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ニコニコ動画バトルロワイアルγsm3

1名無しさん:2013/04/07(日) 12:38:07 ID:6NYUY/JY0
春です。



本日はニコニコ動画バトルロワイアルに 御アクセス頂き、 ありがとうございます。



ここはニコニコ動画の人気キャラを用いてバトルロワイヤルをするというリレー小説のスレッドです。
大変申し訳ありませんが、 この企画はフィクションであり実在の団体・人物等とはまったく関係ありません。
ルールさえ守っていただければ誰でも参加可能です。



またの御アクセスをお待ちしております。

wiki ttp://www34.atwiki.jp/niconico3nd/
前スレ ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/14759/1336579927/
したらば ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/15395/

5名無しさん:2013/04/08(月) 15:33:44 ID:B.4l1bM.0
>>1乙です

6名無しさん:2013/05/02(木) 21:35:28 ID:rIwhnPcY0
最近ニコニコ動画バトルロワイヤルγを知って、好きなキャラが居たので
とりあえずwikiにあるのを読了した者ですが、
約1ヶ月書き込みがないのでもう終わってしまったのでしょうか…?

7名無しさん:2013/05/02(木) 21:59:56 ID:r68Uvr160
>>6
いや、全然そんなことはないから、気長に新作を待つといいよ
暫く間が空いた後、急に新作が来るなんてのもよくある話だからね
もしくは自分で書くとか!

8名無しさん:2013/05/03(金) 01:12:00 ID:ZQ727ql.0
気長に。気長にね

投稿の稀さはどうしようもない事だから、
他のバトロワスレも平行して見る事を薦めるよ
wikiでもっと色々調べてみたら?

9名無しさん:2013/05/15(水) 12:00:43 ID:d7QhzkeI0
なんくる大明神とマミサン以外の人間勢メンタル豪い強いな

10名無しさん:2013/05/15(水) 12:39:32 ID:Nox/5rsg0
メンタルが強いんじゃない
キチガイなだけなんだ

11名無しさん:2013/05/15(水) 13:43:23 ID:TDkPu0.s0
総統閣下は応援したくなる

12名無しさん:2013/05/15(水) 20:47:36 ID:m1OqBwjA0
一般人なりに仲間を支えようとしてる課長はかっこいいと思った(小並感)

13名無しさん:2013/05/15(水) 21:50:08 ID:SxHDbS6c0
割りとリュウセイさんと勝治がまともで驚いた
それに比べケンとかいうキチガイ共ときたら

14名無しさん:2013/05/19(日) 17:54:04 ID:3XBlMMx60
あれでまとも…?

15名無しさん:2013/05/19(日) 19:48:05 ID:VsX.sQSk0
まともだろ!




原作に比べれば……

16名無しさん:2013/05/20(月) 05:27:02 ID:g7ecDbjE0
勝治は死ぬ死ぬ詐欺で複数回死亡者名で呼ばれて
主催者に対して懐疑心を生むという以外に重要なポジションで笑える。

このロワ内ではリュウセイさんはマジで普通すぎるという

17 ◆FbzPVNOXDo:2013/06/11(火) 00:28:10 ID:Jg/qUnvw0
では投下します

18食戟のにとり ◆FbzPVNOXDo:2013/06/11(火) 00:31:36 ID:Jg/qUnvw0
「うわわわ!」
魔法により強化された聖の左拳による連撃。
右肩が使え無い事により手数は減ったが、それでもにとりを圧倒するには十分すぎる。
にとりも爪楊枝で辛うじて応戦するが、やはり手数が足りない。
防ぎきれなかった拳が、にとりの身体を徐々に蝕んでいく。
このまま押し切れば、最小限のダメージでにとりを止める事が出来るかもしれない。
そう考えた聖の拳に更に力が加わった。

「しまっ――」
「いざ、南無三――!」

聖の予想通りこの連撃の末、にとりに隙が生まれる。
決して大きくは無い。だが攻めるには絶好の好機。
拳に込めた魔法を更に高め、にとりの鳩尾へと狙いを定める。
そして――聖の拳が放たれた。
だが、それはにとりの身体に触れることは無く。触れたのは、透き通った透明のガラスのようなもの。
いや手につくこの冷たさはガラスの比ではない。これは、氷。
氷がにとりと聖の間に現われ、防壁となって聖の拳を受けたのだ。

(何故、氷が…。しかも私の拳を受けて尚、傷一つ無いとは…)

元々、聖ににとりを殺すつもりは無い。故に最小限の怪我で済むようある程度の加減はしていた。
しかし、にとりも妖怪の端くれ。加減とは言っても、こんな氷如きに防がれるほど柔な力では戦っていない。
思考を巡らせながらも一旦距離を取り、そして気付いた。
にとりの手に一本の刀がある事を。
何時の間に取り出したのかは知らないが、恐らくにとりに支給されたものの一つか。
その刀の周りに白い冷気が目に見える。
妖刀の類だろう。あの刀により、先ほどの凍りを生み出したに違いない。

「聖さん。下がって!」
「バトルドーム!」

今度は聖のかわりにもこみちとバトルドームが前に出る。
後ろに下がった聖とバトルドームは弾幕を。
もこみちはオリーブオイルを操作し加圧する事により、即席のウォータカッターを生み出す。
窓から入る日光を美しく照らしながらもにとりを屠ろうとする様は正に宝剣。

19食戟のにとり ◆FbzPVNOXDo:2013/06/11(火) 00:32:08 ID:Jg/qUnvw0

「(料理に)掛けるべき黄金の調味料(オリーブバーン)」

かの騎士王の聖剣に勝らぬとも劣らない剣戟が立ちふさがる氷壁を次々と粉砕していく。
にとりの表情に焦りが見え、再度氷壁を生み出すが同じこと。
この程度の壁、毎朝MOCO'Sキッチン開始前に切り刻んでいるキャベツとさして違いは無い。
氷壁をもこみちが崩し、にとりが生み出す。だが、その光景も数度同じ事を繰り返し終焉を迎える。
聖達の放った弾幕が氷壁とオリーブオイルの間を縫いにとりへと向かって行く。
オリーブに手間り反応が遅れたにとりが回避出来る道理など無く、地面を数度バウンドしながら後方へと吹っ飛ばされる。

「――約束された追いオリーブ(MOCO'Sカリバー)…」

今日はこれで決まり!と、言わんばかりの追撃のオリーブオイル。
にとりが刀を手に取ろうにも間に合うはずも無い。文字通り無駄な足掻き。

「な、に…?」

その筈だった――。

白く凝固したオリーブオイル。
にとりの刀により胸を貫かれた速水もこみち。
誰もが、聖が、バトルドームが、勝利を確信した二人が捕らえたのは有り得ない筈の、有り得てはならない絶望の光景。

何が起こったのか、傍目で見ていた一人と一体にも。もこみち本人ですら分からない。
そんな二人と一体ににとりはこう言い放つ。

「――白濁凝固って知ってるか?」

どっかのツンツンそげぶが言いそうな言い回し。そして聞いた事も無い単語。

「オリーブオイルは10℃以下くらいで凝固する。水って0℃で凍るよね?
 それと同じようにオリーブオイルのビタミンE成分の一部が低温で固まって起こってしまう。
 真冬のキッチンでは良く見かける現象だよ」

(し、知らなかった…。オリーブオイルの保存は何時もスタッフがしていたから…)

オリーブオイルを知り尽くした男の意外な弱点。
血濡れの刀が胸から引き抜かれもこみちが地へと崩れる。

20食戟のにとり ◆FbzPVNOXDo:2013/06/11(火) 00:32:40 ID:Jg/qUnvw0

「逆に10℃以下でも凍らないオリーブオイルも存在する。
 ただその場合、純粋なオリーブオイルではなく別の油が配合されている事が多い。
 つまり品質の悪いオリーブオイルは固まらず、品質の良いオリーブオイルは固まる。
 その点、この人間のオリーブオイルはとても上質のものだったようだから助かったよ」

刀に着いた血を払い、聖達へと視線を向ける。
 
「私の持っているこの刀。名を『氷輪丸』と言うんだけど氷雪系最強の刀と言うらしくてね。
 氷雪系最強なんて、どっかで聞いたような通り名だけど、それは置いておくとして。
 この刀の基本能力に天候を支配する能力があって、それを使ってこの室内を真冬並みの温度にした」

真冬と言われて聖は気が付いた。
確かに先ほどまでと違い鳥肌が立つほどに寒い。

「運動をしているとどうしても体温は上がるからね。
 細かな温度の変化に気付けなくてもおかしくは無いよ」

もしかしたら、この戦いの勝敗は最初から決まっていたのかも知れない。

(ま、負けだ…。何てこった、僕はオリーブオイルを使いこなしていたが。
 その実、オリーブオイルの事は何も知ってはいなかったんだ…)

にとりは聖達に押されていると見せて
実際は相手の武器、自らの戦力。エンジニアとして持っている科学的な知識も合わせ、全てを客観的に捉え戦術を組み立てていた。

「取り合えず、この人間はここで殺すとして――」

氷輪丸が再びもこみちの体を貫こうと迫る。

―――嫌だ。死にたくない

―――僕はもっともっと、生きて料理して……

「オッチャン!!!」
「分かってるで!!」

氷輪丸の切っ先がもこみちに触れようかという時、M202ロケットランチャーの銃身が受け止める。
何事かと驚いた、にとりへお返しと言わんばかりにボムが放り込まれ後方へと退く。

「な、なんで…」

聖はもこみちの前に立つ二人の男女を知っている。

それは、自分が逃がした筈の有野とエイラだった。



――――――――

21食戟のにとり ◆FbzPVNOXDo:2013/06/11(火) 00:33:12 ID:Jg/qUnvw0



有野とエイラを連れ学校から離れたアルセーヌは近くの民家を発見した。
このまま気絶した二人を連れ移動を続けるのもあまり得策では無いと思い、民家で一先ず休憩がてら二人が起きるのを待つことにする。
ドアを開け中に人が居ないか確認した後、屋内を散策しベッドを見つける。
そのまま、気絶した二人をベッドに寝かせアルセーヌは一息ついた。

(彼らは…大丈夫でしょうか)

本当ならば、ここで休憩などせずに聖達の応援に向かった方が良いのかも知れない。
だが有野達をここに放置する訳にも行かない上に、自分達を逃がしてくれたもこみちの意思を無碍にする事にもなる。
今はただ彼らを信じるしか無い。

「お邪魔しまーす」

ほっと息を着いたのも束の間。響く少年の声。
物陰に身を隠しそっと玄関の様子を伺う。
そこには赤いジャンパーを羽織った少年が全身黄色のタイツの少年をおぶっていた。

(全身黄色のタイツ…。泉研!?)





「――へえ。あんた研の知り合いだったのか」
「知り合いと言っても、出会って数時間も経っていませんけどね」

互いに泉研が知り合いというのもあって天野河リュウセイとアルセーヌの情報交換は比較的スムーズに行われた。
今までに出会った人物を中心に話し合い。その過程でもこみちが一応殺し合いには反対である事。
リュウセイがアルセーヌの探しているシャーロックの知り合いである事が分かった。
その結果、アルセーヌは先にシャロとの合流を図ることに決めた。
話を聞くに位置的にそう遠い場所に居るという訳でも無いので合流は容易。

「まあ、シャロは近いところに居るしそれも良いかもな」

アルセーヌから説明を受けたリュウセイもそれに賛同する。

「では決まりですね。
 今すぐシャロの元へ…と言いたいところですが。先ずは有野さん達が目覚めるのを待ってからですわね」
二人を寝かせたベッドへと様子を見に行き…数秒後一枚の紙切れを持って彼女は戻ってきた。
「おいどうしたんだよ。有野とエイラって奴は?」
「…この紙を」
リュウセイはアルセーヌの手から紙きれを受け取り、そこに書かれたいた字面に視線を移す。
「えーとなになに…『ごめんなさい。やっぱり、聖はんが心配なので様子を見に行ってきます』
 …どういうこったよ。学校に戻ったって事か?」
「でしょうね」
「どうすんだよ。殺し合いに乗った奴が居る学校になんて俺は行きたか無いぜ」

アルセーヌは指でこめかみを押さえる。
有野とエイラは仲間思いだった。例え出会って数時間程度の仲でもだとしても、それはアルセーヌが思っているよりも遥かに。
故に説得しなければならない。聖は大丈夫だと、彼女は必ず生きて再会できると。
しかし、アルセーヌはそれを無意識の内に軽視していた。でなければ数分とはいえ有野達から目を離すはずが無い。
そして目を離した結果がこれだ。

無論、結果論に過ぎずアルセーヌに全ての責任がある訳ではないが、それでも彼女は改めて自分のミスを痛感していた。

「二人を連れ戻して説得します」
「あっそ。頑張れよ」

22食戟のにとり ◆FbzPVNOXDo:2013/06/11(火) 00:33:44 ID:Jg/qUnvw0

これはアルセーヌのミス。
あの二人を傷つける前に何とか連れ戻さねばならない。そう彼女は考えている。
だが、リュウセイにとっては全く関係の無い事。面倒ごとに巻き込まれるのは御免だった。

(いや、でも待てよ。
 あのヘルメットとの戦いで俺は疲れてるし、研も寝てるし、もし誰かに襲われたりでもしたら…一溜まりもないよな。
 研は置いてったとしても逃げ切れるか分からないし)

ふと脳裏を過ぎる保身的思考。
そう。ここでアルセーヌと分かれれば、今自分を守ってくれる者が居なくなる。
それは困る。非常に困る。

「では私は行きますわ。シャーロックに会ったら「いや、やっぱ俺も行くぜ!」

先ほどとは打って変わるリュウセイの態度にアルセーヌは驚くが確かにここに小学生を置いていくのも危険ではある。
少し悩みながらも、リュウセイの申し出を承諾し二人は民家を出た。



――――――――

23食戟のにとり ◆FbzPVNOXDo:2013/06/11(火) 00:34:16 ID:Jg/qUnvw0


「有野さん、エイラさん…」
「聖はん。ごめんな、色々言いたいことはあると思う」
「まあ説教は後ダナ」

どうしてここに来た? と、問える時間も余裕も無かった。
現に彼らがこなければもこみちは死んでいたし聖も危なかった。
今更、逃げろと言っても頑なに拒否されるだろうし、もう言う気も起きない。

「有野さん、エイラさん…。二分、いや一分で構いません。
 時間を稼いでいただけませんか」

だから聖が取るべきは有野とエイラを逃がし、自分が足止めをする為の策ではなく。
彼らと共に戦い。そして生き延びる為の策。

この戦いで分かったのは生半可な攻撃ではにとりを倒すのはおろか撤退させるのも難しい。
今度は、本気で、生半可な加減はせずにやる。
その為には肉体を今よりももっと魔法で強化せねばならないが、この場における制限のせいか。或いは疲労の蓄積故か魔力を溜めるのに時間が掛かる。
だから、時間を稼いで貰う必要がある。

「任せとき!」
「一分ナラ、ナントカナルナ」

何の疑いも無く。首を縦に振る。
ああ、彼らは何があっても死なせてはいけない。
そして彼らを悲しませない為に、自分自身も絶対に死んではいけない。

硬く拳を握り。決意した。

「超エキサイティンッ!!」

先に動いたのは、にとりでも有野でもエイラでもなくバトルドーム。
弾幕を放ちつつ一気ににとりへと肉薄する。
しかし、にとりは氷輪丸を振るい氷壁で防ぐ。だが、それを読んでいたかのように真横にエイラが立っていた。
エイラの手にはボム。先程、もこみちの止めを刺そうとした時に投げられた物だ。
防御の為に氷輪丸で氷壁を生み出す。だが、エイラはボムを更に真横へと放る。

24食戟のにとり ◆FbzPVNOXDo:2013/06/11(火) 00:34:48 ID:Jg/qUnvw0

(どうしてボムを…)

「ナイスボールや! エイラちゃん!」

にとりの死角。エイラがボムを放った方向には有野が。
ボムを上手い事キャッチし、にとりへと野球ボールを投げるかの如く投げ込む。
氷壁を生み出す暇も無くボムはにとりへと命中し瞬間、爆ぜた。
エイラが先手を予知し攻め込み、隙が出来たところを有野が追撃。単純ながらも、チームワークが無ければ到底為し得ぬ戦法。
服や皮膚を焦がしながらも、にとりは即座に攻撃へと切り替える。
速攻だ。チームワークなどさせる暇も無いくらいの速度で連中を蹴散らす。
下手に長引かせるとこちらが不利になる。
氷輪丸を左手に右手には近過去狙撃銃を構える。
バトルドームの弾幕を氷壁で防ぎ、エイラへと狙撃銃を撃つ。過去のエイラに向かって放たれた弾丸が明確にエイラの眉間を貫き――空を貫いた。
過去狙撃銃は近過去に向けて銃弾を放つ狙撃銃。
いくら今のエイラが銃弾をかわそうにも過去のエイラが当たれば結果として、今に居る過去から見て未来のエイラが狙撃される。
だが、既に過去のエイラには銃弾が迫ってくるのが見えていた。
だからかわせた。未来を予知できるエイラだからこそ出来た回避。

「な、なんで…」

無論そんな事をにとりが知るはずも無く。
目の前で起きた光景に何が起こったのか理解できぬまま、腹部へと強い衝撃が走り吐き気と激痛がこみ上げてくる。
見れば、さっき氷輪丸を受け止めたM202ロケットランチャーがめり込んでいる。
横には有野がロケットランチャーを鈍器かわりに振りかぶっている姿が見えた。

25食戟のにとり ◆FbzPVNOXDo:2013/06/11(火) 00:35:20 ID:Jg/qUnvw0

「ぐっ…」

たかが食糧如きになんて様だろう。
人食い妖怪のプライドなんてものは無いが、これは堪えた。
小さい呻きを上げ身体が俯きかかった瞬間、眼前には聖が。
そう丁度、今が聖が稼げと言った一分ジャスト。

「これで――」

弾幕、スペルカード。いや生半可な攻撃では防御にもならない。
それだけの力がこの拳にはある。

「今ダ!聖!!!!」
「頼んだで!!聖はん!!!」

仲間の声援が聖の拳に更なる力を宿す。
例え共にした時間は少なくとも、彼らにはそれを上回る絆があった。

「――南無三!!!!」

閃光が視界を白く染め空間を爆音が支配する。
それはまるで宇宙が生まれた原因であるというビッグバンのように爆ぜては消えていく。




――――――――

26食戟のにとり ◆FbzPVNOXDo:2013/06/11(火) 00:35:52 ID:Jg/qUnvw0


(なんだ…どうなったんだ…?)

ただでさえボロボロだった保健室は最早見る影も無く。形容するなら廃墟とするのが正しい程、無残な姿へと変わっていた。
そんな中、もこみちは倒れた体を無理に起こし辺りを見渡していた。

…クチャ

最初に耳に入ってきたのは何かを咀嚼する不快な物音。
次に目に入ってきたのは無残に転がる二体の死体と一体の玩具。
そして最後に見たのは、エイラの服を裂き、四肢を引き抜いて、頭蓋を割り脳を啜り、腹部を切り内臓を抜き出し、捕食している血濡れの少女。

「嘘だ…そんな何で…」

生きて、その場に居たのは他の誰でも無い、河城にとりその人。



「オ イ シ ソ ウ」



身体の芯が凍りそうになる程冷たい声。
これが、この世に生きる生物が出せるものなのかも分からない。
氷というものを、そのまま言葉へと変換したような声色。
にとりはエイラを捕食したまま。徐々に徐々に近づいてくる。
血を滴らせながら、ピチャピチャと音を立てながら――。

「く、そ…。研君、せめて君だけは、生き残ってムラクモを殺し合いを――」







「イ タ ダ キ マ ス」







最後にもこみちの耳に入ったのはその一言。そして彼の意識は永遠の闇へと落ちた。

27食戟のにとり ◆FbzPVNOXDo:2013/06/11(火) 00:36:24 ID:Jg/qUnvw0









正直な所、にとりは再起不能を覚悟した。
あの拳をモロに喰らっていれば、それだけの事も在り得た。いや確実にそうなっていただろう。
では、何故にとりはここに生きて存在しているのか。
それはにとりにとっては運が良く、聖からすれば最悪の事態が発生した。

(あの時、もし拳を完全に叩き込まれる前に死んでなかったら…)

聖の右肩の刺し傷。
ありがとウサギに付けられたそれは決して浅くは無い。ましてや治癒が出来ないという事は如何に万全な治療を施そうが血を完全に止める等不可能。
聖が安静にしていれば話は別だったかも知れない。だが、彼女は再度にとりとの戦いの望んだ。
結果、それは傷は深まり致命傷となり、血を流し過ぎて死んだ。
後は赤子の手を捻るより簡単。聖が勝ったと信じて疑わない有野とエイラをスタイリッシュ爪楊枝で刺し殺し、バトルドームを完全に粉砕。
だが、放たれた拳は聖の死により、それでも不完全ながらにとりに致命傷を与えたのも事実。

「だから、もっと…人間を食べて体力を…」

血が足りない。肉が足りない。
生前の面影すら微塵も見せないエイラだった物を骨意外全て食いつくし、残った目玉を口に放り込み、それでも足りない。
今度はもこみちの死体をそのまま無理やり口の中へ。骨ごと噛み砕く。
次は有野だ。同じく無理やり強引に噛み砕き食べる食べる。

――バリッ、クチャ、ムシャッ

まだ満たされない。人間三人分食い尽くしても、まだ食い足りない。
きゅうりチャーハンも食い尽くした。でも足りない足りない。困難じゃ満足できない。
傷を癒すにはもっと…

28食戟のにとり ◆FbzPVNOXDo:2013/06/11(火) 00:36:57 ID:Jg/qUnvw0

「何、か、食べ物は…」

あるじゃないか。目の前に。

――だ、駄目だ。け、結果として死んだとしても妖怪を食べるなんて

でも美味しそうじゃないか。

――そんな事は…ちゃんと弔って…

でも耐えられない。

――ああ、そんなでも…。


駄目だ。耐えられない。凄く、タベタイ。


聖の衣服を引きちぎる。
たわわに実った乳房が露になる。
見るものが見れば目が釘付けになる程のそれをにとりは引きちぎりかぶりついた。

口の中に広がる血と肉、そして乳房を構成する脂肪の味。
堪らない味の濃さに柔らかさ。

――美味い。

乳房を食い尽くし次は両腕を口にする。
穢れないその腕はとても舌触りが良い。それで居て肉の甘みが染み渡る。

――美味イ。

次は両足を口に運ぶ。
これもまた引き締まった肉で弾力が堪らない。
噛めば噛むだけ、味が広がり風味も深まる。

――美マイ。

四肢が?げ達磨になった聖の腹部を裂く。
中から無数の臓器が顔を覗かす。
それらを手で掬い、果物を口にするような要領で食べる。
今までの肉とは違いとても柔らかい。それでいて腕や足とは違う。だが、決して劣らぬ風味と味がある。

――ウマイ

ああ、これ本当に…オイシイ。

臓器も全て食い尽くし残った胴も全部食べた。そして最後に残った頭を手に取りかぶりつく。
その時、にとりは気付かなかったが、聖の残った目からまるで涙の様に一筋の血が流れ落ちた。

29食戟のにとり ◆FbzPVNOXDo:2013/06/11(火) 00:38:38 ID:Jg/qUnvw0




体中から妖気が魔力が溢れてくる。聖の肉体を食した事による影響か。
ああ、堪らない。最高の快感。


「オイシイ。こんなにオイシカッタンダ。妖怪って」

今までは人間が大好きだった。そしてこれからも大好きだ。

そう何も変わらない。ただ、あれは不可抗力、生きるためだ。
確かに美味しかったが、もう二度と口にはしない。

取り合えずこれからどうするか。
首輪の解除をしつつ殺し合いからの脱出。それとお腹が空いたらまた食べる。
地面に落ちた近過去狙撃銃を拾い上げる。
聖の拳により完膚なきまでに壊されている。これは修復のしようが無い。仕方ない捨てていこう。
同じく落ちていた氷輪丸も刀身が折れてはいるが、まだ使えはする。これは持っていく。


「ああ…また食べたいな」

ふと呟いた。
その言葉に、にとりは何の違和感も抱かなかった。


【有野晋哉@現実】死亡
【エイラ・イルマタル・ユーティライネン@ストライクウィッチーズ】死亡
【聖白蓮@東方Project】死亡
【速水もこみち@現実】死亡

【バトルドーム@バトルドーム】破壊
【近過去狙撃銃@古明地こいしのドキドキ大冒険】破壊

30食戟のにとり ◆FbzPVNOXDo:2013/06/11(火) 00:39:10 ID:Jg/qUnvw0
【C-03 見滝原中学校保健室/一日目・昼】

【河城にとり@きゅうり味のゆっくりしていってね!!!】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)(回復中)
[装備]:光学迷彩スーツ@東方Project、スタイリッシュ爪楊枝装備@東方無問題シリーズ、
     氷輪丸@BLEACH
[道具]:基本支給品×2、ランダム支給品×2(確認済み)
     お米@現地調達品、きゅうり@現地調達品、刀剣@現地調達、工具一式@現地調達、改造半田鏝@現地調達
     ダークサイド・プレジデント@人造昆虫カブトボーグ
[思考・状況]
基本:殺し合いには乗らない。
1:さっき走っていった妖怪(美樹さやか)を探す。
2:聖…。
3:他の参加者を探す。
4:首輪の解除法を模索する。主催者に知られずに調べる必要がある。
5:殺し合いに乗っている強い参加者を警戒。
6:他の参加者と会ったら、一緒にお弁当を食べよう。
7:入道(雲山)と鳥の妖怪(松風)はあの人間(ティンカーベル先輩)を食べようとしてたのかな?
8:オリーブオイルを探しておく?
9:人間……大好き!!
10:そういやドラえもん回収しとこうかな
11:美味しかったな…。
※人間を見るとにちょりになって襲い掛かります。
 人間以外にはいつものにとりで接します。が、少し怪しいかも。
※首輪が何らかの方法で主催者に情報を送っていることに気付きました。
※右代宮譲治が犯人だと知りました。
※疲労が激しく、弾幕が自由に扱えない状態です。休息すれば回復します。
※もこみち達の情報交換を盗み聞きしています。


《支給品紹介》

【氷輪丸@BLEACH】
氷雪系最強の斬魄刀。でも結構負けてる。
氷雪系最強というだけあって物を凍らせたり氷を操る能力を備えている。
制限により始解までは使用可能だが卍解は使用不可。






【C-03 民家 /一日目・昼】

【アルセーヌ(アンリエット・ミステール)@探偵オペラミルキィホームズ】
[状態]:健康、アルセーヌの怪盗服
[装備]:洞爺湖@銀魂
[道具]:基本支給品、ランダム品×1、 シャロの探偵服@探偵オペラミルキィホームズ
[思考・状況]基本思考:殺し合いを壊し主催から願いを叶える方法を盗み出す。
0:有野とエイラを連れ戻す。
1:施設を巡り調査する。
2:シャーロック・シェリンフォードを探し出す。
4:アルセーヌとして行動するが、協力者を集める。
4:男声の女(譲治)とロックオンを警戒。
5:自分の推測が正しいか確かめる為、情報を集める。
6:黒幕は神……そんなわけないですわね。
7:オリーブオイルを一応探しておく?
8:頭の中に爆弾がある事も考慮。
9:0を終えた後、シャーロックと合流したい。
※幻惑のトイズは制限により弱まっています(具現化も不可能)。
※トイズの制限に気付いています。
※デッドライジング、スクライド世界の話を聞きましたが半信半疑です。
※有野、もこみち達と情報交換しました。

【泉研@チャージマン研!】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、気絶
[装備]:スペクトルアロー(ランダム品3つ扱い、2時間変装出来ません)@チャージマン研!
[道具]:基本支給品、ランダム品無し
[思考・状況]基本思考:主催者及びジュラル星人、殺し合いに乗ったキチガイ参加者を全て滅ぼす!
0:……。
1:もこみちと組む。
2:ありがとウサギ(名前を知らない)、ムラクモを倒す(特にムラクモの計画は必ず阻止する!)。
3:変装できない間、身を守れる武器を探す。
4:間違いない。黒幕はジュラル星人だ!
5:頭の中に爆弾が!
6:ジュラル星人め許さないぞ!
※全てジュラル星人の仕業だと断定しました。(真相は不明)
※頭の中に爆弾があると断定しました。(真相は不明)
※ジュラルの魔王が生きていると断定しました。(真相は不明)
※有野達、アルセーヌと情報交換しました。

【天野河リュウセイ@人造昆虫カブトボーグV×V】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、左肩に刺し傷、オリーブオイル臭い、もこみちに怒り
[装備]: トムキャット・レッド・ビートル@人造昆虫カブトボーグV×V
[道具]:基本支給品、スコップ@現実
[思考・状況]
基本:殺し合いに乗るつもりはない。
0:アルセーヌに守ってもらう。やばくなったら研を置いてでも逃げる。
1:取りあえず、もこみちは保留。
2:ケン、勝治…… 。

31 ◆FbzPVNOXDo:2013/06/11(火) 00:39:42 ID:Jg/qUnvw0
投下終了です

32名無しさん:2013/06/11(火) 17:36:26 ID:7HSoaQ1s0
投下乙です

初登場はギャグチックだったのに、にとりはどんどんやばくなっていくな。
あと今回で脱落したけどもこみちどんどんすごくなってるwww

33名無しさん:2013/06/11(火) 23:30:03 ID:isefyBHU0
投下乙です

にとりが酷過ぎるw(褒め言葉)
もこみちも凄いし更に凄くなるキャラがどんどん出そうw

34名無しさん:2013/06/12(水) 20:57:53 ID:G1bJrxvY0
久々の乙です
近頃の展開でまさかの皆殺しとは全く読めなかったです
ともあれ中学での決着もついたし、2回目の放送にはベストタイミングか

35名無しさん:2013/06/13(木) 23:43:37 ID:s5lEcwyI0
ところでそろそろ第二放送の時期だと思うんだけど
第一回放送同様、今回も予約期間を作って投票という形かな?

36名無しさん:2013/06/14(金) 16:16:38 ID:l0HLMHwg0
普通の話と同じく予約した者勝ちで良いんじゃない?
もうそんな人居ないだろ

37 ◆FbzPVNOXDo:2013/06/14(金) 18:16:20 ID:hN941wVU0
投下します

38第二回定時放送 ◆FbzPVNOXDo:2013/06/14(金) 18:17:33 ID:hN941wVU0
『聞こえるか? エンリケだ。これから第二回定時放送を始める』

島全体にエンリケの声が響き渡る。
彼の言うとおり、第二回定時放送の時間が来た。

『先ずは死亡者の発表からだな。

 ジャック・アトラス
 青鬼
 レア様
 アサシン
 ゴン=フリークス
 イーノック
 司馬宙
 赤座あかり
 野獣先輩…いや田所と言った方が良いか
 ラミエル
 風見幽香
 青鬼
 聖白蓮
 有野晋哉
 エイラ・イルマタル・ユーティライネン
 速水もこみち
 
 この16名が今回の死亡者…おっと、たった今、運悪くも心臓発作で一人死んだな。
 ここに松岡勝治を追加で17名が死亡者だ』


【松岡勝治@人造昆虫カブトボーグV×V】死亡


『さて次は禁止エリア指定だが
 
 13時にE-4
 14時にH-1
 15時にB-5
 16時にD-6
 17時にC-5
 18時にB-9

 以上だ。間違ってもここに入ろうなんて思うなよ。
 それと最後に大佐、あんたに話がしたいって人が居てな。代わるぜ』

『よう。聞こえるか?メイトリックス大佐。俺だベネットだ。
 殺し合いはどうだ? 楽しんでいるか? 俺は楽しんでる。
 フフフ…。ここからじゃ返事が聞こえないのが残念だよ。
 そうそう、次の放送はこの俺が担当する。それまで精々生きててくれ』



ガチャンっと放送機器が切られる音と同時に放送は終了した。
放送が終わり気が抜けたのか、椅子にもたれたままベネットは息を吐く。
何気なく辺りを見渡せば殺風景な光景が視界に写る。

「ところでエンリケ。本当に松岡勝治は死んだのか?」
「いや、俺も一瞬そう思いましたが、相変わらず死んだように目眩を起こしただけです」

「またか」と言いベネットは苦笑する。
殺し合いが始まってから、この勝治という子供の動向を見てきたが何度も死んだかと思えば生きていたという、とても変わった子供だ。
いやこの現象を変わったで済ませて良いのか、本当に分からないがともかくベネットの知る限りこれ以外に、この現象を表現する術が無いので気にしないでおく。
問題は何故“上の連中”はわざわざ松岡勝治を死亡者放送で呼べと命じているかだ。
ベネットも幾らか考えてみたが、彼の名を呼んだところで何かメリットになる事など無い。

(それだけじゃねえ。今回死んだとはいえ、速水もこみちが首輪を解除した時も連中は特に動く様子は無かった。
 下手すりゃ、他の連中も首輪も外れるて殺し合いどころじゃなくなるとこだった。
 それに気がかりなのは、あれは本当にイレギュラーで起こった事なのか?
 こんな殺し合いを開くぐらいだ。参加者の素性ぐらい調べてる筈だが、その上であんなオリーブオイルで外れるような首輪を作ったてのは引っかかる)

近くのテーブルに置いてある酒瓶を手に取り蓋を開ける。そして、直接口に着け口内に酒を注ぐ。
口内に酒の風味とアルコールの独特な味が広がり喉を潤していく。

(いや、そもそも連中は本当に参加者に殺し合いをさせるつもりはあるのか?
 どうにも回りくどい。殺し合わせるなら、もっと良いやり方がある筈だ。
 例えば、さっきの禁止エリアも一回放送と同じで参加者には大して影響はねえ。
 俺ならもっと影響のある別の場所を指定し、参加者の遭遇を誘発して殺し合いは促進させる。
 なのに連中はどうして…)

疑問が更なる疑問を呼ぶ。例えるなら泥の深みへと陥るような感覚。
もがけばもがくほど沈んでいく。

(まあいい、どうせ一度死んだ身だ。
 こうなりゃ泥の深みの深みまでドップリ浸かってやるさ。なあ?大佐)




【ベネット@コマンドー】主催追加確認

【松岡勝治@人造昆虫カブトボーグV×V】再度生存確認

39 ◆FbzPVNOXDo:2013/06/14(金) 18:18:28 ID:hN941wVU0
投下終了です

40名無しさん:2013/06/14(金) 19:31:28 ID:PZj3H0W20
クッソワロタwww
勝治また死ぬ死ぬ詐欺かよww三回目だぞw
このまま最後まで生き残りそうだな
投下乙です

41名無しさん:2013/06/14(金) 21:37:19 ID:uZzufzzo0
投下乙です

確かに死ぬ死ぬ詐欺だわw

42名無しさん:2013/06/15(土) 08:21:55 ID:NY7wJIhAO
投下乙です。やっぱりベネットは主催側か
死亡者放送常連とか新しいなwwww

祝☆第二放送突破!

43名無しさん:2013/06/15(土) 16:01:33 ID:b90Ae7HY0
投下乙です。勝治にはこのまま放送のレギュラーでいてほしいですね


ところでどっかに予約とかに関するルール書いたほうがよくない?
どこにも書いてないと、新しく話を書きたいって思った人がいても書きづらいと思うんだけど

44名無しさん:2013/06/15(土) 19:42:17 ID:7dQOEMz20
【このロワで書いてみたいと思う方へ】

〜書き手について〜

このロワでSSを書く人たちの事を書き手と総称しています。


〜予約について〜

書き手同士がかち合う事態を防ぐため、事前に
「○○(キャラ名)が登場する話を、後に私が書いて投下しますと宣言しておく事。

したらばにあるこの予約スレにてトリップを着けて行います。
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/15395/1332983579/


〜トリップとは〜

トリップとは2ちゃんねる上で生まれた単語で、書き込みがその人特有のものと分かる仕組みである。
他の人が名前欄を利用して成りすますことができないようにする仕組み。トリップはキャップの一種である。
(ニコニコ大百科より引用)

略称としては、「トリ」「鳥」「酉」などが挙げられます。


表示方法は名前欄に"#"(#は半角)を入力して続けて好きな文字列(パスワード)を入力します。
その文字列(パスワード)は、主にトリップキーと呼ばれています。



〜予約期限について〜

話を書き上げるのが期限内に間に合わない場合、延長を申請します。
このニコニコ動画バトルロワイアルγでは予約期限は三日、延長すると最大五日となります。

45名無しさん:2013/06/15(土) 19:48:02 ID:7dQOEMz20
取り合えずパロロワ辞典とか色々見て参考にして書いてみた
これを見て指摘とか、いっそ勝手に文を付け加えたり書き直して頂けたりしてもらうとありがたい

これで書き手が増えれば万々歳だなあ

46名無しさん:2013/06/15(土) 22:40:53 ID:b90Ae7HY0
予約が切れても他に人が予約しなければ投下できることを書いた方がいいかも
それ以外は問題ないと思う

47名無しさん:2013/06/15(土) 23:18:52 ID:7dQOEMz20
【このロワで書いてみたいと思う方へ】

〜書き手について〜

このロワでSSを書く人たちの事を書き手と総称しています。


〜予約について〜

書き手同士がかち合う事態を防ぐため、事前に
「○○(キャラ名)が登場する話を、後に私が書いて投下しますと宣言しておく事。

したらばにあるこの予約スレにてトリップを着けて行います。
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/15395/1332983579/


〜トリップとは〜

トリップとは2ちゃんねる上で生まれた単語で、書き込みがその人特有のものと分かる仕組みである。
他の人が名前欄を利用して成りすますことができないようにする仕組み。トリップはキャップの一種である。
(ニコニコ大百科より引用)

略称としては、「トリ」「鳥」「酉」などが挙げられます。


表示方法は名前欄に"#"(#は半角)を入力して続けて好きな文字列(パスワード)を入力します。
その文字列(パスワード)は、主にトリップキーと呼ばれています。



〜予約期限について〜

話を書き上げるのが期限内に間に合わない場合、延長を申請します。
このニコニコ動画バトルロワイアルγでは予約期限は三日、延長すると最大五日となります。
ただし期限が切れても、他にそのキャラを予約している人がいなければ投下する事も可能です。

48名無しさん:2013/06/15(土) 23:19:43 ID:7dQOEMz20
よし
追加した

49名無しさん:2013/06/18(火) 00:48:20 ID:fXQ1jrGc0
お、放送話の投下お疲れ様です
_人人 人人_
> 突然の死 <
 ̄Y^Y^Y^Y ̄

50 ◆FbzPVNOXDo:2013/06/20(木) 02:00:40 ID:hndOYcG20
投下します

51希望の船 ◆FbzPVNOXDo:2013/06/20(木) 02:01:38 ID:hndOYcG20
「……誰も来ねえ」

ぶっきらぼうに祐子は呟く。
殺し合いが始まってから第一回放送を向かえ、つい先ほど第二回放送が終了した。
主催側から明確にはされていないものの、今までの定時放送は6時間毎に行われている。
そしてたった今その第二回放送が終了した。

6×2=12

つまり12時間、1日24時間だからその半分。なんとゆっこは半日近く死体と糞ウザイ変なロボット以外とは遭遇していない事になる。
一体何処の誰が、目立つからドームに人が居るなどとほざきやがったのだろう。

「あちゃーあたしゃ知りませんよ」

分かってる。悪いのは自分だ。
あんな浅はかな考えが悪かったのは百も承知だ。
そうと分かってはいるが、バリカンの態度がウザく感じてしまうのはしょうがない事なのかも知れない。

「それよりも、禁止エリアを確認した方がいいんじゃない?」

バリカンに言われてはっとした。
そうだ。人に会う以前にまずはそちらを確認するべきだ。
人と会うと目標を掲げた所で、禁止エリアに入ってドンッというのは避けたい。

別の紙にメモしたエリアと実際の地図を照らし合わせて見る。
なんともまあバラバラに禁止エリアを指定したものだ。

「 ? また海が禁止エリアになってる…」

思い返せば、前回はJ-6、A-4、C-1と三箇所も海が禁止エリアに指定されていた。
当時はあまり気にしていなかったが、また今度は二箇所、H-1、B-9が禁止エリアとなっている。
果たしてこれは偶然なのだろうか。海なんて早々参加者が集まるような場所じゃない。
なら、別の場所を指定した方が効率はいい気もするが…。

「誰か海水浴でもしてるんでゲスか?」

海水浴?
まさか、誰か海を泳いで殺し合いから脱出でもしたんじゃ。

(――いや、待って…)

更にこの時、裕子に電流走る。
泳いで脱出。それなら海を禁止エリアに指定する辻褄は合う。
いや冷静に考えれば、海を泳いで島から脱出なんておかしいが気にしない。
ならば、裕子も同じく海から脱出出来るのではないか。
無論、裕子には泳いで島からの脱出など不可能。


――だが、あるではないか。


海を渡るにはもってこいの船が。



「豪華客船エスポワール…」



客船と書いてある以上、エスポワールが船である事に間違いは無い。
つまり、エスポワールさえ確保すれば裕子も殺し合いから脱出する事は可能。

「でも、問題は距離…」

エスポワールのあるエリアはここからかなりの距離があるH-1。
しかも、これから約二時間後に禁止エリア指定されている。

(間に合う…かな)

全速力で走っていってもギリギリ間に合うか間に合わないかだろう。
だが、これを逃せば次に何時好機が巡ってくるか分からない。

(これは…希望の船…逃すわけには行かない…!!)

拳を握り。息を大きく吸い。そして吐く。
そして一度頬を両手で叩き気合を入れた。

「行こう! バリカン!!!」
「え? 何処へ?」
「エスポワールだよ!」
「エ゛ェー!?」

52希望の船 ◆FbzPVNOXDo:2013/06/20(木) 02:02:24 ID:hndOYcG20

【A-07 ドームですよ!ドーム!/1日目・日中】

【相生祐子@日常】
[状態]:健康、死への恐怖とそれに伴う悲しみ、若干希望を持ちつつある
[装備]:バリカン
[道具]:基本支給品、一本満足バー×28inファミマの袋@アサヒフードアンドヘルスケア、
バトルロワイアルガイドブック@ニコロワγ
スポンジボブ@ハッキョーセット、でかいきんのたま@ポケットモンスターBW
キチガイレコード@チャージマン研!
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いには乗らない
0:エスポワールへと向かってみる
1:研君を探しに行きますか
2:危険地帯…恐るべし…!
3:もっといい道具が欲しかった
4:研君の そこにシビれる 憧れる
5:なのちゃんに続く新しいロボットの知り合いができて嬉しい
6:………死にたくないよ
※ジュラル星人と研の関係、泉家の家族構成を簡単に知りました。
※精神がわずかに不安定になっている可能性があります。
※民家の地下でニコニコ危険地帯を発見しました


【バリカン@チャージマン研!】※意思持ち支給品
[状態]良好、首輪なし、愛称で呼ぶ程度にはゆっこを信頼
[思考]
基本行動方針:ゆっこと一緒に研を探す。見つけたら保護してもらう。
0:何か胡散臭そうな船でゲス
1:ゆっこと行動。
2:終わったらゆっこがジュラル星人の存在を知らない事について話し合う
※機能に何らかの制限が課せられているかもしれません。
※ゆっこの交友関係を軽く知りました。
※星君を警戒対象に入れてないのは、彼がジュラルであることを知らないからです
※参戦時期は最終回よりも前のどこか。魔王については面識があるか見たことはあります


共通:ガイドブックで見逃している箇所があるかもしれません。

53 ◆FbzPVNOXDo:2013/06/20(木) 02:02:56 ID:hndOYcG20
短いですけど投下終了です

54名無しさん:2013/06/20(木) 17:15:51 ID:tagrX1a.0
投下乙です
バリカンさんご指摘ナイスw美味しいなあ意思持ち
大型船と言えばズシオが見ていた気がするけど、あれはエスポワールだったのか

55 ◆czaE8Nntlw:2013/06/20(木) 20:45:09 ID:qZ0/4aSE0
右代宮譲治、サリー、権兵衛、松岡勝治、シャーロック・シェリンフォード、
海東純一、東風谷早苗、ムラクモ、不動遊星、ルシフェル
投下します

56 ◆QJhOaVyun6:2013/06/20(木) 20:46:51 ID:qZ0/4aSE0
「サリーよ、今度は誰を潰すのだ?」

下劣な笑みを浮かべてベアトリーチェは無線機へ話し掛けた。
サリーと呼ばれた無線越しの男は溜息を吐きながらも嬉しそうに応える。

「全く、お前は随分と仕事熱心だなベアトリーチェ。ま、こちらとしちゃその方が有難い。
そうだな、今度は仲良しこよしなグループ…勝治、権兵衛、シャーロックあたりを潰して貰おう。戦闘能力はあまり高くないから、そう手間取りはしないさ」
「分かった。すぐに潰して来よう」

偽情報を流すのもいいが、やはり弱者を叩き潰すには直接手を下す方が早い。
何より、先程の女が思い通りに動かなかったせいで不満が溜まっているのだ。
勝治達には悪いが、ストレス解消の相手になってもらうとしよう。
これから訪れる殺戮を思い、ベアトリーチェは笑う。

「フン、精々あがいて貰うとしよう。アカンパニーオン。勝治達の場所へ」



◆◆◆

57 ◆BZucM3jYfQ:2013/06/20(木) 20:48:15 ID:qZ0/4aSE0



「…勝治さん、どうやらまた貴方のお名前が呼ばれたようですが」

毎度お馴染みとなった死ぬ死ぬ詐欺に対して権兵衛が冷静に突っ込みを入れる。
もちろん背中に乗っている勝治もついさっき少しばかり気絶してはいたが、健康そのものである。

「これで三度目ですよ…どうなってるのか、僕にも全く分からない」
「やっぱり、首輪が壊れて…?」
「いや、それは無いでしょう。そもそも首輪が壊れているのなら、二回目で気づくはずです。
それなのに、対策をしていないということは…やはり何か思惑があるのでしょうね」

何度も死んだ事にされては、その度に放送で名前を挙げられる勝治。
何故主催がその様な無意味な行動をするのか、権兵衛は未だその真意を図りかねていた。
実際は真意も糞も無いただの主催の悪ノリによるものに過ぎないのだが、権兵衛達がそんな事を知る由もない。

そんな静かな考察は、突然の襲撃者によって中断させられる。

「犬っころと探偵、それに…フン、死にぞこないか。ずいぶんと手応えの無い連中だねえ」

ついさっきまで何も無かったはずの空間に現れた、中世ヨーロッパ風のドレスに身を包んだ妙齢の女性。
彼女は二人と一匹を見回して醜悪な笑みを浮かべ、空中からナイフを取り出して弄びながら言う。
それと同時に姿を消したかと思うと、次の瞬間には眼鏡を掛けた青年へとその姿を変化させていた。

「こんにちは、譲治だよ」

口調こそ丁寧だったものの、そこにはぞっとするような凄みが隠れている。
そのことを三人はひしひしと感じていた。
殺される。
ボーガーや妖怪、トイズの使えない探偵では太刀打ちできる相手ではない。
権兵衛は二人を背中から下ろし、緊迫した口調で告げた。

「勝治さん、シャーロックさんをよろしくお願いします」
「え、でも権兵衛さんは…」
「私は妖怪です。並みの人間よりは戦える。それに、首輪の情報…あれを東風谷さんに伝えてもらわないと」
「でも、そんなのって!権兵衛さん、殺されちゃいますよ!!」
「シャーロックさん、貴方は探偵でしょう。ならば一人でも多くの人を助けなければならない。
それは妖怪である私が戦わなくてはならないのと同じように、大事な役割です。貴方はそれを果たして下さい」

抗議するシャロに向かって静かに微笑みながら、権兵衛は言う。
そこにある意志を勝治は汲み取らずにいられなかった。
ボーガーは命懸けで勝負を行う。勝治やリュウセイ、ケンだって命を失ったのは一度や二度ではない。
それでも、決して逃げずにボーグバトルに向かう漢達。
権兵衛の目には、その漢と同じ不屈の闘志が宿っていた。

「…行こう、シャーロックちゃん」
「……分かりました。死なないで下さいね、必ず勝って下さいね」

二人は振り返らずに走り出した。俯きながら、それでも決して振り返らずに。



◆◆◆

58 ◆czaE8Nntlw:2013/06/20(木) 20:50:53 ID:qZ0/4aSE0
すみません、少し酉がおかしいみたいなので投下しなおします

59 ◆czaE8Nntlw:2013/06/20(木) 20:51:32 ID:qZ0/4aSE0
てすと

60 ◆czaE8Nntlw:2013/06/20(木) 20:52:02 ID:qZ0/4aSE0
「サリーよ、今度は誰を潰すのだ?」

下劣な笑みを浮かべてベアトリーチェは無線機へ話し掛けた。
サリーと呼ばれた無線越しの男は溜息を吐きながらも嬉しそうに応える。

「全く、お前は随分と仕事熱心だなベアトリーチェ。ま、こちらとしちゃその方が有難い。
そうだな、今度は仲良しこよしなグループ…勝治、権兵衛、シャーロックあたりを潰して貰おう。戦闘能力はあまり高くないから、そう手間取りはしないさ」
「分かった。すぐに潰して来よう」

偽情報を流すのもいいが、やはり弱者を叩き潰すには直接手を下す方が早い。
何より、先程の女が思い通りに動かなかったせいで不満が溜まっているのだ。
勝治達には悪いが、ストレス解消の相手になってもらうとしよう。
これから訪れる殺戮を思い、ベアトリーチェは笑う。

「フン、精々あがいて貰うとしよう。アカンパニーオン。勝治達の場所へ」



◆◆◆

61 ◆czaE8Nntlw:2013/06/20(木) 20:52:51 ID:qZ0/4aSE0



「…勝治さん、どうやらまた貴方のお名前が呼ばれたようですが」

毎度お馴染みとなった死ぬ死ぬ詐欺に対して権兵衛が冷静に突っ込みを入れる。
もちろん背中に乗っている勝治もついさっき少しばかり気絶してはいたが、健康そのものである。

「これで三度目ですよ…どうなってるのか、僕にも全く分からない」
「やっぱり、首輪が壊れて…?」
「いや、それは無いでしょう。そもそも首輪が壊れているのなら、二回目で気づくはずです。
それなのに、対策をしていないということは…やはり何か思惑があるのでしょうね」

何度も死んだ事にされては、その度に放送で名前を挙げられる勝治。
何故主催がその様な無意味な行動をするのか、権兵衛は未だその真意を図りかねていた。
実際は真意も糞も無いただの主催の悪ノリによるものに過ぎないのだが、権兵衛達がそんな事を知る由もない。

そんな静かな考察は、突然の襲撃者によって中断させられる。

「犬っころと探偵、それに…フン、死にぞこないか。ずいぶんと手応えの無い連中だねえ」

ついさっきまで何も無かったはずの空間に現れた、中世ヨーロッパ風のドレスに身を包んだ妙齢の女性。
彼女は二人と一匹を見回して醜悪な笑みを浮かべ、空中からナイフを取り出して弄びながら言う。
それと同時に姿を消したかと思うと、次の瞬間には眼鏡を掛けた青年へとその姿を変化させていた。

「こんにちは、譲治だよ」

口調こそ丁寧だったものの、そこにはぞっとするような凄みが隠れている。
そのことを三人はひしひしと感じていた。
殺される。
ボーガーや妖怪、トイズの使えない探偵では太刀打ちできる相手ではない。
権兵衛は二人を背中から下ろし、緊迫した口調で告げた。

「勝治さん、シャーロックさんをよろしくお願いします」
「え、でも権兵衛さんは…」
「私は妖怪です。並みの人間よりは戦える。それに、首輪の情報…あれを東風谷さんに伝えてもらわないと」
「でも、そんなのって!権兵衛さん、殺されちゃいますよ!!」
「シャーロックさん、貴方は探偵でしょう。ならば一人でも多くの人を助けなければならない。
それは妖怪である私が戦わなくてはならないのと同じように、大事な役割です。貴方はそれを果たして下さい」

抗議するシャロに向かって静かに微笑みながら、権兵衛は言う。
そこにある意志を勝治は汲み取らずにいられなかった。
ボーガーは命懸けで勝負を行う。勝治やリュウセイ、ケンだって命を失ったのは一度や二度ではない。
それでも、決して逃げずにボーグバトルに向かう漢達。
権兵衛の目には、その漢と同じ不屈の闘志が宿っていた。

「…行こう、シャーロックちゃん」
「……分かりました。死なないで下さいね、必ず勝って下さいね」

二人は振り返らずに走り出した。俯きながら、それでも決して振り返らずに。



◆◆◆

62 ◆czaE8Nntlw:2013/06/20(木) 20:54:37 ID:qZ0/4aSE0



甘い。
自分に背を向けたままうずくまる早苗に、海東はニヤついた笑みを隠さずにはいられなかった。
知り合いでも亡くしたのか、時折落胆したような表情で手許のメモ帳に放送の内容を書き込んでいく早苗。
その背中には一切の注意というものがなく、無防備極まりない。
仮面ライダーというだけで自分をここまで信用し、一寸の疑いもなく背中まで向けてしまう。
ここまで来ればもはやお人好しというより、単なる馬鹿と言っていい。
権兵衛という邪魔者が居なくなった今、この場にいるのは自分と早苗、それに無力な少年のみ。
その気になればいつだって殺せるのだ、もはやこの空間を自分は完全に支配している。
海東は電磁サイリウムに手を伸ばし、より一層口許を歪ませた。
最初のターゲットは東風谷早苗。
まず彼女を消して、それから恐怖に怯えている少年を殺す。
この顛末を知ればあのいけ好かない妖怪も冷静ではいられまい。
きっと自分の判断の間違いに苦悩することだろう。ああ、愉快だ。
その光景を想像しながら、海東は早苗の無防備な背中へとサイリウムを向けた。

くだらない、というのがムラクモの正直な感想だった。
もこみちが死んだ、という放送を聞いて少し気分を良くしていたところで、いきなりあのニヤついた男が女に武器を突き付けて「動くな!」と言い放った。
それだけだ。
男にしてみれば人質のつもりなのだろうが、そもそもムラクモにとっては女が殺されようと関係無い。
むしろ殺してくれた方がこちらも行動しやすくなるし、色々と都合が良いのだ。
だから止めはしない。どちらが死のうと知った事か。
生き残った方を殺し、武器を頂く。
どちらが勝つか、精々楽しませて貰うとしよう。

首筋に冷たい質感を感じながら、早苗は混乱していた。
どうして。
仮面ライダーは正義の味方ではないのか。
髪の毛を掴まれながら、海東へ問う。

「海東さんっ…どうして、こんな…仮面ライダーは、正義の味方じゃないんですか…?」

海東は相変わらずニヤついた表情のまま早苗へ腹パンを食らわせ、声色一つ変えずに答えた。

「( ^U^)申し訳ございません、このような裏切り者で。…さようなら」

電磁サイリウムを振り上げる海東。

(フン…決したか)

ムラクモが興味なさげに目を背けた、丁度その時だった。

「うおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

乱入者が出現したのは。
デルタイーグルを駆る乱入者はスピードを緩めずに二人に向かって突撃し、そのまま海東を撥ね飛ばす。

「ぐっ!!」
「きゃっ!!」

63 ◆czaE8Nntlw:2013/06/20(木) 20:54:49 ID:qZ0/4aSE0
数メートルも撥ね飛ばされ、地面にうずくまる海東。
乱入者はそれを認めてから地面へ倒れ込んだ早苗へと手を伸ばし、デルタイーグルから降りる。

「どうにか間に合ったな…大丈夫か?俺は不動遊星。あんたの仲間に頼まれて来た」
(アイツは…あの時のッ……!!)

不動遊星。
ショタと化したムラクモにスカートを穿かせた張本人である。

(コイツ…生かしてはおかん!!)

「ええ、なんとか。ありがとうございます。あっ、私は東風谷早苗といいます。よろしく、遊星さん」
「ああ、よろしく。ともかく無事で良かった。ところで…」

会話中の二人の傍らで静かに殺意を募らせるムラクモ。
そんな感情を抱いているとは露ほども思わず、遊星は嬉しそうに話掛ける。

「無事だったか少年。心配したぞ」
「あ、あれっ!」

ムラクモが行動を起こそうとするより先に、早苗が頓狂な声を上げた。
その視線の先では、海東が頭を押さえながらも立ち上がろうとしていた。

「まだ意識があったか…君は少年と逃げてくれ!ここは俺が」
「お断りします。そんな死亡フラグ全開の台詞吐かれて見捨てられる訳ないでしょう」

包丁を構える遊星と、それに付き従うように立ちふさがる早苗。

「…いい台詞だ、感動的だな。だが無意味だ。行け、電光戦車」

頭から血を流しながらも張り付いた笑顔を絶やさぬまま、海東は電光戦車を起動させる。

「おい、なんだよコイツは!」

狼狽する遊星の隣で、早苗は海東を真っ直ぐに睨み付けて言った。

「海東さん、貴方は仮面ライダーの力を悪事に使おうとした。ライダーファンとして許しがたい行為です」
「私は感謝しているんだ早苗、私は貴方のお蔭で武器を手に入れられた。今度は私がお前を救ってあげよう」

戦闘の始まりを告げるように、機関銃の弾丸が二人へと降り注ぐ。


(電光戦車まで支給されていたとはな…まぁいい。どちらにせよアレは私が手に入れる)

予想もしなかった嬉しい誤算にムラクモは押し殺した笑みを浮かべた。
電光戦車は強力な武器だ、手に入れれば戦局を覆す事とて容易に出来る。
相変わらずどちらが勝つかなどという事に興味はない。
どちらが死のうが電光戦車は頂く。

(いよいよもって面白くなってきたな。少しは楽しめそうだ)

それぞれが異なる思惑を抱いたまま、戦闘は加速していく。
闘いの終わり、最後に勝ち残るのは一体誰なのだろうか。



◆◆◆

64 ◆czaE8Nntlw:2013/06/20(木) 20:55:37 ID:qZ0/4aSE0






遠ざかっていく勝治とシャロの背中を眺めながら、譲治は権兵衛へと話し掛ける。

「…権兵衛、君はどうにも頭が切れるようだけど、僕にしてみれば大馬鹿者だね」
「馬鹿で結構。むしろ私にとって馬鹿は褒め言葉ですがね」
「黄金の魔女にたった一匹で挑む犬畜生。全く素晴らしい度胸だよ」
「ほう…魔女、ですか。では、一つお訊きしてもよろしいですか?」
「時間稼ぎのつもりかい?…まぁいいさ。どうせ一瞬で決着は着くんだ、少し遊んであげるよ。それで、何を訊きたい?」

禅問答なら得意分野だ。如何に権兵衛が知識豊かとはいえ、千年間生きてきた自分には敵うまい。
そう心の中でほくそ笑んで、譲治は権兵衛の質問を待つ。
だが、権兵衛が口にしたのは思いもよらぬ問いだった。

「貴方は自分が魔女である、と証明出来ますか?」

今更、この犬は何を問うているのか。
仮にも切れ者だなどと思った自分が馬鹿だった。所詮野良妖怪の犬だ、全く意味のない質問をするとは馬鹿にも程がある。

「ははははは!!質問というのはその程度のことか!?
当然、出来るに決まっているだろう!
僕はジョージ・ベアトリーチェ。千年を生きた黄金の魔女。僕がここにいる事そのものが、僕が魔女であるという証拠そのものだ!!」

高笑いする譲治を尻目に、権兵衛は内心でガッツポーズをしていた。
策は成った。このような自尊心の強い高慢な連中は、往々にして自己の存在を他人に認めさせようと躍起になるものだ。
ならばそれを徹底的に否定してやればいい。存在を否定し、思い上がった自尊心を叩き潰す。
そうして彼らを怒らせ、冷静さを失わせる。
そこに、付け入る隙が出来る。
かくなる上は、どの様な詭弁でも構わない。とにかく彼のアイデンティティである“魔女”というものを徹底的に否定する。

「…サン・ジェルマン伯爵という人物をご存じですか?18世紀のフランスに現れた、不老不死を名乗る錬金術師の男性だったそうですが…彼について面白い説がありましてね。
それによると、彼は不老不死でも何でもない、一介の詐欺師に過ぎなかったと言うのです。
数百年間も同じ人物が存在しているかのように、歴代の詐欺師が“不老不死のサン・ジェルマン伯爵”を演じ続ける。
言動さえ過去の人物と一致していれば、容姿が多少変化したところで怪しむ人間は居ませんからね。
いや、過去のサン・ジェルマン伯爵を知る人物が死んでしまえば、全くの別人でも構わない。
何故なら不老不死であるのは彼だけですからね。他の人物は皆、彼より先に死ぬ。
只の人間に彼が不老不死なのか、それともペテン師なのかなど判別がつけられる訳がない。
…譲治さん、貴方は本当に魔女なのですか?本当に千年を生きたのですか?本当だというのなら、是非それを証明していただきたい」
「…笑わせるな犬畜生。私が詐欺師だと!?ふざけるな!私は魔女だ!赤き真実がそう告げている!!お前の意見など、詭弁に過ぎない!!!」

淡々と話し続ける権兵衛に譲治は僅かな恐れを抱き始めていた。
この犬が言っている事は何の証拠も無い、只の仮説でしかない。
だが、その言葉一つ一つには凄まじい重みが籠っている。
コイツは似ているのだ。あの忌々しい探偵気取りの小僧────右代宮戦人に。

「赤き真実?それが真実である証拠などどこにも無い。
貴方が魔女であると主張しているのは貴方だけだ。
“貴方が魔女であること”を証明するに必要な第三者の意見が無い以上────。

今、この場には“貴方が魔女である”事を証明するものなど何一つ無い!」

その瞬間、世界に音が響いた。
何かが弾けた様な、割れた様な、不思議な音。
その音は、譲治にとって何よりも大切な“魔法”を切り崩した音だった。

65 ◆czaE8Nntlw:2013/06/20(木) 20:56:31 ID:qZ0/4aSE0



────バトルロワイアル開幕前、ルシフェルと譲治は参加者の選定を行っていた。

「さて、“幻想郷からの参加者”はこれくらいで充分かな」
「待ってよルシフェル。面白い参加者を見つけたんだ。ほら、コイツ」

そう言って譲治はルシフェルに一枚の書類を手渡す。
ルシフェルは気だるげにそれを受け取ると、さらりと全体を流していく。

「なるほど…権兵衛、か。中々に興味深い」
「でしょ。彼も参加させちゃおうよ」
「ああ、了解だ。制限はどうする?」

書類に記された、“ありとあらゆる概念を解体する程度の能力”の部分を指でつつきながらルシフェルは問う。
そうだね…と譲治は考え込み、一つの結論へと至った。

「使えなくするってのも面白くないし、効果を弱体化して、なおかつ本人が力を自覚していない時系列から連れてこよう」
「よし、それじゃあこれでいいな。次は…」



そうだ。この犬には特殊能力がある。それもかなり強力な能力が。
もちろん大幅な制限のおかげで、そう自由に使えなくはしてある。
だが、この犬はさっき何と言った?
“貴方が魔女であるとは言えない”。その台詞は、自分が魔女であるという概念を崩壊させたのではないか。

譲治は動揺を隠せぬまま、ナイフを取り出そうと力を込める。
しかしその呼び掛けに応えるものは無く。
能力を失っている、と初めて自覚した。

(…………いや、大丈夫だ、問題ない。参加者に制限を掛けたのはこの僕だ。
コイツの能力はかなり弱体化させた。崩壊した概念だって、時間が経てば戻るように調整してある。
つまり、この状況さえ切り抜ければどうにかなる!)

魔法が使えないのは痛手だが、相手は犬っころ。
それに、如何に強力な能力を持っているといえ、戦闘には役立たずだ。
ここで殺そう。
何よりも、ここまでコケにされて生かしておけるはずは無い。
強烈な怒りに震えながら、譲治は武器を取り出した。

「糞ッ糞ッ!犬畜生如きが生意気な真似をしやがって!…殺す!殺してやるッ!!」

トンプソン・コンテンダー、かつて魔術師殺しと呼ばれた男の使っていた武器。
その銃から放たれる特製の“起源弾”は、被弾した者の魔術回路を破壊し二度と魔術を扱えないようにしてしまう、いわば魔術そのものを打ち倒す弾丸である。
魔術という非常識を打倒する為の弾丸は、同じ非常識の存在たる妖怪を傷つけるには充分と言えた。

「…仕方ありませんね。では、私も」

対する権兵衛もデイバッグの中を漁り、どうにか扱えそうな武器を取り出す。
それは重厚な雰囲気を漂わせる大鎌。
西洋の死神を彷彿とさせるその鎌を口に咥え、権兵衛と譲治は対峙した。
銃と刃物。
一見すると結果は見えているようなその闘いだが、このような至近距離ならば大いに逆転の余地はあった。
間合いに入ってしまえば、銃よりも刃物の方に分がある。加えてトンプソン・コンテンダーは単発式。
一発しかないその弾丸を外してしまえば、それは敗北を意味する。
故に、両者とも迂闊には動けない。
睨み合ったままの一人と一匹の間を静かな風が通り抜けていく。
その風が止んだ時、権兵衛と譲治の姿は空中へと移っていた。
先に飛び掛かったのは権兵衛。譲治も権兵衛の姿を認めるよりも先に走り出し、一気に距離を詰める。
権兵衛の大鎌の間合い。それは同時に、譲治のコンテンダーの必中距離。

(一発は確実に食らう。だが…)
「死ねぇぇぇぇぇ!糞犬ッ!!」
(彼の首は必ず落とすッ!!)

鎌を咥えたまま一直線に突き進む権兵衛に、譲治は銃口を向けて絶叫する。
この距離でからであれば、放たれた弾丸は確実にその忌々しい身体を貫くだろう。
だが、魔法の使えない譲治もまた権兵衛の刃からは逃れられない。
弾丸と、刃。
一瞬で勝負は決する。相手より一刻でも速かった者だけが生き残る。
その刃を白銀に煌めかせながら、真っ直ぐに突き進む鎌。
鈍い鉛色を響かせて、大気を切り裂く銃弾。
両者は空中で激突し、そして────。

66 ◆czaE8Nntlw:2013/06/20(木) 20:58:50 ID:qZ0/4aSE0











「ぐ…ああ……」

立って、いたのは。

「な゛ん、で、だよおぉぉ……」

────犬畜生。
首筋から鮮血を吹き上げて、譲治は空を掻き毟る。
全ての恨みと、全ての憤りを塗り込めた叫び。
それはどのような呪文より強力に、聞く者の精神を蹂躙していった。

「僕が、殺さ、れ゛るなんて、あ゛り得るものかッ!!!!認め、ないッ!!!絶対に認めな゛いぞぉぉぉッ!!」
「そう騒ぐ必要も無いでしょう。どうも高慢な人間ほど死を恐れるようだ。…それに、私とて傷を負った。どの道長くない」

両者が激突した後、権兵衛は確かに立っていた。
だがそれは無傷の勝利を意味している訳ではなかった。
左前足に空いた穴と、その周りを染め上げるドス黒い汚れ。
この闘いに、勝者は居なかった。両者とも傷を負い、しかもそれは致命傷だった。
行き着く結末はどちらも“死”のみ。ただそれが訪れるのが速いか遅いかの違いだけだ。

「あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぢぐじょおぉぉぉ………」

それでも、譲治は受け入れられなかった。
何故、自分が死ななければならないのだ。しかも、こんな有象無象の参加者に惨めに殺されて。
認めるものか。
黄金の魔女は死なない。絶対に、認めてなど────。

「諦めな、ベアトリーチェ。お前の負けだ」

どこかで、怨敵の声が聞こえた。

「…ッ!!!戦人アアアァ!!!!」

最期まで全てを恨み、憎しみ、憤って、譲治…“ジョージ・ベアトリーチェ”は死んだ。
その最期を権兵衛は一瞥し、虚空へと独り呟く。

「因果応報、ですね。…精々私も苦しむとしましょう」

立ち上がる力を失い、権兵衛は草原へ倒れ込む。
無理矢理に楔を打ち込んだ様な銃創からは、黒紫色の血液がどろりと流れ出している。
立ち上がる事さえ出来ないのだ、この出血量では数分と保つまい。
いや、むしろこの出血で生き長らえていることそのものが驚きだ。
腐っても妖怪、ということか。

「人の身がどの様なものであったか…その記憶はもう私にはありませんが、妖怪というのも、案外に良いものなのかも知れませんね」

権兵衛は背中に乗っていた早苗の顔を思い出して、一人で笑った。

これで良かった。人殺しは妖怪、獣の役割でいい。
彼らには真っ直ぐなままでいて欲しい。
彼らは純粋だ。他人を疑うこともしない、ともすれば危険とも言える程に純粋だった。
それはこうした情け容赦の無い催しでは大きな枷となるだろう。
だが。
同時にこの荒んだ場においてこそ、その純粋さは一層大きな意味を持つ。
あの主催者達に立ち向かう時、何よりも必要なのは純粋に……ただ純粋に全てを信じることなのだから。
清々しい程に真っ白な彼らの戦に、小賢しい妖怪の居場所は無い。
だから、これで良かった。

(ああ…………でも、願わくばもう少し、一緒に居たかったですね)

もはや言葉を並べるだけの気力も体力も残っていない。
だが、最後に一つだけ、志を伝えよう。獣である自分が出来る最も単純な意思表示で…。

(東風谷さん、シャーロックさん、リュウセイ君。貴方達なら、きっと…)

自身の身体に残る最後の力を掻き集め、権兵衛は吼えた。
白昼、太陽の下で死に行く獣の放った叫び。
太く、長く、力強いその咆哮は、一匹の獣が死に絶えるまでその声を響かせ続けていた。



◆◆◆

67 ◆czaE8Nntlw:2013/06/20(木) 21:00:01 ID:qZ0/4aSE0



「ハァ、ハァ…ここまで来れば何とか…」
「大丈夫ですか?勝治くん」

息を切らしながら走り続けた勝治とシャロ。
何時の間にかあたりの地面は傾斜を持ち始めている。どうやら山に近づいているらしい。
周囲に人気は全く無い。

「もう…大丈夫みたいだ。少し休憩しようか」
「ええ、でも、私より勝治くんの方が…」
「はは……大丈夫、だよ。権兵衛さんと、約束したからね。シャーロックちゃんを守る、って……」

勝治は立木に身体を預けて、乾いた笑いを浮かべる。
その顔色は生者と思えないほどに白く。

「どう見ても大丈夫じゃないですよ!こうなれば秘伝の風邪薬で…」
「…………」
「…勝治くん?」

勝治は立木にもたれたまま、眠るように────死んでいた。


【松岡勝治@人造昆虫カブトボーグV×V】 死亡


「勝治くん!勝治くん!しっかりして下さい!!勝治くん!!」

勝治は死んだ。
だがまだ助かるかも知れない。ここで勝治を見捨てる訳にはいかない。
助けを呼ばなくてはならない。シャロはデイバッグの中にある支給品に手を伸ばす。
拡声器。
これを使えば助けは呼べる。どこにいるか分からないアルセーヌやリュウセイと連絡が取れるかもしれない。
だが、同時にオリーブ男のような危険人物も寄ってくるだろう。
どうすればいいのだろう。勝治を助ける事を優先すべきか、自分の安全を優先すべきか。
逡巡するシャロの耳へ、一つの声が響いた。
声というには少し荒々し過ぎる、獣の遠吠え。
シャロとて探偵の端くれである。その遠吠えを誰が発したのか、発した人物がどうなったか、容易に想像できた。
空気を切り裂いてその声を響かせる絶叫。それはやがて弱々しく変化して、やがて何も聞こえなくなった。
だがその咆哮に込められた意味と志は、縮こまっていたシャロの勇気を奮い立たせるには充分なものだった。

少しだけ震える手で、持ち手をしっかりと握り締め、その先端を虚空へと向ける。
キィン、というハウリングの音が辺りへ響いた。
もう迷っている時間は無い。シャーロックは覚悟を決め、空気を大きく吸い込む。
そして、ありったけの声量を拡声器に通した。

「────アルセーヌさん、リュウセイ君、聞こえますか?他の誰でもいい、これを聞いている人は助けて下さい!私の仲間が死にそうなんです!!」

その声は空気を振動させながら、辺り一面へとシャーロックの存在を宣伝していく。
この行為がどの様な結果を招くのかは分からない。
だがシャロはその全ての結果を受け入れようと、そう思っていた。



◆◆◆

68 ◆czaE8Nntlw:2013/06/20(木) 21:01:37 ID:qZ0/4aSE0



「随分とひねりのないレーザーですね!寅丸さんのレーザーに比べれば子供だましもいいところです」

迫りくるレーザーを寸前で回避し、御幣でボディーに打撃を一発。
どこぞのげんじんしん(しかも自称)とは違い早苗は正真正銘の現人神である。
おまけに自機キャラの経験まであるのだ、ある程度の戦闘能力は保障されている。
電光戦車が相手とはいえ、少なくとも遊星よりは善戦していると言えた。

(あの娘、素人だと思っていたが中々やるな。場数は踏んでいるようだ…こちらの男は全くの素人のようだが)

冷静に戦いを観察するムラクモの視線の先では、遊星が必死にレーザーをかわしている。

「遊星さん、避けてるだけじゃ戦闘になりませんよ!“ガンガンいこうぜ”です!」
「無茶を言うな!俺はただのメカニックだぞ!」

電磁サイリウムを手に、電光戦車と二人の戦いを観戦している海東は相変わらずの笑顔。
だがその裏には隠し切れない焦りを抱いていた。

(外部AIの効果は十分間…それまでに倒せればいいが…)

正直、普通の少女だと思っていた早苗があそこまで強いとは予想外だった。
もちろん現時点では電光戦車が圧倒しているが、外部AIの効果が切れてしまえば電光戦車はただの置物。
そうなってしまえば自分の切り札はなくなってしまう。

(電光戦車を置いて逃げる訳にもいかない…クソッ、誤算だった…)

油断していなかった、と言えば嘘になるが、それなりに注意は払ってきた。
だからこそ権兵衛を排除し、早苗が隙を見せた時を狙ったのだ。
完璧であるかのように思われた作戦の、小さな綻び。それはやがて大きな穴へと広がっていくのだが…海東はまだそれに気付いてはいなかった。

──外部AIの効果が切れるまで、あと7分。

(あの戦車…攻撃手段が前方に集中しているな…加えて、素早い機動は不得手のようだ)

一方、役立たずに思える遊星も戦闘の中で少しづつ情報を集めていた。
言うまでもないが、遊星の本職はメカニック。機械についてはお手の物だ。
そんな遊星だからこそ見抜けた電光戦車の弱点。

(恐らく後ろに回り込めれば、隙が出来る。そこをひたすら突いてやればどうにかなるかもしれん)

だが戦車の後ろ側には海東がいる。回り込んだところで、妨害されるのがオチだ。

(だが…やるしかない!!)

遊星は手にした包丁を一層強く握り締め、早苗へと叫ぶ。

「早苗!!アイツの弱点は後ろだ!俺が合図したら後ろに回り込め!」
「分かりました!“めくり”ですね、遊星さん」

返事を聞くよりも先に、海東へ向けて突っこんでいく。
レーザーと機関銃の弾丸が降り注ぐ中を必死に走る。
弾丸が手足を掠めていくが、気にしてはいられない。ひたすら突き進む。
ようやく海東の姿を捉えた。包丁を振りかぶったまま地面を蹴り、一気に跳躍。
このまま海東を抑え込む。チャンスは飛び掛かる、その一瞬だけ。

「行け、早苗ぇぇぇ!!!」

69 ◆czaE8Nntlw:2013/06/20(木) 21:01:53 ID:qZ0/4aSE0
──外部AIの効果が切れるまで、あと5分。

(電光戦車の弱点を見抜いた、か。あの男も只の馬鹿ではないようだな)

ムラクモはこの短時間の内に電光戦車の弱点を見抜いた遊星を静かに見つめる。
電光戦車の耐久力は凄まじい。だがその犠牲に機動力は著しく低く、咄嗟の移動にはついていけないという弱点がある。
どういう仕掛けかは分からないが、今戦っている電光戦車は従来型よりも強化されているらしい。しかし根本的な弱点は変わらないはずだ。

「秘術『グレイソーマタージ』!!」

遊星の合図を受けた早苗が宙を舞い、電光戦車を飛び越える。
着地と同時にスペルカードを宣言。機動の遅い電光戦車では振り向く隙も無い。
それを見越していたかのように大量の星が現れ、戦車へと突き刺さる。

「これだけやれば、少しは…」

だが、振り向いた戦車にダメージを受けている様子は無い。それどころか、未だに爆雷をばら撒き始めているではないか。

「まだ効いてないんですか!?硬すぎですよ!!」
(禁断の決戦兵器の力はこんなものでは無い。精々もがいて死ね、女)

──外部AIの効果が切れるまで、あと3分。

空中から落下する力を生かし、海東へ包丁の柄を叩き込む。
しかし遊星の試みは腕で防がれ、失敗に終わった。

「くッ!」

何とか体勢を立て直すが、受け身を取るよりも先に地面へと落下。

「どうした?反撃しないのか?」

悪意交じりの笑みで遊星を見下ろす海東。

「ああ、もちろんさせてもらう」
「それは良かった」

立ち上がろうとする遊星に腹パン。
怯む遊星に向けて海東は電磁サイリウムを振り上げ…

「そう簡単にやられるかよ」

そのまま地面へとうずくまる。
怯んだフリをして近づいてきたところへ強烈な頭突き。
海東は先程デルタイーグルに撥ね飛されている。常人ならば脳震盪を起こしていても不思議はない。
そんな状況で無理矢理に動いていたところへこの攻撃である、ともすれば気絶し兼ねない程のダメージを海東は受けていた。

「悪いが俺も喧嘩には慣れてるんだ。容赦はしないぜ」
「…いいでしょう。試してあげましょう、貴方の力を」

海東はサイリウムを、遊星は包丁を構える。

  デュエル・スタンバイ
「「決闘、開始!!!」」

──外部AIの効果が切れるまで、あと2分。

70 ◆czaE8Nntlw:2013/06/20(木) 21:02:28 ID:qZ0/4aSE0

「これだけやってるのに、倒れないなんて…」

立木の陰に隠れたまま早苗は呟く。
もう何度になるのか分からないほど攻撃したはずだ。
御幣で殴り、御札を投げつけ、弾幕を撃ちこんだ。しかしあの戦車に効いている様子は全くない。
相手の攻撃は激しさを増していくばかりだ。レーザーが何発掠ったのか、何度爆雷の爆発に巻き込まれたか分からない。
今の自分はきっと見るからにボロボロの酷い状態だろう。加えて弾幕もいつものような調子が出せないのだ。
果たして、自分はあの戦車に勝てるのだろうか。
自分の実力ではどうしようもできない相手。
その現実に、早苗の闘志は急速に尽き果てようとしていた。

「神奈子様、諏訪子様、どうかお力を…!」

──外部AIの効果が切れるまで、あと1分。

海東のサイリウムが遊星のキチガイじみたデザインの服を切り裂く。
負けじと遊星も包丁を振るうが、その刃は虚しく宙を切った。

「いい振りだな。攻撃的だ」

苦戦する遊星に対し余裕を見せる海東。
海東の変身する仮面ライダーグレイブは剣術を得意とするライダーである。つまり海東にとって刃物の扱いはお手の物。
一方の遊星は刃物に関しては全くの素人。差が開くのは当然だ。
何も出来ないまま、遊星の身体には切り傷が増えていく。
身体中の至る所から流れ出る血は遊星の視界を赤く染め上げていった。

(こんなところで終わりか…?)

ふと、そんな考えが頭をよぎる。
このまま、負けるのか。何も反撃出来ずに、このまま────。

「おい、遊星」

どこかで聞いたことのある声。

「お前はこんなところで終わるのか?」

聞き間違えるはずはない。この声は、鬼柳京介だ。
親友であり、敵であった男。そんな親しくて懐かしい友人の声。

(走馬灯、か)

もう自分は死ぬのだろう。
何も出来ず、海東に屠られて。

「遊星、お前はそれで満足なのか?」

当然、満足できるはずがない。
仲間を裏切り、殺し合う男を放っておけるはずがない。
一発でも殴ってやらねば気が済まない。

「じゃあ殴れ。仲間を裏切ったソイツを殴れ。お前が満足出来る結果を選ぶんだ、遊星」

その通りだ。
俺は、自分が満足する事を諦めていた。
このまま、満足できないままで負けてなどいられるものか!
何の為かなんて関係ない。俺は、俺の満足の為だけにコイツを殴るッ!!

「こんなところですかね。そろそろ死んで貰いましょう」

言って、サイリウムを構える海東。
遊星はその姿を眺めて、笑った。

「そうだよなぁ、京介。────満足、しようぜ!!!!」

回避の隙さえ与えない、凄まじいスピードで放たれた左フック。
顔面へと綺麗に入り込んだそれは海東の脳を激しく揺らす。
その威力は傷を負った海東の意識を吹き飛ばすには余りあるものだった。

「リアルファイトが下手なようじゃ、デュエリストとしてはまだまだだな」

──外部AIの効果、消失。

(戦車の攻撃が、止んだ…?)

外部AIの効果が切れた瞬間、電光戦車は機能を停止。
予想外の展開に早苗は驚きを隠せずにいたが、ムラクモは冷静に事態を把握していた。

(自律機能の停止か?いや、今までそんな事例は聞いたことが無い。…恐らくは外部からの操作が停止した、というところか)
「電池切れですかね…?電池の蓋がどこかに…ってそんなことより遊星さん!」

暫く電光戦車のボディーを撫で回していた早苗は頓狂な声を上げて遊星の元へと駆け寄っていく。
その場に残されたのはムラクモと電光戦車。

「…チャンスだな」

71 ◆czaE8Nntlw:2013/06/20(木) 21:03:26 ID:qZ0/4aSE0



「遊星さん、無事でしたか」
「何とかな。お前も無事みたいで何よりだ」

身体中を血に滲ませて、遊星は薄く笑みを浮かべる。
傷口は酷いが、出血量はさほど多くない。
手当てをすればなんとかなるだろう。

「海東さんは?」
「あそこで伸びてるよ」

海東は地面に倒れ伏したまま、ぴくりとも動かない。脳震盪でも起こしているのだろう。

「デイパックも回収しておいたし、とりあえずはこの男も満足に行動できないだろうな」

そう言いながらデイパックを早苗に渡し、遊星は立ち上がる。
身体は痛むがそれよりも勝治達の行方が気になるし、あの少年も気掛かりだ。
と、そこで遊星は重大な事実に気付く。
少年が居ない。
さんざん探し回った少年は、戦車と共にかき消すように消えていた。

「…おい、早苗?あの少年は」

どこだ、と遊星が問おうとした瞬間、空に刻み込むような吼え声が響いた。

「…この声って」
「ああ。…権兵衛、だろうな」

ついさっき話したばかりの相手。
ついさっきまで一緒にいた相手。
そんな人物が発した咆哮に、二人は戸惑いを隠せない。
そして、一拍置いてまた声が響く。

『────アルセーヌさん、リュウセイ君、聞こえますか?他の誰でもいい、これを聞いている人は助けて下さい!私の仲間が死にそうなんです!!』

二度目の声の主はシャーロックだ。
その声が告げていたのは仲間が死にそうだという悲痛な叫び。
権兵衛の遠吠えとシャロの救援要請。彼らに何が起こったのか、遊星にはそれだけで理解できた。

「もしかして、権兵衛さん達に何かあったんじゃ…」

もしかしなくてもそうに決まっている。
今すぐ助けに向かわなければ彼らは全員死ぬだろう。
だが、行方不明の少年もまた気にかかる。

(今は一刻も早く少年と合流したいところだが…見捨ててはいけないな)

行方不明の少年は気になるが、今は死にそうな仲間の方を優先するべきだろう。

「よし、行くぞ早苗」
「はい!」

遊星はデルタイーグルのエンジン音を聞きながら心の中で懺悔する。

(許せよ…少年)



◆◆◆

72 ◆czaE8Nntlw:2013/06/20(木) 21:04:01 ID:qZ0/4aSE0



一方、その少年は思いもよらぬ成果に気を良くしていた。
手に入れた電光戦車と外部AI。
電光戦車は自律機能が省略されているらしく単体で使用は出来ないようだが、外部AIなるパーツを取り付けることで稼働するらしい。
問題はその外部AIが機能を果たさないことだが、これについては元の持ち主から訊けばいい。

「おい」

気を失ったままの海東を蹴り起こす。
いくら体が縮んでいようが、相手は武器の無い怪我人だ。その気になればすぐに殺せる。

「……こんな子供が何の…っがあ!!」
「一つ質問だ。この外部AIはどうやって起動する」

悪態をつく海東の腕を踏みつけ尋問する。
海東は必死に暴れているが、その力はムラクモからしてみれば微々たるものだった。

「…何に、使うつもりだ。あの戦車は俺の…」
「質問をしているのは私だ。無駄口を利くな」

ムラクモの小さな足が海東の胸を踏みつける。
ごり、という音を響かせて肋骨が数本へし折れる。

「ぐわあぁぁ!!くそっ…外部AIは四時間に一度しか使えないんだ。また四時間後まで待つんだな」

海東は呼吸を荒げながらムラクモを睨み付け、少し笑う。
ムラクモはその笑顔にも、睨み付ける瞳にも反応せず、一片の感情も含まずに言った。

「そうか。ではな」

言って、海東へ電光弾を放つ。
たかが凡人風情に遅れを取るような雑魚を生かしておく理由は無い。
最も、強者であったとしてもどの道生かしておくつもりはないが。
海東の小さな叫び声を背中で聞きながら、ムラクモは歩き出した。



◆◆◆

73 ◆czaE8Nntlw:2013/06/20(木) 21:04:35 ID:qZ0/4aSE0



「嘘、ですよね…こんなの」
「…………」

遊星は早苗の震える背中に、何と声を掛けるべきか思案していた。

(予想は、していた。予想はしていたんだ……だが)

あの権兵衛があんな声を上げていたのだ。
非常事態には違いないとは思っていたが…こんな最悪の結末を迎えてしまったとは思いたくなかった。
赤と黒で染められた血の沼に倒れている男と権兵衛。
恐らくは相討ちだろう。いや、遠吠えを上げる余裕があった分、権兵衛が勝っていたのかも知れない。

(権兵衛がここにいるということは…勝治達は何処へ行ったんだ?)

権兵衛がここで死んでいるということは、勝治達もそう遠くへは行っていないはず。
だが、勝治達の姿はどこにもない。

(声を頼りに探すしかないか。だが…まずは早苗をどうにかしないとな)

権兵衛の死体を前に泣いている早苗へと声を掛ける。

「早苗…悲しむのはわかる。だが今はシャーロック達を探さないと危険だ」
「わかってます……分かってますけど…」

早苗はやはり相当なショックを受けているようだ。
最初から一緒に行動していた相手が死んだのだから無理もあるまい。
だが、シャーロックと勝治がトラブルに巻き込まれているのならば事態は一刻を争う。
できればすぐにでも出発したいのだが…少し発破をかけるとするか。

「早苗、権兵衛はシャーロック達を生かすために命をかけたんだ。それを無駄には出来ない。
ここでまごついてシャーロック達にもしものことがあったりすれば、それこそ権兵衛は無駄死にになる。違うか?」
「……でも」
「大丈夫だ。シャーロック達を見つけたらまたここへ戻ってくる。その時にみんなで一緒に権兵衛を埋めてやろう。な?」
「…はい」

目に涙を浮かべながら、早苗は頷いた。
そのままデルタイーグルに乗り込もうとするが、何かを思い出したかのように権兵衛の死体へと駆け寄っていく。
やがて戻ってきた早苗の手に握られていたのは、真っ白な羽。

「何をしてたんだ?」
「権兵衛さんの羽です。私と権兵衛さんは同じ世界から来ましたから、権兵衛さんの知り合いに伝えて…あげないと」
「そうか」

そうして、デルタイーグルは走り出す。
その小さくなる後ろ姿を、一匹の妖怪の亡骸が見つめていた。



◆◆◆

74 ◆czaE8Nntlw:2013/06/20(木) 21:05:09 ID:qZ0/4aSE0



森の中に並ぶ二つの骸。
何一つ動く者の無いはずの場所で、一つ声がする。

「ああ、今回は駄目だったよ。アイツは話を聞かないからな」

声の主はルシフェル。彼は携帯電話を手に歩いていた。

「いいんじゃないかな。アイツは少し暴走していたしね」

通話しながら、譲治の死体を見下ろす。
主催者側の人間が倒されたというのに、その声は落ち着いている。

「私のサポートが心配なのか?……いや、君の頼みは断れないよ。“運営は絶対”だからね」

そう言って電話を切ると、宇理炎を取り出して権兵衛の死体と見比べる。

「邪神になろうとしていた妖怪ならあるいは、と思ったが…遅かったようだ」

ルシフェルはそう呟き、指を鳴らしてその姿を消した。





【権兵衛@幻想入り】 死亡
【右代宮譲治@うみねこのなく頃に】死亡
【海東純一@仮面ライダーディケイド】 死亡

75 ◆czaE8Nntlw:2013/06/20(木) 21:06:05 ID:qZ0/4aSE0





【???/一日目・日中】

【ルシフェル@エルシャダイ】
[状態]:ダメージ(小)、鳩尾に打撲の跡と火傷
[装備]:新武器アズサ(破損)
[道具]:基本支給品、携帯電話、K´パッチ@MUGEN、宇理炎@SIREN
[思考・状況]
基本思考:主催側として殺し合いの進行役を務める
1:???
2:イーノックが死んだのか…残念だ…。
3:そういえばエレインも返して貰ってないな……。
※主催側の特別処置としてランダム品が5つ配られています。
※自分に課せられた制限に気付きました。
※通話の相手は不明ですが、少なくともサリーではないようです。




【E-02 E-03付近/一日目・日中】

【東風谷早苗@守矢一家コスプレ劇場】
[状態]:身体中に擦り傷と切り傷、疲労(中)、悲しみ
[装備]:小町の鎌@東方project
[道具]:基本支給品×2、 VGカード『幸運の運び手エポナ』@カードファイト!!ヴァンガード、権兵衛の考察メモ、電磁サイリウム(電池少)@COBRA THE IDOLM@STER 、
AT-4@魔法少女まどか☆マギカ、ランダム品2〜3個、権兵衛の羽
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いには乗らない。
0:権兵衛さん……
1:勝治とシャーロックを探す。
2:権兵衛を埋葬する。
3:神奈子様と諏訪子様が凄く心配。
4:守矢の巫女として信仰を集める。
5:あの少年はどこに行ったんでしょうか?
6:博麗神社は後で改めて訪れたい。
7:\  /
8:●  ● この会場では常識に囚われてはいけないのですね!
9:" ▽ "



【不動遊星@遊戯王5D's】
[状態]:全身に切り傷(軽傷、出血中)、疲労(小)、主催者達に怒り
[装備]:デルタイーグル@遊戯王5D's(操縦中)
[道具]:基本支給品×2、サイバーZ一号のベルト@真夏の夜の淫夢関連
ライダーズカード一式@仮面ライダーディケイド、沈黙の騎士ギャラティン@カードファイト!! ヴァンガード、
大量の玩具@現実、玩具を弄る為の工具@現実、武器になりそうな物@現実(包丁や鋸など)、無線機、
同行(アカンパニー)のカード@HUNTER×HUNTER×3枚、トンプソン・コンテンダー(0/1)@fate/zero、起源弾(65/66)
[思考・状況]基本思考:殺し合いの打破
1:勝治とシャーロックのもとへ向かう。
2:少年を捜索する。
3:ありがとウサギを止める。
4:先ずは首輪を解除する。
5:自分のカード達や仲間を探す。
6:田所に対する怒り、警戒。勝治を攻撃した誰かにも注意。
※勝治が今までしてきたことを聞きました。ただし、アルセーヌを覗き見してたことは聞いてません。
 また、田所(野獣先輩)が勝治に一服盛ったと思っています。
 また、ケンが生きてると言う勝治の説に疑心的です。
※勝治の首輪には不具合が起きていると推測しています。
※主催側に何か不都合な事が起きていると推測しています。
※権兵衛からリュウセイと少年(ムラクモ)の現状、危険人物の話を聞きました

76 ◆czaE8Nntlw:2013/06/20(木) 21:06:45 ID:qZ0/4aSE0





【E-03 山林/一日目・日中】

【シャーロック・シェリンフォード@探偵オペラミルキィホームズ】
[状態]:疲労(小)
[装備]:拡声器@東方M-1グランプリ
[道具]:基本支給品、手鏡@現実
[思考・状況]
基本:探偵として主催者を捕まえ殺し合いを終わらす。
1:誰かの助けを待つ。
2:リュウセイを追う。
3:リュウセイに勝治を会わせる
4:居るなら他のミルキィホームズや知り合いを探す。
※遊星の首輪と放送に関する考察を聞きました



【松岡勝治@人造昆虫カブトボーグ V×V】
[状態]:疲労(中)、頭部に打撲の跡、足に豆が出来た、ちょっと眠い
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、GOと10万円@真夏の夜の淫夢
サイバーZ二号のベルト@真夏の夜の淫夢関連
[思考・状況]
基本:殺し合いを止める。
0:…………。
1:リュウセイを追う
2:マミさん、リュウセイ、ケンが心配
3:田所(野獣先輩)を警戒
4:ケンは絶対生きてる
5:少年への軽い罪悪感
※遊星に今までしてきたことを話しました。ただし、アルセーヌを覗き見してたことは言ってません。
※田所(野獣先輩)が一服盛ったと思いこんでいます。
※放送には、嘘があると思っています。
※遊星と権兵衛の情報交換を聞いています。





【F-02 G-03付近/一日目・日中】

【ムラクモ@アカツキ電光戦記】
[状態]:貧血、疲労(大)、ダメージ(中)、右足に刺し傷(傷が開きました)、身体が十二歳程になっています
[装備]:六〇式電光被服@アカツキ電光戦記、十六夜咲夜のスカート
[道具]:基本支給品、マッド博士の整形マシーン、ポラロイドカメラ、電光戦車(ダメージ:中)@エヌアイン完全世界、外部AI(四時間使用不可)@MUGEN
[思考・状況]
基本:主催も含めて皆殺し。
1:さて、どうするか……。
2:無力な少年を装い行動する。
3:怪我の回復にも専念する。
4:外部AIが使用可能になるのを待つ。
5:オリーブオイルを入手しておきたいが……。




※E-02を中心として権兵衛の遠吠えが、E-03を中心としてシャーロックの声が周囲に響きました。




【トンプソン・コンテンダー@Fate/Zero】
衛宮切嗣の魔術礼装。
元は単発式の拳銃であるが、30-06スプリングフィールド弾仕様に改造されている。
使用する“起源弾”は切嗣の肋骨から作り出された特製の弾丸であり、被弾した者の魔術回路を「切断」し「繋ぎ合わせる」ことで
魔力を暴走させ、相手を傷つける効果を持つ。
ちなみに原作ではケイネス先生もお世話になりました。

【拡声器@東方M-1グランプリ】
毎度お馴染みのアレ。
出展に特に意味はなく、ごく普通の拡声器である。

77 ◆czaE8Nntlw:2013/06/20(木) 21:15:58 ID:qZ0/4aSE0
投下終了です。投下ミスによりご迷惑をおかけしました。

また、展開の都合によりwikiへの収録は四分割でお願いします。
タイトルはそれぞれ
>>60>>63「Operation TomodachiⅠ〜開戦〜」
>>64>>67「Operation TomodachiⅡ〜未来への咆哮〜」
>>68>>71「Operation TomodachiⅢ〜信仰はか弱き仲間の為に〜」
>>72>>76「Operation TomodachiⅣ〜闘争の支配者〜」

でお願いします。

78名無しさん:2013/06/20(木) 23:38:23 ID:hndOYcG20
おお、投下乙です
権兵衛…静かながらも熱い死に様だった
譲治…結局知的な犯人とはなんだったのか
ニーサン…安定の腹パンに台詞だったぜ
勝治…またお前か

そして拡声器を使ったシャーロックはどうなってしまうんだ
声さえ届けばリュウセイさんとアルセーヌは来てくれるだろうけど
近くにはジャギにケンシロウ、下手すりゃにとりも聞く可能性もあるしな…
果たして最初に辿り着くのは対主催かマーダーか
とても続きが気になる終わり方でした

79名無しさん:2013/06/21(金) 00:18:10 ID:8N7V8xWY0
投下乙です
おそらくこのロワ最高のボリュームで書かれていて面白かったんですがいくつか気になるところが
まず海東は前回の話では早苗とムラクモを利用しようとしていたのに、この話ではいきなり殺そうとしています
あとシャロはアルセーヌとは敵対関係です(アルセーヌの正体のアンリエットとは仲間ですが)
なので仲間感覚でアルセーヌを呼ぶことはないと思います
あと遊星の口調に違和感がありました

シャロと遊星は多少セリフなどに問題があるだけですが、海東は今の展開だとまずいと思います

80名無しさん:2013/06/21(金) 01:56:30 ID:AN2eHnb20
確かに遊星は鬼柳を京介とは言いませんね
あとニーサンもあっけなさすぎる気が…

何はともあれ投下乙です

81名無しさん:2013/06/21(金) 02:39:39 ID:7KGUjldA0
ニーサン、電光戦車に頼りっぱなしでグレイブに変身しなかったのは何でだろ?
まだ変身使用時間が来てなかったかな

82 ◆czaE8Nntlw:2013/06/21(金) 05:33:14 ID:8YEyYnNY0
多くの感想と指摘ありがとうございます

確認したところ、確かに矛盾点が多すぎるため書き直したいと思いますので、
この話は破棄ということで構いません
確認&把握不足によりご迷惑をおかけしました

83名無しさん:2013/06/21(金) 07:31:02 ID:tgVxNfS.O
>>82
書き直すってことはつまり破棄ではなく修正して再投下するってことでいいんですよね?
個人的には好きな点も多いので応援してます

84名無しさん:2013/06/23(日) 04:00:52 ID:Xvh7AUi.0
俺も応援してるぞ

85名無しさん:2013/07/03(水) 21:14:52 ID:ldvbxi2I0
かれこれ始まってから1年4ヶ月でまだ2回目定時放送ってのは随分遅く感じられるな
エルシャダイやあいさつの魔法もブームは過ぎ去ってしまったし
このペースで行けばゲーム終了まで実に4年以上掛かるし
終盤間際には他の人から見れば「誰だコイツ?」なキャラのオンパレードになってそうでなぁ

86名無しさん:2013/07/03(水) 21:46:47 ID:NMZS4hXM0
序盤はいいペースだったんだよ……
それに最近のニコニコは流行りのものが凄まじい早さで変わって行くし
仕方無い事なのかもしれない

87 ◆ei404TFNOs:2013/07/04(木) 00:40:25 ID:bN3nmrC60
遅くなりました。
ケン、星君、キルリアを投下します

88真実 ◆ei404TFNOs:2013/07/04(木) 00:42:51 ID:bN3nmrC60
「どうして人間の君が人間を殺そうとするんだい?」
 
 人間を探して歩いていると星君が言った。
 キルリアは最初、言葉に意味がよくわからなかったが、すぐに合点がいった。
 自分は今人間の姿をしている。会ったばかりの星君からすれば人間だと思って当然だ。

「星君。私は人間じゃないんです」

 キルリアはこれまでの経緯を星君に話す。
 人間の姿になった理由だけでなく、何故人間を殺したいと思ったかも。
 どうやら星君はキルリアを変身させた石が特に気になったらしい。石について質問をしてきたが、生憎キルリアにもこの石の事はよくわからなかった。
 そうして話し終えたところで星君が言った。

「キルリア。たなびたいことがあるんだ。ちょっと」
「はい?」
「一度でいいから、君の変身するところを」
「どうしてですか?」
「疑うわけじゃないけど一度見ておきたいんだ。君の本当の姿を」

 感情のない星君と違ってキルリアが人間じゃないという根拠は自身の証言しかない。だから一度見ておきたいと星君は思ったのだろう。そのことはキルリアにもわかった。
 しかし変身はやろうとしてやったことではなく、石に触ったら偶然起こったことだ。自分の意志でもう一度変身できるかはわからない。キルリアはそのことを星君に伝えた。

「でも、できる可能性もあるんだろう? 一回きりやってみせてくれれば、それで僕は満足するんだ。お願いだから……ねね、いいだろう?」

 そこまで言われては断るわけにもいかない。キルリアは石を握りしめて、元に姿に戻ることを強く願った。
 すると突然自分の身体が光を発した。人間に変身した時と同じ光。キルリアは自分の身体が小さくなっていくのを感じた。


● ● ●


 キルリアの発した光に星君は思わず目を瞑った。目蓋の上から感じる眩しさが消えたところで目を開ける。するとそこには見たこともない生物へと姿を変えたキルリアの姿があった。
 しばし、キルリアが自分の身体を眺めているのを待ってから星君は言った。

「それが君の本来の姿なのかい?」

 キルリアが視線を自分の身体からこちらへ向け言う。

「はい。そうです」
「じゃあ元の姿に戻ることはできたんだね。もう一度人間の姿になることはできる?」
「やってみます」

 キルリアがもう一度石を握り締める。先程と同じように全身が光り始め、それが収まるとやはり人間に姿になったいた。

「どうやらその石の力を使えば自由に姿を変えられる様だね」
「はい。これで私が人間じゃないって信じてもらえますよね」

 信じてもらえるのが嬉しいのか、キルリアが弾んだ声で言う。
 実のところ星君が変身を見たいと言ったのはキルリアが人間じゃないことを確認したかったではない。キルリアを変身させた石の力を見たかったからだ。
 キルリアの人間を殺したい理由を聞いたとき、内心星君はがっかりした。
 彼女の動機は突発的なものであり、些細な出来事で考えが変わりそうに思えたからだ。
 しかし石の話は興味を引いた。キルリアの姿を変え、力を与えたその石があれば自分も力を得ることができるのではないか?
 もし彼女の利用価値が低そうならば彼女を殺し、石を奪ってもいいだろう。
 だがそんな考えはおくびにも出さず、星君はキルリアへ返事を返す。

「ああ。一緒にドゥンドゥン人間を殺そう」
「はい」

 キルリアが答えた――瞬間。
 何かがこちらに向かってくるのが目に入った。何かは避ける暇も与えず星君の胸に当たり。彼の身体を大きく吹き飛ばす。
 星君を悲鳴をあげる暇もなく、一瞬の内に意識を失った。


● ● ●
 

「星君!」

 キルリアが叫ぶが星君から返事はなかった。キルリアは駆け寄りたい衝動を抑え、彼を襲った物体へと目を向ける。
 クワガタの様な形をした、人の手ほどの大きさの小さな青い車。一見玩具の様にしか見えないがそれが星君の意識を一撃で奪ったものの正体。
 車はクワガタの角をこちらに向けると、キルリアの頭目掛けて真っすぐ飛びかかってきた。キルリアは横に跳んでそれを避ける。車はキルリアの後ろへと飛んでいくと、そこに居た少年の前に降り立った。
 おそらく先程の話を聞いていたのだろう。キルリアは感じ取った。その少年が放つ燃え盛る炎の様に強い怒りの感情を。

「許さない。俺は絶対にお前たちを許さないぞぉぉぉぉぉぉぉ!」

89真実 ◆ei404TFNOs:2013/07/04(木) 00:45:36 ID:bN3nmrC60

 
 ● ● ●


 龍勝ケンは走っていた。まるで何かから逃げるように。いや、実際に逃げていた。先程まで一緒にいたお姉さん♂達から。
 いったい何故こんなことになってしまったんだろう。
 ダイナイマイツお姉さんと一緒に居ると思っていたら、いつの間にか筋肉ムキムキのおっさんと一緒にいた。何を言っているのかわからないだろうが、ケンにも何が起こったのかわからなかった。
 
「何でだ……どうしてこんな目に遭うんだ!」

 ケンは叫び、脇目もふらずただひたすらに走り続ける。だが足元への注意が散漫になっていたのか。足が木の根に引っかかり転んでしまう。

「うわっ!」

 受け身はとれたので痛みはないが歩みが止まってしまった。お姉さん♂達に追いつかれる恐怖に駆られ、後ろに振り向いた。

「……あれ」

 後ろにお姉さん♂達の姿は影も形もなかった。いつの間にか振りきれたらしい。
 安心したらどっと疲れが押し寄せてきた。そのまま立ち上がらずに木に寄りかかって座り込む。
 しばらくそこで休んでいると後ろから話し声が聞こえた。
 
「キルリア。たなびたいことがあるんだ。ちょっと」
「はい?」
 
 声からして話しているのは、おそらく男女の二人組だ。ケンは木の裏から覗きこむように顔を出す。
 少し離れたところに何か話している少年と少女がいた。少年の方は普通の服の上に何故か女物の服を着ている美少年だった。
 少女の方はおそらく中学生くらいの歳だろう。ダイナイマイツお姉さんの様なスタイルはないが、幼さを残した顔はかわいらしく、あれはあれでグッと来るものがある。
 彼女♂との思い出から一刻も速く逃げたかったケンにすれば、あの女の子は天が遣わした新しい彼女の様に思えた。
 立ち上がり彼女の方へ行こうとする。

「一度でいいから、君の変身するところを」
「どうしてですか?」
「疑うわけじゃないけど一度見ておきたいんだ。君の本当の姿を」

(本当の姿?)

 その言葉にケンは嫌な予感を覚えた。立ち止まり様子を伺う。

「でも、できる可能性もあるんだろう? 一回きりやってみせてくれれば、それで僕は満足するんだ。お願いだから……ねね、いいだろう?」

 少女が何かを握り締める。彼女の身体は光を発し、ケンは目を瞑った。少しして目を開けるとそこに少女の姿はなく、代わりにケンの知らない謎の生物が居た。

90真実 ◆ei404TFNOs:2013/07/04(木) 00:47:23 ID:bN3nmrC60

(な……なんだよ……これは?)

 その光景を見て、ケンには思い浮かぶ出来事があった。
 直前までニャンニャンしたいたダイナイマイツお姉さんがオッサンに変わったあの出来事。
 どちらも美少女が突然別のものになったという意味では同じ出来事。
 そう考えた時、ケンの脳内に電流が走った。
 単純なことだ。お姉さんも少女も違う何かが化けた姿だった。ただそれだけのこと。
 ケンは混乱するあまり、自分が幻覚でも見ていたのではないかとも思ったがそうではない。単に騙されていただけだったのだ。 
 ケンの中でお姉さん♂達への恐怖が消え、怒りがこみ上げてくる。
 だがふと考える。女に化けているのはあのオッサン達と今前方にいる謎の生物だけなのだろうか?
 自分は偶然にもそんな人物達に立て続けに出会ったのか?
 思えばこの三人を似ぞけば自分があった女は、田所を殺そうとしていた巴マミという女だけ。
 しかしとはろくに話もしていない。その正体が男が人外であった可能性も十分考えられる。
  
「そうか……そういうことだったのか!」

 ケンは全てを理解する。
 お姉さんや少女だけではない。この会場にる女は全て別の何かが化けたものだったのだ! 

「ゆるさねえ……」

 ケンの中でさらに強い怒りが沸き上がる。
 自分を騙し、弄んだオッサン達への、これから先誰かを騙すつもり謎の生物への、そしてこの会場に居る全ての、女に化けた者達への怒りが。
 ケンはエレクトリカル・スピードワゴンを構え正面を向く。そこではいつの間にか女の子の姿に戻った謎の生物と少年がなにか話している。だが怒りに染まったケンの耳にはまったく聞こえなかった。
 エレクトリカル・スピードワゴンの降臨を地面に擦りチャージをする。まず狙うの少年の方だ。あいつも女もの服を着ているのだからその手の輩なのだろう。先にあいつを倒してから謎の生物の方をボコボコにする。

「いけ。エレクトリカル・スピードワゴン!」

 憎しみの込もったチャージ・インでエレクトリカル・スピードワゴンを放つ。
 エレクトリカル・スピードワゴンは狙い通り少年の胸――女物の服を着ている部分――に命中。彼の身体を吹き飛ばしその意識を奪った。
 隙かさずUターンしさせ謎の生物へと跳びかからせる。だが、謎の生物は横に跳んでそれをかわした。
 ケンはエレクトリカル・スピードワゴンを自分の前で着地させ、再び謎の生物の方を向かせる。

「許さない。俺は絶対にお前たちを許さないぞぉぉぉぉぉぉぉ!」

 怒りに震えるケンの耳には放送の音もやはり聞こえなかった。

91真実 ◆ei404TFNOs:2013/07/04(木) 00:52:51 ID:bN3nmrC60

【H-04/1日目・日中】

【龍昇ケン@人造昆虫カブトボーグ V×V】
[状態]:疑心暗鬼 激しい怒り
[装備]:エレクトリカル・スピードワゴン@人造昆虫カブトボーグ V×V
[道具]:なし
[思考・状況]
1:目の前の謎の生物をボコボコにする
2:さっきのオッサン達もボコボコにする
3:その他の女に化けている奴らもボコボコにする

※松岡勝治が死んだと思っています
※正気に戻りましたが、錯乱しています
※この会場にいる女は全員、男か謎の生物が化けたものと思っています


 【星君@チャージマン研!】
[状態]:気絶、右手に野獣先輩のアレが付着
[装備]:金属バット@現実 、キリン装備@モンスターハンター
[道具]:基本支給品、双子シグナーカードセット@遊戯王5D's、謎の白い液体@THE 世界遺産、王宮内で手に入れた食料と武器、フランクのカメラ@デッドライジング、
射命丸のカメラ(30/30)@東方Project、士のカメラ(30/30)@仮面ライダーディケイド、射影機(30/30)@零〜zero〜、カメラのバッテリー@現実×2、十四式フィルム(30/30)@零〜zero〜×2、フィルム@現実(30/30)×3
[思考・状況]基本思考:母星や仲間のために殺し合いに乗る。
0:気絶中
1:キルリアを利用。使いないようなら石を奪う。
2:チャージマン研は最優先で抹殺する。
3:チャージマン研、アルセーヌ(名前は知らない)を警戒(特にチャージマン研)。
4:これから毎日、不意討ちしようぜ!
※参戦時期は不明。あとの人にお任せします。
※制限により姿は星君のままです。
※ジュラル星人には感情が無いので、キルリアは感情を読み取る事が出来ません。
※キルリアのコレまでの経緯を聞きました

【キルリア@ポケットモンスター】
[状態]:擬人化、ダメージ(小)
[装備]:地の石@仮面ライダーディケイド、 破魔の紅薔薇@Fate/Zero
[道具]:基本支給品
[思考・状況]基本:ラミエルさんの想いを胸に強く生きる
1: 目の前の少年を倒す
2:星君に協力する
3:チャージマン研を警戒
※キルリアは地の石の力によって擬人化しました。キルリアとしての能力は使用可能であり、人語も話すことができます。
 姿はこちらの動画の58秒のものに近いと考えられます。
 ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm12902621
 また、地の石を損失した場合、元のポケモンの姿に戻るでしょう。

92 ◆ei404TFNOs:2013/07/04(木) 00:59:20 ID:bN3nmrC60
投下終了です。遅くなってしまいすいません。
何かミスがあったら遠慮なく言ってください。
慌てて投稿したので誤字や脱字があるかもしれません。読みにくかったらすいません。
見つけたらwiki収録後に直そうと思います。

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96名無しさん:2013/07/04(木) 13:51:34 ID:g8VkO6eQ0
>>94
メアリーとか芳香のように参加枠に入れられなかったからと、支給品枠で出そうとするのあったなw

97名無しさん:2013/07/04(木) 19:58:39 ID:qgmWx4.IO
βのテルヨフ、変態小悪魔なんかもそうだったな

98名無しさん:2013/07/04(木) 20:16:27 ID:enwAqGdA0
翠星石なんかもな……
初代には銀様も居たしあいつに関しちゃ普通に参加者枠に居ても良さそうな感じだったのに
何故支給品なんだ

99名無しさん:2013/07/05(金) 06:10:43 ID:3I.fU2NU0
書き手になってみようかなーと思ったらホスト規制とか出て書き込めん
何かの巻き添え喰らってるみたいで残念だ

100名無しさん:2013/07/05(金) 11:04:42 ID:5I127ShE0
>>99
それはしたらばで予約ができないってこと?
巻き添えならしょうがないから本スレで予約してもいいんじゃない

101 ◆k5V1srvipM:2013/07/05(金) 20:26:40 ID:3I.fU2NU0
>>100
うん
問題なければルシフェル、ゆっこ予約します

102名無しさん:2013/07/06(土) 02:26:57 ID:Rou.dr/c0
最近予約が増えて嬉しい

103 ◆k5V1srvipM:2013/07/06(土) 05:34:01 ID:zJmiB0AI0
投下開始します
タイトルは「何だ!ルシフェルっていい奴じゃん!」

104 ◆k5V1srvipM:2013/07/06(土) 05:35:41 ID:zJmiB0AI0
「はぁ…はぁ……つ…疲れた…」
ゆっこがその場に膝をつく
「もうへばるの?間に合わないよ〜?」
「バリカンはロボットだからいいけど、私は人間なんだよ!走れば疲れるんだよ!」

文句を言いながらもゆっくりと立ち上がり、小走りで再び前へ進む。
実は走り出してから30分とたってない、距離にしてもせいぜい1エリア半分ぐらいである。
正直の所実はいい加減うっとおしいのでバリカンを途中で撒こうとしていたが、話し相手もいないのに走り続けるのはちょっと寂しかったのでやめた。
動けば当然、その分他の人に見つかりやすくなるが、このゲームが殺し合いであると伝えられている以上、それが必ずしも仲間になるとも限らない。
もっともこの12時間、このロボットと死体以外誰とも出会ってないのでそもそも人と出会えるかどうかも怪しい。

ゆっこはここで再び後悔をした。
誰だよこんな無茶な提案をしたの。はい、自分です。

船の方にも新たに問題がある事に気がついた。
14:00までに船に到着するだけでは駄目なのだ。
船に到着した後に船を操作し、尚かつ14:00までにH-01を脱出しなければならないのである。
というか着いてもゆっこには船の動かし方なんてわからなかった。
確定的な勝算など無い。無謀だと薄々気づいていた。

(でも…何もしないよりは…!
…後いい加減人に会いたいし)

_偶然なのだろうか?
 読み手の皆さんには現在位置表を確認してもらえるとわかるが
 現在ゆっこのいるC-06のエリアとH-01のエリアにある彼女とロボットの目的地、豪華客船エスポワール。
 これを直線でつなげると_

 なんということでしょう!

 どの参加者とも重なりません!
 神懸かりなぼっち!移動しても誰とも出会えない!
 特に理由のないぼっちがゆっこを襲う!


そんな事も知らずに走り続けるゆっこはお笑いだったZE☆


(´・ω・`) (´・ω・`) (´・ω・`) (´・ω・`) (´・ω・`) (´・ω・`)


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