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バーチャルリアリティバトルロワイアル Log.04

76TRIALS of AI ◆k7RtnnRnf2:2020/06/12(金) 17:10:50 ID:IVXxf7k.0
(ユイ一人を守ろうとして、この様かよ!? 結局、あいつら二人が死んじまったじゃねえか!)
(そ、それは……!)
(そもそも、最初からカッコつけようとしなけりゃ、こんなことにならなかったんだ! 『オレ』達はレオに守られていりゃ良かったんだよ!
 何がキリト達についていけば、何かできることが見つけられそうな気がするだよ!? 何にもできてねえじゃねえか!)

 苛立ちと侮蔑が混ざった『オレ』の言葉を、俺は否定することはできない。
 確かに、生徒会室でレオは俺のことを止めたけど、俺はワガママを押し通してついてきた。そのせいで、アーチャーとアイアンを守ることができず、俺はこうして危険に陥っている。

(……じゃあ、どうすれば……!?)
(決まってるだろ!? さっさとユイをオーヴァンの野郎に渡すんだよ!)
(な、何!? そんなことをしたらユイちゃんが……!)
(いつまでそんな甘いことを言う気だよ! そうやってヒーロー気取りでいると、今度はキリトと黒雪姫だってすぐに殺されちまうだろ!? 『オレ』達が助かるには他に方法がないだろ!?)

 その叫びの通り、俺達に助かる方法は残されていない。
 オーヴァンはユイを狙っているから、ユイさえ渡せば見逃してくれるだろう。上手く条件をつければ、フォルテを任せることだってできるはず。
 ならば、俺はユイちゃんを……


   A.渡す
  >B.渡さない


(……いいや、俺はユイちゃんを絶対に渡さないさ)

 ……『オレ』の提案を、俺は静かに否定した。

(オレ……まさか……!)
(『オレ』がしつこく言うなら、俺の心のどこかにはユイちゃんをオーヴァンに渡してやりたいって気持ちがあるんだろ? それは、認めないといけないな。
 ユイちゃんを守りたいと言っておきながら、無意識のうちに我が身可愛さにユイちゃんを売ろうとしている……)
(そこまで知ってるなら、さっさと……!)
(言ったはずだぞ! そうやって仲間を売って自分だけが生き残って、一体なんになるんだと!?
 お前は俺が楽になるためのアドバイスをしているつもりだろうが、俺は絶対に嫌だ! それにアーチャーとアイアンは、俺達のために命を賭けてくれた……だから、俺だってユイちゃんを守りたいんだ!
 それにお前は言ったよな! 俺達が仮に死んだとしても、その時に考えればいいって……なら、俺もその時まで考えないことにしてやるさ!)

 思考停止の極みだが、俺は『オレ』への当てこすりのように告げる。
 事実、俺はスミスとの戦いでは自分が死ぬと考えずに特攻した。結果、俺は一度死んだみたいだけど、カイトに助けてもらっている。今の俺を守ってくれる人はいないし、むしろ俺自身がユイちゃんを守る盾になるべきだ。
 ヤケになっていると自覚しているが、少なくとも俺自身に嘘をつきたくない。
 
(ケッ……そうかよ! なら、勝手にしやがれ!)
(ああ、勝手にしてやるさ!)

 不貞腐れたのか、それきり『オレ』は何も言わなくなった。
 俺の心はまだ弱いままだから、いつまた出てきてもおかしくない。学園の時みたいに自分の心と向き合い切れていると言いきれないし、現実逃避でしかないだろう。
 だけど、我が身可愛さにユイちゃんをオーヴァンに売ることだけは絶対に嫌だ。これだけは紛れもない本心だし、その決意を貫くことができてよかったと思っている。

「――――うわあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
「パパ!?」

 でも、俺自身の選択を喜ぶ暇もなく、男の絶叫とユイちゃんの悲鳴が聞こえた。
 何が起きたのか、と俺が振り向いた瞬間、キリトとフォルテの姿が見える。しかし、今までの頼りになる姿から想像できないほど、キリトは弱っていた。

「き、キリトッ!?」
「パパアアアアアアアアアアァァァァァァァァァッ!」

 追い詰められたキリトの姿に、俺とユイちゃんもまた叫んでしまった。


 やる気が 2上がった
 体力が 20下がった
 こころが 15下がった
 信用度が 1上がった


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