したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。

平成仮面ライダーバトルロワイアルスレ2

994 ◆MiRaiTlHUI:2011/08/26(金) 15:42:48 ID:lxWSbRXo
 
「……これは仮説だが、翔一がアギトの“より強い力”を使った事で、変身制限が通常より早く消費されたのではないか?」
「なんか分かんないですけど、そういうのってありそうですね。自慢じゃないですけど、あのアギト滅茶苦茶強いですもん」
「そういう事、自分で言うかよ……」
「いやあ、だって。あの時言ったじゃないですか、まだ見せてない“とっておき”があるって」
「そういやそんな事言ってたっけ……あれ、あの赤い姿の事だったんだな」

 虎の化け物になった未確認との戦いの時、そういえばそんな事を言っていた気がする。
 あの時はそれが一体どんな能力であるのかなど皆目見当が付かなかったが、どうやらあの炎の姿の事を言うらしい。
 言われてみれば、確かにあの炎のアギトが纏った気迫は相当なものだったと思う。
 最後に放った拳の一撃も、かなりの威力を秘めていた事は想像に難くない。
 だとすれば、津上は何気にとんでもない強者と言う事になる、が。

「ちなみにあれよりまだ上にもう一つ強いのがあります」
「って、お前あれ以上まだ変われるってのかよ……!」
「はい。銀ピカの、とてもかっこいい姿になります」
「マジかよ!」
「マジです」

 そう言って、津上は自慢げに胸を張った。
 自分でかっこいいとか言うのはどうかと思ったが、もう慣れた。
 元から真司は楽天的な性格なのだ。だんだん津上の感覚が普通に思えてくる自分が居て怖い。

「でも、それってつまり、俺もサバイブになったら変身出来る時間が短くなるって事だよな」
「サバイブ? 何です、それ。なんか、何となくかっこよさそうな雰囲気の名前じゃないですか」
「ああそうだよ。俺だってな、サバイブになったらあのアギトに負けないくらいかっこいいんだよ」
「おっと、これは大きく出ましたね城戸さん。じゃあどうです、どっちの方がかっこいいか、一つ勝負でも」
「望むところだっつーの! サバイブの方が絶対かっこい――」
「いい加減にしろ」

 キバットの冷ややかな声だった。
 流石に二度目ともなると申し訳なくて、面目次第もなく感じる。
 それは津上も同じようで、ここへ来て漸く、真司と津上が二人揃って静かになった。
 何はともあれ、強化変身は制限が強化されるという仮説を立てる事は出来たのだから、この話し合いだって無駄ではない。
 今後戦う事があれば、サバイブにしろ、アギトの炎の姿にしろ、使いどころは考え無ければならないのだ。
 では、次に問題になるのは、これから何処へ向かうかである。

「で、どうする。小沢さんがどっちに向かったかなんてわかんないけど」
「うーん、それも適当でいいんじゃないですかね。なるようになりますよ」
「お前は相変わらずだな……そういうのも嫌いじゃないけどさ。キバットはどう思う?」
「どうせ何処へ行っても殺し合いだ。行くべき場所もないのなら、何処へ行っても同じだろうな」

 確かにキバットの言う通りだと思って、真司はうんうんと頷いた。
 誰がどっちの方向に向かって行ったかなんて、考えたってどうせ分かりはしない。
 それならば、何処へでもいいからとにかく進んで、手当たり次第に戦いを止めさせる。
 作戦も何もない行き当たりばったりな考えであるが、単純な性格をした二人には調度いいと思われた。
 米粒一つ残さず完食した真司と津上は、食器をキッチンのシンクに纏めて置いて、簡単な片付けを済ませた。
 その間も、津上との間には常に子供みたいな他愛もないやり取りが続いていて、退屈はしなかった。
 こういうタイプの男と話す事はあまりないが、存外相性はいいのかもしれないな、と思う。




掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板