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作品投下専用スレッド2

333二人だけの楽園 ◆auiI.USnCE:2011/07/09(土) 00:15:38 ID:pVfIZelM0








「小牧さん、やめるんだっ!」

僕は引き金を引こうとする、愛佳さんの手を間一髪で止めた。
小牧さんは、ゆっくりと振り返り、僕の顔をしっかり見つめて、


「…………直枝君…………やっぱ、だめだよぉ…………これは罰なんだ」


泣きながら、呻くように彼女は呟いた。
絶望に染まりきった顔で。
彼女は、罰と言った。

「一度でも、人を騙そうとした。その報いだよ……」

報い……報いなのか。
これが、こんな残酷な事が。
報いなんて……


「そうだ…………あたしは……もう穢れたんだもん……だから、やっぱり……」


穢れた?
小牧さんが?
大切に妹を思っていた彼女が……穢れた?


「きっと…………こんな残酷な世界に、あたしはいらない……んだ……」


彼女は、儚く、泣きながら、笑った。
その表情の小牧さんは、何処かに消えてしまいそうで。
僕の表情が歪んでいくのがわかる。


「だから、約束……護れそうもないや……ごめんね、直枝君」


そう、彼女は、哀しく言った。
この世界に居場所は無いと。
こんな世界で生きたくないと。
罪を背負い、穢れてしまった彼女は。
大切な人を失ってしまった彼女は。


――――死にたい、と願っていた。


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