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代理投下・代理レス依頼スレ
178
:
◆jZCpcbFowc
:2013/02/05(火) 19:30:34
さるったのでこちらに
「あぁ、そういうこと。『空っぽ』の存在には、何もないんだものね」
ここに集められている存在は、全員が名前と記憶を剥奪されている。
放送の少年が言ったように、これでは魂の宿っただけの泥人形だ。
人形を心から喜びつつ破壊するなんて、楽しい筈がない。
人間レベルまで精密な作りをしているから乗ってあげるだけで、もしも本当の意味での人形相手だったらすぐにJはゲームを投げていたろう。
やはり、殺すなら人間だ。
殺人は、その人の生きてきた人生を奪うことに意義がある。
誰かが積み重ねてきた努力や物語を自分勝手な都合でぐちゃぐちゃに破壊して、絶望しながら醜く果てていく存在が愛しい。
「うふふ。どうやら私は、相当に性悪な女のようね」
見えてきた。自分の持っていた価値観が見えてきた。
自分は殺人鬼で、人を殺すことに快楽を覚える異常者だった。
そしてメインに殺していたのは――まだ思い出せない。
だが、自分は確固たる拘りをもって殺していた筈だ。
「仕方ないわ。さっさと思い出して、楽しい殺しをしましょう」
Jは美人だ。可愛いというより、美しいに部類される女だ。
しかしそれ以上に、異常だ。
殺人を嗜好する自分へ嫌悪するでもなく、むしろそんな自分を愛している。
「ところで、貴方は何者なのかしら?
私はあまり気が長い方じゃないの。早く用件を伝えて貰えないと、私激昂しちゃうかもしれないわね」
「用件など……一つだろう?」
Jの冷徹な視線の先、茂みから一人の穏和そうな青年が這い出てくる。
青い瞳が綺麗な、大人しそうな面影をしていた。
俗に『草食系』と呼ばれるだろう童顔な顔立ちは、少なからず女性の興味を引くだろう。
でも彼の目を見てJが抱いたのは、高まりだった。
恋ではない。もっと本能的な感情である。
「あら――貴方、見かけに拠らずやる気みたいじゃない」
青年の表情は、無表情だ。
何かに苦しむように口元を曲げたっきり、動かない。
数秒の間をおいて彼が口を開く。
「わたしは――戦いたくなんてないのだ。だが、殺せ殺せと何かが囁く」
「そう。不便な体ね」
青年は虚ろな瞳で、武器である短銃を構える。
彼が放つ感情は、悲痛だった。
こんなに悲しそうに、辛そうに銃を構える人間がどれだけいるだろう。
Jはしかし、彼へ紛れもない期待を抱く。
彼は最高の逸材だ。
強い弱いじゃない。
彼は恐らく――、自分と同じ『生粋』のシリアルキラー。
「それじゃあやりましょうか」
「そうしよう」
二人は簡素なやりとりの後、激突した。
失楽園最初の戦いが、穏やかに幕を開ける。
【参加者J/健康、コンバットナイフ】
【参加者?/健康、短銃】
179
:
◆jZCpcbFowc
:2013/02/05(火) 19:31:40
投下終了ですー
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