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パラレルワールド・バトルロワイアル part2

417悪意と悪夢―聖杯と魔女 ◆Z9iNYeY9a2:2012/08/31(金) 16:34:15 ID:E5hoQQIY


「急いで!早くしないとあの影が追っかけてくるんでしょ!?」
「落ち着いて、今はあの影は付いてきてませんわ。だから焦らないで!」
「でもナナリーちゃんは……うわっ!」

泥の上に倒れた木々を踏み台にして進んでいく三人。

例の影をナナリーが引き受けたと言ってもゆっくりはしていられない。
足元の木々はゆっくりと泥に溶かされて消滅していっているからだ。

「あ、やばい!向こうの木、もうほとんど残ってない!!」
「そういえばマリさん、あれ、あの道具!!」
「え!これ?!」

次の木に飛ぼうとした時、その木はほとんど溶け掛けており、人一人乗ることもできそうになかった。
そこで真理はバッグからJの光線銃を取り出し、その木に向かって発射。
すると木はあのときのタケシのように固まり、三人が飛び乗っても大丈夫なほどには頑丈になっていた。

しかし、

「あれ…、次は…?」

そう、それが限度だった。その先の足場は踏み場もないほどに崩れていた。硬化させる以前の問題だ。

ドドドド、ドン

「偶然木が倒れましたわ。行きましょう」

と思っていると、突如木が倒れ新たな足場ができる。

(根元がボロボロだったのが幸いでしたわ)
「あの木もそれで硬くできます?」
「え、ええ。大丈夫、まだ弾は残ってる」

そうしてどうにか次に移ったもののあと少しのところで届いていない。
さらに、ここにきてルヴィアが体の不調を訴え始めた。

「大丈夫ですか?!」
「ええ、大丈夫ですわ…。少し魔力を――いえ、なんでもありませんわ」
「俺に捕まってください。出てこい、グレッグル!!」

タケシはルヴィアの体を支えて歩き、真理の安全をグレッグルに任せる。
が、今迂闊に動くことはできない。先に進めないのだから。
ここはナナリーが追ってくるのを待つしかない。そう思った矢先だった。

「な…、まだ、追ってきますの…?」

泥の中からあの黒い影がまたしても現れる。

「そんな…!じゃあナナリーちゃんは…」
「グ、グレッグル!毒針!!」

グレッグルはタケシの指示に従い口から紫色の針を吐き出すが、その進行を緩めることすらできない。

やがてそれの使役する無数の触手は彼らを捉える。
カイザの変身も間に合わない。

「うわあああ!!」






「リザードン、火炎放射!ピカチュウ、十万ボルト!ゾロアーク、気合玉!」
「グオオオオ!!」「チュウウウウウ!!]

諦めかけた時、影に向けて空から炎と電気と青白い球が降り注いだ。


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