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478死というものは ◆auiI.USnCE:2010/10/31(日) 06:48:07 ID:0nZ.GQvQ0




「手助け、感謝しますの。日向さん」
「別にいいよ……つーかサッサと逃げるぞ」

感謝の言葉を述べるすばるを尻目に俺は襲ってきた少女の武装を奪って、縛り上げた。
この少女には悪いが置いていくつもりだった。
ぶっちゃけ、面倒見きれねえ。
今、この場に居るのは不味い。
だからさっさと逃げた方がいい。
この少女を抱えて逃げる事は、ちょっと無理そうだったからだ。
まぁ、最悪死んでも蘇るだろうしな。
でも……

「でも、何で殺さなかったんだ?」

当然の疑問を投げかける俺。
殺した方が当面は安全だろうに。

「殺す訳無いですの。確かにこの少女は襲ってきましたの。でも、だからといって、殺す理由にはなりませんし」

なによりと彼女が恥ずかしそうに笑って。
頬をかきながら、それでも気丈に行った。


「誰かが死ぬところなんて……あたしはもう見たくないんですの」


ああ……そりゃあそうか。
そうだよな、俺もそう思ってたし。
……殺せば死ぬ所見ちまうし。
……何やろうとしてたんだ俺。
俺が居た状況は普通に考えれば、『異端』なんだから。
殺せば、蘇るとしても『死ぬ』
その遺体を見なければならない。
それは何よりも色濃い『死』なんだろうから。
きっとすばるはそれが嫌なんだろう。

彼女は気恥ずかしそうに、可憐に笑う。

「…………そりゃあ、そうだな」

……ああ、同感だよ。
俺も、見たくねえや。

結局の所、御影すばるという少女は、強くて。

そして自分を失わない、正義の心を持っている。


そういう事なんだろうと思う。


何か気恥ずかしくなって俺は笑ってしまう。
そしたら、釣られて彼女も笑った。
更に笑いそうになったその時、俺の目には、こちらに向かってくる人影が見えた。
もしかしたらすばるの放送を聴いて、襲い掛かってくる者かも知れない。
だから、俺は急いで

「ほら、さっさとずらかるぞ!」
「ぱ、ぱぎゅ! ちょ、ちょっと待つですの!」

すばるの手を持って駆け出す。
そして、今さっき決めた事を告げる。
彼女の考えに同感したからかもしれない。

「お前の正義ごっこ、手伝ってやるよ」
「ほ、本当ですか!? ありがとうございますの!」


……なーんか碌な事になりそうもないのはなんでだろうな。


……まぁ、それもいいか。


……お人好しだなぁ。俺って


【時間:1日目午後14時30分ごろ】
【場所: F-5】


御影すばる
【持ち物:拡声器、水・食料一日分】
【状況:健康】


日向秀樹
【持ち物:コルト S.A.A(1/6)、予備弾90、釘打ち機(20/20)、釘ストック×100水・食料一日分】
【状況:健康】





     ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


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