用……別にないけど…"口の聞き方が為ってない"って、言われなかった?―…A perfect angel only of externals etc. though your having chosen surely has angel and satan's minds……じゃあベルの家、くる?
(虫が鳴いた。五月蝿いながらもやはり己の存在意義を示したいのか、それとも鳴くのが己の運命であり試練で有る事に気付いているのか、闇を切り裂く断末魔の如く煩く。溜め息を吐いても其れは闇へと吸い込まれて行くだけで鳴き止む気配は一向に無く、苛つきさえ感じている今。相手の言葉を聞けばしゃがみ込んだまま何処か不思議そうに丸い目を更に丸くして、彼女は膝の上に肘を着いた――判らない、と言うかの様に。自分が相手を助けてあげようと云うのに何故彼は素直に其れを受け止め様としないのか。寧ろ此方に挑戦を突き付けてくるのか。眉を顰めながら首を緩く左に傾げれば髪の毛がサラリと零れ落ちるように地面に伏せた。子供扱いされた様な己の呼び方に多少の怒りは感じたものの、其処は和えて追求せずに話を進めていく――というか、やけに気の張っている目の前にいる相手の捻くれた言葉の裏を探って見たくて、怒りを顕わにすることさえ面倒臭かっただけであるのだが――"用"そう言われれば相手に対して用と呼べるものは全く無いことに気付き、首を傾げたまま普通に答えの言葉を紡いだ。正直に言えば噂を小耳に挟み、人間と云う珍しい人種を確認しにきたというのが正しいの答えなのであろうがそこを説明して了えば相手の苛つきを助長させてしまうと思い口を噤んだ。だが、相手の口の聞き方が気に喰わなかったらしく、ニコニコと口角をこれでもかと言わんばかりに上げれば堂々と年下の癖に毒を吐いた。言い終わった頃には其の幼き顔に笑顔は消えていて浮かんだのは相手を見透かす様に注がれる冷たい視線。すっと立ち上がれば穿いていたスカートが揺れる、揺れる。いつの間にか顔を表していた月を眩しそうに目を細めれば夜風に靡く金色の髪の毛を指で押さえ顔を横に向け何処かを見つめていると――不意に相手を見つめるというよりかは見下す様な形に為って。その場でくるりと一回転をすれば、口許をゆっくりと綻ばせながら言った。――貴方が選んだのはきっと天使、悪魔の心を持っていようが見てくれだけは完璧な天使よ……と。すれば天使と人間の数奇な出会いを祝するかのように夜風が様々な季節の匂いを小さな小さな花びらと共に飛ばした。)
雨が降りそう。……けれども雨は何処から来て何処へ行くの?
(レースが縁取ってある黒い傘を持って出かけた。その日は気持ちがよく清清しいほどの青空が一面に広がっていたが――俗にお天気雨と言われる、晴れているのに雨が降っているという不思議な現象に出くわしてふと上を見上げる。濡れるのもお構いなしに傘を持って歩いている――変な目でみられるのはもう慣れっこ。そう、自分に言い聞かせて。右手を前に出して大地の恵みを受け止める。冷たくも脆いその雫は、体温に溶けて流されていく。自慢の黒髪が塗れ、心地よい。だが、そうも言えなくなって来た――大降り。大量に降ってきたのだ。これには少し驚いて上を見る。漆黒の闇のような雲が一面を覆い、視界を曇らせる。服も髪も全てがビチャビチャだ。もう傘など意味がないだろう――ならば、もういっその事このままでいいか、なんて軽く考える。近くに岩場を見つけ、軽くステップを踏みながら飛び越えていく。“ほっ”とか“はっ”とか、無邪気に声を出して。と、まだまだ帰り道は程遠いため途中であきらめる。拠点としている場所は此処からまだとても遠いところにある。――今日はただ、散歩をしに来ただけなのに、何故こんな仕打ちにあうのだろう。少し哲学的な考えをめぐらせ、いつもとは打って変わった性格になる。未だに雨は土砂降り。気分が乗らないため歌を歌う――雨に掻き消される。私が悪魔だから? だから、私が出て行くとこんな事になるの? 気分が悪い。岩場から降りると、草むらを歩き出した。嗚呼、この世界はなんて居心地が悪いの? そんな事を考えて、家路を歩く。ただ、誰にとは言わないが一つの事を全てに問いながら)
Why am I always made a twicer?(何故私がいつも悪者にされるの?)