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◇月光裏街 =Moon Light Under the City= PartⅠ◇(

40オーギュスタン ◆ixF5p6RZs2:2010/08/15(日) 04:45:05
>>29のチキンです、今晩は。>>39のエリス様、御返事を有り難う御座います。そしてトリップを紛失するという大失態を犯した挙げ句に空気を読んでいないような飛び入り参加ですみません、種族として人間の枠を越えてしまっていますが大丈夫でしょうか? 一度絡み文を投下させて頂きますね)

(小さな丸眼鏡の向こう、灰を被ったようにくすんだ瞳は何を見るのか。眦を下げたその眼は心なしか物悲しげに見える。何の特徴もない、言うなれば型にはまった黒い燕尾服を纏った男――紳士は燕尾を揺らして石造りの塀の上を革靴で難なく歩いていく。首に嵌められた金属の輪がそこまで多くもない光を反射しても、風が吹いて己の眼と同じ灰色の短髪を揺らしても、彼はぴたりと足を止めるようなことはしなかった。時折もう片方の手に持った黒いステッキでこつこつと石の塀を叩きながら、ただただ小脇に抱えた大きな紙袋をがさがさと鳴らすだけ。中肉中背という言葉が似合う体付きの紳士。その様は人間と大差ないどころか人間と全く同じだというのに、彼は「自分は他の人とは違うんだよ」とでも言いたいのか背中にあるそれを揺らす。否、羽ばたかせた。翼ではないから語弊があるのかもしれないが、男の背――丁度肩胛骨辺りからだろうか――からは青白い膜のようにも見える正に蝶々の羽根と表すのが的確なそれが生えている。その姿は悪魔や天使とは当然違う、本や幻想の中に存在するような妖精そのもの。メルヘンチックな世界に浮く小さな媚ととは全く違うその姿で、妖精は日の光を浴びることもなくこの街を人知れず歩んでいく。当然こんな日中に堂々と歩いていれば誰かしら気付きそうな物なのだが、彼はそれすら気にしない。かといって何か目立った行動を起こすこともなく、気紛れな散歩を娯楽として楽しむだけ。相変わらず灰の瞳は何処か遠くを見るような眼差しで彼は不意に足を止めればふわりと宙に浮き、塀から飛び降りれば傍にあったプランターの縁へと着地する。ふぅ、と一度息を吐けば彼は片手でくしゃりとオールバックにされた髪の毛を掻き上げ、プランターの縁に座るようにして腰を下ろした。紙袋だけでなくステッキもまた腕に引っかける用にして持ち、片手で頬杖を着く。塀の上を歩いていた時の物悲しげな様子などどこへやら。今度は楽しげな微笑を湛えた彼は時折ふわふわと手持ち無沙汰のように羽根を揺らし、暗い街中に視線を彷徨わせた)


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