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複数ジャンルバトルロワアルR2

37魔法騎士は白雪姫の夢を見る ◆uwJySQdXGI:2016/07/19(火) 00:48:51 ID:8.xjhgKk0
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「―――そうちゃん!死なないで!そうちゃーーん!」

聞きなれた可愛らしい少女の声が聞こえる。全身の骨が軋んで動けない。
瞼が重くて目も開けたくないが身体を激しく揺さぶっているこの子に応えてあげなきゃ
いけないと思ってゆっくりと瞼を開けていく。半分血のにじんだ視界に、
涙で顔がくしゃくしゃになったセーラー服の様な衣装を着た純白の魔法少女、
スノーホワイトの姿が映った。地濡れの女騎士ラ・ピュセルは傷だらけの指を顔に持っていき、
彼女の目から流れ出る涙を拭ってあげた。スノーホワイトは安堵の浮かべてラ・ピュセルを抱きしめる。

「そうちゃん!よかった!無事だったんだね!」
「あ、うん……こら小雪、魔法少女の時にそうちゃんはやめなさいって言ってたでしょ?」
「ご、ごめんねそうちゃ……でもそうちゃんも小雪って呼んでるよ?」
「……うぅっ」
「ふふっ、つい言っちゃうんだよねっ」

ラ・ピュセル、岸部颯太とスノーホワイト姫河小雪は魔法少女になる前からの幼馴染である。
岸辺颯太という名前の示す通り彼は男の子でありながら魔法少女に選ばれた異端な存在であり、
幼少のころから魔法少女に憧れながら男であるがゆえに世間体を気にしてそれを隠してきた
彼がソーシャルゲーム魔法少女育成計画によって魔法少女になれた時の悦びは女子の非では
なかったという。そして奇跡はもう一つ起きた。小さいころによく魔法少女ごっこで遊んでいた
姫河小雪と魔法少女として出会い、もう一度コンビを組めたことだ。これはまさに運命だった。

(でも、キミを泣かせてしまったね、小雪。僕は情けないよ)

少し思い出してきた。ある日突然始まった、互いのマジカルキャンディーを奪い合う
デスゲーム。困った人の心の声が聞こえるが戦闘力を持たない、というかそもそも
戦いたくないスノーホワイトを守る為、襲い掛かる敵を次々撃破してわりと調子に乗っていた
時にあの恐るべき強敵、森の音楽家クラムベリーと対峙したのだ。

『いやあ、なかなか楽しませてもらいましたよ』
『でも勝てないんですけどね』
『あなたは真剣勝負において大切なことが致命的に欠けているのですよ』

そして、結局相手にもならずにボコボコにされた。いや、クラムベリーの楽しめたという
言葉通り何発か当てることには成功していたが、一体何が足りなかったのか。

(……あれ?)

いや、待て。あの戦闘はどうやって終わった?目で視えない音の衝撃波で内臓をやられた後
右腕を切断され馬乗りになったクラムベリーがもっと血を見せて下さいとハイになりながら
次々と顔面に拳を叩き込まれて――――。

「でも良かった。死んじゃうかと思ったよそうちゃん」
「あ、ああ?生きていたのか?僕は……スノーホワイト!?」
「……んっ」


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