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|
【安価】やる夫は誰かのために戦うようです【R-18】
1
:
◆x0SRSoJXe.
:2018/11/18(日) 22:14:42 ID:NOfdPGR20
∧ `i¨ヽ i i γ⌒ヽ`i¨ヽ `i ̄'`| ̄`ヽ. .i\ i\
_/,,∧ ├く ∧ .∧ {{ }}|-く. ├一.| } .| | ヽ| .:iヽ
. _/_ ヘ_jL \__/ ∨ ∨ヽ、__ノ jL \」__.,イ!____ノ | | .:| | ヽ
γ⌒ゝγ⌒ヽ `i¨ヽ `i ̄'\‐┘ー, .| └─:\
{{ {{ }}├く ├一. ¬┌ .:| ┌─'′\
ヾ、__.イ ヾ、__ノ .jL \」_イ j_.L._j__L )\
●この作品は株式会社フロム・ソフトウェアによって平成18年12月21日に発売された、『アーマード・コア4』の二次創作作品です
●原作との相違点も多く、作者の知識の至らない点は自己解釈によって補われています。あらかじめご了承ください
●この作品はフィクションであり、実在する人物・地名・団体とは一切関係ありません
1401
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/09/05(木) 01:41:47 ID:ZNFGkSFg0
,. __
rく_zz._,zゥヘ 、
/爪い{ ``ー┓ \
/ _弖ニ=- ミ `ー=┓ .
. /xく勹_}√}{__]}≧: .、 ⅶ_ :.
/ :!  ̄ ㍍抖:. }》} .
:. i| { | ! j,厶 《{ : ,. -=ニ ¨ ニ=- .
. ′ i ¦ⅳ; } ;川 i从 },ハ:., ! /ー‐ ‐ ``丶、
i :. .:, jL..从 /厶斗-rハ 小:!i:、 乂_/xヘ \
抃 i八 {坏{,幺 √/ 代炒} /{」}从..\_/⌒ヽー- ミ \:.:..、__
! :., iⅥ爪㌣/ , : : :リ7: ]/爪__ア′ :ハ `丶 : : . . _``丶、
j从Ⅸ介: .└ __ _, /} '/リし/{ / :′ミトミト、 . :.  ̄三¨ニ=-‐=≠ニ⊇¨ ー ミ
// jハ {N{ {{⊇ニ=--<.! !爪.:; { ト、 ハ . : . / }.、
_ア´/ f:..;' Ⅵ Ⅵし' :..V小; φ′:.:./ :....N { : : :{: : : : . :. 人_\
7 7..八:′ j/\ }}\ :.《}[{リ :. ノ.Ⅳ __ :从i:.:. :`、 : \ニ=- ミ: . : . .__: . ∠こ⊇人
. ア^ァ/./.r┤ {.........{:.{ \狄:! K__rz..} /: : . . }八仆、; ト、 (⌒≧=ミ: : \: : -=¬冖{:.うア
イ/厶イ.....:. \....r‐ァ |i に {√}:しイ^ j」r : : /ハj...}N: :. 丶 \ ; __彡'^
. ノ’{...ノ..うニ=- ミ } [__/{ 八ハー┘ :!:. : ⅱ:_彡': : : : . `丶、. r─==¬ ノ
/_, :f爪.(../⌒≧ミ..アf爪/⌒>-<:.j . . . .ノー ⅱ: : : : : : : : : : . . . . . . .Z. . . . : :[__ r=‐ ^⌒
r ,. .-‐ : ./ x<ーぅ.ィ^ \ }: . {.,....._{_: ≧=- : ミ ⅱ: \、___,‐- : : :_:_; -==冖ニ¨三 ̄
}<; ; , , , , ,し{_入し/xヘ 了 ..r┴:.{__r‐ }: K: . . >≪ {__
`^会: 、_,ノ: ...Zニ=-.:}_」 . . . . . . . ノ:⊇ニ=-‐=ニ¨三 ̄
ア.......[ ̄.:[__: -==: : . ._: ://′
ー=今=‐  ̄ {
. く; : : : : : : : : : : : :. -=
⊇ニ=-‐=ニ¨三
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
先に布団に入っていたアリスに迎え入れられる形で横になる。
体が触れ合いこそしなかったものの、手を伸ばさずとも触れられる距離で、
微かに体温すら伝わってきているような感覚さえした。
鼓動の律動が早まり、視野が狭まっていき、
やがて横になったアリス以外のものが目に入らなくなる。
だが、緊張も長くは続かなかった。
マットレスに体を沈めて力を抜いた途端に、全身の筋肉が弛緩して泥のように広がった。
「おやすみなさい、私のやる夫。
これからの夜は、傍にいてあげるから」
アリスが優しく囁いてくる。
恥じらいを残しながらも穏やかに微笑む彼女の表情を見て、
やる夫はようやく安堵感を覚えながら目を瞑った。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
1402
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/09/05(木) 01:41:58 ID:ZNFGkSFg0
┌──────┐
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└──────┘
┌───┐
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└───┘
┌─┐
│ :: │
└─┘
┌┐
└┘
□
・
1403
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/09/05(木) 01:42:43 ID:ZNFGkSFg0
今回はここまでだ。
次回は来週の水曜日午後九時としよう。
シーユーアゲイン。
>>1
もそろそろオフトゥンに戻るよ。
1404
:
安価のやる夫だお
:2019/09/05(木) 08:05:49 ID:rn.0gLUk0
お疲れ様でした
幸せそうな生活ですけど、これが戦場でいつ死ぬかわからないことの代償だと思うと、この世界はハードですね
1405
:
安価のやる夫だお
:2019/09/05(木) 09:28:03 ID:lwgfIFF.0
おつおつ
ばぶみを感じてしまってええやろか
1406
:
安価のやる夫だお
:2019/09/05(木) 10:37:31 ID:nJztW0I.0
乙
1407
:
安価のやる夫だお
:2019/09/05(木) 11:47:12 ID:3M2UrX7U0
乙
1408
:
安価のやる夫だお
:2019/09/05(木) 12:10:33 ID:ZWtE7CX20
乙でした
1409
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/09/06(金) 15:41:49 ID:ottkfM.o0
>>1405
以前も書いたが、私のお話の登場人物はすべからく私がモデルなのだ
三割くらい私の人格やらなにやらがブレンドされている
つまりアリスにバブみを感じたということは私にバブみを感じたのと同義なのさァ!
オギャっていいのよ?
1410
:
安価のやる夫だお
:2019/09/06(金) 19:33:30 ID:coJUFw220
逆説的に登場人物すべての要素を兼ね揃えているのがイッチなのだ
1411
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/09/11(水) 21:12:53 ID:om7gZO3w0
/||ミ
/ ::::||
/:::::::::::||____
|:::::::::::::::|| ||
|:::::::::::::::|| ||
|:::::::::::::::|| 、 - ‐‐ -,
|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
|:::::::::::::::|゙i : : : :○ ○゙i
|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _l ハロー。
|:::::::::::::::||: : : :-=´_ _,´
|:::::::::::::::||___ : : :丿
|::::::::::::::(_____ノ´||
|::::::::::::::(_ノ / . . . ||
|:::::::::::::::||/ ||
|:::::::::::::::|| ||
\:::::::::::|| ̄ ̄ ̄ ̄
\ ::::||
\||
1412
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/09/11(水) 21:26:46 ID:om7gZO3w0
,- ‐‐ - 、
r‐イ: : : : : : : : :`,
i /○ ○: : : : / /` 、
i_ _ _ : : : : : : :{ / : : / タイトル詐欺小説の書き進めという嫌がらせを完了させた
>>1
だよ。
`,_ _`=-: : : :| ノ : : /
i: : : : :_: : : : :'y´ : : : / ああ、異世界チート転生ものを求めてページを開いた読者たちの
`-‐、´: : : : : : : : : /
ノ : : : : : : : : i´ 苦悶の表情が目に浮かぶようで
>>1
はとってもダークネスなヴィランスマイルだよ。
/ : : : : : : : : : :|
i: : : : : : : : : : : ! もしこちらで読みたい人がいれば、Twitterでリンクあるからよろしくパリジェンヌ。
. (`ー‐- -‐ _}
, -‐ ‐- 、
/: : : : : : : : : : ::',
, ': : : : : : : : : : : : : : :',
/: : : : : : : : : : : : : : :○:', 今回は、まあ、ラブシーンだ。エロシーンではない。
ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
. `ト : : : : : : : : : : : _,-‐'`iヽ _ そのうちやるから気長に待ってて亭待ってて。ていうかエロゲにエロシーンていらなくね?(哲学)
i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : `ヽ
| : : :ト: : : : `-‐´ : : : : : : 、: : : 丶 あ、このスッポン汁はサービスだ。赤マムシドリンコも私のおごりだ。
| : : :'、j`-‐ : : : : : : : : : : : \: : : ヽ
丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i ゆっくりしていってくれたまえ。
`ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ
1413
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/09/11(水) 21:27:18 ID:om7gZO3w0
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|>ヽ -― ニ仆; |、
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}, ィ" ̄ ̄`‐-、||//`ゝ、
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|/ '" !ニニニニi_二\
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::::::ノ">'"__''二ラ∠ニ||、::::::ヽヽ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::// zニ 、 / || || ヽ:::::::ヽi、
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::ム'/rァてl!∠ /|| \::::::}
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l:: / /::::弋ソj!|∠____ }::::イ、
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∨∨ :::: ´∠_____--- |:::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}′ ∠ }{薔}ミ お、おはよう。
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,,,,,::::::::::::::::::::::::::| ´ <、 ニニニニ---'´ ノ::::ノ',′
::::::::::::―――――- 、::::::: | :::: fアド<ニニニ-'´ ノ::ノi ',
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ、:\ヽ、:::: `¬ノ∠、_ 仆; ヽ、\
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ヽ>ニニ―――ア ̄――‐くr' ) ヽ、
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\" -<二ィ"., -―''¨¨"ニz_\ )
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ >ニ-'´ ,,,,,,,,,,,,,,
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
軽くなった瞼を開けると、当然ながら見慣れぬ天井がそこにあった。
倦怠感や疲労感も残っていない。すぐにでも飛び起きられそうなくらいだ。
信頼できる人が傍にいるおかげか、熟睡していたらしい。
アリスの方を見ると、彼女は横たわりながらこちらを見つめていた。
少し気まずそうに、布団を鼻の下あたりまで被っている。
ぎこちない挨拶を交わしながら、ふと思いついた質問を投げてみた。
「もしかして、先に起きてたのかお?」
「え、ええ、まあ。でも、先に布団から出る気もしなかったのよ」
身体を起こすと、右腕が何かに引っかかった。
見れば、服の袖をアリスが控えめに掴んでいた。
触れようと思えば手を握ることもできるのに、それができないということは、
自分もアリスもまだまだ不慣れなのだ。
すぐ近くに誰かがいることに。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
1414
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/09/11(水) 21:35:08 ID:om7gZO3w0
____
/ \
/ _ノ ヽへ\
/ ( ―) (―) ヽ 今の時間は……朝の九時かお。
.l .u ⌒(__人__)⌒ |
\ ` ⌒r'.二ヽ< 任務通達とかは来てないみたいだけど。
/ i^Y゙ r─ ゝ、
/ , ヽ._H゙ f゙ニ、|
{ { \`7ー┘!
zェュ
x≦三三≧
´ `
/ ヾ .ヽ
/ .| .i| i! ヤilヘ
.' .| .i! { 斗升十ト } 〈i:l .
l l 斗升ト / _ 从 i
l ヽ l_ ト ./'ミィzzxッソ.' '. .
., Nァzzミ / /イ i| ああ、それなら心配しなくていいわよ?
ヽ ヽ ヽ ` ノ/ .i| |
/ \ ゝ _, .イ i| 今日は非常事態の場合を除いて一日オフ。
/ /ヽ ヘ `´ /. . i|
, / > ヽ /.i i| .i| というのも、ネクストに乗る上でのインターバルよ。
, ──‐‐< ../二フ > ‐, <ヤ"i .i| .i|
, ´ ̄> ,, ./ 、二二フ.l>、/:.:.:.:.::.:. .i .i|/:.:. ̄.ヽ 幾ら戦時中とはいえ、私たちも連日連戦してたら
./ `"''"=、 ヽ .//只ヘ:.:.:.:.:.:.:.:ノ .i|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
/ ─<二´~ -‐- ゝ'/{i /:.:ll> ' "´ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ どれだけ適性や耐性があっても持たないわ。
イ/ ./i | | ,,./⌒y⌒,`´/ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
/〉/ / i| i| |>'"./ / / ./ >'":.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:>、 つまり、そういうこと。休むのも仕事よ。
ヤ__rフ ./ ゝ , <:>''"イ薔ヘ 八 ,, <:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
ハ /ヽ / ム ,/:.:/ 弋彡 ゝ i{:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
ネクストというコジマ技術の塊とでも言うべき兵器に
連日のように搭乗すれば、いくら適性があろうと肉体に限界が訪れる。
それを防ぐための休息なのだとアリスは言った。
実際、独断でもなんでもなく、上からそういったお達しが来たらしい。
そういうことなら、しっかりと休むべきだろう。
戦わなければならない時は、どうやっても戦わなければならないのだ。
それなら、休める時に休んでおかねば勝てる戦いも勝てなくなる。
ベッドから出ると、二人とも着衣が皺だらけになっていた。
寝巻に着替えることすらせずにベッドに入ればそうもなる。
ひとまずソファの方に二人で移動して、向かい合った。
寝起きのアリスはところどころ髪が跳ね、明後日の方向を向いていた。
普段薄めとはいえ化粧も落とさずに寝てしまったこともあり、
ほんの少しではあるが肌も荒れてしまっているように見える。
「とりあえず、色々と昨日の晩にやり残したことをしましょうか。
シャワーを浴びて、着替えて、荷物を広げて部屋に置いて……ま、色々ね。
服とかは適当にクローゼットに入れておいていいわよ」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
1416
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/09/11(水) 21:51:10 ID:om7gZO3w0
____
/ \
/ \
/) ノ ' ヽ、 \ ……恋人同士って、どういう生活をするんだお?
/ .イ(ー) (ー) u |
/,'才.ミ) (__人__) /
. | ≧シ' ` ⌒´ <
/ / ヽ
,. -ー' 二二二 ー- 、
//: ̄__:::::::::::::::: ̄`:::ヽ
/〃'::::::/´ノ〉):_ノ_ノ::::::::::::::::::\
//´::::::__,ィ:ゝ-':__,:::-──- 、::::::::::ヽ
/゙::::::::::/ ̄ ̄\ ヽ\ ヽ \::::::::ハ__
!:::::::/ i ヽ ', ヽ \ ヽ>,仁》
_ |::::ハ ', i } ! ! ',<ノ||\
《ニハ_ゞ、 \ \ ! || | |__ || l | \>
ソ|| \\ \ \ | .从,ィ匕Lィ|| | | 〈´ 別に、今まで通りでいいわよ。
| '、 \\,>≧ゝ, |/ /,ィヌニミ、|i | l |
ハ \ `卞代ツミ ヾ′ ''' / // ト、 お互い、ある程度の気遣いや礼儀は必要だけど……
. 〈/|:} ヽ,\ \`¨´ 、 / // / l ヽ
//| |\\, __> - ´ イ!// / ! 〉 それを除けば自然体でいいと思うわ。
. /ム'〉 「`:::ゝ,\_ ≧ュ,fヽ_ .ィ─ヘ,ィ l |l /
. /:::::| |::::::::::ヘ !:::::::l |::::ハ;:::::_:::::ヽl l|/
/::::::::::: ! / :::::::::::::} |::::::::l !/ ∨ }/::::/ / ハ`ゝ
. ./!:::::::::::::::| /:::::::::::::::::| |::::ノ| ト-ーく /_」:::/ / /::::ヽ:::ヽ
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
昨晩やり残したことを終えたやる夫とアリスは、
ソファーに腰を落ち着けながら今後のことについて軽い相談をした。
恋人同士というのはどういう生活をするものなのか想像できなかったが、
アリスは自然体でいいと言ってくれた。
「かく言う私も、家族とか恋人とか持ったことないから、全部想像なんだけどね。
でも、フィクションの中ではそんな感じだったわ。
一緒に生活して、部屋の中で仲良く笑って、たまに二人で出かけたりして。
あと……そうね、ご飯は一緒に食べてたわ。
だから、私たちも食事はなるべく一緒にしましょう」
アリスは人差し指を立てながらこれからのことを楽しそうに話すと、
少女のように柔らかい笑みを溢した。
「どうしたんだお?」
「ううん……恋人とか家族とか、縁なんてないと思ってたのに。
急に全部手に入っちゃって。なんだか夢みたいだなって」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
1417
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/09/11(水) 21:59:37 ID:om7gZO3w0
_,,、 _
t匕ア::-‐< ̄ ‐-
イ.:〆.::〆 ` 、 \
/I7.:〃.::/」 \ \ \
/ I7.:〃.::/」 \ l ヽ ヽ
/ {{l:::|l|::::l}} l | \ i l ハ _,,.
′ {{|:::|l|::::|}} | | ト、 / ` 、 | | | /イ
| {{|:::|l|::::|}} | | X\ '、 \人 _|_ |/i|l|l|
| {{|:::|l|::::|}} 、 ∨ヽ _,,;;;;;彡,, i |i|l|l|l|
, / {{|:::|l|::::|}} \ヽ ´´ ̄ ! lli |l|l|l|lレ{
/ / , 小:.ぃ::.マ} _ \\,""" - ´i |l|l |l|l|l|l|l
/ / / / l >=rf<⌒ヾ \ ; |l|l| |l|l|l|ll′
/ / / | {:{___ノハト =='\ ー一 . イ l|l|l|!|l|l|l|l|
\、 / / / / | `¬1| |:|\ \\ ー 〔_ | |l|l|||l|l|l|l| _
〉三≧x. / 丿 ノ:| |:| ヽ \\ -r=く}\ムイ ̄ ̄ ヽ (( / | ))
_,,.≧ニ三三≧==三≧ト.,,_ `′ } } \\_ノハ、`¬-、::::::::::::::\ ./ /
≧ニ三三三三三三三三三三三≧ュx..ノ__厶 ―- \::::冫 \:::::::::::::::\ / ィ
三三三三三三三三三三三三三三二ニ7.:::::::::::::::::.\´ _,rv\::::::::::::::::i / / ト-、
三三三三三三三三三三三三三三ニ7.::::::::::::::::::::::::::.\‐く\ノj{迄}\::::::::::ト // / \
三三三三三三三三三三三三三二ニ7.::::::::::::::::::::::::::::::::::.\<⌒ーく ヽ::::丿\ / ,:' ∨ /\
ニ三三三三三三三三三三三三三シ.::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ::::::.\\ノ \ トr< ヽ. / , ! / / ノ
一ニ二三三三三三三三三三三 {::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::.\\ 、 } |:::::::::| ヽ ' l ,' ー',ーイ'
-ニ三三三三三三三三二アヘニ ∧::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/.:::::::::::::::. \ヽ\ノ.:::::::::|、 l i l /
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
そうと決まれば支度をして食堂に行こう、とアリスは意気込み立ち上がった。
楽しそうにしていたり、嬉しそうにしているアリスを見ていると、
やる夫も冷え冷えとしていた胸の奥の空洞が暖かいもので埋められていく気がした。
こんな気持ちになれるのなら、誰かと生活するのも悪くはないと思える。
それとは別に、戦場であれほど熾烈な言動をするアリスが、
自分の前では穏やかな普通の女性として振る舞っているのが嬉しかった。
自分の前くらいでは、安心していてほしかった。
こうした何気ない時間こそが、何よりの報酬だった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
1418
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/09/11(水) 21:59:50 ID:om7gZO3w0
┌──────┐
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・
1419
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/09/11(水) 22:13:51 ID:om7gZO3w0
x --x__x--zz--- 、
ャ≦:::::::::i辷ゞィソ:::`ヽ>x ` 、
ノ:::::::>片尺豸x:::::::::::::::::\ミx ヘ
〃=.イイチ'´ ``辷z::::::::::::::ヘ斗. ',
L=イ´ 乂z、:::::∧キハ
,..〃/ / / . ! | l .| i! ゝム::::::::iソ i
〃イ_/' i ' ./i | ! | | |i |. i.| 7i- 、:::iィ i
,イイ´.//!.i! i / .i .li | i .! リiVi .i | i jYzィ7イiヾ .|
〃 //i l i !ヽi | | ! j .iV i! i .j | / ィ==、__,zz、j
'′./ ,'∧ ヘ |示zz'、iヘ∧! ',ノ 7/i了 L==テハij、_i,' ……なんか、違う気がするわ。
-=z、 ,.イ/., '/,'.ハ ヘ ゞ-ィ '〒テ7'/./, './ ji|| 7
ヾ\ . イ 〈:i/ /,'i' , ' 〉 ハ、 ´¨¨`イ:/イ /.i〃!', i
≧x::ニニz:ヾ_ i::!、 〃 i.ハ u. '__ 彳:/ /: j ,' |::i.!
,.ィ´ニニニニニニニニ≧x_,7//!>.、 ` . イ, /i/ i/! | i ,. --≦ニ
,イ≦ ̄イニニニニニニニニ_7 r-.///j i | l >--<:::.../ /.!.| | | .! ハ 〃イニニニ
ィ´ /ニニニニニ/i::,'j:::::///::i>、_,イ:::/:iハ::::ヽ/ / i | | |∧i_,.イニニニニニ
/イ/ニニニi:',iヘi' i:::7.,'/::::iイi ム:::::::i.|:::::::/ /ハニニ: ̄ ̄ヽ,ニニニニニニ
′'イフニニニイヾi.',::V:::i,.'/:::::::/ 〃=' izz/ /イ ノイ i:::::::::::::::::ヽニニニニニ
/ /イ ̄.〈',:::::::::::::::::i j:::rV ヽ _//__ _.i:i イ/ !v::ヽ::::::::::::::::::::::| \ヽ``ヽ、
/ / r==ヽ::::::::::::::::| !::/ 廴几ハ廴/'´ハ几__i、.',:::::::::::::::::::::::::::ヽ ヽ \
〃 〃 / .j::izzzz>:::::::::::| !' i √/ r----j i ゝ'イ:::ヽ、::::::::::::::::::::::::::ヘ i ',
/ / /i / イ√ 7:::::::::::::i::::::i i:i V └==、/N .i \::::::::\::::::::::::::::::::/ .j
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
清潔感のある白やベージュで統一された食堂での食事は、
二十分もかからずに終わってしまった。
人の入りが多くて退散したわけでもなければ、カウンターから機械のアームで
差し出されたトレーに載せられた料理が不味かったわけでもない。
嫌な人間がいたわけではないだろう。
オルデンブルク最高ランクのリンクスであるアリスは顔も広く、
日頃の振る舞いもあってか、先客もアリスに挨拶したり一瞥くれたりするものの、
ひそひそ陰口を叩いたり露骨に嫌悪感を顔に出す人間はいなかった。
にもかかわらずだ。
二人で長机に並んで座って、同じく白い皿に盛りつけられた
サニーサイドアップのエッグトーストやコーヒーなどを頂いた。
なのだが、アリスは不機嫌そうだった。
やる夫としては、どういった食事が好ましいのかすら分からないため、
そのあたりの感覚はアリスに任せる他なかった。
けれど、そんなやる夫ですら、食堂での食事はアリスの求めるものではない
だろうことは想像に難くなかった。
この食事には感情がない。情緒がない。
コロニー内での労働施設における配給と何ら変わらない。
機械に燃料を注ぐ行為にも似た、無味乾燥としたものだ。
一人でトウキョウのネクスト収容施設の食堂に行った時は気にならなかったが、
アリスと二人でいると計り知れない違和感に襲われた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
1420
:
安価のやる夫だお
:2019/09/11(水) 22:21:30 ID:kp1n2EyM0
はろー
1421
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/09/11(水) 22:23:13 ID:om7gZO3w0
____
/ \
/ -‐´ `ー\
/ (●) (●)\ 部屋、戻ろうかお。
| (__人__) |
\ ` ⌒´ / 「そうね……」
> ー‐ <
. / / ̄彡ミヽ、
/ ヽ / / ヽ ヽ
ヽ. Y / | |
ヽ ノ ヽ ノ
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
普段、食事に対して無頓着だったやる夫ですら、これには抵抗を覚えた。
そして、気付いた。
この空間には安らぎも楽しさもないのだ。
ただの補給行為に過ぎず、ひどく冷え切ったものなのだと。
企業連との戦争の真っただ中ということも相まって、
食堂全体に漂う雰囲気も決して和やかとは言い難いのも大きい。
結局、やる夫からアリスを連れて食堂を後にする形となった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
1422
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/09/11(水) 22:47:07 ID:om7gZO3w0
>ニ´ ̄r芯^Y≧ュ_
//ニニニニニニニ/⌒´ ̄\_
/ /ニニニニニ/ノ / } ヽ}
/ 人ニニニ/ノ´ / .| }\
. / / ./ ゝイ / |i ヽ
/ / / / .|「 / / 八 }
|. 〈_/ / }j | _/ / ∨|
| ∨_ イ.しイノ { ///}\ / | }
| { | ̄´/{芹云ミ / /ヽ } |
| | | | .ヒツ 厶イ}/イ / |
| | | | 芹ミ } / / 私も、自分で思っていたより空っぽだったみたい。
} i トノ ヒリУ /
. / / | |{ _ ノ ̄{ i その空っぽだったときと同じ生活をあなたと共にしても、
/ / /| || \ イ / |
./ / / .| ||_∧`二≦ } | | 何にも嬉しくないわね。
/ /_イ │_ ||<⌒ヽ ヽ | ト、│
{<´ ̄\ 」、ヽヘ ト、_ノ } | | }′
/ ∧`YY } `Y .| | | 人
. / ∧ { }⌒7⌒}′ j. \
{. / ∧ ヽ 、 ` ̄ ̄`>─ 、_}__
|/ \ ∨ }、二二) [iiiiiii]}
| /⌒ヽ | }r'=テヽ 二ニ}
| /⌒7⌒ヽ` ̄{二二>─イ {
\ /⌒7⌒7^Y 人_ \^Y
\イ⌒}´ ̄/{ ⌒7⌒7⌒ヽ (_ } )、
/ }i | /\ ⌒7⌒ソ (_  ̄\_ノ( }
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
小さな二人だけの部屋に戻ると、ようやく肩の力を抜けたのか、
アリスはへなへなと身を投げ出してベッドへ倒れ込んでしまった。
どうしようもなく、自分もアリスも、無知だった。
幸福に憧憬こそあれど、それがどんなものか、まったく知らなかった。
理解も知識も経験もなかった。
お互いを大切に想う男女がどのように日々を過ごすのか、
何を以て幸福と成すのか、欠片も分からなかった。
孤独でない日々に、馴染みがなさすぎたのだ。
それこそ、哀しいほどに。
そのまま不貞寝してしまいそうな様子のアリスを見つめる。
華奢な体を白いベッドに横たえながら、うんうん唸っていた。
きっと、彼女も真剣なのだ。
真剣に、突如として訪れた二人で過ごす日々に向き合い、悩んでいるのだろう。
マットレスを揺らさないようにそっと腰掛けると、
壁に設置された大型モニターが視界の大半を占拠した。
黒く四角い巨大なガラス板といった風体のモニターの液晶には、
力なく寝ころんだアリスと、そこに寄り添う自分の姿が映っていた。
その光景に、いつかの思い出が重なった。
暗いシアタールームの中で、二人で見た殺し屋と少女の話を思い出す。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
1423
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/09/11(水) 23:02:42 ID:om7gZO3w0
___
/ \
/ ⌒ ⌒\
. / ( ●) ( ●)\
| ⌒(__人__)⌒ | ねえ、アリス。
. \ ` ⌒´ /
/⌒ ヽ 「なによ」
. | ヽ__ _ ',
:、_ ) ( ̄ _丿 もう一回観てみないかお? あの時の映画。『レオン』っていったっけ。
| /  ̄`i / ̄ `i
| | , |
∧ | |__/ /
. `ーヽ _ | | _/
. (__) 、__)
´ (_/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/)-′ `
/ γ/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/)` \
_{/:i:i:i:i:i:i:i:i:iメ- ′ \
/ (_7:i:i:i:i:i:i:i:i:/} ,
. / (`{:i:i:i:i:i:i:i:/ノ :/ /:. `、 `、
' (ヽ:i:i:i:i:i:i/) ;′ ′:. :', ',
_、‐'' >┐r‐ ミ=_ | : {: : : : ', i:. }
;′ /ニ/ ,イ{:{: : : \\ |.: : {: : : : :. ',:. }:ヽ: : }
;′ / \、__// '、: > ヽ: {: :. { i:i: : : : }: :}: :i: : /
;′ : / .:| >-/: ハ\_/ /ji :{!: :. {:从 : : i: : :}: :}: :}: : ./
;′. :/ : l /ニ': { : }\彡': : ハ |\: : |_j -\ハ: /ニハ: i: :/
;′: / .: : j /ニ'{: :. :i : }ニ} .: :/ \ ' ´-‐‐ j/rォ }/|/ まあ、構わないけれど。
;′ / . : : :;′/ニ':.{: : :{: :iニ}: .: /l / ,斗f坏、 {リ!
;′:/ . : : : :;′ iニ|: {: : :', ニ}: : ji| イ 辷ソ \ あの後、データベースのレトロコンテンツにあったのを
,′/ . : : : : :;′. :|ニ|/{: :. : :,ニ}: : ハ|/)/ ) /
. /: ,:′: : : : : : / .: : レ': :,: :i: : ∨、 :|/ / / , 端末に落としておいたから、すぐ見られるわ。
// . : : : : : : / . : : : :/ : : ', :l: : f rⅤ / ,:´ ,... --、 / _
/ . : : : : : : /. : : : : /: : :/! l: :. : 、.∨ / { / r‐―' '´'"_ \ でも、急ね?
. : : : : : :/: : : : :,.:': :/:i:i:i| :l: : : :} `~ { ///``ヽ、ヽ
: :_____: /_: : : :./ /(_\:i:i:l :l: : : ', ' ̄ ̄i l{´ , -- ,.. }
/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}h、ヽ ) `(\l :l: : : `、 ∨: } | ゝ' __ !
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:\⌒) `(| :|: : /(`\ ∨j { } r'‐…' ,
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i`、⌒) | :| : { \. `、 }/,ハ. Y! ー‐
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ヽ⌒) | :| : { `ヽ} / 〉ゝ| /`¨´ /
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
アリスが気だるげに体を起こし、重そうな瞼を持ち上げながらモニターを
横目で見やった。あのまま放っておいたら、本当に寝てしまっていたかもしれない。
アリスの質問も尤もだったが、あの映画の男女にはやる夫たちに
近いものがあった気がしたのだ。
シアターで観た時は同業者兼友達という関係だったが、
今観れば感じ方も違ってくるかもしれない。
そう思っての提案だった。
アリスは反対するでもなくPDAを懐から取り出すと指を滑らせはじめた。
壁のモニターが反応し、音もなく起動する。
やがて暗闇が映るばかりの液晶に、いつか見たニューヨークの街並みが映る。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
1424
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/09/11(水) 23:21:02 ID:om7gZO3w0
ゞ-ゞニノノヌ 、
, < ゞ::::::::::::::::ヌ 丶、
/ ゞ:::::::::::::ヌ 丶
, ' / ゞ:::::::::ヌ ' ,
/ ,' / // / 〉-、::/ニュ ',
{ i i / / / / |:ト、V/ |:| i
'、、, / メ≧z、//|:l 只、 j:l |
丶}//ィ{ノチア //>'ニ∧ニ;′ i
ノ ゛¨´ // ノ i:||:i i i
∧ ,, // イ' .|:||:| | i i 思えば、この時代は不便だったのね。
/ ,、 //' ,′/ |:||:| i i i
/ /,∧ </ / |」|」 | i i i
i / / ,个 ー ュ _/ /,ィーー 、 | i i |
i/ / / ノ 仁ミ,√/ //.:::::::::::..丶| | i |
,,,, ..' / / ノl:l´只.,' '/.::::::::::::::::::..\ i i |
ミ)))i {/ 〉ニヘ{ ノ.::::::::::::::::::::::::::..\ i |
__ 、// ', r,{ //7|:i ; :::::::::::::::::::::::::::::::::..丶 |
/ヽヽ_V 7 丶i⌒`|:」-'|::', i ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..丶
,'ノλ{┘// /{ 薔 7 ソi :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: }
} '-´ノ { :::::丶 丶 i / ゞ ::::::::::::::/::::::::丶::::ノ
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
シーンは流れて少女と殺し屋の同居生活に移った。
殺し屋が少女を連れ立ち銃を持たせたかと思えば、
体格に似合わぬ細いペンを握って一生懸命紙に書き取りをする殺し屋に
何かを読み聞かせている少女の場面になったり、
買ってきた大昔前の容器、紙パックというらしいが、それに入った牛乳を
冷蔵庫に詰める場面へと切り替わる。
平穏と剣呑のアンバランスさと、その間にある二人の奇妙な関係を観ながら、
ふとアリスが呟いた。
「自分で食材を店で買ってきて、あれって自分で調理するんでしょう?
何をするにも時間と労力が段違いだわ。
今は何でも機械仕掛けで、人間はスイッチやセンサーで起動させるだけ。
楽だし速いし、効率もいいわ。それに比べると、不便ね」
そこまで言ってから、アリスは何か考え込んでしまった。
しばらく口を閉ざして二人の生活の風景を見つめながら、
どこか遠くを見るような目で「けど、不幸にも見えないわね」と言った。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
1425
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/09/11(水) 23:32:18 ID:om7gZO3w0
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ ……もし、もしもだお。
| (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ / ああいう生活をやる夫と一緒にってなったら、どうだお?
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
|l .| |l | | |l |l l|l l| | l | l |l | l 〃i{ / |l. |l
|l .| |l | | |l |l l|l l| | l | l |l | l 〃 ハ} |li |l
. 八.i | |l | | |l |l lリ ,ハ,| l |/| | 〃 l.| lト、洲 !!
/ }l | |l | | |l |l ./ /{ |l/イ| l |l | {| 从ヾ}iヾム |
./ .|l | |l | | |l |l厶斗匕l 斗抒坏l| /l|./ } |ll }l | 苦労は多いでしょうね、間違いなく。
. |l | |l_|_|_|l |l l|/癶 ヾ_ン |li/リ| / l|ll リ !
. |l | ´| | | Lハ_ヽハ. / ||V l| ./l 从 / / 今まで機械任せにしてきた分、
. |l | |l 坏芯ソ lii リハ′/=冬、<二三
. |l | . 八 | ヽ // } r仁三三k `マニ 不便さに毎日呻きそうだわ……。
. |l | 人 ヽ ハ 丶 _ // ′三三三三>--
. |l /i{ \. { > ` ´ / イ/ニ二三三三三三
. |/ ヽ _}.| >o。 _ //∠二三三三三三三
. | ∠二二|三ニ=冬=- l| } ≧=彳 /三三三三三三三三
∠二三三|三三三三≧ /〃⌒V∠二三三三三三三三
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
深い意図のない問いかけだった。
仮にあのアパートの中の男女がやる夫とアリスだったら、と考えたのだ。
もちろん、作中のように部屋で並んで腹筋をしたり、
毎日毎日牛乳で乾杯したりはしないが、それ以外は似たり寄ったりだろう。
アリスの言う通り、不便で大変な日々となるだろう。
掃除だって自分の手でやらねばならない。
料理も機械任せではなく、自ら調理器具を揃えて作るはずだ。
今の時代、料理など機械とブライドル地下のような企業の飲食施設に勤める
料理人くらいしかフライパンを握る者はほとんどいない。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
1426
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/09/11(水) 23:39:19 ID:om7gZO3w0
※修正しました
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ ……もし、もしもだお。
| (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ / ああいう生活をやる夫と一緒にってなったら、どうだお?
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
|l .| |l | | |l |l l|l l| | l | l |l | l 〃i{ / |l. |l
|l .| |l | | |l |l l|l l| | l | l |l | l 〃 ハ} |li |l
. 八.i | |l | | |l |l lリ ,ハ,| l |/| | 〃 l.| lト、洲 !!
/ }l | |l | | |l |l ./ /{ |l/イ| l |l | {| 从ヾ}iヾム |
./ .|l | |l | | |l |l厶斗匕l 斗抒坏l| /l|./ } |ll }l | 苦労は多いでしょうね、間違いなく。
. |l | |l_|_|_|l |l l|/癶 ヾ_ン |li/リ| / l|ll リ !
. |l | ´| | | Lハ_ヽハ. / ||V l| ./l 从 / / 今まで機械任せにしてきた分、
. |l | |l 坏芯ソ lii リハ′/=冬、<二三
. |l | . 八 | ヽ // } r仁三三k `マニ 不便さに毎日呻きそうだわ……。
. |l | 人 ヽ ハ 丶 _ // ′三三三三>--
. |l /i{ \. { > ` ´ / イ/ニ二三三三三三
. |/ ヽ _}.| >o。 _ //∠二三三三三三三
. | ∠二二|三ニ=冬=- l| } ≧=彳 /三三三三三三三三
∠二三三|三三三三≧ /〃⌒V∠二三三三三三三三
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深い意図のない問いかけだった。
仮にあのアパートの中の男女がやる夫とアリスだったら、と考えたのだ。
もちろん、作中のように部屋で並んで腹筋をしたり、
毎日毎日牛乳で乾杯したりはしないが、それ以外は似たり寄ったりだろう。
アリスの言う通り、不便で大変な日々となるだろう。
掃除だって自分の手でやらねばならない。
料理も機械任せではなく、自ら調理器具を揃えて作るはずだ。
今の時代、フライパンを握る者は機械と
ブライドル地下のような企業の飲食施設に勤める料理人くらいしかいないだろう。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
1427
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/09/11(水) 23:44:37 ID:om7gZO3w0
,、rm__rv竺vヘュrヘ- 、
{辷彡'こ三三三三≧ヘV,ニニヽ
/彡クー^ー'^ー^¬卞〈\ヽ∨
/ 乃了 `ヽ ヽ∨∧ヽ \`、
//_/7 ′ ハ `、〈〈_ノ ノ ヽヽ
r,ニY/」 ′〃 , ' l| ト、 l l ̄l「`、 | ハ
__〉イ〃 , /, l / ,イ!} |リ 八 ヽ |ハ
〈 rク// ,′ ,'/l∥ ,' /厶‐十ナ/}小、ヽ ∨/ 、
, -ァ7イ { l |l ハ ト、 { l /ィ乏f千ァ l |ヽ}_ノ 、、 `、
// 〃l ハ 、 レイ下丶、j′'ヾ゙ジ // rヘ川 ¦ ヽ ヽ でも、あなたが一緒にやってくれるなら、
. // {l { い、、\V,ィf赤 // ,ィ|l | ト、 \
{_/ ヾ \/ ヽ\ヾ`ー'′ { ! 仆// ,′ | ヽ ヽ 案外楽しいかもね? ああいう不便さも。
ノ{ { 八_〉、 ` , - ァ ゝ, ' V ハl / ハ } \
, -‐'´/ハ 、 { |lヽ、 ∠ニ-V リ / / ∨ ヽ
, -‐'´  ̄ -‐ニ|l 7,ヘヽ \l_ 「≧ァr<::..::..::..::..∨ /,...┴、/ト、 l
// '′, '´ ̄.:∧:.ヽ// ヽ\j二 /// 7j「ヽ\::..::/ , '´::..::..::..::ヽj ヽ |
, '´ , / ___ ,' ハ/ , ′ }ノ/ ,..-ヘ \_/∧V /r┘/::..::..::..::..::..::..`、∥ l
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
そこでアリスがふっと口元を緩めるのを、やる夫は見逃さなかった。
一緒に。そうだ、一緒にやればいいじゃないか。
独りでは不便で時間と労力の無駄でしかないかもしれないが、
二人でなら意味が生まれるはずだ。
どうやら真剣な表情をしていたらしく、「まさか、本気?」とそれを見たアリスがたじろぐ。
マットレスが小さく揺れ、彼女の動揺を表していた。
困惑に目を見開きながら、腕を組んで思案している。
「言うまでもないけれど、料理なんてしたことないわよ?
料理しているところを見たことすらないわ。
一応、この部屋にも小さめのキッチンはあるけれど、お湯を沸かすのが精々。
コンロなんて火が点くだけのお飾りだわ。
洗濯はともかく、掃除はなんとかなるかもしれないけれど」
彼女の視線が揺れる。最早映画そっちのけだった。
深紅の瞳には期待と不安が入り混じった感情が見え隠れしている。
やってみたいかもしれないが、できる気がしないといった具合に。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
1428
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/09/11(水) 23:48:03 ID:om7gZO3w0
____
/ \
/ ⌒ ⌒ \ それを言うなら、やる夫も同じだお。
/ (●) (<) \
| (__人__) | でも、アリスと一緒ならやってみたいし、頑張れる気がするお。
\ `⌒´ ,/
/_∩ ー‐ \
(____) |、 \
| | | {;;i´√マ {ム i! i! ̄
| | | | | ムマ/i! {{ }ハ i! i!
| | | l .| | |! | |;;ム | マ |;ハ ヾ
| i! | i | }}ハ| 斗´i!i! .|ヽ;;i .| iム. マハ \
| i! i ∨ .i! i!/ 斗´从__リi.| ノ;;| /| .iム ヽi \
. i i! i ∨ i! /ー ´ _x≦笊 |i;;;;;|/ .iヾ iム \
i i! i!从从 ∨ i! / 彡弌:::::ソ´ i マ;;| | i! i_ム\ \
. i i! -‐―‐ヾ. \ヾ / ´¨ ̄ } マ} i!∨ヾ ヽ} \ \ あのねえ。そんな言い方されたら、
i ム i! ,xz笊仆、ヽ/ /从{| | /、 ヽ, xzzzzx
i .ム ヘ ⌒弋_ソ // / | レx≦////////// 私も嫌だって言いにくくなるじゃない。
. } iム∨ ヾ、 ノ / .|∧/////////////
. | |マ、.∨ ム \ ヽ / |/////////////// 「い、嫌だった?」
. | ! .マ. ヽ .! ヽ ー-‐ ´ / ////////////////
. | .| ヾ、 \ } `>x /////////////////// いいえ。
. レ′ //// 从≧x___ へ `≧- __ //////////////////
//////////////// \_ // ̄////////////////////
1429
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/09/12(木) 00:04:32 ID:3AdpZF2o0
,. -ー' 二二二 ー- 、
//: ̄__:::::::::::::::: ̄`:::ヽ
/〃'::::::/´ノ〉):_ノ_ノ::::::::::::::::::\
//´::::::__,ィ:ゝ-':__,:::-──- 、::::::::::ヽ
/゙::::::::::/ ̄ ̄\ ヽ\ ヽ \::::::::ハ__
!:::::::/ i ヽ ', ヽ \ ヽ>,仁》
_ |::::ハ ', i } ! ! ',<ノ||\
《ニハ_ゞ、 \ \ ! || | |__ || l | \>
ソ|| \\ \ \ | .从,ィ匕Lィ|| | | 〈´
| '、 \\,>≧ゝ, |/ /,ィヌニミ、|i | l |
ハ \ `卞代ツミ ヾ′ ''' / // ト、 色々、やってみましょう。
. 〈/|:} ヽ,\ \`¨´ 、 / // / l ヽ
//| |\\ ___> ヽ , イ!// / ! 〉 恋人らしいこと、家族らしいこと……
. /ム'〉 「`:::ゝ,\_ ≧ュ,fヽ_ .ィ─ヘ,ィ l |l /
. /:::::| |::::::::::ヘ !:::::::l |::::ハ;:::::_:::::ヽl l|/ あなたと一緒なら、そう悪くもないわ。
/::::::::::: ! / :::::::::::::} |::::::::l !/ ∨ }/::::/ / ハ`ゝ
. ./!:::::::::::::::| /:::::::::::::::::| |::::ノ| ト-ーく /_」:::/ / /::::ヽ:::ヽ
//|:::::::::::::::レ ::::::::::::::::::| |::_〉 } ─ー、ヾ才/} /:::::::::::\:\\〉\
,// /ヘ:::::::::::::::::::::::::::::::::::! /:::〉ヘ!  ̄\ヽ)=::、/ /::::::::::::::::::::::::::\ `
.// // 人::::::::::::::::::::::::::::::::|/::{ `入_ ゝ}_ソ/`´}/::::::::::::::::::::::::::::::::::}
/´// / /|::::::::::::::::::::::::::::::::::(\__  ̄Z_r、_「| ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ト、
// / // ヽ;__::::::::::/:::::::::::::::〔 ゝ,>、 _,ィ'7´}:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::! ゝ、
.{′ / // / | |  ̄`斗、:::::::::::::::\r 、 Y 厶ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ノ )
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
アリスは目を細めると、ゆっくりではあるが頷いてみせてくれた。
何も分からないのであれば、せめて形から入るべきだろう。
旧時代の形ではあるが、あれはあれで悪くないように思えた。
自分たちに必要なのはきっと、目が眩むような豪奢な住まいでも、
金が湯水のように消えていくような遊興でもない。
なにげない、ささやかなもののはずだ。
「い、一旦止めましょう? そろそろあのシーンだし」
アリスがそわそわしながらモニターを指差す。
白く細い指の先には、殺し屋と少女の同衾のシーンが映っていた。
苦笑しながら頷き、忙しなくPDAを操作して刺激的なベッドシーンを消そうとする
アリスの横顔を見守る。
そういったものもまだ、急ぐ必要はない気がする。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
1430
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/09/12(木) 00:04:48 ID:3AdpZF2o0
┌──────┐
│::::::::::::::::::::::::::::::::│
│::::::::::::::::::::::::::::::::│
│::::::::::::::::::::::::::::::::│
│::::::::::::::::::::::::::::::::│
└──────┘
┌───┐
│::::::::::::::::│
│::::::::::::::::│
└───┘
┌─┐
│ :: │
└─┘
┌┐
└┘
□
・
1431
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/09/12(木) 00:05:17 ID:3AdpZF2o0
今回はここまでだ。
次回は……少し間が開きそうだ。
決まったら連絡するよ。シーユーアゲイン。
1432
:
安価のやる夫だお
:2019/09/12(木) 00:45:04 ID:P.u55qHU0
おつおつ
1433
:
安価のやる夫だお
:2019/09/12(木) 18:45:36 ID:vKyAG2CA0
乙でした
1434
:
安価のやる夫だお
:2019/09/12(木) 20:09:19 ID:FNTSifBs0
乙
1435
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/09/29(日) 18:37:28 ID:de0hChVU0
ハロー、モコイさんだよ。
次回は10/2水曜日の午後九時としようと思う。
最近年が増えて23になったよ。油断してたら一気に三十路になりそうだ・・・
1436
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/10/01(火) 23:25:15 ID:QOH4ru5A0
申し訳ない、もしかしたら仕事の関係で午後十時になるかもしれない・・・
おちんぎんいっぱいほしいのほおお
1437
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/10/02(水) 22:15:57 ID:xr5kn2cA0
/||ミ
/ ::::||
/:::::::::::||____
|:::::::::::::::|| ||
|:::::::::::::::|| ||
|:::::::::::::::|| 、 - ‐‐ -,
|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
|:::::::::::::::|゙i : : : :○ ○゙i
|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _l ハロー。
|:::::::::::::::||: : : :-=´_ _,´
|:::::::::::::::||___ : : :丿
|::::::::::::::(_____ノ´||
|::::::::::::::(_ノ / . . . ||
|:::::::::::::::||/ ||
|:::::::::::::::|| ||
\:::::::::::|| ̄ ̄ ̄ ̄
\ ::::||
\||
1438
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/10/02(水) 22:23:47 ID:xr5kn2cA0
, -‐ ‐- 、
/: : : : : : : : : : ::',
, ': : : : : : : : : : : : : : :',
/: : : : : : : : : : : : : : :○:',
ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :', 色々待たせてすまなかったね。仕事に人付き合いに色々あったものでさ。
. `ト : : : : : : : : : : : _,-‐'`iヽ _
i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : `ヽ 許してフォーギブミー。
| : : :ト: : : : `-‐´ : : : : : : 、: : : 丶
| : : :'、j`-‐ : : : : : : : : : : : \: : : ヽ
丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
`ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ
1439
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/10/02(水) 22:26:35 ID:xr5kn2cA0
. . .-─‐-. ミ
|: : : : : : : : : : `: ..
|: : : : : : : : : : : : /
}Ο : : : ◯: : : :,′
: : : : : : : : : : : :i
{ -===- 、: : :. :.| さて、それじゃ久しぶりにはじめてこうか。
〉: : : : : : : : : :ノ
i: :`ニニニ´: : : : ‘, アリスちゃんとやる夫君の同棲生活初級編だ。
__/ : : : : : : : : : : : : i
___ /.: : : : : : : : : : :‘,.:.三| サービスサービスゥ!!
/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |
.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/ | : : ‘,
. ‘::::::::::::::ノ: : : : : :ハ \{/: : : :/⌒゙ヽ : : :‘
. ゝ-=彡-──<¨¨゚‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
\: :′:::::::::::/______」
弋:::::: /
`¨´
1440
:
安価のやる夫だお
:2019/10/02(水) 22:35:04 ID:DinkUBzM0
わーい
1441
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/10/02(水) 22:48:25 ID:xr5kn2cA0
r 陀ァニニ ー 、
/.:. ≧^ヽ - - __.\
/.:./ ` ヽ_
// 、 ム、
/イ !l } }l l:!l:l
l:l〃 | |ヽ L⊥}1イ l l⊥!
/{l:l l | | }.トィ\ l .' _之ュl / /}lTl } 色々考えてはみたけれど、
ヾニイ ! lヽィf.(卞 } / 〃⌒ }/l !l:l.ソ
lⅥ 、ヽノヾツ "" ´} ! ヾl すぐには無理ね。
| 〉ハ ー\"" ` , イl ! i _/
ヽ---≧ー、}\ヽ \ ` /jヽl ハ ⊥イ- 千三干- 、 _
_`三Zニ三ヽニ . ̄ ̄ \ 、ヽ}:.:.::zニ <´:.:./! r-/ィー 、三三三Zー ´
ー ニア三三./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ jヾイ7 Y Vン l/ l.:.:.:.:.:.:.:.:.\二三三≧、
ィ千三三三./.:.:.:.:.:.:.:.:.l.:.:.:.:|r-vう / !ヽヽ r-v-}.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽニ三三三ヽ
. /三三厂}三/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|/}> ´/ .公 \^-<}\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ ヾ三三ハ
´ リ ムイ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.-/ / i -'__人_ヽ !ヽ ヽz、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽリ jソ
/ハ:.:.:.:.:.:.:.:八 .⊥ ィ ー‐.个ーへ _勹、 / i.:.:.:.:.:.:.:./
. /// ヽz.:r-' ヽ /l }.:.! ヽ f ィ ニ{ _ ーi、 マ.、:.:./ヽ ヽ
/// /!l⊥ヘ イ ヽ-i:.\ノ人/.:.:}_) 下 _ノ ヽ!l:} 、! l
. /// / ソ }. \ !∠ /}_.j:.:.:.:.ンく:.:.:.:l { ー }_ }从l:l ! l
i ! l ! ノ ! イ_ __} -{ l.:.:.:.:((:l:!!l)):.:.:.「i , - } 、 〉、 ヽ !l:l ! l
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
ベッドに二人で腰掛けながら、PDAのモニターを覗き込むアリスの横顔を見つめる。
紺色のナイトガウンに着替えた彼女の髪は微かにしっとりとしているようで、
照明の光を柔らかく反射していていた。
結局あの後、やる夫二人は調理器具や家事の道具などをひとしきり
モニター越しに漁った後、普通に昼食と夕食を済ませた。
今は風呂に入った後に就寝の準備である。
普通の恋人らしい生活を、とは考えたものの、
それは簡単には手に入らないものだった。
こんな時代に普通の恋人、というのも難しいのかもしれない。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
1442
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/10/02(水) 22:57:29 ID:xr5kn2cA0
____
/ \
/ ─ ─ \ アリス、その画面……。
/ (●) (●) \
| (__人__) | 「ええ、任務の通達よ。明日の正午に、二人とも別の任務」
\ `⌒´ ,/
/ ー‐ \ そっか。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
アリスも自分もあっけらかんと受け答えしてはみるが、
心の内では硝煙の影が過った時点で穏やかさが吹き飛んでいた。
アリスは強い。並大抵のリンクスでは太刀打ちできないし、
地を埋め尽くすほどのノーマルの軍勢であろうと塵に還すだろう。
それでも、伴侶が戦地に赴くと聞いて心穏やかにはいられないのは人の性だ。
たとえひと欠片ほどの可能性であろうと、
明日になったら二度と会えないかもしれないと思うと、
やる夫は腹の底を冷たい風に晒されたような気分にさせられた。
何かをこれほどにも失いたくないと思ったのは、とても久しぶりな気がした。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
1443
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/10/02(水) 23:07:29 ID:xr5kn2cA0
仄いrく艾艾艾艾癶、
r巛Uj〉j〉j〉::::::::::::::::::::辷う、 、
. nrnrnrnrnrnrn:::::::::::::::::::辷う、 \
/乂乂乂乂乂乂乂nrn:::::::::::::::辷う、 ヽ
/ ̄ 乂乂nrn::::::::::辷う、
\ 乂乂n::::::::::rう)、
/ :.\ \ 乂n:::::::::rう) ′
i : : ::::::. ヽ :.\ 乂辷辷く ′
::|:. ¦ :...:|....: i :::| _}L.:. 艾艾艾\
::|:: |:::::l|:.. . .::::::|:: 斗r七' |l ¦ Y⌒Y^ \ | ……大丈夫よ。最初に言った通り。
::|:: |:: 八:::::::::::::|l::l::| 〕斗ぅ弌7. |l |: V⌒ト、 \\ |
: |:八:. 、:::: ヽ :::::::八乂{ア乂`ーク |l ハ:. | |l \ \\ あなたに向けた言葉を、私は裏切らないわ。
: |::::: \\⌒\/ ''¨゛´ 八Λ|:: | |:) 八. \ |
八::::::::::|\ 托笊! ./ .:/ ..:|:: ハ! ,.:代_____\__ あなたがいる限り、私は負けない。
:. \ : |\\`ー1 //〉..:/|. / 「 ::|l |. ) )
\ 丿:::::ヽヽ込、 // ′/ :|l | ( またここに帰ってきて、それで……
\ 乂__込、 _ ー ./ / |l ト、
. ( |:l \ \ ./ /:/... 八|: |:::\
\|:l:: |:ハ ヽ イ..::/ /:/ /|:: |: |:::::::::\
|:l:: |:: |: |: 个ヲ 厂 ハ/ 厶仏:::/^|:: | . ├――=ミ
|:l:: |:: |: |: | ノ/: 厂\彡く/|..../: : |:: |: |
|:l:: |:: |: |: |}/ 厂 ̄ ,ィ__八/: : : |:: |: |
__{〆..:::::::::〆 ` 、
/_{f7.::::::::::〆 \
/ __{f7.:::::::〆 / \ \
厶イ7:r-、く | | | ヽ \
〈〈__/:ハ::.Vヽ\ | | |、 | ヽ
. /ヾィ/ イヘヽノノ | |ヽ | \ ', | | '.
/ /://ll |:「´ |{ 丁ヾト、| ヽ |! | |l |
|::| l| |:| |ヽ弋f==,ミメ、 ' ∥ /ハ || |
/|::| || |:|ヽ | 、_{._!ンヾ }ノ|l /厶| , / ハ|
|::| || |:| \ ヽ  ̄¨` l/rテミ|/ / / }ノ
|::| l| |:| l \ \ 、ヾ' / イl/ 私は、明日明後日の戦場で死ぬ気はないわ。
l| | ` -\ ′/ ノ
|l |\ ‐-,,、 / / まずは、このくだらない戦争を終わらせる。
ハ ト、 、 ` イ
/ ハ l::.\ >_,、 / | 私たちリンクスは、所詮企業の支配欲を満たすための
/ ∧ l:::::/.::7爪 丁 |
―- _∠::::ヽ ∨:::/ 小ヽ |l | 戦争代理人に過ぎないかもしれないけれど……
―‐ 、 ` マ}__ ト、 ∨/:||:lL)〉ハ |
::::::::::..\「` マ}___\ ∨:||:「く/ | | 在り方はそうでも、心だけは別のはず。
::::::::::::::::::::::::::::..マ}___\ ∨| ヘ`ー| ∧
::::::::::::::::::::::::::::::::::..マ}__ \l| ヽ:::::l /:::ヘ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..マ} ゙r〜、>|/-、:::::ヘ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ/ヽ| | 厶、ノ`}:::ヘ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..\ /「匀ヘ r':::::::.ヽ
1444
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/10/02(水) 23:24:59 ID:xr5kn2cA0
{ilililililillilil/ノ / / ヽ \
{Ⅶilililili/ノ il i ヽ ハ ',
{Ⅶil≦イ il .il ト、 i V
_,彡イ 水 ̄ミヾ=.il .il ハ ヘ i .il
イイ //ハヽ // il i ト ハ il il
ヾ .// Ⅶ_/ il .升 | リハ il リ イ 丿
.Y / iliイ. iト ハト>K彡' }/ イ.// 戦うことでしか生きられなくても……
// 川 .il ヽK' / ィ= / i、 il
.// ハi.l 人} ィ匕r:j `ー, 私たちには居場所があるの。帰れる場所があるのよ。
Ⅵ i i.l .ハリ  ̄ ̄ /
illi} il il il il _ _イ そのために、戦いましょう。
ilil} il Ⅵ/ ノ - ' ノilリ
人 ヾ≧ ' / /
ilililゝ, - - 、 \\ r、___ /i./
ィ三三三三三ミ、ヽⅦミ=、_
三三三三三三三ミ、 \iミミ、
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
アリスはPDAを枕元へと放り投げると、やる夫の眼をじっと見つめながら
頬を綻ばせた。明日には戦場に赴く者のものとは思えない、優しい笑みだった。
なのはに自分の両親をプラント諸共消し炭にした男が生きていると、
企業の飼い犬として最強のリンクスの名声をほしいままにしていると聞かされた時、
やる夫は静かに、けれど確かに胸の奥を憎悪で焦がした。
自分の肉親と生きる場所。穏やかな暮らし。何気ない日常とささやかな将来。
それら全てを奪った男が生きていると聞かされて、
世界の片隅に縮こまって息を殺しながら怯えて生きるなんていうのは嫌だった。
善悪の在処など関係なく、決着を着けるべきだと思った。
だが、今ではそれも少し揺らぎつつある気がする。
今のやる夫には、アリスがいる。
一緒に生きようと願って、それに応えてくれた女の子がいる。
それはきっと、何物にも代え難いもののはずだ。
仇との決着か、目の前のアリスとの時間か。
答えは、明白だった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
1445
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/10/02(水) 23:48:34 ID:xr5kn2cA0
,. -ー' 二二二 ー- 、
//: ̄__:::::::::::::::: ̄`:::ヽ
/〃'::::::/´ノ〉):_ノ_ノ::::::::::::::::::\
//´::::::__,ィ:ゝ-':__,:::-──- 、::::::::::ヽ
/゙::::::::::/ ̄ ̄\ ヽ\ ヽ \::::::::ハ__
!:::::::/ i ヽ ', ヽ \ ヽ>,仁》
_ |::::ハ ', i } ! ! ',<ノ||\
《ニハ_ゞ、 \ \ ! || | |__ || l | \>
ソ|| \\ \ \ | .从,ィ匕Lィ|| | | 〈´
| '、 \\,>≧ゝ, |/ /,ィヌニミ、|i | l |
ハ \ `卞代ツミ ヾ′ ''' / // ト、 なあに? ここまで言っても不安なの?
. 〈/|:} ヽ,\ \`¨´ 、 / // / l ヽ
//| |\\, __> - ´ イ!// / ! 〉 まったく、気持ちは分からないでもないけど。
. /ム'〉 「`:::ゝ,\_ ≧ュ,fヽ_ .ィ─ヘ,ィ l |l /
. /:::::| |::::::::::ヘ !:::::::l |::::ハ;:::::_:::::ヽl l|/ ほら、こっち来なさいよ。
/::::::::::: ! / :::::::::::::} |::::::::l !/ ∨ }/::::/ / ハ`ゝ
. ./!:::::::::::::::| /:::::::::::::::::| |::::ノ| ト-ーく /_」:::/ / /::::ヽ:::ヽ
//|:::::::::::::::レ ::::::::::::::::::| |::_〉 } ─ー、ヾ才/} /:::::::::::\:\\〉\
,// /ヘ:::::::::::::::::::::::::::::::::::! /:::〉ヘ!  ̄\ヽ)=::、/ /::::::::::::::::::::::::::\ `
.// // 人::::::::::::::::::::::::::::::::|/::{ `入_ ゝ}_ソ/`´}/::::::::::::::::::::::::::::::::::}
/´// / /|::::::::::::::::::::::::::::::::::(\__  ̄Z_r、_「| ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ト、
// / // ヽ;__::::::::::/:::::::::::::::〔 ゝ,>、 _,ィ'7´}:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::! ゝ、
.{′ / // / | |  ̄`斗、:::::::::::::::\r 、 Y 厶ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ノ )
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
考え込んでいたら、アリスに心配されてしまったようだ。
確かに、大分眉間にしわが寄っていたかもしれない。
笑ってごまかそうとしたその時、腕に柔らかさを感じた。
同じようなガウンを着てはいるものの、薄い生地越しに伝わってくる体温や感触の前に
やる夫の思考能力は脆くも崩れ去った。
鼓動が跳ね、アリス以外の風景が目に入らなくなっていく。
やる夫の腕を抱き寄せながら、アリスがもじもじと腿を擦り合わせるのが見えた。
「え、ええと、そう。あなたが不安そうにしてるから、こうして安心させてあげてるのよ。
……言っとくけど、私だって頑張ってるのよ、これ」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
1446
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/10/03(木) 00:11:31 ID:3SIOD0KE0
/ / | | | | | | | | | 〈:::〈 |::::|
. / / | | l | | | | | | | l\\____丿 ノ
/ ′ | | | | | | | l l| | ヽニニイ
. ′l | || | / | ノ 厶|-/ 十| ┼- 、// |
l l| l | ||| / .|イ´ / / ― トL| // l|
| l | l | | ||| l ′ ノ/ //___l/l | l:::| l|
| | | | | | || >、 | | / 彡===キ≦ |:::| '|
| | | | | | |/ へ\ | l |l| |:::| / |
| l∧ || | |、/| l/ __ ||| \〉 |
ヽ \|| | | ヽ〈 彡'" ̄ l|| /| |
|::::|\|::l├ヘ、 、l \ 〃 || ' |
|::::| レ\ | \\ ∧ //// ヽ l | | | /
|::::| | |l | ` \ トヘ _,. ノ八 | |./
|::::| | | l| |l| \ - ´ ヽ| |′
└┘ | |∧l ||| ト 二|
八 | ヽ ||l | |> . _ ´ //..::.:|
\ \ |リ | | `T爪_//..::.::.::.:|
\ | | |>〔]‐< ::.::.::.::.:/
ノ | /イ/^l ト、\::.::./
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
しっかりと抱きしめられた腕にアリスが身を寄せ、
細くしなやかな指がやる夫の手に触れてきた。
どうしていいか分からずに固まりながら視線を泳がせていると、
アリスはそっと掌をやる夫の頬に添わせ、そのまま腰を浮かせてきた。
石鹸の優しい匂いが舞い、彼女の長く柔らかい髪がやる夫の耳元へとかかった。
少し細めの眉と長い睫毛が視界を占拠する。
息遣いどころか鼓動の音まで聞こえてきそうな距離だった。
一呼吸も置かずにアリスは身を離すと、頬に微かな緋を差しつつ、
にっこりと花が開くような満面の笑みを浮かべた。
一瞬の出来事だったはずなのに、口元に感じた柔らかさと熱が
脳の奥に焼き付いて離れなかった。
「また、しましょう。何度でも。ここに帰ってきて、たくさんね。
おやすみなさい、やる夫。これ以上夜更かしすると、明日に響くわ」
その笑顔に応えるように、やる夫は力強く頷いた。
そうだ。この時間を守るために、何度でも彼女とこうして過ごすために、
自分はネクストを駆る。
それ以外の答えは、今はいらない。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
1447
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/10/03(木) 00:11:52 ID:3SIOD0KE0
┌──────┐
│::::::::::::::::::::::::::::::::│
│::::::::::::::::::::::::::::::::│
│::::::::::::::::::::::::::::::::│
│::::::::::::::::::::::::::::::::│
└──────┘
┌───┐
│::::::::::::::::│
│::::::::::::::::│
└───┘
┌─┐
│ :: │
└─┘
┌┐
└┘
□
・
1448
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/10/03(木) 00:25:45 ID:3SIOD0KE0
―――
''゙´ ``
/ ヽ
___
''゙´/ | `
/ ´ ./ .| ヽ .∧
// ./ , ' / ∧
. // ./ , | | / ∧
|' ' \ \ \ .! | /:.∧
| | \ ._ |\ ヽ.| | __ / ∧
| |i:. | | \\ヽ .、 {―`''< :| |γ Y ./ ∧ ――ミッションの内容を説明いたします。
|i:. | |⌒|\|\\´ ,ィr≠ミx..:| | ) ヽ } / ∧
|i、 !: \.,ィ芍k、 ヘr' u)》.:| |こ_.ソ / ∧ 作戦目標はIGIOノーマル部隊に包囲されている
|i ヽ{ヽ 、 \ ゞ'' ``~ .| |¨{ ┐ / \
',|\ <⌒`` 、 :| |r-t'}_ SIノーマル部隊の軍事キャンプ救援となります。
} `` 入 ー ァ | |>,ィニニ〕iト、
| >s。 。s〔 , .'/ニニニニ=\ ’,
| /ニニニ><ヽ >/ //ニニニニニニ\
| ./ニニニニニム } ./ /∥ニニニニニニニム
| /ニニニニニニニ}_/ /.∥ニニニニニニニニi}
/ /ニニニγ´ / : / /ヽ{iニニニニニニニニ=i} ’,
/ マニニニム¨¨ : / / .{iニニニニニニニニ=i}
. / マニニニニ} _ / ∧/.{iニニニニニニニニ=i} |
/ マニニニ/ / /ニニニ寸=ニニニニニニ=∥ |
1449
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/10/03(木) 00:37:28 ID:3SIOD0KE0
__
_,,,, -‐''''.´ ̄  ̄'''ー=x
/''::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`'=、
/::::::::::::::::::::._;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_::::::::::::::::::::|
::::::,, -''゙ ̄_ ,,. __ _x_ __ `'''::、::::::::i
゙Y゙ ィ '´_,,,;;::==--竺:-=::ミ、-.`ュノ
=:}''ッ〔c_゙::::::::::: ..:::::::::::::::::::..`‐ミ{
:Tヽ;:;;/`'ァ‐。x;;;,___,,,;;;;ィTi、__
.{.iヽY (_ _ノ〉 K(´゚ )`l:/ }::::、゙ヽ、
::ヾ,`| | ゙ー ,lイ /;;:;:ヾ、::.\ 『現地のノーマル部隊を指揮しているのはSIのリンクス、新城直衛。
,w'゙Yl rV'〉 .,!ソ'' "ミ::jノ:::::::::::`ー
, .}ミi、 ` ' /ミリ ミ ミ::::::::::::/i::::.. 包囲が始まって既に二日が経過します。補給路も断たれ、撤退もままならず
ミ,, ヾiミヽ, -=ニニニ= ,,ムジ ,,ミ'゙::;ィ゙:://:::::::.
:::ミi, l:;:;ゞiミx、_ _,,,イミジ 彡゙://::/./:::::::::::: 防衛戦と遅延戦闘を延々行っているそうです。物資の関係もあり、
:::::::ミ、ヾ、:;゙ヾi}エケZ゙エヅ:/ ミ:;ィ゙ ,,イ::j'./:::::::;;;;_::
【ランク16 新城直衛 スポンサー:SI】 長くは持たないと思われます』
......::::::::::::::::::::::::::......
/..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...
フ.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.\
つ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..
ノ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∨
ゝ.::/`゙´ゞ¨ヾ゙´ ̄ ̄``¨´゙}::::::::::::::::::::::::::}
∧::}、 _ |::::::::::::::::::::::::゙
j /´ `,{ ,ノ / j::::::::::::::::::::∨
. 「l{`fッミ} ,_..,:厶フ乙 ヽソ.:::, - 、.:.:/
`ゝ¨ニナーハi^f¨升jメ l}:::ノ⌒} |::.゙
∧ 〈、_,.. `.゙ ̄ ..ノ.V_) ノノ゙
', _  ̄ ̄ /(__,ノ´ 『また、近くで別任務に当たっていた当社契約の独立傭兵、
i ‐-`丶 / レヘ
ハ / / ゝ, ノービィ・ノビタリアとネクスト、ヘヴィードーラにも同じく救援に
ゝ____ .. < / j ヽ
厂\ ___ノ ,ノ ⌒\__ 向かっていただきます。新城直衛の国崩は言わずもがな、
. -‐/}/´`⌒⌒ニヽ. / ,//⌒>、
/ /〈_/ ノ ゝ/ // ヽ ヘヴィードーラも狙撃戦主体の中量二脚となっております。
/ / / V
. j ./ .::::/ / 支援射撃の腕は確かですが、前に立つ機体ではありません』
_/ { / ...:::/ / i
/ / / .::: / |
/ / / / / / |
. jヘ {/ / / ′. . :/ |
. ー、_/,/ / .:{ . : : ′ |
/ /..:... }. : / |
. > / ⌒ヽ {: _丿
【ランク17 ノービィ・ノビタリア 独立傭兵】
1450
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/10/03(木) 00:40:23 ID:3SIOD0KE0
/ `
,', ′
{{
ゝ -f` - 、
> ' ヽ
/ , \
/ / | \
/ ./ | ヽ<
/ ', || | 、 ` =‐-
|/ | | ハ ||ヽ __, | } ∨
| 从/|.| ∨ |||, ´ノ リ\ | | ∨
| | _ノ-/‐- \{ ´≦弋ミヽ /. ,' | } 今回、細かなミッションプランはありません。
| ヽ , | ,ィ=ミ ` ゝ- ′ .} /, / リ
.| ヽ人 ゝ , /´ / スピードが重要視される作戦となります。
.| | {.| ` \ _ ‐-, | | \
| ,' ` ___入 ` - イ |ノ \ あらゆる手段を以て可及的速やかに敵を殲滅してください。
> /:::::::::::\> イ .| |. \
/ ./::::::::-‐:::::::::ヽ 7-`- ´ .|7z.| | \ この作戦における肝はあなたのマーシフルです。
/ ./::/:::::::::::::::::::::}\i i` 7_.|_< ',>= _ \
./ .i:,::::::::::::::::::::::::::::::| ∧ \i / >>. \::::::∧ \ よい戦果を期待します。
/ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::| ∧. \i./ { \::::::\ \
/ /::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/::: , { } <::::\\::::::>、
/ ヽ:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/:::::| i __ ′ヽ _ヽ::::\\:::::::i
´ >::::::::::::::::::::::-=::::::::| |/ |::∨ \:::::::::::\\:::ヽ
ゝ:::::::::::::::::::/;;;;;;;;;;;:::, /‐- 、::::∨ /::::::::::::::::ヽ ,::::ヽ
/::::::::::::::::::∧:::::::::::/ /:::::::::::::::::::::::ヽ./::::::::::::::::::::}.} .i::::::::::
/::::::::::::::::::/ ',::::::::/ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 'ヽリ:::::::::::
./::::::::::::::::::/ }:::::/ /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ∨::::::::
1451
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/10/03(木) 00:45:51 ID:3SIOD0KE0
____._ _
└‐ォ |UU `
くノ \ ,,_人、ノヽ
)ヽ ( ___________________
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ - < >━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ) て
/^⌒`Y´^\ ._ _
UU/7
くノ
1452
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/10/03(木) 00:46:01 ID:3SIOD0KE0
┌───────────────────────────┐
│ .│
│SI軍事キャンプ救援 依頼主:オルデンブルク ......│
│ 孤立したSI部隊へ救援に向かい、速やかに敵を殲滅せよ ......│
│ 僚機:国崩、ヘヴィードーラ .│
│ .│
└───────────────────────────┘
1453
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/10/03(木) 07:02:01 ID:NaAsgec.0
本当に申し訳ない・・・寝落ちして寝ていた・・・
次回は来週の水曜日午後九時からだ。
ほんとすまないね。
1454
:
安価のやる夫だお
:2019/10/03(木) 08:26:21 ID:.YAx51Po0
これでどっちかが死んだら、しばらく凹むわ…
おつかれさまでした
1455
:
安価のやる夫だお
:2019/10/03(木) 11:52:27 ID:VQ5S9bg60
乙でした
1456
:
安価のやる夫だお
:2019/10/03(木) 12:05:29 ID:H/SIN5JE0
乙でした
でっかいドラに乗って戦うのび太か
1457
:
安価のやる夫だお
:2019/10/03(木) 20:04:20 ID:XmN2aQm.0
乙でした
ゆっくり読ませてもらってるよ
休む時休んでええんやでー
1458
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/10/09(水) 21:16:15 ID:h7HJKgEw0
/||ミ
/ ::::||
/:::::::::::||____
|:::::::::::::::|| ||
|:::::::::::::::|| ||
|:::::::::::::::|| 、 - ‐‐ -,
|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
|:::::::::::::::|゙i : : : :○ ○゙i
|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _l ハロー。
|:::::::::::::::||: : : :-=´_ _,´
|:::::::::::::::||___ : : :丿 つーかただいま。
|::::::::::::::(_____ノ´||
|::::::::::::::(_ノ / . . . ||
|:::::::::::::::||/ ||
|:::::::::::::::|| ||
\:::::::::::|| ̄ ̄ ̄ ̄
\ ::::||
\||
1459
:
安価のやる夫だお
:2019/10/09(水) 21:18:20 ID:60X8qs0M0
ハロー
1460
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/10/09(水) 21:26:52 ID:h7HJKgEw0
. . .-─‐-. ミ
|: : : : : : : : : : `: ..
|: : : : : : : : : : : : /
}Ο : : : ◯: : : :,′
: : : : : : : : : : : :i 今回は戦闘パート、嫁同伴なしのおひとり様ミッションだ。
{ -===- 、: : :. :.|
〉: : : : : : : : : :ノ ひとりで殺れるもん。リリカルトカレフキルゼムオール。
i: :`ニニニ´: : : : ‘,
__/ : : : : : : : : : : : : i 生き残る術はコジマキャノンだけってね。
___ /.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|
/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : | さあ、同棲生活のツケを払ってもらおうか!
.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/ | : : ‘,
. ‘::::::::::::::ノ: : : : : :ハ \{/: : : :/⌒゙ヽ : : :‘
. ゝ-=彡-──<¨¨゚‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
\: :′:::::::::::/______」
弋:::::: /
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1461
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◆x0SRSoJXe.
:2019/10/09(水) 21:31:08 ID:h7HJKgEw0
,、ハ,
ノ .::::v!
l .:::::::::|
r ‐- ‐'7
r ´  ̄  ̄ ヽ
/ ヽ
/::: ト .__ イ ⌒j
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ヽ.:::::|::::::::::::::::::::::|:::::::|
`ー!:::::::::::::::::::::ヽ ::ノ
!ハ ∧ ノ\
! ヽ
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! |::. !:.:.:.:.::ヽ
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!r'三ゝ人_,<:ィ:::::: r‐′
1 三 Y | 三 | ̄´
| 三 ! | 三 |
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戦況は一進一退のものとなっていた。
数的優位を誇っていた企業連と、実力者を抱えながらも絶対数で劣るユニオン。
ネクストの出撃した戦闘では軒並み白星を挙げていたユニオンだったが、
それ以外の戦場では打って変わって惨憺たる結果を出していた。
開戦から一か月と経たずして、SI陣営は二個大隊規模のノーマル部隊を喪失。
更には強襲で占拠した軍事拠点も二つが奪還される事態に陥っていた。
一方で、企業連のネクスト戦力は着実に削られつつあった。
ランク14クリムゾンネイル、ランク19ヘルヴォル、ランク12ラスティングクロス、
そして上位ランカーであるランク10シュクヴァールと、日に日に屍を積んでいた。
四機のネクストを失い、残る企業連所属ネクストは七機。
ユニオン所属ネクストは一機の喪失もなく、独立傭兵を含め九機と
ネクスト戦力だけで言えば数の利は覆されていた。
その功績の裏には、オルデンブルクの若き英雄二人の影があったという。
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1462
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/10/09(水) 21:35:54 ID:h7HJKgEw0
{ \,、
\ \,、
\ \,、
__> ´〕ト。 \_ \,、
〕 ト ミ/i:ハ: : : :`: : ::‐-=〕ト=‐ィ〔 ´ ̄ : ヽ \〕ト、
: : ::/_i_i_i_i_〕ト==-‐≦/.ィi〔 ア¨ }}:Y:¨:Y、>、〕≦。 _
. ≧s。 : : : : : : : : :: ::/ィi〔:..:/ :]i:リト :iム_\:>、 _>ィi〔 : :〕≧s。
≧s 。 _:/ ´:: ::〃: :,':i:i〕i: /¨`‐-=ニィi〔___>`´__
≧==イ′ ≧=-イ:i:>、i/i:\r====s。.,_` '‐<-==- ミ..、, /
, -‐=ァ/ ∥ _,/i{:i:|r={{、i:i:i:i} }≦。. . 〕ト。 ヾ〔}} \..∨ /
/:..:.__ア./ /}}r≦イ:: : ::⌒\i:i:i>、i}! ‐=<≧s。 _:_ \ヽ ヽ∨ /
/ .ィ〔ア∥ ,:'ィ〔 }):′: : :: :: ::__i__≧==! />}! : : : 〕ト、 〕ト、 . \:、__\′
ト、 〃ィ/::{_ii{. i{_/ : `¨¨}}:_:_:_:_:_:>'`¨ゝ≧==r:'> ´ 〕ト. . /¨ ¨≧=‐‐マ ̄ `ヽ
: : \/:..:/:¨ヾ_ム. /`..: :〃` {{=====ハ >‐ ' :}≧r':i_}! `≧s〕ト
: : : : ∨ ̄: ̄:/::..Y:},,,,{`_____〃` 'マ;_:_:_:__マハィ i〔 }! {__≧=' ヽ: : :\ \
:\:_:_:〕:/ヽ:〔:_:ノ: iイ〔: : : /} /=‐-: :/マム /` ⌒〕ト、 、 : 〕ト、___ヽ,
ヽ/: : ヽ-、: /: : : :/⌒:7: イ/`_______/_: : ::∥` マム/ ≧=‐<<_ノ __r≦〕ト、
: ヽ:/}/ : \: :∨: : :_/:_!_//`_____,' 〕ト〈 /i:} マ '∧//i:i:i:<>≧=っ
: : :ゝ: }: : : /! : 〉:_: :/:〉:ζ´,ィi〔〕ト、=〕ト、 Y:i:iル=', / 〕ト=っ}ル'⌒ヾ
: : : :〉\:./:.∥: : : :}!‐: /: :〉 i{i:i:i:i:} }i:/i:iム/iル'_ .ノ ル'レ`
:ヾ‐:\: :\/`/\: >: 〔: /. ,リi:i:i;' '〔:i:i/イ:i:}i:}〔i==< ,
: : \:-:Y: ; }ヽ: :\〕ト: :i:ヽ 〃:i:ノ '∨ル'i:/:/i}i:ハ '\,.../
: : : }: : }:ヽノ : 〉_:_/⌒〔;';〕ト、≦¨ ̄≧'〕ル' /i:iリi:i:i}! '∨ /
i: : ノ: ∧:〈: : /};\\;';';';';'\;';\: :/⌒ヽ,'¨⌒'<,‐='ノ r‐ 、 `i}〕>
i /≧': :}:〕ト〈:.:!;';';'\\;';/;ハ;';'ハ,' ハ ∨、/ :≧==r'_:ソ 人: / -=ァ
/;〕: : Y/ヾ: : 〕ト、';';';';〕ト、';'≧ム';'ム:'ハ. '∨\ィi〔:¨:≧、-イへy: ル'/
: :≧=ハ: : ム: Y\〕ト、';';'ハ';';';';';';';\';\ム __'〕 :}}:: :: :: . Y≧=/ ィ`
`¨´ \_:_:≧=' 〕ト。_>\';';';';〕ト\';\ '∨:|}≧=ィ=/ ̄://`
/==/: :≧=\;';';';';';'〕\;';'ト。'マ }/_:_:_:_:_:ノ `
` ‐-≧≦` ¨〕ト'。';';';';';'マ;'> ;〕ト。 ̄
/ ∧:〕ト。〕;';';';'〕ト;';'〕ト。
/ ∧: : : : '〕ト。;';';';'〕ト;';';'〕ト,。
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これにはさすがにIGIO上層部も衝撃を禁じえなかった。
何よりも大きかったのは、ラストとロストワードのもたらした被害よりも、
当初軽んじていたマーシフルに多大な損害を被っていたことだった。
大攻勢を展開するものの守備の甘さを露見させるユニオンと、
戦況だけ見れば優位なものの最重要戦力であるネクストを削られ
焦りを見せる企業連。
両者ともに余裕などなく、戦火はとめどなく広がるばかり。
第二次ネクスト戦役は泥沼化も膠着もすることなく、
急速に戦局が移り変わる激流のような状態へと移っていった。
終わりも勝利も見えず、どちらが早く燃え尽きるかを待つかのように。
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:
◆x0SRSoJXe.
:2019/10/09(水) 21:36:44 ID:h7HJKgEw0
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◆x0SRSoJXe.
:2019/10/09(水) 22:02:54 ID:h7HJKgEw0
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│. /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.、:.:.:.:.:.:\ .│
│ /:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:/:.:/:.:.:.:.:/:.:.:.:.:. |:.:. | : l:.:.:.:.i:.:.:.:ヽヽ:ヽ .│
│. i\:.:.:.:.:.:.:.:./:.:./:.:.:.:./:.:.:/:.:.: |:.:.:.|:.:.|:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:i ヽ:.:', │
│ |:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.i:.:./:.:.:.:. i:.:.:,':.:.:.:..|:.:./|:. |:.:.|: |:.: |: : | ヽ:i ..│
│ |:.:.:.:.:.\:.:.|:.:/|:.:.|:.: |:.: i:.;:‐7|‐二|メ|:.:|:.:|:.:.||:.:.| ヽ .│
│. 、\:.:.: ヽ|:/-|:. ! : |:.: |:.: /x 斥 |/ {:/|: !:.: ||:.:| .│
│ ゝ:.:.\:.:. |{´`l:.:|:.:.:|:.:.|:./ヘ {::リ/ 〈/ lイ:.:./l:./ ...│ ミッション開始。
│ |\:.:.:\:|\ ゝl:.:.:|:.:.|/ ゝ' \ |:./ レ′ .....│
│ |:.:.:.:.ヽ、ヽ:| `!:ヽ:|、| / レ′ │ 接敵し、速やかに目標を殲滅して。
│ |:.:.:.:.:.:.:.\/ ‘, \\ ― ´ │
│ |:.:.:.:.:.:.:.:. | ヘ:.:.:.ヘ / .│ ……最初に。これは私の勘だけど、
│ |:.:.:.:.:.:.:.≠__ ヘ:.:.:ヘ ―‐´ ...│
│ |:.:.:.:.:. / `ヽ、≧ュ、_ヽ :.{ │ 今作戦でもネクストが出てくるよ。
│ |:.:.:.:.:.:|::\ ≧ュ、`ヽヽ │
│ |:.:.:.:.:./::::::::\ \l┤ .│ 今、この場にはユニオン側ネクストが三機もいる。
│ |:.:.:.:/:::::::::::::::::\ ヘ{ ヽ、 ....│
│ |:.:.:/:::::::::::::::::::::::::\ |\ ゝ ...│ 潰せば数的優位も覆る。
│ |:.:/:::::::::::::::::::::::::::::::::l` ̄ 7 ヘ´ヽ ....│
│ |: i::::::::::______| ,′ ヘ::::i ......│ 留意して。
│ |: |:::::l´::::::::::::::::::::::::::\ \ ヘ:| ..│
└─────────────────────────┘
____
/ \
/ 丿 \
' (●) \ 了解ですお。
(l、__) |
⌒´ / どのみち、手間取ればコジマ汚染で味方が巻き込まれる。
`l \
l \ さっさと決着を着けますお。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
輸送機から軍事キャンプまで少し距離がある状態で射出され、
今にも雨で地を濡らさんと密集し隆起している雲の下を這うように飛ぶ。
視界はお世辞にも良好とは言えないが、この程度なら問題はない。
空を覆う灰色の天蓋を背に、メインブースターを唸らせる。
敢えて上空から参戦し、注意を惹きつけながら包囲陣を薙ぎ払うというのが、
今作戦でなのはが企業の人間の代わりに立案してくれたプランだ。
マーシフルの機動力と火力であれば、下手に加勢するよりも
そちらの方が殲滅効率にしろ味方の生存率にしろ都合がいいと彼女は語った。
事実、その通りだと思う。
この機体は下手な慎重さを採るべきではない。
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1465
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◆x0SRSoJXe.
:2019/10/09(水) 22:28:58 ID:h7HJKgEw0
| i
| | >ヽ
_ |_| / /; ∨ >-y
,___ /´`ヽ `ヽi / / 」_,><´ ゝノ
,. _ i'`ヽ`y-----、ヽヽ >-< _,,.. { i´::::ゝ_> ´
// > 、 { ) `{o}::::::::i:::} }「i}| ,> ´ /二∨< "~´ ゝヽi'
∨ `>,ゝ、_/ /≧ュソ//:.!」; / / <´ > ´
i // >γ::::yヽ、_///`!-i_,,.> <´ >´
人 /<ヽ 从:::::::::Y;:::::}´ ィ' <´ > ´>、<::、ィ::<::、'
/ ><´:::{:从 入入丿丿 <´ > ´ ∨::、::::、::><} ふむ、思ったより早い到着だね。
/>' γi::::(::!::::>、`_ノゝ-<´ / > ´、\\><_/
/ゝ' ュ、 人 マゝ}´>i>i´ >' /ヽ<´ ` ̄ ~
>´ `ヽィ' ゝ<i::::::::::::::i_ >-<> ´ ミ三ソ<' ,ノ
/ ∨ ィ' ィ >==|::::::::::::::::::::i ゝ--一=><´_,,..ィ´
| }=-、イィ'/ > 、|_:::::::::::::::::ゝ三/:::::マム i' /
..人 \ X / /≧ュ、}::::::::::,ゝ-<i:::::i:i::::.マム_,,..ィ ∨
`~´ `>-ヽ、≧ュ、 レ<´||||}' | i:::::i:i--ゝ'|_,,..- /, -、
i' ||::i::/>< |:::::::||||\ i:::::i:ii7i'  ̄ ̄`Y i' ∧∨
| |:|::}-ィ' /:::::::`iiiiiiヽヾ:::}:i j i i∨ ∧∨
| |:|/ / /:::::::::::::|iiiiii| `-' .| i | ∨ ∧∨
| j::::::i /::::>::::´::::> i | i | ヽゝノ
| /::::/ {>´::::<´ i |i i | .i | ヽ、
| /:::::/、 /`i ´ i | i | | i | ヽ、
ト</ \\ヘ ゝ、..,, | ノ ∨___i | _,,..< 丿ゝ / \\
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ト::/,_::ェェ-.... ̄ゝソ、ノ "'' <:::::::::::::::::::::::::::
ャ∠三ニ=- 、,,::::::::::::....、 _ `ヽ ヽ、::::::::::::::::
/三三三三三三ニ=ョ、,::::::::::..... `ヽ ヽ、::::::::
へ二三三三三三三三三ミ _::::::::::::.....
{:::i` 、三三三二ニニニ/ {三二ミi、::::::::...
、,、::: `{! ' ・ 气三三彡 i三三三圦、::::...、_ 〉
≦ミ´ :i| 弋_ _,》i| `≧、_,,、ョ''ニニ三三ニミョュ、_ゝ 聞こえているね、マーシフルのリンクス。
_/::::::::ミ |  ̄ノ/ { {!¨ ' ・ ‐-=、ニ二厶イ:::::\
´:::::::::', | ノ ヽ、_ __,ノ′ i:::::::::::::,ゝ こちら国崩、新城直衛だ。
:::::::::斗 i {  ̄ |:::::/,
:::::::::ミ、 {∧ ヾ-‐、 / 随分と楽しいことになってきてはいるが、僕はよくても
::::::::::::::`, ミ::, 、 `:r‐ヽ r
:::::::::::::冫、 /∧ ` 、_ 、,_、vr 他が限界でね。救援に感謝しよう。
::::::::::::::::ミ |:::∧ ゝ、_"'' ‐‐‐-_,‐ャ'´ ., 'r´ ''
:::::::::::::::::::≧ |:::::∧  ̄ ̄ ノ v゛
::::::::::::::::::::从 ハ:::::::゙ゝ、 ...:::、,ミ´ 、 κ"
:::::::::::::::::::::::::ゝ ゝ::::::::::≧- -‐=ニ ´ 斗 、イ゛
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軍事キャンプのSIノーマル部隊を指揮するネクストからの回線が開かれ、
そこからAMS越しに粘ついた視線を感じた気がした。
老獪さと悪辣さが張り付いた表情が目に浮かぶようで、
やる夫はいつか八咫烏と協働した時の嫌な感覚を思い出した。
「新城直衛……あの時カタストロフィと協働してたリンクスかお。
味方なんてさっさと見捨てそうな奴だと思ってたけど、意外と律儀な男なんだな」
思わず悪態を吐くと、新城直衛はくつくつと昏い笑いを漏らした。
精神の奥底に泥がぶちまけられ広がっていくような気分にさせられる。
楽しんでいるのか?
「いやなに、我々も余裕のない身でね。人員的にも物資的にもだ。
使えるうちは使いたいし、捨てなくていいならそれに越したことはないさ。
それでは頼んだ。ご武運を祈ろう、同胞よ」
皮肉気な一言で通信が終了する。
サーシェスといい、この男といい、戦闘中によくもそんな笑いが出るものだ。
きっと幾ら殺したところで、最早なんの感慨もないのだろう。
楽そうだな、とは思うが、羨ましいともそうなりたいとも思えない。
新城直衛の張り付くような笑い声を振り払おうと、ブースト出力を上げる。
まともに聞けば鼓膜が引き裂かれそうなジェット音が鳴り響き、
放たれた鏃の如く飛翔する。
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◆x0SRSoJXe.
:2019/10/09(水) 22:46:52 ID:h7HJKgEw0
〈
//,
.ノ//"ヽ,
.ィ{ーイ_`ヽ ヽ
i==、 .ヾ}=、ノP}、ノ__>=ュ
マ{====ィ─┐ム┴ア┴{┴┴┐'´.7 ……小競り合いでもあったのかは知らないが、今は敵に集中してくれないか。
ヾ 咋/ ̄//咋.//| ∥.<
', .|┘ ̄ .| .|| ゞ |i | ∥ } 俺とて仕事で来ているんだ。私情を持ち込むのは戦闘が終わってからにしてくれ。
}`.i=、|__| .|| ,ィゝ-ゝ<_i{`∨
i{v。7マ{ユ∨フ''ゝイ7/ マ=i|_ .}
/〕〔∥├.ユ∨====〈'ノ./}][./ヾ}
i≦{ ̄∥三/ /ア┴┐三i"i´}=〈-i‐<
|./ i_ ∥|┐ー.|´ |.i┐.|| | i .i |_,/.i.| .//
y_/ 〉 |┘‐.| .|.i┘.|| . | i_/´ }_| ゞイ
{ニ≧/.| `"{=〈 `i""´ .|_└≦}is。}
,. -ニ ̄ ̄::::ヽ ̄`::..,
/:::::::::::::::Xゝj_jリ:::::::::::::ヽ
/::::::::::::::::::ノ_,,..、 `´゙`╲::::i
/::::::::::::::::::_//"二_ ヽ !、 ハj
i'"´,,.zェヲーl ィモヲ `ヾー, i´、__{
.. l./´ヽ'´ .ノ 丶`¨ ̄´ 丿ハヌ ヒメ{ l
j r`丶¨ l.` ー- ´ ,)ーi´ ああ、こちらはヘヴィードーラだ。
{ i´ら 、 l , 、´,、 l
. ヽr- ソ!. ', ,イ ` { ,' 指定されたポイントで火力支援を行っているが、
.l l ', 、ー-イ /
「¨ミ>、 ヽ、 ⌒ / いかんせん数が多すぎる。
ノ \ 丶 ゝ _/
/ \. <, -‐´ さっさと手伝ってくれ。
,' "´  ̄` > ヽ /__,
╱ / ',, ╲ 「∧!
,.' `¨´ ̄ ', メ{ メ、
. / ,.. ⊥ .,,_\ ヽ,
,' ,. zヲ'"´ `゙丶、 {_
; /./ ハ j
.i /// ∨
.i ,' / ゙ハ
【ランク17:ノービィ・ノビタリア 独立傭兵】
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
一方で、ヘヴィードーラから聞こえてきた声は粛々とした傭兵然とした声だった。
焦燥も熱狂も恐怖も感じない、静かだがどこか空恐ろしいものだった。
確かリンクスとして登録されたのは自分より少し前くらいだったはずだが、
声から醸し出される貫禄は全くの別物だった。
「了解、こちらも接敵までもう間もなくだお。
もうしばらくだけ待っていてくれお」
レーダーに視線を落とすと、敵の存在を示す赤い点がぶわりと沸き上がった。
人海戦術とはまさにこのことだ。軍事キャンプは山岳地帯の麓に設営されている
らしいが、それをぐるりと囲むようにMTとノーマルでできた分厚い壁ができていた。
姿勢を傾け高度を落としながら、右腕部のレーザーブレードを展開する。
二又に分かれた部分に青白い雷光が迸る。
特有の甲高い轟音と共に閃光の矢が地上へと放たれ、
眼下に展開していた敵ノーマル部隊へと降り注いだかと思うと爆炎を上げた。
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◆x0SRSoJXe.
:2019/10/09(水) 23:04:30 ID:h7HJKgEw0
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│ /.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.>、i.:.イ´.:‐..:.:.─ 、 ..│
│ ,、イ.:./.:.:.:.:.:.:.:,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:...:::.:´.:.:.:.:.:.:.、.:.:.:.\ │
│ nヘ.:.:;.:'.::.::.:.:.:,イ.:.:..:.:,イ.:.:.:.:.:.:.:.:;l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_.:j¨`ヽ.⌒ヾ:.、 .│
│ ,イj、.:.v.:.:.:.:.:.::/:/.:.:,イ/.:.:.:ノ!.:.:i.:..:j.:.:.:.:.ヾ;,.:.:.:.:.:.:ヾ.:.:.ヽ `ヘ .│
│ /ll!ハ:.:′.:.:.:.:/././.:/.:/.,ノ.;/l:.:;!.::l.ヘ;.:.:.ヽ,:.:.:.:.:.:.ヾ,:.:.'; ! │
│ ∧jハ.:′.:.:.:.:.′〃xfz左z,;,X, .j:/ !:;|:.:.:l.:.:.:.l.:ヘ.:.\.:.::.':;.:.'; ......│
│ l.l.ヽ.:.:|.::::.:.:.:|{:.:.,仆乞芸て卞 >′l./j.:,リ.:./.:l.:.ヘ.:.::.ヽ.:.:.';.'| ..│ 数に惑わされないで、冷静にね。
│ '.:.:.:;:升∧::.:.|.:.:{イ ,伐::::::斥′ ノクサトxj:.:.li.:l.:.ハヽ.:.';.:.:;.! ..│
│ ∨ !′l:.:.:|:.:.! 、辷ークノ ケ云x.:ノメi.:/.:.:.:.:l.:.:.:.:.l:.! ......│ とにかく包囲陣を食い荒らして穴をあけていくこと。
│. ゞ、)l::.:.:ゝ:ヘ、:! `¨¨゙` /.::ヌリケ;´.:;リ..:.:.:.∧:l.:.:ハ! .│
│ 'iーl;:.:.:.::.个` 匕゙.ノ_ノノ/!:.:.:.;/ レノ ! .│ 残ったら味方に任せればいい。
│ l.:人::.:.:.゙l ¨`て.._`V.ハ.:::/ !′ ...│
│ _,、n< '.:.、∧ c。 人__,¨\:l/ .....│
│ イ´.:::.ハヘ '、l?∧ .,/: :.j /}′ │
│/ l:::::::., \ ´、?「>、 , イ´. .:.イ´.:l.:.| ...│
│ j::::::::.ヘ \ \ヘf>.ー イ. . . :<.:.:.:.';.:.:.:|.:| .│
│/¨ ヘ:::::..∧ /\` >ー<cハ. . . . . . .fヽ,¨ -ナヘ.';.:.:|.| │
│////∧::::..∧\/∧ Y∧:ll. . .,,..イ".ソ ',////,j.:.';.:.|| ......│
│/V//,∧:::::..∧、/ >介イー"´ /.:::.∧//zj.:.:.';.:.| ......│
│j∧V//∧:::...∧ jメヘ__ -イ.::::::::::::.∧//j.:.:.:.';.| ..│
│j:iV∧//∧:::::::..\ ヽ´.:::::::::::::::::::::::::::::::::人/j.:.:.:.:';| │
└───────────────────────────┘
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r;..'.´ゝ, - ィf壬}γヽ/_,.--<
___ィ..;..;..;..八 Y .,弌_/ /:::ヘ-、__`y⌒ヽ
____,.ィ:::::::::::::::!..;..;..;..;..;..{--―/ >、:::r'`ー人 ノ
::::::::::::::::::::::::::::ト--イ::}..;..;..;..;..;ソ ./_,ィ´ ゝく フノ化リ
 ̄ ̄ ̄ ̄`ー―― 'ゝ..;..;..r' 〉< / ´.イ彡′ 要は派手にやれってことかお……!
{ゝ---t
{≧!.}‐-≧}
, イ Y::HY:::::::人、
_ ,ィi ノ レ´.!リ`\ \
ト'´ 丶r-'´. ` `ー 、 >トrt
// ノ´ `ヽ::レ´ ヽ、
__/ / r'´ \-ヘ ヽ_
r::/´ r‐ '´ `ゝ\_ `ヽ
/ 二ノ \` -\._
_ ,ィ≧-z::ソ ヽ,ィレ::ヽ _
/ ゝ:<´`´ ゝ\丿`ヽ、
. 〈 / `丶 .〉
`ー ´ `ー'
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
飛んでくる弾丸やミサイルも意に介さず、オーバードブーストの勢いのまま突貫し、
敵機がアサルトアーマーの射程内に入ったと同時に間髪入れず装甲を展開した。
カメラアイが保護シャッターに覆われ、視界が一瞬暗闇で閉ざされる。
次の瞬間には轟音が鳴り響き、視界が戻る頃には辺り一帯が残骸の山と化していた。
コックピット内にミサイルアラートが重なって鳴り響く。
滑空しながらアサルトライフルを構え、ロックオンサイトに入った敵機へ
手当たり次第に弾丸を浴びせていく。
突如として現れたマーシフルの影響か、敵側にも相応の混乱が起きたようだ。
軍事キャンプ側のノーマル部隊の無線とAMSの通信が混線し、
彼らの声が聞こえてきた。誰もが興奮しきった声で怒号を飛ばしていた。
「敵が止まった! 前に出ろ!」
「こっちにはネクストが三機もいるんだ、怯むな! 勝てるぞ!」
どうやらSIノーマル部隊がマーシフルの参戦で勢いづいたらしい。
これだけの包囲であっても戦意を喪失しない辺りには素直に感服させられた。
この勢いを決定的なものにするべく、弾丸と熱線をばらまきながら疾駆する。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
1468
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◆x0SRSoJXe.
:2019/10/09(水) 23:08:13 ID:h7HJKgEw0
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Y::::::::::::::::::::::::::::::≧ュ、 ,r',r/´:::::::ヽ{ >-il
|:::::,r´ ≧ュ,::::i i-<ィi:::::>::::´::}/ゝ<}i />ヽ
|:::::| !::::i |-、`i-<::::::::::::i二二i:l´ / ヽヽ
. |:::::| !::::i>'  ̄\``''=-、..,,_{::::::}:|!コ`''= 、..,::::::,-,! / >
|:::::i--< ,----!::::i-<_ 、 \ \;::::|::::ヽ、__ ,...二/_|> 、 /;
|::::|::::::i | ,-----|:::::|-{:::::i `≧、 .\ \!::::l::|:::::::'二}:!:{ > 、 >,/ /
|::::|::::::i |<二二_|::::::|::i二/___/.i、\ \ \-{--/i..i<ノ}∨\ i } /
, ----|::::::i/三三三/i::::::|::/ヽィ´i::| 、ヽ\ / > 、..,,!-<ヽ、_ >y:::\ / / ふむ、聞いていたよりも
i ̄>┴-┴三三_/:::i::::::|/<_/-i-<` >< > 、..,,_/:::::::::::::>、i> ´::::::::ヽ
. <´::::::::::::::::ヽ:::::::i::|:::::i::::::i:::::/::::ノミ 、 ,/ /i ><`::::::::::::` 、::::::::::::::::::ヽ::::ヽ::::::::ヽ 筋がいいじゃないか。
> ´:::::::.`ヽ::::::::::::::::::ヽ:::i::|::::人:人_ノ´::l >< //, ':::::::::::::::::::::::::::` 、::::::>-ヽ_ヽ:ヽ
> ´::::::::::::::::::::::::::::Y:::::::::::::::::}:::i::|<二二二i{二i> >/_.ィ!':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::` 、-`i i'`i ヽ ヽ
,ィi´:::::::::`ヽ:::::::::::::::::::::::::i::::::::::>´::::i::|::::::::::::::::Y:::::i:::」 i / iノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:::::l. | .|::::::::i
i{:::::Y´ `Y::::}i:::::::::::::::::::::ノ::>´::::::::::::i::|:::::::::::::::::| /i i /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:::::| ! ,!::::::::i
l:::::人 人::::l:::::::::::> ´ヽ-------ヽヽ二二二i{二/ / /、..,,_::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:::::::::` i´::::::::;
.人::::::::::::::::::ノ> ´ | i i | /二l=Yj / / ~``''= -、..,,_::::::::::/、::::::::/:::::::::/
ゝ---< | i i | /二l三i / / ~``''=- 、..,,_ ~``{/.Y Y/:::::/
! !____// /---|三ii__.ィ´ ∨:::::::::::::::::::~``''= 、从_ノ.::/
ヽ____i / /--i'{==! ヽ::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::!-<
/ / / Y三≧ュ、::::::r'-<
` ̄
ゞ-ニ====-ー--......
フ= 三 三三三三二_ヽ
ゝ 三 三 三_,,...----y´
|"''"三,.へ三i" /,,--、 〉 だが……このまま終わりってわけにもいかなさそうだな。
|三テY ,ヘ,`=j___i_..=iテ,〈
|=≠ ヽ. ''}  ̄ ̄ヽ ̄;´_ > 今日は厄日だ。
,.へ. └‐'' i _..>
,.へ, \ `' ''^(
/`'ー、`''ー、 `'ー、 `''ー- ...ノ
/ `'ー、 `'ー、 `'ー'イ
1469
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/10/09(水) 23:30:14 ID:h7HJKgEw0
┌───────────────────────────────┐
│ , - ‐‐‐- 、:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ、 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.ヽ、 ....│
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│. ///:.:.:.:/:.:.:/:.:.:.:/:.:.l:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.!: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| ......│
│. / ,':.:.:.:/:.:.:.i:.:.:.:.:.i:.:.:|:. ∧:.:!、:.:.:.ヽ:.:.ヽ__:.:.:.:}:.:.:.: }:.:/ |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. | ......│
│ ,':.:.:.:,':.:.:.:.{:.:.:.:.:.|:.:.ハ:.i ヽヽヽ:.:._メ:.´ヽヽ:.:.i:.:.:.:|/:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : | ......│ やっぱりいた。
│ i:.:.:/|:.:.:.:. ',:.:.:.:.:|-/_|_| ヽ/,イ圷≧i:.i:.:.|:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : | ......│
│ |:./ .|:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:!:.iイうミ {::::::::ら |:}:.:|:.:.:.:!´.ヽ:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : | ......│ マーカーセット完了、
│ |/ !:.:.:.!:.:.ヽ:.:.:.|〃{:::j 辷シ !:.:./:.:./| ヽ.} |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| ......│
│. |. ',:. | ',:| .|ヽヽ`.ヒリ /://:.:.:! /: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| ......│ 予想通りネクストだよ。
│. ヽ| リ !:.:.ヽ\ ヽ .〃|:.:.:.:.:./_//.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : | ......│
│. ヽ i:.:.:人 -‐- / !:.:.:.:.//. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| ......│
│ ',:.:.:.:.ヘ |:.:.:.:/. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| ......│
│ ヽ:.:.{ ヽ、 .<.|:.:./l |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| ......│
│ \i >.-t ´ |:/‐┤、. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| ......│
│ \ r、| .-  ̄/ / i、 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: | ......│
│ 〃.ヽ ./ |::`ヽ.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : | ......│
└───────────────────────────────┘
____
/ \
/ \ / \
/ (●)i!i!(●) \ まだ敵が増えるってのかお。
| u , (__人__) |
\ .`⌒´ 〆ヽ そっちの方に向かいますお! この中で対ネクスト戦に一番向いてるのはマーシフルですお!
/ ヾ_ノ
/rー、 |
/,ノヾ ,> | /
ヽヽ〆| .|
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
レーダーに新たな反応が表示される。
回転しながら地を滑っていき、群がりつつあったIGIOノーマルを薙ぎ払うと
最大出力で上昇した。
それはすぐに見つかった。
なのはのつけたマーカーが指示した先にオーバードブーストの光が見えたからだ。
白く重厚な機体には目だった傷は見当たらず、
背部には無骨な追加ブースターが翼のように搭載されていた。
マットブラックのレーザーキャノンとレーザーブレードを携え、
まっすぐにこちらへと向かってきている。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
1470
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/10/09(水) 23:48:26 ID:h7HJKgEw0
, ― .、
// , -、.ヽ
__ ../ { ./彡=マム ,, ─、
/ミァ 'ィ エミエュ`ニャ〉== 、 ヾ マ彡三フ ヽ,,<彡三ム
ム `- | `<>-<::::イァ-=.ヲ ̄三i ,, - '' " -'─'' " マ三}\
マ > }ェェェュ、lミ.ト_ノl .ミ .三ミ){ }‐- 、 }三三
.'-ャ.{ .`ァ─'三>' レ三ヒァ" ̄ .ム_,, - ''" .ヽ ./`寺ミチ
.マl, .{三三|}' `}}二二イ.ァ `i >'',,ィム Y ノ `マ
マム マ三ミ`─}、__/l ェェェ ' i マ三lム / \ 釣れたのは二機か。
/.>、--ミノ i i i マ三三、__>''" } ,, -''ヽ
/./ ,.タ巛、./ , .l l ,-''" .i-、 マア"/ヽ !、 , 、 /" ヽ 国崩を含めれば三機……
./ミ,ァフ`寺彡-マミ、ヽ\- 〈-ァ、ェ彡ム .,,<彡' ヽ \ }ミ< >}
/ミチ/' У ィ=/` }-レマ三}' .}、,,≦三三三}.、\ .}_./{彡、 ,, - ''"マ / ま、これだけ落とせば上も少しは
./ミチ/ / ̄',,アェェェェ'イ三三l三三>三ミ>i.{ {ム ヽ" ム
/ミチムヘ、 / ./}マ 、ミチ三三三チチ三三チ/ .l ` マ三、 ,, .ィミ、 溜飲が下がるってもんだろう……
ゝミ.' ャ、へ.ァ ./ムl{` -イャ .ァ <,!-<二マ三ア三} i ヽマ/三三三}
/三}-<ファァ、 ./ ./"\ マ ` l .l ム__ゝイ三チ i `寺ア--、- 、
./三/ミ/ ムミ、. ,イツ ` マ l ヽ、 ,,ィ ア三チ `' ヽ .ヽ{ミノミ/`}
/三/ミ/ .{レマチ i } Tェェェ{__/ {{'' ヘ \ ,,ィ彡\.{ミ} }, ィェャ
【機体名:アポリオン 重量二脚】
/ / / / /彡/ /'''''''‐-、_ _-‐二 --―
| /| ヽ 川人 | \,__ 、_ _,, -‐ '' ~ ´
\ ヽ_,.、`' | | |.| r-- 、_ \ヽ \ __,. -‐'\
`ヽ~~') ' 入 / ハ | _,.、_ ヽ ヽ〈 \ `'-、_
ノ ) / | | `'´ !,,.-| |::. ヽ__,,,..
/ _,./ _,.- i' /|, ri ノ )i、 / |:::::::. \、_ ヽ~''‐ 、__
/'~´ / | |;;| `~ '''' ノ|_川 `''‐ヽ::::::::::.. `''''''''`―――`-、‐ 、
レ / ' __,.| |;;| / /! ヽ ヽ:::::::::. /´ ̄フ
./ / / | | /;/,,く | ヽ ヽ::::::: / / / お、向かってきたな。
.| .| / | / _/;/(、!;|/ i ヽ::::: / | |
ヽ,| | ト、 \、;;'‐7.`! ヽ:: / __ | | ありゃあマーシフルか。
ヽ | ヽヽ,,,,,,,,|_ _,.-‐==‐''~ |::: // |/ `'''''‐- 、| |
l、ヽ  ̄,. ___ ̄-''´ /:::::.../ | | | | これまであいつに二機やられたって話だが……
\ヽ_,.イ .|´| ....:::::... /:::::::/ / | | _,. -''~´
 ̄´ ノ ./ /''' ,. - /:::::::/ | ヽ-''~´ どうせロストワードのおこぼれだろう。
ノ / i -''_/ ,.- _/ /::::::/ / / _,.-‐''''~~~~''''7
( r‐' `''''''~~|,. '´,イ´ .... /::::::/ | / _/ -―‐'''''''''~~~~~ とっとと片づけよう。それがいい。
ヽ_ヽ ヽ- !ノ :::: /:::::://-‐二 --―‐''''~~~~フ~/
ヽ| ヽ,,,,;;i /:::,.-'´-''~´/ / //
!ノ .| |_,.-'~´ / / / /
ヽ、_,.-'´ i i / /
【ランク6 ディエゴ・ブランドー 独立傭兵】
1471
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/10/10(木) 00:06:44 ID:.r9g6gBE0
┌────────────────────────────┐
│ , ---------- 、 / ̄ ̄ ̄ ヽ、 .│
│ __ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ、 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ │
│ , イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::く-┐:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i │
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│ ./:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',:l:.:.:}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| .....│
│ /:.://:.:.:.:.:.:.: i:.:.:.:.:/:.:./:.:.!:.:./ i:.:.:.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',:.:.:i :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| .....│
│ // ./ :.:.!:.:.:.:.:.{ :.:.:.:i:.:/:.:./|:.:,' ',:.:.:|:.:.:.:|:.:.:.:|:.:.:.:.:.}:.:.| :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| .....│
│ / {:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|:.:.:.┼廴/_.|:/ ヽ:.!:. ⊥_|_:.:.}:. i:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| .....│ ID照合終わり。ランク6、ディエゴ・ブランドー。
│ i:.:./ |:.:.:|:.:.:|:.:.:. |,イう≧、ヽ ヽ|芹う≦、:.!:.:.|/|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| .....│
│ |:/. !:.:.:!:.:.:!:.:.:.《 {::::::::ら ´ {:::::刈 》/: /ヽ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| .....│ 機体は大口径レーザーライフルとレーザーブレード主体の
│ |j ',:. |:.:. |\ヽ. 辷シ 辷シ /:/:} /|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| .....│
│. | i: |!:.:.|:.:.:.:ヾ、 j /!:. : i_,' |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| .....│ 重量二脚、アポリオン。
│ リ ヽ|!:.: : ヘ }: : / |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| .....│
│ ',:.:.:.:.{ヽ  ̄ //:.:,' ! :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| .....│ 純粋な戦闘能力ならシグナムとかの方が上だろうけど……
│ ヽ :.:.i > イ / :./ |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| .....│
│ \ヽ ,rヽ. >< _/|// !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: | .....│ 面倒な相手っていうのは確か。
│ , ヾ、{ ≠<´ ./`ヽ、 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| .....│
│ ,、r::´::/ ! /、 ヽ / |::::`ヽ、.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| .....│
│ ,、r:::´:::::::::::::/ {、/ゝ-/', 〃 .!::::::::::::`ヽ、 :.:.:.:.:.:.:.:.| .....│
│ ,、r::´::::::::::::::::::::::::/ ', }≠/ / ',:::::::::::::::::::::`ヽ、 :.:.:.| .....│
│ /::::::::::::::::::::::::::::::::/ ヽ/ / ヽ/. ',:::::::::::::::::::::::::::::ヽ :| .....│
└────────────────────────────┘
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
ランク6ということは、この男がIGIO側についた高ランク独立傭兵か。
AMS越しに聞こえてくる声からも、確固たる自信が垣間見えた。
自分たちを戦いの相手というよりも、単なる相手として見ているようだった。
だとしても、怯む理由にはならない。
これでも一応、ランク4のアリスと戦場で轡を並べているのだ。
ここで怯んでいるようでは彼女のパートナーは務まらない。
オーバードブースターを起動し、アポリオン目がけて突撃する。
ヘヴィードーラも国崩も、ブレードを搭載しているようなネクストと
正面切って戦うような機体ではない。ここは自分が食い止めるべきだ。
「マーシフルのリンクス。こちら国崩。これより火力を敵ネクストへ集中させる。
これは好機だ。虎の子のネクストが落とされれば敵は一気に瓦解する。
しっかり頼むよ」
新城直衛から通信が入る。ここはノービィの言う通り、
私情は挟まず協力してアポリオンに当たろう。
いけ好かない男だが、頭は回る。今は味方なのだから、ある程度の信用は必要だ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
1472
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/10/10(木) 00:08:01 ID:.r9g6gBE0
うーむ、すまない、眠くて頭が回らなくなってきた……
次回は、そうだね、ちょっと暇見て書き溜めして、出来次第投下するよ。
時間がないわけではないんだが体力が尽きていてね……毎度ごめんね。
1473
:
安価のやる夫だお
:2019/10/10(木) 00:09:09 ID:zDcSMWFE0
乙でした
1474
:
安価のやる夫だお
:2019/10/10(木) 08:02:01 ID:IIWLd69M0
お疲れさまです
楽しみに待っています
1475
:
安価のやる夫だお
:2019/10/10(木) 09:56:53 ID:DlxACfCg0
乙でした
1476
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/10/12(土) 22:44:10 ID:51ltCcqI0
ハロー。台風だがみんな大丈夫かな。
>>1
はまー無事ッス。
さて、最近だが、率直に言うと勤務時間が二百時間越えと、
処女作書いてた頃に高校卒業後勤めていたブラックビルメンテナンス会社時代の三分の二くらいに達していてね……
正直投下時には体力がかなり尽きてる状態だし、休みの日は結構人付き合いがあるんだ。
なんせ勘当喰らった時に助けてくれた相手だからね、恩義もあって無碍にもできない……
そこで、本当に恐れ多いのだけれど、支援金を募ってその分働く時間を減らして執筆に当てようと思い、
今回pixiv fanboxなるものを開設させていただいた。
もしも、もしも『お話の続きが見たい! 働いてないで書いてくれ!』という方がいれば応援していただけると幸いだ。
なんかもう、本当にごめんね。モコイさん頑張るからね。よろしくね。
1477
:
安価のやる夫だお
:2019/10/14(月) 20:59:45 ID:TiBvwgNU0
続きがみたいので、ご自愛ください
1478
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/10/18(金) 00:03:15 ID:hrq0zAy.0
/||ミ
/ ::::||
/:::::::::::||____
|:::::::::::::::|| ||
|:::::::::::::::|| ||
|:::::::::::::::|| 、 - ‐‐ -,
|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
|:::::::::::::::|゙i : : : :○ ○゙i ハロー。労働時間の削減のために支援サイトに登録した後、
|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _l
|:::::::::::::::||: : : :-=´_ _,´ 凄いおこがましいことをしている気分になって消そうとしたとき
|:::::::::::::::||___ : : :丿
|::::::::::::::(_____ノ´|| 支援されたとの通知が来て固まった
>>1
だよ。
|::::::::::::::(_ノ / . . . ||
|:::::::::::::::||/ || Twitter上で一応の賛同を得ていたとはいえ、なんか怖い。
|:::::::::::::::|| ||
\:::::::::::|| ̄ ̄ ̄ ̄ それはそうと、イベントシーンが書きあがったので置いとくね。ちゃんと読むのよジェニファー。。
\ ::::||
\||
1479
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/10/18(金) 00:03:55 ID:hrq0zAy.0
_ ._
`マ\マト、
`| ヘ∨ト、
弌 ト-、\ __ _r;..-;..、
∨t.ヘ イ /---z..;..;}
____∨ ∧<ヘ_ソ;..;ノ __
/ 〉ヘ.∧ ∧  ̄\≧ - 、
/γ⌒ヽ- ― ―t 、γヽ_, -_.〉三三≧ - - - 、_
z-ソ`´ヽ丿ト .〉弋仆―――'´`ー===三三≧=――- - .._
{.;..;..;..;..;..;..;r'´ `ヽ三彡' ヘ  ̄ ̄`ー‐-<三三≧ト - .._
/ ソ..;..;..;..;..;..;..> }´ヽソ、_ ハ  ̄ ̄ `ー'´ かかってこい、相手になってやる!
// ヾ..;.レヽ-イヽ;} `〉z / ゝ'
// 7.{\ヘ/| r< { } 〕t
ムイ ヘ/\ .| γ:≧i i:≦=- 、
`ー 、 .ヘ , >/::〕.ト:_:ヽ /´丶、
∨ ∧ イ゙´.iリ \__.{ r:::} )t
ノ∨ ∧ ノ `yゝ_ノイ
/ ∨ ∧ ゝ__ ノ{r 、
/ ム'.∨ ∧ `>:::> ヽ
/ ノ ∨ ∧ \ _ノ
__r-' / ∨ ∧
ソ /. ∨ ∧
/ r::::〈 ∨ ∧
__,..ヘ ->'´ ∨ ∧
//:::::// _∨ ∧-t
/  ̄ノ´ \ |
ゝ-- ´ \ |
\!
、ヘ 〉 ヽ_ ____ , -<::::\_, - ' /. ! r
ヽ_ -―'´ >: : : : : : : : : : : : ヽr-t | | ;
. r' r /: : :r――r'´_ ̄`ヽ: :} \ 人 人 ;
. | ! /: : : / ヽヘ`ヽ、 | ̄| /\ \
/ | /: : : / / ̄ 〉 i` Y _/--' \/ `-、 \
. | ヽ、; : : : / / / ノ ./リ〉、. \ ` - 、 ……ふっ。
,..:ヘ `| : : / 7 | / ///ヽ `ー ' ´ ̄`ヽ ` - t
イ:::::::ヘ ー ' {` --ヘヘ. / ./――' ̄ ̄ ̄T ̄|――\__.!
:::::::::::::::::ヘ | /.ト---―ァ'´| rv 〉ヘ /, _|三三三} |_
:::::::::::::::::::ヘ (´ / |ヽニ ̄丿/ ]|| ./γヽ .| ! | !. | |
:::::::::::::::::::::::| Y´ || ゝ― |_/ '´ ,イ. ゝノムイ ! || !|  ̄.|
::::::::::::::::::::ム {⌒ヽ|/// 7/ >―-|二彡,i \ || !| .!
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
対峙し、白く重厚な機体を睨めつけながら銃口を向ける。
相手も臨戦態勢に移るかと思いきや、予想に反してゆったりとした姿勢で
レーザーライフルもだらりと銃口を地面に向けたままだった。
突進してきたマーシフルを冷たく鼻で笑い、憐れな獲物でも見るかのように
動かぬままカメラアイだけが不気味に光る。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
1480
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/10/18(金) 00:04:06 ID:hrq0zAy.0
,斗ャ{ ̄ ̄} ̄ ̄¨¨ 、
. /´ ̄ ̄ ̄7| 「 :γ´ ̄`ヽ \
. / γ⌒> ./| | . : i: i⌒i i:'⌒ヽ
| {_/ /\_,| |_/|: | | |: ,
. 八. /{ 匚>{______}:<|: ー゙ l::i: ′
. ヽ/ニ=----―――乂____ノ人 :i
}/ ,x┬¬冖 ¨ ̄厶孑彡:八≧ミメ、_j
. / /ノ人ミk、 斗ャ≦__乂 } ) :i\{ おまえ、勘違いしてるな。
( / ( (ィだメ、ハ イ弋だヌメ人 \ノ人,)
乂 ̄´ 八:.ゞ¨¨´/:| i ``゙¨¨"′:::} :}:'⌒ヽ\ そうだろ? ネクスト戦役の英雄に運よく拾われて、
}7´/ハ :j|___j、; .:::} /{く^ヽ }ノ )
/\:′: /ヽ: ゝ┬ '′ .::// :{/_ノ ノ/'\ 適性もないままマーシフルなんて身に余るネクストを与えられて……
< (O) { :i:/{廴/, _ ‐ー- __ 乂: 廴..イ/ /ヽ \
\/乂{ {乂//:, ` ̄´ .: .:-ニ「 } 〈 〈(_ノ / 図に乗ってるんじゃあないのか?
_ノ人{ ∨ノ //:, `¨¨¨´ .:-ニ7' / :| \ /
⌒/⌒>ゝ } }\ __.:-ニ= :{ .;′ ノ\ノ≧′ オルデンブルクの若き英雄もたかが知れる。
_,.x≦\/:i「 : /人 ー=ニ三三ニ :{ :i:イ{\ Y⌒
⌒ヽ :j| :/ :ノヽ =三ニ :V {:{: jヽ|
____
/ \
/ ヽ、 _ノ \
/ (●) (●) \ なっ……!
| U (__人__) .|
\ |i||||||i| /
/ __` ー'
(___)
1481
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/10/18(金) 00:04:42 ID:hrq0zAy.0
___ __
. /-、 ヽi`ヽY ,-、ヽ ‐-
/ ゝ'___}i i´乂ノ ノ `ヽ
}--ニニニ==ニ_二 \
. / イ::::::::::≧二二ヽ`ヽ=- 丶
.. //:.:.>'´/ ,イヾ}`ヽ \ \ ヽ `ヽ V
. //:.:./ //ハ ! _ -=≦´ 丶 \ \ V
//:.:./ /// マム 彳斥i!弌メ ハ ヽ 丶 丶 Ⅴ
. { {!:./ ///::::::::ノ\ヽ `¨¨¨´\ヽ/ハ ハヽ ハ V
`¨ ヽ/ } ::::::〈‐‐-ヽ\ 丶} | ヾ´ `ヽ !〉
/ | ヽ ' \ |i / } iタ } /
} !', r――--' ! | /ん' / / 俺はさ、嫌いなんだ。そういうの……
∨. i∧ ゝ' ¨¨´ !/ ハ_/ \}
Ⅴ !iハ / / i ヽヽ / / 誰かから貰った金や力だけで生きてる奴ってのがさ。
ヾ}ヘi∧ ____>'´ !、ハハ > /
ヘヘ!、 >'´::::::::/ ! i `ヽ_____>'´./ たまたま運が良かっただけのくせに、
ヘ| `ヽ、:::::: / i i /
| ≧=----=__ i ! / 神に愛されてでもいるかのように自分を誇示するんだ。
,===ニ___..レく >====ミx <> .iヽ / /
>'´  ̄¨´ニ_ Y <> .i `¨´ ____>'´>'´ 分かるか?
_∠__ `ヽ <>x  ̄ __>'´
-- ___ `ヽ \ > }ヾニ\`ヽ
`ヽ ヽ ヽ ∧<> ! `ヽ \
丶 \ ∨∧ <> ゝ= x ハ
> 丶 ∨∧ <>ハ `ヽ }
_,..イ⌒ヽ .__
_>-‐=≠ニ::y'´::::::::::::::::/ / /
,.::´ ̄レ'⌒ヽ:::::::ノ.、::〉::::::::/>`ヽ'
/::└-、:::::::::/´ ̄ リ>f´く,ィ´/ ノ-=x、
/::::::::::::::::::〉'゙´ /`'く弋`iミ,テ:く'T´ィ′ ヽ
//:::::::::,-‐く i / \>¨´く ヽ` ̄`f彡:}´
//:::::::::::/ー-、 ./`Y 〉'´ヽヽ i ゙´
/::::::\:::::,.イ⌒ヽ ヽ /弋 〉‐-<_,ム i:::|丿 だから全部根こそぎ奪ってやる。
ヽ、::, < }_人_/y´〉ニ=‐iiiiiiイノ::イニfニニヽ
,. < / .)´ノノ=-、::::::::>:くヽ、 ` ̄`ヽ:ム おまえらの機体も! 誇りもッ! 命もッ!
,. < .イ≧}//,ィニ=-、ヽ/ /i .'`二ニ=‐.、_〉f^i
, -‐=ニ二ニ≠ー 、 ,夕i彡'´/ `゙≪/ ′ i ノ.、 タ =リ バラバラに腑分けして売り飛ばしてやるッ!
/ \ ./ /θ ./マーfくヽ ` ̄ ̄`マ ノ´
/>=ニ二ニミx、 ム/ ./ θ / リ ∨ソー┬─‐'゙´ 覚悟しろカス共!
// 7´ ̄ ̄`¨'<`ヽ .| ト、 / .′ ∨ム i
./ i ヽ:∧ .! 弋≧=‐-彳 / ∨=┤ 俺の邪魔をする奴らには、
.′ 从 .∨ハ ′ /i`¨¨〈 ./  ̄´
i ヽ リ i | ./ / `ヽ_i_ / 死者の『尊厳』すら与えないッ!
l ヽ、 ,.イ ′! / ./ 丿ー='"
∨ ` ̄´ / .// ,:タ<⌒ヽ ./
\ //'´ 7´/⌒ヽ /´
> .イ'´ /`7i__r/
 ̄ ̄´ ./ ./ /
i≧=ィ′
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滔々と哲学を語って聞かせるようにやる夫を罵倒していたかと思うと、
アポリオンは突如として銃口を上げ、引き金を絞った。
大筒の先端の闇に青い光が収束し、解放される。
完全に相手の異様な姿勢にペースを呑まれていたやる夫は、
レーザーを右腹部へとまともに喰らってしまった。
コジマ粒子の防壁が撃ち貫かれ、機体から黒煙が上がる。
衝撃こそないが、AP減少アラート共に視界が一瞬赤く染まった。
痛みもなく自分の腹部が吹っ飛ばされたような感覚に陥り、
心臓が打って変わって早鐘を打ち始め、血流が加速する。
アポリオンはその様子を嘲笑うかのように、第二射を構えていた。
「AP、残り70%! 相手の口先に呑まれちゃだめ!
ああいう手合いはなるべく時間をかけず、何もさせずに黙らせるに限る!」
なのはの落ち着いた叱責で我に返り、必死の思いでブースターを起動させる。
射線をずらそうと右にブーストしながら旋回飛行するが、
アポリオンはそれを読んでいたかのようにジェット音を轟かせた。
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◆x0SRSoJXe.
:2019/10/18(金) 00:04:56 ID:hrq0zAy.0
}/ ,ィ ヽ
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l ! } ,.,イf::フ'" /__彡 /
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|l l ノ:::/,ィtzツフソ /‐ ∨
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ヽ \ヽ l 、;:::__::´ ´ ^ i | SIの手先もッ! 英雄のおこぼれに与ったクソガキもッ!
\\ \ \____ |
、 \__ヽ \____三二ヽ l | 全員纏めてここで死ねッ!
\ ヽ \ \ ヽ\ │ |
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`ヽ __,ィ/ /
ヽ-' __,. -‐ つ /
} ト----‐= フ'"´ , , '
l  ̄  ̄ ̄ / /
l.\`ー ―‐-- -‐ ´ /
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「すまない、どうやらこちらの狙撃ポイントが読まれているようだ。
射線を重ねられてマーシフルごと撃ちかねん。
少し待っていてくれ」
新城直衛が至極冷静に言い放ち、それにノービィが口を挟んだ。
「俺からは通せなくもない。そのまま組み打っていろ」
低く落ち着いた声にネクスト出現に対する焦りや恐れはない。
やがてその冷静さを表すかのように、右斜め後方から青い光の矢が
マーシフルを横切り、正確無比にアポリオンの胸部へと突き立った。
敵機から後方のノービィを呪う声が聞こえてくる。
「クソッ! なんだっていうんだ、ロックオンアラートもなかったぞ……
狙撃用FCSでもないのに狙撃してきたってのか? イカれた真似してくれやがって」
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◆x0SRSoJXe.
:2019/10/18(金) 00:05:18 ID:hrq0zAy.0
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「さて、生憎俺もノーマルの相手をしながら狙ってるものでな。
あんたが思っているほど援護の頻度は多くないものと心得てくれ」
ノービィは平然と言ってのけたが、やる夫は彼の離れ業に愕然としていた。
なのはからも驚きの声が聞こえてくる。
「近接戦闘もこなしながら、あの精度の狙撃って……
まあ、味方が強い分には問題なし。さっさと畳んじゃって!
アポリオンは癖のない遠近対応の重量二脚、接近戦ならこっちに利がある筈」
「分かりました、突貫します!」
ブレードを充填しながら振りかぶり、メインブースターの出力を最大まで振り切らせる。
距離を詰めさせまいとアポリオンがレーザーライフルの銃口を向けてくる。
敵が引き金を絞る寸前まで最大出力で突進し、
レーザーが発射されたと同時に鋭角にスライドするようブーストした。
熱線が背部のスラスターを掠めていき、虚空へと消え去っていく。
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◆x0SRSoJXe.
:2019/10/18(金) 00:05:41 ID:hrq0zAy.0
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さしものランク6も、狙撃を受けながら軽量二脚との接近戦は不利だ。
ましてや純粋な戦闘結果ではなく、謀略による高ランクであることも
なのはの弁から察せられる。
自分はアリスの、マーシフルはロストワードのパートナーなのだ。
その程度の相手に負けていられない。
接近を許したアポリオンは銃口を下げると左手に装備したレーザーブレードを
静かに構えると、落ち着いた様子でマーシフルと相対した。
ブレードを展開し、熱線の刃を形成して横に薙ぐ。
下手な小細工はせず、純粋な速度に物を言わせて斬りかかった。
振り抜かれた刀身はアポリオンの脇腹を捉え、
PAを引き裂き霧散させると、白い装甲を抉り取った。
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◆x0SRSoJXe.
:2019/10/18(金) 00:05:52 ID:hrq0zAy.0
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│ '.:.:.:;:升∧::.:.|.:.:{イ ,伐::::::斥′ ノクサトxj:.:.li.:l.:.ハヽ.:.';.:.:;.! ..│ よし、そのまま……
│ ∨ !′l:.:.:|:.:.! 、辷ークノ ケ云x.:ノメi.:/.:.:.:.:l.:.:.:.:.l:.! ......│
│. ゞ、)l::.:.:ゝ:ヘ、:! `¨¨゙` /.::ヌリケ;´.:;リ..:.:.:.∧:l.:.:ハ! .│ 待った、九時の方向から接近機体!
│ 'iーl;:.:.:.::.个` 匕゙.ノ_ノノ/!:.:.:.;/ レノ ! .│
│ l.:人::.:.:.゙l ¨`て.._`V.ハ.:::/ !′ ...│ あれは……
│ _,、n< '.:.、∧ c。 人__,¨\:l/ .....│
│ イ´.:::.ハヘ '、l?∧ .,/: :.j /}′ │
│/ l:::::::., \ ´、?「>、 , イ´. .:.イ´.:l.:.| ...│
│ j::::::::.ヘ \ \ヘf>.ー イ. . . :<.:.:.:.';.:.:.:|.:| .│
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│/V//,∧:::::..∧、/ >介イー"´ /.:::.∧//zj.:.:.';.:.| ......│
│j∧V//∧:::...∧ jメヘ__ -イ.::::::::::::.∧//j.:.:.:.';.| ..│
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____
/ノ ヽ、_\ 『ランク20、ヒステリックベインを確認。注意して!』
.. /( ○)}liil{(○)\
/ (__人__) \ こんな時になんだってんだお!?
| ヽ |!!il|!|!l| / |
\ |ェェェェ| /
1486
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◆x0SRSoJXe.
:2019/10/18(金) 00:06:07 ID:hrq0zAy.0
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/| / ̄>'゚\\
. -─=ミ/ j{ / \/ \\/__
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/:::://⌒ヽ/ √| :|/∧ |::::|//___/::∧
_ _x<ハ:::::::〉 ,/__」_ ∧ / } |/ ,.::::::::::/ ̄ ̄「 ̄\__
───<___〉ニ乂ノ_ノ::::::{ ∧ /.:.:∨ ノ<_/{:::::/ { ,ノ:::::::::::::\ 〈\
───ー/___{_ノ⌒ヽ乂_∧ {/ヽ{.:.:. /∨ ___∨L/ 乂__/::::::::::::::::::::::::>} ヘ /
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/\_/ ア ィ(.:.:.:.:{__xく,ノイ /.:/ ∧ 〉::::::::::::::::::::::::(__) ) ∨ / …………。
__/ / ∧∧.:〈.::〉/.:.:./.:.:.:.://|'∧ ノ\:::::::::::::::::/〈∧( ∨
{  ̄∨∨.:.:.:.:.:.:./.:.: /| |/∧/〈___〕/ ̄ ̄`'〈 〉\ 〉
``^''丶、  ̄ ̄^∨.:.:.:.:.:.:/ ̄.:._| | ̄∧/ ∨__ハ 〈
. : : : : ; /:|.:.:.:.:/|/ ̄,ノ| |__∧〈 ̄\ 〉 〈 ハ
( . . : :ノ /ヽ|_/.:/ ̄二シイ<ニニニ=‐ァ㍉\ 〈 ∨___〕
. . . ⌒ヽ <_√L_xく_/) )/ /::γ´:::::::{:::{ } ∨ /∨丁 ハ
::. /「 ̄ { /\__〈__/ /(_弍_:::::/|ヽゝイ ∨ / ,∧ハノ j
: : : : : ; ; } /| ∧ /.:.:.:.:.:.:/厶イ >イ< |  ̄|_ \ |_/ 〉〈^∨
; : :(⌒ソ / .| ∧ ヘ/.:.:.:.:.:.:// / { \\ \ \ \ /^7厂〉
. : : : ノ´ ̄``' '' ' '' 丶、/| :| ∨〈.:.:.:.:.:./〈__//\ }\_)\\ 〉 \ 〉 〈ノ〈,ノ __
γ´ γ´ _ } :| :|____〉イ ̄/∨∨/ /〉  ̄ \>─< \ , . : :⌒ヽ
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:::::::::::::::::::::::::::::::::≡―, /` l:::::::〉、\l ヽ,:::::::l /::::::l l
::::::::::::::::::::::::::、―‐二_/::l ,、 l:::::\\〉 /:::::::::l l:::::l 〉 ――コロニーへの攻撃、民間機を囮にした作戦、諸々。
::::::::::::::::::ヽ‐7〈<、:::::::::::〈_/'/,、::::、_、' /:::::::::::::::l_l::::l ,'/7
::::::::::::::::::::::\ C二i:::::::く‐/、l:::::\ \::::::::::::::::::::::l'i / そっちの男は、数えきれんな。
::::::::::::::::::::::\``‐-、 7'、__)/'ヽ:::::::::::〉 /:::::::::::,、:::::::'´:::::iヽ
:::::::::::::::::::::::::::\\´ ̄7 ̄ヽ l:::::::/ /::::::::::::::::::l ヽ:::::::::::::::l ヽ 血に酔った戦争狂と、金と権力の亡者め。
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::::::::::::::::\―――' \ニ―'::/ /:::::::::::::::::::::::::l l::::::::::::::://〈ヽ
::::::::::::::::::::::\_____〉´ /:::::::::::::::::::::::::::::::l l:::::::::::::::l/:::::ヽヽ
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◆x0SRSoJXe.
:2019/10/18(金) 00:06:23 ID:hrq0zAy.0
、、、....__ ト
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⌒ニ=- _: : : : : : : : : : : : : : . / >。, ____ `丶、
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 ̄ ∨  ̄ ‐─━━━=ニニ=‐━━<___\_:_:_:_:: : : : : :/ ∧ 皆殺しだ。
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∨ / < ̄ ̄// / // \.:.:.:.: ̄ア '⌒ヽ|__/: : : : : / \
〈 く__  ̄ く_,/_/_/ {__/ / ̄ ̄7ァ⌒¬ァ: : : >
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レーダー上にヒステリックベインの位置が表示される。
オーバードブーストで高速接近してくる煤けた白い機体は、
目前のノーマル機を所属関係なく吹き飛ばしながらこちらへと向かってきていた。
花畑を突っ切る大型車のように、ひしゃげて砕けたノーマルを宙に舞わせている。
「なのはさん! あいつ、今回はどっちの味方なんですかお!?」
「まだ分からない! 後、あいつは多分味方とかにはならないよ。
ただ狙った奴を破壊するだけだから、そういう考えはなし。
とにかく一旦様子を……」
なのははそう言ったが、様子を見るまでもなかった。
ヒステリックベインは有無を言わさぬ速度で、そのままアポリオンへと組み付いたのだ。
鉄骨のような物理ブレードを肩に担いだまま跳び蹴りを叩き込んだかと思うと、
その刀身を横薙ぎにぶつけ、吹き飛ばした。
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◆x0SRSoJXe.
:2019/10/18(金) 00:06:34 ID:hrq0zAy.0
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\::::::ィ''´ / ...‐" ::::::::::::::::::::::::::::::::::: ,, .ニ/--、ノ゙i
\ / ィ''´::::::::::::::::::::::::_..-‐'' / /ハノ ゚,‐´ , ゙i′
\ j丿 'ぃ―f ......--''¨___ 'く 〈' ⌒゙゙゙゙゙ ''´ i丶
l''、,,-':;:;:;:; !'''′ エ ̄ ゚ ,/ / ゙i i〉 . お待たせした。
./ 、:;:;:;:;:;〔 ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙__ィ ゙i lソ
ノ( `ゝ:;:;:;:;卜 ‐ / ゙iヽ l \、 これよりアポリオンへ飽和攻撃を開始する。
/ ( ヽ ` 巛 、 ..‐-、 ゞ‐゙'ノ ..,, li!i!i!i!i!l`\
,ノ" ヘ ゝ 、 ` / 〕ゝ - ' ..-‐'' ` "'‐-、 li!i!i!i!i!l '、\ また、ポイント更新により狙撃も再開だ。
/ 、´ r广´` 、 ‐ 、、 / / │‐..'′ ,,.. _''__.....-..〉 ノi!i!i!i!i!l '、
/..''j ''´、 厂 ''ー 、 .._ '、! .. ´′ ,,< r'-―゙´""゙゙゙゙〕|i!i!i!i!i!l '、 巻き込まれるなよ、僕も上に報告するのが面倒だ。
../ ノ'( r' i!/:;TTTヽ ’ ;''゛ 、 ..-"´ _,,....ri!i!i!i!i!i!i!l ´
'' 丿 ヘ "ヽ.. ''i!i!i!i!i!| | | | '、 ' / '" ゝ '/....:--´゙゙`ノi!i!r--i!""
i |, '' ゝ ゙!i!i!i!i!i!i!i!i!i!l '´ ./ ..-'゙^‐ゝ、 /´i!i!!'′、 ´
.. ⊥ ミ . ''゙くi!i!i!i!i!l i ./ 、 (-!′ '´ ''-´ ..ィ ッ
__ }i
-=ニ二} ̄ヽ !{ __
人ニ=-  ̄ 〕 ! .∨}iイ__/_ヽ__
| !ヽ -=ニ二 ! | ∨__∨///v//)h
| !:.:.{//////..! | !__} }=-//∨//'
| !:.:.{//////..! | ト }-=≦ノ\ \}__/
| !:.:.{// -=- \ヽノ }i_:::::::::\\ヽ/ というわけだ。
∧ ∨ア | i }!_/ノ≧ \{:::ヽ}/〉┬─┐
/∧ v !.|i }!イ///\/廴∧:.{ ! Y そこの変人諸共死んでもらおうか。
{/{///`}/ヾ二ニ=-リ_}//////〕/)h、:.:! ! |
乂'//``〜、、 ̄\ニ=ニ二//リ////)h、 ! |
|λ ○ }::::::{ !  ̄ -=ニ二//)h、!]ノ
|/, ○ ○ {ヽノ! { | ̄ヽ//!/ -=- _
|//\ Y:.:.\\ | |!__}_{、ノ:::}:::≧s。
| ///)h、ノヽ><〕h、``〜、、 ノ 〕!_〕'<〕┬ミ>-=、::::≧s。
~''<// { ! ≧s。 / '<ノ/ <ヽ ‐- _ ``〜、、:≧s。
{ i ≧s。/ `''< ! Yヽ‐-i] _}ヽ 弋=-ノ
__i }__ \ヽ \ !_ソⅥ_ └ - __ )h、
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'__7 }////〕h、〕::::::'//,//////,: : }冖 !\\:.:.:.//ヽ /./' /'イ>'~ _  ̄二ニ=-}二=- _r=- _
'__7ニ〔 ///// :.:.: '//,//////,:.:.! !//\\i{:.:.:.:./冖冖}_}´  ̄二ニ=-<{ {((__)ニ=-! {ミ)h、
'__7ニ∧/// | :.'//,//////,:.:! ! ヽ//\Υ冖冖  ̄´ 廴_\\-=}_ノ-=ノ_ノ≧s。
'__7ニニニ}ヽ' ! :'//,//////,/_/:.:.\<//7 }!/! \\ ‐=イ
i_!ニニニ! ! ヽ/~''<//!/.\:.:.:.:\~ }!/! \≧=‐ァ
i_!ニニニ! 〕 }~''<///ノ \ }_ }!/!  ̄´
\、ニニ! } !、 ` | ヽ/_∧ }!/!
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ノ./ ! ! \=≦イ:::::::::≧s。:::}!
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国崩から通信が入ると、それを号令としたかのように何かが頭上を飛ぶ音がした。
それらの黒い雨は組み打っている二機とマーシフルに降り注ぐと、
着弾したと同時に炸裂し、爆炎を上げはじめた。
後方の新城直衛がげらげら笑っているのが聞こえる。
勘弁してくれとやる夫は踵を返し、オーバードブーストでその場を離脱した。
恐らくはSIのロケット弾斉射だ。曲射で無理やり捻じ込んできたのだろう。
爆撃音を背にブーストしている中でも、ヒステリックベインとアポリオンの
打ち合う音が響いていた。
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◆x0SRSoJXe.
:2019/10/18(金) 00:07:00 ID:hrq0zAy.0
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. ヽ / / /ヽ≧ 、::::: '‐ ,ゝi//'ヽ/ 、_i〉_ / ヽ ̄ _ -++-=‐
∨ / / _\/∧`、= i´ヽ、`ノヽ /、 `-‐‐ 7 ∧ =//_//_
\ / _ -‐/ ̄ // `‐` /´\ `-‐´ i_ /./ ゝ=‐-‐7/´. /i
ヽゝ´ / /、_≧-=、'ゝ、 / ""'''''' }‐二__/ ' ,- i ,/ / .| うおおおおああああああーーーーッ!!!!
∨//////, , , / ヽ_ ヽ,_ \ / _ =i´∀__//`\___ -‐´/
∨////////////>‐=<´ / i ヽ、 />二 彡i `-‐‐´‐-、 ‐- /
ヽ///////∧、///`___/ヽ__i i/// ̄ ´ i ヽ ‐-<´
\////∧ ヽ-'`ヽ‐‐<, /ゞ` 、_ _ -‐ヽ ヽ、_ ヽ|、_/`
\////` ‐'`‐┴‐‐‐'///>- 二 ´-‐ ´ ∨ ∧ | ヽ i\ i
ヽ///////‐‐////////////>´ ノ/ i i ヽヽ .i/|
ヽ、/// ∨/////////´ /-‐' i.i ヾ-‐i
''| >´ i〉、/////// _ _ _ -‐7‐-、 ! i
i / i ゝ´ヽ////,, //´ 、 >、.<≡i i
i' .i //////>-=´_=´´`‐-、´ \ >、´ ̄ 、 /
i ∨ `//////__/、__、 ヽ ‐--、ヽ、 .>,/.
∨、 /i /// i´__''´ '´´ ` ‐-‐ ‐'' ''\ ` ./..
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i\:\/// ヽ / \ `> ´ ./.
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ヽヽ / .\:::`:.、. /\ / ヽ,,,,,i
∨ヽ ヽ:::::::>::..、__.\ ´,,,,,/////
| \/ ` ̄ ‐‐‐‐  ̄ ̄ ./
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戦いは一方的なものとなっていたらしく、
ディエゴ・ブランドーの悲鳴と、アポリオンが叩き潰され引きちぎられていくものと
思しき音が微かに響いてきた。
「待てッ! 待ってくれッ! 金なら出す! おまえを雇った奴が出した額の二倍……
いや五倍出してやるッ! だからこの場は俺に味方しろッ!」
ディエゴが必死の命乞いを繰り返すが、ロールシャッハは意にも介していなかった。
ひたすらに打撃音と金属が砕けて軋む音が続く。
「死ね。あの世にも貨幣制度があることでも祈っていろ」
その一言を最後に、アポリオンから悲鳴が聞こえることはなくなった。
やる夫は何もできず、ただ炎の向こうの凄惨極まりない様子を見守る他なかった。
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1490
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/10/18(金) 00:07:24 ID:hrq0zAy.0
,-7 ,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::, ヽ
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〈 〈 ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〉/ / ´
\ _:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
lヽ,ヽ、:::::::::::::::::::::::::::::::::,-‐'´
//ヽ 7:::::::::<ニヽ ̄,_〉
/ /:::::::l ヽ、::::、‐、:::::::::::::7 さて、死にたいのなら来い。
/ /:::::::/ヽi‐_ii´ 〈:::::::::l´/ /\
//:::::::::〉lヽ`、l:::::ヽ /:::::::_/,イ`::::::::\ 死にたくなければ引っ込んでいろ。
/,、/::::::::::://ヽ 〈ヽく´ `>´/ l l,、:::::::::::ヽ`、
く〈:::::::::::::::::::::::::::::,' l::::`'  ̄´:::::'l '::::l /:::::::::::::::ヽ`、
`‐-、::::::::::::::::::::,' /_,‐-、:::::::::::::`:::::ヽ'::::::::::::::::::ヽ`、
,‐'´::::`::::::::::::::::::l l ヽ‐´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_l
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__ヽ`:::::::ヽ',:::::::::::::::::::::::::::::`'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::``-、、
,、_,〉::::::::::::::::::::',::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::´‐、\
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|::,/¨`ー: : : : : : ´ーイ ̄ ̄ ̄\::::.::::::i
rく|::: ::: ::: :/: ノ: :: :: :: : : i:::::::::::i
.. / トト-、: ::: /::/: : / : :: : : : i::::::::,|
| t,.|-,―ミ、: :i: :i: : ノ /: : : : . j:::::::/
/! |f ヽ、i゙i,;、::Y:: :/ / _,;; - /.:::::/
¨ヽ ti !、 ゛´ :;;メ、_f ヽナ ニ  ̄ 、 /:::::,/ 悪いが、こっちも雇われの身だ。
i ,i i .`--,r / !i くーr三テ、 i,/::::/i
i .i i / 、 ヽ ヾ-- ´/テ7イ 雇い主に手を出そうもんなら話も別だ。
l ,i i ir' `ー ----、イ / i、
i !i 、`_、, /. / i i、
. i i、 入__ u / / | r'/ i
i . | ヽ _, ヽ / ,∠´/ ヽ_Y /
/ ヽ_ , イ / )'
¨ ー- イ彡 . / ¨ ,ィ
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やがて爆音が止むと、抉れた大地の上に立つヒステリックベインの姿が現れた。
足元には千々に引き裂かれたアポリオンの残骸が転がっている。
ヒステリックベインの装甲も焼け焦げ、かなりの破損が見られたが、
撤退の意思は見られなかった。手にはアポリオンのレーザーライフルが握られている。
赤く燃える竜の目のようなカメラアイは、国崩のいるキャンプ地へと向けられていた。
そこにヘヴィードーラのレーザーが撃ち込まれ、ヒステリックベインが身を翻して
それを躱した。着地するや否や、レーザーが発射された方向へと猛突進していく。
さすがに止めなくては。そう思いレーザーブレードを構えるが、遅かった。
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:
◆x0SRSoJXe.
:2019/10/18(金) 00:07:51 ID:hrq0zAy.0
: : : : : : : : : : :::... ...::::::: : : : : : : : : : ::::..
:: : : . . . . : : : : ::::... .....::::::: : : : : : : : : : : :::::::
::: : : :. .: : : : : :::...... ...:::::::: : : : : .: : : : : ::::::: _-ニムニニニニヘ
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:::: : : : : : : .. : : : : : : : : : :x个x: : : : : : : . : : : : : :::::: /=- ̄。+'“。o≦ ̄ : : : ̄≧s。`ヽ
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::/´ `\ヽ |/| ハ Y::| ∥ |/ 广 ̄ >ュ ,. ´/ _7 ,ふ三≧s。`ヽ: : : ヘ '.
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/{ , ---〈==f⌒ム\ {i i}イ(⌒| | ___/i:i:i:i:ィ㌻ / , {三三三三三;;ム ゚。 ', :
/ `Y 〈__ノゝ::_∧i|`ト_v_イ i/`¨| /「「_|少'// { { {三三三三三三ハ '. :: }
廴 ,人 ∨T:.:.:.:.:.|\',、___,ムイ乂,∧__/_/¨|/ / // { { '三三三三三三;;;} .} ,リ
/7| \___〉{:.:.:.:.:.:|:.:.:.〕トイ「/:_:_:_:_/:::厂 V {: : :{ { : : : : : : : : :l: : : : /, '/三三三三三;;;リ ,: ,′
//_>少゚ /::∧:.:.:.:.:.Y:.:.:.:.:.:.|//:.:.:.:.:∥:.{ ∨\: ゙'x、: : : : : : : ∧: : : :∧ 寸三三三三;;ア / /
xく\/´ 〈_/___ヘ:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.|:.{:_:_:_:_〈:.:/ ̄ ̄|⌒| ̄ ̄≧s。.,_: : : : : : :ヽ: : : : \ \三三> ゚ / /
/_ノノテ 「」_xく \{:.:.:.:.:.jひ____/ソ\( ̄〈 ̄ ̄|\ ̄\  ̄ ニ=- \: : : : \ \ ̄- ゙ /
/ / | \ \/ /|ニ>イ」 `弌ニ\ .| | ̄(^\ ≧s。.,_: `丶、 ー ..,,_ _ -
/ / /| /|⌒〈 ̄〉\/ リ  ̄ \| |_ \(;;;) ≧=- --=  ̄
/ / {∧/∨_/ `´ `rイ  ̄
/ У{ 7 ゝ'
乂乂_ソ
{ /
`´
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ヒステリックベインは奪い取ったレーザーライフルを構えると、
オーバードブースターを停止させ滑空しながら熱線を発射した。
一筋の青白い閃光が遠方で爆発を起こす。
「化け物め……!」
ノービィが悪態を打ったのも束の間、更に二発目のレーザーが発射された。
阻止しようとやる夫もヒステリックベイン目がけてレーザーを撃ちこむが、
間一髪のところでブーストされ避けられてしまった。
発射のタイミングを読まれたか。
マーシフルには目もくれないまま、ヒステリックベインはヘヴィードーラの方向へと
レーザーの第三射を容赦なく撃ちこむ。
同時にレーダーからヘヴィードーラの信号が消失し、
それが彼の最期を物語っていた。
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:
◆x0SRSoJXe.
:2019/10/18(金) 00:08:09 ID:hrq0zAy.0
____
.. / u \
/ / \\
.. / し (○) (○) \ 一体……一体何が、あんたをそこまで駆り立てるんだお!?
| ∪ (__人__) J |
.. \ u `⌒´ / 一体何のために!
/ ̄`ー‐‐、
、' :::: `\
/_,-―‐-、_ \
/'::::::::::::::::::::::::::::`‐、_ l
/,-‐ーーーー、_:::::::::::l
/'l',l:::j、 ̄j::::::!` ` `‐、::::l
l:::::l ,i:::i j::::i,,,,, ,l l\ヽ
`‐l `''' '''''' ' イ /--‐`
ヽ,l:l' ''j::::l` l_,-‐'´ ̄冫
_,-‐ヽ' ``_,-‐'´ l _ 簡単だ。俺には許せない奴らがいる。
_,-‐' .::::::::ヽ_,-‐'´ ,_ー、___l',`l
'、 ::::::::::::、'´ ___,-冫 ,'\_/ 俺には守るべきものがない。誰もいない。
冫 ::://\ :::::::/ ̄ ̄` 、 ヽ
/ / ' _冫/  ̄'\ l l.ヽ だから許せない奴らを潰すことくらいしかやることがない。
l ̄ ,l `, ̄ ̄ l l l l:::.l
,‐,l'`l l l:::::::::::l l l l::::::.l そうでなければ、俺は生きていても死んでいても変わらん。
、l l lヽヽ /:::::/ ///::::::::::.l
\ \ 冫´‐'/、_ '´ /.:.::::::::.l ……邪魔するなら、次はおまえだ。
>、 / \  ̄`ー ``‐ ' /―――'
`, //l' l :::::::::::' / :::::::::::::/
'/l / / ::''' / ::::::::::/
':::::.、l/ / / /::::::::::/
::/l l / / ̄/ ..:::::::::/
:/ ` ヽ / ..::::::::i--'
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:
◆x0SRSoJXe.
:2019/10/18(金) 00:08:40 ID:hrq0zAy.0
i
,!'| `
’ j i! i ,
.∨〉__} { || | ‘, /::::::: . . . : ::::::/::::::∠
∨〉 .` ,J`:、,ィl! l! {′ ; .| ', /:::: . : : : : :/::::::::::::::::/
. ∨〉 ,j` Yl!|: | |'i, <__  ̄ ー-- ‐…¬ __/ . . . : : : : :::|:::::::::::::::::/
∨〉-‐-ミ .| 、 ゙リN: ; !lij! | /:〉 >_∠_ /:::| /.:/ . . . . : : : :: :: :::|::::::::::::/::{.:.:.:
〈 ∨〉::::::::::`'<> }'′ i ;}|! | ..__/::::::| く| ̄ニニア--ヘ_::::::::〉 /〉 /.:.:/ . . : : :: :: :::::::\_/:::::}.:.:
∧ ∨〉`ヽ:::., ,:;:;:,! ''′ ,. !、,! ´` ι ヽ . ∟イf^'⌒7i:下〉/./:::/ /.:.:.:./ . . : : : : :: :: ::::::/:::::::::/}.:.:
. ∧ /{∧::::::>'´ ., (''゛ j! ..:;;:==-:、 ゙''"ィi {ヘ!,l . |二__`'<乂⌒´i:i:i:/〈'´__∠ノ.:.:.: / . . : : : : : ::::::/:::::::::/::::/.:.:
∨ ∨ ∨ヘ/ .〃’ :; {`' ,ィ゛ '′. ) jj」li|liY、⌒}  ̄Tニニ─‐=二_/ ̄∨/_//.:.:.:/ : : / ̄ ̄::::::::/〉::::::/.:.:.:
/〈 { 〉/∧ 乂__ .j∨il!ィ' {’ へヾ;;イ.::::::Tニ=‐─- __/ 〈/イ^7.:.:.:/ . ./:::::::::::::::::::/∨:::::::::|.:.:.:
//丶 / \/\’ λ' ,j、l! / 、 ., ,il{ ,゙!j!;| : -─-二/ √/ 「 ̄ | ̄ ̄ . :〈___/::::::::〉:::::::::|.:.:.:
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∨/〈 \ \__〉 じ:、 i,' ゙:、 ,,., ′彳レ/.::::/∧ / ̄.|___{ | |\.:.:∨: : . . : : : : :::::::|ニニ∨::::::::::::/:::∧
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::::::∨//\  ̄_  ̄`ζ」'(´ ヽ j! ゛ ,ィ彡′_.. - /\/ | |:::::ノ ̄ア ̄/.|. : /: : ∨: : : :::::/:::::\::::::::::::::::::√ ̄
 ̄7乂__ノ:::)_xヘ.二 ニ ゙て∠rιク_;.,、_,ー-'^- =ニ_ . / / ノ |/ `¨´ { /\_\: : /::::::::::::::\:::::::::::/::::::::/
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 ̄丁¬=- _ ア´ ̄ ̄ / / / ̄_____>'" >__/ { 〈__/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
/ \  ̄-二 |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ / / ̄_/ ̄| /|__// / 〈: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
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ヒステリックベインから殺意の視線を感じ、咄嗟に構える。
だが、すぐさま飛び掛かられることはなかった。
国崩の狙撃がヒステリックベインの胸部を貫き、装甲を吹き飛ばしたのだ。
微かに姿勢が揺らぐが、煤けた白い機体は倒れない。
「このまま集中砲火で封殺する」
新城直衛が有無を言わさず第二射を放ち、ヒステリックベインを討ち貫く。
それに続くように、先ほどのロケット弾の雨が再度彼の頭上へと降り注いだ。
弾頭が次々と地面に突き立っていき、炎が敵機を呑み込んでいく。
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◆x0SRSoJXe.
:2019/10/18(金) 00:08:50 ID:hrq0zAy.0
乂_彡 ;; '⌒ ′ ∧
ニi:i:i:i:i:乂 .:;:... ノ |
⌒'くi:i:i:i:i:i:i:i:7⌒⌒_⌒¨´ _ | , _
; 从i:i:i:i:i:i:乂_)ミi:i:乂_ γ´ :;:i:i:㍉ | ' ,,''∧ -ミ
彡彡i:i:i:i:i:>──-ミミミy'⌒_ }i:i:i:i:i:i:i:i:i:) _| ∨ヘ /{ / / /乂ノ
;:;;:i:i:i:i:/ `ヽ_(i:i:i:リi:i:i:i:i:i:i:iく \ \|,| V /{//\}_ /::::/
i:i:i:i:i:i:/ / ニ `ヽi:i:i:i:i:/⌒  ̄丶、 \ `{ ∨/:::/::::/} }\ /::::/
i:i:i:ア{ :′ Ξ `:, マi:i:/ :;:;:;:. ; /(\ }∧ V/ヽ/::} |_} _ /::::/
ア´ 乂 :; ,;辷 :; }i:i:{ ,;;:; ) )/ /\\_} ,}__∧/L|__j/く \ /(_/
{ ,;i:ミ ::... ..ミミ ;' 厶i:乂_,;:;:;:;:( ノ⌒⌒ 乂」〕, L/ >‐// / ̄\/ /(:::::::/
{ ;:;i:i:ミ之__彡(⌒ '′イi:i:i:i:i:i:〉》 __ノ(⌒.: .: :;:;;;;ノ^{ 〈::\|_ イ/ // /\ / | /::: ̄/ ´
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う爪i:i:i:i:i::'´ ...:.:.:Yi:i:i:i:i:i:( ( ノ;:;: ノ⌒丶.:.:.:「∧_,/二∨∧辷_/ ̄/ |_/\ /::::::::
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} _:_:_:_:_:_彡 : : : :;::|| | 〈/∧ / // ̄7:::::::::// ̄人i:i:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:) (.:.:.:.:.:⌒>__
} 厂⌒ { : : : :;:|| | ̄| 〈∧ ./ /二二/|___/ /;:;: 乂__``ー─  ̄ ``ーz.:.:.:.: : : :(_
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i:i:i:i:i:i:i:i:≧=‐‐=≦うぅ : : : : /i:i:i:i:i:)⌒\: : :/ |:::::∨/⌒|::::: |__ノノ∨ .|::::::| | ⌒;:;:;:;:\ ヽ⌒⌒ヽ\;:;:;:;:) `丶、: : : γ´ ̄
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:( : : : /i:i:i:i:i:i:i:( / ̄ \.|:::::/::::::::: : |::::: |イ __|::::/ / : : ;:;:;:;:;:;:. { : : < \;:;(⌒\ ̄ : : :{
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やがて、黒煙の中から炎を纏ったヒステリックベインが躍り出た。
左腕部は引きちぎれ機関部から火花を散らしており、
頭部もメインカメラが半分吹き飛ばされている。
装甲は見るも無残に破壊されており、ブレードにもひびが入っていた。
それでも、ヒステリックベインはアポリオンに襲い掛かった時以上の勢いで、
マーシフルへ飢えた獣の如く突貫してきた。
ジェット音を響かせながら低空飛行し、跳躍したかと思うと
凄まじい速度でブレードをマーシフル目がけて振り下ろしてきた。
咄嗟にレーザーブレードで受け止めるが、あまりの衝撃に刀身が悲鳴を上げ、
数秒と持たずに中心からへし折れてしまった。
姿勢を崩し尻餅を突く形となったマーシフルに、ヒステリックベインは
狂ったようにブレードを叩きつける。振り下ろされる鉄塊が視界を埋め尽くし、
コックピット内を揺らしながらAP減少アラートを響き渡らせる。
「くそっ……やる夫は……」
オーバードブースターを展開する。
違う。自分は違う。自分には帰れる場所がある。待ってくれている人がいる。
生き残りたいと思える、理由がある。
こんなところで死ねない。
カメラアイを保護シャッターが包み、視界が暗闇で覆われると、
僅かに残ったPAが圧縮され、解放された。
コジマ爆発による暴威が荒れ狂い、周囲に破壊をまき散らす音が聞こえてくる。
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:
◆x0SRSoJXe.
:2019/10/18(金) 00:09:15 ID:hrq0zAy.0
_ ノ゛,, ;、、、 '⌒ゝ、 ',
`┬;;;:::┬′ ィ===yl 『敵機、沈黙を確認。作戦成功。
⌒゙''''''´" }
l! u ./ 自力での帰還は無理だね、今から回収に向かう。
i! |l /´ | ゝ /
\ l| l ゝ、____人_____ソ ……よく生き残ったね。それで十分だよ』
` .、 ι 、::::::::::ノ/
:ミ:ー.、._  ̄ ``'''ー-、
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
視界が回復すると、揺らめくヒステリックベインが、尚もブレードを振りかぶっていた。
今にも爆散しそうになりながらも、軋む腕でブレードを持っている。
だが、それが振り下ろされることは二度となかった。
ヒステリックベインは、天を衝くようにブレードを持った腕を上げたまま、
時が止まったかのように沈黙した。
深紅のカメラアイからは既に光が失われており、殺意も失せていた。
ロールシャッハの死を感じ取りながら、やる夫は深々と溜め息を吐き、
地面にマーシフルの四肢を投げ出した。
アリスのことを想う。今頃、先に帰っているのだろうか。
帰ったら、どんな顔で迎えてくれるのだろう。
不安を一時の安堵で覆い隠して、やる夫は目を瞑った。
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1496
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/10/18(金) 00:09:29 ID:hrq0zAy.0
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1497
:
◆x0SRSoJXe.
:2019/10/18(金) 00:09:44 ID:hrq0zAy.0
/ / V∧
-、__ i i _ V i
、 ヽ! r<! / ヽ V!
V/--、V j} ./ i }.!
、 .マム-ムV/ ./ _ ! i i
. ヽ-'! 〉,___V// / r`-、/ ,ゝ--- 、
--< 〉___〉 ! i' /!. \ / \
V/ ,__}、.| i 〈 .! i´ `` - 、 ./ ,>-\
\, '´ ヽ/ __ヽ--V/ヽ-、ヽ \! __/ ___i´ \
___.\ \{! \ i.:.:.:.:..、_ , '゚´ \r<>--< ヽ、. ヽ
{ `ヽ、ー‐}!、 \ヽ;.:.:.:.:.:.:.ヽ、 , \ilililililil/ / V/ }!
{ _V//´` 、> 。:.:.:.:.:..、___ Vililill{ / }、 i}/
ヽ_jI斗ャ≦ ̄ ̄ ̄`ヽ/>{ili{≧s、_:.:.:.:.:.、 Vililiヽ__/{ } i V/
ililil{_ __/ \il>-、ililij!ililヽ;.:.:.:.\_!ilililili}_ ' ヽ, V/
ili{´ヽ、/ __\ililil_}ilil>‐<、ヽ、:.:.:.}ilililili} V/ ヽV/
iliト、 \ / `ヽililil>-<ilヽ/≧'ilililil〈 〉 }!
ililili} V/ ./ ` <ilililililil\ `ヽ>ー< }!
ililili} V/ V/ _ `¨¨`Y-<゚ / > 、}!
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ililili}. V/ V/ {! `>ー - -ヽー 、
ilili/ _V/ }! / ヽ \
il/ / .V/ .V/ / \
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輸送機内でマーシフルに乗ったまま微睡んでいると、
通信が入ったことで起こされた。
回線が繋がれているということは、なのはが許可したということだろう。
つまりは味方か、それに類するものということだ。
アリスだろうか、と願望を覗かせながら発信者名を見ると、
ネイキッド・スネークという表示が浮かび上がっていた。
何の用事か分からないまま、眉を顰めつつ応答する。
「こちらスネーク。ヤルオ・ニューソクだな」
いつかコロニーで聞いた低く鋭い声は、やる夫の眠気で鈍った精神を
急速に覚醒させた。彼の声や気配には戦場の匂いが染みついていた。
平時であっても、どこか殺伐としている。
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1498
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◆x0SRSoJXe.
:2019/10/18(金) 00:09:57 ID:hrq0zAy.0
イ二二二二二ミヽ、
/| ノ|  ̄≧ー、
/´i .!、 ! ー-,
| | /∨`i ∧ \
l |/ \| |i!i| ゝ
,r≦≧t、 || Ⅵヽ | |\  ̄
/ ゞ≡´丶、 \|| \
< __ | \ | ヽ コバックスとやり合ったそうだな。
,ゞヽ`´ `ヽ ミミ 二ミヽ ∧
ゞミヽ、 | ミ ノ ヽ | ∧ 「コバックス? 誰のことですかお?」
i`ヽ i!il ∨ ゝ !、__/ ∧
/ _,-ノ,!i!i!、 i´ -― ´ \ ∧ ロールシャッハなどと名乗っていたあいつだ。
∨彡彡´ノi!i!ミ | \___/
` 刈彡´ノノ ___斗 本名はウォルター・ジョゼフ・コバックス。
`ヾ_,斗―≦ ̄i!i!i!/ __
/i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!ノ _/⌒\ `ヽ 俺の……昔の部下だ。二十年ほど前のな。
}i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!´/ 斗<ヽ └‐
/i!i!〈⌒´// 斗< i_j
_,―´/`ー´// ゝ--イ∨
/ / / / ∨
/ 二>ゞ、 \i!i!i!i i !∥ |
=≡二三≧`ヽ `ヾj `i // /
┬―--≧ー―― 、__ ! _ゞ、
/ / |ヽ|
ノ/ |
/ /
/,
三三ー‐ii!i!i!i!i!i!i!i!≧==‐、_,∠/
三彡 ji!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!j `iゞ
三二≡=ヾi!i!i!i!i!i!i!>´ i
, `≧≦´ / i
彡彡 /  ̄ト、__i
彡彡彡´ /彡iiiiiiiiiiii/ヽ
彡彡彡////斗≦ ̄ ̄`! ∧
ヾ彡彡巛巛彡ノiiiiiiiiiiii!´ i
::::≧=、彡彡ノiiiiiiiiiiiiiiii| i
:::::::::::::::\ミミミミミミミミミ i
\::::::::::::::::::::::ゞ≠≠≠ミヾ /∧
≧=ー― i´ ∧
`i\ `ヽ \_/ ̄`ヽ ∧
i \__| ヽ \ |
`ヾ三三三彡´| \ |
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ロールシャッハが、スネークの昔の部下?
意外な情報だったが、絶対にないとは言えない。
ということは、スネークは知己を殺したやる夫に文句を言おうとしているのだろうか。
「あいつは、俺の指揮する部隊のノーマル乗りだった。
家族はいなかったが……友人に恵まれた奴だった。
一度、その友人の家族写真を見せられたこともある」
若かりし頃のロールシャッハを想像しようとしたが、できなかった。
如何せん情報が少なすぎる。第一、やる夫は今しがた殺した相手の顔すら知らない。
「ある日、あいつの任務中に、友人の生活しているコロニーが反体制組織に襲われた。
俺は、あいつの歎願を却下し、任務に従事させた。
……そのコロニーは被害こそ大きくはなかったが、
運悪くあいつの友人一家が犠牲となった。
それから数年してAMS適性を見いだされたヤツはネクストを与えられた途端、
企業から離反してロールシャッハと名乗るようになった」
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1499
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◆x0SRSoJXe.
:2019/10/18(金) 00:10:11 ID:hrq0zAy.0
}: : : : : : : :_ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ;リ
i!: : : : : /: : : :r : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : __i
〔: : : : :/: : : ,´:/ヘ: ヾ : :ノヾ: 、: : :ヽ \>'´///}
|ミz、ノ: : :彡'/__ヾ:i :〃:ミヾ ミ: : : \: : ;)/////.i
|/〃: : :ソ : {//////////ヾ、ミ:}ヾ`゙/´\j/////.{
. }ヾ゙从〃\`.///////////`゙ヾ;////////////-、
. i////////ヾ./////////////j//////////f'´ヽ.i
ノ`ー-、./////\_////////////////_ノ´ミK`Y }.}
/ソ: : : {≧`゙ー-z、_////////,>任=ヲ'´, `ミj, ノ〃、 分かるか、小僧。俺があいつを狂わせた。
〃/: : : i三三三三 >゙ーi-'´ ̄`=≡´ ノ从〃ミミヾ、_,
_彡'人: : : :}三三三/ i i! ヾ `ー ソ彡ソヾミヽ、 ネクストに乗り、企業体制を作り上げる手助けをし、
.:. .:. .:. .:.ト、彡ヽ三≧' ; ´ } 、 } 、_ ヾミ三≧ミヾ`ー-
.:. .:. .:.从ミソ, `゙´/{ ' ! | Y、 `ヽミ去ミヾ!.:. .:. .:. .:.ヽ 世界を戦争経済の渦に巻き込んだ。
.:. .:. .:./:. ソ彡ネ ム,,, ヽ ' ヽ ノ `ミ、 、ミミヾ、゙,; |.:. .:. .:. .:. .:.\
. .:. . /. .:. .'キ彡 '去彡ントz - 彡≦ミヾミヾ、 、ヾミミノ,;;; |:. .:. .:. .:. .:. .:. 俺が世界を狂わせたんだ。
:. .: /.:. .:. .:./;ム彡'´`゙丶_ __ ― ; ミソノヾ}/从',;;;;;i .:. .:. .:. .:. .:. .:.
.:. .:{. .:. .:. 〃∧ミソ ゝ= __ ̄ ̄__, , '´ ソノノノソ彡/,;;;;;;;;|.:. .:. .:. .:. .:. .:. . 「そんな……」
. .:. | .:. .:. .}::::i;;;;Y彡,_ ,zkz=zk ゙´ ノ从ノノ /,;;;;;;;;;;;!.:. .:. .:. .:. .:. .:. .:
:. .:..i. .:. .:. i:::::|;;;;;ミ从ソソil|||||||ilミ、_ 彡'从ヾ /,;;;;;;;;;;;;;;;;|.:. .:. .:. .:. .:. .:. .: 手助けをしたことに変わりはない。
.:. .:.| .:. .:. .|:::::|;;;;;;;;;ヾミソ|||||||||||||illlミ从ヾ../,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;{.:. .:. .:. .:. .:. .:. .
. .:. .!:. .:. .:.i!:::::l;;;;;;;;;;;;`ヾミ三三≦彡゙ , イ゛,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i.:. .:. .:. .:. .:. .:.
k手毛彡杉父リル´三三三三三三三三 ハ`∨ j三三三≧
三三三三彡勿 〃三三三,'三三三三 /`ヾヘ"/;三≧≦'
三三三三 沁ノル/三三三,'三三三三 / ;: | V气三三ニヽ
k三三三三三ヾ{ ≡三三三三三彡;'´ ミ| l ヽ=ミ三ミ‐ヽ
l小三三三三三三≡三三三丈ィfア/;;;;,. ミ! ! \ 下ヾ
ヘハ`ヽ三三三三三≡三/ー='";:;:;;;;;;;:;;ミミ', l ヘ
ゝ\{三三三三三厂;i;;;;;;;;:;:;:;:;:;;::;;;;;;;;;;;;;;ミミハ | l >‐ァーァ- 、_ 覚えておけ、戦場に生きるというのはこういうことだ。
爻/ ∧ゝ、三三彡-' ;;;;i ;:.. ;;;;;;;;;ミミ;;jl }l li /∠二二//`ー
マ/ / ∧; ,,;;;;,' !:. ヽ ;;ミ;;;;;厶/ li|/  ̄ ̄ / そして俺は戦場でしか生きられない殺し屋だ。
/ / /;:;ヘ;;;;;;;;;" l、 :.:. 〃;;;,:;;;;;:;;; ミ;;;;;;// li|===/
゙/ ',;:;;:;;:;ヾ;;' ...;:;;:::;ヽ___/:;;__. ‐‐、 }:;;.; ;;;;;// li|=/ おまえも同じかどうか、よく考えろ。
;:;;:;;:;;:;ヘ :::;;; _ -‐==T´jヾ.ノ.::::::;;;;;;//;; li| /
\ ;:;;:;;:;;:;;:;',:::::: ..::ー;;;:::::¨´ .::::::;;;;;f刃;.; li|' ……老婆心もこれが最後だ。じゃあな。
∧ヘ ;:;:;:;:;:;:ハ;::;;;;;;;;;; '";;:.;;.;;.;;:.;;.;;.;;;/ ̄/;;. r'エエユ=ォ亠'───ァ=v=
Vハ l ;:;:;:;:;:;:;∧ゝ、.;;.;.;___;;_;;._._;;.;;/ ,/;.; r≦┬r〃´/ーrrrr‐ /x'´/
::Vハ{ 、 ;:;:;:;:;:;:j;:;:ヽ`i、三三三三イ/;.;;.; /||||||||f==!l ||||| | 〃 /
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スネークの重い言葉が、ずしりと胸の奥に沈んでいくようだった。
通信が一方的に切られ、コックピット内に静寂が戻る。
その静寂が、やる夫の内の悩みと不安を更に掻き立てた。
そして、ある本音に気づいた。気づいてしまった。
もしも叶うのなら、戦いなどすぐにでもやめたい。
アリスと一緒に、いや、なのはやシグナムも一緒に、
どこか静かな場所で平和に暮らしたい。
誰にも死んでほしくない。誰一人として、いなくなってほしくない。
だが、それはあくまで本音だ。現実で言えるものではなく、
胸の中で思うことしかできないものだ。
今できることは、生き残るために戦うことだけだ。
ネクストから降りるには、後戻りするには、何もかもが遅すぎた。
自分も、なのはも、アリスも、遅すぎたのだ。
最早、リンクスになったやる夫にとって、生きることと戦うことは同義だった。
それでも、戦うことで明日が手に入るのなら、それでよかった。
今更違う道を選ぶことも、許されなかった。
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1500
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◆x0SRSoJXe.
:2019/10/18(金) 00:10:48 ID:hrq0zAy.0
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