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作品投下専用スレッド2

319未練という叶わぬ哀しい願い ◆auiI.USnCE:2011/07/02(土) 02:14:23 ID:ZOqvsygo0


「じゃあ、それでいいんです。未練があるなら、きっと十波さんは……」

それでも、風子は儚く笑う。
由真に、語りかけるように優しく、言葉を紡ぐ。


「未練の分だけ、哀しんで……そして泣けますから」


優しい言の葉。
哀しくて、切ない言の葉が由真の心に染み渡る。
そして、


「――――あーくそっ…………こんな事だったら」


頬に一筋の涙。
それは温かくて冷たい、不思議なモノ。
優しさと哀しさできた、とても尊いモノ。


「少しぐらい……話を……真剣に聞いてやっても……良かったかな……ねぇ――」


由真は手を宙にかざす。
祖父にひかれていたあの小さな手は、もうこんなに大きくなった。


「――大好き、だったよ」


想いを、ささやいた。
それは、涙と優しく溶け合い。


とても儚くて、悲しい光景が、其処に、あった。






     ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇






由真の泣き声が響いて。
そして、風子が、また何かを言葉を紡ごうとした瞬間。


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