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複数ジャンルバトルロワアルR2

7序章:2016/07/15(金) 10:46:16 ID:bma5ZPlU0

それは上辺だけを検めればまさしく縋りたくなる奇跡だった。
一つ目ピエロの手から光が収まると、先ほど両断され死に絶えていた道化師が蘇ったではないか。
驚愕の表情を浮かべる贄達の様相を見て道化師は得意げに続ける。

「禁止エリアに長時間留まっていたり、長時間死人が出なければ首輪を爆破させてもらう。
勿論、反抗しようとする愚か者にも。
…黒の核晶(コア)と言えば一部の人はピンとくるかもね」
「ドカンだよッ!」

人々は一斉に自身の首を確認する。
一人残らず、冷たい金属の戒めがそこにあった。

「禁止エリアの発表は六時間ごとの定期放送で死者の名前とともに発表させてもらう。
どちらも重要な情報だから聞き逃さないようにね。
ちなみに、各放送までに出た死者の数が余りにも少ないようだったら、全員の首輪を爆破して優勝者なし、ということになる」
「何それ、ツマンナ〜イ」
「うん、そうだねピロロ。だからキミ達が『全員の安心』を得ようとするなら、まずは誰か赤の他人を殺しておく事をオススメするよ」

"彼ら"には知る由も無いが、禁止エリアの説明も終わったことでこの始まりの儀もいよいよ以て佳境に入った。
そのフィナーレを飾るために、再び死神はくつくつと笑う。

「さて…そろそろ説明も終わるから、本来の”見せしめ”のコにも入場してもらおう」

そう言って死神がパチンと指を鳴らすと、傍らの空玉座に一人の少女が現出する。


「カツミ……?」


呆然と、死神から見て客席の人垣から声が上がった。
カツミと呼ばれた黒髪の少女は力ない視線を彷徨わせ、声の主のその名を呼ぶ。
やめろと止める暇さえ無かった。
道化師の笑い仮面の口角が、吊り上がった気がした。


「涼……」



それが最後。
首輪が無機質な電子音をけたたましく鳴らし、少女の体が爆ぜた。


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