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パラレルワールド・バトルロワイアル part2
374
:
hollow
◆Z9iNYeY9a2
:2012/06/06(水) 00:30:15 ID:cIIvhIGs
最初に襲いかかったのは士郎。
彼を狙ったことに特に意味はない。ただ目についたというだけだ。
「っ…!早い…!」
士郎は干将莫邪を構えて迎え撃とうとするもあまりの速さに対応が追い付かなかった。
それでもかろうじてその手の爪を受け止め切り返したが、それもあっさりとよけられてしまう。
「お兄ちゃん!!」
と、そんなキリカの横から魔力弾を撃ち込むイリヤ。既にその姿は魔法少女のものとなっている。
士郎の前に出て庇い、目の前の敵と向かい合う。
「後ろに下がってて!!
あなた、お兄ちゃんに手を出さないで!」
「へぇー、君も魔法少女だったんだね。
じゃ、君から殺すとしようか」
魔法少女であったという事実がキリカの注意を引いた。
それは士郎から気を逸らすことには成功したが、彼女の意識をイリヤが直接受け止めることになってしまった。
純粋かつ狂気に満ちた視線がイリヤに注がれる。
「………!?」
そしてそれはイリヤが恐怖を感じるには十分なほどのものだった。
『イリヤさん!』
「イリヤ!!」
近づくキリカに身動きが取れないイリヤを呼びかけるルビー。そしてイリヤの様子に気付き前に飛び出す士郎。
飛び出した士郎はその手の双剣を振りかざし牽制しようとした。
しかし魔法少女であるイリヤを殺すことを優先としたキリカは士郎を踏み台にすると同時に蹴り飛ばし、増した勢いのままその凶刃をイリヤに向ける。
吹き飛ぶ士郎と立ち尽くすイリヤ。
―ザン
「―――あ」
ルビー自身が作った障壁によりその爪が体を貫くことはなかった。
しかしそれでも守りきれなかった衝撃はイリヤの腕に深い傷を作っていた。
痛みと体から流れ落ちる生々しい赤い液体。それは恐怖で身をすくませていたイリヤをさらにパニック状態に追いやる。
思考が止まり、ルビーを取り落してしまった。
「ほらほら、ぼーっとしてると死んじゃうよ!!」
それでも敵は待ってなどくれない。素早い身のこなしでさらなる一手がイリヤにせまる。
「避けろ、イリヤーー!!」
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