,;,;,;,;,;,;,;,;//- ´　　　　　　　 :　　 l,;,;,;,l
　＿＿rナ77 ヽ ヽ;,;,;,;,;,;,;,;,;_....=".八　　　《　　　　　.:　　.,;,;,;,;,;〉
（（＿ﾉ;,;,;,-=<__／＼＿__ノ　}=-"　　、　　.》 　　　 .: 　.ﾉ;,;,;,;,;,〉
　　/;,;,;,;,;,;,,;,／: :....: :＼∧　　' ,　　　 ＼《ﾞ《　　;;　.:　 ｲ;,;,;,;,;,ﾉ
　 ﾉ;,;,;,;,;,;／.....:.:.:.:〜／: :ヽ　　 i　《 　 ,　　ﾞﾞ … --"　;,;,;,;,;,ﾌ
　 ＼_.／へ: : : :....／: : :..... ⅹ{　i　》　;;　　　巛　　ﾉﾉ.{二二;
　　＜: : : : : ＼／: 〜て／: : :ﾍ ',,《　;;　　;;　　》　 (　 i,;,;,;,;,;,}





　　　 　 　 　 　 　 ／　　　　　 ヽ
　　　　　　　　/レ′　 　 　 　 　 ヽﾊ
　　　　　　 |V　　　　　　　　　　i 　 /|
　　　 　 　 ﾐヾヽ　　　　　　　ﾉノ ／ ,'
　　　　　　 ﾄ､ヽヽ　　　i!〃　　ｨ′ /し!
　　　　　　 ﾄ､l|＼ __∧」Ｌ　 '´ |　 /　/
　　　　　　rV/　　 / 7´　　 　 レ' //
　　　　　　ﾚﾍー-､l /　　_,,. -一メｲlj　　　　　　　　　　　あ〜悪いなァ。俺は殲滅速度でも世界を縮める男なのさ……
　　　　　　{ﾋゝ￣`| |ー=＝ｒ ィ'´ /ｌﾝ
　　　　　 　 ﾍl＼. | |_ハ___」斗イﾚ′　　　　　　　　　　　　「このような時にも軽口とはな。感心させてくれる」
　　　　　　 　 |　 ｀ll|　|, 　 　 　 lﾊ
　 　 　 　 　 〈ﾄ　　ﾘヽ‐'　　　　,'ﾚ|　　　　　　　　　　　　　　いや、それが俺の性分なのに変わりはねえよ。
　　 　 　 　 . ｲ ＼　￣￣` 　 /　 ト､
＿　,　ｨ'　´　 | 　 ヽ　 　 　／ 　 / 　 ｀ヾ　ｰ- ､_　　　　　　　それによ、そろそろ出てくると思うぜ？
:::::::::::::/　　　　　　　ト--ィ′　　　　　　　 ヽ::::::::::::￣
:::::::::::::＼ 　 　 　 　 | 　 /　　　　　　　 　 /:::::::::::::::::::　　　　　　釣りの成果がよ。
:::::::::::::／＼　　　　　〉y/　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::

5769： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/04(木) 21:50:20 ID:TwqrIURM0

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_,,.ゞ､::::::::::, イー::、:::::::::::::__,,.. ．-‐
: : : : ｀:／:::::::::／: '~" "'´　　　　 /
: : : :／／:::／　　　　　　　 ,ｲ{ .く
≧ｘ／::::／::」　　　　 　, イ:::::く_　}　　　　　　　　「二人とも、聞こえますか！？
ー/:::,／=＿,．､＿,x≦:::::＞――ア
=/::/ニニニ｝　}ニニニニニニｱ::|　　　　　　　　 そちらに超高速で接近中の熱源反応を確認！」
/::/ニニニｱ　ハニニニニﾆ,-く:: !
::/￣￣ ﾗ′./　　｀¨¨¨ , イ　.ィ:,' !　　　　　　　　　そら、お出ましだ。
/｀ : : :./　 ./ j　　　, イ　 ／　}:r_'ノ:::
_ゞ: : :/　 ./ 〈　 .／ 　 ／　　 .,ｲヽ: /　　　　　　　　大方、生き残ったトップランカー総出だろうよ。
: :∧/　 ./: : :.／　　／　　 , ｲ　,ｲ : :
. ｒ-'　　ゝ､／　　／　 , イ　, イ: : : : {
. ｊ　　 r　 　 , イ_＞ '　 , イ: : : : : : :/
/　　/　　　_　　　　 ／: : : : : : : : :/
　　　 　 ,f´　　　　〈.{　＿＿, --=≦
　　　　　 　 　 　 　 ｀￣￣　＿＿
　　　　　　　　　　　_　-=≦￣




　　　　　　　 　 _,.　-ｒ‐､
　　　 　 　 ,∠ ―　,ｒヽ)ﾉ　　 ‐　、
　　 　 　 / 7　‐-,. ( ）'ﾉ　　　　　　　 、
.　　　 　 i　; 　 ,‐!ノ'ノ　 ｀/　 　 ,. -
.　　　 　 '　:,_/〉-,ノ　　 ./　 　 /"　　　　ヽ
.　　　　　ｒ/_.'-‐' 　 ＼ .'　　　/　／　 　 !　､
　　 　 　 `! !.　　　 ､,.ヽ!　　_./／' ,. ｨ　 i　! }
　　　　　　', !　　　 /､ﾉ|　　 .た!ヽヽ/ ノ'　;.ﾉ
　　　　　　　、 、　,ﾍヽ.l 　 l l　　　´　,/,ｲ/
　　　　 　 　 V/＞/∧ l　　!l.　　 　 {.'　.l　　　　　　　　いや、オマケもあるようだ。
.　　 　 　 　 _l'/////∧l　　l|　- 、 ,.ゝ　l
　　　 　 ,ィﾆ二二ニ_＜,.――--＜!　　l.|　　　　　　　　「あん？」
　　　　 /二二二二／::::::::::::::::::::::::::::＞､i|
　　　_,./＞''" -=／::::::::::::＿＿:::::::::::::::::/}　　　　　　　　
― /ﾆｉ.lニニﾆﾆ{::::::-:::￣::::::::::::::::ヽ:::::://
::::::i=ﾆ!.!二二ﾆ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::; '
:::::l=ﾆｌ ｌ二二/:::::::::::::::::::::::::::::::;::::::::::;:〉
::::lﾆﾆl ｌニﾆ〈::::::::;:ィ二ニ=_､,､::;:::::::jム
::::!ﾆﾆ!.ｌ-=二';:::://:::::::::::;::ﾆ//ヽ::::/ヽ!ﾑ
::::!/ ,イニ=-__ヽ/:::;ィ////////＼ニl.!ﾆ!
::::l'/ニニニニ＜/////////＞!/∧=!l=l
:::::ﾏﾆ二二ニニ!＞_､//／////＞,/｀マ
:::::::ﾏﾆ二二二ﾆﾑ＜///////＞'"////＼､

5770： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/04(木) 21:56:02 ID:TwqrIURM0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __　　__
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　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾉ＞ ´　　　　　　　｀ ＜}
　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 ／　　　　　　　　 .、 ヽ
　　　　　　　　　　　 __..　-‐　　/　 /　 i　　　　i　　　ヽ　 ,
　 　 　 　 　 　 　 　 ￣ ７ 　 / 　 ,: 　 ﾊ.　　　 |　 ヽ　 ＼!
　　　　　　　　　　　　　/　　.,　　/ ,: 　i　',　　　i!　　 ＼.　＼
　　 　 　 　 　 　 　 　 ,　 　 i ,　/!.ﾊ.　|　 ',　 　 !､　 ､　 ',　　 ,
　　　　　　　　　　　　 i　,　 j/ /ｰi'- ', !　　ヽ　　{ ヽ　ヽ　',　　',
　　　　　　　　　　　　 ﾚ'　 / /r=芋ミヾ 　 　 ｀ィr弍=ｧヽ　:,　　i
　　　　　　　　　　 　 /　　' ∧ ﾞ　ゞソ ﾞ　　　"　ゞン " ハヾミｰ- ..＿
　　　　　 　 　 　 　 /　　　ハ._,　　　　　　,　　　　　　ﾑ/::::i　｀丁　　　　　　　　　　どうやら、釣られたのは我々の方だったらしい。
　　　　　　　　　　 / ｨ　　 {ヽ:::ﾊ　　　　　　　　　　　 ハ:::::::!　.　',
　　 　 　 　 　 　 〃　i :　 |　ヾ彡:.、　 　 - -　　 　.ｲ}}:::／ | .ﾄ､ ヽ　　　　　　　　　 構わんがな。
　　　　　　　　　/　　 | i　 | /::::::::::::＞　　　　　　＜::::::::::::}　!/　ヽ　、
　　　　　　　 __　　　　', !　| {:::::::::::::::ハ､＞.=.＜ _ハ::::::／　/　　　 ＼　　　　　　　　どの道、一切合切皆殺しにするつもりだったのだから――
　　　　　　 /::::ヽ::::｀:::::ヾﾄ､!ー--.=彡{::::::::::::::::::::::::::}ｰ-..__
　　　　 　 ,:::::::::::::',:::::::::::::::::::::::::::::::::ﾑﾊ::::::::::::::::::::::ノ',::::::::::::ﾞ:.ｰ- .._
　　　　 　.i::::::::::::::::,:::::::::::::;:::::::::::::::ﾑ'　 ＞ｰ==＜. 　 ﾏ､::::::::::::::::::::::｀:ｰ- .._
　　　　　 ,::::::::::::::::::',:::::::::::i::::::::::::ﾑ' ／　　　　　　ヽ. 　ﾏ､:::::::::/:::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　r''::､::::::::::::::::::',:::::::::|:::::::ノ=.く　　　　　　　　　＼ _}:::::::::i::::::／:::::::::::::::::i
　　 ／::::::::::ヽ::::::::::::::';::::::j:::／::::::::::::､　　　 ,　　　　　.ｲヽ:＼:::／:::::::::::::::::::::::|
　　 :::::::::::::::::::::::ｰ:::::::::';:::::/::/:::::::::::::::',.　　 ,　　 　 ／:::::::::',:::::',:::::::::::::::::::::::::::i
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5771： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/04(木) 21:56:14 ID:TwqrIURM0

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5772： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/04(木) 22:05:55 ID:TwqrIURM0


　　　　　　　　　　　｀'''ｰ ..,、　　 ｀''-..、　　｀'-､　　　　　　＼　　　　　　　　 1.|./ 　　!　ｌ ./ 　〃　　/ ／
＝xii＿,_　　　　　　　　　　 ｀ﾞ''ｰ､,,,　　｀'ｰ､、　 ﾞ'-､　　　　　.＼　　　　　　　 !.|：　　/ / /　.〃　 ,rﾞ／
　　　 ｀ﾞ"'｀-=t;;ii ..,,_　　　　　　　　｀ﾞ''ｰ　.　 "　　　 ＼ 　　　　.＼ 　 　 　 　 !./ 　.;"/./ . / 　 / ."　 . ／
_、　　　　　　　　 ｀ﾞ''''´ﾞ''ｉｉ,,;;．,,,、　　　　　 .丶　 　 　　｀'=i、　　　＼　　　　　!./ . ".，　./ 　 :'　　 ,／゛
｀ﾞ''“'┴-　..,,,,,_　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀ヽ　　　｀'．　　　 － 　: 　 .゛　　　　'"　　 ._..．
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'''￢ｰ｀-｀-ﾆﾆﾆ';;';;ｰ-.-　､...,,., 、 　.￣"'''―- ..,,,,_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 :
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　　 . _,,,,..　-;;ﾆﾆ｀-ｰ'''"ﾞ´　　　 　 　　　　　　 _,,,,iiiiiillll!!!!ﾞﾞﾞ″　　,,iilllli
二｀-‐'''"ﾞ´　　　　　　 　 　 　　　　　　_,,,,iiiiiillll!!!!ﾞﾞﾞ″　　　　.,,iiilll!!ﾞ゛　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ゛'.‐
　　　　　　 . _.....‐ 　　　　　　　 _,,,,iiiiiillll!!!!ﾞﾞﾞ´　 　 　 　 　 ,,iillll!!ﾞ゛　　　　　 　 　 　 　 　 '､ 　　　 　　 ..
　_._..ぃｰ''"´　　　　　　 ._,,,,iiiiiillll!!!!ﾞﾞﾞ´　　　　　　　　　 ,,iiilll!!ﾞ゛　 　 　 　 　 　 、　　　　　 ヽ 　　　　 　 .''
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　　　　　._,,,,iiiiiillll!!!!ﾞﾞﾞ″　　　　　　　 　 　 　 　 _,iiilll!!ﾞ゛ 　　　 　'　　 　　　　│　　 　　　　 . ｌ
　._,,,,iiiiiillll!!!!ﾞﾞﾞ´　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,,,iilll!!ﾞ’　.,　　　, ／ 　 　　　　　 |　　　 　　　　　ヽ
illll!!!!ﾞﾞﾞ″　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,iiilll!!ﾞ゛　　/ 　　././ 　 　　　　　　 .l　　　　 　　　　　ヽ　 .．
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　　　　　　　　　　　　 _,iiilll!!ﾞ゛　　　　　 / 　　　 : 　　　　 　　　 　　　　　　　 !　　　　　 : : |　　　　　　　ﾞ‐

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スピーカーのノイズ抑制をアクティブにする。
普段は戦闘中の反応が遅れるから常に切っているものだが、
VOBの殺人的な加速が巻き起こすソニックブームに耐え兼ねた。

元々高出力のブースターを搭載した軽量二脚ネクストともなれば、
オーバードブーストで音速を超えることなどザラだ。
それの何倍もの推力で空を翔けている今、その余波は計り知れない。

さっきからプライマルアーマーの出力が安定しない。
PAが消失するようなことがあれば、そのまま機体がひしゃげるんじゃないか。
そうなったら戦う前に火達磨である。
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5773： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/04(木) 22:15:42 ID:TwqrIURM0

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　　　　　　 　 　 ,. : ´ : : : : : : : : : : : : : : : ＼:｀: .､
　　　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼ : ＼
　　　　　 　 /: : : /: : : : : ,: : : : : : : : :⌒＼: : : : ＼ : ヽ
　　　　　　 ': : : /: :/: : : / : : : : : : ＼: : : : ＼: : : : ヽ : '.
　　　　　 /ｲ: : :': :/: :/|: |: | : : : : : : : ∨: : : : ∨: : :∧ : '.
　　　　　　 |: : :|: :|: ∧{: |: |: :|: : : ､＿_|＿:|､_:_:|＼､/:|: : :　　　　　　　　うーわ、ごっついなぁ……こりゃ宇宙にも行けるわ。
　　　　　　 |: : :|: :|ム斗七|: :|: : |: : : : |＼:| V: | / ＼|: :|: |
　　　　　　 {: : :|: :}|: |　|: /}:从: : : : : ィ斧笊ﾐVi: : : : :|: :|: |　　　　　　　 やる夫君、平気？　
　　　　　　∧: :{: 八 イ^笊斧､＼}､: : |Vしzり '|: : : : :|: :|: |
　　　　　 /ｲ: 从:{:ﾊ＼　r込ツ 　　＼j ゞ-つ/:|: : : : :|: :|リ　　　　　　　　私は初めてネクスト乗った時思いだしてるわ。
　　　　　 {/|: : : : ハ∧ ゝ' /:/:/: , :/:/:/:/: /ｲj : : |: :|: :|
　　　　　 l从: : : :{　}:込、_　　 ＿___　_ 　 　 ｲ| : : |: :l:从　　　　　　　　　気ぃ抜いたら酔いそう……
　　　　　 ＼:}:从:|　|/＞　 ￣ ｀^く⌒ｰ' |￣＼j: : /: /'
　　　　　　　j/---／ 　 　 　 　 　 ＼イ|　　　j／⌒＼
　　　　　 　/:::::::::/　　　　　　　　　　 ∨　　／:::::::::::::::::ヽ
　　　　　／::::::::::,　　　　　　:.　　|　　　∨／:::::::::::::::::::::::::::'.





　　 　　　,,, ＝＝＝＝,,
　　　 　〃　　　　　　　　＼
　　　/ 《　　 ─:::::::::::─ 　 ヽ　　　　　　　ソニックブームもそうだけど、揺れも凄まじいお……
　　　|∩||　 （●）::::::（●）　 }}
　　　|∪《 u. 　（__人__）　　∥|　　　　　　 はやてさん、あんまり辛いようなら、自動制御に切り替えてもいいお？
　　／＼　 ミ三∩_ノ ⊃彡 ／ゞ
　/　　乂 ゝ _／ ＿ ノ ＿イ,＿)　　　　　　着きそうになったら言うから。
　(　, ′ヽ ／　 ,,;;; ｲ/　　 i　　i
　 ＼　　 " ` ､ ／￣￣i￣"　 )

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
はやてが弱り切った声で通信を入れてくる。

視界が縦横無尽にぶれる。生身でドラム式洗濯機にでも突っ込まれたみたいだ。
揺れも正直、何かしらの容器に入れられて袋叩きにされているとしか
思えないような衝撃を伴うものだった。

試作品だから色々と不安定な部分もあるのだろう。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5774： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/04(木) 22:24:28 ID:TwqrIURM0


　　　　　　　　　　　　　　　　　　―――
　　　　　　　　　 　 　 へー／:.:.:.／:.:.:.:＼:.:.:.＼
　　 　 　 　 　 　 ／:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.＼
.　　　　　　 　 ／:.:.:.:.:.:.:.://:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ＼:.:.:.＼
　　　　 　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:〉:.:.:.:.:＼
.　　　 　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.|:/|:| :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: / /:.:.:.:.:.:.:..
　　　　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.: |　|:|:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |ﾆ7 /ニﾆ:.:.:.:.:.:
.　　　　　 :.:.:.:.:.| :. ⌒ト |:|:.:.:.:.|:.:|:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:|:/ /:.:.:.:.:.:.∨|:.|
　　　　　 :.:.:.:.:.:| :.:.:j抖ﾐ|:|:.:.:.┼:|ー|-ミ :.:.:.:|∨:.:.:.:.:.:.:.: |:.|:.|
　　　　　 :.:| |:八:.:.7 ）ﾊ|:|:.:.:.:.|:.:|:.:.:|:.: |:.:.:.:.:|Λ :.:.:.:.:.:.:.:|:.ト|　　　　　　　……ううん、へーき。
　　 　 　 |:.| |:.:./＼ ヒｿ|从:.:.:|:人:.:|:.: |:.:.:.:.:|/Λ:.:.:.:.:.:.:.|:.|｜
　　 　 　 |:.| |:.:.|/Ｗ '''',　　＼辷ｰ‐ｚ:八:.:|:.|∨Λ :.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　 でも嬉しいわ、ありがとうさん。
　　 　 　 |:.| |:.:.|/从　　　　 　 　 ,,,|//:.:.:.|:.|ﾉ//Λ:.:.:.: |:.|￤
.　　 　 　 人|:.:.|:.:.|沁、ﾏ　ｰｯ 　 ＿/ :.: 人｢￣￣ﾉ:.:.:. |人|　　　　　　　　甘えるのは終ってからにとっとくわ。
.　　 　 　 　 |:.:八:| :.:心､　　 　 Γ/:.:／　　　 -く|Λ:.:.|
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│.　　　　 、＼:.:.: ヽ|:/-|:. ! : |:.: |:.: /x 斥 |/ {:/|: !:.: ||:.:|　　　　　　 .│　　　　　　　――二人とも、あと少しで戦闘エリアに入るよ。
│　　　　　ゝ:.:.＼:.:. |{´｀ｌ:.:|:.:.:|:.:.|:./ﾍ　{::ﾘ/ 〈/ ｌｲ:.:./l:./　　　　　　...│
│　　　　　 |＼:.:.:＼:|＼ ゝl:.:.:|:.:.|/　　 ゝ'　　＼ |:./ ﾚ′　　　　　.....│　　　　　　　VOBはパージされるから、そこからは通常戦闘。
│　　　　　 |:.:.:.:.ヽ、ヽ:|　｀!:ヽ:|、|　　　　　　 ／ ﾚ′　　　　　　　　 │
│　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.＼/　 ‘， ＼＼ 　 　― ´　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　いつも通りにやるだけだけど……
│　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:. |　　　ﾍ:.:.:.ﾍ　　　　/　　　　　　　　　　　　 　 .│
│　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.≠__　　　ﾍ:.:.:ﾍ ―‐´　　　　　　　　　　　　　　...│
│　　　　　 |:.:.:.:.:. / ｀ヽ､≧ｭ､_ヽ :.{　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　　　　 |:.:.:.:.:.:|::＼　　 ≧ｭ､｀ヽヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　　　　 |:.:.:.:.:./::::::::＼ 　　　 ＼ｌ┤　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　　　　　 |:.:.:.:/:::::::::::::::::＼　 　　ヘ{ ヽ、　　　　　　　　　　　　　....│
│　　　　　 |:.:.:/:::::::::::::::::::::::::＼　　　|＼ ゝ　　　　　　　　　　　　　...│
│　　　　　 |:.:/:::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ｀￣ 7　 ﾍ´ヽ　　　　　　　　　　　....│
│　　　　　 |: ｉ::::::::::＿＿＿＿__|　　,′ 　 ﾍ::::ｉ　　　　　　　　　　......│
│　　　　　 |: |:::::l´::::::::::::::::::::::::::＼　＼　　　ﾍ:|　　　　　　　　　　　..│
└─────────────────────────┘

5775： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/04(木) 22:29:40 ID:TwqrIURM0

　　　　　　　　　　 __´￣￣二ﾆ=　、
　　　　　　　　／　　￣´ 　　　　　　ヽ
　　　　　 　 /　/ｨ　　　　　　}i　　　　∧
　　　　 　 /ﾔ'7=ﾆ二二二≦_｣Ｌﾍ/　 ∧
　　 　 　 ;　 /＼_　　､＿　￣Ｖ⌒{ 　 / }｝
　　　　　:; 　}(●）　　（●　）　〉 人 /　/^}　　　　　　　　　　　　「既に敵増援がIGIO本社に接近するのが確認済み。
　　　　　 '､ {（　ｨ'　　　　　　/／Ｌ {__/(__/
　　　　 ＿{へ≧＾ゝ､___ノ_z彡二弐≠ ＞／￣￣ミヽ　　　　　　　速度からしてオーバードブースト中のネクスト機が複数だね。
　　　　r{_ `ｰ=＜三＞'’ ）二二 ／　//　　　___　　　＼
　　／/ ｛＼　　｀￣　 /二二／/ 　/ｲ　　 Ｙiっ) -┐　 ＼　　　　 ……混戦になるよ」
　｛　　Ｖ 〉　　　　　　〈ﾆ二彡イ　 ｛ ｛　 　 }｣つ）二! -02 |ｌ
　｛　 　 i ＼ 　 　 　 /｝ト､　　 i　 /八ヘ　　￣´　　　　　 |ｌ　　　　上等ですお。横合いから殴りつけるだけだお。
　　)〉=ﾆi　　＼＿∠_//ｚ/＼　i／　　＞　_　　　　　　 　 /ｌ
　　　汀 i　　　 〔_二//￣　　 ＼　　 /￣７ 　 ＞＝-≠〈/
　　 ！| iﾄ　　　　＼　　　　 　 　 ＼/　 /　　　　　　勹[_]
　　　　　｀v 　　　　＼　　　　　　　 ＼/　　 　 　 　　/
　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　 ＼　　　　 　 /

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
既に先行部隊として向かったクーガーとアルトリアが、
IGIO本社上空で戦っていると聞いていた。

ネクスト機さえいなければ、彼ら2人にかかればあっという間だろう。
なんなら、自分たちが到着するころには防衛戦力など全滅していてもおかしくない。

やがて、水平線の向こう側にぼんやりとした影が浮かび上がってきた。
まだ遠いが、空中で巻き起こる爆炎が、戦闘の激しさを物語っている。

遠視モードに切り替え、マニュアルで拡大する。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5776： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/04(木) 22:43:39 ID:TwqrIURM0

　　　　　　　　　 　 xヘ　　　v…─-　_　　 r‐- . _　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　 /　 /｀`''/二フ＿＿　￣”..'　┴-　　_　 　 　　　　 ／＼￣＼　 〈＼
　　　　　　　　　　 ￣ |　　//￣￣ヽ／￣¨ ﾊ.-　＿　 　 ￣|￣|ﾍ─く　 　 |￣￣|＿＼ ＼
　　　　　　　　　　　 　 ￣7￣',＿／　　　 /{ 〉∧/　￣　=- 二__|_＼ ＼　|　,.ィ升i:i:i:≧s｡〉
　　　　　　　　　　　　 　 /　　 (__）s｡.,＿ / Y ┘Ｖ .|　　　　 　 　 :|＿|￣¨ アi:i:i:i:i:＞-‐-ミム
　　　　　　　　　　　　 　 ` トv'/ 7ﾆ(__)(_ﾘ　 }.__/　 |ー‐┬ｰ┐ 　:|＼＿__/i:i:i:i:ｱ´　　　　　ﾏﾊ
　　　　　　　　　　　　　　 └ └′￣..二|　/　|　 /─‐┴‐‐|＿__ﾄ､｀`〜{i:i:i:i:′　　 ,｡o≦} :ﾘ
　　　　　　　　　 ＿　　　　＿　　　　　|　| /　　| /_/￣　　　　||||　　＼／'.i:i:i:{ ､｡o≦ﾆニｱ /
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　　　　　 ＿　.|::| |￣￣Τ￣V∧　 　 |∧＿ ./::|o0::|￣//　 |　 ￣＼　く>｡‐‐､.∵ ∨.i lｉ li ｉ　/　　，
.　　　　　|/// |::| |￣￣Τ￣│ |　　　|二|＿.|ニ|oｎ|ー＜_厂｀`〜､、＼ 癶∵ `ー‐∨ |　 |i///　　　　　　　　　　　　＿__
＿_ 　 　 |TTT 丁|──┘r─|　|　　　|＿|＿.「」」::Uj　　　 |￣　-　__`ｰl 〉 厂厂￣}¨| 　 . ;//:( /　　　　　　　　　　/i|===|
トミ|　　　|====.弋ニニニニニﾆ|　　　　　|＿.￣｀¨¨,.ﾍ￣￣ヽ￣｀'ミts｡ 乂_| /:::::::::::} .|　　./　 (/　 ＿_　＿__　/＼|/|===|　 　 ┌┐　_
トミl￣「iﾐ|　ｉ|　| .|二二l　　　　　|　　　　　＿|||　...|　 ＼　　 ＼　　 `'弌=┴─､‐‐‐'′ 　 　 　 /(　|==i| |/|//| |//||/|===|　rzzzZZz_ Li
トミ|　 トﾐ|　ｉ|　| ./ゝ＿＿＿＿ノ　　 　 　 |l__,|| .　＼　　＼　　 ＼　　　＼＿＿ヽ　 .／( 　 〈I　　　//=i|_|/|//|_|//||/|===|_i|//|Ti|__|/|__|
トミ|　 トﾐ|　ｉ| __/　 |＿＿＿＿|　　　　　　||M|| . _∧.＼　　〕ト　＿.､　　　 〉──〉 r,　<(　/(/ 　 // /:i| /|竺竺| /||/|===|/|//|Ti|__|/|__|
トミ|　 トﾐ|　./ /　　|＿＿＿＿|　　　　　　`^^′_|/∧　..`'く　　＼＼＼　 /＿＿/　　 　 ./ /　 /'　 /__i| /|三三| /||::-=＝ﾆ|//|Ti|__|/|__|
ト|￣|＼_:|../ /〉　　|‐‐‐ｧ─ ┘　|＼|z |_| |II|II|_|_|//,'〉　　⌒）is｡　`ー'＾'弌＿__〕ix,　，　　 　 //　〈　/:!ﾞ/|三三|-‐|ＺＺＺＺZ|//|Ti|__|/|__|
ト|＝|＼i ./ /　　　　￣/ ミIj|_|「i | 　|z |_| |====||(⌒ヽ　Ｊ　　 　 >　　　　　`'弌＿_〕ix　))　　　,,　 ﾟ //..,,,, '⌒ヽ|-‐|LiLi|zzz|ZZﾄﾐ|__|/|__|
ト|＝|＼./ /　　　　　 / 〉ミIj|_|「i |＼|z |_| |iLILIi|| ヽ ,;;;,,, ,, ﾟ 　｡ . 〕s｡|＼　　　　`'弌＿〕ix.:::..　 ﾟ　｡　　〈ﾍ;;; ;,,,,;;_|-‐|LiLi|zzz|ZZﾄﾐ|II|///|
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二 厂厂/￣¨/__/_/. . . . . ⌒. : : . : . ~~⌒: : .~⌒ヽ : . :: ⌒: :. ; , ;, ;,, ; ; ,;;, ; , ;;..⌒〕s｡〉　　　　　　＼_)´--V∨∧..;;;;;;,iLiLiLi||i|ili||TT爻爻爻
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朧げな影に過ぎなかったそれが、徐々に姿を現す。

最初、その巨大な影こそがIGIO本社なのだと思った。
流石に四大企業の旗頭だけあって、本社の規模も相当なものだと
感慨もなく思って見つめていた。

だが、そうではなかった。

巨大建造物と見紛うそれは、動いていた。
かつてIGIO本社だった湾岸の建造物を踏み躙り、二足の足で立っている。

輪郭こそ逆関節のACに近いものがある。
だが、そのスケールが、圧倒的に違っていた。

超巨大化した重機といった風体のそれは、
爬虫類のような脚部を地面に食い込ませ、アスファルトにクレーターを形作っている。
平たい頭部が股関の辺りに直接搭載されているようだ。

怪獣、という表現しか思いつかなかった。
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5777： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/04(木) 22:54:34 ID:TwqrIURM0

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│　　 　'.:.:.:;:升∧::.:.|.:.:{ｲ ,伐::::::斥′　　ﾉクｻﾄxj:.:.li.:l.:.ﾊヽ.:.';.:.:;.!　　　　..│　　　　　敵……アームズフォートを確認！
│　　　　∨　 !′l:.:.:|:.:.! ､辷ｰクﾉ　　　 　ｹ云x.:ﾉﾒi.:/.:.:.:.:l.:.:.:.:.l:.!　　　......│
│.　　　　 ゞ､)l::.:.:ゝ:ﾍ､:!　｀¨¨ﾞ`　　　　　/.::ﾇﾘｹ;´.:;ﾘ..:.:.:.∧:l.:.:ﾊ!　　　　 .│　　　　　機体コード、AF・エオドロマエウスを登録！
│　　　　　 'iｰl;:.:.:.::.个｀　　　　　　　　　匕ﾞ.ノ_ノノ/!:.:.:.;/　ﾚノ　!　　　　 .│
│　 　 　 　 l.:人::.:.:.ﾞl　　　　　　 　 　 　 ¨`て.._｀V.ﾊ.:::/ 　 !′　　　　　...│　　　　　 SI製のアームズフォート……
│　 　 　_,､n<　 '.:.､∧　　　　　　　ｃ｡　　　人__,¨＼:l/　　　　　　　　　.....│
│　　ｲ´.:::.ハﾍ　'､l?∧　　　　　　　 　 .,／: :.j　 ／}′　　　　　　　　　　 │　　　　　 というより、アヴィアコルのモスクスラウメンの
│／　l:::::::., 　＼　´､?「＞､　　　　 , イ´. 　.:.イ´.:l.:.|　　　　　　　　　　　...│
│　 　ｊ::::::::.ﾍ　　＼　　＼ﾍf＞.ｰ イ. . . :＜.:.:.:.';.:.:.:|.:|　　　　　　　　　　　.│　　　　　　原型機みたい！　既に先行部隊が交戦中！
│／¨ ﾍ:::::..∧ /＼｀ >ｰ<cﾊ. . . . . . .fヽ,¨ -ﾅﾍ.';.:.:|.|　　　　　　　　　　　 │
│////∧::::..∧＼/∧ Y∧:lｌ. . .,,..ｲ".ｿ ',////,j.:.';.:.||　　　　　　　　　　......│
│/V//,∧:::::..∧､/　 >介ｲー"´　／.:::.∧//zj.:.:.';.:.|　　　　　　　　　　......│
│j∧V//∧:::...∧　　ｊメﾍ＿_　-ｲ.::::::::::::.∧//j.:.:.:.';.|　　　　　　　　　　　..│
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　ヽ.: : : :.,.ﾍ　　_,.‐'　　　　　　　　　　　,,.-'"｀　｀､ヽ; ヽ_!＿_:/ ＿
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　 　 　 :　　　 `r　i ﾞ:;;;;;,:〉　　　　　　　　 　u.:　 .!_　|│: : : :||　　　　　　　　コイツが敵の本命ってワケかお！？
　　　　 :　　 　 .|　}ﾞｰ-''"　　　　　 　 ヽ　　 :　　｢´│|.: : : :.||
.　　　　 :　　　 ││i 　 　 !、　 　 　 .ノ 　 .:　　{. _│|.: : : :.||　　　　　　　　モスクスラウメンの三倍はデカいお……！
　　　　　 : 　 　 .|　l　' ,_,,ノ＿,ﾆ≠'"´　　 .:　 _,L.__ | |.: : : :.||＿
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なのはが焦燥を滲ませつつも、迅速にIFFへ敵機を反映させる。

無骨かつ肉厚な装甲は確かにSIらしさを感じさせられたが、
それにしても大きすぎるのではなかろうか。

あの様子だと、IGIO本社の地下から、建造物を破壊しつつ出てきたように見える。
滅茶苦茶だ。自分たちの総本山をこうも呆気なく崩壊させるなんて。
それほどまでに、企業連も必死だということなのか。

周囲にはブーストの光が飛び回っている。
シュクヴァールとリンドヴルムが応戦しているのだ。
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5778： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/04(木) 23:03:41 ID:TwqrIURM0

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早く参戦しなくては。

敵のネクストも迫ってきているのだ。あんな怪物を相手にしながら、
同時にトップランカーネクストと戦うなんて馬鹿げている。

二機同時にVOBを切り離し、慣性に投げ出される形で飛翔する。

そこへ狙いすましたかのように、コジマの光が炸裂した。

反射的に喉を震わせ、咄嗟にサイドブースターを滅茶苦茶に吹かせて
何とか射線をずらす。

空から一瞬光が消え失せ、代わりにコジマキャノンの光が辺り一帯を覆いつくす。
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5779： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/04(木) 23:09:32 ID:TwqrIURM0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-ミ
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　　　　　　　　　　　 r─く＾ゝ､_,.ノ{∧',_,| .{　　　　　_廴ノ_ノ　　 ｀`'弌is｡.,_
　─- ＿　　　　　l￣`ヽ､＼∧}ゝ'|∨￣|`l＼＿_／　 ＼_,+─-､　　　 ｀`'弌≧s｡.,　　　　　　　　　　　　　　――外したか。
　　￣　‐-=ﾆ二ﾆ:|　/￣＼「l　}￣|/ |／ヽ〉ｰr＜ミs｡_＿{,ィ=ミ 〉ー----〈7〉 ｀`'弌≧s｡.,
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　　　　　　　　　　　 ＼　〈￣＼　 ∨{＿「」_∧_廴}￣〈[]　 ￣二ﾆ=-= 〈/)_　　　　　　　　｀`'弌　　≧s｡.,_
　　　　　　　　　＿　　 ￣ ＼＿〉／￣/´ ＞く＾＼_￣二ﾆ=-　..,,＿　　////刀ﾌ7ｧｰ-　..,,_　　　｀`'弌 　　 ＞＜廴＿
　　　　　　　　　＼＞s｡.,_ /　　/　　　|／〈　　`､￣ヽ￣￣￣”“''￢…=ﾆ//////////////刀ﾌァ=-r-辷=---＜//{{〉
　　　　　　　　　　　≧s｡.,_｀`'ｰ{／＾/∥　 〈　　 `､　　＼　　　　　　　　　　￣￣”“''￢=ﾆ二_//////〉r─-=ﾆ二￣≧s｡.,＿＿
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　/ 　 　 　 　 〕//'⌒´ /　 / 　 　 　 　 　 　 　_　〉　　　　　　　　　　　　　　ここで確実に排除する。
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5780： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/04(木) 23:12:17 ID:TwqrIURM0

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.:. .:. .:. .:.ﾄ､彡ヽ三≧'　; ´　 }　 ､　}　　 　 ､_　　ヾミ三≧ミヾ｀ー-　　　　　　　　よくぞここまでやってこれたもんだ。
　.:. .:. .:.从ﾐソ, ｀ﾞ´／{ ' 　!　|　　 Y､　　　　 ｀ヽﾐ去ミヾ!.:. .:. .:. .:.ヽ
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　　＞ｘ、　　　　　 　 　 　 ＿＿∧ハ　　　　　　/ く＼ｰ-==-‐　"´　　＼/　(O　ﾉ　　
　´　 {三≧ｘ、　 　 　 ／　　 　 }: }　i|　　　　 　 ＼ У〉　 　 丶、　　　　 ＼==彳　　　　　　　　　　　　 ここらが潮時だ。
　　　 `7ﾆ=-=≧=‐-く　　(O　　j: ｊ　j|　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼＿＿＿__>: ﾑ
　　　　{三三三三≧ｘヽ､　　o,,ﾉ ﾉ　ﾘ　　　　　==ミ　　　　　 -=ﾆ二三三三[: :/∧
　　　 /ヽ＜三三三三≧ｘ-=彡く彡く⌒＼ 〃⌒ヽ:::ヽx≦三ﾆ=-　 /￣￣　厂},' ∧
　　　｛⌒ヽ: :`'＜三三三「　　　　　　　　　 {{　(: : }::::::}=‐＜　　　 /　　　　/厂{心ハ
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　 　 {　 ／⌒ヽ : : ／＿__ノ〃　　　〃⌒ヽ. ＿＿＿__ｒ‐‐ ､＿＿＿__　ノ^Ｙ　　　 ､　ノ}
【ネクスト：ラスト　種別：重量二脚】

5781： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/04(木) 23:14:53 ID:TwqrIURM0

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　　　　　　　　 　　　／ 　 / 　 !､ 　 　 ／イ　＞ ､　 ∨　ヽ　　　　　　　　　　　今までがどうであれ、ここで潰せば同じこと。
　　　 　 　 　 　 ,＞‘,　　 '. 　 ∧ ｒ　､　 ／イ／!ヽ ヽ ',＼　＼
　　　　　　,　　´　　　≧s。＼'　 ヽ -'　 。s≦ _」_ ＼} }　 ＼　＼
　　　　 ／　　　　　　　 _,ィ｀ヽ Ｙ 介≦ィ> ¨ﾏ;｀ヽ:::Yﾉｲ _　｀ヽ　　ヽ
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／/　, -'＾／_/　／∠ｰ-､大ｰ〈___,ノ入／ﾝフ一ﾍ.ヽ_,ィ　ヽ＼‐''　　 У　　　　　　　　沈んでもらいましょうか。
　/　ヽ　厶ヘﾐ彡'＾ヽ ＼/　.l　 i l　 f　 ヽイ　 _/　ヽ.ィ7＼＿_>　　 〈
./　／　 /　　 〈ハ_　 〉 ﾍ_ノ　_j i_　ヽ､ノ　　rく__ 　 .人 ー＿_ヽ　　　ヽ　　　　　　　　愚かな考えと諸共に。
'　/　 ／ ,.ヘ_,厶ヾﾐY/｀ヽ〉Ｚ:―‐ﾐヽ､ヽ--く　 ｀メソ/77巛/　｀ヽ　　　 ヽ
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　 __ ./　/　〈／　 　 .|　 }Z〉 l　　l　/ヽミﾆY　　　　.V　　　iヽ　 ,ｨ彡ﾄ､Ｋ
../ Уﾐ彡ﾐヽ|　　　　 |　ﾑｲ ,'　　,i ﾑミﾆrｸ′　 　 　 V　　 .! ∨彡ｨ' くヽ
/ / ,ｲ７´ヾk{　　　　 | 〈∠ﾑL _/ <ﾐヽｧｲ　　　　　　　V　　 l　Y´/ﾊ　∨
∨// ｹ　ｙﾍl　　　 ,ｨ|'ﾞ/, ― <´ ヽ_＞i＾ ＼　　　　　　 V　　.l　l　l i! ヾ＾ヽ
iＹ　l!/　 i!　|　　／ .／´　　.'　ﾏ´　　 `'ｰ-ヘ　 　 　 　 V　　l　l　l i!__》　ﾍ
l.|　ハ 　 i!./ ／　 /　 　. '　/V＾ヽ.　 　 　 ／＼ 　 　 　 V　 .l　|､」 彳　rｲ
､|〔　 l 　 i/'イ＾ヽ/　 . '　　〈Z　 /　　___／　　　＼＿　　 V　 l　',　l　　 .l |
/|,ﾍ　 　 /　　｀ソ　 . 　　／ﾄ､ /　 ／／ﾍー-､　　∨｀ヽ､ V　.l　i　.! 　 .l |
ﾚ|　|　／　/７　l|　 .' /V´／ ,/-‐´／ﾄ､　ﾍ　　ヽ　 ∨　 ﾍ V　l　| 人　 l |
　|　l/ 　 / /　 l|　 ;　〉／ ／Ｖ＾Ｙ´l　ヾﾍ　ﾍ　　 ヽ　＼ｰｔﾍ V｜ ｿ　l ノノ
【ネクスト：ラズルシェニェ　種別：中量逆関節】

5782： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/04(木) 23:16:35 ID:TwqrIURM0

　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾊ.　 　 　 / ,'
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /,'　　　　/. ,'
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /.'　　　 / . ,'
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　　　　　　　　　 　 　 ＞''"/.　 l　/.　 / ＼　　　　　　　　　｀¨'''‐＜
　 　 　 　 　 |',. 　 ,イ　　　 ',　 |./ 　 ,'ヽヽヽヽ＿＿　　　　 　 　 　 ＼
　　　　　　　 | 〉' '气　　　　| . /. 　 ,'　 ＞''"　　 `丶、~"''〜､、　　　 ＼
　　　　　 　 ｧ'"　 ／:＼　　l ./.　　,'／　　　　__,,　-‐‐‐‐‐‐ ﾐ､　"'''' ､、　＼
　　　　　　　ﾍ￣ヽ: : :_:_ﾍ__|/　　 ,'　　　＞''" 　　　　　　＿__ﾉ　　　　 ヽ　　＼
　　　　　 　 　 ﾍ . ∨ﾆﾆﾆ'.　　　 |　／ 　　　　　　_, -''" 　 ﾍ＿＿　　　 ヽ.　　＼.　　 　 　 　 　 ,ｲ
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.　 　 ､-.、　　　 ,'ﾆﾆﾆ.//　, 　 /.人ゞ／,ｨ＜.　　　　　 ／ｨ=ﾍ　　　　　｀'' ､_ｧ‐､ 　 /　　　　 ,ｲ. ／
.　　　 ＼ ヽ、　,'.ﾆﾆﾆ',〈　/　././　 /／　　　 ヽ　　 ≦'"::::::::::ﾊ　　　　　　　　　　ヽ　　　　/　／
.　　　 　 ＼　`ｌ ﾆﾆﾆﾆ', V . / /__／　　　＿_,,ィ |.　 　 ＞'''"　 |　　　　　　　　　　　ヽ　　/ ／
　　 　 　 　 ＼|ﾆﾆﾆﾆﾆ',　 /　　　 _,,,ｨ‐''::::::::::| ,ｲ　　　＼__,,ｨ:::::|　　　　　　　　　　　　ヽ. |/
　　　　　 　 　 ﾔﾆﾆﾆﾆ.ﾑ./ _,,ィﾞ:::::＞‐┐::::／　　　 　 　 >‐''" |　　　　　　　　　　　　　ﾏﾑ
　　　　　　　　　ﾔﾆﾆア_,,ｨ‐､:::::／　　 ,ｲ≠　　　　　　　＼　.....::|!　　　　　　　　　　　　　 |ﾑ　　　　　　　　　　　……。
　　　 　 　 　 　 {ﾍア /＿__l::::/＿_／≠　', 　　　　　　　　,>:‐''"|!　　　　　　　 　 　 　 　 |ﾆ',
　　　　　　 　 　 ヽ_l_/__／¨¨',¨¨¨/ｨ‐､. 　 〉 　　　　　　　＼ 　_,,|!　　　　　　　　　　　　　|ﾆﾑ
　　　　　　 　 　 　 ￣｀|,ｧ''¨¨¨¨¨ﾍヽｧﾊ.　 ',　　　　　　 　 　 l:::::::|!　　　　　 　 　 　 　 　 lﾆﾆﾍ
　　　　　　　　　　　　 〈≠ｚz≧　　ﾍ ',ﾏ〉 _ ',　　　　　　　　　}::／ヽ　　　　　　　　　 ＿__|ﾆﾆﾆﾍ
　　　　　　　　　 　 　 ハ≠ｚｚx...　　ﾍ /　　 >　　　　　　　／ヽzzzzzzzzzzzzzzzz≦/三三三三',
　　　　　　　　　　　 　 ', ﾏ´　', 　　　　＞､／ |＿＿＿＿/／三三三三三三＞''"三三三三三ﾆ',
　　　　　　　　　　 　 　 ',__',　 ‘, 　　　 |　', ﾏ／三三三=/三三ﾑ三三三＞"三三三三三三三三',
　　　　　　　　　　　 　 　 ヽ､__,,,,､`丶、| 　ヽ|三三三三ﾑﾆﾆ／　ﾏ三／三三三三三三三三三三ﾑ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 |::::|:::::::＞､ヽ /|三三三三ﾆﾑﾆﾑ　　 ﾏ三三三三三三三三三三三三ﾍ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 |--､::::::::::::>ｲ. |三三三三三ﾑﾆﾑ　　 ﾏ三三三三三三三三三三三三
　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ:::::ヽ::／.　　|三三三三三=ﾑﾆﾑ　　 ﾏ三三三三三三三三三三三三
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ゝ''"　　　　|三三三三三三ﾑﾆﾑ,イ三三三三三三三三三三三三三
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿__,ｨ三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
　　　　　　 　 　 　 ＿＿,,　-==ﾆ三三三./三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三ﾆ
.　　　 　 _,,.｡s≦三三三三三三三三ｱ／三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
【ブライドルランク1　ネームレス　スポンサー　IGIO】
【ネクスト：ノーバディ　種別：中量二脚】

5783： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/04(木) 23:25:55 ID:TwqrIURM0

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　　　 ﾟ。　　 i/i:.:.:.:.ﾟ，:.:.:. : { 　 込zzｼ　　　 :i/　 込Zﾉ　:/:.:.:/:.:. i　　　　　　　あっ、ちゃー……
　　　　 ＼　}/,|:.:.:.:.:.ﾟ，:.:.:.:.:i　　　　　　　　 / ヽ　 　 　 /:.／:.:. : |
　　　　　　/,//: :|:.:. : ﾟ。:.:.:.:ﾟ。　 u. 　 　 　 　 　 　 　 /,イ:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　 どないすんねん、敵さん勢ぞろいやねんで。
　　　　　 ///:.:.:.:!:.:.:.:.:.:ﾟ。:.:.:.ﾍ　　　　　（　　 ﾉ　　　 /∧|:.:.:.:.:.:.:.|
.　　　　 ///:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.: ＼＿_＼　　　 　 　 　 　 　 人 :!:.:.:.:.:.:. |　　　　　　　　どう動けばええんや、なのはちゃん！？
　　　　 {.//|:.:.: : |∨:.:.:.:.:. : |:　ヘ　　　　　　　　　...:.:.:.:./ |:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　 i// !:.:.:.:.:|: ∨:.:.:.:.:. |--　　＞　　 __　..:.:.:,:.:.: : /- !:.:.:.:.:.:./
　　　　/ {{　＼:.:.|-‐∨:.:.:.:.:|//Z7ｧｧｧｧｧ---}}_:./:.:.:／=‐:|:.:.:.:.:./
　　　　　　　{‐:ヽ!---∨:. : |／＿__二ﾆ=‐‐イ ヽ￣ 　 ‐=!:.:.:.:/
　　　　　　　i　　＼ﾆ=‐＼: !＿＿＿|　　　 |　　 ヽ {ﾆ=‐ |:.: /
　　　　　　　|　　　　　　　 ＼　　　 :|　　　 |　　 //i　 　.:|:./}





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│　　　|/　 !:.:.:.!:.:.ヽ:.:.:.|〃{:::j　　　　　 辷シ　!:.:./:.:./| ヽ.} |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│
│.　　　|.　　',:. | ',:| .|ヽヽ｀.ﾋﾘ　 　 　 　 　 　 /:/／:.:.:!　/: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│　　　　 敵機二機は遠距離からの射撃、
│.　　　　　　ヽ|　ﾘ　!:.:.ヽ＼ ヽ　　　　　u.　.〃|:.:.:.:.:./_/／.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　......│
│.　　　　　　　ヽ　　ｉ:.:.:人　　　 -‐-　　 　/　 !:.:.:.:./／. 　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│　　　　 もう二機は中距離戦を行う布陣と見た。
│　　　 　 　 　 　 　 ',:.:.:.:.ﾍ　 　 　 　 　 　 　 |:.:.:.:/.　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│
│　　　　　　　　　　　 ヽ:.:.{　ヽ、　　 　 　 .＜.|:.:./l　 　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│　　　　　
│　　　　　　　　　　　　 ＼ｉ　　　＞.-t ´　　　|:/‐┤、.　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│
│　　　　　　　　　　　　　　＼　　　 r､| .-　￣/　／　ｉ、　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　......│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〃.ヽ　　　.／　　 |::｀ヽ.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　......│
└───────────────────────────────┘

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
エオドロマエウスの遥か後方に、PAによる大気の歪みが四つ。
一機は身の丈を優に超すコジマキャノンを構えている。

遅かった。
4対4なら、まだ条件はイーブンだった。
実力の差はともかくとしても、数的有利は取られなかっただろう。

だが、これはあまりにも、状況が悪い。
幾らクーガーとアルトリアという規格外の戦力がいたとしても、
相手がトップランカーということ踏まえれば差し引きゼロだ。

一瞬にして通信から感じられる空気が重苦しいものとなる。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5784： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/04(木) 23:35:43 ID:TwqrIURM0

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│　　　　　　 ,､イ.:.／.:.:.:.:.:.:.:,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:...:::.:´.:.:.:.:.:.:.､.:.:.:.＼　　　 　 │
│　　　　　 nﾍ.:.:;.:'.::.::.:.:.:,ｲ.:.:..:.:,ｲ.:.:.:.:.:.:.:.:;l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_.:j¨｀ヽ.⌒ヾ:.､　　　.│
│　　　 　,ｲj､.:.v.:.:.:.:.:.::/:/.:.:,ｲ/.:.:.:ﾉ!.:.:i.:..:j.:.:.:.:.ヾ;,.:.:.:.:.:.:ヾ.:.:.ヽ　 ｀ﾍ　 　 .│
│　　　　/ll!ﾊ:.:′.:.:.:.:/./.／.:/.:／.,ﾉ.;/l:.:;!.::l.ﾍ;.:.:.ヽ,:.:.:.:.:.:.ヾ,:.:.'; 　　!　 　 │
│　　　 ∧jﾊ.:′.:.:.:.:.′〃xｆz左ｚ,;,X, .j:/ !:;|:.:.:l.:.:.:.l.:ﾍ.:.＼.:.::.':;.:.';　　　......│
│　　　 l.l.ヽ.:.:|.::::.:.:.:|{:.:.,仆乞芸て卞 >′l./ｊ.:,ﾘ.:./.:l.:.ﾍ.:.::.ヽ.:.:.';.'|　　　　..│
│　　 　'.:.:.:;:升∧::.:.|.:.:{ｲ ,伐::::::斥′　　ﾉクｻﾄxj:.:.li.:l.:.ﾊヽ.:.';.:.:;.!　　　　..│　　　　　やる夫君たちで敵ネクストを抑える場合は、
│　　　　∨　 !′l:.:.:|:.:.! ､辷ｰクﾉ　　　 　ｹ云x.:ﾉﾒi.:/.:.:.:.:l.:.:.:.:.l:.!　　　......│
│.　　　　 ゞ､)l::.:.:ゝ:ﾍ､:!　｀¨¨ﾞ`　　　　　/.::ﾇﾘｹ;´.:;ﾘ..:.:.:.∧:l.:.:ﾊ!　　　　 .│　　　　　　2対4の戦いになる……
│　　　　　 'iｰl;:.:.:.::.个｀　　　　　　　　　匕ﾞ.ノ_ノノ/!:.:.:.;/　ﾚノ　!　　　　 .│
│　 　 　 　 l.:人::.:.:.ﾞl　　　u.　　 　 　 　 ¨`て.._｀V.ﾊ.:::/ 　 !′　　　　　...│　　　　　　 かといってAFに向かえば乱戦。
│　 　 　_,､n<　 '.:.､∧　　　　　　　ｃ｡　　　人__,¨＼:l/　　　　　　　　　.....│
│　　ｲ´.:::.ハﾍ　'､l?∧　　　　　　　 　 .,／: :.j　 ／}′　　　　　　　　　　 │　　　　　　　どの道、滅茶苦茶になるね。
│／　l:::::::., 　＼　´､?「＞､　　　　 , イ´. 　.:.イ´.:l.:.|　　　　　　　　　　　...│
│　 　ｊ::::::::.ﾍ　　＼　　＼ﾍf＞.ｰ イ. . . :＜.:.:.:.';.:.:.:|.:|　　　　　　　　　　　.│
│／¨ ﾍ:::::..∧ /＼｀ >ｰ<cﾊ. . . . . . .fヽ,¨ -ﾅﾍ.';.:.:|.|　　　　　　　　　　　 │
│////∧::::..∧＼/∧ Y∧:lｌ. . .,,..ｲ".ｿ ',////,j.:.';.:.||　　　　　　　　　　......│
│/V//,∧:::::..∧､/　 >介ｲー"´　／.:::.∧//zj.:.:.';.:.|　　　　　　　　　　......│
│j∧V//∧:::...∧　　ｊメﾍ＿_　-ｲ.::::::::::::.∧//j.:.:.:.';.|　　　　　　　　　　　..│
│j:iV∧//∧:::::::..＼　ヽ´.:::::::::::::::::::::::::::::::::人/j.:.:.:.:';|　　　　　　　　　　　 │
└───────────────────────────┘

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
どうする。

幾らマーシフルといえど、一機で四機ものランカーACを相手取れるものではない。
ミセリコルデの援護があったとしても、命が幾らか拾えるくらいだろう。

だが、まったくチャンスがないわけでもない。
自分はこれでも、単騎でノーバディを撃墜した経験がある。
後衛の援護射撃を躱しつつ、前衛の二機を撃破することができるのなら、あるいは。

アームズフォートに向かっていって乱戦になったらどうなるだろうか。
クーガーとアルトリアの援護は受けられるだろうが、なのはの言う通り、
滅茶苦茶になることは火を見るより明らかだ。

しかし、あの二人のフォローを受けられる距離というのは大きい。
どんな状況でも、シュクヴァールとリンドヴルムには危機をひっくり返せる力がある。
それもまた確かなのだが――

下↓1　どうしますか？
1．敵ネクスト部隊と応戦する。可能性がないわけではない
2．四機全員で敵アームズフォートに攻撃する。乱戦になるだろう
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
〜Hint〜
. ＿＿
_|。。::::|__
ｉ::ﾞ==-/::ｉ　　　　　今回のルートにおける、やる夫君の強さを思い出してみようね。
｀|:::::::::|´
　{」{_」

5785：安価のやる夫だお：2023/05/04(木) 23:38:13 ID:ufVFwAGk0
なるほど？
2

5786：安価のやる夫だお：2023/05/04(木) 23:41:11 ID:YAO94Mek0
2

5787： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/04(木) 23:44:51 ID:TwqrIURM0

　　　　　　　　　　　 _ _ ___ __ _　 　＿＿
　　　　　　 　 　 　/ :::::::::::::::::: :i, 　 .ヽ::::::＼
　　　　　　　　　　 i:::::::::::::::::::::: i　 ／　＼ 　＼
　　　　 　　　　　　i :::::::○::::○i／ 　 　　￣￣
　　　　　　 　 　　/ :::::::::,,- -_ｯi　　　　i i i
　　　　　　　　　 /::::::::::｀ー‐'´ヽ 　 ＿＿i i i--i　　　　　　　　安価も取れたことだし、今回はここまでだ。
　　　　 　 　 　 /|::::|::::::::::::::::::|:::|　 ￣￣￣|::::::::|
　　　　　　　　/::::＼ヽ :::::::::::::i:::|　　　　　 ﾉ＿_ﾉ　　　　　　　　次回は……5/10の木曜日21時からとしよう。
　　　　 　 　 /::::::::::::＼＼::／|:::|
　　　 .　　　（_ _.)￣i __.＼＼ |:::|　　　 i i i　　　　　　　　　　　　GWももうすぐ終わりだねえ。
　　　　　　/::::::/|￣|ヽ:::::　し（ メ　　　 ﾉﾉﾉ
　　 　 　 /::::::/ﾉ_ _ﾉ　>:::::） 　 　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　モコイさんは最初の三日ほどを寝込んで過ごしたが……
　　　　／:::／　 　　/:::／　 　 　 　 ＼＿＿
　　　/:::::/ 　 　 　 （＿つ　　 　 　　 /:::::::::/　　　　　　　　　　　　休めるだけありがたいよ。ここ数年祝日は一日中働いてたからね。
　　　し'　　　　　　　　 　 　 　　 　 ノノ・ ./∴:・:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　~~~~~~~





　　 ＿＿＿＿__
　　丶::::::::::::::::::::/　　　ｶﾀｶﾀｶﾀ
　　　|:::::::::○::○　　＿＿＿＿＿_
　　　|::::::::::ｰ=‐::i　｜　 |￣￣＼　＼　　　　　　　それじゃ、シーユーアゲイン。
　　　.>::::::::::::::::く＿.|　　|ｱｸｱ　 |￣￣|
　　 /:::::::＼＿:::::::::::|　　|ﾋﾞｯﾄ　 |＿＿|　　　　　　 よきGWをね。そして世に平穏のあらんことを……
　　 |::::＼::::::::::::つ　|＿_|＿＿／　／
　　　:::::::::￣|￣￣￣￣|　　〔￣￣〕

5788：安価のやる夫だお：2023/05/04(木) 23:46:33 ID:YAO94Mek0
乙でした

5789：安価のやる夫だお：2023/05/04(木) 23:50:48 ID:ufVFwAGk0
乙

5790： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/11(木) 21:01:28 ID:7P.BCT0E0

　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ　　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

5791：安価のやる夫だお：2023/05/11(木) 21:06:21 ID:IkqtI8B20
ハロー

5792： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/11(木) 21:11:32 ID:7P.BCT0E0

　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿__
　　　　　　　　　　　ヽ:::::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　|::○::::::::○:|
　　　　　　　　　　　　|:::::::‐=‐:::::::|　　　　　　　　　　　　　　みんなは楽しいGWを過ごせたかな？
　　　　　　　　　　　 　>::::::::::::::::::く
　　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::＼　　　　　　　　　　　　　モコイさんはほぼ引きこもりだったがね。
　　　　　　　　　 （=m/ ＼＿／ヽ､m=）
　　　　　　　　 　 　/ ヽ、　　　　ﾉ ヽ,　　　　　　　　　　　　　　一日だけヤケ酒煽ってぶっ潰れてたかな。
　　　　　　　　　　 ヽ､ ＼ 651○/　/
―――＝＝＝　（:::::） i｀――´i （::::）　＝＝＝――――　　　　やってこっか。
　　　　 　 　 　 　 ヽ,| | |γ⌒ヽ| | |/
　　　　　　　　　　 （_| | | |　|　| | | |_）
　　　　　　　　 　 　 ヽ|_| |　|　| |_|ﾉ
　　　　　 　 ／ 　 　 ｀'ｰ |　|　| ｰ´　　　　　＼
　　　　　／　　　　　　　 ヽ_i_ノ　　　　　　　　　＼

5793： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/11(木) 21:27:24 ID:7P.BCT0E0

　　　　　/ 　 /　　　　V∧
-､_＿ 　i　　 i　　　_ 　 V i
､　　　ヽ! r＜!　　/　ヽ　V!
　V/--､V　 j}　./　 　 i　}.!
、 .ﾏﾑ-ﾑV/　./　　_　 ! i i
. ヽ-'! 〉,___V//　／ r｀-､/　　　　　　　　 ,ゝ--- ､
--＜　 〉___〉 ! i'　／!. 　 ＼　　　　　　／ 　 　 　 ＼
　　　V/ ,__}､.| i 〈　 .!　　i´ ｀` - ､　 ./　　 　 　 ,＞-＼
＼, '´ ヽ/　__ヽ--V/ヽ-､ヽ　　　　＼!　　 　_＿/　___i´ ＼
___.＼ 　 ＼{! 　 ＼　 i.:.:.:.:..､_　　, 'ﾟ´ ＼r＜＞--< 　 ヽ、. ヽ
{　 ｀ヽ､ー‐}!、　　 ＼ヽ;.:.:.:.:.:.:.ヽ、　 ,　 ＼ilililililil/　 /　 V/ }!
{　　　　　　＿V/／´｀ ､＞ 。:.:.:.:.:..､___ 　　Vililill{　 / }、 i}／　　　　　　　　　　真正面から、策もなしに勝てる相手じゃないお……
ヽ_jI斗ｬ≦￣￣￣｀ヽ／＞{ili{≧s､_:.:.:.:.:.､　 Vililiヽ__/{　} i　V/
ililil{_　　　_＿／ 　 　 ＼il＞-､ililij!ililヽ;.:.:.:.＼_!ilililili}_　 '　ヽ, V/　　　　　　　　 敵AFへの突撃を提案するお！
ili{´ヽ、／　　　　　　　 __＼ililil_}ilil>‐<､ヽ、:.:.:.}ilililili} V/　　 ヽV/
iliﾄ､　 ＼　　　　　　／　　 ｀ヽililil＞-<ilヽ/≧'ilililil〈　 〉　 　 　 }!　　　　　　　　あの巨体だお、上手くやれば盾にもなる！
ililili} 　　 Ｖ/　　　./　　　　　　｀ ＜ilililililil＼　｀ヽ＞ー＜　　　 }!
ililili}　　　 V/　 　 V/　　　　　　＿　｀¨¨｀Y-＜ﾟ　　　 / 　＞ ､}!
ililili}　　　　V/　　　V/　　　　　{f¨｀ヽ　　　　　　｀ﾟ ＜} 　 　 　 ＼
ililili}.　 　 　 V/　　　V/　　　　 {!　　　　　　　　　　　 　｀＞ー - -ヽー ､
ilili/　　　　　_V/　　　}!　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　ヽ　　　　＼
il/ 　 　 　 /　.V/　　 .V/　　　　　　　　　　　　　　　/　　　 　 　 　 　 　 　 ＼
´＼　　　/　 　 }!　　　 V/　　　　　　　　　　　 　 　 {　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿　　 　 　 ／ /}l ヽ 　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 Yヽ　 ,ｘ‐ｧ　,イ　〉"7 ,.. 　 /　/　j!　7 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｘ‐-ｘ 　V' 　〈,ｲ　　/　/ｲ ﾉ、/　/,ｨ ,j!　7ｲ/,斗
　　　弋￣￣￣￣　二 ﾆ = ‐ ‐ - - ｡ 。 ／　　 }l　/　 ﾚ i 　 , '　/}lﾏヽ /　/</ j!　7 /´
　　　 　 ＞ ﾆ 二 　ﾏ" ' ｰ - = ﾆ , _ }l　　⌒"'　ｰ'/⌒ / l!”, '　， l!ﾑﾏ " ,/ ヽ j!　7　 jI斗
　　　　　　　　　　⌒　" ' ｰ - =、 　　!,　　 　 ⌒/　 ,ｲx 乂 ／v　l{ ﾑﾏ斗‐-=彡ｆ’＜　*'
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧　　　　⌒" ｰ/　 ｲ,ｲ　ﾌ" 7ﾏY⌒' ﾑゝﾏ込ノ‐'　　 *'
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ∧　 /＜⌒"' / ∠＿jI 斗<从 ﾏ／ ／">`"'i l　/／　　　　　　　おっしゃ、乗ったわ！
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｰ'　　　　＞升ﾊ 　 　 ,xｲ　 //／`x' /x/'7 ヽ',ｨ≧s-l{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 / "￣´ 　＞升ﾆ)　ﾚ/ ／〆／ /＿ｊ／　, ' ヽ　　　　　そうと決まったらとっとと突っ込むで！
　　　　　　　　＿＿＿＿,ｨ===========∠　　 ＞イ(圭ﾆ)/　 !s｡sﾒ',.ノ ／　　　⌒'ｘs｡sj
　　　　{二二(三三三三≦圭圭圭圭圭i二ﾆ≧sﾏミs｡,弍/ 　 l{仍彡' イ　　　　　 　 ヽ
　　　　 `'ｰ─┐三三三f=ゝ＝＝r┬┬f三ﾆﾆ三)ﾏﾑﾆ=人＿,. ﾌ⌒´　l}　　　　＞'"!　 Y
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　　　　　　　　　　　　　　　　 >弍::::::7::::::＞'"　　　　j i!　　 　 　 　 ／　　　　 /　　 　 /
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チャージを挟んでいるのか、遠方から断続的に飛んでくる
コジマの閃光を回避しつつ、オーバードブースターを展開させる。

今のところはなんなく躱せているが、これが接近戦時に横合いから
撃たれたりしたら一たまりもないだろう。
そうでなくても、あの四機が相手では接近戦で打ち勝てるかも賭けになる。

どうせ博打になるなら、少しでも可能性がある方に賭けた方がいい。
敵AFを中心とした乱戦になれば、なにが起きるか分からない。
敵の連携を崩せる切り口も見えてくる可能性だってある。

マーシフルに続き、ミセリコルデもOBを起動させた。
レーダーの光点がつかず離れずでついてくる。
追加スラスターの恩恵もあるが、かなりの機動力だ。
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5794： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/11(木) 21:47:01 ID:7P.BCT0E0

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/ｲﾍ_／ﾉ￣　/　　　　ト//:{＿,/.:.:.:/..../(⌒)′ノ
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偏差射撃でこちらを撃ち落とそうとする敵ネクストを尻目に、
オーバードブーストで水面を抉りながら駆ける。

途中、敵AFが搭載している射撃武装の攻撃が来るものと身構えていたが、
エオドロマエウスはシュクヴァールとリンドヴルムにかかりきりとなっていた。

展開された頭部装甲内部のミサイルラッチから放たれた
大量のASミサイルが無数の軌跡を描きながら宙を舞うも、
その悉くが標的を捉えきれぬまま墜ちていく。

その姿は猛禽に生きたまま啄まれる獣のようでもあった。
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5795： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/11(木) 21:56:16 ID:7P.BCT0E0

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　 .!　　 ./　　　 {i:i:i:i:i〈ﾆﾆﾆﾑ｡o≦　 ／〈　　　 厂く　　,｡o＜乂ﾘ 　/　/: : ／::::∧ﾉ／ 　 　 　 . .ii‐"　　.ｲ゛
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　 　 　 　 . Oﾆﾆ)く　　　　　＞＜⌒ヽ|___/＿＿彡イ_／　| /　　　　／|　　|＿__　 `ｰ'′
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Ｖ /＼,ｨｉ〔二二＜⌒　　　　　　　　　　　　|　 |厂,′　　　　　　　　　　　　　　∨￣ﾉ

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だが、あの二機の攻撃を受け続けてなお、エオドロマエウスは怯むことなく
暴れまわっていた。

SI製だという話だが、メーカーのセオリー通りの重装甲らしい。

「これでも食らっとけお！」

有効射程に入るや否や、ブレードを突き出して展開する。
紫電を迸らせ、敵頭部目掛けてレーザーを放つも、大して効いている様子がない。
舌打ちしつつ着弾部位を観察すると、装甲が溶解こそすれど、
内部機構にまで届いていないようだった。

生半可な装甲厚ではなさそうだ。強度も決して軟ではないと見える。
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5796： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/11(木) 22:10:05 ID:7P.BCT0E0

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│　　　|:./ .|:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:!:.ｉｲうﾐ　　　 　 {::::::::ら |:}:.:|:.:.:.:!´.ヽ:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　......│
│　　　|/　 !:.:.:.!:.:.ヽ:.:.:.|〃{:::j　　　　　 辷シ　!:.:./:.:./| ヽ.} |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│　　　　　 乱戦になるよ！
│.　　　|.　　',:. | ',:| .|ヽヽ｀.ﾋﾘ　 　 　 　 　 　 /:/／:.:.:!　/: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│
│.　　　　　　ヽ|　ﾘ　!:.:.ヽ＼ ヽ　 ＿　　　　.〃|:.:.:.:.:./_/／.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :.:|　　　......│　　　　　　射線を意識して、同士討ちに注意して！
│.　　　　　　　ヽ　　ｉ:.:.:人　　　∨　 ヽ　　/　 !:.:.:.:./／. 　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : :|　　　......│
│　　　 　 　 　 　 　 ',:.:.:.:.ﾍ　 　 `ー '　 　　　|:.:.:.:/.　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　......│
│　　　　　　　　　　　 ヽ:.:.{　ヽ、　　 　 　 .＜.|:.:./l　 　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│
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　　 　 //（○） 　 （○ ） 　 .|
　　 　 | | 　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　クソっ、危なっかしいけど、このまま迎え撃つお！
　　 　 { {　　 （__人__）　u　 .|　　
　　　　ヽヽ　　 {＿_}　　　　 }　　　　　　　　
　　　　 ヽ ヽ―┬‐┬――┘
　　　　　／ヽ＿{＿_|＿＿＿
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なのはの焦りを帯びた通信を聞き、レーダーに視線を落とす。
高速で接近する光点が三つ。どうやら読みは外れたらしい。

先程からコジマキャノンでの狙撃を狙ってきているトワイライトクラウンを除いた
三機が、一斉にOBの光を背に迫ってきているのが見えた。

どうやらアームズフォートの攻撃に巻き込まれるのも厭わないらしい。
トップランカーらしからぬ形振り構わない動きだ。
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5797： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/11(木) 22:20:11 ID:7P.BCT0E0

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ﾄ､　〃ｨ／::{_ii{. i{_/ : `¨¨}}:_:_:_:_:_:＞'`¨ゝ≧==r:'> ´ 〕ト. .　 ／¨　¨≧=‐‐ﾏ￣ `ヽ
: : ＼／:..:／:¨ヾ_ﾑ. 　 ／`..: :〃`　　　{{=====ハ　　　 >‐ '　 　 　 :}≧r':i_}!　｀≧s〕ト
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:＼:_:_:〕:／ヽ:〔:_:ノ: iイ〔: : : /}　　　　　/=‐-: :／ﾏﾑ　 /`　　　　　　 ⌒〕ﾄ､　 　 ､　: 〕ト､___ヽ,
ヽ/: : ヽ-､: /: : : :/⌒:７: イ/`＿______/_: : ::∥`　 ﾏﾑ/　　　　　　　　　　　 ≧=‐＜<_ノ　__r≦〕ﾄ､
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: : : }: : }:ヽノ : 〉_:_／⌒〔;';〕ﾄ､≦¨￣≧'〕ﾙ' /i:iﾘi:i:i}.＼　￣⌒ " ' ─ - = ﾆ ＿/　ヽ　　iミi　},rf升〉ﾏ ﾑ　　　　r=ｘ
i: : ﾉ: ∧:〈: : /};＼＼;';';';';'＼;';＼: :/⌒ヽ,'¨⌒'<,‐='ノ　 ゝ｡。　　￣⌒ " ' = ‐-　 ∧弋_,i　l　}i- }　}　ﾏ ﾑ廴,jI斗i＼`ー────────────ｧ
i /≧': :}:〕ト〈:.:!;';';'＼＼;';／;ﾊ;';'ﾊ,' ﾊ 　 ∨､/　:≧==r'_:ソ　.￣　‐-=ﾆ　　　 i　　　 ┐ {ミl　/ //7　Λ彡，　ﾏ_,i　 ￣￣￣￣￣￣￣￣| 　 　 ! 　 ／
/;〕: : Y/ヾ: : 〕ﾄ､';';';';〕ﾄ､';'≧ム';'ム:'ﾊ.　 '∨＼ｨi〔:¨:≧､-イへy: ﾙ'/　　　ﾏ,　　 ム=ミ }　／>/　ﾚｘ r ﾏﾑ'，　ﾏ,　　 　 ﾑ　　　　 　 二ﾆ=-‐ 　 ￣
: :≧=ﾊ: : ﾑ: Y＼〕ﾄ､';';'ﾊ';';';';';';';＼';＼ﾑ __'〕　 :}}:: :: :_　- ─ - =ﾆ=-─ ＜ﾏ,ｨi(,弌>　　⌒ f-r‐=＜∧<`〜､、,ﾏ,斗匕´　　　√￣
｀¨´　　＼_:_:≧='　〕ト｡_>＼';';';';〕ト＼';＼ 　'∨:|} .ｨi{　＼ 　　　　ミﾒ､　　 ／､＿＿,,..。｡sｘ弋 ､弌i ﾉ ∧ヽ'＜　 ＞x　 　 　 　 ﾑ
　　　　　　　　　 /==/: :≧=＼;';';';';';'〕＼;';'ト｡'ﾏ.∥ｨi{ﾆ=xヽ　 　 　 　 　 /／ゝ,　 {:::::::＼:::i 7i＞ ='　i!rf升::Y´~''＜ハ -x　　 　.ﾑ
　　　　　　　　　 ｀　‐-≧≦` ¨〕ト'｡';';';';';'ﾏ;.⊂ミtsｨi{/::≧ﾏIﾑｰ─x- ､_ ﾚx-‐i 」 弋＞升x:7 }T//0/＞寸::::i{　-‐=_⌒。, ⌒x 　 ﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ∧:〕ト｡〕;';';'.⌒'〈:弋:::/s＜≧=-ﾐ込、¨　　 　 　 　 YY<:::i 　 / ./::::::::::ヽ斗〉f升　 i　　 ヽ　ヽ 　ﾑ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 / ∧: : : : '〕ト｡;'弋::( 〉=ﾆ二三ミ二ﾆ=- ≧=‐ s｡ _　∨　 i{　/〉/寸(二,. ィf{　　 　 {＿＿i i 　 ＼ ,ﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ⌒'ｰ-＜　 　 ~"''*+s｡二ニニ=-≧=‐ s'｡/ て斗/r-i-h,　　　ﾊ　 　 jﾉ 　 　 ＼ﾑ
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ブレードを振り回し、切っ先を接近してくる三機へと向ける。
ロックオンなどしていたら射線を外されて終わるだけだ。
振り向きざまの居合のように、敵機の位置へと感覚で刀身を合わせて展開する。

青白い閃光が炸裂し、熱線が放たれる。
はやてのミセリコルデも追従してレーザーを連射していた。
ミセリコルデの射撃対応型ブレードは軽量仕様だ。
刀身も短く、出力も小さい代わりに、ある程度のチャージ時間の短縮を実現している。
こういった牽制にはもってこいだ。
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5798： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/11(木) 22:30:26 ID:7P.BCT0E0
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　　Ⅳ　 _ﾌ´　　　 ／　　　　　　 ||| ｜　 || / ┘　／´　　 ／´　　　　守､　　　 　　　/ |　　　　／　　/
　　　　　　　　　 //　＿,,,,,‐‐彡´| ∨　　 ∨　／´　　 ,／´＿___=='''　{|　＼_　　ﾄ､_ /　|　　 ／　　 /　　　_,,／
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　　　　　　　　　　 　‐=フ''　　　　　　　　　　　＿＿____‐‐―==---==-ｷ　　　　　　　　′　　/／´　 ／＿__ｚｧ
　　　　　　　　　　　 ------===-__ｚｚｧ-‐￣￣　　　　　　　　　　　｀孑ﾁ　　　　　　　　　　 /　　　 ｀¨￣_,三===‐
-----------＿＿　　＿,,,==---¨￣　　　　　　　　　　　　　 ＝====ミ　　　　　　　　　　　　　　　＿___二三===‐‐
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣-三三三三=‐‐￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　---¨¨￣￣

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だが、それらのほとんどは敵機を貫くことなく、海面に突き立った。
幾らかは命中したものの、直撃させるには至っていない。
精々、その化け物じみたPAをいくらか減衰させた程度だ。

流石にランカーACだけある。
ネームレスは生体AIであるとは聞いていたが、それでもあの黒いネクストを
駆っていた男のコピーなのだと思い知らされる。
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5799： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/11(木) 22:42:25 ID:7P.BCT0E0

　 　 　 　 　 　 ,,.. ´　　　　　　　｀・ 、
　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　/　　　　　　　　　 　 　 　 　 ',　　　　　　　やっぱ、撃ち落とせやしないか……！
　　 　 　 _l;;;;;;;;;,,,　　　　 　 ／　　 　 　 .l
　 　 　 　 l;;;;;;;;;;;;;;; 　 ､_,.ｨtﾁ　） 　 u. 　 |　　　　　　　はやてさん、背中、任せたお！
　　　　　　',.　　 /　i　　 ヽー‐ '　　　　/｀ヽ､
　　　　　　 ＼　乂人＿__ﾉ､　　　 ,. ＜
　　　　　 　 　 ＞-｀￣￣｀'　-
　　　　 　 　 　 　 ｀ー―





　　　 /　　　　　　　　　　　　　　,ｨｉ｢///ZZZZZ/≧ｭ､　　　　　　　 ﾟ，
　 　 .　　　　　　　　　　　 ,ｨi㌃/＞T￣:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀:.＜/ヽ　　　　 　 .:
　　/　　　　　　　　 　 ,ｨｉ｢＞ ´:.:.: : |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:＼＼ 　 　 　 }
. 　{　　　　　　　 　 ／＞´:.:.:/:.:.:. /:!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |: :|: :|:. : ヽ/ﾟ，　　 /
　　i　　　　　　　／／:.:.:.:.:._/__:.:./　∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |: :|: :|:.:.:!:.:.ヽﾍ 　 /
　　!　　　　　　/／{:.:.:.:.:.:.: ｉ:.:.:. /　≧ｭ､__:.:.:.:.:. : 斗匕|´/:.:.:.:.: |}　/
　　l:　　 　 　 //:.:.i:.:.:.:.:.: : |:.:,x斧笊ﾊﾐ ＼:.:.:.:.:. /,ｨぅ气′}:.: : ﾄl/
　　ﾟ，　　 　 //:.:.: |:.:.:.:.:.:.: |〃んノ::::ﾘ　 　ﾏ:.:.:./:んﾉﾊ㍉/:.:.:. }/7
.　　 ﾟ。　 　 {/{:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.: 《　に:::::刈　　　ﾟ，/: に:::: } / }:.:.:.:i/}:}　　　　　　　オッケー、任されといたるわ。
　　　 ﾟ。　　 i/i:.:.:.:.ﾟ，:.:.:. : { 　 込zzｼ　　　 :i/　 込Zﾉ　:/:.:.:/:.:. i
　　　　 ＼　}/,|:.:.:.:.:.ﾟ，:.:.:.:.:i　　　　　　　　 / ヽ　 　 　 /:.／:.:. : |　　　　　　　 ミセリコルデ、少しだけ後退するで。
　　　　　　/,//: :|:.:. : ﾟ。:.:.:.:ﾟ。　 　 　 　 　 　 　 　 　 /,イ:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　 ///:.:.:.:!:.:.:.:.:.:ﾟ。:.:.:.ﾍ　　　　　（　　 ﾉ　　　 /∧|:.:.:.:.:.:.:.|　　　　　　　　敵機からの挟撃を阻止するさかい。
.　　　　 ///:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.: ＼＿_＼　　　 　 　 　 　 　 人 :!:.:.:.:.:.:. |
　　　　 {.//|:.:.: : |∨:.:.:.:.:. : |:　ヘ　　　　　　　　　...:.:.:.:./ |:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　 i// !:.:.:.:.:|: ∨:.:.:.:.:. |--　　＞　　 __　..:.:.:,:.:.: : /- !:.:.:.:.:.:./
　　　　/ {{　＼:.:.|-‐∨:.:.:.:.:|//Z7ｧｧｧｧｧ---}}_:./:.:.:／=‐:|:.:.:.:.:./
　　　　　　　{‐:ヽ!---∨:. : |／＿__二ﾆ=‐‐イ ヽ￣ 　 ‐=!:.:.:.:/
　　　　　　　i　　＼ﾆ=‐＼: !＿＿＿|　　　 |　　 ヽ {ﾆ=‐ |:.: /
　　　　　　　|　　　　　　　 ＼　　　 :|　　　 |　　 //i　 　.:|:./}

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
レーダーが更新されるたび、彼我の位置がどんどん縮まっていく。

ネクスト戦は何度も経験してきたというのに、
まるで初めての時のように緊張が全身を強張らせていた。
心臓が痛いくらいに跳ね、血流を加速させる。

それはきっと、今から戦う敵が、今までで一番強い敵たちだからだ。

だが、恐怖はない。
レーダーに映るシュクヴァールとリンドヴルムの名前が、
すぐ傍についてくれているはやての声が、震えを止めてくれていた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5800： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/11(木) 22:45:47 ID:7P.BCT0E0
さて、短くて申し訳ないが、今回はここまでだ。

次回は来週の木曜日、5/18の午後9時からとする。

GW明けから職場が修羅場っているのだが、一応休めはするはずだ。

まぁ、休みの日も通院で午前が潰れるから何ともかんともって感じなんだが……

それじゃ、シーユーアゲイン。

5801：安価のやる夫だお：2023/05/11(木) 23:19:42 ID:2Yr6KsKw0
乙

5802：安価のやる夫だお：2023/05/12(金) 06:44:50 ID:gNP5ns7M0
乙でした

5803：安価のやる夫だお：2023/05/12(金) 19:59:44 ID:Qr9ri3dg0
乙

5804： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/18(木) 21:03:38 ID:VYRKVF0I0
　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
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　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ　　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

5805：安価のやる夫だお：2023/05/18(木) 21:09:35 ID:jGiRYOE20
ハロー

5806： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/18(木) 21:13:30 ID:VYRKVF0I0

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　　　すまないね、今回もあまり書き溜めできていない。
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　　　でも頑張る。ほかに何もないけど愛はあるからね。愛だよ愛。
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　　　やってこっか。
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

5807： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/18(木) 21:25:52 ID:VYRKVF0I0

　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾊ.　 　 　 / ,'
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /,'　　　　/. ,'
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /.'　　　 / . ,'
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 / |　 　 /　/
　　　　　　　　　　　　　 　 　 /　|＞‐/ . /___
　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　 !　 /　 /.　　 　 "'' ‐-　,,.._
　　　　　　　　　 　 　 ＞''"/.　 l　/.　 / ＼　　　　　　　　　｀¨'''‐＜
　 　 　 　 　 |',. 　 ,イ　　　 ',　 |./ 　 ,'ヽヽヽヽ＿＿　　　　 　 　 　 ＼
　　　　　　　 | 〉' '气　　　　| . /. 　 ,'　 ＞''"　　 `丶、~"''〜､、　　　 ＼
　　　　　 　 ｧ'"　 ／:＼　　l ./.　　,'／　　　　__,,　-‐‐‐‐‐‐ ﾐ､　"'''' ､、　＼
　　　　　　　ﾍ￣ヽ: : :_:_ﾍ__|/　　 ,'　　　＞''" 　　　　　　＿__ﾉ　　　　 ヽ　　＼
　　　　　 　 　 ﾍ . ∨ﾆﾆﾆ'.　　　 |　／ 　　　　　　_, -''" 　 ﾍ＿＿　　　 ヽ.　　＼.　　 　 　 　 　 ,ｲ
.　　　　 　 　 　 ',〉ﾆﾆﾆ //.　 　 /,ｲ⌒ヽ　　_,　''"　　　　 ＞''¨¨¨''''ミ､　　ヽ　　　 ＼　　 　 　 ,ｲ
.　 　 ､-.、　　　 ,'ﾆﾆﾆ.//　, 　 /.人ゞ／,ｨ＜.　　　　　 ／ｨ=ﾍ　　　　　｀'' ､_ｧ‐､ 　 /　　　　 ,ｲ. ／
.　　　 ＼ ヽ、　,'.ﾆﾆﾆ',〈　/　././　 /／　　　 ヽ　　 ≦'"::::::::::ﾊ　　　　　　　　　　ヽ　　　　/　／
.　　　 　 ＼　`ｌ ﾆﾆﾆﾆ', V . / /__／　　　＿_,,ィ |.　 　 ＞'''"　 |　　　　　　　　　　　ヽ　　/ ／
　　 　 　 　 ＼|ﾆﾆﾆﾆﾆ',　 /　　　 _,,,ｨ‐''::::::::::| ,ｲ　　　＼__,,ｨ:::::|　　　　　　　　　　　　ヽ. |/
　　　　　 　 　 ﾔﾆﾆﾆﾆ.ﾑ./ _,,ィﾞ:::::＞‐┐::::／　　　 　 　 >‐''" |　　　　　　　　　　　　　ﾏﾑ　　　　　　　　ターゲットを確認。
　　　　　　　　　ﾔﾆﾆア_,,ｨ‐､:::::／　　 ,ｲ≠　　　　　　　＼　.....::|!　　　　　　　　　　　　　 |ﾑ
　　　 　 　 　 　 {ﾍア /＿__l::::/＿_／≠　', 　　　　　　　　,>:‐''"|!　　　　　　　 　 　 　 　 |ﾆ',　　　　　　　　排除開始。
　　　　　　 　 　 ヽ_l_/__／¨¨',¨¨¨/ｨ‐､. 　 〉 　　　　　　　＼ 　_,,|!　　　　　　　　　　　　　|ﾆﾑ
　　　　　　 　 　 　 ￣｀|,ｧ''¨¨¨¨¨ﾍヽｧﾊ.　 ',　　　　　　 　 　 l:::::::|!　　　　　 　 　 　 　 　 lﾆﾆﾍ
　　　　　　　　　　　　 〈≠ｚz≧　　ﾍ ',ﾏ〉 _ ',　　　　　　　　　}::／ヽ　　　　　　　　　 ＿__|ﾆﾆﾆﾍ
　　　　　　　　　 　 　 ハ≠ｚｚx...　　ﾍ /　　 >　　　　　　　／ヽzzzzzzzzzzzzzzzz≦/三三三三',
　　　　　　　　　　　 　 ', ﾏ´　', 　　　　＞､／ |＿＿＿＿/／三三三三三三＞''"三三三三三ﾆ',
　　　　　　　　　　 　 　 ',__',　 ‘, 　　　 |　', ﾏ／三三三=/三三ﾑ三三三＞"三三三三三三三三',
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╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
ノーバディのレーザーを左手のPAシールドで受けつつ、
限界まで引き付けてこちらのレーザーを当てようと狙いを定めていたところを、
一気に距離を詰められる。

先陣を切っていたノーバディは一度オーバードブースターを格納すると、
間髪入れずに三連続のQBで稲妻のように軌跡を描いた。

目と鼻の先に来た白い敵機が右腕を振り上げ、機械的に叩きつけてくる。
水平に構えていたブレードの刀身に左手を添え、咄嗟に熱線の刃を合わせた。
かち合った互いのレーザーブレードが瞬間的に押され合い、制止する。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5808： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/18(木) 21:42:34 ID:VYRKVF0I0

　 ／　　 　　　 ＼＿＿!＿　　 )
　(　　ヽ ＼　`;;; ｲﾍ　　 !　　　 !
　ﾍ　　乂 ゝ ~＼ ￣ ノ ￣イ,￣)
　　＼／　 彡三∪~ノ ⊃ミ＼ツ
　　　|∩《 u 　 （⌒Ｙ⌒）　　∥　　　　　　　　　　　うおおおっ！？
　　　|∪||　 （●）:::::::（●）　 }}
　　　ﾍ 《　　 ─:::::::::::─ 　 /
　　　 　Ｖ　　　　　　　u ／
　　 　　　`　＝＝＝＝'

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鍔迫り合いの姿勢から何とか反撃しようと身を捩ろうとしたが、
視界の端に迫りくる敵機のシールドがそれを阻んだ。

鉄塊で殴りつけられたプライマルアーマーが大きく揺らぎ、
僅かな時間ではあるが霧散する。

PAを突き破ったシールドがマーシフルの鳩尾にあたる部位に叩きつけられ、
そのまま後方へと吹き飛ばされた。姿勢制御が持っていかれ、視界が二転三転する。
何度か海面へと叩きつけられ、飛び散る飛沫と入れ替わる天地に脳を揺さぶられる。

やはりそこらのネクストとは機体の出力が桁違いだ。

「この、バカ力が！」

悪態を吐きつつ、そのままレーザーを撃ち放つ。
破れかぶれの一撃ではあったが、狙いは正確だった。

追撃してきていたノーバディに直撃し、敵機のPAを消し飛ばすのが見える。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5809： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/18(木) 21:52:31 ID:VYRKVF0I0

k手毛彡杉父ﾘﾙ´三三三三三三三三 ﾊ｀∨　j三三三≧
三三三三彡勿 〃三三三,'三三三三 /｀ヾﾍ"/;三≧≦'
三三三三 沁ﾉﾙ/三三三,'三三三三 /　 ;: | V气三三ﾆヽ
k三三三三三ヾ{ ≡三三三三三彡;'´　　ミ|　l ヽ=ミ三ミ‐ヽ
l小三三三三三三≡三三三丈ｨfｱ/;;;;,.　 ミ!　! 　＼ 下ヾ
ﾍﾊ｀ヽ三三三三三≡三／ー＝'";:;:;;;;;;;:;;ﾐミ',　l　　ﾍ
　ゝ＼{三三三三三厂;i;;;;;;;;:;:;:;:;:;;::;;;;;;;;;;;;;;ﾐミﾊ　|　　　l　＞‐ｧｰｧ- ､＿　　　　　　　　　こちらラスト。マーシフルの撃墜を援護する。
爻/ ∧ゝ､三三彡-'　;;;;i　;:..　　　　　;;;;;;;;;ミﾐ;;jl }l　　　li　／∠二二／／`ｰ
ﾏ/ / ∧;　　　　,,;;;;,'　　 !:. ヽ　　　　　　;;ミ;;;;;厶/　　　 li|/ ￣￣ ／　　　　　　　　　　　「了解。ラズルシェニェ、続きます。
/ /　/;:;ヘ;;;;;;;;;"　　l､　 :.:. 〃;;;,:;;;;;:;;;　　ﾐ;;;;;;//　　　　　li|=＝=／
ﾞ/　　',;:;;:;;:;ヾ;;'　...;:;;:::;ヽ___/:;;__. ‐‐､ }:;;.; ;;;;;//　　　　 　 li|＝／　　　　　　　　　　　　　　巻き込まれないでくださいね？」
　　　　;:;;:;;:;;:;ﾍ :::;;; _ -‐=＝T´jヾ.ノ.::::::;;;;;;//;;　　　 　 　 li| /
＼　　　;:;;:;;:;;:;;:;',::::::　..::ー;;;:::::¨´　.::::::;;;;;f刃;.;　　　　　 　 li|'　　　　　　　　　　　　　　　　そんなヘマは打たんさ。
∧ﾍ　　　;:;:;:;:;:;:ﾊ;::;;;;;;;;;; '";;:.;;.;;.;;:.;;.;;.;;;/￣/;;.　　r'ｴｴﾕ=ｫ亠'───ｧ=v=
Vﾊ l　　　;:;:;:;:;:;:;∧ゝ､.;;.;.;___;;_;;._._;;.;;/ ,／;.;　r≦┬r〃´/ーrrrr‐ ／x'´／
::Vﾊ{　 ､　;:;:;:;:;:;:j;:;:ヽ`i､三三三三ｲ／;.;;.;　/||||||||f＝＝!l　 |||||　| 〃 /





　　　　　　　　　　　　 ,.ィ(_)
　　　　　　　　 　 　 ノ.::l:|:l |
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　　　　　　　　　　　r'‐rx|ﾊ　　　　　　　_,/_/　 '///(二二く〈＾マ＼　 ｀¨/
　　　　　　　　/＾ヽr(し|‐|:∧　　　　 ／／ﾟＹ 　 '//(二二二}⌒Y　 ＼￣|
　　　　　 　 ,.ｲ:::/::|ｰけ＾|Ｖ∧,.　-‐'‐ く∠八=ミ'//ー──ィ　 .}　　　｀Y　　　　　　この三機で火力を集中すればすぐに片が付く。
　　　　　　/　{::{/ｰ〈/|::: ﾄ､(_)　,.｡｡｡..,　　 　　　,ﾍ{　 /:::::::/ｰ=ソ　 　 　.|
　　　　　 /　　〈_,,//＾|::: |　|ｨ㌻´　｀''㍉｡x=ミ　{　',　{::::::ﾍｰ=彡ﾍ　　　 j　　　　　　 各個撃破で行くぞ。
.　　　　　{　　　/〃　|::: |圦　　　　ノ　　Y⌒Y ',　ゝ 弌:::::｀Y　　 `7⌒Y
　　　　　 ',　,.ｨく〃　 {＿| {,ﾊｰ‐=彡＿,ｨ_ゝ‐'　　＼ `fー=-ﾍ　　 弋__,ｲ　　　　　　　
　　　　　　V､__ﾉ 　 /＿//ゝ≧=≦川ﾉﾉ＾`'く｀'く＾＼Y/∧　 ≧≦　レ′
　　　　　　 ＼{__／／ー=彡　(__)　|＼/　＼ ｀Y⌒Yハ/∧／∧
　　　　　　 ,ィ=ﾐ／　　　　　　　　_/|　川　　＼{＾'＜ｰV／////
　　　　　　/ー‐{,--ミ　　　／二二,乂 リ　　 /^＼　＼{/////
　　　　　　Y==Y⌒Y ＼__/／　　　　Ⅳ　　 //＾７＾ヽ　∨'//
　　　　　　 {ｰ八__ノ　　} / 　 　　　　ﾘ,.｡s≦＼/＼　ﾟ。 Y'/
　　　　　　 |:::|　　}彡'´{/　 /　　　　/`＜＞''´　　 ﾟ。 Ｙ＾＼

5810： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/18(木) 21:58:59 ID:VYRKVF0I0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿_ ,ｲ,ｲ
　　　 ,,,,,,_　　　　　.､、　　　　 ,,,,,,,,,,,,_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ=.--7/ﾚ'ﾚ'
　　　　 ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ┻*le,,,,,,,,,ヽ＿、　　｀ﾞﾞ'''「ﾆﾆ―-,,,,,,_　　 　 　 　 　 　 --,,,,,_　　　　　　　 　 　 //
　　　　　　　　　　　 ｀ﾟﾞﾞﾞﾞﾞ┻llllllg,,,,,_　　 ｀＼,、　”''ｰ､,_　　 ｀'''ｰ-,,,,,_　　｀ﾞﾞ"'''ｰ　 　 ＿＿_//
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ﾞﾞﾞﾞﾞﾞ┻*le,,,,,,,,_　　　`''ｰ､,、　　　 ｀"'ｰ-． .,,,,,,,,,,,,,,.ヽ=.-- '.　,ｲ,ｲ ,ｲ　　　　.,ｨ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ┻*lll,,,,,,,＿ ー-､,,,_　　　　 ｀ﾞ''ｰ-,,、 .''で...ﾚﾚ //　 　 ／　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／｀￣´｀｀ヽ ／ /　..,ﾐ,,,ﾞﾟﾞﾞﾞﾞﾞ┻llle,,,,,,,,―ﾆﾆﾆ￢ｰ┴-､,、ﾞﾞ'''' ./'　　 ./　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ゝ/　　　　　 (´｀ヽ '　 ._.ﾞl　　　　　　　　｀ﾟﾞﾞﾞﾞ┻*llil,,,,,,,,_　　ﾞ＼,、　 .|　./／ ,,,,、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｉヽ/￣￣｀ヽ　｀ー'ヽ_,イ´｀ヽ､　　　　　　　　　　　 　 ｀ﾟﾞﾞﾞﾞ'┻lllliil,,,,,,,ヽﾞﾞ´.ｰ､,,,,,,"ﾞ''''''―--、
　 .iii,,,,,,,,,_　　　　 　 　 ＼　　,イ｀〉ｉ　　Ο　　〉　 ＼丿 ヽ　　　',　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ﾞ'., ｲ.l┻llle,,,,,,,,"'''''―--．
　　　　.ﾞﾐﾞﾞﾞﾞ'┻*le,,,,,,,,,_　 ＼l　　 ｀i⌒ヽ､　 λ＿　　,|.　∧　 （｀,　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾚ' ﾞ＼　　　｀ﾟﾞﾞﾞﾞﾞ┻llle,,,,,,,,_
　　　　　 ｀ﾞﾞﾞ'''―-､,,,,,ﾟﾞﾞﾞﾞﾞ　ヽo'⌒/::::::::::::ヽ　　　｀ヽ/　　│（_） （,　　　　 ._,,l'｀　　　　　　　　　　　　　ﾞi､ `',、　　　　　　　　 ｀ﾟﾞﾞﾞﾞﾞ┻*
　　　　　　　　　　　　｀ﾞ^''･ .,,,,,'イ´::::::::::::::::::i　⌒_／　　　/　　 　 ', . _,,,-'",i´　　　　　　　　　　　　　　 │ ,!｀
　 ,､　 ＿＿＿＿＿ _,イ￣￣,'´⌒ヽ ＞､::::/ー'´　./ 　 .／　　　 ／ ゛　.／　　　　　　　　　　　　　　　　,| lﾞ
i'￣iﾆ|'"　　ー─／　　　　　 '､＿ソ´　 ＿＿＿／　　( ＿ ＞'´::::＼.lllllllle,,,,,,,,,_　　　　　　　　　　　　　 /.lﾞ
ゝ‐'､ｲ__⊂ﾆ｀ヽ_ｉ　　　　 ＿　　 ＞　__(＿＿＿__〉二ﾆミソ./ |::::::::／.ﾞ‐'　 ー,ﾐ,ﾞﾞﾞﾞﾞ'┻*le,,,,,,,,_、　　　　‐ﾞ'ﾞ°
｀￣￣ー,イ⌒´∧　　　 ヽ ＞'´ｰ／ ,ゝ．'ノ──､ 　＼ ,イ 　ー'´ .｀ﾞ''ｰ-､,,,,、　 ﾞﾞ''''　　　 ｀”ﾞﾞﾞﾞ'┻*le,,,,,,,,,_
　　　　　⌒ゝ'￣ ｀ー──'´ 　 （__,ｲ_／Θ　　　　ヽ 　 ｀>　　　　　 　 　 　 ￣ﾞﾞ'''''''―‐￣ﾞ"'―-　　　　 ﾞ~ﾞﾞﾞﾞ'┻*le,,,,,,、
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　　　　　　　　　　　　　　　　 /ヽ ｀ｰ´_イ⌒ヽ_　│　 　 |　/
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　　　　　　ゞヾ　　　　/　∥　　　　　　　　　　　　　　　　_／､　ゝ｀ヽ
　　　　　　　ー＼　 /ｉ!ｉ　ｉ!　　　　　　　　　　　　　_,r辷ﾉ´ｰ´ ヽ＼ー
　　　　　　　　　　∨刈Ⅳ　　　　　　　　　 孑介ー―｀ﾞ　　　　ｉ　　 !＼
　　　　　 　 　 　 ,r∨　　　　＿,斗≠三ト､　ﾞ刈≧_　 　 　 　./　ﾉ / ＼　　　　　　　上空……ランク8か。
　　　　　　　　　/　 ﾞｉ三三三≧三三彡´ﾞ　　 ヽ　　｀ー 　 _ノ |´　ｉ　≧ｰ-
　　　　　　　　ノ　　/ｉ三三ﾐﾒ　 ≧≦　　　ﾞｉ　　　　　　　｀ヾ ミ|　/　　＼ゝ　　　　　　懐かしい機体だな。
　　　　r=≠≦　 ／/ヾ三三≧ｰ´　　 　 　;|　　　> 　 　 ､/,､ミ|ｰ∧　 ＼ゞ
　　　 /　　　　／／∨ !三三三ﾐ 　 　 メヾ≧z彡ﾞ三ミメ､ヾヾﾐj　 /∨ Ⅳ
　 　./　　 　 /／　／｀ミマ三三ミ斥彡ノ´　,r=＝彡￣ 　 ｀ﾞﾞﾐ/／　 ∨ｉ!
　　/　　　　∥　 ｉ´　　|三三三三刈｀ﾉ 孑´　　r≦≧=≦ ､ﾐ/　 　 　 ∨

5811： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/18(木) 22:07:50 ID:VYRKVF0I0

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　 　 {/　　{:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.: ／} 　 ﾏ′　　　 / :/.: /:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:j:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}ヾ、
　 　 |!　　 i:.:.:.:.:. {:.:.:.:.:.:.:.:.:/: /　　　　　　　　　/／ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}i　　　　　　　 マーシフル墜としたかったらなぁ、
　　　 　 　 ﾟ，:.:.: i:.:.:.:.:.:.:./　〈　　　　　　　　　/,ｨｉ｢:.／:.:.:.:.:.:.: /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,′
　　　　　　　ﾟ，:.:.|:.:.:.:.:.:. {　　 ゝ__ --- ､　,ｨｉ｢=‐　/:.:.:.:.:.:.:.:.:∧:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./}ハ/　　　　　　　　　私を墜としてからにせんかい！
.　　　　 　 　 ﾟ，:.{∨:.:.:. i　　　　ヽヽ　　}//　　　/:.:.:.:.:.:.:.／二 ＼:. |＼:.:.:/从{ 　 /
　　　　　 　 　 ヾ、∨:.:. {　　　　　{ﾍ ¨¨{/　 　 /:.:.:.:.:.:／¨　 　 　 ゝ　|ヽ,′/
　　　　　　　　 　 　 ＼: i　　 　 　 ',:ゝ‐=≦:.:.:/:.:.:.:.／　　 　 　 　 ＿_!--　_
　　　　　　　 　 　 　 　ヾ、　 　 　 　 ゝ}ルゝ/:.:.:／　　 　 　 ‐=　　　　　　　　 ≧ｭ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:／l　　‐=ﾆ　　　　　　　　　　　　　　　 ＼





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾏﾑ ﾏ 圦　　 　 　 　 　 　 l　　i　　　7 l!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾏﾑ 〉 ﾏiﾄ,　 　 　 　 　 　 i　　frｘ　7　l
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 l!＼　　　　　　ﾏ〈∧ ¨_%　　　　　 　 　 ﾚ　ﾉJ‐v　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　l!　ヽ　　　　 　 ﾏ ヾ r┘% 　 　 　 　 ∩ﾏｲｨゝ={　l　 i圦
　　　　　　　　　　　　　 　 　 l!　　ー ､　　　　〉x `ｰ zｺ,　　 　 　 l　l }　j!ﾑ¨∨ 　 l　ヽ
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 l!　　　　＼＿｡x　 寸　it　V　　 　 l　i! V i!　〈 'l　　r'　　ヽ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 l!Ε∃　　　　　ヽ　寸 l 匕!　　　 l!　l! l　i!l　 !_」‐‘　　 Εヽ
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　　＿ ,. 。｡ - ‐ = ＝ ﾆ 二 ￣!　　　　　　　　　　X　寸f　ゝ, 　 l　iY气i!v f‐〈 ヽ　　　　　　 `ｰ─ ＝ ﾆ ￣　　　　　＼
／　 　 T'￣￣￣￣￣￣￣￣　　　　　　　　　　　ヽ　从r‐ﾏヽ iｘzi/x-､,xﾏ　i!　Y　　　　┌─ =＝ﾆ "￣ ,.。｡-‐=´￣
　　　　 .i ┌──────────‐┐　　　　　ヽ　 ヾ　 ﾏVﾑ /7几f }ﾏ　l　 l＿ ＿ 　l 　 ,.。｡-‐='"´
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　　　　　　　　　　　　　　　 　 ゝミ zｮ　　　　　人､__」､　〉<ゝ ヽｰヾ ｀iII」'i!　 l　 l　 /､　ﾉ }
　　　　　　　　　　　　　　　　　 〈ﾄ､'＜,.｡s=‐<´　`ｰ-=ゝ::Y/7ﾑヽ　ヽ :同.i!ﾑ .l　l,//寸＼ﾉ
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＿ ,. 。｡ s -‐=　ﾆ´::::::::::::::::::::::ﾏIiIiIjノｰ= ＜´　　 　,ｨfﾊ ,｡sゝ＼`tzｧｲ T i!_　￣　　 j-‐`( ＼￣ TT'x
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::::::::::::::::::＞s1´　　　　　　　　　　7　　　　　　(ゝ､_彡'　　　　 　 l`ｰ/　　　 ´( Y｡s≦　 )::::::ヽ　＼ `'x＼´　　　＼
:: ＞s1´　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　`ｰ'　　 　 　 　 　 lｰ/　　　　　ﾏ‐彡T　ノ､;: イ　　 .＼ .`x＼ 　 　 .＼
´　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｰ'　　　　　　 ` ｰ=' ´　　　　　　　　＼ `'x＼ 　 　 .＼

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迫り来るノーバディの背後から、更に二機。
バズーカらしき筒状火器やショットガンをこれでもかと携えたラストと、
槍のようなレーザーライフルを構えたラズルシェニェがブーストを吹かすのが見えた。

三機で一気に止めを刺すつもりだ。
ノーバディ一機でも手こずるのに、この状況には冷汗を禁じえなかった。
額から嫌な汗が滝のように流れているのが分かる。

そこへ上空から、はやてのミセリコルデが横槍を入れる。
変則的な機動で飛び回りつつ、ラストとラズルシェニェへと断続敵機に
レーザーを撃ち込んでいた。

助かるが、同時に焦りを覚える。
あの二機相手に、どこまで持ちこたえられるのか。
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5812： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/18(木) 22:26:04 ID:VYRKVF0I0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 j}　 　 　 /　　　　　 f´　　 ,′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 j}　　 　 /　　　　　／　 　./_
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 j}　　　 / ｀ヽ 　 ／ 　 　 ./　　 ≧ー--､-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 jI斗ｬ≦j} 　.___/ 　 /_／　　 ,.。＜　　　　　　 　 ＼＼
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　　　　　　　　　　　　　　　　　＜:jI斗＜:-:-:_'ノ/　　}､　　／　 }!　　}＿_／　 　 　 　 　 　 ｀ー―‐､_ ＼!
　　　　　　　　　　　　　　　　 _ -//ヽ　 }､:_:_/ /--､/:｝　´　　 〈 　 /　　}_　　　　　　　　　　　　　　 ＼_ ＼
　　　　　 　 　 　 　 　 　 _ -　 //__jI斗＜>､!〈　　/::/-/　{　　/　/　　//　≧s､　　　　　　　　　 　 　 ＼_ ＼
　　 　 　 　 　 　 　 　 ／, ＜ ＞ﾟ´___　　 　 i　ヽ/ﾟﾞ´／ ／　 /／｀ヽ,//　　　　 ＼　　　 　 　ゝ/　　　 　 ＼_
　　　　　　　　　　　／＜＞ﾟ´￣￣￣≧､／ >､_}_／ ／　　,／ /､__/::{------ ､_　ヽ、　　／ /　　 　 　 　 .ヽ
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　 　 　 　 _ -　　　　　 jI斗ｓ≦、＞--- ' 　 |! ,}, ／ /　 /､_/／_｀ヽ　　　　｀ヽ__ｒ_－'i/　 / 　 ヽ
　 　 _ -　　　　　 。＜＞ ﾟ ´　 　 　 　 　 　 |!.,}　 ／ ／__,／　　}r ,} 　 　 　 　 　 ヽ/　 /　　　 }!
_ -　　　　　 。＜＞ﾟ´　　　　　 　 ,。ｓ≦{　 i|/ ／ｨﾟ´￣､　　　　／ヽ　　　　　　 r＜　 /　　 　 /
　　 　 。＜＞ﾟ´ 　 　 　 　 　 , ＜ {／＿,}　 ' ´__ノ､>､　 ＞-､ ／ }　}ヽ　　　　 人 　,/ 　 　 ／
, 。＜＞ﾟ´　 　 　 　 　 　 　 /　 ／　　 /´_￣_{　{　Ｙ　i´ __,／　ノ／ /}ヽ-､　/　 }/ﾟililﾑ　 /}
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　　　　　　　　　　　　　ノ }　 ,。z}t-{ノ{ー－--､ i {--/ /----＜_＞､__／- '　　ヽ- ' {、r'
　　　　　　 　 　 　 　 /　 ヽ'ﾟ　 　 }ヽノ 　 　 　 ﾟﾏ{-/ /＜　＿　　 　 /　　　　 / 　 　 }ﾉ、
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無我夢中で海上を駆け巡り、喰らいついてくるノーバディと応戦する。
離れてはレーザーの応酬を繰り広げ、近づいてはブレードを浴びせ合う。

前回使用してきたビット兵器、飛行するコジマキャノンユニットは展開して
こなかった。おそらくは他企業所属リンクスの目があるからだろう。
それでも、このネクストが数ある機体の中でも最高に近い性能を持っているのには
違いない。

肉迫し、逆袈裟に振り抜かれた光の刀身をPAシールドで受ける。
軽く腕を引いて斜めに刃を受け、閃光を迸らせながら滑らせる形で流した。

そこから引き気味に構えていたブレードで反撃の平刺突を見舞うが、
今度は敵機のシールドに胴体を庇われる。

白い装甲板に熱線の刃が突き立ち、そのまま両断される。
が、ノーバディは微塵も怯む様子がなかった。

何も言わず、感情も見せず、ただひたすらに刃と銃を向けてくる魂のない敵に、
経験したこともない得も言われぬ恐怖を奥底に感じる。

人を殺そうとする機械とは、かくも不気味なものなのか。
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5813： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/18(木) 22:49:42 ID:VYRKVF0I0

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│　 　 ｉ:.:.:/|:.:.:.:. ',:.:.:.:.:|-/_|_|　　ヽ／,イ圷≧ｉ:.ｉ:.:.|:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　......│
│　　　|:./ .|:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:!:.ｉｲうﾐ　　　 　 {::::::::ら |:}:.:|:.:.:.:!´.ヽ:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　......│　　　　　　シュクヴァール、リンドヴルムとの
│　　　|/　 !:.:.:.!:.:.ヽ:.:.:.|〃{:::j　　　　　 辷シ　!:.:./:.:./| ヽ.} |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│
│.　　　|.　　',:. | ',:| .|ヽヽ｀.ﾋﾘ　 　 　 　 　 　 /:/／:.:.:!　/: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│　　　　　　 戦闘に巻き込まれるよ！
│.　　　　　　ヽ|　ﾘ　!:.:.ヽ＼ ヽ　 ＿　　　　.〃|:.:.:.:.:./_/／.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :.:|　　　......│
│.　　　　　　　ヽ　　ｉ:.:.:人　　　∨　 ヽ　　/　 !:.:.:.:./／. 　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : :|　　　......│
│　　　 　 　 　 　 　 ',:.:.:.:.ﾍ　 　 `ー '　 　　　|:.:.:.:/.　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　......│
│　　　　　　　　　　　 ヽ:.:.{　ヽ、　　 　 　 .＜.|:.:./l　 　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│
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　　　　　 　 /　/ｨ　　　　　　}i　　　　∧
　　　　 　 /ﾔ'7=ﾆ二二二≦_｣Ｌﾍ/　 ∧
　　 　 　 ;　 /＼_　　､＿　￣Ｖ⌒{ 　 / }｝
　　　　　:; 　}(●）　　（●　）　〉 人 /　/^}　　　　　　　　　　　　クソッ、どんどんはやてさんと距離が離れていく……
　　　　　 '､ {（　ｨ'　　　　u.　/／Ｌ {__/(__/
　　　　 ＿{へ≧＾ゝ､___ノ_z彡二弐≠ ＞／￣￣ミヽ　　　　　　 どうしたもんだお！？
　　　　r{_ `ｰ=＜三＞'’ ）二二 ／　//　　　___　　　＼
　　／/ ｛＼　　｀￣　 /二二／/ 　/ｲ　　 Ｙiっ) -┐　 ＼
　｛　　Ｖ 〉　　　　　　〈ﾆ二彡イ　 ｛ ｛　 　 }｣つ）二! -02 |ｌ
　｛　 　 i ＼ 　 　 　 /｝ト､　　 i　 /八ヘ　　￣´　　　　　 |ｌ
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　　　汀 i　　　 〔_二//￣　　 ＼　　 /￣７ 　 ＞＝-≠〈/
　　 ！| iﾄ　　　　＼　　　　 　 　 ＼/　 /　　　　　　勹[_]
　　　　　｀v 　　　　＼　　　　　　　 ＼/　　 　 　 　　/
　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　 ＼　　　　 　 /

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なのはからの通信にハッとなり、レーダーを一瞬だけちらりと見る。
敵AFと、それを掻き回すかのように飛ぶ二機の光点が映る範囲まで来ていた。

まだミセリコルデは敵トップランカー二機を相手に持ちこたえてくれてはいる。
だが、それも時間の問題だ。あの二機がいつまでも時間を稼がせてくれる程、
甘い相手であるわけがない。

もう既にかなりの距離がある。何かあっても援護できない距離だ。
今すぐにでもノーバディを沈黙させてミセリコルデの援護に行きたいが――

下↓1　どうしますか？
1.まずは目の前の敵機を墜とさねば。ここで踏み止まって白兵戦を行う
2.このまま乱戦に引きずり込む。クーガーとアルトリアから援護を受けられるはずだ
3.一目散にミセリコルデの元まで戻る。逃げ回る形になるだろう
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
〜Tips〜
. ＿＿
_|。。::::|__　　　　　どの選択肢が一番やる夫君に有利に働くかな？
ｉ::ﾞ==-/::ｉ
｀|:::::::::|´　　　　　　敵機と味方機の戦況を思い出してみようね。
　{」{_」

5814：安価のやる夫だお：2023/05/18(木) 22:53:01 ID:TOY7rf5c0
むむむ…3

5815：安価のやる夫だお：2023/05/18(木) 22:57:24 ID:jGiRYOE20
2

5816： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/18(木) 23:02:27 ID:VYRKVF0I0

　　 　　　,,, ＝＝＝＝,,
　　　 　〃　　　　　　　　＼
　　　/ 《　　 ─　 　 ─ 　 ヽ　　　　　　　――はやてさんが心配だお！
　　　|∩||　 （●） 　（●）　 }}
　　　|∪《 u. 　（__人__）　　∥|　　　　　　 ノーバディもすぐには墜とせそうにないし、とにかく戻るお！
　　／＼　 ミ三∩_ノ ⊃彡 ／ゞ
　/　　乂 ゝ _／ ＿ ノ ＿イ,＿)　　　　　　背中を見せるのは不安だけど、どうにでもなれってんだお！
　(　, ′ヽ ／　 ,,;;; ｲ/　　 i　　i
　 ＼　　 " ` ､ ／￣￣i￣"　 )





　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∨　＼{＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ∨.、 ＼: : 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 . . : : ∨､ 　 ＼:,,:、
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 Λ/＼ﾍxﾍV¨"''ミ‐… ､___〉 _,,..,, _
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 〈::::〉:::: ｢:/:〉／〉　 ﾉ　　ﾉし 寸＝―′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＜∨::／|/:Λ <:::＞｀¨¨〈__／　寸ト---､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_／⌒) 7￣]::::〉::〉::::/: :　 ∨/＼　 ＼しノ〉
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 _,､<　　　 / /ヽ　∨:::＞<　 　 r‐…へ＼　 ﾞ'yﾞ
　　　　　　　 　 　 ＿　-=ニ￣　　 　 //＼ﾉ＿]＞―　　　 {　 〈　　＼厂/
　　　　 ＿　-=ニ￣　　　　　　　/　 /〈　　 >_ノ　　　　,､ ／ﾞ'〜ﾍ、　ﾉ-<
..-=ニ￣　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｲニ厂￣　　　　 / ＼＼　　 |　ﾞく　 　`:、
　　　　　　　　　　　,....ニ-￣´"''〜: : :　 　 　 　 　 (◯)イﾞ'> >___|　　‘， ＿`、
　　　　　　　　 ,ニ-￣::::::::;:::':::::::::: : :　　　　 　 .／ 　 ／しｨ／>　 　 　 〈´　__`、
　　 　 　 ニ-￣.::::::::::::::;:::';:::':::::: : :　　　　　　 /　　／､　／／　)　　　 　 Ｙ::::J:｝
　　ニ-￣.:::::::::::::::::::::;::':;::':::::: : :　　　　　　 ／__ 〉'ﾞ　　└＜__／〉　　　　　 〈ミノ
-￣.:::::::::::::::::::::::::::::;::';::'::::::: : 　　　　...___ /￣　 〉　 　 　 )　 ＿/
／:::::::::::::::::::::::::::;::'::::::: : :　　　　　 ／ // 　　／　　　　　∨￣７
:::::::::::::::::::::::::::::::::::: :　 　 　 　 　 /　 /　　,／　_,､-''"⌒< (ニ)〈___
:::::::::::::::::::::::::::: :　　　　　　 　 ／　 └…゛ ⌒`、　　　　 ) ｀¨ ⌒　〉
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:::::::: : :　　　　　 　 .＿_／　　 　／　 (ﾆ)_,,.､､ｲ'''"´
: :　　　　　　　　　〈 ／ 　 　 ／　／ﾆ〉￣
　　　　　　　　　〈ﾆ〉　 　 ／ ''"´
　　　　　　　　 /¨7へ(ニ)
　　　　　　　 ./　/　,//
　　　　　　　 ′｛しｲ/
　　　　　　　乂＿／
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マーシフル単騎でもノーバディの撃破は可能だ。
それは前回の戦闘が証明してくれている。だが、時間はかかる。

その間にミセリコルデが撃墜されようものなら元も子もない。
とにもかくにも援護ができる位置まで戻らねば。

レーザーブレードを海面へ向かって薙ぎ払い、大量の水蒸気をまき散らす。
即席の煙幕をノーバディへと浴びせ、ブーストターンで踵を返した。

敵機に背中を見せることになるが、オーバードブーストで一気に駆け抜ける。
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5817： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/18(木) 23:10:20 ID:VYRKVF0I0

: : :.i: : : : : : : :1: : : : !: : : : |: : : : : : : }: : i: : ﾄ、: : : } : : :.!: |: :.|: :: :
: : :.|: : : : : : : :i: : : : :|: : : :.:|: : : : : : ,′:.{′.|:＼: : !: : : :|: :|: :1: :}ヽ
: : :.|: : : : : : : :ﾄ.: : : :1: : : : !: : : : : /: : :ﾊ: : ﾄ､: :＼!: : : :| .1 .1: :|
: : :.|: : : : : : : :| }: : : .|: : : : |: : : : ｲ: : / }: : :.′＼::.＼: ｜::|: :}: :1
: :.ハ: : : : : : :.,' |: : : :}: : : :ﾊ: : : /: : /≦: : ′ : : |＼::.＼: ハｲ:｜
./　 |: : : : : : 1 1: : ./|: : :/‐'}: ム: :/　 }: ｨ!: : : : i: : ＞ ､::.ヽ⊥.!_＿
　　ﾊ: : : : : : :}_」: : 'ﾆ! ./二!/ｨ| ｲ≦ｲ}:./ }: : : /: :/: :/: :＞┬┬ ´　　　　　――！　今なら当たるか！？
.r　　}: : : : : :ﾑ/: :ﾊ-}:.'千丐行 }/}　// /: : : /: /: :/: : //　}: :}
. ｀-ﾆ|: : : .:/ /:.:ハ_/'､竺竺xzｨ .イ// /: : : /: /: :/: : /ｲ　/:./
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　￣　‐-=ﾆ二ﾆ:|　/￣＼「l　}￣|/ |／ヽ〉ｰr＜ミs｡_＿{,ィ=ミ 〉ー----〈7〉 ｀`'弌≧s｡.,..!ﾆﾝ‐　　 ﾍ　ｰ!'ｷ!ﾑ 、　　　　　　/./'´　　　" 　　　　
　　　　　　　　￣∨　　 /￣/二／〈／|＾ヽ/ｰrく　　|＞s｡.,＿〉￣7ー‐//)　　　　 ｀`'弌 ≧s｡.,_　 　 .゛''''''‐ｰ-＿　ﾝ､　　 /./　　　　　　　　　
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　　　　　　　　＿　　 ￣ ＼＿〉／￣/´ ＞く＾＼_￣二ﾆ=-　..,,＿　　////刀ﾌ7ｧｰ-　..,,_　　　｀`'弌 　　 ＞＜廴＿ .￣　ｰ..-''" ..一"ﾆl　／
　　　　　　　　＼＞s｡.,_ /　　/　　　|／〈　　`､￣ヽ￣￣￣”“''￢…=ﾆ//////////////刀ﾌァ=-r-辷=---＜//{{〉　　　./-'''''''''<ﾆﾝ:ｌ 「..--
　　　　　　　　　　≧s｡.,_｀`'ｰ{／＾/∥　 〈　　 `､　　＼　　　　　　　　　　￣￣”“''￢=ﾆ二_//////〉r─-=ﾆ二￣≧s｡.,＿＿　　 　 　 `‐‐''ﾞﾞ
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　　　　　　　　 ／/　 ／　　　　_,∥　　 ／::::∨ﾍ／＼　ヽ:::} } ﾆ┘ /　　　　　　　　　　　　　　 /-－　　ﾝ'／　　　　 | /‐_ﾞ' 、　　　　||　|　　
　　　　　　n／}　 {／　　＿／´￣|　 ／＼::::∧　〉　　 ヽ　 寸　 ,│ｌ　　　　　　　　　　　...... 、 '!.|ﾞｰﾆ:lﾆ／　　　　　//　　ﾞ!:| 、　　　││　　
　　　　　 ノﾉく　　　　γ⌒ヽ:::::::/ ｰ'ﾞ　　　￣　∨ﾍ　　　∨⌒＼ １│　　　　　　　　　│　　1.ﾉｲ　　　　　　　　　ｲ|　　　 l　l゛　　　 │ i　　
　　　　　　∨「￣「ﾆﾆﾘ　　　'::::/　　　　　　　　　＾Y＼　　{　　　 ＼..|　　　　　　　　　　 ﾞ‐-‐’/ （　　　　　　　　　i |　　　　　i　　　　ｌ」　!　　
　　　　　　 ∨　〈　__ノ　　　 }:/　　　　　　　　　　　＼ ＼_〉　　　　 `ヽ､　　　　 　 　 　 　 　 ｌ ./ﾍ_　　　 　　　　/ ｌ　　　./ /　　　　 │ ll　　
　　　　　　　∨　〈　　＼　　l/　　　　　　　　　　　　　 ＼ ＼　　　　　　 `ヽ､ 　 　 　 　 　 　 l ｲｌ　l,ﾞ　　　　　　./　　　.／ ﾉ　　　　　　｝ |ﾍ　
　　　　　　 　 〉￣＼　　}　 /　　　　　　　　　　　　　　　 ＼ ＼　　　　　　　 ｀丶､　　 　 　 ./_l!'''、'、　　　　　,l ,/／　｛__`ｰ 、　　　　 ｌ　!　　

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その時、遥か水平線に、緑色の燐光がぼんやりと見えた。
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5818：安価のやる夫だお：2023/05/18(木) 23:15:27 ID:TOY7rf5c0
あーそーいや居たわ
忘れてた

5819： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/18(木) 23:16:40 ID:VYRKVF0I0

　 　 　 　 　 　 ,,.. ´　　　　　　　｀・ 、
　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　/　　　　　　　　　 　 　 　 　 ',
　　 　 　 _l;;;;;;;;;,,,　　　　 　 ／　　 　 　 .l　　　　　　　い、行くっきゃねえお……！
　 　 　 　 l;;;;;;;;;;;;;;; 　 ､_,.ｨtﾁ　） 　 u. 　 |
　　　　　　',.　　 /　i　　 ヽー‐ '　　　　/｀ヽ､
　　　　　　 ＼　乂人＿__ﾉ､　　　 ,. ＜
　　　　　 　 　 ＞-｀￣￣｀'　-
　　　　 　 　 　 　 ｀ー―





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　　|　//　|_／　　　　／　　　　 　　 |　　|　 /// / /_／´ 　　／　　 __　　 　 　 　 　 /|　　 　 　 ／　 /
　　Ⅳ　 _ﾌ´　　　 ／　　　　　　 ||| ｜　 || / ┘　／´　　 ／´　　　　守､　　　 　　　/ |　　　　／　　/
　　　　　　　　　 //　＿,,,,,‐‐彡´| ∨　　 ∨　／´　　 ,／´＿___=='''　{|　＼_　　ﾄ､_ /　|　　 ／　　 /　　　_,,／
　　　　　　　　／-‐‐￣　,／ﾆ____}　　　　　　　　　　／-‐￣__／___,,,　 |　　＼__ | ∨　 | j_／　　 //　,,／／
　　　　　　　　　　　　,／´　　　　　　　　　　　　　　　　 =三三=¨´　　 ||　　　 ＼　　　Ⅳ/　　 //,／／／
　　　　　　　　　　 　‐=フ''　　　　　　　　　　　＿＿____‐‐―==---==-ｷ　　　　　　　　′　　/／´　 ／＿__ｚｧ
　　　　　　　　　　　 ------===-__ｚｚｧ-‐￣￣　　　　　　　　　　　｀孑ﾁ　　　　　　　　　　 /　　　 ｀¨￣_,三===‐
-----------＿＿　　＿,,,==---¨￣　　　　　　　　　　　　　 ＝====ミ　　　　　　　　　　　　　　　＿___二三===‐‐
　　　　　　　　　　￣¨-＜三三===___::　　　　　　　　　　　　　＿_二ュ　　　　　　　＿___‐-----¨￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　｀¨-==二::＿＿＿　　-====‐‐￣￣　　　＿__-‐-‐￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣-三三三三=‐‐￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　---¨¨￣￣

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途端に、さっきまで狙いを決めあぐねていたのか、
大人しくなっていたコジマキャノンの援護射撃が激しさを増した。

集団の中で孤立する動きをした自分を見つけて、
今なら味方も巻き込むまいと狙いを集中させてきたのかもしれない。

コジマの光が圧倒的な速度でマーシフルを蒸発させようと降り注ぐ。
海上に飛沫の柱がいくつも上がる中、OBで速度にものを言わせて突き抜ける。

敵が好き放題撃てるのも今の内だ。
自分がミセリコルデの元まで辿り着ければ、そう易々と撃ち込めはしない。
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5820： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/18(木) 23:25:04 ID:VYRKVF0I0

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そこへ、背後に衝撃を感じた。
ダメージアラートが鳴り響き、激しい振動に意識が持っていかれかける。
視界に躍り出た警告表示には、無慈悲な一文が浮かんでいた。

「バックブースター損壊を確認」と。

後ろからノーバディがレーザーライフルをバックブースターへと当ててきたのだ。
今の衝撃はその際に起きた爆発によるものだろう。

姿勢が崩れ、そのまま海面へと顔面から突っ込む。
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5821： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/18(木) 23:29:27 ID:VYRKVF0I0


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　 ／　　_丿;;;;ヽ_　＼　　　　　　うおおおおおっ……！
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　 .ﾄ､＿ノ::::::::／::::::::Vkｸﾞ:::|__∧　 //　/ {　/
.　├r┬‐==宀 ::::::::::／ヘ::|＼__〉//　 ﾚﾍﾞ/
.　/＼ 、＿＿,ト､:::::::＼／/ ／ //　　　 /
. 〈く〉≧┬---L:::::::::__广二{jjjjニ＼＿__＿＿_　　 　　　　　　　　　　　　. ..
　 `＞{　l　　/ﾆTさ┴─ﾛ───┬───┼---n　　...
　 .／ ∨=ミｧ──┬--┬rっｰ┬┴┸──┴'¨¨¨
／／　（○）ｏ　　　 ＼:::}Ｌら─'´　/　　 三　 ‐--n　　...
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
迫りくる視界一杯の海面と、それに映るコジマの光。
それが、最後の光景だった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5822： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/18(木) 23:31:31 ID:VYRKVF0I0


┌─────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│　　　MISSION　FAILURE　　　...│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
└─────────────┘





　 _人_人_人_人_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 _人_人_人_
　)　　　　　　　　(　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ━┓[]　　╋┓　　 　 )　　　　　 (
　) 　 　 や　 　 （　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ┃　 　 ┃┃　　 　 )　　や　　(
　)　　　　　　　　(　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 )　　べ　　(
　) 　 　 る 　 　 (　　　　　　　＿　－　 ―‐　- 　 ＿　　　　　　　　　　　　　　　　 )　　 ェ 　 (
　)　　　　　　　　(　　　　　　　　--／　　　 ／　　　　　　－　　　　　　　　 　 　 　 )　　l77　 （
　) 　 　 夫　 　 （　　　　　　　--　　　　　　　　　　　　　　　 －_　　　　 　 　 　 　 )　　’’　　(
　) 　 　 　 　 　 （　　　　　　　　--＼　　 l　　　　　　　　 　 　 － _　　　　　　　 　 ⌒Y⌒Y⌒
　) 　 　 が　 　 （　　　　　　　　　　--￣_| ⌒＼　　　　　　　- 大 - _
　) 　 　 　 　 　 （　　　　　　　　　　---- ｌ＿_ ノ　―　　＿_　-------
　)　　　ｌ77　 　 （　　　　　　　　　 　 　 ------ ---　---------------
　)　 　 ’’ 　 　 （　━┓[]　　╋┓　　 - ----　　 　 ---------　　-----
　 ⌒Y⌒Y⌒Y⌒｀ 　 ┃　 　 ┃┃ 　 　 --　　　　　　　　-------　　　----
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-　　　　　　　　　　　　----　　 　 --
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　----　　　　-

5823： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/18(木) 23:35:14 ID:VYRKVF0I0

　　　　　　　 ､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|　　　　　　　ラインアークの水底暖かいナリィ……
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i　　　　　　　　というわけで、今回は水没死だね。
　　　 　/ : : : : : : :┌─┐
　　　 　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ　　　　　　　やる夫君は犠牲になったのだ。
　　　 　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿
　　　 　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ
　　　　 と_ : : : : : : ノ : :ノ
　　　　　　￣￣￣　￣





　＿＿
〃´￣`ヽｰ―＜
{　　　　　∨　　 　 ‘ ＜
{　　　　 　 }}　 ＞--　､　‘＜
.ゞ .　＿＿ﾉｨ´　　　　　}　 　 ＼
　　￣￣ 　 　 　 　 　_ﾉー‐=. 　＼
　　　　 　 　 　 　 　 ￣￣ ヽ: : ＞ ＼ _.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　イケると思ったのに……
　　　　　　　　　　　　　　　　‘，: : : ＞.､.ヽ
　　　　　　　＿　　　　　　　　}: : : : : : : : ＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　後ろから撃たれさえしなけりゃ……
　　　 　 ／ ⌒　ヽ　　　　　　|=ミ : : : : : : :ﾊ　‘.,
　　　　〃 　 　 　 ‘，､＿ _ ノ　　 ＼: : : : : :}　　|‐-　_
　　　　{{　　　　　　 ∨　　　　　　　　}⌒ヽﾉ　　 |　　　　‐-
　　　　||　　　　　　　∨　　　　　　　 |:::::::::|　　　}　　　　　　　　＞　，
　　　　||　　　　　　　 }}　　　 　 　 　 !:::::::::!　 ,.ｲ　　　　　　　　　　　　 ’　，
　　 　弋　 　 　 　 　 ||　　　　　　　 .|:::::::::|　　 |
　　　　　‘，　　　　　 ﾘ　　　　　　　 .|:::::::::|　　 |
　　　　　　ヾ　　　　 /　　　　　 　 　 |:::::::::|　　ﾉ
　 　 　 　 　 ≧==彡　 　 　 　 　 　 .|:::::::::|　ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j:::::::.ﾉ

5824： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/18(木) 23:39:14 ID:VYRKVF0I0

　　　　　　 　 ,- ‐‐ -　､
　　　 　　 ｒ‐ｲ: : : : : : : : :｀,
　　　　　　i /○　○: : : : /　　　/｀ ､
　　　　　 　i_ _ _ : : : : : : :{　 　 / : : /
　　　　　　 ｀,_　_｀=-: : : :| 　 ノ : : /　　　　　　せっかくクーガーとアルトリアが敵AFを翻弄している所の
　　　　　　　i: : : : :_: : : : :'y´ : : : /
　　　　　　　｀-‐､´: : : : : : : : : ／　　　　　　　　近くで戦闘することになったわけだからね。
　　　 　 　 　 　 ﾉ : : : : : : : : i´
　　　　　 　 　 / : : : : : : : : : :|　　　　　　　　　　彼等のサポートを受けるためにも、接近するのは大いにアリだった。
　 　 　 　 　 　i: : : : : : : : : : : !
.　 　 　 　 　 （｀ー‐-　　-‐　_}　　　　　　　　　　





　　　　　　　　　_　_　_
　　　　　　　／: : : : : : ｀i
.　　　 　　　i: : : : : : : : : :!
　　　　　　　､: :○: : ○: :!
　　　　　　　 i: : : : : : : : : i
　　　　　　　 l: : :,, --_ｯ: :', 　　　　　　　二週目ルートのやる夫君は単騎でランク１相手にタイマンできるワザマエがあるが、
　　　　　　　 丶 ｀‐'´: : : :ﾉ
　　 　 　 　 / ´: : : : : : : : ｀ヽ　　　　　　あまり無茶が効いたり無双したりできる訳ではないからね。
　 . 　　　　/: : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　 , -‐': : ,: : : : : : : : : : : : : :ヽ　　　　今回は敵が全員ランカーACなわけだし、恥ずかしがらずに助けを求めちゃおう。
　　／: : : ,-ｲ: : : : : : : : /｀丶: : : :､
　 ｒ⌒ ,／　/: : : : : : : : i　 　i: : : : i　　　　
　 ` ‐ '　　/: : : : : : : : : |　　 ! : : : |
　　　　 　 i: : : : , _ -‐ ´,) 　 ｀ ヽ _|
　 　 　 　 (_ _i￣(_　-‐'´i
　　　　　　|　:|`‐´i : : : : |
　　　　 　 |: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
　　　　 　 |: : : : : |: : : : : !

5825： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/18(木) 23:44:37 ID:VYRKVF0I0

　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　 　 ＼
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　─　 　 ─　＼
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／ 　 （●）　 （●）　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　|　 　 　 （__人__）　　　　|　　　　　　コジマの光に抱かれて消えるのはこれで二回目だお。
　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　 ｀ ⌒´　　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ､　　　　　　　／　　　　　　　　コジマはまずいお……
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼　　 　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　_.ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 （　.(
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ）ノ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 (（
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ノ





　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　それじゃ、今回はここまでだ。
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　テンポも悪くなるし、次回は正解の選択肢を選んだところからとしよう。
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　モコイさんのスレのデッドエンドやアナザーエンドはオマケコーナーみたいなものだ。
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i　　　ドントウォーリービーハッピー。それじゃ、次は5/25の午後九時からね。
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ　　　　シーユーアゲイン。

5826：安価のやる夫だお：2023/05/18(木) 23:46:08 ID:TOY7rf5c0
乙乙

5827：安価のやる夫だお：2023/05/19(金) 00:11:12 ID:6Hr2Ahhg0
乙でした

5828：安価のやる夫だお：2023/05/19(金) 05:53:47 ID:jKZU2RKk0
乙

5829： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/25(木) 21:00:40 ID:yQ9ju7W20



　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ 　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||





　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i　　　　　　　　昼勤と夜勤が重なった結果、今日休んだが最後、家に帰れるのが
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ　　　　　　　　　しばらく先になることが確定したモコイさんだよ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i　　　　　　　　　臭いんだぜ……？　三日三晩風呂に入ってない成人男性は……
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |　　　　　　　　　嘆いてても仕方がない。前回はやる夫君が土左衛門になったから、
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘　　　　　　　　　今回は正解の選択肢を選んだところからやっていこっか。
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´

5830：安価のやる夫だお：2023/05/25(木) 21:23:01 ID:qNz43jyg0
ハロー

5831： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/25(木) 21:32:11 ID:yQ9ju7W20

　　　　 ＿＿＿
　　　／　　　　 ＼
　 ／　　_丿;;;;ヽ_　＼
／　　（○） ;; （○）　 ＼　　　　　あぁ、クソッ！　なるようになりやがれだお！
| 　　　　（__人__）　　u　.|
＼ 　　　　|i!|i!||　　　 ／
／(<<<)　.｀⌒´（>>>）＼






　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾊ.　 　 　 / ,'
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /,'　　　　/. ,'
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /.'　　　 / . ,'
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 / |　 　 /　/
　　　　　　　　　　　　　 　 　 /　|＞‐/ . /___
　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　 !　 /　 /.　　 　 "'' ‐-　,,.._
　　　　　　　　　 　 　 ＞''"/.　 l　/.　 / ＼　　　　　　　　　｀¨'''‐＜
　 　 　 　 　 |',. 　 ,イ　　　 ',　 |./ 　 ,'ヽヽヽヽ＿＿　　　　 　 　 　 ＼
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　　　　　　　　　　　 　 ', ﾏ´　', 　　　　＞､／ |＿＿＿＿/／三三三三三三＞''"三三三三三ﾆ',
　　　　　　　　　　 　 　 ',__',　 ‘, 　　　 |　', ﾏ／三三三=/三三ﾑ三三三＞"三三三三三三三三',
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　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ:::::ヽ::／.　　|三三三三三=ﾑﾆﾑ　　 ﾏ三三三三三三三三三三三三
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　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿__,ｨ三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
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このまま単騎で戦ったとして、墜とせたとしても相応に時間はかかる。

それなら、いっそこのまま乱戦に持ち込んでしまった方がいい。
敵AFの流れ弾にでも当てられれば儲けものだ。

そう判断し、動きを止めることなく海上に二筋の亀裂を走らせる。
高速で海面を滑りながら熱線の応酬を繰り広げるうち、
PAは消し飛び、互いの装甲を着実にえぐり取っていく。

その最中、EN残量を気にしてブースト出力を抑えた瞬間、
前触れもなくノーバディが連続QBで肉薄してきた。

ヒトならざるAI特有の挙動とでも言うべきか。
恐らくは、マーシフルのジェネレーター容量などといったデータをインプットした
上で、予測して動いてきたのだ。
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5832： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/25(木) 21:45:44 ID:yQ9ju7W20

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二ﾆﾆ''ｰ ､_//;:;:;:;:;:;:;:;/.:::::::::::::::ヽ:::::.:.:/::::::::::::::::.:.:.:!
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接近と同時に、ノーバディが右腕を腰のハンガーに回し、
レーザーライフルからレーザーブレードへと換装するのが視界の端に移る。

迎え撃とうにも避けるにも息切れに近い状態だ。
PAも復旧するまでは時間を要する。

歯ぎしりしつつ、迫りくる敵機を睨む。

だが、ノーバディが斬りかかってくる直前に、衝撃と閃光が全てを呑み込んだ。
視界が閉ざされ、脳髄まで揺さぶられるような感覚に意識が飛びかける。
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5833： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/25(木) 21:56:00 ID:yQ9ju7W20

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　　　　 ,′. . . : ‐‐二二㌻::::::::::/.:.:三ｱ:::::::::::::::.:.:.:.:/:::: |／Ｙ⌒Ｙ:＼ ∧:::::::::::::::::::::::∨二:::::: ＼:::::∨三ﾆﾆ＼　　　'，
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　　　　‘,　: : ／::::::／￣三＼::::::::＼＿＿:::::::::::::::::＼|/:::(_):::: |　(_)::::∨/:::::::::::::::::::::::::::::／|:::::::／＼::::＼三二-　　‐|
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　　　　　|_,,／‐㌻　,.イﾆﾆ三///　　/ /　　 /::::|＼:::::::∨////////:::::::::／|:::〈　 ∨∧　 ∨二-_:::＼　＼ﾆ＼::::::: |
　　　　　 /ﾆ㌻　∠ﾆΞ三㌻''/＿_/ /　　 /＝==ミ ｘ气＼////／勹／=＝=ﾍ,　 ∨∧　 ∨-､//:::‐＼　＼ﾆ＼ノ
　　　 　 /ﾆ/__∠ﾆ三三／　　|　　　 ＼__/ --二三＼　∨｀¨¨ ∨ ./三二─/∧___|　　￣/ 　 ∨//:二＼　＼__|
　　　　　|ﾆﾆ二三三三|　　　/＼＿_／　〉‐‐二三三∧　｀¨¨¨¨´ /三三二─ 〈　 ＼___,∧.　　 ∨//::::二＼＿_|
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　　　 |ﾆ二／:::::／/　　　/ニ二二三ノ |///∧_/::::::::::〉　 /:::::∧　∨∧ / /////|三ニ∧三 ∧　　‘, ＼:::::::＼:‐‐ﾆ∧
　 　 /ﾆ／:::::／　/　　　/ﾆﾆ三三／‐‐乂＿__/＼＿/　　|:::::::::::|　 ∨/＼/￣￣}|￣＼こ〉三::∧　　‘,　 ＼:::::::＼:二∧
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..　/:::::::／　　 ./　　　/ﾆﾆ三三/　ｰ二|/////ニ‐‐/∧　 乂_,乂　/　ｰ‐ﾆ|///// |三/∧三二‐:∧　　‘,　　　 ＼:::::::＼_〉
　 |__／　　 　 |￣　|/ニ三＞'ﾞ/　‐ﾆニ|////三─　//|　　 |__|　　|//ﾆﾆ∧/////|三ﾆ/∧`'＜ニ∧|￣ |　　　　 ＼::::::::|
　　　　　　　　 ￣/二＞''´　 /　-二三|＿/三二‐　//|　　｜:|　　|//　‐二＼_____|三二/∧ 　 ｀'＜三√　　　　 　 ＼_:|
　　　　　　　　　　￣　　　　/　--二三三三二ｰ　　//|　　｜:|　　|//　　-二三三二─' /∧　　　　￣
　　　　　　　　　　　　　　　｜ ‐‐二三三三二‐　　 //|　　｜:|　　l//　　‐二三三三‐‐　//|

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すぐさまカメラアイが復旧し、ノイズ交じりの視界で、上を見上げる。
太陽に穿たれた黒点のように、背中に網膜を焼かんばかりの強烈な陽光を
浴びつつ、空中に鎮座する漆黒の機体があった。

リンドヴルムだ。自分の接近を感知し、アルトリアが上空から横槍を入れてくれたのだ。

常軌を逸した熱量を叩きつけられた海面が蒸発し、
大量の水蒸気が舞い上がり霧となる。

その向こう側に、金色に光るツインアイが見えた。
ギリギリで避けられたか、機体からは炎も黒煙も上がっていない。
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5834： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/25(木) 22:02:38 ID:yQ9ju7W20


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ミ|: : : : :　 __: :|:.:　,ｲ : 　 ! / │.!　: :　:　!: j: | | :: j :　:.: :.:!.: :' :.:. i |
｀.| : : : : 　 　｀ト　:,,l_!　./!.|　│jl　: : .:　:' /! ! |　ハ: :: :.: |　 :! :.:.ﾊ!
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　|　: :.:　 　 　､_,イ芋芯≧ｭ､.!｀ヽl　 / / /ｘ匕==ﾐﾘ| 　 /!. /│.′
　l　 : :.　　 　 |ヾ 　|::::ｌ{}::::|　 |　Vi ,/ / /ｲl:::ｌ{} ::|,/ |　/ |!/　jノ
　l　 :.: 　　 　 l∨ . ト::''’::ﾉ 　 　 }ノ　　 　 i::::’::ﾂ　 jノ　|　　　　　　　　　伊達にあの男のファンタズマではないということか。
ヽ!　 :: 　 　　│ 　 ｀¨¨＜.:.:.:.＞　　 　 　 .:ゝ‐'　　.′　 !
　| 　.:　　　　│ﾊ　　　　　　　　　　　 .::':,　　　　 ,: : :　│　　　　　　　　　今のは確実に消し飛ばしたものと思ったんだがな。
ゞ| 　 :　 　 　 |::::[ ＿_　　　　　　　　　　/　　 　 / :.:　　|
　| 　 :　 　 　 |:::::::::／　　　　　　　　　　　 　 　 ′:.:　　|　　　　　　　　　　「アルトリアさん！」
　l　　 :　 　 　|:::::::::┐＿　　　　＿___　　　　／: : : : 　　|
　|　 　.:　　　│､:::::::::::::::ﾌ　　´ー ‐ ’　　 .ｲ: : !: : :|　　│　　　　　　　　　　ヤルオか。分断されたようだな。
　’　　 :　　　 |:::::丶:::::::(　　　　　　 　 ／|: !: : ｉ:.:　|　　 l
　 ,　　 :　　　 |::::::::::::::｀:::.:......　　　　／　│ｉ: : :i:.:　|　　i.!
　 ′　.:　　　 ト--:::::::::,,＿__｀ т、´ 　　 !:.!:.: ,′/! j /ﾘ





　　　　　　　　　　　　　　＿ r―ｧ-､―- ミ
　　　　　　　　　　　　　/＞''"~"''＜⌒l　　　｀　＜
　　　　　　　　 　 　 　 7／／ヽヽヽﾔ⌒〉　　　　　＼
　　 　 　 　 　 　 　 　ψ／／/ ソﾉ }-〈 　 　 .|　　ヽ ∨
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　　　　　　　　　　 　 }ﾍゞ｀''＜彡‰ソ　 !　!　 !＼ / ｌ| ﾄゝ
　　　 　 　 　 　 　 　 V乂三∠⌒)´ !∧|　|　.｣ﾉﾚ' | ﾘ |
　　　　　　　　　　　 　 廴乂＿)ノl l 八（l　ﾍ八ｿ｀ﾒ|/ /　　　　　　　　　　　案ずるな。私の目の届くところで、
　　　　　　　　　　　＞''⌒7^Y⌒ ヽ、,人| 　 ﾍ{｀¨乂ﾚ′
　　　　　　 　 　 ／===／｀nﾍ=====＼ilＮ　 | __　/　　　　　　　　　　　　　あなたを墜とさせる気は更々ない。
　　　 　 　 　 　 ＼=／===l.l= ＼===／　|　 |　／
　　　 　 　 　 　 　 ´/====|.!==== <´≧〈从 |´　　　　　　　　　　　　　　　　早いところ、そこの木偶を片づけるぞ。
　 　 　 　 　 　 　 ＿≧s､_ﾉﾊ_==== ﾏﾆﾆゝ-`‐…￢冖ニニアl
　　　　　　　_　＜ﾆ／ﾆ二二Y ￣￣ ニニﾆr'ニニニニ＞''´ =|
　　　　 r＜ニニ／ニニニﾆ/二二二ニニﾆ|ニニニ／二二ニ|-｢ヽ∧
　　　　 ∨=ニニニニニ二/二二ニニニニニニニニニニﾆﾆ上′ﾆﾆ＼
　　 　 　 Vニニニニニ／:⌒"''＜ニニニニニニニニニニニニ乂ニニﾆ
　 　 　 　 {／ニニﾆﾆ/　 :　　　　 ｀ マニニニミニニニニニニニﾆ＼ﾆﾆ
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5835： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/25(木) 22:18:29 ID:yQ9ju7W20





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リンドヴルムのPAが復旧する重苦しい駆動音が聞こえたかと思うと、
二門のハイレーザーキャノンを構え、薙ぎ払うように掃射しはじめた。

かなり豪快な、だがマーシフルを巻き込まないよう正確に計算されていると
思われる撃ち方だ。現に、自分の装甲はかすり傷一つない。

天から降り注ぐ熱線が大気を帯電させ、海面を抉り飛ばし、
荒波と霧を発生させる。

ノーバディも自分を攻撃するどころではないらしく、回避行動に専念しているようだ。
時折、反撃のレーザーが上空に向けて放たれるものの、
リンドヴルムは回避行動すらとらず、圧倒的な出力のPAで相殺していく。
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5836： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/25(木) 22:33:45 ID:yQ9ju7W20

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立ち昇る霧と飛沫が煙幕のように周囲を覆っていく中、
上空から熱線の奔流を放ち続けるアルトリアの真意を朧気ながらも感じ取った。

大気がプラズマ化してレーダーも死んでいる。
今、ノーバディの視界からも意識からも、自分は姿を消している。

今なら、そのコックピットに致命の一撃を入れられる。

ブレードを下段に構える。
展開はしない。レーザーブレードを形成するのは斬りつける寸前だ。
ブレードが目印になって不意打ちが察知されては意味がない。
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5837： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/25(木) 22:47:41 ID:yQ9ju7W20


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　　 　 　 _l;;;;;;;;;,,,　　　　 　 ／　　 u. 　 .l　　　　　　死にぞこないの亡霊が！　引導くれてやるお！
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　　　　　　',.　　 /　i　　 ヽー‐ '　　　　/｀ヽ､
　　　　　　 ＼　乂人＿__ﾉ､　　　 ,. ＜
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三三三三三三三三三三三三三　'l、 ./三三、 .|　.|　　_..-ツﾞ ,／　 　 .,i'／　　　　 _,,　ｰ'''"゛ .,..-'"　　_..-'"　 _..-''
三三三三三三三三三三三三三三ﾞV゛三,,, iﾞ，,!　,! .'" .／／゛　 . /　/ 　　 .,..-‐"゛　　 _..-'"゛　._..-'"　 _..-'"
三三三三三三三三三三三三三三三三i|,ﾞ ヽ!　.!イ,rソ゛ ./ 　／!./ 　 _,,/!''"´　 _..-'"　　,..-'"゛　,..-'"　　 .,..-
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霧の向こう側、ノーバディのブースターが一際激しく火を噴いた瞬間、
オーバードブーストで一気に荒れ狂う海の中へと突っ込んだ。

絶え間なく降り注ぐリンドヴルムのハイレーザーキャノン、
その隙間を縫うようにして、前傾姿勢になりながら疾駆する。

彼我の距離が縮まるにつれ、鼓動が早鐘を打つ。

討ち損じれば、それだけ時間もかかる。
はやての方の戦況が手遅れになることに繋がるのだ。

この一撃で幕を引く他ない。
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5838： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/25(木) 22:51:38 ID:yQ9ju7W20

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　　ゞ . .＼　　　　　　ゞ､ 　､ 　　|i　　/.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/7:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/）
　 　｀..｀ヽ; ヽ　ヽⅥ､ヽ　　　　　　: / /　　／.=====1￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣[0f━━ｧ
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　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |

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そして、すれ違いざまに振り抜いたレーザーブレードが、
ノーバディの胴体へと食い込んだ。

コックピットを狙った逆袈裟の一閃は、すんでのところで形成された
プライマルアーマーによって僅かに逸らされ、敵機の肩口へと叩きつけられた。
装甲を溶解させ、内部機関を台無しにした手ごたえこそあったが、
とどめには至っていない。
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5839： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/25(木) 22:55:00 ID:yQ9ju7W20

　　　　　　　∠ へ＿＿＿＿＿
　　　　　 ／_|＿＿|＿＿＿＿＿
.　 　 　 // ﾉ　　　｀'‐-　　　|
　　 　 //（○） 　 （○ ） 　 .|
　　 　 | | 　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　　しくじったかお……！
　　 　 { {　　 （__人__）　u　 .|
　　　　ヽヽ　　 {＿_}　　　　 }　　　　　　けど、このまま白兵戦になったらリンドヴルムの攻撃に巻き込まれるお！
　　　　 ヽ ヽ―┬‐┬――┘
　　　　　／ヽ＿{＿_|＿＿＿　　　　　　 勢いを殺さずに離脱するお！
.　　　 　 /　　 /　/
　／　　/.　 　 |　|
　　　　{　　　　|　|

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頭から血の気が引いていくのが分かった。
だが、このまま斬り合うわけにもいかない。

さながら辻斬りのように、霧の煙幕の向こう側へと隠れるべく
オーバードブースターを最大出力を維持する。

このまま離脱して、後は射撃で削り切るしかない。
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5840： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/25(木) 23:02:13 ID:yQ9ju7W20



::ヽ、ヽ、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::1/　 l　　　　　　　　i　　l　　　　　　　　　 l　　　 ／
:::::::ヽ、 ヽ、:::::::::ヾ、,:::::::::::::::::::::::::/i::/　　l　　　　　　　　|　　 ﾞ;　　　　　　　　,;ﾞ　　 /
､::::::::::::'ヽ､｀ーz＿:::::｀ヾ､:::::::::::::_,..:/　　　l　　　　　　　. |　　　ヽ　　　　　　ノ_,._　 /ヽ
ﾐ:::::::::::::::::::｀‐-z〉　｀~^ﾞ'‐,.._-‐"´~へ.,_　　　　　　＿ 人__人__人__人__人__人__人__人__人__人
ゝ、::::iゝ､_,::i"´_,.-z､　　　　￣'7::>‐-､.ﾆ"'-,､　　　＜　大は小を兼ねるのか　　　 　 　 　 　＞
　ヽ::::ﾞ;, .l:＼ー-　ゞ_ヽ＿､_,..-‐'''ﾞ7　　　 ~"'''ヾ,､　＜　　　速さは質量に勝てないのか　 　 ＞
‐"´ゞ､:,､l,::::lヽ、 /〃　　 ,-､ 　／　 /＼　　　　 ｀'　　⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒
:::::::_,| ヽ　l::::i　｀ﾞ‐-..,,＿,/　l､ノ｀~"'''‐-─,.､　　　　l|　　　　 〉､　　　　　　　　　 l!　　　 　 ﾍ
''"´ l　 ヽ ﾐiﾚ　　 ,､＿__ ｰ ' ./　＼::::::::::::::::::｀ﾞ‐-.､,i|､＿,..-''"´ |!　　　　　　　　　　l､　　　　ﾍ
　　 ヽ　　マヽ　　l､＿,..ノｿ /　　　l:::::::::::::::::::::::::::::::::l l!　　　　　 |!　_　　　　　　　／}! 　 　 　ﾍ
　　　.ヽ　　　 ｀ヽ　 　 -‐ /　　　./:::::::::::::::::::::::::::::::::j,.i!　_.-､　　 ,←､ﾞ'‐-､　　　 ｀-､,i!
　　　　 ヽ、　　　 ヽ、　　ﾉ　　　/:::::::::::::::::::::::::::::::::::l｀~"::::::::ヽ、　l　ｼ_,.／　　　　　　i|
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;;;;;;;ヽ／　　_,..-‐"´＼､从　 ”l v}},　,' /:::､- ､_,..,‐',.‐'":l::|:::::::l_:ゝ=z_ゝ､{{ヾ-、;l　　　 l 　 　 _,...-＜ ..破　 　 な . ＞
ヽ､、;;;ー,.へ::::::::::::＼､’　_,.z=z,､ノゝ／:::::::::>,:::l-´::::::::l::l,-f~´　　 r=-z>ヽヾ,ヽ　　　 .l　.／≫'' ＜　す　　　こ　.＞
/　/｀フ-|Θ:ヽ::::::｀、从"´､ヽ、_,ヽ て　,.‐',-|:::l:::::::::::::,へl!　　　　l　ゝ´ >､ヽ_j!　　　　l/>　　　 ＜　れ　　　と　.＞
_,.f-'''"´ ‐-:、:::ヽ:::＼l{､ヽ､ヽ､ .7､ノ,.‐'"／:::l:::l::::::::::::,ﾍ-､１　　 　 ヽ｀ｰ'1;;; ｀'1,z＝＝z〉　　 　 ＜　ば　.　 は . ＞
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／::⌒ヽヽ:::::::::::ﾍ::::ヽ::::::::::::,.‐'",.‐'"::::::::::::::ト,|:::::::〃z'l､ヽ､二ヽ、　　　　/;;;;;;;|　　　　 l!　 　 　 .＜　ん　 　 い . ＞
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:ﾍ::::::::::::::::ﾍﾍ:::::::::::ﾍ:Θli／::::::::::::::::::::::::::::::_,..-──-＜.,_｀'ー-─''"´i_,.ﾍ;;;;;;|　　　　 l!　　　　　＜　分　　　さ　.＞
::::ﾍ::::::::::::::::ﾍﾍ:::::::::::l:::: |:::::::::::::::::::::::::,z≠´　　　　　　　　｀ヽz,.-──-､.ｲ;;;;|　　　　.l!　　 　 　 ＜　厚　　　を....＞
:::::::ﾍ:::::::::::::::ﾍﾍ:::::::::::l:: |:::::::::::::::::::／/　　　　　　　　　　 / ./　　.i　 i!　 .ヽ;;|　　　　i!　 　　　　.＜　い　　　一　＞
:､,::::_ﾍ::::::::::::::::l:ﾍ::::::::::l::|::::::::::::::::/､/　　　　　　　 ,z-─‐|　|　　　i　 l!　　 ヽ　　 　.l!　　　　　　＜　塊　 　 点　＞
ﾍﾍ:ﾚ:ﾍ:::::::::::::::l::||:::::::: |:l:::::::::::::/ ./　　　　 　 　 /　　　,f!　| 　 　 i　 l!　　　}　　　 l!　　　 　 　 ＜　で　　　に . ＞
::l!:::l:::::ﾍ::::::::::::::l::||:::::::::|!::::::::::::/ﾍl　　　　　　　　|　　　{ ,ﾍ ヽ　　　i　 i!　　 .l　　　.l!　　_,....z--‐＜　あ　　　　　 ＞
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5841： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/25(木) 23:02:23 ID:yQ9ju7W20

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　　　　　　　　　_,...　　" 　　 ￣￣　　　　　_...''';；`;:　-　 _　　 _, ..,,, _zシ-'"　　}!　 _.zz､　∂
　　　""'' """''　　　‐-　,,....　-　,､ -‐ ' ' "~　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'　'"　───ゥゥッハッハッハッハッ、

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――そう思った矢先、これまで聞いたことのないような轟音が鼓膜を
殴りつけてきた。

たまらず涙目になりながら、反射的にその出所へと視線を持っていかれる。

その先には、なんとブレード一つで、あの敵アームズフォートの両脚部を
一撃の下斬り落とすシュクヴァールの姿があった。

爆炎と粉塵に呑まれながら、エオドロマエウスがゆっくりと倒れてくる。

しかも、こちらの方に。
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5842： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/25(木) 23:15:02 ID:yQ9ju7W20

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│.　　　　　　|:./ |:.:|:.:.:.|:.:.:.:.:.〃 {:::l:::i　　　　　 {:::l:::i　Ⅸ:.:.:./}/|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　 　 │　　　　　は……？　何やってるのあの人……
│　　　　 　 .Ⅳ　! ﾄ:.:.:l:.:.',:.:.《　弋:ソ　　　　　弋:ソ　/:.:.:./:|/ |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　 　 │
│　　　　 　 　 　 ﾘ ',:.:.:.|:.:.ヽ:ヽヽー '　　　　　｀ ー ´/:.:./:.:|.　!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　 　 │　　　　　そ、それよりやる夫君、全力で退避！　
│　　　　　　　　　　 ヽ:.:|:.:.:.ゞ､　　　　 　 i　　　　　/:.;イ:.: !　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　 　 │
│　　　　　　　　　　　　 |:.:.:.:|ヽ　 u,　　t　-,　 　 ／/　!:.:.:il 　!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　 　 │　　　　　敵AFの下敷きになるよ！
│　　　　　　　 　 　 　 　!:.:.:.:! ,ヘ、　　　　　　　 .ｲ　ヽl:.:.:.l　｜:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　 　 │
│　　　　　　　　　　　 　 ﾏ:.:.:.',　 i| ヘ　　 　 .　　 |　　 |:.:/.　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　 　 │
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/,:　　　 | || u. （__人__）::;;;;;;;;}}.∩}　　,:'/,:　　　/'　　　　　　……はっ！？
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　/　　　＼ﾐ三三|￣|三三彡／ '　/　　　　　　　　　　　　　こ、こんなんで死ねるかお！
/　　/' ,'⌒ﾄ ＿_　兀 　＿ イ⌒'','/　　/'
/　,:'/, {　　i　:::::::::| |:::::::::::;;;;;i　;;;;;}｜/　,:'/,:
　　　　.|￣{::＿::;;;''| |'',,.皿;;;;;;|￣;;|"

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なのはの呆気にとられてからの一言により、呆けていた意識が
急速に冷静さを取り戻す。このままでは潰されてお陀仏だ。

あの巨躯に押し潰されそうものなら、いくら海面とはいえ無事では済まない。
超高層ビル群の倒壊に巻き込まれるようなものだ。

必死の思いでOBを吹かす最中、遥か上空、エオドロマエウスを
斬り伏せたシュクヴァールから、何やら物騒な光が見えた。
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5843： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/25(木) 23:17:12 ID:yQ9ju7W20

　　　　　　　　　　　　　　　　　 __ノ!､,,/〃:/‐-､
　　　　　　　　　　　　　　　/／´ '"´/　:::/,.　 ,.`ｰ'l_,,.
　　　　　　　　　　　　　　 r'､　　､ヽ:|､ .::j:〃,r''´::.　ﾉ|
　　　　　　　　　　　　　　 !　｀'r二ﾆ=＝=ﾆ二'､ｰ‐'´.l!
　　　　　　　　　　　　　　」､.ノi´l　＿/ヽ.＿_　｀ヾｰ-'l
　　　　　　　　　　　　　　| :/　,r''´　 ' 　' 　 ｀ヽ､　',::|!　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハッハッハァーーー！　ドラマチーック！
　　　　　　　　　　　　　　l :| /　 r,=＝＝＝=,､　ヽ !:|
　　　　　　　　　　　　　　'､l/ヽ　l´:::::::::::::::::::｀l　/,:l'V　　　　　　　　　　　　　　　　　　　エスセティーック！
　　　　　　 　 　 　 　 　 ／l,::l｀　ヾ´￣￣`ソ 〃::;ﾑヽ、
　　　　　 　 ＿　　　　　{ しﾆ:!　　 ｀￣￣´　　/'ｲ`-''ｿ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ファンタスティーック！
￣ヽ,-､_r‐'´::::::｀`ヽ､　　｀´lﾞ:lヽ､　　　⌒　　　 /::｀T´　　,,.‐''"⌒ヽ-､ ,.‐､_r''''ｰ-
､＿　＼:::::::,.-‐-､:::::::＼　 （ ヾ､ ｀ヽ、　　 ,.r''"／'ﾞ7　 ／:,.‐''"`ｰ''ヽ::´,-､r‐''ｰ'"　　　　　　ラーンディーング！！
　　ヽr､ r‐':.:.:.:.:.:.:.｀ヽ､/ヽ. ﾞ､　　｀`ヽ;ｰ‐r''"´　　 /／|／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:〉´:.Y:.:.:.:.:.:.:.:
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5844： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/25(木) 23:20:09 ID:yQ9ju7W20

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シュクヴァールが両腕部を交差させ、それに伴って大気が震えだす。
膨大な熱量で周囲の空気が帯電していた。
そして、両手を広げた瞬間、それらが一気に解放された。

内蔵型のマルチプルレーザーが流星群のような軌跡を描き、
槍の雨のように倒れゆくエオドロマエウスの巨躯へと突き立っていく。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5845： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/25(木) 23:25:15 ID:yQ9ju7W20

　　　　　　 ＿＿＿_
　　 ／::::::─三三─＼
　／:::::::: （ 　 ）三（　 ）＼
　|::::::::::::::::::::（__人__）:::: 　|
　|:::::::::::::::::::::: |ililililil|::::: 　|　　　　　「敵AFより高出力熱源反応！　内部機関を破壊したものと思われ――！」
　|:::::::::::::::::::::: |ililililil|::::: 　|
　|:::::::::::::::::::::: |ililililil|::::: 　|　　　　　――っ！
　|:::::::::::::::::::::: |ililililil|::::: 　|
　|:::::::::::::::::::::: |ililililil|::::: 　|
　|:::::::::::::::::::::: |ililililil|::::: 　|
　 ＼:::::::::　 　|r┬-| 　,／
　　ノ::::::::　　　`ー'´　　＼





　　　　　　　　 ┌─-, . ‐´￣￣　 ｀"'ｰ､
　　　　　　_-‐┐'"~´ 　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　 ｌ::..／　　　　　 _-　　　　　　　　　｀ﾞ ､
　　　　／`/　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　:ヽ
　　　丶:::/、　　　　/　　　 　 l　　　 　 l　　ヽ　　 :ヽ
　　　 /`/、ヽ /　 /　　　　　/　　　l.　 l　　　ヽ　　:::ヽ
　 　 <:::/　ヽ/　 /　　　　/ /　　　/ 　 ﾊ　l　　l　::l::l:::ｌ
　　　 ﾍlヽ／　　l　　　　/ /　　　/ | 　l. l　ｌ 　:::ｌ:::::l::l::l
　　 /::::l.:/　　　 l｀＞ト ､_/　　／　/ /　l　ﾊ　:::ｌ:::::l::lﾘ
　　 ヽ／　　　　 l　/r-ﾃｪ.､ﾐﾄ ､　/ /　/　l,＞''7:::/l/　　　　　　ヤルオっ――！
　 　 /　　　　/　l/　', {. {}　l　ヽ_ﾞン　 /,ｨ,.r-, /レ'、
　　/　　 　／l ./ﾄ, 　 ヽ.. ノ,.　　　　 　 ｲi;ﾘ '/::::::::ﾊ
　 //　 　/ヽ´/ .l 丶　｀￣　　　　　 　 ゝ'_ /ｌ:::::::::ｌ::l
　 l::ｌ　　/ 　l .lヾl::::::::ゝ　　 　　　　　 l　　 ,　ｌ::::::::ﾊ::l
　 ﾚl　 /　 　l l　| ヽ::ﾞｰ'´/　　　　_　　　ノ　 ｌ:::::::::ｌ ｌ:l
　　 l　ｌ　 　rヽl――｀:ｰ┐:ﾍ 　´　｀ ／　 　 ｌ::::::::/ ｌ:ｌ
　　丶l　 　 |:::::::::::::::::::::::::|丶､ヽ　イ--「:|　 /:::::::/　,ﾘ

5846： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/25(木) 23:27:54 ID:yQ9ju7W20
　　　　　　　　　　　　　　「ｌ￣!i|　　|!　i!　|
　　　　　　　　　　_ ＿＿i!|　　|!＿ L__!i__i|
　　　　　　　　　i!|　＿　　　　　＿ _＿|i|!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿i|￣|i＿ 　 |!´i!ﾞ｀|
　　　　　　　　　　￣￣｀ﾞ!|i　　i!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i!|￣￣　　　＿￣L__!i__i|
　　　　　　　　　　／｀ﾞ≫|i!　　!|＜´＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣｀ﾞi!|　　|i￣i!　　!|i!
　　　　　　　　　<　／　　|i!＿i|　　ヾ__≫　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　　　　　￣￣　　|i!　　i|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!　　　　　　　　　|i!　|　　　　　　　　　　　　　　　￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'　　　　　　　　　|::i　i!|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　iヽ　　　＿　＿ノ从ﾒ#ヾ'人ヾ:;:ー-　．..、
　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　ヽ　　__ﾉ;;;ヾ=二三　:;:;:　:;：;:;；・　　，｀ﾞヾ:;:;:;:;::;:;:ヾ
　　　　　　　　　　　　　　　｀丶　　　　　》:;:;;#ﾉ彡三二三 」──　二=≡≡＝ヾ:;:;:．，ゝ　──　─　i!二二二｀７
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼丶　ヾ，:;'ﾞ´'人i从'※'iﾐ彡∠ﾞ´　　　　　　　｀ヾ:;:;　；:;:レ'　　　　　　　 　/７∠／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ヾ人'ﾞ´;:'´川彡／ｒ-三ﾞ´　　　　　　　　　　　｀ﾞヾ;:;　;:／　　　　　　　〈_/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　>:;:　:;　:;:#i!彡／´ﾞ　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ：;川;;;;;;;;／'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　．:i!|'ﾞ´　　，イ'ﾞ´　　　:　　　　．;:　::.　　　　　　　　　i|!i《:;:;:／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i|#i/／／｀ﾞ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|《巛＜´　ﾞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　川//｀　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ!|i!i|ヾゝi!二二二｀７
　　　　　　　　　　─　=　二　　て:．》　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|i:;:#i!`i'|!i　/７∠／
　　　　　　　　　　　　　　　　　！iﾞ´i!|　　　　　　　　　　　　　　　　　＼'　　　　人ﾞ-─∠　ﾞ｀　　　　〈_/
　　　　　　　　　＼　　　　　　`i!ﾞ´　　　　　.，人-ｰﾉ:；i|!ヾ　　　　　　>ヾ'ﾞ´　::::::::::::;;;:#i|!　i|ヾ
　　　　　　　　　　　ヾ、　　　　　ゞ'ﾞ´　｀ﾞ　::;:;´　ヾ》::　::;:;ヾ　　　.ｒ'ﾞ´;;;;;;《'ミﾞ´i三二＝ヾ　ﾞヾ
　 　 　 　 　 　 　 　 ＼＼　　,:;'ﾞ´:;:;:.、`・／;;;;;;彡三三三ヾ　丶i|!#　i!iﾞ´　　　　　　　｀ﾞヾ:;　:;て
　　　　　　　 　 　 　 　 ＼ヾﾐミi!#ﾞ─＜#i!`|ﾞ´三二＝─-.，.、＼　;:;!ii　　.::'ﾞ｀　　　ﾞ::.、　i|!ﾐ　　／
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ヾ:;i!iﾞ´'ﾞ´:::;;;:》i|!iﾞ`　　　　　　　ヾ;:そi|:;：;．，　:　　　　　:　　　　ヾ:;．、て
　　　　　　　　 　 　 ─＝二て　人从#ヾ|＼/人从/　　／　＼ヾ　／/　#i∧ノ/《ヾノ！　　ノ/人从／

5847： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/25(木) 23:35:29 ID:yQ9ju7W20

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __　　__
　　　　　　　　　　　　　　　　　 __,.r'' _≧´--｀≦｀ヽ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾉ＞ ´　　　　　　　｀ ＜}
　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 ／　　　　　　　　 .、 ヽ
　　　　　　　　　　　 __..　-‐　　/　 /　 i　　　　i　　　ヽ　 ,
　 　 　 　 　 　 　 　 ￣ ７ 　 / 　 ,: 　 ﾊ.　　　 |　 ヽ　 ＼!
　　　　　　　　　　　　　/　　.,　　/ ,: 　i　',　　　i!　　 ＼.　＼
　　 　 　 　 　 　 　 　 ,　 　 i ,　/!.ﾊ.　|　 ',　 　 !､　 ､　 ',　　 ,
　　　　　　　　　　　　 i　,　 j/ /ｰi'- ', !　　ヽ　　{ ヽ　ヽ　',　　',
　　　　　　　　　　　　 ﾚ'　 / /r=芋ミヾ 　 　 ｀ィr弍=ｧヽ　:,　　i
　　　　　　　　　　 　 /　　' ∧ ﾞ　ゞソ ﾞ　　　"　ゞン " ハヾミｰ- ..＿　　　　　　　――まったく、どいつもこいつも無茶ばかりだ。
　　　　　 　 　 　 　 /　　　ハ._,　　　　　　,　　　　　　ﾑ/::::i　｀丁
　　　　　　　　　　 / ｨ　　 {ヽ:::ﾊ　　　　　　　　　　　 ハ:::::::!　.　',　　　　　　　　　
　　 　 　 　 　 　 〃　i :　 |　ヾ彡:.、　 　 - -　　 　.ｲ}}:::／ | .ﾄ､ ヽ
　　　　　　　　　/　　 | i　 | /::::::::::::＞　　　　　　＜::::::::::::}　!/　ヽ　、
　　　　　　　 __　　　　', !　| {:::::::::::::::ハ､＞.=.＜ _ハ::::::／　/　　　 ＼
　　　　　　 /::::ヽ::::｀:::::ヾﾄ､!ー--.=彡{::::::::::::::::::::::::::}ｰ-..__
　　　　 　 ,:::::::::::::',:::::::::::::::::::::::::::::::::ﾑﾊ::::::::::::::::::::::ノ',::::::::::::ﾞ:.ｰ- .._
　　　　 　.i::::::::::::::::,:::::::::::::;:::::::::::::::ﾑ'　 ＞ｰ==＜. 　 ﾏ､::::::::::::::::::::::｀:ｰ- .._
　　　　　 ,::::::::::::::::::',:::::::::::i::::::::::::ﾑ' ／　　　　　　ヽ. 　ﾏ､:::::::::/:::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　r''::､::::::::::::::::::',:::::::::|:::::::ノ=.く　　　　　　　　　＼ _}:::::::::i::::::／:::::::::::::::::i
　　 ／::::::::::ヽ::::::::::::::';::::::j:::／::::::::::::､　　　 ,　　　　　.ｲヽ:＼:::／:::::::::::::::::::::::|
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　　　　　　　　　　　　　　 |::::::!:::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::i:::::::::i　　　 　 }::::::::::::::::::i
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海上を炎の嵐が覆い尽くす。
そんな中、自分の機体は、アルトリアのリンドヴルムに覆い被さられていた。
要塞のような漆黒の装甲が視界一杯に映りこみ、目の前を覆っている。

リンドヴルムが咄嗟に海上へと降り立ち、マーシフルを庇うようにして
前に出た、らしい。

「周囲に敵影はなし……ノーバディも今ので消し炭になったか。
あっけないものだな、所詮は紛いものよ」

アルトリアが冷淡に言ってのける。
確かに、さっきの大爆発の後、レーダー内に敵機の信号はなかった。
リンドヴルムに庇われていなかったら、最悪自分もそうなっていたわけだが。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5848： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/25(木) 23:42:49 ID:yQ9ju7W20

　　　　　　　 　 _,.　-ｒ‐､
　　　 　 　 ,∠ ―　,ｒヽ)ﾉ　　 ‐　、
　　 　 　 / 7　‐-,. ( ）'ﾉ　　　　　　　 、
.　　　 　 i　; 　 ,‐!ノ'ノ　 ｀/　 　 ,. -
.　　　 　 '　:,_/〉-,ノ　　 ./　 　 /"　　　　ヽ
.　　　　　ｒ/_.'-‐' 　 ＼ .'　　　/　／　 　 !　､
　　 　 　 `! !.　　　 ､,.ヽ!　　_./／' ,. ｨ　 i　! }
　　　　　　', !　　　 /､ﾉ|　　 .た!ヽヽ/ ノ'　;.ﾉ
　　　　　　　、 、　,ﾍヽ.l 　 l l　　　´　,/,ｲ/　　　　　「あ、ありがとうございます……死ぬかと思ったお」
　　　　 　 　 V/＞/∧ l　　!l.　　 　 {.'　.l
.　　 　 　 　 _l'/////∧l　　l|　- 、 ,.ゝ　l　　　　　　　構わん。最初に言ったとおりだ。
　　　 　 ,ィﾆ二二ニ_＜,.――--＜!　　l.|
　　　　 /二二二二／::::::::::::::::::::::::::::＞､i|　　　　　　　私の目の届くところで、あなたを墜とさせる気はない、と。
　　　_,./＞''" -=／::::::::::::＿＿:::::::::::::::::/}
― /ﾆｉ.lニニﾆﾆ{::::::-:::￣::::::::::::::::ヽ:::::://　　　　　　　 ……動けるな。行くぞ。
::::::i=ﾆ!.!二二ﾆ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::; '
:::::l=ﾆｌ ｌ二二/:::::::::::::::::::::::::::::::;::::::::::;:〉　　　　　　　　　残りの三機を撃滅する。
::::lﾆﾆl ｌニﾆ〈::::::::;:ィ二ニ=_､,､::;:::::::jム
::::!ﾆﾆ!.ｌ-=二';:::://:::::::::::;::ﾆ//ヽ::::/ヽ!ﾑ
::::!/ ,イニ=-__ヽ/:::;ィ////////＼ニl.!ﾆ!
::::l'/ニニニニ＜/////////＞!/∧=!l=l
:::::ﾏﾆ二二ニニ!＞_､//／////＞,/｀マ
:::::::ﾏﾆ二二二ﾆﾑ＜///////＞'"////＼､

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
リンドヴルムに助け起こされつつ、恐怖で冷え切った脳味噌で考える。
これは、なんだかんだでかなり良い流れが来ているのかもしれない。

少し手こずったが、ノーバディを撃墜し、敵アームズフォートも沈黙させられた。
結果的に、この三機で敵ネクスト部隊と対峙することができる。

はやてのミセリコルデも加われば数的有利が覆る。

「……いけます。急いで戻るお」

爆発の衝撃で怯み切った自分に鞭打つ。
ここで油を売っている暇はない。一秒でも早く、はやてのところまで戻らねば。
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5849： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/25(木) 23:43:39 ID:yQ9ju7W20
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

5850： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/25(木) 23:49:29 ID:yQ9ju7W20

　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i　　　　　　今回はここまでだ。
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ　　　　　　 ４シリーズの僚機は有能だからねえ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i　　　　　　大抵自力で敵ネクストの一機や二機墜とせたり……
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |　　　　　　おっとフラジール君の悪口はそこまでだ。
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´





　　　　　　　　　　　 _ _ ___ __ _　 　＿＿
　　　　　　 　 　 　/ :::::::::::::::::: :i, 　 .ヽ::::::＼
　　　　　　　　　　 i:::::::::::::::::::::: i　 ／　＼ 　＼
　　　　 　　　　　　i :::::::○::::○i／ 　 　　￣￣
　　　　　　 　 　　/ :::::::::,,- -_ｯi　　　　i i i　　　　　　　　　さて、次回なんだが……ちょっとね、微妙だ。
　　　　　　　　　 /::::::::::｀ー‐'´ヽ 　 ＿＿i i i--i
　　　　 　 　 　 /|::::|::::::::::::::::::|:::|　 ￣￣￣|::::::::|　　　　　　冒頭で言ったが、日勤と夜勤が重なって一日帰れないってのが
　　　　　　　　/::::＼ヽ :::::::::::::i:::|　　　　　 ﾉ＿_ﾉ
　　　　 　 　 /::::::::::::＼＼::／|:::|　　　　　　　　　　　　　　　こっからちょこちょこあってね。
　　　 .　　　（_ _.)￣i __.＼＼ |:::|　　　 i i i
　　　　　　/::::::/|￣|ヽ:::::　し（ メ　　　 ﾉﾉﾉ　　　　　　　　　あと木曜日も予定が入りそうな気配がある。
　　 　 　 /::::::/ﾉ_ _ﾉ　>:::::） 　 　 ＼
　　　　／:::／　 　　/:::／　 　 　 　 ＼＿＿　　　　　　　　　ひとまずは未定とさせていただきたい。Twitterでも近況報告してくよ。
　　　/:::::/ 　 　 　 （＿つ　　 　 　　 /:::::::::/
　　　し'　　　　　　　　 　 　 　　 　 ノノ・ ./∴:・:　　　　　　　それじゃ、シーユーアゲイン。いつも待たせてすまないね。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　~~~~~~~

5851：安価のやる夫だお：2023/05/25(木) 23:53:07 ID:qNz43jyg0
乙でした

5852：安価のやる夫だお：2023/05/26(金) 00:11:56 ID:vwK4kYWQ0
乙

5853： ◆x0SRSoJXe.：2023/05/27(土) 20:55:56 ID:0dIIeXgc0
ハロー。お知らせだよ。

6月なんだがね……ほとんど家に帰れそうにない。

ちょこっとある休みも夜勤明けで病院に行かないといけない。

本当に申し訳ないのだが、しばらく未定となる……

また何かあったら、こことTwitterでお知らせするよ。

5854：安価のやる夫だお：2023/06/20(火) 08:58:46 ID:w7mWWZCs0
待ってるよー

5855： ◆x0SRSoJXe.：2023/06/22(木) 22:47:49 ID:76YtFChg0
お待たせして申し訳ない。

まだまだ休日出勤とか夜勤からの日勤とか滅茶苦茶やらされてるんだが、無理くり投下していこうと思う。

そうでもしないとエターだし、投下してないとモコイさん独居老人みたいな暮らしだからね……

ひとまず、次の予定は6/25?の21時からとする。その日は多分残業はそこまでしなくていい……筈なんだ。

ダメそうになったら、なるべく早めに書くよ……

5856： ◆x0SRSoJXe.：2023/06/25(日) 21:04:07 ID:u1S72qMw0
　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ 　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿　　　　　　　　ごめんよ、ちょっと飯食い終わってなくてね……ちょい待ちだ。
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

5857：安価のやる夫だお：2023/06/25(日) 21:06:49 ID:HeNBH50w0
ハロー
ゆっくり食べていいのよ

5858： ◆x0SRSoJXe.：2023/06/25(日) 21:24:22 ID:u1S72qMw0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|　　　　　　　　　すまないね。さくっと食えるかと思ったんだが、
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,　　　　　　　　　最近食が細くなったようだ……
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i　
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|　　　　　　　　　なんだかんだで体重は50ｋｇジャスト。
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,　　　　　　　　　ラーメンのスープ飲み干しは自殺行為。
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|　　　　　　　　　歳だね。
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´

5859： ◆x0SRSoJXe.：2023/06/25(日) 21:30:50 ID:u1S72qMw0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i　　　　　　　　　とりあえずモコイさんは元気だよ。
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ　　　　　　　　　 ぶっ倒れたり血吐いたりはしてないからね。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i　　　　　　　　　早いとこぶっ倒れて血吐いて楽になりたい気はするけどね……
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |　　　　　　　　　やってこっか。
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘　　　　　　　　　IGIO本社にカチコミをかけ、釣れた企業連の最高戦力と殴り合ってるとこだね。
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´

5860： ◆x0SRSoJXe.：2023/06/25(日) 21:59:16 ID:u1S72qMw0

　　　　　　　　　　　 　￣ﾞ''''''―-- ......,,,,_　｀'''ｰ ..,_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ﾞﾞ"'ー-ﾐﾆ- ..,,,_.　　　　 |ﾞ'､,,,,、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_／'''''''ｰ　..,,,_　 ｀'''ｰ-ﾆﾆ;;;; ﾐ,、　　.ヽ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 _.. -'".,.. ---　..,,,,,,,,,___,ﾞ^'''''―　..,l.｀ﾞ 　　　 .ﾐi
　　　　　　 　 　 　 　 　 ,,, -'''"　 . ／ 　　　　　　　　　￣￣￣ﾞ"(、　　　 ,ii;;;;;;ﾆ,,_
　　　　　　　　　　,,, -''″　 __.,,ii=ﾐ,、　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｌ.,　ｰ'"　　　｀ﾞ'''｀-＝=
　　　　　　 .,..-'"゛　　　　_/　　　　 ｀'ｰ-､　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀　　　　 　 　 　 　 　 , ｯ
　　　　.,／゛　　　　 ._,／　　　　　　　　　ﾞ―ｯ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾉ./
.... ､v'"　　　　　.,／'“'￢-　....． 　 　 　 　 iゝ　　　　　　 ._.,,．　　　　　　　,..．　　　 .ノ /
／゛　　　　 .,／"'''''''Ｚ冖'''"　　　　　　　　　|_,,.. --‐''',ﾞ＞″　　　　 _,, -' ／ 　　 .／,./ 　 ./l
　　　　　.／　　　　　 .'f,　　　　　　　　　,,,,l´　.,,-'''"　　　　 . _..-‐'ﾞ´,, -"　　　_ ''ン"　　　/.!
　　　　/ 　　　　　　　　ヽ　　　　　 　_ﾝ;;ﾑ-‐'゛　　　　　　／　 .／´　　　　.／,./ 　　　　 ! lﾞ
　　 ./ 　　　　　　._.. -'"´ ｀';;;;;;ﾆr｀-ﾞ‐'´　　　　　　　 . ／ 　.／　　　　 　/ ／　　　　　 / ,!
　 ./ 　 ._,,　ｰ''''"゛　_,,　‐''″　　　　　　　　　　　　 ／ 　　 ./ 　　　　 _./ ./ 　　　　　 ./ ./
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′　　　　 ,／　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／ 　　　 .／　　　　/ 　　/ 　　　　　　/ 　ｌ
　　　_,, ‐"　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　 ／　　　　 ,ﾉ゛　　/ 　　　　　 ./ 　 ,!
-‐'″　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　 ／　　　　 . / 　　 ./ 　　　　　 ./ 　 ./
　　　　　　.，　　　　 　 　 　 　 　 ／　　　　 . / 　　　　　/ 　　　　.!　　　　 ／ 　　./
　　　　　　,!.ｌ　 　 　 　 　 　 　 ／ 　　　　 . / 　　　　 .／　　　　　 ヽ .,..-'´　　 _／
　　　　 .、 |　ｌ　　　　　　　 ／ 　　　　　　./ 　　　　　lﾞ　　　　　　　　｀ｰ 、 . ／
　　　　 .|ヽ|　..ｌ　　　._.. ‐'´　　　　　　　　/　　　　　　l　　　　　　　　　　　｀'く、
.,,,,,_　_,,..! .ﾞ′　!ﾞﾞﾞ''''ヽ　　 　 　 　 　 ,.i.／　　　　　　　ｌ　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼
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　　　　　　　　 　 　 　 　 ヘ､,､　/　/　　　　　　 . ／ 　!　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀ｰ ..,,
　　　　　　　　　　　　　　　 " l./ 　/　　　　　 ／ 　　　.ｌ　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀ﾞ''ｰ､、
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 ←、　 .,／゛　　　　　 .ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞ'-,,,
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ'"　 　 　 　 　 ／|　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀ﾞ''ｰ ,,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀'''''コ!″　 ,./ 　 .!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀''

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ほとんど損傷のないリンドヴルムとシュクヴァールを連れ、
はやてと分断された座標までオーバードブーストでとんぼ返りした矢先、
海上ではSIのラストが放ったミサイルが群れを成していた。

打ち出された垂直ミサイルたちが白煙による尾を引き、
連動ミサイルポッドによって弾幕の厚みを増したそれが空を埋め尽くす。

高速で移動する標的を追いかけ、複雑な機動を描くそれらの先には、
逃げに徹する小柄なミセリコルデの機体があった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5861： ◆x0SRSoJXe.：2023/06/25(日) 22:05:19 ID:u1S72qMw0


　　　　　　　　　　　 　｜.l
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　　　　 　 　 　 　 　 　 |　'.
　　　　　 　 　 　 　 　 ｜　〉
　　　　　　　　　　 　 　 |　ハ
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　　　　　　 　 　 　 　 　 |/　　　/　　　 　''"´　　 ＼ Ｏ　Ｏ　　　｀`丶､
　　　　　　　　　　　　　 〈　 　 /＼／　　　　（.:０)_｣ ＼ Ｏ 　　 　 　 　 ＼
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　　　　　　　　　　　　　　　'.　l/　　　　　 ／ 　 　 　 　 　 '. 　　_ . 　 -‐=ﾆ二ﾆ=‐-ミ　　　 ／
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∨　　 =-‐　　　　￣＼　　　　|三ﾆ=-‐=＝=‐-ミ　　　 　 ヽ／
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |／　　　 　 　 　 　 　 ＼　 ／　 　 　 　 　 　 　 ＼ 　 　 /
　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　 　＿＿＿＿___ｏ/　　　　　　　　　　 　 　 丶　/
　　　　　　　　　　　　 　 　 {　　 　 　 ／: : : : : ﾆ二三/〃⌒ヽ　　　　　　 　 　 　 _∨　　　　　　　　　ミセリコルデ……
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／｀ヽ: : :／￣￣ｘ＜　ヽ 　 ＼_　 -‐=ﾆ二 ￣ //〉　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /{ 〔_}:}:ｊ／　　 ／／＼＼..＞≦ﾆ=ｰ　　　　 　 ///　/　／　　　　　　中々どうして、良い速度を出す。
　　　　　　　　　　 　_＿__　 　 ∨人_彡'　　　 く　 ＼／／　　　　　　　 -‐=ﾆ二l ﾚ　,' ／
　　　　　　　　　 ／　　　　｀ヽ　　ヾ'"　　　 ｘ:≦＼__,／ﾆ=-‐=ﾆ二二二二二二ゝ--, ﾞ　／／ }　　　　　旧型のパーツで構成されていると
　　　　　 　 　 , '=-‐ 　 ￣￣ ＼/　　　＜三=ｰ≠　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ⊂/　, '　 　 /
　　 　 　 　 ／　　　　　　 　 　 〈　 ∠三ﾆ=-≠　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／/　/ /　 ／　　　　　　聞いていたのだがな。
　　 .　 ‐＜　　　　　　　　　　-‐クﾆ=‐＜ﾆ≠＿＿　　　　　　　　　　　　　　／　/　/　{ ／
. ／　　　　 '.　　　　　ｘ＜ 　 ／ ⊂⊃／´i￣￣￣〉｀`ヽ o　　　　　　　 　 / 　 /　 j.彡
/　 　 　 　 ﾉ　　　／＿__彡　　　　／　　,Ｌ三三/　　 / /　　 　 　 　 　 / 　 /　／






　　　　　メノ　　　　　　 ／ヽ　　　｀ヽ､
　　　　　 /　 ｉ!./ 　 ｉ!／￣￣≧､ヽ　 ｉ!
　　　　　∥　j!′´　　　　　　　　ﾞｉ!　/
　　　　　ｉ!　ゞ　　 __＿＿＿___　ｰ≠ﾉ|
　　　　　 ⅶ ﾞ/´ 辷ヌ､ ､〈弋サヽ　!　i
　　　　　 j!　 ｉ　　　　　　! 〉　　　∨　!､
　　　　 __/ﾞｉヽﾞ　　　,,　´｀ __　　　 ﾘ´|ﾞ　　　　　　　　　　こちらスネーク。ラズルシェニェ、ブレードで足止めできんか。
　　　／　 rｉ　ゝ　ノr=≠＝､｀ヾ､,;/ /ｰ､
　　/　　 /ノーｉ彡ﾉ ￣＼＼＼ｉ!ｉ/ノー´　　　　　　　　　 もう既にかなりの時間が稼がれている。
　　｀ヽ_/　彡　ｉヾ彡　　　ー‐／/　!ヾ､
　　　　　/　ｉ!,　ｉ　ヾ´ﾞｉ!ｉ!ｉ!ｉ　´ ノ､,_j　　ｉ　　　　　　　　　　……さっきから、ウチのアームズフォート部隊とも連絡が途絶している。
　　　　./　　ﾉｉ!,､!,r――――-┤ﾞ　　　i＿__
　　斗/　　　 |三三三三三三三〉、　 ∧:::::::::ヽ　　　　　　　早めに墜とした方がいい。
´:::::::/　　　　 !､三三三三三三ﾞ/　ヽ　　＼:::::∧ヽ
:::::::::-f⌒＞― ´￣　　ﾞｉ三三ミ/　､ー- ､_ ∧:::::∧　≧ｰ､

5862： ◆x0SRSoJXe.：2023/06/25(日) 22:12:26 ID:u1S72qMw0



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　 　。s≦╋┼╋≧s。
　　　　　　　　　　　　　　 　／╋┼╋ ＞――― ≧ ､
　　　　　　　　　　　　　　 /╋┼╋ ／::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　 　 　 !┼╋┼ 'ー ≦s。::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　_＞╋┼ ╋ァ－､－≧s。:::::::::::::::::‘,
　　　　　　　　　　　　 ／x≦≧=ｧ ´ X´　 ＼＼ ｀ヽ≧ ､::::::::::!
　　　　　　　　　　　　｀´　／　ｧ'-　´x笊ﾐ　　≧＼　＼＼}:::::::;
　　　　　　　　　　　　　／　,xf笊)　　 ‘¨　>s。　　＼　＼',:／　　　　　　　　後ろでバカスカ撃って指示だけ出して……
　　　　　　　　 　　　／ 　 / 　 !､ 　 　 ／イ　＞ ､　 ∨　ヽ
　　　 　 　 　 　 ,＞‘,　　 '. 　 ∧ ｒ　､　 ／イ／!ヽ ヽ ',＼　＼　　　　　　　　 だったらあなたも前に出たらどうです？
　　　　　　,　　´　　　≧s。＼'　 ヽ -'　 。s≦ _」_ ＼} }　 ＼　＼
　　　　 ／　　　　　　　 _,ィ｀ヽ Ｙ 介≦ィ> ¨ﾏ;｀ヽ:::Yﾉｲ _　｀ヽ　　ヽ　　　　　　「バカを言うな、お嬢さん。巻き添えになったらたまらん。
　　　 /　　　　 -=＝≦´,(_二ﾉノ-//:／　　　ﾏ;　∨!―― ≧s。 　 ‘:,
　　 　≧s。 　 　 　 　 　 ￣　 ／!／　　　　　}:|　 {ﾉ　　　　　　 ｀ヽ　‘　　　　　こちとら光学兵器は苦手なんだ」
　　　　　 　 　 ≧s。　 　＿ r'ィ／{　　_　　　 .}:!＿,　　　　　　　,/　',　}
　　　　　　　　　　　　　＞:::::／イ::',イ　∧ ／ｧ:－-∨　　　　　 !(-_ﾉノ





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　 ／:i:i|　　　 　 　 __
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:i:i:ｉ:/　ﾞ　　　|:i:ｉ:i:^`/　〉:i:|:i:i:|r[｢　　　　 　 　 ／:i:i:i:i〕トrヘ`^ ＼
:ｉ:ｉ/⌒＼　 　＼i:ｉ:/　/:ｉ:ｉ:|:i:i:|r[L,r≠く⌒＾`'く:i:i:i:i:i:i:i〕爪_r'~`ー='
:i/__／⌒＼／　):｢⌒＼ :|:i:i:^`〈/⌒＼_、: :[! ヾ:i:i:ｉ(＿j｢｀ヽ_
《__　　　　　＼ｲノ_／⌒＼___rヘ/ : : : ]｢.:.:.[L_√:i:i:i:i「＼ : :[!
三]＼＿＿＿_)　《　　　　 ＼　/:. :. : : :.＼_／ﾆ｢三≫ｘｒﾍ_ﾉ　　 　ノＬ　　　　　　　　　チッ……まぁいいでしょう。
⌒^ﾏj[￣＼二＼ﾆ＼＿＿__ﾉ/: : : : : rｸｘく'^｣ﾆトミ三__「｢l　　　厂爪_ﾊ
　 _ﾉ｢￣￣￣￣￣`マ]二二＼__:. :.／”＼ー廴j＼＼__八jr‐=彡ヘ _／　　　　　　　　　私もいい加減イラついてきました。
]　|　＼＿＿＿＿r仁_〉:::::l!:＼ﾊ　ヽ　　　 ＼ーヘ::＼ノ^Ｙ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i＼
]　l 　 　 　 !　[l　| ]二[:::::/':::::::)'ヽノ　　　　　[ﾆ=ー‐z ::: {:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:＼　　　　　　　　その大袈裟なスラスター、引きちぎってあげましょう。
]　| ｢￣￣￣￣￣`マ_j:::《::::::::[:i:i:ｉ:}　　　　　　ﾏﾆ=ーz:::_j＼_厂＼:i:i:i:i｢＼:i＼
]　|　＼＿＿＿＿r仁_〉:: 》::::::[i:i:ｉﾘ　　 　 　 　 ﾏﾆ=ｰz〈ﾉrへ　　　＼_j 　 ＼ﾉ
]　l 　 　 　 !　[l　| ]二[__/:::::::: |:ｉ:′　　 　 　 　 厂]厂￣＼_/＼
]　| ｢￣￣￣￣￣`マﾆ＼_::::::::L{　　 　 　 　 ／⌒＼　　　 [　　 ＼
]　|　＼＿＿＿＿r仁厂)ﾆ!l:::: |_|ｉ,　 　 　 　 [γ⌒＼)≫--､＼_　　＼
]　l 　 　 　 !　[l　| ／　〈ﾆ八__ﾊ]ｉ:i， 　 　 　 /: : : : : :ヽ　 　 >,　(〕ﾄ､
／　　　　　l　l] ／　　 ／⌒└‐=彡　 　 　 .: : : : : : : : :)ｰ=ﾆｱ＼　　＼__＼
　　　　　　 | ／　　 ／　　　　{::::::ヾ＼　　　|: : : : : : : .:/ﾆニ/　　 ＼＿＿___〉
　　　　　　 l ＼__／　　　　 　 Ｖ〉Ｖ〉: ﾄ　　 |: : : : : : .:/トミ__j
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　　　　　　 | 　／　　　　　　　 ﾚ　 ﾚ'　 　＼＼:. :.:./: : : : :`Ｙﾊ
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5863： ◆x0SRSoJXe.：2023/06/25(日) 22:26:11 ID:u1S72qMw0

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　　ﾟ，　　 　 //:.:.: |:.:.:.:.:.:.: |〃んノ::::ﾘ　 　ﾏ:.:.:./:んﾉﾊ㍉/:.:.:. }/7
.　　 ﾟ。　 　 {/{:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.: 《　に:::::刈　　　ﾟ，/: に:::: } / }:.:.:.:i/}:}
　　　 ﾟ。　　 i/i:.:.:.:.ﾟ，:.:.:. : { 　 込zzｼ　　　 :i/　 込Zﾉ　:/:.:.:/:.:. i　　　　　　　　　（なんとかなっとる、けど……
　　　　 ＼　}/,|:.:.:.:.:.ﾟ，:.:.:.:.:i　　　　　　　　 / ヽ　 　 　 /:.／:.:. : |
　　　　　　/,//: :|:.:. : ﾟ。:.:.:.:ﾟ。　 u. 　 　 　 　 　 　 　 /,イ:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　　 逃げに徹してギリギリやねんな。
　　　　　 ///:.:.:.:!:.:.:.:.:.:ﾟ。:.:.:.ﾍ　　　　　（　　 ﾉ　　　 /∧|:.:.:.:.:.:.:.|
.　　　　 ///:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.: ＼＿_＼　　　 　 　 　 　 　 人 :!:.:.:.:.:.:. |　　　　　　　　　　どこまで持つか分からへん……っ！）
　　　　 {.//|:.:.: : |∨:.:.:.:.:. : |:　ヘ　　　　　　　　　...:.:.:.:./ |:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　 i// !:.:.:.:.:|: ∨:.:.:.:.:. |--　　＞　　 __　..:.:.:,:.:.: : /- !:.:.:.:.:.:./
　　　　/ {{　＼:.:.|-‐∨:.:.:.:.:|//Z7ｧｧｧｧｧ---}}_:./:.:.:／=‐:|:.:.:.:.:./
　　　　　　　{‐:ヽ!---∨:. : |／＿__二ﾆ=‐‐イ ヽ￣ 　 ‐=!:.:.:.:/
　　　　　　　i　　＼ﾆ=‐＼: !＿＿＿|　　　 |　　 ヽ {ﾆ=‐ |:.: /
　　　　　　　|　　　　　　　 ＼　　　 :|　　　 |　　 //i　 　.:|:./}





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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 （''゛ j! ..:;;:=＝-:、　 ﾞ''"ｨi {ヘ!,l
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 } jヽ＼　　　　　　　　j∨il!ｨ' ｛’　　　　　 へヾ;;イ
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /’　　　ﾏﾑ ヽ＼　　　r λ' ,j､l!　/ ､　　　　　., ,il{ ,ﾞ!j!;|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　ﾑ 　　　ﾏﾑ　ヽ＼　Λ　.ﾞハ！　;. ﾞ:、　　 　 j| 　 '/'}′
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 l　 ﾑ　　　 ﾏﾑ＜ ヽ＼　 しﾞ:、 i,'　 ﾞ:、 ,,., 　 ′彳ﾚ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 l ',　ﾑ r--,.。- ，｡, ..丶､v{　ﾋ!　　　i!||il.　　 , 八 Ｚ
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　　　　　　　　　　　　　　　　 | ﾑ r‐辷!ヵ＜ .＿　￣｀ζ｣'(´ ヽ　　j!　゛　,ィ彡′_.. -
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾉ-->ゝ冗ノ 寸I=.二 ﾆ ﾞて∠rιｸ_;.,､_,ｰ-'＾- =ﾆ_ト-‐=
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｨf{,sｮiI〔 `-'i／:::ヽ弌ｭ／.,　 ﾑーﾏﾆ='" ￣ ｀`〜､、ﾏ
　 　 　 　 　 　 　 　 -｡。i三-‐=ﾆ二　7i:::::／ｰ'J-x　⌒ ﾑ　 ﾏ　 Y´〃jI斗=x ヽ
　　　　　　　　　　　　　 j:::≧----‐=升x:/iIiIi{_ﾊﾑ `弌 ﾏ¨Y　ﾏ　 { r‐-､　　 ヽﾊ＜
　　　　　　　　　 ／i xノﾆ=＜　/ (　/´￣￣￣{　 ﾑ　　⌒', ﾏ　ゝ-!ィ:::::ﾑ　　　 ヽ!
　　　　　　 　 ／　　＞弌ニ=-ヾ! 〉'　(二コ　 ,’　　ﾑ　　　ﾏr‐‐i彡'ｧ'::/::ﾊ　　　 ﾉヽ
　　　　　　　　＼　　　　　＞''~ i　 ゝ，ﾉ＿＿/　　　 ﾑ　　　 `'''''" /::/j::T:r--イ',ﾊ　ヽ
　　 　 　 　 　 　 ヽ＞''~　　　　 l""Y￣ ヽ´／ﾌj　 　 /　　　　ﾏﾑ `' ﾉ::7:ﾉ ヽ iI{￣ ＼
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 l　 i　rTx/ /／／ｨi{ﾊ　　　　　ﾏ弋公'イ-x ヽﾏ!

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
回避行動に専念するミセリコルデに対し、決定打を入れ損ねている様子だったが、
とうとう一筋のレーザーがプライマルアーマーを貫いた。

白い装甲が焼かれて溶解し、肩口の辺りから黒煙が上がる。
コジマ粒子の障壁が散り散りになって消え去るのが遠目にも見えた。

クイックブースト後、EN切れを起こさぬために滑空していたのが隙となったのか。
ラズルシェニェが最小の動作で放った赤い熱線が、ミセリコルデに突き立っていた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5864： ◆x0SRSoJXe.：2023/06/25(日) 22:32:40 ID:u1S72qMw0

　　　　　　　　 .| |　|　　　　　.| .|　|　　　　　／　　 ',
　　　　　　　　　| |__|　　, -― | .|　|￣￣￣ヽ、 ,ﾍ　',
　　　　　　　　　.|　 ﾞ!／　　　　! ゞ､i￣ヽ--、 ＼　l　',
　　　　　　　　　 |,イ　　　　　　〉　 .!.!　　　　ヽ、＼i　',
　　　　　　　　／　　　　　　　／ト、.!.!ー―､　　ー､＼',
　　　　　　　/　　　　　　　　/　 ,!､〉.イ二二二ヽ　 ヽ .ヽ
　　　　　　 /／,.,.,,,　i 　 ＿ソヽ' /　|　　;;;;;;;;;;;　 ＼　ヽ, ヽ　　　　　　　　　フン、所詮は旧時代の遺物です。
　　　　 　 ,!　　""ﾞ　/￣_ノi　　i".　 !--、＿＿＿＿ヽ　i　ヽ
　　　　　/　　　　／/￣!.＞'"i .|　/￣ヽー――‐､／、 ヽ、 ∨　　　　　　　ラズルシェニェ、仕掛けます。
　 　 　 /　　 , イ　,ﾞ＞イ__,,イヽ| /　　/　C,,,, -‐ｲ　　 ヽ　 ヽ ∨
　　　 /　 ／,,＞イ.!／￣/　.ﾞ/"ヽ,＿/ﾞi'""　　　　　　　 |　　 ! ∨　　　　　　
　　　!＞イ"　　　　ヽ、　!､_/　　, イ　　!、　　　　　　　　|　　 |　∨
　　　　　　　 　 　 　　ヽ／ , イヽT|　　　 ヽ　　　　　　　 |　　|　 .∨　　　　　
　　　　　__, -ー――‐| , イ　〉 /| |.!、　　、　　　　　　　　|　　ヽ、
　　 ＞,"-ー‐ﾞ二二＞|　　　,!ｲ　| !､ ￣i　i　　　　_　　　　|　 ＿ ヽ
　　／　 ／￣,, イ"　 |　　 i" .|　 |　|　　|　!、　　　ﾞi　　　 ／ 　 ￣





　 ┌──────┐　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｌ､
　 │　ゝ─-..､─､ 　.||　　ｶﾞｺﾝ　　　　　　　　　 　 | ヽ､_　　 ／i
　　／　....::::::::::::ヽ .ヽ ||ー､　　 ＿_　,,,,,,,,､|l　 　　／イ　 ⌒ヽ'　/
　 ,'　　.::::::::::::::::::: ',　 .||　　',￣|◎ |ｰ､､　 ||'⌒ ､'　　(　/ 　/｀ヽ
　 i 　 :::::::::::::::::::::: ｉ　 .||　　ﾉ　.|＿_|(_ﾉﾉ/ |/　　/ヽ　 ｀　　 {_／i
　人　　'::::::::::::::. 人　 ||_,イ─,.| 　 | | / iゝoーく_ソ　　,ィヽ､_,／
　　 ＞ ､＿_ イ´　 　 || / /　└-┘´　ﾐヽィ''ー ヽヽ'´::::...,-､　　　　　　　　　　　　了解、援護する。
　　 ＼＿＿＿＿＿＿ヽ､! く_/'　〉　　　', ゝーく　|│:::::::ﾉ　 ヽ　_
　　　　　　　´ー‐〈二iﾆ､'つ､,|　/　　,{｀! ゝ､,,,⊥,,ﾉ[;} ::::（＿_,イ´　｀ヽ　　　　　　　　PAさえ剥がれれば、爆風でも削れるだろう。
　　　　　　　ｌ　 　 ヽ｀ニﾆイ/! 　 ,- ､ゝ'　 　 　 　 |´⌒´⊂⌒ﾝヽ　　 ',
　　　　　　　 ゝ､　　 ｀ゝー'i_ﾉ＼ｉ ◎ ｉ　　　　半　,!　　　,､_ﾗ‐く} / ｰ　}　　　　　　　
　　　　　　　 　 ／￣⌒ ￣ヽ ヽ､ゝ‐'､｀ー──彳　　　ゝ､ニイ'´ 　／
　 　 　 　 _／￣/　　　　　　 ｀＼_l ﾉ　)￣｀,ｲ　｀ヽ　 　　　　　｀￣´
　　　　　く　　 /　 　 ｯ─-く　　/i' ￣ ./￣/　｀ヽ _ゝ､
　　　　く　｀ヽ'　　 ／　　　 .｀i　! }　　/　 /　　　 / 　 ＼
　　　　　ヽイ⌒／　　　　 　│/`　　i　　} 　 　　{　　 　 ＼
　　　　　　　　/　　　　　　　/ﾉ＼__／￣〉　　　　',　　　　　ヽ
　　　　　　　.〈　　　　　　　/　　 　.￣￣　＼ 　　 ヽ　　 　　ﾉ

5865： ◆x0SRSoJXe.：2023/06/25(日) 22:36:10 ID:u1S72qMw0
うーん、申し訳ない……どうにも文章が出てこない……いつにもまして酷い……

久しぶりなのもあるが、仕事終わりだと厳しかったようだ。

時間もちょっとアレなので、非情に短いが今回はここまでとさせていただきたい。

次回なのだが……次の休みの日が休日出勤確定しててね……

代休も、まぁ、「忙しくない日があったら適当に休んで」と言われており……つまり、ないようなものだ。

遅くとも7/6の21時にはきちんと投下するよ。ちょこちょこ書き溜めもしていく。

シーユーアゲイン。

5866：安価のやる夫だお：2023/06/25(日) 22:37:19 ID:HeNBH50w0
乙でした

5867：安価のやる夫だお：2023/06/25(日) 22:51:46 ID:t7IR6oPU0
乙

5868： ◆x0SRSoJXe.：2023/07/05(水) 17:01:37 ID:93rpC4520
お待たせして申し訳ありません。
こちらの方での連絡がまだでした。

今後なのですが、今週、来週一杯は休みがなく、日勤夜勤が入り混じっており、今もマトモに家に帰れていません。

また投下できるタイミングが分かり次第、ここにも書きます。
すみません。

5869： ◆x0SRSoJXe.：2023/08/10(木) 21:12:21 ID:g76PpUtk0
テスト

5870： ◆x0SRSoJXe.：2023/08/10(木) 23:16:04 ID:g76PpUtk0
テスト

5871： ◆x0SRSoJXe.：2023/08/10(木) 23:27:00 ID:g76PpUtk0
ごめんね、投下しようとしていたんだけど、専ブラがトラブっててね……

また告知するね。

5872： ◆x0SRSoJXe.：2023/10/19(木) 21:04:29 ID:CwFEO.NI0


　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,,
　　　　　　　　　　　　　　 _　人　　　　　　￣|
　　　　　　　 　 　 　 　 人)ヾ;　从　　　　 ￣
　 　 　 .,,　　　　　　　_ノ　　_人　 (,＿
　　　￣|　　　　 　　_从　(⌒　　　　ﾞ /⌒
　　　￣　　 　　　_ ゝ　　　　　.　　　　火　　　　　　 ,,
　　　　　　　　　人　 　 .､　- ‐‐ -,　 .｀ﾍ/　　　　￣|
　　　　　　　_,ノ　　 　 ,´: : : : : : : : : 　 . （ 　＿　 ￣
　　　　　｀ﾍ(　　 从;: .ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ　　 ∨(　　　　　　　　　　　ハロー。
　　　　　　 _）　　　　,; }: : : : : : : _ _ _|　　　从
　　　　　⌒ヽ　　　.;:　.|: : : :-=´_　_,´.:;,　　 ﾉ_イ　　　　　　　　　　職場が燃え燃えモコイさんだよ。
　　　　　_人ﾉ,　　 ;: .y' : : : : :_: : : : :i . ;;　 　/
　　　　　　ヽ　　　;./ : : : : : : :┌─┐ .)　 　'ﾍ,　　　　　　　　　　　みんなお久しぶりだね。まだ見ている人がいるか、もはや分からないが。
　　　,火_)i_从　　 ;.i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ　　..火/(_
　　　._ﾉLノｌ　　　 ;.ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿　　 .ヾ.,_从
　_火｀　　　　　､　 ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ　　　　　　　 ゞ_人_
　 ,,'`"ﾞ"''`ー;､从_..と_ : : : : : : ノ : :ノ.从_;:,火,.;:ー'"ﾞ⌒
￣|　　　　　　　 　 　 ￣￣￣　￣

5873：安価のやる夫だお：2023/10/19(木) 21:05:37 ID:BcXWy.e20
ここにいるぜ！
ハロー

5874： ◆x0SRSoJXe.：2023/10/19(木) 21:08:26 ID:CwFEO.NI0

　　 ＿＿＿＿__
　　丶::::::::::::::::::::/　　　ｶﾀｶﾀｶﾀ
　　　|:::::::::○::○　　＿＿＿＿＿_　　　　　　　　　本当にごめんよ……仕事ばっかしててさ……
　　　|::::::::::ｰ=‐::i　｜　 |￣￣＼　＼
　　　.>::::::::::::::::く＿.|　　|　　　　|￣￣|　　　　　　　エターしようかとも思ったレベルなんだが……
　　 /:::::::＼＿:::::::::::|　　|　　　　|＿＿|
　　 |::::＼::::::::::::つ　|＿_|＿＿／　／　　　　　　　　やる夫スレ辞めたら、モコイさん、虚無っちゃうからさ……続けることにした……
　　　:::::::::￣|￣￣￣￣|　　〔￣￣〕





　　　　　　　　　_　_　_
　　　　　　　／: : : : : : ｀i
.　　　 　　　i: : : : : : : : : :!
　　　　　　　､: :○: : ○: :!　　　　　　　　いつかは若干見てくれている人たちがいたと思うんだが、
　　　　　　　 i: : : : : : : : : i
　　　　　　　 l: : :,, --_ｯ: :',　　　　　　　　彼らは元気だろうか。元気でいてくれると嬉しい。
　　　　　　　 丶 ｀‐'´: : : :ﾉ
　　 　 　 　 / ´: : : : : : : : ｀ヽ　　　　　　　今頃ペルソナのリメイクに心躍らせていたり、
　 . 　　　　/: : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　 , -‐': : ,: : : : : : : : : : : : : :ヽ　　　　　　アーマードコア６に沸いていたりするんだろうか。
　　／: : : ,-ｲ: : : : : : : : /｀丶: : : :､
　 ｒ⌒ ,／　/: : : : : : : : i　 　i: : : : i　　　　　　いつか、また見に来てくれるといいんだが……。
　 ` ‐ '　　/: : : : : : : : : |　　 ! : : : |
　　　　 　 i: : : : , _ -‐ ´,) 　 ｀ ヽ _|
　 　 　 　 (_ _i￣(_　-‐'´i
　　　　　　|　:|`‐´i : : : : |
　　　　 　 |: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
　　　　 　 |: : : : : |: : : : : !

5875： ◆x0SRSoJXe.：2023/10/19(木) 21:09:52 ID:CwFEO.NI0

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',　　　　　　　　　現状……割かし人権のない働き方をしている>>1だが、
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',　　　　　　　　 残業代や休日出勤代は払われる故、貧乏フリーターの時のような
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ　　　　　明日の飯にも困る、腕の骨を折ったら即アウト、みたいな生活苦はない。
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ　　　逆に貧乏フリーター時代は投下はできても生活苦で……って感じだったし。
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'　　　　悩んでるよ。寄生できる実家があればね……話は違ったんだが。
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ





　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i　　　　　　　　……こんなことを言うようじゃ、物書き失格なんだけどさ。
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ　　　　　　　　見てくれている人がいるのなら、感想とか……何か、言葉が欲しいな。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i　　　　　　　　それさえあれば、まだ折れずにはいられるだろうから……
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |　　　　　　　　　それじゃあ、再開していこうか。
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘　　　　　　　　　正直、仕事がしすぎて設定とか記憶がかなり飛んでしまっているが……
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」　　　　　　　　　　頑張るよ。モコイさんも、このお話を終らせてあげたいんだ。
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´　　　　　　　　　　　　　　　　あと、おすすめの専ブラあったら教えて……Jane styleが死んだの痛すぎ……

5876： ◆x0SRSoJXe.：2023/10/19(木) 21:15:49 ID:CwFEO.NI0

　　　　　　　　　　　　｡　　°　　，　　　∴　　　，　　　　｡
　　　　　　　　　　　. : : : : :｡ : : : : :' : : : : : : : : : : :｡ : : : : : . .　　　｡
　　　　　　　　　｡∴ : :｡ °｡＼ノ(⌒＼: : °: ｡: ，: : : : : :．: : . .　　　；　　　　　｡
　　　　　　　　　　∴　｡　つ⌒∵∴∴；ﾟ"⌒ヽノ(ノ∵: : : : : : : : :｡: : :｡　　ﾟ　　　
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: : : : : :‘〜つ ) J,__う　 ノ’　,， (　　　　　　　；　　 (: . .　　　し'⌒　　__／::::::::::::
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視界が狭まり、弾ける飛沫の音を鳴り響く鼓動がかき消す。
僅かな時間ではあるが、目の前の光景がスローモーションに見えた。

空中で体勢を崩し、高度を下げるミセリコルデ。
そこに錫杖のような武装を振り上げ、飛び掛かろうとするラズルシェニェ。

思考を巡らす暇もなく、追随してきてくれている僚機と共に高度を上げる。
EN残量がみるみる減っていくが、神経は乱れず、研ぎ澄まされていた。
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5877： ◆x0SRSoJXe.：2023/10/19(木) 21:16:01 ID:CwFEO.NI0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-ミ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ､
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　　　　　　　　　　 r─く＾ゝ､_,.ノ{∧',_,| .{　　　　　_廴ノ_ノ　　 ｀`'弌is｡.,_　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 _,､- ''"ﾟ~~~~ﾟ"'' ‐ ,_
─- ＿　　　　　l￣`ヽ､＼∧}ゝ'|∨￣|`l＼＿_／　 ＼_,+─-､　　　 ｀`'弌≧s｡.,　　　 　 　 　 (＼　　　_ ‐^. . : :　　　　　 /　〉 ｀'‐,_
　￣　‐-=ﾆ二ﾆ:|　/￣＼「l　}￣|/ |／ヽ〉ｰr＜ミs｡_＿{,ィ=ミ 〉ー----〈7〉 ｀`'弌≧s｡.,　　　　 ＼)　_- . :　　　　　 　 　 〈　/　　: . ＼
　　　　　　　　￣∨　　 /￣/二／〈／|＾ヽ/ｰrく　　|＞s｡.,＿〉￣7ー‐//)　　　　 ｀`'弌 ≧s｡.,_　　 .'ﾞ . :　　　　　　　　　　｀　　　 ／ )`､
　　　　　　　　　　 ＼　〈￣＼　 ∨{＿「」_∧_廴}￣〈[]　 ￣二ﾆ=-= 〈/)_　　　　　　　　｀`'弌　　≧s｡.,_　　　 　 　 　 　 　 　 　 (_／ : . ｡
　　　　　　　　＿　　 ￣ ＼＿〉／￣/´ ＞く＾＼_￣二ﾆ=-　..,,＿　　////刀ﾌ7ｧｰ-　..,,_　　　｀`'弌 　　 ＞＜廴＿.;;;;;;;::. : .　 　 　 　 : . ﾟ,
　　　　　　　　＼＞s｡.,_ /　　/　　　|／〈　　`､￣ヽ￣￣￣”“''￢…=ﾆ//////////////刀ﾌァ=-r-辷=---＜//{{〉　..':::::. : .　　　　　: : }
　　　　　　　　　　≧s｡.,_｀`'ｰ{／＾/∥　 〈　　 `､　　＼　　　　　　　　　　￣￣”“''￢=ﾆ二_//////〉r─-=ﾆ二￣≧s｡.,＿＿: :　　　　. : ‘
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.　　　 ／　　 Vﾊ／　 }　 / ＼ ヽ　　　　　　　　　　　 ﾏf｣ /.:／{::V´
.　 _／　　　　 ,ｲ弋／、　{　　 }　}　u　　　　　　　　　　V7〉'　　ﾞ ｰ一′
´ /　　　　　 弋. く ヽ. ＼!　　 {　{､　　　, -ｰ- ､_　　／ ,/　　　　　　　　　　　　　　　　敵機3、抜けてきたぞ！
　{　　　　　　　　　 ヽ ヽ. 丶、　ヽ. ＼　辷　＿___７　.イ/ 　 ＿＿＿
　　　　　　　　ﾄ､　__ _ヽ ヽ.　 丶、 ヽ. ＼　フﾞ´　／ﾞ{ {⌒`´　　　　　　｀ヽ　　　　　　　 オーバードブーストでそちらに接近中！
　　　　　　　　|　}_} }ﾑ　ヽ. ヽ　　 丶､ヽ. ＼._ ／ 　 | | 　　　　　　　　i　　ﾄ、
　　　　　　　 └;　〈 ﾚ′　〉　〉　　　　＞ｰ　}　　　 ｣ |　　　　　　　　,′　} ﾄ､　　　　　　僕の方では撃ち落とせそうにない！！
　　　　　　　 ／,ｲ_ ＼　／／　　　／　　{　/　　 ／/　　　　　　　 /　 　 | | }、
　　　 　　 _ィ／　 　 ／／　　　／　　 　 i/ 　 ／／　　　　　　　　　　　　ヽヽ　　　　　　チャージに時間がかかる！！
　　_　　　　　　　　/　ヘ ー くｲノ　　 　 /　／／　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼
／ _｀丶、　　　　 {　{　　　　〈´　 　 　 /／／　　　　　　　　 　 , -‐‐､　　 　 ,
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l　　　　　 ヽ ヽ　　ﾉ　}　　　　{　　　　{ ﾍ　 / /´￣￣￣￣｀７く　 　　｀ ー‐ ´

5878： ◆x0SRSoJXe.：2023/10/19(木) 21:16:11 ID:CwFEO.NI0

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　　　　　　　　　　　　　／　,xf笊)　　 ‘¨　>s。　　＼　＼',:／　　　　　　　――何をバカな。
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　　　 　 　 　 　 ,＞‘,　　 '. 　 ∧ ｒ　､　 ／イ／!ヽ ヽ ',＼　＼　　　　　　　エオドロマエウスとネームレスがいるではありませんか。
　　　　　　,　　´　　　≧s。＼'　 ヽ -'　 。s≦ _」_ ＼} }　 ＼　＼
　　　　 ／　　　　　　　 _,ィ｀ヽ Ｙ 介≦ィ> ¨ﾏ;｀ヽ:::Yﾉｲ _　｀ヽ　　ヽ　　　　
　　　 /　　　　 -=＝≦´,(_二ﾉノ-//:／　　　ﾏ;　∨!―― ≧s。 　 ‘:,
　　 　≧s。 　 　 　 　 　 ￣　 ／!／　　　　　}:|　 {ﾉ　　　　　　 ｀ヽ　‘
　　　　　 　 　 ≧s。　 　＿ r'ィ／{　　_　　　 .}:!＿,　　　　　　　,/　',　}
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　ｉ!ヾﾐミ´ .｀彡>__ｉ　　　　　　　　　ノﾉ「二　 ＼
　ｉ＼ヽ〉rt　 彡、,!　　　　　　　　彡ﾉ　　　＼　　　　＼ー―
　 　 　 i´ゝ-、＼　ミﾐ、　　　＜￣￣￣＞‐=二ヽ__　　￣
　 　 　 ー、ミﾐ、.＼　ミ_／　　　　　　　＼　　　＼　＼＿＿
　　　　　 ｀jT´冫,　 ￣/≡=_　　　　　　　 ＼＿＿iヽ
　　　　　　ゝ彡斗―┐　　　.｀ｉ　　　　　　　　　　￣∧
　　　　　　´￣　　 　 |　　　　 |　　　　　　　　　　　　∧　　　　　　　　目の前の獲物に集中しすぎだ、お嬢さん！！
　　　　　　　　 　 |￣||￣￣￣|　　　　　　　　　　　　ｉ　ｉ
　　　　　　　　 　 |三|∨二＿/　　　　　　　　　　　　|　 ｉ　　　　　　　　横合いから来るぞ、構えろ！！
　　　　　　　　　　ｉ　 | .∨　 /　　　　 _＿斗=≡二三￣ ｉ
　　　　　　　　　　!--|＞∨/　　 .／￣￣∨　　∧　　　　ｉ
　　　　　　　　　　|　ｉ´　　｀＞,／　　　　　 ∨　　∧　　　 ｉ
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5879： ◆x0SRSoJXe.：2023/10/19(木) 21:17:58 ID:CwFEO.NI0

　　 　 　 　 {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨/ ∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼　｜、
　　　 　 x=ミ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨　八:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼ﾄiﾊ
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　 　 / 　/　　　　ｌ|　 /　 Y{　 ＼: : : :＼}:::}　{　/　 /^ヽ、:.:.＼　　　　　　　　そぉら愛しのハニーの一大事だ！
　　　　　{　　　 　|l　 ! 　 　 ,ｨ 　 ＼: / /:≧=-仏斗　　 ＼:.:.:.:＼
_　　　　　　 　 　 || 　､　　∧(　　　 ＼／⌒7: : ／､　　　　＼:.:.:.:.　　　　　　 このオレに根性見せてみろ、ハルオォ！
∧　　　　　 　 　八 　 ヽ　ﾄ､　＝=　_、　　/ア////〉 　 　 　 ヽ:.:.!
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　 　 　 　　　　　　　　　i　 l: : :_;└ ､｣ 　 　,:┘;.-'-､: : : /　!　　　　　　　　　　　やる夫ですお！
　 　 　 　 　 　 　 　　　l 　 l: [i　 　＼-､, ､_ゝ／　ヽl}: : l 　 !
　 　 　 　 　 　 　 　 　　ト､ l; i}´　（●） 　　（●） ｛j: :/ ／!　　　　　　　　　　　 このまま斬りかかるんで、合わせてください！
　 　 　 　 　 　 　 　_, - i'´lヽl: [ｌ、　　（__人__） 　 /j: //＿｣_＿＿__
　 　 　 　 　 　,. :':´: : ￣ﾌｰｽﾍ:ヽ>､ 　|r┬-|、　,ｨノ:.//´＼: : : : : : : ¨ヽ　　　　　「あいよ！」
　 　　　　　　/-――-イ＿/: :i＼:ヽﾍ_,.ゝｰく∠／:./:.ﾍ.＿_｣-‐ '´￣¨ヽ:l、
　 　 　 　　／ 　　　/个 　 ￣l 　＼: : : :＿_: : : ／ lー┘ 个＼ 　 　 　 ＼､
　 　 　 　 厶=x､.　 i　 |　 　　弋　　ヽ======イ　 /　　　｜　 i　 　 z=＝ ﾇ
　 　 　　／　 　 ヾx|　 l　 　 　　丶、 |: : :|} 　 /_ノ　 　 　 l 　 /　／´　 　 　＼
　　　／＝=z､ 　 　 l　 |　 　 　 　 三t!:_:_ｌ三ﾁ´　 　　　　l　 /! /　 　,r '二二¨」、
　 ／　 　 　 　ヽ　 ｣l, 　!　　 　　　　´|: : :!´ ｷ　　　　　　l　 /ゝ　 　/ '´ 　 　 　 ヽ
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5880： ◆x0SRSoJXe.：2023/10/19(木) 21:18:10 ID:CwFEO.NI0


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　へ　　 　 〈:.:r'{:.: .＿＿　　　　　　　|　 ||　 |　 |
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ﾄ　,/ーﾍｲ}　　_}.:.／　.イ.＼::::::::::::::::::::::: /Λ||＼|　 '＼　　 　 -――　、
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨ヽr{..{...｀ヽ／ァ/ｒ≦ヽr≦￣-.＿＿／⌒ヽ|/ /＿　〈::::::::_,>‐く　＼
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ﾆ―＿＿＿＿＿＿::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＿＞――へ,＿　｀＞／ニニﾆ／/　_,.ノく └＜´ノ　 　 ＼{　 r　＼j
ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニﾆ/｀''＜ﾆ／ニニニニイ Τ＼　 ＼/　|｢　　　　　乂 し (ﾍ＼
ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ、　 ＜ニニニニニﾆ}　乂,_,)　　　 ∥　 ／＼└‐^)〉 )｣　)/
ﾆ／￣￣￣´´´´´´~~~~"""""''''''''冖冖＝＝ニニニ＞､ /:｀`＜/''＜ニく ／＼＼　　∥:><::＼::::::>
　　　　　　　　　　　　　斗.:<:.:.:.:.:.:}＼イ_j{__ﾊ_V　　　..{ ／:::::::::// 　 ／￣＼::::::::＼＼_|:/⌒/::::(＾＼
　　　　　 斗‐､ 　 イ.:.:.:.:.:ノ／｀ヽ/.:./O:<:.:.:.:./≧ｭ、..く::::::::::::://　／_:::::／:::::＼:::::::/<　＼ノ:::::::| ＼ ＼
　　 イ.:.:イﾆ／ｲ.:.へｰイ／...........{ヽ{七......￣_ト､ニ=- /｀`ーく___〈:::::::::｀|::::::::::::::::::::/＿,＼　＼_,ﾉ＼ 〉　 〉
　 {:.／.:.:.:>.:.:イニニニ,...............／.:{......./.......{:.:.:.:.ヽニ=｀^''＜＿／::::::::::::|:::::::::::::::::/:＼_:::::::＼＿{　　＼ ／＼
　　{:.:.＜⌒ヽニニニ,.........／⌒.:.:ノ￣...／...{:.:.:.:.:.:.ヾｰ'＾ｰ＼／::::::::::::::::::|::::::::::::::/＼:::几￣7 ￣} 　 /＼:::::／
　　/.:.:.:.:.:.:./ニﾆ=-/.........j.:.:.:.:／　　 {_アー{:.:.:.:.:/.:.:ヽ＼.／::::::::::::::::::::::::|::::::::／{　 ／} }　 {　／＼ {　　Υ::Λ
　　｀ーr'⌒:.:.:.:.:.:./⌒ヽイ:.イ　　 　 　 ⌒Ｙ,ﾊ:.:.:.:ヽ.:.:.:..／:::::::::::::::::::::::::::::j>''Λ:::::Υ:::/ /　圦＼:::／＼_ノ l::|　|
　　　　 ー―‐　/.:.:＞　´　　　 　 　 　 　 Ⅶiゝ-､:..／::::::::::::::::::::::::::::::／　 乂::::::::::ノ,/　__」| （ ￣＼＿__/Λ |
　　　　　　　 　 ｰ　　　　　　　　　　　　　　ヽ.ニ.／:::::::::::::::::::::::::::::::／　 　 　 ￣⌒　 　{:::八　＼ 　:::::::::::::::::V
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |　　{¨¨¨´{
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叫ぶや否や、オーバードブースターを停止させ、慣性で空中に放られる。
歯を食い縛ってから、僅かな息継ぎを挟み、
ジェネレーターに鞭打つ形で連続QBを行使した。

メインとサイドのブースターを変則的に噴射させ、機体が直角に振られる。
視界が急速で二転三転し、稲妻のような軌跡を描きながら、
二機のブレードがラズルシェニェを捉えた。

咄嗟にブーストターンで振り返った黒いネクストは、
襲い来る二刀をキャノンのブレード部分で受け止めてみせる。

火花が散り、猟犬のようなヘッドパーツが照らされる。
鍔迫り合いとなり、互いにメインブースターを唸らせて刃を押し込もうとするが、
その拮抗はマーシフルとシュクヴァールによって制された。

押し負けて体制を崩したラズルシェニェに対し、脳天目掛けて兜割りを見舞う。
プライマルアーマーを成していた粒子が舞い散り、勢いこそ削がれたものの、
二振りのブレードがマットブラックの装甲を引き裂いた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5881： ◆x0SRSoJXe.：2023/10/19(木) 21:21:22 ID:CwFEO.NI0

　 ┌──────┐　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｌ､
　 │　ゝ─-..､─､ 　.||　　　　　　　　　　　　　　 　 | ヽ､_　　 ／i
　　／　....::::::::::::ヽ .ヽ ||ー､　　 ＿_　,,,,,,,,､|l　 　　／イ　 ⌒ヽ'　/
　 ,'　　.::::::::::::::::::: ',　 .||　　',￣|◎ |ｰ､､　 ||'⌒ ､'　　(　/ 　/｀ヽ
　 i 　 :::::::::::::::::::::: ｉ　 .||　　ﾉ　.|＿_|(_ﾉﾉ/ |/　　/ヽ　 ｀　　 {_／i
　人　　'::::::::::::::. 人　 ||_,イ─,.| 　 | | / iゝoーく_ソ　　,ィヽ､_,／
　　 ＞ ､＿_ イ´　 　 || / /　└-┘´　ﾐヽィ''ー ヽヽ'´::::...,-､
　　 ＼＿＿＿＿＿＿ヽ､! く_/'　〉　　　', ゝーく　|│:::::::ﾉ　 ヽ　_　　　　　　　　……援護する、持ちこたえろ！
　　　　　　　´ー‐〈二iﾆ､'つ､,|　/　　,{｀! ゝ､,,,⊥,,ﾉ[;} ::::（＿_,イ´　｀ヽ
　　　　　　　ｌ　 　 ヽ｀ニﾆイ/! 　 ,- ､ゝ'　 　 　 　 |´⌒´⊂⌒ﾝヽ　　 ',
　　　　　　　 ゝ､　　 ｀ゝー'i_ﾉ＼ｉ ◎ ｉ　　　　半　,!　　　,､_ﾗ‐く} / ｰ　}
　　　　　　　 　 ／￣⌒ ￣ヽ ヽ､ゝ‐'､｀ー──彳　　　ゝ､ニイ'´ 　／
　 　 　 　 _／￣/　　　　　　 ｀＼_l ﾉ　)￣｀,ｲ　｀ヽ　 　　　　　｀￣´
　　　　　く　　 /　 　 ｯ─-く　　/i' ￣ ./￣/　｀ヽ _ゝ､
　　　　く　｀ヽ'　　 ／　　　 .｀i　! }　　/　 /　　　 / 　 ＼
　　　　　ヽイ⌒／　　　　 　│/`　　i　　} 　 　　{　　 　 ＼
　　　　　　　　/　　　　　　　/ﾉ＼__／￣〉　　　　',　　　　　ヽ
　　　　　　　.〈　　　　　　　/　　 　.￣￣　＼ 　　 ヽ　　 　　ﾉ






　| 　.:　　　　│ﾊ　　　　　　　　　　　 .::':,　　　　 ,: : :　│
ゞ| 　 :　 　 　 |::::[ ＿_　　　　　　　　　　/　　 　 / :.:　　|
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　l　　 :　 　 　|:::::::::┐＿　　　　＿___　　　　／: : : : 　　|　　　　　　させると思うか？
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　　　 _／: : : : : : : ィ: r ７ニ===≪∧＿＿＿＿/ニﾆ, ニニニﾆｒ≦:.: ∧　 　 　 　 　 　　　v∧ニニニ ＼ニニ＼ニニニ
　　 イ: : : : : : : : :ィニ ./ニ/ニニハ=|ニニニニ|ニ=, ニニﾆ／.l|: |/∧:∧ 　　　　　 　 　 　 v∧ニニニニ＼ニニ＼ニニ
.／: : ゝ-=≦:／ニニニニ.!ニニニ=　ニニニニ|ニ=|ニニニニ.l|: l//∧:∧.　　　　　　　　　　v∧ニニニニﾆ＼ニニ＼ニ
: : : : : : : : ／ ニニニニニ|ニニニ=}ﾊニニニﾆ.|ニ=|ニニニニ.l|: |////:,:∧.　　　　　　　　　　v∧ニニニニニ ＼ニニ＼
: : : : :　r仁二ニニニニ イ ニニニ |　'/ニニ==|ニ=|ニニニニ:l|: {////∧∧　　　　 　 　 　 　 v∧ニニニニニニ＼ニニ
: : :.:／ |ニニニニニ／　.|ニニニﾆ.|.　'/ニニﾆ.|ニ=|ﾆr　イニ ∧:V////∧∧.　　　　　　　　 　 v∧ニニニニニニﾆ.＼ニ
.:／　　.|ニニニニ /　　...|ニニニﾆ.|.　 '/ニニ=|ニ=|=.l/≫-==ヽ　V'///,.∧∧.　　　　　　　　 　 ｖ∧ニニニニニニニﾆ＼

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即座にラストがバズーカの銃口をこちらに向けるが、
舞い降りてきた漆黒の巨体が立ち塞がる。

強烈な出力で形成されたプライマルアーマーが大気を歪め、海面を抉る。

リンドヴルムを巨大な壁としつつ、冷え切った声がSIのトップリンクスに向けられる。
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5882： ◆x0SRSoJXe.：2023/10/19(木) 21:22:01 ID:CwFEO.NI0

　 　 　 　 　 ミ／　　/　　　　 　 /　　　　 　ｲ　　　　　　　 ＼
ヽ　　　　ヽ 　 　 　 /　　　 　 , '/　　　　／　}　　　 　 　 　 　 ヽ
　 ＼　＼ 　　　 　/　　　　／ /　 　 ,／　　/　　,i |　　 　 　 　 ‘，
　　　＼／　　　 .,' 　 　 ／ヽ/　　 ／　 　 　 　 八{ 　 　 }　　 　 ‘，
　　　／　　　 　 i|　 |,／ 　 /　 ／　　　　,'　 //　 | 　 　 }　　　　　:.
ヾ ／　　　 　 　 l|　 l＿＿/ ,／　＼ 　　// //　　.!　 　 ,′　}
／　　 /　　　　　|　 |]i{㌘{, 仗ﾐｘ,　 ＼,// //　 　 |　　　 　 　 　 }　 i
.　 　 /　 　 　 .l ｉl　 抖 ")::::::::ヽ℡,　 // //　　　 .|　　/:.　 　 　 i|ハ}
　 　/　　　 　　|八　|　r'::::じ::::j}　ヾ　　}//　　　　 |　 / i}　 　 　 l|　 l
.　 /　　　　　 i l＼ヽ{｀'夊辷少' 　 ゛ 　 /　　 　 ,.斗 /=/　　　　　}　 l　　　　　　　　SIのスネーク。企業連の黄金時代を作った男よ。
.　,'　　　　　　ｌ |:::::＼＼　　　¨`　　　　 　 　 ／ｬﾐｘ'　/　　 　 　 ,' 　′
ヽ{　　　　｜　l |:::::::::::> ________　 　 　 　 　 / '爪!`ヾk,　/　　　 /　/　　　　　　　　　 ……私情にて、貴様を屠る。
''八　　　　|八ｌ |:::::／ /::::::::::::/　　　　　 　 { r'J:i}　 }ｉ{ ///　　/
　　ヽ{　　 l:::: 乂:::(＿」::::::::: /　　　　　　 　 〉夊ﾝ　 "八乂从ｲ　　　　　　　　　　　　　我が知己の道、その礎となるがいい。
　 　 i|　　 |:::::::: : : : : : r一 ′　　　　　　　　 ｀¨´ハ　　 　 　 |
＿＿l|　　 |:::::::: : : : : : { 　 　 　 ＾¨¨　ヽ　　　　 /　}　　}　　　|
￣￣l|　　 !￣￣￣¨¨ヽ＼　　　　　　　　　 　 ｡°｜ 　}　　　|
: : : :八　　|: : : : : : :: :: ::|: : ヽ　　　 　 　 　 ／　 　 |　 八　　 |
: : :: :: ::＼ |: : : : : : :: :: ::ト..,,_::＼　　　 。＜rｫ　　　 | ./　 ヽ　 |
:７７＾ヽ¨ 丶￣¨≫:: :: :::|: : : :”¨::‐-イ二二| |　　　 j/ 　　　＼{ 　 　 /¨￣￣￣
::{;;{:::::::::＼: : : : :: :: ::≫x!,,_:: : : : : : : :::::::::::::| |　　　/　 　 　 　 　 　 /: : : : : : : : :
::|;;|:::::::::::::::＼: : : : : : :／／ヽ : : : : : ::::::::::: | |　　　/¨￣￣￣￣￣/: : : : : : : : : :
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:::};;} :::::::::::::::::::: }／／: : : : : :: :: ::ヽ/: : : : : : : : : /: : : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : : :
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　　　　　 /.ﾞ/／　:/　' 　 :/　　　／:/７　　 　 :／＼　/...／　 　 　 /　　　　:/　|　　　|　 　 . .|. . ..
　　　 　 〈 /　　 :/　　　 /　　／. .:/ , 　 　__∠　 　 ＼ '　　　　　 /　　　　:/　　　　　|　　 　 |. ..
　　 　 ／/　　　　　 　 /　 ,. : : :.:/ /.:ｨ''"　ィ示ミ≧s､ ＼　　　　 '　　　/ /　/　　 | : |　/　_　　 `´　　 ´　　　　　　そこの金ピカも同じだ。
　　 , 　 /　　　　　 　 ,: 　:/. . . ./ / :八　 ん::::::' 刈　 ＼ ー 　 / 　 　 ' /__/　　 斗r七さ/　'　　 '　 . . . . . . .i
　 :/　　 　　　　 　 :/ ｉ　:/.:--ｉ:,　　　　　 f:::::┃::::: }　　　 　 　 '　　／‐=≠ ｨ示ミ ㍉/ :ｲ.::/　　/. | . . . . . . . |　　　　来るがいい。
　/　　　　　 　 　 :/ 八　:/ヽ.:|　　　　　　乂:::::::::ソ　　　　　／　／ /　⌒7:::::::::::::ﾊ　 ＼.:/　　/. . |/ . . . . . . |
:/　　　　　 　 　 :/　　 ∨　ハ 　 　 　 　 　 ｀¨¨´　　 　 　⌒¨´　 / 　 　 {::::::┃:::::}　 　 》　 , . . ../. . . . . . . ..|
　　 　 　 ／ 　 :/　　　.　:{ {　:}　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .:{.. 　　　ゝ:::::::::`ｧ　　／ ／. . . . . '. . . . . . .
　 　 　 , |　　　'　 　 　 　 ',　 (　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ':. 　　　　 ｀¨¨´　_彡イハ . . ／.../ . . . .
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／｀￣´｀｀ヽ ／ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ゝ/　　　　　 (´｀ヽ '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｉヽ/￣￣｀ヽ　｀ー'ヽ_,イ´｀ヽ､
　　　　　　　　　 　 　 　 ＼　　,イ｀〉ｉ　　Ο　　〉　 ＼丿 ヽ　　　',
　　　　　　　　　　　　　　　 ＼l　　 ｀i⌒ヽ､　 λ＿　　,|.　∧　 （｀,　　　　　　　　　……自分の部隊を置いてきて正解だったな。俺以外生き残れなかっただろう。
　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽo'⌒/::::::::::::ヽ　　　｀ヽ/　　│（_） （,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　'イ´::::::::::::::::::i　⌒_／　　　/　　 　 ',　　　　　　　　こちらスネーク、援護を頼む。相性もあるからな。
　　 ,､　 ＿＿＿＿＿ _,イ￣￣,'´⌒ヽ ＞､::::/ー'´　./ 　 .／　　　 ／
　i'￣iﾆ|'"　　ー─／　　　　　 '､＿ソ´　 ＿＿＿／　　( ＿ ＞'´::::＼　　　　　　　　単騎では長くは持たせられん。
　ゝ‐'､ｲ__⊂ﾆ｀ヽ_ｉ　　　　 ＿　　 ＞　__(＿＿＿__〉二ﾆミソ./ |::::::::／
　｀￣￣ー,イ⌒´∧　　　 ヽ ＞'´ｰ／ ,ゝ．'ノ──､ 　＼ ,イ 　ー'´
　　　　　　⌒ゝ'￣ ｀ー──'´ 　 （__,ｲ_／Θ　　　　ヽ 　 ｀>
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　　／　　,／´｀ヽ 　 ∧ 〈
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　　/　　 /　　　 　',　.　　', ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　〈　 　/　　　 　　|　 　 │　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ヽ ｀ｰ´_イ⌒ヽ_　│　 　 |　/
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　　∨:::::::〈　○　）`|＿＿_レ'
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 i　　　 ｀ｰ-､_::::::::::/ 　 /　　|





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､::: : : : : : : : :　　　　　　　　　　/三ミヽ
､｀ヽ､: : : : : :　　 　 　 　 　 　 ,'::::三三
､ヽ:::::ヽ: : : : :　　　　 　 　 　 ,':三三三
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ﾉ―-i::::::::i: : :　　　　　　 　 ,'::::三三三
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: : : : ::ﾄ､＼ヽ､ｉ　ij　.ii　　)' ＼::三三三
: : : : ::|ﾐ､　 ＼辷､　ij　 ζ　　｀ヾ='´
: : : : :i'､ﾉ}'´ |｀ヾ三＼__ }　　≡≡/／
: : : : i::r､j 　 ',　　｀ヾ､|i｀ﾄﾆ辷ｫ-ｲ´_ _:　　　　　　　　　了解、リンドヴルムに火力を集中させる！
: : : : |ﾉoﾉ　　i　　　　 ｀f‐ﾅ´/::/ : : i : :
: : : : |/<　　 λ　　　　: ///:::/: : : :i : :　　　　　　　　　 巻き込まれぬよう！
: : : : |:::/＼_ノ∧　　　ﾚ' ノ::::/: : : : i : :
: : : : |::ｲ⌒i:::::::∧　 /／:::::::::{ : : : : i: :
: : : : |::ﾑ,‐ｲ:/´-fヽ/´ﾍ:::::::::::i: : : : :i: :
: : : : |:::ﾉ i　{､__,､i:::::Y´ﾍ::::::::::| : : : :i : :
: : : : |::{ij,イ´ﾍ_,､{::::::ﾍ'⌒ヽ:::::| ､_ : : : :
: : : : |:::`ｲi　　ﾍ _ﾍ:::::{_/⌒＼|｀ヾﾐ≡､
: : : : |__ﾑﾉ＿,=┴┴'´辷入￣＼ : : : ｀
: : : : | :　　　　　ヽ､＼ >―‐｀-.　＼: :
: : : : |::　　　　　　　 二ﾐ-‐　'´　　　＼
: : : : |＼　　　　　　〈-､ヽ
: : : : |三＼　　　　　 ゝ'´
: : : : |三三＼　　　　　 ',
: : : : |三三三＼　....::::... ',　　　,x≦彡'

5884： ◆x0SRSoJXe.：2023/10/19(木) 21:25:49 ID:CwFEO.NI0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: : : : : :　　　　　 ＼　　､＼
　 　　　　　　　　　　　　 　 -=彡:　 　 , {:　　 . 　 　 　 ヽ　 ＼丶
　　　　　　　　　　　　　　　　/:／:　 . ﾉ !l､＼　: .　　　　　､＿,ヽi
　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｌｲ: : . ／　ﾉ'､丶ニ＝‐ .　　ヽ‐ ´　｀.ﾆ＝‐
　　　　 ,　　￣　丶、 　 　 　 l: ／_ イ/l'!ハ: l: .ヽ:　! !: . 　!:l　　 ヽヽ
　　　／ﾆﾆ. ､　　　 ＞ ._　 -≠: :ｌ : ｌ|:l ｒ|＝l∧ : },| | ﾄ､: | l l: .　　lヽi
. 　 /　　　彡'　　／l　　 ヽﾆ.lﾑ: :l | ｌlﾘ ､ (;)ﾍ l//ｿ:l|/=l: l//:l　ゝ ',
　 ∧, ,.　´　　. ｲ　 l　 　 | |　　 ﾄﾄトl｀　 三´彡'ノノｔ;￢!//: :l　 ﾊ`＼
.　ﾊ／.　-‐　 ィ　　|　 　 | |　　 |ヽヽ〉u.　 　 ￣「{ ﾐ、彡': :/:l l/　　　　　　　　　　　　　匪賊共が……自分たちが行っていることが、
　{､／ 三三イ: ￢ l　　　| |　　 |ﾚ 〉ｽ　,. ､＿　ﾉ　　ムﾙｌ/:/lム
　三三　／ /　: /人　　//　　 |／ヘ.ヽ`__一'_ 、＜　′￣ ´　 ヽ　　　　　　　　　　　　無辜の民を脅かすことだと分かってるのか！？
　＿＿_l:　:/:　:└　 _　//　　 / 〉 /｀＞ヽ＜ ／　　 　 　 ＿_ 　 ﾊ
　　　, /　/:　:　:　:　: ｀`''‐-､/ /_/／:::::l ﾚ／,.　ﾆニニニ ￢ |　｛ﾑ　　　　　　　　　　　　まだランク2と3が残っている……やらせはしない！！
　 　 l/　/:　:　:　:　:　:　:　:　: ∧i´::::::::::ｆ <／／:::::::::::::::::::::::::| l　 ヽ}
　　ｒ/　/:　:／￣:　:　:　:　l:　/　l::::::::::::::＼／::::::::::::::／:::::::::::ゝ＼_ム
　　l'　/:　:/:　:　:　:　:　:　:￣ l　 ､:::::::::::::::::::::::::::::::∠ﾆﾆニ二::`ー､__}_
　　| /:　: l:　:　:　:　:　:　:　:　:l　　ゝ二.＼＿＿／￣＼――――---:L._
　 └―‐ |:　:　:　:　:　:　:　:　|::...　　　, 7ーァ'´　　　　 丶､::::::::;;;:::::::::::::::::＼
　　　　　 |:　:　:　:　:　:　:　:　|　　 ,ｒ彡'　／　　　　　　　　 ｀ヽ､:::::::::::::::::::::::::｀丶､
　　 　 　 |:　:　:　:　:　:　:　:　|　　//　／　　　　　　　　 　 　 　 ヽ､::::::::::::::::::::::::::::＼
　　 ＿_ /:　:　:　:　:　:　:　:　| 　//ｧ'´　　　　　　　　　　　　　　　　丶､::::::::::::::::::::::::::＼__
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　　　　　　　 　 _,.　-ｒ‐､
　　　 　 　 ,∠ ―　,ｒヽ)ﾉ　　 ‐　、
　　 　 　 / 7　‐-,. ( ）'ﾉ　　　　　　　 、
.　　　 　 i　; 　 ,‐!ノ'ノ　 ｀/　 　 ,. -
.　　　 　 '　:,_/〉-,ノ　　 ./　 　 /"　　　　ヽ
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　　 　 　 `! !.　　　 ､,.ヽ!　　_./／' ,. ｨ　 i　! }
　　　　　　', !　　　 /､ﾉ|　　 .た!ヽヽ/ ノ'　;.ﾉ
　　　　　　　、 、　,ﾍヽ.l 　 l l　　　´　,/,ｲ/
　　　　 　 　 V/＞/∧ l　　!l.　　 　 {.'　.l　　　　　　　　　……生きている以上、無辜の民などいない。
.　　 　 　 　 _l'/////∧l　　l|　- 、 ,.ゝ　l
　　　 　 ,ィﾆ二二ニ_＜,.――--＜!　　l.|　　　　　　　　　我々は、人には早すぎたこの業を、企業連の手から取り上げる。
　　　　 /二二二二／::::::::::::::::::::::::::::＞､i|
　　　_,./＞''" -=／::::::::::::＿＿:::::::::::::::::/}　　　　　　　　　　今、人類に必要なのは……戒めだ。
― /ﾆｉ.lニニﾆﾆ{::::::-:::￣::::::::::::::::ヽ:::::://
::::::i=ﾆ!.!二二ﾆ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::; '　　　　　　　　　　　　　少なくとも、我が知己はそう判断した。
:::::l=ﾆｌ ｌ二二/:::::::::::::::::::::::::::::::;::::::::::;:〉
::::lﾆﾆl ｌニﾆ〈::::::::;:ィ二ニ=_､,､::;:::::::jム　　　　　　　　　　　　　　阻止したくば私を墜としてみせろ。できなくば、阻む資格はない。
::::!ﾆﾆ!.ｌ-=二';:::://:::::::::::;::ﾆ//ヽ::::/ヽ!ﾑ
::::!/ ,イニ=-__ヽ/:::;ィ////////＼ニl.!ﾆ!
::::l'/ニニニニ＜/////////＞!/∧=!l=l
:::::ﾏﾆ二二ニニ!＞_､//／////＞,/｀マ
:::::::ﾏﾆ二二二ﾆﾑ＜///////＞'"////＼､

5885： ◆x0SRSoJXe.：2023/10/19(木) 21:30:38 ID:CwFEO.NI0




　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.－' ￣￣ ' ｰ ､
　　　　　　　　　　 　 　 　 ,　'´ 丶. -――-　._　丶.
　　　 　 　 　 　 　 　 　 , '　,. :'´.: : : : : : :. :. :. :.ヽ, - .、
　　　　　　　　　　　 　 / ／.: : : : : : : : : : : : : :. :. :.＼ ﾍ
　　　 　 　 　 　 　 　 /､/.: : : : :._ :-: .:‐:. :-: _: : : : : :.ヽﾊ
　　　　　　　　　　 　 i　 l: : :_;.=＝､､:_:_:_:_:,:＝='-､: : : /　!　　　　　　　　　　「敵機の損傷、及びプライマルアーマーの消失を確認！　畳みかける！」
　　　　 　 　 　 　 　 l 　 l: [i　　 ＼_.､,　､__／　ヽl}: : l 　 !
　　　 　 　 　 　 　 　 ト､ l; i}´　（●）　　 （●）　{j: :/ ／!　　　　　　　　　　　了解！　集中するお！
　　 　 　 　 　 　 _, - i'´lヽl: [ｌ、 　 （__人__）　　/j: //＿｣_＿＿__
　　 　 　 　 ,. :':´: : ￣ﾌｰｽﾍ:ヽ>､ 　 ｀⌒´　 ,ｨノ:.//´＼: : : : : : : ¨ヽ　　　　　　
　　　　　　/-――-イ＿/: :i＼:ヽﾍ_,.ゝｰく∠／:./:.ﾍ.＿_｣-‐ '´￣¨ヽ:l、
　　　 　 ／ 　　　/个 　 ￣l 　＼: : : :＿_: : : ／ lー┘ 个＼ 　 　 　 ＼､
　 　 　 厶=x､.　 i　 |　 　　弋　　ヽ======イ　 /　　　｜　 i　 　 z=＝ ﾇ
　　　 ／　 　 ヾx|　 l　 　 　　丶、 |: : :|} 　 /_ノ　 　 　 l 　 /　／´　 　 　＼
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { iヽ_ヽ≦ニﾆil| ! i{、__j{.:.:.Y{.ﾆﾆ,i{＿:.:.:.:.へ、:.:_,/＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　斗‐.:.:.＞、､:..、ニニiｹ:. ! ﾘノヽ{__/.:.:}／::::.｀ヽ:.:.ー/{/.{.{_/￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {､__:.／.:.:.:.:＼.､＼ニ/i!{〈ヽゝイゝ_/￣ゝ＼ニﾆ=-⌒＼r__{＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 Ｖ{{:.:.:.:.:.:.:.:./.:.ー'.￣､/〕} ／￣￣{_ゝ､ー/トニﾆ/´￣ﾆr'i ＼
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堪らずバックブーストするラズルシェニェに、二機がかりで追いすがる。
ENゲージが赤く点滅する間際まで食らいつき、交互に斬りかかっていく。
入れ替わり立ち代わり、シュクヴァールが退けば自分がブレードを叩きつけ、
その逆であれば引き際にレーザーを浴びせる。

僚機と呼吸を合わせ、意識を眼前の敵機だけでなく、シュクヴァールの背中と
レーダー表示にも傾ける。

少しでも連撃のリズムが乱れれば同士討ちだ。
どうしようもなく体温が上昇し、鼓動が加速していくが、
それらを無視して空中での円舞を続ける。
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5886： ◆x0SRSoJXe.：2023/10/19(木) 21:37:08 ID:CwFEO.NI0

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「チッ、マーシフルとシュクヴァールの二機を相手どれば、
こうもなりますか……！」

ラズルシェニェのリンクス、ランク2のアリサが悪態を吐く。
だが、悲鳴ではなく悪態である分、まだ余力があることを窺わせた。

シュクヴァールがラズルシェニェの胸部装甲に爪先を押し付けて飛び退き、
その下から掻い潜るように躍り出てブレードを振り抜く。
それをハイレーザーライフルの銃身で受けとめてみせてきた。

舞い散る火花が猟犬のような頭部パーツを照らす。
その装甲には目立った損傷は見受けられない。
さっきから押してはいるが、直撃はすんでのところで躱されていた。

機体の純粋な出力。生物で言うところの筋力がずば抜けているのだ。
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5887： ◆x0SRSoJXe.：2023/10/19(木) 21:44:30 ID:CwFEO.NI0






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鍔迫り合いになる度、刀身からマニピュレーターを通じ、
全身を打ち据えられるかのような衝撃が機体に迸る。

ブースターをフル稼働させて尚吹き飛ばされそうになる。

「敵機の背部スラスター……アヴィアコルお得意の複合兵装だね。
サブジェネレーター、スラスター、PAブースターも兼ねてる。
ネクスト一機分の出力と思わない方がいい」

なのはが落ち着いた声色で恐ろしい分析結果を読み上げてくる。

巨大な刃を連ねて翼としたような六連スラスターは、その威容相応に
凄まじい負荷となってラズルシェニェの機体制御を困難なものとしているはずだ。

とにかく、それを馬鹿げた出力で補っているわけだ。怪物染みている。
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5888： ◆x0SRSoJXe.：2023/10/19(木) 21:56:34 ID:CwFEO.NI0




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　 /　 　　./　　　　.l　　ｌ　 !.　 　/,〃　　/ﾍ ｌ. ヽ.　| |　 | 　 〉|ﾍ_| |.|ｷ/´　j　l l ,'￣｀i　　／l_ﾉﾑ　,ヘ ﾍ-､　 ﾍ__＞――､.|　 　　　　　　　＼
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..　　　　/　　　　　l　　l　　!.　　　/　　　,‐'　∨ｌ. ヽ.| .,'　,' 　 ハ,／ト､',ﾚ'//￣ヽ　 ヽ‐'´ﾉニ.、..._／^ｰ､ }／,'. ｀'-.　 　／/　 ＼＿__


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だが、その怪物と系統を同じくする機体が、こちらにもいる。
今回は彼こそが、状況を突破する鍵だと、自分を含めて誰も疑ってはいないだろう。

身を翻したシュクヴァールが片手に青白い雷光を圧縮し、
投げうつような動作で放つ。

マーシフルのレーザーブレードによる、大上段の袈裟斬りを弾いて姿勢を
崩したところに、あの出力の一撃だ。流石に堪えてくれなくては。

それを見たラズルシェニェは大型スラスターを展開し、
鳥類が己が身を翼で隠すかのように構えた。

瞬間、機能停止していたプライマルアーマーが復旧したかと思うと、
大気を震えさせ赤雷を迸らせるのが見えた。

恐らくはPAの出力増幅にリソースを割いた体勢による、
一時的な防御の強化だろう。
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5889： ◆x0SRSoJXe.：2023/10/19(木) 22:01:33 ID:CwFEO.NI0






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　　　/:／ :/:.:.:.:.:.: /:.:.:Ⅳ:.:.:.:∧: 　い}/　　 　 i/ }:.:.:./:j:.:.:.:.:.:.: ヽ!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　 　 {/　　{:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.: ／} 　 ﾏ′　　　 / :/.: /:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:j:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}ヾ、　　　　　　　　あの様子やと左が穴や！　畳みかけるで！
　 　 |!　　 i:.:.:.:.:. {:.:.:.:.:.:.:.:.:/: /　　　　　　u.　　/／ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}i
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着弾した瞬間、見た者の網膜を焼き焦がさんばかりの光が炸裂した。

通常の戦闘であれば、巻き込まれないように距離を取るところだろう。
だが、この相手には間髪入れずに攻撃を捻じ込む以外に選択肢はない。

そこで天啓の如く、隙を窺っていたはやての切羽詰まった声が聞こえた。

敵機の背部、背部に携えた追加スラスターの一基が半ばから消し飛んでいる。
バランスの悪い巨躯が、目に見えて傾いていた。
先程のシュクヴァールの一撃が突破口をこじ開けたのだ。

ここぞとばかりにレーザーブレードを構え、ミセリコルデと共に集中砲火した。
マーシフルの放った熱線こそクイックブーストで射線をずらされたが、
頭上から降り注ぐレーザーの霰が露になった装甲に突き立っていく。
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5890： ◆x0SRSoJXe.：2023/10/19(木) 22:04:31 ID:CwFEO.NI0

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　　　　　 {　､　　 ＼{＼　ﾊ　 V_　 ﾉ　　乂＿__ /　　 ＼＼　 ｀''＜
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ー/:::,／=＿,．､＿,x≦:::::＞――ア
=/::/ニニニ｝　}ニニニニニニｱ::|　　　　　　　　　　俺らを相手取るにゃ、ちと速さが足りんかったようだな。
/::/ニニニｱ　ハニニニニﾆ,-く:: !
::/￣￣ ﾗ′./　　｀¨¨¨ , イ　.ィ:,' !　　　　　　　　　　――じゃあな。
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_ゞ: : :/　 ./ 〈　 .／ 　 ／　　 .,ｲヽ: /
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5891： ◆x0SRSoJXe.：2023/10/19(木) 22:04:42 ID:CwFEO.NI0

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青く煌めく弧を描き、よろめくラズルシェニェの脳天へと
シュクヴァールの光刃が振り下ろされる。

一太刀入れるとすぐさまクイックブーストで飛び去って行き、
その背後を火柱が照らした。

七基ものネクストAC用ジェネレーターが引き起こす爆発は、
頭上の雲の層を瞬く間に突き破って飛散させていく。

その様を見つめていると、ふと脳裏に過るものがあった。
コロニー・アマツが消滅したその日。
自分が見ることがなかった、アマツの地を消し去ったコジマの光も、
目の前のそれと同じようなものだったのだろうか。
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5892： ◆x0SRSoJXe.：2023/10/19(木) 22:08:21 ID:CwFEO.NI0


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　　　　　　　　　　 　 　 　 /| |:{:.:. ﾟ，:.:.:.ゞ===≠"　＼:.: |　㍉==≠"/:./:.:.:.:.:∧/',　　　　　　　　　　……デカい花火やな。
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 //リ |:.: : ＼{ヽﾟ，　 　　　　, ヽ|　　　　　 /ノ:.:.:.:.:./}∨∧
　　　　　　　 　 　 　 　 /,//　 !:.:.:.:.:.:{＼ ＼　　　　　　　　　　　／ｲ}:.:.:.:.:.//　ﾏ,'∧　　　　　　　　　　　　IGIOが消し飛ばした人々に見せてやりたかったわ。
　　　　　　　　　　　　 ///,' 　 ﾏ:.:.:.:. ゝ∧　　　　　 -‐-　　　　￣∧!:.:.:.://　　 }//i
　　　　 　 　 　 　 　 ////　　　ﾏ:.:.:.:.:.{:.:.:ヘ　　　 　 　 　 　 　 イ:.:.ｌ:.:.:.//　　　i,//|　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　 {///　 　 　 ﾏ:.:.:.:.i:.:{:.:.:.:.:.ト　　　 　 　 イ/:.:.: /:.:.//　　　　∨/
　　　　　　　　　　　 二¨　　　　　 {＼:.{:.:i从 /≧ｭ､＞＜‐= }/}/ /:.:.//､　　　 　 ¨＿___　　　　　　　　　　　
　 　 　 　 　 　 ,ｨｉ｢////777≧ｭ､ i二ﾆ=‐{zz/≧ｭ､| | |‐=≦ヽ､/／二二}　　,ｨｉ｢//////＼
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　　,ｨｆ厂///////////////////　　　　 //}//＼　 |　 ／//77}　　　　 ∨/////////////////≧ｭ､
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仇討ちのつもりはなかった。
そも、リンクスである自分たちが仇討ちを口にするのも馬鹿げた話だ。

自分も、あのランク3とは同じ穴の狢だ。
見ず知らずの大勢も殺してきたし、親しい友人ですら殺してきた。
そんな自分が、あのランク3のリンクスを糾弾できるわけもない。

ただ、決着という意味では話は別だろう。
これで一つ、決着がついたのだ。そう思えば、取れる胸のつかえもある。
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5893： ◆x0SRSoJXe.：2023/10/19(木) 22:21:35 ID:CwFEO.NI0

　　　　　　　 　 _,.　-ｒ‐､
　　　 　 　 ,∠ ―　,ｒヽ)ﾉ　　 ‐　、
　　 　 　 / 7　‐-,. ( ）'ﾉ　　　　　　　 、
.　　　 　 i　; 　 ,‐!ノ'ノ　 ｀/　 　 ,. -
.　　　 　 '　:,_/〉-,ノ　　 ./　 　 /"　　　　ヽ
.　　　　　ｒ/_.'-‐' 　 ＼ .'　　　/　／　 　 !　､
　　 　 　 `! !.　　　 ､,.ヽ!　　_./／' ,. ｨ　 i　! }
　　　　　　', !　　　 /､ﾉ|　　 .た!ヽヽ/ ノ'　;.ﾉ
　　　　　　　、 、　,ﾍヽ.l 　 l l　　　´　,/,ｲ/
　　　　 　 　 V/＞/∧ l　　!l.　　 　 {.'　.l　　　　　　　　　――ふむ、終わったようだな。
.　　 　 　 　 _l'/////∧l　　l|　　､　,.ゝ　l
　　　 　 ,ィﾆ二二ニ_＜,.――--＜!　　l.|
　　　　 /二二二二／::::::::::::::::::::::::::::＞､i|
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― /ﾆｉ.lニニﾆﾆ{::::::-:::￣::::::::::::::::ヽ:::::://
::::::i=ﾆ!.!二二ﾆ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::; '
:::::l=ﾆｌ ｌ二二/:::::::::::::::::::::::::::::::;::::::::::;:〉
::::lﾆﾆl ｌニﾆ〈::::::::;:ィ二ニ=_､,､::;:::::::jム
::::!ﾆﾆ!.ｌ-=二';:::://:::::::::::;::ﾆ//ヽ::::/ヽ!ﾑ
::::!/ ,イニ=-__ヽ/:::;ィ////////＼ニl.!ﾆ!
::::l'/ニニニニ＜/////////＞!/∧=!l=l
:::::ﾏﾆ二二ニニ!＞_､//／////＞,/｀マ
:::::::ﾏﾆ二二二ﾆﾑ＜///////＞'"////＼､






　　　　　　　　　　　　　　　　〃'::::》-=彳 　 　 　 l､　 　 ＼:::::::::::＼　 l､　　 　 　 　 　 ／/
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二ﾆ　　　　 　 ∨　 V! 　 　 　 '´　　＼:::::::::〈＼　　 ',∨￣￣｀ヽ ＼ノ=イ　ゝ=’＼ ＼'
　　　　　　　　　　　　//_/i　　　　　 　 ＼::::::＼＼ __.:!}　 ／V⌒У__　/ -=＝=ミ　Y′
　　　　　　　　　　　　　 //　　　　　　　　 ＼:::_彡::＼トv'ｯ=彡 /／==ミx: : ヽ:.:.:.:ヽ |iﾄ､　 　 ＿_
　　＿,,..-‐ニ二ﾆ　　 　 /　　　　　　　　_ -=二￣￣ヽ=》／／/{//////∧: : i:.:.:ﾉノ=一　 /::/7:＼
　　 　 　 二ﾆ　=-　 　 / __/7iﾆ=-..._〈〈/￣ヽ　o　//==彡〈__///￣￣V//i: :,'=ｲ::::::＼　 /:://:::::/!　　　　　　　　アルトリア・ペンドラゴン……
＞　　　　　 ／/　　　/}::::::}-{:L::_:::::::::::::ﾆ=--<￣//Yノ/-==κ__))　 　 i/厶ｲ 　l＼::ﾉﾉ＼:://:::∨:|
´　￣ ＞　　 / 　 / /ノ::::/_)::)::::i:::i::::=―‐r==:::ノ/￣￣`く＿__厂`ー‐彳'　 /　/))､＼:::::::::Y:::∨::::!　　　　　　　　　コジマに侵されていながら、
　　　´ ￣　//√/l/ L::｣⌒-='='='':::ﾉ::7>==彡'　　　　　　　　　_ -=ﾆ /　 ,ｲ==彡''/　 ＼У:∨::::::i
　　　　　　 '′　　 ,　　　　　　　　｀ヽ-‐イ)､ i　￣二ﾆ=ﾆ二￣　 ﾆ=ｲ｀ｰｲ}乂__,／　　 ｢￣＼:∨/|　　　　　　　　　　この戦いぶりと来たか……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣｀Yヽ)!ト . ==　　 ﾆ==-彡//￣￣＼=='￣￣冂|- ｢/(iV::i/::-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'.　 _∨三≧彳丁丁フ’ ∨　　 　丶 ￣￣＞,!--∨-=彳::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _　-=ﾆ　／　　/　/　}} !　 　∨ o　　 ∧　 〃Y⌒V⌒i´　ゝ='
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＿厂／ 　／　　　/　/　　!_|i　　　V´￣｀ヽ_∧ﾊ=彳//∧
　　　　　　　　 ＿_　　　　　　　　{　 У／￣}　　 ／｢]]{　 　 ∨　　〃´　　＼＼|∨//////}
　　　　　　 　 ∨///∧　　　　　 》-､V_ = / /／ 　 i_}｣|　　　 ∨　 i }　　　丶＼!-∨///彡'
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　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ{.:| 　 !　／　　}　ヽ　 {!　　 |/ |　　　　　　|＼ ＼　__ ノ　　|:::.|! V∧

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レーダー上を激しく動き回る光点を見て、敵ネクスト二機を引き受けてくれていた
リンドヴルムに意識が映る。

荒れ狂う海上で、断続的に襲い来るコジマキャノンの砲撃を掻い潜りながら、
SIの最高戦力相手に圧倒的な戦いを展開する彼女の姿が、そこにはあった。

拡散バズーカの弾丸をプライマルアーマーの耐久性任せに受けつつも、
致命傷になりうる一撃は悉く回避し、一方的に熱線の槍を突き立てていた。
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5894： ◆x0SRSoJXe.：2023/10/19(木) 22:37:41 ID:CwFEO.NI0

　　　　}: : : : : : : :_ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ;ﾘ
　　　　i!: : : : : ／: : : :r : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : _＿i
　　　 〔: : : : :/: : : ,´:/ﾍ: ヾ : :ﾉヾ: ､: : :ヽ　　＼＞'´///}
　　　　|ﾐz､ノ: : :彡'/＿_ヾ:i :〃:ﾐヾ ミ: : : ＼: : ;)/////.i
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　　　　ﾉ｀ｰ-､./////＼_////////////////_ノ´ミK｀Y }.}
　　　/ｿ: : : {≧｀ﾞー-z､_////////,＞任=ヲ'´,　 ｀ﾐj,　ﾉ〃､
　　 〃/: : : i三三三三 >ﾞｰi-'´￣｀＝≡´ 　 　 ノ从〃ﾐミヾ､_,　　　　　　　　　　　　　　　　おまえのような戦士が、くだらん欲に塗れた
＿彡'人: : : :}三三三／ i　 i!　　ヾ　　｀ー　　　　ｿ彡ｿヾミヽ､
.:. .:. .:. .:.ﾄ､彡ヽ三≧'　; ´　 }　 ､　}　　 　 ､_　　ヾミ三≧ミヾ｀ー-　　　　　　　　　　　　　　　老人共の飼い殺しにされていたとはな。
　.:. .:. .:.从ﾐソ, ｀ﾞ´／{ ' 　!　|　　 Y､　　　　 ｀ヽﾐ去ミヾ!.:. .:. .:. .:.ヽ
.:. .:. .:./:. ｿ彡ﾈ　 ﾑ,,, ヽ '　　ヽ　ノ　｀ﾐ､　　　､ﾐミヾ､ﾞ,; |.:. .:. .:. .:. .:.＼　　　　　　　　　　　　　　……そんな時代を作ったのも、俺だったか。
. .:. . /. .:. .'ｷ彡　'去彡ﾝﾄz - 彡≦ﾐヾミヾ､　､ヾﾐミﾉ,;;; |:. .:. .:. .:. .:. .:.
:. .: /.:. .:. .:./;ム彡'´｀ﾞ丶_　　　_＿　― ; ﾐｿﾉヾ}/从',;;;;;i .:. .:. .:. .:. .:. .:.　　　　　　　　　　　　　　まったく、つくづく笑えんことばかりだ。
.:. .:{. .:. .:. 〃∧ﾐｿ ゝ=　__￣￣__, ,　'´　ｿﾉﾉﾉｿ彡/,;;;;;;;;|.:. .:. .:. .:. .:. .:. .
. .:. | .:. .:. .}::::i;;;;Y彡,_　,zkz=zk　　ﾞ´　ﾉ从ﾉノ　／,;;;;;;;;;;;!.:. .:. .:. .:. .:. .:. .:　　　　　　　　　　　　　「そんなことはない。結局、私は他者の糧にしかなれぬ」
:. .:..i. .:. .:. i:::::|;;;;;ﾐ从ｿソil|||||||ilﾐ､_ 彡'从ヾ　／,;;;;;;;;;;;;;;;;|.:. .:. .:. .:. .:. .:. .:
.:. .:.| .:. .:. .|:::::|;;;;;;;;;ヾミｿ|||||||||||||illlﾐ从ヾ..／,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;{.:. .:. .:. .:. .:. .:. .
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　　　　　　_-‐┐'"~´ 　　　　　　　　　　　ヽ
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　　　　／`/　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　:ヽ
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　　　 ﾍlヽ／　　l　　　　/ /　　　/ | 　l. l　ｌ 　:::ｌ:::::l::l::l
　　 /::::l.:/　　　 l｀＞ト ､_/　　／　/ /　l　ﾊ　:::ｌ:::::l::lﾘ　　　　　　　　……所詮、我らカルディベイタ―は、企業が作った青い薔薇。
　　 ヽ／　　　　 l　/r-ﾃｪ.､ﾐﾄ ､　/ /　/　l,＞''7:::/l/
　 　 /　　　　/　l/　', {. {}　l　ヽ_ﾞン　 /,ｨ,.r-, /レ'、　　　　　　　　　 真っ当な命ではない青い薔薇は……散るのみが運命。散り際だけが命の意味。
　　/　　 　／l ./ﾄ, 　 ヽ.. ノ,.　　　　 　 ｲi;ﾘ '/::::::::ﾊ
　 //　 　/ヽ´/ .l 丶　｀￣　　　　　 　 ゝ'_ /ｌ:::::::::ｌ::l　　　　　　　　　徒花ならば、未来ある他の花を生かすため、その身を土に還すのみ。
　 l::ｌ　　/ 　l .lヾl::::::::ゝ　　 　　　　　 l　　 ,　ｌ::::::::ﾊ::l
　 ﾚl　 /　 　l l　| ヽ::ﾞｰ'´/　　　　_　　　ノ　 ｌ:::::::::ｌ ｌ:l　　　　　　　　　そうだろう？　ネイキッド・スネーク。
　　 l　ｌ　 　rヽl――｀:ｰ┐:ﾍ 　´　｀ ／　 　 ｌ::::::::/ ｌ:ｌ
　　丶l　 　 |:::::::::::::::::::::::::|丶､ヽ　イ--「:|　 /:::::::/　,ﾘ

5895： ◆x0SRSoJXe.：2023/10/19(木) 22:54:00 ID:CwFEO.NI0

　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　　　　　　斗＜´.ｉ´/　　　　　￣ヽ＼、
　　　　　　　　　　　　　　　　 ∠,　　　　／ 　 　 　 |/　　l　 |　　　　|　j｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｉ　　 ./ 　 　 　 　 　 ∥〈　/　　　　.Ⅵ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　j　　/　　　　　　　,斗》===ゝ、＿
　　　　　　　　　　　　　　　　‐≦　 /　　　　斗≦´＼≦ｉi!i!i!i!i!i!i!i!i!≧‐-マ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ├´　　　／i!i!i!i!i!i!i!ｉ!|ｉ!i!ｉ´｀＼ｉ!ｉ!ｉ!ｉ!ｉ!ｉ!ｉ!ｉ!ｉ!ｉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　／fi!i!i!i!i!i!i!i!／ｉ!ｉ!|　　　ヾｉ!ｉ!ｉ!ｉ!ｉ!ｉ!ｉ!ｉ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /´ヽ≦∨i!i!i!i!／/∥ｉ!ｉ|　　　　＼￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｉ ｉ ヽ≡ ゝ-イ..../ .《i!i!i!|　　　.、　 ﾍ　　　　　　　　　　　　……そうか。おまえは、俺の罪の一つでもあったわけだ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ! .!　= ∥ι　./　./ｉ!i〈　　　　 〉ヽ　 ﾍ
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿∠∨!　ﾍゝ- 、∥ ∥,≦,,｀_´,,,,,,,,,,,,,　 　 |　　　　　　　　　　　なら、それを罰として受け入れよう。
　　　　　　　　　　　　　　　　／ 　 ∨∨≦　 ｉ..∥ｉｉｉｉ!!!!!!!!!!!!!!!!!ｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉ、
　　　　　　　　　　　　　　　 ´ﾌ 　 　 ヽ 彡´,,,,| 《ｉｉ!／￣￣￣￣｀ヽ、ｉｉｉｉ〉　　　　　　　　　　　　見事だった。アルトリア・ペンドラゴン。
　　　　　　　　　　　　　　　　ｉ　　　∠ ｰ彡彡 ./ ゝ-　∠´｀ヽ　　　　＞|
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　／　　　　彡彡＼　 ,　　/　　　　　＼__／　　　　　　　　　　　　戦士の端くれとして、おまえに敬意を表する――
　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／　　　　　　从彡ff｀´　∥∨｀ヽ　　　　　　ﾐ
　　　　　　　　　　　　　　 _/　　　　　　　　ゞ彡jjiiiiiヽ,ｉiiiiiiiiiiiiiii从jｉｉｉﾐヾゞﾐﾐ
　　 　 　 　 　 　 　 斗＜/_　　　　　　　　　ヾ彡iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii
　　　　　　,_斗＜￣　　　/　＞ 、　　　　　　　ゞ从iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii,从ヾ´
　　　ｰ‐彡　　　　　　斗┤:::::::::::::::＞ 、　　　　ﾍ::::｀ｰ――――‐‐´:∨/
　　/　./　　　　斗＜　　 |::::::::::::::::::::| ...＼　　　 .ﾍ:｀ヽ|::::::::::::::::::::::::::∨/
..／j　 ゝ-孑个　　　　　 |::::::::::::::::::::|　　 ..＼　　　ﾍ:::::＼::::::::::::::::::::/　|
　　 　.|　　　　　　　　　　|::::::::::::::::::::|= ´￣￣＞‐、|:::::::::::ヽ::::::::::::/　./＿＿
　　 　.|　　　　　　　　　　|::::::::::::::::::::|　｀ヽ　　　　　ヽ::::＼:::::::::::::__./´
　　 　.|　　　　　　　　　　|::::::::::::::::::::|　　　＼　　　　∧:::::::｀∨´::/






　 　　　　　　　　　｜ l:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　　　　::..:::::::::::::::::::::::::...::.:
:　:　:　:　:　:':　 　 　|　'.　　:　:.:　 　:　:　:.　　:　: . . . ':::::::::::::::::::ｒ:::::::::::〜::::::⌒
:　:　:':⌒　:　:　:　:. ｜　〉 :　:　:　:　:　: . . . ':::::.::::::::.::::..::.::::::::　 ::::::
:　:　:　:　:　:　:　:　:...|　ハ . :　:　:　 : : :　: ⌒）::::ノ
　:　:　:　:　:　.　.: :　:.|/　‘，....　.: : : :,.〜 '~
　 　　　　　　　　　　| 　 ∧: 〜'~ソ: :,．　ｙ'"　 　 　 　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　::: : : :〜へ:　:　. .
　　　　　ｙ. : : : : : :）:.|　/　 ＼　　　　　　　__＿＿＿＿__　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ::⌒:::〜':"　:　.　 ｙ: ⌒ :
　. . . : : : : : : : : : : :　|/　　　/　 　　　''"´　 　＼ Ｏ　Ｏ　　　｀`丶､　 　 　 　 　 　 　 　 　 　　　:::::::::::::::::::::,:'　:〜 { : .　..
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: : : : : : : : : : :,,　'":　:..'.　 　 ／　 　 　 　 　 ´ 　 　 丶　　　　　　　　　＼　 　　　　　　　　／　　　⌒: : . .　{,,...　: : . :.. . .
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..　　　　'.　　　　　ｘ＜ 　 ／ ⊂⊃／´i￣￣￣〉｀`ヽ o　 　 　　　　　　/ 　 /　 j.彡
　 　　　ﾉ　　　／＿__彡　　　　／　　,Ｌ三三/　 　/ /　 　 　 　 　 　/ 　 /　／

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レーザーに撃ち抜かれ、装甲のあちこちに風穴を穿たれたラストが、
ついにその動きを止めた。

海面に膝を突き、そのままゆっくりと、黒煙を巻き上げながら沈んでいく。
頭部のカメラアイからは光が喪われ、力なく首を垂れていた。

単純な相性の差と、アルトリアの技量が相まった結果だろう。
SIが誇る最強のリンクスは、物言わぬ鉄塊となった乗騎を棺桶として、
その身を汚染された死の海へと沈めていった。
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5896： ◆x0SRSoJXe.：2023/10/19(木) 23:07:53 ID:CwFEO.NI0

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│　　　|:./ .|:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:!:.ｉｲうﾐ　　　 　 {::::::::ら |:}:.:|:.:.:.:!´.ヽ:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　......│
│　　　|/　 !:.:.:.!:.:.ヽ:.:.:.|〃{:::j　　　　　 辷シ　!:.:./:.:./| ヽ.} |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│　　　　　　　　敵機からレーダー照射を受けてるのは君だよ、やる夫君！
│.　　　|.　　',:. | ',:| .|ヽヽ｀.ﾋﾘ　 　 　 　 　 　 /:/／:.:.:!　/: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│
│.　　　　　　ヽ|　ﾘ　!:.:.ヽ＼ ヽ　 ＿　　　　.〃|:.:.:.:.:./_/／.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :.:|　　　......│
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　ﾚヽ',　　 |　　　　 ,;;;;;;;;;,;;;;,,:;:;:;:;:;:;:;:..　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /i　　　　　　　　　　:;:;:;::;:;;　　 i i
　　　ゞ､／　　 　 　 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;　　　　 　 　 　 　 　 　 　 / }　 　 　 　 　 　 　 　 :;:;:;:;;;　,'　i　 /
　　　 /',｀ヽl　　　　　　;;;;;} ｀ヽ､;;;;;;;;;;;;;;;;;;..:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:....　　　　　　　　 ／　 !　　　　　　　　　 　 　 :;:;:;;;/　 ／|
　　　,'　',　 ',　　 　 　 　 "i　　　　 {;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:／　　/ 　　　　　　　　　　　　　　;/　/　| |
　　 /　　',　 ヽ　　　　　　;;l　　　　 l　　ﾞ"""""ﾞﾞﾞﾞ/ﾞﾞ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,:;:;:;:;ﾉ　　 /:;:;:;..　　　　　　　　　　　　/ ／;;;.　l l
　　 i　　　',　　＼　　　　　l ﾒ　　　 ',　　　　 　　 ,'　i 　 　 　 　 ."ﾞ/　　 /;;;;;;;,,,:;:;:;:....　　 　 　 　 　 /／ :;;;;＼|/
　　 |　　　 ヽ　　　ヽ　　　 |　|　r ､　ヽ　　　　　　l　l　　　　　　／　　 /　',　ﾞﾞﾞﾞ{ﾞﾞ";;;;;,,:;:;:;:;..　　　 ／　　　 :;:;,,} !
　　 {　　　　　ヽ　　　＼　　　!　!　 ＼ ヽ 　 　 　 !　',　　　　 /　　 　 /　　ヽ　 ヽ　　""''''''',;;;,,,,:;　　　　　 　 ゝl
　　 |　　　　　　 ＼　　　＼て　 ',　　 ヽ ＼　　　 |　 ヽ 　 ／　　　　,′　　　 ＼ ＼　　　　　　　''''''ヽ:;:;:;...　　 ヽ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
その光景に呆気に取られていたが、なのはの鋭い声で意識を引き戻された。

アラート音に反応し、すぐさま連続でのクイックブーストで射線をずらす。
瞬間、緑色の光が奔流となり、さっきまでマーシフルがいたあたりを呑み込んだ。

敵ネクスト部隊の生き残り、トワイライトクラウンによるコジマ砲撃だ。
血の気が引くような轟音が轟く中、遥か遠方にてコジマキャノンを構える
敵機の姿を見据える。
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5897： ◆x0SRSoJXe.：2023/10/19(木) 23:09:11 ID:CwFEO.NI0

　　　　/.:／.:／.:.::,／.::.:{::.::.::.::.::.::.:i::.::.::.::ヽ::.::.::廴 _::.::.:Vノ
　ー=彡'.:{::/.::.:: ./.::/.:ノﾊ::.::＼::.::.:}::.::.:. ::.::.',::.::.::.i:: ｢ . ',
　　 /.::.::/:ﾒ､:.::./ｰｧｰ７ィ.:〉､_::.｀:ーｧ: :i::.::.::.:i::. : .}::.ﾄ､　}
　　 {.::.:/./　 V.::.:/. ./ /./.:{ l:斗｢:.:{::.::.l:: :: .::}. :/.::.!ﾄ､:V
　　　V.::.i　　 {::./.::.厶{/≧ﾐ｣::.:iﾊ::.ﾄ､::.}:: .//.,ｲ.::.::ﾘ::.::.ﾄ､_,
　　_ノ.::.::!　　 Vﾄ､::{::::::::{rf行㍉{､V::::}/.::/厶{/.::.::.:}::l::.}
　　　{::i::｣､　　 ﾒ、く::::::::､竺x′;｀^`ノｌ::.代ﾉ/.::.::.::./.:ﾊﾉ　　　　　　　　　　　　　　バカな……ランク1に続き、ランク2と3がやられるなど。
　　　,}/　｣､　/ 　 vﾊ:::::::::::::::::::::::::ノｲ竺ｲｲ::.:／}ノ
-‐　´{＞ｲ{、{　　　} ,}　u　　　　　　 {　/ /／　´　　　　　　　　　　　　　　　　　　これでは、この先企業連は、どうやって体制を維持すればいい……？
　　　　 ヽ ヽヽ.　　ヽヽ　　　　　　　／/ 〈′
　　　 　 　ヽ ヽ＼ 　 ヽヽ￣ 二 ｰ .ィ´L　　　　 ＿＿_　　　　　　　　　　　　　　　　パワーバランスが崩れれば、世界は混乱に陥る。
　　　　 ﾄ､rfLヽ ヽ＼　 ヽヽ 　 ／　 l　l　￣￣　　　　　i｀丶、
　　　　 L } r､}　 vﾊ/＞　.　`く　　　}　}　　　　　　　　　}　　i｀ﾄ､　　　　　　　　　　　安定が失われた、その先に待つのは……破滅だ。
　　　　　/ ､＼. / //／　　}￣　 ／／　　　　　　　　　　　　| ∟ヽ.
　 　　 .厶′｀７ //ｲ　　　 {　 ／／　　　　　　_ 　.. 　-‐ ､　｀ ｰ- ､ヽ.
二二　‐ 、　 〈 〈　〈　　　 /´ ／ 　 ..　-‐ 　　 _ 　.. 　-‐ ､＼　　　 丶ヽ
　　　　ヽ ヽ.　 vﾊ.　'.　 　i ｢´　 ／ ..　-‐　　　　　　　　　 ＼｀ ー‐‐---｀ー
　　　　 　 vﾊ　 〉 〉　l　　{ {　 / ／　　 　 　 ／　,　-‐　´　　｀ ￣￣￣￣￣
　　　　　　 vﾊ/ /　　l　　 ', V /　　　　 　 /　／ , -‐──‐‐-　　.





　　　　　　　　　　　　　　　　　．　":.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : :ヽ:.:.:.: . . __
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　　　　　　　　　　　　l八.l |: |: i/ うﾐt､::::＼j::::::イ{ｲz7 〉i}:. ﾉ:.:.i/ | |
　　　　　　　　　 　 　 　 乂l.i.人_」斗''゛:::::::::::::::::`　¨¨´ノイ_ ノ}l人}　　　　　　　　　　　　おまえたちは分かっていないのか！？
　　　　　　　　　　　　　　　从｀ト`　　　　|　　　　　　　　/　 ﾉﾘ
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ヽ∧　　　　｀　　　　u.　　/r=彡､　　　　　　　　　　　　　　　企業連が、絶対的な力を持つ存在が、
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ､　 　 ,―-､　　 　 ｲｌ:|:.:|ﾐﾄ､　
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼　　￣　　　／ i|从人　　　　　　　　　　　　　　　　　どれほどこの世に安定を齎してきたのか！
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 r== >､　　　 イ,r＜>r= ﾐ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l ｀ヽ ＼｀Y´ ／<f´r ´￣l　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |｀lil l ヽ＞＜ :′| li 　 　 l
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　il l:.:∧乂 /:. : | lil 　 　 l
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　il l:.:.:∧x/:.:.:.:.:| li　　 　 l ､
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,,..　イi　il l:.:.:.:.:.v:.:.:. : :|ﾐﾄ､　 r　､ 　＞．
　　　 　 　 　 　 　 …''"¨＞ｌ l　 ＼ il l=＝o＝＝=| l＞｀弋ン≦三{il｀＞
　 　 　 　 　 　 　 　 ＜´　 i| |　　 　{}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : :{}// ´ 〈〉　ミx

5898： ◆x0SRSoJXe.：2023/10/19(木) 23:15:39 ID:CwFEO.NI0

::::: : : : : : : : :　　　　　　　　　　 ,ｨヘ
､::: : : : : : : : :　　　　　　　　　　/三ミヽ
､｀ヽ､: : : : : :　　 　 　 　 　 　 ,'::::三三
､ヽ:::::ヽ: : : : :　　　　 　 　 　 ,':三三三
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ﾉ―-i::::::::i: : :　　　　　　 　 ,'::::三三三
: : : : i}: : : ヽ: :　　　　　　　,':三三三三
: :/￣: : : : :ヽ::　　 　 　 　,'::三三三三
/: : : ::rｫ､_::::::Y　fi　fi 　 .〈:::三三三三
: : : : ::ﾄ､＼ヽ､ｉ　ij　.ii　　)' ＼::三三三
: : : : ::|ﾐ､　 ＼辷､　ij　 ζ　　｀ヾ='´
: : : : :i'､ﾉ}'´ |｀ヾ三＼__ }　　≡≡/／　　　　　　　　　　貴様らの戦いに正義などあるものか……！
: : : : i::r､j 　 ',　　｀ヾ､|i｀ﾄﾆ辷ｫ-ｲ´_ _:
: : : : |ﾉoﾉ　　i　　　　 ｀f‐ﾅ´/::/ : : i : :　　　　　　　　　　これから先、一体何ガロンの血が貴様らのせいで流れると思っている！！
: : : : |/<　　 λ　　　　: ///:::/: : : :i : :
: : : : |:::/＼_ノ∧　　　ﾚ' ノ::::/: : : : i : :　　　　　　　　　　　賢明な管理者たる企業連なくして、世界の運営が立ちゆくものか！
: : : : |::ｲ⌒i:::::::∧　 /／:::::::::{ : : : : i: :
: : : : |::ﾑ,‐ｲ:/´-fヽ/´ﾍ:::::::::::i: : : : :i: :　　　　　　　　　　　　
: : : : |:::ﾉ i　{､__,､i:::::Y´ﾍ::::::::::| : : : :i : :
: : : : |::{ij,イ´ﾍ_,､{::::::ﾍ'⌒ヽ:::::| ､_ : : : :
: : : : |:::`ｲi　　ﾍ _ﾍ:::::{_/⌒＼|｀ヾﾐ≡､
: : : : |__ﾑﾉ＿,=┴┴'´辷入￣＼ : : : ｀
: : : : | :　　　　　ヽ､＼ >―‐｀-.　＼: :
: : : : |::　　　　　　　 二ﾐ-‐　'´　　　＼
: : : : |＼　　　　　　〈-､ヽ
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: :.ハ: : : : : : :.,' |: : : :}: : : :ﾊ: : : /: : /≦: : ′ : : |＼::.＼: ハｲ:｜　　　　　　　　「……あんた、可哀そうな人だな。
./　 |: : : : : : 1 1: : ./|: : :/‐'}: ム: :/　 }: ｨ!: : : : i: : ＞ ､::.ヽ⊥.!_＿
　　ﾊ: : : : : : :}_」: : 'ﾆ! ./二!/ｨ| ｲ≦ｲ}:./ }: : : /: :/: :/: :＞┬┬ ´　　　　　　　　なんも分かっちゃいないお」
.r　　}: : : : : :ﾑ/: :ﾊ-}:.'千丐行 }/}　// /: : : /: /: :/: : //　}: :}
. ｀-ﾆ|: : : .:/ /:.:ハ_/'､竺竺xzｨ .イ// /: : : /: /: :/: : /ｲ　/:./　　　　　　　　　　なんだと……！？
　　　|: : :./ /.／` _｀_￣￣￣￣´ / ./: : .／:./／/／　 ／´
　　 ,': : / /./　 ｀ ─- ､　　　　　 ／: ／: ／}}ｽ´./
　　,': /　// 　 　 　 　 　 　 　 ／:.:イ: :／//ｲ } /
　 ,':./　 /　　　　　　 　 　 　 ´　／_ィ 　///{ノ/
　//　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /.　///　 /
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /.　///　 /

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黄金に彩られた機体から発せられる憎悪の声に、考える間もなく返答していた。

男の言うことは、この時代における正論と言ってもいい。
確かに、企業連の存在は、世界に安定を齎していた。
自分たちが行っている戦いは、その安定を失わせることに違いはない。

けれど、それでも、それを理由に白旗を振るわけにもいかない。

企業連が齎すのは、安定した今と、
真綿で首を絞められるような死の未来だ。
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5899： ◆x0SRSoJXe.：2023/10/19(木) 23:25:24 ID:CwFEO.NI0


　　 　　　,,, ＝＝＝＝,,
　　　 　〃　　　　　　　　＼
　　　/ 《　　 ─　 　 ─ 　 ヽ　　　　　戦争に正しいもクソもあるもんかお。
　　　|∩||　 （●） 　（●）　 }}
　　　|∪《 　 　（__人__）　　∥|　　　　　話し合いじゃなく、武器を取った時点で、全員まとめて地獄に墜ちるんだお。
　　／＼　 ミ三∩_ノ ⊃彡 ／ゞ
　/　　乂 ゝ _／ ＿ ノ ＿イ,＿)　　　　　良い殺しも悪い殺しもありゃしないんだお……アンタも、やる夫も。
　(　, ′ヽ ／　 ,,;;; ｲ/　　 i　　i
　 ＼　　 " ` ､ ／￣￣i￣"　 )





　　　　　　　　　　 __´￣￣二ﾆ=　、
　　　　　　　　／　　￣´ 　　　　　　ヽ
　　　　　 　 /　/ｨ　　　　　　}i　　　　∧
　　　　 　 /ﾔ'7=ﾆ二二二≦_｣Ｌﾍ/　 ∧
　　 　 　 ;　 /＼_　　､＿　￣Ｖ⌒{ 　 / }｝　　　　　　　　　　　　世の中にしたって、どのみちこのままじゃ、この世はコジマまみれになってお終いだお。
　　　　　:; 　}(●）　　（●　）　〉 人 /　/^}
　　　　　 '､ {（　ｨ'　　　　　　/／Ｌ {__/(__/　　　　　　　　　　　　それなら……やる夫は可能性に賭けてみたい。
　　　　 ＿{へ≧＾ゝ､___ノ_z彡二弐≠ ＞／￣￣ミヽ
　　　　r{_ `ｰ=＜三＞'’ ）二二 ／　//　　　___　　　＼　　　　　 見え切った終わりよりも、見えない未来の方が、やる夫は欲しいんだお。
　　／/ ｛＼　　｀￣　 /二二／/ 　/ｲ　　 Ｙiっ) -┐　 ＼
　｛　　Ｖ 〉　　　　　　〈ﾆ二彡イ　 ｛ ｛　 　 }｣つ）二! -02 |ｌ　　　　　
　｛　 　 i ＼ 　 　 　 /｝ト､　　 i　 /八ヘ　　￣´　　　　　 |ｌ
　　)〉=ﾆi　　＼＿∠_//ｚ/＼　i／　　＞　_　　　　　　 　 /ｌ
　　　汀 i　　　 〔_二//￣　　 ＼　　 /￣７ 　 ＞＝-≠〈/
　　 ！| iﾄ　　　　＼　　　　 　 　 ＼/　 /　　　　　　勹[_]
　　　　　｀v 　　　　＼　　　　　　　 ＼/　　 　 　 　　/
　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　 ＼　　　　 　 /

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
それに、一番気に食わないのは。

その大義名分の為に、「死んでもいい命がある」という理屈が、気に食わなかった。

その死んでもいい命の中には、自分はもちろん、はやてや、あのコロニー・アマツで
塵となって消えていった人々や、潜水艦の中で震えていた人々も含まれている。

もっと言えば、その理屈は企業連の上層部が決めたものだ。
宇宙進出の妨害で宇宙への道を閉ざし、国家を滅ぼし、コロニーに人々を押し込め、
自分たちの栄華のために星を緩やかな死に追いやろうとしている。

口減らしに人々を汚染された荒野へ放り出し、武器を与えテロリストと呼称し、
敵対企業へ差し向けて泥沼の代理戦争を繰り返させる時代。

そんなもののために、費やされる命があっていいものか。
それよりは、一度ゼロに戻してしまった方が、余程いい筈だ。

少なくとも、くだらない欲の為に命が消費されることはなくなる。
未来が食い潰されることだって。
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5900： ◆x0SRSoJXe.：2023/10/19(木) 23:34:38 ID:CwFEO.NI0


　　　　　　　　/.::.::.::.::.::７,斗‐.::ｧ .:７.:://{::{::.::.::.::｢:.｢::.::.:ﾄ､: :.:.}:.:.:i　i::. ヽ:.ヽ:}
　　　　　　　　{.::.::.::.::.:/ {::/.::.:/ .::/.:/{lｧ≠㍉::.::.{::.l: ::.:::!: : :!::l:. :.} :}::}.: ::.ﾄ､j､___ノ
　　　　　　　　l::.::.::.,::/　l::.!::./ .:./.〃′,rff㍉ヽ､ﾄ､}､::.::|: .::.}::} ,ｲ.::,:ｲ: :. :.V¨¨¨´
　　　　　　　　{::.::.//　　{::l::.!: ./V　　　{{ｨfﾄｲV㍉､, }::.::}::.://厶}ノ.::}::.::}::.｢´
　　　　　　　メァｲ/　 　 Vﾍﾄ､{　 u. ､__ﾞf竺ｼ_,　 '_ノ_:./.:厶广/.::.::/.::/.::/
　　　　　 ／{　{/.:{　__ 　 ヽ. ヽ.　　　　　￣￣｀　　 ノイL} ﾞV.::.::.ｲ::./／
.　　　 ／　　 Vﾊ／　 }　 / ＼ ヽ　　u.　　　　　　　　 ﾏf｣ /.:／{::V´　　　　　　　　　　　戯言を！　貴様らは殺戮者だ！
.　 _／　　　　 ,ｲ弋／、　{　　 }　}　　　　 ＿　　　　　　V7〉'　　ヽ}、
´ /　　　　　 弋. く ヽ. ＼!　　 {　{､　　／ｰー`､_､_　／ ,/　　　　　　　　　　　　　　　　　歪んでいたって、それに守られている人もいるんだ！
　{　　　　　　　　　 ヽ ヽ. 丶、　ヽ. ＼{　　 　 l:::／　.イ/ 　 ＿＿＿　
　　　　　　　　ﾄ､　__ _ヽ ヽ.　 丶、 ヽ. ＼　 　}/ ／ﾞ{ {⌒`´　　　　　　｀ヽ　　　　　　　　　僕は……僕は、そんな人々を守らなきゃいけないんだ！
　　　　　　　　|　}_} }ﾑ　ヽ. ヽ　　 丶､ヽ　＼´／ 　 | | 　　　　　　　　i　　ﾄ、
　　　　　　　 └;　〈 ﾚ′　〉　〉　　　　＞ｰ　}　　　 ｣ |　　　　　　　　,′　} ﾄ､　　　　　　
　　　　　　　 ／,ｲ_ ＼　／／　　　／　　{　/　　 ／/　　　　　　　 /　 　 | | }、
　　　 　　 _ィ／　 　 ／／　　　／　　 　 i/ 　 ／／　　　　　　　　　　　　ヽヽ
　　_　　　　　　　　/　ヘ ー くｲノ　　 　 /　／／　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼
／ _｀丶、　　　　 {　{　　　　〈´　 　 　 /／／　　　　　　　　 　 , -‐‐､　　 　 ,
／　｀丶、丶　　　 vﾊ　 　 　 } 　　　 / ／　 ,　-‐───‐‐-　／｀ヽ ヽ _／ ／
l　　　　　 ヽ ヽ　　ﾉ　}　　　　{　　　　{ ﾍ　 / /´￣￣￣￣｀７く　 　　｀ ー‐ ´







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ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニﾆ/｀''＜ﾆ／ニニニニイ Τ＼　 ＼/　|｢　　　　　乂 し (ﾍ＼
ニニニニニニ . `　　 . . :...ニニニニニニニニニニ、　 ＜ニニニニニﾆ}　乂,_,)　　　 ∥　 ／＼└‐^)〉 )｣　)/
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再び、敵機が携えたコジマキャノンの砲口に光が収束する。
剥き出しのコジマ粒子が緑色の燐光となり、圧縮されてプラズマ化していく。

すかさず照準をマニュアルへと切り替え、こちらもレーザーブレードを
射撃モードへと切り替えた。

コジマの光が臨界に達する瞬間を狙い、展開され音叉のように形を変えた
刀身に紫電を迸らせる。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5901： ◆x0SRSoJXe.：2023/10/19(木) 23:39:29 ID:CwFEO.NI0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: : : : : :　　　　　 ＼　　､＼
　 　　　　　　　　　　　　 　 -=彡:　 　 , {:　　 . 　 　 　 ヽ　 ＼丶
　　　　　　　　　　　　　　　　/:／:　 . ﾉ !l､＼　: .　　　　　､＿,ヽi
　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｌｲ: : . ／　ﾉ'､丶ニ＝‐ .　　ヽ‐ ´　｀.ﾆ＝‐
　　　　 ,　　￣　丶、 　 　 　 l: ／_ イ/l'!ハ: l: .ヽ:　! !: . 　!:l　　 ヽヽ
　　　／ﾆﾆ. ､　　　 ＞ ._　 -≠: :ｌ : ｌ|:l ｒ|＝l∧ : },| | ﾄ､: | l l: .　　lヽi
. 　 /　　　彡'　　／l　　 ヽﾆ.lﾑ: :l | ｌlﾘ ､ (;)ﾍ l//ｿ:l|/=l: l//:l　ゝ ',
　 ∧, ,.　´　　. ｲ　 l　 　 | |　　 ﾄﾄトl｀　 三´彡'ノノｔ;￢!//: :l　 ﾊ`＼
.　ﾊ／.　-‐　 ィ　　|　 　 | |　　 |ヽヽ〉　　 　 ￣「{ ﾐ、彡': :/:l l/　　　　　　　　　　　　　　　　死ね！　一人でも多く……！
　{､／ 三三イ: ￢ l　　　| |　　 |ﾚ 〉ｽ　,. ､＿　ﾉ　　ムﾙｌ/:/lム
　三三　／ /　: /人　　//　　 |／ヘ.ヽ`__一'_ 、＜　′￣ ´　 ヽ　　　　　　　　　　　　　　　この先、企業連の庇護を失い、消えていく命の贖いとなれ！！
　＿＿_l:　:/:　:└　 _　//　　 / 〉 /｀＞ヽ＜ ／　　 　 　 ＿_ 　 ﾊ
　　　, /　/:　:　:　:　: ｀`''‐-､/ /_/／:::::l ﾚ／,.　ﾆニニニ ￢ |　｛ﾑ
　 　 l/　/:　:　:　:　:　:　:　:　: ∧i´::::::::::ｆ <／／:::::::::::::::::::::::::| l　 ヽ}
　　ｒ/　/:　:／￣:　:　:　:　l:　/　l::::::::::::::＼／::::::::::::::／:::::::::::ゝ＼_ム
　　l'　/:　:/:　:　:　:　:　:　:￣ l　 ､:::::::::::::::::::::::::::::::∠ﾆﾆニ二::`ー､__}_
　　| /:　: l:　:　:　:　:　:　:　:　:l　　ゝ二.＼＿＿／￣＼――――---:L._
　 └―‐ |:　:　:　:　:　:　:　:　|::...　　　, 7ーァ'´　　　　 丶､::::::::;;;:::::::::::::::::＼
　　　　　 |:　:　:　:　:　:　:　:　|　　 ,ｒ彡'　／　　　　　　　　 ｀ヽ､:::::::::::::::::::::::::｀丶､
　　 　 　 |:　:　:　:　:　:　:　:　|　　//　／　　　　　　　　 　 　 　 ヽ､::::::::::::::::::::::::::::＼
　　 ＿_ /:　:　:　:　:　:　:　:　| 　//ｧ'´　　　　　　　　　　　　　　　　丶､::::::::::::::::::::::::::＼__
.　　 　 /　:　:　:　:　:　:　:　: |ｒ彡'｛　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀丶､::::::::::::::￣￣｀丶





　　　　　　＿＿＿
　　　　 ／::::::::::::::: ＼
　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::＼　　　　　　　――言われなくても。
　 ／:::::::::::::::::::::::::::::: 　　＼
.　|:::::::::::::::::::::::::::（ー）　.　　|　　　　　 何のケジメもつけるつもりがないわけじゃないお。
　 ＼ 　　 （__人__）　.　　／





　.:/　　　　,.:':_:／.: : : : : :,{_　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 _}, : : : : : : : :＼i!::..　 　　',:.
.::/　　　　 ヽ; :i: : : : : : : ;': ,}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{, :i : : : : : : : ／!::..　 　 　 ',:.
.:'　　 　 　 　 ＼.: : : : : :i: {　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 } i : : : : : ／　i!:::.. 　 　 　 ',:.
　!　 　 　 　 　 i!＼ : : : !: ',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 / :i: : : :／　　.i!::..　　　　 　 ',:.
　|　　 　 　 　 .i!:..　＞ ;.i: :.',　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 / : :!, ＜.　　　 i!::..
　|!　　　　　　 i!::..　　　 | : :.',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ : : i　　　　　　i!::.. 　 　 　 　 i!
　|! 　 　 　 　 i!:..　　　　i.: : :.',　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 / : : : !　　 　 　 .i!::.. 　 　 　 　 i}
　|!　　　　　　i!:..　 　 ／i: : : :.ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞': : : : :i＼　　　　.i!::..　　　　　　,i}
　|!　 　 　 　 i!::..　　　＼', : : : : : .` ＜　　　　　　　　　　　　　＞. :´: : : : : : :/／　　 　 .i!::..　　　　　　,j}　　　　　　　　　　　――けど、それは今じゃない。
　|!.　　 　 　 i!:..　　　　　 ', : : : : : : : : : :｀: .＜　　　　　＞. :´: : : : : : : : : : : /i　　　　　 .i!::..　　　　　　,j}
　|i　　　　　 i!::..　　 　 　 ∧ : : : : : : : : : : : : : : :｀¨¨´ : : : : : : : : : : : : : : : / .!　　 　 　 i!::..　　　　　　,j}
　|i　　 　 　 i!::..　　　　　,'　.', : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/　 i　　　 　 .i!::..　　　　　　,j}
　|i,　　　 　 i!:..　　　 　 ,'　　 ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :,ｨ'ﾟ 　 .! 　 　 　 i!::..　　　　 　 ,j}　./
', |i, 　 　 　 i!:..　　　　 ,'　　 　 }＞ 。 ､ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ;。＜ｲ　　　|　　　　 .i!::...　　 　 　 ,j}　/
:.',!|!,　　　　i!::..　　 　 ,'　　　　j}　|＼三>､: : : : : : : : : : : : :。ｓ≦／　 |　　　 .|　 　 　 .i!::..　　 　 　 ,j} ./
:::.',|i,　　 　 i!::.. 　 　 ,'　 　 　 j}.　!／＞ 。≧ｓ。, ___。ｓ≦三＞ﾟ　＼/! 　 　 .|　　　　 i!::..　　　　　,j}../
:::.∧i, 　 　 i!::..　 　 ,'　 　 　 .j}　i!::::::::|　　 ≧s。,三,。ｓ≦ﾟ´/::::::::::i!　|　　 　.|　 　 　 i!::..　　　　 ,j} /
::/il∧!,　　 i!::..　　 ,'　　　　　j}　i! :::::::|　　 　 　.｀¨¨´　 　 ./::::::::::::i!　i　　 　 |　　 　 .i!::..　　　　,j} /
,'ililili∧i, 　 i!::.. 　 ,'　　 　 　 j}　i! ::::::::!　　　　　　　　　　 /::::::::::::::i!　i　　 　 .!　　 　 i!::..　　　 ,j} /

5902： ◆x0SRSoJXe.：2023/10/20(金) 00:04:26 ID:pGltr7QQ0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ｌ￣!i|　　|!　i!　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ ＿＿i!|　　|!＿ L__!i__i|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i!|　＿　　　　　＿ _＿|i|!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿i|￣|i＿ 　 |!´i!ﾞ｀|
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　iヽ　　　＿　＿ノ从ﾒ#ヾ'人ヾ:;:ー-　．..、
　 　 ／/ 　 ,ゝ-{≧ｓ。、　　Vﾑ　　 |　　{ .! 　 　,′.}／ヽ　　　　　.＼　　　　　ヽ　　__ﾉ;;;ヾ=二三　:;:;:　:;：;:;；・　　，｀ﾞヾ:;:;:;:;::;:;:ヾ
.　／　/　　!　,′　　 / ｀ﾄ. 　Vﾑ 　 |　　ﾏV　　,′V!　　 V/ 　 　 /¨{.丶　　　　　》:;:;;#ﾉ彡三二三 」──　二=≡≡＝ヾ:;:;:．，ゝ　──　─　i!二二二｀７
, '　　/, ＜,'!　!　　 ／ 　 ! ヽ、Vﾑ.　|　 　.ﾏV .,′　.〉、 　 V/ 　 / 　 　 ＼丶　ヾ，:;'ﾞ´'人i从'※'iﾐ彡∠ﾞ´　　　　　　　｀ヾ:;:;　；:;:レ'　　　　　　　 　/７∠／
　 ／　　 {i !　i__／　　／＼　}　ヽﾑ,|　　　 ﾏV　　./　 V/ /　　　〉,　...,。ｓ≦}ヽ ＞ 。´川彡／ｒ-三ﾞ´　　　　　　　　　　　｀ﾞヾ;:;　;:／　　　　　　　〈_/
../　 　 　 V!　　　　／　　　ヽ{≧ｓ{　　　 　 　 　 /　　/ー‐‐, ＜　 V/￣ ￣ }　＼　　｀ヽ、 ／´ﾞ　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ：;川;;;;;;;;／'
i{,　　 　 　 '!__＿／､＿＿ 　 }!　　{!　　　　　 　 /　　/　 　,/　　　　.V.V　　 /　 /-＼.　 　＼ 　 . :　　　　．;:　::.　　　　　　　　　i|!i《:;:;:／
i{　≧s。., __＼　＼　＼　 ＼ }!　　{!　　　　　　/　　/　　 ,/ 　>ー‐＜ V　/　 /i!　 　＼.　　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |《巛＜´　ﾞ
,}　　　　　　　 ヽ--ヽ-' ヽ--ヽ!　　{!.　　　 　 /　　/　　 ,/ ／ ＼＿_＼ .¨ﾟ　 / i{　　　 　｀ヽ.、　V/　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾞ!|i!i|ヾゝi!二二二｀７
{　　　　　　 ／　 　 　 　 　 　 }!＞ﾟヽ----- ' ｀ヽ'　 　 /イ　　／　 二.i/ 　 /　i{　　　 　 _,.　-ﾏ　V/　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |i:;:#i!`i'|!i　/７∠／
.',　　　　 ／　　　　　　　 　 ／＼　　　　　　　　　＼ ./｀ヽ_／　 　 　 .ヽ--.'V/i{、 ＞ ﾟ´　　　　ヽ, V/　　　　 .＼'　　　　人ﾞ-─∠　ﾞ｀　　　　〈_/
　ヽ--- 〈　　　　　　 　 　 /　　ヾ＼　　　　　　　　　ヽ＼/　　　　　　 ∧＿V/ V　 　 　 　 　 　 V}!　　　　 　 >ヾ'ﾞ´　::::::::::::;;;:#i|!　i|ヾ
　 ,s≦ミy}!　　　 　 　 　 /.　　　　ヾ＼__　　　　　／　}!　＼...ヾ、　　　　　ゞ'ﾞ´　 ヽ、　　　　　　　 }Ｖ/ 　 .ｒ'ﾞ´;;;;;;《'ミﾞ´i三二＝ヾ　ﾞヾ
　{三{ilililil}}! 　 　 　 　 　 V/　　　　 ￣ヾ＼ 　.／　　 }!　　i}　 ＼＼　　,:;'ﾞ´:;:;:.、`・　.＼　　　　　　 }! ヽ、i|!#　i!iﾞ´　　　　　　　｀ﾞヾ:;　:;て
　｀ー― ' }!　　　　　 　 　 V/ 　 　 　 　 .＼／　　 ／ ＼__i}　　　＼ヾﾐミi!#ﾞ─＜#i!`|ﾞ´｀ヽ､　　　　}! 　 ＼　;:;!ii　　.::'ﾞ｀　　　ﾞ::.、　i|!ﾐ　　／
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. ヽ___ノ,'　　　　　　　　　　　　V/　 ／　　 ／＿__＞ﾟ´　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 {ilil三}.i{;　　　{　　 ＼ ＼
　　　 .,′　　　　　　　　　　　　｀ヽ'._＿_／　 Vﾑ　 　 ',　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 {ilil三} .i{;　　 {i　　 　 ＼ ＼
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＞ﾟ´.{　　　　　　　　,＜＿__　　|ヽ／|　 　 |　　　／　　　/ 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 V　　Y＼.　　　　　　　　 ﾏ i/　 V/
_ ＞ﾟ ',　　　　　　　,′　　/｀ヽ,|　|　.!　 　 !　.／＿＿__/ 　 /　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 V　/　　＼　　　 　 　 　 i/　 　.V＿
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＞'ﾆニ{__}　　　 /　/　/　＼／　 .／　　　|　 　 !＿＿_|_./　/il{　{ ヽ　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ! 　 　 　 　 ＼　　　 /　 V//
二}＞'｀ヽ }ヽ 　 V/__/　 .／　 .／　 　 　 .!　 ／ ',　　/　　 {ilil{　{　 }
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放たれたレーザーが、1キロほど離れた敵機の銃身を貫く。
瞬間、撃ち貫かれたフレームが膨れ上がると、強烈な閃光となってさく裂した。

コジマの光に飲み込まれていく影は、最後まで、こちらを見据えていた。

彼に言われずとも分かっている。
彼等の言い分が純粋な正義などではないように、
自分たちの選んだ答えも、決して真っ白なものではないことなど。

どんな答えを選んだって、救われる者もいれば、苦しむ人もいる。
その救われる者の中に、自分やはやてがいるというだけ。

そのことに、言い訳を並べる気はなかった。
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5903： ◆x0SRSoJXe.：2023/10/20(金) 00:13:53 ID:pGltr7QQ0


.　 　 　 /　　　　　　　　　　ニニニ≧o｡、　　　　　　　　　ﾟ。
　　　　 :　　　　　‰＞'"´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ＼　　　　　　 　 }
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　　　　 :.　　　/ {:.:.:. : ∨:.:.:.:.:.:.: ＼:.:.:.:. : |＼//ヽヽ　　　　 /
　　　 　 ﾟ。　/:.: ｉ:.:.:.:. : ∨:.:.:.:.:.: 斗ｔ允:.:.:|: /〈 }: ﾏﾑ　 　 :/
　　　　 　 .，{:. /{: : {:. ,x≧ｭ､:. : /斥笊ミｔ// : i: : ﾏﾑ　　/　　　　　　　　　　　　　「……敵ネクスト、全機撃破を確認」
　　　　　　　:.: i: i: : i: %ﾏfﾍ　＼: : Ⅵ（う/|:.:.:.:.:|ヽ:. ∨∧′
　　　　 　 　 {:.|:.:ﾟ。:.ﾍ　Vツ　　＼|｀¨¨´ :.:.:.:.:.:|ノ:.:.:.:}ﾏ/ﾟ.　　　　　　　　　　　　　　終わったんか……？
　　　　 　 　 i :ﾟ，:. ＼ﾍ　　 ,　　　　　 　 |:.:.: : |:.:.|: : i ﾏ/ﾍ
　　 　 　 　 人{ ，:.: : 人　　　‐　　　　　 |fﾆﾆﾆ≧ｭ､! ゝ′
　　　　　　　　/∧:.:.:.:.:.:.:.:...　　　　 　 ／:.l: 　 　 ‐=　ヽ
.　 　 　 　 　 {// ﾟ。:.:.:.:.:.:.: : ＞　 ＜‐=:/:} 　　　　　　 }　 ‐=≦＜
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　 　 　 　 i///// / ///／ヽ 〉///,'i |　　　　　 i//＞'"´ ／





　　　 　 　 　 　 　 ／　　　　　 ヽ
　　　　　　　　/レ′　 　 　 　 　 ヽﾊ
　　　　　　 |V　　　　　　　　　　i 　 /|
　　　 　 　 ﾐヾヽ　　　　　　　ﾉノ ／ ,'
　　　　　　 ﾄ､ヽヽ　　　i!〃　　ｨ′ /し!
　　　　　　 ﾄ､l|＼ __∧」Ｌ　 '´ |　 /　/
　　　　　　rV/　　 / 7´　　 　 レ' //
　　　　　　ﾚﾍー-､l /　　_,,. -一メｲlj　　　　　　　　　　企業連も、これ以上の戦力は持ち合わせちゃいないだろうよ。
　　　　　　{ﾋゝ￣`| |ー=＝ｒ ィ'´ /ｌﾝ
　　　　　 　 ﾍl＼. | |_ハ___」斗イﾚ′　　　　　　　　　　　残っていたとしても消化試合ってやつだな。
　　　　　　 　 |　 ｀ll|　|, 　 　 　 lﾊ
　 　 　 　 　 〈ﾄ　　ﾘヽ‐'　　　　,'ﾚ|
　　 　 　 　 . ｲ ＼　￣￣` 　 /　 ト､
＿　,　ｨ'　´　 | 　 ヽ　 　 　／ 　 / 　 ｀ヾ　ｰ- ､_
:::::::::::::/　　　　　　　ト--ィ′　　　　　　　 ヽ::::::::::::￣
:::::::::::::＼ 　 　 　 　 | 　 /　　　　　　　 　 /:::::::::::::::::::
:::::::::::::／＼　　　　　〉y/　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::






　　/　　　　　　　　　　　　i　　　　　　＼　　　　}　>
　 /　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　.|　／　ﾚﾍ、
　,　　　　　　　　 ヽ　　 i　 .|　　　　　　　|、　/　} ノ
　i　　　　　 .l　　　 i　　.ﾊ. ∧.i　　　　　 .| l /　　|' ﾞ;
　|　　　 .|　 i　　　 .| ／! }/　}ﾊ　　　　　.|,ﾉ　/ ./"
　|　.i　　.|　 ﾄ　　　1. ,ﾑ斗:ｒ7 }　　　　　 |　 / ./:.:.:.:.:ヽ　　　　　　　　　　　　　……少し、時間が残ったらしい。
.　i　l　　.|　 「＼　 .ﾊ/ Ｖツ　 ':/　　　　 .|　/ /|.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ
. 八ハ　 ト　|'芯＼{　　´　　　ハ |　　　 ﾊ　/:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:/　　　　　　　　　　　　素直に僥倖としておこう。
.　　{　`:.ハ .ﾄ.}７　　　 　 　　　 }/|　　　.j　ｙ:.:.:.|:.:.:.:.:.:./
　　　　　 | ヾ. :,ヽ　　　　 　 　 /　}　　　ｊ ∩こ)ﾞ,:-イ~
　　　　　 ｌ　　　|＼　 _　-,　　　　ｲ 　.,v⌒／: :ヽ:.:.}　　　　 _____,,
　.　　　　 ｌ　　 .|.　　　､ ´　　　／ﾉ-ﾏ｀／: : : : : :’、_ . : : : : : : : :
　　　　　　丶　 i　　　　　`ｰ ' >r"f ﾞ／: : : : : : : : /: : : : : : : : : : :
　　　　　　　 丶 ，　　　　　　⊂ﾞ_／: : : : : : : : ／: : : : : : : : : : : :






　　　　　　　∠ へ＿＿＿＿＿
　　　　　 ／_|＿＿|＿＿＿＿＿
.　 　 　 // ﾉ　　　｀'‐-　　　|
　　 　 //（○） 　 （○ ） 　 .|
　　 　 | | 　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　　　……終わった。
　　 　 { {　　 （__人__）　u　 .|
　　　　ヽヽ　　 {＿_}　　　　 }　　　　　　　　　　これで、全部……
　　　　 ヽ ヽ―┬‐┬――┘
　　　　　／ヽ＿{＿_|＿＿＿
.　　　 　 /　　 /　/
　／　　/.　 　 |　|
　　　　{　　　　|　|

5904： ◆x0SRSoJXe.：2023/10/20(金) 00:17:18 ID:pGltr7QQ0


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 __ 〈　　　　　"''+、: :
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／ﾍ ＼ 、　　　　　 ＼: :
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　　　　　　　　　 　 　 　 : : ＼　｀ヽ:::::ヽ、: : 　|{　 ＼__|　 |　　　　　　　＼　　`、　　　>／: :
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　　　　　　　　　 　 : : ,､ -‐''’　　　　　__ﾆ／　　　 )>=イ//// ＼　　　　 　 |　　 ＼: :
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　　　　　　: :,.+'゛　　__ニ=-‐　￣　,,､+''"|　||　,//////／　　　　　 ／< |＼.,|　　 　 ／⌒＼__: :
　　　　　: :〈… '''"´　　 　,､+''´￣￣ |　ﾉ　|| ///////　　 ／￣￣　　 ＼ 丶　 　,//　"'〜､　⌒＼: :
　 　 　 　 : :´7''〜､、__／　　 　 ,,_　 |/　　|Λ/////＿,／<　 ＼ 　 　 　 ＼|　　// 　 　 　 ＼　 　＼: :
　 　 　 　 : :/ / Λ　 /＼　　　/　 〕"〜‐┘　　 ＿厂[＿＿＼　 ＼　　 　 八　//　　　　　　　＼　　 ｀ ､
　　 　 　 .: :|,/ /　}__////＼_,/ ／/〔　　　 ﾞ''＜二｢ : : : : : : ＼＼ 　,>　　　　 寸{　　　　　　　　　｀` ､、
　　 　 　 .: :/ /　　＼／　　_,／　/ 　 ´"''〜　.,　ﾞY: :　　　　 : :＼／ ＼　　　　　ﾞト .,　　　　　 　 　 　 ｀`
　　 　 　 : :{ /　 -‐'"{ 　 /¨　　 /　　　　　　　　 ﾞ/: :　　　　　　　: : : :: :|＼　　　 {　　＼
　　 　 　 : :{ {　 　 　 {　/ 　 　 /　　　　 　 　 　 / : : 　 　 　 　 　 　 : : |..　＼　　{　　　 ＼
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　　　　 　 : :从　　 〈: :/^＼_,/　　　　 　 　 　 /: :　　　　　　　　 　 　 : :|　　　 　 '{ 　 　 　 　 `、
　　　　　.: :/　`、 　.∨, 　　〕"'7〜　.,　　　　/: :　　　　　　　　　　　　: :＼　 　 　 {　　 　 　 　 `、
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　 : : 　 　 ／〈　 l　Λ |　/　　　 ／⌒／ニニﾆﾆヽ: :: :　　　　　　　　　　　　 　 　 : :` |　　　　　　　 }
　 : |　..／　　 ＼{＿__〉 / /⌒＼{　　(二二二二二)-､

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
戦場と化した海原に、一気に静寂が訪れる。

さっきまでの轟音が飛び交うネクスト戦など、最初からなかったかのように。
炎に巻かれる機体も、黒煙を噴き上げる機体もない。
何もかも水底に沈んでいき、その姿を消していた。

企業連のトップランカーたちは機体と運命を共にし、
反体制勢力たるネクストが4機残った。

最後のネクスト、地上の支配権として。

「ミッションは完了だよ……各機、帰投して。
これで……本当に終わり。お疲れ様」

なのはが心底安堵した声を出す。
それは戦いの終わりと、時代の移りを意味していた。
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5905： ◆x0SRSoJXe.：2023/10/20(金) 00:22:07 ID:pGltr7QQ0
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　│ :: │
　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└─┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ┌┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 └┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 □

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

5906： ◆x0SRSoJXe.：2023/10/20(金) 00:28:02 ID:pGltr7QQ0

　　　　　　　 ､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´　　　　　　今回の投下はここまでだ。
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i
　　　 　/ : : : : : : :┌─┐　　　　　　次回だが……ひとまず、再来週の木曜日、11/3の21時からとしようか。
　　　 　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ
　　　 　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿　　　　　休めたり休めなかったりだからね……周りが妻帯者だらけで独身に厳しいんだ。
　　　 　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ
　　　　 と_ : : : : : : ノ : :ノ　　　　　　　休みたいと言っても、「おまえが休みたいだけじゃん……」みたいに思われてしまってさ。
　　　　　　￣￣￣　￣






　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿__
　　　　　　　　　　　ヽ:::::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　|::○::::::::○:|
　　　　　　　　　　　　|:::::::‐=‐:::::::|　　　　　　　　　　　　　　　　　ハァ……困ったなァ。まさかAC6もトロコンし損なってるなんてェ……
　　　　　　　　　　　 　>::::::::::::::::::く
　　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::＼　　　　　　　　　　　　　　　　みんな待ってくれているみたいだから、急いでやる夫スレも小説も書きたいけど
　　　　　　　　　 （=m/ ＼＿／ヽ､m=）
　　　　　　　　 　 　/ ヽ、　　　　ﾉ ヽ,　　　　　　　　　　　　　　　　もう疲れちゃって、全然コーラルリリースできなくってェ……
　　　　　　　　　　 ヽ､ ＼ 621○/　/
―――＝＝＝　（:::::） i｀――´i （:::）　＝＝＝――――　　　　　　それじゃ、シーユーアゲイン。
　　　　 　 　 　 　 ヽ,| | |γ⌒ヽ| | |/
　　　　　　　　　　 （_| | | |　|　| | | |_）　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　 　 　 ヽ|_| |　|　| |_|ﾉ
　　　　　 　 ／ 　 　 ｀'ｰ |　|　| ｰ´　　　　　＼
　　　　　／　　　　　　　 ヽ_i_ノ　　　　　　　　　＼

5907： ◆x0SRSoJXe.：2023/10/20(金) 00:29:47 ID:pGltr7QQ0
あ、あと、おすすめの専ブラあったらマジで教えてください……

今はSikiってのを使ってるのだけれど、なんかAAの中の記号が勝手に絵文字に変換されてたりして気持ち悪い……

Jane styleを返してくれぇ……

5908：安価のやる夫だお：2023/10/20(金) 00:47:47 ID:wZxWz6IY0
乙
完全勝利は気分がいい
後はどんな未来が広がっているか…

5909：安価のやる夫だお：2023/10/23(月) 19:41:34 ID:AfSeL3Mw0
おお帰って来られていたか
遅ればせながら乙でした

5910： ◆x0SRSoJXe.：2023/10/24(火) 23:42:05 ID:dCNPlo6I0
次回だが、11/2だね……3日の金曜日は仕事だ

もう疲れちゃって、全然アイスワームにスタンニードルランチャーが当たんなくってェ……

5911： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/02(木) 20:49:16 ID:OwnHrxko0
申し訳ない、熱を出してしまった。

ちょっと今回は延期とさせていただく……

次回は次に休める日取りを確認したら予告するよ。

5912：安価のやる夫だお：2023/11/02(木) 21:15:28 ID:aphVgLfE0
乙
お大事に

5913：安価のやる夫だお：2023/11/02(木) 22:39:48 ID:.0mrDbk60
乙ー
体調第一で

5914： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/09(木) 20:45:29 ID:1zkg/Kaw0
すまない、Twitterで予告しといてスレで予告していなかった……

今日の21時からぼちぼちやっていくよ。

5915： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/09(木) 20:59:36 ID:1zkg/Kaw0

　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿__
　　　　　　　　　　　ヽ:::::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　|::○::::::::○:|
　　　　　　　　　　　　|:::::::‐=‐:::::::|　　　　　　　　　　　　　　　　　ハロー。
　　　　　　　　　　　 　>::::::::::::::::::く
　　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　 （=m/ ＼＿／ヽ､m=）
　　　　　　　　 　 　/ ヽ、　　　　ﾉ ヽ,
　　　　　　　　　　 ヽ､ ＼ 621○/　/
―――＝＝＝　（:::::） i｀――´i （::::）　＝＝＝――――
　　　　 　 　 　 　 ヽ,| | |γ⌒ヽ| | |/
　　　　　　　　　　 （_| | | |　|　| | | |_）
　　　　　　　　 　 　 ヽ|_| |　|　| |_|ﾉ
　　　　　 　 ／ 　 　 ｀'ｰ |　|　| ｰ´　　　　　＼
　　　　　／　　　　　　　 ヽ_i_ノ　　　　　　　　　＼






　　 ＿＿＿＿__
　　丶::::::::::::::::::::/　　　ｶﾀｶﾀｶﾀ
　　　|:::::::::○::○　　＿＿＿＿＿_
　　　|::::::::::ｰ=‐::i　｜　 |￣￣＼　＼　　　　　　この前はごめんね。なんかいきなり38.8の熱が出た。そして一晩で下がった。
　　　.>::::::::::::::::く＿.|　　|　　　　|￣￣|
　　 /:::::::＼＿:::::::::::|　　|　　　　|＿＿|　　　　　なんだったんだって感じだよね……
　　 |::::＼::::::::::::つ　|＿_|＿＿／　／
　　　:::::::::￣|￣￣￣￣|　　〔￣￣〕　　　　　　　やっていこっか。戦いが終わり、その後って感じだ。

5916： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/09(木) 21:01:14 ID:1zkg/Kaw0

　 　 　 　 　 　 　 　　　　　　　　　/　　i　!| ,′ ,′
　 　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　/i　!|,′ ,′　 　 　 　 　 　 　 　 　 　　　　　　_..-‐　 　 　　　　,,,,,........,,.
　 　 　 　 　 　　　　　　　　　　_/　,ゝ' .i　!|iヽ ,′　 　 　 　 ,_.. ､ 　 　 ::.;:;:;:::.::.::.::.:.､ ´　 　: 　 ::.::.￣ﾞﾞ´　 : :;:;: :
　 　 　 　　　　　　　　　　　　/　, '　 　i/ !|i､i}, !..　　　　,./'´;:;:;:::::　 : :;:;:::::　 　 　i′ ::.::.: . ::.::.:;:;:;:;:;:;::::;:､;:;:;::;:;::.、
.　 　 　 ,ゝー -＜　　＞rﾟ´-＞x-､　 ,_'__rfヽ､∧.､　 ., ／　 　 . .::.::.: ::::;:;:::: 　 　 '　:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:::.::.;:;;:;:;:.／;:
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　 ﾟ´　　　　　／＞-＜　 　＞ﾟ´／{ .| }　ヽ{　}' //ililili}　　_ヽ::.;:;:;:::.::.;:;::;:;:;:;:;:;:;::　.;:,;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;";:;:;:;:;::
.≧s､　}＞－'ﾟ´;: 　 {／｀¨´ ￣｀¨>}__ヽ i {iヽﾉ_＞､ililil{ヽ′　V/;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.ｌ､;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::./ ;:;:;:;::
....ヽ'ﾟ´_'"',l/'´;:;:;:　:／￣￣}　　　　}_　 }　{!//　｀¨¨｀¨ヽ ＼　}/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:::::::;:;:;:;: ;::.ﾘ‐;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:,,./ ゛;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
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. 　ヽ／　 } ,ゝ-､ヽ､＿≧s}｀ヽ{_/ヽili/>}　/_ ./ ;::::::　._,,,....{il{ / ヽ、._, : ___,　'!「ﾞ〃,,..､iiﾆ,ﾞ´ｰ-..,,_　　,,-'';;;;''ｉ......、
...｀´、 >ー 、　 .}　 ｀ヽ、/-/ ./} ヽili!> ヽ'＞'、:.:;:;:;:"　........｀{'　　　V/.".丶　 .,／,,,,ﾉ',　　　ﾞ/゛　 　 　 　.゛　 　`
..　　/　＼　＼ j!ヽ　／-{_/ ./_/ヽ| }-＜-､三}...,,,,,, -''',二...ヽ、　 　V/,,..-..,'｀-lｌlｌiii,,,,ﾞ　 : _il|´ﾞ,,.. -;;'''､　 .'―‐''''
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..　　/{ilililili} / . ＼.　 ＼　＼ : : :.!　{＿}/ヽ　 V､__ﾉ }/　 　　f｀ヽ、　!..: : : : : : : : : : : :,.. -r-―ｰ'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
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戦いが終わった後、混乱と呼べるものはほとんど起きなかった。

普通の戦争であれば、ここから要救護者の救出であったり、
色々な喧騒の渦が巻き起こったのだろう。

だが、これはネクストを使った戦争だ。
嵐と同じで、過ぎ去った後に残るのは静寂だけだった。

空を穢し海を干上がらせるような兵器が戦った後だというのに、
それらの自然は泰然と元の姿を取り戻していた。

風も波も穏やかで、白い装甲に控えめに打ち付けられる。
世界を変えるつもりの戦いをしていたというのに、
それすらも些事なのだと誰かに教えられているような気がした。
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5917：安価のやる夫だお：2023/11/09(木) 21:01:43 ID:l90IJhj20
ハロー

5918： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/09(木) 21:08:29 ID:1zkg/Kaw0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 __ 〈　　　　　"''+、: :
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　　　　　　　　　　　　 　 : : ,:.,;_: : : : . .　　　　　／　　 |　 | ＼ 　 　 　 　 ＼＿＿＿＿＿
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　　　　　: :〈… '''"´　　 　,､+''´￣￣ |　ﾉ　|| ///////　　 ／￣￣　　 ＼ 丶　 　,//　"'〜､　⌒＼: :
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　 　 　 　 : :/ / Λ　 /＼　　　/　 〕"〜‐┘　　 ＿厂[＿＿＼　 ＼　　 　 八　//　　　　　　　＼　　 ｀ ､
　　 　 　 .: :|,/ /　}__////＼_,/ ／/〔　　　 ﾞ''＜二｢ : : : : : : ＼＼ 　,>　　　　 寸{　　　　　　　　　｀` ､、
　　 　 　 .: :/ /　　＼／　　_,／　/ 　 ´"''〜　.,　ﾞY: :　　　　 : :＼／ ＼　　　　　ﾞト .,　　　　　 　 　 　 ｀`
　　 　 　 : :{ /　 -‐'"{ 　 /¨　　 /　　　　　　　　 ﾞ/: :　　　　　　　: : : :: :|＼　　　 {　　＼
　　 　 　 : :{ {　 　 　 {　/ 　 　 /　　　　 　 　 　 / : : 　 　 　 　 　 　 : : |..　＼　　{　　　 ＼
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　　: :　　　　 // | Λ　| 　./´"''〜　..,_ 　 ´"''〜　., |: :　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 : :`　|　　　　　　　 }
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深く息を吐いて肩を落とし、天を仰ぎ見る。
そして、プライマルアーマーの出力を切った。

無色の結界となってマーシフルを覆っていたコジマ粒子が解放され、
白い燐光となって霧散していく。

何度見ても、綺麗だと思った。
事実、死を振りまく光だというのに、眼前を舞うコジマの光は美しい。
それも見納めだと思えば、感傷的にもなる。

戦場の新たなる支配者、ネクスト。
人類の生存圏を著しく縮小する代わりに、一部に途方もない栄華を齎すコジマ技術。

人類の叡智と愚かさの結晶たるこれらは、少しずつ姿を消していくだろう。
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5919： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/09(木) 21:10:19 ID:1zkg/Kaw0

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　　　　　　　　　 　 　 へー／:.:.:.／:.:.:.:＼:.:.:.＼
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　　　　　 :.:| |:八:.:.7 ）ﾊ|:|:.:.:.:.|:.:|:.:.:|:.: |:.:.:.:.:|Λ :.:.:.:.:.:.:.:|:.ト|　　　　　　　　やーるー夫くーん！
　　 　 　 |:.| |:.:./＼ ヒｿ|从:.:.:|:人:.:|:.: |:.:.:.:.:|/Λ:.:.:.:.:.:.:.|:.|｜
　　 　 　 |:.| |:.:.|/Ｗ '''',　　＼辷ｰ‐ｚ:八:.:|:.|∨Λ :.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　　黄昏たくなる気持ちも分かんねんけどな、
　　 　 　 |:.| |:.:.|/从　　　　 　 　 ,,,|//:.:.:.|:.|ﾉ//Λ:.:.:.: |:.|￤
.　　 　 　 人|:.:.|:.:.|沁、ﾏ　ｰｯ 　 ＿/ :.: 人｢￣￣ﾉ:.:.:. |人|　　　　　　　　 はよう帰ったらなあかんで！
.　　 　 　 　 |:.:八:| :.:心､　　 　 Γ/:.:／　　　 -く|Λ:.:.|
.　　 　 　 　 |/　 ヽ ／　　==７ﾆ|/／　／⌒＼ 〈|　 ∨　　　　　　　　　　　これから忙しくなるさかい！
.　　　 　 　 　 　 ／　　／|_______|　 ／ 　 　 　 ＼>
　　　　　　　　　 ＼　 / /　　＿｣ ,/　　　　　　　｜
.　　　　 　 ＿＿＿_У|/____/ /　/　　　＿＿＿_人
　　　　　 ｜┌―／:::::::￣/ /　/　,　 ´　　　　　　 ＼
　　　　　 ｜│／| | ｺ::::::/ /　/／　 ,　 ´￣￣￣￣ 丶
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　 ＼　 ミ三三|￣|三彡／　　　　　　　今、行くよ。
　 ノ卜 ＿＿＿兀 ＿ イヽ

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通信が入ったのを確認し、条件反射的に応答する。

はやての弾むような声が聞こえてきて、疲弊しきっていた精神を引き上げられた。
戦いの消耗を、安堵と喜びで打ち消しているかのような声音だった。

短く返事をすると、自分のものとは思えない澄んだ声が出た。
はやての呼びかけで、ようやく心身ともに認識が冴え渡って来たらしい。
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5920： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/09(木) 21:10:42 ID:1zkg/Kaw0

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　　　　 　＼|:. :.＼|: ト "'''　ﾉ　　　 ∨ヒジ ::| :.::./） }::..: |／　　 ﾉ　　　　　　　　　　　　あ、ええこと思いついたわ。
　　　　 　/.:. .:../ :.|八　　　　　　　　　''' イリ:.:./　イ :: ' 　　 ／
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　　　　,.: :. :../ ..::.:.: _jﾆ=‐＼　　　　　／ :／ 　 /:..:/　　　/|
　　 　 |.: : :.从: : :/´　 　 　 〕=≦ ／7／　｢"'<::: /　　　/: |　　　　　　　　　　　　　　　こちとら追加ブースターがついとるさかい、
　 　 　 、: :|　 ∨Λ　　　 /　Λ＿／/＾＼|　　∨ 　 　 {￣￣＼
　　　 　 ＼|　 // : :.　　 /　 |::::::::::／: : : :｜　　|　 　 ／⌒Y´　 ＼　　　　　　　　　　　マーシフルも一緒んなって吹かせば推力二倍やで。
　　　　　 ／￣/: :: : :.　/　／⌒Κ＿＿__｜　 ｜　 /　　　 |　　　 |
.　　 　 　 ＼{￣￣￣∨／{::::::::丿 ＼　 　 |　　 ∨./　　／⌒'ｉ　　 |　　　　　　　　　　　　「そうかな……そうかも……」
　　　　　　　{　 　 　 /　 ／:::: | 　／ |　　｜　 　 ｜　/　　　 |　　 |
　 　 　 r―‐辷...＿Λ／:::::::::: |／ニ｜　 人　　　 |__/　／⌒ 　 　 ＼　　　　　　　　　　　
　 　 　 | {／-=二|二|＼_:::__／-ニニ|　 　 ｢＼　　 └彳 　 ノ　　　　 ]―┐ 　 /
　 　 　 |/ｰ=ニ|￣二|ﾆﾆ／ﾆ二二二|＼　 |ﾆ{　 　 　 └＜ﾆ＼　　　　 　 厂し′
　 　 　 {-=ﾆニ|二二|ﾆ/ﾆﾆ＞''^｀￣ﾆニ＼ﾆ乂＿＿_ ノニニﾆ|
.　　　 八 -=二＼ﾆﾆ∨ ／-=ニニニﾆﾆ=‐ﾉ人ニニニニニニΛ＼
　　　 {　 ＼ｰ=ﾆﾆ＼-|/-=二二二二=ｰ／ニΛニニニニﾆ／二＼＼
　　厂{　 ／ ＞-=ﾆﾆ＼-=二二二=‐＜ニニニ〈 Τ￣￣ニニニニ|:..:.＼
_／ 　.／ニニﾆΤ|ニC|二二二二二二二二二 〉 ＼ニニニニニﾆ|: : : : ＼
　　／|ニニニニ|Λﾆﾆ|二二二二二二二二 ／＼: : ＼ニニニニ｜: : : : : : :ー――
　/ ::: |ニニニ＼〉:｛ﾆﾆ|二二二二二二二.／　　 ├┐: :￣￣￣￣: : : : : : : : : : : : : :
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これが、最後の戦いだったんだ。
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5921： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/09(木) 21:10:56 ID:1zkg/Kaw0


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5922： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/09(木) 21:18:14 ID:1zkg/Kaw0

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.　　　 ＼ ヽ、　,'.ﾆﾆﾆ',〈　/　././　 /／　　　 ヽ　　 ≦'"::::::::::ﾊ　　　　　　　　　　ヽ　　　　/　／
.　　　 　 ＼　`ｌ ﾆﾆﾆﾆ', V . / /__／　　　＿_,,ィ |.　 　 ＞'''"　 |　　　　　　　　　　　ヽ　　/ ／
　　 　 　 　 ＼|ﾆﾆﾆﾆﾆ',　 /　　　 _,,,ｨ‐''::::::::::| ,ｲ　　　＼__,,ｨ:::::|　　　　　　　　　　　　ヽ. |/
　　　　　 　 　 ﾔﾆﾆﾆﾆ.ﾑ./ _,,ィﾞ:::::＞‐┐::::／　　　 　 　 >‐''" |　　　　　　　　　　　　　ﾏﾑ
　　　　　　　　　ﾔﾆﾆア_,,ｨ‐､:::::／　　 ,ｲ≠　　　　　　　＼　.....::|!　　　　　　　　　　　　　 |ﾑ
　　　 　 　 　 　 {ﾍア /＿__l::::/＿_／≠　', 　　　　　　　　,>:‐''"|!　　　　　　　 　 　 　 　 |ﾆ',
　　　　　　 　 　 ヽ_l_/__／¨¨',¨¨¨/ｨ‐､. 　 〉 　　　　　　　＼ 　_,,|!　　　　　　　　　　　　　|ﾆﾑ
　　　　　　 　 　 　 ￣｀|,ｧ''¨¨¨¨¨ﾍヽｧﾊ.　 ',　　　　　　 　 　 l:::::::|!　　　　　 　 　 　 　 　 lﾆﾆﾍ
　　　　　　　　　　　　 〈≠ｚz≧　　ﾍ ',ﾏ〉 _ ',　　　　　　　　　}::／ヽ　　　　　　　　　 ＿__|ﾆﾆﾆﾍ
　　　　　　　　　 　 　 ハ≠ｚｚx...　　ﾍ /　　 >　　　　　　　／ヽzzzzzzzzzzzzzzzz≦/三三三三',
　　　　　　　　　　　 　 ', ﾏ´　', 　　　　＞､／ |＿＿＿＿/／三三三三三三＞''"三三三三三ﾆ',
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　　　　　　　　　　　 　 　 ヽ､__,,,,､`丶、| 　ヽ|三三三三ﾑﾆﾆ／　ﾏ三／三三三三三三三三三三ﾑ
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　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ:::::ヽ::／.　　|三三三三三=ﾑﾆﾑ　　 ﾏ三三三三三三三三三三三三
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　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿__,ｨ三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
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テロリズムへの粛清の中から産声を上げたORCA。
それは消えゆく桜花重工が打ち上げた最後の花火だった。

企業連は思い描いた筋書きにない例外的存在に対し、
容赦のない追撃を徹底的に行った。

確固たる地盤ゆえの資金力とマンパワーにものを言わせた、
豪華なネクスト部隊やアームズフォートの群れ。
それらによって、時代の瑕疵であるORCAは消え去るはずだった。

そのはずだったが、目論見は悉く外れた。
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5923： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/09(木) 21:19:36 ID:1zkg/Kaw0

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　 　　',::::::::::::::::::|!:::::::／´　　iｨf下／!::f　 }:::::､,{ハ.　 　 　 　 　　　,∠ ―　,ｒヽ)ﾉ　 　‐　、
　　　-=＝≠=zr '´　 　　rz_　／　/:::|､ ﾉ:l1／　 l　 　 　　　　　/ 7　‐-,. ( ）'ﾉ　 　　　　　　、
　 　　　　／::/、　 　　_≠ '´　 　/::::::jソ7 /　　　!、　 .　 　 　　i　; 　 ,‐!ノ'ノ　 ｀/　 　 ,. -
　 　　　/::::::/｀ー─ ' ´　/ /! ／ !::::/l　／ 　 　 　 ｀　.　 　 　　'　:,_/〉-,ノ　 　./　 　 /"　　　　ヽ
　 　 　/:::／＼ i |!_　　　7_,.／ 　 Ⅵi／　　　　　　　　.　　　　　ｒ/_.'-‐' 　 ＼ .'　　　/　／　 　 !　､
　　　./::/´￣/ ＼'l｀ー '´　 　、　 ／　 　 　 　 ノ　　　　　　＼..`! !.　 　　､,.ヽ!　　_./／' ,. ｨ　 i　! }
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　　　l:/:::::::〈　 　　､｀1 ー　 　　/　,　　　　　　　　　　　　　　　j::::::.、 、　,ﾍヽ.l 　 l l　　　´　,/,ｲ/
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圧倒的だった戦力差は、企業連に翻意を翻し弓を引いた二人のイレギュラーに
よって、呆気なく打ち消されたのだった。

更にはランク9の八神はやてと、マーシフルの後継者である入速やる夫の
存在もあり、もはやORCAは最後の悪あがきとは到底呼べない代物となっていた。

皮肉にも、企業連が国家解体戦争時に見せつけた、圧倒的な個によって
数と状況を覆すネクスト戦の特性が、今度は彼らに牙を剥いたのだ。

結果、企業連は保有する戦力の内、2割を損失。
IGIOは保有するネクストの九割を、その他の四大企業はネクスト戦力
そのものを全損した。

未だ数的有利は覆らず、大勢のノーマルACやMT部隊こそ維持していたが、
焼け石に水というものだというのは誰の目にも明らかだった。

勝負は既に決したのだ。

ノーマルの一個師団ですらも、一機の突出したネクストの前には
塵芥も同然なのだから。

やがてORCAが発する勧告に従い、ネクストは続々と破棄されていくだろう。
もはやランク下位の独立傭兵程度しか残っていない今、
それらをぶつけたところで被害が悪化するだけだ。
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5924： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/09(木) 21:32:34 ID:1zkg/Kaw0

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　　　　　　　　　 ヽ、　i,':::{ i　　　 i }::', .!　／
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　　　　　　　　　　 , '´ 　゛´＼::::／｀゛ 　 ｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　 r-､-
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文明の原理というのは、石器時代から変わってはいない。
最も強い力を持つ者に、その他の全てが付き従う。

かつて核抑止による冷たい戦争が世界を東西に分かっていた時も、
核の傘とその持ち主たちによるパワーゲームの時もそうだ。

もしもその時代に、ある一国だけが核を持ったなら、
その他全ての国がひれ伏しただろう。

そして、それが今ここに成ろうとしていた。
世界で唯一の、ネクストACを保持する勢力。

とうとう地上の支配権を独占したのは、企業連の老獪な権力者ではなく。
捨てられた人々と、若いリンクスたちだった。
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5925： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/09(木) 21:36:02 ID:1zkg/Kaw0

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5926： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/09(木) 21:45:57 ID:1zkg/Kaw0

＼┌‐/:〈/ /〉:::/─┐　　 /匕」　　　　{::::::/／　　　　　　 ／　　　　_＼　 　 　 | 　 　 　 |:::| }　}　　　　}　 }／　　　:|　 |:|　　　／
＼└/:〈/ /〉:::/─‐┘　／/＼_|,､‐辷三ア´　　　　　　 ／　　 xく￣{::::::ヽ＿＿_|｀ヽ　　　|:::| }　}　　　　}　 }　　　　 :|　 |:|　 ／ /
＼　/:::/ /::::::/──┐ {::::{　 ／{￣/ｰ／　　　 　 ｡o≦　　 ／＼::＼{::::::::::{::::::::::::::::::}￣￣::::| }　}　　／/　/　　　　　|　 |:|／　 /
＼ /:::::厂:::::/──‐┘ ＼{／:V´￣／　　　 ｡o≦ / 　　 ／ﾞ∨__＼::乂::::::乂:_:_:_:_ノ::::::::::::::::|_}　} ／ ./　 ハ　　　　 j　 , '　　 /
＼〈{／￣77───┐ ／::: :: |　／　 ,.｡o≦::/　}/ 　 ／{ :{'，∨＿|＼||::::::::::|:::::::::::::::: :::::::::::::,}　圦　/　 /　.|　　　 ./ ./　　　/
.＼/:::/7://───‐／:::::::／::|'´｡o≦　 /::::/| ./　 ／￣{ :{∧ ∨,,,|　 ||::::::::::|::::::::::::::::: :::::l／ }　}∧ 厂7||＿|　　　/__/　　　/_　-　¨
ヽ/::://://￣￣＞r'´::::::／/:::/　＿＿ ./:::::/ ﾚ 　∠| :|￣{ :{_∧ ∨|　 ||::::::::::|:::::::::::::::::::: ::|ニ′广ﾆ′/.|ﾆﾆ|　 ／ﾆﾌ　　 ／＼
..〈¨7〈7rf^＾￣::::::_:|､:／/:/ヽ癶//　 //:::::/／ ／___,| :|￣{ :{＿乂乂／ヽ::::: :|:::::::::::::::::: ::::|ﾆ:|　|ﾆﾆ:|　ﾄ､|ﾆﾆ|／ﾆﾆ7　 ／　　　 ＼｡o≦
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機体の除染処置が終わり、格納庫へと移送されると、
いつも通りの歓迎が待ち受けていた。

整備班と医療班が走り回り、機体がドックへ固定されるや否や、
整備用ブリッジへとスタッフが飛び乗ってくる。

その内の誰もが、目に光を宿しているのが分かった。
AMS接続を切断して自前の視界に戻し、解放されたコックピットから
覗き込んできたスタッフたちは、多くは語らなかった。

ただ、どこからか肩を叩かれたり、ヘルメットの外され方が丁寧だった気がする。
本業のスタッフから、飛び入りで手伝っていた専門外の一般人まで混在していた
格納庫では、その誰もが安堵の眼差しを交わし合っていた。

これだけは、初めて見る。
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5927： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/09(木) 21:51:25 ID:1zkg/Kaw0

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　　　　　| || 　 （__人__）　 　 }}.∩}　　　　　　　　そっか……みんな、ずっとアマツで平和に暮らしてて……こんなことになって。
　　　　　| 《　　 ｀ ⌒´　 　　 》∪|
　　　　　＼ﾐ三三|￣|三三彡／　　　　　　　　　　でも、それも終わりだから……
　　　　 ,'⌒ﾄ ＿_　兀 　＿ イ⌒'',
　　　　 {　　)　　　| |　 　 　(　 　/　　　　　　　　　　「おかえり、やる夫君」
　　　　　|￣ |＿,,''| |'',,.皿 /￣/"
　　 　 　 | 　 |　　 | |　　./　 /　|
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　　　　　.∨:.:.:|.∨:.:.:ｉ:.:.ヽ:.:.:.:.｀ つ-´j　　　　　　‐｀‐‐┴/:.///:.:.:|:.:.:.:.:!:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:!
　　　　　　∨:.:| .∨:.:ヽ、:.＼:.:.＼.ゝ´　　　　　　　　　　///〃:.:.:.:|:.:.:.:..!:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:!　　　　　　　　　　みんな、喜んでるんだよ。
　　　　　　　ヽ:.|　 ヽ:.ヽヽ、:.｀ヽ__ヽ_　 　 ′　　　　　　//,ｲ:.:.:.:|:.|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　　　　 　 ヽ|　　ヽヽ　＼:.:.|:ﾍ 　 　 　 ‐ ‐ ´　　　　 / ,':.:.:./l.,':.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　　　 ずっと平和を奪われてきて……でも、戻って来た。
　　　　　　　 　 ヽ　 　 .＼ 　 ﾏ:|:.:.ヽ、　　　　　　　　 ／　,':.:/:|/:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |∧:.:.:.:.|｀＞ .､　　　 イ　　/／ /ヽ、:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　　　　正確には、その足掛かりだけどね。
　　　　　　　　　　　　　　　　　|| ヽ:.:.:.| 　 　 ._｀T´　　_ -/　　 ./ .|＼_:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |　 ＼:.|　,､r ´/ヽv＜´　　　　/　 |::::::::::￣｀― 、:.:!
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､r －ヽ:/　 ,'／l./ .ヽ　　　 / 　 .|:::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ 、
　　　　　　　　　　　　　 ,､r::"´:::::::::::::::/ 　 / ヽy‐ 7´ヽ　 /　　　|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ 、
　　　　　 　 　 　 　 　 ,'|:::::::::::::::::::::::/　　./　 l≠´.|　　>´　　　 .|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,::--－‐ヽ
　　　　　 　 　 　 　 　 | |::::::|＿-- <　　 / ./ /　ヽ | ./　　　　　ト- 、_::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::/
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　　　　　　　　　　　/´,':::::/　　 ≠＜´　|´::::::::ヽ /　　｀｀ 、　　 Eニニコ　　 ./　|::::::::::::::::::::::::|
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5928： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/09(木) 21:57:46 ID:1zkg/Kaw0


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　　　　　　　// /:.:.:./:.:.:|:.:ﾊ:.Ｎ:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:. |:.:.:.:.八|//.＼:.:.:.:.:|:.:.:.:.:i
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　 　 　 　 　 　 |:./　l|:.:.:|:.| |/ 〕ト|:.:.:.:.|:.:.:.:|:.:.|:.:.:.:./:.:.|//.:.:.:|:.:.:.:|:.:.:.:.:|　　　　　　　　　――君たちが取り戻した平和だよ。
　 　 　 　 　 　 |′ 八:.:.Ｎ　=ミx　ヽ: |:.:.:ハ:.|Ｙ:.:.:.:.:∧//.:. |:.:.:.:|:.:.:.:.′
　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾉ　　　 `′　)|:./:.:||ハ:.:.:.:./:.:|//.:.: |:.:.:.:|:.:.:.:|　　　　　　　　　　まだまだ、完全な平和まで先は長いだろうけど……
　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ_ ＿　　　/ﾉｲ:.:厶イ:.:.:.:.:.:.∧//.:.:|:.:.:.:|:.:.:.:|
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｰ'　　　　/:./　　ﾞζ:.／　 V//:|:.:.:.:|:.:.:.:|　　　　　　　　　　　君たちは確かに、その足掛かりを作ったの。
　　　　　　　　　 　 　 　 　八 ＿＿ /:./　　　　＞┐　 ∨//:.:.:.|:.:.:.:|
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /′/へ　　 x彡"／二〕　V//:.:.|:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 Χ"　／／ｌ|ﾆ＼　V//:|:.:.:.八
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 〈　У'／ 　 l|ニﾆ＼ '//:.:.:.:.:.:.ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｘ〈／　/ |-―‐|ニニﾆ＼/,:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／′／|ﾆ|――「 ＼ニニﾍ/:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 〈/ ／ﾆ〃ニニニニニヽﾆニﾍ/:.:.:.: |





　　　 ＿,,―――,,_
　　／ 　 ========ﾆ＼
　/　 〃　　　　 　 　 　 ヽ
　|∩{{　　　─　　─　　 }}　　　　　　　　　平和、か。
　|∪ ||　 （●） 　（●）　}}|
　＼　{{　∩（__人/777∥/　　　　　　　　　……確かに、そうかもしれないお。
　_,,, ﾄ ミ.（丶＿_////彡ｲ,,_
/　　ト -　> ....,＿_,ｲ イ　i　"i

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くたびれたスーツ姿で、なのはが出迎えてくれた。
肩で息をしながら、力の抜けた笑顔をこちらに向けてくれている。
自分たちの帰投を聞き、駆け付けてくれたのだろう。

なのはの言葉を聞き、もはやこの世にはない亡国のミニチュアを思い出す。
コロニー・アマツは、失われた平和が保存された地だった。
文化を保存しているとは謳っていたが、今となっては、真に保存されていたのは、
他でもない平和だったのだろう。

それは世界の外側の犠牲を見て見ぬ振りした身勝手さの産物とも言えるが、
その中には、失われた平和が確かにあった。

そしてこの人たちは、その平和を知る人たちだ。
平和という文化を知り、それを取り戻そうとしている。

きっと、新しい時代の先駆けにこれほど相応しい人たちはいないだろう。
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5929： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/09(木) 22:09:31 ID:1zkg/Kaw0

　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:/＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |
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　　/:.／／:.:.:.:.:.:.／:.|:.:.:.|:.:|:.:.:.:.: ｉ:.:.ヽ:.:.:.ヽ、:.:.:.:.:.:.ﾍ:/ : |:',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　 //　/:.:.:.:.:.:.:./:.:. : |:.:.: !:.{!ヽ:.:.:ヽゝ‐廾:.-- ､:.:.:.:.:‘，/ |:.ｉ:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　/　 /:.:.:.:.:.／ｉ:.:/:.:.:|:.:.A-|ヽ:ヽ:.:.:ﾍ＞斥≠、ヽ:.:.:.:.:.ｉ:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　　ｉ:.:.:.:.://:.|:.:!:.:.:.:.y´|｡≠､ヽ＼:.ﾍ んてﾒ.＼:.:.:.:.:. |:.:. : |:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　　∨:.:/ ｉ:.:.ｉ:.{!:.:.:.:.|〃んう　　　＼.う__/} ,ｲ|:ｌ:.:.: : ｌ＼:/|:.:.:.:.:.:.:. : |
.　　　人,′!:.:.:ﾘ!:.:.!:.:.ｉ ｀.うﾂ},　　　　 ゝ-┴　 }:l.:./:/　/:. |:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　　　さ、ちゃちゃっとメディカルチェックを済ませてくること。
　　　　　　 ',:.:.:. ﾄ:.:ヽ:.ﾍ. ゝ¨, 　 　 　 　 　 　 / /:. |／!:.:.:|::.:.:.:.:.:.: : |
.　　　 　 　 丶:.:.ｉ ＼:>､ﾍ　　　　　 　 　 　 　/}:.: : !　 |: : |:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　　　終わったら……みんなで集まるから、一杯付き合って。
　　　 　 　 　 ＼|　 /l:人＼　 ﾏ￣ﾉ　 　 　 　 !:.:./ 　 |: : |:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　　　　　　|:.|{:. : r .　　　　　　　　イ　|:.,'　　 |: : |:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　　　今後の話もあるし、美味しいものの一つでも食べないと、
.　　　　　　 　 　 　 リヽ:.: |　 　. 　　　＜　　　/ｲ . 　 |: : |:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　　　　　　　　＼{ 　 　 ￣|　　　　 ／ ∧ﾍ　|: : |:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　　　　実感湧かないでしょ？
　　　　　　　　　　 　 　 　＼ 　 r/{　　 , ＜ 　　　/ ヽL;; |:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　　　　　　　 　 　 ,､／/－＜、　　　 .／　./:::::::::｀ヽ:、:.:.: |
　　　 　 　 　 　 　 　 ,､r ´／　/>= /´ ＼　 ／　　/::::::::::::::::::::::::｀ヽ、
　　　　　 　 _,x ≦:::::::::::／　　/>≠<　 　 >　　 　/ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ、
.　 　 　 　/::|::::::::::::／ /　 　 ／/　＼＼ |:　　　 / 　 ＼::::::::::::::::::::::::::::::::/＼
　　　　　 |::::|::::::／　　＞　´ヽ ´　　　｀´ヽ　－＜　　　 ヽ::::::::::::::::::::::::::/::::::::|





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　　　／　　⌒　　＾＼　　　　　　　おお、祝勝会って感じですかお？
　 ／　　（ ●） 　（●）
／　　::::::⌒（＿人__）⌒ヽ　　　　　「ささやかだけど、そんなとこ。ほら、行っておいで」
|　　　　　　　|r┬-|　　　|
＼ 　　 　 　　`ー'´　 ／　　　　　　腹は死ぬほど減ってますお。ちょっくら間先生のところにいってきますお。

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パイロットシートに磔にされていた身体に鞭打つ。
今にもへたり込みそうに重たい四肢を無理やり動かし、背筋を伸ばす。

こうしてはいられない。疲れて眠たいし、今後のことも心配だが、
とりあえず腹が減って仕方がなかったのだ。

なのはに一礼し、医療班についていく。
そこで間と牧瀬に小言を言われたら、司令室に向かおう。
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5930： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/09(木) 22:10:18 ID:1zkg/Kaw0

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5931： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/09(木) 22:20:22 ID:1zkg/Kaw0



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　　　　　 |/　//::::::/:::::::::::::::::ﾊ:::| ./:::/三≧/／/::::::::::::::/　_　ヾ:::::::::::
　　　　　 |　/ .i:::::/i::::::::::::::::::| 升彡イニ￣ 　 /／i::::::::::| /　 ） i:::::::::::
.　　 　　　　i　.l::/ ｨ::::::::::::::::::|　ヾﾃr j ／　　 　　./::::::::::| ） /　.|::,:::::-
.　 　　　　　|　.| ﾊ i:::::::::::::::::::ミ､　）‐'´　　　　　 /::::::::::::| / - ' ´三三
.　　　　　　 |　　| |.ﾚi::::::::::::::,､:ヽ＼　　　 　 　 ./:::_::::-:::'::´三三三三　　　　　　　　　　　まったく、検査のし甲斐のない奴だなおまえは。
.　　 　　 　 ヽ　 | |　|:::::::::::/　｀ﾐ､_ ＼　　 _　- ' ´三三三三三三三
　　　　　 　 　Ⅶ　Ⅵ::::::::/_　　-　　　 Y´三三三三三三三三三三　　　　　　　　　　　　相変わらず異常なしだよ。
　　　　　　　　 ヽ　 V:::ﾊ:::::::＞､　　＿ .＼三三三三三三三三三三
　　　　　　　　　　／ヾハ:::/三 >'￣　　　 ヽ三三三三三三三三三　　　　　　　　　　　　　自分に無理な負荷をかけず、操縦を最適化できてた証拠だ。
　　　　　 　 　 ／三三三/三三ﾆ｝￣　　　 V三三三三三三三三三
　　 　 　 　 ／三三三三三三三::i､　　　_ ィ ト三三三三三三三三
　　　　 　 <三三三三三三三三三三三三ﾆ.| ヽ三三三三三三三
　　　　　 　 ｀ -　､三三三三三三三三三≧／:::＼三三三三三三
　　　　　　　　　　 ｀ - ､三三三三三 ／／/）:::::::::人三三三三三三
　　　　　　　　　　　　　　＼三三ﾆ.／／/.//::::::::/ | |三三三三三三





　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　/: : : : !: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
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　　　　　　　　　　　　　|: : :|/　_.　 ＼ヽ: : : l: : ／/:/⌒ヽ|: : : : : : : |: : : : : : : |
　　　　　　　　　　　　　|: : :|　ｘ:＝=ﾐ､k＼: :|／／./　　　 ', : : : : : : !: : : : : : : !
　　　　　　　　　　　　　|: : :| 　 　 　 　 　 メ′　r=＝=ﾐ　 }: : : : : : |: : : : : : : '
　　　　　　　　　　　　　|: : :|　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |: : : : : : |ヽ: : : : : :i　　　　　　ホント、よかったわ。誰も死なずに帰ってこられて。
　　　　　　　　　　　　　|: : :ｌ　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |: : : : : : |　}: : : : : {
　　　　　　　　　　　　　|: : : ',　　　　｀　　　　　　　　　　　 |: : : : : : |ノ : : : : : |　　　　　　みんなボロボロで、どうなるか分からなかったから……
　　　　　　　　　　　　　|: : : 小　　　　_　　　　　　 　 　 　 |: : : : : : |: : : : : : : |
　　　　　　　　　　　　　', : : : : ヽ　　　　￣´　　 　 　 　 　.|: : : : : : |: : : : : : : |　　　　　　　一安心って感じね。
　　　　　　　 　 　 　 　 ‘，: : : 个　　　 　 　 　 　 　 　 ／|: : : : : : |: : : : : : : |
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間のメディカルチェックは、態度こそ雑だったが対応は丁寧だった。

医務室でデスクに座り足を組む間の後ろで、佇んでいた牧瀬が微笑む。
いつもつっけんどんな彼女が、ここまで開放的な笑顔を見せるのは
初めてだった。といっても、自分が初めてなだけで、付き合いの長い
間あたりは何度も見てきているのかもしれないが。

彼女いわく、クーガーもアルトリアも、今回の出撃で残された命を使い切る
可能性すらあったと言う。

その僅かな時間を燃やし尽くすことに縋らなければ勝てなかった。
それが分かっているからこそ、無暗に騒ぎ立てる気もなかった。
聞いていて不甲斐なさを感じもしたが、それ以上に、自分も嬉しかった。

間の真似ではないが、もうあの二人は無茶は禁止だ。
これからは地に足着けて、自分の相談役になってもらわないと。

それで、真面目に病院に通って、少しでも長生きしてもらわねば。
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5932： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/09(木) 22:28:53 ID:1zkg/Kaw0

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　 / ｲ /　　/　　/イ::::/::::::/::::::::::::/::::::/ /:/　i.l＿V:::::|::::::|::::::::::::::::...
　i .ﾊ./　　/　　 i /::::ｨ::::::/::::::::::::::i::::::::レ＝ニ=''￣V:::|:::::::|:::::::::::::::::
　l ﾊ i 　 /　　　 {::::/:::::::i:::::::::::::::::l::::::::彡´=ｔ=ョ=≧i::/:::::::l::::／ヾ::::
　l　ﾚ　 /.　　　　i;/i:::::::::|::::::::::::::::ﾊ:::::{　 ´ 廴-ン ノﾉ::/::::ﾚ　/j　}::
　l　|　./　i　　 　.| .|::::i::::|::::::::::::::ハ::::::ゝ､,,　　　　　／ィ::::::i/ ﾉ /::::
　　 V |　 |　 i　　l　l:::|::::|:::::::::::::|　 ﾄ:::ミヾ＼-　　　　ノ:::/:::レ /::::::　　　　　　　　　　　　　「間先生、あの二人を、頼みますお」
　　　V 　 |　ﾊ　　　i::ﾊ::::ﾄ::::::i::::|　　} ＼ _　,ヽ´　　-イ/:::ヒ /:::::::::::....　　　ノ
　　　 V　 i./i　　i　 ヾ V:::::::::ﾊ:::|　　i　　｀　　.,ヾ　　ノ イ レ::::::::::::::::::::::::::::／./　　　　　　 頼まれるまでもない。俺の仕事だ。
　　　　ヾ .ﾚ l　ヽヽ　 V入:::::|　ヾ　　l　　　　　　 ',　´　 ﾉイ:::::::ヾ::::::::::::::彡／
　 ＿＿_.>､ヽハ　　ヽノ　 ヾ::ゞ　　　 ヽ　　 _ノ　　ヽ　./人:::::＼:::＼::::::::イ:::ﾉ　　　　　　　 それに、あの二人は……これから先のおまえの人生に
／::::::::::::::::::￣￣｀' ､＼＼.∧:ヾ､　ー - '' ´_　　　　 V i:::::::::＼::::＞::＿＿ノ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､ヾ　＼ゝ≧　　ー''´　　　 　/ 斗:::i::::::::ミ≧ﾆ=-　　　　　　　　　　　必要な二人だ。そうだろう？
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾハレミ　　　　　　　　／ イ::::::ﾊ:::廴:::::ニ＝-＼
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミ､＞､　　　　　 ／　　/:::::人　＼￣:::::::::::::::::::＼　　　　　　　　「……はい！」
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミゞ､ー─ ‐'´　　　 / /.i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::￣￣￣／　 　i /　l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　　　　　
／＞::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／　　　　/　　|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::／'´￣
::::::::::::｀ー─-:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／　　　　／　　　|::::::::::::::::::::::::::::::／　　　　　　　　　　
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::Vi /| /　　　　　＿　　　　　　　　　 /　/　 ﾊ　　　　　　　　　　ヽ　＼ヽ＼
::∧ﾊ./| //i/ｨ／　　V　　　　/　 /　{　/　 {　|　 |　　　　　　　　　 ＼ ',ﾍ ハ
::::::::::V::::/:::::/ /￣ヽ / 　 / / 　 |　 |　ﾊ　 |　ヽ　{　 l　　　　　　　 ∧ ヽ
::::::::::::::::::::::::|　 {　　 /　　∧||　　|　 |　|弋 ミﾐ､|　|　 |　　　　　　　　　}ハ
:::::::::::::::::::::::::i　　　{ |　　 |　|ﾊ　 ﾊ　ﾄ .|　ｨｔ､-､ V/　/　 |　　　　 　 　 |
:::::::::::::::::::::::::ヽ　　　|　　 |　ヽﾊ | .ﾚ ＼　 ヾソﾍ ﾉ .//　ﾉ 　 ｨ　　　ﾊ　|　　　　　　　おまえもだいぶ大人にはなったし、男になったがな。
:::::::::::::::::::::::::::::廴　 |　　 |　　 ＼ハ ゝ 　　 ゞノ/ /ﾌ　/　　/　　　 | |　|
:::::::::::::::::::::::::::::/ﾊイ|　　 |　　　　　 ＼　　　　 ／　イ/　　/　　i 　.| | .ﾉ　　　　　　　大人になるってのは誰も頼らないこととは違うし、
::::::::::::::::::::::ノ/.// | ｀ー'´　　　　　　　　　　　　　　 ﾚ　／　　/　　ハ/
:::::::::::::::::／／ 　　| +　　　　　　　　　　　　　　-＝イ:::／ / / 　 / ./　　　　　　　　　男ってのは必ずしも強いわけじゃない。
:::::::::::＜　 ´ 　 　 | ｷ　　　　　　　　　　　　　_　　　 V ／ / 　 /
≦=､＿＿　　 　 ∧ｷ　　　　　　　　　　　　　 ｀ 　　 Y ／　／　　　　　　　　　　　　　責任を取ろうとするのが大人で、
:::::::::::::::::::::￣≧=､　>｀ﾒ､　 　　　　　 ￣｀ - _/｀ー ' ´/ .／
:::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:＞､､　　　　　　　　- ､ノ　　／ ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　強くあろうと戦うのが男なだけだ。
:::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.::.＼　　　　　　　/
:::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＞､　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　……独りでやろうとする必要はない。それを忘れるな。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.≧ー＜
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.￣｀ー - ､
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間の力強い言葉に、感極まって声が裏返る。

あの二人には、まだ傍にいてほしい。
自分が知らない多くのことを、彼らは知っている。

これから先、白紙の未来を見る時。
少しでも、頼れる人が傍にいてほしかった。

間は、それを読み取ってくれていたのだろうか。
険しく静かな瞳は一切揺れることなく、自分を見つめていた。
それ以上は語らず、ただ静かに、眼差しだけが決意の強さを語っていた。
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5933： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/09(木) 22:38:38 ID:1zkg/Kaw0

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Ｔ｢ ｏ　ﾛ |-┘　|_◇__区]_匚]_＿i_匚]__|__匚]__i_i_i_区匚]__匚]_|_i_i___匚][]_i_i_匚]_|　　¨ﾆ=--ｒ-=ﾆ.,,_´"'' ‐-
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/　　　二＞ゞ、　　＼ｉ!ｉ!ｉ!ｉ　　ｉ　!∥　|
　　=≡二三≧｀ヽ　　｀ヾj　｀ｉ　//　/
┬―--≧ー――　、__　!　　　　　_ゞ、
/　　／　　　　　　　　　　　　　　　 |ヽ|
ノ／　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |
/　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /,
三三ー‐ｉi!i!i!i!i!i!i!i!≧==‐、＿,∠/
三彡　　ji!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!j　　｀ｉゞ
三二≡=ヾｉ!ｉ!ｉ!ｉ!ｉ!ｉ!ｉ!＞´　　　　ｉ
,　　　　　　 ｀≧≦´　／　　　　ｉ　　　　　　　　　　　……分からんな。なぜ、俺がここにいるのか。
彡彡　　　／　　　　 　 ￣ト、__ｉ
彡彡彡´ 　 ／彡ｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉ/ヽ　　　　　　　　　　　　　　捕虜などおまえたちには必要ないんじゃないか？
彡彡彡////斗≦￣￣｀!　∧
ヾ彡彡巛巛彡ﾉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉ!´　　ｉ
::::≧=、彡彡ﾉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉ|　　　ｉ
:::::::::::::::＼ミミミミミミミミミ　　　ｉ
＼::::::::::::::::::::::ゞ≠≠≠ﾐヾ　　/∧
　 ≧=ー―　　ｉ´　　 　 　 　 　 ∧
　｀ｉ＼　　　｀ヽ ＼＿／￣｀ヽ　　∧
　　ｉ　 ＼＿＿|　ヽ　　　　　　＼　　|
　　｀ヾ三三三彡´|　　　　　　　 ＼ |

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CDCに向かうと、これまでの戦いの中における各代表者たちが集まっていた。

会議用のテーブルにはステンレスの無骨な皿に盛りつけられた料理たちが並び、
湯気を立ち上げていた。
備蓄していた食料の中で、可能な限りご馳走と言えるような献立を捻りだした、
といった風情の品々だった。
とはいえ、暖かそうな作りたての食事であれば、今ではなんでもご馳走だ。
色んなフライが載った皿が並ぶエリアに目を奪われる。

そんな中で、むすっとした表情で佇む男が一人。
腕を組み、残された片目は硬く瞑られている。

アルトリアが撃墜したSIのスネークが、五体満足でそこにいた。
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5934： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/09(木) 22:47:24 ID:1zkg/Kaw0


　　/　　　　　　　　　　　　i　　　　　　＼　　　　}　>
　 /　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　.|　／　ﾚﾍ、
　,　　　　　　　　 ヽ　　 i　 .|　　　　　　　|、　/　} ノ
　i　　　　　 .l　　　 i　　.ﾊ. ∧.i　　　　　 .| l /　　|' ﾞ;
　|　　　 .|　 i　　　 .| ／! }/　}ﾊ　　　　　.|,ﾉ　/ ./"　　　　　　　　　　　これから先の時代、戦いは圧倒的な個から、数の戦いに戻るだろう。
　|　.i　　.|　 ﾄ　　　1. ,ﾑ斗:ｒ7 }　　　　　 |　 / ./:.:.:.:.:ヽ
.　i　l　　.|　 「＼　 .ﾊ/ Ｖツ　 ':/　　　　 .|　/ /|.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ　　　　　　　　……優秀な指揮官が必要だ。この場所を守り、生き抜くために。
. 八ハ　 ト　|'芯＼{　　´　　　ハ |　　　 ﾊ　/:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:/
.　　{　`:.ハ .ﾄ.}７　　　 　 　　　 }/|　　　.j　ｙ:.:.:.|:.:.:.:.:.:./
　　　　　 | ヾ. :,ヽ　　　　 　 　 /　}　　　ｊ ∩こ)ﾞ,:-イ~
　　　　　 ｌ　　　|＼　 _　-,　　　　ｲ 　.,v⌒／: :ヽ:.:.}　　　　 _____,,
　.　　　　 ｌ　　 .|.　　　､ ´　　　／ﾉ-ﾏ｀／: : : : : :’、_ . : : : : : : : :
　　　　　　丶　 i　　　　　`ｰ ' >r"f ﾞ／: : : : : : : : /: : : : : : : : : : :
　　　　　　　 丶 ，　　　　　　⊂ﾞ_／: : : : : : : : ／: : : : : : : : : : : :





　　　　　　　　　　　　　　 　 　_　-――――-　_　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　∠　　　　　　　　　 　 `　､＿}_
　　　　　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　､　` ､⌒ヽ
　　　　 　 　 　 　 　 ／　　　 　 　 /　　 　 　 　 　 ＼ 　'， /
　　　　　　 　 　 　 /　 　/　　　 　'　　　　　　　　　　 | 　 '/＼
　　　　　　　　　　 '　　　′　　　/ 　 　 　 　 　 |　 　 |　 　､ノ}
　　　　　 　 　 　 ｌ{ 　 / 　{　　 /{　　　{ 　|　 　 |　 　 |￣ア}ノ＼
　　　　　　　　　 八 　|　　',　　ｌ 　、 　{ 　l　、　|　 　 |／　ﾊ___ノ
　　　　　　　　　 　 ＼|'， ∧|　|　　＼_{＼|＼＼|　 　 | 　/ /⌒}　　　　　　　　　企業連に手を貸し世界を歪めた責任を感じているのなら、
　　　　　　　　　 　 　 | ∨ｬ竿ミ　　　 　 斗竿ミ|　 　 |／ /__ ノ　
　　　　　　　　　 　 　 | ∧ 　Lソ　　　　　　Ｌソ |　 　 |ヽ/⌒＼　　　　　　　　　　背負うことでそれを果たしてみせるがいい。
　　　　　　　　　 　 　 |　ﾊ　　　　　　　　　　　　|　 　 |ノi:i:i:i:i:i:i:＼
　　　　　　　　　 　 　 l 　込、 　'　　　　　 　 　 |　 　 |＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:'，　　　　　　　　
　　　　　　　　　 　 　 |　 　| ＼　　 r_、　　　　 ,|　 　 |､ｉ:i＼i:i:i:i:i:i:i:}
　　　　　　　　　 　 　 |　 　|　　 　、　　　　 　ｲｌ|　 　 '{i＼i:i:）_ｉ:i:／
　　　　　　　 　 　 　 人 　 |　　 　 l｀　‐ 　´ 　 ｌ|　　/i:V⌒i:￣{
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ､| 　 　f≧======≦_| 　,'⌒i{i:i:i:i:i厂
　　　　　　　　　　_-=ﾆﾆ=-　__ﾉvﾆﾆﾆOニニﾆ=|／二⌒⌒^
　　　 　 　 　 　 _-=ﾆﾆﾆ／ニニ＼ﾆOﾆﾆﾆﾆﾆノﾆﾆﾆﾆ≧ｧ≦⌒＼
　　　　 　 　 　 _-==ﾆﾆ {ﾆﾆﾆﾆﾆ／＼ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆニ'，
　　　　　　　 　_-=ﾆﾆﾆﾆ〉二二ﾆ＼／二二二ニﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ'，
　　 　 　 　 　 _-=ﾆﾆニ/ﾆﾆﾆﾆニ/二二二ニﾆﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ'，





　　　　　　　　　」::ヽ　ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ､
　　　　　　　　　|:::::::ヽ　ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :: ::::::ｉ
　　　　　　　　　|:::::::::::ヽ　 ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :::: :: ::::ﾚL
　　　　　　　　　ｉ:::::::::::::::ヽ　　丶:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :::::|
　　　　　　　　　ヽ::::::::::::::::＼　　｀　､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: : ::|
　　　　　　　 　 ＿＼::::::::::::::::::ヽ　　　　ヽ__:::::::::::::::::::::::::::::::::::: ::ﾉ
　　　　　　　　　Z::￣:::::::::::::::::::::::´ ‐　,　|　｀~´｀ﾞ'‐- ､.::::::/:l:イ　/.￣l
　　　　　　　　　　＼:::::::::::::::::::::::::::::,-ー┘,＿_　 　 　 ｀ヽ::::ヽ| /__ / |　　　　　　　　　　早い話、要は男として見込まれたんですよぉ、アナタ。
　　　　　　　　　　　 ｀>::::/二ﾆ‐ト-|＿ ∠-ーヾ､､　 　　　>::::｀しノ.　|
　　　　　　　　　　　　Z::::l　(￣ :|＼　￣ГＴ‐--二ヽ､＿∠'´ヽ:ｉ　､　ヽ,　　　　　　　　　スネークさん、俺はこう思うんですよ……
　　　　　　　　　　　　 ヽ人　く　|:::::|＼. 」　|　　 　 ￣￣_Il￣ハ:l／　　 レ､
　　　　　　　　　　　　　|　 Fヽﾆ|:::::l　 　｀ヽl､　　　 　 ／ |　/v/ｉl　／　　　|　　　　　　　　使えるものは使うべきだと！　因縁怨念に囚われるのは人の性です
　　　　　　　　　　　　　| 　ヽ　　＼」 　 　 　 ｀ ‐- ／ 　 :|ｙ´/　ｉ|'　　　 ,　 {_
　　　　　　 　　　　　 　|. 　　＼.　| 　 　 　 　 　 　 　､　_:l | し/.|ｉ 　 ／　　Vヽ　　　　　　　元カノにもらったプレゼントなど見たくもないとベッドの
　　　　　　　　　　＿_ ﾉ　　　　 ＼＼　　　「｀ー=＝三7人」 　｀‐|__l´　　,､　ヽ| ＼
　　　　　　_　ィ￣　　　　　　　　　 ＼ヽ　　｀￣￣_, 　 lヽ::::｀ヽ　 （　ヽ-'´　　/.　　＼　　　　　底に投げ捨てることもあるでしょうしかし！
　　_...-‐´:::::::/　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　 　|　ヽ:::::::Yヽ ヽ. 　 　 / 　 　 　 ＼
´::::::::::::::::::::::/　　　　　　　　　 　 　 　　 |　入 _. ＿＿」　　 ヽ::::＼〉､_＿／ 　 　 　 　　 ＼　　　それの有用性を考えれば再利用こそが最適かつ最速の
::::::::::::::::::::::/　　　　　　　　　　　　　　　 |/......./　　　　　　　/::::::::::＼ 　 　 　 　　 　 　　　 ＼
:::::::::::::::::::/　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |......./　　　　　　　/::::::::::::::::::＼

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あの後、アルトリアはスネークの機体を戦闘不能に追いやったものの、
コックピットを破壊することはせず、それどころか持ち帰って来たらしい。

言い分は分かるが、その時は誰もが面食らったものだ。
今でも腕っぷしに自信があるクーガーを傍に置くことで、こうして食卓に
つかせてはいるわけだ。

と言いつつも、スネークは存外に大人しく、暴れる様子もなかった。
泰然自若といった様子で、落ち着いて周囲を観察し、
呆れているのか溜息を吐くばかりだった。
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5935： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/09(木) 22:59:02 ID:1zkg/Kaw0

　　　　　　　ｲ二二二二二ミヽ、
　　　　　／|　　ﾉ|　　　　　　　　￣≧ｰ、
　　　　/´ｉ .!、　　!　　　　　　　　　　　　ー-,
　　　　|　|　 ／∨｀ｉ　∧　　　　　　　　　　＼
　　　　ｌ　|／　　 ＼| |ｉ!ｉ|　　　　　　　　　　　 ゝ
　　　　 ,r≦≧t、　 || Ⅵヽ　| |＼　　　　　　　￣
　　　／　　ゞ≡´丶、 　 　＼|| 　＼
　　<　__ 　 | 　 　 　 ＼　　　 |　　　 ヽ
　　 ,ゞヽ｀´　｀ヽ　　　　ミﾐ　 二ﾐヽ　　∧　　　　　　　　　　……プロジェクト・ファンタズマ。プロジェクト・クレイドル。
　　 ゞﾐヽ、　　 |　　　　ミ　 ノ　ヽ |　　　∧
　　 i｀ヽ ｉ!ｉl　　 ∨　　　 ゝ !、__／　　　　∧　　　　　　　　　それに比べれば、未来があるか。
　／　_,-ﾉ,!ｉ!ｉ!、　　　　ｉ´　-― ´　＼　　　∧
　∨彡彡´ﾉｉ!ｉ!ﾐ　　　　　　　　|　　　 ＼___／　　　　　　　　　自らの愚かさを律し、制御するために進歩する時代……
　　` 刈彡´ﾉノ　　　　　__＿斗
　　　　　｀ヾ＿,斗―≦￣i!i!i!/　　　　＿＿
　　　　　 ／i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!ノ ＿／⌒＼　 ｀ヽ
　　　　　 }i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!´／　　　 斗＜ヽ　└‐
　　　　　/i!i!〈⌒´／／　　　斗＜　　 　 ｉ_j
　　_,―´/｀ｰ´／／　ゝ--イ∨
　 /　　/　　/　/　　　　　　　∨






　　　　}: : : : : : : :_ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ;ﾘ
　　　　i!: : : : : ／: : : :r : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : _＿i
　　　 〔: : : : :/: : : ,´:/ﾍ: ヾ : :ﾉヾ: ､: : :ヽ　　＼＞'´///}
　　　　|ﾐz､ノ: : :彡'/＿_ヾ:i :〃:ﾐヾ ミ: : : ＼: : ;)/////.i
　　　　|/〃: : :ｿ : {//////////ヾ､ﾐ:}ヾ｀ﾞ/´＼j/////.{
.　　 　 }ヾﾞ从〃＼｀.///////////｀ﾞヾ;////////////-､
.　　　　i////////ヾ./////////////j//////////f'´ヽ.i
　　　　ﾉ｀ｰ-､./////＼_////////////////_ノ´ミK｀Y }.}　　　　　　　　　――いいだろう。俺には、見届ける義務があるのかもしれんしな。
　　　/ｿ: : : {≧｀ﾞー-z､_////////,＞任=ヲ'´,　 ｀ﾐj,　ﾉ〃､
　　 〃/: : : i三三三三 >ﾞｰi-'´￣｀＝≡´ 　 　 ノ从〃ﾐミヾ､_,　　　　　　　これよりおまえたちの指揮下に入ろう。
＿彡'人: : : :}三三三／ i　 i!　　ヾ　　｀ー　　　　ｿ彡ｿヾミヽ､
.:. .:. .:. .:.ﾄ､彡ヽ三≧'　; ´　 }　 ､　}　　 　 ､_　　ヾミ三≧ミヾ｀ー-　　　　　　後ほど俺の部隊もこちらに合流させる。
　.:. .:. .:.从ﾐソ, ｀ﾞ´／{ ' 　!　|　　 Y､　　　　 ｀ヽﾐ去ミヾ!.:. .:. .:. .:.ヽ
.:. .:. .:./:. ｿ彡ﾈ　 ﾑ,,, ヽ '　　ヽ　ノ　｀ﾐ､　　　､ﾐミヾ､ﾞ,; |.:. .:. .:. .:. .:.＼　　　　　だが、おまえたちの筋書きが狂っていたならば……
. .:. . /. .:. .'ｷ彡　'去彡ﾝﾄz - 彡≦ﾐヾミヾ､　､ヾﾐミﾉ,;;; |:. .:. .:. .:. .:. .:.　
:. .: /.:. .:. .:./;ム彡'´｀ﾞ丶_　　　_＿　― ; ﾐｿﾉヾ}/从',;;;;;i .:. .:. .:. .:. .:. .:.　　　　　その時は、俺たちが相手になると思え。
.:. .:{. .:. .:. 〃∧ﾐｿ ゝ=　__￣￣__, ,　'´　ｿﾉﾉﾉｿ彡/,;;;;;;;;|.:. .:. .:. .:. .:. .:. .
. .:. | .:. .:. .}::::i;;;;Y彡,_　,zkz=zk　　ﾞ´　ﾉ从ﾉノ　／,;;;;;;;;;;;!.:. .:. .:. .:. .:. .:. .:
:. .:..i. .:. .:. i:::::|;;;;;ﾐ从ｿソil|||||||ilﾐ､_ 彡'从ヾ　／,;;;;;;;;;;;;;;;;|.:. .:. .:. .:. .:. .:. .:
.:. .:.| .:. .:. .|:::::|;;;;;;;;;ヾミｿ|||||||||||||illlﾐ从ヾ..／,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;{.:. .:. .:. .:. .:. .:. .
. .:. .!:. .:. .:.i!:::::l;;;;;;;;;;;;｀ヾﾐ三三≦彡ﾞ , イ゛,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i.:. .:. .:. .:. .:. .:.





　　　　 ＿＿＿_
　　　／_ノ　 ヽ､_＼
　 ／（ ─）　　(─）＼　　　　　　　　……それは、これからだお。
／::::::⌒／)／） ⌒::::: ＼
|　　 ／／ ／　　　　　　|　　　　　　　そうならないためにも、やる夫もアンタにはいてほしいお。
＼　|　/　 二二)　 　 ／
／　ｉ　　　r‐一' 　 　 ＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
ここまで、世界はネクストに依存してきた。
ノーマルのみを主戦力とした作戦は久しく行われず、
敵勢力のネクストが出てくれば蜘蛛の子を散らす勢いで退却してきた。

彼のような優秀な指揮官は、確かに必要だ。
その技術を継承し、蘇らせる必要がある。

いつまでも、自分がマーシフルで守り続けるわけにもいかない。
そうなってしまっては本末転倒だろう。

それに、アルトリアが言わんとすることは、もっと深い意味もありそうだった。
過去からの見届け人として、その役目を彼に期待しているのかもしれない。

過ちは、語り継がれなければならない。
スネークも、自分たちも。忘れてはならない過ちを、次の世代へ伝えなければ。

そうしなければ、人は屍山血河だって数年で忘れ去るから。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5936： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/09(木) 23:02:49 ID:1zkg/Kaw0

　／////////// // ' }/　　`　ヽヽ　`　∨∨/|∨/////////////∧
　／///////{|/ ∨　　ｌ　　　　　　　　　　　 ヽ} }∨////////////∧`
　￣|///∧/!|　　　　　!.|　_,ｨ彳　　　_ｨ＜==ｭ､､_ }∨/// /⌒∨////＼
　　 |/ }.//|∨　 ､　　　 ｌ_〃´,ｨｪ≦三三三}　　¨`y'∨//!}／ヽヽ//∧￣
　　　 /／ |　 _ｨｪｪｭ、,ｨｪｪｪ≦三三三三三}　　　　　|//|ヽ}　　　ｌ//∧
　　　　　　{　　　＞≦　　　∨三三三沙¨´　　　　 　 ∨|　　　　.}//| `
　　　　　　＞≦三三:i}　　　 ∨沙 イ　　　　　　　　 /　ﾘ　 〉　 ///∧
　 :.　　　　∨三三三ﾉ　　　　　　　　　　　　　　 　 /　　 ｌ　　 //////＼　　　　　　　　これでSIとのパイプもばっちりだな。
　　 :.　　　 ∨三沙´/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＿///////∧
　　　 :.　　　　 |　　〈　　　　　　　　　　　 　 _　　　　　　　|　 |/////∧　＼　　　　　　　コジマ技術が喪われて優位性を持つのはSIだ。
　　　　 :.　　　 ヽ　 　 ヽ　　　　　　　　　_,ｨ　'　＿＿＿__/＿|幺幺幺＼
　　　　　 :.　　　∧　　　　　__ , ｨニﾆ￣　　 |￣＿＿＿＿＿＿＿＿二二二　　　　　　　奴らを敵に回したら復興どころじゃねえ。
　　　　　 　:.　　　∧　_ >イ- イ　　　　　 　 ｌ　}:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　:　　 .＞´-‐ ´､ -‐‐''　　　　　　 ｌ　ｌ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　<ﾆ 彳_ >　　　　　　　　　　　　 ｌ　ｌ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　＿＿　-‐ ¨, ｨ　∧　　　:i:i:i:i:i:i　　　 　 ‐ｌ　ｌ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　<￣　＿_　-‐　:::::::::::::::∧　..:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:／　ｌ　ｌ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　∨　<::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ヽ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i ＜　　　ｌ　ｌ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　∨ ∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ｰ‐‐ 'ヽ　　　　 　 }　}::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::





/: : : : : : : : :,: : : : : : : : : :＼: : : : : : ミメ、
: : : : : : : : : {::＼: : : : : : : : : ＼: : : : : : :.:|
: /: : : : : : :/~^^ヾ; : }: : : : : : :.:.':, : : : : :.:|
/: : : : : : 从　　　 ）人: : :ヽ: : : :.|: :.､: : :.乂
: : : : : : : : : }.　　　´　 ＼: :!: : :,人: :}: : : : : ミ
: : : : : : : : : }三≧＝=ァ/ヽ}: :/三从: : : : : :.〉　　　　　　　　　　オルデンブルクとの交渉もまとまった。
}: : : : : : :,人{ _,ｚrﾋ岱＾　　人｛ 赱　ヽ: : ハ/
: : : : : : : {　　` "´ ,..:'´　　　 ^∨~"　.ﾏ{　　　　　　　　　　　　　今後は我々の支持母体として動いてくれるそうだ。
: : : : : : : 乂_　　 　 　 　 　 　 / 　 　 从
乂: : : : : : : :.ヽ、　　　　　　　　　; ,　 {: :.',　　　　　　　　　　　　　IGIOに腑分けされるよりはマシと判断したのだろう。
:|　＼: : : : : : : :}　　　 ; ; ;　 , r‐ ｧ ;,　∨^
:≧s｡.⌒ヾ:从:.:!　　　　　／' ´こ　 .｝　∨　　　　　　　　　　　　　　……どの道、企業の力は必要だ。
ヾ: : :.:＼__　 .}/　　　 {:.　　　　　＿＿_/＿＿_
　ヾ: : : : :{:',　　　　　 ゝ 　 　 　 |::::::::::::::::::::::::∧
　　{: : : 从 廴_　　　　　; ; ,　　 .∨::::::::::::::::::::::∧
　　乂: : : :}　:::::::::≧=‐-.........＿,..入:::::::::::::::::::::::∧
　　　 }: : /! . 　 　 　 ＿＿__ 〈::::::::∨::::::::::::::::＞''"￣￣￣￣
￣￣￣　∧　 　,.ィi〔:;:;:;/;:/;:;∧::::::::|::::＞''"
　　　　　γ:;￣/:;:;:{;:;:;:/;:;:;:;:;:;: ∧＞''"
　　　　 ./;:;:;:;:/;:;:;:;:{;:;:;从;:;:;:;:;:;:;:/

5937： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/09(木) 23:11:13 ID:1zkg/Kaw0

　　　　　　　　　　　　　　＿__　　　　　　　　　{´￣｀ヽ、
　　　 　 　 　 　 　 　 　 {　　_＼ 　 　 　 　 　 ﾏ_ ｡ }_,||
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼} 　 ＼　　　　　　　ﾏ__ 　||
　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼　　ヽ　 ＿＿__ ///＼!!
　　　　　　　　　　　　　　　　　 }＞. :´: : : : : : : : :＞､/
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／: ,: |!: : :|: :＼:＼: : : ､｀ヽ
　　　　　　　　　　 　 　 　 , ': : :/: :||::､:.|､＿_:_:､＼: :.∨:ﾑ
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /:/: :.':ィ-|{从:| ＼{＼｀＼: ､:|: : : .
　　　　　　　　　　 　 　 /ｲ: |: :|:|从{ ＼{ｲ苡ｵヽ}: /＼､: : ;: .
　　　　　　　 　　　　　　 /: :|: :|:{泌ｿ　　　:.:.:.: /:ｲ: : : |:＼: : .
　　　　　　　　　　　　　 , : : |: 从 :.:.: ' ＿_ 　 　 /: : :./: /: : : .　　　　　　　　　これから忙しくなるねぇ。
　　　　　　　 　 　 　 　 |: :./|/:.从　　V:.:.:.}　　 ´√´:.:/: | : : :.
　　　　　　　 　 　 　 　 l／　　|:|:ム 　 ー'　 　 ｲ: : : /: : ! : : : .　　　　　　　　結局、コロニー・アマツの再建を目標にするんでしょ？
　　　　　　　　　　　　　 　 　 /:,|: |: :｀: . __,... ´　|: : :,:,ィ⌒ヽ､: : : .
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /:　|: |: : r=r-|　　|^|: :./|| 〉　 　 ＼: :.　　　　　　　技術顧問としてどうか……と言うのもナンダケド。
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 {/ /-j: :/!| Lﾉ　　{l |: :{ jj|_〉　　＼＿､＼
　　　　　　　　　　　　　　　 ／ //: {l｣／ _ｨ―/ |: :|_/ｲ　　　 　 　 ｀ヽ　　　　　　ま、あの島は居心地良かったしね。
　　　　　　　 　 　 　_,.　　´　　{/イ／r-ゞ-｀¨ｰ'⌒ヽ l|　　　　　 　 　 }
　　　 　 　 　 　 　 ｢　　　 /,{＞- ´ ,.と二＿〈_l ｰ'´￣∨ 　＿_　　　 '
　　　　　　 　 　 　 |　　,.イ-┴- ､:/／Toﾉ|　∨ ∧　　∨//// ＼,∧
　　　　　　 　 　 　 Ⅳ/ / 　 　 　 '　　　　|| 　 ＼､_／⌒}＿/ |///: : :.
　　　　　　　　　　// {　{　　　　　,　 　......:||::......　乂{ 　　 ＼ 　 |/: : ,: :.
　 　 　 　 　 　 ／　､ ､.:::､:::::::::......{...:::::::::::::}}:::::::::::::::∧　　 　 ｀　!: :,: :,: :.:.
　　　　　　 　 〈　　　ヽ＼::＼:::...... 　 ､:::::::::||::::::,..::'::::::::.　　　　　j: : :,: :,: : :.
　　　　　　　　　､ 　 　 ∨｀¨T7´　　　｀ ー}}-::::::::::::::::/:＼　　 /: : :.|: :|ヽ: :.
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　　　　　　　　　 　 ∨　　 人 ヽr==777{7}}//≧ ､　　｝: /-////＞､:.:|　 }: :|





　/ /l l　',　lヽ　　　　 ヽ＼　　　　　　 ＼ヽ
　l　l l l　.l　l_l　l　　　　　　　　　　　　　　　',
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　 ' , l l ﾄ=､ ', ' ,l l　　　　　　　　　　　　　　　l
　　 y',',l〉ｨﾃヾｰl l　　.i ',　　､　　　　　　 i　 i l
-=ﾆ彡､ヽ¨　　/ｲ　 ./ヽ､ヾ､| ､　i　　　　l　//　　　　　　　　　　こんな無骨な石油プラントじゃなくて、故郷が恋しいんだろ。
　　　く ｀ヾ　　彡　/ノﾉ　｀　ヽl　l　　　 ,' /.lﾞ
　　　　〉｀　　／イ´(,ｲi　　　i　l /　　　// /　　　　　　　　　　　　それに、アンタの故郷を見てみたい気もする。
　　　　ヽﾆ=ｧ 　 　 i　',l　　 / .l/　　　/' /
　　　　　<ﾞ'"　　　 .l　/　,.ｲ,.　　　 /　　 {　 　 ,}i　　　　　　　　　　……しばらくは俺らも作業用装備だな。
　　　　　 |¨　　　 ノイ-'"〆　　 ／　 ,　 ヽー' /
　　　　　 ヽ＝‐ﾆi　　　/　／イi　　 /i ヽ-､-'"
　　　　　 ,.-'"r'／￣￣|　／¨ﾞ|l　　/‐l lヽ l
　　　　／_ ／|| |￣￣¨|/￣二'-‐'"-'-'-､}!
　　　/￣//　,|| |　　　,.-'"´　　　　　　　　｀ヽ、
　　 _i　 トト-/jj ',___／　　　　　__　--　　-　､ ヽ、
　 / .L=' l___l/ヾﾆ/ﾆi　　　,.-'"　　 ＿　　＿　｀ヽ!
. /　　　∧三小／　 〉 .／　　_,.-'"　　　　　 ｀ ヽ1
.j ＼　 ///　 /　　 /／　　／　　　　　　　　　　　ヽ





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　　　　　　　　　　　　　 ／'／"´::::|l ::::::::::: |!::ﾄ､　　　　　　　　　乂zソ "/ :::::: i:::::::;　　　　　　　　　　そうだな、頼りにしている。
　　　　　　　　　 　 　 　 　 /／/:: |l ::::::::::: ||::|｀＼ 　 　 　 　 　 　 　 ,ィ"::::::::: |::|!:;
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／ ./"i:::!l::::::::::::::|.!:|　　　 　 　 '　　 　 　 ´/|::::::::::::::|::|l:;　　　　　　　　　　　まずは計画を立てねばな。
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |: |l::::::::::::::|.|:l 、　　　` ‐ -　 　 　 ,ｲ-!::::::::::::/::ﾊi
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /:::|ヾ:::::::::::| !!::|＼　　　 　 　 　 ／:::{-|::::::::::/::/　';　　　　　　　　　　　それが終わったら……少し休もう。
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /:::::::::::｀i''=z| |!:,|　 `　、　　　,　":::::::::{-|:::::: /::/ 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::::::::::::::|:::::|イ´il≧ｭ､　` ‐ " /::::::::::::::|''|:::::/::/
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皆、それぞれが明日の話をしていた。

それもそのはずだ。過去の話などしていられない。
時代が変わるというのは、こういうことなのだろう。
否応なしに、正のエネルギーが渦巻いていく。

真壁は肩の荷が軽くなったようで、穏やかな瞳をしていた。

篠ノ之は相変わらずだが、アマツの再建には乗り気の様だ。
なんだかんだで、あの島が好きだったのは一緒だったらしい。

ディランディと黛の両隊長も、最初の不仲が嘘のようだった。
よく見ると、お互いの皿に料理を盛りつけたりと距離感が近い気がする。
まあ、自分が目撃しなかっただけで、彼等にもドラマがあったのだろう。
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5938： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/09(木) 23:18:42 ID:1zkg/Kaw0


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:.:.:.:.:.',:.:.:.',ヽ : ', ヽ,,,____,,,,,,=＝　　 　 　＝=,,,___,,__ ｲ. //:.:///:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
:.:.:.:.:| ',:.:.:.:トヽ:.',　￣´´´´　　　　　　　　　｀```￣ 〃//ﾚ〃:.:.:.:.:.::.::.:.: : |　　　　　　　　明日にも調印して、とりあえずコジマ兵器の武装解除だね。
:.:.:.:.:|　ヽ:.|:.:..:.＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／／: !:.:.:.:.:.:.::.:.:.: : |
:.:.:.:.:| 　 ヽ:.: : ﾊ　　　　　　　　　 ｉ 　 　 　 　 　 ／/:. !:.:. : |:.:.::.::.:.::.:.:.:.:.:.|　　　　　　　　 ……呆気ない気もするけど、ろくな抵抗もできないんでしょ。
、: : |　 　 !.:.:.:.:ｉﾍ　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /:. /|:.:.:.: |:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
. ＼:| 　 　ヽ:.:.:.:! .＼　　　　　 ― ―　　 　　 イ/:.: / |:.:..:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　　残ってるリンクスは低ランクの独立傭兵とかだし。
　　 |　　 　 .＼ :.ヽ、. ヽ　　　　 　　　 　 イ 　./::. / ｜:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　＼ ヽ ./|　＞.、 　 , ＜　|, 　./:.:./.　｜:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　 　 ヾ≠＼.　 　｀´　 　／.ｉ､/:／ . 　 |:.::.:. |:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
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　　　lﾞ:| : :ﾞ､l|　｀｀｀　　　　　　　　　　　　　　　　｀`/,.ｲ : : : :/　 //:|: : : : ∨: :|: : : : |　　　　　　　　ほら、グラス持って。
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5939： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/09(木) 23:25:00 ID:1zkg/Kaw0

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　　　　　　　　　　　　 　 /:＼{ :::::::　　　　　 ん心刈{／Ⅳ : : : |
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　　　　　　　　　　　　 /ｲ:.:/ : : ､　ヽ~^ ｖ,　　::: 　/ィ:../ : /: :/ :|
　　　　　　　　　　　　　 |:/ : j: : |丶　　　　　 -=⌒ﾉ:/ : /: : ｡　ﾟ゜￣"'ｖ―‐､　　　　　　　いやー、やっぱあったんやなぁ、お酒。
.　　　　　　　 　 　 ､… 从_:/: :八　 ￣＿､ｨ　 ):.:/／ : /:.｡'゜　　　　　 ∨＾ヽ＼
.　　　　　　　　 ／　　 ／ / : /二う＝ｾ二ﾉ／ : : : : : :／∨　｡,　　　　 ∨￣　`、　　　　しかも発泡酒ちゃう。生ビールや……
　　　　　　 　 / 　 ヽ/、 /イ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ／/: :／イ/／: : : :∨r ﾟ:ﾟ:｡:｡｡_,_､∨￣　」
.　　　 　 　 ／　 ∨/　 ｝ノﾆﾆﾆﾆﾆﾆ／　｛／/　,／): : ／: :.∨: : : : : : : : :∨￣ ﾉ　　　　　こりゃたまらんわ。
　　　 　 　〈　 ／　 　 j｢ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ く⌒ヽ▽/　　　/／^ヽ : :|∨::::::::ﾟ｡::::::::::::'⌒7
.　　 　 　 /У　　　　/ﾆﾆﾆﾆ -ﾆﾆニi〈 　∨　　　　　　⌒∨　∨::::::::::::::::::::::::,/　　　　　　　「そういうもんなのかお？」
　　　 　 /　′　　　/ ﾆﾆﾆ -=ﾆﾆﾆﾆ|　 　　 　 ,/　　 　 　 |　　∨:::::::ﾟ:::::::;;;:::::,
.　　 　 /　 '///, 　 |ﾆﾆﾆﾆ-=ﾆﾆﾆニ|　 〉　 　 ｢　　　　　　|､　　∨:::::::::::::::::::ノ　　　　　　　　二年もしたら、君にも良さを教えたるわ。
　　　 /　　 V///,　|ﾆﾆニ -=ﾆﾆﾆニ｢ /　　　　 　 　 　 　 | 〉　　∨ﾆ=- '''/
.　　 /. 　 　 ＼///,|ﾆﾆ=八-=ﾆﾆﾆﾆ|//////Λ　　　　　　|｛　 ／｢ 　 　 /　　　　　　　　　　ほら、乾杯やで、今日の主役さん！
　 ／　　　　　｛＾''〜ﾍﾆﾆ=-＼ｰ=ﾆﾆ|'////ｼﾞ Λ /　　　　　 ∨　 |　　　/
./　　　　　　/ ∨　　 |.ﾆﾆﾆﾆﾆ`ｰ=ﾆ| -‐''゛ 〈/　〈　　 　　 ／ ］ 　|　　 /　　　　　　　　　　　　ぽけっとしてんなや！
{　　　∨/// 　.|　　　|ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニj　　　　 〉　　＼,　　 　 /^| 　乂 ノ〈
{　　 　 ＼｢　　 |　 　 | ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆｼﾞ　 　 ／(　　 　 ∨ 　 /　 |　／Λ　|
∨／　 ⌒丶　/　　 ＼ﾆﾆﾆﾆ＞''゛　　 ／　　〉　　　　∨ 　 　 ∨　/　∨
./　　　 ﾆ=ミ〉｛＿　　　＼ﾆ「　 　 　 　 　 _-〈　　　　　 ＼　 　 　 /
　　　／　　 ＼ {ﾆ＞､、　 寸　　　__　-=ﾆﾆニ〉､　　 　 　 ＼___／
.＼ / 、　　　　 |ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ⌒ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-‐ ﾆﾆh､
　　 　 ＼　　　 |ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-‐　　-=ﾆﾆﾆﾆﾆ}h､
　　　　　 ＼ 　 |ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-‐　　-=ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ}h､
　　　　　　　ヾ .|ﾆﾆﾆﾆ=-　-=ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆi:､
　　　　　　　 |　∨ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=- -=ﾆΛ｝i:､
　　　　 　 　 | 　 ﾏﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-　-=ﾆﾆﾆ} V心、
　 　 　 　 　 |　|　}ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-　-=ﾆﾆﾆﾆ,,/　 ﾏニ:、
　 　 　 　 　 {　 Jjﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-　-=ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/⌒丶|ニﾊ
　　　　　　　 ＼　ﾏﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=- 　 ⌒"''〜ﾐﾆﾆﾆﾆ/　 　　}ニﾆ}
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当たり前のように隣に座っていたはやてが肩を抱いてくる。
普通は男がやるような気もするが、これはこれで悪い気がしなかった。

久々のアルコールにさっきからそわそわしていたが、
辛抱たまらないといった様子でグラスを力強く握っていた。

可愛いところもあるものだと頬を緩ませ、その姿を脳裏に焼き付ける。

たくさん殺して、色んな場所を焦土にしてきたけど。
それでも、残ったものがある。そして、先に続くものがある。

はやてが隣にいてくれることで、それを再認識できた。
色々あるけれど、今の自分にとっての明日は、はやてとの明日だ。

今日のことも、はやての姿と一緒に覚えておこう。
きっと、自分を見失わない助けになってくれる。

これまでも、これからも。
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5940： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/09(木) 23:25:38 ID:1zkg/Kaw0
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5941： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/09(木) 23:27:30 ID:1zkg/Kaw0





　　　　　　　　_,,､､､､,,_
　　　　　　 ≦´　― ヽ ｀ヽ、
　　　　　　＜ ―　 / ｧ‐　_ミ'‐ｧ
　　　　　　 >ー ｧ''/ノ　― ｀'}´
　　　　　　　〕､/／―　 , ─.′
.　　　　　　 {　 ′　″　| ″|　　　　　　　――こんな結末があるなんてねェ。
　　　　　　　ゝﾍ　　 ｧ‐┴､ ,'
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　　　　　＞''"ゞx｀''＞‐＜｀''＜
　　　 /´∨///∧/´ハ｀∨///ヽ
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5942： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/09(木) 23:31:44 ID:1zkg/Kaw0

　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿､､､､､,,
　　　　　　　　　　　　　 ､ー≧=- -- ､＼ヽ
　　　　　　　　 ､＿_,,ィ　―　／ ,ｨi毛ミ､ヽ　'､
　　　　 　 　 　 ＼ -=ﾆ　,ィ　／＾＾＿ ＾＾ヽ / 〉
　　　　　　　　　　ﾍ -=ﾆ彡''´＿＿ 　 ＿__ V{
　　　　　　 　 　 　 ﾍ 彡 ｱ　r―‐ v-v―‐ｬ'/　　　　　　　　　上層部の方々はご立腹通り越してご乱心だヨ。
　　　　　　　　　　　　V `''"¨{＿＿}　 {＿__}ﾘ
　　　　　　　　　　　　 ヽ.｣ｈ､　　´　_, ,〉　　,′　　　　　　　　　それもそうだ。地上の覇者を降りろってことだからね。
　　　 　 　 　 　 　 　 　 ', l: :', ＜´,,,,,,,,,,,＞,
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ', l: :ヽ　　　=　　,'　　　　　　　　　　　　アヴィアコルも発狂状態だ。
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 } ≧｡:ヽ　　　 ,ｲ
　　　　　　　　　　　　　　r}　ヾ　≧zｚｚく {、　　　　　　　　　　　　……まぁ、もう勝てないんだけどさ。ネクストないし。
　　　　　　　　　　　　　ｒへ ｀``''-ミ:∨''´/ﾊ
　　　　　　　　　　　　,､{＼::::::＞､　　}{ ./::::::}!､
　　　　　　　　　 ＞''´　∨:＼::::::::::::＞く::::::::∧｀'＜
　　　　　　 ＞''´　　　　.:i∨:::::::::::::::::::::::: ヽ/:::::}i:.　 ｀''＜
　　　＞''´　　　　.:i:i:i:i:i:i:i:i:i:∨::::::::::::::ヽ::::::::∨::l:i:i:i:i:i:.　　 ｀''＜
＞''´㍉　　.:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:∨＼::::::::::',:::::::::!::l:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:. 　 }}｀ヽ
／／ ハ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iヽ::::＼:::::::::::::::::/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}}＼






　　　　 ヾ､ー､､-===-､｀ヽ、ヽ
　　　　 ＞''"´￣￣￣｀`ヽヽ｀ヽ.ヽ　 、
、ミｰ彡 ―=二￣￣｀`''＜＼'，∨}!　}!
　丶｀''――=　-=ﾆニ=ｧ…'⌒ヾ Ｖ V }
.　ヽヽ￣―＿二ﾆ=-_/ 　 /毛ﾐノ イ彡
. 　 ヽ ､`''〜､､,,_ ｱ´/ 　 /　　　｀` }ヾY
　　　 ',ヽ , -､ 彡' ,ｲ　／　　　　　 {川)!
　　 ヾヽV ハﾐ㍉ィ7ｲ､､,,__　 }!　 __}ｲ
　　　 ﾍ ﾊ〈 {.ﾐ'"｀`l{ミ===ﾃ'}l,,ｧ'::::/',　　　　　　　　　これから企業連は冴えない感じなっていくだろうねェ……
　　　　 }ｿﾍ-　 ヽ　ゝ……',ィ::::アl::::'，
.　　 　 / 　 `l　　',　　 　 /:::::ｱ| ハ,ィ:::)、　　　　　　　下手すりゃコロニーの管理権限とかも奪られて、旧時代の企業そのものに
.　　 ／ﾍ　　卜、 l,,､､-ｧ'ﾞ:::::/,ィ:::::＞'´::::ヽ
_,Ｙ´{.　　ヽ　 ',　＼｀'-ｲ::;;;ィ::::: イ＿_.斗┐　　　　　　　逆戻りって線もある。既得権益も何もありゃしないだろうね。
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◯=∨/心､　 ＼,ｲ:::::::::／::::`''――‐ｧ::::ヽ
':.:.:.:.:.:.寸//心／:::::::::::::::::::::/¨¨¨¨¨´.:ヽ::::::
.:.:.:.:.:.:.:.:.寸//:::::::::::::::::::::::,ｲ',.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ::::
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5943： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/09(木) 23:37:06 ID:1zkg/Kaw0

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: : : : : : : : : : : i: : :l: : : : : : : : : : : :<{芯ｚz､V､:! i::::/::::::メ|::::ﾄ!:::::::::::::///
: : : : : : : : : : :.i: : :.∨: : : : : : : : : : : ヽ￣　　 ヾ V:::;ｲzzｯ:/ j:::::::::::/:ｲ',　　　　　　　　　　　ここは……なぜ、あなたが……）
: : : : : : : : : : : : : : : ∨: : : : : : : , イ ｲ　 　 　 -彳::.　　.:／:::::::::／: : : ﾍ
: : : : : :_:_:_: : : : : : : : ∨: : r ' ´　 ｲ　　　 　 　 _j::::::.:-=彡i:ハ:i 7: : : : : :＼
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　　　　 ヾ､ー､､-===-､｀ヽ、ヽ
　　　　 ＞''"´￣￣￣｀`ヽヽ｀ヽ.ヽ　 、
、ミｰ彡 ―=二￣￣｀`''＜＼'，∨}!　}!
　丶｀''――=　-=ﾆニ=ｧ…'⌒ヾ Ｖ V }
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　　　 ',ヽ , -､ 彡' ,ｲ　／　　　　　 {川)!
　　 ヾヽV ハﾐ㍉ィ7ｲ､､,,__　 }!　 __}ｲ
　　　 ﾍ ﾊ〈 {.ﾐ'"｀`l{ｧ妥'''‐ﾐ}l,,ｧ'::::/',　　　　　　　　　　――だがね。彼等は少し、老人の執着というものを侮りすぎた。
　　　　 }ｿﾍ-　 ヽ　ゝ……',ィ::::アl::::'，
.　　 　 / 　 `l　　',　　 　 /:::::ｱ| ハ,ィ:::)、　　　　　　　　手放すくらいなら壊してしまうのだよ、そういう手合いはね。
.　　 ／ﾍ　　卜、 l,,､､-ｧ'ﾞ:::::/,ィ:::::＞'´::::ヽ
_,Ｙ´{.　　ヽ　 ',　＼｀'-ｲ::;;;ィ::::: イ＿_.斗┐　　　　　　　　そして生憎……世界を滅茶苦茶にできる爆弾なんて、いくらでもあるんだ。
.-∨∧　　 ＼::. 　 /::::::::,,､､‐''":::::::＿ イ:::
◯=∨/心､　 ＼,ｲ:::::::::／::::`''――‐ｧ::::ヽ
':.:.:.:.:.:.寸//心／:::::::::::::::::::::/¨¨¨¨¨´.:ヽ::::::
.:.:.:.:.:.:.:.:.寸//:::::::::::::::::::::::,ｲ',.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ::::
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.V⌒｀ヾ;;＞''/ﾍ }｢.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',ゝ
.:.:.:.:.:.:.:.:.:./　　　 //////ﾊ}!―､､,,.:.:. イ:.}

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朦朧とする意識の中、僅かに瞼が持ち上がる。
視界が定まらず、甲高い耳鳴りに脳が串刺しにされる。

点滴の管と無機質な天井、そして、自分を見下ろしながら何かを呟く初老の男。

モリアーティだ。だが、呼び掛けようにも声が出ない。
何やらひどく物騒なことを言っている気がする。
見過ごすわけにはいかない。

無辜の民を守らねば、自分にはその責任と義務があるのに。
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5944： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/09(木) 23:43:17 ID:1zkg/Kaw0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　,､､､､､-≦ア´
　　　　　　　　　 ｧ''´　　 ,ｨ=-　　　｀''＜,,＿＿
　　　　 　 　 　 /￣｀ヽ〃,,､､― ､､,,_　　　,,＜
　　　　　　　　/ / ｧ―― ﾐ　　　　　　　　　　 `''ーｧ
.　　　　　 __ノ{ / /　　　　　ﾐ　二二＝‐''"　イ 　,ｲ
　　　　￣ 　 ﾊ{/,､､､､,,_ヽ　　ﾐ`''〜 -===彡 イ´≦_
　 　 　 　 ／　ﾊ }＿_:. 　 ｀ 　 ﾐ三二ﾆ　　　／ 　 /
　　　 -=彡''´ 　}"莎'　　　　　 ﾐ ＞寸-''"´　／ ./
　　 　 　 　 　 /　 　 　 　 　 　 ﾐ<⌒.}''"　／ ／⌒　　　　　　　　　おや、スザク君。目が覚めたのかい？
.　　　　　 　 ｱ　　　　　　 　 ｧ　 }〕: /,,､丶 ／
.　　　　　 　 ＼､､､-‐''ヤ 　 {　　rツ　彡 /　　　　　　　　　　　　　　いやー、見舞いに来た甲斐があったよ。
　　　　　　　　ﾉ,､〜''´　　　　　/^^ﾚ}＿ｧ⌒
.　　　　　　 　 　 }　　　　　,､＜＞''´　　}､　　　　　　　　　　　　　　　……喋れないだろう。それもそうだ。今の君、七割方死体だからね。
.　　　 　 　 　 　 |　　 ,､丶〜'´　 _,,､､＜:.:.ﾄ､
.　　　　　　 　 　 `''''´｢'Ｙく　,,､＜:.:.:.:.:./:.:ノニ}　　　　　　　　　　　　　無理しないでいいよ……直に迎えが来る。
　　　　　　　　　　　　〕_{／:.:.:.:.／:.:.:./／(( )ﾏﾑ
　 　 　 　 　 　 　 ／:.:/:.:}:.:.:／:.:.:..／/∧　　 ﾏﾑ　　　　　　　　　　　　君を避難させてくれるだろう。まだ必要だからだ。
　　　　　　　　 , .:.:.:.:./.:.:.:}:.:.:.:.:.:.／////∧　 　 ﾏﾑ､
　　　　　 　 ／:.／:./:.:.:.: }:＞／///////∧　　　 寸ﾑ　　　　　　　　　　AMSで繋げば、まだネクストも動かせるしね。
　 　 　 　 /:.:.:./:.／:.:.:.:.:/ イ:::}//////////＼／￣`''寸
　　　　　 ,:.:.:.:.／:.:.:.:.:.／:::::::::::}////////////　/＼￣ヽヽ
.　　　 　 l:.:.:.:.:.:.:.:.:.／::::::::::／ハ''-=＜///// ／　　 ヽ　 ヽヽ






　　　　　　　　　　 　 　 ノ､　　　　　　　　_ ノ
　　　　　　　　　 ､　＿f ,　トー── "二､ノ
　　　　　　　　 　 ヾーﾉ　　}"　,　ー-　＿　＼ー--ノ
　　　　　　　　　　 ji 〃/　/辷＝── ＿ヽ　ヽ<"
　　　　　　　　　 ノ／ " ノ　￣三三ﾐ ､　　ヽ ヽ∧
　　　　　　ー＝彡テイ´　￣"ﾞΞミ ﾐヽ､　＼　 ヾ∧
　　　　　　　 r'イ__λi|　　＿,　￣辷＝､　ヽ　ヽ　ﾊヽゝ
　　　　　　　 ヾ{ |戎l=rイ--､＿ 　辷三　ヽ　＼＼ﾑ
　　　　　　　　　_ﾚ′|　 迄≠ﾞﾞﾞ'＝==≧_辷二ヾーヽZ　　　　　　　　　　私は……ちょっと仕事ができた。
　　　　　　　　 ヽ ､　ゝ-- ′　　　　 rf i }ヾー----<"
　　　　　　　　　ノ;;;;;;,,,,､　　　 　　　ノﾉ　ﾉ､ヾ_ｒヾヽ､＼　　　　　　　　　　ご老人たちの望みを叶えてやらねばなるまい。
　　　　　　　　／}ー---ﾞゝ　　　 ,ィ＿／i／:::::::::::＿ ／
　　　　　　／　　j　｀　　　　＿／´ 　 　 f'_, -‐"-／　　　　　　　　　　　　……勝負をワヤにできるのは、胴元の特権ってね。
　　　　／ー- ､　ゝ--‐t‐彡　　　　　 ／,／ 　 ／
　　　 ' 二斗￣∨　　 　}〃　 /　 ／,／　 ,　 /　　　　　　　　　　　　　　　これから忙しくなるよ、キミ。
　　　　 ＼　　　 ∨､　　_>､_,,-=/ /"　 ／　i |
　　　　　　_>　＿,,ﾄ, i　/ﾞﾞﾞ|ヽ、/ /　,r=ﾐ､　　;|
　　 「F=-r'二彡'　 { Y} 　 | ,У./　/ゝ=''i l 　 i!
　 　 | |　￣￣ 　 　∨ﾘ ／|,７ /_ノ |　 　| |　　i!
　　　| |　ﾞﾞﾞﾞﾞ　　 　 //ﾞY　　//"〃| L==＝＝ヽi!
　　 │|　 　 　 　 //　 j　／'i ∥／￣　　　　｀ヾ､
　　　:i |　　　　　//　 /／,z, if'"　　　　　　　　　i}ﾑ
　　　 | |　　 　 //　　j, 〃ｹ　i　　　　　　　　　　 i!ﾘ

5945： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/09(木) 23:50:49 ID:1zkg/Kaw0

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._　/ ∨/　　　　　　　　　_ﾆニ_　 　 　 　 　　　./　／....ｉ:i:i:i:i:i:i　　　.!i:i:i:i:i:i..　　/:i:i:i:i:i/　　　　　　企業連は、そんなことのためにあるんじゃ……
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杖が床を突く音が響く。
遠ざかっていく老体の背中は、その痩躯に見合わず、嫌に堂々としていた。

声を挙げたくても、口許から空気が漏れ出るだけだ。
ひゅるひゅると間の抜けた音が鳴るだけで、どうにもならない。

右腕が動くのに気づいたのは、その時だった。
最早人の腕の面影を残してはいなかったが、それでも動いた。

だが、それだけでは意味を為さない。
軋む腕を持ち上げるも、その手は届くわけもない。

やがて、ドアが閉まる音が、容赦なく静かな個室に響いた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5946： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/09(木) 23:51:39 ID:1zkg/Kaw0

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...＿／|　i| |　| |　.／　　　　　　　　.＼ .|　.|_|i　|　|　/..!:i:i:i:i:i;,　　　　':i:i:i:i:i;　 　 　　＿_
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iﾄ､＼_∨/　　　　　　　_-=ﾆﾆ=-_　 　 　　　　./ 'ﾉ　　　!:i:i:i:i:i:!　 　 ;i:i:i:i:i:i 　 /:i:i:i:i:i/
..ヽ⌒"'∨/　　＿＿_-=ﾆニニﾆ=-＿＿_　 　/￣. 　 　 |:i:i:i:i:i:i乂＿ﾉ:i:i:i:i:il､_/i:i:i:i:i:/　　　　　　　　僕は、俺は、何のために……）
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杖が床を突く音が響く。
遠ざかっていく老体の背中は、その痩躯に見合わず、嫌に堂々としていた。

声を挙げたくても、口許から空気が漏れ出るだけだ。
ひゅるひゅると間の抜けた音が鳴るだけで、どうにもならない。

右腕が動くのに気づいたのは、その時だった。
最早人の腕の面影を残してはいなかったが、それでも動いた。

だが、それだけでは意味を為さない。
軋む腕を持ち上げるも、その手は届くわけもない。

やがて、ドアが閉まる音が、容赦なく静かな個室に響いた。
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5947： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/09(木) 23:52:46 ID:1zkg/Kaw0
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 □

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

5948： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/09(木) 23:57:07 ID:1zkg/Kaw0
　　 ＿＿＿＿__
　　丶::::::::::::::::::::/　　　ｶﾀｶﾀｶﾀ
　　　|:::::::::○::○　　＿＿＿＿＿_
　　　|::::::::::ｰ=‐::i　｜　 |￣￣＼　＼　　　　　　　　今日はここまでだ。次回は……11/16の21時からとしよう。
　　　.>::::::::::::::::く＿.|　　|　　　　|￣￣|
　　 /:::::::＼＿:::::::::::|　　|　　　　|＿＿|　　　　　　　　もう少し……あと二回か三回くらいか。それくらいの投下で、エンディングだ。
　　 |::::＼::::::::::::つ　|＿_|＿＿／　／
　　　:::::::::￣|￣￣￣￣|　　〔￣￣〕





　　　　　　　　　　　　　　　　　　,- ‐‐ -　､
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｲ: : : : : : : : :｀,
　　　 　 　 ｵ茶ﾄﾞｰｿﾞ　 　 　 /○　○: : : : /
　　　　　　　　　　┌─┐　　i_ _ _ : : : : : : :{　　　　　　　　　……しかし、やる夫スレって死に体な業界なのかね？
　　　　　　　　　　┃茶┃　　 ｀,_　_｀=-: : : :|　
　　　　　　　　　　├─┤　　 　i: : : : :_: : : :'　　　　　　　　　モコイさん、スレ主同士で交流とか一切しないんだが……
　　　　　　　　　　￣￣￣ー‐'' ｀-‐´ : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　　　 ゝ __ ,..　ｲ : : : : : : : : l: : |　　　　　　　　他のやる夫スレEXのスレ、動いてなさそうだし。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 { : : : : : : : : :|: :.|
　　　　　　　　　　　　　　　 ,､ '" : : : : : : : : :ﾞ､:.ヽ　　　　　　　　アイアムレジェンドになっちゃった……ッてコト？
　　　　　　　　　　　　　　 （ : : :‐ ､ : : : :__,. : : :Y"
　　　　　　　　　　　　　　　` ー‐┘￣‐〈＿ ,,ノ





　　　　　　　 ､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´　　　　　　　まあちょびちょび見てくれてる人は残ってるみたいだからね……
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i
　　　 　/ : : : : : : :┌─┐　　　　　　　そんなチミたちの為にも頑張って完結させよう。
　　　 　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ
　　　 　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿　　　　　　それじゃ、シーユーアゲイン。私はみんなの心の中のガラパゴス……
　　　 　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ
　　　　 と_ : : : : : : ノ : :ノ
　　　　　　￣￣￣　￣

5949：安価のやる夫だお：2023/11/10(金) 00:00:09 ID:WayMVbLk0
乙
EXが死んでシェルターや狐に移っただけかと

5950： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/10(金) 01:11:10 ID:Zt2UAG4E0
あら、EX板ご臨終なのか……
モコイさんもそっち移住した方がいいのかしら……

5951：安価のやる夫だお：2023/11/10(金) 12:12:32 ID:jZ6ZZD5s0
乙

5952：安価のやる夫だお：2023/11/15(水) 11:16:30 ID:i9HcOIT20
お疲れ様でした。
左も地獄、右も地獄だけど、自分で選んだ方を進みたい、そんな感じなんすねぇ

5953： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/16(木) 21:03:59 ID:JadkPb3w0
　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿__
　　　　　　　　　　　ヽ:::::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　|::○::::::::○:|
　　　　　　　　　　　　|:::::::‐=‐:::::::|　　　　　　　　　　　　　　　　　ハロー。
　　　　　　　　　　　 　>::::::::::::::::::く
　　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　 （=m/ ＼＿／ヽ､m=）
　　　　　　　　 　 　/ ヽ、　　　　ﾉ ヽ,
　　　　　　　　　　 ヽ､ ＼ 621○/　/
―――＝＝＝　（:::::） i｀――´i （::::）　＝＝＝――――
　　　　 　 　 　 　 ヽ,| | |γ⌒ヽ| | |/
　　　　　　　　　　 （_| | | |　|　| | | |_）
　　　　　　　　 　 　 ヽ|_| |　|　| |_|ﾉ
　　　　　 　 ／ 　 　 ｀'ｰ |　|　| ｰ´　　　　　＼
　　　　　／　　　　　　　 ヽ_i_ノ　　　　　　　　　＼

5954：安価のやる夫だお：2023/11/16(木) 21:04:26 ID:if2sZy8A0
ハロー

5955： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/16(木) 21:17:24 ID:JadkPb3w0

　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 _ _____＿
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ´.: : : : : : : : : : :｀
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 l: : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i: : :○ : : : ○: :.|　　　　　　　　　みんな元気かな？
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : |　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 j: : : -=＝=- : :.i　　　　　　　　　　モコイさんはちょっと、気持ちが参っちゃっていてね……
　　 　 　 　 　 　 　 r―--┐　　 　 i: : : : : : : : : : : :l
　　　　　 　 　 　 　 i: : : : : ',　 　 　 ゝ : : : : : : : : :t´　　　　　　　　　　　家にいる時間の八割方は布団の中だ。
　 　 　 　 　 　 　 　 ',: : : : : i　 , f: : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　　 　 　 　 　 　 　 ＼: : : :y: : : :Υ: : : : : : : : : : :y: : '..,　　　　　　　　　もう疲れちゃってェ、全然動けなくってェ……
　　　　　　　　　 　 　 　 ',_: :: :／　 i: : : : : : : : : : : :l丶 : : :ヽ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ￣　　　l: : : : : : : : : : : .i　　＼ : : :丶





　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i　　　　　　　　　　ハァ……困ったなァ。本当は気合入れて書き溜めして、
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ　　　　　　　　　　今回の投下でエンディングくらいの気持ちだったんだけど……
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i　　　　　　　　　　ひとまず一場面だけでも終わらせたい。
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |　　　　　　　　　　あと四場面くらいでエンディングなんだ……
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘　　　　　　　　　　書き溜めも出来ていないから、かなり遅めの頻度になる。
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」　　　　　　　　　　ながらで見てくれ……
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´

5956： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/16(木) 21:32:51 ID:JadkPb3w0

　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　 ／　　─　 　 ─＼
　　　／ 　　 （●）　（●）　＼　　　　　　　　明日のことを考えていたら、半端な時間で目が覚めちまったお……
　　　|　 　　 　 （__人__）　 　 |
　 　 ＼　　 　　 ｀ ⌒´ 　 ,／　　　　　　　　　散歩でもして体を疲れさせるお。
　　　 /　　　　　　　　　::::i　＼
　　　/　　/　　　　　　　::::|＿/
　　　＼／　　　　 　 　 　::|
　　　　　 |　　　　　　　　::::|　 ｷｭﾑ
　　　　　 i　　　　　＼　::::/　ｷｭﾑ
　　　　　　＼　　　 　|::／
　　　　　　　 |＼＿／/
　　　　　　　 ＼＿／
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「それじゃあ、明日の調印式、よろしくね」

祝勝会の終わり際、皆で片づけに取り掛かった。
この場所にホールスタッフなどという上等なものはなく、
皿運びも掃除もみんなで、だ。

それが終わり、ぱらぱらと各々の部屋へと皆が戻っていく中、
なのはから声を掛けられた。

IGIOとの調印式は、彼等の本社で行われる。
ネクスト戦力をおびき出すために防衛兵器群を食い荒らされたものの、
本社としての機能は何一つ失っていなかったためだろう。

代表はなのはと真壁が、護衛として自分のマーシフルが付く予定だった。
これで正真正銘、自分が最後のリンクスとなる。

その緊張が、眠りを浅くしたのかもしれない。

そのままベッドの中で寝転んでいてもよかったが、傍らで気持ちよさそうに
寝息を立てるはやての横顔を見ていると、少々つらかったのだ。

如何せん、自分も十代の少年である。悶々ともしよう。
かといって、疲れ切った彼女を叩き起こして情事に励むのもいかがなものか。

逡巡した結果、人気のない通路を歩き、ヘリポートを目指していたのだった。
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5957： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/16(木) 21:39:16 ID:JadkPb3w0

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物々しい防火扉を開けて外に出ると、見慣れつつある満天の星空が広がっていた。
地上の星が喪われたからこそ見える、自然の輝きだ。

外の空気と潮風が全身に吹き付けられる。
この感覚も、今となっては落ち着く。
トウキョウの路上で暮らしていた頃は、鉄と腐敗と排泄物の匂いばかりだった。
だが、今の自分が何を原風景とするかと言えば、やはり潮と土の匂いだ。

散歩に出て正解だった。
波立つ精神を落ち着けるにはもってこいだろう。
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5958： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/16(木) 21:53:01 ID:JadkPb3w0

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｰｲﾌ ＜´　　　　 　 |_＿, ィ　７　７７ 　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／}__ ,j　　　 　 , 　'´￣ヽ、 /　/ / 　 /　　　　　　　　こんな時間に月見か？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼へ､f!　　,　´:::::::::::::::::::::::1　/ / 　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,. '´7 ,.r'´ ／.:.７::::::::::::::::::::::::::| / / 　 /　　　　　　　　　　女もいるってのに、まったく物好きなやろーだ。
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　　　　　　　　 ｨfZヽ、　　　　　　　 　 　 　 　 　 l!::／/　__/:.:.:.:.:.:.!ﾉ:::::::l'/7/:'j:::/' / 　 /
　　　　　　　r ､} 三 r^ ,　　　　　　　　　　　　　ノ/ -{ ￣0!:.:.:.:.:.／::::::::::L'__｀/:'/ / 　 /
　　　　　　　 l V　　 ! j!　　　 　 　 　 　 　 ,.　´へ 　 !　　/:.:.／::::::::::::::::::::／// / 　 /
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__z=lﾚ'￣と_ノ´- l l　l l　r'´, -──‐,-─,─────────────‐ ﾃ-
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　　　　 ＿＿＿_
　　　／　　　　　＼
　 ／　　─　 　 ─＼　　　　　　やる夫ですお……クーガーさんこそ、何してるんですかお？
／ 　　‐=・=‐　‐=・= ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　　　「見りゃ分かんだろ。酒と本を嗜みながら潮風に当たってる。文化的だろ？」
＼　　　　　｀ ⌒´ 　 ,／





　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　ﾚｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　.ｲ　　　　　　　　　　　　　ﾉ|
　　　　　　　　　　　　　　　　!.|　ヽヽｌ　　　ｿ/　/　 ／ ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　! ｀ﾌ､　｀ ﾍ　　r―､／ 　/l!
　　　　　　　　　　　　　　　　ト､|／⌒ﾌｰ‐'　　 ｡ ）__ノ　|
　　　　　　　　　　　　　　　　ｌﾉ/　メ、　 /＿__ｙァﾟL　__」
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ ／-ｔｒゝ ｀　ﾗ‐ｔr-　| /　ﾉ　　　　　　　　　　　　　　ま、ホントのところ、なおはさんの部屋にブッコんだ
　　　　　　　　　　　　　　　/イl　｀ｰ'　　　　､ー‐'　ﾚ　/
　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ヽ　　　ﾉ　　　　　　　r'）　　　　　　　　　　　　　　　だけどな。まーつれねえでやんの。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾊ　 　ヽ　　　　 　 l　/L
　　　　　　　　　　　 -――＞―ﾍ　 r-- ､　　　 厂　 ﾉ｀ーﾍﾆフ―- ､　　　　　　　このフインキでも動じないとは……鉄の女だな、ありゃ。
　　　　　　　 　／　　　 ／　　　　 ヽ ー‐‐'　　/　　　　　　　　＼　　　＼
　　　　　　　／　　　 ／　　　　　　　ヽ　　　／ｿ　　　　　　　　　 〉　　　　丶　　　　「予想はついてたけど……懲りないっすね」
　　　　　 ／　　　　（　　　　　　　　　 ｀ －' ／　　　　　　　　　／　　　　　　＼
　　　　　|　　　　　　 ＼　　　　　　　　＼／　　　　　　　　　／　　　　　　　　　ヽ　　　バッキャロー、そこがいいんだろー？
　　　　　ｌ　　　　　　　　|　　　　　　　　 /　　　　　　　　　メ、　　　　　　　　　　　ｌ
　　　　　ヽ　　／￣｀ヽ、＼　　　　　　/　　, 　´￣ﾌ＼／ 　｀ー――┐　　　　　 !　　　　
　　　　　 | ＞ ト-､　　　｀ヽト､　　　＿レ'´　　　 r'　　|　　　　　 　　　|　　　　 ／
　　　　　 | ﾚﾍ」　　｀　 ､ ＿__＞ﾍｿ_＿＿_ r　'´　　 　|　　　　　 　　　|　　　 r'
　　　　　/ ト､ ＼　　　　　　　| 　 |　 　　　　　　　　　レ-､ 　　 　　　 |　　　 |
　　　　　| .ト､｀ｰ<　罪と罰　 .! 　 |　 　　　　　　　　／　 〈 　　 　　　 |　　　 |
　　　 ／　 〉､ゝ-'､　 　　　　 .| 　 |　 　　　　　　　　ヽ／　〉 　 　　　　|　　　 !
　　／　　 ﾍ、ーｒｊ..　　　　　　| 　 |　 　　　　　　　　r' 　ノ　 　 　　　　|　　　 !

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だが、予想外の先客が眼に留まった。

ヘリポートの縁で、どこから持ってきたのやら、木製のリクライニングチェアを
設置し、サイドテーブルまで置いて、青いカクテルらしきものを啜るクーガーが、
そこに佇んでいた。

手の中にある、古めかしいハードカバーには『罪と罰』と銘打たれている。
自分にはよく分からないが、哲学的でなんだか暗い話だったはずだ。
およそクーガーに似つかわしくないが、「読書は文化の極みだ」と言ってきかず、
彼はよく分からない本を読んでは恍惚としているのが常だった。

どうも、なのはにデートの誘い……下手をすれば夜這いかもしれないが。
それを仕掛けたものの、いつものようにけむに巻かれたらしい。

最後までクーガーらしいと言えば、そうかもしれない。
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5959： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/16(木) 22:00:53 ID:JadkPb3w0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::!ﾍ 、
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /:::::::＼＼::'　 、
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 !::::::::::::::＼＼::::｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 N::::::::::::::::::::＼＼::::::::ﾍ ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ::::::::::::::,.ｨ::::::＼7 ､:::::::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ７:::::::::::!i l::::/´ 　 ,_＼7
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒ス _,≧N 　 　 fｯ!∧ヽ、
　　　　　　　　　　　　 , -──-　 _ ,.／　 ＼ l　　 ､　 　j　 ' .::!　　 　　　　　　おまえは……まだ十八だったか。
　　　　　　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::!　　　 　 下、　 > '´　 　 |:!
　　　　　　 　 　 　 /:::::::::::::::::::::::::::::!　　　　 ／ ィ ､_!　　　 　 i|　　　　　　　　　一杯付き合え、って言いたかったところだったんだがな……。
　　　　　　　　　 ／::::::::::::::::::, -─ へ、 　 /∠_」　
　　　　　　　　 ノ:::::::::::::::::::/ : : : : : : ノ＼∧　!　　　　　　　　　　　　　　　　　　「クーガーさんの酒なら受け取るお？」
　　 　 　 　 ／:::::::::::::::::／,. -': : : : j　　　!　i　ﾄ､
　　　　　.／:::::::::::::::::／／: : : : : : / 0 ／　 ! 「!:::'.　　　　　　　　　　　　　　　　　ヘッ、なおはさんとはやてのお嬢さんに殺されちまうよ。
　　　 ／:::::::::::::::::／／: : : : : : : :/-＜　 　 ﾊ !: !:::!
　 r ＜:::::::::::::::／／: : : : : : : : :/ ０　 ｀ヽ/ oY: j::::!　　　　　　　　　　　　　　　　　「じゃあ、大人しくあと二年待っててほしいお」
　 !　 　 ｀　 ､l／!: : : : : : : : , ０　　 　 　o ／ノ:／
　 ,　 　 　 　 1　!: : : : : : : : !　　　　 　 ／: r'::ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　……そうだなぁ。
　　,　 　 　 　 Ⅵ: : : : : : : f０　　　　ﾟ /: : : :!:::!
　 　 ､　　　 　 ﾍ: : : : : : :ノ　　　　o /! : : :.:|:::i
　　　　、　　　 　 ,: : : : : ! o　　　　ｲ: ! : : :.:|:::!
　　　　　 ､　　　　 '. : : : } 　 　 　 oi: :!: : : :.l:::!
　　　　　　'　､　　 　＼ : 7＼　　　 |: j: : : : l:ｿ、
　 　 　 　 　 ∧　　　人: :!　 !　　　 Vー‐ '´　 !

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
クーガーは懐に忍ばせていた鈍色のスキレットを取り出すが、すぐにしまった。
溜息を吐き、本をサイドテーブルに置くと、肩を落としてチェアに身を預ける。

その姿は、なぜだか、痩せこけて見えた。
実際に痩せたわけはない。一晩でそこまで肉体が痩せ細ることもないだろう。
ただ、彼の姿が一回り、小さく見えたのだ。

今までの、傍若無人で滅茶苦茶で、けれど雄々しく力強かった彼の姿とは、
到底かけ離れた様相だった。

死相、と言ってもいいかもしれない。
自分の軽口にも、曖昧な返事を漏らすだけだ。
それが少し、胸に刺さる。
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5960： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/16(木) 22:30:56 ID:JadkPb3w0

　　　　　　　　　　　　　　　　,v´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|八
　　　　　　　　　　　　　　　　l l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ丿l
　　　　　　　　　　　　　　　　|　､:::::::::::::::＿_l:Nｉ/／::::::::ノ /:::::l‐-､
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ〃￣_二l　　 ￣|ヽ､'ﾞ´　ノ::::::::ヒ￣
　　　　　　　　 　　 　　　　　／::／__,　└─-､__　| ヽ:::::::::::::::::::`､
　　　　　　　　　　　　　　 ／／}トﾆt_　`＝ﾆ二ヽ￣１､ヽ::::::::し｀V
　　　　　　　　　　　　 　 /／ .ﾉ丶-ﾟｉ　　　こ ﾟｱ ｀　 !::::ヽゝ､::ヽ
　　　　　　　　　　　 　　//　　l　 　' .:::::　　　　　 　 |::丿ﾆﾉ::l「　　　　　　　　　　　――ちと恰好が付かねえがな。
　　　　　　　　　　　　　/　　 　ヽ　`　　　　　　　　　l/_／:.ヽ|
　　　　　　　　　　　　　　　 　 「lヽ`､ー‐-y'　　＿-─-､|´｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　　生き残るってのも、悪いことばかりじゃなさそうだぜ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　| | }　￣￣　「￣　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　l|､　　　,/　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　このままネクストに乗らずに、大人しく病院通いしてりゃ……
　　　　　　　　　　　　＿＿ ／|　 |,｀l‐'´/　　　　　　/､__
　　　　　, -‐..´.￣￣.......／　　　 | 八　ｉ　　　 　　　　　　｀丶､ ＿＿＿_＿__　　　　　　　 そのうち、普通の状態に戻れる望みもなくもないそうだ。
　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::＼　　　　ヽ　｜　 　　　 　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　 l´::::::::::;:::;:;:;::-‐ーーーー＼　　　 L_ﾉ　　　　　　　　,　'´　‐--;:;:;:;::;:;:;:;:;:::::::::::::ヽ
　 |;:;:;:;:／　　　　　　　　　　　 >　／ /　　　　　　　く´　　　　　　　　　　　　ヽ;:;:;:;l
　 ｉ::::::l　 　 　　 　 　 　　　／　／　/　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　|;:;:;:|
　ﾉ:::::/　 　 l　　　 　 　 ／＿／ 　 /＿＿＿＿＿＿＿_＼　　　　 　　 　 　 　l;:;:;:|
ﾉ::::::/　　　 ｉ　 　 　　　|○／　　　/　　　　　　　　　　　　￣l　　　 　 　　''´　　ヽ;:;:ヽ





　　　　 　 ／ ￣￣ ＼
　 　 　 ／ノ　　ヽ__ 　 ＼
　 　 ／（―） 　（― ） 　 ＼　　　　　　　大人しくできるかは微妙ですけど……
　 　 |.　　（_人＿）　　　u　|
　　　＼ 　 ｀⌒ ´　　 　 ,／　　　　　　　　立派な病人なんだから、ちゃんと病院にはいってほしいお。
　　 　 / 　　　　　　　　ヽ
.　 　 /　l　　　,/　 /　　 i　　　　　　　　　　……死ぬのはいつでもできるお？
　 　 (＿) 　　(__ ノ 　 　 l
　 　 ／　　／　　　___ ,ノ　　　　　　　　　　「良いこと言うようになったじゃねえか」
　 　 !､＿__!､＿_＿＿_つ





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨ, -──-　､＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.ｲ::.､::.::.:.＿＿::.::.::.::.::.::｀ｰ＝ｧ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　, .:::´.::_二」'"´＿,ｨ/￣￣｀ー─イ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∠　'"´ f=く､ｰ' rｯ ｧヾ￣￣￣｀::フ
　　　　　　　　　　　　　 　 ／ 　 　 　 |広ﾉ 　 ￣ 　7::.:::r ､::.::.(
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 l　ヽ　　　 、/:.::.ｲﾆl}::(⌒　　　　　　　　　　　　　俺も、アルトリア・ペンドラゴンも、なおはさんも生き残った。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ - 　 ￣　￣r=イ:::.:彡´　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _'.　￣　　　 ﾉ彡/￣｀ヽ、　　　　　　　　　　　　つーことは、これもまた運命ってヤツなんだろうさ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 ヽ＿　　 ´ r /　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　 ﾊ、l　　 / /　　 　 {　　　　　　　　　　　　　　病人は病人らしく左団扇でロハススタイルよ。
　　　　　　　　　　　　　　 -──--､＿_rﾍ　 ﾍ ヽ　{　ﾉ　　　　 Ｌ　＿_
　　　　　 　 　 　 　 ／:::::,　 -──‐ヽ、　 ＼　ヾ─ｧ′　　 ／　　　　 ＞　　 、
　　 　 　 　 　 　 ／::::／:: :: :: :: :: :: :: :: ＼　　＼ ｀「 r　　　　　　　　∠__::::::::::::::
　 　 　 　 　 　 /::::／:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :>､＿_,ノ　}　　　　　_. :: ´ :: :: :: ｀丶、
　　　　　　　　 l::::〈:: :: :: l :: :: :: :: :: :: :: :: :/　　／ 　 l　　　 ＜ :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::
　 　 　 　 　 　 ＼:ヽ:: :: |:: :: :: :: :: :: ::r‐'´　／ 　 　 | 　 　 　 ｀丶、 :: :: :: :: :: :: ::
　　　　　　　 　 　 ＼＼:ヽ:: :: :: :: :／　 　/　　　　　|　　　　　　　　丶、:: :: :: :: ::
　　　　　　　 　 　 　 l::〈:: :＼:: ::Y── ｧ′　　　　｜─────‐‐┤:: :: :: ::/
　　　　　　　　　　 　 ヽ:ヽ:: :: ＼{○　 /　 _　　 ´￣　　　　　　　 　 ○l:: :: :: ::/::

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なんとも気の抜けた問答ではあるが、この状況はとんでもない幸運の上にある。

自分とはやて以外、ORCAのリンクスは死期を悟ってすらいる人たちばかりだ。
なのはだって、追い詰められて彼女が出撃するしかないとなれば、
死を覚悟でネクストに乗り込む選択を迫られていた未来もあっただろう。

アルトリアも、間が手を尽くしてくれている。
三人とも、言い表せないほどに世話になった。
死なずに済むなら、死んでほしくないに決まっている。

たとえ戦争屋であろうと、残った命を全うするくらいはいいだろう。

自ら命を捨てずとも、いつかは報いを受けるのかもしれないのだから。
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5961： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/16(木) 22:40:55 ID:JadkPb3w0

;:::＼.　　l　　 ／::::;:へﾍｿ'"　　　　　 　 　 　 |／::::::::::::::::,::
ﾞ､:::::::ヽ､,〉 ／:::::／　　　　　　　　　　　　 _,,.　＼::::::::::::,:'::::
ヾ､::::::::::/./::::::;:'ﾞ　　　　　　　　　　　_,,.=＝ヽ､　 l:::::::;r‐､::
　＼::::::;ﾞ/:::::,:'ﾞ,,_　　　　　 /　　　,,.z''"´_,,,,.´￣　|::::::|'"ヽl:
　　'yヾ/::::;/''‐-ヽ､.,__ヽ　l､_,,. ‐',.-'''"´ ﾟ　/　 　 !::::l! 〉 /:　　　　　　　　企業連で文化的生活を謳歌しつつ、なおはさんを口説く日々。
　　 l !/:::;/ヽ￣｀`・‐｀"　 ヽ.　 ´`'‐--‐‐'ﾞ　　　 |:::/!/,/:::
.　　 Y::::/l　 ｀'‐-‐''"　 |　　　　　　　　　　　　　 |/' /ﾞ::::::　　　　　　　　　それも悪くなかったがな……やっぱ、走るなら全速力ってな。
　 　,'::::/､ﾞ、　 　 　 　 ｜　　 　 　 　 　 　 　 　 !‐'ﾞヽ:-､
.　　l:::/　k,ヽ,　　　　　　l　　　　　　　　　　　　 l　　ノ,.､‐　　　　　　　　　　良かったぜ、最後にデカい花火を打ち上げられてよ。
　　|::;'　〈ヽ,　ヽ　　　　　!　　　　　　　　　　　　|　 ／
　　|:l.　　ﾞ､ ＼.|'､　　　ヽ､,__,／　　　　,,./　　_,'.-'"　　　　　　　　　　　　　　おまえを見込んだ俺の眼に狂いはなかったってワケだ。
　　|!　　／! 　 ヽ,､　 ‐----‐‐''''''''''"´ 　 r''"
　　!-‐''ﾞ　 ',　　　l｀ヽ.　　｀''''''''""　　　　 |　　　　　　　 /
'"´　　　 　 ﾞ､　　.|.　 ﾞ､　　　　　　　　 ／!　　 　 　 　 /





　　　　|　ヽ　ヽ　 ＼ヽ､　 　 ヽ　　ヽ　　 　 l　　　｀ヽ、
　　　　l　　ヽ　 ヽ　　＼｀ヽ､　　ヽ　　　l　 /　　|　　　 V|
　　　　ヽ 　 ヽ　　＼ 　 ｀ヽ､｀ヽ､　ﾉ　ノ／´ 　 ﾉイ j 　 /
　　ヽ､_ ヽ　　＼　　 ＼　ミ´￣￣｀`ヽ､　ヽ､ ﾊ从〃ノ∠
　　　 ＼＼､　　　ミ ヾ　ヽ､　　　　　　　｀ヽ､　＼彡ノ´
　　　 　 〉､ハ＼三ミ　ﾐ／　　　　　　　　　　ヽ､ ＼
　　　　/〃 ゝr‐､＼　ミ　 ,.zrニ≡ー--‐'　 ,z-‐＼ヽ
　　　 /／ｲYl|しjﾄ､ヽ､l　　 　 ,.rｯ-､ 　 　 r ｨ｡‐､ /＼ヽ
　　　'´＿ﾉミﾍ! l ヽヽヾ.　　　 `ー-' 　　 　 l ｰ ' |　　 ヽﾞ､　　　　　　どうだ。自分の選んだ答えを、自分の力で押し通した景色は。
　　　 ｀ヽ､__ゝ＼ｰゝ､ヽ　　　　　　　　　 　 l　　.l　 　 　 ＼
　　　　　　７／ﾆ`r‐,｀＼　　　　　　　　　　ﾉ　, '　　　　　　　　　　　　並大抵の男じゃ成し遂げられねえ。大口叩いて燻ぶってるような奴らじゃな。
　　　　　／l　l'⌒|　 ､　　　 　 ､ 　　　　　_ ｨ/
　　　　　　 |　＼ !　　ヽ､　　 　 ｀ヾニﾆ二ｿ/､　　　　　　　　　　　　　 ……ちったぁ俺に近づけたか？
　　　　　　 l　　　＼_　　 ｀ヽ､　　 　 　 　 /　 ｀ヽ､
　　　　　／　　　　　　｀`ヽ､_ ＼　　　 　 ,' 　 　 　 ヽ､
_,,..､-‐''´　　　　　 　 　 　 　 〉　＼_　　_ﾉ　　　　　 　 ｀ヽ、
　　　　　　　　　 ｀ヽ､　　　 /　　　/￣ヽ、　　　　　　　　/ー‐-､
　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　　　 '　　　 lヽ　　　　　　 /

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クーガーがニヤリと口の端を吊り上げてみせる。

思えば、この人もとんだ傑物だ。
たった一人で企業連を相手に大立ち回りし、飼い殺しの身になって尚、
自分たちの無謀な反攻に迷いなく手を貸し、勝利へと導いてみせた。

これが個人の軌跡だというのだから、企業連にも手に負えないわけだ。
何かと自分を持ち上げてきてはいたが、彼こそが本当の例外だろう。

そして、今の自分があるのは、クーガーがかけてくれた言葉の数々があったからだ。
クーガーに会わなかったら、自分はここにはいない。
はやてのことも見捨てて、未だに企業連を相手に依頼を受けていたかもしれない。

今まで多くのものを人から教えられてきたが、彼こそが自分の骨子だった。

「たぶん、全然。けど、これからですお」
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5962： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/16(木) 22:57:15 ID:JadkPb3w0

　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　 ／⌒　　⌒＼
　　　　　／　（⌒）　（⌒）＼　　　　　　　やる夫は……これから先の時代を見届けるお。
　　　 ／　 ::⌒（__人__）⌒::: ＼
　　 　|　 　 　　　|::::::|　　　,---、　　　　　色んなことを身に着けて、はやてさんともなるべく一緒に居て。
　　　 ＼ 　 　 　 `ｰ'　　　しＥ　|
　　 　／　　　　　　 　　　 l､Ｅ ﾉ　　　　　　そしていつか……やる夫も、誰かに託す側に回る。
　　／　　　　　　　　　　　 ｜　|
　 （　　 丶- 、　　　　　　 ヽ_／　　　　　　　そんな日が来るんだと思うお。
　　　`ー､＿ﾉ





　　　　 ＿＿＿_
　　　／⌒　 ー､＼　　　　　　　クーガーさんから教わったことは……今じゃやる夫の生き様だお。
..　／（ ●） 　（●）＼
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼　　　　 きっと、次の世代を相手にする時が来たら……クーガーさんと、同じセリフを言うお。
|　　　　　|r┬-/ ' 　　　|
＼ 　　 　 `ー'´ 　 　 ／





　　　 　 |　ﾍ:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: : j !
　　　 　 |　 ∧:: :: ﾄ､:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :／ }
　　　　　＼ 　 ＼::ゝﾍト､:: :: :: /:: :: ｨ7ﾉ:: :／　 ﾉ
　　　 　 　ﾊ ゝ、 「 ー＜:: :: :: :: 7::＿ ,.ｨ´　 ,ｨ7
　　　　　　}:: ｀＜_}　　 　 ｀⌒Y::「　　　{__／::ｲ,
　　　　　　Y:: ::√　　　　　　　l:: }　　　 ヽ:: ::/
　　　　　 _」､:: l ≧三≧､　 　 |::| x≦≠7::∠
　　 　 　 { ﾐ}:: ﾊ ヽ,-tｯ ､ヽ }　|::|_, ｬ-ｧ }::/iｿ
　　　　 　 ヽヽ ::!　 ｀ー '´　l | }/ ー ´ // ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　フッ、そうかい。
　　　　　　　ゝﾍ}　　 　 　 　 | |　　　　ﾚォ
　　　　　　 { く｀ﾊ 　 　 　 、　_l　　　　j´ﾉ}
　　　　　　__」 ＼ﾍ、 r,､＿｀＿＿, 　ノ´ /､
-ｧ　　´￣　｜　　｀＼｀ ￣￣￣　／　　l　　 ＞ -- ､ ＿　　
/　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　 ￣　 / 　 　 |　　　　　　　＼::＞......､
　　　　　　　　　　　　　　}､＿ イ　　　　　　　　　　　　　l:::::::::::::::｀:::::::..､
　　　　　　　　　　　　 　 l　 　 ﾉ　　　　　 　 　 　 　 　 /::::::::::::::::::::::::::::::｀'::
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クーガーは、男という言葉を、生き様として用いていた。
生物学上の雌雄ではなく、精神的なものだ。

ただひたすら真っ直ぐに、自分を曲げず、徹底的に意地を張り通す。
それがストレイト・クーガーという男だった。
自分もそうなりたいと思った。

だから、好きになった女性の隣に立ちたいと、強くなろうとした。
男なら、惚れた女を戦場に立たせたまま、のうのうと暮したりなどしない。
そんな男は豚の餌にもなれやしない。

その人が世界中から狙われたから、世界を敵に回すことにした。
男なら、惚れた女の為に立ち上がらなくてどうする。
たとえ無茶でもやらねばならない。男には意地があるから。

普通なら、それらは「馬鹿のやること」として捻り潰されるのだろう。
けれど、そうはならなかった。

通らぬ意地が常だったとしても、通る意地もあるということだ。
それを、この戦いを通じて、クーガーという男を通じて思い知らされた。

だからこそ、男は無茶を承知で意地を張るのだ。
意地が通れば自分の勝ち。通らずとも、張らずに散るより上等だと。

結局、男という一文字に凝縮されていたのは、人の強さだ。
それはきっと、誰もが持つことができるはずなのだ。

クーガーが、自分に教えてくれたように。
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5963： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/16(木) 23:09:37 ID:JadkPb3w0

　　　 ＼　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l
　　　　　＼　　l｀ ヽ､z 、　　　　　　　　　　　　　｀ソ
　　　　　　＿、j　＿＿　｀` 、z 、　　　　 ＿　　 ７
.　　　　　 l　　　Z＿::::::ヽ、　　　 ｀`ー ｘ´ ＜┐´
　／ヽ.―┴―――→―‐←――--- 、>、 ヽ
K.　→l￣＼:.:.:.:.弋ー　ｬｯ- 、`ｰ':.:.:.:.:.:.:.＿_ヽ　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　――俺にはガキもいなけりゃ、何か作ったわけでも、
　ヽ.´/!.　ﾘ ＼:.:.:.:.｀ー――:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.､tｯノ.l ヽ　',
.　　ヽ l 　l.　　｀ ヽ 、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./⌒i.:.:.:.:.:.:.:.:! 　ヽ ',　　　　　　　　 __　　　　　　 歴史に名を残したわけでもねぇ。
　 　　',^ヽ!.　　　　　｀`ヽ、:.:.:.:./.　　l:.:.:.:＞'´　　　ヾ　　　　　　　./
.　　　　ト　　　　　　　　　 ￣　 　 　ﾄｰ´/　　　　　　ヽ　 　　 ,ｲ/　　　　　　　　　だが……消えていくだけだった訳でもなかったらしい。
　 　　　l　　　　 , 、　　　　　　ｰ　 ノ　/ 　　　　　　　 　　　 / l/
　　　　〈　　　　　ヾ ー――‐┬‐ィ　/　　　　　　　　 　　 　l.　lノ!／
　　　　 ヽ-- 、.　　ヽ、＿＿＿ソ´ /｀ ､　　　　　　　　　　　!
　　　　　 ',　　 l. 　　　　　　　　　/　　　｀ヽ　　　_ィﾆ￣￣`'
　　　　　　〉.　 ト、.　　　　　　　/　　　　　 〉　　　　 ＞ー――　、
　　　　　　j.　　',　｀ 、　　　　 / 　　　　／＿＿　,r'´　´　　　　　 `
　 　　　　 ヽ.　　',　　ー――'´　　　／　　　ヽ／　　　―――-- 、
　　　　　　　j　　 ヽ　　〈　　〉　　／ 　　　　 /　　　 　　　　　　　　ヽ





　　　　　　　　　　　／　　　　　　 ／　　　　_,. ‐''"　　　　　　..:::::::
　　　 　 　 　 　 ／ 　 　 　 　 ／　　 ,.-‐''´　　　 .:　　　 ....:::::::::::::
　　　　　 ,ﾍ　|!/　　　　 ,. -､/　　 ／　　　　　..::::::::　...:::::::::::::::::::::::
　　 　 　 |　:ﾄK　　　 ／＿_l＿_∠＿＿_／｀ヽ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　 _」__,,j.=＝''"´￣_,,. -‐'''"´l! 　 　:|/⌒ヽl::::::::::::::::::::::::::::::::::/
　　　　 |〈　 l l　　 _ ｨ'´／　　　　 |　　 .::|ﾋ ヽ　l::::::::::::::::::::::::::::::::〈
　 　 　 !　＼l_レ'´|　l:::lr'''7　　　　l .l:..:::lﾘ7 ゝ/l､::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
　　　　|　　.l´　　 lj_/'ｲﾚ′　　　　l!| ﾚ/ ヽ‐' 丿ヽ､::::::::::::::::::::::::ミヘ
　　　　|　 ::l　 　 　 l'´　　　　　　 　 ﾙ′　　〈　　ﾉlWヽ､:::,. -‐''ﾍ　　　　　　　　　　　　　……良い気分だぜ。
　　　　|　:::|　　　　 |　　　　　　 ,/ヽ　　 　 　 l 　 　 　 ／　　　　ヽ
　　　　l :::::!　 　 　 l　　　 　 ／/　　　　　　 /　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　馬鹿に付き合った甲斐があった。
　 　 　 !::::l　 　 　 '､_／-､ノr／　　　　　 ／　　／
　　　　 l ::!　　　　 　 　 　 〈　　　　　　 / 　 ／
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　　　 　 !:!　　　　　　　　　　| 　 　 ／／
　　　　　|l　　　　　　　　　　 '-‐／　〈
　　　　　l!　　　　　　　　　　　　＼　　＼
　　　　　|　　　　　　 　 　 　 　 　 ＞-､　＼　　　　　 ,. -‐''´
　　　　　　　　,.-‐''"´￣｀`ｰｧ‐''´ 　 　 ヽ　/_,,. -‐'"´　　　　　 ／
　　　　　　 ／:::::::::::::::::::::::::::::＼　 　 　 　 Y´　 　 　 　 　 　 ／::::::

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その答えに、クーガーは果たして満足したのだろうか。
単純明快なようでいて、この男は腹の底が知れない。

だが、その瞳は見たこともないくらい澄んでいて、定まっていた。
サングラスを片手で持ち上げ、鋭い眼差しを飛ばしてくる。

自分の眼を。もしくは、その瞳の中に映る自らの姿を覗くように。

クーガーは感慨深げに頷くと、片手に携えていたグラスを口許に運んで、
思い切り傾けた。

スライスされたレモンが縁から零れ落ち、青い液体が流し込まれていく。
喉を数度鳴らして逆三角形のグラスを空けると、深々と溜息を吐いた。

自分が付き合えないのに、長々と飲んでいても仕方ないと思ったのだろうか。
とにかく、あと二年は待ってもらわねばならない。
その時が来たら、いくらでも付き合おう。
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5964： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/16(木) 23:22:42 ID:JadkPb3w0

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それ以上、何か言葉を交わすでもなく、ただ夜空を見上げていた。

月の輪郭は欠けることなく浮かんでいて、静かに金色の光を放っている。
千切れ飛んだ雲は風に運ばれ、月光を受けながら去っていく。

穏やかな夜だった。
これが、企業連が統治する時代における、最後の夜になるだろう。

見つめる先には、三条の流星も見えた。
男二人で眺めるには些かむさくるしいが、今はいいだろう。
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5965： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/16(木) 23:25:59 ID:JadkPb3w0

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／ （●） 　（●）　　　＼　　　　　　綺麗なもんだお。
|　 　 （__人__）　　　　　 |
＼　　 ⊂ ヽ∩　　　　 <　　　　　　「ああ、そうだな」
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　　　 ',::::::::::::::::::|!:::::::／´　　iｨf下／!::f　 }:::::､,{ハ
　　　-=＝≠=zr '´　　　 rz_　／　/:::|､ ﾉ:l1／　 l　　　　　　　　　　　　――奴さんたち、俺らが打ち上げた花火だけじゃ物足りなかったらしい。
　　　　　 ／::/、　　 　_≠ '´　　 /::::::jソ7 /　　　!、
　　　　 /::::::/｀ー─ ' ´　/ /! ／ !::::/l　／ 　 　 　 ｀　 ､　　　　　　　　　
　　 　 /:::／＼ i |!_　　　7_,.／ 　 Ⅵi／　　　　 　 　 　 ｀　 、
　　　./::/´￣/ ＼'l｀ー '´　 　、　 ／　 　 　 　 ノ　　　　　　＼
　　　l:::/:::::::/　　　l__ノ＿_ _／　 〈　　　　　　　　　　　 　 　 　 l＼
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そう言って、クーガーが音もなく立ち上がった。
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5966： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/16(木) 23:26:17 ID:JadkPb3w0
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5967： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/16(木) 23:29:13 ID:JadkPb3w0
短くて申し訳ない…。。今回はここまでだ。

この場面は、本来は選ばれなかった高好感度ヒロイン……つまりはアルトリアかなのはにする予定だった、らしい。（自分のプロットによると）
ただ、アルトリアに関しては今後個別にイフストーリーがあるからね……兄貴に出張ってもらった。

こうもコンディションが悪いと、ちゃんとクーガーを兄貴らしく描写できてるか不安になるがね……

次回は11/23(木)の午後九時からとする。それじゃ、シーユーアゲイン。

5968：安価のやる夫だお：2023/11/16(木) 23:37:04 ID:if2sZy8A0
乙
これが兄貴との最後の語らいとなってほしくはないが…

5969： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/17(金) 23:05:18 ID:GvKh.y720
ごめんよ、来週の休みがボッシュートされた…

次回の日取りは、また分かり次第予告するよ…申し訳ない…

5970： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/30(木) 21:02:29 ID:9PqOcNqY0


　　　　／||ミ
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　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
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　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ　　　　　ハロー。
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　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
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　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

5971：安価のやる夫だお：2023/11/30(木) 21:07:10 ID:g65uL7E20
ハロー

5972： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/30(木) 21:10:32 ID:9PqOcNqY0

　　 ＿＿＿＿__
　　丶::::::::::::::::::::/　　　ｶﾀｶﾀｶﾀ
　　　|:::::::::○::○　　＿＿＿＿＿_
　　　|::::::::::ｰ=‐::i　｜　 |￣￣＼　＼　　　　　　　　最近、全ての人間関係が終了したんだけどね……いやぁ、老け込むもんだね。
　　　.>::::::::::::::::く＿.|　　|　　　　|￣￣|
　　 /:::::::＼＿:::::::::::|　　|　　　　|＿＿|　　　　　　　　ほうれい線とか眉間の皺とかが消えなくなってさ……笑うしかないよ。
　　 |::::＼::::::::::::つ　|＿_|＿＿／　／
　　　:::::::::￣|￣￣￣￣|　　〔￣￣〕　　　　　　　　　　もう酒を煽るしかないよね。





　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿__
　　　　　　　　　　　ヽ:::::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　|::○::::::::○:|
　　　　　　　　　　　　|:::::::‐=‐:::::::|　　　　　　　　　　　　　　　　あとはエンディングまで駆け抜けるだけ……なんだが、書き溜めも満足に出来ていない。
　　　　　　　　　　　 　>::::::::::::::::::く
　　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::＼　　　　　　　　　　　　　　　正直もう疲れちゃってェ……全然動けなくってェ……
　　　　　　　　　 （=m/ ＼＿／ヽ､m=）
　　　　　　　　 　 　/ ヽ、　　　　ﾉ ヽ,　　　　　　　　　　　　　　　　とりあえず、やれるだけやろう。
　　　　　　　　　　 ヽ､ ＼ 621○/　/
―――＝＝＝　（:::::） i｀――´i （::::）　＝＝＝――――　　　　　　厳しそうならギブって言うよ。
　　　　 　 　 　 　 ヽ,| | |γ⌒ヽ| | |/
　　　　　　　　　　 （_| | | |　|　| | | |_）
　　　　　　　　 　 　 ヽ|_| |　|　| |_|ﾉ
　　　　　 　 ／ 　 　 ｀'ｰ |　|　| ｰ´　　　　　＼
　　　　　／　　　　　　　 ヽ_i_ノ　　　　　　　　　＼

5973： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/30(木) 21:28:08 ID:9PqOcNqY0


　　　 　　　 ／￣￣￣＼
　　　　　／ノ 　　　 ヽ､　＼
　　　 ／　（ ○）}liil{（○）　 ＼
　　　 |　　　　（__人__）　　u　　|
　　　 ＼　ヽ　|!!il|!|!l|　/　　／
　　 ／::ノ"''ﾌ:ﾉ|ﾞ x ''|ヽ!:::_,,,L,,ﾉ,,ﾉ_ノﾞ>i、
.　　i／ﾍ"　ﾑﾉ:::::| i::::! |-''"::::/　　　 ﾞヾノヽ
　 /（:::::::ﾞソ"_;;;;;;ﾉ: :V: :ヽ　''"ヽi、 　をノ
　（::::ヽ,ノ"!,,_::;／: :i: :i: : :ヽ_;;:::::"ヽi、
　 ^ﾞ''" ／::::;ｼ: : : : i , -ii !、＼::;;ノ::::）
　　　 （::::ヽへ、: : : i　　　 i/　 ﾞ''ヽ,/

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けたたましく響く建物の悲鳴が、腹の底まで揺らしてくる。
幸い、基地が物理的に揺さぶられているわけではないようだった。

ただ、外で激しい戦闘が行われているということは伝わって来た。

クーガーと二人、地下のAC格納庫へとひた走っていると、
なのはから通信が入ってくる。

切羽詰まった声で「ドックに来て！　早く！」と告げられるが、
指示されるまでもなく向かっていた。

あの時見えた光は、間違いなくコジマの光だ。
終戦も間近という中、コジマ粒子をまき散らしながら飛来したもの。
それが何なのか、自分たちには想像するまでもなかった。
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5974： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/30(木) 21:37:00 ID:9PqOcNqY0


、:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::＼　 　 ＼: :: :: :: :: :: ＼|ド､
':: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::ﾍ　　 　 '､ :: :: :: :: :: : ＼::＼
:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ＼　　　＼:: :: :: :: :: :: :: :: ::'.
＞-:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :＼　　　＼:: :: :: :: :: :: :: :: ',　,!
｀７:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :＼　　　＼:: :: :: :: :: :: ::.!, i|
⌒ヽ:: :: :: :: :: :: :: :: :, - ､:! :: :: :: :: :: ＼　 /ﾞ´＼ :: :: :: :: ::|//
　　 !:: :: :: :: :: :: :: /-一Y: :: :: :: :: ,.-一 '` 　 　 ＼:: :: :: :∠
ｰ= ':: :: :: :: :: :: :: :! {' ￣|:: :: :: :: /　 　 ｰ=Zz,　 　 ＼:: :: ::キ＝=-､
´', ヘ:: :: :: :: :: :: ::'.ﾍ　r１:: :: :/7　 　 　 ト ､iﾄ､　 }　/｀丶:: ::＼　　　　　　　　　　「クソっ、どうしてこんな……」
. ﾉ 　 ｀丶、:: ::≦´ 1＼Ⅳ :: :/　　　 　 ｀ ｰﾟ ヾzﾉ_,j 　 　'.: :: ::ﾊ
/　　　　　 ｀'＜　　 ｀7　 ∨/　　　　　　　　　　 iﾞ´　　　　'. :: :: '.　　　　　　　　　さぁな。だが、一つ言えることがあるぜ。
　　　　 　 　 　 ＼　〈　　 'V　　　　　　　　　　　|　 　 　 　 ' .:: ::ﾍ
　　　　　　　 　 　 ＼}、　　　　　　　　　　　- __,j　　　　　　　'. :: :!　　　　　　　　「な、なんですかお？」
ヽ　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　　　　 　￣ 　-r'´　　　　　 　 　 　 '. ::|
　 ＼　　　　　 　 　 　 　 ＼　　　　　　 /´　　　　 　 　 　 　 　 !::!
　　　＼　　　　　 　 　 　 　 ＼　　　　 ,'　　　　 　 　 　 　 　 　 !:|
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／丶　　 / 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |j
　　　　　　　　　　　　　,． ´　 　 ｀ｰ ｲ　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |!
　　　　　 　 　 　 　 ／　　 　 ,. -r‐ '´
　　　　　　　 　 　 /!　　,. 　´ ／::丶、
　　　　 　 　 　 ／　〉 / 　 ／＼::::::::::＼
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　　　　　　　　　」::ヽ　ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ､
　　　　　　　　　|:::::::ヽ　ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :: ::::::ｉ
　　　　　　　　　|:::::::::::ヽ　 ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :::: :: ::::ﾚL
　　　　　　　　　ｉ:::::::::::::::ヽ　　丶:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :::::|
　　　　　　　　　ヽ::::::::::::::::＼　　｀　､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: : ::|
　　　　　　　 　 ＿＼::::::::::::::::::ヽ　　　　ヽ__:::::::::::::::::::::::::::::::::::: ::ﾉ
　　　　　　　　　Z::￣:::::::::::::::::::::::´ ‐　,　|　｀~´｀ﾞ'‐- ､.::::::/:l:イ　/.￣l
　　　　　　　　　　＼:::::::::::::::::::::::::::::,-ー┘,＿_　 　 　 ｀ヽ::::ヽ| /__ / |
　　　　　　　　　　　 ｀>::::/二ﾆ‐ト-|＿ ∠-ーヾ､､　 　　　>::::｀しノ.　|
　　　　　　　　　　　　Z::::l　(￣ :|＼　￣ГＴ‐--二ヽ､＿∠'´ヽ:ｉ　､　ヽ,
　　　　　　　　　　　　 ヽ人　く　|:::::|＼. 」　|　　 　 ￣￣_Il￣ハ:l／　　 レ､　　　　　　　　　　　　　　これが最後になるだろうよ。
　　　　　　　　　　　　　|　 Fヽﾆ|:::::l　 　｀ヽl､　　　 　 ／ |　/v/ｉl　／　　　|
　　　　　　　　　　　　　| 　ヽ　　＼」 　 　 　 ｀ ‐- ／ 　 :|ｙ´/　ｉ|'　　　 ,　 {_　　　　　　　　　　　　　　俺たちにとっても、奴らにとっても。
　　　　　　 　　　　　 　|. 　　＼.　| 　 　 　 　 　 　 　､　_:l | し/.|ｉ 　 ／　　Vヽ
　　　　　　　　　　＿_ ﾉ　　　　 ＼＼　　　「｀ー=＝三7人」 　｀‐|__l´　　,､　ヽ| ＼
　　　　　　_　ィ￣　　　　　　　　　 ＼ヽ　　｀￣￣_, 　 lヽ::::｀ヽ　 （　ヽ-'´　　/.　　＼
　　_...-‐´:::::::/　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　 　|　ヽ:::::::Yヽ ヽ. 　 　 / 　 　 　 ＼
´::::::::::::::::::::::/　　　　　　　　　 　 　 　　 |　入 _. ＿＿」　　 ヽ::::＼〉､_＿／ 　 　 　 　　 ＼
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隣で息切れ一つ起こさず走るクーガーが呟く。
それに返事をよこす余裕もなく、地面を蹴った。

それは自分にも何となく理解できた。

企業連の悪足掻きの一撃とはいえ、全身全霊を込めた、最後の一撃だろう。
そして、その一撃を凌げなければ、自分たちも終わる。

どちらにしてよ、これが最後になる。
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5975： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/30(木) 21:48:17 ID:9PqOcNqY0

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／＼|＼,.ｨ|:|￣”“　‐-=ﾆ廴 , -ｧ=i|::| : | トミ..,_: : : /￣　 ∨ﾍ: :ｉ|＼/ | | |: : |::|　 ／ ／／}‐/ヽﾊ　()､: : : :|└ヘ〉ヽ: : : : : /
l＼／＼lヽ|:|: : : : : : :::xヘ　__|/ヽ::i|::| : | |　　　￣　=-　∠__ﾉ　|_,.､-''| | |: : |::|／{／／:|: :V〈ヽ〉ゝ'　 〉: : {弋ヘ/ヽ 〉: : : / /
＼|＼／ヽi|:|: : : :_,xく<／￣/_|／,:i|::| : | |￣::::…ｧ=ﾆ _　　　丁　　　_| | |: : |::|＼{／: : :|: : 〉７ {　　,.ｲ: : : {ヽ{ヽ 〉,ﾊ:T: ::/_/
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アラートが鳴り響く基地内を駆けずり回ってエレベーターへと飛び込む。

格納庫に辿り着くと、息も絶え絶えといった様子のなのはが駆け付けてきた。
さっきまで整備班スタッフと何やら忙しなくやり取りを交わしていたが、
それらを切り上げて、自分へと駆け寄ってきたのだった。

きっと眠っていたところを叩き起こされたばかりだろうに、
その眼には疲弊の色など欠片も滲んではいなかった。

ここが瀬戸際だと、理解しているからこその気丈さだ。
それはきっと、皆同じだった。慌ただしく駆け回る整備スタッフたちも、
焦りや恐怖の色は見えれど、手や足を止めてはいない。

「今、最初に出撃準備ができたはやてちゃんとアルトリアさんが出てくれてる。
敵は……IGIOの識別信号を出してる。つまりはそういうこと」
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5976： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/30(木) 21:53:28 ID:9PqOcNqY0

　　　 　 　 　 　 　 ／　　　　　 ヽ
　　　　　　　　/レ′　 　 　 　 　 ヽﾊ
　　　　　　 |V　　　　　　　　　　i 　 /|
　　　 　 　 ﾐヾヽ　　　　　　　ﾉノ ／ ,'
　　　　　　 ﾄ､ヽヽ　　　i!〃　　ｨ′ /し!
　　　　　　 ﾄ､l|＼ __∧」Ｌ　 '´ |　 /　/
　　　　　　rV/　　 / 7´　　 　 レ' //　　　　　　　　やっぱそう来たか。俺も上がるぜ。
　　　　　　ﾚﾍー-､l /　　_,,. -一メｲlj
　　　　　　{ﾋゝ￣`| |ー=＝ｒ ィ'´ /ｌﾝ　　　　　　　　　……アルトリア・ペンドラゴンが出ているんだ。そういうことなんだろ？
　　　　　 　 ﾍl＼. | |_ハ___」斗イﾚ′
　　　　　　 　 |　 ｀ll|　|, 　 　 　 lﾊ
　 　 　 　 　 〈ﾄ　　ﾘヽ‐'　　　　,'ﾚ|
　　 　 　 　 . ｲ ＼　￣￣` 　 /　 ト､
＿　,　ｨ'　´　 | 　 ヽ　 　 　／ 　 / 　 ｀ヾ　ｰ- ､_
:::::::::::::/　　　　　　　ト--ィ′　　　　　　　 ヽ::::::::::::￣
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　　　　　　　 ＼: : :ﾍ　　　　 _　. . : :´￣￣: : : ｀: : . ､　　　　. . .――
　　　　／￣｀ｰ-＼: ﾍ　 . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼ ／,　-――-､＼
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　　/: : : /: : /: : /: : : : : :ﾊ: :l : i: : : : :ヽ : : : : : : : l: : : :l : : : : : : :ﾍ: : : : : : : : :l
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　　|: :/ l: : :l : : :l : : : |: :l　 l: ﾄ､:lヽ: : : : ﾄ : : : l: : : :l : : : l: : : : : : : : ﾍ: : : : : : : l
　　|./　l: : l|: : : :l: : ;-r‐|‐　l:l`ｰt‐＼--|､l: : : l: : : :l : : : l: : : : : : : : : ﾍ: : : : : : l　　　　　　　　　……否定はしません。
　　|'　 .|: :l l: : : :l: : : :lrﾃiﾐ　`＼ Zニ＝ﾐ　l｀i: |l:l :/⌒.i: :l : : : : : : : : : :ﾍ: : : : : l
　　　　 l: :| l: : : :lヽ: : l.Vﾑ　　　　 b::::l;;} ,}>ﾘ|:l.ﾚ:/|　　}:∧: : : : : : : : : : :l : : : : l　　　　　　　　　ここまで、命が残った。それには意味があったということです。
　　　　　l:| .ﾍ: : :l: :＼{l ﾏ｣　　　　.辷'_ﾉ　　.,ﾘ//: :l　 ﾉ/　.l: : : : : : : : : : :l : : : : l
　　　　　 {　 ﾍ: : l: : :||ﾍ　　　　　 　 　 　 　 /ｲ: : l／/　　.l : : : : : : : : : : l: : : : l　　　　　　　　　
　　　　　　　　ﾍ: :lヽ: ll: ﾍ　 '　　　　　　　　　　l: : l: /　　　.l : : : : : : : : : : l : : : l
　　　　　　　　　＼{ ヽ{l : l＼　- -　　　　　　　l: :/|-=　　　 l: : : : : : : : : : :l: : : :l
　　　　　　　　　　　　　ﾍ:l　 ＼　　　　　_　´　 l/ .|､_　　　　 l: : : : : : : : : : :l: : : l
　　　　　　　　　　　　　　`＼　　ー , ｢　　　　/ '7 .lヽｰ ､　　.l: : : : : : : : : : : :l : :l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/|ヾー ´／　　.l　ﾍ::::::｀ヽ⊥_: : : : : : : : : : l : l
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　　　　　　　 l::::l::::::::::::::__ ‐/＿_／　l/ /　l　〉/　　　｀＜_　　　　｀ヽ､:::/::::::::::::l: : : :l





　　　／￣￣￣＼
..　／　＿,　、＿　＼　　　　　　　……二人とも、何の話をしているんだお？
／　 （●） 　（●）　 ＼
|　u.　　（__人__）　　　　|　　　　　
＼　　　 ｀ ⌒´　　　 ／

5977： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/30(木) 22:01:04 ID:9PqOcNqY0

　　　　　　　∠ へ＿＿＿＿＿
　　　　　 ／_|＿＿|＿＿＿＿＿
.　 　 　 // ﾉ　　　｀'‐-　　　|
　　 　 //（○） 　 （○ ） 　 .|
　　 　 | | 　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　　やる夫とはやてさんは迎撃に上がるけど……アルトリアさんとクーガーさんは援護に徹してくれお。
　　 　 { {　　 （__人__）　u　 .|
　　　　ヽヽ　　 {＿_}　　　　 }　　　　　　 最低限の搭乗に留めておかないと。そうだお？
　　　　 ヽ ヽ―┬‐┬――┘
　　　　　／ヽ＿{＿_|＿＿＿　　　　　　　
.　　　 　 /　　 /　/
　／　　/.　 　 |　|
　　　　{　　　　|　|

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駆け寄ってきた整備班スタッフからパイロットスーツを投げ渡され、
急いで袖を通す。

敵がコジマ兵器である以上、ネクストでなければ勝ち目はない。
ノーマルやMT部隊、艦載機部隊を出したところで犠牲者が増えるだけだ。
だから、シュクヴァールもリンドヴルムも出撃しなくてはならない。

とはいえ、彼らは最早ネクストを長時間動かせる身体ではない。
自分とはやての二人で何とかするつもりでいかなければ。

たとえ無茶でも、やるしかない。
折角生き延びてくれたのだ。二人をここで死なせるわけにはいかない。

だが、そんな自分を見つめるなのはは、それを肯定も否定もしなかった。
こんな非常時だというのに、どこか懐かしいものを見るかのように、
目を細めている。

視線の先には、自分がいた。
現場の喧騒を置き去りにした、真っ直ぐな視線が貫いてくる。
思わず、吐き出していた言葉が止まり、喉奥まで引っ込んでいく。
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5978： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/30(木) 22:08:00 ID:9PqOcNqY0

　　　　　　　　　　　 　 　 ...:.-――:.:......／´:.:.:У:.:.:.／´
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　　　　　　　　 ':.:＼|:.:.:.|:.:.:i /,,ィ竓圷､　　　竓ミ.|:.|:.:|:.:.:.:|:.:.:|　 ｿ
　　　　 　 　 　 V:〉ﾍ:.:.:|:.:.:|.〃 ん刈　　　　んﾊVﾉl:.:|:.:.:.ﾊ:.:.|
　　 　 　 　 　 　 {⌒ﾄ:.:|＼| 　 乂 り　　 　 bりﾉ:.ノﾚ:|:.:/　ﾚ
　　 　 　 　 　 　 ゝ､|:.N､ 　 　 '^"´　 　 　 ゞ'/イ:.:/ |/
　　　　　　　　　　　 |:.:.:｢　　　 　 　 　 　 '′ 八l.ｲ　　　　　　　　　　　　――なんだかね、夢を見ていたような気分だったの。
　　 　 　 　 　 　 　 八:.|:::::..　　　　　匸 ﾌ ／:.:.:.:.:|
　　 　 　 　 　 　 　 　_N::::::::〕ト　　　 　 イ:.:.|:.:.:.:.l:|　　　　　　　　　　　　長い長い夢。だって、そうでしょ。
　　　 　 　 　 　 　 ／＼　｀　=‐ｚ〕冖 ´　|:.:.:|:.:.:.:.l:|
　　　　　 ＿-―‐くミ､　 ＼　　 〉^〈|　 　 |:.:.:|:.:.:.:.l:|　　　　　　　　　　　　自分じゃケリをつけられないからって、君を拾って、マーシフルに乗せてさ。
　　 　 ／:::::::::::::::::::::::∧　　＼ /ＹУ∧ｰ 〔:.:.|:.:.:.:.l:|
　　　/:::::::::::::::::::＼::::::::::. 　 　 Χ ]Y、∧:::::::＼:.:.:ｌ:|　　　　　　　　　　　　最初は、フォークもまともに使えなかったのに……
　 　 l:::::::::::::::::::::::::::＼:::li:.　 　 　 〈Λ〉 ∧:::::::::ﾊ:.ｌ:|
　　　∨::::::::＿:＼::::::::Ｎ|:ゝzz，.,＿Y⌒|　 ::::::::{::Ll:|　　　　　　　　　　　　 今じゃ、ネクストに乗ってびっくりするような戦果を挙げて、
　　 　 ∨〃⌒ヽ､＼::::::〉――-- ノ＼八＼｢r┤:::ヽ
　　　 　 Ｙ{　 　 }}:::::::＼_　　　＜　　　＼　 〉　∨ヽ{　　　　　　　　　　　　世の中をひっくり返そうとしてる。
　 　 　 　 ゝ-＜｢::::::/ 　 }　　　　｀・ ，　 ∨　　 ∨ ＼
　　　 　 　 ∨::::::::::::|　　 ∨　　＿__　｀ ・ ,}　　　 ｝　　Ｌ
　 　 　 　 　 }＼:::::｢　　　 ∨´　￣ ヽ＼__r ＜ ￣ ＼ヽ　ヽ
　 　 　 　 　 ヽ ｝'´　　　 　 ＼r┬　冖　 　 ヽヽ 　　 } ｝　 }
　　 　 　 　 　 } ＼　　　　　　ﾉ八　　　 　 　 }::}　　 ﾉノ　 ﾊ





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　 　 　 　 　 /' 　 |.:.:.l.:.:.:!.:.:.:.|⌒:{:{ 　 |ハ.:./｀ヽ'.:./.:.:.:ﾊ:.:.:.|.:.:.:.:.:|.:.:.:|
　 　 　 　 　 　 　 |:.:∧.:.:ヽ:.:.ィf笊{　 　 笊ぅｘ:.:イ.:.:.:/.:.:| : |.:.:.:.:.:|.:.:.:|　　　　　　　　私が私の未練を断ち切るために拾った、最後の教え子。
　 　 　 　 　 　 　 |ﾊ.:{ ヽ{､:.:ゝ乂ﾂ　 　　t':::ツ〉/:.／Y:/|.:.:|.:.:.:.:.:|.:.:.:.!
　　　　　　　　 　 　 ';{ 　　}:.:.:l　 　､ 　 　 　 ／ィ:.l_ノ:'　|.:.:|.:.:.:.:.:|:.:.:.:l　　　　　　　　でも、君は私の過去を清算するどころか……
　　　　　　　　　　 　 　 　 }.:.人　 　 ､　_　 　 ｲ.:.:.ﾘ' 　 /.:.; :.:.:.:.;.:.:.:.:.|
　　　　　　　 　 　 　　　_ ,-､:.:介s。 　 　 ィi〔/.:./。s≦≧:､.:.:./.:.:.l.:.:|　　　　　　　　 そんなのは道の途中で終わらせて、自分の人生を
　　　　　　　　　　 /^ｧ/ / /＞ｧ}＿｀≦!_ イ。sｧ´ﾆ;'ﾆﾆﾆﾆ_∨.:.:.:, :. |
　　　　　　　 　 　(_,ｲ ! ,'ィ/　,ｲﾆ／ /r:ァ､ ／/ﾆﾆ,ﾆﾆﾆﾆｨ≧､.:./.:.:.;　　　　　　　　　手に入れようとしている。
　　　　　　　 　　　ハ_Y／　/ﾆ「_ イ/Y´／　,:ィ｀/Ⅶﾆﾆ_{ ! ⌒Y.:.:./
　　　　 　 　 　 　 !　 ,.:　　/ィ´　/_ﾆ／ ｀ ＜　 ､l　Ⅶﾆﾆﾏ, 　 ﾉ:./
　　　　 　 　 　, ⌒}　 　 イ{/|　/_／ 　_。s≦｀ヽ|　 Ⅶﾆﾆゝｒｲ:.:/
　　　　 　 　 　}｀ ー≦ 　／ |イ_,,ィ≦- ―'　　　|　　Ⅶﾆﾆ└'Y
　　　　 　 　　 }　 　＞　´ 　 ／　　 　　　　　 /^ヽ 　 ｀ヽﾆﾆﾆ{
　　　 　　　　　ゝ_, '　 　 　 ,'　　　　　　　　 　八　 ﾊ　 　Ｙﾆﾆ{

5979： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/30(木) 22:22:58 ID:9PqOcNqY0

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　　　ｉ:.:.:.:.://:.|:.:!:.:.:.:.y´|｡≠､ヽ＼:.ﾍ んてﾒ.＼:.:.:.:.:. |:.:. : |:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　　∨:.:/ ｉ:.:.ｉ:.{!:.:.:.:.|〃んう　　　＼.う__/} ,ｲ|:ｌ:.:.: : ｌ＼:/|:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　そんな君に……私は、してあげるべきことがある。
.　　　人,′!:.:.:ﾘ!:.:.!:.:.ｉ ｀.うﾂ},　　　　 ゝ-┴　 }:l.:./:/　/:. |:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　 ',:.:.:. ﾄ:.:ヽ:.ﾍ. ゝ¨, 　 　 　 　 　 　 / /:. |／!:.:.:|::.:.:.:.:.:.: : |　　　　　　 私には、君の未来を守る責任がある。
.　　　 　 　 丶:.:.ｉ ＼:>､ﾍ　　　　　 　 　 　 　/}:.: : !　 |: : |:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　 　 　 　 ＼|　 /l:人＼　 ﾏ￣ﾉ　 　 　 　 !:.:./ 　 |: : |:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　　私の過去を清算するだけの人生で終わらせるわけにはいかない。
　　　　　　　　　　　|:.|{:. : r .　　　　　　　　イ　|:.,'　　 |: : |:.:.:.:.:.:.:. : |
.　　　　　　 　 　 　 リヽ:.: |　 　. 　　　＜　　　/ｲ . 　 |: : |:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　　 君の先生として……君にとっての大人としてね。
　　　　　　　　　　　　　＼{ 　 　 ￣|　　　　 ／ ∧ﾍ　|: : |:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　　　　　 　 　 　＼ 　 r/{　　 , ＜ 　　　/ ヽL;; |:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　　　　　　　 　 　 ,､／/－＜、　　　 .／　./:::::::::｀ヽ:、:.:.: |
　　　 　 　 　 　 　 　 ,､r ´／　/>= /´ ＼　 ／　　/::::::::::::::::::::::::｀ヽ、
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「何を言って……」

困惑する自分の言葉を遮るように、力強く両肩を掴まれる。
かと思えば、そのまま腕の中へと抱き寄せられていた。

「ありがとう。何だかんだ、退屈しなかったよ。
私は君の親でもないけれど……子供みたいなものだと思ってたよ」

対汚染スーツのせいで、なのはの体温も感触もほとんど伝わってこなかったが、
その腕に込められた力の強さは感じ取れた。

「はい、もう終わりね」

ぱっと手を離され、なのはは少し気恥ずかしそうに後ろへと下がる。
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5980： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/30(木) 22:31:58 ID:9PqOcNqY0

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l'　.l: : :|: : :| :||. _=土三ﾆ:::.、/ ' ／ 　 , ‐-/　 　 /' .|//: : :/ : : :/!: : ﾊ: : : :.∧: : : ヽ: :ﾊ
　　|: : |､: ::ﾄ:!、´　￣￣｀丶　　　　 　 ´ﾆ≡::.､./　 /./ : /: : : :/ .l: ::!: :∨ : :.ﾊ: : : : :|ヾ:} 　　　　　　　――行ってらっしゃい。
　　 ﾞ! :| ﾞ､ :l.|＼　　　　　　　　　　　　 ￣｀ﾞ丶ﾐヽ、 /: :/: : : ::/　 !:/! : : ∨: : :!: : : : !　}'
　　　lﾞ:| : :ﾞ､l|　｀｀｀　　　　　　　　　　　　　　　　｀`/,.ｲ : : : :/　 //:|: : : : ∨: :|: : : : |　　　　　　　　　幸せになるんだよ。
　　　| : : : : :|、　　　　　　　 　 ,:　　　　　　　｀｀ ／ /／: :, ':!　//: |!: : : : :.∨:|: : : : |
　　　.!: : : : :.| ヽ　　　　　　 _　　　　　　　　　　　, ／/: ／:/ ./ .|: :l|: : : : : : }/: : : : .!
　　　.|: : : : ∧　 ＼　 　 　 ヽ｀＞　 　 　 　 　 , '￣/／: :./ ./　.|: :l|: : : : : :/': : : : : |
　　　.∨: !: :从　　 l＼　　　　　　　　 　 　 _／　／!: : : :/　　　 |: :!|: : : : : : : : : : : :.!
　　　　∨:ﾄ､{　 　 _|　 ＼　　　　　　_.. ‐ '"　　　 /: : : :/　　　　.|: |.|: : : : : : : : : : : :.!
　　　　　ヾ ｀＼ .∧　 　 丶... -‐ "´ .|_ 　 　　.／イ;ｲ/　　 　 　 !: ! !: : : : : : : : : : : :|
　　　　　　　　　/　ﾞ、　　　　　　　 ,/ .|　　　　　 /'　'　　　　　　|: | |: : : : : : : : : : : :.!

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そして、微かに髪を揺らして、微笑んだ。

その表情が、自分の頭の中に焼き付いた面影と幾つかと重なる。
だが、そのどれとも違って見えた。

初めて彼女が、過去を見つめるように虚空へと視線を投げるのではなく、
目の前の自分がどうなっていくのか、見えない未来像を見ようとするかの如く、
楽しげに遠い眼差しを投げかけてきていた。

上手い返事も思いつかないまま、他のスタッフたちに腕を掴まれ引っ張られていく。
遠ざかっていく彼女の笑顔は、結局崩れることもなく、自分を見送っていた。

そうだ。
あれは見送っていたのだ。
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5981： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/30(木) 22:38:32 ID:9PqOcNqY0

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コックピットに搭乗し、降りてきたバイザーが視界を閉ざす。
うなじに衝撃が走り、視界がマーシフルのカメラアイを通した世界へと移る。

ここまで来てなお、さっきのなのはの笑顔が瞼の裏にこびりついて離れない。

リフトが起動し、カタパルトレールがある区画まで降下する。
脚部が固定されると同時に、マシンチェックを惰性で走らせた。
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5982： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/30(木) 22:40:48 ID:9PqOcNqY0


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どの道、やることは変わらない。
ざわつく胸をどうにか収まらせようと、自分に言い聞かせる。

何であれ、全部撃墜するだけだ。
マーシフルとミセリコルデの二機で。

自分が上がったら、リンドヴルムにも一度後退してもらわねばならない。

そして、無事に帰投して、なのはに顔を見せに行かなければ。

注水が開始される。
出撃だ。
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5983： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/30(木) 22:41:03 ID:9PqOcNqY0
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

5984： ◆x0SRSoJXe.：2023/11/30(木) 22:45:04 ID:9PqOcNqY0



　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　　　　短い……とても短いが、今日はここまでだ。
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　　　　このペースでエンディングまで駆け抜けたら深夜三時コースだ。
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　　　　せめてエンディングくらいは、かちっとした描写で駆け抜けたいからね……
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ





　　　　　　 　 ,- ‐‐ -　､
　　　 　　 ｒ‐ｲ: : : : : : : : :｀,
　　　　　　i /○　○: : : : /　　　/｀ ､
　　　　　 　i_ _ _ : : : : : : :{　 　 / : : /　　　　　　次回だが、ちょっと書き溜めするよ。つまりは進捗次第だ。
　　　　　　 ｀,_　_｀=-: : : :| 　 ノ : : /
　　　　　　　i: : : : :_: : : : :'y´ : : : /　　　　　　　 たぶん、また鬼の休日出勤……は、しばらくないはずだからさ。
　　　　　　　｀-‐､´: : : : : : : : : ／
　　　 　 　 　 　 ﾉ : : : : : : : : i´　　　　　　　　　 モコイさん頑張る。応援頼むよ。
　　　　　 　 　 / : : : : : : : : : :|
　 　 　 　 　 　i: : : : : : : : : : : !
.　 　 　 　 　 （｀ー‐-　　-‐　_}





　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′　　　　　　　　それが終わったら、アルトリアを選んだ二週目IFルートをやって、三週目だ。
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|　　　　　　　　　　それも終わったら、小説を書こうか……やる夫スレ作者としての
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,　　　　　　　　　　今後も考えないとね。
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|　　　　　　　　　　シーユーアゲイン。ところでモコイさんってコログに似てるよね。似てない？
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´

5985：安価のやる夫だお：2023/11/30(木) 22:58:13 ID:g65uL7E20
乙でした
いよいよ最後の大一番か…

5986：安価のやる夫だお：2023/12/01(金) 12:37:12 ID:B28c637o0
乙
うーん似てるような似てないような…

5987：安価のやる夫だお：2023/12/01(金) 22:27:32 ID:lxitGUSM0
乙やで
専ブラってPCの？もう良いの見つけた？

5988： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/30(土) 21:03:53 ID:PXEuOmSM0
ご無沙汰していた……すまないね、待たせすぎてて、なんかスレを開くのも怖くなってしまって……

大分動けるようになったので、今書いてる真っ最中だ。

出来上がったら投下するよ……

>>5987
そうだね……Sikiっていうのを使ってるんだが、これ、AAに含まれる絵文字とかが勝手に変換されて、気持ちが悪いんだ……
良いのがあったら教えてくれるとうれしいな……

5989： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:30:51 ID:BDDzqD960

　　　　　　　　i三i
　　　　　　　　i三i
　　　　　　　　i三i
　　　　　　　　i三i
　　　　　　　　i三i
　　　　　...-─‐-. ミ
　　　...|: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　...|: : : : : : : : : : : : /
　　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　: : : : : : : : : : : :i　　　　　　　　　　　ハロー。
　　　 .{ -===- ､: : :. :.|
　　 　 〉: : : : : : : : : :ノ　　　　　　　　　　　
　　　..i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,
　　{三三三三三三三三}
　　{三三三三三三三三}
　　{三三三三三三三三}
　　ゞ三三三三三三三〃
　　　 .i: : : : , _ -‐ ´,)
　 　 . (_ _i￣(_　-‐'´i
　　　...|　:|`‐´i : : : : |
　　　 .|: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
　　　 .|: : : : : |: : : : : !

5990： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:31:30 ID:BDDzqD960

　　　　　　　　i三i
　　　　　　　　i三i
　　　　　　　　i三i
　　　　　　　　i三i
　　　　　　　　i三i
　　　　　...-─‐-. ミ
　　　...|: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　...|: : : : : : : : : : : : /
　　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　: : : : : : : : : : : :i　　　　　　　　　　申し訳ない……なんだかもう謝ってばかりだね。
　　　 .{ -===- ､: : :. :.|
　　 　 〉: : : : : : : : : :ノ　　　　　　　　　　誰も見てはいないかもしれないが……ぶっちゃけエターしても、そんなに影響は齎さないんだろうけどさ。
　　　..i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,
　　{三三三三三三三三}　　　　　　　　始めたからには、終わらせないとね……モコイさんはエターだけは絶対にしないのが、
　　{三三三三三三三三}
　　{三三三三三三三三}　　　　　　　　唯一チミたちスレ住民に対して守ってきたことだから……
　　ゞ三三三三三三三〃
　　　 .i: : : : , _ -‐ ´,)
　 　 . (_ _i￣(_　-‐'´i
　　　...|　:|`‐´i : : : : |
　　　 .|: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
　　　 .|: : : : : |: : : : : !





　　 ＿＿＿＿__
　　丶::::::::::::::::::::/　　　ｶﾀｶﾀｶﾀ
　　　|:::::::::○::○　　＿＿＿＿＿_
　　　|::::::::::ｰ=‐::i　｜　 |￣￣＼　＼　　　　　　　とりあえず書きあがったエンディングを投下しておくよ。
　　　.>::::::::::::::::く＿.|　　|　　　　|￣￣|
　　 /:::::::＼＿:::::::::::|　　|　　　　|＿＿|　　　　　　　二週目やる夫君のお話も、ここで終わりだ。
　　 |::::＼::::::::::::つ　|＿_|＿＿／　／
　　　:::::::::￣|￣￣￣￣|　　〔￣￣〕　　　　　　　　　　誰かの目に留まれば、幸いだ……

5991： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:33:40 ID:BDDzqD960


　　　　　　　　 ＿＿　　　　　　　　＿＿　　　　　　　,x≦ ヽ
　　　　 　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ 　 ,x≦:.:.:.:.:.:.:.≧ｭ､　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　　 　 /¨¨¨二ﾆ=‐--:.:.:.｀:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽr､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..
　　　　　 ／:.:.:.:.:.:,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽゝ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i
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　　 　 .::.:.:／/:.:.:/:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:‘，:.:.}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
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　　　　 　 |: { |:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|斗: ´|:.:.:|:.:.|:.:.:´!:.:.:|｀ ヽ:.: : }|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　　　　はぁっ……高町なのは、戻りました。
　　　　　　Ⅳ {:.:.:.:.:.::.:.:.:.|:.:|:. : |:.:.:|:.:.|:.: : |: : |:.:.:}:.:.:.:/:|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　　　 .::.:.:.:.ヽ:.:.: ゝ===‐'| /|:／ゞ==７:.:.:.:ｲ　!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　　　　　　 敵勢力の情報は集まりましたか！？
　　　　　　　　　ﾏ:.:lヽト:.､ヽ　　　|′,　　 　 /:／:. |　|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　　　 　 ﾏ{　|:.:.:.:|ヽ、u.　 r　ｭ　　 ／}:.:.: !　|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　　　 　 　ヽ ヽ:. !　　 ト　　　　 イ､　i:.:. / ｜:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　　　　　　＿__ゝ{-,/| ＼＞＜ ／} ヽ|／、 :|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　 　 r‐‐=ﾆ二::::::::::::::/　|　　 〉r〈　　 i　‘，:::::::::::≧ｭ､:.:.:.:.: |
　　　　　/::::::}:::::::::::::::::::::_/　　|　 /{≠{∨　|　　.::::::::::::::::::::::::: ７､:!
　 　 　 /:::::::::ｉ ‐=ﾆ　　 《　　 :|／ //l l ∨/l　　 }ﾆ=‐::::::::::::: /:: }|
　　　 /ヽヽ:: ∧　,　　　　ヽ__/ l　 ｀__Ll　 ′≪　　　　　｀　/:::::::i__
　　 .:　 //:: /　∨　　 　 〈　 　 l〃:::::::::ヽ,'　 　 7　　　　l　/ ',::::{{　ヽ
　　 {_ノノ:::/　 /　　 　 　 ∨ 　:l:::::::::::::::::,'　 　 /　　　　 l:/ 　 ',::ゝ',　',

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一度CDCに戻ると、そこには予想していた混乱はなかった。
テロリストとして追われてきたここまでの戦いで、否応なしに慣れてしまった
のかもしれない。個人差こそあれど、行動不能なまでに狼狽する者はいなかった。

むしろ、周りのスタッフたちより、私の方が切羽詰まっているかもしれない。
ネクスト戦役という死線をくぐり抜けたが、あの時はネクストに乗っていた。
今は私も、周りの皆と同じ。ネクストに乗れるリンクスを信じて、託すしかない立場だ。
だからこその焦りがある。

薄暗い室内で四方八方から映像と音声が飛び交う中、
駆け足で中央の会議スペースへと向かう。

今はとにかく現状把握だ。
すっかり息が上がっているが、整えている暇はない。
テーブルに飛びつき、声を絞り出す。
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5992： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:33:56 ID:BDDzqD960

　　　　　　　　　_ノ: : : : 彡: : : : : :`ー-　、
　　　　　　　.／: : : : : : : : : : : : : /: : : : : :＼
　　　　　　 /: : : : : :.:/: : : : ／: :Y: : : : : : : : :ヽ
　　　　　　 ): : : __: :/: : :,／: : : :从: : : ヽ: : : : }
　　　　　 ./: , -'_ノ: : : :/: : : :／⌒ｱ: : : }: : : : }
　　　　　〈／／_〈: :／｛: : : :.}　　ハ: : : : : : : :,′
　　　　　.'　/　/: :V__ 〈: : : :/　 ＿_∨: : : : :/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　いや、まだだ。上空での接敵もしていない。
　　　　　| /　/-- ､茫ﾄ.〉: /=≦茫ﾃ }: : : :/(
　　　　　|,′´ ,へ_｝￣ {ﾊ{　`ｰ　　 ,八: ,ｲ}: }―､――――　 ､　　　　　　　　　　 だが……何か異常なことが発生している。
　　　　　( 　 ノ ,_　〉　　..:; 　　　 　 },／_ノ:./::::::∧　　　　　 　 ∨
　　　　　 ヽ　　ゝｲ:,　　, ,ヽ , , ,　　　 /: ／:::::::::: ∧、　 　 　 |::::∨　　　　　　　　　これは企業連による、ただの悪あがきというわけではなさそうだ。
　　　_､‐''゛ ヽ　　 ＼､{ - -- - ､}　 ｨ(},/::::::::::::::::::/::::.　　　　 |::::: ∨
_､‐''゛ ／: : :.∧　　　 ヽ ,ﾉ;,,　 , , メ:i:i:i:∧::::::::::::::/:::::::|　 　 　 !::::::|　,
　 　 /＼__, --〉　　　　〉ー‐=≦:i:i:}:i:i:i}　,::::::::::/::::::::::| . 　 　 |:::::::| ｜
　 　 |::::::::/ー !　 　 　 |、: ＼:i:i:i:i:i:}:i:i:i}　∨:::::|::::::::::::|　　　　|:::::::|　乂
　 　 |:::::/: : :./｀丶、＿| ＼: :.∨i:i: }:i: ﾘ　｜:::/:::::::::::/　　　 /::::::/ 　　 ヽ
　 　 |: /: : :./　　　　　 ｱﾄ-＼:∨i:i:i: /　　|::/:::::::::::/　　　 /::::::/／::::::...　∨
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /　,.-､　 }
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　　　　　　　　　　　　　／/: : :/': : : |: : :| ＝＝　ﾑイ　}'ﾏ: |:|: ∧
　　　　　　　　　　　 ／／': :/: |: : : :l＼:.| u　 　 　、 ==/l:/,:!,: : |
　　　　　　　　 　 ／: '　/: :,: : : ,: : : |､_ 　 　 ＿_ 　 　 ,: /:.lﾘ ＼}
　　　　　　　　 ／ ´　 ,: : /: : : : ,: :.:.|　:､　　乂:.:.:.ｿ　 八:_:｣　　 ｀　　　　　　　　　　　　　　えっとねー、突拍子もないんだけどさ。
　　　　　　　 / '　　,.-‐-､＿/___|: :.∧　　 ､　 　 　 イ: :.|
　　 　 　 　 / 　 ／　　 〈l |::|　 l|: :{/∧ 　 /｀ ｰ ´: /: : :|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　……旧ドイツエリアで、大規模なコジマ爆発が観測されたみたい。
　　　　　　/,. イ　　　　 〈l |::|　　,: |/ /　 //:/|: : : :{-､: :|
　　 　 　 ,:/ 　 　 　 　 Ⅵ |::|　　|:j!　{_　 ' ∨ !: : :/l〉 ∨　 　 　 　 ,.-――---ァ　　　　　　 ブライドル管理下のチャンネルで大騒ぎでさ。デマでもないみたいだし。
　　　　 /:{　　　　　　 　 ヽ|::,...イ: ﾉ　| ｀　 r|　 ,: :{ l〉 　｀ヽ,　　　rく　　 ＿二≧ｱ
　　 　 ,: : |　 ､　　　　　 　 }'　 {:.:ﾉ　 |　　 　 ,　Ⅵ/' 　　　 }　　/ 　 ｰ=rｰ '　　　　　　　　　　 オルデンブルクの情報網にも本当の情報として来てる。
　　 　 {／!＼_}　　 　 　 ／　 ｢:.ﾉ 　 |　　l 　 ∨∨:､　 ＿/　 〈　　 　/ ｢/
　　　 /: //}//＞- ､_,.イ､＿_/:｢　 ＜　　 :.　　＼∨}ィ//∧ , ' ＼__,/--'
　 　 ,: :/'´ |//////　 :.　 　 {: |￣T≧=--ﾞー--'-ﾊ'////,／　　　'
　　,: : ' 　　｀ 7ｰ ':.|　　 ,　　从|　 ||　　　　　　　　||ﾑ￣,:'　　 　 /
　 /: /　　　 /--､:/ 　 ::.,:::. 　 　 /'　　 　 　 　 　 || l}　　　　　,:'
　':. /　　　 ///,Ⅵ、　　 ＼::::...../............::::::.....　　 /'人＼　　／
/: /　　　 ///'´¨//＼　　 ｀7ー---― ¨ r―--イ : |: : |｀ ´
: /　　　 /／　　 ＼//＼　 {l　　　　　 {l /: : : : :.:|: : |: : |

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「……大規模コジマ爆発？　偶然の事故ではなく？」

会議テーブルには、真壁と篠ノ之、そしてスネークの姿があった。
他の面々は、それぞれの持ち場についている。

しかし、そんなものは偶然でしかないのではないだろうか。
廃都市で大破壊を起こしたところで、得をする勢力などもういない。

「いや、これがね、立て続けに三回起きたの」

「三回も……」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

5993： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:34:09 ID:BDDzqD960

　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.-zz--､　　 　　　　 r-zzzz-､
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／ ／_／∧ 　 ＿___　 |　　　　 {
　　　　　　　　　　　　　 ／ ／ ／///∧´: :.＿: : ｀|__　0　__|
　　　　　　　　　　　　／ ／ ／ ,.∨//＞―――-:|　|　　|　!
　　　　　　　　　　　 /ｰ'　／,.-ｨｧ_: : : : : : : : : : : :.:.|　|＿_j　|:ヽ
　　　　　　　　　　　 ｀二´'　,.´ィア: : :,: :.|: : |: : :.|: :乂＿＿_ﾉ-､}＿
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　　　 　 　 /　 '　　￣7　 /: :.∧:_:/_|:_!ノ{: : :|　|ﾄ､ﾏ:.∨: ',: : : | : T ー､ 　 　 }＿_
　　　　　 /　 /　　　 /　　': ,: !: Ⅵrtｫ=ﾐ ＼:｣　'＿ {:_｣＼|: : : |: : |:＼ r===イ-r--=l　　　　　そう。おかしいんだよ。コジマ発電施設なんていうのは、
　　　　　 ---､＿＿/　　 {/:/|: : :|弋)ソ　　　 ´必オヽ/: : :/: |､: :,:.､: :|　 　 　 |　[ﾆ!
　　　　　　　 /　　 ,　　／:{/_从:八　　　 , 　 　 ｀ ¨　/: : :∧:_|: ＼: .　!　　　　 }-- '　　　　　 一基が暴走して大爆発を起こすようなことが
　　　　　 　 ,　　　,　 /:,／　 〈l ＼}:.　 　 　 　 　 　 /ｲ: :/:/||l〉｀ヽ: : 　 T¨¨´｢､
　　　 　 　 /　　　}'´￣　　　〈l ||',: :ム、　__　　　　,.ムイ:./ ||l〉 　 ＼:_:､| 　　 ＼:.　　　　　　　あっても、他を巻き込まないように、
　　　　　 ,:　　　　|/｀ヽ　　　〈l ||∨: :| ＞｀ ｀ 　 イ | |: : /__/'l〉 　 　 　 l|　 　 | ﾏﾑ
　　　　　/　　　　八//∧ 　 〈l ｰ=l : |　|ヽ｀¨　r― | |: /＿_/ﾌ　 　 　 ,ｨ|　　　:.　ﾏ :.　　　　　　一定の距離を保って建設されてる。
　　　 　 {　　 　 /　∨//}　　　＞ |: , 　|　　　　　　| l: {ー　r'　　　 ／/{| 　 　 {＼ , : .
　　　 　 |　　　 '　　 }// |　 _,.' 　 〈: {／　　l::/　 　 ｀|: 〉 　 ﾏ　　 //// |　　　 ﾏ//､: :..　　　　　そうでないと、連鎖爆発で滅茶苦茶だからね。
　　　 　 |　　　　 ,..ィ--'､__/ {￣＼|: :〉　　　'　　 　 /{:.ﾊ　＿}.　　|///　:　　　　|///＼}
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　　　　　　　 /: ／∨//// ／＼l|{: :ﾉ　 　 ,￣､　　　 {: ﾉ||　/､　　　 　 ＼　 　 ,/////// ＼
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//////∧: : {: : : : : :.:.人: : : :.{∠三三ヽ: : : : : :ソ: : 乂
///////∧: {: : : : : : : : :.＼:.人　 ＜以 ヽ: : ／: : : : :ハ
////////∧乂: : : : : : : : : :ト､_＼　　..::　}／　`''＜.从/　　　　　　　　　これは人為的なものと見ていいだろう。
/////////∧　＼: : : :、: :人　⌒ 　　　　　　　　　/
//////////∧ 〈 　￣｀`ヾハ　　　　　　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　……既に、あの一帯の汚染は致命的なものとなっているそうだ。
///////////∧ ゝ　　　　　　　　　　　　,,　 '' ''　)
////////////∧＿Y　　　　　　　　　　 r ／ 二)　　　　　　　　　　　　　ついさっき、オルデンブルクから救援要請が来たよ。
///////////// |: :{ !　　　　　　　　　　〈　　　　|
///////////// |:从 !　,,　　　　　　　　 　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　　原因を突き止めて、それを抑えてくれと。
///////////// |:〈 今s｡.., ,, ,, 　　 ,,　　　　　　 |
///////////// |　　　　　　　 ｀゛¨ '' ‐-　...,, __人＿＿　　　　　　　　　　　まあ、今はそれどころではないわけだが。
///////////// |_,,..　-‐　'' "´:::::::::::::::::::::::::::::::::＼:i:i＼i:i｀`〜､、
///////////// |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:i:i＼i:i:i:i:i:i:丶
//////////////:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∨:i:i∨i:i:i:i:i:∧

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眼の下に深いくまを刻んだ二人が異常さをこれでもかと伝えてくるものだから、
私も言葉を詰まらせてしまった。

辻褄が合わない。

企業連が最後の悪あがきとして、この基地を襲うのは分かる。
向こうに動かせるネクストはたかが知れているが、もしも私たちを駆逐できれば、
今回の停戦協定とコジマ兵器禁止条約を白紙に戻せる。
地上の支配者としての立場を守れるのだ。

けれど、その一方で、こんな大破壊をして何になるのか。
そんなことができるのは企業勢力を除いて他にいないとは思う。
にしたって、動機が読めない。
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5994： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:34:25 ID:BDDzqD960

　　　　　　　!　|　　　　　　　　　　　　　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__
　　　　　　　ヽ〈　　　　　　　　　　　　　:::::::::::::::::::::::::::-=≦三三三三三三三三三三彡　　__＿__
　　　　　　　　ｉ |　　.......::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_＿＿___斗＜´
　　　　　　　　| |　　　　　..............:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::__斗------ ´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::斗＜ ,,;;―
　　　　　　　　/,|＿__::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::__＿＿__斗＜::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／　　／::::::::::::＼
　　　　　　　ヾ:::::::::::::::ｰ　　、＿＿__彡:::::::::::::::＿＿＿＿____:::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/　 ＿/::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　＼::::::::::::::::::ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｉ!ｉ!ｉ!ｉ/´二＞￣ﾌ　|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｉ　　　　……座標は分かるか？
　　　　　　　　　　ヽ:::::::::::!　｀ゞ彡:::::::::::::::::::::::::::::ｰ二二≧=　´/／　　　　　　　:::::::::::::::ヽ-　、　/＼:::::::　　　　　ｉ
　　　　　　　　　　　ｉ:::::::j　　　　￣ゞ´￣∨::::∧:::::::::::ゞ　　　　　　　　　　　　　　::::::::::::::::(　　｀´　　ｉ::::::::　　　∨　　　　　「おおよそは〜」
　　　　　　　　　　　|::::::ｉ　　　　　　　　　　∨　　￣￣　　　　　　　　　　　　　　　 ::::::::::::::::|　　　　/:::::::　　　∨
　　　　　　　　　　　|::::/　　　　　　　　　　　∨　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/￣::::::::′　　__/　　　　　　　マップに出してくれ。
　　　 　 　 .／￣￣|:∧　　　　　　　　　　　　∨_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /
　　　　　／　　　　 .ｉ´　　　　　　　　二 >　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /
　　　.／　　　　　　.ｉ　　　　　　　　　　| |ミﾐ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ゝ、__＿_／
　 .／　　　 　 　 　 ｉ　　　　　　 斗===/　｀三三ミﾐ、
／　　 　 　 　 　 　.ｉ　　　　　／／⌒´　　　｀ヽ三三

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そんな中で沈黙を破ったのは、スネークだった。
この場において初めて口を開いた彼の声音は、捕虜のそれとは思えない
威厳と冷静さに満ち溢れており、篠ノ之もすんなり首を縦に振っていた。

ただ、捕虜とはいえど、歴戦のリンクスにして指揮官だ。
この混迷を極める状況において、彼の意見は大きく重たい。
だからこそ、この場に招かれているのだろう。
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5995： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:34:41 ID:BDDzqD960

GROUND　ZERO
￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿_＿
　　　　　　　　　　 __　　　　　　 xwx‐'´　　　'＝─ぇ___r=-､__　　　　　　　 ＿
　　　　　　　　/￣　｀''ｧ_,z─￢′　　　　　　　　　　　　　　　￣￣¨＼　／　 ￣¨￢¨¨`ー─── ､
　　　　　　 r'´　/|__,.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿__　 ＿,．´V　｀7　　　　　　　　　　　/⌒' r‐､_
　　　 rj幺　XzZr'　　╋　　　　　　　　　　　　　　　　　厶　　|_/..　　　　　_>'´￣｀ヽ.　　　　　　 }＿_r'　　 ＼
　　　　　 r'´　╋　╋__　　　_　　　　　　　　　　　　　　　/ﾄ　,:'　　 ｀　' ' ﾟ ´　　　　　 ゝ.　　　　　　　　　　_,,.-'
　　 　 rｰ' r-､ ｯ､_厶ｱ　 〈〈 °　　　　　　　　　　　,．' rｧ''´　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　/
　　　 弋z乏X｀': └┐　　Ll　　　　　　　　　　　々ﾉ _zﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　 V　　　　　　　 /
.　　　/　　　　`''＾'''ﾍ∨　ｘ＿　　　　　　　　　　　} ...;　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ 　　 ,-=-j'
　　 /　　　　　　　　∧',　 　〉￣V　　r‐､ 　 r─'′　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　 ＼　|_rｧ　::...
.　　{　　　　　　　　　　＼zZ　　　|　f´　 丁_）　 ;Tl　　　　　　　'　　　　　　　　　　　　　　　　`''‐､¨|_￣__''';;
.　　 ＼＿,..,_　　　　　　　 /　　　:∨o　　 j}’　r､.ヾ　.　.　。.　 .　'　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣}´　｀ヽ.__
　　　　　　 ; |　　　　　 ／　　　　　　　　 ﾏｯ 〔_ﾉ『公ー､_. . .　　' ''　　　　　　　　　　　　　　　　 '''　 |　　 　 　｀ー┐
　　　　　　　 ∨　　 　 |　　　　　　　　　　　`-=-　　ヽー'` : : .　　 '　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　 　 　　,ﾉ
　　　　　　　 〈　　　　r' /!　　　　　　　　　　　　 /＾′∨|　　　: 　　.　''　　　　｡　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　 |
　　　　　　　　∨　　/　Ll　　　　　　　　　　　 f´　　 　　 ＼　　　　　　　　　　　'　'　. .　　.　.　.　　　　,|　　　 r'''´
　　　　 　 　 　 }＿/　　　　　　　　　　　　　　 |＿r‐ ､ 　　/　　 rj　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.｜　　 _/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 ｀ー'　　　Ll　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 r‐’
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |_f

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「心当たりがある。こいつは……企業連が水面下で進めていた
次世代型コジマ発電施設、その研究施設の座標だ」

「どこでそんなことを？」

「どこの企業でもやっていることだ。俺もかつて、SIとオルデンブルクが共同で
運営している施設の防衛任務に極秘で当たったことがある。

呼称は……アルテリア、とか言ったか。
要するに、企業が各々、隠し財産ならぬ隠しコジマインフラを作っていたわけだ。
今回は、オルデンブルクグループの施設がやられたようだな」
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5996： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:34:53 ID:BDDzqD960

　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,.-zz-､
　　　　 　 　 　 　 　 /￣ ¨∧,.--∧.　　∧
　　　　　　　　　　　/　　 //∧==/∧　0 ∧､
　　　　 　 　 　 　 /　　 //:,: :,.ｨ: : : : |　 　l∧: .
　　　　　　　　　　{　 　 ': :.|: :.l | : |:_:.乂　 　 }:.ﾑ
　　　　　　　　　　乂__ノ':ｨT7:{ | : | ､:|､:｀¨¨´: : ::.
　　　　　　　　　　　|: |: |:.| { 从{__｣　ﾘ Ⅵ: : ､ : : |
　　　　　　　　　　　|:ｲ: |:.lｨ≠ﾐ　 　ｨ≠ﾐ|: : |:＼:.|
　　　　　　　　　　　l八:.从u. 　 '　 　 　/: :.:|: : :.:|　　　　　　　　　　　あ、続報だよ。今度は旧ポーランドエリアで同じことが起こったって。
　　　　　　　　　　　　 Ⅵ : 、　ﾏ　7　 /: : /:;: : : :.
　　　　　　　　　　　　/:八 : ＞　_　ィムイ /: : : : :　　　　　　　　　　　何か、音速で移動する飛翔体の観測情報も出てきてる。
　　　　　　　　　　　 ,: /: :|: : :/-|　 　|: : :./: : : |: ::.
　　　 　 　 　 　 　 /:/￣l|: ://,ﾉ　　 {: : /|l〉￣｀ヽ: .　　　　　　　　　　こりゃ襲って回ってるね……IGIO上層部も気が触れたのかな？
　　　　　　　　　　 {:/　∨:.ｲ/｀ヽ　イ|: / ||i〉/　 　 '，
　　　 　 　 　 　_,イ 　 乂ﾉ/　　 　 乂ﾉ　||l〉'　 　 　 ｀ヽ､　　　　　　　　こんなの自分達の首を絞めてるだけじゃない。
　　　　　　　　 {　　　/／/ 　 l:/　　{: :}､/ll〉、　　 　 　 _,}
　 　 　 　 　 　 〉　 ん/ｰ,＼.../_,...イ乂:}　　 }､　 　 ,'／/＼
　 　 　 　 　 ／// {　{{o/　 ￣　 TT|〉:{￣∨:{　 　////}､ｲ
　　　　　　　/＼/l人 ﾏ{　　 　 　 　 |!､:.〉 /: : ｀¨¨{//／　':.
　　　 　 　 /　__/∨:＞}|　　　　-- /ｲ从 ,: : : : : |: :|: 〉-　　 ,
.　　　　　 〈　　 ＼: : : |||　 　 　 　 ||　　 {: : : : : :|:.／　　 ／:.
　　　　　　 ＼　　 ＼:〈 }}　 _,....-　 ||　　 ヽ: : : :／　　 ／: : :.|





/: : : : : : : : :,: : : : : : : : : :＼: : : : : : ミメ、
: : : : : : : : : {::＼: : : : : : : : : ＼: : : : : : :.:|
: /: : : : : : :/~^^ヾ; : }: : : : : : :.:.':, : : : : :.:|
/: : : : : : 从　　　 ）人: : :ヽ: : : :.|: :.､: : :.乂
: : : : : : : : : }.　　　´　 ＼: :!: : :,人: :}: : : : : ミ
: : : : : : : : : }三≧＝=ァ/ヽ}: :/三从: : : : : :.〉　　　　　　　　　いや、何か狙いがあるはずだ。
}: : : : : : :,人{ _,ｚrﾋ岱＾　　人｛ 赱　ヽ: : ハ/
: : : : : : : {　　` "´ ,..:'´　　　 ^∨~"　.ﾏ{　　　　　　　　　　　　企業連……IGIOにとって、この大破壊には意味がある。
: : : : : : : 乂_　　 　 　 　 　 　 / 　 　 从
乂: : : : : : : :.ヽ、　　　　　　　　　; ,　 {: :.',　　　　　　　　　　　 このまま世界中のコジマ発電施設を壊して回って、汚染をまき散らす意味が。
:|　＼: : : : : : : :}　　　 ; ; ;　 , r‐ ｧ ;,　∨^
:≧s｡.⌒ヾ:从:.:!　　　　　／' ´こ　 .｝　∨　　　　　　　　　　　　しかしまずいぞ。コロニー近隣のコジマ発電施設を破壊されれば、
ヾ: : :.:＼__　 .}/　　　 {:.　　　　　＿＿_/＿＿_
　ヾ: : : : :{:',　　　　　 ゝ 　 　 　 |::::::::::::::::::::::::∧　　　　　　　　　これは大破壊から大虐殺になる。
　　{: : : 从 廴_　　　　　; ; ,　　 .∨::::::::::::::::::::::∧
　　乂: : : :}　:::::::::≧=‐-.........＿,..入:::::::::::::::::::::::∧
　　　 }: : /! . 　 　 　 ＿＿__ 〈::::::::∨::::::::::::::::＞''"￣￣￣￣
￣￣￣　∧　 　,.ィi〔:;:;:;/;:/;:;∧::::::::|::::＞''"
　　　　　γ:;￣/:;:;:{;:;:;:/;:;:;:;:;:;: ∧＞''"
　　　　 ./;:;:;:;:/;:;:;:;:{;:;:;从;:;:;:;:;:;:;:/

5997： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:35:05 ID:BDDzqD960

　　　　　　　　　　　　　-― -
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　 l::::::ﾍ:::::::＼/::::::::::::::::::::::::::i::::::i::::l:::::l:::::::::::ヽ::::::::l::::::::l ヽl
　 l::::::::::ﾍ::::::/::::::/:::/::::/:::::::l::::l::l::::l:::::l:::l::l::::::l:::l::::::l::::::::l　|
　. l::::::::::::ﾍ::l:::::::l::::::l:::::l:::::::/:::://::/l:_/l_｣_l､:::l:::l::::::l::::::::l　　　　　　　　止められるのは私たちだけ、ですね。
　　ヽ::::::r‐‐|::::::l::::::l:::_｣::-r‐:/7フ´｢/ .l/ｫﾐ:::l::::l::::::l:::::::l
　　. ヽ::{　　l:::::::l:::::l:´::l:::/∠ ﾆ＝ﾐ　 ﾁﾟ://::/ /:::::ｲ::::/　　　　　　　　　まともに機能してるネクスト保有勢力なんて、私たちだけですから。
　　　 ヽ＼ ヽ:::::l::::::l::::<´,イ　 ,ﾘ　　 .ﾑ//;ｲ:::/::::/.l:::/
　　　　 ヽ:>ｰl＼{ヽ{ヽ{　 辷z/　　　　 l'//::/l:::/ l::/
　　　　　V　 .l::::l` `　　　 　 　 　 　 v':/／ l:/　l/
　　　. r,/　　 .l::::l　 　 　 　 　 　 _ ／l:::l:::l /'
　　　/〈 ヽ､　　ヽ:ヾ ､ 　 　 　 ´／::::::l:/:::::l
　　./　 ＼　ヾヽ､ヽﾍ/` ┬-....´:::::::::/'::::::::::l





　　　　}: : : : : : : :_ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ;ﾘ
　　　　i!: : : : : ／: : : :r : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : _＿i
　　　 〔: : : : :/: : : ,´:/ﾍ: ヾ : :ﾉヾ: ､: : :ヽ　　＼＞'´///}
　　　　|ﾐz､ノ: : :彡'/＿_ヾ:i :〃:ﾐヾ ミ: : : ＼: : ;)/////.i
　　　　|/〃: : :ｿ : {//////////ヾ､ﾐ:}ヾ｀ﾞ/´＼j/////.{
.　　 　 }ヾﾞ从〃＼｀.///////////｀ﾞヾ;////////////-､
.　　　　i////////ヾ./////////////j//////////f'´ヽ.i
　　　　ﾉ｀ｰ-､./////＼_////////////////_ノ´ミK｀Y }.}
　　　/ｿ: : : {≧｀ﾞー-z､_////////,＞任=ヲ'´,　 ｀ﾐj,　ﾉ〃､
　　 〃/: : : i三三三三 >ﾞｰi-'´￣｀＝≡´ 　 　 ノ从〃ﾐミヾ､_,　　　　　　　　　IGIO……さしづめ、あの気取った英国人の謀略家か。
＿彡'人: : : :}三三三／ i　 i!　　ヾ　　｀ー　　　　ｿ彡ｿヾミヽ､
.:. .:. .:. .:.ﾄ､彡ヽ三≧'　; ´　 }　 ､　}　　 　 ､_　　ヾミ三≧ミヾ｀ー-　　　　　　　　奴が絵を描いているのだろう。
　.:. .:. .:.从ﾐソ, ｀ﾞ´／{ ' 　!　|　　 Y､　　　　 ｀ヽﾐ去ミヾ!.:. .:. .:. .:.ヽ
.:. .:. .:./:. ｿ彡ﾈ　 ﾑ,,, ヽ '　　ヽ　ノ　｀ﾐ､　　　､ﾐミヾ､ﾞ,; |.:. .:. .:. .:. .:.＼　　　　　　　思い通りにさせておけば良いことはない。
. .:. . /. .:. .'ｷ彡　'去彡ﾝﾄz - 彡≦ﾐヾミヾ､　､ヾﾐミﾉ,;;; |:. .:. .:. .:. .:. .:.
:. .: /.:. .:. .:./;ム彡'´｀ﾞ丶_　　　_＿　― ; ﾐｿﾉヾ}/从',;;;;;i .:. .:. .:. .:. .:. .:.　　　　　　　……ネクストを喪った俺が言うのもなんだが、
.:. .:{. .:. .:. 〃∧ﾐｿ ゝ=　__￣￣__, ,　'´　ｿﾉﾉﾉｿ彡/,;;;;;;;;|.:. .:. .:. .:. .:. .:. .
. .:. | .:. .:. .}::::i;;;;Y彡,_　,zkz=zk　　ﾞ´　ﾉ从ﾉノ　／,;;;;;;;;;;;!.:. .:. .:. .:. .:. .:. .:　　　　　　 派兵と撃滅を進言する。こいつは、きな臭い。
:. .:..i. .:. .:. i:::::|;;;;;ﾐ从ｿソil|||||||ilﾐ､_ 彡'从ヾ　／,;;;;;;;;;;;;;;;;|.:. .:. .:. .:. .:. .:. .:
.:. .:.| .:. .:. .|:::::|;;;;;;;;;ヾミｿ|||||||||||||illlﾐ从ヾ..／,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;{.:. .:. .:. .:. .:. .:. .
. .:. .!:. .:. .:.i!:::::l;;;;;;;;;;;;｀ヾﾐ三三≦彡ﾞ , イ゛,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i.:. .:. .:. .:. .:. .:.

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「何だったら、この襲撃は俺たちの足止めだろう。
この基地に手持ちのネクスト部隊を釘付けにし、その間に目的を達する。
奴のやりそうなことだ……少なくとも、事の真相は明らかにすべきだろう」

そう言われてしまうと、首を縦に振る他なかった。
他の二人も同様だ。スネークの言い分には異論の余地もない。

このまま放置しておいたとして、私たちがこれから暮らす世界が
致命的な汚染によって破滅してしまう。
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5998： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:35:15 ID:BDDzqD960

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｨ-- ､
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣￣￣￣￣￣￣ ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 {二二二二二二二二二ノ
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　　　　　　　　　 ,. ＜: : : : : ﾏ/＞': : : : :＞ ､　　 　＼ ＼
　　　　　　　　,.:': : : : : : : : : ://: : : : : : : : :ヽ:ヽ. 　 　 ｀ー'
　　 　 　 　 / : : : : : : : : : : //: : : : : : : : :.:|: : : : :.
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　　　　　|: : : : |: : : : : ://: : :/: :／: ,:':./} ﾘ_,|: :|: :|: : : :.　　　　　　　　　　……整備は、終わってるよ。
　　　　　|: : : : {: : : : :/ｲ: : : ' , ´:／: ｲ/ィｫ､{イ:ｰ': :､ : |
　　　　　|: : : : :∨: : :{/|:;: : :|イ: : :イ: |{l tj 　 {: : :|: | ､:|　　　　　　　　　　私から……メカニックとして言えることは、それだけ。
　　　　　|: : : : : :∨: :|: |: : :∧|: : :.:.|: :|　 　 　 ヽ:.|: |　ﾘ
　　　　　|: : : : |: :.∨: : |: :/､l∧: : :.|: :|　　　_ ,.ｲ: |: |
　　　　　;: : : :.:|: : : :､: :j:/: : }ー＼__〉｣　　 ｀/: |: :|_｣
　　　　 ,: : : : :,: : : : : :､/: : :ﾑ 　 　 ｰ,､＿__,': /｀¨
　　　　/: : : :/: : : : |: : :＼: : : }--.､　{:＼: : :, '
　　　 ,: : : :./: : : : : |: :/⌒＼: :≧=-､|-､:）:ｲ
　 　 /: : : /: : : : : /イ乂匸乂＼ー-:ﾑ､ ヽ: }､
　　,:': : : /: : : : : ,: {／￣￣＼乂＼_∨:ﾊ_}ゝ: ヽ
　, : : : :/: : : : : :/:/ 　 　 　 　 ＼　ー乂:_}＼＼:}
./: : : :/: : : : : :/:/　　　　　　　　 ＼　　{从　 ｀ヾ､






　　　　　　　　　　　　　　 ＿__　　_　-＝ミ
　　　　　　　　　　　　 .／: : : : ｀´: : : : : : : :＼_
　　　　　　　　　　　 ./: : : : : : : : : : : : : :: : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　 _丿: : : : : : : : : : : :ﾐif' : : : : : 弋
　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : :ミiL_: : : : : : : :＼
　　　　　　　　 .': : : : : : : : :／: : : : :ミj⌒`: : : : : : : :: }
　　　　　　　　/: : : : : : : :/: : : : : :r=jL_, : : : : : : : : :.(
　　　　　　　　∨: : : : : :〈: : : : : : {　　　V: : : : : : j_: : Y
　　　　　　　 　 V: : : i /∧: : : : :.|　　　 从: : : : Y }: : |
　　　　　　　　　.}: : : 从厶__､: :j丿＿彡⌒∨: : //:_:ノ　　　　　　　　　　　　　……高町君。
　　　　　　　　　{: : : : :| ー='从{　　ー一 '_彡イ丿.i
　　　　　　 　 　 `＼:/乂　　　ﾘ　　　　　 　 j{¨ ∥|　　　　　　　　　　　　　　「はい、わかっています」
　　　　　　　　　　　 j}/ハ　　 ,}　　　　　u.　j{／　.|:､
　　　　　　　　　　　 ///∧.,'　ﾏ>　 ヽ　　.／　　　|:::::＼　　　　　　　　　　　　あくまで、保険だ。
　　　　　　　　　 ／ ∨///ヽ´￣_￣`　／ {{　　　.'::::::::::::＼
　　　　　　 　 ／　 　.∨//,:人＿＿ ノ /_.丿　　/::::::::::::::::::::＼_　　　　　　　　　「はい、そのことも」
　　　　　　.／　　　　　}}////}/////}/ {f¨　　 /:::::::::::::::::::／⌒`ｉト .,
　　　　. ／　　　　　　 ∨//,//////,//}}　 ／::::::::::::::::::::/　　　　　　 `ｉト .,
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　　　　　　　ﾏ:.lﾏ:.:|∧ﾏ::{　 )じﾘ/:.: /:.:.:.:/　 }:.:.／:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: /　　　　　　　準備、しておきますね。
　　　 　 　 　Ⅳ ﾏ,':,　´N　ゞノ〃:.:/／:.ｲ　　／: ／:.:.:.:.:.:. ／:. : /
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篠ノ之の顔から笑みが消えた。
のらりくらりと人の言葉を躱す風車のような、いつもの笑みが。
それが意味するところも、この場の誰もが理解していた。

忙しなかったCDCに詰めているスタッフたちの喧騒が、一瞬途切れた気がした。

真壁の重苦しい声に、軽快に返してみせる。

まぁ、怖い。あの機体を回収した時から、その時の瞬間をずっと想像していた。
けれど、不思議と声は震えなかったし、手に汗も滲んでいない。
心のどこかで、それを受け入れている自分がいた。

この手で送り出したあの子。あの子はいつも、そして今でも、命がけで、
自分がやるべきだと思ったことやっている。

私も、やるべきことをやるだけだ。
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5999： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:35:27 ID:BDDzqD960

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6000： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:35:49 ID:BDDzqD960

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シュクヴァールと共に海面から勢いよく飛沫を上げて躍り出る。
視界一杯に広がる夜空を見上げると、月の光に照らされた二機の姿があった。

ミセリコルデとリンドヴルムだ。
両機共に損傷も見られず、戦闘していた様子もない。
まだ接敵はしていないのだろう。

ひとまず安堵し、気を取り直して高度を上げる。

出撃しているのは、ネクスト機だけだ。
ノーマル機も、戦闘機も出してはいない。
これから先の時代に、人々を守るための戦力を減らすわけにはいかないのだ。
敵がネクスト機である可能性が高いなら、なおさら。
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6001： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:35:59 ID:BDDzqD960

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　　　　 :　　　　　‰＞'"´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ＼　　　　　　 　 }
　　　　 l　　 　 /／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:. ＼＼　　　　　　i
　　　　 :.　　　/ {:.:.:. : ∨:.:.:.:.:.:.: ＼:.:.:.:. : |＼//ヽヽ　　　　 /
　　　 　 ﾟ。　/:.: ｉ:.:.:.:. : ∨:.:.:.:.:.: 斗ｔ允:.:.:|: /〈 }: ﾏﾑ　 　 :/
　　　　 　 .，{:. /{: : {:. ,x≧ｭ､:. : /斥笊ミｔ// : i: : ﾏﾑ　　/
　　　　　　　:.: i: i: : i: %ﾏfﾍ　＼: : Ⅵ（う/|:.:.:.:.:|ヽ:. ∨∧′　　　　　　　　　　　「はやてさん！　敵は見えたかお！？」
　　　　 　 　 {:.|:.:ﾟ。:.ﾍ　Vツ　　＼|｀¨¨´ :.:.:.:.:.:|ノ:.:.:.:}ﾏ/ﾟ.
　　　　 　 　 i :ﾟ，:. ＼ﾍ　　 ,　　　　　 　 |:.:.: : |:.:.|: : i ﾏ/ﾍ　　　　　　　　　　　　やる夫君。いや……まだや。
　　 　 　 　 人{ ，:.: : 人　　　‐　　　　　 |fﾆﾆﾆ≧ｭ､! ゝ′
　　　　　　　　/∧:.:.:.:.:.:.:.:...　　　　 　 ／:.l: 　 　 ‐=　ヽ　　　　　　　　　　　　　　けど、あと一分も経たずに接敵するで。
.　 　 　 　 　 {// ﾟ。:.:.:.:.:.:.: : ＞　 ＜‐=:/:} 　　　　　　 }　 ‐=≦＜
.　 　 　 　 　 ゝ′ ﾟ。:.: : {ハ}从 Ⅲ＞'"}/|　　　　　 //////////∧
　　　　　 　 　 　 　 ﾟ，:.: i　 /　/　　　　 /‐=ﾆ　　 ////////////∧
　　　 　 　 　 　 ＞―〉ヽf　{: /　　　 :／　　　　　//////////////∧
　　　 　 　 　 ／/// ／/7 :ﾟ/　　 :／　　　　　　/////////////////≧o｡、
　　　　　　／///:/ :/ :////∧‐=≦ :}　　　　　 //////////////////＞'"´
　　　　 　 {////:/ / :///∧/ ////}: !　　 　 　 {//////＞'"´二二二二 ＜
　 　 　 　 i///// / ///／ヽ 〉///,'i |　　　　　 i//＞'"´ ／





　　　　　　　　 ┌─-, . ‐´￣￣　 ｀"'ｰ､
　　　　　　_-‐┐'"~´ 　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　 ｌ::..／　　　　　 _-　　　　　　　　　｀ﾞ ､
　　　　／`/　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　:ヽ
　　　丶:::/、　　　　/　　　 　 l　　　 　 l　　ヽ　　 :ヽ
　　　 /`/、ヽ /　 /　　　　　/　　　l.　 l　　　ヽ　　:::ヽ
　 　 <:::/　ヽ/　 /　　　　/ /　　　/ 　 ﾊ　l　　l　::l::l:::ｌ
　　　 ﾍlヽ／　　l　　　　/ /　　　/ | 　l. l　ｌ 　:::ｌ:::::l::l::l
　　 /::::l.:/　　　 l｀＞ト ､_/　　／　/ /　l　ﾊ　:::ｌ:::::l::lﾘ　　　　　　　移動速度も速い。ネクストのオーバードブーストに匹敵する。
　　 ヽ／　　　　 l　/r-ﾃｪ.､ﾐﾄ ､　/ /　/　l,＞''7:::/l/
　 　 /　　　　/　l/　', {. {}　l　ヽ_ﾞン　 /,ｨ,.r-, /レ'、　　　　　　　　　残っていた有象無象の独立傭兵、というわけでもなさそうだ。
　　/　　 　／l ./ﾄ, 　 ヽ.. ノ,.　　　　 　 ｲi;ﾘ '/::::::::ﾊ
　 //　 　/ヽ´/ .l 丶　｀￣　　　　　 　 ゝ'_ /ｌ:::::::::ｌ::l
　 l::ｌ　　/ 　l .lヾl::::::::ゝ　　 　　　　　 l　　 ,　ｌ::::::::ﾊ::l
　 ﾚl　 /　 　l l　| ヽ::ﾞｰ'´/　　　　_　　　ノ　 ｌ:::::::::ｌ ｌ:l
　　 l　ｌ　 　rヽl――｀:ｰ┐:ﾍ 　´　｀ ／　 　 ｌ::::::::/ ｌ:ｌ
　　丶l　 　 |:::::::::::::::::::::::::|丶､ヽ　イ--「:|　 /:::::::/　,ﾘ





;:::＼.　　l　　 ／::::;:へﾍｿ'"　　　　　 　 　 　 |／::::::::::::::::,::
ﾞ､:::::::ヽ､,〉 ／:::::／　　　　　　　　　　　　 _,,.　＼::::::::::::,:'::::
ヾ､::::::::::/./::::::;:'ﾞ　　　　　　　　　　　_,,.=＝ヽ､　 l:::::::;r‐､::
　＼::::::;ﾞ/:::::,:'ﾞ,,_　　　　　 /　　　,,.z''"´_,,,,.´￣　|::::::|'"ヽl:
　　'yヾ/::::;/''‐-ヽ､.,__ヽ　l､_,,. ‐',.-'''"´ ﾟ　/　 　 !::::l! 〉 /:
　　 l !/:::;/ヽ￣｀`・‐｀"　 ヽ.　 ´`'‐--‐‐'ﾞ　　　 |:::/!/,/:::　　　　　　　　企業連の最後の悪あがきがそれじゃあショボすぎるわな。
.　　 Y::::/l　 ｀'‐-‐''"　 |　　　　　　　　　　　　　 |/' /ﾞ::::::
　 　,'::::/､ﾞ、　 　 　 　 ｜　　 　 　 　 　 　 　 　 !‐'ﾞヽ:-､　　　　　　　　　……俺の予想だと、デカいのが来るぜ。
.　　l:::/　k,ヽ,　　　　　　l　　　　　　　　　　　　 l　　ノ,.､‐
　　|::;'　〈ヽ,　ヽ　　　　　!　　　　　　　　　　　　|　 ／
　　|:l.　　ﾞ､ ＼.|'､　　　ヽ､,__,／　　　　,,./　　_,'.-'"
　　|!　　／! 　 ヽ,､　 ‐----‐‐''''''''''"´ 　 r''"
　　!-‐''ﾞ　 ',　　　l｀ヽ.　　｀''''''''""　　　　 |　　　　　　　 /
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6002： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:36:11 ID:BDDzqD960

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿　　 　 　 ／ /}l ヽ 　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 Yヽ　 ,ｘ‐ｧ　,イ　〉"7 ,.. 　 /　/　j!　7 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｘ‐-ｘ 　V' 　〈,ｲ　　/　/ｲ ﾉ、/　/,ｨ ,j!　7ｲ/,斗
　　　弋￣￣￣￣　二 ﾆ = ‐ ‐ - - ｡ 。 ／　　 }l　/　 ﾚ i 　 , '　/}lﾏヽ /　/</ j!　7 /´
　　　 　 ＞ ﾆ 二 　ﾏ" ' ｰ - = ﾆ , _ }l　　⌒"'　ｰ'/⌒ / l!”, '　， l!ﾑﾏ " ,/ ヽ j!　7　 jI斗
　　　　　　　　　　⌒　" ' ｰ - =、 　　!,　　 　 ⌒/　 ,ｲx 乂 ／v　l{ ﾑﾏ斗‐-=彡ｆ’＜　*'
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧　　　　⌒" ｰ/　 ｲ,ｲ　ﾌ" 7ﾏY⌒' ﾑゝﾏ込ノ‐'　　 *'
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ∧　 /＜⌒"' / ∠＿jI 斗<从 ﾏ／ ／">`"'i l　/／　　　　　　　　　　　　――敵機、視認できたで！
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｰ'　　　　＞升ﾊ 　 　 ,xｲ　 //／`x' /x/'7 ヽ',ｨ≧s-l{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 / "￣´ 　＞升ﾆ)　ﾚ/ ／〆／ /＿ｊ／　, ' ヽ　　　　　　　　　　三機……速い、ネクスト機や！
　　　　　　　　＿＿＿＿,ｨ===========∠　　 ＞イ(圭ﾆ)/　 !s｡sﾒ',.ノ ／　　　⌒'ｘs｡sj
　　　　{二二(三三三三≦圭圭圭圭圭i二ﾆ≧sﾏミs｡,弍/ 　 l{仍彡' イ　　　　　 　 ヽ　　　　　　　　　　　　けど、あれって……
　　　　 `'ｰ─┐三三三f=ゝ＝＝r┬┬f三ﾆﾆ三)ﾏﾑﾆ=人＿,. ﾌ⌒´　l}　　　　＞'"!　 Y
　　　　　　　　　⌒ｰ=======ｧ‐=弍＝＝ア-‐f＞=ｰイ ￣　　　　　　 ,ﾉ　　 　 i｡s＜　 }l
　　　　　　　　　　　　　　　　 >弍::::::7::::::＞'"　　　　j i!　　 　 　 　 ／　　　　 /　　 　 /
　　　　　　　　　　　　　　　,ｲ　(≧s'7:／ 　 　 　 　 l{　　　　　　 ／　　　　　 /　　　／
　　　　　　　　　　　　　　,ｲ　　 〉ｔs／　　　　 　 　 ノｰ - = -‐ '　　　　　 　 / 　,g*ﾟ
　　　　　　　　　　　　　 l{　　　ﾏﾑ(　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　＞'1‐'´
　　　　　　　　　　　　　八　　　 `’ヽ　　　　　/　　　　　　　　　　　　 ノ＞｡, ﾊ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ヽ＜　　　 >、　　　l{　　　　　　　　　　＞イ ＞｡ｨf{I込、
　　　　　　　　　　　　　　　 `ｰｧ=Y'i　 ﾌ'＜　 l{ ￣￣￣　 ＞'1´　ゝY=sﾏ　寸ﾆIi>
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 i l::::j l Y　　Yﾆ≧､i' ｰ - ‐i　　 l　　　l{圭ﾑ　　 `"ヽ

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最初にその姿を捉えたのは、はやてのミセリコルデだった。
マーカーが共有され、そちらに視線を合わせる。

緊張が走り、クーガーですら軽口を止めた。
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6003： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:36:23 ID:BDDzqD960

　　 /　　　 /'　/　　　　　/　,:'/,:'
　,:'　/　　　,:　'＝＝＝＝丶,:'/,
'　 ,:　　　/'／　　　　　　　 ヾ　　
'　/　,'/,:/《u.（○） 　（●）;;;;;》 ヽ　'　
/,:　　　 | || 　 （__人__）::;;;;;;;;}}.∩}　　,:'/,:　　　/'　　　　　あの、機体は……
/　,:'/,　| 《::::::: ｀ ⌒´;;;;;;;;;;;;;;;》∪| '　/　/　,:'/,:
　/　　　＼ﾐ三三|￣|三三彡／ '　/　　　　　　　　　　　　なんで……
/　　/' ,'⌒ﾄ ＿_　兀 　＿ イ⌒'','/　　/'
/　,:'/, {　　i　:::::::::| |:::::::::::;;;;;i　;;;;;}｜/　,:'/,:
　　　　.|￣{::＿::;;;''| |'',,.皿;;;;;;|￣;;|"

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水平線の向こう側から、小さく、けれど強い光が見える。
それは少しずつ大きくなり、輪郭を帯びてくると、その姿を露にした。

そして、己が目を疑った。
他の三人も同様だろう。そこには、あるはずのない機体の姿があったのだ。
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6004： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:36:33 ID:BDDzqD960

　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾊ.　 　 　 / ,'
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /,'　　　　/. ,'
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /.'　　　 / . ,'
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 / |　 　 /　/
　　　　　　　　　　　　　 　 　 /　|＞‐/ . /___
　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　 !　 /　 /.　　 　 "'' ‐-　,,.._
　　　　　　　　　 　 　 ＞''"/.　 l　/.　 / ＼　　　　　　　　　｀¨'''‐＜
　 　 　 　 　 |',. 　 ,イ　　　 ',　 |./ 　 ,'ヽヽヽヽ＿＿　　　　 　 　 　 ＼
　　　　　　　 | 〉' '气　　　　| . /. 　 ,'　 ＞''"　　 `丶、~"''〜､、　　　 ＼
　　　　　 　 ｧ'"　 ／:＼　　l ./.　　,'／　　　　__,,　-‐‐‐‐‐‐ ﾐ､　"'''' ､、　＼
　　　　　　　ﾍ￣ヽ: : :_:_ﾍ__|/　　 ,'　　　＞''" 　　　　　　＿__ﾉ　　　　 ヽ　　＼
　　　　　 　 　 ﾍ . ∨ﾆﾆﾆ'.　　　 |　／ 　　　　　　_, -''" 　 ﾍ＿＿　　　 ヽ.　　＼.　　 　 　 　 　 ,ｲ
.　　　　 　 　 　 ',〉ﾆﾆﾆ //.　 　 /,ｲ⌒ヽ　　_,　''"　　　　 ＞''¨¨¨''''ミ､　　ヽ　　　 ＼　　 　 　 ,ｲ
.　 　 ､-.、　　　 ,'ﾆﾆﾆ.//　, 　 /.人ゞ／,ｨ＜.　　　　　 ／ｨ=ﾍ　　　　　｀'' ､_ｧ‐､ 　 /　　　　 ,ｲ. ／
.　　　 ＼ ヽ、　,'.ﾆﾆﾆ',〈　/　././　 /／　　　 ヽ　　 ≦'"::::::::::ﾊ　　　　　　　　　　ヽ　　　　/　／
.　　　 　 ＼　`ｌ ﾆﾆﾆﾆ', V . / /__／　　　＿_,,ィ |.　 　 ＞'''"　 |　　　　　　　　　　　ヽ　　/ ／
　　 　 　 　 ＼|ﾆﾆﾆﾆﾆ',　 /　　　 _,,,ｨ‐''::::::::::| ,ｲ　　　＼__,,ｨ:::::|　　　　　　　　　　　　ヽ. |/
　　　　　 　 　 ﾔﾆﾆﾆﾆ.ﾑ./ _,,ィﾞ:::::＞‐┐::::／　　　 　 　 >‐''" |　　　　　　　　　　　　　ﾏﾑ
　　　　　　　　　ﾔﾆﾆア_,,ｨ‐､:::::／　　 ,ｲ≠　　　　　　　＼　.....::|!　　　　　　　　　　　　　 |ﾑ
　　　 　 　 　 　 {ﾍア /＿__l::::/＿_／≠　', 　　　　　　　　,>:‐''"|!　　　　　　　 　 　 　 　 |ﾆ',
　　　　　　 　 　 ヽ_l_/__／¨¨',¨¨¨/ｨ‐､. 　 〉 　　　　　　　＼ 　_,,|!　　　　　　　　　　　　　|ﾆﾑ
　　　　　　 　 　 　 ￣｀|,ｧ''¨¨¨¨¨ﾍヽｧﾊ.　 ',　　　　　　 　 　 l:::::::|!　　　　　 　 　 　 　 　 lﾆﾆﾍ
　　　　　　　　　　　　 〈≠ｚz≧　　ﾍ ',ﾏ〉 _ ',　　　　　　　　　}::／ヽ　　　　　　　　　 ＿__|ﾆﾆﾆﾍ
　　　　　　　　　 　 　 ハ≠ｚｚx...　　ﾍ /　　 >　　　　　　　／ヽzzzzzzzzzzzzzzzz≦/三三三三',
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三機の亡霊が一糸乱れぬ動きで並んで飛翔している。

白と黒のシンプルなペイントが施されたカラーリングに、
騎士甲冑を彷彿とさせる頭部パーツ。典型的なIGIOフレームだ。
そして、片翼の鳥のような出で立ちのコジマビットキャノン。

その姿には見覚えがある。脳裏に焼き付き離れない姿だった。

この場にいる誰もが、言葉を失っていた。
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6005： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:36:44 ID:BDDzqD960

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　　　　　　　　rfニニニニニﾆ´∠二二> }ニ/＼ｲ　＼__∨/∧|＿/ }_:回::::::|{::::＼ ,＼＼　 　|::::::圦_,／￣＼∨∧
　　　　　＝ニ{　　　　　　////}ﾆニニニ｢￣ (_)/ﾆ}}　 |＿{{二{{＿_} ﾊ ＼＿| . 　 　 , _`//､ {￣〈￣',　 　 　　＼ ∧
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..　.--　()＼ 二ﾆ.｣　 　 　 　 　 　　　_,|Vi,∠_　 　 |／＼|　/　 　　　∧./:::::::ﾉ､二ﾆ弋 弋,∧　 　/＼　 　＼〉　′　 　 　∨∧　 ＼　 　〈￣Ⅵ
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オーバードブーストでこちらへと接近する、三つの機影。

それらは紛れもなく、かつて撃墜したノーバディそのものだった。
三機のノーバディが、こちらに向かってきているのだ。
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　　　　 　 　 　 　 　 　/ !:.:!:ﾄ:.:.:代:}　 ｀　 ｀"　 /://:.:.:.:ｌ　 }:.:.:.:ﾏ,ﾑ　　/　　　　　　　　　　　　　　なんであないな機体が三機もおんねん！
　　　　　　　　　　　　 i/ ｌ:.:ｌ:ｌヽヽゞ､　　　　　 〃 }:.:.:.:.:.:!_／:.:.:∧ﾏﾆﾑ/
.　　　　　　 　 　 　 　 ′!:.:N:.:ﾍヽ　 , ―　　 /u. ｉ:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:ｉ　ﾏ三ヽ、　　　　　　　　　　　　　有象無象とちゃうんやで！？
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ‘,　ﾊ　　　〈　r( |　 　 弋rハ　 ノ イ ,′ﾊ:ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ∨　 、　 ﾊ ヽ.:|　 　 i　　　　　　　厶ｲ ﾉ'　　　　　　　　そう来たか。もはや隠す気もないのだな。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ∨//vﾍ{介f:::|　　 ｉ|　　　　　 fｹ 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |///////ハ:|　　 ｉ|　　　　　 〈 　 .ｉ|　　　　　　　　　　恐らく中身は複製体、機体も同様……
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　＿ 」/」/」/」」/ﾊ|　　 ｉ|　 ‐ ､　 イ　　 ｌ|
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　＞‐……―＜　 |ｉ 　 从　　　　　　　　　　正真正銘、ランク1ネクストだ。
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　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 」　　斗 ―－ァ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ !
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6007： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:37:09 ID:BDDzqD960

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　　Ⅳ　 _ﾌ´　　　 ／　　　　　　 ||| ｜　 || / ┘　／´　　 ／´　　　　守､　　　 　　　/ |　　　　／　　/
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　　　　　　　　／-‐‐￣　,／ﾆ____}　　　　　　　　　　／-‐￣__／___,,,　 |　　＼__ | ∨　 | j_／　　 //　,,／／
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クーガーが叫び、咄嗟に散開する。

敵機からは降伏の呼びかけもなく、コジマキャノンビットを展開させると、
容赦なく熱線の槍を降り注がせた。

汚染と破壊の嵐が海面を抉り、飛沫の柱が天を衝く。

まずい。こいつらを少しでも先に行かせたら、基地の人々が。
基地自体にも対汚染コーティング建材が使われていると聞いてはいるが、
こんなものを間近で着弾させられたら、どうなるか分からない。
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6008： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:37:21 ID:BDDzqD960

　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.－' ￣￣ ' ｰ ､
　　　　　　　　　　 　 　 　 ,　'´ 丶. -――-　._　丶.
　　　 　 　 　 　 　 　 　 , '　,. :'´.: : : : : : :. :. :. :.ヽ, - .、
　　　　　　　　　　　 　 / ／.: : : : : : : : : : : : : :. :. :.＼ ﾍ
　　　 　 　 　 　 　 　 /､/.: : : : :._ :-: .:‐:. :-: _: : : : : :.ヽﾊ　　　　　　　　　　　　　っ！
　　　　　　　　　　 　 i　 l: : :_;.=＝､､:_:_:_:_:,:＝='-､: : : /　!
　　　　 　 　 　 　 　 l 　 l: [i　　 ＼_.､,::::､__／　ヽl}: : l 　 !　　　　　　　　　　　　　通信……なのはさん？
　　　 　 　 　 　 　 　 ト､ l; i}´　（●）　　 （●）　{j: :/ ／!
　　 　 　 　 　 　 _, - i'´lヽl: [ｌ、 u. （__人__）　　/j: //＿｣_＿＿__
　　 　 　 　 ,. :':´: : ￣ﾌｰｽﾍ:ヽ>､ 　 ｀⌒´　 ,ｨノ:.//´＼: : : : : : : ¨ヽ
　　　　　　/-――-イ＿/: :i＼:ヽﾍ_,.ゝｰく∠／:./:.ﾍ.＿_｣-‐ '´￣¨ヽ:l、
　　　 　 ／ 　　　/个 　 ￣l 　＼: : : :＿_: : : ／ lー┘ 个＼ 　 　 　 ＼､
　 　 　 厶=x､.　 i　 |　 　　弋　　ヽ======イ　 /　　　｜　 i　 　 z=＝ ﾇ
　　　 ／　 　 ヾx|　 l　 　 　　丶、 |: : :|} 　 /_ノ　 　 　 l 　 /　／´　 　 　＼
　 .／＝=z､　　　l　 |　　　　　　三t!:_:_ｌ三ﾁ´　 　　　　l　 /! /　 　,r '二二¨」、

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
鳴り響くアラートの中、敵機からのコジマキャノンを掻い潜り、
必死の思いでブレードを振りかざし撃ち返す。

一撃でも食らえば大破は必須だろう。互いに気を配る余裕など皆無だ。
呼吸が乱れ、そこから血流が乱れ、全てが乱れはじめる。

「――みんな、聞こえる？」

なのはから通信が入る。
混沌とした状況におよそ似つかわしくない、澄んだ声だった。
だが、違和感を口にすることに意識を持っていかれるわけにもいかなかった。

「聞いて。今、旧ドイツエリアで、企業連の兵器が暴れまわってる。
各地のコジマ発電施設を襲っては大規模爆発を起こさせて……
止められるのは、君たちだけ。現在位置と対象との距離も近い。
急行すれば、次の発電施設くらいは防衛できるはず」
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6009： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:37:34 ID:BDDzqD960

　　　　　　　　　　　　　　　　　,. -―‐=- 　 _　ヽ　､　 　 ヽ 、
　　　　　　　　　　　　　　　／＿/ '´　　　 　 ￣｀ ､　ヽ　 ﾉ .）
　　　　　　　　　　　　 　 ,.' l´.／　-‐ ア'"　　　 　 ｰ-　　＜
　　　　　　　 　 　 　 　 ／./'" 　 ,∠　　 　 '"　　　 　 　 　 `
　　　　　　　　　　　　　V/　、　-‐　／　　 ,.　 ´　　　.　 ハ　 ヽ
　　　　　　　　　　　　 , '/ヾ 、,.'　／　　／ 　_,.　‐ ／　.' 　 ! 　 ' 　　　　　「そんなこと言われても……！　こいつらどうするんですかお！？」
　　　　 　 　 　 　 　 〈　!､ ヽ'　 , /　'／ .／ｰ-'"／ ,. ' 　 / !　ﾄ. '
　　　　　　　　　 　 　 ゝl.／　　 ｌ/, /／ハｆ:;ﾃ＜"／　 ／ /　 ! ｿ　　　　　　「せやで、なのはちゃん。無理ってもんや！」
　　　　　　　　　 ,.　´ i／　　 / ／!（　´ 　 ｀ｰ　 / ／　,ｲ/ ｲ,ﾉ
　　　 　 　 　 　 {'　,.'／'　 ,.'/./.ヽ!二7　　 　 　 '"　　（ｿ!　 ﾄ､　　　　　　　　ナノハ……
　　　　　　　　　　 （　/ ／_,'/ ､T ﾏ二二ア　 　 　 　 冫!　 .ｌ ヽ
　　　　　　　　　　 　 {./　　l'_ヽ_|＿ﾏﾆﾆ（_,.ｨ　　‐=　　 ｲ　　.!　）　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　l' 　 /二二二二ﾆ=-､(　　 　 ／ .ﾉ　　,.!ノ
　 　 ,ｨ77777777777777＞マ二二二二二}＼　／　,.'./　.ノﾉ
　　 ////////////////////,ハ‐マニﾆﾆl三ヽー-（ ' ／
.　　{/////////////////////∧ニ="マ_!二二=-､!.l'
　　 !'/////////////////////,∧",.ィニ-＿ 二二l
　　 V//////////////////////,}二二二ニ=＝-ｰ､‐ ､
　 　 V//////////////////////ﾆ-''"_,. -=ニ二ﾆ=-</＼
.　　ｒイ/////////////////l///-'　,イニニニニニニニヾ/,ﾊ
.　　ｌ'//////////////////l'" ,ィﾑ. ﾏニニニ二二二二二ﾑ/l

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無茶を言う。この状況でどう動けと言うのか。

敵は本当に、あのランク１が群れを成して来ているのだ。
アセンブルも完全に一致している。機体性能も、技量も。

押し負けてはいないが、一騎欠けただけでも崩されかねない拮抗状態だ。

確かにそっちを放置しては、起きる被害は計り知れない。
だが、世界中がコジマの炎に巻かれるとしても、目の前の敵を無視して
そちらには行けない。無理というものだ。
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6010： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:37:52 ID:BDDzqD960


:.:.:人:/:.:. ﾄ : |:　 ∨ : | { ﾄ、:＼　　　　　　　　　　　　　 ／:.／:.:|ﾉ　　　　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:.:.:. | ヽl　　 ∨:.!　 !:. ｀ヽ＼　　　　　 '　　　　　 /:,イ!:.:.:.:.|　 　 　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:.:.:. |　 ＼　　∨{　:|:.:.:.:.∧￣ 　 　 ー ―　　　￣ //:.:.:.:.:!　 　 　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:.:.:. |　　　　　 ヾ､　l:.:.:.:.ﾍ ヘ　　　　　　　　　　イ /:.:.:.:.:/､　 　 　 　:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.　　　　　　　　　　大丈夫。
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それでも、なのはは自分達の必死の反論も聞かず。

ただ、そう一言、静かに告げた。
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6011： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:38:04 ID:BDDzqD960

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-、　　.＼..＼　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀''{./　 ﾞ>.＼.‐″　| .,! ｯ!冖'''''，　　　　　　　　　　　　　　　　＼.
　.＼　　　＼ ＼　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀〜,/． ﾞ>＼.　..'".,iｼ‐'"ﾞ＞''"ﾞﾞﾞﾆ=-　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼
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､　　　 .＼.　　　＼ ＼　　　　　　　　 　 　 　 　 　 《 .!､,../ ″ ｀' |ｘ.　 ／　 : ／._,　" .‐'ﾞﾞ'"彡＿ -　､,_　　---===ﾆ
. ＼ 　　　 ＼　　　＼. ＼　　　　　　　　　　　　　　 !、 . lﾞ,iﾀ　 / 　ﾞ'ﾐ;;、.'゛ ,,／´,．　 ._／ﾞ゛._,,..　---　ﾞL　　 ＿_,,,,_,
. ＼.＼　　 　 ＼ 　 　＼. ＼ 　　　　　　　　　　　　　　〃 /　 　　、 ,i^')i､　 ／　 .／ ／ ´　　　　 ._.. -''''"￣
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､＼　 　 ＼　 ＼　 　 ＼＼.　　 　 ＼ 　 　＼..＼　　　　　　　　　　　! ." ,ｒ　　.〃 .／　 . / 　/ 　 .,,r'".iilゞ
､＼＼　　　＼ 　＼　 　 ＼＼　 　 　 ＼　　　＼ ＼　　　 　 　 　 　 ! . /　 .,,〃 ,i/'゛　 / 　/ 　.,iｌ!" .／
. ＼＼＼ 　　 ＼.　.＼　 　 ＼.＼　　　　＼.　　 .＼ ＼　　　　　　　 l / 　.,i'./　〃　 ./ 　 '　 ／　 　　　　　　　／
　 　＼＼＼ 　　 ＼　 ＼.　　 ＼.＼　 　　 .＼.　　 .＼ ＼ 　　　　　 /　 ,/./ . / 　 ./ 　　　/　 　 　 　 　 　 ／



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次の瞬間、海中に光を感じたと思った途端、それが炸裂した。

何かが海面から上空へと飛翔し、それに伴って海水が渦となり巻き上がる。
リンドヴルムの出撃時に近い。強烈なコジマ粒子の力場がそれを形作るのだ。
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6012： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:38:22 ID:BDDzqD960

,,,..,,___)徴機微徴機微徴機微徴機微徴機微徴機微徴機微徴機微徴機微徴i機
徴機微徴機微徴機微徴機微徴機微徴機微徴機徴機微徴機微徴i機i微i徴i微
⌒｀`'破徴機微徴機微徴機微i徴i機i微i(⌒'寸機i微%⌒`'芍機微徴機微徴徴機
　　　　｀`'' 尋徴機微徴機微徴機微徴機)ｈ､ 寸I機微%,　 　寸機微徴機微徴徴
微i:ｓ...,,_　 　｀`'破徴機微徴機微(⌒“''芍微微機微機機:,　 　 寸機微徴機微徴
徴機微微i:ｓ...,,__】徴機微徴(￣¨''　 　　　“''芍徴i徴i機i機:,　 　　寸機微徴機微
,, ⌒''奄微微機徴i機i(⌒''+怨i: 「,ﾑ　　　{ﾑ　　“''芍徴機微:,　　　／}　微徴機微　 　 　 　 　 　 　 　　／二／
徴i:i:ｓ;,,_　 〝⌒””.　-‐‐-　　_　∨'ﾑ　 　Vﾑ　　-‐━‐-.ﾘi..._.:,. ／.: :,'''破i機i(⌒　 　　　　　　　　　　　ﾉニ／
徴㌢''"⌒ 　 　 /ニニﾆY´　 　 `' ､/ﾑ　 　VﾑニニY´　｀'芍　`,､ : /..　.`寸機{　 　 　 　 　 　 　 　 ／=／
ｱ´.　 　 　 　 　{二ﾆﾆ=∧　 　　　　＼`,　　}l／￣{人. 　 　 ∵(__∨　 　 　 寸i{　 　 　 　 　 　 　／=／
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　 　 　 　 　 　 　 　 厂{r‐‐ ､≧s｡　_ ﾉ　 ノー‐‐r┘　　}ニニ乂　 　 　 　 　 ,:i機(
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現れたそれは、右手に携えたブレードを一閃すると、飛沫を弾き飛ばしながら
その姿を月明かりの下に晒した。

紫紺の装甲、異形のフレーム。
鉤爪じみた凶悪なマニピュレーターに握られたブレードは、
マーシフルが扱うものと同一モデルのもの。

猛禽の嘴にも似たバイザー型のカメラアイが、橙色に鈍く輝く。
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6013： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:38:32 ID:BDDzqD960

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　　 .ｉ:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:.ヽ､:|ヽ:.:.ヽヽ:.:.: ｉ　ヽ:.|斗≦､ヽ:.|:.:.:.:＼:.|/:.:/　　　＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　 .|:.:.:/ ',:.:.:.:ヽ:.ヽ≧､:.:.ヽ ヽ:.:|　,イ´ 7 .う 斗:!:.:.:./:! ヽ.}/ -‐‐‐ ､ .＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.
　 　.|:.:/　 .ｉ:.:.:ヽヽ〃{メ＼＼ }:.|.〃.ト´じ 孑/ /:.:./:.:.ゝ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼　＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.　　　　　　　　　　　こちらロストワード。
　 　.|/　 　 .＼:.:.＼｀夊ら　　.|/　　弋zzツ　/:／:.:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:,:.:-----＼　＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　 　 |　　　　／ヽ:._:｀_｀¨´ 　 /　　　　　　 /／ !:.:.:.:.:.:.:_:-.￣　 ,　--　、　　　＼:.:.:.:.:.:.:.:.　　　　　　　　　　……リンクス、高町なのは。
　　　　　　 /:.:.:.:.｀ヽヽ＿　ヽ　　　　　 ___ /--ニヽ:.／￣＞ .´　 　 　 　 ｀rヽ、 .＼:.:.:.:.:.:.
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　　　　　　　　　　　　∨　　　　　 ヽ_:-‐´＞´:::／　　　　　　ヽ､::::ヽ､
　　　　　　　　　　　 　 ヽ _ --.ﾃ.　__∠ニ__| ´　　　　　　　　　 ｀ヽ、::｀::::‐‐‐‐‐
　　　　　　　　　　　　　 　 __／　./------.|　　　　　　　　　　　　　 ｀ ‐‐‐‐‐‐
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ∨ 　./　　　　　 {
　　　　　　　　　　　　　　　 ∨ / 　 　 　 　 ',





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ニニニニニニニニニニニニニニ}!-=ﾆ{ ∨ }ﾆ}}i_i},　/ :}}ﾆ}}}ニニニニニニニニニニニニニ}i:i:i:>イi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i＼ﾆ／ニﾆ=- /
ニニニニニニニニニニニニニフ :}-=ﾆ{ﾆ∨ / } i ∨ / }ﾆ}}}ニニニニニニニニニニニﾆﾆ＞:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:∥'ニﾆ=- ／
¨＜ニニニニニニﾆ/⌒ヽ =‐¨´ 　 }-=ﾆ{ニ∨ ,'ﾆ}ﾆ∨=i}ﾆ}}} ｀ ＜=/=-}ニニニニニﾆ＞´i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i /ニﾆ=- ／
i:i:i:i:｀¨＜ニニニニ∧-=ﾆ∨　}＼　 }-=ﾆ{ﾆﾆ∨ﾆ人ﾆ∨}ﾆ}}}　　　∥=-{=ニニニニ／i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i : /ニ=- ／
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i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i ∥　　　　＞｡　 ¨_¨´ '∧-=∧}}ﾆ{ニﾊ: : : }: : }ﾆ!-i ∥=-:,'∨ﾑ　　　　 , <∧i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i／ﾆ=-〈
i:i:i:i:i:i:i: i : ∥　　　　　　　 }: : }＞｡'∧-=∧ニ{ニﾑ: : :}: :,'ﾆ}:-i∥=- :′ﾏム　 , <: : : : ∧i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i ／＼ニ=-ﾊ　　　　　　　　　　これより……戦闘に参加します。
i:i:i:i:i:i:i:i:i: /′＞｡　　　　　}: : }　　 ,'∧-=∧ﾆ:{:ニ ＼:}:/ ニ-|{{ﾆ=-,′／￣: : : : : :＞¨´}i_i_i_i_i_i_／ニニ ＼ﾆ=-
i:i:i:i:i:i:i:i //: : : : : : : ＞｡/ }!＞!､ 　 , '∧-=|∨ {:ニ　 :Y　:ニ-∧=- {／: : : : : ＞¨´　　　　￣＼ニニニニニ＼=-ト､　　　　　　　
i:i:i:i:i:i:i:/¨ =　_: : : : : : : : : : : : : :＞｡　 ∧=|i:i∨{ニ　　　 :ニ}!i:i:}=-ム: : i＞´　　　　　　　　　　 ｀¨ ＜ニニニﾆ∨ﾑiﾊ
i:i:i:i:_iノ　　　　 ｀　‐-=: :_: : : : : : : : : :/__}=';i:i: ﾔ{ニ　　　 ニ}i:i:i}ﾆ=-ﾊ´　　　　　　　　　　　　　　　　　)ニニニﾆ}!ハi:i:}
￣　　　　　　　　　　　　 ｀　‐-=: _: :/-=ﾆム i ﾔ{ﾆ　 , ､ .ニ}i:i:i}_ﾆ=-ﾊ＞｡　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼ニニニ∨ﾑi:i}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __7:-=ﾆニ:〉i: ﾔ{ __/}}-＼}}i:i:i:i 〉-／ﾆﾆ=-＞｡　　　　　　　　　　　　　 /＼ニﾆﾆ＼}i:}
　　　　　　　　　　　　　　　　 , <-=≧＜ニ/i:i:i: ﾔ{ -=}}=- -!i:i: ∥≧＜ニニﾆ=- >､　　　　　　　　　　 ,'ニﾆ＼ニニム}
　　　　　　　　　　　　　　 , <-=ﾆニニ＞∨ﾑi:i:i ﾔ{ -=}=- -}i:i:∥＞＜ へ￣　 ｀¨='　　　　　　　　　　 {ニニニ＼ﾆ=- }
　　　　　　　　　　　　 , <-=ﾆﾆニ>¨´-=ﾆ＼ﾑi:i:i:} { -=}=- -r≦､ﾆ}／=-/__　　　　　　　　　　　　　　　＼ニニニニ=-}!
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　　　　　　　　　　〈-=／　　　{ニﾆ≧s｡ _ /-=ﾆﾊ-=ﾊ-}- =-rｲﾆ=- ｲニ!i:i:i:i:i:i:iハ　　　　　　　 　 　 　 　 7≧s｡¨＜′
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その声を間違えるはずもない。

正しく魔王といった姿のネクストに搭乗したなのはが、そこにいた。
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6014： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:38:46 ID:BDDzqD960

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;;:;:;:;:;:;:;:;:;:|:::::.:.:.:. :_;」:::::|::.:.| |:j!.:.`､　　 ￣｀`'';:;:●:!- ｰ|/
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|' "´￣　 !:::::|:.:::ヾ!j:::.:./u.　　　　:;:;/ >ｲ　　 !　　　　　　　　　　　　早く降りてくださいお！！　自分の身体のこと、分かってるお！？
;:;:;:;:;::::::::::|, -‐''"´/::::::::!::::.:.:.:.＼′　（＿__）＿）.:;j　　,′
;:;:::::::::::::::::＼;;;;;;;;;;＼:::/:::::::::::.:.:.:.＼. `'' ｀ ⌒´ :;;,′ /　　　　　　　　　　　　　 なのはさんがネクストに乗ったら……！
::::::::::::::::.:.:.:.:.:｀ｺィ仁「ﾆ''rｰ ､:::::::.:.:.＼ｰ-｀二´ /　 /
::::::::::::::::.:.:.:.:.://;:;:;:;:;:;:;:;/::::::ヽﾄ､:::::::::.:.:.ゝー‐‐< _,ｲ
二ﾆﾆ''ｰ ､_//;:;:;:;:;:;:;:;/.:::::::::::::::ヽ:::::.:.:/::::::::::::::::.:.:.:!
￣｀`ー-/7,ﾄ;:;:;:;:;:;:;:/.:.:.:.::::::::::::::::＼/:::::::::::::::::.:.:./
: : : : . . ..「V^ｰ- ､ /..:.:.::::/＼.:.:.::::::::ﾄ､:::::::::::::::.:/
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／:.:.:.',:.:{ |:|　!:.:.:.:ｉ {:.|:.!:.:.',--ｉ､|_| |:.:.| ﾘ　　　 ＼:.:.:.:.＼斗 ‐:´!:.:.:.:.:!:.:.:.:.:!:.|_/　　|:.:.:.:.:.:.:.:＼
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:.:.:.:.:.:.:.Ⅵ:.:./ ∨:.ｉ　 |:.:.∨:.ヾ《.ら::::::::|　　　 　 　 .ト′::::::}　》:.: /:.:.:.: //}　 }　　 |:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./　　∨|　|:.:.:.:∨:.',　 辷zシ　　 　 　 　 辷zzシ /:.／/:.:.／ }　 / 　 　 !:.:.:.:.:.:.　　　　　　　もう、遅いよ。
:.:.:.:.:.:.:.:.:./　　　 ヽ |:.:.:.:./|:.､:ヽ　　　　　　　　　　　　　　 〃　 /／:.:.:,'　/　 　 　 |:.:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:.:./　　　//　|:.:.:.,'　{:.:＼＼　　 　 ,　　　　　 　 　 /　　/:.:.:.:.:./／　　 　 　 |:.:.:.:.:.　　　　　　　　乗った時点で、時間は限られてる。
:.:.:.:.:.:.:.,'　　　// 　 |:.: ｉ　 |:.:. 人＼ 　 　 ｀　＿　　　　　　　 /:.:.:.:.:/--　__　　　　 |:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:.|　 　//. 　　|:.:{　　!:.:.:. !_ヘ、　　　 ヽ--' 　 　 　 　 /:.:.:.r----------≠_.|:.:.:.:.　　　　　　　　　
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:.:.:.:.:./ ﾘ　　　　　　 |:.|　|　 |: |　　｀ヽ　　.|-┐| 　 _--/:.:.／/: : :/ 　 　 　 　 　 　 |:.:.:.:.
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無我夢中で回避行動をとりつつ、なのはに向けて喉を震わせ叫ぶ。
それだけは駄目だ。自分が何のために戦っているのか、分からなくなってしまう。

自分の守りたいものの中に、なのはが含まれていないわけがない。
今ならまだ間に合うかもしれない。間に合うはずだ。
なんだっていいから、とにかく今は、それから降りてくれ。

必死の懇願も虚しく、なのははそれを短く切り捨てた。
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6015： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:39:03 ID:BDDzqD960

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:.:.:/:.:.:./:.:.:∧:.:.:.ヽ:.:.:.:.{ ´./ヽ:ヽ:.:.:.:.:.:.ヽヽ. ｀ .ら:::/ 　./:.:./|:.／:|.|:.:.:.:.:.,'　　 ﾘ
:/:.:.:.:./:.:./:./ヽ、:.:.:.:.:.:.ヽヽ |ヽヽヽ:.:.:.:.:ヽ.　　 ｀ヾ　　 ',:.:.:.:}:.:.:.:.,' |:.:.:.:/
:.:.:.:.:/:.:./:./:.:.:.:.:',:.:.:.:.:.:./ヽ |:.:.:.ヽヽ＼:.:.:＼.　 　 　 　 ヽ:./|:.:.:./ ,':.:.:/　　　　　　　　……ずっと、残った命の使い道を、求めてた。
:.:.:.:/:.:./:/:.:.:.:.:.:/.',:.:.:./ 　.｀|:.:.:.:.|:|＼　｀ ‐‐ヽ.　　 　 　 ｀>/:.:/ ./:.:/
:.:.:/:.:/:.＿＿:./　 ヽ′　　 |:.:.:.:.:|ヽ. 　 　 　 　 　 　 , '/ /:./　,':./　　　　　　　　　　　君を拾って、リンクスにして。代わりに戦わせて。
:.:/:.:/:.|-----ニニ‐‐‐- ___|:.:.:.:.|ヽ＼ .　 　 　 .- ､‐'/　//　 //
/:.:/:.:.:|　　　　　　￣￣ ‐‐-｀ニ- __　　　　 　 ／ ./　 /.　　/　　　　　　　　　　　　　けど、今は……
:./:.:.:.:.:|　　　　　　　　　 　 　 　｀ヽ./≠ _　　./
/:.:.:.:.:/　　　　　　　　 　 　 　 　 ///ヽ､　｀ ´
:.:.:.:.:.:L＿　　　　　　　　　　　　 ///　｀ヽ｀ヽ_
｀ ヽ＜　　　 ＿_　　 　 　 　 　 //　　　 　 >/
　　　｀ヽ　　　ヽ、｀ ‐ - 、　　 //､　　　　//
　　　　　｀ヽ　　 ｀ヽ　　 　 　 //┐ヽ　 .//





　　　　 /:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.|:.:.|:.:.:.:.:/|_ｌ　ヽヽ.辻ユニ弍‐|.|:.:.|:.:.:.:.:.|:.:.|､ ＼　　 ＼
　　　　,':.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.ｉ:.:.:.:.:.:.',:.|斗≦、|　　ヽ〃ｱう::::圷､:.:||:.:.|:.:l:.:.:||:.:.|:ヽ　＼　　　＼
　　　　ｉ:.:.:.:.:./|:.:.:.:.:.:.:.||､:.:.:.:|イ',,斥心ﾐ|　　　　 {::::::,-う 〃|:./:.:|:.:./|:.:,':.:.:ヽ　　　 　 　 ＼
　　 ／|:.:.:.:.:,'_|:.:.:.:.:.:.:.:|:ヽ:.:.:.ヽ〃{::::C　　　　 　 辷zシ　 〃:.:./://.∨:.:.:.:.:.ヽ、　　　　　 .ヽ
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　　　　　ヽ:.| 　/ヽ:.:.:.:.:',ヽヽ/:.:.ﾍ　　　　 r ´.ヽ、　　　　　　 |:.:.:.:.}　　 ||｀ ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　 ヽ /´ .＼:.:.ﾍ|｀/:.:.:/:.ヽ、　　 ヽ_.　/　　　　　 　 |:.:.:.:.,'　　 ||　｀.,':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:　　　　　　　君とはやてちゃんの生きる世界を、
　　　　　　　　　　　　＼ヽｉ:.:.:.:|､:.:.:.へ、　　　 　 　 　.／　　,':.:.// ._／||　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　　 >‐|:.:.:|　｀丶-._＞、.　　 , イ　　_.／///‐´　　|.|　|ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.　　　　　　 もう傷つけさせたくないだけ。
　　　　　　　　　　　　　/:.:.:ヽ:.|　　　　　￣ ｀　T‐t-ニニ"ﾞ/::|_ ＿_.　 |.|　|.　＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　 /:.:.:.:.:.ヽヽ　　　　　＿ __|｀|.|.|:::::::::::::::::::::::/;;;/〃 _ /､__＿ゝ――　　　　　　　　　 ……お願い、行って。
　　　　　　　 　 　 　 /:.:.,　‐￣ヽヽ__　　 <;;;ヽ::::L_山y- ､:::::::::l;／／ - ゝ　 .|
　　　　　　　　　　　/.／　　　　 ｀ ゞ ‐＝yゝ__ゞ ´ ／_ ﾆ-,::::::::| |_　　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　私の最後の時間を、無駄にさせないで。
　　　　　　　＿ r､／　　　　　　　 L--´￣￣ヽ_≠´‐´__イ::::::::ヾ‐＝ヽ- _ 　 |
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　 | .: .: .: i.: .:Ⅵ:i爪r'ﾊ¨¨}} '， Ⅵ:|: .: .: |i　, .: .: .: i.: .: .: .::　　　　　　　　　なのはちゃん……
　 | .: .: .: l.: .: :Ⅵ　 vﾘぅﾉ'　}　 Ⅵ|: .: .: |//.: .: .: .:| .: .: .: :
　 |.:ｉ.: .: .:{ .: .: 八 　 　 ﾟ.:.:.:.:.:.　Ⅵ: .: .: |/.: .: .: .: .ｉ .: .: .: :　　　　　　　　　
　 |:.|八.: ﾊ.: .〈　　 　 　 　 ﾟ｡　　 |: .: .: |､ .: .i : .: .: .: .: .: i
　 |:.{⌒Ⅵ∧ .: ､ 　 　 　 　 　 　 |: .: .: | }.: .:|: .:..i.: .: .: .: {
　 |八　 Ⅵ.: :､.: .: .. 　ﾟ　　　　 . : |.:ｉ: .: jハ.:∧.: .}.: .: .:|.:八
　　　 )　八.: .: ＼.: .:＼　　 ィ　 /|.:|.: ., 　 }'　 ∨八.: .ﾄ(⌒
　　　 　 ⌒＼(⌒＼.: .: 「.: .: .Vｨ j/|.:/　　　 ∠⌒　ヽ{⌒
　　　　　　　　 　 　 ヽ{八{^rく/}　 j/　　 ／⌒＼　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　⌒}//ﾊ　　　／　　　　 ＼　　　＼
　　　　　　　　　　　　 　 　 {__/　}　／　　　　/ _　⌒〕iト　　V/
　　　　　　　　　　　　　　　//ﾊ　|/　　　__ ∠ﾆ=- 　 　⌒〕iトV/

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答えられるわけがない。

今まで、守れなかったものがたくさんあった。
あまつさえ、自分の手で殺めた、大切な人も。

そして今度は、まだ手が伸ばせる相手に背中を向けろと言うのか。
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6016： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:39:15 ID:BDDzqD960

　　 　 　 　 　 　 　 　 {　　　　　／/／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : ＼＼　　　　　 !
　　 　 　 　 　 　 　 　 i　 　 　 //／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:. : |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼ヽ　　　　 }
　　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　 /:.:.{:.:.:.:.:.:{:.:.:.:.: : |:.:.:.:.:.:.:. : |:.:.:.:.:.:.:.ﾟ，:.:.:.:.:ﾟ，:.:ﾟ，　　 　 :
　　　　　 　 　 　 　 　 !　　 /:.: : i:.:.:.:.:.:i:.:./!:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:. : |:.:.:.:. |:.:.:.i:.:.:.:. : i:.:.:.:.ﾟ，　　 ,′
　　　　　　　　 　 　 　 ﾟ，　:{:.:.:.:.:|:.:.:. : |:./ |:. : |:.:.:.:.:.:.:. : |:.:.:.:. |:.:.:.|:.:.:.:.:.:.|ヽ:./:}:　　/
　　　　　　　　　　　　　 ﾟ， :ｉ:.:.:.: |:.:.:.:.丁TT:.- |- 、:.:.:. : |:. 斗匕:.T Tヽ: !ヽ//:i　 /
　　　　　　　　 　 　 　 　 ゝ:!:.:.:.:.:!:.:.:.:.:|:. | |:.|　＼:.:.:.:.:.:.:.|ヽ:./　}:./　|:.}:.:.!://ヽ!／
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |:.:.:.:.:ﾟ，:.:. |:.:{ Ⅳ　__ ヽ:.:.:. : |: /__　},′ }:/:.:/:.:.:ヽ}ﾍ　　　　　　　　　　　　……行こか、やる夫君
　　　　　　　　　　 　 　 　 /| |:{:.:. ﾟ，:.:.:.ゞ===≠"　＼:.: |　㍉==≠"/:./:.:.:.:.:∧/',
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 //リ |:.: : ＼{ヽﾟ，　 　　　　, ヽ|　　　　　 /ノ:.:.:.:.:./}∨∧　　　　　　　　　　　
　　　　　　　 　 　 　 　 /,//　 !:.:.:.:.:.:{＼ ＼　　　　　　　　　　　／ｲ}:.:.:.:.:.//　ﾏ,'∧
　　　　　　　　　　　　 ///,' 　 ﾏ:.:.:.:. ゝ∧　　　　　 -‐-　　　　￣∧!:.:.:.://　　 }//i
　　　　 　 　 　 　 　 ////　　　ﾏ:.:.:.:.:.{:.:.:ヘ　　　 　 　 　 　 　 イ:.:.ｌ:.:.:.//　　　i,//|
　　　　　　　　　　　 {///　 　 　 ﾏ:.:.:.:.i:.:{:.:.:.:.:.ト　　　 　 　 イ/:.:.: /:.:.//　　　　∨/
　　　　　　　　　　　 二¨　　　　　 {＼:.{:.:i从 /≧ｭ､＞＜‐= }/}/ /:.:.//､　　　 　 ¨＿___
　 　 　 　 　 　 ,ｨｉ｢////777≧ｭ､ i二ﾆ=‐{zz/≧ｭ､| | |‐=≦ヽ､/／二二}　　,ｨｉ｢//////＼
　　　　　　 ,ｨｉ｢///////////////{　　　|//{　　　　 |　　　　 }//|　　 　:i77////////////ヘ、
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　　,ｨｆ厂///////////////////　　　　 //}//＼　 |　 ／//77}　　　　 ∨/////////////////≧ｭ､
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　 ；/::::::::::::::　　　　　　 　　　＼　ヽ；

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
はやてが震える声で、なのはの名前を呼ぶ。
通信越しに息を呑む音が聞こえた。

そして、何かを決心したかのように動揺を殺した声で、
はやてが自分に呼びかけてくる。
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6017： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:39:25 ID:BDDzqD960

　　　　　　　　　　　　　　　　　-　　、
　　　　　　　　　　　　　, イ:.:.＿＿:.:.:.＼
　　　　　　　 　 　 　 /´´　　　 ＿ ￣＼＼　　_,.　 ―――――　､　　　 　 　 , 、　　 　 , ―――
　　　　　　　　　　　　 　 _ ＜´:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ＼｀´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ、:.:.:.ヽ　　　 /:.:.:.:.≧´
　　　　　　　　　 　 　 ,ｲ:.:.:.:.:.:.:.:======:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:＼:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.‘， _i,イ　　　　　　　　_
　　　 　 　 　 　 　 〃:.:.:.:;イ:.:.:.,イ´￣,:.:.:.:.:,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.::‘，:.:.:.∧ヽ=-------､¨
.　　　　　 　 　 　 /:.:.:／:.:.:.:.: /:.:.:／:{:.:.:.:.:.{:.:.:.:.:.l:.＼:.:.:.∧:.:.:.:.‘，:.:.:.:.:.:.ﾍ:.:.:.:.ﾊ,l　ヘ:.:.:.:.:.:.:.ヘ、
　　　　 　 　 , イ/:／/:.:.:.:.:/:.:l:.〃:.:.:.{:.:.:.:.:.:ﾄ:.:.:.∧､:.:ヽ:.:.∧__:.:..: !:.:.:.:ヽ:.:.ﾍ／/:.!ヽヽ ＼:.:.:.:.:.:.:ヘ、
.　　　　　 ／　　ｌ/ __i:.:.:.:.:,':.:.:.i:.i:.:.:.:.:.:ﾄ:.:.:.:. |ヽ:.:.:_斗 ＜￣‘，:. : i::.:.:.:.:.}:ヽﾍ/:/:.| ∨　　 ＼:.:.:.:.:.:.:ヘ、
　　　 　 / ￣　/　　|:.:.:.:.:′:.:.ｉ:.l:.:.:.:.:.:| ヽ:.:.:ｌ　 ヽ､ヽ_≠≧:.ｌ}:.:.:.:.!:.:.:.:.:.i:.:.∨}:.:.:.ｌ　 ∨　　　ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.ヘ、
　 　 　 　 　 　 　　 l:.:.:.:.i!:.:.:.:.:‘，:.:. 才￣ Ⅵ　 　〃ら::::::伐ゝ:.:./:.:.:.:.:,':.:.:.:.ﾘ:.:.:′: 　 ヽ　 　ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
.　　　　　　 　 　 　 |:.:.:.:|{:.:.:.:.ｌ:.ﾍ:ヽ:.:ﾊ ｨ斧x＼　　　∨)::::タ/:.:/:.:yl:.∧:.:.:.:.:.//　　　　　ヽ　 ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
.　　　　　　 　 　 　 |:.:.:.:ｌ ﾏ:.:.:{:.:.ﾊ ∧:ﾍ' ゝ::｝ 　 　 　 辷シ/:/:.イyﾚｿl::.:.:.:/:/　　　　 　 　 ＼ﾍ ＜:.:.:.:.:.
　 　 　 　 　 　 　 　'.,:.:.:|　ﾏ:.ヽﾏ:.<:.:.:.｀ヽ ゝ′　　　　 　 /イ:.:.:.| /ｼ/:.／／　　 　 　 　 　 　ヽ′｀＜:.:.
　　　　　　　　　　　　'., |　 ﾊ:.:ﾍ ＼ヽ:.:.:.:/ｌ　ヽ　 　 　 　/　,':.:.:.ﾊﾚ!ｼ/／　　　　　　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　行ってらっしゃい、やる夫君。
　　　 　 　 　 　 　 　 ヽ| /　 ヽ:∨:.:.＼:/:人　 丶- ´　　　 ,':.:.:/‐－‐ｉ＿＿＿
　　　　　　　　　　　 / ∧　　 　ヽヽ:.:.:/:.:.:.:!　 　.　　 　 　 /:.:/ｌ￣ ¨¨--　 ＿/　　　　　　　　　　　　　　　　　　……男の子は、ちょっとくらい
　　 　 　 　 　 　 　 〃 　 　 　 /:|:.ヽ/:.:.:.:/　 x≦ヽ-　 ７/:./!::!　　　 -─‐-ﾄ、
　　　　　　 　 　 　 /　　 　 　 /:: |:.:.{:.:.:.:./《 《￣　 　 　 /ｲl:::::ｌ::ｌ　／　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　 馬鹿な方が素敵なんだから。
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /:. : |:.:ｉ:.::.:./　 ヽヽ 　　　 /::}.i.l:::::ｌ::ｌ,'　　　　　 ,´｀,　 　 ヽ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /:.:.:.:.:|/:.:.:./　 , ｲ ヽヽ　 ∧{二ﾆ}//ｉ　　＿_、　 ｀´　　! 二コ　　　　　　　　　　　　　くよくよしないの。ね？
　　　　　　　　　　　　　　　/:.:.:.:.:.:′:.:/ 　/ 　 　 /`ｉ∧:///:/ｉ/x≦ ―‐､ヽ　　　丿.ｉ　　　　＞ 、
　　　　　　　　　　　 　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/　_/ ┌ ＝＝/::r´i｀// ＜´ 　 　 　 ヽ、｀｀　丿　　 　 　 　 ヽ
　　　　　　 　 　 　 　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ ｒ ﾉ　 ヽヽ、 /::: | .i /／　　　　 　 　 　 ｀￣　　　　　　　 　 /
　 　 　 　 　 　 　 　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.／ .,へ 　ヽ｀∧::丶ｌ{ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/
　　　　　　　　　 　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.://_＞／ヽヽ__/:::::::::::::/:ﾊ　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 〃
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　　 　 　 　 　 　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/＼　　　　〃　ヽゝｲ´ ﾍﾏ　　　　＞‐‐／´::::::::::::::::::::::::::::‘，
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　　　　　 　 　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/　　　　　　 　 　 ｀＞ --‐＜｀｀￣ 　∧:::∨

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そう言って、彼女は微笑む。

顔が見えるわけではない。
けれど、分かる。

なのはは命の瀬戸際において、それでも、笑って自分を見送ろうとしていた。
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6018： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:39:36 ID:BDDzqD960

　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　 ／⌒　　⌒＼
　　　　　／　（⌒）　（⌒）＼
　　　 ／　oﾟ⌒（__人__）⌒::: ＼　　　　　　　――うん。
　　 　|　 　 　　　|::::::|　　　,---、
　　　 ＼ 　 　 　 `ｰ'　　　しＥ　|　　　　　　　行ってくるお。
　　 　／　　　　　　 　　　 l､Ｅ ﾉ
　　／　　　　　　　　　　　 ｜　|
　 （　　 丶- 、　　　　　　 ヽ_／
　　　`ー､＿ﾉ

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嗚咽を噛み殺す。

本当に、これが最後だというのなら。
せめて、笑って言葉を交わしたかった。

泣くことは、後から幾らでもできるから。

それを聞いて彼女は得心したのか、何も言わずにガイドマーカーを共有した。
行きなさい、と。
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6019： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:39:46 ID:BDDzqD960

: :|: : : : : : : : : |: : : : :′: : : : : : /:　 : : : : : : : |: : : : : : : : '. : : :ﾊ
: :|: : : : : : : : : | : : : :! : : :.,′: /:.: 　: : : : : : : :|: : :i : : : : : :'. : : :‘.
: :|: : : : : : : : : |: : :　l: : :　!: : /: :　 : : : : : : : : |: : :| : : : : : : , : : :.‘.
: :|: : : : : : : : : |: :. 　l.: :.　l : / ! .!　: : : :　: : : ﾊ ::│: : : : : : ' : : : :.i
ミ|: : : : :　 __: :|:.:　,ｲ : 　 ! / │.!　: :　:　!: j: | | :: j :　:.: :.:!.: :' :.:. i |
｀.| : : : : 　 　｀ト　:,,l_!　./!.|　│jl　: : .:　:' /! ! |　ハ: :: :.: |　 :! :.:.ﾊ!
-:l　: : : 　　　 |　 | ﾘ|｀/''!:ト..,,|:' |│ / / / /　|,斗l'ﾞ!　:.　|　 ﾊ　ｉ│
　|　: :.:　 　 　､_,イ芋芯≧ｭ､.!｀ヽl　 / / /ｘ匕==ﾐﾘ| 　 /!. /│.′
　l　 : :.　　 　 |ヾ 　|::::ｌ{}::::|　 |　Vi ,/ / /ｲl:::ｌ{} ::|,/ |　/ |!/　jノ　　　　　　　　二人は任せろ。必ず送り届ける。
　l　 :.: 　　 　 l∨ . ト::''’::ﾉ 　 　 }ノ　　 　 i::::’::ﾂ　 jノ　|
ヽ!　 :: 　 　　│ 　 ｀¨¨＜.:.:.:.＞　　 　 　 .:ゝ‐'　　.′　 !　　　　　　　　　　　
　| 　.:　　　　│ﾊ　　　　　　　　　　　 .::':,　　　　 ,: : :　│
ゞ| 　 :　 　 　 |::::[ ＿_　　　　　　　　　　/　　 　 / :.:　　|
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　l　　 :　 　 　|:::::::::┐＿　　　　＿___　　　　／: : : : 　　|
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　 ,　　 :　　　 |::::::::::::::｀:::.:......　　　　／　│ｉ: : :i:.:　|　　i.!
　 ′　.:　　　 ト--:::::::::,,＿__｀ т、´ 　　 !:.!:.: ,′/! j /ﾘ





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ニニ_ --‐‐ ´　￣　‐‐/:././:.:.:./:.:./:/:.:.:.:.:.:.:/:./:.:|:.:./:|:.:.:.:ヽ:.:.:､:.:.:ヽ:',　　　　　 ｀ヽ
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　 　 　 　 　 　 ／.　/　/|:.:.:,':.|:.:.:.|:.|:|:.|┼､7≦冬廾　廾,ニ冬|:.:|:.:.:.,' ∨:.:.:.:.:.:.:.:∧｀ヽ ヽ
　　　　　　　／　 __／/:/|:.:.ｉ:.:|:.:.:.|:.:||:.ヽヽr行::::j｀ヽ.　 ´{::::::う.刈:.:./ 　∨ヽ:.:.:.:.:.:∧　｀ヽヽ
　　　　 　／-‐‐´ 　/:./:.:|:.:.|/:|:.:.:|',:.|ヽ:.ヽ｀ 込シ . 　 　 込シ,´:.:./.7 　 ∨:.ヽ:.:.:.:.:∧　　 ヽ　　　　　　　お願いします。
　　　　　　　　　　 /:./:.:.:.:.',:|/∧｜',:.:.:.|ヽヽ_　 　 　 ,　　 　.／／|´.　 　 ∨:.:.ヽ:.:.:.:.∧
　　　　　　　　　 /:./:.:.:.:.:.:/||/.　',:|　ヽ:.|:.∧.　　 　 ＿　　 ￣∧:.:|＿＿___∨:.:.:.:＼:.:.:∧　　　　　　　　　……ご武運を。
　 　 　 　 　 　 /:./:.:.:.／:.:/|　　_＞ ニニ､':,＼　　｀.‐´ 　 ／|:.:.:.||――, / ∨:.ヽ:.:.:ヽ:.:∧
　　　　　　 　 /:./:.／:.:.:./:/　　.ヽ ´ 　 　 | .|',|-≧ ､ _ ,イ7_.//:./　 　 //､_ ∨:.:ヽ:.:.:.ヽ:∧
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　　　　　　 //:.:.:.:.:.:.:./:/‐ ￣ ｀ ‐｀、＿　　.| |ヽ::::::::::|_t-┐|/ |　　 ／/　　　　 ｀ ‐‐= ､:.:ヽ∧
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　 　　/:.:.:.:.:.:.:.:/ 　 　 　 / /￣ ヽ.ヽ 　 　 　 ｀ヽ . 　 | .|､　ヽヽ::::::ヽ、　　ヽ|.,'　　　　　.|:.:.:.:.ヽ:.:∧

6020： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:39:57 ID:BDDzqD960

　ヽ.　 ..ｌ,　　　　　　　!　　　　 　/ 　　 _／゛　 ._..-'″　._.. ‐'"
　　.ヽ.　.ゝ　　　　　 l　　　　.／　 . ／ 　 ,, ／ 　_.. ‐'"
.、　　｀'､　　　　　　ｌ　　　.／　 ／ . ,, ／ ._,, -'"　　　　　　　　 　 　 　 　 　 __,,.... -―
　ﾞ'-､　 .＼　　　　/　 　/ 　.‐゛,..-''ﾞ_..-‐″　　　　　　　　 　_,,,,..　-一'''''"ﾞ´
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ｰ''"　 . ／ 　　　ヽ .＼ 　 　 　 　 　 ｀ﾞﾞ''''―　..,,,_　　　　　　　￣￣ﾞﾞ"'''''￢―--..........,,.
　 . ／ 　,ﾉ　　　　 ｌ　 .＼　　 : 、　 . ｰ ,,,　　　　 　´ﾞ''''―- ..,,,_
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　　　/　　 r .,,.l .:、　.ｌ,　　 .｀'､　　　｀'-､　　　　｀''-..,,.　 ｀ﾞ'''ｰ　,,,、　　　　　　 ｀ﾞﾞ''''―．
　 ../ 　　 /　! !　!　　..ｌ　　　　ヽ,　　　　｀'-､　　　　　｀''ｰ..、　　 . ｀ﾞ''ｰ　..,_
. /　　　 /　 ! lﾞ　!　 ,　 ｌ　　　　 .ヽ　　　＼ .｀'-､　　　　　　｀'''-..、　　　　 . ｀''''ｰ ..,,_
'ﾞ　　　　ｌ　 .! .|　 !　 |　 .ｌ　　　　　 ヽ,　　　｀-、 ｀ゝ､　　　　　　　 ﾞﾞ'ｰ..,、　　　　　　 .´
　　　　/　 ,!　!　 !　　!　 .ｌ 　 　 　 　 ヽ　　　 . ＼ 　 ﾞ''-、 　 　 　 　 　 ｀''ｰ..、
　　　./　　!　,!　│　 .ｌ　　ｌ　　　　　　　ヽ　　　　 ｀'-、　 ﾞ''-、　 　 　 　 　 　 ｀ﾞ'ｰ..,、
　　　ｌ　　/　.|　　!　　 !　　ｌ 　 　 　 　 　 ヽ　　　　　 .＼　　 ｀'-､　　　　　　　　　　 ｀'
　　 ｌ　　 !　│　│　　.ｌ　　.!　　 　 　 　 　 ヽ､.　　.＼　 ｀'-　　　｀'-､
　 ./　　 l　　!　　,!　　　!　　.!　 　 　 　 　 　 ヽヽ.　　 ＼　　.＼.　　　｀'-､
　./　　 lﾞ　 .,!　　.l　　　 l　　.ｌ　　 　 　 　 　 　 ヽ＼　　 ＼　　 ｀'-、　　 . ﾞ'-､
../　　　!　　,!　　 |　　　 .!　　.!　　　　 　 　 　 　 ヽ ヽ　　　ヽ,　　　.＼　　　　｀''-、
/　　　,!　　.|　　 .|　　　　l　　.ｌ　　　　　　　　　　　ヽ .＼　　 .＼　　　 .＼,　　　　 ｀'-、
′　　ｌ　　 .!　　　!　　　 . !　　l　　　　 　 　 　 　 　 ヽ　.＼　　 .＼　　　　｀-、
　　　.!　　 .l　　　:!　　　　 l　　l　　　　　　 　 　 　 　 ヽ　 .＼　　　＼　　　　 .＼,
　　 .lﾞ　　 .,!　　　,!　　　　 .!　 .|　　　　　　　　　,ii　　　ヽ　　 ヽ.　　　＼　　　　　.＼.
　　 l　　　 !　　　.|　　　　　.!　 |　　　　　　　　 /│　　　ヽ　　 .＼　　　.＼　　　　　 ﾞ'
　　,!　　　.l　　　 .|　　　　　 !　.|　　　　　　　　lﾞ　 !　　　 . ｌ　　　 .＼　　　.＼
　 .|　　　 .|　　　 .|　　　　　 .ｌ　|　　　　　　　 /　　.!　　　　 ｌ.　　　　.＼ 　 　 ＼
　 l　　　　!　　　　!　　　　　　!│　　　　　　 .|　　　.!　　　　 .ｌ　　　　 　,〟　　,/ﾄ､
　lﾞ　　　 .lﾞ　　　　| 　 　 　 　 ｌ !　　　　i､　　l　　　　!　　　　　ｌ.　　　 ,i" l - ./　!　＼
. l　　　　.lﾞ　　　　.! 　 　 　 　 |.!.i､　　│.ｌ　 |　　　　 !　　　　　.ｌ,　　/ 　.l　./ 　!　　 ｀‐
.,!　　　　.l　　　　 |ﾞﾐ'､　　　　　lﾞ.!..ｌ　　l　 .ｌ .l　　　　　ｌ　　、　　..ｌ ,i′　│/　 .lﾞ..
|　　　　 .!　　　　 :! ﾞl、＼　　　| |　 ｌ　.!　　!ゞ　　　　 . ｌ.　l.l　　　/ 　　　ﾚ゛　 / .＼
　　　　 .,! .　 ､_　 .|　 .ｌ　 .＼　.! |　 . ｌ,.!　　　　　　　　　∨ .!　 ./ 　　　　　　 /　　 ヽ,
　　　　 .l　 ｀'､,｀'''-..、..ｌ,　　 ﾞ'〈, |　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｌ ./ 　　　　　　 . !　　　　."
　　　　│　　　＼　　｀ﾞ"　　　 ｀′　　　　　　　　　　　　　　!"　　　　　　　 lﾞ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
踵を返し、マーカーの方向へと向き直る。

西へ。この水平線の向こう側に、敵が待つ。
自分達が生きる未来を傷物にしようとする敵が。

オーバードブースターが激しく唸りを上げる。

行こう。
ジェット音を轟かせて、遥か彼方へと。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

6021： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:40:07 ID:BDDzqD960

　　　　　　　　　＼　　　　　＼　　　　　　　--------- .､　 　 　 　 /　　　 ./
.　　　　　　　 　 　 ＼ ,イ￣￣ ｀ヽ　　, イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ､　 　./　　　 ./
　　　　 　 　 　 　 ／―――――:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.ヽ./　　　／､
　　 　 　 　 　 　 　 ,イ´:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:―/ /　／:.:.:.:.ヽ
　　　　　 　 　 　 /:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:／:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽヽ:.:.:.:.:.:.:＼:.:./ -ヽ:.:.:.＼:.:.:.:.',
.　　　　 　 　 　 /:.:.:.:.:.:/:.:.／:.:/:.:.:.{:.:!:.:!:.:.:!ヽ:ヽ:.:.:.＼＼__:.:.:.:ヽ:./|　　＼:.:.:＼:.:
　 　 　 　 　 　 ,':.:.:/ ./:.:/:.:.:./:.:.:.:.:!:.:|:.:{ヽ:.ヽ＼ヽ斗 ´',:.}:.:.:.:.:.:.i:.:.:ヽ　　 ヽ、:.:ヽ:.:
　　　　　　　　 i:.:./　,':.:/:.:.:.:{:.:.:.:.:.⊥廴', ＼孑/坏笊㍉ }:.:.:.:. : |:./:.:/ヽ､　　｀ヽ､ヽ:.　　　　　　あなたは行かないんですか？
　　 　 　 　 　 |:./ /i:.:.:i:.:.:.: i:.:.:.:.:.´{ ,ｲ示ヽ　ヾ､ {:::::::ら　ﾘ}:.:.:.:.:!-､/　ヽ:.:.―――:.:.:
　　 　 　 　 　 |//　|:.:.|:.:.:.:.{:.:!:.:!ヽ:.ヽ',::ら　　 　 .ゞ―′　i:.:.:./ヽ }　　　ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　　 　 　 　 　 | |　 |:.:{.!:.:.:.:.!ヾ､:ヽ',:.ヽゞ´ ,　　　　　　　　 }:／:!　ﾉ　　　　 ＼:.:.:.:.:.:.:.
.　　　　 　 　 　 | / !:.ｉ ',:.:.:.|:.∨ヾ、ヾ、　 ｀　　 　 　 　 ／/／/´　　＿＿　　＼:.:.:.:.
　　　　 　 　 　 /　 ',:.{ ∨:.:{:.:∨{　 {＼　　 ￣ ｀　　　　 〃, イ ´￣　　　 ｀ヽ､　 ヽ:.:.:
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　　　　　　　　| ＼ =-一 　〈 |　:. :. |ヽ　　乂tｯヾ＼ __ ノ :._ ノ'　　　　 　 :. ｉ
　　　　　　　　|　　＼:. :.∧　 |　 :. :.|　　　　　 ー '⌒　- ゞ'ｲ　　　　　　　 :.|　　　　　　　　俺が惚れた女を一人で死なせる男に見えますかい？
　　　　　 ／ /　　 　 ＼:.} ト :从 :. :|　　　　　　　　　　　{:./'　　　　　 　 　 |
―― _／　　: . .　　　　 ＼ 　 }: ＼:{ 　 　 _　 　 　 　 　 }' |　　　　　　　　　　　　　　　　　アイツらは大丈夫です。
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_-_-_-ヽ　　　: : : . . . . 　 　 　　　 ＼　＼ー=ﾆニ ７／´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　なってったって、俺たちが可愛がってたヤツなんですから。
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_-_-_/_-_-_＼＿＿＿＿＿＿＿＿　　　｀`〜､、 {　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　――ね？　なのは、さん。
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――三機が瞬く間に、空の彼方へと消えていくのを見送る。
これで良かったのだ。最後にこうすることができて、良かった。

まぁ、こうならないに越したことはなかったのだが。
私だって、やる夫君とはやてちゃんが式を挙げるとかなったら、出たかったし。
何か別の仕事を探して、落ち付いたら彼氏でも作ろうかな、とかも思っていた。

命は、無理に使わなくてもいい。
命はそこにあるだけで尊いとは言わないけれど。
そこにあっても、良いのだ。そう、思えてきていた。

けど、そうはならなかった。
命の使い道が、できてしまった。
だったら、使うしかないだろう。

そんな中で、クーガーが相変わらずの調子で軽口を叩いてくる。
この男のことは信頼しているが、果たして本気だったのか、
最後まで分からずじまいだった。
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6022： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:40:19 ID:BDDzqD960

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:/::::/.／ ﾍ::|　　 　 　 l ﾍ::ゝ＼　　　　　　　　_.｣::::l　　＼ >'ｲ:::::l　V }'
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/　　 ﾍ　　l::l　　　　 .ト､｀　`＼――｀‐ 7　　/::/　　　/|:::::_l_ -┴―――--
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　 　 ,-／　_,. -‐､'"/!. ,.ｧ‐ﾞ､.l　ヾ‐'ﾞ　　'''"　　　　 　 ,ｨﾞ;:::::::::,'´r-,ヽ,::::::::::::　　　/　　　　　　　　　　合ってるでしょう？
r-､.／,..-''ヽ,　 　 l/ |/l l/´ ノ　　　　　　　　　　　　 ´/::::::::;:ﾞ/ヽ 　 }::::::::　　　<ﾞ
,／‐'"ヽ　　|ﾞl　　 l　ヽ,.>-､ |　　　　　　　　　　､　　 /:::::::::/ r'　|　 |:::::::　　　 ,.,ﾞヽ,　　　　　　　　　　「……ふふ、そうですね」
'"､　　 |.　　ﾞ,! ,,..,/.,ｨ'ﾞ　　 l ヽ　　　　　　 _,,..,,_／' 　ｲ:::::／　ヽ､',ノ !:::::::　　／　｀`ヽ
　,.!　　.l_　 r7l　 j/ ﾞ 　 ,r'ﾞ!　　　 _,,.-'''"´_,,l／　　　 |／　　　 r-‐'ﾞl:::::　　 {
　l `_,ｨ"rｯ'ﾞ ﾉ`'''ﾞi　 　 /　 ヽ.　-<,.-‐''"´　　　　 　 　 　 　 　 l　　j､_r-､:::::〉
　`'''''ﾞ`‐'ﾞ／　 　 ' 　 .j　　　 ＼ 'ﾞ　‐ ''' ""´　　　　　　　　 _,.､'-―――'-'ﾞ､
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クーガーは不敵に口角を吊り上げるのが目に浮かぶ。

ああ。もうちょっとまともなアプローチをしてくれていたならな。
そうしたら、ちょっとは考えてあげなくもなかったのに。

ともあれ、この男が一緒でよかった。
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6023： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:40:34 ID:BDDzqD960

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/　|:::|::::::::|:＼::::|::::ﾍ:ｉ__ヽ＿＿ヽ::i＼＼　　 　.ｲ　 ﾚ ノ 乂　|:ｉ::/::::::|::::||/:::::::/:::|　　　　　　　　　　それじゃあ、生きて帰れたら、
　　|∧:::::::|:::::＼|::::::ヽヽ,≠=云=ﾐ.|`` ヽ＼　　　　 ゝ‐´´　///::|::ヽ:|::|_|＿/,,,　＜´
　　 | ヽ::::::ヽ:::::ヽ::::::::::弋　ﾚ　　 ﾊ　　　　 ＼　　　 　 　 　 /:::::::::|:::,,,x ＜´　　　　　　　　　　　　　　デートしてあげますよ……！
　　　　ゝ:::::::i、:::::＼::::＼ .∨ ﾚ´沙　　　　　 、　　　　　　　| ゝ＜´
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　＞―ヽ|　´　　　 ヽ￣:.:.:.:.:∧　　　　　x＜´´　ヽ　　　　　　　 　 　 　 ,, ＞＜
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　 　 / 　/　　　　ｌ|　 /　 Y{　 ＼: : : :＼}:::}　{　/　 /^ヽ、:.:.＼　　　　　　　　そいつは素敵だ！
　　　　　{　　　 　|l　 ! 　 　 ,ｨ 　 ＼: / /:≧=-仏斗　　 ＼:.:.:.:＼
_　　　　　　 　 　 || 　､　　∧(　　　 ＼／⌒7: : ／､　　　　＼:.:.:.:.　　　　　　付き合いますぜ、どこまでも！！
∧　　　　　 　 　八 　 ヽ　ﾄ､　＝=　_、　　/ア////〉 　 　 　 ヽ:.:.!
/∧　　 　 　 　 　 ∧　 ﾊ ｀ー＝==≧＞-'//////廴__　　　　　|::|
//∧　　　　 ｉ　　　 /　/∧　　ー‐ ／/////////八//}_　　　　|::|
￣￣＼　 　 {　 　 /／＞-ﾍ　　　/｀丶、////／//////＼　　 ｌ::|
: : : : : : ＼ 　 ＼.ｲ斗　 ¨¨￣＞- ′: : : :＼／//////////{{≧x!:|
: : : : : : : : ＼／　ｌ　　　　　〈: : : : : : : : : ／: ｰ┐/////////＼　'|＼
: : : : : : : : ／　　 |　 　 　 　 ＼.: : : : :／: : : : : :＼//////////＼_／＼

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軽口を叩き合い、レーザーブレードを起動して襲い来る
心無きネクストを空いていた左腕で殴りつける。

吹き飛ばされた敵機に猛然と飛び掛かったシュクヴァールがブレードを振るうのを
視界の端に捉えつつ、別のノーバディへと振り向きざまに一閃した。

任せてね、やる夫君。
君は安心して、行きなさい。
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6024： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:40:44 ID:BDDzqD960

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6025： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:40:54 ID:BDDzqD960

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三三三三三三三三三三三三三三ニ=-　＿＿__／＿　　--　‐‐==ニ三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三

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カメラアイへの着氷もお構いなしに、高く、高く飛ぶ。

オーバードブースターへとエネルギーを優先して回す巡航モードへ切り替え、
ただひたすらに目的の座標へと急いだ。

確かに、ネクストであれば辿り着ける距離だ。

雲を貫き、風も意に介さず、ひたすらに飛翔する。
迷いすらも振り切るように。
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6026： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:41:07 ID:BDDzqD960

　　　 /　　　　　　　　　　　　　　,ｨｉ｢///ZZZZZ/≧ｭ､　　　　　　　 ﾟ，
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.　　 ﾟ。　 　 {/{:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.: 《　に:::::刈　　　ﾟ，/: に:::: } / }:.:.:.:i/}:}
　　　 ﾟ。　　 i/i:.:.:.:.ﾟ，:.:.:. : { 　 込zzｼ　　　 :i/　 込Zﾉ　:/:.:.:/:.:. i　　　　　　　レーダーに反応……新たに敵機を確認！
　　　　 ＼　}/,|:.:.:.:.:.ﾟ，:.:.:.:.:i　　　　　　　　 / ヽ　 　 　 /:.／:.:. : |
　　　　　　/,//: :|:.:. : ﾟ。:.:.:.:ﾟ。u. 　 　 　 　 　 　 　 　 /,イ:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　っ、ノーバディや……三機、追ってきとるで！！
　　　　　 ///:.:.:.:!:.:.:.:.:.:ﾟ。:.:.:.ﾍ　　　　　（　　 ﾉ　　　 /∧|:.:.:.:.:.:.:.|
.　　　　 ///:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.: ＼＿_＼　　　 　 　 　 　 　 人 :!:.:.:.:.:.:. |
　　　　 {.//|:.:.: : |∨:.:.:.:.:. : |:　ヘ　　　　　　　　　...:.:.:.:./ |:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　 i// !:.:.:.:.:|: ∨:.:.:.:.:. |--　　＞　　 __　..:.:.:,:.:.: : /- !:.:.:.:.:.:./
　　　　/ {{　＼:.:.|-‐∨:.:.:.:.:|//Z7ｧｧｧｧｧ---}}_:./:.:.:／=‐:|:.:.:.:.:./
　　　　　　　{‐:ヽ!---∨:. : |／＿__二ﾆ=‐‐イ ヽ￣ 　 ‐=!:.:.:.:/
　　　　　　　i　　＼ﾆ=‐＼: !＿＿＿|　　　 |　　 ヽ {ﾆ=‐ |:.: /
　　　　　　　|　　　　　　　 ＼　　　 :|　　　 |　　 //i　 　.:|:./}





　　　　　　　∠ へ＿＿＿＿＿
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.　 　 　 // ﾉ　　　｀'‐-　　　|
　　 　 //（○） 　 （○ ） 　 .|
　　 　 | | 　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　　クソっ、IGIOの奴ら、どんだけ稼いでたんだお！？
　　 　 { {　　 （__人__）　u　 .|
　　　　ヽヽ　　 {＿_}　　　　 }　　　　　　 こんな馬鹿みたいにハイエンドパーツでアセンブルされたネクスト投げやがって！
　　　　 ヽ ヽ―┬‐┬――┘
　　　　　／ヽ＿{＿_|＿＿＿
.　　　 　 /　　 /　/
　／　　/.　 　 |　|
　　　　{　　　　|　|

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だが、その時間も長くは続かなかった。

背面からのレーザー照射に反応してアラートが鳴り響き、反射的に
システムを戦闘モードへと切り替える。

追撃してきている。出現位置からして、さっきの三機とは別の機体だ。
悲鳴にも似た悪態を吐く。振り切れるだろうか。
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6027： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:41:19 ID:BDDzqD960

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　 　　　　　　　　　　　　　　　/⌒´,ｲ;;＼＼|;;弋__//＾ｰ=ｲ////刀-ｭ//八ﾑ//{三三三ア´　 　￣＾＼
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　 　　　.　 　　　　　　　　　　／￣｀ヽﾉ//};|ﾉ/;;;/ﾉ/;;/∧//,| 乂|::::/=○///寸//≧s｡／／三三三三三≧s｡
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「行くがいい」

背後を警戒するために、マーシフルとミセリコルデの少し後ろで
飛行してくれていたリンドヴルムから、短く通信が入った。

「このままでは目的地の敵とコイツらで挟み撃ちにされる。
私がここでこの三機を潰しておこう……あなたたちは行け」

「アルトリアさん……！　大丈夫なんですかお！？」

残ったなのはの最後の声、そして去り際に機体の手を振って見せてくれた
クーガーのシュクヴァールの姿が脳裏を過る。

本当はネクストに乗ることすら間に猛反対されていた身体は、
既に限界を超えているはずだ。それなのに、そんな無茶ができるものなのか。
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6028： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:41:31 ID:BDDzqD960

　　　　　　　　　　　　　　　　　　－＝＝　ｘ--,_
　　　　　　　　　　　　 　 ,　´　　　　　　　　ヽ＼ト,
　　　　　　　　　　　　 ,　　　　　　　＼　　　　 、＼ｙ
　　　　　　　　　　 　 ,'　　　　　 ',　　　，　　　　、 .}ﾌ
　　　　　　　　　　　 ,　　　　 ﾊ　 ',　　　j　　　　ヽ　}ﾌ
　　　　　　　　　　　.;　!　|　　', ヽ、ｘー ナ、　　｀ ∨）
　　　　　　　　　　　 ，.i　.ﾄ、　' ,　 》ﾁテ弌八　　乂
　　　　　　　　　　　 } 人 从≧ …　 乂jﾉ<;;;|　＼ {　　　　　　　　　　案ずるな。私もさっきまでは負荷の低い操縦を心がけていたのでな。
　　　　　　　　　　　.|ﾉ .}　 "叭)　　　　´ /;;;;|　　 ヽ
.　　　　　　　　　　　′ |　∧´　 '　　　　〉;;;,ﾘ　　　}　　　　　　　　　　本気で相手をすれば、三機程度、どうとでもなる。
.　　　　　　　　　　　　ノ　　ﾉ》x:.　´｀ /^:ﾈ !!|j　　 ,'
　　　　　　　　　／¨, ===ヽ<　（＼);;;;;;=¨”;;;;;|{　　ﾉ　　　　　　　　　　　「でも、幾らなんでもあかんのとちゃいます……！？」
　　　　　　　　./ ノ/;,;,;,;,;,;,;,;,;,＼＼＼r--===ﾉ .ノz
.　　　　　　　 ´　/;,;,;,;,;,;,;,;/＼;,;,;ヽ￣|　　　￣　　 |l　　　　　　　　　　　ハヤテ。今は私を信じろ。ヤルオもだ。
　　　　　　　　 /;,;,;,;,;,;,;,;,;,l l;,;,,＼,;,}　.|　　《　　　 :　ﾍ＝＝´｀ヽ
　　　　　　　　};,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;l l;,;,;,;,;,;,;,ヽﾉ、，-＝ ⌒　ヽ,l;,;,;,;,;,;,;,;,;}　　　　　
　　　　　　　 /;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,,ｿ,,,;,;,;,;,;,;,;/P´　　　　　　 :　 ＼;,;,;,;,;,;|
　　　　　　ノ,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;ﾉﾉ;,;,;,;,;,;,;,;,;ｿﾉ　　　-…　´￣:｀ -　',;,;,;,;}
　　　　　{;,;-===;,;,;,;,;ﾉ」;,;,;,;,;,;,;,;,;,;//- ´　　　　　　　 :　　 l,;,;,;,l
　＿＿rナ77 ヽ ヽ;,;,;,;,;,;,;,;,;_....=".八　　　《　　　　　.:　　.,;,;,;,;,;〉
（（＿ﾉ;,;,;,-=<__／＼＿__ノ　}=-"　　、　　.》 　　　 .: 　.ﾉ;,;,;,;,;,〉
　　/;,;,;,;,;,;,,;,／: :....: :＼∧　　' ,　　　 ＼《ﾞ《　　;;　.:　 ｲ;,;,;,;,;,ﾉ
　 ﾉ;,;,;,;,;,;／.....:.:.:.:〜／: :ヽ　　 i　《 　 ,　　ﾞﾞ … --"　;,;,;,;,;,ﾌ
　 ＼_.／へ: : : :....／: : :..... ⅹ{　i　》　;;　　　巛　　ﾉﾉ.{二二;
　　＜: : : : : ＼／: 〜て／: : :ﾍ ',,《　;;　　;;　　》　 (　 i,;,;,;,;,;,}





　　　　　　　　　　　　　　＿ r―ｧ-､―- ミ
　　　　　　　　　　　　　/＞''"~"''＜⌒l　　　｀　＜
　　　　　　　　 　 　 　 7／／ヽヽヽﾔ⌒〉　　　　　＼
　　 　 　 　 　 　 　 　ψ／／/ ソﾉ }-〈 　 　 .|　　ヽ ∨
　　　　　　　 　 　 　 r{ゞ、＞''´／ / Y′　　 .|｜　 ﾊ ∨
　　　　　　　　　　 　 }ﾍゞ｀''＜彡‰ソ　 !　!　 !＼ / ｌ| ﾄゝ
　　　 　 　 　 　 　 　 V乂三∠⌒)´ !∧|　|　.｣ﾉﾚ' | ﾘ |
　　　　　　　　　　　 　 廴乂＿)ノl l 八（l　ﾍ八ｿ｀ﾒ|/ /
　　　　　　　　　　　＞''⌒7^Y⌒ ヽ、,人| 　 ﾍ{｀¨乂ﾚ′
　　　　　　 　 　 ／===／｀nﾍ=====＼ilＮ　 | __　/　　　　　　　　　　　　　　　行くがいい。ケリをつけろ。
　　　 　 　 　 　 ＼=／===l.l= ＼===／　|　 |　／
　　　 　 　 　 　 　 ´/====|.!==== <´≧〈从 |´　　　　　　　　　　　　　　　　　 そして……あなたたちが証明してくれ。
　 　 　 　 　 　 　 ＿≧s､_ﾉﾊ_==== ﾏﾆﾆゝ-`‐…￢冖ニニアl
　　　　　　　_　＜ﾆ／ﾆ二二Y ￣￣ ニニﾆr'ニニニニ＞''´ =|　　　　　　　　　私たちの、愚かで切ない生き様が、無駄ではなかったことを。
　　　　 r＜ニニ／ニニニﾆ/二二二ニニﾆ|ニニニ／二二ニ|-｢ヽ∧
　　　　 ∨=ニニニニニ二/二二ニニニニニニニニニニﾆﾆ上′ﾆﾆ＼　　　　企業連への……時代の勝利者を屈服させるという形でな。
　　 　 　 Vニニニニニ／:⌒"''＜ニニニニニニニニニニニニ乂ニニﾆ
　 　 　 　 {／ニニﾆﾆ/　 :　　　　 ｀ マニニニミニニニニニニニﾆ＼ﾆﾆ
　　 　 　 <=／ﾆﾍ二/　　:　　　　　 　 ｀'マニニニミニニニニニニﾆﾆ＞
　　 　 　 〈´ﾆﾆ二∀　　　　　':, 　 　 　 　 ｀'マﾆﾆ／冫､ニニニニニニﾆ
　　　　　　}／二二{　　 ,'　　　 ':, 　　　　　　: :￣i　.ｲﾆ=}｀''＜ニニニﾆﾆ
　　 　 　 /ニニﾆﾆΚ　,'　　　 　 '　　　　　　 : : ／ﾆﾆ=/ 　 　 ｀''＜ニニ
.　 　 　 /ニニニﾆ∧＼　　 ',　　　　　　　　_ イ二二ア　　　　　　　 ｀''＜
　　 　 /二ニニﾆ/　∨_＼　 ',　　　　_　＜ニニニ／
.　 　 /ニニニﾆψ　　V二｀‐┴―≦ニニニニニﾘ
. 　 Yニニニ=／| 　 　 VニﾆГニニニニニﾆ彡〈
　　 {ニニニﾆﾆ/ヽ.　　 {ニニﾍ二二二ニニニﾆ/
　　 ∨二二ニニニ＼ /二二/二二ニニニニﾆ|

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冷淡な声。
いや、そう思っていたが、今は違う。

見えずとも感じられる。
彼女は今、自分たちを信頼して、その言葉を告げたはずだ。

多くを語らない、ひたすらに真っ直ぐで、曲がることを知らない人だった。
だからこそ、預けられる信頼があった。

いつだってアルトリアは、不器用ではあったかもしれないけど、
自分に真っ直ぐに向き合い、危機に馳せ参じてくれた。

それに報いるものが自分の中にあるかは、分からないけれど。
彼女を信じることが、今できる、彼女への精一杯の報いなのではないか。
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6029： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:41:42 ID:BDDzqD960

　　　　　　　　　　 __´￣￣二ﾆ=　、
　　　　　　　　／　　￣´ 　　　　　　ヽ
　　　　　 　 /　/ｨ　　　　　　}i　　　　∧
　　　　 　 /ﾔ'7=ﾆ二二二≦_｣Ｌﾍ/　 ∧
　　 　 　 ;　 /＼_　　､＿　￣Ｖ⌒{ 　 / }｝
　　　　　:; 　}(●）　　（●　）　〉 人 /　/^}　　　　　　　　　　　……ありがとう、アルトリアさん。
　　　　　 '､ {（　ｨ'　　　　　　/／Ｌ {__/(__/
　　　　 ＿{へ≧＾ゝ､___ノ_z彡二弐≠ ＞／￣￣ミヽ　　　　　　先に行ってるお。来なかったら、迎えに行くから。
　　　　r{_ `ｰ=＜三＞'’ ）二二 ／　//　　　___　　　＼
　　／/ ｛＼　　｀￣　 /二二／/ 　/ｲ　　 Ｙiっ) -┐　 ＼
　｛　　Ｖ 〉　　　　　　〈ﾆ二彡イ　 ｛ ｛　 　 }｣つ）二! -02 |ｌ
　｛　 　 i ＼ 　 　 　 /｝ト､　　 i　 /八ヘ　　￣´　　　　　 |ｌ
　　)〉=ﾆi　　＼＿∠_//ｚ/＼　i／　　＞　_　　　　　　 　 /ｌ
　　　汀 i　　　 〔_二//￣　　 ＼　　 /￣７ 　 ＞＝-≠〈/
　　 ！| iﾄ　　　　＼　　　　 　 　 ＼/　 /　　　　　　勹[_]
　　　　　｀v 　　　　＼　　　　　　　 ＼/　　 　 　 　　/
　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　 ＼　　　　 　 /





.　 　 　 /　　　　　　　　　　ニニニ≧o｡、　　　　　　　　　ﾟ。
　　　　 :　　　　　‰＞'"´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ＼　　　　　　 　 }
　　　　 l　　 　 /／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:. ＼＼　　　　　　i
　　　　 :.　　　/ {:.:.:. : ∨:.:.:.:.:.:.: ＼:.:.:.:. : |＼//ヽヽ　　　　 /
　　　 　 ﾟ。　/:.: ｉ:.:.:.:. : ∨:.:.:.:.:.: 斗ｔ允:.:.:|: /〈 }: ﾏﾑ　 　 :/
　　　　 　 .，{:. /{: : {:. ,x≧ｭ､:. : /斥笊ミｔ// : i: : ﾏﾑ　　/　　　　　　　　　　　無理、せんといてくださいね……
　　　　　　　:.: i: i: : i: %ﾏfﾍ　＼: : Ⅵ（う/|:.:.:.:.:|ヽ:. ∨∧′
　　　　 　 　 {:.|:.:ﾟ。:.ﾍ　Vツ　　＼|｀¨¨´ :.:.:.:.:.:|ノ:.:.:.:}ﾏ/ﾟ.　　　　　　　　　　　 ヤバなったら適当なとこでほっぽってトンズラこいても
　　　　 　 　 i :ﾟ，:. ＼ﾍ　　 ,　　　　　 　 |:.:.: : |:.:.|: : i ﾏ/ﾍ
　　 　 　 　 人{ ，:.: : 人　　　‐　　u.　　 |fﾆﾆﾆ≧ｭ､! ゝ′　　　　　　　　　　　かまへんさかい、ほんま頼んますよ！？
　　　　　　　　/∧:.:.:.:.:.:.:.:...　　　　 　 ／:.l: 　 　 ‐=　ヽ
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　　　　　 　 　 　 　 ﾟ，:.: i　 /　/　　　　 /‐=ﾆ　　 ////////////∧
　　　 　 　 　 　 ＞―〉ヽf　{: /　　　 :／　　　　　//////////////∧
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振り返らず、飛び続ける。

こうなったら、是が非でも、バカな破壊活動を続ける企業連の戦力を
速やかに破壊し、彼女を迎えに行かなければ。

仮にアルトリアが戦いの末の死を望んだとしても、彼女の命は彼女のものだ。
命は、当人の為に使われるべきものだ。
自分の為に戦ってくれるのは嬉しいが、それとは別問題だ。

たとえどれだけ短い時間であっても、最後まで、自分が幸せになる為に、
自分の命を使ってほしい。

そんな言い表しきれない想いを無理やり押し込んだ言葉を残し、
はやてと共に先を急いだ。
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6030： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:41:53 ID:BDDzqD960

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　　>'／::／　　)と; ; . .　　　　　　　／〉　く_::::::::::￣￣＼　　＼..:＼_,,|_|:::::::|::::::::∨::＼_xく ＼::::|::＼::::::::::／〉　　::::::::::、:::::／　／
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　　　　￣￣)い，　　 . . . : :　 ／　　⌒＞｡,`ｰ……ｰｧ=彡.:.:∧:|:::::|: : .　｜::::::＼＞---く:::|:∧　..::／::〉　└ｒ‐＜｀¨¨¨¨＼￣￣∧
　　　……ビ: : : .　 . . : : : : ／　　 ......::::::::::⌒＞｡,::::://　 .:.//厶:::人: : :　|::::::::::０＼ :|　 |:::|::::::〉／0::/　　　 ￣＼＼＿＿::＼＿::∧
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　　　; ∵　^つ　. . : : : :/／￣￣￣厂厂￣〉::::＿〈:::乂__／　　＿/Ｏ＼___＼〉＼:::: | |＿|:::|::::|0::0/＼＿＿/＼＿　　　. : : :＞｡,:::::::::＼
　　　　　　. . :火;: ; ; : /〈＿＿＿__/／___／／／／く／＾> ／:::::::＼ＯＯ_}:∨:::::::::::／￣／￣:::|￣￣＼￣＼/￣¨＼　　　 と　⌒＞｡,:::＼
　　　　　. . : : :^>: : ／／::::/: :.::::::/::::::／／／7⌒Ｖ　／／／⌒i:::::::／::::::::::＼厂√￣/:::: : : . ＼　　..:::＼￣＞｡,　 　　　　(⌒　　 ⌒＞｡,＼
　　　　　　　　. : ／／:::::／／￣￣￣Ｖ　/　∧　　∨ /:／ 　 .::|::／:: : :　:::　 |＼|￣|::|:::::::: : : ..　＼　. : :∧　　￣＞｡　＼　　　　　　　　　｀'′
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　　　　　　 ／／:::::／／　　　　　　　　//　 ／／　 :|/／　.:／::／::::::::＿:::::∧:＼|＿_|:::::::::::::|ﾍ__Ｖ⌒ト─┘∵∴: ; ⌒火
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　　　　〈_,,､-=ﾆ⌒　　　　　 　 　 ／　 ／　　 　 　 /＼＿__/厶イ::::|:::::::::://　.|:::::|　ﾊ／::| |:::∨::::|:::　|: : . . . . . .⌒㌻¨¨
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リンドヴルムが速度を落とし、自分達から離れていく。
漆黒の重量二脚は、その重さ故か、見る見るうちに小さくなっていった。

そのカメラアイは、視認できなくなる最後の瞬間まで、
こちらを見つめていた気がした。
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6031： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:42:10 ID:BDDzqD960

　　/　　　　　　　　　　　　i　　　　　　＼　　　　}　>
　 /　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　.|　／　ﾚﾍ、
　,　　　　　　　　 ヽ　　 i　 .|　　　　　　　|、　/　} ノ
　i　　　　　 .l　　　 i　　.ﾊ. ∧.i　　　　　 .| l /　　|' ﾞ;
　|　　　 .|　 i　　　 .| ／! }/　}ﾊ　　　　　.|,ﾉ　/ ./"　　　　　　　　　　　……さて、ああ言った手前、あまり女々しい
　|　.i　　.|　 ﾄ　　　1. ,ﾑ斗:ｒ7 }　　　　　 |　 / ./:.:.:.:.:ヽ
.　i　l　　.|　 「＼　 .ﾊ/ Ｖツ　 ':/　　　　 .|　/ /|.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ　　　　　　　　言葉は慎んではいたが。
. 八ハ　 ト　|'芯＼{　　´　　　ハ |　　　 ﾊ　/:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:/
.　　{　`:.ハ .ﾄ.}７　　　 　 　　　 }/|　　　.j　ｙ:.:.:.|:.:.:.:.:.:./
　　　　　 | ヾ. :,ヽ　　　　 　 　 /　}　　　ｊ ∩こ)ﾞ,:-イ~
　　　　　 ｌ　　　|＼　 _　-,　　　　ｲ 　.,v⌒／: :ヽ:.:.}　　　　 _____,,
　.　　　　 ｌ　　 .|.　　　､ ´　　　／ﾉ-ﾏ｀／: : : : : :’、_ . : : : : : : : :
　　　　　　丶　 i　　　　　`ｰ ' >r"f ﾞ／: : : : : : : : /: : : : : : : : : : :
　　　　　　　 丶 ，　　　　　　⊂ﾞ_／: : : : : : : : ／: : : : : : : : : : : :






　　　　　　.　　　　　　　　　　_　-=ﾆ⌒＼￣￣~^''　＜⌒ヽ
　　　　.　　　　　　　　　_､-''~　　　　　 ｀ }　　　　　　　〕iト⌒ヽ
　　　 .　　　　　　　､丶｀　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　＼ Ｌ__
　　 　 　 　 　 　 ／ 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　:.　　丿 ＼ :}
　　　　　　　　／ ／　　／ 　 　 　 /　　.〕　　　　　　　 V /　　　Ｖ｀ヽ
.　　　　　 　 / ., ′　 /　　／ :/　/　　:i 〕 /∧　　　　　 〈: .　　::.´,　 }
　　　　　　 ///　　 ,　　 :/　.:/ 　 　 　 | 〕 i./∧　　　　　 :.　　/ :/} 人
　 　 　 　 //　　. :/　　./ 　:/　　　.:|　 | 〕 〔 　 .:　　　　　´,／　　 Y　 〉
.　　 　 　/　,ﾞ　. :/　　 :| 　:/|　 |　　| l :| 〕ﾘ′. :‘,　　　　　´ノ　　. :レｲ
　　　　　|　 | | :/|　 :|　|　/| |　 |　　| l :|/八 :| . : i　　 　 　 |_､-''~ :}　ﾉ
　　　　　|　 | | . :|　 :|⌒〕iトﾐ 　:|　 八.://:＼ |l　 　 　 　 　 [: . 　/ 厂〉
　　 　 　 　 |八.八　:|ｯx､、 八 八 　 //＼　八　:}i　　　　. :[＿ノ ,ﾞ-ｲ
　　　　　 　ﾉ　 ＼{＼}灯沁　　＼.＼ｲ ￣~^''＼ヽ}ｉ ﾉ .:　 . :〔: .　/　.:ﾉ
.　　 　 　 　 　 ／.＼込 Vリ　　　　 斗=劣ミｋ､　:}/.:/　　 :〔／八イ　　　　　　　　　　　　　ハヤテ、あなたが羨ましい。
　　　　　　　／／. :.ﾘ　　 　 　 　 　 　 {/じﾘﾉノ⌒} /　　 . :〔／＼
　　　　　 ／／ . : /.〕　　 　 　 　 　 　 ゞ^’"　　 ,ﾞ/　　　. :八:::::::::〕ｈ､　　　　　　　　　　　　私にも、あなたの伴侶のような人がいたら、
　　　　彡イ 　 . :/ .八　　ヽ　　　　　　　　　　　/／　 　 :/＼::＼::::::::::::〕ｈ､
^'冖'^´ //′ . :/ //沁,　　　__　　　　　　　　／　　　　　.:::::::::＼::＼::::::::::::::}　　　　　　　　　何かが変わったのかもしれんな。
.　　 　// {: .　/ // ⌒沁,　 ＇ 丶　　　　 ／／ 　 　 . :八::::::::::::l＼::＼::::::/
　　　/.,ﾞ　: .　　/i{.　　⌒沁,　　　　 ー=彡／ ／　　　://∧::::＼|　 ＼__)/　　　　　　　　　　　……フッ、やはり、最初に手籠めにしておけばよかったか。
　　ノ .{　　{: // .i{　　 　 　.心、　 　 イ／ ／ . :／／/ V/∧:::::::＼　 ￣
　　　八　 :{/{:{　 乂　　´^''=--=''^｀　､丶`. ::／／//　　Ｖ　‘,:::::::::::＼
　　　/∧　|八　　　　乂＿＿＿__アﾟ　　. :／　　ノｲ　 　 ‘,　 ‘,::::::::::::::｀`〜､、＿
. 　 　 /∧‘, 　＼r―､⌒＞―　　＿__彡'　　 　 　 _　 -=ﾆ`､　 ＼::::::::::::::::::::::::: /
　　　　　 乂　　./::::::／_､　''"~￣ 7／　　 _　-=ﾆ⌒ 　 　 　‘i,　　]Iｯ｡,,_:::::::::::::/
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6032： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:42:27 ID:BDDzqD960

　　　　 　 :/.....　／:/　／　/ ...／ 　 / /::::／ :＼　 '　 /. ....／　　 　/　　　　　:|　　　|　. . . . |. . .
　　　　　 /.ﾞ/／　:/　' 　 :/　　　／:/７　　 　 :／＼　/...／　 　 　 /　　　　:/　|　　　|　 　 . .|. . ..
　　　 　 〈 /　　 :/　　　 /　　／. .:/ , 　 　__∠　 　 ＼ '　　　　　 /　　　　:/　　　　　|　　 　 |. ...
　　 　 ／/　　　　　 　 /　 ,. : : :.:/ /.:ｨ''"　ィ示ミ≧s､ ＼　　　　 '　　　/ /　/　　 | : |　/　_　　 `´　　 ´　　　　　
　　 , 　 /　　　　　 　 ,: 　:/. . . ./ / :八　 ん::::::' 刈　 ＼ ー 　 / 　 　 ' /__/　　 斗r七さ/　'　　 '　 . . . . . . .
　 :/　　 　　　　 　 :/ ｉ　:/.:--ｉ:,　　　　　 f:::::┃::::: }　　　 　 　 '　　／‐=≠ ｨ示ミ ㍉/ :ｲ.::/　　/. | . . . . . . . |　　　　　　　　　――さて。
　/　　　　　 　 　 :/ 八　:/ヽ.:|　　　　　　乂:::::::::ソ　　　　　／　／ /　⌒7:::::::::::::ﾊ　 ＼.:/　　/. . |/ . . . . . . |
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6033： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:42:39 ID:BDDzqD960

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6034： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:43:46 ID:BDDzqD960

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　　 　 　 |:.| |:.:.|/从　　　　 　 　 ,,,|//:.:.:.|:.|ﾉ//Λ:.:.:.: |:.|￤
.　　 　 　 人|:.:.|:.:.|沁、ﾏ　ｰｯ 　 ＿/ :.: 人｢￣￣ﾉ:.:.:. |人|　　　　　　　　　 「ごめん、声が聞きたくて」
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.　　 　 　 　 |/　 ヽ ／　　==７ﾆ|/／　／⌒＼ 〈|　 ∨　　　　　　　　　　　 安心しい、一緒や。
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　　　　　　　　　 ＼　 / /　　＿｣ ,/　　　　　　　｜　　　　　　　　　　　　　　はやいとこ終わらせて、皆のこと、迎えに行くで。
.　　　　 　 ＿＿＿_У|/____/ /　/　　　＿＿＿_人
　　　　　 ｜┌―／:::::::￣/ /　/　,　 ´　　　　　　 ＼　　　　　　　　　　　　　「うん」
　　　　　 ｜│／| | ｺ::::::/ /　/／　 ,　 ´￣￣￣￣ 丶
　　　　　　| ／:::: L|::::::::/ /　/　　／
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.　　 　 .::::::::::::::::::::::::/ /　 人 {　　　 ／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:〕 　 ／

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聞こえるブースターの噴射音も、ついには二つになってしまった。
レーダーに写るミセリコルデの機体反応に、何度も視線を移す。

ただ、それだけではどうしようもなく不安で、気づけば名前を呼んでいた。
震える声で呼ばれたのに対して、はやては柔らかい口調で返してくれた。
気を遣わせてしまったらしい。

けれど、こんな状況でも、気遣ってくれる相手がいるということが再認識できた。
なのはの言葉が、頭の中で反響する。

大丈夫、と。
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6035： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:43:57 ID:BDDzqD960


≧o｡,.二二/::| |/　/＼　,.ィ癶 |＼__＼＿|」「」xヘ＼「::/
　 　 _＞t/:|:::|/　/ |,.ｨi〔ニニﾆ＼　|＼＼rく_＞r'´|::|:/
-‐ﾞ"　　 |i: |/,|丁rくニニニニニﾆ＼＿|_|_／￣＼: :,′
. 　 　　　|i// |_,l_,|:::`'マニニ＞＜　|＼＿＼＿／|::′　,，
　_,.､-'"　|i/７|/l_,|:::::: :: ｀`r' |:|:|:|:|　|＼|＿,.イ「」／〉　 '’
" 　 　 　 |i/~,Ｋ^'|::::::::::::::::|　|:|:|:|:|　|／／|　| レヽ_彡'′
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　 　 ,､-‐ "|i　　|　 ＼:: : |　||:::||::||::: |::||,.ィi〔　　　　　,.｡o1　　, ､⌒ヽ　　　'′　,，　　　 　 |i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:≧s｡／::: |　　'′　'｡
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　　 　 ,､‐'" |i　　　　 ＼　　＼||::||::: |／ ＼i:i:i:i:ｉ|i:i:ﾄ､　　　,.ｨｉ〔|:|:|:|:|／＼＼/::|/〉／ヽ〈〉K|i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ|:::::::::|_| |::l`r'´|::|::::::
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最初に見えてきたのは、光だった。
地平線の先に、ぽつりぽつりと、まるで明滅する小さな電球のような。

夜明けが来てしまったのかと錯覚するような光は、どんどんと大きくなるにつれ、
やがて物騒な色と音を伴うようになっていった。光が巻き起こり、町を呑み込む。
光の中に廃ビル群が呑まれて、光が消えた後には、何もなかった。

ただ、灰と塵だけが風に乗って漂うだけ。
かつての栄華の面影を残す町が、見る見るうちに焦土へと姿を変えていく。
幻想的な淡い輝きを放つ粒子と共に。
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6036： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:44:59 ID:BDDzqD960

: : : : : : : : : : : : : : :..ノ三三三三三三三| |三三 /´　　 . : : : : : / . . .: : : : : .:.:.:.:.:.:.:.:
:　:　:　:　:　: ,ｒ辷ニ三三三三三三三三| |三三ﾉ　　. : : : : : : : { : : : : : ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
三三三三三三三三三三三三二ニニﾆ| |〜'´　　. . : : : : : : : :乂: : : .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
三三三三三三三三三三三三三三ノ´¨´　　　　　:　:　:　:　:　:　:　:　: : : : : : : : : :
二二二二二二二二二二二二二'´　　　　　　　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:
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閃光が断続的に迸り、視界を奪ってくる。酷い光景だった。

「やる夫君、シャッター、シャッターや！　ラケルさんのフレームならついとるやろ！」

はやてが保護シャッターを降ろすよう声を掛けてくれるが、
思わず反応が遅れる。

試しにコジマ汚染濃度の計測カウンターを呼び出してみるが、
数値はとうに振り切れていた。

これでは当分、再開発など無理だ。
人類の生存権が、およそ一世紀ほど失われたといってもいい。

一体どれほどのコジマ兵器が、この先にあるというのか。
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6037： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:45:10 ID:BDDzqD960

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そして、その光の中心に、巨大な影があった。
距離が狭まるにつれて、その影は色濃くなっていく。

「なんなんだお、ありゃ……」

その姿は、正しく巨人とでも言うべきものだった。
それ以外の表現が見つからない。高層ビルを踏み倒して進んでいる。
アームズフォートとも違っていた。AFとは異なるものだと直感が訴えてくる。

恐ろしく巨大で歪ではあるが、あれは間違いなく人の形をしている。

全長は、ネクストの五倍はあるか。
血染めにも見える深紅の装甲は、微かにIGIOの旧式フレームの面影を残していた。

ただ、問題はその武装だ。巨大さは二の次だ。大きさで言えばAFよりも小柄になる。
二本の腕は武器腕となっており、五指が砲塔となっている。
極大口径コジマキャノンが五連装で搭載された腕部が六本も生えている。

あれだけ巨大なコジマキャノンは見たこともない。
さっきから放っているコジマの光も、アサルトキャノンに相当する規模だ。

「ネクスト……なのかお？」
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6038： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:45:27 ID:BDDzqD960


　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
　　　　　　 　 　 　 　 /　 　 　 　 , ＜三三三三＞　　　　　　　　　 ‘，
　　　　　　　 　 　 　 .∨　 　 ,ｲﾆ＞´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:・＜＞､
　　　　　　　　　　　 　 ∨　 /／:.:.:.:.:.:l:.:.l:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:｀≪,>　　　　　　 ‘，
　　　 　 　 　 　 　 　 　 ∨／:.,:.:.:.:.:.:.:.l:.:, ≦´:.:.:.:.:ﾄ､:.:/l:.:.:ﾏﾑ　　　　　　}
　　　　　　　　　　　　　　/:./:.:.|:∧:.: : l イう孑/: : lヽ//:l__:.:.ﾏ,'ﾑ　　　　 .i
　　　　　　　　　　　　　 /:.:i:.:.:.:l≦、ヽ:l　∨::ﾀ }:.:.:.!/∧ヽ∧:.:ヽ',ﾑ　　　 ,'　　　　　　　　　　　　プロトタイプネクスト……！
　　　　 　 　 　 　 　 　/ !:.:!:ﾄ:.:.:代:}　 ｀　 ｀"　 /://:.:.:.:ｌ　 }:.:.:.:ﾏ,ﾑ　　/
　　　　　　　　　　　　 i/ ｌ:.:ｌ:ｌヽヽゞ､　　　　u. 〃 }:.:.:.:.:.:!_／:.:.:∧ﾏﾆﾑ/　　　　　　　　　　　　　　こないなもん持ち出しとったんか、IGIOは！？
.　　　　　　 　 　 　 　 ′!:.:N:.:ﾍヽ　 , ―　　 /　 ｉ:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:ｉ　ﾏ三ヽ、
　　　　　　　　 　 　 　 　 l:.:.:.:.:.:.. ｀　　　　　　　　|:.:.:./___:.:.:.:.:.:.:.:.}￣＼／　　　　　　　　　　　　　見境ないにも程があんで……
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 l:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ　　　　　 　 l:.:/---＼:.:.:ｉ:lN　　　　,ｭx--===､
　　　　　　　　　　 　 　 　 ∨:.:.:.:.:.／|:.ヽ-=≦-- |:./　　　 ヽヽﾘ　,ｭx＜/////////＞ ．　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　 　 __∨ヽ ｌ´ l￣ _|::| | |:;-|/__　---　ヽ＜//////////////////＞
　　　　　　　　　　　 　 ｨ升///＞,|__.ｌ-/　 ヽ´　 l:::l　　　　　　l/////////////////／: : : : ／
　　　　　　　　__ --<////////／　/::∧　 |　　 ,l:: l　　　　 　 |//////////////,／: : : : :／
　　　　　　 / ∨: :∧//////／ 　 /::/:::::＼ ／:::::l::: l　　　　　 |////////////,／: : : : :／
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　　　　　　　　　　 　 　　　　＿＿＿_
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　　　　　　...........:::::::::::／::::::::　─　　　ヽ_　　　　　あれが……あんなものが、ネクスト……？
　　 　 ...................:::::／:::::::::::: （ ○） 　（ ＜）
　　　　　　　　　　 |::::::::::U:::::::　（__人__）　　　　　　
　　　　　　　　　　　＼::::::::::::::::::..｀ ⌒´
　　　　　　　......::::::::ノ::::::::::::

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はやてが戦慄しているのが伝わってくる。

プロトタイプネクスト。自分もなのはの授業で教わったことがある。
かつてコジマ技術黎明期に製造された、第一世代のネクストAC。

ただ、それは一切の負荷を無視した悪魔の機体であり、
搭乗者の脳を容易く焼き切り、致命的な汚染をまき散らすものだったという。

それを扱えるレベルまでダウングレードさせたのが、自分達のネクストなのだと。
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6039： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:45:39 ID:BDDzqD960

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│.　　 　 {′', {.　 ／.}　|`''〜､　_ -､　/　　 ',ノ.//. // ,′　. .: :.:.:.:.:.:.:./＞''´　　 　 .│
│　　　　　　 ヽ／　 ,'　! 　 ｧ‐'"√}　,l　　　lﾊl /　 / ｲ . .: .:.＞''´￣/.:.:.:.:.:.:.::　　 　 │
│　　　　　　／　　 ,'　_,,､ノ､,ィiliｌiｌi} ,　　　　|!　}ﾊ ∨/{.:.:.／.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:　　　　.│　　　　　　おやおや、ここまで辿り着いたんだねぇ。
│　　　　 ／　　／ `''⌒!_イ)ｯ‐''ソ〃　　　八　_＞''"¨l,ｲ.:.:. ／.:.:.:.:〉:.:.:.――　　　....│
│.　　 ／　　　/: : / : : :丶:)≦´　'´　　,,ｨi＞''´　　　　.|､:.／.:.:.:.:／::.:.:＞''´.:.:　　 　 │　　　　　　想像していたよりもやるものだ。
│　　 ゝ､,,　　 `ｈ､{: : : : : :ハ 　 　 ,､く''´＞''´　　　 ,､‐'::}!／:.／.:.:.／.:.:.:.:.／　　　....│
│　　　　　 ｀''〜､､ `ヽ: : /: :}　 ／ ＞''´ 　 　 ,､丶:::::::::/.:.::.:/＞''´:.._:.:‐''´:.:.:　　　....│　　　　　　 それとも……仲間を犠牲にして、
│　　　　　　　＞''⌒''〜､,ｨﾆﾆﾆ〈 {}㍉　 ,､丶:::::::::::::::／:.:.>.:.:.:.:.:.:.:.:__二ﾆ=‐''"　　　 │　　　　　
│　　　　＞''´＿　　　　,ｲﾆﾆ/　ﾊﾉ―＜:::::::::::::＞''´―――　＜ﾆ心､　　　　　　......│　　　　　　　やっとの思いで来たってところかな？
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　　　　　　　　　　 __´￣￣二ﾆ=　、
　　　　　　　　／　　￣´ 　　　　　　ヽ　て
　　　　　 　 /　/ｨ　　　　　　}i　　　　∧　そ
　　　　 　 /ﾔ'7=ﾆ二二二≦_｣Ｌﾍ/　 ∧
　　 　 　 ;　 /＼_　　､＿　￣Ｖ⌒{ 　 / }｝
　　　　　:; 　}(●）　　（〇　）　〉 人 /　/^}
　　　　　 '､ {（　ｨ'　　　　u　/／Ｌ {__/(__/　　　　　　　　　　　　　　　　オープン回線！？
　　　　 ＿{へ≧＾ゝ､___ノ_z彡二弐≠ ＞／￣￣ミヽ
　　　　r{_ `ｰ=＜三＞'’ ）二二 ／　//　　　___　　　＼　　　　　　　　　こいつの声、どっかで？
　　／/ ｛＼　　｀￣　 /二二／/ 　/ｲ　　 Ｙiっ) -┐　 ＼
　｛　　Ｖ 〉　　　　　　〈ﾆ二彡イ　 ｛ ｛　 　 }｣つ）二! -02 |ｌ　　　　　　　「ランク8、IGIOのタヌキ爺や！　生きとるとは思うとったけど、
　｛　 　 i ＼ 　 　 　 /｝ト､　　 i　 /八ヘ　　￣´　　　　　 |ｌ
　　)〉=ﾆi　　＼＿∠_//ｚ/＼　i／　　＞　_　　　　　　 　 /ｌ　　　　　　　こないなところで何を……」
　　　汀 i　　　 〔_二//￣　　 ＼　　 /￣７ 　 ＞＝-≠〈/
　　 ！| iﾄ　　　　＼　　　　 　 　 ＼/　 /　　　　　　勹[_]
　　　　　｀v 　　　　＼　　　　　　　 ＼/　　 　 　 　　/
　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　 ＼　　　　 　 /





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│　　　　､ ＿＞ー　´　ミ 二 ､　ヽ ､　､＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...│
│　　　 ヾ辷　二′　　　　､ ￣＼　＼ ヾ∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　...│
│　　　 ､_Z　ヾ､　ー= ､ _　ヾ　ﾞﾞ ､ヽ､､ヽ ;;∧　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│　　　 ＼､｀　 ヾﾐ　二　二≧-‐＝＝￣ニ=7　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│　　　　｀マ _ ,_､ー二ﾆ=-／ ／"ﾞﾞ　ﾞ／;ﾉ／i　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│　　　　　ヾ//ﾍ ト､-_,,ノ' ／{ /／／ヾ''''ｹｲ'　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│　　　　　　}{､r {ﾞ｀¨ヾ≧'_ﾞヽi//／,　　- Kﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　......│
│　　　　　　j＼ﾞi ﾞ;　　 ﾞi!ヾtｯzｧﾐﾋ'_,__-ｧ」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　　　　 /'　 Y　　､　ヽ＿i!_ソ"¨f'ゞ'７　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│　　　　　,　　　i!　　 }　　　 ｀ ､　 j_L/ __　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　 　 r/ 　 　 ﾄ、 ヾ≧≡＝z､_,ﾚ′ i!;;;;ヽ　　　 　 　 　 　 　 　 r==､　　　 .│　　　　　　　やぁ、ごきげんよう、勝利者諸君。
│　　　,くΞ＼　 ﾞ　＼｀　ﾞヾ辷ュz-ゞ　 };;;;;;;;;}　　　　　　　　　　　/;;;;;;/　　　　│
│　　,/三三ﾑ､＼、　 ＼　 ￣ / 　 　 _j;;;;;;;;;;i　 　 　 　 　 　 　 /;;;;;;;/　　　　 │　　　　　　　たった今ご紹介に預かった、モリアーティだ。
│／三ﾆ| |ミ彡ﾏ==ﾞ＼_　>ー '　　　　 j;;;;;;;;;;ｿ　　　　　　　　　 /;;;;;;;/　　　　....│
│三ｴェエLﾐ∠」>ミミー>､_　　 　 　 /;;;;;;;;;;;j　　　　　　　　　/;;;;;;;;/　　　　　...│　　　　　　　よろしく頼むよ？
│三彡F￣￣￣￣｀ "'- ､ヾ::ﾞ::..､ 　 〈;;;;;;;;;;;;;L::::::::....､　　　／￣;;７;;}　　　　......│
│三／ ;;　;;　;;　;　　＼ヽ ＼ﾐ､::::ヽ､ ∧;;;;;;;:::::ヽ::::::::::::ー／;;;;;;;;;／;;/　　　　　...│　　　　　　　　今から死ぬまでの短い間だが、ね……
│／;;　;;　;;　;;　;;　　　　ヽ ､ ヾﾐ＼:::＼}};;;;;;;;;:::::::i:::::-:Y';;;;;;;;;;／;;;;;;/　　　　　　..│
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【ブライドルランク８：モリアーティ　IGIO管理部門顧問】

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人を小馬鹿にしたような、如何にも胡散臭い声が響き渡る。
モリアーティ、あの探偵小説の悪役の名前か。
なんともふざけている。

発信源は、どうやらあのプロトタイプネクストから出ているようだ。

「おまえがあのデカブツに乗ってるのか！？」

「馬鹿言わないでくれたまえよ、君。あんなのに乗ってたら命がいくらあっても
足りないからねぇ……ま、高みの見物と洒落込ませてもらってるよ」
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6040： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:45:50 ID:BDDzqD960

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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /{　 _　　　　　　　　　　　　　 　 │
│　　　　　　　　　＿ 　-''''"￣￣ヽV／ ハ　　　　　　　　　　　　......│
│　　　ミ≧=‐'''"´　,､丶` ￣￣　＿/ア . /　　　　　　　　　　　　　 │
│＿,､丶`　＞''"´'´ 　_ 　‐'''"´　／ｱ　ｧく　　　　　　　　　　　　 　 .│
│￣＞''´　　　　 ィ''""　/　　 ／ ｱ　/　　ヽ　　　　　　　　　　　　　│
│　／　　 　 ／/　　　 /　　〃 ./　/ ''"´__~ 丶　　　　　　　　　　....│　　　　　　　　いいかい？　君たちはね、やりすぎたんだよ。
│'".　　　 ／　/ 　 　 /　　〃. /　/　 ,ｨ'¨¨`＿〔,､　　　　　　　　 　 │
│_.　　　 　 ／　　　 / /　/,ｲ ,'　/ ／　 ／ ＼ ヾ^'＜ ＿　　　　　...│　　　　　　　　これでも世界は上手く運営されていたんだ。
│彡''" ‐''´　　　　　／　/ /ｲ.l　,'/　 ／ ,,ｧ,ｲﾘ＼ﾉ　　 　 〉　　　 　 │
│　―＝二二＞''"´ 　 . : /ｨ |　| .／　 '''"¨¨´ /　　　 ｧｲ　　　　......│　　　　　　　　 それを君たちは壊してしまった。
│_　　　　　　　　／. :__: :,/: :lﾑ. |'"　 　 　 　 ./　　　,,ノヽ、　　　　 .│
│≧=- 　-‐'' ／　　.|　 ＼／´.',|＼　 -　　 　 　 ／　 _.ィ　　　　......│
│.　　　　 　 　 -=彡|〈⌒ ｀ミh､ ヽ､',　　｀ 　　／,,､≦´ Y　　　　　 .│
│"''ー=､,,　　　, イ: :ﾍ　ｬー} ヾ. 　 ',}　　＿. /'´〈.　　　　',　　　　　 │
│　　／　　　　. : : : : : ＼`''―‐ ､,､＿_/ﾆﾆﾍ　　`　 　 　 '､　　　　 │
│.／―===ミ　: : : : ／／/7≧／ﾆ＞'´ニニﾊ斗､　　　　　 Y　　　 │
│　　　　　　⌒''''=‐､､: : //: :/ﾆ／ニニニニニニﾍ. 　 　 ,ィ　　 　 .│
│　　　　　　　　　　''´⌒ヽ: /=/ニニニニニニニニﾑ¨¨´　　　　　..│
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│　　　　　　　　　　 _,,ゝー ､、　　　　　　　　　　　　....│
│　　　　　　　 　 ／　''´￣V_∨　　　　　　　　　　 　 .│
│　　　　　　　 ﾌ'　／,ｨi毟ノｨ,-ヽ　　　　　　　　　　　 .│
│　　　　　　　/／／-'l||ー＿,ミ､〉　　　　　　　　　　　│
│.　　　　　 _ノィｲ''^¨¨}={´ 　 }ﾊ,(　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　それでは困る。大いに困るのだよ。
│　　　　　 彡ｧｲゝ─┘_¨¨¨´|ｲ}__,,､､､　　　　　　　.....│
│. 　 　 　 　 ﾍ　',　∠二二ヽ.|ノ.:.:.:.／　　　　　　　......│　　　　　　　　だからね、私たちは今回の戦争をノーゲームにすることにした。
│. 　 　 　 ､┘:.:.`', r┐/ヽ､／l.:.:.:.:/,､‐ｧ　　　　　　　 .│
│　　　　 　 ヽ.:.:.:.ﾉ V////〉_./ 〉.:.:.:.∠　　　　　　　　 │　　　　　　　　 ……君たちの悔しがる様子が観たいからね、ネタバラシしてあげるよ。
│　　,､､､.　 ＜.:.:. 〕｀}/////}　/.:.:／.:.／　, -､　　　　 │
│.　 l r‐ )＞￣.:.:〈;;; }////,〈㌢|ｲ.:.:／`'く_(_)　}　　　....│
│.　 ゝ_,,､､-=＼.:.:.:|>!///ｱノ . |.:.:/≧s｡　 ＿〈　　 　 .│
│　　/｣｣｣｣｣｣｣｣ﾊ.:∧`¨｣_〉;ｌ　/|.:/7｣｣｣｣ | | | |',　　　....│
│　　 /ﾆﾆﾆﾆﾍ.:.:,';;;;;￣;;;|;;;;|/;;;;|.:.:|ニニl｣」l」」 ',　　　..│
│　　 Vﾆﾆﾆニ}__| ;;;;;;;;;;; |;;/;;;;;;;;|､:V二二ニﾆﾊ_',　　　│
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「こいつに搭載された生体ユニットには、各地にあるアルテリア……
次世代型コジマ発電施設を破壊して回るよう、プログラムを実行させているのさ。
それが終わったら……どうなると思うかね？」

「知ったことかお！　こんなことして、どうにもならないだろ！
さっさと止めろ！　あんたがどこに避難してるか知らないけど、
そこだって汚染でダメになるお！？」

「いーや、そんなことはない。なぜなら既に、我々IGIO上層部の面々や、
選ばれた人々は、既に地下シェルターへと避難済みだからねぇ」

一体どうして、そんなことを。
それをして、何がどうなるというのだ。

今すぐこの男に、この化け物を止めさせるべきだ。

「落ち着いて聞きたまえよ、まったく……低俗な生まれと聞いていたが、
これでは首輪を外された獣だね」
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6041： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:46:00 ID:BDDzqD960

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　 　 　 　 　 　　│Orbital strafing overed Kojima cannon　Ehrenberg　 　 .│
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　 　 　 　 　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌┐＿＿＿＿┌―‐┬┌―‐┬-､＿＿_ -=≦　-=≦‐// /
　 　 　 　 　 　　.　 　 　 　 　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_０ﾆﾆ）||卦挂挂卦挂挂卦挂|| : : : :}|　　∀}∀三」￣└‐┬ ┐┴‐-､ _
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　　　　Ο＿＿）））＿＿＿＿＿))＿＿＿）||＿＿）;_;_;)＿）;_;_;;）_二二二エニニｺ|ｪｪ|ｪｪｭ┐　 |　｜￣￣｜|
　 　 　 　 　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　０二二）||卦挂挂卦挂挂卦挂|| : : : :}|　　Α}｜_ |　 　:|　　|　/――‐┴'
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..　　ヾ)h､　 　　　　　/　　　　,　/　/ミ…=ミ　7　 　　　　　　　　　,斗　 　　　　　　　　　〈―――‐ 、 　 /｀丶}‐┼|
　　　　ﾏﾆh､　　　-彡' 　 　 / /　/ ー ''´　 ∨ ／:Y ＞''^¨7＞''": :/.　 　 　 　 　 　　　　｀/ ￣ /丶｀丶､　 　 TＴ |、
　　　　　ﾏﾆﾑ ﾄ､　く　／　 / /　ｱ　ヽ￣/_,-､V: : /'´ : : : / : : : : :/　 　 　 　 　 　　　　　/　 　/　 　 /　l｀丶、| |i┤丶、
.　..　 　 　ﾏﾆﾑ: ﾑ:≦-=彡 ,ｲ／_,,.､-=彳 〉zｧ l : : : : : : : : : : : : : /　 　 　 　 　 　 　 　/￣￣ /￣}　/ 　 |　　　| l　|　 　｀丶、
　 　　　　　ﾏニニﾑ: ヽ　.汽イ{ 　 zzｧ/{. ∨　 l : : : : : :: : : : : : ｱ　 　 　 　　　　　　　/＿＿_/ ＿_}/|￣　|￣　 | |　|｀丶、　　｀丶- ､
　　　　　　　ﾏニﾆﾆﾊ:ヽ { ﾉ〉ヾ!　　　　ｌ|{　'，　} : : : : : : : : :, イ.　 　 　　_　 　-‐,．- '‐┬‐ /＿＿_}└_ｰ└_ー_LＬ⊥ ￣ ｀丶　⊥二l‐-　 　_
.　..　 　 　 　 ﾏニﾆﾆﾊ: ﾍ＼>　　ヽ　 　_ｰ='､ ,' : : : : : : :／/∧ 　 　 　 ｀　 ￢┴――┴‐' ----------------------――――‐￢冖　´
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　 　 　 　 　　　　　　　ヾく={::＼`ー===ミア┐: : : : /＞''´　　　　　.|
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.　..　 　_ｧ''´::::::::＞''´,///////∧::::ﾍ::::::::::::l　,,､＜ﾆアzzx.　 　 　 　|
..　　／//ヽ ｀ヽ.////////////∧:::::＼::::::l/ﾆ／ﾆﾆ斗ﾆﾆ〉　 　　　|

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「アルトリア・ペンドラゴンがそっちに渡っていたからねぇ、
どうせ聞いているんだろう？　我が社がアヴィアコルと共同開発した
衛星軌道掃射用超極大口径コジマ砲台エーレンベルク……

アルテリアというのはね、元はといえばそれの為に、ノルドルムが開発したものだ。
ま、今となっては違う目的の下運用されていたが……それは置いといて、だ。

我々の所有する旧ノルウェーエリアにはね、その中でも屈指の規模を誇る
アルテリアが建造されているんだよ。従来のコジマ発電施設とは比較にならない」
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6042： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:46:11 ID:BDDzqD960

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　　　　　　　　／　　￣´ 　　　　　　ヽ
　　　　　 　 /　/ｨ　　　　　　}i　　　　∧
　　　　 　 /ﾔ'7=ﾆ二二二≦_｣Ｌﾍ/　 ∧
　　 　 　 ;　 /＼_　　､＿　￣Ｖ⌒{ 　 / }｝　　　　　　　　　　　　　　　……何が言いたいんだお！？
　　　　　:; 　}(●）　　（●　）　〉 人 /　/^}
　　　　　 '､ {（　ｨ'　　　　　u./／Ｌ {__/(__/　　　　　　　　　　　　　　　「簡単なことだよ。君たちに地上の支配権を渡したくないんだ」
　　　　 ＿{へ≧＾ゝ､___ノ_z彡二弐≠ ＞／￣￣ミヽ
　　　　r{_ `ｰ=＜三＞'’ ）二二 ／　//　　　___　　　＼
　　／/ ｛＼　　｀￣　 /二二／/ 　/ｲ　　 Ｙiっ) -┐　 ＼
　｛　　Ｖ 〉　　　　　　〈ﾆ二彡イ　 ｛ ｛　 　 }｣つ）二! -02 |ｌ
　｛　 　 i ＼ 　 　 　 /｝ト､　　 i　 /八ヘ　　￣´　　　　　 |ｌ
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│、ミｰ彡 ―=二￣￣｀`''＜＼'，∨}!　}!　　　　　　.│
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│.　ヽヽ￣―＿二ﾆ=-_/ 　 /毛ﾐノ イ彡　　　　　　│
│. 　 ヽ ､`''〜､､,,_ ｱ´/ 　 /　　　｀` }ヾY　　　　　...│
│　　　 ',ヽ , -､ 彡' ,ｲ　／　　　　　 {川)!　　　　　 .│　　　　　　考えてもみたまえよ。私たち企業が大人しく調印に応じればどうなる？
│　　 ヾヽV ハﾐ㍉ィ7ｲ､､,,__　 }!　 __}ｲ　　　　　 　 .│
│　　　 ﾍ ﾊ〈 {.ﾐ'"｀`l{ミ===ﾃ'}l,,ｧ'::::/',　　　　　　　..│　　　　　　 世界は滅茶苦茶になるぞぉ。本当は分かっているんだろう？
│　　　　 }ｿﾍ-　 ヽ　ゝ……',ィ::::アl::::'，　　　　　.....│
│.　　 　 / 　 `l　　',　　 　 /:::::ｱ| ハ,ィ:::)、　　　　 .│　　　　　　　破滅の足音こそ聞こえはすれど、それはどんな技術に縋っても同じこと。
│.　　 ／ﾍ　　卜、 l,,､､-ｧ'ﾞ:::::/,ィ:::::＞'´::::ヽ　　 　 .│
│_,Ｙ´{.　　ヽ　 ',　＼｀'-ｲ::;;;ィ::::: イ＿_.斗┐　　 　 .│　　　　　　　 それなら統制の取れた管理社会の方が良いに決まっている。
│.-∨∧　　 ＼::. 　 /::::::::,,､､‐''":::::::＿ イ:::　　　　..│
│◯=∨/心､　 ＼,ｲ:::::::::／::::`''――‐ｧ::::ヽ　　　　 │　　　　　　　　そのためのコジマ、ネクスト、企業連だ。
│':.:.:.:.:.:.寸//心／:::::::::::::::::::::/¨¨¨¨¨´.:ヽ::::::　　 　 .│
│.:.:.:.:.:.:.:.:.寸//:::::::::::::::::::::::,ｲ',.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ::::　　 　 .│
│.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.V⌒｀ヾ;;＞''/ﾍ }｢.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',ゝ　　 　 .│
│.:.:.:.:.:.:.:.:.:./　　　 //////ﾊ}!―､､,,.:.:. イ:.}　　　　....│
└───────────────────┘







　　_　xﾍ　　　　　　　 ／　　　　／::::／|　|／　／|.／:.,.イ: : : ::::::＼　＼///＼|　　　|　 |　 　|　　 |　　 |
　く_> ⌒v　　　　　 ／　　　　／:::／|　.|／　／|／ ／　 |: : : : ／　＼　＼///＼　　|＿|　 　|　　 |　　 |
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／／／　'v,　 {〈／o'　　∠_／|　l ／　／|／:.／　　 | 　 |／　　　　　　　＼　＼/___///〕iト
　　　　　　ﾍ'　｀o_ソ　 　 ／|　|.／　／|／:.／￣￣¨ﾞ| 　 |￣￣￣￣￣￣￣＼＿＿｀'弌///〕iト ￣￣￣￣
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..　　　／|　 |／　.／|／:.:／　＼|／⌒＞--＜つ￣￣ハ　　　　　　　　　　弌､:::::~"'ｰ- ≧=-　∠:::_／:_:_:_:_
ﾆﾆ／|　 |／　 ／|／:.:／　　　　｡o＜＞'"::::::::＜＞ｭ::::j{:}　　 　 ／〉　　　　　`弌ｧｧ　｡.,_:::~"'' ｰ-, ､／:::::::::::::
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　 ／|／:.:.:／ ｡　ﾛ　　　　　　. :::::|　| |:::::::::::::::::::::/:::::j{:j{: : :　　　　　　　　⌒＞ ´　　　 ＼／　｡o≦:::::::､+'^,
／|／:.:.:／　　　　匸ﾌ　　 .: : : : ::|　| |7::::::::::::::::::{:::::::{/: : : :　　　　　⌒＞ ´　　　　　　　､丶`::::::::〉､+'“　　」
|／:.:.:／　　　　　　　,.へ､.: : : :::: :|　| /-=ﾆ￣￣フ¨ヽ: : : : :　　　 ,，'"　　　　　　　 ､丶` ∨:::､+'“ィ≠ﾐxi〔ﾆ=-
:.:.:.／　 　　　　　 ／:.:.:.V∧ : : / | //　ト _＼-'": : : :_〉､: :⌒＞ ´　　　　　　　､丶`::::::::::､+'“ 　　{::(__)ｿ _‐_‐
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　　　ﾚ'　　　’ ,.: : : ﾍ､_／:.:.:.:.:〉//::　:::...　〈＿＿／_‐_／ |ヽ::＼ ,.イ:::::∨∧´x=ﾐ､ ｡o≦￣ /　　　　 　 〉'´
　辷ｺ　　,，　,.: : : : : ﾍ:.:.:.:.,／ // :: ＿　fつ　　＞＜￣￣＼＼〈:,　レ'´〈　 V{､_ノ´_‐_‐_‐∨|＿＿＿／--─
　／￣＼　,.: : : :〈ﾌ￣: 7'´　 //-'"::::::::::::〉　 ／　　　＼ -_-_＼ 〈'´　　　〉s≦ﾆ=-_‐_‐〈￣＼_‐_‐_‐_‐〈〉:.:.

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「企業連は圧倒的な力によって世界を統制してきた。
人類史上、ここまで安定した時代なんてあったかい？

これはね、制御できる破滅なんだよ。企業連なら、ね。
圧倒的な力さえあれば、それが叶う。

地上の支配権を企業連が手放したところでどうなる？
結局、人間は戦争を始めるのさ。時代が逆戻りするだけさ。

……実際、封印したって、水面下でコジマ兵器は運用されるだろう。
その際、それを使うのが企業連に統制された勢力ではなく、
有象無象のテロリストに使われでもしてみろ。全部終わるぞ？」
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6043： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:46:22 ID:BDDzqD960

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│　 　 　 　 　 　 ／ ＜　ヽ　{/／　 二ﾆ=- ￣＿＿￣二フ_,,ｨ　　　　　　　　　　　..│
│　　　　　　　　 ＞ ,ｨ(三ミY　ノ-=毛＿　‐''´二ﾆ=-_,,､丶 ,ィ　　　　　　　　　　 　 .│
│.　　　　　　　 |　 /彡=ミ''``´´ /´`ﾏ＞―――　＿ﾆ=-　ｱ　　　　　　　　　　　.....│
│　　　　 　 　 ,　 /イ´　　　　　,' 　ノ､''´ -===-　ミ=‐ 　ｲｧ　　　　　　　　　　　 　 │
│　　　　　　／　八 l''´　　.斗―_　　`ミ､　ｧ''^ヽ ＞''´／ /　　　　　_.斗‐ｧ　　　　...│
│　　　　　/　　/ゝ |/,ｨｧ'´,ｨ=ｬ ﾒ　　　　ミｌ{ / ﾉ }／／ /,'　　 ＞''^´.:.:.:.:/　　　　　..│　　　　　　だからね……IGIO、アヴィアコルは決断した。
│　 　 　 /.ｲ　,'.　 〈､'"! ''lｿ彳 '　　　　≠ﾐｌ {) .,ｲ ,ｲ.// ,' ＞'´ . .: .:.:.:.::./　　　　　　.│
│.　　 　 {′', {.　 ／.}　|`''〜､　_ -､　/　　 ',ノ.//. // ,′　. .: :.:.:.:.:.:.:./＞''´　　 　 .│　　　　　　地上を手放すと。
│　　　　　　 ヽ／　 ,'　! 　 ｧ‐'"√}　,l　　　lﾊl /　 / ｲ . .: .:.＞''´￣/.:.:.:.:.:.:.::　　 　 │
│　　　　　　／　　 ,'　_,,､ノ､,ィiliｌiｌi} ,　　　　|!　}ﾊ ∨/{.:.:.／.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:　　　　.│　　　　　　……一度、誰にも奪えない状態にして、ね。
│　　　　 ／　　／ `''⌒!_イ)ｯ‐''ソ〃　　　八　_＞''"¨l,ｲ.:.:. ／.:.:.:.:〉:.:.:.――　　　....│
│.　　 ／　　　/: : / : : :丶:)≦´　'´　　,,ｨi＞''´　　　　.|､:.／.:.:.:.:／::.:.:＞''´.:.:　　 　 │
│　　 ゝ､,,　　 `ｈ､{: : : : : :ハ 　 　 ,､く''´＞''´　　　 ,､‐'::}!／:.／.:.:.／.:.:.:.:.／　　　....│
│　　　　　 ｀''〜､､ `ヽ: : /: :}　 ／ ＞''´ 　 　 ,､丶:::::::::/.:.::.:/＞''´:.._:.:‐''´:.:.:　　　....│
│　　　　　　　＞''⌒''〜､,ｨﾆﾆﾆ〈 {}㍉　 ,､丶:::::::::::::::／:.:.>.:.:.:.:.:.:.:.:__二ﾆ=‐''"　　　 │
│　　　　＞''´＿　　　　,ｲﾆﾆ/　ﾊﾉ―＜:::::::::::::＞''´―――　＜ﾆ心､　　　　　　......│
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　　　　　　＿＿＿_
..　　　　／　　　u　＼　　　　　　　　まさか、アンタら……
　　　／　　／　 　 ＼＼
..　／ 　し （○） 　（○） ＼　　　　　「ようやく察しがついたか。ま、その通りさ」
　 |　∪　 　 （__人__）　 J |
..　＼　　u　　 ｀⌒´　 　／





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│　　　　　　　　　　　　　i､　/トー─‐- ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│　　 　 　 　 　 　 　 　 /ﾚ' /　 f"r ‐"｀ 辷＝'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　　　　　　　　　　 /f l ( ヽ _ V　　/ ﾞ ‐- 二ﾆ' ７　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　　　　　　　　　ノ {　ゝ 辷 rﾐヾソ r-ー‐‐　ヽく＿,　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│　　　　　　　　　ヾ> ､＿ノ ／ミﾐﾐﾘｋ､ ＿_　二 彡'　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　　　　　　　　 ､_＞ー‐' / /´: : : : : , ＼辷_ー彡L　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　 　 　 　 　 　 ヽz -彡'i　L_: : : :ー‐‐　 ヾ､ー-<′　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　ヾ〃_ i /: : : .::i　 ＿,__　,,>''{f　}　　　　　　　　　　　　　　　　　...│
│　　　　　　　　　　　》1 }/-=ゝ､,zｨ云ｯz-}'ﾞ　;ﾘヽﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　各地のコジマ発電施設を軒並み破壊させ、
│　　　　　　　 　 　 / //､¨赱7Tヾ､＿＿ﾉ,　 ' r<　　　　　　　　　　　　　　　　　......│
│　　　　　　　　 　 { / { ﾑー‐':j　 　 　 　 i　 /／}ヽ　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│　　　　　　汚染を拡大させつつ、反抗勢力の芽を摘む。
│　　　　　 　 　 　 ゞ-‐"彡＼,丶,__,,,;;,,,,　　／ｲ ム　＼　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│　　　　　　___,,,,,,,,,〉- '彡ミヾ､ヾ竺＝'　 ／／　 ,ｲ}　　 ＼､＿_　　　　　　　　　 　 │　　　　　　 そして、最後は我が社のアルテリアで、
│　　　　rママママ{ 　 {;;;;ﾄ､ﾞ７'ﾞ〈 ~　　／／　　/:::ｨ　　 　 ﾑ-- _ミﾐ-, _　　　　　　 .│
│　　 f'r-ヾi::i::i::i::i::i}　 ヾ;;-彡竹::ﾞー､r "　　 ／:,:':i　,-7==='､ ／:::} /三　　　　　.....│　　　　　　　プロトタイプネクストを自爆させる。
│　　 ,}{ l/} }i::i::i::i::i:|　　 ヽ　/＼ﾞ>:x､}{ﾞ､ _ ／'::::,:::i/ﾆ// X::::::::X／/三ﾆ　　　　　....│
│　　∥ ;､| |::i:i::i::iソ､　　　/i::i}　i>､ヽ==_r:::::::ｲ:::"i}ﾆ{ { x::::::::::::: //三三=　　　　　 .│　　　　　　　そうすれば、地上の生存圏はほぼなくなる試算だ。
│　　il　l　ヽ|ヾ､ソヾ､ﾐ 彡'i:i"} ､/:::::７::--r二´ヽ,_ii三ヾ､／ヾX::'/三三三　　　　......│
│　 { i { ､　ﾄヽ_/　　 ﾞﾞT' ヽ_ｲ /:/::/:}::::i::::|　 ￣7-il三ヾ_, , - ' "三三三　　　　　.....│　　　　　　　
│　,i, 〃-､ｲi／　　　 /:::}､::i ∨':::/::::i::::i::::|　 ／'　 i:l三辷三三三三三　　　　　　....│
│∥トr=ﾐ/{ |　　　　/ {::ﾘ　ﾞ　{::i:::i:::::i::::::i:::}／／　　i:l三Ξ三三三三三　　　　　　...│
│{/〃´ {i　iヽ　 　 /　ヾ'　 　 ヾ::ヽ::;::::::i::/／　　　 ヾﾞ､三三三三三三　　　　　　　│
│{〃′ {ﾄ　ヾ＼　∧ﾞ､　　 　 　 ＼::::::::／'　　　　　　ヾﾞ､三三三三三三　　　　　...│
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通信越しの、どこか他人事のような冷めた口調が神経に爪を立ててくる。
これからこの世を滅ぼすと言っているようなものなのに、
こんなにも淡々と言えるものなのか。

こんな奴が幹部を張る組織が、地上の支配者だったというのか。
彼らは、事ここに至って、世界の行く末を決める権利は自分たちだけにあると
思って憚らないのだ。

「これは企業連の決定だ。私自身にも覆せないよ。
……まぁ、君たちが地上の支配者になるよりはいいと思うがね？

それに、君たちに全てを取り上げられてから奪いなおすよりかは、
一度全てを無に帰してしまって、復興させた方が手堅い。

では、さらばだ。くだらん夢を見た亡霊たちよ。
止めたければ止めてみるといい。アルトリア・ペンドラゴンも
ストレイト・クーガーも失った君たちに、何かできるとも思えんがね」
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6044： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:46:33 ID:BDDzqD960

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　　ﾟ，　　 　 //:.:.: |:.:.:.:.:.:.: |〃んノ::::ﾘ　 　ﾏ:.:.:./:んﾉﾊ㍉/:.:.:. }/7　　　　　　　　……もうええ、話にならんわ。
.　　 ﾟ。　 　 {/{:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.: 《　に:::::刈　　　ﾟ，/: に:::: } / }:.:.:.:i/}:}
　　　 ﾟ。　　 i/i:.:.:.:.ﾟ，:.:.:. : { 　 込zzｼ　　　 :i/　 込Zﾉ　:/:.:.:/:.:. i　　　　　　　　 やる夫君、アレを止めるで。
　　　　 ＼　}/,|:.:.:.:.:.ﾟ，:.:.:.:.:i　　　　　　　　 / ヽ　 　 　 /:.／:.:. : |
　　　　　　/,//: :|:.:. : ﾟ。:.:.:.:ﾟ。　 　 　 　 　 　 　 　 　 /,イ:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　　どの道、それしかあらへんねん。
　　　　　 ///:.:.:.:!:.:.:.:.:.:ﾟ。:.:.:.ﾍ　　　　　（　　 ﾉ　　　 /∧|:.:.:.:.:.:.:.|
.　　　　 ///:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.: ＼＿_＼　　　 　 　 　 　 　 人 :!:.:.:.:.:.:. |　　　　　　　　　私も一緒やさかい。ほな、気張り！
　　　　 {.//|:.:.: : |∨:.:.:.:.:. : |:　ヘ　　　　　　　　　...:.:.:.:./ |:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　 i// !:.:.:.:.:|: ∨:.:.:.:.:. |--　　＞　　 __　..:.:.:,:.:.: : /- !:.:.:.:.:.:./
　　　　/ {{　＼:.:.|-‐∨:.:.:.:.:|//Z7ｧｧｧｧｧ---}}_:./:.:.:／=‐:|:.:.:.:.:./
　　　　　　　{‐:ヽ!---∨:. : |／＿__二ﾆ=‐‐イ ヽ￣ 　 ‐=!:.:.:.:/
　　　　　　　i　　＼ﾆ=‐＼: !＿＿＿|　　　 |　　 ヽ {ﾆ=‐ |:.: /
　　　　　　　|　　　　　　　 ＼　　　 :|　　　 |　　 //i　 　.:|:./}





!　　　　　, ‐'´ヽ､.__..＞---┴---‐┴-＜..._｀ヽ.　 i.　 　 　 /
　ヽ　　　,.ﾍ　　_,.‐'　　　　　　　　　　　,,.-'"｀　｀､ヽ, ヽ_!＿＿./ ＿
.　　`‐､ :　　｀,ｲ　　　　　　　､＿_,,.-='､':'　　:　　{__│|　　　||
　　　　 :` ｰ-{ { へ＿__, 　　　"　ﾞ.ﾞ､;;;;::',ﾉ　　: 　{　│|　　　||　　　　　　　　分かった、援護してくれお。
　 　 　 :　　　 `r　i ﾞ:;;;;;,:〉　　　　　　　　 　　:　 .!_　|│　　 ||
　　　　 :　　 　 .|　}ﾞｰ-''"　　　　　　　ヽ　　 :　　｢´│|　　　||　　　　　　　　遠くで嗤うだけの爺連中に思い知らせてやる。
.　　　　 :　　　 ││ 　 　　人　　　　 ノ　　:　 　{.._│|　　　||
　　　　　:　　 　 |　}　　,_,,ノ　 `─-‐' ヽ　 :.　 ´.{ 　 | |　　　||　　　　　　　　
　　　　　 : 　 　 .|.　 l　　｀､　 _y──‐ l　 　: _,L.__ | |　　　||＿
　　　　 　 :　　　 | 　 i　　　ｉ_/　 / ＿ ' __;.r‐´ z-‐''"´　 　 .| r‐
　　　　　　,: ‐''"~´￣￣￣~｀`ヽ._.∠ﾆ-‐''"´　　　　　　　　| ゝ:'
.　　　　　 |　　 r-──┐　　　 :|:::　　　　　　　 　 　 　 -‐7￣
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　.:/　　　　,.:':_:／.: : : : : :,{_　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 _}, : : : : : : : :＼i!::..　 　　',:.
.::/　　　　 ヽ; :i: : : : : : : ;': ,}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{, :i : : : : : : : ／!::..　 　 　 ',:.
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　|!　　　　　　i!:..　 　 ／i: : : :.ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞': : : : :i＼　　　　.i!::..　　　　　　,i}　　　　　　こっからは何一つ、
　|!　 　 　 　 i!::..　　　＼', : : : : : .` ＜　　　　　　　　　　　　　＞. :´: : : : : : :/／　　 　 .i!::..　　　　　　,j}
　|!.　　 　 　 i!:..　　　　　 ', : : : : : : : : : :｀: .＜　　　　　＞. :´: : : : : : : : : : : /i　　　　　 .i!::..　　　　　　,j}　　　　　　　思い通りにはならないって。
　|i　　　　　 i!::..　　 　 　 ∧ : : : : : : : : : : : : : : :｀¨¨´ : : : : : : : : : : : : : : : / .!　　 　 　 i!::..　　　　　　,j}
　|i　　 　 　 i!::..　　　　　,'　.', : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/　 i　　　 　 .i!::..　　　　　　,j}
　|i,　　　 　 i!:..　　　 　 ,'　　 ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :,ｨ'ﾟ 　 .! 　 　 　 i!::..　　　　 　 ,j}　./
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::/il∧!,　　 i!::..　　 ,'　　　　　j}　i! :::::::|　　 　 　.｀¨¨´　 　 ./::::::::::::i!　i　　 　 |　　 　 .i!::..　　　　,j} /
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はやてに言われ、それ以上耳を傾けるのはやめた。
この男の理屈は、それらしいことを言っておいて、結局は保身が大事なだけだ。
言い返す時間も勿体ない。

建物群を倒壊させる音を轟かせながら、行進を続けるプロトタイプネクストを
遠視モードにして見据える。

やはり、あれはネクストなのだ。
背面や側面に点在する装甲の継ぎ目に、ブースターが幾つも配列されている。

観察していると、背部装甲がせり上がっていくのが見えた。
何度も見たことのある光景だ。あれは、オーバードブースターだ。

この場所での破壊も早々に見切りをつけ、次の場所に向かうつもりなのだ。

「まずい、OBで飛ぼうとしてるお！　撃ちまくるんだお！
こっちに目標を移させないと！！」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

6045： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:46:45 ID:BDDzqD960

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　 　 　 　　.　 　　　　　　|⌒ﾞ|:l人_,ノ|　　　　|'⌒' ||　　/二二/￣￣ヽ　 ￣＼!ﾄ,;....,ｨ才.:;:/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::
.　;:;:;:;:;:;:;:;:;:..;:;:;:;:;:;:;:､〉　 . |ゝｲﾘ＿￣ ＼_____人__人|＿|二二/二二二ﾑ　　　／,ィ才;:;:;:./.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
.　;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/　　　￣￣￣￣￣`ー‐`'弌二二:|Y⌒'| |　　/　 ./7ｰ／ /／ゞ　 /..　./＿＿／
.　;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:￣＼＿／,.｡ -‐……‐-ミｰ=＜＾＼__,|人,,人|＿_|＿/''´　 ／￣￣|／. ／;:;:;:;:;:;:`
.　ゞ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;,..;:"|.´..;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ﾍ,;／｀'＜二((_))／〉/￣〉￣((__)).;:;:;:.|　 　／　|!.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::
.　i|;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;/＾ィ=-!...,_　 　 　 ,/!;;;;;;;;;;;;;::::::`ヽ／:::::{.:|＼〈二∧/　 　 |　／. lイ!”　 　 　　　　　　,/;:
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咄嗟に放ったレーザーがプロトタイプネクストへと飛翔するが、
巨体をすっぽりと覆う粒子の壁によって阻まれた。

帯電し、大気を歪ませている規格外のコジマの防壁。
プライマルアーマーだ。だが、ネクストのそれとはわけが違う。
どれだけ高出力でも、大口径のレーザー兵器を霧散させるなど。
リンドヴルムですら直撃は避けていたというのに、こいつは動く気配もなかった。

眉がひくつくのが分かる。ただ攻撃するだけでは駄目だ。
幸いにも、オーバードブースターの展開を止め、大量のブースターから爆炎を
炸裂させて旋回するのが見えたが。

これでは足止めしかできない。
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6046： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:46:58 ID:BDDzqD960

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　　　.l　　　i,__i/"''' ──--l　,l'　　　　　　　　　　　　　　　　　 'l,　/ ''' " ´￣　　ヾ__,i　　　 .i
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￣　　　　　　　　｀' 　　｀ " 　'　 ───────────　 '' 　"　´ ´　　'´　　　　　　　　　 ￣

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その苛立ちを汲み取るかのように、ディスプレイに見慣れないウィンドウが躍り出た。
慌てて目を通すが、その文面に目を疑う。

「メインOS管理者より指定された特定機体との交戦を検知しました。
機体情報のロックを解除。敵機体情報をスキャンデータに反映いたします」

なんだというのだ。マーシフルになぜ、こんなプログラムが仕組まれている。
プロトタイプネクストとの交戦を検知すると、それの機体情報を取得する？
一体誰が、こんなものを。メインOS管理者？　誰のことだ？
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6047： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:47:08 ID:BDDzqD960

　 　　|ｉ!　　　　{　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　　}　ﾊ:,　＼
　　　ﾉi!　 　　　'.　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Y　∨┌　　　┐
　 　/ i!　　　　　}　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿__ノ__/　　　╋ 　}
　　/　i!　 　　　ﾉ　　　＿＿　 　　　　　　　／￣(二)／￣ /＿_└　　　┘＿＿＿＿＿　Primal armor booster
　　{　 {　　　／(￣)￣　 　　｀ヽ､　 ,ｨf　／/／￣ゝ‐'￣￣/::::::/＿__＼ {.　 　 　　　　　∟＿＿＿＿＿＿＿＿＿　ﾋﾟｯ
　　{　ﾉ＿／´￣(ﾆ)￣｀`丶､r‐＾Y V｡ﾚｲ_ノ　　　　　　,.｡o个s｡/(⌒)__{＾＼
　　∨_／＼＿＿　 　 　　　　┌./｀Y ┐.　 　 　／￣|__|__|＼〈 ￣/￣＼　|
　　| /⌒V /:::::::/￣＼　　　∧___{.╋.}､xく＿＿∧ﾆﾆﾆ}_}_八ﾉﾉ,|　/＿＿ﾊ .|
　　/(￣)∧:::::::/:::::::::/|`ー 〈. └ ゝ' . ┘＿＿＿＿＿　Cockpit block　 〉ﾉ
　 /::｀¨７⌒ヽ/ﾆニ7:::j‐‐V∧￣∨::::∧　∨___∨＾V...∟＿＿＿＿＿＿ V
　〈:::::／ゝ-ｧ'´＿￣ヽﾍ　 ∨ﾍ___∧/￣＼＿,/∧　〈　 　　＼　 N　　　　　　ﾋﾟﾋﾟｯ…
　 ｀´　　／￣￣∧　|　〉／／::::|￣|￣￣|＼_)＼〉_∧＿／＾Y＼〉
　 　　／x=ミ ／　〈　}/く／Y＾Y{::::::}Y⌒ヽ　 ＼　＼　V{:{(())ﾍ,ハ
　　　(／/┌　　　┐ ／　　l　 l｀¨¨´|l　 　|　 　∨　 ＼(())∧(())′
　　　/_/())＾ヽ╋.　／　 　　l　 |　　　|l　 　|　　　∨　　(())/‐}(())
　 　/())....└ ()).　┘＿＿＿＿＿._.Kojima canon unit. ヽ｀(())
　　(())´`ー‐‐/　／7ﾆﾆﾆi─{|.　.∟＿＿＿＿＿＿＿＿._〉 Y
　　　　　　　　|／／ 　 　 |￣∨∧　　∨　　　　　　　　/⌒ヽ|
　　　　　　　　ヽ/　　　　＿￣ ∨ﾆﾆﾆﾊ　,.　-──‐- /(￣):}|
　　　　　　　　　',　／￣　　|￣Y´￣￣ﾊ'　 　 　 　 |　 Y￣ヽ/

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なんとも怪しげなプログラムではあるが、この状況においては、頼る他ない。

何せこのプログラムは、敵機の急所を炙りだしてくれている。
黒煙の中に佇むプロトタイプネクストの巨体の上を文字が奔るが、
その中にPAブースターとコックピットの文字を見つける。
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6048： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:47:19 ID:BDDzqD960


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　　　　弋::( 〉=ﾆ二三ミ二ﾆ=- ≧=‐ s｡ _　∨　 i{　/〉/寸(二,. ィf{　 　 　{＿＿i i 　 ＼ ,ﾑ
　 　　　　　⌒'ｰ-＜　 　 ~"''*+s｡二ニニ=-≧=‐ s'｡/ て斗/r-i-h,　　　ﾊ　 　 jﾉ 　 　 ＼ﾑ
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　 　　　　　　′｛しｲ/　 　 　 　 　 　 　　　　　人~"''*+s｡三二ニ=- ≧=‐ s｡。 _
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　 　　　　　　　　　　　　　　　　__　　__ ノ ｲ　 ｲ＞ｲ　i'ｰ'i ト､ 　 i!　　　　　　　　　　　　　　　~"''*+s｡｡二/////≧s｡　　〕iト
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　 　　　　　　　　　／寸Ii／x-ゝ ’　 　 　 　! ｀ﾞ'ｰ/
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　 　　　　　　　　　寸⌒ シ
　 　　　　　　　　　　￣
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「はやてさん、聞いてくれお！　奴の肩部にPA増幅装置がある！
そいつをブレードで叩いて、それからコックピットを潰す！
データを共有するお！　一緒に動いてくれ！！」

「なんや、用意がええな！　任しとき！」

ミセリコルデへ敵機体情報を送り、ブレードを展開する。
コジマキャノンに少しでも補足されるのをずらすべく、地を這うようにOBを吹かした。

ここから接近するまでが勝負だ。
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6049： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:48:36 ID:BDDzqD960

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,.:'´,.:'´,.:'´／〉-イ-‐/／,/´　ｒ＜／　ノ´　7__アﾟ--=彡　　 /￣::/｀>'´,.:'´,.:'´　/　 ,､／(_ノ( ／-二三三 - -￣- - -
-＜⌒X'"__/／,,;／／(/_､-'7__厶イ⌒ノ'＾>'"／´ ／⌒＞'.:.:.:.:/／⌒￣, , ,ｨ/(_／＿　-Ξ三三三二 - - -　　ｒっ
　ノ'´⌒ﾆ=‐ｚ'`＾⌒>'´　　,.:'´,.:'´_､-宀⌒￢⌒＞''"´_　-__彡'´　_ -二三三三三三三三三三二─　-　- _ _

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プロトタイプネクストが動き出す。
さっきまでの緩慢な動きが嘘のようだった。

敵機はクイックブーストで距離を稼ぎつつ、コジマキャノンを乱射してきた。
近寄らせまいと火器をばら撒き、そのまま遠距離戦で終わらせようとしている。
要は引き撃ちだ。自分達など引き潰せそうな図体の癖に、堅実な戦法をとるものだ。

砲口に収束したコジマの光が熱量の嵐となり、辺り一帯を呑み込む。
威力の絶大さもそうだが、轟音と閃光が厄介だ。
掠れば瞬時に蒸発しかねない凶器が、目と耳を半ば奪われた状態で降り注ぐ。
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6050： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:48:47 ID:BDDzqD960

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爆風に煽られながらも、サイドブースターで何とか姿勢を保つ。

打ち付けられる瓦礫や石礫をプライマルアーマーで受けながら、
速度だけは落とすまいと、揺れる視界の中でひたすらに前だけを見据える。

衝撃で意識が持っていかれそうになるのを、奥歯が割れんばかりに
食いしばることで堪えた。

ここまで来て、こんなところで死ぬわけにはいかない。
自分は託されたのだ。大勢の人々に。桜花の面々に。
なのはたちに。

ここで自分が、彼女らの想いを無駄にすることはできない。
自分が死ぬことは、それも同時に潰えることを意味するのだ。
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6051： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:49:01 ID:BDDzqD960

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　 　　　　　　　　　　　　　　　　' ,ヽ　 　　　　　　　　|　 　　　　　/ｌ　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　' ,＼　　　　　　　ム　 　　　／　ｌ　 　　　　　　　　　イ　　　　／　,
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　 　　　　　　　　　　　　　　＼三=-_　ﾆ＝=_／　　_="　　（　　　　　ﾏﾑ-イｰ"ﾑ／ﾆ/　　／/ 　 ,ｲ　　　　　,
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼三三三=ﾆ（　　　三ﾑ　 ,　　　　　　_三 ｀ヽ三ﾆﾆ./　／ﾆ/　／/　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　>ﾆ=~（　ﾏﾑ　　　~=＝　 　　　　　（三==ｲ三三ﾑ／　_三=-"
ヽ　 　　　　　　　　　　　　　　　　_ﾆ/　 　 　ﾏﾆ=イ　　　、　 　　　　　/ﾆ＝=ﾆ三=ﾏﾑ_-ﾆ-"
　　　　　　　ヽ　 　　　　　　　　　｝ﾆ　',　i　　゛ｰﾆﾑ　、　　{　　、　　ノノ　 　　　',　ヽﾏﾆ
　　　　　　　　　　　　　　ヽ＼　　ヽﾆ=-人　 /" ＼＼　 　ﾑ　／ｌ　　　　ヽ　 　　　　ﾉﾆﾑ　 　　　　＿- =＝ﾌ
　 　　　　　　　　　　　　　　　~=-三三/ヽ三{　 　　゛ー　　>ﾆ／　　ﾑ　 　）　　　　'　ﾆ ﾆー=＝ﾆ＝ニ ￣　　　　　　_、
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　 　　　　　　　　　　　ﾏﾑ 〉 ﾏiﾄ,. {ﾆ、゛ｰイﾉヽ....i　　frｘ　7　l..　　　　＼　 ,、　 　／ハ三=＝￣￣　 　　　　　　　￣
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＝ ﾆ 二 ￣!　　　　　　　　　　X　寸f　ゝ,....=l　iY气i!v f‐〈 ヽ　 　　　　　`ｰ─ ＝ ﾆ ￣　　　　　＼
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　 　 　 　　ゝミ zｮ　　　　　人､__」､　〉<ゝ ヽｰヾ ｀iII」'i!　 l　 l　 /､　ﾉ }
　 　 　　　　〈ﾄ､'＜,.｡s=‐<´　`ｰ-=ゝ::Y/7ﾑヽ　ヽ :同.i!ﾑ .l　l,//寸＼ﾉ.
.ｘ-‐=ニ=ｘ,＿f〈ヽ´　 　 　)　　　　＞=イ >ﾑ ヽ　Ｙ'Vl l　ﾑi! 」‐' ＼寸＼fs｡,
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:::::::: : ＞s1´`´ 7iI}　 　　　　　Y ｲ,7´乂ｲ )､〈f‐ｫﾏl l i!　`＜｡s-(,. f,　),　 ＼　! !　＼
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　 　 　　／　 　 　 　 　 　 　　　　　　　　　　ｰ'　 　　　　　` ｰ=' ´　　　　　　　　＼ `'x＼ 　 　 .＼
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決死の突撃の末、段々と彼我の距離が狭まっていく。
幾ら高性能といえど、あそこまでの重量機を逃すマーシフルとミセリコルデではない。

肉迫し、急上昇して左右に散開する。
狙うは肩部装甲、そこから露出している増幅器だ。

レーザーブレードを展開し、熱線の刃を形成させる。
それを胴体に添わせるように構え、OBで突貫した。
己自身を槍として、プライマルアーマーを引き裂き、聳え立つ壁の如き装甲へと
突き刺さる。

瞬間、空間を歪めていたプライマルアーマーが揺らいだ。
粒子の膜が乱れ、振れているのが分かる。

いける。自分達の牙は通る。
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6052： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:49:27 ID:BDDzqD960

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│　　　 ',ヽ , -､ 彡' ,ｲ　／　　　　　 {川)!　　　　　 .│
│　　 ヾヽV ハﾐ㍉ィ7ｲ､､,,__　 }!　 __}ｲ　　　　　 　 .│　　　　　……理解できんね。何度でも言うが、本当は分かっているはずだよ？
│　　　 ﾍ ﾊ〈 {.ﾐ'"｀`l{ミ===ﾃ'}l,,ｧ'::::/',　　　　　　　..│
│　　　　 }ｿﾍ-　 ヽ　ゝ……',ィ::::アl::::'，　　　　　.....│　　　　　君たちがやっていることは、世の中に何のいい影響も……
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│◯=∨/心､　 ＼,ｲ:::::::::／::::`''――‐ｧ::::ヽ　　　　 │
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6053： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:49:38 ID:BDDzqD960

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　 　 　 ﾟ，,ｨ///　i:.: !:.: !:.: : |　ゞ‐= ´　　　　ﾏ:.:.:. |Ⅵここ(ｼ / /／|:∧　 　 　 　.′　　　結局、あんたらは自分らが甘い汁吸えなくなるんが怖いだけやろ！
　　　 　 ////　　|:.:.从 {:.:.: |　　　　　　 　 　 ＼ :! ゞ‐=≦ /:./:.: | |//ﾍ　　 　 /
　　 　 /,///　　 :|:.:.:{　 ﾏ:.:.|　　　　　 　 　 '　　 ＼　　　 /／:.: ｜! }//',　　／　　　　　　せやったんとちゃうなら、VOB開発を潰そうなんて思わんわ！
､　　 /,/// ヽ　　|:.:.:.ﾟ， ∧:{　 　 　 　 r==== ､　　　 　／ ∧:.:.: {/ :i///}／　　　　　
,＼ :/,///　　 ＼ !:.:.:.:ﾆ=‐ﾟ，　　　　　 {　　　　}:　　 　 　 ∧:.:.:.:/　 :!,'//i　　 　　　　　　　 なんでもええからさっさとアサルトセル掃除して、
///////　　　　　ﾟ，:.:.:.:.:.:.:.ヽ　 　　　 　 ―　　　　　 　 ∧:.: : /＞ :|///|　　　　　　
////}/{　　　　 　 _∨:.:.:.:.:.:.:.:. ヘ　　　　　　　　　　　 イ:.:.:.:.: /　 　 !///!　　　　　　　　　　コジマの代替技術を探す努力をしてるべきだったんとちゃうんか！？
//////＼　 　 /＼　＼:.:.:.:.:.:/__　＞　　　　　　　7:.:.:/:.:.:.:.::./　　　 |///|　
＜Z/////＼　{　‐=　=‐＼:.///77zzz　二＿＿_/:.:./:.:.:.:.:.:/＼　 　 !/,∨
////≧ｭ､///,i　　　　¨¨ }77/≧ｭ､//{ |　|///Z/} /:.:.:.:∠__／ },ｨｆ厂//
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　　l:　　 　 　 //:.:.i:.:.:.:.:.: : |:.:,x斧笊ﾊﾐ ＼:.:.:.:.:. /,ｨぅ气′}:.: : ﾄl/
　　ﾟ，　　 　 //:.:.: |:.:.:.:.:.:.: |〃んノ::::ﾘ　 　ﾏ:.:.:./:んﾉﾊ㍉/:.:.:. }/7　　　　　　　確かに企業連のやり方は合理的や。けどな……
.　　 ﾟ。　 　 {/{:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.: 《　に:::::刈　　　ﾟ，/: に:::: } / }:.:.:.:i/}:}
　　　 ﾟ。　　 i/i:.:.:.:.ﾟ，:.:.:. : { 　 込zzｼ　　　 :i/　 込Zﾉ　:/:.:.:/:.:. i　　　　　　　 それで企業上層部の役得を守る為に、あと何億人殺せば気が済むねん！？
　　　　 ＼　}/,|:.:.:.:.:.ﾟ，:.:.:.:.:i　　　　　　　　 / ヽ　 　 　 /:.／:.:. : |
　　　　　　/,//: :|:.:. : ﾟ。:.:.:.:ﾟ。　 　 　 　 　 　 　 　 　 /,イ:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　あんたらが満足する前に、汚染でみんなくたばるわ！　自滅やん！
　　　　　 ///:.:.:.:!:.:.:.:.:.:ﾟ。:.:.:.ﾍ　　　　　（　　 ﾉ　　　 /∧|:.:.:.:.:.:.:.|
.　　　　 ///:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.: ＼＿_＼　　　 　 　 　 　 　 人 :!:.:.:.:.:.:. |　　　　　　　　 阿呆な利権争いでアサルトセルも残る、宇宙にも逃げられへん！
　　　　 {.//|:.:.: : |∨:.:.:.:.:. : |:　ヘ　　　　　　　　　...:.:.:.:./ |:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　 i// !:.:.:.:.:|: ∨:.:.:.:.:. |--　　＞　　 __　..:.:.:,:.:.: : /- !:.:.:.:.:.:./　　　　　　　　　あんたの言い分はな！　自分達だけたらふく贅沢してから、
　　　　/ {{　＼:.:.|-‐∨:.:.:.:.:|//Z7ｧｧｧｧｧ---}}_:./:.:.:／=‐:|:.:.:.:.:./
　　　　　　　{‐:ヽ!---∨:. : |／＿__二ﾆ=‐‐イ ヽ￣ 　 ‐=!:.:.:.:/　　　　　　　　　　　アカンなったら皆で仲良く心中しよう言うとるんと同じや！！
　　　　　　　i　　＼ﾆ=‐＼: !＿＿＿|　　　 |　　 ヽ {ﾆ=‐ |:.: /
　　　　　　　|　　　　　　　 ＼　　　 :|　　　 |　　 //i　 　.:|:./}

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戦闘を続けながらも、オープン回線で茶々を入れてきたモリアーティに、
はやてが片手間に怒号を飛ばす。

それは加害者としてでも、被害者としての言葉でもない。
ただ、全てを知り、見てきた者の、曇りなき言葉だった。

利権の為だけに、慣れ親しんだアマツの地を消し飛ばされたはやてだからこそ、
言える言葉だった。
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6054： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:50:00 ID:BDDzqD960

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　　　　　　　　　　 　 i　 l: : :_;.=＝､､:_:_:_:_:,:＝='-､: : : /　!　　　　　　　　　ここから先、アンタたちの為に流される血なんか、あっちゃいけないんだお。
　　　　 　 　 　 　 　 l 　 l: [i　　 ＼_.､,　､__／　ヽl}: : l 　 !
　　　 　 　 　 　 　 　 ト､ l; i}´　（●）　　 （●）　{j: :/ ／!　　　　　　　　　　確定した緩やかな破滅なんか、まっぴらごめんだ。
　　 　 　 　 　 　 _, - i'´lヽl: [ｌ、 　 （__人__）　　/j: //＿｣_＿＿__
　　 　 　 　 ,. :':´: : ￣ﾌｰｽﾍ:ヽ>､ 　 ｀⌒´　 ,ｨノ:.//´＼: : : : : : : ¨ヽ　　　　やる夫は……少しでも可能性があるなら、それを信じたい。
　　　　　　/-――-イ＿/: :i＼:ヽﾍ_,.ゝｰく∠／:./:.ﾍ.＿_｣-‐ '´￣¨ヽ:l、
　　　 　 ／ 　　　/个 　 ￣l 　＼: : : :＿_: : : ／ lー┘ 个＼ 　 　 　 ＼､
　 　 　 厶=x､.　 i　 |　 　　弋　　ヽ======イ　 /　　　｜　 i　 　 z=＝ ﾇ
　　　 ／　 　 ヾx|　 l　 　 　　丶、 |: : :|} 　 /_ノ　 　 　 l 　 /　／´　 　 　＼
　 .／＝=z､　　　l　 |　　　　　　三t!:_:_ｌ三ﾁ´　 　　　　l　 /! /　 　,r '二二¨」、

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リンクスとして経済戦争に加担してきた以上、潔白は語れない。
けれど、それでも。だからこそ、止める義務が自分達にはある。

企業連の作る世界がどれだけ合理的でも、待ち受けるのは緩やかな破滅だ。
彼らは決して止まらない。星が汚染に覆われ尽くすその日まで。
それは一部の人間に揺るぎない豊かな暮らしを与えるだろうが、
その代償は、あまりにも大きい。

彼らに地上の命運は任せてはいけない。

人々を管理し、選別しては飢えさせ、追放し、テロリストと呼ぶ彼らを。
広がる汚染を無視して、自分たちの保身に執念を燃やす彼らを。
人の命どころか、星の運命さえも、自らの欲望の火を燃え上がらせる薪としてしか
見ていない。そんな彼等には任せられない。
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6055： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:50:10 ID:BDDzqD960

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守りを失ったプロトタイプネクストが、断続的なQBでなおも後退しつつ、
異形のマニピュレーターを振り回した。

射線上のあらゆる物質を灰にする熱量が、滅茶苦茶に薙ぎ払い、
周囲を光の渦の中へと消失させていく。
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6056： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:50:22 ID:BDDzqD960

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その砲撃の隙間を縫うように、連続QBで掻い潜っていく。
少しでも機体の操縦が意識に追いつかなかったり、回避の方向や
タイミングを見誤れば、PAなど意味をなさずに撃墜される。

それでも、僅かな一瞬の隙を無理やりこじ開け、反撃を捻じ込んでいく。
僅かに熱線の奔流に掠り、装甲が弾け飛んでダメージアラートが鳴り響いても。
機体限界を告げるウィンドウが視界に躍り出てきても。

二度、三度とマーシフルとミセリコルデのレーザーが深紅の装甲に突き刺さり、
やがてはコックピット前面の追加装甲板に風穴を穿った。
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6057： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:50:34 ID:BDDzqD960

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互いに呼び掛けることすらせず、照準を合わせる。
剥き出しになったコックピットブロックを捉え、ロックオンした。

眼を見開き、咆哮する。
火達磨になりつつある機体には一切意識もくれずに。

これで終わらせる。
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6058： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:50:45 ID:BDDzqD960

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青白い二条の閃光が、巨躯を穿ち、そのまま貫く。

瞬間、周囲の時間が止まったように思えた。
意識が時間を置き去りにした、ように錯覚した。
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6059： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:50:55 ID:BDDzqD960

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li!|l:;i,ilill''''"""'illii'' 　 　 　 　 　 ''iilli;　"ﾞ''''''iliiliillli''''ﾞ"ﾆ∨∧__乂{{ {￣{＼ ∨／ﾍｰ'.. ）三:,ｨ' ' “,,,　-―-. .:.、:.illii'' ‘.'　 　,.'　 　''ill'
);:.）illii'' ‘.'　iilll;,　 　　　..・　 　　,;iilli;.)ｰ〉‐/‐‐ ＼＿／|/ミs｡　i{∧~∨∧{/二/ . ⌒ヾrf' . :.'"　.: :　，　　　illii''　　.'　 　　　　''iilli;
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ほとんど同時に放たれた熱線の矢を受けたコックピットブロックが赤熱したかと
思うと、膨れ上がり、炸裂した。

噴き出した黒煙と炎は瞬く間にプロトタイプネクストの巨躯を呑み込んでいき、
巨大な火柱と姿を変えていく。

「位置からして、動力系に誘爆したわけとちゃう……
こいつ、勝てんと踏んで機体を自爆させたんや！　離れるで！」

眼前まで迫る炎の嵐を前に、空中で立ち尽くす。
姿勢制御が負荷限界を迎えてしまったらしい。

そこへ颯爽と爆炎の中から現れたミセリコルデが、
獲物を掻っ攫う猛禽さながらにマーシフルを抱えると、そのままOBで駆け抜けた。
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6060： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:51:06 ID:BDDzqD960

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　　　　　 :.:| |:八:.:.7 ）ﾊ|:|:.:.:.:.|:.:|:.:.:|:.: |:.:.:.:.:|Λ :.:.:.:.:.:.:.:|:.ト|　　　　　　　　ほな、IGIOのお偉いさん方に伝えときや！
　　 　 　 |:.| |:.:./＼ ヒｿ|从:.:.:|:人:.:|:.: |:.:.:.:.:|/Λ:.:.:.:.:.:.:.|:.|｜
　　 　 　 |:.| |:.:.|/Ｗ '''',　　＼辷ｰ‐ｚ:八:.:|:.|∨Λ :.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　　もうなんもかんもご破算ですっちうてな！
　　 　 　 |:.| |:.:.|/从　　　　 　 　 ,,,|//:.:.:.|:.|ﾉ//Λ:.:.:.: |:.|￤
.　　 　 　 人|:.:.|:.:.|沁、ﾏ　ｰｯ 　 ＿/ :.: 人｢￣￣ﾉ:.:.:. |人|　　　　　　　　 大人しう調印式の準備でもしとき！！
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　 　 　 　 　 　 ＼!V:ﾍ:::∨ﾍゞｰ' ､　　__　　　 ノ! ﾘｲﾝ' 　リ　　　　　　　　みんな待っとるさかい、顔見せにいくで――！
　　　　　　　　　 　 ∨ﾍ:::::::::::ヽ 　 く 　ﾉ　 r＝//＝=ｭ__
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退避する自分たちを呑み込もうと、炎が波となって追いすがってくる。
それをものともせず、ミセリコルデは最高速度を維持したまま高度を上げた。

はやての捨て台詞はきっと、あのIGIOの男を通して、
企業連上層部にも伝わっているだろう。
だが、もう回線の向こう側からは、沈黙しか帰ってこなかった。

ミセリコルデの腕の中で、憑き物が落ちたような声で自分の名を呼ぶ、
はやての言葉に耳を傾ける。

「……うん、帰らないと」

終わりだ。
これで、本当に終わったんだ。

帰ろう、みんなのところへ。
自分達を待ってくれている人たちがいるところへ。

なのはさんたちが、待っている。
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6061： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:51:16 ID:BDDzqD960

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6062： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:51:27 ID:BDDzqD960


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6063： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:52:01 ID:BDDzqD960

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　　　　　　　　 ／　　-　､　　`　､　＼　＼=ヽ-､
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　　　　　　　　 ｌ　 / ヽ　 ﾄ､ヽ､＼　`ｰ-､＼　`, }ﾐ|三ヽ
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　　　　　　　ｌﾍ| ,'ｌ |ﾍ '_二 ､＼ヽ"､ソ,､.､ ￣￣￣´､ﾐ〈
.　　 /´　　./ﾊ　{　ｌi'冫､ｿ　}　ヽ）｀¨}:）ヾ＼ヽ　 ﾄ`､二＝=-'　　　　　　　　　　　……夜が、明けたか。
　　（_　__／´　ｌ ト､`､ ｌ｀¨　`｀ ﾉ　 /:::ゝ┌┘､',. ',`､:{ﾐ＝=､-､
　　　　　　　　 { ﾚ´､ ｨ＝'　　,　─{::､⌒!}:::',:::ヽ! |　',､ヾ､_ゝ＼＼　　　　　　　　　炎とは、違う光が見える……
　　　　　　　　//!　{.｀ト!`､　　　ヾ;::｀.ゞ,┘:::',:::}　ｌ　 i　､＼_ー-'´
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6064： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:52:12 ID:BDDzqD960

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　　　　　　　　　　　》＼|. .:　 .|i , .ﾉl　 .j　　 j　; ∧ヽ,_|_.ﾉ -=せ ; |ﾉ　　　　　i .:{
　　　　　　　　　　　 〉ﾅf　.　 .|;|: /;| ..;ｲ　,　ji　/ ゞ√干彡≡乍》/　　　　　,.|.ﾉ　　　　　　　　　　……静かだ……少し、冷えてきた……。
　　　　　　　　　　 ／;j ,|　.　 |;;| j;;;|　i;;　j .j ;ﾚ 　　 ヽ彳乂(o;;卞/j　　　　 ;　|、
　　　　　　　　 .／;.;.;.;.ゝ}　.　 |;| j;;;;| |{r}j ﾉ,,,;　　　　;;;;;ゝヽこノv　j　　　　 .;　|;.＼　　　　　　　　　寒い、な……フッ、炎に巻かれている筈なのにな……。
　　　　　　　／;.;.;.;.;.;.;.;.;.;} : .　i|;´};;;;;;ｿ;;;;;;;;;;i　　 　　　　　￣￣¨ｲ j:.　　　 .i　ﾄ.;.;.;.;＼
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6065： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:52:37 ID:BDDzqD960

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　 　　 /＾〉ﾆﾆニjI斗t≦´　　　　　　　　 　 　 　 ∨_/　j{ﾆﾆﾆ.＼/二二／／ﾆﾆﾆ{.　　∨二二ﾆﾆ|ﾆ|ﾆﾆﾆﾆニ二|/ニ込、ﾆﾆ∧ﾆﾆﾆﾆﾆ∧
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夜明けの光を背中に感じ、僅かに意識が戻る。
海面の浅いところで突っ伏すように倒れていた機体を、少しだけ起こした。

けれど、それが限界だった。
それ以上動かせない。

視界がどうしようもなく歪み、揺れている。
少しでも気を抜けば意識が断絶しそうだ。
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6066： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:52:48 ID:BDDzqD960

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_-=ニﾆ_＞　＜ニニ=-￣
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿-―ﾆ＞_＜ﾆ=-へ、ニ＞　＜ニニニ=-￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　＿-=ﾆ＞-=≦ニニﾆヽニ＼＿　イニニニニﾆ／_＼
　　　　　　　　　　　　＿ -=ﾆ＞　 7ニ＞ニニ｡ｓ≦.＞　´　　　　　≧=-. . ／ニﾆノ、
　　　 　 　 　 　 　 /ﾆ／´ __...｡ｓ≦ニニニﾆﾆ寸,／　　　　　⌒≧=-::::::::::::::::::≧ｓ｡..＼
　　　　　　　＿-=/／-=≦⌒_∥ニニニニニﾆ./　　　／.::::::― ---:::::::＿::::::::≧ｓ｡:::≧ｓ｡.
　　　　＿-=ニニニニニニニ∥__ニニニニﾆﾆ′ 　 ,.:::::::/.:::::::::::::::::／￣:::::::::::::≧=-::::::__/
　＿-=ニニニニニニニニニニ7′ﾆﾆ/｡ｓ≦i:　　　.′＿_:::::::::::::／.::::::::::::::::::::::::::::::==::::/ 、
-=ニニニニニニニニニニﾆﾆ∥＞:i:i:i＿i;′i:{　 　 {::::::::r≧=-￣―=--::::::＿:::::::::: : : :.′　、
　　　　　　　￣-=ニニニニ＞:i:i:i:i:i;／/´;′:i:i:.　 　 Ⅷ:::.V.:／.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::′ﾆﾆヽ
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　　　　　　　　　　　　　　′:i|{i:i:i:lｲi:/／⌒Ｖ´ __ゝ　　　＜:::::::::::::::::::::::::::≧=-::::::::::::::::__Vニﾆ ‘，
　　　　　　 　 　 　 　 　 !i:i:i∥i:i:i:i:i:i/|i|i!　 ,／　　_j{≧ｓ｡　二　＿＿　―――　 -=≦ }!＼ニ ‘，
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眼前には、同じようにして横たわるシュクヴァールの姿があった。

所々が激しく損傷しているものの、致命的な機関には一切傷は負っていない。
あれだけの乱戦だったにもかかわらず、だ。

まったく、味方ながら恐れ入る。
彼の戦いぶりも、ともすれば自分を超えるものですらあったのでは、
そう思わされるものがあった。
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6067： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:52:58 ID:BDDzqD960

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　 　 　 　 　| : : : : ﾊ: :.ﾙ' ､|: :|　 　__ , ＜　ﾉｲ
　 　 　 　　 |.: : : :｜|'´　　.≧ト｡. _／:.:/　 　 　 　 　 ,＞ ‐､　　　　　　　　　結局、三機じゃすまなかったですね……。
　　 　 　 　 ｌ : : : :,' .｢￣￣从|　　|/ |/　　 　 　 　 rｔ'<¨ア¨ﾐ-､
.　 　 　 　 / : : : /-√ニニl .|＞､rｰ､ 　 　 　 　 　 ＼У／⌒圦　　　　　　 私で五機、あなたで四機墜としましたっけ。
　 　 　 　/ : : : / 　 Vﾆﾆr┴'‐┐|　 l≧ｓ｡._　　　 　 ‘-(／アﾟ¨ハ
.　　 　 ,<＿彡'=＼＿〉ﾆ└ ┬i┘` ┘ニニﾆヽ　　 　 八 ‘‐´￣=l　　　　　　……その……ありがとうございました。
　　　 /ﾆニニ、二二ニニﾆﾆ〉ゝ､ニニﾆ∨ﾆﾆﾊ　　　 　 )､ニニﾆ|
.　　　|ﾆﾆニニヽニ,　-=ﾆ=- ∨ .∧.-=ﾆ=`＜ﾆﾊ. 　 　 〈 　`＜ Y　　　　　　　一緒に、ここまで戦ってくれて……
.　　　|=ﾆﾆニニl〃-=ﾆ二ﾆ=ｰ｀ヽ 〈-=ﾆﾆﾆ=-＼!　　　 /＞ .,_ ｀7
　　　 !ﾆニニ二l'-=ﾆ二二二ニ=-Ｖ〉-=ニニﾆ=.厶　　/ニニﾆ7¨
　　　 }ﾆニニニ|-／~"''〜､、 二=-V〉-=ﾆ＞''´　　W/二二ﾆ7
　　　 ∨ニニﾆ.l/ 　 　 　 　 ｀'＜=ｰ} }-／　　　　　}'二二ニ/
　　 　 l∨ニﾆﾆ{　　 　 　 　 　 　 ＼!j/　　 　 　 　 ニニニ/
　　 　 |:.ﾔ=ﾆﾆ人　　　　　　　　 　 .l:i:l. 　 　 　 　 /二二 /
.　　　｜ ﾔﾆ二二＼　　　　　　 　ノ:i/.,_　 　 _,. イ二ニ=/
. 　　　|: : ﾔニニニﾔ＞ --―=ﾆ´:l´　 　 厂二二ニﾆﾆ/
. 　 　 ! : : ﾔ=ニ二∧　　　　 　 l:i:l　　　〈 〈二二二ニ/
　　　 !: : : :ﾔﾆ二二∧ 　 　 　 .l:i:ｌ　　　/　‘，二二 ｲ
.　 　 l: : : : lﾔニニニ∧　　　　.l:i:l　　 / 〉 　 `ｰ＜
　　　ｌ: : : :.:|.ﾔ=ニニニﾔ　　　 l:i:l.　　　 ト .
　　　!: : : :.:l. ﾔ=ニニニﾔ　 　 l:i:l　　　 ∧　｀''＜
　　　ｌ: : : :.:|　∨二二二ﾔ　　 ｌ:i:l　　　 　 ＼　　 ＼
　　 八: : : :|　/∨=ﾆﾆ二| 　 //ヽ＼ 　 　 　 ',　　　 ＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
AMS接続を解除し、コックピット内の暗闇に視界を戻す。

それでも指一つ動かせない身体を見下ろし、溜息を吐いた。
やっぱり、基地の方までは帰れないか。

回線を開き、横たわるシュクヴァールの中にいるクーガーへと呼びかける。
彼に感謝を伝えなければ。それくらいの時間はあるはずだ。
傍にいる彼にだったら、声は届く。
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6068： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:53:09 ID:BDDzqD960

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　 　 　 !::::l　 　 　 '､_／-､ノr／　　　　　 ／　　／
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／:.:/:.:.:/:.:',:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:／.',:.:.',:.:.:.:.:.:.:|:.:|/. ィ=≠=ヶ､　 ,'///:.:,'/|:.:.:.:.:.:|　　.|:|
:.:.:/:.:.:./:.:.:∧:.:.:.ヽ:.:.:.:.{ ´./ヽ:ヽ:.:.:.:.:.:.ヽヽ. ｀ .ら:::/ 　./:.:./|:.／:|.|:.:.:.:.:.,'　　 ﾘ
:/:.:.:.:./:.:./:./ヽ、:.:.:.:.:.:.ヽヽ |ヽヽヽ:.:.:.:.:ヽ.　　 ｀ヾ　　 ',:.:.:.:}:.:.:.:.,' |:.:.:.:/　　　　　　　　　　　……本当に、ありがとう。
:.:.:.:.:/:.:./:./:.:.:.:.:',:.:.:.:.:.:./ヽ |:.:.:.ヽヽ＼:.:.:＼.　 　 　 　 ヽ:./|:.:.:./ ,':.:.:/
:.:.:.:/:.:./:/:.:.:.:.:.:/.',:.:.:./ 　.｀|:.:.:.:.|:|＼　｀ ‐‐ヽ.　　 　 　 ｀>/:.:/ ./:.:/　　　　　　　　　　　　　あなたは……やる夫君と私の、恩人です。
:.:.:/:.:/:.＿＿:./　 ヽ′　　 |:.:.:.:.:|ヽ. 　 　 　 　 　 　 , '/ /:./　,':./
:.:/:.:/:.|-----ニニ‐‐‐- ___|:.:.:.:.|ヽ＼ .　 　 　 .- ､‐'/　//　 //
/:.:/:.:.:|　　　　　　￣￣ ‐‐-｀ニ- __　　　　 　 ／ ./　 /.　　/
:./:.:.:.:.:|　　　　　　　　　 　 　 　｀ヽ./≠ _　　./
/:.:.:.:.:/　　　　　　　　 　 　 　 　 ///ヽ､　｀ ´
:.:.:.:.:.:L＿　　　　　　　　　　　　 ///　｀ヽ｀ヽ_
｀ ヽ＜　　　 ＿_　　 　 　 　 　 //　　　 　 >/
　　　｀ヽ　　　ヽ、｀ ‐ - 、　　 //､　　　　//
　　　　　｀ヽ　　 ｀ヽ　　 　 　 //┐ヽ　 .//

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あわよくば遺言でも聞いてもらおうかと思った。
けれど、回線の向こう側から聞こえてくるのは沈黙だけだった。

クーガーが、自分の呼びかけに応じないわけがない。
彼ならばどんな時でも、軽口で返してきていたのに。

視線を落とし、感謝を述べる。
素晴らしい戦士だった。本当に。ここで果てるには惜しいほどに。

今際の際だと言うのに、自分の傍まで来て、そこで果てたのだ。
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6069： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:53:22 ID:BDDzqD960

　　 　 　 　 　 　 　＿＿ 　 ヽヽ　　　 _
　　　　　　　　　￣――-- ｀ヽヽヽ ／:.',
　　　　　　　　　　_　 ￣￣￣:.ヽ／/:.:.:.:ｉ＿＿＿　　　　　　／:.＼
　　　　　　　　／ ---:.￣／:.:./:.:./:.:.:.:.:.}＿:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ､　／:.:.:.:.:.:.:ｉ
　　　　　　　 ／ ／　:.／:_ -/:.:./:.:.:.:.:.:.:ｉ＿_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.r{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
　　　　　　　　 /:.／／　 /:.:.／:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.{ヽ 、:.:.:.:.:.:.:.:.:ｉヽ､
　　　　　　　 .〃,イ　 　 /〃:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ヽ ',:.:.:.:.:.:.:.:. |　 ヽ
　　　　　　　/,ｲ　　　　//:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧ }:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　 /　　　 ,　/:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./、.|:.:.:.:.:.:.:.:.|､
　　　　　 /　 ＞´ 〃:.:.:.:.:.:. ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:./ / .|:.:.:.:.:.:.:.:.|　｀ヽ　　　　　　　　はやてちゃん……
　　　　　〃´　,ｲ／:.:.:.:.:.:／　　',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:/／　 |:.:.:.:.:.:.:.:|ヽ
　　　　 /　　/／:.:.:.:.:.／　　/====≠ __:.:.:.:人:.:.:.:.／/　　　!:.:.:.:.:.:.: |　ｉ　　　　　　　　　　やる夫君のこと……お願いね……。
　　 　 　 　 ./:.:.:.:.:.／　, r//　　　　　　　ニニ-/／　 　　 ∧:.:.:.:.:.:.ｉ　|
　　　　 　 ./:.:.:.:.:.　　/　 /　　 ヽ､　　　　　　　　｀ヽ二}　.∧:.:.:.:.:.:.:.ヽ |
　　　　 　/:.:.:.:./　　/　 /　　　　　　 ｀ヽ ､　＿　 　 〃　∧:.:.:.:.:.:.:.,' ヽ}
　　　 　/:.:.:.:.:/ ,イ/　./　　　　　　　　　　　　　　 ＼　 ∧:.:.:.:.:.:.:.:,'　　ヽ
　　　 ./:.:.:.:./　{|:| ｉ　 ｉ　　　　　　　　　　　　　　　--ヽ∧:.:.:.:.:.:.∨
　 　 ∧:.:.∨　| |:|　　{　　　　　　　　　　　　 ／　　 　∧:.:.:.:.:.:.∨
　　 ∧:.:.∨ 　.!ヾ::､　|　　　　 　 　 　 　 　 ｉ　　　　 .∧:.:.:.:.:.:.∨
　　/:.:.:.:./　　 ヽ ヽヽ |　　　　　　　　　　　|　　　　 ∧:.:.:.:.:.: ∨ヽ
.　/:.:.:.:./　　　　.{＼｀ヽヽ　　　　　　　　　|　　　　 ∧:.:.:.:.:.:.:.∨　 ',
　ｉ:.:.:.:.:.ｉ　　　　　ｌ ｀ヽ　| ＼ 　　　　　　　|　　 　 ∧:.:.:.:.:.:.:.∨　　　＼

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ちょっと、疲れてしまった。
少しくらい眠ったって、バチは当たらないだろう。

心残りがないわけではないけれど。
彼等なら大丈夫だと、信じられる。
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6070： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:53:37 ID:BDDzqD960

:.:.:.:.:/ i:.:.:.:.:.:.:r、/　　　　 ｀‐ |:.:.:.:ﾄ、:.:＼{//　　｀　　{:.:.:／　　,':.:.:/　　 }:.:/
:.:.:./　|:.:.:.:.／＼＼　　　　　　|:.:.:.:.| ＼__//　 　 　 　 ',´　　 /:.:／　　 /:./
:.:/　 |:.:.:/.　　　ヽ ヽ　　　　　ｌ:.:.:.:.:ｌ 　 //　　　　　 　 ',　　/／　　　 〃
:/　　|:.:.}　　 　 　 ＼＼　　 　 !:.:.:.: !　 {{　 、　 　 r ´　　 〃　　　　/　　　　　　……。
{　　 ,ｲ　ヽ　　 ＿_　 ヽ ヽ、 　 ヽ:.:. ヽ ll　　 ヽ,ｲ´　　 　 /
　 /　 ,　 ´　　　　 ヽ　　 ＼＼/ ＼:.:ヽll　　/
./ ,イ　　　　　　　　　ヽ　　　 ヽ ヽ、＼ヽ -′
/　　　　　　 　 　 　 　 }　　　　 / / / .ヾ､
　　　　　　　　　　　　　 i　　　/　// }　　 |

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
眼を閉じる。
降りてきた瞼は鉛のように重く、二度と持ち上げられそうになかった。

これで良かったのだ。
ずっと、後悔ばかりを積み重ねる人生だったけれど。

今だけは、何の後悔もない――
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6071： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:53:47 ID:BDDzqD960

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6072： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:54:24 ID:BDDzqD960

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　 　 }===================} }
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＿ 　 　 　 　 {:　　 } ================== } }
　　　　　　　　　　 　 _　 　 -= 　￣¨　＼ﾄ　　{:ｌ　　} = ＞ｧミ　 == == ===== } }
　　　　　　　　　　　　＼__　　　＼- ､ 　 i}:}　､{:l　　}／／　　 　>､ = == = == } }
　　　　　　 　 　 　_　 　 ﾌ¨<　 （~＼ ､　 }:}＼_>／>‐'_￣＼／　　∨===== = } }
　　　　　　　　　　}升=/　＼ ＼/＼ ＼＼:}／､}／=‐／＞､ヽ　　　i}========} }
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､‐‐　、　　　　 　 丁∧　　{　/_　　_>､__　＼}_/／／､　／　V////ｉ}========} }
_＞=-　 　__　　／‐〈___＼_{　{__　i「　/7=ｱ-ｲ'´＼ｌ＼ }'iﾄ､/　}////i} = = = == } }
¨ﾆ=‐　‐=ﾆ气ト､≦==‐　　¨¨＼､/ /ｲ／〉}__＼＼} 　ｉ} {/＼∧ｉ//ｉ∧ = == == } }
‐- ､‐=斗=‐- 　_>､-----＼} - ＼ｰ'｀ｰ'　＼----＼ }　　 /{　＼/========= } }
　 　} {　{､　　>‐‐　 ＼----->:､--＼__　　イ＼----＼､_/{∧_/ == === ==== } }
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,乍=‐イｉ}　　　　 　 _}　　ｉ}　}〕i=-ｲ　 V_/--′__/／＾＼{ l　_ｉ」､ｉ}_ｌ}__{==== { ｌ
/--}-}-ｉ}　　 ／__／}:､　 }　}〕i　}∧　　i}-=ｲ‐=≦､ ／¨ ∨__」／}/}__{==== { {
､__/_/ｲ¨}　 /　 /〕iト．＼}__}〕i　}=‐＼__}r ､　__　 イ　　 /__/‐|¨}=-}__{==== { {

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一つの時代が終わった。
企業連支配の時代。節度ある再分配、徹底された管理社会の時代が。

それは混乱の訪れを意味していたが、桜花の残党が、それを収めた。
ネクストという地上の支配権を持つ彼らに、もはや意を唱える者は、誰もいなかった。

終戦間際、IGIOが主導する企業連の横暴も、それを後押しした。

調印式は滞りなく行われ。
やがて、マーシフル以外の全てのネクストに対する、解体処分が決定した。
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6073： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:54:39 ID:BDDzqD960

/: : : : : : : : :,: : : : : : : : : :＼: : : : : : ミメ、
: : : : : : : : : {::＼: : : : : : : : : ＼: : : : : : :.:|
: /: : : : : : :/~^^ヾ; : }: : : : : : :.:.':, : : : : :.:|
/: : : : : : 从　　　 ）人: : :ヽ: : : :.|: :.､: : :.乂
: : : : : : : : : }.　　　´　 ＼: :!: : :,人: :}: : : : : ミ
: : : : : : : : : }三≧＝=ァ/ヽ}: :/三从: : : : : :.〉
}: : : : : : :,人{ _,ｚrﾋ岱＾　　人｛ 赱　ヽ: : ハ/
: : : : : : : {　　` "´ ,..:'´　　　 ^∨~"　.ﾏ{
: : : : : : : 乂_　　 　 　 　 　 　 / 　 　 从
乂: : : : : : : :.ヽ、　　　　　　　　　; ,　 {: :.',
:|　＼: : : : : : : :}　　　 ; ; ;　 , r‐ ｧ ;,　∨^
:≧s｡.⌒ヾ:从:.:!　　　　　／' ´こ　 .｝　∨
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以降、ORCAは企業の支配力をコロニーの自治権という形で分配していく。
ORCA、企業、コロニーという、新たな合議制が形作られていった。

コジマ兵器の封印。企業支配からの脱却。テロリスト指定の厳正な再判定。
何もかもが難航したが、どれもが少しずつ、歩を進め始めていった。

新たな問題もある。企業の支配力が低下したことによる、
各コロニーの群雄割拠だ。
大人しく企業の管理を変わらず受けるコロニーもあれば、
独立武装国家の様相を呈するコロニーもあった。

やがて、コジマ粒子に代わる代替技術の模索と共に、
新たな行政機関の在り方として、
右脳部「ヴィシュヌ」、左脳部「シヴァ」、中枢部「ブラフマン」によって構成される
統治機構AI「トリムールティ」が開発される。

彼らは、人類を律する者が必要だと判断したのだ。
人間とAIによる、新たな統治の形が。
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6074： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:54:49 ID:BDDzqD960


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文明を進化させるのではなく、律する時代。
人類社会の運営に、AIの力を借りる時代。

それらが必ずしも良いこととは言い切れない。
それによって生まれる歪みもまた、避けられないだろう。

それでも、可能性を信じて、進もうとしていた。

――終戦後。アサルトセルが企業連合同作戦で一掃されるまで、三年。
マーシフルが解体されるまでは、十五年を要した。
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6075： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:55:01 ID:BDDzqD960

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6076： ◆x0SRSoJXe.：2023/12/31(日) 23:59:33 ID:BDDzqD960

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　　　　　　　,.ィ升///　　{　 ﾍ　´　　　　 ＼{　　 ￣´ //′　 }/ｌ :ｌ,'/ﾍ
　　　　 ,.ィ升/// //{ 　 /ヽ　 ﾍ　　　　　 ′＼　　　//} 　 /i//} |,///＼　　　　　　　　　　　　やる夫君……やる夫君？
　　　 《,///／ / :ｉ/ｉ　 ////＼ ヽ　　 　r ―┐ 　 ／ ∧　//;ll | .|/＿__/,}
　　　　＼_/　 /　.|,'{　////,'//＼＼　　ゝ 　 ′　　 ｲ/　 //,//　/　　　¨　　　　　　　　　　　　もうちょっとで、基地まで着くで。
　　　 　 　 　 i 　 |,'|　i//{//,＞-l＞ 、 　 　 　　 イ//.　/////
　　　 　 　 　 | 　.:! |　|∧／,.＜:ﾄ__/|　≧　__ ＜、:|/　/ /＼ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　　……ふふ、なんや、眠そうやな。
　　　　　　　 ‘，　{ |　{/,／　　 :| 　 |,x≦:::|::|::|:::::::/ ノ:|　　　＼ゝ
　　　　　　　　 ヽ :i ﾏ　{ 　 　 　:|イ|_＞ ＜:! |::!＾ //、｀|＿　 　 :!　　＿＿
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　 ll　 ',: : : : : : : ',: : : : ', !.｀ﾌﾊ　ヽ!　　　／/／ l :/:: : : : :l : : : : : : !l　　　　　　　　　アルトリアさんのお迎えは、ノーマル隊の皆にお願いしよう
　. ll.　 ',: : : : : : : ',ト､: : ＼. ゝ',　　　　　　 　 　 l/: : : : :/ : : : : : /l!
　　lヽ　 ', :ﾄ､: : : l ヽ: ヽ￣､.　｀　 _,. -'　　　　　ｲ: :.: : //: ｨ: ﾊ :/　　　　　　　　　　　思うてな。君が辛そうやったさかい。
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6077： ◆x0SRSoJXe.：2024/01/01(月) 00:03:00 ID:R5sTR/Bg0

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　　　　　　　　　 　 ,'.:|.:.:.:.:ム|.:.:斗芋ミxﾉノ/,.斗r:!‐.:.:.:ｖ.:.:.:,
　　　　　　　　　　 ,' ':|{.:.:.:.{〔(!.:|ヾＶrﾀ｀'´ ´ f芳ｱ}.:.:.:.:.:}.:}.:.}　　　　　　　　　……ね、やる夫君。
　　　　　　　　　　 ' !八.:.:.:{ヽi.:.!.:{、　 　 　 , `'’ ﾉﾊ.:.:.j'.:.}',:}
　　　　　　　 　 　 { !.:.:.:、.:{:从.|个ｰ　　　 　 　 八.:}.:.:'.:./ﾉ'　　　　　　　　　　私……今、帰ってからが、凄く楽しみやねん。
　　　　　　　 　 　 {八.:{ ＼.{:!.:'|.:|:ヽ　 ｀　 ’ ,..ｲ.:,'.ﾉ!:/:/Vﾉ
　　　　　　　　　　 ヽ ヽ　从!:ＹV|:{| ≧=-r≦_,＞/ j'ノ:::::!　　　　　　　　　　　 帰ったら、色々落ち付いたら何しよーってな？
　　　　　　　　　　　　　　　 ｀'|'i {ｖｊﾆ}ﾌﾆニ{| ｆ'^ |ノ !:::}::::|
　　　　　　　　　　　　,ｨf'⌒メｊ､! !' ｀j'´　Vﾆｊ_|　 |-八:{:::::|　　　　　　　　　　　　これからネクスト降りるっちうのにね。
　　　　　　　　　　 ／ニﾆﾆｱ　/ﾊ_,ﾉ__／ア　　　 Vr≧=r'ﾆﾆ!
　　　　　　　　　／Ｖニﾆア　,.:/ﾆｊ/{ニニ|:|　 　 　 {ニﾆﾆﾆﾆ!　　　　　　　　　　……でも、怖くないんよ。
　　　　　　　　　!､　￣／! ,.:／ｒく' ﾉニニｊ::!　 ,　　 {ニニニﾆ!Ｙ
　　　　　　　　　', ￣,　　,.:/ﾆ'"ヽ_〉ﾆﾆﾆﾚ::!'" 　 　 Ｖニニニﾚ
　　　　　　　　　 ） ,　　 ,:/ﾆ' {/ニニニﾆﾆ!|　　　　 {　 ｀~^'V'!
　　　　　　　　　 Vｒ ァ ,::'ニ{ !{ニニニニﾆ!:!　　く ヽ!　　　 ﾉj|
　　　　　　　　　 ,　　　,::!ﾆ八',Vニニﾆﾆﾆ|:|　　　　 }、　　, !｀
　　　　　　　　　 {::.、　!::!ﾆニヾヽﾆ、ﾆﾆﾆi::|____ ,...ィ!　　　'’!、
　　　　　　　　　 ｀ト､:^:::|ニﾆくｨヽ＼ニニL::::::斗'^~|　　　　 ､!
　　　　 　 　 　 　 | (__ｰｊニニニﾆ}　}ニニﾆ{ｒ七!　 |　　　　　|
　　　　 　 　 　 　 |　ー'ニニニニ}　}ニニニﾆ{ 　 人　　　　,
　　　　 　 　 　 　 |　 }ニニニﾆｒく _ﾉニニニﾆ{、　　 ヽ　　./
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　　　　　　　　　 (, |竺竺､ ｖ竺竺竺_,{_,f￣　｀!
　　　　　　　　　 , f´￣　}ｒ斗ｒ 七ﾆｊ　{八＿＿!ミ、

6078： ◆x0SRSoJXe.：2024/01/01(月) 00:07:26 ID:R5sTR/Bg0

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　　　　　　　　/::イ:.:.l:.:.:.:.:{ ｛ :::::::＼:;:斗十トij:::::::ﾍ:::::::::::::＼
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　 　 　 　 　 　 ＼!V:ﾍ:::∨ﾍゞｰ' ､　　__　　　 ノ! ﾘｲﾝ' 　リ　　　　　　　　ふふ。多分、君が教えてくれたんや。
　　　　　　　　　 　 ∨ﾍ:::::::::::ヽ 　 く 　ﾉ　 r＝//＝=ｭ__
　　　　 　 　 　 　 　 ∨∨ﾍ::::::::ゝ 、　　　 || /'′ ／::::::::｀ヽ　　　　　　　　生きてていいとかどうだとか、そんなんあらへんって。
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　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｀|￣ ,才´　　ノ:::::::::::::: : :＜: : : : : ＼
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 _」 ,イ　　　 /__＿:,:イ: : : :／ ￣￣￣',　　　　意味も理由もあらへんのと同じなんやろなぁ。
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　　　　　　 　 　 　 |＼.: ..:{　)＼　ｨ芋芋ﾐ　:|.: .: .: /　ｨ芋芋ミ:/.: .:.人.: : |.: |
　　　　　　　　　　 八..:＼:{　} ＾)＼ 　 　　　|/):／　　　　　　/.: ／ : .: .: |.: |　　　　　　　　　それでも、生きててもええんやろな。
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　　　　　　　　　/.: .: /.: ／　.:.∧　 　 　 　 ＿＿＿　　 　 　 八.: .: / : : |.: |.:＼　　　　　　　　……意味も理由も、必要あらへんのや。
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　　　 　 　 　 　 |.::∧.: ｀丶、￣￣＼.: .＼　＼＿／　　　イ : .／:|.: .: .: .:|.: |:八　　　　　　　　そんなんなくっても、君にも生きててほしいもん。
　　　 　 　 　 ＿|:〈_∧.: .: .:L＼　　　).:.:..八　　　　　イ ￣＼/.: : |.: .: .: .:|.: |.: : ＼
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6079： ◆x0SRSoJXe.：2024/01/01(月) 00:08:02 ID:R5sTR/Bg0

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6080： ◆x0SRSoJXe.：2024/01/01(月) 00:08:26 ID:R5sTR/Bg0


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　　 i　　　　 　 　 :l: : : : :.,．'´ .ﾆ二ﾆ二ﾆﾆ ー- ､､.: : : : : :. :. :.1
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　　 |　　　　　　　 |: : : :.!　{　　　　 ￣"´ '　　 　 ｀ヽ　ヽ: : : : /
　　 |: : : :　 　 　 /l: : :.:.|　i'　　 ヾΞ≡　　　　 ヾｰ- i　}.: : :./
　　 L: : : : : :__ _/ :l: : :. l　{　　　　　 　 　 　 　 　 　 i_ノ__／　　　　　　　　　　「――ありがとう」
　　　｀ヽ三三ミﾐヽ. : : :.l　!　　　　 /　 　 　 ヾ≡ｫ//
　　　,.ｲ　　　　 ｀`ヽ .: .:.ヽ、　　　 ヽ、　 　 　 }　//
　__/⌒ヾヽ　　　　　', .:. :. . ＼　　　　ゞ二冫‐' //
　 〈　.:. :.:.ヽ＼　　　！: : : : : . ＼　　　　　　　//
　　 ヽ､. :. :.:.ヽ＼　　 ＼.: :. :. :. :.｀ー'´￣｀` Yﾉ′
　　　　 ＼. :. :. ヽ＼　　 ＼.: : : : : :./.:.:.:.:.:.:/ 7
　､ 　　　　＼. :. :.:.ヽ＼　　 ｀二三 ｀三三´ノ｀ヽ､

6081： ◆x0SRSoJXe.：2024/01/01(月) 00:12:06 ID:R5sTR/Bg0

　 　 　 　 　 　 　 　　　　　　　　　　　　ﾏﾑ ﾏ 圦　 　 　 　 　 　 　l　　i　　　7 l!
　 　 　 　 　 　 　　　　　　　　　　　　　　ﾏﾑ 〉 ﾏiﾄ,　 　 　 　 　 　 i　　frｘ　7　l
　 　 　 　　　　　　　　　　　l!＼　　　　　　ﾏ〈∧ ¨_%　 　 　 　　　　ﾚ　ﾉJ‐v　 l
　 　 　 　 　 　 　　　　　　　l!　ヽ　 　 　　　ﾏ ヾ r┘% 　 　 　 　 ∩ﾏｲｨゝ={　l　 i圦
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　　　l!　　ー ､　　　　〉x `ｰ zｺ,　 　 　 　l　l }　j!ﾑ¨∨ 　 l　ヽ
　 　　　　　　　　　　　　　　　l!　　　　＼＿｡x　 寸　it　V　 　 　l　i! V i!　〈 'l　　r'　　ヽ
　 　 　 　 　　　　　　　　　　　l!Ε∃　　　　　ヽ　寸 l 匕!　 　　l!　l! l　i!l　 !_」‐‘　 　Εヽ
　 　 　　　　　　　　　　　　　　」　 　 　 　 　 　 X　寸i! ヽY　 　l!　i! !　i!l　∧}､　 　　　　廴＿＿＿＿＿＿＿＿＿
. 　＿ ,. 。｡ - ‐ = ＝ ﾆ 二 ￣!　　　　　　　　　　X　寸f　ゝ, 　 l　iY气i!v f‐〈 ヽ　 　　　　　`ｰ─ ＝ ﾆ ￣　　　　　＼
....　　　T'￣￣￣￣￣￣￣￣　　　　　　　　　　　ヽ　从r‐ﾏヽ iｘzi/x-､,xﾏ　i!　Y　　　　┌─ =＝ﾆ "￣ ,.。｡-‐=´￣
.　 　 　.i ┌──────────‐┐　　　　　ヽ　 ヾ　 ﾏVﾑ /7几f }ﾏ　l　 l＿ ＿　 l 　 ,.。｡-‐='"´
.　＝= ┴└─-=ﾆニ二, ＿＿　 　　　　i　　　　,.zr=ゝ＝'ヾ　ﾏ〉:){fYU jﾉ! ﾏ　l7⌒ ﾏ　 ７￣
.　￣￣￣｀⌒ " ' ﾆ = ｰ ‐ -､￣ｘfゝ三三三＼´　 V 寸　) ヾrt}'i弋i ,//ﾉ　.ﾏ」!乂ｿ ﾏ_,ﾉ
　 　 　 　 　 　 　 　 　　　　　ゝミ zｮ.　 　''"ﾟ~~ﾟ~"''〜､、.<ゝ ヽｰヾ ｀iII」'i!　 l　 l　 /､　ﾉ }
　 　 　 　 　 　 　 　　　　　　　〈ﾄ. :''"ﾟ/ :／⌒＼.: .: .: .:.＼ 7ﾑヽ　ヽ :同.i!ﾑ .l　l,//寸＼ﾉ
.　 　 　 　　　　　　ｘ-‐=ニ=..／.: .: .: .: .: .: .: .: ￣＼.: .: .:.:.:|＼ﾑ ヽ　Ｙ'Vl l　ﾑi! 」‐' ＼寸＼fs｡,
. 　,. 。｡ s -‐=　ﾆ´:::::::::::::::::/.: .: .: .: .: : ＼.: .: : ＼ /〉､_____|　|:＼tzｧｲ T i!_　￣　 　j-‐`( ＼￣ TT'x
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::::::::::::::::::::::::: : ＞s1´../.: .: .:|_:/＼ : : .: ／＼:斗tｰミk.: .: |.: .:＼.: .: .: .: :＼.　ｰ=､ )ノ´ヽｰヽ, ＼`＜＼ヽヽ　 ＼
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: ＞s1´　 　 　　　　.: /.: : 八.:.:.／　)ﾊ:.| : }　乂少'　 :|.: :|ﾉ 人/∧.: .: .: : '，.: .: .: .: ｀丶、;: イ　 　.＼ .`x＼ 　 　 .＼
　 　 　 　 　　　　　|:/|.: .: .: .:＼:. ｨうぅk|:V　 　　' ' 　 |.: :|イ___//∧.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: ＼.　 　 　 　＼ `'x＼ 　 　 .＼
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　 　 　 　 　　　　　　　　＼(⌒¨¨「 込　 ＇　　　　　／/／／　　　∧ .: .: |.: .: .:＼.: .: .: |: .:＼.: ＼
　 　 　 　 　 　 　　　　　　　　　　|.:| .:个 .　 　　　／..:/,,／　　　　/￣.: .:.:八.:／⌒＼.: 八.: .: ).: .: ＼
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　 　 　 　 　 　　　　　　　　　　/.: 八 .: .: | .: r＜　／ |i⌒＼＼_,/　 　 　　　　　＼
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　 　 　 　 　　　　　　　　　　　　　　/／　.|　 　／　 　人. 　 ＼　 ／ニニ ＼＿＿／ニニ |
　 　 　 　 　　　　　　　　　　　　　／.._　　|__／ _ -=~:::::::＼　 　 ∧ﾆ=---=ニニニニニﾆノ
　 　 　 　 　　　　　　　　　　　　/::::::::::＼〈-=~:::::::::::::::::::::::::::＼／:::::＼::::::::::::::＼ニニニ／＼
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　 　 　 　 　 　 　 　 　　　　　　　∧:::::::::::::::::::人::::::::::::::::::＿＿_::::::::::::::/( 　 　 ＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:::::'，::::::: ／::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::{::::＼ 　 　 ＼:::::::::::::_.､-''"::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〜Second root FIN〜

6082： ◆x0SRSoJXe.：2024/01/01(月) 00:13:48 ID:R5sTR/Bg0


　　　　　　　　i三i
　　　　　　　　i三i
　　　　　　　　i三i
　　　　　　　　i三i
　　　　　　　　i三i
　　　　　...-─‐-. ミ
　　　...|: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　...|: : : : : : : : : : : : /
　　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　: : : : : : : : : : : :i　　　　　　　　　　　…………。
　　　 .{ -===- ､: : :. :.|
　　 　 〉: : : : : : : : : :ノ　　　　　　　　　　　
　　　..i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,
　　{三三三三三三三三}
　　{三三三三三三三三}
　　{三三三三三三三三}
　　ゞ三三三三三三三〃
　　　 .i: : : : , _ -‐ ´,)
　 　 . (_ _i￣(_　-‐'´i
　　　...|　:|`‐´i : : : : |
　　　 .|: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
　　　 .|: : : : : |: : : : : !





　　　　　　　　i三i
　　　　　　　　i三i
　　　　　　　　i三i
　　　　　　　　i三i
　　　　　　　　i三i
　　　　　...-─‐-. ミ
　　　...|: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　...|: : : : : : : : : : : : /
　　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　: : : : : : : : : : : :i　　　　　　　　　　　ハッピーニューイヤー。
　　　 .{ -===- ､: : :. :.|
　　 　 〉: : : : : : : : : :ノ　　　　　　　　　　　
　　　..i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,
　　{三三三三三三三三}
　　{三三三三三三三三}
　　{三三三三三三三三}
　　ゞ三三三三三三三〃
　　　 .i: : : : , _ -‐ ´,)
　 　 . (_ _i￣(_　-‐'´i
　　　...|　:|`‐´i : : : : |
　　　 .|: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
　　　 .|: : : : : |: : : : : !

6083：安価のやる夫だお：2024/01/01(月) 00:14:10 ID:M0OhO.Ik0
あけおめー

6084： ◆x0SRSoJXe.：2024/01/01(月) 00:16:34 ID:R5sTR/Bg0

　　 ＿＿＿＿__
　　丶::::::::::::::::::::/　　　ｶﾀｶﾀｶﾀ
　　　|:::::::::○::○　　＿＿＿＿＿_　　　　　おや、誰か来てくれているね。
　　　|::::::::::ｰ=‐::i　｜　 |￣￣＼　＼
　　　.>::::::::::::::::く＿.|　　|　　　　|￣￣|　　　 通りすがりか、ずっと見てくれていたのか……
　　 /:::::::＼＿:::::::::::|　　|　　　　|＿＿|
　　 |::::＼::::::::::::つ　|＿_|＿＿／　／　　　　　ハピニュイヤーだ。
　　　:::::::::￣|￣￣￣￣|　　〔￣￣〕





　　　　　　　 ､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|　　　　　　ここまで持ってくるのに、2週目スタートから二年くらいかかった……？
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i　　　　　　　ヤバいね……ちょっとね……
　　　 　/ : : : : : : :┌─┐
　　　 　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ　　　　　　まあ、普通エター案件なのを、意地と執念で続けてたから……多少はね……
　　　 　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿
　　　 　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ
　　　　 と_ : : : : : : ノ : :ノ
　　　　　　￣￣￣　￣

6085：安価のやる夫だお：2024/01/01(月) 00:19:48 ID:M0OhO.Ik0
2週目完結乙

6086： ◆x0SRSoJXe.：2024/01/01(月) 00:25:20 ID:R5sTR/Bg0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i　　　　　　　　　……見てくれていたのか。
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ　　　　　　　　　涙が出てくるね……実際、物理的生理的に涙が出てきてるね。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i　　　　　　　　　少し、報われた気がしたよ。
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |　　　　　　　　　　ありがとね。
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´





　　　　　　　　　　　 _ _ ___ __ _　 　＿＿
　　　　　　 　 　 　/ :::::::::::::::::: :i, 　 .ヽ::::::＼
　　　　　　　　　　 i:::::::::::::::::::::: i　 ／　＼ 　＼
　　　　 　　　　　　i :::::::○::::○i／ 　 　　￣￣
　　　　　　 　 　　/ :::::::::,,- -_ｯi　　　　i i i
　　　　　　　　　 /::::::::::｀ー‐'´ヽ 　 ＿＿i i i--i　　　　　　　　ちょこちょこ活動休止してるようなもんだが、ひとまずはここで一区切りだ。
　　　　 　 　 　 /|::::|::::::::::::::::::|:::|　 ￣￣￣|::::::::|
　　　　　　　　/::::＼ヽ :::::::::::::i:::|　　　　　 ﾉ＿_ﾉ　　　　　　　　2週目もエピローグ、やるよ。1週目エピローグみたいなしっかりした後日談じゃなくて、
　　　　 　 　 /::::::::::::＼＼::／|:::|
　　　 .　　　（_ _.)￣i __.＼＼ |:::|　　　 i i i　　　　　　　　　　　　戦後のやる夫君たちの様子がどんなもんか、くらいの話だが。
　　　　　　/::::::/|￣|ヽ:::::　し（ メ　　　 ﾉﾉﾉ
　　 　 　 /::::::/ﾉ_ _ﾉ　>:::::） 　 　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　……つまり、一つの事件を詳細に書いたりはしない、ってことさ。
　　　　／:::／　 　　/:::／　 　 　 　 ＼＿＿　
　　　/:::::/ 　 　 　 （＿つ　　 　 　　 /:::::::::/　　　　　　　　　　　　戦士たちの休息ってやつだね。
　　　し'　　　　　　　　 　 　 　　 　 ノノ・ ./∴:・:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　~~~~~~~

6087： ◆x0SRSoJXe.：2024/01/01(月) 00:30:38 ID:R5sTR/Bg0

　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 _ _____＿
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ´.: : : : : : : : : : :｀
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 l: : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i: : :○ : : : ○: :.|
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : |　　　　　　　　それが終わったら、アルトリアさんのIFストーリーだ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 j: : : -=＝=- : :.i
　　 　 　 　 　 　 　 r―--┐　　 　 i: : : : : : : : : : : :l　　　　　　　　 ……モコイさんも色々お話を書いてきたが、別ヒロインのIFストーリーを
　　　　　 　 　 　 　 i: : : : : ',　 　 　 ゝ : : : : : : : : :t´
　 　 　 　 　 　 　 　 ',: : : : : i　 , f: : : : : : : : : : : : : :ヽ　　　　　　　　書くのは初めてだ。惜しまれるくらいには、彼女が魅力的だったということかな？
　　　 　 　 　 　 　 　 ＼: : : :y: : : :Υ: : : : : : : : : : :y: : '..,
　　　　　　　　　 　 　 　 ',_: :: :／　 i: : : : : : : : : : : :l丶 : : :ヽ　　　　そう映っていたのなら、作者冥利に尽きる。
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ￣　　　l: : : : : : : : : : : .i　　＼ : : :丶





　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i　　　　　　　そして……三週目か。
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ　　　　　　　　三週目は、少し短くなる。まあ……ストーリーは濃いと思うよ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i　　　　　　　　なんてったって、一度プロット書き直すつもりだからね。
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |　　　　　　　　……忙殺される前に書いたプロットを見て、思い出しながら書くよりは、
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘　　　　　　　　そっちの方がいいと思ってさ。
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´

6088： ◆x0SRSoJXe.：2024/01/01(月) 00:33:35 ID:R5sTR/Bg0

　　　　　　　 ､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|　　　　　　　それじゃあ……去年は、ありがとう。ずっと待っていてくれてね。
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i　　　　　　　　今年もよろしくね。どうか、>>1のお話を楽しみにしていてほしい。
　　　 　/ : : : : : : :┌─┐
　　　 　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ　　　　　　　感想とかも聞きたいな……批評は、泣いちゃった！　しちゃうから、控えめにね……
　　　 　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿
　　　 　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ　　　　　　　　　それじゃ、シーユーアゲイン。
　　　　 と_ : : : : : : ノ : :ノ
　　　　　　￣￣￣　￣

6089：安価のやる夫だお：2024/01/01(月) 22:10:25 ID:aFfx7eEA0
二周目乙
ifも三周目も楽しみに待ってます

6090：安価のやる夫だお：2024/01/02(火) 13:12:51 ID:DaBfybIw0
遅ればせながら乙でした

6091：安価のやる夫だお：2024/01/03(水) 21:15:54 ID:Lg9ej.BY0
乙です
リアルタイムで見れてないけどいつも楽しみにしてます

6092：sage：2024/01/11(木) 22:37:50 ID:.oiwCpqA0
正月にこのスレ発見して、最初から一気に読んできました
とっても面白かったです！
4系V系をごった煮にした感じがすごく良かったｗ

（あと、一つの作品をこれだけ続けられるのは根性あるぅって思いました）

6093：安価のやる夫だお：2024/01/11(木) 22:49:18 ID:.oiwCpqA0
あちゃ
sageの入力枠間違えてました
申し訳ないです。。。

6094：安価のやる夫だお：2024/04/02(火) 21:24:51 ID:5DXC22Aw0
二週目お疲れ様でした。
熱血で面白かったです。

リアルタイムでは追えませんが、3週目を楽しみにしています。

追伸、メンタル不調で収入激減のため、Fanboxの支援を減額させていただきます。

6095：安価のやる夫だお：2024/04/02(火) 21:25:47 ID:5DXC22Aw0
連続書き込みスミマセン。途中で送信してしまいました。

支援額は減らせていただきますが、やっぱり３週目を楽しみにしています。

6096： ◆x0SRSoJXe.：2024/04/30(火) 23:28:30 ID:oM60lXNU0
ハロー。モコイさんだよ。

とても、とても申し訳ないことに、随分と待たせてしまった。

体力の余裕を見ながらちびちび書いて、ようやくエピローグが書きあがったところだ。

折角だし、予告してから投下しようと思う。
明日の午後九時から開始だ。楽しみにしていてくれると嬉しい。

6097： ◆x0SRSoJXe.：2024/05/01(水) 21:02:20 ID:etp5/xM.0


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　　 |::::＼::::::::::::つ　|＿_|＿＿／　／
　　　:::::::::￣|￣￣￣￣|　　〔￣￣〕　　　　　　　　　　　エピローグだ。二週目のお話、覚えているかな？

6098： ◆x0SRSoJXe.：2024/05/01(水) 21:03:47 ID:etp5/xM.0

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　　　　　　　ll　　　i　　　　　　　　　　　　　　　　 l .i　 l／l￣ i　　　.l　　　　　　 　　　 l
　　　　　　　ll　　　i　　　　　　　　　　　　　　　　 l .i　 ヽ~_,,,ノ 　　　l　　　　　 　　　　 l　　　　　「――次のニュースです。
　　　　　　　ll　　　i　　　　　　　　　　　　　　　　 l .i　, -ー- 、ー- .i　　　　　 　　　　 l
　　　　　　　ll　　　i　　　　　　　　　　　　　　　　 l .i　i／ｌｆ￣ l　　　i　　　　　 　 　 　 .l　　　　 　 現在、世界中のコロニーから注目されている、
　　　　　　　ll　　　i　　　　　　　　　　　　　　　　 l .i　ヽ~＿,,ノ 　 　i　　　　　 　 　 　 .l
　　　　　　　ll　　　l　　　　　　　　　　　　　 　 　 i .i　_,,、　＿ _　__ i　 　 　 　 　 　 　 l　　　　　 　開発中のAI『トリムールティ』の試験運用日程が
　　　　　　　ll　　　　''‐- .,_　　　　　　 　 　 　 　 i .i f_,,ﾉ ヽ...,,,ﾉ 　 i　　　　　 　 　 　 ..l
　　　　　　　ll　　　　　　 　 .ﾞ"''‐- .,_　　 　 　 　 i ..i 　 　 ..____　　 .i　 　 　 　 　 　 　 l　　　　　　　　先日発表されました」
　 　 　 　 　 ヽ ﾞ"''‐- .,_　　　 　 　 ..ﾞ"''‐- .,_ ,, ノ　i　　"''‐- .,　　 .i　　 　 　 　 　 　 ..l
　　　　　　　　　ﾞ"''‐- .,_ "''‐- .,_　　　　　 　 　 　 .i　　"''‐- .,　　 .i　　　　 　　 　 ,-"
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ﾞ"''‐- "

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名前も知らない小鳥のさえずりと、テレビから流れる声が、
布団ごしに自分の意識を眠りから引き揚げた。

分厚い羽毛布団を払いのけ、凝り固まった瞼をこじ開ける。
窓から差し込む朝日が網膜を焼かんばかりに眩しかったが、敢えて受けいれた。

朝に起きたら、朝日を浴びるのが肝要だ。
この前の健康診断で、間がそうぼやいていたのを覚えていた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

6099：安価のやる夫だお：2024/05/01(水) 21:04:04 ID:i5neLM4Q0
ハロー
勿論ですとも

6100： ◆x0SRSoJXe.：2024/05/01(水) 21:05:15 ID:etp5/xM.0

┌──────────┐
│　　7：00　　　　　　　　......│
│　　　　　　ＳＵＮＮＹ　　　.│
└──────────┘

　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　 f: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.|
　　　　　　　　　　　　　　　 {: : : : : : : : : : : : :ヽ､: : : :ヽ: : ﾍ: : : t
　　　　　　　　　　　　　　　 }: : : : : : : : : : :{'"`ヽ}: : : : :ヽ: :.}: : ノ　　　　　　　　　「どうなんですか、真壁代表！？
　　　　　　　　　　　　　　　 }: : /: : : : : : i!: :）　 !: : : : : :ﾉ:,ｲ: :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ: : !,.{: : : : : :!: ムｚｚ込: : :.ムｸ: : ノ　　　　　　　　　　人間の統治機構に管理AIを参画させるという考えですが、
　　　　　　　　　　　　　　く: : : :i ヽ､: : : ﾉ`´,.ztｯ-　}j､:.}~ .}: :{、
　　　　　　　　　　　　　　 ヽ: : :ヽ　 }: ﾍﾄ､　 ::　''"　　'" ,/: { |}　　　　　　　　　　　各コロニーからも不安の声が上がっておりますが！」
　　　　　　　　　　　　　　　{: : : : ヽ !ト: :.}　　　　　　　 〉! '"　　　
　　　　　　　　　　　　　　　i:::≧s｡|ヽ i　ｿ　　　, ,　__　 j､　　　　　　　　　　　　　　不安がるのも当たり前だろう。人間、見慣れぬものは
　　　　　　　　　　　　　 ,.ｨ'!::::::::::::＞ｘヽ、,　 <　t'"_ ﾉ.ｲ::::ヽ
　　　　　　　　　　　　ｨ'´::::::＞:::::::::::::::::`i __ヽ、, , , ,_,.人:::::::/　　　　　　　　　　　　誰だって怖いものですからな。
　　　　　　　　　　　　::::::::::::::::::＞::::::::::::::|':i:i:i:i:i:i~i~:i:i:i:i/:i:i:〈｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　ヾ:::::::::::::::::::::＞:::::::| 〉:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:）::::::》　　｀ヽ､　　　　　　　　だが、それでも、このAI……『トリムールティ』は必要だ。
　　　　　　　　　　　　　ヾ::::::::::::::::::::::::＞:/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:!:::|'"
　　　　　　　　　　　　　　ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::ヾ､:i:i:i:i:i:i:i:i:i/i!:|　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::/:i:i:i:i:i:i:i:/　.i:|
　　　　　　　　　　　　　　　　!:::::::::::::::::::::::::::|}h，:i:i:i/　　.i|
　　　　　　　　　　　　　　　　 !:::::::::::::::::::::::::|　　}hく　 　 .|
　　　　　　　　　　　　　　　　 !:::::::::::::::::::::::::|　　　　 `i　 .|
────────────────────────
　　独立世界危機抑止機構『桜花』　代表　真壁史彦
────────────────────────
┌────────────────────────────────┐
│　BREAKING NEWS　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　......│
│　『桜花、新たな管理AIの試験運用日程を発表。人類の新たな危機？』　　　 .│
└────────────────────────────────┘






　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿　　 　　　　　　　　　 ／＼
　　　　　　　　　　　　　　　/￣¨¨¨￣l|　 ,.　 ⌒ヽ､-､／／／＼
　　　　　　　　 　 　 　 　 /　 　 　 　 l|／　　　　 ／/　＼ ＼／〉
　　　　　 　 　 　 　 　 　 |￣|　() 　 __|　　　　,／／ ＼　 ＼ ／
　　　　　　 　 　 　 　 　 _|　 | 　 　 |　|　 　 ／イ　　　　＼ /
　　　　　 __,.--,-､.　　／ |　 |　　　/　}　_,.ｲ＼　　 　 　 　 }､
　　　　 / /　///_＼/／:{＼_二二___/ /: : : : :.＼　　　　 /　＼
　 '￣｀/ /　/二,..ｧ'': : : :{:＼＿＿__ノ /: : : ､: : : : ＼＿／　　 　＼　　　　　　　　　　 　あーはいはい。実際の運用に当たっても、
/　　 / /l//---_ｧ: : : : : ∨: ∧: : : l_/: : : : :∨: :.∧: : :、　　　　　 　 ､
､　　/　| |_|- ､7/: : : : : : : ＼: :|: : : :.∨: : : : :∨: : :∨:,: :.、　　　 　 　 ＼　　　　　　　 　当AIにはカウンタープログラムが組み込まれま〜す。
＼､ ':.　| | |＼__ア: : :.:.:|: :|:∨:､{∧: : :.∨＼: : :∨: : :∨､: : ､　　　　 　 　 ＼
　｀ | |　} |　' {/: : : : : :.:|: :|: :∨ : ∧､: ､|＼:{＼: :! : !: :∨＼:'＼　　　　　　　　 ､　　　　　　要は不信任決議案ですね〜。
　 /{ |_// /　;: : : : : : : |: :|＼{＼: :∧＼}￣＼￣| : |: : :|:r ､ヽ　＼　　　 　 　 　 Y
イ　|＿/ ,'　 {: : :|: : : : :|: :|_ノ＼　､ ∧　　　　_　| : |: :.ﾘ:|　 ｀　 //ヽ､　　　　　　,　　　　　　桜花、企業連、コロニー運営連盟から不信任が出れば、
　　 ｀ー'　　 |: |:.∨: : :T´从　　　 ＼:｣　-≠'´　|: /: /:∧　　　{/∧　｀　ｰ　 　/
　 　 　 　 　 |/| : ∨: :∧{　､＿ノ 　 　 　 　 u /:ｲ: /: :| ﾑ}　　 ﾏ/∧　　　　 ム､　　　　　　当AIは無条件で停止。試験運用時は桜花と
　 　 　 　 　 |　,: : :∨: : :＼ ￣　　　 ;　　　__　 /イ: : j!　∧ 　　∨/＼＿_／// :
　　　　　　　／ : : : |＼: : : :〉､　　　　 ,.-.:.':.:.:.:Y　l|: : :|　/'∧　 　 ＼/////／　 |　　　　　　その他どちらかの不信任だけでも止まりま〜す。
　　　　 ＿/_､　 |: :/ 　 ＼:｣: :＞.,..._　乂＿_,／　ｨ|: :./ー-'　}　　　　｀￣￣ ´　 /
　　　r/∧∨∧ j:/　　 （_| ||: : : :|-､ |＿｀¨´ /´　 !: :{ー'ー-' 　 　 　 　 　 　 ／＼
　 ,.....--|∧∨/}　　　　（_| ||: : :.∧ ､j　　｀　　　 /|: :|　　 ＼　　　　　　 　 ／: : : : :＼
──────────────────────────────
　　独立世界危機抑止機構『桜花』　技術部門総括責任者　篠ノ之束　
──────────────────────────────
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
液晶の向こう側には、見慣れた顔が二つ、取材陣の焚くフラッシュの集中砲火を
受けていた。

あれから二年。
少しだけ白髪の割合が増えたが、出会った時よりも力強い表情を浮かべる
真壁と、相変わらずふやけた顔をした篠ノ之の姿があった。

まくし立てるような口ぶりで質問攻めする取材陣に対し、
真壁は毅然と、口ごもる様子もなく返答し、隣で時折篠ノ之が注釈を入れている。

変わらない二人を見ていると、朝から何となくほっとした。

政治の世界で生き残っていけるような器ではない、
若輩者の自分の代わりに、ああやって弁論の場で戦ってくれている。

心の中で手を合わせ、エールを送った。
まぁ、布団から出ることはしないのだが。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

6101： ◆x0SRSoJXe.：2024/05/01(水) 21:06:18 ID:etp5/xM.0

: : : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : :|　　　　　|: : : : : : : |: : : : : : ＼: : : :
: : : : : : : : : : :.|: : : : : :| : : :.:.:.:|　　　　　|: : : : : : : ∨: : : : : : :.＼: :
、: : }: : : : |: : :|: : : : : :∨: : : ∧　　　　 ∨: : : : : : :∨: : : : : : : ∧:
_〉: :.}: : : : |: : 乂: : : : : ∨: : : : }　　　_＿}ハ: : : : : : : : : : : : : : : :|:
: : :/: : : :./!: : : | ＼: : : : : : : :./_.｡s≦ﾆﾆﾆﾆ∨.:.: : :.:}: : : : : : : :.:.|:
: : {: : : :/ﾆ∨:.:.|ﾆﾆ＼: : : : :./ﾆ＞,.ｨﾁｆ芯ミ､ }: : : : : }: : : : : : :: }/:
∨: : : :.|＼. ＼_!芯ァ 〉: : :./　::...　ー ゞﾟ'’　 ,}: :/: : : : : : : : : : /: :　　　　　右脳部AI『ヴィシュヌ』、左脳部AI『シヴァ』、脳幹部AI『ブラフマン』……
　､: : V:!: : } ゝ-''"　.::|: :／　　　　＼ 　　　 ⌒7: : : : : /: : : : /^!: :
　 ＼: ＼: :}　　 　 　 {/　　　　　　　 　 　 　 /ﾊ: :: : : : : : : :/　.|: :　　　　　この三つから成る管理AIが行うことはシンプルに三つ。
　　/: : : :.人　　　　　|ゝ　　　　　　　　 　 　 　 |: : : : :／⌒　 /: :
　　!: : : : : :ハ　　 　 ,　　　　　　　　 　 　 　 　 |: : ／ ＿　　/: : : :　　　　　政策等の提案や危機に関する警告、
　　＼: : : : : |^　 　 〈 　　　　　　　　　　　　　　}／　　＿_／: : : :/
　　　 ＼__: :.|　　　　 ＼　　　　　　　　,,　　　　　　　　|　{: : : : :./　　　　　　三勢力会議における政策決定に対する脅威度判定と承認。
　　　　 　 j从 　　　　, ,　　　　　" , '　, ,　　　　　　　｜ ∨: : :〈
　　　　　　　∧　　　　　r―――-　　、ヽ　　　　　 ／ 　 ∨: : :〉　　　　　　そして最後に……人類が自ら破滅の引き金を引いたと
　　 　 　 　 　 ＼　　{　 ゝ―――― 　　} } , , 　／＿＿＿}:_:_:|＿
　　　　　 　 　 　 ＼ 　　　ー―一　　　　 /￣￣￣::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　　判断した場合にのみ発動される、強制執行権の行使です。
　　　　　　　＿＿＿＼,, 　　＼:;.,.、 　 , .:/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　/:::::::::::::::::::::::＼ , ,　 ヾ;:;ヽ,／/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　 　 　 /:::::::::::::::/￣￣/≧====≦:i:/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　＿__,/:::::::::::::::/:i:i:i:i:i/i:i:i:i:i:/:i:i:i:厂:::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　 |:::::::::::::::::::::::::/:i:i:i:i:i/:i:i:i:i:i/:i:i:i:i:i|:::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::





　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 , ´￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /　,.-､　 }
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |__/ 0 {_/
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　　　 /　　　 　 　 　 　,. 　-――-､
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ∨//＞--- ､＿_ 　r＜ 　 　ー--､　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,..＜／: : : : : : : : : :ヽ､//＼　　　ﾟr '__,ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　 　／: ／: : : : ,: : :/: : : : : |: :＼/￣￣￣　　　　　　　　　「その安全性の保障は誰がしてくれる！？」
　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,:': : :/: : / : /: ,.ｨ: :.ｲ : : : |: :､: :ヽ
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 / : : /: : / : /: /　':/ |,: : :./: : :∨: :､　　　　　　　　　　 　 「AIが暴走して、止められなかったら誰が責任を取るんだ！」
　　　　　　　　　　　　　　 ,.ｨ : : /:／:': : :!{/￣}'￣|: : /ﾄl､: :|:|: :.｀＼
　　　　　　　　　　　　　／/: : :/': : : |: : :| ＝＝　ﾑイ　}'ﾏ: |:|: ∧　　　　　　　　　　　　そのためのカウンタープログラムなんだってば……
　　　　　　　　　　　 ／／': :/: |: : : :l＼:.| u　 　 　、 ==/l:/,:!,: : |
　　　　　　　　 　 ／: '　/: :,: : : ,: : : |､_ 　 　 ＿_ 　 　 ,: /:.lﾘ ＼}　　　　　　　　　　　　 それに、トリムールティは自主的に行動はしません。
　　　　　　　　 ／ ´　 ,: : /: : : : ,: :.:.|　:､　　乂:.:.:.ｿ　 八:_:｣　　 ｀
　　　　　　　 / '　　,.-‐-､＿/___|: :.∧　　 ､　 　 　 イ: :.|　　　　　　　　　　　　　　　　　　これは、私たち人類のためのブレーキなの。
　　 　 　 　 / 　 ／　　 〈l |::|　 l|: :{/∧ 　 /｀ ｰ ´: /: : :|
　　　　　　/,. イ　　　　 〈l |::|　　,: |/ /　 //:/|: : : :{-､: :|　　　　　　　　　　　　　　　　　　「信用できるわけがないだろう！」
　　 　 　 ,:/ 　 　 　 　 Ⅵ |::|　　|:j!　{_　 ' ∨ !: : :/l〉 ∨　 　 　 　 ,.-――---ァ
　　　　 /:{　　　　　　 　 ヽ|::,...イ: ﾉ　| ｀　 r|　 ,: :{ l〉 　｀ヽ,　　　rく　　 ＿二≧ｱ
　　 　 ,: : |　 ､　　　　　 　 }'　 {:.:ﾉ　 |　　 　 ,　Ⅵ/' 　　　 }　　/ 　 ｰ=rｰ '
　　 　 {／!＼_}　　 　 　 ／　 ｢:.ﾉ 　 |　　l 　 ∨∨:､　 ＿/　 〈　　 　/ ｢/
　　　 /: //}//＞- ､_,.イ､＿_/:｢　 ＜　　 :.　　＼∨}ィ//∧ , ' ＼__,/--'
　 　 ,: :/'´ |//////　 :.　 　 {: |￣T≧=--ﾞー--'-ﾊ'////,／　　　'
　　,: : ' 　　｀ 7ｰ ':.|　　 ,　　从|　 ||　　　　　　　　||ﾑ￣,:'　　 　 /
　 /: /　　　 /--､:/ 　 ::.,:::. 　 　 /'　　 　 　 　 　 || l}　　　　　,:'
　':. /　　　 ///,Ⅵ、　　 ＼::::...../............::::::.....　　 /'人＼　　／
/: /　　　 ///'´¨//＼　　 ｀7ー---― ¨ r―--イ : |: : |｀ ´
: /　　　 /／　　 ＼//＼　 {l　　　　　 {l /: : : : :.:|: : |: : |

6102： ◆x0SRSoJXe.：2024/05/01(水) 21:06:46 ID:etp5/xM.0

　　　　　　　　　_ノ: : : : 彡: : : : : :`ー-　、
　　　　　　　.／: : : : : : : : : : : : : /: : : : : :＼
　　　　　　 /: : : : : :.:/: : : : ／: :Y: : : : : : : : :ヽ
　　　　　　 ): : : __: :/: : :,／: : : :从: : : ヽ: : : : }
　　　　　 ./: , -'_ノ: : : :/: : : :／⌒ｱ: : : }: : : : }
　　　　　〈／／_〈: :／｛: : : :.}　　ハ: : : : : : : :,′
　　　　　.'　/　/: :V__ 〈: : : :/　 ＿_∨: : : : :/　　　　　　　　　　　　　　　　では、そこのあなたに聞くがね。
　　　　　| /　/-- ､茫ﾄ.〉: /=≦茫ﾃ }: : : :/(
　　　　　|,′´ ,へ_｝￣ {ﾊ{　`ｰ　　 ,八: ,ｲ}: }―､――――　 ､　　　　　　　機械が政治に絡んだら危ないというのであれば、
　　　　　( 　 ノ ,_　〉　　..:; 　　　 　 },／_ノ:./::::::∧　　　　　 　 ∨
　　　　　 ヽ　　ゝｲ:,　　, ,ヽ , , ,　　　 /: ／:::::::::: ∧、　 　 　 |::::∨　　　　　　それさえなければ、世界は安全に運営できると？
　　　_､‐''゛ ヽ　　 ＼､{ - -- - ､}　 ｨ(},/::::::::::::::::::/::::.　　　　 |::::: ∨
_､‐''゛ ／: : :.∧　　　 ヽ ,ﾉ;,,　 , , メ:i:i:i:∧::::::::::::::/:::::::|　 　 　 !::::::|　,　　　　　　今までの歴史を見ても、そう言えますか？
　 　 /＼__, --〉　　　　〉ー‐=≦:i:i:}:i:i:i}　,::::::::::/::::::::::| . 　 　 |:::::::| ｜
　 　 |::::::::/ー !　 　 　 |、: ＼:i:i:i:i:i:}:i:i:i}　∨:::::|::::::::::::|　　　　|:::::::|　乂　　　　　　
　 　 |:::::/: : :./｀丶、＿| ＼: :.∨i:i: }:i: ﾘ　｜:::/:::::::::::/　　　 /::::::/ 　　 ヽ
　 　 |: /: : :./　　　　　 ｱﾄ-＼:∨i:i:i: /　　|::/:::::::::::/　　　 /::::::/／::::::...　∨
　　 ／:::|／　　　 　 ／::::::::／　＼:i:/ . 　 |"::::::::::::|　　　 /::::::/:::::::::::::::::ヽ ∨





/: : : : : : : : :,: : : : : : : : : :＼: : : : : : ミメ、
: : : : : : : : : {::＼: : : : : : : : : ＼: : : : : : :.:|
: /: : : : : : :/~^^ヾ; : }: : : : : : :.:.':, : : : : :.:|
/: : : : : : 从　　　 ）人: : :ヽ: : : :.|: :.､: : :.乂
: : : : : : : : : }.　　　´　 ＼: :!: : :,人: :}: : : : : ミ
: : : : : : : : : }三≧＝=ァ/ヽ}: :/三从: : : : : :.〉　　　　　　　　　――人間は愚かだ。一人一人は素晴らしくても、集団となると途端に、ね。
}: : : : : : :,人{ _,ｚrﾋ岱＾　　人｛ 赱　ヽ: : ハ/
: : : : : : : {　　` "´ ,..:'´　　　 ^∨~"　.ﾏ{　　　　　　　　　　　　そうして我々は、宇宙への道を閉ざし、コジマによって自らを溺死させる
: : : : : : : 乂_　　 　 　 　 　 　 / 　 　 从
乂: : : : : : : :.ヽ、　　　　　　　　　; ,　 {: :.',　　　　　　　　　　　　寸前まで至っていたのだ。企業連の罪は、人間の罪業そのものでもある。
:|　＼: : : : : : : :}　　　 ; ; ;　 , r‐ ｧ ;,　∨^
:≧s｡.⌒ヾ:从:.:!　　　　　／' ´こ　 .｝　∨　　　　　　　　　　　　　今の私たちに必要なのは進化ではなく、制御なのだ。
ヾ: : :.:＼__　 .}/　　　 {:.　　　　　＿＿_/＿＿_
　ヾ: : : : :{:',　　　　　 ゝ 　 　 　 |::::::::::::::::::::::::∧　　　　　　　　　　これも一つの試みに過ぎない。敢え無く失敗するかもしれん。
　　{: : : 从 廴_　　　　　; ; ,　　 .∨::::::::::::::::::::::∧
　　乂: : : :}　:::::::::≧=‐-.........＿,..入:::::::::::::::::::::::∧　　　　　　　　　それでも、試みていかねばならんのだ。
　　　 }: : /! . 　 　 　 ＿＿__ 〈::::::::∨::::::::::::::::＞''"￣￣￣￣
￣￣￣　∧　 　,.ィi〔:;:;:;/;:/;:;∧::::::::|::::＞''"
　　　　　γ:;￣/:;:;:{;:;:;:/;:;:;:;:;:;: ∧＞''"
　　　　 ./;:;:;:;:/;:;:;:;:{;:;:;从;:;:;:;:;:;:;:/

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真壁の言葉を受けて、二人と取材陣たちの間に沈黙が横たわった。
あれだけの攻勢を見せていたマスコミたちも、綺麗にだんまりだ。

恐らくは企業連の息がかかった記者も大勢いたことだろう。
こんなAIが運用されるようになったら、企業連がかつての権威を取り戻すことが
更に困難になることは誰の眼にも明らかだった。

だが、それでいいのかもしれない。
欲望に絶対的な力が備わった結果、蔓延する絶望と汚染と、
一部の人間が有限の栄華を極める時代が産まれた。

真壁たちのニュースが終わったのを見届けてから、布団から這い出る。
テレビを消して、寝室を出よう。液晶の向こう側よりも大事なことが山積みだ。
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6103： ◆x0SRSoJXe.：2024/05/01(水) 21:09:14 ID:etp5/xM.0

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　　　　　 　 　 　 ⌒7.:/.:.ﾊ 　 　　 ' ' ／.: .:／ノ .: : .: |.: .: .:|
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　 　 　 　 __/　) __　 　 　／ ￣ 7 : : ／￣:／ : .: /.: 八 : 八
　　　　　「{ {　し'　}　　r/ 　 　 /.: .: /＿／　⌒∨ .:/.: :)/⌒＼　　　　　　　　　　　　　――あ、おはようさん。
.　 　 　 { 　 　 　 ﾉ　　/／ 　 人.:.:/　 ＼￣￣Y￣/＼＿
.　 　 　人 　 　 / 　 ／　　　 　 ∨　　　 ＼　＼ /　　　　＼_　　　　　　　　　　　　　　よう眠れたみたいやね。
　　　　　 }　 　 {　 /￣￣￣＼ 　 〉＿ 　 　 ＼　{　　　 ／　 ∧
　　　　　 } 　　 　 '　 ／　　　　 ／}　　　　　　 ＼　 ／ 　 ／　}　　　　　　　　　　　　　「おはよう、はやてさん。朝ごはん作ってくれてるの？」
　　　　　　　　　}/.／　　　　 ／／　 　 　 　 ／　 ＼　 　 　　∧
　　　　　,'　　／{＿＿　　 ／イ　　　　　　／　　　 }　＼　／/ /　　　　　　　　　　　　　うん。そない手の込んだもんでもあらへんけどな。
　　　　　;　　|　 |　　　　 /--≠-　　　　　＿　　　/　　 ∨ /／{
　　　　　{／ |　 |＼　 ／　　 /　　　　　 　 　 ＼./　　 　 }／＿_＼
　 　 　 八　 |　 ＼　/　＼＿{　／　　　　 　 　 /＼　　 ∧------{
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【八神はやて　27歳　独立世界危機抑止機構「桜花」第二予備役パイロット】
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襖を開け、ひんやりとした檜の床の上を歩いていく。
廊下の先、居間の扉の中心に設えられた磨りガラスの向こう側からは、
朝の陽ざしが一条の光となって床を照らしてきていた。

扉を開けると、控えめに鼻歌を鳴らしながら、台所に向かうはやての背中が見えた。
素朴な深い茶色のエプロンを掛けた姿で見上げられると、こみ上げてくるものがある。

彼女のこういった姿は好きだったが、この家でもう一度、
その姿を見られたということが、自分の緩くなった涙腺を否応なしに刺激してきた。

「なんやねん、いきなり感極まりよって」

「ごめん、二年前のこと、思い出してさ」

「あー……ま、私の懐かしい気持ちやわ。なんだかんだ、居心地よく過ごしとった
からなぁ。それに、君と一緒に暮らしとった家やし」

はやてが戸惑いながらも、「しゃあないなぁ」と呟いて目を細める。
右手に菜箸を持ったまま、空いた左手を自分の頭に乗せて、
わしゃわしゃと撫でくり回してきた。

「ほれ、お皿出しぃ。それ終わったらお米よそってな」

「はい」
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6104： ◆x0SRSoJXe.：2024/05/01(水) 21:09:33 ID:etp5/xM.0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.-、
　　　　　　　　　＿＿＿_　 　 　 　 ( ﾉﾞ＼
　　　　　　　 ／ 　　　　 ＼ 　　　i′ ヽ_ ）
　　　　　　／ ― 　　―　　＼ 　 .〉　 ,.く
　　　　 ／　（●）　（●）　　　＼/ 　 ハ ヽ　　　　　　　大したものじゃないと言いつつ、卵焼きも添える女子力……最強かお？
　 　 　 |　　　（__人__） 　　　　　| 　 /　　ヾ
　　　　 ＼　　　 ヽﾉ　　　　　 ／ ／　　！ ｉ　　　　　　　「なんや、褒めたところで何も出えへんで」
.　 　 　 　 ＼_ 　 　　　　　　　＜、　　 〃ﾉ
　　　　　 ／　　　　　　　,.-､ 　 _, -｀ く '"　　　　　　　　　いんや、俺の婚約者は最強だお……
.　 　 　 / 　　|　　 　 　 (`　 ￣ 　　　　〉
.　　　　 !　　<|　　 　 　 ヽ､__,.― --―'
　　　　　＼_　ヽ''＾ヽ　　　　　　｜
　　　　　 　 ｀ヽ､_ﾝ′　　　　 　 |
【入束やる夫　20歳　独立世界危機抑止機構「桜花」第一予備役パイロット】
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窓の向こうから聞こえる小鳥の囀りと、テレビからただ流れるばかりの
ニュースキャスターの声、はやての涼しげな笑い声を聞きながら、
いそいそと食器を並べる。

平和という言葉を絵に描いたなら、きっと今のような光景が広がるだろう。

あれから二年が経ち、世界は平和になったか、と言われれば、
何も考えずに首を縦に振ったりはできない。

けれど、汚染で全てが終わりかけていた企業連の独裁時代に比べれば、
少しずつ、良い方向に向かっているはずだ。
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6105： ◆x0SRSoJXe.：2024/05/01(水) 21:09:54 ID:etp5/xM.0

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国家が崩壊し、企業連統治の時代となり、気づけば死の星が
出来上がりつつあった。

加熱した利権争いは、成層圏から近づくもの全てを撃墜するアサルトセルを
生み出した。

その追及を恐れた企業連は国家解体戦争を勃発させ、一つの時代を終らせ。

アサルトセルをどうにかしようと、衛星軌道掃射砲とVOBという二つのプランが練られ、
結局は現実味を帯びつつあったVOBがIGIOの妨害で頓挫するという事態に陥った。

人類は、人類の手によって、その歴史の幕に手をかけていたのだ。

それは既に、多くの人々の知るところにあった。

白日の下に晒された企業連の罪は、全人類が教訓とすべき功罪として、
次の世代が手にする教科書にも載ることになるだろう。

桜花の台頭も、企業連の衰えも、多くの市民は反対することなく受け入れた。
最後の戦いの時、プロトタイプネクストを用いて、企業連の宗主たる
IGIOが凶行に走ったという事実も、大きく作用したことだろう。
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6106： ◆x0SRSoJXe.：2024/05/01(水) 21:11:15 ID:etp5/xM.0

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: : ＼:-:Y: ; }ヽ: :＼〕ト: :i:ヽ 〃:i:ノ　　'∨ﾙ'i:/:/i}i:ﾊ　　 '＼,.../
: : : }: : }:ヽノ : 〉_:_／⌒〔;';〕ﾄ､≦¨￣≧'〕ﾙ' /i:iﾘi:i:i}!　　　'∨ /
i: : ﾉ: ∧:〈: : /};＼＼;';';';';'＼;';＼: :/⌒ヽ,'¨⌒'<,‐='ノ　r‐ ､ ｀i}〕＞
i /≧': :}:〕ト〈:.:!;';';'＼＼;';／;ﾊ;';'ﾊ,' ﾊ 　 ∨､/　:≧==r'_:ソ　人: / -=ｧ
/;〕: : Y/ヾ: : 〕ﾄ､';';';';〕ﾄ､';'≧ム';'ム:'ﾊ.　 '∨＼ｨi〔:¨:≧､-イへy: ﾙ'/
: :≧=ﾊ: : ﾑ: Y＼〕ﾄ､';';'ﾊ';';';';';';';＼';＼ﾑ __'〕　 :}}:: :: :: .　Y≧=／ ｨ`
｀¨´　　＼_:_:≧='　〕ト｡_>＼';';';';〕ト＼';＼ 　'∨:|}≧=ィ=/￣:/／`
　　　　　　　　　 /==/: :≧=＼;';';';';';'〕＼;';'ト｡'ﾏ }／_:_:_:_:_:ノ `
　　　　　　　　　 ｀　‐-≧≦` ¨〕ト'｡';';';';';'ﾏ;'> ;〕ト｡￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ∧:〕ト｡〕;';';';'〕ト;';'〕ト｡
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 / ∧: : : : '〕ト｡;';';';'〕ト;';';'〕ト,｡

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最後のネクスト保有勢力として、超法規的勢力となったORCAは、
名を「桜花」へと戻していた。

企業連は桜花との条約を幾つも結び、コジマ技術の兵器利用を封印することを始め、
追放されたコロニー市民に対する不当なテロリスト指定の解除、
更に戦闘行為による経済活動を禁止した。

そしてアサルトセル排除およびコジマ技術依存脱却のための
四大企業間業務提携契約を結ばせた。

企業の弱体化によって、老獪な企業の人間が言った通り、世界には混乱が起こった。
コロニーの独立宣言や武装国家樹立宣言、様々な混乱の火種が。

けれど、それらは大火となることなく、消えていった。
マーシフルという最後のネクストは、まさしく地上の支配権となっていた。

桜花を敵に回すということは、唯一無二にして最強の兵器と戦うということ。
この事実は、起こるべき騒乱を見事に収めた。

アルトリアが生前言ったことは、こうして形となり証明されたのだった。
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6107： ◆x0SRSoJXe.：2024/05/01(水) 21:12:46 ID:etp5/xM.0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_
　　　　　　　　　　＿＿__,､ -　　　　　＼)＼__
　　　　　　　　 ＿＞　＿＿　　　　 ,　　　　　　　　､
　　　　　　　　 i|.＼　　　＿＿＿／　 ￣￣　＼　 } )
　　　　　　　　 i| 　 ＼　＿＿　　./　　　／ﾆ＞ ∨'
　　　　　　　　 ｣　　￣＼　　　／ ,　　 /　　＿＿∨
　　　　　　　　 ＼＿ニニニ彡　/　　 /　　　　 ￣　　　　　　　　　　　はー……今期の決算報告、散々だったねぇ。
　　 　 　 　 　 　 ト　　　/￣丶 |　,　 i| -―――' ﾉ　　 ,､ｊ~'
　　　　　 　 　 　 ＼　丶＼( 》　∨|　((　ー┬　　∨　'~　　　　　　　　 ただでさえIGIOの評判が落ちとるというに、そこから賠償金の支払い。
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 乂　 　∨ .ﾘ　三三　　∨
　　　　　　　　　　　八　　 /　　　　|／　 　 　 　 　 ∨　　　　　　　　　戦争の敗者というのは悲惨なものだよ。
　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ_/ 　 |　　/u.　 /≧＝-┌ ┘
　　　　　　　　　　 ＿__/⌒ヽ　､　 　 　 ' ￣￣ ｢　　　　　　　　　　　　　……しかし、キミは元気だねぇ。つい最近まで、出来損ないの
　　　　　　　　　　 }　 〈　　 　 ＼≧s｡　　　　　{
　　　　　　　 _　-= ､　 ＼　　 　 .＼__／　￣￣　　　　　　　　　　　　　　フライドチキンみたいな状態で寝ていたというのに。
　　 　 _ -=ﾆニニニ丶　 .＼　　　./ /ﾆﾆ=-
　　　-=ﾆニニニニﾆﾆ＼　　＼__/ / ＼ﾆﾆ=- _　　　　　　　　　　　　　　
　　　 -=ﾆニニニニニﾆ=＼　　/　　　　〉ﾆニﾆ= _
　　　　-=ﾆニニニニニニﾆ丶 i|　　　　八ﾆニニニ





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ii
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ,／=≧=ｧｧ'八,　　　,
　　　　　　　　　　　　　　　　　.,-‐v{{气／勹´ .// }}}シ/
　　　　　　　　　　　　　　　　 　ィ乏 孑迂ﾒ )} .// 　!!' /
　 　 　 　 　 　 　 　 　 _,,ｨ‐イii:;:;`弌ﾍ Y辷f ﾊ≫'___ノ'/　
　　　　　　 　 　 　 　 f　　　　!!:;:;ノ;:;:;:;:f/不{￣　__,／　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ハハ、今となってはすっかり新品ですよ。
　　　　　 　 　 　 　 　 ＼_, -‐ '⌒j,;:;:;://勹てﾊ迂三爪
　　　　　　　　　　　　　　　|:::::::::::::＼_ |.| ./|//　| 　|||||||}　　　　　　　　　　　　　　　　　せっかくつるつるの皮膚が久々に手に入ったので、
　　　　　　　　　　　　　　　|:::::::::::::::::｛_|||_ , |.,.,.,.,.辻_||{ﾉ八
　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::::::∨州||.,.,.,.,.,.,.∧.:.:.:.:.＼　　　　　　　　　　　　　　　見せびらかしたくてたまらないのです」
　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::::::::/￣{{.,.,.,.,.ヽく_}__ノ　　）
　　　　　　　　　　　　　　　|:::::::::::::::::／.:.:.:.:.＼.,.,.,.,.／⌒ヽ／　　　　　　　　　　　　　　　　……あのねぇ、君だって敗者の一味なんだよ？　自覚ある？
　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼_爪{＼_／
　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::/.:.:.:.:.:.:.:.ﾊ.:.:.:.:｀＼{フ'′

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企業連は地上の支配者という立場を失い、あくまで一勢力という状態に落ち着いた。

今の世界は、三つの勢力による三つ巴となっている。
独立世界危機抑止機構「桜花」。最後のネクストを擁する抑止力。
新たにオルデンブルクを宗主とした企業連。
そして自治権を与えられたコロニー運営連盟。

企業連はモノとサービスを。コロニーは人を。桜花は彼らの監視と調停を。
かつては企業連の傘の下に行われていたものが、今は分割されている。

今のところは、何とかなっている。
コロニーから口減らしで人間を追放し、武器を与えてテロリストとして
他企業を襲わせる行為も厳しく取り締まられるようになってから、
あれだけ世界を震わせ続けた経済戦争は瞬く間に途絶えていった。

復興に追われているというのもそうだが、結局のところ、
火種すらも企業連が作り出していたからというのが浮き彫りになったわけだ。
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6108： ◆x0SRSoJXe.：2024/05/01(水) 21:13:02 ID:etp5/xM.0

　　　　　　　　　　　　　 , -‐┘: : : : ｀丶_,.ｨ
　　　　　　　　　　　　　/. : : : : : : : : : : : :〈
　　　　　　　　　　　 ､_{: /.!: : : : : : : : /. : ﾊ
　　　　　　　　　　　　｀ｲ: 从!: : : :{:ノｲ^Vﾉl′
　　　　　　　　　　　　　ﾍ、: l: : : ハ:从小　　　　　　　　ええ。なればこそ、敗者の務めは果たさねば。
　　　　　　　　　　　　　　厶从从イミﾊ｣
　　　　　　　　　　　　　 {´　　　　　 ｀Y　　　　　　　　　 それでは、これにて失礼。客先のコロニーで、
　　　　　　　　　　　 _　ノ　　　　　　　{_
　　　　　　,．--‐　´　　　　　　　　　　　￣　　 ‐- 、　　　警官隊用ノーマルの操縦訓練を行う予定ですので。
　　　　　　ﾄ　　 ＿＿　　　　　　_＿＿＿__ __　,ｲﾊ}
　　　　　　{｣}｢r‐…‥=ミ､i____ﾉ／￣￣￣[ﾊ }くく /
　　　　　　 Yﾉ:ﾍ:::::::::::::::::::｢¨¨｢::::::::::::::::::::::/.:{{　 V
　　　　　 　{:::::::::ﾊ::::::::::::::::}:::::{:::::::::::::::::::::::{:::::｀＝'





: : : : : : : : ｉ: : : : : :￤: : : : : i: : |: : : : : :,小: : : : : i: : : : : : : : : |:
: : : : : : : : |: : : : : :｜: : : : : }: : }: : : : :/: ﾄ: ヽ､: : |: : : : : : : : : ﾄ､
: : : : : : : : |: : : : : :｜: : : : ,' : /| : : : /: : |:iヽ: :ヽ !: : : : : : : :ｉ:｜
ﾄi: :i: : : : : |ヽ : : : : | : : : /: :/　!: : :/l: : :从: :＼: :＼ : : : : : |:｜
l |:｜: : : :｜ l: : : : :| : : /|: 厶斗: /^1 :,ｲ: : ヽ : ＼: :`ー=≠≠ミ､
l |:｜: : : :｜ |: : : :/!: :/`}/　＿|:/＿|:/｜: : /:｀: : :｀:ｰｧ‐:ｒく: :｢｀　　　　　　――企業は必要だ。けれど……絶対的な秩序だけでは、
l |:｜: : : : :}斗: : 厶孑=≠fi勹r1￢ﾙ'　,: : /: : : : : : :/ : /　}: :}
N: :|: : : : :/^7: :ｲ{　,{{ ::::: }}｀￣}}　 /　/: :/: : : : : : ,:': : /　/: /　　　　　　　ここまでの平和は作れなかった。
７: :!: : : /　/: / ゝく ｀¨¨´　_ノ′,/　/: :/ : : : : ／|: : /　/／
i: : j: : :/　/／　｀￣￣￣ 三三彡' /. :/. : : :／　 j／　/´　　　　　　　　　 これからの時代には、三勢力の調和がある。
|: / : /　/´　 　 　 　 　 　 　 　 ／.／. : ィ１}r┐/
|ｲ: :/　　　　　　　 　 　 　 　 ／ィ : : ／ ////iﾉ′　　　　　　　　　　　　　 ……この状態を少しでも長く続かせれば、その分平和も続く。
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　　　　　　　　　　 ヽ::ヽ　ゝ,　　　　　　　 　 　 　 　 　 ', {:::ﾟiﾘ'::::::/::{
　　　　　　　　　　　 }:::::>-r:',　　　　　　　 　 　 　 　 　 〉ｰ' /彡' ヾ!
　　　 　 　 　 　 　 ム|:::::::|　:',　　　 　 　 　 　 　 　 　 ' 　 /
　　　　　　 　 　 　 　 {:i::ﾄ､　 ヽ　 　 　 　 `ー-　　_　　　 '　　　　　　　　　　　 ……負けたというのに、悪くない気分だ。足取りが軽い。
　　　　　　　　　　　　 ヾ|　　　　＼ 　 　 　 　 　 　 　 ／
　　　　　　　　　　　　　 |　　　 　 :::＞､　　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　今度、お忍びでお礼でも言いに行こうかな。
　　　　 　 　 　 　 　 r二二＝─-　　 _:≧:､　　,.ィ
　　　　　　　　　　　 7//////// Tr-----ミ了､　　　　　　　　　　　　　　　　　　幸い、顔は知られていないはずだし。
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いつか、この平和も崩れる日が来るのだろう。

それでも、少しでも平和が長く続くように。
たとえ平和が失われたとしても、それを取り戻せるだけの地盤を作る為に。

自分がACから降りる日は、遠い未来の話になるだろう。
それでいい。今更、平穏な幸せなんて夢見たりはしない。

全身を焼かれ、企業から捨て置かれたあの日、世界は滅びかけた。
企業の真意を知らなかったとはいえ、その大破壊を手助けした罪人には違いない。

戦火を広げ続けた罪を、平和を守ることで贖っていける。
この罰の日々こそが、自分にとっての救いであり、戦いの報酬だ。
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6109： ◆x0SRSoJXe.：2024/05/01(水) 21:13:14 ID:etp5/xM.0

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6110： ◆x0SRSoJXe.：2024/05/01(水) 21:16:29 ID:etp5/xM.0

〜終戦後、しばらく後のある日〜

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コロニー・アマツの再建に対する金銭的、人的、物的な最大限の支援。
桜花が取り付けた企業連への賠償の中で、その最たるもの。

それは二年という、とんでもない速さで成し遂げられた。
それでも、いくら企業連の力を以てしても、二年という月日は要した。

いくら地盤部分に相当する規格外の潜水艦アマツが現存していたとはいえ、
あれだけの建造物と、自然環境の再現は至難の業だった。

その間、自分達や一部の難民は、事実上の同盟関係にあった
オルデンブルク管理下のコロニー・ティルピッツに身を寄せることとなった。

いつかなのはの口からも語られた、なのはとはやての故郷の地だ。

オルデンブルクから用意された家の中で、当たり前のように二人で暮らし始めた。
いつか過ごした、アマツでの日々をなぞるように。
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6111： ◆x0SRSoJXe.：2024/05/01(水) 21:21:49 ID:etp5/xM.0

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その日は、二人ともしばらくぶりの帰宅となった日だった。

一月に一度の精密検査の日。
コロニー・ティルピッツ近海に停泊している、潜水艦アマツに赴いての
メディカルチェックだった。

一日のほとんどを費やし、身体検査の項目を網羅した頃には、
とっくに日が暮れて夜になってしまっていた。

検査という若干の緊張感がある時間から解放され、
昨晩の残り物をおかずにして夕飯を済ませると、
風呂も沸かさずにシャワーを手っ取り早く浴び、二人して寝室に転がり込んだ。

大きめのベッドに寝そべり、はやてがもう耐えられないと言わんばかりに冷蔵庫から
持ってきたビールを勢いよく煽っているのを見守っていると、
相手の体温や吐息がやけに鮮明に感じられた。
いつも一緒にいるのに、検査の間は離れていたからかもしれない。

互いにそわそわしだし、特別断わりを入れるでもなくキスをすると、
後はもうなし崩し的だった。
キスだけでは済まなくなり、少し手荒く相手の衣服を剥いだのだった。
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6112： ◆x0SRSoJXe.：2024/05/01(水) 21:22:03 ID:etp5/xM.0

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¨ ヽ　',_}ノ し　　　　ー､ 　 　 　 　 i!--=≦　/:／　 |　　　＼　　_ノ　　　　≧ ､　￣ﾊ　　 ,
　 r_ノ´　　　　　　　　　　　　　　　 i!/　ハ　／ 　 __|　　＿.。＜　￣￣　､　　∧ ./　i　　 ',､
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ありがたいことに、と言えばいいのかは分からないが、
はやてはそうしたスキンシップを嫌ってはいないようだった。

付き合う前から距離感が恐ろしく近く、身を寄せてきたり、
平気で手を繋いできたりというのは朝飯前だった。

しかし、いざ付き合ってみると、それらは序の口だったのだと思い知らされた。
企業連に追われる日々の中では自分を律していたのだろう。
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6113： ◆x0SRSoJXe.：2024/05/01(水) 21:22:17 ID:etp5/xM.0

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それは決して下品だったり、淫蕩だったりするわけではなかった。
ただ、日常のふとした場面で、おもむろに抱き着いてきたり、
逆にハグを要求されることもちらほらあった。

そして、家の中には交際している男女が二人。
自分がまだ体力がある年頃ということも手伝ってか、
ちょっとしたきっかけでセックスが始まることも多々あった。
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6114： ◆x0SRSoJXe.：2024/05/01(水) 21:22:28 ID:etp5/xM.0


　 　 　 　 　 　　　，: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＞.，　 r　{ 　 　 　 　 ／　　　　.八
.　 　 　 　 　 　／: : : : : : : : : :: : : : : : : : : : : : : : : ＼ }-=ミ､ﾕｒ､　／　 　 　 　 　‘.，　 . ∧＿__　 　 　 　 　　　／
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　　　　　　./: : :／: :/: : : :／: : : : : : : : : : : :＼: : : : : : :∨///// .＞　‘　 　　　｀ .　　　} (__　/.=- .爻　_　イ
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　　＼.　 ＼／三三ﾐ八:∧: : : :| ヾ　u.　__ ,／/ヾﾂ}}:/ : : : /　　　　　　　　　　　　 　 ,′　　　､　　　　　　　　　　はっ……うぅ……
　　　 ‘，　 ＼///////.>r.､: :八＿　／: :Ｙ　　　 /ｲ: : :/:/　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,′　　 　 .}
　 　 　 ‘，　　＼////.／::::::::｀¨＜{八: : :/　u.　ｲ:/: : /:/　　　　　　　　　　　 　 　 ,′　　　　 .|　　　　　　　　　　ちと、あかんわ……
　　 　 　 :　　　　＼／　 　 　 　 　 ＼ヽ{　=≦: :/: : ｲ:/　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,′　　　 　 .|
　　　　　 |　　　} ヽ ＼- ､__　　　　　　＼　∧イ/／=---=　. ＿_　　　　　　 　 　 ′　　　　　　　　　　　　　　　　　「お、俺が見てくるお。
　　　　　 |　　 /　ﾉ　 .}　 }　ﾄ.､　　　　 　 Ｙ　´ 　　　　　　　:::::::Ｙ　　　　　　　　　:　　　　　　 八
　　　　　 |　 Y 　.{　　.|　 |　|　ﾄ､-=≦　　　　　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　　|　　　　　　 　 ‘，　　　　　　　　　　はやてさんは休んでてくれお」
　　　　　 |　 .|　　.ゞ=ｲ　 j　.!　l　Ｙ、＿＿_　　　　　 =- .　　　　|　 　 　 　 　 　 .! 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　 | 　.|　　　　　　　　　　　/＼　/_＿＞､　　　　　｀ヽ __ﾉﾐ､　　　　　 　 .,:　　 　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　 　 たのんます……。
　　 　 　 : 　 |　　　　 　 　 　 　 /.　　＼≦＿＿＼,ｨ≦三／ ￣ Ｙ　　　 　 　 .,′
　　 　 　 | 　 :　　　　　　　　　 /　　　　 ‘ ＜---､: : : : : : ヾ---八　　　　　　,′
　　 　 　 |　　|　　　　　　　　 /　　　　　　　　｀ヽ　| ￣.Ｙ-､: : : : : :{　　 　 　 ,′
　　 　 　 | 　 :　　　　　　 　 /　　　　　 　 　 　 .}　|ヽ　 |　 .Ｙ¨ヽ--≧..､ 　 .,′
　　　　　 .:，.ﾘ　　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　ゞ'　|　 |　　ﾊ　 }-=ミ､　≧,′


╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
その日のインターホンは、ちょうど情事が終わった辺りで鳴り響いた。

余裕がなくなってきて、無我夢中で腰を打ち付けていた。
揺れるはやての髪と綺麗な曲線を描いた尻、震える肩を見つめながら、
避妊具越しに精を打ち付けていた最中に、甲高い呼び鈴の音が聞こえてきたのだ。

肩で息をしながらベッドに身を投げ出したはやてを気遣いつつ、
慌てて取っ散らかした洋服をかき集め、パンツに足を通す。

最低限、人に見せても恥ずかしくない程度に身だしなみを整えると、
必死に息を整えるはやてを寝室に置いて玄関まで向かった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

6115： ◆x0SRSoJXe.：2024/05/01(水) 21:22:43 ID:etp5/xM.0

　　　　　　　　　　　 ／　　　　　／/ /　/ ﾚ1｜　lヽ
　　　　　　　　 　 ／　/　/　 ／ .ィ /　/ /　|　　　 ∧
　　　　 　 　 　 , ' /　'　/　 '　／７ ′ﾑﾑ. /　!　　　 |
.　　　　　　 　 / /　/　,　/ ∠､　|｜ / 　 ﾞ|　 |　　　∧
　　　　　　　　l/′｜ 　 l∠＿≧Ⅵ/　　　|　 l　　 　 ﾊ
　　　　　　　 / |　　|　　 | `ﾍ心ヽl |´　　-=Ｖ |　　　　 |
　　 　 　 　 /　|　　丶　 ゝ　　　　`し　 勹心 N　　　|｜　　　　　　　　　　　　　　「はいよ、今出ます……っと、ニールさんたちかお」
　　　　　　　ゝﾉ｜ 　 |丶≧=‐　　 　 {　　￣リﾞ|　 　 |｜
　　　　 　 ゝﾆ　ｨﾍ.　 ゝ 　　 　 　 ｒ 丿 ､__／ /// l　|｜　,}　　　　　　　　　　　　よっ、今日は検査お疲れさんっと。
　　　　　　　/　ゝﾆﾍ ､ ﾆソ ､＿_　　　　　 `彡'/ /|　| `ﾆｿ
　　　 ゝー ',　　 | 个ｊﾉﾘ　 　 　 ‐-｀　，　ゝ=彳ィ彡 ﾍ. |　　　　　　　　　　　　　　いやぁ、なに、今日もおまえさんたちの警護ってコトで、
　　　　 ｀¨７　　 |　L..)､　　　　　　 　 　 ∠ﾝ｛　{　 ， ｊ/
　　　　　　{　　　|　__ﾉ　＼　　　　　　 ィ　 {　 ゝ.ﾆｿ　´　　　　　　　　　　　　　　　テレビ片目に見守り業務してたんだがよ……
　　 　 　 ，＼　　　＼　　 　 ､＿__／ /　　∨⌒)ヽ
.　　　　 /{　 ﾉ 　 　 ﾄ.ヽ　　　　　　 , ｛ 　 　 ｀¨´ ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　唯依が良い酒を持ってきたんだ。よかったらどうだ？
　　　　 ゝニ' /　　　l | |　　　　 ﾉ　 ゝソ　 　 ‐＜
.　　　_／/　/　　　 .リﾉl　　　 ｒ　　　 |、　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　「わざわざありがとう。まぁ、確かに最近二十歳にはなったけど」
　　　　　ゝ,　　　　 ／　'　　　　 　 　 | ＼　 　 　 　 ヽ　,}
　　　　　 / ,　　　/　　　 '.　　　　 /　　　 ヽ　 、　　ゝﾆｿｚ　　　　　　　　　　　　　　だろ？　確かそうだと思ったんだよ。
.　　　　　| ｛　 ､　ゝ_ノ)　ハ　　　/　　　　 ﾉ'」＼ヽ　 ､ヽ く,_
　　　　　 V{＼｛ヽ　≦　￣＼　 ﾉ／￣￣／ |　 ｊハ　l| |　 ﾍ`ー‐
　　　　　　` =-i`　Vl　￣`"ー―--‐ﾆニ ｨ　∨ 　 l　l|/　　 ﾍ
　　　　　　　　｜､ﾝﾉ　　￣￣￣ 　 　 　 / 　 ∨ ノ'＾` =-　　 Z
【ニール・ディランディ　独立世界危機抑止機構「桜花」　第一機構歩兵特務小隊　隊長】





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　　　　　　　　　　　　　|:::::|:::::::::::|::∠,_／／/::::/ _」l,,斗|:::::::::::|::::: |
　　　　　　　　　　　　　|:::::|:::::::::::|/γ心ﾞ'´/:／｀ﾞγ心ﾞ'|:::::::::::|:::::::!　　　　　　　すまないな、押し掛けるような真似をして。
　　　　　　　　　　　　　|:::::|:::::::::::|　乂ン ,／　 　 乂ン｜:::::::::|: ﾄ::',
　　　　　　　　　　　　 /:::;ｲ:!:::::::::' 　｀¨´　　　,　　 ｀¨´ '::::::::::::!:::', ':',　　　　　　　しかし、いつまでも監視するような真似をするよりかは、
　　　　 　 　 　 　 　 /／/|:ﾄ､:::::::＼' ' ' '　　　 　 ' ' '／:::_;;;=ｲ::::::', ヾ
　　　　　　　　　 　 ／　/'/'::::｀≧‐--　　 rー‐､ 　 -ｧ≦!,ィﾆニ三三{　　　　　　堂々と一緒に過ごした方が、私の気持ちとしても楽でな……。
　　　　　　 　 　 　 　 　 /|:::::::_|::|／!iﾞ;,,､　｀￣´ ,ィ"､__lﾆl二_::::::::::／ﾑ
　　　　　　　　 |＼,ィ=ヾ,￣,ｨ'ヾ,＼:..',iｌililili≧､ｧ"ilil', : ヽ}::}: : :｀|ilililヾ;:} |!　　　　　　む？　何やら顔が真っ赤だが。それに妙に汗ばんでいる。
　　　　　　　　 |＼ヽ,lililil／_ｨ, -ﾞ‐<: :',ilililili/´｀ヾ;ilil', : : |::|､: : :|ililililil//:|
　　　　　　　　 |: : ヽヽ,〈　 　 '"´,斗､:',ilili/､　 　 !､il', : :|::|.:ヽ, |ilililil//:.:|　　　　　　 「い、いやいや！　ちょっとネズミを見かけて、退治してたんだお。
　　　　　　　　 |--､ ヽヽ＼　　 ´　/ﾉ:.',/ililiヽ___/iliヾ',: :|::|: :<,ィ´|i//: : |
　　　　　　　　 |　　|: :.'; ';　＼　 　ヾ、: ',ilililil| 　 ',ilililill: |::|'''": : : !、|: : :|　　　　　　　ささ、上がってほしいお」
　　　　　　　　 |　　|: : :l lﾄ､ /ヽ　 　 ',: :.',ililil|　　 ',ililili! |::| : : : : ,' ',.!: : :!
　　　　　　　　 |ヽ'": : : l l |/≧'z､_ 　 }､: ',ilil|　　　',ilili| |::|: : : : ,': : ',: : :|
　　　　　　　　 |: : : : : : l l/二二ニ≧'z,〉: ',il|　　　 ',ilil!:|::|: : : :,': : : :', : |
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【黛唯依　独立世界危機抑止機構「桜花」　第一機構歩兵大隊　隊長】
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扉を開けると、夜風が舞い込んでくると共に、懐かしい顔ぶれが現れた。

あの日あの時、共に死線を潜り抜けた、二人の傑出したノーマル乗り。
ディランディと黛から、過去の姿と左程変わらぬ様子で、そこに佇んでいた。

ディランディの方はシャツとカーゴパンツに、片手には何やらウイスキーボトルらしき
ものを携えたラフな姿ではあったが、これには訳がある。

黛は表舞台にて、大手を振って活動するノーマル部隊の隊長として活躍している
ものの、ディランディはその真逆、陰の役割を全うしていた。
というのも、ひとえに自分とはやての警護だ。

警護と言っても、監視という意味合いもあるだろう。
桜花上層部、つまり真壁からの信頼は確かにあるはずだが、
それはそれとして、お目付け役としてディランディたちが常駐させられていた。

ディランディは部下を引き連れ、いつも自分の周りに待機している。
いつ如何なる時でも。自分達が外出すれば、彼らは動く。
訓練を受け、有事とあらばノーマルACでトラブルの収拾を図る部隊が。

黛はたまに、そんな彼らの様子を見に来ているらしかった。

聞くところによると、二人は何だかんだで良い雰囲気になりつつあるらしいが、
未だに決定的な話は聞こえてこなかった。
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6116： ◆x0SRSoJXe.：2024/05/01(水) 21:23:06 ID:etp5/xM.0

　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　 ／⌒　　⌒＼
　　　　　／　（⌒）　（⌒）＼
　　　 ／　 ::⌒（__人__）⌒::: ＼　　　　　　あはは……ちょっと待っててほしいお。軽く掃除するから。
　　 　|　 u, 　　　|::::::|　　　,---、
　　　 ＼ 　 　 　 `ｰ'　　　しＥ　|　　　　　　あ、割り材も持ってきてくれたかお？　さすがにそのままはキツイお……
　　 　／　　　　　　 　　　 l､Ｅ ﾉ
　　／　　　　　　　　　　　 ｜　|　　　　　　　「心配すんなって、つまみもバッチリだ。ぱーっとやろうぜ！」
　 （　　 丶- 、　　　　　　 ヽ_／
　　　`ー､＿ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　（はやてさんが着替える時間を稼がないとな）

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この家を与えられてから、遠出と呼べるようなことは一度もしていない。
できないからだ。この家の地下にある秘匿されたドックには、マーシフルが
格納されている。一つの機能も停止されていない、臨戦態勢のマーシフルが。

自分たちは抑止力だ。桜花が所持する地上の支配権であり、
世界中で燻ぶる騒乱の火種を抑える力。

そんな自分たちに、無条件の自由なんて許されるはずがなかった。
もちろん、それは覚悟の上だった。

自分だって、戦場をネクストで駆け巡り、数えきれないほどの命を消し飛ばした。
代償がないわけがない。むしろ、軽すぎるくらいだ。
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6117： ◆x0SRSoJXe.：2024/05/01(水) 21:23:17 ID:etp5/xM.0

　　 ／￣￣￣＼
　／　　　　　　　 ＼
/　　　 ─　　　─　ヽ　　　　
|　　　 （●） 　（●）　|
＼　　∩（__人/777／
／　　（丶＿//// ＼

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リンクス養成所で自分を気遣ってくれたリエラは、黒焦げになって死んだ。
時分の事を友人だと言ったカズキは、妻子を残したまま死んだ。
糸の切れた人形のように、力なく、有り得ない方向に四肢を曲げたまま。

あの絶望的な戦いの中で、それでも自分に味方してくれた人たちは、
そのほとんどが死んでしまった。

それでも、自分はまだ生きている。

生きているのなら、義務があるはずだ。
生き残った者としての義務が。
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6118： ◆x0SRSoJXe.：2024/05/01(水) 21:24:23 ID:etp5/xM.0

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【スネーク　元SI支援リンクス　独立世界危機抑止機構「桜花」　軍事部名誉相談役】
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幸いなことに、あれから一度も、マーシフルに再び乗り込む事態にはなっていない。

SI最強のリンクスであり、国家解体戦争の英雄たる元レイヴンであり、
現在は桜花の軍事部顧問としての席に着くスネークのおかげだ。

彼は元々SIに身を置いていたにもかかわらず、積極的に桜花の軍事コンサルとして
動いてくれている。実権こそないものの、その存在感と力は大きい。

おかげで桜花のノーマル隊の紛争鎮圧成功率は90パーセントを下回らないらしい。

「今更遅いのかもしれない。だからこそ、今すぐ始めなければならない」。
最後に会った時、スネークはそう呟いていた。

企業連の時代を築いた彼もまた、新しい時代の平和を守ることを、
己の責務だと感じてくれているのかもしれない。
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6119： ◆x0SRSoJXe.：2024/05/01(水) 21:24:35 ID:etp5/xM.0

　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,.．-=ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ)
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　　　　　　　　　　′: : : : : : : : : : : __/__|: : : : :.＼＿
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　　　　　 　 　 　 |: : : : :/:（_|: : :|:{ 　 /／　>: :.ｲ
　　　　　　　　 　 |: : : : |/.: :|: : :|: 〉　　、 , : : :|:|　　　　　　　　 今、ネクストに搭載する自律型AIを開発してるんだ。
　　　　　　　　　　|: : : : }:､ :八: ﾙ _　 　 /: :/|:ﾚ
　　　　　　　　　 /: : : : :ヽ:｀^メXxメx￣ }イメXｘ　　　　　　　 　 対外的には君が乗ってることにすれば、十分抑止力足りえるしね。
　　　　 　 　 　 /: : :. : : : : : : : :｀ﾏメXxメx､ ｀^メXx
.　　　 　 　 　 /: : :. : : : : : : : : : :∧ / ｀＾|: :＼　　l: :＼　　　　　　「兵器開発は、もういいのかお？」
　　　　 　 　 /: : :. : : : : : : : : : : : :∧　　 ＼｢｀＼ |:/⌒
.　　　 　 　 /: : :/: : : : : : : : : : : : : :∧　　　　　　〉　　　　　　　　　この空気感じゃ、さすがの私も無理だって。
　　　　 　 /: : :/: : : : : : : : : : : : : : : :∧＿＿_ ／|
.　　　 　 /: : :/: : : : : : : : : : : : : : : : : :∧三≧=イ　　　　　　　　　　ま、兵器開発だけが私の取柄ってわけでもないしさ。
　　　　 /: : :/|: : : : :{ : : : : : : : : : : : : : : ﾊ｢　 　 |
.　　　 /: : :/ .|: : : : :|: : : : : : : : : :.､: : : : : :＼　　|　　　　　　　　　　　他のことに精を出してくよ。大人しく、ね。
　　　/: : :/　 |: : : : :|: : : : : : : : : : : ＼: : : : : :＼.|
　 　 ｌ: : :.ｌ　　|: : : : :|: : : : : : : : : : : : : :＼: : : : : :＼
　 　 |: : :.|　　|: : : : :|: : : : : : : : : ､.: : : : : :＼: : : : : :＼
　　　＼: :＼_｣: : : : :|: : : : : : : : : : ＼: : : : : : ＼: : : : : :＼

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篠ノ之も、今はマーシフルを操縦させるためのAIを開発してくれているそうだ。
それさえ出来上がれば、自分もはやても、最後のリンクスという役割から
解放されることになる。

従来のAIでは、手練れのノーマル部隊を仮想的とした場合のシミュレーションで、
10パーセントほどの確率でマーシフルが大破させられる可能性があるらしい。
その10パーセントを手繰り寄せるノーマル乗りも、世界のどこかにはいることだろう。
何事も例外はつきものだ。自分たちが、その例外であったように。

それを1パーセント以下に抑えられるAIが出来上がった時、
マーシフルを駆る者は、自分ではなく電子のパイロットとなる。
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6120： ◆x0SRSoJXe.：2024/05/01(水) 21:24:54 ID:etp5/xM.0

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　 　 / /　　　　　　／::::::::::::::/:::::::::::::::::::::/i:::::::ﾊ:::::::::::i::::::::::::...
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　l　ﾚ　 /.　　　　i;/i:::::::::|::::::::::::::::ﾊ:::::{　 ´ 廴-ン ノﾉ::/::::ﾚ　/j　}::　　　　　　　　　　　　不摂生で生活習慣病にでもなってみろ。
　l　|　./　i　　 　.| .|::::i::::|::::::::::::::ハ::::::ゝ､,,　　　　　／ィ::::::i/ ﾉ /::::
　　 V |　 |　 i　　l　l:::|::::|:::::::::::::|　 ﾄ:::ミヾ＼-　　　　ノ:::/:::レ /::::::　　　　　　　　　　　　病死する前に俺がおまえを殺してやる。
　　　V 　 |　ﾊ　　　i::ﾊ::::ﾄ::::::i::::|　　} ＼ _　,ヽ´　　-イ/:::ヒ /:::::::::::....　　　ノ
　　　 V　 i./i　　i　 ヾ V:::::::::ﾊ:::|　　i　　｀　　.,ヾ　　ノ イ レ::::::::::::::::::::::::::::／./　　　　　　……おまえは大した奴だ。誰にもできないことを、
　　　　ヾ .ﾚ l　ヽヽ　 V入:::::|　ヾ　　l　　　　　　 ',　´　 ﾉイ:::::::ヾ::::::::::::::彡／
　 ＿＿_.>､ヽハ　　ヽノ　 ヾ::ゞ　　　 ヽ　　 _ノ　　ヽ　./人:::::＼:::＼::::::::イ:::ﾉ　　　　　　　皆から支えられながらとはいえ、成し遂げた。
／::::::::::::::::::￣￣｀' ､＼＼.∧:ヾ､　ー - '' ´_　　　　 V i:::::::::＼::::＞::＿＿ノ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､ヾ　＼ゝ≧　　ー''´　　　 　/ 斗:::i::::::::ミ≧ﾆ=-　　　　　　　　　　　くだらん死に方は許さんからな。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾハレミ　　　　　　　　／ イ::::::ﾊ:::廴:::::ニ＝-＼
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　　　　　　　　　　　　　 　 　 |　|　　l|人 乂zﾂ Ｎ∨/／ﾚノ芹ぅミx∨　　　/　 l
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　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ││　 ｌ|　　　　　　　　　　　　　　　　|　 　 /)　 l　　　　　　　　あはは……先生も素直じゃないわね。
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　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 l　 ｌ|　　| ∧　　　　　　　　　　　　　　|　　/　　 |　　　　　　　　　「なんだと？」
　　　　　　　　　 　 　 　 　 l　/ | │|/　iﾄ 　 　 ｀　 一 　 　 　 ／|　 /　 　 |
　　　　　　　　　　　　　 　 ′|　|　| | |　l| ＼　　 　　　　　　ィ´　/　/　|　　|　　　　　　　　　　はいはい。
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　　　　　　　　　　 　 　 /　　/ ∧lＮ　 j|/　＼_ ￣　　 　 { | |//　/　　| 　 |　　　　　　　　　　　でも、くだらない病気になってほしくないのは、私も同意見。
　　　　　 　 　 　 　 　 /　　/ /　}　{　 /　　//))＿||￣￣　|//　/　|　|　　|
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間と牧瀬の二人とは、毎月顔を合わせていた。

今となっては、自分の健康状態すらも機密事項だ。
自分が体調不良だと世に知れ渡れば、どこかで紛争が激化しかねない。
そのためか、間たちはほとんど自分たちの専属医と化していた。

自分もはやても、致命的な汚染に晒されてもいなければ、
AMSの負荷で脳神経がやられたりもしていない。

無理さえしなければ、このまま常人と同じだけの時間を生きられる。

自分だけの身体ではない。間にお叱りを受けないようにしなければ。
そう、はやてと確かめ合っていた。
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6121： ◆x0SRSoJXe.：2024/05/01(水) 21:25:20 ID:etp5/xM.0

　／////////// // ' }/　　`　ヽヽ　`　∨∨/|∨/////////////∧
　／///////{|/ ∨　　ｌ　　　　　　　　　　　 ヽ} }∨////////////∧`
　￣|///∧/!|　　　　　!.|　_,ｨ彳　　　_ｨ＜==ｭ､､_ }∨/// /⌒∨////＼
　　 |/ }.//|∨　 ､　　　 ｌ_〃´,ｨｪ≦三三三}　　¨`y'∨//!}／ヽヽ//∧￣
　　　 /／ |　 _ｨｪｪｭ、,ｨｪｪｪ≦三三三三三}　　　　　|//|ヽ}　　　ｌ//∧
　　　　　　{　　　＞≦　　　∨三三三沙¨´　　　　 　 ∨|　　　　.}//| `
　　　　　　＞≦三三:i}　　　 ∨沙 イ　　　　　　　　 /　ﾘ　 〉　 ///∧
　 :.　　　　∨三三三ﾉ　　　　　　　　　　　　　　 　 /　　 ｌ　　 //////＼　　　　　　　　――ま、良かったよ。最後の十代が、平和な時間でよ。
　　 :.　　　 ∨三沙´/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＿///////∧
　　　 :.　　　　 |　　〈　　　　　　　　　　　 　 _　　　　　　　|　 |/////∧　＼　　　　　　　頑張れよ、坊主。並々ならぬモンを背負っちまったけどよ……
　　　　 :.　　　 ヽ　 　 ヽ　　　　　　　　　_,ｨ　'　＿＿＿__/＿|幺幺幺＼
　　　　　 :.　　　∧　　　　　__ , ｨニﾆ￣　　 |￣＿＿＿＿＿＿＿＿二二二　　　　　　 俺も、みんなもいる。それに、何よりも、よ。
　　　　　 　:.　　　∧　_ >イ- イ　　　　　 　 ｌ　}:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　:　　 .＞´-‐ ´､ -‐‐''　　　　　　 ｌ　ｌ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　「何よりも？」
　　　　　　　　<ﾆ 彳_ >　　　　　　　　　　　　 ｌ　ｌ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　＿＿　-‐ ¨, ｨ　∧　　　:i:i:i:i:i:i　　　 　 ‐ｌ　ｌ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　おめえには、最高の女が傍にいる。だろ？
　<￣　＿_　-‐　:::::::::::::::∧　..:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:／　ｌ　ｌ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　∨　<::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ヽ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i ＜　　　ｌ　ｌ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　「……はい」
　　∨ ∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ｰ‐‐ 'ヽ　　　　 　 }　}::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

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ハセガワは、結局、桜花のノーマル隊に復帰したらしい。
今、自分にできる最善を考えた結果、だそうだ。

正直、一度前線から身を引いた彼が、再び最前線に立つというのを
聞かされて、あまり心穏やかではいられなかった。

本当なら、自分が一番前に出なければならないのに。

それでも、一転して守られる立場へとなった自分に、ハセガワは
電話越しにしゃがれた声で笑いながら、こう言ってくれた。

「おまえはそこで、平和を思い出してな。そうでないと、おまえは戦争しか語れねえ。
次に会う時は、年相応にへなへなの若造になっとけ。
眉間に皺寄せんのは、いざって時で良い。
それまでは、しかめっ面すんのは俺たち中年の役目だ」
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6122： ◆x0SRSoJXe.：2024/05/01(水) 21:25:47 ID:etp5/xM.0
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マーシフルに鎖で繋がれながらも、それでも穏やかな暮らしができた。

学校にも通いはじめた。
強烈な羨望があったわけではないが、行けるなら行くに越したことはない。
あの夏の日、はやてからの提案を、今になって改めて受けた形になった。

はやてもリモート勤務で桜花の事務的な仕事を手伝いながら、
静かに日々を送っていた。

復活した個人口座からお金を引き出して、婚約指輪も買って。

いつか、アマツの地を二人で再び踏める日を夢見ながら。
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6123： ◆x0SRSoJXe.：2024/05/01(水) 21:25:59 ID:etp5/xM.0

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6124： ◆x0SRSoJXe.：2024/05/01(水) 21:28:08 ID:etp5/xM.0

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　　 丶　　　ー--=ﾑ_:/: : : j!: : 从!: : : : :ヽ＼//＼: : :',: : '.
　　　　＼　　　´ 　 j!j: : : : {: : |　 ヽ: : : : :| _ _＼//:ヽ: !: : :'､
　　　　　 ＼　　 　 j!ハ : : j!: : ', ‐-､: : : ´|x=＝､ヽj ﾉ | : : : :
　　　　　　　＼　　 !　 l',: : :l:. : :.',x=ミ､: : :| 乂ツ ',:.ｉ : :|: : : : ',
　　　　　　　　 ＼　　　l ＼|ヽ: : :､乂ｿ ＼|　　'''　,ﾚl!: :|＼: : :乂
　　　　　　　　　　＼ヽ i!　 　 }｀ 一''' 　 '_　 ノ　/　 l : l-_-＼|｀ ＼
　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　　　 }: : : |:个ｪx　 _,　ｲ　 , |: :|＼:-_-＼　 ｀
　　　　 　 　 　 　 　 　 ヾ　 f |: : : 乂ノ/　/:::::　／　.: :|/ :ヽ-_-_＼　　　　　　　　　　　――おまちどさんっ。
　　　　　　　　　　　　　　 ', j! j从: :＼/ -､!r‐ ´　 　 j/　 　ﾊ-_-_-_＼
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 y::-　 ｀￣ﾚ /ーｧ＼　 ／　-‐… ヽ-_-､丶`　　　　　　　　　やる夫君も大丈夫？　お財布持った？
　　　　　　　　　 　 　 ,､丶`　　 　 ヽ ／-／__　｀´　　　　　＼ l!:/-_:)ﾐｈ､
　　　 　 　 　 　 　 ,. ´ .　　 　 　 　 /　 /'´ 　-=‐　　　　　､丶`!-_-ヽ_-:|　　　　　　　　「うん、大丈夫」
　　　　　　　　　　 j: : : : : : .　　 　 /　 /　　　　 　 　 ヾ､,/ 　 ! :|／): ||_￣_|
　　　　　 　 　 　 八: : : : : : : : .　 / 　/　　　　　　　　 j!′　 r ´／_-:|-_-_}_　　　　　　　途中でお花も買わなあかんさかい。
　　　　　　　　　　　 ＼: : : : : : : /　 /: : : . . .　　　　. :/ 　 　 |　j_-_-:|_-_-_/
　　　　　　　　　　　　 〈`ー-.‐ /　 /: : : : : : : : : : : : ,:′　 　:{　j-_-_/_-_-/　　　　　　　 あと……お酒も？
　　　　 　 　 　 　 　 　 }　 : : : |_／乂.: : : : : : : : :　ｲ　 　 　 :l /_-_/-O-:∧
　　　　　 　 　 　 　 　 ￤　　　 　: : : :｀: : ー‐ : ´ /| 　 　 　 ｊ }:／_-_-_-|-',　　　　　　　　「青い薔薇も買っていこう。
　　　　　　　　　　　 　 ｆヽ　　　　　　　　　　　　 /-|　　　／{!/-_-_-_-_-|_-',
　　　　　　　　　　　　 ﾉ ､　　 　 　 　 　 　 　 γ_-_|　　ｲ　 l/_-_-_-_-_-_!-_',　　　　　　　 珍しいけれど、青い薔薇がいいんだお」
　　　　　　　　　　　 <>:-_-`ー-- 　 ＿_ ,,　_彡-_-_|　/ |　 j!_-_-_-_-_-_ 乂_',
　　　　　　　　　　　/<>: _-_-_-_-_-_-_-_-_:<>|-_-_-|:　八　{-_-_-_-_-_-_/-:〉',　　　　　　　……さよか。ま、どっかに売っとるやろ。
　　　　　　　　　　 /_<>_-_-_-_-_-_-_-_-_-_:<>!_-_-_l! 　　＼Y_-_-_-_-_/-_∧_}!
　　　　　 　 　 　 /_-<>‐_-_-_-_-_-_-_-_-_-<>|-_-_-乂__.彡 |-_-_Ol:-_＼/-ﾊ_}!
　　　　　　　　　〈:-_-<>_-_-_-_-_-_-_-_-_-_<>:l‐-　,_-|　　　 ヽ-_-/_-_-_-_-_}_}!
　　　　　　　　　 |_-_-_<>_-_-_-_-_-_-_-_-_<>‐_,　　￣　　　　 乂:/-_-_-_-_:/-_}!
　　　 　 　 　 　 ｊ-_-_-_<>_-_-_-_-_-_-_-_:<>_-_:',　　　　 　 　 　 Ｙ-_-_-:／-_-_}!
　　　　　　　　　|_-_-_-_-<>_-_-_-_-_-_-_:<>_-_-_i　　　　　　　　　ヽ:-／_-_-_-_|
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黒いジャケットを羽織ったはやてと二人、玄関へと向かう。
昨日の荷解きの疲れが残っていないわけでもないが、
それでも足取りは軽やかだった。

再建されたアマツの地。完全な再現ではないが、あの日過ごしたあの家。
ようやく戻ってはこられたが、いつまでも感傷に浸ってはいられない。

アマツに戻ってこられたら、真っ先にやることといえば、決まっていた。
ずっと前から、心に決めていたのだ。
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6125： ◆x0SRSoJXe.：2024/05/01(水) 21:33:05 ID:etp5/xM.0

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　　　 /　　　 ＼＼ 〉‐<ト､ ｀ｰﾋﾆｿﾄ、
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近くの寺の敷地内に、墓地がある。
そこに、なのはたちがいる。

いる、という表現をしていいのかも分からない。
回収された遺体も、一緒くたにそこに葬られたわけではない。

なのはもクーガーも、それぞれの故郷であるコロニーに送られた。
アルトリアに関しては、機体の爆破炎上に巻き込まれ、跡形もなかったという。

それでも。たとえ魂がそこになかったとしても、墓参りをしようと決めていた。
忘れないために。記憶を少しでも風化させずに、抱き続けるために。
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6126： ◆x0SRSoJXe.：2024/05/01(水) 21:33:18 ID:etp5/xM.0

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. 　|　.i　　.|　 ﾄ　　　1. ,ﾑ斗:ｒ7 }　 　　　　|　 / ./:.:.:.:.:ヽ.:: :: :: :: :, - ､:! :: :: :: :: :: ＼　 /ﾞ´＼ :: :: :: :: ::|//
. .　i　l　　.|　 「＼　 .ﾊ/ Ｖツ　 ':/　 　　　.|　/ /|.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ: :: /-一Y: :: :: :: :: ,.-一 '` 　 　 ＼:: :: :: :∠
. . 八ハ　 ト　|'芯＼{　　´　　　ハ |　 　　ﾊ　/:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:/:: :: :! {' ￣|:: :: :: :: /　 　 ｰ=Zz,　 　 ＼:: :: ::キ＝=-､
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あの戦いも、味気ない教科書の中の一文に過ぎないものとなる日が来る。
何の感傷もない、過去の出来事として。

だからこそ、自分たちは、次の世代に伝えていかなくてはならない。
コジマ兵器などという負の遺産ではなく、負の歴史を。

生き残った者として語り、伝えていかなくてはならない。
自らの言葉で。

愚かな人間の罪を。救われない末路を。その中にあった想いを。

きっと、歴史は繰り返すだろう。
似たようなことが起きて、似たような危機が訪れるに違いない。
人間はそういう生き物だ。最後の一人になるその瞬間まで、過ちを繰り返し続ける。
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6127： ◆x0SRSoJXe.：2024/05/01(水) 21:34:52 ID:etp5/xM.0

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それでも、きっと。
いつの時代にも。

自分やなのは、クーガー、アルトリア。
アマツの人々。
そして、はやてのような人が、きっと居てくれるはずだ。

そんな人々が、少しでも、過去の負債に苦しまなくていいようにしなくてはならない。
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6128： ◆x0SRSoJXe.：2024/05/01(水) 21:35:39 ID:etp5/xM.0

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..l::::::l!:::::::::l!:::::::::::::::ll=l::/=ｧｫlk,､ l:/　 l:/ l::::l､::::::l:,:::,:,::l
..l:::::l!::::::::::l!:::::::::::::::l'l､lﾄ;;;;;ﾞﾘl ヾ l/　 .ﾘk=j;;l l::::::!::l::::::,l　　　　　　　「――ねぇ、おかあさん」
..l:::::l::::::::::::,l::::::::::::::ll.=."'＝''‐　　　　i ft;;;ｿｹl;::/::::l;::::/
. l:::::l::::::::::::l:::::::::::::::ll ＿＿_,,,...､､-＝l,`'''ﾞ' ' ./::::::::l::::/　　　　　　　どうした？
. l!::::l::::::::::::l;::::::::::::::ll　￣￣　　　　　ﾉ｀ヽ､./::::::::::l!:/
. ヽ;:l!:::::::::::::l:::::::::::::ll 　　　､...,,__　　'　　　./::::::::::::ﾚ'　　　　　　　　「どうして、おとうさん、いないの？」
　　 ＼::::::::::l;::::::::::::ll 　　　　　　 ￣　　／!::::::::::::l
　　　　.＼:::::l;:::::::::::ll,　　　　　　　　 .／:.:.l::::::::::::l　　　　　　　　　　っ……。
　　　　　　lヽ;l::::::::::ll `ヽ､　　　　／:.:.:.:.:.:l!::::::::::l
　　　　　　l　 .l;:::::::::l!　　　`'i- 'ヘ､l:.:.:.:.:.:.l!:::::::::l　　　　　　　　　　「ほかのこ、みんな、おとうさんいるよ。どうして、うち、いないの？」
　　＿　　ﾉ.　　';::::::::l!　　　f　　　　｀`'‐､:.:l::::::::l
. ／　､~`'''''‐､, .ヽ:::::l!　　 .l!_　　　　　　 `l!::::::;'
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　　　　　　　 l:::::::::l::::::::::::::::ｉ:::/::::::::ｌ:::::::::::::::::::::::::: /::::::::ﾄ ｀ l::::::/ヽl::ト、_ ノ
　　　　　　　 l:::l:::::l::::::::::::::::l:/::::::::::l::::::::::::::::::::::::::l::ｌ::::::: ト、ﾞｌ:::/｀ヽl:l｀ヽ　　　　　……それは。
　　　　　　　ｌ/ｌ:::::l::::::::::::::::ｉ:::::::::::::l:::::::::::::::::::/l:::l /l::l::::l、｀.|/｀ヽ　llヽ　}
　　　　　　　|　 l:::::ｌ:::::::::::::::ｌ:::::::::::::l:::ｌ::::::::::::::ｉ.:l:::l.:.:l: ﾄ:::l.:ヽ ｌ｀ヽ、｀ヽ　 l　　　　　おまえの父さんは……カズキは……。
　　　　　　　　 ヽ::l:::::::::::::::ｌ:::::::::::::l:::l::::::::::::::ｉ_ｌ::l.:.:.:!.:.: ﾘ:.:i ｀ヽ　 丶　 /
　　　　　　　　 　＼:::::::::::::l::::::::l::::l:::l::::::::::::::l l::l｀－==＝ﾄ、 ｉ｀　 　 /
　　　　 　 　 　 　 /＼::::::::l:::::::ll:/l:::l:::::::::::::ｌ l::l　　 　 　 ! ｉ　　　　/
　　　　　　　　　 /　　 ＼:::l::::::ｌl、l::ｌl::::::::::::lul:ｌ　　　　 _ ゝl 　 　 ｲ
　 　 　 ＿＿＿/　　　 　 ＼:::l　｀l:ｌｌ:::::::::::ｌ　ﾘ- 、_, ´　　 ヽ　 　 lヽ、
　　　／｀丶、ノ　　　　 　 　 ｀　./ｌ l:::::::::::l　　,-.'::/　 　ｌ´、i　 　 lノ|
　 　/　　　　｀丶、　　　　　 　 / 　 ｌ:::::::::ｌ イ::::::/　　　.ｌ、 ｀ - '´ 　l
　 ノ　　　　　　　 ｀丶、　　 　/　　　l::::::::l　l:::::/　　　　l、ヽ _ _ ／ l
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╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
いつか、報いを受ける日が来るかもしれない。

自分が奪ってきたものが、過去が、いつか自分の運命へと姿を変え、
目の前に立ち塞がってくる日が来るかもしれない。
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6129： ◆x0SRSoJXe.：2024/05/01(水) 21:38:55 ID:etp5/xM.0

　　　　　　　　　　　 　 　 　 　　 ''"ﾟ~~ﾟ~"''〜､、
　　　　　　 　 　 　　　　 . :''"ﾟ/ :／⌒＼.: .: .: .:.＼
　　　　　　　　 　 　 ／.: .: .: .: .: .: .: .: ￣＼.: .: .:.:.:|＼
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　　　　　　 　 /⌒.:＿ : : : .: .:.＼:／ .: .: .: ∨/ .: ＼ |￣.: .: ＼
　 　 　 　 　 /.: .: .:|_:/＼ : : .: ／＼:斗tｰミk.: .: |.: .:＼.: .: .: .: :＼
.　　　 　 　 / :/.: : |〈"⌒ヽ.: .:.:|.:／　ノＬﾊ　小:.:|⌒Y. :'，.: .: : .:'，~"''〜､、
　　　 　 　 .: /.: : 八.:.:.／　)ﾊ:.| : }　乂少'　 :|.: :|ﾉ 人/∧.: .: .: : '，.: .: .: .: ｀丶、　　　　　　　　　　　　　ほな、いこか！
　　　　　　|:/|.: .: .: .:＼:. ｨうぅk|:V 　　　' ' 　 |.: :|イ___//∧.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: ＼
　　　　　　|　|.: .: |.: .: .: : ､乂ﾂ r 　 　 　 　/ |.:八厂|　＼∧ .: .: .: |.: .: : .: .: .: ＼.: ＼　　　　　　　　　　　元気な顔見せたらな！
　　　　 　 　 |八.:|.: .: ＼.: .:＞　 　　　 ﾌ 　 ／_彡 /　／ ＼. .: .: .:|.: ＼.: .: .: .: : ＼.: ＼
　　　　　　　　　＼(⌒¨¨「 込　 ＇　　　　　／/／／　　　∧ .: .: |.: .: .:＼.: .: .: |: .:＼.: ＼　　　　　　　　　よーし、これから忙しなるで！
　　　　　　　　　　　　 　 |.:| .:个 .　　　　 ／..:/,,／　　　　/￣.: .:.:八.:／⌒＼.: 八.: .: ).: .: ＼
　　　　　　　　　 　 　 　 .: |.: .:|.: |　＞‐く: ＼「￣＼ 　　 /　　 j／　 ＼　　　 ￣三二ﾆ=---　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　 /.: 八 .: .: | .: r＜　／ |i⌒＼＼_,/　　　　　 　　 ＼
　　　　　　　　　　　　⌒7{.: .: .: .:|＼|／⌒几〕!／⌒＼〔｀`〜､、　　　　　 ＼　''"ﾟ~￣~ﾟ"''
　　　　　　　　　　　　　 :人 : : .: |__/＿__/:i:i:八　 　 　 |　　　　 ｀`〜､、
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼／／＞'":i:iイ　 |:、 　 　|　　　_.､-''"￣￣￣| |￣~"''〜､、
　　　　　　　　　　　 　 　 　 /／ r――ミノ 　 |　＼＿.|/⌒ ／＼ ＼＿＿_リニニ|
　　　　　　　　　　　　　　　/／　.|　　 ／　　 人. 　 ＼　 ／ニニ ＼＿＿／ニニ |
　　　　　　　　　　　　　　／.._　　|__／ _ -=~:::::::＼　 　 ∧ﾆ=---=ニニニニニﾆノ
　　　　　　　　　　　　　/::::::::::＼〈-=~:::::::::::::::::::::::::::＼／:::::＼::::::::::::::＼ニニニ／＼
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╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
それでも。
その運命が、許す限り。

託されたものを、次の世代に託すために。
遺されたものを、守りとおすために。
目の前にいる大切な人と、添い遂げるために。

ただ、今を生きていく。

それが、自分に許され、そして課された、権利と義務だから。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

6130： ◆x0SRSoJXe.：2024/05/01(水) 21:39:07 ID:etp5/xM.0

　 　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r‐ﾍ__
　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(/＼　)___ 、
　 　　　　　　　　　　　　　.__r‐、__　　　r-/⌒　 ┌────────────┐
　 　　　　　　　　　　　　　(　r-,　　)　.(　 _　　0 │　 　　　　　　　　　　　　　　　　│
　　　　　　　　　　　　　　　｀　 .>　 ｀) (　( ｀--r │　　　二週目エピローグ　　　..│
　 　 　　　　　　　　　　_/(____ノ 0 =Oﾍ｀´　　_｀ │　　　　　　　FIN　　　　　　　.....│
　 　　　　　　　　　　　(__　 　　ｏ ,-0,./｀--r´-　│　 　　　　　　　　　　　　　　　　│
　 　　　　　　　　　　　/　｀-´ー´｀r´　 　　　)ノ └────────────┘
　 　　　　　　　　　　./　 ,/　.|＞--(,´⌒｀ヽ ○=＝0)
　　　　　　　　　　　/　 ,/　　|＞-‐‐‐＞　 ) }＼ .ノ‐ 、
　 　　　　　　　　／　 ./　 　.|／＿／____／ ０　 0｀)　｀),0
　 　　　　　　　./　　　|　 　　|｀- 、_　｀--i　__,-‐´ .）　 )=o
　 　 　　　　　./　 　 　 　　　|＞-、　｀- _｀´　(｀ー´　　.)、
　 　　　　　　/　　　　　　　　|ｦ⌒ ｀ー 、　｀ー｀ー｀ー´.)　)
　　　　　　／|　 |　 　　　　　|＿＿＿＿｀　　　　　＼＜_ノ
　 　 　　/}　 |　 |　 　　　　　|　　　　　　　ヽ、_.　 　　＼-｀
　　　　./ }　 　　|　 　　　　　|　　　　　　　　　　ヽ、.._＿_＼
　 　　/　 }　 /　|　　　　　　∧　 　 .／￣￣￣￣￣
　　　{　ﾉ‐} ./　 |　　　　　　}　 ｀ ／
　　　{　{　{./　 .ｿ　＿.　 　//／
　　<　|｀　＼二二、　 　/／
/￣｀ー--(_ノ)_,―.＼._／
{　(｀￣ フ ノ＼ ＼＼＼
.＼二／／ |　.|＼ ＼_ゝ.)
　 .／／ 　 |　 |.　＼＿ノ

6131： ◆x0SRSoJXe.：2024/05/01(水) 21:48:37 ID:etp5/xM.0
　　　　　　　 ､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|　　　　　　　これで、二週目は正真正銘、終わりだ。
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´　
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i　　　　　　　　エピローグはやるかどうか迷っていたが……
　　　 　/ : : : : : : :┌─┐
　　　 　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ　　　　　　　　去年の年末に大急ぎでラストシーンを書いていた際、
　　　 　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿
　　　 　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ　　　　　　　　　遺されたカズキの妻子の描写を入れ損ねていたのでね。
　　　　 と_ : : : : : : ノ : :ノ
　　　　　　￣￣￣　￣　　　　　　　　　　　これだけは入れねばならないと思ったので、今回やらせてもらった。





　　　　　　　　　　　　　　　　　　,- ‐‐ -　､
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｲ: : : : : : : : :｀,
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /○　○: : : : /
　　　　　　　　　　┌─┐　　i_ _ _ : : : : : : :{　　　　　　　もしかしたら、やる夫君は近い将来、復讐の対象として
　　　　　　　　　　┃茶┃　　 ｀,_　_｀=-: : : :|
　　　　　　　　　　├─┤　　 　i: : : : :_: : : :'　　　　　　　　殺される日が来るかもしれないし……
　　　　　　　　　　￣￣￣ー‐'' ｀-‐´ : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　　　 ゝ __ ,..　ｲ : : : : : : : : l: : |　　　　　　　その子が復讐を捨てることもあるかもしれない。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 { : : : : : : : : :|: :.|
　　　　　　　　　　　　　　　 ,､ '" : : : : : : : : :ﾞ､:.ヽ　　　　　　　そこは、想像にお任せしたいと思う。
　　　　　　　　　　　　　　 （ : : :‐ ､ : : : :__,. : : :Y"
　　　　　　　　　　　　　　　` ー‐┘￣‐〈＿ ,,ノ

6132：安価のやる夫だお：2024/05/01(水) 21:50:11 ID:i5neLM4Q0
乙でした

6133：安価のやる夫だお：2024/05/01(水) 21:53:14 ID:4JYPcUvE0
乙ー

6134： ◆x0SRSoJXe.：2024/05/01(水) 21:54:04 ID:etp5/xM.0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|　　　　　　さて……二週目ifのアルトリアルートも、、ぼちぼち書いていかないとね。
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,　　　　　　リハビリがてら、ある程度安価型式にしようと思っている。
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|　　　　　　ある程度の台本やイベントチャートも書いたり……
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |　　　
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,　　　　　　今までのモコイさん脳内プロット型式から変えようと思っている。
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|　　　　　　安定性に欠けるからね……。
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´






　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',　　　　　　　　　GW入ってから一発だけ仕事で呼び出されたが、あれから静かなものだ。
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',　　　　　　　　多分もう大丈夫だろうから、GW内に一発やりたいところだね。
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ　　　　明日は家で大人しくしてるから、色々書こうと思ってるよ。
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ　　それじゃ、シーユーアゲイン。
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'　　　Twitterでのお話も大歓迎だ。モチベ維持につながるからね……
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

6135：安価のやる夫だお：2024/05/03(金) 10:21:25 ID:Qp3PxzTE0
遅ればせながら乙でした
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