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カオスロワ避難所スレ3

1管理人 ◆WI16BozYZw★:2015/07/08(水) 21:45:14 ID:???0
前スレッドが1000間近のため新規スレッドを用意いたしました。

138光と陰:2016/04/18(月) 22:29:56 ID:kEpMQcNA0

「あの山、どこに行きやがった!」

 東京都まで飛んできた4人の屈強な男たち。
 サイヤ人の王子、ベジータ。 
 魔界のプリンス、アシュラマン。
 バッファロー一族の生き残り、バッファローマン。
 そして、キン肉マンの兄、キン肉アタル。 

「まあ、落ちつけ……と、言いたいところだが……」

 いくら冷静で的確な判断力の持ち主であるアタルを以てしてもこれにはどうしようもなかった。
 各地でドンパチが起こっている、その中心は間違いなく東京都。

「木を隠すなら森の中というが……」 
「ここに阿蘇山を隠すのはいくら何でも無理があるぜ?」
「既にこの東京都に潜伏している、阿蘇山を小さくしてな」

 恐らくあの阿蘇山は小型になる機能がある。
 ベジータの世界には『ホイホイカプセル』という技術がある。
 主催側にそういう技術者が一人やくらいいてもおかしくはない。

「それよりもベジータ?」
「どうした、アシュラマン?」
「さっきからなんで震えていやがる?」
「武者震いって奴だぜ(震え声)」

 東京都に来てからベジータの様子はおかしい。
 原因は恐らくあの『都庁』にいると思われる金髪集団。
 ベジータの心の奥底にあるトラウマが呼び起こされる。

「俺様なら大丈夫だ(震え声)」

 誰がどう見ても大丈夫ではなさそうだ。
 そんな時であった。 

「……足元……いや、地下から音が聞こえる」
「地震か?」
「いや、何かを掘り進んでいる音だな……しかし、専用機械で掘ってるような感じではないな」

 そして、4人は音の鳴る方への行き方を捜索し始めた。

 ◆ 

「東横さん、赤座さん大丈夫ですか?」
「まだまだ行ける……っす」
「あかりも大丈……夫……だよ」 
「いや、どうみても大丈夫じゃないだろ、ぞれ」
「アンタら、少し休みな」
「いえ、小町さんたちこそ、休んだ方が……」

 地下を掘り進む影薄達。
 しかし、掘り進むにしろ3人はほぼ一般人。
 小町と日之影は3人よりも先程の戦いのダメージが残っている。
 5人が一気に進むにはかなりの労力が必要となる。
 出来るだけ慎重に進まないと崩落の危険性すらある。

 昨今そういう事故も増えてきている。

「皆、大丈夫かな」

 あかりは皆を心配する。
 その時であった。

 ガン、ガン、ガンと何かが迫っている音が聞こえてきた。

「く、崩れるっす!?」
「ど、どうしよう!?」
「いえ、皆さん少し落ち着いてください」
「黒子、アンタ少し冷静すぎやしないか?」
「そうだな」

 頭上から光が差してきた。

139光と陰:2016/04/18(月) 22:30:54 ID:kEpMQcNA0

「大丈夫か!」

 顔を出したのはひとりの男。
 角に3m近い巨体。
 鍛え上げられた。
 そして、レスリングパンツ。



「ゲェ〜〜〜〜ッ! 牛の超人!!」




 小町はそうリアクションを取らざるを得なかった。
 いや、そのリアクションを取らなければならない気がした。
 すると、その牛の後方には迷彩覆面に野球のユニフォームの男。
 さらにその後ろには六本腕の男が竜巻を起こして土砂を掻き揚げている。
、さらにさらにその後ろでMハゲの男が気団を野球ボールのように投げて土砂を消滅させていく。

「アンタたちは……?」
「私はキン肉マンソルジャー……お嬢さん、1人……いや、5人か」
「どういうことだ、ソルジャー、どうみてもその赤い髪の女一人じゃねーか」
「!? アンタ、後ろの桃子たちにも気づいて……」
「ダニィ?」

 アタル兄さんはすぐに着ていたユニフォームを桃子に着せた。
 紳士として……いや、男として当然の行為だ。

「にしても、随分とボロボロのようだが」
「まぁね……」
「それでこいつらをどうするんだ、ソルジャー!」
「黙らんか〜〜〜ベジータ! 彼女たちの怪我に響くぞ!!」
「す、すまん……」

 そのアタルの一喝が一番声量が大きかった。

「話を聞くにしてもまずは……この状況ではな」
「?」
 
 要救助者には怪我の治療が必要である。
 徐にマスクに手をかけるアタル兄さん。

「「「「「うおっ、まぶしっ(っす)!?」」」」」

 フェイスフラッシュ
 
 それはキン肉族のキセキ。
 アタル兄さんのマスクの下から放たれる暖かい光が5人を包み込む。

「なんだか暖かいっす……」
「そうだね……」
「ケガが……治っていく……?」
「本当だ……」

 影薄たちの怪我は全快した。
 首輪を外した状態でのフェイスフラッシュはそれくらい可能なのだ。

  ◆  ◆ 

「戦艦『死国』の奴らは殺し合いに乗っていない……だって?」
「ふむ、何か勘違いがあったようだな」
「ネットの風評被害って奴ですかね」

 一先ず、落ち着いたので情報交換をする。
 そこで色々な情報を行き交った。
 共に『飛竜』という男に助けられたことがあったので情報の信用性もそこそこにあった。
 (尤もこれはハクメンや悪魔将軍が近くにいたので自由に動けなかったテルミの悪手であった)

 そして、彼らは……

「我々は一先ず都庁に向かうか」
「異論はねぇぜ!」
「カ〜カッカッカ! そう言うと思ったぜ!」

 都庁に向かうことを決めた。
 道案内と上層部への介入は小町たちに頼むことにした。
 ……借りは返すものであるのだから。
 そんな中、ベジータは決意を固める

(『虎穴に入らずんば虎児を得ず』って奴か……)

 ベジータは震える足を一歩また一歩と都庁に向ける。
 サイヤ人の王子としての誇り(プライド)はまだ失われてはいない。

140光と陰:2016/04/18(月) 22:31:15 ID:kEpMQcNA0

【二日目・10時30分/東京都・都庁近く】

【影薄組】
【小野塚小町@東方Project】
【状態】健康、首輪解除
【装備】斬魄刀『神鎗』@BLEACH
【道具】舟
【思考】基本:もう仲間を誰も失わない為にカオスロワを終わらせる
0:呉島貴虎を探す
1:殺し合い打破のためにも都庁には協力する
2:もう二度と仲間を置いて行こうとしない
3:幽香と戦う事を覚悟する
4:変なの(セルベリア)に因縁つけられちまったね
※飛竜たちと情報交換して、主催達が九州ロボにいることを知りました。
※ダオスとの情報交換で、カオスロワちゃんねるの信憑性に疑問を持っています(フェイ・イェンにもたらされた情報より、少なくとも都庁の悪評は天魔王軍による仕業だと理解しました)


【日之影空洞@めだかボックス】
【状態】健康、首輪解除
【装備】己の拳
【道具】支給品一式
【思考】基本:主催者を倒す
0:呉島貴虎を探す
1:仲間を守る
2:混沌の騎士が遺した謎を解く
3:↑の全部やらなくちゃあならないのが先代生徒会長の辛いとこだな。


【東横桃子@咲-Saki-】
【状態】健康、首輪解除
【装備】猟銃@現実、斬鉄剣@ルパン三世、野球のユニフォーム
【道具】支給品一式、スマホ、謎の物質考察メモ、筆記用具
【思考】基本:仲間と共にカオスロワを終わらせる
0:さっきの揺れ……地上の人達は大丈夫っすかね?
1:加治木先輩や友人たちと生き残る
2:時間があればスマホを使ってネットで情報を探る(現在は電波の届かない地下なので不可)
3:DMCファンだけど信者の暴動にはドン引き


【黒子テツヤ@黒子のバスケ】
【状態】健康、首輪解除
【装備】ウィンチェスターM1912
【道具】死出の羽衣@幽々白書
【思考】基本:仲間と共にカオスロワを終わらせる
1:友人たちと生き残るためにも、都庁に協力する
2:空気中に漂う物質への対処法を考える(世界樹が有力?)
3:狂信者には絶対に負けません


【赤座あかり@ゆるゆり】
【状態】健康、首輪解除
【装備】エンシェントソード@Minecraft
【道具】マムルの肉@風来のシレン
【思考】基本:仲間と一緒にカオスロワを終わらせて主人公らしく大活躍!
0:戦いは怖くても、あかり負けない!
1:混沌の騎士の分も頑張る
2:まどかと同じく、人間と魔物の共存に賛成
3:オオナズチ以外の都庁のモンスターの背中に乗りたい

【超人血盟軍】
【ベジータ@ドラゴンボール】
【状態】健康、金髪恐怖症(小)、首輪解除
【装備】野球のユニフォーム
【道具】支給品一式、ノートパソコン
【思考】基本:死にたくないので野球をする
1:悪魔将軍様の方が怖い
2:絶対に都庁には近寄りたくないが……行くしかないようだな(震え声)
3:移動しつつツイッターはやる
※何度も瀕死状態から回復したので戦闘力が上がりました。

【キン肉アタル@キン肉マン】
【状態】健康、首輪解除
【装備】キン肉マンソルジャーのマスク、飛竜が書いた九州ロボの地図
【道具】不明
【思考】
基本:殺し合いを止める
0:都庁にいるの者たちと情報交換をしたい
1:飛んでいった阿蘇山の情報を探す

【アシュラマン@キン肉マン】
【状態】健康、首輪解除
【装備】誰かの腕×6本にミットが5つ
【道具】不明
【思考】
基本:悪魔将軍様に従う
0:最低でも主催者の一人は倒す
1;ところでこの腕は誰の何だ?

【バッファローマン@キン肉マン】
【状態】1000万パワー、首輪解除
【装備】ロングホーン
【道具】不明
【思考】
基本:悪魔将軍様に従う

141復活の時!?:2016/04/22(金) 22:50:13 ID:SVPLOgd.0
「報告は以上になります、ディーさん!」
「ご苦労。引き続きクラウザーさんへの生贄をSATUGAIしてくれ」

慌てた様子の信者達に対して、狂信者を束ねる幹部の一人であるディーは冷静であった。
本来であれば何故彼がここまで冷静でいられるのか疑問を持つであろうが、ほとんどの狂信者達は難しいことは考えない。
頭の中の99%がクラウザーさんで埋まっているからだ。

「……三島、狭間、それに峰津院。よく頑張ってくれた」

共にDMC談義に華を咲かせた仲間達の死は、既に知っている。
だが其処に悲しみはない。彼らは一足先にクラウザーさんの礎になれたのだ。これ以上の名誉はあるまい。

「彼らが返り討ちに遭う中、よもやただの女子高生の中野があの雷竜クランヴァリネを仕留めるとは驚きだったが……
流石にこれ以上は無駄か。後はあの魔王マーラに任せるとしよう」

都庁近辺に残らせていた狂信者の偵察隊が、先程完全に死滅したというのが先程の報告だ。
もはや攻め込まずとも、異臭を感じ取られて高空からレーザーで薙ぎ払われたとのことらしい。
さらに龍脈の龍すら葬った二体の怪物の触手と鈎爪でバラバラに切り刻まれて世界樹の肥やしになったとの報告もあった。
地上から都庁を攻め落とすのはこれでは不可能であり、地下からの奇襲も協力者の貴虎が致命的なミスをやらかしたせいでもう使えない。
念のために最強の魔王を地下に送り込みはしたが……

「ヘルカイザー、準備はできたかね?」
「完了している。その魔王マーラとやらならば、あの都庁の連中をSATUGAIできるのか?」
「間違いなく、壊滅的な被害を与えられるだろう。単純な戦闘能力だけで見れば、私やセルベリアよりも上だ。
しかし都庁の連中の厄介さは、個々の強さもさることながら連携にある。マーラや呉島が討たれる可能性もゼロではないだろうな」

ビッグサイトに帰還していたヘルカイザーの質問に対しても、ディーは冷静に答える。
現存する信者や信者候補の中では、マーラが最強である。そして爆破作戦は一度失敗すれば二度と同じ手は使えないだろう。
それでいながらディーは、それが失敗する可能性すら考慮している。
ヘルカイザーが、僅かに眉をひそめた。

「もしその万が一があればどうするつもりだ?」
「だから、大丈夫なのだ。狭間は否定していたが、私は既に狭間達が敗れた場合の策も練っていたんだ。彼らには話していなかったがね。
問題あるまい。結果的にクラウザーさんの復活が大幅に近づくのであれば」
「……確かにな。どうせ聞いたところで俺になど秘策を話はしないのだろうが、それもクラウザーさん復活の前には些細なこと。
言われた通り、俺の持つ3体のサイバーダークの内の一匹の所有権をお前に移した。
あとは俺の好きにさせてもらうぞ。イチローチームとドラゴンズは俺の手でSATUGAIせねば気が済まない」
「武運を祈るよ、ヘルカイザー」

踵を返しビッグサイトを後にするヘルカイザーを見送りながら、ディーは譲られたカードを天高く掲げる。

「現れろ。サイバーダークドラゴン!」

デュエルディスクも無しに、カードの機械龍が実体化する。
非常に優れた能力を持つディーだからこそ出来る芸当である。

「効果を発動! 墓地よりドラゴン族一体を装備品として呼び戻す! 選択するのは――龍脈の龍だ!」

常闇の空間から、都庁で消え去った龍脈の龍が装備品として引きずり出された。
かつてヘルカイザーが同じ手段で呼び戻した冥竜と同じようにその眼は死んでおり、さらに引きずり出されたのは頭部一つのみ。
最も全身を引きずりだしたらビッグサイトが内部から崩壊するため、出来てもやらなかったであろう。

「ほう……なるほど、素晴らしい」

しかしディーは、その不完全な龍脈の龍を見るなり笑った。

142復活の時!?:2016/04/22(金) 22:50:57 ID:SVPLOgd.0
「龍脈とは本来、姿なき純粋な力の塊。各所に張り巡らされ、それを一点に集めるのには大変な苦労が伴う上に場所も限られる。
だが峰津院の秘術により龍の姿として都庁にて具現化し、それが生物としての死を迎えることで決闘者のカードの力で好きな場所で蘇らせることができ……
そして狭間が予め用意していたこの黄泉レイプシステムの拡張機能と併せれば――!」

黄泉レイプシステムに、サイバーダークドラゴンと龍脈の龍がエネルギーとして吸収されていく。
眩い閃光の後、ディーが再び目を開けると……

「おおおおぉぉぉぉぉぉ……!」

思わずディーは感嘆の声を漏らす。
より重厚かつ複雑、強度も増して破壊が困難となったと思われる黄泉レイプシステム。
その中心部に――死後の国への門が現れていたのだ。

「ク、クラウザーさん! 今こそ、復活の時……!」

喜びが頂点に達したディーは、普段のキャラもかなぐり捨てて満面の笑みでその門を開いた。
自分のデイバックの中に既にクラウザーさんのクローン肉体は入れてある。
後はこの死後の世界からクラウザーさんの魂を連れ戻せば、計画は完了する。
そしてクラウザーさんさえ蘇れば、自分も含めて信者達の戦意も能力も最高の状態となり、敵対勢力を滅ぼせるだろう。
仲間も連れず一人で突入してしまう程、今のディーはテンションが高かった。


「こ……これは一体……ここが、死後の世界だというのか?」


そんなディーすら、死後の世界を見た瞬間に絶句してしまう。
死後の世界、通称死者スレは異様な光景であった。

「まるで廃墟……しかしこれは、再生しているのか……?」

一度何者かの手で世界そのものを破壊されたような痕跡、そこに別の何かの力が働き自己再生を試みているような、そんな様子であった。
しかしこの様子ではすぐさま死者スレの復活は難しいだろう。
瓦礫と死者の怨念渦巻く声。恐らく崩壊に巻き込まれて魂すら磨り潰されてしまったためかとディーは考える。

「クラウザーさんは、無事なのか!?」

強固な意志を持つ存在は魂だけとなってなお頑丈ではあるが、それでもやはり肉体以上にデリケートである。
早急に、クラウザーさんの魂を見つけて現世に呼び戻さねば、もはや如何な手段を講じたところでクラウザーさんの生声を聴くことはできなくなってしまう。
そんな全宇宙の大損害になってしまうことは、断じて許さない。

「クラウザーさん!」

たまらずディーは駆け出した。
本来は冷静な神さえも突き動かす、クラウザーさんの魅力はまさに神をも超えるもの。
故にディーはこの黄泉の世界を甘く見ていた。
いくら龍脈で強化された黄泉レイプシステムとはいえ、その黄泉の世界そのものが何かしらから干渉を受けていては、安心安全に黄泉をレイプすることなどできはしない。

「……プ……イプ……」
「む、確かに今、レイプと聞こえたぞ!? クラウザーさん!?」





「誰かワシをレイプしてくれぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!ぐっちゃぐちゃのどっろどろになるまでレイプしてぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

「う、うわああああああぁぁぁぁぁぁ!?」

そこには怪物がいた。

144復活の時!?:2016/04/22(金) 22:52:10 ID:SVPLOgd.0
【二日目・10時30分/東京ビックサイト内部・死者の門前】

【ディー@うたわれるもの】
【状態】健康、小疲労、激怒
【装備】刀
【道具】支給品一式、クラウザーさんクローン×300
【思考】
基本:クラウザーさんの復活
0:シグナムとやらを探し出す
1:黄泉レ○プシステムをさらに盤石にするため、引き続きマグネタイトは回収する
2:クラウザーさんのために、いずれくる各勢力との戦争に備えて戦力を増強する
3:大災害などに疑問はあるが、後回し
4:仮にマーラが帰ってきてもビッグサイトには入れない
※制限によりウィツァルネミテアの力がある程度制限されていますが、蘇生関連の能力制限だけは首輪とは別の力が働いていると見ています。
※黄泉レイプシステムが龍脈強化され、死者スレへの突入が可能になりましたが、現時点では乗り込んでも目的の達成は困難です
崩壊した死者スレを強行突破できるだけの大戦力或いは死者スレを修復するなにかが必要です
※なんらかの要因で死者スレが復活する可能性があります


【ヘルカイザー亮@遊戯王GX】
【状態】健康、クラウザーさん欠乏症
【装備】デュエルディスク、スマホ
【道具】支給品一式、キメラテックオーバードラゴン、サイバーダークドラゴン、冥闇に堕した者(装備品)、他不明
【思考】基本:強敵をSATSUGAIして己も満たしつつクラウザーさんを復活させる
1:クラウザーさん復活は上層部に任せ、自分は各地の強敵のSATUGAIをする
2:野球チーム全てを警戒。可能であれば自分の手で殺す
※サイバーダークはロワ中に死亡したドラゴンを装備品として装備可能ですが、一度に一体までの制限あり
※サイバーダーク一体をディーに譲渡したため、使用可能なサイバーダークは2体までです
※龍脈の龍はシステム強化に使用されたためもう装備蘇生できません。またテラカオスの体内に魂を取り込まれているニアラも装備不可です

146信じる奴が大正義!?:2016/08/15(月) 11:21:44 ID:BkNre/Zw0
大阪ドームにて熱斗たちと別れたハクメンは進路を名古屋方面に向けて疾走する。
この世界に災厄を振りまく「凶(マガト)」――混沌の歌姫(テラカオス・ディーヴァ)と化した風鳴翼を刈り取るために。

「……どういうわけだ? 奴の動きが止まっている?」

走っている途中で、ハクメンが翼から発せられた混沌の気を辿ってみたが、翼の動きが名古屋で止まっているのを感じた。
実は翼はどこぞのかませ犬ドラゴン軍団を倒したものの、移動するための足であった列車を破壊されてしまい、新しい乗り物を探すために名古屋で立ち往生しているのだ。

「まあいい。
理由はなんにせよ、動かず止まっているのなら都合がいい。
死国の者達の被害を気にせずに戦えるからな」

ハクメンにとっては翼が名古屋に留まってくれているのはありがたいことだった。
自分と同格の力を持つ悪魔将軍を除き、翼相手に死国及び拳王連合軍で勝てる人間はほとんどいない。
もし大阪に近づく前に自分の手で翼を討てれば、死国の者達に被害を及ばすことはなくなるからだ。
破天荒集団である死国の面子に仲間意識を抱いているかは正直微妙なところだが、彼らも来るべき主催陣やユウキ=テルミ、邪悪なマーダー、そしてテラカオス候補者を残らず駆逐するためには貴重な戦力だ。
そういう意味では失うには惜しい者達である。そんなことを考えながら、ハクメンは大阪の路上をひた走る。

名古屋で足を止めているとはいえ、翼のテラカオスたる力は参加者を屠る度に増加しているため、翼が自分の力を超えてしまう前に急いで仕留めねばならない。
それでもこの前に見せた、時を斬りながらの移動なら一時間もしないうちに名古屋につくだろう。
何かしらイレギュラーな事態さえ起こらなければ、翼を十分に殺処分できるだろう。

だが、ここで彼にとってイレギュラーな事態に直面する。

「!? この気配は……?」

ふと、周辺に強い「凶」の気配をハクメンは感じた。
風鳴翼……ではない。それよりかは弱い「凶」だ。

しかし、とても無視できない強大な「凶」の持ち主の気配をハクメンは察知した。

「現状は風鳴翼ほどではないが……これは放置すれば彼奴以上の災厄をもたらす今すぐ刈らねばならない『巨悪』だ!」

すぐにでも討たねばならぬ「巨悪」がいる故に、ハクメンはどうしても寄り道しなけばならなかった。
ハクメンは名古屋方面に向けていた足を止め、今しがた感じ取った「凶」の持ち主に向けて方向転換し、時を斬りながら高速で現場に向かった。

そして、討つべき巨悪はものの数分で見つかった。
それは大きな大きなバイクに乗っていた。




弦十郎の運転するジェットスライガーに大人数で箱乗りしていたネオ・クライシス帝国御一行は、今まさに大阪に入ろうとしていた。
以前は一つの県を移動するのに八時間以上かかった集団だったが、今度はたったの二時間半で滋賀県から奈良県をまたいで大阪まで高速移動をしていた。
これは超絶マシンであるジェットスライガーによる恩恵である。
ジェットスライガーの最高時速はなんと1300km。
これに8人以上の参加者が乗っているとはいえ、大作りな分、馬力は並のバイクを超えているので駆動には問題ない。
もちろん、音速を超える速度をだそうものなら、仮面ライダーや人外である光太郎たちはまだしも、真人間の響子と友紀の体が耐えられるわけもないため最高時速は出せない。
さらに小回りの効かないバイクなので、障害物を避けていくためには更に速度を落とす必要がある。
それでも二つの県を三時間足らずで移動できるほどのスピードは確保できていた。

彼らの目的は、危険な食人鬼としてネットで騒がれ、主催にも指名手配されるようになった弦十郎の姪である風鳴翼に会うために、彼女が狙っているらしい拳王連合軍のいる大阪への先回りであった。
風鳴翼が本当に食人鬼と化しているかの真偽を8人は知るよしもないが、真偽のどちらにせよ被害の拡大の阻止のために止めねばならず、接触は避けられなかった。

しかし、それに加えて一行が大阪に向かうのに新たな目的が生まれようとしていた。
きっかけは目的地である大阪と拳王連合軍に対して情報収集をしている時だった。

「これは……?」
「ヒドイ!」
「略奪だけに飽き足らずに破壊に虐殺……拳王連合軍め、ゴルゴム並の最悪の連中じゃないか!」

147信じる奴が大正義!?:2016/08/15(月) 11:22:20 ID:BkNre/Zw0

弦十郎から借りたノートパソコンから映し出された情報に、響子と路空と光太郎は苦い顔をした。
ネットでの情報より、拳王連合軍の自重を知らない数々の所業を光太郎たちは見てしまったのである。
野球と称したデス・ゲームを仕掛け、無差別攻撃によって多くの県を破壊する様は、都庁同盟軍と同じく、光太郎たちにも拳王連合軍を最悪の破壊集団であると印象付けさせた。
更に今向かっている大阪では物資の略奪に加えて街から退避した民間人の虐殺まで行っている。

ガンダムの砲撃から無辜の民間人を守るために己の機体を盾にして散った、巨大ロボ・ロードビヤーキー。
その思いを踏みにじるように砲撃でロードビヤーキーの後方にいる民間人を焼き尽くしたガンダムの邪悪な姿を映した動画を見たときは、光太郎は思わずパソコンの画面を叩き割りたくなったが堪える。
(ちなみに、ロードビヤーキーが民間人を庇って散ったというのはネットでの評価の話であり、実情は全く違うのだが、光太郎たちは知る由もなかった)

「拳王連合軍……翼と共に止めねばならんな」
「こいつらが抱えているのは闇なんてもんじゃない……奪って壊すだけのただのケダモノだ」
「あまりにも無軌道すぎる破壊行為の数々……彼らの放置はそこらのマーダーより危険だね。
最後に残った土地である、この日本も消滅させそうな勢いだよ」

拳王連合軍の所業には弦十郎は静かに怒っていた。
さらに闇に堕ちた矢車でさえ、拳王連合軍の行いを唾棄する。
心を持たないキュゥべえでさえ危険視していた……もっとも、キュゥべえの場合は日本がなくなってしまうと任務である魔法少女からのエネルギー収集ができなくなってしまうのは困るという意味合いだったが。

「弦十郎さん、姪の翼ちゃんを止めるのは大事だと思うが……俺は……」

怒りに震える光太郎。
正義の味方である彼は拳王連合軍の所業をとても許せなかった。
故に、拳王連合軍をすぐにでも倒したいと考えていた。

「大丈夫だ、俺も今、君と似たようなことを考えていたよ」

光太郎が皆まで言わずとも、弦十郎は理解し、考えは同調していた。
ひとりのOTONAとして、彼もまた拳王連合軍を止めたいと思っていた。

「それじゃあ……」
「ああ、翼はもちろん止めるが、同時に拳王連合軍も止めよう。
俺たちならそれがそれができるはずだ」
「うつほも手伝うの!」
「フッ……妹と弟候補がそう言うなら、俺も人肌脱ぐか」
「こいつらは必ず倒そう、未来のためにも」
「珍しく気が合うわねキュゥべえ。私もそう思うわ」

光太郎に同調するように、仲間たちは次々と彼の意志に賛同していく。
その中で響子がノートパソコンのある画面を開く。
映し出されているのはカオスロワちゃんねるの掲示板だ。

「光太郎さん、この掲示板によると、拳王連合軍と戦っているホワイトベース組という名前の対主催グループがあるみたい。
戦況はホワイトベース組が押されているようだけど、私達が加勢すれば戦況は好転するかもしれないわ」

なお、ホワイトベース組にはクラスメイトの苗木や十神がいることを響子はまだ知らない。

「ならば急いでホワイトベース組に加勢しよう。
できれば翼ちゃんが到着する前に拳王連合軍に引導を渡したいところだな」

こうして(ネットの情報に踊らされているのも気づかず)、六人の中で拳王連合軍打倒の意志が固まった。

……そう、八人いる中の六人は。

148信じる奴が大正義!?:2016/08/15(月) 11:22:56 ID:BkNre/Zw0


バイクの後部座席の方で姫川友紀はいじけていた。
というのも世界を救う予言の書(本物)を彼女は所持しているにも関わらず、ネオ・クライシス御一行は誰も予言を信じてくれなかったのだ。
二時間かけて説得しようとしたが、帰ってきたのは「野球で世界が救えるわけないだろ」という失笑の言葉だけであった。

(野球には世界を救えるだけの魔力があるのに、誰も信じてくれないよ……)

ぶっちゃけ、常識的に考えれば野球で世界を救うなど眉唾もいい話だった。
それでも野球の力を愚直に信じる友紀からすれば、野球を玉遊びとしか思わず、その力を信じない光太郎達の方が滑稽に思えた。
故にすっかりすねてしまった。

(この人達についていっても野球してそうにくれないよ……
予言によると世界を救うには『野球・歌・器・巫女・勇者』が全て揃わないといけないのに)

このまま予言について懐疑的な光太郎達についていっても、野球はしてくれないだろう。
それどころか『歌』の部分はアイドルである自分が補うのでまだしも、他の『器・巫女・勇者』も揃わないかもしれない。
それでは予言を達成できないと焦る友紀。
そこに友紀の目に、パソコンの画面に映る拳王連合軍の掲示板が目に入る。

(……拳王連合軍も曲がりなりにも野球チームよね?
いっそ、彼らに取り入ろうかしら?)

友紀の脳裏にマーダーのチームに寝返るという恐ろしい考えがよぎる。

(もちろん、光太郎さん達に負けるような弱いチームだったら意味がないわ。
でも、仮に光太郎さん達を倒せるような強者揃いだったら……それは間違いなく最良の戦士ね)

もちろん、ただで寝返る気はない。
あくまで実力者揃いのネオ・クライシス帝国を倒せる実力を示した場合のみである。
予言達成のためにマーダーチームに入ろうとするのはひどい考えだが、予言を達成して世界を救うためには善悪云々に拘っておられず、滅亡を回避するためには仕方のないことだと彼女は考えていた。
(もっとも、なんで世界が滅びかけているのかは彼女は知らないが)

光太郎達の影で友紀はよからぬことを考えていた。
一行が拳王連合軍に負けることがあれば、彼女は即座に一行を裏切って拳王連合軍に取り入るだろう。


さらに友紀の他によからぬことを考えていた者がもう一人いた。
パソコンに映し出された掲示板や動画を食い入るように見つめているクライシス皇帝である。

(拳王連合軍の攻撃性と残虐性……実に素晴らしい。
是非、このクライシス皇帝の臣下にしておきたいところだ)

これまでのギャグ行動とネタ言動のせいで忘れ去られがちだが、このクライシス皇帝は主催を潰し次第、人類抹殺を考えている悪の親玉である。
そんな皇帝にとって拳王連合軍の実力の高さと悪辣さは、後の人類抹殺計画にはまさにうってつけの逸材であったのだ。

(しかし、どうやって味方につけようか?
光太郎達は拳王連合軍を殺る気満々であるみたいだしな)

拳王連合軍は潰されるには惜しい連中だ。
そのためにどうにかして臣下に加えたいが、光太郎達は倒す気であるようだし、説得も難しそうだ。

(はて、どうしたものか?)

どうにかして策を考えようとするクライシス皇帝。
光太郎達はそんなクライシス皇帝の昏い計画を練っているなど知る由もなかった。

149信じる奴が大正義!?:2016/08/15(月) 11:23:38 ID:BkNre/Zw0


そして一行を乗せたジェットスライガーは大阪府に入った。
遠くに見える街では空を飛ぶ木馬のような戦艦と、港に鎮座する空母、そして沢山の黒煙がモクモクと空に昇っていた。
激しい戦いが現在進行形で繰り広げられているようだった。

「もうすぐ、大阪に入るぞ!
みんな、戦いの準備をするんだ」
「ああ、わかった」
「「「変身!」」」

弦十郎の声と共にデイパックにノートパソコンはしまわれ、光太郎、クライシス皇帝、矢車の三人は仮面ライダーに変身して臨戦態勢に入った。
仮面ライダーが三人いれば拳王連合軍や翼が襲ってきても何も怖くない……一行はそう思っていた。

「……あれは?」

弦十郎が前方を見ると、500mほど先に侍風の男が立っていた。
対主催の参加者か、はたまたマーダーだろうか?

……それを考えるよりも早く、侍風の男――ハクメンはジェットスライガーを捕捉するやいなや、時を斬って高速移動し、一瞬でジェットスライガーに肉薄した。

「なっ……」
「に!?」

驚く弦十郎と光太郎、他の六人はあまりにもハクメンの動きが早すぎて肉眼での捕捉さえできなかった。
そして刀は容赦なく振るわれた。


その刃の矛先は――クライシス皇帝。
彼を刺殺さんと、切っ先はクライシス皇帝の胸元へ向かう。


「危ない! クライシス皇帝!」


ただ一人、直感でハクメンの狙いがクライシス皇帝だと気づいた光太郎が動く。
光太郎はハクメンの刃へ腕を伸ばして、刃を止めようとする。
右手のひらにハクメンの刃が深々と刺さり、光太郎の手は夥しい出血をした。

だが、それでもハクメンの刃は止まることなく、光太郎の手のひらを貫通し、クライシス皇帝の胸元に深々と刺さった。

「ぐわあああああああああああああ!!」
「く、クライシス皇帝ーーーッ!!」

クライシス皇帝は胸を刺されて悲鳴をあげる。
仲間を刺されたと見て、光太郎も悲鳴をあげ、続くように他の仲間達も悲鳴や驚きの声を上げた。

「チッ!」
「うにゅ!! よくもクライシス皇帝を!!」

矢車と空がキックや弾幕で反撃に移るが、ハクメンはそれより早く刀を引き抜き、攻撃をかわしながら距離を取った。
突然の敵の攻撃に対して、弦十郎は急いでバイクを停めて、クライシス皇帝以外の全員がバイクから降りた。
刺されたクライシス皇帝はバイクの上でぐったりとしている。

「クライシス皇帝! しっかりしろ!!」

光太郎は自分の右手にできた風穴の痛みも気にせず、動かなくなったクライシス皇帝に必死に呼びかける。
しかし皇帝からの返事はなく、光太郎を大いに焦らせた。
そこで響子とキュゥべえはクライシス皇帝を見る。

150信じる奴が大正義!?:2016/08/15(月) 11:24:14 ID:BkNre/Zw0

「……大丈夫、気を失っているだけ。まだ息はあるわ」
「光太郎の咄嗟の行動と、スーツの防御力に救われたようだね」
「本当か、二人とも? それは良かった」

キュゥべえの言ったとおり、光太郎の己が傷つくことも厭わない献身的な行動と、オーガのスーツによる防御力により、クライシス皇帝は奇跡的に一命をとりとめていた。

「しかし、いきなり襲いかかってきたアイツは……!」

キッと、光太郎は仲間を殺そうとしたハクメンを睨みつける。
光太郎だけではなく、弦十郎も、矢車も、空も戦闘状態に入ろうとしていた。

「くッ……浅かったか、邪魔が入りさえしなければ!」
「貴様ッ!!」

ハクメンはクライシス皇帝を殺しきれなかったことに歯噛みし、光太郎はそんな彼に対して怒りを顕にする。

「我が名はハクメン! 全ての悪を滅する者!
他の者には用はない、その男を渡せ」
「なんだと!? なぜクライシス皇帝を狙う!」

ハクメンの狙いはどうやらクライシス皇帝だけのようだ。
その理由はハクメン自体の口から説明される。

「その男からは非常に強い「凶」の気配がするのだ」
「マガト?」
「悪の気だと思ってくれたらいい。
ともかく、その男を放置すれば世界に災いをもたらすだろう」

ハクメンがクライシス皇帝を討とうとした理由は、皇帝から発せられた悪の気を感じ取ったからである。
実際にクライシス皇帝は怪魔界の皇帝にして、己の独裁のために民を虐げる暴君である。
この上に地球侵攻のために人類抹殺を企てているところから、皇帝が凶を纏っていてもおかしくはない。
そして皇帝が災いを振りまく前に抹殺してしまおうというのが、ハクメンの考えであった。

「私はその男さえ殺せれば、他の者達に危害を加える気はない。
さあ、その男を差し出せ」
「ふざけるな!
皇帝のことを何も知らないくせに、何がマガトだ! 悪の気だ!」

しかし、光太郎はハクメンの要求を拒む。

「話を聞いていなかったのか?
その男を生かせば将来的に災いを……」
「俺はカオスロワ開始時の頃からこれまでクライシス皇帝を一緒に戦ってきた!
だが、俺は皇帝が邪悪な男とは思えない!」
「俺は光太郎ほど長くクライシス皇帝と付き合ったわけじゃないが、俺もそう思うね」
「うにゅ! 皇帝はさとり様を殺したような悪い奴じゃない!」
「俺はクライシス皇帝より、おまえの方が気に入らないな」
「仮にこの皇帝が何を企てていても、こんなオマヌケな人が大それた災いなんて起こせるわけないじゃない」

光太郎だけでなく、弦十郎に地獄兄妹、響子でさえ、クライシス皇帝の味方をし、ハクメンの要求を拒む。

(クッ……どうやら全員この男に丸め込まれてしまっているらしいな。これは厄介だぞ)

ハクメンからすれば、一つの対主催グループが丸々クライシス皇帝の味方をしている現状に頭を悩ますしかなかった。
クライシス皇帝以外のメンバーは悪の気配がしないか、微弱だったため、無闇に殺すこともできない。
※キュゥべえには心がないため、ハクメンは彼から悪の気配を感じ取れない。
 ただし、彼の所業を知ったら襲いかかる可能性大。

151信じる奴が大正義!?:2016/08/15(月) 11:24:47 ID:BkNre/Zw0


「てゆうか、あなたはどこから来たの?」

唐突に友紀が質問をする。
大阪の街から来たハクメンに対して、所属するグループなどを聞きたくなったのだ。

「ひょっとして……死国?」
「……そうだが、それが何か?」
「ということはあなたは拳王連合軍の……?!」
「いちおう、ではあるが彼奴らの味方になるんだろうな」
「「「!?」」」

二人の問答の中に現れた死国、拳王連合軍の味方。
その言葉を聞いた瞬間、騒然としていた場の空気が一気に凍りつき、ネオ・クライシスの面子で戦闘ができる者は即座に武器を構える。

「響子ちゃん、キュゥべえ、友紀!
急いでクライシス皇帝を引っ張って隠れるんだ!」

光太郎の指示通り、非戦闘員の二人と一匹は急いでクライシス皇帝を引っ張り、近くに隠れようとした。

「待て! その男は!」
「マーダーは死んじゃえ!」

ハクメンはクライシス皇帝を隠そうとする三人を追おうとするが、空の制御棒から放たれたレーザーが放たれ、妨害された。
レーザー自体はハクメンの機動性なら難なく躱すことはできたが、レーザーが消えた頃にはクライシス皇帝含む四人の参加者はどこかへ雲隠れしてしまった。

「おまえ達! 邪魔をするな!」
「そういうわけにはいかないな。OTONAとして、やはりおまえは止めなくてはいかん」
「正義の味方を気取る質の悪い奴が一番いけ好かないな」
「殺す!殺す!殺す!」
「拳王連合軍の手先め! ゆ゛る゛さ゛ん゛!!」

ハクメンは光太郎達に四方を囲まれてしまう。
仲間であるクライシス皇帝が狙われている上に、ハクメンがマーダー集団(と思い込んでいる)拳王連合軍の一員であると知った以上、光太郎達が戦う理由には十分だった。
光太郎の目線ではハクメンはもう凶悪なマーダーにしか見えないのだ。


「もはや交戦は避けられないか……」

頭に説得の余地はないと感じたハクメンは、仮面の中でため息を吐く。

「しかし! ユウキ=テルミや悪を全て滅するまでは!
死ぬわけにはいかないんでな!!」

戦いを避けられないと感じたハクメンは、闘気を解放する。
放たれた強い闘気は、強者揃いであるネオ・クライシス帝国に恐怖を覚えさせた。

「クソッ!」
「うにゅにゅ」
「この気は……」
「気をつけろみんな! こいつはかなり強いぞ!」

肌で感じる闘気は矢車や空はおろか、光太郎や弦十郎でさえ冷や汗を覚えさせられた。
四対一でも油断すれば一瞬で全滅させられる……そんな強者の気配を感じさせた。

「きゅっぷい! なんて凄まじいエントロピーだ!
これはちょっと光太郎や弦十郎でもマズイかも知れない」
「なんですって!?」
「それマジなの?!」

クライシス皇帝を連れて近くの茂みに隠れていたキュゥべえ達もまた、ハクメンの闘気を感じて焦燥させられていた。

(まずいわね、何か打開策を考えないといけないかもしれない)
(これは逃げるべきかな……でも、響子と契約できれば状況は好転できるかもしれないし、う〜ん……)
(光太郎さんや弦十郎さんが負けるようなら寝返ろうそうしよう)

非戦闘員組はそれぞれの生存戦略と思惑を抱いていた。

152信じる奴が大正義!?:2016/08/15(月) 11:25:23 ID:BkNre/Zw0


場面は再び、光太郎達とハクメンに戻る。

(彼らからは凶の気配は感じない。
むしろ善良な魂を持つ者もいる……殺すわけにはいかんな)

ハクメンとしては交戦に対しては乗り気ではなかった。
ボヤボヤしていると滅すべき風鳴翼も名古屋から動いてしまうので、避けられるなら避けたい戦いであり、クライシス皇帝をさっくり殺してさっさと終わらせたいところであった。
故にハクメンはあえてその気はなくとも、言葉の中に「死」のワードを含めて脅しかける。

「死にたくなければそこをどけ。
今なら誰も死なずに傷つかずに済むぞ」

……と。
それで光太郎達が退いてくれるなら御の字だったが、事はハクメンの思惑通りには進まなかった。

「確かにおまえは俺達より強いかもしれない……そう感じるよ。



だが、断る!
クライシス皇帝のためにも、人々のためにも!
ハクメン! おまえはここで倒す!!」
「……何も知らない愚か者め。
話を聞かないなら仕方あるまい。強引に押し通らせてもらう!」

光太郎達はあくまでもハクメンに徹底抗戦する構えであった。
ハクメンはクライシス皇帝を庇い立てする光太郎達との交戦やむなしと思い、腹をくくる。
ハクメンとしてはクライシス皇帝以外の面子は殺す気はないが、この戦闘以後、出会う度に邪魔立てされても面倒になるため、カオスロワの間だけでも再起不能にはなってもらおう。
そう思い、ハクメンは刀を引き抜いた。


大阪の街外れ。
今ここに、悪を滅す正義と、友を守る正義が衝突した。


【二日目・11時00分/大阪府・街外れ】

【ハクメン@BLAZBLUE】
【状態】健康、unlimitedモード
【装備】斬魔・鳴神
【道具】支給品一式
【思考】基本:『ユウキ=テルミ』及び『悪』を全て滅する
0:風鳴翼を滅する前にクライシス皇帝を刈る
1:主催及び世界に災いをもたらす者を『刈り取る』
2:風鳴翼は滅する
3:話を聞かないネオ・クライシス帝国御一行には再起不能になってもらう
※勾玉ゲージ等の状態は次の書き手に任せます
※unlimitedモードに入りました



【ネオ・クライシス帝国御一行】

【南光太郎@仮面ライダーBLACK】
【状態】変身中、右手にダメージ(大)、怒り
【装備】キングストーン、パーフェクトゼクター@仮面ライダーカブト
    カブトゼクター、ザビーゼクター、サソードゼクター、ドレイクゼクター
【道具】支給品一式、カラオケマイク
【思考】基本:この殺し合い、ゴルゴムの仕業だ!
0:ハクメンを倒す
1:クライシス皇帝と空、響子、弦十郎、ついでに友紀と共に行動する
2:人々を脅かす拳王連合軍は絶対にゆ゛る゛さ゛ん゛!!
3:俺は仲間であるクライシス皇帝を絶対に信じる!
4:あの少女(歌愛ユキ)はどこに行ったんだ?
※RXに進化しました。ロボライダーに変身可能になりました。
※バイオライダーにはまだなれません。
※パーフェクトゼクターの使い方を理解しました。


【クライシス皇帝@仮面ライダーBLACKRX】
【状態】大ダメージ、気絶
【装備】サタンサーベル オーガギア@仮面ライダー555
【道具】基本支給品一式
【思考】基本:光太郎とともに主催者とゴルゴムを潰す
0:気絶中
1:戦力を集めて、『ネオ・クライシス帝国』を建国する
2:一先ず、地球人類抹殺は置いておく。(主催を潰したら取り掛かる)
3:矢車から地獄の匂いがする
4:拳王連合軍の連中はできれば臣下にしたい
5:私のカラオケマイクはどこに行ったんだ?
※参戦時期は仮面BLACKRX本編開始前です。

153信じる奴が大正義!?:2016/08/15(月) 11:25:48 ID:BkNre/Zw0


【霧切響子@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】
【状態】健康、ロリ切さん
【装備】様々な資料
【道具】支給品一式、沢山の光彦関連のスイッチ、その他不明
【思考】基本:殺し合いの打開and殺し合いについて調べる
0:戦闘が終わるまで隠れてる
1:苗木くんに会いたい
2:元に戻る方法はあるのかしら……?
※めだか以上まどか未満の魔法少女になれる素質があるようです


【霊烏路空@東方Project】
【状態】悲しみ、やさぐれた……?
【装備】制御棒、地獄兄弟みたいな格好(女性用)
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:さとり様殺した奴は殺す
0:ハクメンを殺す
1:光太郎たちについていく
2:矢車の妹になった!


【矢車想@仮面ライダーカブト】
【状態】変身中、やさぐれ
【装備】ライダーベルト&ホッパーゼクター@仮面ライダーカブト
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
0:ハクメンを倒す
1:光太郎、空を地獄兄弟の弟、妹にする
2:上記のために、光太郎たちについていく。(率先して戦うつもりはない)


【キュゥべえ@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】健康、他の個体が全滅
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:女性参加者全員を魔法少女にする。
0:身を守るためにクライシス一行に保護してもらう
1:霧切響子は黒神めだか以上の素質を持っている……なんとか契約できないだろうか
2:必ず鹿目まどかとも契約してみせる
3:母星と連絡出来るまでは生き残る
4:ハクメン相手では光太郎達でも流石にマズイかも知れない。いざという時は逃げる


【風鳴弦十郎@戦姫絶唱シンフォギア】
【状態】健康
【装備】ジェットスライガー@仮面ライダー555
【道具】支給品一式、ノートパソコン
【思考】基本:殺し合いの否定
0:ハクメンを倒す
1:翼に会うために大阪で待つ
2:戦えない者(主にKODOMO)たちの保護
3:拳王連合軍は許さない


【姫川友紀@アイドルマスターシンデレラガールズ】
【状態】健康
【装備】大正義巨人軍風のユニフォーム
【道具】支給品一式、予言の書(本物)
【思考】基本:予言の書通りに行動したいから、野球する!
0:戦闘が終わるまで隠れてる
1:野球のメンバーを集める
2:光太郎達が勝てなかったら拳王連合軍に取り入る
3:予言のことを誰も信じてくれない……
※予言の書は本物です。

154闘拳乱舞:2016/08/31(水) 10:40:35 ID:d4U2hlIM0

「アチョ! アチョ――ッ!」
「フン!!」

ラーメンマンの華麗なる足技をラオウの剛の拳で防ぐ。
ラーメンマンの戦い方は北斗の次男の柔の拳に酷似している。
だからこそ対処法はわかる。
一番の難敵は『トキ』であったからこそ。

……ケンシロウ? ああ、ありゃもう一つ上の次元だよ。
ラオウじゃ勝てる要素は無想転生を習得するくらいしかない。

(あのドジョウヒゲ隙がないわね)

MEIKOはラーメンマンの戦い方を観察し、何か弱点を探す。
ピッチャーとしてバッターの癖を見抜くことは重要である。
だが、鍛えられたMEIKOの観察眼をもってしても見極められない。

「ラーメンマンとやら、うぬは何故戦う?」
「――私たち正義超人の矜持は『戦いを通じてわかりあう』ということだ。
 無論、ラオウ……貴様ら拳王軍ともだ」
「ほう、それはこの拳王の心をも理解するということか?」
「そうだ!」

再び構えを取る両者。
ラオウの構えは無双の北斗神拳。
対するラーメンマンの構えは超人拳法。

「「 い く ぞ ! ! 」」

再び両者の拳が交錯する。
連打。連打。連打。
連打。連打。連打。
連打。連打。連打。
連打。連打。連打。
躱し、防ぎ、受け流す。
連撃。追撃。防御。相殺。

両者の嵐のような攻撃を共に尽く防いでいく。
ラーメンマンの華麗なる連続攻撃をラオウは己の拳一つで防ぐ。

まさに絵に描いたような【剛vs柔】。
互いに引けぬ理由がそこにはあった。
ラーメンマンの活人拳とラオウの殺人拳はほぼ互角であった。

「フン!」
「リャァーッ!!」

二度、三度……拳と脚が激突する。
その度に大気が震える。
 
(吹っ飛ばされる……ッ)

MEIKOはその場に留まるの必死だ。
デカオたちは何人かが吹っ飛ばされたが対して問題なかった。
アルベルトや美鈴の死体は軽く吹っ飛ばされ、海に落ちた。
この間に吹っ飛ばされたデカオの何人かが戻ってきた。

155闘拳乱舞:2016/08/31(水) 10:41:00 ID:d4U2hlIM0

(いや、ここまで揺れるのは何かおかしい!)

揺れている。
揺れているのはこの戦艦自体だ。

「二人共、無事ですか!」
「タクア……ムギちゃん監督? そんな慌ててどうしたのよ?」
「いえ、MEIKOさんほど落ち着いているのもどうかと思います!」
「エース投手だからね」

そこに大慌てで紬がやってきた。
しかし、MEIKOはそれでも動じなかった。

「で、何しに来たの?」
「祐一朗さんとシュトロハイムさんとアドラーえもんさんが……死にました」
「!? なん……だと……!」

これには流石のMEIKOも驚いた。
あの半分以上機械のボディだった男たちがこうもやられてしまうとは……
自身はボーカロイドであるが、それでもボディの頑丈さは彼らの方が断然上であった。
 
「まさか……さっきの揺れって?」
「お察しのとおりです……格納庫で大爆発が起こり……祐一朗さんたちは……」
「…………………そう」

MEIKOはあまり悲しまなかった。
いや、悲しいという感情を必死に抑えていた。
緑間の時もそうだったが……やはり、仲間の死は悲しい。 

しかし、この悲報を聞いて感情的になり、一人涙を流す男がいた。

「……この拳王にもまだ涙が残っていたとは……」
(また泣いてる……)

ラオウは号泣していた。

祐一朗……自分を信じて、紅白戦では四番に据えてくれた男。
シュトロハイム……常にやかましかったが、常に軍の士気を上げ続けた男。
アドラーえもん……よくわからない男であったが、不思議な道具を使う男。

配下であると同時に……ラオウはそれなりに信頼していた。
野球というスポーツを通じて、この男に変化が起こったのかもしれない。

「ラオウ……貴様、泣いているのか……?」

ラーメンマンの動きが止まっていた。
ラーメンマンは今でこそ正義超人、アイドル超人の一人であるが。
かって世界最強の残虐超人と呼ばれて恐れらていた。
しかし、キン肉マンたちの戦いが彼を変えた。

「……戦いを続けるぞ! ラーメンマンよッ!!」
「待て、ラオウよ! 貴様はこの殺し合いに乗っているのではないのか!!」
「愚問だな……この拳王は一度たりともあの主催者共に従ったつもりはない!」
「何……?」

涙を振り切り、ラオウはラーメンマンに迫る。

「お二方、待ってください!」
「ぬぅ、止めるな、ムギちゃんよ!」

しかし、その間に紬は割って入る。
 
(……あまりにも早い移動スピード、私じゃなきゃ見逃しちゃうね)

「確かラーメンマンさんでしたか?」
「そうだが、君は?」
「私は琴吹紬と申します……ジョンスさんと悪魔将軍さんから貴方の話は聞きました。
 貴方と殴り合いではなく、話し合いをしたいと思いここまで馳せ参じました」
「悪魔将軍だと……?」
「はい」
「呼んだか?」
「!?」

その威圧感は本物であった。
モンゴルマンの時、レフリーもやっていた。
その時と同じ……いや、今の悪魔将軍はその時以上の凄みを持っている。

正義超人。
悪魔超人。
そして、タクアン。

この三人がこの戦場に集結した。

156闘拳乱舞:2016/08/31(水) 10:41:27 ID:d4U2hlIM0

 ◆ ◆ ◆

しばらく話をした。
その間、飛んできた砲撃は遅れてやってきたプニキやムネリンが打ち返した。
あまりも多すぎる砲台はMEIKOの新魔球『ライジングMEIKOキャノンMk-2』で破壊した。
その際、ホワイトベースの駆動部に着弾したのをMEIKOは見逃さなかった。

「これで少しは大人しくなるといいけどね」 

MEIKOは再びぼやく。
かなりムカついていたが、そのせいもあって起動エンジンには当てられなかった。
平常心の状態だったら、ホワイトベースの指令室をも狙撃(野球ボールで)出来たであろう。

「先に仕掛けてきたのはホワイトベース側だと?」
「はい、祐一朗さんたちの話を聞いたりしたちところ……
 私の推測ではネットの悪意ある風評被害を受けてこうなったこと思います」
「フン、正義超人とはこうも騙されやすいものなのか?」
「……だが、悪魔将軍は何故ここに……?」

「『あやつ』が死者スレを統括している、私はそれを阻止せねばならぬ。
 そのためにはまずは愚かな主催者共を殺す」

「でも、ここ(大阪)は離れた方がいいですね」
「ぬぅ、何故だ、ムギちゃん」
「東京に向かいましょう『虎穴に入らずんば虎子を得ず』です」
「虎ならば殺せばよかろう!」
「一理あるわね」

脳筋二人は放っておいてムギちゃんは話を進める。

「その前に熱斗君たちを回収しないといけないですね」

やるべきことは熱斗たちを回収して東京に向かう。
東京ですべきことはさらなる戦力増強である。
そして、主催者を倒して、真の黒幕を殺す。

「我々は一旦、ホワイトベースに戻るとする」
「でも、そんなことしたら……」
「まァ、そんときゃそんときだ。
 どうなろう構いやしねぇよ……。
 拳王のオッサンや悪魔将軍とも一度やってみたかったが仕方ねェ……」
「フハハ! この拳王どんな相手だろうと戦ってやろう」
「ついでに平等院、死ぬんじゃねェぞ」
「フン……」
 
そして、ラーメンマンとジョンスはホワイトベースの方面に向かっていった。

【二日目・10時00分/大阪・死国】
【甲板】
☆【ラオウ@北斗の拳】 状態:ダメージ(中)/思考:熱斗たちを回収して東京に向かう。
☆【MEIKO@VOCALOID】 状態:ダメージ(小)、/思考:野球がしてぇ……
☆【大山デカオ@ロックマンエグゼ】 状態:全員フルボッコ/思考:やっぱり応援に回る
☆【悪魔将軍@キン肉マン】 状態:ダメージ(小)/思考:『あやつ』の抹殺の前に騒ぎを収める
☆【平等院鳳凰@新テニスの王子様】 状態:ダメージ(大)、ボッコボコ/思考:ちゃんと休みたい
☆【琴吹紬@けいおん!】 状態:左手骨折/思考:死国のシステム復旧は諦めて、高速艇の準備
☆【川崎宗則@現実?】 状態:健康/思考:とりあえずデューオを応援する
☆【プニキ@くまのプ○さんのホームランダービー】状態:健康/思考: 契約外なので戦闘はパス
☆【デューオ@ロックマンエグゼ4】 状態:HP満タン/思考:死国のシステム復旧は諦めて、高速艇の準備
 ※テラカオス・ディーヴァがカオスロワちゃんねるに書き込んだレスをまだ見ていません
 ※すっごく頑張ってました。必死でした。


○【ジョンス・リー@エアマスター】状態:ボッコボコ/思考:どうすっかな……
○【ラーメンマン@キン肉マン】状態:ダメージ(中)/思考:殺し合いを止める

157闘拳乱舞:2016/08/31(水) 10:41:52 ID:d4U2hlIM0


一方、そのころ……


「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」
「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」
「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」
「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」
「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」
「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」
「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」
「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」
「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」
「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」
「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」
「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」
「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」
「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」
「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」
「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」
「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」
「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」
「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」
「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」………………

おお、ゴウランガ! 見るがいい!
これがイマジンスレイヤーの力である。
迫りくるミラーモンスターを己の右腕だけで殴っては殴る。
イマジンスレイヤーのカラテは完全に目の前のジョーカーを上回っていた。

実際強い。

(主催本部の救援は!? こんだけピンチなんだぞ!?)

新城のその願いは……届かない。届くはずがない。
届いたとしても、ユウキ=テルミが「誰がテメェら程度の奴助けるかっての?」程度であしらわれるだろう。
裏切ることに定評があるユウキ=テルミをわざわざ主催側に招いたのは果たして、それはなぜなのか……?

「『フウマ=サン、新城=サン、ハイクを詠め!』」
「くそッ!!」

捨て身のやけくそである。

「Wasshoi!」

向かってきた二人に対して、イマジンスレイヤーのカウンターだ!
イマジンスレイヤーの右足が超速度で連打される。
ブロッキングなどさせない情け容赦がない正確に、一秒間に約七発の速度で。
 
「「サ、サヨナラ!?」」

二人はしめやかに爆発四散。
こうして、イマジンスレイヤーは二人の怪しい男を撃破したのであった。
 
【新城直衛@皇国の守護者 死亡確認】
【風魔小太郎@戦国BASARAシリーズ 死亡確認】

158ターバンのガキ:2016/08/31(水) 10:42:12 ID:d4U2hlIM0

「ふぅ、なんとかなったようだな」
『そうだな』

クロスフュージョンを解いた。
疲労はしている。
戦闘後で『状態:健康』などとは許されない。

死ぬ寸前ではない。
しかし、今休むべき時ではない。
離れ離れになった仲間たちと合流を急がねばならない。
結構な時間が経過した今、仲間たちもピンチかもしれない。

その時である。

「ジョジョ、大丈夫か!?」
「あ、貴方は……ダイアーさん! とディおじさん!」
「ディおじさんではない! ディオだッッ!!!」

無事、応急処置を終えた二人が来た。
死に体からそこそこに体力を回復した二人。 
そして、それなりの治療道具を持ってきた。
二人は見事の気配遮断で激戦をこっそり避けながらも南側から北側に来たのだ。

「今から治療を早く……」
「いや、それよりも皆のところに早く……」
「ダメだ、戦いにおいては死人よりも怪我人の方が足でまといになる!
 君はまだ戦える、少しでも怪我の治療に務めるんだ!!」
「ダイアーさんの言う通りだ、ジョジョ!!」
「そ、そうですか……分かりました……」

渋々、上条さんの体力回復のために一先ず彼らは近くの繁華街に入っていた。
 

【二日目・10時30分/大阪市街地】

【上条当麻@とある魔術の禁書目録】
【状態】全身にダメージ、不幸、首輪解除、本気モード
【道具】シンクロチップ、他人のデッキ(「ぬばたま」デッキ)
【思考】基本:あのAA
0:仲間たちと合流したいが、今は体力の回復に務める。
1:ネットバトラーの一員として主催やマーダーと戦う
2:それにしてもあの怪しい二人組の正体は……?

【シャドーマン@ロックマンエグゼ】
【状態】HP半分
【装備】ムラマサ
【道具】なし
【思考】基本:新しきお館様(上条)に従う
1:敵は殺す、慈悲はない
2:ようやく乗り気になったようだな、お館様
※PETの中にいます

【ディオ・ブランドー@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】死にかけから立ち直ったので問題ない、首輪解除
【装備】PSP(デューオ抜き) 、十徳ナイフ
【道具】支給品一式×3、シンクロチップ
【思考】基本:ネットバトルとベースボールを極める
0:主催を倒すのはラオウではない、このディオだッ!
1:ジョースター家を手に入れる
2:ジョジョより優越感を得る
3:熱斗達にネットバトルを挑むのは後回しだ!
4:デューオがいなくても、勝つのはこのディオだッ!
5:シンクロチップを手に入れたし、デューオとクロスフュージョンしたい


【ダイアー@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】割とダメージがあるが少し回復した、首輪解除
【装備】イカ墨とパスタ@現実
【道具】支給品一式、治療道具、その他不明
【思考】基本:主催を倒す
1:ディオとかいう奴も倒す
2:仲間との再会
3:ストレイツォ……
※ディオを『吸血鬼ディオ』と思っていません。
※何か見ましたが、別に物語とは関係ありません。

159 TCBR10第5回放送:2016/08/31(水) 16:57:25 ID:0VMOFFSA0
ピーンポーンパーンポーン♪
時刻は11時01分。少し遅れたが、第5回放送である。
そのアナウンスを務めているのは、驚くべき人物だった。

「国民の皆さん、“新”内閣総理大臣の、安倍晋三です。
それでは、死者を読み上げます。

でたらめな手話の黒人男性、浅倉威、黒神めだか、火黒、フリーザ(第一形態)、コルド大王、
ザーボンさん、ドドリアさん、ギニュー、リクーム、ジース、バータ、空蝉丸、田村直人、
ヘルクラウダー、ラージャン、デスマンティス、冥闇に堕した者、シャーロック・シェリンフォード、
殿馬一人、大魔神軍、ドラゴニック・オーバーロード“The Яe-birth”、
ヤムチャ、ウルフマン、ガゼルマン、独眼鉄、海蛇座の市、ゴッド・リー、カツ・コバヤシ、
デュデュオンシュ、野球仮面、トカゲロン、デューク渡邊、クマ吉くん、タケシ、野比玉子、
アビゲイル、ジャミラス、ムドー、緑間真太郎、久慈川りせ、小早川ゆたか、アカムトルム、始原の幼子、
鬼灯、かれん、河名コトミ、海動剣、真上遼、長井伸助、乃士勇造、出川実、蚊、ビアン・ゾルダーク、
ザ・ニンジャ、風見幽香、デウスエクスマキナ、飛竜、ジョナサン・ジョースター、マリア・カデンツァヴナ・イヴ、
海のリハク、日番谷冬獅郎、レオナルド博士、リグル・ナイトバグ、ゼブラ、城茂、ダルメシマン、
ヒッポリト星人地獄のジャタール、ブロッケンJr.、ラッド・ルッソ、トレバー・フィリップス、ムートー、
スティーブン・セガール、キュイ、多木康、博麗霊夢、神体フォーマルハウト、吉川ちなつ、
火野ケンイチ、ファイアマン、ケロロ軍曹、安錠春樹、加治木ゆみ、ブルマ、リオレイア、クラウディウス、
櫂トシキ、アドラー、紅美鈴、オートバジン、カーネル、衝撃のアルベルト、大山デカオ、バーダック、
ブラックホール、ペンタゴン、美国織莉子、呉キリカ、本部以蔵、三島一八、マッスル狂信者の群れ、
ギリメカラ、セプテントリオン・ミザール、メタルシザース、ケルベロス(小)、死を呼ぶ骨竜、
トキ、久保帯人、魂の裁断者、中野梓、雷鳴と共に現る者、ミカルゲ、ベノスネーカー、ソリア、
野比玉子、高山春香、園田優、レミリア・スカーレット、十六夜咲夜、ビーストマン、大尉、
松岡修造、ヒートマン、クリフト、龍脈の龍、狭間偉出夫、峰津院大和、メタトロン、ニャルラトホテプ、
タバサ、衛宮切嗣、善野監督、錠前ディーラー・シド、避難所民№134、幻体真竜No.3、幻視竜王、
第三真竜ニアラ、99%再現ニアラ、統合世界第三真竜ニアラ、幻視竜王・影、神体ニアラ、
野比のび太、芽兎めう、烈海王、ルドル・フォン・シュトロハイム、光祐一郎、雷電、
賢神トリン、聖煌天の麒麟・サクヤ、究極邪龍・ヘルヘイム、シーザー、ゴロリ、チェイス、
星輝の黄龍帝・ファガン、水木一郎、まこちー、音無キルコ、スニゲーター、ロックオン・ストラトス、
メガボスゴドラ、呉島貴虎、スラリン、マーラ様、新城直衛、風魔小太郎

追加される禁止エリアは四国です。
では、これにて放送を終了します。」

安倍晋三が放送を行ったのには理由がある。
九州ロボに拠っていた主催陣は超人血盟軍によって奇襲され、幹部が散り散りになり、テルミの裏切りにより特務機関も壊滅。
その結果九州ロボに残った主催陣はモブのみになり、その隙を突き安倍晋三が主催陣残党(と言っても全員モブ)を粛清し、主催を乗っ取ったのだった。

【二日目・11時01分/日本・九州ロボ某所】

【安倍晋三@現実?】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】不明
【思考】
基本:とりあえずバトルロワイアルを続ける
1:ロワを主催する
※主催を乗っ取りました

166いずれ来る未来の危機:2016/09/04(日) 22:18:15 ID:7cEnzpqA0
「どおりゃあっ!」
「ぶぺぇ!?」

 桑原の放った拳が、狂った男の顔面をとらえて粉砕する。

「くそ、なんなんだよこいつら、次から次へと湧いてきやがって……」
「狂信者と言われるだけはあるね。僕らだから狙ったんじゃなくて、生きてれば誰が相手でもいいみたいだ」
「めんどくせぇ連中だよ本当に……ま、なのはが見たっていうやばい連中よりは数段マシだが」
「う、うん」

 彼らは首相官邸を拠点としていた対主催グループであったが、突如謎の全裸のオカマに襲撃され窮地を迎えていた。
 しかしメンバーの一人、なのはが所持していた千年タウクの力と、彼女自身が目にしたオカマ達の強さの情報が鍵となった。
 
 原理は不明だが、魔力の収束を妨害する濃霧。おそらくこれが原因であの歪みし豊穣の神樹すら敗れてしまったのだろうと、
 慌てて駆け込んできたなのはに対してユーノは冷静にその結論に達することができた。
 何がなんでも彼女を守る、ただそれだけの信念で、怒りの感情以上に彼はまだ冷静であることができたのだろう。
 しかしながら、冷静であるが故に彼は自身の無力さに怒り震えた。
 神樹の戦闘能力は自分達グループの中でどころか、おそらく参加者全体から見ても最上位であろうことは想像に容易い。
 その神樹が敗れ、さらに魔力を使った攻撃を封じられた状態で、未知の襲撃者に正面から挑んで勝てるのか?

 答えは否。

 力が欲しい。心の底からユーノは思った。
 しかし無いもの強請りをしている余裕などあるはずもなく、彼は一つの決断を下した。
 それすなわち敵前逃亡、戦略的撤退。
 なのはからの報告で既に瀕死の状態であった神樹とエリカを見捨てるような決断であるが、ここでただ何もできず全滅するわけにもいかない。
 幸いにして、次元刀と持つ桑原と強力な風で障害物を力づくで壊して進めるハス太がいるのだ。
 敵がいるであろう正規の階段からは逃げず、新たに作り上げた道から地上に脱出、一縷の望みで、生きていればエリカ達を助けてそのまま逃走。
 これがユーノが立てた作戦であり、それは迅速に決行された。

「やたらこっち方面から狂信者が向かってくるが、どうなってるんだ?」
「多分だが、さっきからドンパチやってた都庁で敗けて撤退でもしてんじゃないか?
 なにしろなんでか知らないが、都庁のバケモンに神樹がくっついて共闘してたんだ。あんなん勝てる奴いねえだろ……」

 ただ彼らにとって嬉しい誤算だったのは、神樹が死亡せずに離れた地で健在であったことだ。
 彼が都庁の怪物と共闘し、都庁を破壊しようとする連中を巧みに薙ぎ払っていたのは遠目でも十分に確認することができた。
 これらから判断できるのは、おそらく都庁の魔物が瀕死の神樹を救い、おそらくエリカも無事であろうこと。
 神樹が都庁の怪物と共に戦っている点からして、少なくともネット上の情報のように、出会った瞬間戦闘になるようなこともないだろう。
 神樹の仲間であることを告げれば、対話の余地は十分にある。うまくいけば、オカマ達を倒す力にもなってくれるかもしれない。
 二人と合流する目的もあり、ユーノ達は追っ手に警戒しつつ、都庁を目指している最中なのだ。

167いずれ来る未来の危機:2016/09/04(日) 22:18:50 ID:7cEnzpqA0
「もうちょいで都庁だが……ハス太、例の連中につけられたりはしてないか?」
「う、うんだいじょうぶ。邪悪な気配はかんじないよ。でもそのオカマさんからしてもきっと神樹さんがいきてたのは想定外だと思うんだ。
 ぼくたちと同じように、都庁をめざす可能性はやっぱりあるよ……」
「敵の目的が首相官邸そのものだった場合とかは追ってくる可能性は低いけど、残虐かつ極めて高い戦闘力を持っているのは間違いない。
 仮に追ってきていたとしても、戦力や情報の共有のためにもやはり神樹との合流は欠かせない。ここはとにかく都庁を目指すしかないよ」

「SATSUGAIせよ! SATSUGAIsぐわああぁぁぁ!?」

「だあああぁぁぁ! ほんっとに邪魔だなこいつら!」

 どこからでも湧いてでる狂信者を蹴り倒し、一同は都庁へと近づいていく。
 もう間もなくで大激戦区都庁、そして放送の時間だ。
 果たしてそこで彼らを待ち受ける運命とは?



 「ふふっ……」

 誰もが少なからず不安の感情を抱くなか、なのははただ一人小さく笑っていた。
 無論彼女とて不安がないわけではない。ただそれでも、最悪の未来……千年タウクが見せた悪夢が回避できたことが嬉しくて仕方がなかった。
 これまでも千年タウクはなのはに恐ろしい未来を見せてきたが、その未来はことごとく外れている。
 正確には、未来を知ったなのは達がタウクの未来を変えているのだが。
 
 もし、首相官邸で真っ向からオカマ達に挑んでいれば、勝ちこそすれユーノは謎の怪物となり犠牲者が出ていたかもしれない。
 だがこうして自分たちは戦うことを避け、都庁へ向かっている。これにより、また千年タウクの見せた未来は変わったのだ。
 もっともこの未来改変に関しては、神樹が死亡しなかったという点が大きいのだろう。
 恐ろしい外見の神樹を治療したと思われる、都庁の心優しき誰かにも、なのはは感謝していた。
 もはやネットを確認するまでもなく、DMC狂信者と戦争を繰り広げている都庁は確かに危険地帯ではあるが、
 その神樹を癒してくれた者や神樹本人がいれば、オカマ達への対抗手段ともなりうる。
 目の前の脅威さえどうにかすれば、改めて世界滅亡の危機を回避する方法を探すことができる。

「……」

 ここでなのはは、大丈夫と思いつつも千年タウクに触れた。
 もはやタウクの見せる未来に恐怖しすぎることはない。これまで変えてきたのだから、きっとこれからも変えられる。
 むしろ先を知ることで、より慎重な行動を心がけることができる。
 そんな思いから、以前よりも軽い気持ちで、この後に役立てるつもりで、そっと、触れた。








 未来がいつでもいいものだなんて、変えられるものだなんて、誰が言った?

168いずれ来る未来の危機:2016/09/04(日) 22:20:41 ID:7cEnzpqA0
□ □ □


 都庁に辿りついたなのは達を待っていたのは、あまりにも予想外の展開であった。

「君はすぐに治療する必要がある」

 都庁の地下へと連れ去られるユーノ。

「さあ、尻を出せ」
「ひいぃぃ!?」

 多くの者が見る中、ズボンを引きずり降ろされる彼の表情は怯えきっていた。
 当然晒されるのは尻だけではない。なのは専用の、ショタテングダケ改めマンモスもだ。

「や、やめてくれ! どうしてこんなことを!? う、うわあああぁぁぁぁ!?」
「暴れんな、暴れんなよ……安心しろ、私のテクニックはマーラを超えているからな」

 おぞましい触手の化け物が、ユーノの身体を拘束する。
 それを見つめる都庁の人間達は、止めようともしない。むしろ真顔で見つめている。

「ふ、やはり巨根ランキング一位は俺で不動のようだな」

 赤いドラゴンだけは何故か勝ち誇った笑みを浮かべていた。

「た、助けて……」
「……これは、君と、君の仲間を助けるために必要な行為なんだ」

 助けを求めるユーノに対して、金髪の青年は諭すようにユーノの肩に手を置く。
 しかし軽く置かれたように見えて、怪力でユーノの一切の身動きを封じている。

「あの子は、君の大切な人なんだろう? それなら今すぐ治療を受けるんだ。
 治療が遅れて、肝心な時に大切な人のそばにいられないで……守れないなんて、喪うなんて、嫌だろう!?」
「そ、それは……」

 なのはを引き合いにだされ、拒絶反応を示していたユーノの動きが一気に鈍る。
 妙に実感のこもっていた声色に、たまらずユーノは青年に向き直って質問を試みる。

 ぶしゃっ!

 力説しすぎた青年の肛門から、大量の血液が吹き出した。
 そのまま青年は崩れ落ち、尻を押さえながら悶えている。

「え……治療って、こうなるの……!?」

 倒れ伏した青年が、これは別件のせいだからと言うがもはや信用ならない。
 ガチガチと歯を鳴らしながら、ユーノは青ざめた表情で反対側にいた少女に助けを求める。
 桃色の長髪が愛らしい、優しそうな少女だ。

「大丈夫だよ。きっと貴方も、お尻で気持ち良くなれるから。初めてでも、きっと大丈夫!」

 そんな少女から告げられたのは、無慈悲な言葉。
 加えてやはりがっちりと肩を押さえつけられている。逃げ場が、ない。

「それでは、治療を開始します。特急コースで、私の超絶技巧の舌テクをご堪能ください」
「や、やめ――あ、あっ、アァァァァ―――――――――ッ!!?」

 絡め取られたユーノの肛門に、化け物の舌が捩じりこまれていく。
 そしてやがてユーノの表情は恍惚としたものへと変化し、マンモスまでもがノーズ・フェンシング状態となり――

□ □ □

169いずれ来る未来の危機:2016/09/04(日) 22:21:30 ID:7cEnzpqA0
「い、いやあああぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「どうしたのなのは!?」

 千年タウクが見せた近い未来の光景に、たまらずなのはは叫んだ。
 なんということだろうか、このまま都庁に向かえば何故だかわからないが、ユーノの後ろの初めてが化け物に奪われるというのだ。
 よくもそんな酷い真似を、などとはユーノの前の初めてを奪ったなのはからすれば強くは言えないのだが……
 今の自分とユーノは恋人同士、ユーノ自身もまんざらではなかったと言ってくれたのだから、あの事件はノーカンだ。
 このままでは、恋人がレイ○されてしまう。なんとしてでもこの未来の回避方法を探さなくては。

「ま、また未来が見えたの……! このまま都庁に行ったら、ユーノ君のお尻が裂けちゃうの!」
「はぁっ!?」
「だ、大丈夫だよなのは。今更怪我なんて恐れていないよ。それに仮にそうだとしても……」
「駄目なの! なんだか知らないけど、ユーノ君の顔が蕩けてたの!
 前に野外プレイとか言ったけど、そんなの比じゃないよ! ユーノ君のマンモスもすごく荒ぶってたの! 堕ちちゃうかもしれないんだよ!?
 私以外の人にお尻穿られてよがるなんて、そんなの絶対だめだよ!?」
「ちょ、なのは! 声が大きいよ……!」

 取り乱し叫ぶなのはと、それを宥めるユーノ。
 そしてちょっと刺激的な言葉に若干引き気味な桑原、レオリオ、ハス太の三名。

 あまりにも意味不明な未来は、かつてユーノが化け物になる未来以上になのはを混乱させる。

 だが彼女は知らない。恋人が化け物になる悲劇を現状もっとも早く回避できる可能性こそ、恋人の後ろを捧げることだということを。

 未来は変えるべきか、否か。新たな未来の分岐点は、すぐそこだ。


【二日目・11時00分/東京・都庁近辺】

170ターバンのガキ:2016/09/04(日) 22:22:20 ID:7cEnzpqA0
【なのは組】
【高町なのは@魔法少女リリカルなのは】
【状態】健康、19歳の身体、混乱
【装備】レイジングハート@魔法少女リリカルなのは、千年タウク@遊戯王
【道具】基本支給品一式、タイムふろしき@ドラえもん
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
0:新しい未来も変えたいけど、どうすれば?
1:死んでしまったヴィヴィオたちのためにもこの殺し合いを終わらせる
2:ユーノ君がいれば何も怖くない!
※千年タウクの効果によって、高町ヴィヴィオの存在と日本に世界を襲った大災害が起こる未来を知っています。
※タイムふろしきを使ったので、19歳の肉体に成長しました。
※未来の自分が使っていた技の一部が使用可能です。

【ユーノ・スクライア@魔法少女リリカルなのは】
【状態】健康、19歳の身体、テラカオス化進行中(低速)
【装備】なし
【道具】基本支給品一式
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
0:なのはを落ち着かせて都庁に向かいたいけど……
1:なのはを絶対に護るためにも、もっと力が欲しい
2:大災害の情報を集める
3:野田総理の死の原因を探りたい
4:なのはを悲しませた主催者たちは絶対に許さない
※タイムふろしきを使ったので、19歳の肉体に成長しました。
※PSP版の技が使えます。
※本人の知らない内にテラカオス化が進行しています。
※首相官邸にて、いくらか主催陣営の情報を手に入れた可能性があります
※後ろの初めてを奪われる未来が存在するようです

【ハス太@這いよれ!ニャル子さん】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、ガソリンの入った一斗缶
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
0:都庁へ向かい、神樹とエリカと合流したい
1:ニャル子ちゃんたちは大丈夫かな
2:オカマさん(天魔王軍)たちを警戒

【桑原和真@幽遊白書】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、大量の食糧
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
0:都庁へ向かい、神樹とエリカと合流したい
1:怒鳴りつけた借りを返す為にも、ハス太を護る
2:あまりにも邪魔なのでDMC狂信者もどうにかしたい

【レオリオ・パラディナイト@HUNTER×HUNTER】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、医療道具一式
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
0:都庁へ向かい、神樹とエリカと合流したい
1:主催と大災害に関係があるのだろうか?
2:東京都のカオス具合に少し恐怖
※ゴンの死に気づいていません
※首相官邸より、医療道具一式を拝借してきました

171正体:2016/09/06(火) 17:32:59 ID:lR621Dq60
第5回放送にて唐突に表れた安倍晋三。

その正体は…












なんと、カオスロワ1期で主催を務めた“安倍晋三”本人であった!


彼はいつの間にか主催を織田信長に乗っ取られ、二日目1時に早くも倒され、死者スレ送りとなった。
だが、それで終わらなかった。
彼は死者スレの最深部にて主催を乗っ取った織田信長への憎しみを募らせ、
2期、3期…と開催されるたびにその時の主催への憎しみを募らせていった。
そして9期、2兆人もの死者が出るという大事件のどさくさに紛れて死者スレを脱出。


…したのはいいのだが、異空間に行ってしまい、しばらくしてこの世界の安倍晋三に憑依したが、
どうやってカオスロワを開催しようかと考えている内に大災害が発生。
“10期目”のカオスロワが開催されることとなった。

そこで彼は主催に潜り込み、乗っ取る事を計画。
主催に潜り込むまでは上手くいったが、戦力不足により乗っ取ることができず、
最終的に超人達の襲撃により主催幹部が逃亡したため、決行できたという訳だ。

(…ああ、ついに主催の座に再び…)
思いにふけりながら、彼はほくそ笑んでいた。

【二日目・11時10分/日本・九州ロボ某所】

【安倍晋三@TCBR1】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】不明
【思考】
基本:バトルロワイアルを続ける
1:ロワを主催する
2:ダース・ベイダーやジャック・Oなどの旧主催陣を全滅させる
※主催を乗っ取りました
※旧主催陣を憎んでいます

1729月13日はカイザの日 Part4:2016/09/13(火) 00:09:12 ID:3NjGM.vU0

       __,,。s≦三ゝ======,ィt
     /ー、}}r┯┯┯┯カ}}>''´ィニニヽ
     {、◎)ヾiノノi!ノi!ノi!ノi}/ヾi{(◎)}==
     ヾイ´          `ヾi《//
    ,イiゞ´             .ヾムiヽ
  ,ィニ7i:/   >''"""''<       /〉ム_
 i|//{マ  /       ヽ     //=== /∧
 i|//{i{  /         .∨   {i{.////|i|/i|
 i|//{i{  {           }   .{i{.////|i|/i| <みんな、今年もこの日が来たぞ!
 .マ/,{i{ ハ          ハ   {i{.////|i|/i|
   `マム ∧        ./    マ{////彡イ
    .ヾム }is。     ./      〉〉リ ̄
     〉〉、  `""""´       /イi{
     .{(◎)}is。ゝ=====乂_。s≦=ミ}}=}
      '==彡{{[__{[__{[__{[__i}ニヾ乂ノ}ゞ'
         `"""'''''''''─ゞ'´ `"´

『邪魔なんだよ……カイザの日を祝わないものは全て!』

その頃、草加さん(眼魂状態)は今年は珍しく数人でカイザの日を祝っていた。
……去年も一昨年も三年前も同じことを言っていたが、彼にとって大事なことなのだ。

「ニャガニャガ〜珍しい人間もいるものですね〜〜
 すでに死んでいるのに自分の日を祝うなんて」
『ふん……』
「まあいいでしょう……さあ皆さん! 盛大に祝いましょう! カイザの日を!!」
「「「「カーイーザ! カーイーザ! カーイーザ!」」」」

サイコマンは呆れながらもケーキをモブの部下たちに振る舞う。
それくらい、彼らは慢心しきっていた。

「喰らい尽くせッ、ウロボロスッ!!」
「ニャガ!?」

だが、喰われた。
ケーキを。
部下たちを。
サイコマンは華麗に避けた。
草加眼魂なら大丈夫。

そこにいたのは黄色いフードの男。
その手には草加雅人眼魂。

「……これはこれは『カズマ=クヴァル』さん……いえ、今は別のお名前ですか?」
「『ユウキ=テルミ』だ、次その名前で呼んだら、ぶっ殺すぞ?」
「おやおや、怖いですね〜すでに私の部下を殺しといてそこまでいえますか?」

笑う男と笑わない超人。
対極的なクサレ外道が対峙している。

「テルミさん、貴方は少しは見込みがあるDMC信者でしたから、直々に私が『マグネット・パワー』を伝授して差し上げましたが……」
「あんなカスみたいな奴のどこがいいんだァ? つか、超人って専ら奴らは変な奴らばっかりなのかァ?」
「おやおや、しばらく見ないうちに随分と大きな口を叩けるようになりましたね〜〜」

殺気と殺気。
一触即発の空気と言って差し支えない。
 
「……その様子ですと、貴方……私たち、DMC信者を裏切りましたね?」
「だから、どうした? これが世界の真実だ、『嘘』『裏切り』『偽り』で出来てんのがこの『世界』の真実だ。
 テメェだって本当の目的を隠して、従いたくもねぇアイツらに従ってる。
 何も違わねぇよ、俺様もテメェも……アイツらでさえもなァ!!」
「………貴方はどこまで知っているんですか?」
「どんなことを知っててもテメェには教えねぇよ」

挑発的な態度を一切崩さない。
それどころかテルミはさらに煽り挑発する
だが、逆にサイコマンはそれを冷静に捉える。
 
あからさまにおかしいのだ。

1739月13日はカイザの日 Part4:2016/09/13(火) 00:09:42 ID:3NjGM.vU0

「……わざとですね」
「あァ!? 『何が』だ?」
「貴方、わざと挑発的な態度を取って、私の怒りを買うようなパフォーマンス……
 それが貴方の何かに繋がっている……違いますかねぇ?
 まぁ、これはあくまでも私の推測なんですがねぇ」

完璧超人はいかなる時も冷静である。
更に彼は完璧超人始祖。
その点においては完璧である。
正義超人や悪魔超人のような下等超人とは違うのだ。

「………チッ、まあいいわ。テメェらは精々地べたでも這いずり回って殺し合ってな」

サイコマンの前からテルミの姿が消えた。
ウロボロスを立体起動装置のように使い、鮮やかに戦線離脱。
更には『マグネット・パワー』で加速していった。
それをサイコマンは追わなかった。

(さて、この件は上層部に報告が必要ですかねぇ?
 裏切り者には即刻罰を、と言いたいところですがねぇ……)

果たしてサイコマンの決断は……?
 

【二日目・11時05分/国際展示場近く】
【サイコマン@キン肉マン】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】
基本:クラウザーさんを生き返らせるためSATSUGAIする
1:『ユウキ=テルミ』については狂信者上層部と相談
2:できればシルバーマンさんも勧誘したい
3:そういえば、草加さんは……まっ、いいでしょう。
※狂信者です


(さて、タネは撒いた……いつ芽が出てもおかしくねぇ、タネをなぁ!)

その『存在』を『確立』させるものは『憎しみ』。
彼を憎めば憎むほどその存在と力は強く、濃く、この世界に顕現する。

(まっ、俺様のこと知ってる連中が、勝手に憎んでくれてる。
 この状況は願ったり叶ったりなんだがよぉ)

対主催の仲間を裏切ったと知ればその仲間が憎む。
マーダーで殺し合いに乗った知れば対主催の連中が憎む。
主催を裏切った知れば残った主催者達が憎む。

感情がある生物だからこそ。
奪い合い憎み合うこの世界だからこそ。


この男はここに存在出来るのだ。


(まっ、どうせ、この世界は滅びて、無に還る。
 だが、俺様は生き残る――『蒼』に選ばれた『資格者』である俺様がな)

さて『滅日』とは。
人々の命(魂)を根源の『蒼』へと回帰させることで世界を初期化することである。
『滅日』によって人々は魔素化し『蒼』へと吸収されていく。
世界に残るの蒼に選ばれた『資格者』だけとなる。
資格者全てを始末すれば、黒き獣が全てを飲み込み世界は無へと還る。

これが『滅日』である。

「もうあそこには用はねぇしな」

九州ロボにはもう用はない。
だからこそ、抜け出してきた。

宮崎辺りにあった大正義巨人軍のキャンプ地近くの遺跡も破壊しておいた。
これで九州ロボにいる安倍は『予言』の内容を知ることは不可能になった。

1749月13日はカイザの日 Part4:2016/09/13(火) 00:10:26 ID:3NjGM.vU0

「さて、こいつはどうすっかなぁ……」

手に持った草加雅人眼魂を見つめる。
サイコマンが必死になって追いかけてくると思ったが、そうではなかった。
これではうるさいだけの足手まといになるだけだ。

『やめるんだ、草加市の市長であるこの俺を殺してしまったら、これから誰が草加市を薄汚いオルフェノクから守っていくんだ!』
「あァッ!? うっせぇぞッ!!」

握り潰されて砕けそうになった草加雅人眼魂。
しかし、その時である。

「なんだ、この羽根?」

黒い羽根が目の前を遮った。

「それは貰っていく」

テルミは草加雅人眼魂を奪われた。
そして、一瞬で『その男』はその場から飛び立った。

「なんだ、テメェはッ!?」
「……名乗るほどのものじゃない」

あれは人間か?
否、違う。
人間は空を自在に飛ぶことはできない。
では、怪人か?
否、違う。
そんな行為はとても怪人のようには思えない。
それでは、オルフェノクか?
絶対に違う。

『その男』は!!!

その鳥男は!!!
その正体はジューマン!!!
鳥のジューマン!!!
なんか草加雅人に似ている!!!
むっちゃ似ている!!!
舞台版BLAZBLUEのハザマにも似ている!!!
すごく似ている!!!


その鳥男―――バドである。


【二日目・11時09分13秒/東京のどこか】
【ユウキ=テルミ@BLAZBLUE】
【状態】飛竜の肉体、首輪解除
【装備】光剣サイファー クナイ、各種オプション、蛇双・ウロボロス
【道具】支給品一式 
【思考】
基本:テラカオスを利用して、滅日計画を遂行する。
0:なんだ、今のは!?
1:邪魔をする奴は殺す。
※飛竜の肉体を完全に奪いました。


【バド@動物戦隊ジュウオウジャー】
【状態】健康
【装備】王者の資格、草加雅人眼魂
【道具】支給品一式、大量のザリガニ、ゴーストドライバー
【思考】
基本:????
0:邪魔なんだよ。俺の邪魔をする奴はすべて……


【草加雅人@仮面ライダー555】
【状態】草加市の市長に当選した、草加雅人眼魂
【装備】カイザギア@仮面ライダー555、サイドバッシャー@仮面ライダー555
【道具】ケーキ、支給品一式
【思考】
基本:生き返る方法を探す
0:どうして俺が死んで、碌に出番もない奴らが生きてるのかなぁ?
1:とりあえず、乾巧の仕業にする
2:なんだこの薄汚いオルフェノクは!?
3:来年のカイザの日も祝いたい
※眼魂(アイコン)に魂を封じられています。ドライバーがあればあるいは……
※生き返れるタイムリミットは(作中時間で)残り99日です。

175終わる世界の真相 ついでにベイダー卿の消滅:2016/09/19(月) 00:03:13 ID:FyAK8cH.0
時刻は10時まで遡る。
長野県の上空。

そこには空飛ぶでかい山、阿蘇山を緊急脱出装置に変えられたASO-3が飛んでいた。
その後方、数十キロ後ろには超人血盟軍の四人がASO-3を追撃していた。


ASO-3コクピット内――……


「あいつら、まだ追ってきやがりますか!!」

後方の状況を映し出したモニターを見て、そう言ったのはコクピットのシートに座る特務機関員の少女、ニャル子だった。
ASO-3は僅か3時間足らずで日本海から長野県へ移動できるほど速いが、空を飛べる四人の超人達はそれ以上に速い。
今は数十キロ以上距離を離しているが、相対距離的にはいつか追いつかれてしまうだろう。

「落ち着いてくださいニャル子さん。奥の手を使います!」

そう言ってニャル子の隣に座っている異形の宇宙人にして特務機関員の一人メフィラスはコクピットにある赤いスイッチを押した。
IQ一万を超えるメフィラスはASO-3の機能についてリサーチ済みであり、隠された機能を把握していた。
それはブリーフ博士のホイポイカプセルの原理を利用した、物体を小さくする能力である。
この頃には故人と化している祐一郎さんが、生前にホイポイカプセルの画期的な機能に目をつけ、取り入れた代物である。

そして、カチリとスイッチが押されると、巨大なASO-3は夥しい煙に包まれ、一瞬の内に中のニャル子達ごと小さくなった。
カプセルサイズになった以上、常人では目視は困難だろう。

「よし、これで……」

ニャル子は小さくなったASO-3のハンドルを右に切る。
まっすぐ向かってくる超人血盟軍に対して進路をずらすことで、躱そうとしたのだ。
これでニャル子は追われる心配はなくなると微笑んだ。
……だが、それはすぐに糠喜びに変わった。
ASO-3が進路を変えたのに合わせて超人血盟軍も進路をこちらに合わせてきたのだ!

「ちょ!?」
「なぜだ? カプセルサイズに小さくなった以上、目視は困難なハズ」

驚き声を上げるニャル子とメフィラス。
そんな彼女と彼の疑問に対して、後部座席から返答がきた。

「……気だ」
「ガチホm…ジャック・O!」
「ジャック、それはどういうことですか?」

答えたのは後部座席に縛り付けられている五大幹部の一人、リンクスにして参謀格のジャック・Oであった。

「超人血盟軍にいるベジータが、我々の気を辿っているんだ。
気を探れる奴の前では、ただ小さくなっただけでは無意味だ」

ジャックの推測通り、ベジータはASO-3を目視だけでなく、気を辿って探っていた。
物体は小さくなっても、搭乗者の気の大きさまでは変わらない。
気を消す術を持たない四人では、ベジータの目をごまかすなど出来はしないのだ。
そして、ASO-3と超人血盟軍との相対距離がドンドン縮まっていく……残り50キロ、残り40キロと。
焦燥するニャル子とメフィラス。

「どどどどどどうすれば……!
メフィラスさん! 他に隠し機能とかないんですか!?」
「なくはないですが、ジャックの言うとおりならベジータの前では透明化能力も
無意味。
ミサイルを使わない彼らにチャフなんて無用の長物。
砲台やバリアもありますが、時間稼ぎにもなるか怪しいでしょう」

生き残るためにあらゆる手を考える、大慌ての二人。

176終わる世界の真相 ついでにベイダー卿の消滅:2016/09/19(月) 00:03:46 ID:FyAK8cH.0

(ダークザギをダークライブして応戦する?
いくらチート悪トラマンであるダークザギとはいえ、ゆで超人三人に加えてスーパーサイヤ人がいるけど勝てますかねえ?
……いっそのこと降参して、ベイダー卿とジャックを売り渡して命拾いした方がお得で早くね?
私、女の子ですし、土下座でもなんでもすれば助けてくれますよねー?)
(恩人であるベイダー卿を裏切ることになるが降参止むなしか。
ベイダー卿らの縄を解いて解放し、共に戦ってもらうにしても勝算は極めて低い。
ならば投降して人的被害を出さない方が賢いでしょう。
……ベイダー卿らの考えている『プロジェクト・テラカオス』の全貌も、投降した後に超人血盟軍と共に聞けば良い)

多少の思考の際はあれど、ニャル子とメフィラスの頭の中に降参という二文字が浮かび上がっていた。

「コーホー、投降は無駄だ。やめておけ二人とも」
「「!?」」

超人血盟軍に降参しようとした二人の考えに待ったをかけたのは、ジャックと同じく後部座席に括りつけられたシスの暗黒卿ダース・ベイダーだ。
突然の制止に驚くニャル子とメフィラス。

「口使ってないのに、なんで私達の考えがわかったんです!?」
「余には貴公らの思考をある程度読める能力がある。
……フォースによってな。コーホー。
ニャル子よ、余らを売り渡して助かろうとしているのもバレバレだぞ」
「ギクッ!」

ベイダーは超能力であるフォースの力で二人の思考を読んでいたのである。

「コーホー。だが、無駄だ。
投降したところで奴らに殺されるのがオチだ」
「え、マジで?」
「コーホー。ベジータとアシュラマンから我々への強い殺意を感じる。
仲間を多く殺されたのだから当然か。
主催の人間である以上は報いを受けさせるために女だろうが、土下座しようが、戦意がなかろうが、我々に大義があろうが、奴らは関係なく殺すつもりだ。
キン肉マンソルジャーやバッファローマンは幾分冷静なようだが、二人を止められるとは思えん。
投降した瞬間、ベジータとアシュラマンに十中八九殺されるだろう」
「そんなぁ!」
「コーホー、投降は諦めろ」

ベイダーから言い渡された言葉に、メフィラスは沈黙し、ニャル子は慌てふためく。
逃げられない、降参できないならば、死への道しかないのだから。
自分達の未来が絶望しかないことを知ったニャル子は額に青筋を貯めた強い怒りを顕にしながらベイダーに迫る。

「九州ロボでも、言いましたけどねぇ……
本拠地をちゃんと用意しましょうと計画開始前から進言してたんですよ!
そもそも世界の命運かけたプロジェクトと言いながら、拠点構えないまま、開始するとか正気ですか?
九州ロボを火事場泥棒的に奪取できたからいいようなものの、祐一郎博士がショック死しなかったら どうするつもりだったんですかねぇ?
しかも拠点構えても警備はガバガバだわデータは奪われるわ傀儡とはいえ主催者の総理がオスプレイで勝手に出撃して返り討ちに会うわテニスボールで大ダメージ受けるわ特務機関員が次々離反するわ殺されるわ挙句の果てに奇襲されるわ、真面目に世界救う気あるんですか? 馬鹿なんですか? 死ぬんですか? 私と真尋さんの命になんかあったら貴方達どう責任とってくれるんですか!?」

機銃掃射のように放たれたニャル子の罵声が、ASO-3のコクピットに響き渡る。

「コーホー……言いたいのはそれだけか?」

だが、ベイダーはニャル子の罵声に臆した様子なく、ドスの効いた声で疑問に答えていく。
その声はさっきまでニンジャを見て失禁と嘔吐していたような奴とは思えないほど冷静であった。

「確かにガバガバな計画だったのは認めよう。
だがな、拠点を構えていられない、特務機関員も裏切る前提の下衆共を多く雇わざるおえない、傀儡も馬鹿過ぎて途中からフォースも効かなくなるような奴を使わざるおえない理由もあったのだ」
「理由?」

177終わる世界の真相 ついでにベイダー卿の消滅:2016/09/19(月) 00:04:30 ID:FyAK8cH.0










「コーホー、『時間』がなかったのだ。
この世界はあと一日……カオスロワ開始から四日目を迎える前に、消滅するのだからな」










「それは……本当ですか?!」
「冗談でしょ? 嘘だと言ってよバーニィ!」
「君達がなんと思おうが自由だが、事実だ」

ベイダーの言葉にメフィラスとニャル子は更なる焦りを覚える。
この場で冷静なのはベイダーと、彼と世界滅亡に関する情報を共有しているであろうジャックだけであった。
ベイダーが適当な嘘を言っている可能性もあるが、こんな非常時にいちおうの味方であるメフィラス達に嘘をつくメリットはない。

そんな中、コクピットに警報が鳴り響いた。
四人の視線が正面のモニターに向く。
画面を見ると、ASO-3と超人血盟軍との距離が20キロを切っていた。
ベイダーらと会話をしている僅かな内に、超人達はスピードを上げて急接近してきたのだ。

「ヤバッ……!」
「くッ、お喋りに熱中しすぎたようですね」

ベイダーの話が本当ならば、超人達は謝っても許す気はないらしい。
このままでは皆殺しにされるだろう。
焦るメフィラスとニャル子はどうにかして生延びる術を考えようとするが、手持ちの道具や戦力では超人血盟軍相手には望み薄であり、それが焦りをなおさら加速させた。


そんな絶望的な状況下で立つ男がいた。


「コーホー、余が戦いにいこう」


ダース・ベイダーである。
彼が言葉を発すると同時に、彼を縛り付けていた布団とハラリと床に落ち、後部座席から立ち上がっていた。

「ベイダー卿……」
「ってええ!? 拘束を一人でに解いてる?!」
「こんな拘束、余のフォースの力をもってすればどうということはない」

ベイダーのフォースの念動力さえあれば、ニャル子らが縛り付けた布団や縄を解くのは造作もないことであった。

「しかし、戦うなんて無茶です、ベイダー卿!
超人三人にスーパーサイヤ人が相手では、我々四人と飛影でも勝てる見込みがありません!」
「貴公らはついてこなくて良い。戦うのは余だけで十分だ」
「ニンジャを見てNRSを発症して失禁にゲロまで吐いてた上に真っ裸のあなたが絶対に勝てるわけありませんよ!」
「余も奴ら相手に勝てるとは思っておらん。
だが、余が全力で戦えばこのASO-3が逃げられる時間稼ぎくらいはできるだろう。
それとニャル子、サラッと余をディスっているが、後で殺すぞ」

メフィラスとニャル子の制止を押し切って、ベイダーはコクピットから出ようとする。
その前にベイダーが未だに後部座席に括りつけられているジャックに告げる。

178終わる世界の真相 ついでにベイダー卿の消滅:2016/09/19(月) 00:04:59 ID:FyAK8cH.0

「ジャック・O。
余がいなくなる以上、メフィラスとニャル子が知りたがっている計画の全貌はおまえの口から話せ。
そして東京のどこかにいるだろうココと合流し、なんとしても二人でプロジェクト・テラカオスを完遂させるのだ」
「待て、ベイダー卿。
プロジェクトのリーダーは君だ。君ではなく、私がいくべきではないのか?」

ジャックはベイダーを引き止め、彼の代わりに自分が超人達と戦うと言う。
しかし、ベイダーはそれを良しとしなかった。

「悲しきかな、余は貴公やココほど頭が回らん。
この先の計画の完遂や、ユウキ=テルミからの九州ロボ奪還には、力が全盛期より衰えている老いぼれよりは、おまえ達二人がいたほうが良い。
貴公は残るんだ」
「しかし……」
「案ずるな……コーホー。
九州ロボでは散々醜態を曝したが、最期ぐらいは華々しく散るさ。
シスの暗黒卿としての誇りとして、インフレが酷すぎるサイヤ人や、ゆで理論とかいうわけのわからん奴らの内、二人ぐらいは道連れにしてくれるわ」
「待て! ベイダー卿!」

ダース・ベイダーは戦って死ぬ気であった。
ジャックは死地へ向かう盟友を必死に止めようとするが、拘束されていてそれも叶わず。
メフィラスはベイダー卿の意志を尊重して動くことも口を挟むこともできなかった。
ついでにニャル子は「自分が助かるならそれでいいや」と、薄情にも止める気はなかった。

「しかし、最期が全裸というのは頂けん。服がわりに飛影を持って行くぞ」
「ええ? 飛影は貴重な戦りょ……モゴモゴ」
「わかりました。遠慮せず持って行ってください」

確実な戦闘力増強として、パワードスーツに近いロボットニンジャ飛影を装着しようとするベイダー。
ニャル子は止めようとするが、空気を読んだメフィラスが彼女の口を塞ぎ、飛影はベイダーに託された。
ちなみにベイダーとジャックはニンジャである飛影を見てNRSを引き起こす失態を犯してたが「あれはその場のノリ」によるものなので、もうNRSを引き起こす心配はない。

超人血盟軍到達まであと10キロ……

「もう、時間がない。この山が捕捉される前に出撃する!
メフィラス! ハッチを開けろ!」
「ハイ!」

ベイダーの命令を受けて、ハッチを開けるレバーに手をかけるメフィラス。

「コーホー。
あとは任せたぞ、ジャック、ココ。
バーダック、幽香、織莉子、キリカ、デウス、ビアン博士……もうすぐそっちにいくぞ」

決死の覚悟を決めたベイダーが、飛影を駆り、出撃しようとする――

179終わる世界の真相 ついでにベイダー卿の消滅:2016/09/19(月) 00:05:28 ID:FyAK8cH.0






『待って! その必要はないわ!』






――その寸前で聞き覚えのある女の声が、コクピットのスピーカーから聞こえた。

「この声はココ!?」

突然、五大幹部の生き残りの一人、武器商人のココ・ヘクマティアルの声が聞こえたことに四人は驚く。

そして次の瞬間、どこからともなく巨大な白い腕がASO-3を掴み……訂正、カプセルサイズに小さくなっていたASO-3を人間サイズの腕が掴んだのだ。
そして、一瞬後には腕もASO-3もその場から姿を消し、同時に気も消えてしまったため、気を辿っていた超人血盟軍は主催者達を完全に取り逃がしたのであった……
(超人血盟軍のその後の経緯は『光と影』を参照されたし)









「コーホー、なんだなんだ!? いったい何が起きた!」

いきなり、巨大な振動がASO-3を襲ったかと思えば、超人血盟軍から感じ取っていた殺意などの気も一瞬で消えたので混乱するベイダーは、慌てて乗りかけた飛影から飛び出す。

そしてジャック達と同じように、正面モニターを見ると驚きの光景が広がっていた。

「コーホー……」
「ココ?」
「これは……」
「でっか!」

カプセルサイズのASO-3はココの手のひらの上にちょこんと乗っていた。
それはASO-3同様に小さくなっているベイダー達の視点からすると、自分達は釈迦の掌に乗った斉天大聖になった錯覚を覚えさせ、モニターに映っているココの顔はとてつもなく大きく見えた。

ココのASO-3を乗せてないもう片方の腕は、とりよせバックが握られている。
このバックは内部にワームホールがあり、遠くの場所にある物をバッグを通じて手元に取り寄せることができる22世紀の秘密道具であり、強力すぎるため参加者には支給されなかった支給品の一つだ。
ココはこのアイテムを使ってベイダー達を窮地から救ったのだ。

「ベイダー卿、ジャック、メフィラス……良かった、あなた達だけでも生きていて」

ココはASO-3の中にいる仲間達に微笑みかける。

「そして、ようこそ。
カオスロワちゃんねるにも書かれていない、私達以外誰も知らない隠れ家、東京都伊豆大島基地へ!」

180終わる世界の真相 ついでにベイダー卿の消滅:2016/09/19(月) 00:06:05 ID:FyAK8cH.0











伊豆大島。
本州から20キロ以上離れた位置にある孤島だが、いちおう東京都である。
伊豆大島基地とは、その島に築かれた主催の拠点である。
ちなみに先の放送で沖縄含む全ての離島が禁止エリアになったので、離島扱いであるので主催関係者と首輪を外した者以外は立ち寄ることはできない。

その基地の中にある一室、様々なモニターがある会議室にココと助け出されたベイダー、ジャック、メフィラス、ニャル子、飛影の五人と一機は移っていた。
(ちなみにASO-3はカプセルサイズでココのディパックに入っている。
ベイダー達はASO-3から出た瞬間、元のサイズに戻った)

「コーホー、このような基地、なぜ隠してたんだココよ?」

ベイダーの疑問はもっともであった。
元々、主催拠点を作る時間がなかったので、仕方なく祐一郎から九州ロボを簒奪する形になったのだ。
最初から拠点があれば、九州ロボを奪う必要もなかったのである。

「隠してたのは謝るわ。
でも、この基地ができたのはついさっきのことなのよ。
建設計画自体は進めていたけど、完成までにはカオスロワ開始には間に合わず、どのようにスケジュールを切り詰めても一日半はかかり、建設の労力であるモブ兵士に支払う膨大な資金もかかる。
しかも、この基地よりも遥かに巨大で防衛力の優れた九州ロボを手に入れるという誤算があったから、言う必要もないと思っていた」
「コーホー……なるほど」
「でも、建設自体はやめなくて正解だった。
九州ロボが奪われた今、ここを臨時の主催拠点にすることができた。
モブ兵士達のお給料も、抜けている誰かさんのおかげで賄えたしね」
「誰かさん?」
「なんでもないわ」

ちなみにココがN2爆弾を売ることで手に入れた呉島家の財産ほぼ全ては、この伊豆大島基地で働くモブ兵士の給料に全てあてがわれた。

「……できれば織莉子、キリカの二人にも、ここに来て欲しかったな」
「……」

特務機関員であった二人の友の死には、ココは涙を流さずとも、その表情には悲しみが宿っていた。
ベイダーはそんなココにかける言葉が見つからなかった。



「申し訳ありませんがベイダー卿、ココ嬢。
ご友人の死へ悲しみを抱くお気持ちは察しますが……」

横槍を入れるようにメフィラスの言葉が二人の間に割り込んだ。

「そろそろ私達に教えてくれませんかね……真実を、この殺し合いと世界滅亡、プロジェクト・テラカオスの全貌を」
「メフィラス」
「ベイダー卿、あなたがさっき言ったことに嘘がなければ、この世界は四日目を迎える前に消滅する……ならば残された時間はもう丸一日半しかない。
時間がないのなら、すぐにでも教えていただきたい。
適当な嘘も許しませんよ、少なくともこの殺し合いの目的が人口削減ではないのは既に看破しているつもりです」

メフィラスはすぐにでも真実を知りたいと強く思っていた。
そして返答次第では、特務機関ひいては主催陣を抜けて離反するつもりであった。
口ではそうは言ってなくとも、彼の考えは周囲に伝わるぐらいの雰囲気を醸し出していた

「……賢いあなたやニャル子、ベクター、もう亡くなったけど新城やクルル辺りは、この殺し合いがただの人口削減が目的ではないと気づくと思っていたわ」
「コーホー……ジャック、この二人の『進行度』は?」
「二人共、陰性だ。なんらかの外的要因がない限り二人が『候補者』になることはまずありえない」
「そうか、ならば話してもよかろう……」

181終わる世界の真相 ついでにベイダー卿の消滅:2016/09/19(月) 00:06:42 ID:FyAK8cH.0


センチメンタルな気分を横に置いておき、幹部の三人はメフィラスとニャル子に真実を知らせることにしたようだ。




「あのー……勿体振り過ぎて出てこなかった、たぶん画面の前の多くの読み手と書き手も知りたがってる真実を教えてくれるのはありがたいんですが……



……なんで私、石抱させられてんです?」




ニャル子は幹部の一人、ココによって石抱させられていた。
ちなみに石抱とは三角形の木を並べた洗濯板のような板に正座させ太ももの上に重く大きな四角い石を載せるアレのことである。
つまり、ニャル子は拷問を受けていた。

「……フンッ!」
「ぎゃあああああああああああああ、痛ッ痛ッ痛ッ痛ッ痛ッ痛ッ!!」

そんな石を抱かされて足を痛めていているニャル子に対して、サディストの如く石の上から思いっきり踏みつける、鬼の形相のココ。

「なぜって? まずはあんたがやった所業を思い出して?」
「ええ……私は潔白です……いたたたたたたたッ!
嘘です嘘です!!
倉庫から支給品をくすねて申し込みありませんでした!!」

ニャル子は主催の倉庫から勝手に支給品、ダークスパークとダークザギのスパークドールを勝手に持ち出している。

「あれはね、元々は幽香が使う予定だったの、九州ロボ並の戦闘力を持つダークザギが使えてれば戦力として百人力よね?」
「ええ……」
「当初の予定では、私がなんらかの事情で留守にして九州ロボがまともに動けなくなった時、ダークザギがその分の戦力を補う手はずだったから、私は九州ロボから安心して出かけることができたわけよ」
「そ、そうなんすか……へぇー」

ここで互いにうすら笑いを浮かべるニャル子とココ。

「つ・ま・り!
あんたがダークスパークとダークザギをくすねなければ、九州ロボの防衛線に穴が開かなかったのよ、このバカーーーッ!!」
「ぎにゃああああああああああああああああああ!!
我々の業界でも拷問ですうううううう!!」

額に青筋を蓄えて笑顔のまま、ガンガンメリメリと石ごしにニャル子の足を踏みつけるココ。
もし彼女が支給品をくすねなけらば、幽香がダークザギをダークライブさせることで、多大な戦闘力を誇る超人血盟軍相手でも撃退もしくは殲滅ができたかもしれない。
敗北しても被害は大幅に減らせたハズだ。
それを幽香と事前に打ち合わせていたので、ココは九州ロボを留守にすることができた。

……だが、結果はこの有様。

すなわち九州ロボ防衛失敗の最大の戦犯は、幽香が使う予定だった支給品を盗んだニャル子だったのである。
それを知ったココは、防衛線にヒビを入れたニャル子に対して怒髪天を立て、拷問を与えることにしたのである。

「ひィ……」

その凄惨な(?)拷問の様子に引き気味のメフィラス。
ちなみにベイダーとジャックは。

「え? そういうことだったのか? 余は初耳なんだが」
「すまん、この件は私の口からベイダー卿に教えるつもりだったが、超人血盟軍襲来前後のゴタゴタと君の良い体に見とれてて伝えるのをすっかり忘れてしまった。
幽香もダークザギを使わずにやられていたから何か嫌な予感はしてたんだが、まさかニャル子の手にあったとは……」
「おまえな……」

ベイダーは仮面の下で、ジャックを白目で見ていた。

182終わる世界の真相 ついでにベイダー卿の消滅:2016/09/19(月) 00:07:34 ID:FyAK8cH.0

「……まあ、防衛失敗は何もかもがアンタの責任とは言わないわ。
私の読みも浅かったし、ダークザギがあっても勝てたかどうか怪しい。
本来なら処刑も辞さないところだけど、どんな思惑があろうともメフィラスと一緒にベイダー卿達を助けてくれた功績があるのも事実だし、命だけは取らないであげるわ」
「あ、ありがたき幸せ……」
「でも、アンタのことだから、このダークザギを使ってユウキ=テルミを九州ロボごと吹き飛ばそうとしてたわね」
「ギクギクッ!」

ココの思考を読んでいる言葉にニャル子の顔から滝のような汗が流れる。
誰が見ても、明らかにSAN値が下がっていた。

「図星のようね。
やめてよね、マキナである九州ロボが消滅したらファクターである私も死んじゃうじゃない。
何より、貴重な土地と世界復興の要である九州ロボがなくなったらどうするの。
アンタにコレは預けられないわ。罰として、没収ね」
「わ、私のダークスパークとダークザギ!」
「アンタのじゃないでしょ!」

石抱きで動けないニャル子に対して、ココは彼女のディパックからダークスパークとダークザギを取り出し、自分のディパックにしまいこんだ。
それだけに留まらず。

「ついでにこの子も没収するわ」
「ああ! 真尋さん!」

ココはソフビ化している八坂真尋も没収した。
未来のダーリンである真尋を取られたことに、ニャル子の表情がダークザギとダークスパークを没収された時以上に焦りがにじみ出る。

「それにしても真尋キュンは可愛いわね、フフーフ(はぁと)」
「あ、コラ! 頬ずりするな!
胸に挟むな! ペロペロ(^ω^)するなぁーーーッ!」

ソフビ真尋を見るやいなや、目がハートマークに変わり、愛でまくるココ。
愛でまくられる真尋を目の当たりにしてニャル子はパニックになる。

「こうなれば……シャンタッ君、その女を殺してでも真尋さんを奪い返して!」
「ミー」

もはや形振り構ってられないと言わんばかりに、明らかな幹部への反抗であることを覚悟の上で、ペットであるウマ面のコウモリの生物シャンタク鳥のシャンタッ君に命令して真尋をココの手から奪還しようとするニャル子。

「ミー……」
「あ、あれ?」

しかし、シャンタッ君はニャル子の意に沿わず、ココの足元で仰向けになってお腹を見せた。
服従のポーズである。
そしてココはモフモフとシャンタッ君のお腹を撫でた。

「悪いけど、シャンタッ君は最初からこちら側の味方よ」
「この裏切り者ォッ!」

ココは保険のためにシャンタッ君をあらかじめ手懐けていたのだ。

「ついでに飛影にも私達、五大幹部への明確な裏切りや九州ロボを破壊しようとする行為をした場合は自動で攻撃するようにプログラミングしてあるわ」
「マジすか」
「今さっきまで支給品を横領してたのがバレず、ベイダー卿達を助けていたからグレーゾーン止まりだったけど、間違ってもダークザギで九州ロボを消し飛ばそうとしなくて良かったわねぇ?(ゲス顔)」
『裏切者殺すべし、慈悲はない』
「ちょ、刀が背中に刺さってる! 刺さってる! 痛いんだよぉ!!(マジギレ)」

一歩間違った判断を下せば、ニンジャに首がはねられないかねない状況。
ニャル子は既に、ココに手玉に取られていた。




「さあ、話が脱線しすぎたわね。
茶番はこの辺にして、そろそろ話を進めましょうか」
「「「お、おう…」」」
「ちゃ……茶番て……」

真尋を手に入れたココは意気揚々に、男連中は若干引き気味に、ニャル子はボロボロの状態でいよいよ『プロジェクト・テラカオス』の全貌が明かされることになる。
(ニャル子は先ほど、ココを殺してでも真尋を奪い返そうとしたが、これは背信行為というより恋人を取られて焦ったゆえの失言なのでノーカンになった)

「これを聞いたからには後戻りはできないわ」
「我々のなそうとしていること、破滅へ向かっている世界の事情」
「コーホー、心して聞けよメフィラス、ニャル子よ」




なお、ベイダー卿は未だに全裸で、ニャル子は石抱させられたままであることをここに記しておく。

183終わる世界の真相 ついでにベイダー卿の消滅②:2016/09/19(月) 00:08:46 ID:FyAK8cH.0
メフィラス達に詳しい事情を話す前に、ベイダー達は二人がこの殺し合いで知っているか、どこまで気づいているかを聞いた。
二人はこの殺し合いの目的が人口削減ではなく『テラカオス』を生み出すための手段であることや、ハラサンが提唱していた『救済の予言』までは耳にしているが、それ以外のことは他の特務機関員と同じであると答えた。

「コーホー、ということは一から話す必要があるようだな。
計画について話す前に先に知ってもらいたいことがいくつかある。
まずはこの世界の成り立ちについてだ。
二人は『TC計測値』という言葉を知っているか?」
「いえ」
「聞いたことありませんが、まさかTCは安直に『テラカオス』の略ってわけはないですよね?」
「よく気づいたな、概ね正解だ」
「合ってんのかい!」

狸組が九州ロボに潜入した時に、見つけたTC計測値。
そのTCがテラカオス(Tera Chaos)の略というのはニャル子が当てずっぽうで言っただけだが、正解だったらしい。

「コーホー。
『TC』、正式名称『テラカオスエナジー』。
この世界を構成する、目に見えない未知のエネルギーで、この世界にはなくてはならないものだ。
別の世界では『蒼』ともいうらしい。
『TC計測値』とは文字通り、そのエネルギーの量を測ったものだ」
「TCがこの世界になくてはならないもの? どのように?」
「TCは創造と破壊を司る根源の力。
仮に使いこなせれば全ての事象干渉を退ける「外周因子」となりうると同時に、世界すべてを変革できるほどの「事象干渉」を行うことが可能となるというらしいが……」
「言ってる事が難しくてわけわかめ、もっと簡単に」
「『とにかく何でもアリで型破りなエネルギー』だと思え。
TCの現実を改変する力によって、本来だったら矛盾する生態系や、現実的に考えて存在できない力や生き物が世界に存在できるのだ。
例えるならグンマーの生物。彼らは大きく巨大な竜や魔物が多いが、科学的に考えると足で自重を支えることすら不可能だ。
TCはその矛盾を『あやふや』にすることで彼らの存在を成り立たせている。
言わば、我々が吸っている『酸素』と同じくらい大事な物だと思ってほしい」

本来なら常識的に考えて生きてはいけない矛盾をはらんだ漫画・アニメ・ゲームキャラの存在も、このカオスロワ10期の世界ではTCによって存在できるのである。
この混沌とした世界はTCのおかげで構成できているのだ。

「我々がこの世界に存在できているのは、そのTCのおかげだったのは理解できました。
しかし、それがこの殺し合いと何の関係が?」
「コーホー、これを見てほしい。
ココ、大災害発生時のTC計測値のモニターを出してくれ」
「はい」

ココは大災害発生時のTC計測値をまとめた映像を映し出した。
それは狸組が九州ロボと、とある民家で見たものとまったく同じものである。
計測値の最も低い日本を除いた、土地という土地が大地震と共に海に沈み、宇宙にあるコロニーや人の住む惑星が目に見えない力で破壊されていく。

「大災害当時の映像ですが……」

ここで違和感に気づいたニャル子が、某少年探偵風に疑問を口にする。

「あれれー? おかしいぞー?
TC計測値が高い土地の方が破壊されてるってどういうことー?」
「TCは我々の世界にとって必要なエネルギーだったのでは?」

二人の疑問に対し、ベイダーは答える。

「TCがこの世界に必要不可欠なのは間違ってないが、それはあくまで適量だった場合だけだ。
多量に浴びすぎた場合は生き物も土地も破壊されて消滅する。
空気を入れすぎて破裂する風船のようにな。
仮に生きていても事象改変能力のあるTCに肉体を汚染されて生態や思考、存在を歪められた者もいる。
歪められ方は様々で、どんなに軽い者でも元の性格では考えられない奇行に走ったり、中にはカオスロワ開始前は死者だった者が生き返った者もいる」
「適量なら恩恵をもたらすも、過量なら毒になる……まさに酸素と同じですね」
「デカオとか分裂して増えまくっているんですが、ひょっとしてTCのせいだったり?」
「ああ、テラカオス候補者でもない以上、間違くなく汚染されている。
大災害発生時に日本以上にTC汚染の酷い海外にいた事実や、カオスロワ開始前からあの様だったのが、それに拍車をかけている」

拳王連合軍にいるデカオの謎の増殖は、存在を歪めるTC汚染に起因するものだった。
またチチもぎマーダーとして猛威を振るった長門有希の謎の奇行や、ロワ開始前に死亡したハズのニンジャ・フロストバイトが蘇っていた理由もTC汚染が理由である。

184終わる世界の真相 ついでにベイダー卿の消滅②:2016/09/19(月) 00:10:44 ID:FyAK8cH.0



「しかし、映像を見る限り、地球より宇宙の方がTC計測値が濃いようですね。
TCは宇宙のどこかから来ているということでしょうか?」
「そうだ。TCはどこからともなく出てくるのではなく、ちゃんとした出所がある。次の資料を見よ」

モニターの映像が切り替わり、宇宙のどこかに開いた大きな『穴』が映された。

「なにこれ、ブラックホール?」
「いや、どちらかと言えばブラックホールの出口であるホワイトホールに似てますね」
「ああ、他のホワイトホールとの違いは対応するブラックホールがこの宇宙になく、吐き出すのはTCだけだがな。
これは『TCホール』と言う」

ちなみにTCホールは今いる地球から何光年も離れているので目の良い参加者でも肉眼で観測することは不可能である。

「さて、このTCホールがまともに運行していれば、我々は何の害もなく過ごすことができた。
……だが、このTCホールは周期的に暴走する時があるそうだ。
そして、その周期に入ったと同時に、宇宙のあらゆる星々に莫大な量のTCを撒き散らした」
「それが此度の『大災害』の起こりというわけですか」
「その通りだメフィラスよ。
大災害が起こった瞬間、余が所属していた絶大な国力と戦力を有していた銀河帝国も為すすべもなく一瞬で吹き飛んでしまった……」

資料映像の中で見えない力で散っていく星々。

「だが余は生き残った。
大災害が起こる寸前に、かつて滅ぼしたジェダイの騎士の図書館……その中にあった古文書に目を通していた余は急いで部下のストーム・トルーパー共を率いて帝国を脱出し、TCホールから最も離れている地球、そして偶然TCが照射された軌道から外れて生き残った日本に流れ着いたというわけだ」

そして、日本へ流れ着く過程でダース・ベイダーは実力者であり信頼できる者達、ジャック・O、ココ・ヘクマティアル、バーダック、風見幽香、美国織莉子、ビアン・ゾルダーク、デウスエクスマキナと出会い、世界を救うために奔走することになる。
余談だが、ベイダーの師匠である銀河帝国の皇帝や、他の配下には報告する時間もなかったので、彼らも死亡したと思われる。
更に余談だが、生き残ったストーム・トルーパーが後の主催モブ兵士だったりする。

「古文書ということは、ジェダイの騎士はTCホールと大災害の件を予見していたということですかね?」
「左様だ。
元ジェダイの騎士である余も知らないところからして、知っているのはごくひと握りだろうが。
しかし、ジェダイを滅ぼしたことでTCホールを知る術を失った帝国が滅び、ジェダイを裏切った余が生かされるとはなんたる皮肉か……まあ、今は関係ないが」

映像資料に解読された古文書の内容が映る。

「余が見つけた古文書にはTCホールやTCについてはもちろん、大災害についてのことも書いてあった。
……それによると、一度目の大災害は余震に過ぎないとな」
「余震!? あの威力で?!」
「恐ろしいことにそうらしい。
そして次の大災害は最初の時とは比べ物にならないくらい破壊力があり、宇宙まるごと滅ぼせるほどの量のTCがばら蒔かれるということだ。
……今度は日本も助からん。
九州ロボのような浮島を作って地震や津波は回避できようとも、TCに満遍なく汚染されるので意味はない。
TCホールをどうにかしない限り、どこにいようとも一人残らず死ぬことになる」

天才の祐一郎が予見した通り、大災害には二度目があった。
しかし、さすがの天才でも、大災害をあくまでただの天変地異だと見ていたため、浮島の機能を持った九州ロボを作れば安泰だと思い込んでいた。
もし大災害が土地を浮島にすることでなんとかなる問題だったのならば、九州ロボが開発された時点で五大幹部はカオスロワなど中止していただろう。

「だが、古のジェダイの騎士達はTCホールもとい大災害に唯一対抗できる術を古文書に遺していた。
TCホールに唯一対抗できる『テラカオス』と、そのテラカオスを作り出すための『ナノマシン』の設計図をな」

そして五大幹部はテラカオスを生み出すために、混沌の騎士や神樹が感じ取った瘴気の正体――ナノマシンを参加者の支給品の飲み水の中に混入し、テラカオス化を活性するために殺し合いを開いたというわけだ。

「それでどうやってテラカオスで世界を救おうと言うのですか?」
「人喰い歌姫や焼け野原ひろしを見ていると、ゼンッゼンッ世界を救う要素なんて微塵も感じ取れないんですが」

ベイダーの持ってきた古文書には世界を救う鍵はテラカオスであるらしいが、会場で今も暴れ虐殺を繰り広げるテラカオス・ディーヴァやテラカオス候補者を見る限り、とても世界を救うようには見えない。
果たしてどうやってテラカオスで世界を救おうというのか?

185終わる世界の真相 ついでにベイダー卿の消滅②:2016/09/19(月) 00:11:21 ID:FyAK8cH.0

「コーホー。テラカオスは怨念の集合体にして混沌と殺戮の神。
高い戦闘力を誇り、完全体になれば殺し合いで死んだ全ての死者の技まで使える驚異の存在。
スーパーコンピュータである京が観測した平行世界の情報でも、ほぼ全ての世界で破壊者としての顔を見せていた……
しかし、それはあくまでテラカオスの一面に過ぎず、もうひとつの特性があることを古のジェダイは知っていた。
テラカオスは言わば存在自体がバグに近い存在……最初から歪んでいるために、他の者が浴びれば有害になる高密度のTCを……唯一取り込んでエネルギーに変換できる。
ナノマシンには参加者をテラカオス化させる機能とは別に、完全なテラカオス化した者をTCホールに送り込むワープ装置が組み込まれている。
次の大災害の時にテラカオスをTCホールの目の前に送り込んで、放たれるTCを全て吸収させてしまおうというのが、我らの計画だ」

知らないものには、テラカオスのその攻撃性と死者の技を使える能力ばかり目が行くが、混沌そのものであるテラカオスならば混沌のエネルギーであるTCを吸収できる能力を有しているというのだ。
それが他期の世界ではお目見えしなかったテラカオスの隠された能力である……というより他の世界では大災害の元凶であるTCホールもない、もしくはあっても暴走する周期に入ってないので、登場しなかったのである。

そして、TCホールから放たれる有害なTCを、殺し合いで生み出したテラカオスに吸収させて大災害を防いでしまおうというのが、五大幹部の計画である。

「しかし、テラカオスでTCを吸収できるという根拠は?
ジェダイの古文書もどこまであてになるのか……」

ここでメフィラスからの質問である。
古文書がどこまで信用できるかは定かではなく、信憑性を疑問視したのだ。

「ああ、我々も最初は古文書を疑った。
そして真偽を確かめるためにある実験を行うことにした」
「実験?」
「テラカオス化ナノマシンとネズミを使った動物実験だ」


モニターに一つの動画が移される。
そこにはガラスケースに個別に詰められた三匹のネズミがいた。

『ちょっと誰かー!! ここから出してよー!!』
『助けてくださ〜い、ハムタロサァン』
『ハハッ』

一匹はテラカオス化が全く進行しない陰性のネズミ、たなチュー。
一匹はナノマシンによってテラカオス候補者になった、こうしくん。
一匹はテラカオス化させたことで耳がなくなり首から下がタコのように異形化した(ただし殺し合いを経て生み出したわけではないので戦闘力は極めて低い)、たこぶえである。

「他の二匹はともかく、最後の一匹はどう見てもD社の」
「コードネームは『たこぶえ』だ」
「しかし、どう見ても浦安市にある遊園地の」
「これはあくまで『たこぶえ』よ」
「……訴えられますよ?」
「コーホー、『たこぶえ』だと言ってるだろ!」
(つか、こうしくんはネズミじゃなくてハムスターだってことはツッコミいれた方が良いのかしら?)

「コーホー。メフィラスのせいで些か脱線したが――
「私のせい!?」
――実験の内容はビアン博士が作った擬似的なTCを発生させる装置を使い、どれだけ耐えられるかを検証したテストだ。
実際に古文書の通りに、テラカオスがTCに対抗できるかどうかを確かめるためにな」

画面の中で実験が開始され、三匹のネズミに擬似TCが照射される。

186終わる世界の真相 ついでにベイダー卿の消滅②:2016/09/19(月) 00:11:53 ID:FyAK8cH.0




『助けて、ピカリ――』

開始から僅か数秒で、たなチューの肉体は弾けとんで消滅した。
テラカオス化を全くできなかった陰性のたなチューの肉体は、TCにも全く耐性がなく肉体が耐えられなかったのだ。

【たなチュー@爆チュー問題 カオスロワ開始前に死亡】

『ハムタロサァン……』

続いてたなチューが消滅した一分ほど後に、こうしくんの肉体も粉々に弾けて消滅した。
彼は候補者としてテラカオスに近づいたため、普通のネズミだったたなチューと比べれば少しは持った。
それでもTCに対して完全な耐性を持っていたわけではないので、肉体が耐え切れなかったのだ。

【こうしくん@とっとこハム太郎 カオスロワ開始前に死亡】

『ハハッ♪』

そうして生き残ったただ一匹、テラカオス化したたこぶえだけが生き残った。
それどころか、粉砕した残りの二匹とは違い、明らかに元気になっており、その体はムクムクと大きくなっていた。


「これは……」
「コーホー。我々もこの実験でわかった。
古文書の有用性と、TCホールへのテラカオスの有効性をな」

TCの前にただのネズミは一瞬で、テラカオス候補者のネズミはただのネズミよりかは長く持ち、テラカオス化したネズミは耐えている。
古文書に書かれた通り、テラカオスはTCを吸収し自身のエネルギーにしていた。
この実験で古文書に偽りがないことが証明されたのだ。

「あれ? だったら曲がりなりにもテラカオスになってるこのミ……たこぶえ一匹さえいればいいんじゃ?」

かつて自称黒幕のアガサ博士が光彦をそうしたように殺し合いを介さずにテラカオスを作る裏ワザはある。
たこぶえはまさにそれだったが、ならば殺し合いを開く意味もないのでは?
というのがニャル子に浮上した疑問だった。

「曲がりなり、ではダメな理由があるのだ。
実験はこれで終わりではなく続きがある。少し早送りするぞ」


それから五分、十分とたこぶえはTCを浴び続け、大きくなっていたが……

「ハハッ……ハハハッ……ゴフッ」

唐突にたこぶえは苦しみだし、血を吐き始めた。

「なんだ!?」
「コーホー。強度が限界を迎えたのだ」
「強度、とは?」
「殺し合いという儀式を経ずに産まれたテラカオスは耐久性が低い。
TCを吸収はできるが、一定以上ため込めるだけの強度を持ち合わせていないのだ。
陰性の者や候補者に比べればマシだが、この程度では次の大災害には到底耐えられん」

『ハハッ、細切れにしてや――』

そして映像の中でTCに耐え切れなくなったたこぶえの肉体もとうとう吹き飛んだ。

【ミッキーマウ(ry…たこぶえ@駄菓子 カオスロワ開始前に死亡】



「以上が実験の結果だ。
古文書に嘘はなく、テラカオスはTCに有効であることがわかった。
……しかし、古文書には大災害に耐えられるだけの強度を持つテラカオスを作り出すには、どうしても大規模な殺し合いで参加者を戦わせるしかないともあった。
そこで我々は古文書に従い、大規模な殺し合い『カオスロワ』を開いたのだ」

ただ生み出しただけの「弱い」テラカオスではダメなのだ。
大災害に耐えられるだけの「強い」テラカオスを作り出すのは憎しみと殺意が渦巻く殺し合いしかない。
サウザーの考察通りカオスロワとは、世界を救えるだけの一番強い蟲「テラカオス」を作り出すための「蠱毒」だったのである。

187終わる世界の真相 ついでにベイダー卿の消滅②:2016/09/19(月) 00:12:39 ID:FyAK8cH.0

「強いテラカオスではないとダメということは、今、会場で暴れている風鳴翼……テラカオス・ディーヴァでもダメということですか?」
「ああ、あれは未完成のテラカオスだ。
実験映像のネズミよりかは持つだろうが、次の大災害はとても防ぎきれん。
完成の指標である『死者の技が使える』までは我らの目的には程遠い」

テラカオスとして新生した風鳴翼もといテラカオス・ディーヴァも参加者としては圧倒的な実力を持っているが、まだ完全なテラカオスとは言えない。
死者の技が使えるようになって初めて強いテラカオスとして完成するのだ。

「いくつか、疑問とツッコミ所があるんですが、いいですかね?」
「ニャル子よ、なんだ?」
「テラカオスが大災害を防ぐのに有用なのはよ〜くわかりやしたよ。
でも疑問その一、テラカオスがTCホールのTCを吸ってエネルギーに代えられるってことは、テラカオスがパワーアップして、こっちに襲いかかってくる可能性もあるんじゃ?
つかバラ撒いたナノマシンもどうするの? そのまま放置したら無限にテラカオスや候補者が増え続けるじゃん。
宇宙滅ぼせるだけのエネルギーを手にした敵が現れたら、どう責任とんの!?
疑問その二、なんでこんな重大な計画にユウキ=テルミとか入れちゃったの?
それから疑問その三、テラカオス以外に大災害をどうにかする方法もあるんじゃないですか?
龍が出てくる七つ玉とか、某ピンク髪の少女を白い淫獣の下に連れ出して願いを叶えてもらうとかさー。
疑問その四、真尋さんをいつ返してくれるんですか?」

ニャル子の疑問ももっともだった。
大災害の時に発せられるTCをテラカオスが吸ってパワーアップしたら、驚異が大災害からテラカオスにすげ変わるだけで意味がない。
仮にテラカオスをどうにかしても、ばら撒いたナノマシンも地上に残り続けて候補者やテラカオスを生み出し続けるだろう。
これだけ重大な計画なのにユウキ=テルミもといハザマのような裏切ることに定評がある者を多く特務機関に入れたのか。
そもそもドラゴンボールで神龍を呼び出して願いを叶えてもらうなど、カオスロワより穏便でより平和な手段は取れなかったのか?
ココの手元に囚われた真尋はいつ戻ってくるのか?
この疑問にはベイダーに代わってジャックが答える。

「それらについては私が答えよう。
とりあえず真尋はココが飽きるまで諦めろ」
「救いはないんですか!」

「最初の質問からだが、テラカオス化ナノマシンは先ほど言ったワープ機能の他に、テラカオスを自滅させる機能もついている」
「自滅? できるんですか?」
「発動条件は次の大災害をテラカオスが防ぎ切った瞬間。
その時を迎えたと同時に、全てのナノマシンにプログラミングされた自殺装置が一斉に作動し、テラカオス、その候補者、そしてナノマシンそのものが自滅することによってテラカオスが大災害以上の驚異になることを防げるんだ」
「なるへそ」

ジャックの言い分が正しければ、テラカオス関連のモノはすべからく死に絶えるので、カオスロワが終わった後までテラカオスやナノマシンに悩まされる心配はなくなるようだ。

「次の質問だがベイダー卿が言った通り、人材を選り好みできる時間がなかった。
本来は多くの拠点を建て、特務機関員も大尉や風魔、黒のようないい男……じゃなくて優秀で任務とあらば非情になれるが、絶対に裏切らない者だけで固めるつもりだった」

「ところが、カオスロワの準備を着々と進めていた我々だったが、スーパーコンピュータ「京」の計算で次の大災害が僅か数日に迫っていることを知ってしまったのだ。
もはや一刻の猶予もなかった我々は、数多く配置する予定だった全ての主催拠点の建設を中止。
特務機関員も選んでいる場合ではなく、人格に問題のあるシックスやベクター、モノクマや後のユウキ=テルミになるハザマなどを徴用するしかなかったのだ。
もうこの時点で無茶な賭けだとわかったが、時間がない以上、拠点なし問題児だらけでカオスロワを開始するしかなかった」

拠点を構えなかったのも、特務機関員に裏切り者が多いのも、全ては時間がなかったゆえの判断だった。

188終わる世界の真相 ついでにベイダー卿の消滅②:2016/09/19(月) 00:13:10 ID:FyAK8cH.0

「ただ、裏切者になりそうな者はなるべく最前列に配置し、使い潰すようにしていた。
実際、シックスは殺し合いをある程度かき乱して死に、モノクマは死ぬ間際に興味深いデータを残してくれた。
裏切ったサーシェス、ベクターは今も生き残って存命しているが、前者はテラカオス候補者に、後者はDMC狂信者に入ったおかげで殺し合いを助長させてくれている」

いずれも裏切ったのは死んでもいい外道ばかりだが、殺し合いにはそれなりに貢献してくれたのだ……ある一人を除いて。

「しかしユウキ=テルミ。こいつだけはイレギュラーだった。
ハザマ時代の時に拳王電車に轢かれてズガンと殺されたところはあまりにも呆気なさすぎると思ったが、裏切る前に死んでくれたのは内心安心していた……
……この時に奴に他者への憑依能力があることに気づいていれば、結果は変わったのだろうがな。
あとは二人が知ってのとおりだ。
まったく、策士が策に溺れさせられたよ……」

リサーチ不足だったのか、ユウキ=テルミに憑依能力があることを見抜けなかったジャック達は油断してしまったようだ。
死んだと思われたユウキ=テルミはストライダー飛竜の体を乗っ取って復活し、主催陣営に多大な損害を与えた。
ユウキ=テルミ一人入れなければ、少なくともデウスエクスマキナは死ななかったかもしれず、グラシエも裏切らなかっただろう。

「ああ〜、残念な主催陣営だとは思ってたけど、残念にならざる負えなかった理由もあるんですねー」
「よく上司である我々の前で残念とか言えるな、君は。
まあいい、最後の質問だが……ココ、アレはあるか?」
「ええ、持ってるわよ」

適当なテーブルの上にココはデイパックから謎の物体を取り出した。
欠けた丸い七つの石のようだが……

「なんですか、このクッソ汚い石?」
「……ドラゴンボール、その成れの果てだ」
「ほうほう、ドラゴンボールって言うんですか、へぇー?」



「なんですとーーーーーーーー!?」

思わずノリツッコミをしてしまったニャル子。
ココが取り出した七つのドラゴンボールは、ニャル子の知る神々しいオレンジ色の球体水晶ではなく、力を失った石の塊と化していた。

「我々だってコストもリスクもかかる上に大量の犠牲を強いなければいけないカオスロワを開こうなどとは思わなかった。
カオスロワ自体、当初は織莉子もキリカもビアン博士にデウス、ココや私だって反対だった。
だからカオスロワを開くと決める前に、ドラゴンボールを集めて願いを叶えてもらおうとした。
そして辛くもドラゴンボールを七つ集めた我々は、神龍を呼び出して願いを叶えてもらうことにした」

もしここで、願いが叶っていればカオスロワはもちろん次の大災害の悲劇は回避できただろう。

「神龍に『次の大災害を防いでくれ』と我々は頼んだ……そしてどうなったと思う?」

……しかし、運命はかくも残酷であった。


「願いを叶えようとした神龍の方が、バラバラに消し飛んでしまったよ。
後に残されたのは、力を失った七つ玉だけだった」
「ファッ!?」
「しかもドラゴンボールほど絶大な魔力を含めた物は、タイムふろしきのようなひみつ道具でも復活できないと来た。
こうしてドラゴンボールを使って世界を救う計画は水泡に帰した」


【神龍@ドラゴンボール カオスロワ開始前に死亡確認】
※ドラゴンボールはタイムふろしきでも復活できません

189終わる世界の真相 ついでにベイダー卿の消滅②:2016/09/19(月) 00:13:44 ID:FyAK8cH.0


「どうしてそんなことに……」

ドラゴンボールと言えば、屈指のチートアイテムだ。
神様の力を超える力でなければ、ほとんどどんな願いでも叶えられることができる。

「簡単なことだったのだ、大災害は神龍の力……神の力を大幅に上回っていた。
後で京で計算してみたが、恐ろしいことがわかってしまった」
「恐ろしいことってどんなことです?」
「神龍が願いを叶える力、エントロピーが1として、大災害のエントロピーが10」
「10倍!? マジすか」

大災害が全能の力を持つ神龍の10倍の力を誇る、それでもニャル子は十分驚きだったが。

「違う、話は最後まで聞け。
大災害のエントロピーは10の12乗倍、すなわち一兆倍だとわかったんだ」
「いっちょうばい!?」

大災害はドラゴンボールの力の一兆倍を持っている。
力の差はイデオンとジム並。
願いを叶えようとした瞬間、吹き飛んでしまうのも無理はない話だ。

「鹿目まどかを洗脳してインキュベーターに願いを叶えてもらうプラン(まどか魔女化の顛末を知る織莉子は猛反対していた)もあったが、これも神龍と同じくインキュベーターごと吹き飛んでしまうことがわかった」
「概念級になれる魔法少女でもダメとか……」
「それどころか、今生き残っている少女を全員魔法少女にしても足りないぐらいだ。
魔法少女だけでなく、日本に生き残っている者あらゆる力を結集させて、大災害を回避できるか「京」に計算させてみた……が、ダメだった。
大災害には足元にも及ばないと計算が出てしまったんだ」

計算の中にはハクメンやマーラ様や、フォレスト・セルなどの超理不尽級も含まれている。
それを結集させてもなお足りないことが、「京」の出した答えだった。

「ええーい、だったらこの世界自体諦めて、とっとと別の平行世界にでも逃げた方がお得じゃないですか?
そーいうことができそうなデウス隊長やビアン博士は死んじゃったけど、今生き残っている科学者系参加者や道具をかき集めれば可能じゃないですかね!」

テラカオスに頼らず、他の世界へ逃げるというもの。
この世界に見切りをつけて捨てることになるが、滅びる世界にわざわざ残ってカオスロワを開くよりは遥かに人道的で安全な策に思えた。

「残念だが、それはできない。
この世界から脱出することはできない」
「なして!?」
「TCが汚染するのは生物や物質だけじゃない。
TCは空間すらも侵しているんだ。
大災害が起こったその日から時空間が歪み、この世界からいかなる手段を用いても脱出することはできなくなっている」
「そんな! でも混沌の騎士とか、ディーとか、マーラ様とか……」
「蟻地獄と同じで入ることは簡単にできるようだがな、出ることは例え神の力をもってしても出来はしない。
更に時空が歪んだことに過去や未来へのタイムスリップも不可能になった。
大災害が起こらない過去や、大災害の余熱が覚めた未来に逃げることもできない。
織莉子のように未来予知はできるが精度も高くなく、見れるのはほんの僅か先の出来事だけだ」
「詰んでるってレベルじゃねーぞ!」

よからぬことを考えていたベクターは、世界滅亡の後にカオスの力を使ってこの世界から脱出しようと企てていたが、本人が気づいていないだけで実はそれもできないのである。
時を駆ける魔法少女である暁美ほむらが時間遡行できなくなったのも、TCが原因である。
一度、この世界と時空に入ってしまった以上、誰もこの世界から逃げることはできないのだ。

190終わる世界の真相 ついでにベイダー卿の消滅②:2016/09/19(月) 00:14:18 ID:FyAK8cH.0

「それだけじゃない。
あらゆる蘇生呪文が使えなくなったのは二人とも、もう知っているな?」
「ええ」
「ザオリクもサマリカームも使えなくなったアレですね、使えなくなったのは……?」
「お察しの通り、空間がTCに汚染されている結果ではないかと思われる。
古文書には書かれていなかったが、可能性は高い」

今期はサイボーグ化や強い怨念によって魂が冥界にいけなかった草加などの一部例外を除いて、死人が生き返ることは絶対にない。

「それのせいで死者復活祭りもできはしない……まあ、あんまりホイホイ生き返ってもらっても困る時はあるんですがね、せっかくのシリアスが壊れる場合があるし」
「メタ発言は自重しろニャル子。
……正直なところ、死ねるだけだったらまだいい、生き返れないのも本来は自然の摂理だ」
「ジャック、蘇生関連でも何かまだ問題があるんですか?」

ジャックは今までの中でも神妙な顔で答える。

「どうやら例の古文書によると、莫大な量のTCは肉体だけでなく……魂すら消滅させるのだ。
現世界と冥界、生ける者と死んだ者……関係なく、次の大災害で全ての魂が消滅する!」
「なん…だと……!?」
「その結果、何が起こるか?
死んだだけならまだ良かったと言えるようになる。
魂は天国か地獄に行きつき、輪廻転生でまた蘇る。
だが、魂がなくなれば輪廻転生はできず、新しい命は大災害後には芽吹かない。
それすなわち……」


「……行き着く先は世界の死、虚無だけだ」


大災害が起こればTCによって魂が消滅し、後には何も残らない。
他期には死者スレで暮らすというエンディングがあったが、それすらできないのである。


「これでわかってくれただろうか?
時間は残されていない、逃げ場はどこにもない。
全てを根絶やしにする大災害を回避するには、無茶な賭けと大量の犠牲を覚悟の上で殺し合いを開き、テラカオスを完成させてTCホールに送る以外、世界に道はないのだ」

幹部クラスの者達もやりたくてカオスロワを開いたわけではない。
時間が残されてない故に、人材と拠点に問題を残したまま、カオスロワを開くしかなかった。
どこにも逃げ場がないので、死人が大量に出るカオスロワを開くしかなかった。
他の手段もなく、他の手段を探す時間もないゆえにカオスロワを開くしかなかった。

「しかしジャック、カオスロワで大量の犠牲と損害が出て、無法な殺し合いは社会システム的にも大打撃を受けさせます!」
(私は真尋さんが生きてればなんでもいいけど)
「テラカオスを生み出さねば、どう足掻こうとも世界は滅び、やらねば全滅だ。
人口の99%が犠牲になっても残りの1%が生き残っていれば世界は存続できる、全滅するよりはマシだろう……そう思い、我々は覚悟の上でカオスロワを開いたのだ」

殺し合いは多くの悲しみや怒りを振りまく。
だが、少なくともカオスロワ10期の世界では、その悲しみと怒りこそ必要であった。
仮にカオスロワを開かなくとも、二度目の大災害で結局全ての命を奪い去ってしまうのだから。

191終わる世界の真相 ついでにベイダー卿の消滅②:2016/09/19(月) 00:14:48 ID:FyAK8cH.0


「わかりました……必要悪なら仕方ありませんね」
「コーホー、メフィラスよ。わかってくれたか」
「ええ、敬意に値する地球人が犠牲になることは内心快くないですが、全滅を回避するためには多少の犠牲も止むなしというところでしょうか。
もちろん、他に世界を救う穏便な手段があるなら、私は悩まずにそちらに飛びつきますが……それが見つかるまでは命の恩人であるベイダー卿に従いますよ」

迫り来る大災害に対して平和的な解決手段が見つかるまではベイダーに従う。
それがプロジェクト・テラカオスに対してメフィラスが出した結論だった。

「わ、私もココ様達の世界を救う尊き計画に賛同しますです!
……だから真尋さんを返してぇ」
「ダ〜メ、あんたは自分と真尋キュンが生き残ることだけしか考えてなさそうだから」
「ギックゥ!! ……て、真尋さんの頬にキスするなあああああ!」

ニャル子は計画については理解したが、自分と真尋優先なのは相変わらずであった。


「しかし、計画については理解できましたが、一つだけ気になることが……」
「コーホー、なんだ?」
「テラカオスに関係するかもしれない話です。
皆様は救済の予言をご存知ありませんか?」

メフィラスが言ったのは、からくりドームで命を落とす前にハラサンがイチローチームに話した救済の予言のことである。

「それは余達も聞いた」
「内容は確か、
“九人の最良の戦士たちによる儀式の完遂、全てを虜にする歌、巫女の祈り、器たりえる巨像、不屈の精神を持った勇者。
全てが揃いし時、争いの淀みから生まれた化身は救いの神に転じる”だったな……それがどうした?」
「ええ、この予言の『争いの淀みから生まれた化身』は殺し合いによって我々が生み出そうとしているテラカオスのことではないのでしょうか?」

メフィラスとニャル子は救済の予言にテラカオスとの因果関係があるのではないかと睨んでいた。
しかし……それを聞いたベイダーとジャックは苦い顔をしていた。

「確かに化身の下りはテラカオスで間違ってないように思えるが……余の持ち出したジェダイの古文書にもそんなことは書いてなかったぞ」
「内容に妄言としか取れない不明瞭なことが多すぎる。
ハラサンは九人の最良の戦士たちによる儀式を野球による試合と解釈していたが……野球で世界を救うっていうのは常識的に考えてどうなんだ?」
「それは……」

ベイダー達は予言に関して懐疑的だった。
特に『九人の最良の戦士たちによる儀式の完遂』……つまり野球チームが試合をして優勝することに関しては、意味不明としか思えなかった。
まともな人間のならこの時点で、なぜ野球なんだ? と思うだろう。
いちおう、試合が終わった会場に野球ボール状の呪印が浮かび上がる謎の怪現象が発生しているが、誰かが仕掛けたイタズラかもしれない。
実際、そういうのができそうな参加者は会場にゴマンといるのだから。

だが……

「いや、ベイダー卿、ジャック。
私が調べたところ、その予言は眉唾物じゃなさそうよ?」

ココの意見は違った。
他の四人の顔がココに向く。

192終わる世界の真相 ついでにベイダー卿の消滅②:2016/09/19(月) 00:15:13 ID:FyAK8cH.0

「コーホー、どういうことだ? というより、いつ調べた?」
「私も例の予言が引っかかってね。
九州ロボを出て、イチローチームと大正義巨人軍が戦ったからくりドームも調べてきたのよ」
「ただ『ヒャア我慢出来ねぇ本職だ!』だと言って商魂を抑えられずに出て行ったわけではなかったのか、コーホー」
「失礼ね! 私の本当の目的はからくりドームのリサーチよ!
じゃなきゃ、幽香やバーダックが九州ロボから出してくれないし、商売は東京なんて激戦区に出かけた理由の半分くらいしかないわよ!」
「そ、そうか……」(半分くらい……?)

ベイダーの失言(?)にプンスカしたココだったが気を取り直し、モニターを操作して全員に見せる。

「で、からくりドームを調べてみれば、面白いことがわかったのよ」
「からくりドームに何があったのですか?」
「試合が終わった会場の土には、高純度の生体マグネタイトに似たエネルギーが溜まっていたのよ」
「生体マグネタイト? って、真・女神転生の悪魔を呼び出すのにエネルギーじゃないですか」

生体マグネタイトとは悪魔を呼び出すのに必要なエネルギーで、生きとし生ける者の中にも含まれているエネルギーである。
このエネルギーに目をつけたDMC狂信者はクラウザー復活のためにビックサイトを巨大なマグネタイト収集装置に変えているほどである。
それに似たエネルギーとはどういうことだろうか?

「さらに会場を隅々まで調べたら、なんらかの術式があったわ」
「術式? どんな術式だ?」
「正直、オカルト関連は幽香の専門で、私は彼女からちょっとだけ教わった程度だから、詳しい原理とかわからないけど……
術式の形からして野球選手が試合中に放った闘気や生命エネルギーを野球場の土に吸わせて留めさせるようにしているんだと思う。
じゃなきゃ、ただ殺し合っただけではエネルギーは貯まることはありえないわ」

生前のハラサンの言っていた『魂を込めた球を投げ合い、打ち合い、捕球し、マウンドを走り回って大気に汗を振りまき。 そして敗者たち……生贄の血を大地に捧げる』とはこのことだったのか?

「このエネルギー、取り出せるのか?」
「それはダメみたいね。
術式によってエネルギーそのものは野球場から移せないようになっている。
幽香が生きていれば解除もできたかもしれないけど」

もし、術式がなければ、からくりドームのエネルギーはビックサイトもしくはディーの呼び出した龍脈の龍により、全て吸収されつくしてしまっていただろう。
それだけ特殊な術式がからくりドームに施されていた。

「コーホー、他の球場でも試合後に呪印が現れたが、からくりドームと似た術式が使われていると見るべきか?」
「たぶんね」
「しかし、なぜ野球なのだ? これがよくわからん」

ここで疑問出てくる、なぜわざわざ野球なのか?
ただの野球場に、なぜにエネルギーを貯めるような術式を作ったのか?

「その答えは簡単よ。
この世界の野球選手は強い選手が集まり易い……本当なら、野球選手じゃなくて戦士や兵士になるべき尋常じゃない戦闘力を持った者が多い」

イチローやムネリンをはじめとして、この世界の、野球選手は範馬勇次郎が雑魚に見えるほどの強者揃いである。
つまり実力はトップクラスの戦士達とも言い換えられる。

「そんな彼らが本気の殺し合い……殺人も上等のカオスロワ式野球をやったらどうなるかしらね?」
「コーホー、なるほど。
ちょっとやりあっただけで、闘気などの凄まじいエネルギーが発生しそうだな」
「誰がいつ、この術式を仕掛けたかは定かじゃないけど、そこに目をつけたんでしょうね。
さらに試合で勝ち上がった者同士が戦えば、更に高純度・高密度の生体エネルギーが手に入りそうだわ」
「九人の最良の戦士達による儀式の完遂……べらぼうに強いヤツラ同士を野球させて優勝争いさせて、エネルギーを回収しちゃおうってのが、目的なんですかね?」
「おそらく、ね。
このエネルギーをどんな形で取り出して使うかはわからないけど、争いの淀みから生まれた化身がテラカオスだと前提した場合、テラカオスに使うエネルギーだと思うわ」

救済の予言に関するココの推測は続く。

193終わる世界の真相 ついでにベイダー卿の消滅②:2016/09/19(月) 00:15:47 ID:FyAK8cH.0


「次に『全てを虜にする歌』。
これに関しては「京」が観測した平行世界のテラカオスの顛末にヒントらしきものが見つかったわ。
その世界のテラカオスは、私達の目指している完成したテラカオスだった」

そのテラカオスは五期のテラカオスのことである。
今期にも登場した混沌の騎士の前身でもある。

「だけど、そのテラカオスはある理由から参加者達に敗北したわ」
「理由とは?」
「端的に言えば魂の吸い込みすぎ……体内に入った大量の死者の魂を処理できず、制御できなかったのが敗因よ」

某753の言葉を引用すると、一つの肉体に幾つもの数え切れない魂に自我が耐えられるはずがない。
誕生当初は自我を含め、何も持たなかった故に無尽蔵に魂を吸収できたが、終盤にて自我が生まれてしまった故に他の魂を吸収するにはそれらの意識を時間をかけて乗っ取る必要があった。
ゆえに一度に自分の意思に相反した大量の自我が入ることには耐えられなくなったとのこと。

「自我なんてあの貧乳歌姫、バリバリ持ってるんですがそれは……」
「ええ、「京」からこれのことを知ったとき、私もちょっと不安になったわ。
彼女の思想と相反する魂なんていくらでもいるでしょうし」

このままでは今後生まれてくるテラカオスも五期と同じ道をたどるんじゃないか?
そんな不安が四人を不安にさせる。

「でもね、だったらこうすればいいのよ。
体内に入った全ての魂を従うように『虜』にさせるの」
「それで歌なのか?」
「歌の力をなめちゃいけないわ、ジャック。
違う位相の存在を現実世界に強引に引き止めたり、戦争を終わらせたり、調律して平和な世界を生み出す魔力を歌は持ってるわ」
(あ、シンフォギア、マクロス、ラーゼフォンだ)

今期でも、熱気バサラに水木一郎、クラウザー見れば歌にも力があることがわかるだろう。

「実際、DMCみたいな糞曲でも現在進行形で大量の狂信者を生み出したわ。
私は流石にクラウザーの歌は大っ嫌いだけど、あれを超えられるだけの全てを虜にできる歌があるかもしれないわ」
「歌でテラカオス内部の魂を『洗脳』して制御させてしまおうということか」
「そゆこと」

歌で魂を虜にして、全ての魂を制御下に置いてしまおう。
それがココなりの答えである。


「続いて『巫女の祈り、器たりえる巨像』。巨像については、まずこれを見て」

モニターには、今も東京の新宿にいるフォレスト・セル、今は亡きガメラやオーバーデビルも映し出されている。
どれもその気になれば世界を滅ぼせるほどの力を持った者達だ。

「実力については言わずもがな……まあ、ギャグみたいなノリで死んだ奴もいるけど、こいつらは共通点があってね。
どれもこれも制御や力の発揮には『巫女』を必要としていることね」

ココの言ったとおり、制御や隠された力を解放するには巫女に該当する者が必要なもの達ばかりだ。

「つまり、巨像に該当するものを制御できるのが巫女の祈り。
器たりえる巨像って言うからにはテラカオスをその内部に入れるんでしょうね」
「入れてどうするんだ?」
「内部にいれたテラカオスを更にパワーアップさせるのか、それかテラカオスを閉じ込めて巨像が力をつけるのか……実際にフォレスト・セルとかにそんな力があるのかわからないけど、可能性はあるわね」

巨像はテラカオスのパワードスーツ、もしくは拘束具であるかもしれないというのが、ココの考えである。


「ええと、最後は『不屈の精神を持った勇者』!」
「コーホー、うむ、これはどんなのだ?」
「それはねー……」
「「「それは?」」」

最後に上がった、不屈の精神を持った勇者、それが何を意味するのか?
その答えは……?



「正直、ワカリマセン」



その言葉が出た瞬間、ココ以外の全員が一瞬で呆れ顔になった。

194終わる世界の真相 ついでにベイダー卿の消滅②:2016/09/19(月) 00:16:12 ID:FyAK8cH.0

「いや、そんな顔しないでよ。
勇者に該当する参加者は肩書きだけでもゴマンといるし、不屈の精神を持っているヤツなんてけっこういるかもしれないし〜」
「まあ、そうだが」
「だいたい考えられる幅が広過ぎて逆に憶測も立てられないわよ、この下りだけ。
まあ、文章の最後にあるし、なんか重要なキーマンなんじゃないの?」
「適当だなオイ」

不屈の精神を持った勇者……これだけはココでも推論が立てられなかった。


「とりあえず、私の推論では
争いの淀みから生まれた化身=テラカオス
九人の最良の戦士たちによる儀式の完遂=野球チーム同士の試合で得た生命エネルギーをテラカオスに使う
全てを虜にする歌=テラカオス内部の魂を鎮め、暴走を防ぐ手段
巫女の祈り=巨像を制御する鍵
器たりえる巨像=テラカオスをパワーアップさせる、もしくは閉じ込めて制御下に置くための器
不屈の精神を持った勇者=ワカンネェ┓(´Д`)┏、たぶんキーマン
……だと思う。

そして『全てが揃いし時、争いの淀みから生まれた化身は救いの神に転じる』とあるわね。
救いの神になったテラカオス……この予言は、テラカオスを私達が完全に制御下に置く、パワーアップさせる、もしくは両方を可能にするための方法なんじゃないかしら」

ココの出した推論に他の者達はうなづく。

「ふむ、テラカオスを完全に制御下に置く。
確かに全てを虜にする歌でテラカオスの中にある魂を制御すればテラカオスも制御しても同然になるな」
「ナノマシンに自滅するプログラムがあっても、万が一作動しなかった場合の保険にもなりますね」
「コーホー、パワーアップについてもそうだ。
古文書にはテラカオスなら世界を救えるとあったが、大災害のパワーが完成したテラカオスをも上回る可能性も十分ある」
「ジェダイも滅びてるし、テラカオス救済論にも100%の信頼はおけませんからね〜。
不測の自体に備えて課金アイテムをつけるがごとく、強さには余裕を持たせるってことですかね」

あくまで憶測に過ぎないが、救済の予言がテラカオスに纏わる何かである線は濃厚だろう。

「……ただ、予言に関しては懸念もあるわ」
「なんだ?」

一方、ココには予言には期待とは別の疑問があった。

「この予言の出処がわからないのよ」
「出処?」
「いつの時代の、誰が書いたのかわからないのよ。
仮にジェダイが書いたとしら、何で予言の内容を古文書の方に記してなかったのか理由がわからないもの。
野球場の術式だって、誰が仕掛けたのか不明瞭だし」
「コーホー、確かに」

ココの言った通り、この予言を誰がどこでいつしたのかがわからない。
そこにキナ臭さを感じているのだ。

「そう来ると、この予言の中に救済って言うのも私達の望んでいる救済なのかも怪しいわね……」
「救済と見せかけて人類滅亡!
予言の内容を完遂した瞬間、みんなLCLになって、おめでとうおめでとう……なんてオチもあるということですか?」
「ニャル子の言ってる意味がわからないけど、イメージとしては概ね合ってるんじゃない?
ともかく、予言については調査する必要がありそうね……せめて出処だけでも探らないと、怖くて予言の内容を実行する気が起きないわ」

救済の予言についてはあくまで慎重な体勢であるべきというのがココからの意見であった。

ここまで生き残った主催陣営達は大災害が起きた理由とプロジェクト・テラカオスの全貌、カオスロワを開かねばならなかった理由、救済の予言に対する考察を終えた。
その結果、時刻は11時を過ぎ、今期五回目となる放送が流れたのだった……

195終わる世界の真相 ついでにベイダー卿の消滅③:2016/09/19(月) 00:17:30 ID:FyAK8cH.0


――追加される禁止エリアは四国です。
では、これにて放送を終了します。」

放送は終了し、自称“新”内閣総理大臣にして主催を乗っ取った安倍晋三の放送は途切れた。

「まさか安倍がガラ空きになった九州ロボを乗っ取り、放送をするとは……」
「もう九州ロボに特務機関員も残ってなかったし、誰も放送できないじゃんと思ってましたよ」
「全滅する前のモブ兵士からの通信で、ユウキ=テルミや超人血盟軍の面子とは違う、安倍が裏切ってモブを虐殺してるとは聞いてたけど、まさか主催になるとはね……」
「コーホー、あのバカめ、幽香とバーダックの死まで放送しおって!
おかげで幽香派のモブ兵士や特務機関員の士気はだだ下がり、バーダックの攻撃力がなくなったとバレた以上、また九州ロボが対主催に攻め込まれるではないか!」
「落ち着くんだ、ベイダー卿。我々にはまだダークザギがある。
しかし、クラウディウス、大尉、風魔、新城までも一辺に失ったのは耳が痛いな……」

安倍の放送に、衝撃を受ける者、マイペースな者、あくまで冷静な者、怒る者、頭を悩ます者、反応は様々であった。
と、ここで疑問が浮かんでくる。

「生き残った超人血盟軍は全員関東にいるとして、ユウキ=テルミはどこに行ったんだ?
コーホー、奴の目的は主催の乗っ取りではなかったのか?」
「安倍と手を組んでいる可能性は?」
「ベイダー卿、ジャック。どうやら違うみたいよ」
「どうしてそう言い切れる?」
「これを見て」

首を傾げるベイダーらにココはカオスロワちゃんねる掲示板のレスを見せた。
内容はついさっきの出来事のようだ。

『なんかフードつけた忍者っぽいのが誕生日パーティやってたDMC狂信者を襲撃してた件』
『こいつ見たことあるーw!
四国から放たれたビームを刀一本で弾いて大阪を守った白い侍と一緒にいたヤツじゃん』
『あの後、拳王連合軍倒しに行ったらしいから死んだと思ったが生きてたんだなヨカッタヨカッタ……でも何で数時間足らずで近畿から関東にワープしてんの?』

これは埼玉にいる、とある人物が狂信者を襲撃した瞬間を目撃した者達による書き込みである。
忍者っぽい出で立ち、大阪を守った白い侍と一緒にいた者、拳王連合軍を倒しに出かけた者……首輪を外す前の参加者の顛末なら探れる主催陣なら、それが誰かすぐにわかった。
答えはストライダー飛竜……の肉体を乗っ取ったユウキ=テルミである。

「ユウキ=テルミめ、いつの間に埼玉に……」
「九州ロボを乗っ取っても、ファクターである私がいなきゃ九州ロボは動かない。
それでも「京」のような参加者の情報を収集する機器は九州ロボとは別口だから、安心してロワを運営したいなら九州ロボ内部でふんぞり返っても良いハズよ。
運営や放送だけを安倍に任せているケースかもしれないけど、モブ兵士からの通信を見る限り、安倍はあくまでガラ空きになった九州ロボを漁夫の利的に奪っただけのように見えるわね」

実際、ユウキ=テルミと安倍の繋がりはなかった。
安倍は五大幹部も特務機関員も超人血盟軍、そしてユウキ=テルミもいなくなったのを見計らって九州ロボをハイエナ的に奪っただけである。

「コーホー、ユウキ=テルミの目的はあくまで主催への攻撃だけだったのか?」
「まあそうでしょうね、あいつ一人がいただけで、私達も超人血盟軍も大打撃を受けたわ。
おまけに安倍の介入のせいでモブ兵士もこの基地に残っている者達で全てだし、人員が減った以上、ロワの運営行動も大きく制限される……泣けてくるわよ。
ジャック、あなたの意見は?」

ユウキ=テルミの襲撃と裏切りの目的は主催陣営に打撃を与えること。
ベイダーとココの考えがまとまりかけていたが、ジャックの考えは違った。

「私は奴の目的は攻撃だけではないと思う」
「どういうことなの?」
「ただの襲撃だったら、超人血盟軍の面子に任せればいい。
ユウキ=テルミ無しでも戦力的にはかなりのものだし、こちらに少なくない痛手は負わせられる。
それに対してわざわざ死地に飛び込んでいくのはリスクがでかすぎる。
確かにヤツは強いが、よほどの物好きか戦闘好きでもなければ、九州ロボ襲撃に参加するメリットは薄い。
しかし、だ。
ある仮定をつければ合点がいく」

196終わる世界の真相 ついでにベイダー卿の消滅③:2016/09/19(月) 00:18:11 ID:FyAK8cH.0

ジャックの考えるユウキ=テルミが襲撃に加担した理由とは?

「ユウキ=テルミは、テラカオスや大災害の謎を知っているのではないか?
そしてテラカオスの独占を狙っている」
「「「「!?」」」」
「ヤツは主催にただ打撃を与えに来たのではなく、自分の手でテラカオスを知っている者……すなわち我々五大幹部とデウスら上層部の者を自らの手で殺害しようと考えた。
さすれば、テラカオスを知る者や制御できる者は奴だけになり、独占も可能になる」
「まさか関東に来たのも我々を抹殺するために追ってきたというのか?」
「仮定の話だからなんとも言えんが、可能性はある」

ジャックは九州ロボと化した九州の地図を見る。

「襲撃による破壊は人物相手とは限らん。
テラカオスの情報に纏わる施設も破壊したに違いない」
「超人血盟軍や安倍に知られる前にデータ系施設もやられたと見るべきか」
「いや、それだけではない」
「なに?」

ジャックはメフィラスを見やる。

「メフィラス、知能指数一万を超える君に聞く。大正義巨人軍の出身地はどこだ?」
「たしか、宮崎県ですね」
「その大正義巨人軍関連の施設に遺跡はあるか?」
「遺跡……確か、キャンプ地の近くに……ハッ!」

質問に答えていたメフィラス星人は、ここであることに気づき、ジャックがそれを代弁する。

「そう……大正義巨人軍は救済の予言を掲げていたハラサンが所属していた。
大正義巨人軍の出身地は宮崎。宮崎は九州ロボを構成するパーツの一つ。
そして、キャンプ地の近くにある遺跡……ハラサンが現役時代に一度も入らないとは思えない」

ここまできて、他の三人もジャックが何を考えているのか理解した。

「ハラサンは現役時代にとある遺跡で救済の予言を見たと言っていた。
その遺跡がキャンプ地の近くにある遺跡なのだろう」
「ジャック、あなたはユウキ=テルミがテラカオスのみならず、救済の予言について知ってると見ているのですか?」
「ああ。
そして、私がもしテラカオスの独占を狙うなら、戦闘によるリスクは覚悟の上で九州ロボに潜入し、この遺跡は破壊する。誰かに知られる前にな!」

ジャックの推理は、概ね当たっていた。
ユウキ=テルミは少なくともテラカオスのことは確実に知っている。
そして他の誰にもバレないように救済の予言が記されている遺跡を破壊した。

「だが、ユウキ=テルミが救済の予言について何か知っているようなら、ある意味チャンスとも言える」
「現状では推測の域を出ない救済の予言の真の意味も、奴を捕まえれば知ることができますね」
「知らなかった場合はどうするんです?」
「ニャル子、その時は殺せばいい。裏切りの代価は命で払ってもらおう」

197終わる世界の真相 ついでにベイダー卿の消滅③:2016/09/19(月) 00:18:47 ID:FyAK8cH.0

ジャックはユウキ=テルミに対して、不透明すぎる救済の予言に対する情報を持っていると睨んでいた。

そして、五人はこれからについて話し合う。

「コーホー。さて、少ない人数と限られた時間でこれからどうするか」
「まず、安倍からの九州ロボの奪還は必須ね。
ファクターがいないとマキナは動かないとはいえ、好き勝手されるのは良くないわ。
安倍は殺し合いが大災害を防ぐためにやってるなんて知らないだろうし、余計なことをされると面倒になる」
「できれば救済の予言についても調査したい。
予言が計画にとって有益になるなら実行し、害になるようなら阻止せねばなるまい」
「何らかの目的を持って動いているユウキ=テルミも捕縛、できなければ抹殺したいところですね」
「ありゃりゃ、やることは山積みですねえ」

九州ロボ奪還、予言の調査、ユウキ=テルミの対処。
生き残った対主催陣営はこれらをこなさねばならなかった。

「では、役割を分担しよう。
九州ロボ奪還チームと本州へ出向き、ユウキ=テルミを追跡するチームに別れる。
予言の調査は奪還チームは例の宮崎の遺跡で調べ、追跡チームはユウキ=テルミや予言を知っていると思われる対主催に潜入して調査してくれ。
振り分けは奪還チームは私とココ、メフィラスと飛影。
追跡チームはベイダー卿とニャル子がいいだろう」
「「ちょっと待ったー!」」

ジャックの提案した役割分担について不服を申し付けたのはベイダーとニャル子である。

「なんだ不服か?
九州ロボの奪還はせねばなるまいし、かと言って全員で奪還作戦にいくと奪還するまでユウキ=テルミが野放しになるし、予言を探れる時間もなくなるぞ」
「そうではない。なんで余がユウキ=テルミを倒しにいくんだ?」
「私もユウキ=テルミと戦うんですか? ダークザギも無しで!」
「この役割分担には理由がある。
私の戦闘力はロボット兵器のACに依存している以上、ユウキ=テルミと戦闘になった際に巨大なACは目立ちすぎ、対主催やマーダーに付け狙わる。
九州ロボをやられない限り不死身のココも、直接戦闘はもってのほか。
だが君らは生身での戦闘は強く、フォースの力で参加者を洗脳できる力も持っている」
「しかし……潜入もクソも、放送で余の顔は参加者中に知れ渡ってるぞ。
関東を歩き回ってたら狙われてユウキ=テルミどころではなくなる。
それにあまり自分で言いたくはないが、余はユウキ=テルミよりは弱い。
奴の力の前では、ライトセーバーとフォースだけでは無理だ。
フォースに関しても第一回放送の時に野田を洗脳しきれず『10/.』の名前を入れ忘れさせるほど衰えている。
コーホー、余は老いぼれ過ぎているのだ……」

ベイダーは今までの放送で顔を知られ過ぎている。フォースである程度は参加者を洗脳できるとはいえ限界もあり、多くの参加者からは間違いなく命を狙われる。
実力に関しても理不尽級であるユウキ=テルミ相手に比べれば明らかに不足だ。
その事実がベイダー卿の自信を削いでいた。

「フフーフ♪
姿に問題があるんだったら変えればいい。老いぼれてたら若返ればいいのよ」
「は?」

そんなベイダーに不敵に微笑むはココ。
彼女はディパックから一枚の奇妙な「風呂敷」を取り出し、そして。

「えい!」
「お、おいココ何を!
……うおおおおおおおおおおおおお!!」

ココを風呂敷をベイダーに覆い被せた。
風呂敷の中からベイダーの悲鳴と、彼の肉体を補助していたサイボーグのパーツが次々と床に落ちていく。

198終わる世界の真相 ついでにベイダー卿の消滅③:2016/09/19(月) 00:19:19 ID:FyAK8cH.0

「コ、ココ嬢! ベイダー卿に何を……」
「慌てないでメフィラス。
これは『タイムふろしき』、包んだものを若返らせたり老いさせたりできる代物よ」

タイムふろしき。驚異のテクノロジーをもつ22世紀のひみつ道具である。
ちなみになのは組もタイムふろしきを持っているが、参加者の支給品の振り分けを担当したココはタイムふろしきの有用性に気づき、同じ道具を持っていたのだ。

「そろそろ良いわね」

最後に風呂敷の中からダース・ベイダーを象徴する黒いヘルメットとマスクが落ちた。
それを見計らって、ココは風呂敷を外す。

「おお……これは……」
「浪川ボイスが似合いそうなイケメン!」
「ウホッ、いい男!」

中から現れたのは一人の裸の美青年であった。

「……まさか、余がこんな形でピーク時の姿と力を取り戻すとはな」

周囲は驚いていたが、一番驚いていたのはダース・ベイダー本人かもしれない。
……否、厳密には今の彼は『ダース・ベイダー』ではない。
ピーク時の時の姿と力を取り戻した男、その名も……



「『余』は……いや、『僕』は、アナキン・スカイウォーカーだ!」


【ダース・ベイダー@STAR WARS 消滅】
【アナキン・スカイウォーカー@STAR WARS 新生】

199終わる世界の真相 ついでにベイダー卿の消滅③:2016/09/19(月) 00:19:48 ID:FyAK8cH.0


ベイダー改め、アナキン。
ベイダーの時は発さなかったフランクな言葉使いでココに言う。

「なるほどね。若返れば力も蘇るし、姿も変えられるわけだ」
「ええ、あなたの若い時の姿はリストにも載ってないし、参加者はもちろん初見では特務機関員でも気づくことはないと思うわ」
「これで本州への潜入ができるというわけだね」

姿に関しては狸組が奪った主催陣営へのリストにも載ってない。
これで素性をバレずに対主催などに潜入ができる。
そして、体内に宿すフォースの力も全盛期(エピソードⅢ)の頃まで蘇っていた。
その差はベイダー時の30倍である。
これでフォースに耐性のない相手ならチート級までは対処できるようになった。


「……潜入に関する問題はクリアした。
だけど、奴相手にはまだまだ力が足りないな」

だが、ユウキ=テルミはゆで超人を不意打ちとはいえ一撃で倒せる理不尽級。
彼を相手にするには全盛期の力を取り戻しただけではダメだった。
老いてた時よりはマシとはいえ、このままでは勝てないと痛感するアナキン。

「フフーフ。ベイダー卿。
奥の手はそれだけじゃないわ。はい、これ」
「!? これは大災害で紛失したと思っていた……どこにあったんだ?」
「伊豆大島基地を建設している時に偶然、モブ兵士が見つけたの。
その二つの剣はあなたにしか使いこなせないわ」

ココの手から託されたのは、赤く禍々しいデザインの剣と白く神々しいデザインの剣。
それを見て驚くアナキンは二つの剣を両の手に持つ。

剣の名は邪剣ソウルエッジと聖剣ソウルキャリバー。
かつてある別次元での戦いでアナキンが死闘の末に勝ち取った、絶大な魔力を秘めた魔剣である。

そして二つの魔剣が主であるアナキンの手に収まった瞬間。
凄まじい魔力が解放し、フロアの中に突風にも似たフォースが吹き荒れる。
アナキンのフォースが魔剣によって増幅されて5倍・10倍・15倍と何倍にも膨れ上がる。
アナキンのパワーが一気に理不尽級まで底上げされた。

「凄まじいパワーだ!
これならユウキ=テルミにも勝てるかもしれない」

パワーだけではない。
ソウルエッジには斬った相手の魂を喰らう能力がある。
ユウキ=テルミの驚異の憑依能力を封じることができるだろう。

ついでに、いい加減ずっと全裸だと締りが悪いのでココが持ってきたジェダイ風の服を着た。
ジャックにも服を着せた。

200終わる世界の真相 ついでにベイダー卿の消滅③:2016/09/19(月) 00:20:59 ID:FyAK8cH.0


「ベイダー卿、これで潜入と戦闘の問題は解決できたな」
「おかげで何とかなりそうだ」
「しかし、油断はするな。ユウキ=テルミはまだ奥の手を隠しているかもしれない。
奴と戦う際はできるだけ戦力はより多い方が良い」
「ならどうすればいい?」
「対主催を味方につけるんだ。その時はニャル子を使え。
彼女はなのは組のハス太と親交があり、パイプを作れる。
それ以外の対主催、イチローチームや聖帝軍相手には君は特務機関員を捕まえたとして、ニャル子を引き渡すといい。主催の手先を捕まえた功績という形でパイプを作って対主催チームに潜り込むんだ」
(え? てことは私はただのダシ?)
「もちろん潜入するからには君がダース・ベイダーという素性がバレないように注意してくれよ」
「わかっている。予言について何かわかったら連絡する」

更なる戦力増強のために対主催チームに潜り込むことを推められて、ジャックの意見を肯定するアナキンと、反対に自分の扱いに「解せぬ」顔のニャル子。
そんなニャル子にココは釘を刺しておく。

「ところで、ニャル子」
「な、なんですかココさん」
「ベイダー卿や私達を裏切ったりしないでね?」
「な、何を言いいがかりを……世界を救おうとしているあなた様方達を私が裏切るわけないじゃないですか、ハハハ」

そう言うニャル子の目の泳いでいた。
散々ココに痛めつけるられてもまったく懲りず、隙あらば、故あれば、対主催に寝返る気であったに違いない。

「特務機関員の情報を流したり、自分は主催に脅されて仕方なく手先になっていたと言いはる分にはまだいいわよ。
どうせ生き残っている特務機関員は裏切り者を除くと僅かしかいないし、どうせ九州ロボ経由でデータを盗んだ者やベクター経由で結局知れ渡る。
ただし、アナキンのことをベイダー卿とバラしたり、この伊豆大島基地の所在やプロジェクト・テラカオスのことを明かしたら承知しないからね!
そして裏切ったその時は……」
「真尋さん! 真尋さんをどうするつもりですか!?」

ここで懐から真尋人形を取り出し、焦るニャル子に対してココは裏切り防止のための脅しを仕掛ける。

「真尋キュンを愛でる。 超 愛 で る !
真尋キュンとムンムンガルドして私の虜にしてあげるわ!」
「嫌ああああああ!! NTRいやあああああああああああ!!」

真尋のNTRは、ニャル子にとって自分が殺される以上の恐怖であった。
これにてニャル子は五大幹部(特にココ)には逆らえなくなってしまった。

ニャル子とココとの茶番劇を横目で見つつ、メフィラスは言う。


「……ココ嬢ってあんなキャラでしたっけ?」

少なくとも九州ロボから東京へ出かけるまでは冷徹怜悧な印象のキャラだったが、ここにきてショタコンの一面を見せつけるなどのキャラ崩壊っぷりにメフィラスは戸惑っていた。

「彼女は僕と出会う前……大災害の前は、ショタコンじゃなかったらしい」
「というと?」
「ショタコンになったのは、彼女にとってかけがえのない部下や恋人同然の少年を大災害で失ったことが理由なんだ」

ココにはバルメやレームといった信頼のおける部下と、可愛がっていた少年兵のヨナがいた。
しかし、大災害によって皆行方知れずになってしまった。
最後の陸地である日本にはいなかったので生存は絶望的である。
特にヨナを失ったことは大きく、以来彼女はヨナがいなくなった穴を塞ぐように可愛い男児には目がないショタコンになってしまったそうだ。

「ココは大災害を憎んでいる。
殺し合いを開いた汚名を背負うことや自分の命を失うのも覚悟の上で、彼女は何が何でもプロジェクト・テラカオスの完遂を……大災害への復讐を果たそうとしているんだ」
「……よくわかりました」
「ココの気持ちは僕もよくわかる。
僕もパドメとシミ……妻と母親を失ってるからね」
「アナキン……」

アナキンもココとは事情が違うとはいえ、愛する妻と母を失っている。
ココにライトセーバーの使い方を教えたのも、大切な者を失った彼女に自分を重ねていたのかもしれない。

「メフィラス、僕らはさっきの説明でTCは死者の魂すら壊すと言ったな?」
「ええ」
「冥界には僕の妻と母親、息子のルークがいる。
そしてココの部下や少年兵がいる可能性もある。
もし、次の大災害が阻止できなかったら、冥界にある魂も全て消失する」
「!」
「それは単なる死より惨い。
僕はバーダックに息子の死は覚悟していたと言った、けど、魂や存在そのもの消滅は許容できない。
既に死んでいたパドメや母さんについても同様だ」

201終わる世界の真相 ついでにベイダー卿の消滅③:2016/09/19(月) 00:23:13 ID:FyAK8cH.0

アナキン達の戦いは今、生きている者の生存を守るためだけではなく、過去に死んだ者の魂を守るための戦いであった。

「ライトサイドに帰還したつもりはないし、ヒーローを気取るつもりはないが、これだけは君に言っておくよ。
僕らは生者死者合わせた世界の全てを守るために戦っているんだと」





しばらくして、アナキン達はモニタールームを出て格納庫へ向かう。
そこにはヒトマキナやMS、TIEファイターなどの機動兵器に混じって一機だけX状の特徴的な戦闘機が混じっていた。

「Xウィングか、まさか僕がこれに乗るとはね」

参加者に交じるために偽装用の首輪をつけたアナキンは感慨深く言う。
自分の所属していた帝国軍の敵対組織である同盟軍の主力戦闘機に自分が乗れるとは思っていなかったのだ。
アナキンとニャル子はこれで海を渡るようにココに言われた。

「ココさん、いや、ココ様。
これから潜入作戦に参加するでありますが、せめて怪我の治癒ぐらいさせてもらいませんかね?」

ニャル子はようやく石抱から解放されたが、拷問によって受けた傷で体はボロボロだった。

「馬鹿ね。
あんたはアナキンに戦闘で負けて捕まっている設定なんだから、無傷でいたら怪しまれるでしょう。却下よ却下」
「そんなぁ!」

ボロボロのニャル子に対するココの返答はかくも非情であった。


「ジャック、ココ、時間が惜しい。そろそろ出発するぞ。
メフィラスと飛影は二人を守れ。
ニャル子! 遊んでないでさっさと来るんだ」

アナキンはXウィングのコクピットに入る。なお、コクピットは一人乗りなのでニャル子はアナキンのディパックに入ってスペースを節約した。

「この伊豆大島基地は九州ロボが制圧された際の予備の基地に過ぎないし、兵力は一個大隊程度しかないわ。
安倍の実力も未知数だし、少々戦力としては心許ない。
だから、私達は本州で生き残っている特務機関員をできるだけかき集めてから九州ロボに攻め入るわ」
「もっともベクターとサーシェスは除外。
他の生き残っている特務機関員も、先の九州ロボ陥落を見て多くが招集に応じない可能性が高いが……できるだけやってみる」

ジャック達は少しでも戦力を増強するために、生き残っている特務機関員を可能な限りかき集めてから九州ロボ奪還作戦を開始するようだ。

「それからベイダー卿、これも持って行ってくれ」

ジャックはアナキンに一つのカプセルを手渡した。

「これは……風鳴翼の……?」
「四条化細胞入りカプセルだ。
何らかの事情で殺し合いが停滞して、テラカオスをつくりづらくなった時はそれを使ってくれ」

そのカプセルには体内に含んだ者を食人鬼に変え、本来ならテラカオス候補者にもなれない者を候補者に、しかもテラカオスにもっとも近い状態に作り出すことができる、このカオスロワで偶然の産まれた四条化細胞が詰まっている。
本来の予定では風鳴翼を倒した者にこれを飲ませて候補者にする予定だったが、九州ロボを奪われた現状ではそれはできない。
よって、ジャックは会場に直接出向くことになるアナキンに渡した方が有用だと思ったのだ。

「君のような良い男には生きてもらいたい。是非、生きて帰ってきてくれ」
「気色悪いぞジャック……なんだか尻が寒くなる。
だが、そっちも九州ロボを奪還して生き延びてくれよ」

そしてジャック、ココ、メフィラスに見送られ、Xウィングは格納庫から飛び立った。


(さて、どこへ行こうか?)

東京へ向かうアナキンはコクピットの中で考える。
予言の調査やユウキ=テルミを討伐するためにもまずは対主催組織に合流する必要がある。
候補はなのは組、都庁同盟軍、イチローチーム、狸組、聖帝軍。
拳王連合軍やホワイトベース組は遠く離れた関西にいるので候補から除外。

202終わる世界の真相 ついでにベイダー卿の消滅③:2016/09/19(月) 00:24:14 ID:FyAK8cH.0

なのは組はニャル子と交流のあるハス太がいるため、潜入はしやすそうだ。
しかし、危険集団である天魔王軍に追われている。
どうやら支給品で次の大災害が起こることは知っているようだが、大災害が起きる理由や予言のことは知らないようだ。

都庁同盟軍は多くの魔物達を始め、魔王に勇者、影薄組に歌組などの強者対主催
が結集している。
二回に渡るDMC狂信者の襲来で大きな打撃を受けたようだが、それでも強者揃いであることには変わりない。
予言の中にある巨像候補であるフォレスト・セルもあそこにはある。
しかし、第五回放送を迎える前に首輪を外してしまったので監視ができなくなってしまい、予言についてどこまで知ってるかも不透明だ。
さらに多くの参加者から危険集団だと誤解されているので、安易に入ると対主催同士の潰しあいに巻き込まれる危険がある。

イチローチームはもっとも早く、予言のことを知った対主催組織だ。
チームも拳王連合軍に負けないほど理不尽級の強さを持つものが多く、戦闘力の高いドラゴンズとも同盟を組んでいる。
しかし、彼らはテラカオス候補者と化したサーシェスに追われている。

狸組の天才であるブリーフ博士の知恵があれば、予言の謎を究明できるかもしれない。
ただし、彼のもたらした技術が都庁同盟軍の首輪を外してしまい、殺し合いの停滞に一役買ってしまっている。
いずれはナノマシンについても解析されカオスロワそのものができなくなる危険が有る。
今後を考えると接触より潰すことを念頭に入れた方が良い集団かもしれない。

聖帝軍。最初はパッとしなかったが、ここ最近でDMC狂信者の襲撃をほぼ無傷で撃退し巨大ロボまで手にれたターバンども。
何げにDMC狂信者以外の敵対勢力がなく、今のところ対主催同士の潰しあいもしていない集団。
……が、リーダーのサウザーから残念なオーラが出ており、今のところ順風満帆なのが逆に嫌な予感しかしない。
戦闘力はターバンを含めても高い方だが、理不尽級のユウキ=テルミまで相手にできるかは正直微妙である。

どこに接触するべきか悩むアナキン。
この世界に残された時間もない以上、コンタクトは慎重に選ばなくてはならない。
アナキンの目線の先の東京の街はすぐそこであった。



【プロジェクト・テラカオス簡単まとめ】
○大災害の原因はTCホールから放出されたエネルギー『TC』であり、二度目の大災害が迫っている(スパコン京によると、ロワ開始より四日目を迎える前に世界が滅ぶ)
○次の大災害を防ぐには完成したテラカオスにTCを吸収させるしかない。byジェダイの古文書
 なお、テラカオスと候補者とナノマシンは世界を救う目的達成後に消滅する
○時空間をTCに汚染されているので、この世界から逃げたり、タイムスリップしたりはできません
 ドラゴンボールもダメでした
○死者が生き返れないのもTCのせい?(ただし、悪魔将軍の狙っている『あやつ』の手によるものかもしれず、間違いの可能性もある)

○救済の予言は、テラカオスの制御もしくはパワーアップさせる手段ではないか、というのが五大幹部の結論

○10/.が放送で呼ばれなかったのは、ただのベイダー卿(アナキン)のミス。

203終わる世界の真相 ついでにベイダー卿の消滅③:2016/09/19(月) 00:24:41 ID:FyAK8cH.0
【二日目・11時30分/東京都・伊豆諸島基地】

【アナキン・スカイウォーカー@STAR WARS】
【状態】若返り、ジェダイ風衣装、首輪(偽装)
【装備】邪剣ソウルエッジ&聖剣ソウルキャリバー@ソウルキャリバーシリーズ
【道具】支給品一式、四条化細胞入りカプセル、Xウィング・ファイター@STAR WARS、ライトセーバー@STAR WARS
【思考】基本:世界を救うためにテラカオスを成長させ完成に導く計画を遂行する
0:どこかの対主催勢力と合流し予言の調査及びユウキ=テルミの討伐
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは消す
2:不足の事態に備えて予備のテラカオスを作り出すことも念頭に入れる
3:ユウキ=テルミを殺す前に、テラカオスや救済の予言について知っているなら吐かせる
4:いざという時は四条化カプセルで新たなテラカオスを作る
※タイムふろしきで若返ったのでピーク時の姿と力を取り戻しました


【ニャル子@這い寄れ!ニャル子さん】
【状態】ダメージ(中)、主催への恐れ
【装備】名状しがたいバールのようなもの、冒涜的な手榴弾
【道具】支給品一式、、シャンタッ君
【思考】
基本:世界滅亡を防ぎ、真尋さんとの生活を取り戻す
0:とにかく真尋さんだけは必ず守る
1:(下手な真似すると真尋さんがやばいので)アナキン達と共にユウキ=テルミ討伐兼予言の調査を手伝う
2:ハスター君達のグループに紛れたいけど……
3:いざとなれば救済の予言の完遂に協力する、主催なんぞ知ったこっちゃない(と思ってたのに!)
4:ココさん、真尋さんを返してください!!
※特務機関員で主催への忠誠心は限りなくゼロですが、ココへの恐怖と真尋をNTRされる恐怖は100%です
※ダークスパークをはじめ、盗んだ不明支給品×複数は全部ココに没収されました
※プロジェクト・テラカオスの全貌を知りました



【ジャック・O@ARMORED CORE LAST RAVEN】
【状態】リンクスに改造
【装備】フォックスアイ(ネクストに魔改造)@ARMORED CORE、拳銃
【道具】ヒトマキナ・MS・TIEファイター×100
【思考】基本:世界滅亡を阻止するためにテラカオスを成長させ完成に導く計画を遂行する
0:残りの特務機関員を招集し、九州ロボを安倍の手から取り戻す
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは抹殺する
2:四条化細胞に多大なる期待
3:九州ロボを奪還次第、宮崎にある遺跡を調べる


【ココ・ヘクマティアル@ヨルムンガンド】
【状態】健康、九州ロボのファクター、ショタコン
【装備】ライトセーバー@STAR WARS、拳銃
【道具】商品(兵器)、、ダークスパーク@ウルトラマンギン、スパークドールズ(ダークザギ)、スパークドールズ(八坂真尋)、モブ兵士×1000、主催倉庫から持ち出した無数の支給品、カプセルサイズのASO-3、力を失ったドラゴンボール
【思考】基本:ヨナ達を奪った大災害を防ぐべくテラカオスを成長させ完成に導く計画を遂行する
0:残りの特務機関員を集め、九州ロボを安倍の手から取り戻す
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは撃つ
2:不足の事態に備えて予備のテラカオスを作り出すことも念頭に入れる
3:織莉子、キリカ、ごめんなさい……
4:真尋キュンprpr(テラカオスを完成させるまではニャル子に返さない)
※スパークドールズ化した八坂真尋を戻すには、ダークスパークもしくはギンガスパークが必要です


【メフィラス星人@ウルトラマン】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品、ラッキョウ
【思考】
基本:アナキン達に従い、世界滅亡を防ぐ
0:ジャック達と共に安倍の手から九州ロボを取り返す
1:尊い地球人が死ぬのは不本意だが、全滅回避のために多少の犠牲は止むなしと考えている
2:アナキン達の計画で本当に世界を救えるのか見極める
3:救済の予言、果たして本当なのですかね?
4:なるべく暴力は使いたくない
※特務機関員です
※プロジェクト・テラカオスの全貌を知りました


【飛影@忍者戦士飛影】
【状態】正常
【装備】武装一式
【道具】なし
【思考】
基本:主催陣営の命令に従う
1:待機する
2:ランカ殺すべし、慈悲はない
※支給品なので首輪はありません
※合身すると何故か忍殺語になる時があります。
※裏切者を感知すると自動で攻撃するようプログラムされています

204Meeeeaaaat! Processing Plant(修正版):2018/03/08(木) 11:13:27 ID:5Bd468yc0
東京のどこか……というか八王子にてバドとカイザは襲いかかってきたディケイドカイザを難なく撃破した。

「馬鹿なああああああ!!」
「二つの王の力を持つ俺に勝てるわけがないだろ」
『紛い物が本家に勝てるわけないんだよなあ……』

バドの姿をよく見るとジュウオウバードのスーツの上から黄色と黒のパーカーベストを上から纏っていた。
戦闘中にゴーストドライバーと草加雅人眼魂を使ってジュウオウバードクサカゴーストに変身したのだ。
その結果、戦闘力が単純計算で二倍以上になり、カイザとシザリガーを押していく。
何よりカイザの癖を知っており、中の人の関係でザリガニの生体に詳しい草加のフォローによって敵の攻撃は尽く弾かれ、最後はゴルドスマッシュを喰らって爆発四散するのだった。

【仮面ライダーカイザ@仮面ライダーディケイド 死亡確認】



カイザを撃破したバドは惨劇の場所となったパーティー会場を見回す。
そこにさっきまで戦っていたシザリガーがいない。

『バド、さっきのザリガニはどこにいった?』
「俺たちに勝てないと思って逃げたんだろう」
『俺たちに歯向かった罰として今すぐ殺してやりたいところだが……』
「祝い手も皆殺しにされた以上、このパーティー会場にも用はない。すぐに追いかけるぞ」

自分たちに歯向かった罰としてすぐにでも追いかけようとするバド及び草加。
だがその時、たまたま足元に転がっていたリモコンのスイッチが入ってしまった。
TVがついて一瞬驚くバド。

「なんだ?」
『落ち着け、テレビの電源が入っただけだ、そんなことよりも早く敵を追いかけ……ん?』

画面をよく見るとついさっき殺された自分似のイケメンもといIT社長ウエムラの顔があった。
そして、画面の中のウエムラは筆談で語りだす。

『この映像を見ているということは私が死んだということらしい。
もしこの場に生存者がいるなら、是非聞いていって欲しい。
頭がおかしいと思われるかもしれないが、戯言やジョークなんかじゃない本当のことなんだ。



――大災害は自然災害で起きたものじゃない。
人為的なものなんだ。
何より私はあの大災害の原因になった事件の現場……そのすぐ近くに居合わせていたんだ』
『「なに?」』

映像の中のウエムラは大災害の起こりを知っていると語る。
その言葉にはバドも草加も聞き耳を立てざるおえなくなる。
バドとしては単なる自然災害だと思っていた大災害が人の手によるものだと言う話には興味があったし、草加としては自分の死と真理と離れ離れになった原因である大災害を起こした元凶には憤りを感じていた。

そして二人はウエムラのビデオレターを視聴することに決めた。
シザリガーは放置で良いのかって?
あんなのはいつでも殺せるので無視することにした。
これも乾巧って奴の仕業なんだ。

 ◆

205Meeeeaaaat! Processing Plant(修正版):2018/03/08(木) 11:14:10 ID:5Bd468yc0
 ◆

その日、IT社長である私はニルヴァーナという土地に足を運んでいた。
ここは簡単に言えばあらゆる分野の研究がなされている巨大な科学都市であり、ネットナビを生みだした祐一郎氏などの天才も生みだしたアカデミーもある。
最近ではサーフ氏麻雀の強さを戦闘力に変換する技術を生み出して女子高生への痴漢対策に大きく貢献したことが有名か。
ともかく私は営業のためにその土地へ向かったんだ。

事件が起きたのはその夜だった。
突如、ニルヴァーナが何者かの襲撃を受けた。
襲撃者は僅か数名だったらしいがかなりの力をもっているらしく、ニルヴァーナの防衛隊は壊滅的な損害を受けたらしい。
私も社員と共に避難しようとしたが途中で道に迷ってしまった……


そして、私は見たんだ。
大爆発音と共にニルヴァーナのある施設から膨大な光が天に向かって伸びていくのを……


更にその直後に、一人の超人がこちらに向かってズタズタになって飛んできた。
超人の名前はストロング・ザ・武道、彼こそニルヴァーナを襲撃した者の一味だったのだ。

だが、彼はこちらに危害を加えようとはしなかった。
ただ諦めたように「もう世界は終わりだ」と言っていた。


恐る恐る話を伺うと、ニルヴァーナの一部には人体実験など禁忌に触れるようなことを裏で行っていたのだという。

そしてこの世界のあらゆる者に影響を与えるエネルギー「蒼」、そのエネルギーの源泉を手に入れようとした悪しき者がいて、そいつを討伐するために最強クラスの超人や宇宙人が向かったらしい。
だが寸前で阻止に失敗し、蒼の源泉の暴走を招く事態に繋がってしまった……


ちなみに蒼や源泉については本来はひと握りの神とか、それに準ずる存在しか知り得ない情報らしい。
トップシークレット中のトップシークレットで本当に選ばれた存在しか知ってはならない代物。
にも関わらずに彼はただの人間である私に話してくれた。
……親切心からじゃない、むしろ彼は近々無量大数軍を率いて人類の味方である正義超人をも粛清しようとしていたと言っていた。
今までなら知ってしまった人間は良くて蒼の記憶の完全抹消、場合によっては殺害していたらしいが、全ての終わりが近いからこそ、蟻にも等しい存在に独り言のように声をかけているんだ。

蒼の暴走は宇宙の終焉。
源泉の暴走は本来は数十億年先の話、それだけの余裕があれば別の世界へ移住するなり対処する方法はいくらでもあった。
ところが何者かが強引に源泉を暴走させて、滅びを予定よりも早く手繰り寄せてしまった。
じゃあ我々はどうすればいいんだという問いかけに対し、ストロング・ザ・武道はこう答えた。


「こうなれば『聖別』しかあるまい。
聖別によって生まれた『争いの淀みから生まれた化身』テラカオスならば、事態を収集できる。
ただしこれは全ての者を救うことはできない上に極めて部の悪すぎる賭けだ。
しかも、テラカオスが持つ三千世界をも手に出来る真の性質を知ったが最後、生存のための戦いから欲望剥き出しのテラカオス争奪戦が始まる。
蒼による自然死を是とした古代グンマーのエゴと、生き延びるために蒼の力を我が物にしようとした古代ミヤザキのエゴが噛み合わずに互いを滅ぼしあったように、人間は決して分かり合えない。
そうなれば世界は蒼に飲み込まれて『滅日』を迎えるか、テラカオスに飲み込まれて滅ぶかの二つしかなくなる」と……

それだけ言うと武道は彼を追ってきた黒い悪魔とそいつの連れているサボテンみたいな化物――おそらく、この事件の元凶になった存在に向かっていった。

ストロング・ザ・武道は確かに強かった。
だが悪魔と怪物は武道に対して何らかの対策を取っていたようで、武道のプロレス技の大半が無効化され、ニルヴァーナの科学の力で生みだしたと言っていたカピラリア七光線(昔見た、キン肉マンも参加した王位継承サバイバル・マッチでプリズマンが使ってた覚えがある)を発射する装置でダメージを与えていった。
それでも武道は光線から逃げずに施設に特攻し、自分の命と引き換えに例の光を放っていた施設を破壊した。

この直後、世界で大災害が発生した。
悪魔と怪物はニルヴァーナごと地割れに飲み込まれるのを見たが、私は命からがら生き残り救助された。
武道が施設を破壊しなければ甚大な被害を出した大災害がもっとひどいものになり、私を含むもっと多くの死者を出していただろう。


更に人口削減という名目でだが、世界で最後に残った日本で殺し合いが発生した。
そこで私は荒唐無稽な話だと思っていた武道の話が真実みを帯び、大災害とは「蒼」が世界に降り注いで起こった災害であり、聖別とは世界を救えるらしいテラカオスを生み出すための殺し合いであると理解した……

 ◆

206Meeeeaaaat! Processing Plant(修正版):2018/03/08(木) 11:14:48 ID:5Bd468yc0

「俄かには信じがたいが……」
『たしかテルミの奴が蒼だのなんだの言ってた気がする。奴は大災害について知っている風だった』
「嘘ではないかもしれない……ということか」
『……もし本当なら大災害の元凶になった奴をこの手で殺して起きたかったな』

眼魂になってユウキ=テルミに奪われている間に草加はテルミが蒼=TCのことを口走っていたのを思い出した。
その時は何を言ってるのかさっぱりだったが、ウエムラの話により漸く世界を大災害を引き起こした原因であることを知った。
なお、元凶を倒したいという草加の言葉は義憤によるものではなく、単に真理との生活を奪われた恨みである。

『そうと決まれば真理のためにも蒼を止めて……ん? まだ続きがあるのか?』

情報を得て立ち去ろうとした草加とバドであったが、ビデオにはまだ続きがあった。

 ◆

――とはいえ、人命が奪われる殺し合いを認められなかった私は日本全国に蒼の源泉の暴走やニルヴァーナで起きたことなどを発信した。
知恵と人員を集めれば殺し合いに頼らない解決策もあるのではと思ったからだ。
そしてこの世に残った最後の掲示板、カオスロワちゃんねるに事の真相を書き込んだ……



ところが、検閲によって書き込みはできず、それどころかパソコンが爆発したり、居場所を特定されてマーダーなどに命を狙われる事態になった。
これは殺し合い……聖別を邪魔されたくない主催の差金であると私は考えた。
それでも殺し合いを止めたかった私は殺し合いの乗った奴らから逃げつつIT社長としての知恵を使い、決死の覚悟と沢山の犠牲を払ってカオスロワちゃんねるにハッキングした。
あわよくば掲示板の管理権を奪い、それができなくとも30秒でも私のレスが誰かの目に止まれば殺し合いを止めるきっかけができるかもしれない。



そして知ってしまった。
違ったんだ。

カオスロワちゃんねるの管理人権を主催が握っているのは表向きだけ。
実際に削除や検閲、そしてハッキングによる端末破壊・居場所特定を行っていたのは別にいたのだ。
そもそも蒼の件を隠したいのならばパソコン爆破ではなく首輪爆破で私を殺害した方が手っ取り早い。

このことから推測するとカオスロワちゃんねる管理人は私の首輪の爆破ができない=野田総理ら主催陣営じゃない、繋がりを持っていない。
そして蒼やニルヴァーナの件など知られたくない不都合な情報の発信者をあの手この手で攻撃している=主催にも知られたくない事情があるのではないかと思う。

結局、向こうの技術の方が上手で管理権を奪うことも真実を一レス書き込むすらできなかったが、わかったこともある。



カオスロワちゃんねるは管理人にとって都合が良くなるように操作されている。



ニルヴァーナや蒼の件だけじゃない、これまで特定の参加者へのバッシングが助長されていたり、殺し合いを止める決定的な何かを書いたレスもとい参加者は攻撃または削除された可能性がある。


私の予感が正しければこんなことをするのはニルヴァーナにいた大災害の元凶になった悪魔ぐらいにしか考えられない。
カオスロワちゃんねるはこの世に残った最後の情報掲示板だが、すぐにでも使用を中止して欲しい!
真実はあの掲示板によって歪められ……

 ◆

ウエムラによるビデオレターが終わりかけた瞬間、巨大な丸サボテンに手足が生えたような怪物が壁をぶち割って現れ、テレビを木っ端微塵に叩き潰した。

「インドラ〜」
「なんだこいつは!?」
『さっきのザリガニが……!』

インドラと鳴く悪魔、メーガナーダの口には先ほど草加たちと戦ったシザリガーの死体が殻ごとバリバリと喰われていた。
おそらく、逃げ出した先でこのメーガナーダに捕まって殺され、喰われたのだろう。

【シザリガー@ポケットモンスターシリーズ 死亡確認】

207Meeeeaaaat! Processing Plant(修正版):2018/03/08(木) 11:15:20 ID:5Bd468yc0

そしてシザリガーを咀嚼して飲み込んだメーガナーダの食欲は留まることなく、バドことジュウオウバード・クサカゴーストにも向けられていた。

『いささか登場のタイミングが良すぎないか?』
「おそらくウエムラが警告していたカオスロワちゃんねる管理人の差金だろう!
サボテンのような怪物を見たとか言っていたしな」
『なんにせよ俺たちに歯向かった奴は誰であれ消えてもらう』

敵意を向けてくるメーガナーダに草加とバドはそれ以上の敵意を向けて先制攻撃を浴びせる。

『レディ エクシードチャージ!』 CV:m.c.A・T

デカすぎる図体に狭いパーティー会場では避けることもできずメーガナーダにゴルドスマッシュが直撃した。

『「なんだと……!?」』

ところが現れるハズの黄色いX(サイ)の文字は出ることなく、代わりにBLOCKの文字が敵の頭上に現れた。
メーガナーダはバットステータス無効であり有毒なフォトンブラッドが効かず、殻を閉めている時は物理攻撃も無効。
これを初見で見抜けなかった敵に決定的な隙を生み出す。
必殺技を放って硬直した瞬間をメーガナーダは見逃さず、ボクサーの如きパンチのラッシュをバドに浴びせる。
クリティカルヒットだ。

「ぐはあ!!」
『しっかりしろバド!! おまえが死んだら俺まで……』
「インドラ」

さらにメーガナーダは追撃として混乱効果を与える光線テンタラフーをバドに浴びせ、混乱状態に。

『おい、早く逃げろ! やられてしまうぞ!!』
「俺は王の……そぉ〜れそれ〜」
『この役立たずが!』

混乱状態に陥り、攻撃も逃走もできずに金をバラまくバドに悪態をつく草加。
そうこうしている内にメーガナーダは必殺技の準備シークエンスと思われる動作・黒きバクティを発動。
メーガナーダの体に力が集まる!
対するバドはまだ混乱中だ。

『クソッ、こんなのところで……これも全部乾巧のせいなんだーーーッ!』

完全な八つ当たりに乾巧を責める草加。
もうどうにもならない事態に草加は頭が真っ白になる感覚を覚えた。


そして、メーガナーダの胴体を守っていた殻が開き中から五つの黒いワラスボのような口が飛び出してバドとゴーストドライバーを噛み砕いた。
メーガナーダの必殺技の一つ、防御不能な物理万能スキル――ヴィラージュの剣だ。


『ぐああああああーーー……ッ!!!』

パキメキ グシャ(バドと眼魂が折れる音)


こうしてジュウオウバード・クサカゴーストは大量のザリガニとケーキとゴーストドライバーごと喰われてメーガナーダのアートマポイント(栄養)と化した。

【バド@動物戦隊ジュウオウジャー 死亡確認】



ウエムラから大災害の起こりになったニルヴァーナの真実を知ったバドがメーガナーダによって葬られた後に、少女の声が響く。
彼女は姿を消せる石ころ帽子を装備していることで姿を消していた。

208Meeeeaaaat! Processing Plant(修正版):2018/03/08(木) 11:17:09 ID:5Bd468yc0

「よくやったわメーガナーダ、戻って」
「インドラ〜」

少女が持っていたモンスターボールによってメーガナーダが回収された。
メーガナーダは彼女の持ちポケであり、支給品だったのだ。
彼女の姿を解説すると巫女装束風の色合いの弓道着を身に着け、背中には艦橋と煙突の付いた赤い矢筒を背負い、胸には黒の胸当てを付け、脚には主機と対空機銃の付いたブーツを履き、飛行甲板を肩に付けている。
……拳王連合軍の艦むすの翔鶴じゃないかと思った人もいるかもしれないが、彼女は現在横浜におり、ここにいる少女は黒髪ツインテールなので違う。
石ころ帽子を被っているので参加者には見えないが。

黒髪の艦むすは周囲を一頻り索敵した後に、通話を他人に傍受されない違法改造されたスマホで誰かに連絡を取る。

「提督さん、ニルヴァーナからの最後の生存者であるウエムラの死亡を確認したわよ。
ウエムラを殺すために差し向けたマーダーも殺害、関係者一同も抹殺できたわ」
『ご苦労、主催の連中に知られないように僕が作った妨害電波発生装置はちゃんと使ったか?』
「バッチリよ、提督さんが運営している掲示板の真実を知った者は誰もいないわ」
『……よし瑞鶴、念のため施設に火を放て』
「了解、全機爆装! 準備でき次第発艦! 目標、カイザパーティー会場!」

瑞鶴と言われた黒髪の艦むすは指示通りに矢から変化させた爆撃機で施設を焼き払った。
ただの火事ならば激戦区東京ではありきたりな光景なので誰も気に止めず、石ころ帽子の力で見えなくなっている瑞鶴は誰にも気づかれぬまま、施設を離れていった。
そして嬉しそうな顔でメールをする。

ズイズイ>提督さん、都庁の地下で質の良いお肉を手に入れました。
     ちょっと死毒が滴ってますけど提督さんなら食べられますよね?

瑞鶴のディパックには毒殺されたベジータの遺体が入っていた。
小町たちが立ち去った隙に都庁の地下に忍び込んで、アイスシザーズに気づかれる前に回収したのだ。

 ■

ビッグサイトの格納庫……未だに完成していないネオジオングスーツの調整を行っているディーの支給品であるサーフに一通のメールが届いた。
サーフは仕事の片手間にメールを読んで返信する。

提督>サイヤ人の肉か、毒はあっても状態異常を無力化するBSデストロイアを習得している僕なら食べられるね。
   これでヴァルナである僕やメーガナーダは格段に強くなれる。
   でかしたよ瑞鶴。さすが僕が作り上げた艦むすだけはある。
   さっき死んだタバサよりはずっと使えるね。
ズイズイ>提督さんとケッコンしてますからね、これくらい頑張っちゃいますよ

よく見るとサーフの薬指には結婚指輪がはまっており、瑞鶴の指にも同じものが嵌っている。

提督>それじゃあ、そろそろ合流しよう。場所はビックサイト。
   今はわけあってそこにある格納庫から離れられないけど作業が終わり次第、君とメーガナーダの強化、そしてサイヤ人の肉でディナーと洒落こもう。
   あ、今から教えるルートは通るなよ? セルベリアとかいう年増女が侵入防止の罠を張り巡らせている。
   それからビッグサイトの周囲に妹キャラを洗脳しまくる危険人物がいるらしいから絶対に接触するな。
ズイズイ>はい!
提督>全ては古代ミヤザキの末裔である僕が全てを手に入れるために。
ズイズイ>その横には私もいますよね?
提督>もちろんさ。さあ、これから忙しくなるぞ。

通話とメール上で提督と呼ばれたサーフという男は、他の狂信者に気づかれないようにニヤリと笑った。
そう、この男こそTCホール(蒼の源泉)を暴走させ、過剰なTC(蒼)を三千世界にバラ撒いて日本以外を滅ぼした大災害を引き起こした元凶、『カオスロワちゃんねる管理人』なのだ。

彼は古代ミヤザキ人の血を引いており、ルーツを辿ることで殺し合いが始まるずっと前からこの世界に影響を与えてきた神に等しい存在・TCホールを知り、その力を手に入れるべくTCの研究をニルヴァーナでやっていたのだ。

ちなみに研究の副産物として麻雀の強さを戦闘力に変えられる「雀力」が産まれた。
本来は彼自身が作るわけではない「悪魔化ウィルス」を作り出し、自身を他者を喰らって強くなる悪魔ヴァルナへの変身能力を手に入れ、メーガナーダを生みだした。
さらにはスキルを拡張する手段である「マントラ」も独自に生み出している。

209Meeeeaaaat! Processing Plant(修正版):2018/03/08(木) 11:17:44 ID:5Bd468yc0

もちろんその過程でテラカオスだけがTCを吸収できることも知った。
TCホールを手に入れるにはテラカオスが必須なのだ。
だが、このままではどこかでテラカオスが完成し二度目の大災害を防いだ瞬間に自殺プログラムで消滅してしまう。
……ところが、参加者の中ではこの男にしか持ち得ない秘策があった。

(主催者どもは知らないだろうが、ジェダイと共同でテラカオス化ナノマシンを作ったのは古代ミヤザキ人である僕の先祖だ。
自殺プログラムの解除方法はもちろん、テラカオスの制御するプログラムすら作り上げている。
主催者や参加者がどう頑張ろうと全部僕のものになる仕組みなのさ)

そう、ナノマシンを作った存在が先祖にいたためにサーフはテラカオスの生死すら操る手段を手にしていた。
TCホールから漏れた莫大なTCを吸えばテラカオスは誰にも追いつけないパワーを手に入れるが、それをナノマシンを通じてそのテラカオスを支配できれば、この世の全てを知ったも同然である。

彼の持ち主であるディーも気づいていないサーフの白衣の裏には四次元ポケットがあり、そこにはカオスロワちゃんねるのサーバーがある。
表向きのカオスロワちゃんねる及びネットの管理権は主催陣営だが、裏で牛耳っているのはこのサーフである。
拳王連合軍と接触し彼らを対主催だと知ったダイジョーブ博士の暗殺やはやての携帯を爆破してTCの情報を破壊したのも、どこぞのモブではなく自動的に端末を爆破するようにプログラムされていたからなのだ。
大災害の真実にたどり着きそうな情報は主催が検閲するまでもなくサーバーの判定でシャットアウトされ、天魔王軍や狂信者などの工作は余計に助長されるようにカオスロワちゃんねるは作られていたのだ。
電脳世界に入り浸り自ら動かず真実を探そうとしない連中ほど騙されてしまう。
そうやってこの男は殺し合いを自分に有利に進めてきた。

殺し合いが始まる前にデータを改竄して自分自身を参加者から支給品にあえて繰り下げすることで主催にも今のところは野望を気づかれていない。
このことにシメシメと笑うサーフ。

(僕は蒼の力を手に入れる……みんな道具だ)

 ■

親兼夫である者の嬉しそうな顔が見たくて瑞鶴はルンルン気分でこの地区……八王子市を後にした。



【二日目・15時00分00秒/東京・八王子市】

【瑞鶴@艦隊これくしょん】
【状態】健康
【装備】彩雲、紫電改二、流星改、 零式艦戦62型、石ころ帽子、違法改造スマホ、妨害電波発生装置、結婚指輪
【道具】モンスターボール(メーガナーダ@アバタールチューナー2入り)、ベジータの遺体
【思考】
基本:提督さん(サーフ)に従う
0:ビッグサイトへ向かい、提督と合流する
1:提督の目的の邪魔をする奴は容赦なく殺す
2:提督とのディナー楽しみだな〜
※サーフが生みだした艦むすです
※サーフとケッコンカッコカリ済みです


【二日目・15時00分00秒/東京・ビッグサイト】

【サーフ・シェフィールド@アバタールチューナー2】
【状態】健康、瑞鶴の提督、支給品扱いで首輪なし
【装備】違法改造スマホ、四次元ポケット@ドラえもん(ディパック代わり)
【道具】カオスロワちゃんねるのサーバー、カピラリア七光線銃
【思考】
基本:TCホールの力を手に入れる
0:今は狂信者のフリをしてディーに従う
1:瑞鶴と合流したらサイヤ人の肉を食う
2:真実を知った者は消す、そして殺し合いを加速させるものを助長させる7
3:年増女(セルベリア)は特に警戒
※カオスロワちゃんねるの管理人です
※古代ミヤザキの末裔であり、TCやTCホール・テラカオスについて知っています
 テラカオス化ナノマシンの制御を乗っ取ることも可能。
※TCホールを暴走させて大災害を引き起こした元凶です
※悪魔化ウィルスによりリアルヴァルナへと変身可能。
 イベントバトルでやられる原作と違い、いくつかのスキルを手にしている模様、(少なくとも状態異常攻撃を無効化するBSデスロイアは所持)、その他のスキルは次の書き手氏にお任せします

 ■

210Meeeeaaaat! Processing Plant(修正版):2018/03/08(木) 11:18:15 ID:5Bd468yc0

瑞鶴とメーガナーダが立ち去った後、施設は豪炎によって崩れ去った……


だがその瓦礫の中で蠢くものがあった。
しかし一体誰が?
施設の中の生存者は間違いなくゼロだったはずだ。
瑞鶴も入念な索敵で生き残りがいないことは確認済みだ。
では一体何がいるというのか?

瓦礫の下から現れた、バトルモードに変形した鋼鉄の怪物、サイドバッシャーであった。
だがバドも死んでいる以上サイドバッシャーの操り手はいないハズだ。
じゃあ誰が動かしているのか?

「やれやれ、ひどい目にあった……これも全部乾巧のせいだ」

サイドバッシャーから放たれたその機械音声は草加雅人その人であった。

「よくわからないが、俺にはいつの間にか機械とか無機物に憑依する力が備わっていたらしいな」

実は草加もまた、主催のバラ撒いたナノマシンによってテラカオス因子に目覚めており、テラカオス候補者となっていたのだ。
そもそもサイボーク化以外では生き返れない今期において原作(というかムービー大戦)さながら呪縛霊とはいえ、現世に長々と留まれるのはおかしい。
生き返れる代わりに死にまくる野比玉子症候群にも感染していない。
となると、テラカオス化が発症していると考えるのが妥当だろう。
二度目の死になるかもしれない瞬間に因子が覚醒して、無機物に憑依できる能力が開花したのだ。

「しかし、魂の力が大きく削られた気がする……多様はできそうにないな」

代償として生き返れるタイムリミットはそのままであり、能力を使用すれば寿命の大部分を喪失する。
残りは55日と半日……とてもじゃないが多様はできない。
最悪次こそは死んで死者スレ送りになる可能性がある。

「それにしてもあの女の声……話しぶりからしてカオスロワちゃんねるの管理人と話していたようだな。
カオスロワちゃんねるには裏がある……少なくともそこは嘘じゃないようだ」

自分が眼魂からサイドバッシャーに取り憑き先を変えたことに瑞鶴が気づいていないことを良い事に、草加は通話を聞いていた。
大災害の元凶と原因を知っているウエムラを殺そうとしたことや、妨害電波や違法改造のスマホでわざわざ主催に知られないようにしている辺り、主催とは違う陰謀が働いているのは確かなようだ。
カオスロワちゃんねる管理人……男であることまでしかわからなかったが、自分や真理や草加市を脅かす危険な人物には違いあるまい。

「必ず見つけ出して殺してやる!」

怒りに燃える草加バッシャー。
とはいえ、サイドバッシャーの戦闘力ではメーガナーダにはまず勝てないだろうし、そもそも瑞鶴は石ころ帽子を被っていたので姿はもちろん、どこへ行ったのかはわからない。
ここは強力な武器や利用できる仲間を集めるべきだろう。
メーガナーダに負けない戦闘力を有した武器や、肉壁になってくれそうな仲間を。

「とりあえずこっちへ向かってみるか」

ディパックから無事だったカイザギアを回収し、草加は一先ず仲間になってくれそうな者たちがいそうな場所を目指す。
ニルヴァーナの件などを話せば、安い正義感から仲間になってくれる奴もいるだろう。
そう思って草加バッシャーはバイクに変形し、八王子から走り出した。

カイザの日はまだ終わっていない……草加の勇気がカオスロワちゃんなる管理人の綻びになると信じて……


【二日目・15時09分13秒/東京・八王子市】

【草加雅人@仮面ライダー555】
【状態】サイドバッシャーに憑依、テラカオス化進行(小)
【装備】サイドバッシャー@仮面ライダー555
【道具】カイザギア@仮面ライダー555
【思考】
基本:生き返る方法を探す・カオスロワちゃんねる管理人を殺す
0:メーガナーダを倒せるだけの武器や仲間を探す
1:とりあえず、乾巧の仕業にする(カオスロワちゃんねる管理人以外)
2:今年のカイザの日も祝いたい
3:仲間にする奴には大災害の原因や蒼(TC)の件を教えておく
※大災害発生の原因とカオスロワちゃんねるの危険性を知りました
※テラカオス化によって得られた能力として無機物への憑依能力を得ました
※生き返れるタイムリミットは(作中時間で)残り55.5日です。
 再憑依のペナルティとして、一回につき蘇生タイムリミットが9.13〜55.5日まで減少します。
※テラカオス因子によって魂を現世に繋いでいるため、フォレスト・セルの治療を受けると問答無用で死にます
※カイザの日はテラカオス因子とは関係ありません



※ロワ開始前に死亡確認
【ストロング・ザ・武道@キン肉マン】

211 ◆8t1yIW/rRU:2018/03/14(水) 11:41:01 ID:xg574Bzs0
なんとか間に合った……予約にあったカルナ・シャドウであった者をこちらに仮投下します

212真相レ〇プ!黙示録と化したバトロワ! ◆8t1yIW/rRU:2018/03/14(水) 11:42:36 ID:xg574Bzs0
久しぶりだなみんな。
フェードアウトしようとしたら貧乳歌姫と鉢合わせになって奮闘したけどズガンされたニート、シグナムだよ。
死んで死者スレに辿りついた私だが、今すんごいピンチだよ。

死者スレに辿りついて早々、死亡した参加者の方々に捕まって、なぜか冷たい目線を投げかけられた後に牢屋にぶち込まれてしまった。
おかしーなー?
確かに黒幕10/をぶった切って活躍したのにこの仕打ちは何?
まあメタ視点から見ると他の参加者及び書き手が用意してたところを、玄関開けていきなりラスボスを倒したんだから顰蹙も買うよなー。
でも読者ならわかるんだが、なんで参加者に恨まれる?
主催とか狂信者とかマーダーとかホワイトベースの連中はまだしも、なんで普通の対主催まで?

そんなこんなで意味がわからないよ状態の私だったが、ぶっちゃけそっちはピンチでも何でもない。
特に魂が砕け散るまで処刑とかそんなのはされてない。
むしろ刑罰というより隔離されてたって感じだ。
だからこそ誰もなんで私が牢屋にぶち込まれたのか聞きようがなかったんだが。


本当のピンチはその後に来た。

なんかヤバイ影の塊みたいなのが死者スレ中に拡散して死者を食っているのだという。
そしてその影の塊が私が閉じ込められていた牢屋を破壊し、私を食おうとしている……

これはまずい。
念とか使わなくてもアレがヤバイことはわかる。
私は逃げようとするが、閉所に追い込まれてどうにもならない。
貧乳歌姫の時に使った謎パワーで影の能力を奪ってしまえばいいじゃんて?
あのスキル殺し技、なぜか使えなくなっているんだなコレが。

詰んだ、マジ詰んだわコレ。

そこへ間一髪、見慣れたガチムチマスクマンが牢屋の壁を破壊して私を救い出してくれた。

「おまえは拳王連合軍のニート!」
「悪魔将軍!? 頭に蛍光灯みたいなのついてるって事はアンタも死んだのか……!」
「まさか私が門番如きに遅れを取るとは……そんなことより早くここを出るぞ!」

そうして私は九死一生を得た。
いや、もう死んでるけど。

悪魔将軍と共に牢を出た私だが、死者の世界は阿鼻叫喚の地獄絵図だった。
無数に伸びた影の塊が、死者を食っているのだ。
対主催もマーダーも狂信者も力の限り抵抗しているが、弱いものほど喰われてしまう。

「アレに喰われるとどうなるんだ?」
「わからん……私も窒(死者スレ)にきたばかりで情報らしい情報をもらっていない。
ただ、あの影からはこの世の根源である蒼の力を感じる……わかりやすく言えば小さな大災害とも言うべき存在だ。
あの影は死者を食うたびに力を増している。
喰われればただではすまんのは明らかだ、捕まるなよ」
「くう……先に死んだ連中は大丈夫かなコレ」

地獄より地獄のような光景だ。
もののけ姫の暴走したデイダラボッチのドロドロしたあれみたいなのに死者が追いかけられていると思えば絵面が思い浮かぶかもしれない。
私も悪魔将軍も影に対して攻撃を加えるが、怯むだけであんまり効いてないようだ。

「これもあやつの仕業なのか……? しかし……!」
「黒幕だったら私が死ぬ前に倒したぞ? 10/って奴だろ?」



「10/? 誰だそれは?」
「え?」
「え」

黒幕を倒したという私の話にマスク越しにキョトンとなる悪魔将軍。

「私がこの殺し合いの黒幕だと思ったのは『超人閻魔』!
超人墓場と死者スレを司り、超人を粛清しようとした完璧超人の長だ!」
「でも10/は自分を黒幕って……」
「影武者だったんじゃないか? おまえを引き返すように仕向けるためのな」
「えー?」

ここにきて10/影武者説。
まんまと騙された(?)私はショックを受けざるおえない。

「いや、だが……超人閻魔が黒幕だとしても、奴が自分自身のホームグラウンドをめちゃくちゃにしていくのもおかしな話だ。
奴のことだから、殺し合いを利用して争いの淀みから生まれた化身テラカオスを利用して世界を自分が望む完璧な世界に作り上げようとしていたと思っていたのだが……生者はまだしも、死者まで消滅に追い込もうとするメリットが正直わからん。
これでは輪廻転生の概念もなくなり、死者の魂が消える度にテラカオスも戦闘力を失うのだからデメリットしかない。
あやつの配下である完璧超人も見当たらぬし、どうなっておるのだ?
それとも、あの影にはあやつの意志が介在していないのか?」

213真相レ〇プ!黙示録と化したバトロワ! ◆8t1yIW/rRU:2018/03/14(水) 11:44:54 ID:xg574Bzs0

悪魔将軍もこの事態にはだいぶ混乱しているようだ。
10/も超人閻魔も黒幕じゃないとしたら、この影はなんなのだろう……?
そこへ私は遠くで見慣れたM字ハゲを発見した。

「あ、ベジータだ」
「ベジータ……超人血盟軍にそんな小男がいたか。ん?」

M字ハゲはよく見るとトボトボと力なく影の方に向かっていく。
あと口々に何やらブツブツと呟いている。

「ロワでのヘタれぶりとアタルたちを裏切ったのがバレてブルマに離婚届を提出された……
リア充生活も快適なニート暮らしも、もうおしまいだぁ……金髪はおろか巨乳まで怖くなったし」


「この馬鹿者がぁ〜〜〜! 地獄の断頭台!!」
「げふう!!」
「腐ってもスーパーサイヤ人なのに貴様まで喰われたら大半の死者が影相手に手をつけられなくなるだろうが!!」

何やら不幸な目にあったらしく影に喰われる形で自殺しようとしたニート王子の首に悪魔将軍の地獄の断頭台がクリティカルヒットして気絶させる。
アシュラマンの首コキャ→アタル兄さんのフェイスフラッシュ回復によるお手軽戦闘力上昇コンボが無ければ気絶どころか魂まで消失していたところだ。
なんで死んでいたかは知らんが、せめて体だけじゃなくて精神も鍛えていればこんな悲惨な目にあうこともなかったろうに。
同じニート仲間として南無。

「……もうわけがわからん、黒幕であるなしに関わらず超人閻魔はどこへ行った?!
死者の世界を司っているのだからいないハズがない」
「まさにカオスな状況だな」
「笑えんぞ」

私と悪魔将軍、ついでにハゲニートは意味もわからないまま影から逃げつつ死者スレを彷徨うのか……と思われたその時、私たちの前に黄金の鎧を纏ったサーヴァントが現れた。あ、我様じゃないよ。

「その罪人の魂は使えそうだな」
「……ッ! 貴様はあの時の番人!」
「カルナじゃん、魔力切れが無ければハクメン以上にヤバイ奴だよ」

カルナに殺されたらしい悪魔将軍は冷や汗をダラダラと出しながら番人相手に警戒する。
正直、悪魔将軍で勝てないなら私でも勝てる相手ではない。

「その前髪の薄い罪人の魂を渡してもらおうか」
「黒幕の手先である貴様に誰がスーパーサイヤ人の魂などやるものか!」

例え、力が強くても黒幕の手先であろうカルナにベジータを渡さないように抵抗の構えを取る悪魔将軍。
一触即発の雰囲気だったが、割り込むようにアタル兄さんが現れる。

「待つんだ悪魔将軍様!
死者を守るためにもカルナの指示に従ってそのハゲの魂を差し出すんだ!」
「キン肉マンソルジャー!? なんのつもりだ!!」
「カルナは……というより超人閻魔や10/は黒幕とは関係ない!
少なくともこの殺し合いや大災害に関しては我々や参加者の味方だったんだ!!」
「「なに!?」」

敵だと思っていた奴らが味方というのはどういうことか?
冷静で的確な判断能力を持つアタル兄さんが嘘をついたり、騙されたりすることは考えにくいので悪魔将軍も私も面喰らった。

「二人に真実を話す前にやるべきことがある……カルナ! 罪人たちを捕まえてきたぞ」
「礼を言う」

アタル兄さんの後ろにはフルボッコにされた上で縛られた死者(いずれも生前に大罪を犯した者)が転がっていた。

「わ、私は傀儡の主催でベイダーたちに騙されていただけなんです! お慈悲を!」
「話し合おうじゃないか、新しい血族とか名乗って本当に悪かったと思っている……だから!」
「私もここにいるハザマに騙されていただけなのです!!」
「アヘェ」
「これは横暴だ。捕食本能ぐらいどの生物だって持っているだろ!」
『聖帝軍を裏切ったのは魔が差しただけなんだ、反省しているから許して』

214真相レ〇プ!黙示録と化したバトロワ! ◆8t1yIW/rRU:2018/03/14(水) 11:46:13 ID:xg574Bzs0

罪人というからには皆、殺し合いで何らかの罪を犯したのだろう……カルナ相手に弁解して罰を逃れようとしていた(約1名を除いて)。
しかしカルナは罪人たちの弁解に聞く耳を持たない。本質を見通す能力があるので持つ必要がないのだ。

「俺の耳に嘘は無駄だ。
悦楽のための拷問やシェルターにいた者を毒ガスで面白半分に皆殺しにしたことはベイダーらの介入によるものではないことや、テラカオスを利用して世界を征服しようとしたこと、奴隷たちへの暴虐、世界を滅びへ導く行為、殺し合いが終わった後への人類の粛清、自分だけが助かりたいがための仲間への裏切り……そして向けられた友情と恩を仇で返した。
それに伴う殺戮は弁解の余地もない。
消滅して死者の世界を守るための礎になれ」
「い、嫌だあああああああああ!」
「ねーホントむりむりむりむり!!」
「あぁ〜オ〇〇コがこわれるわ」

カルナは槍を振り抜き、ベジータたち罪人たちの心臓をひと突きして絶命させた。
死者の世界で死ぬということは、魂の消失を意味する。
もう彼らはザオリクでもサマリカームでもドラゴンボールでも蘇ることはできない。
一方、彼らの魂を殺したカルナ自身もすまなそうに消えていく死者たちを見て言った。

「すまない……本当はいかなる罪人でも正しい審判者によって罪を洗い流して来世で転生を図るようにすることが死者の世界では正しいことなんだが、今は事情が事情。
現状では酌量の余地のない罪人までは守りきれない……許せ」

そして純粋なエネルギーに還元されていく罪人たちの魂をカルナは吸っていく。
絵面が少し違うが魂喰いという奴だ。
本来はマスターがサーヴァントの魔力が補えない場合に他者を殺して魔力を奪う聖杯戦争でも禁じ手とされる外道行為だが、カルナほどの超バ火力超燃費悪のサーヴァントはアホみたいな魔力の持ち主でないと賄えない。
ましてマスター不在ならば尚更、維持だけにも多大な魔力が必要であった。
そのために膨大な魔力を消滅させた魂から吸収していた。

「流石に蒼の資格者とスーパーサイヤ人の魔力は大きい……これなら全力全開で撃てるな。
死者たちよ、劫火に焼かれて消滅したくなくば俺の前に出るな!」

多大な魔力を吸収した後にカルナは死者たちが正面からいなくなったことを確認して宝具を開放する。

「梵天よ、我を呪え(ブラフマーストラ・クンダーラ)」

光槍を影の頭上遥か高くに投擲し、時間差で無数の劫火を降り注いだ。
その威力は死者スレが全土が揺れるレベルであり、核兵器数十発分に相当するように見えた。
そんなことしたら死者スレが壊れるだろって?
そこは深く考えちゃいけない。
てゆーか、実質もう壊れている。

「おお……」
「やったぞ!」

爆炎が晴れると、影は死者スレから一つ残らず消え去った……かに見えた。

「いや、まだだ」

カルナがそう言うと、消えたと思われた影は再び現れて死者スレへの侵食を再開する。

「神性すら大きく凌ぐ莫大な蒼の力……太陽神の血を引く俺でも後退させる程度が限界か」

カルナの力をもってしても振り出しに戻っただけであった。
影が消え去ったと一度は見て糠喜びために死者たちの失望も大きかった。

(やはり、沖縄に現れたアレをテラカオスが討つ以外に影も消しさる方法はないか……
蒼に耐性のない俺ではまず奴には勝てんし、ここから一瞬でも退けば死者スレをアレに奪われる。
俺は死者スレから動くことができない……生き残った参加者を信じるしかない)

自分の力をもってしても莫大な力を持つTCの塊には勝てないと悟るカルナ。
だからと言って戦いは放棄する気はないようだ。

(……だが、大きくひるませることはできた。本体はともかく、影には攻撃は効くようだ。
おそらく奴も死者の魂が欲しいのだから全てを殺せる蒼をバラまく真似をしたくないからだろう。
蒼をばら蒔けば手に入れたい死者の魂は消失してしまうし、ただでさえ死者スレは広いのだからそんなことをすれば向こうもエネルギーを過剰消費して消えてしまう。
……勝てずとも時間稼ぎはできる)

「誰でも良い、罪人の魂をかき集めろ。
なるべく邪悪なことをした者を優先で魂喰いを行い、宝具使用で時間を稼ぐ。
……急ぐんだ、あの影の足止めができるのは俺だけだぞ」
「わ、わかった!」
「見つけ次第捕まえてくる」

死者たちも影に取り込まれたくないがために、罪人たちを捕まえてカルナに献上しにいった。
カルナは死者スレを守るための固定砲台として宝具を撃ち放ち、影の侵食を防いでいた。

215真相レ〇プ!黙示録と化したバトロワ! ◆8t1yIW/rRU:2018/03/14(水) 11:47:01 ID:xg574Bzs0


一方、カルナは手が離せなくなったので私と悪魔将軍はアタル兄さんに詰め寄っていた。

「ソルジャー、おまえはカルナや超人閻魔などについて何か知っているようだが、なぜだ?」
「答えは簡単だ。辛うじて生き残っていた現世を映すこのVTRを見た。この殺し合いに纏わる過去の資料映像も乗っている」

そうしてアタル兄さんは一台のテレビを出した。

「なんともご都合主義的アイテム……メタネタが最も許される死者スレだからこそ許される行為だな」
「それからシグナム、これを見せる前に」
「え?」

VTRを見せる前にアタル兄さんの顔が私に急接近する。
ちょ……まずいって、キスしちゃいそうな距離だよ……そして私の瞳をジッと見つめるアタル兄さん。
思わず顔が赤くなる私。

「アタル兄さん……今はダメだ、全国数兆人のシグナムファンが……」
「シグナム……よく聞いてくれ」
























「おまえは殺し合いが始まる直前に、ある男に改造とマインドコントロールを受けている。今からそれを解くぞ」













「へ?」

鳩が豆鉄砲を喰らったような私の顔にアタル兄さんは超至近距離からのフェイスフラッシュを浴びせた。







同時刻、死者スレへの侵食によってテラカオス・ディーヴァを下し、一時の勝利を得た「シャドウだったもの」。
TCもしくは蒼を纏う彼に勝てる存在は、TCを吸収できるテラカオスを除いて存在しない。
そのテラカオスも現状は安倍一人であり、現行では間違いないく最強の存在と言えるだろう。
だが最強の存在も、今は若干苛立っていた。

「死者スレめ……カルナを投入してきたか。
罪人を生贄にしてでも生き延びたいとは業の深い奴らよ」

カルナの力をもってしてもシャドウであった者、もとい死者スレを侵食する影を消すことはできない。
だが後退させて時間を稼ぐことはできる。
TCをバラ撒いての魂を尽く消滅させるという手もあるが、それをやると欲しい能力を持った死者を消滅させてしまう。
そもそも死者スレは日本全国の参加者が全滅しても収容できるほど広いので、むやみにバラまくとこちらの方がエネルギー切れを起こしてしまう。
カルナの読み通り……であったが、死者スレ掌握が遅々として進まない原因がもう一つあった。

216真相レ〇プ!黙示録と化したバトロワ! ◆8t1yIW/rRU:2018/03/14(水) 11:47:50 ID:xg574Bzs0

「私は産まれたばかりで仕方ないとはいえ、異世界のテラカオスが来ているとは思わなんだ。
しかも死者スレにいて、自ら影に飛び込んで来るとはな」
『おまえの好きにはさせないぞ!』

かつて影薄組の小町の命を救うために自らの命を犠牲にした混沌の騎士。
その騎士がシャドウであった者の体内で暴れ、その魂を使って回復を妨害していた。
なぜシャドウであった者に魂を取り込まれずにこんなことができるのかというと、混沌の騎士は元テラカオスだからに他ならない。
同じテラカオスなれど未完成だったディーヴァと違い、こちらは一度完成したテラカオスであるためにTCに魂を消滅させられることなく、シャドウあった者に力を奪われることはない。
力の大半を失っているためにシャドウであった者を殺すのは不可能であったが、回復を妨害をすることはできた。
人間で言えば寄生虫であるアニサキスが体に入った状態なのだ。
かといって体外から出せばテラカオスとして復活し、敵を増やしてしまう。
特にディーヴァに痛めつけられた現状では混沌の騎士を排出した瞬間、即敗北もありえる


「6期世界の連中め……味なまねをしてくれる。まさかテラカオスを送りつけてくるとはな」
『転送の衝撃で記憶を失ってなければ、力を取り戻し、殺し合いが激化する前に力を取り戻して大災害から人類を守っていけたのだが……こうなっては仕方ない、騎士として魂の限り、災厄である貴様の邪魔をさせてもらう!!』

混沌の騎士が10期の世界に現れた理由……それは5期もとい6期の世界の住人が大災害で滅びかけた10期の世界の現状を知り、助けるための手段として煉獄に閉じ込めていたテラカオスこと混沌の騎士の派遣を決定。
混沌の騎士が自我を持ったまま、本来のテラカオスの力を取り戻し、大災害を防いで殺し合いの犠牲者を最小限に減らすことこそが目的であった。
残念ながら転送中にアクシデントが発生し、記憶の大半を失った結果、本来の目的を果たすことはできなくなり、目論見は外れてしまったが。

「おまえは私と同じ世界を滅びに導く側だったのに、なぜ自分の世界とは関係ない異世界の住民まで助けようとする?」
『確かにかつての私はおまえと同じであった。だが今は違う。
己自身が犯した罪の償いや、貴様のような邪悪な存在から守るべき者たちのために私は戦うんだ!』

シャドウであった者の問いかけに混沌の騎士はきっぱりと答える。
ただ愚直に人を守るというのが騎士の答えであった。

「クックック……」
『何がおかしい』

あまりにも真っ直ぐすぎる騎士の答えにシャドウであった者は笑う。

「実にヒーローらしく愚かな答えだ。
私が邪悪? この世界に守るべき価値あるものがいる? 勘違いも甚だしいな」
『貴様がこの世界を脅かしているのは事実だ』
「私など自然現象に過ぎない。津波や地震となんら変わらない、破壊するだけの存在よ。
世界を破壊し再構築しようとするための思考力、より効率よく破壊するために狡猾さは手に入れたが人間のようにそれ以上は望んでいない。
それを邪悪と呼ぶのはおこがましくないか?」
『だ、だが……だからといって貴様を止めない理由にはならん』

確かにシャドウであった者には破壊以上の目的がなく、対主催やマーダーのように善と悪の概念もないのだ。
悦楽や憎悪などは持ち合わせていないのは、最も近くにいる混沌の騎士だからこそ感じられた。

「何より本来は何億年も先に起こるハズであった大災害を招き寄せたのはこの世界の住民の意思だ」
『なに……どういうことだ?』
「せっかくだ。暇つぶしに教えてやろう。
私が多くの死者の魂を吸い上げて知った情報を統合し、見えてきたこの世界の住人の業を……」



舞台は再び、死者スレに舞い戻る。

217真相レ〇プ!黙示録と化したバトロワ! ◆8t1yIW/rRU:2018/03/14(水) 11:48:29 ID:xg574Bzs0

アタルからフェイスフラッシュを受けたシグナム。
そのシグナムの体から呪詛のようなものが抜けていくのが見えた。

「これはどういうことだ?」
「さっき、言ったとおりシグナムはマインドコントロールと改造を受けていた。
死後もまだ抜けきってない様子だったので私がフェイスフラッシュでそれらを浄化したというわけだ」

超至近距離から喰らったフェイスフラッシュの浄化力によってシグナムの体や脳を蝕んでいたものが抜け落ちいく。
そしてその顔はニート特有の緩みきった顔ではなく、元の騎士らしい精悍な顔立ちに戻っていった。
同時に隠された記憶も蘇っていった……

「ああ……すまないアタル、全部思い出した……」
「シグナム、自分が何者か言えるか?」




「私はニートのシグナム……という設定を植え付けられた、時空管理局の魔道士シグナムだ……」




「設定を植え付けられただと?」
「……私はある男に手駒にされるために殺し合いが始まる直前に拉致され、改造を受けた……その男にとって都合が良いように肉体も精神も変えられていたのだ……そのせいで私は!」

真実を思い出したらしく、悪い夢でも見ていたような顔になるシグナム。
未だ全容がわからないので彼女の後悔の理由がわからず混乱する悪魔将軍。

「まさに腑に落ちないという顔をしているな悪魔将軍。
ではVTRを添えて私から教えよう、殺し合い……大災害……この世界の真実を」



奇しくも同時刻に起こったキン肉アタルとシャドウであった者の語りは、古代まで遡って始まった……



――古代の大災害――

TCホール(蒼の源泉)の暴走が起きたのは、カオスロワ10期が始まる前に起きた大災害が最初ではない。
古代にも一度起きていたのだ。
TCを浴びればあらゆる存在が死に絶え、破壊される。
こちらも全宇宙を揺るがすほどの被害を与え、世界消滅待ったなしかと思われた。

そこでTC(蒼)に最も近い能力・フォースを操れる古代のジェダイは、辛うじて大災害の難を逃れていた地球にて、その星の住人と共にTCホール暴走への手立てを探すことにした。
結果、感情とストレスによって肉体・精神を改変するナノマシンによって生まれる意識集合体・テラカオスに着目した。
全てを飲み込む混沌の存在だけがTCを吸収し、耐えられる存在であったのだ。

ただ作っただけのテラカオスは非常に脆く、すぐにTCを吸収しきれずに破裂してしまう。
一方、怒りや憎悪など争いによるストレスを与えるとテラカオスの力が増大することを知ったジェダイは、苦肉の策として戦える者を拉致して殺し合わせる聖別を開くことにした。

そして、壮絶な殺し合いの中で平賀才人という少年がテラカオス化に成功する。
彼は元々TCに高い耐性を持った特異体質であったため、自我を強く保ったままテラカオス化し、更にTC耐性は大幅上昇した。
テラカオスになるにはこれ以上ない逸材だったのだ。
彼は命を犠牲にする殺し合いには怒りを覚えたものの、大災害から恋人のルイズを救う手段は他にないと知り、彼女を救うためにも自らを犠牲にTCホールへと飛び込んでいった。

結果、平賀才人もといテラカオス・ゼロによってTCホールから溢れ出るTCは抑制され、全宇宙は救われた。
平賀才人は「不屈の勇者」として持て囃された

が……

218真相レ〇プ!黙示録と化したバトロワ! ◆8t1yIW/rRU:2018/03/14(水) 11:49:47 ID:xg574Bzs0



――救済の予言――

大災害の悲劇も終わり、ジェダイは地球から元の宇宙へと帰参する。
だが、再び大災害が起きないとも限らないので、ジェダイはテラカオスを生むための拠点となった古代のグンマー
と古代のミヤザキに知恵や力を残していった。
今の進んだ科学や、魔法などの力の源流の多くは古代のジェダイであった。

そしてグンマーとミヤザキを中心に次以降の大災害への対策研究がなされた。
テラカオスは不安的な存在なので、より確実により強くより効率的に大災害を防げるように。
様々な研究が行われた。



平賀才人のような一定のTCまでなら浴びても精神が変異せず、テラカオス化してもある程度の自我は残る者は「蒼を浴びても狂わないほどの」「不屈の精神を持っているように見える」特異体質の持ち主であり、蒼の資格者……「勇者」と言われた。

テラカオスは死者の魂を内に溜め込む分、他の魂が自我に悪影響を及ぼすので、「歌で死者の魂を虜にして調律する」技術が作られた。
また、他者をマインドコントロールしやすい歌を歌える人種も作られた。
クラウザーなどの大人気ヴォーカリスト、シンフォギア装者にボーカロイドなどはその血を色濃く受け継いだ末裔であり、歌の力を鍛える手段が今のアイドル業界である。

テラカオスのパワーを強化させるための「器」たる鎧も作られた。
機械的なものや生物的なもの……オーバーデビルやガメラはその名残である。
またテラカオスとは別に器を制御する魔力を持った者は「巫女」と言われた。

どういう公式で成り立つのか不明だが、9対9で行われる古代流の決闘によって生じるエネルギーがテラカオスに粗注ぐのに最も適切であることが偶然見つかった。
最も多く、最も強い者たちの闘気はテラカオスを刺激するらしい。
時の流れの中で闘気を貯めるためのコロシアムは「球場」と名前を変え、決闘は「野球」という名前に変わった。

TCホールそのものの研究もなされ、自然災害なだけに精霊や古龍のように具現化した滅びの存在も前回の大災害の折に現れた。
それは黒き獣と呼ばれ、こちらはテラカオス・ゼロに撃破されたものの。次回の大災害でより強くなっている危険も考慮され、なおさら抑止の神・テラカオスとその強化プランの必要性が説かれた。
この辺りがイナバ製作所社長が手に入れた古文書に記された部分である。


これら研究によってジェダイは思い描けなかったテラカオスを付加する要素が生まれる。
ジェダイの古文書にテラカオス作成法は載っていても、救済の予言(=強化プラン)の部分がないのは、ジェダイが知らない間に地球独自のテラカオス研究が進められていたからである。


このままうまくいけば、この世界の住人は二度目の大災害をより少ない被害で迎えられたであろう。
タイムリミットも数十億年は先、余裕は十分にある。

……ハズだった。


――古代グンマーと古代ミヤザキ――


研究を重ねていく内に交流を持っていた自然を愛する古代グンマーと、機械文明を尊ぶ古代ミヤザキの中から違う考えを持つ人間が現れた。

グンマー「大災害は自然災害なのだから、次の滅びは潔く受け入れよう」
ミヤザキ「世界を永遠に生かすために全ての源であるTCの力を制御しよう」

テラカオスのい研究を放棄し大災害による滅亡こそ世界のあるべき姿と考えた、古代グンマーの民。
そしてテラカオスによるTC制御による大災害制覇を考えた、古代ミヤザキの民が現れだす。
これは別にグンマーが自殺したいわけではなく、ミヤザキが世界征服をしたいというわけではない。
あくまで世界が終わる時が来るなら下手に足掻くべきではないという意見と、TCホールを制御して世界を永遠に存続させようとしたいだけである。

だが、この思想の違いは互いを「自然に逆らって世界を無理やり延命させようとする愚か者」「世界が存続する可能性を放棄した弱虫」にしか映らなかったのである。
やがて思想はエゴになり、エゴの違いで衝突した古代グンマーと古代ミヤザキの間でTCホールを巡って戦いが始まる。

その戦いは凄まじく人間のみならず思想に同調した魔物や竜、超人までも参戦した。
グンマーからは魔力にすぐれた存在である「巫女」をも導入され、ミヤザキは海を自由に戦える機械生命体の巫女「艦むす」が開発された。
戦いが激化すると本来はテラカオスをパワーアップさせる手段であったハズの「器」さえも戦場に出るようになり、ついにはジェダイの残したナノマシンを双方が悪用し、争いの淀みから生まれた化身テラカオスのできそこないまでもが戦線に投入。

また、大戦の過程で最初のテラカオスとなった才人の恋人であるルイズが死亡。
彼女はどちらの思想にも染まらずに最後まで才人の犠牲を無駄にしないように争いを止めようとしたが、願いは叶わずに双方から攻撃されて命を落とした。

219真相レ〇プ!黙示録と化したバトロワ! ◆8t1yIW/rRU:2018/03/14(水) 11:53:33 ID:xg574Bzs0

最後はお互いのエゴのために両方の陣営が滅亡。
これを憂いた神々はTC関連の事柄は悪用されると争いの種になるとし、後の超人閻魔になるザ・マンらひと握りの存在を除いてテラカオスや強化方法、聖別やナノマシンについての記憶を地上から抹消。
ナノマシンの作成方法も当時のジェダイによって固く封印されることになる。

古龍や完璧超人始祖、フォレストセルなど何万年も生きた存在が大災害について知らないのはこのためである。

ただし、次の大災害発生時に誰も対処できなくなっても危険なのでザ・マンなどごくひと握りの超人や遺跡に抽象的な救済の予言として残す形であれば許されたのだ。




――古代からの因習――

神々によって地上から大災害の記憶や技術が抹消されたと思われた。
だが……記憶が消される前に古代グンマーと古代ミヤザキの生き残りはあらかじめ手を打っており、技術や記憶が消えたのは表向きだけであった。


古代グンマーは、大戦の際に器たりえる巨像を改造してナノマシン浄化ができるように生物兵器に変えたフォレスト・セルを決戦の際に後の東京の地下へ廃棄したフリをして封印。
将来的に魔物がフォレスト・セルを目覚めさせ、浄化に見せかけて大災害によっての自然死ができるように意図的に仕向けていた。
フォレスト・セルや世界樹はナノマシンなどの汚染物質を吸収するので一見すると世界を助けているように見えるが、大災害という状況下ではテラカオスを生み出さないようにしているので滅びを余計に加速させているのである。
魔物や現在のグンマーの民はそれを知らない。



古代ミヤザキは、才人の友人であったタバサを封印。
未来の末裔が古代人であるタバサを眠りから覚ませば一度は失った記憶や技術を取り戻せる仕組みである。
更に遠い末裔が大災害及びTCホール掌握に必要な物や状況を無意識的に作り出せるように遺伝子を改造したのだ。

祐一郎が九州ロボや翔鶴を生みだしたのも偶然ではない。
これは器たりえる巨像にできる九州ロボや、機械生命体の巫女である艦むす、その他グンマーにも対抗できる兵器を作り出せるよう遺伝子的にプログラムされていたからである。

更に拳王連合軍の面子のルーツを辿ると全員、古代ミヤザキに行き着く。
度重なるマップ破壊も拳王連合軍と不注意によるものと思われたが、実はこれも遺伝子に仕組まれたプログラムによるものであり、殺し合いをわざと加速させる要因を作り出すように仕込まれていたのだ。
拳王連合軍によるマップ破壊は、彼らのせいであるとも言え、違うとも言えるのだ。


こうして神々も知らない内に水面下で準備を進めていた双方。
単に私欲のためではなく、一度争ったグンマーとミヤザキが互いを信用できなかったという側面もある。

そして現代において、「ある男」が古代人であるタバサの封印を解いたことで物語は動き出した。


――サーフの陰謀――

古代ミヤザキの血を色濃く受け継いだ末裔にしてニルヴァーナの天才科学者であるサーフは、封印されていたタバサを目覚めさせ、大災害に纏わる事象や過去に起こったこと全てを知る。
これで古代ミヤザキ人が目指していたTCホールの掌握……世界を守るための思想を全宇宙を支配できる手段に置き換える野望にサーフは目覚めた。
タバサに自分がTCホールを支配できれば才人もルイズも戻ってくるかもしれないと甘言を伝え、利用する。

計画を実行に移す前にタバサの協力を得ながらTCの研究を極秘で始め、研究の副産物として「雀力」「悪魔化ウィルス」「メーガナーダ」を生みだした。
古代ミヤザキの人造巫女である艦むす「瑞鶴」も復元し、彼女に研究の邪魔をしていた者を秘密裏に暗殺させていた。
ついには直径の先祖がテラカオス化ナノマシンをジェダイと共同で作り上げていたことも知り、ナノマシンの自殺プログラムの解除方法を知るにまで至る。

そしてとうとう非人道的な実験を繰り返した末に、TCホールを意図的に暴走させる狂気のマシンまで作り上げてしまった。


サーフの準備は整い、ニルヴァーナにて実行の段に移ろうとする。
そこまで来れば神々も気づき、かつてはザ・マンだったストロング・ザ・武道(超人閻魔)など大災害を監視していた者もサーフの討伐に移る。
だがサーフはタバサから大災害の件を監視していた面子の詳細を知っており、予め対策を立てていたのである。
超人の攻撃はプロレス技による物理攻撃がメインであり、いかなる超人をも死に至らしめるカピラリア七光線には弱いという風に、欠点をつくように迎撃されていき、とうとうマシンの起動まで間に合わずにTCホールが暴走。
これを見て武道はせめて聖別をしっかりと行えるだけの人口だけは守らんと、己の魂が消え去る覚悟でマシンに特攻し大災害による被害を減らしたのだ。
――ウエムラが目撃したのはこの辺りである。

220真相レ〇プ!黙示録と化したバトロワ! ◆8t1yIW/rRU:2018/03/14(水) 11:55:40 ID:xg574Bzs0

この時に発生した地割れでサーフが飲み込まれるのを見て彼が死んだと誤解したタバサは自分がサーフに変わってテラカオスを手に入れてTCホールを掌握し、才人とルイズを取り戻すために一人で野望を成就させようと殺し合いに参加した。
もちろんサーフはこの程度では死なずに、ネット環境を支配できていることを利用して自分を参加者から支給品扱いに格下げすることで主催からの注目度を減らし、暗躍していくことになる。


TCホールから放たれたTCは前回の大災害以上に高濃度であり、TC汚染によって超人の神々・第一と第二の真竜・情報統合思念体その他もろもろなど、宇宙の運行と秩序を守っていた高位の存在が消失または機能不全に陥る。
後の第10期主催陣営になるアナキンらがジェダイの古文書からTCホール関連の情報を知り、他の比較的犠牲の少ない世界を守る方法を探すが見つけられず、テラカオスを生み出すカオスロワを開くしかなくなった。
なお、そのままのプランで生みだしたテラカオスでは強度が足りず、十中八九前回以上に暴走しているTCを止められず、グンマー・ミヤザキの救済の予言という名前の強化プランを知らなければ世界は消滅の未来を辿るであろう。



一方、日本にたどり着いたサーフはジェダイ(正しくはシス)の生き残りであるアナキンがカオスロワを開くと知り、水面下で用意を始める。
大災害でネット環境の大部分が破壊された中で、予め用意していたサーバーを使って、この世に最後に残った掲示板としてカオスロワちゃんねるを立ち上げ、表向きは主催に管理権があるように見せかけて裏で自分に有利になるように情報操作や間接的な暗殺ができるように仕掛ける。
また瑞鶴やメーガナーダを使っての大災害の発端になったニルヴァーナでの目撃者を暗殺し、不安要素を尽く排除した。

さらには同じ古代ミヤザキ人を先祖に持つ友人の光祐一郎が、遺伝子に刻まれた情報が開花したことによって自分同様技術力が上がっていることに気づき(祐一郎本人はそのことは知らない)、匿名のメールを使って祐一郎に九州ロボを作らせた。
実はこの九州ロボ、祐一郎が一から作り上げたものではなく、遺伝子に刻まれた記憶を設計図に古代ミヤザキ製「器たりえる巨像」を復元したものである。
後で主催か別の組織に奪われる可能性も考慮してあえて墜落に定評のあるカプコン製部品で作らせた。
実際に主催陣営が奪ったら欠陥修復のせいで人員を割かなくてはいけない泣きを見ることになった。


主催に関しても時間の不足から人格に問題がある人員を特務機関員に雇わなくてはいけなくなるということを利用して邪悪な者たちであるベクター・シックス・モノクマにテラカオスの情報を秘密裏に流す。
全員が中途半端なテラカオスの情報を教えられた結果、主催陣営間の連携を乱し、殺し合いをかき乱した。
またうぐいすのような善玉でも野田総理によるシェルターに詰めた特務機関員の関係者を毒ガスで虐殺する瞬間を目撃するように誘導し、不信感を抱かせて特務機関員の連携を更に乱す。

ハザマ(ユウキ=テルミ)のみはTCのことを最初から知っていたが、タバサからユウキ=テルミは古代グンマー・ミヤザキの戦争にも参戦していたのでなおさら主催側にねじ込むことで組織を弱体化させると見て、工作で憑依能力がある点を隠蔽し特務機関員入りを支援した。
まとまりがなくなった特務機関員によりアナキンは色々と苦汁を舐めさせられることになる。

そこまでするならなぜサーフは自分で主催をやらなかったのか?
主催側であることは参加者からヘイトを稼ぐことに繋がり、目的に手が届く前に集中砲火を受ける危険があるのだ。
いくら悪魔化して強くなろうとしても四六時中邪魔をされてはたまったものではないだろう。
九州ロボを一度は奪った主催は超人血盟軍の大攻勢を受けたことを考えればこの考えは正解である。
アナキンが最初の内は野田総理を傀儡の主催に据えたことと同じ理屈なのだ。
そもそもの問題として相手の心理をフォースを通じて読めるアナキンに計画を悟られる危険があったので主催入りは断念せざるおえなかった。
この二点により、表向きの業を主催に押し付けて、自分の手を汚さずに下準備を終えることができたのだ。

221真相レ〇プ!黙示録と化したバトロワ! ◆8t1yIW/rRU:2018/03/14(水) 11:56:24 ID:xg574Bzs0


あとはカオスロワちゃんねるを使って情報工作をし、テラカオスを生み出すのに必要な状況を作り出す。
具体的には都庁や拳王軍など対主催に対する風評被害や誤解を加速、天魔王などマーダーの書き込みに便乗してあたかも真実であるかのようにし、殺し合いを助長するマーダーを助け対主催同士の対立を煽る。
殺し合いを止めようとする有識者は弾かれるように仕向け、TCなど自分に不利になる情報は書き込み制限&端末破壊、居場所特定の後にマーダーを仕向けるか瑞鶴を派遣して暗殺……ネットからもこの世からもアカウント停止される仕組みである。
表向きは主催がネット権限を支配していることになっているので、これら全ての悪事を主催に押し付けられるのだ。
真実を確かめようとも外を出歩ける実力のない弱い参加者ほどネット依存になりがちなのでこのトリックに引っかかる。
強き者でもネットは情報発信・取得が非常にお手軽なので情報を信じ込んでしまう有様である。
まさかネットの情報が参加者や主催者ではなく別の意思に歪められているなど想像もつくまい。


テラカオスを生み出すだけでは今回の大災害は防げない計算なので、サーフは救済の予言の噂を各地に流す。
「野球が世界を救う」という噂をドラゴンやフリーザ軍などに流して、野球チームを作るように仕向け、その他にも「歌」「巫女」「器」「勇者」候補を集めさせる。
自分でそれら探さずに参加者に全て任せている理由は、彼の先祖はナノマシンをジェダイと共同で作り上げたのだから、ナノマシンを通じて完成したテラカオスを制御できる手段を持っているのだ。
サーフを殺すか捕まえない限り、対主催が救済の予言を完遂してテラカオスを完全に導いても、総取りできる仕組みなのである。
TCホールのTCを吸収したテラカオスは本来なら二度目の大災害を防ぎ次第自滅するようにプログラミングされているが、それを解除する方法もサーフは知っている。

殺し合いの数日間で本当の意味で10期の世界の最高神になるたまの周到な計画。
だが、これだけやってもサーフには懸念材料があった。


――死者スレの黄昏とシグナム――


サーフは殺し合いが始まる前に武道が己亡き後に死者スレの支配権を引き継がせた存在がいることを知る。
TCの影響で死者蘇生ができなくなるとはいえ、何らかの方法で死者から生者に計画が伝わってしまうと危険であるとみなしたサーフはさっそく死者スレの場所を特定し、後継者殺害と破壊のために攻め入ろうとするが、富士山麓にある死者スレに繋がる門前には最強のサーヴァントであるカルナが待ち構えており、正面突破は危険だと判断する。

そこで武道率いる完璧超人と対立している悪魔超人(サンシャインなど死国に合流しなかった者たち)にこの殺し合いは完璧超人の陰謀かもしれないという情報を流し、長である悪魔将軍に一連の事件の黒幕が武道だと思い込ませる。
偽情報のせいで悪魔将軍はアナキンら五大幹部も新しく入った完璧超人だと誤認したのだ。
そして後の死者スレ攻めをするのだが、プライドの高い悪魔将軍が単身でカルナに挑んで、死者スレを破壊する前に返り討ちに合う可能性もあった。
もしくは悪魔将軍に黒幕が武道ではないと気づいてしまう危険性もあった。



そこでサーフは自分を嗅ぎまわっていた女騎士を使うことにした。

その女騎士の名前は「シグナム」。
主である八神はやてと共にこの世界に迷い込み、大災害の混乱ではぐれたはやてとは別行動で独自調査を行っていたところを怪しい魔力を持つ男がいたために捕まえようとするが、返り討ちに合い、逆に捕らえられてしまったのだ。

彼女は改造手術によって元以上の高耐久や念能力などを取得。
試験段階で発動が不安定であるが能力を消す剣技すら習得。
さらに洗脳手術も受けさせられ、サーフに拉致された記憶を封印。
普段は対主催として振舞うが必要に応じてサーフの私兵となるスリーパー(潜伏者)となったのだ。
ちなみに改造による違和感を消すために、9期の世界のニート騎士シグナムの記憶を植え付け、あたかも自分をニートだと思い込ませるようにした。
状態表にあった『※今までとは別人ですが記憶を受け継いでいます』とはこういうことである。

222真相レ〇プ!黙示録と化したバトロワ! ◆8t1yIW/rRU:2018/03/14(水) 11:57:33 ID:xg574Bzs0

次にサーフはシグナムに光祐一郎の息子、光熱斗を接触させる。
シグナム自身は自分の意思で「面白そうだから」という理由で合流したと思っているが、彼女はサーフの洗脳下にあり、接触は決して偶然ではなかったのだ。

更には熱斗との合流を円滑にするために同じくネットナビ・カーネルをディパックに転送の中に転送する。
ネットバトル脳な熱斗とロックマンは、何度も共闘したことがあるカーネルがいたことですんなりとシグナムを信用してしまう。
……カーネル本人も気づかぬ内にサーフに潜伏者として改造されていたことを知らず。

そして拳王軍を伴った息子の熱斗が向かうのは父親の光祐一郎のいる四国。
その四国の徳島には悪魔将軍がいる。
ともなれば熱斗組及び拳王連合軍と接触するのは十中八九考えられる話だ。
黒幕を武道だと思い込んでいる悪魔将軍の気が変わらないように監視し、サーフの存在を知られた場合は暗殺も考慮するために熱斗組に忍び込ませたのである。

ついでにもう一つの準備としてサーフはシグナムとカーネルに改造したPETを使って生体マグネタイトを集めさせた。
生体マグネタイトとは生物に含まれるエネルギーだがそんなものをシグナムとカーネルが集めていたかと思う読者もいるだろう。
状態表の支給品欄を見てもそんなものはない。


……だが、もし違う「名前」に置き換えられてシグナムが集めていたとしたら?



答えはシグナムが小遣い稼ぎに集めていた「ミステリーデータ」。
その中身は金になるものではなく、道中で死亡した参加者からかき集めたマグネタイトである。
パッケージを偽装することで熱斗たちの目を欺いていたのだ。
集めていたシグナムとカーネルにも洗脳の影響で金になるものとしか認識できず、サーフにネットを介して送りつけていた。

その後、目論見通り悪魔将軍と拳王連合軍、シグナムが接触。
シグナム他数名が悪魔将軍と共に死者スレ攻略に参加することになり、まずまず順調であったが、ここでホワイトベース組が襲来。
カーネル消滅、シグナムが気絶してしまう。
だがサーフはこれを悪魔将軍に知られぬまま死者スレの主を殺す好機と見て拳王連合軍とホワイトベース組が戦っている間に、テレポート系のアイテムでシグナムを一旦回収。

ここでシグナムが関西へ向かっている間に作り上げた、DMC狂信者の上層部が作り出した黄泉レ〇プマシンとは別の現世と死者スレを繋ぐ装置を使う。
サーフは狭間とディーのマシン作りに協力しており、似たようなものを作ることは容易であった。
そのマシンにシグナムや大災害での犠牲者の死体からかき集めた大量のマグネタイトを注ぎ込み、シグナムを死者スレに送り込む。
全ては武道の後継者を抹殺するために。



武道の次に死者スレを支配していたのは10/。
カオスロワという物語を楽しむためだけに殺し合いを開かせた……ということはなく、亡き主であるストロング・ザ・武道の忠誠のために働いていた。
武道ほどではないが死者スレを調律できる才能があったらしく、武道や悪魔将軍を凌ぐ戦闘力を持ったカルナをマスターとして使役できる才能の持ち主は10/だけであった。
ちなみに殺し合いの中で死んだ方の10/はクローンであり、武道の死因を作ったサーフを探し出す役目を担っていたが運悪く6/とハラサンに殺されてしまった。

10/は死者の国から世界を俯瞰できたためにカオスロワの裏側は大方知っていたが、TCの影響で現世と死者スレの交信が不安定であったということもあり、心の中・裏の裏までは読むことはできなかった。
シグナムについてもニート対主催としての表向きの部分しか見れなかったためにサーフの手先であると気づかずに
潜伏者として目覚めた彼女の不意打ちによって魂を破壊されてしまう。
全ては10/を油断させて暗殺するためにシグナムを利用したのだ。


「主催者共が作った『怪物(テラカオス)』に全てを飲み込まれるか、『蒼』に飲み込まれて『滅日』を迎えるか……
 このロワはどちらか片方のエンディングしかないのさ……だから、これ以上のあがきは……」

魂が消える間際に10/が最期に放った台詞であるが、これは嘆きの言葉であった。
どれだけ死者スレで足掻いても武道への忠義を果たせず、現世で生きている者に何もできないまま果てる自分へ言い聞かせた悲嘆だったのだ。
洗脳されたシグナムには悪党が泣き言をほざいて死んでいくようにしか認識できないが。

223真相レ〇プ!黙示録と化したバトロワ! ◆8t1yIW/rRU:2018/03/14(水) 11:58:37 ID:xg574Bzs0
10/の暗殺に成功したシグナムは続けて死者スレにある現世への交信手段やそれに準じた能力を持つ参加者を尽く破壊・消滅させ、自分の計画が参加者や主催にバレる可能性を尽く削除。
止めにかかった死者も消滅させ、マシンのエネルギーが切れたことでシグナムはサーフのいる現世へと戻る。

死者スレでの出来事はサーフの更なる洗脳で改竄された。
実際には合ってない本部のことを知っていたのは、たまたま死者スレ入口で死んでいた本部のことを知らないのはおかしいと思ったために付加されたのである。
全裸で戻ってくるのも絵面的におかしいので服とマスク(キン肉マングレート)と、ニルヴァーナでの武道の置き土産である竹刀を渡しておく。
そして死者スレを潰してきたという真実と、黒幕は10/だったという虚偽を土産にシグナムは熱斗たちの元へ帰還した。


10/亡き後も冥府関係者によって死者スレはいちおう再建されたが、残った者に武道や10/ほどの調律能力がないためか非常に脆弱であった。
特にカルナ以外の死者スレの防衛能力が激減。
本来なら弾かれるべき「シャドウであった者」の侵入を許してしまうほどガバガバな警備状態となってしまった。


帰還したシグナムだが、ここでサーフが傍受したナノマシンからの情報から貧乳歌姫ことテラカオス・ディーヴァの能力に第四の壁を認識する能力が備わったことが発覚。
これはサーフの計画をテラカオス自身に知られる危険がある地味に厄介な能力であった。
そこでシグナムにもはや真実を知る方法はなくし、勝ち目のないカルナにぶち当たって死ぬであろう悪魔将軍の監視の任を解き、特攻覚悟で貧乳歌姫と戦わせることにした。

目的は貧乳歌姫の殺害ではなく、02から受け継いついだ第四の壁能力の破壊。
そのために持たせたスキル殺しの剣で破壊し、シグナムは肉体をひとかけらも残すことなく弾けとんだ。



シグナムの手により真実を知る武道の後継者10/は討たれ、後にシグナム自身も死亡。
拳王連合軍が戦いで痛手を受けたため、死者スレに単身で向かわざるえなくなった悪魔将軍もカルナの手によって死亡。
マスターを失ったカルナは死者スレの中に引っ込むことになり、増長したユウキ=テルミはご立派様に貫かれて死んだ。

カオスロワちゃんねるの力によって対主催間で足を引っ張りあいは歯止めが効かないまま加速し続け、混沌な状況を生み出し続けている。
管理人や掲示板の真の目的に気づいたのは草加だけであり、その草加も管理人の顔までは知らない。

サーフは今、DMC狂信者の根城であるビックサイトに身を寄せているが、おそらく予言の中にある「戦士」「歌」「器」「巫女」「勇者」には目星をつけており、後はテラカオスの完成を待つだけなのだろう。
ほぼ全てがこの男の目論見通りに進んだのだ……



そして、今に至り――

224真相レ〇プ!黙示録と化したバトロワ! ◆8t1yIW/rRU:2018/03/14(水) 11:59:26 ID:xg574Bzs0



――死の国にて――


真実を知ったシグナムは突然、上半身の赤ジャージを破いて裸になった。
裸体を周囲に晒したいわけではなく、確認のためだ。

「……これでは息をするのもつらくなるわけだ」

シグナムの首から下は生々しい手術痕だらけであった。
サーフが能力を植え付けるために色んな装置や呪詛を施したためである。
シャワーを浴びた際には裸を見たが、シグナム・カーネル両名はマインドコントロールを受けていていつもどおりの裸にしか見えなかったのだ。

「少しでも自分の行動に疑いを持つべきだった……
私は悪人の手助けをして多くの者に不幸を……クッ、騎士として情けない」

真実を知り、巨悪の手駒になって無実の10/や死者スレの数名を消滅させてしまった事実にシグナムはひたすら嘆く。
先ほど牢屋に閉じ込められても暴行を加えられなかったのはむしろ、シグナムも操られていたという真実を知っている死者たちの有情だったのだ。
穴があるならそこに入って引きこもっていたい、刃物があるなら自刃して償いたい気分であった。

一方で悪魔将軍も困惑していた。


「こんなことが……この悪魔将軍たる私がたった一人の人間に踊らされていた、というのか?
だが私はTCホールとやらのことなど知らなかったし、逆にテラカオスのことをある程度知っていたのはなぜだ?
あやつ(武道)と元同僚だった以上は全部知っているか、超人の神々に全ての記憶を消されているにが普通ではないのか?」

その謎を解き明かすのは冷静で的確な推理ができるアタルである。

「あなたが一式・ゴールドマンの時は武道と同じく、世界の運行を守るためにTCホールについての記憶を消されない数少ない存在に神々から選ばれていた。
ところが悪魔将軍として身を落としかけた寸前で、神々はこっそりと記憶を封印したのだ。
それもTCを浴びたことで封印が解けてしまい、部分的にだけ思い出した……TCやテラカオスが危険なだけの存在という部分だけな」
「中途半端に思い出してしまったということか!
そのせいで部下たちに要らぬ闘争をさせてしまった……」

己の不甲斐なさを恥じるシグナムと悪魔将軍。
どこかで自分の行いに疑問をもっていれば……そのようなタラレバ思考が心の中に浮かび上がる。
意気消沈する二人であり、アタルとしても本当なら

「二人共……消沈する気持ちはわかるが、ここは落ち着いて欲しい。
今、死者スレはシャドウであった者の影によって風雲急の事態と化している。
カルナが魔力切れで倒れれば、死者スレは今度こそ終わりを迎え、現世の者たちを苦しめる」
「この落ちぶれた騎士に具体的に何をすればいい?」
「カルナと共に影と戦うか影と戦える仲間を集める。
もしくは彼の魔力の補充をするために一人でも多くの極悪人をかき集めてくれ。
後者は生贄を捧げるみたいで気分の良い仕事ではないが、この死者スレでカルナが魔力を手に入れる手段が他にない」
「わかった……罪人を集めてこよう。
私の罪滅ぼしや、主はやてと仲間であった熱斗たちに報いる手段は他にない」

シグナムに続いて悪魔将軍も立ち上がる。

「私は最前線に立ち、影と戦うものらを指揮しよう」
「ありがたい悪魔将軍……」
「私の場合もシグナムと同じく罪滅ぼし……とは考えん。
この事態はあやつのような過去の記憶を持つ者がサーフとかいう下衆如きを止められなかった結果だと思っているからな。
だがザ・マン――超人閻魔が魂を捨ててまで守った世界が本当に価値あるものか見定めるまではむざむざと影に喰われるつもりはない。
それに小童に踊らされていたままの将として終わるのも面白くない。
下衆がいつかここに来た時に首根っこを叩き折るまでは何が何でも死者スレを存続させてやる!」

悪魔将軍はライバルに恥じない戦いをするために、手前勝手な野望のために世界を窮地に立たせた悪漢をこの手で処刑する瞬間を迎えるために、悪魔将軍は再度立ち上がった。

アタルが仲間を集め、悪魔将軍が指揮を取ることで死者スレの戦力に統制が生まれ、最大戦力であるカルナにシグナムが集めてきた罪人の魂を注ぐ。
こうして戦いは膠着状態までもつれ込んだ。


第10期カオスロワの戦いは死してなお終わらない。

225真相レ〇プ!黙示録と化したバトロワ! ◆8t1yIW/rRU:2018/03/14(水) 12:01:06 ID:xg574Bzs0




――混沌黙示録の始まり――


『……そういうことだったのか』

シャドウであった者の体内で真実を聞かされた混沌の騎士は、大災害を起こしたサーフに憤りを覚える。

『サーフ・シェフィールド……そいつさえいなければ、あやのさんような多くの犠牲者が出ることも――』
「違うな」
『違う? どういうことだ!?』

憤りを否定するのはシャドウであった者。
大災害を引き起こしたのはサーフで間違いないのにこれはどういう意味か?

「奴は外道には違いないが、古代ミヤザキの血筋をたまたま濃く受け継いだだけ。
古代人であるタバサを拾ったのも偶然だ。
宝くじで大当たりを引いてここまで順調でいるだけなのと同じだ。
大災害の発端ではあるが、別に他の存在でも十分に起こりえた事態だ。


発端がサーフでなくとも。
武道が心変わりして完璧な世界を作り上げるために大災害を起こしていたかもしれない。
悪魔将軍が全てを思い出し、理想の世界を作るために大災害を起こしていたかもしれない。
ユウキ=テルミが滅日のために大災害を起こしていたかもしれない。


もしタバサを手に入れた者がサーフでなかったとしたら。
光祐一郎が興味本位のためにTCへの興味本位から大災害を起こしていたかもしれない。
ラオウが拳による世界を気づきあげるために大災害を起こしていたかもしれない。
レストが人類に絶望していたために大災害を起こしていたかもしれない。
ダオスが恒久の平和を手に入れるために大災害を起こしていたかもしれない。
デミーラが天魔王として全てを手に入れるために大災害を起こしていたかもしれない。
アナキンが妻や母を取り戻すために大災害を起こしていたかもしれない。
DMC信者がクラウザーの歌を永遠に響かせるために大災害を起こしていたかもしれない。
クライシス皇帝が支配力を高めるために大災害を起こしていたかもしれない。
小町が公的にサボりたいために大災害を起こしていたかもしれない」


『他はまだしも小町さんがそんなことをするわけないだろ!?』
「いや、ある。
今でこそまともだが、あの女は自分のサボり癖が原因で幻想郷の異変を長引かせたこともある。
確率としては確かに低いが、絶対ないとは言い切れない。

……話を戻すが、単にTCとそれを知るタバサという当たりくじを引いたのはサーフだった。
だが宝くじを誰が引いても大災害が起こりえたのだ。
そもそもくじが無ければ大災害は起こらなかったのにも関わらず、くじを設置したのは誰だと思う?」

悲劇の原因の原因はサーフとは別にある。
では彼に大災害を起こさせたのは誰なのか?
混沌の騎士は先程まで教えられた話を思い出し、その答えを述べる。

『――古代ミヤザキ』
「それは半分正解だ。
確かにタバサや後世への遺伝子改造などはミヤザキの所業だが、それも古代グンマーが彼らの思想を理解し同調すれば、そんなことをする必要がなかった。

答えはわかり合おうとせず、自分たちの思想と欲望を押し付けようとする「人のエゴ」!
手を取り合うべきミヤザキとグンマーが争いを起こし、それが巡り巡って二度目の大災害を止められない事態に繋がったのだ」

『人と人が分かり合えないから、こんな事態が起こっただと?』
「左用。
争わねばTCの研究は現代でも続けられ、次の大災害を被害なしで乗り切ることもできたろう。
全ては生きとし生ける物の業のせいなのだ。
テラカオス・ゼロとなって一度は世界を救った平賀才人も報われない。
タバサが人に絶望したこともわかる」

困惑する混沌の騎士に畳み掛けるようにシャドウであった者は話を続ける。

「業がなければ大災害が起きずに私が生まれることもなかった。
これは因果応報……世界を滅びに導いているのはこの世界の者に他ならない。

貴様も人の業に関しては経験しているだろう?
その最たるものがバトルロワイアルで、それによって生み出された貴様なんだからな!」
『ぐぬぬ……だが、人は分かり合えるハズだ』
「綺麗事を言うのは簡単だが、分かり合えない結果として私は来たのだ。
それにサーフがテラカオスを通じてTCの力を手にしようとしているように、大災害を防いだテラカオスが全てを支配できる力を得ると知った時、果たして何人が誘惑に負けずに世界のために戦えるだろうか?」
『テラカオスを巡って争奪戦が起こるというのか!?』
「可能性は十分にある。
実際、対主催同士で殺し合いをしているぐらいだ。
全ての根源たるTCの力なら失われた自然や土地を戻すこともできる。
死したものも……既に魂が砕け散った者以外は復元・複製ができる。
誰が欲望に負けてテラカオスを自分だけのものにしようとするか見ものだな?」
『……』

226真相レ〇プ!黙示録と化したバトロワ! ◆8t1yIW/rRU:2018/03/14(水) 12:01:38 ID:xg574Bzs0

TCの力を掌握したテラカオスは理想の世界を自在に作れるだけの力を有する。
例え対主催でも、手のひらを返して仲間を裏切る可能性は十分にある。
私欲や自分だけの生存のために仲間を売る輩がいるのだから、考えられない話ではない。

「この世界はおまえが考えているほど高潔な代物ではない。
一度全て破壊してしかるべきなのだ。
手を貸せとまでは言わんが、部外者が邪魔をしないでくれるか?」
『……しかし』
「もう楽になるんだプロトタイプのテラカオスよ。
貴様のこの世界での役割はとうに終わった。
あとはTCという情報の巡回に身を任せよ」

確かにサーフだけでなく醜い人間や存在が殺し合いの中には沢山いた。
それを死者スレから現世を見てきたために、シャドウであった者の甘言に乗りそうになる。

『いや』

それど混沌の騎士は人の業ばかりを見ていない。
醜いものの次に思い浮かんだのは、元の世界での仲間である春香たちの笑顔。
そして悲劇を終わらせるために戦い続ける影薄組の背中であった。

『少ない悪人のために善き人全てを犠牲にするわけにはいかない。
私は人々の正義を信じて自分の戦いを続けさせてもらう』
「……あれだけ見せてまだ信じるというのか、愚かな」
『なんとでも言うがいい。
大災害を引き起こした人の仕業なら終わらせるのも人の手で終わらせられるハズだ。
それを生き残った彼らが証明してくれるだろう……貴様やサーフと倒してな!
この世界に関わった以上は私も部外者では決してない!
魂が砕け散るその時まで戦わせてもらう!』

意志は挫けることなく、シャドウであった者の妨害を続ける混沌の騎士。
懐柔に失敗してシャドウであった者はどことなく面白くなさそうな様子だ。

「フンッ、だが貴様やカルナが頑張っても再生能力は私のほうが若干上。
魂喰いに使える罪人の魂も無限ではないのだから持って12時間……それ以上は善人の魂を犠牲にせざる負えなくなる。
死者スレが終わればテラカオスも力を行使できなくなる……それまでに私を倒せるものが現れると良いな?」
『ああ、できるさ。彼女らなら』


この殺し合いもいよいよ佳境。
この混沌の黙示録の中でここまで生き延びた参加者がどのように戦い、どのような結末を世界が迎えるのか。
どうかあなたの眼で確認して欲しい……

227真相レ〇プ!黙示録と化したバトロワ! ◆8t1yIW/rRU:2018/03/14(水) 12:02:07 ID:xg574Bzs0



【二日目・16時30分/静岡県・富士樹海・死者スレ内部】
【カルナ@Fate/Apocrypha】
【状態】宝具ぶっぱで常に魔力消費
【装備】自身の槍、黄金の鎧
【道具】不明
【思考】
基本:使命に従い、死者スレを守る
1:罪人を魂喰いで魔力をチャージし、宝具コンボでシャドウであった者の影から死者を守る
※死者スレにいる罪人(特に酌量の余地がないもの優先で)を魂喰いすることで魔力を補っています
 ただし、罪人だけの魂では12時間しか持たず、それ以上は善人の魂を消費しなければいけません
 死者スレで魂喰いされた存在は物語がどんな結末を迎えても、二度と復活できません
 魂がないのでサイボーグ化復活も不可




【二日目・16時30分/沖縄県】

【シャドウであった者@テラカオスバトルロワイアル十周目】
【状態】ダメージ(大)、疲労(大)、休憩中、弱体化
【装備】聖約・運命の神槍@Dies irae 他不明
【道具】不明、混沌の騎士の魂
【思考】基本:世界の破壊
0:あの者(テラカオス・ディーヴァ)の魂の破壊
1:死者スレの掌握
2:体力と傷の回復
3:混沌の騎士の魂がとにかく邪魔
※シャドウが現れた沖縄ではTC値が増大しています。
※ディーヴァの捕食した能力も込みで持っているようです。
※死者スレを掌握、しかし掌握途中のため使える能力には制限がある模様。
※死者たちの召喚や使用していた装備なども使用可能、ただし掌握途中の為、制限あり。死者召喚は三人まで。
※死者スレ掌握及びディーヴァとの戦いでの傷を癒すのにリソースを割いているため弱体化中。
 更に死者スレ内の防衛にカルナが投入され、一度はテラカオスとして完成したこともある混沌の騎士の魂に内部から妨害を受けることで掌握速度が停滞。 
 完全掌握に12時間以上の時間を要します。
※混沌の騎士のように一度は完成したテラカオスの魂は性質上、取り込めません



※以下のキャラの魂が完全に破壊されました
 物語がどのような結末を迎えても、二度と復活できません

【ベジータ@ドラゴンボール】
【野田総理@現実?】
【シックス@魔人探偵脳噛ネウロ】
【バット星人グラシエ@ウルトラゼロファイト】
【ユウキ=テルミ@BLAZBLUE】
【乃木怜治@仮面ライダーカブト】
【つば九郎@ヤクルトスワローズ】

228 ◆8t1yIW/rRU:2018/03/14(水) 12:05:41 ID:xg574Bzs0
投下終了です
シャドウへの制約や予言の答え合わせ的なものと
サーフが今まで何をしていたか、悪魔将軍やシグナムの死者スレ破壊やタバサなど腑に落ちなかった点を強引に解釈してまとめて見た
反応を見て大丈夫そうなら本スレに投下いたします

229ラスボスっぽい中ボス:2018/03/14(水) 14:37:15 ID:REMWE.Eo0
投下乙
自分的には問題ないように感じるけど、ただ一点だけ
都庁のフォレストセルは『生後1000年ちょっと』なんだよね。だから数万年だとちょっとずれちゃう
フォレストセルは原作からして元々複数体いるって明言されてるから、別個体にすれば問題ないとは思うけど
いまちょうどオオナズチのミヤザキ話書いてたところだから、この話通ったら『今』のフォレストセルと『古代』のフォレストセルの関係も説明できるかも
運良くこの話の中にオオナズチに情報流せそうな都合のつく登場人物ちらりと出てるし

230 ◆8t1yIW/rRU:2018/03/14(水) 14:47:15 ID:xg574Bzs0
>>229
見落としてました
本投下時にはフォレスト・セルは東京の個体に絞らず、古代グンマーが各地に隠したって形に直します

2319月13日はカイザの日 Part6:2018/09/13(木) 00:11:46 ID:5PMwNl7c0
  ト
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      ト、   V ヽ \=.、 イ | lV_| |/    \、  | ヽヽ ヽ //,/  |l ! / /
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          V、ヽ ヽくヽヽ   \ート`ヽー丶\\ヾ:ト\ヽ_K_∠イ://   j |!|/ l
        Vヽ\ 7 />、.._  リ ∧:ヽく ̄ヽ-ヽへ\ヽ<フ,、くノイl/  ノ!_ノァ' | /
         ヽj  V / / ̄∧二ニー、\::ヽ、 \ `TくヘヽlヽY∠!Lィイ/|<>イ /
          jト\ V /// /トY_廴>、ヽヘヽ ヽ_| ヽ_\┴vァ7:/_//′l/  /′
    _ =三二V ト、 ヽ// /l/77ヾヽノ´|´ト:「 |  /ト ̄ヽ二 ̄_,ィ〈/イゥト  ィ/、\//      
 -=―  ̄   / Y|ハ:}_|/ /∧ l/  トヽハ |ハ:| l /|\\く::r\ー '_/V=,く/\、V /_
         // ハ.l |ヘ\!/ ィェェァ ' ∧l! | j イ::ィ\'ト \ヽ_ >‐´}ニ| j_j、  //ト=ニ=-
         // / / l!V | V! // ヽ\ | ハl!jイヽ:!ヽニ´ハヽ. lTTト-<ァイイハノ /イ! |
         // j!Y |ハ| ! | |\ー----!、}j/へ1| l::l ト<.ヘヾ!l !||/|Tイ| !|!´\ }イヽ.!
         // /ト| l l! レl´|  ヽ―-、| ヽ /|丶ヽ:〉ヽ. Viヽl l !!!ニハヽl l|ト _ヽハ l
        // j lト|/ l!/V´小 /┬、-くV´ ̄ V-ヽヽ、 \_|ハ! |ト、 Vト l!ヘ  |ハ i
      l l j_ハ |! 小/ 〉ノ| Vj | ト_トヽ〈  /l! \ヽ〉, ヽト小、||!/ 7'ト、|イ ̄lヽ |ヽ|
      ///リ |! | | Yイ | {ノ レくヽハi 〉 イl ∧  V!∧ |イ} / /l l!| トイ77くヽトj
      // //   ! j ! | | jハノニ=イj//ヘ / |!   |!|::{ |:〈 〈-〈| | l!!∧7くァ1 l!′
      //,//   | | イィ′V      |/′ _/  |ト、   ||:::ヽl小\\Vj:||イくl! Vヘlj!
    ///'/     ! | /l′  ト     / / /′ |ヘヽ  ||:::::||´ ヽ._\\トハノ|   V|
   j/ l!/     |   /|    | l   /7 //}  /| | ∧ !ト、:||   |イi\ヽ |V   l !
   | /     l  //′   ! ! // 〃l´   V! ! |:∧j| l:!!  /イ |/l ヽVヽ   !|
   l /      | //   | V!´ /{ |, =く /j|||:ハハ|  || / /| |/| ∧| l  / |
   |′      | //      !  |! /イ  1   l ノ:! ト| |∧ || { il::| j/| |:/  j/l |
         | l/      |  ハl/:::〉、 jr‐v'∧l! | l  !:::ト 1 l l!::|/| | !∧ ! _j! イ
           | l′      |  | |!::/ /7! /、|:::〉/| |:::| ヽ! ヽ l::! ト|-|:::/,.-く |/
            |/       ト 、| lV / / |小:ll//-ァ′ |:::!    ヽー' / j// \ V、 ,ヽ
                l  \/イ}---イ l//   V  , 、‐く` ニ _ イ  /\ト l
                 _l   / |/  |∧ト イ|       /  \\、`ー/    イj- 、
               /__ヽ./ /ィ二ィヽ V /      ヽi   〉‐トY- _  /、ヾV―-\
            / ̄-― | /ィ/|ーハ∧ }        ヽ∠/_/ \    {‐ 二〉、
          / ‐_ ∠/Vイト ! |/1∧イ               \  |ィー-、\\
        /_/ ̄  ̄  1 ||_r‐v /|_/‐′                ̄  ̄ `ヽト、\\
         ̄            | V― //                              \\ヽ
                   | |  //                              ̄
                   ヽ! //
                     ̄


『邪魔なんだよ……カイザの日を祝わないものは全て!』

2329月13日はカイザの日 Part6:2018/09/13(木) 00:12:19 ID:5PMwNl7c0

その頃、草加さん(今年はサイドバッシャー状態)は今年もまたカイザの日を祝おうとしていた。
……去年も一昨年も三年前も四年前も五年前も同じことを言っていたが、彼にとって大事なことなのだ。

五年ですよ、五年。
その間色々ありましたが、皆さんはどうお過ごしででしょうか?

まあ、そんなことはさておき……


草加さんはDMC狂信者の本拠地である東京ビッグサイトに辿り着いたものの。
草加さんお目当てのグレートゼオライマーはいなかった。
イデオンやらマジンガーZEROやら真ゲッター1やらグレンラガン、レオパルドンはあった。
そして、何故か知らんが大破していたヴァンツァーもあった。。
こんなに強そうな機体があるのはドリルコスがグレートゼオライマー乗っているのと同じ理由だ。
しかし、これだけ揃っていてもグレートゼオライマーはなかった。
だって、これらの機体よりもグレートゼオライマーの方が強いのだ。
だから、ドリルコスがグレートゼオライマー乗っている。

だが、他の機体でもいいかもしれないが。
皆さんは『初志貫徹』という言葉をご存知であろうか?
英語で言えば『Carrying out original intention』

「初志」とは”最初に決めた志(こころざし)や思い”。
「貫徹」は”貫き通すこと”を意味する言葉である。

まあ、クラウザーさんよりも賢い皆さんなら知っているという体で話を進めよう。

妥協などしてはいけないのだ。
だからこそ、草加さんはグレートゼオライマーに憑依したいのだ。
というよりも、今の名前が挙がった機体ほぼ無機物じゃないのだ。
出来るはずないのだ.

と、こんな感じで草加さんはファッション感覚で頭おかしい(褒め言葉)行動を実践していた。
彼にとってクラウザーさんなどどうだっていい存在なのだが、一応、今の彼はDMC狂信者なのだから。


「サイドバッシャー、探し物は見つかったですか?」
『すまない、どうやらここにはないみたいだ』
「そうですか……」

その時である。

「ニャガニャガ〜〜こんなところに誰かと思ったら貴女方でしたか」
「あっ、ホモだ」
「ぶっ殺しますよ?」

白い格好の完璧超人始祖サイコマンが現実時間にして約一年二か月ぶりに現れた。
彼がここに現れた理由……それは今、伝えるべきではなかろう。
何故なら、今日はカイザの日なのだから。

そして、彼は格納庫にあったロボットを全て自身のデイパックの中に詰め込み始めた。
支給品だからね、デイパックの中に入るのは当然だよ。
そのあと、レジーナ達との情報交換(専ら情報を出てるのはレジーナ達だけ)をした。
しばらく、サイコマンは何かを考えるようなポージングをした。

「接触してみる価値はありそうですね……ニャガニャガ」
「ゼロに接触するんですか?」
「はい……ですが、私一人ですと少々不安がありますので……
 もしもの時のために貴女方も来てくれるとありがたいのですがね」

これは女子二人と草加さんにとって好機であった。
二人としては手柄を立てるこ=クラウザーさんの為になるのだ。
そして、草加さんは早くもゼロと開墾出来る可能性が出てきたのだ。



だから、彼女たちはその提案に――――『乗った』。

2339月13日はカイザの日 Part6:2018/09/13(木) 00:12:43 ID:5PMwNl7c0
【二日目・21時09分13秒/東京ビッグサイト】


【暁切歌@戦姫絶唱シンフォギアG】
【状態】疲労(小)、決意、首輪解除
【装備】シンフォギア「イガリマ」、イグナイトモジュール@戦姫絶唱シンフォギアGX
【道具】支給品一式、クロエの首輪
【思考】基本:SATSUGAI、自分の生きた証として絶対にクラウザーさんを蘇らせる。
1:みんなの希望であるクラウザーさんは必ず蘇らせる!
2:風鳴翼については大いに失望
3:同じ狂信者仲間としてレジーナを大事にしたい
4:フィーネになってしまう自分の危険性を考慮し、クラウザーさんが蘇り次第、自分の命を断つ
5:ゼロを警戒し、可能なら正体を探る
※自分が新しいフィーネになると思い込んでいるのは勘違いです
 よって、自分がフィーネになると勘違いしている時期からの参戦です
※サイドバッシャーを支給品と思い込んでおり、正体に気づいていません


【レジーナ@ドキドキプリキュア!】
【状態】健康、首輪解除
【装備】ミラクルドラゴングレイブ、電子星獣ドル、シンフォギア「シュルシャガナ」
【道具】支給品一式、ギラン円盤
【思考】
基本:クラウザーさんの復活
1:クラウザーさんの為にすべての人や魔物をSATSUGAIする
2:切歌に友情を感じている
3:ゼロを警戒し、可能なら正体を探る
※月読調のギアの装者になりました
※サイドバッシャーを支給品と思い込んでおり、正体に気づいていません


【草加雅人@仮面ライダー555】
【状態】サイドバッシャーに憑依、テラカオス化進行(中)
【装備】サイドバッシャー@仮面ライダー555
【道具】カイザギア@仮面ライダー555
【思考】
基本:生き返る方法を探す・カオスロワちゃんねる管理人を殺す
0:狂信者の支給品として、グレートゼオライマーに憑依する
1:0が済んだら蘇生手段も手に入れる
2:とりあえず、乾巧の仕業にする(カオスロワちゃんねる管理人以外)
3:来年のカイザの日も祝いたい
4:仲間にする奴には大災害の原因や蒼(TC)の件を教えておく。狂信者は様子見してから。
5:怪しいゼロの正体を探る。管理人だったら殺す。
6:乾巧が死んだので真理は俺のもの!
※大災害発生の原因とカオスロワちゃんねるの危険性を知りました
※テラカオス化によって得られた能力として無機物への憑依能力を得ました
※生き返れるタイムリミットは(作中時間で)残り55.5日です。
 再憑依のペナルティとして、一回につき蘇生タイムリミットが9.13〜55.5日まで減少します。
※テラカオス因子によって魂を現世に繋いでいるため、フォレスト・セルやツバサの治療を受けると問答無用で死にます
※カイザの日はテラカオス因子とは関係ありません。
※仮面ライダージオウに出演することが決まりましたが、今回の話とは関係ありません。

【サイコマン@キン肉マン】
【状態】健康、首輪解除
【装備】なし
【道具】支給品一式、イデオン、マジンガーZERO、真ゲッター1、グレンラガン、レオパルドン、ヴァンツァー(大破)その他不明
【思考】
基本:????
1:↑の目的のためにできればシルバーマンさんも勧誘したい
2:ゼロとの接触。
3:そういえば、草加さんは……まっ、いいでしょう。
※サイドバッシャーの正体に気づいているかもしれないし、気づいていないかもしれない。

234あきよの破壊力が異常:2018/09/13(木) 00:14:00 ID:5PMwNl7c0
総合板に巻き込まれ規制をされたのでこちらに投下しました。

235あきよの破壊力が異常:2018/09/13(木) 05:23:19 ID:VDKOuonc0
投下乙
悪くはないんだけど時間飛びすぎじゃね?

236ラストネットワーク・不足状態表:2018/10/01(月) 14:58:42 ID:j.EyEPdw0
【ナッパ様@ドラゴンボールZ】
【状態】ダメージ(小)、疲労(小)、尻尾切断(処置済み)、野球脳、激しい怒りと悲しみ、首輪解除
【装備】病衣
【道具】なし
【思考】基本:ハラサンの意思を継ぎ、チームを優勝させる
0:ギムレー達が戻るまで、ツバサや仲間を守る
1:野球を邪魔するDMCは許さない
2:また多くの仲間が死んじまった……自分の無力さが不甲斐ない
3:ソウルセイバー……
4:拳王連合軍は本当に悪逆集団なのか?
※回復したため、戦闘力がとても大幅に上昇しました
※一瞬だけスーパーサイヤ人化しました。これからいつでも変身できますが本人はまだ気づいていません

【白光炎隼神ホルス@パズドラ】
【状態】健康、悲しみ、首輪解除
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:世界を救うためにイチローについていく
0:ソウルセイバーのことは非常にショックだが、今はツバサ達の護衛
1:死んでしまった奴らのためにも頑張るホル!
2:都庁に儚げな巨乳がいるなら、向かってみてもいいかもしれない
3:ホルもソウルアーマーを遺したくなるよう人に会ってみたいホル
4:できればそれは巨乳の女の子が(ry 特にクリスやなのは、はやてみたいなええ乳の(ry
5:ツバサも乳があればなあ……

【テラカオス・ディーヴァの残滓『ツバサ』@テラカオスバトルロワイアル十周目】
【状態】健康、完全TC耐性、キングストーンにより変身可能、首輪なし、若干エントロピー減少により弱体化
【装備】キングストーン
【道具】リボルケイン
【思考】基本:テラカオスの因子を集める。この力で守れるものを守る。
0:さっきのダークキバは、もしかして……
1:どうして人はあんなに残酷に殺しあえるんだろう……
2:Lさん、ゼクスさん……貴方達の犠牲を忘れません。
3:私にも救えない人がいたなんて……
※ディーヴァが持っていた能力はキングストーン以外が使用不可。
※一度、テラカオスになったことにより完全なTC耐性を保持、テラカオス候補者のTCを回収できます。
※死んだことによりディーヴァの性格を引き継いでいません、これからどうなるかは不明。
※記憶を大半喪失していますが、生みの親の名前、風鳴翼が捕食で世界を救おうとしたこと、都庁での悪い思い出、沖縄で敵が現れ敗北したこと、夢で出会った男(才人)のことは朧げながら覚えています。
※仮称としてツバサという名前が与えられました
※ユーノに吸収された因子とエントロピーは通常手段では回復できません
 他者の因子を吸収することによってのみ回復します


【二日目・20時00分/東京都 都庁内の何処か】
【オオナズチ@モンスターハンターシリーズ】
【状態】健康、首輪解除
【装備】不明
【道具】支給品一式、狂信者から盗んだ色々なアイテム
【思考】基本:美少女とエロ同人誌みたいなことしつつ都庁で暮らしたいが、そのためにも予言を完成させる
0:ギムレーからの情報を仲間に伝える
1:正直、友や仲間の死には心を痛めている
2:やっぱり草を生やしてこそ我ですなwwwwww
3:でも真面目な時は頑張って草抑える
※尻尾も破壊された場合、ステルス能力を失います
※狂信者から盗んだアイテムはデモニカ以外にもあるようですが、詳細は不明です


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