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カオスロワ避難所スレ3

1管理人 ◆WI16BozYZw★:2015/07/08(水) 21:45:14 ID:???0
前スレッドが1000間近のため新規スレッドを用意いたしました。

2Giant Step:2015/07/09(木) 18:37:43 ID:paC0/eHs0
【霧切響子@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】
【状態】健康、ロリ切さん
【装備】様々な資料
【道具】支給品一式、沢山の光彦関連のスイッチ、その他不明
【思考】基本:殺し合いの打開and殺し合いについて調べる
0:大阪に向かう
1:苗木くんに会いたい
2:元に戻る方法はあるのかしら……?
※めだか以上まどか未満の魔法少女になれる素質があるようです

【霊烏路空@東方Project】
【状態】悲しみ、やさぐれた……?
【装備】制御棒、地獄兄弟みたいな格好(女性用)
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:さとり様殺した奴は殺す
1:光太郎たちについていく
2:矢車の妹になった!

【矢車想@仮面ライダーカブト】
【状態】やさぐれ
【装備】ライダーベルト&ホッパーゼクター@仮面ライダーカブト
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
1:光太郎、空を地獄兄弟の弟、妹にする
2:上記のために、光太郎たちについていく。(率先して戦うつもりはない)
3:キュゥべえから下衆の香りがする……

【キュゥべえ@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】健康、他の個体が全滅
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:女性参加者全員を魔法少女にする。
0:身を守るためにクライシス一行に保護してもらう
1:霧切響子は黒神めだか以上の素質を持っている……なんとか契約できないだろうか
2:必ず鹿目まどかとも契約してみせる
3:母星と連絡出来るまでは生き残る

3Giant Step:2015/07/09(木) 18:38:02 ID:paC0/eHs0

【風鳴弦十郎@戦姫絶唱シンフォギア】
【状態】健康
【装備】ジェットスライガー@仮面ライダー555
【道具】支給品一式、ノートパソコン
【思考】基本:殺し合いの否定
1:翼に会うために大阪に向かう
2:戦えない者(主にKODOMO)たちの保護

【姫川友紀@アイドルマスターシンデレラガールズ】
【状態】健康
【装備】大正義巨人軍風のユニフォーム
【道具】支給品一式、予言の書(本物)
【思考】基本:予言の書通りに行動したいから、野球する!
1:野球のメンバーを集める。
※予言の書は本物です。


 ◆ ◇ ◆


「井之頭さん、ここは?」
「どうやら、愛知県のようですね」
「なんでいきなり……」
「それは先程我々が山形県から三重県に移動したのと同じ原理なのでは?」
「なるほど」

 敗走中の二人の乗っていた高級外車は謎井上ワープによって愛知に飛んだ。
 まあ、二人としては、逃げ切れたので問題なかったが……。

「腹が空いたな」
「そうですね」

 お腹が空いてきた。
 戦闘すれば、お腹空くそういうことである。
 その時である。

「ちくわパフェ! ちくわパフェいりませんか、めう〜」

 世にも珍しい『ちくわパフェ』を売っている少女が現れた。
 これには付いていたと早速ゴローちゃんは声をかける。

「すいません、ちくわパフェを二つください」
「やっとお客さんめう〜、今日の残業終わりまであと48時間めう」

 一先ず、食事を取りこの後のことを考える。
 腹が減っては戦は出来ぬのだ。

【二日目・8時00分/日本・愛知県】

【井之頭五郎@孤独のグルメ】
【状態】普通、ちょい空腹
【装備】モンスターボール×4
【道具】支給品一式、調理器具一式
【思考】基本:優勝狙いマーダー
0:一先ず、ちくわパフェ。
1:食糧事情の都合上、マーダーとして動く
2:生き残るために吾郎と行動する

【由良吾郎@仮面ライダー龍騎】
【状態】ダメージ(小)、精神不安定気味
【装備】ライダーブレス@仮面ライダーカブト
【道具】支給品一式 、高級外車
【思考】基本:優勝狙いマーダー
0:一先ず、ちくわパフェ。
1:北岡先生を殺した奴は許さない
2:生き残るために五郎と行動する
3:優勝し、殺し合いが終わった後にでも北岡先生の亡骸がある場所や下手人を調べたい

【芽兎めう@ひなビタ♪】
【状態】社畜(残り残業時間48時間)
【装備】屋台
【道具】大量のちくわパフェ
【思考】基本:働く
1:困っている人たちにちくわパフェを売る

4一方そのころ:2015/08/09(日) 03:44:08 ID:2zWmn1WI0
各地の情勢がめまぐるしく変わるなか、千葉県にある某遊園地のホテルでは穏やかな時間が流れていた
クリスとシマリスの爆弾発言に面食らったゼクスたち三人ではあるがすぐに冷静さを取り戻した
普通ならここで否定される言葉であるだろうがこの三人はその言葉を信じた
なぜならこの三人もまた不可思議なことに巻き込まれたりしたからである

「よし、そうとなりゃすぐに行くぞ!」
「待ちたまえ」
「ああ、なんだよ?」

三人が信じたことを確認してすぐに行動を開始しようとするクリスをゼクスが止める
それにたいしクリスは若干イラついた言動を見せる

「君たちは先の戦闘で負傷しているしかもそのダメージは大きい
安易な行動をすればすぐに死んでしまうかもしれんぞ?」

ダメージのことを指摘されたクリスは自らの体を見て押し黙った
ゼクスの言うことは正しいし、ここで死んでしまってはイクの犠牲を無駄にすることになる

「理解してくれて何よりだ、君たちは休んでおいたほうがいいだろう
幸いここら周辺には人がいないからゆっくりと休むといい」
「わかったそうさせてもらう、けれどあんたたちは私たちが休んでいる間は何をしてるんだ?」
「しばらく情報収集や物資調達、それと他の人の探索ですね」

Lがクリスの質問に答えた

「他にご質問などは?」
「いや、それだけだありがとな」
「うーん、僕はそろそろ限界でぇす」

シマリスは先の戦闘の疲労により眠気が襲ってきていたのだ
緊張感が抜けたこともまた眠気に襲われた原因だろう
それと同時にクリスにもまた眠気が襲ってきた、それを顔に出さないようにするが

「おう、譲ちゃん眠いなら眠っといたほうがいいぜ、なんせこんな殺し合いの真っ只中だ
ゆっくり眠れる機会も早々ねえ、それに眠気のせいでここぞというときに力を発揮できないのはまずいからな」
「だ、だけど」
「安心してください、あの程度なら我々でも十分にこなせます心配せずゆっくりと」

最初は渋ったクリスだがベルナドットとLの説得により寝ることにした
そして二人が寝静まったのを見てゼクスたち三人もまたそれぞれ行動を開始した

:::

5一方そのころ:2015/08/09(日) 03:45:21 ID:2zWmn1WI0
それからというものLはホテルのパソコンで情報を収集し
ベルナドットは外に出てホテル周辺の探索を行い
ゼクスは遊園地から出てで探索活動を行った
それが8時間前のそれぞれの行動だ、今は行動を終え食堂にいるクリスやシマリスも一緒だ
今全員で食事を取っているところだ、まずそれぞれの報告をする前に腹ごしらえをするということでみな同意したのだ
そして食事が終わり、それぞれの報告に移る

「では、食事も終わったことですしそれぞれの報告を」
「んじゃ、俺からいくわ」

手を上げたのはベルナドットだ

「このホテル周辺で生きている人はいねぇな、争った痕跡は見つけたがな」
「ん?何か含みのある言い方だな?」
「ああ、実はな争った痕跡などはあったんだが肝心の死体とかがないんだよ」

このベルナドットの発言に聞いていた四人は驚いた
明らかに不自然だ争ったのに死体がないということは
だが死体がないと言う理由を考えても仕方がない情報が足りないからだ

「今、その死体の件については棚上げしましょう、情報が足りません」

そのようにLが言ってこの件は棚上げされた
ベルナドットの報告が終わり席に着く
それと同時にたちあがるのはこの集団のリーダー格ゼクスだ

「私はこの遊園地から離れ千葉県各所を探索し時には地上に降りたが人の気配を感じられなかった
だが道具は手に入れられた」

そう言ってからゼクスは回収できた道具をデイパックから取り出した
置かれた道具はヒラリマント、ウルトラストップウォッチ、マスターボール
これがゼクスが確保してきた道具である

「へえ、また変わったもんをそれぞれどんな効果があるんだ?」
「ああ、そのマントは振りかざすと目の前に迫ってくる物全てを跳ね返したりできる
そしてその時計だが、どうやら時を止められるらしい」
「まじかよ!」
「本当でぇすか!」

時を止めるという言葉にすぐさま反応したのはクリスとシマリスの二人だ
この二人は時を止める力を持つ敵に仲間であった衣玖を殺されているのだその恐ろしさをよく知っている
だがその力をこちらで使えるのなら心強いのだ

「とは言ってもそのような便利な道具には制限があるのでは?」
「ああ、Lの言うとおりだこの道具には制限時間と一度使用すると何分か使えなくなる」
「制限時間はわかるのか?」
「体感ではあるが五秒ほどだったはずだ」
「では、使用できない時間は?」
「15分くらいだな」

質問に対してゼクスが答え終える
ストップウォッチ、時間を止めるというのは実に強力ではあるが使用できない時がある
実に切り時が難しいが、ここぞと言うときには強力な武器となるだろう

「それで、最後に残ってるそのボールはなにかあんのか?」
「いや、そのボールに関しては今のところまったくわからない」
「おいおい、まじかよそんなもんまで持ってきたのかよ」
「持ってきても減るものではあるまい、使用用途が判明すれば強力な武器になるかもしれんしな」

モンスターボールと言うものはポケモンを捕まえる道具だしかしこのマスターボールにはポケモンがいない
そのためゼクスはモンスターボールと言うものを知らずいろいろ試してみたのだが何も起こらなかったのだ

6一方そのころ:2015/08/09(日) 03:46:24 ID:2zWmn1WI0
そうしてゼクスの報告は終了し最後にLの情報収集結果の報告となった

「では、私がパソコンで入手した情報の結果をお話いたします
早速ですが東京には近付かないほうがいいでしょう」
「それはどうしてだ?」
「東京にいる二大組織が本格的にぶつかりあいました」

そのLの発言にゼクスとベルナドットはついにきたかという顔をした
クリスとシマリスは疑問符を浮かべている

「ちょっと待ってくれ東京とか二大組織って何だ?、そんなにやばいところなのか今の東京は?」
「ああ、そういえば貴方達は知らないんでしたね」

クリスの質問にLはかくかくしかじかと東京の状況を答えていく
一方は魔獣で構成されていて人間に好戦的もう一方の組織は狂信者の軍団
さらには野生の危険組織などなどだ

「うわぁ…」
「そして敵対していた組織同士が衝突、もう戦争状態ですね」
「触らぬ神にたたり無しってことだな、で他には?」
「そうですね大阪もまた大規模の組織同士が戦争状態に突入したようです」
「大阪でもか…大阪で衝突いる組織の情報はないか?」
「一方の組織はどうやら色々とやらかしている野球チームのようです
もう一方のチームはなにか巨大な船を持っているようですがそれくらいしか」
「いや、どんな些細な情報もここでは貴重だありがとう、続けてくれ」

それからもLの報告は続く
イチローの野球チームが襲撃を受け分断されたこと、主催の施設が襲撃されていることなど

7一方そのころ:本文が過ぎたので分割しました:2015/08/09(日) 03:47:00 ID:2zWmn1WI0
ほとんどの報告終え、終わりを宣言しようとしたが一つ報告し忘れていたことを思い出す

「と、すいません一つ報告し忘れていたことがありました
どうやら主催が指名手配をした食人鬼風鳴翼が――」

そのときクリスが突然立ち上がり机を勢い良く叩いた

「ちょっとまて!!!、何であいつが指名手配されてるんだ!!!
と言うか食人ってなんだよ!!あいつがそんなことするわけないだろ!!!」

Lの胸倉を掴み、激昂しながら叫ぶ
慌ててゼクスとベルナドットが立ち上がりクリスを抑える
シマリスもまたクリスを落ちつかせるために動く

「落ち着け譲ちゃん、いきなり切れられても俺たちはさっぱりだぜ!」
「そうだ落ち着きたまえ、どうして君がそこまで怒ったのか理由を聞かせてほしい!」
「そうでぇす、いきなり怒ったって何もわからないのでぇすよ」

三者三様のなだめる説得によりクリスもまた気持ちを落ち着かせた
それから数分たち

「すまねえ、いきなりキレちまって」
「いえいえ、先ほどの怒り具合から見て貴方はその人をだいぶ大切にしているようで
聞かせてもらえませんか、風鳴翼ついて」

促されクリスは風鳴翼について語り始める
彼女の性格、彼女の容姿などなど
全て語り終えてからクリスは

「だから、翼は先輩は絶対にそんなことをしない」
「なるほど、確かに今君が言ったことのとおりであれば彼女がそんなことをするはずがないな」
「だがなぁ、指名手配されてるのは事実だろう、主催の連中が信用ならないところもあるが」
「殺し合いなんてさせる連中の言うことなんて信用も信頼もできないでぇす!」

各々が何かしら言い合ってるなかLは黙り思考する
主催がわざわざ指名手配するのなら、それは主催の目的と関係があるのではと
ぐるぐると思考を続けるが情報が足りずその思考を中断し口を開く

「ふむ、指名手配については主催の目的と何かしらの関係があると思います
でなければわざわざ指名手配などと言う迂遠な手は使いません」
「だが、彼女が主催に何かしら不利なことをして制裁のためとは考えられないのか?」
「それも考えましたが可能性は低いと思われます、このように大規模な殺し合いをさせるような者たちです
手駒など多く抱えているでしょう、その中には翼さん以上の実力者がいるかもしれません
それに指名手配などすれば私たちのような対主催と接触される危険性もあります、するとしても最終手段でしょう」
「なるほど」

Lの推論に一同納得する

「なあ、提案があるんだな」

クリスのその言葉に一同が反応する

「アタシはさ、先輩が食人なんてことをしないって信じてる、けれどさ不安もあるんだ先輩が食人をやってるかもしれないって
だからさアタシは見つけ出して先輩が食人したのか問いたいんだ、だからさ先輩を見つけ出すのに協力してくれないか」

四人は顔を合わせてから、まずシマリスが言った

「シマリスはクリスさんについていきまぁす、最初にあった縁ですし、見捨てるなんてできませぇん」
「やれやれ、俺たちが協力しないって言ったらどうするつもりだったんだ」

ベルナドットは少々意地悪含みで聞いた

「そんときは場所を聞いてシマリスと二人で探すさ」
「だろうな、譲ちゃんみたいな性格だとそう言うと思ったぜ」

ベルナドットが笑顔で言う、明らかに気に入っていた
そしてゼクスの方へ向き

「だとよ、大将どうする」
「やれやれ、君も人が悪いものだな
ああ、彼女をこのまま放逐する気はない」
「じゃあ!」
「協力する、L、君もそれでいいか?」
「ええ、構いません、ここでじっとしていたところで事態が改善することはありません
ならばいっそ行動したほうがいいでしょうに」

これで全員の行動方針は決まった、ならばグズグズしていられないとすぐに行動する
Lは翼が電車に乗って大阪を目指していると告げる
大阪といえば戦争状態にある、だが彼らは覚悟などもう決めており、臆することなく向かう
食堂から移動し、ゼクスのエピオンがあるところまで移動する
そこでちょっとした問題がわかった、今の人数ではエピオンに乗れないのだ

「アタシは中に入れなくても構わない、なんせ変身できるからな
変身できれば風とか気にしなくていいからこのロボの掌でいいぞ」
「ふむ、だとすればぎりぎり全員乗れるな
よしすぐに乗りたまえ、出発するぞ」

Lとベルナドットが乗り込みそれを確認したゼクスがエピオンを動かす
なおシマリスはクリスのデイパックの中に入ることにした

そして五人は大阪に向かう、その結末がどうなるかはまだだれにもわからない

8一方そのころ:本文が過ぎたので分割しました:2015/08/09(日) 03:47:16 ID:2zWmn1WI0
【二日目・9:00時/千葉県】


【雪音クリス@戦姫絶唱シンフォギア】
【状態】健康  変身状態
【装備】イチイバル
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:仲間を探して現状を打破する
0:翼を見つけ出し食人について問いただす
1:近日中に来る天変地異のことをより多くの者に伝える
2:もっと強くなりてぇ
4:衣玖の代わりに比那名居天子を保護する


【シマリス@ぼのぼの】
【状態】健康
【装備】胡桃×いっぱい
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:仲間と共に生き残る
0:クリスに協力する
1:近日中に来る天変地異のことをより多くの者に伝える
2:胡桃の扱いを極める
3:衣玖の代わりに比那名居天子を保護する

【ゼクス・マーキス@新機動戦記ガンダムW 】
【状態】健康
【装備】ガンダムエピオン@新機動戦記ガンダムW
【道具】支給品一式 そのほか不明  ヒラリマント ウルトラストップウォッチ マスターボール
【思考】基本:バトルロワイヤルを止める
1:クリスたちに協力する
2:殺し合いを止める意志のある仲間を集めたい
3:そういえば道具を配分し忘れていた
※ウルトラストップウォッチには制限があります

【ピップ・ベルナドット@HELLSING】
【状態】健康
【装備】自動式拳銃×2 M16
【道具】支給品一式
【思考】基本:バトルロワイヤルを生き残る
1:生存確率が上がりそうなので今はゼクスについていく
2:譲ちゃんを見捨てたら後味悪いだろ?

【L@DEATH NOTE】
【状態】健康
【装備】自動式拳銃
【道具】支給品一式 手榴弾×25 ノートパソコン
【思考】基本:バトルロワイヤルを止める
0:クリスたちに協力する
1:主催の目的とは何でしょう?

※マスターボールの使用方法を誰も知りません

9動物ラッシュ! 野獣と化した野獣!:2015/08/18(火) 23:56:55 ID:A5vea8bI0
 テラカオス。殺し合い。世界の終わり。
 この3単語にいち早く気付いたのは、何も人間ではなかった。そう、この世界に生きる野生動物。彼らは世界の危機を一段早く気付いていた。

 ―――――ヒヒィィィン!
 ―――――パォォォォ〜ン!
 ―――――メェ〜メェ〜!
 ―――――カサカサカサカサ……。
 ―――――ウィンウィンウィン。
 ―――――気合だー! 気合だー!

 長野県の大町市、つまり富山県の付近にうっそうとした森林があった。いつのもように緑色の葉が揺れ、自然は動いているかのように見えた。
 今回はそれが比喩ではなく本当に動いた。並み居る動物は走りだし、木々を、土地を、建造物も破壊していく。
 その音は山崩れのような自然を形容詞したような音だが、それ自体が自然を壊すのである。
 瓦礫の山、といえばまだいい。瓦礫の山は崩れ、蹴飛ばされ、乱射した破片が周囲の物体を破壊するのである。
 野生動物の軍団は生い茂っていた広大な森を、まるで神が剃刀で剃ったように、黒い大地だけが残されていた。
 彼らには当然、各々の思考がある。色んな趣向、色んな頭脳、色んな価値観。動物にもそれはある。
 ただ彼らは1人のリーダーの元、基本姿勢だけは同じようにしていた。
 シマウマである。皆さんも知っているように長野県には人食いのシマウマがいる。その族長だ。
「彼女」もまたこの殺し合いの参加者であり、自分の仲間を食い尽くすなど、過酷な戦いを繰り広げていた。
 ただ、今回の彼の行動は少し違う。その実力に伴い、ある長野県の神託が彼の人格を操ったのである。
 佐久市、群馬県と長野県の県境付近にある土地に、とある地蔵がある。
 ぴんころ地蔵尊。これは和やかな顔をした地蔵であり、またこの殺し合いの参加者であった。
 和やかに、平和に。その思いで彼は全く殺し合いに乗らず、単に地蔵のままいたら、誰も参加者とは思わず破壊されなかった。
 ただ長野県に佐村ガウスフレミング02が現れてから、彼の認識は変わる。地蔵だけあって長野県内のありとあらゆる情報が彼に流れてきた。
 佐村ガウスフレミング02の圧倒的なパワー、そして凶暴性。これだけでもかなりショックだった。
 そして最も衝撃なのは、佐村ガウスフレミング02を千里眼で監視したことから始まった。
 なんとあの男と同等のパワーで闘う女を、その両方を食い尽くす存在にである。
 テラカオス。この殺し合いの、根源である。

 ぴんころ地蔵尊にとって、テラカオスとは敵対の存在であった。
 暴食、なおかつ攻撃的。そんな存在は許してはおけぬ。
 同時に地蔵は、彼女がこの世界をいずれ救う存在であることも、なんとなくであるが予知していた。
 だが「悪」であるやつよりは、それを打ち砕く「正義」にこそ、その世界を救う技量を持っていると踏んだのである。
 そのためには、各々が勝手に殺し合いをしている場合ではないのである。
 呉越同舟。どんな存在であっても、徒党を組んで、テラカオスを殺さねばならぬ。
 だから地蔵は人食いシマウマ族長の人格を乗っ取り、野生動物を連れる存在となったのである。

 元斗皇拳の使い手・紫光のソリアは自分の元へ攻撃が向かっていることを気付いた。
 彼は殺し合いなぞロクに知らないので、一人で天帝軍を1人で創設準備をしていた。
 彼が改造したイオンモールはあらゆる武装や罠が施され、要塞と化している。そんな中、動物たちが突っ込んできたのだ。
「なんだ……あの大群は……。まあこちらにはくるまい」
 そう思っていた。ソリアはせっせと新しい兵器制作へ取り掛かる。

 結果は、一瞬だった。

 イオンモールはあっというまに動物達に踏みつぶされ、中に1人いたソリアや、ついでに野比玉子も塵と化した。
 動物の大群は例えるなら炎のように、そして波のように、前に進む建築物を破壊したのである。
 瓦礫と化したその要塞は、もはや瓦礫さえも踏みつぶされ、一つの白いコンクリの板と化していた。

10動物ラッシュ! 野獣と化した野獣!:2015/08/18(火) 23:57:46 ID:A5vea8bI0
(さきほどの移動でいくつか死んだ)
 ぴんころ地蔵尊はわかっていた。自分達の動物がいくらか死んだ。それも覚えている。長野の地蔵だけはあるのだ。
 これからも自分達の仲間が死んでいくだろう。この行動が本当に達成された時は、おそらく皆死んでいるに違いない。
 それでも問題はないのだ。どんな結果であろうが、この殺し合いに参加するグループや重要人物を、全てテラカオスにぶつけるのである。

(向かうは大阪)
 ぴんころ地蔵尊は千里眼により、この戦いで最もキーとなる軍団を見つけていた。
 拳王連合軍。彼らの力は最も重要視する存在であると、地蔵は正直ノリとフィーリングでそう考える。
 だが問題は彼らは同じく巨大組織であるホワイトベース組と抗争を繰り広げているのである。
 これはまずい。喧嘩をしてお互いの戦力を減らし、テラカオスを倒す力を減らすとは、彼にとっては危機であった。
 なんとしても急いで彼らを仲介し、もしくは混乱させてでも、テラカオスへ矛先を向けねばならない。
 動物達はシマウマを先頭に走り出す。
 彼らが死ぬのは遠くか、もしかしたら10分後かもしれない。

【二日目・9:30/長野県】

【@】
【状態】
【装備】
【道具】
【思考】

【ぴんころ地蔵尊@長野県】
【状態】健康 シマウマに転生
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:テラカオスに参加者をぶつけて打ち崩す。
    1:拳王連合軍がいる大阪に向かい、できればホワイトベース組も合わせてテラカオスにぶつける。

【ワンリー@かわいそうなぞう】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:シマウマ(ぴんころ地蔵尊)についていく。

【ユキちゃん@アルプスの少女ハイジ】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:シマウマ(ぴんころ地蔵尊)についていく。

【巨大カマキリ(緑)@ネクロネシア】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:シマウマ(ぴんころ地蔵尊)についていく。

【アニマル浜口@野生動物】
【状態】健康
【装備】「気合だ」ハチマキ@現実
【道具】支給品一式
【思考】基本:シマウマ(ぴんころ地蔵尊)についていく。
    1:気合だー!

【その他大勢の野生動物@いろいろ】
【状態】いろいろ
【装備】いろいろ
【道具】支給品一式 いろいろ
【思考】基本:シマウマ(ぴんころ地蔵尊)についていく。

【ソリア@北斗の拳 死亡確認】
【野比玉子@北斗の拳 死亡確認】
死因:ユキちゃんの体当たり

11動物ラッシュ! 野獣と化した野獣! 追記:2015/08/19(水) 00:00:33 ID:IoT7mnxM0
 連投ですいません。重大な表記ミスに気づきました

「【@】
 【状態】
 【装備】
 【道具】
 【思考】」

 取り消しでお願いします。申し訳ないです。

12新米婦警達は何処へ向かうのか:2015/08/19(水) 00:57:36 ID:bRwSw5Uc0



『チューン、マッドドクタァ……』
「ほわああああああああ、痛たたたたたたたたたたたたた!!??」


そんな苦痛にうめく声が聞こえてきたのは、東京の一角。
と言っても魔物やらDMC狂信者やらがひしめく阿鼻叫喚の地上ではない。
地下の下水道内部に突貫工事で作られたであろう、やや広めの作業スペースだった。

「……これで全員の治療は終わったようだな」
「うぐぐ……死ぬほど痛いとは聞いてましたけどこれほどとは……」
「まきょー」

なんとか身体を起こしながらそう答えたのは、天魔王軍に半壊させられた警察組の生き残りである音無キルコと
まこちーの二人。
その二人を治療したのは、特殊な形状の銃を持ち紫色のジャケットを着た一人の男。
彼の名はチェイス。
またの名をロイミュード№000、そして仮面ライダーチェイサー。
彼もまたこの殺し合いを止めんと戦う、仮面ライダーの一人である。


「それにしても本当に助かりました、私達を助けていただいてありがとうございますチェイスさん!」
「ヤー!」
「気にするな。人間を守るのは俺の使命でもある……残念だが、あのポケモンは手遅れだったが……」


あの天魔王軍との戦いに敗北し逃走した後、キルコ達は水木のアニキを治療できる人物を探していたのだが、
途中満身創痍だったプテラが遂に力尽き落下してしまい、あわや地面に叩き付けられる寸前にその姿を見つけた
チェイスによって救出され、この地下下水道に全員運ばれたのだ。
その後チェイスの支給品に偶然入っていた救急車型のシフトカー・マッドドクターの治癒能力によって、キルコ達
全員が順番に治療を受け続けて回復が完了するまでしばし留まる事となっていた。
ちなみにマッドドクターによる治療は非常に苦痛を伴う物であり、キルコ達は全員が悶絶する羽目になったのだが
それは今は置いておく。


「………どうやら二人とも大丈夫なようだな、安心したゼーッtぐはっ!」
「あわわ、アニキさん大丈夫ですかーっ!?」
「あまり叫ぶな。お前が一番重傷だったからな。完治には時間がかかる」

一時は死の淵に立たされていた水木のアニキも、治療の末現在は会話ができるほどに回復していた。
だがまだ完全にはダメージが消えていないため、ザ・アニキングの行使こそ可能なもののあまりいつものノリで
シャウトしすぎると傷口が開くので本格的な戦闘はまだ無理そうである。
幸い持ち歌1000曲以上を誇るアニソン界の帝王たるアニキなので、しばらくは叫ばない系の歌でサポートに
専念する事で本人は妥協したのだった。

13新米婦警達は何処へ向かうのか:2015/08/19(水) 00:58:42 ID:bRwSw5Uc0

「治療と話は終わったか、チェイス」
「……お前か」

そこに姿を現したのは、チェイスとは異なるもう一人の仮面ライダー。
あのイチローチームと大正義巨人軍のからくりドームでの死闘の中、久保帯人の手から逃れ下半身を失い下水道へと
逃げ延びた仮面ライダーGことゴロリその人である。
彼はあの後自身を修復するための材料を探して下水道内を這いずり回っていたのだが、その途中でチェイスと出会い、
彼に修復の手伝いを頼んだのである。
チェイス自身もこの殺し合いを止め人間を守るために活動していたのだが、クラウザーさんの死をきっかけに
暴徒と化したDMC狂信者達の猛攻に晒され、何とか下水道に逃げ込んだ先でゴロリと出会い、同じ狂信者達を倒す
という面で意見が合致したため彼に協力する事を決めたのだった。
そして現在のゴロリはというと、失った下半身を治すための部品をチェイスが外部から工面してくれたおかげで
現在までの間に完全に修復が完了。
さらに彼は新たな力を『工作』で生み出す事に成功していた。

「お前が提供してくれたデータをもとに工作してみたが、こいつはなかなか使えそうだ。礼を言うぞ」
「……その力でお前はこの後何をする気だ? お前の言っていた久保帯人という人間を殺すのか、それとも
 DMCの信者とやらを全員殺すのか?」
「無論、両方だ。ワクワクさんを無残に工作し辱めたDMCの連中も、あの久保帯人も、そしてワクワクさんが
 死んだ遠因ともいえるこの殺し合いの主催者も、全て皆殺しだ。邪魔をするようならば、恩人であるお前とて
 容赦はしないぞ」

修復された仮面ライダーGには、一点だけ違う部分があった。
それはベルトである。
本来ならばワインボトル状のベルトのバックルは、青色に塗られた車のガレージのような物に差し替えられていた。
彼がチェイスから提供してもらったデータと現物を基に工作で完成させた、マッハドライバー炎である。
しかもこれはゴロリ本人の手でチューンされ、オリジナルより格段に性能が上がっているという代物だった。

『シグナルバイク! ライダー! ゴロリ!』
「レッツ、変身!」

自身のパーツの一部から生み出した専用のシグナルバイクをベルトに装填し、ゴロリは新たな姿へと変身を遂げた。
赤を基調としたカラーはそのままに、ライダースーツを思わせる形状に変化したボディ。
名づけるならば、『仮面ライダーマッハG』とでも言うべきだろうか。


「お前がこの殺し合いを促進させる勢力と戦うのであれば俺はお前を止めるつもりはない。だが、殺し合いを
 望まない人間達に手を挙げるというのならば……その時は俺はお前を全力で止める」
「安心しろ、無関係な連中に手を出す気はない…………こちらに攻撃してきた場合はわからんがな」
「…………」
「…………」
「ふ、二人とも落ち着いてくださいよ! 私達の敵はたくさんいるんですよ? こんな所で仲間割れしないで
 くださいよ〜!!」
「その通りだゼーット! 二人とも気を静めるんだゼーッtごほっ!」
「うわーっ! またアニキさんの傷口が―ッ!?」
「まきょきょー!?」
「……バカなのか、この連中は?」
「……わからん」


なんてやり取りをした後、改めて全員は今後の方針を話し合う事にした。
結論から言うと全員が優先して行いたいのは『DMC狂信者、並びに都庁の魔物の排除』の一点。
現時点では他にも拳王軍だの食人鬼だの殺し合いの危険因子は多いのだが、関東を中心として活動しているこの
二大勢力をどうにかしない事にはまともに身動きが取れないという面から、まずは他の勢力とコンタクトを取り
ながら彼らを倒す事を優先に活動する事となった。
特にキルコ達は都庁の魔物の恐ろしさを肌で感じていた為なおさらである(真実は彼女達と戦ったのは天魔王軍
という別勢力だが、彼女たちは知る由もない)。
ゴロリ自身は久保帯人の捜索を優先したかったが、彼が現在消息不明である事と修復に協力してくれたチェイス
への借りを返すという意味で今回は一端退く事にした。

「……とはいえ、どうやって彼らを攻めましょう? どっちも数が多い上に戦力が未知数、正面から攻めても
 私達だけじゃ絶対返り討ちですよ?」
「どちらも本拠地は既に割れているわけだが、これは難問だゼーット……」
「いや、お前達の情報が正しければ……都庁の方はどうにかできるかもしれんぞ?」
「ええっ、本当ですかゴロリさん?」

いきなりの『私にいい考えがある』な発言に驚くキルコ達を尻目に、ゴロリは話を進める。

「東京都庁は今、巨大な樹木になっているらしいが、それならば突くべき点は一つだ」
「と、言うと?」
「お前たち手伝え。都庁を攻略するための『工作』タイムだ」

14新米婦警達は何処へ向かうのか:2015/08/19(水) 00:59:27 ID:bRwSw5Uc0



それから数刻後。
現在キルコ達は、下水道を後にして地下を掘り進んでいた。
もちろん素手ではなく、ゴロリが余った部品やら何やらを使って完成させたマシン・トライサイクロンに乗って
である。
正確にはトライサイクロンには運転手であるゴロリと助手席のアニキとまこちーが乗車。
その後ろをチェイスの運転するライドチェイサーと相乗りするキルコが追うという状況である。
マシンにはゴロリの手によって凄まじい魔改造が施されており、その武装の一部である大型ドリルを用いて現在
固い地盤を掘りまくっている最中なのだ。
目指すは世界樹こと東京都庁、その地下一帯である。
ゴロリの立案した作戦はこうだ。
相手が巨大な植物と化しているのであれば、正面から無理に切り倒したり燃やしたりするよりも地中を掘り起こして
しまえば根がむき出しになり容易に倒す事が可能である。
仮に根が強固だったとしても、元が建物である以上土台が消えバランスを崩せば倒壊は免れない。
まさに『将を射んとすればまず馬を射よ』というべき作戦である。

「……確かに理に叶った作戦ではあるが、キルコ達が言っていた魔物達が地下にも大量に巣くっていた場合は
 どうする気だ?」
「問題ない。その時はこのベルトに備わっている機能で奴らを無力化すれば迎撃も撤退も十分可能だ」
「……あまり気は進まんな」
「えっ? 何か言いましたかチェイスさん?」
「……何でもない」

作業のついでにゴロリに作ってもらったオリハルコン製のトンファーブレイドを背負い、やや上機嫌のキルコの
問いをスルーしつつ、チェイスが前方に目を向けた時である。


ドゴォッ!!


「何だ、どうした?」
「ゲェーッ、巨大なダンジョンが現れたゼーット!」
「まきょ!?」

ナビによるとそろそろ都庁の地下に入るという時に、トライサイクロンは突如として謎のダンジョンの中に
飛び出してしまった。
ご存知の方には言うまでもないが、ここは都庁の世界樹の地下に存在するダンジョン・真朱ノ窟である。
都庁の地下に関する詳細な情報を持っていなかったゴロリ達は、思惑に反してこの迷宮に足を踏み入れてしまった
のだ。

「ま、まさかこんなダンジョンが地下にあるなんて……」
「待て、様子が妙だ。見ろ」

違和感に気付いたチェイスが指差す先には、無残にも倒れ伏した何かの死骸のような物が見えた。
それはこのダンジョンを守る魔物の一角である銀色の巨大な蟹・メタルシザースと、巨大な白血球と赤血球・
ルーカサイト&レッドコーパスルの死骸だった。
どれも何者かから攻撃を受けた形跡があり、どの個体も死後間もない様子なのが見て取れた。

「真新しい魔物の死骸……どうやら俺達以外にも先客が来ているようだな」
「あれ? でもなんかこの魔物、私達が見たのとはだいぶ雰囲気が……」
「おい、聞こえるかお前達。この向こうから戦闘音らしきものが聞こえるようだぞ」
「えっ、本当ですか? もし都庁の魔物と戦ってる人達なら……」
「無論、助けに行くゼーット!」
「まきょー!」
「……予定は少々狂うが、まあいい。とにかく行ってみるか」


ゴロリに促され、警察組残党一行+αはマシンを駆り、ダンジョンの奥深くへとひた走った。
―――――誤解に気付かぬまま、その先に何が待っているのか知る由もなく。

15新米婦警達は何処へ向かうのか:2015/08/19(水) 01:00:15 ID:bRwSw5Uc0

【二日目・9時00分/東京都・都庁地下南部】

【警察組残党+α】

【音無キルコ@新米婦警キルコさん】
【状態】ダメージ(小)、疲労(小)、強い悲しみと怒り
【装備】トンファーブレイド(オリハルコン製)
【道具】支給品一式
【思考】基本:主催を成敗して殺し合いを止める
1:都庁地下の戦闘音の出所を探す、仲間がいるなら加勢する
2:都庁軍は必ず倒す、都庁軍と戦える仲間を探す
3:ジバンさんとウッチーさん、フェイ・イェンちゃんの仇は必ず取ります……!
4:ビックサイトのDMC狂信者も気になるが、危険な都庁の魔物を倒すのが先
5:主催者の本拠地を探す
6:ハル先輩達、無事かなぁ?
※オルゴ・デミーラ率いる天魔王軍を都庁軍の一派だと誤解しています
※プテラは力尽き、死亡しました


【まこちー@ぷちます!】
【状態】ダメージ(小)、とても深い悲しみ
【装備】きあいのタスキ
【道具】支給品一式
【思考】基本:まきょー
1:キルコについていく
2:ウッチー、ジバンさん、緑色のロボットさん(フェイ・イェン)を悼んでいる
3:真とちひゃー、765プロの面々、はるかさんの死に深い悲しみ
4:襲われたら全力で戦う


【水木一郎@現実】
【状態】ダメージ(中)、本調子じゃないゼーット!
【装備】赤いマフラー、マイク、ライオアタッシュ
【道具】支給品一式
【思考】基本:俺の歌で殺し合いを止めるゼーット!
1:ダンジョンの向こうに仲間がいるなら助けるゼーット!
2:早く回復したいゼーット! 
※スタンド『ザ・アニキング』を呼び出す事が可能です。
 アニキの歴代の持ち歌のヒーロー達をヴィジョンとして呼び出し能力を行使できます。
※まだ本調子ではないため、あまり絶叫しすぎると傷口が開きます。

【ゴロリ@つくってあそぼ】
【状態】トライサイクロンを運転中、完全修復完了、仮面ライダーマッハG
【装備】仮面ライダーGの剣@仮面ライダーG、マッハドライバー炎、シグナルバイク(ゴロリ)、
    トライサイクロン(魔改造済み)@スーパーヒーロー大戦GP
【道具】支給品一式、工作道具もろもろ、シグナルバイク各種
【思考】基本:見敵、必殺
1:今は警察組と協力して都庁を攻略する
2:DMC信者を皆殺しにする
3:久保帯人は次に会ったら殺す
※マッハドライバー炎を装着した事で仮面ライダーマッハGへとパワーアップしました。
 基本的な能力・スペックはほぼ仮面ライダーマッハと同等です。

【チェイス@仮面ライダードライブ】
【状態】正常、仮面ライダーチェイサーに変身中、ライドチェイサーを運転中
【装備】マッハドライバー炎、シグナルバイク(チェイサー)、ブレイクガンナー、シンゴウアックス、
    ライドチェイサー
【道具】支給品一式、シフトカー(マッドドクター)
【思考】基本:人間を守る
1:この殺し合いを止める
2:地下の戦闘音の主を確認する
3:もしゴロリが凶行に及んだ場合は必ず止める


※キルコ達が聞いた戦闘音は暁美ほむら&オオナズチと呉島主任組の戦闘音です。

169月13日はカイザの日 Part3:2015/09/13(日) 09:13:05 ID:k1sEtTKY0

                i\        ,
                `ヽ' 、     /i
                    , --> \==ヽ,//|
                  ,〃::::://\丶 ハ ィ
              |i::::::::i i:: : :::丶V ハ
          ______.|i::::::::| |: : : : ::><:: : i  「無事、草加市市長になりました」
          ./´ニゝ‐' |三::::ヽ: : : : /∧',::::|
        r=イーメニ>|二ニニ> X /___V/
.         /  i ̄ソゝ´ `ヽ |o//ヘ ‐-‐/
     , =/   ) ノ    i/ \ \ヽ /
   _〃  `ヽ==/ _ _ /入/ ` ̄Y `ヽ 、_   _____, ‐―;
   i>\____ イv´::::::`::ヽ二ニVニ二〃:::::::::::`Y´二ソ /::丿
  //三三/.  | l|::::::::::::::::::::::::::i! i!:::::::::::::::::::::::::::l|:::::::/ /::::,'
 .〃三三/ト ヽ|/ :::::::::::::::::::::::: i! !i:::::::::::::::::::::::::::l| / /::〃
..//三三彡l||\|`丶::::::::::::::::::::::i! !i :::::::::::::::::::::/|l /::::∧          __ /二ヽ
//三三三/|\_i\ \:::::::::::::: i! !i::::::::::::::::://〃:::/:::::丶        < ノ`Yゝ=i
ト、三三ソ´ ::::::i::::::\ \ ::::::::i! !i::::::::::://::::::ii ̄´:::::::::::::::\____ _ ハ kイ二ソ
.\二二∠:::::/、:::::::::\ \:: i! !i::::://:::::::::::ソ`ヽ:::::::::::::::::::/ /ililiiliリ `ヽ<二ノ
`ヽ::::::::/ ̄´  \::::::::::> 二ニ二 <:::::::::::::::/    `ヽ::::::::i  iiiilililililiゝソー´
   ̄´         |i==i iー―‐一i i===,'      \::l 丶ilililililiイ
            ヽ__|一┐:::::::::::┌‐i i::::::i        `ー´ ̄ ̄ ̄´
             i::::::| | l |:::::::::::::::| l| |::::::|

「邪魔なんだよ……カイザの日を祝わないものは全て!」

 その頃、草加さんは今年も一人で寂しくカイザの日を祝っていた。
 ……去年も一昨年も同じことを言っていたが、彼にとって大事なことなのだ。

 無事、草加市の市長に当選した彼だが……肉体はまだ得ていない。
 そりゃあ、生き返る手段見つかってないからね、残念だけども当然である。
 だが、それでも彼はあきらめない。そして、乾巧を絶対に陥れる。
 彼が何故ここまで乾巧に固執している理由。それは……
 
「乾巧に首輪がない理由は……それは奴が主催者側だからだ。
 ……なぜなら、奴はショッカーの大首領だからな、信じないほうがいい」

 乾巧。
 別世界の彼はショッカーの大首領である。
 ウィキペディアにも書かれている有名なことだ。
 だが、このロワにいる乾巧がショッカーの大首領であるのか不明である。
 しかし、彼に首輪がない理由は彼が支給品であるということなのは変わりない。

【二日目・9時13分/日本・埼玉県草加市】
【草加雅人@仮面ライダー555】
【状態】草加市の市長当選した……でも呪縛霊
【装備】カイザギア@仮面ライダー555、サイドバッシャー@仮面ライダー555
【道具】ケーキ、支給品一式
【思考】
基本:生き返る方法を探す
0:どうして俺が死んで、碌に出番もない奴らが生きてるのかなぁ?
1:とりあえず、乾巧の仕業にする
2:来年のカイザの日も祝いたい

17桜花閃々:2015/09/16(水) 13:00:05 ID:xmvWuVeY0

「硬度10!! ダイヤモンドパワー!!!」

圧倒的な超人硬度。
超人界で一番硬いとされるダイヤモンドである。
ありとあらゆる攻撃が効かない。
対応策はダイヤモンドパワーを使うしかないが、桜色パワーでは足りない。

「優ちゃん……」
「春香……」
「フン! 二度目の不意打ちなど効かぬ!」

リング上に倒れ伏す二人。
真正面でのぶつかりならば二対一だろう関係ない。
先程の様な不意打ち以外で未だにダメージは与えられていない。
プロレスの試合としてはクッソつまらないが、ここはロワだからね?

「まだ終わりではないぞ……!」

二人が倒れたところをハクメンが追撃を仕掛ける。
休んでいる隙など与えるはずなどない。

「ハチミツ……」
「イチローさん……」

その様子をプニキとムネリンをちゃんとみない。
戦いなどに興味が無いのだ。

その時である。
リングの上の天井から『そいつら』は落ちてきた。

金髪と白髪。
片方はテニスプレイヤー、平等院鳳凰。
もう片方は八極拳士、ジョンス・リー。
上の階層で戦ってた二人である。

「優ちゃん。また敵だよ」
「うん、倒そう……春k「散れ……!」
「俺の邪魔すんな……!」

落ちてきた二人に突っ込んできたレズ二人。
しかし、平等院が優にテニスボールをぶつけて吹っ飛ばす。
それとほぼ同時にジョンスが突っ込んできた春香を発勁で吹っ飛ばした。
二人同時にノックアウト且リングアウト。
戦艦・死国から文字通り叩き出された。

「ここの強度はどうなっているんだ、祐一郎?」

悪魔将軍はぼやく。
先程ラオウとの戦いといい。
緑間のシュートで壊れたり。
今しがたの出来事だったりと……もしかすると結構脆いのかもしれない。
ロワの最中で作った急造品の戦艦だから、多少はね?

「なんだ、ここはァ……バケモノ共の巣窟か?」

目の前にいるのは敵は平等院だけではない。
ジョンスの直感で分かるレベルの得体の知れないバケモノがさらに二人もいる。
さっきの拳王といい、鎧の女といいここまでの強者がいる。
それだけではない。
衝撃のアルベルト、ラーメンマン、烈海王……仲間にまた強い者たちはいた。
元の世界で『現代最強の男』と呼ばれていてもこのロワではまだまだ上がいる。
そいつら全員が違うとこからきたバケモノだ。

大きく息を吐き、空気を吸い、全身に酸素を行き渡らせる。
そして、リング上で再び構えを取るジョンス。

18桜花閃々:2015/09/16(水) 13:00:29 ID:xmvWuVeY0

「平等院よ、そいつは超人拳法の使い手か?」
「いや、ただの人間だ―――かなり強いな」
「ほう……ん? ハクメンよ、どうした?」
「……その男は狩るに値しない……私が斬るのは『悪』のみだ」

リングを降りたハクメン。
そして、鳴神を鞘に収めて静かに戦況を見つめる。
……と、見せかけて別の所にいった。

「俺の相手はお前だ……オッサン」
「俺はまだ高校生だ……!」
「!?……名前をまだ聞いていなかったな、俺はジョンス・リーだ」
「テニスプレイヤー、平等院鳳凰だ」
「ふざけた名前しやがって……! まっ、いいわ……!! 
 どうせ次の『一撃』だ、行くぞ……平等院、鳳凰ッ!!!」

平等院は超人でもストリートファイターではない。
彼は超一流のテニスプレイヤーである。

十球同時の打球音。
それぞれの打球が光っている。

「テニスをなめんなよ……ジョンスゥゥゥリィィィ!!!」

頭部。右肩。左肩。右手。左手。
腹部。鳩尾。右足。左足に目掛けて飛んでいくテニスボール。

「捌き切れねぇ…………わけぇだろォッ!」

打撃。打撃。打撃。打撃。打撃。
打撃。打撃。打撃。打撃……飛んできたテニスボールを発勁で弾……けない。

ジョンスの身体が回転しながら吹っ飛ぶ。
今までの打球ならば全て受け流したり、弾き返せた。

「光る球(デストラクション)だ……それを受けた時点で貴様の敗北は決まっていた……!
 いくら貴様が一撃に特化していたとしても全て打ち返せなれば、俺の『勝ち』だ……!」

勝ったのは平等院。倒れたのはジョンス。

「さらばだ……八極拳士ジョンス・リー……!」

直後、平等院の身体は崩れ落ちるように倒れた。
その腹には一球のテニスボールが構えたラケットのガットを突き破り刺さっていた。

たった一球だけ返された。
ジョンスの『一撃』は平等院に届いていた。
一球の光る球(デストラクション)を打ち返されたのだ。

「おい、そこの熊公、ハチミツくれ」
「断る」
「滅び……「どうぞ」」

平等院はプニキからハチミツを強d……貰う。
休もうとする平等院にムギさんは問いかける。
状況確認は重要なのだ。

「ところで平等院君、ラオウさん達は?」
「奴らなら……恐らくは上で戦っているだろう……無論、ここの強度がもっていればな」
「確かに妙にここは脆弱ですからね、デューオさん早く直して死国を強化してください、一時間くらいで」
『は、はい(さっきより短くなってる!?)』
「あと川崎さん!」
「なんだい?」
「そのジョンスさんとやらを縛っといてください、拷問して情報聞き出しますから」

【二日目・9時00分/大阪・死国】
☆【琴吹紬@けいおん!】 状態:左手骨折/思考:皆さんのためにも死国のシステム復旧を急ぐ
☆【川崎宗則@現実?】 状態:健康/思考:とりあえずデューオを応援する
☆【プニキ@くまのプ○さんのホームランダービー】状態:健康/思考: 契約外なので戦闘はパス
☆【デューオ@ロックマンエグゼ4】 状態:HP満タン/思考:死国のシステム復旧を急ぐ
 ※美鈴に気功を流されたことによって死国の迎撃装置と自己修復装置が一時的に麻痺しています
 ※テラカオス・ディーヴァがカオスロワちゃんねるに書き込んだレスをまだ見ていません
 ※すっごく頑張ってます。必死です。

☆【悪魔将軍@キン肉マン】 状態:ダメージ(小)/思考:『あやつ』の抹殺の前に騒ぎを収める
☆【平等院鳳凰@新テニスの王子様】 状態:ダメージ(大)、ボッコボコ/思考:休む

○【ジョンス・リー@エアマスター】状態:気絶、拘束、ボッコボコ/思考:…………。

19桜花閃々:2015/09/16(水) 13:01:11 ID:xmvWuVeY0



―――優ちゃん……



―――春香……



―――好きだよ。



―――私も……。


落ちていく二人は……何度も何度も唇を重ね合わせる。
もう長くはないと、本能で気付いていた。

二人は世界一幸せなキスをして、その命を終了した。


【高山春香@桜Trick 死亡確認】
【園田優@桜Trick 死亡確認】


「…………」


無言で二人の首を刎ねたハクメンに後悔の念などない。
二つの『凶(マガト)』を断ち切った。ただそれだけなのだから。


「…………来るか、『風鳴翼』」


最大の『凶(マガト)』はもうすぐこの地に来る。
それを断つべく、ハクメンは市街地に向かい走り出した。

【二日目・9時00分/大阪市街地近く】

☆【ハクメン@BLAZBLUE】 状態:ダメージ(小)/思考:『悪』を滅する

21光熱斗の奇妙な冒険 Part6:2015/10/02(金) 01:16:15 ID:sr/ZTCww0

 燃える大阪の街。
 炎が街を飲み込み、辺りに煙が立ち込める。

「『もっと熱くなれよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!』」

 ヒートマン修造の周囲から火柱が上がる。
 その温度はマグマと言っても過言でない。
 
『右だ、熱斗君!』
「わかってる!」

 攻撃のタイミングは初撃で掴んだ。
 それくらいは出来て当然、回避行動からの反撃も十分に可能。
 ……本来のコンディションで、一対一ならば。

「『…………』」

 飛んでくる野獣先輩と化した大尉の爪と銃弾。
 それを避けようとするが、若干ラグが発生する。
 頭部の傷の痛みと疲れから、反応が若干遅れる。

「させません!!」

 そのラグを埋めるべく翔鶴は援護射撃に入る。
 テッカマンブレード戦では不覚を取ったかが……
 万全になった状態ならばその高スペックを十分に発揮できる。


 さて、この翔鶴は飛んでいる。


 正規空母なのに飛んでいる。
 そりゃあ、祐一郎さんとドイツの科学力を持ってすれば飛べるのだ。
 
 『翔』ぶ『鶴』。

 その名が示す通りに飛行能力を得ている。
 超人だって飛べるのだから、飛行くらいできるよ。

 爆撃をするには威力があまりにも高すぎる。
 この距離では熱斗たちをも、巻き込んでしまう。
 ただの弓矢。だが、急所をピンポイントで狙う。
 しかし、弓矢は修造が起こす熱風により軌道がずれる。

(もっと近づければ……)

 だが、近づけば確実に被弾する。

 歯がゆい。
 傷ついた兄たちが前線で戦っているというのに自分は援護にしか回れない。
 
 ―――大丈夫だ。

 ―――きっと大丈夫。 

 兄たちの言葉が聞こえる。
 心強さはあるが、あの怪我では……。
 弓を握る手が力が入り、自然と震える……。

22光熱斗の奇妙な冒険 Part6:2015/10/02(金) 01:16:39 ID:sr/ZTCww0

(チップのガッツマンじゃ……ダメだ)
(やっぱり、デカオくんのガッツマンだけじゃ正直力不足だ……) 

 心の中でデカオをディするもののピンチなのは変わりない。
 いつもの調子さえ出せれば苦戦なんてしない。
 強がりでも何でもない。
 それくらいにネットバトルに絶対の自信を持っているのだ。
 

(隙ありだ……!)
「『しまった……!』」


 大尉の凶弾による弾幕が熱斗に迫る。

 回避行動―――間に合わない。

 シールド―――間に合わない。

 撃ち落とす―――間に合わない。

 全ての可能性が―――間に合わない。


 思わず目を瞑ってしまった。

(――――やられる……)









 しかし、弾は当たらなかった。
 目の前にあったのは白い髪の少女が目の前を塞いでいた。

「……お二人とも大丈夫ですか……?」
「『し……翔鶴……!』」

 身を呈して翔鶴が二人を庇った。
 所謂、スパロボとかの援護防御である。
 衣服がボロボロになりながらも、二人を守った。

「……よかった、お二人が無事で……」
「『それよりも翔鶴さんが!』」
「私はいいんです……」

 いつもと変わらない笑顔で二人に話しかける翔鶴。
 だが、その顔はどこか弱々しく、どこか儚い。

(……今が好機!)

 その隙をも逃さずに大尉は追撃を仕掛けようとする。

(……積年の恨みを今……ガっ!?)

 仕掛けようとした瞬間にその炎の拳は飛んできた。
 そして、それがビースト大尉に命中した。

「『こらぁ!! 不意打ちは男のやることじゃない!!
  ましてや、倒れた相手に追い打ちなんて全然熱くない!!!!』」
「えっ、なんで……?」
「『お前らの熱い家族愛、見せてもらったぞ!!』」

 炎の男・松岡修造であるッ!

「『アンタ……』」
「『年上だぞ! 敬語を使え!』」
(……修造、裏切る気か!?)
「『大尉、お前はこんな熱い家族愛を見せられて何も感じないのか!』」 

 突然の裏切り。
 いや、裏切りではない。
 熱斗たちが残虐非道と言われていたが、そんなことはなかった。
 戦っていて分かった彼らは『本気』なのだ。

 松岡修造は熱い人間だ。
 熱いといっても肉体がじゃない。
 その心が熱いのだ。

 本気でぶつかれば、その人間が嘘をついてるかどうかなんてすぐにわかる。
 どちらが正しい心を持っているかなんてわかる。
 松岡修造はネットバトラーではない。
 彼はテニスプレイヤーであるのだから。

「『かかってこいやあああああ!!!!!』」
(……師匠を超えるのは弟子の務め……!)

 小さく背中で合図を送る、『逃げろ』と。
 それを見て、熱斗たちは戦線を離脱する。


 ◇ ◇ ◇

23光熱斗の奇妙な冒険 Part6:2015/10/02(金) 01:17:08 ID:sr/ZTCww0


 一方そのころ……

「これが……私の全力の波紋疾走(オーバードライブ)だあああああああああああああああ!!」
「バ、馬鹿なっ! この紅魔館の主である、このレミリアが……このレミリアがぁああああ!!?」

 ダイアーさんの拳から伝わる波紋がレミリアを捉えた。
 己の半生以上を波紋修業に費やしたのは吸血鬼を倒すために。
 まさにそのダイアーさんの半生の努力が報われた時であった。

「波紋戦士であるダイアーさんに勝とうとするなど、無駄無駄無駄ァァッ!!」

 ディオはボロボロになりながらもダイアーの戦いを見届けだ。
 咲夜は……その近くでノックアウトされていた。
 相手がただの人間という慢心からか、咲夜は一瞬の隙を突かれた。
 
 ―ーこの世で最も恐ろしいもの……
 
 ――それは『油断』というバケモノである……!


「死んだふりからの貴様が投げたナイフでの心臓への不意打ちだ……やはり、最後に勝つのはこのディオだッ!!」

 汚い。そしてせこい。
 だが、勝てばよかろうなのだ。
 しかし、このディおじさんも割と死に体である。
 失血死するギリギリの状態である。
 
「無理に動いてならん!! 私が肩を貸そう」
「すまない……ダイアーさん……」
「気にするな!」


 戦いを終えた二人は一先ず、仲間との合流を目指すことにした。
 恐らくはどこかで戦っている。そう確信して歩いていく。

【レミリア・スカーレット@東方project 死亡確認】
【十六夜咲夜@東方project 死亡確認】

【二日目・9時30分/大阪市街地】
【ディオ・ブランドー@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】死にかけてるが問題ない、首輪解除
【装備】PSP(デューオ抜き) 、十徳ナイフ
【道具】支給品一式×3、シンクロチップ
【思考】基本:ネットバトルとベースボールを極める
0:主催を倒すのはラオウではない、このディオだッ!
1:ジョースター家を手に入れる
2:ジョジョより優越感を得る
3:熱斗達にネットバトルを挑むのは後回しだ!
4:デューオがいなくても、勝つのはこのディオだッ!
5:シンクロチップを手に入れたし、デューオとクロスフュージョンしたい


【ダイアー@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】割とダメージがある、首輪解除
【装備】イカ墨とパスタ@現実
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:主催を倒す
1:ディオとかいう奴も倒す
2:仲間との再会
3:ストレイツォ……
※ディオを『吸血鬼ディオ』と思っていません。
※何か見ましたが、別に物語とは関係ありません。


 ◇ ◇ ◇

24光熱斗の奇妙な冒険 Part6:2015/10/02(金) 01:18:40 ID:sr/ZTCww0


 炎の柱が昇りあがる。
 まるで送り火のように。
 その命をすべて火力に注ぎ込む!


「『もっと熱くなれよおおおおおお!!!!!!』」


 声が聞こえる。
 それと同時に銃声も聞こえる。

(戻らないと修造さんが……)
(ダメだよ……今のままじゃ……)

 戻ろうとする熱斗を必死に止めるロックマン。
 今の状況で言えば圧倒的に不利。
 炎のネットバトラーでも今の大尉は止めるのがやっと。
 そういうレベルだと二人には見えていた。

(あのビーストマン先輩は強い、ヒートマン修造よりも強い)

 だが、それでも戦いに戻らないと行けない。
 あの松岡修造という男が必死で戦っているのであるから。

「……私も出ます」
「『それはダメだ!』」

 一緒に出ようとする翔鶴。
 しかし、それは出来ないと判断する。
 こんなところで新たな家族を失いたくはない。
 だが、それもまた翔鶴とて同じである。

「『翔鶴さん……俺の言うことを!!!』」
「……いやなんです! もう見ていて何にも出来ないなんて!!」
「…………翔鶴」

 涙声で必死に訴えかける翔鶴に
 何か手はないのかと思案するロックマン。
 データベースをフル稼働させた、その時であった。

『んっ、このデータは?』
「どうした……兄さん?」

 何か別のデータを自分の中に発見した。
 イレギュラーなプログラムだと一瞬で分かったが。
 こんなことをするのはただの一人……光祐一郎しかいないことはわかった。

『……これなら行けるかもしれないけど二人に負担が……』
「兄さん、話してくれ……無茶は承知の上だ!」
「はい……少しでも可能性があるのであれば……お願いします、彩斗兄さん……」
『わかった、僕を……いや、このデータを託したパパを信じよう』

 ロックマンは頑固な弟と妹に意地に押し切られた。
 そして、その可能性を話した。
 
 その可能性に対して二人の返事は勿論決まっていた。


 ――――いいかい、三人の心を一つに合わせるんだ。
 
 ―――ああ、いつでもいいぜ!

 ――準備は出来ています。

 ―じゃあ、行くよ!

「ソウルユニゾン……加えて、クロスシステム起動!!」

 サイトパッチと試製甲板カタパルトのデータ。
 こんなこともあろうかと祐一郎さんがロックマンに備えておいた。
 本当の意味で『切り札(ジョーカー)』と言える。

 PETから光の奔流が二人の身体を包み込んでいく。

25光熱斗の奇妙な冒険 Part6:2015/10/02(金) 01:19:10 ID:sr/ZTCww0

(ファッ!? なんだこの光は!?)
「『よそ見してんじゃねぇえええええええ!!』」
(邪魔をするなぁぁぁぁ!!!!)
「『!?』」

 ヒート修造を至近距離でゼロ距離射撃で吹っ飛ばす。
 正確無比な狙撃をぶっぱなし、修造を吹っ飛ばしたが……。
 
 そして、その光の先に行きついた先の……

 光熱斗たちの光を止めるには間に合わなかった。


(なんだ!? その姿は!!!!????)



 蒼と白が混じった身体。
 飛行甲板を模した盾。
 そして、大型の弓を模したロックバスター。




「『『ロックマンエグゼ・クレインクロス!!』』」





 白い翼が大阪の空を舞った。


 ◇ ◇ ◇






 …………あそこか…………






 …………急がねば…………






 ◇ ◇ ◇

26光熱斗の奇妙な冒険 Part6:2015/10/02(金) 01:19:50 ID:sr/ZTCww0



 ―――制空権確保―――



 ―――全航空隊、発艦始め―――



 飛行船団による凄まじいまでの対空戦力と展開力。
 エリアスチールなど使わなくとも、相手陣地に切り込む高速の機動力。
 熱斗のネットバトル技術力×ロックマンの高い基礎能力×翔鶴の高速戦闘能力。
 それだけではここまでのそして、何よりも―――

『右前方、来ます!』
「『了解!』」

 強い信頼が彼らを結び付けていた。
 空間を完全掌握し、超高速演算で攻撃を回避し、即座に反撃に移る。
 超速度かつ超火力のロックバスターの超連射砲がビースト大尉を捉える。

(こいつはヤバい……化け物じみてやがる……)
 
 ヒート修造を蹴散らしたもの、今の熱斗たちの戦闘力は恐らく全参加者内でもトップクラス。
 タイマンで戦うなどまさしく愚の骨頂。
 
「『『逃さない!』』」

 三重の声が響く。
 超高速でチャージする。
 そして、ロックバスターから放たれる砲撃。
 まるで超特大のレーザー砲のように極光が放たれた。
 
(……これはまずいッ)
『あ……(察し)』

 大尉はクロスフュージョンを強制的に解除。
 そして、自身のPETを投げて砲撃を相殺する。
 なんせ超高性能なんでもできる機械だからね、防御くらいできるよ。
 でも、その衝撃で大尉のPETは消滅した。中に入っていたビーストマン諸共。
 そりゃ当然だよ。


【ビーストマン@ロックマエグゼ3 消滅確認】


 しかし、大尉は生き残った。
 彼もまた本質はネットバトラーではない。
 
 彼は軍人である。
 軍人で一番大事なこと。
 それは『何が何でも生き残ること』である。
 例え何を犠牲にしても。
 
(ダメだ、このまま熱斗君の体がもたない)
(クロスフュージョンを解除しないと……)
 
 今の一撃で限界を迎えたのはそれだけでなかった。
 クロスフュージョンした状態でその熱斗たちは地に伏せた。
 
 形勢は逆転した。
 
 ゆったりと、近づいていく。

 この長かった因縁に決着を着けるために。
 
 そして、大尉は無言でモーゼルM712の引き金を―――
 




「―――――テキサス・コンドルキック!!」





 ……引こうとする直前に何かに邪魔された。

27光熱斗の奇妙な冒険 Part6:2015/10/02(金) 01:20:36 ID:sr/ZTCww0

 何者かの飛び両膝蹴りが大尉ビーストを捉えた。
 大尉は突然の乱入者の奇襲に全くと言っていいほど反応できなかった。
 だが、熱斗たちの目に映ったのは……
 

「『『黒い……豚……?』』」


 熱斗たちはその光景に呆気を取られた。
 なんせ、その乱入者はマスクをかぶっているのである。
 しかし、どこか聞き覚えがあるような声を無理やり変えて、正体を隠している。

「………!(何者だ)」
「……貴様が何を言いたいかはだいたいわかる……私は『キン肉マングレート』
 ……そこの少年達の助太刀に馳せ参じた次第だ」

 キン肉マングレートと名乗ったそのマスクを被った者。
 超人レスラーなのかもしれないが、その手には一本の竹刀が握られている。
 キン肉マングレートはその竹刀をジャグリングのように回し、構える。

「私が二度も同じ奴を逃すと思ったか?」
(二度? どういうことだ?)
「逃さん……!」
 
 レスラーなのに速い。
 鍛え方が違うという言葉があるようが、そういう問題ではない。
 キン肉マングレートはただ単に速い。

「……貴様が前に私の仲間を殺しに来たようにしてやる」
(そんな覚えは全くない……!?)

 次の刹那にはすでに決着はついていた。

 鋭い踏み込みからほぼ同時に三度斬られた。
 頭上から股下までを断つ縦軸の「一の太刀」。
 一の太刀を回避する対象の逃げ道を塞ぐ円の軌跡である「二の太刀」。
 左右への離脱を阻む払い「三の太刀」。


「………………………………まさか、これもネットバトルか」
「『P・A(プログラムアドバンス)、アクレツザン』……と言ったところか、まあネットバトルで言うのであればな」


 炎を纏った竹刀が大尉を叩ききった。
 結局、大尉はその乱入者の正体を掴めなかった。
 
 彼が最後に見た大尉の景色はなんだったか……。
 最後の大隊か、ビーストマンか、それとも…………。

 それは誰も知らない。


【大尉@HELLSING 死亡確認】


 ◇ ◇ ◇

28光熱斗の奇妙な冒険 Part6:2015/10/02(金) 01:21:49 ID:sr/ZTCww0


 ボロボロの身体を互いに支えながら。
 立っていた修造に近づいていく。

「オレ、勝ったよ、修造さん……修造さん?」

 しかし、返事はない。
 キン肉マングレートが修造に近づいて調べる。
 そこで気付いてしまった。

「……そういえば聞いたことがある……
 人間の血液が熱が上がりすぎると筋肉……
 つまり、タンパク質は凝固してもう戻ることはないと……」
「? おじさん、どういうことなの?」
「私はこう見えてもおじさんではない……まあ、それは置いといてゆでたまごを思い出せばわかるだろ?」
「漫画家の?」
『熱斗君、違うよ。食べられる方のだよ』
「熱斗さん、確かにキン肉マンは面白いですけども……」
「卵は熱を加えると固まる……だが、その後に冷やしても元の生卵には何をしても戻ることはない。
 ……彼の肉体はもう……」

 修造の肉体は動かなくなっていた。
 人間の限界を超えてしまった
 所謂、燃え尽き症候群。
 熱すぎるその肉体がETともにオーバーヒートを起こしたのだ。
 
 修造は立ったまま絶命していた。
 まさに立往生である。
 
 だが、その表情はどこか満足げだった。
 
【松岡修造@現実 死亡確認】
【ヒートマン@ロックマンエグゼ2 消滅確認】

「う、嘘だ……ッ! ネットバトルではそんなことは起こりっこないんだ!」
「熱斗君、これはネットバトルじゃない……カオスロワ、殺し合いなんだ……!」
「そんなことはわかって……うっ、頭の傷が……」
『熱斗君、早く治療をしないと……』
「でも! 修造さんをここには!」
「……………仕方ない」

 熱斗を落ち着かせるために(無言の手刀)で意識を飛ばした。
 キン肉マングレートは倒れこむ熱斗の身体を支えるように抱きかかえた。
 
「熱斗さん!?」
『熱斗君!? あなた今、熱斗君に何を……!?』
「大丈夫。ただ眠らせただけだ」

 数秒後、寝息が聞こえてきた。
 激戦を終えた後なのに大した神経である。

「……それよりもどこか治療できる場所を探そう」
「……待ってください! その前に……」

 翔鶴がキン肉マングレートを呼び止める。
 キン肉マングレートの何かを気付いたようであった。

29光熱斗の奇妙な冒険 Part6:2015/10/02(金) 01:22:05 ID:sr/ZTCww0

「生きていたのに……何故、正体を隠して……」
「キ、君とは初対面のはずだが……?」
「とぼけないでください!」
『翔鶴さん、知り合いだったの?』
「ええ、この方は私たちがクロスフュージョンしていたのにも関わらず……
 『そこの少年達』とまるで私たちのことを前から知っているようでした」
『それって……まさか……ものすごく博識ってこと?』
「違います……キン肉マングレートさん……いえ……貴方は……」
「……全て、お見通しというわけか……」

 黒いキン肉マンマスクを取り素顔を晒した。
 マスクを取った瞬間の謎の光がマスクの下から漏れ出した。
 その光はフェイスフラッシュではない。
 よくアニメとかに出てくるの謎の逆光である。

『あ、貴方は……!』

 銀色の髪(原作準拠)に額に『米』の文字が入った男。
 あの時ホワイトベースの襲撃でミンチよりもひどい状態になったと思われた男。
 その目はファイティングスピリッツが溢れている。



 その者――――正義超人『ザ・テリーマン』……












「テリーマンと思ったか! 私だ! 今しがた死者スレを叩き潰してきたシグナムだッ!!」











「!?!?」
『!?!?』



 では、なかった!
 残念! ニートの騎士でした!!

 
 ◇ ◇ ◇

30光熱斗の奇妙な冒険 Part6:2015/10/02(金) 01:23:21 ID:sr/ZTCww0


 やあ、過去の回想に入ったシグナムだ。
 まあ……流石にテラフォーマ―共の相手は骨が折れた。
 いや、あの薄汚いおじさんが二発耐えたが、私だったらこうだ。
 仕留める時は『一撃』で仕留めた。ズガンじゃないよ『一撃』だ。
 武器は死者スレにあったストロング・ザ・武道の竹刀を拾っていた。
 そして、またたまたま出来たワープで大阪に戻ってきた。
 っと、それはここに来るまでの話だ。


 さて、それよりも少し前の話をしようか。
 
 
 ここから、このロワの真相を話すことにしようか。

 
 私が目が覚めた時、いたのは『死者スレ』だった。
 マジで死んだかと思ったけど前の話で【死亡確認】って書かれなかったし、セーフ。
 まあそんなことは置いといて……。

 まずはこのカオスロワ10期の真の黒幕。
 真の黒幕はカオスロワという物語を楽しみたかっただけだ。
 死者スレに隠れていれば、まあ基本死人以外は入れないからね、あそこ。
 私も今期になって初めて行ったが、いや〜地獄地獄。
 楽しんでいるのはごく僅かあとは重労働をやらさせらていた。

 死人の管理はもっぱら四季映姫ヤマザナドゥがやっていた。
 もっとも彼女自体ズガンだったから、マジでキレてた。
 雷使いマジ許さんってレベルでぶちギレてた。
 そりゃあ、あんな適当な登場されてただのフラグのために殺されたんじゃあね……

 で、肝心の10期の真の黒幕の正体は……メタな話になるが……
 [[第一回放送までの死亡者:10周目]]で書かれている死者と
 [[TCBR10第1回放送]]で呼ばれた死者を見比べればすぐにわかる。
 ……いや、すぐにはわからんか、よく見比べればわかる。
 
 ここまでばれなかったのは第一回放送での布石があったからだろう。
 『うぐいすと末原さんの指名手配というイベント』にみんなが……書き手も読み手も目がいった。
 所謂、『視線誘導(ミスディレクション)』って言うやつだ。
 野田総理はその時既にそいつの操りに人形だったんだろうな。
 だからこそ誰にも突っ込まれなかったんだろう。
 あのウォーズマンもどき達もきっと天狗になってて気づかなったんだろうね。
 
「私が10期の真の黒幕です、お久しぶりですね」
「10期のカオスロワだっていうのに……異常にまで大人しいと思ったら……」

 直接会ったのは8期ぶりか……あのときは空気キャラで私自身適当に流していたが……
 今期のこいつの9期出展だったから超チートモードだったからな。
 こんなことを出来ても全くおかしくない、超チートだからな。
 ……そう、こんなことができるのは……

 
「しかし……まさかお前みたいのが真の黒幕だったとはな――――――『10/』」


 10/.八期で共にエジプト旅行をしたが……こんなことを考えていたとはな。
 そして、黒い笑みを浮かべ、私を見つめる。
 だが、私は…………


「せぇぇぇぇぇいッッ!!!!」


「ちょwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


「前々くらいの話で言ったはずだ……本気を出すと……」


 『一撃』で叩き斬ってやった。
 ズガンじゃないよ、『一撃』だよ。
 10/は草生やしているが、そんな常人ならそんな状況ではない。
 なんせ、上半身と下半身が両断されているのだから。
 でも、その状態でも動いた、ホラー映画みたいに……うーん、しぶとい。

「あっさり終わらせてすまない……だが、私は帰らなけばならない、安息の地に、ニート生活に」
「安息の地か、もうこの世界にはそんなものはないですよ」
「何?」
「主催者共が作った『怪物(テラカオス)』に全てを飲み込まれるか、『蒼』に飲み込まれて『滅日』を迎えるか……
 このロワはどちらか片方のエンディングしかないのさ……だから、これ以上のあがきは……」
「―――――――――そのお喋りもここまでだ」

 もう『一撃』で息の根を止めた。
 死者スレでの死はその存在の『消滅』を意味する。

 道がないなら、新しい道を作ればいい。ただ、それだけだ。
 テラカオス? 『滅日』? 関係ないな。
 私はニートでいたいから戦うんだよ。
 だからこその『対主催』だ。

 その時である。
 死者スレ全体が揺れ始めた。
 恐らく10/という『調律者(バランサー)』がなくなった今崩れ始めたのであろう。

31光熱斗の奇妙な冒険 Part6:2015/10/02(金) 01:23:49 ID:sr/ZTCww0

「出口はあっちだ……さっさと行ってこい!」

 お前は飛竜さん!? 何故ここに!?
 いつの間にここにまさか死んだのか!? あんな無茶苦茶強かったのに!?

「……あっちに出たら『ユウキ=テルミ』を抹殺して来い、俺から言えるのはそれだけだ」 

 マジでそれだけ言って誘導してくれた。
 『ユウキ=テルミ』ねぇ……まず誰だよ? という疑問に上がったが、多分飛竜さん殺した奴なんだろうね。
 んで、全裸だったので服を適当に見繕ってくれたが……なんで『キン肉マングレート』なんだよ……

 
 ◇ ◇ ◇


「……と、そんな感じで死者スレを破壊してきた」
『あの……シグナムさん』
「どうした?」
「意味が分かりません」
「……やれやれだぜ、とジョジョなら言うんだろうけどな……安心しろ。
 今は私がおまえたちを守護(まも)る」
『なんか雰囲気変わってません?』
「本気になったからな……」

 その言葉はどこたなく一切の油断も隙も微塵も感じさせなかった。
 ニートが本気を出すと怖い。そう思うロックマンと翔鶴であった。

「急ぐとするか」



【二日目・9時30分/大阪市街地】
【シグナム@リリカルなのはシリーズ】
【状態】健康、自称フリーター、首輪解除
【装備】キン肉マングレートのマスク&スーツ、ストロング・ザ・武道の竹刀
【道具】なし
【思考】基本:対主催
1:熱斗たちにを導く
2:主催者たちは倒す
3:本気にさせたな。
4:『ユウキ=テルミ』を殺すか
※今までとは別人ですが記憶(と一部能力)を受け継いでいます
※PSP版の技は使えませんが、念能力が使えます。
※キン肉マンの知識があります。
※首輪解除の技術を持っています。
※死者スレを破壊しました。

【光熱斗@ロックマンエグゼ】
【状態】ダメージ(大)、気絶、首輪解除
【装備】自分のPET(ロックマン入り)
【道具】支給品一式×2、デカオ(ロックマンエグゼ3)が作ったおべんとう、チップトレーダー@ロックマンエグゼ、
    大量のガッツマンのチップとバグのかけら、ガンデルソル3(実物)ネオバリアブル(実物)
    各種ナビカスタマイザーパーツ、大量の金、シンクロチップ、他不明
【思考】基本:主催者たちにネットバトルを挑んで勝つ!
0:野球はダメダメだったけど、俺にはまだネットバトルがある!
1:プリズムとフォレストボムのチップを探す
2:その為に色んな人にネットバトルを挑む
3:大災害で死んだネットバトラーやネットナビ達のためにも、早く殺し合いを終わらせて世界を平和にし、ネットバトルの面白さを再び世界に広めたい
4:新たな家族として翔鶴は大切にしたい
※スタメン落ち確定です。野球の公式試合には一軍では参加できません。
※大山デカオ@ロックマンエグゼ、ロックマンエグゼ2、ロックマンエグゼ3(BLACK版)、ロックマンエグゼ5チームオブブルースは死国にいるようです
※熱斗やヒノケンなど一部を除く多くのネットバトラーが大災害で命を落としているようです。
 まだ生存しているネットバトラーの面子については次の書き手氏にお任せします。

【ロックマン(光彩斗)@ロックマンエグゼ】
【状態】HP半分
【装備】ロックバスター、サイトパッチ&試製甲板カタパルトのデータ
【道具】なし
【思考】基本;熱斗をサポートする
0:僕に妹が出来たぞォ!
1:主催者たちがネットバトルを受けてくれるか、心配。
2:新たな家族として翔鶴さんは大切にしたい
3:シグナムさん……こんなに強かったんだ。
※PETの中にいます

【翔鶴(光翔鶴)@艦これ】
【状態】ダメージ(大)
【装備】彩雲、紫電改二、流星改、 零式艦戦62型
【道具】なし
【思考】基本:提督(祐一郎)に従う、妹として熱斗達と共に戦う
1:襲い掛かる者たちを殲滅する
2:二人の妹として彩斗さん(ロックマン)と熱斗さんはお守りする
3:二人に何かあった場合は二人の願いを引き継ぐ
※熱斗とロックマンより、二人の過去についての話を聞き、自身を光翔鶴と名乗るようになりました

32特務機関・名無し:2015/10/02(金) 01:51:42 ID:sr/ZTCww0
すみません、タイトルを『光熱斗の奇妙な冒険 Part7』に変更します

33魔王と生贄:2015/10/05(月) 13:21:18 ID:Yc9wa6SQ0
轟音をあげて、炎が猛り狂う。
美しい緑豊かな風景は既に失われ、さながら世紀末の世界のようだ。
焼け焦げ荒れ果てた大地からは、即座に世界樹の力により新たな草花が生えだそうとしてくる。

「メギドラオンッ!」

だが、神炎は新たな生命の誕生を許さない。
いかに世界樹の自然再生能力といえど、怒涛の波で押し寄せる神炎の侵略速度には追いつくことができない。

「メギドラオンッ!」

しかし徹底して焼き払われているのは自然ではなく、護衛者の方であった。
力を行使する黒衣の青年は容赦無くメギドラオンを唱え続ける。
燃え盛る炎の中心部で、あれだけの耐久力を誇った世界樹の護衛者が地に伏せていて尚。

「メギドラオンッ……メタトロン!」

魔力が尽きる。
しかし瞬時に護衛の大天使メタトロンが己の血を飲ませて主人達の魔力を回復させる。

「ふぅ……常世の祈り!」

そして回復された魔力を使い、この場に集った狂信者全員及び使役する悪魔全員の体力を全回復させて状態異常も治す。
あからさまに反則性能な魔法だが、彼らサマナーが使う常世の祈りやメシアライザーと言った魔法はそれが特性なのだから仕方がない。
如何な条件下においても、死亡以外の全ての異常と傷を完治させる。故に首輪の制限があろうが、世界全体で魔法が弱体化しようが関係ない。
そして魔力が切れれば再びメタトロンが魔力を供給する。
悪夢の循環だが、これはメタトロンを墜とせばいいだけのこと。それを妨害するのはニャルラトホテプ(not美少女)だ。
混沌の波動により、遥か遠距離から攻撃対象を一方的に嬲りさらにその動きを鈍くさせる――所謂、行動遅延。

この両名を従える大和は秘術により凄まじい行動速度を得、敵対者が一チームであれば一方的にリンチが可能であり、それを実行したのだ。
とはいえ、大和のメギドラオンは当初、ほとんど相手の体力を奪えないでいた。


だが炎の中で、未だ件の護衛者は起き上がる素振りを見せない。


『大和、いい加減に十分だろう。早く龍脈の龍の援護に回った方がいい』

そして大和のリンチコンボを完全なものに昇華させた大いなる存在こそ――魔神皇ハザマであった。

34魔王と生贄:2015/10/05(月) 13:22:09 ID:Yc9wa6SQ0
世界樹の護衛者レストは、ラスボス勢も驚きの驚異的な防御性能を誇っている。
あらゆる属性を吸収し、物理攻撃や万能属性攻撃すら9割カット、挙句の果てに確率でダメージを1に変換して状態異常も完全無効。
これに素のふざけた防御力が加わることで、彼にまともなダメージを与えるには同等以上の怪力か魔力による連続攻撃が絶対の条件となっていた。
連続攻撃の点に関しては狂信者の数の暴力が、吸収に関しては神炎メギドラオンが対応し、突破してきたのだが、やはり問題点は攻撃力――だった。

一見、無敵とも思えるレストの防御性能。
しかしお気づきだろうか。彼は確かにラスボス以上の防御性能に見えるが、種族の分類はあくまで人間である。
神々が持つような――【ステータスダウンに対する耐性】だけは備えていないのだ。
さらに言えば、自身のステータス上昇及び弱体解除手段は【食事オンリー】
食事中は一瞬とはいえ完全に無防備かつ攻撃を被弾した場合、その行動はキャンセルされる。
絶え間なく放たれるメギドラオンの前では、食事をとる暇は当然ほとんどない。
そしてハザマが持つ特殊能力の一つ【ランダマイザ】は敵の攻撃力、防御力、命中率をまとめて低下させる強力なもの。
状態表には残念AIでないと表記されていたが、今回ばかりはハザマは明確な作戦の一環でランダマイザを連呼したのである。
攻撃力が届かないのであれば、届く域まで相手の防御力を下げてやればいいのだ。

ハザマが弱体による援護、大和チームが回復と遅延と攻撃を万遍なく。
そしてモブの狂信者と悪魔達も追撃のメギドで火力を上昇させ、場合によってはハザマと大和を守る盾となり奮戦。
あの数に物を言わせるだけであった狂信者が、初めて連携行動をとったのだ。
その結果、あの理不尽な護衛者をついに火葬することに成功したのである。

「「うおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ! クラウザーさんばんざぁぁぁぁぁぁぁぁい! 極上の生贄をついに捧げられたぞぉぉぉぉぉぉぉ!」」

当然、初めてのチームワークで大勝利を飾った信者達の喜びようも半端なものではない。
俄然高まった士気のまま、彼らが見据えるのはいよいよ世界樹本体。
龍脈の龍は苦戦をしているようだが、それは相手にも同じことが言える。
あれからさらに人数を減らされたが、それでもこの数で押し寄せ、今のようにコンビネーションを見せつければどんな化物だろうが一たまりもないだろう。
未だに燃え続ける炎は、敬愛するクラウザーさんへの手向け、そして復活への大いなる華のように見えた。

「ああ、クラウザーさん! 見ておられますか!」

聖職者でありながら狂信者へと身を堕としていたモブ狂信者の一人、緑色の神官は炎の華に近寄り特に感激していた。




「――古竜の、呪撃ッ!」



そしてその首は、感涙に濡れたまま血の海に沈む。

35魔王と生贄:2015/10/05(月) 13:23:16 ID:Yc9wa6SQ0
「「?!」」

凄まじい力で刎ねられた首は、狂信者達の歓声を無くすには十分な代物だった。
まさか、そんなことはありえない、そう思いながらも彼らは炎へと一斉に攻撃を試みようとする。
だがそれよりも早く、神炎を何かが吹き飛ばした。
氷竜の翼を展開し、炎を払ったのはまさに今しがた今度こそ倒したと思ったレストその人。
しかしその全身は半竜化してなお焼け爛れ、血に塗れている。
今までにない明らかな大ダメージ、あと一押しで倒せる瀕死の状態に見える。

「……氷河の再生」
「なっ、まずい、奴を止め――」

しかし氷竜の持つ再生能力が行使され、爛れていた片腕がみるみる内に再生されていく。
そして。

「キュア、オール」

その腕から癒しの緑風が放たれた瞬間、レストが負っていた傷の殆どが瞬時に回復された。
かつて都庁に乗り込んできた影薄組に施した魔法と同じだが、首輪が無くなった今、その回復力は桁違いだ。

「あ、ああ……」

狂信者の一人はその光景を見てしまった瞬間、思わず膝から崩れ落ちた。
これを絶望と言わずして、なんと言えばいいのか。
回復魔法を使っても全快していないところを見る限り、確かに自分たちの攻撃は通っていたのかもしれない。
だがその残った傷すら、当人が動かなくてももう氷竜の力で自動回復していっている。

「お、おのれ! この人外が……! 再生するというのなら、何度でも焼き払ってくれる。メギドラオンッ!」
「無駄だよ」

忌々しげに、しかし戦意は失わなかった大和が再度メギドラオンを放つが、どうしたことかこれは片手であっさりと薙ぎ払われた。

「まさか、こうも僕の弱点ばかりを突かれて、ここまで消耗するとは思わなかったよ。
 でも能力の上昇や減少を上書きする食事は枯草でもできるんだ。君たちが散々暴れて作ってくれた、この枯草でもね……!」

そしてそれに負けない程の忌々しさで、レストは咀嚼していた枯草を飲み下した。
地に墜とされた時、あらかじめ口に含んでいたのである。
能力低下は解除され、傷も癒される。狂信者達も常世の祈りと天使の血で消耗は少ない。
戦況は、ほぼ振り出しに戻されたといっていい。

36魔王と生贄:2015/10/05(月) 13:24:26 ID:Yc9wa6SQ0
『根競べをする気か? 僕のランダマイザは貴様にも効力があり、貴様は逆に僕の物理反射の前に無力なのは紛れもない事実。
 またランダマイザを何重にもかけてさっき以上に断続的に、草一本たりとも残さない程に焼き払ってやれば――死ぬのはそちらだ』
「……ぺネトレイトソニック」

挑発するハザマに対して、ギリメカラを葬った風の刃が放たれる。

『マカラカーン!』

しかしその風の刃も、ハザマが生み出した障壁により反射される。
もっともその反射された刃もレストに吸収され、彼の傷を回復させてしまったが。
とにもかくも、揺るぎない事実として突きつけられたのは、レスト単独ではハザマを倒すことが不可能であるということである。

「やっぱり魔法反射も持ってたか。確かに君の言うとおり、このまま持久戦になればいつかは僕の魔力が尽きて負けるだろうね」

しかしその事実を突きつけられてなお、護衛者はその場を動こうとはしない。
最悪の相性である敵を前にして退かないのは、護衛者としての意地なのかなんなのかは狂信者達にはわかりかねる。

「でも――ああ、もう十分か」
「なに?」
「サクヤ、ウォークライ、ここは退くよ」

指を鳴らすと同時に、彼の背後にあった鏡の盾が砕け散り、その後ろから二人の従者が姿を現す。

「……自分を守る盾を捨てて、駒二つを守っていたというのか? 我々を舐めて、本気を出していなかったとでも言い訳するつもりか?」
「誰かを駒呼ばわりする人とは仲良くなれそうにないよ。風鳴翼にその物理反射能力を継承されても困るし、やっぱりここで死んで貰おう」
「貴様にできるとでも?」
「ふぅ……【ここがどこ】で【外部に漏れた僕の序列】がどこかをよーく思いだしなよ。それとこれは置き土産だ」


――ルーンアビリティ発動【グランドインパクト】――


「「っ?!!?」」

何が起きた?それが狂信者達全員の第一思考であった。
あまりに一瞬、しかしその一瞬で天地の認識が崩されると同時、全身に強烈な衝撃が奔った。
超速を手に入れた大和だけは確かに見た。レストが自分達との戦いで【初めて抜刀】して渾身の力で大地に剣を叩きつけるのを。

(本当に舐められていた? この私たちが? ふざけるな、SATUGAIしてくれる――脚が動かない、何故!?)

「赤竜さんの【火竜の激震】も同時発動しておいたから、短時間とはいえ脚封じでその場から動けないでしょ? それじゃあね」

従者二人に触れ、エスケープの魔法でレストは逃走する。
逃走先というか、転送先は間違いなく世界樹の入り口。追いかければすぐに追いつける距離だ。
この衝撃波による全身の痺れと、脚封じが無くなりさえすれば――そう考えながら、狂信者達は敵の去り際の言葉を思い出していた。

37魔王と生贄:2015/10/05(月) 13:25:17 ID:Yc9wa6SQ0
ここが何処か。決まっている、生贄が大量にいる世界樹。
あの男の序列?あのふざけた耐久能力と、殺しきるに至らなかった原因である膨大なHPを鑑みれば最上位で間違いないだろう。
指名手配をされた風鳴翼すら退けられているのだから、少なくとも関東エリアにおいてあれより強い参加者がいるとは思えない。
だからこそ魔物達も彼をリーダーに――

寒気。誰もが恐ろしい事を思い出した。
腕は動く狂信者の一人が、慌ててスマホを取り出してネット接続を試みる。
思い出せと言われた。ああ、しかし思い出したくない。

『その金髪はナンバー2らしい。さらに上に金髪巨躯の魔王がいるらしい』
※[[生き残るためには…!]]参照

……見つけてしまった。
ナンバー2、上にナンバー1の魔王在り。
いやいやまさかそんな、単純な戦闘能力で序列が決まるわけがない。
縋るように狂信者はこの情報の信憑性確認のために、金髪二人に関する過去の呟きを遡って確認する。
都庁に揃って現れた。ここまでは把握している。これより以前に、何があったのだろうか。

『なんか滅茶苦茶な速さで金髪が都庁目指してるっぽい』
『こっちも金髪が都庁目指してるっぽい。あれ、別人?』
『金髪二人が出会った。で、なんかすげえバトルおっぱじめたんだけど俺巻き込まれて死ぬんじゃね?』
『あー、よくわかんないけどでかい金髪優勢だわ。若い方の金髪の打撃全部無効化されてるし、魔法は躱されるか押し負けてる』
『若い子必死で距離とろうとしてんのに、インチキ射程レーザーでがりがり体力もってかれてるみたいだね』
『あいつぜってー魔王だよ。そして魔王が追撃で相手の頭掴んで連続でなんちゃらコレダー叫びながら叩きつけてる。えぐすぎ……』
『おお、若いのボロボロでも立ち上がったよ! 凄いけどなんで生きてんの?』
『あの場所は僕が絶対に守ってみせるって、まるで勇者みたいだな。あれ、でも確か都庁は魔物の巣窟だったような?』
『何故か急に魔王が謝ったかと思ったらお互いに握手して、また都庁にとんでった。な、なんだったんだあの二人は』
『お互いに、都庁を攻め落とそうとしてる奴って誤解してたってことか。んー、しかしするとあいつらもしかして……魔物の味方なのか?』

「「……」」

見てはいけないものを見てしまった。
あれだけ苦労した相手が、制限状態とはいえ既に黒星をつけられていたとは。
第一次攻撃の際も、確かに多くの狂信者が四連続魔法とダオスコレダーの前に犠牲になっていたが、やはり魔王ダオス恐るべし。
故にクラウザーさんへの生贄に捧げることができれば……

超耐性のレストがダウン→無属性かつ超火力攻撃持ち
四連続の魔法攻撃→マカラカーンの反射は一回のみ。絶一門も同じく
インチキ射程→どっから攻撃されてもおかしくない
自分達は現在脚封じ→逃走及び移動が不可能

結論…… やばい

38魔王と生贄:2015/10/05(月) 13:25:55 ID:Yc9wa6SQ0
『ま、まずい。早くこの脚封じをどうにかしなくては!』

ハザマの天才的な頭脳は誰よりも早くその結論に至った。
なんのことはない、自分達が相手にしていた男はあくまで世界樹の【盾】であったのだ。
盾の攻撃でこちらの被害は既に甚大、そしてその盾を完全に破壊することはできなかった。
ではその盾をも崩した、いわば世界樹の【矛】が自分達に向けられた場合、どうなるか。


「下等な貴様ら狂信者が、ここまでやるとは思わなかったぞ……」


ミザールを失った世界樹の天辺から、底冷えするような声が響く。
距離は離れている筈なのに、本来であれば聞き取れない筈なのに、その恐ろしい声は確かに狂信者全員の耳に届いた。

『にしゃああああああああ!』
『グォォォォン……』

そして追い討ちをかけるように怪物の叫び声と、荒ぶる触手で全身を引き千切られた龍脈の龍の断末魔までもが聞こえる。

「ば、馬鹿な……龍脈の龍が、敗れるだと……!?」


「そろそろ、貴様らとの戦いにも幕を引くとしよう。
 世界樹を傷つける愚者達よ、マナの溢れるこの場で私を怒らせたこと後悔しながら、死ぬがよい――テトラスペル!」


「「ぐあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」」

未だ身動きがとれずにいた狂信者達を、大地から吹き上がる岩が容赦なく打ちつける。
自然落下で地面に叩きつけられると思いきや、今度は巨大な渦が身体を捻じりきりにくる。
耐えたかと思えば竜巻が全身を切り刻み、局所的な大爆発が全てを焼き払う。
以前使用したものとは違う、本気で殺しにかかった魔術の極技は既に出来上がっていた屍の山を吹き飛ばし、新たな屍の山を築き上げた。

『ぼ、僕のマカラカーンが……まるで役に立たないだなんて……』
「わ、私を甘くみるなよ……全門耐性、私とてあらゆる属性への耐性を備えているのだ……常世の祈り!」

だが、この極技をハザマと大和、彼の使役する悪魔たちは耐えきり、再び常世の祈りで全回復してみせた。
しかし祈りの効力が効いているのは自分達だけ。他の信者は皆死に絶えてしまったのだろう。

「有象無象がどうなろうと、私とハザマが生きてさえいればっ!」


「サクヤ、ダオスさんの援護を!」
「はい! ――四源の舞!」


今度こそ大和の顔から、いや元々顔色の悪いハザマからすら血の気が引いた。

ああ、何故さっきの戦いであの小娘を先に始末していなかったのか。
ああ、何故むきになってあの人外を殺すことに固執してしまったのか。
作戦を練り優位に立ったつもりで、踊らされていたのは自分達の方だった。
今思えば、あからさまな時間稼ぎ。魔王の準備と、世界樹の化物が龍脈を打ち砕くまでの囮。
盾の攻撃を無力化して喜んでいた自分達はなんだったのだろうか。
これから絶対的な、矛が自分達に向かってくる。魔王と、怪物と、想定外の神樹、三つの矛が。
いや、既に先陣を切っている魔王の攻撃に耐えきれねば、後の矛など気にするだけ無駄なのかもしれない。
耐えられるのか?おそらくこれから発動するのは、凶悪なレーザー攻撃。
それも報告が確かであれば舞の効果が上乗せされて通常時の5倍に威力の膨れ上がった――

――アオオォォォォン――

39魔王と生贄:2015/10/05(月) 13:27:35 ID:Yc9wa6SQ0
何故、世界樹から狼の群れが顔を出して鳴いているのか。
そんなことは死刑執行を待つハザマ達にとってはどうでもいいことであった。

しかし実のところは彼らに大きく関係のある話であったりする。
鳴いている狼の名はスノードリフト。(故)コロトラングルらと同じ樹海守護者である。
第一階層の守護者ではあるが、単純な戦闘能力はアイスシザースに遥かに劣り……要するにもう前線で戦うのは厳しいレベルだ。
だが彼らは群れで鳴いた時、特殊なスキルとして【群狼の襲撃】を発動できる。
効果は鳴いたとき限定であるが、強化枠を使用せずに味方全体の攻撃能力を1.5倍にする優秀なサポートスキルであり……
つまり彼らに放たれるレーザーの威力は通常時の7.5倍。骨も残らないどころか魂ごとぶっ飛ばされかねない、魔王の憤怒の一撃。


「受けよ! これが再生を司る世界樹の輝き! 真・ダオスレーザーッ!」


ダオスの背後に魔法陣が現れ、そこから放たれた光矢がハザマ達を抉っていく。
これだけの距離で、たかが光矢の一発一発でなんという威力。
それはまだ本命ではない。魔法陣と、そしてダオスの両腕に収束した魔力はそれを遥かに凌駕するだろう。

『ク、クラウザーさん……! 僕は、僕は――
「み、認めぬ……! 私はこのような結末は認めぬ! 必ずやクラウザーさんを――

放たれた5色の光はやがて一つの巨大な光となり、狂信者を一人残らず消し飛ばす。
人も、魔神皇も、大天使も、邪神も何もかも全てを。
怒りの魔王に殺された彼らの魂は果たして、敬愛する魔王クラウザーさんへの生贄になれたのだろうか。
それはわからないが、とにかく魔王の宣言通り、世界樹での狂信者との戦いには幕が引かれたのであった。


【クリフト@ドラクエ4】死亡確認
【龍脈の龍@デビルサバイバー2】死亡確認
【狭間偉出夫@真・女神転生if...】死亡確認
【峰津院大和@デビルサバイバー2】死亡確認
【ニャルラトホテプ@女神転生シリーズ】死亡確認
【メタトロン@女神転生シリーズ】死亡確認
※その他サマナー狂信者も全員死亡し、かつ遺体は支給品装備諸共消滅しました

40魔王と生贄:2015/10/05(月) 13:28:04 ID:Yc9wa6SQ0
「これがダオスさんの本気のレーザー……退避して正解だったよ」
「レスト様があの方を恐れている理由が、よくわかりました……」

魔王の憤怒を見届けながら、レスト達は世界樹の入り口へと戻っていた。
召喚者である大和が死亡したためか、龍脈の龍の残骸は溶けて消え、再び大地へ還っている。

「レストさん、大丈夫だった!? ごめんね、セルちゃん達とあの龍を相手にするので手一杯で……」

そこに世界樹の巫女、まどかが合流する。
フォレストセルと神樹が体躯で勝る龍脈の龍を比較的楽に倒すことができたのも、彼女が世界樹を動かして援護に回ったことが大きい。
龍脈の龍が倒れ、世界樹との融合を解除して降り立ったといったところだろうか。

「いや、驚いたよ。まさか君がそこまで身体を張って……その脚の怪我は?」

だが見れば、まどかの左脚には真新しい傷が出来ており、未だに血が流れ出ていた。
いくら激戦の場とはいえ、あのフォレストセルがそう易々とまどかへの攻撃を通すとは思えない。
それでいてかすり傷というには少し大きめな傷を負うというのは、つまり。

「……うん。戦っている最中に痛みを感じた。私じゃなくて世界樹の根が、地中で戦闘に巻き込まれて傷を負ったんだと思う」
「貴虎か、あるいは他にもまだ狂信者がいたっていうのかい!? 地下にはかなり強力な魔物が多数いるはずなのに……
 くそ、このまま地下に潜ッテ、連中を見つけて今度こソはボクの手デ大地に還してやル!」
「っ!? いけません、レスト様!」

一歩踏み出したレストの後頭部を、鉄球が強襲する。
主人に対する容赦のない突然の一撃にまどかとウォークライは面くらう。
完全に油断しきった状態で身内からの不意打ちを受けよろめいたレストが一番驚いた様子ではあるが。

「サ、サクヤ! 突然何をするんだい!? 今のは普通に痛かったよ!?」
「……無茶をしすぎです。いくら傷を癒しても疲労感は残りますし、集中力も下がります。
 私程度の一撃をレスト様がまともに受けてしまったのが、何よりの証拠。それに――」

(さっきの言葉遣いは……風鳴翼と同じでした。これ以上は……!)
(ッ!)

耳元で小さく囁かれ、レストは言葉を飲みこむ。
自分で、気がつくことができなかった。人を食べなければ少なくとも世界樹にいれば進行はしないだろうという目論見が外れてしまった。
確かにこの状況で、症状がさらに進行して気がつかないうちに完全な同類となれば、今度は自分が世界樹に仇なす存在に成り果ててしまうだろう。

彼らはまだ知らないが、テラカオス化は何も捕食に限らず、時間経過や精神状態、戦闘などでも程度に差があれど進行する。
モブとはいえ数千の狂信者を始末し、さらには強大な力を持つハザマ達との戦闘はテラカオス化を進めるには十分な材料だ。

41魔王と生贄:2015/10/05(月) 13:29:05 ID:Yc9wa6SQ0
「……まどかさん、フォレストセルの中にレスト様を閉じ込めることは可能ですか? あ、勿論食べたりしたら駄目ですよ?」
「え゛っ!?」
「う、うーん……お口の中で転がしておけば多分大丈夫なんじゃないかな? でもどうしてそんな……」
「見ての通り、私のご主人様は強引にでも止めないと戦いに明け暮れてしまいますから。無理矢理にでも休ませないと」
「サクヤ、待った、落ち着こう? わかったから、ちょっとだけ休むから。2分程度――
「レスト様は全身からお野菜の味がしますから、フォレストセルの飴玉代わりになるかもしれませんよ?」
「そうなんだ! それじゃあレストさんが休むのと一緒にセルちゃんもおやつ休憩がとれるんだね。
 マミさん風に言うと、戦士の休息ってやつかな?」
「ちょっと!?」

未だに痛む後頭部をさすりながら、確かにちょっと疲れはしたかと思いつつもレストは猛抗議する。
前に自分はフォレストセルの力でこの症状を治せるかもと言ったかもしれないが、あれの飴玉になるのは御免こうむりたい。

「……ウォークライ」
『……諦めよ、主。我も同意見である』

ちらりと助けを求めるようにウォークライを見るが、彼は首を横に振った。
彼もまた、このままレストを地下に向かわせる気はないようだ。

「セルちゃーん! レストさんのこと舐めまわして休憩させてあげてくれる? でも飲みこんじゃ、ダメだよ?」
「舐めまわす必要は「にしゃーん」うわあああああぁぁぁぁぁぁぁ!?」

相変わらずの謎の瞬発力を持つ触手で逃げる間もなくレストは捕獲され、そのままフォレストセルの口に運ばれる。
彼ならば体内からフォレストセルを切り刻む芸当をやらかしそうだが、フォレストセルを殺せばまどかや他の魔物が黙ってはいまい。
捕まった瞬間、彼の運命は決定したのである。

<ウワアアア! シタヅカイガスゴイ!? ダ、ダレカー!

「あ、セルちゃんが笑顔になったよ! 本当にレストさんって美味しいんだね」
(あぁ、レスト様、申し訳ございません……でもこれでうまくいけば……)

心の中で主に深く謝罪しつつも、サクヤは少し凹んだ鉄球を携えて地下への道を目指す。

「あれ、サクヤさんが地下に行ってくれるの?」
「はい。恐らく地上の狂信者は掃討できましたし、レスト様の代わりに私が向かっても問題はないかと」
(それに注意深く地下に意識を向けると感じるこの気配は、紛れもなくお父様のもの……身内の不始末は私がするのが道理でしょう)
『主からは、命令が無い時は好きに動いて構わないと言われている。我もつきあおう。
 地下の魔物で敵わない程の相手であれば、戦力は多い方がいいからな。既に向かっている先発隊との合流も考えるとしよう』
「二人ともありがとう。セルちゃんはエリカさんに任せておけば安心だし、私も地下にいくよ。
 脚の怪我から、世界樹のどのあたりが傷ついたかは大体わかるしね」
『美樹さやかは負傷者の治療で動けないだろうが、他にも何人か連れていくべきではないか?』

地上の戦いは終わった。
しかし真の戦いはこれからだということを、まどか達は本能的に理解していた。
【盾】はしばらく使えず【矛】も世界樹の地下ではその全力を出すことはできない。
そして侵入者はかなりの実力者。真っ向勝負になった場合は苦戦必至だろう。

既に向かっている仲間達の身を案じながら、世界樹の巫女は魔物を従えて地下へと向かうのであった。

42魔王と生贄:2015/10/05(月) 13:29:52 ID:Yc9wa6SQ0
【二日目・9時15分/世界樹・移動時軸前】
【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】状態:ダメージ(小)、世界樹の巫女、左脚に怪我
道具:支給品一式 その他不明、モンスターボール(フォレスト・セル)
思考:地下で傷ついた世界樹の治療及び、原因となった人物の捜索
※世界樹の王@世界樹の迷宮と同じスキルが使用可能です
【聖煌天の麒麟・サクヤ@パズドラ】 状態:健康、首輪解除、攻撃力1.5倍、被ダメージ半減
装備:巨大棘鉄球×2、始原の印術書
思考:おそらく地下にいると思われる父は自分の手で止める
【ウォークライ@セブンスドラゴン2020】状態:健康、首輪解除、攻撃力1.5倍、被ダメージ半減
道具:余った真竜ニアラ
思考:まどかの護衛。場合によっては他の仲間も連れて地下へ向かう
※レスト直属の魔物のため、装備の恩恵によりステータスが上がっています


【フォレスト・セル@新・世界樹の迷宮】
状態:上機嫌、小ダメージ(再生中)ポケモン状態、首輪解除、神樹とドッキング中
思考:まどかの命令通り、レストを舐めまわして治療する
※常人にはセルの表情変化はわかりません
【レスト@ルーンファクトリー4】
状態:中ダメージ(再生中)、中魔力消費、精神大ダメージ、各種超耐性、テラカオス化治療中、エーテルリンク中、首輪解除
思考:能力低下攻撃への対抗策を手に入れたいが、今は一刻も早くフォレストセルの口内から出たい
※候補者の一人となりました。現在はその肉体と竜の力でテラカオスの力を制御していますが、なんらかの要因で抑えきれなくなる可能性もあります
※進行を抑えているため、テラカオス化が進むことによる新たな能力取得はできません
※治療が済むまで(セルが満足するまで)自力で外に出ることができません



――その頃、世界樹頂上――

「すまぬな小鳥。だがこれで、連中を排除しやすくなった」
「いえ、別にお料理は好きですし、お役に立てたならいいんですけど……何故に天ぷら?」
「私の好物だ。こうやって、天ぷらを、食べるとだな……なんか殺る気が満ちてくる」
(うーん、あの狂信者達も、まさか天ぷら食べながらすっごいレーザー出す人に殺されるとは夢にも思わなかっただろうなぁ……)

【ダオス@テイルズオブファンタジア】状態:健康、物理攻撃無効、雷耐性低、詠唱速度上昇
思考:地下の様子や戦後処理が気になるが、念のため頂上で外敵を警戒
※天ぷらにより、詠唱速度が上昇しました
【音無小鳥@アイドルマスター】状態:健康、すごい申し訳ない気持ち、深い悲しみ
道具:支給品一式、スマホ、大量の天ぷら
思考:サポートに徹する。とりあえず今は天ぷらの量産

43西武ドーム シュシュッと・スパーク!:2015/10/10(土) 01:36:04 ID:DGvGRwKk0

 昨今、野球場では乱闘はご法度である。
 その光景をテレビとかの野球中継でもほとんど見なくなった。
 しかし、今! その乱闘がここで起こっているのだ!!


「フハハハハッ! 聖帝の前に敵はいないのだ!」


 高笑いと共にサウザーはバットをDMC狂信者共にバットを投げつける。
 あのAC北斗の拳の世紀末槍投げと呼ばれる行為である。
 それに巻き込まれた数人のモブDMC狂信者が命を落とす。

「フハハハハッ! フハハハハッ! フハハハハッ! フハハハハッ!
 フハハハハッ! フハハハハッ! フハハハハッ! フハハハハッ!
 フハハハハッ! フハハハハッ! フハハハハッ! フハハハハッ!
 フハハハハッ! フハハハハッ! フハハハハッ! フハハ……ぬうっ!?」
「あっ、わりーおっさん」

 だが、その途中に動きが止まった。
 味方に刺された右太ももを刺されたのだ。
 しかし、すぐにサウザーは立ち直す。

(くっ、あのターバンのガキめぇ……味方なのか敵なのかよくわからんぞ!!)

 ここまで混戦になると敵味方が入り乱れている。
 そこで誰かが言った聖帝軍はこの【ターバン】を着けようと。
 本当に乱戦だったので誰が言ったのか定かではない。
 声と態度がでかいサウザーは簡単に判断が出来るという理由で着けなかった。
 
 しかし、それが問題だった。
 味方の攻撃がサウザーの右太ももにピンポイントで刺さるようになったのだ。
 だが、そこは聖帝サウザー、退かぬ!媚びぬ!省みぬ!の精神で頑張って耐えてるのだ。

「グヘヘ、悪魔超人の俺が来たからにはDNC信者共もぺちゃんこだぜ〜!!」
「…………」
「高津選手がいるからきらりも余計にがんばるにぃ☆」
「私も頑張るよー」
「ワハハー」
「葛葉! これを使え!」
「俺たちが来たからにはこちらの負ける確率は0パーセントだ」

 聖帝軍の助っ人に来たと思われる男女7人もターバンを巻いている。
 これにはサウザーは喜び半分、恐怖半分であった。
 何故なら、彼らもまたターバンを巻いているのであるから。


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