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0さん以外の人が萌えを投下するスレ
242
:
22-869 2/2
:2011/11/29(火) 20:25:21 ID:fM0mxOr2
『そんなこと、できるわけないじゃないか。僕は君が生きていてくれていることが嬉しいんだから』
「嘘だ!」
彼はその場に崩れ落ち、悲鳴じみた声で叫んだ。
「俺は…ここから逃げ出した!滅びることがわかってて、それでもなんとか食い止めようとするお前たちを見捨てて一人逃げたんだ!」
『今となっては、君の判断が正しかったんだ。あれこれ苦悩してみたものの、結局滅びは止められなかった』
それは、聞いたこともないほど優しい声音だった。
『君が自分を責める必要なんてないんだよ』
「俺を、恨んでないと?」
『そうだね…』
どこか遠くを見つめるような顔をして、恋人はつぶやく。
『恨んでるってことにしてもいいよ。だから…』
俯いた彼の頬に、細い指が伸ばされた。誘われるように顔を上げると、微笑む目に囚われる。
『たまには、みんなのために花でも持ってきて。それから、僕のことは忘れて、でも僕たちが滅んだことは覚えていて』
その言葉の意味を数秒考え、彼もまた笑った。
「お前らしい、無茶な注文だ」
『そう?』
悪戯っぽく首を傾げる恋人を見て、ただ頷く。
それを見届けると、恋人の姿はかき消えた。
再び誰もいなくなったその場所で、彼はつぶやく。
「誰が忘れるか」
そうして立ち上がり、また歩き出すと、
『君は本当に馬鹿だなあ』
そんな声が聞こえた気がした。
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