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新西尾維新バトルロワイアルpart6

830Q&A(玖&円) ◆xR8DbSLW.w:2021/12/01(水) 22:31:36 ID:S7QegMTs0

 それから、ぼくは友を死んだものとして扱っていた。
嘘かもしれないけれど、本当だった。
本当のような嘘だった。
ぼくはすっと受け入れていた。
受け入れるしかなかったから。
我ながら驚くほどに。
パニックとは無縁に。
薄情なほど酷薄に、それでもぼくのどこかに、ぽっかりと穴が開いたような心地だった。
だから。
今。
ぼくが取り乱さないのは必然とも言える。
友との別れは既に乗り越えたことだ。
タイミングを逸していただけで、ぼくと友との話はもともと終わっている。
だから。
真宵ちゃんの質問にぼくはこう返そう。
どういうこともなにも、あるべき形に収まっただけなのだからと。
元の鞘に収まった。ただそれだけの話である。
だから。
本当に?
哀川さん――潤さんなら今のぼくを見て、どんな風にぼくを蹴っ飛ばしてくれるのだろう。

「そう、あなたは泣かないのね」

 七実ちゃんがなにか言っている。
泣く――泣く?
すっきりさせる行為のことか?
どうだろう、寝起きの時にはしているかもしれないけれど。
それが一体どうしたという。

「禊さんに近しく、同時に対象に位置するいっきーさん。
 有象無象の雑草にも劣るほど弱く、それゆえに強いあなたと少しお話をしましょう」

 柄ではないですが。
禊さんの頼みでもありますので、と。
ぼくの真正面に立つ。
ちなみに真宵ちゃんはぼくの隣にいた。
お茶を飲みながら、椅子に座っている。
もしかしたら、ぼくの返事を待っているのかもしれない。


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