したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

【オリスタ】ザ・マグネットは離れない【SS】

1名無しのスタンド使い:2019/05/20(月) 19:27:08 ID:N60kCRL60
M県S市杜王町。特産品は牛タンのみそ漬け。町の花はフクジュソウ。
この町の別荘地帯で、太陽と共に彼女は目覚めた。

「ンッン〜〜実にスガスガしい気分ね。
歌でも一つ歌いたいような気分!」

彼女は朝食の皿の上に、グチャッとした肉塊を盛りつけた。
少し胡椒で味付けした後、ほんのり香る血の臭いを堪能した。

「これが、吉良吉影の脳……」

彼女は、美味そうにその肉塊を頬張った。

※注意
・定期的な更新?そんなものあるわけないじゃあないですか。
 ファンタジーやメルヘンじゃあないんだから
・ジョジョらしさなど、このSSに求めるだけ無駄ァ!
・このSSに構成力を求めろと小学校で教えているのか?

この上記が依然問題なし、という方だけお読みください

2名無しのスタンド使い:2019/05/20(月) 19:28:25 ID:N60kCRL60
雲間から顔を出す太陽が、ジョルジョ・ルーナの銀髪を
輝かせる。

「ここが、杜王町か……」

そう、この平凡なベッドタウンを見渡した。イタリアの
ヴェネツィアから遥々日本にやってきたのだ。

「ルナ、気を付けて行ってくるのよ」

「はーい、母さん」

天使のような微笑みを湛え、彼は走り出した。
言葉で困らないように3か月も前から勉強し、日本の文化やマナーを
学んできた。

(友達できるかな)

などという希望を持って。

「ああ!?テメエふざけてんのかッ!」

飛び込んできたのは、酷く乱暴なチンピラの声だった。
見てみると、一人の少年が、複数人のチンピラに囲まれていた。

ジョルジョは、少し嫌な顔をするだけで、関ろうとは思わなかった。
そういった、無駄な正義感を持つ奴がどうなるか知っているからだ。

「ええ?何ですってェ〜?全然聞こえねえなァ」

その少年は耳に手を当て、おどけて見せた。

「このクソガキがッ!」

チンピラの一人が、その煽りに乗り拳を振り下ろす。
その時、一瞬だけ、彼の肩に雛鳥が乗っているように
GIOGIOには見えた。

「う、おおお」

突如、腕を振り上げたチンピラが、目を押さえて苦しみだした。

「お、おい、どうしたんだよ」

「テメー、何しやがった!」

チンピラの眼は、どんどん肥大化して……いや違うッ!
大きくなっているんじゃあない、出てきているッ!
ビリヤードで突かれたボールみたいに、何かに押し出されているッ!

「う、うわあああああああああああああああ!!!」

眼が、眼球が、ポロリと転がる。代わりだとでもいうのか、
ビー玉大の鉄球が彼の眼窩にすっぽりと嵌った。

「いい義眼だろ、大事にしろよ」

(僕以外にもいた……この『能力』を持つ人間!)

第一話 浄城・希が来た

3名無しのスタンド使い:2019/05/22(水) 21:41:33 ID:NQBzn8CE0
浄城・希は、走っていた。いつもは遅れてくる彼だが、
今日こそはと心を入れ替え学校へと歩を進めているところで
絡まれたのだ。

「待ちやがれ……テメェ」

呼び止められた。聞き覚えのある声で。この粗暴な声は……

「ああ?さっきのチンピラか。何だっていうんだよ」

「人の眼を潰しておいてよォ、逃げられると思ってんのかァ!?
 『Undead reaver』ーーーッ!」   

突如、 彼のすぐ近くから骸骨が現れた。ボロボロの黒い
布を申し訳程度にまとった、人とは思えないモノ。
それが、人ひとりほどある棺桶を背負っている。

「何ィ!?」

「テメ―もスタンド使いなら、見えてるんだろ?」

『シャア!』

それは、腕を振るい希の横っ面を殴りぬけた。

「ぶげええええ!?」

きりもみ回転しながら6mほど吹っ飛ばされた。ジンジンと熱を持った
痛みが脳に突き刺さる。

「出せよ。テメ―の、チンケなスタンドをよォーッ!」

「……」

希の肩に、現れた。両翼がU字磁石となっている雛鳥が、
ちょこんと乗っかっている。

『チュミミ〜ン』

「は?」

チンピラは、一瞬戸惑った顔を見せるが、一転。
下品な笑い声をあげた。

「ぷふぅ、ヒャッハッハッハッハッハ!!マジにチンケじゃあねえか。
 ええェ〜?」

「俺は、さっきまでお前のことはどうでもいいと思っていたが……
 スタンド使いなら話が別だ。ぶっ飛ばさせてもらうぜ」

4名無しのスタンド使い:2019/05/23(木) 22:51:49 ID:68QhRHu60
「ぶっ飛ばす?そのちっこいのでかァ?」

「言ってろ。『ザ・マグネット』」

『チュミミ〜ン』と希に応えるように鳴き、その磁石の羽をパタつかせる。

「ん?」

片目で見ずらいが、足元にメスが落ちている。テレビドラマなんかでよく見る
人を治療するときに使う刃物である。

(何故、こんなところにメスが……)

そのメスが、物凄い勢いで、足に突き刺さったッ!

「う、ぐおおおお!い、痛えッ!」

メスは足に刺さったことなど気にもせず、どんどんどんどんめり込みつづける。

「メスってのはよ。ブラックジャックでも描かれてるが、すげーよく切れるんだぜ。
包丁なんかよりすっぱりとよォーッ!!」

「あ、『Undead reaver』!!」

Undead reaverは喰い込むメスを足から引き剥がし、希に向かって
投げつけた。……が!

不自然な軌道を描きながら、希を避け、チンピラの真後ろの駐車している
車に突き刺さった。

「なっ、何だあの軌道!不自然だッ!」

「俺、˝ぶっ飛ばす˝って言ったが訂正するよ。˝暗殺˝っていう方が近かった。
 テメ―のスタンドが近寄れない間合いから、始末させてもらう」

彼は、ポケットに手を突っ込むと何かを一握り取り出した。
釘だ。釘を手に持っている。それが、浮いたッ!
希もそれに引きずられるように体が浮いているッ!

2m上昇……3m上昇ッ!体は浮きながら移動している。

(あの野郎、まさか鉄を操ることができるのか。俺の眼を抉りぬいたのも、
 体内の鉄分をくっつけ、球状にして眼の奥に集め押し出させたッ!)

(メスもここら一帯の地面の中のほんのちょっぴりの鉄を掻き集めて
 作ったのか。サバな真似しやがるぜッ!)

「俺は最近このチカラを手に入れたが、奴は違う!これほどまでに
 手慣れてるってことは、かなり前からスタンドは発言していたと予想が付くぜ!」

「ということは、他のスタンド使いの知り合いがいても全くおかしくない。
 スタンド使いは引かれ合うっていうしよォー。だからッ!」

Undead reaverは、背中に付いている棺桶を開けた。

「テメ―は絶対逃がさねー!取り出せッ!『Undead reaver』ーーッ!!」



「もう既に……出来上がっているんだぜ。チンピラ」

彼は、自分の耳に聞こえてくる声に対し呟いた。

「テメ―はやはり、誰かに最近スタンド使いにされたな。そして、
 スタンドが何たるかを教わった。俺はそいつを聞き出さなければいけない。
 家族のために……復讐のために!」

動けなくしてから、ゆっくりと聞き出すのが彼のいつもの尋問スタイルである。
圧倒的安全圏から敵を嬲る。情け容赦など、復讐を誓った五年前から
とっくに燃えるゴミで出してしまった。

「足は潰した。もうまともに歩けない。目も奪った(偶然だが)。死角が大きくなった。
 抵抗する力も削ぎつつある。ビジョンからして近距離パワー型だ。
 もうとっくに射程外ッ!負ける要素はないッ!」

飛んでいるとき、ふと、マンションの窓に目をやった。
窓には部屋の中と自分が映って見える。

顔に違和感があった。朝、顔を洗う時に見た顔と若干違っていた。

「顔に……手形?いつ?」

痛みが走った。何かに掴まれたような感触と共に、恐ろしい力で、
引っ張り上げられたッ!

「捕らえたぜーーーッ!!」

「な、何ィィーーーッ!?」

希は、棺桶の中から、チンピラのスタンドによって引き上げられのだ。

5名無しのスタンド使い:2019/05/25(土) 08:40:25 ID:ZM96fUzE0
Undead reaverは、引きずり込んだ希の首を圧し折らんばかりに締め上げる。
あまりの力の強さに、血反吐を吐き、成す術なく持ち上げられていく。

「ゴボッ……放しやがれ……畜生!」

「放せと言われて誰が放すかよ。このバカがッ!あとはテメーの目を
 抉り飛ばせば良いんだよなァ」

乾いたアスファルトの地面に水滴が零れ落ちた。希の涙である。

「やめてくれよぉ、そんなことしたら痛いじゃんかよぉ。
 お前の目なら直せる奴がいるからさぁ」

「じゃあテメーが怪我しても全く問題はねーわけだなッ!?」

「ひ、ぃいいいい」

「喰らわせろッ!『Undead reaver』ーーッ!」

チンピラの命令を理解したUndead reaverは、
白い拳を握りしめ、希の顔に、目にッ!確実に抉り取るような
鋭い一撃を叩き込もうとしていたッ!

「そ、そんなことしたら……」 

血が流れた。拳によって抉られたからではない。
それよりも先に、希の顔の皮膚を突き破って剃刀が出てきたからだ。

「俺がプッツンしちまうだろうがァーッ!!」

「何ィ―ッ!?」

剃刀は鈍い光を放ち、引き寄せられるようにチンピラの顔に向かっていく。

「テメーの後ろには引き寄せる鉄分は腐るほどあるんだ。顔面が
 スライスチーズになりたくなきゃあよォ、ガードするんだな!」

「は、弾き落とせ!『Undead reaver』ッ!」

言われるよりも素早く精神でつながっているスタンドは行動を起こしたが、
それでも遅かったのだ。

片手は首を絞めたまま、もう片手も殴る寸前だったのでほんの
ほんの数枚しか弾くことは敵わなかった。

残った十数枚は、回転がかかったまま顔面を抉りぬくッ!

「うおおおおおあああああああッ!!!」

あまりの激痛に顔を伏せてしまう。スタンドが出せない。集中しなくては……

しかし、同じく顔面を酷く損傷した希はどこ吹く風、といったところである。

「この手形、もう役に立たねえだろ。こんだけボロボロになりゃあよォ。
 これでもうお前は俺を『取り出せ』ない」

「ぐ、うううう」

チンピラの頭を、右足で踏みつける。希のもとより強い脚力と、
地面のちょっとした突起が傷口に入り、痛みが倍増する。

「お前には悪いと思ってるんだ。ホントだぜ。俺の身勝手な復讐心のために
 お前は地面に這いつくばっているわけだからな」

「しかし、吐いてもらうぜ。お前をスタンド使いにした男を。
 俺の家族を殺した野郎をよォッ!」

「うううげえええ」

 足に力をさらに込められる。チンピラは、激痛と同時に恐怖も覚えていた。
スタンドという超能力を手に入れた時、制約を言い渡された。

我々の要求は拒まないということ。そしてもう一つは、我々の存在を他人に
漏らさないこと。そのどちらかが破られれば、始末される。

見せしめとして、自らの母親が目の前で、あの骸骨の手で
串刺しにされ殺された。

「俺は……絶対に……」

「話さなくてもいいぜ。そんなの関係ねーからな。アリスに
 調査書を作ってもらえばいい。まぁ喋ってくれた方がありがたいがな。
 アイツまであまり巻き込みたくないし」

「え?」

カチッという音が、耳の底で聞こえた。自らの身体が光り輝いていくのがわかる。
熱い……どんどん膨張していく自分の身体が、抉られた比ではないほどに

「なな、何だ?」

希も異常なことに気が付いたのか、すぐに足を離す。

「た、助け……」






「キラークイーン、第一の爆弾。点火ッ!」

6名無しのスタンド使い:2019/05/25(土) 08:56:31 ID:ZM96fUzE0
派手な爆発音とともに、チンピラは熱と光を放射しながら雲散霧消に……

「『テイク・ミー・ハイヤー』ーッ!」

『ウオオオオオオオオ!!』

消え去る前に、やたら角ばった人型の連撃が体中に叩き込まれる。
消えそうになるが、綺麗に治ったチンピラの身体が地面に落ちた。

「おせえぞ、小鳥遊」

「当たり前だろ。ホームルームの途中で呼び出しやがって」

小鳥遊と呼ばれた少年のすぐ横で、ザ・マグネットが『チュミミ〜ン』
と鳴いた。

このスタンドは、引きずり込まれる前、車の影に身を隠し
敵の動向を確認していたほか、遠くに飛ばし仲間を呼びに行っていたのだ。

明智探偵のサポートをする小林少年のように、密かに活躍していたのだ。
ちょこちょこと歩き、希が差し出した手の上に乗る。

それから多々バランスを崩しながら肩まで登っていく。

「よし、後はこいつを有栖のところまで引っ張って行きゃあいい訳だな」

「おいおい、俺達みたいな毎朝寝坊してくるような奴ならいざ知らず、
 有栖まで巻き込むのかよ」

「そんなことは分かって……」

その言葉を聞き、少し考える希。そうだ、俺は何か忘れている。
何だ?……ハッ!

「しまったァーーーッ!小鳥遊、そいつ適当に手足つなげて転がしてろ!
 俺学校に行ってくるから」

「は?」

「いいから頼んだぞ!」

そう言って学校に走っていく希であった。

第一話 浄城・希が来た……END


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板