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肥満化小説・肥満化絵投下スレッド その4

397547:2016/07/29(金) 22:49:42 ID:QAda1.dE0
二人が駆け付けた洞窟の入り口は、落ちてきた岩に塞がれていた。
その直径は10数メートルに及び、重さはどれ程になろうか――
僅かに隙間があるが、どうあがいても人は通れそうにない。
ただ、声だけが聞こえてきた。

「・・・誰か!誰か聞いてますか!?」
「孔明ちゃん!」
「孔明殿!大丈夫か?」
「私は大丈夫です・・・でも・・・」

孔明は黙り、その代わりにか弱いうめき声が聞こえてきた。

「誰か怪我をしてるのか!?様子はどうなんだ!」
「なるべく早く手当をしないと・・・
「だったら、この岩を・・・」
劉備は躊躇う事無く、再び水瓶に手を伸ばした。
「劉備殿、それ以上は駄目だ!」
華佗は、劉備の手から水瓶を取ろうとしたが、
傷ついた体では、今の劉備の力に及ぶはずも無かった。
「華佗さん、止めてくれてありがとうございます・・・でも・・・ごめんなさい!」
劉備は、水瓶の中身を、飲みほした。

「よい・・・っしょぉ!!」
それによって得られた力は、洞窟を塞ぐ大岩を取り除くに足る物だった。
そして、その力の代償は――

「そんな・・・!」
洞窟から出てこれた孔明たちが見たものは、
肉塊となり果てた劉備の姿だった。
当然の如く、服は引き裂かれ、肉に満ちたその姿は丸見えになっている。
その重さは、彼女が取り除いた大岩と同等であろうか。
大岩を動かすほどの力が付いた手足も、体の肉に遮られ、全く動かなくなっている。
ただ、その身動き出来ない巨体は、大地の様な安定感を醸しだしていて、
面影を残したまん丸い顔には、自分がこうなったにも関わらず孔明達を救えた事に安堵する笑みを浮かべていた。

左導師の于吉が近くの崖からその様を見ていた。
「黄巾の乱は奴らのせいで血と涙が流れる前に止められてしまったから、それで集まった感情で復活させても、やはり力不足だったか・・・次は、あの宦官辺りを使って、じわじわと負の感情を集めることにしましょうか」
于吉は、姿を消した。
「?」
その気配を感じた華佗はその方を見上げるも、やがて視線を下ろし、
頬を緩めた。

そこでは、義勇軍の皆が劉備の体を持ち上げて、全員で村に帰ろうとしていた。

(あの于吉がどんな術を手に入れようが、どんな策を用いようが、彼女達は負けない。
確かな覚悟と絆があるから――)
「さて、俺も頑張らないとな!」
華佗は傷ついた体を引きずりながら、去っていった。

おわり


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