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修正SS投下スレ

145悲劇の泉でやりたい放題です!(修正) ◆gry038wOvE:2013/09/16(月) 02:07:53 ID:Jb4jQKnY0



 ここから、良牙の説明を聞くために詰所に戻った三人は、説明を聞くよりも先に、まず風呂に向かった。全身がびしょ濡れな彼女らとしては、とりあえず風呂に入らなければならない。この殺し合いに来てから、全身が濡れるのは、第一回放送後に川に落ちて以来、二回目になる。実を言うと、それも同じ人間のせいだったが、つぼみは知る由もない。
 狭い詰所ながら、風呂くらいはあった。着替えは、さやかの支給品の黒いタイツスーツ──デストロン戦闘員スーツを使うしかない。このスーツは三着あったが、一条のライダースーツは水を弾いていたので、とりあえず必要となるのは自分の分と良牙の分で二つになるだろう。
 服は全て、適当な場所で乾かす。下着は、ドライヤーで乾かせばいいだろうか。

 かぽーん。

「……ふぅ〜……極楽ですぅ〜」

 頭にタオルを乗っけて、つぼみが呟いた。
 決して大浴場というわけではないが、全身の力が抜けていくような感覚である。
 ここまで、随分いろいろあったものだ。泥にまみれ、砂にまみれ、敵と戦い、悲しんで……服もボロボロになりそうだったし、随分と身体も疲れた。
 このままずっとここにいたいほどに、つぼみは疲労困憊である。
 暖かすぎて、頭がぼーっとしてくる。
 悲しい事も、ここが殺し合いである事もだんだんと忘れられていく。そんなお風呂の温かさが、つぼみをここにずっといたい気持ちにさせていた。
 だが、やはり無理だ。
 風呂を堪能しに来たわけではない。濡れた体を温め、服を乾かし、ついでにシャワーでも浴びて身体を綺麗にするために来たのだ。
 唯一休息といえる三分間は、あっという間に過ぎる。

「……善は急げ……こうしちゃいられないですね」

 つぼみは、その後石鹸で身体を洗い、すぐに風呂を出て、脱衣所で身体を拭く。
 その後、少し恥ずかしいがタイツスーツを着て、下着をドライヤーで乾かして、衣服を室内に干す。流石に、衣服をドライヤーで乾かすほどの時間はなかった。







 その後、つぼみがデストロン戦闘員スーツというのを着たまま、女良牙とバトンタッチした。風呂があるので、ポットに入ったお湯は使っていない。コンセントを使って、ポットを温めているところを見ると、水やお湯も補充したのだろうか。ここには四つものポットが並んでいた。ポットだらけなのは何故だろうか……。
 一条は、ライダースーツではなく、いつものコートを着ていた。滝のライダースーツは男性用に作られていたためか、やはり胸が苦しいようなのだ。

「……一条さん、デイパックの確認ですか?」
「ああ。随分とたくさんのデイパックを手元に置いてしまったからな。……君も、何か必要そうなものがあれば自由に持って行ってくれ」

 いま、机の上には、一条のデイパックの中身が並べられている。一条は、それでもまだ中身を並べつづけていた。几帳面な性格なのか、ペットボトルはペットボトルで一か所に、食料は食料で一か所に、と分けられていた。つぼみも多分このように並べるだろうが、おそらく良牙はもっと乱雑に並べるだろう。

「……説明書があったものもあるから、自由に見てくれていい。ペットボトルや食料の類は、後で三等分する。他の参加者が口をつけているものは脇に置いてあるから、心配する必要はない」

 一条は、いろいろと配慮ができていた。
 そうしたペットボトルも、後で中身を捨てて洗い、水道の浄水などを入れるようだ。

「あっ! これ……」
「知っている支給品があったか?」

 つぼみが、ある支給品に気づく。
 それは、赤、青、マゼンダの三色の小さな物体と、黄色、紫、オレンジの同じ形状の物体が分けて置いてあった。綺麗に透き通っており、その姿は宝石を彷彿とさせる。しかし、宝石というほど確かな輝きはなく、人の目をくらませる魔力もない。
 つぼみは、これを知っていた。


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