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90's バトルロイヤル

195世界の理を壊すモノ ◆emwJRUHCH2:2015/11/10(火) 02:03:11 ID:E309ccdE0
苺鈴をその腕で殺せる距離。

「……いや…………助けて小狼!」

怯える苺鈴は、思わず想い人に助けを求めた。
苺鈴が日本まで来たのは、小狼の助けになるためだった。
しかし現実に、自分に危険が迫った時には、
心底にある小狼を頼りにする気持ちが、図らずも表に出てしまう。
それほど今の苺鈴は恐怖に震えている。

そしてルシオラもまた、かつて無い悪寒に襲われた。

魔族の、蛍の化身としての直感が告げていた。
何か途轍もなく恐ろしい物が、近付いていると。
強力な魔族である自分が恐れるほどの物が?
苺鈴を前に、不可解な想いに囚われて惑うルシオラ。

そのルシオラの腹から拳が生えた。

拳がルシオラを背中から腹に貫いたのだ。
苺鈴に当たる寸前、鼻先で止まる拳。
血と肉片が苺鈴に飛び散る。
その光景が、苺鈴に思い知らせる。

あの船上での惨劇はやはり本物だったと。
殺し合いの脅威は自分に迫っていると。
そして、途轍もなく恐ろしい物が目前に存在すると。

ルシオラを貫いた腕は、正に筋骨隆々にして赤く凶々しいオーラを纏っている。
腕はそのまま持ち上がり、ルシオラの上半身を縦に引き裂いた。
一片の慈悲も無い殺意。
それを纏った男が、ルシオラを引き裂く。
男はルシオラの死体を無造作に投げ捨てる。
目前で呆気無く行われた殺人。
何よりそれを容易く行った男が怖かった。

鍛え抜いたと言うのすら生温い、強大で高密度の筋肉。

そこから溢れ出る狂猛で凶々しいオーラ。

その形相は正しく”鬼”その物。

「我、拳を極めし者!! 妖とて敵に非ず!」

拳を極めし者。
自らをそう呼んで憚らぬ者は、ストリートファイターの世界においてもただ一人。
拳の修行の果てに、殺意の波動を身に付けた、
この豪鬼のみである。

豪鬼は苺鈴を無造作に見下ろす。


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