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カオスロワ避難所スレ3

602悪に堕ちる、誰のために? ◆e2JqZMvQtM:2020/04/14(火) 07:38:45 ID:wdKB.9Y60



「これ以上の損失は痛いわね……宝玉輪を使いましょう」

拳王軍一同がベンチに入った時、瑞鶴はダメージを追いすぎた拳王軍を集団全回復させることができる宝玉輪をディパックから取り出す。
ルール的に既に退場済みのハクメン・ディオは無理だが、今なら上条とMEIKOを戦線復帰させることも可能であると考えたからだ。

「待て、それはまだ使うな」
「どうして? 今もったいぶってる場合じゃないでしょ?」

だがラオウは使用をやめさせる。
不服な瑞鶴にラオウはその理由を解いた。

「聖帝軍側を見てみろ、応急手当以外は誰も回復していない。
傷を治す術や道具がないのだろう」
「それが?」
「ここで我らが傷を治したら対等の戦いができなくなる。
それでは面白くない。
人数もちょうど六対六、今ぐらいがちょうどいいではないか?」

一瞬、ラオウが何を言いたいか瑞鶴にはわからなかった。

「拳王さん、これはスポーツじゃないわ!殺し合いよ!」
「殺し合い以前に野球だ。
それに聖帝軍を倒した後には、ヘルヘイムにイチローチームにドラゴンズも控えている。
聖帝軍は今まで戦った中で間違いなく最強の野球チームだが、同時に回復なしで挑まなければならぬ壁だ。
この壁を乗り越えられぬようでは、他の連中に勝つのも夢のまた夢」
「なんて……底抜けな野球脳なの」
「褒め言葉か?」

思わず本音が漏れしまうほどのラオウの野球脳ぶりに呆れる瑞鶴。
だが攻めのプニキ・守りのMEIKOを失ったりと拳王軍が不利なことには限らないので、何人かラオウに反対してくれれば回復を実行できたが。

「俺はラオウに賛成だ。
奴らも高津さんが死に、サウザーも負傷している。向こうもだいぶ疲れてるようだし十分やれるだろ」
『宝玉輪みたいな貴重な回復アイテムはせめて向こうが使ってくるまで温存した方が良いと思うね』
『瑞鶴の言いたいこともわかるんだが、敵も何か隠し種を残してないとも限らんしな』
「僕もラオウくんに賛成です。
イチローさんに勝つためには試練を自分たちに与えて強くなる必要があると思いますから」
『インドラ(賛成)』
「ちょっと! なんでメーガナーダまでそっちにいるの!?」

残念ながら野球脳にすっかり侵されている武人気質な拳王軍のほとんどがラオウを支持。
命欲しさよりもプライドを選んだのだ。
これでは瑞鶴も諦めざるを得ない。

「わかったわ。でも相手が何かで回復したら使わせてもらいますからね!」
「よかろう」
「ビッグサイトで提督さんも待っているんだから、余計なプライドのせいで死ぬわけにはいかないんですからね!」

渋々退いた瑞鶴だったが、そんな彼女に翔鶴は一声かける。

「大丈夫よ瑞鶴」
「翔鶴、姉…?」
「勝つための手立てはこの手の中にあるから」

瑞鶴に表情を見せぬまま、翔鶴はバッターボックスに向かう。
次は5回表。拳王軍の攻撃だ。
二塁を担っていたデストワイルダーがいなくなってしまったため、聖帝軍は仕方なくここは空白とした。
中央の穴はセンターのガンダムに補ってもらうしかあるまい。


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