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代理投下・代理レス依頼スレ

78 ◆jZCpcbFowc:2012/04/02(月) 13:21:22
【名前】 夜桜方程(よざくら・ほうてい)
【性別】 男
【年齢】 21
【職業】 大学生、研究者見習い
【身体的特徴】 身長166cmと男性にしては小柄
【性格】 プライドが無駄に高く涙腺が緩い
【趣味】 実験
【特技】 集中
【経歴】 18の時に両親と絶縁して上京した。資金は偶然当てた宝くじ
【好きなもの・こと】 科学
【苦手なもの・こと】 運動
【特殊技能の有無】なし
【備考】 某有名大学に入学したはいいものの成績は低い。
     会心の論文を盗まれたことを未だに悔やんでいる



【名前】 狐神桐雄(きつねがみ・きりお)
【性別】 男
【年齢】 26
【職業】 警察官
【身体的特徴】 警官服、黒髪でアクセサリーの類はつけていない
【性格】 正義感が強くよく笑う
【趣味】 工作
【特技】 対人用の体術
【経歴】 初任の事件で功績を収め異例の速さで出世。
     しかしその事件で崩壊させた『サークル』の残党、樋之上壊に妹を惨殺されている
【好きなもの・こと】 家族
【苦手なもの・こと】 人死に
【特殊技能の有無】なし
【備考】 時空研究局の局長であり今回の争奪戦の総取締役


これにて投下終了です

79 ◆KIVA/FUoBo:2012/04/03(火) 16:39:05
何故か暇潰しに書いてたロワのOPやルールが出来上がっていたので新ロワ「趣味丸出しなオリキャラでロワ」を投下します。
運命ロワはこのまま続ける予定ですが、ブラッディーローズはある程度の構想を練ってからリスタートという形にしようと思っています

80Overture ◆KIVA/FUoBo:2012/04/03(火) 16:40:54
俺は今、夢でも見ているのだろうか?
この状況が夢でないなど信じられないし、夢であって欲しいとも強く願う。
夢なら早く覚めてくれ。こんな不気味な夢、別に見たくも何とも無い。

「御機嫌よう皆さん」

誰もが緊迫した表情で壇上の上にいる少女を見つめる。
そりゃそうだ、いきなりこんなことに巻き込まれたら誰もがあの少女が怪しいと思うだろう。
もちろん、俺もそう思っている。でなけりゃ少女はマイクなんて持ってないはずだ。

「あなた達には今からちょっとしたゲームをしてもらいまーす☆」

ゲーム? 大人数でやるゲームと言えば鬼ごっことかかくれんぼとかそういうものを思いつくが……何故か嫌な予感がする。
それは多分、あの少女の怪しげな言動とこの不気味な雰囲気に俺が呑まれているからかもしれない。
俺はまだ希望を捨てたわけじゃない。相手はまだ少女だ、きっと鬼ごっことかそういうのに決まってると信じたい。

「殺し合い……それが今から始まるゲームの名前でーすっ」

俺の期待はあっさりと裏切られた。
なんとなく嫌な予感はしていたが、まさか殺し合いだなんてな。
尤も、これも最悪な展開のうちの一つとして予想は出来ていたんだが、いざ本当にその予想が的中するとなると色々と困る。
参加者の大多数が驚きの声をあげている。当然といえば当然のリアクションだ。
本当なら俺も驚きたい場面なのだが、それはグッと堪えて我慢する。ある程度の予想がついていたから、他の奴らと比べて驚きが少なかったというのもあるかもしれない。
さて。驚きの声が止むとことは無かったが、それよりも一段と大きな『音』が会場に鳴り響いた。



ポンッ☆



そんなふざけた、この雰囲気にはあまり似合わない間抜けな音。
だが音量だけは無駄に大きく、当然、俺達の視線はそこに向くもので。

「……ッ」

そこにあったモノは、見るに耐えないものだった。
それは死体。首から上だけが綺麗になくなって、そこから血が溢れ出しているグロテスクな死体。
普段からそういうのに見慣れている人間にはダメージが少ないのかもしれないが、俺のような一般人にはかなりの大ダメージだ。
首から上のなくなった死体。それは本当にグロテスクだったが、それでも身内の人間にとっては大切な存在だというのには変わりない。

少女が泣いている。首から上のなくなった死体に駆け寄って、泣いている。
俺にはもうあの『死体』が『人間』だとは思えない。非情かもしれないが、もうアレは死体だ。生きてはいない。
壇上の少女は笑っていた。死体の傍で泣き喚く少女を眺めて笑っていた。
身体が熱い。他人が死んだだけだというのに、それだけで無性に苛立つ。
どうしてそう簡単に人を殺せる?人を何だと思ってやがる?

気付いた時には、俺の身体は壇上へと駆け登っていた。

「……どうして殺したんだ」

少女の胸ぐらをつかみ、問いかける。
まだ年端もいかない少女に暴力で訴えかけるというのは、男としては情けないことかもしれない。
でも、今はもうそんなことを気にしている場合ではない。
それに相手は人殺しだ。油断をしたら俺は間違いなく殺される。ここは、絶対に手を抜いたら駄目な場面だ。
もちろんこの少女が殺人をしたとは決まっていない。だが、あの気持ち悪い笑いを見れば疑いたくなるというのが当然だろう。

「うーん……」

少女は少し考え込むと

「皆さんがあまりにもうるさいから、それを黙らせるために一番うるさい人を殺しちゃいました☆」

ふざけた回答を寄越してきた。

「そんな理由で人を殺してもいいと思ってるのか?」

「もちろんです!」

「ふざけるな!お前は人の命をなんだと――」

「待て」

俺が言いかけると同時に首元に冷たい感触が伝わる。ナイフだ。ナイフが、背後から俺の首元に当てられていた。
あまりにも冷たいそのナイフは、人の命を刈り取るには十分過ぎる程の切れ味を持っている。実際こうしてナイフを首元に当てられたことは今までなかったが、こうして体験してみるとその恐ろしさがわかる。
これが本物じゃなくて偽物だったら、と現実逃避もしてみたがどうやらこれは本物のようだ。でなければここまで恐怖心を煽られることはないだろう。

「コイツに常識は通用しない。話すだけ無駄だ」

81Overture ◆KIVA/FUoBo:2012/04/03(火) 16:41:46

背後から聞こえる青年のような落ち着いた声。
だがその声は何処かに怒りや憎しみ、狂気を持っているような極めて危険なモノだと一瞬で判断出来る程に鋭く、圧倒的。
確かに、こんな何を考えているのかわからない、化物みたいな少女に何を言っても無駄かもしれない。それに、今ここで死ぬのは御免だ。
でも、ここで下がったらあいつの死は何になる?あの少女は救われないまま終わって、それでいいのか?
それに俺は殺し合いなんかに巻き込まれる気は毛頭ない。ここでこの可笑しな少女を捕まえて、それで終わりが一番だろう。

「俺の名前は星野月夜。全参加者中最強を誇る人間だと自負してはいるが、それでも目の前の化物には及ばん。
……それにコイツは俺の獲物だ。貴様のような雑魚にやるつもりはない」

「獲物とは言いますねー、月夜さん。
天人君もわかったら元の場所に戻った方がいいですよぉ?」

怖い。

それが、ついさっき、俺の持った感情だった。
憎しみだとか怒りだとか、そういう類の感情は一切消えて『恐怖』という感情だけが心に残る。
何故かはわからない。普通に話しただけなのに、今の少女の言葉には今までに無い威圧感が感じられた。
月夜と名乗った男はナイフを仕舞って元の場所に戻り、俺も壇上から降りる。
俺のあまりもの格好悪さにブーイングをする奴も出てくると思ったが、そんな奴は一人も居なかった。
あの少女は「うるさかったから殺した」と言った。ブーイングをしたからという、くだらない理由で死ぬ奴がいるわけもないか。

82Overture ◆KIVA/FUoBo:2012/04/03(火) 16:42:53
「ではでは皆さん、足元に置いてあるデイパックを開けて説明書を取り出してそれを読んでみてくださーい☆」

デイパックに入っていた説明書。
そこには幾つかの注意事項やルール説明が書いてあったが、その内容は人の命を『ゲームの駒』としか扱っていないようなものだった。
一応は生き残って元の場所に帰る方法も記されてはいたが、それは自分以外の人間を殺さなければ実行できそうにないものだ。
つまり、自分達が平和な日常に帰るには嫌でも殺し合いに参加しなければならない。
それに加え、五時間に一度、多数決を行なって最も票が集まった人間は死刑にされるらしい。
多数決で自分が票を入れた人間が死刑になるということは、自分がそいつを殺したのと同じだ。
ゲームに乗らなくても必ず誰かを殺さなければ生き残れない。このゲームを考えた奴はそう言いたいんだろう。
多数決に参加しなければ自分が死刑になるとも書いてある。生き残りたいなら意地でも誰かを殺すしか無いようだ。

「わかりましたかぁ?わからないことがあれば質問も受け付けますよぉー」

とぼけやがって。
わかるかわからないかとか、これはもうそういう問題じゃないだろ。
いきなり殺し合いを強いられて、誰かを殺すのを強いられて、それをいきなり理解しろだなんて無茶がある。
それに頭ではわかっていても、自分が誰かを殺すことなんて想像したくない。
必ず誰かに殺意を向けなければ自分が死ぬだなんて、そんな出鱈目なルールをそう素直に受け止められるかよ。

「はい……」

巫女服を着た可愛らしい小柄の少女がおずおずと手を挙げる。
さっきの惨劇を見たせいか瞳には涙を浮かべているようにも見えるが、それでも質問をしたいということはよっぽどのことなんだろう。
それが俺や他の参加者にとって有益なものになるのかどうかはともかく、この少女の勇気は褒めてやって良いと思う。

「睡蓮くん、質問をどうぞー」

くん?あの少女のことだから『ちゃん付け』だと思ったら男でもないのに『君付け』して呼ぶんだな。
まあ、そんなことは今はどうでもいいことだ。今はとにかく巫女服の少女の言葉に耳を向けよう。

「あの、参加者毎に割り振られている点数はどうしたら下げられるんですか?」

点数。説明書に書いてある『ポイントシステム』のことか。
人を殺せば殺すほど点数が溜まっていき、自分が溜めた点数に応じて色々な利益がある。死者の蘇生まで出来るというのだから、とても信じられたものではないが。
だが、大切なのはそこじゃなくて『特定の人間を殺すと一気にポイントが溜まる』ということだろう。
俺のような一般参加者は30点――良くも悪くも普通で、特別高いわけではない。
でもそれは俺みたいな一般人だけの話であって、一部の参加者は特別に点数が高い奴がいる。さっきの月夜なんかだと一度殺すだけで100点も貰えるらしい。

今回質問をした巫女服の少女の名前は『睡蓮』らしい。『睡蓮』は一度殺すだけで70点も貰えると書いてある。
そして100点溜まればそれなりに良いご褒美が獲得できる。
つまりは70点である睡蓮と誰かを殺せば最低でも100点になるわけで、必ず褒美が貰えるということになる。
俺みたいな奴にはあまり気にならないこのシステムだったが、どうやら高得点が与えあられている張本人にとってはかなりのプレッシャーになってるらしい。

ちなみにこの点数は五時間に一度の多数決後に変動するらしい。
だから睡蓮と呼ばれたあの少女は『点数を下げる方法』を聞いて点数を下げようと思ったんだろう。

「死ねば下がると思いますよぉー」

……まあ、予想はしていた。
この少女は最初から真面目に質問に答えるつもりなんてなかったのだろう。
とは言え、『点数を下げる方法』という頼みの綱と自分の顔まで割れてしまった睡蓮にとって、この答えはかなりの痛手だ。
わざわざあの少女が名前を呼ぶのには、こういう理由もあったのかもしれない。事実、この短時間で月夜と睡蓮という高ポイントを持つ参加者二人の顔が割れた。
そしてわざわざそんなことをしてまで参加者に狙わせたいということは、もしかしたら高ポイントの参加者達は何らかの手掛かりを掴んでいるのかもしれない。特に月夜は言動からしてあまりにも怪し過ぎる。

83Overture ◆KIVA/FUoBo:2012/04/03(火) 16:43:36
睡蓮は少女の答えにしょんぼりと俯いて「そうですか……」と言って、その場で黙り込んだ。
これは間違いなくヘコんでいるな。少しばかり同情してやりたい気分だが、今はそれどころじゃない。
と言っても、は自分のことで精一杯で誰かに同情してやる暇なんて無いというだけの単純な理由なのだが。


「もう質問はないですね?それじゃあ転送開始ですぅ」

は?
何を言ってるんだ、コイツは。いきなり転送開始とか言われても意味が――――

ふと気付いた時、俺は何処かもわからない場所に辿り着いていた。
なるほど、そういう意味だったのか。なにがなんだかわからないが、とにかくあの少女が有り得ない技術を持っているというのは間違いないらしい。

【獄石恵――――死亡】


オリキャラ解説
【日草天人】
17歳。学生。身長170cm程度。正義心と人を思いやる心が少しだけ強いだけの極々普通の少年。
困っている人を放って置くことが苦手で、なんだかんだで助けてしまうことが多く、厄介ごとに巻き込まれることが多い。
所謂ラノベ主人公タイプ

【星野月夜】
17歳。学生。身長は天人とあまり変わらない。
過去に一族を抹殺されており、復讐に燃える復讐鬼。異常なまでの自信家でもある。
能力は血液を自由自在に操るというモノ。能力自体は大したことは無いが応用が効く。
人外と対等に渡り合える程の戦闘技術と常軌を逸した殺人技術を有しているが、力はあまり強くない。
学生ではあるものの『星野』という一族の関係上、裏の世界にある程度通じており、殺人を行ったことは数えきれない程ある。
得意な武器は持ち運び便利で殺傷能力も高いという理由でナイフ。苦手な武器は刀のような無駄に重くて長いモノ。
その他、様々な謎があるがネタバレになりそうなので今は自重。色々とぶっ壊れているが種族はあくまで『人間』である

【雪柳睡蓮】
15歳。巫女服を着ているが男。見た目は女にしか見えないが列記とした男である。
陰陽師とイタコの能力を有しており、才能は全参加者中トップクラスだが、ヘタレ。
ちなみに巫女服を着ている理由は『女として育てなければ危険な災が襲いかかる』と予言されたことがあるからである。
故に本人は自分が男だという自覚があまりない。

【獄石恵】
見せしめ。宝石が大好き。何故か彼女の首輪にだけダイヤモンドが埋め込まれていた。

84 ◆KIVA/FUoBo:2012/04/03(火) 16:44:39
続けて第一話を投下します

85Monster ◆KIVA/FUoBo:2012/04/03(火) 16:45:22
大人数を一箇所に集めての殺し合い……アニメやドラマではよくあることだが、実際に自分がこんなことに巻き込まれるとは思っていなかった。
というより、未だにあまり殺し合いの場にいるという実感がない。
さっきは怒りに任せて少女の胸ぐらを掴んだ俺だが、今にして思えば何であんなことをしたんだ、と思う。
もちろん誰かが死ぬというのは愉快なことだとは思えないし、俺には誰かの死体を見る趣味があるというわけでもない。
だが、これは本当に現実なのか?夢じゃないのか?
月夜や少女から感じた恐怖は今でも忘れられない程のものだったが、だからと言ってこれが現実だとは限らない。

これが夢だという可能性は大いに有り得る。
いや、これは夢だ。でなければ人があんな簡単に死ぬわけがない。
それに俺みたいな一般人を巻き込んでもあの少女には何の利益もないだろう。
だから夢。そう思いたい。

「……ったく、俺は何を考えてるんだか」

夢だとは思いたいが、頭では既に理解してしまっている。
これは間違いなく現実だ。あの時感じた恐怖は、本物だった。
あの冷たいナイフの感触は、夢のものではなく間違いなく現実だった。
人間なんて簡単に死ぬものなんだ。心臓を刺さされるだけで、首を切断されるだけで、血液が大量に吹き出すだけで、頭が無くなるだけで人間は死ぬ。
もしあの時、月夜が俺を止めてなければ間違いなく俺は死んでいた。多分、あの死体と同じモノになっていた。
いつの間にか俺につけられていた首輪、それが今は異常に重たく感じられる。

他の参加者も皆、俺と同じ気持ちなのかもしれない。
特にあの『睡蓮』って子は70点という高得点をつけられている上に顔までバレている。
同じ高得点でも月夜はあまり緊張してなさそうだったが、睡蓮の精神的な疲労は相当なものだろう。
そう考えると、他の一般参加者と変わらない30点な俺はまだマシな方かもしれない。

だが、だからこそ5時間に一度の多数決が心配でもある。
俺は他の一般参加者と変わらない30点ではあるが、さっきは異常に目立ってしまった。
俺が高得点なら殺して点数を得るためにも多数決で殺したりはしないだろうが、俺は30点なのだ。
30点の人間なんて腐るほどいるし、これだけの人数がいれば俺のことを心地よく思ってない人間も何人かいるのは間違いない。

そして、自分から死にたいと思う人間なんて滅多にいない。俺だって死にたくない。
人間は自分が生きるためなら何処までも非情になれるって何処かで聞いたことがある。
確かにその考えは間違っていないと思うし、俺も自分が生きるためなら誰かを殺そうとするかもしれない。
だからだ。だからこの状況で目立つのは不味かった。

このままでは間違いなく、俺は死ぬ。
目立ちすぎた『低得点者』は格好の的だ。
あれだけ目立ったんだから最低でも一人は投票するだろうし、自分が死にたくと思ってる人間も俺に投票するだろう。
それが当然だ。そう考えないほうがおかしい。

だから俺は、この5時間で『さっきの失態をひっくり返すくらいの何らかのアクション』を起こさなければならない。
一番手っ取り早いのは、誰かを殺しまくって自分の存在をアピールし、高得点者になるということだ。
どうすればポイントが上がるのかはわからないが、レートが変動するということは多分、活躍すれば活躍するほどポイントが上がるようになってるんだろう。
幸い、レートの変動は五時間毎に行われる多数決の前に発表されるようになっている。
この五時間で参加者を殺しまくれば……それこそ月夜レベルを殺せば間違いなく『一般参加者』のレベルではなくなるだろう。

「とは言っても、俺が月夜を殺せるわけがないよな……」

アイツのあの時の殺気は本物だった。
俺みたいな一般参加者がいきなり化物を殺すなんて、それこそ奇跡でも起こらなければ無理だ。
それに俺には誰かを殺そうという気持ちがあまりない。というより、誰かを殺す勇気が無い。
誰かが死ねば、必ず誰かが悲しむ。そして悲しみは憎しみを生んで、憎しみは新たな悲しみを生む。
……そんな虚しい連鎖を俺が原因で起こすのは御免だ。

そうなると、他の手段を考えなければならない。
と言っても人を殺す以外で点数を上げる方法なんてとてもじゃないが思いつかないし、点数を上げる以外の方法で多数決で票が集まることを避ける方法もあまり思い浮かばない。

86Monster ◆KIVA/FUoBo:2012/04/03(火) 16:46:04
「貴様……いつまで逃げるつもりだ!」

ドゴォ! 大きな音をたてて、森林伐採が行われた。
うん、夢だなコレは。機械や特別な道具を使わずに何本も木をなぎ倒す人間なんているわけがないからな。
夢で良かった良かった。めでたしめでたしだ。
何か厳つい顔をしたお兄さんがこっちに近づいてきてる気がするけど、気のせいだよな、気のせい!

「もう逃がさん」

いかにも危険なオーラを出して殺気満々だけど、きっと気のせいだよな……。
俺は何もしてないし、ここで色々と考え込んでいただけだ。
あんな危ない感じのお兄さんと関わってなんて一切ない!逃げるなんて言っても誰も逃げてなんか――

「こっちまでおいで、あっかんべー」

!?
いや、俺は何も言ってない。何も言ってない……はずだ。
さっきのは幻聴か何かだろう、きっとそうだと信じたい。

……いや、でもよく考えてみろ。
突然過ぎて色々と戸惑っていたが、声が聞こえたのは俺の背後からだ。
そしてあの、いかにもな感じの厳ついお兄さんは『逃げるな』と言っていた。
つまり――

「やっぱりそういうことか」

後ろを見てみると、俺より何歳も年下に見える小柄な少女がアッカンベーをしながら挑発していた。
なるほど、コイツが俺の背後で挑発をしまくってたから俺がこんなわけのわからん状況に巻き込まれていたということか。
色々と言ってやりたいことはあるが、厳ついお兄さんとの距離は縮むばかり。どうやら、呑気に話している時間は無いみたいだ。
あまり乱暴な真似はしたくないが、俺はまだ死にたくない。
それに俺より少し年が上程度の男がか弱い少女を追い掛け回す、というのはあまり良いことだとは思えない。
尤も、ここは殺し合いの場なんだからそういう目的があるってわけではないんだろうけどな。それでも子供を優先して狙うのは情けない。

だから俺はデイパックに入っていた木刀を取り出し、構える。
誰かのせいで巻き込まれる、というのはあまり良い気分ではないが子供ばかりを狙う大人というのも見るに耐えん。
それに子供が殺し合いに参加する、というのは明らかに間違っている。死ぬにはまだ早すぎるだろう。

「何だお前、やる気か?」

「……子供を見殺しにするというのは少し気が引けるんでね。あんたには悪いが、ここで少し気絶していてくれ」

男の走る速度が速くなってきた。
相手は武器が無いから自分だけ木刀を使うというのもどうかと思うが、状況が状況だ。
俺も木刀を強く握り締め、前へと走っていく。
何でこんなことをしているのかは自分でもわからない。
だが、走ってきている相手にじっと待っているのは不利になると思ったのかもしれない。

そして俺の木刀は、見事に相手にヒットした。
しかも当たった箇所は頭。ゲームで言うならばクリティカルダメージだ。
これでひとまず、安心だろう。頭にこれだけの衝撃を受けて無事でいられるわけがない。

87Monster ◆KIVA/FUoBo:2012/04/03(火) 16:46:34
「何だ、この程度か」

そう、普通の人間ならば無事でいられるわけがない。
俺は忘れていた。この場所には月夜のようなとんでもない化物も潜んでいるということを。

不意に俺の腹を衝撃が襲う。有り得ない程の衝撃を受けた身体が宙に浮かぶ。
わけがわからない。これが人間の握力か?
そんなわけがない。あまりにも常識外れなその攻撃は、人間の限界をとっくに超えている。
ただ腹を殴られただけ。それだけで、どうして俺の身体がぶっ飛ばされてるんだ?
フィクションの世界では普通な出来事だが、現実でこんなことが起こるなんて想像したこともない。

「ぐあっ……!」

落下する。
宙に浮かんでいた俺の身体が、地面へと落下する。
有り得ない程の衝撃。骨が何本か折れたかもしれない。
激痛に耐え、男の居た場所に視線を向ける。
だが男は男ではなくなっていた。いや、男ではないというより『本物の化物』になっていた。

男には竜のような尻尾が生え、腕には竜の鱗のようなものが浮かんでいる。
もはや人間ではない。正真正銘、疑いようもない『化物』だ。

「く、そ……」

木刀には手が届かない。吹っ飛ばされた時に落としちまったようだ。
残る武器は、一丁の銃。弾丸は既に込められている。
銃の威力は絶大だ。人間なら一撃で殺すことが出来るだろう。
でも、効くのか?あんな化物に銃なんかが効くのか?
仮に効いたとして、もし銃が効いたら俺はアイツを殺すのか?

化物と少女との距離が縮んでいく。どうやらあの化物は俺の前にあの少女を殺すようだ。
どうする?
今、俺が引き金を引けば化物が死んであの子は助かるかもしれない。
今、俺が引き金を引けばあの子が助かる代わりに俺は人殺しになるかもしれない。

「ハハハ、無駄な足掻きだったようだな」

化物が嗤う。目に涙を浮かべて今にも泣きそうになっている少女を見て嗤う。
いや、もう泣いているのかもしれない。
自分を追いかけていた男が化物で、自分が今その化物に殺されそうになってるんだから当然か。

俺はまた見殺しにするのか。
また誰かの『死』を見なければならないのか。
もう懲り懲りだ。誰かの死を見るのは懲り懲りだ。

――――まだチャンスはある。

今はあの時とは違う。
あの時は何も出来ずに、気がついたら死んでいるだけだった。
でも今は違うだろ。今は俺が引き金を引きさえすれば助かる可能性はあるんだ。
逃げるな。引け。
これは殺し合いだ。逃げるな。見捨てるな。
もう嫌なんだろう?誰かが死ぬのを見るのは。

「こうなったらもう、仕方ないよな」

銃を構える。
手が震える。さっきまでよりも銃の重さが増しているような錯覚に陥る。
俺は人を殺すのが怖い。ものすごく怖い。
別にあの子が死んでも、俺は何の損もしないだろう。俺はあの子のことなんて全然知らないし、あの子も俺のことなんて全然知らない。赤の他人だ。
でも、もう目の前で誰かが殺されるのは見たくない。他人とかどうとか関係なく、もう見たくないんだ。

「俺を、恨むなよ……!」

そして俺は引き金を引いた。
大きな銃声の直後、化物の身体から血が吹き出す。
でもまだ倒れない。だからもう一発撃つ。
まだ倒れない。なら倒れるまで撃つ。
殺すつもりはない。ただ気絶さえしてくれれば、それでいいんだ。

「小僧、貴様……!」

化物が俺の方へと近付いて来る。
残る弾丸は一発だけ。
でも、なんでだろうな。何故かわからないが、今の俺は有り得ない程冷静で、そして冷徹だった。

俺はただ待ち構える。
遠距離からだと確実に狙い撃ちすることは出来ないが、近距離ならば威力もデカい上に上手く行けば狙った通りの場所を撃ち抜くことが出来る。
いや、撃ち抜く。そうでないと俺が死ぬ。
俺はまだ死ぬのは御免だ。少女を見殺しにするのも御免だ。

「うおおおおおおお!!!!」

大袈裟に大きな雄叫びをあげて化物が俺に殴りかかる。
でも、既に遅い。その手が俺に届くことはない。

「悪いな。俺もまだ死にたくないんだ」

銃声が鳴り響き、化物の瞳から大量の血が吹き出す。
生温い温度の血液が俺の手にベットリと付着する。

88Monster ◆KIVA/FUoBo:2012/04/03(火) 16:47:17
化物の拳が俺に当たることはなかった。
片方の目を潰すだけで、バランス感覚を狂わせるには十分だ。
それにコイツには何発も銃弾を浴びせてある。殺し合いをするには、あまりにも致命的過ぎるダメージを与えられた筈だ。
そして最後の一撃は精一杯の力を込めた一撃だったんだろう。盛大に空振りした直後、化物は地面に倒れて『人間』になった。


俺が初めて銃で何かを撃った感想は、『気持ち悪い』だった。
半殺しとはいえ、誰かを殺しかけるというのは、やっぱりあまり気持ち良いものではない。

銃弾は全部使い切ったが、とりあえずあの化物を止めることが出来たんだから良しとしよう。
我ながら本当に危険な賭けだったとは思うが、勝てたんだからそれで良しだ。
一応、木刀は回収しておくか。武器が無いよりはまだマシだし、相手が化物でなければ十分頼りになる武器だ。

「お兄ちゃん……」

化物に追われてた子が俺をやたらと心配そうな目で見ている。
怖いのか、心配なのか。どっちなのかはわからない。
でも、この子が死ななかったのは事実だ。
それに、あの化物もまだ死んではない。気絶しているだけだろう。
これが俺のやり方だ。それが殺し合いに向いていないというのならそうかもしれないが、誰も死なないならそれでいいじゃないか。

「怪我はなかったか?えーと……」

「希だよ。それより、お兄ちゃんは大丈夫?」

「そうか。怪我はなかったか、希」

「うん!」

そう、誰も死ななくて済むならそれでいい。
多数決は心配だが、この調子でいけば誰かが死ぬ必要はなくなるかもしれない。
まだ具体的な案は無いけど、それなら五時間以内に殺し合いを打倒してやるだけだ。

それにしても、頭がクラクラする。
あれだけの大ダメージを受けたんだから当然か。今こうして立っているだけでも奇跡的かもしれない。

「お兄ちゃん……?」

視界が霞む。希の言葉があまり聞こえない。
だが、まだ大丈夫だ。あの程度なら死ぬことはないだろうし、少し時間が経てば――――

シャットダウン。俺の記憶はそこで一時的に途切れた。




先程天人が倒した筈の化物――柊竜次郎が立ち上がる。
天人の判断は間違っていなかった。ギリギリまで引き付けて目を狙い撃ち、というのは相手が化物であっても有効な手段だ。
しかし、今回は相手があまりにも悪かった。柊竜次郎は仮にも『80点』という高得点を与えられた男だ。
天人の与えたダメージは大きかった。バランスを狂わせるのには成功した。
だが、それは『一時的に』だ。竜次郎のような化物にはこの程度の傷などすぐに治ってしまう。
竜次郎の特性は肉質変化。自身の身体を竜のようにすることで身体能力や回復力を大幅に上げる能力だ。

「さっきはよくもやってくれたな、糞餓鬼が」

ゆっくりとだが、着実に、竜次郎は天人と希がいる場所へと近づいていく。
希の表情が再び悲しみに包まれる。天人の身体を揺するが、一向に起きる気配がない。
絶体絶命。それが今、希達の置かれた状況だった。

だが、その『絶体絶命』こそが『正義の味方が現れやすい状況』だ。

特撮やアニメのヒーローは一般人が絶体絶命の状況に陥った時、颯爽と現れて敵を蹴散らす。
圧倒的な強さで、不屈の精神で悪に挑み、打ち滅ぼす。

89Monster ◆KIVA/FUoBo:2012/04/03(火) 16:48:14
竜次郎と希達の距離は、僅か5M程度。
竜次郎は拳を握り締めて走り出す。助走をつけ、強力な力で頭を叩き潰すつもりだ。
だがそれは不可能だ。何故ならここには一人のヒーローがいる。

「よう」

パシッと音をたてて軽々と受け止められる竜次郎の拳。
竜次郎はこの状況を理解することが出来ない。
有り得ない。圧倒的な力を誇る無敵の拳が、たった一人の少女に受け止められるなど有り得ない。
それにこの少女はいつ現れた?
答えは『わからない』。竜次郎も希も、少女がいつ現れたのかわからない。

「あたしはコイツが気に入った。お前がコイツを殺すっていうなら、容赦はしないぜ」

圧倒的な存在感。
ただ話しているだけなのに、身体の底から恐怖心が湧き出てくる。

「貴様……何者だ!」

「おいおい、そう聞かれたらこう答えるしか無いだろ」

少女は大きく息を吸う。
何処かの番組で見たようなお約束のやり取り。

「通りすがりの正義の味方だ、覚えておけ!」

余計にわけがわからない。
少女はこの状況を理解しているのだろうか?
それとも自分をからかっているだけなのか?
竜次郎の頭が徐々に混乱していく。

だが、ここは殺し合いの場。生き残ればそれで勝ちだ。
自分には先程の戦闘での傷があるとはいえ、相手はただの女。
負けるはずがない。さっきのはただの偶然だ。
柊竜次郎はこの世で最も強い男だ。こんな女一人、どれだけの負傷を負っていようが一瞬で殺せる。
この程度の女にビビっているようじゃあ、最強失格だ。

「……やるのは勝手だが、後悔するのはアンタだぜ?」

「ナメるなァ!」

竜次郎は持てるだけの能力の総てを使い切る。
完全な竜への変身。天人のような無能力者じゃとてもではないが相手にならないような化物だ。
大きさはそこまで変動していないが、身体能力は先程までの比ではない。
この最終形態があったからこそ、今まで最強と名乗っていた。
こうなったからには負けない。負けるわけがない。
事実、今までこの最終形態を破った者なんて一人もいなかった。

絶対的な自信を胸に、柊竜次郎は己の拳を握り締める。
狙うは一撃必殺。目の前の女に全力の一撃を叩き込む。
この一撃を食らえば間違いなく死ぬ。いくら相手が頑丈だろうが、無事では済まない。

「はああああああ……!」

そして繰り出される最強の一撃。
ただ腕を振り切り、少女を殴ろうとしているだけなのに周囲に轟音が鳴り響く。
空気を切り裂く程の圧倒的な速度に、岩石をも砕くような圧倒的な力。
その二つを兼ね備えた最強の一撃だったが、だがそれは当たらなければ何の意味もない。

「あんたの敗因をシンプル・イズ・ベストに教えてやる。アイツを殺してあたしを怒らせようとしたことだ」

最後まで立っていたのは、『正義の味方』を自称する少女だった。
竜次郎の身体には複数の痣が出来ているのにかかわらず、少女の身体には一切の傷がない。
その事実が、彼女の圧倒的なまでの強さを物語っていた。
それでも竜次郎は立ち上がろうとするが、少女はそれを無視して希と天人に駆け寄る。

「そいつにはコレを使ってやれ。あたしは勇気のある奴が大好きだからな、ブラッディ=レインさんからのプレゼントだ」

ポケットから湿布やバンドエイド、その他諸々を出して希に渡す。
希は突然の展開に動揺するも、「ありがとう」と礼を言うと、レインは笑って「感謝するならそこで倒れてる勇者にしな」と答える。

「それじゃ、あたしは行くぜ。あ、そこにいる竜人野郎は暫く動けないだろうから安心しろよな」

最後に「あばよっ!」と言って手を振ると、その場からすぐにレインの姿が消える。
竜次郎の意識は既に無くなっていた。死んだというわけではないが、『暫く動けない』というレインの言葉は本当だ。
開始早々、あまりにも現実離れした戦闘を見終えた希は「ほっ」と一息つく。
正直最初は殺し合いなんて言われても全く信じていなかった希だが、ここまでくると流石に信じざるを得なかった。
しかし別段戦闘能力が高いわけでもない彼に出来ることなどそれほど多くもなく、とりあえず今出来ることとして、レインに貰った湿布やバンドエイドを天人に貼り付け始めた。

【一日目/朝/C-1】
【日草天人】
[状態]重傷、気絶中
[道具]支給品一式、木刀、ニューナンブM60(0/6)
[思考・状況]
基本:殺し合いには乗らない。何とかして生き残りもしたい
1:多数決をどうにかしないとな……

【柊竜次郎】
[状態]重傷、大量の打撲痕、気絶中
[道具]支給品一式、不明支給品×0〜2
[思考・状況]
1:あの女を絶対に殺す

90Monster ◆KIVA/FUoBo:2012/04/03(火) 16:48:45
【姫川希】
[状態]健康、精神的疲労(中)
[道具]支給品一式、不明支給品×0〜2
[思考・状況]
1:お兄ちゃん(天人)を治療する

【ブラッディ=ジャスティス】
[状態]健康
[道具]支給品一式、不明支給品×0〜2
[思考・状況]
基本:殺し合いには乗らない
1:とりあえず襲われてる奴を見つけたら助ける

【柊竜次郎】
ヤクザっぽいお兄さん。自分を最強だと信じて疑わない、月夜並の自信家。
実力も非常に高いのだが、力任せな戦法故に月夜やレインには遠く及ばない。
本当はそれなりに強くするつもりだったのに噛ませ犬になった可哀想な人。
一応、最終形態では天人レベルなら一撃で抹殺出来る。

【姫川希】
14歳の男の娘。女装少年ではなく男の娘、これ重要。
非常に活発な性格で、自分の感情に素直に行動するが、悪戯することが多いため兄によく怒られている。
少々ビビリやすい。

【ブラッディ=レイン】
16歳。魔界ではそれなりに名の知れた魔人だが、見た目は人間の少女そのもの。
身体能力が非常に高いのだが、身体能力だけだと妹のジャスティスには負ける。
人間を心の底から愛しており、特に勇気のある人間が大好き。
少年漫画や特撮が大好きで『正義の味方』を名乗っているのはそれらが理由。何かと格好をつけようとする。
八剣純とは友人関係にあり、レインは彼の影響を多大に受けており、互いに正義バカである。
自分の一度でも触ったことのある物の大きさを自在に変えることが出来る能力を持っている。
また、自分が触れたことのあるものの『重力』をゼロにすることも出来る。レインはこの能力で自身の体重をゼロにすることで超高速移動を可能にしている。
他参加者達との実力差が大きく、本ロワ屈指のチートキャラ。

91 ◆KIVA/FUoBo:2012/04/03(火) 16:50:08
最後にルール、地図、名簿を。

参加者名簿
【オリジナル】19/19
日草天人/星野月夜/直江光聖/雪柳睡蓮/橘蓮/姫川雪/姫川希/前田遊人/竹井夏海/桜井咲耶/八剣純/紅露友好
真泉由香里/獄石さよ子/光谷覇愛闘/沖田光明/柊竜次郎/ブラッディ=レイン/ブラッディ=ジャスティス

ルール

基本的に厳格なルールは無く、どんな手段を使ってでも最後の一人まで生き残れば良い。
最後の一人には願いを叶えることの出来る権利が与えられ、その後元の場所へと帰ることが出来る。
また、このゲームには多少の特殊ルールが存在する

【得点】
誰か一人を殺す度にポイントが溜まっていく。
このポイントを支払うことで参加者は様々な利点を得る事ができる。例としては死者の蘇生や強力な装備の入手、もう一つの命を得るなど。
ポイントは各人物毎に割り振られており、全くポイントを得られない人物もいれば一度で大量のポイントを得られる人物も存在する。
現在のレートは以下の通りである

星野月夜、ブラッディ=レイン――100点
ブラッディ=ジャスティス、直江光聖――90点
沖田光明、柊竜次郎――80点
雪柳睡蓮――70点
その他――30点

尚、レートは5時間毎に行われる多数決前に変動していく。

【多数決】
5時間に一度、多数決を行い最も票を集めた人間を死刑にする。
多数決が始まってから10分以内に誰かに票を入れなければその者は死刑になる。
同票の者がいれば『決闘』としてどちらかが力尽きるまで殺し合いを行う。
10分経ってもどちらかが力尽きなければ同票の人間、全員を死刑にする。

【能力について】
元々異能を持っている人間には一切の制限がなく、自由に使用することが出来る。
また、元々は特殊な能力を持っていなくとも突然能力に覚醒する場合がある。

地図

 A B C
1学 森 森
2公 病 森
3武 食 森

学=学校
食=食料庫
武=武器庫
病=病院
公=公園

92 ◆KIVA/FUoBo:2012/04/03(火) 16:50:42
以上で投下終了です。無駄に長くてすいません

93 ◆jZCpcbFowc:2012/04/04(水) 12:43:44
二次媒体ロワ投下します

94夜を見る山 ◆jZCpcbFowc:2012/04/04(水) 12:44:19
「バトルロワイアル……くそっ」


 一人の少年が、眉間に皺を寄せて吐き捨てた。
 何の力も、卓越した特技も持たない中学生、榊原恒一は必死に冷静さを取り繕っていた。
 心の中は、今にも暴れ出したい、現実の理不尽さを怒りとして発散したい、そんな思いで一杯だ。
 つい先日の『合宿』で起きた、多くのクラスメイトを一度に失うことになった悲劇、それから命からがら生き延びて、『悲劇』の大本たる存在を殺害した―――そうまでして、やっと掴んだ生の実感。
 なのに、そんなささやかな安息すら許されなかったのだ。
 『三年三組の呪い』を乗り越えてもまだ、自分を付きまとう『死』。
 しかも今度は呪いだなんて見えないものじゃなく、同じ人間によって引き起こされたものだ。
 幾度の惨劇と、連鎖する狂気が引き起こしたあの事件を見てきて、それでいて生き延びた恒一だからこそ言える。


「狂ってる………」


 ―――狂ってる。
 自分に説明を行ったあの白髪の男は、何の罪もない善良な少女を理不尽に殺害して、平然としていた。
 喉を吹き飛ばされ、何も分からないままに呆然と呆けたような面をして死んでいく一つの命に対して、あそこまで冷たい目が出来るなど恒一には考えられなかった。

 赦せない、なんて熱い感情が先に沸いてくるほど、榊原恒一の精神は強くない。
 そりゃあ確かに、少女を滅茶苦茶に惨殺する趣味の悪い映像を見せられれば怒りだって沸き上がる。
 人として当然の人道的感情を以て、その悪性を糾弾できただろう。
 しかし、いくら恒一がそういった感情を持っているにしても、これから自分が命を懸けて、たった一人しか生き残れないゲームに参加させられると考えればーー恐怖の方が早く、訪れる。
 今にも肺に抱えている爆弾が爆発しそうな程、胸が苦しくなって、思わず息が荒くなる。
 外科手術を受けて回復したとはいえ未だ病み上がり、過度なストレスは命取りになるだろう。
 ――――――ここは、殺し合いなんだから。


(駄目だ、このままじゃ)


 服が汚れるのも構わずに座り込み、胸を押さえつけて呼吸を静かに整える。
 はあ、ふう、はあ、ふう、はあと何度か規則的な息遣いで呼吸を安定させると、大分落ち着いてきた。
 胸の違和感が消えると共に、恐怖に呑み込まれかけていた思考回路も整い、冷静さを取り戻す。
 冷静に機能するようになった脳髄を稼働させて、もう一度自分の状況を確認するかのように目を瞑る。
 何度思い出しても胸がキリキリと痛み、背筋を得体の知れない感覚が這い回る思いだったが、少しずつ思い出していく―――『説明』の一部始終を。
 生きて帰れるのは一人だけで、他の七十七人は犠牲になる。
 殺し合いを拒もうにも参加者たちの命はこの冷たい首輪によって握られ、殺し合いが凍結することは七十七人全員の死亡を意味する。
 一中学生に過ぎない恒一には到底外せそうにないことは、考えるまでもなかった。
 まさかマイナスドライバー一本でどうにかできるような代物でもないだろう。
 はっきり言って、八方塞がりだ。
 徒党を組んであの連中に対抗する他ないと分かっていても、どうしても邪な考えがちらつく。

 とはいえ、いくら命が懸かったゲームだとしても榊原恒一の良心はそれを許容しない。
 クラスメイトを、共に『災厄』に対抗したあの眼帯の少女を、自分のために殺すことは出来ないと、恐怖を感じながらも恒一は譲れない一点として決めていた。
 どうせ確率が限りなく低い賭けなら、一人でも犠牲の少ない方に賭けたい。
 こんな趣味の悪いゲームを嬉々として企画し実行する連中とまともに張り合えとは言わずとも、どうにかしてこの首輪を解除できれば、会場から逃げ出すくらいはワケない筈。
 下手を打てば逆上した主催者に全員もろとも首輪を起爆されかねないが、これ以外に策はない。
 どうやってここまでの設備を用意し、騒ぎにならないように自分達を拉致してこられたのかは未だ分からないが、警察だって馬鹿じゃない、もう世間で騒がれていてもいい頃合いだ。
 この場所を突き止めて救助しに来てくれるかもしれない――流石にここまでは望みすぎか。

95夜を見る山 ◆jZCpcbFowc:2012/04/04(水) 12:44:55
「人死にはもう勘弁してくれよ」


 誰にともなく呟くと、恒一はズボンについた砂埃を手で払い落とすと立ち上がる。
 残念ながら行く宛も、これからの行動の指針もまるで立っていないが、何もせずここで縮こまっていたところで何か状況が良くなってくれるわけでもない。
 まずは、クラスメイトであり、特殊な義眼を持つ少女―――見崎鳴を捜そう。
 そう思って辺りを何となく見渡して―――背筋が、確かに凍り付いた。


 広がる、都会とは一線を画す田舎の風景。
 朝の光が降り注いでのどかな風景を見せているものの、榊原恒一はここを知っている。


 引っ越してきてからたった数ヶ月の間で、普通の人の一生分の人死にを見てきた。
 『三年三組の呪い』『災厄』を終わらせるために奮闘して、多くの犠牲と、大切な人の存在を引き換えにようやく終わらせられた惨劇の連鎖。
 たった一年だけを過ごす村の筈なのに、忘れられない記憶をいくつも生み出した場所。
 夜見山の町。
 人の姿は勿論どこにもなく、呆然と立ち尽くす恒一の姿だけがあった。
 これがどういうことなのか、榊原恒一が理解できなくともそれは責められることではないだろう。
 これは確かに、間違いなく『夜見山』の見慣れた風景だ。
 しかし、地図に書かれている区域で収まりきるほど夜見山は小さい区域ではないし、よくよく見れば若干地形が、無駄な部分を削ぎ落としたように変わっている。

 地形を変える。それが言うほど簡単でないことくらいは恒一でも十分に理解できた。
 この会場に夜見山がある。ならば、どうやってこんなことを為したのだ?
 こうも精巧なモデルを作るともなれば数年単位、数十年単位で必要になる。
 と言うよりも、常識的に考えてそんなこと出来る筈がない。
 躍る疑問符に困惑をしばし隠せずに、ここが殺し合いの、サバイバルの舞台であることさえしばらく忘れて、見慣れた風景を呆然と見つめる彼の姿はあまりにも無防備だった。

「なあ、ちょっといいかー?」


 ――――そんな彼が、背後から接近していた人影に気付ける筈もなく。
 全くの不意を突かれた恒一は盛大にバランスを崩し転倒する羽目になるのだった。
 彼に声をかけた張本人、我那覇響はばつが悪そうに笑うしかなかった。


◆ ◆


「やっぱまだ知名度低いのかー。自分も精進しないとなー」
「ははは……でも僕あまりテレビを見る方じゃないからね」


 二人の男女は、近くにあった民家の中で談笑していた。
 完全に虚を突かれた出会いだったが、どうやら遠くから見ても恒一の様子は普通ではなかったらしい。
 殺し合いの真っ只中にそんな無防備を晒してしまう自分の間抜け加減にも呆れ果てるものがあったが、心配して駆け寄ってくれる優しい少女に出会えたのは幸運だった。
 彼女、我那覇響の職業はアイドルらしく、最近テレビ出演も増えてきた今が旬のアイドルだとか。
 テレビを見る時間よりはホラー小説を始めとした読書の時間の方が多い恒一はその名前すら聞いたことがなかったが、なるほど確かにクラスの女子達とは違う雰囲気がある。
 平凡を形にしたような恒一に比べると、やはり華やかな雰囲気が確かにあった。


「しかし、殺し合いなんてな……お互いとんでもないものに巻き込まれたもんだね」
「全くだぞ。いくら死にたくないからって人を殺せるわけないだろ」


 当然だ、と胸を張って言うその瞳には、確かな光が宿っていた。
 血生臭い災厄に囲まれた日常のせいでしばらく見ることのなかった、どこまでも純粋な光。
 もしも『あの時』にこの少女のような純粋さを持った人間がいたならと、思わずにはいられない。
 まさにアイドルとしてはうってつけの人材なんだろう。
 そしてこんな、疑心暗鬼と欲望に塗れた殺し合いで、希望の光となってくれる存在でもある。
 彼も気付かぬことだったが、その瞳には我那覇響のそれとは違う、どこか悟ったような色があった。
 響は淡く、やはり悟ったように笑う恒一の目を不思議そうに見つめていた。


「お前、不思議なやつだな。何て言うか………こういうのに慣れてるように見えるぞ」


 完全に不意を突かれた恒一は『えっ』と素っ屯狂な声をあげる。
 その様子だけ見れば普通の少年なのだが、どうしても響にはさっきの恒一の雰囲気がおかしく見えた。
 響は元気に振る舞っているものの、心の中には不安がどうしようもなく渦巻いている。

96夜を見る山 ◆jZCpcbFowc:2012/04/04(水) 12:45:34
無理もない。アイドルとして日々時に苦しく時に楽しい日常を生きてきた響が、いきなり見知らぬ連中に拉致されて殺し合いをさせられ、目の前で人間の惨殺を見せつけられた。
 恐怖の情を抱かぬ方がおかしいというものだ。
 なのに今目の前で目をぱちくりさせている少年には、それが欠けているように見えて仕方なかった。
 落ち着いているというより――自分がいつ死ぬか分からない、そんな状況に慣れているようだ。
 純粋な疑問を向けられて、少し迷うような素振りを見せていた恒一だったが、少し言いにくそうに、言葉を渋るように響に答える。

「クラスメイトがね、死んだんだ」
「………事故、か?」
「うーん………似たようなものだね。予測出来ても避けられない状況って意味だと、慣れてるのかも」


 言葉に出してみて恒一は初めて、自分が妙に落ち着いていることを実感する。
 今でもつい数分前のことのように思い出せる、惨劇の数々。
 血の海なんてもの、この半年にも満たない時間で何度も見てきた。
 燃え盛る屋敷、狂乱し殺し合うクラスメイト達―――そして、肉に刃を降り下ろす感触。
 そんな体験ばかりしていれば、嫌でも慣れてしまう。

 一方の響はといえば、軽い気持ちで聞いてしまったことを少し反省していた。
 クラスメイトを失った―――それも一人や二人ではないのだろう―――、恒一の心の傷を掘り返すような真似をしてしまった。軽率だった、と罪悪感が沸いてくる。
 彼女は知らない。
 それが事故に限りなく近い、事故の皮を被った『厄』であることなど、知る由もない。
 更にこの『夜見山エリア』が何を意味しているのかも気付くことはない。
 少しだけ的を外れた罪悪感を感じて、我那覇響は一人落ち込む。

 しばらく二人の間に沈んだ空気が漂ったものの、そこはアイドル我那覇響。
 沈んだ空気を吹き飛ばす明るい声色で、恒一を元気付けるように言った。


「まっ、なんくるないさー!」
「え? あ、えーと………沖縄の方言だったかな?」
「大丈夫さ! 皆で力を合わせればきっとなんくるないさー!」


 残念なことに長らく東京で暮らしてきて標準語慣れしている恒一にはその意味は解らなかったが、目の前の少女が自分を元気付けようとしてくれていることは伝わってくる。
 いい子だな、と素直に恒一は思う。
 きっとこの先何があっても、どんな悲劇を目の当たりにしても、この子はこうやって笑うのだろう。
 アイドル―――その肩書きに見合う人物であることなんて、もはや日を見るより明らかだった。
 心が安らいだところで、既に一度確認して自分が第一に合流すべき人物の名前は確認しているものの、これから響と行動するにあたり、一度互いの情報を開示しておく必要があるだろうと、ディパックの中から多くの顔写真が載ったA4サイズの名簿を取り出す。


 ふと目をやった。
 特に意味のない行動だったが、何となくちらりと、名簿を一瞥してやった。


 そして――――――榊原恒一は、ここに来て最大の動揺を見せる。

97夜を見る山 ◆jZCpcbFowc:2012/04/04(水) 12:46:29
「なっ………!! 何で、この人がっ!?」


 いきなり発せられた大声に目を見開いて響が驚いていたが、そんなこと気にならないまでに、榊原恒一は動揺していた。
 名簿の八十余りの名前と顔写真の中の一つ。
 見慣れた顔があった。
 引っ越してきたばかりの自分に何かと良くしてくれた、優しくて話しやすい女性。
 もう一つの顔を、呪われた三年三組の副担任。

 いるはずのない、今年の『もう一人』であった、災厄の引き金となった人間―――いや、死者。
 生者の中に紛れ込んだ死者。
 夜見山北中学校三年三組の呪いに蘇らされ、災厄の元として踊らされた人。
 そして――――榊原恒一が『死に還した』存在。

 三神玲子。

 この名前がここにあるということは、即ち最悪の可能性を意味しているのだ。
 災厄に終止符を打ったと思っていたのは自分たちだけで、今年の災厄はまだ終わってなどいなかった。
 見る見る内に恒一の表情が変わっていき、戦慄に凍り付いたように顔の筋肉を引きつらせる。
 しかもよく見れば、もう一つ『ありえない名前』がそこにあるではないか。
 その名前がある意味は、恒一にも理解することが出来なかった。
 赤沢泉美―――彼女は、恒一の目の前でガラスの雨に打たれて命を落とした筈。


「どうしたんだ!? 大丈夫か、恒一っ」
「ああ……ごめん。でも、ちょっとだけ事情が変わったよ」


 響の慌てた声を聞いてやっと我に返った恒一は動揺を隠せてこそいなかったが、表面上落ち着いたように笑顔を取り繕い、意味深とも取れる言葉を口に出す。
 一度、外面だけのものでも落ち着きを取り戻すと、決断に至るまでに然程時間はかからなかった。
 あまりに人間らしくない機械的な決断だったが、迷ってはいられないことを恒一はよく知っている。
 迷っていては、遅いのだ。始まってしまった災厄を止めるために出来ることは一つしかない。

 三神玲子を、『死者』を死に還す。

 我那覇響から見ればその行為は、単なる人殺しでしかないだろう。
 見崎鳴が見れば、あの水面のように綺麗な瞳で、淡白にその光景を見つめるのだろう。
 勿論辛い決断ではある。
 いくら玲子が『死者』であっても、自分によくしてくれた人を終わらせる感覚はひどく残酷だった。
 それでも、そうしなければ誰かが血を長し、生命を失うことになる―――。
 榊原恒一は冷たく、自分でも戦慄するほど冷酷に覚悟を完了した。

98夜を見る山 ◆jZCpcbFowc:2012/04/04(水) 12:47:29
【E-4/夜見山/一日目/朝】


【榊原恒一@Another】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品一式、ランダム支給品1〜3
[思考・行動]
基本:殺し合いからの脱出を目指す
1:玲子さんを『死に還す』。
※アニメ終了後からの参加です


【我那覇響@THE IDOL M@STER】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品一式、ランダム支給品1〜3
[思考・行動]
基本:殺し合いなんてできないぞ。
1:恒一と行動するに
2:765プロの皆を探したい


投下終了です

99ジョーカーロワ ◆VHIrQZ.9zI:2012/04/05(木) 18:04:34
規制されていたのでこちらに。
申し訳ないのですが、どなたか代理投下お願いします。

ジョーカーロワ投下します。
第一話:へんたいゆうすけくん
登場人物:藤崎祐介、丸井ひとは

100 ◆VHIrQZ.9zI:2012/04/05(木) 18:08:15
夜の森を疾走する者の影が一つ。
影が振り返ると、それを追う影がまた一つ。
二つの影は足を止めず、付かず離れずの距離を保ち続ける。
鬼ごとが終わる気配は微塵も無い。両者共に、ただ猛然と走るだけだった。


□     ■     □


月明かりさえもを拒む密林地帯の中に、丸井ひとはは力無く座り込んでいた。
内の暗さがオーラとなって彼女の姿を取り囲み、まるでこの暗い森と一体化しているかのよう。
見た誰しもに幽霊みたいだと恐ろしがられるだろうが、むしろ恐怖しているのはひとはなのだ。
元より不健康に白い肌に更に青白さを加え、力一杯目を剥いて、縮こまらせた全身を小刻みに震わせる。

先程確認した名簿には知っている名が二つあった。
――いや、“知っている”どころではない。かけがえのない、ひとはの三つ子の姉たち。
人一倍気が強く、人を牛耳ることが大好きで、ひとはだって散々罵られてきたし時には貶し返したこともあった。
けれども本当は家族想いで根は優しい三つ子の姉妹の長女、丸井みつば。
ファザコンで単純、凄まじくスケベ。あの人間離れした馬鹿力で気絶させられたことだってある。
だけれどお姉ちゃんらしい妹想いなところだってある三つ子の姉妹の次女、丸井ふたば。

二人もこのゲームに巻き込まれていて、もしかすると主催側の言っていた“ゴール”への一歩となる存在なのかもしれない。
もちろんそれには自分だって該当しているのは自覚している―けれど。
もしもあの二人が知らず知らずの内に、殺されなければいけない立場になってしまっていた時。それを知ったとき―どうすればいい?

多分。いや、確実に。
ひとはにみつば達を殺すことは出来ない。
何故ならみつばと同様に素直に感情を表に出すことは少ないが、ひとはだって心では姉二人を大事に想っているから。
何の関わりもない人間すら手に掛ける度胸が無いのに、唯一無二の家族を殺害することなどなおさら出来るわけがない。
しかしそうすると、結局最後に辿り着くのは、死。
いや、そうしなくても。
参加者は何も三つ子だけではない。
他の参加者の中には他の人間を無差別に殺して、少しでも自分が生存できる可能性を確立する者も居るかもしれない。
ジョーカーだろうがジョーカーでなかろうが、ひとはを含め三人ともが充分誰かに殺される可能性はある。
今だってこうしている間にも――。

元来あまりポジティブではないひとはは、不安の中に取り残されていく。
恐怖の渦から逃げ出すためにはきっと、みつばやふたば―信じられる誰かの力が――。

「うおぉっ!」

後方。ひとはが背にしている雑木の向こう側から、声がした。
息を潜めて、音を殺して、ゆっくり立ち上がり覗き込み――視界に飛び込んできたのは、男に捕らえられた、最も愛すべき存在だった。


□     ■     □

101 ◆VHIrQZ.9zI:2012/04/05(木) 18:10:55


―ふざけるな。

人の命を何だと思っているのだと。好き勝手に弄ぶんじゃねえ、と。
両親を同時に亡くし、“残された”内の一人である少年は、酷く憤りを感じていた。

誰かを殺して自分は平然と生を堪能する、そんな人の命を踏み台にするような真似は死んでもしたくない。

少年は生まれた直後、両親を同時に失った。
養母として育ててくれたのは彼らの親友である女性で、妹と含め彼女たちとは少年一人だけ血縁関係に無い。
その事実を知らされたのは、少年がまだ中学生の頃。
幼かった彼には真実を受け入れることが出来ず、全てを壊したい衝動に駆られた。何もかもが、自分のことが―どうでも良くなった。
“一人だけ生かされた”ことが、どうしようもなく辛かった。

でも、“生かされた”からこそ自分にとって大切な人が誰なのか。自分の居場所がどこなのか。
“生かされた”からこそ、そのことを再認識することが出来た。立ち直ることが出来た。
あの人たちのおかげで、誰かを助けようという意思を持てる今の自分になることが出来た。





死にたくない。殺したくない。
ただ単純にそう思っているわけではない。

“守られた命”だからこそ分かる、その重み。
育った命には、その命を大切に想う他の誰かの気持ちがきっとあるのだから――守られてきたこの命を踏みにじるな。


それがこのゲームに対する少年、藤崎祐助の答えだった。
そして、どうしようもなく困っている人に救いの手を差し伸べたいという思いで立ち上げたスケット団のリーダーとして、みんなを助けようという決意。
その為には同じ思いを持った協力な仲間が必要だ。意思だけではどうにもならない。
名簿にはスケット団のメンバー笛吹和義、鬼塚一姫。犬猿の仲であるものの実は双子の弟、椿佐介の名前があった。三人とも信用できる人間だ。
三人との合流を第一目標として、慎重に他の仲間を集めていこう。

102 ◆VHIrQZ.9zI:2012/04/05(木) 18:14:40

「大体の方針はまとまったな。ここに居たって仕方ねえ、そろそろ動くか。
まずはどこに行くかだけど…」

そもそも現在地すら把握していないのだから、動きようもなかった。
強く決意しておいて、どこかが抜けている。こういうところが誰かさんとそっくりである―まあ、本人たちは揃って否定するのだが。

「地図、地図っと…ん、これか?」
デイパックの中から手探りで地図らしきものを探り当て、取り出した――までは良かったのだが。
「えっ!何でこの地図こんなボロッボロなの!?
俺、何かした!?嫌われてるの!?」
四つ折りにされていた地図を広げると、まるで虫にでも喰われたかのように中央部分から大きな範囲が破損していたのだ。
悲しいことに、これでは現在地すら分からないし目的地も定まらない。
ということは、この広い島全体を迷いながらも感覚だけで歩き回って数十人の中から三人を見つけ出すという、何とも無謀で時間が勿体ない作業をしなければいけないわけになる。
「…いや、他にちゃんとした地図があるのかもしれないし…焦るのはまだ早いぜ、俺。」
額の汗を手の甲で拭い去り、今度はデイパックの広い口から中を覗きつつ手を突っ込んでみる。
「…うおおっ!」
――得体の知れない何かと視線が絡み合った。
驚きのあまりに一際大きな声が祐助の口から漏れる。
(今のは…?)
何かの正体を暴こうと再度デイパックの中に手を突っ込めば、手触りの良いそれに指先が当たる。
瞬間、開いた手のひらの中に閉じ込めて、もがく何かを逃さぬよう乱雑な動作で引っ張り出した。

「何でハムスターなんかが…」

掴んでいたのはハムスターだった。
納得はいかないものの、これで地図がただの紙屑と化していた理解不能な現象に合点がいった。
恐らくそのままデイパックに放り込まれていたストレスで地図をかじってしまったのだろう。

「……クビ」

――唐突な出来事は続いた。
消え入るような声が耳に届き、咄嗟に背後を振り返る。

「……クビ…返して…」

“首、返して”?

闇に馴染んだ黒髪の隙間から覗く、血走った瞳と目が合った。

「私の乳首、返して!」
「えっ、えええええ!?」





あまりに衝撃的すぎる展開に、ハムスターをデイパックに投げ込んでそのままスタートを切った。


□     ■     □

103 ◆VHIrQZ.9zI:2012/04/05(木) 18:16:09



どのくらい逃げ続けているだろうか。時間にすれば短いかもしれない、けれど波のざわめきがかなり大きくなってきていることから、結構な距離を猛スピードで移動していると分かる。
息を乱しながら振り向けば、まだ消えない追ってくる影。

「…私の乳首、返して!私の乳首!」

鬼ごっこ開始から続く謎めく要求に思わず表情を歪めて改めて前に向き直り、その言葉の意味を思索する。


乳首とは――人間の乳房の頂点に存在する突起物のことだ。
乳首を返せということは、奴は誰かに乳首を奪われたということか?
いや、乳首は取り外しできるものじゃないだろう。多分。きっと。切り離そうとしたことはないけれど。常識的に考えて。
じゃあ乳首を返せとはどういうことだ?もしかして物理的なことではなく、貞操のことなのか?
そうは言っても、心当たりはない。あるわけない。記憶が正しければまだ一回たりとも――。もしかすると知らない間に?そんなまさか!


「なっ、うおわ!!」

思考に耽っていると突如視界の中の天と地が逆転する。どうやら浜辺の凹凸に足を捕られ転倒してしまったらしい。
半身を起こして辺りの景色を見渡してみて漸く気付く。もうすぐそこは海、行き止まりだった。

「…ぜぇっ…ぜぇっ、ヒィーッ……乳首…」
「ひいいいいいぃい!ご、ごめんなさいごめんなさい!」

怪しげに呼吸を荒くした女が祐助を追い詰める。
某オカルト研究会部長を連想させる恐ろしい形相、更に乳首を奪われるかもしれないという恐怖に逃げる気力が全部吸いとられ、その場で固まることしか出来なくなった。



□     ■     □

104 ◆VHIrQZ.9zI:2012/04/05(木) 18:19:03


(つ…………疲れたっ!…もう…きつい…!死ぬ…!)

生まれて初めてだ。長距離をこれだけ速く走ったのは。
運動能力は人並み以下。だけれど、そんなひとはをここまで突き動かしたのは他の誰でもない、大切な存在――ハムスターのチクビだった。
可哀想なチクビ。どこの誰とも分からない男に、チクビは囚われているのだ。チクビを救えるのは自分しか居ない。
チクビを助けるため、ひとはは一心不乱に男の跡を追い続けた。

そしてひとはの気持ちが通じたか、男が派手に転んだ。男も相当疲れたのだろうか?すぐに起き上がる気配はない。
ひとははここぞとばかりに距離を詰め、倒れた男の傍に辿り着く。
とてつもなく強い疲労感に霞む視界。ゼェゼェと荒れ狂う呼吸。喉が裂けるように痛い。
それでもひとはは揺るがない。ここまで来たら、もうチクビを取り返すだけなのだから。
沈黙の後、ひとはが口を開こうとしたその時、先に声を発したのは男だった。

「ああっ、あのっ、ちく、乳首が欲しいんですか!?」
「……チクビ…ヒィーッ、ヒィーッ……チクビ…」
何だ――案外素直に返してくれるのか?
そうだ、その通り。チクビを返してほしいのだ。
しかし、もう駄目。限界だ。疲れ過ぎた。息をするのが精一杯で上手く口が回らない。チクビの名前しか出てこない。
言葉の代わりに何度も何度も頷くことで自分の意思を伝える。

男は分かった、と言うように一度大きく頭を上下に揺らす。
「あなっ、あなたの乳首は知らないけど…お、俺の乳首で良ければあげるよ…!」

俺のチクビ?俺のチクビとはどういうことだ?
不可解に思うひとはを余所に、男は身を捩らせながら胸板に手を添え、頬を紅潮させつつ上目遣いでこう言った。


「でも、そういう経験無いから、その………優しくしてね?」


□     ■     □

105 ◆VHIrQZ.9zI:2012/04/05(木) 18:20:37


祐助は決心していた。乳首なら。下半身にぶら下がるブツではなく、乳首であるならばもう観念して差し出しても良い。というかそれしかない。
生涯乳首が無いことでからかわれたり、悩むことだってあるかもしれないけれど。
乳首を渡さなかったら、今度はナニを返してと要求されるかも分からない。それだけは避けたかった。


「ああっ、あのっ、ちく、乳首が欲しいんですか!?」
「……乳首…ヒィーッ、ヒィーッ……乳首…」

乳首を連呼し、合間合間に凄まじく荒い呼吸を挟む女の目は、獲物を目前にした獣そのもの。
しかも何故かシャウトするみたいに髪の毛を振り乱している。何を表現しているのだろう?それも乳首狩りの儀式の一つなのか、?。

ここまで来たらもう、従う以外に道はない。

「あなっ、あなたの乳首は知らないけど…お、俺の乳首で良ければあげるよ…!
でも、そういう経験無いから、その………優しくしてね」


(言っちまった…。すまねぇ乳首、俺はお前を…守ってやれなかった…)

言い終えた達成感と同時に、生まれた瞬間から時間を共有してきた乳首との別れへの侘しさが湧き上がってくる。
乳首との思い出を閉じた瞼の裏に呼び起こみると、確かに乳首は、これまでずっと祐助と一緒に居てくれた。家を飛び出したときだって片時も離れずついてきてくれた。
今まで気付かなかったけれど、誰よりも傍に寄り添ってくれていたのだ。胸が熱くなってくる。

がさりという、物音が耳に届いて女が動き出したことを知る。遂に乳首狩りが始まるというわけか。
さあ、お別れの時間だ。さようなら、またいつか。

腕を広げ胸を反らし、乳首を捧げるポーズを取る。が―しかし、一向に女が襲ってくる気配がない。
疑問に思い薄く瞼を持ち上げて、眼球のみで女の様子を窺ってみると。

「チクビ!」

何故か女は祐助の横に膝立ちし、両腕を前方に突き出す前にならえのようなポーズを構えていた。
(…え?)
数秒後、祐助のデイパックの中から数々の障害物を潜り抜け、やっとこさ外に出ることが出来たハムスターが高く跳躍して、女の胸に飛び込む。
女は両手で包み込んだハムスターを顔の前へと引き寄せて、涙を流しながら頬擦りした。

106 ◆VHIrQZ.9zI:2012/04/05(木) 18:22:21

(え?ん?何これ?どういうこと?そういうことなの?え、違うよね?)

女―いや、少女とハムスターの感動の再会を目の当たりにし、ようやく点と点が結び付いた。
少女の言うチクビとはハムスターの名前であり、人体に付属された突起物などではなかったのである。
ただしそうなると、別の大きな問題が浮上するわけで。

(何だよこのオチ…。これじゃあまるで俺、変質者じゃねーか…!)

“この変態!”とハルミやルミ、ヒメコやスイッチ、クラスメートやその他モブレベルの知り合い達の幻が祐助に侮蔑の眼差しを向けてくる。

(違う、違うんだ!こうするしかなかったんだよ、俺は変態なんかじゃ…!)

懸命にもがいて、家族や友人らの幻覚を振り払う。違う違うと、訴えながら。
それでも消えてくれない、祐助を見下ろす影が残る。そう、少女のものだった。

「……えっと、あの、いや、これは」

しどろもどろになりながら弁解しようと試みるが、どうにも上手く言葉が出てこない。あまりの事態に冷静さがぶっ飛んでしまったから。
しかしこのままでは変態のレッテルを貼られたままに終わってしまう。
口を鯉よろしくパクパクと開閉させていると、少女が目をむいてこう言い放った。

「この、変態」


地獄の底まで突き落とされる祐介を置き去りにして、少女は踵を翻す。
祐助の慟哭と波の音との二重奏が、夜の海に響き渡った。

【深夜/A-1、浜辺】
【藤崎祐助@SKET DANCE】
[状態]健康 精神的ダメージ(大)
[装備]無し
[道具]基本支給品、アイテム×0〜2
[思考] スタンス:対主催
1:仲間を集める(スイッチ、ヒメコ、椿を中心に)

【丸井ひとは@みつどもえ】
[状態]健康 
[装備]チクビ@みつどもえ
[道具]基本支給品、アイテム×1〜3
[思考] スタンス:?
1:みつば、ふたばに逢いたい。

107 ◆VHIrQZ.9zI:2012/04/05(木) 18:23:22
投下を終わります。

108 ◆jZCpcbFowc:2012/04/12(木) 21:12:04
投下します

109 ◆jZCpcbFowc:2012/04/12(木) 21:12:35
俺の人生は退屈だった。
何てことのない普通の家庭に生まれて、三年で飽きた。
親に通わされた小学校は、何もかもが上手くいきすぎて半年で飽きた。
親と行う口喧嘩は、レベルが低すぎて一分で飽きた。
近所の不良を集めて近所の暴力団の家に突撃する遊びは、下らなすぎて三十秒で飽きた。
そしてある日の朝、俺は十五秒で一日に飽きた。
人生に飽きた俺は死のうと、トラックの前に飛び出して、飛び出した瞬間に飽きた。
当然それでは遅すぎる。
鉄の巨体は俺の身体を容赦なく撥ね飛ばし、アスファルトに頭から叩き付けられ、俺は意識を失った。
だが、死ねない。
俺が次に目を覚ました時には、五年が経過していた。
今度は小さな仔猫を助けようとして車に撥ねられ―――記憶を失ったらしい。
仰天した。何てったって、一度目の事故から二度目の事故までの記憶がごっそりと、抜け落ちているんだから。
記憶喪失ってやつだ、その内ふっと思い出すよ―――と医者は宣ったが、俺は内心気付いていた。


(俺の記憶は二度とは戻らない)


空白の五年は永久に返ってくることのない未知(ブラックボックス)となる。
毎日のように俺の病室を訪ねてきてくれた名も知らぬ同年代の男女たちとの関係もちっとも思い出せない。
あの反応を見る限り、俺たちは友達同士か何かだったのだろうか。
しかし、奇妙なことだ。俺は人生全てにことごとく飽きて、投げ出してきた男だというのに、毎日のように見舞いに来てくれる友人が出来ていたなんて。
俺はその時、生まれて初めて罪悪感というものを知った。
重く冷たく、静かに心を削っていくような感覚が、すごく不快で、すごく新鮮でもあった。
全てに飽きて生きてきた人間に、初めて人間らしい感情が生まれたのだ。
それから俺の人間らしさは日に日に増えていき、気付けば俺は―――独りだった。


思い出を失った人間に興味はないと言いたげに、ある日を境に姿を現さなくなった友人たち。
両親は借金の返済が出来ず、息子の俺は昏睡状態にあったのでどうしようもなく、現在逃亡中。
一番好きだった看護婦は辞めて、主治医の先生は死んだ。心筋梗塞、だそうだ。



孤独は辛い。
孤独は苦い。
孤独は――――不気味だ。


孤独から逃れるためにペットを飼った。可愛い鳥だ。
そして、出会いを探すために色んなことをしていき、気付けば俺には俗に言う『霊感』が備わっていた。
幽霊でも良かった。自分の相手をしてくれる存在なら、何でも良かった。
彼らの嘆き、憎悪、哀しみ、願い―――といった、負の感情を解してやることを続けていたら、気付けば俺は霊媒師と呼ばれる、とても科学的とは言い難い職業に就いていた。
毎日のように訪れる、背中にこの世ならざる存在を宿した人間。
それを会話して祓い、高額な代金を取って生計を立てる単調な生活に―――俺は、飽きた。
気付けば俺は無気力になり、いつしか仕事さえも適当にこなすようになる。
見る見る仕事が減る。
貯金はまだまだ、後数年分くらいはある。
でも俺はもう、飽きたくなかった。
こんな生活を続けていれば、いつかまた俺は人生に飽きてしまう。
折角手に入れた人間らしさを失ってまた、機械に戻りたくはない。


そんな時だから尚更、俺の前に現れた怪しげな女の差し出した招待状は魅力的だった。
時間を跳躍する権利だなんて、素晴らしいとしか言えない。
俺が何より望むものが向こうからやって来てくれた。


「って訳でな。俺は『二度目の事故』を回避したいんだ」


長々と語ってしまって、目の前の青年はもう『飽きて』いる様子だ。

110 ◆jZCpcbFowc:2012/04/12(木) 21:13:05
「だからお前をここで殺す」
「やってみろよ、バァーカ」


涎の跡が口許に残っていて、その口は獰猛に開かれている。
相貌はまるで猛禽類のそれ。
ところどころ破け、千切れた衣服はまるで、野生の中で生活してきたかのように荒々しい。
彼こそ、俺の前に最初に現れた挑戦者(チャレンジャー)、松下健吾君だ。職業は殺人の鬼、猛獣。
そして彼ほど気性の荒い人物がこうして、聞きたくもないだろう俺の過去話なんかを黙って聞いていてくれた理由は、ひとえに彼が見てくれと肩書きだけの半端者ではないからに尽きる。
この絶妙な間合い下手に進出すれば、即座に自らの骨が砕けることを理解しているのだ。

俺は人生に飽き続けてきた。
しかし、一つの事柄を極めるのは異常に早かった。
学問をさせれば一時間で教科書一冊を理解し、丸一日あれば義務教育を修了した。
陸上競技をさせれば大会新記録を連続樹立し、練習を積んできた努力家たちを踏みにじった。
そして―――武術をさせれば、師範をたった半日の鍛練で破れる。


今の俺が構えているのは、習得してきた数々の武術を応用した独自の、自分で言うのも何だがまともな人間では一生を費やしても習得出来ないだろう、破壊に特化した構え。
まともに入れば命を奪い得る。
内臓器官を破壊し、苦しみながら死んで行くのだ。


「では始めようぜ、猛獣」
「応。ぶっ殺すぜ、優男」


俺―――古咲礼二の疾走とほぼ同時に、松下健吾は大きく宙に舞い上がる。
人間とは思えない飛距離、そして空中でも自分の思った通りに動く身体。やはり、並の相手ではない。
こちとら実践経験がほぼ無い身なのだ、出来れば正攻法で来てほしいものだ。
だが俺は、空中から着地と同時に、長い爪の生えた、それこそ鍬のような腕のスイングを軽く避けてその腹部に膝を叩き込む。


「グァッ!?」


蛙の潰れたような声をあげて仰け反る松下の側頭部に回し蹴りを放つ―――命中。
地面を転がる松下が起き上がるより早くその眼前まで距離を詰めんと、俺は地を蹴りあげる。
あの猛獣の―――とはいえ流石に肉体のスペック差があり、再現は無理だったが―――走法を見よう見まねで使う。やはり普通に走るより幾分か速い。
松下が起き上がる。
間に合わなかったが、それでも此方の優位に何ら変わりはない。
獣と人間の間には、知能と言う明確な格差がある。


「それがお前の敗因だっ!」


踵落としをその頭部に向け降り下ろす。
これを当てようとは思っていない。むしろ、かわされてこそだ。
予想通りに避けて反撃してくる松下の腕を受け止め、カウンターのパンチを叩き込む―――!


「………やっりー」


痛い。
胸に、何かが刺さっている。
鋭くて銀に光る――――メス?

111 ◆jZCpcbFowc:2012/04/12(木) 21:13:49
それが、丁度俺の心の臓の地点に深々と、突き刺されていた。
放とうとしていた拳は空しく空を切り、身体が地面へと崩れ落ちる。
どくどくどくどくと、自分の胸から溢れ出す鮮血が地面を濡らしていく。
助からないのはもはや目に見えているし、正直なところ虫の息とはいえまだ生命を維持できていること自体が不思議なくらいの致命傷だ―――何せ心臓を刺されているのだから。

ああ。いざ実際に死ぬとなると、飽きないな。
飽きた筈の何もかもが愛しく思えてくる。
色んなものを投げ出して、極めてきたこの二十一年間―――何やかんや、悪くなかったな。


「死にたく……ねえ……は、はっ」


乾いた笑い声をあげて、もう一度吐血し―――俺は全てを終えた。人生を、終えた。



【古咲礼二@霊媒師 死亡】



◇ ◇

「きひひっ。馬鹿じゃねぇの? 俺が肉体だけで戦うようなアホに見えるかっての、ッハハハハハ!!」


生命活動を完全に終了した古咲礼二の死体を嘲るように見下ろし、松下健吾は笑った。
古咲にだって十分勝機のある戦いだった。
肉体のスペックでなら松下には到底及ばなかったろうが、技術でなら古咲のそれは数段勝っている。
原始的な獣と近代的な人間の戦いならば、むしろ人間に勝機が大きく傾いているとさえ言えるだろう。
結論から言って、勝敗を分けたのは経験の差だ。
幾度も幾度も、相棒の指示と自らの肉体と武器を駆使して戦ってきた松下と、一度も戦わずに机上の論理を充てにして磨きあげたパターン頼みの古咲の間には明確な差異がある。

一対一の殺し合いで、相手の行動原理をただの猛獣だと誤認してしまった古咲には、唐突すぎる松下の武器使用に対応することができなかった。
ましてや相手は猛獣。その速さは天下一品だ。
容赦なく小さな刃は霊媒師の心臓を貫き、波瀾万丈の人生を飽きながらも生きてきた男を終わらせた。
獣が雄叫び、狩人は動かない。
こうして争奪戦にて―――二人目の参加者が死亡した。


残り、十二人。

112 ◆jZCpcbFowc:2012/04/12(木) 21:14:23
【C-2/工場/午前】


【松下健吾@殺人犯】
[状態]腹部にダメージ(小)
[装備]メス
[道具]基本支給品一式
[思考]
基本:心行くまで殺し合いを愉しむ



【名前】古咲礼二(ふるさか・れいじ)
【性別】男
【年齢】21
【職業】霊媒師
【身体的特徴】痩せ型で長身。コンタクト着用
【性格】異常なまでに飽きっぽく、異様なまでに吸収が速い
【趣味】なし
【特技】除霊
【経歴】五年前に交通事故に遭い、もう一度交通事故に遭うまでの記憶が消失している。
子供の頃から飽きっぽく、人生まで投げ出そうとしていた
【好きなもの・こと】鳥
【苦手なもの・こと】孤独
【特殊技能の有無】なし
【備考】失った五年間を取り戻すため、交通事故に遭わなかった未来を望む

113 ◆jZCpcbFowc:2012/04/12(木) 21:15:00
投下終了です

114 ◆sWPde7Q8zk:2012/04/23(月) 22:28:22
投下乙です。急いでいるので感想がかけなくて、申し訳ない。
さるったので残りをコチラへ投下します。

115 ◆sWPde7Q8zk:2012/04/23(月) 22:28:57
「ごめん……体が勝手に……」

 そんな言葉の恐怖からか、引き金にかけた指が痙攣するように、ピクリと動いた。
 殺すつもりで、反撃するつもりで撃ったわけではない。暴発。いや、自分を守りたかっただけかもしれない。
 銃声が耳に届くと同時に、胸の奥がスーと消えていくような感覚になり、やがて気分が悪くなった。
 銃口は下に向いたため、威嚇射撃程度にしかならず、乞食女は怯んで倒れている。
 その姿を見て、僕は少し安心できたような気がした。

「……お前、何で……銃口を俺に向ける?」

 中年男の声が聞こえた。銃口を向けているつもりは無かった。
 僕は、下ろしていた銃口を中年男の胸部めがけて向けている。無意識のうちに、脳が命令を受け付けない。
 乞食女が言っていた言葉を思い出す。『体が勝手に』動いた。体がコントロール出来ない状況。
 いくらなんでも、急展開過ぎる。メガネ君に襲撃されて、中年男に襲撃されて、乞食女が裏切って、僕もおかしくなった。
 もしかすれば、これもアンドレイ・チカチーロの幻影のせいかも知れない。
 全て作られている世界。全てが錯覚で、全てがウソ。
 やっと世界から、消えれるような感覚に落ちる。けど、嬉しくは無い。

 頭に衝撃を受けたのは、それから数秒後だった。





 勅使河原麻麻―――全て彼女の計算どおりだった。
 他人をコントロールして、連続殺人や集団自殺、自爆テロを他人に行わせていた霊能力者。
 彼女の能力は、洗脳。洗脳された本人は自覚が無いのに、体の自由を失い、彼女に制御される。
 灼熱の受験生――炎使いの軌条口兵を洗脳して、赤毛の少女と関勝宏を襲撃させた。
 結果は失敗で、今度は赤毛の少女を洗脳して、関勝宏と同士討ちを狙ったが、伊達坂浩二とニアミスした。
 三人まとめて殺そうとしたが失敗し、今度は関勝宏を洗脳して、伊達坂浩二を殺させるつもりだ。
 ここまでは完璧な算段だった。あくまでも過去形で話す。

「完璧ですね。これで最低でも二人脱落ですよ」

 彼女のシナリオはこうだ。
 関勝宏が、赤毛の少女に撲殺されて、伊達坂浩二が拳銃を拾い、けん制する。
 しかし、動揺により、止まることは無く、止む終えなく射殺。運がよければ、伊達坂浩二も自殺する。
 しかし、それはシナリオの中での話しだ。

「あァ? 何やってんだァ、腐肉」
「おやおや、可愛いお嬢ちゃん。家へお帰りなさい」

 少女の声。荒々し口調で、尚且つ挑発的で、狂っていると分かる喋り方。狂っているとは到底思えない愛らしい容姿。
 ルールを破ったことにより、特別制裁を受け幼女化した、ジャック・ザ・リッパー。そして、片手には、撲殺専用と言わんばかりの大きな石。
 伊達坂が爆発音を聞いて、彼(今は、彼女)に待機命令を出したが、異常を察知した。駆けつける仮定で、勅使河原とニアミスしたというわけだ。

「これでナイフの作り方、思いついたぜェ……ひゃはハハハァァァァ!!!」

 石を振りかぶりながら、切り裂きジャックは、ジャンプして、高く宙を飛んだ。
 グシャリと、少し大きめの石がトマトのようにぐちゃぐちゃに勅使河原の頭を潰す。
 彼女の額には頭から出血した血が流れ出し、それを見たヒステリックな悲鳴が叫ぶ。
 バキバキに割れた石の欠片を拾い上げて、ジャック・ザ・リッパーは勅使河原の首筋を切り裂く。
 森の草木に、大量の血が付着して、赤黒く染まっていく。
 その、返り血に染まった姿は一目で、狂っていると判断できる。




116 ◆sWPde7Q8zk:2012/04/23(月) 22:29:54



 私は今、地図に書いてある病院へと向かっている。中年の男の人は、見逃してくれた。殺しかけたのに。
 死に掛けている、経験豊かな子を病院の器具があれば、直せるかもしれないと思っている。
 頭を殴打することしか、気絶させる方法は知らなかった。気絶させないと、発砲されて中年の男の人は死んでいたと思う。
 私を助けたから、死に掛けている経験豊かな子を救いたい。ただ、その一身で担いで走っている。
 殺したくない。いや、誰にも死んで欲しくない。もう、目の前で誰も死んで欲しくはない。


【一日目/早朝/C-2・住宅地】
【関勝宏@元所有者】
[状態]頭を打撲、意識不明
[装備]なし
[道具]基本支給品(携帯電話以外)
[思考]
基本:殺し合いには乗らない
1:……。

【一日目/早朝/C-2・住宅地】
【アカゲ@二つ名キャラ】
[状態]健康、動揺
[装備]なし
[道具]基本支給品、戦利支給品0〜3
[思考]
基本:殺し合いに反対
1:(経験豊かな子)関勝宏を助ける





「行ったか……」

 伊達坂浩二は、道の奥へと消えていった赤毛の少女を見ながら、自分の支給品であった拳銃を拾い上げる。
 拳銃の弾は一発撃たれたのみで、連射したわけではないので、弾詰まりなどの動作不良は起きていない。
 まだ使用可能である上、弾奏には、まだ十分な銃弾程のが装弾されている。
 シャツの袖を破ると、頭の出血を止めるように、頭に巻く。血が目に入り、少々不自由で不快な気分だったが、少しは楽になった。

 グサリ
 と、何かが刺さるような音が鳴った。同時に伊達坂浩二の背中から、刺さっていた石の破片が抜かれる。
 刺したのは―――幼女化したジャック・ザ・リッパー。


「何……で……だ……」
「考えが変わっちまってなァ……優勝して、この姿からおさらばしてェんだよ」
「……最期まで……ダメな親父だったな……」


 血が吹き出すと同時に、伊達坂浩二は倒れる。
 長めの破片だった石は、背中から傷は心臓まで達していた。


【軌条口兵@二つ名キャラ    死亡】
【勅使河原麻麻@超人キャラ   死亡】
【伊達坂浩二@単なる伏線キャラ 死亡】
【第一回放送まで        四人】

117 ◆sWPde7Q8zk:2012/04/23(月) 22:31:11


【一日目/早朝/C-2・住宅街】


【ジャック・ザ・リッパー(暴食)@精霊】
[状態]健康、幼女化(残り??時間)
[装備]石の破片(結構デカイ)
[道具]ぶかぶかの服
[思考]
基本:手当たりしだい殺していき、優勝して、元の姿に戻る
1:不明
※急激に能力が上昇したため、ルールに違反しました。
※ルールを破った特殊制裁により、傷や痛みなどは、直りましたが、幼女化しました。
※ルールを破ったため、能力が全て無くなりました。


 アカゲ
赤毛の少女。ストリートチルドレンで、過酷の状況で暮らしてきたが、明るい性格。
涙もろく、正義感が強い。一度死んでいるため、『地獄からの訪問者』という、二つ名がある。

 軌条口兵(きじょう・こうへい)
熱血な受験生。炎使いで、鬱陶しい。二つ名は『炎の受験生』

 勅使河原麻麻
洗脳する能力を持つ中年女性。


投下終了です。初めてさるったし、キャラ崩壊しまくったけど、後悔は多分していない

118 ◆jZCpcbFowc:2012/04/30(月) 11:36:44
さるったのでこちらで


気が付けば私は、陰りの入っていない純粋な微笑みで応答していた。
強固な意志も何もかもをかなぐり捨てて、強い少年の言葉に動かされる。
償いは生きている限りずっと続けていく。そこから逃げてしまえば、私は今度こそ終わってしまう。
ただ、たまには自分を許してみようと思う。
趣味を持つまでいかなくとも、気晴らしに釣りをたしなむくらいはしてみよう。
折角、一歩踏み出せるチャンスなのだから。
私は神無月の胸に右手を当て、そして――――「さらばだ、神無月恭一」


―――――思い切り、突き飛ばした。
肉体への負担は少ないが、下手な武術よりも遠くまで送ることができる。
ゆらり、と振り返り、神無月に見せたものとは全く別質のものと自分でも分かる冷たい眼差しを『そいつ』にやった。

人間の姿をしていながら、ボロの衣服と所々に見られる野生の色が否応なしに獣を連想させる。
身体には血液の付着した痕跡が見られ、ここに来るまでに人間を殺めていることは確かだ。


「はァーイ。サーカス殺人鬼が猛獣、松下健吾くんでェェェっす!! ねえねえどうしたの? そろそろ熱血ムードにも飽きてきたぜぃ」
「松下、健吾―――この―――」
「来るな、神無月!」


サーカスの殺人鬼の片割れ、猛獣の松下健吾。
その名前を聞いた瞬間に血相を変えた神無月を大声で静止しつつ、支給された鉄パイプを取り出す。

「あいつは相当だ。はっきり言って、お前を守りながら勝つのはちょっと厳しい」
「逃げろって、いうのか……」
「そう言っている。………安心しろ、この悪鬼はここで私が葬る。お前の復讐は私が為す」
「……分かりました。死なないで下さいよ、見上さん」
「応。白宮ちゃんを守れよ、色男」


走り去る神無月を追わせないように松下の行く手を塞ぎながら、眼前の猛獣を観察する。
筋肉の質は下手な格闘家より上のようだし、猛獣と名乗っているだけあり相当な実力者と言えるだろう。
しかし、隙だらけでもある。
一撃一撃の威力と速度は脅威かもしれないが、勝率は決して低くはない。


(それなら、戦える)


勝率があってもなくても、誰かを守るためになら私は、我が身を擲って戦える。


「さって! もうおっ始めたいんだがいいかね、オッサン?」

返答はしない。
意識を背後の少女に向けて集中させ、今までにないほどの清々しさを感じながら、言った。


「見ていろ。必ず勝ってやる――生憎と、私はまだ死ねない」

119 ◆jZCpcbFowc:2012/04/30(月) 11:37:36
【B-1/廃墟街/午前】


【神無月恭一@生還者】
[状態]健康
[装備]裁縫用の大鋏
[道具]基本支給品一式
[思考]
基本:つぐみと主催を打倒


【見上壮一@消防士】
[状態]健康
[装備]鉄パイプ
[道具]基本支給品一式
[思考]
基本:他人の命を守る


【松下健吾@殺人犯】
[状態]腹部にダメージ(小)
[装備]メス
[道具]基本支給品一式
[思考]
基本:心行くまで殺し合いを楽しむ


投下終了です

120 ◆VHIrQZ.9zI:2012/05/03(木) 20:07:59
乙です。ヴィヴィアンワイルドだなw

第二話:それぞれの秘め事
登場人物:ベルゼブブ、香山伊織

投下します。

121 ◆VHIrQZ.9zI:2012/05/03(木) 20:08:55

黙り込む繁華街。騒々しいはネオンの輝きのみ。
そこに、新たに光が生まれる。
光はやや大きく、尖った頭部と滑らかなラインを型どり、やがて消失してしまう。
それに取り残されたのは頭上で煌めく冠とは不釣り合いな白いペンギン。
彼こそが魔界で名を馳せる、ベルゼブブ931世・ベルゼブブ優一である。

「はぁ〜〜、面倒なことになった」

上げた第一声は誰に届くわけでもなく、空虚に溶けていった。

ベルゼブブはこの命を掛けたババ抜きゲームにおいて、自身がどのようなスタンスをとるか迷っていた。
別に、誰かを殺すことに抵抗があるわけではない。人を不幸にしてこその悪魔なのだから。
ただ主催者の言うことに素直に従うのも塵。かと言って、こんなところでのたれ死ぬのも御免だ。
ベルゼブブがこの姿で召喚されているということは、相手は相当の手練れ。そうでなくてもこのうざったい首輪がある限り、主催者への真正面からの反す逆は不可能だろう。

(さて、どうしたものか…。おや?)

目の前に出現した白光する塊に、直ぐ様思考を停止させる。
来たるは敵か、それとも―――。


□     ■     □

122 ◆VHIrQZ.9zI:2012/05/03(木) 20:11:56

少しでも視線を感じれば、晒し者になっている気分になる。
笑い声が聞こえれば、自分の陰口で盛り上がっているのだと勝手に落ち込む。

“本質”孤独。
誰かに憧れるような取り柄、無し。
唯一出来ることは“本質”による“影遊び”。

コンプレックス、十個以上。
女顔。チビ。貧相。ひ弱。色白。コミュ障。童貞。眼鏡。男の割に妙に高い声。友達0、などなど。

根暗少年・香山伊織はいかなる場面に於いても、自分の“本質”を貫くつもりだった。

…のだが。
不幸なことにゲーム会場なるこの島への転送が完了したと思えば、既に目の前にはペンギンが。
予期せぬ出来事にあちらも驚いたのか「おや」などと短い声を漏らしているが、相手の眠たげな表情には微塵も変化は無い。

「貴方も運が悪いですね。一番最初に出逢ったのが、このベルゼブブとは。
しかし安心なさい。別に取って喰おうなどとは思っていませんから。
で、貴方はこのゲームに乗るのですか?」
「……」
「…チッ、だんまりかよ。まぁ、恐怖で声が出ないのでしょうね。何だか芋っぽいですし」
「……」
「……」

常に返事は無言。呆れた相手もとうとう口を閉ざしたなら、場の支配者は沈黙になる。

123 ◆VHIrQZ.9zI:2012/05/03(木) 20:14:38

ペンギンの言うことは惜しいだけで、正解ではない。
伊織のだんまり癖の根本的な原因は、相手に対しての“恐怖”ではない。
確かにこのゲームに対して、自身の命の危機に対しての恐怖は少なからずあるけれど、その感情と話さないこととはほぼ無関係である。

ただ、誰かと関わりたくない。
“あの日”を境に関わりたくなくなった。
関わることが嫌いに、なってしまったから。
酷く億劫になってしまった。誰からも逃げたくなってしまった。

全て捨てたしまいたくなった。だから全てを捨てて、生まれ持った本質“孤独”を受け入れた。

だから、話さない。目を合わせない。ひたすら無言を守り通す。

「…」
「はぁ、コミュ障かよ。
…本当はこの状況でこんなことはしたくないのですか。したくないのですが!
何も言わないのなら仕方がない、無理にでも心中を吐かせてさしあげましょう。
貴方はゲームに乗るのですか?全てを白状しなさい」

緩く瞬いたペンギンは演技じみた大袈裟な溜め息をついて、三歩ほど伊織へと歩み寄った。
まずいと感じ後退するも意味はない。ペンギンの鋭い眼光に捕らわれて、遂に伊織は口を開いた。


「…ゲームには、乗ってないよ。僕はただ、―――」



□     ■     □

124 ◆VHIrQZ.9zI:2012/05/03(木) 20:16:21

香山伊織を名乗る少年と邂逅を果たして約一時間。
能力を駆使したベルゼブブは些か疲労を感じて付近の飲食店に伊織を誘った。
首輪による制限か、連続して使えなくなった職能“暴露”では引き出せなかった分の情報を得るためだ。
能力の効果が切れればまたもや黙り込むかと思った伊織も、少し悩みながらも素直に応じていた。

「未来を生けるエイリアンと人間の“混血”、ですか」
「…あ……うん…。未来っていうか……その…僕にとっては……今、なんだけど…」

伊織によれば、混血とは皆一様に生まれた時より“本質”が定められ、同時に頭は良くないが凄まじい怪力を誇るパワー型・力は無いが速さは随一のスピード型・運動能力は他2タイプに負けるが驚異の頭脳と回復能力を持つ計算型の3タイプからどれか一つの才能が与えられるという。
血の濃さやタイプにもよるが基本的に回復能力や身体能力は人間とは桁違いであり、何万年という年月を寿命とする生物。

その生物は自分以外にもこの会場には九人ほど存在していて、その内、伊織と同じ“高校十二学生”は福原隼人・小森ひなた・妹尾大樹・園村理緒・危険人物である四条瑞季の五人であること。

四条瑞季の名は、先程職能を使用した時にも出てきたため掘り下げて聞いてみたが、黙秘された。
――恐らく、これ以上追求したって無駄。
そもそも四条が注意すべき人物ということさえ知れたなら、職能を使ってまでも二人のしがらみを知る必要は無いだろう。

それに、こちらから与えた情報にだって穴はある。
ベルゼブブが明かしたのは“悪魔使い”の佐隈りん子のこと、自身やアザゼルの職能、悪魔そのものの再生能力に関してのみ。
悪魔にとって唯一の弱点となるグリモアについては一切触れていない。

隠し事をしているのは伊織だけではないのだから、 お互い様なのだ。

125 ◆VHIrQZ.9zI:2012/05/03(木) 20:17:16


「それで、これからどうするんです?ゲームに乗らないということは、ゲームに抗うということですか?それとも、さっき私にしたようにスルーを決めるつもりですか?」
「………あ…いや、えっと…とり、あえず………一人で…」
「とりあえず一人で、何もしないでやり過ごすということは出来ないと思いますよ。
自分可愛さに、ジョーカーとやらを抹殺するために無差別に殺して回る輩だって居ないとは言い切れない。
貴方、自分が殺されそうになっても何もしないんですか?逆に、その時は一人で対処出来るんですか?」
「…う……」
「まさか何も考えていなかったのですか?」
「……あぁ…う、うん…」

何という考え無しの駄目男。典型的な雑魚野郎である。
話す度に、もじもじもじもじと鬱陶しいくらいの擬音が聞こえてくる。面倒臭くて仕様がない。
ここで捨て置いても良いのだが、知り合いが多い分、充分手駒になる人物であることは確か。
結局のところベルゼブブ自身の方針もまだ定まってはいないが、利用出来るものは手元に置いてあった方がいざというときに役に立つということで、一つ提案をしてみることに。

「…それでは私と協力して、このゲームから皆で脱出する方法を考えませんか?」
「…ぇ……ぁ…そんなこと、出来るの…?」
「私一人では不可能でしょうけれど、少しでも仲間が居れば可能性はあります。
例えばこの首輪を外せるほどの力を持つ人物だとか」
「…居る、かな……?」
「うじうじうじうじうっせぇな。良いから黙って協力しろやクソが」
「………………」

こほん―――わざとらしく咳払いをして軌道修正。

「私が居ると、貴方も何かと便利でしょう。重度のコミュ障ですし、一人だと挙動不審すぎてゲームに乗ってる怪しい奴と思われても仕方がありませんよ」
「………あ、…う、うん…そっか」

歯切れは悪いけれど、上手く事を運ぶことは出来た。
最後にもう一度念を押すように、欠片も思っていないことを、心を込めて言い放つ。

「さあ、行きましょう。勇敢に主催陣に立ち向かい、このゲームから皆を救うのです!」

126 ◆VHIrQZ.9zI:2012/05/03(木) 20:18:48
【深夜/D-3、繁華街・飲食店内】
【ベルゼブブ931世・ベルゼブブ優一@よんでますよ、アザゼルさん】
[状態]健康
[装備]無し
[道具]基本支給品、アイテム×1〜3
[思考] スタンス:思案中。表面上は対主催。
1:伊織を利用

※香山伊織と情報交換をしました。

【香山伊織@オリジナル】
[状態]健康
[装備]無し
[道具]基本支給品、アイテム×1〜3
[思考] スタンス:ゲームには乗らないことを前提に思案中。
1:ベルゼブブと協力する。

※ベルゼブブと情報交換をしました。



投下終了です。

127参加者名簿 ◆w/jS/22IWo:2012/05/04(金) 19:32:16
おまたせいたしました 
「オリ+版俺得なバトル物多ジャンルバトルロワイアル」の参加者名簿を投下します
申し訳ありませんオリキャラのプロフィールは明日以降になりそうです
10/10【オリジナル】
○赤城誠/○浅田直人/○井上美香/○桜木由美/○敷島真由/○田村沙耶/○東條直弥/
○水野恒一/○八島詩音/○若槻幸人○相羽タカヤ/○相羽シンヤ/○相羽ミユキ/○モロトフ
4/4【宇宙の騎士テッカマンブレード】
○相羽タカヤ/○相羽シンヤ/○相羽ミユキ/○モロトフ
2/2【仮面ライダーZO】
○麻生勝/○ドラス
5/5【仮面ライダークウガ】
○五代雄介/○ズ・ゴオマ・グ/○ゴ・ガドル・バ/○ゴ・バダー・バ/○ン・ダグバ・ゼバ
5/5【仮面ライダーキバ】
○紅渡/○名護啓介/○紅音也/○キング/○鈴木深央
5/5【仮面ライダーディケイド】
○門矢士/○光夏海/○小野寺ユウスケ/○海東大樹/○アポロガイスト
7/7【仮面ライダーW】
○左翔太郎/○フィリップ/○照井竜/○園咲若菜/○園咲冴子/○園咲霧彦/○井坂深紅郎
6/6【仮面ライダーOOO】
○火野映司 /○アンク/○カザリ /○ウヴァ /○メズール /○ガメル
5/5【強殖装甲ガイバー】
○深町晶/○リヒャルト・ギュオー/○アプトム/○ネオ・ゼクトール/○ザンクルス
5/5【輝竜戦鬼ナーガス】
○霧山竜輝/○美森沙智/○ギレウス/○ドリワーム/○スグシス/○グライマー
3/3【デビルマン】
○不動明/○飛鳥了/○シレーヌ
9/9【魔法少女リリカルなのはStrikerS】
○高町なのは/○フェイト・T・ハラオウン/○スバル・ナカジマ/○ティアナ・ランスター/
○エリオ・モンディアル/○キャロ・ル・ルシエ/○チンク/○ノーヴェ/○ヴィヴィオ
7/7【魔法少女まどか☆マギカ】
○鹿目まどか/○暁美ほむら/○美樹さやか/○佐倉杏子/○巴マミ/○志筑仁美/○上条恭介

128参加者名簿 ◆w/jS/22IWo:2012/05/04(金) 19:46:06
すいませんオリジナルのところにテッカマンブレードのキャラが入ってます 修正版です
オリ+版俺得なバトル物多ジャンルバトルロワイアル 参加者名簿
10/10【オリジナル】
○赤城誠/○浅田直人/○井上美香/○桜木由美/○敷島真由/○田村沙耶/○東條直弥/
○水野恒一/○八島詩音/○若槻幸人
4/4【宇宙の騎士テッカマンブレード】
○相羽タカヤ/○相羽シンヤ/○相羽ミユキ/○モロトフ
2/2【仮面ライダーZO】
○麻生勝/○ドラス
5/5【仮面ライダークウガ】
○五代雄介/○ズ・ゴオマ・グ/○ゴ・ガドル・バ/○ゴ・バダー・バ/○ン・ダグバ・ゼバ
5/5【仮面ライダーキバ】
○紅渡/○名護啓介/○紅音也/○キング/○鈴木深央
5/5【仮面ライダーディケイド】
○門矢士/○光夏海/○小野寺ユウスケ/○海東大樹/○アポロガイスト
7/7【仮面ライダーW】
○左翔太郎/○フィリップ/○照井竜/○園咲若菜/○園咲冴子/○園咲霧彦/○井坂深紅郎
6/6【仮面ライダーOOO】
○火野映司 /○アンク/○カザリ /○ウヴァ /○メズール /○ガメル
5/5【強殖装甲ガイバー】
○深町晶/○リヒャルト・ギュオー/○アプトム/○ネオ・ゼクトール/○ザンクルス
5/5【輝竜戦鬼ナーガス】
○霧山竜輝/○美森沙智/○ギレウス/○ドリワーム/○スグシス/○グライマー
3/3【デビルマン】
○不動明/○飛鳥了/○シレーヌ
9/9【魔法少女リリカルなのはStrikerS】
○高町なのは/○フェイト・T・ハラオウン/○スバル・ナカジマ/○ティアナ・ランスター/
○エリオ・モンディアル/○キャロ・ル・ルシエ/○チンク/○ノーヴェ/○ヴィヴィオ
7/7【魔法少女まどか☆マギカ】
○鹿目まどか/○暁美ほむら/○美樹さやか/○佐倉杏子/○巴マミ/○志筑仁美/○上条恭介
【74/74】

129参加者名簿 ◆w/jS/22IWo:2012/05/04(金) 19:47:46
投下終了です
バトル物で多ジャンルなバトロワにするつもりだったんですがライダーが結構な割合を占めてしまいました
輝竜戦鬼ナーガスはそんなに知られていない作品だと思いますなんせ自分が生まれてくる前の漫画です
面白いですよ
デビルマンは実写版のほうです 

更新は不定期でいつ終わるかもわかりませんが、がんばります!

130 ◆AgKjRGgzZw:2012/05/04(金) 22:22:19
はじめまして
非リレーロワ「闇の動物ロワイアル」の参加者名簿を投下したいと思います

11/11【はなかっぱ】
○はなかっぱ/○ももかっぱちゃん/○がりぞー/○アゲルちゃん/○カラバッチョ/○つねなり/○みろりん/○ベーヤちゃん/○すぎる/○コケヤン/○やまのふじ
2/2【ポケットモンスター】
ピカチュウ/ニャース
3/3【おじゃる丸】
○電ボ三十郎/○キスケ/○オコリン坊
6/6【ケロロ軍曹】
○ケロロ軍曹/○ギロロ伍長/○ドロロ兵長/○タママ二等兵/○クルル曹長/○ヴァイパー
5/5【デジモンアドベンチャー】
○アグモン/○ガブモン/○ピヨモン/○テントモン/○テイルモン
4/4【しましまとらのしまじろう】
○しまじろう/○とりっぴぃ/○みみりん/○らむりん
4/4【とっとこハム太郎】
○ハム太郎/○こうしくん/○リボンちゃん/○タイショーくん
5/5【ぷよぷよシリーズ】
○ミノタウルス/○すけとうだら/○ぞう大魔王/○あくま/○ポポイ
2/2【ボボボーボ・ボーボボ】
○田楽マン/○ガ王
1/1【かいけつゾロリ】
○ゾロリ
2/2【こちら葛飾区亀有公園前派出所】
○ダイアン/○ワニ
2/2【サザエさん】
○タマ/○ハチ
1/1【クレヨンしんちゃん】
○ぶりぶりざえもん
2/2【絶体絶命でんぢゃらすじーさん】
○ゲベ/○りゅぬぁってゃ
1/1【デジモンクロスウォーズ】
○シャウトモン
2/2【ドラえもん】
○ドラえもん/○ミィちゃん
1/1【ペンギンの問題】
○木下ベッカム
1/1【忍たま乱太郎】
○ヘムヘム
1/1【ハイスクール!奇面組】
○一堂ラッシー
1/1【日常】
○阪本さん
1/1【涼宮ハルヒの憂鬱】
○シャミセン
58/58

131参加者名簿 最終版 ◆w/jS/22IWo:2012/05/05(土) 09:58:56
ほんとに名簿からいろいろすいません投下スレに代理投下してくれた方にも申し訳ないんですが
参加者から仮面ライダーOOOの参加者を無くし仮面ライダークウガではゴ・ベミウ・ギとゴ・ジャラジ・ダ、
ゴ・ザザル・バ、ラ・ドルド・グを追加しゴ・バダー・バを消すことにしました 合計70人で行います
バダーはライダーロワNEXTに参加していていままでロワに参加したことのないグロンギを出してみたくなりました
こうやってまだオープニングとかを投下していなければ後から修正できるのは非リレー型の強みですね

オリ+版俺得なバトル物多ジャンルバトルロワイアル 参加者名簿 最終版

10/10【オリジナル】
○赤城誠/○浅田直人/○井上美香/○桜木由美/○敷島真由/○田村沙耶/○東條直弥/
○水野恒一/○八島詩音/○若槻幸人
4/4【宇宙の騎士テッカマンブレード】
○相羽タカヤ/○相羽シンヤ/○相羽ミユキ/○モロトフ
2/2【仮面ライダーZO】
○麻生勝/○ドラス
8/8【仮面ライダークウガ】
○五代雄介/○ズ・ゴオマ・グ/○ゴ・ベミウ・ギ/○ゴ・ジャラジ・ダ/○ゴ・ザザル・バ/
○ゴ・ガドル・バ/○ラ・ドルド・グ/○ン・ダグバ・ゼバ
5/5【仮面ライダーキバ】
○紅渡/○名護啓介/○紅音也/○キング/○鈴木深央
5/5【仮面ライダーディケイド】
○門矢士/○光夏海/○小野寺ユウスケ/○海東大樹/○アポロガイスト
7/7【仮面ライダーW】
○左翔太郎/○フィリップ/○照井竜/○園咲若菜/○園咲冴子/○園咲霧彦/○井坂深紅郎
5/5【強殖装甲ガイバー】
○深町晶/○リヒャルト・ギュオー/○アプトム/○ネオ・ゼクトール/○ザンクルス
5/5【輝竜戦鬼ナーガス】
○霧山竜輝/○美森沙智/○ギレウス/○ドリワーム/○スグシス/○グライマー
3/3【デビルマン】
○不動明/○飛鳥了/○シレーヌ
9/9【魔法少女リリカルなのはStrikerS】
○高町なのは/○フェイト・T・ハラオウン/○スバル・ナカジマ/○ティアナ・ランスター/
○エリオ・モンディアル/○キャロ・ル・ルシエ/○チンク/○ノーヴェ/○ヴィヴィオ
7/7【魔法少女まどか☆マギカ】
○鹿目まどか/○暁美ほむら/○美樹さやか/○佐倉杏子/○巴マミ/○志筑仁美/○上条恭介

【70/70】

132 ◆w/jS/22IWo:2012/05/06(日) 08:17:31
ああもう...71人になってた
ラ・ドルド・グを【仮面ライダークウガ】から抜いて7人にします

133 ◆jZCpcbFowc:2012/05/26(土) 13:24:49
さるったのでこちらに

134 ◆jZCpcbFowc:2012/05/26(土) 13:25:21
【一日目/未明/C-4・森】


【折原臨也@デュラララ!!】
[状態]健康
[装備]なし
[支給品]基本支給品一式、ランダム支給品1〜3
[思考・行動]
基本:バトルロワイアルを転覆させ、願いを叶える
1:ダラーズのメンバーを増やしていく
2:帝人君たちは見つけ次第保護する。シズちゃん?知らないなぁ。
3:説得が無理そうなマーダーは殺すことも辞さない。
※九巻終了後からの参加です


【瀬戸麗華@非リレーのオリキャラ】
[状態]健康
[装備]コルトガバメント(3/7)@現実
[支給品]基本支給品一式、ランダム支給品1〜2
[思考・行動]
基本:雪子を守るために臨也さんに協力する。
1:ダラーズのメンバーを増やしていく。
※変哲オリロワ参加前からの参加です


【ステイル=マグヌス@とある魔術の禁書目録】
[状態]健康
[装備]ルーンのカード@とある魔術の禁書目録
[支給品]基本支給品一式、ランダム支給品1〜2
[思考・行動]
基本:折原臨也に協力して、脱出を目指す
1:ダラーズのメンバーを増やしていく。
2:上条当麻と合流したい
3:主催者と戦うことになれば躊躇なく焼き払う。説得の不可能なマーダーも然り。
※原作22巻終了後からの参加です
※ルーンのカードの枚数上限は特にありません

135 ◆jZCpcbFowc:2012/05/26(土) 13:26:03
これにて投下終了です

136 ◆jZCpcbFowc:2012/05/26(土) 13:27:19
すいません、>>134の前に

今やその真の意味さえ失われ、当初とは全く違う『脅威』を意味する名前。
ダサい名前だ、という空気が伝わってくるようだったが、これはいわば折原臨也の自己満足だった。
思い付きではなく、ちゃんと理由あってのチーム名である。

彼―――折原臨也は、池袋で近頃燻っている火種を撒き散らした張本人だ。
戦争が起きることを望んで、ちまちまと火種を撒いてきて、ようやっと火が出そうな頃合い。
だったのだが、そこで言峰のゲームに巻き込まれ、計画も何もかもが狂ってしまった。
『主要人物』の竜ヶ峰帝人、園原杏里。そしてこちらも重要なパーソン、セルティ・ストゥルルソン。
誰か一人でも欠けてしまえば、臨也の望む結末は大きくずれてしまうかもしれない。
自分の目論見が砕かれるというのはいい気がしないが、それで諦める折原臨也ではない。
竜ヶ峰帝人の代用品はそうそう存在しないけれど、せめてダラーズという組織の存在だけでも存続させていけば、またチャンスが巡ってくる可能性も無きにしも非ず。

無論、帝人、杏里、セルティの三人が揃って生還出来ることが一番いい。
何事もなかったかのように終わらせられればいい―――しかし、そんな御都合主義では終わらないだろう。
折原臨也に出来ることは、一人でも多くのキーパーソンを生還させることだけだ。
だが――それで止まりはしなかった。
彼は表向き脱出を目指してはいるものの、実際のところ、脱出で終わらせるつもりなど毛頭ない。
主催者の言葉が正しければ、あちら側には『願いを叶える手段』がある筈である。
臨也が欲するのは、それだ。
何も最後の一人まで殺し合わなければ使えない手段だとは言っていなかった。
一人だけしか叶えられないとしても、もうこの時点でその準備は整っていると、臨也は見ている。

それを使って、このバトルロワイアルを『虚構』に変えてしまおうと、思っているのだ。
そうすれば臨也のプランには影響が出ない。
彼にしては珍しく、今掴める面白さではなく、後にしか掴めない面白さを選んだ。


――――否。それだけではない。
折原臨也の目的の一つには、言峰らの抹殺が確かにある。
言峰を始めに、大元の『人類最悪』とかいう輩も、一人残らず地獄に叩き落とす。
自分を敵に回した流儀として、それくらいの責任は取らせてやる。
いや、本当ならば流儀など一切考えていない。
彼のやろうとしているのは、ある種の弔い合戦だ。


自分が何か悪どいことをしていると注意し、真に『友人』と呼ぶに相応しい人間。
岸谷新羅――――見せしめとして惨殺された闇医者の男。
彼の氏に怒りを燃やしているのは何もセルティ・ストゥルルソンだけではない。
何度か世話になっている平和島静雄もそうだったし、園原杏里や竜ヶ峰帝人も哀しむことだろう。
あの時はいつものように笑って見せたが、折原臨也は彼の弔い合戦を、行おうとしていた。

本人すら、自分が仇討ちの為に戦おうとしていることに気付いていない。
歪んだ物語を引き起こして楽しんでいた青年は、自分もどうしようもなく歪んだ物語に身を投じる。
彼もまた、一人の人間だった。


『ダラーズ』――――――――ここに、結成。


を挿入お願いします。すいません

137 ◆xR8DbSLW.w:2012/06/09(土) 21:23:19



 ○






キーンコーンカーンコーン  キーンコーンカーンコーン。






 ○


「えー、はい。3年A組の楔音契也くん。呼び出しです。急がなくても構いませんが体育館までお願いします」







【楔音契也:優勝】




【To Be Continued!】

138 ◆xR8DbSLW.w:2012/06/09(土) 21:24:20
ついでに一レスだけではありますが二週目最終話を

139 ◆xR8DbSLW.w:2012/06/09(土) 21:24:56



 ○



 前略



 ○




















「僕の願いはただ一つ。『周回を増すごとに、一人ずつ記憶を継げる人を増やせる』ことだ。今は二週目なんでしょ? ――なら記憶を継げれるのは二人だ」





















 ○


 後略


 ○


【To Be Continued!】

140 ◆xR8DbSLW.w:2012/06/09(土) 21:27:33
以上で投下終了です

141 ◆jZCpcbFowc:2012/06/11(月) 10:16:03
さるったのでこちらに

142 ◆jZCpcbFowc:2012/06/11(月) 10:17:09
◇ ◇


さて。予期せぬ幸運に恵まれたおかげで衛宮から逃げられたあたしなわけなんだけど。
―――いや、でもどうだろうね。
多分、あたしが引いたのは幸運のくじじゃなくて、不運のくじだったんだと思う。
◆ymCx/l3enUさん。
あの人とあの女の子が助けてくれなかったらあたしは今頃、冗談抜きであの剣の錆になってた。そこに関して言えば、確かにあたしは幸運なのかもしれない。
……だけど、ymさんがもし危険な人間だったとしたら、どうだろう。

恩知らずな話だとは思うし、もしもこれが勘違いだったらymさんにすごく申し訳ない。
でも、普通あの場で女の子一人を置いて逃げようという選択になるか、と言われたら?
その前に、銃一丁で衛宮と渡り合っていながら、あの状況に臆して逃げた、ってのは苦しいでしょ。
これはあたしの身勝手な妄想。
推理ごっこと思ってくれてもいいけど――結論。あたしはymさんを疑っている。
何か目論見があって、衛宮とあの娘を相討ちでもさせようとしていたんじゃいかと、思ってる。
だからってどうするかと言われたら、残念だけど答えなんてあたしは持ってない。
もしあたしが逃げようとしても、背中から撃たれておしまい。ちゃんちゃん、なんて笑い事じゃない。

(どうしましょう……?)

なるべく不信感を悟られないように、あたしは考える。
そんな器用な真似がうまく出来ているかも自分じゃ分からないんだけど、そこは祈るしかないでしょ。

不意打ちがうまく決まりでもすれば逃げられるかもしれない。……決まりでもすればね。
落とし物したから先行ってて欲しいと言ったら……馬鹿、そんなのバレバレじゃない。
愛の告白をして怯んだ隙に!……末期ね。さよなら、あたしの理性。
って、マジでどうすんのよこれ……?


【榎本夏美@非リレーのオリキャラ】
[状態]疲労(小)、衣服に埃がついている
[装備]なし
[支給品]基本支給品一式、ランダム支給品0〜3
[思考・行動]
基本:理想の結末を目指す
1:ymさんからどうにかして逃げたい
2:柳沼、楓之と合流する。楔音はとりあえず保留。
※一週目終了後からの参加です
※衛宮士郎から『聖杯戦争』についての大まかな概要を聞きました


◆ ◇


赤髪の剣士が去り、書き手と時間跳躍者も去って、小綺麗だった店内は見る影もなくなっていた。
言ってしまえば宝具の炸裂弾、奇跡の具現が無下に使い捨てられた爪痕はかなり大きい。
壁が崩れ、テーブルが吹き飛んで、誰が見てもここで何かがあったことは明白だ。
自然崩壊にしては、被害が爆発的過ぎる。

「………う………」

――そんな惨状の中で、瓦礫の中から這い出てくる小さな少女の姿があった。
衛宮士郎の"壊れた幻想"で死亡したかと思われた少女――シャナは、ダメージを負いこそしたものの、致命傷には到らずに済んでいたのだ。
後はフレイムヘイズ特有の回復力の恩恵あって、身体の擦過傷は少しずつ治癒しつつある。
一時間も休憩すれば、また戦闘を行うことが出来るくらいには回復できることだろう。
が、不甲斐ないにも程がある、とシャナは自らを自嘲していた。

143 ◆jZCpcbFowc:2012/06/11(月) 10:18:53
相手は「王」のような化け物じみた存在ではなく、言ってしまえば人間である。
赤い聖骸布を解いたその瞬間から強さが化け物じみたレベルで跳ね上がったとはいえ、決め手となったあの一撃を防げなかったのは完全に自身の弱さがもたらした失態だ。
もしもコキュートスが、アラストールの声があったなら、あれを起点に戦況を変えられたろうか。
もしも――悠二がいたなら。

「……ばっかみたい」

自分は確かに悠二のことが、一人の異性として好きだ。
しかし、それは依存しきっていいという免罪符には決してならない。
炎髪灼眼の討ち手として、このバトルロワイアルを破壊しなければならないのだから。
もう少し身体を休めないと、さすがに残留しているダメージの総量が多すぎる。
小一時間でいい。シャナは自らの頭を冷やすことと体力の回復、二つの理由で休息を開始した。


【シャナ@灼眼のシャナ】
[状態]疲労(中)、全身にダメージ(大)
[装備]贄殿遮那@灼眼のシャナ
[支給品]基本支給品一式、ランダム支給品0〜2
[思考・行動]
基本:バトルロワイアルの破壊。
1:休息をとって、その後に悠二を捜す
2:コキュートスを探す。
3:剣使い(士郎)は次に出会ったら殺す



◆ ◆


              体は  剣で 出来ている
 「――――I am the bone of my sword.」

              血潮は鉄で          心は硝子
 「―――Steel is my body, and fire is my blood」

            幾たびの戦場を越えて不敗
 「―――I have created over a thousand blades.
           ただ一度の敗走もなく、
      Unaware of loss.
           ただ一度の勝利もなし
      Nor aware of gain」

                  担い手はここに独り。
 「―――With stood pain to create weapons.
                剣の丘で鉄を鍛つ
       waiting for one's arrival」

           ならば、    我が生涯に 意味は不要ず
 「――I have no regrets.This is the only path」

              この体は、         無限の剣で出来ていた
 「―――My whole life was “unlimited blade works”」



◆ ◆

144 ◆jZCpcbFowc:2012/06/11(月) 10:19:35
投下終了です。

145 ◆9n1Os0Si9I:2012/06/23(土) 21:09:38
さるったのでこちらに


【朝/C-2住宅街民家内】
【守谷彩子@他の方のオリキャラ】
[状態]右肩に銃創(処置済み)、決意
[所持品]基本支給品、不明支給品
[思考・状況]
基本:この殺し合いを出来るだけ幸せに終わらせる
1:クリスさんと飯島ちゃんと行動する
[備考]
※重要なしロワ死亡後からの参戦です。
【飯島遥光@他の方のオリキャラ】
[状態]健康
[所持品]基本支給品
[思考・状況]
基本:生き残る
1:おねーさん達と行動する
2:熊本潤平と合流
[備考]
※数だけロワ参戦前からの参戦です。
【クリス・レッドフィールド@BIOHAZARDシリーズ】
[状態]体にダメージ(小)
[所持品]基本支給品、ガトリングガン@BIOHAZARDシリーズ
[思考・状況]
基本:この殺し合いの打倒
1:彩子、遥光と行動する
2:ジルと早く合流したい
[備考]
※数だけロワ参戦前からの参戦です。



◆    ◆    ◆    ◆    ◆



と、まぁいい感じに終わったと思うだろう?
それはあくまで幻想、空想上の話だ。
守谷彩子が見た物は自分を正当化させるものだったのかもしれないだろう。
だったら先ほどまでの話は、視点がくるっと変わる。
自身の罪を乗り越えて決意する女性、ではなく『自身の罪を忘れ自分勝手な正義を押しつける女』になる。
なんて滑稽なんだろうな。
あれだけの事を豪語しておきながら。
結局やっているのは自己を正当化する事だ。
呆れを通り越して笑いまで出てくる。

「――――ん、っと」

さて、久々に体を動かした気がする。
先ほどまで死んでいたのだから、ある意味久しぶりではあるな。
死んでから生き返るまでと言うのは、時間にしたら短いが体感からするとかなり長いんだな。
しかし、便利なものだ――――久木山凌河の生命力。
背中を大量に撃たれてもこれだ。
死なずに、若干ふらふらするが行動できるようにはなっている。

「ハッ――――しっかしま、これも便利な能力だよな」

書き手特権――――主催により与えられた能力。
創造したオリキャラの能力を使う、優れた力。
その中でも彼、◆ymCx/I3enUは他の書き手とは違う。
圧倒的なキャラの数。
そして異常な性能を持つキャラ。
まさに、『最強』の書き手と呼ぶにふさわしい。
各々のキャラの所有時間が短かろうが、数で押せばいいのだ。
それは彼にしかできないような、能力の使い方だ。

「さーて、じゃあいっちょ狙ってみますか――――優勝」

最強の書き手は今ここに動き始めた。
彼を止めれる者は、現れるのだろうか。

【朝/C-2住宅街】
【◆ymCx/I3enU@非リレー書き手】
[状態]背中に大量の銃創(治療中)失血(大)、、久木山凌河の能力使用(傷完治まで)
[所持品]基本支給品、不明支給品、エンフィールドNo.2(4/6)、380エンフィールド弾(30)
[思考・状況]
基本:殺し合いに優勝する
1:書き手さん相手にするのは面倒だろうな……どうすっか

146 ◆9n1Os0Si9I:2012/06/23(土) 21:10:09
投下終了です。
想ったよりあっさりと終わらせてしまったなぁ……と言う感じがしてしまう

147 ◆jZCpcbFowc:2012/08/01(水) 09:22:38
さるったので

◆ ◇


ご機嫌如何かな、諸君。
君たちが随分頑張って殺し合ってくれたおかげで、前回の放送から実に一時間十七分五十三秒七二、相当な早さでこの第二放送を響かせることが出来た。
こういう殺し合いを私はいくつか知っているが、これはやはり異例のペースだよ。誇るがいい。
では、お待ちかねの死者通達といこうかな。
……正直な話、まるで出来すぎているかのような結果になっているよ。
まさか今回で殺人者(マーダー)が残り一人にまで減らされてしまうとは、流石に計算外だった。

まあ、禁止エリアに侵入して死ぬような馬鹿がいなかっただけ良かったというべきかな。
私としても、厳選して集めた人材にそんな頭の悪い死に様を遂げられては興醒めだ。
その点君たちは実に優秀だよ。
おっと、殺し合いに背く君たちのことも含んでいるから安心してくれたまえ。
今のところ君たちに処罰を下すつもりはないよ――最後の一人は、とんでもなく強いからね。
彼を倒せたなら、争奪戦を台無しにされたって拍手喝采を送るよ。
……話が逸れてしまったね。
では、死者の発表だ。

葵崎蜜柑。
松下健吾。
見上壮一。
柏原修一。

以上の四名が、この短時間の間でいずれも激しい激戦の末に命を散らした。
ある者は策謀渦巻く騙し合いの末に命を落とし、
ある者は互いの技術を単純にぶつけ合う殺し合いの末に相討ち、
またある者は相討ちを企て、結果的に成し遂げられはしなかったが、恥じることのない死に様だった。
実に素晴らしいよ――数えきれないドラマが生まれていて、何とも感動的だ。

さて、お次は禁止エリアとなるのだが。
諸君らにとって良い報せかは分からないが、今回から禁止エリアは設けないことにした。
マーダーが残り一人で、しかも反則級だからね。
行動範囲を狭くしすぎるとワンサイドゲームになってしまうだろうから、私からのサービスだ。
勿論既存の禁止エリアに侵入すれば首輪は起爆されるから、そこだけは用心しておいてくれ。
では、次があればまた会おう。
いや――放送の間もなく皆殺しになるか、奇跡的に討ち果たすかのどちらかになるのか。
ならば放送もこれで最後だ。
次に会うのは、対主催とマーダー、どちらかが根絶された時だね。

それじゃあどちらも頑張ってくれ。
君たちが良い結末に辿り着けることを――心から祈っているよ。
では、じゃあね。


◇ ◆


「ついに―――ついにこの時が来た!」


放送のマイクを切るなり、白宮雨雲は高笑いを始める。
両手を大きく広げ、天井を仰いで上品さもかなぐり捨てて、ワクワクを押さえきれない子供のように。
彼の目的は、もうじきに達成されようとしていた。
善良な青年であった雨雲が争奪戦なんてものを開催した目的が、ようやく叶う。


「ハハハハハハ、ファハハハハハハッ!!!!
やれるものならやってみろ、この私を打ち砕いてみろ、欲に溺れる哀れな駒共!
最後に笑うのは私だ、争奪戦など所詮準備段階に過ぎんッ!!
ファハハ、アッハッハハハハハハハ!!!」


―――施設内は、不気味なほどに静まり返っている。

148 ◆jZCpcbFowc:2012/08/01(水) 09:23:23
投下終了

149 ◆AgKjRGgzZw:2012/08/13(月) 19:08:45
闇の動物ロワイアルのOPを投下します


夜の闇の中で、幾つもの影が界隈していた。
犬に猫、鼠や蛙。
そこにいたのは全て「動物」だった。

皆、首輪を着けられ、檻の中で眠りこけていた。
しばらくして、パッ。と音がした。
灯りが点いた音だ。
そして体育館らしき場所の壇上には紫の蛙のような生き物がいる。
彼は拡声器、いわゆるメガホンを通して一喝した。

『起きろ!!!』

大音量で流れたその声は体育館らしき場所全体に響いた。
眠っていた六十三匹の動物達は全員目を覚ました。


「な、何なのだ!?」

「ゲロォーッ!耳が!耳がーーーーーっ!!」


『気ヲツケーーーーーッ!!
回れーーッ、耳ィィッ!!』

「!!?」

「ガルル…なぜ貴様がこんな所にッ…!?」

彼はガルル中尉。
ケロン軍・ガルル小隊の隊長であり、宇宙人だ。
彼は少しの沈黙の後こう言った。

「不思議かギロロ。なぜ貴様らがこのような所にいるのかが」

「ガルル中尉! 一体これはどういう事でありますか!?」

同じく宇宙人であり、ケロン軍・ケロロ小隊の隊長であるケロロ軍曹は慌ててガルルに質問をした。
だがガルルはケロロの言葉を意にも介さず、おもむろに紙を取り出したかと思うとそれを読み始めた。


「『……ケロン軍本部より、ケロロ小隊へ。』」

「なに……?」


『ケロロ小隊は本日を以て、解散とする。』


「え……?」

ガルル中尉のその口から放たれた言葉。
それは彼らの解雇を意味していた。
ケロロ小隊は、いやケロロ達はケロン軍から見限られたのだ。
それを知ったケロロ小隊の五人は愕然とした。

「話はそれで終わりだ。私はルール説明の方に移らせてもらう」

「おい、待て! どういう事だ! 何故俺達が」

『静粛に!!』

「っ……!」

ケロロ小隊の機動歩兵であり、ガルル中尉の実の弟でもあるギロロ伍長がガルルに何かを言おうとしたがガルルの声にかき消された。
そして、次にガルルが放った言葉こそ、彼らの目的であり、悪夢の始まりを告げるゴングであった。

150 ◆AgKjRGgzZw:2012/08/13(月) 19:10:11


『今から貴様達には、殺し合いをしてもらう』


「な……」

ギロロ伍長は戦慄する。
自分の兄が。目の前の同郷が放ったその言葉に。

「ククッ……やっこさん、やりやがったなァ」

ケロロ小隊の作戦通信参謀、クルル曹長はそう言うといつものように笑う。
しかしその笑いはいつもの余裕に満ち溢れた不敵な笑いではなかった。

「なんとむごい事を……!」

ケロロ小隊の元アサシンであり、今は正義の忍者として活動しているドロロ兵長は、その非人道的な行為に畏怖と怒りを覚え、狼狽している。

「何で我輩達がっ……?」

そして隊長であるケロロは何もかもが理解できずにただ呆然としているだけであった。


『調査の結果、貴様達に適性がある事が判明したからだ』

ガルルはケロロの言葉に反応したのか、すぐさま疑問への回答を始める。
しかしそれは、恐怖しかえぐり出さなかった。

「………」

「生物の本能、殺人願望の高さの適性がな。だから私達はその殺人願望に対する実質的なデータを取るためにこれを開始したという訳だ」

「さっ……殺人願望だと……!?」

しれっと残酷な言葉を放ち、ガルルは言葉を実験の本題へと移す。

『今から詳しいルール説明をするから、よく聞け』

………………

『と、言う訳だ。ちなみにディバッグの中には何が入っているかは分からない。武器にならない物も入っている可能性があるので、注意しろ。(中尉なだけにな)』

「…………」

参加者達はまだ状況が理解できずポカンとしている。
すると薄いピンク色をした蛙。もといケロン人が現れこう言った。

「うふふ、みんな信じてないみたいね」

「プルルちゃん……?」

そこに立っていたのは、に彼らの幼馴染みであり、ガルル小隊の看護兵であるプルル看護長であった。
プルルはリモコンを取り出し、ボタンを押した。
ピッ ピッ ピッ ピッ

どこからか音がする。
音は小刻みにどんどん早くなる。

「ウ……ワウ!?」

音は一匹の犬の首輪から鳴っていた。
そして――

ピ――――――――
ボン

爆音がしたかと思うと、その犬に着けられていた首輪は爆発した。
犬は首から上が無くなり、そこの檻は血で真っ赤に染まった。

151 ◆AgKjRGgzZw:2012/08/13(月) 19:12:06

「いっ……」

反応は動物なだけに十匹十色だった。
顔面蒼白になる者。(元々青いのもいたが)
泣き出す者。
目を逸らす者。
嘔吐する者まで現われた。
そして、無反応の者も、一部いた。

「…わかった? さっき説明した禁止エリアに入ったり、私達に反抗したりしたら、君達もあのワンちゃんみたいになっちゃうわよっ??」

会場は一気に戦慄の宴と化した。
その一分後、ガチャンと音がしてどこかの檻が開く音がした。

「ピカッ!?」

背中に種を乗せた動物、もといたねポケモンのフシギダネはどうやって鍵を開けたのか、檻から飛び出し逃げようとした。

逃 が さ ん

しかし、それは適わなかった。
フシギダネは何者かに斬りつけられた。
その姿は全く見えず、その声だけが鳴り響いた。
「ダネーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!」

フシギダネは断末魔を響かせると跡形もなく消え去ってしまった。

「ーーーーーーーッ!!」

『零次元斬だ…!』

しばらくして、どこからか灰色のケロン人が現れた。
そのケロン人は体半分を機械に改造しており、どこか無機物的な雰囲気を醸し出していた。
彼こそガルル小隊のアサシンであるゾルル兵長である。実質的な実力から階級は無効に近いのだが。
ゾルルは片方しか出していない赤い目をぎょろつかせながら、ドロロの側に近寄った。

『久しいな、ゼロロ…
貴様をこの手で殺れないのは癪だが、精々足掻くがいいさ…』

「……貴様、確かガルル小隊にいた……貴様達のそのような横行、許せんでござる。
もし拙者が生き残った場合…覚悟なされよ」

『フ…そうだ、それでいい』


「おい、そこのお前ら!」

「!」

更に右端から声が響いた。

「プププー。君何か隠してるね」

「くっ」

そこには残りのガルル小隊の隊員であるタルル上等兵とトロロ新兵。
そして参加者である動物達がいた。

「私語は禁止っすよ!バトルロワイアルのルールに従って、失格っす!」
水色の蛙は拳銃の弾を私語をしていた犬に向けて発射した。

「ア、ガッ……キュート……モン…………」

撃たれた彼はそう言い残すと息絶えた。

「うああ…」

「消えろっす」

「やめてくれ…!誰か助けて」

二度目の銃声が、響いた。

「カラクサ……ペイズリー……」

もう一匹の黒猫の少年も小さな声でそう言うと死んだ。

「こっちは完了っす」

「待っててタルルー。こっちも終わらすから」

「待って! わたしは何も」

「首輪、外そうとしてたでしょ?」

「!」

その通りであった。
彼女、猫型ロボットのドラミは首輪の構造に気付き、首輪を解除しようとした。
だが、見つかってしまったのだ。

「このボクに隠し事なんて、百億光年速いんだよ」

「お……お兄ちゃ」

そして、三度目の銃声が響き粛清は終わった。

152 ◆AgKjRGgzZw:2012/08/13(月) 19:12:37

「こっちも終わったよ〜。プップ〜」

『何匹か反抗した者もいたようだが、そろそろ時間だ。健闘を祈る』

次々と檻の中の動物が消えて行く――ワープしたのだ。

「ガルルッ…貴様の目的は…何なんだっ…!待て…ま」

ギロロの言葉も届かず、全ての参加者が消え、四匹の動物と一体のロボットの死体。そして五匹のケロン人だけが残った。

153 ◆AgKjRGgzZw:2012/08/13(月) 19:13:11


「…私達の仕事は一旦完了だ」

「お疲れ様。お茶でもどうぞ」

「それにしても本部もエゲツない事思い付くっすよね〜。他の世界の侵略者も引っ張り出してるっすからねぇ」

『フン』

「まぁ、そんなこと言わなくてもいいよネェ? だって楽しそうジャン」
「さて、とりあえず次の準備に取り掛かるか」

そして、実験が始まった。
参加者達はどのような行動を見せるのか。

悪夢はまだ始まったばかりだ――。




【GAME START】

【ムク@ドラえもん 死亡】
【フシギダネ@ポケットモンスターシリーズ 死亡】
【ドルルモン@デジモンクロスウォーズ 死亡】
【ドット@しましまとらのしまじろう 死亡】
【ドラミ@ドラえもん 死亡】
[残り58匹]

154 ◆AgKjRGgzZw:2012/08/13(月) 19:14:03
投下終了です

155 ◆AgKjRGgzZw:2012/08/13(月) 19:45:09
闇の動物ロワイアルの1話を投下します
タイトルは「窮犬ハチ公」です

156 ◆AgKjRGgzZw:2012/08/13(月) 19:45:51
「ワン! ……ワン!」

伊佐坂家の飼い犬ハチは道路上で吠えていた。
状況がよく分からないまま、自分が元いた世界の飼い主達を探していた。

「ワンッ! ワゥーンッ!」

いくら探しても見つからず、途方に暮れるハチの前に、一匹の動物が現れた。

「こんにちは。君は誰?」

「?」

ハチの目の前には緑色のやや小柄な鳥が立っていた。それでもハチから見れば結構大きいが。

「これ、君のディバッグでしょ。近くに落ちてたんだ」

そう言うと、彼はハチのディバッグを放り投げた。

「とりっぴぃの名前はとりっぴぃっていうんだけど、君の名前は?」

「ワン!」

「そう、「ワン」君って言うんだね」

「?」




「……ワン君は何をしていたの? とりっぴぃはとりあえず友達のしまじろう達を探してたんだけど」

「ワン!」

「ワンじゃ分からないよ。他にないかな?」

「アン!」

「う〜ん。じゃあしばらく遊ぼっか」

「?」

しばらくハチととりっぴぃは遊んでいた。
とりっぴぃから言い出したにも関わらず、彼自身はあまり楽しんでいないように見えたが、ハチは心の底から楽しんでいるようだった。

157 ◆AgKjRGgzZw:2012/08/13(月) 19:46:35


「楽しかったねワン君」

「ワン!」

「ところでワン君、あの蛙が言ってた、殺し合いのことなんだけど――」
その瞬間、ハチが見たものは、銀色の何かを振りかざすとりっぴぃの姿だった――。

「―――――」




ハチの背中には、細身の包丁が刺さっていた。
ハチは自分になにが起こったのかも分からずに、そのままその生涯を終えた。

「はー。何とか上手くいったよ。
要するに、みんなころ、ころ……殺せば、いいんでしょっ! か、か、か簡単じゃないかぁ。
やってやりますよっ! こわいけど、やりたくないけど、お家に帰れないから、お父ちゃんに、お母ちゃんに、きょうだいにまた会いたいっ、からっ!」

とりっぴぃは残ったハチのディバッグを拾い、歩きだした。
顔を涙で濡らしながら、恐怖と自責に顔をひきつらせながら。


【B-4/道路/一日目/深夜】
【空野とりっぴぃ@しましまとらのしまじろう】
[状態]健康、精神崩壊寸前、返り血
[装備]刺身包丁(血が付着)
[持ち物]基本支給品×2、刺身包丁、不明支給品2〜6
[思考]0:殺し合いに乗る
1:しまじろう達に会いたい
2:殺さなくちゃ、帰れないの?

【ハチ@サザエさん 死亡】
[残り57匹]

158 ◆AgKjRGgzZw:2012/08/13(月) 19:47:29
投下終了です

159 ◆AgKjRGgzZw:2012/08/14(火) 04:53:51
唐突ですみませんが、非リレーロワの掛け持ちをしたいと思います
ロワ名は「超多人数バトルロワイアル」です

そのロワの参加者名簿を投下します

160 ◆AgKjRGgzZw:2012/08/14(火) 04:55:09
超多人数バトルロワイアル 参加者名簿

6/6【HappyTreeFriends】
○フリッピー/○ランピー/○ナッティー/○ポップ/○リフティ/○シフティ
5/5【ケロロ軍曹】
○ケロロ軍曹/○ギロロ伍長/○日向冬樹/○日向夏美/○ガルル中尉
6/6【魔法少女まどか☆マギカ】
○鹿目まどか/○暁美ほむら/○キュゥべえ/○美樹さやか/○巴マミ/○佐倉杏子
6/6【日常】
○相生祐子/○東雲なの/○長野原みお/○水上麻衣/○はかせ/○阪本さん
6/6【けいおん!】
○平沢唯/○秋山澪/○田井中律/○琴吹紬/○平沢憂/○中野梓
7/7【バトルスピリッツ覇王】
○陽昇ハジメ/○棚志テガマル/○巽キマリ/○巽コウタ/○大泉マナブ/○日下チヒロ/○仁霧コブシ
8/8【クレヨンしんちゃん】
○野原しんのすけ/○野原ひろし/○野原みさえ/○野原ひまわり/○風間トオル/○桜田ネネ/○ボーちゃん
6/6【デジモンアドベンチャー】
○八神太一/○石田ヤマト/○アグモン/○ガブモン/○ゴマモン/○テイルモン
10/10【ポケットモンスター ベストウイッシュ】
○サトシ/○アイリス/○デント/○ピカチュウ/○キバゴ/○ベル/○シューティー/○ケニヤン/○ラングレー/○カベルネ
8/8【めだかボックス】
○黒神めだか/○人吉善吉/○球磨川禊/○阿久根高貴/○喜界島もがな/○不知火半袖/○安心院なじみ/○名瀬夭歌
6/6【ファイ・ブレイン 神のパズル】
○大門カイト/○井藤ノノハ/○逆之上ギャモン/○キュービック・G/○アナ・グラム/○軸川ソウジ
6/6【撲殺天使ドクロちゃん】
○草壁桜/○ドクロちゃん/○水上静希/○サバトちゃん/○ザクロちゃん/○ザンス
7/7【Mr.FULLSWING】
○猿野天国/○犬飼冥/○鳥居凪/○子津忠之介/○兎丸比乃/○辰羅川信二/○虎鉄大河
6/6【ボボボーボ・ボーボボ】
○ボボボーボ・ボーボボ/○ビュティ/○首領パッチ/○ヘッポコ丸/○ところ天の助/○魚雷ガール
5/5【新世紀エヴァンゲリオン】
○碇シンジ/○綾波レイ/○惣流・アスカ・ラングレー/○葛城ミサト/○鈴原トウジ
7/7【ふしぎの海のナディア】
○ナディア・ラ・アルウォール/○ジャン・ロック・ラルティーグ/○マリー・エン・カールスバーグ/○グランディス・グランバァ/○ネモ/○ガーゴイル
6/6【SKET DANCE】
○藤崎佑助/○鬼塚一愛/○笛吹和義/○椿佐介/○安形惣司郎/○中馬鉄治
7/7【忍たま乱太郎】
○猪名寺乱太郎/○摂津のきり丸/○福富しんべヱ/○山田伝蔵/○土井半助/○食堂のおばちゃん/○ヘムヘム
6/6【ドラえもん】
○ドラえもん/○野比のび太/○源静香/○剛田武/○骨川スネ夫/○出木杉英才
8/8【涼宮ハルヒの憂鬱】
○キョン/○涼宮ハルヒ/○長門有希/○朝比奈みくる/○古泉一樹/○谷口/○鶴屋さん/○キョンの妹
5/5【HELLSING】
○アーカード/○インテグラ・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング/○セラス・ヴィクトリア/○ウォルター・C・ドルネーズ/○アレクサンド・アンデルセン
8/8【らき☆すた】
○泉こなた/○柊かがみ/○柊つかさ/○高良みゆき/○小早川ゆたか/○黒井ななこ/○岩崎みなみ/○日下部みさお
8/8【カードファイト!! ヴァンガード】
○先導アイチ/○櫂トシキ/○戸倉ミサキ/○葛木カムイ/○新田シン/○森川カツミ/○先導エミ/○三和タイシ
5/5【TARI TARI】
○坂井和奏/○宮本来夏/○沖田紗羽/○田中大智/○前田敦博
5/5【遊戯王】
○武藤遊戯/○城之内克也/○海馬瀬人/○真崎杏子/○獏良了
7/7【おじゃる丸】
○坂ノ上おじゃる丸/○電ボ三十郎/○田村カズマ/○田村愛/○田村マコト/○小野小町/○坂田金太郎
8/8【とっとこハム太郎】
○ハム太郎/○春名ヒロ子/○岩田カナ/○こうしくん/○リボンちゃん/○タイショーくん/○めがねくん/○まいどくん
6/6【こちら葛飾区亀有公園前派出所】
○両津勘吉/○中川圭一/○秋本・カトリーヌ・麗子/○大原大次郎/○御堂春/○早乙女リカ
6/6【あたしンち】
○立花みかん/○母/○立花ユズヒコ/○父/○清水/○藤野
6/6【太臓もて王サーガ】
○百手太臓/○安骸寺悠/○阿久津宏海/○佐渡あいす/○真白木宇月/○百手矢射子
4/4【砂ぼうず】
○水野灌太/○小泉太湖/○雨蜘蛛/○朝霧純子
5/5【LIAR GAME】
○神崎直/○秋山深一/○福永ユウジ/○横谷憲彦/○ハリモトタカシ
7/7【ハイスクール!奇面組】
○一堂零/○河川唯/○冷越豪/○出瀬潔/○大間仁/○物星大/○宇留千絵
4/4【怪談レストラン】
○大空アコ/○甲本ショウ/○佐久間レイコ/○お化けギャルソン
216/216

161 ◆AgKjRGgzZw:2012/08/14(火) 05:01:10
すみません
超多人数バトルロワイアルの参加者を追加します

HTFからスプレンディド
ケロロ軍曹からタママ二等兵、クルル曹長、ドロロ兵長を追加して220人にします

162 ◆ymCx/I3enU:2012/08/14(火) 21:27:22
投下乙ですそして新ロワ乙です
あと、メール欄に「sage」と入れてsageた方が良いかと

163 ◆AgKjRGgzZw:2012/08/15(水) 15:02:09
>>162
分かりました
すみません

164 ◆AgKjRGgzZw:2012/08/15(水) 22:18:31
超多人数バトルロワイアルの修正版参加者名簿を投下したいと思います
人数カウントも間違えてたので……

8/8【HappyTreeFriends】
○フリッピー/○ランピー/○ナッティー/○ポップ/○スプレンディド/○リフティ/○シフティ/○ラッセル
8/8【ケロロ軍曹】
○ケロロ軍曹/○ギロロ伍長/○ドロロ兵長/○日向冬樹/○日向夏美/○タママ二等兵/○クルル曹長/○ガルル中尉
6/6【魔法少女まどか☆マギカ】
○鹿目まどか/○暁美ほむら/○キュゥべえ/○美樹さやか/○巴マミ/○佐倉杏子
6/6【日常】
○相生祐子/○東雲なの/○長野原みお/○水上麻衣/○はかせ/○阪本さん
6/6【けいおん!】
○平沢唯/○秋山澪/○田井中律/○琴吹紬/○平沢憂/○中野梓
7/7【バトルスピリッツ覇王】
○陽昇ハジメ/○棚志テガマル/○巽キマリ/○巽コウタ/○大泉マナブ/○日下チヒロ/○仁霧コブシ
8/8【クレヨンしんちゃん】
○野原しんのすけ/○野原ひろし/○野原みさえ/○野原ひまわり/○風間トオル/○桜田ネネ/○ボーちゃん
6/6【デジモンアドベンチャー】
○八神太一/○石田ヤマト/○アグモン/○ガブモン/○ゴマモン/○テイルモン
10/10【ポケットモンスター ベストウイッシュ】
○サトシ/○アイリス/○デント/○ピカチュウ/○キバゴ/○ベル/○シューティー/○ケニヤン/○ラングレー/○カベルネ
8/8【めだかボックス】
○黒神めだか/○人吉善吉/○球磨川禊/○阿久根高貴/○喜界島もがな/○不知火半袖/○安心院なじみ/○名瀬夭歌
6/6【ファイ・ブレイン 神のパズル】
○大門カイト/○井藤ノノハ/○逆之上ギャモン/○キュービック・G/○アナ・グラム/○軸川ソウジ
6/6【撲殺天使ドクロちゃん】
○草壁桜/○ドクロちゃん/○水上静希/○サバトちゃん/○ザクロちゃん/○ザンス
7/7【Mr.FULLSWING】
○猿野天国/○犬飼冥/○鳥居凪/○子津忠之介/○兎丸比乃/○辰羅川信二/○虎鉄大河
6/6【ボボボーボ・ボーボボ】
○ボボボーボ・ボーボボ/○ビュティ/○首領パッチ/○ヘッポコ丸/○ところ天の助/○魚雷ガール
5/5【新世紀エヴァンゲリオン】
○碇シンジ/○綾波レイ/○惣流・アスカ・ラングレー/○葛城ミサト/○鈴原トウジ
6/6【ふしぎの海のナディア】
○ナディア・ラ・アルウォール/○ジャン・ロック・ラルティーグ/○マリー・エン・カールスバーグ/○グランディス・グランバァ/○ネモ/○ガーゴイル
6/6【SKET DANCE】
○藤崎佑助/○鬼塚一愛/○笛吹和義/○椿佐介/○安形惣司郎/○中馬鉄治
7/7【忍たま乱太郎】
○猪名寺乱太郎/○摂津のきり丸/○福富しんべヱ/○山田伝蔵/○土井半助/○食堂のおばちゃん/○ヘムヘム
6/6【ドラえもん】
○ドラえもん/○野比のび太/○源静香/○剛田武/○骨川スネ夫/○出木杉英才
8/8【涼宮ハルヒの憂鬱】
○キョン/○涼宮ハルヒ/○長門有希/○朝比奈みくる/○古泉一樹/○谷口/○鶴屋さん/○キョンの妹
5/5【HELLSING】
○アーカード/○インテグラ・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング/○セラス・ヴィクトリア/○ウォルター・C・ドルネーズ/○アレクサンド・アンデルセン
8/8【らき☆すた】
○泉こなた/○柊かがみ/○柊つかさ/○高良みゆき/○小早川ゆたか/○黒井ななこ/○岩崎みなみ/○日下部みさお
8/8【カードファイト!! ヴァンガード】
○先導アイチ/○櫂トシキ/○戸倉ミサキ/○葛木カムイ/○新田シン/○森川カツミ/○先導エミ/○三和タイシ
5/5【TARI TARI】
○坂井和奏/○宮本来夏/○沖田紗羽/○田中大智/○前田敦博
5/5【遊戯王】
○武藤遊戯/○城之内克也/○海馬瀬人/○真崎杏子/○獏良了
7/7【おじゃる丸】
○坂ノ上おじゃる丸/○電ボ三十郎/○田村カズマ/○田村愛/○田村マコト/○小野小町/○坂田金太郎
8/8【とっとこハム太郎】
○ハム太郎/○春名ヒロ子/○岩田カナ/○こうしくん/○リボンちゃん/○タイショーくん/○めがねくん/○まいどくん
6/6【こちら葛飾区亀有公園前派出所】
○両津勘吉/○中川圭一/○秋本・カトリーヌ・麗子/○大原大次郎/○御堂春/○早乙女リカ
6/6【あたしンち】
○立花みかん/○母/○立花ユズヒコ/○父/○清水/○藤野
6/6【太臓もて王サーガ】
○百手太臓/○安骸寺悠/○阿久津宏海/○佐渡あいす/○真白木宇月/○百手矢射子
4/4【砂ぼうず】
○水野灌太/○小泉太湖/○雨蜘蛛/○朝霧純子
5/5【LIAR GAME】
○神崎直/○秋山深一/○福永ユウジ/○横谷憲彦/○ハリモトタカシ
7/7【ハイスクール!奇面組】
○一堂零/○河川唯/○冷越豪/○出瀬潔/○大間仁/○物星大/○宇留千絵
4/4【怪談レストラン】
○大空アコ/○甲本ショウ/○佐久間レイコ/○お化けギャルソン
220/220

165 ◆jZCpcbFowc:2012/08/18(土) 09:32:09
さるったのでこちらに投下させていただきます。

【ザフィーラ@魔法少女リリカルなのは】
[状態]健康
[装備]なし
[所持品]基本支給品一式、ランダム支給品×1〜3
[思考・行動]
0:バトルロワイアルを解体する
1:少女(ほむら)と情報を交換
2:仲間たちや他のヴォルケンリッターと合流する
※StrikerSからの参加です



■ □ ■


片耳から血を滴らせる、陰鬱げな面持ちの男が廊下を歩いていた。
全身を僧衣に包んでいるからだろうか、その格好だけを見ればどこか老練な神父のようにも見える。
しかし、この世のすべてを憂いているかのような表情が圧倒的に不自然だ。
余談だが、彼が纏っている僧衣の本来の持ち主であった男も、十年後には聖職者らしからぬ邪悪さを秘めたゲームマスターになるというのだから、因果な話でもある。

「両儀――完全に機を逃したと思っていたが、こうしてまた機会が与えられるとはな」

男の名前は、荒耶宗蓮。
誰よりもストイックに魔術を探求し、その悲願を達成せんとした、言葉通りの魔術師である。
幾度の失敗を重ねた上で、万全の準備を整えた上で何度目かの挑戦をしたが、またも結果は失敗。
抑止の力が働かなかったにも関わらず、一人の怪物とさえいえる少女に阻まれた。
悲願の達成を為すために不可欠だった存在に、彼は自分の計画を挫かれたのだ。

「状況で言うならば前回よりも芳しくはないが、これだけのことをすれば抑止力が黙っている筈がない。――どんな手段を使ったのか、どうやらこの『箱庭』は現在、『世界』そのものから弾き出されているようだ」

それは、荒耶宗蓮にとって願ってもいない好機だった。
いつだって人々を阻む高すぎる壁、抑止力。
あれが一切関与してこないのならば、荒耶の目的の達成は大きく、それはもう大幅に近付くのだ。
その鬱屈な面構えからはまるで汲み取れないだろうが、彼は今感謝さえしていた。
『ゲーム』―――バトルロワイアルの主催者どもは、よくやってくれた。
荒耶ほどの魔術師が全力を注いでも届かなかったものへ、こんなにも近付けてくれたのだから。


「……『根源』に至る。そのために精々利用させて貰うぞ」


目的は、鍵となる少女――直死の使い手、両儀式。
障害は排除するか使い潰すかをして、徹底的に取り除く。
此度ばかりは微塵の油断もない。此度こそは、両儀式の肉体を手に入れる。
デイパックから取り出した紫水晶を眺めると、切り札もあることだしな、と荒耶は呟いた。

黒き焔は、暗き魔術師の手にある。



【荒耶宗蓮@空の境界】
[状態]右耳に掠り傷
[装備]言峰綺礼の僧衣@Fate/Zero
[所持品]基本支給品一式、黒ノ焔@戦国BASARA、ランダム支給品×0〜1
[思考・行動]
0:両儀式の肉体を入手し、根源へ至る。
1:他の参加者は殺すなり利用するなりする
※死亡後からの参加です。

166 ◆mnCKrNuy2U:2012/08/18(土) 09:39:15
五文字のひらがなをトリップキーにしていて、タイピングミスをした(かなり単純な奴です)ら、既存の書き手さんとトリップが被ってしまったようです。
酉バレの可能性も危惧しまして、こちらのトリップをこれに変更させていただきます。
◆jZCpcbFowc氏には申し訳ありませんが、トリキーの変更などに関しては氏に任せますので。では、お騒がせして申し訳ありませんでした。

167代理投下お願いします ◆YOtBuxuP4U:2012/11/11(日) 00:42:06
投下終了です。>>123
そのせいで話しの内容はおかしなところだ→そのせいで話の内容はおかしなところだらけだ
ミスでした、他にも誤字があるかもしれないぐぬー……
色々ややこしい感じになってきてますが、完走できるように頑張ります。

168 ◆AgKjRGgzZw:2012/11/14(水) 16:05:08
あの、超多人数ロワの人数を増やしたいんですけど、大丈夫ですかね?

169名無しさん:2012/11/15(木) 20:31:07
非リレーなのでいいのではないのでしょうか

170 ◆AgKjRGgzZw:2012/11/20(火) 02:11:18
では、参加者を追加した、超多人数バトルロワイアルの完全版参加者名簿です。

10/10【HappyTreeFriends】 
○カドルス/○ギグルス/○ランピー/○フリッピー/○スプレンディド/○ナッティー/○ポップ/○リフティ/○シフティ/○ラッセル

8/8【ケロロ軍曹】 
○ケロロ軍曹/○ギロロ伍長/○ドロロ兵長/○日向冬樹/○日向夏美/○タママ二等兵/○クルル曹長/○ガルル中尉

6/6【魔法少女まどか☆マギカ】 
○鹿目まどか/○暁美ほむら/○キュゥべえ/○美樹さやか/○巴マミ/○佐倉杏子

6/6【日常】 
○相生祐子/○東雲なの/○長野原みお/○水上麻衣/○はかせ/○阪本さん

6/6【けいおん!】 
○平沢唯/○秋山澪/○田井中律/○琴吹紬/○平沢憂/○中野梓

7/7【バトルスピリッツ覇王】 
○陽昇ハジメ/○棚志テガマル/○巽キマリ/○巽コウタ/○大泉マナブ/○日下チヒロ/○仁霧コブシ

8/8【クレヨンしんちゃん】 
○野原しんのすけ/○野原ひろし/○野原みさえ/○野原ひまわり/○風間トオル/○桜田ネネ/○ボーちゃん

6/6【デジモンアドベンチャー】 
○八神太一/○石田ヤマト/○アグモン/○ガブモン/○ゴマモン/○テイルモン

10/10【ポケットモンスター ベストウイッシュ】 
○サトシ/○アイリス/○デント/○ピカチュウ/○キバゴ/○ベル/○シューティー/○ケニヤン/○ラングレー/○カベルネ

8/8【めだかボックス】 
○黒神めだか/○人吉善吉/○球磨川禊/○阿久根高貴/○喜界島もがな/○不知火半袖/○安心院なじみ/○名瀬夭歌

6/6【ファイ・ブレイン 神のパズル】 
○大門カイト/○井藤ノノハ/○逆之上ギャモン/○キュービック・G/○アナ・グラム/○軸川ソウジ

6/6【撲殺天使ドクロちゃん】 
○草壁桜/○ドクロちゃん/○水上静希/○サバトちゃん/○ザクロちゃん/○ザンス

7/7【Mr.FULLSWING】 
○猿野天国/○犬飼冥/○鳥居凪/○子津忠之介/○兎丸比乃/○辰羅川信二/○虎鉄大河

6/6【ボボボーボ・ボーボボ】 
○ボボボーボ・ボーボボ/○ビュティ/○首領パッチ/○ヘッポコ丸/○ところ天の助/○魚雷ガール

5/5【新世紀エヴァンゲリオン】 
○碇シンジ/○綾波レイ/○惣流・アスカ・ラングレー/○葛城ミサト/○鈴原トウジ

6/6【ふしぎの海のナディア】 
○ナディア・ラ・アルウォール/○ジャン・ロック・ラルティーグ/○マリー・エン・カールスバーグ/○グランディス・グランバァ/○ネモ/○ガーゴイル

6/6【SKET DANCE】 
○藤崎佑助/○鬼塚一愛/○笛吹和義/○椿佐介/○安形惣司郎/○中馬鉄治

7/7【忍たま乱太郎】 
○猪名寺乱太郎/○摂津のきり丸/○福富しんべヱ/○山田伝蔵/○土井半助/○食堂のおばちゃん/○ヘムヘム

6/6【ドラえもん】 
○ドラえもん/○野比のび太/○源静香/○剛田武/○骨川スネ夫/○出木杉英才

8/8【涼宮ハルヒの憂鬱】 
○キョン/○涼宮ハルヒ/○長門有希/○朝比奈みくる/○古泉一樹/○谷口/○鶴屋さん/○キョンの妹

5/5【HELLSING】 
○アーカード/○インテグラ・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング/○セラス・ヴィクトリア/○ウォルター・C・ドルネーズ/○アレクサンド・アンデルセン

8/8【らき☆すた】 
○泉こなた/○柊かがみ/○柊つかさ/○高良みゆき/○小早川ゆたか/○黒井ななこ/○岩崎みなみ/○日下部みさお

8/8【カードファイト!! ヴァンガード】 
○先導アイチ/○櫂トシキ/○戸倉ミサキ/○葛木カムイ/○新田シン/○森川カツミ/○先導エミ/○三和タイシ

5/5【TARI TARI】 
○坂井和奏/○宮本来夏/○沖田紗羽/○田中大智/○前田敦博

171 ◆AgKjRGgzZw:2012/11/20(火) 02:13:16
5/5【遊戯王】 
○武藤遊戯/○城之内克也/○海馬瀬人/○真崎杏子/○獏良了

7/7【おじゃる丸】 
○坂ノ上おじゃる丸/○電ボ三十郎/○田村カズマ/○田村愛/○田村マコト/○小野小町/○坂田金太郎

8/8【とっとこハム太郎】 
○ハム太郎/○春名ヒロ子/○岩田カナ/○こうしくん/○リボンちゃん/○タイショーくん/○めがねくん/○まいどくん

6/6【こちら葛飾区亀有公園前派出所】 
○両津勘吉/○中川圭一/○秋本・カトリーヌ・麗子/○大原大次郎/○御堂春/○早乙女リカ

6/6【あたしンち】 
○立花みかん/○母/○立花ユズヒコ/○父/○清水/○藤野

6/6【太臓もて王サーガ】 
○百手太臓/○安骸寺悠/○阿久津宏海/○佐渡あいす/○真白木宇月/○百手矢射子

4/4【砂ぼうず】 
○水野灌太/○小泉太湖/○雨蜘蛛/○朝霧純子

5/5【LIAR GAME】 
○神崎直/○秋山深一/○福永ユウジ/○横谷憲彦/○ハリモトタカシ

7/7【ハイスクール!奇面組】 
○一堂零/○河川唯/○冷越豪/○出瀬潔/○大間仁/○物星大/○宇留千絵

4/4【怪談レストラン】 
○大空アコ/○甲本ショウ/○佐久間レイコ/○お化けギャルソン

15/15【ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】
○苗木誠/○霧切響子/○十神白夜/○朝日奈葵/○葉隠康比呂/○腐川冬子/○大神さくら/○セレスティア・ルーデンベルク/○山田一二三/○石丸清多夏/○大和田紋土/○不二咲千尋/○桑田怜恩/○江ノ島盾子/○舞園さやか

16/16【スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園】
○日向創/○終里赤音/○左右田和一/○ソニア・ネヴァーマインド/○九頭龍冬彦/○七海千秋/○狛枝凪斗/○田中眼蛇夢/○弐大猫丸/○罪木蜜柑/○西園寺日寄子/○澪田唯吹/○辺古山ペコ/○小泉真昼/○花村輝々/○十神白夜

9/9【エム×ゼロ】
○九澄大賀/○柊愛花/○三国久美/○乾深千夜/○伊勢カオル/○柊賢二郎/○伊勢聡史/○永井龍堂/○観月尚美

4/4【バリハケン】
○御手洗団吾/○茶越樽人/○火讐怜斗/○磯辺巻

4/4【あずきちゃん】
○野山あずさ/○小笠原勇之介/○西野かおる/○児玉翠

7/7【ぼくのわたしの勇者学】
○鋼野剣/○河野盾/○宗村まさゆき/○黒須矢弓/○火野木望/○真道市杖/○小野石男

8/8【バレーボール使い郷田豪】
○郷田豪/○須藤ネオ/○須藤ネコ/○旅野緋乃/○杉越翔陽/○田中ゆーじろー/○氷湊クル/○前園雀昭

3/3【未確認少年ゲドー】
○外堂祭門/○結城讃良/○沢瀉省吾

7/7【ダレン・シャン】
○ダレン・シャン/○ラーテン・クレプスリー/○ハーキャット・マルズ/○バンチャ・マーチ/○デビー・ヘムロック/○スティーブ・レナード/○エブラ・フォン

9/9【スライムもりもり】
○スラリン/○タンタン/○ミイホン/○スライバ/○ドン・モジャール/○ギガお/○MJ/○パン太/○ヒッカ

5/5【新世紀アイドル伝説 彼方セブンチェンジ】
○蒼希彼方/○田中秋生/○流智静流/○碇慧之介/○土門大吾

4/4【ぷちえゔぁ】
○エヴァンチョー/○エヴァンちゃん/○エヴァ次郎/○ゼルエル番長

3/3【暗殺教室】
○潮田渚/○茅野カエデ/○赤羽業

5/5【斉木楠雄のΨ難】
○斉木楠雄/○燃堂力/○海堂瞬/○灰呂杵志/○照橋心美

2/2【いぬまるだしっ】
○いぬまるくん/○山田たまこ

7/7【やる夫系】
○やる夫/○やらない夫/○やる実/○やらない子/○できる夫/○できない子/○オプーナ


330/330

以上です。多いので分割しました。

172 ◆F0XrL54NJs:2012/12/20(木) 22:25:33
さるったので続きを。

【9-G/道/一日目-午前】
 【土御門伊織@黄昏シリーズ】
 [状態]:動揺(大)、怒り(極大)
 [装備]:なし
 [持物]:基本支給品

173 ◆F0XrL54NJs:2012/12/20(木) 22:26:04
投下終了です。

174 ◆F0XrL54NJs:2012/12/20(木) 22:30:21
【9-G/道/一日目-午前】
 【鬼一樹月@黄昏シリーズ】
 [状態]:健康
 [装備]:なし
 [持物]:基本支給品
 [方針/目的]
  基本方針:柚希殺す
  1:生き残る気はあるようだ
  2:二人の周囲が死んだやばい
  3:無駄に殺人を犯す気は無い
 [備考]
 ※ 鴉天狗です
 ※ 柚希とは知り合いです


【9-G/道/一日目-午前】
 【ジェラール・サトゥルクオン@UNKNOWN】
 [状態]:動揺(小)
 [装備]:なし
 [持物]:基本支給品
 [方針/目的]
  基本方針:なるべく多くの人間とともに脱出する
  1:柚希には本気でイラついてます
  2:アリッサ様……ツクモちゃん……――レイチェル
  3:疑われていると思っている


のこっていた……だと。
これで本当におしまいです。すみません

175 ◆AgKjRGgzZw:2013/01/31(木) 23:50:54
誠に申し訳ありません
超多人数ロワの参加者の再調整をしたいと思います
調整版参加者名簿


16/16【スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園】
○日向創/○終里赤音/○左右田和一/○ソニア・ネヴァーマインド/○九頭龍冬彦/○七海千秋/○狛枝凪斗/○田中眼蛇夢/○弐大猫丸/○罪木蜜柑/○西園寺日寄子/○澪田唯吹/○辺古山ペコ/○小泉真昼/○花村輝々/○十神白夜

15/15【ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】
○苗木誠/○霧切響子/○十神白夜/○朝日奈葵/○葉隠康比呂/○腐川冬子/○大神さくら/○セレスティア・ルーデンベルク/○山田一二三/○石丸清多夏/○大和田紋土/○不二咲千尋/○桑田怜恩/○江ノ島盾子/○舞園さやか

10/10【HappyTreeFriends】 
○カドルス/○ギグルス/○ランピー/○フリッピー/○スプレンディド/○ナッティー/○ポップ/○リフティ/○シフティ/○ラッセル

10/10【ポケットモンスター ベストウイッシュ】 
○サトシ/○アイリス/○デント/○ピカチュウ/○キバゴ/○ベル/○シューティー/○ケニヤン/○ラングレー/○カベルネ

9/9【エム×ゼロ】
○九澄大賀/○柊愛花/○三国久美/○乾深千夜/○伊勢カオル/○柊賢二郎/○伊勢聡史/○永井龍堂/○観月尚美

9/9【スライムもりもり】
○スラリン/○タンタン/○ミイホン/○スライバ/○ドン・モジャール/○ギガお/○MJ/○パン太/○ヒッカ

8/8【カードファイト!! ヴァンガード】 
○先導アイチ/○櫂トシキ/○戸倉ミサキ/○葛木カムイ/○新田シンエモン/○森川カツミ/○先導エミ/○三和タイシ

8/8【クレヨンしんちゃん】 
○野原しんのすけ/○野原ひろし/○野原みさえ/○野原ひまわり/○風間トオル/○桜田ネネ/○ボーちゃん

8/8【ケロロ軍曹】 
○ケロロ軍曹/○ギロロ伍長/○ドロロ兵長/○日向冬樹/○日向夏美/○タママ二等兵/○クルル曹長/○ガルル中尉

8/8【涼宮ハルヒの憂鬱】 
○キョン/○涼宮ハルヒ/○長門有希/○朝比奈みくる/○古泉一樹/○谷口/○鶴屋さん/○キョンの妹

8/8【バレーボール使い郷田豪】
○郷田豪/○須藤ネオ/○須藤ネコ/○旅野緋乃/○杉越翔陽/○田中ゆーじろー/○氷湊クル/○前園雀昭

8/8【めだかボックス】 
○黒神めだか/○人吉善吉/○球磨川禊/○阿久根高貴/○喜界島もがな/○不知火半袖/○安心院なじみ/○名瀬夭歌

8/8【らき☆すた】 
○泉こなた/○柊かがみ/○柊つかさ/○高良みゆき/○小早川ゆたか/○黒井ななこ/○岩崎みなみ/○日下部みさお

176 ◆AgKjRGgzZw:2013/01/31(木) 23:51:50
7/7【おじゃる丸】 
○坂ノ上おじゃる丸/○電ボ三十郎/○田村カズマ/○田村愛/○田村マコト/○小野小町/○坂田金太郎

7/7【サイボーグクロちゃん】
○クロ/○ミー/○マタタビ/○剛万太郎/○コタロー/○ロミオ/○鈴木一郎

7/7【ダレン・シャン】
○ダレン・シャン/○ラーテン・クレプスリー/○ハーキャット・マルズ/○バンチャ・マーチ/○デビー・ヘムロック/○スティーブ・レナード/○エブラ・フォン

7/7【とっとこハム太郎】 
○ハム太郎/○春名ヒロ子/○こうしくん/○リボンちゃん/○タイショーくん/○めがねくん/○まいどくん

7/7【忍たま乱太郎】 
○猪名寺乱太郎/○摂津のきり丸/○福富しんべヱ/○山田伝蔵/○土井半助/○食堂のおばちゃん/○ヘムヘム

7/7【ハイスクール!奇面組】 
○一堂零/○河川唯/○冷越豪/○出瀬潔/○大間仁/○物星大/○宇留千絵

7/7【ぼくのわたしの勇者学】
○鋼野剣/○河野盾/○宗村まさゆき/○黒須矢弓/○火野木望/○真道市杖/○小野石男

7/7【Mr.FULLSWING】 
○猿野天国/○犬飼冥/○鳥居凪/○子津忠之介/○兎丸比乃/○辰羅川信二/○虎鉄大河

7/7【やる夫系】
○やる夫/○やらない夫/○やる実/○やらない子/○できる夫/○できない子/○オプーナ

6/6【あたしンち】 
○立花みかん/○母/○立花ユズヒコ/○父/○清水/○藤野

6/6【けいおん!】 
○平沢唯/○秋山澪/○田井中律/○琴吹紬/○平沢憂/○中野梓

6/6【こちら葛飾区亀有公園前派出所】 
○両津勘吉/○中川圭一/○秋本・カトリーヌ・麗子/○大原大次郎/○御堂春/○早乙女リカ

6/6【SKET DANCE】 
○藤崎佑助/○鬼塚一愛/○笛吹和義/○椿佐介/○安形惣司郎/○中馬鉄治

6/6【太臓もて王サーガ】 
○百手太臓/○安骸寺悠/○阿久津宏海/○佐渡あいす/○真白木宇月/○百手矢射子

6/6【デジモンアドベンチャー】 
○八神太一/○石田ヤマト/○アグモン/○ガブモン/○ゴマモン/○テイルモン

6/6【ドラえもん】 
○ドラえもん/○野比のび太/○源静香/○剛田武/○骨川スネ夫/○出木杉英才

6/6【日常】 
○相生祐子/○東雲なの/○長野原みお/○水上麻衣/○はかせ/○阪本さん

6/6【VIPRPG(もしもシリーズ)】
○魔王/○ニンニン/○死神五世/○ダーエロ/○パワードラゴナス/○ムシャ

6/6【秘密結社鷹の爪】
○小泉鈍一郎/○吉田・ジャスティス・カツヲ/○岡本和夫/○レオナルド・デカ・ヴィンチ/○菩薩峠くん/○デラックスファイター

6/6【ファイ・ブレイン 神のパズル】 
○大門カイト/○井藤ノノハ/○逆之上ギャモン/○キュービック・G/○アナ・グラム/○軸川ソウジ

6/6【ふしぎの海のナディア】 
○ナディア・ラ・アルウォール/○ジャン・ロック・ラルティーグ/○マリー・エン・カールスバーグ/○グランディス・グランバァ/○ネモ/○ガーゴイル

6/6【撲殺天使ドクロちゃん】 
○草壁桜/○ドクロちゃん/○水上静希/○サバトちゃん/○ザクロちゃん/○ザンス

6/6【ボボボーボ・ボーボボ】 
○ボボボーボ・ボーボボ/○ビュティ/○首領パッチ/○ヘッポコ丸/○ところ天の助/○魚雷ガール

6/6【魔法少女まどか☆マギカ】 
○鹿目まどか/○暁美ほむら/○キュゥべえ/○美樹さやか/○巴マミ/○佐倉杏子

177 ◆AgKjRGgzZw:2013/01/31(木) 23:52:31
5/5【斉木楠雄のΨ難】
○斉木楠雄/○燃堂力/○海堂瞬/○灰呂杵志/○照橋心美

5/5【新世紀アイドル伝説 彼方セブンチェンジ】
○蒼希彼方/○田中秋生/○流智静流/○碇慧之介/○土門大吾

5/5【新世紀エヴァンゲリオン】 
○碇シンジ/○綾波レイ/○惣流・アスカ・ラングレー/○葛城ミサト/○鈴原トウジ

5/5【TARI TARI】 
○坂井和奏/○宮本来夏/○沖田紗羽/○田中大智/○前田敦博

5/5【HELLSING】 
○アーカード/○インテグラ・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング/○セラス・ヴィクトリア/○ウォルター・C・ドルネーズ/○アレクサンド・アンデルセン

5/5【遊戯王】 
○武藤遊戯/○城之内克也/○海馬瀬人/○真崎杏子/○獏良了

5/5【LIAR GAME】 
○神崎直/○秋山深一/○福永ユウジ/○横谷憲彦/○ハリモトタカシ

4/4【あずきちゃん】
○野山あずさ/○小笠原勇之介/○西野かおる/○児玉翠

4/4【砂ぼうず】 
○水野灌太/○小泉太湖/○雨蜘蛛/○朝霧純子

4/4【ねこぢる劇場】
○にゃーこ/○にゃっ太/○にゃす江/○にゃん五郎

4/4【バリハケン】
○御手洗団吾/○茶越樽人/○火讐怜斗/○磯辺巻

4/4【ぷちえゔぁ】
○エヴァンチョー/○エヴァンちゃん/○エヴァ次郎/○ゼルエル番長

4/4【ぼのぼの】
○ぼのぼの/○シマリス/○アライグマ/○アライグマの父

3/3【暗殺教室】
○潮田渚/○茅野カエデ/○赤羽業

3/3【未確認少年ゲドー】
○外堂祭門/○結城讃良/○沢瀉省吾

2/2【いぬまるだしっ】
○いぬまるくん/○山田たまこ


345/345


以上です
wikiもできるかぎり調整し直したいと思います


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