したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

【オリスタ】ザ・マグネットは離れない【SS】

7名無しのスタンド使い:2019/05/25(土) 09:49:44 ID:ZM96fUzE0
民家の陰から、彼らを覗く人物が一人。赤い猫を擬人化したような
スタンドがそばに佇んでいる。

「くっ、始末し損ねた。不味いぞ……この吉良吉影の正体がバレてしまう。
 すぐにでもあいつらを爆殺しなくては」

(落ち着きなさい、吉良吉影。今爆殺しても仲間が探りに来るでしょう。
確かに我々の周りをうろつく子ネズミは駆除しなくっちゃあいけないけどね)

(彼らが話していた、調査書を作れるスタンド。それがあなたにとって
一番厄介なはずよ)

「……分かっている」

頭に響く声に諫められる男。彼の名前は吉良吉影。かつてこの杜王町で
連続殺人を起こしていた犯人である。

「奴らを尾行し、そのスタンド使いを始末する。その後、
 私の平穏を乱す輩を一人ずつ爆殺していく。私の……」

「『キラークイーン』でな」

「そこのお前」

「!!」

突如、民家をはさんだ向こう側から、声が響いた。
小鳥遊の声である。

「何してるんだ?そんなところでよォ。日向ぼっこか?んなわけねーよなァ」

足音が近づいてくる。此方の方へ、コツ、コツと。

(何だってッ!?)

「動くなよ。少しでも怪しい動きを見せたら『攻撃』する」

小鳥遊が裏に回り込み、見たのは……

「ひいいい、な、何ですかぁ〜。お、お金は持ってませんよ」

手鏡を持ち、尻餅をついた美少女だった。

「お前、何故こんなところにいる?」

「お、お化粧を整えてたんです。ほら……人に見られてやるのも恥ずかしいし、
 コンビニで整えようにも何も買わずに出るってなんか気まずいじゃあないですか。
 今お財布ないし……」

「財布がないのに化粧してどっかに行こうとしてたのか?」

「さ、散歩ですよ。この辺りはいい散歩スポットなんです。でも散歩だからって
 スッピンでお外なんて歩けないから」

彼女の言い分を吟味した後、納得したような表情を見せる小鳥遊。
やがてにっこりと笑い、怖がらせたことを謝り、彼女に背を向けた。

(危なかった。こいつに勝つことはそう難しいことではないが……
 奴らに悟られてしまう)

次の瞬間、角ばった人型、テイク・ミー・ハイヤーの拳が繰り出された。

(何だとッ!?)

しかし、その拳は顔に直撃する前に寸でのところで止まった。
小鳥遊は何事もなかったかのようにそのまま立ち去る。

(小鳥遊……とか言ったか。これほどまでに勘の鋭い奴がいるとは。
 私も、これまで以上に慎重にならなくては)


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板