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カオスロワ避難所スレ2

1混沌な名無しさん:2013/09/05(木) 20:26:58 ID:XVx2BHo60
こちらは投下スレです。

802ラーメン戦争、勃発!:2014/10/03(金) 02:17:50 ID:.TJRB3TE0

「ラーメン三銃士を連れて来たよ」
「ラーメン三銃士?」

 西に向かっていたオートバジン(と、支給品の乾巧)の前に現れた男。
 そう、皆さんご存知日本ラーメン総合開発研究所所長の長井伸助氏である。
 それに困惑するオートバジン(と、支給品の乾巧)であったが、話だけを聞くことにした。

「麺の専門家、乃士勇造」
「うっす、よろしく」
「スープの専門家、出川実」
「がんばります、よろしく」
「チャーシュー・メンマなど具の専門家、多木康」
「よっす、どうも」

 だが、オートバジン(と、支給品の乾巧)は疑問に思った。
 ラーメン三銃士達の髪色が本来の黒ではなく、銀だということだ。
 それはどうしてか? と、支給品なのに乾巧は聞いた。

「それはな……」
「「「貴様をラーメンにするためだッ!!!」」」
「は?」

 全員四条化していた。
 そして、異変に気付いた支給品の乾巧はファイズに変身しようとしたが……
 オートバジンに止められた、流石に2(一人は支給品)対4では分が悪いのだ。

 三十六計逃げるに如かず。
 古来からある中国の兵法である
 しかし……

「クッソ! なんだよ、こいつらの脚力!?」

 全員十傑衆走りで追いかけてきた。
 その速さはオートバジン並にある。
 そりゃ、ラーメン三銃士もテラカオス化しかけてるからね。

「「「「貴様もラーメンにしてやろう!!」」」」
「馬鹿じゃねーの!!」

オートバジン(と支給品の乾巧)を追いかけつつもラーメン三銃士たちは参加者をラーメンにしていく。

【海動剣@マジンカイザーSKL 死亡確認】  
【真上遼@マジンカイザーSKL 死亡確認】
 死因:ラーメン三銃士にラーメンにされた。

 ラーメン三銃士達はラーメンを啜りながら走る。
 麺が飛び散り、スープが飛び散り、具が飛び散っていくが、それでもオートバジン(と、支給品の乾巧)に迫る。

「食えてねぇじゃねーか!!」

 そんな野暮なツッコミを入れつつも逃げる。
 そんな彼らが滋賀県に差し掛かった所であった!
 
「レッグラリアート!!」
「ガハッ!?」
「「「「!?」」」」

【長井伸助@美味しんぼ 死亡】

 もろにカウンターで入った鋭い蹴りは一撃で仕留めるには充分であった。

803ラーメン戦争、勃発!:2014/10/03(金) 02:18:17 ID:.TJRB3TE0


「「「何者だ、貴様!」」」
「――私は正義超人、ラーメンマン!!」
(またラーメンかよ……)

 ラーメンマンと名乗った額に『中』の文字が入った長身の男。
 すると、ぞろぞろとラーメンマンの仲間と思わしき者たちが現れた。
 
「どうした、ラーメンマン?」
「敵か?」
「邪気を感じますね」

 長い黒髪に非常に鍛え抜かれた肉体を見せる男――中国拳法の達人・烈海王ッ!
 黒いスーツ、白いローファーを着用した男――八極拳士・ジョンス・リー。
 赤い髪に華人服風の服を着た少女――気を使う程度の妖怪・紅美鈴。

「やるのか、このやろう!」
「貴様らもラーメンにしてやる!」
「ラーメンで一番大事なのは……具!」

 構えるジョンスと烈海王と美鈴。
 対峙するラーメン三銃士。

「八極拳士に二の撃はいらない」
「確かにな」 
「そうですね」

 そして、戦いの火蓋が切って落とされたッ!
 
 ……が、勝負はやはり『一撃』で決まった。


『八極拳士は一撃で相手を倒す』


 一撃。
 ジョンス達のたった一撃で。
 ラーメン三銃士達は凄まじく吹っ飛んだ。
 三者三様の方向に吹っ飛んだ。

 あまりの光景にオートバジン(と支給品の乾巧)は驚きを隠せない。
 そりゃあ、あんだけ強そうだったラーメン三銃士が一撃だったのだから、驚くよ。 
 
 そして、落ち着いたので情報交換に移る。

「アンタらは殺し合いには……」
「乗ってはいないが、乗った者は倒している」
「ラーメンマンのその考え……私は一向に構わんッッッ!!!」
「俺は特にやることは決まっていない……」
「私はですね、ジョンスさんに八極拳の手解きをしてもらいながらレミリアお嬢様を探しています」
「俺は別にそんなことはしてる気はねぇよ」
「で、アンタらはこれからどうするんだ?」
「一先ず、我々は四国に向かっている」
「なんでだ?」
「なにやらラーメンマンさんの知り合いがそこで殺されたって情報が流れたんです」
※ラーメンマンの知り合い=テリーマン
「四国に向かうことについては……私は一向に構わんッッッ!!!」 
「うるせぇ!」

 うるさい烈海王に一撃を入れようとしたジョンス。
 しかし、相手は中国拳法の達人、烈海王。
 その八極拳を上手く受け流した。

「やっぱ、アンタはいつか倒す」
「殺し合いが終わったらな」
「二人とも落ち着いてくださいよ」
(騒がしい奴らだ……だが、悪くはない)

 支給品の乾巧は少し寂しかった。
 この数時間、会話相手がほとんどいなかったから仕方ないのだ。

「それで君はどうするんだ?」
「俺は……一先ず、アンタらに着いていく……後のことはそれから考える」
「そうか」

 こうして、オートバジン(と、支給品の乾巧)の今後の行動方針は決まったのであった。

804ラーメン戦争、勃発!:2014/10/03(金) 02:18:44 ID:.TJRB3TE0


【二日目・5時55分/日本・滋賀県】

【乾巧@仮面ライダー555】
【状態】健康、首輪なし
【装備】ファイズギア@仮面ライダー555
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:殺し合いを止める
1:一先ず、ラーメンマン達に着いていく
2:草加……
※支給品だったので首輪はありません。

【オートバジン@仮面ライダー555】
【状態】損傷無し、バイクモード
【装備】なし
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:殺し合いを止める
1:たっくん(乾巧)についていく

【ラーメンマン@キン肉マン】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】不明
【思考】基本:対主催
1:情報を集めるために四国に向かう
2:ブロッケンJr.が心配
3:テリーマンの仇を討ちたい

【烈海王@範馬刃牙】
【状態】健康
【装備】スマホ
【道具】烈さん特製中華料理、砂糖水
【思考】基本:私は一向に構わんッッッ!!!
1:ラーメンマンたちに協力することには私は一向に構わんッッッ!!!
2:勇次郎が死んだことに衝撃を受けたが、私は一向に構わんッッッ!!!

【紅美鈴@東方project】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】不明
【思考】基本:ラーメンマンに協力する
1:レミリアお嬢様たちが少し心配。

【ジョンス・リー@エアマスター】
【状態】健康
【装備】必要ない
【道具】将棋セット一式、その他不明
【思考】
1:主催者倒して、ラーメンマン、烈海王と戦う
2:将棋セットを見ると頭が痛む

805ラーメン戦争、勃発!:2014/10/03(金) 02:19:11 ID:.TJRB3TE0


 一方、飛び散ったラーメン三銃士たちは……。
 まずはジョンスさんに吹っ飛ばされた麺の専門家、乃士勇造。
 天国まで吹っ飛ばされた……うん、死んだよ、八極拳士なめんよ。

【乃士勇造@美味しんぼ 死亡】

 次に烈海王に吹っ飛ばされたスープの専門家、出川実。
 山口県の下関まで吹っ飛ばされた結果……禁止エリアだったので首輪が爆発した。

【出川実@美味しんぼ 死亡】

 最後に美鈴に吹っ飛ばされた具の専門家、多木康は……。

「なんだ、お前は!?」
「お前こそ誰だ!?」

 何やら紫色の宇宙人と対峙していた。
 脇役たちの戦いが――――始まる!



【二日目・5時55分/静岡県・樹海】
【キュイ@ドラゴンボール】
【状態】ダメージ(極大)
【装備】スカウター(旧式)
【道具】不明
【思考】
基本:生き残る
0:目の前の地球人に対処する
1:身を隠せる場所を探す
2:もう野球はしたくない

【多木康@美味しんぼ】
【状態】ダメージ(極大)、四条化
【装備】チャーシュー・メンマなど具
【道具】不明
【思考】
基本:ラーメンで一番大事なのは……具!
0:目の前の宇宙人に対処する
1:あの女(紅美鈴)は許さない
2:他のラーメン三銃士たちと合流

806悪夢墜ちる日:2014/10/06(月) 12:48:14 ID:yxHOQQHY0
そこにたどり着くまで多くの犠牲が払われた……
熱斗組も、都庁軍も、DMC狂信者も、なのは組も、影薄組も、狸組も、天魔王軍も、ホワイトベース組も、拳王軍も、イチローチームも、ドラゴンズも、聖帝軍も、超人血盟軍も……
対主催も、マーダーも、主催やジョーカー、テラカオス候補者も、多くの者が天に召され、もしくは冥府に落ちた。
第四回放送時点でも200人以上いた強者達も、最終的に生き残ったのはたったの4人であった……


されど、この多くの犠牲があってこそ、彼ら4人は決戦の地に足を踏み入れることができたのだ。


紹介しよう。
最後に生き残った4人の勇者を!!



 世を統べる天魔王軍から オルゴ・デミーラ!! (結局AAが見つからなかったのでミス・ボンクレー氏に代理で登場していただきました)

   r‐'⌒ヽ、    ___   ,rーヽ、
  ト´    'r‐''"´::___`_ヽ〈   `i、
  {、   、 ソィ'''入ノ!ノヽィ_,`ヽ , ' _)'
  ヾ.ィ(_i_,r彳ノ~::i!::::::i!::::l!:::i!:´'.ト'-'´
      iー':::;r'ー'``''' ニ'、~ `'ー!|
      |::::i′   /i iヽ   |:!
      |:::::! .'ニ・ニ不下ニ・ネ!'
     !_:::| '"V゙V`' ||`'゙VV`|!          「私の美と力! 魅せてあげる!!」
     {ハ::l  f⌒i  || f⌒i n
      i ト';:! ``´ .-、!‐ `゙´ |ノ
     ヽ、ト、       ソ`V'`}
     ,_ |`|      _/_;-、;r、!
  r‐ヾ` / .!     ´ヾヽ、) /i
_r'  /::/ i :!     /`'、::`:;ノ、_
  /:i´  i i    ' 〃 厂{  } _,.ニ、_
./::::::::l   ! :',        } 〈/ `ヽ
:::::::::::::::l  l: .: '、    }  ,ノノ′  ',
::::::::::::::::',/:.:  .: .:`ーォ:'`ー'ヽ/ }    i}
::::::::::::::::::',.:.  .: .: ./ |:::::::::::::::`ヽ、  }
.``丶、::::::ト、   .: .ハ !:::::::::::::::::_;:、-` l}
    ノ:::::::', ヽ  /´!:::::::「 ̄




 主催幹部にしてリーダー格 ダース・ベイダー!!

                  .,,,--'r''''''r‐―-、,,、
             ,/`  l゙  |     `'-、
            : ,i´    |  l゙       ゙l
            .l゙     |  .|       ゙l
            |:   : :   |  | : _,,,,,,,,,,,,_   l
              | ,,-,,,, ゙゙̄''イ  ゙l゙,,,,,,-、,,,,`''-、|
              |l"",,,-ニニニ--''゙,―ー-,,"\`'゙l、
          .,i´| .j|`   `| : |`    .i゙l: .,!'i、│    「コーホー」
          │ .゙l:|゙'-,,,,,,,,,ri,l゙"'トrii,,,,,-,彡",l゙: ゙li、ヽ
         │  ゙li"二,,,,,,,,,,|/ii;|,,---ヽ,,,‐,i´.,/ ゙l,ヽ
         │   'lレ、  ,,/,|,,,,゙l゙lヽ、、 ,l゙,/.., |" ヽヽ
         :|    .゙レ゙l, , |i|'|| ||.|'|jヽ,゙''//.,,i´l゙   .ヾl、
         l、    .`ミ||r},|,|,|,||,{,||,レ/jニ'"  ヽ,,.._,,,,,-'"
         `゙'―---rr゙'": :=ニ'''''''',/' `゙` ..,,i´ ―ー、_
             _,,,,/: :)    `'''"   .,,-‐゙     `''-、、


 特命係にしてDMC信者 右京さん!!

  !三二';    ..     ....:::    "';::l      / ̄ ̄ ̄ \
  l-=ニ彡   ::        _.-‐=、 i/ヽ     |  |  十  |
   !三彡'  _,=-;;_-..、   :::',,..ニ-‐-、 ',~il    .|  レ (」ヽ  |
    'i,;'彡  '" __,,...二.,_::  i .ィ''t_テ` li"レ|     |.  l  、  |
   ,''-彡‐,_,'"、‐''t_ア> )‐=ヽ.__..,, ‐' .::iノ     |   レ . ヽ  |
   ',ヽ~;"  ` ..__,,.. '   :::..   ...:: l'    _ノ    (⌒)  .|
    ヽ`、!、          ;;::';:.    |      ̄ヽ   「   /
     \`、     .'゛ '‐- .:''^  '、  !       \  ・ ./
      `-、    '    .:: __.、 i ,.'ヽ_          ̄ ̄
.        ' 、   ;''-‐‐'' ~_ ' ' /  .〉\
          \     ''~   ,. '  /   '、.,,
       _,,...-''iト、ヽ、.., ___ _,,.. '   , '    i ゛' .、._

807悪夢墜ちる日:2014/10/06(月) 12:49:14 ID:yxHOQQHY0


 
 影薄組から美少女雀士東横桃子が参戦!!




                         「頑張るっす!」



          ↑この辺にモモ



以上の4人が最終決戦に挑む。

……このメンツにツッコミを入れたい人々もいるだろう。
対主催であるステルスモモはまだしも、主催の一人であるベイダー、世界征服を企んでいた天魔王、狂人マーダーと化していた右京さんなど、三人は折り紙つきの危険人物であったはずだ。
手短に説明すると、彼らはなんやかんやあって善の心に目覚めて改心し、今はこの殺し合いを開いた巨悪を討つべく一致団結したのである!
そしてこの世界に大災害という破滅的な打撃を与え、殺し合いという悲劇を起こした巨悪とは――


















     __
    γ,:-ミ:、.-―――-:、,ィニミ、
    弋,ゝ'´         ヽ.ノノ
     /   -―-    -―-   ヾ
     ,′   ●     ●     ’
     {       ,.、       }
    .    、__`ェ’__,     ,′
      ヽ     |__-一__|     /
      ヽ    ̄二 ̄   /        「僕だよ」
         >ュ- .___ ..ァ "`;ゝ、
       入:::::弋____,ノ::::::::;′ ヽ
      i l:::::::::::::::::::::::::::::::::{    ヽ
      | |::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、    ヘ
.        l i!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::、    ヘ
        ! l!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::iヽ    i
       |  !::::::::::::::::::::::::::::::::::::| i    l
.         l  |::::::::::::::::::::::::::::::::::::i! l    !
.        |  i}:::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ !   l
        ,:   j:::::::::::::::::::::::::::::::::::::'; i    {
      (o _/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i /   ,)
      `i、(j\::::::::::::::::::::::::::;ィ'''¨1`ーt_;:.ノ
.         l  \:::::::::::::/    |
.          l    ヾ::/      |
        |     |i      


「まあ! 可愛いクマちゃん!」
「あなたが全ての黒幕だったとは……」

――最凶の変態紳士、クマ吉であった。
なぜおまえが……と誰も予想できなかったぐらい、まさかまさかのラスボスとして登場である。

808悪夢墜ちる日:2014/10/06(月) 12:50:17 ID:yxHOQQHY0

「待ってください! この熊は確か見せしめで死んでいるハズっすよ!?」
「コーホー、こいつは野比玉子症候群患者。死んでもすぐに蘇る男だ」
「フフフ、その通りさ」
「答えてもらおう。なぜ大災害を起こし、我々主催を騙して殺し合いを開かせた!?」

そしてクマ吉の口から明かされるTCBR10の真実とは?

「世紀末的な世界でのバトロワなら、モテない僕にもなんらかの恋愛フラグが立つと思っていたのさ。
吊り橋効果って知ってるだろ? 危険な状況ほど相手に惚れたくなる……それを利用しようと思ったのさ」
ΩΩΩ<ナンダッテーーーッ!!?
「コーホー……なるほど、確かにおまえは序盤では一人の少女と行動を共にしていたな」
「ああ、あの娘は良い子だった。僕の嫁にするにはちょうどいい娘だった。
後は僕がこのロワの主役になれるような工作を各所で仕込み、僕が主催をかっこよく蹴散らして彼女の心を射止めれば僕の勝ちだった。
僕が黒幕だと気づかれないように状態表の偽装まで行ったほど用意も周到だった。しかし……」
「貴様の彼女候補は……序盤で死んだな」
「ああ、そうさ! せっかく恋愛フラグ立ちそうだったのにのにあっさりと折られたよ!
なんかドラマが生まれそうだったのに壮大に何も始まらなかったよ!
その後もめげずにDMC狂信者に入って彼女を作ろうとしたけどダメだった!
気がついたら参加者も一桁台に減って終盤の終盤だよ! いったい僕の何がいけなったんだ!?」
「カオスロワは何が起こるかわからないロワ。
いくら自分に都合の良い様な仕込みをしても容易く切り崩されるものなのですよ」
「えーっと、まとめると非リアがリア充になりやすい状況を作り出すために世界で大災害を起こし、自分が活躍できる出来レースになるようにベイダー卿達を騙して主催に仕立て上げたってことっすか?」
「ただのバカじゃない」
「コーホー、くだらん理由のために多くの者が犠牲になったというのか! 許さんぞクマ吉!!」

四人の勇者は怒りのままに戦闘態勢に入る。
しかし、クマ吉は一切臆した様子もなく毅然と立っていた。

「フッフッフ……愚かな。君達は何もわかっちゃいない。
なぜ僕がラスボスなのか? 参加者全員がまとめてかかってきても僕には敵わないからだ。
そして思い知るがいい。
一切の見返りもなく殺される野比玉子症候群患者の悲しみと、彼女作りたくとも作れない非リアのルサンチマンを!!」


そして、次の瞬間にはクマ吉の必殺の一撃が、四人に襲いかかっていた。

809悪夢墜ちる日:2014/10/06(月) 12:51:51 ID:yxHOQQHY0

                 ,.r= 、,..=ー-r'´¨ヽ
                 {,r<,  、/ ` 、リ
                 ,' ,,,゚ rっ ゚,,,   〈
                      i   t`=ァ'    }
                   ',           /  「究極紳士拳奥義 本 能 覚 醒 !!」
                  ゝ、     ,.ィ
                _ ,..ィ{ ', i! /チt-、=- .,_
              ,r'’  /::ム_ ` ,-=_,.|::l    `ー=、
             ,/   ノ:::::::::::: ̄::::::::::::::l `    l//:`x
           /   !::::‖{にゃん美}::::!. l/    `,////`、
             ,'./    l、:::::t:::::::Y:::::::::::::::::ム_!     V////ム
            ./ !    ノ/}::::i!:::-::!::-:::{:::::::::::ハ 丶   ,.V,..,////`=、_
           / l   ,.リ//!:::::i:::ー!-:::::i:::::::::::l//`・、` -=   `'<////// ̄/==─--
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       _/    !/////::::::i::::r'´::::`:::!::::::、::マ/////`:.、      、   ` !_//////
      ム/    /////::::::::l::::::::::::::::::::l::::,r'::::ゝ、///////`=‐._  `ー  ノ `ォ/////
     ///    ,イ///ノー-=、::::::::::::::::::::::;::::::::::::::::マ///////////ム  r'_/  メ/////
    ///,'   ///,'/    }::::::::::::::::::/  ̄ ̄``t////////////`ー、  ,.ノ///////
  .,:'//‖  ‖////     `.V::::::::::::::{./     ':,//////////////`='/////////
 ,.:'////   `、//      ー`、:::::::::/          V////////////////////////
//////  r、 、 V   i    l   }::::':l      t,   V////////////////////////
////,'ム 、_ノv'   ,'    l  /'.^`l       '! .   Ⅶ//////////////////////
//////`ー='’‖  /  、   }///:l       l    Ⅷ/////////////////////
///////////,'  ノ    /   l////!         {    l//////////////////////
///////////!          /////:ム        ‖  ‖/////////////////////
//////////,l /         ∧/////ム     /   、!//////////////////////
.マ////////:l          /////////:ム         マ////////////////////
 `x//////_}          l////////////`、        }///////////////////>'


全ては一瞬であった。
攻撃が一つでもクマ吉に届く前に、一人でも回避行動に移るよりも早く、闘気の波が四人に襲いかかった。
クマ吉の闘気を受けた四人は弾けとんだ――

                   _
                  / jjjj      _
                / タ       {!!! _ ヽ、
               ,/  ノ        ~ `、  \        _
               `、  `ヽ.  /⌒ヽ , ‐'`  ノ      /  `j 
     ∧_∧_      \  `ヽ(´●▲●`)" .ノ/    /  /`ー' 
    (´□ω□`)  ̄"⌒ヽ    `、ヽ.  ``Y"   r '     〈  `ヽ    
   / ) ヽ' /    、 `、   i. 、   ¥   ノ       `、  ヽ<<<
  γ  --‐ '      λ. ;   `、` -‐´;`ー.イ         〉    ´△ω)    ,-、、
  f   、   ヾ    /   )    i 彡 i ミ/         / ノ    ̄⌒ヽ   「  〉
  !  ノヽ、._, '`"/  _,. '"     }    {         ノ  ' L     `ヽ./  /
  |   ̄`ー-`ヽ 〈  < _ ヽ.    /     `\      / , '    ノ\  ´  /
   !、__,,,  l ,\_,ソ ノ   /   /ヽ、  ヽ.     (     ∠_   ヽ、_, '
       〈'_,/ /   /   /  ノ    ヽ.   )     i  、      ヽ
      右京さん          ベイダー卿             天魔王様            ↑この辺にモモ



「「「「うわああああああああああああああ!!!」」」」

810悪夢墜ちる日:2014/10/06(月) 12:52:50 ID:yxHOQQHY0

――衣服が。
萌えポイントとして全員靴下以外(ベイダーのみ兜のオプション付き)の全ての身に纏うものが霧散した。

「フッフッフ。
究極紳士拳は某脱衣拳をベースに僕がアレンジを加えた拳法だ。
この拳の前にに脱がせられない服や鎧はない!」
「くッ、余のお気に入りのスーツとマントが……おのれ!」
「ですが所詮は服を脱がされた程度、被害は防御力が多少落ちたぐらいで戦闘に支障はなさそうです」
「あの……私は乙女の恥じらいが……」
「アンタどうせ皆から見えないんだから裸でも良いでしょう!」
「コーホー、たかが服を脱がしたくらいで図に乗るな!!」

全裸にひん剥かれたが肉体的な損害は一切なく、四人の戦意は衰えを見せなかった。
世界を救うためなら見てくれを気にする暇などないのだ。
……だが、そんな四人を前にしてクマ吉の表情は余裕そのものだった。

「抵抗するだけ無駄だよ。君達はもう――社会的に死んでいる」
「何を……あぐっ!?」

クマ吉に再度攻撃を加えようとした矢先、四人の身体に変化が訪れた。


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              | ,,-,,,, ゙゙̄''イ  ゙l゙,,,,,,-、,,,,`''-、| 「なんだか体が熱く……コーホーコーホー///」
              |l"",,,-ニニニ--''゙,―ー-,,"\`'゙l、
          .,i´| .j|`   `| : |`    .i゙l: .,!'i、│  
          │ .゙l:|゙'-,,,,,,,,,ri,l゙"'トrii,,,,,-,彡",l゙: ゙li、ヽ
         │  ゙li"二///,,,,,,,|/ii;|,,///ヽ,,,‐,i´.,/ ゙l,ヽ
         │   'lレ、  ,,/,|,,,,゙l゙lヽ、、 ,l゙,/.., |" ヽヽ
         :|    .゙レ゙l, , |i|'|| ||.|'|jヽ,゙''//.,,i´l゙   .ヾl、
         l、    .`ミ||r},|,|,|,||,{,||,レ/jニ'"  ヽ,,.._,,,,,-'"
         `゙'―---rr゙'": :=ニ'''''''',/' `゙` ..,,i´ ―ー、_



  !三二';    ..     ....:::    "';::l 
  l-=ニ彡   ::        _.-‐=、 i/ヽ   
   !三彡'  _,=-;;_-..、   :::',,..ニ-‐-、 ',~il
    'i,;'彡  '" __,,...二.,_::  i .ィ''t_テ` li"レ|
   ,''-彡‐,_,'"、‐''t_ア> )‐=ヽ.__..,, ‐' .::iノ  「他人をレ○プしたい感情が収まりません!!///」
   ',ヽ~;"  ` ..__,,.. '   :::..///...:: l' 
    ヽ`、!、 ///      ;;::';:.    |   
     \`、     .'゛ '‐- .:''^  '、  ! 
      `-、    '    .:: __.、 i ,.'ヽ_  
.        ' 、   ;''-‐‐'' ~_ ' ' /  .〉\
          \     ''~   ,. '  /   '、.,,
       _,,...-''iト、ヽ、.., ___ _,,.. '   , '    i ゛' .、._


   r‐'⌒ヽ、    ___   ,rーヽ、
  ト´    'r‐''"´::___`_ヽ〈   `i、
  {、   、 ソィ'''入ノ!ノヽィ_,`ヽ , ' _)'
  ヾ.ィ(_i_,r彳ノ~::i!::::::i!::::l!:::i!:´'.ト'-'´
      iー':::;r'ー'``''' ニ'、~ `'ー!|
      |::::i′   /i iヽ   |:!
      |:::::! .'ニ・ニ不下ニ・ネ!'
     !_:::| '"V゙V`' ||`'゙VV`|!
     {ハ::l  ///  || /// n
      i ト';:! ``´ .-、!‐ `゙´ |ノ   「もうギンギンよぉ〜///」
     ヽ、ト、       ソ`V'`}
     ,_ |`|      _/_;-、;r、!
  r‐ヾ` / .!     ´ヾヽ、) /i
_r'  /::/ i :!     /`'、::`:;ノ、_
  /:i´  i i    ' 〃 厂{  } _,.ニ、_
./::::::::l   ! :',        } 〈/ `ヽ
:::::::::::::::l  l: .: '、    }  ,ノノ′  ',
::::::::::::::::',/:.:  .: .:`ーォ:'`ー'ヽ/ }    i}

811悪夢墜ちる日:2014/10/06(月) 12:53:31 ID:yxHOQQHY0




         /// ///           「私もなんだか体が疼いてきちゃったっす」



          ↑この辺にステルスモモ


突如として四人が悶え苦しみ……訂正、肌を紅潮させてモジモジと悶え出した。
この異変についてクマ吉は説明する。

「究極紳士拳には肉体破壊能力はない。
その代わりに、確実に発情させて性本能に逆らえないようにする……そんな経絡秘孔を確実に突くのが究極紳士拳の極意さ。
すなわち――」
「余のライトセーバーがメイス・ウィンドゥのように!?」
「ああ、私の亀山くんが鑑識の米沢さんのように……」
「私のアイアンタートルがアストロン状態に!」
「――君達は既に淫夢の中の野獣さ。
ああ、ちなみに性欲が強くなりすぎて穴があれば性別問わず誰でも襲うようになるからね」

拳を食らった時点で、もはや四人に勝機はなかったのだ。
そしてクマ吉の説明通り、野獣と化した三人の男達は仲間同士で絡み合い始める。

「コーホー/// 右京よ、はやく余のダークサイドの中へおまえの立派なC3POを入れてくれ」
「今、とっておきの相棒を入れますよ///」
「右京、あんたのロンダルキアを貸しなさい……ああん、もうだめ我慢できない、アモールの水が溢れちゃう///」




その姿はまさしく、三連結だ!!




┏━━━━━━━━━━━┓                                      ┏━━┓
┃                      ┃                                      ┃    ┃
┗━━━━┓  ┏━━┓  ┃                                      ┃    ┃
          ┃  ┃    ┃  ┃                                      ┃    ┃
          ┃  ┃┏━┛  ┃                                      ┃    ┃
          ┃  ┃┃      ┃            ┏━━━━━━━━━━┓  ┃    ┃
          ┃  ┃┗━━━┛┏┳┓┏━┓┃                    ┃  ┃    ┃
          ┃  ┃          ┃┃┃┃  ┃┗━━━━━━━━━━┛  ┃    ┃
          ┃  ┃          ┗┻┛┃  ┃                          ┗━━┛
          ┃  ┃          ┏━━┛  ┃                          ┏━━┓
          ┃  ┃          ┃        ┃                          ┃    ┃
          ┗━┛          ┗━━━━┛                          ┗━━┛


色々酷すぎる、勇者の敗北であった。

「はっはっはっは! 見たか!
これが非リアの力だ……って、なんで皆、野獣のような目でこっちを見てるの?
ま、待って、僕は変態という名の紳士だけどそっちの趣味は(ryアッー!!!」

黒幕も掘られた。
こうして世界は勝者も敗者もなく、クッソ汚いノリで終末を迎えたのだった……


 ――GAME OVER――


「……あれ? 私は?」←空気過ぎて無視された東横桃子


■□■□■□

812悪夢墜ちる日:2014/10/06(月) 12:54:08 ID:yxHOQQHY0

少年の朝は嘔吐から始まった。

「うおえええええええ!!!」
「ひいい、ジュンくん!?」
「ハア…ハア……今のは夢か……」

埼玉県春日部市にあるお宅に参加者である少年桜田ジュンと、少女絵理は篭城していた。
数時間前に自分達を助けてくれた地獄公務員にはついていかなった二人は、殺し合いが終わるまで引きこもることにしたのだった。
休めるなら休めるうちにと、二人は交代で睡眠を取ることにしたのだがジュンは運悪く悪夢を見てしまったようである。
吐き下したジュンに若干引きながらも絵理は心配そうに声をかけた。

「大丈夫なの? 物凄くうなされてたけど……」
「とてつもない悪夢を見たんだ……放送にも出ていたダース・ベイダーと眼鏡をかけたおじさんと、オカマみたいな悪魔や透明人間……それからスクール水着を着たクマが出てきて……いや、もう思い出したくない」

荒唐無稽、そしてSAN値が確実に下がる刺激の強い夢だった……

「ジュンくん、起きたばかりで悪いんだけど、すぐに出発しなければいけなくなったわ」
「え? どうして?」

いきなりの発言に困惑するジュンに、絵理は深刻そうな顔で質問に答える。
ジュンが寝ている間にネットに関する知識が深い絵理は家のパソコンを拝借し、ネットを使って情報収集を行っていた。
情報収集の結果、放送で指名手配された食人鬼やDMC狂信者の大集団が出没したりなど、埼玉県も東京程ではないにしろ激戦区になりつつあるとのことだった。
この民家ひいては埼玉県にこのまま居座り続けるのは危険であろう。
そして絵理がこの場から発ちたい理由がもう一つあった。

「4時頃に小さな地震があったんだけど、その時からこの子達の様子がおかしいの」
「シャルロッテとキルステンが?」

ジュン達の支給品である二体の魔女が部屋の隅で震えていた。

「例の地震にあの子達を怖がらせるだけの何かがあるんじゃないかと私は睨んでいる」
「まさか大災害がまた来るとでも……」
「そんなことはない……と思いたいけど、ネットでの情報では震源は東京にあるらしいわ。
その情報が本当なら、東京に隣接している埼玉も危ない……かも」

埼玉県に留まる事の危険性を理解したジュンは唾を飲み込む。

「……わかった。移動しよう」
「うん、もっと安全な県を探した方いいかもしれないわね」

こうして二人は荷物をまとめ、春日部にある民家を後にするのだった。
しかし、いざとなればシャルロッテとキルステンがついているとはいえ、以前に襲撃された狂信者キバの件もあり、二人の不安は大きい。

「う〜ん、これだったら怖がらずに、あのヤバそうな二人組に付いていった方が」
「そうかもしれないわね……」

ヤバそうな二人組とはキバを倒した地獄公務員達のことであり、内向的な二人と過激な性格の彼らとはソリが合いそうになかったので別れてしまったが、それが間違いだったと後悔し始める。
だが、その公務員達もあっさりと敗北し、ラーメンにされて喰われて死んだことを二人はまだ知らない。
動向すれば確実にジュン達も餌食になったであろう……世の中は必ずしも強い者についていくことが正解とは限らないのだ。


そのように不安で重い足取りでしばらく歩くと、二人は一人の人間の死体を目撃する。


【俺@このSSの書き手 死亡確認】死因:自害


「うっ……これは……」
「ジュンくん、やっぱり埼玉県はやばいよ。 はやくこんな場所から出ようよ!」
「そ、そうだな!」

死体を見るや否や、耐え難い恐怖を覚えた二人は鈍足から駆け足に変わる。
死にたくないという思いが二人の足を早くしたのだ。


果たして、死と隣り合わせになった悪夢のような現実の中で少年少女は生き延びることができるのか?

813悪夢墜ちる日:2014/10/06(月) 12:54:35 ID:yxHOQQHY0


【一日目・6時30分/埼玉県春日部市】


【桜田ジュン@ローゼンメイデン】
【状態】精神疲労(中)
【装備】なし
【道具】支給品一式、シャルロッテ@魔法少女まどか☆マギカ
【思考】基本:死にたくない
1:少しでも安全な県に移動する
2:家族や友人、ドール達と再会したい
3:見せしめに殺された女(巴マミ)が生きていたのは……?
4:それにしても嫌な夢だった……


【水谷絵理@アイドルマスター ディアリースターズ】
【状態】精神疲労(小)
【装備】なし
【道具】支給品一式、H.N.エリー(キルステン)@魔法少女まどか☆マギカ
【思考】基本:尾崎さんやサイネリア、876プロの皆と再会して生き残る
1:少しでも安全な県に移動する
2:とりあえずジュンと共に行動する
3:魔女達がさっきの地震に怯えている?


〜おまけ〜

あるワンシーンにおいて、モモのステルス能力がなかった場合↓

                         .i
                      _,.||.-ー―――- _
,                      ,..-彡-.|| ::::::::::::::::::::::::::::::>ー 、
                   ,,ィiリ'":::/.|.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
                  /:/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\i
                     /::〃::::::::::〃::::〃::::::::|::r㍉:ヽ::::::::::::::::::||ヽ
                      /:;/:::::〃:://:::/:::::::::::::〃 ';:::';:::::';:::l::::::::::|.:::|
                      l:::li:::〃::/ l::::/::::::::::::/l::lu. |i::l:::::}::::|:::::::::::::::',
                   Y八:::i:l丁リi下::::::/ |:l _i::l:::::|::::l:l:::::::::::::::l
                 /:::リリ| f笊ハ/   ソ|丁リil:::/:::::';}:::::::::::::',
                   /::::::/::::| o弋ソ    __ _| |:/:::::::::',::::::::::::::',
                /|:::::::l:/l::| :::::::|:::     ´ ̄`|`|:::::::::::::l:㍉::::::::::l
.                    /::l:::::::リ::::|:_ゝ | ´   :::::::: |::|:::::::::::::|::::ヽ:::::::::l
                   l::/|::::r;-‐:||‐ - 、 ⊂ー_ァ _.イ|:l:|:::::::i::::ハ:::::',::::::::}
                    |:l l|'  !!   ヽヽ ,.イ/ _.|:| l:::::::|:::l ',::::l::::::::|  「私もなんだか体が疼いてきちゃったっす」
   i            |::::|           v >' ´ .リ リ:::::l::ノ l:',:::}:::::::l
   |            ,'\{          .,.'´       .ノ|::::l/\ノ |::ハ:::/
   |              i          ,'         l/ノ  ヽリ |/
   |i           八|!       ,.. -'、              |
   ||           ./ ...`ァ-|― '´     ` 、  i     u  i!八
   ||          /     |  !          `ヽ!  u'   ,. イ . \             .ii
``ヽ||  :        /      !       ,      | ` ーァ<      \           .||
   || ` 、     ./    ..∧       {          /  .\      \       ., - ‐ ||‐
   !!    ` 、 /      ./..ハ       ヽ         /   ...\       .\ , ' ´u   ||
          ||ヽ.   /  .:}        i}      ,.イ        \  ,  ' ´       } i!
\        ||  \ ./ ./ ヽ      ノ     ' <        , ' ´         /
  ヽ.i       !!    \V                      ヽ,  '´               i /
    ||            \                 /             ||
   ||             \ヽ           / /               /|
   ||                    \          /'                  /
    !`、 u             ヽ           /                    /
      、                   `、     /                  /

814悪夢墜ちる日:2014/10/06(月) 12:59:20 ID:yxHOQQHY0
投下終了です。
お目汚し失礼しました。
最後のおまけのAAは見えちゃいかんでしょってところは削除改変したつもりですが、健全ではないと思ったら削除してください。

815言えない……本編で全裸にしようと思っただなんて:2014/10/06(月) 20:57:13 ID:EEdwbzLk0
『1000』

この数字には、不思議な魅力と魔力がある。
たとえば現在の日本の貨幣。一番最初のお札が1000円である。
たとえば西暦。1000年周期で大はしゃぎし、2000年にはミレニアムベビーだの2000年問題だの色々とあった。
たとえばキャラ付け。1000年を生きる存在などと言えば、大抵強キャラになる(当然例外もいるが)
たとえば某略称支部。1000user超えまでくれば、相当な評価であるという基準になっている。
たとえば某電子掲示板。1000で一つのスレが終了するため、場所によっては1000の要望を叶えるスレ主もいるという。

さて、この混沌の殺し合いの中でも掲示板は非常に重宝されているわけだが、当然にスレの流れは異様に早い。
特に総合して危険人物を挙げていくスレの勢いは凄まじく、二日目の朝の時点で1000スレ目に到達。
そんな記念すべき1000スレ目の1000レス目に、とある名無しはこう書き込んだ。

1000なら次スレ>>2〜4のキャラが全裸になる。

と。そして続く1001スレ目が建つと同時に早速取り合いが始まり……


ほ、本当に全裸になるでござるか!? ならば一瞬しか姿を見れていないが、あの三つ目の美しき者を全裸にして欲しいでござる!


馬鹿ですか、ここはあのダース・ベイダーの奴を全裸にして辱めてやるのが一番。ついでに愚かな道に走ってしまった警部殿もね!


私ね、主人公なんだけどおもちがなくてしかも地味っていわれてるの。魔王だのマシーンだの感情がないとかもう風評被害もすごいの。
でね、自分は存在感が薄いとか言ってるくせに、登場するたびに存在感抜群のおもちがさらに増量されてく憎い子がいるの。
もう実名で書いちゃうね。この願い叶うなら、鶴賀の東横桃子さんを脱衣麻雀なりなんなりで全裸にひん剥いちゃって!

あっという間に>>2〜4は埋まった。
まあ所詮はいつもの>>1000のお遊び、戯れごとである。
命がいつ失われてもおかしくないこの世界においてボケ続けるのにも限度はあり、レスが10を超えたあたりから本来の用途……
つまりは危険人物の情報を取り扱うスレに戻っていき、前スレ1000の話題は早くも流されていった。




   そ   の   時   !   不 思 議 な こ と が 起 こ っ た ! 



1000スレ目の1000レス目、いつもの1000の力がこの時相乗効果をもたらす!
蘇生魔法の使用不可、なんでもないキャラが理不尽級まで底上げ、強キャラのズガン……
あらゆる補正、制限、カオスを超えて終末が近づく!

天の理さえを捻じ曲げ、1000の願望……つまり次スレ>>2〜4の願望は1000を司る神によって叶えられた!
その絶対的な力は、たとえ勇者や魔王だろうが神だろうが、主催者だろうが死者だろうが何人たりとて抗うことなどできぬ!
つまり……!

816言えない……本編で全裸にしようと思っただなんて:2014/10/06(月) 20:57:58 ID:EEdwbzLk0
〜東京某所〜

ズバーン!

「あら……何故かいきなり私の服が破れたわ。やあねぇ、あれ結構高かったのに。でも……」

たまたま側にあった鏡「コノヨデモットモウツクシイノハアナタデス」

「さすがワタシ……完璧な肉体だわ……思わず自画自賛しちゃうほどに!」
「な、なんて美しいんだデミーラ様の肉体は……! まるで麻雀の伝説の役、天地創造のような神々しさだ……!」
「巨人どもよ、貴様らは我らに執拗までにその醜い身体を見せつけてきたが……見るがいい、これが、真の肉体美だ……!」
「オーホッホッホッ!ありがとう二人とも。大体ねぇ、近年の魔王は魔法やブレスに頼りすぎて肉体の疎かな奴が多いのよ。
その点、ワタシは違う!私はちゃあんと正拳突きも体得してるのよぉ!(本当です)」
「「さ、さすがデミーラ様だ!」」

※オルゴ・デミーラにステータス『全裸』が付与されました



〜さらに別の東京某所〜

ビリィィィィィッ!

「うおっ!?なんや急に自分の服を破き捨ておって!?」
「いけませんねぇ……コトミさんが亡くなってついつい感情が昂ぶってしまい、抑えきれませんでした。
 昂ぶるとどこだろうとすぐに全裸になりたくなる……僕の悪いクセです」
「すっげー!さすが警察官!なんて鍛えられた肉体なんだ!クラウザーさんが蘇ったら一緒にサッカーやろうぜ!」
「そうですねぇ、たまにはサッカーもいいかもしれません。そのためにも、一刻も早く……」
「クラウザーさんを蘇らせるために、どんどん生贄を捧げないとな!」
「その通りです。それでは引き続きビッグサイトを目指しましょう」
(やっぱこいつら、色々な意味で狂っとるな……いや、あの嬢ちゃんも何故か最初から全裸やったけど……)

※杉下右京にステータス『全裸』が付与されました


〜東京都庁〜

バリーン!

「きゃああああああああぁぁぁぁぁ!?な、なんで私の服が弾け飛んだっすか!?」
「……巨乳もありかもしれない。ってそんなこと言ってる場合じゃなかった!もしかしたらフォレスト・セルの攻撃かもしれない!」
「ちょ、このまま私放置っすか!?レストさん装備品一瞬で作れるなら早く作って欲しいっす!」
「サイズの問題があるから、まず僕に3サイズを教える必要が出てくるよ?
それにフォレスト・セルを止めるとなると、僅かな魔力でも無駄にしたくない。悪いけどしばらくは全裸で我慢してくれないかな」
「大丈夫ですよモモさん。まだ服がなくなった程度、オオナズチにあんなことやこんなことされたわけじゃないんですから(遠い目)」
「それを言われると何も言い返せないっすけど……やっぱり恥ずかしいっす!かつてないほど万全のステルスしたいっす!」
「いや、きっと君のその身体は武器になるんじゃないかな。ステルスするのはもったいない」
「そうですね。これほどならホルスさんを誘惑してこちら側に引き込めるかもしれません。あの人、いっつも私の胸ばかり見てましたし」
「ジロジロ見ないでー!」

※東横桃子にステータス『全裸』が付与されました

817言えない……本編で全裸にしようと思っただなんて:2014/10/06(月) 20:58:41 ID:EEdwbzLk0
〜九州ロボ〜

ババババーン!

「コーホーッ!?な、何故、余の衣服が……!?しかも兜とマントだけ無事だと……!?
いかん、これでは他の者に示しがつかぬし、フォース的な意味でも大問題だ。はやく着替えを……」


『ベイダー卿へ
良かれと思って、スペアの服を念のためみんなクリーニングに出しておいたぜ!
黒い服だから汚れが目立ちにくいとはいえ、幹部クラスはやっぱりいつも綺麗な格好の方がいいからなぁ! ベクターより』


「…………なん……だと…………!?」


ガチャッ

「すまない、なにやらここに奇襲をしかける計画があるとか……」
「ジャック、すまないが急いで服を貸し……」
「ウホッ!いい身体!」
「!??」

※ダース・ベイダーにステータス『ほぼ全裸』が付与されました
※兜とマントは残っていますが、股間のライトセーバーは全開です


こうして、1000の奇跡は無事叶えられた。
しかし状況が状況であるため、あまり気にしている者もいなかったり我慢していたり。
結果として大局には影響のない、なんとも言えない奇跡に終わってしまった。
もし1000の力をもっと信じていたならば、1000スレ目の1000もきっと真面目に書き込んだだろう。
1000ならこの殺し合いがハッピーエンドで終わる、などと。
しかし再び1000の奇跡が起きる保証はない。
結局のところ、この殺し合いをどうにかしたければ1000の奇跡を願うよりも自分たちで行動した方が早いのだ。
全ての参加者に、幸あれ。

818言えない……本編で全裸にしようと思っただなんて:2014/10/06(月) 21:00:21 ID:EEdwbzLk0
投下終了。
微妙に先を越されてしまったため没にしようかと思ったけど、夢オチっぽいので一応投下。
ただこっちは普通に本編で不思議な力で全裸にしちゃってるんで、まずかったら破棄の方向で構わないです

819夏も終わり:2014/10/07(火) 17:07:05 ID:CaCSRdhA0
 一匹の蚊がいた。名前はない。
 彼女は餌を求めこの東京の街中を彷徨っていた。
 幸か不幸か、彼女は他の蚊よりも頑丈に出来ていた為、この季節にまで生き延びてしまっていたのだ。 
 しかし、季節は既に秋の初め。この時期、餌になる獲物は既に肌を服で覆い隠し、血を吸うのは難しくなっている。
加え、蚊の寿命も体力も限界にまで来ていた。とても吸血を行える状態ではなかった。
 それでも彼女が飛ぶ事を止めなかったのは生への執着故か、あるいはそれを理解する脳すらかったのか。
 今ここに、一匹のちっぽけで哀れな生が幕を閉じようとしていた。

 「おや。知らないのですか? 今、このファッションが英国で流行っているんですよ」

 移動しながら、一人の紳士が豪快に紅茶をティーカップに注ぐ音が響き渡る。
 何故か妙に高い位置からティーポットを傾けているその仕草は、マナー違反ながらもどこかしら上品さを感じられた。

 「すげえ。流石、右京さん。流行の最先端を行ってるぜ!」
 「時代を先取りしすぎとるな。誰も追い付けんほど」

 他に二人、サッカーをパンパン忙しくなく蹴りながら若干興奮気味な少年とガタイのAV良い男優のような男が目に入る。
 だが、そんなことはどうでも良かった。今、彼女の目に入ったのは、紳士のその姿が一糸纏わぬ姿であったということ。
 この季節には非常に珍しい。歓喜に震えながら、彼女は最後に力を振り絞り、紳士の肌へとしがみ付き針を刺し血を吸い上げる。
 味はそこまで良くなかったが、最後に食事を取れたのは良かった。そのまま彼女は力尽き、満足しながら生を終えた。

【蚊@現実】死亡

 「痒いですねぇ」

 そして杉下右京はテング熱に感染した。



【二日目・7時05分/東京・築地】


【杉下右京@相棒】
【状態】疲労(大) 全裸 テング熱感染
【装備】ガトリングガン(弾切れ)、ショットガン、スマホ 、ティーセット
【道具】支給品一式
【思考】基本:SATSUGAI
0:一行の消耗具合を鑑みて、一旦ビッグサイトへ帰還する
1:体制が整ったら再び参加者のSATUGAIのために東京へ繰り出す
※テング熱に感染しました。

【松本人志@現実】
【状態】ダメージ(小)、疲労(大)、DCS状態
【装備】浜田雅功人形、グラコスの槍
【道具】支給品一式、メトロン星人人形
【思考】基本:浜田の蘇生
1:DMC狂信者に手を貸し、隙あらばクラウザーの蘇生手段を奪って浜田を生き返らせる
2:浜田を生き返せないようなら一人でも多くの参加者をあの世に送る
3:一行のビッグサイトへの帰還に合わせてビッグサイトの内部に潜入し、クラウザーの蘇生手段を探るもしくは奪う
4:3の結果次第ではDMC狂信者と手を切る


【円堂守@イナズマイレブン】
【状態】疲労(大)、ゴー・トゥ・ヘル習得
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:SATSUGAI、しようぜ!
0:右京さんの指示に従い、ビッグサイトへ帰還する
1:体制が整ったら再び参加者のSATUGAIのために東京へ繰り出す

 
【暁切歌@戦姫絶唱シンフォギアG】
【状態】ダメージ(小)、疲労(特大)、気絶
【装備】シンフォギア「イガリマ」
【道具】支給品一式
【思考】基本:SATSUGAI、自分の生きた証として絶対にクラウザーさんを必ず蘇らせる。
0:気絶中
1:調やマリアに会えたら説得してこちら側に引き込む 、もしくは蘇ったクラウザーさんの歌を聴かせる
2:風鳴翼については大いに失望
3:フィーネになってしまう自分の危険性を考慮し、クラウザーさんが蘇り次第、自分の命を断つ
※アニメ視聴者の方はお気づきかもしれませんが、自分が新しいフィーネになると思い込んでいるのは 勘 違 い です
※また自分がフィーネになると勘違いしている時期からの参戦です

820朝に散る花/赤い血の雨は降る:2014/10/12(日) 13:53:23 ID:SPtFOXCQ0

朝7時。
朝日が差し込む。
この時を持って遂に電撃戦が執行された。

空間が歪んで、現れた一人の超人。
真っ黒い身体に顔面に穴が開いた超人。

「ロケーションムーブ!!」
「「「「「!?」」」」」

四次元空間に誘われたのは数人の主催陣。
その行為が超人達と主催達の全面戦争の始まりを告げたのであった。


【九州ロボの腰辺りの熊本県】


「俺の相手はあのデカブツか」
「まさか、侵入者か!?」


―――バッファローマン対ビアン・ゾルダーク(ヴァルシオン)、戦闘開始。


【九州ロボの右腕辺りの新長崎県】


「あら、案外イケメンね」
「イケメンとはなにかわからぬが……貴様、妖の類か?」
「俺が応援してるぜ―――っ! ニンジャ―――っ!!」
「頑張れ―――っ! 幽香様――っ!!」
「俺たちはあのドイツの若僧を――っ!」
「ベルリンの赤い雨!」


―――ザ・ニンジャ対風見幽香、開始。
(観戦、ブロッケンJr.&モブのゆうかりんファン達)


【九州ロボの左腕辺りの大分県】


「カーカカカ! 全ては悪魔将軍様のためだ!」
「例え相手が女子供、良い子の諸君だろうと主催ならば!」
「キリカ、頼むわ」
「織莉子のために負けられないのよ」


―――四次元殺法コンビ対白黒の魔法少女、戦闘開始。


【九州ロボの足辺りの鹿児島県】


「貴様には借りがある、悪いがその命で返させてもらう……!」
「…………!」


―――飛竜対デウスエクスマキナ、戦闘開始。

821朝に散る花/赤い血の雨は降る:2014/10/12(日) 13:53:47 ID:SPtFOXCQ0


「なんということだ……なんということだ」

その場になかったために難を逃れたベイダー卿とジャック。
だが、ほぼ全裸のベイダー卿はモニターを見て頭を抱えた。
五大幹部の一人とロボにいた主催幹部格全員が分断された。

そして、残りの三人のアタル兄さん、アシュラマン、ベジータ王子がこちらに向かっているとの情報が流れた。
恐らくはこの三人が本隊。たった三人であれど超人血盟軍のトップと魔界のプリンス。
そして、バーダックと同じサイヤ人、しかもエリート戦士。

「風呂なんて入っている場合じゃなかった!!!」
「ウホッ! いい男たち……」


【ニ日目・7時00分/日本・九州ロボ 福岡県・五大幹部専用会議室】
【ダース・ベイダー@STAR WARS】
【状態】ほぼ全裸
【装備】ライトセーバー@STAR WARS
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:テラカオスを成長させ完成に導く計画を遂行する
0:なんということだ……なんということだ……
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは消す
2:不足の事態に備えて予備のテラカオスを作り出すことも念頭に入れる

【ジャック・O@ARMORED CORE LAST RAVEN】
【状態】リンクスに改造、ほぼ全裸
【装備】フォックスアイ(ネクストに魔改造)@ARMORED CORE、拳銃
【道具】四条化細胞入りカプセル
【思考】基本:テラカオスを成長させ完成に導く計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは抹殺する
2:四条化細胞に多大なる期待
※何故か服を脱ぎました。



【ニ日目・7時00分/日本・九州ロボ 福岡県】
【ベジータ@ドラゴンボール】
【状態】健康、へたれ、金髪恐怖症、首輪解除
【装備】野球のユニフォーム
【道具】支給品一式、ノートパソコン
【思考】基本:死にたくないので野球をする
0:もう駄目だ……おしまいだぁ……俺が主催者に勝てるわけないだろ……。
1:けど悪魔将軍様の方がもっと怖い
2:絶対に都庁には近寄りたくない
3:移動しつつツイッターはやる
※何度も瀕死状態から回復したので戦闘力が上がりました。

【キン肉アタル@キン肉マン】
【状態】健康、首輪解除
【装備】キン肉マンソルジャーのマスク、野球のユニフォーム、飛竜が書いた地図
【道具】不明
【思考】
基本:殺し合いを止める
0:超人血盟軍を率いる。
1:九州ロボに奇襲を掛ける。

【アシュラマン@キン肉マン】
【状態】健康、首輪解除
【装備】誰かの腕×6本にミットが5つ
【道具】不明
【思考】
基本:悪魔将軍様に従う
0:最低でも主催者の一人は倒す
1;ところでこの腕は誰の何だ?

822朝に散る花/赤い血の雨は降る:2014/10/12(日) 13:54:44 ID:SPtFOXCQ0

ヴァルシオンの砲撃を素早い身のこなしで避ける。
巨大ロボと超人のサイズ差を生かした戦法である。
ヒット&アウェイを繰り返しロングホーンで攻撃していく。
その攻撃を受けるたびにヴァルシオンのボディが傷ついていく。

「ヴァルシオンのボディに無数の傷が……?」
「硬いものは傷ついたら脆い常識だ!」
「そんな常識はない……!」
「その程度の認識じゃ甘すぎるぜ、ハリケーン・ミキサー!」

ヴァルシオンはバッファローマンによってぶっ壊された。
それはまるで超人界の頭脳がバラバラにされた時のように。
これが悪魔超人・バッファローマンの真の能力である。
超人強度で示せば8000万パワー以上である。

「さぁて、貴様らの目的を教えてもらおうじゃねぇか?」
「くっ、殺せ……」
「生憎だが、真の目的を聞くまで殺すわけにはいかねぇな」

ヴァルシオンを失ったビアンを殺そうと思えば、殺せる。
だが、バッファローマンは他の悪魔超人比べれば甘い。
悪魔超人・バッファローマンと名乗ってるが、その根本的な甘さ、いや優しさは正義超人たちとそう変わらない。
故に例え悪魔将軍の命といえど、少し躊躇していた。
だからこそ、情報だけ聞き出し、逃すつもりであった。
そして、ビアンは口を開いた。

「全ては人類のためだ……」
「何?」
「そのために私たちは……ガッ!?」
「!?」

ビアンが何かを言いかけた直後、背後から撃たれた。
撃ったのは名も無き一般モブの部下の一人。
ただ、淡々と任務をこなすために。

「秘密保持のためです、死んでもらいましたwww」
「てめぇ……!」

あと少しのところだった。
もう少しで何かを聞き出せた。
だが、それはもう叶わなくなった。

一先ず、今のモブの一人をハリケーンミキサーで吹っ飛ばし、バッファローマンは仲間と合流を目指すことにした。


【ビアン・ゾルダーク@スーパーロボット大戦OG 死亡確認】
死因:秘密保持のため射殺

【ニ日目・7時15分/日本・九州ロボ 熊本県】
【バッファローマン@キン肉マン】
【状態】1000万パワー、ダメージ中、首輪解除
【装備】ロングホーン
【道具】不明
【思考】
基本:悪魔将軍様に従う
0:人類のため……?

823朝に散る花/赤い血の雨は降る:2014/10/12(日) 13:55:25 ID:SPtFOXCQ0

リング上で黒い超人と黒い魔法少女が戦う。
余談だが、何故、こんなところにリングあるのかというと。
超人たちにとってリングは一般人でいう自販機のように一般的なものなのだ。
故に超人がいるところにリングがあるのは当然なのだ(ゆで時空理論)。

そんなわけでリングで戦いをしていたのだが……

「フォーディメンションキル!!」
BHがキリカを変形式ツームストンドライバーの体制に持ち込んだ。
キリカちゃんのパンツは丸見えだ。そのままマットに沈んだ。

「なんで先読みが利かないの……?」
「お嬢さんが先を読めるなら、その先を引き延ばせばいい」
魔法少女が使い魔もBHの顔のブラックホールで操るすぐにすっ飛ばされる。
ペンタゴンの時空を操る能力がキリカのスローにする魔法と織莉子の未来予知を完全に封じている。
タッグ戦と言えど、その力量差は明らか名コンビ『四次元殺法コンビ』が優勢なのだ。
むしろ、相性的には最悪の相手だったのが、運のつきだったのかもしれない。


「赤き死のマント!!」
キリカの首と胴体が切り離された。
「そんな、キリ……カ…?」
「悪魔超人を舐めるな――っ! 主催者の犬ども―――っ!!」
悠々と勝ち名乗りを上げるその顔は紛れまなく悪魔超人であった。

「さて……」

次の殺意は織莉子に向ける。
もちろん、それは悪魔将軍様のために主催陣は倒す。
その時である。

無数のエネルギー弾が四次元殺法コンビを襲った。
撃ったのは五大幹部の一人、サイヤ人のバーダックだ。
騒ぎを聞きつけ、こうしてここに推参したのであった。

「お前はあの放送の奴か……!」
「ほう、ちょうど退屈してたんだ、二人まとめて相手になってやるよ。
 ……戦闘力200万と70万だと!?」
「それは多分、オレ達の超人強度だ、気にするな」
スカウターの数値を見て驚くが、それが超人強度ということをちゃんと話す。
「なら、倒せるということか」
「フフフ……それはどうかな?」

サイヤ人と悪魔超人たちの戦いが始まる。
そんな中、織莉子のソウルジェムが黒く濁っていたのをバーダックは気づかなかった。


【ニ日目・7時15分/日本・九州ロボ 大分県】
【ブラックホール@キン肉マン】
【状態】ダメージ中、首輪解除
【装備】ペンタゴン@キン肉マン
【道具】不明
【思考】
基本:悪魔将軍様に従う
1:他の仲間との合流

【バーダック@ドラゴンボール】
【状態】健康
【装備】スカウター@ドラゴンボール
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:テラカオスを生み出す計画を遂行する
0:目の前の白黒の奴らと戦う
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは殺す
2:他の幹部と今後について話し合う

【美国織莉子@魔法少女おりこ☆マギカ】
【状態】錯乱、絶望
【装備】ソウルジェム(穢れほぼ100%)
【道具】支給品一式、大量のグリーフシード@魔法少女まどか☆マギカシリーズ
【思考】基本:世界滅亡の阻止
0:????

※呉キリカ@魔法少女おりこ☆マギカは胴体と首が分断されてますが、ソウルジェムは無事です。

824朝に散る花/赤い血の雨は降る:2014/10/12(日) 13:55:56 ID:SPtFOXCQ0


「水鳥羽輪の術!」
「蓬莱桜花!」
リング上で水鳥の羽が飛び、幽香の弾幕を防ぐ。
弾幕対弾幕。プロレスリングで行われる壮絶な弾幕ごっこ。

最強クラスの妖怪と悪魔六騎士の一人の戦い。
圧倒的なパワー対驚異的なスピード&テクニック。
文字通りの死闘になっている。
リングのそばで見ている者なら分かる。
確実にどちらかが死ぬデスマッチとかしている。

「忍法クモ糸縛り!」

ニンジャがロープで幽香の身体を締め上げる。
「「ゆうかりんの縛りプレイだああああああああ!」」
その光景を見て、モブの数人が興奮した。

「この程度……!」
「!?」

だが、常識外のパワーで無理矢理、ロープの拘束を解いた。
ニンジャは驚き、モブの数人は心底残念のそうに溜息を吐いた。

「拙者の目的はお主の首を狙う。それが悪魔将軍様からの使命である!!」
「そう、なら死ぬのは貴方ね、私はまだ死ぬわけにはいかない」

流血戦。
血みどろの戦いになってきた。
両者ともに凄まじい出血量だ。

「これで終わりよ、アルティメット・ゆうかりん・バスター!!!」

上空飛び上がって、キン肉バスターのような状態でさらに足でニンジャの首を絞める。
その状態で幽香はニンジャをマットに叩きつけようとする。


「ニンジャ―――っ!!!」

叫ぶブロッケン。

「勝ったな……!」

勝利を確信するモブの一人。




「 順 逆 自 在 の 術 ! ! 」
「!?」




一瞬、両者の姿が消えた。
そして、次の刹那。


「「「「「ゆうかりんのパンツが丸見えだあああああああああああああ!!」」」」」


試合を見ていたモブ達が一斉に叫んだ。
そこにはアルティメット・ゆうかりん・バスターで捉えらた状態になった幽香がマットに叩きつけられていた。
これぞ、悪魔六騎士随一のテクニックを持つザ・ニンジャの順逆自在の術だ。
そして、幽香は恥ずかし固めの状態でマットに沈んだ。
それを見ていたモブのゆうかりんファンは大興奮したが……。
少し経って、気が付いた幽香は絶命している、恥ずかし固めの状態で。

「古今東西、ドSは打たれ弱い……! ガハッ……!」
「ニンジャ――――っ!!」

だが、その直後にニンジャも倒れた。
蓄積のダメージが限界を超えた。
結果として、ニンジャは幽香を道連れという形になった。
だが、悪魔超人としての責務は果たした。

カーンカーンカーン!!

何処からともなくゴングが鳴り、その死合は決した。
最終結果は……両者死亡のドローゲーム。

△ザ・ニンジャ ― 風見幽香△
(決まり手:順逆自在の術)

【ザ・ニンジャ@キン肉マン 死亡確認】
死因:アルティメット・ゆうかりん・バスター
【風見幽香@東方project 死亡確認】
死因:順逆自在の術

「ゆうかりん様の仇討ちだーーっ!」
「あのドイツ軍人に俺たちの力を……」
「ベルリンの赤い連撃!!」

怒り狂って襲い掛かってくるモブを手刀で切りまくる。
その顔には熱い一筋の涙が流れていた。

825朝に散る花/赤い血の雨は降る:2014/10/12(日) 13:56:16 ID:SPtFOXCQ0

【ニ日目・7時15分/日本・九州ロボ 長崎県】
【ブロッケンJr.@キン肉マン】
【状態】健康、首輪解除
【装備】ドクロの徽章、野球のユニフォーム
【道具】不明
【思考】
基本:アタルに着いていく
0:ニンジャ……


「貴様を殺すのは……地球の能力『マグネット・パワー』だ」

デウスの身体をサイファーで強制的に磁力を纏わせる。
周囲には強力なS極の磁力を纏ったウロボロスとクナイ。デウスの身体にはM極の磁力。
磁力による絶対命中+超加速と数の暴力に機械仕掛けの神は一方的にやられていた。

「どういうことだ。貴様にここまでの能力は……」
「貴様の敗因は『自分が絶対の能力を持ってると過信しすぎ』だことだ、『デウス隊長』さんよぉ?」
「!? なぜ貴様がそのことを知っている?」
特務機関員しか知りえない情報を知っていることに驚きを隠せないデウス。
目の前の男はさきほどは全く違う口調でしゃべり続ける。
「オイオイ、いつからこの俺様が『ストライダー飛竜』だと思っていた?」
「な……に……」
「なあ、自分の部下だと思っていた奴が生きていて、さらに裏切られた気分はどうよ?」
デウスはこの喋り方と煽り口調を聞き思い出した。
あの時、確かに死んだはず、死んだはずだったのものだった。
「貴様は……ハザm……」
「ああっ!? 違ぇよ、バァカ!!」
追撃。
四肢をもがれ、完全に動けなくする。
そして、右足で蹴り飛ばし。デウスを見下し、それは悠々と告げる。
「俺は『ユウキ=テルミ』。……まっ、今から死ぬお前にとっちゃどうでもいいことだ……
 大変だったんぜぇ。あのハクメンちゃんや鉄仮面のおっさんを騙すのは、まあこっちはこっちでそれなりに有益だったけどよ

!」
黄色いフードで顔を隠した飛竜。
いや、顔は飛竜だが、それは飛竜ではない。
『ユウキ=テルミ』である。
「テメェとのお喋りは仕舞いだ……死ねやぁ!! 大蛇斬頭烈封餓!!」
無数の蛇に食われ、見るも無残な凄惨すぎる最期を迎え、機械仕掛けの神は消滅した。
「ヒャッハハッハ!! 弱すぎだッつの! いや、俺が強すぎるだけか?」
完全に肉体の主導権は奪った。
あの程度のことで『ユウキ=テルミ』自体が死ぬわけはない。
まぁ、ハザマの肉体は完全に死んだが、『ユウキ=テルミ』自体が生きている。その事実には変わりない。


全てはこの瞬間のために全てを偽ってきた。
主催も拳王軍も全てを……!



「さぁ、滅日《ほろび》を始めようじゃねぇか……!」




【デウスエクスマキナ@スーパーロボット大戦UX 死亡確認】
死因:神帰り・大蛇斬頭烈封餓
【飛竜@ストライダー飛竜 消滅】
死因:不明


【二日目7時30分/九州ロボのどこか】
【ユウキ=テルミ@BLAZBLUE】
【状態】飛竜の肉体、首輪解除
【装備】光剣サイファー@ストライダー飛竜 クナイ、各種オプション、蛇双・ウロボロス@BLAZBLUE
【道具】支給品一式 
【思考】
基本:テラカオス利用して、滅日計画を遂行する。
1:とりあえず、邪魔をする奴は殺す。
※飛竜の肉体を完全に奪いました。

826うたをうたおう:2014/10/12(日) 23:31:27 ID:1kP81ewI0

場所は東京都は千代田区にある日本武道館の中。
東京都庁やビッグサイトのように様々な団体に占拠される事も無く現在も無事なこの施設の中では、とある
二人の人物が身を潜めていた。


「……とりあえずこれで応急修理は完了ね。ありがとう、助けてくれて」
「シャアアアア………」

そこにいたのは今は亡きボーカロイド・初音ミクを思わせる姿のロボットの少女と、半漁人のような出で立ちの
緑色の生物。
片方は悪辣な天魔王軍との死闘の末なんとか生還した警察組の生き残りであるバーチャロイド、フェイ・イェンHD。
もう片方は深海を住処とするウルトラ怪獣の一体、海底原人ラゴンであった。

あの戦いの後、自身の修理に必要な部品を探して彷徨っていたフェイはその道中偶然ラゴンと出会い、最初は
警戒したものの敵意はないと分かり意気投合し現在まで行動を共にしていたのである。
それというのも海底原人ラゴンはかつて日本に出現した個体と同様音楽を好む習性を持っていたため、フェイが
自身を鼓舞するために無意識に口ずさんでいた歌(もちろんマーダーに気付かれない程度の声量)に引き寄せられるような形で
彼女の前に姿を現したのだった。

また運のいい事に、ラゴンの支給品には破損した機械を人間の怪我を治すように修復する事が可能な道具である
メカ救急箱があり、フェイは先の戦闘でのボディと右腕の損傷を無事に修理する事が出来た。
ちなみについ先ほどラゴンの助けを借りて、損傷個所にポリ包帯を巻き終えた所である。

「さてと……問題はこの後どうするか、ね」
「シャアア……」

体の各部に包帯を巻いた痛々しい姿で立ち上がり、フェイは今後の行動を思案し始めた。
とにかく最優先で行いたいのは自身と同じく無事生還したであろうキルコ・アニキ・まこちーの3人の捜索である。
彼女達も軽くない傷を負っている以上そう遠くへはいけないはずだが、闇雲に捜索した所で知らぬ間に死んでいた
というオチになる可能性も否定できない。
カオスロワちゃんねるで情報を調べられればいいが、あいにく自分はネットにアクセス可能なツールを持ち合わせていない。
あるのはジェイドフォーキー(ネギ)とドラムセットと空蝉丸の形見一式、そしてスピノサウルスの絵が描かれた
№00の獣電池である。
空蝉丸から聞いた話では、確かこの獣電池はもっとも最初に誕生したトバスピノという獣電竜の物らしいが、今は
あまり役に立ちそうもない。
ラゴンも持っていたのはメカ救急箱とどこかから調達してきた冷凍マグロ一匹だけである。
ここは近隣のネットカフェにでも行くしかないだろうか?
そう考えるフェイの横では、ラゴンが自分のディパックから獣電池を取り出してしげしげと見つめて―――――

「―――――って!? 待って待って! それは食べ物じゃないのよ?」
「シャアアアア……?」

よもや喰われたり壊されたりしないかと慌てながらラゴンを制止するフェイだったが、ラゴンはただただ獣電池を
見るだけでそれ以上の行動は起こさなかった。
それどころか何事もなくフェイの手に返してくれたので大事には至らなかった。

「シャアア………!」
「ど、どうしたの?」

だがほっと胸ををなでおろすフェイに、ラゴンは何かを訴えるように鳴き声をあげる。
短い間だが行動を共にしていたおかげか、はたまた同じ音楽を愛する者としてのシンパシーか。
ラゴンの言葉をだいたい理解できるようになっていたフェイは彼女(?)が何を言わんとしているのか理解しようと
耳を傾けた。

827うたをうたおう:2014/10/12(日) 23:32:21 ID:1kP81ewI0

「シャアア……シャア!」
「えっ、この獣電池から歌が聞こえるって?」

ラゴンの言葉に驚きつつ、フェイはトバスピノの獣電池を近づけ、そっと耳を澄ませる。
すると本当に聞こえてきた。
優しくも力強い、聞いた事はないのに何か懐かしい、そう思える不思議な歌が。
この殺し合いが始まってからずっと持っていた支給品だったが、こんな事は初めてだった。
何かきっかけを満たしたのだろうか。
それとも数々の歌い手達が足を踏み入れたこの武道館の気のおかげだろうか。
そう考えるより先にフェイは感じ、行動していた。
『歌いたい』と。



「この手からすり落ちる 運命の砂を 抱きとめて感じてる 永遠の繋がり」

武道館のホール全体に、フェイの歌が響き渡る。
マイクや機材の手を借りない完全なアカペラだが、そんな事は気にもならない美しい歌声だった。

「生命の輪を鎖にして 祈り歌を届けよう」

電子の歌姫の魂を宿した機械の少女は、ただ心の赴くままに歌った。
今だけでも、日本全土を股にかけた殺伐とした殺し合いの事を忘れるように。

「強き竜の者たちよ その心に牙を」
「シャアアアア……シャアア……」

その歌声を聴き、ただ一人の聴衆であるラゴンも横に立ち、共に歌い始めた。
何故だか知らないが実に心地よい、そして懐かしい。
そんな気持ちを抱きながら、ただただ歌った。

「かぎりなく燃えるソウルで 奏でる明日のメロディ……」


そこまで歌い、再び武道館は静寂に包まれる。
フェイ自身には何の問題もない。
獣電池から聞こえた歌の歌詞がそこで途切れてしまったのだ。

「(……今の歌、まだ先はあるみたいだけど、どうして途切れたんだろう? まだ何か足りない物があるの?)」
「シャアア……」

どうやらラゴンもそこから先が聞こえなくなったらしく、不思議に思い首をかしげていた。
ともあれ久しぶりに歌う事が出来た充足感に満たされながら、フェイは再び今後の方針を思案しようとした。
やはり情報を集める為にもネットのできる環境を探そう。
そしてはぐれたアニキ達と合流し、殺し合いを止める仲間を探そう。
そう結論付け、フェイがラゴンを連れて歩み出そうとした時である。

ズシィィィィィン………

「こ、この音は?」
「シャアア!?」

突如武道館の外から何かが落下してきたような轟音が聞こえてきたため、二人は顔を見合わせ急いで武道館の外へと
駆けだした。
落ちてきたのは何だ?
隕石か? 機動兵器か? それとも野球のボールか?

828うたをうたおう:2014/10/12(日) 23:33:00 ID:1kP81ewI0

「グルルルルルルルルル………」


残念、巨大な赤いドラゴンでした!!


「ど、ドラゴン……まさか、都庁の魔物なの?」
「シャアアアア!!」

まさかの巨竜の登場に驚きながらも、フェイは両手にジェイドフォーキー(ネギ)を握りしめ、ラゴンは竜を
威嚇するように唸り声を上げた。
場に漂う一触即発の空気。
体格差は歴然、しかもフェイは未だに手負いの状態であり機動兵器のサイズに戻っても勝てるか怪しい。
果たして二人はこのまま竜の餌食とされてしまうのか?

「すまない君達、驚かせてしまったようだね。安心してくれ、僕達に敵意はない」
「えっ? 人?」

―――――と思いきや、竜の背中から一人の少年が顔を出し、こちらに話しかけてきた。
よくよく感じてみると、この竜からはDMC狂信者達や天魔王軍のような殺意をほとんど感じない。
むしろこちらに何かを訴えたいような表情をしている。

「カヲル君、やっぱりいきなり赤竜さんが出てくるのは第一印象悪すぎだと思うわよ?」
「ケケケ、まったくだ。ただでさえ都庁の連中の悪評が出まくってる時にこれじゃ逆効果だぜ」
「おかげでここまでの間に仲間に加わったのは俺達だけだからな。少数精鋭と言やぁ聞こえはいいがよ」
「まあそう言うな3人とも。ところで………先ほどの歌を歌っていたのは、君達なのか?」
「え? は……はい!」

すると立て続けにその背後から何人もの人物が顔を出してきた。
どうやら少年の仲間のようである。
素性は分からないがとにかく話を聞こう。
そう思い、フェイ達は竜に乗った一団に歩み寄った。



その後武道館前において互いの情報交換が行われ、彼らの正体が明らかになった。
都庁の三竜の一角であり歌の素晴らしさに目覚めた者、偉大なる赤竜。
その現相方たる少年、渚カヲル(またの名を使徒タブリス)。
話によれば二人は熱気バサラという男性と共に各地で熱く歌を歌いながら魔女を浄化したり自然保護を訴えたり
している途中に邪悪な黒竜とDMC信者の一団に襲撃され、バサラや同行者であったフレクザィードという火竜を
惨殺されながらも何とか生還し、彼らの分まで再び歌で殺し合いを止めようと各地を回っていたのだという。
本来であれば赤竜の本拠地である東京都庁にまっすぐ向かっても構わなかったのだが、ほぼ手ぶらで帰還するよりも
やはりより多くの協力者(特に歌を愛する者達)を集めてからの方が同胞達にバサラの歌を布教しやすいと判断した
赤竜の采配により、遠回りしながら各地で同志を集めていたのだった。
そしてしばらく前に都庁がDMCの大軍勢に襲撃されたという情報をネット経由で手に入れた赤竜は、頃合いと判断して
都庁へと帰還する途中にフェイの歌を聞きつけ、ここに降り立ったのだという(ちなみにその際怨敵である冥闇に堕した者の死も知った)。

そして各地を行脚した結果、集まったのが彼らである。

ソレスタルビーイング所属のガンダムマイスターが一人、ロックオン・ストラトス!
悪魔超人軍所属の悪魔6騎士が一人、ワニ地獄の番人兼地獄の教官・スニゲーター!
獣電戦隊キョウリュウジャーの司令塔、閃光の勇者キョウリュウシルバーこと賢神トリン!
765プロに務める事務員、ピヨちゃんことダメ無……もとい、音無小鳥!
以上4名!!

829うたをうたおう:2014/10/12(日) 23:33:52 ID:1kP81ewI0

「随分とごった煮感ある面子だね……ていうか、久しぶりだねロックオン? 元気だった?」
「おお、おかげさまでな。とはいえ、サバーニャは訳あって使い物にならなくなっちまったがな」
『『オノレDMC! オノレDMC!』』

スパロボ経由で面識のある二人が互いの無事を喜びつつ、ロックオンは少々気落ちした表情を見せる。
ここに来る以前にロックオンは青森で今は亡きオーバーデビルが起こした寒冷現象の調査の為に東北にいたのだが、
青森への侵入方法を模索している最中にカヲル達が退けたDMCの軍勢の残党に目を付けられてしまい、反撃を試みたものの
返り討ちに会いガンダムサバーニャは大破。
2機のハロと共に命からがら逃げだした先でカヲル達に偶然合流したのだという。

「だが、今の俺にはトリンの旦那から貰ったこいつがある。戦闘に関しちゃ問題ねぇ」
「それは……ガブリボルバー!? まさかキョウリュウジャーになったの?」

ロックオンがディパックから取り出した黄色い銃を見て、フェイが驚く。
空蝉丸から聞いていたキョウリュウジャーの武器にして変身アイテムであるガブリボルバーと特徴が一致したからである。
話によるとサバーニャを失って途方に暮れていたロックオンを見て、トリンが彼に強き竜の者の資質を感じた事から
ガブリボルバーと獣電池を与え、ついでに獣電竜との勝負にも勝った事で正式にキョウリュウジャーとなり、
現在は弾丸の勇者・キョウリュウブラックとして戦っているのだという。

「ところでフェイ、空蝉丸の命を奪ったという天魔王軍という軍勢が、都庁の魔物達の名を騙って彼らに罪をなすりつけている
というのは本当なのか?」
「ええ、あの時はっきりとあいつらがネットで情報操作をした事を話していたのを聞いたから間違いないわ!」
『ムゥ……天魔王軍とやらめ。やるに事欠いて我々の悪評を日本中にばらまくとは、万死に値する行為! もし
この先出会うような事があれば、髪の毛一本たりともこの地に残さんッ!!!』

トリンから問われ、無念と怒りの感情を内包しながらもフェイは彼らに事の真相を伝えた。
彼女から伝えられた都庁の魔物の悪評がネット中に拡散している状況を生み出した張本人の存在を聞かされ、
赤竜は言いようのない怒りに体を震わせながら目を血走らせる。
その迫力は周囲にいた面々を余裕で戦慄させるほど強大だった。

「落ち着くんだ赤竜。フェイの言っていた事が事実なら彼らの操るマシンモンスター達は油断できない強さの持ち主だ。
冷静さを欠いたらいかに君と言えど無事では済まないだろう」
『す、すまん……しかし我々と連中の区別もまともにつかんとは……人間達はあまりにも異形の存在を一括りに
しすぎではないのか?』
「そりゃ仕方ないぜ赤竜さんよ。なにせ都庁の中にいる面子の情報は侵入して生きて帰った奴がいないもんだからゼロも同然だ、
流石に区別のしようもないぜ」
「ケケケ、違いねぇ。そもそも人間、特に日本人なんざ外国人を見ただけでアメリカ人だと思うような連中が多いからな。
その辺は諦めた方がいいぜ赤竜よ〜」

自分達と天魔王軍を区別できない人間達に落胆の表情を浮かべる赤竜にロックオンとスニゲーターがフォローするように
相槌を打った。
ちなみに二人とも普通に赤竜と会話しているが、ロックオンはキョウリュウジャーに選ばれた事で獣電竜と会話できる能力が
そのまま竜にも通用した為。
スニゲーターは悪魔超人としての適性と自身の正体がティラノザウルスの足だという事から彼の言葉を理解できていた。
ちなみにフェイもラゴンの言葉を理解した応用である程度は赤竜の言葉を理解できており、この集団で赤竜と会話できないのは
現在の所小鳥さん一人だった(その為トリンが通訳を引き受けている)。

「ところでフェイちゃん、さっきスマホで調べてみたけど、貴方の仲間のキルコさん達の目撃情報はどこにも書いてなかったわよ?」
「……そうですか。ありがとう小鳥さん」
「まあ今関東は都庁軍やらDMCの狂信者どもやら食人鬼やらで大わらわだからな。ただの婦警一行の情報なんか
誰も書き込まないだろうぜ」
「今はその人達の無事を祈るしかないわね……」
「シャアア……」

支給品のスマホを操作していた小鳥からの報告を受け、肩を落とすフェイ。
彼女を慰めるようにラゴンも肩を叩く。

830うたをうたおう:2014/10/12(日) 23:34:50 ID:1kP81ewI0

「さて、僕達はこれから都庁の世界樹に赤竜と向かうつもりだが、君達はどうするんだい?」
『我々としては自然や歌を愛する者は是非とも同行してほしい所なのだが……』

話も一段落終え、カヲルと赤竜は音楽を愛する彼女達に仲間になってもらえればと、声をかける。
数秒顔を見合わせ、フェイとラゴンは口を開いた。

「……さっきまでの話で貴方達が悪人じゃない事は分かったわ。カヲル君、赤竜、私達も連れてって!」
「シャア!」
「でも、私達と一緒に行くとキルコさん達を探すのは後回しになるんじゃ……」
「もちろんキルコさんやアニキ達の事も心配だけど、あのまま天魔王軍やDMCの狂信者達を放っておいたら日本はきっと恐ろしい事に
なっちゃうもの。きっとアニキだって『俺達の事より日本のみんなの事を守るんだゼーット!』って言うだろうから……
だから私は今はみんなと一緒に行くわ!」

小鳥の心配を払いのけるように、フェイは力強く答え、ラゴンも同調する。
これから先、天魔王軍・DMC・食人鬼・主催者達・あと本当に危険集団であれば拳王軍達と、相手にしなければ
ならない集団は山ほどいる。
このまま小規模のチームで虱潰しに彼らを倒していくよりも、文明を嫌ってはいるものの全うな対主催である
都庁の軍勢と連合を組んだ方が得策だと彼女は踏んだのである。
きっとキルコやアニキ、まこちーとは無事にまた会える。
そう信じての決断であった。

『あい分かった。ならば共に行こう、そして共に歌おうぞフェイ・イェン。この殺し合いを終結させるために』
「ええ! でも後々の人間との付き合いに関してはもう少し考えてくれると嬉しいかも」
『その辺りは同胞とも協議しておく』

フェイは無事な右腕を、赤竜は前足を出して擬似的な握手を交わした。
正式な同盟結成の瞬間である。

「では行くとしようか。赤竜の話では少し前に起きた地震はフォレスト・セルという世界樹の中核ともいうべき
存在が目覚めた合図だそうだ。きっと世界樹の方にも大きな動きがあるはずだ」
『その通りだカヲル。だいぶ長い事留守にしていたせいで世界樹の詳しい状況は分からんが、もし同胞達がセルの
制御を行う術を手に入れていれば、我々にとっても巨大な戦力たり得る。急いで確認に向かわねば!』
「でかい戦力ってのは嘘じゃねえだろうな。悪魔騎士たる俺でもあの強大な気配は気圧されるしかなかったぜ。
あれは悪魔将軍様に匹敵する、いやもしかしたら超えるかもしれねぇレベルだ」

数時間前にフォレスト・セルが発した気配を思い出し、スニゲーターは冷や汗を流しながらも頷いた。
彼は主である悪魔将軍の障害となりえる危険分子を排除する目的で赤竜達と同盟を組んでいたが、都庁の軍勢の
恐ろしさを改めて肌に感じ、彼らと敵対しなかった選択を内心何度も褒め称えた。
これが機械超人でヒラ悪魔のステカセキング辺りだったらどうなっていた事か。

「じゃあ皆さん、赤竜さんの背中に―――――」
『………いや、ちょっと待て』
「え?」

突然の赤竜からのストップに一同は面食らいながらも彼に向き直る。
何か問題があるのだろうか。

『忘れる所であった。フェイ、お前のその姿は不味い』
「……さっき話してくれた“都庁の魔物達は機械文明を嫌う”ってやつ?」
『そうだ。俺自身は歌を愛する者に種族も国境もないと考えてはいるが、俺の同胞達はそうもいかん。帰還した暁には
彼らにもその事を訴えるつもりだが、おそらく確実にお前が同胞の前に顔を出したら門前払いされるか反撃を受けるのが
オチだろう』
「むぅ……いくら自然回帰主義だからって顔を出しただけで攻撃されるってのも傷つくなあ……」

831うたをうたおう:2014/10/12(日) 23:35:43 ID:1kP81ewI0

申し訳なさそうに答える赤竜にフェイはどうしたものかと思案する。
いかに素晴らしい歌い手であろうと機械文明を極端に忌み嫌う都庁の住人たちの前にロボット然とした姿の彼女が
出て行けばどうなるか、想像に難しくない。
赤竜は知らなかったが、現在都庁には同じく機械文明や人間を嫌うレストとダオスという助っ人が在住しており、
彼らに目をつけられたら見敵必殺は免れなかっただろう。
それどころかドヤ顔でロボットを連れてきた事で赤竜自身が同胞から村八分にされる可能性も否めない。
何とかしなければ。
フェイ以外の面々も彼女のために知恵を巡らせていた。

「グムーッ、俺達超人であればオーバーボディで姿を偽る事も出来るんだがなぁ」
「オーバーボディ……ハッ、それですスニゲーターさん!!」
「何だピヨ子、いきなりデカい声出しやがって」
「誰がピヨ子ですか! それより思い出したんです、私の支給品にそれっぽい物があったのを!」
「本当か小鳥?」
「早速出してみてくれるか?」
「はい!」



数分後。


「『………………』」

何ともいえない空気が周囲にまき散らされていた。

「ご、ごめんなさい……悪気があった訳じゃ……」
「だ、大丈夫だよ小鳥さん、大丈夫、大丈夫だから……」

半泣きで謝罪する小鳥にフェイは自分に言い聞かせるかのように答えた。
とりあえず小鳥の支給品にはオーバーボディがあった。
だがその外観に果てしなく問題があった。

832うたをうたおう:2014/10/12(日) 23:36:34 ID:1kP81ewI0
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833うたをうたおう:2014/10/12(日) 23:38:04 ID:1kP81ewI0
それはフェイのオリジナルたる少女に酷似していた。
だが猛烈にコレジャナイ感が半端じゃなかった。
周囲一同も何と言えばいいのかわからず途方に暮れてしまう。

『……とにかく行くぞ、皆の衆』
「「お、おお……」」

半ば強引に赤竜が話を切り上げ、一同は彼の背中に乗り移り空中へと飛び立った。
目指すは東京都庁、またの名を世界樹。

フォレスト・セルはグンマーの末裔たる少女の祈りにより完全に制御され役目を解かれた。
彼らを縛る首輪も既に解除の手立てを見つけた同胞がいる。
それらを知らぬまま赤竜は一路空を舞う。
果たして彼らは世界樹に受け入れられるのだろうか?
それはまだ誰にもわからなかった。

とりあえずこの珍妙極まりないオーバーボディは早く脱ぎたい。
そう切実に思うフェイであった。


【二日目・7時10分/東京・日本武道館前】
【偉大なる赤竜@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【状態】健康、傷心、思案中
【装備】無し
【道具】もくたん@ポケットモンスター、支給品一式
【思考】基本:歌で自然環境の保護を世界に訴える。
1:都庁の仲間達、カヲル達を守る
2:都庁に帰還し仲間達に歌の素晴らしさを伝える、及び雷竜達にカヲル達の来訪を許してもらう
3:バサラ……フレクザィード……
4:仇であるDMC狂信者は確実に根絶やしにする
5:許すまじ天魔王軍!!

【渚カヲル@新世紀エヴァンゲリオン】
【状態】健康、傷心
【装備】キーボード@楽器
【道具】支給品一式
【思考】基本:バサラの遺志を継ぎ、彼の歌を届けて殺し合いを終わらせる
0:赤竜達と共に都庁に向かう
1:シンジ君を探して一緒に歌う。
2:DMC狂信者や天魔王軍は許さない
3:しかし僕にバサラの代わりが務まるのか……?
※使徒だからか、偉大なる赤竜と会話が可能です。

【ロックオン・ストラトス@機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-】
【状態】健康、弾丸の勇者
【装備】ハロ×2@ガンダムOO、ガブリボルバー、ガブリカリバー
【道具】支給品一式、ドラグノフ狙撃銃@現実、獣電池(パラサガン)×6
【思考】 基本:殺し合いを止める
1:カヲル達と共に都庁に向かう
2:上手く都庁の魔物達を説得したい
3:すまねぇ、サバーニャ……
4:フェイェ……
※キョウリュウジャーとして認められました。キョウリュウブラックに変身可能となり、竜と話せます。
※ガンダムサバーニャは大破しました。

834うたをうたおう:2014/10/12(日) 23:38:39 ID:1kP81ewI0

【スニゲーター@キン肉マン】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】基本:悪魔将軍様に従う
1:悪魔将軍様の障害となる危険分子を始末する
2:今は赤竜達と行動を共にする
3:フォレスト・セルに内心恐怖
4:ケケケ、他の悪魔超人達はどうしてやがるかな?
5:なんつーオーバーボディだ……
※正体はティラノザウルスの足なので、赤竜と会話できます。

【賢神トリン@獣電戦隊キョウリュウジャー】
【状態】健康、悲しみ(小)
【装備】フェザーエッジ、ギガガブリボルバー
【道具】支給品一式、獣電池(ブラギガス)×6
【思考】基本:殺し合いを止める
1:赤竜達と共に都庁に向かう
2:都庁の魔物達を説得したい
3:天魔王に出会ったら自分が決着をつけたい
4:フェイの歌からブレイブを感じる!
5:空蝉丸……
※赤竜と会話できます。

【音無小鳥@アイドルマスター】
【状態】健康、すごい申し訳ない気持ち、深い悲しみ
【装備】なし
【道具】支給品一式、スマホ
【思考】基本:殺し合いを止める
1:死んだ社長や765プロのみんなの分まで生きる
2:赤竜達と共に都庁に向かう
3:フェイちゃんごめんなさい……
4:赤竜とも話したい
※赤竜と会話できません

【フェイ・イェンHD@スーパーロボット大戦UX】
【状態】ダメージ(大)、等身大、右腕破損(処置済み)、ミクジャナイヨーフェイダヨー
【装備】ジェイド・フォーキー 、ミクダヨーさんの着ぐるみ@現実
【道具】支給品一式、ドラムセット、獣電池(トバスピノ) 、ガブリチェンジャー、ザンダーサンダー 、獣電池(プテラゴードン×2)
【思考】基本:殺し合いを止める
0:なぁにこれぇ……(早く脱ぎたい)
1:赤竜達と共に都庁に向かう
2:アニキたちの身の安全が心配
3:アニキと共に自分の歌をみんなに届ける
4:死んだ『あの子』のためにも必ず殺し合いを終わらせる
5:SATSUGAIとか言ってる人達は必ず止める
6:あの歌は一体……?
※アニキの持ち歌はほぼマスター済みです
※獣電池にブレイブインできるかは不明です
※キルコたちや天魔王軍に死んだものと誤解されています
※都庁軍を偽る天魔王軍の存在に気づきました
※獣電池から太古の祈り歌を聞きました。半覚醒なのでまだ1番までしか聞けません。

【海底原人ラゴン@ウルトラQ】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、メカ救急箱@ドラえもん、冷凍マグロ
【思考】基本:シャアア!
1:フェイに同行する
2:赤竜達と共に都庁に向かう
3:いい歌が聞きたい
※雌です。

835セカンドイグニッション:2014/10/16(木) 16:57:41 ID:UQv0oRDg0
時刻は6時30分、拳王軍の所有する戦艦・死国(厳密には裏切者の緑間)によって兵庫県は壊滅的な打撃を被った。
そこには対主催集団ホワイトベース組に所属する男がいた。
その男はホワイトベース組の二軍として近畿の西側で仲間集めをしていた。

その男の名前はジョナサン・ジョースター。通称ジョジョ。
正義感に強く紳士的なこの男はホワイトベース組に参加し、苗木と葉隠と同じく、死国と戦える戦力を集めていた。

……だが、それも徒労に終わる。
突然の死国から放たれた無慈悲な空襲によって街は一瞬にして瓦礫の山となる。
そして彼の集めた仲間は全員即死し、ジョナサン自身は即死には至らなかったものの致命傷を負ってしまった。
地面に横たわるジョナサンの肉体から大量の血が溢れる。
そんな死に体の彼に向けて仲間からの通信が入り、ジョナサンはなけなしの体力を使って通信機を手に取り、弱々しくもなんとか現状を報告しようとする。

『ジョジョ、たった今死国から兵庫県に向けての攻撃があったが大丈夫か!?』

通信を送ったのはホワイトベース組のリーダー格である十神であった。

「す、すまない十神……せっかく集めた志を共にする仲間は、今の攻撃でみんな死んでしまった。
僕も、もう持ちそうそうにない……」
『……クソッ! 拳王軍め!』
「と、十神……頼む、裕一郎と拳王軍を倒してくれ……
奴らを野放しにしたら、沢山の心優しい父親が犠牲になってしまう……」
『必ず奴らは仕留める、十神の名にかけてな』
「ありがとう……あとは任せ、た……」


ジョナサンは仲間に全ての願いを託し、瓦礫の中で静かに逝った。


【ジョナサン・ジョースター@ジョジョの奇妙な冒険 死亡確認】
【マリア・カデンツァヴナ・イヴ@戦姫絶唱シンフォギアG 死亡確認】
【海のリハク@北斗の拳 死亡確認】
【日番谷冬獅郎@BLEACH 死亡確認】
 死因:緑間のマウンテンシュート


『……あいつらめ、もう許さん。必ず皆殺しにしてやる!』

ジョナサンが握っていた通信機から漏れたのは十神の呪詛だった。

 :

以前の襲撃で敗走したホワイトベースは京都に停泊していた。
この艦は裕一郎の攻撃によってかなりのダメージを負っており、少なくとも戦闘は不可能と思われるレベルだ。
この艦をもう一度、戦場に投入させるには修復させるための物資が必要と思われる。
そして、ホワイトベースの艦橋――そこには数時間前の敗北と、たった今仲間が殺されたのを知って苛立っている十神白夜がいた。

「白夜様……」
「なんだ、犬。くだらないことなら話しかけるな。
俺は今ハラワタが煮えくり返っているんだ」

犬と言われた少女は十神の支給品である腐川冬子である。
そんな彼女は、艦橋の窓に指をさし十神に報告した。

「あれを見てください、苗木達が仲間と物資を連れて戻ってきました!」
「なに!」

腐川が示した場所を見るとそこには大量の物資を抱えて(半分近くが十傑衆走りで)ホワイトベースに向かってくる者達と、バイクに乗って彼らを先導する苗木誠の姿があった。
戦力を失った矢先、二軍が戦力を回復させる兵隊と物資を引き連れて戻った事には十神も素直に喜んだ。

「愚民め、思っていたよりは良い仕事をしてくれるじゃないか。
……ん? 一時間前に聞いていたより人数が多いが?」

苗木から聞いた人数はネットナビを除くと五人ほどであったはずだが、前の報告よりも更に六人増えていた。

 :

836セカンドイグニッション:2014/10/16(木) 16:58:10 ID:UQv0oRDg0

――ホワイトベース、格納庫


「そんな……さっき兵庫県から火の手が上がったと思ったらジョジョさんが……」
「ああ、奴の集めていた仲間も全滅したらしい」

任務から戻ってきた苗木は十神に伝えられた。
死国によって生み出された惨劇と、それによって仲間がまた死んでいたことにショックを受け、同時に死国への怒りと憎しみを募らせ、そして誰かが奴らを止めなくてはいけないという正義感を刺激させた。
それは苗木だけではなく、ここにいる多くの者達も同じ気持ちであった。

「食料や機材、武器弾薬燃料はこれだけあれば足りるべか?」
「ありがたい、これだけあれば十分だ」
「……MSのパーツもある! これだけあればデュエルガンダムも蘇る……いや、改造して前より強くできるかも!」
「よくやってくれた。この物資は是非使わせてもらうぞ」

葉隠達が持ってきた大量の物資を検品した雷電と出来杉は感心する。
福井県やその周辺の県から集めてきた物資は実に大量であった。
その中には破損したホワイトベースやガンダム、そしてサイボーグである雷電を修復できる部品も多くあり、兵器の機能を取り戻すことも可能になった。

「後は苗木達の連れてきた戦力だが……」

一行のリーダーである十神は連れてこられた11人を見る。


○熱さと熱さが合わさって、最強に熱く見える男   松岡修造&ヒートマン!
○修造の弟子らしい謎の男と、淫夢大好きナビ   大尉&ビーストマン!
○十傑衆の一人にして巨大ロボとも渡り合える衝撃波の使い手   衝撃のアルベルト!
○紅魔館の主である吸血鬼   レミリア・スカーレット!
○鼻血には目をつぶれ、時を止めるメイド   十六夜咲夜!

ここまでは十神が前の報告で聞いた通りの面子であるが、あの後に苗木達は別の中華系な対主催グループに接触していた。

○正義超人の一角   ラーメンマン!
○中華拳法の達人   烈海王!
○一撃で倒す八極拳士   ジョンス・リー!
○レミリアの配下にして紅魔館の門番   紅美鈴!
○設定上、主人よりもスペックが高い変形バイクロボ   オートバジン!
○……と、支給品の仮面ライダー555  乾巧! 

彼らもまたホワイトベース組に加わることになった。
特に紅美鈴はレミリアの配下ということもあり、両者の合流は非常にスムーズなものであった。
ちなみにラーメンマンの探しているテリーマンを殺した者達とはこのホワイトベース組であるが、ラーメンマンはそのことを知らない。
そしてホワイトベース側もテリーマンが裕一郎一行に加わっていたことも知らず(参入が遅く、のび太同様ネットでの映像に映ってなかったため)、せいぜい裕一郎一行の中の誰か一人を殺した程度の認識しかないのであった。

彼らの参入にて、ホワイトベース組は一般人の十神・腐川、仮面ライダーに変身できるが戦闘技術は未熟な苗木・葉隠を除くと、多くのチート級・理不尽級の戦力が一箇所に集ったのだ。


「これで戦力は回復、いや前以上に増強されたな。愚民共、一旦ここに全員集まれ」

十神は一行の活動について話すべく、全員を集めようとする。が。

「人を愚民呼ばわり? 俺はこいつが気に食わねえ!」
『!……!!』←たっくんを愚民呼ばわりされて怒るオートバジン
「我々に喧嘩を売ろうというのなら私は一向に構わんッッッ!!!」
「典型的な仕切りたがりね、アルベルトおじ様もそう思いません?」
「ふん、そのようだな。自分の能力以上に自己顕示欲が強そうなタイプでもありそうだ」
「ちょっと、十神くん! せっかく連れてきた仲間を愚民呼ばわりはないでしょ!
怒って帰っちゃったらどうすんの?!」
「もっと熱くなれよおおおおおお!!」
「修造っち、煽るなっての!!」
『みんな、喧嘩はやめちくり〜^^』
「白夜様の前じゃアンタ達は愚民も同然なんだから仕方ないでしょ!」
「ええい、話が進まん! それから犬、おまえはもうディパックに戻れ」

全体的にプライドの高い面子が多いため、同じくプライドの高い十神が仕切ろうとすると喧嘩になるのは明白だったが、その場はなんとか事なきを得た。
そして格納庫に、艦橋から降りてきたホライゾンとアイギスを含めた19人とネットナビ2体が揃った。

837セカンドイグニッション:2014/10/16(木) 16:59:37 ID:UQv0oRDg0

「集まったな。さっそく今後の方針を話すぞ。
俺達の最終目的は日本から対主催の戦力を集めつつマーダーを駆逐し、最後には主催を討つことが目的だが、それにはこの近畿で破壊と暴虐の限りを尽くす裕一郎と拳王軍、そして奴らの戦艦である死国が邪魔だ。
先ほど兵庫県を瓦礫の山にしたように放置できない危険集団であるし、主催攻撃時に背後を取られないように必ず撃破する必要がある。
……だが、まず最初にやるべきことはこのホワイトベースの修復だな。
大量の人員を輸送できる戦艦が動かなけらば、何も始まらない。
物資そのものは十分にある、全員で修復に取り掛かるぞ」

まずは空を飛ぶ本拠地であるホワイトベースの修復を他のメンバーに十神は命じた。

「その次にはいよいよ、奴らとの戦いだ。それで奴らに立ち向かうのための作戦がある。
まずはホライゾン、アイギス。お前たちがネットで収集した情報を開示しろ」
「jud.つい先ほど、拳王軍の一団が死国から降り立って大阪の街で略奪の限りを尽くしていると情報がありました」
「その数はおよそ10人ほど、これは集団のおよそ半数にあたり、戦力が死国内と略奪集団で二分されているということであります」
「つまりはだ、戦力が二分されている今こそ、奴らを叩ける絶好の機会というわけだ」
「仲間がいる以上は、広島や兵庫県のような強力な爆撃はできないと考えられます」
「さらに略奪集団の中には光裕一郎の子息である光熱斗の姿が確認されています。なおさら死国から市街地への攻撃は難しいでしょう」

死国自体が理不尽の塊と言えども、戦力が分割されては理不尽さも半減する。
熱斗組が大阪にいるため、裕一郎達は強力すぎる破壊兵器を大阪には使わないというのが十神達の見通しだ。
逆に言えば、この機を逃せばホワイトベースが死国を攻勢をかけられる機会を失ってしまうかもしれないのだ。

「そこで、部隊を三つにわける。
市街地で略奪を行う者達に攻撃を仕掛ける班。
その班を支援するこのホワイトベース。
そして、ホワイトベースと市街地の班が敵の目を引きつけている内に死国の内部に潜入し、内分の駆逐を行う班によって三方向から攻撃を仕掛ける」
「十神っち、そんなことをしなくても片一方を全員で袋叩きにすりゃいいんじゃないべか?」
「葉隠、それだと略奪グループを殲滅した瞬間、裕一郎は迷わず大阪に爆撃を行うぞ。
光熱斗達は敵であると同時に、俺達を守る盾にもなるんだ。
逆に死国だけを攻めても市街地のグループが死国にすぐ戻ってくるだけだ。
三方向からの同時侵攻し、一方の部隊が市街地の熱斗組を足止めし、片方の部隊が内部から死国を破壊して市街地への砲撃を防ぐ。
そうすれば奴らの動きを止めやすくでき、お互いの部隊をカバーしあえる」
「な、なるへそ……」

裕一郎達は県一つを爆破できる兵器をもっているらしく、それを避けるには単純な各個撃破ではダメなのだ。
そのような説明で葉隠の懸念を払拭し、十神は全員に告げる。

「部隊分けだがホワイトベースは俺、犬(腐川)、ホライゾン、アイギスが担当するとして。
死国への潜入を行う者達は潜入技術があるものや、狭い艦内で戦うことを想定して白兵戦能力に長けている者がいい」
「なら、スネークほどではないにしろ多くの潜入ミッションをこなしている俺の出番だな」
「白兵戦なら我ら、このラーメンマンそして烈、ジョンス、美鈴が担当しよう」
「私は一向に構わんッッッ!!!」
「俺もそれでいい」
「美鈴、私とお嬢様がいなくてもしっかりやるのよ」
「任せてください咲夜さん。お嬢様達には一発の砲弾も死国には撃たせません」
「十神よ、ワシはどうしても仲間を殺した拳王なる男をこの手で討ちたい。
潜入グループにワシも入れさせてもらうぞ」
「……いいだろう。これで潜入班は決まりだ」

死国へ潜入する班は白兵戦に長けた、雷電、ラーメンマン、烈海王、ジョンス、美鈴、そして衝撃のアルベルトに決定した。

838セカンドイグニッション:2014/10/16(木) 17:00:08 ID:UQv0oRDg0

「残りは市街地の攻撃に回ってもらう。
それから苗木と葉隠もこっちで戦ってもらう」
「ええ?! 二軍の僕が?」
「お、俺も戦うんだべか!?」

十神の言葉に驚く苗木と葉隠。
二人とも仮面ライダーに変身できるとはいえ、戦闘に関しては素人であり今まで戦力に数えられてなかったからである。

「そうだ、万全を期すためにお前達にも戦ってもらう。奴らを確実に潰すには頭数は多いほうがいい。
お前達程度のゾウリムシでも弱っている敵は倒せるだろうし、他の連中の背後を守ることや、最低でも肉盾ぐらいはできるだろう」
「肉盾、ってオイ!」
「いや、僕はやるよ」
「苗木っち?!」
「修造さん達に戦って欲しいって頼んでおきながら、自分だけ指をくわえて見てたくはないからね。
こんな僕はウィザードには変身できる。皆の足を引っ張らない程度には頑張るよ」

苗木は死国と戦う覚悟を決めていた。
多くの仲間を殺された怒りと出会った仲間を守りたいという正義感が、彼の中に進んで戦う意思を生み出したのだ。
さっきのマーダーとの戦いで負った傷も回復薬で治して体調も万全となり、それなりには戦えるだろう。
とはいえ、死国と戦うことに全く恐怖を感じてないわけではなく、苗木の肩は些か震えていた。
そんな彼の肩をポンと叩き、ぶっきらぼうなりに優しく声をかけた乾巧であった。

「心配すんな。何かあったら俺が守ってやる」
「乾さん……」

先輩ライダーの優しさと頼もしさが苗木にはとても嬉しかった。

「十神っち、俺はちょっと腹の調子が(ry」
「葉隠、俺の手足として働けばおまえが抱えている多額の借金を全てチャラにしてやる契約……あれを白紙にしてやってもいいぞ。
戦闘の途中で勝手に逃げ出しても同じく契約破棄だ。
その後、ヤクザにどんな痛い目に合わされようが臓器を販売するハメになろうが俺は一切手助けしないからな」
「仮面ライダービースト葉隠! いつでも覚悟完了だべ! ……トホホ」

止むにやまれない事情もあって、葉隠も戦列に加わることに渋々承諾した。

こうして市街地の略奪チームを襲撃する班は、修造&ヒートマン、大尉&ビーストマン、レミリア、咲夜、乾巧、オートバジン、苗木、葉隠、そしてデュエルガンダムに乗る出来杉に決定した。

「チーム分けはこれでいい。予定通りホワイトベースとガンダムの修復に取り掛かるぞ」
「十神っち、ところでバーベキューは……?」
「……」←無言でバーベキューセットを出す大尉
「やるわけないだろ、作戦を聞いてなかったのか?! モタモタしてたら略奪チームが死国に戻ってしまうぞ。
そうすれば裕一郎は破壊兵器をバラ撒き放題になって俺達の勝機は薄くなり、周辺の被害も拡大する。
悠長に食事をしている時間なんてない」
「!?」←バーベキューが無くなったことにショックを受ける大尉
「皆の親睦を深めるために必要だと思ったんだが……」
「俺達はこれから死国に遊びにに行くわけじゃないんだぞ? もっと緊張感もてよ!」
「えーッ?!」「ブーブー!」
「まあまあ、落ち着くんだ皆。大事な作戦の前に豪華な食事を食いすぎた軍隊が、結果として動きが鈍って敵の格好の的になってしまい、以後その軍隊は大きな作戦前の食事は豪華な物から粗食に切り替えたという逸話もある。
殺し合いさえ終われば好きなだけ食事を取れるさ。今はパンと水で我慢しよう」

バーベキューをするしないでまたチーム内でこじれそうになるが、そこは兵士としての経験と知識がある雷電が作戦前の豪華な食事は危険であると説明し、とりなした。

そして、いよいよ十神達は船となるホワイトベースの修復に取り掛かる。

839セカンドイグニッション:2014/10/16(木) 17:02:11 ID:UQv0oRDg0
 :

――格納庫。

「……できた!」

出来杉の目の前には、このホワイトベース唯一の機動兵器となり、彼の搭乗機であるデュエルガンダムがあった。
バスターガンダムのサテライトキャノンで吹き飛ばされた半身も、苗木達の持ってきた部品によって完全に修理されていた。
さらに修理だけに留まらず、このガンダムは改造まで施されていた。
見た目はただのアサルトシュラウド装備のデュエルだが、内部には仲間達にもたらされた部品によって魔改造が施されている――彼の仲間の多くを殺したバスターのように、改造はガンプラ並に自由でいいのだ。
果たしてどんな機能をデュエルに施したか……出来杉は今は仲間にも秘密にしている。

(後からアイギスさんから聞いた話によると市街地に出ている略奪グループの中には、研くん達を殺したあのガンダムがいると知った。
あのガンダムだけは絶対に許さない……! アイツだけは必ず僕と、僕の新しい力『魔改造デュエルガンダム』で倒してやる!
……待ってて研くん、必ず君の仇を取りに行くよ。そして僕の手でのび太くん達を守るんだ!)

出来杉は以前の敗北から復讐心と力への渇望を抱いており、改造されたデュエルガンダムはその感情の体現であった。
そのガンダムが出来杉にもたらすのは生か死か、勝利か敗北か、希望か絶望か……果たして?

 :

――とある廊下。
そこには二人の機械の少女、ホライゾンとアイギスがいた。

「ホライゾンさん、本当にもう大丈夫でありますか?」
「jud.、トーリ様が亡くなられた事はホライゾンにとっては今でも悲しいです。
ですがそれをいつまでも引きずるわけにはいきません。
ホライゾンもホワイトベースの一員として平和のために戦っていくつもりです」

ホライゾンは前々回の放送で恋人である葵・トーリの死を知った。
だが、マシンである彼女は同じくマシンであるアイギスと共にホワイトベースに接続することでオペレーター、砲座、エンジン操作を担っている(余談だが、操舵もやろうと思えばできるが、腐川が頑なにやりたがるので操舵だけは彼女に任せている)。
よって今ホライゾンが抜けてしまうと、その役目を全てアイギスに押し付けてしまい性能は激減、ホワイトベースが機能不全に陥る可能性も上がる。
それを理解しているホライゾンは恋人の死は今はこらえて仲間と共に戦う道を選択した。



……泣けるねえ、恋人を失っても戦い続ける少女のシチュエーション、そんな友を支える少女。
だけど! 君達の魅力はゆうかりんの足元にも及ばねぇよ!

「な、なんであります くぁwせdrftgyふじこlp;@:」
「いきなり後ろから くぁwせdrftgyふじこlp;@:」

大尉つまり俺は背後から二人にこっそりと忍び寄り、彼女らがホワイトベース操作にも使っている端子(どこにあるかはご想像にお任せする)にビーストマンが入っているPETをプラグインし、二人のシステムにハッキングして即座に本部から転送されたウィルスを流し込んだ。
……おっと、おまえら深読みすんなよ! 上の行動に性的な表現は一切ないからなw

二人には当然ウィルスを防ぐためのセキュリティがあるわけだが、修造さんのおかげでネットバトルの技術が向上している俺はハッキング技術も向上しており、ファイアウォール程度ならショウジドに等しいのだ。


『パパパッとイッて、終わりっ!』

ビーストマン先輩がハッキング作業が終わったことを報告し、俺はすぐにその場から離れることにした。
工作のために俺に襲われた(非性的な意味で)数秒前までの記憶部分は抹消しておいた。
そうとは知らないメカ娘達が再起動する。

840セカンドイグニッション:2014/10/16(木) 17:02:45 ID:UQv0oRDg0
「――ゾンさん、本当にもう大丈夫でありますか?」
「jud.、トーリ様が亡くなられた事はホライゾンにとっては今でも悲しいです。
ですがそれをいつまでも引きずるわけ――」

おまえら、その台詞二回言ってるぞ。
二人はウィルスは仕込まれたことに気づいていない。
誰かに見られている様子はなく、監視カメラも死角を通った。俺の工作に抜かりはない。



ドーモ、読み手=サン。大尉です。
今回は俺が主役じゃないのでタイトルは『汝は大尉なりや?』ではないです、が、俺も話に大きく関わるっぽいのでこのSSの裏タイトルは『汝は大尉なりや? part3.5』だと思ってくだせえ。
この度、皆様の応援のおかげでワタクシは無事にホワイトベースに忍び込むことができました。
そしてたった今、二人のいたいけな少女にウィルスを流し込みました(ゲス顔)。

具体的にアイギスとホライゾンにどんなウィルスを使ったのかというと、特定の状況になると発動するタイプのプログラムだ。
死国との戦闘において、ホワイトベース側が戦況を覆せないほど不利になると、二人が腐川から操縦を奪い死国に特攻するように仕向けてある。
勝てないならいっそ、カミカゼをやってもらおうという寸法だ。
ちなみにこのホワイトベースの動力は熱核エンジン。
死国にぶつかれば核爆発がおこり、少なくとも周辺の市街地……つまり熱斗達のいる場所も吹き飛ぶだろう。
……それって市街地で戦う事になっている大尉もヤバくね? って思っているそこの貴方、心配ご無用モーマンタイです。
その時には本部にいるデウス隊長の転送技術で本部の九州ロボに戻れる手はずになっているからだ。まさに護身完成!
現場で今頑張ってる新城さん達も風魔のどこでもドアで容易く撤収できるだろうから向こうさんの心配もいらない。

あ、ちなみにホワイトベース側が勝っても、航行不能に陥っても戦艦のエンジンを暴走させて自爆させるプログラムも仕込んであるから、結局ホワイトベースは沈む運命にある。
殺し合いの運営に邪魔な二つの対主催勢力は綺麗さっぱり消えてもらいましょう。

『どうあがいても死ぬ運命にあるのは悲しいなぁ……』
特にホラ子は悲惨だな、恋人を殺されてた悲しみを振り払って戦うと決めた矢先に自分が仲間を殺すウィルスを、知らず知らずの内に仕込まれるとは。
『しかも、それをやったのは恋人であるトーリを殺した大尉であるし、彼女は恋人を殺した男が目の前にいたことも知らず仲間として迎え入れて毒牙にかかった……皮肉過ぎてなんか芸術的』
対主催であったこととリア充であったのが二人の運の尽きだ。
ホライゾンはトーリのいる天国に逝けるように祈ってはやるよ……いや訂正、リア充はやっぱ爆発して然るべき、二人共地獄に落ちろ。
『人狼の屑がこの野郎』


工作はこれでいい。
欲を張りすぎると他の連中に俺がジョーカーであることに気づかれてしまう
幸い物資収集の折にバトルチップも大量に手に入れた以上、奴と戦う武器は大量にある。
後は己と修造さんに授けられた技術を信じて、熱斗と決着を付けるだけだ。
『いよいよですね』
ああ、いよいよだ。
俺は早く熱斗と戦いたい。
そのためにホワイトベースには飛んでもらわなきゃ困るし、そろそろ修繕作業に戻るか。

「―――」

ん?
『どうしたんです大尉?』
今、幽香さんの声が聞こえた気がするんだが……『犬にしてはお利口さんね、その調子で頑張りなさい』って……
『やべぇよやべぇよ。この大尉、虐待姉貴に惚れ込みすぎてとうとう幻聴までを聞きやがった(ドン引き)』

確かにゆうかりん成分が不足気味な俺だが、幻聴でも幽香さんが俺を褒めてくるとなんか不安になるな。
いちおう幽香さんへのホットラインを持ってるしし、今から内部工作の進み具合を連絡しておくか?
ついでにゆうかりん成分もといユウカリウムを補充できるでござるなwどんな言葉で俺を虐めてくれるのやらwww

……ダメだ。ホワイトベースにはサイボーグ忍者の雷電がいる。
奴に通信を傍受されでもしたら計画が水の泡だ。
プロとして、そんなミスは許せない。
幽香さんのご褒美は、今はグッと堪えて帰還するまで我慢するしかない。

幽香さん、俺は精一杯頑張りますよ。
だから帰ったらご褒美として俺を虐めてください。
幻聴でも他人を褒めるあなたは似合わない……犬は厳しく躾られてこそ、主人のために戦う忠犬でいられるんですから。

 :

841セカンドイグニッション:2014/10/16(木) 17:04:12 ID:UQv0oRDg0

「まさかここまで早く終わるとは……最低でも一時間はかかると思っていたぞ」
「白夜様、その代わり艦内のあちこち鼻血塗れです」

ホワイトベースの修復は十神の予想以上に早く進んだ。
元々、体力自慢の参加者が多く、特に咲夜の時を止める程度の能力と、修造&ヒートマン・大尉&ビーストマンの火のバトルチップによる溶接技術が大きく貢献し、ホワイトベースの修復は見る見る内に完了した。
15分で戦艦を建造した裕一郎一行と比べれば遅いが、それでも30分以内には納まっているのは驚異的であった。
これにてホワイトベースはいつでも発進可能になった。

「せっかく時間を短縮できたんだ、生まれたアドバンテージを無駄にしないためにも、今すぐ戦地へ向かうぞ。
アイギス! ホライゾン! エンジンを始動させろ!」
「了解であります」「jud.」

十神の指示に従い、アイギスとホライゾンはホワイトベースに接続し、エンジンを始動させた。
エンジン始動と同時に他のメンバーも急いで艦内に乗り込む。
全員乗り込んだのを見計らって、十神は艦内に放送を流した。

『お前たちのおかげでホワイトベースが戦える状態まで戻った。
この十神が感謝してやろう。だが、問題はここからだ。
俺達はいよいよ死国との全面戦争に入る』

開戦間近という空気に艦内は緊張が走る。

『ホワイトベースの航行速度ならここ京都から戦場になる大阪まで30分ぐらいで付く。
それまでに覚悟を決めておけ。
死国は広島も兵庫も焼き、大阪すら瓦礫に変えようとした冷酷な破壊集団だ。
奴らによる死傷者は既に一万単位で出ている。
そんな奴らに情け容赦は一切するな! 命乞いは無視しろ! 油断すれば背後を取られて死ぬことになるぞ!
奴らは首輪を外す技術も持っていて、こちらの首輪を外してやるといっても信じるな。
きっと首輪じゃなくて首が外されるぞ!
それだけ冷酷で残忍なことに留まらず実力も高いときている危険な存在だ。皆、心してかかれ。
心配するな、この俺がお前達が勝てるようにしっかりと指揮してやる。十神の名にかけてな。
だからこそ全力を尽くして戦え。話は以上だ。
それではホワイトベース、発進!』

十神の艦内放送が終わり、戦艦ホワイトベースは京都から発進した。
そして艦内の全員がいつでも出陣できるように戦闘の準備をするのだった。

破壊の権化と化した死国に立ち向かう多くの戦士達と、一人と一体の悪意を乗せて大阪に向かう。



ホワイトベース対死国による第二次大戦……勃発は間近!


【一日目・7時30分/日本・京都上空】

【ホワイトベース組】
※30分後には大阪に居る死国組との交戦に入ります。

842セカンドイグニッション:2014/10/16(木) 17:05:01 ID:UQv0oRDg0
○指揮・艦砲支援担当班
※ホワイトベースの砲撃によって空から地上の部隊を援護します
※ただし、戦艦と接続しているアイギス・ホライゾン両名がウィルスに感染させられています
 戦況が覆せないほど不利になる、あるいは戦艦が致命的な打撃を受けると、自動的に死国に特攻します
 逆に、戦いに勝利した場合でも戦艦を自爆させるようにセットされています


【十神白夜@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】
【腐川冬子@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】※十神の支給品扱い
【アイギス@ペルソナ3】 ※大尉によりウィルスを仕掛けられました
【ホライゾン・アリアダスト@境界線上のホライゾン】※ 大尉によりウィルスを仕掛けられました


○市街地攻撃部隊
※市街地に出ている死国組のメンバー(熱斗組+α)に攻撃を仕掛ける部隊です

【出来杉英才@ドラえもん】※デュエルガンダムが魔改造されました(見た目はただのアサルトシュラウド) 具体的にどのような改造が施されたかは次の書き手氏にお任せ致します
【大尉@HELLSING】※ジョーカーです、アイギスとホライゾンにウィルスを仕掛けました
【ビーストマン@ロックマエグゼ3】※大量のバトルチップを入手しました
【松岡修造@現実】
【ヒートマン@ロックマンエグゼ2】
【苗木誠@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】※ダメージは物資収集時に手に入れた薬などで回復しました
【葉隠康比呂@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】※ダメージは物資収集時に手に入れた薬などで回復しました
【レミリア・スカーレット@東方project】
【十六夜咲夜@東方project】
【乾巧@仮面ライダー555】※支給品扱いです
【オートバジン@仮面ライダー555】


○死国潜入部隊
※ホワイトベースや市街地を攻撃する班が敵の目を引きつけているうちに、死国に潜入して内部の敵(拳王軍+α)を掃討する班です

【雷電@METAL GEAR RISING】
【衝撃のアルベルト@ジャイアントロボ】
【ラーメンマン@キン肉マン】 ※ホワイトベース組がテリーマンを殺したことに気づいていません(ホワイトベース側も然り)
【烈海王@範馬刃牙】
【紅美鈴@東方project】
【ジョンス・リー@エアマスター】

843未だになんと言っているのか聞き取れない:2014/10/18(土) 11:29:24 ID:OwySvBqo0
魔境グンマ―……そこの住人であったグンマ―の民は死滅してしまった。
世界樹の巫女となった少女のように、その血を引く者はまだ若干名生存しているかもしれないが、
とにかくジャングルで生活していた生粋のグンマ―の民が滅んだことは確かである。

そう、グンマ―の民は滅んだ。

だが、魔境グンマ―に住む住人が、グンマ―の民だけだといつから錯覚していた?

グンマ―のジャングルの奥地には、彼らと共存していたある部族がいたのだ!
彼らはグンマ―の民に比べて肉食であり、常に野生の動物とお互いの命を懸けて戦ってきた命知らずの戦士。

「 ダンソンッ! ビーーザキィー! トゥーザティーサザコンサァ! ――ニーブラァ!」
「ウゴァー!」

【レオナルド博士@秘密結社鷹の爪】死亡
死因:ファーストニーブラ

踊りながら、そんな戦士の一人は南下していた。
水源を化学物質で汚染されたせいでグンマ―の民が弱体化したことを見抜いたため、報復として狙うのは科学者。

「カチョー、カチョーニーブラ!」

どこからか妙な曲が流れ始めて、やがて狩られたレオナルドは首だけとなるのであった。


【二日目6時30分/東京都のどこか】

【ダンシングフィッソン族@お笑いネタ】
【状態】健康、喉の渇き
【装備】民族衣装、槍
【道具】支給品一式、不明品、レオナルドの首
【思考】基本:ジャングルの水を汚染したと思われる奴を狩る
0:でもわからないのでとりあえず怪しいと思った奴は全部狩る
1:安全な水が飲みたい

844地上に輝け死兆星☆:2014/10/22(水) 14:21:39 ID:.wUTz3T.0
超弩級戦艦『死国』内。
同性愛者二人以外の超人血盟軍たちを送り込んだ後から、今回の話は始まる。

艦内の一角、そこは緑間とMEIKOたちが激戦を繰り広げた場所でもある。
その場所に、市街地に出かけている熱斗たち、ムギちゃん、祐一郎さん、AIのデューオ、悪魔将軍、春香と優、シグナムを除いた拳王軍全員が集まっていた。

「そんな……デュークが……!」
「ハクメンよ、メイちゃんよ、うぬらの話は本当なのか?」
「全て事実だ」
「緑間の奴が突然狂ってデュークを殺したんだ!
手遅れだった緑間はアタシがぶち殺したが……奴がこうなったのも全部黒幕と主催共の仕業だ、皆殺しにしてやる!」

ハクメンとMEIKOから伝えられたデュークの死と、緑間の突然の暴走。
その事実はラオウ率いる猛者揃いの拳王軍すらショックを受けていた。
特にデュークとは親友であった平等院は、これを悲しまずにはいられなかった。

「いつまでも二人の死体を艦内に置いていくわけにはいくまい」
「放置すると艦内で疫病が発生する恐れがある。残酷なようだが、二人の死体は水葬しよう」

進言したのは戦場で多くの死を見てきたドイツ軍人のシュトロハイムとアドラー。
水葬と言えば聞こえがいいが、ようは海に死体を捨てていくということだ。
しかし、放っておくと傷んだ死体が病魔が呼び寄せ、拳王軍に害を及ぼすのも事実であった。

「……」
「平等院、辛いだろうがわかってくれ」
「……わかった。俺がやるべきことはいつまでも友の死に感傷にすることではない。
デュークができなかった分まで、主催と黒幕を滅ぼすことだ……!」

悲しみを振り払い、平等院は友の水葬に承諾した。
そして一行はデッキにあがり、そこから二人の死体を海へと放り投げた。
海へと沈んでいく二人の仲間だった者たちに、仲間たちは黙祷を捧げる。
裏切ったとはいえ、緑間も野球の試合中は良き選手だったので、そこには仲間も敬意を払って死を悼む。


そんな葬式ムードな彼らに割って入るように拳王軍のタクアンことムギちゃんがやってきた。

「皆さん、悲しんでいるところ悪いんですが、お話があります」
「琴吹さん、今はスタメンはちょっと……みんなが突然の仲間の死に心を痛めてますので後にしてもらえませんか?」

野球脳である宗則はムギちゃんがチームのスタメンに欠員が出たため、新しいスタメンに誰を組み込むかを決める話をしに来たのだと思い、空気を読んでいない行為だと一時は不満な顔をするが、それはすぐに勘違いであったと知る事になる。

「いいえ、スタメンの話ではなくて……これから私たちが向かう関東に起こっている問題についてです」
「関東で起こっていること?」
「ええ」


「皆さんはヘルヘイムの森についてご存知ですか?」

 #

845地上に輝け死兆星☆:2014/10/22(水) 14:22:14 ID:.wUTz3T.0

 死国の艦橋。そこに私、シグナムがいる。
 拳王軍の仲間が狂ったり死んだりした話は既に聞いている。
 死んでしまったのは可哀想だが、私は湿っぽいのは苦手なんで葬式はパスした。
 そもそも、テニヌ高校生とバヌケ高校生とは紅白戦以外の接点がないので悲しみたくとも悲しめないのだ。
 ……なんだかドライすぎると自分でも思っているが、別の世界で多くの殺し合いを経験してきた身として、原作以上に他者の死に慣れすぎてるものなんでね。
 あんまり冷酷とか思わんでくれよ。

 それはともかく、ここには私たちと同盟を結び、真の黒幕と言われるものが隠れる富士の不思議のダンジョン奥底にある死者スレへの侵攻を企てる男・悪魔将軍がいる。
 そんな彼は酷く苛立っているのは、なぜか?

「ええい、祐一郎よ! おまえの息子たちはまだ戻らんのか?」

 その理由は熱斗を主軸とする食料調達のグループが、送り出した大阪の街から一向に戻ってこないからだ。
 将軍様は九州ロボにいる主催陣への陽動のために自分の部下が多く含む超人血盟軍を送り込んだ。
 だが調達グループが戻らないようでは、いつまで経っても死国は関東へと発進できず、時間を無駄に消費する分だけ血盟軍の奇襲による陽動の意味もなくなってしまう。
 イライラするのも無理はない。

「さっき受け取った熱斗からの情報によると、どうやら何人かが街の中で迷子になってしまったらしい。
迷子になった仲間を探すために時間を食っているようだ」
「急がせろ、8時までに戻ってこないようなら置いていくと伝えろ」

 祐一郎さんの返答に対し、将軍はかなり酷なことを言った。
 いくらなんでも仲間を置いていくのは酷すぎやしないか?
 そんなことを思っていたらカーネルが私の気持ちを代弁してくれた。

『仲間を置き去りにするのか?
戦力としても彼らは必要だろう。もう少しくらい待つべきはないか?』
「当初の予定では死者スレ攻めは私と飛竜、数人の悪魔超人だけで行うつもりだった。
多少の戦力は欠けても問題はないが、時間は惜しい。
このままでは今頃、九州ロボで戦っているであろう配下の戦いが無駄になる。
どのみち迷子になるような迂闊な奴は死者スレ、ひいては『あやつ』との戦いでむざむざと死ぬだけだ。
置いていった方が、そいつの身のためでもある」
『しかし……』
「いや、いいんだ。わかった、悪魔将軍。
8時を過ぎたら死国は出港する旨を熱斗たちに伝えておこう」
『祐一郎?!』

 出港を強要する将軍に対して不満を顕にするカーネルに対し、祐一郎さんは意外にも将軍の意見に同意した。
 なぜ同意したのか、疑問に思った私は祐一郎さんに尋ねる。

「本当にいいのか?
だいぶ長く熱斗と行動を共にしてきた身として言わせてもらえば、あいつらはハチャメチャなネットバトル脳の持ち主だが仲間を置いていくような冷たい性格の持ち主でもないぞ」
「熱斗の父親だからこそ、あいつの性格はよくわかってるさ。
はぐれた仲間を置いていけと言っても、きっと熱斗は聞く耳もたずに仲間が見つかるまで探すのだろう。
だったら逆に考えるのさ、来ないなら置いてっちゃえばいいんだとね」

 ジョジョ一部でも知名度の高い台詞を前振りに、祐一郎は理由を答えた。

「熱斗たちが出港した死国に後から追ってこれるように高速艇を港に用意しておく。
念のため、高速艇は仲間内の誰かでないと動かせない仕組みにしておくつもりだから、知らない誰かに高速艇を奪われる心配もない。
後は熱斗たちでなんとかできるだろう」
「なるほどな」

 熱斗たちを置き去りにしても死国に合流できる手段を用意できるからこそ、先の将軍の催促に同意したようだ。
 祐一郎さんなら五分足らずで高速艇の一台くらいは作れるだろうし、何も問題ないね。
 そんなわけで祐一郎さんはさっそく船を作るべく格納庫へ向かおうとする……がその前に艦橋にムギちゃんことタクアンさんを先頭に、拳王軍の面々が入口から押し入ってきた。

846地上に輝け死兆星☆:2014/10/22(水) 14:23:10 ID:.wUTz3T.0

「拳王と小娘? 仲間の葬式を行ってたんじゃなかったのか?」
「将軍様、それどころじゃないんです。これを見てください……デューオさん」
『ああ、ヘルヘイムだな』

 タクアンさんの指示と共に艦橋のディスプレイにデューオが現れ、将軍や私たち全員に何かの情報を見せた。

「これは……」
「ベジータさんの持っていたパソコンに気になる情報があったので、本人の許可をもらった後でデータをコピーしておいたものです。
これはヘルヘイムの森だそうです」

 タクアンさんは緑間とMEIKOたちが戦っている間、そしてデュークたちの葬式を行っている間に姿を見せなかったのは個室でこのヘルヘイムの森の情報を調べていたからだ。
 開示された情報にはヘルヘイムとは異界の植物によって構成された森であり、クラックというブチャラティのスタンドの如く異界を移動できるジッパーから現れるその植物の成長速度は、通常の植物の何十倍も早いということ。
 ヘルヘイムの森にはインベスという怪物がおり、ヘルヘイムから生み出された果実を食べてしまった生物はインベスという怪物に変異してしまうということ。
 そして異界からやってくるヘルヘイムの植物はその生命力と成長測度から地球の植物を淘汰して覆い尽くし、食料がヘルヘイムの果実しかなくなる結果として地球上全ての生き物がインベスと化すので、最終的にこの世界が滅ぶという実に衝撃的な内容だった。
 ユグドラシルという組織は、(組織の利益を優先しつつも)このヘルヘイムの驚異から人類を守るべく動いていたらしい。

「怖いよぉ……優ちゃん」
「春香ぁ……」

 同性愛者二人のみならず、差異こそあれど皆が驚いていた。

「……」
「将軍様?」
「直接見たことは一度もないが、私はこの森と似たような話を聞いたことがある」
「本当ですか?!」

 元は神話級の超人である悪魔将軍はどうやらヘルヘイムのことを多少は知っていたらしい。
 彼の知りうる限りの情報が語られる。

「平行世界から現れ、恐ろしい速度で規模を拡大していく植物や、その植物になる果実を食らった者を怪物に変える森の存在があるとな。
手に入れたものに絶大な力を与えると言われる『禁断の果実』やそれを手にした強大な力を持つ『王』こそ載っていないが、それ以外の情報は私が知っているものと一致する。
 このヘルヘイムとは、私が噂で聞いた森で概ね間違いないだろう」
「やっぱり、ヘルヘイムは実在するんですね」
「だが小娘、なぜ今ヘルヘイムの話をする?」
「それはですね……」

 タクアンさんが次に出したのは、カオスロワちゃんねるに貼られた都庁――が大きな大樹と化した画像であった。

「なんだこれは?」
「都庁に僅か数時間の内に姿を変えたものです」
「都庁って確か、魔物が集まっているという東京の都庁のことか?」

 昨日まで熱斗たちと共に東京を探索していた私だが、その頃の都庁はこんなに植物じみた姿をしてなかったはずだ。
 これにはさすがの私もびっくりだ。
 あんな短時間で東京の真ん中にこんな大木が生えるなんて……短時間の間?

「皆さんも、そろそろお気づきでしょうか?」
「まさか……」
「周辺に被害を及ぼすほど凶悪な魔物が集まり、短時間の内に異常な成長を遂げる植物……すなわち都庁にできたこの大樹こそヘルヘイムの森なのではないでしょうか?」
ΩΩΩ<ナンダッテーーーッ!?
「この成長速度では数日……いや、十数時間の内に日本がヘルヘイムの森に侵略されてしまうかもしれません……」

 都庁はヘルヘイムの森に侵略されていたッ!!!
 タクアンさんからもたらされた衝撃の事実である。
 東京にいた時は都庁に魔物が集まっている話は大したことではないと思い、シカトしたのが仇になったようだ。

「いかがなさいましょうか、将軍様」
「これからこの殺し合いの黒幕である『あやつ』を討伐しにいくのだ。
森など『あやつ』を討った後に焼き払えばいい、捨て置け。
――と、言いたいところだが、今回ばかりは旗色が悪い。
なにせ、私は数時間前から私やハクメンに並ぶ力の存在が東京に現れたことを感知しており、それは時間増しに大きくなっている気がしていた。
ひょっとすると噂に効くヘルヘイムの『王』がこの世界に降臨したのかもしれない」
「禁断の果実を持つ王……!」
「悪魔将軍よ、王とやらはうぬほどの男が汗を流すほど無視できない存在なのか?」
「左様だ、それほどの危険な存在であるようだ。
もしヘルヘイムの王が悪辣さと知性を兼ね揃えているなら、この殺し合いという混沌とした状況はそやつにとって絶好の機会にもなる……そうだとしたら小癪なことこの上ない」

847地上に輝け死兆星☆:2014/10/22(水) 14:23:41 ID:.wUTz3T.0

 都庁にできたヘルヘイム、引いては王と言われる存在は悪魔将軍ほどの男でも汗を流すほどの力の持ち主らしい(この人、割と汗かきだが)。
 
「『あやつ』とも違う力に正体もわからず、最初は後回しにするつもりだったが……
考えてみれば、都庁のある東京は富士のある静岡・山梨にもさほど遠くない位置にある」
「これだと最悪、死者スレに私たちが攻め込んでいる時に背後を取られてしまう危険もあります」
「誰かが足を止め、もしくは殲滅に出向かせる必要があるな」
 
 ここにきて主力のために戦力を分ける必要ができてしまった。
 だが、今の都庁は将軍様曰く絶大な力を持つ存在がいるらしく、生半可な者ではズガンされてしまうだろう。

「では、私がヘルヘイムの怪物たちの成敗に向かうか?」
「ハクメン、おまえの惑星すら破壊できるパワーは『あやつ』との戦いのために温存しておきたい。
ヘルヘイムと戦うよりも、血盟軍の奇襲の効果が続いている間に死者スレにおいておまえの実力を発揮させたい」
「ではその役目、我ら拳王軍が引き受けよう」

 そこで都庁殲滅に名乗り出た男たち、拳王軍だ。

「拳王……確かにおまえたちほどの実力者なら都庁のヘルヘイムにも対抗できるだろうが……」
「都庁のヘルヘイム、そしてインベスという下賎な輩に我ら拳王軍が野球の試合を申し込み、王とやらも含めて全員屠る。
野球の試合をしなくても全員は屠るまでよ」
「ネットの情報によるとインベスたちは東京において多くの参加者を殺して回っているそうだ。
そんな凶悪な奴らは滅ぼすまでだ……!」
「黒幕をぶち殺す前座に、このクソッタレな殺し合いを助長する畜生どもを一匹残らず皆殺しにしてやる!」
(関東にはイチローさんがいる……チームもだいぶ集まってきたし、是非とも会いにいかなくては!)
(働けばハチミツをもっともらえるかな?)
「拳王たるこの俺からしてみれば、そやつらとはいつかは覇を賭けて戦う時が来ると思っていた。
その時が黒幕とやらと戦う前か後になるかだけだ」
「拳王さんたちほどの実力ならインベスもきっと殲滅できるでしょう。
後は、ビッグサイトを本拠地にしている大量のDMC狂信者が気がかりなところですが……もののついでにその人たちも倒してきましょう。
そうすれば背後を取られる心配もなくなりますね」

 この場にいない出っ歯さんや黒狸を除いて、拳王軍全員が都庁殲滅及び東京平定に乗り気であった。
 ヘルヘイムやDMC狂信者どもは涙目だな。

「ハクメンさんと、そして野球で役に立たない……もとい、熱斗くんたちのようにスタメンに入ってないメンバーを死者スレ攻略に割り当てます。
後は拳王さんが東京を平定して、東京から富士まで移動する時間を込みで考えても三時間以内にはそちらに合流できますね。
血盟軍のBHさんが戻ってこれれば、なお早く迎えると思います」
「なるほど……それでは東京は拳王軍に任せよう」

 拳王軍スタメンに入ってないメンバーは死者スレで黒幕と戦う側に回る……あ、スタメン落ち確定の私は死者スレ側だな。
 将軍も拳王とタクアンさんの案には賛成したようだ。
 さっき、死者スレ攻めは将軍自身が自分たちだけで行うつもりだったと言っていた上に、タフな血盟軍の超人連中も早々全滅はしないだろうし、拳王軍が抜けた分もたぶんなんとかなるでしょう。

「後は食料を調達しにいった連中さえ戻れば、すぐにでも出港できるのだがな……」
「うむ、殿馬とクロえもんがいなければ、次のキャッチャーやファーストだけだなくセカンドとサードにまで穴ができてしまうな」
「スタメンについては僕とムギちゃんでおいおい考えるさ」
「焦りは禁物ですよ。熱斗くんたちもきっと帰ってきますから」

 そう、タクアンさんが言ったとおり、ロワにおいて焦りは禁物。
 なるようしかならないんだ。
 幸い、主催は九州で超人たちの奇襲を食らってアタフタしているだろうし、ヘルヘイムとビッグサイトも東京、黒幕は富士山と、主だったマーダーや敵対者はみんな遠い場所にいる。
 この船が出港し、主戦場の関東に着くまでの間はゆっくりできそうだな。

 ……ふう、そういえば紅白戦で汗をかいたまんまだったな(私はほとんど動いてないけど)。
 ちと汗臭いのが気になるし、今のうちに温かいシャワーでも浴びとくか。


 #

848地上に輝け死兆星☆:2014/10/22(水) 14:24:12 ID:.wUTz3T.0


拳王軍をラオウ以上にコントロールしてきた琴吹紬は、大物との説得交渉に加えて野球もできる優秀な娘であった。
……だが、そんな彼女も時には間違いを犯す。
ベジータが持ってきた高虎のパソコンのデータを見て、特徴の一致から都庁にできた世界樹をヘルヘイムの森と勘違いしてしまったのだ。
彼ら都庁の魔物は条件付きではあれど本来は拳王軍と志を共にする対主催であるが、天魔王軍がかつてネットで行った情報操作によって都庁の魔物=凶悪なものとされ、悪魔将軍にもたらされた情報により拳王軍の中では都庁の魔物はインベスであると思い込んでいる。
特に拳王軍の中では紬の存在が大きく、彼女に頼ってきたことも相まって、彼女の過失を疑うものは誰ひとりいなかった。
このまま間違いに気づかねば、関東で対主催同士の争いに発展し、血で血を洗う悲しき戦いが待っているだろう。

そして、シグナムは暢気にシャワーを浴びてる場合ではなかった……主催や黒幕、関東で幅を利かせている勢力ばかりに目が行き、現在進行形で死国組の面子を次々に暗殺しているジョーカーの存在や、自分たちを討伐せんと向かってくる対主催集団の存在に気づいていなかったのだった……


教訓:置き引きは犯罪です。
   勝手に他人の者を持ち出すのは止めましょう。
   何が言いたいかと言うとベジータが全部悪い。


【二日目・7時30分/大阪府・超弩級戦艦『死国』】
※デュークと緑間の死体が水葬されました
※現在、死国に残っている全員がヘルヘイムの森について知り、都庁にできたヘルヘイム(誤解)を殲滅するために拳王軍が討伐に向かうことになりました

【ラオウ@北斗の拳】
【状態】健康、首輪解除
【装備】炭酸水
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:ダース・ベイダ―たちを倒す
0:主催者チームを全員屠る
1:そして、拳王が新たな時代を作る
2:東京へ行き、拳王軍を率いて都庁のヘルヘイムを屠る
3:死兆星から使者の小娘を配下にしたぞ!
4:トキ似の男を配下にしたぞ!
5:強そうな鎧の女を配下にしたぞ!
6:謎の黒猫たちを配下にしたぞ!
7:なんかいろいろ配下にしたぞ!
8:悪魔将軍たちと協力体制を取るぞ!

【琴吹紬@けいおん!】
【状態】精神的にぶっ飛んでる、左手骨折、首輪解除
【装備】超弩級戦艦『死国』、キーボード、現金1兆円ほどが入った特注ジュラルミンケース
【道具】支給品一式、たくあん@現実、その他不明
【思考】基本:生き残ることを最優先
0:死者スレに向かう悪魔将軍と熱斗組を支援するべく、都庁のヘルヘイムを打ち倒す
1:新スターティングメンバーを選考する
2:拳王とやらの配下になる
※今までとは別人に決まってんだろ!!いい加減にしろ!!
※核ミサイルは超弩級戦艦『死国』に改造されました。
※ベジータの所持していたパソコンからヘルヘイムの情報を得ました、そして都庁の世界樹をヘルヘイムによるものだと誤解しています

【平等院鳳凰@新テニスの王子様】
【状態】健康、悲しみ、首輪解除
【装備】テニスラケット、テニスボール×∞、諭吉一枚
【道具】支給品一式、少年ジャンプとヤンジャン、その他不明
【思考】基本:主催者達を滅ぼす
1:マーダーも滅ぼす
2:ラオウたちと行動する
3:テニスがしたいが、野球をする
4:デューク……

【MEIKO@VOCALOID】
【状態】腹部にダメージ(大)、修羅化、首輪解除
【装備】アルティメットアーマー@ロックマンXシリーズ
【道具】支給品一式、ノートパソコン@現実
【思考】 基本:『真の黒幕』及び主催者共の皆殺し
1:ラオウ達に協力してもらう
2:ヘルヘイムのインベスはとりあえず皆殺し
※今までとは別人です。
※『無限の回転』を習得しました

【プニキ@くまのプ○さんのホームランダービー】
【状態】健康、全ステータスMAX、首輪解除
【装備】木の棒
【道具】支給品一式、最高級ハチミツ、その他不明
【思考】基本:ムギさんからハチミツを貰うために主催者たちを野球で潰す
1:ホームランを打つ

【川崎宗則@現実?】
【状態】健康、ウキウキ、首輪解除
【装備】バット、ボール、グラブ
【道具】支給品一式
【思考】基本:イチローを倒してでも、マリナーズに連れ戻す
1:関東からイチローさんの気配がする

849地上に輝け死兆星☆:2014/10/22(水) 14:24:56 ID:.wUTz3T.0

【シグナム@リリカルなのはシリーズ】
【状態】健康、自称フリーター、首輪解除
【装備】レヴァンティン
【道具】支給品一式、PET(カーネル入り) 、SPW財団以上の資金とか多数のレアチップ、シンクロチップ
【思考】基本:働かなくて済むように動く
0:ひとまずシャワーを浴びたい
1:熱斗たちについてくる
2:主催者たちは倒す
3:そろそろ、本気出したい
4:『真の黒幕』と戦ってみたい
※今までとは別人ですが記憶(と一部能力)を受け継いでいます
※PSP版の技は使えませんが、念能力が使えます
※キン肉マンの知識があります
※首輪解除の技術を持っています

【カーネル@ロックマンエグゼ】
【状態】HP満タン
【装備】カーネルのブレード
【道具】なし
【思考】基本:ロワの破壊
1:今は(仕方ないので)シグナムに従う
※PETの中にいます

【光祐一郎@ロックマンエグゼ】
【状態】サイボーグ化、首輪解除、高速艇製作中
【装備】なし
【道具】支給品一式、自作爆弾
【思考】基本:息子たちをサポートする。
0:死国を使って、関東まで仲間たちを運ぶ
1:主催者について調べる
2:できれば九州ロボを取り戻したい
3:熱斗たち遅いなあ……
4:息子たちのために念のため、港に高速艇を用意する
※九州ロボの制作を提案した人物がいるようです
※カオスロワちゃんねるにより、危険人物扱いのレッテルを貼られました
※製作中の高速艇は死国組の誰かでないと動かせない仕組みになっています

【デューオ@ロックマンエグゼ4】
【状態】HP満タン
【装備】ジャスティスワン、ザ・ワールド
【道具】なし
【思考】基本;とりあえず、ディオたちを見守る
1:死国に対主催達を乗せて、九州ロボ及び主催者を殺す
2:ディオの奴、まだ戻らないのか?
3:恐ろしいなあ、ヘルヘイム
※超弩級戦艦『死国』のメインAIになりました。
※キン肉マン(旧シリーズ)全巻を読み、友情パワーに目覚めました。
※36巻以降の知識(完璧・無量大数軍編)以降の知識はありません。
※ベジータの持っていたパソコンから情報を抜き出し、ヘルヘイムの情報を得ました

【ルドル・フォン・シュトロハイム@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】首輪解除
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明
【思考】基本:主催共に一泡吹かせる
1:祐一郎達と行動する
2:雷電は確実に倒す
3:ブロッケンjr.を全面的に信頼

【アドラー@エヌアイン完全世界】
【状態】それなりに健康、首輪解除
【装備】電光機関@エヌアイン完全世界、四次元ポケット(中身入り)@ドラえもん
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:ダイアー達と行動する
0:俺は……アドラー……えもん
1:ブロッケンjr.を全面的に信頼

850地上に輝け死兆星☆:2014/10/22(水) 14:25:15 ID:.wUTz3T.0

【悪魔将軍@キン肉マン】
【状態】健康、首輪解除
【装備】黄金のマスク、サウザーのバイク@北斗の拳
【道具】不明
【思考】基本:主催達の抹殺
1:死者スレに向かい、死者スレの破壊及び真の黒幕である『あやつ』の抹殺
2:他の悪魔超人たちには陽動を及び危険因子の排除
3:都庁のヘルヘイムは拳王軍に殲滅させる
4:8時までに戻ってこないようなら熱斗たちは置いていく
※完璧・壱式ゴールドマンです
※フォレスト・セル(ヘルヘイムの王と誤解している)の力を感知しています

【ハクメン@BLAZBLUE】
【状態】健康、unlimitedモード
【装備】斬魔・鳴神
【道具】支給品一式
【思考】基本:『悪』を滅する
1:主催及び世界に災いをもたらす者を『刈り取る』
2:風鳴翼は滅する
※勾玉ゲージ等の状態は次の書き手に任せます
※unlimitedモードに入りました

【高山春香@桜Trick】
【状態】健康、首輪解除
【装備】野球のユニフォーム
【道具】なし
【思考】
基本:優ちゃんとイチャイチャする

【園田優@桜Trick】
【状態】健康、首輪解除
【装備】野球のユニフォーム
【道具】なし
【思考】
基本:春香と一緒

851魔都シンジュク:2014/10/27(月) 22:28:31 ID:bISRWHrk0
【TCBR二日目・午前7時20分頃】

 この時、カオスロワちゃんねるは大いに盛り上がった。
 新たにスレが乱立され、多くの参加者は正確な情報を求めて右往左往。
 祐一郎さんご一行が戦艦『死国』を完成させ、その砲撃により兵庫県を崩壊させた事件の熱が冷める前にだ。

【緊急速報・都庁の地下から明らかにやばすぎる奴が出てきた】

 世界樹の核たる存在、フォレスト・セルがついに地上にその姿を現したのだ。
 都庁を統べるとされていた金色の巨龍さえ可愛く思えるほどの、圧倒的な迫力。
 そしておよそこの世の生命体とは思えぬ、形容しがたき姿。
 おぞましい雄叫びと共に地面をぶち抜き現れた異形のそれは、恐怖の対象となるには十分過ぎた。

【非常事態・都庁に新しい赤いドラゴンまで合流した】

 その僅か数分後、高速で都庁を目指していた赤い龍の姿を、一部の参加者は見てしまった。
 異形の怪物が、その際に龍を撃墜するような真似はしていない。
 そもそも都庁の地下から出現している以上、怪物も都庁の魔物の一人と判断すべきなのだろう。
 数時間前、各地で暴虐非道のかぎりをつくしているDMC狂信者の軍団を返り討ちにし、一人残らず土に還した都庁軍。
 それに加えて新たな怪物と追加の龍まで現れたとなっては、いよいよ都庁に対する恐怖の感情は最高潮である。
 それまで打倒都庁と書き込んでいた参加者でさえ、怯えてしまっている。
 もはや、警戒ではすまない。ただただ、参加者達は都庁の軍勢に恐怖していた……


――――



『俺は、バサラという男に出会って歌の素晴らしさと、歌を愛する者の素晴らしさを知った。
 そこに人間も魔物も機械も、種族や国境など関係ない。どうか、今少し考えてくれないか?』
『ふむ、我ら三竜一顔がいかついお前を恐れぬ人間達か……私は、まどかの意思を尊重しよう』
『……』


 都庁の、いや世界樹内の大広間には、とうとう三竜が揃い踏みとなっていた。
 圧倒的な三体の竜の会話を、周りにいる者達は固唾を飲んで見守る。

 そこには、実に多種多様な者が存在していた。
 東京都庁を乗っ取り、世界樹を完成させて生活する魔物達。
 殺し合いで多くの命が失われていく様を見てきて、それぞれの思いを胸にここまで生きてきた人間達。
 戦闘能力もピンからキリまで、国籍も年齢も何もかも全てがバラバラな集団。
 だが彼らはある一つの目的のために、紆余曲折の末ここに集まった。

『……わかっているさ、我も。迎え入れよう、赤竜とその仲間達よ。
 ――主催者を討つというためならば、我らもこの牙と爪を存分に振るってくれる』

 対主催、殺し合いの破壊。それがこの場に集まった者達の共通の目的だ。

852魔都シンジュク:2014/10/27(月) 22:28:57 ID:bISRWHrk0
 都庁の魔物を率いていた金竜の承諾が降り、赤竜の仲間達は大いに喜ぶ。
 その中には妙なきぐるみを着込んだ少女もいたが、まだその珍妙なブツを脱ぐことはできないでいた。
 確かに、赤と蒼と金、魔物の長たる三竜とは和解が成立した。
 だが現在、実質的に魔物を纏め率いているのは魔王。
 そしてこの都庁において、人間の身でありながら三竜をまとめて葬れる青年だ。

「……」
『……』

 今度は三竜も混ざり、二人の反応を固唾を飲んで見守った。
 ひっそりとこの二人が機械的な奴は見敵必殺思考であると聞かされていたフェイは、特に緊張しながら。

「戦力が増えることは、こちらとしても喜ばしい。
 そちらが我らを敵視しないのであれば、私も力を貸そう。ただし、よく覚えておくのだな。
 たとえここの魔物が今後許そうとも、世界樹を傷つけ、行き過ぎた化学兵器に頼った場合には……私は容赦しない」

 放たれる覇気に、フェイとつい先刻までガンダム(機動兵器)に乗っていたロックオンは思わず怯む。
 だが、この魔王も愚かではない。おそらくだが、この殺し合いの最中だけは多少そういったものを使っても許されるだろう。
 多分きっとおそらくだが。
 とにかく、これで魔王の許可も降りた。残るは一人。

「やれやれ……」

 そういいながら溜息をついた青年の動きに、その場の全員が身構えた。
 彼を知る都庁の魔物や魔法少女は勿論、来たばかりの赤竜達もだ。
 フォレスト・セルを除けば、彼はこの場にいる全員をあっという間に惨殺できるだけの力を持っているのだ。
 人間の姿であることが、余計に恐怖心を煽る。悪魔超人であるスニゲーターさえ、冷や汗を隠そうともしない。

「……レストさん」

 そんな中、ただ一人だけが怯むことなく彼をじっと見据えていた。
 その真っ直ぐな瞳の持ち主は、世界樹の巫女となったまどかだ。
 いかに彼女が世界樹の加護を受ける身となったとはいえ、それでも勝てないであろう相手を前に、一歩も退かない。

「わかったよ、僕の敗けだ。僕の力、もう一度……人のためにも使おう」
「それじゃあ!」
「積もる話はあるかもしれないけど、さあまずは手始めにその邪魔なものを外しちゃおうか」

 そして最後の番人も、ついに折れる。
 心底まいったといった表情を浮かべながらも、その両手には自作と思われる道具をいつの間にか握っていた。

 突風が吹きぬける錯覚を、誰もが覚える。

 次の瞬間には、次々に首輪の残骸が地面に落ちていく。
 つけられていた時間は決して長くはないはずだが、それでもまるで長年の呪縛から解き放たれたような解放感。
 瞬く間にその解放感を誰もが味わう。これでここに集まった者は、爆死の恐怖から救われた。

 一部から沸き起こる歓声。
 もう盗聴されることも、一方的に命を奪われることもない。
 同じ土俵に立った主催者を相手に、世界樹にて人と魔が手を組んで牙をむく。


――――

853魔都シンジュク:2014/10/27(月) 22:29:28 ID:bISRWHrk0
『さて、全員集まったか。まずは我らを恐れず、ここに集ってくれた者達に感謝を』

 金竜の言葉の後に、それぞれの竜が頭を垂らして人間でいうお辞儀をする。
 大広間には木製の椅子とテーブルが用意され、そこにはここに集った面々が全て揃っていた。
 なおトリンのみ、通訳担当ということで三竜の横が定位置となっている。

『正直なところ、我もまだ人間と言う種族全てへの憎しみがなくなったわけではない。それは諸君らも同じだろう。
 しかしながら、同時にまだ我々を理解しようとしてくれる人間も多く存在することも知ることができた。
 この場に限らず以後も諸君らと友好的な関係を築けるよう、我ら魔物も尽力していく所存だ。
 そのためにもまずはこの殺し合いの環境を終わらせることが先決だが、敵は主催者だけではない。
 これから我らが掴んでいる敵対勢力の情報をあげていくが、何かあれば遠慮なく挙手で意見を頼む』

 その後、都庁の軍勢のそれぞれの口から主な警戒すべき存在の情報が語られる。
 第一に、放送でも指名手配された風鳴翼。下手に挑んでは逆に相手を強化させてしまうことや、
 謎の物質のことも含めて最重要警戒人物であることなどが全員に伝えられた。
 第二に、各地を闊歩するDMC狂信者。世界樹内部にまでスパイが潜り込んでいたことや、
 襲撃を返り討ちにしてなお把握しきれない程の大軍勢であることなどが伝えられた。
 そして……

「あのー、ちょっといいかな?」
『はい、そこの妙に膨れた少女……フェイだったか。む、壇上に上がりたいのか?』
(この着ぐるみ動きにくい……なんでこんな太ましいの)

 よたよたと移動しながら、フェイが金竜に代わって壇上に立った。

「まだほとんどの人がその存在を知らないみたいだけど、天魔王軍という恐ろしい集団がいるの!
 殺人や略奪行為をこの都庁の魔物になすりつけて、ずっと前から暗躍していたんだと思う。
 天魔王軍がネットの情報操作をしていたということは、私が直接この耳で聞いたから間違いない。
 トップはデミーラと呼ばれていたオカマ。それに三体のマシ―ンモンスターとワイヤーや空間転移する怪人がいたわ!」
 
 フェイからもたらされた情報に、一気に広間はざわめいた。
 魔物達は自分達に濡れ衣を着せ続けていた新たな敵の存在に憤り、人間達はなるほどそういうことだったのかと納得をする。
 都庁軍と既に情報交換をしていた者は、彼らの話と実際の被害の食い違いをずっと疑問に思っていたのだ。
 そもそも信じていた情報が偽りのものであったのであれば、その疑問も解消される。

「ちょ、ちょっと待って!」
「デミーラって名前のオカマなんて、一人しか思いつかなないぞ!?」

 そしてそれを聞いた二名、あかりと日之影が勢いよく立ち上がる。
 暗躍しつづけていた天魔王軍の情報は、ほとんど出回っていない。
 しかしこの二人に限っては、その名前に聞き覚えがあったのである。

「そこの霞んで見える人達、天魔王軍について知ってるの!?」
「あ、ああ。とは言ってもゲームの話なんだがな。ドラゴンクエスト7ってゲームのラスボスがオルゴ・デミーラって奴だ。
 その正体はムカデみたいなドラゴンで、それを隠すための人間形態が何故かオカマ口調だったんでよく覚えてる。
 しかしまさか、ゲームの中の魔王が実在して暴れているってのか? メガザルの腕輪が実在していたのは確かだが……」
「もしかすると、その三体のマシーンモンスターも……」

 かつて、激戦に続く激戦で日之影は片腕を失い、黒子は顔の皮膚を失い、小町は生死の境を彷徨った。
 そんな彼らを救ったのは混沌の騎士の命とメガザルの腕輪。ゲーム内だけの存在と思われているものだった。
 しかしそれが実在していた以上、ゲーム内の装備品だけでなくキャラクターが実在していても不思議ではない。
 思わぬところからの有力な手掛かりに、視線が一気に二人に集まる。

854魔都シンジュク:2014/10/27(月) 22:29:59 ID:bISRWHrk0
「――マシーンモンスターの特徴は大体こんな感じよ」
「うーん、核爆弾を乱射するのは知らないけど、間違いなく残りの二人はエビルエスタークとキラーマジンガだね」
「両方共最強クラスの敵だ。エビルエスタークは猛毒に弱いという欠点があるが、キラーマジンガはただ単純に強い。
 特にあいつはドラゴンとメタル系の相手に対して特効の斬撃を繰り返すから、ここの魔物とはかなり相性が悪いな」
「オルゴ・デミーラもゲームの中だと弱いんだけど、完全な状態じゃない時に戦うんだよね。
 本気の本物がどれだけ強いのかはわからないや……でもきっと、人間形態が一番手強いはずだよ」
「ゲームでは俺、羊の群召喚しまくって速攻で倒しちまったから行動パターンは覚えてねえな……」

 ある程度の情報が集まり、天魔王軍への対策も不可能ではなくなった。
 ゲーム通りであれば、卑怯な手段を使うことなく真っ向から神を打ち倒す程の力を持つ恐ろしい魔王らしいが、
 今の世界樹にも強力な魔王がいる。決して勝ち目がない相手ということもないだろう。

『皆、情報提供感謝する。とりあえず天魔王軍には地獄を見せる方針でいこうと思う。
 機械兵器に我らを貶めようとする魔王などに、一切の遠慮はいらぬ!』
「次は私ですね。少し前にここを訪ねてきたブリーフ博士達から頂いたものですが、主催者陣営の情報が少しあります」

 続いてサクヤの持つパソコンに、主催者陣営の名簿が映される。
 あいにく世界樹内にはプロジェクターとかそういったものはないので(というか不要と判断され捨てられた)
 大勢が小さなパソコンに群がるという妙な光景が生まれてしまった。
 しかしこの名簿に書かれた名前等を記憶しておけば、ジョーカーとして忍び込まれることもないだろう重要な情報。
 全員が食い入るように見つめ、その内容を頭に叩き込んでいく。

「――さて、主催者の情報はこれくらいでしょうか。次に……ある種主催者以上に厄介な拳王連合軍についてです。
 彼らに関しての情報は溢れかえっていましたが、一言で言い表すなら殺戮集団以外には考えられません。
 少し調べただけでも、彼らと野球を行ったチームは皆殺し、広島県を焦土に変えた瞬間の動画もありました。
 さらに九州ロボへの砲撃、兵庫県への砲撃も確認されており、大地としての損害は甚大。
 世界樹をあちらにも生やしたとしても、完全に元通りにするには長い年月が必要となりそうです……」

 魔物達が、一気に騒がしくなる。彼らからすれば……いや人間からしても貴重な住み場所を奪われたのだ。
 それもちょっとやそっとではない、壊滅的な被害。自然災害で破壊された街ですら復興には数年がかかる。
 それだというのに、人為的に圧倒的な力で破壊されたとなっては……広島と兵庫が元に戻るのはいつになるだろうか。

「さらにそれだけではなく、機動兵器に乗って連合の一部人員が大阪の街に降り立ち、略奪行為を行っているそうです。
 ほとんどの人は避難しているそうですが、一部には小町さん達への悲痛な救援要請などもありました……」
「そっか、あたいがあの時に巨大ロボを止めたからみんな……
 そうだ、忘れるところだった! 白いお侍のおかげでなんとかなったけど、あの時大阪も強力な砲撃を受けたんだよ!」

 小町の言葉に、さらに周りがざわつく。
 これで広島、兵庫、九州、そして大阪。近畿地方を中心とした破壊活動の数々は、とても無視できるものではない。

855魔都シンジュク:2014/10/27(月) 22:30:34 ID:bISRWHrk0
「彼らは首輪も容易く外しており、一部では主催者とも繋がりがあるのではないかと――」
『もういい。ここまでの行いで、連中に対して我らが取るべき行動はただ一つ。
 ――皆殺しだ。これ以上連中を放置すれば、次々に廃地を増やされてしまう。迅速かつ徹底的に潰す必要がある。
 いかな理由であれ、大地を焼き払い続けた事実は変わらぬ以上、もはや対話の余地も無し!」
「私も同意見だな。冷酷な行為に加えて高い実力、仮に生かして拷問するにしても全力であたらねばこちらがやられる。
 この件に関しては反対する者もいるかもしれないが、先に言った通り私はこういった相手には容赦する気はない。
 影薄と魔法少女達も、文句は言わせぬぞ。協定は結んだが、そういった人間は殺す旨は伝えた筈だからな」

 金竜の咆哮にあわせるように魔物達は雄叫びをあげ、ダオスの静かながらも怒りに満ちた声に人間は黙り込む。
 だが元より、この方針に反対する人間はこの場にはいなかった。
 誰もが純粋な対主催であり、無益な犠牲を嫌う者達ばかりではあるが、ことこの拳王連合軍に関してだけは例外だった。
 既に彼らのせいで多くの命が失われており、都庁の行いが情報操作によるものだとわかった今となっては、
 おそらくDMC狂信者以上に人を殺めているであろう拳王連合軍は最悪最強のマーダー集団だ。
 あまりにも冷酷非道な行為の数々を知ってしまえば、どんな聖人であろうと説得は諦める。
 もう殺して次なる被害を抑えること以外、誰も思いつかなかったのである。

「どうしてなのよ……魔女や魔物が絶対悪だと思ってたのに、一番酷いのが人間だなんて……!」
「拳王連合軍、悪魔ですらここまでひでぇことはしないぞ……!」
「こんなの、あんまりだよ……」

 パソコンに、広島と兵庫が滅び去る瞬間の動画が映される。
 あまりの所業に、正義の魔法少女であろうとし続けていたさやかは拳をふるわせて。
 外見や肩書に反して意外と涙もろいスニゲーターは必死に涙をこらえて。
 人間と魔物の共存を願い、巫女となったまどかさえもが、拳王連合軍は殺してでも止めるしかないと考えていた。

『……これで、主だった危険人物は全てあがったか。
 風鳴翼の現在位置が埼玉周辺であり、また迂闊に手を出せない相手である以上これの討伐は一時保留だ。
 主催者を確実に滅ぼすにはやはり最低限関東地域の平定が必要となる以上、こちらも後だ。
 そうなると我らの優先して倒すべき存在は
 ○DMC狂信者軍 ○天魔王軍 ○拳王連合軍
 となる。いずれも強敵ではあるが、まずはこれを討伐しないことには始まらない。
 幸いなことに、ここにいる鹿目まどかのおかげで外にいるフォレスト・セルは暴走することなく、彼女の配下についた。
 巨体過ぎる故最終決戦でもない限り極力移動はさせられないが、ここを守る最強の固定砲台なのは間違いない。
 ああちなみに、出現時に開けた大穴は今メガボスゴドラが猛スピードで植林しつつ埋めているから安心してほしい。
 これにより、我ら三竜や他の者もも守りから攻めに転ずることが可能となった。
 よって我は諸君らとの連合軍を結成し、これら敵対勢力の殲滅に乗り出そうと考える!』


――――

856魔都シンジュク:2014/10/27(月) 22:31:02 ID:bISRWHrk0
「おそらく、DMC狂信者軍は再度ここを攻めてくる。
 フォレスト・セルの過剰な火力であれば9割方は消し飛ばせるだろうが、連中は意外と妙な技能持ちが多い。
 なんらかの手段を使い、フォレスト・セルの攻撃を掻い潜って内部に侵入してくる可能性もあるだろう。
 それに備えて、内部にも戦力は残しておく必要がある。情報収集、他参加者を説得できるよう人間も必須だ。
 世界樹防衛【○迎撃戦力部隊 ○後方支援部隊】 外敵討伐【○拳王連合軍討伐部隊 ○天魔王軍討伐部隊】
 編成例としてはこうなるだろう。天魔王軍討伐部隊に関しては、道中で私達の誤解を解きつつ協力者を募る手もある」

 金竜とダオスの説明に、それぞれがいろいろと思案する。
 現状で世界樹内に集まった戦力は、この殺し合いにおいても最大規模なのはまず間違いない。
 食料も水もあり、ここで防衛だけに専念していればそうそう落とされることはないだろう。
 しかし赤竜が合流した今、これ以上このままでいても新たな戦力が増えるとは考えにくい。
 対して敵対勢力はいくらでも強引な手段で物資と人員を補給できる連中ばかりだ。
 防衛だけでは、勝てない。じりじりと消耗していってやがては敗北するだろう。
 これは兵力分散の愚ではなく、勝つための一手なのである。
 しかし部隊を分けるにしても、その編成には悩まない者がいるわけがない。
 何しろ会ったばかり、いがみ合っていた人間と魔物+αの玉石混合混沌連合なのだから。

『まあ、急いては事を仕損じるという言葉もある。
 まずは軽く親睦会といこう。それぞれ思うところがあるかもしれないが、どうか今は憎みあわず手を取り合ってくれ。
 交流の中で、意外と気が合う仲間となれる可能性もある。その者と共に新たなチームを組むこともいいだろう。
 腹が減っては戦はできぬ。レストが朝食を用意しているので、それもつまんでくれて構わない』
「一応言っとくけど、毒は入ってないから安心していいよ。万が一体調不良になっても解毒魔法も使えるし」


             こうして、人魔入り乱れた混沌の交流会は開かれた。



『な、やはり私の持論は正しかっただろう? ピンク髪の幼女は色々な意味で最高だった!』
『馬鹿かお前は。そもそもあの子は幼女に入るのか? やはり時代は高貴な金髪女騎士だろう?
 閃いた、そんな騎士を題材にした歌を歌って広めるというのも……』
『まったく、歌に目覚めたなら熟女にも目覚めてはどうだ? というか何故熟女の仲間を連れてこなかった』
「おい……なんか想像してた三竜と違うぞ?」
「うむ、これはあまり通訳したくないが、いやむしろ通訳した方が親しみは持ちやすいか?」

『むう、凄まじい力を感じるぞ! これはワニというよりも、恐竜か?』
「ん、俺のことか? 熊に蟷螂にドラゴン……ここの古参の魔物か」
『指導者の力も感じる。教官殿、我らFOEも鍛えて頂きたい。我らも、もっとリーダー達の力になりたいのです』

「あたいは行くとしたら、拳王連合軍を止めたいところなんだけどねぇ」
「あたしも、まだ魔物への抵抗感は残ってるんだけどさ……拳王を止める方が優先だってのはわかるよ」
「僕はそれよりもDMCの方が危険な相手に思える。バサラを殺した、憎い相手でもあるしね……」

「ちょ、この着ぐるみチャック壊れて脱げない!?」
「……脱ぐより、なにかしら着てる方がいいっすよ」
「あら、また姿が霞んで見える……あなたなんで服が葉っぱ3枚なの!?」
「好きでこんな格好になったんじゃないっすよ!?」

「……まだ完全とは言えないけど、本当に人と魔物の共存状態ができあがるなんてね。
 それだけじゃなく、僕でも絶対に懐かせられないだろうフォレスト・セルまで手懐けるなんて……
 色々な意味で、僕は君に負けたわけだね。本当に……すごいよ君は」
「えへへ、でもこの状態になったのは皆が歩み寄ってくれたおかげ。そしてセルちゃんは手懐けたんじゃない。
 お料理もここまでは作れないし、レストさんには何一つ勝ってないよ? 結局私はまだ何もできてないの。
 だから、これから頑張って皆を守って、人も魔物も一緒に仲良く暮らせるようにできたらいいなぁって」

857魔都シンジュク:2014/10/27(月) 22:31:33 ID:bISRWHrk0
「んんwwwwwこまちちに天の恵みステルスおもち、まどっちのおぱーいも何故か増量wwwwwwww
 そしてここにきてピヨっぱい追加とかwwwwww絶対領域も殺人的wwwwwやばい み な ぎ っ て 」
「オオナズチ、大概にしないと四源の舞(物理)ぶち込みますよ。先に封印の波動であなたのスキル全部封じてから」
「キリン娘wwwwww究極進化すると何故かおぱーい減量して見えるけどまさかパッd
「四源「こいつは私の獲物よ。まどかを性的な目でみたら口の中に大タル爆弾Gじゃ済まない威力の爆弾ぶちこんでやるから」
「サーセン……4Gで復活できて嬉しかっただけなんですぞwwwwwwwあ、ほむほむはそもそもまな板

カチッ

「悪は滅んだわ」
「ほむらさん、本当に爆弾放り投げたんですね……
 でも駄目ですよ、あんなのでも戦力なのは間違いないんですから。……お気持ちはよくわかりますけど」
「威力は加減してあるわ。少なくともこの食事中の間は喋れないだろうけど」
「ぴよぉ〜……二人とも女の子だから後方支援担当かとおもったら、ばりばりに前衛系だったんですね……」
「……正直、ここの魔物の火力が凄すぎて私でも火力不足だと思うのだけどね」
「私も舞で皆さんの援護担当が基本でしょうね」
「むむ、しかし先ほどの様子から察するにサクヤさんは情報収集も担当していましたよね?
 事務員代表、音無小鳥! 負けずにスマホでの情報収集やお茶の用意で頑張りますよ!
 早速カオスロワちゃんねるを……ってこれは!?」



250:呉島貴虎

流れを切ってしまってすまないが、少し協力してもらいたい
私は呉島貴虎という者だ。東京都庁に出現した森を破壊するための協力者を集めている

252:マル・デ・ナナシ

正気か?DMCの大軍も戦い慣れしてる警察官たちもほぼ一方的にやられたんだぜ?

253:ななしのほこり

あそこは祐一郎の死国と同じくらいに情報が少なすぎるぞ。誰かまとめはよ

257:名無しカーニバル

色々いたけど既に金色の連中だけで既に勝てる気がしない
動きが洗練されてるし、魔物だから頭は弱いって認識は捨てたほうがいいぞ

259:呉島貴虎

連中の強さは十分理解している。あれに正面から挑むのは馬鹿がすることだ
私の計画は、内部から都庁を爆破するもの。広大に張り巡らされた東京地下道を利用して都庁に侵入
そして確実に都庁を吹き飛ばせるだけの威力を持つ爆弾を起動させる

260:戦国大名無し

なるほど。だが都庁の凶悪な連中が内部に残ってたら起動する前に殺られるんじゃね?

263:呉島貴虎

そこはDMC狂信者を利用する。奴らは再び都庁を正面から一回目以上の大軍勢で攻める計画を立てているからな
DMCの戦力も極めて大きい。弱い魔物だけでは対処しきれず、確実に主戦力は迎撃のために都庁の外に出るだろう
その隙に爆弾を設置する

267:ナイナイ名無し

確かにいい計画だ。だが、未だに都庁内部の戦力は不明。主力ほどでなくても強力な魔物はいるのではないか?

858魔都シンジュク:2014/10/27(月) 22:32:38 ID:bISRWHrk0
268:呉島貴虎

私もこれでも戦いにはかなりの自信がある。さらにレベル99のスライムと究極邪龍というドラゴンの協力も得られた
それでも念には念を入れて、強力な協力者をまだまだ集めている
そのためにこの掲示板に書き込ませてもらった

270:ナナシ―A

万全の構えってわけか。でもそんな大事な計画ここに書いたら、都庁の連中にばれるんじゃないか!?

275:呉島貴虎

安心しろ。都庁の連中は機械類は全て放棄したとの情報を得ている
つまり連中はこの掲示板を見ることはできず、私は安全に多くの協力者を募ることができる

280:名無しにだって友情はあるんだ

すげえ!なんて冷静で的確な判断力なんだ!

283:ナナシ・ザ・サン

さすが呉島主任だ!

285:ドリアン

抱いて!

287:名無しの財宝

あんたあのメロンの人か!
やっぱりブドウよりもメロンだな!

290:呉島貴虎

この計画の要は、いかに早く都庁に侵入して尚且つ爆弾を仕掛けられるかだ
その最短ルートを探るために、まずは私自ら都庁の地下道を下見に行ってみようと思う
それまでの間、私に協力してくれる者はここに書き込んでくれるとありがたい

293:あなたの支給品は名無し

自ら率先して危険地帯に足を踏み入れるなんて、すげえ!


「「……………」」

 気がつけば、ほとんどの者が小鳥の持つスマホを覗き込んでいた。
 ある者は笑いをこらえ、ある者は驚き、ある者はかわいそうなものを見る目をしていた。
 確かに着眼点は悪くないのだが、実は既に都庁への地下からの侵入は出歯亀忍者が試していたりする。

「……オレサマコイツモマルカジリ?」

 そしてそんな最期を迎えているのである。戦力が整いきる前から、既に都庁は地下からの侵入にも難なく対処できる力はあった。
 さらに現在は第六階層までの道が開通し、激おこプンプン蟹ことメタルシザース等の魔物も呼ぼうと思えば呼べる。
 それでなくとも世界樹は成長と共に根を伸ばしており、元々あった下水道の地図などくその役にも立ちはしない。
 だが呉島貴虎に落ち度はない。スマホ持ちのモモ、サクヤ、小鳥はイレギュラー。少なすぎる情報がいけないのだ。

859魔都シンジュク:2014/10/27(月) 22:33:17 ID:bISRWHrk0
『……いや、既に我々がいることも、フォレスト・セルが出現したことも理解した上でこれを書いているのか?
 だとすれば腕に余程の自信があるということになる。新たな油断できぬ相手の登場ということか』
「とりあえず、交流会は一時中断としよう。現状最優先なのは、この呉島貴虎一味を捕縛することだ」
「「イエッサー」」

【二日目・7時50分/東京都・世界樹】

○人魔混合世界樹連合
【フォレスト・セル@新・世界樹の迷宮】
【氷嵐の支配者@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【雷鳴と共に現る者@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【偉大なる赤竜@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【ダオス@テイルズオブファンタジア】
【レスト@ルーンファクトリー4】
【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】
【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
【ウォークライ@セブンスドラゴン2020】
【メガボスゴドラ@ポケモン】
【聖煌天の麒麟・サクヤ@パズドラ】
【魂の裁断者@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【アイスシザース@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【死を呼ぶ骨竜@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【セプテントリオン・ミザール@デビルサバイバー2】
【小野塚小町@東方Project】
【日之影空洞@めだかボックス】
【東横桃子@咲-Saki-】
【黒子テツヤ@黒子のバスケ】
【赤座あかり@ゆるゆり】
【オオナズチ@モンスターハンターシリーズ】
【ケルベロス(小)@カードキャプターさくら】
【桃園ラブ@フレッシュプリキュア!】
【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
【渚カヲル@新世紀エヴァンゲリオン】
【ロックオン・ストラトス@機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-】
【賢神トリン@獣電戦隊キョウリュウジャー】
【スニゲーター@キン肉マン】
【音無小鳥@アイドルマスター】
【フェイ・イェンHD@スーパーロボット大戦UX】
【海底原人ラゴン@ウルトラQ】

現在の共通思考
1:呉島貴虎の捕縛
2:主催者及び危険な存在の討伐

※全員の首輪が解除されました
※いくつかの部隊に編成されますが、現時点では不明

860魔都シンジュク:2014/10/27(月) 22:33:50 ID:bISRWHrk0
「……!」

 その頃、(故)新宿公園の辺りを高速で移動する生物がいた。
 都庁軍の一人である、メガボスゴドラだ。その手際たるや無駄がなく、次々に植林して穴も埋めていく。
 首輪解除によりまどマギポータブル版の技【クロックアップ】が使用可能になったほむらの援護で、移動速度は通常の比ではない。
 こんなこともあろうかと、せっせと無限に色々入るデイバックにありったけの土と木を入れておいたメガボスゴドラに隙はなかった。
 エコポケモン代表として、元の新宿中央公園よりも美しくしてやろうと考えながら、植林は続けられる。
 そんな時、異物が目に入った。ズタボロになった羽毛布団だ。
 また人間がごみを放置したのかと呆れながら、それもしっかり回収して作業を再開するメガボスゴドラ。

 なぜ、こんなところに羽毛布団が? フォレスト・セルが埋まっていた場所にわざわざごみを?
 そこまで頭が回らなかったのは、一刻も早く元の姿に戻してやろうというはやる気持ちのせいであった。
 もし発見したのがメガボスゴドラでなくとも、誰もこの羽毛布団の残骸を気にする者はいないだろう。


――――


「……どこだ、ここは」

 きっしょく悪い髭を唸らせながら、男は起き上がった。
 そう――アリー・アル・サーシェスは生きていた!

 彼の命を救った要因は三つ存在する。
 第一に、フォレスト・セルが地層を破壊して地上に現れる際に使用した手段。
 世界樹本体への影響を少なくするために、デモンズラッシュで岩を高速で粉砕しながら登ったのだ。
 規格外の強さを持つフォレスト・セルの攻撃は、極限まで鍛えた冒険者と最高品質の装備でも一撃で粉砕されてしまうが……
 デモンズラッシュは速度重視、ランダム対象への8連続攻撃であり、一発だけならば前衛職なら素の状態でなんとか耐えられるのだ。
 まがりなりにもテラカオス化している戦闘狂のサーシェスの肉体がまさか後衛職と同等なわけがない。
 とはいえ、ここのフォレスト・セルは通常個体をさらに強化した化け物。
 理不尽すら超越しかねない、というか通常個体で既にゲームバランス度外視の攻撃能力を持ってるあたりで察してほしい。
 ここでサーシェスの命を救った第二の理由、ベクターが用意した羽毛布団が出てくる。
 実はあの羽毛布団、ただの羽毛布団じゃない。
 ベクターが用意したのは、高級羽毛布団だったのだ。高級なんだから、その柔らかさも一級品。
 羽毛布団はその包み込むような柔らかさで、デモンズラッシュ一発の威力をある程度受け流したのだ。
 さらにサーシェスは羽毛布団にくるまっていたため、サーシェスを貫くよりも先に布団が貫かれるのが先だ。
 これはつまり、二段階目の威力の減衰、羽毛布団一枚で、二度に渡りフォレスト・セルの攻撃を弱めたのだ。
 そして最後。サーシェスの気色悪い髭。まるで触手のようだが、実はこの髭、粘液が出てて本当に触手っぽい。
 つまり大量のぬめる髭、そのぬめり汁がサーシェスの身体に防護膜を作り、デモンズラッシュをさらに緩和させたのだ。
 代償として、羽毛布団に着てる服もデイバックも大破して、尚も衰えぬ衝撃でどこかに飛ばされてはしまったものの……
 生きていれば、きっといいことはあるさ。

【二日目・7時50分/日本・禁止エリア以外のどこか】
【アリー・アル・サーシェス@機動戦士ガンダム00】
【状態】ダメージ中、強い屈辱 、ヒゲが触手みたいになって伸びた、テラカオス化進行中
【装備】全裸
【道具】なし
【思考】基本:カオスロワという名の戦争を楽しむ
0:どこだここ?
1:参加者と主催者は片っ端から虐殺
2:赤いガンダム(ガンダムエピオン)には必ず雪辱を果たす
※新型ナノマシンにより、闘争本能等が増大しました。
※テラカオス化の影響で『いびきを一回する度に周囲に爆発の エフェクトが発生する』能力を得ました。
※テラカオス化の影響でさらに『髭が触手みたいになる』能力を得ました。
※髭からは粘液が滴っています
※主催の一員ですが、すっかり頭の中から抜けてしまいました。
※第三回放送を聞いていません。

861暴食マイウェイ!!:2014/11/02(日) 00:56:18 ID:h/4Zg/HA0


誰かが言った………


己の命を、住むべき土地をかけて争いあう、醜い者達がいると………


混沌から生まれし一つの存在によって『救済』されなければならない愚か者達がいると………


世は混沌(グルメ)時代………


未知なる餌を求めて、救済すべき時代………


※↑あくまでとある人物の主観による考えです。





「もうだめだぁ……おしまいだぁ……あんなの……勝てる訳がないよぉ………」
「く……そぉ……バケモンか……あの女は……ガハッ!!」
「お前らしっかりしろ……それでも息巻いて……『食人鬼倒そうZE☆』って言ってた奴らか?」
「お……俺にもよくわからないんだ……強力の神にそそのかされて無理矢理参加させられたんだ……」
「……ビッグボディ乙」

場所は埼玉と東京の県境周辺、荒川の土手。
そこは今や地獄絵図と化していた。
まあ元より今は殺し合いの最中、地獄絵図はどこも同じであろう。
東京は都庁の世界樹に巣くう魔物達のせいでパニック状態(天魔王軍の情報操作のせいでもあるが)。
大阪は拳王連合軍の上陸と略奪で阿鼻叫喚状態(これはやりたい放題のツケ、自業自得)。
だがこの二つは迂闊に手さえ出さなければ理不尽に殺される事は基本ない。
問題はこの場所、(便宜上)埼玉である。
忘れた訳ではあるまい。
この場所に今、『何』が練り歩いているかを。

862暴食マイウェイ!!:2014/11/02(日) 00:57:08 ID:h/4Zg/HA0



「アハハハ……私は今嬉しいぞ、実に嬉しい。こんなにも多くの者達が私に『救済』される為に集まってくれるとは
なぁ……歯応えこそなかったが、皆私の力になってくれるだろう。感謝するぞ? アハハハハ……」

禍々しい漆黒の武装に身を包み、周囲に黒い霧を纏う銀髪の少女。
風鳴翼……否、テラカオス・ディーヴァ。
主催者達の目論見により生まれたこの混沌の存在は、不気味に笑いながら周囲に散らばる者達に語りかける。

数時間前の定時放送で風鳴翼の討伐依頼は全国に伝えられた。
だが勘のいい者、知恵の周る者は先のバーダックの戦闘力を思い出し『なぜ彼が戦わないのか』とその依頼を不審に
思い、彼女に近づこうともしなかった。
中には都庁の軍勢や狸娘組などのように彼女の内なる危険性を察知した者達もいる。
だが世の中はそういった人物ばかりで構成されてはいない。
血の気の多い者、報酬に目が眩んだ者、正義感に燃える者、⑨な者。
そんな参加者達は皆こぞって彼女を討伐しに埼玉に駆けだしたのだった。

その結果が現在の惨状。
荒川の土手は血反吐を吐き、四肢をもがれ、己の無力さを嘆き、絶望する者達で溢れていた。
決して弱くない者もいたであろうに、なぜここまでの状況と化したのか?
原因はいくつかある。
一つに、テラカオスと化した彼女に関する情報が参加者間で不足していた事がある。
強力な再生能力、捕食による全属性攻撃への耐性、電撃・振動操作、近接格闘術、分裂と巨大化、怪力。
既にこれだけの能力を備えており、さらに埼玉県庁周辺のモブ参加者をまとめて食い荒らした事による身体能力の
強化によって、彼女の力は通常の参加者のそれをぶっちぎりで上回ってしまっている。
しかも覚醒間もない時間に彼女に襲われた者は情報をテラカオスちゃんねるに書き込む前に捕食されてしまったため、
実質テラカオス・ディーヴァはほぼ謎の存在も同然だったのである。

そしてもう一つ。
参加者達の統制が取れていなかった事もある。
魅力的すぎる報酬に目が眩んだ者達と、食人鬼から純粋に人々を守ろうとする者では、決定的に認識にズレが生じている。
皆が我先に「俺が倒す」「いやいや俺が」と飛びかかり、チームワークも何もない人海戦術が自動的に組みあがった事で
全員がほぼ烏合の衆と化し、結果として片っ端からテラカオスの攻撃で返り討ちにされてしまったのだ。
まさに彼らは東京都庁を数の暴力で攻め落とそうとしたDMC狂信者達と同じ失態を犯してしまったも同じだった。


「―――――さて」
「「「ひぃっ!?」」」

ひとしきり笑い終えた後、テラカオスはそこらじゅうに転がる参加者達に目を向け直す。
その一目でわかるギラついた視線を受け、全員が恐怖に駆られ身震いした。
これから何が起こるのか察したが故に。
無論逃げようとした者もいたが、大ダメージを受け、中には足をもがれた者もいたため皆身体が言う事を聞かない。
既に結末は見えていた。



「この世のすべての救済者(しょくざい)に感謝をこめて――――――い た だ き ま す」



食事は一瞬だった。
テラカオスの持つ停止時間でも1秒ずつ動ける能力を駆使した擬似的な高速移動により、周囲にいた参加者達は
皆、肉片も残さずこの世から姿を消した。
断末魔の悲鳴も、命乞いをする事も許される事無く。


【リグル・ナイトバグ@東方Project 捕食】
【ゼブラ@トリコ 捕食】
【城茂@仮面ライダーストロンガー 捕食】
【ダルメシマン@キン肉マン 捕食】
【ヒッポリト星人地獄のジャタール@ウルトラゼロファイト 捕食】
【その他参加者数十名 捕食】

863暴食マイウェイ!!:2014/11/02(日) 00:58:01 ID:h/4Zg/HA0


「ごちそうさまでした」

行儀よく手を合わせ、テラカオスは一礼してつぶやく。
そこだけ見ればマナーの良い女性だが、やっている行為が行為なのでとても褒められたものではない。

「アハハ……とても気分がいいな……これだけの者達が私の腹の中でもはや争う事も無く平和に過ごせるんだ。
こんなに嬉しい事はない……むっ?」

実に幸せな表情を浮かべていたテラカオスだったが、その表情はすぐに真面目な顔に戻る。
彼女は『未だ救済していない者(たべのこし)』を見つけたのだ。
周囲には血だまりがあるばかりで残った参加者の姿は見えない。
だが彼女は気付いていた。
つい先ほど捕食した完璧超人ダルメシマンの持つ人間の一京倍の嗅覚を手に入れた事で、この周囲に隠れ潜んでいる
であろう参加者の匂いを瞬時に嗅ぎ取ったのである。

「やれやれ……理解に苦しむ者達だ。私の救済を受け入れる気がないとは、わけがわからないぞ?」

どこぞの悪徳契約生物みたいな台詞を言いつつ、テラカオスは誰もいない土手の向こうへと振り返る。
そして軽く息を吸ったかと思うと―――――


「ボイスミサイル!」


テラカオスの口から発せられた巨大な音の塊が、無慈悲に前方の地形をえぐり取った。
これも先ほど捕食したゼブラの音を操る能力の一つである。
やがて濛々と上がる煙の向こう側から姿を現したのは―――――

「あ、あわわ……」
「に、逃げるんだぁ……」
「た、助けてくれぇ!」
「死にたくない、死にたくないぃぃぃぃぃ!!」

隠れ潜んでいた十数名の別の参加者達だった。
彼らもまた風鳴翼を討伐に来た集団だったが、先程の第1集団が戦っている最中も彼女が弱ってから出ていくべきだと
考える者や、様子見に徹する者が寄り集まって出来た集団となっていた。
簡単に言うといざ現場に来て尻込みした連中である。

「お前達なぜ逃げる? こんな殺し合いで血を流すよりも、争いのない私の中にいた方がずっと幸せなのだぞ?」
「ハァ!? 何言ってんだこの女!?」
「イカレてやがる! クレイジーだ!」
「お前それサバンナでも同じこと言えんの?」
「畜生主催の野郎、こんなふざけたバケモノの始末押しつけやがって! ぶっ殺してや――――」


「エレクトロファイヤー!」


参加者の怒声が飛び交う中、掛け声と共にテラカオスが地面に手刀を叩き付ける。
地面を流れてゆく高圧電流。
その瞬間、彼らは電撃に焼き尽くされ、終わった時には周囲に黒焦げの死体の山が築かれていた。
またも皆、悲鳴を上げる暇すらなかった。

「無礼な奴らだ……私がバケモノ? 違うな、私は救世主(メシア)だ!」

どこかの超サイヤ人のような台詞をのたまいつつ、テラカオスは改めて周囲を見渡す。
まだ救済していない者(たべのこし)はないだろうか。

「エコロケーション反響マップ!」

テラカオスの口から発せられた超音波により、周囲数10kmの地形や生物の位置が特定されていく。
1京倍の嗅覚も合わせて念入りに調べた。

864暴食マイウェイ!!:2014/11/02(日) 00:59:04 ID:h/4Zg/HA0

「……むぅ。どうやらこのあたりにいる者達はだいたい食べ尽くしたようだ。場所を移した方がよさそうだ。
できるだけ救済できる者が多い場所がいいが……」

次なる捕食の対象を探すべくテラカオスは思案を始める。
かつて覚醒前に素体となった風鳴翼に強大な手傷を負わせた都庁の連中へのリベンジも視野に入れると、万全を期すため
より強大な力を取り込む必要がある。
その辺にいる有象無象の連中を食べた所でこれ以上の強化はあまり見込めない。
無論すべての参加者を捕食という名の救済で救う事はもちろんだが、まずはメインとなる料理を食してからだ。
ゴロツキという名の間食は後からで構わない。

「……そうだ、確かネットに強者の情報が書かれているらしいな。参考になるかもしれん。どれ……」

捕食した者の記憶から人間達が使っているカオスロワちゃんねるの存在を思い出したテラカオスは、戦闘中に
誰かが落としたらしいスマホを見つけると手に取り、慣れた手つきで操作していった。
強い力を持った者を調べると、出てきた情報は3つ。
一つは自分もよく知っている都庁の軍勢。
もう一つは全国各地で猛威を振るっているDMC狂信者達。
そして最後に―――――

「拳王連合軍、か。大地を焦土にし、刃向う者は皆殺し……実に愚かで強い力を持った連中だ。アハハ……だが、
だからこそ私が救済せねばならないな。こんな理不尽で、混沌(カオス)な者達は!!」

一連の拳王連合軍への書き込みに目を通し、ニヤリと笑いながらつぶやくテラカオス。
確かに都庁の魔物達や、バラエティに富んだ面々を抱えるDMC狂信者達も魅力的だ。
だがテラカオスはあえて拳王連合を選んだ。
自身が混沌(カオス)の化身であるがゆえに、理不尽級にしてカオスな彼らに自然に惹かれたのだ。
彼女自身も自覚しないままに。


「だが、どうやら彼らは今大阪にいるらしい……私が救済する前に別の場所に行かれては面倒だな」

ネット情報によると彼らの現在地は大阪だと書かれていたが、彼らとていつまでもその場にはいない。
食料調達という用が済めば移動を始めるだろう。
彼女自身は飛行や擬似高速移動は可能だが、できる事なら道中に他の者達を救済しながら向かいたかった。
途中で思わぬ高級食材(つわもの)も見つかるかもしれないからだ。
まるで買い食いしながら旅行でもするかのような感覚である。

「おおそうだ……閃いたぞ」

そう言うとテラカオスはおもむろにスマホを操作し、何かをカオスロワちゃんねるに書き込んでいった。
そして数分後。



666:混沌の歌姫

この掲示板を見ているか、拳王連合軍。
私はカザナリツバサ。
お前達も放送で名前は知っているであろう。
私は今、この殺し合いの全ての参加者達を『救済』すべく活動している。
未だに愚かしい殺し合いを続ける人々を、争いも差別もない楽園へと導くために。
だが悲しい事に、私の救済を何故か拒む者も数多い。
そういった者達は私の前から逃げ隠れ、姿を眩ませ、無駄な抵抗を続ける。
故に私は彼らを何としても救うために更なる力を欲している。
簡単に言うとお前たちの力が必要なのだ。
私の力になってくれればお前達も楽園へと導かれる事となり、世界を救済する手助けをする事にもなる。
これは実に名誉な事だ。
私は今からお前達のいる大阪へと向かおうと思うが、動かずに待っていてくれたまえ。
お前達を一人残らず―――――スクってみせるからな。

865暴食マイウェイ!!:2014/11/02(日) 00:59:52 ID:h/4Zg/HA0



「これでいい。これで例え彼らが動き出したとしてもいずれ私を探し出すだろう。ああ楽しみだ、拳王連合軍。
早く彼らもスクってあげたいな……アハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」

書き込みを終え、テラカオスは高らかに笑い出した。
ちなみにさっき黒焦げにした参加者達も書き込んでいる間に捕食済みである。
おそらく拳王軍もこの書き込みを見れば自分を攻撃対象とするだろう。
そして彼らが近づいてきた時が、救済のチャンスだ。
というか例え書き込みが理解できなくとも「言葉の意味はよくわからんがとにかくすごい自信だ!」と判断されて
結果的に攻撃してくるかもしれない(これは流石に彼女も考えていなかったが)。

「さて下ごしらえは済んだ。早速向かうか……むっ、これは……」

拳王軍の元へ向かうべく意気揚々と歩き出した彼女は、転がっていたディパックのひとつから飛び出していた支給品の
ひとつに気付き足を止める。
何やらワニのような形をした巨大なそれは、何故か猛烈に彼女の琴線に触れた。

「これは実にいい乗り物だな! すべてを食らいスクう私によく似合う! 貰っていこう!」

そう言って彼女は横転していたそれを怪力で起こし、コックピットに乗り込むと操縦席(何故かバイク)に座り
アクセルを吹かした。
その瞬間、その乗り物―――電車―――の周囲を黒い霧が包み、カラーリングを漆黒へと染め上げた。
増大したテラカオスの力に取り込まれた証拠である。
自動で線路が地面に生成され、車体が動き出す。

「アハハ……実に気分がいいぞ。この気持ちを是非とも歌にしたいな……よし、歌おう。歌姫(ディーヴァ)を
名乗るならば歌をないがしろにしてはいかんな!」



同じ腹 収まる仲間
同じ世界 住まう仲間
お前らとなら
暴食 My Way!!

私達の 力合わせ
ぶつけたら 無敵だな
さぁ、見せてやろう

強き者は 命をくれる
だからすべてに 感謝して
い た だ き ま す !!

負けられぬ!! 止まらん!!
救済(ソレ)は譲れない
勝ち取るんだ!! Shock! Shock! 食King!!
テラカオス!! 無限大!!
この能力で貫け
暴食 My Way!!

楽園(テーブル)を囲むのだ
私達は 混沌(あした)の為に
Bo! Bo! 食!!



荒川周辺から、そんな物騒な歌を垂れ流しながら走る列車を見た。
そんな書き込みがしばらくしてカオスロワちゃんねるに書かれたという。

混沌の歌姫は、一路西へと向かった。


【二日目・7時30分/日本・東京と埼玉の県境周辺】

【テラカオス・ディーヴァ@テラカオスバトルロワイアル十周目】
【状態】損傷なし、首輪解除、厨二病全開、火水土風木電聖闇耐性(強)、嗅覚と聴覚強化、ガオウライナーを操縦中
【装備】シンフォギア・天羽々斬?(異常に禍々しく変化)@戦姫絶唱シンフォギア?、ガオウライナーキバ@仮面ライダー電王
【道具】支給品一式 、スマホ
【思考】基本:世界をカオスにする
1:世界から全ての者を救い尽くす(喰い尽くす)
2:大阪へ向かい、拳王連合軍を救う(喰らう)
3:何故皆救済を拒む? まるで意味が分からんぞ?
※風鳴翼・佐村ガウスフレミング02・天海春香・はるかさんの能力を継承しました
※テラカオスとしては未完成のため、テラカオスバトルロワイアル十周目の死者の能力は現在使用不能、進化すれば使えるようになるかもしれません
※風鳴翼の容姿や人格を色濃く受け継いでいます、ただし、進化するにつれて失われる可能性があります
※ダルメシマンの人間の1京倍の嗅覚、ゼブラの聴覚と音操作能力を特に強く継承しました
※レストの手により下げられたステータスは時間経過と捕食ですべて回復しました

866:2014/11/15(土) 04:55:29 ID:HkqqagO60
長崎県。
そこでは超人血盟軍の一人であり、悪魔超人の一角であるブロッケンJr.が先にザ・ニンジャと相討ちとなった風見幽香の狂信的ファンであるモブ主催兵士達との戦いを繰り広げていた。
数十分に及ぶ戦いの中でブロッケンの足元には大量の死体が山積みになっており、それでも生き残っているモブ兵士は犠牲に構うことなく攻め続ける。

「ベルリンの赤い雨! ベルリンの赤い雨! ……くッ、こいつら、やけにしぶとい!」
「ふははははは! 俺達は普段から幽香様に“ご褒美”を貰い続けてきたため、全員打たれ強くなっているのだ!」
「腕がちぎれ飛ぶ程度ではゆうかりん親衛隊は倒れん! モルヒネなど邪道! 痛みこそ喜び!」
「ゆうかりん社会の完成形は大多数のマゾヒストとそれらを統べる女王である」
「この変態共が! おまえらと遊んでいる暇はない! ベルリンの赤い雨!」
「ひでぶ!」「あべし!」「たわば!」

ゆうかりん親衛隊を名乗る兵士達は日頃から風見幽香にいじめられ続けた結果、モブの中でも心身ともに打たれ強くなっていた。
致命的なダメージを与えねば、ゾンビのようにすぐ立ち上がってくる。
おまけに飼い主である風見幽香が死んだことにより、我も続くぞと言わんばかりに捨て身でかかってくる。
さながらDMC狂信者のようなものであり、違いといえば崇めていた対照が二度と戻らないと思っているか思っていないかの認識の違いだけである。
とはいえ、彼らの前には束になったところで超人であるブロッケンの足元にも及ばない実力差という大きな壁がある。
どれだけ打たれ強かろうが、赤き手刀によって切り裂かれて死体の山を増やし、逆に親衛隊はどれだけ犠牲を払おうともブロッケンに攻撃が届くことはなかった。
多少粘り強くても15分もあればこの場の兵士はブロッケンによって駆逐はされるだろう。

そこへ空から3機の巨大ロボットと複数の戦闘機が現れた。
主催陣が持つ機動兵器であるマグネスファイブ、 マルス、ザマンダー、そして戦闘機のゴーストの群れだ。
援軍の到着に親衛隊は歓声を上げ、増援の出現にブロッケンは苦い顔をするのであった。

「変態共の次は巨大ロボか……!」

1機ならまだしも、一人で巨大ロボ3機を一度に相手にするのは分が悪いと感じたブロッケンは、この場は引くべきだと思い、退却を試みる。



……しかし、それを許す親衛隊ではなかった。

「今だ! 畳み掛けろ!」
「「「ジーク、ゆうかりん!!!」」」
「「「アイーム、ゆうかりん!!!」」」」
「「「オールハイル、ゆうかりん!!!」」」
「!?」

多くの親衛隊達がブロッケンに向かって一斉に畳みかかり、隙間も作らないように覆いかぶさったのだ。

「誰が乗っているのか知らんが、俺達に構わず撃て! 俺達ごと幽香様の仇を討ってくれ!」
「こいつら……自分達ごと俺を撃たせるつもりか?!」

なんと親衛隊達は自分達の肉体を檻にしてブロッケンを閉じ込め、巨大ロボに諸共吹き飛ばしてもらう気なのだ!
超人と言えど巨大ロボによる攻撃の直撃……特に複数機による集中砲火には耐えられない。
親衛隊の真意を知ったブロッケンはベルリンの赤い雨を持って大急ぎで肉の壁を切り裂き、掘るように脱出を図る。

「離せ! 貴様ら、離せ!!」
「幽香様、今お傍に参ります……」

だが、幽香によって(虐められて)鍛えられた者達は異常に打たれ強く、死ぬまで……いや、死んでもブロッケンを肉の檻から出さんと言わんばかりに脱出を拒む。
ブロッケンが辛うじて外の様子がわかるくらい切り進んだ頃には手遅れであった。
その頃には既に3機の機体が自分に向けて一斉攻撃を放っていた。

「ここまでか……」

そして、ブロッケンJr.と彼を囲う親衛隊に向けて、マグネスファイブ、 マルス、ザマンダーによる一斉砲火が雨のように降り注ぐ……


【ブロッケンJr.@キン肉マン 死亡確認】



「やったぞー! 仇を討ち取ったぞーーー!」

ブロッケンが消し炭になったことを確認したゆうかりん親衛隊の生き残りが歓声を上げる。
あの男一人によって半数以上の者達が死亡したが、全滅止むなしというダメ元で戦っていたことを考えれば大戦果であった。
なにはともあれ、超人血盟軍の一角が崩れ、結果として亡き幽香の仇の一人は討ち取ったのだ。
まだ侵入者は多く存在し、戦いは続いているとわかっていながらも、親衛隊は戦果を喜ばずにはいられなかった。

だが、その喜びも束の間のことであった。

「お前達のおかげで本当に助かった。 ありが……」

867:2014/11/15(土) 04:56:33 ID:HkqqagO60

一人のモブ親衛隊が救援に駆けつけてくれた巨大ロボにお礼を言おうとした瞬間。
そのモブが巨大ロボの1機に踏む潰されたのだ。
これには目を見開き驚く親衛隊達。

「な、なにィ!?」
「どうして味方が……ぎゃああああああああああ!!!」
「うわああああああああああああああ!!!」

さらに機動兵器達がブロッケンを殺した時のように、無慈悲な火の雨を親衛隊の頭上から降らした。
いくら打たれ強いといえど、巨大ロボの集中砲火に耐えられる道理はない。
そうして親衛隊はものの数分で壊滅した……
リングの上で永遠の眠り付いたザ・ニンジャや風見幽香の亡骸も、リングごと手洗い火葬を受けることになった。



――時は遡り、ロワ開始前。
すなわち、ユウキ=テルミがハザマとしての肉体を失っておらず、バット星人のグラシエが存命時の話である。

「グラシエさん、この機械をいくつかの機動兵器につけておいてください」
「ハザマ様、これは?」
「AIに作用する一種の外部装置です。
取り付けて、時が経てばロボット達は私達の手足として働いてくれますよ。
ビアン博士などに気づかれないようにこっそり仕掛けてくださいね?
なお、できなかった場合はあなたのお命を……」
「わ、わかりました。 必ずやり遂げましょう!」
「その意気ですよ。
従順に働けば、あなたのことを私の“中にいる方”も気に入り、きっと滅び行く世界からあなたの命を助けてくれるでしょう」
「………」


あなたは、いつぞやの話を覚えているであろうか?
そう、ハザマこそがグラシエに世界滅亡の件を教えた人物であり、グラシエは裏でハザマと共謀して、彼の工作に手を貸していたのである。
その工作の一貫がマシンを掌握する装置を秘密裏に取り付けるというものだった。
その装置はユウキ=テルミの魔力を感知すると、機動兵器の自動AIを乗っ取って書き換え、オートパイロット(無人)で勝手に動き出すように仕向けられている。

その上でユウキ=テルミ(と既に亡くなっているグラシエ)以外の人間を抹殺する殺戮マシーンへと変えてしまうのだ。
件の機動兵器は主催陣の戦力であったが、今やユウキ=テルミのためだけの玩具に過ぎない。

そして殺人マシーン達は自身の脳であるAIを使って、次に殺す獲物を何にするか考える。
主催陣営の者達は言わずもがな、滅日の計画に邪魔になる超人血盟軍の超人もターゲットである。
飛竜を寄り代に復活したユウキ=テルミに超人血盟軍という隠れ蓑はもはや不要なのだ。
マシーンは主催陣だろうが侵入者だろうが見つけ次第、つい先ほどブロッケンやゆうかりん親衛隊を殺したように全力を持って殲滅しにかかるだろう。

そして、AI達は主人であるユウキ=テルミへ最も貢献できると思われる殺戮すべきターゲットを思いつき、兵器達は用のなくなった長崎県から飛び去っていった。
マシーン達が向かう先は少なくとも、九州ロボの中枢である福岡、バッファローマンのいる熊本、バーダックと四次元殺法コンビが交戦中の大分のどこかなのは間違いないだろう。
ちなみにデウスエクスマキナの配下であったヒトマキナ達も九州ロボの各所に配備されているが、司令塔であるデウスを失ったことによって彼らは混乱状態に陥っており、今の彼らでは殺戮マシーン達を足止めすることも難しいと思われる。
この九州ロボにおいて、彼らを止められる者は限られていた。



長崎県の赤い雨は止んだ。
しかし、殺戮と惨劇の雨は九州にまだまだ降り注ぐ。


【ニ日目・7時45分/日本・九州ロボ 長崎県】
※ユウキ=テルミの細工によって格納庫にあったマグネスファイブ、 マルス、ザマンダー、ゴーストが自動操縦で動き出しました
 いずれの機体も、ユウキ=テルミ以外の敵を殲滅する殺人マシーンになっています
※マグネスファイブ、マルス、ザマンダー、ゴースト複数機が熊本・大分・福岡のいずれかに向かいました
※グラシエに世界滅亡を教えた「あの方」とはハザマ(ユウキ=テルミ)のことです

868勝利への脱出:2014/11/24(月) 00:24:19 ID:IDcuJh5U0
超人血盟軍による奇襲、さらに与り知らぬ所での特務機関員の謀反。
この二つが重なり合った事で今まさに絶賛大ピンチとなっている主催の本拠地・九州ロボ。
この未曾有の事態に対して、五大幹部の一人ベイダー卿(全裸)は頭を抱えながら傍らに控える同じく幹部の
ジャック・O(全裸)を横目に対応を決めあぐねていた。


「(ぐぬぬ……こんな威厳もへったくれもない姿で連中と遭遇したら末代まで生き恥を晒してしまいかねん………
いやそんな事より、余とジャックの二人で果たして奴らに対処できるか否か……相手は理不尽ゆで理論に定評がある
超人二人にサイヤ人の王子……下手をすれば相打ちになる可能性も捨てきれぬ! 念のため先ほどオートマトンの
部隊をここまでの通路に配置しておいたが、それを突破されるのも恐らく時間の問題!)」


そこで問題だ!
この絶望的な状況でどうやって事態を打破するか?

3択‐ひとつだけ選びなさい。

答え①カリスマ溢れるベイダー卿は突如反撃のアイデアがひらめく

答え②他の幹部や部下が来て助けてくれる

答え③助からない。現実は非情である。


「(余が○をつけたいのは答え②だが期待はできない……連中の迎撃のために出払ってしまった幹部達や特務機関員、
モブの部下があと数分の間にここに都合よく現れてアメリカンコミックス・ヒーローのようにジャジャーンと登場して
『まってました!』と間一髪助けてくれるという訳にはいかぬ……風見幽香やビアン博士は死に、美国織莉子は
マジで魔女化する五秒前、バーダックは四次元殺法コンビと交戦中、デウスは何故か連絡も映像回線も繋がらぬし、
肝心の九州ロボのファクターたるココはこんな時に『ヒャア我慢出来ねぇ本職だ!』と倉庫からミサイルやらメロンやら
持ち出して関東に出かけてしまう始末……やはり答えは……………①しかないようだ!!)」

ライトセーバー(間違っても股間のではない)を握り直し、自分の頭脳に一抹の望みをかけながらベイダー卿はキン肉マン
ソルジャー率いる一団との戦闘を覚悟し扉の先に視線を向ける。
ジャックの方も何かよからぬことを考えているような気がしたが、彼と同じ心持ちのようだ、多分。

が、その時である。



デーレー デーレー デン! デデデン!!



突如として会議室に謎の音楽が鳴り渡り、何事かと二人が辺りを見回した刹那。

869勝利への脱出:2014/11/24(月) 00:25:32 ID:IDcuJh5U0

『ドーモ、ダース・ベイダー=サン。ランカスレイヤーです』


「「アイエエエエエエ! ニンジャ!? ニンジャナンデ!?」」
「コワイ!」
「ゴボボーッ!」


3m程度の大きさの白いニンジャのようなロボットが、二人の前に姿を現しアイサツを行う。
幹部二人は恐怖のあまり容易に失禁し、嘔吐した。
それらへ侮蔑的な視線を送りながら白色のニンジャは手近のオチョコを掴むと中のサケをイッキし、壁に投げつけて割った。
そして混乱している隙に二人を抱え上げ、まるでテレポートめいたスピードで会議室を飛び出し、そのまま姿を消してしまった。
ワザマエ!




そして十数分後。

「……来ましたか」
『ドーモ、メフィラス=サン。ランカスレイヤーです』
「もう忍殺語は結構ですから、お二人を下ろしてもらえませんか」
『ああ、すみませんねぇ。どうもこの経験値泥棒と合身してると実際自然と口から出ちゃうもんで』

計器やモニターにあふれた、まるで何かの操縦席のような場所にニンジャは姿を現していた。
相対しているのは黒づくめの体色をした異形の宇宙人。
かつて初代ウルトラマンと戦った、悪質宇宙人の異名で知られるメフィラス星人である。
言っておくが決して卑怯もラッキョウもない2代目ではない、初代だ。
そして殺人的な加速で完全に気絶してしまっていた幹部二人を床に下ろして数秒後、ニンジャの中から光と共に
一人の影が姿を現す。


「いつもニコニコ貴方の隣に這い寄る混沌ニャルラトホテプ、ただいま帰還しました♪」


特徴的なアホ毛をした銀髪の少女が仮面ライダー1号を思わせるポーズを取りつつメフィラスに報告した。
惑星保護機構所属のニャルラトホテプ星人こと這い寄る混沌・ニャル子さんだ。
そう彼女も、そしてメフィラスもまた、主催に属する特務機関員の一員なのである!
ちなみにニャル子が先ほどまで合身していたニンジャは支給品の一つで、ラドリオ星に伝わる伝説の経験値泥b……
もとい忍者ロボ・飛影である。


「まったく、無事だったからいいようなものの、私が来るのが遅れてたらこの二人ともまとめてナパームストレッチか
阿修羅バスターかファイナルフラッシュでネギトロめいた死体にされてた所ですよ!? だから私は最初から
本拠地をちゃんと用意しましょうと計画開始前から進言してたんですよ! そもそも世界の命運かけたプロジェクトを拠点構えないまま
開始するとか正気ですか? 運よくこの九州ロボを火事場泥棒的に奪取できたからいいようなものの、祐一郎博士がショック死しなかったら
どうするつもりだったんですかねぇ? しかも拠点構えても警備はガバガバだわデータは奪われるわ傀儡とはいえ主催者の総理がオスプレイで
勝手に出撃して返り討ちに会うわテニスボールで大ダメージ受けるわ特務機関員が次々離反するわ殺されるわ挙句の果てに奇襲されるわ、
真面目に世界救う気あるんですか? 馬鹿なんですか? 死ぬんですか? 私と真尋さんの愛の城たる地球にこれ以上なんかあったら
貴方達どう責任とってくれるんですか!? くっ、これも全てゴルゴムの乾巧ってディケイドの仕業ですか!!」

ポーズを解くと同時に怒りと呆れが入り混じった表情で倒れている幹部二人に向けてマシンガントークで罵声を浴びせるニャル子。
どうやら御多分に漏れず、彼女も無償で主催に協力している訳ではなさそうだった。

「落ち着きなさいニャルラトホテプ。あなたの言い分ももっともですが、今はベイダー卿達を非難するよりも先に、一刻も早く
この九州ロボから脱出する事が先決です」

手元の基盤を操作しつつ、メフィラスはニャル子を諭し彼女を手近の席に着かせた。
ちなみにベイダー卿とジャックはニャル子がディパックから取り出した布団に寝かせている。
ニャル子はここに来る前に未配布の支給品を管理する倉庫から適当に支給品をくすねてきており、これもその一つである。

「とはいえ、本当にそこに寝こけてる幹部の皆さんに断りもなく勝手に脱出なんかしていいんですかね?」
「貴方も言っていましたが、あのまま二人を放置していたら間違いなく超人血盟軍に返り討ちに会う可能性が高かった
ですからね。こんな所で幹部陣が半ば全滅などしたら本当に計画の遂行が不可能になります。それに………
仮に連中を排除したとしても、最大の問題たる反逆者に対応する術が現状ない以上、やむを得ませんよ」

870勝利への脱出:2014/11/24(月) 00:29:25 ID:IDcuJh5U0
メフィラスはモニターに録画された監視カメラの映像の一つを映し出し、苦悶の表情を浮かべた。
そこにはストライダー飛竜………否、ユウキ=テルミに無残に惨殺される特務機関員のリーダー、デウスの姿が
映し出されていた。
先程まではユウキの発していた強力なマグネットパワーの影響で機能を麻痺させられていたが、ようやっと
復旧が完了し、正確な映像が保存されたのだ。


『貴様の敗因は『自分が絶対の能力を持ってると過信しすぎ』だことだ、『デウス隊長』さんよぉ?』

『オイオイ、いつからこの俺様が『ストライダー飛竜』だと思っていた?』

『さぁ、滅日《ほろび》を始めようじゃねぇか……!』


「本当にやってくれましたよ、ユウキ=テルミ………まさかとうに死んだと思われていた特務機関員にここまで
してやられるとは………」
「全くですね。拳王電車に轢かれてズガンしたかと思ってたらいつの間にやらあの特A級ストライダーに憑依してたとは、
お釈迦様どころか他の書き手さんでもご存じありませんよ。調べた所によるとバット星人グラシエもグルだった
みたいですし、まったくもってとんだ反逆者ですよ彼は! 英語で言うとトリーズナー!」

ニャル子も同様に苦々しい表情でモニターを睨みつける。
メフィラスとニャル子は共に特務機関員用の詰め所で待機していたのだが、超人血盟軍の奇襲を受けて現場に向かおうとした
途中、ベイダ―卿達が全裸で取り残されている事と鹿児島のデウス隊長に連絡がつかない事への疑念から胸騒ぎを
感じ独自に行動を取った結果、今回の謀反の一件を密かに掴んだのである。

二人はそれぞれこの殺し合いの主催者に与したのには理由があった。
メフィラスは殺し合いが始まる以前に起きた大災害で母星が壊滅的被害を受け、命からがら脱出して漂流していた
所をベイダー卿達に助けられ、その恩を返すために彼らに協力することを決心した。
ニャル子は惑星保護機構の一人として大災害の一件を調査しているうちにベイダー卿達に出会い、彼らから地球を
新たな大災害から救う計画を教えられ、賛同したために特務機関員となったのだった。
ちなみにニャル子の愛する少年・八坂真尋を殺し合いから遠ざける事を絶対条件とした上での協力である。
だがその計画も今一人の男の手により破綻の危機を迎えており、日本各地では主催者を打倒せんと様々な勢力が
力を蓄えつつある(ただし、互いの足の引っ張り合いも酷いが)。
このままではこの地球を救う事は出来ない。
二人は積もり積もった主催達への不信も重なり、その感情がすでに表に出始めていた。


「……メフィラスさん、イチローチームと試合したハラサンが言ってた『救済の予言』っていうの、覚えてますか?」
「……確か“九人の最良の戦士たちによる儀式の完遂、全てを虜にする歌、巫女の祈り、器たりえる巨像、不屈の精神を持った勇者。
全てが揃いし時、争いの淀みから生まれた化身は救いの神に転じる”でしたね。それが何か?」

メフィラスはニャル子からの突然の問いに記憶を掘り返し正確に答えた。
彼は今まで出番が来ないまま待機していたため、念のためにとこれまで首輪の盗聴器から録音していた音声を
記録室で調べていた為、問題なく答えられたのだ。
知能指数1万の頭脳は伊達ではなかった。
またニャル子も同様だったので付き添って暇つぶしがてら聞いていたのだ。

「その最後の方の“争いの淀みから生まれた化身”って……もしかしたらベイダー卿達が完成させようとしてる
『テラカオス』の事なんじゃないでしょうかね? だとしたら………」
「ニャルラトホテプ、貴方の言いたい事は分かりますよ。つまり『ベイダー卿達の行おうとしている世界を救う
計画より、この救済の予言を完遂した方がむしろ大災害を防げるのではないか?』と言いたいのでしょう?」
「流石メフィラスさんですね、まあそんなとこです。いや割とマジな話、這い寄る混沌の私が言うのもなんですが、
本当にあんな得体の知れない今後の成長によってはSAN値が下がりそうな容姿になり得るバケモンを使って大災害を
食い止める事が出来るのか、甚だ疑問なんですよねぇ。そもそもこの計画の全貌に関してもあんまり詳しい情報
貰えてませんし、ど〜も引っかかるんですよねぇ。なんかこう、世界を侵食する森から生き延びる為に作ったベルトが
10億個しかないから選抜された奴以外は死ね!みたいなノリに近いものを感じるような………」
「貴方の例えはよくわかりませんが……確かに、可能性はゼロではないかもしれませんね」

871勝利への脱出:2014/11/24(月) 00:30:11 ID:IDcuJh5U0

首をひねるニャル子を横目に、メフィラスも彼女の意見におおむね同意していた。
ハラサンの発言が与太話ではない事は各地のカメラによる映像と盗聴器からの音声で把握している。
もし本当にこの予言で世界を救えるのであれば、それに越したことはないと彼は考えた。
自分はあくまでベイダー卿達に命を救われた恩を返すために彼らに協力している。
だがもし彼らの作るテラカオスで大災害から世界を救う方法が誰もが頷ける全うな物ではなかったら?
かつて自分が一人の少年の心に挑戦し敗れ、何人もの同胞が狙ったこの星が、敬意に値する地球人達が無意味に
犠牲になりかねないとしたら?

「(ベイダー卿、一体貴方はどうやってこの星を守るつもりなのですか? その真の答え如何によっては………
私は貴方に恩義を感じた事を後悔せねばならなくなる……)」

自分は暴力は嫌いだ。
何より宇宙人同士で争うなどという愚かな事はしたくない。
ベイダー卿、私に貴方を今一度信じさせてください――――――
メフィラスは心の内で強くそう願った。


「さあ、時間がありません。バーダック達を置いていく事になってしまいますが、急いで脱出しましょう」
「まぁあの人ならよほどの事がない限り大丈夫でしょうけど……では早速start your engineといきますよー!
隠しコマンド実行承認!」

ニャル子は手元の基盤を操作し、パスワードの入力が必要らしき画面を呼び出し文字を入力していった。
既に必要なパスワードは調査済みだったため、キーボードを打つ手も早い。



ふるいけや かわずとびこむ

みずのおと ばしや



【シークレットコマンド実行承認 九州ロボ緊急脱出システム起動します】


どっかで見たようなコマンドが承認され、先程まで起動していなかった計器も全て光を放ちはじめる。
そしてニャル子の座る席から操縦桿と思しきレバーが飛び出し、彼女もそれを握りしめ、力強くペダルを踏んだ。


「九州ロボ緊急脱出用ロケット『ASO−3』、発進!!」


その瞬間、凄まじい轟音と煙と共に、九州ロボから勢いよく何かが切り離された。
それは九州ロボの腰に位置する熊本県から飛び出した。
山のような形をしたそれは―――――
いや、その表現は適切ではない。

872勝利への脱出:2014/11/24(月) 00:31:00 ID:IDcuJh5U0



飛んだのは、阿蘇山だった!!



「いやはや、本当に阿蘇山が脱出艇に改造されていたとは驚きましたよ」
「事前に調べて分かっていたとはいえ……光祐一郎、一体何者なのですか彼は?」

発進からしばらくして、改めてこの九州ロボを生み出した科学者の力に驚愕しつつ二人は後方を振り返った。
かなりのスピードで飛ばしているおかげか、九州ロボがだいぶ小さくなっているのが分かる。
まだ追手が来る気配はなさそうだが、今のうちにできるだけ遠くに逃げなければならない。
メフィラスとニャル子が偶然発見したこのASO−3の存在は五大幹部達や特務機関員もまだ掴んでいないため、
逃走して行方をくらませるなら今しかないのだ。

「さて、脱出は成功したもののこれからどうするべきか……」
「まあ順当にいけばどこかに潜伏して身を隠すか、それともどこかの集団に身分を隠して仲間入りして反撃の
機会をうかがうのが適当でしょうね。あっでもメフィラスさんDMCだけは勘弁ですよ? 下手したら私達まで
洗脳されそうですし、あの集団」
「私も彼らに合流するのは流石に抵抗がありますよ……しかし他の集団となると拳王連合軍、都庁連合軍、ホワイト
ベース組、聖帝軍、天魔王軍、ネオクライシス帝国……予言に関してはイチローチームに入るという手もありますが
……」
「うーん、個人的にはてつをと矢車の兄貴がいるネオクライシスがいいんですけどねぇ……ああそうです! 
今首相官邸跡に陣取ってるハスター君達のグループがあるじゃありませんか! あそこなら私が説得すればそれなりに
楽に合流できますよ! まあここに寝てる二人はディパックにでも隠せば無問題ですし!」
「……一応我々の上司に対してその扱いはどうかと……」

無事に脱出には成功した。
果たしてこれからどこに行くべきか。
二人は思案しながら脱出艇の操縦桿を握り、今後の行くべき道を―――――


「(まったく、奇襲が起きた時には一時はどうなるかと思いましたよ。何だか猛烈に雲行きが怪しくなってきましたし、
下手すりゃこれ以上この主催陣営に加勢するのも考えた方がいいかもしれませんね。何より私の目的は無事に日本を
守り抜いて真尋さんとのGOD SPEED LOVEな生活を取り戻す事なんですから! この連中の大義名分なんぞ知った事じゃ
ありませんよ! あの予言の通りなら、野球やって歌を歌って巫女が祈って憑代用意して勇者捜せば世界は救われるんですから、
それでいいならそっちでオールOKですよ! ですよね、真尋さん!)」

主催への忠誠などあってないような心境を内心露呈しつつ、ニャル子はふと懐から何かをチラリと取出し、恋する
乙女の視線をその何かへと向けた。
それは何やら小さな人形のようだったが、ただのソフビ人形とは何かが違った。

その人形の名はスパークドールズ。
闇の力を宿したアイテム・ダークスパークの力によって時を止められ、人形と化した存在の総称である。
そしてニャル子が懐に持つスパークドールズこそ、愛しの八坂真尋その人であった。
彼女は真尋の安全を確保する約束で主催に協力していたが、彼女も馬鹿ではなかった。
同じく特務機関員の新城直衛の義理の姉のように極秘のシェルターに匿ってもらう事はせず、主催者が持っていた
支給品の一つであるダークスパークを秘密裏にかすめ取り、殺し合いの開始前にその力で真尋を人形に変えて
今の今まで手元に置いていたのだ。
彼女曰く『もしも自分の与り知らぬ所でズガンなんかされたら目も当てられませんよ』との事である。
いつものようにキレのあるツッコミやフォークが飛んでこないのは少々寂しいが、真尋の命には代えられない。
そう考えての彼女なりの判断だった。
全てが終わったらちゃんと元に戻すつもりである。

「(それにこのダークスパークがあれば、さっき持ってきた『アレ』が使えますからね。いざとなればその力で
九州ロボごとあの裏切り者を成敗!してあげますよ! 待ってなさいユウキ=テルミ!!)」

這い寄る混沌は己の切り札の一つを思い出し、笑みを浮かべる。
その笑みが意味するのは、果たして―――――

873勝利への脱出:2014/11/24(月) 00:31:33 ID:IDcuJh5U0


【二日目・7時50分/日本海上空・脱出艇ASO−3ブリッジ】
【メフィラス星人@ウルトラマン】
【状態】健康、思案中
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品、ラッキョウ
【思考】
基本:今は主催に従い、世界滅亡を防ぐ
1:ユウキ=テルミから逃れ、反撃のチャンスを伺う
2:どこかしらの集団に紛れたいが、どこにするべきか迷う(ニャル子がいるのでなのは組が第1希望)
3:ベイダー卿の計画で本当に世界を救えるのか見極める
4:救済の予言、果たして本当なのですかね?
5:なるべく暴力は使いたくない
※特務機関員です。
※ベイダー卿達への恩義で協力していますが、あくまで目的は地球を守る事なので、意に反した場合は
謀反も考えています。

【ニャル子@這い寄れ!ニャル子さん】
【状態】健康、主催への呆れと怒り、ASO−3を操縦中
【装備】名状しがたいバールのようなもの、冒涜的な手榴弾、ダークスパーク@ウルトラマンギンガ
【道具】支給品一式、盗んだ不明支給品×複数、シャンタッ君、スパークドールズ(八坂真尋、ダークザギ)
【思考】
基本:世界滅亡を防ぎ、真尋さんとの生活を取り戻す
0:とにかく真尋さんだけは必ず守る
1:ユウキ=テルミから逃れ、反撃のチャンスを伺う
2:ハスター君達のグループに紛れられませんかねぇ?
3:いざとなれば救済の予言の完遂に協力する、主催なんぞ知ったこっちゃない
4:駄目だこのベイダー卿当てにならない……
※特務機関員ですが、主催への忠誠心は限りなくゼロです。
※スパークドールズ化した八坂真尋を戻すには、ダークスパークもしくはギンガスパークが必要です。

【飛影@忍者戦士飛影】
【状態】正常
【装備】武装一式
【道具】なし
【思考】
基本:主催陣営の命令に従う
1:待機する
2:ランカ殺すべし、慈悲はない
※支給品なので首輪はありません。
※合身すると何故か忍殺語になる時があります。



「ファッ!?」
「こ、ここは何処だ? あのいい男は何処に!?」

そして気絶していた二人も目覚めたが、操縦席の二人はあえて目は合わせなかった。


【ダース・ベイダー@STAR WARS】
【状態】ほぼ全裸、困惑
【装備】ライトセーバー@STAR WARS、布団
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:テラカオスを成長させ完成に導く計画を遂行する
0:こ、ここは何処だ!?
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは消す
2:不足の事態に備えて予備のテラカオスを作り出すことも念頭に入れる


【ジャック・O@ARMORED CORE LAST RAVEN】
【状態】リンクスに改造、ほぼ全裸、困惑
【装備】フォックスアイ(ネクストに魔改造)@ARMORED CORE、拳銃、布団
【道具】四条化細胞入りカプセル
【思考】基本:テラカオスを成長させ完成に導く計画を遂行する
0:ここは何処だ!?あといい男は何処に!?
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは抹殺する
2:四条化細胞に多大なる期待
※何故か服を脱ぎました。


※阿蘇山は九州ロボの緊急脱出艇『ASO−3』に改造されていました。性能に関しては不明です。

874拉麺乱れし修羅となりて:2014/11/28(金) 12:50:23 ID:0/wU2fUU0
大阪にいる拳王連合を喰らうべく、ガオウライナーに乗って埼玉を経ったテラカオス・ディーヴァ。
その道のりは未完成のテラカオスには険しく、埼玉から静岡までで電車強盗に二回、怪獣に一回、やたらに強い男に一回襲撃を受けることになった。
されど襲撃した者達の奮戦虚しく、誰ひとり彼女を討つことはできなかった……

「ハァ…ハァ……他の連中はまだしも、さっきの男は異常に強かったな。
この私が世界救済の使命も成し遂げられぬまま、危うく死ぬところだった……とても生身の人間とは思えん」

最後に襲撃してきた男にはかなり苦戦したらしく、あちこちから流血し、大ダメージを受けたテラカオス。

「だが良い教訓だった……まだまだ自分が弱いことを痛感させられたよ。
世界を救うためにもっともっと強くならねば……」

先ほど殺害した者の、体から抉りとった腸を取り出し、ソーセージにでもかぶりつくように食らっていく。
食べる際に惚けるような顔をしているが、これは彼女のベースとなった風鳴翼の好物が腸だったため、テラカオスの好物も腸だからである。
そして腸を食べると、ものの数秒で全ての傷が回復してしまった。
彼女は肉さえあれば、ぼのぼのから授けられた再生能力ですぐにダメージを回復してしまうのである。

「楽園は犯罪者だろうと怪獣だろうと拒まない……安心して召されるがいい」

自分を襲撃し、手傷を加えたものであろうと関係なく、テラカオスは新たに自分の腹にある楽園に加えられた者達を祝福する。
その顔は―――食人行為をしていると知らなければ―――慈愛に満ちた聖女そのものであった。


【ラッド・ルッソ@BACCANO! 死亡確認】
【トレバー・フィリップス@Grand Theft Auto V 死亡確認】
【ムートー@GODZILLA-ゴジラ- 死亡確認】
【スティーブン・セガール@現実? 死亡確認】


「この様子だと思ったよりも大阪への到着は遅れそうだな。
まあ、薬物中毒者や怪獣を食べたら新しい耐性は得られたようだし、収穫はあっただけ良しとするか。
今なら薬漬けでもウランでも何でも食べられそうな気がする」

テラカオスはジャンキーのトレバーを食らったことで薬物に対する耐性を少しばかり、核物質を主食とする巨大怪獣ムートーを捕食したことで核物質に対する強い耐性を手に入れていた。
新たな耐性を手に入れたことを実感し、テラカオスは大阪へと電車を進める。

「アハハ、さてと、気分が良くなったところで新曲いくぞ。

電車で電車で電車で 暴! 暴! 食! 食! ♪

電車で電車で電車で 暴! 暴! 食! 食! ♪」

相変わらず物騒な歌を歌いながら、ノリノリで突き進むテラカオス。
テラカオスの気分に呼応するように、ガオウライナーの速度は上がって行き現在は静岡と山梨の県境に入ろうとしている。


「電車で電車で電車で 暴! 暴! 食! 食! ♪

電車で電車で電車で 暴! 暴! しょ……!」


しかし、テラカオスの歌は唐突に止み、ガオウライナーも山梨に入ろうとしたところで静岡へUターンしてしまった。

「この細胞が痺れる感じは……同族のピンチ?!」

彼女が急に静岡へ引き返そうと思った理由―――それは、彼女の中にある四条化細胞からの警告によるものだ。
かつての翼やぼのぼのと同じく、四条化した仲間がピンチであると細胞が告げているのである。

「いかねば……!」

先ほどの上機嫌な様子から一変、緊張した面持ちでテラカオスは仲間がいるであろう現場へと急行する。

875拉麺乱れし修羅となりて:2014/11/28(金) 12:51:24 ID:0/wU2fUU0



 ――静岡の樹海――


「ハァハァ……なんとか勝てたぜ」
「ぐふぅ……」

フリーザ軍の残党であるキュイと、四条化細胞により魔人となった多木との遭遇戦の行方は、キュイの勝利で終わった。
お互いに満身創痍であり、途中まで互角だった彼らの勝負を決定づけたのは支給品の差であった。
キュイの支給品の中には劣化ウラン弾を打ち出すバズーカが入っていたのだ。
対する多木は体の殆どが焼けたミンチと化している。

「ひ…卑怯だぞ……『あ! 後ろに豚骨ラーメン!』とか嘘をついて、振り向いた瞬間を狙うなんて……」
「うるせー! 勝てばいいんだよ、勝てば!」

バズーカの弾速ぐらいなら四条化細胞で強化された多木でもよけられたハズだが、キュイはだまし討ちを巧みに使い、隙をついたらしい……
キュイの汚い戦法はともかく、劣化ウラン弾の威力と焼夷性は凄まじく、テラカオス化が進行している魔人とて直撃すれば特大級のダメージを受ける。
まだ辛うじて生きてはいるが劣化ウラン弾は毒性も強く、特に核物質や放射線に対する耐性を持っていなかった多木は酷く苦しんでいる。
元々、美鈴によって大打撃を受けていたのも重なって、極限まで弱っていた多木はこのまま放置しても死んでしまうだろう。

「へへ、核兵器か、地球人も良い武器を作る……俺はこれが気に入ったぜ」

威力はエネルギーボールには劣るものの、それらでは見られない相手が汚染で苦しむ姿を見てキュイは悦に浸っていた。

「それに……ちょうどベジータ達に野球でやられた怒りが治まらなかったところだ。
ウサ晴らしにもう一発ぶち込んでやるぜ!!」

……キュイは殺虫剤を巻かれた毛虫のように悶え苦しむ多木を嘲り笑い、そしてダメ押しと言わんばかりにトドメを刺さんとする。
腹いせの対象を超人血盟軍ではなく、手頃に倒せそうな相手に向けようとしているところが、この男の小物っぷりを物語っているが、そこは置いておこう。

キュイはゆっくりとバズーカの砲身を多木に向け――




『電車で電車で電車で 暴! 暴! 食! 食! ♪』




――引き金を引く寸前で、奇怪な歌と共に牙のついた黒い電車―――ガオウライナーがこちらに向かってきた。

「な、なんじゃありゃあ!?」

あまりの突拍子のなさと珍妙さにキュイは面食らう。
そして、直感的に危険を感じた彼はバズーカの砲身を電車に向け、すぐさま劣化ウラン弾を撃ち出した。

劣化ウラン弾は直撃し、爆炎を上げ、ガオウライナーを粉々した……ハズだった。


『電車で電車で電車で 暴! 暴! 食! 食! ♪』
「全く効いてないだとぉ!?」

爆炎の中から無傷のガオウライナーが現れた。
テラカオスの持つ耐性は本人のみならず、彼女が搭乗しているガオウライナーも影響を受けている。
すなわち、彼女が核物質に耐性をもっている以上、ガオウライナーにも核は通用しない。
もちろん火水土風木電聖闇といった魔法や攻撃は尚更、この電車には通用しなかった。

そして。


                                     ∩       .'  , ..
                                  ⊂、⌒ヽ   .∴ '     ';*;∵
                                 ⊂( 。A。)つ ←キュイ・.;,;ヾ∵..:
                   __,:--------:::.._____   ∨ ∨     :, .∴ '
.´ ハx'´ハ`ヽ  ,.-'''"~..。--'''"",.:´――─ii――――─――ミヽ    ∴ ';*;∵; ζ。∴
..  X _Vi'二ニ!-''''"^        |l |6|6|6| || [ ガオウライナー ] ||      .∴'
__ =!ニ-''" .:=.iニ! = -=''i l|~」 ||...________||_________||    _     :, .∴
:   _ー....... ..:i:::l:::|| |.|「|| | l||] ||     ||        ハ,,ハ  .||
iiilll|:||:|ll|:||:|:|::|. |:::|| |.||:|| | l||:|. ||     ||        ( ゚ω゚ )...||
ll!!!!!.||.llll.ll.l.l..l. l...|| |.||.|| | l||:|. || ̄ ̄ ━ ━━━ ━. ̄ ̄ ̄||
=ニニニニニニニニ | ̄.| l||:|. || (○).|  JR   .|  (○) .||
__''''  l.l    .......___|. |. |___l_l__||.──│ :混沌:  .|──―-||
 「「T"''''''''┬-:ニ....__└--! :-!|||| ◎________◎  .||
"u.l:_|讐讐|:| l:::|:::::| ~||⊂^ニニji.|ニニニニニニニ=======ニニニニニニ|
        `  ー__l_=''). l」‖__‖. !二-==-二!.‖__‖"

876拉麺乱れし修羅となりて:2014/11/28(金) 12:52:54 ID:0/wU2fUU0

テラカオスの影響によって出力が増大し、カタログスペック以上の速度を出していた電車をキュイは回避できず、衝突して空に投げ出された。
今期二度目の電車による人身事故である。

「ぶべらッ!!」

さらに電車の衝突による強烈な運動エネルギーがキュイの身体を駆け巡り、空中にて爆発四散した。
いわゆる「汚ぇ花火」である。


【キュイ@ドラゴンボール 死亡確認】


「あれ? 今、何か轢いた?」

なお、轢いた本人はキュイの存在に全く気づいてなかったりする。
同族のピンチでかなり焦っていたため、キュイが視界に入らなかったらしい。
更に余談であるが、爆発四散したキュイの血肉は静岡県の特設球場―――かつてフリーザ軍と超人血盟軍が争った場所に落ちた。
そして……特設球場に儀式が成し遂げられたという意味を思わせる呪印が現れる。
超人血盟軍が一人撃ち漏らしたことによって未完のままだった決闘の儀式の一つが、図らずもテラカオスの手によって完遂させられたのだ。
だが、テラカオスにそのような事情など知りもせず、特設球場の呪印も目に入っていなかった。
彼女はそんなことよりも同族の救助が最優先なのだ。

敵がいないことを確認し、大急ぎでガオウライナーから降りて、瀕死の多木の下に駆け寄る。

「おい、大丈夫か!? しっかりするんだ!」
「あ、あんたは放送で呼ばれていた風鳴翼……そうか、あんたも俺達と同じ四条の細胞で変異した同族だったのか……」
「おまえをこんなに痛めつけた敵は今どこにいる?」
「大丈夫だ……(あんたがたった今)倒したよ……」
「そうか……」

念のため、異常に強化された嗅覚とエコロケーションを使って周囲を索敵するが、多木の言葉どうり救うべき食材(敵)は周囲にいないと見ると、テラカオスは警戒を解き、引き抜こうとした刀を収める。
そして、憂いを帯びた眼差しで心配そうに多木に語りかける。

「ひどい傷だ。待っていろ、今ガオウライナーに残してある食料を持ってくるぞ」
「む、無理だ……自分の体の事は自分で解る……俺はもうじき死ぬ……」
「そんな……」

テラカオスは食料を分け与えて多木を回復しようと考えたが、手遅れであった。
多木にはテラカオスが持っているような捕食による超回復能力は持ち合わせておらず、加えて核による蝕みによって肉体は限界を迎えている。
せっかく細胞と志を共にする同族に会えたと思ったのに遅かった、もっと早く駆けつけていれば―――そんな後悔の念を抱いたテラカオスの瞳には涙が浮かんでいた。

「た、頼みがある……俺の肉でラーメンを作って喰ってくれ……」
「らぁめん?」

らぁめんは四条化細胞の起こりである四条貴音の頃から縁の深い料理である。
このテラカオスの全ては貴音でナノマシンの影響で狂い、同僚をらぁめんにして食べたところから始まっている。
今でこそ直接的な捕食の方が多くなったとはいえ、テラカオスを育てたのはらぁめんであると言っても過言ではない。

「ひと目見てわかった……あんたは四条貴音と同じく、ラーメンを愛してると……そんな人にラーメンとして食われるなら本望だ……」
「わかった、おまえで作ったらぁめんは残さず食べてやるから安心しろ」
「さ、最後に俺は……ラーメン三銃士、具の専門家……多木康、この名前を覚えていてくれよ……」
「ああ、忘れないさ……」
「ありが、とう―――」

混沌の歌姫の返答に満足し、彼女の手の中で多木は安らかに逝った……


【多木康@美味しんぼ 死亡確認】


「くッ……すまない。
私がもっと強く、そして早く駆けつけていればおまえを苦しませずに救うことだってできたハズだ……被爆はとても痛かっただろうに」

彼女は手遅れなほど、歪み狂いきっている。
それでも人々を救いたいという彼女の願いは本物であった。
途中の襲撃者をもっと早く倒していれば、ガオウライナーでもっと早く駆けつけていれば、多木は核で苦しむことなく救い出せたであろう、そう思うとテラカオスは力の至らなさを恥じた。
そして彼女の中の力への飢えが加速する。

「私はまだまだ弱い、全ての人々を救済するためにも、もっと強くならねば……!」

既にチート級レベルの参加者では相手にならない強さを持っているが、レストの件もあって、この程度の実力で満足も過信も彼女はしない。
自分はまだまだ弱く、なお強さを追い求めるべきだとテラカオスは確信したのだ。

877拉麺乱れし修羅となりて:2014/11/28(金) 12:53:21 ID:0/wU2fUU0

「そのためにもまずは……」

手始めにテラカオスは遺言通りに多木の骸でらぁめんを作り出す。
擬似的な高速移動でらぁめんはすぐに完成した。

「いただきます。
……む?! これは……今までで最高のらぁめんだ!」

そして、頂いた。
ラーメン三銃士の血肉で作ったラーメンはテラカオスが感動で涙を零すほどの旨さであった。
耐性を持っているため、核汚染などなんのそのである。

「ごちそうさまでした……感謝するぞ多木、とても美味しいらぁめんだった。
それに旨いらぁめんに体が呼応するかのように、力が溢れてくる!」

加えて多木はテラカオス候補者。多木で作ったらぁめんを食らったテラカオスの力が増大するのは必然であり、完成にまた躍進した。
ラーメンは世界を救う……多木の所属していた日本ラーメン総合開発研究所の掲げていたスローガンは、らぁめんを愛する歪んだ救世主の力となったのだ。

「さて、救済の旅に戻ろうか」

いつまでもここで立ち往生してはいられない。
大阪では拳王連合が自分を待っている。待たせ過ぎは失礼というものだ。
そう思ったテラカオスはガオウライナーに戻り、コクピットのバイクに跨り、出発進行する。

「うおお!? 速い!!」

テラカオスが驚いたのは明らかに速度を増したガオウライナーである。
多木を食らって力を増したため、影響を受けていたガオウライナーも合わせて加速スピードが上昇したのだ。
速度は十傑衆走りの何倍も早く、静岡の樹海をあっという間に抜けてしまった。
この速度ならば多木救出のために途中で脱線した分の時間的ロスも十分に補えるだろう。

「脱線したことでむしろ、速くなったか。道草も無駄ではなかったな」

旨いらぁめんに力の上昇……得たものを考えれば、脱線は大正解であったとテラカオスは納得するのであった。

「景気づけに歌うぞ!」


電車で電車で電車で 暴! 暴! 食! 食! ♪

電車で電車で電車で 暴! 暴! 食! 食! ♪

電車で電車で電車で 暴! 暴! 食! 食! ♪

電車で電車で電車で 暴! 暴! 食! 食! ♪



これまた物騒な歌を垂れ流しつつ、西への電車旅行を再開するテラカオス・ディーヴァ。
速度を大幅に増したガオウライナーは、何事もなければ次の放送前には大阪に到達すると思われる。


【二日目・8時30分/静岡県】

【テラカオス・ディーヴァ@テラカオスバトルロワイアル十周目】
【状態】損傷なし、首輪解除、厨二病全開、火水土風木電聖闇核耐性(強)、薬物耐性(弱)、嗅覚と聴覚強化、ガオウライナーを操縦中
【装備】シンフォギア・天羽々斬?(異常に禍々しく変化)@戦姫絶唱シンフォギア?、ガオウライナーキバ@仮面ライダー電王
【道具】支給品一式 、スマホ
【思考】基本:世界をカオスにする
1:世界から全ての者を救い尽くす(喰い尽くす)
2:大阪へ向かい、拳王連合軍を救う(喰らう)
3:何故皆救済を拒む? まるで意味が分からんぞ?
4:私はまだまだ弱い、もっともっと強くならねば……!
※風鳴翼・佐村ガウスフレミング02・天海春香・はるかさんの能力を継承しました
※テラカオスとしては未完成のため、テラカオスバトルロワイアル十周目の死者の能力は現在使用不能、進化すれば使えるようになるかもしれません
※風鳴翼の容姿や人格を色濃く受け継いでいます、ただし、進化するにつれて失われる可能性があります
※ダルメシマンの人間の1京倍の嗅覚、ゼブラの聴覚と音操作能力を特に強く継承しました
※テラカオス候補者の一人である多木を食らった結果として力を増し、その影響でガオウライナーの速度が上昇しました
 道中で何もなければ、次の放送までには大阪に到達できます

878悪性変異:2015/01/24(土) 04:19:28 ID:hjE6lcLA0

DMC狂信者からの刺客であるデュエリストのヘルカイザー亮から下から逃走した2つの野球チーム、イチローチームとドラゴンズ。
彼らは巨大な邪竜ギムレーに乗って空から東京湾を渡り千葉県へと移動した。
ヘルカイザーには高速で海路を渡る手段が無いという見通しから千葉県に進路を進めたのである。

そして、二つのチームは千葉県木更津市の浜にたどり着き、戦いに疲れた体を少しでも労わるべく休憩を取っていた。
しかし、その休憩も長くは続かぬだろう。
千葉は東京に隣接しており、東京のビッグサイトに本拠地を置いているDMC狂信者はすぐに兵隊を回してくるだろう。
おまけに殺し合いが続けば禁止エリアによって移動できる場所も狭まってき、最終的に逃げ道はなくなる。
故にイチローは決断し、皆の前で言った。
「このまま逃げ続けるだけじゃダメだ! DMC狂信者と戦おう!」と。

「イチローさんの言うとおりっス。
どうせ逃げられなくなるなら、戦った方が言いに決まってるっス」
「俺は……ハラサンの覚悟をくだらないとか言いやがったあいつらが許せねえ」

イチローチームの中に、思考や覚悟に差異こそあれどDMC狂信者と戦うことに反対する者はいなかった。
狂信者の横暴をこの目で二度も見てきた彼らには、なんとしても狂信者を倒したいという意思が生まれており、エースであるイチローのおかげで踏ん切りがついた形だ。

「イチローの言うとおりだ、あいつらがいる限りおちおち野球もできはしない」
「予言を成し遂げる前に邪魔者を排除しとくべきホルね」

イチローチームの面子と同じくドラゴンズもイチローの意見に賛成であった。
彼らは仲間であるオーバーロードを狂信者に殺されている。
狂信者と戦うにはそれだけの理由で十分であった。

「俺もイチローに賛成さ。奴らを止めなくては被害もどんどん拡大していく一方だしね」

影で世界の滅亡を望む者――久保帯人すらも同意見であった。
と言っても、善意から狂信者と戦うと発言していたわけではない。
某ご立派様同様、この殺し合いは世界を救う手段であると見抜いていた久保帯人は殺し合いを助長させてしまうDMC狂信者の存在は目の上のタンコブなのだ。
ダース・ベイダー達のやろうとしている救済の手段と、ハラサンの伝えた予言からの救済の手段は同じものかまではわからないため、万が一のために儀式の完遂阻止に加えて殺し合いも停滞させなくてはならないと久保帯人は見ている。
自分のチームの監督がそんなことを考えていることを知らず、イチローは二つのチームの方針を決めた。

「よし。ひとまず、DMC狂信者を倒すまでは試合は保留しよう。
無理に試合をしたところで奴らに邪魔されるだけだからね」
「でもイチロー、DMC狂信者の数は半端じゃないわよ。
千人ぐらい死んでも、まるで活動に支障がないって話だし、そいつら全員相手にするって言うの?」
「鬼の私でも、一万から先の敵を相手にして勝てる保証はないなぁ……」

霊夢と萃香の質問はもっともだ。
DMC狂信者の頭数は、現存するグループの中でもずば抜けて多い。
先の都庁への襲撃で実力者である魔竜と3000人の兵隊を失っておきながらも、狂信者の活動は傾くどころか僅かたりとも衰えを見せてない。
その総兵力は多すぎてどの組織も正確には把握できていないが、下手をすると百万人以上はいるかもしれないのだ。
クラウザーさんなら老若男女人外魔物問わず百万人程度の狂信的ファンを生み出す歌唱力を持っているのだから、それくらいの予想は誰でもつく。
もし仮に百万人も相手にするなら、例え理不尽級の力を持っているイチローチームやドラゴンズでも消耗して追い込まれて全滅するだろう。
そんな彼女らの疑問に答えたのはギムレーだった。

879悪性変異:2015/01/24(土) 04:20:08 ID:hjE6lcLA0

「いや狂信者全員を相手にする必要はない」
「どうゆうこと?」
「狂信者共が虐殺を働いている理由は奴らが信仰している存在……すなわちクラウザーの蘇生のためだ。
だったら霊夢、あいつらの信仰しているクラウザーが絶対に生き返らない状況になったらどうなる?」
「……そんな絶望的な状況になったらまず戦意を失うわよね、少なくとも足並みは揃わなくなりそう」
「さすがその手の世界で生きている巫女だ。信仰に対する理解が深い」
「勿体ぶらずに言ってよ、具体的に何をすればいいの?」

ギムレーは東京湾――正確には、東京のビッグサイトがある方角を指でさす。

「僕達ドラゴンズはドラゴンネットワークで狂信者達がビッグサイトにて、クラウザーをなんらかの儀式で生き返そうとしているのを把握している。
彼らの本拠地でもあるビッグサイトさえ陥落させればクラウザーの蘇生が不可能になり、狂信者達は戦意を失い総崩れになるだろう」

ギムレーが目をつけたのはビッグサイトであった。
そこは現在は狂信者達の要塞と化しており、ここでヨハネ・クラウザー二世の蘇生が行われる噂が流れている。
ドラゴンネットワークで入手した情報が本当ならば、ここを落とせばDMC狂信者という組織は崩れる。

「拠点としても人員こそ密集しているものの、一箇所の土地に集まれる人数には限りがある。
少なくとも日本中の狂信者全員を相手にする必要もないハズだ」
「なるほど、なんという冷静で的確な判断だ……だったら!」

ギムレーからの話を聞くや否や、ナッパは腕にエネルギーボールを作り出し、投げの構えに入る。

「な、何をしてるんだナッパ?」
「決まってんだろ?
今からビッグサイトにこいつをお見舞いしてやるのさ!
そうすりゃ、DMCの奴らとも一発でカタがつく……」

サイヤ人、特にナッパほどの逸材となれば都市の一つや二つの破壊は朝飯前である。
多少大きな建造物を一つ瓦礫に変えるなど造作もないことだ。
狂信者との因縁を一瞬で終わらせるべく、ナッパは千葉からビッグサイトへ向けて直接攻撃を敢行しようとした。

「なんだって!?」
「ちょい待てストップストップ!!」
「ヤメロッ! 落ち着け!!」

ところがギムレー、オシリス、ファーマルハウトが今にも光弾を投げようとしたナッパに対して待ったをかけた。

「なんで止めるんだ?!
狂信者達をぶちのめしさえすれば安心して試合もできるようになるんだぞ!?」
「それはそうなんだけど、ビッグサイトを爆撃をしてはいけない事情があるんだ!」
「事情?」
「それは僕達も気になるな、是非聞かせてほしい」

ビッグサイトを直接攻撃してはいけない事情があると聞き、ナッパは攻撃を中断し、他の面々も耳を傾けるとオシリスが解説する。

「ビッグサイトには今、膨大な魔力が集中しているらしい。
言わば核融合炉入の箱みたいなもんで、そんな場所に強力な爆撃をしようものなら超反応を起こして大爆発を引き起こす危険がある。
最低でも東京中が瓦礫に変わって、罪のない人間達や世界の希望たるロリも巻き添えになる。
ロリコンたる俺はそんなことをさせるわけにはいかない」
「なん……だと!?」
「それが本当なら、ナッパだけじゃなく、僕のレーザービームも使うわけにはいかないということか?」
「それの回答は『イエス』だ。
……クソッ、こうなるならもっと早めにDMCを潰しておくべくだった!」

イチロー達は知る由もないが、ビッグサイトは狂信者を指導する上層部によって巨大な生体マグネタイト収集装置に変わっており、日本中の死者から抽出されたマグネタイトはここに集まっており、度重なる殺し合いやどこぞの自重知らずな集団がマップ破壊をしまくったことで犠牲者が増え続け、狂信者自体も大量の死者を出すことでマグネタイトの量は膨大なものになっていた。
最初は大した量ではなかったが、現在はオシリスやギムレーのような位の高い竜ならば肌でわかるレベルである。
そうなった以上、施設にあまりにも強力な攻撃を加えた場合、大爆発を起こすリスクも考えられた。

880悪性変異:2015/01/24(土) 04:20:40 ID:hjE6lcLA0

「魔力って、まさかクラウザーを蘇らせるためのエネルギーなのか?」
「ああ、魔力の詳しい正体まではわからねえけど、たぶん生体エネルギーの類だろうな。
ロワによる死人が増える度に、ビッグサイトに集中している魔力がどんどん大きくなってやがるし」
「奴らはクラウザー一人を生き返らせるために大量の生贄を捧げる必要があると言っていたっス。
気が触れた連中の狂言だとばかり思っていたけど、あながち眉唾でもなさそっスね……」
「しかし、それだけの魔力を集めてどうやって奴らはクラウザーを生き返そうとしているんだ?
大災害以降、ザオラルのような蘇生呪文が使いものにならなくなったらしいのに……」
「方法までは流石に見当つかないな……もっと俺らより位の高い神ならそれもわかるんだろうけど……」
「オイオイ、奴らのクラウザーを生き返す方法なんてどうだっていい。
問題なのは、この俺様やイチローの爆撃を使うべきじゃないとわかった今、どうやってビッグサイトを攻めるかだろ?」

DMC狂信者の凶行を止めるために攻撃しようものなら、関係のない者達まで大量虐殺しかねないことがわかったナッパ達。
だからといってDMCを野放しにする理由はイチローチームやドラゴンズにもなかった。

「まあ、そう慌てるなナッパ。
ようはビッグサイトを爆発させないように戦えば良いんだ」
「となると……遠距離から強力すぎる一撃を叩き込むより、直接ビッグサイトに乗り込んで白兵戦を仕掛けて制圧した方良さそうだ」
「肉体一つでの殴り込みによる特攻っスか……」
「コノ面子ナラ、ホトンドガ殴リ合イニモ対応デキソウデスネ」

ちなつのような非戦闘員は例外として、幸いにも白兵戦に優れた猛者は両チームに揃っている。
イチローチームの戦闘要員は拳や剣だけでもモブ狂信者を一度に十人は倒せそうな実力を持っており、ドラゴンズの竜達は爪や尻尾の一薙だけで戦車を粉々にできる戦闘力を持ち合わせてはいる。
だが――

「でもww俺達だけであの異常な数を捌けるわけがないっすよww
全員相手にする必要ないにしてもビックサイトに一万人ぐらいはいるっしょwww」
「それが問題ホルね。
あそこを攻めるならもっと多くの戦力を掻き集める必要があると思うホル(特におっぱいが大きい子なら大歓迎ホル)」
「ヘルカイザー亮への対抗手段もないし、このままではどのみちダメだろうな。
東京に戻るまでに多種多様な戦力を集めたいところだ」

ビックサイトを攻めるには今以上の戦力を集める必要があると一行は決断づける。
そして力を貸してくれそうな目ぼしい対主催グループを、竜達の情報ツールであるドラゴンネットワークを織り交ぜつつ考える。

「危険集団らしい拳王軍は論外として、都庁の魔物達も世界の危機を救うためと聞けば力を貸してくれるかな?
関東でDMCと真正面から渡り合えそうな戦力を持っていそうなのはアソコぐらいなものだし」

そう発言したのはロイだ。
都庁の魔物は危険視されてはいるが、そのトップは竜である以上ドラゴンズの竜達ならば交渉できるだろう。
元々DMCとは戦争状態であり単純な戦力は向こうも欲しいだろうし、世界を救うためなら一時的でも人間への攻撃を止めて協力してくれるだろう。
都庁に所属するウォークライはフォーマルハウトと関わりがあり、オオナズチは黒炎竜と面識はある。
話し合いの余地は十分にあると、ロイは思っての発言なのだ。
しかし、それは彼のパートナーであるイドゥンの言葉によって一行から却下される。

「ロイ様、申し訳ありませんが……都庁の魔物はロイ様が思っているほど穏健な者達ではなさそうです」
「イドゥン、どういうことだ?」
「東京の対主催グループである警察組が都庁の魔物によって壊滅させられたとの情報が入りました」
「なんだって? それは本当かい!?」
「先に仕掛けたのも魔物側であり、警察組は一方的にやられる形になったそうです。
特に警察組でもリーダーシップを取っていたメタルヒーローのジバンは頭を砕かれて全身を焼かれた残骸を発見されています。
ただ敵を倒すためならこんな酷い殺し方をする必要はないはずですし、都庁の魔物は信用するべきではないマーダー集団でしょう」
「そんな……」
「狂信者や拳王連合と何も変わりゃしねえじゃねーか!」
「あのおチン○ども、やっぱりやっつけにいくべきだったわ!」
「オバロが抜けた分、オオナズチをチームに加えようかと思ってたけど……
ゴメンww俺が間違ってたわwwやっぱオオナズチはw早wよw死wねw」

881悪性変異:2015/01/24(土) 04:21:27 ID:hjE6lcLA0

イドゥンが話した情報の真実は、警察組を血祭りにあげたのは都庁の魔物がではなく天魔王軍である。
これは魔物と魔族の区別がつかない人々による誤報によるものだ。
だがイドゥン始め、両チームにそれがわかるハズがなかった……ドラゴンネットワークとて万能ではないからだ。
それに気づかず、他のドラゴン達も畳み掛けるように都庁の情報を口に出す。

「おまけにグロくてヤバイ怪物まで召喚したようだ……この魔力はガチでやべーな。
この俺、オシリスとイチロー……いや、二つのチームが死ぬ気で挑んでも勝てるかどうかわからないレベルだ」
「さっきの地震の正体はそれか」
「そんなもの呼び出してどうするつもりなのかしら?」
「支配か破壊、もしくはその両方に決まっておるダロウ? ワレならそうする」
「場合によっては都庁の軍勢とも戦うことを念頭に入れた方が良さそうだな……」

ドラゴンズがもたらした情報により、真実を知らぬ両チームから多大なバッシングを受ける都庁の軍勢。
これによって二つのチーム間で都庁の軍勢は信用すべきではないと結論に至った。

「オシリス、他に狂信者に対抗できそうなグループや組織はないのか?」
「ええい急かすなよイチロー。
今、ドラゴンネットワークで全力で探しているんだよ!」

自分達と共に戦ってくれそうな集団を探す一行。
残る有力対主催グループになのは組や狸組などもいるが、彼らはまだ存在を知らない。
ドラゴンネットワークでも、すぐに探し当てるには多少の時間を要するようだ。



その最中に突然の来訪者が現れた。


「おい、アンタら」
「「「!?」」」

全裸でヒゲが触手状で、なんか全身がヌルヌルしたキモいオッサンがいきなり現れた。
両チームは一旦、仲間探しに関する考察を中断し、皆がキモいオッサンへの警戒に移った。

(なんだこのクッソキモい奴は……)
(狂信者かマーダーかもしれんし、警戒はしておくに越したことはないな)
(ああ! ヒゲが触手オ○ンポまみれ!)
(ソウルセイバー、少し自重しろ)

警戒を強めていく一行に、オッサンは構わずに声をかけていく。
受け答えに応じるはイチローである。

「東京の公園で寝てたハズなんだが、寝る前と明らかに景色が違う……ここはどこだ?
それから俺のガンダムはどこに行ったか知らねえか? 赤いガンダムなんだが」
「ここは千葉県の木更津だ。赤いガンダムに関しては知らない」
「そうか……」
「ところで率直に聞くけど、アンタは殺し合いに乗っているのか?」
「いや……俺は殺し合いはやらねえ」








「俺がやるのは『戦争』だからな!!」

882悪性変異:2015/01/24(土) 04:23:13 ID:hjE6lcLA0

キモいオッサン――アリー・アル・サーシェスは確かにそう言った。
サーシェスはニタリと怪しい笑顔を浮かべると、次の瞬間には強い殺気と共にヒゲの触手が総毛立ち――

「 夢 想 封 印 」

――サーシェスが仕掛けてくるよりも早く、霊夢は奥の手であるボムこと夢想封印を放った。
辺りがしばらく眩い光に包まれ、光が消えた頃にはサーシェスは跡形もなく消えていた。

「よくやった霊夢。おかげで被害もなく敵を倒すことができた」
「ふふん、世界を救う祈りの巫女候補だからね。これぐらいは活躍しておかないと」

二次創作のクッキー☆出典とはいえ、この霊夢も紛れもない博麗の巫女。
原作通りの戦闘力はちゃんと備えているのである。
彼女がハラサンの言っていた予言にある祈りの巫女かは不明であり、皆もそれに関しては疑問に思っているが、戦闘力の面では霊夢は間違いなく頼りになる存在であり、イチローチームにとっては大正義巨人軍との戦いを乗り切ったかけがえのない仲間であった。
そんな彼女がマーダーを撃破した活躍に仲間達は素直に喜ぶのであった。


「さぁ、ゆっくりしている暇はないわ。狂信者を退治するために仲間集めの続きを――」


ブツンッ


しかし、彼女の言葉が最後まで紡がれることはなかった。
彼女の体から首が千切り取られたからだ。
頭を失った体が噴水のように赤い血を噴き出しながら浜辺に横たわる。
その凄惨な光景に仲間達の喜びの感情は、一瞬で悲鳴と戦慄の叫びに変わった。

「れ、霊夢ゥーーーーーーーーッ!!」

【博麗霊夢@クッキー☆ 死亡確認】


そして霊夢の首をちぎったのは今しがた倒したはずの触手男サーシェス――ではない。
その大きな腕で饅頭のように霊夢の首を握っていたのは――




「な、な、何をしてるんだホルスの黒炎竜ーーーッ!!!」

883悪性変異:2015/01/24(土) 04:23:41 ID:hjE6lcLA0

――ドラゴンズの一員であり、仲間であるはずのホルスの黒炎竜Lv8であった。
仲間が自分を殺そうと思わない……それが霊夢にとっての精神的な死角となった。
オシリスすら仲間が凶行に走ったことに理解が追いつかず、いつもの軽いノリを忘れて叫ぶ。
そして霊夢を殺したホルス自身は台詞に草を生やしながらも、酷く焦った様子で仲間に訴えるのであった。

「お、俺の意思じゃないよ……てかw助wけwてw先w輩w!!
体wのw自w由wがw効wかwなwいwだ!!」
「やれやれ、危うく死ぬところだったぜ……」
「!?」
「おまえは!」

黒炎竜が仲間の方に向き直ったとき、仲間達の視線は非難から驚愕に変わった。
胸元には霊夢が倒したと思っていた男、サーシェスが触手を使って彼の胸元に張り付いていた。
触手は深々と黒炎竜の胸に刺さっている。


――サーシェスはテラカオス化進行によって他の進行者同様に能力を手に入れていた。
しかし最初に手に入れた『いびきを一回する度に周囲に爆発のエフェクトが発生する』のように役に立つのかよくわからない能力であり、次に手に入れたのは『髭が触手みたいになって粘液が出てくる』という(フォレスト・セルが地上に出る際にはいちおう役に立ったが)ビジュアル的に致命的な能力だけだった……


 と こ ろ が ギ ッ チ ョ ン 。


東京から千葉まで吹っ飛ばされた後の短時間の間にサーシェスはさらに進化し、新たな能力を手にしていたのだ。
それは……『触手を通した他者への寄生と肉体の支配』である――


「俺自身もなんだかわからねーが、おもしれえ能力だぜ。
くっついたらこいつの体を自分のものみてえに動かせるようになったぜ」
「うほおおおおおwwwやめてくれえええwww俺は男に触手攻めにされる趣味はねぇwwww」

体を覆う触手からの粘液によって夢想封印のダメージがあまり通らなかったサーシェスは、ボムの光で皆の目がくらんでいるうちに黒炎竜の体に寄生して支配し、操った黒炎竜の腕で霊夢を殺害したのだ――イチロー達はそう理解した。

ちなみに明らかに人間の枠を外れた肉体の変化を起こしているが、サーシェスがそれを疑問に思うことはない。
クルルが作成した新型ナノマシンによる異常な闘争心にテラカオス化所以の精神汚染が重なり、狂乱状態に陥ったのだ。
サーシェスは戦争がやりたいという欲求のみに従う破壊者と化しており、疑問はとっくの昔に置き去りになっていた。
そして確定的に明らかなのは、サーシェスはもう人間ではないということだ。

「本当に楽しいぜ、戦争はよう。
もっともっと血の匂いを嗅ぎたくて嗅ぎたくて堪らないぜ〜」

瞳には狂気・口には愉悦の笑顔を振り向けながら、サーシェスは黒炎竜の手に握られていた霊夢の生首を、ジャムが入った饅頭のように握りつぶした。
黒炎竜の握られた手の隙間からグチャグチャパキパキという音と血と肉片が漏れる。

「この下衆め! よくも霊夢を……殺してやるゥッ!!」

サーシェスの所業には多くの者が恐怖だけでなく怒りを覚えていたが、その中でもっとも激情に駆られていたのは萃香だった。
友の死を目の前で陵辱されて怒り狂ったのだ。
萃香は腫瘍のように黒炎竜に張り付いたサーシェスに拳を叩き込む。

「ぐはあッ!!」

拳はサーシェスの横っ腹にクリーンヒットした。

「どうだ痛いか!! このまま嬲り殺しに……」
「いってええええええええwwwwwwぐぼぁッ!!」
「なッ?!」

萃香はすかさずニ撃目を叩き込もうとしたが、その直前に黒炎竜も苦しみだし吐血したのを見て拳を止める。

884悪性変異:2015/01/24(土) 04:24:14 ID:hjE6lcLA0

「そんなバカな……後ろのホルスに力が届かない程度には計算して殴ったのに……うわぁ!」

萃香は鬼として絶大な腕力をもってはいたが、打撃が仲間に入らないようにサーシェスを横から殴りつけたのだ。
しかし実際にはサーシェスのみならず黒炎竜もダメージが入った。
それに驚いている隙に萃香は尻尾で反撃を受け突き飛ばされる。

「どうやら俺がダメージを受けると、こいつにもダメージが入るようだな」
「な、なんだと!」
「こいつを痛めつけるとホルスも傷つく……それじゃ誰もこいつを攻撃できねえじゃねぇか!」

サーシェスが受けたダメージは黒炎竜にも及ぶという理不尽な事実に一行は困惑し憤慨する。
しかし、仲間が傷つくとあらば誰しも攻撃を躊躇せざる負えなかった。
高い攻撃力や仲間を徹底的に強化するの能力も、味方相手に使うわけにはいかなかった。
……約一匹を除いて。

「クリスタルシックッ!! 粘膜すら凍る我が技をクラエッ!!」
「フォーマルハウト!?」

ドラゴンズの一員であるフォーマルハウトは、サーシェス及び黒炎竜に強力な氷属性の技を叩きつけていく。
氷系の技を選んだのは粘膜を凍らせて防御できないようにして殺すためだが、それすなわち黒炎竜が死ぬ可能性もあるということだ。
ちなみに黒炎竜自体は常時魔法無効化の能力があるので魔法は効かないが、サーシェスはそうではない。
それに構わずに非情なる攻撃に出たフォーマルハウトをオシリスと仲間達は必死に止めようとするが……

「やめろ、フォーマルハウト! ホルスが死んじまう!」
「こんなもの、ワケのわからん男に取り憑かれたウツケの方が悪い。
それにこのままでは被害が増えるだけだ!
そして――ホルスの黒炎竜はもう助からない、ワレの本能がそう囁いている」
「フォーマルハウト……しかし!」
「甘っタレルなオシリス!
世界を救いたいのならココで要らぬ消耗をするわけにもいかんダロウ!」

フォーマルハウトは寄生された黒炎竜が助からないと見て、仲間を切り捨てる選択をした。
非情な判断であるが、黒炎竜を助けようとして被害を出すよりは殺して被害を防ごうという意味があるので、集団全体を考えれば間違いとも言えない選択である。
……されど、その行動自身も触手男には通用しなかった。

「……へっへっへ、涼しくて気持ちいいぜ」
「ナヌッ?!」

フォーマルハウトのクリスタルシックはサーシェスを凍死させるどころか、粘膜一滴すら凍ることはなかった。
そして技使用後の硬直した一瞬の隙を狙ってフォーマルハウトに向かって突進し、黒炎竜の腕がフォーマルハウトの口元を無理やりこじ開ける。

「ガッ!!」
「そうれ、お返しだ」
「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

こじ開けられた口に向かって、口移しのように黒炎竜のブレス――ブラック・メガフレイムが放たれた。
容赦のない黒い炎がフォーマルハウトを体内から焼き尽くし、やがて限界を迎えると、宝石を散りばめたような真竜の肉体が爆散した。
辺りにドラゴンズの仲間を失ったことに対する悲痛な叫びが木霊する。

「フォーマルハウトッ……!!」


【神体フォーマルハウト@セブンスドラゴン2020-? 死亡確認】

885悪性変異:2015/01/24(土) 04:24:34 ID:hjE6lcLA0


仲間を失っても、戦闘はなお続く。
その中でホルスBが疑問を口にする。

「奴には萃香の攻撃は効いたのにフォーマルハウトの攻撃が全く通じてなかったホル。 なぜホルか!?」
「……まさか! 寄生している奴自身も、宿主の能力を得られるんじゃ?」
「ギムレー、どういうことホル?」
「ホルスには魔法無効化の能力がある、触手男が乗っ取った相手の能力を使えるとすれば……触手男もホルス同様に魔法無効化の恩恵を受けているんだ!」

ギムレーの考察通り、サーシェスは黒炎竜を通して魔法無効化の力を得ていた。
故に萃香のパンチは効いたが、フォーマルハウトの魔法は効果がなかったのである。
それを聞いた仲間達が歯噛みする。

「クソッ、それじゃあ俺の蛇眼も通用しないってことか!」
「リザイアで弱らせてホルスさんを無力化する……この手段も使えませんね」

前者の蛮は蛇眼による催眠術でホルスから触手男引き剥がし、後者は体力吸収魔法を使って敵を殺さない程度に体力を奪って弱体化させ捕縛する作戦であったが、触手男にも魔法やそれに準ずるものが通じないとわかった以上、その戦法も使えなくなった。

「……このままじゃダメだッ! みんな、一旦退くぞ!」

そう切り出したのは6/である。
魔法こそ使えないとわかったが、素手でも強いナッパや萃香などが本気になればサーシェスを殺すことはできる。
だが、死亡したフォーマルハウトを除いて仲間を殺せるほど非情な判断を下せる者は、良くも悪くもお人好しばかりな2チームの中にはいない。
さらに言えば触手男の実力も未知数で、まだ隠し玉がある可能性もある。
それを鑑みた6/はイチローチームやドラゴンズに撤退させようとするべくディパックから大量の胡桃を取り出し、それらを両手で粉になるまで砕いていき、その粉を周囲に放出した。

「クルミボール番外技! クルミスモークだ!!」
「なんだこれは!? ゲホッ、ゲホッ!!」

胡桃の粉で作った茶色い煙幕が周囲を覆い尽くし、サーシェスの視界を覆った。

「敵の視界が潰れた! 今の内に逃げるんだ!!」
「しかし、ホルスが……」
「どのみち今の俺達にホルスを助け出す手段はない。
逆にここで逃げ切れれば、触手男からアイツを助け出せる方法や参加者を見つけられるかもしれない!
今は耐えるんだ! モタモタしていると煙幕が晴れちまうぞ!」

6/が逃げることを渋る仲間達を一喝すると、各々が煙幕に紛れて一目散に逃げ出した。
飛べる者は自力で、飛べない者は最寄りのドラゴンの背に乗り、その場から飛び去った。
煙幕が晴れた時にはサーシェスの周囲には誰もいなくなり、遠くを見ると集団は南北の二つに分かれて移動していた。

「クソッ、逃がすかよ!」

せっかくの獲物を逃がすかと言わんばかりに、サーシェスは黒炎竜の翼を使って集団の片割れを追う。
目をつけたのは……北側に逃げた集団だ!

886救いの光と残酷なる刃:2015/01/24(土) 04:26:16 ID:hjE6lcLA0
木更津市から北側に逃げたのは、イチロー、DAIGO、蛮、萃香、ロイ、ダイゴ、6/、ラミレス、オシリス、ホルスB、イドゥンの八人と三匹だ。
オシリスの背にはイチロー、DAIGO、蛮、萃香が乗り、ホルスBにはダイゴ、6/、ラミレスが、竜化したイドゥンにはロイが乗っている。
そして、サーシェスに寄生されたホルスの黒炎竜が遠巻きながら一行を追跡してきていた。
間隔こそ攻撃が届かない程度まで広がっているが、かなりの速度で追ってきているらしく、飛行速度を少しでも緩めれば追いつかれてしまうだろう。

「チクショウ、完全には撒ききれなかったか!」
「まずいのはそれだけじゃないホル、ソウルセイバー達とはぐれてしまったホルよ」
「ちなつもいないぞ!」
「久保サン、ナッパサン、ギムレーサン、リオレウスサンモイマセン……」
「落ち着くんだ、はぐれた仲間達はきっと無事さ。何かあっても戦闘力の高いナッパもいることだし」
「ロイ様の言うとおりです」

得体の知れない敵に追跡されているという現状と、仲間とはぐれてしまった事にホルスBと背にまたがっている仲間達が不安を口にし、ロイとイドゥンがそれをたしなめる。
一方、オシリスの背に跨るイチローも頭を悩ませていた。

(僕達はこれどうするべきか……? 活路を考えろ、考えるんだイチロー!)

6/のおかげで一時的に距離は離せたものの、追われている以上は窮地であることに変わりはない。
黒炎竜を触手男から助け出す手立てもなく、これから先にそれが見つかる保証はどこにもなかった。
レーザービームをぶつけて黒炎竜ごと触手男を消滅させる? ……かけがえのない野球仲間を殺す選択はイチローの中では論外であった。
しかし、ドラゴン達のスタミナは無限ではない以上、いつまでもこうして逃げ続けられはしまい。
いずれは仲間のために黒炎竜を殺す選択を強いられるかもしれない懸念がイチローを悩ませていた。

「イチローさん、俺とゼロならホルスを殺さずに助け出すことができるかもしれないッス」
「DAIGO? それは本当かい」

その時、DAIGOの口から光明につながるかも知れない言葉が出た。
仲間達にウルトラマンゼロが封じられているブレスレットを仲間に見せ、ホルス救出の手段について説明する。

「ゼロはこう言ってるッス。
時間が経つたびに力が戻っているのがわかるから、ひょっとしたらもうすぐ変身できるかもと言ってるッス」

ウルトラマンゼロの力は強力過ぎる故に制限によって一度変身すると12時間は変身できないようだ。
だが、ゼロが前に変身したのは一日目の22時で現在の時刻はもうすぐ8時30分になろうとしている。
ブレスレットの中でゼロは失ったエネルギーが時間増しに戻ってくるのを感じ、もうすぐ再変身できると察したのだ。

「あと1〜2時間は逃げてください!
そうすればもう一度ウルトラマンに変身できるかも」
「ウルトラマンのパワーは織り込み済みだけど、それでどうやってホルスを助けるんだ?」
「ウルトラマンの力は破壊だけじゃない。ゼロには『ルナミラクル』という力を持ってるそうです」
「ルナミラクル?」

DAIGOの口を借りたゼロの説明によると、ルナミラクルとはかつてゼロが異世界のウルトラマンであるダイナとコスモスと戦った折に二人から授けられた力の一つだという。
コスモスの浄化の力(ルナ)とダイナの超能力(ミラクル)の特性を併せ持ち、怪獣の魂を浄化したり治癒能力によって命を助ける力を有する、言わば救済救助の能力に特化した形態なのだ。
おそらく2チームの中で唯一、黒炎竜を傷つけずに触手男を分離できる存在であろう。

「しかし、奴には魔法が効かない。ウルトラマンの超能力も効かないんじゃないか?」
「イチローさん、ゼロはこうも言ってるッス。
あの触手男から……闇に近い強い邪悪な力を感じるって」
「邪悪な力?」
「ええ、闇に近い存在ってことは、うんと強い光の力があれば触手男の力をはね退けられる、と。
ウルトラマンは光の国の戦士だから触手男の力……ホルスの魔法無効化能力の干渉を受けずに無力化できるかもしれないッス」

ゼロは正体不明の触手男から、かつて戦った邪悪な宇宙人や怪獣と同質の『何か』を感じ取っていた。
その『何か』とは混沌そのものであるテラカオスの力なのだが、ゼロがそれを知る由もなかった。
それでも確証こそないが、相手が闇寄りの力の持ち主ならば自身の持つ光の力で対抗できるのではないかと考えたのである。

「不安もあるけど他に手段もない。オシリス、これに賭けよう!」
「頼むぜDAIGO、ウルトラマンゼロ。ホルスを助けてくれ!」
「ウィッシュ! ウルトラマンの奇跡の力を信じてくれよ!」

887救いの光と残酷なる刃:2015/01/24(土) 04:27:50 ID:hjE6lcLA0


サーシェスから逃げるべく、千葉の空を飛行する一行。
はぐれた仲間は気がかりであるが追いつかれれば確実に被害は出る以上、羽を止めて仲間を探す余裕が無いのだ。
そうして一方は仲間を救う唯一の手段のために、もう一方は破壊と殺戮の限りを尽くすために、一行と追跡者との間に緊迫走る空のデスマラソンが始まった。


【二日目・8時30分/千葉県木更津市から北側】

【アリー・アル・サーシェス@機動戦士ガンダム00】
【状態】ダメージ(中)、ホルスの黒炎竜Lv8に寄生、狂乱
    魔法無効、粘液による防御力上昇(大)、テラカオス化進行度(大)
【装備】ホルスの黒炎竜Lv8
【道具】なし
【思考】基本:せんそう、センソウ、とにかく戦争だ!
0:手始めに今、追っている奴ら(イチローチーム、ドラゴンズ)を皆殺しにする
1:参加者と主催者は片っ端から虐殺
2:赤いガンダム(ガンダムエピオン)には必ず雪辱を果たす
3:俺のアルケーはどこに行ったんだよ?!
※テラカオス化の影響で『いびきを一回する度に周囲に爆発のエフェクトが発生する』『髭が触手みたいになり粘液による高い防御力を手に入れる』『触手を通した他者への寄生と肉体の支配』能力を得ました
※ホルスの黒炎竜Lv8の肉体を奪ったことで魔法無効化能力を得ました
※主催の一員ですが、すっかり頭の中から抜けてしまいました
※闘争本能を増大させる新型ナノマシンとテラカオス化進行の影響による狂乱状態で、自分の肉体の変化に疑問を持っていません

【ホルスの黒炎竜Lv8@遊戯王】
【状態】ダメージ(中)、常時魔法無効、サーシェスに寄生されてる
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】
0:うぇwwうぇwwた、たすけてwwww
※サーシェスに寄生されているため、体の自由が効きません
※サーシェスがダメージを受けると、こちらもダメージを受けます



【イチローチーム+ドラゴンズ A】

【イチロー@現実?】
【状態】両腕のダメージ(中)、疲労(小)
【装備】野球道具
【道具】支給品一式
【思考】基本:イチローチームを優勝させる?
0:今は触手男(サーシェス)から逃げる
1:DMC狂信者を倒すために多くの仲間を集める
2:邪魔をしてくるDMC狂信者を倒すまでは試合は保留
3:ハラサンの言っていた予言とは一体……?
4:とりあえずドラゴンズは信用する
5:DMC狂信者の本拠であるビッグサイトを攻略したい
※ネオ・レーザービームは使用すると腕に多大な負担がかかり、あと三球以上使用すると選手生命が終わる危険があります

【DAIGO@現実?】
【状態】疲労(小)
【装備】ウルティメイトブレスレット@ウルトラマンサーガ
【道具】支給品一式、ヴァンガードデッキ
【思考】
0:イチローチームについていく
1:ウルトラマンマジ頼れる
2:ダイゴさんマジリスペクト……意思は引継ぐっス

【ウルトラマンゼロ@ウルトラマンサーガ】
【状態】健康
【装備】無し
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】基本:殺し合いを止める
0:触手男から物凄い邪悪な力を感じる……
1:どうにかしてDMCを止めたい
2:あと数時間待てばもう一度変身できる?
3:変身できたらルナミラクルゼロに変身し、ホルスの黒炎竜を助ける
※制限によって一度に数分までの間しか変身できません
 一度変身すると12時間は変身できません
※二日目10時になれば再び変身ができます

【美堂蛮@GetBackers-奪還屋-】
【状態】疲労(小)
【装備】サングラス
【道具】支給品一式
【思考】
0:イチローチームについていく
1:銀次を探す
2:DMC狂信者達と戦う

【伊吹萃香@しゅわスパ大作戦】
【状態】疲労(小)、ダメージ(小)強い悲しみ と怒り
【装備】なし
【道具】支給品一式、日本酒×99
【思考】
基本:イチローチームについていく
0:霊夢が死んじゃった……できれば仇を討ちたい
1:監督の久保先生を信頼
2:野獣が死んでメシウマ状態ww……だったのに

【ロイ@FE封印の剣】
【状態】疲労(小)、イドゥンと支援A
【装備】マスターソード
【道具】支給品一式
【思考】
0:イチローチームについていく
1:色々あったが、イドゥンと支援Aになれたのはよかった
2:支援A関係になる女性をさらに増やすぜ!

888救いの光と残酷なる刃:2015/01/24(土) 04:28:15 ID:hjE6lcLA0

【ダイゴ@ポケットモンスター】
【状態】疲労(小)、深い悲しみ
【装備】メタグロス
【道具】支給品一式 、コルトパイソン
【思考】
0:イチローチームについていく
1:助けてあげられなくてごめんな、ポッチャマ……
2:きれいな石集めは一時保留
3:南側に逃れたちなつ達が心配

【◆6/WWxs901s氏@カオスロワ書き手】
【状態】疲労(小) 、悲しみ
【装備】胡桃四千個
【道具】支給品一式
【思考】基本:ハラサンの意思を継ぎ、イチローチームを優勝させる
0:進行方向(浦安市)に俺と同じ胡桃使いの気配がする
1:ハラサン……ありがとう
2:大正義を忘れない
3:目立つことも忘れない
4:ナッパ達は大丈夫か?

【ラミレス@横浜DeNAベイスターズ】
【状態】疲労(小)
【装備】野球道具一式
【道具】支給品一式
【思考】基本:ハラサンの意思を継ぎ、イチローチームを優勝させる
1:ホ、ホルスサン…
2:レ、レイムサン、フォーマルハウトサン…

【オシリスの天空竜@遊戯王デュエルモンスターズ】
【状態】ロリコン、健康
【装備】バット、グローブ、ボールを多数
【道具】支給品一式
【思考】基本:ロリにモテるために世界を救う予言の謎を解明し、ドラゴンズも優勝させる
0:今は触手男(サーシェス)から逃げる
1:ホルスを助けたい
2:メンバーの補充をしたいが……(切実)
3:戦力を集めてDMCの本拠地であるビッグサイトに殴り込む
4:イチローチームとはしっかり野球で決着をつけたい
※イチローチームとの情報交換により、正式な予言の言葉を知りました
※オシリスの見立てによると魔力(生体マグネタイト)が集中しているビッグサイトへの直接攻撃は大爆発を招き、東京を巻き込む危険性があるそうです

【白光炎隼神ホルス@パズドラ】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:世界を救うためにオシリスについていく
0:進行方向に素晴らしいおっぱいの気配がするホル
1:そういえばまだ麒麟の奴が放送で呼ばれてないホル
2:貴重なおっぱ(ryソウルセイバーと無事に合流したいホル
3:うざい奴だけどホルスはどうにかして助けたいホル!

【イドゥン@ファイアーエムブレム 封印の剣】
【状態】健康、竜形態、ロイと支援A、ロイを乗せて飛行中
【装備】魔竜石、リザイアの書
【道具】支給品一式、不明品
【思考】基本:野球で優勝して、過去のふがいない自分と決別する
1:ロイ様と支援Aになれたのはよかった
2:南側に逃れた他のメンバーが心配
3:ロイ様が私の上に乗っている……///

889救いの光と残酷なる刃:2015/01/24(土) 04:28:58 ID:hjE6lcLA0



木更津から南側にはちなつ、久保帯人、ナッパ、ソウルセイバー、ギムレー、リオレウスの三人と三匹がいた。
彼らは偶然南方向に逃げたため、北方向に逃げた仲間達と違ってサーシェスの標的にならずに済んだ。
ならば彼らは安全なのかと言えば……そうではない。
こちらでも一つの危機が起こっていた。
それは――

「ちょうどいい機会だ。
悪いが、君達にはここで死んでもらう」

――イチローチーム監督、久保帯人の突然の裏切りである。
そして、その言葉を皮切りに吉川ちなつが久保帯人に背後から斬魄刀で串刺しにされた……心臓を貫かれた致命傷である。

「久、保先生、どうして……?」

口から血反吐を吐き、目から涙をこぼしながら、ちなつは問いかけた。

「君のような何の力も持たない存在は俺には必要ない。
あと俺、女嫌いなんだよ。漫画でも織姫とかルキアとか本当は描きたくないんだよ。
本当に理由はそれだけなんだ。悲しいなぁ…(諸行無常)」

そう言って久保帯人から刀を引き抜かれたちなつの体は重力に従って地面に倒れた。
返答はあまりにも理不尽なものだったが、ちなつはある程度納得していた。
正当防衛とはいえ、彼女は人を殺めてしまったことに罪悪感を抱いており、ずっと気に病んでいた。
だがそれも終わる……信じていた人間に裏切られて殺されるのは人殺しに相応しい最期だと解釈すれば、幾分か気も晴れた。

(あかりちゃんは……こっちに、きちゃダメだよ……)

死にゆくちなつが最後に思い浮かべたのは、影こそ薄いが親愛に値する赤毛の少女の笑顔だった。
そして吉川ちなつの生は終わりを告げる……

【吉川ちなつ@ゆるゆり 死亡確認】


「ちなつゥーーーッ!!」
「久保帯人……アンタって奴は……!?」
「このオークのオ○ンポにも劣る卑劣漢め!!」
「キナ臭いと思っていたが、まさかこのタイミングで本性を現すとは……」

ナッパが霊夢やフォーマルハウトに続く仲間の死に慟哭し、リオレウスは突然の事態に困惑する。
ソウルセイバーは裏切り者を心の底から蔑み、ギムレーは頭を抱えて冷や汗を流す。
特にギムレーは以前から久保帯人に対して水面下で警戒しており、自分達ドラゴンズがイチローチームのつかず離れずボディガードに回れば、いざ久保帯人が行動を起こしても対処できると踏んでいた。
ところがサーシェス襲来というイレギュラーな事態の発生によって集団は分断されてしまい、久保帯人を見張るどころではなくなってしまった。
対する久保帯人は戦力分断という最悪の事態を逆手に取り、戦力にならないちなつと自分の野望の邪魔になりそうなナッパの抹殺、同じく野望の邪魔になりそうなドラゴンズの力を削ぐことができるまたとない好機として行動に出た。
結果、サーシェスという外的要因によってギムレー達は後手に回ってしまったのだ。

「久保帯人てめぇッ! これは何の真似だ!!」
「ナッパ、君は本当に頭の鈍い奴だな。見ての通り裏切ったんだ。
ここにはイチローもいない、オシリスもいない。触手男も北側に逃げたイチロー達を追っていったしね。
今こそ他の仲間には知られずに、俺にとって都合の悪い連中を消す絶好の機会なんだよ」
「貴様……ッ!!」

890救いの光と残酷なる刃:2015/01/24(土) 04:29:43 ID:hjE6lcLA0

ナッパは感情のままに怒りをぶつけるが、対する久保帯人は余裕の表情で返した。
次は半ば混乱状態のリオレウスが問いかける。

「お、おい。救済の予言はどうするつもりなんだよ!
野球の試合をして優勝チーム作らないと世界がヤバイんじゃないのか?」
「俺にとってはむしろ、この世界には滅んで欲しいんだ。滅んだ後の世界に俺が頂点に立つためにね……」
「滅んで欲しいなんて狂ってやがるぜ! だが、世界に滅んで欲しいならなんで野球監督になってんだ?!」

リオレウスへの返答から、久保帯人の監督の座についていた理由への考察をギムレーは口にする。

「世界に滅んで欲しいなら普通は監督になって優勝チームを作ろうなんて思わない。
だがもし、最後に残った2チームを全滅させることで優勝チームを無しにして予言の完遂を阻止しようと企んでいるなら、ある程度合点がいく。
仮にイチローチームを全滅させたらあずかり知らぬところで他の野球チームが優勝してしまう可能性もあるわけだ。
だったら1チームを自分の手元において管理し、時が来れば皆殺しにする……そういうことだろう」
「ご名答だよ、ギムレー」
「この腐れ外道め、くたばりやがれッ!!」
「ますます狂ってやがるぜ……」
「アンタって本当に最低の屑ね!」

的を得ていたギムレーの名考察に久保帯人は拍手をし、そしてナッパ達はありったけの罵声を久保帯人に叩きつけた。

「さて、能書きは良いだろう。
そろそろ君達を芸術ヒィンにしてやんよ!」

ちょっと噛みながらも、久保帯人はついにナッパ達に宣戦布告をする。
そして刀を向けると同時に、その身から強い殺気と霊圧を溢れさせる。
しかしその程度で竦むサイヤ人と竜達ではない。

「だが、相手が悪かったな!
おまえはドラゴンズの竜三匹と戦闘民族サイヤ人のエリート戦士を敵に回したんだからな!
それに比べておまえは孤立無援! 勝目があると思うなよ!」
「……待てナッパ! 何か嫌な予感が――」

ナッパはギムレーの静止するよりも早く、掌をクンッと握って久保帯人とその周囲を爆破する。
爆破した周辺に爆煙が立ち込める。

「やったか!?」
「それはどうかな?」
「なに!?」

どこからともなく葬ったと思った久保帯人から余裕を交えた声が聞こえた。
さらに爆煙が晴れるとそこにいたのは久保帯人ではなく、傷ついたリオレウスであった。

「いててて……ナッパ、どうして俺を撃ちやがった?!」
「馬鹿な!? 俺は確かに久保帯人だけを狙って……」

そして、混乱する一行の頭上から笑い声が聞こえた。

「ハハハハ、笑っちゃうぜ(素)」
「久保帯人、いつの間に移動していたの?!」
「4対1なのにあの余裕ぶりからして裏がある予感はしていたけど、何か隠し種があるみたいだな」
「その通り。この完全催眠を可能にする『鏡花水月』が手元にある限り、馬鹿力や技の威力だけで俺には勝てはしないさ」

斬魄刀「鏡花水月」――とある死神の元隊長格が使っていた斬魄刀。
その力は相手に完全な催眠状態にしてあらゆる幻覚を見せる反則じみた力を持つ刀である。
この刀を使って久保帯人はナッパを催眠にかけて欺き、リオレウスへ誤爆させたのだ。
頑丈な体を持つ竜でなければ、ナッパの攻撃でバラバラになっていたところだ。

実は久保帯人が野獣先輩捜索隊の盟主になれたのも、この刀を使ってメンバーから偽りの信頼を築き上げたためである。
主催による制限によって仮面ライダーG(ゴロリ)のようなサイボーグや、オシリスやホルスのように幻覚に一定以上の耐性がある者には効かないが、この場に前者はもちろん後者のように幻覚に強い耐性がある者はいない。

「完全催眠だと!?」
「ギムレー、絶大的な力を持つ邪竜のあなたならどうにかできないの?」
「……ダメだ! 首輪のせいか魔力が大幅に制限されている!
邪竜になれればその力を一時的に力を解放できるけど、これまた制限のせいなのか、先の変身からしばらくは邪竜の姿になれそうにない」
「打つ手なしかよ! ここは三十六計逃げるが勝ちだ」
「リオレウス、ちなつの仇を前にして逃げろっていうのかよ!?」
「戦うには相性が悪すぎだ! 俺は逃げさせてもらう。
それにこの件を完全催眠に対抗オシリス達に伝えりゃワンチャンあるかもしれないしな。
これは久保帯人を懲らしめるための戦略的撤退だ!」

リオレウスが久保帯人から逃れるべく、ナッパの非難を押しのけて逃げだした。
だが、彼はすぐに戻ってきた。
しかし、戻ってきたのは決して本人の意思ではない。

891救いの光と残酷なる刃:2015/01/24(土) 04:30:27 ID:hjE6lcLA0

「……アレ? なんで俺戻ってきてるんだ??」
「完全催眠によって正しい方角がわからないようにした。
どこへ逃げてもここへ戻ってくるようになってるぞ。
ちなみに助けを呼んでも無駄だ。
周辺にいる者も完全催眠にかけて声や姿も見せなくするだけさ」
「いくらなんでもチート過ぎだろオイ!」

完全催眠にかけられている以上、どこへ逃げようとも同じ場所に戻ってくるのだ。
そして完全催眠がある以上、一行が助けを呼んでも声が他者に届くことはなく、姿も見えないようにすることすらできる。
久保帯人にとって都合の良い幻覚を周囲に振りまくことこそが鏡花水月の恐ろしさであった。

「でも私達にはまだ――」
「――ドラゴンネットワークがある!!」

周辺からの救援が宛にならないならと、ソウルセイバーとギムレーがテレパシーでの情報発信を試みる。
通信をキャッチしてどこか遠くから友好的なドラゴンが駆けつけてくれるなら御の字だ。
最悪でも、北側に向かったイチローチームとオシリス達が久保帯人が危険人物だと知らせられると踏んでの通信だった。

「無駄だ。俺が完全催眠だけに頼る男だと思ったか?」

しかし、その通信も久保帯人から放たれた圧倒的な霊圧によって阻害されてしまう。

「なんてデタラメなパワーなの!?
おまけに霊的な力でドラゴンネットワークが繋がらない!!」
「こいつを倒さないとどうにもならないということか……ッ!
まずい、これは非常にまずいことになったぞ」

その強すぎる霊圧は、久保帯人がただの卑怯者ではなく、理不尽級の力を持った実力者であると一行は悟らせた。
しかも完全催眠によって下手に攻撃すると同士討ちになる。
同じく完全催眠によって逃げることもできず、ドラゴンネットワークによる救援も望めない。
南側に逃れた一行は、サーシェスに追われないことと引き換えに絶望的な戦いを強いられることになった!

戦慄する一人と三匹に対し、サングラスの下で余裕の笑みを浮かべながら久保帯人は言った。

「安心するんだ、君達の分も俺やイチロー達で頑張って殺し合いの打破はしておくよ。
仲間と合流できたら君達の死はDMC狂信者のせいだとみんなには伝えておく。
そうすればオシリスやホルスB達も、DMC狂信者の殲滅に躍起になってくれるだろうさ」



「だが、お前らはもう生きて帰れねぇからな?」

果たして三匹の竜とサイヤ人は、この悪意に満ちた男に打ち勝つことができるのか!?


【二日目・8時30分/千葉県木更津市から南側】
【イチローチーム+ドラゴンズ B】

【ソウルセイバー・ドラゴン@ヴァンガード】
【状態】健康、巨乳
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:世界を救うためにも、オシリスについていく
0:裏切った久保帯人を倒す
1:人間のオチ○ポには絶対に負けたりしない
2:都庁軍討伐は後
3:都庁軍は絶対に信用しない
※♀です

【ギムレー@ファイアーエムブレム 覚醒】
【状態】ダメージ(中)、人間形態
【装備】トロンの書、鋼の剣、邪竜の鱗
【道具】支給品一式、不明品
【思考】基本:野球で優勝して、自分の信者を増やす
0:裏切った久保帯人を倒す
1:完全催眠を使う久保帯斗にいかにして勝つか……
2:試合の邪魔をするDMC狂信者を倒すために、本拠であるビッグサイトを攻略したい
※外見はデフォルト設定の銀髪青年です
※制限により、しばらく邪竜形態でいることはできません

【リオレウス@モンスターハンターシリーズ】
【状態】ダメージ(大)、混乱気味
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:へたれイメージ払拭のために野球で優勝する
0:裏切った久保帯人を倒す
1:オシリスに着いて行く
2:実はレイアと仲直りしたい

【ナッパ様@ドラゴンボールZ】
【状態】健康、野球脳、激しい怒り
【装備】なし
【道具】一人用のポッド
【思考】基本:ハラサンの意思を継ぎ、イチローチームを優勝させる
0:裏切った久保帯人を倒す
1:よくもチームメイトを殺したな! 久保帯人!
2:野球を邪魔するDMCは許さない
3:バーダック生きてたのか
4:あのガキ(光熱斗)にはいつか報復する、野球で
5:ベジータはそのうち探す
6:無事でいてくれよみんな……

892救いの光と残酷なる刃:2015/01/24(土) 04:30:57 ID:hjE6lcLA0



【久保帯人@現実?】
【状態】疲労(小)、イチローチームの監督
【装備】斬魄刀「鏡花水月」@ブリーチ
【道具】支給品一式、サングラス、SMプレイ用の道具一式
【思考】基本:世界を滅ぼし天に立つために主催者を殺す
0:邪魔なドラゴンズの面子とナッパをここで始末する
1:ナッパ達を始末次第、イチロー達と合流
2:監督としてイチローチームを上手く操り、他のチームを全て全滅させる
3:イチローチームが優勝を勝ち取る寸前で裏切り、儀式(野球)を台無しにさせる
4:殺し合いを促進させてしまうDMC狂信者は消しておきたい
※鏡花水月の完全催眠と強い霊圧により、ナッパ達は外部への救援を望めません
※鏡花水月は制限により、耐性のある者やサイボーグなどの機械の体を持つ者には効きません

893未来への接近:2015/01/28(水) 00:11:34 ID:LV.x0JIc0
混沌とした殺し合いの世界において、安全と言える場所は極めて少ない。
一番安全であったはずの主催者本部・九州ロボも襲撃されて数々の戦死者を出した。

次点として言える安全地帯は戦艦『死国』。
だがここも、内部からのテラカオス感染者と外部からの巨大勢力により揺らぎ始めている。

続いて東京都庁改め世界樹。
豊富な食料と水は快適な生活を約束するだろうが、ここもやはり敵対勢力が多すぎる。

東京ビッグサイト。信者以外にとっては地獄そのものである。


「あー……光合成してぇ……」
「陽の光を浴びるのは、気持ちいいですよね」
「うん、ぼくもひなたぼっこは好きかな」
「まあ俺の場合、適当に獲物狩って喰った方が早いんだが、植物の本能ってやつだ」


そんな中、首相官邸跡地では和やかな朝がむかえられていた。
仲間同士で交代で休憩をとり、野田総理が溜め込んでいた食料で食事も難なく済ませた、なのは組である。
今は桑原とレオリオが休み、ユーノとなのはが情報室。そしてハス太とエリカが警戒という態勢だ。
夜間も続けて警戒していた神樹は、少しも疲れた様子を見せていない。

「しかし、まさかフォレストセルも起きるとはな……なんでかあいつ、動かないが」
「神樹と似た存在なのでしたよね?それならあの子もくさタイプポケモンの素質が……」
「ぼくにはあの生き物が邪神の類にしか見えないよ。エリカさんは勇気あるなぁ……」
「いやもうそういう次元じゃねえだろ。俺を見て嬉しそうにする奴なんて初めて見たもん」

彼らの休憩中にはいくつか事件があった。
なのはとユーノが夜の営み未遂をやらかし、遅れた定時放送では凶悪な食人鬼の情報が公開。
さらに数度の地震の末、都庁の地下からは神樹と同格のフォレストセルが目覚めた。
だが既に神樹はフォレストセルの存在を知っており、また動かないことから現在の危険性は低いと判断した。
そして指名手配された風鳴翼については聡明なユーノがきな臭さを感じたため、しばらくは様子をみるべきだとされた。
神樹すら、映像の風鳴翼を見ただけでこいつは俺以上に歪んだ気配がすると言ってのけたのだ。
相手の手の内がわかっているならともかく、得体のしれない怪物を討伐しにいくほど彼らは愚かではなかった。

「さてと、もーちょいして桑原とレオリオが起きたらいよいよ移動か?」
「どこに向かうべきだろう……」

そして情報室のパソコンより主催者陣営に関する一部の情報も引き抜き、休息もとれた彼らは次の行動方針を決めていた。
世界の滅亡を防ぐため、そして風鳴翼や各地を蹂躙するDMC信者への対抗として新たな仲間を求めるつもりなのである。
快適ではあったが、それだけでいつまでも首相官邸に留まっていては未来を変えることはできない。



「 オ ー ホ ッ ホッ ホ ッ ホッ ホ ッ ホッ ! ! ! 」



――後に彼らは後悔する。


――もう少し早く出発していれば……と





894未来への接近:2015/01/28(水) 00:12:02 ID:LV.x0JIc0
「神樹、右後方にグランドシザー!ミサイルをかわしてカウンターでレイジングバッド!」
「了解っ!」

グンマ―の民ですら持て余した凶悪な黒樹の鉤爪と蕾が、トレーナーの指示により的確に振るわれていく。
巨体から繰り出されるそれは、黒い嵐と言っても過言ではない。
首相官邸を薙ぎ倒した時以上の力は、周囲の建造物も同じように瓦礫に変えていく。
もしかしたら中には隠れていた参加者がいたかもしれない。だが、そんなことを気にしている余裕などありはしなかった。

キラーマジンガ は 持っている武器を激しく振り回した!

デスマシーン は ミサイルを乱射した!

エビルエスターク の攻撃! 痛恨の一撃!

ヴァルゴ は 光の弾を乱射した!

オルゴ・デミーラ は メラゾーマを唱えた!

「こっ……の鉄屑どもがぁ!」
「く……神樹!蕾を破壊される前にライオットランス!」

神樹とそれに指示を出すエリカを狙うのは、凶悪なマシンモンスターを引き連れた天魔王軍。
強力な対主催集団であった警察組を半壊させた彼らは、次なる獲物として首相官邸を根城としていたなのは組を狙ったのだ。
理由としては、明らかに強敵かつ邪魔になりそうな神樹の排除。
ここを目指しているらしいブリーフ博士らとの合流前に、ここは潰しておく必要があるのだ。
首輪解除のためにはブリーフ博士は生かしておかねばならず、神樹に博士を守られた場合は彼を殺さず神樹のみを倒すという、
極めて難易度の高い作戦となってしまうためである。
相手が滅ぼすべき存在だけであれば、存分にマシンモンスターは暴れることができる。

「ちょこまかしてんじゃねえ!」
「ぐおっ!?」

暴れ狂うマシンモンスターを見た瞬間、神樹はハス太をさがらせ、仲間にも地上に出てくるなと伝えるように言った。
天魔王軍と同じ理由だ。自分が周りを気にすることなく暴れるために。
トレーナーのエリカのみ、自分の頭部にしがみつかせて、神樹もまた存分に暴れる。
勇気を嘲笑う鉤爪が、ヴァルゴを捉えて大地へと叩きつけた。

「オーホッホッホッ!やるじゃない、でも私の美の前には全てが無力なのよぉ!?」
「がぁっ!?」

しかし、流石の神樹といえども、相手が悪かった。
強大な力を持つデミーラは、闇のルビーの力により更にその力を増大させ。
マシンモンスターは異常な攻撃力と守備力を兼ね備え、さらに元は支給品扱いであったために首輪がついていない。

「前に始末した連中も、ポケモンに指示を出していた奴が厄介だったな。やはりお前から始末すべきか」
「ぐぅっ……!?」
「エリカッ!?」

そしてマシンではないが、瞬間移動を繰り返しては神樹の死角へと回り込む怪人もまた厄介であった。
その死角を補うように指示を出していたエリカの腹部に、とうとうヴァルゴが放ったアンカーが突き刺さる。

「その項、削ぎ落としてくれる!」
「神樹、私は平気です……!真後ろにサイクロンボルト!」
「う、ごあああああああぁぁぁぁぁ!?」

局所的な雷嵐をまともに浴び、ヴァルゴは全身から煙をあげながら今度こそ落下し、地面へとぶつかって跳ねる。
だが同時に彼の得物であった立体機動装置のアンカーも重力により引っ張られ、結果としてエリカの肉を抉り取っていくこととなった。

895未来への接近:2015/01/28(水) 00:12:35 ID:LV.x0JIc0
「おい、大丈夫なのか!?」
「へ、平気です……この程度。神樹、左に囮のテンタクルロッド……相手がそれをかわしたところに混沌の抱擁を……!」

声から、エリカが相当なダメージを負っていることは明らかだ。
それでも神樹は、彼女の指示通りに動く。敵さえ葬れば、後から自分もエリカも治療ができる。

「 混 沌 の 抱 擁 」

そう判断したからこそ、神樹は己の持ち技の中ではあまり好まない搦め手を使う。
歪んだ世界樹の瘴気は、辺り一帯の存在に対して様々な身体異常をもたらし――それはたとえ機械であったとしても逃れることは不可能。

キラーマジンガは麻痺した!
ヴァルゴは盲目状態になった!
デスマシーンは石化した!
エビルエスタークは猛毒状態になった!

「や、やってくれるじゃない……の……!」

オルゴ・デミーラは睡眠状態になった!

「げほっ……今です神樹!蕾と鉤爪を復活させて……!」
「わかってるっての!」

刻まれ、焼き落とされた神樹の蕾と鉤爪が再生する。
そしてそれが奇妙な動きをすると、不思議な紋章が現れ、神樹の膨大な魔力をさらに増大させた。


「くたばれ――!  深  緑  の  聖  櫃  !  !  !  」


神樹の瞳が見開かれ、凄まじい魔力の奔流が解き放たれた。
本体に障壁を張る役割も兼ねている4つの蕾と鉤爪が存在している時、この魔力の暴走は最大の威力を発揮する。
属性など存在しない、純然たる破壊のエネルギーは、たとえ天魔王といえども一撃で消し飛ばすには十分すぎる威力だ。
ましてや相手は眠っており、回避不可能かつ睡眠時による被ダメージ倍増効果も乗る。
強大な自然の力と、人間の知恵が合わさり、恐ろしき魔王を打ち倒したのだ。





「ガガ、ピー……ダメージ、大。ミチノモウドクウイルス、ナイブフショクシンコウ――被害甚大。
ゼンポウ、チョウマリョクエネルギー感知。予測ダメージ――測定不能、測定不能。
エマージェンシー、緊急事態ノタメ『くろいきり』ノサンプヲ優先シマス」






「なっ……!?」

機械音声と共に、周囲を一気にのみこむほどの黒い霧がエビルエスタークの全身から噴出される。
たったそれだけのことで、今まさに魔王を仕留めようとしていた深緑の聖櫃は……霧散した。

896未来への接近:2015/01/28(水) 00:13:09 ID:LV.x0JIc0
「ば、馬鹿な!何が起きた……!くそ、この霧はまさか……!」
「そのまさかよ、お馬鹿さぁぁぁぁぁぁん!?」

困惑する神樹の鉤爪を、天高く舞い上がったデミーラの手刀が切り落とす。

「よくもやってくれたわねぇ?でもお生憎様。こういう事態に備えて、エビルエスタークには最終兵器があるのよ。
敵も味方も関係なく、どれだけ強力な魔法や加護であろうと無効化する、黒い霧がねぇ!」
「く……だが、それならてめえらも……!」
「ええそうねぇ。この霧の中じゃ、私でも魔法は使えないわぁ。でも私にはこの美しい肉体がある……
――あなたはどう?蕾と鉤爪をもがれた状態のあなたは…… 魔 法 し か 使 え な い ん で し ょ う ?」
「神樹!再生を……!」
「無駄よぉ!死・に・な・さーーーーーーーーーーい!」
「ぐああああぁああああぁあああ!!!」

動きが鈍ったといえどもキラーマジンガとエビルエスタークの攻撃力は凶悪であり、再生した側から蕾と鉤爪を切り捨てる。
そして神樹の再生よりも早く、デミーラの凶悪な攻撃が次々と神樹本体へと叩き込まれていく。
美しい動作で繰り出される正拳突き、美しい回転から生み出されるかまいたち、美しいフォームで投げられる燃え盛る火炎……
元々天魔王にとって、魔法など所詮は飾りにすぎなかったのである。

「まだまだいくわよぉ?」

さらに、美しく念じれば思念エネルギーの球が神樹とエリカの間を高速で移動し、二人の身体を容赦なく打ち付けた。
魔王の身でありながら、魔法を使わない方が強い魔王……それがオルゴ・デミーラであった。

「ぐ……ぅ……!」

ついに、神樹は崩れ落ちる寸前までの傷を負ってしまう。
触腕はいくらでも再生できるが、本体にまではその驚異的な再生能力が備わっていない以上……死は目前であった。

「うぅ……」

それはトレーナーであるエリカも同じくであり、人の身でよくここまで耐えたと褒められてもいい程にボロボロだ。
再び念じボールを撃たれたら、間違いなく死ぬ。

(ちくしょう……やっと、封印から解き放たれて……自由になって……
捕まっちまったが、はじめてこんな俺でもまだ植物として扱ってくれる人間に会えて……
あれだけ自分の力に自信を持っておきながら……そいつ一人も守れずに……こんなところで、俺は朽ち果てるのかよ……!)

神樹はもはや、意地だけで崩れ落ちることを拒み、立ち続けていた。
しかし、そこまでだった。デミーラの指摘通り、腕をもがれ魔法を封じられた神樹には何もできやしない。

「なかなか手こずらせてくれたけど、これで終わりよ」

マシンモンスターとデミーラの身体に、力が溜められる。
さらにどうやったのか、石化状態から回復したデスマシーンは――核爆弾の発射用意をしていた。

(せめて一矢……無理だ。それなら……!)

神樹が瞳を閉じる。
それと同時に4つの蕾と鉤爪が再生する。

「無駄だって言ってるでしょぉ!?」

止めをデスマシーンに任せたのか、残りのマシンとデミーラが一本ずつすぐさまそれを破壊する。
僅かな時間だけ、蕾を生やした腕だけが残った。

897未来への接近:2015/01/28(水) 00:13:38 ID:LV.x0JIc0
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!」
「な、なに!?」

その瞬間、神樹はこの世のものとは思えない叫び声をあげた。
突然のことに、デミーラさえもが一瞬動きを止め、デスマシーンも内部の操縦者が硬直した影響で動きを止める。
そんな中で、倒れ伏して虫の息であったエリカだけが、何故かその叫び声の内容を理解できた。

――セル、今から投げるこいつを受け止めて、救ってくれ!

(俺と同類のフォレストセルが、起きて人間を殺して回る行動を開始しないなんてまずありえない。
可能性として考えられるのは、俺と同じように……あいつにも、理解者が現れたということ。
どのみちこのままじゃ俺と一緒にエリカは殺されちまうんだ……俺はその可能性にかける……!)

「しん――」

エリカが静止するよりも早く、神樹は残された一本で主を拾い上げるとそのまま――投擲の構えに入る。
元首相官邸から元東京都庁までの距離は数キロメートル程度。傷ついているとはいえ、神樹の巨体と力ならば造作もない範囲だった。


エリカが投げられた直後、デスマシーンから大量の核爆弾が発射される。


小型とはいえ、複数のそれが続けざまに爆発すれば、あらゆるものを核の炎が飲みこむ。
たとえかつて世界樹とされた存在であれ、抗う術はない。


 オ ー ホ ッ ホッ ホ ッ ホッ ホ ッ ホッ ! ! ! 


燃え盛る核の炎は全てを焼き尽くしていく。
そんな猛る炎の音以上に響く魔王の勝利の笑い声は、しばらく続くのであった。





「も、申し訳ありませんデミーラ様……!敵の攻撃を浴びてしばらく行動不能に陥るなど……!」
「いいのよぉミケちゃん。あなたは美しく十分に活躍してくれたわ。平山ちゃんもよく頑張ったわぁ」
「ありがとうございます。まさかデスマシーンに石化耐性が無いとは思いませんでしたが……
こんなこともあろうかと、事前に石化回復薬を参加者から奪っておいて正解でした」

やがて炎が消えて、そこに燃えカスしか残っていないことを確認した天魔王軍は僅かな休息をとっていた。
相変わらず黒い霧が発生しているため魔法は使えないが、彼らには大量の支給品がある。
デスマシーンの石化を解除したのも、ヴァルゴとなっていたミケの傷を癒したのも、全てそれらのおかげだ。

「さすがにちょっとばかり厄介な相手だったけど、あいつは間違いなく全参加者の中でも最上位の実力者よ。
そんな奴を相手にしても、こうして私達は生きている……オーホッホッ!やっぱり美しいものは滅びないのよ!」
「しかし、あの化物は最期にトレーナーをどこかに投げたようでしたが……」
「木偶人形のひとつぐらい放っておきなさい。おおかた、自分に勝てる指示を出さなかった飼い主への怒りをぶつけたのよ。
それに仮に助けるつもりだったとして、あの傷でどこかのビルにぶつかったらそれだけで死ぬわ。
そう、人間は弱く脆い。生き残る価値があるのは、あなた達のような存在なのよ!オーホッホッホッ!」
「「ありがたきお言葉……!」」

魔王の高笑いを受け、ミケと平山の士気はさらに高まった。
それなりのダメージを受けてしまったが、デミーラの言うとおり今度はヘルクラウダーのような犠牲を出さずに全員が生きている。
見るからにやばい怪物を、一人も欠くことなく葬ったのだ。天魔王の、いや天魔王軍の力は本物であるという何よりの証拠だ。

天魔王軍はそのまま奪い取った支給品で傷を癒しつつ、今度は首相官邸の地下へと攻め込む準備を整えるのであった。

898未来への接近:2015/01/28(水) 00:14:10 ID:LV.x0JIc0
【二日目・8時00分/日本・首相官邸跡地】
※首相官邸跡地付近が戦闘の影響により炎上しています
※黒い霧の効果で魔法を使うことができません。霧の範囲は不明

【天魔王軍】
【オルゴ・デミーラ@ドラクエ7】
【状態】ダメージ(小)、魔力消費(小)、美しい人間形態
【装備】闇のルビー
【道具】支給品一式、香水、口紅、ベビークラウド×いっぱい@ドラクエ7
【思考】
基本:主催者を美しく皆殺しにして自分が支配者となる
0:地下の連中も始末し、ここに来るらしいブリーフ博士を確保する
1:都庁、DMC、主催者その他、邪魔な勢力を一掃する
2:首輪も処理できれば処理しておきたい
3:部下にふさわしい参加者がいれば、新しい天魔王軍として美しくスカウトする
4:日本以外を潰した首謀者がいるなら、そいつも美しく殺す
5:できれば醜い本気形態にはなりたくない
※美の感じ方は人それぞれです
※平山より、主催者が九州ロボにいる情報を手に入れました
※エビルエスタークとベビークラウドを直接の指揮下においています
※黒い霧を凍てつく波動で無効化することができます

【エビルエスターク@DS版DQ7】
【状態】ダメージ(大)、すれ違い通信によりレベルMAX状態
【装備】不明
【道具】無し
【思考】基本:オルゴ・デミーラに従う
※黒い霧は凍てつく波動や他の霧などで無効化、上書きすることができます

【平山幸雄@アカギ〜闇に降り立った天才〜】
【状態】健康、 士気高揚、デスマシーンに搭乗中
【装備】サングラス、雀稗
【道具】支給品一式、大量の不明支給品(内容確認済み、一部消費)
【思考】基本:死にたくないのでオルゴ・デミーラに従う
1:戦闘は無理なので、後方支援に徹する
2:天魔王軍の一員として、この世界で成り上がってやる……!
3:傷ついたマシンモンスターも支給品で回復し、万全の状態にしてから地下に乗り込む
※デスマシーンを直接の指揮下においています、また内部に搭乗しています。

【デスマシーン@FF・SaGaシリーズ】
【状態】ダメージ(中)弾薬消費(小)
【装備】大量のかくばくだん、大量のミサイル
【道具】支給品一式
【思考】基本:オルゴ・デミーラに従う

【ミケ・ザカリアス@進撃の巨人】
【状態】ダメージ(中)、疲労(中)、士気高揚、ヴァルゴ・ゾディアーツに変身中
【装備】乙女座のホロスコープススイッチ@仮面ライダーフォーゼ、立体機動装置一式(損傷有り)
【道具】支給品一式、大量の不明支給品(内容確認済み、一部消費)
【思考】基本:死にたくないのでオルゴ・デミーラに従う
1:ゾディアーツの力を使い、天魔王の手先として働く
2:天魔王の力があれば、ドラゴンも巨人も巨木も怖くない……!
※キラーマジンガを直接の指揮下においています、

【キラーマジンガ@DS版DQ7】
【状態】ダメージ(中)、すれ違い通信によりレベルMAX状態
【装備】不明
【道具】無し
【思考】基本:オルゴ・デミーラに従う

899未来への接近:2015/01/28(水) 00:15:01 ID:LV.x0JIc0



「あ……あぁ……!」

口元を抑え、叫びそうになるのを必死で堪えながら、なのはは地下へと降りていた。
神樹の強さは理解していた。していたからこそ、思ったよりも戦闘時間が長いことが気になった彼女は少しだけ地上に戻っていたのだ。
そこで見たのは、崩れ落ちる寸前の神樹の姿。

それは、夢の中で見た光景と全く同じではなかったが、似た状況であった。
もしあの夢が、未来を示すものであったとしたら?
この後に待っている運命は……

(ううん、弱気になっちゃ駄目!だって、夢の内容と完全に一致していないなら、ユーノ君が怪物になるとは限らない……!)

地上に漂っていた黒い霧は、すぐに危険なものだとわかった。
魔力の収束を邪魔する妨害攻撃は、未来でも受けたことがあるからだ。

(でも、まずい状況なのは変わらない……!はやくこのことをみんなに伝えて、神樹とエリカさんを助けに行かないと!)

夢は、現実のものとなるのか。
それは避けられない運命なのか。
僅かな不安を残したまま、魔法少女は仲間達が集まっている部屋の扉を開く。

【二日目・8時00分/首相官邸地下の廊下】

【高町なのは@魔法少女リリカルなのは】
【状態】健康、19歳の身体、焦りと不安
【装備】レイジングハート@魔法少女リリカルなのは、千年タウク@遊戯王
【道具】基本支給品一式、タイムふろしき@ドラえもん
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
0:仲間達に状況を伝え、未知の敵(天魔王軍)に対処する
1:死んでしまったヴィヴィオたちのためにもこの殺し合いを終わらせる
2:ユーノ君がいれば何も怖くない!
3:あの夢が現実になるわけ……ないよね?
※千年タウクの効果によって、高町ヴィヴィオの存在と日本に世界を襲った大災害が起こる未来を知っています。
※タイムふろしきを使ったので、19歳の肉体に成長しました。
※未来の自分が使っていた技の一部が使用可能です。




900未来への接近:2015/01/28(水) 00:15:36 ID:LV.x0JIc0
「はぁ……本当にほむらの言った通りソウルジェムがぴっかぴかになったよ。
いやだからって魔女を退治してグリーフシードを集めなくていいってわけでもないしなー……」
「にしゃ?」
「う゛……ちょっと、こっち見ないでくれる……?あんた見てると本当に魔女がかわいいもんに見えてくるよ」

その頃、魔法少女である美樹さやかは世界樹の入り口――フォレストセルの真横にいた。
他の都庁の主だった人員はメロンライダー捕獲のためにすでに行動しているが、彼女だけは待ったがかけられたのだ。
度重なる戦闘により濁りきったソウルジェムを浄化しろと、ほむらから釘をさされたために渋々とだが。
とにかく言われた通り、フォレストセルの元にソウルジェムを持っていけば、本当にその穢れを食べてくれた。
さやかはそれに驚くと同時に、何故か不思議と気分が明るくなったような気もした。

「これがかわいいって、まどかどういう感性してるんだか……」

用事も済んだため、正直一刻も早くフォレストセルから離れたいさやかは踵を返す。
しかしその瞬間。

「――――■■■■■■■■■■■■■■!」
「にしゃ!?」
「いぃっ!?」

首相官邸付近に生えていた、謎の黒樹の咆哮が耳を貫く。
フォレストセルも一瞬驚いたようだが、突然奇妙な動きを開始した。

「え、あんたなにして――」
「……にっしゃしゃー!」

咆哮の直後にこちらへ向かって飛んできた何かを、フォレストセルは4本の蝕腕を動かしてがっちりとキャッチしてみせた。
外見に似合わない精巧な動きにさやかは思わず感心してしまうが、飛んできたものを見て一気に表情を変える。
――人だ。

「ちょ、空から人が降ってきたの!?しかも血まみれじゃん!と、とにかく治療しなきゃだよね!?」
「ま……待って、ください……」

慌てるさやかに対して、地面に横たえられた人間――エリカは掠れた声でさやかを止めた。

「傷を治せるなら……私よりも、この子を……」

弱弱しく投げられたボールが光り輝くと……

「…………」
「うげぇ!?さっきまで生えてたよくわかんない黒い奴!?」

――ぐったりと崩れ落ち、ぴくりとも動かない神樹が姿を現した。
とどめの核爆弾が神樹を焼き尽くす前に、エリカが空中でモンスターボールを起動してひっこめたのである。
ポケモン扱いされている神樹だからこそできた真似だが、それでも瀕死状態なのは明白。

「ど、どうなってんのよ一体……!」

血まみれの少女に託された、瀕死の怪物の治療。
こちらの魔法少女もまた、葛藤する。

901未来への接近:2015/01/28(水) 00:16:02 ID:LV.x0JIc0
【二日目・8時00分/東京都庁入口付近】

【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】健康、葛藤
【装備】ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ(新品同然)
【道具】基本支給品一式、不明支給品
【思考】基本:マミさんの為にも、殺し合いを止める。
1:怪物を治療する?治療しない?
2:まどかは守るが、まだ魔物に対しては完全には心を許さない
※8期、9期とは関係ありません。
※放送の内容をラブ達から聞きましたが、上条恭介の死を知りません。

【エリカ@ポケットモンスター】
【状態】ダメージ(特大)、歪みし豊穣の神樹のトレーナー
【装備】モジャンボ、キノガッサ、他不明
【道具】基本支給品一式、モンスターボール×3
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
0:目の前の少女に神樹を治してもらいたい
1:ポケモンと一緒に生き残る
2:珍しい植物タイプはゲットしておく
3:できればすぐにでもなのは達のところへ戻りたい

【歪みし豊穣の神樹@世界樹の迷宮4】
【状態】瀕死、パーツ全破壊状態、エリカのポケモン
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
0:気絶中




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