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カオスロワ避難所スレ3

1管理人 ◆WI16BozYZw★:2015/07/08(水) 21:45:14 ID:???0
前スレッドが1000間近のため新規スレッドを用意いたしました。

2319月13日はカイザの日 Part6:2018/09/13(木) 00:11:46 ID:5PMwNl7c0
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        Vヽ\ 7 />、.._  リ ∧:ヽく ̄ヽ-ヽへ\ヽ<フ,、くノイl/  ノ!_ノァ' | /
         ヽj  V / / ̄∧二ニー、\::ヽ、 \ `TくヘヽlヽY∠!Lィイ/|<>イ /
          jト\ V /// /トY_廴>、ヽヘヽ ヽ_| ヽ_\┴vァ7:/_//′l/  /′
    _ =三二V ト、 ヽ// /l/77ヾヽノ´|´ト:「 |  /ト ̄ヽ二 ̄_,ィ〈/イゥト  ィ/、\//      
 -=―  ̄   / Y|ハ:}_|/ /∧ l/  トヽハ |ハ:| l /|\\く::r\ー '_/V=,く/\、V /_
         // ハ.l |ヘ\!/ ィェェァ ' ∧l! | j イ::ィ\'ト \ヽ_ >‐´}ニ| j_j、  //ト=ニ=-
         // / / l!V | V! // ヽ\ | ハl!jイヽ:!ヽニ´ハヽ. lTTト-<ァイイハノ /イ! |
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         // /ト| l l! レl´|  ヽ―-、| ヽ /|丶ヽ:〉ヽ. Viヽl l !!!ニハヽl l|ト _ヽハ l
        // j lト|/ l!/V´小 /┬、-くV´ ̄ V-ヽヽ、 \_|ハ! |ト、 Vト l!ヘ  |ハ i
      l l j_ハ |! 小/ 〉ノ| Vj | ト_トヽ〈  /l! \ヽ〉, ヽト小、||!/ 7'ト、|イ ̄lヽ |ヽ|
      ///リ |! | | Yイ | {ノ レくヽハi 〉 イl ∧  V!∧ |イ} / /l l!| トイ77くヽトj
      // //   ! j ! | | jハノニ=イj//ヘ / |!   |!|::{ |:〈 〈-〈| | l!!∧7くァ1 l!′
      //,//   | | イィ′V      |/′ _/  |ト、   ||:::ヽl小\\Vj:||イくl! Vヘlj!
    ///'/     ! | /l′  ト     / / /′ |ヘヽ  ||:::::||´ ヽ._\\トハノ|   V|
   j/ l!/     |   /|    | l   /7 //}  /| | ∧ !ト、:||   |イi\ヽ |V   l !
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『邪魔なんだよ……カイザの日を祝わないものは全て!』

2329月13日はカイザの日 Part6:2018/09/13(木) 00:12:19 ID:5PMwNl7c0

その頃、草加さん(今年はサイドバッシャー状態)は今年もまたカイザの日を祝おうとしていた。
……去年も一昨年も三年前も四年前も五年前も同じことを言っていたが、彼にとって大事なことなのだ。

五年ですよ、五年。
その間色々ありましたが、皆さんはどうお過ごしででしょうか?

まあ、そんなことはさておき……


草加さんはDMC狂信者の本拠地である東京ビッグサイトに辿り着いたものの。
草加さんお目当てのグレートゼオライマーはいなかった。
イデオンやらマジンガーZEROやら真ゲッター1やらグレンラガン、レオパルドンはあった。
そして、何故か知らんが大破していたヴァンツァーもあった。。
こんなに強そうな機体があるのはドリルコスがグレートゼオライマー乗っているのと同じ理由だ。
しかし、これだけ揃っていてもグレートゼオライマーはなかった。
だって、これらの機体よりもグレートゼオライマーの方が強いのだ。
だから、ドリルコスがグレートゼオライマー乗っている。

だが、他の機体でもいいかもしれないが。
皆さんは『初志貫徹』という言葉をご存知であろうか?
英語で言えば『Carrying out original intention』

「初志」とは”最初に決めた志(こころざし)や思い”。
「貫徹」は”貫き通すこと”を意味する言葉である。

まあ、クラウザーさんよりも賢い皆さんなら知っているという体で話を進めよう。

妥協などしてはいけないのだ。
だからこそ、草加さんはグレートゼオライマーに憑依したいのだ。
というよりも、今の名前が挙がった機体ほぼ無機物じゃないのだ。
出来るはずないのだ.

と、こんな感じで草加さんはファッション感覚で頭おかしい(褒め言葉)行動を実践していた。
彼にとってクラウザーさんなどどうだっていい存在なのだが、一応、今の彼はDMC狂信者なのだから。


「サイドバッシャー、探し物は見つかったですか?」
『すまない、どうやらここにはないみたいだ』
「そうですか……」

その時である。

「ニャガニャガ〜〜こんなところに誰かと思ったら貴女方でしたか」
「あっ、ホモだ」
「ぶっ殺しますよ?」

白い格好の完璧超人始祖サイコマンが現実時間にして約一年二か月ぶりに現れた。
彼がここに現れた理由……それは今、伝えるべきではなかろう。
何故なら、今日はカイザの日なのだから。

そして、彼は格納庫にあったロボットを全て自身のデイパックの中に詰め込み始めた。
支給品だからね、デイパックの中に入るのは当然だよ。
そのあと、レジーナ達との情報交換(専ら情報を出てるのはレジーナ達だけ)をした。
しばらく、サイコマンは何かを考えるようなポージングをした。

「接触してみる価値はありそうですね……ニャガニャガ」
「ゼロに接触するんですか?」
「はい……ですが、私一人ですと少々不安がありますので……
 もしもの時のために貴女方も来てくれるとありがたいのですがね」

これは女子二人と草加さんにとって好機であった。
二人としては手柄を立てるこ=クラウザーさんの為になるのだ。
そして、草加さんは早くもゼロと開墾出来る可能性が出てきたのだ。



だから、彼女たちはその提案に――――『乗った』。

2339月13日はカイザの日 Part6:2018/09/13(木) 00:12:43 ID:5PMwNl7c0
【二日目・21時09分13秒/東京ビッグサイト】


【暁切歌@戦姫絶唱シンフォギアG】
【状態】疲労(小)、決意、首輪解除
【装備】シンフォギア「イガリマ」、イグナイトモジュール@戦姫絶唱シンフォギアGX
【道具】支給品一式、クロエの首輪
【思考】基本:SATSUGAI、自分の生きた証として絶対にクラウザーさんを蘇らせる。
1:みんなの希望であるクラウザーさんは必ず蘇らせる!
2:風鳴翼については大いに失望
3:同じ狂信者仲間としてレジーナを大事にしたい
4:フィーネになってしまう自分の危険性を考慮し、クラウザーさんが蘇り次第、自分の命を断つ
5:ゼロを警戒し、可能なら正体を探る
※自分が新しいフィーネになると思い込んでいるのは勘違いです
 よって、自分がフィーネになると勘違いしている時期からの参戦です
※サイドバッシャーを支給品と思い込んでおり、正体に気づいていません


【レジーナ@ドキドキプリキュア!】
【状態】健康、首輪解除
【装備】ミラクルドラゴングレイブ、電子星獣ドル、シンフォギア「シュルシャガナ」
【道具】支給品一式、ギラン円盤
【思考】
基本:クラウザーさんの復活
1:クラウザーさんの為にすべての人や魔物をSATSUGAIする
2:切歌に友情を感じている
3:ゼロを警戒し、可能なら正体を探る
※月読調のギアの装者になりました
※サイドバッシャーを支給品と思い込んでおり、正体に気づいていません


【草加雅人@仮面ライダー555】
【状態】サイドバッシャーに憑依、テラカオス化進行(中)
【装備】サイドバッシャー@仮面ライダー555
【道具】カイザギア@仮面ライダー555
【思考】
基本:生き返る方法を探す・カオスロワちゃんねる管理人を殺す
0:狂信者の支給品として、グレートゼオライマーに憑依する
1:0が済んだら蘇生手段も手に入れる
2:とりあえず、乾巧の仕業にする(カオスロワちゃんねる管理人以外)
3:来年のカイザの日も祝いたい
4:仲間にする奴には大災害の原因や蒼(TC)の件を教えておく。狂信者は様子見してから。
5:怪しいゼロの正体を探る。管理人だったら殺す。
6:乾巧が死んだので真理は俺のもの!
※大災害発生の原因とカオスロワちゃんねるの危険性を知りました
※テラカオス化によって得られた能力として無機物への憑依能力を得ました
※生き返れるタイムリミットは(作中時間で)残り55.5日です。
 再憑依のペナルティとして、一回につき蘇生タイムリミットが9.13〜55.5日まで減少します。
※テラカオス因子によって魂を現世に繋いでいるため、フォレスト・セルやツバサの治療を受けると問答無用で死にます
※カイザの日はテラカオス因子とは関係ありません。
※仮面ライダージオウに出演することが決まりましたが、今回の話とは関係ありません。

【サイコマン@キン肉マン】
【状態】健康、首輪解除
【装備】なし
【道具】支給品一式、イデオン、マジンガーZERO、真ゲッター1、グレンラガン、レオパルドン、ヴァンツァー(大破)その他不明
【思考】
基本:????
1:↑の目的のためにできればシルバーマンさんも勧誘したい
2:ゼロとの接触。
3:そういえば、草加さんは……まっ、いいでしょう。
※サイドバッシャーの正体に気づいているかもしれないし、気づいていないかもしれない。

234あきよの破壊力が異常:2018/09/13(木) 00:14:00 ID:5PMwNl7c0
総合板に巻き込まれ規制をされたのでこちらに投下しました。

235あきよの破壊力が異常:2018/09/13(木) 05:23:19 ID:VDKOuonc0
投下乙
悪くはないんだけど時間飛びすぎじゃね?

236ラストネットワーク・不足状態表:2018/10/01(月) 14:58:42 ID:j.EyEPdw0
【ナッパ様@ドラゴンボールZ】
【状態】ダメージ(小)、疲労(小)、尻尾切断(処置済み)、野球脳、激しい怒りと悲しみ、首輪解除
【装備】病衣
【道具】なし
【思考】基本:ハラサンの意思を継ぎ、チームを優勝させる
0:ギムレー達が戻るまで、ツバサや仲間を守る
1:野球を邪魔するDMCは許さない
2:また多くの仲間が死んじまった……自分の無力さが不甲斐ない
3:ソウルセイバー……
4:拳王連合軍は本当に悪逆集団なのか?
※回復したため、戦闘力がとても大幅に上昇しました
※一瞬だけスーパーサイヤ人化しました。これからいつでも変身できますが本人はまだ気づいていません

【白光炎隼神ホルス@パズドラ】
【状態】健康、悲しみ、首輪解除
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:世界を救うためにイチローについていく
0:ソウルセイバーのことは非常にショックだが、今はツバサ達の護衛
1:死んでしまった奴らのためにも頑張るホル!
2:都庁に儚げな巨乳がいるなら、向かってみてもいいかもしれない
3:ホルもソウルアーマーを遺したくなるよう人に会ってみたいホル
4:できればそれは巨乳の女の子が(ry 特にクリスやなのは、はやてみたいなええ乳の(ry
5:ツバサも乳があればなあ……

【テラカオス・ディーヴァの残滓『ツバサ』@テラカオスバトルロワイアル十周目】
【状態】健康、完全TC耐性、キングストーンにより変身可能、首輪なし、若干エントロピー減少により弱体化
【装備】キングストーン
【道具】リボルケイン
【思考】基本:テラカオスの因子を集める。この力で守れるものを守る。
0:さっきのダークキバは、もしかして……
1:どうして人はあんなに残酷に殺しあえるんだろう……
2:Lさん、ゼクスさん……貴方達の犠牲を忘れません。
3:私にも救えない人がいたなんて……
※ディーヴァが持っていた能力はキングストーン以外が使用不可。
※一度、テラカオスになったことにより完全なTC耐性を保持、テラカオス候補者のTCを回収できます。
※死んだことによりディーヴァの性格を引き継いでいません、これからどうなるかは不明。
※記憶を大半喪失していますが、生みの親の名前、風鳴翼が捕食で世界を救おうとしたこと、都庁での悪い思い出、沖縄で敵が現れ敗北したこと、夢で出会った男(才人)のことは朧げながら覚えています。
※仮称としてツバサという名前が与えられました
※ユーノに吸収された因子とエントロピーは通常手段では回復できません
 他者の因子を吸収することによってのみ回復します


【二日目・20時00分/東京都 都庁内の何処か】
【オオナズチ@モンスターハンターシリーズ】
【状態】健康、首輪解除
【装備】不明
【道具】支給品一式、狂信者から盗んだ色々なアイテム
【思考】基本:美少女とエロ同人誌みたいなことしつつ都庁で暮らしたいが、そのためにも予言を完成させる
0:ギムレーからの情報を仲間に伝える
1:正直、友や仲間の死には心を痛めている
2:やっぱり草を生やしてこそ我ですなwwwwww
3:でも真面目な時は頑張って草抑える
※尻尾も破壊された場合、ステルス能力を失います
※狂信者から盗んだアイテムはデモニカ以外にもあるようですが、詳細は不明です

237あきよの破壊力が異常:2018/10/16(火) 21:35:32 ID:RjIvn3.s0
クロコダインやウドラを失った聖帝軍先遣隊を乗せた新幹線のぞみが都庁のある新宿にたどり着いたのは19時過ぎになってからであった。
多くの狂信者を屠ったダオスのレーザーや神樹の根が届かないギリギリの位置でのぞみは動かなくなる。

「のぞみが壊れた。これ以上は進めない」
「ここからは足で行くしかないね」

安倍の襲来によって中破状態だった新幹線のぞみは限界を迎えていた。
紘太たち5人と3匹はのぞみを捨てていくしかなかった。

「しかし、大丈夫なっしかね……都庁の魔物たちは」

ふなっしーが不安そうに言うが無理もない。
彼らはまだ、同盟を組む気だったとはいえ都庁が対主催として、そして大災害阻止のために動いていることを知らないからだ。
ただでもネット上において都庁には黒い噂が多すぎる。
都庁の世界樹が魔の森であるヘルヘイムではないことは本物のヘルヘイムをよく知っている紘太がいるので承知の上だが、だからと言って危険がないとは言い切れない。
そもそもそれを確かめるために、自分たち先遣隊が派遣されていたのだが不幸な事故とミスによって交渉どころではなくなってしまった(そのおかげでキュゥべえたちを助けることはできたが)。

「……今は自分のミスに責任を感じてるよ。だけど、アタイたちはいかなければいけない。
ネットによるとサウザーたちはあの中にいるんだから」

霧切から借りたノートパソコンで見た情報により、スカイツリー前での聖帝軍と狂信者、都庁軍をも巻き込んだ大戦闘の件はここに来る前に知っていた。
その戦いにより多くの仲間が命を落とし、きらりんロボが謎の暴走を起こして立川市と罪のない人々を焼いたこと。
スカイツリーも破壊されて作戦は失敗に終わったこと。
サウザーらは都庁に味方する白いエヴァンゲリオンによって都庁へ向かった(または連れ込まれた)ということだ。
さらにはチルノと面識がある小野塚小町(正義の乳神)に救われたモブからの情報によると、都庁は罪のない参加者を洗脳してコキ使う悪の集団だということだ。

嘘が混じる場合もあるカオスロワちゃんねるだけを信じきるわけにもいかないが、仲間が都庁の中にいるのは確実だ。
保護されているのならば合流し、都庁が小町が言う通りの悪の集団ならばナニカサレル前に助け出して脱出しなければいけない。

『グッ、がは! 三途の川の先でご主人様の影が……』
『姐さぁーーーーん!』
「千早もこれ以上は持たそうなっしー」
「毒消しを譲ってもらうにしろ、奪うにしろ、都庁に進むしか選択肢はなさそうだね」
「……わかった、危険かも知らないが都庁へ向かおう」

大阪にて拾ったサーベルタイガーの千早の毒状態も深刻だ。
フロワロの毒をなんとかしなければ一時間持たないだろう。
ネットで聖帝軍は悪人のレッテルを貼られた以上、毒消しを譲ってくれる参加者はまずいない。
クロコダインが戦死して先遣隊のリーダーとなった紘太はしばらく考え、都庁に向かうことを決断した。

「僕も行きます!」

それを言ったのは先刻、気絶から覚めたばかりの苗木であった。
しかし紘太は苗木を静止する。

「いや、おまえはここに残って霧切とキュゥべえを守れ」
「なんでですか!? 僕だって戦えます! 拳王連合軍の奴らだって三人は殺してるし」

同行を拒否され驚く苗木に、彼の後ろにいたキュゥべえが紘太に代わって理由を言う。
先の放送で知り合いのホワイトベース組の仲間である乾巧たちの死を知ったことであからさまに冷静さを失っている……というのもあるが、あえてそこは伏せておく。
それ以上に合理的な理由があるのだ。

「君は寝ていたことで体力は多少マシになったたけど、激しい戦闘に耐えられるほど取り戻してはいない。
実力自体もボクとふなっしー以外には勝てないぐらい弱い。
そんな君が行ったところで仮に戦闘になった場合は紘太たちの足でまといだよ」
「足でまといは言い過ぎだが、キュゥべえが言ったこともあながち間違いじゃない。
仮に戦闘になったら何もできないまま死ぬと俺たちは思っている」
「そんな……」
「苗木はその代わりにキュゥべえと霧切を守ってやってくれ。
言っちゃ難だがキュゥべえはともかく、今の彼女を都庁に連れて行くと余計な騒乱を招きそうな気がする」

紘太は新幹線の椅子で膝を抱えて座っている霧切を指さした。
安倍を瞬殺した戦闘力からして戦闘力は先遣隊最高だが、その前に心が壊れている。
デリケートさが求められるやもしれぬ話し合いの場にはとても連れていけなかった。

238あきよの破壊力が異常:2018/10/16(火) 21:36:07 ID:RjIvn3.s0

「彼女には心の支えが必要だろ?」
「ええ……それは確かに」
「友達であるおまえが全力で守ってやれ」

今の霧切の心を守る仕事ができるのは友達である苗木とキュゥべえだけであり、繋がりがまだまだ浅い紘太たちではできない仕事だ。
血気盛んな苗木をそのように諭すと、紘太は新幹線の中に取り出されたマシンウィンガーを見る。

「そういえば苗木は確かバイクの運転ができたな」
「ええ、超高校級の暴走族である大和田くんのシゴキを受けて」
「もし、俺たちと都庁で戦闘になったら……」
「バイクに乗って助けに行けばいいんですね!」
「それは違うぜ」
(台詞取られた)

「戦闘が起きたと思ったらバイクに乗って霧切とキュゥべえを乗せて遠くへ逃げるんだ。
仲間の命を守ることはもちろんだが、あの子の貧乳歌姫の接近を防ぐ結界は多くの人々に取っても大事だ。
死んでしまったら俺たちでも勝てるか怪しい風鳴翼を本州に招いてしまう。
多くの人のためにもしっかりと守ってやるんだぞ」
「だけど!……いや、わかりました」

過去に似たような状況で似た指示を受け、葉隠や巧を救えなかったことにより苗木には不満があったが、自分の弱さを自覚しているだけに結局折れることになった。

「割り振りはこんな感じだな。
俺、チルノ、ふなっしーと支給品軍団が都庁へ行き。
苗木、霧切、キュゥべえはのぞみに残り、戦闘が起きたらバイクで逃げること、良いな!」

そして鎧武に変身した紘太とチルノ、聖帝軍の旗を持ったふなっしーは都庁へと向かって歩いて言った。
そんな三人を見送るのは苗木の不安そうな眼であった。



恐る恐る、しかし確実に巨大な都庁の世界樹に近づいていく三人のターバンたち。
近づく度に焦りは募っていく。

「いちおう識別のための旗は掲げてるけど、ホ、ホントに大丈夫なっしか……」
「攻撃してくれば交渉は失敗、都庁はアタイたちの敵ということになるね。
そうなったら最強になったアタイが全員氷漬けにしてやりたい、ところだけど感じる魔力は悔しいがアタイたち三人では勝てないくらい強大……苗木たちのこともあるし、戦いになったら逃げの一手だね」
「だが俺たちはもう信じて進むしかねえ。
沖縄には謎の異常気象、近畿には毒の花、神奈川には拳王連合軍、ビックサイトに狂信者、千葉には超巨大ドラゴン、極めつけに上空には主催の九州ロボ。
千早を救うためにも都庁へ行って真偽を確かめるしかないんだ」
「それは確かなし……腹を括るしかないっしか」

あくまで紘太たちの目線であるが、彼らの目線では聖帝軍以外の全てが驚異であり、味方が待っているかもしれない都庁しか行く道は残されていなかったのである。
自分たち以外の最後の対主催集団と思われるイチリュウチームは邪竜ギムレーの中、都庁近くにいるはずの小町はなぜか行方不明。
仲間である千早の死期が迫っていることも考えれば都庁が善であれ悪であれ残された道は一つしかなかった。

一歩、また一歩と近づくターバンズであったが、そこへ爆撃のような攻撃が紘太たちの正面数メートル先で炸裂した。
攻撃は直撃こそしなかったが、空を見上げると数匹のドラゴンが牙を向けてこちらに向かってきていた。


「なに!? 攻撃された!」
「ひいいいいいいいい、やっぱ襲ってきたなっしーーー!」
「戦闘態勢! 来るよ紘太、ふなっしー!」

紘太は奥の手の極ロックシードを構え、チルノは無数の氷の矢を生成。
ふなっしー自体は逃げ腰だが、彼の代わりに支給品のシャルロッテとデストワイルダーがいつでも迎撃できるように牙を覗かせていた。
聖帝軍の一味を攻撃してきたところからして都庁はやはり敵なのか?
それは紘太が一戦交える覚悟をした寸前に、答えが出る。

「……! ちょっと待ってください高津さん、彼らをよく見て!」
「ん? 誰かと思えば紘太たちじゃないか」
「高津さんと犬牟田!」

239あきよの破壊力が異常:2018/10/16(火) 21:36:50 ID:RjIvn3.s0

ドラゴンの背に乗っていた二人のターバンは聖帝軍の一員である高津と犬牟田であった。
ドラゴンたちも紘太たちが背に乗せている二人の知り合いだとわかるとすぐに攻撃態勢を解き、交戦意思はないという素振りで三人の前に着陸した。
そして犬牟田と高津は手始めにレストから教えられた方法で三人の首輪を解除していく。

「洗脳されている……ようには見えないね。
これから騙し討ちするにしても戦闘力の枷になっている首輪を外す意味がないし」
「でも正義のオッパイ神とかいう人は都庁は悪の組織なしって」
「それにはとても複雑な事情があって長くなるから詳細は後で話すよ。
簡単に言うと都庁は僕たちの味方であるし、同盟を組むに値する正義の組織だ。
悪の組織だのヘルヘイムだのは誰かが流した虚偽情報なんだ。
ちなみに小野塚さんは本当は僕らの仲間なんだけど、わけあって悪の組織と吹聴させているんだ」
「う〜ん、よくわからないけど、聖帝軍の仲間は無事なっしね?」
「ああ……放送で呼ばれた人以外はみんな生きているよ。もちろん洗脳なんかされていない」
「それを聞いただけで安心のため息がでるね」

細かい経緯はイマイチわからないが、聖帝軍と都庁軍は先遣隊抜きで交渉した。
そして危険のない組織であり、その中でサウザーたちが保護されていると聞けば、肩の荷も幾分か降りたんだ。

「でもなんでさっきは攻撃してきたんだ?」
「都庁には非常に目や耳の良い奴がいてね、怪しい奴がいると聞いて偵察に来たんだ。
狂信者や拳王連合軍の手先かもしれなかったから、見かけて野球ボールで威嚇射撃を行ったというわけだ」
「ちょっと待つなっしー! 聖帝軍の旗は掲げていたなっしよ!?」
「……悪いけど今は夜だよ、暗くてよく見えなかったんだ」
「「「あ……」」」

先ほどの高津からの攻撃の理由は旗がよく見えなかった故の威嚇であった。
変身・大人化しているとはいえ面子的に誰だかわかるが、それは明るい昼間の話。
都庁からの先制攻撃を恐れるあまり旗や自分たちに懐中電灯を当てて仲間であることをアピールすることを失念していた彼らは攻撃を受けたのである。
幸い、冷静な犬牟田が迂闊に敵とみなすべきじゃないと進言したので高津やドラゴンたちも初撃は威嚇にとどめたために死者は出なかった。


「高津さん、すまねえ……俺たちのミスのせいで先遣隊はアンタたちより早くたどり着くことができず、クロコダインも死なせる結果を招いちまった」
「みんなは悪くない、発端はアタイの操縦ミスだよ」
「チルノも責めないでほしいなっしー、シャルロッテや苗木たちのようにチルノのおかげで助かった命もあったなっしー」

次に紘太たちは仲間たちに自分たちの不手際を謝罪した。
おそらく本隊側から都庁との同盟を結ぶことはできたのだろうが、自分たち先遣隊が都庁に早くたどり着いていれば先の戦いの犠牲をなくすこともできたのだろう。
そう思うと三人は胸が痛かったが、高津と犬牟田は彼らを許した。

「よせよ。それを言ったら俺たちも多くの子供たちを守れなかった。
クロコダインは残念だったが、おまえたちのボロボロ具合からしてそっちも必死に頑張ったんだろう。お互い様だ」
「色々複雑な事情はあるんだけど、君たち先遣隊が都庁にたどりついたところできらり……んロボは暴走していた。
どっちにしろ交渉するまでもなく僕たち聖帝軍は都庁の信頼を勝ち取っていて盟約を結べたんだ。
恥じることは何もないさ」
「……本当にすまねえ」

高津と犬牟田に諭され、紘太たちの心配もほぐれた。
仲間たちは先遣隊を責める気など最初からなかったのである。

「さて、おまえたちにも都庁との会談でいくつかわかったことがあるから教えたいところだが、かなり重大な内容だからできれば世界樹の中で話したい」
「だけどその前に僕らと別行動で斥候に出た仲間と合流しなければね」
「仲間? 俺たちを見に来たのはアンタたちだけじゃなかったのか?」

どうやら高津犬牟田コンビとは別口で紘太たちを迎えに来たグループがいるようだ。

「その様子だとすれ違ったらしいな。
実は仲間の中に一人、桑原っていう霊直感に優れた奴がいて、そいつがおまえたちに対して嫌な予感がすると言ってたんだ」
「嫌な……予感だって?」
「ああ、ひょっとしたら俺たちの敵になるヤベー奴が新幹線に乗ってるかもしれない、ということで敵だった場合は正面の俺たちと背後からの桑原たちが挟撃する予定だったんだ」
「だがこの様子だと危険はなさそうだね」

240あきよの破壊力が異常:2018/10/16(火) 21:37:25 ID:RjIvn3.s0

「待ってくれ、新幹線に乗っていたのは俺たち以外にも他に三人いるんだ!」
「なんだって?」

二人の言葉に何やら嫌な予感を感じた紘太。
新幹線に残っているのは苗木、霧切、キュゥべえの二人と一匹。
おそらく桑原たちはそちらと接触するだろう。
二人と一匹は大阪から東京に移動するまでの間に(性格的な危うさはあったが)悪人にはとても見えなかった。

それでも……鎧武のマスクの下はなぜか冷や汗がにじみ出ていた。


 ■ ■ ■


一方その頃、稼働しなくなった新幹線の近く。
その物陰に桑原とアイスシザース、何匹かの中級以下FOE。
そして聖帝軍のイリヤがいた。

イリヤがついてきているのはやってきた一団が紘太ら先遣隊である可能性もあるため、顔をよく知っている聖帝軍の誰かの手が必要であったので抜擢されたのがイリヤであった。

『あの中に聖帝軍の仲間はいるか?』
「……いや、あんな人たち、私は知らない」

しかし新幹線の中にいるのは見知らぬ背の低い少年と、何かに怯えるようにうずくまっている幼女だけである。
それもそのはず、紘太たちは既に都庁に向かっており、新幹線の中には顔見知りは誰ひとり残っていなかった。

「狂信者っぽくはないし危険はなさそうに見えるけど」
「だが奴らから嫌な勘がビンビンしてるぜ」

先遣隊の関係者ではなさそうだが見た目で安全ではないかと判断するイリヤ。
一方で強い霊感から冷や汗の止まらない桑原。
すぐに接触するべきか、一度都庁に戻って仲間の判断をもらうか考えあぐねていた二人と一匹であったが、ここでアイスシザースがとある存在を発見する。

『!! 奴がいる!』
「奴って?」
『ホムラが言っていた危険な宇宙生命体、インキュベーターだ!!』

白ウサギとネコを足したような見た目の高度な知性を持つ宇宙生命体キュゥべえもといインキュベーター。
それが新幹線の窓にいるのをアイスシザースは確認した。

『奴はこちらに気づいていない……ここで殺らねば!』
「おい待てアイスシザース!」
「みんなも!」

インキュベーターの存在を確認した瞬間、桑原やイリヤの静止を無視してアイスシザース以下のFOEが飛び出した。
インキュベーターは資源搾取のために詐欺紛いの行為で人間を食い物にし星を荒らす存在。
心を持たぬだけに人間以上に最悪の略奪者である。
そんな彼らのことをほむらから教えられて都庁の魔物たちが存在を許すハズはなく、見つけ次第抹殺の触れ込みがあったぐらいだ。
大災害から世界を守ることはもちろんのことだが、インキュベーターを殺すことは世界樹を守るために必要であり、魔物たちはそれを信じて彼を殺さんとする。
そして魔物たちは敵か味方かわからない苗木と霧切をひとまずは無視して新幹線に詰め寄った。

「!!」
「なんだこいつらは!」
「魔物!?」
『金竜様から託された大樹を守るためにも……鉄の棺桶ごと叩き切ってやる! インキュベーター!!』

ドラゴンハートで機動力を強化されたことも手伝って苗木とキュゥべえは反撃も回避も許されなかった。
次の瞬間には新幹線ごと両断する勢いでキュゥべえめがけて腕の鎌が振り下ろされた。
強化されたアイスシザースの実力ならば、実際に鋼鉄の新幹線を裁断して中の生き物を殺すぐらいは余裕であろう。

『な!?』
「ともだちを殺すやつ……許されない!!」

だが鎌がキュゥべえの首を落とすことはなかった。
正確には新幹線は両断されたのだが、キュゥべえに届く前に魔法少女に変身した霧切が鎌を掌で受け止めたのである。

『鎌が動かん……なんてバカ力だ!?』

どうみても強そうには見えない霧切にいとも簡単に攻撃を受け止められたことに恐怖心を確かに感じていた。
アイスシザースはこれまでの戦闘とドラゴンハートの恩恵によって強化された。
能力を数値化し総合スペックだけで見ればドラゴンハート未使用時の三竜に並ぶ戦闘力を有している。
それが目の前の幼女にいとも容易く、必殺の一撃を防がれたのだ。

「このお!!」
『ぐはああああああーーーッ!』

鎌を腕で防がれて動けなくなったアイスシザースは次の瞬間に霧切のバリツ持込の蹴りで腹部に大穴が空き、地面に倒れることになった。

241あきよの破壊力が異常:2018/10/16(火) 21:38:18 ID:RjIvn3.s0

「アイスシザース!!」

アイスシザースは高い生命力により、即死は免れていた。
今から都庁に戻って治療を受ければ助かる見込みはある。
桑原は死にかけのアイスシザースを救うために霊剣を携えて霧切を突き放そうとした。
桑原もまたアイスシザースと同じくドラゴンハートの影響を受けて、その戦闘力はかつての仲間である浦飯と同じくS級妖怪クラスの戦闘力を得ている。
どんなに強い霊能力者でも人間である限り入り込めない領域の強さだ。
あの戸愚呂弟を軽く凌駕し、仙水忍をも超えた戦闘力を持っている。

にも関わらず、桑原の霊剣は牽制目的であったとはいえ容易くよけられ、桑原やイリヤ、他のFOEが反応するよりも早く背後に回り込んだ。

「なッ、早ぇ!!」

そして背後から桑原の腹部に手を回してガッチリと掴み、捕まえた。

(離せねえ! なんてバカ力だ!?)

霧切の拘束は体力馬鹿である桑原ですら解くことができない。
桑原は必死に足掻くが外れる様子はない。
そして霧切による処刑――友を傷つけようとした者へのオシオキが始まった。



桑原を捕まえた霧切は彼を抱えたままグルグルと回転しだした。

「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

回転と言っても遊園地のティーカップアトラクションとは比較にならないほどの超高速回転であり、その速さは局所的な竜巻が起こし、内部にいるはずの霧切と桑原が見えなくなるほど。
無理に攻撃や接近をすると桑原を傷つける危険があったのでイリヤもFOEたちも桑原の援護や救助が行えなかった。

『な、なんていうことでしょう、あの魔法少女の魔力の強さは現在の鹿目まどかさんと互角クラス。
下手をするとフォレスト・セル以外の他の面子も破られます』
「ええ!?」
『我々三人と中級FOEだけでは勝ち目がありません!』
「どうしてそれを早く教えてくれなかったの!?」
『彼女が変身する前の段階では内包する魔力を読み取れなかったので……』

イリヤの杖であるルビーが霧切の強さに関して遅すぎた警鐘を鳴らす。
それは霧切の圧倒的強さに関してだった。

キュゥべえは対安倍戦で魔法少女化した霧切の強さを最低でもブラックRXの三倍の強さがあると言った。
ブラックRXの基本スペックはパンチ力70t、キック力120t、ジャンプ力60m、走力315km。
さらに町を吹き飛ばす攻撃でも致命傷にならず、惑星爆発から帰還できるほどの耐久力。
0.1秒や0.5秒を隙と言える反応速度を持っている。
無論全ての能力が三倍とは言わないが、総合スペック的に三倍というだけでも化物ということはわかるであろう。
少なくとも無強化三竜、仙水忍と同じレベル……現状のアイスシザースや桑原では勝てる相手ではなかった。



「ぎゃああああああああああああああああああああああ、からだがああああああああああああああああ!!!」
「桑原ッー!!」

竜巻の中から聞こえてくる桑原の悲鳴にイリヤたちはなんとか助け出そうとしたいが方法が浮かばない。
今から救援を求めても桑原が助かる保証はない。
そして考えあぐねた結果が……時間切れである。


「……レオリオ、ハス太、みんな……すまね」


桑原から謝罪の言葉が聞こえたと同時に霧切の回転が止まる。
それと同時に液状と固体の中間のような謎の黄色い物体がイリヤに大量にべちゃりとふりかかって汚した。
その一部はイリヤの口の中にも入った。

「げほッ、なにこれ、マーガリン!?」

舌の上でとろける感触に仄かな甘味と植物油っぽさからイリヤはこれをマーガリンだと分析。
しかしなぜ霧切の方からマーガリンが?

「桑原は!?」

驚くイリヤが霧切を見るとそこには桑原の姿がなく、もう一度体に付着した黄色い物体を見ると彼の着ていた「健康第一」と書かれた白い特攻服の切れ端や、骨らしき固形物があった。

『ま、まさかこれは桑原さんの肉体が高速回転の中で彼女の強大する魔力をゼロ距離で浴びて形質変化したもの……』
「今、体についてるコレが桑原だったとでもいうの……!?」

ルビーの推理通り、ダンロン的に言えば猛多亜最苦婁弟酢華恵慈(モーターサイクルデスケージ)と化した即席の処刑場で桑原の肉体は超高速回転させられつつ霧切から放出される魔力を浴びた結果、その肉体はマーガリンと化してしまったのである。

Q、なんで人間が回転しただけでマーガリンになるん?
A、ダンロン無印をプレイするかアニメを視聴してください(ステマ)

なんにせよ、イリヤたちに突きつけられた事実、それは――



【桑原和真@幽遊白書 死亡確認】

242あきよの破壊力が異常:2018/10/16(火) 21:38:42 ID:RjIvn3.s0



「うっぷ……おえええええええ!」
『イリヤさん!』

桑原が目の前で殺され、仲間の肉体だったものを不本意ではあるが食べてしまった事実にイリヤは吐き気を抑えられずたまらず嘔吐。
その隙を見逃すわけもなく、霧切が攻撃をしてくるが一部の魔物たちが動けなくなったイリヤを庇うために己の身を盾にする。

『だ、ダメだ、アイスシザースより弱い俺たちじゃコイツを止めることも、ぐわあ!』
「きゃあ!!」

しかし、霧切の進行を止められず、彼女の拳によって盾になった魔物は粉砕。
イリヤは致命傷は避けたが攻撃の余波により壁に叩きつけられしまう。
続けて霧切は敵となった魔物を駆逐するために一匹、また一匹とバリツで殺していく。


『なんてことだ……クッ』

腹に穴を開けられながらもなんとか立ち上がるアイスシザース。
桑原や魔物が殺されていく光景に恐ろしさを覚えていた。
しかし、闘志までは衰えず、状況を冷静に見る。

霧切が他の魔物を殺している中でキュゥべえがノーガードであることに気づいた。
キュゥべえ自身もこちらが再び立ち上がったことに気づいていない。

『今こそ、奴を殺すチャンス! 味方を助けることもできる!』

アイスシザースの考えではキュゥべえを殺せば霧切のヘイトは自分に向かう。
そうなれば自分は十中八九殺されるが、標的が自分に集中するためにイリヤや生き残った魔物を都庁に撤退させて助け出すことができる。
そう睨んで、こっそりと背後から刃を向けようとする。

「させるか!」
「助かったよ、苗木!」
『ええい、邪魔を!』

いつぞやのネームド狂信者を暗殺した奇襲攻撃は失敗に終わった。
霧切が暴れている内に仮面ライダーウィザードに変身した苗木の銃撃により阻まれたのだ。
奇襲に気づいたキュゥべえもまたこの場を苗木に任せて新幹線の残骸の影に隠れてしまった。
キュゥべえを殺すにはどうしても苗木を倒さなくてはならない。

(くッ、だが、銃の威力は大したことはない。
動きも素人そのもの……コイツなら簡単に殺れる!)

アイスシザースは目の前の仮面ライダーの実力を把握。
事実、苗木の戦闘力はウィザードのスペック込でも大したものではなく、読み通りと言えた。

(一撃で仕留めてやる!)

即死属性の一撃である凍土の大鎌で苗木との短期決戦を行おうとするアイスシザース。
一方の苗木はひとつの指輪を取り出し、それをベルトにかざした。

「これを使ってみるか!」

――リキッド・プリーズ。
そんな音声がベルトから聞こえた瞬間、苗木の胴体の一部分が液状化しアイスシザースの鎌を貫通させてダメージを回避した。

『馬鹿な!』

液状化能力によって防がれた必殺の一撃により、狼狽と同時に空振りによる大きな隙を生み出す。
苗木は首輪が外れてないので首より上だけは液状化できない制限があるが、アイスシザースが胴体を狙った「幸運」によって賭けに買ったのだ。
続けて苗木はアイスシザースの懐に飛び込み、腕を液状化させてある一点に向けて伸ばした。

「おまえを倒すには……ここだあああああ!!」
「がああああああ!!!」

苗木が選んだのは先ほど霧切が開けた腹部の大穴。
そこは外殻にも守られておらず、臓器が一部露出している。
その大穴めがけて液体となった腕をねじり込み、体中を内部からグチャグチャにしていく。
なんとか苗木の首を狩ろうにも腕の制御も傷口から血管を通して入り込まれた液体を使って奪われてしまい、反撃もできない。

「紘太さんがいない今、僕が霧切さんやキュゥべえたちを守るんだああああ!」

苗木の目には暴走した義憤や使命感が燃え上がっており、マスク越しでもそれが狂気という形でアイスシザースに伝わった。
いかな強者とて、レベルを上げたとしてもア○ル以外の臓器は鍛えられない。
臓器への攻撃手段を握られた時点でアイスシザースの敗北は決まっていた。

『まだだ……金龍様や骨竜たちが守った世界樹を……守らねば、ならない、の、に……』

内部から腸を寸断され心臓を穿たれ脳を潰されたアイスシザース。
闘志だけは怨敵であるインキュベーターたちに向いていた。
しかし彼の鎌は敵に届くことはついぞなく、苗木が血まみれの拳を引き抜いたと同時に息絶えた。


【アイスシザース@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女 死亡確認】

243あきよの破壊力が異常:2018/10/16(火) 21:39:21 ID:RjIvn3.s0



「ルビー! ルビー!」
『――――』

霧切の攻撃によってカレイドルビーをへし折られたイリヤの変身は既に解けていた。
この時点で戦闘力のほとんど失っている。

『俺たちが囮になるからおまえだけでも逃げるんだ!』
「でもあなたたちは!」
『俺たちに構うな! ここで全滅すれば世界樹に迫るこいつらの驚異を誰も教えられない。
インキュベーターたちのことを仲間たちに知らせるんだ』
「……わかった」

囮をかって出るFOEたちの指示に従い、イリヤは残って戦いたい意思を抑える。
アイスシザースより弱い魔物たちでは戻ってくる頃には全滅しているだろう。
だがなんとしても比較的近くにいる高津たちや世界樹の仲間に驚異を知らせる必要があった。

そして、踵を返して世界樹方面への逃走を図るイリヤ。



「むぐッ!?」

だが、振り向いた瞬間。
彼女の首は白い耳のような触手に掴まれ、口の中に一斗缶の穴から出てくるガソリンを無理やり注ぎ込まれた。

「むごごごごご」
「逃がさないよ、仲間を呼ばれると厄介だからね」

イリヤの口を介して胃の中に注がれるガソリン。
常人だったらこの時点で良くて失神、最悪ショック死であったが、イリヤはドラゴンハートで生命力を強化されているので「まだ」大丈夫だった。
すぐさままとわりついていたキュゥべえを引き剥がし、ガソリンを吐き出そうとするが、それを見計らってキュゥべえはただのマッチに火をつけてイリヤに放り投げてさっさと物陰に退避した。
ちなみにガソリンは死んだアイスシザースから奪ったもの、マッチは霧切の不明支給品から勝手に拝借したものである。

イリヤの体はガソリンと桑原マーガリンによって油まみれであり、マッチの小さい炎でも引火させて炎上させるには十分であった。


「熱いッ アツイィィィ!! 助けてお兄ちゃ――」

熱さにたまらず、悲鳴をあげるイリヤ。
それが失敗であった。
口を開いたことで体に入ったガソリンにも引火し、胃にまで届き――幼女の肉体を爆散させた。
焼け焦げた肉片とルビーの残骸だけがイリヤが生きていた証になってしまった。


【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 死亡確認】


魔物たちはメッセンジャーとなるはずだったイリヤの死に絶望の表情を浮かべ、せめて一匹だけでも仲間の救援を呼べるようにかばい合うも、その甲斐なく霧切によって数分以内に一匹残らず肉塊と化した。
都庁や高津たちの下へ迎えた者は一匹もいない。

「でもキュゥべえ、魔物はともかく人間の方は洗脳されて操られているだけだから殺すことはなかったような」
「殺すより生け捕る方が難しいんだよ?
響子はともかく、ボクや苗木の実力じゃ生け捕るなんて無理だよ」
「それはそうだけど……」
「あの時は仲間を呼ばれるわけにはいかなかったし、生かす余裕はなかった。
恨むべきはボクらに有無を言わさず攻撃を仕掛けてきた向こうの方さ」
「……」

拳王連合軍以外の人間を殺すのには抵抗があった苗木。
特に洗脳されていた者の中には聖帝軍のメンバーもいたかもしれない。
だが、キュゥべえの説得により恨むべきは噂通りの悪の集団であった魔物たちであると思い込まされた。
同時にヘルヘイムの魔物を殺すことが、殺してしまった人間の犠牲者への弔いになるとも思い込んでいた。

244あきよの破壊力が異常:2018/10/16(火) 21:39:53 ID:RjIvn3.s0

「そういえばさっき、向こうで爆音が聞こえた。紘太さんを助けに行かなくちゃ!」
「それはダメだよ、戦闘が起きたら逃げろって紘太の言葉を忘れたの?」

紘太の向かった方角から戦闘音と思わしき音が聞こえた(高津の威嚇射撃によるものである)。
もし戦闘が起こっているなら助けにいかないといけないと思った苗木だがキュゥべえに制止された。

「僕と霧切さんの力があれば助けに行くぐらいはできるさ!」
「確かに霧切だったら謎の巨大生物以外は殺せるかもしれないね」
「だったら!」
「だけど君や響子の魔力は有限。魔力がなくなれば魔法使いである君も響子も戦えなくなる。
君は休めば魔力が回復するけど、響子はグリーフシード以外で魔力を補充する手段がない。
この意味がわかるかな? 響子の魔力がなくなったら魔物に殺される可能性が高まると同時に食人鬼から本州を守っている結界がなくなって侵攻を許すことにつながるんだよ」
「そんな……紘太さんたちを見捨てろっていうのか?」
「紘太たちはそれも承知の上で君に響子の護衛を任せたんだよ」

キュゥべえの言葉は冷徹ではあったが理には適っていた。
霧切は確かに桑原たち相手には無敵であったが、それも魔力があるからこそ。
流石に都庁全戦力と戦えば、向こうを全滅させる前に響子が力尽きる。
そうなれば自分たちだけでなく海を渡ってきた貧乳歌姫によって多大な犠牲が本州で出る。
深追いは禁物であった。
それでも納得がいかない苗木であったが、少女の言葉が意固地になりかけていた彼の心を動かした。

「いかないで苗木くん……」
「霧切さん……」

涙目となっていた霧切が袖を引く。
自分の独善で霧切を危険な目に合わせるわけにはいかない。
彼女は生き延びても自分やキュゥべえがいなくなった時に誰が彼女の助けになるのか。
自分より小柄になった少女の涙を見て苗木の心が揺れ動く。
そんな苗木にキュゥべえはもう一声をかけた。

「安心して、都庁に向かった三人のエントロピーは消えていない。つまり死んではいないんだ」
「それは本当かい!?」
「捕獲されて洗脳されている可能性はあるけどね。
生きていればいつかは救助することもできるでしょ」

エントロピーを感じ取れるキュゥべえは確かに三人が生きていることを感じ取っていた。
流石に具体的に何をしているか何をされているかは感じ取れないが、まだ三人の中に犠牲者はいないという言葉は苗木にとって大きな意味を持っていた。

「だけど救助するのは今じゃない。今以上にまとまった戦力が必要だと思うな」
「まとまった戦力……しかし、どこに行けば……」

聖帝軍を安全に救助するにはどうしても戦力が必要であったが、先遣隊の仲間も失った苗木には行く宛が思いつかなかった。

「……そこで提案なんだけど、千葉県にいるあの巨大竜と交渉して見ようと思う」
「浦安市に現れたっていうあの巨大竜にだって!? 無茶だ!
イチローたちでさえ飲み込まれたらしいのにどうして味方になると思ったんだ?」

千葉に現れた巨大竜ことギムレーは襲ってきた狂信者を滅ぼす際に自分を破滅と絶望の竜と言っていた。
内部事情を知らぬ者から見るとイチローチームも無事かどうかは見当もつかなかったが……

「いや、イチローチームと思わしきエントロピーはまだ消えてないんだ」
「イチローたちはまだ生きているってこと?」
「もしくは最初から交戦するような仲じゃなかったのかもね。
破滅と絶望の竜というのもおそらくブラフ……その気になれば日本の大半を滅ぼせるのにそれをやっていない。
イチローたちを捕らえているにしろ、仲間内にしろ、無言で攻撃を仕掛けてきたヘルヘイムよりは交渉の余地はあるよ」
「その邪竜やイチローチームだったらヘルヘイムを焼き尽くして聖帝軍を助けることもできるってこと?」
「ああ、響子を足した場合の総エントロピー量的には不可能じゃないよ。
都庁と狂信者、主催を除くと苗木が倒したいと思っている拳王連合軍を倒せるのもここぐらいかな」
「あの拳王連合軍を!?」
「逆に言えば表立った対主催組織で、ボクらが接触できるのはもうそこにしか残ってない」
「必ず交渉を成功させて味方につけなくちゃ!」

エントロピー=強さというわけではないが、少なくとも倒せる可能性はある。
キュゥべえの言葉より聖帝軍の救助及び拳王連合軍への復讐への道が見えてきた苗木はキュゥべえの提案に乗ることにした。
さっそくバイクに跨り、後部座席に霧切とキュゥべえを載せる。

「苗木、急いで! 追っ手が近くに来ている」
「了解……紘太さん、待っていてください。必ず近いうちに助けに行きますから!」

そう言って、近くまできていたドラゴン軍団が接近する前に苗木たちはバイクを走らせて現場を離脱した。
目指すは千葉県である。

245あきよの破壊力が異常:2018/10/16(火) 21:40:37 ID:RjIvn3.s0



後部座席でどんどん離れていく都庁の世界樹を見てキュゥべえは思惑を巡らせる。

(近づいてよくわかった。あの大樹の中からまどか、ほむら、さやかのエントロピーを確かに感じた)

苗木や紘太たちには話さなかったが、キュゥべえにとっての大事な資源もとい知り合いである三人の少女の気配を、キュゥべえは新宿にたどりついた時から感知していた。

(だが、まどかのエントロピーは「何かの不純物」が混じって魔法少女化ができないようになっていた。
これならば霧切の方がまだ護衛兼エネルギー資源として使える)

キュゥべえに詳細まではわからないが、まどかはグンマーの巫女と化したことで概念にさえ到れる魔法少女化への道を絶たれていた。
もはや彼女を魔女化させてエネルギーを回収することなどできはしない。
魔法少女でなくなった以上キュゥべえの中での彼女への執着はなくなったのである。

(それにさっきの青カマキリ、最初は苗木と響子を無視して明らかにボクだけを狙っていた。
ほむらがきっとヘルヘイムの魔物に何かを吹き込んだに違いない。
そうなるとまどかやさやかもボクの敵になっていると見た方が良い。
合流は……少なくとも都庁を無力化するまではしない方が良さそうだ)

自分の正体を知っているほむらが都庁に吹き込んだ(洗脳されて吐かされた?)と推理したキュゥべえ。
結論的にはこのまま都庁に合流はするには危険と判断した。
ひょっとしたらちゃんと話し合えば苗木と霧切は助けてもらえるかもしれないが、自分だけは処刑される危険がある。
それでは意味がないのだ。

(都庁は敵……どんな思惑を持っていようとも母星にエネルギーを持ち帰らなきゃいけない任務を持ったボクの妨げになる障害。
なんとかイチローチームを説得して抹殺または無力化する必要がある)

キュゥべえの中で襲いかかってきた都庁は敵として認定された。
障害じゃなくなるまではあの手この手で滅ぼすつもりである。

さらにもう一つ、苗木と霧切には黙っていたことがあった。
弱体化したテラカオス・ディーヴァのエントロピーをギムレーが囲っている浦安市からキャッチしたのだ。

(テラカオスはあそこにいる。
エントロピー的には邪竜や周りにいる連中より弱いから捕縛されているのだろう。
沖縄に現れた敵を駆逐するためにも彼女の力がどうしてもいる……イチローチームがそれを知っているかはわからないけど、どうしてもこの目で確認する必要があるな。
仮に殺されそうになっていたら止めないといけない)


「苗木、もう少しスピード出せる? 追っ手を完全に撒くべきだ」
「わかった。これ以上はちょっと辛いがやってみるよ」

一秒でも早く千葉県にたどり着くべく、適当な言い訳をつけてライダーである苗木を急がせるキュゥべえ。
心壊れた魔法少女霧切のぼんやりとした眼に映るには、瓦礫だらけの東京のコンクリートジャングルだ。

246あきよの破壊力が異常:2018/10/16(火) 21:41:59 ID:RjIvn3.s0









苗木たちが過ぎ去った後に、ジャンクとなった新幹線に戻ったのは、たくさんのドラゴンと野球選手に高校生を引き連れた紘太、チルノ、ふなっしーだった。
そんな彼らが仲間や魔物の死体が散らばる血の惨状を見て顔を青くするのは当然だった。

「これは桑原の特攻服にイリヤの喋る杖……アイスシザースまでやられてやがる」
「別働隊が全滅……全滅じゃないか!」

桑原・アイスシザース・イリヤの強さは高津と犬牟田はよく知っている。
そんな彼らが無残に殺されているとなれば悲しみはもちろん驚愕するのも無理はない。

「アタイたちが離れていた僅かな間に一体何が……まさかアイツらは殺し合いに乗っていた……もしくは拳王連合軍か狂信者の手先だったのか?」

なまじ頭が良くなっただけにチルノの中から邪推が浮かぶ。
推測の域を出ないが、苗木たちがこの場にいない事実がその考えを後押しする。
人間である桑原やイリヤもいるのに、殺し合いに乗ってない限り戦闘に繋がる理由がわからないのだ。

「畜生、一体何がどうなってんだよ!!」
「紘太……」

嫌な予感が的中したことに紘太は怒号を挙げた。
いったいどこから間違いを犯したのか紘太にはわからず苛立ちを吐き出すしかなかった。
しかも真実を語れる生者は現場には誰ひとり生き残っていない。
ふなっしーはただ仲間の死と、苗木たちに裏切られたかもしれないという焦りで心を痛めている紘太を慰めることしかできなかった。


このおはなしに悪意を持った参加者は誰一人いません。

みんながそれぞれの正義のために頑張っていました。

でも些細な綻びと不幸な食い違いにより殺し合いは起きてしまいました。

それはこんなおはなし。




【二日目・19:30/東京都 新宿 都庁から少し離れた位置】


【ターバンのおっさん(高津臣吾)@ササキ様に願いを】
【状態】混乱、首輪解除、ドラゴンハートの恩恵による強化(大)
【装備】クロスチェンジャー、ジェットスワロー@鳥人戦隊ジェットマン、ターバン
【道具】支給品一式、ボロボロのグローブ
【思考】
0:桑原たちが殺されただって?!
1:現場を調べた後に紘太たちをつれて都庁に戻る
2:世界のためにも救済の予言は必ず完遂させる
3:DMC狂信者をぶっつぶす
※紘太たちと情報共有をまだしていないので、苗木・霧切・キュゥべえのことを知りません


【ターバンのガキ(犬牟田宝火)@キルラキル】
【状態】混乱、首輪解除、ドラゴンハートの恩恵による強化(大)
【装備】だいぶ古い型のノートパソコン@現実、ターバン
【道具】支給品一式
【思考】
0:ここで一体何が……
1:現場を調べた後に紘太たちをつれて都庁に戻る
2:世界のためにも救済の予言は必ず完遂させる
3:個人的には大災害を引き起こした黒幕を警戒
  まだ生きているんだろうか……
※スタービルドストライクはレイジに返却しました
※紘太たちと情報共有をまだしていないので、苗木・霧切・キュゥべえのことを知りません


【ターバンのないガキ(葛葉紘太)@仮面ライダー鎧武】
【状態】ダメージ(小)、仮面ライダー鎧武・極アームズに変身中、拳王連合軍への怒り、強い悲しみ
【装備】戦極ドライバー、ロックシード(カチドキ&極)
【道具】支給品一式、ロックシード(パイン、イチゴ、スイカ)
【思考】
基本:殺し合いを止める
0:これをやったのは苗木たちなのか……?
1:DMC狂信者達も拳王連合軍も、もう絶対許さねえ!!
2:救済の予言の謎を解く
3:ダースベイダーは絶対に許さねぇ!!
4:なんだったんだ沖縄のあれは……
5:都庁は味方だったのは一安心
※オーバーロードとしての力を行使するには首輪解除が必要です。
※テラカオス・シャドウによって生じた沖縄の天候の変化を見ました
※高津たちと情報共有がまだできていないため、救済の予言の真実と効果を知りません

247あきよの破壊力が異常:2018/10/16(火) 21:42:42 ID:RjIvn3.s0


【ターバンのレディ(チルノ)@東方project】
【状態】ダメージ(中)、疲労(大)、やる気十分、色々成長、苗木たちへの不信感
【装備】ガイアメモリ(アイスエイジ)@仮面ライダーW、アイスソード@ロマンシングサ・ガ、ターバン
【道具】支給品一式
【思考】
基本:『ダースベイダー』を倒す
0:イリヤたちを殺したのは苗木たちなのか?
1:何かいろいろパワーアップしたよ!
2:みんなで予言を解いて世界を救うよ!
3:聖帝は頼りないから最強のあたいが皆を引っ張る
4:大阪の毒花と沖縄の天候変化は明らかにヤバイ!
5:都庁が味方で良かった
※アイスエイジメモリを刺した事によって成長、能力及び知力が向上しました。
※テラカオス・シャドウによって生じた沖縄の天候の変化を見ました
※高津たちと情報共有がまだできていないため、救済の予言の真実と効果を知りません


【ターバンのナシ(ふなっしー)@ゆるキャラ】
【状態】ダメージ(小)、疲労(小)、悲しいなっしー!
【装備】野球のユニフォーム(背番号274)、ターバン
【道具】支給品一式、シャルロッテ@魔法少女まどか☆マギカ、千早@皇国の守護者(フロワロの毒ダメージ・大)、デストワイルダー@仮面ライダー龍騎&ただの手鏡、聖帝軍の旗
【思考】
基本:殺し合いを止めるなっしー!
0:ここも地獄絵図だったなっしー!
1:DMC狂信者達を成敗するなっしー!
2:名探偵ふなっしーが予言の謎を解くなっしー!
3:本当に都庁につけるか不安なっしー!
4:ヒャッハー! 梨汁ブシャー!
5:新しい友達としてシャルロッテと千早、デストワイルダーは守りたいなっしー!
6:都庁で一休みしたいなっしーー!
※千早とデストワイルダーが主催側の意思持ち支給品であることを知りません
※高津たちと情報共有がまだできていないため、救済の予言の真実と効果を知りません



【二日目・19:30/東京都 渋谷区】


【苗木誠@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】
【状態】ダメージ(中)、疲労(大)、拳王連合軍への復讐心(特大)、変身中
【装備】ウィザードライバー@仮面ライダーウィザード、マシンウィンガー@仮面ライダーウィザード、専用の指輪一式、インフィニティーウィザードリング@仮面ライダーウィザード
【道具】支給品一式、通信機、
【思考】基本:対主催→拳王連合軍は皆殺し
0:千葉県に向かい、ギムレーもといイチローチームと交渉する
1:必ず拳王連合軍に相応しい絶望を与える
2:キュゥべえと聖帝軍の皆は信頼している
3:拳王連合軍ほどじゃないがヘルヘイム(都庁)の魔物は許さない
4:都庁を倒して紘太さんたちを救助する
5:とうとう僕がWB組最後の生き残りか……
※放送でラーメンマン、ジョンス、たっくんの死を知りました
※聖帝軍のきらりんロボが立川を焼く映像を見ましたが、先遣隊のこともあり信用していません
※都庁を一方的に敵視しました


【霧切響子@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】
【状態】ロリ切さん、ディーヴァへの恐怖心(特大)、魔法少女化、ソウルジェムの汚れ(40%)、一時的な幼児退行と記憶喪失、度重なる失禁でパンツぐしょぐしょ
【装備】様々な資料
【道具】支給品一式、沢山の光彦関連のスイッチ、ノートパソコン
【思考】基本:テラカオス・ディーヴァにだけは殺されたくない
0:奴に殺されるのはヤダヤダヤダヤダヤダ……
1:苗木くんは守る
2:友達のキュゥべえも守る
3:(幼児退行と記憶喪失により思考能力が大幅低下している)
※魔法少女化したまどかには及ばないものの強力な魔法少女になり、肉体・戦闘力が大幅に強化されました
 戦闘力は最低でも仮面ライダーBLACK RXの三倍です(グンマーの巫女となったまどかと互角)
 また、四条化細胞を持つ敵には特攻能力を得ています
 (シャドウのみ、先にTCを取り払わないと不可) 
※テラカオス・ディーヴァに殺されたくないと願った結果、ディーヴァと力を受け継いだシャドウ限定で侵入できない結界が張られました(広さは近畿地方全体がスッポリ収まる程)
 ただし霧切が死亡・魔女化した場合は結界が消滅し、シャドウが死者スレ掌握などで霧切のエントロピーを上回ったりしても結界は破られます
 テラカオス・ディーヴァの残滓は力の大部分が違いすぎるので侵入自体は問題ありませんが、近づくと何らかの悪影響が出るかもしれません

248あきよの破壊力が異常:2018/10/16(火) 21:43:04 ID:RjIvn3.s0


【キュゥべえ@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】ダメージ(中)、他の個体が全滅
【装備】マッチ(残11本)
【道具】支給品一式、祐一郎の記憶を内包したブラックボックス、
【思考】基本:殺し合いの助長・対立煽り、おまけで魔法少女を増やす
0:身を守るためにイチローチームに協力してもらう
1:対主催の影に隠れて参加者同士の殺し合いを助長する
2:イチローチームには拳王連合軍=悪の認識を持たせる(誤解を解かない)
3:沖縄のエントロピーからディーヴァより危険な存在(シャドウ)を感知
4:千葉県からディーヴァらしき反応を検知、状況を知るためにも千葉県へ向かう
  殺されそうなら生存戦略のために助ける
5:資源的価値がなくなったので鹿目まどかへの執着はなし、障害になるなら排除する
6:都庁が一方的に敵意を持たれていると推測
  崩壊か無力化するまでは都庁には接触しない
7:母星と連絡出来るまでは生き残る
※クロコダインと会う前に苗木の口からデカオを殺した下手人は苗木であると知りました
※殺し合いがテラカオスを生み出すために必要な措置だと気づきました
※沖縄から感知できるエントロピーから「TC」を放つテラカオス・シャドウの存在を感知しました
※先遣隊に拳王連合軍に関する嘘を交えた情報を流しました

249あきよの破壊力が異常:2018/10/16(火) 21:43:50 ID:RjIvn3.s0
投下終了です

タイトルは『僅か綻び 大事故の元』でお願いします

250あきよの破壊力が異常:2018/10/16(火) 22:32:09 ID:RjIvn3.s0
ごめんなさい誤字ってた
正しいタイトルは『僅かな綻び 大事故の元』

251奇妙な冒険は続く ◆LYp5adl2nU:2018/11/02(金) 22:09:17 ID:.1T/Mroc0
横浜港にたどり着いたハクメンを待ち構えていたのは最後に会った時より数を大幅に減らし、通夜のような深い悲しみのムードに包まれた拳王連合軍たちであった。

「ハクメン、アンタどこへ遊びに出かけてたんだ!?」
「おまえがいない間……タクアンたち仲間が大勢死んだんだぞ」

責めるような目でMEIKOや平等院に睨みつけられる。
彼らの目線だと大阪や横浜港までの戦いに参加せずに凶狩りに出かけた身勝手さが、タクアンたちを殺した要因の一つにも見えた。

「……悪いが私はどうしても凶を狩らねばならぬのだ。
悪と凶は世界を滅びに導くがゆえに」
「それで悪魔将軍がやられちゃ世話ないね」

更に同盟を組んでいた悪魔将軍の死もまた、拳王連合軍に暗い影を起こしていた。
シグナムの話を信じられなかった彼は単身で死者スレへと向かうが、おそらく死者スレを支配する黒幕(彼らはまだ殺し合いの黒幕が死者スレの支配者と思っている)に挑んで敗死したのであろう。
せめてハクメンがついていれば勝てたか負けても生き延びることはできた可能性はあるのだから、ハクメンに悪魔将軍死亡の責任がないとは言い切れない。

「待て、MEIちゃん、平等院。ハクメンも手傷を負っている。
遊んできたわけではあるまい」
「拳王……」

怒れる味方たちを抑えたのは連合軍の長であるラオウその人であった。
彼を見た時、ハクメンは驚きの表情を浮かべた(仮面で表情見えないが)。

(この男……いつの間にこれだけの力を手に入れた?!
私や悪魔将軍に次ぐ力を持っているぞ)

最初に出会った頃もラオウは理不尽級の力は持っていた。
だが、unlimitedモードを解除したハクメンのような超理不尽級にはとても及ばないものであったのに、それが今や自分と肩を並べるくらいの強さを持っていると感じる。
目に見えないオーラのようなものでハクメンはラオウの実力を把握したのだ。
他のメンバーもまたラオウほどではないが、3人くらい束になればハクメンと拮抗できるほどの理不尽級の力を持っている。

その理由はダイジョーブ博士が持ってきたマシンによるものだが、それを使うのも相応の覚悟とポテンシャルの高さが必要であり、決してマシンだけあったから強くなれたわけではない。


(これならば凶を頑なに守る女装男やヘルヘイム、千葉に居座る邪竜や食人鬼……沖縄の凶以外なら滅することができるかもしれん……が)

実力は確かではあるが、彼らには本来あった活気が見当たらなかった。
ラオウは表情こそポーカーフェイスであったが、心なしかMEIKOや平等院以上に元気がないように見える。
理由は彼の背後にある三つの簡素な墓。
ひとつの墓(熱斗の血のついたバンダナが引っ掛けてある)の前には翔鶴がPETを手に持ちながら、地面に膝をついて暗い表情で墓標を見つめている。
もちろん、PETの中にいるロックマンも同様だ。

誰彼が死んだかは放送で確認できるのでまだしも、事件の当事者ではないハクメンはここで何があったかわからない。
しかし拳王連合軍の沈み様からして、相当に悲しい事件があったのは確かだ。
ラオウ、MEIKO、平等院、翔鶴、ロックマン、ディオとデューオから悲しみ。
ムネリンからは落胆。
クロえもんからは憤怒。
知らんうちに増えてたジャージの女からは困惑が見える。
それらの感情は彼らの実力にマイナス作用を及ぼすだろう。
少なくとも野球どころではあるまい。

(これだけの力があれば全ての悪を滅ぼせるかもしれんのに……どうすれば)

この世界でも上位の戦闘力を持つハクメンとてバラバラになっていく人々のの心を一つにまとめるスキルはない。
だがこのまま時間により解決に任せている余裕はなく、その前に凶によって世界は支配される。
どうにしなければならないのにどうしようもない空気にハクメンまで飲まれそうになる。



そんな空気をぶち壊したのはどこからか現れた少女の嬌声であった。

252奇妙な冒険は続く ◆LYp5adl2nU:2018/11/02(金) 22:10:34 ID:.1T/Mroc0
重い空気をぶち壊したのはどこからか現れた少女の嬌声であった。

「翔鶴姉ぇ〜〜〜!!」
「え? あなた誰 おぶッ!」

唐突に、本当に唐突に、黒髪ロングの侍甲冑姿の少女が悲しんでいた翔鶴にタックルをする。
少女にガッチリと掴まれつつ地面に倒される翔鶴。

「て、敵!?」
『翔鶴さん、僕を使って!』

敵ならば討つべしとPET及びロックマンの力を使って反撃に出ようとした翔鶴だが、嬉し涙を流す少女の顔を見て毒気を抜かれてしまう。

「撃たないで私は味方よ……それにしてもやっと会えた、会えてよかったよ翔鶴姉……」
「あ、あなたは一体……」
『ま、待ってくれ、パ……博士は僕の妹として翔鶴さんを作ったけど、君は作られていないハズ……』
「はっ? 翔鶴姉がアンタの妹!?」

ロックマンの妹発言に黒髪の少女から物恐ろしい視線を向けたが困惑状態の翔鶴とロックマン、そして周囲にはよく見えなかった。
続いて彼女の持っていたモンスターボールの中からサボテンじみた見た目の悪魔が現れ、翔鶴に抱きついていた少女を腕(口?)を器用に使って引き離す。

「ちょっと、メーガナーダ!」
「何奴?!」
「待って! こんな形だけどこの子は私のペットよ。だから敵じゃないわ」
「インドラ」

メーガナーダは飼い主である少女を下ろした後に、四本ある腕を全部上げて交戦意思はないポーズを取る。

「……確かに見た目は禍々しいが、凶は感じないな」
「いやいやいや、論点はそこじゃねーだろ。
こいつらは俺たちの敵か味方か、何者かが一番大事じゃねーか!」

まだ少女とメーガナーダを信じられないクロえもんはハクメンにツッコミを入れつつ、バットを構える。
当然であろう。口々で自分は味方だと言われてもすんなり納得できるわけがない。
ちなみにハクメンが少女と悪魔から凶を感じ取れないのは、二人はテラカオス因子に汚染されているわけではなく行動に関しても「悪意」で動いているわけではないからである。
「忠義」「愛」「本能」で動いているだけの者にはハクメンセンサーが作動しないのだ。

「あー、色々つもりつもった話があるみたいですが、情報共有と整理も兼ねて話し合いませんか?」

混乱する場を宥めたのは若干、蚊帳の外にいたヒロインXであった。

253奇妙な冒険は続く ◆LYp5adl2nU:2018/11/02(金) 22:13:06 ID:.1T/Mroc0





「さっきはいきなりごめんなさい。
私は艦むすの瑞鶴、こっちの丸いのはメーガナーダ。よろしくね」
「インドラ〜♪」

まずは来訪者である黒髪少女・瑞鶴とメーガナーダが自己紹介を行った。

「艦むすって提督が作った子以外にもいたのですか……」
「ええ、翔鶴姉が祐一郎博士が作った艦むすであるなら、私の提督さんであるサーフ博士が作り上げた艦むすよ」

当然であるがサーフが拳王連合軍さえも窮地に追い込んでいるカオスロワちゃんねるの管理人であることは秘密だ。
蒼の源泉の暴走を引き起こし、主催に殺し合いを開かせ、参加者に予言を完遂させて究極体のテラカオスを横取りする計画ももちろん喋る気はない。
瑞鶴とメーガナーダは拳王連合軍に取り入り予言に必要な野球をするために、とにもかくにも味方であるかのように振舞った。

『サーフ博士と言えば、さっき亡くなったらしいダイジョーブ博士も言っていた祐一郎博士の友人じゃないか』
「そうよ、祐一郎博士とダイジョーブ博士は残念だったわ……」

表面上は悲しそうな顔を浮かべるが、本心では計画の邪魔になる二人が消えて良かったとさえ思っている瑞鶴。
特に祐一郎はサーフにとって不倶戴天の敵であったので、小躍りしたいくらいだ。
本当なら祐一郎の傑作であるロックマンも消したいところだが、現状では貴重な戦力兼自分を信用させるための要員なので我慢する。

「今、そのお方はどちらに?」
「提督さんは狂信者のフリをしてビッグサイトに潜伏しているわ」
『ビッグサイトって言ったらDMC狂信者の巣窟じゃないか。危なくないか?』
「なんとか今のところはバレてないわ。
数だけはどこの集団よりも多いから対主催に余計な被害が出ないように、情報を秘密裏に奪ったり、対主催が攻め込んだ時のための準備として工作を行っているのよ」
「わかったわ。提督のご友人であれば、一秒でも早く助けに行きたいところね」
『あの頭のおかしい狂信者に囲まれていると思うと気が気でいられないだろうしね』
「ありがとう、翔鶴姉、ロックマン。
でも助けに行くとかまだ考えないで、余計なことをすると潜伏の苦労が水の泡になるから。
攻め込んでいいタイミングになれば向こうから何らかの合図をするって提督さんが言ってたし」

いわゆるステルス対主催としてサーフは誰とも知られずに働いていることを教える。
実際は180度逆で参加者を助けるどころか苦しめているのだが……
信憑性を持たせると同時に早く野球をさせるためにビッグサイトへ攻め込むのは後回しにするように説得する。

「それから提督さんからのプレゼントもあるわ」
『これは熱斗くんと僕が探し求めていたプリズムとフォレストボムのチップ!』
「瑞鶴、この不思議な形状のアイテムは何?」
「これは宝玉輪っていう使いきりの集団完全回復アイテム、こっちは誰にも邪魔されずに野球の試合ができる提督お手製のマシンよ」

リオレウスに熱斗ごと焼かれたことで一度は失ったバトルチップがプリズムとフォレストボムのオマケつきで戻ってきた。
さらに貴重な回復アイテムや試合時に異界に転送することで何者にも邪魔されずに野球ができる機械は拳王軍にとって嬉しいものであった。
貢物としては十二分の価値があったと言える。
惜しむらくはもっと早く瑞鶴が横浜港に辿りついていれば、三人は死ななかったと思えるが贅沢も言っていられない。

こうしてサーフからの贈り物として一行に受け入れた瑞鶴とメーガナーダ。
次にハクメンと(この面子の中で話を纏められる)デューオは大阪で別れてから何があったのか語る。



ホワイトベース組を斬るのを嫌がったハクメンは風鳴翼討伐と関東に集中している凶を斬るために単身東へ。
風鳴翼は見つからず、途中で見かけたクライシス皇帝という凶を見つけたか手傷を負わせただけで取り逃がす。
幸い、風鳴翼の凶の気は大きく弱体化し千葉方面へ、クライシス皇帝も何者かによって討たれたようだ。
しかし東京にて凶を匿う都庁のヘルヘイムの女装男と遭遇。
かなりの実力者であり、勝つことができずに逃げ帰るしかできなかった。
その実力者の背後にもより強い猛者や怪物たちの存在を感じ取った。
他にも風鳴翼が逃げた方面には彼女以外にも邪竜や同格の実力者の気配を感じており、ハクメンとて単身の攻略は困難だ。
さらには沖縄には自分だけでは確実に勝てない強烈な凶の存在を検知し、拳王連合軍との再合流に踏み切ったのだ。

途中で見た白濁まみれの死体? ハクメンの脳内では既になかったことになってるよ。

254奇妙な冒険は続く ◆LYp5adl2nU:2018/11/02(金) 22:13:56 ID:.1T/Mroc0


ラオウたちは多大な犠牲を払いながらもホワイトベース組が勘違いで仕掛けただけの対主催だと知り、なんとか退けさせることに成功する。
戦いの結果、空母・死国は轟沈したため仕方なく高速艇で関東に向かう。
シグナムが黒幕を殺してきたという妄言を吐いていたが、とても信じられないので悪魔将軍が一人で調べに行ったが、やはり彼が殺されたことから黒幕は生きていたらしい。
高速艇の方は狂信者の一団を撃破したりしたが、その後に今は亡きダイジョーブ博士の協力を得て強化マシンを手に入れた。
しかしマシンで強化しきるには時間がかかり、その手打ちになっている隙に飛竜とハゲ頭のサイヤ人や赤いロボットの襲撃を受けて熱斗・ダイアー・タクアンなどの惜しい人物を失う羽目になった。


ちなみに彼らは世に出回っている救済の予言のことなどアウトオブガンチューだ。
仮に見聞きしていたとしても与太話と思い込み、信用などしない
野球をやっているのは世界を救うためではなく、やりたいからやっているだけである。
そんなことよりも黒幕をしばいてカオスロワを終わらせる方が優先だったからだ。
予言の真実を知る瑞鶴もあえて何も知らないこの集団をコントロールしやすくするために教えなかった。




『……見事に敵まみれだな、強化マシンがなかったら俺たちは今の時点で詰んでる』
「ああ……東京は激戦区とは言われていたが、我々の想像以上に厳しいことになっている」

東京には世界に滅びをもたらすヘルヘイムの森(都庁の世界樹への一般認識)。
そしてスカイツリー近辺で破壊と虐殺を行った聖帝軍。
東京湾には狂信者の巣窟であるビッグサイト。
千葉県には食人鬼と自分たちへの宣戦布告を行った邪竜。
関東の上空には主催の九州ロボ。
最終的に戦うだろう富士山脈の死者スレ及び黒幕は以前健在で、沖縄にはおそらく黒幕の手によるものであろう凶の塊がいる。
おまけに拳王連合軍自体がマーダー集団と勘違いされ、数少ない対主催とされるイチローチームや小野塚小町が味方につくとは考え難く、サーフぐらいしか明確な味方が残っていない。

この難局を乗り切るにはどうしたらいいのか、拳王連合軍は真剣に考える必要があった。


「――ハクメンよ、黒幕とやらと沖縄に居座る者を討つには我々15人だけでは不足なのだな?」

話を切り出しのはラオウであった。

「あまり言いたくないが……無理だ」
「では、東京に残っている戦力を全て集めたらどうだ?」
「ラオウ、話を聞いていなかったのか?
信用されていない俺たちには誰も味方してくれないんだ。
ホワイトベースは全滅したようだし、手伝ってくれはしないだろう」

平等院が呆れたように返すが、実際そうである。
カオスロワちゃんねるを媒介に悪い噂が広がりすぎた以上、今から味方集めをしても従ってくれる人間などいない。
じゃあ真実を口頭やネットで説明するか?
それらは残念ながら現実的ではない。
口での説明は効率が悪く、その前にホワイトベースのように襲撃される可能性が濃厚。
ネットで書き込んだところで叩かれてなかったことにされるだけだ。

悪いレッテルの払拭は今更不可能、味方集めもできない。
それをラオウは理解していないじゃないかとその場の全員が思った。

ラオウと波長が合うMEIKOただひとりを除いて。


「違うよ。ラオウが言いたいのはそんな単純なことじゃない」
『MEIKOおばさん、どういうこと?』
「……もっと馬鹿で単純なことさ。
ラオウは受けた誤解を解こうとする気なんてサラサラない。
むしろ敵対する奴らを力でねじ伏せ屈服させて、無理矢理にでも力を貸させる。

それができるだけの力を誇示するために――ラオウは拳王軍による東京平定をしようとしているのさ」

「そんなまさか……」
「ハクメン、アイツの目を見てみればわかるよ」
「ハッ!」

ハクメンや他のメンバーがラオウの表情を見ると、そこにさっきまでのメソメソ悲しんでいる様子は微塵もなく、決意に満ちた瞳があった。

「今、MEIちゃんが代弁した通りだ。
俺たちでも勝てない敵ならば、東京に集まる強敵(とも)たちを集め、この殺し合いを開いた沖縄のマガトや死者スレの黒幕を討つために我々の力を示し東京を平定する!」
「覇王にでもなるつもりか?」
「安心しろハクメン、殺し合いに乗る痴れ者、ヘルヘイムやムギちゃんを殺したハゲ以外は殺しはせん。
ただ理解(わか)ってもらうために拳を交え、野球をすることはあるだろうがな。
真に分かり合えるものならば野球一つあれば十分だ」

ラオウの真意はカオスロワを終わらせるために殴って引きずってでも強敵を味方につけること。
もはや評判が底に落ちたならば、力で従わせる覇王&野球脳である。
やり方はシンプルであるが、拳王連合軍にはこの道しか残されていないように見えた。

255奇妙な冒険は続く ◆LYp5adl2nU:2018/11/02(金) 22:14:38 ID:.1T/Mroc0

(邪念は感じない……言い方は物騒だが、この漢なりに世界のために戦うつもりのようだ)

ハクメンは再度、ラオウのオーラを見たが悪しき心は感じなかった。
あるのは彼なりの正義の心である。

「よかろう、我々や関東の戦力――もちろんマガトやヘルヘイム以外だが、集めれば可能性は見えてくるかもしれん。私も手を貸そう」

ハクメンはラオウの心意気を理解し、彼や拳王連合軍についていくことを決めた。
他のメンバーの大半もまた、ラオウに賛同した。

「流石はアタシの未来の旦那だよ。そうこなくっちゃ」
「やり方は多少手荒になるが、主催を滅してカオスロワを終わらせるためだ。是非もない」
「悪と罵られようが知らん、このディオとデューオの力でダイアーさんのような犠牲を出すものか」
『今回ばかりは気が合うなディオ、俺もそのつもりさ』
「俺たちはなんと言われようが正義だ。殺し合いを止めようとしている俺たちが間違ってるハズがねえ」
「ここまできたらやるしかありませんね!」
「博士と熱斗くんの無念を晴らすためにも……」
「戦いますよ、世界を守るために強くなったですもん」
(翔鶴姉、騙すようでゴメン)
「インドラ」




「ごめんなさい気乗りしないです……」
「俺もパス、というかチーム抜けるわ」



「「「…………」」」



「「「ハァッ!?」」」
「インドラ?」


今まさに、全員の心がひとつになろうとした瞬間。
鬱モード真っ盛りの宗則と、荷物を畳んで横浜港から出ていかんとするプニキが場の空気を台無しにした。

「何言ってるんですか二人共〜! KYとよく云われる私ですら空気を読んだのに!」

ヒロインXがムネリンとプニキの襟を掴んで怒声を浴びせるが、二人は物怖じする様子はなかった。

「だって僕のレーザービームがどこともしれないハゲにキャッチされたんですよ?
好きでもない男に抱かれた気分だ……こんな僕にイチローさんと野球やる資格なんてない、というか死にたい」
「俺は最初から契約選手だ。それが契約主は死亡し蜂蜜はゴミになっちまった……
最低でも最高級蜂蜜がないなら俺は野球しない。そもそも戦闘云々なんて契約にはなかった。
百エーカーの森に帰らせてもらうぞ」

ムネリンは先にナッパによって自慢のレーザーを取られたことでプライドを傷つけられて傷心、プニキはあくまでビジネスライクで拳王連合軍についていただけ。
二人の野球選手はもう拳王連合軍についていく気がなかったのだ。

「クッ、野球に関して最も優秀な二人を失うのは流石にこの拳王も予期していなかった……」
「この軟弱者&薄情者が! このMEIKOおばさんが直々に修正してや」

「『ブッタファック! 仲違いはよせ!』」

今にも乱闘が起こりそうだった拳王連合軍に上条とシャドーマンもといイマジンスレイヤーが戻ってきた。
上条は戻ってき次第、すぐに分離し殴りかかろうとしたMEIKOを抑える。

「ジョジョ、おまえはどこに行ってたんだ」
『そういえばさっきからいなかったな』
『私とお館様は横浜港の外に出て偵察をしていたのだ。
竜やハゲ頭の男の味方が近辺に潜んでいる可能性もあったからな』
「で、調べてわかったことがある」

上条は何枚かの写真を見せる。
写真には港に現れたナッパやリオレウス、千葉県の邪竜。
他にも第六回放送までのイチローチーム・ドラゴンズのメンバーが死亡者込みで入っていた。

256奇妙な冒険は続く ◆LYp5adl2nU:2018/11/02(金) 22:15:41 ID:.1T/Mroc0

『熱斗くんを死なす原因を作ったハゲ頭とドラゴン……!』
「ジョジョさん、これは?」
「ハゲの奴……ナッパに関しちゃロックマンの方が詳しいだろう。
こいつは殺し合いの最初の方で街を攻撃しようとしたところ、熱斗たちが止めたんだよな?」
『ああ、ネットバトルで人を殺すわけにはいかないと殺さなかったけど』
「今、そいつがイチローチームにいる」
『なんだって!?』

ロックマンに翔鶴、そしてラオウたちも殺し合いに乗っていた危険人物が安全な対主催と思われたイチローチームにいることに驚きを隠せなかった。

『情報によるとあるチームとの戦いでイチローチームに負けて屈服、改心して仲間になったとあるがどうもキナ臭い。
善良な集団であれば我々を襲うならまだしも民間人を巻き込む毒ガスなんて撒くハズがないのだから』
「確かに、百歩譲って襲撃がアタシたちを危険集団と勘違いしたせいだとしても、毒ガス散布なんて屑行為はしないだろ普通」
「ま、待ってください。イチローさんがそんな非情な手段を取るなんてありえない!」

チームのリーダーであるイチローと言えば小野塚小町に並ぶ対主催の要であり、殺し合いが始まる前から生粋のスポーツマンにして人格者なのは周知されている。
増してイチローの大ファンであるムネリンは、拳王連合軍の中で最もイチローに近づき、彼の人柄を理解している。
故に毒ガスを民間人の被害無視でバラまくなんて考えられなかった。

「ああ、確かにイチローチームだけなら、何かの手違いでああなったとも思った」
『そこで私とお館様はイチローチームと同盟を組んだ野球チーム……ドラゴンズの方を調べた。
そうしたらトンでもない連中だとわかった』
「――メンバーの大半が極めて危険な存在だったんだよ」
「なんだって?!」

上条は写真を一枚一枚、仲間たちに見せるように指を指していく。


「こいつは邪竜ギムレー、アソコ(千葉)に見えるアイツのことだよ。
こいつは一部地方で伝説になっているくらいの邪悪な破滅の龍だ」
「確かに……あの竜からはここからでもわかるくらい邪悪なオーラを感じますね……」
『こいつがおそらくドラゴンズのリーダーで全てを操っている』

「次に熱斗を殺したリオレウス。
グンマーに出没しては人を襲ってたらしい危険な竜だ」
『何人もの狩人が討伐に出かけたが返り討ちに遭うこともしばしば……流石に邪竜ほどの危険はないようだが、港にガスを撒こうとする残忍さは頷ける』

「口を開けば幼女を犯したいと口を開くオシリス」
『他とは違う危険性だが、なまじ力を持っているだけに年端も行かぬ幼女を大量に拉致して犯すことも不可能ではあるまい』

「もう死んじまっているがイドゥンやフォーマルハウトも人類を滅ぼそうとしているかなり危険な存在だったらしい」
『特にファーマルハウトは真竜と呼ばれ、都庁に真竜も確認されている』
『ということは……?』
『つまりはだロックマン。
ドラゴンズは都庁と繋がりを持っている可能性が濃厚ということだ』
「なんだと!」

思わず声を荒げる一同。
自分たちはヘルヘイムに攻め入ろうとしていたが、もし本当にヘルヘイムとドラゴンが真竜を通して繋がっていたとしたら自分たちは先制攻撃を喰らったことになるからだ。

「ディオ、さっきの邪竜の台詞もよく思い出してくれ、そういえばアイツらだけ呼ばれてなかったな、と言いたくなるから」
「さっきの宣戦布告……そういえばアイツらだけ呼ばれてなかったな……ハッ!」

上条に言われて何かに気づいたディオ。
それがまだ何を意味するかわかっていない者にシャドーマンが解説する。

『そうだ。
邪竜ギムレーは俺たちや狂信者・主催には宣戦布告をしていたが、都庁ヘルヘイムと聖帝軍には言っていない。
これはドラゴンズとヘルヘイムが手を組んでいる証左ではないか?』

ドラゴンズやヘルヘイムは裏で繋がっているかもしれない、その仮説に一同は驚愕する。

「じゃあイチローさんは……」
「いくら強くても邪竜というぐらいだから捕まって洗脳されたのかもしれない。
俺のいた学園都市にはそれくらいの術者・技術者・超能力者なんてゴマンといた」
『洗脳されずとも味方を人質に取られて無理やり従わせられている可能性は十分にある』
「そうですよね……僕の大好きなイチローさんだったら今頃危険なヘルヘイムやビッグサイトをレーザーでズガンと倒しに行ってでもおかしくないはずだ。
でも彼はまるっきり攻撃する素振りを見せない……そういうことかおのれドラゴンズ!!
奴らの手からイチローさんを殺してでも取り戻さなければ!!」

先程まで負のオーラで無気力になっていたムネリンは、ヤンデレパワーという別の負のオーラで気合が充填されていった。
今の彼は愛するイチローのためにチームを抜ける気など欠片ほどもない。

257奇妙な冒険は続く ◆LYp5adl2nU:2018/11/02(金) 22:16:10 ID:.1T/Mroc0

『ギムレー……ナッパ!』
「あなたたちがいなければ熱斗さんたちが死ぬこともなかった、絶対に許さない」
「翔鶴姉……」

瑞鶴がたじろぐほどの怒りのオーラを出しているのはムネリンだけではない。
兄弟や仲間を殺されたロックマンと翔鶴も同じかそれ以上であった。
ロックマンの中に唯一の負の心、憎悪と復讐心が燃え上がる。
翔鶴も会敵した時は必ず矢を撃ち込むことを決意した。


「どうするだ? 今からカオスロワちゃんねるにでも流してドラゴンズの危険を教えておくか?
奴らに味方する奴は減ると思うんだが」
「おまえの知能はタヌキレベルかクロえもん?
俺たちが危険人物のレッテルを貼られている以上は、俺たちから発信しても無駄無駄無駄なんだよ」
『せめてダイジョーブ博士が生きていればなあ……
なあ瑞鶴、サーフ博士に頼んで発信してもらうとかできないか?」
「こっちから連絡したら提督さんが狂信者じゃないとバレて危ないでしょ!
そもそも提督さんも表向きは狂信者だし、発信したところで誰も信用しないわよ」
『それもそーかー』

イチローチームとドラゴンズはネットではもてはやされている。
邪竜として真の姿を取り戻したギムレーこそ「アレはなんだ?」と多くのモブ参加者から恐れられているが、イチローチームとドラゴンズ(もといイチリュウチーム)自体の評判は落ちていない。
拳王連合軍視点だと、邪悪な者がついていながら信頼されている逆の立場の存在である。

「ならばこの拳王軍直々に処断するしかあるまい。
誤解など勝手にさせておけ、我々は自分たちだけで道を切り開く」
「そうだねダーリン」
「ああ、誤解は邪悪を滅ぼした後にでも解けば良い」

ラオウはドラゴンズが危険とわかっていても止まる気はない。
例え自分たちが信頼されなくとも正義は後からついてくると信じて、数多の妨害覚悟の上で敵という敵を討ち果たさんとする。
次に平等院が今後の予定に関して提案する。

「ならば攻め込む順番はヘルヘイム→イチローチーム・ドラゴンズ→ビッグサイト→最後に九州ロボ・死者スレまたは沖縄のアレ討伐だな」
『え? 千葉のドラゴンズから攻めないの?』
「血気にはやるなロックマン……高速艇も煉獄も沈んだ以上、翔鶴と瑞鶴ぐらいしか海を渡れないだろう。
ここから最短距離を通ろうとするば狂信者のビッグサイトが邪魔になるしな」

まず主催陣営戦力(沖縄の敵も主催戦力だと前提して)を相手にするのは必然的に最後、攻めやすくする準備がサーフの手で行われているとするならばビッグサイトも後回しにする必要があり、必然的に最初に攻略するのはヘルヘイムかイチリュウチームである。
距離や障害物を考えたら東京新宿都庁にあるヘルヘイムから攻め込むのがちょうどいいだろう。

「だけど、ヘルヘイムには聖帝軍もいるしなあ」
『片方だけならともかく、真正面から一辺に相手にするには危険だ。
勝てても損耗を考えると狂信者やギムレーに倒される可能性も出てくる』

とはいえヘルヘイムには本来の戦力に加えて聖帝軍も居座っている。
数の利は向こうに有り、後のことを考えると一度に全員相手にするのは得策ではない。
ではどうすれば解消できるのか?

258奇妙な冒険は続く ◆LYp5adl2nU:2018/11/02(金) 22:17:02 ID:.1T/Mroc0



「……! 良い事を思いつきました」

何やら妙案が思い浮かんだ翔鶴に全員の視線が殺到する。

「挑戦状を送りつけて聖帝軍だけでもおびき寄せるんです!」
「翔鶴姉、どうやって?」
「挑戦状に聖帝軍が指定の場所と時間にこなかったら、東京の全てを破壊する……と書いて送りつけるんです」
『ちょっと待って翔鶴さん! 流石にそれは悪行じゃないか?!』
「もちろん、東京には罪のない人もいますからブラフですよ。
ただしレーザービームを投げられるムネリンさんもいるから、向こうは信じると思います」

東京で大虐殺を働く気はないが、拳王連合軍が実際にいくつものマップ破壊を帯びているので敵は信じるであろう。
ヘルヘイムサイドとて侵略の基盤である東京は失いたくないだろうと瑞鶴には予測できるのだ。

「そうすれば現れた聖帝軍を試合するなり直接戦闘するなりで撃破できます。
ヘルヘイムも狂信者と戦争状態なので防衛のために送れる戦力が限られます。
そして聖帝軍撃破後に、数が大幅に減ったヘルヘイムを攻略するのです」
「流石は翔鶴姉! うまくいけばヘルヘイムの総戦力を2分割できるわね」
「もっとも相手が挑戦状のブラフに乗ること前提だけど」
「いや、何もしないよりはマシだ。うぬの意見を採用しよう」

翔鶴の意見は採用され、本格的にヘルヘイム討伐の第一ステップとして聖帝軍の殲滅が目標とされた。
さっそく言いだしっぺの翔鶴がその辺から拾ってきた紙に挑戦状の内容をスラスラと書き込んでいく。

「……集合場所はどこにしましょうか?」
『あ、そっちは考えてなかったの?
適当な場所だと関係ない人が巻き添えになるし、この港はダメ……となるとどこが良いんだろう?』
「いや、暴れるにはうってつけの場所があるぞ、ここはどうだ?」

ラオウが地図を指さした場所は、ある程度暴れても被害が出なさそうな場所であり、それなりに開けている場所で臨機応変な対応ができる戦場。

「――横浜スタジアムか」



鶴ならぬ拳王の一声により、聖帝軍との決闘場に選ばれた横浜スタジアム。
そこに21時までに聖帝軍だけで来ないと東京を破壊するメッセージを書かれた挑戦状と、早く来れるようにクロえもんの電車ごっこロープを野球ボールに封入し、それをMEIKOは都庁めがけて消える魔球にして投げた。
消える魔球にしたのはレーザー攻撃による迎撃を防ぐためだ。
着弾すればクレーターはできるだろうが、野球ボールとその中身は健在。
クレーターに気づいたヘルヘイム勢力がそれを読み、聖帝軍を送り込んでくるのが理想であった。

259奇妙な冒険は続く ◆LYp5adl2nU:2018/11/02(金) 22:17:52 ID:.1T/Mroc0


「おーい、そろそろ俺たちも横浜スタジアムに向かおうぜ。約束の時間に間に合わなくなるぞ」

それを言ったのは先程までチームをやめたがっていたハズのプニキであった。

「やめたがっていたのに、何で今はノリノリなんだ?」

クロえもんが疑問を口にしたが、その答えは上条が答える。

「ああ、あれね。
街中でひっそりと情報収集している時に最高級蜂蜜を売ってるお店があって、お土産替わりに一ダース買ってきたんだ。
試合に勝つたびに4つずつ渡すということで再契約したのさ。
お金はラオウから渡されたタクアンさんの一兆円で、それで支払ってきた」
「……現金な熊だな。
というか蜂蜜ごときに一兆円でいくら食糧難だからっておかしいだろ……」

なんやかんやチームに戻ってきたプニキと呆れかえるクロえもんを尻目に、他のメンバーは三つの墓で祈りを捧げる。


「ダイアーさん、俺はディーオや拳王連合軍の連中と同じく戦い抜く。
アンタが言う吸血鬼にはならないから安心して眠ってくれ……」

ディオは最良の友であったダイアーに誓う。
彼の心は未だに悪の心はあるかもしれないが、吐き気を催す邪悪な精神では決してない、別の意識が生まれていた。
それを生み出すきっかけになったのは他でもダイアーだったのだ。
必要とあらば盗みや殺しはするにしろ、友人だけは例え死んでいても裏切らないだろう。


「必ずカオスロワを終わらせ、新しい時代を作る。天で見ているがいいムギちゃん」

自分に野球という道を示し、力を貸してくれた紬の墓前で拳王は祈る。
神にではなく紬に。
ラオウが仲間が死んで悲しいと思ったことは数あれど、ここまで強い悲しみを覚えたのは紬が初めてだった。
紬のような犠牲を出さないためにラオウは戦い続けるのだろう。


「……」
『熱斗。君を失って半身を失ったような気分だけど、僕は翔鶴と一緒に戦い続けるよ』

ロックマン、翔鶴にとって最愛の兄弟である熱斗の喪失。
機械という隔たりはあってもかけがえのない家族であった。
それはあまりにも重くのしかかったが、だからと言って歩みを止めるのは熱斗への裏切りに他ならない。
兄弟への手向けは殺し合いを一秒でも早く終わらせ、世界を平和にすることにある。
その平和を掴むために討つべき敵もよくわかってきた。
それらを討伐すれば熱斗の望んだネットナビと人類による絆の世界もきっと蘇ると彼らは信じて疑わなかった。

「翔鶴姉、そろそろ……」
「待って瑞鶴……」

黙祷を終え、仲間たちが次々と横浜スタジアムに向かう中、翔鶴は自分の赤い鉢巻を外して熱斗の墓に添え、反対に引っ掛けてあった青いバンダナを被った。

『翔鶴……』
「これで熱斗さんも一緒ですね、彩斗さん」
『……ああ、三兄妹で日本を救いに行こうか、翔鶴、熱斗』

260奇妙な冒険は続く ◆LYp5adl2nU:2018/11/02(金) 22:18:20 ID:.1T/Mroc0


ダイアーは死んだ、紬は死んだ、熱斗は死んだ。
それ以前にシグナムら多くの仲間が死んだ。
それでも彼らの遺志は生者の中で生き続け、どんなに過酷で奇妙な旅でも耐える心の強さとして残り続けるのであった。







――そして生者が抱く死者への感情は、この殺し合いがただの殺戮ゲームではないと気付かない程度に、拳王連合軍の目を曇らせるには十分であった。





(翔鶴姉……祐一郎も熱斗もとうに死んだのにすっかり光家に束縛されている。
祐一郎の遺品であるロックマンのせいで……

でも拳王連合軍に野球をしてもらうためにも選手になれそうな奴を今轟沈させるのは得策じゃない。
ロックマンを轟沈させて翔鶴姉を提督さんの下へ連れて行くのは拳王連合軍が優勝してからでも遅くない。

最良の戦士による儀式完遂まで、あとたったの2試合……それまで耐えるのよ瑞鶴、ついでにメーガナーダも)
(インドララ!)


まさか新たなる仲間が大災害を引き起こした黒幕の手先であると気付かない程度にも、タクアン・悪魔将軍なき拳王連合軍の目は曇っていた。




【二日目・20時00分/神奈川県 横浜港】

【共通】
※後からきたハクメン・瑞鶴・メーガナーダを除いた全員が強化マシンにより超強化されました
 全員の強化が終わると同時に故障したため、放棄されました
※都庁に向けてMEIKOの消える魔球の中に封入された挑戦状+電車ごっこロープ@ドラえもんが送り込まれました
 内容は21時までに聖帝軍だけで横浜スタジアムに来ないと東京を破壊するという内容です
 数分後に都庁に着弾します
 なお、消える魔球にもそれなりの殺傷能力があるので直撃すると一定レベル以下の参加者が死ぬかもしれません
※ナッパなどの一部イチローチームメンバー、ドラゴンズを敵とみなしました
 ヘルヘイム(都庁同盟軍)とドラゴンズが手を組んでいることにも気づきました

261奇妙な冒険は続く ◆LYp5adl2nU:2018/11/02(金) 22:18:49 ID:.1T/Mroc0




【ロックマン(光彩斗)@ロックマンエグゼ】
【状態】超強化、悪の心(軽度)、深い悲しみと憎悪
【装備】ロックバスター、サイトパッチ&試製甲板カタパルトのデータ
【道具】なし
【思考】基本:殺し合いを終わらせる、翔鶴を必ず守る
0:横浜スタジアムで聖帝軍と野球対決する
1:熱斗を殺す原因を作ったナッパとギムレーは絶対にこの手で殺す
2:翔鶴さんは絶対に失いたくない
3:僕に従姉妹(?)ができたぞーーー!
4:まだ顔を合わせていないサーフ博士を信頼
※PETの中にいます
※ダイジョーブ博士の残した装置で強化されました。全ステータスが格段に上昇しています
※ダークチップ使用により悪の心に少し汚染されました


【翔鶴(光翔鶴)@艦これ】
【状態】超強化、深い悲しみと決意
【装備】彩雲、紫電改二、流星改、 零式艦戦62型、熱斗のPET(ロックマン入り)、シンクロチップ、チップ各種(プリズム・フォレストボムは確定)、熱斗のバンダナ
【道具】ダークチップ一式
【思考】基本:殺し合いを終わらせる、彩斗を必ず守る
0:横浜スタジアムで聖帝軍と野球対決する
1:熱斗を殺す原因を作ったナッパとギムレーは絶対にこの手で殺したい
2:私のせいで彩斗さんが……
3:ダークチップは二度と使いたくないが、奪われると危険なので所持はしておく
4:瑞鶴に謎の親近感。私に血の繋がらない妹ができた?
※熱斗とロックマンより、二人の過去についての話を聞き、自身を光翔鶴と名乗るようになりました
※超強化の影響によりステータスが大幅上昇しました


【ラオウ@北斗の拳】
【状態】超強化、首輪解除、今までで最大の悲しみと決意
【装備】炭酸水
【道具】支給品一式、その他不明、ムギのスタメンメモ
【思考】基本:ダース・ベイダ―たちを倒す
0:まずは横浜スタジアムで聖帝軍と野球対決をするぞ!
1:次はヘルヘイム(都庁の世界樹のこと)だぞ!
2:その次はイチローチームとドラゴンズだぞ!
3:それからビッグサイトも攻略するぞ
4:東京を平定したら最後は主催(九州ロボ、死者スレ、沖縄のシャドウ)だぞ!
  それまで待っていろ!
※ダイジョーブ博士の装置でメジャーリーガー級の強さを得ました
※都庁をヘルヘイムであると誤解しています


【平等院鳳凰@新テニスの王子様】
【状態】超強化、首輪解除
【装備】テニスラケット、テニスボール×∞、諭吉一枚
【道具】支給品一式、少年ジャンプとヤンジャン、その他不明
【思考】基本:主催者達を滅ぼす
0:横浜スタジアムで聖帝軍を滅ぼす
1:マーダーも滅ぼす
2:信頼するラオウたちと行動する
3:テニスがしたいが、野球をする
4:超人血盟軍を全滅させたヘルヘイムは必ず滅ぼす
5:ハゲ(ナッパ)も滅ぼす、ドラゴンズやナッパも滅ぼす
※ダイジョーブ博士の装置でメジャーリーガー級の強さを得ました


【MEIKO@VOCALOID】
【状態】超強化、修羅化、首輪解除、強烈な悲しみと殺意
【装備】アルティメットアーマー@ロックマンXシリーズ
【道具】支給品一式、ノートパソコン@現実
【思考】 基本:『真の黒幕』及び主催者共の皆殺し
0:横浜スタジアムで聖帝軍を皆殺し
1:ラオウ達に協力してもらう
2:ヘルヘイムのインベスはとりあえず皆殺し
3:ラオウへの特別な感情
4:ハゲ(ナッパ)を見かけたら嬲り殺す、仲間がいたら皆殺し
※今までとは別人です。
※『無限の回転』を習得しました
※ダイジョーブ博士の装置でメジャーリーガー級の強さを得ました

262奇妙な冒険は続く ◆LYp5adl2nU:2018/11/02(金) 22:19:22 ID:.1T/Mroc0


【上条当麻@とある魔術の禁書目録】
【状態】超強化、首輪解除、本気モード、 悲しみ
【道具】シンクロチップ、他人のデッキ(「ぬばたま」デッキ) 、最高級蜂蜜残り8つ
【思考】基本:あのAA
0:横浜スタジアムで聖帝軍をそげぶ
1:ネットバトラーの一員として主催やマーダーと戦う
2:未だに大阪で見かけたあの怪しい二人組の正体が引っかかるんだが……?
3:プニキと契約中、一試合ごとに4つ蜂蜜を渡す
※ダイジョーブ博士の装置でメジャーリーガー級の強さを得ました


【シャドーマン@ロックマンエグゼ】
【状態】超強化、HP満タン
【装備】ムラマサ
【道具】なし
【思考】基本:新しきお館様(上条)に従う
0:横浜スタジアムで聖帝軍をスレイする
1:敵は殺す、慈悲はない
2:お館様を守る
※ダイジョーブ博士の装置でメジャーリーガー級の強さを得ました


【ディオ・ブランドー@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】疲労(中)、超強化、首輪解除、悲しみ
【装備】PSVITA(デューオ入り)、十徳ナイフ
【道具】支給品一式×3、シンクロチップ、治療道具、その他不明
【思考】基本:ネットバトルとベースボールを極める
0:横浜スタジアムだ!
1:ジョースター家を手に入れる
2:ジョジョより優越感を得る
3:熱斗が死ぬ前にネットバトルを挑みたかった……
※ダイジョーブ博士の装置でメジャーリーガー級の強さを得て、デューオとクロスフュージョン可能になりました
 新技として一分時間を止められるデューオーバーヘブンを習得しましたが、一度の使用によって強烈な疲労を伴います


【デューオ@ロックマンエグゼ4】
【状態】超強化、HP満タン
【装備】ジャスティスワン、ザ・ワールド
【道具】なし
【思考】基本;とりあえず、ディオたちを見守る
0:横浜スタジアムに向かうぞ
1:九州ロボ及び主催者を殺す
2:ダークチップに汚染されたロックマンが気がかり
※ベジータの持っていたパソコンから情報を抜き出し、ヘルヘイムの情報を得ました
※ダイジョーブ博士の装置でメジャーリーガー級の強さとPSVITAの筐体を得ました


【謎のヒロインX@Fate/Grand Order】
【状態】超強化、首輪解除、困惑
【装備】無銘勝利剣
【道具】ドゥ・スタリオンⅡ号(故障中)、スマホ(FGOをやってたせいで電池切れした) 、自転車
【思考】基本:私以外のセイバーを殺すが、その前に対主催しておいて他の対主催者と協力関係を築いておく。
0:横浜スタジアムで聖帝軍と野球ですか
1:宇宙の平和が第一ですね
2:世界が滅ぶのはヘルヘイムのせいだと思うので、平和のためにも打倒します
3:ヘルヘイムの方がセイバー多そうだし
※彼女のクラスはアサシンです。
※謎のヒロインXです。その正体は謎って言ったら謎です。
※世界が滅ぶ原因がヘルヘイムであると思い込んでいます
※ダイジョーブ博士の装置でメジャーリーガー級の強さを得ました


【プニキ@くまのプ○さんのホームランダービー】
【状態】健康、全ステータスMAX、首輪解除
【装備】木の棒
【道具】支給品一式、その他不明、最高級蜂蜜4つ
【思考】基本:ムギさんからハチミツを貰うために主催者たちを野球で潰す契約だったが……
0:横浜スタジアムで野球をする
1:ホームランを打つ
2:バッティング以外はマジでやりたくない
3:申し訳ないが蜂蜜なくなったら契約終了でチーム抜ける
※強化しなくともバッティングの腕はメジャーリーガー級です


【川崎宗則@現実?】
【状態】健康、首輪解除、ドラゴンズへのヤンデレ的怒り
【装備】バット、ボール、グラブ
【道具】支給品一式
【思考】基本:イチローを倒してでも、マリナーズに連れ戻す
0:横浜スタジアムで聖帝軍と試合する
1:イチローさんをNTRするドラゴンズを許さない!!
2:どんなことをしてでも(最悪殺してでも)イチローさんを取り戻す!
3:イチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさん
  イチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさん
  イチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさん………………
※強化しなくとも腕前と戦闘力はメジャーリーガーです

263奇妙な冒険は続く ◆LYp5adl2nU:2018/11/02(金) 22:20:40 ID:.1T/Mroc0


【クロえもん@ドラベース ドラえもん超野球外伝】
【状態】超強化、首輪解除、非常に強い悲しみと黒い殺意
【装備】バット、ボール、グラブ
【道具】支給品一式 電車ごっこロープ
【思考】基本:主催者たちに野球で挑んで勝つ!
0:横浜スタジアムで聖帝軍を撃破する
1:敵は全員倒す、俺たちは正しいはずだ!
2:イチロー選手をドラゴンズの魔の手から助け出したい
3:みんなには隠してるが、仲間を殺したホワイトベース組が全滅したことには超メシウマ状態w
4:てゆーか風評被害に踊らされるクズは死ね、氏ねじゃなくて死ね
※ダイジョーブ博士の装置でメジャーリーガー級の強さを得ました


【ハクメン@BLAZBLUE】
【状態】中ダメージ、unlimitedモード、テルミ限定で現実逃避
【装備】斬魔・鳴神
【道具】支給品一式
【思考】基本:『悪』を全て滅する
0:全ての『凶』への対処のためにも拳王連合軍と手を組む
1:世界の平和のためなら力による東京をやむを得ない
2:主催及び世界に災いをもたらす者を『刈り取る』
3:風鳴翼は滅する
4:東京の『凶』、千葉の『凶』は警戒を続けるが後回し
5:悪魔将軍を殺した窒にいる何者かを警戒
6:テルミ? まだ死んでないさ
※unlimitedモードに入りました
※沖縄の『凶』(シャドウ)の気配を察知しました。能力から他の参加者よりも具体的な位置がわかります
 また、具体的な倒し方を知らないため、日本の生き残った戦力を全て集めれば勝てると思っています
※結界でシャドウが動けないことまでは知りません


【瑞鶴@艦隊これくしょん】
【状態】健康、最終決戦仕様
【装備】彩雲、紫電改二、流星改、 零式艦戦62型、違法改造スマホ、結婚指輪
【道具】モンスターボール(メーガナーダ@アバタールチューナー2入り)、宝玉輪@女神転生シリーズ
    石ころ帽子、妨害電波発生装置、裏世界転送マシン
【思考】
基本:提督さん(サーフ)に従い、彼の理想である艦むすの楽園を築く
0:作戦に従い、横浜スタジアムで聖帝軍と野球をする
1:拳王連合軍にイチリュウチームか聖帝軍へ試合をするように仕向ける
2:拳王連合軍が優勝したらサーフと合流し、翔鶴姉にも連れて行く
3:提督の目的の邪魔をする奴は容赦なく殺す
4:翔鶴姉にあえてホント良かった……
5:翔鶴姉を光の呪縛から解放したいが、ロックマンを殺すのは全ての野球の試合が終わってからにする
※サーフが生みだした艦むすです
※サーフとケッコンカッコカリ済みです
※『器』であるメーガナーダはミヤザキの『巫女』である瑞鶴か翔鶴にしか操れません
※裏世界転送マシンは二チームを野球ができる裏世界へ飛ばし、他参加者の妨害や乱入を防いで野球ができます
 裏世界が崩壊するタイムリミットは最大三時間。使用も二回まで。
 負けたチームは崩壊する裏世界に取り残され、死亡します。(移籍などのケースはどのように扱われるか不明)
※改造により現在の翔鶴と同じくらいの戦闘力を有しています

264 ◆LYp5adl2nU:2018/11/02(金) 22:21:14 ID:.1T/Mroc0
投下終了です

265あきよの破壊力が異常:2018/11/08(木) 20:47:33 ID:0GH9fTow0
投下乙です

イリヤいりやいりやいりやいりやいりやいりやいりやいりやいりやいりやいりやいりやいりやいりやいりやいりやいりやいりやいりやいりやいりやがああああああああ!!!!!!!!

266あきよの破壊力が異常:2018/11/08(木) 20:54:12 ID:0GH9fTow0
(...しかし、きみには失望させられたよ、イリヤ)

本体のエンブリヲがあの部屋へ辿りつき見つけたのは、ルビーを持ったイリヤ。
それを見て、『ああ、そういうことか』と粗方の事情を悟った。
彼女は、嘔吐してしまった。己の吐き気に負けてしまったのだと。

267 ◆nqoEANg5Wg:2018/11/08(木) 21:08:15 ID:0GH9fTow0
投下します

268 ◆nqoEANg5Wg:2018/11/08(木) 21:19:13 ID:0GH9fTow0
「ヒャッヒャッヒャッ!!斬擊攻撃!!」


ザシュ ザシュ


「なん……で……?嫌だ………しにたく………ない…………」

こうして鹿目まどかという少女の人生は呆気なく幕を閉じた

【鹿目まどか@変身する女性・少女ロワ 死亡確認】

【二日目・20時00分/神奈川県のどこか】

【山姥@モンスターストライク】
【状態】健康、運極
【装備】包丁
【道具】支給品一式
【思考】基本:全員SA☆TU☆GA☆Iする
0:この少女の遺体を料理して食べる

269 ◆nqoEANg5Wg:2018/11/08(木) 21:20:56 ID:0GH9fTow0
投下終了です

タイトルは「どう料理しようかな」でお願いします

270ルルーシュのナイトメア:2018/12/17(月) 22:46:18 ID:HFljj9ss0
現在時刻は午後七時を回ったところだろうか。
黒き仮面の男にして現カギ爪団の頭領であるゼロもといルルーシュと、C.C.は上層部に呼び出されていた。
上層部に近づけることは、このビッグサイトに潜伏しているカオスロワちゃんねる管理人(一連の事件の黒幕と見ている)のあぶり出しをしやすくなるので本来は喜ばしいことなのだが、仮面で隠したルルーシュとC.C.の表情には焦りの方が浮かんでいた。

その理由はビッグサイトの外に待機させていた妹たち五人が行方をくらませていたからである。
部屋には誰かが暴れた形成があり、美遊・美柑・唯・美也・クロエそして深雪に何かあったことは想像に苦しくない。
他者にはまず見せない狼狽ぶりをルルーシュは隠すことができなかった。
その直後に上層部からお達しが来たとあれば、タイミングが良すぎて嫌な予感を感じずにはいられなかった。

足はやに上層部のいる一室の扉にたどり着いたルルーシュは恐る恐る、重い扉を開けた。


扉を開けたルルーシュの目に飛び込んだのは、部屋の奥に王の如く座る有翼の男――上層部筆頭のディー。
金髪の冷酷そうな軍人――機動部隊隊長のドリスコル。
竜殺剣を担いだ爆乳脇見せ人修羅おばさん――水面下の同盟であるセルベリア。
ムキムキマッチョのコメディアン――松本。
まるで雪の妖精にような愛らしい妹――深雪。


そして――


「美遊…美柑……ッ!!」

椅子に縛り付けられ、顔や体に無数の痣や切り傷をつけられたルルーシュの妹である美遊・美柑がいた。
元の可愛らしい顔がわからなくなるほどの拷問を受けたようだ。
松本の拳に血が付いているところからして拷問を行ったのはこの男らしい。
なぜ自分の妹たちが痛めつけられているのか……ルルーシュは多少無様ななりでも構わずに声を荒らげて筆頭のディーに訴えかけた。

「これはいったい……何の真似ですか! ディー!!」
「ゼロ……彼女たちから色々と話を伺ったよ」
「なに!?」
「このビッグサイトに裏切り者が入ってくるとはな……!」
「「!!?」」

ディーの言葉にルルーシュだけでなく、後ろにいたC.C.をも震撼させた。
察するに妹たちを拷問して得た情報からクラウザーの蘇生方法を奪ってナナリーを生き返す野望や、対主催や主催と接触しようとした計画がバレたのか。
そうなると自分たちの運命はどうなるか。

「裏切り者には死を」

ディーが冷酷に言い放ってからは早かった。
彼は『裏切り者』に向けて刀を投げつけた。
大神の力による加算もあり、人間離れした速度で投げつけらた刀を肉体面で弱いルルーシュが避けることは叶わない。
そして刀はドスリと刺さった。

「え……?」
「ルル……――」

……ルルーシュの隣にいたC.C.の脳天に。
彼女は不死のギアスの持ち主であったが、未だに外れていない首輪によってそれは制限されており効果を発揮しない。
すなわち頭部破壊イコール即死であった。
命を失ったC.C.の体が糸の切れた人形のように床に倒れた。

「し……C.C.ーーッ!! ディー貴様ァ!!」

妹たちを傷つけられた上に相棒である女の死にルルーシュも我慢ならずにディーに吠える。

271ルルーシュのナイトメア:2018/12/17(月) 22:46:55 ID:HFljj9ss0

「お待ちくださいお兄様!」
「深雪?!」
「これには理由があるのです!」
「ワケ……?」

危うく殴りかかる勢いだったルルーシュを止めたのは拷問を受けていない深雪であった。
妹の言葉により噴火寸前だったルルーシュの怒りも、一時的にでも休火山にまで戻すことはできた。

「ゼロ、いきなりすぎて混乱を招いてすまない……怒っても当然だろう」

ルルーシュの怒りに特に動揺した様子もなく、ディーはまず謝辞をし、そして妹たちを拷問したわけとC.C.を殺した理由を淡々と語った。

「そこのC.C.と美柑・美遊、クロエという雌豚どもは都庁の関係者であることが発覚した。
ないしはクラウザーさんの蘇生を阻み、内部からの破壊工作を狙っていたスパイだったのだ」
「C.C.とクロエたちが!? どこにそんな証拠が?!」
「そこにいる美柑と美遊が自供した。
厳密には都庁の関係者の身内がいるくらいだが、支援をしようとは考えていたらしい。
彼女らの口は硬かったが強烈な自白剤と拷問を加えたら観念して知ってる限りの情報を吐いてくれたよ」
「馬鹿な、ありえない! ならば私も……」
「おっと二人によると君や深雪君は無関係らしいから安心したまえ。
彼女らは君の類まれな指揮と深雪君の魔法の才能を使ってバーターとしてビッグサイトに入るつもりだったらしい。
仲間だと思って信じて裏切られて君には同情するよ」

C.C.とギアスで操っている妹たちが自分を裏切るなど考えられない。
都庁に関しては侵入したらしい聖帝軍の中に妹たちの知り合いが何人かいるぐらいで、味方するためのパイプなどは持っていない。

だが、ルルーシュは幾つかの理由によりそれ以上反論に出ることができなかった。
下手に周囲を刺激すると疑われる危険が増大して今度は自分に死の矛先が向く。
この会議室最弱は間違いなくルルーシュであるし、深雪も強いがディーやセルベリアにまで勝てるかは怪しい。
動けない美柑や美遊は言わずもがな。

ギアスで味方につけようにもドリスコル以外に効くかは微妙。
他の三人は人外の気配がし、仮に耐性があった場合は詰む。
おまけに奪取予定の蘇生手段がなんだかよくわかっていないので、ここで暴れて破壊の末にナナリーの蘇生手段を喪失する可能性があるのだ。

ここは事を荒立てずに仲間に裏切られた悲しき狂信者を演じるしかなかった。

「……先ほどの狼藉はすみません。彼女は味方だと信じていただけに」
「気にしていないさ。あれぐらいは想定の範疇さ。
スパイを油断させるためにも君には教えずにここへ招き入れる必要があった。
先に教えてしまったら近くにいる君が殺されてしまう危険もあったからな。
敵を騙すにはまず味方からというわけだが、君が動揺したり怒っても無理はないだろう」

どこか恩着せがましく聞こえるディーの言葉にルルーシュは反吐を吐きそうになるが、ぐっとこらえる。
今は妹たちの安全が最優先――

「よし、彼女らは用済みだ。松本」
「……ま、待って」
「約束と違――」
「へッ、悪く思うんやないで!」

松本の持つ槍の一撃によって命乞いをする美柑と美遊の首が切断された。

「なッ……」

自分が堪えれば妹だけは助かるだろう――ルルーシュのその甘い考えは打ち砕かれた。

272ルルーシュのナイトメア:2018/12/17(月) 22:47:34 ID:HFljj9ss0

「裏切り者には当然の報いであるな、レ○プされる価値もない雌豚にはお似合いだ」

放心状態になったルルーシュに構わず、ドリスコルが冷たく言い放ち、その横で松本は槍でC.C.の首をも切断し。

「見てみい、ワイの会心のギャグ、団子三姉妹や!」

一番上にC.C.、中間に美遊、一番下に美柑の順番で三人の生首を槍で串団子のように突き刺して周囲に見せびらかした。





「……ッ!!」

瞬間、妹をなぶり殺しにされたルルーシュの怒りは頂点に達した。
ルルーシュの手がポケットの中に隠しているナイトメアフレーム入りホイポイカプセルに伸びようとする――

(お兄様!)
(深雪!)

しかし、ルルーシュが反抗に出る前に隣にいた深雪に手を掴まれ、止められた。
その腕はひどく汗ばんでいるのか濡れていた。

(申し訳ございませんお兄様。
でもこうするしか、お兄様を守る方法がなくて……)
(深雪……)

思わず怒りを噴火させそうだったルルーシュであったが、深雪のおかげで踏みとどまることができた。

(謝るのは俺の方だ。妹たちを殺されて頭に血が上った愚兄を許してくれ)
(いいえ、みんなを守れなかった愚妹である私をお許しください)

実際、ガウェイン一機では上層部相手に勝ち目は薄く、仮に勝ててもビッグサイト中の狂信者の総攻撃を受けて殺されていただろう。
ナナリー蘇生までは死ねない身である以上、ルルーシュにとってそれは嬉しくない。
幸い、自分が裏切りかけたのは上層部や松本には気づかれてないようだ。

「君の仲間事情に関しては残念だが、つい先ほど逃走中と思われた唯・美也の惨殺死体が東京湾で確認された。
二人は裏切り者ではなかったそうだが、クロエに殺されたようだ。
その逃走中のクロエは、とあるネームド狂信者が討ってくれたことで問題はそこまで拡大しなかったのは僥倖だ」
「……そうですか、クラウザーさんへの恥を重ねないためにも裏切り者が討たれて良かったです」
「どうやら気持ちの整理がついてくれたようだね」

新たに報じられた唯と美也、そしてクロエの死にルルーシュは表面上は動揺せず、平静を保つ。
もちろん心の中では生存を信じたかった三人への望みが絶たれた失望感と黒く煮えたぎる狂信者への怒りがあるが、ただ一人生き残った妹の深雪を守りたい一心で噴きこぼれないように深く蓋をした。

「……ただ一つ、クラウザーさんの蘇生手段は確かにこの施設にあるんですかな?」
「詳細は言えないが、蘇生手段は確かにビッグサイトにある。
だが、それにはどうしても生贄の数が足りないのだ」
「具体的な必要人数は?」
「都庁のヘルヘイム、聖帝軍、拳王連合軍、千葉に居るイチロー率いる同盟、主催がいると思わしき九州ロボ。
この組織の内、最低三つは滅ぼしておけば蘇生は可能になる」

ルルーシュはそれは本当なのかと、同室内にいるセルベリアに視線で質問する。
答えはイエスであった。
蘇生手段があるのは嘘ではないらしい。

「良かった……そうでなければ私がここにきた意味はない」

もちろん、それはクラウザーさんの蘇生のためではなくナナリーのためという意味であるが、狂信者たちにはわかるまい。

「熱心なのは結構。
では、ゼロ、君と深雪くん、カギ爪団の長となった君に仕事を与えよう。
ここにいるドリスコルと機動部隊、以下ネームド狂信者数名と共に都庁攻略に向かって欲しい」
「!!」

筆頭のディーから与えられた仕事は狂信者と戦争中であり、二度の侵攻を退けた都庁の攻略。
すなわち最前線送りであり、主催との接触方法と管理人を見つけていないままビッグサイトを離れたくないルルーシュとしては非常にありがたくない展開であった。
パイプを持っているセルベリアとも引き剥がされてしまう。

273ルルーシュのナイトメア:2018/12/17(月) 22:48:06 ID:HFljj9ss0

だが、断るわけにもいかない。
ただでも名目上は、裏切り者を招き入れてしまった戦犯一歩手前の狂信者である。
本当ならば諸共処刑されてもおかしくない立場であり、口答えすれば今度こそ抹殺される可能性が濃厚。
生かされているのはおそらく、カギ爪団をコントロールできる指揮官が足りないためでもあるのだろう。

「わかりました」
「ああ、21時までにはここを出発し、22時までには作戦を開始できるように準備して欲しい」
「随分、短いですね……もう少し作戦を練る時間が欲しい」
「その気持ちはわかるが、クラウザーさんが待ってくれなくてね」
「は?」

ディーの口から漏れたクラウザーさんが待ってくれないという言葉にルルーシュは耳を疑う。
だがクラウザーは死んでおり、まだ生き返ってないはず。
これはどういうことなのか?

「これを見てくれ」
「……な」

部屋に備え付けのモニターに映し出されたのは、異常気象を引き起こしている現状の沖縄。
ただの嵐や台風ではない……魔力を持たぬ者でも見ればわかる明らかな『異常事態』であった。

おもわず絶句するルルーシュ……なぜならば、ルルーシュは妹キャラ(55歳)から横流しされたプロジェクト・テラカオスの概要を知っているため、異常気象の正体がTCによるものだと感づいていた。

「なんやこれは?」

TCのことなど微塵も知らない参加者である松本が疑問を口にする。
真実に近いものはルルーシュが知っているが、その疑問に答えたのはディーであった。

「これほどの形容し難い天災を引き起こせる存在は一人しかいない……クラウザーさんだ」
「?!」
「は?」
「なに?」

上層部筆頭の言葉にルルーシュだけでなく、深雪や松本も首を傾げる。
狂信者はともかく、この三人はクラウザーがそんな力など持っていないことを「知っている」のだから。

「ちょいまてや、クラウザーさんはまだ生き返っておらへんのやろ!?
大阪でグルドって奴に殺されたハズやないのか?」
「おまえたちこそ何を言っている。
この世界を統べるクラウザーさんなら冥府から異常気象を起こすなど朝飯前だ。
グルド相手には根岸崇一という存在に『世借り』していた弱体化状態だったためにしてやられてしまったが、本来の彼なら世狩りしていないと世界を一瞬で滅ぼせる力の持ち主に違いない。
故に沖縄に発生した神格者すら近づけさせない気象はクラウザーさん以外はありえないのだ」
「は、はぁ……なるほど(め、滅茶苦茶な理論やな)」

ドリスコルの解説になっていない解説に松本は表向きは納得しつつ、内心では呆れ果てていた。

余談だが、上位クラスの狂信者になると根岸崇一(つまりクラウザーさんの中の人)のことは周知されている。
ただし、クラウザーさんの正体ではなく、クラウザーさんが化けていたアバターのようなものと思われているが。
クラウザーさんは絶大な力を持っているが故に、人間レベルに力を落とさないとこの世界で歌えないらしい。
そのための器が根岸であり、波長のあう彼に世借りしていたというのが超のつく狂信者の理論である。

当然真実は違うのだが、狂信であればあるほど目が曇っていくので信じているのだ。
自分たちの英雄がクソザコナメクジだったと信じたくない者たちと同じ心理である。


「見ての通り、クラウザーさんは非常に怒っていらっしゃる。
このまま行けば我らは忠義を示せぬまま滅ぶことになるだろう。
あの方が望むのならば滅ぼされるのもやむなしだが、忠義の証を立てられぬまま死ぬわけにもいかんだろう。
クラウザーさんを認めなかった世界への復讐も終わってはいない」

ディーは異常気象をクラウザーの怒りと受け取ったようだ。
彼の怒りを鎮めるためにもSATUGAIを続け、装置でクラウザーさんを蘇えらせないといけないと考えに至ったようだ。

「もう、我々には一刻の猶予もない。無茶は承知の上だ。
手始めに都庁を滅ぼし、次はイチリュウチーム、拳王連合、そして最期は主催だ。
第一ステップとして都庁への最終攻撃作戦を実行に移す。
まずはドリスコルとゼロを中心に作戦を立て、都庁を陥落させてもらいたい。
防衛隊長であるセルベリアと残りのネームドは辞令があるまで待機、以上だ」

筆頭のディーは命令を下し、部屋に集まった集団を解散させた。
ディーとドリスコル以外は一度ビッグサイトの外に出た。
なお、深雪は裏切り者を見つけた功績を認められ、(やたら悪臭漂う)薬によって首輪が解除された。



【C.C.@コードギアス 反逆のルルーシュ 死亡確認】
【美遊・エーデルフェルト@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 死亡確認】
【結城美柑@ToLOVEるダークネス 死亡確認】

274ルルーシュのナイトメア:2018/12/17(月) 22:49:14 ID:HFljj9ss0




※ ※ ※


(クソッ、先手を打たれたか!!)

ビッグサイト入口の手前の野営地、一つのテントの中でルルーシュは悪態をついた。
C.C.や妹たちを殺された、ということもあるが、それと同じくらい彼を苛立たせることがあった。

(神格者であるらしいディーが沖縄の異常気象を見抜けないだと!? そんなわけがあるか!)

ディーは神格者には違いないのだろうが、それほどの存在であればTCを知らなくとも異常気象の正体がクラウザーの手によるものではないと気づくはずだ。
少なくても種族:神ではないルルーシュでもわかったぐらいなのだから。
せめて組織を率いるほど正常な知性が残っているなら松本ぐらいの反応が正しいはずである。

(……もしかすると、奴こそが俺が警戒している『カオスロワちゃんねる管理人』なのではないか?
 集めた情報によると他の上層部連中と違ってディーだけはビッグサイト占拠後から一歩も外に出ていない。
 狂信者と認められれば安全圏であるこの場所ならサーバー管理も難しいことではない)

まだ仮設段階であるが、ルルーシュが危惧する殺し合いの真の黒幕である管理人がディーではないかと結論づける。
上層部筆頭なら表向きで数だけならダントツである狂信者集団を扇動し、掲示板を操作すれば殺し合いのほぼ完璧なコントロールも不可能ではない。
これまでの一部例外を除いた、被害過多のガバガバな作戦もクラウザーさん復活ではなく、テラカオスを生み出し簒奪するのが目的とも取れる。

(仮に奴が管理人ならば、セルベリアと引き離しと同時に最前線送りも、急に狂信者に接近してきた俺を警戒してのこととも思える。
 ディーが俺の正体と目的に気づいているならば、俺の首輪を外さなかったのも合点がいく。
 そしてでっち上げの反逆罪で妹たちとオマケのC.C.が見せしめ的に殺されたとも思える)

ディーもとい、上層部の不可解な行動に疑念を持たざるおえない。
深雪にも話を伺ったが、先程は自身や兄を守るためにディーに従うしかなかったと語っており、少なくとも何らかの理由で自分を追い詰めたいのは確かなようだ。
ディーがクロである可能性は濃厚である。

(仮に管理人だったら絶対に許さん……いや、そうでなくとも深雪以外の妹たちが殺されたのはディーのせいだ。
奴には必ず死んでもらう……ついでに松本にも地獄を味あわせてやる!!)

……ルルーシュとしては妹たちが惨たらしく殺された時の怒りがでかいので、ディーの正体がなんであれ殺す気満々だったが。

(まずは最前線で生き延びなくては……どのみち一定以上の犠牲者を出さないとナナリーの蘇生は夢のまた夢。
都庁と聖帝軍はどのみち、疑いの目を向けられすぎて誤解の払拭など今更できないだろう。
数少ない英雄視された対主催の小町が、都庁の魔物を絶対悪とする旨の記録もあった。
本当の真実やスタンスは不明だが、勢いが止まらない以上、都庁には必要な犠牲として滅んでもらおう)

掲示板の書き込みを鵜呑みにするわけではないし、むしろ嘘の書き込みの方が多いと思っているルルーシュであるが、頭の回らない愚民はそれに気づかないし、切り捨てるなら拳王連合軍と同時に都庁同盟軍も視野に入れた方が良いだろう。
ルルーシュの最終目的は妹ナナリーと共に過ごせる平和な世界であり、少なくとも都庁は必要ないと判断したのだった。

(こうなっては仕方ない、まずは都庁攻略を考えなくては。
うまくいけば対主催の小野塚小町、イチリュウチーム、主催との接触もできるかもしれん。
ナナリーのためにも一端、ビッグサイトを離れるよう腹をくくらねば)

※ ※ ※

275ルルーシュのナイトメア:2018/12/17(月) 22:49:47 ID:HFljj9ss0

一方、ルルーシュと深雪がいるテントとは別のテント。
そこには脇見せ爆乳おばさんことセルベリアが一人でいた。

「なんてことだ……ディーとドリスコルがあそこまで狂っていたとは!」

比較的冷静沈着であるはずのセルベリアは怒り任せに机を叩いた。
更年期障害? NO。 彼女なりの怒れる理由があったのだ。

「沖縄の異常気象がクラウザーさんの仕業?
バカな、あの人は世界の消滅なんか望んじゃいない。
世界の消滅を望むのならば、歌で殺し合いを止めようなんて考えなかったはずだ!
あれは絶対に別の何かの仕業だ!」

セルベリアはルルーシュと同じく、異常気象はクラウザーさんによるものではないと見抜いていた。
所持しているヴァルキュリアと悪魔の力による本能的直感力がそうさせており、彼女なりにクラウザーさんを知っているからこその解答だった。

冥府さえ支配する偉大な力を持つクラウザーさんならば、こんな回りくどいことしなくても大災害以上のパワーで世界を滅ぼすことは可能。
それをしないのは彼なりに世界を愛していたからであり、歌で殺し合いを打破しようなどと考えなかったはずだ。
ディーらとは違うセルベリアなりの持論であった。

先ほどの場では、変に反対意見を述べるとゼロと企てている反乱の準備がバレてしまう危険があったため、ポーカーフェイスを気取っていたが、同じ狂信者であるセルベリアから見てもディーとドリスコルの考えは異常に見えたのだ。
まあ、常人から見たらどっちも狂ってるけど。

「……いや、曲がりなりにもディーは神。ドリスコルは秘密機関の主任だった男だ。
もし二人が異常気象をクラウザーさんによるものでないと見抜けなかったのではなく、最初から知ってて隠しているとしたら?
本当に奴らの目的はクラウザーさんの蘇生なのか?」

奇しくもルルーシュと似た結論にたどり着いたセルベリア。
ディー・ドリスコルへの疑心が広がる。

だが、二人を突き詰める証拠もない。
セルベリアはゼロと違って、カオスロワちゃんねるの危険性と裏に気づいていないので尚更だ。
テラカオスという存在についてもホモどもがまだビッグサイトに戻ってこないのでよくわからないことが拍車をかけている。

「クッ、だとしてもどうするべきか?
まずは最前線送りにされてしまう前にカギ爪団のゼロともう一度、会うべきか?」

まずはゼロ(ルルーシュ)との再接触を図ろうと考えるセルベリア。
しかし迂闊に接触すると場合によっては反乱を企ててることがバレてしまう。
そうなれば運が悪ければ死、良くても狂信者追放である。

「私は……どうするべきか。おまえならどうする、小町」

かつて自分を退けた死神を主軸とした『ヘルヘイムの魔物に襲われたモブ参加者を救った乳神様!』という見出しで飾られた掲示板のスレを眺めながら、セルベリアは苦悩する。


※ ※ ※

276ルルーシュのナイトメア:2018/12/17(月) 22:50:20 ID:HFljj9ss0


同時刻、ビッグサイト内部の一室。
そこにはディーとドリスコルがおり、ルルーシュとセルベリアの疑念通り二人はクラウザーさん復活以外の野望を――


「天候を操り沖縄をレ○プの限りを尽くすとは」
「流石はクラウザーさんだ!」


――企てていなかった。
……それどころか件の異常気象をうっとりと眺めている。

彼らは本当の、本当に、TCのことなど一切知らず、異常気象をクラウザーさんの絶対的な力の象徴とさえ考えていた。
いちおうビッグサイト自爆による破滅も視野に入れているが、それは蘇生が上手くいかなかった場合の話。
クラウザーさんの蘇生以上の目的がないのは本当の話だった。
どうやらぶっ飛んだ理性は知性や直感力をも食ってしまっているようであり、神様だろうが軍人だろうが、異常気象の危険性に気づかない程度にはDMCに毒されている。

「しかし、良いのかディー?
先ほどのゼロ自身にはアリバイもあったとはいえ、裏切り者をビッグサイトに招き入れたのは事実だ。
奴が裏切り者ではないにしろ、処刑……とまでは行かずともカギ爪団の指揮権は剥奪すべきじゃないか?」
「私もそう考えたが、狂信者としては異端なカギ爪団をまとめられるネームド狂信者は彼かセルベリアぐらいしかいない。
セルベリアは別の任務があり、後は戦術クラスの指揮が限界な武闘派しか残っていない。
消去法でカギ爪団には彼しか任せられないのだ」

ゼロに関しては利己的な考えは持っていながらも、裏切り者ではないと判断しているらしい。

「まあ、流石に責任が全くないとは言えんから最前線送りにはなってもらったがね」
「クラウザーさんへの忠誠心があればそれなりの戦果は出してくれるだろう」

さあ、読者の中にはそろそろ気づいた方もおられよう。
C.C.や妹たちは裏切りなぞ企ててはいない。
つまりでっち上げは確実なのだが、ここいる二人は「裏切りは本当にあったもの」と捉えており、でっち上げとは気づいていない。
この二人がでっち上げの犯人ではないとしたら誰の仕業なのか?

「兄と自分を最前線に送って活躍させてほしい」
「それが『彼女』の進言でもあったからな」

二人の男が眺める画面の中には松本と共に、美遊・美柑を拷問する深雪の姿があった。
セルベリアとルルーシュたちが入ってくる数分前の深雪は溶けて証拠が残らない氷の棒で、少女たちに暴虐の限りを尽くしている。


※ ※ ※

同じ頃、深雪はルルーシュの背後でほくそ笑んでいた。

(上手くいった……お兄様の首輪解除こそ無理だったけど、他の妹失格者どもを売ることで私の首輪解除とお兄様をビッグサイトから離すこと、邪魔なC.C.の排除もできましたわ)

実はC.C.たちの裏切りでっち上げは上層部連中によるものではなく、この深雪によるものであった。
美柑・美遊の二人を上層部の下に連れて行く前に命だけは助けることを条件に知ってる限りの情報を吐くと同時に、「C.C.やクロエたちが裏切りを企てていたことにしろ」「ルルーシュが不利になることは言うな」と吹き込み、情報のでっち上げを可能にしたのだ。
もちろん、深雪は二人を助ける気など更々なく、ディーにも最期は裏切りの罰として惨たらしく殺すように耳打ちし、口封じにも成功。
結果、自分を除いた妹たちは全滅し、大好きな兄であるルルーシュの独占に成功したのだ。
そしてまさか自分の清楚な妹がそんなことをするわけないと信じているルルーシュは彼女を疑うことをせず、ディーやその他狂信者に怒りの目を向けさせることで余計真実から遠のかせたのである。

しかし首輪解除やC.C.の排除はわかるが、死亡率が高まる最前線へ送られることになんのメリットがあるのか?
否、それこそ深雪の狙いだったのだ。

(お兄様が戦いの前線に釘付けにされている内に、私の『共犯者』になってくださった人が然るべきタイミングに蘇生マシンを起動する。
共犯者の人は助けたい人が生き返って万々歳、ルルーシュお兄様はナナリーを生き返すチャンスを失った失望から私をもって愛してくれるはずですわ!)

なんとこの少女、最愛の兄を更に独占するためにルルーシュにナナリーを諦めさせようというのだ。
実際、蘇生マシンはあと一回動かないため、この一回を逃せばルルーシュもナナリーを諦めざる負えない。

(ふふふ……全てはお兄様に迷惑をかけたナナリーが悪いんですよ。
クロエたち同様、あなたに妹である資格はありません)

嫉妬混じりの黒い笑顔を浮かべる深雪。
目の前のルルーシュは全く気づいていない。

(さて、あとはあの人次第ですね……)

とはいえ、いくら深雪が優秀だとはいえ、妹たち謀殺の件も含めて一人でここまでできるわけがない。
ルルーシュの愛と上層部からの信頼を得るために共犯者が必要であった。


※ ※ ※

277ルルーシュのナイトメア:2018/12/17(月) 22:50:47 ID:HFljj9ss0



ビッグサイト外周部、そこで松本はさっき作り上げた悪趣味な作品である団子三姉妹を、オブジェのように飾っていた。
三人の絶望したような顔が狂信者の残虐性を物語る。

そう、この男こそ、深雪に協力した共犯者である。
初見で松本が生粋の狂信者ではないと看破した深雪は彼と取引を行ったのだ。
松本に狂信者ではないことをバラさない代わりに、工作に真実味を帯びさせるために手伝って欲しいと。
上手くいった時の見返りとして魔力の動きを辿ってわかった、ビッグサイト内部に隠された蘇生マシンの正確な位置を教えるということだ。
松本はこれを承諾し、深雪とwin-winの関係になった。
そして魔力(生体マグネタイト)の動きを読んだ深雪がビッグサイトの内部に侵入できたことにより、上層部が隠している蘇生マシンの正確な位置を知ると同時に、帯びた魔力の量から浜田の蘇生は決して不可能ではないと彼女は結論づけた。

あとはどこまで参加者を殺せば良いかだが、生き残っている組織の内三つ滅ぼせば良いとわかったので、その直前のタイミングでビッグサイトに戻れば良いのだ。(ちなみに魔法使いである深雪の裏取り済)
大型巨人こと大日本人に変身すれば、東京県内のどこからでも数分以内にビッグサイトに戻れる。
あとは狂信者を裏切って蘇生手段を奪うのみ。


(待ってろや、浜田! もう少しでおまえを生き返せるからなあ!
仮に世界が滅ぼうとも、俺はおまえと漫才がしたいんや!)


とうとう形になってきた野望を燃やす松本。
彼の視界にもまた、遠目とはいえ沖縄の異常気象は見えたが、もはや浜田に会えるのなら世界がどうなろうが知ったことではなかった。


【二日目・20時00分/東京都 ビッグサイト】

【ルルーシュ・ランペルージ(ゼロ)@コードギアス 反逆のルルーシュ】
【状態】健康、ゼロの服装(仮面なし)、妹への欲求(超極大)、非常に激しい怒り
【装備】ガウェイン@コードギアス@反逆のルルーシュ、スマホ@スマホ太郎
【道具】支給品一式
【思考】基本:ナナリーを生き返らせる
0:21時までに都庁を滅ぼす作戦を立ててドリスコルに協力する
1:カギ爪団に混じりながらDMC狂信者のクラウザー蘇生方法を探る。
2:ギアスの使用は慎重にする。
3:1の為、ゼロとして行動する。
4:こうなった以上、深雪は責任持って俺が幸せにする。
5:テラカオスと大災害への対処法を探す。
6:狂信者内の潜伏者を警戒する。出来る事なら炙りだしたいが……
7:主催とコンタクトを取りたい。
8:近い内、ルルーシュとして対主催とも接触したい。
9:ディーに強い潜伏者疑惑。仮に違っても殺す。
10:松本もいつか殺す
※明恵夫人経由でテラカオスプロジェクトを知りました。
※テラカオスについてはかなり懐疑的です。
※狂信者内にテラカオスを狙う第三者の存在が居ることを推理しました
※C.C.の支給品を回収しました
※深雪を全く疑ってません


【司波深雪@魔法科高校の劣等生】
【状態】健康、ギアスによりルルーシュを大好きな兄として認識中、首輪解除
【装備】深雪のCAD
【道具】支給品一式 サファイヤ@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ(美遊の支給品で魔法で凍結中)
【思考】基本:ナナリー含む妹キャラは皆殺し
1:狂信者を使い、先ずは都庁を攻めさせイリヤを抹殺する。
2:共犯者である松本と連携し、ナナリーの蘇生を秘密裏に妨害
  最終的にルルーシュからの愛を独占する
※松本の正体に気づいた上で秘密の同盟を組みました
※ビッグサイトの中にある黄泉レ○プマシンの位置を把握しました

278ルルーシュのナイトメア:2018/12/17(月) 22:51:16 ID:HFljj9ss0


【セルベリア・ブレス@戦場のヴァルキュリア】
【状態】人修羅化、動揺、首輪解除
【装備】マロガレ@真・女神転生Ⅲ、竜殺剣ドリス@セブンスドラゴン
【道具】支給品一式
【思考】
基本:クラウザーさんの復活、自爆はしたくない
0:現段階ではテラカオスについては内密に調査する。他の連中には知らせない。
1:ビックサイト防衛部隊を指揮する
2:小町はいつか、この手で必ずレ○プ(倒す)する
3:自爆による心中は反対、最後まで諦めたくない
4:サーフに謎の違和感
5:最悪の場合はディー達を……?
  そろそろ、あいつらヤバイ気がしてきた
6:ゼロという男に対して今は保留
※マガタマを取り込むことで人修羅化し、物理攻撃を無効化する敵にも物理攻撃でダメージを与える貫通のスキルを得ました
※竜殺剣を所持している限りは竜や龍に対して特攻ダメージを与えられます
※影薄組のことを組織に伝えました
※自爆による無理心中の件には納得がいっていない様子です
※沖縄の異常気象をクラウザーさんによるものではないと思っています


【松本人志@現実】
【状態】健康、DCS状態+大日本人化、首輪解除
【装備】浜田雅功人形
【道具】支給品一式、メトロン星人人形、グラコスの槍
【思考】基本:浜田の蘇生
0:狂信者のフリをしつつ、浜田蘇生の機を伺う
1:残り三つの組織が壊滅する寸前にビッグサイトの内部に侵入し、蘇生方法を奪って浜田を蘇らせる
2:浜田を生き返せないようなら一人でも多くの参加者をあの世に送る
3:深雪を上層部に会わせる。
※巨人の脊髄液@進撃の巨人を取り込んだことで大日本人に変身できるようになりました
 DCSの効果などで原作の大日本人よりは遥かに強いです
※深雪の目的を知った上で秘密の同盟を組みました
※深雪によりビッグサイトの中にある黄泉レ○プマシンの位置を把握しました
※浜田の魂が消滅したことに気づいていません


【ドリスコル@フロントミッション】
【状態】健康、首輪解除、レベル・全熟練度MAX
【装備】グレートゼオライマー@スーパーロボット大戦J
【道具】支給品一式、カレンデバイス(氷室美久ボディ)
【思考】
基本:クラウザーさんの復活、もしくは世界をSATUGAI(無理心中)する
0:22時までにカギ爪団を伴って都庁を攻める
1:都庁攻略部隊を指揮する
2:都庁が体勢を立て直す前に攻略できる作戦を考え、進軍する
3:蘇生が不可能だと判断した場合は黄泉レ○プシステムを暴走させて世界を粛清する 
4:マスターボールとオシリスはサーフに渡した
  なんか物凄い兵器にするらしいが……
※次元連結システムは氷室美久のボディにカレンデバイスを入れることで制御が可能になりました
 またカレン・ミューアの人格も上書きされました
 本人は善人ですが、極度のクラウザーアンチでDMCの曲を流されると人格が引っ込んで人形のようにドリスコルに従ってしまいます
※フロントミッション1〜5のスキルを網羅しています
※沖縄の異常気象をクラウザーさんによるものであると思っています


【ディー@うたわれるもの】
【状態】健康、首輪解除
【装備】刀
【道具】支給品一式、クラウザーさんクローン×300、ネオ・ジオングスーツ(まだ未完成)
【思考】
基本:クラウザーさんの復活、もしくは世界をSATUGAI(無理心中)する
1:黄泉レ○プシステムをさらに盤石にするため、引き続きマグネタイトは回収する
2:セルベリアを中心としたビックサイト防衛部隊、ドリスコルを中心とした都庁攻略部隊を編成する。
3:大災害などに疑問はあるが、今は後回し
4:ネオ・ジオングスーツの完成を急がせる
5:蘇生が不可能だと判断した場合は黄泉レ○プシステムを暴走させて世界を粛清する
6:シグナムは自分の手で討ちたかったが、まあ仕方あるまい
※首輪解除によりウィツァルネミテアの力をある程度解放できますが、空蝉であるハクオロの死体が見つかってなにので完全には実力を発揮できません
 また、蘇生関連の能力制限だけは首輪とは別の力が働いていると見ています
※パワーアップのためにネオジオング@機動戦士ガンダムUCを改造したスーツを開発中です
※沖縄の異常気象をクラウザーさんによるものであると思っています
※現存する組織のうち、あと三つ滅ぼせば黄泉レ○プシステムを起動できます

279おまけ オシリス三分クッキング:2018/12/17(月) 22:52:35 ID:HFljj9ss0
タラタタッタッタ タラタタッタッタ
タラタタッタッタッタ ティタン♪

ポーポーポー ポーポーポー
ポーポーポー ポ・ポ・ポー♪

タラタッティタン♪ タラタタッティタン♪
タ タ タ タ タララララ ターン♪ 


愛は課金にある ソシャゲ厨の提供でお送りします。



※このSSの内容は、そのまま描写するとR-18Gになってしまうので
 残酷表現を緩和するために「さんぷんクッキングフィルター」を使用しています



(料理人担当の担当のサーフ氏登場)

こんにちわ 今日はドリスコル氏からいただいた瀕死の竜とマスターボールを使って強力な兵器に仕立て上げます。

まず用意する材料はこちらになります

※ ※ ※

新鮮なオシリスの天空竜上半身 1
艦むす素体          1
燃料            250
弾薬             30
鋼材            200
ボーキサイト         30
マスターボール        1

※ ※ ※

オシリスをこのまま料理するには些か大きすぎるので、最初はビッグサイトの倉庫から拝借したスモールライトで人間大の大きさにしましょう。
オシリスが私ぐらいの大きさになりましたら目覚めないように麻酔をかけ、生命維持装置に繋ぎましょう。
いくらあらゆる魔法や罠な無効な神様でも、死にかけてる時は特殊効果が発動しません。

では脳の安全を維持したら、脳や脊髄、心臓を除いたお肉や内臓をひとつ残らず取りましょう。
ここで斬り取ったアラはまだ捨てないでください。
後の料理で使います。

では残った部位をまず生命維持装置も兼ねた試験管に入れましょう。
ロボコップ2のケインみたいな語りになりましたね。
想像できない方はGoogleで検索しましょう。

続いて用意した艦むす素体をまな板(手術代)の上に乗せます。
先ほど切り取ったアラや鱗などを素体に練り込み、一体化させましょう。

次に試験管に入った脳その他を素体に移植します。
ここで間違えるとカタログスペック未満の能力になってしまうので、丁寧な作業を心がけましょう。

移植が終わりましたら燃料、弾薬、鋼材、ボーキサイトを乗せ、高速建造材を入れてオーブン(工廠)にいれて30分ほど待ちます。


艦むすが焼きあがるまでにマスターボールをハッキングしましょう。
「ひとのものをとったら どろぼう!」システムことセーフティを解除したので、これからはポケモンにトレーナーがいても奪うことは可能です。
現存するマスターボールはこれ一個しかないのと、高レベルポケモンを操れるかは別口なので使いどころは間違えず、勝てない相手なら解放しないようにしましょう。



たった今、艦むすが焼きあがりました。
ではオーブンをあけてみましょう。


【オシリスの天空竜@遊戯王デュエルモンスターズ 死亡……】


※これより「さんぷんクッキングフィルター」を解除します。

280おまけ オシリス三分クッキング:2018/12/17(月) 22:53:10 ID:HFljj9ss0





艦むすを作り出す工廠の扉は開かれ、提督たるサーフは彼女を迎え入れる。


「さあ、新戦力のお出ましだ。名前を行ってもらおうか」


一対の角や攻撃的雰囲気など、どこか龍らしさと持つ艦むすはサーフに歩み寄り、そして己の名を応えた。






「オレの名は天龍。フフフ、怖いか?」






【オシリスの天空竜@遊戯王デュエルモンスターズ 艦むすに転生】



なんと瀕死だったオシリスの天空竜は軽巡洋艦娘である天龍として改造され、蘇ったのだ。
オシリスと似たような男口調であるが、黒髪ショートにムチムチな巨乳ボディとオシリスの面影はほぼない。
強いて言うなら金色に輝く隻眼だけが彼と同じであろうか。


軽巡洋艦 天龍
古代ミヤザキが開発した艦むすの一つで、器を操る巫女として力を最低レベルまで落とした代わりに戦闘力に特化した一体。
登場初期は世界最高水準として多くの巫女やアースマイトを屠った。
とはいえ戦争後期は旧式化し、全体からするとそこまで強くない部類の艦である。

だが天才科学者であるサーフは天龍にオシリスの経験値と特殊能力を引き継がせることで大幅回収に成功。
生まれながらにして元の天龍+オシリスの力を得たのだ。
巫女としてはあまり使えないが、艦むすとしての戦闘力はかなり高い。


「オシリスの記憶や能力は引き継いだが、人格の方は大丈夫か?」
「大丈夫だ、奴の人格は奥底で眠ってる。
相当高度な手段でもやらない限り、奴が起きることは二度とないだろう」

オシリスの記憶は所持しているが、人格は封印されている。
もちろん、裏切り防止のための措置である。


「ところで、オレがオシリスが元になった天龍であることは理解したが、アンタ何のためにオレを作ったんだ?」
「それは かくかくしかじか……」

サーフはこれまでの経緯を天龍に解説した。
蒼や、その源泉の暴走による大災害。
テラカオスを巡る古代グンマーと古代ミヤザキの戦い。
神々の手によって艦むすが抹殺され、長きにわたって復活できなかったこと。
艦むすによる天国を作り出すためにあえて蒼の源泉を暴走させて大災害を起こし、邪魔な神々を一掃したこと。
自分がカオスロワちゃんねる管理人であり、裏から殺し合いを操っていたこと。
全てはこれから起こる第二のパワーを吸収した究極体テラカオスを手に入れて世界を作り直そうとしているためだとのこと。

……無論、本当の野望は隠し、あくまで艦むすによる理想社会を作ろうとしている建前で天龍に話した。

281おまけ オシリス三分クッキング:2018/12/17(月) 22:53:41 ID:HFljj9ss0


「マジかよ、神様グンマー最低じゃねえか」
「ああ、君たちを生かすためにはどうしても神々とグンマーは滅ぼす必要があったんだ。
神々はともかく、グンマーの末裔はまだ生きてるけどね」
「世界のために頑張った駆逐艦ロリもたくさんいただろうに、自分たちが滅ぼされるのが怖いから皆殺しだと?
神もグンマーも滅びて当然のロリとロリコンの敵じゃねえか!」
「ああ、ロリとロリコンの敵だね…………んん!?」

何か今、聞き捨てならないことを聞いたサーフは戸惑いを隠せなかった。

「お、おい天龍、本当にオシリスの人格は封印してあるんだな?!」
「そりゃあ間違いねえよ。
だけどさ、生まれてからこっち、何かが変なんだよ。
無性にロリと駆逐艦にモテたい!
駆逐艦娘を何人も引き連れて遠征してぇ。遠征したくてたまらねえんだ。
で、遠征先で駆逐艦娘とラブラブと」
「は、はあ……」
「おお! ロリ発見! 待ってくれー!」

思わず黒幕ムーヴも忘れてひたすらにドン引きするサーフ。
天龍はとてもついていけないロリコンと化していた。
なお、そんな彼女はロリ型深海棲艦である北方棲姫(通称ほっぽちゃん)を追い回している。

(天龍型は確かに駆逐艦を引き連れて遠征していたとタバサも言っていたけど、ここまでひどくないハズだぞ……
人格は封じても、止めようのないオシリスの本能が僕の天龍をロリコンにしたのか……?)

頭を抱えるサーフ。
オシリスのロリコンは本能。
かつて神々さえ竜種のロリコンは治せなかったのでサーフさえどうにもならないのは、ある意味必然でもあった。

一度は天龍の作り直しを考えたが、これ以上オシリスの脳をいじると死んだり能力を喪失したりする危険があり、時間も金も勿体無いのでやめた。
人格自体は封印してあるし、忠誠心も作った段階から100%で自分には逆らわないようにできているので造反の心配もない。

ただこれからディーに見せる新戦力なのに、なんか苦言をされそうなのが頭痛の種だった。
ドリスコルからオシリスを渡された時、ブレインデバイスよりも使える兵器を作ると大見得を張っただけに。


「オラオラ!早くオレに作戦をくれよ!体がなまっちまうぜ…」
「あー、わかったわかった。
これからディーのところに連れて行くよ。
ただし僕の計画や瑞鶴のこと、大災害の真実は喋るんじゃないぞ。
僕が合図を出すまで、基本的に上層部狂信者の話は聞くんだ」
「へーい」

やれやれといった感じで天龍を連れて行くことにしたサーフ。
なんにせよ、完成した以上はディーの下へ連れていき、ドリスコルかセルベリアの指揮下に入ってもらわないといけない。
野望を一手先に進めるためにも、狂信者戦力の増強……そのためにオシリスを料理してできた天龍の出来栄えを見てもらう必要があるのだ。

282おまけ オシリス三分クッキング:2018/12/17(月) 22:54:16 ID:HFljj9ss0
【二日目・20時00分/東京・ビッグサイト 地下】

【サーフ・シェフィールド@アバタールチューナー2】
【状態】健康、瑞鶴の提督、支給品扱いで首輪なし、全マントラ網羅、マスタキャンセラ常備(万能以外無効)
    艦むす課金のしすぎで財布がちょいヤバめ
【装備】違法改造スマホ、四次元ポケット@ドラえもん(ディパック代わり)
    魔改造マスターボール
【道具】カオスロワちゃんねるのサーバー、カピラリア七光線銃、結婚指輪
    深海棲艦イロハ級×200、深海棲艦鬼・姫級×10
【思考】
基本:蒼の源泉の力を手に入れる
0:今は狂信者のフリをしてディーに従う
  天龍をディーに送りつける
1:瑞鶴を操り、拳王連合軍に野球の試合を早急にさせる
2:真実を知った者は消す、そして殺し合いを加速させるものを助長させる
3:年増女(セルベリア)とシスコン仮面(ルルーシュ)は特に警戒
4:狙われると面倒なのでギリギリまで正体は隠す、必要のない戦闘は避ける
5:死んだ祐一郎の才能に嫉妬。ロックマンと翔鶴は必ず使い潰す
6:天龍がレズロリコンになっちゃったけど、まあエアロ
※カオスロワちゃんねるの管理人です
※古代ミヤザキの末裔であり、蒼や蒼の源泉・テラカオスなどについて全て知っています
 ナノマシンに仕込まれたプログラムにより完成したテラカオスならば乗っ取ることも可能
 予言の中にある『歌』も所持
※悪魔化ウィルスによりリアルヴァルナへと変身可能
 サイヤ人の肉を食べたことで全スキルを網羅し、戦闘力が大幅増加しました
※予言の中にある勇者についても参加者の内誰かが該当するか知っていますが、ツバサ以外の勇者は他の書き手氏にお任せします
※テラカオス・ディーヴァの残滓(ツバサ)がキングストーンの力を継承したことをまだ知りません
 また、都庁にノーデンスが現れ、真実を教えたことにも気づいていません
※マスターボールが改造されて別トレーナーからポケモン(というか色々)を奪うことが可能になりました


【天龍(元オシリス)@艦隊これくしょん】
【状態】ロリコン、改二、オシリスの記憶と力を所持
【装備】艤装一式、眼帯&刀(飾り)
【道具】白ビキニ
【思考】基本:提督に従う、ロリにモテたい
0:ディーという奴には表向きは従う
1:なぜだかロリにモテたい、超モテたい!
2:駆逐艦娘のためにもサーフの計画に乗り、神やグンマーから世界を解放する
3:出会ったら敵同士だぜ、イチリュウチーム
※オシリスの脳を使って建造されために記憶や能力を引き継いでいます
 ただし人格は艦むすとしての天龍に上書きされています
 オシリスとしての人格を取り戻すには特別な処置が必要です
※瑞鶴と同じくサーフへの忠誠度はMAXで、裏切れません
※ロリコンだけは本能なので何をしても治りません
※オシリスを改造して作り上げたので、轟沈されるまでオシリスは放送で呼ばれません

283あきよの破壊力が異常:2018/12/17(月) 22:57:24 ID:HFljj9ss0
投下終了です
オシリスの良い死なせ方が思いつかなかったので
逆にTSさせて生かしてみた

284あきよの破壊力が異常:2018/12/19(水) 20:40:25 ID:XP6DNV260
おつおつ
オシリスと艦むすをそこで繋いでくるかぁ
そしてディー達はほんと頭おかしい(褒め言葉)

285あきよの破壊力が異常:2018/12/20(木) 01:10:23 ID:VdRCXiG60
天龍自体はロリコンってわけじゃないが、ゲーム上だと幼女連れて遠征という形の運用がどうしても多くなるからね
ある意味、オシリス的にはうってつけ

286新世紀の終わり カウントダウン:2018/12/31(月) 21:19:19 ID:e29bw13A0
ここは東京のどこか……というか港区。
ひょんなことから始まったダンテと江戸っ子ババアの激闘は

「目標をセンターに入れてスイッチ!」

DMC狂信者の戦力の一つであるF型装備エヴァ。
もとい両肩に備えられたATフィールドを用いてエネルギーチャンバー内で増幅した高出力の指向性電撃を目標に発射する大火力兵器・インパクトボルトによって街ごと灰と化すことで唐突に終焉を迎えた。

【ダンテ@デビルメイクライ】
【会見乱入江戸っ子ババア@日本大学】  両名死亡


狂信者がビッグサイトから都庁へ行軍する際に、二人が邪魔だったので消し飛ばされてのだ。
それをやってのけたパイロット、碇シンジは怒っていた。



「何がゼロだよ!」



彼は自分を受け入れてくれたカギ爪の男……その彼が作ったカギ爪団をどこともしれない怪しい男ゼロに乗っ取られたことに腹を立てていた。
しかし怒りはあるが、遠野・道下と言ったホモどもを初め、大半のカギ爪団構成員がなぜか彼を以前からいたかのように慕っていた。
あからさまに怪しいが、弁が立つ方ではなく証拠も掴めてないのでゼロを引きずり下ろすこともできない。

ちなみに彼は長いことエヴァから降りていないのでルルーシュのギアスを受けてなかったりする。

「確かに集団を率れそうなとらも新月くんも、切嗣さんやセイバーさんは死んじゃって。
 僕やレジーナ、ホモの二人じゃカギ爪団を引っ張っていけないけど、どう考えてもパッと出てきた人をリーダーにするのはおかしいって」

実際、カギ爪団は残った誰かをリーダーに据えても烏合の衆と化し、聖帝軍を壊滅寸前に追い込んだ同志のような指揮は望めないだろう。
上層部の三人は自分の部隊の指揮で手一杯であるし、ある程度は仕方あるまい。

「だけど僕は感じるんだ……同志は包み込む優しさのようなものがあった。
 だがゼロからは信用しちゃいけない何かを感じる……エヴァのモニター越しでもわかった」

確たる証拠はない。
だが感受性豊かな中学生であるシンジにはゼロからただならぬものを感じていたのだ。

「僕やほかの人にカギ爪団の指揮は無理だし、ディーさんも仕方なかったんだろうけど納得いかない。
ゼロが怪しい素振りを見せたら、前歯へし折ってSATUGAIしてやる!」


シンジはエヴァを操れる唯一のパイロットであり、エヴァの攻撃力ではビッグサイトごと破壊する危険があるとみなされ防衛には向かないとされ、都庁襲撃のメンバーに抜擢されたとつい先ほど本部から連絡が来た。
都庁襲撃のメンバーにはドリスコルとゼロ、カギ爪団の構成員も選ばれたことが決定したと知らされている。
ゼロとは戦場を共にするが、裏切り備えて容赦なく殺す準備をすると心に決めていた。


シンジのエヴァによって邪魔者が排除され、都庁攻めに選ばれた膨大な数のモブ狂信者が港区に集まってくる。
後は選抜されたネームド狂信者が揃えばいよいよ進撃開始だ。

「僕の気持ちを裏切ったカヲル君……君だけは僕の手でSATUGAIしてあげるよ。
同志の夢である、クラウザーさんの歌で世界を平和にするために!」

シンジはカギ爪の男が散ったスカイツリーの戦いに白いエヴァが参戦している事を把握している。
動き方からしてパイロットは親友だった渚カヲルに間違いない。
どういった経緯で都庁についているのか知らないが、彼が都庁の一員として聖帝軍と共にカギ爪の男を滅ぼしたのは揺るがぬ事実であり、シンジとしては決して許せぬことであった。
同時に救って(つまり殺すことで)心の中で生き続けさせたいとも思った。


本当ならばすぐにでも都庁に突撃を仕掛けてカヲルを「救い」に行きたいところだが、幸い、上の指示があるまでは我慢できる程度の理性はまだ残っていた。


【二日目・20時30分/東京都 港区跡地】


【碇シンジ@新世紀エヴァンゲリオン】
【状態】全身火傷痕、気分高揚によるシンクロ率大幅アップ、首輪解除
【装備】エヴァ初号機 F型装備
【道具】支給品一式
【思考】基本:同志の夢を叶える
0:指示があるまで港区で待機
1:取り合えずSATSUGAIしてクラウザーさんとやらを生き返らせる
2:新しくカギ爪団のボスになったゼロは信用しない
3:裏切りのカヲルくんは殺して心の中で生き続けさせる
※初号機がF型装備に換装されました

287今回、野比玉子症候群空気じゃね?:2019/01/26(土) 11:43:53 ID:P1gFsS5I0
タイトル通りに、この10期カオスロワにおける野比玉子症候群患者は空気である。
今期は犠牲者枠としてモブがいるし、モブに混じって殺されてるんじゃねーの?
と思うかも知れないがそれは違う。

……いや、実際にそういうキャラもいるのだが、そこは今は置いておこう。

では、だいたい二日目突入以降、あんまり出てこない野比玉子症候群患者は今どうしているのか?






答えは簡単である。

彼らの大半はもうこの世に存在していないのだから。




野比玉子症候群患者は死ぬとランダムにリスポーン……どこかに現れて生き返って出オチ的に殺されるのだ。
出てきたらすぐ殺されるとは言え、事実上の不死身と言える存在。
どうやっても彼らを「真の意味」で殺すことは、治療や自然治癒を除いて不可能だった。


だが今期の設定を思い出して欲しい。
この世界は大災害の原因である蒼(人によってはTC)によって無事だった日本以外は汚染されている。
蒼に汚染されるとテラカオスを除いたいかなる存在でも魂ごと消滅する。
運が良くても存在が歪み、キャラの性質が別物になることはある。

つまり、日本や一定以上遠くの宇宙まで上がってしまうと蒼に汚染される危険があるのである。
野比玉子症候群患者とて例外ではなく、不死性を喪失する。

そして、この性質が今期に至っては患者たちの首を絞める。

間違って蒼塗れの宇宙や、蒼を纏うシャドウ(黒き獣)の近くに転移してしまった場合、問答無用で汚染されて……魂ごと消滅するのだ。




かつて狸組を庇ったシン・アスカは、自身の肉体に変化に気づき野比玉子症候群が完治した。
殺し合いが始まる前から蒼に汚染されていたのだ。
彼は恵まれた部類と言いたかったが、死者スレにてしばらく経った後に魂ごと消滅した。
不幸中の幸いなのは、最後に人を守って死ねたことに対して微笑みを浮かべることができたことだろう。

【シン・アスカ@機動戦士ガンダムSEED DESTINY 消滅】

富竹ジロウと巴マミは野比玉子症候群の身でありながらも、真実を追い求めようと宇宙まで上がったが、その際に隕石の如く地球に向かってくる高密度の蒼の塊(後のシャドウ)に衝突され、肉体も魂も塵芥と化した。
地球で頑張っているまどから対主催にメッセージを届けることはついにできなかった。

【富竹ジロウ@ひぐらしのなく頃に 消滅】
【巴マミ@魔法少女まどかマギカ 消滅】

魔法少女になっても、とうとう息子を守れなかった野比玉子は悲しみから沖縄に引き困ってしまう。
それに付き合う曾孫のセワシであったが、それが不運につながってしまい、黒き獣が沖縄に落下。
その後、繰り広げられる貧乳歌姫との戦いで沖縄ごと汚染されて消滅する憂れ気めを受けた。
最期の瞬間に、二人は息子や祖父の名前を叫んだという……

【野比玉子@ドラえもん 消滅】
【セワシ@ドラえもん 消滅】

DMC狂信者に入ったらしいタケシは、沖縄の異常気象はクラウザーさんによるものという根も葉もない説を信じて接近し、近づきすぎたために消滅した。

【タケシ@ポケットモンスター 消滅】

ディアボロはリスポン地点が沖縄だったのでスタンドも効果がなく、即消滅した。
まあ、ジョルノにかけられた呪いから漸く解放されると、ちょっと嬉しそうだったが。

【ディアボロ@ジョジョの奇妙な冒険 消滅】

約一名を除いた野比玉子症候群患者は復活地点が遠い宇宙か沖縄だったので消滅した。
処理が適当?
だって把握がめんどくさ(ry




そして、最後の一人もまた……



【二日目・19時59分/沖縄 沿岸部】

288今回、野比玉子症候群空気じゃね?:2019/01/26(土) 11:44:21 ID:P1gFsS5I0



「ごめんね、さとりちゃん……僕なりに殺し合いを頑張ろうと思ったけど、本当の本当にここまでみたいだ。
タケシくんも玉子おばさんもいつの間にかいなくなってしまったし……たぶん僕ら野比玉子症候群持ち自体も……」

クマ吉の最後の復活地点は蒼を発する黒き獣からさほど離れていない浜辺。
それが彼の最期の場所となった。

存在が歪み消滅していく肉体。
不死身と思われた野比玉子症候群患者も、上位の神さら滅ぼす瘴気には敵わない。
彼の滅びは止めようがなかった。

「僕らの死の意味ってなんだったんだろうね……さとりちゃん、みんな……」

変態という名の紳士に似つかわしくない、寂しげな口調で先に逝った仲間たちに語りかけ、そして……クマ吉は消えた。

【クマ吉@ギャグマンガ日和 消滅】





【二日目・20時00分/沖縄 沿岸部】

【全ての野比玉子症候群患者 全滅】

※症候群の患者がいなくなったので、野比玉子症候群自体もこの世界から消え去りました。
 以後、野比玉子症候群に感染する参加者は出ません。
※テラカオスが野比玉子症候群患者を取り込むことによって起きる世界の消滅(詳細は5期参照)の結末も回避されました。

289 ◆6qClYvksio:2019/02/09(土) 23:35:18 ID:wYEUBuQI0
予約のイチリュウチームを投下します

290 ◆6qClYvksio:2019/02/09(土) 23:36:20 ID:wYEUBuQI0



「Lyrical」
意味=叙情詩調、叙情的な、感情豊かな、熱情的な、ひどく感激して、大喜びで、(歌声が)軽やかな



――――

「お腹の中……ユーノくんでいっぱい……」
「なのは、僕の欲望でこんなに汚してしまって……」

ギムレーという防壁に囲われた浦安市。
そこにある病室の一つでなのはは呟いた。
彼女の全身はユーノの放った白濁液塗れで艶めかしさが更に足していた。
恋人を汚し尽くしたことは、男であるユーノにしてみたら非常に強い征服欲が満たされていた。
股間のマーラ様もディアラハンをかけられたかのごとく、ムクムクと再成長している。

「ここで時間が止まって、ず〜っとユーノくんと気持ちいいことができたら良いのに……」
「ああ、そうだね」

結ばれた二人が望むは永遠……その願いは共通し、何度目かのキスを交わす。



「……だけど、もう時間切れみたいだ」
「ユーノ……くん!?」

だが愛し合う者への永遠への望みは届かない。
愛では混沌に勝つことはできない。
何かを悟ったようなユーノの表情と同時に彼の体は急速に獣化が始まる――テラカオス化だ。
しかもこれまでにないレベルで強烈なもの、テラカオスへの進化が始まろうとしていた。
その様を間近で見ていたなのはの表情が絶望で陰る。
ユーノがなのはと抱いたのもまた、最期の時を恋人と一緒に過ごしたかった意味があるのだろう。


「ッ……まずい! ブリーフ博士! 早く来てーー!!」
「え……? なんで萃香ちゃんがここに!?」


しかし、時間切れに絶望するにはまだ早かった。
予め霧化して浦安中で待機していた萃香が病室で具現化。
アナキンたちと薬を作っているブリーフ博士への最速と同時に、今にも暴れだしそうなユーノを抑え込んだ。
なのはは萃香が見張っていたことを知らないので、いきなり現れたことに困惑している。
さらに言ってしまえば萃香の鼻からはちょろっと鼻血が出ていた。


「お待たせしたぞいユーノくん」
「薬は今さっき完成したところですわ」

萃香によるナースコールを聞いたブリーフ博士とサラマンディーネが病室に急いで入ってきた。
博士の手の中には治療薬が入ったカプセルが握られていた。
なお、ユーノとなのはが夜の営みをしていた痕跡が随所に見受けられたが、今は緊急時なので無視した。

「ハ、ハカセッ……!」
「さあ、飲むんじゃ、ユーノくん。これでおまえさんは助かる!」

既に肉体の80%は獣化が進んだユーノ。
ブリーフ博士は怪物フェレットと化した彼の口にカプセルを放り込んだ……

291 ◆6qClYvksio:2019/02/09(土) 23:37:46 ID:wYEUBuQI0






病室の外にはアナキン、はやて、ギムレー、ツバサの四人がいた。

「アナキンさん、ユーノくんは助かるんやろか」
「助かるさ、なにせ僕と博士、サラが作った特効薬だからね」
「…………」

不安そうなはやてをなだめるアナキン。
そして他の仲間たちには教えていないとはいえ、アナキンこそテラカオス化ナノマシンを現代に復活させ、騒動を巻き起こした張本人であることを知るギムレーはジト目で二人を見ていた。
この場でアナキンの正体をバラさないのは先ほど彼と交わした密約と、大災害の黒幕は別にいるからだ。
密約を反故にすれば、両方に多大な被害が出る上に最悪“大災害”や“黒幕”に敗ける結果につながってしまう可能性がある。
そもそも、はやては自分とブリーフ博士以外の仲間を間接的に皆殺しにされているため、未だに精神不安定である彼女に教えたら最後、暴走する危険を孕んでいる……彼女だけでなく、他の仲間もアナキンとの衝突も発生するだろう。
せっかく主催との貴重なカードを手に入れたのに、ここで捨てると致命傷になりかねない。
アナキンを捨てるのは主催なしでこの窮地を乗り切れると確証を得るか、または彼が裏切る素振りを見せてからでも遅くない。


「しかし、驚きました。瘴気の正体が菌やウィルスじゃなくてとても小さな機械だったなんて」
「正確にはナノマシンだね」

ブリーフ博士の研究でわかったことは日本中を覆っている目に見えない瘴気の正体は、極小の機械ナノマシン。
これが体内に入ることで適正のある存在がテラカオスという怪物になることがわかった。
もちろん、主催であるアナキンは最初から知っているのだが、この場は初めて知ったようにはやてやツバサに答える。
ギムレーもまた、いちおう合わせるように答えた。

「……なるほど、首輪を取ったハズの仲間の名前が呼ばれたわけだ。
首輪はあくまで制限装置と盗聴器とオマケの爆弾に過ぎない。正しい首輪は体内に宿っていたナノマシン。
これ自体が出す識別信号で主催はどこにいても参加者の状態を把握できるんだ」
「首輪を取る意味がないというわけやあらへんけど、真に殺し合いから解放されるにはナノマシンをどうにかするしかあらへんのやね」

瘴気の存在を知った参加者はその正体がウィルスか呪いか何かと思っていたが、実際には肉眼では捉えられない機械。
ブリーフ博士が見つけた事実である。

「博士の薬のカプセルは、ツバサの親元である風鳴翼の腕から採取した変異した細胞を元に戻す薬、そしてナノマシンの停止コードも入っている。
ユーノの怪物化……これからはテラカオス化と統一して言っておくか。
テラカオス化を解除することができる」
「すごいお薬やね……それを作ってまうブリーフ博士も」
「ああ、横で一緒に薬作りをしていたからわかるが、あの人は頭脳方面で怪物だ。
僕とサラは補助ぐらいしかできなかった。
あの人が祐一郎のような危険人物だったら、僕ら対主催はとっくの昔に終わっていてもおかしくはない」

改めてブリーフ博士の恐ろしさを実感するアナキン一同。
参加者から主催まで使っているホイポイカプセル一つとっても、あるべき質量保存の法則を無視しているのだから、その技術力は計り知れない。

「じゃあ、あのお薬を大量生産すれば、もっと多くのテラカオス化した人を助けることができるんやね!」
「いや、あの薬はユーノ限定用に調整されて作られたものだから他の参加者に投薬しても意味がない」
「そうなんですか……」
「薬はあくまでユーノが君の吸収能力でも治せない能力を持っていたから作っただけだ。
君自体の力を高めるためにも他の参加者はなるべく因子吸収で治してもらいたい」
「確かに薬で治すとテラカオス因子も消えてしまいそうですからね」

292 ◆6qClYvksio:2019/02/09(土) 23:38:24 ID:wYEUBuQI0

薬の力でテラカオス化に苦しむ人を救うことができると思ったツバサだが、アナキンの言葉により俯く。
その様子を見たはやてが彼女の暗い表情をどうにかするつもりで別の良い話題を振ることにした。

「そういえばさっきホルスから聞いたんやけどギムレーさんは都庁の皆とコンタクトが取れたんやってな?
どうやら向こうは」
「うん、ああ。
二度手間をしたくないから、ユーノが治療されたら、全員に改めて詳細を教えようと思っていた。
向こうにいるオオナズチのおかげで沖縄の異常気象の正体、聖帝軍が立川を焼いた本当の理由、ベルナドットが示したカオスロワちゃんねるの管理人の危険性もわかった。
特に向こうが予言の鍵となるテラカオスと野球選手以外は手に入れていたのは大きい。
僕らは都庁の逆で野球選手とテラカオス兼勇者であるツバサが揃っている。
早急な合流は確定だね」
「すごい! 短時間でそこまで行けるなんて」

予言の完遂までの道筋が見えてきたことに、暗くなっていたツバサの表情がパアッと明るくなった。

「しかしギムレー、ツバサ暗殺のために襲いかかってきた死者の件も含めて余談は許せないな。
なんとしてもツバサを護衛し、都庁と合流しよう」
「言われずともさ……まずはユーノの治療次第だ」
「今はテラカオス化で余裕あらへんけど、彼の頭脳は有用や。
友達としても未来のためにもブリーフ博士には助けてもらいたいで!」

イチリュウチームが浦安から都庁へ移動するにはユーノの治療が不可欠であった。
多くの者が仲間として彼のテラカオス化の浄化を望んでいた。
ブリーフ博士が作り上げた薬だけが彼の治療への希望であった――


「……あれ?」
「ん?」
「どうしたんやツバサちゃん? アナキンさん?」
「フォースの流れが……」
「ユーノさんのテラカオス因子は確かに消えていっているのに……これは一体」





「うわああああ!」
「ふぐッ!」

ツバサが疑問を口にした直後、何者かに投げつけられるように病室の扉をぶち破って出てきた萃香とサラを皮切りに、安息は打ち砕かれた。

「な、なんだと!?」

病室の前にいたアナキンたちに戦慄が走る。
気絶したサラ、目を回している萃香を尻目に大慌てで病室に入るとそこには衝撃の光景が広がっていた。

病室にユーノやなのはの姿はなく。
代わりに巨大なフェレット似の怪物がブリーフ博士の頭を大きな腕で鷲掴みにし、今にも握りつぶさんとしていた。

『グルルルルル』
「やめろ……やめるんじゃ、……くん」
「まずい、ブリーフ博――ッ!」

一番前に出ていたアナキンがフォースの念動力で博士を救おうとするが、巨大フェレットはフォースの魔力を吸収して反射し、口から光弾として即打ち返した。
幸い、フォースの力は控えめにし、返ってきた光弾も威力が低かったのでソウルキャリバーで防ぐのは簡単であった。

「なぎゃッ」

が、アナキンが防いだ数瞬の内にブリーフ博士の頭は大きな腕によって無残に握りつぶされた。
栗の花の匂いが広がっていた病室が瞬く間に生臭い鉄のような香りに支配され、その病室の中心に赤い泉と頭を無理やり圧縮されて潰れたザクロのようになったブリーフ博士の死体が転がった。

【ブリーフ博士@ドラゴンボール 死亡確認】


「いやああああああああああああああああ、ブリーフ博士ぇーーーー!」

信頼していた科学者の死にはやては絶叫をあげる。
無論、博士の突然の死に戦慄したのはアナキンやギムレー、ツバサとて同じだった。

293 ◆6qClYvksio:2019/02/09(土) 23:39:44 ID:wYEUBuQI0

「ユーノの治療が失敗した!?」
「薬が効かなかった、そんな……まさか!」

思わず、アナキンの正体を唯一知るギムレーは彼に疑いの目線と殺意を向けかける。
博士と一緒に薬作りをしていたアナキンなら細工して治療させないことも可能だったから。


「待ってください! この人はユーノさんじゃありません!」
「なに!?」
「どういうことなんだ!?」

ツバサの言葉にギムレーは驚いた。
それどころか彼が疑っていたアナキンでさえ、本意から驚いていた。


「もうやめるんだ!」
『正気に戻ってください!』
「ユーノ! レイジングハート!」

先程は部屋が暗くてわかりづらかったが、フェレットの怪物の長い尻尾にはユーノとレイジングハートが捕まっていた。
さらに言えばユーノは全裸であることを除けば元の真人間の姿をしていた。
となるとユーノ以外の、この部屋にいるべき人間がテラカオス化したことになる。
ということは……なまじ頭がいいだけにギムレーの中に嫌な想像が思い浮かぶ。

「ユーノ、その怪物はまさか!」



「……なのは、だ」

ユーノの漏らした言葉に、四人は戦慄し困惑する。

「なんでや?! ユーノくんはともかくなのはちゃんがテラカオス化する兆候なんてなかったで!?」
(なのはのテラカオス化は極陰性だ、テラカオスになれるはずがない……九州ロボにいた時に確かに確認したハズだ!)
「ユーノ自体のテラカオス化は確かに治ってる。薬のせいじゃないとしたら、一体どうやって……?」
「さっきまでなのはさんにはひとかけらのテラカオス因子もなかった……どうして? なんでユーノさんの進行状態をなのはさんが引き継いでいるの!」


――――

この状況に至る経緯を解説しよう。
はやてが言ったとおり、高町なのはにはテラカオス化の兆候など一切なかった。
アナキンが覚えているとおり、なのはのテラカオス化は陰性なのだ。
どれだけ殺し合いのストレスを与えてもテラカオス化などしない。


では、どうして?


ブリーフ博士たちが薬を持ってくるまでになのはとテラカオス候補者たるユーノは性交をしていた。
それは肛門すら使う、ディープなプレイだった。

しかし、その愛のための行為が行けなかった。
ユーノから放たれる精液の中身にもテラカオス化を誘発させる細胞及び因子が入っている。
なのはは子宮に、肛門に、口に全身の肌に彼の精を浴びてしまった。
ほぼ全身を汚染されたと同じである。

されど、それだけならなのははテラカオス化しない。
先にも言ったとおりなのはのテラカオス化は陰性、重度に進行していたユーノの射精とはいえ精子を浴びただけではテラカオスにはなれない。
もし浴びただけでなれるなら、序盤のホテルの時点でテラカオス化が始まるだろうし、そもそもテラカオスであるツバサが合流した時点で異変に気づく。
ユーノと浦安の病院で交わるまでは確かに彼女は人間だったのだ。


――しかし、世の中には例外たるものが存在する。

読者は四条化細胞たるものを覚えているだろうか?
四条貴音から生まれたテラカオス化しない陰性の者ですら強引にテラカオス候補者にしてしまう魔の細胞。
ツバサの前身たる善玉だった風鳴翼も、灰を浴びたら最後、問答無用で修羅に変えさせた。
クリスなど、幾人もまた四条下細胞により怪物と化している。「
ところが、ユーノは翼のように四条化細胞の塊である灰を浴びたり、肉を喰ったりはしていない。
では、どこで四条化細胞を得たのか?


読者には数話だけ振り返ってみて欲しい。
浦安にてユーノとツバサが合流した際、ツバサは彼を治療するために因子を吸収しようとして逆に吸収し返される失敗をした。
途中で止めたので吸われたテラカオス因子自体は多くはなかったが、確かに吸収されてしまったのだ。

ツバサの中に眠る因子……風鳴翼が持っていた「四条化細胞の因子」を。

294 ◆6qClYvksio:2019/02/09(土) 23:40:14 ID:wYEUBuQI0


こうしてユーノの細胞にも四条化細胞が宿ったのだ。
幸い、時間はあまり経ってなかったの本能にも似たような感情でなのはは絶対襲わないようにしていたため、ユーノ自身が四条化細胞に侵されることはなく、それも薬によって浄化された。

ところが、四条化細胞に汚染された精を受けたなのはは違った。
テラカオス化が活発であったユーノの体内でツバサの体内では休眠状態だった四条化が活性化。
精子を通じて四条化細胞によってなのはは、テラカオス化への反応が陰性から陽性に作り替えられるように肉体を、本人も気づかない内に作り変えられた。
しかも、ユーノが今まで進行していたテラカオス化因子もそのまま引き継ぐ形で、なのははテラカオス候補者になってしまったのである。

ユーノでさえ恋人以外には抑えつけているとはいえないテラカオス化を、彼よりも精神的に弱いなのはがいきなり受けて耐えられる道理はない。
そして彼女は野獣と化し、ユーノを捕まえ、サラと萃香に不意打ちを与え、ブリーフ博士を殺した。


全ては「愛の感情」がもたらした、惨劇。


――――

『オナカスイタナノ……ユーノクンイガイ、タベル』
「な、なのは……!」

怪物なのはは、亡骸となったブリーフ博士をさっそく大きな口で丸かじりした。
信じられないような瞳をしたユーノの表情が、口から飛び散ったブリーフ博士の血で赤く染まる。

「クソッ、状況の検分は後回しだ!
今はとにかく、なのはを止めてユーノを助けなければ!」

何がどうなってなのはがユーノがかつてなっていた怪物フェレットになっていたかは、今の切迫した状況では確かめることはできない。
被害を抑えるためになのはを止める方が先決だ、とアナキンは判断した。

「でも、どうやって!?
なのはちゃんもユーノ同じくエネルギーを跳ね返す技が使えるみたいやで!?」
「それは……」

どうやら、先ほどフォースを跳ね返したように。
今のなのはにはユーノと同じ魔力・エネルギーを吸収増幅反射する技が使えるらしい。
これでは天魔王すら倒したアナキンのフォースも、世界の破壊者すら一撃粉砕したギムレーの魔法さえ危険である。
当然、ツバサによるテラカオス因子吸収治療も受け付けぬだろう。

「簡単だ、私に任せろ」
「萃香!」
「さっきは油断と不意打ちで遅れを取ったけど、今度はそうはいかないよ!」

不意打ちを受けて倒れていた萃香が起き上がり、なのはに飛びかかる。
怪物なのはは長く鋭い爪で萃香を仕留めようとしたが、萃香は瞬間的に霧になって回避。
そしてなのはの後ろに回り込んで実体化、さらに鬼の超怪力で尻尾に絡められていたユーノ及びデバイスであるレイジングハートを救助した。
若干、痛かったのか怪物は悲鳴をあげる。

『ナノオオオ!?』
「ここは私に任せて行け! 大丈夫だ、おまえの女房を殺しはしない!」
「すまない、ありがとう……」

萃香に助けらたユーノは急いでアナキンたちのところに滑り込み、合流する。
怪物なのはは逃げるユーノには追撃は加えなかった。
ただし、その分逃がした萃香への怒りは大きいようだが。

『カエセ、ユーノクンヲ!』

さっそく尻尾や爪の攻撃、バインドによる拘束魔法をも、密と疎を操る程度の能力で霧化して躱していく萃香。
そして今度は背後に実体化し、目の前の怪物を凌ぐ怪力を持って背中から抑え付け、強引に床にダウンさせた。

『ナノオオオオオ』
「暴れんなよ、暴れんなよ……」

295 ◆6qClYvksio:2019/02/09(土) 23:40:49 ID:wYEUBuQI0



優勢たる萃香の様子を見て、ギムレーは考察を呟く。

「なるほど……魔力やエネルギーに関係ない物理攻撃は普通に効く。
そして回避や防御以外で一切の魔力を使わなければ、増幅反射技も使えない。
後は怪力に優れた者を宛てがえば捕獲も可能か」

ギムレーの言葉通り、拳などの物理攻撃は魔力を帯びてないので吸収できない。
さらに防御や回避のためのエネルギーは、流石に吸えないのようだ。
結論から言えば、怪物なのは(及び怪物ユーノ)が無敵なのは「エネルギー」を主体とした「攻撃」だけである。
捕縛するなら怪力で抑え付けるのが最良に思えた。

「ならば、物理攻撃にも優れた僕やアナキン、ツバサ、イチローやナッパでも彼女を捕まえようはある!
はやて! 気絶したサラを連れて急いでイチローたちを呼んできてくれ!」

この中では最も非力なはやてにギムレーは指示を飛ばした。
一方、はやては……

「ああ……ああ……」
「はやて、しっかりするんだ!」
「は、はいアナキンさん!」

はやては博士の死に未だにショック状態で動けなかったが、アナキンに激を飛ばされて持ち直し、意識がないサラを担いでなんとか部屋の外へと走っていった。
そして、ギムレー、アナキン、ツバサは武器を構える。
それを見て慌てるユーノ。

「ちょっと待ってくれ、彼女を傷つける気か?!」
「安心しろ、峰打ちに留める……ただ新しい薬を作り出すまで気絶はしてもらうけどね。
それよりもユーノは彼女に声をかけてやれ、『まだ』正気を取り戻せるかもしれない」

アナキンが言ったとおり、三人と萃香になのはを殺す気はない。
ただ、重度のテラカオス化が進行しているため、手を抜けるほどの相手ではないと知っていた。
角度は違うが、それぞれテラカオスの危険性を知っているからこその行動である。
少なくとも無傷での捕縛は無理であると察していた。
とにかく、今は力に優れた者たちが必要であった。
大切な仲間たちのために――








――だが、『混沌』は常に人々の予測の上を行く。
シスの暗黒卿、邪竜、テラカオスの申し子、そしてかつてテラカオスの因子をその身に宿していた青年を嘲笑うかのように。









「よし、後はナッパたちが来ればコイツを捕まえることが――」

ズブッ

「え?」

怪物なのはを床に抑え付けた萃香の腕が、突然の違和感に襲われた。
まるでローションの塊の中に手を突っ込むような異様な感覚。
萃香が自信の両腕及び怪物なのはの体を見ると………


なのはの体が水色のスライム状に変化し、萃香の腕はその中に捕らわれていた!

296 ◆6qClYvksio:2019/02/09(土) 23:41:24 ID:wYEUBuQI0
「なんじゃこりゃー!? ぶべべべッ」
「萃香ーッ!」

その直後、萃香はスライム化した怪物なのはの体内にズルリと全身を入れられてしまった。
この異様な事態にアナキンたちは驚く。
そして何より驚いていたのは、この現象を知るツバサであった。

「バイオライダーのゲル化能力……!!」
「なんだって?!」
「キングストーンの持ち主であったブラックRX、彼の能力の一つで、不定形のゲルになってあらゆる物理攻撃を無力化する能力です!」

怪物なのはが今行使している力は、まさにバイオライダーのゲル化能力そのままであった。
特定の攻撃手段を除き、あらゆる物理攻撃を無効化してしまう水色の姿がその証左であった。


(でも、彼女がどうしてキングストーンの力を……まさか!!)

その時、ツバサは脳裏に嫌な予感が迸った。
少し前にツバサはテラカオス化が進行していたユーノを救おうとして、逆にエントロピーを吸われる結果になった。
吸われたエントロピーの中にはテラカオスや四条化細胞、キングストーンの因子も僅かながら入っており、ゲル化能力の力もユーノに吸われてしまった。

ユーノの因子はブリーフ博士の薬によって消失したが、その前にユーノが因子を(おそらく故意ではないであろうが)何らかの手段でなのはに分け与えて、彼女を怪物化させたのだ。

結果、なのははテラカオス候補者にして四条化細胞とキングストーンの力も得た怪物となってしまった。


(でも、もしそうなら私のせいで彼女は――)

答えはわからないが、考察が当たっていればなのはを間接的に怪物化させたのは自分ということになる。
そう思うと冷や汗が出てきた。

――――

なお、彼女の考察は「大当たり」である。
治療に失敗した際にユーノに吸われた因子が、セックスを通してなのはに吸収され、巡り巡って彼女を怪物に変えてしまったのだ。

――――

「ツバサ! 何をボーっとしてる」
「早く仲間を救い出すんだ!」
「はッ……!?」

アナキンとギムレーの言葉で現実に引き戻されるツバサ。
見るとユーノを含めた三人の男たちは剣やその辺の棒を使ってゲル化した怪物に捕らわれた萃香を救おうとしている。

「ごぼッ、がはッ!!」

ゲルの中で萃香はもがくが、どんなに鬼の怪力を使っても脱出できない。
霧化も可能にする蜜と疎を操る程度の能力も、ゲルの中にいれば効果はない。

(だったら固めて……)

怪力や霧化がダメなら、ゲルを固めて脱出を図ろうとする萃香。
だが、それを許すほど怪物なのはは悠長ではなかった。

(だ、ダメだ体中の妖力が吸われて……)

仲間であったなのはを傷つける可能性への躊躇があったのか、固める判断が少しばかり遅すぎた。
萃香の体は貪欲で食欲旺盛な四条化細胞に妖力を食われていった。
妖力だけでなく、彼女の体はゲルの中で急速に溶け出して吸収されていく。
まるでアメーバに食われたプランクトンの如く。
衣服、皮膚、筋肉、骨の順番で溶けていった。

「ぎゃあああああああああああああああ!!!」
「萃香ッ! ダメだなのは、もうやめるんだ!!」

ゲルの外まで届く萃香の悲鳴に、ユーノのみならず周囲の味方も焦る。
しかし、助け出そうにもここにいるものたちに、魔力やスキル、物理的手段においても今のなのはから救うことは不可能であった。


骨までとかされた幻想郷の鬼は、最期は骨も残さず、しゅわっとスパっと、なのはの滋養として吸収された。

【伊吹萃香@しゅわスパ大作戦 死亡確認】

297 ◆6qClYvksio:2019/02/09(土) 23:41:57 ID:wYEUBuQI0


「萃香さん!」
「ああ……どうして……!」

仲間の死にショックを隠せないツバサとユーノ。
逆にアナキンとギムレーは比較的冷静であった。
否、平静を保ってないといけなかった。

「萃香がやられた!」
「まずい、魔力吸収反射だけでなく、ゲル化によって物理攻撃まで無力化だって!?
これじゃあ、もうイチローやナッパを連れてきたところで……もう捕獲どころじゃない」

魔法の類は言わずもがな、肉体に優れた者を連れてきたところで素手で捕まえようとすれば、ゲル化によって捕われ捕食されてしまう。
それでも何か打開策はないか、二人は考える。
そうこうしている内に、新しい能力に慣れてないせいかゲル化してからあまり動かなかった怪物なのはが動き出した。
次なる獲物はテラカオスであるツバサであった。

『ナノオオオオオ!!』
「ツバサを狙っている!? 止めなきゃ……がはッ!」
「ギムレー! ぐはッ! なんて怪力……」

理性を保ったテラカオスにして不屈の心を持った勇者であるツバサが喰われてしまえば、予言の完遂が不可能に近くなる。
ギムレーとアナキンは阻止するためになのはを止めようとしたが、彼女は曲がりなりにも鬼である萃香を食ったことでパワーが増したのか、二人を軽々と吹っ飛ばして左右の壁にぶつけた。
凶悪な人食いゲルが暴走特急のようにツバサに襲いかからんとする。

「来るッ!」
「なのは!!」

そこへ、ツバサを庇うようにユーノが前に出た。

「いけない、離れるんだユーノ!」

このままではなのはに捕食されてしまう、と焦ったギムレーであったが、ユーノは逃げようとしない。

「……なのはに殺されるなら本望だ」

それは彼なりになのはが仲間を殺してしまった責任を感じていることと、彼女に仲間をこれ以上殺させないための決意の表れであった。

『ユーノ……クン』
「なのは……」

ユーノの祈りは通じたのか、今にもツバサごと覆いかぶりそうだった人食いゲルは彼らの手前で停止した。
それだけでなく。

「なのはさんの姿が……!」

一時的にでも正気に戻ったのだろう。
ゲルが人の姿に再形成され、それは裸のなのはの形になった。
変身が解けたようだ。
そして彼女は全身血まみれで、恐怖の形相で泣いていた。

「ユ―ノくん、わた、私……」
「なのは……!」

正気に戻ったためか、彼女は自分がしでかした罪を理解していた。
だからこそ己の所業に慄いていた。

298 ◆6qClYvksio:2019/02/09(土) 23:42:22 ID:wYEUBuQI0


「アナキンさん! 仲間を連れてきたで!」
「大丈夫か! みんな!」
「おい、あの萃香はどこに行ったんだ?」

遅れてはやてが、イチローやナッパを病室に連れてきた。
部屋の外からいくつかの足音も聞こえるため、何人かの味方も急行するだろう。
いるはずだった萃香の行方については、ユーノが答えた。

「なのはは正気に戻った代わりに萃香は……犠牲になった」
「そんな!?」
「なにィ!?」
「すまない……なのはを責めないで。
僕がかかった病気が、どういうわけかなのはに羅患してしまったんだ……」

ブリーフ博士と萃香の死、そしてなのはのテラカオス化の責任は自分にあるとユーノは答えた。
その表情には、千年タクウに翻弄されて恋人を怪物にしてしまった時のなのはと同じ悲しみの表情を浮かべていた。

一方。
なのはの後ろでは二人の男が小声で会話をしていた。
アナキンとギムレーである。

(ブリーフ博士と作った薬はまだ残っているかい?)
(すまないが、薬はあれ一つしか作れなかった……ごく短時間で二つ以上作るのは難しかったんだ)
(サラとおまえでもう一つ作れないか?)
(薬の設計は頭に入ってる、が……時間がかかりすぎる)

訝しげに語るアナキンにギムレーは問い詰める。

(どれくらいだ?)
(機材が揃っていて最低三時間……といったところかな)

(そうか……わかった)


アナキンの話を聞いたギムレーは、なのはが気づいていない内に持っていた剣を彼女に向けた。

(ギムレー!?)
(彼女には悪いが、世界のためにもここで死んでもらう)

もう世界の破滅まで時間が惜しい。
三時間も浦安で待ってはいられないし、その前に再暴走するだろう。

イチリュウチームは彼女を殺さないと先には進めない。

先程はテラカオス化して魔法も物理も効かない無敵の存在であったが、変身が溶けて油断している今ならば真人間と変わりないはず。
彼女を殺すなら今しかないと、ギムレーは合理的かつ冷酷な判断をした。
何よりサーシェスに乗っ取られた黒炎竜を殺せないぐらいにはお人好し集団である。
いざという時は冷酷な邪龍に戻れる自分にしかできないことであった。

アナキンは止めなかった。
というより、ギムレーの心がフォースで読めないことに加えて本当に一瞬の出来事だったために止めようがなかった。
元は敵であり主催である自分に刃を向けるなら予測もできたが、それなりの理由があるとは言え味方を殺そうとするなど予期していなかったからだ。

ギムレーの剣の切っ先は、無防備ななのはの背中に向けて必殺の突きを向けられ――


「危ない、なのは!!」
「え、ユーノくん!?」

299 ◆6qClYvksio:2019/02/09(土) 23:42:45 ID:wYEUBuQI0




――剣はなのはに刺さることはなかった。
偶然、なのはに斬りかかろうとしたギムレーの姿が見えたユーノは、彼女を守るために自ら盾となったのだ。
結果、ユーノの腹は剣で貫かれ、夥しい血が噴き出した。

刹那の内に、斬られたユーノを除いた病室にいるもの、全てが驚嘆し、ある者は絶叫を上げた。
刺したギムレー自身も驚きであった

「馬鹿な……おまえは……!」
「ど、どんな理由があろうと、なのはは殺させない……!」

聡明なユーノは世界を守るためになのはを殺めなくてはいけないギムレーの意図を理解し、恨みなどは抱かなった。
しかし、愛するなのはを守ることだけは貫きたかった。
そんなユーノは腹から剣が落ち、同時に大量の血が床に流れたと同時に倒れた。


感情が呼び起こした悲劇は、まだ終わらない。


「あ、ああ……ギムレーェェェ!! ユーノくんをよくもォォォォ!!!」
『いけません、マスター!!!』

ユーノが刺されたことに激昂したなのはは、ユーノが持っていたレイジングハートを手に取り、杖としての姿にした後に、ギムレーに向けて最大級の魔力をぶつけた。
……般若の如き表情を帯びた怒れる彼女にデバイスからの忠告は耳に入らなかった。

「スタァーーーライト、ブレイカあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

元の威力でも戦艦の主砲並の一撃、そしてテラカオス化と萃香を食い殺して得た魔力は凄まじく、病室を桃色で染め上げた。
魔力の光は病院の壁をぶち破り、外に居たアウラの民数十匹をも巻き込み、浦安の地面に大穴を開けた。
さらには魔力はイチリュウチームが拠点にしていた浦安の病院を強すぎる振動で崩すことすら可能であり、次の瞬間には病院が崩壊して瓦礫に変えさせた。

――――

300 ◆6qClYvksio:2019/02/09(土) 23:43:15 ID:wYEUBuQI0

ドゴオオオン、と瓦礫の山から野球選手が現れた。

「ぐ……他の仲間は無事か?」

イチローである。
まず彼は味方の無事を確認にしようとする。
幸い、病室にいた仲間はすぐに見つかった。
ナッパ、ツバサ、はやて、地面に倒れているのはギムレーとアナキンであった。

「イチロー!」
「ナッパ、他のみんなは……」
「少なくとも病室にいた連中は無事だ……」
「アナキンさんがフォースで私たちを守ってくれたんです」

イチローたちがほぼ無傷だったのはアナキンがフォースの力でなのはの魔力から守ったからである。
無論、善意ではなくテラカオスと野球選手を一辺に失うかもしれなかったからだ。

「はやて……ツバサやみんなは無事かい?」
「ええ、アナキンさんのおかげやで」
「そうか……それは良かった」

代償としてフォースと邪剣・聖剣に選ばれた者ですら無視できない襲われた。
しばらくは立つこともままなるまい。

「クッ、万能を含む全属性半減能力を持っているのにファルシオン並のダメージ……なんて強さだよ……」

ギムレーはスターライトブレイカーを至近距離で直撃したが、辛うじて生きていた。
理由は防御力と耐性による反則並みのタフネスさに他ならない。
だがそんな彼を地に伏せさせるほどの打撃を負った。
一撃でダウンを取るほどの威力……火力面においてテラカオス化したなのはがどれほどの強さを持っているか、わかるはずだ。

「なのはとユーノの気配がしないけど、一体どこへ?」
「因子を辿ったところ、あの穴からユーノさんと一緒に行ったみたいです」

ツバサが言うにはスターライトブレイカーで浦安の地面に大きな穴を開けた。
そこからなのはは瀕死のユーノを連れて逃げだしたようだ。
ボロボロだったので追撃がなかったのはありがたかったが、おそらく地下を移動し暴走状態にある彼女は他所で惨劇を繰り広げるだろう。

「早く彼女を追って仕留めないと、より大きな被害が出てしまう」
「ギムレー! それもこれもアンタのせいや!」

あくまで冷静かつ冷徹な態度を崩さないギムレーの頬にはやての怒りの張り手が飛んだ。
張り手を受けても防御力と耐性のおかげでまったく痛くはないが、驚きだけは隠せなった。

「はやて、冷静になれ!
博士も死んだ以上、なのはは殺すしかなかった……あの場はあれが最良の手段だったんだ」
「最良やて? 仲間を殺そうとし、結果関係ないユーノくんを刺してどこがやねん!」
「ユーノは故意じゃない、事故だったんだ」

今のはやては惨劇やギムレーへの怒りもあって、明らかに冷静さを失っていた。
ギムレーは理屈でなんとか宥めようとするが……

「待て、なのは君を殺す以外の対処法はなかったのか!」
「ギムレー! なんで俺たちを信じてくれなかった!」
(ぐっ……お人好し連中め!)

仲間が仲間を殺すなど信じられなかったのか、イチローとナッパはギムレーの方に同調した。

「君たちは見てないから知らないだろうけど、なのはは物理攻撃をも無効化する力を手にしていた。
獣化していた時だったら君たちだって殺されていたかもしれない!
薬だって、もう作るだけの時間が残されていなかったんだ!
そうだろ、アナキン?」
「……ああ、ギムレーが言ったことは本当だ。
ブリーフ博士が死んだ今、僕とサラで薬を作るには時間がかかりすぎる」

「だけど、なのはを殺さんとする理屈はわかるが、悪手だったのには違いない」
「なんだと……!」
「あれを見るんだ」

アナキンが指を指した方角を見てみると、悲しむ女たちがいた。
一つは膝をついて泣くクリスとシマリスと血が染み出る瓦礫の前を中心に仲間が集まっており、他方では気絶から覚めたサラが生き残ったアウラの民と共に黒焦げになった仲間を弔っていた。
特にサラはギムレーに対して遠巻きから睨みつけているようにも見えた。

「あれは……」
「あんたのせいでベルナドットさんや、アウラの民の人も何人も犠牲になったんや!
テラカオス化についてはわかってるつもりやが、アンタが余計なこと一つしなければ、なのはちゃんは暴走せず、犠牲もでなかったんや!
死ななくても怪我をした人もいて、怪我を治すための病院もたった今崩壊したんやで!」

ベルナドットは病院が崩れる際に、クリスとシマリスを庇って瓦礫に潰された。
アウラの民はスターライトブレイカーの巻き添えで50人以上が黒焦げになった。
大きな被害と言っても過言ではない。

【ピップ・ベルナドット@HELLSING 死亡確認】

301 ◆6qClYvksio:2019/02/09(土) 23:43:44 ID:wYEUBuQI0


(アナキン! 他の仲間はフォースで守れなかったのか!?)
(ダメだ……病室にいる仲間だけで手一杯だった)
(嘘だ)
(嘘じゃない! それだけなのはの魔力が高まっていたんだよ!)

ギムレーはアナキンが狸組を篭絡したように、わざと被害を拡大させたのではと疑ったが、アナキン自身もなのはの暴走はイレギュラーな事態だったため、そんな算段を思いつく暇もなかった。
そもそもこれ以上イチリュウチームのメンバーが死ぬメリットが何もないのだ。

(クッ……これからという時に、メンバーの不審を買ってしまったか)

自分なりの理由はあったとはいえ、一つの過ちでメンバーの信用を失ってしまったギムレー。
少なくともなのはは勿論、はやて・サラからは確実に不興を買っている。

「……生かすにしろ、殺すにしろ、なのはを止めなくては被害が拡大する」
「どの口が言うねん」
「はやてくん、思うところもあるが今は抑えてくれ。
なのはくんを捕まえなきゃいけないのは事実だ」

未だにギムレーへの怒りが残るはやてだったが、イチローがなんとか宥めようとする
彼は多くの仲間が殺されたことにはショックはあれが、全てがなのはのせいではないと理解し、短絡的な行動を取らない程度には冷静でいられた。

「アナキンが言うには時間はかかるが薬は作れるんだな?
なら、まだ望みはある……彼女を追いかけて治療して――」
「あの……」
「なんだい、ツバサ?」

イチローがなのはを追跡しようと仲間に促している中で、ツバサが彼の袖を引っ張った。
彼女の表情は非常に、非常に悲しみに溢れていた。



「今、遠方から彼女の因子の気質を感じました」



「もう、彼女は助かりません……」


――――

302 ◆6qClYvksio:2019/02/09(土) 23:44:06 ID:wYEUBuQI0

浦安に開けた大穴から地下を通じて逃げ出したなのはは千葉県を出て、東京湾の空に出ていた。
今の彼女の体内には高濃度のテラカオス因子が宿っているが怪物の姿ではなく、正気を保っているためかレイジングハートで変身して甲冑を身にまとういつもの魔道士の姿をして飛行していた。
腕の中には腹から血と臓物を流し、時間が経つ度に青ざめていく肌をしていく瀕死のユーノであった。
彼はもはや自力では動けなかったが、なのはが海上で治癒のために魔力を注ぐと腹の傷はふさがった。

「すう……」
「ユーノくん、良かった……」

気絶からは覚めてないが、ユーノはなんとか死地から回復した。
皮肉にもテラカオス化で増大した魔力が、治癒魔法の力を高めたのだ。

「でも、これからどうしよう……」

怒りを必殺魔法に乗せてぶっぱなし、恋人の命を助けることができたため、なんとか正気を維持できたなのは。
自分自身の手で多くの仲間を殺し、つい感情的になってしまって病院を吹き飛ばしてしまった以上、イチリュウチームに自分が戻ることはできない。
ユーノだけでも浦安に返すことも考えたが、ギムレーのように仲間を平気で殺せる輩がいるとわかった以上、戻す気にもなれなかった。

「ぐッ……頭が痛い」

頭の中を埋め尽くす「世界をカオスにしろ」という言葉でなのはは、気が狂いそうであった。
今はとにかく目覚めぬユーノのためにも少しの間でも安息の地が欲しかった。

しかし、今の日本に安息の地などない。
激戦区東京やギムレーが見張っている千葉は言わずもがな。
他の県も狂信者などのマーダーが跋扈している。
日本に血なまぐさくない場所など、残されてないと思われた。

「あれは……」

だが、なのはは一箇所だけ、日本でありながら殺し合いの蚊帳の外にあった島を発見した。

伊豆諸島である。
そこには主催の基地がある場所だ。
だがなのははそれを知らないため、早期に沖縄含む離島が禁止エリアにされたことも相まって、首輪をはめた参加者は誰ひとり近寄れない場所と認識している。
狂信者もおいそれとは入れないハズだ、そう信じてなのはは向かうことにした。

今は惨劇も救済の予言も全て忘れて、とにかく休みたかったのである。

303 ◆6qClYvksio:2019/02/09(土) 23:44:40 ID:wYEUBuQI0


ところで高町なのはのテラカオス進行度がどこまで進んだか、気になるものいるはずだろう。
まずユーノのテラカオス進行度は特大レベル。テラカオスへの進化寸前であった。
ユーノの進行度は精子を通じてなのはに受け継がれた。
そしてブリーフ博士と萃香を食らったのだが、その際になのははあるものを一緒に食べた。

ブリーフ博士のディパックに入っていた、風鳴翼の右腕である。

ディーヴァ転生前の風鳴翼のテラカオス進行度もユーノと同じレベルである。
ということは進行度特大と特大同士が合わさった時、なのははどうなるか――



別のことに集中していたなのはは気づいてないが、髪色にツバサと同じ銀のメッシュが徐々に入った。
そして人間としての耳が千切れてフェレットじみた獣耳が入った。
眼光は可愛らしい女性のものではなく、獣のそれと同じ。
そして、かつての貧乳歌姫と同じように黒いオーラを纏っていた。
彼女は気づいていない、浦安から地下を抜けるまでに自分が人間とは別のものに進化していたことに。




呪え! 愛と運命と感情の果てに生まれた混沌の冥王。
その名もテラカオス・リリカル。まさに生誕の瞬間である。



【二日目・20時30分/千葉県 浦安市 病院跡地】

【イチリュウチーム】
※サンプルとなる風鳴翼の右腕と解析するための必要機材を紛失しました。
 ツバサの細胞とアナキン・サラマンディーネレベルの技術者がいれば特効薬自体は生成できますが
 浦安市にはそれを可能にする機材が残っていません。
 また、機材があってもブリーフ博士存命時より格段に時間がかかります。



【アナキン・スカイウォーカー@STAR WARS】
【状態】消耗(大)、不安、若返り、ジェダイ風衣装、首輪解除
【装備】邪剣ソウルエッジ&聖剣ソウルキャリバー@ソウルキャリバーシリーズ
【道具】支給品一式、四条化細胞入りカプセル、ライトセーバー@STAR WARS、闇のルビー、ギンガスパーク@ウルトラマンギンガ
    ココ・ジャンボ@ジョジョの奇妙な冒険、大量の不明支給品(アナキン確認済み/回復薬なし)
【思考】基本:世界を救うためにテラカオスを成長させ完成に導く計画を遂行する
0:なのはとユーノを追うべきか決める
1:対主催への信頼を得るためにはやてを利用する
2:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは消す
3:不足の事態に備えて予備のテラカオスを作り出すことも念頭に入れる
4:ユウキ=テルミが死んだので予言を解き明かせる科学者や知恵者はなるべく殺したくない
5:いざという時は四条化カプセルで新たなテラカオスを作る
6:沖縄のフォースから世界の破滅の危機を察知。色々と急がねば……
7:事件の元凶であるミヤザキの末裔は必ず殺す
8:まさかなのはがテラカオス化するとは……
※タイムふろしきで若返ったのでピーク時の姿と力を取り戻しました


【ギムレー@ファイアーエムブレム 覚醒】
【状態】ダメージ(大)、人間形態、シャドウだった者へ若干の恐怖心、首輪解除
【装備】邪竜ギムレー
【道具】なし
【思考】基本:自分以外がもたらす破滅(未来の大災害)の阻止
0:クッ、テラカオスになってしまったなのはをどうするべきか……!
1:『正確な』情報を集めて仲間をフォローする。アナキンの正体は今は誰にも話さない
2:試合の邪魔をするDMC狂信者を倒すために、本拠であるビッグサイトを攻略したい
3:都庁がまともな場所と判明したのは僥倖。変態の巣窟でも文句はないさ
4:西の邪悪な気配は警戒を続ける
5:ネット上の乳神に若干嫉妬
6:ツバサこそ大災害から世界を救う鍵かもしれない
7:オシリスは救助したいが少し厳しいか……?
8:ブリーフ博士が死んでしまった位以上、なのはの命は諦めることも視野に入れる
※外見はデフォルト設定の銀髪青年です
※首輪を外したとしても、屍兵は簡単には生み出せません
※首輪解除により、人間の姿のまま、自分自身である邪竜ギムレーを操れるようになりました
※現在、邪竜ギムレーの体を使って浦安市を覆うことでシェルターとなって外敵の侵入や攻撃を防いでいます
 『通常手段』での突破は容易ではありません
※オオナズチより、予言の情報と都庁の状況の一部を把握しました
※またオオナズチ側にもイチリュウチームの情報が伝わりました
 アナキンのことはまだ伝えていません
※ドラゴンネットワークを遮断しました。これにより情報は入りませんが、シャドウからも介入されません

304 ◆6qClYvksio:2019/02/09(土) 23:45:16 ID:wYEUBuQI0


【ナッパ様@ドラゴンボールZ】
【状態】ダメージ(小)、疲労(小)、尻尾切断(処置済み)、野球脳、激しい怒りと悲しみ、首輪解除
【装備】病衣
【道具】なし
【思考】基本:ハラサンの意思を継ぎ、チームを優勝させる
0:ユーノとなのは助けにいかねえと!
1:野球を邪魔するDMCは許さない
2:萃香やブリーフ博士、ベルナドットまで!?
3:拳王連合軍は本当に悪逆集団なのか?
4:ギムレーは信じたいが……
※回復したため、戦闘力がとても大幅に上昇しました
※一瞬だけスーパーサイヤ人化しました。これからいつでも変身できますが本人はまだ気づいていません

【白光炎隼神ホルス@パズドラ】
【状態】ダメージ(小)、悲しみ、首輪解除
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:世界を救うためにイチローについていく
0:非常に混乱しているが、今はツバサ達の護衛に専念
1:死んでしまった奴らのためにも頑張るホル!
2:都庁に儚げな巨乳がいるなら、向かってみてもいいかもしれない
3:ホルもソウルアーマーを遺したくなるよう人に会ってみたいホル
4:できればそれは巨乳の女の子が(ry 特にクリスやはやてみたいなええ乳の(ry
5:ツバサも乳があればなあ……

【テラカオス・ディーヴァの残滓『ツバサ』@テラカオスバトルロワイアル十周目】
【状態】健康、完全TC耐性、キングストーンにより変身可能、首輪なし、若干エントロピー減少により弱体化
【装備】キングストーン
【道具】リボルケイン
【思考】基本:テラカオスの因子を集める。この力で守れるものを守る。
0:なのはさんはもう助からない……
1:どうして人はあんなに残酷に殺しあえるんだろう……
2:私にも救えない人がいたなんて……
3:ブリーフ博士まで死んでしまった、これからどうすれば……
※ディーヴァが持っていた能力はキングストーン以外が使用不可。
※一度、テラカオスになったことにより完全なTC耐性を保持、テラカオス候補者のTCを回収できます。
※死んだことによりディーヴァの性格を引き継いでいません、これからどうなるかは不明。
※記憶を大半喪失していますが、生みの親の名前、風鳴翼が捕食で世界を救おうとしたこと、都庁での悪い思い出、沖縄で敵が現れ敗北したこと、夢で出会った男(才人)のことは朧げながら覚えています。
※仮称としてツバサという名前が与えられました
※ユーノに吸収された因子とエントロピーは通常手段では回復できません
 他者の因子を吸収することによってのみ回復します


【イチロー@現実?】
【状態】ダメージ(中)、疲労(小) 、非常に強い悔しさ、首輪解除
【装備】野球道具
【道具】支給品一式
【思考】基本:大災害の阻止
0:なのはとユーノの二人を追わなくては!
1:DMC狂信者を倒すために多くの仲間を集める
2:邪魔をしてくるDMC狂信者を倒すまでは試合は保留
3:予言に対しては慎重に考える
4:DMC狂信者の本拠であるビッグサイトを攻略したい
5:主催者は予言のことを知っているんだろうか?
6:オシリスが生きているなら助けに行きたい
7:できるならドリスコルだけはこの手で討つ
※ネオ・レーザービームは使用すると腕に多大な負担がかかり、あと二球以上使用すると選手生命が終わる危険があります
 いかなる回復手段を持ってもこれは回復できません


【◆6/WWxs901s氏@カオスロワ書き手】
【状態】ダメージ(小)、疲労(小)、怒りと悲しみ、首輪解除
【装備】胡桃1500個
【道具】支給品一式、メタグロス、コルトパイソン
【思考】基本:ハラサンの意思を継ぎ、チームを優勝させる
0:なのはが怪物になっちまっただって?!
1:ハラサン……ありがとう
2:大正義を忘れない
3:目立つことも忘れない
4:予言に対して盲信気味
5:DMC信者は絶許。本当に絶許
6:なんかシマリスから俺と同じ臭いがする
※ダイゴのポケモンであるメタグロスを預かりました
 指示を従ってもらえるかは不明


【美堂蛮@GetBackers-奪還屋-】
【状態】ダメージ(中)、疲労(中)、首輪解除
【装備】サングラス
【道具】支給品一式、マスターソード、魔竜石、リザイアの書、日本酒×50、不明品
【思考】
0:クソッ、何がどうなってやがる!
1:DMC狂信者、その他マーダーと達と戦う
2:狂信者の中でもドリスコルだけは特に許さねえ
3:萃香が死んだだと!?
※邪眼を一回使いました

305 ◆6qClYvksio:2019/02/09(土) 23:45:51 ID:wYEUBuQI0


【ラミレス@横浜DeNAベイスターズ】
【状態】右足切断(処置済み)、監督といて生きていく決意、首輪解除、深い悲しみ
【装備】野球道具一式
【道具】支給品一式
【思考】基本:ハラサンの意思を継ぎ、チームを優勝させる
0:一体ナニガドウナッテルンデスカ!?
1:コレカラハ監督トシテガンバッテイク
2:ナ、仲間ノ皆サン……
3:ナノハサントユーノサンヲ追ウカドウカ決メル
※イチリュウチームの監督になりました
※首輪解除により、常人よりも屈強な野球選手本来の力を取り戻しました
※足がどうにかなれば、戦える可能性があります

【シマリス@ぼのぼの】
【状態】ダメージ(小)、疲労(中)、嘆き、首輪解除
【装備】胡桃×1500
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:仲間と共に生き残る
0: ベルナドットさんが!?
1:近日中に来る天変地異のことをより多くの者に伝える
2:胡桃の扱いを極める
3:クリスちゃんとツバサちゃんは友達でぃす!
4:6/さんを見ているとなぜかホッとする


【雪音クリス@戦姫絶唱シンフォギア】
【状態】深い悲しみ、首輪解除
【装備】イチイバル
【道具】支給品一式、その他不明、自動式拳銃×2、M16
    スピーダー、手榴弾×25、ノートパソコン、カオスロワちゃんねるに関する考察メモ
【思考】
基本:仲間を探して現状を打破する
0:ベルナドットのおっちゃん、なんで死んじまうんだよ……!
1:近日中に来る天変地異のことをより多くの者に伝える
2:もっと強くなりてぇ
3:未だにツバサが翼でないと信じられない
4:拳王連合軍にはやっぱクソだわ
5:仲間を殺したなのはに対して――?
※テラカオス化が進行していましたがディーヴァの残滓によって回収され正常に戻りました。
※死亡したベルナドットの支給品を引き継ぎました



【八神はやて@魔法戦記リリカルなのはForce】
【状態】精神不安定、非処女、死んだ仲間たちへの深い悲しみ、アナキンへの好感度(大)、ギムレーへの不信(大)、首輪解除
【装備】なし
【道具】基本支給品一式、夜天の書@魔法少女リリカルなのは、アナキンからもらったピルケース、TCホール観察日記
【思考】基本:死んだ仲間たちの為にも主催を倒す
0:なのはちゃんが怪物になってしまうなんて……ユーノくんの無事が心配
1:主催者打倒と大災害阻止のために、情報と仲間を集める
2:他の参加者の都庁=ヘルヘイムの誤解を解きたい
3:恩人であるアナキンに特別な感情
4:希望だと思われたブリーフ博士まで逝ってしまうなんて!
5:ギムレーへの不信
※主催側が大災害について何か関与していると考えています(細かい部分は分かっていません)
※カオスロワちゃんねるより、風鳴翼の情報を少し入手しました
※アナキンの正体に気づいていません
※世界滅亡(次の大災害)と救済の予言の内容を知りました
 また、沖縄の天候がおかしくなっていることに気づきました


【サラマンディーネ@クロスアンジュ 天使と竜の輪舞】
【状態】ダメージ(中)、両羽喪失(処置済み)、ギムレーへの不信(中)、首輪解除
【装備】なし
【道具】一人用ポッド、スクーナー級×450、ガレオン級×27
【思考】基本:対主催
0:なのは様、どうしてこんなことに……!
1:イチリュウチームについていく
2:滅亡を止める予言の必要性は理解したものの、未だ懐疑的
3:ナッパ様の髭が一瞬だけ金色になったのを目撃しましたがあれは一体……
※予言には主催者も関わっていると推測しています

306 ◆6qClYvksio:2019/02/09(土) 23:46:36 ID:wYEUBuQI0



【二日目・20時30分/伊豆諸島基地近くの海域】

【テラカオス・リリカル(元 高町なのは)@魔法少女リリカルなのは?】
【状態】19歳の身体、魔法少女に変身中、ケモ耳、すごい罪悪感、テラカオス完成度30%
    一時的に正気を取り戻している
【装備】レイジングハート@魔法少女リリカルなのは、千年タウク@遊戯王
【道具】なし
【思考】基本:世界をカオスにし、ユーノを守る……?
0:今はとにかく休みたい……
1:今は何も考えたくない
2:ユーノを傷つけたギムレーは信用しない
  イチリュウチームに戻りたくない
※千年タウクの効果によって、高町ヴィヴィオの存在と日本に世界を襲った大災害が起こる未来を知っています
※ユーノの精液(四条化細胞+キングストーンの一部の力)を全身で受けた結果、テラカオス化汚染が譲渡されテラカオス候補者に。
 さらに風鳴翼の右腕を食べたことで完全にテラカオス化しました。
 特効薬でもフォレスト・セルやツバサの治療でも治せません。
※テラカオス化したユーノから受け継いだ能力として
 あらゆる攻撃を防いでエネルギーを吸収し、威力を数倍にして返す魔力の塊を発射できます
 ただしほぼ暴走状態に陥っており、ユーノ以外の敵味方に関係なく襲い掛かります
 またTCを扱うシャドウの危険を本能的に察知できるようになりました
※ユーノを通してツバサから奪ったキングストーンの能力として「ゲル化」ができるようになりました
 「ロボ化」は不明
  

【ユーノ・スクライア@魔法少女リリカルなのは】
【状態】気絶中、疲労(大)、19歳の身体、首輪解除、全裸
【装備】なし
【道具】なし
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ……?
0:(気絶中)
1:全てにおいてなのはの安全を優先する
2:なのはを絶対に護るためにも、もっと力が欲しい
3:救済の予言の謎を解く
4:野田総理の死の原因を探りたい
5:いかなる理由があってもなのはを悲しませた主催者たちは絶対に許さない
6:博士……
※タイムふろしきを使ったので、19歳の肉体に成長しました
※PSP版の技が使えます
※TC値と救済の予言の内容を知りました
※特効薬を使ったことでユーノ自身のテラカオス化は完全に浄化されました。

※伊豆諸島に主催の基地があることを知りません

307 ◆6qClYvksio:2019/02/09(土) 23:47:10 ID:wYEUBuQI0
投下終了です

タイトルは「lyrical」でお願いします

308あきよの破壊力が異常:2019/03/27(水) 12:20:41 ID:CWcaLh1o0
投下来ないなあ

309あきよの破壊力が異常:2019/03/27(水) 17:03:34 ID:fWB8XmJA0
>>308
自分も考えてはいるんだけど、拳王の野球パートが鬼門すぎる
サーフやらシャドウやらは倒す案色々あるのに対して野球の展開がまるで思いつかんのよ

310あきよの破壊力が異常:2019/03/28(木) 02:11:44 ID:XLy/kbTM0
俺なら一応、野球の大雑把なプロットは考えている
現在は次の野球に行き着くまでの繋ぎSSも考えている
リアル忙し過ぎて異常に難産だが

311あきよの破壊力が異常:2019/03/28(木) 02:13:07 ID:XLy/kbTM0
考えている×
作っている○

312あきよの破壊力が異常:2019/04/05(金) 21:12:38 ID:Qfdyujtw0
パロロワ以外の二次創作の話していいんだよね?

DIOって今でこそ小物悪役みたいに扱われてるけどやる夫がドラゴンクエスト5の主人公のようですとかだと大物悪役として扱われてたんだよな

313あきよの破壊力が異常:2019/04/06(土) 01:36:44 ID:9g4oadMo0
テスト

314 ◆6qClYvksio:2019/04/07(日) 19:40:46 ID:qa2XlgdE0
予約の都庁同盟軍、投下します

315決戦の時、迫る…前のちょいエロ回!? ◆6qClYvksio:2019/04/07(日) 19:43:24 ID:qa2XlgdE0
この世界でも上位の神、ノーデンスから命を賭してこの世界の真実が語られた都庁同盟軍。
その直後に起きた邪竜ギムレーからの敵対者への処刑宣告。
そして定時放送。
それらを聞いた同盟軍は一丸になって動き出した。
世界を守るために。


千葉県に現れた巨大な邪竜は拳王軍と狂信者の敵なのは確実だが、敵か味方かまではわからない。
だが敵か味方かは不明だが、放置は愚策。
敵ならばいずれ殲滅する必要があり、交渉して味方にできるのならば肩を並べて戦うべきだ。
いくら世界の破滅を願う邪竜とはいえ、蒼の汚染によって自分まで破滅したくはなかろう。
何より滅ぼす者の対象に自分たち都庁を外していたところから、同盟を組める余地があると信じたい。

そこで情報収集と同時に彼方にコンタクトを取るためにオオナズチは都庁で唯一のドラゴンネットワークの使い手として、邪竜へのコネクションを探すべく、あえて誰もいない一室に引きこもった。
これがオオナズチの最後のドラゴンネットワークとなり、都庁とイチリュウチームに多大な貢献を齎すのだが、それはまた別の話。
気になる人は5264話を参照されたし。


続けて第六回放送への内容の考察。
仲間や仲間になるかもしれなかった対主催の多くが死んでいる悲しい情報の中に、色々見えてくるものもある。


一つは裏切り者の安倍総理が粛清されて、ダース・ベイダーが主催として復権したらしいとのこと。
ナノマシンをバラ撒いた存在であるのは確かだが、未だに全容が見えない10期主催陣という組織。
嘘がなければ、主催も内ゲバを起こすあたり、一枚岩ではなかったようだ。
ひょっとすると、死んだ安倍総理と主催の椅子を奪い返したベイダーのどちらかが大災害を引き起こした元凶なのかもしれない。
主催の中に元凶がいるなら内ゲバの中で死んでいてほしいが、真実は主催の誰かを捕獲しない限りわからないだろう。

一方、ベイダーが九州ロボに戻っているあたり、主催を追いかけて東京までやってきた自称対主催である超人血盟軍及び拳王連合軍への話の信憑性がなおさら低くなる。
中盤から囁かれていた拳王軍・主催同盟説が都庁の界隈でより濃厚になる。
でなければ単純な戦闘力においてベジータという状態異常耐性以外はセルすら凌ぐ存在が残っていながら、九州ロボが今も動き続けている理由がわからない。
考えられる可能性として拳王軍・超人血盟軍は主催の安倍派の味方であり主催への敵対行動もいちおう取っていたが、それは邪魔であるベイダー側を滅ぼすため。
しかし目論見は外れ、安倍派は滅ぼされてベイダー側が復権。
元は味方であれ、今後は主催も拳王軍と敵対的な行動を取るだろう……あくまで想像の範疇であるが、主催が拳王軍の敵であるにしろ味方であるにしろ滅ぼす決定事項は覆ることはない。


一つは行方不明の聖帝軍先遣隊にとって柱であったクロコダインの死亡。
都庁に先にたどり着くハズの先遣隊が都庁にいないところからして何かあったのは想像に苦しくなかったが、やはりクロコダインほどの男が死ぬほどの異常事態が発生したようだ。
紘太・チルノ・ふなっしーの三人はまだ生きているが、連絡は取れないので不安は大きい。
仲間としては当然心配であるし、彼らが戻らないと聖帝軍は野球ができないのだ。


一つは同盟を組んでいた狸組の壊滅。
五人中二人しか生き残っていない様子からして都庁から離れた後、狂信者などのどこかの強マーダーに襲われたのか……
半ば追い返してしまったレストは内心悔やむ。
彼らを壊滅させたのは最低でも殺生丸ほどの強者に最高クラスの武器である天ノ村雲ノ剣の装備を与えても勝てない敵。
さらにブリーフ博士の首輪解除技術は対主催のみならず、マーダーや狂信者も喉から手が出るほど欲しいはずで奪われたらまずい。
まだ名前の呼ばれていないはやてとブリーフ博士の無事を祈る他ない。


一つはイチローチーム・ドラゴンズ双方からかなりの数の死者が出ていること。
こちらも狂信者たちに襲われ、横浜で拳王連合軍に一部メンバーが襲撃を仕掛けて敗走したところから大半のメンバーが死亡したようだ。
特に最後の目撃情報である千葉には例の巨大邪竜がおり、なおさらギムレーが敵か味方が判断を迷わせる。
聖帝軍同様、彼らにも野球をしてもらわなければいけない。
直接会ったことは一度もないが、いずれ仲間になる存在としてこれ以上の損害がでないことを願う。


一つは風鳴翼が放送で呼ばれていないこと。
都庁に二度目の襲撃を仕掛けて撃退したところからだいぶ時間が経過した。
関西での目撃情報を最後にぷっつりと消息が途絶えたようだが、おそらく死んではいまい。
最後に相対した時は理性を保っているとは言い難かったが、それでも世界を救うために必要なテラカオスではある。
もう一度相まみえることがあれば、どうにかして捕獲したい。

316決戦の時、迫る…前のちょいエロ回!? ◆6qClYvksio:2019/04/07(日) 19:44:06 ID:qa2XlgdE0



悪い情報の方が多かったが、放送には吉報も混じっていた。
ユーノとなのはの無事。
悪しき拳王連合軍の半壊。
都庁の魔物を騙っていた天魔王軍の全滅。


ユーノとはのはに関しては、仲間である桑原とエリカは素直に喜んだ。
ユーノはテラカオス化はしているが、セルがいる限り治療の余地があり、希望は残されているのだ。
あくまでネット上に上がってないだけだが、ユーノが変異したと思われるフェレット型の怪物が誰かを襲ったという情報もない。
ハス太殺害はユーノの罪ではなく、テラカオス化による暴走。
無事に合流して、セルによる触手治療ができればまだ十分に人としてやり直しができるはずである。


熱斗など拳王軍の主力の戦死は嬉しい誤算である。
特にエリカやアルルーナなど彼らを最も嫌う存在はこれまでの過ちの天罰を食らったのだと述べた。
奇襲をしかけたリオレウスがやってのけたようだ。
心の中で多くの魔物が彼に祝杯を捧げた。
拳王など残る面子も強大ではあったが、殲滅への道筋も見えてきたのは確かだ。


そして、オルゴ・デミーラ率いる天魔王軍の全滅。
桑原・エリカの情報いわく居城にしていたと思わしき首相官邸が跡形もなく爆散したので、その際に何者かに殲滅されたのかもしれない。
欲を言えば一人くらいは捕虜として捕まえて、警察組襲撃などの罪を擦り付けたことを白日のもとに明かし、都庁の無実を証明させたかったが贅沢は言ってられない。
一番いい知らせなのは違いないのだ。



さらに拳王軍の弱体化、天魔王軍の全滅を聞いて神樹は提言した。

『エネルギーが溜まって俺の秘奥義『神々の黄昏』が撃てるようになったぜ。
こいつは耐性無視の即死攻撃……どこの誰が攻めてきても、これを決めれば集団単位で全滅に追いやれる。
一回しか撃てないだろうから使い時は間違えられないが、拳王連合軍、邪竜、狂信者、主催……射程内にさえ入っちまえばどれか一つは確実に滅ぼせるぜ』

神樹が、ある意味誰であっても滅びを与える最強の武器を手にしたことは都庁同盟軍に取っては特大レベルで良いニュースであった。
射程やエネルギーを貯めなおす時間を考えるに一発しか撃てないという制約はあるが、攻めてきた敵に確実な滅びをもたらし、防衛が約束される。
例外的に耐えられるのは蒼を纏う黒き獣だけであろう。

こうなれば天魔王軍がいなくなったので敵が一つに減り、さらに一つの敵組織の殲滅を約束されたも同然。
防衛が安泰であるとすればこれまで守りしかできなかった都庁同盟軍が攻めに転じやすくなることを意味する。



そして。
ダオスはまず、小町と影薄組四人を世界樹の頂上に集めて一つの作戦を提案する。

「次の大災害まで時間が残されていない。
だが、野球をやるには数が多い狂信者が特に邪魔だ。
よって、私から狂信者を早期に攻略する作戦を立案する」

ダオスの言葉に影薄組は驚く。
散々煮え湯を飲まされた狂信者に一泡吹かせられることと、どうやって勝つつもりなのか二重の意味で。

「……で、どんな作戦なんだいダオス?
奴らの数は無尽蔵に近い。
同盟軍全体で総攻撃を仕掛けたとして、多大な損害は免れないよ」
「そうなると余力がなくなって予言の完遂は難しいっす。
犠牲なしで勝てたとしても時間がかかりすぎるだろうし」

小町とモモの意見は最もだ。
いくら強化に強化を重ねた都庁同盟軍でも数万以上は確実にいる狂信者を相手にするには骨が折れる。
防衛はまだしも、攻撃に転ずるとなると同盟軍でもいずれ地力の差で敗北、勝てても時間切れで大災害が襲いかかってる危険性が大。
そもそもビックサイトを攻めてるうちに都庁に拳王軍などの他の戦力が襲いかかってきたら目も当てられない事態になるだろう。

317決戦の時、迫る…前のちょいエロ回!? ◆6qClYvksio:2019/04/07(日) 19:44:39 ID:qa2XlgdE0

「確かに真正面から仕掛ければそうなるであろう。
私が提案するのは少人数の精鋭によるビックサイトへの潜入工作だ」
「潜入工作だって?」
「そうだ、非常に危険な……しかし、DMC狂信者という組織を最低限の時間で倒せる作戦だ。
小鳥、作戦概要をまとめたものを」
「はい」

指示を小鳥がノートパソコンで潜入作戦の概要を描いた図解を影薄組に見せ、ダオスが補足する。

「私やまどかのレーザーによる超長距離射撃も考えたが、ビックサイトには魔力が集中していることを感知した。
長距離からの爆撃は、貯めていた魔力が暴発する可能性もあり危険だ。
最低でも関東圏内は跡形もなく吹っ飛ぶ」
「直接攻撃はダメか……あたいもドラゴンハートを受けてからなんとなく尋常じゃない魔力の塊を感じたが、こいつが狂信者どもが掲げているクラウザーを生き返すためのエネルギーか?」
「クラウザーの蘇生ができるかどうかも胡散臭いと思うが、参加者を殺して莫大な生体エネルギーを集めているのは確かだ。
実際、犠牲者が増える度にエネルギーも増している」

ダオスとまどかの全力全開のレーザーならば同じ県内になるビックサイトは射程内でいつでも消し飛ばすことは可能。
しかし、先にイチリュウチームのドラゴンたちが感じ取ったように、集めた魔力が誘爆して大惨事を引き起こす危険性がある。
そうなると施設そのものを消し飛ばす火力攻めの間接攻撃は不可能である。

「しかし狂信者がこのエネルギーをどう使い、本当にクラウザーが蘇生できるかどうかはさして重要ではない。
このエネルギーがそっくりそのまま無くなればどうなるか?
クラウザーの蘇生が絶対にできない状態になったとすれば?」

回答を待っているかのようにダオスは小町と目を合わせる。
小町は一息置いてから答えをだした。

「……なるほど、術だろうと機械だろうと、エネルギーを溜め込んでいる手段を奪うか壊すかすれば、狂信者はクラウザーを蘇生できなくなる。
目的を果たせないと知った組織は瓦解、最低でも大幅な士気低下はするね。
つまるところ、あたいたちにビックサイトに潜り込んでクラウザーの蘇生手段を挫け……アンタはそう言いたんだね」
「その通りだ」

この世界は蒼の汚染によって死者の蘇生ができない。
そんな中、嘘か真か亡くなったクラウザーさんを蘇生できる方法を見つけたと、ディーという男が見つけて発信したのが狂信者の興りである。
ならばビックサイトに潜り込み、その方法を無くしてしまえば蘇生の希望を失った狂信者集団は大義を失い、同時に組織力を失う。

「そのために、おまえたち影薄組の力が必要なのだ」
「あかりたちが?」
「左様だ。
そこらの擬態能力を持った魔物を上回るステルス性、潜入する分に必要な戦闘力を兼ね揃えた戦士はおまえたちしかいない」
「確かに僕らの能力は潜入工作には有用だと思いますけど……」
「不安もあるだろうが、私やレスト、まどかやセルでさえ潜入には能力面でも技能面でも不向きだ。
戦闘も全くやらずに敵地に潜入できる適任者はおまえたちしかいない」

純粋な戦闘力なら影薄組一人一人より上の人材は都庁にも存在する。
しかし、世界樹周辺ならばまだしも、味方の支援を受けられぬ敵地最深部で敵に見つかれば確実に袋叩きにされる。
ステータスだけなら最強クラスのレストでさえ狂信者の豊富すぎる戦術の前に何度も敗北しており、仲間の支援なしならばとっくにこの世にはいない。
その仲間の支援も世界樹での防衛戦ならまだしも、敵が多すぎるビックサイトの前では支援する間もなく死者スレ送りとなるであろう。
ビックサイトをいかに攻略するかは戦闘力ではなく、いかに敵に見つからずに急所をつけるかのステルス能力が鍵とダオスは見たのだ。

「アンタの考えはよくわかったが、ビックサイトに侵入するための俺たち四人以外の戦力は?」

方針を理解した日之影の質問。
確かに潜入に適正があるのは影薄組しかいない、が流石に四人だけではいざと言う時が困る。
そもそも日之影以外の三人はドラゴンハートと雀力で大幅強化されているとはいえ、元は非戦闘員。
モブ狂信者には負けないだろうが、余程のザコじゃない限りネームド狂信者相手にはまずい。
潜入作戦なのだから戦力は多すぎてもダメなのだが、少なすぎても蘇生手段を破壊する前に全滅する危険がある。

318決戦の時、迫る…前のちょいエロ回!? ◆6qClYvksio:2019/04/07(日) 19:45:11 ID:qa2XlgdE0

「影薄組に同伴できる戦力は……小町だけになる」
「ついていけるのはアタイだけかい? 他に誰か連れていけそうな奴はいないか?」
「こまっちゃんの強さは長く付き合ってたからわかるし、俺らのリーダーが一緒に戦ってくれるのは嬉しいぐらいだが……」

影薄組に同伴できるのは小町のみ、このダオスの答えに小町含めた全員が不安そうな顔をする。
小町が頼りにならないからではない。頼りになる彼女がいてもまだ不安が残るからだ。

「確かに戦力的にはまだ不安もあるだろうが、これにもいくつか理由がある。
一つは都庁を防衛するための戦力が必要なこと……天魔王軍こそ滅んだが、敵はそれ以外にも残っている。
それらが一斉に攻めてくれば防衛のために外せない戦力は決まってくる」
「神樹とアルルーナはどう考えても潜入向きじゃねえし、その二人もトレーナーであるエリカがいてこそ真価を発揮する」
「さやかちゃんも都庁のみんなの怪我を治すために外せないね、セルがいる限りソウルジェムの汚れが貯まらないからレストさんでもできない無限回復ができるし」
「聖帝軍の皆さんはさしずめ対拳王軍への切り札っすね」
「透明化できるオオナズチはこの都庁で唯一ドラゴンネットワークができる人材ですし。邪竜とどうしてもコネを作らないといけませんから外せないですね……通信がすぐに終わるなんて思えませんし」
「他は戦闘できないか、潜入能力を持っていない……ん? ちょっと待て」

ここで小町が一つの疑問に行き着く。

「あたいは日之影たちと付き合ってただけにステルス能力を持っている奴らを見つけられる『慣れ』のようなものはあるけど、あたい自身にはステルス能力はないぞ?」

小町は影薄組のリーダー格と言っても過言ではないが、彼女自身はステルス能力はない。
むしろ女性にしては高い身長、赤い髪、胸にぶら下げた爆乳のせいで遠くでも目立つぐらいだ。
顔も『乳神』の通称でネット拡散されて日本中に広く拡散されている。
潜入はとても難しい……と思われたが、ダオスはこれについて回答する。

「それは問題ない、これは機械に強い犬牟田に教わったことだが……解決策は影薄組が使っているデモニカにある」
「あかりちゃん、小鳥が教える通りの手順でデモニカスーツの悪魔召喚プログラムを使って」

小鳥はあかりにデモニカスーツに内蔵された悪魔召喚プログラムを起動させ、操作を教わることで一通りの手順を覚える。
その結果。
小町は光に包まれるとあかりのデモニカスーツのコンピュータの中に入った。

『うお? あたいがあかりのデモニカの中に入っちまった!』
「びっくり仰天だよ!」

あかりのヘルメットの中に『死神 オノヅカコマチ』の驚き顔が映る。

「見ての通り、悪魔召喚プログラムには悪魔や天使、魔獣を封じて仲魔とする機能がある」
「狂信者の狭間や大和って人が使っていたものと同じっすね」
「左様。これを利用すればステルス能力を持っていない小町を、ステルス能力を持った影薄組が運搬することで恩恵を受け、ビックサイトへの潜入を容易にできるわけだ」
『なるほどねえ、しっかしこんな便利なもんがあるなら他の連中も連れていけるんじゃないのかい?』
「残念ながら大半の仲間はプログラムに『悪魔』と判定されないせいか入れない。
入ることができるドラゴン族は防衛に欠かせぬし、天使判定のカヲルは予言に必要な鎮魂歌を作らせるとために都庁に残ってもらわねば困る」

一先ず、小町の潜入問題が解決したところで、小町は悪魔召喚プログラムから出た。

319決戦の時、迫る…前のちょいエロ回!? ◆6qClYvksio:2019/04/07(日) 19:45:38 ID:qa2XlgdE0

「潜入問題はよしとして、小町を選んだことにも理由がある。
クラウザーの蘇生手段を破壊したことを世間に発信する際、誰がそれをネットに流すかも重要になる」
「だったらあかりたちでも……」
「待て待て待て、発信者がおまえたちではいくらなんでも影が薄すぎだ。
映像で流しても透明人間が映しているようにし見えんだろう……オイ、気を落とすでない、あかり」
「……まあ、事実っすね。大阪のジプシー・デンジャーとの戦いでも、小町さんや混沌の騎士さんだけクローズアップされて私たち四人は半ば無視されてたぐらいっすし」
「発表者も重要つーわけか。ジーミーな俺たちじゃ世間への効果も薄い」

影薄たちは影が薄いだけに、存在を忘れ去られやすい。
組成手段を破壊した動画を掲示板に張り付けたところで無視されるか、ごく少数に見つけられても狂信者を止めるには不十分なくらいしか伝播しない可能性がある。

「そこで小町の出番だ。
誇張も入っているとは参加者から信頼されている数少ない女傑。
そんなおまえが狂信者に痛恨の一撃を与えた動画を上げれば、瞬く間に広がるだろう」
「確かに、完全に悪党扱いの他の同盟軍の仲間よりは信頼されるだろうね」
「しかも、小町さん自身にも泊がついて私たちが並行してやっている小町さん偶像計画が捗りますね」

小町が狂信者に痛手を追わせたことを世間に発表することは、並行して実行中の小町偶像計画のためにもなる。
ヘルヘイム扱いの都庁のボス扱いであるダオスを、小町が倒すという演技を行うことで参加者の混乱を沈静化させる計画は、とにかく小町のヒーロー性を上げることで効果を上げる必要があった。
この計画を実行に移すにはどうしても拳王軍と狂信者が邪魔であるし、ちょうど片方を潰すことのできるため一石二鳥とも言えるのだ。

「あ、ちょっと待った。
あたい、さっき追い払ったモブ暴徒に信頼できる対主催がいたら、都庁の近くで待ってるから会わせてくれって言ったんだけど、そっちはいいのか?」
『ならばこの俺が留守を引き受けよう』

スマホ越し語りかけてきたのは、世界樹の下層部にて心の傷を負っているきらりの介抱をしている元・悪魔超人の人間・魔雲天であった。

「魔雲天、おまえに任せて大丈夫か?」
『人間になってしまったことは都合がいい。
人間の姿の俺は世間の誰にも知られてないし、ほかの連中ほど警戒はされないハズだ。
ただ小町の仲間であるという証拠が欲しい……何でも良いからちょうどいいものを一つくれないか?』
「……わかった。あたいが主力武器に使っていた神鎗の柄がある。それをやるよ。
苦労をかけてすまないね」
『いや、きらりの件で助けてもらった恩返しをしたいと考え、人間になって弱体化した身で何かできることはないか探していたところだ。
あのお方もきっとそうするよう願うだろう』

魔雲天は悪魔超人を引退したが、悪魔将軍への敬愛や忠誠心は捨てていない。
放送で彼の名前が呼ばれた時は多大なショックを受けたが、絶望で塞がるのは将軍への無礼であると考え、非力な人の身でも戦うことを決めた。
近くのベッドで疲れきって眠っているきらりを見守りながら、それを決めたのだ。


「とにもかくにも影薄組の潜入作戦に関する疑問は以上と見ていいな?
この作戦の趣旨は影薄組による狂信者中枢への破壊工作と、偶像計画に必要な小町の泊付けの意味が込められている。
……だが、この任務は敵の懐に最低限の戦力で飛び込むため、非常に危険を伴う」
「ビックサイト内部は改装されていて殺し合い前の見取り図なんて宛にできませんし、他にもどんな敵や罠が潜んでいるかはカオスロワちゃんねるでさえもわかりません」
「作戦成功率や生還率も非常に低く、決死隊作戦と言っても差し支えない。
仮に時間の猶予があれば、こんな無茶な作戦は薦めたくない。
日之影、桃子、黒子、あかり……そして小町も、降りたいなら今のうちだ。
作戦に乗るのならば死ぬ覚悟はできているか?」

鬼気迫る表情で危険な作戦に了承するかを問うダオスと小鳥。
失敗すれば死、成功しても全滅する可能性も非常に高い作戦。
ハイリスクすぎる作戦から仮に降りてしまっても誰も責めないだろう。

320決戦の時、迫る…前のちょいエロ回!? ◆6qClYvksio:2019/04/07(日) 19:46:06 ID:qa2XlgdE0

だが影薄組五人は、死ぬリスクよりも狂信者を討つことで得られる多くを救う道(ハイリターン)を選んだ。

「もう時間もないんだ、別の作戦を練り直す時間も勿体無い。あたいはやるよ」
「大活躍するチャンスを前にして主人公は引かないもん!」
「元生徒会長だってな!」
「私は小町さんや皆が一緒なら何も怖くないっす」
「五人揃わないとただでさえ少ない作戦成功率がもっと低くなります、僕もやりますよ」

五人とも、覚悟を決めて作戦に乗ることにした。

「だけどダオス、一つだけ間違いがある」
「なんだ?」
「あたいたちは一人でも多く、いや誰も死なずに、この都庁に帰ってくる。
それまで世界樹を陥落させるんじゃないよ」
「……ああ、わかっている。
ここがなくなるとおまえの偶像計画が水の泡。そして帰る場所だからな」

高い士気と世界を守るという目的意識から来る笑顔を交えた小町の啖呵に、ダオスもクスリと微笑むのであった。
この五人ならきっと作戦を成功させて狂信者組織を倒せると思っただけに。


「よし、死ぬ覚悟があるのなら、『アレ』もやってもらえるな?」
「……『アレ』?」
「時間はまだ少しだが残されている……命の前に尻を犠牲してもらえるか?」






で。

『にしゃ!』

時刻は19時ちょうど。
フォレスト・セルの口から二人の影の薄い少年が吐き出された。

影薄組の黒子テツヤと日之影空洞だ。
セルから吐き出された二人は粘液塗れで全裸であった。
周囲に女性はいなかったが、代わりにレストやサウザーと言った男性陣が毛布を片手にすぐさま介抱に入った。

「大丈夫か、日之影」
「はは、正直舐めていたぜ、彼女でもない奴に童貞より先に尻の処女を失っちまうなんてな……」
「……ご愁傷様とだけ言っておく」

普段飄々としている日之影は声をかけてきたサウザーに笑顔を向けるが、それは明らかにぎこちなく作り笑いだと思った。
笑顔がガクガクしているなら腰もガクガク痙攣している。
それを見たサウザーはなんともいたたまれない顔をしていた。

「それだけセルのテクニックはすごいのさ。
どんなに肉体を鍛えた存在もしばらくは立っていられなくなるレベルで。
まあ、君と黒子はまだまだタっているみたいだけど」
「笑えねえよ、その下ネタ。あ、やべえ、また出ちまった」
「や、やめんか! 俺の服に汚れがつくかと思ったぞ!」

経験者であるレストはドヤ顔で語り、今さっき経験者になった日之影とまだ後ろは処女のサウザーは呆れた顔をしている。

「ところで黒子は大丈夫?」
「鋼の精神力を持っているアイツのことだ。
きっとフォレスト・セルのテクニックだって――」

もうひとり、セルの加護を受けていた黒子ならばきっといつもどおりであろうと期待されていた。
ほむらが魔法少女にしてもソウルジェムが濁らないだろうと思われたぐらいのオリハルコンメンタルの持ち主だからだ。

「――――」
「あ、ダメだ。あまりのショックで固まってやがる」
「あちゃー、セルの前では黒子でもダメだったか」
「ひええ……こいつでダメなら全参加者がセルのテクニックに耐えられんだろう」
「にしゃー、しゃしゃしゃーにしゃー♪」

黒子は連載初期のジャスタウェイ顔のまま、体育座りで固まっていた。
なぜか勝ち誇り、某スローロリスのような勝利のポーズを取るフォレスト・セル。

321決戦の時、迫る…前のちょいエロ回!? ◆6qClYvksio:2019/04/07(日) 19:46:48 ID:qa2XlgdE0


「男どもあと40秒でそこからどきな!
あたいたちが、いつまで経っても出られねえじゃないか」
「おお、すまねえなこまっちゃん」
「覗いたらあかりとモモと三人がかりでしばくからな?」
「そんなオオナズチみたいな真似はしないよ」
「レスト、なんとなくおまえならやりかねん気がするんだが……まあ、変なことはしないように聖帝たる俺が責任を持って見張っておこう」

未だに正気に戻っていない黒子を日之影が背負い、全裸の少年二人と聖帝とアースマイトは出て行った。
そこから入れ替わるように三人の裸の美少女達と、まどかとほむらが付きそう形で現れた。
まどかとほむら以外は一糸まとわぬ姿で夜風に晒しているためか、三人とも顔を緊張で紅潮させていた。

「トホホ、服をもらえたと思ったらまた全裸っすか……」
「ま、前の処女は取らないって言われたけど、これって事実上のセッ……とにかく怖いよ小町ちゃん。
同人誌でそれなりに稼いでる経験者からどうすれば教えて!」
「人を勝手に経験者にすんな!
幻想郷在住の人間が勝手にあたいを題材にしたいかがわしい薄い本を売り出しているだけであたいはバリバリの処女だよ!
ましてや後ろなんて……」

未成熟、美乳、豊乳の体が緊張によって出た冷や汗で濡れ、その体で小町の体に寄り添うのだから余計に艶かしい。

「あかりちゃん! 黒子くんと日ノ影さんは何も教えてくれないみたいだから、終わったらお尻は気持ちいいか教えてね!」
(クッ、仕方がないとはいえ、まどかの性知識の危険が危ない!)

天使の微笑みでさらってトンでもないことを言うまどかと、終わっても何も喋るなと熱い視線ビームを送るほむらに見守れる形で、三人の前にフォレスト・セルは口を開く。


なぜ、これからビックサイトへ侵入をしなければいけない影薄組が、こんなエロゲじみたことをしているのか?
それは沖縄に現れた蒼の精霊、破滅を呼び込む黒き獣の存在に他ならない。
黒き獣の纏う蒼はテラカオス以外は耐えらない代物。
仮に周囲に降り立てばテラカオスと候補者以外の全てが一瞬で無に帰すだろう。
黒き獣の前ではレベルの高さや耐性などただのハリボテである。

だが何事にも例外は存在する。
テラカオスほどではないが蒼に耐えられる物質を古代グンマーがフォレスト・セルを通して残してくれた。
セルに尻を捧げた存在はテラカオス因子を吸い出されると同時にアンチテラカオス抗体及び蒼への耐性を得られることができるのだ。
先に加護を受けたレスト、きらり、魔雲天は、『少しの間だけ』なら黒き獣と対峙しても死なない耐性を得ている。

現在沖縄にいる黒き獣、または獣を殺して蒼の力を得たかもしれない貧乳歌姫が、いつ東京に攻めてくるかはわからない。
もし狙われるなら海に面しているビックサイトからかもしれない。
その場合、仮に接敵した場合、耐性がない場合は戦うことも逃げることもできはしない。
そんな懸念があるからこそ潜入作戦の前に抗体を手に入れる必要があった。
唐突なテラカオス化を防いで作戦を失敗させる要因を潰す意味合いもあった。

322決戦の時、迫る…前のちょいエロ回!? ◆6qClYvksio:2019/04/07(日) 19:48:21 ID:qa2XlgdE0

とはいえ、尻の純潔を捧げるのは、命を賭けることとは全く違う勇気がいる。
三人とも処女なのでなおさらだ。
ちなみにフォレスト・セルが治療で抗体を一度に分けられるのは三人までで、それ以上は効果が半減する。
かといって一度の治療は30分かかるので一人ずつは時間の無駄。
三人同時にいくしかなかった。

「て、てやんでえ! 女は度胸だ!!
命散らした奴がゴマンといるのに、尻一つ捨てられないケツの穴の小さい女でいられるかい!」
「お、応っす!」
「主人公はケツに対して根性がないほどヤワなのかい?」
「の、ノーサー!! 主人公は退かぬ媚びぬ省みぬ!!」

しかしいつまでも立ち往生はしていられない。
そこで小町は(半ばやけっぱちの)啖呵を切って二人を奮い立たせる。

「おし、じゃあ、いくぞおおおおおおお!!!」
「「おおおおおお!!」」
(もう、ヤケクソね)

気合を入れた後に槍のようにフォレスト・セルの口へ向かっていく小町と後に続く二人。
その光景を微妙に冷ややかな目で見るほむほむの図。
そして三人の期待(?)に答えるようにフォレスト・セルは口を開き、中から無数の触手が飛び出した。

「きゃん!?」
「ひやああああ! そこはらめえ!!」
「ぬ、ヌルヌルするっす!」

一瞬にして触手に絡め取られるあかり、モモ、小町の肢体。
縛られる体に、肌にくい込む触手、絞られる汗、ダダ漏れの嬌声、揺れるおもち四つ。
同性なのに思わず見とれて鼻血がちょろっと出てくるまどほむ。

「あー、やっぱりこええええ!!!」

思わずどこぞパンツレスラーが言いそうな叫び声を小町は上げながら、三人の美少女はフォレスト・セルに美味しくいただかれた。







やられたぜ。 投稿者:爆乳変態死神 (東月方日(ZUN)午後7時14分22秒)

今日の東月方日にいつもの雀士の姉ちゃん(高校一年)と目立ちたがりの団子の主人公ちゃん
(13歳)あたい(外見20代)の3人で世界樹にあるフォレスト・セルの口の中で盛りあったぜ。
今日は明日が終末かもしれんのでデモニカと武器と防具を脱いでから滅多に人が入れない所で、
そこでしこたま唾を飲んでからやられはじめたんや。
3人で触手舐めあいながら脱ぎ忘れた靴下だけになりセルが持っていたテラカオス抗体を3本ずつ入れあった。
しばらくしたら、下の穴がひくひくして来るし、触手が因子を求めて腹の中でぐるぐるしている。
姉ちゃんに口の中をなめさせながら、主人公ちゃんの口の中を舐めてたら、
先にセルの兄ちゃんがあたいの尻に抗体をドバーっと出して来た。
それと同時に姉ちゃんも主人公ちゃんにも抗体を出したんや。もう体中、抗体まみれや、
3人に出された抗体を手で掬いながらお互いの体にぬりあったり、
粘液まみれの触手を舐めあって抗体で浣腸したりした。ああ^〜たまらねえぜ。
しばらくやりまくってから又浣腸されるともう気が狂う程気持ちええんじゃ。
セルの兄ちゃんの触手があたいの腸内を突うずるっ込んでやられると
腸内が抗体と粘液でずるずるして気持ちが良い。
主人公ちゃんも姉ちゃんの口に舌を突っ込んで唇を合わせて居る。
汁まみれの姉ちゃんの雀力を掻きながら、思い切り受精したんや。
それからは、もうめちゃくちゃに姉ちゃんと主人公ちゃんと唇を重ね合い、
抗体を塗りあい、二回も女汁を出した。もう一度やりたいぜ。
やはり大勢で粘液まみれになると最高やで。こんな、グンマーの変態遺産と触手遊びしないか。
ああ〜〜早く汁まみれになろうぜ。
世界を守りたいと願う奴なら最高や。
汁まみれでやりたいやつ、至急、手紙くれや。
靴下姿のまま浣腸して、粘液だらけでやろうや。

323決戦の時、迫る…前のちょいエロ回!? ◆6qClYvksio:2019/04/07(日) 19:49:08 ID:qa2XlgdE0



「小町さん! 起きて小町さん!」
「ハッ、夢か! もう終わったのか?!」
「小町さん、お尻にイれられて三秒で気絶したじゃないっすか!!」
「え? そうなの?」
「私とあかりちゃんは気絶できないだけに最初から最後まで……ウッウッ」

小町が目覚めたのは治療行為が終わり、フォレスト・セルから吐き出された後だった。
尻が広がって何かが残って感覚と、いろんな液体でヌルヌルになった裸体。
泣いているモモと、レイプ目で地面に転がっているあかりと解放を行うまどかとほむらが目に映った。

「あかりちゃん、ねえ答えて、お尻は気持ち良かった?」
「――――」
「まどか、ちょっと待ってあげて、今の彼女の精神状態では返答は無理よ」

「にしゃにしゃしゃ(アンタとモモのおもちは最高だったぜ、もう一度やりたいぜ)(キリッ」
「何言ってるかわからないのに、なぜか意味が分かる気がするっす」
「こいつ段々、オオナズチ化が進んでないか……あ、やべえ、思い出したら出ちまったよ」
「何がっすか!?」

こうして抗体と蒼への耐性を得た影薄組は、少しの休憩を挟んだ後、都庁からビックサイトへの旅路に準備を整えた。
ちなみに五人ともちゃんと服とデモニカは着た。
さらに黒子とあかりは犯された精神的ショックから15分くらいで回復した。

そして時刻は20時。
いよいよ、出発の時である。
小町をあかりの悪魔召喚プログラムに格納した後に、仲間に見送られる影薄組。

『あれ? 桑原とアイスシザースは?』
「イリヤちゃんや犬牟田くんたちも、いないね」
「桑原たちならさっき、レーザーの射程外から嫌な予感がするって言ってイリヤたちを引き連れて調査に出かけたぜ。
直に戻ってくるだろ」
「もっとも、小町さんたちの見送りはできないだろうから、代わりにエールを贈って欲しいって言ってた。
『がんばれ、誰ひとり死ぬんじゃねえぞ』って」
『ああ、あとでありがとうって伝えてくれ』

レイジとイオリが言ったとおりに、見送りに防衛や治療といった事情のために外せないメンバーと、桑原・イリヤ・アイスシザーズ、高津と犬牟田はいなかった。

『あたいたちは全力を出すから武運を祈ってくれよ』
「レストさんにほむらちゃんはあんまり無茶をするから死なないでくださいね、私の大切な友達だから」
「皆さんお元気で」
「あかりはみんなも魔物もだいすーき! だから主人公の仕事を終えたら必ず帰ってくるね」
「じゃ、期待されたからには成果をあげてくるぜ」

五人は同盟軍の仲間に別れの挨拶を終えた後、仲間の視点では幽霊のように消えていった。
四人はかつて狂信者が地下の道を利用して都庁を攻めたように、東京中に張り巡らされた地下道を通ってビックサイトに向かうことにした。

「影薄組はビックサイトに向かったか」
「サウザーさん、ちょうど高津さんたちも戻ってきたみたいです」

影薄組と入れ替えになる形でドラゴンの集団に跨った高津・犬牟田、そして生き別れだった先遣隊の三人が戻ってきた。

「紘太! ふなっしー! なんか大きくなってるがチルノも無事だったか!
ん? イリヤたちはどうした?」

クロコダイン以外の先遣隊メンバーの存命にサウザーや聖帝軍は一時は喜ぶが、高津たちの浮かない顔を見て何かを察してすぐに表情は曇った。

「イリヤは死んだ……イリヤだけじゃない、桑原やアイスシザーズも殺された」
「なに!?」
「桑原さんが!?」

高津から告げられた三人の仲間の突然の死の通告に、聖帝軍やエリカ、他の同盟軍の仲間も固まる。

「高津さんから聞いたよ、キュゥべえってのは俺らや都庁の敵なんだよな」
「キュゥべえに会ったの!? アイツは今どこに!」

キュゥべえの名前を聞いて飛びついたのはほむらであった。

「ついさっきまで近くにいたが逃げちまった……どうやら仲間の霧切や苗木を騙しているらしい。
……クソッ、仲間だと信じて向かい入れた俺が馬鹿だった、イリヤたちを殺したのは俺も同然だ。
俺は自分のことを絶対に許せねえ……」
「落ち込んじゃダメなっし、紘太のせいじゃ絶対にないなっしー……」
「どうやら事情があるみたいだけど、少し落ち着いたら話してもらえる?」

涙を流し膝をついて崩折れる紘太とふなっしー。
キュゥべえが近くにいた事実に並々ならぬ嫌な予感を感じるほむら。
困惑する周囲。

だが、事態はさらに追い打ちをかけらていく。
ズドンッ、と突然、世界樹の第一層部分から大爆発が起きた。

324決戦の時、迫る…前のちょいエロ回!? ◆6qClYvksio:2019/04/07(日) 19:49:38 ID:qa2XlgdE0

「なんだ今の爆発は!?」
「まどか!」
「お、お腹が痛い…」

同時に世界樹と感覚を共有しているまどかが腹を押さえて、その場にかがみ込んだ。
彼女の腹には大きな青あざができていた。

「砲撃!? 攻撃は見えなかったけど……まさか、デスマンティスのような裏切り者がまだ中に!?」

レストはかつて世界樹を裏切ったデスマンティスのような潜伏者の攻撃を疑うが、すぐ後のまどかの言葉により否定される。

「レストさん違う……この痛みは外からきたもの、ダオスさんでも目視できない見えない攻撃だよ」
「なに、影薄組の皆のような見えない攻撃だって?」

攻撃の正体は拳王軍の投げた消える魔球である。
それが今になって着弾し、第一層の一部を吹き飛ばしたのである。
この時点では同盟軍のメンバーは知る由もないが。

「それよりもあの位置にはスノードリフトのみんなやオオナズチさんがいたはず、無事を確認しないと!!」


場面は移り、砲撃を受けた第一層の一部。
一番最初に駆けつけたのはさやかであった。

「オオナズチ……良かった無事だったのね」
「無事……とは言えんがな、さやか……」

オオナズチは普段のキモヲタじみた口調を維持できないほどのボロボロの血まみれであったが、致命傷は回避していた。
この傷もさやかの癒しの魔法があれば立ちどころに治るであろう。
……問題なのはオオナズチ以外の周囲の状態であった。

まるで内部がシェイクされたかのように樹木のダンジョンは見る影なく燃え上がり、さっきまで命だったものの肉があたり一面に散乱している。

「……スノードリフトは全滅だ、一匹残らずな」
「そんな!」

都庁の仲間、特に魔神皇戦で活躍したスノードリフトたちは今後に備えて一箇所にたむろしていたことが仇になり、たった一撃の投球で絶滅した。
もう、この世界で彼らの勇ましく遠吠えを聞くことは叶わない。

【スノードリフト@世界樹の迷宮 全滅確認】


「クソッ、我は五分前にドラゴンネットワークを切断していたから助かった!
ギムレーがチャットをしてくれなければ、玄室に閉じこもり続けていた我も一緒に死んでいた!
我が助かって彼らが助からなかった差は本当にそれだけだ……!」

オオナズチはつい先ほど、ギムレー及びイチリュウチームとのコネクションを得て、カオスロワちゃんねるの裏とドラゴンネットワークの危険性を知り、彼方が不屈の勇者足り得るテラカオスを手に入れたことを知った。
そして最後のドラゴンネットワークを切って仲間に情報を伝えるために玄室から離れたからこそ、爆心地から離れられたオオナズチは助かったのである。
仲間をむざむざと殺されたことへの悔しさか、ダオスの防空能力すら上回る攻撃への恐怖か、オオナズチは気を落としていた。

「落ち込まないでオオナズチ、まだ生存者がいるかも……あれ?」
「どうした?」
「爆心地に何かある……これは野球ボール!?」


さやかが破壊されたダンジョンの中で見つけたのは、この世界樹に不釣合いな野球ボール。
そして中には拳王軍からの脅迫じみた挑戦状と、電車ごっこロープが入っていた……

325決戦の時、迫る…前のちょいエロ回!? ◆6qClYvksio:2019/04/07(日) 19:50:25 ID:qa2XlgdE0



【二日目・20:10/東京都 新宿都庁世界樹】
※第5266話で投げられた魔球が世界樹に届きました。
 中の挑戦状と電車ごっこロープは無事です。
※聖帝軍と聖帝軍先遣隊が合流しました
 先遣隊は情報共有にて予言に纏わる進展状態と、キュゥべえの正体を知りました
※オオナズチがドラゴンネットワークで握った情報は、まだ仲間に伝播していません


【都庁同盟軍】


【ダオス@テイルズオブファンタジア】
【レスト@ルーンファクトリー4】
【ウォークライ@セブンスドラゴン2020】
【氷嵐の支配者@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【音無小鳥@アイドルマスター】
【渚カヲル@新世紀エヴァンゲリオン】
【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】
【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
【オオナズチ@モンスターハンターシリーズ】
【エリカ@ポケットモンスター】
【アルルーナ@新・世界樹の迷宮】
【歪みし豊穣の神樹@世界樹の迷宮4】


【聖帝軍】

【サウザー@北斗の拳】
【ターバンのボイン(金色の闇)@ToLOVEるダークネス】
【ターバンのガキ(円亜久里)@ドキドキプリキュア!】
【ターバンのガキ(イオリ・セイ)@ガンダムビルドファイターズ】
【ターバンのガキ(アリーア・フォン・レイジ・アスナ)@ガンダムビルドファイターズ】
【ターバンのおっさん(高津臣吾)@ササキ様に願いを】
【ターバンのガキ(犬牟田宝火)@キルラキル】
【ターバンのないガキ(葛葉紘太)@仮面ライダー鎧武】
【ターバンのレディ(チルノ)@東方project】
【ターバンのナシ(ふなっしー)@ゆるキャラ】
【諸星きらり@アイドルマスターシンデレラガールズ】
【ターバンのレスラー人間(ザ・魔雲天)@キン肉マン】


【二日目・20:10/東京都 新宿 地下道】
※ビックサイトへの潜入作戦実施中
 小町は悪魔召喚プログラムから出るまでは影薄組のステルス能力の恩恵を受けられます
※影薄組全員がフォレスト・セルの抗体を得ました
 蒼への多少の耐性を得ると同時に、今後のテラカオス化を発症する危険がなくなりました

【影薄組】

【小野塚小町@東方Project】
【日之影空洞@めだかボックス】
【東横桃子@咲-Saki-】
【黒子テツヤ@黒子のバスケ】
【赤座あかり@ゆるゆり】

326 ◆6qClYvksio:2019/04/07(日) 19:50:49 ID:qa2XlgdE0
投下終了です

327開始せよ 世界大戦:2019/04/11(木) 11:38:17 ID:ape0A4TY0
下北沢へテラカオスの調査に出かけたホモども(道下・遠野)の帰還は、命じたセルベリアの予測よりも格段に早いものであった。
しかも有益な、テラカオス化したと思われる参加者の死骸を持ち帰るという大成果を上げていた。
セルべリアは自分とホモども以外は誰も入れていないテントの中で、集めた情報の共有を行う。

「この殺し合いの目的は人口削減ではなく、テラカオスという化物を生み出すためのもの。
……おまえたちはそう言いたいんだな?」
「はい、人口削減はもう達成できてるそうですし、主催がそれを把握できてないとは思えない」
「でも、そんなガバガバの殺し合いもテラカオスを生み出すためのものだと思えば辻褄が合う気がするんです」

ホモどもの口から教えられた、参加者の突然の発狂・怪物化、支給品の水に何かが含まれている可能性、人口削減の目的は果たされたのに終わらない殺し合い。
セルベリアもまた、ホモどもと同じくカオスロワの真の目的はテラカオスであると結論づけた。

「しかし、何のために?
テラカオスを手に入れる武力と権力が目的なら、もっと手っ取り早い手段もあるハズだが……」
「え? 都庁の魔物とか拳王軍とかいるし、主催最高戦力らしいバーダックも殺されるぐらいだから、力が欲しいだけじゃないんですか?」
「よく考えろ。
日本の支配が目的ならほぼ全参加者に首輪をつけた時点で達成されている。
自分たちに不都合な存在はその時点で首輪を爆発させて処刑させた方が手っ取り早く全てを支配できるからだ。
主催はなぜそれをしなかった?」
「……あれ?」
「そう考えるとすごく……おかしいです……」

だが、テラカオスの力が目当てであると睨んだホモ二人と違って、セルベリアは何かが解せない気がした。

(他に考えられる理由はアレか)

脳裏に浮かぶビックサイトの内部で見た、沖縄の異常気象。
セルベリアにはテラカオスがあの異常気象に関係――対抗するための何かではないかと睨む。

(だが、繋がらない。
あれを止めるのがなんでテラカオスである必要がある?
そもそもあの異常気象自体がなんなんだ?)

セルベリアには全てを破壊し、大災害の原因でもあったエネルギー「蒼」の存在を知らないため、テラカオスが蒼を吸収できる唯一の存在であることを知らなかった。
ちなみにホモどもは迷信と思い込んでいるため、救済の予言のことを伝えていない。
さらに言えば安倍の妻の情報横流しでテラカオスに纏わる計画を知っているルルーシュは、セルベリアには不要な情報として一連のことを伝えていない。
それ以前に、ルルーシュは都庁第三攻撃作戦を練り上げているので忙しく接触する暇がない。

「まだまだ情報が足りないようだ」
「どうするんです?」
「ゼロさんの知恵が欲しいですけど、作戦開始予定時刻まで時間がない。まずいですよ!」
「止むを得ん。おまえたち二人をドリスコルとゼロが指揮する攻撃部隊へ組み込む。
そうすればゼロとも情報が共有できるはずだ」

防衛のための戦力が落ちてしまうが、セルベリアはそれよりも知恵者であり狂信者内部では唯一の味方と言えるかもしれないゼロへ情報を渡すことを優先する。
クラウザーさん蘇生は第一で今も目的を忘れたわけではないが、テラカオスの情報は狂信者及び甦ったクラウザーさんの未来に関わる可能性があるからだ。

セルベリアはホモども二人がテントから出て行く前に四条下した魔理沙の死体を竜殺剣で縦に真っ二つに割った。
そして片割れをディパックに詰めて遠野に渡す。

「これはゼロに渡せ。
間違ってもドリスコルや他の狂信者には情報を渡すんじゃないぞ。
ドリスコルは信用できんし、主催のスパイが紛れ込んでいる可能性だってあるからな」
「うん(タメ口)」

死体を分けた理由はセルベリアかルルーシュ、万が一の時にどちらかが倒れてしまっても片方がテラカオスについて調査できるようにするための保険である。

328開始せよ 世界大戦:2019/04/11(木) 11:39:20 ID:ape0A4TY0







そして、時刻は九時。

第三次都庁攻撃作戦……その攻撃メンバーが上層部とゼロの見解で決まった。


○ドリスコル with グレートゼオライマー(カレン)
○ゼロ    with ガウェイン
○碇シンジ  with エヴァ初号機 F型装備
○道下正樹  with ユニコーンガンダム
○遠野    with フェネクスガンダム
○司波深雪
○天龍


○兵力にモブ狂信者機甲部隊・歩兵部隊、カギ爪団半数、深海棲艦半数
○ディー、セルベリア、サーフ、松本、切歌、レジーナ、サイコマンを除くその他ネームド狂信者も参戦予定



ビックサイトでの格納庫では指揮官や隊長に抜擢されたネームド狂信者が集まっていた。
ある者は機体に乗り、ある者はヘリなどに乗って、都庁との中継地点としている港区に向かう予定である。

「さあ喜べメス豚! 次の戦場は都庁だぞ」
『いやあああああああああ! クラウザーの歌で耳が壊れるうううううううう!!』

ドリスコルは以前にゼオライマーに接続するカレンの暴走のせいでイチローたちを取り逃がす失敗をしてしまったので、今度は先手を打って作戦が始まる前に彼女の嫌いな歌を大音量で流すことで調教をする。
カレンにとっては耐え難い拷問であった。
その拷問の途中で一人のボーイッシュな眼帯少女が姿を現した。

「おおっ、やってんなあ。
ロリだったら姉ちゃんを助けてやったんだが、ちょっと外見年齢高すぎるかな」
「おまえはサーフがオシリスを加工して作ったという女だな?」
「俺の名前は天龍、フフッ怖いか?」
「フンッ、おまえや深海棲艦がどれほどの実力を持っているかは知らんが宛にはしている。
ブレインデバイスよりも使えないと判断したら容赦なく後ろから撃つからな」
「……どこぞのドラゴンみたいに後ろから不意打ちを受けてズガンなんて情けない死に方はしねえよ。
それと魔改造したマスターボールだ。作戦に役立てろ」

元・オシリスの天空竜である天龍は、目の前の男こそ自分を瀕死に追い込んだ男であると知ってはいるが、人格的には別物なので特に恨みはなかった。
ただし、提督たるサーフの命令があれば即裏切る予定ではあったが。



その一方、新・カギ爪団一行。
ゼロは九時までに作戦を立案し、ディーとドリスコルに認められた。
道下・遠野から情報とテラカオス候補者の死体を手に入れたが、正直、先に情報を得ていただけにルルーシュにとって大きな+になることはなかった。
ただ一つ、都庁を滅ぼした後でテラカオス化した死体は対主催との接触に役立つかもしれないので、何も持っていないよりはマシだ。

(こうなっては仕方ない、都庁にはナナリーのための生贄になってもらう。
それまでテラカオスの件はおあずけだな)
(お兄様は私が全力でお守りしますわ、そして私とお兄様が戦場を離れているうちに松本さんが蘇生装置を奪って、お兄様の寵愛は私一人のもの……完璧ですわ!)

「やったぜ、新しいユニコーンガンダムをもらえた!」
「僕は改造もしてもらったよ、サーフ博士様々だね!」

ホモどもはホモ・アビスを返却した後、修理を終えた機体が戻ってきていた。
それだけでなく道下のユニコーンガンダムはフルアーマーに改造。
遠野はどこかで手に入れたらしいユニコーンガンダム三号機・フェネクスを手に入れていた。
しかも宝具の槍はおまけとしてただでもらえたのだ。
これだけの大盤振る舞いの理由は以前、聖帝軍を工作動画で参加者から孤立させたことが戦果として認められたためである。



そして、ビックサイトに待機していた攻撃舞台は、都庁に向けて進軍を開始した。
ロボット兵器、歩兵、深海棲艦がぞろぞろと要塞から離れていく。
その様子を会議室でモニター越しに見つめるのがディーとサーフであった。

329開始せよ 世界大戦:2019/04/11(木) 11:39:56 ID:ape0A4TY0

「ドリスコルとゼロたちにはクラウザーさんのために頑張ってもらおう。
これまでを凌ぐ戦力と人材を投入したのだから負けるハズがないと思いたいが、彼らが敗北した時のためにネオ・ジオングスーツの完成を急いでくれサーフ」
「了解、サイコシャードの調整のために完成には時間がかかってるけど、完成した暁にはどの勢力でも僕らに勝つことはできなくなるさ」
「君には期待している」
「ありがとう」

ネオ・ジオングに搭載された肝とも言えるサイコシャード発生機。
これはνガンダムがサイコフレームの共振により単機でアクシズを押し戻したように、あらゆる奇跡または悪夢を呼び込むことができる。
結果として負けでしまったとはいえ、サイコフレームの有用性はスカイツリー戦のホモどもの戦いぶりから実証済みだ。
ディーとサーフはスカイツリー戦でのデータを元に、サイコシャードを完成させるつもりなのだ。

(まあ、僕に取って有利に働くように手を加えておくけどね)

ディーはまだ知らない。
隣にいるサーフこそ、今の世紀末な情勢を作り上げた大災害の元凶……大元を辿れば崇めているクラウザーさんを間接的に殺した存在も同然であることを。



ビックサイトの外から遠くなっていく攻撃部隊を見送るセルベリア。

(さて、防衛部隊の指揮の傍ら、私はどう動くか……)

テラカオス化死体の片割れの入ったディパックを手に持ち、ゼロの支援を受けられなくなった今、どう動くか考える。
防衛の仕事を放棄するわけではないがテラカオスを調査して、主催の目的を探ることをやめたわけではない。

まずは死体や支給品の水をビックサイトの内部にいる研究者に渡して調査させたいが、その前にディーの息がかかっていない研究者の狂信者を探す必要がある。
さらに言うと、現在の兵器開発の主任にしてディーの右腕とも言えるサーフは信用ならない。
確証はないが、悪魔の勘というか本能がアレは危険だと語っている気がするのだ。



「あー! しまったデース! ゼロと会う前に出発されてしまったデース!」
「あれは……切歌たちか?」

何やら騒ぐような声が聞こえたので其方に振り返ると切歌・レジーナ・サイコマン、あと謎の喋るバイクがいた。

「ううむ、どうやら我々がガラクタ探しにモタついている内に出発されてしまったみたいですねえ」
「どうしよう……ゼロの奴がサイドバッシャーが言っていた大災害を引き起こした奴かもしれないのに」
(俺の体になる予定だったグレートゼオライマーがあんなに遠くに……ぐぬぬ)

彼らはビックサイトの防衛部隊に選ばれたのでお呼びがかからなかった、というより草加の我儘のせいでつい五分前までガラクタ探しをしていたため、見つけられずお呼びがかからなかったのである。
ゼロの正体を確かめるつもりで接触するつもりが、それが叶わなかったことに彼女らは悔しそうに遠くなる攻撃部隊を眺めるしかなかった。

330開始せよ 世界大戦:2019/04/11(木) 11:41:09 ID:ape0A4TY0

「おまえたち何をしている!
おまえたちは私が指揮をする防衛部隊に配属されている。
わかったなら所定の配置に早くつけ!」
「ゲッ、セルベリアおばさんデス!」
(……おまえも私をおばさん呼ばわりか)

セルベリアは切歌の失言は聞かなかったことにして、サボってるように見えた一行を叱りつけ、すぐに仕事をさせようとする。

「待って! セルベリアがゼロをカギ爪団の新しい団長に指名したのよね?」
「だったら何だ」
「ゼロに怪しい動きはなかった?
ひょっとしたらそいつが裏切者かもしれないの!」
「なに!?」

自分とゼロがいざという時のためにディーやドリスコルへの謀反を企てていることをどこで知られたのか、セルベリアの背筋が凍りつく。

「まて、その情報をどこから手に入れた?」
「ここにいるサイドバッシャーからデス」
『厳密には疑惑がある奴って言った方が正しいけどな、ひょっとすると俺の持ち主を殺しやがった奴かもしれない』
「この喋るバイクの持ち主を殺した……?」
「ゼロは狂信者のフリをした潜伏者かもしれないんデス、まだ会ったこともないから詳しいことはわからないデスけど」
「あれだけ同志を崇めていた道下と遠野や他のカギ爪団の人が、同志のことなど忘れたみたいにゼロにベタベタですもの。
怪しむなという方が変じゃない」
(確かに……)

レジーナの言うことにも一理あった。
カリスマ性だけでは説明がつかない道下と遠野の従順ぶりからして妙だとは思っていた。
ホモどもの変わりぶりは、どちらかと言えば洗脳されたようにも見える。
狂信者の中でも異端の部類であったカギ爪団をまとめられるのはゼロしかいないと思ったので、彼を新しい首魁として任命するしかなかった。

しかし、今思えば、ディーとドリスコルは確かに異常気象をクラウザーさんのものだとして崇めるなど、知性すら失い出している点は危険と危険だが、ゼロ自身も上層部同士の仲違いを誘っているような口ぶりでもあった。
そう考えたセルベリアは――

「私が任命したゼロを疑うというのか?
そんな暇があったら、さっさと配置につけ」
「そんな!」
「仮に裏切り者がいたならば発覚した場で処刑すればいいだけのことだ。
さあ、クラウザーさんへの不届き者として私にSATUGAIされたくなければさっさと行くんだ」

強引に話を打ち切り、狂信者たちを地図に割り振られた場所に送った。
無能な上司を見るような切歌たちの落胆した顔が見えたが、今は無視する。

「とりあえず私とレジーナ、サイドバッシャーは一緒のところを防衛するみたいですね」
「残念ですが、私はあなたたちとは違う場所を防衛するようです。ここで一時のお別れです」

サイコマンは切歌とは別の場所でビックサイトを守るようだ。
この場で直接絡んでいないが、松本も既に切歌とは別の場所である、ビックサイトの外周部を守る手はずになっている。



「切歌、私たちが防衛する場所ってどこだっけ」
「すぐそこデスね」

ゼロに関して煮え切らない気持ちはあるが、今は切り替えてセルベリアに指定された場所に移動する。
ここは大人しく従ってないとクラウザーさんへの狼藉を働いたとして味方にSATUGAIされるかもしれないからだ。

「あれ?」
「ここは!?」


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