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ニコニコ動画バトルロワイアルγsm3

1名無しさん:2013/04/07(日) 12:38:07 ID:6NYUY/JY0
春です。



本日はニコニコ動画バトルロワイアルに 御アクセス頂き、 ありがとうございます。



ここはニコニコ動画の人気キャラを用いてバトルロワイヤルをするというリレー小説のスレッドです。
大変申し訳ありませんが、 この企画はフィクションであり実在の団体・人物等とはまったく関係ありません。
ルールさえ守っていただければ誰でも参加可能です。



またの御アクセスをお待ちしております。

wiki ttp://www34.atwiki.jp/niconico3nd/
前スレ ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/14759/1336579927/
したらば ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/15395/

537名無しさん:2015/03/03(火) 19:41:28 ID:uohZQfK.0
淫夢を配信しよう(提案)

538名無しさん:2015/03/03(火) 19:58:58 ID:Zc8u6grs0
申し訳ないがyoutubeに野獣の咆哮をを響き渡らせるのはNG
hotgooでやってどうぞ

539名無しさん:2015/03/03(火) 20:39:36 ID:esqHC2ak0
野獣先輩は人間の鑑だから是非未来を担う子供達に見て欲しい
このロワの野獣モやっぱり対主催の鑑だし

540名無しさん:2015/03/03(火) 22:59:37 ID:A0gBIomA0
>>539
スタンスコロコロ変わってたんですがそれは……

541名無しさん:2015/03/04(水) 19:54:21 ID:LFy4Q2FY0
野獣は愛ゆえに悩み葛藤した参加者の鑑なんだよなあ

542 ◆J/0wGHN.4E:2015/03/05(木) 19:47:53 ID:MMQBWWsw0
投下でーす

543おかげさまでフランク達はドラゲナイことになってるんです ◆J/0wGHN.4E:2015/03/05(木) 19:50:15 ID:MMQBWWsw0



「その顔はもう慣れたな…」

「まぁ、とりあえずその武器を下ろしてくれると助かる」


筋肉モリモリマッチョマンなカメラマン、フランク・ウェストは目の前の男に対し、そう言い放った。



「…何者だ」

目の前の男―ランサーは槍と剣を構えつつ、しかし冷徹に返した。
先程のメイトリックスと大して変わらない反応である。
ここまで出会う人間が警戒するとなるとさすがのフランクも自分の見た目に非があるのだろうかと思い始めてきていた。


ランサーとしても流石にその男には怪しい所があった。
先ほどのクッソ汚いホモと体格が似ているのも理由の一つだ。
だがランサーが警戒する理由は彼の得物にあった。

ガタイのいい男の手に握られた、どす黒くべっとりと血塗れた鋸。
それは如何なる形かで何者かを殺めたという動かぬ印である。


「フランク・ウェスト、ジャーナリストだ。殺し合いには乗っていない」

フランクはそういって手に持った鋸を足下に放り投げ、敵意の無い事を証明する。
それを見たランサーは片手の剣をゆっくりと下ろす。もう一方の槍は構えたままである。
男はまだ警戒を解ききっていないようだ。

ランサーとしても先ほどのホモの様に素手で襲いかかってきたり、或はまだ武器を隠している可能性も考えられるが故の行動であった。


「…その鋸は何故そこまで血塗られている?」


男は再び問う。


「最初からこんな感じだった…とは言っても信じてくれるような顔じゃなさそうだな」

「お前のイケたお顔を傷つけるような真似は間違ってもしないさ、お前がこの殺し合いに乗っていない限りはな」

「とりあえずこれについて調べたくてな…こいつがある以上はお前も俺も奴らの飼い犬だ」


フランクはおもむろにデイバックからイワークの首輪を取り出し、ランサーに見せる。
同時にデイバックも足下に投げる。


「当然既に死んだ奴からとったものだ、鋸はそれにしか使っていない」

それを聞いた男はやっともう一方の槍を下ろした。
ようやく警戒を解いてくれたようだった。


「俺はランサー。我が騎士道に掛けて、殺し合いには乗っていない」

「少し前に厄介な殺人者に出会ってな…失礼だが君がそいつの容姿に少し似ていたので先程の様な無礼な態度を取ってしまった、容赦願いたい」

544おかげさまでフランク達はドラゲナイことになってるんです ◆J/0wGHN.4E:2015/03/05(木) 19:51:57 ID:MMQBWWsw0

「いや、別にかまわないさ。わかってもらえたならそれでいい」





出会いも一段落した所でフランクが情報交換を始める。
できれば探し人の手がかりが見つかればいいのだが。

「ケンという子供を見なかったか?言動がまともじゃない奴だ」

「ケン?」

それを聞いてランサーはピンと来た。
言動がまともじゃない所に心当たりがありすぎる。

「まともじゃないというかかわいそうなお友達というか…そういえばどこに行った?」

ランサーが思い出したように周囲を見回す。
どうやら手応えありの様だ。

「近くにいたのか?」

「ああ、前までずっと一緒に行動していた…しかし先ほどの殺人者との戦いに気をとられて逸れてしまったみたいだ、すまない」

「それっていつ頃の話だ?」

「2〜3時間程前だ、少年の足という事も考えれば恐らくまだそれほど遠くには行っていないだろう」

「フランクだったか、俺もケンを探そうと思っていた所だ、良ければ協力する」

「OKだ」

フランクとしては一人では心細いという事は無いのだが、協力者が増えるのは有り難い。
何よりこういった情報を得る事は、この先生きのこる上で必要不可欠である。

「そうか、ありがたい。後俺からもいくつか質問をしたい」

「ケイネスという男を見ていないか?デコの広い壮年だ」


立場逆転。
今度はフランクがそれを聞いてピンと来た。
デコの広い壮年に心当たりがありすぎる。

「ああ、それならさっきもう一人の俺みたいないい体した奴と一緒にクルマに乗って船に向かったぞ」

「何、本当か!?」

ランサーはここに来てやっと望んだ答えが得られた。
一方でただ事ではないどこか大袈裟なランサーの反応にフランクは動揺する。

「それなんだが…今向かっても直接出会うのは難しいと思うぞ」

「どういうことだ?」

「何しろ今は夕方だ、今頃船は禁止エリアに指定されているはず。おそらくは船をもう動かしているだろう」

「ここからだと様子が見えないからな…俺としてもケンを見つけたら向かいたいと思うが」



ランサーはしばし、迷った。
やっとの事でフランクから自らのマスターであるケイネスの居所をつかめたのだ。
一刻も早く合流したいのが彼の本音というものである。

フランクと協力し、ケンを見つけてから船に向かうか。
あるいは直接自分が船の様子を見に行くか。
自分が船の様子を見に行った後でフランクと合流する手もある。





「…わかった、私もケンを見つけたら向かおう」

545おかげさまでフランク達はドラゲナイことになってるんです ◆J/0wGHN.4E:2015/03/05(木) 19:54:17 ID:MMQBWWsw0

ランサーの答えは、フランクとの協力だった。
考えてみれば、弱い少年を捨て置いて勝手に主の所へ向かうのは自分の騎士道精神が許さないというものだ。
そのうえ少なくともマスターはまだ死者として呼ばれてはいない。
おそらく自分同様の制限も課せられてはいるだろうが、ケン程非力な人間ではない筈だ。
単独行動ならともかく今は協力者もいるようだ。一刻を争うという事はない。


次に二人は自分たちの存在する世界について説明し合った。
フランクの語るゾンビ地獄と化したショッピングモール。
そしてランサーの言う願いを叶える聖杯戦争。
お互い、聞けば聞く程理解しがいたい奇妙な説明ばかりが交わる。
半信半疑な話ではあったがこんな状況に置かれては信用せざるを得ないのが現状であった。

続いて支給品の調べ。
先の人探しと同様お互いにとって興味深いものがあった。

フランクが最初にデイバックから取り出したのは、あの腐っている訳でも焦げている訳でもないのに何故か真っ黒な林檎。
ランサー曰く、魔法に関連する器具かもしれない、マスターの方が詳しい筈との事。
あの男に魔法が絡んでいるのかと思うとフランクは少し妙な気分になった。
フランクの世界では魔法使いなどという者は大抵キチガイだからだ。
そして叩くと助っ人が召喚されるとかいう太鼓。
これは完全な召喚魔術の触媒との事。
二時間という短い時間とは言え、詠唱無しで100人も呼び出せるのは非常に強力なもので、もし主催が作ったのであれば主催者側にそれほど上位のキャスターがいる事になる。
フランクには魔術の類いは理解が低いが、この支給品が間接的に主催の絶対性を示す物でもあるという事を知覚した。
次にGrand Theft Auto: San Andreas Cheatsと書かれた書類。
これもまた呪文の類いである可能性があるらしい。
ランサーに指摘されて初めて気がついたが、大文字で区切りが無いため分かりにくいがよく見るとどれも英単語のようである。
グッドバイクルーエルワールド、カンガルー。

「C、V、Y、K、X、Y、M、…これはなんて読むんだ?」

「すまないが俺にもわからん」


この間、フランクを対象にチートコードが発動したのだが二人は当然知る由もない。
この支給品には説明書の類いは存在していないのだ。
幸いこのコードは水中で息が無限に続くようになるコードである。
中には使用者の首輪が爆発したり、周囲1エリアにいる参加者が無条件で使用者に襲い掛かるコードも存在する故、知らぬ間にフランクは命拾いしたのである。


立場は変わりランサーの支給品の番である。
はじめにシーザー・カエサル・エンペラーなる昆虫を模した玩具。
何故か同義語を三つも並べたネーミングに疑問を覚える。
それほど価値のある物には見えないが捨てずにとっておいたらしい。
次の刺々しい形をしたスター。
ディーノが士に致命傷を与えた物だがランサーによってその際に付着した血は拭き取られていた。


この事はランサーは知らないがニオイも血によって流されていた。

そして北米化パッチ。
これも魔術と関連性があるかもしれないとの事。
さっきからかもしれないが多いが実際ランサーはそういった魔術関連の情報をケイネスから聞きかじった位しか持ち合わせていないのである。

フランクは少し興味を持って試しに付けて見たが、これと言った変化は無かった。


これは決して故障ではない。
ただフランクの出典世界のゲームであるデッドライジングはそもそも洋ゲー色が強く、北米化パッチを付けても大した変化はないのだ。
敢えて言うならば、攻撃時のゾンビの欠損表現や内臓露出描写が追加される程度である。

それからディケイドライバーとライダーカード一式なる物。
一見玩具のようにも見えるが実際に士はこれで変身し、ディーノを倒した。
これがどういった原理で変身するのかは士亡き今、知る術は無い。
だがやはりケイネスを頼ればわかる可能性もあるし形見という意味でもとっておかねばならない。

最後に其為右手なるもの。
取り出して見れば人間の腕が出てきたのだからフランクは少し驚いた。
死体そのものは見慣れているが、デイバックからいきなり手が出てきたらさすがのフランクも眼を疑う。
士のデイバックに入っていた物で、異能の力を回数限定で無力化するらしい。

支給品を回収した際ランサーは説明書を見て、言い知れぬ怒りを覚えていた。
主催のこのような殺し合いを娯楽感覚で行い、剰えその一環で人の腕をもぎとって支給する行為、許される物ではない。

546おかげさまでフランク達はドラゲナイことになってるんです ◆J/0wGHN.4E:2015/03/05(木) 19:57:16 ID:MMQBWWsw0




「…それと、これはお前に渡しておこう。俺には現状不要だ」

ランサーがフランクに渡したのは先ほどまで自分が持っていたハイリアの盾である。
普通盾を捨てるというのは戦士において致命的な事にも見える。
だがランサーにとって盾というものはあくまで攻撃を防ぐ為の防具でしかなく、武器として扱うには鈍器レベルの性能しか無い。
元より俊敏の高いランサーとしてはこういったチート盾も片手が空いているからという理由で装備したに過ぎない。
止むなく攻撃を受ける場合も本来は槍や剣でいなせば十分なのである。
最もランサーがあまり盾を使い慣れていないという点もあった。
普段は二刀流や二槍流で戦う事がほとんどだからである。

「そうか、大切に使わせてもらおう」

フランクは満更でもない様子だった。
彼にとってはマネキンの胴体でも一撃でゾンビを殺せるだけの力があるのだ。
それなりの耐久度のあるものなら何でも武器になり得る。
それはこの盾でも何ら変わらない。


こうした流れでランサーはプラシドの剣とゲイ・ボルグを装備した形となった。

剣と槍というのは見かけの上では非常にアンバランスに思えるかもしれないが、実は以外と理にかなった戦闘スタイルでもあるのだ。
剣では届かない間合いの敵をリーチに優れた槍で補いつつ、柄の長い槍では対処しづらい至近距離や死角の敵には剣で迎撃する。
無論、二刀流最大の強みである「右と左でどちらから攻撃が来るかわかりにくい」といった点も持ち合わせている。

元々ランサーの真名ディルムッド・オディナ―ケルト神話に登場するフィアナ騎士団の随一の戦士―は二振りの槍(ゲイ・ボルグとゲイ・ジャルグ)に加えて二振りの剣(モラルタ、ベガルタ)を持ち、所謂セイバー適性も持ち合わせていた。
第四次聖杯戦争に於いてケイネスはディルムッドをセイバークラスとして召喚したかったがセイバークラスは既に召喚されてしまっていたので、ディルムッドはランサークラスで顕現した。
このためランサーは剣技こそ優れていたが今回は剣を持っていなかった。

ランサーがこのような片方づつの装備を試みるのも初めてであったが、「輝く貌」の異名をもつ戦士は伊達では無い。
速くもランサーは振るっただけで剣と槍の複雑な組み合わせによる主要的な動きを掴み始めていた。

尚、これはランサー程の腕前があっての話である。
良い子の皆さんは真似しないように。



「それともう一つ、聞きたい事がある。もう一人の俺みたいないい体した奴といっていたがそいつの名前は何だ?」

「あいつは確かメイトリックスって奴だ。おそらく俺よりは頼りになるだろうな」


メイトリックス、聞いた名である。


「―――待ってランサーさん。最初に主催者に一人を殺したメイトリックスっておじさんと
 変な仮面の姿に変身する人は殺し合いに乗っているから気をつけて。私とほむらちゃんも襲われたの……」

あの時まどかという少女から聞いた証言である。
それを聞いてその当時のランサーはあっさり信じてしまった。

それから数時間後、
危険人物と言われていたうちの一人である変な仮面の姿に変身する人―士はいざ出会ってみれば正義感の強い男と分かり、これと言って殺し合いに乗った様子でもなかった。

547おかげさまでフランク達はドラゲナイことになってるんです ◆J/0wGHN.4E:2015/03/05(木) 19:59:08 ID:MMQBWWsw0

そしてその士の仲間だというメイトリックスも今ケイネスと行動を共にしている。
マスターであるケイネスがこんな殺し合いなどする器ではない。
つまるところメイトリックスもいわゆる対主催の人間の筈だ。

複数の人間が嘘をついてまで参加者を殺し合い反対派と嘯くメリットなどあるだろうか。
否。嘘をついているのは、まどかという事になる。
だが、あのような年端も行かぬ少女がそんな仲間割れを引き起こさせるような事をする意味があるのか。
嘘でなかったとしても勘違いという可能性もある。
何らかの事故で敵対してしまったのかもしれない。
そうなれば説得し、誤解を解く必要があるだろう。
ランサーはケイネスとの合流後に余裕があればまどか達を説得しておく事にした。



話が一段落し、二人でケンを探そうとした矢先、

「おい、そこのコスプレの二人、聞いてるか?」

唐突に何者かが会話に割り込んできた。






&&&







遊星と別れて数時間、東豪寺麗華と鬼柳京介の肉体を借りた美樹さやかは南へ向かっていた。
理由は当然学校にいた襲撃者などの危険人物から離れる為である。


学校は当然あの透明の何かがまだうろついている可能性もある故一刻も早く離れたかった。
戦闘経験のある麗華としてもそのような敵をさやかを守りながら戦うのは流石に分が悪い。

そして町にいた眼から血を流しながら水を求める男。
あれもかなりの戦闘力を持っている上に話が全く通じない。
見た目といい戦う以前に余り関わりたくないキチガイの類いだ。

それに加えて遊星と別れてすぐに起こった背後の大爆発。
その爆風はさすがに命を脅かす程のものではなかったが、北でまたろくでもない事がおこっていると感じさせるには十分すぎた。

とはいえ、南へ向かうとはいっても具体的な所までは決めていない。
ゲキド街へ向かい人を探すという手もあるが人が見つかる確証はないし、会えたとしてそれがまともな協力者である確証もない。


現に今まで麗華が出会ったまともな対主催参加者は精々遊星位であった。
漠然と歩いていてもここが島である以上いつか海に着くだけである。
どこかでスタンスの転換点としなければいけない。

そういった思索が麗華の脳内で巡る中、出会った二人の騎士はちょうどいい転換点と言えよう。






%%%

548おかげさまでフランク達はドラゲナイことになってるんです ◆J/0wGHN.4E:2015/03/05(木) 20:00:04 ID:MMQBWWsw0





「…それと、これはお前に渡しておこう。俺には現状不要だ」


少し離れた場所で二人を観察する麗華。
最初は一方が警戒こそしてたが今や完全に分かち合い、話し合いや支給品確認を進めている様だ。
奇妙な恰好だがこの殺し合いには乗っていないと見て間違いないだろう。

こういう場を生きのこるにしても一人だとつらい物がある。
協力者が特段必要という訳ではないのだが、情報は無いよりはあった方がいい。
危険人物や安全な施設を知る事ができればそれはサバイバルの上で大きなアドバンテージとなる。


(そろそろ潮時だな)

麗華が茂みを抜け、二人のもとへ近づく。
後からさやかが麗華に隠れるようにそっとついていく。



「おい、そこのコスプレの二人、聞いてるか?」

麗華が口を開く。
フランクとランサ-の視線が声の方向に注がれる。

「そんな顔するな、今アンタらと戦う気はないよ」

そういって麗華は二人の警戒を解くため両手を上げる。
自分としてはこんな儀式をする意味などあるのだろうかと考えつつさやかにも同様の行為を促す。

「アンタら、人を探してんのかい?」

「知っている事があるのか?」

「いや、ケンやケイネスって人は知らないね」

「ただ一度多くの人に出会って情報を集めたいと思っていてね、盗み聞きで悪いけど聞く限り船の方にも行きたいんだって?」

「ああ、協力してくれるのか」

「そのつもりさ、そうすればすこしはゆっくりケンって奴を探せるだろう」


思わぬ協力者であった。
同時にランサーにとってまたとないチャンス。

「感謝する。それと名乗り遅れたが俺はランサー、もしケイネスと出会えたなら探し人を見つけ次第海岸に向かうと伝えてくれ」

「俺はフランク、ジャーナリストだ。」
 
「それと、四条雛子、我那響、アカツキ、カズマ、不動遊星、ジョン・メイトリックス、ロックオン・ストラトス、アンリエット・ミステール、今俺が言った人間は殺し合いには乗っていない」

「特に遊星は技術者らしい。もしかするとこの首輪について何か知ってるかもしれない」

「遊星?それってもしかして蟹みたいな頭してなかった?」

「俺はケイネスから聞いただけだからわからん、もしかして会ったのか?」

「ああ、3〜4時間前に変なバイクに乗ってきた。それと海東という奴に気をつけろとも言ってたな」

少し遅れた自己紹介に呼応して麗華も自己紹介を返す。

「あっそうだ(唐突)こっちも自己紹介位はしとかないとね。」

「ウチは東豪寺麗華、そっちは美樹さやか。事情があって男の体になってる、決してコスプレじゃないから」

「後それと遊星から聞いたんだけどシャーロック・シェリンフォード、権兵衛、東風谷早苗、松岡勝治も安全らしい」

ついでに遊星から聞いた早苗達の特徴を付け加える。





「じゃあもう行くけど、一つ言っておきたい事が」

用を済ませた麗華とさやかは背を向けながら二人に話す。

「学校の方に透明の敵が居るらしい。気をつけてな」

敵という言葉でフランクが再びピンと来た。
ケイネスの伝言を思い出したのだ。

「すっかり忘れていたが敵で思い出した。ブルーベリー色の巨人には注意してくれ。
 神出鬼没で人を食う、何らかの方法で人を同種にする化け物らしい」

麗華がそれに返事をすると、フランク達も踵を返し、ケン探しを再開した。

549おかげさまでフランク達はドラゲナイことになってるんです ◆J/0wGHN.4E:2015/03/05(木) 20:02:16 ID:MMQBWWsw0




【G-03/1日目・夕方】

【フランク・ウェスト@デッドライジング】
[状態]:疲労(小) 弐度の火傷(小) チートコード発動
[装備]:ナイトの防具一式@FF11、ハイリアの盾@ゼルダの伝説、富竹のカメラ@ひぐらしのなく頃に、鋸@School Days
[道具]:イワークの分含めた基本支給品、林檎@Bad_Apple!!、
太鼓@1歳から100歳までの100人が順番に太鼓を叩いて行くムービー、チートコード@GTA SA、血塗れの私服、医療道具一式@ニコロワγ、イワークの首輪
ミックスジュース(青、白、緑)×6@デットライジング
[思考・状況]基本思考:殺し合いには乗らない。生還する
1:ケンを追いかける。
2:情報と協力者を集める。
3:ロックオンと男声の女を警戒する。
4:一応、イワークの首輪を持ってきたが……
5:ミキサーが欲しい…
6:さっきのコスプレ発言は割とブーメランっていう。
※参戦時期は、少なくともショッピングモールからの脱出前からです
※ミルキィホームズ、スクライド世界の話を聞きましたが半信半疑です。
※ケイネスと情報交換しました。
※水中で息が無限に続くようになりました。ただし本人は気づいていません。
※チートコードはアルファベットを一つ一つ読み上げないと発動しないようです。
※チートコードに発動期間があるかどうかは不明。

【ランサー@Fate/Zero】
[状態]:疲労(中)、頬にかすり傷
[装備]:ゲイ・ボルグ@Fate/stay night、プラシドの剣@遊戯王5D's
[道具]:基本支給品、シーザー・カエサル・エンペラー@人造昆虫カブトボーグ V×V
   グレーテルの基本支給品一式、コンビニ弁当、スター(二日目早朝まで使用不可)@マリオシリーズ、北米化パッチ
   ディケイドライバー@仮面ライダーディケイド(2時間使用不可)、ライダーカード一式@仮面ライダーディケイド
   ライダーカード(スペランカー)@ニコニコワールド、ライダーカード(イーノック)
   其為右手@真夏の夜の淫夢(残り使用回数7回)、
[思考・状況]基本:殺し合いには乗らず主催を討ち取る。
1:ケンを探す。
2:まどかの証言は嘘かまどかの誤解ではないのか?
3:ケイネスとの合流後、まどか達を説得する。
4:あの鎧のデザインいいな…
※まどかの証言はもうほとんど信じていません。
※参戦時期は不明ですが少なくともセイバーと戦った後です。



【東豪寺麗華@MMDDFF】
[状態]:健康
[装備]:エクスカリバー@Fate/Zero
[道具]:基本支給品、DMカードセット(デモンズ・チェーン@遊戯王5D's)
[思考・状況]
基本:生存優先、主催は殺す
1:とりあえず積極的に人と会い情報を集める。その一環で船の方に向かう
2:幽香の奴、死んだのか。
3:水色髪の男(さやか)はほっとけない。
4:レア様とはいずれ決着をつけるつもりだったけど……。
※制限はほとんどされてません。
※遊星、フランク達と情報交換しました。

【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:鬼柳京介の肉体。
[装備]:さやかのソウルジェム(濁り:大)@魔法少女まどか☆マギカ
[道具]:基本支給品、「スピード・ウォリアー」のカード(4時間使用不可)@遊戯王OCG、
    「くず鉄のかかし」のカード(4時間使用不可)@遊戯王OCG、「???」のカード@遊戯王OCG、不明支給品0〜1
[思考・状況]
基本:殺し合いをぶち壊して鬼柳の分まで満足する。
 1:謎の戦車を警戒。
※ショウさんの話を聞く直前からの参戦。
※肉体は鬼柳京介のものになっています。
※第一放送を聞き逃しました。
※遊星、フランク達と情報交換しました。

550 ◆J/0wGHN.4E:2015/03/05(木) 20:03:22 ID:MMQBWWsw0
投下終わります

551名無しさん:2015/03/06(金) 17:46:11 ID:KHHt6t1o0
投下乙

続々とエスポワール集結してきてるなぁ
これが対主催の要となるか……

552名無しさん:2015/03/07(土) 15:47:00 ID:Rv/9tBdA0
投下乙です

553名無しさん:2015/03/07(土) 23:01:24 ID:uCI15UnE0
投下乙です
ちゃくちゃくと対主催が集まって何より
マーダーが休止状態の今がチャンスなのかもしれない

あと現在位置表を弄ってみたんですけどどうもうまくいきません
誰か詳しい方更新していただけるとありがたいです

554名無しさん:2015/03/08(日) 22:46:48 ID:cKZJXtmUO
前のを更新してみました
ttp://uploda.cc/img/img54fb9c02da852.jpg

★・・・マーダー ●・・・支給品
トゲみたいなのはおおよその進行方向です

555 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/22(日) 02:46:47 ID:qGqtw/Ro0
投下します

556「アイテム渡しすぎじゃないですかね?」「ま、多少はね?」 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/22(日) 02:49:23 ID:qGqtw/Ro0
「鹿目まどかだな?」

俺は出来る限り、相手を刺激しないように話しかけた。
鹿目まどか、主催の一人を既に殺害したことのある参加者だ。気を抜けば俺も殺されかねない。
まどかは怪訝そうに俺を見ている。そして俺がただの参加者ではないと気付いたのだろう。
明らかな殺意、敵意を向けていた。元グリーンレベーの俺すら一瞬怯みかけるほどだ。
こいつは生まれながらにしての、邪悪という奴なのだろう。

「おじさん一体誰?」
「俺はクック、主催の一人だ」
「主催? よくのこのこと、参加者の前に姿を見せられるね。殺されても文句言えないんじゃない?」
「俺としても、参加者の接触は避けたいところだ。だが生憎そうもいかん、そのアサシンの少女を回収しなくてはならない」
「回収?」

俺はアサシンの少女を次の放送後、正式参加者として加入させるために回収しなければならない皆を、簡単にまどかに説明してやった。
まどかの顔に不満そうな色が見られる。間違いなく異論を唱えるはずだ。
その前に俺は先手を打つことにする。

「もちろん、ただでとは言わん。お前に面白い支給品を渡してやる」
「支給品?」
「そうだ」

まどかの顔色が変わっている。
アサシンの少女が消えようとも、それに変わる戦力さえ渡せば納得はしてくれるかもしれない。
とはいえ、生半可な戦力では取引にはならない。

「タイム風呂敷だ。
 今近くにとある参加者が居る。アサシンの穴埋めにするには少しじゃじゃ馬だが、まあ交渉の材料にはなるだろう」
「それって、どういう……?」
「自分で考えるんだな」

俺は困惑しているアサシンの少女の腕を掴む。
さて後はこの場からの退避だけだ。
とはいえ、些かまどかに贔屓してしまったという思いもある。別れ際に一つ条件を付け加えることにした。

「そうそう忘れるところだったが、こちらの事情とはいえ、お前には少し贔屓しすぎた。
 そこで、だ。ちょっとお前にはハンデを負ってもらう」
「ハンデ?」
「第四回放送までに三人、お前が殺せ。でなければ、お前を殺す。手段を選ばずにな」

首をかき切るような動作をし、俺はニヤリと溜まらず笑みを浮かべてしまった。
まどかへの処置は主催でも意見が分かれていたところだ。
主に譲二の単独行動で接触し、結果として戦力を増強してしまったという事実。そして今の支給品の支援、これぐらいのハンデは当然だ。
まどかは舌打ちし、俺を殺そうとするがもう遅い。俺の体は透け、奴に干渉など……

「え、やめ―――」


「これで、二人で良いよね?」
「何?」
「まどか!?」

俺が掴んでいた少女は腕から先がただの肉片へと変わっていた。
まどかはパッチを付け、ラオウの姿へと変身し拳に付いた血を払っていた。

「……良いだろう。だが残り二人だ」

あの躊躇の無さは軍人として見習いたいものがある。
俺は感心しながら了承し、この場から離脱した。



【アサシン(少女)@Fate/Zero】死亡



【クック@コマンドー】
[状態]:健康
[道具]:デーモン・ハンド@デュエルマスターズ、
    地獄門デス・ゲート@デュエルマスターズ、
    雪風の双眼鏡@艦隊これくしょん、その他余りの支給品
[思考・状況]
基本思考:殺し合いの進行。メイトリックスへの復讐。
0:メイトリックスとは後で再戦したい
※午後までの参加者状況と位置を依頼者から説明をうけています
※デーモン・ハンド、地獄門デス・ゲートは元は支給品となる物でしたが枠から溢れ没になった物です。
 このため他のカード等と同様制限がかけられており、一度使うと6時間使用できません。

557「アイテム渡しすぎじゃないですかね?」「ま、多少はね?」 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/22(日) 02:49:47 ID:qGqtw/Ro0





「ほう、メイトリックスは殺し合いに乗ったのか」
「はい、カズマ、サーニャって人に妙な仮面の姿に変身する男達もです」

情報交換を終えたわし達は、他の参加者との遭遇を求め市街地方面へと急いでいた。
それが役数分くらい前のことだっただろう。
今、現在数時間歩いた甲斐もあり、運よくまどかとほむらと名乗る二人の参加者に遭遇することが出来た。

「それで命からがら逃げてきて……」

腕を切られ機嫌の悪かったギルガメッシュだが、幸いにも相手が腕を治す道具を持っていた事で上機嫌に戻ってきていた。
確かタイム風呂敷と言ったか、これは見覚えがある。ドラえもんの秘密道具だ。こんなものまで用意するとは思わなかったが。

「お願いします。一緒に来てくれませんか、私達不安で不安で」
「ふっ、まあ良い暇つぶしにはなるだろう」

それにしても、現役JCだ。わしは今歓喜に震えている。
とにかく運が良い。
話の方向性も一緒に行動する方向で纏まっているようだ。やったわしにも春が来たかも知れん。
……と言いたいところだがわしはすこし違和感を感じていた。最早直感に近いがこの少女から何かが違うという感じがする。
封印された記憶の関係なのか、わしはこの娘達を何処かで知っている気がする。そうアニメ、やはり何処かでみたな。
ともかく警戒した方がいいかも知れん。


―――――



ギルガメッシュは右腕の調子を確認する。
確かに以前のまま動く、あのタイム風呂敷とやらは本当に物の時間を巻き戻せるらしい。
面白い道具だと思った。
もっとも、何よりも面白いのはこのまどかとほむらの関係だ。
見ていて飽きない。この退屈な殺し合いの中ではとても上質な愉悦だろう。こいつらは良い酒の魚になると。

「なあ、グレーテル?」

まどかとほむらには聞こえないよう声を抑えながらグレーテルへと話しかけた。

「な、何が……」
「気付いているであろう。あの歪な関係を……。中々に面白いとは思わぬか?」
「関係って……?」
「あの依存した歪な関係は、後に何らかの劇を生み出す。
 それが喜劇であるか、悲劇であるかは分からぬが……。付き合うのもこの殺し合いの中での余興と考えれば面白い」
「そんなこと……」
「とぼけるな。お前は存外に目利きは効く。奴も中々上手く隠しているが、それでも奴の本性をそう見破れぬほどの節穴ではない。
 お前は何処かで刺激を求めているのだ。そう、愉悦をな」

ククク…とギルガメッシュは笑いを堪えている。

「違う、私は……私は……」



―――――

558「アイテム渡しすぎじゃないですかね?」「ま、多少はね?」 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/22(日) 02:50:03 ID:qGqtw/Ro0




まどかに課せられたハンデ。
二人殺さなければ、自身の命が奪われると言うまどかのみの変則ルール。
首輪を爆発させられるのだろう。
厄介なことになってしまったとまどかは考える。少し調子に乗りすぎたかもしれない。
ほむらの言った首輪解除の方法も、何処かで試せるうちに試して色々検討するべきだ。
ともかく今は戦力が必要だ。不穏な男だがギルガメッシュは雰囲気から実力者と感じ取れる。
クックの言った通り、タイム風呂敷で腕を治したお陰か味方に引っ張れたのはラッキーだろう。

「とにかく、誰でもいいから早く殺して……」
「落ち着いて、まどか」

そっと、ほむらがまどか手を握り締める。

「焦っても大事な事を見落とすだけ、まだ時間はあるものじっくり作戦を考えましょう」
「……ほむらちゃん、ありがとう。たまには役に立つね」

最後の台詞はまどかとは到底思えないものだが、それでも一瞬だけまどかの顔が元のまどかに戻った。そんな感じがした。
希望的観測が行き過ぎただけの幻聴なのか、あるいは……。

「一応、ギルガメッシュには殺し合いには反対と言う姿勢を見せてるんだもん。
 何とか他の参加者を、殺し合いに乗っている風に見せないといけないよね」
「まどか。いっそ、ここで全員共殺すのはどう?」
「それも考えたけど、確実に行きたいの。
 下手に戦いを挑んで重傷になったら目も当てられないでしょ? それこそ時間もあるみたいだし。
 それに殺し合いに乗った参加者だと思われたら、後に殺し合いに反対派が主催を倒せそうになった時に、仲間になりづらいからそれだけは避けたいの」

まどかは優勝が目的ではなく生還が目的だ。
あまりに派手に暴れて、残った参加者全員から警戒されるのは避けたい。

「とにかく理由を付けて、メイトリックス達を殺すか。先に悪評を流しておかないと……」

何はともあれ、他の参加者の同行まで漕ぎ付けたのは上出来だ。
あとは上手く立ち回れば……。

【G-6/一日目・夕方】
【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ(クズなまどかシリーズ)】
[状態]:疲労(小)、ダメージ(中)
[装備]:ソウルジェム 、螺湮城教本@Fate/Zero
[道具]:基本支給品一式×2、キングクリムゾン(残り3回)@ニコニコ動画、タイム風呂敷@ドラえもん、不明支給品0〜1
[思考・状況]
基本:ゲームからの生還
1:ほむらちゃんと一緒に行動。あまり役に立たないようなら捨てる。
2:利用できる者は利用し、邪魔になる者は殺す。士、メイトリックスはいずれ殺す。
3:行動に出る際はパッチを利用してなるべく自分の悪評が広がることはないように動く。
4:海魔召喚のための餌も探す
5:ほむらの仮説を確かめる為に生きた参加者で実験する。その為に手頃な参加者を捕獲する。
6:優勝も視野に入れなきゃかな……。
7:四回放送までに残り二人何としてでも殺す。可能ならば目立つ確実に、でも余裕がなくなれば……。
8:ギルガメッシュ達を上手く利用したい。
9:二人殺害が間に合わなければ、ほむらの首輪解除の仮説も視野に入れる。
※クズなまどかVS逆襲の魔法少女スーパーさやかちゃん【前編】直後の参戦です。
※さやかの体が鬼柳京介になっているのを知りました。
※螺湮城教本は制限により海魔の現界、術者の魔力補給、本体のダメージ修復等の同時運用は出来ません。
※制限として海魔の最大同時現界数は五体までしか出せません、また能力も下方修正されています。
※AV動画オールスターセットの動物はもう残っていません
※四回放送までに残り二人殺さないと死にます。

【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:疲労(中)、ダメージ(大)、マドカァー 、ヤンデレ状態、ほむトキ
[装備]:ソウルジェム、バルメM78(36/40)@コマンドー、ストライカーユニット@ストライクウィッチーズ、世紀末魔法少女パッチ@MUGEN
[道具]:基本支給品一式、キャベツ@夜明け前より瑠璃色な 〜Crescent Love〜、ランダム支給品0〜1
[思考・状況]
基本思考:まどかに全てを捧げる。
0:絶対に残り二人まどかに殺させる。
1:何があってもまどかを守る。
2:どんなことをしてもまどかに認めてもらう。
3:もう役立たずだなんて言われたくない。
4:まどかに危険を及ぼしうるものは全て排除する。
5:北斗神拳を使い秘孔を突けば首輪が外れるんじゃ。
6:自分の仮説を確かめる為に生きた参加者で実験する。その為に手頃な参加者を捕獲する。
7:何か大切なことを忘れている気がする。

559「アイテム渡しすぎじゃないですかね?」「ま、多少はね?」 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/22(日) 02:50:19 ID:qGqtw/Ro0

【グレーテル@よもやま四方山】
【状態】軽度の火傷、打撲、疲労(小)、血塗れ
【装備】ボロ服
【道具】ディーノの基本支給品一式、ポッチャマ@ポケモン
    浜口優かも×3@学校で配られたDVDがひどい件、剣(石)@Minecraft、アサシンの首輪
【思考・状況】
基本:出来れば死にたくない
1:ギルガメッシュに着いていく
2:愉悦…
3:自分のデイバックを回収する
4:私は……
※モンスターボール(ポッチャマ)が壊れたため、引っ込めることができません
※ギルガメッシュと情報交換をしました
※会場からの脱出は諦めました


【ギルガメッシュ@Fate/stay night】
[状態]:打撲 、右腕復活、疲労(小)、機嫌回復
[装備]:王の財宝@Fate/stay night(空)、天の鎖@Fate/stay night、 必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)@Fate/Zero
[道具]:基本支給品一式、作業台@Minecraft、ランダム品(0〜1)
[思考・状況]
基本行動方針:気の向くままに行動する。
1:主催者を殺し王の財宝を取り戻す。
2:ポッチャマに興味。グレーテルはポッチャマのおまけ。
3:男(木原)は今度遭ったら殺す。
4:ヒトラーと共に市街地へ。ケイネスを探す。
5:まどかとほむらの関係は面白い。愉悦愉悦。しばらく同行してやる。
※自身にかけられている身体能力の制限に気が付きました。
※殺し合いの参加者が別の世界から呼ばれていると考えています。
※アカツキ電光戦記と総統閣下シリーズ、よもやま四方山の世界を知りました。
※ギルガメッシュがこの先どこへ向かうかは次の書き手さんにお任せします。
※放送と戦闘が被りました。しかし案外聞いている可能性もあります
※メイトリックス、士、カズマ、サーニャが殺し合いに乗ったと聞かされましたが何処まで信じてるか不明です。


【総統閣下@総統閣下シリーズ】
[状態]:疲労(大)、左肩負傷 、まどか達を警戒
[装備]:出刃包丁@現実、キー・オブ・ザ・グッド・テイスト@人造昆虫カブトボーグV×V
[道具]:基本支給品一式、大量のマンガと本、カイジの地下王国豪遊セット(ポテチ、チーちく、肉じゃが、ビール×4)@逆境無頼カイジ 破戒録編
[思考・状況]
基本行動方針:生きて祖国に帰り可能であるのなら二次元に行く。打倒主催。
1:情報収集。首輪の解析
2:主催者どもは必ず倒すが、具体的な作戦及び行動方針はこれから考える。
3:クリーパーを失うのは惜しかった…
4:メイトリックスと譲治を警戒……?
5:青鬼とレーザー、およびそれを発射した「何か」を警戒。
6:ギルガメッシュと共に市街地へ。ケイネスを探す。
7:まどかに違和感と何処かで見た既知感。
[備考]
※出典はあくまで総統閣下シリーズ、現実や最後の十二日間での真面目な独裁者ではありません
※サブカル知識も豊富ですが、なんらかの制限がかけられている可能性があります
※ギルガメッシュ他、数人の参加者について情報を得ました。
※アカツキ電光戦記の世界を知りました。
※別の世界から呼ばれた事がほぼ確信に変わっています
※総統閣下のノートには今まで見聞きした事のまとめや考察が数ページにわたって書いてあります。
※クリーパーの説明書を読みました。
※総統閣下の持ち出した本やマンガの詳細は次の方にお任せします。ただしDVDやBDは持ち出していません。
※過去に読んだ「HUNTER×HUNTER」を思い出しました
※メイトリックス、士、カズマ、サーニャが殺し合いに乗ったと聞かされましたが何処まで信じてるか不明です。




【タイム風呂敷@ドラえもん】
包んだ物を未来か過去の姿に変える。

560「アイテム渡しすぎじゃないですかね?」「ま、多少はね?」 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/22(日) 02:52:05 ID:qGqtw/Ro0
投下終了で
あと>>558だけこっちで

【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ(クズなまどかシリーズ)】
[状態]:疲労(小)、ダメージ(中)
[装備]:ソウルジェム 、螺湮城教本@Fate/Zero
[道具]:基本支給品一式×2、キングクリムゾン(残り3回)@ニコニコ動画、タイム風呂敷@ドラえもん、不明支給品0〜1
[思考・状況]
基本:ゲームからの生還
1:ほむらちゃんと一緒に行動。あまり役に立たないようなら捨てる。
2:利用できる者は利用し、邪魔になる者は殺す。士、メイトリックスはいずれ殺す。
3:行動に出る際はパッチを利用してなるべく自分の悪評が広がることはないように動く。
4:海魔召喚のための餌も探す
5:ほむらの仮説を確かめる為に生きた参加者で実験する。その為に手頃な参加者を捕獲する。
6:優勝も視野に入れなきゃかな……。
7:四回放送までに残り二人何としてでも殺す。可能ならば目目立たないよう確実に、でも余裕がなくなれば……。
8:ギルガメッシュ達を上手く利用したい。
9:二人殺害が間に合わなければ、ほむらの首輪解除の仮説も視野に入れる。
※クズなまどかVS逆襲の魔法少女スーパーさやかちゃん【前編】直後の参戦です。
※さやかの体が鬼柳京介になっているのを知りました。
※螺湮城教本は制限により海魔の現界、術者の魔力補給、本体のダメージ修復等の同時運用は出来ません。
※制限として海魔の最大同時現界数は五体までしか出せません、また能力も下方修正されています。
※AV動画オールスターセットの動物はもう残っていません
※四回放送までに残り二人殺さないと死にます。

561名無しさん:2015/03/22(日) 07:01:26 ID:cqOMZs0w0
投下乙
それと細かいけどちょっと誤字発見
×元グリーンレベーの ○元グリーンベレーの
×良い酒の魚に ○良い酒の肴に
まどかの思考状況7番目の目立たないように〜の目が一個多い
まあwiki収録時に修正しとけば良いと思うけど

562名無しさん:2015/03/22(日) 12:12:33 ID:k2PWTkFc0
乙です
強化はされたがその分ハンデも負ったか
主催も相変わらずカツカツ状態だしどこまでやれるか

563名無しさん:2015/03/22(日) 16:15:26 ID:unYdxRJA0
投下乙です

564名無しさん:2015/03/23(月) 00:56:36 ID:iGHlss5M0
投下乙です

ムラクモや星君といい続々と危険人物紛れ込んでいくなwww
そしてまどかに課せられた縛りが今後どう影響するか……

あと疑問なんですが、アサシンが持ってた支給品はどうなったんですかね?
クックやまどかの状態表にも書かれてないので

565 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/23(月) 16:47:19 ID:tAvGiWS.0
ご指摘ありがとうございます
wikiに直接直しておきます

あとアサシンの支給品はまどかに手に渡ったという事でこれも修正しておきます
すっかり忘れてたorz

566 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/23(月) 16:57:49 ID:tAvGiWS.0
本編のほうはwiki収録時に直してくださったようです
ありがとうございます

567 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/25(水) 01:08:24 ID:Ud8G8Q4w0
投下します

568ならず者達 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/25(水) 01:09:36 ID:Ud8G8Q4w0
「嘘……」

サーニャが目にしたそれは人とは思えない食いカスだった。
無残に散らばった血に塗れた服、髪の毛が生え所々肉片の付いた髑髏の数々。
如何な方法を以って殺せばこうなるのか、最早人の所業とは思えない。

「うっ……おえっ」

涙よりもサーニャを襲ったのは強い吐き気だった。
エイラと思われる髑髏を見つけたとき、反射的に意の内容物が逆流し吐瀉物として外部に排出される。
愛らしい小顔は見るも無残な白貌の骨へと変わり、残った髪と二つの目玉がギョロリとこちらを睨んでいる。

「エイラ、そんな……」

それをエイラと呼びかけるのに躊躇いすら生まれた。
死んだという覚悟は出来ていたが、これはあまりにも酷すぎる。
怒りや悲しみを飛び越え、嫌悪感を感じた。

「ガキか」

男の声がサーニャ耳を鳴らす。
半ば逃避的にエイラから目を離し振り返る。

「あなた、は……?」
「少なくともそいつらを殺した下手人じゃねえな」

ヘルメットを被っている為、その下の顔は分からないが、何処か声は皮肉が込められている。
サーニャは不快な印象を抱きながら、その男に現状の説明を求めた。

「俺が来た時にはこうなってた。もし誰かの仇討ちでもしたいんなら残念だったな」
「そうですか……。もうここには、透明の殺人鬼も居ないみたいですね」
「あ? 透明の殺人鬼だと?」

ヘルメットの男、ジャギは透明という言葉に反応する。
忘れもしない。あの姿を隠しジャギとドラえもんを襲撃してきた卑怯者に間違いない。
妙な苛立ちが、ふつふつと再び燃え上がってきたジャギは咄嗟にサーニャの胸倉を掴む。

「ちょっ、何を―――」
「おい、その透明の殺人鬼の事を教えやがれ!」
「わ、私も会った訳じゃありませんけど……姿が見えない殺人鬼に襲われた人が居て、彼らは……」

サーニャから手を離しジャギは舌打ちをする。
ほんの少し前まで、ジャギの探していたドラえもんを殺した卑怯者はここに居たのだ。
何というすれ違いだろう。あともう少し早くに学校に来てさえ居れば。

569ならず者達 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/25(水) 01:09:53 ID:Ud8G8Q4w0

「あの野郎、かならず見つけ出して……」
「貴方も……もしかして」
「ちっ、てめえには関係ねえ」

サーニャの目にはジャギは誰かの為に怒る。
善人のように一瞬映ってしまった。
だからだろう。

「……そうそう、忘れるところだったが俺の名前はケンシロウ、お前を殺す男だ」

その唐突な豹変ぶりと自らの殺害予告に気を取られ、反応が遅れたのは。
ジャギの手に握られた刃物が真っ直ぐサーニャの顔目掛け振り下ろされる。
瞬きする暇もなく、視界が冷たく銀色に輝く鉄に覆われる。

「そ、んな―――」

刃物がサーニャの顔をかち割り、赤く染まろうとしたその瞬間。
壁を薙ぎ払い粉砕し、突き進む男の轟音と咆哮が木霊する。

「衝撃のファーストブリット!!」

まるでミサイルのようだとジャギは錯覚した。
壁があった筈の向こう側から、こちらへと一直線に突っ込んできたのは一人の男だ。
その右腕をアルターで武装し壁を突き破り、ジャギへと殴りかかるカズマ。
ジャギはサーニャから離れ、高く後方へ飛ぶ。
カズマの右腕の軌道からジャギが外れ、その拳は誰も居ない唯の壁へとぶち当たる。
ビスケットのように音を立てながら壁は崩れ去った。

「てめえか? 透明の殺人鬼ってのは!」
「生憎と人違いだ」
「そうかい、でも殺し合いには乗ってるんだろ?」
「だったら?」
「ボコる! 徹底的にだ!!」
「面白え、やってみなこのケンシロウ様を相手によ!」

互いに啖呵を切ったところで、ジャギはカズマの首元にあるはずの物がない事に気づく。

「お前、首輪は……」
「あ? んなもん外した」
「そうか。……特別サービスだ。そいつの外し方を教えれば見逃してやる」
「絶対にノゥ!」
「イエスと言いやがれ!」

ジャギの刃物とカズマの拳がせめぎ合い火花を散らす。
普通の拳ならば血を噴出し、肉が裂けるところだがアルター、シェルブリットの姿となったカズマの拳は刃をものともせず受け止める。
そのまま数度打ち合い、ジャギの蹴りがカズマの腹へと放たれる。
空気を無理やり吐き出されるような感覚と息苦しさを同時に味わいながら、カズマも負けじと左拳でジャギ鳩尾へとストレート打ち込む。

「埒があかねえ、撃滅の―――」

また、あれがくる。
ジャギの体をピリピリと刺激する威圧感。
それが最初に放たれた、あのミサイルのようなものだと予感させる。

「セカンドブリット!」
「うおおおおっ!!」

だがそれはミサイルでありながらミサイルにあらず。
如何に威力が桁違いであろうとも、人の手により放たれた拳であることに違いはない。
ならば、そこに武術の挟み込む余地は確実にある。
殴りかかるという、人のもっとも基本的な戦闘スタイルは何年、何千年も前から研究され尽くされてきた。
故に、それに対する対策など腐るほど編み出されてきている。

570ならず者達 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/25(水) 01:10:58 ID:Ud8G8Q4w0

「なっ!?」

殴りかかったカズマの力を受け流し、腕を掴み。あらぬ方向へと投げ飛ばす。
北斗神拳ですらない一本背負い。
予想外の出方にカズマも一瞬混乱しながらも辛うじて受身を取るが、流されたセカンドブリットの衝撃がモロに身体を流れかなりのダメージを負う。

「ぐっ、が、あ……」

痛みで動きの遅れたカズマへジャギの刃物が振りかぶる。
カズマは無理やり右腕を動かし、肘で地面へと叩きつけその反動で跳躍した。
刃物は空を斬り、ジャギは天井を睨む。

(あいつにただの拳はきかねえ。なら―――)

再び拳を構え、カズマは天井近くでジャギを見る。

「はっ、また懲りずに殴りかかる気か!」
「抹殺のラストブリット!!」

アルター粒子の噴射で勢いを付けたカズマはジャギではなく、その真上の天井を殴りつける。

「これなら投げられないだろうが!」

崩れ、砲弾のようにジャギに降り注ぐ天井の中を掻い潜り、カズマはサーニャを連れ離脱、半壊した学校から校外へと飛び出した。


「はあ、はあ……おい無事か姉ちゃん?」
「ええ、何とか。それよりもカズマさんは大丈夫なんですか!?」

サーニャの横で気丈に振舞うカズマだが額に汗をかき、目は少しうつろ気味だ。
ここに来て連戦の疲労がピークに達したのかもしれない。

「それよりも、下がっとけ。多分、あのヘルメットくたばってねえ」

左腕で汗を拭いながらカズマは崩れた瓦礫の山を見つめる。
すると目の前の瓦礫から物音が響く。

「!? そこ―――」「違います、あっち!」

カズマが振りかぶった瞬間、サーニャの声で別の方向を見たカズマが捉えたのは、別の死角から不意を付こうとしてきた五体満足のジャギだ。
すぐさまカズマは追撃を中止し、ジャギの攻撃をかわし後方へ飛ぶ。

「ちっ、あのアマ……」
「良かった、私の魔法が役に立って」

ジャギは舌打ちをする。
サーニャの姿が先ほどとは打って変わり、猫のコスプレのようなものに変わっている。
恐らくは何らかの得意な索敵能力を使い、こちらの居場所を察知したのだろう。
こうなると奇襲はまるで役に立たなくなる。

「一応、礼は言っとくぜ姉ちゃん」

サーニャへ一瞥くれ拳を握りなおす。
あのヘルメット男には普通の拳は通用しない。
ならば、更に火力を上げ触れさせなければいい。カズマの周辺の物質が分解され粒子となりシェルブリットへと集まっていく。
シェルブリット第二形態。
もう疲労など気にしている場合じゃない。全力でなければ叩き潰せない相手だ。

571ならず者達 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/25(水) 01:11:43 ID:Ud8G8Q4w0

「まだ、そんな隠し玉を持ってやがったか」

まいったとしか言いようない。
あの拳は流せない。もはや拳でありながら人のそれではない。
触れるだけで、消し飛びそうなほどのエネルギーを纏っている。

「正面から受けるしかねえってか?」
「もっとだ、もっと輝け! シェルブリットバースト!!」

右腕のプロペラが回転し拳が勢いを付けジャギへと向かっていく。
ミサイルどころか、光り輝くそれは隕石のよう。
ジャギは小細工は捨て、自身の体の秘孔を突き肉体を強化する。
咄嗟の思いつきのアドリブだが上手くいった。あとは迎え撃つのみ。

「ぐ、おおおおおおお……」
「この、野郎ォ……!」


骨が軋み、皮膚は裂け、肉は悲鳴をあげる。
だがジャギはその両腕でカズマのシェルブリットバーストを受け止めた。

「ぬ、ぐうううううう」
「うおおおおおおおおおお」

もっとも僅かながらジャギをカズマが圧している形だが。
二人は連戦を繰り広げ、疲労が溜まっているのは共通している。
問題はその二人を縛る制限だ。かたや首輪を外し本来の力を発揮できるカズマ。かたや魔法戦士の力を得ながらも、しかし制限を受けているジャギ。
そこで地力で二人の間には差が生まれてしまっている。

「畜、生ォ……!」

力が徐々に抜けていく。
シェルブリットバーストが既に眼前にまで迫り、寿命のリミットを数えてすらいるようだ。
どうして止められない。何が足りない。冷静に己と敵の戦力を分析し得た結果、自らを縛る首輪の存在に気づいた。
これだ。これがどうしようもなく人の力を奪い去っている。

「邪魔、なんだよ……首輪(てめえ)は!!」

無理やり引きちぎり、そしてボンっと軽く鈍い爆発音が響く。
カズマが逡巡した次の瞬間、シェルブリットが押し返される感触が伝わってくる。

「お前、まさか……!」
「はっ、これでお前と対等って訳だなァ!!」

首輪を千切った瞬間、秘孔を応用し首周りを硬化させ爆発を耐えた。
一か八かの賭けだが勝った。
ここからが本当の勝負の幕開けだ。

「もっと輝け!」
「しゃらくせえ!」

受け止めたシェルブリットへ真下からの膝打ちを叩きつける。
わずかにジャギへの狙いが反れた瞬間、カズマの顔面へと頭突きを叩き込む。
だが、カズマも負けじと左肘で首輪のなくなった首元へ肘打ちを打ち込む。
カズマは鼻血を噴出し、ジャギは潰れた声を捻り出しながら。それでも二人は退かない。

「面白えな、ほんとに何なんだろうなあ!」
「ごちゃごちゃ、うっせえんだよ!」

顔を歪ませた二匹の獣が更に殴り合い互いを血に染めていく。
あまりにショッキングな光景にサーニャは目を背ける。

「なんで……あんな、あの人たちおかしい……」

殴るのは痛いことだ。殺しあうのは悲しく辛いことだ。
それなのにあの男たちは笑っている。互いに楽しんでいる
理解できない。どうして? 味方であった筈のカズマすら恐ろしく感じてしまう。
なんで殺し合いを楽しめるのか、どうして……?
おかしい、理解できない。人が死んでいるのに、しかも自分たちがそうなるのかもしれないのにどうして。
段々、不快さと腹正しさすら沸いてくる。

―――こんな人達にエイラは殺されたの?

ふとサーニャの脳裏をエイラの目玉と髪が残った髑髏が過ぎる。
戦いが殺しが好きな人たちにエイラは殺された?
そう思ったとき、無意識の内にカードを掲げていた。

「なっ? アルターが!?」
「なんだあ?」

その絵柄に描かれた一体のドラゴンが召喚され、再び姿を消した時カズマのシェルブリットが解除されジャギの拳を食らい吹っ飛ばされた。
覚えているのはここまでだ。あとは無我夢中で走って逃げた。

572ならず者達 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/25(水) 01:12:09 ID:Ud8G8Q4w0

「ごめんなさい。ごめんなさい……」

サーニャは走る。
エイラの悲惨すぎる死、男達の血みどろの殺し合いから逃れるように。



【c-03 /1日目・夕方】

【サーニャ・V・リトヴャク@ストライクウィッチーズ】
[状態]:健康、魔力消費(微) 、精神的な落ち込み、腹部に重傷、精神的ショック(大)、錯乱
[装備]:★Rock Cannon@ブラック★ロックシューター、黒猫のゴスロリ服@俺の妹がこんなに可愛いわけがない
[道具]:メントスコーラ(空)@コーラを開けるとメントスが落ちるトラップの作り方、
    DMカード『スターダスト・ドラゴン』@遊戯王5D's (自身をリリースし破壊を無効化したあと帰還する効果で夜中に再び使用可能)
[思考・状況]:殺し合いには乗らずゲームを打破する
0、……。
1、エイラの仇を討ちたい。
2、知り合いが居れば合流する
3、ストライカーユニットとフリーガーハマーが有れば入手したい
4、殺し合いに乗ってない参加者が居れば合流したい
5、まどか達を警戒
6、エイラを殺したのは……
7、あの人たちはおかしい

※DMカード『スターダスト・ドラゴン』@遊戯王5D'sは自身効果により消えたので、短時間で復帰します。
ただし復帰前と後の時間を合わせ、一定時間で消滅しその後半日使用不可です。
それ以外は普通のDMカードと同じです。



「どうなってんだ……クソッ!」

あの時、一体のドラゴンが現れたかと思えばカズマのシェルブリットを打ち消した。
ジャギはサーニャが、あのドラゴンで攻撃してくるものとばかり思っていたが、そうではなかったことに疑問を持つ。
スターダスト・ドラゴンの特殊効果は自身を墓地に送り相手の破壊効果を無力化するもの。
サーニャがそれに気づかず発動させカズマのアルターを解いた事など知る由もない。

「ちっ、とにかく今は休むか」

あの少女はジャギと戦っていた男の仲間の筈がどのような心変わりがあったのか。
何にせよジャギには関係の無いことだ。
休息のはずがとんだ戦闘になってしまったがやっと静かになった。
少し休ませてもらおう。幸い学校内の治療用具がありそうな場はまだ無事だ。

【c-03 見滝原中学校 /1日目・夕方】

【ジャギ@北斗の拳】
[状態]:疲労(大)+奥義連続使用による消耗、ダメージ(大)、全身に爆発によるダメージ×2、QMZの力の目覚め、原因不明の苛立ち、右腕に裂け傷(止血済み) 左肩に大きな噛み傷、首輪解除
[装備]:魔法戦士の衣装一式@QMZ
[道具]:基本支給品一式、音の出るフリスピー@ミツバチ(遊助)
    こんなところの閉鎖病室の鍵の束@チャージマン研!、銃火器予備弾薬セット@オリジナル
    日本酒一升、刃物×2(全て違う種類、そこそこ大きい)
[思考・状況]
基本思考:ケンシロウの名を騙ってゲームに乗る
0:ケンシロウも気になるが、コソコソ見てた奴(譲治)も気になる。
1:参加者を探し、殺す。
2:銃火器がほしい。ガトリングとか。
3:襲撃者(にとり)は確実に殺す。
4:自分をコケにした女と犬(早苗と権兵衛)は許さない。
5:研、リュウセイ(名前を知らない)とカズマは次会ったら殺す。
6:奇跡の部屋にある新鮮な血に疑問。
7:右腕と左肩の治療を優先。
8:あのドラゴンは…?
※青鬼のデイバックがC-04に放置されています
※青鬼の事を支給品の類いだと考えています

※学校が半壊しています。

573ならず者達 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/25(水) 01:12:41 ID:Ud8G8Q4w0



「あいつ…」

c-03から離れた場所でカズマは悪態をつく。
理由は分からないが人の喧嘩を邪魔されたのは非常に腹立たしい。
文句の一つや二つ言ってやりたいところだった。
あの戦いの間に少女の中で、何があったのか想像もつかない。
追ったほうが良いのだろうか。しかし、学校でアカツキ達を待たなければならないのもある。
そうなった場合、またあのヘルメットと戦う羽目になるだろう。それは別に構わないカズマだが。

「だが、ちっと疲れちまったな」

流石のカズマも疲労困憊だった。このまま連戦は避けたいところだ。
一先ず一眠りすることする。あとのことは寝たあと決める。
そう決め、目を閉じ眠りに落ちた。


【c-04 /1日目・夕方】

【カズマ@スクライド】
[状態]:ダメージ(大)、疲労(大)、激しい怒り、首周りに少し焦げ跡、首輪解除 、睡眠
[装備]:不明
[道具]:基本支給品一式、ケイネスのメモ、ランダム品0〜1
[思考・状況]
基本:気に入らない奴はとにかくぶん殴るが、あのせこい男(サリー)の言いなりになるつもりはない。
0:今は寝る。今後のことはあとで決める。
1:このバトルロワイアルとやらを破壊するためにも、せこい男(サリー)の思い通りにさせない。
2:男声の女(譲治)とフランクを撃った男(ロックオン)、野獣先輩を警戒。場合によってはぶちのめす。
3:雛子、響、アカツキ(名前を知らない)にケイネスのメモを渡す為、学校に向かったが……。
4:ケイネスに言われたので、化け物については一応気を付けておく。
5:まどかは次会ったらぶちのめす。ほむらのまどかへの態度が気に入らない。
6:あいつ(サーニャ)はどうしちまったんだ?
※ミルキィホームズとデッドライジングの世界を聞きましたが、何処まで覚えてるか不明です。
※少なくとも参戦時期は君島死亡後です。
※ケイネスのメモには、ケイネスが立てた青鬼増殖の仮説。
 それと雛子、響、アカツキの名前が書かれています。

574 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/25(水) 01:13:00 ID:Ud8G8Q4w0
投下終了です

575名無しさん:2015/03/25(水) 01:57:27 ID:qoC1Ha8.0
投下乙

よし、これでおほむの秘孔で首輪解除出来る説は立証されたな!
オリーブオイルで解除出来た時点で最早、首輪なんてあってないようなもんだからま、多少はね?

576名無しさん:2015/03/25(水) 14:28:15 ID:pdyJMWqM0
投下乙

577名無しさん:2015/03/25(水) 16:19:26 ID:m3IWKemY0
さすがジャギ様つよい

578 ◆J/0wGHN.4E:2015/03/25(水) 16:28:32 ID:q9aC/MPE0
投下でーす

579アンハッピーリフレイン ◆J/0wGHN.4E:2015/03/25(水) 16:29:45 ID:q9aC/MPE0


時刻は13時38分。


「無いなぁ…」


「勝手に提案しておいてのその態度ですかい」


相生祐子は嘆息を漏らし、操舵室の椅子に座りこんだ。

先ほどからマニュアルの類いを見つけるため、しらみつぶしに操舵室内を調べて回ったが、梨の礫であった。
とは言え二人はたったこの15分間しか探してなかったのだが。

祐子の信念は熱しやすく、しかし冷めやすかった。


(何が船の操作法知らない人の為にマニュアルがあるだよチキショー!!)


(っていうかそんな意味不明な理論思いついたの誰だよ!!…あ、私か)

いちいちテンション上がっては後悔を繰り返す祐子も、研とは別の方向でキチガイである。





「…そろそろ逃げる事も考えないといけないんじゃないの?」

ふとバリカンがゆっこに声をかける。

いわれてみればそうである。
何だかんだで探し続けてみればこの場所が禁止エリア指定されるまで20分程しか無くなってしまった。
それまでにここを出るか船を操作するかしてこのエリアから逃げなければならないのだ。
さもなくば、自らの首輪が爆発してしまう。


殺し合いを強いるための参加者に課せられた首輪という枷。
その首輪の爆発、普段のゆっこにしてみればそんな物はトリックに過ぎないだろうと受け流していた所である。
しかし、あのゲーム開始時に見せられた「見せしめ」はゆっこに首輪の恐ろしさを植え付けるには十分だった。
今の今まで生きていた人間が首輪の爆発とともに物言わぬ首無き死体へと変わる。
それは、ゆっこが今までもこれからも断じて経験する事も無かった非日常。
後20分、ここに居るだけで自分も同じ立場におかれてしまう。

主催側の手によって見事にゆっこはこのゲームが「殺し合い」であると刷り込まれてしまったのだ。


脱出は確かに重要だが、それは命ある事が大前提である。
このまま動かし方がわからない首輪がまま爆発して死ぬよりはここから離れた方が良い。
船に未練は残るが背に腹は代えられない。


「なんでこんな首輪なんか…」

「首輪?」

忌まわしき首輪に手をかけて、ふとゆっこが気づく。

確かに自分にはこの首輪がはめられている。
だが、この目の前に居るロボットはどうだろうか。
彼(?)は参加者とやらではなく一介の支給品という存在である。
つまり、参加者に課せられるべき首輪が無いのだ。
例え禁止エリアに指定される時間になってもバリカンには何ら影響は無い。

580アンハッピーリフレイン ◆J/0wGHN.4E:2015/03/25(水) 16:30:37 ID:q9aC/MPE0


「バリカン!良い事思いついた!」

「え?」

「君、首輪無いよね?」

「え?あぁ、うん」

この時点でバリカン何か嫌な予感を察した。
また面倒な事を言い出しそうな雰囲気とバリカンは思ったのだ。

「一度私は避難するから、バリカンはここで船を何とか動かす方法を探してくれない?」

「エ゛ェー!?」

「取り敢えずホテルに私は避難するよ、日が暮れても動かせなかったら戻ってきて!」


またしても無茶振りを押し付けられた。とバリカンは感じた。
同時にゆっこは善は急げといわんばかりに出口へと駆け出していた。

「あー…うん」


慌ててバリカンは引き止めようとした。
が、ふと操舵室の備え付けの時計を見れば時刻は既に13時42分。
はっきり言ってもうあまり時間に余裕は無い、ここで判断がもたついては彼女の命に関わるだろう。
そう判断し、半ば仕方なくゆっこの話を承る事にした。


「その必要はない」

「!?」


駆け出すゆっこの足は、目の前の声によって遮られた。





/////






「これがエスポワールとやらか…」

「豪華客船の名には恥じないな」


それが、二人の目前の豪華客船への感想。

運良く何事もなく船に到着したお陰で何とか25分近くの余裕を作れた。
これなら船を操作してこのエリアを出られるだけの余裕はあるだろう
メイトリックスとフランクは君島の車から降り、辺りの様子を調べながら船に入る。



「ケイネス、こいつを見てくれ」

桟橋に足を踏み入れたメイトリックスが言い放つ。
ケイネスが指差した先を見れば、桟橋に泥汚れがついていた。
豪華客船という名に合わせて桟橋も蒼く美しい物であったが、その汚れは余りにも場違いであり、とても目立つ。
そしてその泥汚れは、靴の形で列をなしている。


「足跡か…」

「ああ、大きさからして女か子供だ、それにまだ中に居る可能性が高い」

「たしかに、これは入ってきた足跡だが、出てきた足跡は見られない」

実際、汚れの列は一列しかなく、その隣に杖のような物をついた跡がある位である。
そうだとしたら奇妙な形の杖だ、とケイネスは思った。

「もしかするとケンとやらがここに逃げ込んだのではないか?」

「違うな、ケンの靴は子供の運動靴だ、もっと複雑な形の足跡をしている」

「この靴はローファーかなんかだろう。普通は学生とかが履く物だ」

やはり早くに禁止エリアに指定されるだけあって、ここに来る人間は少なかった様だ。

「どちらにせよ、急ぐ必要があるな」


ケイネスはこの男が信頼に値する人間という程ではないが、少なくともある程度の信用をおいていた。
根拠の一つとしてこの軍人らしい判断力、洞察力の高さ。
サーヴァントのマスターであるという性質上、戦闘では基本的に後衛つく事がほとんどであるため、ランサー同様に前線経験に富んだ人間の存在は有り難い。
サーヴァントではない為ランサーと違い命令を下す事はできないが、そんな事を不満に思う程ケイネスは傲慢ではない。
協力し合える存在が居るだけで、少なくとも彼には十分なのだ。

581アンハッピーリフレイン ◆J/0wGHN.4E:2015/03/25(水) 16:32:34 ID:q9aC/MPE0


「ん?」

「どうした?」


ケイネスが訝しむと、それに呼応してメイトリックスも聞き返す。
だが、すぐにケイネスがなんでもない、といった素振りで返した。

普通ならば気づかない物である。
蒼い桟橋についた青い滴り跡など。
ましてや足跡のその下にあるのだ、メイトリックスでも気づかなかったのも道理である。
だがケイネスは気づく事ができた。その滴り跡に残されたわずかな魔力のお陰で。

それが何を意味するのか、少なくとも今の彼らには知る由もないだろう。





これだけの大きさを誇る客船、参加者の身を隠すにはうってつけだろう。
とは言え彼らにとって今は操舵室以外に用はない。
当然のように寄り道もなく二人は操舵室をまっすぐ目指した

「君、首輪無いよね?」

「え?あぁ、うん」


操舵室から漏れる声。
やはり予想通り人が居た、それも女性。

「…もう一人居る様だな、敵対者じゃなさそうだが」

やはり年を取ったかとメイトリックスは思った。


「一度私は避難するから、バリカンはここで船を何とか動かす方法を探してくれない?」

「エ゛ェー!?」

「取り敢えずホテルに私は避難するよ、日が暮れても動かせなかったら戻ってきて!」


操舵室に入ると席で騒ぐ少女が一人、球体の何かに話しかけていた。
ロボットの類いだろうか。
どちらにせよ彼女達には船を動かす算段はないらしい。
わかっていた事だが自分が動かす他にないだろう。

「その必要はない」

「!?」

メイトリックスは少女を引き止め、尚も続ける。

「船は俺たちで動かす。君たちは休め。OK?」



「えっ…誰?」

突然の救世主に対するゆっこの反応は、困惑であった。
目の前に筋肉モリモリマッチョマンの変態が薮から棒に現れれば致し方のない事だろう、とケイネスは思った。

「俺はメイトリックスだ、後の事は船を動かしてから説明する」

メイトリックスはゆっこに最低限の紹介をした後ケイネスに指示を出した。

「ケイネスだったか、まずは船のタラップを上げてきてもらえるか?」

「了承した」

そう言ってケイネスは操舵室から出た。
そして徐にメイトリックスは操舵室の席に座り、計器を弄り始めた。

582アンハッピーリフレイン ◆J/0wGHN.4E:2015/03/25(水) 16:33:33 ID:q9aC/MPE0

(すごく…歴戦の戦士っぽいです…)

自分では触れる事も気が引けるような計器をメイトリックスはまるで使い慣れた物のように動かしている。

「そ、そういえば筋肉のおじさん、おじさんは最初のあの時また娘がどうとかって言ってたけど…」

「また人質にされた、君よりも幼いだろう」

「また?」

「ああ、そうだ。少し長くなるがそれでも構わないなら話そう」

ゆっこが頷いた。

船を動かす準備をしながらメイトリックスはゆっこにベネットとの因縁や娘について大まかに話した。
(要はコマンドー本編の全容である)



「外したぞ」

ちょうどメイトリックスの話が終わる頃、その声とともに先ほど部屋から出て行った壮年が戻ってきた。
メイトリックスに言われた仕事を終えた様だ。


「随分と早いな、例のヘンテコな金属を使ったのか?」

「そうだ、ついでに車も積んでおいた」

「有り難い、ここからは一人じゃ難がある。俺が指示するから手伝ってほしい」

「それと祐子、君の話も後で聞いておきたい。船を動かすまでは取り敢えず休んでいてくれ」


わかったという間にケイネスはヘンテコな金属―月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)を取り出し、詠唱を始める。

「トゥットゥルー!!メタルまゆしぃでーす!」

可愛らしい声とともに水銀がうねる。

「よし、じゃあまずはそこの2番目のレバーを下げるんだ…」

ケイネスはメイトリックスの指示通り、水銀を操作する。
そして、その度に可愛らしい声が水銀から漏れる。





「私たち、完全に蚊帳の外だね」

「仕方無いでゲス」

現在、ケイネスとメイトリックスは操舵室で機械と格闘を繰り広げている。
ゆっこ達はそれを操舵室の片隅から遠巻きに見ている形だ
ぼっちを完全に脱却したのは有り難いがどうにも疎外感は拭えなかった。

「船の中、見てくる?」

ここでゆっこが提案する。
今の所、彼女らがあの場に入れる余地は無い。
しかし、彼らに最低限の協力ぐらいはしたい。
そこで自分にもできる事といえば、船の探索であった。

「わかった、一緒に行こう」

バリカンも賛成した。


こうして、二人きりの時間がまた始まった。

583アンハッピーリフレイン ◆J/0wGHN.4E:2015/03/25(水) 16:35:17 ID:q9aC/MPE0







【I-01/1日目・午後 船内】


【相生祐子@日常】
[状態]:疲労(軽微)、死への恐怖とそれに伴う悲しみ(若干克服)、若干希望を持ちつつある。ぼっち脱却
[装備]:バリカン
[道具]:基本支給品、一本満足バー×28inファミマの袋@アサヒフードアンドヘルスケア、
バトルロワイアルガイドブック@ニコロワγ
スポンジボブ@ハッキョーセット、でかいきんのたま@ポケットモンスターBW
キチガイレコード@チャージマン研!
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いには乗らない
0:何だったんだろう今の人?
1:船内を探索。
2:研君を探しに行きますか
3:危険地帯…恐るべし…!
4:もっといい道具が欲しかった
5:研君の そこにシビれる 憧れる
6:なのちゃんに続く新しいロボットの知り合いができて嬉しい
7:………死にたくないよ
※ジュラル星人と研の関係、泉家の家族構成を簡単に知りました。
※精神がわずかに不安定になっている可能性があります。
※民家の地下でニコニコ危険地帯を発見しました


【バリカン@チャージマン研!】※意思持ち支給品
[状態]良好、首輪なし、愛称で呼ぶ程度にはゆっこを信頼
[思考]
基本行動方針:ゆっこと一緒に研を探す。見つけたら保護してもらう。
0:さっきのは何だったんだろう?
1:何か胡散臭そうな船でゲス
2:ゆっこと行動。
3:終わったらゆっこがジュラル星人の存在を知らない事について話し合う
※機能に何らかの制限が課せられているかもしれません。
※ゆっこの交友関係を軽く知りました。
※星君を警戒対象に入れてないのは、彼がジュラルであることを知らないからです
※参戦時期は最終回よりも前のどこか。魔王については面識があるか見たことはあります








† † †

584アンハッピーリフレイン ◆J/0wGHN.4E:2015/03/25(水) 16:39:57 ID:q9aC/MPE0








「よし、何とか出たな」

ケイネスとメイトリックスが船の計器と戦う事十数分。
どうにか禁止エリアという峠は越えたようだった。

「終わったか…」

溜め息まじりに言うケイネスの声は大分疲れているようだった。
参加者に賭けられた制限のお陰でかなり魔力の燃費を悪くされているという点に加え、
ケイネスにとって水銀で細かい機器を丁寧に操作するのは骨の折れる作業であった為である。

「取り敢えず、岸へ戻った方が良いのではないか?」

ケイネスの問いかけにメイトリックスは頷く。
メイトリックスとしてもそのつもりであった。
船に乗っただけで脱出できてしまう程ガバガバ運営な主催ではないだろう。
何より自分たちに付けられたこの首輪の存在がある。
下手に出れば奴らはこの首輪を吹っ飛ばすだろう。それこそケイネスの愛人のように、何の戸惑いも無く。
今は船を動かせる事を確認できただけで十分だ。

航路を西へと変え、船を停められる場所があれば停めておく事にした。


一段落した所でケイネスは座席に深く座り込む。
そして、ふと気づいた。




「…そういえばあの2人は何所へ行った?」





【I-01/1日目・午後 船内・操舵室】


【ケイネス・エルメロイ・アーチボルト@Fate/Zero】
[状態]:疲労(大) 魔力消費(中) 令呪残り二画
[装備]:メタルまゆしぃ@Fate/Zero(ケイネスの礼装をCv.花澤香菜にしてみた)、 ヒラリマント@ドラえもん、君島の車@スクライド
[道具]:基本支給品×4(食料×1)、アカツキのディバック、ジャックのデイバック
   ブック・オブ・ジエンド@BLEACH、グリーフシード@魔法少女まどか☆マギカ 
   ハリボテエレジー(破損状態、濡れてる)@JAPAN WORLD CUP
   乖離剣・エア@Fate/stay night
[思考・状況]
基本行動方針:主催者の打倒。
1:松岡勝治と会う、
2:不動遊星、鬼柳京介を捜索。
3:ランサーの魔力は誰が・・・?
4:ギルガメッシュ、アサシン、ラミエル、グレーテルを警戒。
5:化け物(青鬼)を警戒。
6:このゲームは聖杯戦争と関連している・・・?
7:あの少女と一緒に居た丸い生き物は何だったんだろうか。
※車内でメイトリックスとの情報交換を軽く済ませました。
※青い滴り跡については軽く気に留めている程度です。

【ジョン・メイトリックス@コマンドー】
[状態]:ダメージ(中)、疲労(中)
[装備]:GUN鬼の銃@MUSASHI-GUN道-
[道具]: 基本支給品、ラットの爆弾×3@探偵オペラミルキィホームズ、氷剣ユキアネサ@BLAZBLUE
    宝塔(罅が入っている)@東方Project 、セイバーのカード@遊戯王なのはMAD(使用不可)
    世界樹の巫女 エレイン@カードファイト!! ヴァンガード、確認済み支給品1
[思考・状況]
基本思考:娘を助け出し、殺し合いをぶっ潰す。
0:岸まで船を動かす。
1:士、イーノックと合流する。
2:鹿目まどかとはいずれ決着をつける。
3:なんだこいつ?
4:そういえばあの2人(一人と一匹?)は何所へ?
[備考]
※参戦時期は原作終了後。
※エイレンは4時間、セイバーは半日です。
※アザディスタン王宮に向かう予定です。
※GUN鬼の銃に触れましたが元々能力制限されておらず潜在能力が底上げされている状態です。
※車内でケイネスとの情報交換を軽く済ませました。

585アンハッピーリフレイン ◆J/0wGHN.4E:2015/03/25(水) 16:43:23 ID:q9aC/MPE0








ーー何故桟橋に青い滴り跡があったのか。



ーーー何故。




それは、




希望の船の、ある一室。





黎明に放たれた、小さな悪夢がーー





ねぇ あそぼうよ こ43lr76+*<'しろいもの

たくさん あるん6bi,uc5f6e7;@p/fr

あたらしい おようふ@.]9-^]\9,gyしいなぁ

to;097

ずっと あなrywj7q;ずっと あなたに ついてくね

254876 0ni@kv:h;d]cy@p/_いてくね わた]_t[@g/sうち すぐそこ6ch,gc;:x

vy/_[:@/e7c6ju:/




言うなら、それはー






※船のどこかの部屋が【青い人形の部屋@Ib】と化しています。

586 ◆J/0wGHN.4E:2015/03/25(水) 16:44:36 ID:q9aC/MPE0
投下完了です

587名無しさん:2015/03/26(木) 04:47:20 ID:cO09s8wA0
投下乙

588 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/27(金) 02:05:12 ID:9Bho4KFc0
投下します

589 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/27(金) 02:17:08 ID:9Bho4KFc0
ちょっととらぶったんで中止します

590 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/27(金) 02:21:27 ID:9Bho4KFc0
行きます

591 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/27(金) 02:21:56 ID:9Bho4KFc0
『よう大佐? 聞こえるかベネットだ。
 殺し合いも中盤、第三回放送を始める。
 まず死亡者の発表からだ。


 ありがとウサギ
 巴マミ
 四条雛子
 日本鬼子
 我那覇響
 アカツキ
 ルシフェル
 権兵衛
 右代宮譲治
 ロックオン・ストラトス
 男色ディーノ
 門矢士
 巡音ルカ
 松岡勝治
 アサシン…ああ、こいつは前に呼ばれた奴とは別の正規参加者として加入の予定だった補欠だ。あまり気にするな。

 言い忘れるところだったが、青鬼って奴が二体ほどまた参加者として加入する。覚えておけ。

 さて、禁止エリアだが指定の前に今まで禁止エリアになった場所に踏み入ったら首輪が爆発することになっていたが、
 もう一つ別個に新しいルールを付けることにする。それは―――」

ベネットの台詞に合わせるように、今までに指定された爆音を巻き上げ、禁止エリアが大炎上し消滅していく。
もしこの中に人がいようものなら生きて出ることなど到底不可能だ。

『こういう事だ。
 これは禁止エリア内に人が入った瞬間爆発する仕掛けになっている。
 つまり、この島内が全て禁止エリアになる前に、殺し合いを終わらせなければならないって訳だ。
 まあ気張って早く殺しあうんだな。
 それと忘れるところだったが、禁止エリアの指定だ。

 19時にD-2 20時にD-3 21時にG-2 22時にG-3 23時にG-4 24時にF-3だ

 そういうことだ。精精がんばるんだな』




「ごくろうだったね。ベネット」

放送を終えたベネットの額は汗でぬれていた。
決して放送に緊張したわけではない。それは依頼者(クライアント)からのプレッシャーによるものだ。
姿を現さなかった、全ての現況が今目の前に居る。その事実に動揺と緊張をベネットも隠せない。




「そう、私が真の主催者であり君達のクライアントである―――ニコニコテレビだ」



テレビに顔の付いた謎の生命体。
なんだこいつは……たげたなあ……。

592 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/27(金) 02:22:33 ID:9Bho4KFc0

「あんたが俺たちを行き返らせた……」
「その通り、君たちに二度目の正を与えたのは私だ。
 それより、立って話をするのもあれだ。席に着きたまえ、夕飯には少し早いがチキンでも食って話そうじゃないか」

ベネットの前に広げられたテーブルとその上に置かれたチキン。
これは少し前まで生きていた。生きて意志を持ち、ニコニコテレビに殺し合いの廃止を訴えていた。
もっともそれが聞き入れられるはずも無く、殺されチキンにされてしまったが。
確か名前は、ニワンゴと呼ばれていたとベネットは記憶していた。


【ニワンゴ@ニコニコ動画】死亡


その他にも死体の山だ。
彼らは全員生きて、そして二ワンゴと同様に殺し合いを止めようとした。
そして殺される。一つ違うのは食されもせずベネット達に後始末をさせているということだけだ。

「ニコニコマスコット達の惨殺は中々いい再生数だな。
 まっ殺し合いに比べれば微々たる物だがね」

【ニコニコマスコット達@ニコニコ動画】死亡

「話すことと言っても特に無いんだがね。ベネット何が聞きたい?」
「一つ、あんたは本当に殺し合いをさせる気があるのか?
 例えば速水もこみち、例えばカズマ……あいつらは首輪を外しやがった。
 そして松岡勝治、あいつは何なんだ」
「首輪に関しては予想外だった。こちらとしては再生数が伸びてうれしい誤算だったがね。
 まあ、対策としてエリアそのものを爆発させれば問題ない。
 勝治君は彼自身の持ち味だよ」

ベネットは心の中で舌打ちをする。
まるで話しにならない。そもそも質問をしても、更に謎を深めるようなことばかりこいつは言う。
再生数とは何だ? 首輪に関して大した束縛を期待していないのか? 一体こいつは何なんのか?

「まだ質問は? あるなら受け付けよう」
「色々あるが、単刀直入に聞く。この殺し合いの目的は何なんだ?」
「そうだな……強いて言うなら細分化したジャンルの整理、及びついでに再生数を上げること、かな」
「細分化…? 何の事だ一体!?」
「増えすぎたという事だ。増えすぎた余分な物は排除すべきだろう?
 そして、ただ排除するのはつまらない。せっかくなら娯楽として消化すべきだ」

ニワンゴであったチキンを食べながらニコニコテレビは答えていく。
ベネットはただ黙って話を聞く事しか出来ない。

「質問はこれで終わりにしようか、まだ全ての種明かしには早すぎるからな」
「待ってくれ、まだ聞きたいことは―――」

その時、クックが慌てた様子でベネットへと駆け寄ってくる。

「なんだ? 忙しい後に……」
「メイトリックスの娘が逃げた」
「何!?」

こんな時にと怒りを露にするベネットに対し、まるで嘲笑うかのようにニコニコテレビは口を開く。

「怖いのか? メイトリックスの娘が」
「何?」
「仮にも、お前を殺した男の娘だからな……」
「―――ねぇ……あいつの娘なんか怖かねえ!! 俺が見つけ出して半殺しにしてやる!!」

そう叫ぶとベネットは駆け出し、クックもそれに続いた。

593 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/27(金) 02:23:00 ID:9Bho4KFc0



主催者及び依頼者【ニコニコテレビちゃん@ニコニコ動画】確認



【ベネット@コマンドー】
[思考・状況]
基本思考:殺し合いの進行。メイトリックスへの復讐。
0:メイトリックスの娘を見つけ出して半殺しにする。
1:アリアスの死体はどこに置いたんだろうか


【クック@コマンドー】
[状態]:健康
[道具]:デーモン・ハンド@デュエルマスターズ、
    地獄門デス・ゲート@デュエルマスターズ、
    雪風の双眼鏡@艦隊これくしょん、その他余りの支給品
[思考・状況]
基本思考:殺し合いの進行。メイトリックスへの復讐。
0:メイトリックスとは後で再戦したい
1:メイトリックスの娘を探し捕まえる。
※午後までの参加者状況と位置を依頼者から説明をうけています
※デーモン・ハンド、地獄門デス・ゲートは元は支給品となる物でしたが枠から溢れ没になった物です。
 このため他のカード等と同様制限がかけられており、一度使うと6時間使用できません。

594 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/27(金) 02:23:33 ID:9Bho4KFc0
放送の少し前、カルロ、志村、江頭は任務を終え暇を持て余していた。
と同時に男だらけの主催陣営にも飽き飽きし、性欲も持てましていた。
そう思いながら歩いていると、ちょうどジェニーが監禁されている部屋へと辿り着く。
戦場では、捕虜の女を犯すなんて良くあることだ。そう考えた三人は早速ジェニーを犯すことに決めた。

「な、何するの!? やめて離して!!」

逃げようともがくジェニーの服をひん剥く。
少し幼いがこの際どうでもいい。さっさと犯してやろうと三人はジェニーの体を触りまくる。

「嫌……パパ!!」

純潔は汚され、処女は散る。
一人の少女は無理やり大人(おんな)へと咲き乱される。
初行為を血で濡らし、頬を伝う涙。






コキャッ
ズドンッ! ズドンッ!


【カルロ@コマンドー】死亡
【志村けん@コマンドー】死亡
【江頭2:50@コマンドー】死亡


カルロの首は百八十度捻じ曲がり、志村と江頭はカルロの持っていた銃で銃殺。
無我夢中で抵抗していたジェニーは咄嗟に手をカルロの首に回し、思いっきり捻った結果首がひん曲がりそのまま銃を奪い二人を殺害したのだ。
こう見えてジェニーはメイトリックスは護身術を習っていたこともあり、土壇場での爆発力は父譲りだったのかもしれない。
こうしてジェニーは処女(はじめてのころし)を散らした。

「私だって……パパの娘なんだから!」

ジェニーは三人の武装を奪い、カルロの持っていた何でも入るディバックに全て突っ込むと部屋を出た。




【ジェニー@コマンドー】
[状態]:健康
[装備]:銃
[道具]:カルロ、志村、江頭の武器
[思考・状況]
基本思考:本部からの脱出。パパと合流したい。
0:とにかく逃げる。






※禁止エリアのルールが変更され、首輪ではなくエリアそのものが爆発し消滅します。

595 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/27(金) 02:23:48 ID:9Bho4KFc0
タイトルは第三回放送で

596 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/27(金) 02:23:59 ID:9Bho4KFc0
投下終了です

597名無しさん:2015/03/27(金) 03:57:14 ID:St5Tv3Mc0
投下乙

遂に黒幕のお目見えか……
にしてもエリアごと爆破とはその発想は無かったwww

598名無しさん:2015/03/27(金) 08:45:45 ID:oa/1TQoE0
投下乙です。

コマンドー見たこと無いから知らんけどこの娘強くね?

599名無しさん:2015/03/27(金) 10:02:44 ID:fesTO8Do0
祝☆第3回放送
>>598
://www.nicovideo.jp/watch/sm15868274
(元ネタ動画を)見てこいカルロ

600 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/28(土) 02:05:19 ID:zcibUdVY0
投下します

601これマジ?首輪が貧弱過ぎるだろ ◆FbzPVNOXDo:2015/03/28(土) 02:07:22 ID:zcibUdVY0
「嘘だろ、権兵衛……」
「そんな権兵衛さん」

第三回放送にて流れた権兵衛の名前に、リュウセイとシャーロックは衝撃を受けていた。
今まで、いつもの四人としてチームを纏め上げていた、リーダー格の権兵衛の死はそれだけ重い。

『いつものチャージインです。リュウセイくん!』
『いつもの推理です。シャーロックさん!』

もうあの権兵衛に会えないという事実が二人の胸にのしかかる。



「ジュラル星人め、奴らのせいでこれだけの人間が死んでしまうなんて。
 必ず滅ぼしてやる!!」

研もまた怒りに燃えていた。
先の放送での死亡者の人数も、今までと依然変わらず。むしろ加速すらしている印象すら覚える。
このまま、主催の好きにさせておく訳にはいかない。
しかし、未だに何らかの策もなければ、首輪も外せない状況がさらに苛立ちを増す。
目の前でジュラル星人に、ここまで好きなようにされたのは始めてのことだ。
何が何でも、こんなキチガイロワイアルを終わらせてやると決意する。

「勝治くん……」

そして放送で呼ばれた仲間の名前にシャーロックの目に涙が溜まる。
自分のために命を賭して戦ってくれた少年のために、今はないてる暇などないと自分に言い聞かせる。
幸い、今はアルセーヌと共闘状態だ。普段は敵だが味方になれば頼もしい。

「三人の気持ちは分かりますが、ここは禁止エリアになりましたわ。早く離れないと」
「分かってるよ、早く残った早苗たちにも会ったほうが良いしな」

地図を確認したアルセーヌが退避を促す。
あと一時間程で、このエリアは大炎上する。そんなものに巻き込まれるのはごめんだ。

「そうだ、待ってください。実はバックの中に気になるものが入ってたんです」

シャーロックがバックから一本のUSBメモリーを取り出す。

「これは?」
「分かりません。私の支給品かと思いましたが数が合いませんし……」

怪訝そうに聞く研にシャーロックは答える。

「取り合えずパソコンだな。この辺の家でも探せばどっかにあるんじゃないのか」

そう言いリュウセイは堂々と不法侵入し、何件か回るとノートパソコンを一台持ってきた。

602これマジ?首輪が貧弱過ぎるだろ ◆FbzPVNOXDo:2015/03/28(土) 02:08:21 ID:zcibUdVY0

「よくありましたわね。そんなもの」
「ネットには繋がらないから、外から助けを呼ぶことはできないみたいだけどな。
 とにかく挿してみるぜ」
「気を付けるんだ、リュウセイくん。これを挿した瞬間爆発するジュラル星人の罠かもしれないよ」

「そんな馬鹿な」とリュウセイが笑いながらUSBを再生する。そこには―――

「こマ?」

リュウセイは唖然としつい呟く。
USBの中には首輪の内部構造とその外し方が入っていた。

「間違いない。これは罠だよ、みんな騙されちゃいけない!」カチャカチャ

真っ先に反応したのは研だ。
これはジュラル星人の罠だと決め付ける。

「でも、ここまで詳細に書かれているのは……」
「間違いない、ジュラル星人の仕業だ。首輪を外させられると思わせて首輪を弄らせた後、地球人を爆殺する気なんだ」カチャカチャ
「けど試してみるのも……」
「アルセーヌさんもシャーロックちゃんも甘いよ。奴らはこういう回りくどくて残忍な事を好む外道なんだ!! 信じちゃいけない!」カチャカチャ


次の瞬間、カチャリと乾いた音が響き研の首輪が外れた。

「アッ!」
「おっ、外れた」

リュウセイが何処からか持ってきたのか、幾つかの工具で研の首輪をUSB通りに弄ると本当に首輪が外れてしまった。
シャーロックとアルセーヌも急いで駆け寄って、分解された首輪を見つめる。

「これ本当みたいだな。俺もさっそく外すぜ」
「なんてことするんだ! 爆発したらどうするんだい!?」
「誰かが試さなきゃ駄目だろ? それに安心しろ、死んでも俺たちは仲間だ」

そのままリュウセイが首輪を弄り、恐る恐るシャーロックとアルセーヌも同じように首輪の分解を始める。
数分後には、この場にいる四人とも綺麗に首輪が外れていた。

「こんなあっさり取れるなんて……」
「間違いないよシャーロックちゃん、頭の中に爆弾があるんだ。
 こっちが本命なんだよ」
「お前、いい加減にしろ。はっきり言ってやる、そんなものはお前の決め付けと妄想の押し付けだ!」
「君は奴らの恐ろしさを知らないから、そんなことが言えるんだ! いいかい? 奴らはね―――」

「実は、私もその説を少し考えていました」

アルセーヌの一言で口論を始めかけた二人が黙り込む。
まさか本当に信じる気なのかというリュウセイの驚愕に満ちた顔と、逆に信じてくれるのかと換気に満ちた研の顔が相対的だ。

「オリーブオイルで外れたり、私たちがこうもあっさり外したり。
 多分、他にも何人も既に外してる人たちが居る筈、ならその対策をしないのも不自然。なら、本当に本命は別にあるんじゃないかとも思いましたわ。
 さっきの放送を聞くまでは」
「まさか、あのエリアごと爆破するってやつか?」

リュウセイが三回放送を思い出す。
確か禁止エリアのルールがかわり、踏み入れた瞬間エリアそのものが爆発するというルールだ。

603これマジ?首輪が貧弱過ぎるだろ ◆FbzPVNOXDo:2015/03/28(土) 02:08:42 ID:zcibUdVY0

「それなら首輪がなくても、参加者に殺し合いを強要出来る。
 さらにそう考えると、必然的に主催はこの島の外のどこか安全な場所に居ることになりますわ」
「それもフェイクだよ。本当は頭に爆弾が……」
「首輪が外れて、幻惑のトイズの制限が解けたからそれを応用して体の中を調べてみたわ。けれど結果は爆弾なんて一つもありませんでしたわ」
「そ、そんなあ……」

何故か、残念そうに研はうな垂れた。
思えばここに来てから、自分の考えがほとんど見当違いだったりする。

(やっぱり、僕の勘が外れるのもジュラル星人の仕業……!?)

「まっ、何はともあれ首輪が取れて頭に爆弾がないのも分かったんだ。
 あとは脱出して、主催を叩きのめすだけだ」

意気揚々とリュウセイが闘志を燃やすが、アルセーヌはそう短絡的にもなれない。

(この島は海に囲まれているし、主催は何処にいるかも分からない。
 まずは島から移動できる足と、主催の本拠地を見つけないと。
 モタモタしている時間はないわ。奴らが殺し合いを続けようと、まだ考えている間だけがチャンス。
 この島の全てのエリアを爆破される前に全ての条件を揃えないと) 

まず思い立ったのは、制限が解けた幻惑のトイズで船を作る。
いや不安定すぎる。長時間維持できる保証はない。

(なら、以前行ったように地球の自転を半回転させて、場所自体を移動させるしかないかしら)

ラードのトイズで一騒動あった時、アルセーヌは海外からミルキィホームズの援護のため、地球の自転を半回転させヨコハマに帰還したことがある。
ならば試しにと、以前と同じように足を振り上げ、全力で蹴り上げてみるが轟音をあげるだけで会場に何の影響もない。

「お前、いきなり何するんだよ。うるせーぞ」
「どうしたんですかアルセーヌ? もしかして更年期障害……。あっ、ごめんなさい」
「チェッ ちっ くっそぉ……」

「……」

かわりに返ってきたのは三者三様の酷い反応だけだった。

604これマジ?首輪が貧弱過ぎるだろ ◆FbzPVNOXDo:2015/03/28(土) 02:09:03 ID:zcibUdVY0

(この会場自体が非常に頑丈に作られているのか……そもそも、ここは地球なの?)

首輪という難題が思いもよらぬ方法で外れたかと思えば、また別の問題が浮上する。
やはり、そう簡単には終わらせてくれないということだろう。

「まだUSBの中に何かあるな。何だ? ニコニコ動画だってよ」

リュウセイが見つけたニコニコ動画なるものをクリックすると奇妙な動画サイトが開かれる。

「なんだこれ? 訳分からない動画ばっかだな」
「ちょっと、そんな事をしている暇はないわ。忘れたの? ここは禁止エリアになりますわ」
「おっと、そうだった。このサイトは後回しだな」

その時、ふとリュウセイは思い出す。
このパソコンはネットに繋がらない筈なのに、何故かこのサイトだけに繋がるということに。
そしてぱっと見ただけだが、動画のサムネに研の姿が映っており、シャーロックの言っていたミルキィホームズという名前と同じタイトルのアニメがあったのも気になった。

(……もしかしてあいつら、今流行のユーチューバーって奴か?)

しかし彼はニコニコ動画とようつべの区別があまりついていなかった。



「水」

四人がエリアから出ようとしたときだ。
水を求めた一人の浮浪者が現れた。

「水? 支給されてますよ―――え?」

シャーロックがそう答えようとした時、薄暗い中見えづらかったその浮浪者の容貌が露になる。
なんかもう色んなところから赤い液体を噴出した謎の生き物だ。

「下がりなさい、シャーロック」
「”水”!!」
「幻惑のトイズ」

赤い液体を噴出しながらこっちに向かってくる男にアルセーヌは幻惑のトイズを放つ。
だが悲しいかな、この男ケンシロウは既に人生を幻惑しているので、制限が解けたトイズでも大した効き目がなかった。

「アルファガン!」
「行け! 俺のトムキャット・レッド・ビートル!」

トムキャット・レッド・ビートルとアルファガンがケンシロウを吹き飛ばす。
だがケンシロウは平然と立ち上がり、こちらへと向かってくる。

「うえ、気持ち悪! なんだあいつは」
「キチガイだよ」
「それを寄越せ、全部だ!」

相手は水を欲しがっている。
それに気づいたリュウセイは自分のバックから水の入ったペットボトルを取り出した。

「欲しけりゃ、くれてやるよ!(震え声)」
「寄越せ……」
「ただし、俺にボーグバトルで勝てたらな!!」

唐突に何を言い出すんだと思った研達だが、ケンシロウはバックに手を突っ込みガサゴソと漁ると一台のカブトボーグを取り出した。

「良いだろう……」
「俺が負けたら水とシャーロックとアルセーヌと研の命をやる。お前が負けたら即刻自殺しろ!」
「あちらに……ボーグ台がある……」

ケンシロウが指差すとリュウセイも後に続く。

「あっ、悪いけどトイレ行ってくるから先に行っててくれ」
「良いだろう」

そう言い、催したリュウセイはトイレに駆け込みケンシロウはボーグ台に向かう。






「み、水……」

そしてすっぽかされ行き倒れた。

605これマジ?首輪が貧弱過ぎるだろ ◆FbzPVNOXDo:2015/03/28(土) 02:10:01 ID:zcibUdVY0

【D-3/一日目・夜】


【天野河リュウセイ@人造昆虫カブトボーグV×V】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、左肩に刺し傷、オリーブオイル臭い、強い怒りと決意、首輪解除
[装備]: トムキャット・レッド・ビートル@人造昆虫カブトボーグV×V
[道具]:基本支給品、スコップ@現実、ノートパソコン@現地調達、USBメモリー@ニコロワγ
[思考・状況]
基本:殺し合いを止め、主催者を叩き潰す。
0:勝治、権兵衛……。
1:もこみち死んだのか。
2:ケン…… 。
3:早苗達と合流。
4:研やシャーロックはユーチューバーなのか?
5:ケンシロウから逃げる。
※ニコニコ動画の存在を知りました。今のところニコニコで把握した動画はチャー研、ミルキィ関連だけです。

【アルセーヌ(アンリエット・ミステール)@探偵オペラミルキィホームズ】
[状態]:健康、アルセーヌの怪盗服 、首輪解除
[装備]:洞爺湖@銀魂
[道具]:基本支給品、ランダム品×1、 シャロの探偵服@探偵オペラミルキィホームズ
[思考・状況]基本思考:殺し合いを壊し主催から願いを叶える方法を盗み出す。
0:ケンシロウから逃げる
1:施設を巡り調査する。
2:ルセーヌとして行動するが、協力者を集める。
3:男声の女(譲治)とロックオンを警戒。
4:自分の推測が正しいか確かめる為、情報を集める。
5:黒幕は神……そんなわけないですわね。
6:会場からの脱出を模索。
7:会場の強度に疑問、本当に地球なのか?
※デッドライジング、スクライド世界の話を聞きましたが半信半疑です。
※有野、もこみち達と情報交換しました。
※首輪解除でトイズの制限が解けました。

【泉研@チャージマン研!】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)
[装備]:スペクトルアロー(ランダム品3つ扱い)@チャージマン研! 首輪解除
[道具]:基本支給品、ランダム品無し
[思考・状況]基本思考:主催者及びジュラル星人、殺し合いに乗ったキチガイ参加者を全て滅ぼす!
1:ありがとウサギ(名前を知らない)、ムラクモを倒す(特にムラクモの計画は必ず阻止する!)。
2:間違いない。黒幕はジュラル星人だ!
3:頭の中に爆弾が! ……ない。
4:ジュラル星人め許さないぞ!
※自分の勘が外れているのをジュラル星人の仕業だと断定しました。(真相は不明)
※首輪解除により、変装制限が解けました。

【シャーロック・シェリンフォード@探偵オペラミルキィホームズ】
[状態]:疲労(小)、全裸(上に勝治のジャンバーを羽織っている) 、首輪解除
[装備]: なし。
[道具]:基本支給品、手鏡@現実、権兵衛のメモを再現しいくつか書き足したもの
   フォーミュラ・シンクロン&シューティング・スター・ドラゴン@遊戯王5D's
[思考・状況]
基本:探偵として主催者を捕まえ殺し合いを終わらす。
1:勝治くん……トイズが戻っていれば……。
2:リュウセイに勝治を会わせるつもりだったけど
3:権兵衛さん……
4:アルセーヌとは共闘
※遊星の首輪と放送に関する考察を聞きました
※主催側はメモリーにが気付いていません。

606これマジ?首輪が貧弱過ぎるだろ ◆FbzPVNOXDo:2015/03/28(土) 02:10:40 ID:zcibUdVY0






そしてD-2は禁止エリアとなり爆発した。
もちろん、行き倒れたケンシロウも爆発に巻き込まれ爆☆殺!されたかのように思えたが。

「あ、あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”」

中途半端に残った赤い水の力で爆散した体が再生を始めていた。
だが、赤い水の再生力も中途半端なもので体の構築がおかしくなり四足歩行の謎の生命体のようになってしまった。

「な”ん”だ”、こ”れ”は”あ”……水」

色々あったが、とにかく水だ。
四足歩行だろうが何だろうが関係ない。
水を求めて、ケンシロウは四つの足を器用に動かし始めた。

あと爆破の影響で首が一時的に撥ねたので首輪が外れた。


【D-02周辺 /一日目・夜】

【ケンシロウ@北斗の拳(真・世紀末死あたぁ伝説 )】
[状態]:ダメージ小(水により回復)、屍人化回復中… 、首輪解除、四足歩行の生命体
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式(水無し)、不明支給品×2、詳細不明のカブトボーグ@人造昆虫カブトボーグV×V
[思考・状況]
基本:水か血が欲しい(優先は水)
1:水か血を飲む。出会った参加者からどちらか分けてもらう。
2:水を求めて街へ向かう。
3:湧水があるなら確保しておきたい。
4:ラオウを追い、今度こそ確実に倒す。
5:士(名前は知らない)はいいやつだ。
6:水を汚した奴(譲治)を探し殺す。
7:この体は……? ……水
※堕辰子が帰った影響か屍人化は停止し思考力も大分戻ってきています。夜頃には完全に回復するでしょう。
※屍人化していた頃の記憶はかなり曖昧です。第2回定時放送の内容もほとんど覚えていません。
※首輪が取れたので制限が外れました。

607 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/28(土) 02:11:06 ID:zcibUdVY0
投下終了です

608名無しさん:2015/03/28(土) 03:52:14 ID:7cQSsa6E0
投下乙

怒涛の首輪解除で草
もう(侵入しても死なない禁止エリアなんて意味)ないじゃん……

609名無しさん:2015/03/28(土) 09:26:31 ID:cOb3qFww0
投下乙!
オラなんだかケンシロウのことが好きになって来たぞ!!

610名無しさん:2015/03/28(土) 17:36:04 ID:fYaG7MXI0
投下乙!

611 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/01(水) 03:01:06 ID:VHcLlfrM0
投下します

612友【さいかい】 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/01(水) 03:01:51 ID:VHcLlfrM0
「ちっ、安全らしい連中が随分死んじまったな」

放送を聞き終えた麗華はたまらず舌打ちをした。
先の放送で、フランクとランサーから聞いた殺し合いに反対する者たちの名が、半分近く呼ばれた。
つまりそれだけ殺し合いに積極的な連中が、幅を利かせているということになる。
いつ自分がそんな連中に襲われる番になるか、分かったものじゃない。

「杏子にマミさんまで……」

そしてさやかもかなりのショックを受けていた。
頼れる魔法少女の先輩、巴マミの死は未だに信じられない。
その両目に涙が沸いてくる。

「泣いても始まらないだろ。こう言っちゃあれだけど、あんたの言ってたまどかって娘は無事みたいだしさ」
「……そうだね。まだまどかに転校生だって無事なんだ、ここで泣いてる場合じゃないよね」

涙を拭うとさやかは意を決したように笑顔を作る。

「私から言っといて何だけど、大丈夫、か……?
 無理してるみたいな」
「平気平気、さやかちゃん復活。早くまどか達に会わなきゃ」
「そう……」

どう見ても無理をしている。
麗華はもっと良い言い方があったんじゃないかと後悔したが、今更どうも言えない。

(ああ、くそっ。なんで私がこんな悩まなきゃいけないんだよ!)

一先ずまどか達を探しがてら悩みを振り払うように歩き始める麗華。

「あっちょっと待ってよ麗「さやかちゃん!?」―――え?」

聞き間違えるはずがなかった。
それは、その声こそは他の誰でもない唯一無二の親友でいてさやかの探し人の―――

「まど、か……?」
「さやかちゃん! さやかちゃんだよね!!」
「まどか!!」

その時のさやかの顔はどんなに泣き崩れていたか分からない。
友に会えた嬉しさや、鬼柳の容姿をしているさやかを一目で看破してくれた嬉しさ。
様々な歓喜がさやかの中を駆け巡り、さやかはまどかへと一直線に走り、その両腕を広げ抱きしめた。

「まどか、まどかなんだね!
 私こんな姿なのに分かってくれるの!?」
「うん、分かるよ。だって私達友達だもん」

こうして二人の友人は美しく再会した。



――――

613友【さいかい】 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/01(水) 03:02:18 ID:VHcLlfrM0


「と、言う訳。私の言った連中は殺し合いに乗っていない。あとケンってのを探してる」

再会したまどかとさやかは、互いの連れを交え情報交換を始めた。
誰が危険で誰が安全か。ここに至るまでの経緯を互いに話し合う。

「嘘、メイトリックスって人殺し合いに乗ったわけ?」
「うん変な仮面の人と一緒に襲われたの」
「おい、ちょっと待て。仮面の奴は知らないけど、メイトリックスは安全だって聞いたぞ」

麗華が口を挟む。
確かランサーとフランクの話では、メイトリックスは殺し合いには乗っていないと言っていた。
この食い違いに麗華が怪訝そうにまどかを睨む。

「あの人は……口が上手いの。私達も最初は娘を助ける為に協力して欲しいといわれたもん」
「ええ、まどかの言うとおりだわ」

まどかの連れの一人であるほむらも会話に参加しまどかを擁護する。
麗華の疑惑は消えないが、少なくともさやかは嘘とは断定しきれていない。
さっきあったばかりの参加者よりも、親友の証言のほうが信用できるのは当然のことだ。

「待ってよ。何かの間違いなんじゃ」
「親友同士の話に口を挟んで悪いが、ワシもさやかちゃんと同じ意見だな」

今まで話を聞いていた閣下もまた違和感を感じていた。

「じゃあ、誰かが変装してたってこと?」
「そうだよ。じゃなきゃランサーさんやフランクさんが、嘘を吐いてるってことになるよ」

まどかは心の中で舌打ちをする。
どうやら、ランサーは自分の言葉を信じてはいないらしい。少なくとも、メイトリックスを危険人物とは想定していない。
幸いなことに、自分からメイトリックスの悪評を聞いたとは流してはいないようだが。
ここは、一先ず自分の勘違いであったとすませるしかないだろう。本来なら、メイトリックスを殺すように上手く誘導するつもりだったが仕方ない。

「分かったよ。さやかちゃん……」
「うん、何とかメイトリックスさんに会って確認してみようよ」

不本意ではあるが今は話を合わせるしかない。

(まあいいや。ともかく今は自由に動かせる駒が必要だもん)

友好的な関係を築けたのは良かったものの、ギルガメッシュや閣下は扱いづらくグレーテルは戦力にならない。
ここでさやかの存在は非常に貴重な人材になる。

「ところで、今ランサーと言ったな」
「えーと、ギルガメッシュさん……ですよね? ランサーさんと知り合いなんですか?」
「そやつが探している、ケイネスという男に用がある」
「ケイネス? そういやフランクが前まで一緒に居たって言ってたな。
 今は船のはずだ」
「ほう」

思いもよらぬ場所に居るなと言いたげな顔で、ギルガメッシュは笑みを作る。
そのまま地図を開き、指でエスポワールの位置をなぞりながら思案を巡らせ始めた。

「船から会場の脱出か……」
「そうか、それなら」
「脱出できる、とでも思っていたのか? アホか?」
 
ギルガメッシュの呟きを聞き歓喜の声をグレーテルが漏らすがすぐに一喝される。

「そ、そんな……」
「……だが目の付け所は悪くないかもしれぬな」
「え? それって」

さやかとまどか、ギルガメッシュとグレーテルのやり取りを見ながら麗華はちょっとした苛立ちを感じていた。
―――何やら胸糞が悪い。
一言で言い表せばこう特に理由はないが、ともかく何か気にいらない。
特にまどかという女は何かが気に入らない。

614友【さいかい】 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/01(水) 03:02:42 ID:VHcLlfrM0

(訳がわからないけど……何なんだこれ)

そんな変わった感覚に襲われたせいか、まどかがさやかにそっと耳打ちをしたのに麗華は気づけなかった。

「ちょっと、私トイレ……」
「なん……だと」

モジモジとした様子でまどかが草むらへ駆け込む。閣下のテンションが上がるが

「ごめん、私も」

鬼柳(さやか)で下がる。



「なるほど、そうか」

辺りを歩き回り、考え込む動作を見せたかと思えば納得しギルガメッシュは笑う。
閣下はトイレでも覗き込んでるのかと疑うが、そういう様子ではない雰囲気だ。

『結界だ』

一言、紙にそう書き込みギルガメッシュは全員に見えるように投げた。



――――

615友【さいかい】 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/01(水) 03:03:17 ID:VHcLlfrM0

「はぁ…はぁ…」

ギルガメッシュ達から離れたさやかの息は荒い。顔も真っ赤に染まっている。
さっきからさやかはおかしな気分だった。
正確にはまどかを抱きしめたときから、ドキドキと興奮が止まらない。
さやかも年頃の女性だ。これが何なのかは理解できる。

「これ、勃起……だよね?」

必死に隠していたが股間の盛り上がりは明らかに異性と刺激をを求めていた。
さやかの精神を押さえ込み、男の肉体がまどかを求めている。

「……良いんだよ、さやかちゃん」
「まど、か」
「私で思いっきり気持ちよくなって」

衣服を乱し誘惑的な姿をさらすまどか。
理性は弾け、考えるより先に手が伸びる。

「まどか……まどか!!」

雄と雌が交わり、そして――――







―――――



結界。
この殺し合いには結界が貼られているとギルガメッシュは筆談で伝えた。
そして今、皹が出来ているとも。
たったそれだけを伝え、ギルガメッシュは筆談を打ち切った。

話を伝えられた面子が目を丸くするなか、まどかとさやかが帰ってくる。

「ごめんね。遅くなっちゃった」
「大か」
「…コロス」
「すいません……」

閣下の呟きがほむらに聞こえ睨まれる。

「!? まどか……」
「どうしたのほむらちゃん」

まどかに近づいたとき、変なにおいがした。
この匂いは、そうこれは少し男臭い。

(美樹さやかと一緒に……まさか……)
「ほむらちゃん? 分かってるよね」

頭が真っ白になるのを必死に考え塞き止める。
これは何らかの手段として行った行為、だから自分を捨てた訳じゃないしこれはこれは―――

「とっても仲が良いんですね。さやかさんとまどかさん」

グレーテルの一言が今度こそほむらの思考を遮り頭を真っ白にした。

―――仲良し? 何を……?

―――私が一番長く居て、守ってきて

あの時、まどかと再会し行為を行ったとき、まどかの顔は快感で満たされていなかったかもしれない。
けれど今は、何処かしら満足そうな顔をしている、ように見えた。
勘違い? 気のせい? 

(そうよ、そうよそうよそうよそうよそうよそうよそうよそうよそうよそうよ。勘違い気のせいだわ)

「ほむらちゃん?」
「何? 何でもないわ。何でもないわまどか」
「そう?」

そんなほむらの心境も知らず、まどかは内心ほくそ笑む。
今さやかは、ある種の恋愛に似た錯乱状態のようなものだ。その衝動に戸惑いを感じながら、発散したいと考えている。
そこに付け込む隙はある。ある意味ほむら以上に従順な僕になってくれれば万々歳だ。

(私の体をはったんだから、ちゃんと役に立ってもらわないと本当に殺すからね。さやかちゃん)



――――――

616友【さいかい】 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/01(水) 03:03:36 ID:VHcLlfrM0


「仲が良い、か。お前も中々やるようになったじゃないか」
「え?」

それは皮肉や他意など一切含まない。
ギルガメッシュからグレーテルへの心からの賛美だった。

「分かるだろう? あの三人は良い愉悦になる。
 お前は、それを更に良くする為に劇薬を放り込んだのだ」
「あの三人ってまどかさん達のこと? そんな、違う。私はそんなこと」
「もう隠す必要などないだろう。
 ―――第三者としての観測、いや傍観者とでも言うべきか。それがお前の本質であり、起源だ。
 今まではそれに気づかされる環境に居なかっただけ、だがこの場でお前は自身と見つめあい。気づき始めている」

否定したかった。
こんな王様気取りで全て見透かしたような発言、全てが見当外れの大間違いだと。

「それの何が悪い? 
 人が娯楽を楽しむのは当然のこと。それがお前は他人の不幸を見ることに特化していただけだ」
「そんなこと……」
「良いだろう? お前は散々不幸を味わってきたのだ、ならば今だけでもその分の蜜を啜る価値はあると思うがな」

分からなくなる。
自分の本質が何なのか、何もかも分からない。
ギルガメッシュの言っていることは出鱈目なのか、的を得ているのか、自分が本当は何をしたいのか。




―――――



閣下は既にここの面子に見切りをつけ始めていた。
まずまどか、さやか、ほむら、この三人の関係性は非常に危うい。
まどか自身は上手くやれていると思っているかもしれないが、閣下から見ればそれは火に注いでいるようにしか見えない。
おそらくこのまどかという少女自体人の心が理解できないのかもしれない。閣下はそう考える。
そしてギルガメッシュは優秀ではあるが、それ故に自信に溢れそう遠くない内にポカをやらかすと予想できる。
ありがとウサギとの戦いからもそれが伺えた。
その尻拭いが、自分にまで及ばないとはどうして言えようか。間違いない、セル編のべジータみたいにこいつは絶対何かやらかす。

(何処か別の参加者と会えれば、そっちに乗り換えたいところだが)

最悪、一人で別行動というのも取るべきかもしれない。
とはいえギルガメッシュの言っていた結界というキーワードが気になる。
しかし、当の本人がそれ以上の事を話さない以上、聞き出すこともできない。

(結界……。駄目だ、わしの今の知識では何も思い浮かばん。
 やはり魔術師、ケイネスとの合流が先決か)

幸い船に居る事は分かっている。
何処かうまいこと先回りし合流したいところだ。



―――――

617友【さいかい】 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/01(水) 03:03:57 ID:VHcLlfrM0


「おい、さやか。お前大丈夫か?」
「え? 何、が」
「いや、前からモジモジしてると思ったら何か今度は悟ったみたいな顔して」

麗華はさやかの挙動不審さを見て訝そうにまどか達に聞こえないよう話しかける。

「何でもない、から」
「いやでも……」
「何でもないの。……本当」

まるで、拒絶されているかのような。
自分のある領域に踏み込んで欲しくないということなのか。
ともかく無理には聞き出せない様子だ。

(待て待て、そもそもこんな奴他人なんだ。私の知ったことじゃない。
 そうだ、別にほっときゃ良いじゃん。まどかって奴も居るんだし)

考えれば成り行きで共に行動していたが、自分が気にかける必要などもうまるでない。
あとは大親友であるまどかとやらに任せればそれで自分はお役ご免。
もう何も気にかけなくても良い。

(私一人で船に行くのもありかな。空飛べるし)


―――――



心は女なのに、それなのにまどかに強く惹かれてしまう。
これはいけない事だと思うのに、男の体が反応する。
それは今まであった友情と恋愛、発情へと変わった瞬間だった。

(まどか……まどか……)

まだ、あの行為がなければそれは戸惑いで終わった筈だった。
だが超えてしまった。だからもうこの思いは止まらない、止められない。

(まどか……こんなこと……)

どうすれば良い? こんなことさやかは誰にも相談できない。
麗華にだって言えば引かれる。転校生だってそうだ。
このままでは本当におかしくなりそうだ。

(こんなにまどかが好きになっちゃうなんて……)

この体は他人のものだ。
鬼柳、遊星にも合わす顔がない。もうさやかは分からない。
ただ今は、まどか笑みにそっと身を任せることしか出来なかった。

618友【さいかい】 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/01(水) 03:04:28 ID:VHcLlfrM0
【F-4/一日目・夜】

【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ(クズなまどかシリーズ)】
[状態]:疲労(小)、ダメージ(中)
[装備]:ソウルジェム 、螺湮城教本@Fate/Zero
[道具]:基本支給品一式×3、キングクリムゾン(残り3回)@ニコニコ動画、タイム風呂敷@ドラえもん、不明支給品0〜1
    十六夜咲夜のナイフ×3、イカ娘の支給品(ランダム品1〜3)
    ゴンさんのデイバック(ヴェルタースオリジナル一袋@現実、スタングレネード×5@現実、コンコン@JAPAN_WORLD_CUP
    キャラ改変パッチ@MUGEN、ランダム支給品(0〜2),ウィンチェスターライフル(1/7)@うみねこのなく頃に
[思考・状況]
基本:ゲームからの生還
1:ほむらちゃん、さやかちゃんと一緒に行動。あまり役に立たないようなら捨てる。
2:利用できる者は利用し、邪魔になる者は殺す。士、メイトリックスはいずれ殺す。
3:行動に出る際はパッチを利用してなるべく自分の悪評が広がることはないように動く。
4:海魔召喚のための餌も探す
5:ほむらの仮説を確かめる為に生きた参加者で実験する。その為に手頃な参加者を捕獲する。
6:優勝も視野に入れなきゃかな……。
7:四回放送までに残り二人何としてでも殺す。可能ならば目立たないよう確実に、でも余裕がなくなれば……。
8:ギルガメッシュ達を上手く利用したい。
9:二人殺害が間に合わなければ、ほむらの首輪解除の仮説も視野に入れる。
10:さやかを上手く利用できる駒にする。
※クズなまどかVS逆襲の魔法少女スーパーさやかちゃん【前編】直後の参戦です。
※さやかの体が鬼柳京介になっているのを知りました。
※螺湮城教本は制限により海魔の現界、術者の魔力補給、本体のダメージ修復等の同時運用は出来ません。
※制限として海魔の最大同時現界数は五体までしか出せません、また能力も下方修正されています。
※AV動画オールスターセットの動物はもう残っていません
※四回放送までに残り二人殺さないと死にます。


【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:疲労(中)、ダメージ(大)、マドカァー 、ヤンデレ状態
[装備]:ソウルジェム、バルメM78(36/40)@コマンドー、ストライカーユニット@ストライクウィッチーズ、世紀末魔法少女パッチ@MUGEN
[道具]:基本支給品一式、キャベツ@夜明け前より瑠璃色な 〜Crescent Love〜、ランダム支給品0〜1
[思考・状況]
基本思考:まどかに全てを捧げる。
0:絶対に残り二人まどかに殺させる。
1:何があってもまどかを守る。
2:どんなことをしてもまどかに認めてもらう。
3:もう役立たずだなんて言われたくない。
4:まどかに危険を及ぼしうるものは全て排除する。
5:北斗神拳を使い秘孔を突けば首輪が外れるんじゃ。
6:自分の仮説を確かめる為に生きた参加者で実験する。その為に手頃な参加者を捕獲する。
7:何か大切なことを忘れている気がする。
8:まどかの一番は私よね? 私よね?

【グレーテル@よもやま四方山】
【状態】軽度の火傷、打撲、疲労(小)、血塗れ、迷い
【装備】ボロ服
【道具】ディーノの基本支給品一式、ポッチャマ@ポケモン
    浜口優かも×3@学校で配られたDVDがひどい件、剣(石)@Minecraft、アサシンの首輪
【思考・状況】
基本:出来れば死にたくない
1:ギルガメッシュに着いていく
2:愉悦…
3:自分のデイバックを回収する
4:私は……
※モンスターボール(ポッチャマ)が壊れたため、引っ込めることができません
※ギルガメッシュと情報交換をしました
※会場からの脱出は諦めました

619友【さいかい】 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/01(水) 03:04:54 ID:VHcLlfrM0



【ギルガメッシュ@Fate/stay night】
[状態]:打撲 、右腕復活、疲労(小)、機嫌回復
[装備]:王の財宝@Fate/stay night(空)、天の鎖@Fate/stay night、 必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)@Fate/Zero
[道具]:基本支給品一式、作業台@Minecraft、ランダム品(0〜1)
[思考・状況]
基本行動方針:気の向くままに行動する。
1:主催者を殺し王の財宝を取り戻す。
2:ポッチャマに興味。グレーテルはポッチャマのおまけ。
3:男(木原)は今度遭ったら殺す。
4:ヒトラーと共に市街地へ。ケイネスを探す。
5:まどかとほむらとさやかの関係は面白い。愉悦愉悦。しばらく同行してやる。
※自身にかけられている身体能力の制限に気が付きました。
※殺し合いの参加者が別の世界から呼ばれていると考えています。
※アカツキ電光戦記と総統閣下シリーズ、よもやま四方山の世界を知りました。
※ギルガメッシュがこの先どこへ向かうかは次の書き手さんにお任せします。
※放送と戦闘が被りました。しかし案外聞いている可能性もあります
※メイトリックス、士、カズマ、サーニャが殺し合いに乗ったと聞かされましたが何処まで信じてるか不明です。
※何か気づきましたが詳細不明です。結界とか言い始めてます。


【総統閣下@総統閣下シリーズ】
[状態]:疲労(大)、左肩負傷 、まどか達を警戒
[装備]:出刃包丁@現実、キー・オブ・ザ・グッド・テイスト@人造昆虫カブトボーグV×V
[道具]:基本支給品一式、大量のマンガと本、カイジの地下王国豪遊セット(ポテチ、チーちく、肉じゃが、ビール×4)@逆境無頼カイジ 破戒録編
[思考・状況]
基本行動方針:生きて祖国に帰り可能であるのなら二次元に行く。打倒主催。
1:情報収集。首輪の解析
2:主催者どもは必ず倒すが、具体的な作戦及び行動方針はこれから考える。
3:クリーパーを失うのは惜しかった…
4:メイトリックスと譲治を警戒……?
5:青鬼とレーザー、およびそれを発射した「何か」を警戒。
6:まどかに違和感と何処かで見た既知感。
7:こいつらがやらかす前に何とか別れたい。船に居るケイネスと会いたい。
[備考]
※出典はあくまで総統閣下シリーズ、現実や最後の十二日間での真面目な独裁者ではありません
※サブカル知識も豊富ですが、なんらかの制限がかけられている可能性があります
※ギルガメッシュ他、数人の参加者について情報を得ました。
※アカツキ電光戦記の世界を知りました。
※別の世界から呼ばれた事がほぼ確信に変わっています
※総統閣下のノートには今まで見聞きした事のまとめや考察が数ページにわたって書いてあります。
※クリーパーの説明書を読みました。
※総統閣下の持ち出した本やマンガの詳細は次の方にお任せします。ただしDVDやBDは持ち出していません。
※過去に読んだ「HUNTER×HUNTER」を思い出しました
※メイトリックス、士、カズマ、サーニャが殺し合いに乗ったと聞かされましたが何処まで信じてるか不明です。


※さやか達と情報交換しました。



【東豪寺麗華@MMDDFF】
[状態]:健康
[装備]:エクスカリバー@Fate/Zero
[道具]:基本支給品、DMカードセット(デモンズ・チェーン@遊戯王5D's)
[思考・状況]
基本:生存優先、主催は殺す
1:とりあえず積極的に人と会い情報を集める。その一環で船の方に向かう
2:幽香の奴、死んだのか。
3:水色髪の男(さやか)はほっとけない。
4:レア様とはいずれ決着をつけるつもりだったけど……。
5:まどかに何か嫌悪感?
6:メイトリックスは殺し合いに乗っている?
7:もうさやかは放っといても良いだろうし一人で船に行こうか……
※制限はほとんどされてません。
※遊星、フランク達と情報交換しました。


【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:鬼柳京介の肉体。まどかに発情、戸惑い
[装備]:さやかのソウルジェム(濁り:大)@魔法少女まどか☆マギカ
[道具]:基本支給品、「スピード・ウォリアー」のカード@遊戯王OCG、
    「くず鉄のかかし」のカード@遊戯王OCG、「???」のカード@遊戯王OCG、不明支給品0〜1
[思考・状況]
基本:殺し合いをぶち壊して鬼柳の分まで満足する。
1:謎の戦車を警戒。
2:まどかと会えて嬉しい…けど
3:メイトリックスは殺し合いに乗ってる? 会って確認したほうが良いかも知れない
※ショウさんの話を聞く直前からの参戦。
※肉体は鬼柳京介のものになっています。
※第一放送を聞き逃しました。
※遊星、フランク達と情報交換しました。


※まどか達と情報交換(嘘を含む)しました。

620 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/01(水) 03:05:12 ID:VHcLlfrM0
投下終わります

621名無しさん:2015/04/01(水) 16:00:24 ID:m9b.5f760
投下乙

こいついつもセックスしてるな(まどか)
このメンバー総じて不安定な上に、ステルスマーダーばっかの早苗さん組も近くにいるので今後に期待

ちょっと謎なのが、さやか達はG-03から船を目指していたはずなのに、何故逆方向のF-04に居るんですかね?

622 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/01(水) 17:11:03 ID:VHcLlfrM0
言われてみれば反対側じゃん(困惑)
【F-4/一日目・夜】を【F-3/一日目・夜】で

623名無しさん:2015/04/01(水) 17:24:01 ID:m9b.5f760
>>622
それでも南西にある船に対して北に行っちゃってるので微妙っすね
G-03かG-02辺りじゃないでしょうか

624 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/01(水) 17:30:00 ID:VHcLlfrM0
ありがとうございます
じゃあ【G-2/一日目・夜】で

625 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/02(木) 12:58:21 ID:Zg9kHjMA0
短いですが投下します

626どうしてD・ホイールと合体しないんだ・・・ ◆FbzPVNOXDo:2015/04/02(木) 13:02:31 ID:Zg9kHjMA0
「くっ、マミさん、権兵衛さん……それにまた僕の名前まで」

息を吹き返した勝治は放送を聞き、マミ、権兵衛の死に胸を痛める。
そしてシャーロックの無事に安堵し、また放送で呼ばれた自分の名前に疑問を抱いていた。

「シャーロックちゃんはリュウセイくんが付いてるから安全だろうけど。
 僕はそうもいかない……。早く頼れる仲間を見つけなきゃ」

ここに来てから、勝治は同行者と毎度毎度必ずと言っていいほど逸れている。
幸い、カブトボーグは近くに置いてあったので戦闘はこなせるが、それでもやはり心もとないのも事実。
この殺し合いの打破は一人では困難だ。それを理解していた勝治に焦りの表情が見えはじめた。

「うんざん、うんざん!」

「ハッーハハハハハハハハ!! これが俺の真の姿だ!!!」

そんな勝治の願いを叶えるかのように、ケンタウロスのような姿をした変な男と雲の妖怪が勝治へと爆走してきたのが目に入った。



――――


無事、ゲキド町へと辿り着いたプラシドは下半身の修復を始めていた。
自分が予め持ってきていたパーツと、更にゲキド街で現地調達した道具を上手く使い修復を続け、何とか三回放送が終える辺りには修復が完了する。
即席の修理だった為、かなり足に違和感を感じるが仕方ない。何より、違和感があったところでさほどの問題はなかった。

「う、うんざん?」
「フッ、驚いたようだな。これが俺の真の姿だ」

プラシドの下半身はオデッセイと合体していた。
足のあった部分に、大破したオデッセイの無事な車体とタイヤがあるのだ。その姿はまさにケンタウロス。
プラシドはオデッセイの無事な部分と、自信のDホイールとの合体ギミックを上手く使い、擬似的なオデッセイとの合体を果たしていた。
無論、合体解除も可能だ。その時は通常の人間形態になる。
なお、足の部分が壊れていた為、ルカの足のパーツになった結果、とんでもない美脚になってしまった。
上半身と下半身のバランスがまるで取れていないが、ここは我慢するしかない。

「感謝するぞうんざん。俺が何とか足を直せたのもお前のお陰だ」

三回放送で流れた仲間達の名前がプラシドの心に響く。
少ない付き合いだったが、悪い奴らではなかった。自分がもっと早く復活していれば、死なずに済んだかもしれない。
そのどうしようもない。だがプラシドに付き纏うことをやめない後悔が沸く。

「うんざん……」
「……慰めているのか? そうか、すまないな」

「俺もセンチになった」プラシドはそう嘲笑する。
何処かの蟹頭の絆厨が移ったのかもしれないと、何処か皮肉気にプラシドは思った。

「良し、ここに用はない。早く行くか」

プラシドのタイヤが回り加速する。
それに引っ張れるように付いていく雲山。

こんな時だが、少しプラシドは気分が良かった。
誰も居ない夜道を一人突っ走るのは、中々気持ちのいいものだ。ましてや市街であればなおさらだ。

「ハッーハハハハハハハハ!! これが俺の真の姿だ!!!」

だからだろう。
こんな大声を出してしまったのは。
だからだろう。目の前の少年に気づくのが遅れたのは。

「あっ」
「うわああああああああああああ!!!」

その病弱そうな少年を轢いてしまいプラシドは大転倒。
カラカラと空しい音が響かせながらクラッシュ。
幸い上半身が吹っ飛んだり、ボディに異常はなかったが問題は轢かれた側の方だ。
大急ぎで体を起こしたプラシドは少年へと駆け寄るが、もう遅い。手遅れだ。


【松岡勝治@人造昆虫カブトボーグV×V】死亡


「うおおおおおお!! これが絶望だと言うのか!!」

みすみす一人の少年を死なせたことに罪悪感と後悔しか浮かばず叫ぶプラシド。
何ということだろう。己自身が殺人者になるとは。こんな、こんなことなど――――

「うんざん」
「何だ? 今それどころじゃない!」
「うんざんうんざん」
「だから、うるさいぞ」
「うんざん!!(マジギレ)」
「何、息をしている……?」

なおその少年は気絶しているだけだった。
幸いバックがクッションとなって外傷もない。


この時期になると事故が増えると聞きます。
ドライバーの皆さんは勿論のこと、歩行者の方も交通事故に気をつけましょう。

627どうしてD・ホイールと合体しないんだ・・・ ◆FbzPVNOXDo:2015/04/02(木) 13:03:08 ID:Zg9kHjMA0


【E-02/1日目・夜】


【プラシド@遊戯王5D's】
[状態]:希望の番人化、オデッセイと合体した真の姿、ルカの美脚
[装備]:アノニムの二丁拳銃 弾数(5/6)@アカツキ電光戦記、金色の法輪@東方Project
[道具]:基本支給品一式、プラシドの下半身@遊戯王5D's、モンスターボール(バッフロン)
    もしかしてオラオラですかーッ!?@未来ガジェット研究所、ふなっしー@現実 、@課金騎兵モバマス予告集
[思考・状況]
基本行動方針:絶望の未来を変える
0:生きているのか!? この少年!
1:気に食わないが戦力になりそうな不動遊星を探す。
2:愛用のDホイールと剣が欲しい。
3:不動遊星との決着は保留。
4:宙、ルカ、雛子、鬼子、響、アカツキ……
5:青鬼を最優先で警戒
※ルカ達の話の食い違いについては一応思考中・・
※プラシドのディバック及び支給品は灰になりました。
※ケンタウロスみたいな真の姿になりました。人間形態の時は美脚です。


【雲山@東方星蓮船 AfterExtra】 支給品
【思考】
1:プラシドについていく
2:サーニャ達の事が気になる


【松岡勝治@人造昆虫カブトボーグ V×V】
[状態]:疲労(大)、頭部に打撲の跡、足に豆が出来た、気絶
[装備]:ダークサイド・プレジデント@人造昆虫カブトボーグ
[道具]:基本支給品、GOと10万円@真夏の夜の淫夢
   サイバーZ二号のベルト@真夏の夜の淫夢関連
[思考・状況]
基本:殺し合いを止める。
1:……
2:リュウセイ、ケンが心配
3:田所(野獣先輩)を警戒
4:ケンは絶対生きてる
5:少年への軽い罪悪感
6:権兵衛さん、マミさん……
※遊星に今までしてきたことを話しました。ただし、アルセーヌを覗き見してたことは言ってません。
※田所(野獣先輩)が一服盛ったと思いこんでいます。
※放送には、嘘があると思っています。
※遊星と権兵衛の情報交換を聞いています。
※奇跡的に生存していました。

628 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/02(木) 13:03:31 ID:Zg9kHjMA0
投下終了で

629 ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:03:46 ID:BMwVZHXA0
投下乙
勝治の死亡は最早ノルマですね…間違いない
遅れましたが自分も投下します

630 ◆qPqX2r.h0A:2015/04/02(木) 21:04:52 ID:BMwVZHXA0


「ここにも…あったゲソ…」


深海の侵略者、イカ娘はそういって地面に落ちていた「それ」を拾う。
そして自分の触手を器用に扱い、近くの地面を掘る。
次に、自分の手で拾った「それ」―肘から先の無い人の腕をそっと穴に入れ、土を被せる。

付け足しておくとこの腕は爆☆殺されたディーノの残骸である。
最もそんな事はイカ娘にとっては知る由もない。

だが、また自分の知らない所でこうして罪も無いであろう人々が無惨に死んでいく様は、イカ娘の心を強く痛めつけた。

もうこの作業にも慣れてしまった。
海の家れもんから街へ向けて歩みだした矢先、イカ娘を迎えたのはおぞましい死屍累々であった。


最初にイカ娘が見つけたのは氷漬けになったバラバラ死体。
その死体を見るに30くらいの男性のようであり、死顔は苦しみに歪んでいた。
人は死ぬ瞬間、こんな顔をするのだろうか。
イカ娘はついそんな事を考えてしまい、背筋が凍った。

幸いデイバックを身に付けていたようなので埋葬した後で失礼ながら頂く事にした。
ついでに首輪も何かあった時に備えて回収しておく。

氷漬けの死体が土に埋まっていく瞬間、その男の死顔がどこか誇らしい表情に変わった…ような気がした。


次に見かけたのは指先や足で辛うじて人とわかる死体の残骸。
ここまで酷いともはや爆死にしか見えないのだが何故か周囲に焦げたような後が無い。
まるで内側から破裂していったようにも見える。
しかしそれでも、何とか残っていた残骸を埋めていく。

道中、血塗れた槍を見つけたので一応拾っておく事にした。


3番目にイカ娘が目にしたのは緑色の肌をした幼い少女のような死体と顔の無い猫のような動物であった。
少女の死体の方は首を折られたことが死因のようであり、死体の損壊は少ない。
年齢はあかりよりも幼いくらいであろうか。
動物の方は何らかの力によって顔から上が無惨に抉られている。

その幼い少女の死体はそれほど無惨な形ではないが、むしろイカ娘はそれに目を合わせたくなかった。
イカ娘にとってこんな幼女までこの殺し合いに参加させられているとは考えたくはない。
こういったものを見る事になるなら、まだ原型のわからないくらいバラバラ死体の方が良かった。


そして先ほど埋めた5つ目の死体。
腕だけは何とか見つかったがそれ以外は梨の礫であった。

「こんな事をする理由が…何所にあるんでゲソ…」


人だって自分だって魚や家畜を殺し、自らの糧としている。
それは自然の摂理であり、生きていく為に必要な事。
ただ殺すだけ殺して、命であったものを無為に捨てる。
人として、生物にとして、この上無い愚行である。
それを剰え人間という同族に、これだけ凄惨に殺めておいて野に捨て置く。

イカ娘は人間ではない、故に人と価値観も死生観も異なる。
だがそれでも、許せない物は許せない。
人にしろイカにしろ、このような惨い行いが許される摂理などあるのだろうか。断じてあり得ない。

自分は無力だ。
だから、誰にでもできる事を誰よりもできるようにしたい。
その怒りと悲しみは決意となり、イカ娘の歩みをより確かな物にした。






¶ ¶ ¶

631レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:06:34 ID:BMwVZHXA0
(酉がおかしくなってました、すいません)









「ここが光写真館ですね」

うさんくささに定評のある男、海東が言った。

遠目に見ると少し大きな民家程度の認識であったが、近くで見れば意外と豪華な外装であり、館と言った印象はある。

「へぇー、以外とゆっくりできそうじゃん!」

「でも大事なのは中身さ、酷かったらおっさんでも怒るからな」

何とあつかましいキチガイであろうか。
大人への態度だとか接し方という物すら何一つ録に学んでいない様だ。
育ちの問題なのか或は脳に障りでもあるのか。
そんな思いを心に抱きながらも、海東はまったくもって平静を乱さない。表情は緩み気味だが。

「こら、紹介してもらっておいてその態度はダメですよ!」

早苗がケンを宥める。

「いえいえ、構いませんよ」


何故光写真館に5人が向かったのか。
わずかに時は遡る。



§ § §



「せっかくの部下なんだ、命令ぐらいしてもいいよな!」

唐突にケンが声高に言った。

「俺ちょっと疲れたからさ、休むトコとかない?」


このキチガイはどこまで自己中心的な人間であろう。
こんな戦の場において悠長にちょっと疲れたから休むなどとふざけた真似を。
貴様のような者の為に安息など毛頭も要らぬ。
首輪の解除の真偽はともかく、用が済めばこいつから真っ先に殺してやる。


「わかりました、近くに光写真館という施設があります。」

「私が知る限りではそれ也に休む空間はあるので行く価値はあるかと思われます」

「私も一応それが私の知る光写真館なのか確かめたいのです。いかかでしょうか?」


心の中で半ギレするムラクモとは対照的に海東は妙に協力的であった。
何故海東とやらはこのキチガイにここまで協力的なのか。
いや、それ以前に気になる言葉が出てきた。
「私の知る光写真館」とはどういう事なのか。
自分が地図を確認する限りでは何所にでもあるような施設と聞いた事も無いような施設の2種類しかなかった。
奴が元々この場所を知っていたのか。いや、それはないだろう。
ではなぜなのか。

こんな疑問を持つ者がもう一人。星君である。
先ほど自分が訪れた光写真館というものを、奴は知っている。
自分が訪れた時はホモ向けAVを見て一人シコシコ自慰行為に耽っているクッソ汚い野獣がいたくらいだったがあの施設に何か特別な物でもあるのだろうか。

632レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:07:45 ID:BMwVZHXA0



「じゃあわかった、行ってやるよ」

「行ってやるよじゃありません!大人の人には敬語を使いなさい」

しつこく早苗が指導する。

このままでは早苗をこのキチガイから引き剥がすのは難しそうだ。
と、海東は思った。
だが、これで良い。少なくともこれで自分の目的の一つである光写真館を調べる事ができる。
首輪の取り外しの真偽だけでなくあの二人の情報についても聞いておいて損は無い。


こうして一行は光写真館に向かう運びとなったのだ。



「よし、合格!」

ケンが海東を認める。

「早速飯でも食おうぜ!」

「ってわけで早苗、何か持ってないか?」

早速ソファに座り込み、ごく自然な流れでケンは物乞いをする。
現在ケンの所持品は愛機であるエレクトリカル・スピードワゴンしかない。
デイバックなどの支給品はクッソ汚い野獣に略奪されてしまったのだ。

助けってもらった分際で何を抜かすか、とムラクモがまた心の中でキレる。


「私ので良ければどうでしょうか」

そういって海東は自分のデイバックから食料品を取り出し、ケンに見せる。

「お、じゃ遠慮なく頂くぜ!」

それに答えるようにケンは海東の食料に手を伸ばす。
が、その手は第三者によって阻まれた。

「ありがとうは?」

早苗である。
そういわれて、嫌々ながらもケンは海東に感謝する。

「はい、ありがとうございます」

「良いんですか海東さん」

「買いませんよ、それより私はここをもう少し調べたいので」

そういって海東は隣の部屋に入っていった。







「ふむ、見事な再現具合…いえ、本物でしょうね」

海東が独り言を呟く。
配置されている写真、部屋の作りや模様、調度品の位置、どれをとってもオリジナルと何ら変わりはない。

「ん?」

奇妙な違和感を感じた。
妙にイカ臭い、元々こんな匂いはなかったはずだ
ふとこの部屋の片隅を見る。すると何か奇妙な跡があった。
大分乾いてはいるが何かを零したような跡である。臭いの原因はこれであろうか。

633レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:08:44 ID:BMwVZHXA0

ここでまた海東はもう一つ異変に気がついた。
零し跡の側には再生機があるのだが、よくみるとDVDが差さったままなのだ。
そしてそれに接続されているテレビも電源がはいっている。
入り口に面した四人の居る部屋にもテレビはあったがあちらは電源が切れていた。

「だれかが、ここにいたんですかね。」

そういうことになる。
何のDVDかはわからないが興味を持ったので取り敢えず再生してみた。


〜真夏の夜の淫夢〜

第四章「昏睡レイプ!野獣と化した先輩」


テレビに映像が映し出され、そのようなテロップが流れた後二人の男が映し出される。


「ん〜。いい時には結構いくね」

「う〜ん・・・」

「結構楽だった?」

「こ↑こ↓」

「へぇ〜、すっごい大きい・・・」

ガチャン!ゴドンッ!
乱暴な音を立てて映像の扉が開く。

「入って、どうぞ

「おじゃましまーす」

ギィー、ガッタン!
閉まり音も何所か乱暴である。

「いいよ上がって」

「あっ・・・」

「こっちも大きいっすね〜・・・」

「まずウチさぁ、屋上、あんだけど・・・焼いてかない?」



(クッソ汚いし長いので少し中略)

(なお、この間海東は普通にホモビに見入っていた模様)



「これ以上やると気持ちよくなっちゃう。もういいよ。ヤバイヤバイ」

「喉渇いた・・・喉渇かない?」

「あー、喉渇きましたね」

「何か飲み物持ってくる。ちょっと待ってて」

「はい」



何か嫌な予感がしてきた。
テロップの時点で疑わしかったがこれはもしやただの同性愛者向けのAVではないのか。

634レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:09:40 ID:BMwVZHXA0




「ああ、気持ちイイ・・・。」

「イイよぉ・・・ハァ、ハァ・・・・アアッー、アッ、ンアッー、ンッ・・・ォゥ、ォウ」

「オォン!アォン! ハァ、アッ、アッ、アッ、アッ、アッ、アッ、アッ、アッ、アッ、アッ・・・」

「アアッー!ハァハァ、イキすぎィ!イクゥ、イクイクゥ・・・」

「ンアッー!」

「ウン、ウン、ウン、ウン、フン、ウン、ウン、ウン」

「ウンッ!ウンッ!ウンッ!ンッ!・・」

「イキそ・・・」

「いいよ、来いよ!胸にかけて!胸に!」

「アッー、胸にかけて、アッー!・・・ファッ!?」


〜二人は幸せなキスをして終了







ーー結局最後まで見てしまった。

「私の知る写真館には、こんなDVDはなかったはずだが・・・」

この床の零れ跡の正体も何となく理解できた。
これは恐らく映像にも映されていた体液という事になる。
余り想像したくないが、何者かがここでこれを見ながら自慰行為に耽っていたのだろう。
だからといって床を汚染したまま放置するのはいかがな物か。


心のどこかで無駄な時間を過ごしたと思う一方で気がかりなものが一つあった。
あの役者の中で遠野という人物を襲った男は田所と呼ばれていたのだ。


『野獣先輩…いや田所と言った方が良いか』

ここで海東は記憶を巡らせる。
第2回放送のたしかそのような死亡者が呼ばれていた。
田所と言った方が良いか、という呼び方をする事はつまりその呼び名が本来あるべき名である事を示す筈だ。
名字だけなら偶々という可能性もあり得るが、先ほどのテロップには「野獣と化した先輩」表示されていた。
これを略すれば参加者名簿にも記載されている「野獣先輩」となる。
憶測の域を出ないが偶然にしては奇妙な一致である。

もしこれが実際の参加者の情報であるならば他にも、参加者の情報を知る事ができる物もあるかもしれない。
ステルスマーダーとして行動する自分にはこれほど有益な物は無いだろう。

「いいヒントだ 感動的だな」


といった理由で海東は早速再生機とテレビ回りの引き出しなどを漁ってみた。




& & &

635レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:10:47 ID:BMwVZHXA0




「飯の味に関しては流石にどうしようも無いか」

またしてもケンが不満を漏らす。

ムラクモはもうこんなキチガイに一々心の中でつっかかるのは面倒なのでやめる事にした。

「呑むが良い、オレンジジュースだ」

「腹の足しにはなるだろう」

割り切ったような表情で早苗がオレンジジュースに変えた水をデイバックから取り出しケンに差し出す。

あの女の事なのだから毒など入ってはいないだろうが、警戒に越した事は無い。
実際に毒がはいっていたにしてもこうして渡してしまえばキチガイも処理できるのだから一石二鳥だ。

ケンにジュースを取り出した後、ムラクモも食料品を取り出して口に運ぶ。
凡人というものはいつも周囲に流されてばかりでまったくもって芯が無い。
流石に自分もここで周りに合わせて食べておかなければこの女に妙な情をかけられてしまうだろう。
それは正直言って癪に障るのでそういう庇護念はしばらくはこのキチガイに向けてもらいたい。




『首輪の話だが、どうなった?』

食事時が一段落した所でムラクモ支給品のメモに書いた文字をケンに見せる。
所謂筆談である。
これで首輪に盗聴機能があったとしても大丈夫な筈だ。

「あ、わりぃ、ちょっと飯食った跡だからさ、食休み、休ませて」

素っ気ない返事とともにケンは寝込んでしまった。
同時にムラクモは、手に青筋を浮かべながらメモ用紙を握りつぶした。



「おや、星君どうしたんですか?」

早苗が問いかける。
その目線の先にはその場を離れようとする星君の姿があった。

「うん、気になる事があったんでちょっとこの館を調べてみたいと思ったんだDA」

そう答えると海東とは別の部屋に入っていった。


運のいい事もある物である。
海道や星君とも分断できた事だしさっさと首輪の話を聞き出したら、いっそ早苗ごとこのキチガイを殺してしまおうかとムラクモは考えていたが、ふと思いとどまった。

海東という男、おそらくは黒と見て間違いないだろうが何故こんな無力そうな女を殺さないでいるのか。
このキチガイと違って首輪の解除の話みたいな有益な情報も持っていない。
自らの手を汚したくないにしても自分が見ていない間に何時でも殺せたはずである。
何か生かす理由が?



ムラクモが自らへ問いかける。

636レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:11:36 ID:BMwVZHXA0

そして、その答えが出るのは比較的早かった。



ーなるほど、そういう事か。

確かに、生かしておいて得策かもしれない。
これからも、たくさんの仲間を引き入れるのならば。
あの男、実際何を考えているかは審らかではない。
が、スタンスとしては自らの手を汚さずこのゲームに乗る。
これが一番早苗を生かす理由を含めてしっくりくるという物だ。

早苗を生かす理由。
推測に過ぎないが海東はあの女を自分の潔白のシンボルにしたいのではないのか。
まず第一印象の時点で海東を心から信頼できるような人間はそう多くはないだろう。
だが早苗はそんな海東に憧れの念すら抱いている様だ。
早苗という女ははっきり言って頭の程度はそれほど高くなく、疑う事すら知らない。
騙すのもさほど難い事ではないだろう。
信頼されている人間が居れば、それだけでその人物の信頼性を大きく引き上げる事になる。

東風谷早苗、考えてみればこれほど良い駒もなかなかないというものである。
精々自分もそれに肖らせてもらうとしよう。


…ガチャリ。

「!」



「すまない、ここにスカートを履いた少年が来なかったか…あっ!」





⌘ ⌘ ⌘






「うん、気になる事があったんでちょっとこの館を調べてみたいと思ったんだDA」

少し面倒な事になった。
星君はそう思う一方で丁度いい余裕ができたかもしれないと感じた。

海東という男は元々ここに住んでいたような素振りは無いのにこの光写真館を知っていた。
あの男が何か特別なのか、それてもこの施設に何か彼に知り得る要素があるのか。
本来なら自分が彼に詰め寄るのが一番手っ取り早い話である。

だがあの男の表情が、星君にそれを躊躇わせた。


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